建設委員会 第10号
- 発言数
- 106 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/04/06
会議録
○服部委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新井彬之君。
○新井委員 私は、道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案につきまして若干の質問をさせていただきたいと思います。 初めに、前回にも問題になりましたが、飛騨川の転落事故につきましての問題でございますが、前回の答弁では、三十日に判決があって、二週間の控訴猶予期間がございますので、その間いろいろ検討する。膨大な資料になっていることは事実だと思いますけれども、その概略の骨子といたしまして、別にこちらは裁判記録を全部読んだわけではございませんけれども、この新聞等で発表されている内容から見まして、非常に当を得ているものではないか。これは何も裁判の判決があったからこうしなきゃいけないというのじゃなくて、国民の皆さんが当然望まれている道路行政ということを非常に感ずるわけでございます。そこで、前回は検討中ということだったんですけれども、まだ現在でも検討中でございますか。
○金丸国務大臣 その問題につきましては、先般渡辺先生からも強いお話がありまして、私の考え方を申し上げたわけでございますが、長文な判決文でございますから、現在道路局長のところで詳細に検討しております。いま新井先生が大筋はわかっておるじゃないか、こういうお話もあります。確かに大筋は私にもわからぬわけじゃありません。しかし、道路局の立場としては詳細にこれを調査するということが立場であろうと私は思います。その局長の詳細な調査の結果を待ちまして判断をいたしたい。先般お話いたしましたように、私も人の子であります。政治家であります。そういう考え方でこの問題には対処してまいりたい、こういう考えでございます。
○新井委員 私は、この裁判を控訴するとかしないとかということよりも、この裁判で判決がありました内容については、これは当然今後の道路行政としてやっていかなきゃならない問題であるということを、この判決を見まして非常に感ずるわけでございます。その一つは、不可抗力ということになりますとこれは国家賠償責任が適用されないわけですけれども、そういう不可抗力というものを四割方見ている。あとは、大事なことがたくさんあると思うのですけれども、結局こういう事故の防止のしかた、それが予見できたかできなかったかということが非常に問題になるわけでございます。そういうときに、道路なら道路の構造を変える、あるいはまたそういう落石とか、また土砂の流出というようなものをとめる、こういうようないろいろの手があると思いますけれども、一つには、ここにいわれていることは、結局降雨量については予測ができるという一つの前提条件があるわけですね。その場合に、そういう危険性のある国道の管理という問題ですね。「その方法は交通の事前規制である。もとより、交通を予め規制することは、技術的に仲々困難であり、」この前にも局長が答弁されておりましたけれども、「結果の影響するところ重大であるが、交通設備の要件は安全であることが第一であるから、そのことに思いを致し、その時代における財政、技術の限りをつくせば、それ相当の解決は不可能なことではない。」これは非常に大事なことだと思うのです。だからそういう面において結局瑕疵があったのだということになっているわけですけれども、ここで大事なことは安全が第一であるということです。それともう一つは、その時代における財政、技術の限りを尽くしてそれ相当のことをしなければならないということなんです。こういう問題について、これからまた道路整備五カ年計画ということを行なうわけですけれども、いままでにも総点検をやったりいろいろやっております。しかし、やればやるほどそういう個所数もふえてきておるということから考えてこれは当然のことだと私は思うわけですけれども、そういう点についてはどのようにお考えですか。
○金丸国務大臣 道路をつくる管理者の立場といたしましては、人命尊重ということを基本に考えることは当然であります。危険な個所があれば危険な個所を防止することは当然であります。ただこの問題を局長が検討しておるというところは、いまもなお私のところまで持ってきておらないのは、非常に慎重に検討して——国道の場合は国が補償するという場合もあるけれども、市町村道の場合にはどうなるのだというようなことを考えると、いわゆる建設省のとる態度いかんというものは、及ぼす影響というものが非常に大きいと思うのです。その問題一つを解決することが万事を解決する問題になるのかならぬのか、そういう点も考えて慎重に対処していると思いますが、どちらにしても人命尊重ということを中心に考えるということは当然だ。それで安全対策をまず第一、これは当然だと私は考えておるわけでございます。
○新井委員 私はこの判決を見まして、これは国道であれ、都道府県道であれ、あるいはまた市町村道であれ、道路があるところは当然、集中豪雨だとか、そういうときには、そういう完ぺきな工事ができていない場合においては規制措置をしてとめるというような方向にこれから当然ならなければしようがないのじゃないか、またそれがほんとうじゃないか。現在はそういう体制が現実にとれてないわけです。したがってこういう問題についても、やはり自動車に乗る側あるいはまた歩く側にいたしましても、そこに落石注意だとかいろいろな標識が出ておりますけれども、その標識だけではなくて、やはりそういうところにおいて完ぺきに守れる体制というものをすることがこれからの道路の充実につながるのじゃないか、こういうぐあいに考えるわけでございます。確かに管理者側としては非常にたくさんの道路を持っている、財政面がこうだとか、いろいろなことはあると思いますけれども、それを使用しておる国民の側から見た場合に当然やはりそういうことを望んでいるということは、われわれも自動車を自分で運転していてよく感ずるわけでございまして、そういう面に対して今後万全な対策というものをやっていただきたい。それからいまの大臣の答弁、よくわかりますが、やはり何かこういうきっかけにおいてそういうことの発想の転換というものをやっていかないと——いろいろ事情はありますけれども、やっていかなければ一歩前進がないということで、この問題については前向きにひとつ利用者側の立場に立って御判断いただきたい、このように思うわけでございます。 それから、今回建設省から昭和四十七年の十二月に、昭和六十年までの建設省における新国土建設長期構想というものが発表されておりますけれども、この発想の基盤となったものは何なのか、何に基づいてこのビジョンがつくられたのか、この基本的な目標はどこにあるのか、まずこれをお伺いしたいと思います。
○菊池政府委員 昭和六十年を目標に新国土建設長期構想がございます。それは何を目標にやったのかという話でございます。実は、第一次の道路整備五カ年計画ができまして以来、鋭意道路整備に力を注いでまいりまして、御承知のようにだいぶ道路の整備が進んだわけでございます。ところがそれにも増して交通の需要がふえまして、整備はするけれども車もふえるということで、なかなか交通の混雑も全国的に見た場合に解消されませんし、また交通事故というような痛ましい事故がふえてきたということでございます。そこで私どもは、昭和六十年におきます道路の姿がどうなるであろうかということをいろいろな角度から検討いたしまして、たとえば車の台数は四千二百五十万台になるであろう。国民総生産は百六十兆円になるであろうというようなことから車の動きがこうなるであろうということを推定いたしますと、とうていいまのままではそれに間に合わせるということができませんので、それに合わせて道路整備をしようとすればどのくらいの道路が要るだろうか、車の台数がどのくらい走り回るだろうかというようなことを検討いたしまして、それに合わせるべく改良すればこれだけかかるということで九十九兆円の整備の目標ができたわけでございます。ただこれは車が伸びるからということではなしに、御承知のように最近の過疎対策あるいは豊かな生活あるいは生活環境の改善というようなこと、福祉生活ということが非常に大きくなってまいりまして、われわれのほうでは環境問題もあり、そういうようなこともあわせまして、いまのままの姿ではだめであるということで昭和六十年の目標をつくったのが長期構想でございます。
○新井委員 局長、いま世界で一番車の台数の多い国、それから二番目に車の台数を持っている国というのはどこかわかりますか。
○菊池政府委員 車の保有台数は、一番がアメリカでございます。その次がぐんと落ちまして、台数は減っておりますが、日本、それからそれに引き続きまして西ドイツ、フランスというのが日本より少し少ない数字でございます。
○新井委員 道路を考える場合にいろいろ考え方がございますけれども、現在、いま話がありましたように米国が一番、それから日本が二番ですね。大体平方キロメートル当たり一体何台の車が走れるのかというような計算がなされていると思いますけれども、大体そういうものはどのくらいになっておりますか。
○菊池政府委員 ただいまの御質問は平方キロ当たり何台走れるかという御質問でございますけれども、実は私どもはじいておりますときには、車が保有されておってもそれがそのまま全部が同時に動いておるわけでございませんし、ちょっと平方キロ当たり何台走れるかということを逆算いたしましても——たとえば道路の延長に対して車を何台そこに乗っけて動けるかという計算ならできますけれども、そういう計算をしてもあるいは実態とちょっと違うかもわかりませんので……。お答えにならないかもわかりませんけれども。——いいですか。
○新井委員 それではいいです。これは一九七〇年のデータでございますけれども、現在日本が平方キロ当たり百五十台ということになっておるわけです。確かに人口当たりではまだ百人の中で十六.七人ということになっておりますから、各国から比べまして少ない面もございますが、平方キロ当たりからいきますとどの国よりも多くて百五十台になっておる。次に多いのがベルギーで平方キロ当たり九十八・一台ということですね。アメリカなんかになりますと平方キロ当たり十七台というようなデータになっておるわけです。日本の国というのは山林地帯が非常に多くて、開発ができても非常に少ない面積になります。もともと三十七万平方キロという小さい国でありまして、その中で道路をつくり、経済がどんどん伸びるから道路も延ばしていかなければいけないということで、それに対して車が非常にふえてくる。ふえてくるからまた道路を延ばす。そのうちに環境問題とかいろいろな問題が出てきたわけですけれども、最終的に日本の国はこれだけの道路しかできないのだ。車をこれ以上走らせた場合は公害問題あるいは交通事故の問題とか、いまでは高速道路をつくっても非常に低速道路になってしまっておる。そういうようないろいろな状態というものが現在出ているわけですね。したがいまして、計画を立てる場合、逆にそういうものをきちんとやっていかないといけないのじゃないか。これがまた六十年になったらどうなるかわかりませんけれども、また道路が足りなければ七十年になったらこうしなければならない。最後にはこういう計算は何にもなされなくて、この前の委員会では非常に長期展望を欠いたということが議論されましたけれども、そういうことはきちっとなされないといけないのじゃないか。今度は総合交通体系において、船舶でどのくらい運ぶのだ、あるいはまた飛行機ではどうなのだ、あるいはまた陸の場合、国鉄あるいはその他そういう電車類、あるいはまたトラックとか、そういうようなもののバランスのとれたような開発というものをやらなければならないということが非常に問題になっているわけです。そういう面から考えまして、今回の問題というのは、非常に車がふえてきたし、それからまた過疎過密をなくすのだからというようなことだけのもので、きちっとした一つの道路行政としてこれだけは必要だ、これだけはできるのだ、これだけやれば公害もないし、あるいはまた車もスムーズにむだがなく走れるのだということが最終的に計算されていない、そういうぐあいに感ずるのですけれども、そういう点はどうですか。
○菊池政府委員 先ほど先生の数字で、日本の車がふえれば道路を延ばす、道路が延びれば車がふえるというようなイタチごっこというお話がございましたけれども、私どもは実は、日本全国の市町村道までひっくるめまして約百万キロちょっとございますけれども、そのうちの早急に整備すべきものはやはり、この前申しましたように国道、県道のほかに市町村道のうちの幹線的な市町村道、これは整備すべきである。幹線市町村道等の整備になりますと、実はこれは生活道路でございまして、必ずしもその生活道路の延長なりが自動車の交通台数と一致するものではないと思います。たとえば二車線の道路をつくったらそこにフルに車が通るものであるというふうにきめつけるものでもないと思いますし、また逆に、そういうようなフルに通るだけのキャパシティーがなければそこへ道路をつくらないこともあります。生活道路でありますので、やはり生活のために必要な道路は交通量とは関係なしにつくることはございます。また国道にいたしましてもあるいは県道にいたしましても、山地部のところに参りますとおそらく交通は非常に少ないところでございます。しかしやはりナショナルミニマムとしての必要性ということがございますので、必ずしも個々には交通道路整備とは一致して考えることはむずかしゅうございますけれども、たとえば長期展望をいたします場合にはそこまで考えますとできませんので、もっと大きくマクロ的に見まして、たとえば昭和六十年の日本の全体の貨物輸送がどのくらいのトンキロである。それに対しまして道路の受け持つ分野、鉄道の受け持つ分野、あるいは海運の受け持つ分野というものをそれぞれ想定いたしましてきめまして、陸上交通の道路の受け持つ分野についてその道路が整備される。その輸送トン数をさばくためにはこれだけの道路整備が必要である。また乗用車につきましても同じような観点から、昭和六十年におきます人の動く人キロ、これを出しまして、それから乗用車の推定をしておるということでございます。昭和六十年ごろになりますと、それでまいりますとだんだんと道路の受け持つシェアが伸びまして、いままでたとえば百三十キロくらいまでの距離のところは道路と鉄道というものの運んでおります比率が半々くらいであったのでありますけれども、これが将来百九十キロ——失礼いたしました、百九十キロまでは昭和四十五年度、これは実績としてすでに延びております。三十五年度百三十キロくらいであったのでございますけれども、そういうふうにだんだんと道路が整備されるに従いまして道路の受け持つ分野もふえるというようなこと、将来の事態を想定いたしまして台数をはじき、道路整備のもとにしておるということでございます。
