建設委員会 第14号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/04/25
会議録
○服部委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地価公示法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福岡義登君。
○福岡委員 去る四月一日に本年一月一日現在の地価公示価格が発表されました。それによりますと、前年対比で三〇・九%の値上がりになっておる。昨年の場合は一二・四%、一昨年の場合は一六・五%だったわけですが、それに比べればもう地価が上昇したというよりも暴騰したという以外の何ものでもないと思うのですが、建設大臣の所見をお伺いしたいと思います。地価の高騰の原因は一体何か、それから地価公示制度の存在意義はあると思っておられるか、お伺いしたいと思います。
○金丸国務大臣 地価の高騰は目に余るものがあるということは御指摘のとおりでありまして、これは昨年の金融緩和というものも大きく影響しておるのではないかという感じもいたしますし、一億国民が土地に対して投機的な考えになっているというような考え方も、これは少しオーバーな言い方かもしれませんが、そういうところにも一つの土地の値上げブームをつくっているとも考えられると思います。私は、この地価公示法というものは公共事業を推進する上の一つの規準にもなりますし、あるいは一般国民の目安になるということで、必要であることは言をまたない、このように考えております。
○福岡委員 地価が暴騰しておるというのは、いま大臣もお認めになりましたように、超金融緩和政策あるいはまた過剰流動性の問題、さらに日本列島改造論に伴う商社あるいは法人などの土地の投機買い、あるいは政府の土地対策の無策というものが私は原因だと思います。しかし、この地価騰貴の原因につきましてはあとで論じたいと思いますが、ここでは、地価公示制度そのものの存在意義というものがないのではないか。いまさら申し上げるまでもないのですが、地価公示法の第一条の「目的」に、「この法律は、都市及びその周辺の地域において、標準地を選定し、その正常な価格を公示することにより、一般の土地の取引価格に対して指標を与え、及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もって適正な地価の形成に寄与することを目的とする。」こう書いてあるのですが、はたして土地の取引価格に対して一定の指標を与えておるとお考えになるかどうか。また、公共事業用地に対する適正な補償金の額の算定等に資しとあるのですが、ほんとうにそういうことになっておるのかどうか。適正な地価の形成に寄与しておると私どもは考えられないのだけれども、一体どうお考えになっておるか。
○高橋(弘)政府委員 地価公示制度がどういうふうに効果的に利用されているかという点についてでございます。先生のいまおっしゃいました「目的」にも御質問のとおりのことを書いておるわけでございますが、地価公示制度というのは、御承知のように標準地の適正な正常な価格というものを定期的に公示するということによりまして、一般の土地取引の目安を提供する、同時にまた公共用地等の取得の規準とするということでございます。これにつきましてはいろいろ資料がございます。たとえば、一般の民間の土地取引の指標になるということにつきましては、御承知の周知徹底のために官報に登載をいたしておりますけれども、これは市町村役場、東京では区役所に閲覧簿がございまして、一般の人が閲覧を求めれば閲覧することができるようになっております。その閲覧件教が毎年大体四千件くらいあるわけでございます。それからまた電話の照会というものも相当あるわけでございまして、私どもといたしましてはそういうことによりまして、一般の民間取引におきましても目安なり指標になっておるというふうに考えておるわけでございます。この点につきましては、今回の法律改正でも指標とすることを責務にいたしておるわけでございまして、それに関連しまして、本国会で別に提案いたしております国総法の改正案の中におきましても、著しく公示価格に照らし適正を欠く取引につきましては中止勧告ができるとなっておりますので、この地価公示制度が一般の民間の土地取引につきましてももっと効果をあげるというふうに考えておる次第でございます。 また、第二点の公共用地の取得の規準の状況についてでございますけれども、これは本法の九条によりまして、公示価格を規準として算定しなければならないとなっております。これにつきましては、昭和四十六年におきましても千六百五十五カ所におきましてこれが規準になっておる次第でございます。この公示対象の地域におきまして、大体規準にできるところにつきましてはすべてこれを規準にしておるということになっておる次第でございます。 先ほどいろいろ御質問もございましたけれども、この地価公示制度につきましては、そういうふうに従来から私どもといたしましてはいろいろの地価の形成に役立てるというふうに考えておるわけでございますけれども、さらにこの地価公示制度というものの基盤を整備していくことによりまして、今後この地価公示というものを大いに利用し、活用するということで、ほかの方策とあわせて地価の安定にも寄与できるというふうに考えておるわけでございます。その一つとして、さっき申し上げました中止勧告制度というものもございます。また将来におきましては、私どもといたしては課税上の規準にもこれをいたしたいというふうに考えておる次第でございまして、そういうことによりまして、公的な土地評価の適正化、一本化ということにもつながっていきまして、そういうことになりますとこの地価公示はいろいろ効果を発揮してくるというふうに考えるわけでございます。その他、この地価公示価格を今後いろいろな施策、方策に活用するというほうをあわせて考えることによりまして、地価公示というものが大いに効果をあげるというふうに考えておるわけでございます。そのためにもまず地価公示制度を整備拡充するということが必要でございまして、今回法律改正の御審議をお願いしておる次第でございます。
○福岡委員 将来の問題はまたあとで触れるわけなんですが、いまお話がありましたように、昭和四十六年に公共事業用地取得が千六百カ所余りあるということなんですが、全地点に地価公示がなされたということではないでしょうから、全部千六百何カ所については言えないと思うのですが、相当数この千六百カ所の中には地価公示地点があると思うのです。全部聞くこともできぬと思うのですが、地価公示価格と実際に用地を取得した価格がどういう関係になっておるかということを説明してみてもらいたい。きのう資料要求しておったのですが、きょう間に合ってないので、全部でなくとも、代表的なものでもけっこうですから、Aの地点の地価公示価格が幾らで、何々公共事業の用地買収が幾ら幾らでという点が何カ所かあると思いますから、首都圏なり近畿圏なり中部圏なりの代表的なものを説明してもらいたい。
○高橋(弘)政府委員 先ほど御説明しました千六百五十五カ所の説明が不十分でございまして申しわけなかったのですが、これは公示対象地域におきまして規準とした個所でございます。この対象地域内での事業施行個所が二千百三十八カ所あるわけです。その中でさっき申し上げましたように千六百五十五カ所は規準といたしたわけでございます。大体八割でございます。そして残りは、さっきちょっと簡単にしか申し上げなかったのですけれども、規準とすることを要しなかったもの、規準とすることができなかったもの、二つあるわけでございます。それが二割になるということでございまして、規準とすることを要しなかったというものは、これはこの地価公示がなされる以前に算定された価格に基づいて継続事業で継続してこれを取得したもの、それから土地収用の事業認定に基づく価格決定というのが四十五年以前に行なわれておる、そういうようなことによって規準とすることを要しなかった。それから規準にできなかったものにつきましては、これは近隣地域また類似地域に類似の利用価値を持つ標準地がなかった、つまりその事業個所、土地を取得する近隣地域にそういう標準地がなかった、まだ公示されてなかったということでございます。そういうことを考えまして、あとの残りの約八割につきましてはすべてこれを規準にしておるということでございます。この千六百五十五カ所は具体的に積み上げたものでございます。地方団体、公社、公団などで積み上げたものでございます。ちょっといま手元にございませんけれども、あとでよろしければまた説明させていただきたいと思います。
○福岡委員 それではそれはあとで聞かしていただくことにしまして、民間の取引においてこの地価公示価格が地価の指標となっておるということはどうしても考えられぬのです。NHKのあと地の一坪千百万などというものは例外中の例外かもしれませんが、全体的に見て民間取引の場合この地価公示価格が指標になっていないと、こう思うのですが、それはどうですか。
○金丸国務大臣 歴史が浅いものですから先生のおっしゃられる面もあろうかと思いますが、ひとつそれは長い目で見ていただきたい、こう私は思います。
○高橋(弘)政府委員 一般の土地取引につきましては、これは具体的に全部私ども把握しているわけではございませんので、いまの公共用地の取得の状況についての具体的な資料を全部持ち合わせておりませんけれども、一応私ども資料を持っておるわけでございます。こういう資料によりますと、大体一般取引におきましても公示価格を規準とした例が相当あると私ども考えておるわけでございます。先生の御質問の御趣旨は、公示価格が守られないのではないかということでございますけれども、この地価公示価格は、御承知のように、さっき申し上げましたように毎年度の一月一日現在のものでございます。したがいまして、実際に土地の取引は一月一日ということではございませんで、一年間のうちにそれの時期に応じて行なわれるわけでございます。 〔委員長退席、天野(光)委員長代理着席〕 したがいまして、その点については一月一日からの時点修正というものがどうしても必要になってくる、これは当然でございます。最近のように地価の上昇が非常に高くなりますと時点修正も、修正値は非常に高くなってくるということはこれはもちろんあるわけでございます。同時にまた、一般の土地取引におきまして、通常の土地の値段ということでなくて、特殊な動機だとか事情というものに基づくもの、たとえばどうしてもあの角地を買いたい、自分の隣接地をどうしても買いたいというものがあります。それからまた、外国に赴任するのでこの土地をどうしても早く売りたい、少し安くても早く売りたいというものもあるでしょう。そういうようないろいろな売り急ぎとか買い急ぎとか、そういうものがあるわけでございまして、そういうものはもちろん地価公示でいう正常な価格、適正な価格よりも高いということは考えられるわけでございます。また、地価公示価格は、さっきもちょっと申し上げましたように、さっき大臣からも御説明いたしましたように、件数がまだ少のうございまして、いかにその地点を基準にして価格をきめるかということが現在のところなかなかむずかしい問題がございます。そういう場合にはもちろんその土地の近傍その他地域の状況に応じまして事情補正というのがございまして、したがいまして実際の取引価格が地価公示価格と、さっきいろいろ申し上げましたような理由で異なるということは、これはもちろんあるわけでございます。その異なる理由の相当部分が、私がいま申し上げたようなことであろうかと存ずるわけでございます。もちろんこれは地価公示価格を指標にする、目安にするということでございまして、現行制度のもとではこうするほかございませんので、まだ私ども実態を把握する機会が非常に少のうございますからそういう傾向を申し上げておるようなわけでございます。以上申し上げたようなことで、おっしゃるように地価公示価格と実際の取引価格が違うということはあり得ると考えておるわけでございます。
