外務委員会海外子女教育等に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/07/11
会議録
○西銘小委員長 これより会議を開きます。 このたび、私が海外子女教育等に関する小委員長をつとめることになりました。 御承知のように、海外における日本人の子女教育等につきましては、しばしば外務委員会で論議され、その現状及び将来にわたって幾多憂慮すべき問題のあることがあらためて認識されました。当小委員会においては本問題について十分な調査を行ない、最善の措置を講じてまいりたいと存じます。つきましては皆さま方の格別の御協力をお願いいたします。 海外子女教育等に関する件について調査を進めます。 この際、渡部小委員から発言を求められておりますので、これを許します。渡部一郎君。
○渡部(一)小委員 委員長のお許しを得まして、私は当小委員会の成立に関し、その経緯を述べたいと存じます。 外務委員会の審議中、海外勤務者の増加に関連いたしまして、海外においてこれらの勤務者が同伴する邦人子女が、海外における教育に適応するのに困難を感じ、あるいは帰国後におけるその子女の本邦教育に対する適応が必ずしも十分でない等の事情により、海外勤務者は非常に大きな困難に直面しているわけであります。また、海外において、日本人の日本教育、日本語教育、あるいは諸外国の人々から日本教育を求める声がきわめて高まっているのに対し、必ずしも明確でないわけであります。このような事情が存在するために、日本国民の海外における諸活動にきわめて大きなブレーキを生じ、また日本国内における教育に関して大きな問題点が胚胎しつつあることはきわめて遺憾な問題であります。 私は当委員会におきまして数回にわたりこの問題を取り上げましたところ、幸いにして外務委員各位の御協力を得、当小委員会が成立しましたことを心からうれしく存じておる次第でございます。願わくば当小委員会におきまして、この問題に多角的な局面から光を当てられ、そして審議が行なわれ、一歩前進が行なわれることを希望いたしておる次第でございます。
○西銘小委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤紘一君。
○加藤(紘)小委員 今回この小委員会が渡部先生の絶大なる肝いりで発足の運びになったことを、わが党としても高く評価したいと思います。と申しますのは、海外の子女教育の重要性というものは、実は今日に限らずだいぶ昔からもあった問題であり、ぼくもこの間まで外務省に籍を置いていた者として、将来自分も子供を小学校、中学校に進めるような段階になったらどうしたらいいかということを考えたものでありました。 しかし、そういう一般的なむずかしさ、重要性以外に、現在はわが国にとってきわめて今日的な問題が出てきたように思います。その第一は、かつては海外に行くということが非常に魅力であった。日本人にとってはヨーロッパ文明に当たるということは一つの非常なあこがれであったから、多く人が海外に行きたがった。それから、とにかく海外に行くということは生活水準、経済水準の増大を意味したわけです。だから、とにかく外国に行きたい、海外で生活したいということで商社に入られる方が非常に多かったのが約五、六年前までの状況であったように思います。また外務省自体の中にもそういう海外における活躍を夢みて入ってこられた人もいるし、新聞社の外報部に入られた方もおられる。しかし、現在は、日本の経済が非常に発展したがために外国に行くこと自体が最近苦痛になってきているという事実が非常に大きく出ていると思います。昔は外国に行くことが魅力であったから、子供の教育について若干問題があろうとも、そこは犠牲にして行くという態度であったと思いますが、最近は、その犠牲に値するメリットがないというふうに、相対的な問題ですけれども、考えるに至った。だから、私の仄聞するところによりますと、外務省の中でも、海外勤務をしたくない、どっちかというと本省勤務をやりたいという人が若い世代にも非常に多い。特に課長クラスの人になると、お子さんが小学校、中学校から、特に高等学校の一、二年あたりの重要な局面にかかるものですから、そういう声は非常に大きくなっているように聞いております。また、私の知っている限りでは、商社の中でもこういう問題が非常に多くなってきているという現実も聞いているわけです。 そこで、この問題を取り扱う前提として、こういうような問題を持っている家族といいますか、大体何人ぐらいの人が子女教育についてこういう問題を持っているのか、その概数を外務省領事部のほうからお聞きしたいと思います。
○穂崎説明員 海外に行っております日本人の数は約七、八万人と考えられておりますが、その中で、もちろん単身で赴任しておられる方もおりますが、子女の数で申し上げますと、われわれが現在持っております数字では、約一万人の子女がいわば小学校、中学校の教育を受けなければいかぬという状態にあるわけでございます。もちろん、そのほかに、それ以上の高校の教育を受けなければいかぬ子女もおりますし、それから小学校以下の年齢の方もおります。いわばここで考えられております義務教育というものを対象にいたしますと約一万人ちょっとでございます。
○加藤(紘)小委員 そうすると、海外に子供を連れていっている人が一体どの程度あるかということは、いま具体的に調査されるようなシステムにはなっておらないわけでございますか。
○穂崎説明員 いまここに資料はございませんし、家族の数と子女の数を対照したものはないかと存じます。個々別々に調査しておりますので……。