○新井委員 歩道とかそういうこまかい問題については、これはわれわれが言うまでもなくどんどん整備をされたらいいと思うのですよ。市町村道とかそういうものはその地方地方によって必要でございます。しかしながらいまのこういう一つの今回の整備五カ年計画を見ますと、高速道路であるとか、いろいろなそういう日本を縦貫する道路というような形でだいぶやっているわけですね。したがって全体的な考え方からすれば、これはマクロ的でけっこうでございますけれども、やはり日本の国にはこれだけの面積しかないんだ。それについては、歩道とかそういうのは別にして、少なくとも車道においてはこれだけの距離しかできない。その中には車がこれだけしか走れないのだというものは、これは最終的には出てくると思うのですね。ということは、道路と車が競争した場合に、道路というのはもう限定された一つの面積です。あるいは二階建てにしたとしてもこれは限定された面積。車というのは幾らでも生産すればふえるわけでございますから、そういう面からやはりきちんと考えた計画というものをつくり、それをまた逆に今度は総合交通体系の中に織り込んでいく。したがって、車輸送、トラック輸送がどんどんふえるからそれをどんどんふやしていこうじゃないかというのではなくて、当然鉄道なら鉄道に分散する、あるいは船舶なら船舶でそれを分散していくという、そういう問題が非常に大事になってくるわけですね。そういう総合交通体系との打ち合わせといいますか、からみ合い、そういうものはどのようになっておりますか。
○菊池政府委員 総合交通体系の問題でございますけれども、これは先生のおっしゃいますように、ただ道路だけを単独にきめて単独に計画を立てるものではございません。実は一昨年ですか、臨時総合交通対策協議会がありまして、それぞれ道路の受け持つ分あるいは鉄道の受け持つ分というような、そういう総合交通体系がどうあるべきかというようなことが協議会で検討されております。また私どものただいま出しております長期構想につきましても、そういう将来のシェアというものをきめますときには、そういう協議会等の資料に基づきまして私どものほうではきめておるわけでございます。
○新井委員 そういう問題についてひとつよく検討していただきたい。言っておると切りがありませんのでそのくらいにしておきます。 それで、六十年までに九十九兆円という予算、それから五カ年計画で十九兆五千億ですけれども、いま土地が非常に値上がりしておるわけですね。逆にいえば、公共事業がその土地の値上がりに拍車をかける、こういうような傾向も出ているわけでございますけれども、これだけの道路をまたつくる上において土地問題、土地とのからみ合い、大体土地はどのくらい値上がりするというような想定でこの予算を組まれておるのですか。
○菊池政府委員 五カ年計画をきめます際には、実はそれの用地費あるいは工事費、ともに四十七年度の単価ということではじいております。したがいまして、将来上がる分ということはその中には入っておりませんけれども、通常若干の変動がありました場合にはいろいろまた工法の合理化というようなことでそれを処置できるということで、単価は四十七年度の単価でございます。
○新井委員 用地を買収する場合に、これはいろいろありますけれども、新幹線が土地を買った。いままで二万五千円であったものが三万五千円になった。その次、今度はバイパスをつくるのにまた道路公団が土地を買った。そうすると、前回が三万五千円ですから今回は四万五千円でなければ売らないとか、確かにその地域の土地の値段というものが一つの基準になっているわけです。そういう一つの道路を通すとかいう問題で、道路公団なんかはわりあいに高く買っている。ところが市町村道なんかにおきましては、財政がありませんので非常に値段を安くしております。安いといいますか、なかなか交渉が難航するような状態もあるわけです。これは確かに、不動産鑑定士がちゃんと入りましてやってみても、その地価というものの実際の値段はそのときそのときの必要に応じて上がっておるわけでございますので、これはとめようがないわけですね。そういうような一つの問題について何かお考えを持っておりますか。
○菊池政府委員 お話しのとおり、鉄道が用地買収しますと、そこに実績単価として一つの実績ができるわけでございます。それから続いて、あるいは道路公団が買い、あるいは公共が買い、国が買い、県が買いということになるわけでありますけれども、私どもの用地買収につきましては一つの公共補償基準というものがございますし、あるいは不動産鑑定士等によりましてその土地の公正なる価格ということで実は売買をしておるわけでございます。あるいはまた県あるいは市等の地元の応援を得まして、公正なる単価で買うというのが原則でございます。そうしませんと、特に一つが飛び出しますとあとが全部それに引きずられるということになりますので、これは各それぞれの部門がそれぞれの立場で公正な単価で買収するということを心がけておるわけでございます。
○新井委員 これは形としてはそうなっておりますけれども、現実には、新幹線のときは幾ら、あるいはまた道路公団が買ったときは幾ら、あるいはまた今度はそこに住宅公団が来れば幾らということで、どんどん上がっておるわけですね。そのときそのときは公正な値段でございますけれども、非常に値上げに拍車をかけておる。したがって、こういうものを買う場合には、その市なり県なりあるいは国なりが一カ所、そういう買う一つのところを設けまして買っていかないと、こういう問題は解決できないということを非常に思うわけでございます。そういうことについてもひとつよく検討していただきたい、このように思うわけでございます。 それから、さっき長期構想の話がありましたが、これは田中総理の日本列島改造論ということが基礎になっていると思いますが、六十年度に国民総生産が三百兆を突破していることから見るとだいぶ話が押えられているようでありますけれども、産業計画懇談会が三月十五日に「公害と資源を中心に」という副題をつけて「産業構造の改革」と題する提言を発表しております。これはこれからの日本の経済、そういうものに資源あるいはまた公害ということでいろいろな問題が起こってくるのではないか。したがって、それに伴ってこの長期構想なんかも、経済が変われば変わるわけですから、先ほどの話からいくとだいぶん変わってくるのではないか。そういう面についてはどのようになっておりますか。
○菊池政府委員 産業計画懇談会できめました産業構造改革というものあるいは日本列島改造論というものと考え方が違えば、これが結果としておかしくなるではないかという御質問と思います。実はこの差の一番大きいのは将来の交通の予測ではないかと思います。日本列島改造論の予測、あるいは産業構造改革の予測、あるいは私どもの建設省で出しております長期構想の予測、これが若干数字が違っております。産業計画懇談会の数字が一番少ないわけでございます。そういたしますと、そこの差があった場合にそんなに整備する必要がないじゃないかということになろうという御質問と思いますけれども、実は先ほども申し上げましたように、マクロ的には、道路整備をやりますときの交通の輸送台キロというのが直接なりますけれども、実際問題として、先ほど申し上げましたようにナショナルミニマムの問題、生活道路の問題となりますと、必ずしも交通だけがそれを支配するものではないと思います。また、その違います数字もそう決定的に違っているとは私ども考えておりませんので、一応マクロ的な見方としてはいまの長期構想の見方で進めていっていいのではないかと考えております。
○新井委員 この提言につきましては、お聞きしたのですが、経済企画庁その他関係各省庁でも非常に積極的に研究をする姿勢のようであります。通産省等では特に産業構造の改革でいくという方針であるが、産業構造の改革というものがこの趣旨に沿ってなされていったならば、昭和六十年には鉄鋼は年産一億一千万トン、自動車保有台数三千五百万台という適正数値が想定されておるわけでございますが、列島改造論では一億六千万トン、あるいはまた五千万台、こういうようなぐあいにはじいておるわけです。昭和六十年のGNPを三百八兆円とするという見方を基本にした列島改造論の一連の数字というものは完全に根拠を失うということを断言しておるわけですね。そういうわけで、この構造が変わってきた場合に当然変わるということを断言している。それもいろいろな資源の問題から考えましても当然そういうことは言えるんじゃないかと思います。これは通産省関係になりますけれども、いままでいろいろな資源を仕入れてきたけれども、やはり資源には限界がある。そしてまた第一次産業的なそういう一つの資源を仕入れてやる場合には非常に公害を伴うということで、これは変えていかなければならない、こういういろいろな問題があると思うのです。一つの具体例として通産省にお伺いしたいのですけれども、通産省では、自動車が走るときにはガソリンを使用しているわけですけれども、昭和六十年のガソリンの消費量の推計というのはどのくらいと見ていますか。
○鈴木(両)説明員 お答えいたします。 わが国は現在九九%をこえる石油を輸入しておるわけでございますが、現在世界の約一割の消費をいたしております。その数字が二億六千万キロリットル。一九八〇年の目標で試算いたしまして四億五千万キロリットルという数字でございます。世界全体の需要は一九七〇年で二十六億キロリットル、一九八〇年で五十億キロリットルという数字を専門家の間では考えております。先生御指摘のように、資源問題の制約というようなものがいろいろ将来出てこようかと思いますが、私どもの見方では、いまあげましたような数字は物理的には供給可能である。ただその生産が世界の中の一局地に片寄って、中東に寄っておるというようなこと、それから環境上のいろいろな制約がだんだん加わることなどで、その辺にかなりの不安を感ずる向きもございますが、産油国との間で極力協調的な姿勢で調達を確保する、それから従来のメジャーとの取引なども極力つないでいくというようなことがうまくいけば、この辺の調達は可能であるというふうに考えております。ただ、先生御指摘のようないろいろな産業構造の改革とか環境上の要請とかというものが進んでくれば、この辺の数字はさらにもう少し下のほうの数字になってくるかというように考えております。
○新井委員 通産省ではさっき言いました提言に対して——この提言では石油だけじゃございませんけれども、石油だけに限っていっても、非常に資源というものがなくなってくる。これも比較的データをあげて説明をしておりますけれども、そういうことがないのだということが言えるわけですか。
○鈴木(両)説明員 先生の御質問の趣旨は、産業構造の改革とか環境上の要請がいろいろあるけれども、先ほど私があげました数字の調達についてそれほど心配ないというふうに言えるのかという御質問かと思いますけれども……(新井委員「さっきのは昭和六十年で四億……」と呼ぶ)一九八〇年、昭和五十五年に当たるわけですが、四億五千万キロリットル、現在が二億六千万キロリットルです。世界の需給関係は先ほど申しましたような状況で、主としてサウジアラビア、イラン、クウェート、イラク、この辺のところが圧倒的に将来期待される産油地域でございますが、その辺の産油国が生産計画を立てております数字などを寄せ集めてみましても、大体一九八〇年くらいまでは物理的には調達可能であるという数字がいま伝えられております。そういう趣旨で申し上げたわけでございます。
○新井委員 いま答弁がございましたが、一九八〇年、昭和五十五年までにおいては確かに言われるとおりでございますが、それからの長期見通しというのはなかなか困難だと思います。少なくとも昭和六十年度においてどうなるか。こういうことについてはローマクラブなんかの指摘もありますけれども、世界の石油資源の限界はもうあと三十年、こういうぐあいに見ておりますし、世界の石油大消費国は一九八五年までに石油の絶対的物理的不足の事態が発生することを銘記しなければいかぬ、こういうぐあいにいっておるわけでございます。確かに昭和六十年あたりの状態から見ますと、輸出ができる石油というのは世界で十二・五億トンしかないのだ。その中でアメリカにおいても十三億トンの石油の不足量がある。日本も列島改造とかいうことをこのまま進めていった場合においてはやはり六億トンぐらいの石油を輸入しなければいけない。そうすると日本とアメリカだけでもこれはもう石油が足らないというような状況になるということが指摘されておるわけでございます。 そういう中で、自動車の開発というものも現在行なわれておりまして、大体昭和五十五年には電気自動車が走るというようなことも聞いておるわけでございますけれども、そういうような開発の状況はどのようになっておるのですか。