○福岡委員 局長、これは逃げの答弁をしておられると思うのですよ。正直に地価公示価格というものの果たしておる役割りというようなものをとらえようとしないで、正当化するようなかっこうで答弁をされておると思うのです。一月一日に公示した価格の何%増かといえば、時期がたつに従いまして、たとえば三月ごろまでの取引はおおむね一〇%くらい高く取引されておる、半年たったときは一五%である、あるいは十月から年末ごろにかけましては、公示してから一年近く経過しておるときには二〇%なり、今度の発表でいえば三〇・九%ですか、そのくらいになっておる。そういうようになっておるのならば、これは地価公示価格が取引の規準にされておるということがある意味においては言えると思うのですが、そうじゃないのですね。もしそうだとおっしゃるならその資料を出してもらいたいのです。せっかく公示された地価公示価格というものがあまり取引の指標になっていないのじゃないか。むしろ、私どもが実態的にいろいろ聞いておる例からいいますと、地価公示価格というものは下限の役目を果たしておって、いわゆる取引の標準としての指標になっていない、こういうことを指摘しておるわけなんです。また、おっしゃった角地などはこれは例外として考えられていいと思う。あるいは特別の事情でどうしても買いたい、あるいはどうしても売りたいというような場合もあるわけですから、そういう例外はさておくといたしまして、一般の取引はこの地価公示価格が地価の指標になり得ていないのじゃないか。その点は率直に認めなければならぬと思うのですがね。逃げなり正当化するための答弁じゃいかぬと思う。 それからもう一つ、今度は地方公共団体が——補助事業ならある程度建設省も掌握しておられると思うのですが、補助事業でない場合、はたしてこの地価公示価格を用地取得の指標にしておるか、あるいは規準にしてやっておるかといいますと、必ずしもそうでないですね。地方自治体がやっておる公共用地の取得について公示価格との関係が一体どうなっておるか、建設省、調べておられますか。
○高橋(弘)政府委員 第一点の御質問は、おそらくこの地価公示価格が実際の通常価格の何割減か、最低の価格になっておるのじゃないかという御質問だろうと思いますが、先ほども申し上げましたように、一般の土地取引につきましては全部私どもはそれを把握するということがなかなかできかねるわけでございますけれども、確かに傾向といたしましては、最近のように投機的な投資ということで、土地が投機の対象になるという最近の現状におきましては取引価格というものが地価公示価格を上回るという例も相当起きると存じます。しかしながら、これもやはり根本問題は、私からここで申し上げるまでもなく、宅地の需給のバランスの問題であるわけでございます。そういうことでございまして、元来が非常に低いのが、地価公示価格ができたからそれによってその価格が地価公示価格を規準として高くなるとか、また地価公示価格を規準にしてそれのどのくらいにしようかというようなことでは必ずしもないわけで、問題はやはり実際の需給のバランスに関係があろうかというふうに考えておるわけでございます。 それから地方公共団体の問題につきましては、先ほど申し上げました資料の中で、都道府県及び市町村という起業者の土地取得の状況、四十六年におきましては、都道府県におきまして規準としたものが、全体で五百二十七のうち四百二十四、それから市町村が千二百四十六のうち九百二十二ということでございます。これは個所数でございます。これはさっき申しましたように、その事業個所数の中で規準としたものとの差は、規準とすることを要しなかったもの、それから規準とすることができなかった地点ということで、規準とすることができる地点におきましては、私どもの調査し、また把握したところによりますと、すべて規準としておるというふうに考えておるわけでございます。
○福岡委員 千六百五十五カ所とおっしゃったのは、補助事業その他一切、直轄分も含めての件数ですか。
○高橋(弘)政府委員 さっき申し上げましたように、そういう地方公共団体も含めてのものでございます。
○福岡委員 もう一ぺん、直轄は何件ですか。
○高橋(弘)政府委員 規準にしたものは千六百五十五個所でございます。それの建設省直轄が五十一カ所、それから公社、公団百六十六カ所、それから都道府県がさっき申し上げました四百二十四カ所、市町村が、これもさっき申し上げました九百二十二カ所、その他たとえば土地収用権を持っております電力会社その他についてもこれは調べたわけでございますが、九十二カ所、合わせて千六百五十五カ所ということでございます。
○福岡委員 千六百五十五カ所の内訳、件数の内訳はわかりました。 そこで、地価公示価格と実際に取得した価格、これはここで千六百五十五カ所全部を聞くわけにもいきませんし、また資料として全部もらうというわけにもいかぬと思いますが、後刻件数別の主要な部分について公示価格と取得価格の関係を資料として示していただきたい。
○高橋(弘)政府委員 二、三の例が、いま資料が出てきましたので申し上げますが、東京都についてでございます。これは東京都の練馬区でございますが、四十七年一月一日現在の公示価格が平米当たり六万八千五百円でございます。これの買収時が四十七年八月でございますが、これは時点修正なり、さっき申し上げた事情補正をした結果、平米当たり七万二千百円ということになっております。それから建設省直轄の部分一つだけ申し上げます。東京を離れて申し上げますと、大宮市でございますが、公示価格がやはり四十七年一月一日現在で三万二千五百円を、買収時が四十七年五月でございますが、これもやはり時点修正及び品等比較をいたしまして事情補正をした結果、平米当たり三万一千六十円、これは少し公示価格より低いわけでございます。
○福岡委員 県単その他については公示価格との関係を調べておられますか。
○高橋(弘)政府委員 単独か補助かはちょっとわかりませんが、東京都はどうも単独事業じゃないかというふうに考えられます。これはあとでまた正確に調べまして御報告いたします。
○福岡委員 いま質問しました関係の資料を、もう少し整備したものを後刻出していただきたいと思います。 次の問題なんですが、地価公示価格と税金の関係についてお伺いしたいのですが、この地価公示法が衆議院を通過するときに附帯決議がなされておるわけであります。その附帯決議の第二項に「市街化区域内の地価の高騰を抑制し、同区域内の公共事業の施行による土地所有者等と一般の土地取引者との利益の調整を図るため、一般の土地取引においては、公示価格を一定限度以上越える譲渡差益に対する課税の強化」云々、こう書いてあるわけですね。これはどうなっておるのですか。
○高橋(弘)政府委員 地価公示法案を四十四年にお通しいただくときに附帯決議がございました。第二項に、「公示価格を一定限度以上越える譲渡差益に対する課税」、つまり土地高価譲渡所得税といわれるものについての決議がされておるわけでございます。公示価格を上回るところの譲渡益に対しまして特に高率の課税を行なうというのも、土地対策上、特にこういう公示価格を間接的に守らせるという意味におきましては確かに一つの方策であり、考え方であろうかと存じます。そういう意味におきまして、これは関係の省ともいろいろ検討いたしておるわけでございますが、現在の段階におきましては地価公示制度がまだ全国的に整備されてない、そういう課税をする前提条件がまだ整備されてない。またこの地価公示価格がもっと全国的に整備されまして、同時にほかのいろいろな課税のときの評価規準にするというような一本化の議論もございます。私どもそういう適正化、一本化をはかりたいと考えております。そういうことをはかるということがまず前提でございます。そういうようないろいろな前提条件がなお現在のところ整備されてない。したがいまして、まず私どもはこの前提条件を整備すべく、今回もその第一弾といたしましてこの公示法の改正をお願いいたしておるわけでございます。そういう前提条件の整備がまだ十分でないこと、それからまたこの土地高価譲渡所得税につきましては高率の課税でございますが、この場合に公示価格を上回るものについてどの程度税として吸収するか。つまり、この公示価格について一〇〇%値上がり益をみな取ってしまうのか、その他八割か九割ということにするのか、つまり土地の値上がり益を土地を譲渡した者に対してどの程度享受させるのか、そういうことについていろいろ議論があることと存じます。そういう点につきまして一般の国民のコンセンサスというものを得る必要があろうかと思います。そういうこともあわせていろいろ検討いたしておる次第でございますが、私どもといたしましては、こういう方法も一つの、土地対策上間接的に公示価格を順守させる方法だろうと存じまして、今後も検討を続けていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○福岡委員 今後も検討されるとおっしゃいますけれども、あるいは前提条件が整備されてないと言うのですけれども、この法律が成立したのは四年前なんですね。全然構想もまとまっていないのですか。たとえば地価公示価格をいついつまでに整備をする、自後は公示価格を越えた部分については、私どもは一〇〇%という主張をしたいのですが、おっしゃるように八〇%がかりに適当だとすれば、あるいは九〇かもしらぬ、七〇かもしれませんが、そういう地価公示価格を越えた部分については課税するというぐらいの方針は出てしかるべきじゃないか。引き続き検討するというのじゃ困るのですが、大臣どうですか。
○高橋(弘)政府委員 この問題につきましては、先生のおっしゃるとおりいろいろ問題点を早く検討して結論を出す必要があるわけでございます。政府税調におきましても、四十八年度の税制その他を審議する際にもいろいろ論議されております。従来から政府税調でもいろいろ論議されておるわけでございます。ただ前提条件というのが、先生おっしゃるように四十四年に成立させていただいて四十五年から地価公示を実施いたしたわけでございますが、この地価の公示にはいろいろな作業その他がかかるわけでございます。一年間で一挙に全国全地点はなかなかいかないわけでございます。私どもの目標といたしましては、将来計画といたしまして、国の基準地点につきましては四十八年度予算で一万四千五百七十地点すべてにつきまして調査を完了し、四十九年当初には全部公示をしたい。それに基づきまして今度は都道府県で、私ども建設省としてのもくろみでは約四万地点、それから市町村で大体二十四万地点というようなことで相当数の地価公示を、四十九年に公示いたしました国の地点に基づきまして、それを基準といたして地価公示を行なう。そういうことによりまして昭和五十年の秋にはぜひ地価公示を全国的にきめこまかく整備をしたい。そして昭和五十一年からの固定資産税の評価がえにあたりましては直ちに活用できるように私ども考えておる次第でございます。建設省といたしましてはそういう方向でぜひ進みたいということで関係各省に協力を求めておるわけでございます。政府部内におきましてもこの点につきましては、先般きめました地価対策閣僚協議会の土地対策要綱の中におきましてこういう方向についての方向づけはすでになされておるわけでございますが、そういうような前提条件が整備されましたならば、先生のおっしゃいましたそういう新しい制度の創設についても、これは実施できる基礎条件ができるわけでございます。私どもといたしましてはこういう問題についてぜひ実現方に努力いたしたいというふうに考えておる次第でございます。さっき申し上げましたいろいろな問題点がありますものですから、その点についてやはりいろいろ論議を戦わし、慎重に研究しなければいけないというふうに申し上げた次第でございます。
○福岡委員 五十年秋までに地価公示制度を整備して、五十一年から固定資産税の評価その他についても活用できるようにしたい、こうおっしゃるのですが、それはそれとして了解できるが、先ほど私が聞きましたのは、地価公示価格を越えて取引をした場合に、越えた部分について課税するという附帯決議があるのだけれども、それは一体どうしようとしておるのか、ここのところをはっきりしてもらいたい。
○高橋(弘)政府委員 この点については、先ほどからお答え申し上げておりますように、そういうことができる前提としまして全国的にきめこまかい地価公示制度が整備されないとその制度というものは実施できないわけでございますので、まず整備、拡充強化について私ども十分の努力をして、そして目標を五十年に置いて、その時点以降におきまして、私どもといたしましてはぜひこういう制度ができるように努力をいたしたいというふうに御答弁申し上げておる次第でございます。