○加藤(紘)小委員 この教育の問題は非常に重要だと思いますし、できれば義務教育レベルだけでも、大体どの程度の学齢の生徒が海外でこういう問題をかかえているかということを的確に把握されていることが望ましいように思いますので、在外公館等を通じてその把握に努力していただきたいと思います。 今度の海外の子女教育の問題については、この委員会でいろいろな側面から取り上げられると私は思います。そして、この問題について何とかしなければならぬという意味では、どの小委員の方も一致しておられると思いますけれども、これをどう取り扱うかという問題については、ほんとうのところ、あまり知恵がないように思うのです。なぜかというと、これは根本的に次のような問題を含んでいるからではないかと私は思います。 それは、一人の十二、三歳の子供が外国に行った場合に、外国の文化をより吸収したほうがいいのか、あるいは日本人としての同一性をかたくななまでに保つように努力し、日本人学校、日本人ソサエティーというものをつくってやったらいいのかという、それぞれの子供ないしはその父兄の持つ国際観といいますか、人生観といいますか、文化観というものについての根本的な問題があるからではないかと思うのです。それで、現在、いただいた資料なんか見ますと二つの行き方があるようでございますね。一つは、相手の国の学校というものを尊重し、それに価値を認め、全力をあげてその中で勉強する。ただ日本語を忘れちゃ困るので、補習校というものを設立する。これはどっちかといえば先進国でとられているスタイルで、日本が先進国に在留する子弟に採用している方式、たとえばニューヨーク、ワシントン方式ともいえると思います。もう一つは、どうせ相手国の教育水準というのは低いんだし、わが国の文化とは何となく相いれないものがあるんだから、最初から日本人が学校をつくっていってしまうというような低開発国スタイル、たとえばソ連なんかでやられているというのもこれに類するものだと思うのです。 ただ、渡部先生が前回外務委員会のほうで質問をされていた速記録を読んでみますと、大河原アメリカ局長の発言の中に、昔は小さく補習校でやっていたけれども、だんだんと大きくなって全日制になるのだというような考え方が書いてありましたが、私はどうも発生的に見て違うのじゃないか。やはり相手の教育制度、文化というものにどの程度の価値を認めるかというところにこの二つのやり方が発生したのではないかと思うのですけれども、この点についての理解は将来相手国の教育制度に入り込んでいってやるのか、それともわれわれが日本人教育システムを確保したいというか、この根本的な問題を含むと思いますので、補修校システムというのと全日制システムというものはどのように違うのかという、その根本のところをちょっとお話し願いたいように思います。
○穂崎説明員 先ほどお話がございましたように、海外においての教育につきましてはいろいろな考えがあると思いますが、大きく申しまして、さっきおうしゃったような日本の教育をそのまま継続していくのか、それともせっかく海外へ出たのであるからそこのいいものを吸収するということでやるのか、大きく分けるとその二つの考え方があるだろうと思います。 ひるがえって日本国内のことを考えてみますと、日本では国が義務教育を無償でやるようになっておりますし、それに対応いたしまして子供の両親は日本では義務教育を受けさせなければいかぬ、こういうふうになっておるわけであります。海外にありましてはそういう事情はありませんので、一つは子女を同伴する親が教育に対してどういう考え方を持つかということが一番大きな問題だと思います。そこでいま申されましたような、大きく申しまして二つの考え方があるということでございます。 そこで、さっきお尋ねのありました全日制の学校と補習校を対比してみましてどちらがいいかという問題も、実はこれとの関連で考えなければいかぬ。御承知のごとく、全日制と申しますのは日本の学校と同じようなタイプで、日本の学校の教科書を使いまして、日本の学校できめられた時間なり課程をちゃんと海外でやるわけでありまして、いわば日本の学校の延長だ、こういうことでございます。補習校のほうは、これはむしろ現地にある程度の学校がありますのでみんなそれへ行きまして、ただ、現地ではそれでいいわけでありますけれども、日本に帰ってきた場合に国語なり算数なりいろいろな教育がおくれる。したがいまして、日本に帰ってきた場合に教育をより容易に適応させるようにするために、補習といたしまして一週間に一回なり日本の教育を受ける、こういうことでございます。 そこで私が申し上げたいのは、全日制がいいのか補修校がいいのかということは、あくまでこれは相対的な問題と申しますか、子女の教育をやっておる親の考え方に私はあると思います。われわれといたしましては、海外の教育というものは日本とは事情が違いますし、あくまで政府は側面的に援助していく、こういう体制でありますので、そこにおります在留邦人の全体の意向として、やはり全日制の教育がいいのだということであれば全日制の学校ができておりますし、それから補習校でいいのだということになれば大体の傾向としては補習校でいっている、こういうことであります。国から申しますと、最初に全日制の学校ができましたのはいわゆる開発途上国でありまして、これは一つにはやはり現地にいい学校がない、あるいは学校の程度がそれほど高くないということから、ぜひそういう学校をつくってくれという要望が強く、その要望に応じてそういう学校ができたと思います。しかしながら、だんだんとそういう全日制の学校の存在が認識されてまいりますと、いわばいままでは補習校でよろしい、現地の学校へ行けばいいと考えておった父兄の考え方が、先進国におきましてもだんだん変わってまいりまして、ヨーロッパで申しますと、まず第一にジュッセルドルフに全日制の学校ができました。それから今年度予算におきましてパリにそういう学校ができることになっております。ヨーロッパ以外にたとえば南米にも、南米はいわば開発途上国と違いまして、教育程度の高いブラジルなんかもございますし、そういうところにも全日制の学校ができております。したがいまして、まあいわば教育をしている責任者である親の考え方というものが、そういう学校の選択に相当関係があるのじゃないかということでございまして、だんだんといろんな事情から日本へ帰っての教育が大事であるということをより重要に考える人が多くなりますと、全日制の学校をつくってもらいたいという要求が強くなってくるわけでございますから、繰り返しになりますけれども、いわばどちらの学校がいいかということは、そういう二つの考え方のどちらによるかということによってきまってくるものと考えております。