○鈴木(健)説明員 お答え申し上げます。 電気自動車につきましては、排気ガスを全く出さない、公害対策の車といたしましては非常にすぐれた車ということで、まあ理想的な自動車ということで開発を進めておりますが、現状ではガソリン自動車に比べまして走行距離あるいは加速性能、経済性等で劣る点がございまして、あまり一般に利用されておりません。そういうことで、工業技術院におきましては大型プロジェクト制度によりまして取り上げまして、現在開発を進めておりまして、昭和四十六年度に開発に着手いたしまして、五カ年計画で五十億円を投入いたして開発を進めております。今後のスケジュールでございますが、昭和四十八年度に第一次実験車の五車種ができ上がるという段階でございまして、そのあと、四十八年度の研究成果をもとにさらに開発を進めて、昭和五十年度に最終実験車をつくるという計画になっております。 しかし、電気自動車の普及につきましては、性能というだけの問題ではなくて、経済性とか、あるいは従来のガソリン自動車に比べましていろいろ社会的な利用のシステムというのが全く変わってまいりまして、充電のバッテリーステーションをどうするか、あるいは電池のリースをどうするか、そういう社会的な受け入れの整備状況、あるいは電気自動車に対する助成措置がどうなるか、そういったさまざまの問題がございますので、今後どの程度普及するかという点につきましては、そういったものを総合してきまってくるのではないだろうかというふうに考えております。
○新井委員 それからもう一つだけ通産省にお伺いしておきたいのですが、石油がだんだん足りなくなると、いまでもわりかた、ドルが切り下げになっているにもかかわらず消費者に対する石油の値段というのは上がっておりますね。そういうわけで今後だんだんと値段が高くなっていく、こういうことが考えられるわけですけれども、そういう傾向についてはどのようにお考えですか。
○鈴木(両)説明員 お答えいたします。 一昨年の十一月から、テヘラン、トリポリ協定で国際的なインフレーションを反映いたしまして値上げが行なわれる。そのあと、昨年ジュネーブ協定、これは主要国通貨の通貨価値の変動に見合いまして値上げをするということを行なっております。それから今年一月に入りまして、御承知の経営参加、いわゆるパーティシペーションというものによりまして、産油国が石油開発現地会社の資本のシェアに参加するというようなことを行ないまして、この二十七カ月くらいの間に約六割ないし七割くらいの原油の値上げを行なっておるのです。そして、テヘラン、トリポリ協定に引き続いて毎年二・五%プラス五セントずつの値上げを一九七五年までスケジュールアップしております。大体石油製品のコストの約半分が原油でございますので、先生御指摘のように長期的に石油の製品の価格は徐々に上がっていくということでございます。ただ、これも先ほど先生御指摘の新しいエネルギーの開発というのが一つの条件になりまして、いろいろな見方がございますが、バーレル当たりの原油の値段が五ドルないし六ドルというようなところまでいけば、タールサンドなりオイルシェールなり、それからアメリカのような国であれば石炭なり原子力なりというようなものが経済性を出してくるので、その辺の段階でエネルギーが併存するという状況が徐々に広がってくるというふうに考えられます。
○新井委員 いま通産省のほうからお伺いしたのですけれども、一つは、石油資源というものがだんだんなくなってくる、これはだれでもわかる事実だと思います。それからまた、今度新しく電気自動車を開発する場合に、どのくらいの値段になってくるかということですね。そうなってくると今度は、貨物輸送ということを一つ見ましても、当然汽車なら汽車にたよらなければいけないのじゃないかということも考えられてくるわけです。いま現在、電力が足らないということで火力発電なんかやっておりますけれども、この電力一つにしましても、水力発電、これは世界的な水力発電ですね。あるいはまた地熱発電あるいはまた潮流発電、そういうような形からいけば、十分に全世界の電力というものがまかなえる。こういうものは別に公害を伴うものではないわけですね。そうしたときにやはり一つの大きな問題になってくるのが電気機関車で走らす汽車であるとか、そういうような体系というものも考えられてくるわけです。あるいはまた電車を日本じゅうの各所に動かすというようなことも考えられてくる。そのほうがコストが安いというようなことも将来考えられてくるわけです。したがって、先ほど私が言ったように総合交通体系の中でそういうようなことを考えていかないと、ただ一方だけの考え方であってはあとで無用の長物となってしまう可能性もあるというわけですね。これは歩道だとか毎日私たちが歩くことがなくなるなんてことは考えられないことでございますから、そういうことは別といたしまして、そういうことがちゃんと考えられていかなければならない。私はこういう考えを持っておるわけでございますが、昭和六十年までの長期構想の中で建設省が四千二百五十万台、これだけの車があるだろうという想定をされたというものは、一体何を基本にされてそういうあれになったんですか。
○菊池政府委員 先ほど申し上げましたように、昭和六十年の輸送の貨物につきましては輸送トンキロ、乗用車につきましては旅客の輸送人キロ、これからいまの数字を逆算しております。
○新井委員 そういうことも今後とも、非常に変化をされるときに入っておりますのでひとつよく検討していただきたい、このように思うわけでございます。 それから、公害の問題についてちょっとお伺いしたいと思うのですけれども、とにかく現在道路を敷くということになりましたときに一番問題になりますことは、やはり排気ガスあるいはまた騒音という公害が伴うということでございます。この騒音公害ということにつきましては、昭和四十六年五月に公害対策基本法に基づいて騒音に係る環境基準が閣議決定をされまして、道路の場合は一般地域と違って、その必要性、公共性ということから見まして五ホンから十ホン下げておる。それで二車線を有する道路に面する地域の中で住居の用に供する地域については四十五ホン以下、それから相当数の住居とあわせて商工業の用に供される地域については五十五ホン、それから二車線をこえる道路に面する地域についてはおのおの五十ホンと六十ホンということで制限がされておるわけでございます。これの達成基準は、いままである道路については五年以内を目途とする。それからそれでもなおかっできないのは五年を過ぎて可及的すみやかにやるということになっておりますね。今後つくる道路についてはそういうようなこともよく勘案されて、そのままこの環境基準に当てはまるようにつくられると思いますけれども、一体この現在の騒音とか排気ガス——いまのは音の基準でございますが、騒音の一つをとりましても、これが現実に五カ年で可能なのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○菊池政府委員 今度きめられました環境基準は、ただいま先生の言われました数字は夜間の数字でございますけれども、非常にシビアに私ども受け取っております。しかし環境基準が出ました限りは、私どもはそれに合わせていかなければならないということで、今後建設するものにつきましてはできるだけその線に沿ってやっていく。特に住居地区等につきましてはそれは当然でありますけれども、あるいは商業地区等で商店の営業というようなことから、私ども道路側としてはその環境基準に合うように構造的な問題等に対して対処せざるを得ないわけでありますけれども、それがもし地元の利用の形と違いますと、そこでそのとおりやることがなかなかむずかしいことになるわけでございます。 〔委員長退席、渡辺(栄)委員長代理着席〕 したがって、新しい道路をつくりますときには環境基準にできるだけ合わせていくということであり、また今度の五カ年計画につきましてもそういう意味で、環境対策をやりますと非常にお金がかかります。しかし私どもはそういう環境を破壊しないということのために、今度の五カ年計画では相当な金額をそういう対策に見る予定でございます。ただ現在の道路につきましてそれを環境基準に合わせることが、これはなかなか、現在の道路と沿道等の利用の関連から一挙にそこへいくことは非常にむずかしいかと思います。やはりこれは走る車のほうでも音を下げてもらわなければなりませんし、また現在ある道路に何か道路のほうで対策をしようとしますと、沿道等の関連がございますからなかなかできにくいということもありまして、あるいは交通の規制だとか、そういうような形でやっていくのもやむを得ないのではないかというふうに考えております。
○新井委員 確かにこの騒音の問題にしましても、窓口の総括は環境庁が持っておりますね。それから自動車の構造の改革、これはいま大体エンジンあたりが八十五ホンぐらい出すらしいのですけれども、それとまた高速を飛ばした場合、これはタイヤの摩擦音というものが非常に出るわけでございますが、そういうような構造については運輸省がやっている。特にそういう摩擦音については十五ホンぐらい下げるというような形でやっておるようでございます。それから交通規制については警察庁のほうがやっております。道路については建設省。そういういろいろな問題についての融資が自治省ということで、各省いろいろやっておるわけでございますけれども、実際問題、地域の住民の方から見た場合に、どこの構造が悪いのかといえば、構造はいいんだけれども自動車が悪いんだ、片方にいえば、自動車はちゃんとなっているんだけれども構造が悪いのだ、こういうようなことで結果的には何ら解決されていないというのが現状だと思うのですね。まして道路という一つの公共性の問題がありますから、これをうかつに交通規制するとそういう問題も出てくる。 そこで、新しく道路をつくる場合に、局長はそういうことはないようにつくるとおっしゃるのですけれども、いままでの分はこれからよく検討しなければいけないというのですが、九十九兆円の予算あるいはまた十九兆五千億の中で、大体一兆五千億くらいの予算というものはそういう環境を守るために予算としてとっているということを聞いておりますけれども、それはそのとおりですか。
○菊池政府委員 ただいまお話しのように、この環境を守りますためには道路の構造の問題あるいは交通規制の問題、いろいろやらなければならないことがございます。たまたま今度の五カ年計画はその道路側の立場の問題でございますが、一兆五千億くらい入れるのかというお話でございます。私どもは実は環境対策にどのくらい入れるかということを数字で出そうと思っていろいろ調べてみたのですけれども、その数字を出すのはたいへんむずかしゅうございます。直接的に出る費用と間接的に公害対策に出る費用がございます。直接的に出る費用といいますと、たとえば道路にフェンスを立てるとかあるいは道路をおおってしまうとか、そういうのは直接公害対策として目に見えるわけでございます。ところが、たとえば平面道路をつくるつもりであったのを立体にする、あるいは掘り割りにするということになりますと、これは確かにそのために経費は出ます。これは公害対策のために経費は出ますけれども、その差額が公害対策費というふうになるわけであります。そういうようなもの全部集めますと、そういう構造的なもので大体七、八千億ぐらいにいくのではないかと思います。またその中には、たとえば環境が悪くて非常に狭い道路に車が集中してくる。これはどうしても小さな迂回路をつくってバイパスさせなければいけないというのも一つの公害対策というような、広い考え方を持ちますとまだふえるわけでありますけれども、そういう間接的な費用だけ——間接といいますか構造的な費用が約七、八千億ぐらい出るのではないかと思います。それからそのほかに、実は四車線の道路で特に自動車専用道路、あるいは自動車専用道路でなくても四車線道路以上になりますと車も相当そこへ集中するということから、できれば、従来考えておりました道路をつくる場合に、両サイドに十メートルないし二十メートルくらいの緑地幅をとりまして、それもひっくるめて道路としてつくっていきたいということも考えております。こういう費用が、そういう市街地のしかも四車線道路でそういうところがどのくらいあるかを調べてみまして、これの延長に坪当たりの単価をかけますとやはり五千億くらいの数字になる。そうなりますと合わせまして一兆二、三千億という数字になろうかと思います。ただ、いまの緑地帯を両サイドにつくるにいたしましても、これはそういう考え方で今後進めていくつもりでありますけれども、そういたしますと、従来三十メートルなら三十メートルで済んだ道路の用地幅が、両側に十メートルとれば五十メートル要る、あるいは二十メートルずつとりますと七十メートル要るということになりまして、これはまた地元の方のそういう道路に対する用地の提供の面積が広くなるわけでございます。したがいましてこれがどの程度また地元の方に受け入れてもらえるか。これはまだやっておりません。これからそういうものを実際的にやろうとしておりますので、いろいろなトラブルはあろうと思いますけれども、やはり道路は、そういう環境の問題あるいは防災上の都市空間でもあり、そういう幅の広い道路をとっておくべきではないかというような考え方で、そういうものを全部入れますと一兆二、三千億になろうかと思います。
○新井委員 そうすると、これが大事なところなんですけれども、これからつくる道路については、当然排気ガスだとかあるいは騒音の問題についてはあらゆるデータといいますか、そういうものをきちんとして、これならだいじょうぶだということで、まずきちんと調査をされる。その調査をした結果においてその道路をつくる、こういう一つの方式ですね。そういうことをちゃんとおやりになるということですか。
○菊池政府委員 これは道路をつくりますときに、いま言った市街地、住居地域等につきましては大体都市計画を決定してやっております。そういたしますと、そういう問題が都市計画決定のときに問題になることもございますし、あるいはそれが実際に今後施行される段階で問題になるときもあり、そのときに地元の方と——これはやはり地元の方の利用と直接結びついた問題でありますので、そういう非常に環境を破壊する可能性のあるところにつきましては、私どもも従来いろいろなデータを集めてそういう数字は持っておりますけれども、事前に調査をしてということよりは、そういう問題が出てから調査する、出てから地元との話し合いということになろうかと思います。
