建設委員会 第18号
- 発言数
- 205 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/06/06
会議録
○服部委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 建設行政の基本施策に関する件調査のため、本日、日本住宅公団から総裁南部哲也君及び理事川口京村君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○服部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人からの御意見は質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。 ――――◇―――――
○服部委員長 次に、建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上普方君。
○井上(普)委員 建設行政の基本施策に関しまして、先般来非常な問題になりました公団、公営住宅の払い下げにつきまして、私ども委員会で論争があったことは御承知のとおりであります。もっとも、この火つけ役をなしたといいますものは総理の指示にあったということで、その際私どもは、委員会といたしましては総理の当委員会への出席を強く要求し、その真意をただすと同時に、住宅政策の基本について総理と論戦をかわすべく予定いたしておったのであります。その後、委員長並びに金丸大臣から、総理の出席について強く総理に要請されたと承っておるし、われわれは要求したところでありますが、その後の経過について御説明を承りたいと存じます。
○金丸国務大臣 五月三十日の衆議院建設委員会における各委員の発言の御趣旨は総理大臣に十分お伝えいたしました。その際、公営、公団住宅の払い下げに関する五月二十五日の物価対策閣僚協議会における総理大臣の指示の真意は次のようなものであることを確認いたしましたので、御報告をいたします。 「私はかねてから、公営及び公団賃貸住宅について、入居者に払い下げられるものがあれば払い下げるべきではないかと考えていたところ、五月二十五日の物価対策閣僚協議会において、物価問題の討議に関連して、いまの国民一般の不満はマイホームがなかなか手に入らないことに起因しているのではないかとの意見が出され、住宅政策の推進について意見の交換が行なわれた。その際、払い下げについての検討を指示したものであり、たまたま物価対策閣僚協議会の席上でもあったので、資金の吸収にも役立つ面もあるのではないかとの意見もつけ加えたものである。なお、本件については、建設大臣においてかねて検討中の問題でもあり、その実施は建設大臣にまかせることとしている。」 以上が、総理大臣の真意を私が確認したところであります。 なお、建設大臣としての私の本問題に対する今後の態度といたしましては、当委員会における各委員の御意見を十分に尊重し、かつ世論の動向をも参酌して、慎重に対処したいと考えております。
○井上(普)委員 私は、物価対策閣僚協議会で指示する、しかも先般の委員会におきまして、物価対策の一環で公営住宅を払い下げるなんということはおよそナンセンスであると思うのであります。このことにつきましては、その後の経過といたしまして追及はいたしませんけれども、ただいま建設大臣の御発言によりますと、第一点は、払い下げられるものがあれば払い下げるように検討しろということを指示された、これが第一点のようであります。第二点といたしましては、各委員の意見を十分に参酌するということ。第三点としては、世論の動向、これを参考にしつつ慎重に対処したい。この三つのお話のようであります。 そこで私はまず第一番に、いままでの住宅政策の根幹をなすものは、何をいいましても公営住宅、あるいは住宅公団で賃貸住宅あるいは分譲住宅をやることにあったと思います。そういう国の政策がきまっておるにもかかわらず思いつきや気ままにやられたんでは困る。しかも国会が開会中であり、住宅問題について十分論議がなされておる最中にはその問題は出されずに、ただ単に思いつきなんかでやられて、それが行政当局に反映するというのは、議会制民主主義それ自体も否定する行動であるといわなければならないと思います。これが第一点であります。この点につきまして、大臣はこの委員会における論議を十分に参酌されるということをいま表明されましたのでこの点は了といたしますけれども、本日の新聞を拝見いたしますと、参議院におきまして昨日金丸大臣が御意見を表明されておるようであります。それによりますと、あなたの任期中には払い下げをしないということを言われておる。この点についてどうも私どもは納得しがたい点があるのであります。と申しまするのは、このごろの大臣というのは放言とか何とかが多過ぎて、じきおやめになるような大臣も多いようであります。また、この前も私は追及いたしたのでありますが、金丸大臣の前の木村建設大臣のごときは、朝言ったことと夕方言ったこととことばが違うというようなことも再三あった。私はこの委員会においてその点は追及した覚えがございますが、しかしそれはともかくといたしまして、やはり確固としたルールというものをつくっていただかなければ、この住宅問題の根幹に触れる問題を審議するわけにいかぬと思うのであります。したがいまして、一体住宅政策を樹立するにはどういう手続をとってやっておるのか、あるいはまたこの委員会の意見というものをどのように事務的に吸い上げながらやっておられるのか、この点ひとつお伺いいたしたいと思うのであります。
○金丸国務大臣 この問題について非常に御心配をかけましたことを深くおわびを申し上げるわけでございますが、この問題につきましては、物価対策閣僚協議会において総理の指示があったということを、記者諸君にありのままを話をしたわけでございます。そのときに私は、あくまでも慎重に対処して、建設省の幹部と相談の上でやりたいということだけは申し添えてあるわけでございます。たまたま、私の意に反しまして新聞は非常に大きく取り扱ったために非常に反響が大きく響いたということもあったと思うのですが、私は最初からあくまで慎重に対処するということにおいては方針は変わっておらなかった。そういうことでございますが、どちらにいたしましても、きょうの新聞にも、参議院で金丸信の発言が変質しておるという向きの面もある、あるいはえらい後退したという面もありますが、私は後退したということでなくて、私はあくまでも最初から慎重に対処するということは建設省の幹部に指示をいたしたわけでありまして、それを右から左に私が在任中にやるとかあるいはやらないとか、そういう問題を私は日を切っているわけではありません。あくまでも慎重に対処して善処してまいります、こう言っておるわけであります。なお、国会の委員会というものは国民の声のあるところでございますから、こうやるというときはこの委員会に当然その見解を申し上げて御理解を得たい、これまで考えておるわけでございます。
○井上(普)委員 私はこの前の委員会の様子と実は違っておるという感を深くするのであります。と申しますのは、大臣は慎重に対処されるとおっしゃいましたけれども、先般の事務当局の御発言によりますと、非常に慎重さを欠いておったと私は思います。たとえていうならば、いままで建設省の方針としてはバラ売りはやらないということを言っておった。試験的に三団地の払い下げをやる予定ではあるということは去年聞いた。しかしその際にも、バラ売りというものは極力やりませんということをいままで再三にわたって言明されてきたところであります。ところが先般の委員会におきましては、バラ売りをも認めるんだというのをともかく事務当局はおっしゃっておる。あるいは公団総裁もそのような意向のあることを表明せられておる。これはまさに大臣の慎重さとうらはらである。違うのであります。どうなんです。大臣は慎重にやられるというのであります。バラ売り、これは去年の国会におきましても再三にわたってこの点について審議が行なわれました際には、それは将来の管理上にも問題がある、したがいましてバラ売りなんということは絶対やりませんというようなことを事務当局は言われておったのであります。突如として変わってきた。この点、一体どうなんです。
○沢田政府委員 私ども、公団の分譲につきましては、従来から試験的にということを計画してございました。その際には、おっしゃるように管理上の問題から一棟単位という条件も考えておりました。ただ、今回の問題、あるいはそれより少し前の時点から、要するに私どもの考え方は、この問題は、その場で、所得が上がって家のほしい人に御希望に沿えるにようにするやり方をやってみたらどうか、こういう感じがございますので、一棟単位でございますとその御希望に沿える範囲というのがきわめて狭くなるかもしれない。そこで、この試験に際しましてはバラ売りということでやってみて、それにつきまして結果を十分検討してみたい、かような態度になったわけでございます。
○井上(普)委員 それであれば私は違うと思うのです。この前の、去年までの態度といまの態度とは全く違っておると思います。大臣の、慎重にとおっしゃる態度、並びに各委員の御意見を参酌し、世論の動向を重視して対処するとおっしゃるのと、いまの局長の態度とは全く違ってきておると思うのです。大臣、いかがでございます。
○金丸国務大臣 三団地の試験的なことの問題につきましても、住宅局あるいは公団等でいろいろこれを研究いたしておる最中でありまして、まだ煮詰まっておるわけではございません。そういう問題につきましても、バラ売りも可であるかどうかという問題につきましても十分に検討しなくちゃならぬし、管理上の問題もありますし、またその他及ぼす影響というような問題も考えて、十分にその問題を私は慎重に対処していきたい。これはこれからの結果の問題でありますから、今後の問題として対処していきたい、こう思っております。
○井上(普)委員 バラ売りの問題につきましては大臣の慎重なる態度を私は強く要求いたします。と同時に、バラ売りによってともかく団地それ自体の意味を失ってくるおそれもなきにしもあらずと思います。慎重にやっていただきたいということを強く要求いたしておきたいと思います。 それから、いまの局長の御発言の中に、住宅問題の根幹に触れるような問題をおっしゃった。すなわち、入居者がその場において、所得が上がったならば与えてもいいのじゃないかというような話がございました。まことに私はこれは重大な問題だと思う。すなわち、公団住宅でありますならば最初から、建てるときにもう分譲する住宅と賃貸住宅とを分けておるのであります。したがいまして、賃貸住宅として建てられたものはあくまでも賃貸として守っていくというのがいままでの賃貸住宅の政策の根幹でなければならない。ところが、所得が上がったらその場で与えるというのでありましたならば、いままでの方針と私は変わってきておると思う。ここにまた日本住宅公団の存在それ自体が疑われてくることになってくると私は思う。あくまでも、賃貸住宅として公団が建てたものは守るのだという基本原則、これは守っていただかなければならないと思うのであります。住宅局長のお話によりますところの、所得が上がって、そこに住んでおる者に与える、分譲するのだという考え方は新しく導入せられた考え方なんです。ここらあたりは大臣どうなんです。
○金丸国務大臣 バラ売り問題等につきましても私は慎重に対処してまいるということでございますから、局長がいろいろ見解を述べておるわけでございますが、局長の見解はさておいて、私の見解はあくまでも慎重に対処してやるということで御理解をいただきます。
○井上(普)委員 ただいまのような考え方、住宅局長の考え方は私は事務当局から初めて聞くのであります。それであるならば、公団住宅に入れなかった者と入った者との間の格差があまりにも開き過ぎる。いま国民は何を求めておるか。公営の賃貸住宅の大量建設を望んでおる。しかもそれが不足であるために住宅問題というのが大きくクローズアップされておる。この問題について、所得が上がったら入居者に渡すのだという考え方を事務当局が持たれる限り、この公営、公団住宅の払い下げ問題はあとあとまでも尾を引くと私は思うのです。従来の建設省の事務当局の考え方としてはそういう考え方ではなかった。ここに私は大きな問題があると思うのです。まさに住宅政策の根幹に触れる問題であると思います。これは慎重にやっていただかなければならぬと同時に、当委員会の意向というものもこれを参酌する、すなわち国民の声というものを参酌しなければならないと思います。この委員会の意向というものを十分に尊重して住宅政策に対処していただけるお約束がいただけますか、どうですか。
○金丸国務大臣 世論の動向というもの、その上で一番大事なことは国会の先生方の御意見がまずまっ先であろうと私は考えております。そういう意味で慎重に対処してまいります。
○井上(普)委員 公団の住宅につきましては、後ほど福岡委員のほうからこの点についてさらに掘り下げた質問があろうかと思います。私は公営住宅の先般の質疑の間に出された問題についてお伺いいたしたいと思います。 公営住宅を払い下げるのは、これは税金が入っておることでもあるし、払い下げをするわけにはまいらない。これは当然の原則であります。先般もこのようなお話がございました。しかし、建てかえするのに非常に困るので、入居者用、ともかくいままで入っておる人たちのアパートをつくってこれを分譲し、隣に新しい公爵住宅をつくって新しい入居者を募集するのだというような方針を承ったのであります。これは私はどうも筋が違うと思います。先般も私は申したのでありますが、公有地を拡大しなければならないというのは各政党とも、自民党であれ社会党であれ、共産、公明、民社の各党とも、公有地を拡大しなければならない、そして少なくとも、たくさんの住宅に困っておる方々のために住宅をつくらなければならないというのがいま政治に与えられた課題でもあるし、そのために公有地を拡大しようというのが各党一致した考え方でありますが、その中に分譲マンションをつくってやるというのはあまりにも知恵がなさ過ぎる方法ではないか。これは何のためだというと、いままで入っておる人たちが新しい住宅をつくるのを拒否するがためであると言っておられました。私はここに問題が一つあると思うのです。それはいままでの国の、建設省の住宅政策に対する考え方が動揺しておったからだと思うのです。たとえていうならば、公営住宅をともかく払い下げようかと言ってみたり、選挙の際には、ともかく選挙民のごきげん取りのために基本に触れるようなことを公約する人たちがおる、そこに問題があったと思うのです。公営住宅に入っておってもやがて払い下げられるであろうというような、ともかく淡い期待を持たせたところに、なかなか新しい公営住宅を建てかえるということができない理由の一つがあると思うのです。でありますから、き然とした態度をとっていただかなければならぬ。そして公営住宅の建てかえができないというのであればそれ相応の処置をこの委員会に出したらどうでございますか。それもやらずに、建てかえが不自由なんだから、公営住宅のその土地に分譲マンションを建てて、そこへ既設の住宅に入っている人たちを入れる、そして新しいものを建てるのだなんという考え方が非常に小手先細工の仕事であるといわざるを得ないと思うのであります。この公営住宅の問題についてもどう考えておられるか、大臣の御答弁を承りたいと思います。
○沢田政府委員 今回の公営住宅の問題につきまして私どもの考えましたことの筋は先生のおっしゃるとおりでございます。これは私どもも、本来であれば公営住宅法の示すところによりまして、やはり大都市あるいはそういうところの木造のようなものは建てかえる、こういうふうな制度になってございますから、それをいままではやってきたわけでございます。ところが、これから先は実情の話になりまして、小手先とおっしゃられるわけでございますが、実際に東京都が一番の問題でございまして、東京都あたりが全体の一万九千戸の計画戸数の一割程度しか発注ができない。この中にはやはりいままで進んできておりましたこの建てかえというものがとまったということも一つの原因でございます。そのほか、東京都につきましてはこの落ち込みを何とか回復しようという各般の手をもちろん打ってはございます。これはあらゆる手だてを講じまして、この一万九千戸なり何なり、できるだけの数の供給をして、都民の低所得者の住宅難というものを解決しなければいけない、かようなことでございまして、そこで私どもはそれを促進するために、そういう法律のたてまえは承知でございますけれども、ここにほかの資金を使ってこれを進める手だてを運用として講じたらいかがか、かようなせっぱ詰まった気持ちでこういう案を実は考え出した次第でございます。
○井上(普)委員 私はそれを小手先というのだと思うのです。公営住宅というものの建てかえがなかなかできない現状というものは、先ほども申しましたように、ともかく入居者に対して淡い希望を与えてきたいままでの姿勢に問題があるのだと思います。それはそれといたしまして、ともかく公営住宅は新しくたくさんの入居希望者があるのですから、その人たちを大量に入れるというので建てかえを促進することに御協力するのに私どもは何らやぶさかでない。でありますから、当局としてはこれをいかにしてともかく大量に建てかえすることができるかという方策を考えたらどうです。あなた方はやられたといいますけれども、私どもにはその努力のあとはわからない。そのために公有地の中に分譲マンションをつくるなんという変則的なことを行なおう、小手先をやろうとすることに私は問題があると思うのです。大臣の御決意のほどを承りたい。
○金丸国務大臣 先生の御指摘の点も十分わかります。なお、住宅政策はいかにあるべきかということについての答申も求めております。そういうことでございますから、そういう上に立って慎重にひとつ検討して万全を期してまいりたい、こう考えております。
○井上(普)委員 先般来事務当局の御答弁を聞いておりましても、そのときの権力者の意向にともかくいかに沿うかというように、従来の御意見、これを軽々しく変えた態度が見受けられて残念でならないのであります、事務的に見ましても。こういう点はひとつ慎重に、あらゆる方面の意見を参酌してやられることを強く要求するとともに、公営住宅の建てかえの促進のためにさらに懸命の努力を払われ、私どもも御協力するのにやぶさかでないということを表明いたしておきます。ともかく小手先の住宅政策というものをやめていただいて、一部の人気取りのような政策はやめていただいて、ともかくいま困っておる国民のこの住宅事情をいかにして解決するか、大乗的な立場から果敢なる政策を展開せられんことを強く要求いたしまして、私の質問は終わります。
○服部委員長 福岡義登君。
○福岡委員 住宅問題について若干の御質問をするわけですが、その前に苦言を呈しておきたいと思う。 その一つは、先般の質問でも申し上げたことなんですが、当委員会におきまして住宅政策全般について審議をしたわけであります。少なくとも昭和四十八年度は、審議をしたああいう経過に基づいて住宅政策が遂行されるというように私どもは認識をしておりました。その後突如として、幾ら総理大臣とはいえ、当委員会等の審議とは別の方向の問題提起をする、それを所管大臣に指示をする、そういう政治の姿勢のあり方について残念でたまらない。将来のこともありますので苦言を呈したいと思うのであります。 それから第二の問題は、総理が当委員会に出席をしないことについてであります。政治家は政治に対する責任を持たなければいけない。特に、みずからが問題を提起したことについては進んで当委員会に出席をして、各議員の質問に答えるべきであるし、所信を披瀝するべきであると思うのであります。内容が先ほど建設大臣によってただされまして、将来の方針についても一定の方向が出されましたので、内容そのものについては別といたしましても、当委員会の野党四党こぞって総理の出席を求めたのに対し、総理大臣が、諸般の事情があるとはいいながらも、出席の日時を適当に変更することはあり得ても、委員会に出席をしないというこの政治姿勢についてはきびしく糾弾をされなければならぬと思う。 それからもう一つの苦言は、きょうの新聞であります。新聞記事がそのまま正確であるかどうかというのは知る由もございませんが、当委員会でこの問題を取り上げまして、言うならば継続的な課題になっておったわけであります。当初この委員会で建設大臣が述べられました問題のその内容と、きのう参議院で述べられました内容が相当変わっておる。しかしその内容は私どもの求める方向に変わっておるのですから、そのことについてとやかくは言えないのですけれども、将来の委員会の運営のあり方について一考をわずらわしたい。 以上、申し上げたくないことではありましたが、将来のためにと思いまして、二、三苦言を呈した次第であります。 続いて、私はこの際、法律の立法精神あるいは法解釈について明らかにしておきたいと思うのであります。 まず公営住宅法についてでありますが、この公営住宅法の原則は、賃貸住宅を建設し、住宅問題を解決するというのがこの立法の精神であるし、法の解釈である、こう思います。ただし特例がありまして、災害その他によって処分することが適当である、そういう場合には一定の条件を付して処分をすることができる、つまり払い下げをすることもできる。これは法の二十四条並びに施行令の七条に規定をされておるわけであります。しかもそれは事業主体、つまり市町村長が県を通じまして建設大臣の承認を求めるという手続が規定されておる。したがって、公害住宅法に関する限り、これは賃貸をやっていくものである。住宅の譲渡、分譲というようなものはこの公営住宅法には一切規定されていない。このように当時の立法の精神なり各条文が規定をしておると思うのですが、そのように確認して間違いありませんか。