○加藤(紘)小委員 私はこの問題は考え始めて間もないので、私自身わかりません。ですから政府を追及するとかなんとかいうことじゃなくて、一緒に考えさせていただきたいというような気持ちで申し上げるのですけれども、親の選択といっても現実に補習校と全日制の学校が一緒にあるところはまずないわけですから、それは選択というよりどっちかとらざるを得ない。開発途上国は全日制になっていて先進国は補習校となっているわけですから、必ずしもそこで個々の親が選択できる条件にはなってない。また選択させるために両方つくるかとなったらこれまたたいへんな経費がかかる問題で、できないんじゃないかという一つの根本問題があるように思うのです。それからさっき言いましたように、御承知のようにどっちかというと開発途上国において全日制が非常に多いものですから、それをもう徹底的に国内と同じような教育、カリキュラム、それから教育施設、理科の実験まで含めようとすると、これはまた少ない数に対して膨大な国家予算を必要とするという問題も含まれておるように思うのです。この問題がもっともっと重要になる側面というものは、どうしてもまた全日制というものがふえてくるのじゃないかと私は思います。そのふえていく原因は何といっても日本人としての自信がついてきたということに原因するんじゃないかと思うのです。かつてイギリスは世界に覇を唱え、各地にイギリス人を派遣していたときは、全部おそらく英国人学校というものをつくっていったんじゃないかと思うのです。それはイギリスの文化というものがとんでもなくいいし、たとえばインドに行く際には絶対にインドの学校になんか入ることはあり得ないのだという徹底的な観念があったからイギリス人学校をつくったんだと思うのですけれども、戦後日本というのはやはりたとえばジュッセルドルフにしてもニューヨークにしても、そこで教育を受けることは一つのプレスティージだと思ってそっちのほうに入ったんだけれども、どうもドイツやアメリカなんぞ、むやみやたらにありがたがるよりは、日本の教育水準、知識水準、学問水準のほうが高いじゃないか、だからやはり日本のものを受けさせなければいかぬというような一つの流れが今日に来ているのじゃないかと思うのです。そういう意味でだんだん全日制というものはふえてくるように思うのです。 そこで問題なのは、これから補習スタイルを政府としてはある国でいやが応でも選ばなければいかなくなってくると思うのです、両方つくるわけにいかぬから。するとどうしても補習スタイルか全日スタイルかどちらを選ぶかといったら、趨勢としてどっちを選ぶ方向にいくべきなのかという問題について何か御所見がありましたら、非常にむずかしい問題だと思うのですけれども、いかがでございますか。
○穂崎説明員 政府として補習校を選ぶか全日制を選ぶかということでございますが、先ほども申し上げましたように、いわばある国に行きまして、どっちの学校がいいかということはやはり父兄の方の意見に従うということでございます。と申しますのは、全日制、補習校いずれにいたしましても政府は一〇〇%金を出しているわけではございませんで、全日制の場合、相当部分出しておりますが、残りはやはり授業料という形、あるいはいろんな意味における寄付というようなことで運営されておるわけでありまして、そういう父兄の意思を考えないでつくるということはできないような、そういう実際上の問題もございますし、また、先ほど申し上げましたように、日本と違って海外の教育につきましては、父兄の方の意思というものを考えてやらざるを得ない体制にもなっておりますので、そのような二つの観点から、どちらをやるかということは、まず現地のイニシアチブによって、われわれがその現地のイニシアチブに応じましてどのような形で援助するかということをきめておるわけでございます。したがいまして、相対的なものの考え方で、きわめてはっきりしないわけでございますけれども、われわれは、言い方がちょっと悪うございますが、あくまで側面的にこれを助けていくというような立場にございますので、そういうことにならざるを得ない次第でございます。
○加藤(紘)小委員 この子女教育の問題、私もアメリカの大学に一年ほど行っていた経験から、非常に早く手を打たなければいかぬ重要な問題のように思います。それで、向こうの、諸外国の文化に同一化されていくのかというのと、日本人としてのコンフォーミズムを守っていくのかというような永遠の問題かのように思いますけれども、とにかく、かりにある一人の十四、五歳の女の子がアメリカの高等学校に入って教育を受けるということになると、まあしゃべり方から服装から、それからこれはあまりこういう委員会のベースでは出てこないでしょうけれども、性道徳についてだってだいぶ違う。おそらく、ほんとうにアメリカ人社会の中にとけ込もうとすると、日本の家庭の中で与えられた道徳みたいなものとの摩擦で非常に悩んでいく子供が多いと思うのです。それで、日本に帰ってくると、またそんな感覚ではなかなか過ごせませんから、もう迷いに迷ってしまう。何かエキスパトリイットということばがあるそうですけれども、祖国喪失者というものがだんだんふえていくというのは非常に忌まわしい事件のように思います。 それで、私自身の個人的な経験からも、そういう海外生活を経て日本に帰ってきた十七、八、二十歳前後の青年をだいぶ知っておりますけれども、正直のところをいって、精神的、心理的に安定している人というのはきわめて少ない。日本の社会に適応していっている人はきわめて少ない。これは、父親は日本のりっぱな大学を出て貿易商社か何かではでに活躍なさっているけれども、それはそれでいいのですけれども、むすこさんはほとんど犠牲になっている例が、私のいいかげんな感覚でいえば、八〇%くらいはあるのじゃないかというような気がします。それで、きょうはこの問題は委員の各位からもいろんな意見が出ると思いますから、その段階で、ほんとうに子供の教育の問題としてまじめに考えていきたいと私自身思う次第であります。 