○福岡委員 これは局長の答弁ではちょっと困るので、大臣のほうから、五十年秋までには地価公示制度を整備する、こうおっしゃるのですが、整備できたら公示価格以上で売買したものについては課税するということを国民に公約できるかどうか。
○金丸国務大臣 課税の問題について附帯決議がついておる、この問題は各省といろいろ話し合いをいたしておるわけですが、合意に至っておりません。またそれは国民のコンセンサスもある程度得る見通しの上でやらなくてはいけません。また、ただいま局長から述べましたように地価公示制度が全国に普及した上でやるということが妥当だ、このように考えております。
○福岡委員 どうも歯切れが悪いのですが、整備できたら附帯決議の趣旨に沿って課税をする、このくらいは建設大臣としては態度を明らかにしてもらいたいと思うのですがね。
○金丸国務大臣 先生の御指摘の点については、私はやるべきだという考え方を持っております。そういう方向で努力したい、こういうことでございます。
○福岡委員 わかりました。 そこで、税金問題はそのくらいにしておきまして、ちょっと横道に入るかもしれませんが、大臣の見解を伺いたいと思いますのは、土地を商品として投機の対象にするということ自体が誤りだ。そこで地価公示制度がある程度整備された段階では個人間あるいは法人と個人間の土地売買をさせない、土地の取引はすべて公的機関を通じて行なう。その価格は地価公示価格である。さっき前段でのお話は、地価公示価格を越えて売買した場合は、一〇〇%私どもは税金を取るべきだと思うのですが、かりに八〇%になるにしましても公示価格以上のものは税金として取るわけですから、それを裏のほうから考えてみれば土地を投機の対象にしないわけですから、個人間のいわゆる民間の売買をさせないで、公的機関でのみ土地所有権の移動はするというような方向について検討する必要があると思うのですが、どうでしょう。
○高橋(弘)政府委員 土地取引を一定期間なり売買禁止をして、その期間公的機関がすべて土地を取得して供給するという構想だろうと存じます。これは土地対策のため、地価を安定させる一つの方法だろうと私ども考えます。いろいろ各方面からもそういう案が提言されたことはございます。したがいまして、この問題につきましては、また後日御審議いただきます国総法の改正案の中におきましても特別規制区域という制度がございまして、その地域を決定いたしますと、その地域内の一般の土地取引につきましては原則としてこれは凍結される。許可制度でございますけれども、許可の基準がございまして、その許可の基準が限定的でございますので、いわゆる売買凍結案でございます。価格につきましても、御承知のようにいわばその時点における価格凍結というようなことになっておる次第でございますが、公的機関につきましては許可できるようになっております。したがってそういう制度を十分活用いたしますと、先生がおっしゃるようなそういう趣旨に沿うことになるのではないかというふうに考えておる次第でございます。そしてそういう公的な機関が土地を取得する場合につきましては、地価公示法によります地価公示価格を規準とするということになっておるわけでございまして、これまた先生の御趣旨に沿うということになろうかと存じます。
○福岡委員 限定された地域だけということでなしに、将来、原則的にそういう公的機関を通じてという方向に検討していただきたい。また国総法その他の審議の際にわれわれの意見を申し述べたいと思いますが、ついでにこれは見解を求めてみたいと思いますのは、これも将来の土地対策の考え方の一つなんですが、領土権は御承知のように国家が持っておる。国内については、土地の所有権は個人になっている、あるいは法人になっているが、土地の所有というものはすべて国家なり公的機関が持つべきものであって、地上権というか、土地の利用権、これの移動というような理念を基本にするべきだと思うのです。これまた国総法その他で基本的には論ずる時期があると思うのですが、ついでに御見解を承っておきたいと思います。
○金丸国務大臣 私は何回か申し上げておるわけですが、土地は国民の共有する領土である、こういう考え方、それはいまの時点ではそういう考え方が公益優先という考え方と相通ずると思うわけでございます。そういう意味で、先生のいまおっしゃる問題については十分検討してみたいと思います。
○福岡委員 次へ移りますが、地価公示価格と課税の関係、これを聞きたいのですが、ここに自治省からもらった固定資産税の評価額と公示価格との関係の資料があります。商業地域、住宅地域に分かれておりますが、大体傾向を見ますと、地価公示価格に対して固定資産評価額は高いもので五六%、低いもので三一%、相当開きがあるわけですね。そこで私は自治省の見解も伺いたいと思うのですが、建設省としてはこの関係を一体どのように考えておられるのか。また、固定資産税だけではございません。相続税の場合もあるでしょうし、贈与税の場合もあるでしょうし、いろいろ税との関係があるのですが、具体的にいまここで資料をもらっておりますのは固定資産税と公示価格との関係しかございません。どういう御見解でしょうか。
○高橋(弘)政府委員 先生の御指摘のとおり、固定資産税及び相続税の課税上の評価というのは、これは法令上は時価によるものというふうになっておるわけでございますけれども、実際には公示価格との間で開きがございます。大体相続税の評価額につきましては、四十七年度において公示価格の大体六、七割、それから固定資産税につきましても、先生の御指摘のとおり、四十八年度におきまして、市街地におきましては三割から六割ということになっておるわけでございます。私どもといたしましては、先ほどからいろいろお答え申し上げておりますように、こういうふうに課税評価額と地価公示価格というものに隔たりがあるということは好ましくないというふうに考えておる次第でございまして、この地価公示制度というのを早く全国的に整備拡充いたしまして、そういうことによりまして公的な土地評価、特にこういう課税上の評価につきましてその適正化、一本化をはかるようにいたしたい、私ども建設省としてはそういうふうに努力いたしたいと考えております。
○吉田説明員 相続税、贈与税の点についてお答えいたしたいと思います。実は資料がきのう間に合いませんで、けさ先生の秘書のほうにお届けしてあったのでございますが……(「全員に配れ」と呼ぶ者あり)お配りいたします。 相続税の評価につきましては、やはり前の附帯決議の際に「公示価格との均衡を失しないよう」にというのがございまして、私どもそれに合うように努力しておるわけでございます。相続税の評価額は、御承知のとおりに正常な取引価格を出しまして、財産課税の評価額でございますので、それの七掛け、七〇%ということでやっております。これは宅地だけじゃございませんで、農地も山林も、土地全体、あるいは株でも、非上場の株式も七掛けでやっております。われわれといたしましてはその際にまず適正な取引価格を精通者等の意見を聞きまして出しまして、それに七割掛けておるわけですが、その正常な取引価格を出します際に、公示価格がある地点につきましては公示価格を活用させていただきまして、七掛けをやっておるわけでございます。ただ、御案内のように相続税のほうは大体七万カ所につきまして、宅地だけでございますが、評価しておりまして、地価公示制度のほうは現在まだ約五千五百弱でございます。だんだんこの数がふえてくればわれわれとしてもさらに拡張していきたいと思っております。 それからもう一点は時間的なズレの問題でありまして、公示価格は一月一日現在でやってございますし、私どもは七月一日現在でやっておりますので、その半年のズレの調整はいたしておりますが、そういうことも含めまして、できるだけバランスをとるように努力いたしております。
○小川説明員 固定資産税の評価も、いま国税庁がおっしゃったようなところがあるわけでございますが、固定資産税標準地だけで全国七十七万カ所あるわけであります。いま国税庁からもお話がありましたように、四十八年の公示地点というものは五千四百九十地点でございます。そういう関係もありましてこういうことになっておりますが、将来公示地点の充実を待ってわれわれも十分検討してまいりたいと考えております。
○福岡委員 固定資産税の場合、いまお話しのように七十七万カ所全国で評価してあるわけです。さっき説明があったのかもしれませんが、五十年秋には地価公示地点は何カ所か、それが一つです。 それから相続税の場合、暗算してみまして大体六〇%ぐらいじゃないかと思うのです。これは首都圏、大阪圏、名古屋圏と出しておられるのですが、たまたま六〇%ということにおおむねなっておるのです。これはたまたまなのか、あるいは大体そろえるために合うようなところを抽出されたのか、その辺がわからぬのですが、お伺いしたい点は、地価公示価格というものをこの評価額にどういうふうに関係させておられるのか、規準にしておられるのか。相続税の場合も同じように——相続税の場合はこれは大体六割。固定資産税のほうはばらつきがあるけれども、一体どういうように評価額の参考なり規準にしておられるのか、もう一ぺん説明していただきたいと思うのです。
○高橋(弘)政府委員 先ほど、私ども建設省のもくろみといたしまして昭和五十年の地価公示地点というものを、わざわざ注釈をつけて、宅地について約二十四万地点というふうに申し上げた次第でございます。先ほどの自治省の御説明は田畑、山林を含めた地点でございまして、宅地については少なくとも二十四万地点必要であろうというふうに申し上げた次第でございます。現在の宅地についての固定資産税の基準というものは二十六万地点あるというふうに聞いておるわけでございます。
○吉田説明員 現在相続税の評価水準と公示価格の水準は、先生御指摘のように大体六割程度でございます。これはどういうことかと申しますと、私どもといたしましては先ほどもお話のように約七〇%の水準を目ざしておるわけでございますが、時間的なズレがございまして、それともう一つは、過去からかなり引き上げをやってまいりましたので、だんだん七割のほうへ持ってこようということで努力してやっているわけでございます。たとえば一例を申しますと、秋葉原の近くの約二百五十メートルのところに宅地がありまして、これは商業地域でございますが、たまたま四十八年一月一日の公示価格が八十万のところを相続税の標準地にしておりますのでぴったり合っているわけでございます。この八十万というのはことしの一月一日で、四月一日に発表になった数字でございまして、相続税のほうでは去年の七月一日現在でものを判断いたしておりますので、その段階ではまだ八十万という数字がございませんので、もう一年前の数字、この地点は六十五万で実は四十七年の四月一日に公示されております。六十五万を規準にいたしまして、それから七月一日まで延ばしまして、この際には七十万と見ておりました。それの七掛けの四十九万ということで計算しております。われわれといたしましては、公示価格のあるところはできるだけ公示価格を中心に考えまして、ないところだけ精通者意見等を中心にして考えるというような方向で現在努力しております。
○小川説明員 固定資産税の評価は御承知のとおり三年ごとにやっております。評価の方法は、売買価格、それから不正常要素を落とす、それから精通者価格、こういうものを基礎にして全国の調整をとるような形で評価をしております。
○福岡委員 固定資産税の再評価はことしやっておるのですね。四月に発表しておるのじゃないかと思いますが、公示価格を発表されたのは四月一日なんです。ことしの固定資産の再評価にはこれをどういうふうに利用されておるのか、お伺いしたい。
○小川説明員 先ほど標準地七十七万地点と申し上げましたが、これは田畑、宅地を含めてでございます。市町村は筆ごとに評価するわけでございます。筆の数が全部で一億五千万筆あるわけでございます。したがいまして、全国調整をとって評価していく場合には、大体四十八年の一月一日時点ということになっておりますが、実際の価額の調整は夏ごろにやるわけでございます。そういうことで、三年ごとに評価をしておるというのが実情でございます。