○沢田政府委員 そのとおりでございます。
○福岡委員 そうすると、将来にわたりまして公営賃貸住宅というものは特別の事情のない限り払い下げがない、そのとおりにやっていただきたいと思うのであります。 ただ、先ほど井上委員も指摘しておりました小手先細工といいますか、分譲と賃貸と並列的に建設をして、一つの建物の中で分譲部分と賃貸部分に分けられるというような考え方を持っておられる、小手先細工ということを指摘したのですが、これは適当でない。分譲というものについては、公団なりあるいは日本勤労者住宅協会などがやっておる分譲政策というものがあるだろうと思うのです。そういうことは原則的にやるべきでない。先般も私の質問に答えられましたように、建てかえるときに、数字まで例示されたのですが、三百戸建てれば、そのうちの百戸部分は現に入居しておる者で希望者があれば分譲する分として建設する。もちろん資金は違う。あと二百が賃貸住宅で公営住宅として建設をする。こういうやり方を考えられておるようでありますが、私もこれは小手先細工であると思う。なぜ現在の住宅問題が解決をしないかというと、土地政策と関連公共施設ですね、この問題が解決されないから、東京都の場合、お話があったように一割程度しか公営住宅が建設できない。そこのところの解決をするべきであって、原則的に、局長が言っておるようなことはやるべきでない、こう思うが、どうですか。
○沢田政府委員 私どもが考えておりますこと、もちろん大臣が申しましたように慎重に対処するということでございますので、考えました時点での考え方を申し上げますと、おっしゃられますように、なかなか管理上もむずかしいので同じむねにはならないと思いますので、別むねに分けて建てる。建てますのは、おそらく、その建てかえ事業をやるのがいままでの大家でございます地方公共団体でございますので、地方公共団体の単独事業になると思います。ただ、それを買います資金とかそういうふうなもの、それは公庫の資金とかあるいは現在地方公共団体がやっております住宅融資資金、こういうものを極力活用していく、かようなかっこうを実は考えておった次第でございます。でございますから、公団とか公社とかいうものと別の体系のものをまた新たに考える、かようなことを考えておりました。 それから、基本的に土地政策なり関連公共なりの問題じゃないか、まさにそのとおりだと思います。ただ私どもは、この土地政策に関しましても、土地供給に関しましても、基本的にいろいろな制度を計画局、都市局、私どものほうと、建設省あげて現在準備中でございます。関連公共につきましても、もちろん予算的にも四十八年度にはいろいろやりましたし、あるいは建設省全体として、団地をつくるところには集中して、そこへあらゆる関連公共の補助金を集中していこう、こういうことも内部的にどんどんやっております。しかし、それをやっておりましても、きいてくるのが、ことに土地供給策というものは時間がかかるというふうに思います。そこで私どもは実はこの四十八年なり四十九年なりをどうやってしのごうか、こういうことが非常に問題なわけでございまして、実際に東京都が二千戸しか発注できない、来年はどうなるんだと考えますと、状況がこのままでいっては何ら好転しない、その間にいろいろな仕組みを考えておりましても現実には土地がなかなか出てこないというふうなことがございますので、いままでわれわれが利用できておりました、あるいは利用できます手法、こういうものをもう一回考え直して、少しでもこれを足しにして公営住宅の戸数の増加、四十八年の戸数の増加、四十九年の増加、こういうもののつなぎにしたい、かような考え方でこういう計画を考えたわけでございます。
○福岡委員 具体的な政策についてはまた触れることがあると思うのです。 続いて、日本住宅公団法の立法の精神なり法解釈について明らかにしておきたいと思うのですが、日本住宅公団法の業務の範囲、御承知のように賃貸と分譲という二つの業務が規定されておるわけです。四十八年度も、あるいは今日まで各年度におきまして、それぞれ賃貸住宅を公団が幾ら建てる、分譲住宅を何戸建設するというように事業計画も区分してこられた。このことは、賃貸は賃貸としての一定の役割りを持っておるのだから、そういう賃貸住宅を進めていこう、持ち家政策の一環として分譲もやっていこうという、二つのことが規定されたと思うのですね。したがって、今度問題になりました公団の賃貸住宅を分譲するということは、厳密な意味の立法の精神からいえば法違反である、違法性がある、こういうように私どもは解釈しておるのですが、どうですか。
○沢田政府委員 公団法の一条におきましては、「住宅の不足の著しい地域において、住宅に困窮する勤労者のために耐火性能を有する構造の集団住宅及び宅地の大規模な供給を行うとともに、」云々と書いてありまして、そういうことによりまして「福祉の増進に寄与する」こういうことでございます。これは公営住宅法と違うところで、住宅を供給することにより、こういうことになっております。それを受けまして業務のほうの三十一条の一に、「住宅の建設、賃貸その他の管理及び譲渡を行なうこと。」かようなことになっております。先生のいまの御説明でございますと、この「譲渡」というものもいまの分譲住宅というふうに解釈されておりますけれども、この法律の範囲といたしましては、この「譲渡」を、新しいものを建てて分譲する場合と、それから賃貸を譲渡する、これを予想して当時つくられておるというふうに私ども考えております。それからそのあとの施行規則のほうにいきまして、いまの新しいものを建てる分譲住宅につきましては、第四章のほうに「分譲住宅の管理等の基準」とございまして、ここにいろいろと分譲住宅のやり方が書いてございます。それが一般的に普通分譲その他といわれておるものであります。その前に賃貸住宅のことが第三章に書いてあるわけでございますが、その中の十五条に「特別の必要があると認めるときは、建設大臣の承認を得て、」これを「譲渡することができる。」こういう条項が初めからあるわけでありまして、これによりまして、最初の三十一条の業務の「譲渡」というふうなものの中には当時から当然二種類のものを予想しておった、私どもはそういう解釈で、これをできる、法的には違法性はないというふうに考えておる次第でございます。
○福岡委員 でたらめな解釈をしてもらっては困るのです。住宅政策の仕組みが一体どうなっておるかということは局長よく御承知でしょう。公営住宅の賃貸住宅は、比較的所得の低い人の住宅を確保していこうという政策なんです。公団の賃貸住宅というのは公営よりも少し規模も大きい、家賃もしたがって高い、所得の比較的高い人の賃貸住宅を確保していこうという政策なんです。持ち家は公団の分譲なりその他の政府資金その他によって融資をしておる住宅政策、こういう仕組みがなされておるわけです。明らかに、いまいろいろおっしゃったけれども、公団の賃貸住宅というのはそういう任務を持っておるのだから、原則的にはこれは払い下げるものではない。その証拠には、あなたがいまお読みになったように、特別の事情のある場合は払い下げることができる云々と書いてあるわけですね。しかもそれは事業主体である日本住宅公団が建設大臣の承認を得て、こういうことだ。明らかにこの立法の精神は原則としては払い下げないのだ、あくまでも賃貸住宅としてやっていくのだ。特別の事情がある場合には建設大臣の承認を得て分譲することができるとある。ですから原則は、公団の賃貸住宅は払い下げる対象になっていない、そう解釈するべきだと思うのですが、どうですか。
○沢田政府委員 私は法律の議論を申し上げたわけでございまして、これを立法当時のことからずっと聞いてみましても、この「譲渡」の中には賃貸住宅を譲渡する問題も含まれておる、その理屈を申し上げたわけでございます。ただし、この賃貸住宅はなるべく賃貸住宅として維持し、それをどんどんふやしていこう、こういう政策的な問題はもちろん現在の五カ年計画その他でそのとおりでございます。それとこの法解釈の問題とはちょっと別問題というふうに私は考えております。
○福岡委員 それではとうてい得心できませんよ。第十五条にこう書いてあるでしょう。「賃貸住宅の処分」「公団は、特別の必要があると認めるときは、建設大臣の承認を得て、賃貸住宅を」云々、こう書いてあるわけですね。だから原則はあくまでも賃貸としてやっていくのだということなんです。これははっきりしている。もし局長が言うような解釈なら、これは法改正して明確にしなければならない。 そこで、公団総裁がお見えになっておりますから聞きますが、この施行規則第十五条に書いてある公団が必要と認める場合というのは、いままで一体どういう解釈でこられたのか明らかにしてもらいたい。
○南部参考人 法解釈の有権的な立場といいますか、これは省令でございますので、建設大臣がお持ちでございます。ただ、いままで実例として申し上げますと、実は市街地のげたばき住宅で、用地は公団が取得できなかった、すなわち借地でその上に住宅を建てたというのが公団の設立当初にございます。三十年、三十一年、三十二年、最近でもやっておりますけれども、しかも三十一年、三十二年のそういう場合につきましては、十年後には地主さんに上の住宅も払い下げます、こういう約束で住宅は建設されておる。実はその問題をめぐりまして訴訟まで起きまして、どうも裁判所のほうでは、公団がそういう約束をしておる、これは民事的にはこの約束に従うべきであるというような問題もございまして、三十一年、三十二年のそういった約束をした賃貸住宅につきまして、一々各棟につきましてそのときそのときの大臣の認可を得まして現在まで実施しておるという状態でございます。
○福岡委員 それ以外にはありませんか。
○南部参考人 ございません。
○福岡委員 どうですか局長、お聞きのとおりですよ。特別の事情があるというのは、借地で建てて、十年たったら払い下げましょうという約束がある。用地を買収することができなかった、借地ならば、あるいは十年先に払い下げるという条件ならばということで、これは特別の事情があったわけですね。そのほか一切やってないのですよ。ましてやバラ売りなんというのはこれはこの法解釈から考えられないことなんです。どうですか、局長。
○沢田政府委員 ただいまの総裁の申し上げましたものは、むしろ特別な事由というよりも十五条のほかの事項に書いてあろうかと思います、市街地のものは。ですから、特別の事由というものはいまだこれを使ってやったことはないわけでございます。したがいまして、現在のこの法の運用からいきますと特別の必要の範囲内でやるということでございまして、これは先生のおっしゃったそのままそのとおりでございます。ただし、特別の必要というふうなものの範囲をどうとるか、これは建設大臣のきめることでございます。私どもはこれをどういうふうに考えておるか。いままで例がございませんけれども、一般的に今後どういうふうに考えるかということを考えますと、特別な必要でございますからいろいろ出てくるでございましょう。その中で、たとえば団地が非常に小さくて、遠くて、管理上不都合だ、入居者の方に払い下げたほうが管理上適切だというふうな場合とか、あるいは公団の管理能力が及ばなくなってきた、そういうふうな事情とか、いろいろ出てくることと思います。そのほか、今回のように、賃貸住宅におられて、そこで、先ほど御議論もございましたけれども、私どもの解釈といたしましては、所得が上がりまして、持ち家というふうなものに近いかっこうになっておる。しかも本人がそれを希望される、希望された人にこれをお渡ししたほうが管理上も適切だというふうな場合、こういう場合が必要な事由ということで私どもはこれに入り得る、かようにこの特別の事由というものを解しておる次第でございます。
○福岡委員 ここのところは明らかにしておかなければならぬと思うのですよ。そのつど御都合主義で解釈されては困る。いまの局長の解釈でいきますと、今後公団の賃貸住宅がどんどん分譲の対象になる、持ち家政策にそれが結びつけられる。私どもの見解は、公団の賃貸住宅はそれなりの任務、役割りがあるのだから分譲してはならぬ、持ち家政策の観点は分譲その他でやっていけばいいのだ、こういう考え方なんですよ。いまのような局長の解釈なり見解であるとすれば、これは重大な問題だと思うのですよ。それならば、そのような基本政策の転換ですから、これは別の正式の議題として取り上げていかなければならない。かってのいいような、その場限り、局長がかわればまたどう変わるかもわからぬ。しかもいまの局長のことばで重大な問題が一つありますのは、この法律に書いてあるのは、公団が特別の事情を認めたときは建設大臣の承認を仰ぐことになっている。あなたが、建設省が特別の事情を考えるのではない。公団のほうは一体特別の事情とはどういうことを考えられておるのか、総裁ちょっとお聞かせいただきたいのです。
○南部参考人 法律の権原的な解釈というのは先ほど申しましたように大臣のほうにございます。私どもとしてそういう場合はどういう場合かということになりますと、これはとにかく賃貸住宅はいまのたてまえといたしますと七十年間の償還ということでございます。七十年間といいますとこれは相当長期の問題でございまして、その間にどういう事態が生じてくるかというようなことは立法当時なかなか予測がつかなかったのではないか。したがって、いろいろな場合にそれを公団がどういうふうに解釈するかということができるようにこの規定が置かれておるというふうに一応解釈しております。したがいまして、たとえば非常に古くなって大修繕をしなければならぬとか、あるいは再開発をしなければならぬとかいうような場合、そのあとに住宅を建てることが必ずしも適当かどうか、そのときの状態によってというようないろいろな問題もありましょうし、そういった長期にわたる問題についてのどういう状態が起きてくるか、あるいは管理上どうも公団として手に余るというような状態、これは非常に管理戸数がふえて何とかしなければいかぬというような問題もありましょう。その他、公団側としていままでに特別この問題についてどうしてもというような必要性というものについてはまだぶつかっておりませんですけれども、そういった長期の経過がありますから、あるいは災害が起こるかもしれぬし、いろいろな問題がありましょうしということで、その場合についての公団側の判断をしていきたいというふうに思っている次第でございます。
○福岡委員 局長、お聞きのとおりですよ。住宅公団としては、遠い将来どうなるかということはこれはまだわからぬけれども、いろいろな仮定が考えられるけれども、当面特例の事情というものはその基準がはっきりしてない。いま総裁はそうおっしゃったのです。しかも、この十五条に明確に書いてあるように、公団は特別の事情があると認めるときはと、こう書いてある。建設省が行政指導するということは私も否定しません。しかし局長が積極的にさっきから述べられておるような特別の事情という問題は、法のたてまえから少し行き過ぎじゃないか。公団はまだ特別の事情を認めてない。どうですか、その辺。
○沢田政府委員 この法律に従いますと、大臣は承認をするということでございまして、私は、大臣の承認基準の考え方というふうなことで私の考え方を申し上げた次第でございます。
○福岡委員 今回の問題は公団から申請したのじゃないでしょう。事の起こりは田中総理が指示したところにあるわけでしょう。その命を受けて建設省がいろいろ考えたことでしょう。公団から申請がなされまして、特別の事情というものの認定基準、承認基準を建設省が検討したというならばこれはいいですよ。そうじゃないでしょう。どうですか。
○沢田政府委員 今回の問題はこういうふうな提案――提案といいますか、計画を私どものほうでしたわけでございますが、それをするに際しまして、大臣の承認基準というふうなことでその範囲のことを考えたということでございます。
○福岡委員 審議に協力をしたいと思うのですが、大切なところであいまいにされたのでは終わるわけにいかないです。すなおに認めていただきたいのですよ。この法律のたてまえは、分譲は例外的にはあるかもしれぬけれども、賃貸はあくまでも賃貸なんだ、バラ売りなんか最も許されないことである、持ち家政策は分譲住宅をどんどん建てる、そういう原則がこの法解釈であるということはすなおに認めていただきたいのです。特に必要と認めるときの云々につきましてはこれは別に議論するとしましても、原則はすなおに認めていただきたい。これは大臣のほうから明らかにしていただきたい。
○沢田政府委員 そういう問題まで含めまして、大臣先ほど慎重に検討するということなのでございまして、そういう問題の中の問題として私ども扱いたいと思います。
○福岡委員 どうもはっきりしないのですが、原則だけはどうしてもすなおに認めていただかなければならぬ。例外的に特に必要と認める基準その他につきましては将来の議論にゆだねるといたしましても、この立法の精神というものはすなおに認めていただきたい。大臣から所信を明らかにしていただきたい。
○金丸国務大臣 立法の精神、解釈はまことに慎重でなければならぬと思います。十分慎重に検討して対処していきたいと思います。
○福岡委員 どうも満足じゃないのですが、時間もありませんのでこの辺で終わりたいのですが、最後に確認をしたいと思いますのは、井上委員も指摘をした問題なんですが、先ほど建設大臣から読まれました当面の処理といいますか、私どもは、将来あらためて問題提起があるとしましても当面は払い下げはない、こう解釈をしたいし、ぜひそうしていただきたいと思うのですが、そう確認をしてよろしいか。
○金丸国務大臣 この問題につきましては私は最初からもう、先ほども述べましたのですが、記者会見のときも、幹部と十分検討してその上でということで新聞記者諸君にも私の見解を申し上げたわけでございます。そういうことですから、十分世論も重視し、また先生方の御意見も尊重してこの問題に対処してまいりたい。あわてず、あせらず、やってまいります。
○福岡委員 終わります。
○服部委員長 浦井洋君。
○浦井委員 まず最初に大臣にお尋ねをしたいのですけれども、大臣、この前の委員会でお尋ねしたときに答えていただいたのですが、少なくとも公団、公営住宅の払い下げをやってもインフレ対策、物価抑制には役立たない、大臣はやはりそういう考えでおられる、このことをまず最初に確認しておきたい。
○金丸国務大臣 全然ないということでもないでしょうが、私はあまり効果はない、こう感じております。
○浦井委員 大臣はきょうの委員会の一番最初に述べられたが、そうしたら、総理の真意の中にある資金の吸収にも役立つものもあるのではないかという御意見と大臣の御意見とは違うものなのか、それとも一緒なのか。
○金丸国務大臣 それは総理がそういう話をしたということでありまして、私は総理からその話を受けまして、建設行政は私にまかされておることである、これは私は十分建設省の幹部と相談した上で慎重に対処すべきだ、こういうふうに考えたわけでございまして、同じ考えということではありません。
○浦井委員 わかりました。それで、この問題については今回は触れないつもりでおるわけなんです。大臣も意見は違うのだということをいまはっきり言われました。けれども、委員長の御努力によってこういうことになったわけでございますが、いずれひとつ総理にこの点についての御意見を直接お伺いしたいという気持ちを私は捨てておらないわけでございまして、ひとつ委員長のほうで御努力をさらにお願いしたいというふうに私は思っております。 それでもう一点、総理の出席の問題で、大臣の真意を尋ねて、それを委員会で述べられて、という経過になったわけでございますが、やはりこれだけ野党の委員がそろって総理の出席を要求した。いろいろ諸般の事情もあるというお話でございましたけれども、私はやはり出席すべきだというふうにあえて申し上げたいわけであります。大臣は憲法やら国会法は十分御承知だと思うわけでございますが、たとえば国会法の七十一条に「委員会は、議長を経由して国務大臣及び政府委員の出席を求めることができる。」こういうことになっておるわけですね。さらに、その国会法の上位にございます憲法を見てみますと、憲法第六十三条に「内閣総理大臣その他の國務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について發言するため議院に出席することができる。」そしてさらに、「又、答辯又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。」憲法の第六十三条にこう書いてあるわけなんです。これを今回の事態に照らして考えていきますと、田中総理はこの六十三条に違反しておるということさえも言えるのではないかと私は思うわけなんですが、ひとつ大臣の御意見をお伺いしたい。
○金丸国務大臣 厳密に言えば違反しておるということになるのか、その点は私にもはっきりわかりませんが、ただこの問題につきましては建設大臣にまかせる、こういうことでございますし、私も建設行政のことについては全責任を持っておる、こういうことでございますから、私のやることが委員会の意に沿わないような場面とすればこれもやむを得ませんが、私はあくまでも委員会の意見を尊重してまいりたい、こういうことですから、その辺はひとつ御理解をいただきたいと思います。