それで、その際に私が一番問題になると思いますのは、渡部先生も取り上げていらっしゃいますけれども、日本に帰ってきた場合の学校の受け入れ体制の一語に尽きるのではないかというふうに思います。小学校、中学校では学齢相当のところに入っていくということだと思うのですけれども、高等学校の場合、いかがなる条件が整っているか、ちょっと文化庁、文部省のほうですか、にお伺いしたいと思います。 具体的にいえば、学期の途中で親が転勤になって帰ってくる。それで子供自体非常に優秀なんだけれども、国語科、古文科、その辺についてはなかなかだめなものだから、もちろん時期じゃないからすぐ試験も受けられないしというような問題もあると思うのですけれども、外国から帰ってきた子が受験の際にはどういう特殊な条件を与えられるかということと、それから試験の期間の中途で帰ってきた場合、たとえば九月とか十月に帰国した場合、こういうケースは非常に多いわけです。どのような取り扱いをなされているかについて、高等学校についてお伺いしたいと思います。
○角井説明員 お答え申し上げます。 まず帰国高校生でございますけれども、文部省といたしましては、昭和四十七年の二月十日付で学校教育法施行規則の一部改正を行ないまして、日本人学校終了者につきましては本邦高等学校の入学資格を認めるということをやっております。そうしてまた、四十八年度から新たに国公私立の高等学校三校を帰国子女教育研究協力校に指定をいたしまして、帰国高校生の実態調査かたがた受け入れ体制の整備に着手したばかりでございまして、お尋ねの入試につきましての特別の取り扱いというような点につきましてはまだ手がつけられていないという段階でございます。 なお、受験につきましては、今日東京の例をとって申しますと、大体進学率九〇%をこえておりますので、えり好みをしなければ、特別の扱いということでなくても、定員的には余裕があるわけでございますので、入れる。ただ、そういったことばが十分通じないということのために不利な扱いを受けている、この点はいかんともしがたいというのが現在の状況でございます。 それから編入につきましては、編入試験を受けなければならないわけでございますけれども、その期日も従来は学年の終わりに欠員があったら受け入れるということにとどまっておりましたものを、東京都の例でございますけれども、学期の区分ごとに受け入れるというふうな改善はなされておりますが、いつでも受け入れるというふうな体制は目下のところとられていないわけでございます。構想といたしましては、現在小中学校についてとられております特別学級、この制度を高等学校まで延長して考えてはというような構想は目下検討されておりますけれども、遺憾ながら実態といたしましては実現をしていない、さような現状でございます。
○加藤(紘)小委員 時間が過ぎましたので、私の質問はとりあえずこの程度で終わりにいたします。
○西銘小委員長 河上民雄君。
○河上小委員 私もしばらく外国へ行ったことがありまして、子供を連れていったことがありますので、若干前から関心を持っていたことですが、あまり系統的に調べておりませんので、思いつくことを二、三質問をさせていただきたいと思います。 外国へ行きましていろいろ聞く例ですが、やはり子供は向こうのことばになれるのは一番早いわけでして、アメリカのニューヨークなどで聞いた話では、要するに笑わせるようなおもしろい番組ですけれども、最初に笑うのは子供で、その次に笑うのは奥さんだったかだんなだったか忘れましたが、おそらくだんながその次に笑って、それからおくさんが一体どういう意味で笑ったのかだんなに聞く、こういうような順序だそうですが、そういうふうに外国のことばになれるのが非常に早い反面、日本語教育という点で非常に問題があるんじゃないかと思うのです。 これは私が実際に聞いたことでありますけれども、ある大新聞の特派員の家庭をたずねたところ、その坊ちゃんは日本語も自由にしゃべれるのですけれども、朝起きてその坊ちゃんの名前を呼んで、何とかちゃんいま何しているのとこう聞いたら、歯が洗っていると、こう言う。歯を洗っているということが言えないで歯が洗っている。まるで歯がにたにた笑い出したような感じがして身の毛がよだったということを聞いております。 これは単なるエピソードですけれども、非常に重大な問題でして、こういう問題は制度としてどれだけ改善できるのか、非常に大きな問題だと思うんです。先ほど加藤委員から、外国で生活したことによる心理的な刻印ですね、あとというものの問題に触れられましたけれども、そういう日本語教育というものが補習教育その他ではたして十分に、完全にカバーできるのかどうか。カバーできる程度であるならば、またその国のことばを十分にマスターできないのではないかというような気がするんです。そういう非常に深刻な問題を前提にしながらこの問題を討議すべきではないかということを私は最初に申し上げたいのであります。 私などは三十をはるかにこえましてから向こうへ行きましたから、向こうのことばは全然うまく身につかないわけですけれども、若いうちはどうしても向こうにどっぷりつかっちゃう。異国の文化、異なった文化を批判するというか、距離を置いて見る目というものはまだできてないわけですね。そういう問題、非常にあると思います。したがって、これをどうやって克服するか、これは非常にむずかしい問題でして、一応その国のことばをしゃべれても、その国の映画、そしてまた日本でいえばテレビなどで仁鶴とかああいう人がやるような番組をほんとうに笑えるようになるためには、かなり向こうの文化につからなければいかぬ。つかったときには、今度はなかなか日本人に戻り得ないという問題があるんじゃないかと思うのです。 それを前提としてひとつ伺いますが、義務教育の段階についてはというお話がありましたが、義務教育の日本人学校をつくる場合、これは国費である程度やるということになると思うのですが、その場合に、在外公館の場合と民間の駐在者の場合とでは全く差別をつけないのかどうかですね。義務教育の場合はともかくとして、高等学校の教育の場合に何らかの差別が全く生じないかどうかということです。