○福岡委員 大体の事情はわかりましたが、相続税の場合、まあ大体御説明で理解できるわけですが、なお評価地点が少ないためにできないというのは、これは将来公示価格の地点が広がればうまくいくと思うのです。固定資産税の場合相当私は問題があると思うのですね。ですからこの問題については将来自治省なり建設省との間で十分連携をとっていただいて、課税の公平を期していただきたい。同時に公示制度そのものの権威について考え直していただきたい、こう思います。 それから次なんですが、今度地価公示法の一部改正で、現在は市街化区域内で地価公示をやっておるのですが、今度は調整区域にこれを拡大するというお考えなんですね。どういう理由でこれを考えられたのか。
○高橋(弘)政府委員 従来市街化区域内だけだったわけでございますが、今回調整区域を含め、都市計画区域内全体についてこれを拡充しようということでございます。その理由につきましては、さっきから申し上げておりますように、一つは全国的に土地対策、地価対策のために地価公示制度を整備していきたいというその前提として、国の基準点を全国的な都市地域に広げるということでございます。それから最近の土地取引の状況等を見ますと、従来の市街化区域だけではございません。その他の地域につきましても相当の土地取引があるのでございまして、そういう意味におきまして、地価の安定のために、一般の土地取引におきましてはその指標、また公共用地につきましては規準とするという制度でございますけれども、その他の地域につきましても市街化区域と同じような状態が現在あるわけでございますので、これを拡充いたしまして地価公示法の目的に沿うようにいたしたいというふうに考えた次第でございます。
○福岡委員 地価公示制度を全国的に整備したい、そのために調整区域にも公示制度を及ぼす、こういう話なんですが、御承知のように都市計画法で、市街化調整区域というのは開発を抑制する地域として、環境あるいは自然保護のために線引きをした地域なんですね。いまいみじくもお話があったのですが、最近取引が調整区域にも相当広がっておる、だから地価を抑制させる一つの方策として地価公示制度を調整区域にも及ぼす、こういうお話なんですが、これはもってのほかだと思うのですね。この一月の二十六日だったか、閣議かあるいは地価対策懇談会かよく記憶しておりませんが、田中総理自身が調整区域の開発について、いわゆる宅地供給というものを発言されておるわけなんです。これは不見識きわまりないと私は思うのです。宅地が足りないならば、この調整区域内に宅地を求めるのではなくて、市街化区域内で求める方法はたくさんあるわけですね。それをしないで、いたずらに調整区域の開発をやっていこうという発想は間違いであるという点を強く指摘しておきたいと思うのです。現在、市街化区域の面積は百二十万ヘクタールあるといわれておる。そうですね。その中で既成市街地四五%、したがってあと五五%というのはこれから市街化されていく、新市街地というのがこれだけ。半分以上、五五%もの土地が市街化区域の中にあるわけです。宅地が不足しているのじゃないわけですね。調整区域内にいかなくとも市街化区域の中に五五%もまだある。その活用方策を考えないで、いたずらに調整区域を開発する、あるいは宅地化していくという考え方は誤りであると思うのですね。しかも、問題はこの線引きをしました市街化区域の中の都市主要施設、道路、公園、下水道というようなものもまだ整備されてない。都市計画法の中で市街化区域を定めましたのは、向こう十年間に市街化していくべき地域、都市施設をどんどんとやっていきます、こういうことだったですね。ここでちょっとお伺いしてみたいと思いますのは、市街化区域の中で先ほど申し上げました都市主要三施設、道路、公園、下水道、この事業量というものは一体どれだけ残っておるのか、どこまで進捗しておるのか、それを聞きたいと思うのです。
○高橋(弘)政府委員 市街化区域内の都市施設をまず整備していこう、これはごもっともでございまして、建設省としましてもそういう方針のもとにいろいろ整備をいたしておるわけでございます。この進捗率——実は都市局でそういう市街化区域内の公共施設の整備計画を持っております。全国でこれを集計いたしますとたしか三十七、八兆ばかりかかるというふうに記憶しておる次第でございますが、どの程度進捗しているかは実はちょっとここに資料の手持ちがございません。先生のおっしゃるとおり、市街化区域内の既成市街地以外のところでまだ開発適地がたくさんあるわけでございまして、そういうところについて開発を進めるということは、建設省の方針としてもそういうふうに考えている次第でございます。
○福岡委員 いまお話しのように市街化区域の整備自体が進んでない。やらなければいけぬ事業というのはたくさんある。そういう事情の中で調整区域にまで宅地を求めていくということになれば都市施設は当然間に合わないです。そうするとスプロールになっていくわけですね。環境は破壊されるわけですね。ですから私どもは、せっかく線引きをした市街化調整区域というもの、これは開発を抑制する地域として将来もやっていくべきだと思うのですよ。宅地が足りないんじゃない。それは市街化区域内を開発しないからだ。都市施設も十分整備されてない。どうですか、大臣、この法改正で地価公示制度が調整区域内に広がるということはどういう目的でやられようとしておるのか。もし指摘したような目的なら、これはやめてもらわなければいけない。
○高橋(弘)政府委員 調整区域につきまして地価公示制度を拡充するということは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、調整区域におきましても、御承知のように都市計画法で一定の条件が備わったものにつきましては開発許可ができるわけでございます。また農民の日常生活のためのものとか、そういう開発許可ができるものもあるわけでございます。御承知の大規模なものにつきましては、二十ヘクタール以上で開発審査会の審査を経ましたものにつきましては都道府県知事が許可する例もあるわけでございます。さらにまた別途、これも国会に提案されております公有地拡大法の改正におきまして、今回先買い権の対象が従来の市街化区域から調整区域まで拡大されておるわけでございます。その先買いを公的にする際におきましては地価公示価格を規準としなければならないというふうになっておる次第でございまして、そういうためにも、調整区域におきましてもやはり地価公示がされるということが必要であろうかと存じます。私が最初に申し上げましたとおり、地価公示制度を、先ほどから先生の御指摘のとおり土地対策上大いに効果あらしめる、また活用するためには、どうしても全国的にこの制度を整備する必要があるわけでございまして、その一環として今回は調整区域だけではなしに都市計画区域全体——宅地及び宅地になろうとするものについて現行の地価公示法では地価公示を行なうということになっておるわけでございますので、その一番中心でございます都市計画区域全体についてまず拡充強化をいたしたいという点でございます。
○福岡委員 局長が説明されたような意図で公示制度を調整区域に広げるということなら一面理解できるけれども、もう田中総理自身がこの線引きのワクをはずせ、こういうことを閣議でも言っているわけでしょう。公有地取得問題についてもいま説明がありましたが、地価対策の一環として田中内閣というものは調整区域を開発をしていくという方向に政策を転換されたのじゃないですか。その裏づけとして公示価格制度を調整区域にも及ぼすというように私どもは理解するわけなんです。これは許せないことであります。調整区域はあくまでも開発を抑制する地域としてやっていくべきだと思うのですが、どうでしょう。
○金丸国務大臣 線引きの問題につきましては、線引きというものは権威があらねばならぬものであると私は考えております。そこで、先ほど来先生の質問もありましたし、また局長から答弁もあったわけでございますが、地方公共団体あるいは公的機関、そういうものがいわゆる宅地等に必要な、好適な地域があるならばこれは許可してもいい、こういうことでありまして、どれでもこれでも線引きを侵害してやるということではないわけでございまして、これは現在の宅地事情あるいは住宅事情の悪い面をカバーするという意味で考えているわけでございます。
○福岡委員 新聞も報道しておりますように、最近商社あるいは法人などが、調整区域が非常に地価が安かったために、金はだぶついたし、相当調整区域内を買い占めた。それを売るためには開発を抑制されたのでは困る。だから線引きを云々という突き上げが出ておるというように新聞は報道しております。それに田中内閣は応じようとしておるのじゃないかという疑いを私どもは強く持っておるわけですね。そこで、どれだけ法人なり商社が調整区域内の土地を買い占めておるのか、あるいは市街化区域内でどれだけの土地を買い占めておるのか、通産省で押えられておるものと建設省で押えておるものを説明してもらいたい。
○高橋(弘)政府委員 まず、建設省で調査いたしましたものにつきまして御説明申し上げます。 これは御承知の、昨年、東証一部、二部上場会社約千三百社につきましての調べでございます。回答率は五七%でございますが、これでただいま御質問の御趣旨に沿う点について申し上げますと、私ども調べの中で、昭和四十一年から四十七年三月末までに取得しました取得面積は約四万一千ヘクタールばかりでございます。この中で市街化区域が七千三百三十ヘクタール、大体一七・八%であります。それから調整区域が七千百四ヘクタール、一七・二%、それ以外のものはその他の区域ということになっております。
○黒田説明員 通産省で土地について調査いたしました資料といたしましては、先日大手六社についてヒアリング調査を行なったものがあるわけでございます。それによりますと有形固定資産勘定に計上されている土地の購入が相当数ふえております。具体的に申し上げますと、有形固定資産勘定の土地の購入は、四十六年上期では四十七万四千平米、四十六年下期は九十八万平米、四十七年上期では百二十二万八千平米、四十七年下期は八十四万六千平米でございます。 〔天野(光)委員長代理退席、村田委員長代理着席〕 それから商品用土地の購入でございますが、四十六年下期には八百三十一万平米、四十七年上期には八百十九万平米、四十七年下期は一月末までで千百十二万平米でございます。相当の購入増が見られるわけでございますが、御質問の市街化区域あるいは調整区域という区別は、実はヒアリングをやっておりませんので、どの程度、このうちのどれがどこに属するかというのはちょっとわからないわけでございます。
○福岡委員 建設省はいま通産省から説明があった内訳についてどういうように分析しておりますか。
○高橋(弘)政府委員 通産省の資料につきましては、私どもまだいただいておりませんので、その分析についてはいたしておりません。
○福岡委員 通産省の資料をあとで提出していただきたいと思います。いいですね、委員長。
○村田委員長代理 承知いたしました。
○福岡委員 そこで、建設省がいま通産省が発表したような中身を承知しないというのは許せないですよ。その責任問題はさておくとしまして、相当土地を買い占めておるという事実は明らかなんですね。ですから先ほど私が指摘しましたように、一つはこの買い占められた土地が調整区域内に相当ある。おたくの資料だって七千ヘクタール余り調整区域の中にあるわけですね。これを、買ったものを売りたいわけですよ。売ろうとすれば、どうしても開発を抑制されたのじゃ売れない、そういう背景がある。それに呼応して地価公示制度そのものを調整区域に拡張しようとしておるのじゃないか。これはだれが考えたってそう思いますね。これは宅地供給の面からいえば、これら法人が買い占めておる市街化区域内の土地を放出させていけば土地事情というものは相当変わってくると思うのですが、どうですか。 〔村田委員長代理退席、委員長着席〕