○浦井委員 そういう大臣のお答えがありました。私もこれ以上この点についてはきょうはやめますけれども、この点もう一つ委員長にお願いしたいのですが、そういうことでございます。事は重大なんで、ひとつぜひ適当な機会に建設行政一般という形で、住宅建設、特に住宅問題について総理の御意見を聞くようなそういう機会をひとつ与えていただくよう委員長に努力していただく、このことを要求しておきたいと思います。 そこで、きょう具体的に払い下げの問題についてお尋ねをしたい。けさの大臣の御発言に従って質問をしていきたいと思います。 まず、公団の払い下げの問題です。きのうの参議院の建設委員会なりの模様を聞きますと、率直にいって、世論の動向あるいは委員会の各委員の御意見を尊重して慎重に対処したいということで、少しニュアンスが違ってきておるようにも受け取れるわけでございますが、しかしやはり払い下げの方針を白紙撤回ということではなかろうと私は思うわけでございます。そこでいろいろ公団あるいは建設省としても払い下げについてはそれぞれの内部で勉強もし、準備を進めておられるということを聞いておるわけなんで、具体的問題、お答えいただけると思うのですが、それでまず公団の払い下げの一体どういう価格になるのかという問題ですね。たとえば、具体的にお聞きしたいのですが、浦和市の上木崎団地の場合に時価でということでありますけれども、具体的にどういう価格を検討しておられるのか。これは公団でも建設省でもどちらでもけっこうです。
○川口参考人 お答えいたします。 時価を基準ということになっておるものですから、公正なる第三者の鑑定機関の鑑定による、そういうふうに進めております。それで、これは払い下げる場合に値段というのが非常に問題になるわけでございます。一番適正な値段ということになれば第三者の鑑定によるということでございまして、土地につきましては三つの鑑定機関に依頼して、大体その三者の平均になろうと思います。それから建物につきましては復成価格、今日それを新築した場合に幾らでできるかというふうな価格を出しまして、そこから経年減価、陳腐化の減価等を差し引いた値段、その両方を足したものが即金価格になろうかと思います。現在その評価が全部出ておりませんのでここで幾らになるかということは申し上げられませんですけれども、新聞等によりますと三百万ないし四百万と報ぜられておりますが、これを大きく下回ったり大きく上回ることはないだろうというふうに想像しております。
○浦井委員 もう一度念を押しますけれども、三百万、四百万というような数字が確かに出ておるわけです。これは必ずしも根拠のない額ではないというふうに理解していいわけですか。
○川口参考人 新聞等がどういう根拠でそれを出したか存じませんけれども、おそらく、不動産鑑定士がたくさんおられるので、そういう人の意見を聞いたのではないかと想像する次第でございます。
○浦井委員 そうすると、現に住んでおられる方が払い下げを希望すると、支払い方法はどういうことを検討されておりますか。
○川口参考人 支払い方法については現在検討中でございますが、現在普通分譲と、それから長期特別分譲という制度が本年度から発足しております。ですから、おそらく二十年ないし二十五年くらいの割賦払い。頭金といいますか一時金等についてはまだ結論は出ておりませんですが、そういうかっこうで、大体いまの公団の普通分譲ないし長期特別分譲に準じた方法というふうに考えております。
○浦井委員 そうすると、現在検討中ということであるならば、特に頭金を長期特別分譲並みにしたり、いろいろ政策的な配慮を加えて、払い下げ希望者が経済的に負担にならないような方法を十分に考慮するというようなことを考えておられると理解していいわけですか。
○川口参考人 これはいろいろ公平を欠くのではないかという御批判もありますので、特別に廉価とか、特別なというふうには考えておりませんけれども、やはり支払いにたえられる方法というものは考えなければならぬ、そういうふうに考えております。
○浦井委員 たとえば、新聞報道によりますと三百万ないし四百万円。公団の出されたパンフレットなどを見まして、特別分譲の現在の制度をこの額に当てはめてみます。そうすると、たまたま三百五十二万円という場合に一体どうなるのかという表があるわけなんですが、この場合、特別分譲ですから、一時金、頭金が五十万円、そして二十五年間の月賦払いということで計算をすると、大体家賃に相当する月々の償還、返還金がほぼ二万九百円から二万六千四百十円になる、こういう数字で出ておるわけであります。いまの公団のほうのお答えによりますと、こういうことも全くの架空ではない、大いにあり得ることだというふうに私推察をするわけなんです。こうなってまいりますと、現在上木崎団地の場合には、家賃が、当初から入っておられる方で大体六千円、そしてあき家家賃で入られた方が九千円というような形になっておる。それに共益費を入れても、三倍ないしは四倍ぐらいな家賃に分譲の場合実際になる。こういうふうな数字が出てくるわけでございます。その点については、これは根拠のある話なのかどうか、これをお聞きしたい。
○川口参考人 三百五十二万円ということを前提にすれば先生の言われた数字のとおりになると思います。それから、二万幾らという家賃でございますが、もし現在上木崎と同じような立地条件の二Kないし二DKを新築して賃貸すれば、家賃は、これは目の子でございますけれども、おそらく二方五、六千円になろうかと思います。そういうことで、確かに現在納めていただいている家賃は六千円ないし九千円でありますけれども、新築すればおそらくそういう家賃になろうかと存じます。
○浦井委員 私はいま上木崎団地のことで、同じ条件のところで新しい賃貸住宅ができると家賃が高くなるということをさしているわけではないし、またそれについては、本来公団家賃は高い、もっと安くすべきだというふうに考えておるわけなんですが、上木崎団地の現状について考えていきたいと思うわけなんです。大体それに近いような、私が申し上げたような線になるだろうということをほぼ確認させていただいたと思うのです。 そうすると、上木崎団地というのは建設されてから十五年たつわけでしょう。いまからたとえば二十年あるいは二十五年かかって、建設後ほぼ四十年近い年月がたってやっと自分のものになる。これは七十年償還という形になっておるようでございますが、四十年たって一体いまの上木崎団地がどういうような状態になるのかというのは、これは想像に余りがあると思う。そこでまた新しいものにかえなければならぬというようなことになると負担が出てくるわけですし、マイホームの夢につられて、政府なり公団なりの政策にいわばだまされて買った人はえらい目にあう、こういうように私は考えざるを得ないと思うわけなんです。こういう現状を踏まえて、一体公団あるいは建設省の側は今回の公団住宅の払い下げ政策は成功するのかどうか、めどを持っておられるのかどうか。この辺について大臣と公団の総裁にお聞きしたいと思います。
○金丸国務大臣 成功するかしないかという問題につきましては、これは慎重に検討して、無理なことであればやめなくちゃいかぬということでありますし、これから十分研究するということですから、その上の結果だということで御理解いただきたいと思います。
○南部参考人 肝心の条件その他について固まっておりません。したがいまして、この前の委員会でもお話し申し上げましたように、条件が固まって、それで入居者の意向を調査するという段階が今後に残っているわけでございます。その意向調査の結果というものはただいまのところわれわれのほうとしても推測がつきかねております。先生がおっしゃる御意見のようなことを入居者としてはおそらくいろいろ検討するでしょう。現在の安いままでも入っておられるというようなことも比較勘案して、どうするかという結論が出ると思います。これはやはり意向調査をしてみた結果でなければ、これが入居者のほうに相当受けるかどうかはわからないと思います。
○浦井委員 その問題についてあとでまたお話を戦わしたいと思うのですが、ここでは、少なくとも公団住宅の払い下げについては今回の方針は白紙撤回すべきだ、そういうふうに私は主張しておきたいと思う。 その次の問題に入っていきたいと思うのですが、上木崎団地の場合、おそらく公団が十分御承知だと思うのですけれども、非常に場所がよい。しかも、私も行って調べてきたわけなんですけれども、十五年前にできたので相当古くなっている、狭いというような条件もある。しかも、居住されておる方の御意見を伺うと、なるほど若いときにはよいけれども、とうてい永住する気持ちはない、こういう考え方を一様に述べられておる。こういうような三つの条件がそろいますと、これはどうなりますか。ここでへたに払い下げたりしますと、これはほとんど買わないでしょうけれども、たとえ買う人であっても、安ければひとつ金もうけのために転売してやろうと、全く投機対象にならぬですかね。どうですか、大臣。
○金丸国務大臣 この問題につきましては、投機の問題も入りましょうし、また入る入らぬの問題もありましょうし、管理上の問題もありますし、一応公団がこれは前から調査するということでやってきておることですから。調査するということは、これを実行するということではない、こういうふうに御理解をいただきたい。あくまでも調査するということで慎重に対処いたします。
○浦井委員 公団の総裁にお尋ねしたいのですが、その転売の問題、新聞報道とか前回の委員会などのお答えによりますと、七年から十年くらいは転売を禁止したいということを言われておったのですが、そうですか。
○南部参考人 現在は、分譲住宅につきましては代金完済後五年間ということになっております。ですから、普通にいけばそれをそのまま適用するというのも一つの方法でありますし、あるいは賃貸をということになりますともっとシビアに、いまの投機の対象にならないようにというような措置を考えることも政策上あり得ると考えております。
○浦井委員 そういうことを考えておられるようなんですが、そうすると総裁、現在公団の分譲住宅で五年間という転売禁止の規制がある、その実情が実際にどうなっておるかということを調査されたことがありますか。
○川口参考人 五年以内の分については当然公団の承認が必要でございます。ですからその数字はつかんでおります。ただ五年たったあとは、これは自由に売買できるものですから正確な数字はつかんでおりません。五年以内に公団の承認を得た、あるいは届け出たものが、四十七年度において分譲住宅約六万六千のうち九百数十尺これが承認しておる数字でございます。五年以上たった、たとえば三十一、二年ごろの古い団地がございますが、この数字はわかりませんです。追跡調査しておりません。
○浦井委員 そうすると、五年間の転売禁止の規制は生きておるという解釈ですか。
○川口参考人 私どもは、生きておる、そういうふうに思っております。というのは、転売の承認条件を非常にきびしくしてございます。
○浦井委員 その辺が大体甘いと私は思うわけなんです。公団住宅にちょっと関心を持ち、具体的に観察をしておられる方ならば、五年間の転売禁止というのは実質的に骨抜きになっておるということはもう公然たる事実なんです。たとえば同居形式にしてみたり、あるいは金を借りるために担保に入れるのだというようなことで、初めに申し込んで当たって入居した人と違う人が現実にそこへたくさん住んでおる。決して六万六千戸の中で九百何戸というような少ない数字ではない。こういう事実を公団はつかんでおられないわけですか。調べておりますか。
○川口参考人 五年以内で公団に無断で転売なり権利譲渡ということは、私どもはないと思っております。
○浦井委員 あなたはないと思われても現実にはあるわけなんですよ。 そうするともう一つ尋ねたいのですが、そういうような五年以内の規制を公団としてはどこで、何人の人間でチェックをされているわけですか。
○川口参考人 私どもは届け出なりそういうものでチェックしております。
○浦井委員 人間は。
○川口参考人 人間は特に分譲住宅につきましては巡回とかそういう方法はとっておりません。
○浦井委員 そういう実情です。そうすると、たとい十年間転売禁止の措置をとられることがあっても、転売すなわち投機の対象にならないという保証は私はないと思うのです。大臣、そう思われませんか。その点について御意見を……。
○金丸国務大臣 そういう心配もいたしております。
○浦井委員 だからどうされるのですか。
○金丸国務大臣 それですから慎重に検討いたします。
○浦井委員 それでは次に問題を進めます。 次は、維持管理、修繕の問題をお聞きしたいと思うのです。確かにいまの公団住宅の賃貸の場合、維持管理費というものは家賃と別に取っておられる共益費でまかなう。それから修繕費は家賃の一・二%を積み立ててこれに充てる。こういう仕組みになっておるわけなんですけれども、現在の公団の分譲住宅はその点はどういうふうになっておるのか。それから、バラ売りをされるという御意見、少々ふらついてきておりますけれども、バラ売りをされるとしたらその点の維持管理費、修繕の費用の捻出のしかたはどういう形でやられる予定なのか、その点をお聞きしたい。
○川口参考人 現在の普通分譲団地におきましては管理組合というものを譲渡の条件として結成してもらっております。その管理組合がすべてその分譲団地を管理しておるという状態でございます。公団とのかかわりにつきましては、割賦金を公団がもらう。もちろん瑕疵とかいろいろの問題があれば別ですけれども、そういうことで分譲団地は管理されております。今度バラ売りした場合にどういう管理になるかと申しますと、やはり一番問題なのは修繕費だろうと思います。いま私どもが考えておりますところでは、普通分譲住宅と同じような管理組合をやはり譲渡の条件にして結成していく、その中に公団が一組合員として参加するということで、合議の上で管理していきたいと思います。その場合に修繕費等は必要な額を積み立てていただく。大ざっぱですけれどもそういうふうに考えています。共益費につきましてはおそらくそう問題はないと思います。といいますのは、今日まで賃貸と分譲併存ではなしに、まじり合っている団地、いま予定されております中の大阪地区の千里園、これについてはもともと分譲団地として建設したものですが、当時売れなくて一棟か二棟だけ分譲してあるわけです。それなんかも共益費については別に問題はございません。そういう点で、管理組合を結成して、それから区分所有に関する法律というものが基準になりますけれども、それに基づいて管理できるのではないか、そういうふうに考えております。
○浦井委員 千里園ではむねが別になっておる。きのうの参議院の建設委員会でも出たそうですが、横浜市の花咲団地の場合には、これはまさに同じむねの中に混在しておるわけですね。そこでいろいろ問題が出ておるというふうに私は報告を受けておるわけなんです。たとえば同じ維持管理の問題でいきますならば、いま千里園ではうまいこといっておると言われたけれども、花咲団地では必ずしもそうでもない。一般の清掃の問題とかあるいは花を植える問題などで、賃貸の方は公団にいろいろと要望、要求を突きつけて解決することができるけれども、分譲であればどうしてもそういう人たちは同調しがたい。全体として公団の管理の立ちおくれが目立っておるのだというふうに私は聞いておるわけなんです。それから修繕の問題はさらに大きいわけですね。一体共有部分に故障が起こった場合にどうするのか。たとえば台所やあるいはトイレの排水管の共有部分が詰まった、そうして二階は分譲で一階は賃貸だというような場合には一体どうするのかということが直ちに問題になってくるわけです。だからその辺、入居者の不満なしに、しかも入居者の立場に立って公団として全体として管理していける自信があるのかないのか、その辺についてひとつ公団の側から聞きたいと思います。
○川口参考人 いまお話しのありました花咲団地、これは確かに混在しております。これも当初分譲団地としてつくったのですが、当時の社会情勢から売れなくて、結局ばらばら売れたものをそのままにして賃貸に切りかえたわけです。これは古い団地でございまして、当時公団も経験がございませんので、管理組合というものが結成されておらぬわけです。ですから分譲を受けた方々というのはほんとうにばらばらなのです。そういう点で多少管理にぎくしゃくした点はあろうかと存じますが、公団としてはきわめて困った事態というふうには考えておりません。そういうことでございます。それから千里園につきましては、これはたまたまむね単位だからということも多少はございますけれども、われわれ検討してみますと、公団の修繕費といいますのは主として外部のほうに金を食うわけでございます。給水塔とか配管とか、そういう問題でございます。よく入居者から、公団の修繕費が家賃に入っておるけれどもさっぱり修理してくれないというお小言をいただいておるのですが、住宅の中は大部分が自己負担となっております。公団の修繕費というものは目に見えないそういう共通部分が多いわけでございます。そういう点から、バラ売りでも一棟単位でも基本的には管理にそれほど差がないという結論をわれわれは得たわけでございますが、なおいま先生のおっしゃいましたように、それぞれこまかい部分についていろいろ問題があろうかと思います。そういう点を踏まえまして公団といたしましては試験的にということで、払い下げられた後の管理についてはたしてどの程度やれるか、われわれは問題のないようにつとめて条件をつけますけれども、そういう点も踏まえて試験的にというふうに認識しておる次第でございます。
○浦井委員 二、三こまかい点を聞きたいのですけれども、たとえば現在賃貸の住宅には集会所がある。そこは賃貸住宅の入居者はもちろん無料で使用できるわけです。それが今度混在してくると、分譲住宅に住んでおられる方の集会所の使用料というのは一体どうなるのですか。
○川口参考人 現在の賃貸住宅の団地の中にあります集会所は無料ではございません。やはり、実費でございますけれども料金を徴収しております。それから御質問の賃貸、分譲混在した場合に、これはやはり管理組合のきめた使用条件によって使用されるようになろうかと存じます。
○浦井委員 卑近な例をあげると、外装のペンキ塗りを何年に一回かやる場合、賃貸のほうは公団が責任をもってやる、そしてたまたま分譲の方が集まった管理組合で話がまとまらずにどんどん時間はたつということになると、賃貸部分だけ外装のペンキ塗りをやって、そして分譲の部分はそのままになる。まさにまだらな迷彩模様のむねができ上がるのではないか。そんなことは絶対に起こりませんか。
○川口参考人 そういうことが起こってはぐあいが悪いので、われわれとしては譲渡の条件として、管理組合というかをつくって、一定額のそういう修繕費というものを積み立てるということを条件で分譲したいというふうに考えておるわけでございます。
○浦井委員 登記はどうなんですか。分譲住宅の場合、花咲団地の話を聞きましても登記関係が非常に複雑になって困るという話を聞いておるわけなんです。それはどうなんでしょうか。
○川口参考人 登記関係につきましては、普通分譲の住宅の団地でも賃分混合でも本質的に複雑にならないと思います。といいますのは、普通分譲住宅でも、土地は共有、それから建物のたとえば階段とか屋根とかベランダ、それから給水塔、屋外配管、そういうものは全部共有になっているわけです。ですから共有者の一人に公団が入るということで、特別に普通分譲住宅の団地と比べて登記関係が複雑になるというふうには現在予想してございません。
○浦井委員 ほかにもいろいろ聞きたいわけなんですが、福岡委員から関連質問があるというので、関連を許していただきたいと思います。
○服部委員長 福岡義登君。簡潔に願います。
○福岡委員 当面払い下げがないのですから聞かぬでもいいというふうに思ったのですが、事柄がちょっと大切な点ですから一つだけ。 もし分譲されるとすれば、いわゆる払い下げされるとすればおそらく分割登記になる、こう思うのですが、その登記の時期はいつになるか、これが一つ。 それから租税特別措置法の七十三条の適用があるのかどうか。もし適用がないとすれば、四百万円の場合だったら二十万円の登録税を払わなければならない。適用があるとすれば四千円でよろしい。
○川口参考人 不動産の登記のほうは、譲渡契約が結ばれたら直ちに行なうということになろうかと思います。 それから特例については、まだそこまで検討しておりませんで、ちょっといま答えられません。
○福岡委員 これは御参考までに御忠告申し上げておきますが、法律は、新築後一年以内、ただしこれこれの例外は一定の期間、七十三条を適用する、こう書いてある。ですから、いま考えられておる分譲をやろうとすれば、これは建築後一年じゃないです。経過している。それから特例の期間にも該当しない。したがって租税特別措置法を改正しなければこの登録免許税の軽減はされない。したがってそう簡単にはできない。御忠告申し上げておきます。
○浦井委員 だいぶいろいろ矛盾点が出てきたわけです。 それで具体的に聞きたいのですが、公団の払い下げについて全国で三カ所、千里園であるとか名古屋の虹ケ丘、そして浦和市の上木崎団地を選ばれた。その中に特に上木崎団地をモデルに選ばれた理由、公団としては一体どういう意図があったわけですか。