まあ、こういうことが一つでございます。 それからもう一つは、向こうで全日制の学校を設置して、そこを出た者と、それから今度向こうの学校で一定の義務教育段階を終えた者あるいは高等学校を終えた者との間に、日本へ帰ってきた場合に資格の上で全く差別がないのかどうかですね。 それから大学生の場合も当然あると思うのでありますけれども、あちらの大学を出た人が日本へ帰ってきた場合に、社会通念として、日本の国公立あるいは私立の大学を出た人と必ずしも同じように取り扱われないという事実があるわけです。これは小さな子女だけが問題になっているようですけれども、そのままずっと大学を出る人もあると思うのですが、いまの社会通念では、たとえばハーバードとかスタンフォードとか日本でもかなり有名な大学を出ましても、そういう人たちが日本の会社なんかを受ける場合にアメリカで評価されるようには評価されない。逆に言えば、日本の非常に有名な大学を出ても向こうの社会ではあまり評価されないという問題がありますが、同じ日本人でありながら向こうの大学を出てもこちらでは必ずしも評価されないという事実があるようです。 そういうような問題について、今後どういうふうにしていったらいいかというようなことも当然ここで議論していただいてもいいんじゃないかと思うのであります。ほかに二、三考えることもありますけれども、とりあえずいまの三点ほど伺いたいと思うのです。
○穂崎説明員 私のほうからまず最初の御質問だけお答えいたします。 現地の全日制の学校、小学校、中学校いずれもその入学につきましては、大使館員の子弟でありましょうが商社の子弟でありましょうが差別はございません。もちろん授業料のようなものは徴収されますけれども、入学につきましては何の差別もございません。
○角井説明員 日本人学校を出た者と、それから補習教育あるいは現地の学校を卒業した者の高等学校ないしは大学の入学資格の面での違いでございますけれども、まず高等学校の入学資格といたしましては、外国において正規の九年の課程を経ておりますれば入学資格を与えるということになっておりますので、日本人学校のほうは、先ほどお話し申し上げましたように学校教育法の施行規則におきまして、大臣が日本の中学を卒業した者と同等の資格を認定するという形で、その資格要件の均等化をはかっているわけでございます。それから大学につきましても、外国において正規の十二年の課程を経ておれば資格は出てくるわけです。で、日本人学校の高等部の場合は、特別に大学入学資格認定試験を受けなければならないというような問題はございます。 それから日本の大学を卒業した者と、それから外国の大学を卒業した者に対する評価でございますけれども、これはそれぞれ受け取り側の扱いの問題でございますので、いま総合的な資料を持っておりません。ですが、特に大学を卒業した者というようなことで募集をするというようなときには、若干問題が出てこようかというふうに考えております。
○河上小委員 いまのお答えでだいぶはっきりいたしましたのですけれども、いま御答弁の中にもありましたように、今後日本人学校、全日制の学校を高等部までつくった場合ですね、その高校卒の認定の問題について、自動的にそれを日本の大学入試の場合に認定しないというようにいまのところなっているようですけれども、そういう問題は、こういうことをここでいま論議し、もう少し体制を整備しようというときに、今後これを考えていかれるおつもりですか。そうでないとちょっと首尾一貫しないように思うのですけれども、いかがでございますか。
○角井説明員 先ほどの御答弁の中で日本人学校の高等部と申しましたのは、たまたま日本人学校に付設をしております高等学校相当年齢の生徒を取り扱っておりますそれは、日本人学校として取り扱っておりませんので、結局は補習教育という形になっているわけです。ですから、現地の高等学校に通っているというふうに考えますので、日本人学校という場合は義務教育段階だけについて考えていけばいいというふうに論理的にはなるわけでございます。
○河上小委員 しかし、いわゆる先進国でしたら、たいてい高等学校は現地の高等学校を出る。そして日本語を忘れないような意味で補習学校という意味になると思うのですけれども、先ほど来お話がありましたように、発展途上国の場合ですね、義務教育の段階でさえどうも現地の教育に対していまひとつレベルの上で、帰ってから追いつかないのじゃないかという憂慮が子弟の中にあるということになりますと、もし高等学校の年齢まで子供を置かなければならないという場合に、そういう全日制の日本人学校の高等部というのが当然出てくるのじゃないかと思うのですが、そういう場合にはどうするおつもりでございますか。これはやがて何とかしなければならぬと思うのでありますが。
○穂崎説明員 いまの問題は現実の問題でございますけれども、海外の子女を見ておりますと、大体男の人は中学校を卒業したら日本に帰るようであります。それで日本の高校に入る。女の人はやはり多少分かれますが、両親が現地にとどまればやはり現地にとどまって現地の高校へ行く。そうでない場合、あるいは母親と一緒に帰るか、自分の親戚をたよって日本へ帰って、日本の高校へ入るというような実情のようでございまして、したがいまして、現在のところでは、現地に日本と同じような高校をつくってくれというような希望は出ておりません。現実の問題としてそういうふうな形で解決されているのじゃないかと思います。
○河上小委員 もし現実にそうであればそれでもいいような気もいたしますけれども、論理的にはそこにはちょっと一つのセクションが欠けているような感じがいたしますので、これはまだ論議する機会もあろうかと思います。私自身ももう少し考えさせていただきたいと思うのですが、教育というのは子女の問題ばかりじゃなくて、それを教える先生の問題もあるわけなんですが、実際に、そういう日本の義務教育ないしは高等学校の教育と同じような資格あるいは能力を持った先生が確保できておるのかどうか。補習学校の場合は若干事情は違うかもしれませんが、全日制の学校の場合どういうふうにされておるのか。それからまた、実際に全日制の学校あるいは日本語の補習教育の成果というものは、在外子女並びにその父兄の間で十分満足しておるのかどうか。その点について何か御報告なり調査があったら伺いたいと思います。