○高橋(弘)政府委員 宅地の需給関係につきましては、先ほど御質問ございましたように、市街化区域内におきましても相当数まだ開発適地がございます。この点につきましては私ども、東京圏、近畿圏、それぞれ具体的な地区ごとにそういうものについての調査をいたしました。そういう開発適地の調査もいたし、そしてそういう地域なり規模に応じたところの開発方式も考えながら宅地供給をふやしていこう、積極的にしていこうというふうに私ども考え、現在いろいろその具体策を練っておる次第でございます。そういう意味におきましては先生のおっしゃるとおりでございますけれども、これは先ほどから申し上げておりますように、そういう調整区域において開発許可を今後緩和しようという考えのもとにそういう地価公示地点をふやすということは決してございません。開発許可方針につきましては従来どおりで、私どもちっとも変わらないというふうに考えておるわけでございます。これはひとえに、先生のおっしゃるように、その地価公示制度がもっと活用されるように、そのためにはもっと全国的に整備をして、そしてこれは公的な土地、特に課税上の評価額とのリンクの問題、均衡の問題、十分そういうことに活用できるように、また将来は先生のおっしゃるような新しい土地高価譲渡所得税というものも実行できるようにということで私ども拡充強化をはかっておるわけでありまして、市街化区域内だけでそういう税制とのリンクなり、また新しい土地高価譲渡所得税というものは考えられない。これをやるとすれば全国的な見地からこの制度を考えなければいけないわけでございます。そういう意味で、私ども全国的な拡充強化の第一歩といたしまして都市計画区域に広げたということでございまして、調整区域の開発を大いに促進しようという見地から拡充したということではございません。
○福岡委員 その点は全部否定しておるわけではないのです。固定資産税の問題、あるいは相続税の問題、あるいは公共用地取得の問題、そういう意味で地価公示制度が調整区域なり全地域にたくさんあるほうがいいということは私どもも認めるのです。ところがいま全体的な情勢が、調整区域内の開発ということで相当圧力がかかっておる。田中総理自身も線引きを再検討する、あるいは調整区域内で宅地を供給することも考えるべきじゃないかということを閣議で述べておられます。あるいは民間商社その他が相当調整区域内を買い占めておる、それを売るためには開発を緩和させなければいけない、そういう一連の動きがあるわけでしょう。そういう情勢の中で地価公示制度を調整区域内にも拡張するということになれば、与える影響というのは——調整区域の開発緩和というものが、あるいは線引きが再検討され、洗い直せということは田中総理自身が言っているのですから、そういう意味で与える影響があるので、私どもはこの際調整区域内に地価公示制度を広げていくということが時期的に問題がある。それよりも市街化区域内を綿密に当面やっていくほうがいいのじゃないか、そういうことを申し上げているのです。どうでしょう。
○金丸国務大臣 閣議で線引きを洗い直せという話はありません。ただ土地の問題で閣僚の懇談会があったとき、この線引きの問題がいろいろ——これは市町村長がきめ、知事がそれをきめ、そうして建設大臣がそれを認可したということですから、そういう中で非常に不平不満もあるし、一応日時も第一回目のものは相当経過しておる、そういうことであるから、そういう問題については十分に慎重に検討すべきである。私も、それは十分に検討すべきであるという総理の考え方に対しては、当然建設省もこの問題については十分検討しておる最中でございますから、十分検討すべきであるということに合意をいたしたわけでございます。以上でございます。
○福岡委員 検討すると言われるのですが、どういう理由で検討されるのか。調整区域内で宅地開発だけは認めるとかなんとか、そういう背景があってやっておられるのか。どういう合意がいまの線引きについてあるのか、具体的に説明してもらいたい。
○金丸国務大臣 私が申し上げましたのは、最初の線引きをしたのを考えてみますと、五年目には改正しなくちゃならぬ。この五年目に対して一応慎重にやる、こういうことで私は合意した。きょうあしたにやるということではありません。
○福岡委員 いまの線引きが完了しておるのは大体九十数%だ、あと相当数残っておると聞いておるのですけれども、線引きが一応完了しておる市町村はどのぐらいになっておるか。残っておるのがどのくらいあるか。
○高橋(弘)政府委員 これは都市局で指導いたしまして、現在までに完了したのが、さっき先生の御質問ございましたが、大体九三%だというように記憶いたしております。市町村数は、いまここに資料がすぐ出ませんので、後日御報告申し上げます。
○福岡委員 お聞きのように、建設大臣、いま線引きが一〇〇%完了してないのです。九三%完了しておれば、あと七%残っておるわけですね。そういう時期に線引きを再検討するなんということを建設大臣なり総理大臣が口にするということは、線引き作業そのものに与える影響が大きいと思うのだが、一体どう考えられますか。
○金丸国務大臣 私の申し上げておるのは、いわゆる完了したところで五年目に改正するという、その五年目に対して慎重に線引きというものを考えなくちゃならぬ、こういうことで、きょうあしたにやるといっておるわけじゃないと御理解いただきたいと思います。
○福岡委員 総理のニュアンスとだいぶ違うんじゃないですか。これは五年ごとに経済事情その他を調査して再検討するということは都市計画法に書いてあるのですから、これは当然なんです。あらためて口にする必要はないわけです。田中総理の言われておるニュアンスは調整区域というものの開発を全体的にもう少し緩和すると、こういうニュアンスなんです。建設大臣のお考えは、いまもお話があるように、都市計画法に基づいて五年目ごとの再検討といいますか、それを言っておられるのであって、違うと思うのですが、どうですか。
○金丸国務大臣 私は、五年目ごとということで、ここで準備をしながら、十分に慎重に検討しながらその万全を期してまいりたい、こういうことでございます。ただ、線引きという問題については、先ほど私が申し上げましたように、非常に権威のあるものでなくちゃならぬということですから、軽々しくこの線引きを変えるということはあってはならない、こう思っております。
○福岡委員 いずれ国総法などでこの問題は引き続いて議論する必要があると思いますので、ここでこの問題は終わります。 続いてお伺いしたいのは、宅地難解消。地価公示制度と直接の関係はないかもしれませんが、いま東京、首都圏あるいは全国的にそうなんですが、特に住宅事情が悪い地域で、国有地でしかも遊んでおる土地が相当あるといわれておる。大蔵省のほうお見えになっておりますね。——現在たとえば東京都内あるいは首都圏、近畿圏、中部圏というように、いろいろ全国的には短時間で説明はできぬと思いますが、つまり遊んでおる、あるいは低利用されておる国有地というものはどのくらいあるか、ひとつ……。
○川崎説明員 ただいまの御質問でございますが、いわゆる首都圏をはじめとしまして三大都市圏で約千六百ヘクタールほどございます。これは遊んでおるという意味でもございませんが、宅地または宅地見込み地としてまだ現在使っていないもの、したがいまして大半は利用計画は持っておるというものでございます。その内訳を申しますと、首都圏で千六十三ヘクタール、近畿圏で二百九ヘクタール、中部圏で三百七十五ヘクタールでございます。また、国が使っておりますけれども利用効率があまりよくないということで私どもが把握しておりますのは、首都圏、近畿圏、中部圏、この三大都市圏で三十三ヘクタールほどございます。これらについては利用効率を改善していくというつもりでおるわけでございます。
○福岡委員 いま御説明になりました内訳を資料として出してもらえますか、委員長。
○川崎説明員 はい、承知しました。
○服部委員長 了承しました。
○福岡委員 その資料で念を押しておきたいのですが、従来たやすくこれが公表されなかった。どんな理由があるか知りませんが、こういう住宅難の時期ですから、おそらく利用計画のないものはないように表面上はなっておるかもしれない。しかし、われわれが見て、この土地は宅地として一般に供給してもいいのじゃないかという、俗なことばでいえば払い下げ、あるいは公団住宅あるいは公営住宅を建てるということも考えられるような土地が相当あると思うのですね。したがって、そういうものを国民に提供するという立場での資料でなければならないと思います。通り一ぺんの資料ではいかぬと思いますが、委員長、この資料を提出することを確認しておきます。
○服部委員長 わかりました。
○川崎説明員 国有地の大きさとかあるいは所在、立地条件、そういったものを調査いたしまして、宅地に適しますものは従来から公共住宅を中心に公団へ、あるいは地方公共団体へというふうに譲り渡しておったわけでございますが、今後ともそういった点は各関係官庁とも連絡をとりまして、御要望の趣旨に沿うようにいたしたいと考えております。
○福岡委員 国有地以外にも、国鉄であるとか三公社五現業、いろいろな機関がございますね。そこで持っておる土地も同様に遊休あるいは低利用というものが相当あると思うのですが、これを建設省として積極的に、大蔵省などと協議をされて宅地として供給させるような対策を持っておられるかどうか、お伺いしておきたい。
○高橋(弘)政府委員 国有地の活用につきましては先生がおっしゃるとおりでございます。住宅公団といたしまして国有地を活用した事例も実はいろいろあるわけでございます。たとえば建築交換による取得が北九州市、また枚方、東京の小平。買収による取得の事例が東京の小平で、これは療養所のあと地、千葉の松戸、これも療養所のあと地、それから神奈川の横浜で病院のあと地、そういうような事例がございます。今後におきましてもそういうものにつきましては大蔵省と十分詰めまして、積極的な活用をはかってまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、これは地価対策閣僚協議会の土地対策要綱におきましても国有地の積極的活用ということを掲げまして、先生のおっしゃるような趣旨に沿って、政府としては部内でやるということになっておる次第でございます。
○福岡委員 以上で私の質問を終わりたいと思います。
○服部委員長 午後一時三十分より再開することとし、この際休憩いたします。 午後零時二十五分休憩 ————◇————— 午後一時四十五分開議
○服部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中村茂君。
○中村(茂)委員 四十八年度の地価公示が四月二日の日に発表になったことは御存じのとおりでありますが、これを年間上昇率で見ますと、平均で四十六年が一六・五%、四十七年が一二・四%。四十八年が三〇・九%、これは四十六年、四十七年の大体倍の上昇率を示しています。そしてまた用途地域別に見た場合に、特に居住地域の場合、四十六年が二〇・三%、四十七年が一四・八%、四十八年が三三・三%、特に居住地域における上昇率が非常に高くなっています。また地域的に見た場合、茨城県の取手市が四二%、それから埼玉県は全域で四四・一%、それから同じ埼玉県の中でも浦和市の場合は三七・七%、浦和市以外のその他の場合四四・六%と、これは東京圏への通勤の最大限の限度のところが相当上がっているし、そういう中でも浦和市と埼玉県の中のその他のところで見れば、浦和市よりもその他の地域のほうが上昇率が高くなっている。こういう全体的な地価の高騰の中で、先ほどの質問にも若干出ていたわけでありますけれども、特に実際の土地の取得が現実にはどうなっているかという点について若干お聞きしたいというふうに思うわけでございます。特に公用地について、その予算とこの公示価格と取得価格との関係について、先ほどは建設省からでありますが、私は会計検査院からひとつ聞きたいと思います。