○新井委員 それはこれからの道路をつくる場合においては、こういう環境基準がはっきりしているわけですから、やはりそういうことはきちんとしていかなければ地元の方が納得されるわけがありません。交通騒音について私もいろいろと調べたわけでございますけれども、非常にいろいろな問題があってむずかしいわけですね。地下に通す、トンネルにするという問題、これは非常に費用がかかる。その上に今度はどこか煙突を立てて煙を出さなければいけないとか、あるいは防音壁をやった場合に、その効果ですね。あるいはまた緩衝緑地帯をとってたくさんの木を植えれば公害対策にはなる。排気ガスのほうには関係すると思いますけれども、三百メートル離れていても五ホンくらいしか違わないとか、こういうようないろいろな問題があると思います。そういうことで、よほどそういうものについては研究をしていただかないと今後ますます問題になると思うわけです。それから交通量と騒音、または走行速度と騒音の関係、こういうものが技術的に解明されていない。これはイギリスのジョンソンだとかサンダースという人がいろいろ実験されてそういう証明をやったようでありますが、日本ではだれもそういうのを現実にやっていないわけですね。交通量と騒音、あるいは走行速度と騒音、こういうような問題は環境庁のほうがおやりになるのが当然だと思いますけれども、道路をつくる建設省としても、よくそういう調査をやっていただくように言うべきではないか、このように思うわけです。とにかく騒音の調査ということについては、発生源の調査ですね、いま言ったような実態調査の費用としては環境庁でたった三百万円しか組んでいない。 〔渡辺(栄)委員長代理退席、委員長着席〕 何をどこで調査するのか、ちょっとわからないのですけれども、こういうことではならないと思うわけです。そういうことで、これについてはいろいろな問題がありますけれども、そういう調査をかっちりやられて、つくるときにはちゃんとしたデータが出て、そしてきちっとやっていただきたい、こういうぐあいに思うわけでございます。
○菊池政府委員 いまの調査のことでありますけれども、私どもも地元の方とお話ししますときに、このくらいの騒音になります、このくらいの排気になりますというときに、やはりこれは机上のことであって、なかなかこの状態になるかどうかわからぬというようなわりあい不信の感もございますので、できるだけそういうデータを整備するという意味で、実は土木研究所に公害のための研究室がございまして、たとえば道路の模型をつくったり騒音の実験、あるいは道路構造と騒音の関連について現地の調査を何カ所かやっております。また大気汚染とか交通振動の問題も現地調査をやっておりますし、特に地方建設局におきましては定期的に四百二十一カ所ほどそういう騒音の調査をやっておるということで、実はこの調査試験費につきましても、土木研究所は四千二百万くらいの金額、また地方建設局におきましても五百万円くらいの研究費をつけてそういうような調査をやって、できるだけそういうデータの整備をして、そうして信頼できる数字をお示ししてお話し合いをしたいというように考えております。
○新井委員 それからもう一つ、今度は排気ガスの問題でございます。これは車の関係になりますから運輸省の関係になると思いますけれども、環境庁が来られておりますのでお伺いしたいのですが、現在至るところで排気ガスのために木が枯れるとか、いろいろな問題が出ております。木だけ枯れているのならまだいいのですけれども、これは人間のからだに影響を及ぼす。これはもう当然でございまして、きのうも新聞を見ますと衛星からの調査写真が判読されておりまして、もう復原力がなくなってしまっているような状態だということが出ておりましたけれども、道路建設と環境破壊の防止という問題について、環境庁としてはどのような基本的な考え方に立っているのか、お伺いいたしたいと思います。
○小林説明員 道路建設に伴います環境破壊あるいは自然の破壊につきましては、道路計画の立案あるいは工事の実施に際しまして環境影響の調査を行なうということによりまして、公害の発生が自然環境の破壊と環境保全上の重大な支障をもたらすことがないように措置する必要がございます。こういう観点から昨年、四十七年の六月六日に「各種公共事業に係る環境保全対策について」ということで閣議了解をいたしまして、この線に沿って、こういう事業をいたされます各省において十分に環境上の問題を考慮していただくということでやっておるわけでございます。しかしながら、先ほどから先生御指摘のように、具体的には全国至るところでそういう問題が発生しております。それで、道路につきましてはこういうことで対処しておるわけでございますけれども、それではその発生源たる自動車に対してどういうことをやっておるかということを申し上げますと、私どもは大気汚染防止法に基づきまして自動車の排気ガスについて規制をやっておるわけでございますけれども、四十八年度におきまして新車の規制をきびしくした。さらに、運輸省におきまして四十八年五月から中古車に対しましても規制をきびしくするということで、特殊な装置を義務づけるということをやっています。さらに、昭和五十年からはアメリカのマスキー法並みの排気ガスの規制をやるということで、排気ガスの対策をとってまいっております。それから自動車騒音につきましては、先ほどから先生御指摘のように、この問題は各省にまたがっておりまして、騒音規制法によりまして環境庁としては発生源たる自動車の音の規制をするということになっております。これの許容限度というものをきめて規制をやっております。これにつきましても今後強化をしていく方針でございます。ただ騒音の問題は、先ほどからいろいろ話が出ておりますように、発生源たる自動車の音を下げるということも一つの対策でございます。それからもう一つは道路構造を改善していくということも別な方法でございますし、交通規制をやるという方法もあるわけでございます。さらには、道路沿線における土地利用をどうするかというようなことを含めて総合的にやってまいりませんと効果が出ない問題であるというふうに考えておりますので、今後関係各省と十分に連絡をして公害の防止につとめてまいりたいと考えております。
○新井委員 いま排気ガスのことについて説明がございましたが、実際問題としてそういう問題についていままで指摘した交通規制が一部行なわれておるところがありますね。これは騒音あるいは光化学スモッグのときに一部適用されたこともありますけれども、実際問題として車の台数がどんどんふえてくる。いまもマスキー法という、アメリカでは五十年、五十一年で一酸化炭素あるいは炭化水素、こういうものの規制を現在の排出量の十分の一にするという法律が通っておるわけですけれども、これも公聴会なんか開いたところが五十年、五十一年ではできないのだというようなことで、その引き延ばしが行なわれる。日本の場合どの程度そういう問題については進んだかどうかわからないのですけれども、とにかくどちらにしてもそういう監視体制というものはいまの予算では、やってないとはいえませんけれども、実際問題として全然効果がないのじゃないかというように考えるわけでございまして、この大気汚染というものについてはひとつ確実にやっていただきたい。ということは、騒音の場合はだれも、聞いてやかましいとかやかましくないということがわかるわけですけれども、いまここにある空気が、自分の吸っているのが清浄な空気なのかどうなのかという判定はできないわけです。極論する学者の意見によると、大体環境基準があること自体がおかしいのだ、もともと自然というものの中に人間が育ってきたのだから自然のままにするのがあたりまえのことであって、そういうことの基準を設けて、ここまではいいのだとか悪いのだとかいうこと自体がおかしいという学者の方もいらっしゃるわけでございまして、どうかそういう面についてはひとつがっちりやっていただきたい、このように思うわけでございます。 そこで大臣にお伺いしたいのですけれども、いまも騒音の問題あるいはまた排気ガスの問題が出ましたが、こういう問題がこれからどんどん出てくるわけですね。局長はそういうもののデータをもっときちんとやるということで、今後努力していただけるそうでございますが、この道路整備と公害発生問題、環境保全問題、これと住民の意思、そういう話し合いができない、あるいは矛盾といいますか、あるいは一つは対立するということになるかもわかりませんけれども、そういう問題についてどのようにやられていくのか。「新国土建設長期構想(試案)」の基本的な目標の一つとして、これは明確に書いてございますけれども、第一番目に、自然環境を適切に保存し、自然に対する国民の渇望にこたえること、こういうことがトップにうたわれておるわけでございます。そういう意味で、そういう対処のしかたについてはどのような基本的なお考え方を持っておるか、お伺いしたいと思います。
○金丸国務大臣 道路問題は昔のような考え方ではならぬと思いますし、環境の問題についてはほんとうに真剣に取り組まなくてはならないが、ただ、道路というものは公益性があるということも考えなくてはならぬ。一部が反対だからその部分だけはやめるというわけにはいかぬという場面もあるわけでございますから、その辺は緩急よろしきを得た対策というものを講じなくてはならないということは当然だと思います。しかし、地域住民の納得のいかないような方法でやったのではいけない。あくまでも対話というものは必要である。こういうような考え方で私は道路建設は進めてまいりたい、こう思っております。
○新井委員 三月七日のこの委員会におきまして大臣が答弁されておりますが、この答弁というのは、外郭環状線についての質問の中で、住民の反対が強ければ取りやめるべきであると思う、こういうような答弁をなさっております。その地域の方々がとにかくそういうものは反対なんだと言った場合にはこれは取りやめるべきなんだ、こういう解釈をしておるのでございますけれども、これはこれでよろしいですか。
○金丸国務大臣 それは先般柴田委員から質問のあったことだと思うのですが、東京環状道路という問題で、東京へ入ってくる放射線、それを緩和させるための環状道路であるということでこの道路が必要であることは言をまちません。しかしあのときの話は、県も反対だ、市も反対だということでありますから、そういう県も市も反対であるならば、むしろいなかの町村道へ持っていって張りつけたほうがましだというような考え方を申し上げたわけであります。私は実際問題として、県も市も反対であればこれは物理的にできるはずのものではないと思います。しかし必要な道路は、技術的にも解決して納得いくような方法を考えるか、あるいは地域住民も、こういうように工事の施行をいたしますからということで、それではよろしいという納得がいき、それで県もあるいは市も納得がいくというところに道路の着工というような問題になってくるのじゃないか、こう私は考えております。
○新井委員 この東京外郭道路の問題はこの前もいろいろお話があったと思いますが、昭和四十一年三月にこの計画が初めて発表されて、それから昭和四十一年六月には十万六千名の反対者の署名を、当時の田中幹事長及び瀬戸山建設大臣に手交しておるわけでございます。それから昭和四十一年八月には三鷹市議会において反対決議、それから調布市におきましては四十二年七月、武蔵野市におきましては四十二年十二月、杉並区におきましては四十三年四月、練馬区におきましては四十三年一月、東京都も四十三年の六月に、そういう反対の決議というものをやっております。参議院におきましても反対請願の採択が昭和四十二年八月にされておりまして、四十二年十二月には衆議院におきまして再検討の請願の採択がされております。それからまた四十三年四月には保利建設大臣は現地を視察して、無理な計画である、再検討ということを約束されている。それから四十四年一月には美濃部知事が、現地は住んだことがあるのでよく知っている、住民福祉に反する道路と思うので反対であるということを言明しておる。こういうずっと一連のことがございまして、四十五年十月には参議院の建設委員会において根本建設大臣も、外郭計画は凍結するということを言っておるわけでございます。 そういうことで、ずっと続くのですけれども時間がありませんから経過はあれですけれども、とにかく一つの計画が現在外郭環状にあるわけですね。その計画がありますためにみんなが反対なんだ、こういうぐあいに言っております。しかし、その計画自体が現在宙ぶらりんの形になっているわけですね。これは四十一年でございまして、いま四十八年です。そうすると、だんだんと時がたって家が古くなってきた、あるいはまたそれをちょっと改造して鉄筋コンクリートの家にしたいとか、いろいろな地域の方、たくさんの方の要望がありますけれども、そういうことがはっきりしないために全部がストップされてしまう。このままこのような状態でもってたな上げにしておくということは、たくさんの方に迷惑がかかっておるということもわからなければいけないと思うのです。これは都市計画道路でございますから、都が審議会にはかって、そしてこっち側に出して、最終的には建設大臣の認可ということになるかと思いますけれども、こういうことについてやはり英断を下さなければいけないのじゃないか。それこそ田中内閣のモットーである決断と実行で、それをはっきりしてあげるということがやはり大事なことになると思います。これだけの反対、そしてまたほかに移せばいいじゃないかという大臣の答弁、またいままでの歴代の大臣の考え、そういうようないきさつから考えまして、これをもう一度審議会にかけ直す、あるいはまた都にこれはどうなんだという打ち合わせということも大臣としてやられてちっともおかしくないと思いますけれども、そういう点についてはどのようにお考えですか。