○川口参考人 この話が出始めましてから公団でいろいろな原則を立てまして団地を選んだわけでございます。それで、あまり大きな団地というのはやはり問題が多かろうというので、なるべく小さな団地というのを考えました。それからもう一つは都市計画上あるいは鉄道が通るかもしれない、そういうものにひっかかる団地を除いたらどうか。それからもう一つは、現在具体的に再開発の計画はございませんけれども、今日そういう土地が手に入ったならば当然高層の住宅を建てるはずであるというようなところは意識的にはずしました。そういう点から、上木崎団地につきましては面積も狭いし、それから戸数も少ないということから、ここに将来再開発、公団の手で高層を建てるにしてはいささか面積も狭過ぎるのではないかというところから上木崎を選んだわけでございます。ついでに申し上げますと、千里園は先ほどから説明しておりますように、これはもともと分譲としてつくった団地でございまして、当時やむを得ず途中から賃貸に切りかえたものでございます。そういう点と、それからまわりは相当住宅が密集しておりまして、高層を建てるというには日照権その他の問題でできにくかろうという二つの点で選んだわけでございます。それから虹ケ丘の西団地につきましては、ここはずっと大きな賃貸団地でございまして、この中には相当払い下げを希望するものがあるのではないかということから虹ケ丘の一部の西団地というのを選んだ次第であります。以上でございます。
○浦井委員 私も上木崎団地へ行ってみたのですけれども、国鉄の駅から五、六分であり、環境も静かであり、聞けば買いものも、それから病院も学校も近所にあるというようなことで、私がそこへ行ってみた感じでは、おそらくここをモデルとして指定するならば、中に住んでおられる住民の方々は進んでいまの政府の分譲、払い下げについて協力してもらえるのではないか、こういうことを期待をされて選ばれたのではないかというふうに思うわけです。そうではないですか。
○川口参考人 公団といたしましては、率直に申しまして全く事務的にそういう基準で選んだのでございます。
○浦井委員 もう一つ具体的に尋ねたいのですが、たまたまこの上木崎団地には公団住宅の中の住民組織である自治会がないわけなんですが、そういうことは全く考慮に入れずに選ばれたわけですか。
○川口参考人 そういうことは考慮に入れておりません。
○浦井委員 私、行ってみた上での意見を申し上げたいわけなんですが、大臣、上木崎団地へ私行きまして、住民の方々に数人お会いいたしました。そこの住民の方々は一般的にいって非常におこっておられるわけなんです。何でおこっておられるかというと、頭越しに、しかも突然に自分たちのところをモデルに選んだ、こういう形に受け取っておられる。それからこういうような民主的でないやり方はけしからぬ、こういうやり方は入居者の権利を侵すものだ、こういうことでおこっておられる。さらに、いませっかくそういう居住条件のよいところで平穏に暮らしておるのに、その平穏な生活をかき乱されたということで、これは案外無視できない条件だろうと思う。これで非常におこっておられる。 そこで、私たちと一緒に行った数人の者はずっと巡回しまして、直接団地の人々に当たってみたわけなんです。そうすると、たまたま昼間だったので、七十二戸のうち三十二軒しか在宅されておらない。主として奥さん方、そういう方は、統計をとってみますと、分譲をされれば買いたいという希望を述べられたのはたったの六人なんです。三十二世帯のうち六人。そして、分譲をされても買わぬ、分譲に反対だという方が、はっきりと意思表示をされた方が二十六人あるわけなんです。しかも、そこの七十二戸と公団との間に立って連絡をされておる方は、これは比較的ものごとを公平、客観的に見られる立場にあるんだろうと思うのですけれども、おそらくこの上木崎団地の現在の入居者の七割以上は、たとえ分譲というような政策が出てきても買わないだろう、こういうことをはっきり言っておられる。これは私は直接聞きました。 そこでさらにその人たちの意見を分析してみますと、二十六人の方がなぜ買わないのか。それは三つあるわけです。一つは、先ほどから言っておることでございますけれども、もう十五年もたってかなり古い、そしてこれを払い下げてもらっても自分の家として今後住んでいくには相当いたんでおる、買っても修理するのがたいへんだというのが率直な意見。それからやはり狭い。上木崎団地は二Kあるいは二DKであるわけなんですけれども、やはり将来永住していくには狭い、こういうことなんです。それから家賃の問題、分譲価格の問題。新聞報道による三百万とか四百万というふうな値段ではとても手が出ない。先ほども言ったように、共益費を含めずに五千円あるいは五千数百円から九千円ぐらいの間の家賃で平穏に暮らしておる。それを高い、実際上の家賃の値上げになって、しかもこんなぼろの狭い公団の一室をなぜわれわれは買わなければならぬのか、こういう意見がほとんど全体であります。 さらに、それでは客観性を欠くかもわからぬということで、六人の買ってもよいという方の意見も聞いてみました。そうすると、無条件に買うという人は一人もおらぬわけです。買ってもよいという人は値段によりけりだという。三百万から四百万というような値段であれば、もうとてもこんなものは買う値打ちがない。その人たちに、あなた方はここに永住するんですかというふうに聞きますと、永住はしない。しかし安ければ買うんだとその人たちは正直に言ってくれました。こういう考え方はよいことではないと思う、しかし安ければ買って転売すればもっとよいマイホームをつくる資金の一助になる、だから私は安ければ買うという希望を持っておるんだ、こういう意見なんですよ、大臣。だから、悪いけれども投機的な気持ちにならざるを得ぬのだ、むしろ今度の総理の発言に基づく建設省なり公団の方針というものはわれわれに投機をすすめておるのではないか、こういう意見を述べられた方さえもあるわけなんです。だから、買う人、それから絶対に買わないという人たちに共通しておるのは、繰り返しになりますけれども、政府や公団が一方的にきわめて突然にこういうやり方をやったということにどちらもおこっておられるわけなんです。 それから、賃貸や分譲がバラ売りで混合になった場合には非常に管理を心配されておる。特に奥さん方、これは実際に自分たちが四六時中生活をされるわけですから、小さなしかも非常に大事なデリケートな意見を持っておられるわけです。混在になれば隣近所の関係、いろいろなことでごたごたが起こってくるというようなこと。いまであれば一応まとまって、自治会はないけれども、まとまって一括して公団に要望すれば、あるいは要求すれば済んでおったのが、これからはそういうやり方ができなくなる、こういうことを奥さん方はすでに敏感に察知をされて反対をされておる。 さらに、先ほどから出ておりますように、政府の賃貸住宅でできたものを、そういう公的施策住宅を減らすということに反対をされておる。たとえば、公団に住んでおられる方はいわゆるホワイトカラーの方が多い。転勤がある。転勤があっても、いままでであれば公団に住んでおって、転勤先であき家に入るというようなことが比較的できておった。それがこういうような形でどんどん賃貸住宅さえも分譲に変わってきて、当然あき象がなくなってくる。こうなれば私たちが転勤をした場合にさしあたって困るではないか。民間住宅に入って商い家賃を払って、そしてますますわれわれは住宅難に苦しむのかということで、非常におこっておられる。 こういう実情を私はこの一週間ほど前に調べてきたわけなんです。だからそこで大臣にあえて申し上げたいのですけれども、自民党さんはおそらくこれでやればいいことをやっておるのだというようなつもりかもわかりませんけれども、これは建設委員会で申し上げておいてくれ、ここに住んでおる方はだれも、自民党さんや政府がいいことをしてくれたと思っておる者は一人もおらぬ、選挙目当てだということぐらいは居住者は敏感に察しておるのだ、かえって私たちは迷惑なんだということを、御主人も奥さん方も私に切々として訴えられたわけなんです。そういう施策をやるよりも、もっと安い、楽に入れるような公的住宅を大量に建ててほしいんだ、こういうことをその人たちは私に訴えられたわけなんです。私も全くそうだと思う。だから大臣にお尋ねをしたいわけなんですけれども、この払い下げ問題、特に公団に限っていいますならば、公団の払い下げというようなことはこれは住宅問題を真に解決する道にならぬと思う。やっぱりこういう方針は大臣は即刻撤回をされて、そしてもっと国民が望んでおるほんとうの意味での住宅政策の方向に努力をしていただきたい、私はこういうように思うわけなんですが、私の調査結果などを踏んまえて、ひとつ大臣の御所見を承りたいと思う。
○金丸国務大臣 貴重な体験談を承りまして、それも私の考えの一つの資料にさしていただきます。まことにありがとうございます。 私は、この問題は選挙目当てということで考えておるわけではありません。国民がそういうことを一番希望することであるならばそれをやるべきであるし、希望しない、先生のような御意見であるならば、これはいさぎよく撤回すべきであると思います。この問題については、私のときからの問題でなくて、前から十分検討中の問題でございますから、この検討中の問題を十分に検討して、終止符を打てるものは打つし、また結論的に世論動向すべてがよろしいというときがあるならばそれを進めることも可、それがだめだということであるならば取りやめることも可、私はいまその途上におるわけでございますから、十分慎重に対処してまいります。
○浦井委員 もう終わりますけれども、公営の問題についても一緒です。たとえば三大都市圏以外のところでは事業主体の判断にまかせるというような案が出たわけですけれども、これは一体そんなことをやられる状態ですか。三大都市圏以外の大都会はたくさんあるわけですね。札幌にしてもしかり、広島、岡山、あるいは北九州、福岡、こういうところは大都市圏と同じような住宅の状態にあるわけなんです。そういうような大都市圏以外の住宅難というものは一体解消されたのか。そういうような判断の上に立ってこういう方針を出されたのかどうか、私は非常に疑わしいと思うわけなんです。だから、ここで三大都市圏以外のところに対して今後払い下げるからというような通達を出されるということは、これはいたずらにいまの地方自治体の住宅に関する施策に混乱を与えるだけだというふうに私は思うわけなんです。その点では十分に考えていただきたい、こういうふうに私は大臣に要望しておきたいと思います。 それから、三大都市圏の場合には、もし分譲住宅が建っても、新聞報道その他によれば、一戸七百万から八百万というような値段になるということがいわれておるわけなんです。そうだとするならば、高いものを建てるよりも、いま入っておる方々に不利にならないような形で建てかえをやって、高層化するなら高層化をして、そして、そのあいたところに分譲住宅を建てるのでなしに、都営住宅なり市営住宅なり、こういうものをもっと建てるというような方向に進むべきではないか。安易に払い下げの方向に進むべきではないということを公営住宅について申し上げておきたいと思うわけなんです。 最後に大臣にお聞きしたいのですけれども、そうすると、いま大臣からいろいろと御意見をお伺いしたわけなんですが、今後とも建設省なり住宅公団は、特に公団住宅の払い下げの問題についての検討なり準備なりを進めていかれるつもりなのか。それとも、もう世論の動向もはっきりしました。建設委員会の大勢もきのうきょうと大体こういうことになってきたわけです。だからここですっぱりと、それこそ区割り委員会ではございませんけれども、作業をもう断念して中止するというところまで決断されるかどうか、大臣にお聞きしたい。
○金丸国務大臣 その問題につきましては、先ほど来から申し上げているように、私は慎重に対処していくということで、世論の動向も、また公団からのいろいろの報告もまだ私は聞いておりません。その報告も待って決断をつけたい、こう考えておりますから、それも十分に動向を見、先生方の御意見も十分にそんたくしながらやってまいりたい、こういうことで御理解いただきたいと思います。
○浦井委員 公団、公営住宅の払い下げ、特に公団住宅の払い下げについては、私はこの際、生命のあり方もわかったことだし、さっき大臣が言われたようなことで委員の考えもわかったことだし、やはり即刻これは白紙撤回すべきである、こういうことを要求して私の質問を終わりたいと思います。
○服部委員長 北側義一君。
○北側委員 けさほどからの各委員の質問によりまして大体の様子はわかってまいったわけであります。私のほうも、御存じのとおり先日建設大臣に、公団、公営住宅の払い下げにつきましては反対である、断固中止してもらいたい、そういう申し入れをいたしたわけであります。日本の住宅政策の上から見ましても、この公団賃貸住宅を払い下げることにつきましては非常にいろいろな問題があるのではないか、このように私先般申し上げたわけであります。そのほか、先ほどから論議されておりますとおり、社会的な公平の原則に反しますし、また都市計画、都市再開発をやる場合にもこの問題は大きな支障になってくると思うのです。そのほか投機の対象にならないか、こういういろいろな諸点があるわけであります。また、先ほど来浦井委員も申し上げておりましたとおり、たとえば今度の試験的にされる三団地にいたしましても、その分譲を受ける人もあるでしょうし受けない人も出てくると思うのです。そうしますと、そこにやはり心理的ないろいろなトラブルというものが起きてくるのではないか。いままでは全部賃貸でありましたものが、片っ方は持ち家になる、片っ方は賃貸である、そういう小さい面から考えましても、それらが子供の気持ちに与える影響等もこれはやはり相当考えなければいけない問題ではないか、こう私は思います。そういう面から考えまして、かりに試験的に三団地をやられましても、おそらく非常にむずかしい問題が出てくるのではないか、かように私も考えておる次第であります。 そこで小さい問題について二、三点だけお伺いしたいのですが、まず、公団総裁の考え方としてはやはり建設大臣の意向に従ってやってまいりたい、こういう意向であろうと思うのですが、先ほどの浦井委員の質問によりますと、建設大臣が公団側の意見を聞いてそれで対処してまいりたい、こういうことなんですね。公団総裁としては、正直申し上げて、この賃貸住宅の分譲ということについてどう考えておられるのですか。
○南部参考人 公団といたしましては、従来賃貸住宅を中心に各団地を建設してきております。したがいまして、住宅難がほんとうに解消するまでは、やはり賃貸住宅の必要性というのは今日の日本の現状におきまして非常に重要な問題だと考えております。そういう意味合いからいたしまして、賃貸住宅の払い下げにつきましては十分慎重に対処していきたいということでいままで経過してきております。大臣ともよく御相談の上今後の対策を立てていきたい、このように考えております。
○北側委員 まあここではっきりしたことは言えないでしょうが、先ほど具体的に浦井委員もいろいろ質問しまして、売り渡し価格等いろいろな問題がありますが、たとえば十年以上たった団地の場合、やはり各部分が相当いたんでおるのではないか、このように私思っておるわけです。しかもその売り渡し価格というものを見ますと、やはり少なくとも二百万円以上の金額を出さなければならない。また自分の持ち家になりますと固定資産税がかかってくる。またそれに対する管理の都合上、先ほども少し話が出ておりましたとおり管理費等も徴収しなければならないということになりますと、非常に高いものになってくるのじゃないかと思うのです。しかも最近の固定資産税の評価価額を見ますと急激に値上がりをしております。これはもう御存じのとおりです。以前は昭和三十八年の評価額が一つの基準でしたが、これが変わりまして、いま普通の一般民間の賃貸住宅、これも家賃が上がって非常にトラブルが多いわけです。そういう問題にもこの分譲を受けた人は必ず悩まなければならないような実態が出てくるのじゃないかと思うのです。分譲を受ける方は正直言ってそういうことをあまり御存じありません、専門家でありませんから。そういう面も考えましてそういうあれをきちんと出しますと、おそらくこれは少ないのじゃないかと思うのです。まず試験的にこれを払い下げるとおっしゃっておられるわけですが、もしこれをやるとしたら一体いつごろやるのですか。試験的にはやらないのですか、それはどうです。
○金丸国務大臣 先ほど来から申し上げておりますように、いろいろこれからデータが出てくると思いますし、そういうものを見ながらまたそれに対して慎重に対処し、皆さんの御意見も世論の動向も十分ひとつ重視してやってまいりたいということですから、その日は、いつやるということはさまっておらない、こう御理解願いたい。
○北側委員 わかりました。それだったらこれはもう質問する必要はないのです。長々とずっとやっておられたから、だからそういう試験的にやった上でその世論を聞いてやられるのか、それとも試験的にやる分もいろいろな世論の動向を見てやるのか、これをはっきりしてもらいたかったのですよ。
○金丸国務大臣 一応試験的の三つの問題につきましては、いま浦井先生からもお話しありましたようなケースもありますし、そういうものを踏まえながら判断したいということですから、私はその三つの問題については将来のために、やらない場合にしても、その研究はしておく必要はありますし、一応そういうデータをとって対処していく、こういうような意味で御理解いただきたい。
○北側委員 ではもうその問題につきましては、またそういう問題が起こったときには建設大臣もこの建設委員会にはかってやっていくというような御答弁をいただきましたので、一応私は終わります。 ただ一点だけ公団総裁にお聞きしたいのは、実は昭和三十二年、三十三年の、先ほど少し総裁もお述べになっておられたとおり、いわゆるげたばき住宅ですね。土地を公団がお借りしてそこへ建てた、十年後には払い下げをいたします、こういう契約でやられたと私は聞いておるのですが、そういろ団地がずいぶんあるわけなんですね。そういう団地は現在何団地で何戸くらいあるのですか。
○川口参考人 団地の数にいたしまして現在のところ三十四団地、戸数にいたしまして千百二十四戸でございます。
○北側委員 これもだいぶ数が多いわけですが、ここの問題もトラブルがずいぶん起きているわけです。こういう団地の入居者から非常にこういうことが困る、こういう話がずいぶん私の耳に入ってきておるわけです。この入居なさった方は、応募されて当せんして入居されたわけですが、初めから十年後にはこういうところへ売り渡しますよという契約で入居されたのですか、どうですか。
○川口参考人 入居の当初からそういう点は契約にはございません。これは公団の落ち度だと思っております。
○北側委員 これは問題だと思うのです。たとえばその団地の一つの例をあげますと、久保町の共同住宅、ここは神奈川県の日産自動車株式会社に十年後に払い下げになるわけです。ところが応募なさった方は全然それを御存じない。そしてそこへ入居なさる。そういう問題が現在起こってきておる。入居者にとってはたいへんなことだと思うのです。どう対処なさるつもりですか。全部で千百二十四戸の方たちに対してどのようになさるお考えでしょうか。
○川口参考人 現在まで幾つかの団地が譲渡契約で円満に解決している分もございます。御質問の久保町につきましては、われわれがそういう団地を地主に払い下げる場合にいろいろな方法をとっております。それはそこに居住権がございますから、どうしてもそこに残りたいという方は堂々と残れますし、地主のほうでもこれを追い出すということは法律上できないはずなんです。ただ問題は家賃が、今度は個人のものになりますので不安定になろうかと存じます。そういう点がございますので、極力公団のほうではほかの賃貸住宅のごあっせんをしておるわけです。あっせんにつきましては最優先で、できるだけそれと似たような条件のところを、しかもいわゆる途中あき家になりますからあき家の割り増し家賃と称するものがありますが、そういう人には割り増し家賃を取らないで、そういうあき家に公団のほうから移転料を出して移っていただく。希望の団地をそこへ入居している方々から募集いたしまして、できるだけ希望に沿えるようにというふうに手当てしております。それから、この際分譲住宅をお望みの方には、分譲住宅に無抽せんでごあっせん申し上げる。そういう手だてを極力やっておる次第でございます。
○北側委員 これは心配なのは、そういう手当てをなさっていることは私も聞いております。ところが、なかなか実際の問題といたしまして、十年以前のそういうげたばき住宅は非常に便利なところにあるわけです。希望する住宅のあき家がなかなかないということです。たとえば職場との距離の関係もありますので、そういう問題で、この千百二十四戸の皆さん方が御希望なさるような条件で全部すっといったらいいですが、それまでに契約の期間が切れていろいろなトラブルが起こってくる心配もあるわけです。そういう問題に対して、一応この入居者の希望がかなえられるようなときまで、契約を結んだ相手方の企業体と、土地の持ち主と売買しない、それまで払い下げしないということはできますか。
○川口参考人 現在公団が地主に対して払い下げの条件としておりますのは、三年間は所有権を保留しております。それで保留しておるのは、その三年の間に御希望のところへもし移りたい方は移っていただくということでやっておるわけであります。ただ三年では不足だという話も出てきておるわけです。これは先般建設省の政務次官がここへ入居している方々とお会いになりまして、何とか十年にならぬかというような話がございまして、十年もやればそれぞれ希望のところへ行けるのじゃないかというお話がございました。ただ、われわれが当初三年という所有権の保留をしたのは、この間はもちろん家賃は上がりませんからなんですが、やはり地主等の相手方のあることなんで、われわれとしては十年ということに努力をしたいということでこの問題の解決をしたいと思っております。 それから先ほど御質問の久保町の問題につきましてはいろいろの問題がございますので、地主のほうにも話しまして、とにかく一年間延期してもらっております。その間に、さらに十年間家賃を上げない。かりに所有権が移っても家賃を上げない。その間公団ができるだけ、御希望のところへ出たい方があればごあっせんしたいというようなことで解決に持っていきたい、そういうふうに対処したいと思っております。