○桜木会計検査院説明員 公共用地が近時非常に値上がりしておりまして、その取得などにつきましていろいろ困難な事情を来たしていることはわれわれも十分承知しているところでございます。予算につきましては、これは建設省におきまして毎年度公用地の取得に必要な予算を計上しておるわけでございますけれども、実際問題といたしますと、こういうふうに値上がりしてまいりますとなかなか手に入らないというのが実情でございまして、中には事業計画を縮小せざるを得ないというふうな事態もあると聞いておるところでございます。検査院といたしましてはこういう事態を十分踏まえた上で今後検査していきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○中村(茂)委員 きわめて抽象的な回答でありますが、もう少し具体的に——会計検査院としてその面を検査した場合に、土地の取得が非常に困難で計画を縮小したという先ほどお話があったわけでありますけれども、実際にその公示価格で取得が困難だというような面があって予算が追加されるとか、または公示価格では取得が困難でまだ取得されていないとか、そういう具体的な隘路について、あったらもう少し具体的に御説明願いたいと思います。
○桜木会計検査院説明員 具体的な数字につきましては、資料もただいま持ち合わせておりませんので御答弁できかねるわけでございますけれども、私ども公共用地の取得に対します検査について申し上げますと、公共用地の取得にあたりましては二人以上の不動産鑑定士の鑑定評価をとりまして、これをもととしまして価格を決定しておるわけでございます。したがいまして、会計検査院の検査といたしましても、その鑑定評価の内容等につきまして十分調査いたしまして、その価格が適正かどうかということを判断しておるわけでございます。 それで公示価格との関連でございますけれども、公示価格につきましても、御承知のとおりこれは不動産鑑定士の鑑定評価をもとといたしまして、これに調整を加えて建設省におかれまして決定されておるわけでございますけれども、私ども検査にあたりまして、実際の問題となりますと、購入の場所の関係あるいは時点の関係、いつ買うか。場所の関係について申しますと、公示地点の買収実例というのがなかなか数少のうございまして、そこから相当離れておるとか、そういうふうな関係でございますけれども、そういう関係あるいは時点の関係、それからその土地の利用形態と申しますか、使う目的によっていろいろ各変化がございます。そういうような点がございますものですから、なかなか公示価格そのものをもとにして判断するというわけにはいきませんですけれども、一応公示価格というものを踏まえまして、それをもととしまして、いわゆる場所の関係、あるいは時点修正の関係、あるいは利用形態などに基づきます変化の関係、こういう条件をいろいろ勘案いたしましてその価格が適正かどうかということを判断しているわけであります。ただ実際問題といたしまして、土地の価格と申しますのは非常にむずかしい問題でございまして、私どもといたしましても、まあちょっと異例と申しますか、あるいはちょっと常識上考えられないと申しますか、そういう事態以外につきましては、いろいろ検査いたしますけれども、これは不当じゃないかというようなことでいままで指摘しました事例はないわけでございます。ただ具体的に予算なりあるいは決算なり、それからどこでそういう事例があったかということにつきましては、資料も持ち合わせてございませんのでお答えいたしかねるわけであります。
○中村(茂)委員 非常に苦しい答弁をされているのですが、別に土地の評価を専門家を頼んでする、土地の公示価格もそういう面から出発しているわけでありますけれども、したがってここではっきりとお聞きしたいのは、土地の公示価格というものが一応あるわけでありますから、その範囲内におさまっているか、それともたとえ若干でもいろいろな理由があって出ているのか。これは異例なというお話が先ほどありました。おそらく公示されている価格の何倍というような異例なものはないでしょう。しかし一応これを規準にして土地の購入、取得をするように公示制度の面ではなっているわけでありますから、若干のものはあるにしても、そのワクの中で大体おさまっているかどうか、その辺の実情を私は知りたいのであります。したがって、いまここのところでそうこまかい点までわからないとすれば、公示の土地価格と実際の取得の面をもう少し整理されて資料としてひとつ提出願いたい、こういうふうに思うのです。
○桜木会計検査院説明員 整理いたしまして提出いたします。
○中村(茂)委員 次に、一般民間、特に法人の土地取得の関係について、私ちょうどここに伊藤忠商事株式会社の商品土地買付明細書があるわけでありますが、この中身は四十六年の下期から四十七年の下期まで、大体取得した件数は、おもなるものでありますけれども、三十七件あって、それを地目別に見ますと、実は宅地が十件で百七万三千平米、それから山林、原野が二十七件で千百七十八万一千平米、全体の金額が二百三十二億六千四百万円、こういう中身のものが、なお明細にあるわけであります。私がここのところでやはり問題にしたいというふうに思いますのは、四十六年度の下期から四十七年度の下期に至るまでの取得の地目を見てみますと、全体として四十六年から四十七年上期までは宅地が多くて、山林、原野が少ない。そうして四十七年の下期に参りますと、下期だけで十四件あるわけでありますが、十三件が山林、原野で、一件が宅地。これは、総合商社がここ数年間に土地を取得してきた内容がきわめて明確に出ているわけであります。ところが、いま議題となっております地価公示の問題とあわせ検討してみれば、この山林、原野の場合にはほとんどないわけであります。ほとんどというよりか、ないわけであります。そういうところへずっと手を伸ばしてきている。それを取得した価格と公示価格の面でしさいに検討してみますと、大体宅地の面については公示価格よりも二〇%から三〇%多い金額で取得している。それから山林、原野の場合には公示価格がないわけでありますけれども、これを固定資産税の評価額と検討してみますと約二十倍から七十倍。固定資産のものは非常に低いわけでありますから、二十倍から七十倍という額に大体なっているわけであります。 そこで一点明らかにしていただきたいというふうに思うわけでありますが、特に民間、法人を含めて、公示価格を一〇〇として見た場合に、この公示価格よりも大体何%くらい上で売買されているのか。私がいま申し上げましたように、伊藤忠商事の宅地のものは大体二〇%から三〇%です。建設省で把握しているのは大体何%くらいになっているのか、その辺、明らかにしていただきたい。
○高橋(弘)政府委員 ただいまの御質問の、民間企業、法人企業が取得した土地について地価公示価格との関係でどのくらい高いかということでございますが、先生お持ちの資料を私ども拝見いたしておりませんのでよくわかりませんが、私ども、地価公示価格があるところについて不動産鑑定士が鑑定評価したものの中で一部事例がございます。それによりますと——それぞれ時点修正なり事情補正なり、地域格差がありますからそういう修正をいたしておりますが、これだけで全体的に何割高くなったということは申し上げられないわけでございますので、結論的に先生にここで大体何割くらい高いということは申し上げるわけにいきません。たとえば事例を申し上げてみますと、公示地点そのものではないことが多うございますので、時点修正なり地域格差の是正なり、また事情補正がございますが、たとえば三郷市で四十七年度の公示の標準地が平米当たり二万一千円でございます。これが四十七年の六月に取引がございまして、一万九千七百円というふうになっております。それから横浜市の旭区でございますが、やはり四十七年度で公示地点の公示価格は平米当たり三万七千円でございますが、四十七年二月十五日にそれから大体南東に二十メートルくらいのところで三万九千二百円。それから相模原市におきまして、やはり四十七年の公示の標準地は平米当たり三万九千円でございますが、四十七年三月で四万九百十円。まだいろいろ資料はございますけれども、私どもの、不動産鑑定士の鑑定資料の中から拾い出しましたものにつきましてはそういうような事例がございます。しかしこれをもって直ちに上がりましたというふうに申し上げるわけにはいかないかと存じます。 それから、先ほどの御質問の中で山林、原野の問題がございましたが、現在、御承知のように地価公示法では、宅地、及び農地とか山林を農地、山林以外のもの、つまり宅地に使用する場合に地価公示を出しておるわけでございます。したがいまして、山林及び原野については、山林価格だとか、農地については農地価格だとかいう地価公示はいたしませんが、周辺が市街化されている場所におきましては、いわゆる宅地見込み地として宅地価格として表示している例はあるわけでございます。
○中村(茂)委員 ですから、いま私が一言っているのは公示価格と実際の売買の比較を言っているわけですよ。それについていま個々に言われたけれども、不動産鑑定士に見てもらえばここのところはこれこれこうだ、こういうことであって、公示価格との比較について全然明らかにされないわけですよ。だから、そこにある資料だけでも大体公示価格どおりにいっているのか、それとも大体どの程度高くなっているのか。これは全国的にそういう調査をしてなければあれですけれども、そこにある資料だけでもその点ちょっと明らかにしていただきたい、こういうふうに思うのです。
○高橋(弘)政府委員 さっき申し上げましたように、公示価格につきましては、いま地価公示地点が少のうございますから、標準地点についての取引というものはそんなにないわけです。したがって、公示地点の周辺のところで、これを規準にできるところで、時点修正なり事情補正なり、地域格差の是正をしてきめているわけでございます。したがいまして、各地域においてそれぞれ取引事例があるわけでございますけれども、こういう事例によりますと大体そういう補正をいたしてのことでございまして、非常に極端に高いという価格ではないというふうに申し上げておるわけでございます。この点については、個々に不動産鑑定の内容を全部綿密に審査しまして、これがそういう補正をして、その出た結果がはたして公示価格を規準にしたということがいえるかどうかわからぬわけでございますから、結論は何とも申し上げられないというふうにさっき申し上げた次第でございます。
○中村(茂)委員 四十八年度の公示価格の発表を見ても平均三〇・九%というふうに上がっている。これは一年間たってそれだけ上がっているわけですよ。しかもこの出し方は、私が申し上げるまでもないことでありますけれども、取引事例比較法を取り入れているわけであります。そのほかもう二つの方法を取り入れているわけです。したがって、鑑定士等がこの公示価格を出していく場合に、現実に取引されているそういう事例を比較して公示の価格というものを順に出していくわけでありますから、これは何といっても一年間に順に上がってきた、その価格が一年たってちょうど三〇・九%。新聞等を見ても、上がってきたものを追認しているようなものじゃないか、こういう批判がありますけれども、それをきめていく中身が、いま申し上げましたように取引事例比較法という方法をとっているわけであります。したがって、地価が全体に上がっていけばこの公示の価格も順に上がっていく、こういう方式でありますから、そこら辺のところがわからないわからないとあなた言われるけれども、いま言われたように、実際にその地域をもう少し長く延ばせばわかるわけでしょう。だから、大体何%くらいにいっているものか。この制度があって皆さんが発表する以上、その中身を検討し、実際に民間、法人の土地取得がこの公示価格よりどれくらいになっているだろうということを分析し、把握してないことはないだろうと私は思うのです。