○菊池政府委員 先にちょっと経過を御説明いたします。 ただいまの、四十一年ごろから東京外環の西側の部分が反対ということで凍結になっているということは事実でございます。先ほど大臣申し上げましたように、この外郭環状道路は東京都内に通過交通が入ってくるのを防いで、分散させるという非常に大きな役割りを持っておる道路でございます。したがいまして、凍結はされておりますけれども、私どもとしてはどうしても必要な道路である。これはその地域の方々にとってはたいへん御迷惑かもわかりませんけれども、通過交通が東京都内を通り抜けていけば、都内のその沿道の方々が同じように迷惑をこうむるわけであります。したがいまして、そういう交通を東京都内に入れないためにはどうしても環状線が必要である。ただ、凍結になっておりますけれども、当時は構造的な問題もいまほどまだきつくない時代でございましたので、当時はおそらく平面交差があり、さらにそのまん中に高架道路があるというような形で説明し、そういうことでいま凍結になっておりますけれども、必要であれば場合によっては地下方式にしても——地下方式にすれば沿道に対する公害がぐっと減りますので、そういう構造的な形では何とかやっていきたい。それから、いまのは東京都の西側の部分でございますけれども、西側の部分は環状八号線が間もなくでき上がりますし、環状七号線があり、まださしあたっては二本の道路で環状的な役割りを果たしておりますけれども、東側の部分についてはまだ環状七号線もでき上がっていないということでありますので、どうしても東京都の東側を整備しなければならないということで、実は市川、松戸等につきましても早急に事業実施にかかりたいということで問題になったわけであります。また埼玉県につきましては外郭環状は賛成であるということもあり、これは環状線全線としては必ずしも全部が反対ではございませんので、そういう効果を発揮させるためにできるだけの努力をしてまいりたいと私ども考えております。
○金丸国務大臣 先般私がこの委員会で述べましたことについて、市川やあの周辺の人たちから非常にありがたいというような手紙が四、五百通私のところに来ております。それはいかに住民が真剣に、いま先生の御指摘のような問題等を含めて考えておるかということでございます。全く宙ぶらりんにして、やるのかやらぬのかわからないというような事態にしておるということも、これはなかなかお気の毒だという感じは私もいたします。しかし、大局的なことも考えなければならないということで、いわゆる道路の公益性というような問題も十分踏まえまして、なお先ほど来申し上げましたようなことも踏まえながら、ひとつ慎重にこの問題をどうするかということをはっきりしたほうがいいのじゃないか、こんなふうにも考えておりますが、なお都とも十分な連絡をとり、千葉県とも十分連絡をとる、あるいは松戸市とも十分な連絡をとって、実際問題やれないものを、幾年かかってもやれないでほうっておくということはまことに罪だと思うので、十分ひとつ連絡をとりながら慎重に対処してまいりたい、こう思っております。
○新井委員 その件についてはひとつよろしくお願いしたいと思います。住民の方も迷惑がかかるということ、いろいろのことがあるわけでございまして、そういうこともよく踏まえた上でひとつお願いしたいと思います。 それからもう一つ、そこでこういうことをやったらいいのじゃないかという御提案をしてみたいと思いますけれども、自然環境並びに生活環境を破壊するおそれのある道路計画については、さっきも言いましたように環境の影響調査をする。つまり排気ガスとか騒音、振動、あるいはまた良好な居住環境の保持、地域公害防止計画との関連の考慮、自然の価値、生態系の維持、その他、面的な広がりを考慮した調査を行政当局がみずから事前に実施をする、その結果を公表するという、そういうようなルール、そういうものをきちんとおやりになったらいいのじゃないかということを考えるわけです。そういうことをきちっとやれませんと、やはりだれも納得されないわけでございます。 そこでお伺いしておきたいのですが、四十七年の十二月二十六日に、首都高速道路基本問題調査会より環境保全対策ということについて四項目にわたって答申が出されております。この答申についてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
○菊池政府委員 首都高速道路公団が基本問題調査会に諮問いたしまして、その答申は、沿道の環境保全を考慮した都市高速道路の建設を進めるため、地形、土地利用の状況等を勘案して、必要に応じ構造型式の選定、防音施設等の整備をはかるとともに、道路の各側の一定範囲の土地について道路の区域として取り扱うほか、沿道の建築物の規制等を早急に検討する必要があるというふうに出ております。おそらく、先生がおっしゃった四項目というのはこのことではないかと思います。これは私どもも当然であるというふうに考えております。特にこの後段のほうの、道路の両名側に一定の範囲の土地を取得してということが、先ほど私申しました緩衝緑地帯のことであるということで、私どもできるだけこういう線に沿ってやっていきたいというふうに考えております。
○新井委員 それから行管から、自然保護に関する行政監察結果に基づく勧告、こういうことで指摘がされておりますけれども、これについても鋭意きちんとおやりになっておると思いますが、それからもう一つ、高速自動車国道等の管理運営に関する行政監察結果に基づく勧告、これも昭和四十七年の三月に行政管理庁から出ております。非常に具体的に載っているわけですけれども、これも当然だと思いますが、こういうことについても今後きっちりやっていただきたい。こういう指摘された問題について、現在も行なっておると思いますけれども、どのようになっておるのですか。
○菊池政府委員 行政管理庁から指摘されましたことは、国立公園、国定公園等におきまして道路が自然をこわしておるということで、工事をやるについては十分そういう環境をこわさないように配慮すべきである、特に事例を二つほど、たとえばという形であげまして、富士山の有料道路、これはスバルラインであります。それから石鎚の国定公園を通っております石鎚スカイラインというものが特に名をあげて指摘されております。これは指摘されましたのは四十七年三月でありますけれども、実は行管から指摘される前にもうすでにいろいろとそういう環境がこわれたということが実態的に目に見えておりますし、また一般からもそういう声がございまして、勧告がある以前にいろいろな手当てをしてございます。たとえば富士山のところにつきましては、道路の沿道が風が急に通るようになったためか、いわゆる生態のバランスがくずれて木が枯れるというようなことがございますので、そういう枯れた木をさっそくのけ、そこに、高さが高くて気温の低いという、高冷に合う植物を植えるというようなことで、苗圃をつくり、そこへどんどん植えていこうというようなこと、あるいは石鎚スカイラインにつきましては、おそらく切り取りした土砂を今度下の谷のほうに落としてしまったということのために、相当のり面が荒らされたということでございますので、そういうのり面の手当てというようなことをいろいろ手当てをしておりますし、今後そういう国立公園、国定公園を通るようなときには、こういうことがないように十分注意してまいりたいというふうに思っております。
○新井委員 これは具体例をあげていくとほんとうにたくさんあることはよく建設当局が御存じだと思います。自然環境を守ることについては、世界の趨勢は、国立公園内の自動車道の増設はすべてやめる方向になっているようです。レクリエーションの場もできるだけ公園の外に移して、自然保護に撤する政策がとられておるわけでございますが、先ほど局長言われたように、この点をわが国も積極的に見習って、レクリエーションの場においてもそういう形にしたらどうか。あるいはまた国や地方自治体が観光産業振興という名目で、いろいろな意見があるにもかかわらず建設を強行するというようなことは、これは当然今後やめていかなければいけない、こう思うわけでございます。そういうことで、どうかそういう立場に立って、いま言われたようにひとつお願いをしたい、このように思うわけでございます。 それから、道路建設についていま住民投票にしたらどうか、こういうようなことが出ているわけです。これは有名なデンバー方式といいますか、そういうことでやられているわけでありますけれども、確かに住民投票した場合には、自分が立ちのくからだめだとか、あるいは近くを通ってくれて非常に便利だからいいという、利害がからまった場合において、大局に立った考え方というものが出てこない可能性があるかもわかりません。しかしながら地域住民の方々の少なくともそういう意見、そしてそこに道路を通すことが自分たちの生活とどのように関係があるのだというようなことについては、非常にみんなの、かえって住民の方々の協力を得られる、こういうことも考えるわけでございます。美濃部都知事も都の放射三十五、三十六号線の建設については住民投票で決定するということを発表されておりますけれども、こういうこれからのやり方についてどのようなお考えを持っているか、お伺いしたいと思うのです。
○菊池政府委員 道路をつくりますときに住民投票という、住民の意向を聞くということは一つの方法かと思いますけれども、実は実施にあたりましてはたいへんむずかしい問題があると思います。と申しますのは、先ほど先生も言われましたように、従来は道路をつくりますときには、道路にかかる方が反対という線が強かったのです。ところが最近になりますと、かかる方が反対ということよりは、まわりに、沿道に残る方々の反対ということが非常に強くなっております。一本道路をつくりましても、それに、一軒隣になるだけで賛成と反対ということが明瞭に違いますし、それから、やはり道路の必要性ということは皆さま認めていただいて、道路が必要なんだけれどもここはまずいという言い方になりますので、それぞれの方の利害が違いますのでなかなかむずかしいかと思います。またその投票にいたしましても、どの程度の地域を選んで投票するのか。ほんとうに局部的なその地区だけなのか、もう少し大きく広げるか、さらに大きく広げるかということによりまして、おそらくその結果は正反対の数字が出るというようなこともございますので、考え方としては私も地元の方の御意向を受け入れるのはたいへんいいと思いますけれども、実施はむずかしいのではないか。したがいまして、できるだけ都市計画決定をするとかいうような形で住民の方の御意向を聞き、また実際に仕事をするときには、こういうものをこういう型式でつくるのですということで、地元の方とお話しするというようなことで進めていかざるを得ないのではないかと思っております。
○新井委員 この方式につきましては、本来ならばこの方式が一番望ましいわけです。みんなが納得していただいて、そこで賛否がありましても過半数を占めてきちんとやっていくわけですから、それは当然いいわけでございますけれども、そういうことも今後ひとつよく検討していただきたい、このように思うわけでございます。 それから、地方道の整備が非常におくれておるわけでございまして、特に地方道の中でも国民生活と密接な関係にある市町村道の整備、これが非常に指摘されておるわけでございます。この原因については、根本的に産業基盤中心、国民福祉というものがいままで軽視された政治姿勢にあることは当然でございますが、この中でやはり指摘されなければならないことは、財源が非常に足らない、それからこれだけの道路をやる場合に技術者が足らない、こういうような問題があるわけでございます。一つには市町村道のほとんどが単独事業であるために、その財政負担に地方公共団体が耐えられずにおくれておる場合というものが多いと思うわけでございますが、これらの市町村道の整備に対して何らかの援助をしなければならないのじゃないか。今回の五カ年計画におきましても、地方単独事業というのは四兆七千億円ということになっております。そういうことで、これについては自治省としてどのように考えておるか、まずお聞かせ願いたいと思います。
○土屋説明員 いま御指摘のとおり、道路整備がいろいろ進められておりますが、現実問題といたしましては、国、府県に比べまして市町村道の整備が非常におくれておるということは事実であろうかと思います。統計的に見ましても、改良率、舗装率がかなりおくれておるわけでございまして、実際この市町村道は生活道路といったような点でも整備を急がなければならないわけでありますが、おくれておる。そのための財源でございますけれども、現在ではまだ七次についてははっきりしておりませんが、第六次計画の状況を見ますと、府県が特定財源が七三・一%であるのに対しまして、市町村は二四・四%といったような状況になっております。四十六年からたとえば自動車重量税の創設とか、いろいろな手は打たれておるわけでございますが、なおかつ低い状況でございます。こういったことで、今後市町村道の整備を進めるということになりますと、地方道路財源、特に市町村の道路目的財源の拡充が必要であろうかと考えておるわけでございまして、関係方面にもそういった点についていろいろと要請を申し上げておるところでございます。
○新井委員 ただいま自治省のほうから話がありましたけれども、こういう計画が立てられて、もちろん道路局、建設省としては自治省ともよく打ち合わせの上にこういうことが成り立ったと思いますけれども、現実のこういう予算という問題になりますと非常にたいへんなことがあるわけでございます。自動車関係諸税としては揮発油税、地方道路税、軽油引取税、こういうのがありますが、この道路目的財源によりますと、国は現行計画の所要経費の八〇%を確保する。それから都道府県は七〇%、市町村道は二四%。これはやはりこれから市町村道を中心に住民福祉をはかっていくのだというたてまえからそういうほうに力を入れるというならば、当然財源的にもやはり考えていかなければいけないのじゃないかと思いますけれども、そういうことについてはどのようにお考えになっておりますか。