○北側委員 そうすると、いま言われたことは久保町だけの問題ではなくて、やはり千百二十四戸が問題だと思うのです。そのように一応十年間たったら大体希望の団地のほうへこの千百二十四戸の方々は行けるのじゃないか、私もそう思います。そこらの問題は、公団のほうが初めの契約で、応募のときに、十年後には払い下げになるという契約条項が入っておった場合にはやむを得ないと思いますが、入っておらなかったわけですからこれは公団のミスだと思うのです。そういう点はやはり入居者の希望が通るようにやっていかなければいけないと思うのです。その点お願いしておきまして、これで私の質問を終わります。
○服部委員長 渡辺武三君。
○渡辺(武)委員 前回の委員会で問題になりました総理発言、つまり余剰資金の吸収、インフレ抑制の一環として公団、公営住宅の払い下げ、こういうことが新聞に報道され、それらが問題にされたわけですが、きょうの大臣の発表された御意見によって、つまり公団住宅払い下げあるいは公営住宅払い下げという問題は従来からの問題であり、それをやることによって余剰資金の吸収あるいはインフレ抑制の一助にもなるであろうというつけ加えに変わってきておるわけでございまして、その限りにおいては一応の理解ができるわけでございますが、大臣のお話しになりました御意見、つまり委員会の意見を尊重し、世論の動向を見きわめた上で慎重に対処する、きわめて政治的な発言でございまして、いろいろの解釈が分かれてまいると思います。 そこで再度確認をいたしておきたいと思いますが、委員会の意見、あるいは世論の動向、新聞論調、すべて反対でございます。さらには入居者自身も、先ほど来から論議をされておりますようにその大半が反対の意見、こういう状況の中でございますから、その中における大臣の政治的な発言、したがって慎重に取り扱いたいと言っておるが、慎重に取り扱う、当面はやらないのだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○金丸国務大臣 世論の動向というか、四党反対の状況でもありますし、委員会の空気もかようないろいろな御意見も出ておりますし、そういうようなものを重視しまして慎重に対処していくということでございます。先ほど浦井先生からのお話もありまして、一部そういう状況のあることもつぶさに伺ったわけであります。ただ、先ほど来公団がいろいろ皆さま方に御説明申し上げたわけでございますが、私はつぶさにまだ報告を直接受けておらない。そういうものも一応聞いて判断したい。私が任期中にどうしてもやらなくちゃならないというような考え方でなくて、あせらずに慎重にやってまいりたい、こう思っております。
○渡辺(武)委員 住宅公団の総裁に考え方をただしておきたいと思いますが、これも論議になりました日本住宅公団法の施行規則第十五条によって、確かに賃貸住宅の処分の項がございます。その中でいっておりますことは、特別の必要があると認めたとき、これを公団が建設大臣の承認を得て行なう、こういうことになっておるわけですが、現在の社会情勢の中で、公団自身、いわゆる賃貸住宅を分譲しなければならない特別な理由をお認めになるかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○南部参考人 先ほど御答弁申し上げましたように、ただいまのところ特に特別な必要ということについては、公団自身としてはいまの試験的な三団地、これ以外については考えておりません。これは条件その他、大臣の御承認を得られればということで進んでおりますし、そういった問題で今後も慎重に対処していきたい、このように考えております。
○渡辺(武)委員 三団地以外は特別な必要がないと思っておる。この指定された三団地ですね、これはいわば特別な必要があるとお認めになっているわけですね。
○南部参考人 三団地について特別な必要があると認めておるというのではなくて、従来の経緯で個々についていろいろのデータをとるということで検討を進めております。それでこれをどうするかということについては大臣と十分に御相談の上実施していきたい、このように思っております。
○渡辺(武)委員 その実際に分譲を試験的にやってみなければわからないような問題点があるのですか。分譲しなければ予知できない問題点というものがあるのですか、試験的試験的とおっしゃるけれども。
○金丸国務大臣 試験的に実行しなくても判断はつくと私は考えております。
○渡辺(武)委員 それならば総裁、ちょっと言い直してください。あなたの言われたことは、試験的にやって、三団地以外も何だかやってみたいのだというようなことをおっしゃっているわけなんですから、ちょっと訂正してください。
○南部参考人 三団地について実施するということを言っておるわけではございません。私のほうはいままでいろいろ検討してきておる。それで大臣の御意向も体して今後の措置をしていきたい、このように申し上げておるわけでございます。
○渡辺(武)委員 公団は、先ほど問題になりましたようなげたばき住宅の問題、これはいわゆる地主との貸借関係だけではなくて、その居住者との間にも非常に大きな問題を残しておるわけでしょう。さらには、せっかく住宅を建てても、一年、二年たってもまだ居住者すら入らない、水がない、こういうような住宅もあるのですよ。そういう緊急にやらなければならない問題こそもっと精力的にやっていただくべきである。こんなわけのわからないような問題にあまり積極的に取り組む必要もないし、降ってわいたような問題で何か非常に歯切れの悪い答弁をしなければならないような、こういう問題は外に置いておいて、ほんとうにやらなければいけない問題がたくさんあるのですよ。御存じでしょう。私ども実際住宅公団にお願いに行きました。十年後に分譲するというげたばき住宅も、地主との問題だけではなくて、そこに入っておる居住者との問題が非常に多い。しかも公団住宅に入居させるときに全然条件も言っていない。二年前に入居した人も実際には二年後に期限が来るのですよということすら知らされていない、こういう状況なんですよ。さらには、実際にはりっぱな住宅は建った。二年たってもまだ半分も入っていない。いろいろ調べてみると水が全然ない、こういうところもあるのですよ。そういう実に緊急に解決しなければならない問題が山積しておるわけです。それを解決することがいわゆる国民の住宅を確保していくことに通ずるわけですから、どうか前向きに取り組んでいただいて、逆行するような方向はやめていただきたいと強く要望しておきたいと思います。 最後に、これも確認でございますが、いろいろ御答弁をなさっておりますが、またどういう情勢の変化によって分譲にと言い出すかわかりませんので、その辺、ほんとうに具体的にもしも払い下げをされるということであるならばあらかじめ委員会にはかっていただきたい。
○金丸国務大臣 渡辺先生の仰せのようにいたしたいと思います。
○渡辺(武)委員 終わります。
○服部委員長 この際、午後二時まで休憩いたします。 午後零時五十六分休憩 ――――◇――――― 午後二時十一分開議
○服部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、都市緑地保全法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村茂君。
○中村(茂)委員 都市化が進展するにつれて自然環境が破壊され、緑が失われてきています。その意味で、この都市緑地保全法案は非常に重要な意義があるというふうに私は思いますが、ただ、まだまだ非常に不十分でありますし、欠陥も多いと思いますので、そういう立場に立って若干の質問を申し上げたい、こういうふうに思います。 この法案と、首都圏近郊緑地保全法、それから近畿圏の保全区域の整備に関する法律、これは同じ建設省の所管でありますし、中身も大体共通点を持っているわけでありますけれども、特に本法案を立案するにあたって、標識の設置、行為の規制、原状回復命令、損失の補償、土地の買い入れ、罰則などについてはこの法案のほうへ移されているわけですが、必要な基準、費用の補助は、首都欄近郊、それから近畿圏のこの法律のほうへ二つ残っているわけであります。そこで、この種の自然の保全、緑化というこの法案についてどうして一本化することができなかったのか、この点について明らかにしていただきたい、こういうふうに思います。
○吉田(泰)政府委員 おっしゃるとおり、内容的にはかなり共通した部面もございましたので、首都圏及び近畿圏の法律のうちで特別保全地区というもの及びそれに関する条文は本法案に一元化した次第でございます。しかしながら、法律全体の構成といたしましては、首都圏あるいは近畿圏のそれぞれの法律は首都圏とか近畿圏という広域的な、しかも大都市圏という国家的にも非常に重要関心を持つ地域を対象といたしまして、そういう広域的な観点から緑地保全をはかっていこうという仕組みになっております。たとえば、近郊緑地保全区域というような指定にいたしましても、首都圏であれば首都圏整備委員会が指定する、つまり国の立場で、地方の意見は聞きますけれども、国の計画として立てる、その計画のために指定する、こういう仕組みになっております。その辺はやはり、他の法律が考えましたそういった広域的なものというよりも、各県単位あるいは個々の都市計画の区域内というような地域のみを対象にしまして、その中での良好な自然的環境を保全する。それが全国的に積み重なれば全国的にも緑地保全に大いに役立つであろうということ、いわばローカルに考えた制度で、したがいましてこの法律では緑地保全地区は都市計画として指定する。現実には、原則として知事が指定する、指定都市であれば指定都市の長が指定するということになりますが、観点、それから指定権者等が違うということ、それからその特別保全区域の地区のほかに、首都圏にしても近畿圏にしてもさらに上位の区域として近郊緑地保全区域といった広い区域がございます。この区域は許可制ではなくて届け出制でございますが、とにかく広い区域がある。さらにその上位は首都圏整備計画とか近畿圏の整備計画があるということでございますので、統一できるのはやはり許可制にかけた特別保全地区及びこれに関係する部門だけにせざるを得ない、こう考えた次第でございます。
○中村(茂)委員 一番心配するのは、東京の二十三区については今度提案されている法案に該当するわけですよ。それで同じ東京でも近郊はいままで残っている首都圏近郊のほうであれする。そうなってくると、いま言われたように同じ東京の中でそういう関係が出てくるし、それからそういう関係の中で第十条の補助についての政令、これはどのくらいな補助をするというふうに政令の中でいま考えているわけですか。
○吉田(泰)政府委員 この法案の補助といたしましては、四十八年度の予算におきまして補助率三分の一ということで考えております。
○中村(茂)委員 そうするとやっぱり、近郊のほうは三分の二の補助で、本法案のほうは三分の一、こういうふうに結果的になるわけでありますから、先ほど申し上げましたように、同じ東京都でも近郊のほうは三分の二で保全と緑化をはかっていく。旧二十三区のほうは三分の一の補助で自然保全と緑化をはかっていく、こういうかっこうが出てくると思うのです。いずれにしても旧二十三区のほうが、いままでも法の適用はなかったわけでございますし、緑化というようなことを考えたり自然保護というようなことを考えていった場合に、幾つかの困難性がある旧二十三区だと思うわけです。ですから一口にいえば、分けたというのは補助率が違うということで、政令できめるわけですけれども、そういったことであえて分けた以外に、どうして一本の法律にこの際することができなかったかという点についてどうしても納得できないわけです。だから、私はそういうことを考えてみた場合に、やはりいままである法律の首都圏近郊、近畿圏、これは三分の二の補助でずっときたわけでありますから、新しく法律ができて、十条の政令でやっていくわけですけれども、やはり三分の二なら三分の二という考え方に立って本法案についてもいけば一本でできるという方向が出てきたのではないか、こういうふうに考える。したがって、実質的にも東京都の場合には非常に補助率において不公平というか予盾が出てまいりますし、そういう意味を含めて私はどうしても納得できない。いままでの報告の中では、一本化ということについて二つの、基準と補助率の項だけ残して全部入れてしまったわけでしょう。前からのものを二つだけ残しておる。この点についてはなかなか理解できないのですが、もう一回納得のできるように説明してもらいたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 首都圏に例をとれば、首都圏整備法という、首都を中心とした大きな圏域としてこれをとらえた法律がございまして、この中に首都圏整備計画があり、以下いろいろな計画なり地域指定なりがそれに付随してあるという構成をとっております。首都圏整備法による近郊緑地保全地区の指定も、先ほど申し上げましたように国の機関としての首都圏整備委員会が定める、保全計画も首都圏整備委員会が定める。それを受けましてはじめて都市計画で特別保全地区をきめるということでございまして、そのきめ方も全体の首都圏整備計画あるいは首都圏の近郊緑地保全計画に即してきめる、こういうことになっております。これを要するに、首都圏の近郊緑地の特別保全地区というものは都市計画の手続によりますけれども、その上位計画あるいは上位手続として、いま申した国として、国の計画として、国の関心事としてこれを判断していくという面が非常に表に出ているわけでございまして、そういう意味で国の補助率につきましては従来三分の二ということで高率の補助をいたしておりますが、今度の緑地保全につきましてはやや観点が異なりまして、一つ一つの都市計画区域内における緑地保全のあり方という判断で知事あるいは指定市長が認めていくということでありまして、国ももちろん無関心というわけではありません、大いに関心を持ちますが、首都圏整備計画におけるほどの直接的国の計画ということではございませんので、そこにおのずから補助率の差がある、こういうことでありまして、そういうこともありまして条文としても補助率の規定は別途に設けざるを得なかった、こういうことでございます。
○中村(茂)委員 本法案が適用になった場合に、旧の二十三区にどのくらいな適用範囲が出てきますか。
○吉田(泰)政府委員 東京都の二十三区も当然この法律の対象になるわけでございまして、非常に過密な地域でございますだけに、それだけ緑地保全の必要性も高いと考えておりますが、現在の段階で、知事が指定するであろうその予測はなかなか立てにくいのでございます。しかし、法律の要件に該当する良好な樹林地、池沼、こういった地域が、過密地域とはいえ相当現存しているわけでございますから、そういったところをできるだけ広くとっていただきたい、こう考えております。
○中村(茂)委員 ですから、私の言っているのは、近郊はいままでの法律になるわけですよ。いままで、近郊ですから、二十三区については抜けていたわけですよ。しかし、いまも言われましたように、特に過密で、これからそういう自然を保全したり緑化を進めていかなければならない最大の地域だと思うのですよ。ところがいままでの法律ではそこが抜けていた。今度そこのところが該当してくる。ところが補助率などについては、まわりのほうのいままでのほうが三分の二で、中の特に進めていかなくてはならないところについては三分の一しか出ない。私はこういう非常に矛盾した点が出てくると思うのですよ。だから、これからの政令で補助率をきめていくわけですけれども、そしてこれは同じ法律で大体全国一律に補助率がきまると思いますけれども、特に矛盾点があるわけでありますから、東京の二十三区についてはそういう面の特別の配慮をして、なお保全と緑化を積極的に進める、こういう姿勢が必要だというふうに思うのですが、その点についていかがですか。
○吉田(泰)政府委員 おっしゃることもよくわかるのでございますが、首都圏の法律が、先ほど言ったように、首都圏の中でも近郊緑地保全地域として特に国の計画とし、あるいは国が指定するというところだけを対象にしている。しかして、その場合の判断として、東京を中心とする既成市街地とその周辺を、場合によっては遮断的にやっていこうというような、非常に広域なグリーンベルト的なものを設定したりいたしまして、その全体としての緑地保全地区の中でその枢要部分として位置づけて特別保全地区を指定していく、こういうものでございます。そういうことですから、近郊整備地帯でない既成市街地内の二十三区のようなところでは従来適用にならなかったわけでありますが、今回、二十三区内などにつきましても、近郊緑地保全地区でなくてもこの法律による緑地保全地区を指定することができるようにした趣旨は、全体として見れば東京という都市計画区域の中のいわば地域的な緑地保全の手法として考えたわけでございまして、その意味では他の都市における緑地保全地区とあえて変えるということもいかがかと考えております。 三分の一という補助率につきましては、全般の問題としてなお実施の状況も見ながら将来にわたっては検討さしていただきたいと思いますが、当面東京二十三区だけに別の補助率を考えるということは考えておりません。
○中村(茂)委員 いずれにしても、まわりはみんないままでの法律で適用になってきた。まん中だけ残っているわけですよ。そして今度の法案で適用にしていく。ですから、四十八年度は予算を一応組んで、予算面は成立してきているわけですけれども、やはりもう何回か申し上げましたように決定的に違うわけですし、いずれなおこういう東京の二十三区というところについては真剣に取り組んでいかなければならない要素があるわけですから、いま言われましたように前向きの姿勢で検討していただきたいということを強く希望して、次に移ります。 それから、やはり同じ立場で自然環境、緑化を考えてみた場合に、自然環境保全法は一応環境庁、自然公園法も同じく環境庁、それから文化財保護法は文部省、森林法は農林省、それからいま言われてきた三つの法律は建設省。大体同じ自然保護、緑化、この種の法律についてそれぞれ各省ばらばらな所管になっているわけですけれども、こういうことを考えてみた場合に、こういうものを総括した自然環境保全緑化の基本法というものを制定して、そういう基本的な考え方のもとに、いま申し上げたように一定の方向に向かって自然保護と緑化を進めていく、こういうふうにならなければ、各省庁ばらばらに法律が所管になっている。それのみならず、これからの方向として一定の前進というものがなかなかむずかしいじゃないか。こういうふうに考えてみた場合に、それぞれの関係と、いま申し上げた一貫した方向をきめる基本法を考える意思があるかどうか、この点について明らかにしていただきたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 おっしゃるとおり、自然保護、自然環境の保全という観点についての規定を持っております法律はたくさんございます。所管する省もそれぞれに違っておりますが、概していえば、それぞれの法律によってその目的とするところが若干ずつ違っておるわけでございます。その共通して流れるところはもちろん自然環境の保全ということでありますけれども、やはり自然公園法は自然公園としての指定及びその積極的な管理を通じて自然の保護をしていこうということでありますし、文化財保護法も、自然環境と密接なかかわり合いはありますが、重要文化財というものを指定していくという立場でやはり観点が違うということから、法律そのものを一本化するということはなかなかむずかしいわけでございます。 そこで、基本法というような形で一本化するということがどうかということでございまして、これは仰せのとおりだと思うのでございます。実は自然環境保全法、昨年通りましたこの法律が、私ども条文を見ましても一応自然環境に関する基本法的性格を持っているんじゃないかと思っております。つまり、基本理念というようなことを強くうたっておりますし、それから国が自然環境保全基本方針を定めるというようなこともうたってございます。なかんずく、都市緑地保全法はこの法律の附則第二条というものを受けてつくられたいわゆるこの姉妹法という位置づけでありますし、自然環境保全法にいう国が定める自然環境保全の基本方針という中で整然と位置づけるということを予定しておりますので、そういういろいろな基本法的なものとして自然環境保全法がある。もちろん自然環境保全法は基本法にとどまらず、原生地区とか自然環境の保全地区という独自の制度を持っておりますが、総論等においては基本法としての内容を持っておると考えております。
○中村(茂)委員 次に進ましていただきます。 この法案が施行になった場合に、この三条でいっております「都市計画に緑地保全地区を定める」、こういうふうになって、一、二、三まであるわけですけれども、これをそれぞれに区分してみて、これが施行になった場合に、市町村数、地区数または面積、いろいろなとり方があるわけですけれども、大体どの程度全国的に緑地保全地区として定められるようになるのか、その点についてわかっている範囲でひとつ明らかにしていただきたい、こういうふうに思います。 〔委員長退席、渡辺(栄)委員長代理着席〕