○穂崎説明員 まず最初に先生の問題でありますけれども、いま全日制の学校はほとんど大部分の先生が日本から派遣されて行っております。したがって、これらの先生はみんな現役の小学校ないし中学校の先生をやっておった方が、一時休職になって現地に行って、二年ないし三年現地で教育に従事するということでございますので、ごく一部現地に教員の資格を持っている人がおられて、その方が教えていることもありますけれども、やはりこれだけどんどん学校が大きくなってまいりますと、当初はそういう方が相当部分占めておりましたけれども、現在では一部そういう方が残っているだけで、ほとんど大部分は日本から行った現職の先生であります。 それから第二番目の、全日制の学校の程度というか、父兄がそれに満足しておるかどうかということですけれども、これは御承知のように日本と全く社会事情が異なるところでございまして、しかも日本と全く同じ教科書を使っておるわけです。たとえて言いますと、理科なんかで言いますと、日本の植物について講義をする場合に、現地にはそういうものがないという点で困難な点がございます。要するに日本を頭に置いてつくった教科書をその土地の実情に合わせて使うわけでありますから、いろいろな困難はございます。ただ、だんだんと歴史が古くなってくるとやはり教育も地につきまして、私の聞いた話では、日本と同じようなテストをやっても、日本の生徒と決して負けないような結果が出ておる。これはある程度期間を経てからの話ですけれども、いまのところわれわれとしては、毎年そういう生徒のどんどんふえるにつれて、先生の充実というものが一番大事な問題だということでありますので、すでに、いま申しましたように日本と同じようなレベルに達しておる学校が相当あるのではないか、このように考えておりますが、もちろん新しくできた学校というのは当初いろいろな困難がございますので、十分な援助がなければそういうことにはならぬと思いますけれども、いま御指摘の点はわれわれとしても今後十分留意してやりたいと考えておる次第でございます。
○河上小委員 いまの御答弁の中に、日本から行かれる教師の方は日本の義務教育のベテランの方が向こうに行かれるということですが、その際に一時休職というおことばがありましたね。こういうものは日本の教師の勤務体系というか、教師のつとめるいろいろな体系の中ではどういうふうに位置づけせられるのか。帰ってきたら、一時休職の期間はどういうふうに取り扱われるのか。たとえば勤続年数とかあるいは年金の問題とかあるいはその後のいろいろな給与の取り扱いの上で、この一時休職といわれた期間はどういうふうに取り扱われておるのか、伺いたいと思うのです。
○穂崎説明員 ちょっと私休職と申し上げたのは必ずしも正確ではございません。これは各県によって取り扱いが違いますが、文化庁のほうからお答えいただいたほうがいいと思います。
○角井説明員 いまの点につきましてはおっしゃるような問題がございまして、派遣される先生方としては、休職という形で現実においては大部分が辞職なさっておられるわけですけれども、その身分が継続しておる者に対して、単に身分上の不安定ということだけでなくて給与なども違ってまいります。非常に好ましくないということを漏らされております。私どもといたしましても、できるだけそういう線でなく、研修出張あるいは職務専念義務の免除というふうな形でもって派遣されることが望ましいと考えております。 実態を申しますと、現在派遣されております先生方の中で公立学校から出ております方、これが全部で二百七名あるわけでございますが、この出身県が三十六県でございます。その三十六県のうち三十県は休職というような扱いでなしにやっていただいております。残る六県になお問題がございますのですが、これらも関係県に今後ともお願いをしまして、従来の給与を払っていただき、かつ研修出張というような形で身分を継続していただくように働きかけていくつもりでございます。
○河上小委員 その点はぜひやっていただく必要があろうと思うので、子弟の親たちは、在外公館の場合でも商社の出張員の場合でも、新聞の特派員の場合でもそれは一時休職で出るわけじゃないんで、ちゃんとそれはいろいろな面で全部保障されておるはずでございますね。子弟を教える者は一時休職で、帰ってきても、もし二年行っておったら二年いつも給与がおくれていく、俗なことばでいえば出世もおくれるというようなことになるんではだれも安心して使命感を持って行くということは非常に困難になるんじゃないかと思うのですが、いま伺いますと、三十六県のうち三十県まではいわゆる休職でなしに研修出張ということのようですが、まだそれがシステムになっていないという点ですね、ひとつこれはぜひいまおっしゃったようにしていただくことがこういう小委員会を開いた一つの意味でもあるんじゃないかと思うのです。ひとつその点はよろしくお願いしたいと思うのです。 なお、ちょっとついでに伺いますけれども、実際にそういう形で出られた方、もちろん一生涯それに使命感を覚えて十年、二十年と行かれる方もあるかと思いますが、原則として行って帰ってくるという前提で行かれた方の平均在外期間ですね、大体どのくらいになっておりますか。
○穂崎説明員 二年ないし三年でございまして、三年のほうがやや多いそうであります。
○河上小委員 いまわれわれは在外の日本の子弟についての問題を考えておるわけでございますが、問題点を一そう明らかにする意味で、今度は逆に諸外国から日本へ来ている学童、教育年齢のお子さんたちの教育の問題ですね、実際に各国によってはかなり違うかもしれませんが、どういうふうになっておるんでしょうか。 世界的に見てアメリカの日本研究というのは非常にレベルが高いと思うのですが、そういう人の中には日本で生まれ、日本で育って、そして大きくなって向こうの大学を出て非常にすぐれた学者になったという方が多いわけでして、そういう人たちはほんとうに、日本語のべらんめえ口調まで全部マスターしている人が多いのですが、そういう人たちは戦前のことですから、ほんとにそこらの近所の子供と遊んで日本語を覚えたんだと思うのですが、いまはもう少しシステム化されているんじゃないかと思うのですが、そういう点がどういうふうになっておりますか。調査がしていなければいないでよろしいですけれども、少し断片的でもいいから、われわれのいまの審議に参考になるようなことがあれば教えていただきたいと思うのです。