○菊池政府委員 市町村道につきましての特定財源は、自動車取得税、それから先年きまりました自動車重量税、これの一部が市町村道の特定財源に入っております。しかしながら市町村道事業につきましては、国の補助事業と同時に地方が単独事業でやっているものもございまして、そういう特定財源の占める割合は、補助事業でやっております国なりあるいは県の仕事と比べますとだいぶ低くなっております。これは実は、市町村道は先ほど申しました生活道路であるということのために、必ずしも車だけが主体ではないということのために、やはり一般財源的な色彩が強いということでこういう形になっていると思います。しかしながら、今後市町村道を大幅に整備しようということに今度の五カ年計画で考えておりますので、そうなりますと市町村道の財源というものに対してさらに一歩考えなければならない段階だと思います。これは国の財源構成がまだ五カ年計画ではきまっておりませんけれども、それとあわせまして、地方の市町村の財源構成につきましても、私のほうもできるだけそれを応援するという形でやりたいというふうに考えておりますが、今後一年間かかってそれをきめますので、十分検討してまいりたいと考えております。
○新井委員 第七次の五カ年計画によりますと、昭和五十二年度までに三千百キロメートルの国土開発幹線自動車道を完成させて供用をはかることになっておりますけれども、用地買収というのは一体何年までに完了するということをお考えになっておりますか。
○菊池政府委員 いま高速自動車国道の建設を見ますと、整備計画ができましてから大体七年かかっております。そのうちの工事が大体三年——これは長い短いが若干ありますけれども、三年ないし三年半。そういたしますと、今度の五カ年内に三千百キロ完成しますためには、その分につきましては少なくとも五十二年度より三年前には用地買収を終わっていないとむずかしいかと思います。
○新井委員 そうしますと、用地の予算だけでも相当急ピッチに増加することになりますけれども、その用地費というのはどの程度考えておりますか。
○菊池政府委員 今度の五カ年で、事業費が二兆六千七百億に対しまして、八千九百億円の用地補償費を考えております。
○新井委員 そのときの用地債務が地方自治体にとっては大きな負担になる。自治体からは用地債務をなくしてほしい。また用地債務の償還の期限を短縮してほしいという要望が出ておるということを聞いておりますけれども、そういう点についてはどのように考えておりますか。
○菊池政府委員 用地は本来日本道路公団において直接買収するのがたてまえでありまして、ほとんどその形でやっております。ただ、それだけでは足りず、一緒に同時に買ったほうがいい、値段の差が翌年できたり、あるいは一つの単位で全部買ってしまうというために、そのほうが効率がいいということのために用地債務がついております。これは公団の名前で買いまして、一時県なり公社なりが立てかえるという形でありますけれども、そしてそれがたしか一年据え置きで、それから三年の均等償還で返していくというふうに思っております。たとえば四十八年度につきましては、用地債務は総額が二百億でありますので、全体の用地の取得費から見ますとそう大きな部分ではございませんが、やはりそうやっても一年たち二年たったあとの値上がりというようなことを考えますと、公団もそれだけ安く取得できますし、また地元の県あるいは市町村にいたしましても、一緒に買われる、あるいはそういう意味の用地の高騰がないというようなことで、便益を感じておりますのでそういう形でやっております。なるべく早く償還するほうがいいと思いますけれども、いままではそういう形でやっております。
○新井委員 その件については早く償還をするという方向で今後検討するわけですね。そういうぐあいに了解しておきます。 それから、高速自動車国道や一般国道の用地買収について事務委託が行なわれている。その委託経費の支払いについて債務繰り延べの措置がとられたり、立てかえ経費の利子や人件費の算定について条件を付するというようなことがあるようでございますけれども、こういうものは全額をきちっとお払いになっていますか。
○菊池政府委員 これは公団の場合あるいは一般の場合も、委託して用地を購入してもらっておることはございます。私、公団の場合はいまはっきりここで御返事申し上げるほどわかっておりませんけれども、一般の場合ですと、そういうものについては全部かかった経費に対してはお払いしておりますので、公団の場合でもたぶんお払いしていると思いますけれども、その条件云々ということはちょっと私ここでわかりかねます。
○新井委員 そういうことはひとつきちっとやっていただきたいと思うのです。それと条件を付するということですね、人件費だとか利子だとか、やはり立てかえ経費ですから初めに打ち合わせをちゃんとやっておけば、そういうことに対して地方自治体に圧迫を加えるということはないと思います。 それから最後に、指定区間内の国道の維持修繕その他の管理に関する費用については、国と地方公共団体が二分の一ずつ折半して、その他の区間は全額地方負担をされておると思います。四十七年度における指定区間にかかる管理費用の地方負担額はどの程度にあったのか、お伺いしたいと思います。
○菊池政府委員 ただいまの維持費につきましては、直轄の場合は二分の一が国、二分の一が地元でございます。それから県なり市町村なりが道路管理者である場合には、維持費については国の補助対象とはしておりませんので、ただいまのお話がそのどの分の金額かちょっと私わかりかねますので、もう一度お願いいたします。
○新井委員 指定区間内というのは建設大臣の直轄になっておりますね。
○菊池政府委員 はい、そうです。
○新井委員 その直轄になっている分について二分の一を地方公共団体が負担しているでしょう。その金額です。
○菊池政府委員 正確な数字を持っておりませんので恐縮でございますが、四十七年度につきましては指定区間の維持費が四百億でございますので、地元負担はその半分の約二百億ということであります。
○新井委員 私は、維持管理について、機械の費用については地方公共団体に対して少し出ているように思いますけれども、少なくとも指定区間である建設大臣が直轄で管理しているような区域について、二分の一の管理費を取るというところに問題があるのじゃないかと思うのです。さっきも飛騨川の問題で私言いましたけれども、この維持管理という問題について、じゃ具体的にどういうところに予算を投入していくかといえば、さっきも市町村道については非常に財源の問題があるというようなお話がありましたけれども、この維持管理についてもやはり必要なところは国が補助をしていくというような考え方に立たないといけないと思うわけですね。そういうことで、こういうような金額については全額を国庫負担とすべきである、このように思いますけれども、どのようにお考えになりますか。
○菊池政府委員 維持費につきましては、実は新設、改築の比率より落としてございます。これは維持というものが、もうでき上がったあとの維持でございますので、その地元のいろいろな交通の利用のしかた等、地元の使い方というような、地元の影響が非常に強いということから地元がよけい負担すべきであるということで二分の一ということになっておるわけで、ずっとそのまま来ておるわけでございますが、いまのお話もまた十分検討させていただきたいと思います。
○新井委員 とにかく建設大臣が直轄管理をしているところの維持管理費まで地方公共団体に負担をさせているが、これはやはりつくった以上は管理する、あるいはその道路を維持するということが当然の前提になっているわけですね。それでなおかつ地方公共団体がお金がないのにかかわらずそこまでやらなければいけないということ自体——さっき私が言いましたように、道路財源にしても八〇%は国のほうでとっているわけです。府県道については七〇%、市町村道に対しては二四%になっていますけれども、そういうことから考えても、大臣、これは当然国のほうで持つべきだと私は思いますけれども、どうでしょうか。
○金丸国務大臣 その問題は私も初めて聞いて、十分ひとつ検討してみたいと思います。
○新井委員 検討というよりも、そのことについてはやっていただきたいと思います。 私はまだあと道路については交通安全の問題、あるいはまた身障者が三十万人日本におりますけれども、その方々がほんとうに車いす自体が使えないというような問題、こういう問題も、この前運輸大臣も国鉄の改札口を大きくして車いすが通るようにしますとか、あるいはまた東京都におきましてもそういう予算をとってやるとか、そういう問題からまたいろいろな問題をお聞きしたかったわけでございますけれども、とにかくこの市町村道、私たちの生活関連道路というものが今後一番優先されて、そして公害あるいはまた交通災害のないことを重点的にひとつやっていただきたい、このことをお願いしまして、時間でございますから質問を終わります。
○服部委員長 渡辺武三君。
○渡辺(武)委員 現在議題となっておりますこの道路整備緊急措置法、新たな第七次道路整備五カ年計画が策定をされておるようでございますが、これは前の委員も質問したと思いますけれども、本来ならば現時点では第六次道路整備五カ年計画が進行過程にあるわけでございます。したがって、第六次道路整備五カ年計画が途中で打ち切られなければならない理由、これについてもう一回ひとつ御説明を願いたいと思います。
○菊池政府委員 ただいまお話しのとおり、第六次五カ年計画の第四年度目に当たっておりますが、今回第七次の道路整備五カ年計画を策定することとしたわけでございます。その理由は何かということでございますが、理由は、第一には、国の経済計画の基本でございます経済社会基本計画、この基本計画が今度閣議決定されまして、その新しい構想のもとに道路もその中の重要な一部分としてやっていかなければならない。そういたしますと従来の五カ年計画、新経済社会発展計画に基づいてやっておりました五カ年計画では内容的に足りないということ、それからもう一つは、昨年十二月に建設省で国土計画の長期構想というもの、昭和六十年を目標に道路はこうあるべきであるというのを出してございます。それの中の四十八年度以降の五カ年ということになりますと、やはり従来の五カ年計画では不足であるということ、それからさらには、従来の、交通に対処するための道路ということから、最近は福祉社会あるいは過疎対策というようなことで国土の普遍的な利用をはかる、あるいは過疎をなくす、生活道路を優先してやるというような考え方に変わってまいりましたので、従来の考え方では足りないという、この大きな三点によりまして改定をするということになったわけでございます。
○渡辺(武)委員 もっともらしいむずかしい理由をたくさんお並べになりましたが、要するに激動する経済構造の中で五年間を見通して計画を立てるということがむずかしいということではないでしょうか。
○菊池政府委員 確かに変動する時代に将来を見越すことはたいへんむずかしいかと思います。しかし、むずかしいものではありましても、やはり将来の一つの目標、目的というものなしに場当たりでやることはできませんので、従来は十カ年計画あるいは二十カ年計画というような考え方もあったこともございますけれども、やはり比較的確実に推定できる範囲は五カ年計画であるということで、今度の経済社会基本計画もそういうようなお考えと思いますけれども、私どももそれに合わせております。ただ、いままで三カ年くらいで改定されるという実態はございますけれども、これはそのときの基本的な考え方が前進しているためであるというふうに私どもは考えております。
○渡辺(武)委員 いわば、考え方が前進をしておるということは、前に立てた考え方が間に合わなくなってきたというのと同じことなんですね。したがって、私はいまのような激動する情勢の中では五年間という長期の見通しを立てることは困難ではないか。その途中に考え方が変わってしまって、また新しく立てる必要があるんだ、こうおっしゃいますけれども、実は、新しく立てる必要が出てきたのは前の五年間の考え方では間尺に合わなくなってきた、こういうことなんでしょう。それを言いかえれば、いまは五年先を見通すことが非常に困難だということなんですよ。そうだとすれば、本来見通しが困難である五カ年間という期間を設けて計画を策定することがはたしてどうか、こういう疑問がわいてくるわけですが、いかがですか。
○菊池政府委員 これは単に道路の計画ばかりではなくて、ただいま申し上げました国全体の基本計画の姿勢の問題であろうかと思います。今度の経済社会基本計画におきましても、その中でもいっておりますけれども、前にありました経済社会発展計画、あれも五カ年でございましたけれども、その後いろいろと国際的な通貨の問題やら国際収支の黒字の問題等の、当時予測できない急激な変動があったために今度の基本計画に変えるのだということをうたってございますけれども、私どももその中の一環として道路整備を考える限り、一緒に計画を変更するということになっておるわけであります。
○渡辺(武)委員 どうも的確に答えてくれないようですがね。変動が激しいから変える必要があるのだ、そういう国の方策が変わったのだから道路も合わせて変えるのだ、こうおっしゃるのですが、実際には私の言っておることと同じことなんですね。そういう激動する情勢の中で五年間を見通すことが非常に困難だ、こういうことなんですよ。そうじゃないですか。だとすれば、そういう情勢にありながら同じように改定を前提として五年間、五年間という計画を立てていくということは一体どういうことなんだろうか。まだほかに理由があるだろうか。こういうことを実はお聞きしたいのです。
○菊池政府委員 同じことの繰り返しでたいへん申しわけございませんけれども、私ども整備計画をつくるにつきましては、三年という考え方はあると思います。五年という考え方、あるいは十年という考え方、いろいろあると思いますけれども、やはりもとになります計画が五年で、その五年の一つの経済の見通しあるいはそのほかの見通しをやっておりますので、それに合わせるという限り五年間、しかもそれがそのまま続くという前提で五年間という形の計画をつくるのが当然ではないかというふうに考えております。