○吉田(泰)政府委員 緑地保全のこの法案は、すでに相当緑地が奪われているという段階ではございますが、いまからでも何とか現存している緑地を民地のままででも保全したい。もちろん失われた緑地についての積極的な緑化政策というものはあわせて行なわなければなりませんが、そういう趣旨でありますので、この法律の趣旨だけから見ればできるだけ多く指定したいというわけでございますが、しかしながらこの地区は相当権利規制が強いわけでありまして、したがいましてあまり過大というわけにもいかないと思います。多々ますます弁ずというわけにもいかないと思います。その辺のかね合いが実はむずかしいわけでございまして、一体都市地域などでどの程度の緑地というものが必要かというようなことはなかなか一がいに申せないわけでありますが、本法案を提出するにあたりまして全国の一部府県について、モデル的に、これは担当者として気楽に作業をしてもらったところによりますと、大体都市計画区域面積の二%くらいのものが出てきております。その数字が妥当かどうかはなお実際にやってみなければなりませんけれども、かりに二%として全国の都市計画区域を試算すれば、全国は七百六十万ヘクタールですから約十五万ヘクタールということになります。もちろんそれだけ一斉にできるとは私ども考えておりませんが、十年とかいうような期間において逐次指定されればほぼその目的が達成できるのではないかと考えます。ちなみに、現在風致地区という、これよりはずっと規制のゆるい地区の制度がございますが、風致地区が全国で約十四万ヘクタールでございます。それとほぼ同じくらいの指定ができれば、規制内容が非常に強いわけでございますので相当効果があると考えます。
○中村(茂)委員 そうすると今年度の予算は、この法案のみに適用できる予算としてどのくらい計上してあるのですか。
○吉田(泰)政府委員 国費で五千万円、補助率三分の一でございますので、買い取り事業費としては一億五千万ということになります。本年度は、法案が通りまして一定期間後に施行になるというようなこともありますし、地区の指定も急に一ぺんにできないというようなことを考えまして非常に少ない数字ですが、今後は地区の指定に応じましてこれを必要量伸ばしていきたいというふうに考えます。
○中村(茂)委員 いま話がありましたとおり、予想として都市計画の大体二%、十五万ヘクタール、これは、法案の成立もおくれてきていますし、今年度は五千万円、それにしてもこの膨大な保全地区を設定していくというには僅少な予算ではないか、こういうふうに思うわけであります。もっともっとこういう予算こそ大幅にふやして積極的に取り組んで、自然の保全、緑化というものを進めていかなければならぬじゃないか、こういう考え方に立って、もっともっと大幅に予算をつけるよう強く要望しておきたい、こういうふうに思います。 それに関連して、それぞれの条項に出てくる「政令で定める」という項目が、第五条の前段のただし書き、「公益性」云々の中で「政令で定める」という項目が出てまいりますし、第五条の九の三号でやはり「政令で定める」。それから十条で補助は「政令で定める」。この十条については先ほどお聞きしましたが、五条ただし書き、五条の九の三号の政令についていまどういう構想を持っているか、ひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 お答え申し上げます。 まず、法律の第五条、これは緑地保全地区における行為の制限を書いた規定でございます。知事の許可を受けなければならないという規定でございますが、ただし書きがありまして、「公益性が特に高いと認められる事業の実施に係る行為のうち当該緑地の保全上著しい支障を及ぼすおそれがないと認められるもので政令で定めるもの、」こういうものは許可不要ということになっておるわけでございます。この政令で書くべき内容といたしましては、たとえば都市公園の設置とか自然公園法による公園事業とか、そのこと自体、緑地保全のためにむしろプラスになるような事業はもとよりでございますが、そのほか、こういった公共用施設であって土地の占有面積が少なくて済むようなもの、それだけ緑地保全に支障が薄いというようなものとか、あるいは河川の改良、道路の建設といった線的なものでどうしても避け得ないようなものとか、砂防工事、地すべり防止工事等の防災的なものとか、こういうものを考えております。 それから、五条の九項に、次に掲げる行為については同じくこの許可の規定を適用しないというのがありまして、その中に、「通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの」とあります。その政令でございますが、建築物とか工作物とか、あるいは土地の形質の変更とかあるいは樹木の伐採であるとかにつきまして区分けしながら、通常の管理行為、軽易な行為等、一々それを許可にかけるということがむしろ不自然であるというような内容のものを考えております。たとえば農林漁業用の物置き小屋といったような建築物など、それから工作物などで仮設的なものとか、地下に埋設するようなものも許可は要らないようにしていいだろう。また木竹の伐採にしましても、自家の生活の用に充てるためのようなもの、こういったようなものまで一々許可を要するというようなことにする必要はないのではないか、こういうことを考えております。 〔渡辺(栄)委員長代理退席、委員長着席〕
○中村(茂)委員 例をとって申し上げますと、この五条のただし書きで「公益性が特に高いと認められる事業」ということで、これは例ですけれども、一つの神社を含む指定地域があったというような場合に、そこのところへマンションを建てるなんということは公益性もないし、おそらくだめだと思いますけれども、それではそこのところへ市民会館みたいなものを建てるというような問題が起きてきた場合に、これは公益性という問題に関連してどういうふうになりますか。
○吉田(泰)政府委員 いまの例で言われた市民会館のようなものでございますと、これはまず許可手続が要らないというような中には入らないと思います。許可は少なくとも要ると思いますが、次に許可できるかどうかということになります。この法律は許可基準を法律で直接には具体的に定めておりませんで、抽象的に緑地保全に支障がないものに限るというような表現でありますので、実際には個々のケースにつきまして知事が判断するということになりますが、相当公益性があるようなものでありましても、相当大規模の建築物ということになれば許可できない場合が多いのではないかと私は考えます。
○中村(茂)委員 私はやはりこういう保全地区というのは、いま申し上げましたように、公民館といってもこれは非常に大きい建物ですよね。ですから、せっかく指定しても、同じ大きさの大きい建物で、マンションは確かにこれはぐあいが悪い、しかし市民会館のようなものは公なものだし、公共性というようなところからいって許可になるのかならないのか、そこら辺のところをやはりきちっとしていかないと、それが順に拡大解釈されるようになって、本来の自然を保全して緑化を進めていくというこの法の趣旨が、公益性というのが優先されるためにそこなわれていく要素がその中から出てくるのではないか、こういうふうに考えて、ここら辺のところの位置づけをどういうふうにするかというのはこの法案の趣旨からいってきわめて重要な問題だろう、こういうふうに思うのですが、いまの答弁ですと何か許可になると思われるというようなことですけれども、そこのところをもう少し明確にしていただきたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 先ほどは許可になるとは思われないと申したつもりでございます。つまり、許可不要というほどの公共性があり、支障も薄いというようなものは政令で書きますが、それ以外のものはまず許可手続が要るわけでありまして、許可手続を要するものについて許可できるかどうかは具体的に判断するわけですけれども、緑地保全地区にあえて指定したという意味を考えれば、特に建築物、工作物のように地表に出てくるものにつきましては、その高さが低くて周囲から見えにくいとか、土地を荒らすこともないとか、周辺の樹木にも影響がないとか、よほどのものでなければいけないのではないか。首都圏近郊緑地保全法によりまして同様の規定が現行法にあります。具体的な許可基準が通達で定められておりますが、これによりますと、建築物のたぐいは、仮設のものとか地下に設けるようなもの以外は大体不許可ということになっております。
○中村(茂)委員 次に進ましていただきます。 第七条の前段に、「その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。」とありますが、「通常生ずべき」というのはどういう問題があるのか、例をもってひとつ示していただきたい、こういうふうに思います。 それから、二の「第五条第一項の許可の申請に係る行為が社会通念上緑地保全地区に関する」云々、この「社会通念上」ということについて例を示してもらいたい、こういうふうに思います。
○吉田(泰)政府委員 第七条に「損失の補償」の規定がありまして、「許可を受けることができないため損失を受けた者がある場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。」という規定がございます。ここにいう許可が得られないために通常受ける損失というのは、その不許可処分がありまして、そのために現実に受ける、いわば積極的な損失といいますか、そういったものをいっておるわけでありまして、たとえば家屋の改築を禁止される。これは改築などは許可できる場合もあると思いますが、許可できない場合も改築のしかたによってはあるというようなことで、たとえば家屋の改築を禁止されたということのために従前の営業が継続できないというようなことがあるとするならば、それによる損失を標準的に見込みまして算定することになると思います。あるいは木竹の伐採につきましても、許可できる場合もあるでしょうけれども、もちろん許可できない場合もあるわけでございまして、林業を営んでいる者が許可を受けるべく木竹の伐採を申請したところが、許可を受けられなかったというようなことによって生じたということがあれば、そうした損失がこれに当たるものだと考えます。 次に第二は、第七条の第二号で「社会通念上緑地保全地区に関する都市計画が定められた趣旨に著しく反すると認められるとき。」これは補償を要しないという趣旨の規定があります。これはその前の第一号で、その地区がたとえば風致地区とかあるいは保安林とかあるいは市街化調整区域とか、いろいろ別の法律による開発許可制度等がしかれておる地域とダブっておりまして、そちらのほうの規定でも許可を受けられない。しかもそちらのほうの法律によれば、許可を受けられなくても補償を要しないことになっておるというような場合には、この緑地保全法におきましても補償を要しないことになっております。こういったことで、これはたまたま同じ土地に二つの地区がダブっているわけでございますが、必ずしもダブらなくても同様の場合もあろうかと存じます。たとえば風致地区に取り囲まれたその中心部を緑地保全地区に指定するということが今後は大いにあるかと思いますが、その場合に風致地区を解除しないままで緑地保全地区に変えれば、これはいまの一号規定で補償を要しないことになると思います。似たような制度をあえてかぶせることもないというふうに思いますので、緑地保全地区に指定した際その中心部を風致地区から解除するということも考えたいと思うわけですが、そういう場合には、まわりは全部風致地区でありますし、もし緑地保全地区のその場所が風致地区であったとして、風致地区並みのゆるい許可基準によっても許可されないということがありますと、これは風致地区においては受忍の範囲内ということで補償を要しないことになっております。それがたまたま緑地保全地区であっても補償を要しないということになると思います。その他、山を大きく切りくずして宅地造成をするとか、あるいは相当の水面を全部埋めてしまうというような大げさなことを許可申請して許可されないというような場合には、これはやはりそういう場所における土地利用として常識的に考えることでございますから、それを押えましても受忍義務の範囲内であることが明らかに言えると思います。そういう場合のことをこの法律でいっているわけでございます。
○中村(茂)委員 もう一度あらためてお聞きしますが、この七条の「通常生ずべき」について、第五条の一項の「建築物その他の工作物の新築、改築又は増築」、これはいま言われましたように、旅館をやっておる、それを改築して、もっと多く人員を収容できるようにして商売を拡大したい、ところがそういうふうにするとその全体的な風致がそこなわれる、しかし改築しなければ収容人員を増すわけにはいかない、こういうような場合に、やはりそれを積算して、これがここでいっておる「通常生ずべき」ということでその損失を補償するということになるわけですか、ならないわけですか。
○吉田(泰)政府委員 具体的なケースによっていろいろ事情が積み重なっておりますので一がいには申せないわけでございますが、一般的にいえば、それによってもう営業は成り立たないというような場合には補償を要するわけでありまして、収容人員をふやせない、従来以上に事業規模を拡大できないというような程度のことでは損失の補償の要はないと考えます。
○中村(茂)委員 これはいわば、この点については相当きつく厳格にするということか、それともそういう解釈をゆるく解釈していくという方向なのか。これは個々の具体的な例によって違うと思いますから、そこら辺の考え方をひとつ明らかにしていただきたい。きつくしていくのか、ゆるくしていくのか。
○吉田(泰)政府委員 きつくもゆるくもしないわけでございまして、適正にやっていくわけであります。具体的には、この法律の規定にもありますように、両者意見が合わないで話がつかなければ収用委員会に裁決を申請するという道も開かれておりますから、そこで具体的にもし損失ありとすればその額がはじかれるわけでございます。さらには訴訟ということにもなると思いますが、緑地保全地区として指定したという趣旨も考えつつ、ということは、その指定された土地自体の立地条件その他の事情というものから、内在するであろう土地の利用のしかたというものにあまりに過大な補償は求められないし、その土地柄であってもこの程度の利用は当然させなければ特別の犠牲として、受忍義務の範囲外として補償しなければならぬという場合には補償するということでありまして、同種の規定はいろいろな法律にもありますが、きつくもゆるくもない、中正にやりたいと思います。
○中村(茂)委員 次に進ませていただきます。 緑化協定について二、三質問しますが、いままでのものは既存のものをどういうふうに保全確保していくかということだと思うのですけれども、この緑化協定というのは進んで全国的に緑をふやしていく、こういうことであります。特に非常に進んだというか、その地域の人たち全員が参加して、しかも全部がその趣旨に同意して協定を結んでいくわけでありますから、これはもう完全に実施できれば非常に緑化のためには進んだ構想でありますし、非常にいいと思うのです。しかし、そういう立場で考えてみると、これは許可ということになっているわけですけれども、許可なんということよりも推奨すべきことで、法律上やはり許可ということにいわざるを得ないというふうに思うわけですけれども、いわばこの種の協定は積極的に進めていかなければなかなか達成もできない、そういう内容を持っているというふうに思うわけであります。そこで補助金というか奨励金というか、こういうものをできるだけ多く出して、それでできるだけ多く協定を結ぶような零囲気と環境をつくって緑化を進めていく、こういう考え方が非常に必要じゃないか。ただこういう協定をつくるというふうに立案し法文化してみても、全員がそういう趣旨だけは賛成だ、しかしなかなか現在の事情ではむずかしい面も出てまいりますから、そういう考え方で協定を結ばれたところについては相当進んで奨励金などを出してどんどん進めていく、こういう姿勢が一番必要じゃないか、私はこういうふうに思うわけであります。しかし、予算を見てもどこを見てもそういうものは全然ないようでありますから、それではせっかくのものが空文化してしまう。これこそもうたまげるほどの予算を計上して、より積極的に推奨し、奨励していく、そういう意味で奨励金を出し、補助をしていくというようなことがきわめて必要だというふうに思うわけでありますが、そういう考え方があるかどうか、ひとつ明らかにしていただきたいというふうに思います。
○吉田(泰)政府委員 緑化協定が相当地区で結ばれてきますと、非常に自主的な形で効果があると思われるわけでございます。今回の法案を提出するにあたりましては、当面まずそういう制度を開いて、その進みぐあいを見守ろう、いわばそのスタートを切ろうということにまず頭があったものですから、特段の奨励的なものは国としては考えておりませんが、従来から、こういう制度は法律上なかったわけですけれども、地方によりましてはかなりのところで、苗木の供給であるとか、それも有償、無償あるいは半額、いろいろありますが、そういったこと、あるいは樹木とか植栽に関する技術的指導、PRというようなことをやっておるところはございます。当面はやはりこの制度を開いて極力活用してもらうわけでありまして、それにつきましてはかなり地域的な問題でもありますので、できるだけ市町村あるいは県といった段階で若干の技術援助も含んだめんどうを見ていただくということでいかがであろうか。しかしながら国がさらに強力に乗り出すことはもとよりけっこうなことでありますので、なお実施段階を見守りたいと考えます。
○中村(茂)委員 委員長、この点について私は大臣がいれば――これは考え方とすれば、緑化で非常に進んだ協定なわけですから、いま申し上げましたように、建設省もこの推進については積極的に全国的な緑化ということで、いま申し上げた予算の面で奨励金なども思い切って予算計上して、それこそもう全国的に進めていく、これが必要じゃないか、こういうふうに思うわけです。そういう意味で大臣の答弁がひとつ必要と思うのですけれども、見えませんからその点だけ保留して次に進ませていただきます。 この附則の十項の租税特別措置法の改正で、一千万円まで特別控除、こういうふうになっているわけでありますけれども、これは私は制限をつけるのは非常におかしいと思うのですよね。自然を保全していく、こういうことでありますから、この種の問題については制限をつけないで、かかっただけやはり特別控除をしてやる、こういう姿勢がきわめて必要ではないか、こういうふうに思うわけですけれども……。大蔵省のほうに対しての質問であります。
○伊豫田説明員 お答えいたします。 ただいまの御質問につきましては、都市緑地保全法案の関係で、第五条一項の関係で許可が得られなかった場合の買い取り請求の場合の譲渡所得について、特別控除の金額が現在千万円ということで租税特別措置法の上で規定されることになりますが、この千万円の金額をつけることは不当である。所得全体を控除、いいかえれば税をかけないようにしろ、こういうお話を承っておるのですが、実は、御承知のとおり譲渡所得の特別控除額につきましてはいろいろな種類がございまして、現在、収用につきましては二千万円の特別控除。それから古都保存法等の特別保存地域や史跡のような場合、これにつきましては千万円の控除、この分野にちょうどこの緑地保全法のほうが入るわけでございます。この千万円の控除、それから公有地拡大法の関係の先買い権、その他若干弱い社会的強制がある場合につきましてこれは五百万円の特別控除、それから農地関係で二百五十万円の特別控除ということで、いわば非自発的に完全に買い取られてしまう、無理やり買い取られてしまう収用の場合の二千万というものを基準にして一つの体系的なものが実はできておりまして、体系と申しますと言い過ぎかもしれませんですが、一つのバランスができておりまして、その関係からこの緑地保全法の場合には、御意見の趣旨は十分わかりますけれども、そのバランスから考えますと現段階では千万円に置いておかざるを得ないのではないか。なお、申し添えますれば、これは従来までは六百万円の控除でございましたが、本年の改正で約六割六分引き上げまして一千万円に引き上げたわけでございます。当分の間はこのまま一千万円で進めさしていただきたい、こう考えておる次第でございます。
○中村(茂)委員 特に今度のは相当広範囲になっていると私は思います。それで、この種の保全法というのはやはり一走の制限を受けておるわけですから買い取りというような問題も起きてくる。ですから、それはそれぞれこの特別措置法の中でランクはあるでしょうけれども、趣旨としてはもっともりと大幅にこれを上げて、控除のワクを広げていただくよう強く希望して次に移らしていただきたいと思います。 固定資産税の関係でありますけれども、保安林、それから重要文化財、史跡、名勝などについては固定資産税が非課税というふうになっているわけでありますが、その種と大体同じ傾向の今回の指定について、やはり固定資産税を非課税にするという方向で検討していかなければならないのじゃないか、こういうふうに思いますが、自治省どうでしょうか。