○高橋(弘)政府委員 先生の御質問が、具体的な個所について何割増しになっているか、そういうことでございますので、個所によってそれぞれ審査してみなければわからないということを申し上げたのですが、一つここに事例がございます。いろいろこの前から問題になっておりますNHKの問題です。NHKの隣地、近所で新橋一丁目というのがあります。これは協和銀行のあるところでございますが、四十八年度の公示価格が平米当たり百五十一万ということになっております。これを出しました根拠を簡単に申しあげますとそういう点おわかりだと思いますが、この協和銀行のほんとうの隣接地を買収した取引事例があります。これは四十七年の七月にあります。これが平米当たり百九十七万ということになっているわけです。これをいろいろ事情補正をしまして——隣地でございまして、どうしても協和銀行が買いたいというものでございます。いわゆる相当の買い進み、したがって事情補正でこれは三五%下げております。それから時点修正、去年の七月からことしの一月一日ですが、時点修正で一五%その付近をプラスしております。それから隣接地の事例で、これは協和銀行のもとの地点よりも形状が非常にいい、つまり高いわけでございます。これの個別補正をしますと、そこよりもいま協和銀行のあるところは悪いわけですから七%下げるというようなことでいたしますと百五十六万八千円、平米当たり大体百五十七万円ということになるわけでございます。これは取引事例をそういうふうにいろいろな補正をしたり、手順によりまして出したのがこういうことです。 もう一つ、これはさっきから申し上げておりますが、この地価公示というのは単に取引事例だけに追随しているというものではございません。収益価格という面からもチェックしているということは御承知のとおりです。この収益価格は実は次のようなことで出ております。収益価格は、類似の利用価値を持っておる事例地を大体百メートルくらい離れたところ、これは銀座八丁目でございますが、そこで現実に建物及びその敷地にかかわる総収益を出しまして、それから管理費を差し引いて純収益を出したわけです。その中で建物と、これは敷地でございますから敷地に当たる部分の純収益を出して、それの平米当たりの価格というものについて、これを事例地によりましてそれぞれ補正を加えて、たとえば銀座八丁目よりもその場所が少し悪いわけですから、一〇%低い地域格差でこれを二%、こういうことをいたしまして標準地の純収益を出しているわけです。それを今度は還元利回り、周辺の利回り大体六%ということで出しますと収益価格が出てきます。それを平米当たりに直しますと百五十万円ということになるわけです。したがいまして、そういう収益の価格から出しましたものと取引事例からずっと修正をして出しましたものと勘案比較いたしまして、四十八年度そこを百五十一万ということに平米当たりいたしておるわけでございます。 そういうふうにいたしておるわけでございまして、地価公示価格というのはそういうことで、単に取引事例だけでということでは決してないわけでございます。ただ、先生のおっしゃいますように、この公示価格というものの性格は、いわゆる、法律の二条二項に書いてございますように、これは特殊な事情や動機によるものを取り除きまして、端的に正常な原因によりますところの要素だけで構成された価格だというものでございまして、何びとにも共通の客観的なそういう交換価値をあらわすものでございます。したがって、そういうふうなことでありますから、自由な取引市場において通常成立するということが前提でございます。したがいまして、それは自由市場で成立する価格が変動いたしますとこれに応じて毎年変動するという仕組みになっているわけでございます。そういうことで、先生のおっしゃいましたような、地価公示の価格がそういうような取引事例だけではございませんで、いろんな要素を比較検討して出しますけれども、やはり四十八年の一月一日の価格が三〇・九%ということになっておるわけでございます。
○中村(茂)委員 端的にお聞きしますけれども、いまの説明からいくと、今度税制が変わって、税金が保有税なりでかかってくれば、それまで勘案して、公示価格と相当違っても、高くなって取引しても、その程度の公示価格というものだ、こういうふうに私は受け取らざるを得ないと思うのです。それはそれにして、いまNHKの例が出たわけですけれども、今度の地価公示法の一部改正によって、第一条の二「土地の取引を行なう者は、公示された価格を指標として取引を行なうよう努めなければならない。」これが通れば、いま問題になっているNHKの場合に、罰則はないわけでありますけれども、いままでよりも建設省なりが中へ入って指導的というか、そういうものを強めて、ああいう無謀な——先ほど話がありました協和銀行新橋支店の隣にある土地、これは三・三平米ということで、私は坪に直してみたわけですけれども、NHKの本館の場合に一千百万円、先ほどの協和銀行の場合には四百九十八万三千円、約倍高いわけですよ。いま申し上げた改正案で出ている第一条の二の「指標として取引を行なうよう努めなければならない。」ということが通れば、行政指導やいろんなものの中で、ある程度これは規制できるものになるのかならないのか、その点ひとつ明らかにしていただきたい。
○高橋(弘)政府委員 今回の改正で御審議をお願いしております中で、「指標として取引を行なう」というように責務を課しておるわけでございます。これそのものは、条文をお読みになればおわかりのとおり、訓示規定でございまして罰則というものがないわけでございます。しかし、この地価公示法というのは地価公示を行なうというその土台をつくるものでございまして、この地価公示をどういうふうに活用していくか、効果あらしめていくかということはほかの方法なり手段が必要であるというふうに考えるわけでございます。この点につきましては、一つの手段として、今国会に提案いたしております国総法の改正におきまして中止勧告制度、土地の売買の届け出があって、その届け出の場合に中止勧告ができるわけでございますが、その中で、公示価格に照らし著しく適正でない各取引につきまして中止勧告の制度というものがあるわけでございます。したがいまして、公示価格を著しく上回る、そういう価格による取引は、そういう制度を運用しましてなくなるように努力したいというふうに考えておるわけでございます。勧告に従わない場合どうするかという問題でございますが、そういう場合には公表をする。一般に公表して社会的な責任を追及するということになろうかと存じまして、この制度を十分活用いたしまして地価公示制度を効果あらしめたいというふうに考えておるわけでございます。 それから先ほどちょっと申し上げましたNHK隣のところの公示価格、平米百五十一万円でございますが、先ほど申し上げました結論は、取引事例が百九十七万円でございますけれども、これはいろんなそういう補正その他収益の面から見たいろいろなチェックをいたしまして百五十一万円にしているということを申し上げたわけでございます。
○中村(茂)委員 国総法はまた別にあれになっているわけですから。そこで、「努めなければならない。」というのですから、この法律だけでは、できるだけ守ってもらいたいという程度のものですよね。この提案している一条の二の改正と国総法と何も関係あるわけでないし、それがあってもなくても、国総法が通ったとすれば勧告してやることができるわけでしょう、この項目を入れなくても。この点……。
○高橋(弘)政府委員 ただいま御審議をお願いしております法律案で、第一条の二のところでただいま申し上げましたようなことをここに規定いたしておる趣旨は、いままでそういう指標として取引を行なうようにすることがどこにも何も書いてなかったわけでございます。公共用地の取得のときの規準だとか、不動産鑑定士の鑑定評価の際の規準にするとか、また収用委員会がこれを考慮するということだけであったわけでございます。今回、この際、公示価格を指標として取引を行なう、こういう責務を規定いたして御審議をお願いしている次第でございまして、国総法の関係はこれと直接関係はもちろんございませんけれども、国総法におきまして、さっき申し上げたように地価公示価格を著しく越えるような取引についての中止勧告をすることができる、こういうことが規定されているわけでございますので、あわせてそういう面で地価公示制度が活用され、効果をあらしめるようになっているということを先ほど御説明申し上げた次第でございます。
○中村(茂)委員 それから、先ほどの伊藤忠の土地の取得の中で触れておきました特に山林、原野、これは私は一つの盲点になっていると思うのです。そして、特に四十七年度の後半にきてその面が多くなって、土地投機の内容がほとんどそういうところに、盲点に集中されてきている。これは全般的に取り上げているわけではありませんけれども、先ほどの伊藤忠の取得の状況はそういうふうになっているわけですね。したがって、この公示法に基づくのは、先ほどの質問また答弁等で、五十一年度までにこれは宅地関係については進めていくというかっこうになっているわけですね。ところが山林、原野についてはあくまでも盲点になっている。しかし国総法のほうの開発の問題がからまってくれば、その点の開発ということでまたそれを取り入れていく面が出てくるかもしれませんけれども、それは抜きにしておいて考えてみた場合に、山林、原野、この面については、土地のいろいろなこういう公示価格の面については全く対象外にずっとなっている。こういうふうに考えてみた場合に、農地とかそういうものまで考えていくと非常にむずかしい問題が起きてまいりますけれども、固定資産税なんかはきちっと、どんな山林、原野でもするわけでありますから、こういうところまで手を伸ばすという考え方があるかないかということをひとつ……。
○高橋(弘)政府委員 御承知のように、現在の法律におきましては、対象となる土地につきましては、農地とか森林というものを除くかっこうになっておりますけれども、その中で農地、森林以外のものにするという取引のものは対象にする。つまり、宅地及び宅地見込み地というものは現在でも対象になるわけでございまして、宅地見込み地ということで、山林、原野、農地についても四十六年度で四.五地点、四十七年度は八十地点、すでに宅地としての公示をいたしておるわけでございます。さしあたり土地の取引が非常に活発でございます都市計画区域内の宅地及び宅地見込み地についてこういう拡充計画で御審議をお願いしているわけでございますけれども、先生のおっしゃるように、今後につきましては全国的にこういう制度を整備していろいろな面でこれを活用するためには、山林、原野、農地というものにつきましてもそういう方向で地価公示をすることが望ましいと私どもも考えるわけでございまして、そういう意味におきまして、第二段のかまえといたしまして私ども十分にそれを検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。そうなりますと先生の御趣旨のようになるのじゃないかというふうに考えます。
○中村(茂)委員 どうもよくわからないのだが、いま五十一年度までにこれを広げていくという計画の中で、山林、原野であっても住宅の見込み地だというところについては五十一年度までにやっていきたい、これが一つですか。それからほんとうの山林、原野等についても将来は研究して広げていきたい、こういうふうに理解していいですか。
○高橋(弘)政府委員 ただいま申し上げましたのは、宅地見込み地という意味におきまして、山林、原野、農地につきましても宅地としての価格で公示は現在でもやっているということを申し上げたわけでございます。それから、午前中も申し上げましたように、五十年までに私ども地価公示制度を全国的に整備を完了したいと申し上げているわけでございますけれども、その方向としては政府部内で地価協の決定できまっているわけでございますが、その細部につきましてはなお政府部内で検討中であるわけでございます。その中の一つとして、いまの宅地及び宅地見込み地以外に農地及び山林、原野というものを入れるか入れないかという問題があるわけでございまして、それで私がさっき申し上げましたように、私どもといたしましてはそれも取り入れて、五十年までに地価公示をきめこまかく全国的にいたしたい。そうして、それをもとにしての土地対策ができるようにいたしたいというふうに申し上げたわけでございます。
○中村(茂)委員 結局、市街化区域の中における山林、原野は住宅見込み地というふうになるわけですか。そこら辺、見込みなんというあいまいなことじゃわからない。
○高橋(弘)政府委員 いま申し上げましたように、現在の法律でもできるのは、宅地ということと、それから現在が農地とか山林でございましても、その周辺が市街化しているようなところで、いわゆる宅地見込み地という場所につきましては、現況が田畑とか山林でございましても、これについては農地価格、山林価格ということでなしに、宅地としての価格で表示をいたしております。それはすでに四十五年からそういうことをやっておりまして、四十六年度には四十五地点、四十七年度においてはすでに、現在の数の少ない中で八十地点ございますということを申し上げているわけでございます。それから、そういうものを取りはずして、農地及び山林についても農地価格及び山林価格で地価公示をするということは、さっきから申し上げているように私どもとしてはぜひこれをやりたいというつもりで、それを五十年までにはきめこまかくやりたい。ただし政府部内ではまだ意見が固まっておりませんが、建設省としてはぜひやりたいということを御説明申し上げたわけでございます。