○渡辺(武)委員 果てしのない議論が続きますけれども、私は、要するに見通しが非常に困難の中でそれをやると、また第七次が完了しない先に第八次が出てくるのではないか、こういうおそれが多分に感ぜられますから、いままで何回となく繰り返してきた改定、期の途中における改定、そういうものをなくしていくために——局長がほんとうに確実に見通せる期間は大体五年くらいとおっしゃっておりますけれども、だとすれば本来は五年間その計画が全うされていかなければいけないのですが、期の途中でほとんどが改定をされてきてしまっておるのだから、いまの激動する情勢の中では非常にむずかしかろう。実績の上から見てそういうことが言えるのではないだろうか。だとすれば、ほんとうに確実に把握できる情勢の中で計画を立案されるべきではないであろうか、こう思うわけでございます。見解が違うようでございますが、次の問題に移りたいと思います。 道路の投資にかかわらずあらゆる公共投資というものが、従来土地のプライスメーカーとなってまいりました。特に道路ができることによって地価が上昇をするということがいわれておるわけでございます。そういう問題をさておきまして、道路用地を購入する場合、税法上では譲渡所得でしたかな、譲渡所得の特別控除というものがきめられておりますね。それが、いわゆる土地収用法による場合と、あるいは地方公共団体が先買い権を発動する場合とでは、この所得控除というものは非常に違うわけですね、差異があるわけです。いわば、税金を納める国民の立場に立てば、収用法で収用してもらったほうが税法上もものすごく有利な制度になっておるわけですね。納得ずくで売った場合には譲渡所得の特別控除という額も非常に少ない。とにかくごねてしまって、収用法を発動されてしまったほうが税金もたいへん安い。こういう相矛盾した形になっておると思いますけれども、その辺は道路局長、御存じでしょうか。
○吉田(泰)政府委員 仰せのとおり、公有地拡大法などによりまして先買いをいたす場合の譲渡所得税の控除額は現行三百万円、新しい税法によりましてこれが五百万円に引き上げられることになっております。収用の場合とは非常に差がありまして、収用の場合のほうがはるかに大きな控除を受けられることになっております。これは、先買いというものが、事前に届け出をしまして、短期間譲渡を制限し、その間に、必要なものは先買い主体が地主に対して協議を申し入れ、協議が成立すればその話し合いの価格によって取得するということでございまして、一方、収用というものは、話し合いがつかない場合でも行政的に収用委員会の裁決価格によって収用されるということでございますので、非常に権利制限の度合いにおいて差がある。しかも収用の場合には価格の固定等もあるというわけでございまして、その差が譲渡所得税の控除額にもあらわれているわけでございます。ただ、先買いの場合でありましても、一般の場合はいま申したとおりでございますが、たとえば道路用地を先買いによって取得するという場合は、これは道路予定地としてはっきりしている限り、いずれは収用になるという意味で収用の減税の適用になることになっておりますので、そういう収用対象事業の先買いをする場合については別段差はないわけでございます。
○渡辺(武)委員 とかく用地購入にあたっていろいろ問題が多いと思うのです。そして実際に協力をする方々に比べて、むしろごねたほうが得だという制度がかりにあるとするならば、これはやはり私はスムーズな話し合いというものは当然阻害をされてくるのではないかと思いますので、その制度上の矛盾のある点については、これはやはり再検討をお願いをしておきたいと思います。 そこで、今回策定をされております第七次道路五カ年計画そのもので、建設省がいろいろ理由をあげられております。いわゆる目標をあげられておるわけでございますが、この目標に対して一体予算がどの程度配分をされておるのか、この辺がいただいておる資料ではよくわからないのでお尋ねをしたいわけですが、たとえば、過疎過密の解消と地方都市の育成、あるいは地方中核都市整備等の地方都市の育成、さらには生活環境の改善を目ざした市町村道等の生活道路の充実、騒音等の交通公害の解決のための道路環境対策の充実、このようにいろいろ目標があげられておりますが、目標別に試算をされた予算はわかりますでしょうか。
○菊池政府委員 ただいまの御質問は、これは一つの大きな目的であります。そしてその目的のために各道路種別ごとに工事が行なわれるわけでございますけれども、どうも道路そのものが単一の目的という使われ方ではございませんで、たとえば高速自動車国道にいたしましても、産業的な使われ方もあり、あるいは過疎の解消——これはどこからでも高速へ簡単に乗れるというふうにネットワークをふやしますと、そういう大きな過疎対策でもありますし、また土曜、日曜になりますとこれがレジャー的なことになりますので、なかなかどれをどういうふうに分けるかというごとはむずかしいかと思います。ただ、端的に、たとえば過疎あるいは生活道路についてどうかといわれますと、お手元に差し上げてございます資料によりましても、たとえば主要地方道以外の市町村道というようなものにつきましては、従来の五カ年計画より相当大幅にアップをし、また事業量もこれに出ておりますけれども、相当な事業量ができるというようなこと、しかしこれも市町村道ばかりではなくて、県道にも生活道路の一部もございますし、——たいへん言いわけがましくなりますけれども、それから公害対策に対してはどうかということにつきましては、先ほどもいろいろなことを総合的に考えると一兆二、三千億ぐらいは投入してあるというふうに申し上げましたけれども、個々にどれが幾ら、どれが幾らという分け方につきましてはたいへんむずかしいのではないかと思います。ちょっとお答えになるかどうか、たいへん恐縮でありますが……。
○渡辺(武)委員 総額の中でたとえば騒音公害対策が一兆何ぼだと言われましたけれども、その五カ年計画、総額の中でそのことをおっしゃると、どうせまた途中で改定になるのだからだめなんで、ことしの予算の配分で一体目標としておられる項目についてどの程度予算化をしておられるのか、こういうことを実はお聞きしておるわけです。
○菊池政府委員 実は四十八年度につきましては、たとえば過疎対策、これにつきましては、事業費で申し上げますと、昨年、四十七年度の当初予算に対しまして過疎対策事業は四二・九%という伸びを示しております。そのうち県道が三〇%の伸びであり、市町村道につきましては約二倍の伸びということで、これは地方道全体の伸びが二十数%でありますので、それから見ますと過疎対策というものについてはこういうふうに伸ばしておるわけでございます。それからそのほかに奥地開発道路、あるいは山村振興道路、離島というようなものを全部加えますと、対前年度の伸び率が三七・七%というふうに、これは過疎対策等についてのいまの数字のお答えでございます。
○渡辺(武)委員 数字がわからなければひとつあとで資料を提出していただきたいと思います。 実は、この第七次五カ年計画の主要な目玉といいますか目標が幾つか掲げてありますけれども、一体何を最重点にやっていかれるつもりか、それをまず明確にしていただきたいと思います。
○菊池政府委員 重点はたくさんございます。最重点という最というのは一番ということで、もし一つだけあげればやはり高速自動車国道を整備するということであろうと思います。これは国土の普遍的な利用をはかるということでありますけれども、続いて市町村道、生活道路の整備、これもやはり最という中に——最は一つでなくてもいいということであれば、当然これが入ってまいります。市町村道の生活道路の整備でございます。そのほか大都市あるいは地方中核都市の環状道路をつくって、通過交通はなるべくそういうところに入れないようにとか、そのほか先ほど申し上げました直接過疎対策としての道路事業も非常に伸ばしておりますので、最重点が少し多くなって申しわけありませんけれども、そのほかにも——どうも私ども全部が重点と思っておりますので、その中から最と限られますとただいま御答弁申し上げたことになろうかと思います。
○渡辺(武)委員 昨年度、内閣広報室が世論調査をされましたね。その結果については御存じですか。おわかりになりませんか。内閣広報室が昨年度このような問題、社会資本の整備で国民の世論調査をされました結果、国民の中の一番大きな意見はやはり道路への不満が最高であったわけです。しかも、道路の不満といっても、いま局長がいろいろ最重点をあげられましたけれども、その中で特に市町村道、生活に密接に結びついた道路、これがたいへんお粗末だ、何とかしてほしいというのがこの内閣の世論調査によっても実は最高を示しておるわけですね。内閣の手でおやりになったのだから、当然そういう世論調査の結果というものが政治に反映をされてくるべきであるし、そうでなければならないと思うわけですよ。したがっていまお聞きしたように、何を重点にお進めになるのですか、こうお聞きしているのです。当然私は市町村道なりそういう国民の生活に直接密接に結びついたものが最重点であるというふうなお答えを待っておったわけですけれども、どうもそうではないようなんですが、そうなるとこの世論調査のいわば国民世論というもの、これをどういうふうにこれからそしゃくしていかれようとしておられるのか。いかがですか。
○菊池政府委員 どうも最重点の最を少しシビアに考え過ぎまして……。実は生活道路の優先ということは、もうこの道路整備緊急措置法の提案理由の中にもまつ先に書いてございます。そういう意味では最でございますけれども、ただ生活道路は一般道路事業でございます。私の申しました高速道路は財投を主体とした有料道路でありますけれども、ただ金額的にそちらのほうの金額が大きいものですからそれが最という形に出ましたけれども、内容的にはやはり生活道路は優先ということであると思います。
○渡辺(武)委員 さきの委員会でもいろいろ論議をされておりましたように、道路害悪論、あるいは産業優先政策ではないかという論議がいろいろされておりましたが、私はそのような立場と実はちょっといささか見解を異にしておるのです。なぜかといえば、御承知のように国鉄が順法闘争を行なってもいわばわれわれの日常物資にすぐに影響して値上がりを来たすというような状況、そういう状況を考えますと、いま全輸送量の中で自動車が貨物を運んでおる量というのはたいへん多いわけですから、当然のことながらわれわれの日常必需品というものを相当量運んでおると思うのです。そういう立場から見れば、いわば産業優先だから抑制してしまえとか、そういう乱暴な意見はちょっと一方的ではなかろうか。むしろ国民生活に直接影響のある物資も相当量運ばれておるのだから、それらがやはりスムーズに流れるような道路建設というのは当然必要になってまいるわけでございます。 ところが反面、これもいろいろ論議をされてまいりましたように、道路から起きてまいる公害の問題、これにはやはり人間生活の環境を守るために当然対処していかなければならないわけですね。そうなりますと、若干は書いてございますが、いわば道路構造を変えていかなければいけない。従来の道路に対する考え方自身を変えていかなければいかぬ、こういうことになってくるわけですが、道路のみならず、つまりは日本の国民の生活水準を維持し、経済規模が、GNPがどんどん上がっていくとするならば物資の輸送量というのはふえてまいるわけですから、国民生活をアップするためにそれにある程度対応していかざるを得ない。だとすれば当然道路ももちろん構造変革をしていただかなければなりませんが、建設省が担当しておるいわば住宅そのものも、これはやはり相当考えなければいけないのではないだろうか。たとえば道路が新しくできますと、地価というものは道路に一番近いところが非常に高く上がるのです。いわば利益が多いのだ。道路が開発されることによってその利益を受ける受益者というものは、地主も相当な利益を受けるわけですね。しかもそれらは道路に近いところほど地価が高い。だとすれば当然、購入する価格に利益が非常に大きいわけですから、その上に建てる建物についてはある程度の条件をつけてもいいんじゃなかろうか。つまり、ある程度の家屋だったらば防音装置を施す義務をつけるとか、こういうことにして、全体としてやはり住みよい生活環境をつくる努力というものがなされていかなければいけないのではないだろうか。家は、山の中でもあるいは道路のすぐ横でも同じような家を建てておいて、そうして騒音けしからぬといっておるだけでは、ほんとうにまじめにわれわれの生活をアップしていこうと考えれば考えるほどいろいろな問題が私は出てくると思うのです。だからといってそれをやめてしまえというようなことは、われわれの生活条件を考えればそう簡単に言えることではない。だとすれば、当然道路構造でできるだけはやる。しかし道路構造だけではないのだ。家屋構造も、道路の沿道は、新しくできる道路等については当然考えていかなければならない。さらには、日本の場合はもう道路敷地一ぱいに建物が建てられてしまうのです。高速道路だけは若干、十メートルか二十メートル建物が建てられないことになっておるようでございますけれども、普通の道路はもう道路敷地一ぱいに家屋が建てられてしまう。これなんかも、イギリスなんかの例を見ますとやはり相当違っておるわけでございます。そういう制限もやはり検討すべき時期にもう来ておるのではなかろうか。既設の道路にはもうすでにいろいろな建造物が建ってしまっておりますから非常にむずかしいと思いますけれども、開発されていく新しい道路、そういうものに対する全体として公害をいかにして防ぐかという努力、これはやっていかなければならないと思うのです。道路網も大いにやってもらわなければなりません。しかし住居の問題あるいは建てる位置の問題、こういうことも総合的に当然考えてもらわなければならないと思うのですが、その辺のお考え方はいかがでございましょうか。