○佐々木政府委員 固定資産税は、御承知のとおり固定資産に対してその評価額を課税標準として課税をするというたてまえをとっておるわけであります。その場合に、土地の利用について各種の立法によってその利用規制が行なわれているものがあるわけでございますが、この場合の土地利用規制の内容あるいはその規制の程度というものが各種の立法によって非常にいろいろなものがございます。まず第一次的には、そうした土地の利用規制があるということによってその土地の実際の取引価格というものが安くなりますれば、当然に売買実例価格というものを基準にして評価をする固定資産の評価額というものが低くなってまいります。そういう関係で、この評価との関連において税負担というものが安く、また負担も低くなっていくという関係になってくるわけであります。現在こうした土地利用の規制関係の各種の立法が特に最近ふえてまいりまして、また今国会におきましてもこの法律のほかにも土地利用規制の関係の立法が行なわれておるわけでありますが、そうした評価額が低くなって税負担が低くなるということのほかに、さらに一段これに非課税の措置をとるか、あるいはまた非課税とまでは至らなくても、何らかのさらにもう一段の軽減措置をとるかということにつきましては、固定資産税の問題としては、各種の立法間のいろんな規制の内容、程度等を十分に総合的に検討をしてまいる必要があるというふうに考えております。いろいろな土地利用規制関係の立法が整いましたところで、私どもも次の課題として、こうしたことにつきましてのいわば軽減措置あるいは非課税措置というものについて、総合的に検討いたしたいという気持ちでおります。
○中村(茂)委員 私はこの立法の趣旨からして、自然の保全、緑化、これは新しい時代の要請なわけですし、それから相当規制も加わっているわけでありますから、ランクでというようなことではなしに、非課税という方向で検討していただくよう強く希望して次へ移らしていただきたい、こういうふうに思います。 最後に、大臣にお尋ねするわけでありますが、先ほどこの法案に基づいて緑化協定ということについていろいろ質問したわけでありますが、私は、この法案の中で、新しい時代の要請にこたえてこの緑化協定というのは非常に意義がある、こういうふうに思っているわけです。いままでは既存のものを保全していく。しかしこの緑化協定は全国的に緑化を進めるということになるわけでありますし、特に一般個人、民間が参加して自主的に緑化を進めるというきわめて進んだ内容を持っているわけであります。ですからそれをなお奨励していく意味において、もっと国も支出をして、奨励金など多く出して、進んでこういう緑化協定に参加して全国的な緑化に協力する、こういう体制をつくるのが建設省のいま難面しておる任務ではないか、こういう質問をそれぞれしていたわけですけれども、この面について大臣の強い決意をひとつお聞かせを願いたい、こういうふうに思います。
○金丸国務大臣 緑化協定に対しまして奨励金を出すということですが、緑化協定というものはまことに一つの新しい試みでありまして、これを拡充していくということについては相当な関心を持たなくてはならぬということもわかります。先生のおっしゃることも一至言であると私思います。また一方においては、たいした金じゃないのだ、それよりはむしろ公園のようなところにぽんと大きな金を出したほうが賢明だという考え方もあるわけでございますので、先生の考え方もひとつ私どもも踏まえて前向きで取り組んでみたい。そしてこれができるかできぬのか、早急に判断をして、また御返事をいたしたいと思います。
○中村(茂)委員 思い切った措置で緑化が進められるよう強く希望して、終わりたいと思います。
○服部委員長 清水徳松君。
○清水委員 先ほど中村議員の質問に等えられまして、環境関係の基本的な法律を考えてみたらどうかという質問に対して、自然環境保全法が言うなればそれにかわるものであるといったような御答弁であったと思います。しかし、もちろんわれわれがいま審議しようとしておるのも自然環境に重点を置いた法律であることは事実です。環境というものは別に自然に限ったことではないだろうと思います。いわゆる自然環境あり、また人によってつくられた環境もあるであろうというふうに思うわけです。ですから、環境というならば自然環境と同時にまた日照権やいろいろ環境権等、問題になっておりますところの人によってつくられた環境も、人間の福祉と基本的な人権、生存権のためには非常に重要なものであろう。ですから、われわれがいま、いうところの環境基本法といったようなものをつくったらどうかという理由は、この自然環境保全のため、あるいはまた人間によってつくられた環境の保全、こういった両方の非常に広範囲なものを意味しているものでありまして、人間が健康にして文化的生活をするためにあらゆる環境を整備する必要があるという観点に立って、ひとつこの際環境基本法というものを考えてみてはどうか、その点について最初に大臣にお伺いをいたしたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 失礼ですが便宜私から一応答えさせていただきます。 自然環境の関係の基本法としては、先ほど私は自然環境保全法がその基本法的性格、位置づけを持っていると申し上げたわけでございます。自然以外の環境にまで広げますとこれはなかなか広がり過ぎるのではないかとも思いますので、一応今日考える環境というものは、主として自然の環境というふうに考えるほうが自然ではないかと思います。と申しますのは、たとえば居住環境とか都市環境ということになりますと、これは都市計画法も関係してきますし、そこまで広げるというのは、むしろ環境という意味が逆に、法律体系としてはぼやけてしまうのではないか、こういう意味で申し上げた次第であります。そういうことで、一応自然環境保全法でうたわれておる基本理念、あるいはその国が定める基本方針というものに沿いまして、各種の法律を整然とかつフルに活用していくということが今後の私どものとるべき道であり、関係各省と手を携えまして、この貴重な自然を現在の国民も享受し、後世の国民にも継承するということでまいりたい、そういう決意で臨みたいと考えております。
○清水委員 いま環境という問題は、ちょうど環境週間でもあります関係で、世界的にいろいろと論議されている段階です。去年環境宣言というものが出されておるわけでありますが、その中でもやはり、環境というものは自然のままの環境、人によってつくられた環境の両面を、いかにして人間生存の基盤としてこれをよりよく保存し、あるいはつくりかえていくか、こういったようなことが問題にされ、その環境の問題の範囲は、権利と義務、あるいは天然資源の問題、あるいは野生生物の保護の問題、あるいはまた有害物質排出の規制の問題、海洋汚染防止の問題、経済社会開発の問題等々、二十六項目にわたって広範囲に環境の問題が論議をされておるわけでございます。ですから、こういうような広範囲な環境というものに対する基本的な考え方というものがきちっとされておって、その上に立って画然を考え、あるいはまたいろいろな人間のつくる工作物、都市を考え、農村を考え、また教育を考え、労働環境を考えていく、こういうようなことでなければ、ほんとうに一本筋の通った環境問題の処理というものはできないのじゃないか。まあ、あまり環境基本法からすると重要でもないような観光基本法までできているこの段階において、当然われわれの基本的な環境に対する考え方というものを一本法的にきちっとしておくという立場から、環境基本法というものは当然近い将来つくらなければならぬものだろうというふうに思うわけでありますが、重ねてひとつお伺いをいたしたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 環境に一番密接するものとして同然環境保全法、今回の法案も含めました自然環境の法体系というものと、それから公害対策基本法というものによって、公害という面からとらえた環境の悪化を防ぐという体系と、その二つくらいは大体基本法的に整備されていると思うのでありますが、それを受けまして、水質であれば下水道法があったり、大気汚染とか騒音とか、いろいろな問題に対処しているわけであります。まあ、公害と自然環境と離れて環境を考えるとなれば、先ほど申したそういうものもあるでしょうが、別の角度から見た生活環境とか都市環境とか、こういうことになろうかと思います。都市環境については、たいへん口幅ったいようですけれども、都市計画法の中の条文にも明記してありますとおり、都市における環境というものを十分意識し、意図しておる法体系になっております。これを基礎としまして多数の、建築基準法等の姉妹法ができておるということであります。それらを全部ひっくるめた環境の基本法というようなものをと仰せでございますので、研究させていただきますが、法律をつくるというよりも、環境庁等が中心になりまして、国の施策として統一した、かつ徹底した各種対策を集約する、そして各省、各事業者を強力に引っぱっていく、そういうことであろうかと思います。
○清水委員 いまわれわれは都市緑地保全法案を審議しておるわけでございますが、現在までこの都市緑地保全法案の前にずいぶんたくさんの似たような法律が出ておったわけでございまして、それがすべて環境の保全あるいはまたよい風土、歴史的風土の保存、こういったようなものを中心として今日までつくられ、推進せられてまいりまして、昭和四十六年には環境庁の発足というところまできておるわけでございます。しかも今日、昨年の世界環境宣言以来、この環境問題というものは非常に重要になってきた。それだけにやはり環境という問題を根本からひとつ理念を確立をいたしまして、そしてあらゆる法案に、またあらゆる政策にこの環境保全というものを生かしていく、これを反映さしていくというようなことが絶対に必要ではなかろうか。そういう意味で、繰り返すようでありますが、環境基本法というものは他の何ものの基本法よりも増して、もう現在においては考えるべきときがきているんじゃないかというふうに思ったわけでございます。ぜひそういう方向でひとつ努力をしていただきたい。 さらに、環境基本法と並びまして、やはり環境整備のために、都市緑地保全をするためにも、一番根っこになるものは土地問題であろうかというふうにも考えるわけであります。この法案を拝見しても、緑地保全地区の指定をする、そして規制をして制限をして、いろいろこれで損をしたしいうようなことであればそれだけの補償をしてやろう、最後は買い上げをしよう、こういう形が出ておるわけでありますが、こういう形というものは、首都圏、近畿圏の緑地法においてもそうだし、古都保存特別措置法においてもそうだし、都市計画法等においてもこういう一つのパターンみたいなものが見られるわけでございます。緑地にしても史跡にしても公園にしても、それを徹底して保存をしたりあるいは新しくつくっていく、そういったようなことをするためには、完全にやるためには最終的には買い上げしかないというのが今日の常識になっておるわけであります。このやり方では結局買うしかないわけなんですね。ですから最終的には膨大な金、予算を必要とするわけでございます。そうでなければ、膨大な予算が必要であるのに金がない。したがって買い上げもできないということになれば、事実上、この法律案を成立さしても実際適用する場合なかなか困難なものが出てくる。そして、幾らこういったような性格の法律をたくさんつくってもあまり効果がないというようなことになりはしないかというふうに思うわけでございます。特に、先ほど政府のほうで言われました自然環境保全法においても、その第三条によって「自然環境の保全に当たつては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、国土の保全その他の公益との調整に留意しなければならない。」そういうふうに第三条に明記してあるわけでございます。こういったような考え方がもう常に先に立っておるわけです。いまのいろいろな考え方からすると当然だと思うわけですが、それではこの自然環境法の場合でも、調整に留意している間に時がたってしまって、何もできないうちにどんどんと土地の値段だけ上がっていくというようなことになってしまうんじゃないか、そういうふうに思うわけです。 社会党ではいま土地政策の立法化をしておるわけであります。法制化を完了しておるわけでありますが、その考え方は、土地の使用というものはあくまでも公益優先でなければならないという考え方をはっきりさしておるわけでございまして、特に個人の、つまり所有者の自由な意思による所有権の移動や利用というものは許されないのだ、こういったような原則を確立しておるわけでありまして、土地の所有権の移動や利用はすべてこの場合許可制にしておるわけでございます。こういうような徹底した考え方を貫かない限り、結局何何に指定されるということはまるで土地収用法にかかったような、たいへんな抵抗を所有者から受けるのじゃないかというふうに予想されるわけでありまして、その辺のところはどういうふうにお考えになっておるのか。そこまで突っ込んで考えられて一連のこのような法案が出されてくるものであるかどうか。そういったようなことをお伺いをいたしたいと思います。時間がありませんので、次に用意してある質問も一緒に申し上げますが、一部分だけ規制をするというような、たとえばここを緑地に指定する、史跡に指定する、こういったようなこと、すなわちえらい損をした、そういったような考えを所有者に与えるような形にしておったのでは、あらゆるころいった仕事というものは今後非常に困難になるのではないか。したがって、ほんとうに法律の効果というものを求めるならば、われわれが考えているような、いわゆる所有権とまでは言わないけれども、使用権については徹底した規制を加える、その移動については許可制にするというような割り切った考え方がなければいけないのではなかろうか、そういうように思うわけでありますか、まとめてひとつ御答弁をお願いいたしたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 確かに、おっしゃいますとおり、公共の福祉のために土地の所有権をはじめ財産権に対して強い規制を必要とするという場合があると思います。この法律案も相当強い土地利用の規制でありますが、緑地保全の必要性から見て提案さしていただいたというわけであります。ただその制限内容、規制内容の強さによりましては、特定の人に受忍の範囲を越える特別の犠牲をしいるということにもなりますので、そういった場合には補償などの規定がやはり必要ではないか。それは公共の福祉のために私有権、財産権を制約するということと矛盾するわけではなくして、むしろそういう補償の措置はとるけれども制約はする、こういう関係になるものではなかろうかと思います。確かに、指定する場合におきましても非常に小範囲な部分をつまみ出したような形で指定いたしますと、そのかけられた人がひとりねらい撃ちされたというような感じになりがちでありまして、それが抵抗感を強めることにもなるということはおっしゃるとおりだと思います。この法律の施行にあたりましては、法律の要件に該当するような場所につきまして、全体の必要量あるいは配置等も考えながら、できるだけ積極的に効果のあるような形で指定をしていくことが望ましいと考えております。
○清水委員 こういったような質問をさせていただいたのも、やはりこういったような性格の法案を審議する場合に、基本的には環境に対するちゃんとした一貫した考え方がなければならないということ、それから指定だとか制限、買い上げ、こういったような一つのパターンとなっている法案でありますので、当然土地問題というものが最終的に解決されなければ十分な効果が得られないものであるということだけは、ひとつ政府のほうでも頭に置きながらこの法案を扱っていただきたい、そういうふうに思ったからでございます。一番大切なことを忘れて、いわゆる土地問題に対する確固たる考え方を持たないで多くの土地関係法案が審議されておるわけでありますが、われわれから言わしめるならば、基礎の定まらない、砂上の楼閣ということがありますが、そういったようなことが考えられてならない。一種のむなしい空虚さというものすら感ずるわけでございます。特に、この法律をつくっても、実際買い上げられ、緑地保全の役割りを果たす面積がどの程度のものになるであろうかといったようなことを考えてみた場合に、予算の制約上非常に少ないものになるのじゃないか。あまり期待できないものになるのじゃないかというふうに思われてならないわけでございます。 そこで、そちらからいただいた若干の資料がございますのでそれを見てみたわけでありますが、たとえばこの都市計画法に基づく風致地区の場合でも、その指定は相当広範囲にわたっておるわけであります。十三万八千七百八十七ヘクタール、相当の広さであります。しかしながら行為の制限はきわめてわずかしかないわけです。ほとんど許可されておる、野放しです。たとえばこの指定された風致地区における建築物、土地の形質の変更あるいは水面の埋め立て、干拓等といろいろあるわけですが、いわゆる行為の申請ですか、申請件数が三万五百四十三件、そのうち三万四百二十五件までが文句なく許可をされるという状態になっておるようでありまして、したがって、風致地区を指定したからといって、ときがたつにつれていろいろなものが建つ、こわされていくという状態が一目瞭然になっておるわけであります。 さらにまた首都圏、近畿圏の緑地保全法に基づく緑地保全地区で、これは指定のほうは、首都圏については一万二千五百七十四ヘクタール、近畿圏は八万一千二十六ヘクタール、保全区域として指定されておるわけでありますが、そのうち特別保全地区として買い上げ対象になったのは、首都圏においては三百七十ヘクタール、近畿圏においては五百九十四ヘクタール、買収に至ってはさらにその一部になって五十一・六ヘクタール、金額にして八億二千万円、こういうことになっておるわけであります。幾ら首都圏あるいは近畿圏で緑地を保全するんだといっても、実際買い上げられたものはわずか五十一・六ヘクタール、金額にして八億二千万円、こういう結果から見ましても、金がないというのが理由であったのか、あるいは売る人がなかったということになったのか、その辺の事情はわからぬとしても、この数字は法律があまり効果がなかったということをはっきりあらわしているような気がするわけでございます。 また歴史的風土保存についても同じような傾向があらわれております。区域の指定は一万三千六百二十三ヘクタール、そのうち特別保存地域は三千八百四十九ヘクタールであります。しかしながらそのうち土地を買収してほんとうに保全されておるのはわずか四十九ヘクタール、金額にして二十二億四千万円、こういう数字が出ておるのでありまして、数字を見ましても、いかにこの買い上げがむずかしいものであるか、緑地の保全なり史跡の保存がむずかしいものであるかということをこの数字ははっきりあらわしておるわけでございます。 こういったような状況を見て政府はどのようにお考えになっておられるのか、その点、明らかにしていただきたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 風致地区などで許可申請件数に対して許可件数が大部分であるということでございますが、風致地区は条例でもって許可基準が定められておりますので、これを見れば許可されるかどうかということが大体見当もつきます。そういうようなことから、許可されそうもないものは初めから許可申請が出てこないというわけでありまして、出てきたものはそのあたりのきわどいところのものが多かろうと思います。そういうものについては具体的に判断いたしまして、条例の基準によって許可しているということから、許可申請に対して許可件数が多いということだと思います。それはそれなりの効果を持って現在に至ったと思いますが、確かにこの条例による風致地区の規制の内容そのものが非常に弱いわけでありまして、みすみす風致が相当害されることがわかりながら許可基準に適合するがゆえに許可しなければならないということでございます。もともと市街化を押えるというほどの強い地区ではなかったわけであります。そういうものを補う意味で、今度都市地域におきましても緑地保全地区という強い規制、緑地保全が全うできるような制度を新たに創設して、風致地区のうちでも重要な部分はできればこれに切りかえていただく、こういうことを考えたわけでございます。 その他近郊緑地や歴史的風土の特別保存地底につきましても買い取りの規定があり、予算も若干用意しておりながら、実績は面積、金額ともにあまりにも少ないという御指摘でございます。四十一年から発足した制度でありまして、約七年を経過しております。最近は相当買い取りの要望も出てまいりましたので、予算も順調にといいますか、完全に消化し、なおかつ若干足らぬ目だということでありまして、今後はこの買い取り予算の増額を実態に対応できるようにしていかなければならないと考えておりますが、制度発足の初めのころはあまり買い取りの申し出そのものがなかったというようなこともあって、先ほど申されたような実績になっているわけでございます。そういった歴風なり近郊緑地なりの経験もあるわけですから、都市緑地保全法の施行につきましても、若干立地的に場所が違ったりもいたしますが、似通った面も多いわけでございますので、過去の経験も大いに生かして今後支障のないようにつとめてまいりたいと思います。