○中村(茂)委員 見込み地ということがよくわからないのですが、地価の公示を行なうところについては、いままでは市街化区域、今度都市計画区域の全体に広げていこう、こういうふうに出してきているわけですよ。だから、言えば市街化区域内における山林、原野の場合には宅地見込み地というふうに見るのか。その法律の対象外の区域のところでも、あなたのほうがかってに、あすこのところが住宅になるし、続いているからということで住宅見込み地ということで公示をするのか。この住宅見込み地ということはどこにきまっていて、どういう内容を持っているのか、全然わからない。
○高橋(弘)政府委員 現在の法律で申し上げますと、さっき申し上げたように第二条の第二項で、宅地だけではございませんで、農地とか採草放牧地及び森林以外のものとするための取引、そういう農地、採草放牧地または森林についても、これは正常な価格について公示をするということになっておるわけでございます。したがいまして、現在は、この改正案をお認め願う前は市街化区域内でございますから、おっしゃるとおり市街化区域内におきましてそういう宅地見込み地も公示をいたしております。これにつきましては、現状が田畑とか山林でございますけれども周辺が市街化をしてきたということで、土地鑑定委員会で標準地を選定いたしまして、その選定した場所につきまして、農地とか山林の価格という意味でなしに、宅地としての価格で地価公示をいたしておりますということを申し上げておる次第でございまして、そういう意味におきましては、現在におきましては市街化区域内においてそういうものはなされておるわけでございます。
○中村(茂)委員 これは内容は少し変わりますけれども、いままでの中ではっきりしてきたことは、言えば公示価格を一〇〇とすると一大体民間、法人を含めての土地の売買は、ところによっても違うし、NHKのような特殊的な問題もあるけれども、先ほどの伊藤忠の実際のやつを調べてみても、大体それよりも一〇%なり二〇%ぐらい高く売買が行なわれているんじゃないか、こういうふうに大体予想できます。それから、午前中いろいろ論議しておりましたように、やはり公示価格を一〇〇として見た場合に、相続税に対しての評価は六〇%から七〇%、それから固定資産税の場合には二〇%から三〇%程度、言えば、同じ土地に対してそれぞれ見る機関なり見方によってその土地の評価というものがばらばらなわけですよね。非常に大きな開きがあるわけです。民間はそれを指標とするだけですから、土地の売買の中で公示価格よりも上回って売買される。それが年々これをつり上げていく。そうかと思えば税制の面についてのいろんなそういう評価はずっと下がってくる。こういうふうに考えてみた場合に、私はまずこの一本化という面について——先ほど五十一年までにというふうに言われましたけれども、そういう一本化にしていく中でどうしてもここで聞いておきたいというふうに思いますのは、いまの公示していく、これをつくり出す中身というのは、先ほど言いましたように、どうしても地価が上がっていけば公示価格も上がっていくという仕組みになっていますから、これは五十一年に、対象範囲を広げて、また先ほど言っておりますように固定資産税、相続税も大体一元化されて統一的になったという場合に、公示価格がどんどん上がっていって、はたして——理想とすれば非常にりっぱですよ。しかし、こういうふうに上がっていく土地に対して同一に固定資産税なり相続税を上げていかなければならないということになると、仕組みはけっこうですが、これはたいへんなことになるんじゃないか。こういうふうに考えてみた場合に、この地価公示という問題について根本的にもう少し考えてみなければならぬのじゃないか。そこでお聞きしたいわけでありますけれども、幾つかこういうふうにある中で、土地の適正価格というものはどういうものか。
○高橋(弘)政府委員 正常な価格というものが何であるかということでございますけれども、現在の地価公示法の中で書いてございますとおり、この正常な価格というものは、自由な取引が行なわれるとした場合に、その取引におきまして通常成立すると認められる価格、つまり交換価値を表示するものでございます。したがいましてこの価格につきましては特殊な事情とか動機が排除される。さっき申し上げましたような買い進みだとか売り急ぎとか、そういうような特殊な状況というものが排除されました最も客観的な価値、いわゆる仲値と称しておるわけでありますが、そういうものであるわけでございますが、大体現在の正常な価格というのはそういうように法律で書いてあるわけでございます。
○中村(茂)委員 適正価格というものは、正常に取引されていればどんなに高くてもいいわけですか。土地の値上がりは一般の物価よりも数倍の上昇を示しておるわけですね。だから土地の適正価格というものはこれはどういうものかということを全体的な物価の上昇の中で考えていかないと、どんなにこの制度でやっていっても、地価を抑制するとかまたは正常な取引の役に立たせるとかいってみたところでどうにもならぬじゃないか。したがって、いまの言われ地方では非常にばく然としているわけであります。適正価格というものはどういうものか、その点についてもう少し建設省の考えている考え方を明らかにしてもらいたい、こういうふうに私は思うのです。
○高橋(弘)政府委員 ただいま地価公示法に基づく正常な価格というものを申し上げたわけでございますけれども、根本は憲法の問題ともからんでくるわけでございまして、憲法二十九条に、御承知のように財産権の内容を、公共の福祉に適合するように、これは法律で定めるわけでございますけれども、「私有財産は、正當な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」ということになっておるわけでございます。したがいまして、この地価公示価格は公共用地の取得規準でもあるわけでございまして、そういう意味におきまして、その規準とするところは正当な補償ということができるものでなければいけないわけでございます。そういう意味におきましてこの正当な補償とは何ぞやという問題があるわけでございますけれども、この正当な補償というのは、たとえば道路用地を取得いたしまして、その補償として価格をお支払いする。その土地の所有者が新たにその価格で代替地を買える、そういうようなものでなければならないわけでございます。したがいまして、そういうものでございますので、地価公示価格というものが、現在、さっき申し上げたような正常な価格ということで定められておるわけでございます。 その、先生のおっしゃる理屈の中で、おそらく、そういうふうな地価上昇に対して、自由市場ということではなしに、何かの基準で政策的に価格をきめて、そしてその価格をもって標準価格としていけばどうかということに議論がつながってくるんだろうと思います。これも一つの政策であろうかと存じます。ただし、この実際の取引価格、自由市場におきまして取引されますそういう実際の価格から離れましたそういう価格で、何かほかの要素で政策的にきめるということになりますと、土地の需給関係というものをそのままにいたしておるわけでございますので、これは非常に現実的ではないわけでございます。つまり凍結ということになろうかと思います。そうなりますといろいろな意味におきまして、経済上また社会上にいろいろな問題が起こってくるわけでございます。たとえば、これは経済構造におきましてもひずみがくる。つまり、実際の需給のバランスがとれていないわけでございますから、どうしてもこれは戦争中みたいにやみ価格、二重価格というものが出てくるということもあるでございましょうし、また実際に、民間からそういう実際よりも低い価格でたとえば公共用地を取得する際に、民間はこれを供給しないという。したがってどうしてもその公共用地を取得する際には相当の権力をもって土地を収用するという形にならざるを得ない。同時に、そういう意味におきまして、一般の土地の利用、配分というようなことを考えます際にも、どうしても公権力というようなものを中心にそういうものを考えていくことで一致させなければなかなかそういうことはできないわけでございます。また、一般の物価をそのままにしておいて土地だけをそういうことができるかどうかという問題もございましょう。そういうような意味におきまして、もちろんそういうことも一つの政策といたしまして問題点でございますけれども、なお慎重に検討する必要があろうということでございまして、先ほどから申し上げておるのは、現行法のたてまえで正常な価格とはこういうものであるということを御説明申し上げておるような次第でございます。
○中村(茂)委員 最後に大臣にお聞きしたいのですが、この法案の説明の中にも出ているわけですけれども、この公示価格というものが一つの目安として相当成果をあげてきている、地価対策の面についても相当前進した内容になってきておる、こういうふうにいわれておるわけです。しかし、いま言っておりますように、一つの土地について、公示価格もあれば、実際に売買されるのはそれよりも高く売買されたり、固定資産税、相続税等の評価についてはそれがもっと安かったりして、同じ土地が、土地の価格なりその評価というものがいろいろ非常に複雑になっておるわけです。この公示価格というものはこういう仕組みになっているわけでありますけれども、もっと適正価格というものが公示価格である、こういうふうに実際はならなければどこかにゆがみがあるはずであります。ですから、土地などについていまの制度ではどんどん投機等を通じてこの一年間のように上がっていく。上がっていくと、その上がったやつを追って認めるかっこうにしかこれはならざるを得ない。こういう内容の公示制度であったなら、これはないよりもあったほうがちっとはいいぐらいの程度で、ほんとうの土地対策にはならないと思う。土地対策に全然なっていない、かえってそれを公に認めることになるわけでありますから。したがって、全体的な一元化の問題を考えてみた場合も、先ほど申し上げましたように、土地の値上がりをどんどん追認していって、それを認めていく、そういうふうになった場合に、それを一本化して相続税なり固定資産税もそれを追認して上がっていくわけでありますから、これは全体的に考えてみた場合に、もう少し権威のあるものにするなら、このあり方という問題について、先ほど申し上げましたように、土地対策を含めてあらゆる政策というものがそこに集中されて、適正価格が公示価格となるようにしなければ私は土地対策というものは全然解決できないのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。大臣の答弁をお願いいたします。
○金丸国務大臣 固定資産税、財産税、相続税、それに地価公示という問題がありまして、まことに複雑になっておるのであります。これを一本化することは必要である。一本化した場合に、いまの公示制度を認めて、これに追従していくということになれば、実際出す税金の側からいったらとんだことになる、こういうところに問題点があることは私も十分わかります。また適正価格という問題についても考えなくちゃならない。ただ値上がりが出た、そのまま公示するというだけであるならば、公示制度の意義というものは私もないと思いますが、そういう意味でその面については十分検討してまいりたい。なお、その一本化という問題につきましては、そういう面もあることですからなかなか話し合いが困難な面もありますけれども、英知をしぼりまして創意くふうをして、一本にしぼるためにはそういうことの害がないように、そういうものを排除しながら一本化していくということを考えなくちゃならぬ。当然私もそう思うわけであります。
○服部委員長 次回は、来たる二十七日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十七分散会