○金丸国務大臣 非常に理解あるお話を承りまして、私も先生のお考えはまさにそのとおりだと思いますが、道路の公益性という面も十分考え、またその地域に住む住民のことも考え、この防音あるいは環境の保全というような問題、それらに十分な配慮をしながら、そうして十分納得ずくで、話し合いで、ただ知らぬ間にそこへ道路ができるというようなことであってはならない。あらゆる機関と十分に連絡をとり、あるいはその地域の人たちにもあらゆる方法によってその内容を周知させて、これではまあ少しはえらいけれども協力をせざるを得ないだろう、道路の公益性に従わなければならぬだろうというような、道路をつくるのに最大の努力をしなければならぬ、こんなように考えております。
○渡辺(武)委員 環境庁、お見えになっていますね。排気ガス公害について若干お尋ねしておきたいと思います。 先ほども何か問題になっておったようでございますが、日本の場合、いわゆる自動車による排気ガス公害の確実なデータというものを環境庁はお持ちでしょうか。
○小林説明員 突然のお尋ねでございますので、詳しいデータは持っておりませんけれども、先生の御質問の御趣旨が、現在私どもが直接、あるいは地方でやっておりますいろいろの測定点がございます、数ははっきり覚えておりませんけれども、四百数十前後あると思いますが、そうした場所での汚染の程度についてのお話ということであれば、そのデータは毎年集計して持っております。それから私どもが、国で直接自動車の排気ガスの汚染状況というものを東京都内三カ所で現在測定しておりますけれども、その辺のデータにつきましては詳細にわかっておりまして、一般的な傾向を申し上げますと、一酸化炭素につきましては東京都内では年々減ってきておるということでございまして、窒素酸化物につきましては横ばいか、場所によっては多少上がっているところがあるということがわかっております。 それから、先生の御質問がもし、自動車から出るガスが大気にどのように影響しているか、ほかの固定発生源等との比率でどの程度あるのかという御趣旨のお答えといたしましては、一例といたしまして、私どもが昨年東京を含みます一都三県の排出物の調査をいたしておりまして、この調査結果によりますと、これは三十五年から五十年に至る五年間隔で推定しておりますけれども、一番現在に近い段階として一応四十五年を取り上げてみますと、一酸化炭素につきましては九三%が一応自動車だ。それから炭化水素につきましては五七・三%である。それから窒素酸化物については三九・〇%である。そういうような結果が出ております。
○渡辺(武)委員 私が聞いておるのはもっと総合的なものであって、単なる物質の量が何%かというようなことではないのです。その物質が人体にどのような影響を与えるのか。医学的な結論がどうなっておるのか。つまり大気汚染などというものは相当長期にわたる詳細なデータがないとなかなか判定がむずかしい場合が多いのですね。いままでのいろいろな発表を見ておりましても、あるいは石神井中学の問題にいたしましてもその前に起こりました問題にいたしましても、どうもうやむやのうちに済まされていってしまっておるのです。いろいろ調べてみてもどうもわからぬ、これが実態なんですよ。新聞は新聞なりに新聞の主観をもってお書きになっておる。ところが国民はそれを見て非常に不安に思う。実際はどうなんだろうか。私は鉛公害の場合でも、当時環境庁がありませんでしたけれども、担当課長に来ていただいて、ほんとうにどうなんですか、一体ほんとうに私たちの人体に影響があるのですかとお尋ねしたのですが、どうもよくわからない。いろいろ調べてもらっているうちに、どうも何だか印刷工場ではないだろうかというようなことになってしまっている。ところが、一方ではそういう観念的な問題から派生してきた原因によって実際はいろいろなアクションがとられてしまっているのですよ。これがほんとうに国民の命と健康を守ることに重要な影響を及ぼしているかというと、そうではなくて、かえって逆な面の副次公害というものが出てくるおそれが多分にあるわけですね。たとえば低硫黄ガソリンの場合、芳香族、毒物をまぜ、それでオキシダントを発生する要因が非常に強くなり、光化学スモッグの発生する率が非常に高くなってきたという問題が出てきているのです。ひるがえって排気ガスの鉛が人体にどんなに影響を与えるだろうかというデータは何もない。 そういうことから考えると、私は相当慎重に、もっと詳細なデータをとる努力をしてもらわなければならないと思うのです。特にアメリカあたりは、御承知かと思いますが、全米科学アカデミーというものがございまして、これはたいへん権威を持っておる。わが国の科学技術庁とも違うと思います。科学者はこの全米科学アカデミーのメンバーになることをたいへんな名誉とし、誇りとしている非常に権威のある組織があって、それが政府の諮問にいろいろとこたえて一つの回答を出しておるわけです。日本よりも十年も十五年も前から大気汚染に悩んでおるアメリカはそういうことをやっておる。日本はいま非常にデータが少なくて困っておるというときですから、当然そういう方向を考えていかなければいかぬ。実は、早く原因追及を徹底的にやらなければいけないのだと何回となく言ってきたわけです。ところがなかなかそのような方向でやられておらずに、いたずらに安易な方向で、世論が巻き起こってくると、それに的確な処置がとれるならけっこうなんですけれども、往々にして間違ったアクションがとられてしまう。それが結果的には国民の生命と人体に悪影響を及ぼしておるという重大なことですからね。私は、本来ならばこういう問題はほんとうに真剣になっていま原因を追及し、その把握をすべきときではないだろうか、こう思うわけです。環境庁のほうに私は、発足当時いろいろなデータを要求いたしましたけれども、実はまだまだデータがありません、こういう御返事がくるわけですよ。そういうところから考えますと、これは危険な状態ではないであろうか、こう思うわけですから、何とかその原因が的確につかめて、ほんとうに権威のあるもので——単なる一部の学者グループがぱぱっと発表した、それで追及されると消えてしまうというような、そういう権威のないものではだめなので、ほんとうに権威を持った正確な原因追及、究明、これがいまこそ必要なときではないかと思うのです。それをやらなければほんとうに必要な正しいアクションというのはとれないわけですよ。内またこう薬的な世論のまにまにこうやっておるだけだ。それが結果的にどうだろうかと調べていくと、たいへん国民経済的にも問題があるし、あるいは国民の健康的な問題が実は残されていってしまうというのがいまの状態だと思うのです。しかも、日本はどんどん原油の輸入量はふえております。その原油輸入量の総量の中で実際に車に何ぼ使われておるだろうか、これを調べてみましても、大部分のものは車以外に使われておる。そうなると発生源は一体どこになるだろうか、非常にわれわれも疑問に思わざるを得ないのです。ところがいつ質問しても的確には返事が返ってこないのです。だから環境庁はほんとうは、いま新しく発生した問題について、原因の究明、把握ということに最大限の努力をされるべき時期だと思うのです。その辺をひとつしっかりやっていただきたいと思います。そうすることがほんとうに国民の生命を守る根源につながってくるのだ。そして一日も早く正確なアクションを起こしていかなければいけないんだ。こういう立場でものを言っておるわけです。いまも御質問申し上げたときに、たとえばある物質のパーセンテージがこの程度ですと、こういう御返事は来ますけれども、それがほんとうに人体にどのような影響があるのだろうか、どうなんであろうと追及していきますと、実はわからなくなってしまうのですよ、実際には。推定でものをおっしゃる。推定ではこういう化学的なことはアクションを起こすことはなかなかむずかしいです。そういうことですから、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。 時間がありませんので次の問題に移りたいと思います。 道路局長に道路の維持管理についてお尋ねしたいのですが、道路の維持管理体制というのは一体どうなっておるのでございますか。たとえば橋梁ですね。橋梁なんかはあるいは何年ごとに点検をするとか、そういうことがきまっておるのかどうか。
○菊池政府委員 道路の維持につきましては、たとえば指定区間の直轄の場合には維持の一つの要領がございます。それによってやっておりますが、橋梁の場合には定期点検、それから臨時の点検、それから異常災害の点検というような考え方でやっております。そして橋梁の場合につきましては、比較的強い橋、弱い橋、それから老朽した橋というのがわかっておりますので、老朽している橋につきましてはあるいは定期点検以外にも見ることがあると思います。これはその橋梁の状態によると思いますので、必ずしも同じペースであるかどうかちょっとわかりかねます。
○渡辺(武)委員 具体的な問題で恐縮でございますが、国道二百四十八号線の中に、愛知県の岡崎と豊田市の境でございます、矢作川の上にかかっておる橋でございますが、これは大正十三年に架設をされていまや五十年になんなんとしております。その間何回点検をなされたか知りませんが、昨年末から九トン以上の重量車は通行制限がされております。ここには国鉄と私鉄のバス路線が通っておりますが、バスの乗客は橋の前で実は全員おろされてしまう。バスは速いものですから先に行ってしまって、人間を乗せずに行ってしまう。乗客は何のことはない、次のバスまで待たされてしまう。こういうたいへん国民が迷惑を受けておる問題が発生しておるわけです。この問題は地元では、テレビ等で放送されて、実はたいへん大きな問題になっておるのです。私のところにも大きな声で抗議がきておるわけです。そのような車両制限、重量制限をする前になぜわからなかったのか、あるいはもっと緊急な処置がとれなかったか。たとえば、国はアメリカ軍の戦車を通すためには一晩のうちに橋梁を補強してしまう、そのような機動性を持った建設省が、なぜ一カ月も二カ月も三カ月もわれわれをバスからおろして、橋を渡ると前のバスが行ってしまう。いつまでたっても橋を直してくれぬじゃないか。一体どうなっておるのか、あなたは建設委員だそうだが……。こういうことでたいへんな抗議を受けておるのです。これは一体どうなんですか。それで、確かに二百四十八号線バイパスはいま建設されております。ところがこの完成予定年月日は昭和五十年の三月ですから、まだいまから約二年。この二年の間、国民はバスからおろされてその橋を渡るために、あとのバスを三十分か一時間待たされなければいかぬ。こういう生活上重大な問題が毎日のごとく発生しておるのですから、何とか緊急に応急処置ができないものだろうか、私はこういうふうに考えるのですが、いかがでしょうか。建設省の優秀な技術をもって一晩のうちに補強するというようなことはやれませんか。
○菊池政府委員 ただいまのお話、ちょっと細部の点がいまわかっておりませんけれども、矢作川が国道二四八でそういう状態であることは承知しております。橋が九トンしかないということで、バスに人が乗ったまま渡ると九トンをオーバーするということで、バスからそこでおりていただいて、あと人が歩くだけですとその橋梁はまだだいじょうぶでございますので、人が渡って、向こう側からまた向こう側のバスに乗るという形で、たしか昨年の十一月ごろからだと思いますが、たいへん寒いところでバスをおろされてたいへんなんだという苦情を聞いております。これはたしか橋梁が下がったか何かで、あの中の二径間か何かが部分的にだめで車が通せない。しかもバイパスの建設をいまやっておる、いまお話しのとおりでございます。しかしそれまで待っておれませんので、応急的にそこのけたをかけかえるということで、ちょっと担当が来ておりませんのでわかりませんけれども、たしか七月ごろまでにはでき上がる、それまでがまんしていただきたいということで……(「一晩でやれ」と呼ぶ者あり)これはお話でございますけれども、いまの橋がだめなんで、別のけたを持ってきてかけかえるというふうに聞いておりますので……。細部をもう少し詳細に調査したいと思います。
○渡辺(武)委員 おっしゃるように昨年の十一月からそういう状態が続いているのです。私もときどきその道を通るのですけれども、一向に補修にかからないんですよ。一、二カ月はそのまま放置されておる。交通規制だけがされておる。建設省のほうにも市町村を通じいろいろお願いに行っております。ところがあまり期間が長くなってまいったものですから、地元住民からも不満が出てきた。しかも、私が先ほど言いましたように、建設省は一晩のうちに橋を補強されるたいへん優秀な技術をお持ちのようだ。にもかかわらずわれわれはこうして毎日毎日歩かなければいかぬ。歩くだけならいいけれども、乗ってきたバスは先に行ってしまうんだ、こういう不満がたいへん高い。現実に起こってしまっている問題については、あるいは県に移管されておるかもしれませんが、もっと高い見地から建設省が指導され、そしてやっていただかなくてはならない問題ではないであろうか。二百四十八号線、国道ですから、住民は当然国がやっておると思いますし、私がたまたま建設委員なるがゆえに、国にかわってたいへんおしかりを受けておるわけです。どうかひとつそういうことが他の地区でも起こらぬように、私が冒頭申し上げましたようにその点検等はどうなされておるのだろうか。ほんとうはそういうことにならぬ前に補強工事がなされれば大工事にならない前に済むわけですから、一晩でできるはずなんです。ところがそれが放置をされていくと、やはり一カ月や二カ月ではなかなか直らないというような、大補修工事になってしまうおそれがあるのです。その現実があの橋の状態だと私は思うのです。だから私は、事前にいまどういう管理体制をとっておられるであろうか、こういうふうに実はお聞きしたわけであります。お聞きをすれば、やっております、こうおっしゃいますが、やっておられても現実にそういう問題が起こってしまっておるのですから、私はもっともっと管理体制というもの、あるいは県に移管されておるならば県に対する指導をもっともっとやはり強固にしていただかなければいけないのではないだろうか、かように考えるわけであります。 時間がまいりましたので質問を終わりたいと思います。
○服部委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時十分散会