○清水委員 こんな状態では緑地保全法をつくってもなかなか大きな期待はできないと、非常に心配するわけです。いま都市公園整備の第二年度に入っているわけですけれども、都市公園について五カ年計画で、予算大体九千億ということでやっておるわけですが、その進捗状況はどの程度でしょうか、簡単にお答えしていただきたいと思います。何せ公園は、特に東京なんかは一人当たり 一・一平方メートル、人口密度の高いオランダのアムステルダムにおいても十二・六平方メートルぐらいあるという中で、これではあまりに少ないわけですから、ぜひこれは成功さしていただきたいというふうに念願しておるわけですが、どの程度になっておるか。
○吉田(泰)政府委員 四十七年度から始まっておりますので、四十七年度が過ぎ、四十八年度、今年度の予算がきまったという段階であります。本年度の予算額をもって申し上げますと、昨年の予算と本年度合わせまして、事業費に対する進捗率は二六、七%というわけであります。
○清水委員 いままで簡単に質問したわけですけれども、実際われわれが現在持っておる、われわれというよりも政府の持っておる土地政策、またそれに対する考え方、こういったような中では緑地保全法をつくってもその効果はたいしてあがらない。御承知のとおり、たまたま農地に宅地並み課税をするという問題が起こっておるわけでございまして、すでに大都市のA農地においてはかけられておるわけでございますが、この農地の宅地並み課税が衆参両院を通過したときに、両院において大体同じような内容の附帯決議がついておるわけです。その一部に「都市計画法上生産緑地の制度を早急に創設し、生産緑地に該当する農地については、一般農地と同様の税負担とするよう検討すること。」こういう附帯決議がついておるわけであります。このいわゆる生産緑地の取り扱い方いかんによっては、そうでなくてもいまの土地制度の中ではなかなか資金的に制限があって、いろいろ社会的な制限があって、緑地の確保ができないというような現状を相当カバーできるんじゃないか。いわゆる緑地保全法の欠陥を補う非常な効果をこの扱いいかんによっては期待できるんじゃないかというふうに思うわけであります。その点について、この附帯決議については建設省や農林省、自治省等は一応前向きに検討するというようなことになっておるように聞いておるわけですけれども、いまどういう扱いになっているか、その点を簡単に御説明願いたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 いわゆる生産緑地ということに関連しまして、これを都市計画の一つとして検討すべきだという附帯決議がなされております。私どもこれを受けまして、できれば次の通常国会に提案すべく、建設省だけというわけにもいかないかと思いますが、関係各省とも連絡をとりつつ、その法制化をはかりたいと考えて準備を始めている段階であります。 都市サイドから見た場合の生産緑地の意義というのは少なくともオープンスペースである。市街化区域といえどもすべて家を建て並べるということではいけないわけでして、やはり最小限度のオープンスペースが要るということは論をまたないわけでございます。少なくともそういう意味を持つものではないか。さらにそれに作物が植わることによって事実上文字どおりの緑となるということについて、都市計画が制度的にどこまで把握し切れるかはなお問題でありますけれども、少なくともオープンスペースという意味だけをとらえましても意味のあることではないかと考えて、附帯決議もこれあり、そのような前向きな考えでおるわけでございます。もっとも、宅地並み課税との関連で明らかに出ている問題でもありますので、宅地並み課税の適用除外という意味ではやはり市街化のおそれがないという保証が必要ではないか。とすれば、建築等は厳重に抑制されるというようなことが基本的に必要であろう。その他、都市計画として位置づけるにいたしましても、オープンスペースという把握だけで足りるのかどうか、いろいろ関連する問題もありますので、十分研究させていただいておるという段階であります。
○清水委員 局長がおっしゃったように、生産緑地を美観地区、風致地区と並んで都市計画の中に位置づけていくということは、現時点においてはたいへんずるいやり方だと思うけれども、やはり緑を確保するためには非常に効果的な手段ではなかろうか。そのためには宅地並み課税をしないで、税財源としては多少損をするといったようなことになっても、緑地保全という環境保全の立場からするならば絶対にこれは無理をすべきじゃないというふうに思うわけでございます。百歩譲って、農地としてスペースだけでも確保しておれば、あとになってから火災の場合の火よけの一つの地帯になったり、あるいはまた避難するスペース、それからむしろそこへ木を植えて緑の地域にしよう、いろいろな場合を想定してみても、農地としてそこにあれば、ものが建ってないのですから非常にやりやすいのじゃないか。ところがどんどん農地の宅地並み課税をして、農業をやめさせて宅地化してしまうということになれば、そこをよけて緑地化しよう、緩衝地帯にしよう、こういったようなことを考えても、実際その実現は非常に困難になるのじゃないかというふうに思うわけでございまして、その点、都市サイドのほうから考えても農地の宅地並み課税というものは決して無理をすべきではないし、幾ら市街化区域の中であっても、ほんとうに農業をやるという人があるならばそれをむしろ助成する方向に持っていったほうが、緑地保全の立場から見ても非常に効果的じゃなかろうかというふうに思うわけでございます。 しかし、それはあくまで都市サイドから見た考え方でございまして、われわれはあくまで環境保全という全体的な考え方からこの問題といろいろ取り組んだ場合に、農業というものは決してただ食糧を生産するという意味を持っているばかりではなくて、やはり緑を守る、そして自然環境をよくするという、人間生存の基盤というものを強めるという大きな役割りを持っておる。これは皆さん御承知のとおりだと思います。ですから、こういう多くの環境保全のための法律をつくって緑を守らなければならぬといったような今日の状況にあるときに、実際農地として使用され、将来とも農地として使用されていくであろうところの農地に対しては、農林省としては、いずれこれはやめる農地であろう、やめさせるような方向の行政指導、そういったような行政指導ではなくて、やはり近郊農業として十分採算の合う農業ができるように行政指導を考えていくべきだと思うけれども、いわゆる市街化区域内における宅地並みの課税をされている農地についてどのような救済手段というものを現在農林省は考えておられるのであろうか、その点についてひとつ率直に御答弁をお願いいたしたいと思います。
○小山説明員 お答えいたします。 都市近郊の農業はそれなりの特徴を確かに持っております。たとえば消費地に非常に近くて市場条件に恵まれているというふうな点は強味でございます。また一方、市街地の中に混在しておる農業ということを考えますと、水田であればその用排水が都市の排水とごっちゃになって非常に困るというふうな話だとか、あるいはまた畜産の場合にはよく問題にされております公害が出てまいったり、そういう両面を持っておりますので、やはり原則的にいえば、農業を長く継続する場所と市街化を進める場所は仕分けるのが原則的な考え方だということは一応いえると思います。そういう意味でいわゆる市街化区域と調整区域の線引きという制度も行なわれているわけでありますが、ただいま御指摘のように、農業はその生産自身が緑を供給するという役割りを持っております。また公園のような施設緑地とか、あるいは自然緑地を保全するという場合に、先ほど御指摘のありました用地調達の問題だとか管理費用だとかいうことの負担がなくて、出産緑地の場合には都市に緑を豊かにしていくという役割りがございますので、附帯決議の趣旨にもありますので、建設省のほうと十分協議をいたしまして、都市計画といいますか、計画的な町づくりと調和するような形で、そういう面から評価され、あるいは今後とも存続することが望ましいという農地につきましては、十分その採算の立つような経営指導、たとえば作目についていえば、野菜とか花卉、花木のようなもの、それから野菜も、露地野菜がなかなかむずかしい点がございますけれども、施設関係の非常に高度な技術を使うような野菜だとかいうようなものが作目としては中心になると思いますが、そういう経営採算の面も十分考えまして経営指導をやるというふうなこと、あるいは効用が比較的短い機械設備のようなものは助成をしていくことも十分考えられていいと思います。もちろん災害復旧というような性格の事業は、市街化区域といえども他の地域と同様にやっていくつもりでございます。
○清水委員 四月一日から地方税法の改正が行なわれて、市街化区域内のA農地については宅地並み課税がされておるわけでございます。来年はさらにB農地というふうに進行するわけでありますが、それに伴って地方自治団体のほうからは、いわゆる市街化区域の緑と空間を守るために市街化区域内の農地は生産緑地としての制度化を促進してもらいたい。そのためにも、そういう生産緑地にすることによって農地としての、いわゆる宅地でない農地としての税負担をさせてもらうようにしてもらいたいというような意見書等も相当出てきておるわけでありますので、今後とも農林省は市街化区域における農地に対する営農指導というものの万全を期してもらいたいと思います。市街化区域での緑地保全のため、あるいはまた首都圏市街地に対するいろいろな食糧補給のために、市街化区域内の農地の果たす役割りというものは非常に大きいわけでございまして、その点は生産と緑地保全という両方の考え方から、ひとついわゆる近郊農業としての位置づけを、近郊農業としての役割りを果たさせてもらうように、今後とも行政指導を強めてもらいたい。これは要望をしておきたいと思います。 次に、時間がありませんのではしょっていきたいと思いますが、文化財保護と緑地保全ということについてお伺いをいたしたいと思います。御承知のとおり、日本全国至るところ、開発という名の文化財の破壊が非常な勢いでいま進んでおるわけでございます。これは私のごく近くの例でございますが、東松山市にある松山城址は宅造のためにまっ二つに割られまして、いまや昔のあの風光明媚な松山城のおもかげはもうないわけであります。また、富士見市にある水子貝塚等も道路等のためにだんだん削られていっている。これは国指定ということになっておりますので若干歯どめはかかっておりますが、それでもだんだんこわされていくというような非常な危険性を持っておるわけであります。さらにまた川越市にある川越館、これはいわゆる中世の関東武士の統領である川越氏のやかたあとでありますが、これなんかは現在表面上あらわれたのは土塁だけであります。単に場所が残っているだけにすぎない。ところが一たん少し掘っていくといろいろな埋蔵文化財が次々とあらわれておる。これはいま現在県指定になっておるわけでありますが、しかしながら見たところただ平らなところで、土塁がちょっとあって木がはえている程度のものにすぎません。どうも文化財保護という段になると、市民にしても一般大衆にはぴんとこない。ややもすると公共施設ならいいんだろうというようなことで、学校を建てよう、あるいは幼稚園を建てようというようなことになりかねないわけであります。そういうことでこれまた保存が完全にいかないで非常に破壊の危険にさらされておる、そういうような状態にあるわけです。さらにまた関東には、鎌倉街道といったような由緒の深い道路、またさらに国分寺あとの、国分寺のかわらを焼いたというかまあと等、そういったようなものがうんと残っておる。さらに埼玉の古墳、こういったようなものもあるわけでございます。 文化財というのは、徳川以後の文化財ですと、また建築物みたいなものがちゃんと建っている文化財ですと、それを保護するのに一般の市民の人々も比較的協力するということもあるわけですけれども、埋蔵文化財、土に隠れてわからぬ、あっても土塁か何かであり、単なる城あとと称する山だけである、こういうような場合は、その保存ということになるとどうしてもあまりぴんとこないものだから、安易に道路にされ、宅造をされ、あるいはまたいろいろな施設が建ってしまう、こういうことになるわけであります。そういうことでありますので、文化財保護というものを完全に行なうためには、幸い緑地保全法等もいま成立しようとしておるわけでありますが、その保存をするについても、歴史公園なりあるいはまた緑地公園、緑地として指定することによって、地方自治体なり国がその保存のために責任を持つというようなことにしなければ、なかなかこういったような、特に埋蔵文化財については保存が今後ともむずかしくなるんじゃないかというふうに思われるわけでありますが、その点ひとつ文化財関係を担当する文化庁、そしてまた建設省としてのそれぞれお考えをお伺いいたしたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 文化財につきましては、おっしゃるとおりこの法案の第三条の指定要件の一つに、「神社、寺院等の建造物、遺跡等と一体となって、又は伝承若しくは風俗慣習と結びついて当該地域において伝統的又は文化的意義を有するもの」という条項がございます。これにまさに該当するものと思われます。そういうことでございますので、本法案が成立いたしました暁には、文化庁と十分連絡をとって、タイアップした方策により、貴重な文化財及びその周辺をめぐる環境の保全ということにつとめてまいりたいと考えます。
○古村説明員 先生の御指摘のとおり、埋蔵文化財の保護問題というのは非常にむずかしい問題であります。まず、土の下にあります関係上、表面上の観察ができないという観点から、文化庁といたしましてはまずそこの埋蔵文化財の調査を急いでおります。そして、国が指定をするに足りる埋蔵文化財が出ましたときには、その土地のまず公有化をはかる、公有化の促進をやっております。そのあと、公有化した土地につきましては、環境整備事業といたしまして、たとえば芝を張るとか、そういったようにして、小さな公園のような形で処理をいたしておるというような現状でございますので、その周囲が緑地保全法によって守られるならば非常に幸いなことかというふうに考えます。
○清水委員 文化庁も、いま言ったとおり、単に文化財を指定するだけじゃなくて、この保存のしかた等についても今後とも十分考えていただきたいと思います。特に、非常に保存が困難であり、かつまた破壊されやすい埋蔵文化財の場合は、緑地保全地区の指定、あるいはまた歴史公園、史跡公園として、都市公園整備法に基づく計画の中に組み入れてもらう等の努力を今後ともしていただきたいと思います。特にまた建設省としても、いま都市公園を整備するための五カ年計画を進行させつつあるわけでありますが、こういったような川越館の場合、あるいはまた松山城址の場合、こういったような中世史を研究する上において貴重な資料となる文化財については、ここを歴史公園等にして保存する等、そういうような方向でぜひひとつ文化財の保護のために協力をしてもらいたいということを強く希望をしておきたいと思いますが、その点についての前向きの御答弁を建設省のほうからいただければたいへんありがたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 私ども、都市公園整備五カ年計画の中に、おっしゃるような歴史公園というものも一つの公園のあり方として考えておるわけでございます。今後ともそういった面で、緑地保全地区という行事方とあわせまして公園化するということをも積極的に取り組みたいと考えております。
○清水委員 簡単に言います。この法律は都市の緑地保全ということでありますが、自然環境保全とは切り離せないわけでありまして、そのよき都市環境というものはその周囲の自然環境保全と密接につながるものだと思いまして、特に首都圏における問題であるので、ここで簡単に質問しておきたいと思います。 全国各地でスカイラインと称する山癖地帯における観光自動車道路がたいへんな勢いで拡大しつつあるわけでありますが、この観光自動車道路による大規模な自然破壊というものがたいへん大きな問題になっておるわけです。男体山のスカイラインだとか、石鎚山の問題だとか、朝、テレビを見ると、ときどきそういったような問題が報道されておるわけですが、特に首都圏に近いところで連峰スカイライン、これはばく大もない規模の大きい構想が山梨県によって計画されておるということで、何とかこのようなことは考え直してもらいたい、そういうような、これは東京の人からの陳情、山梨県からの陳情もたくさん来るわけなんです。調べてみましたら、これは河口湖から大菩薩峠を経て、ずっと行って八が岳、小淵沢まで来る百六十二キロという、全国最高に長い観光道路であるわけでありまして、こういったようなことでは、これはもういままでの例からしてたいへんな自然の破壊になる。特に山梨県はこれに対して七百五十億円もの金をかけて、県が公社をつくってこれをやろうとしておるわけであります。四十九年には着工して六十年には完成しよう。一日に平均三千二百四十八台の車を通すようにしよう。普通車で六千九百円取り、小型は四千四百五十円を取る。そこまで綿密な計画を立ててやっておるわけであります。すでに山梨県は鶏冠山林道なんて取り組んできたわけですけれども、たいへんな自然破壊をやっておるわけでありまして、すでにできておる富士スバルラインあるいはまた長野県境の南アルプスのスーパー林道等は、やはり自然破壊が大きいということでたいへん問題が起こっておるわけであります。環境宣言の中にも「人間の力は、賢明に用いるならば、すべての人々に開発の恩恵と生活の質を向上させる機会をもたらすことができる。誤って、また不注意に用いるならば、同じ力は、人間と人間環境に対しはかり知れない害をもたらすことにもなる。」というふうにいっておるわけでありますが、こういったような自然破壊の計画に対して、建設省は一体どういうようなお考えを持っておられるのか、ここで簡単でけっこうですからお答えを願いたいと思います。
○金丸国務大臣 連峰スカイライン、ことに山梨県という問題が出ましたから、私、山梨の生まれでございますのでお答えをいたしたいと思います。 連峰スカイラインの問題は、正式には私はまだ聞いてはおらないわけでございますが、県の中ではこれをやろうという計画が立っておるということを聞いております。私にも私的に、あなたはどう思うかということを聞かれるのですが、御案内のように、山梨県は何とて一つない、ただ観光資源しかないという県であります。まことに貧乏県であります。そこでそういうところに知事が目をつけたのではないかと私は思うのですが、しかしその開発いかんによっては、県民に及ぼす影響、住民に及ぼす影響というものははかり知れない損失のあるということもわかります。そういうことで、私はあくまでも、この道路をつくるのは県民の意思によってつくるべきである、県民の意思を十分そんたくし、またその通る周辺の住民の意見を十分聞いて、その上に立って判断すべきであると思う。ことに公害をまき散らすようなことになったのではいけないということを念頭に置いてこの道路をつくるということが必要じゃないか、こう私は申し述べておるわけですが、まだ具体的には建設省のほうにはこの問題について県のほうから話が参ってはおらないようであります。
○清水委員 マッターホルンの見える町で有名なスイスのツェルマットの町、ここでは町のずっと郊外のほうに自動車を全部ストップさせまして、そして町の中ではもう電気自動車と馬車しかないそうです。そういったように、自動車乗り入れということについては非常に気を使っておるわけです。ですから、山梨県があの風光明媚な、大切な観光資源と申しましょうか、それにむしろ自動車を入れないでこそ、もうこれから非常に貴重な、首都圏の、また日本の国民にとっての魅力ある場所になるのじゃないかとすらわれわれは思うわけであります。その点、ちょうど建設大臣の郷里でありますから十分配慮されたい。これはスカイラインの問題だけじゃない、全国的な問題ですけれども、こういったような性格の問題については今後ともひとつ十分慎重な配慮をしていただきたい。もちろんこの問題については国土総合開発法その他いろいろ関連の法案がありますので、そのときにもう少し詳しく質問をいたしたいと思っております。 さらにまた、埼玉県内のゴルフ場の建設等についても、これまた山岳地帯がものすごく破壊されておりまして、しかも県がそれを中止命令はするけれども、もうすでにこわされてしまっている、削られてしまっている、赤はだが出ているのであります。どうにもこのあとの処理が困るというようなことで、このままでいくならばゴルフ場の規模を縮小してこれを許可せざるを得ないのじゃないかというような心配すらもあるわけでありますが、それでは今後の示しがつかないだろう。結局のところは、緑地保全法じゃないけれども、買い上げするよりほかにないのじゃないかというようなことになっておるわけです。そういったような具体的な例を見ても、徹底的にゴルフ場を規制をしようとすれば、最終的には工事中止をさした場合に買い上げをするよりほかにないというような結果が出てくるわけでありまして、そういった場合においても、国としてこの基本線を貫かせようとするならば、やはり相当の財政的なてこ入れをしなければこのような基本線というものは貫き得ないものになるのじゃないかというふうに思うわけでございます。まあこれは御答弁は要りませんが、後ほど何かの機会にまた質問をさしていただきたいと思います。 これで終わります。 ――――◇―――――
○服部委員長 この際、お知らせいたします。 明七日午前十時より第一委員室において、運輸委員会と連合審査会を開会いたしますので、御出席を願います。 次回は、来たる八日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十三分散会