○角井説明員 実は相互的には所管が異なりまして、文部省の初等中等局の問題なものでございますから、文化庁の職員の立場で申し上げられませんし、それから資料も現在ないわけでございますけれども、ただ外国からいらっしゃる方の子弟で義務教育年齢の方などにつきましては、これはもちろん義務教育ではございませんですが、しかし学校などでは比較的好意的にこれを受け入れて、それでけっこうその年齢ですと融和しているという実例がずいぶんあるんじゃないかと思います。
○河上小委員 私の非常に具体的なあれですけれども、これは日本人ですが、国籍はもうブラジル人になっておるのです。夏休みしばらくということで日本の実家へ帰ってきましたときに、土地の小学校が二、三カ月一緒にクラスへ入れてくれまして、日本人の子供はブラジル語で簡単なあいさつができるようになり、その子も日本語、関西弁をかなりマスターして帰ったというようなケースがあるんですけれども、そういうことは日本の義務教育で許しておるのか、全く校長の一存でやったのか、その辺のことを私も全然——いまになってみればもう少し聞いておけばよかったと思っているのですけれども、よくわからないのですが、そういう話に実際にぶつかったことがあります。長期の滞在の場合に日本の学校へ入ることをむしろ歓迎しておるのか、それともわれわれがいまここで考えているような全日制の学校を向こうは向こうなりに持つとか、あるいは日本語の補習教育みたいなものを向こうでもやっている例が多いのか、その辺のことを数字的に明らかでなくてもけっこうですが、教えていただきたい。
○角井説明員 日本の小中学校に、あるいは高等学校もそうでございますけれども、外国人子弟を入れるということについて禁止しているようなことは一つもございません。もちろん校長の判断ということが主になると思いますけれども、実際にそういう形で受け入れられている例が幾つもあることは先ほど申しあげたとおりでございます。 特にAFSというようなプログラムもありますが、これは日本からアメリカへ行っている者もありますし、アメリカから日本に来ている者もございます。特に最近はマルチになりまして、アメリカ人だけでなしに、よその国の人が日本に来るプログラムもございます。そういう場合に日本の高等学校に一年間通うというふうな例もあるわけでございます。そういう例もございまするし、それから一方におきましては、アメリカンスクールとかいうような、これは日本の法制上は各種学校として扱われておりますけれども、いわゆる外国人の学校というのもあるわけでございます。
○河上小委員 まあ渡部委員も私も同じ選挙区なんですけれども、石井委員もそうでございますが、神戸には要するに外国人の学校がわりとあるんです。中国人の場合もそうですが、カナディアンスクールというのがあります。カナディアンアカディミーというんですか、そこなんかはカナダ人とかアメリカ人ばかりではなくて、在外公館の場合は少ないのでありますが、商社の駐在員を長くやっておりまして、向こうのことばのほうが自由であるという日本人の子弟がかなり入学しております。そこへ行って一定期間ならしてから日本人社会へ入れるというんでしょうかね、それは一つの親心かもしれませんが、そういうケースもかなりあるわけです。そのことはいまわれわれが考えている問題が非常に深刻な一面を持っているということを物語っているというように思うのでございますけれども、こういうようなものが存在していることについてはどういうふうにお考えになりますか。
○角井説明員 御指摘のように、帰りました方の子弟がカナディアンアカデミーその他の外国人学校に通っているという例は確かにございます。そういう形でさらにアメリカの大学のほうに移っていくとかいうようなケースは、やはり教育を受ける方針の問題だと思いますけれども、そういう考え方の方のためにけっこうなことではないかというふうに考えております。
○河上小委員 それでは私の質問はこれで終わります。
○西銘小委員長 柴田睦夫君。
○柴田(睦)小委員 子女教育に関する制度といいますか、施設といいますか、一つは全日制のいわゆる日本人学校方式があるわけなんですけれども、その日本人学校方式の学校に入れる場合に父兄たちが考えるのは、小学校の段階は特にそうでしょうけれども、外国人の子供と天真らんまんに、伸び伸び遊ばせるというような考え方からすると、広いところに一つ小さい学校ができて、それも寺子屋方式だというようなことだと、子供の性格などを伸び伸び伸ばす面においては不安がある。さらばといって、その学校に入れぬと今度は日本に対する知識がおくれる。あるいは日本でいえば僻地教育のような、二学級、三学級を一人の先生が教えるとかそういういろいろ不便なことが生じるわけです。制度の問題については、その外国における在外日本人の意見、希望から出発したんだという説明がありましたけれども、この在外日本人の父兄の意見、希望というのは具体的にどうやって聞くことになっているわけですか。
○穂崎説明員 外国におります日本人は、大体主として商社なりあるいは銀行なり船会社あるいはその他メーカーの駐在員、いわば日本の海外における経済活動をになっている方々でありまして、そういう方々が集まりましてたいていの場合日本人会というのがございますし、場所によりましては日本人会のほかに商工会議所というようなものがございます。そういう学校をつくりたいという希望はそういう日本人会なり商工会議所なりを中心にして起こってまいりました。大部分が日本人会に関係しておりますし、相当部分の人は商工会議所にも関係しておられますから、そういう組織を通じまして希望が上がってまいりまして、その希望に応じてわれわれは学校をつくるように検討している、こういうことでございます。
○柴田(睦)小委員 その日本人会にはすべての日本人が入るようなシステムをとっているわけですか。それとも通信社、新聞社——商工会議所ということになればそういう通信社などははずされるということになると思うのですけれども、それらのことも含めて全体的にまとまるというようなやり方をとっているのでしょうか。
○穂崎説明員 日本人会の中には大体希望のある日本人は全部入るわけでございます。したがいまして、理論的にはすべての日本人をカバーし得るわけでございますが、もちろん中には日本人会に入っていない人もあるかと思います。しかしそういう方も、そういう希望があるということであればもちろん自分の子弟も入れたいわけでございますから、何らかの意味で参加しているかと思いますし、商工会議所のあるところにはたいてい日本人会があると思います。もし日本人会が何もしなければ商工会議所でもそういうことをやり得るということでいま申し上げているわけでございますが、大体日本人会がそういう活動の中心になっているかと考えております。
○柴田(睦)小委員 どこの国においても、日本人会から意識的に直接あるいは間接に除外されるというようなことはないわけですか。
○穂崎説明員 直接的には意識的に除外されるということはございません。もちろん任意組織でございますから、入る以上は会費を払ったりいろいろな条件はございますけれども、それ以外に除外されるということはありません。
○柴田(睦)小委員 全日制の学校の例なんですけれども、小学生に作文を書かしたところが、日本の国のことは非常にほめて書いて、その学校のあるところの国の悪口を子供が書いた。これはおそらくその学校で教える先生の思想に問題があったのじゃないかと思うのですけれども、日本の政府のほうで補助する日本人学校あるいは補習学校などについて、日本の憲法や教育基本法に基づく指導、文部省の学校教育についての指導——かえって間違っている指導もあると思いますけれども、指導は外国にある教育施設についてもなされているわけですか。
○穂崎説明員 先ほども申し上げましたように、全日制の学校におきましては日本と全く同じような教育理想を実現したいということでやっているわけでございますので、いまおっしゃいましたような日本の憲法なり日本の教育に関する基本的な法律に従って教育する。もちろん理屈から申しますと日本の国外でございますから、憲法なり法律がそのまま適用になっているということではございませんけれども、事実上の問題といたしましてはそういう考え方で教育を行なっているわけでございます。
○柴田(睦)小委員 日本人学校に日本人教師を派遣するということなんですけれども、その派遣する教師の選考はどういうふうにしてやられるわけですか。
○穂崎説明員 大部分の先生につきましては公募いたしております。それからその学校の成立の由来と申しますか、当初その学校をつくるにあたりまして、二、三の学校、もっとそれ以上あるかと思いますが、まだ全日制の学校が非常に数少なかった時代、公募なんかなかった時代でございますけれども、日本の各県にございます教育大学の応援を得まして、そこの先生を主体にして一つの学校の先生を構成した時代がございます。そういう学校につきましては、まだ人数におきましては三人か四人でございますけれども、伝統的にそういう学校の先生の御協力をいただき、その上にさらに公募の先生がおられる。現在においては公募の先生が大部分でございますが、そういう学校と、全体として公募の先生だけでできている学校と、二つの型の学校がございます。
○柴田(睦)小委員 外国において日本人学校等の施設をつくる場合は、その国の援助といいますか、好意的な協力がどうしても必要だと思うのですけれども、そういう面で外国のほうから制限されたりなどの障害が生じたことはないのですか。
○穂崎説明員 特に学校をつくるにあたりまして障害というものはございません。
○柴田(睦)小委員 今度、反対に日本にある外国人子弟教育の学校、アメリカンスクールなどはよく聞くわけなんですけれども、アジア諸国の人たちが日本に来ているわけですけれども、アジア諸国の人たちの子弟の日本における祖国に関する教育、これはどのようになっていますか。
○角井説明員 先ほどお断わり申し上げましたように、文部省の所管の問題でございますので、総合的な情報はただいま私持っておりませんけれども、これは各種学校として法的には位置づけられておりますので、各種学校は各都道府県知事の認可にかからしめられているわけであります。したがいまして、そういう形で認可されたものがかなりの数あるように聞いております。
○柴田(睦)小委員 日本にある朝鮮人学校の問題で美濃部都政の前などは非常にいろいろな障害があったということは事実だと思うのですけれども、アジア諸国の学校の施設をつくることについて、それを制限するというようなことは日本の政府としてはとられたことはないでしょうか。
○角井説明員 私文化庁でございますので、外国人学校について日本政府がどういう態度をとったかという御質問でございますと、ちょっといまお答えできないわけでございます。
○柴田(睦)小委員 終わります。
○西銘小委員長 渡部一郎君。
○渡部(一)小委員 私ただいま各同僚議員からの御質問を承っておりまして、問題点のいろいろな点がますます明確になったのでうれしく思っているのでございますが、現在私は文化庁から「海外子女教育関係事業予算一覧」というのをいただいておりますが、海外子女教育振興財団と外務省と文部省、文化庁の関係で持っておられます予算、その費用ですね。これは、予算の支出状況並びに責任の分担がどうなっておるものかをまず概括的に御説明願い、次にこのお金の使い方について具体的にどうなっているか伺いたいと思っております。まず総括的にこの三つの組織はどういう関連で責任を分担されているか、伺いたいと思います。
○穂崎説明員 ここに書いてあります予算が三つに分かれておりまして、一つは外務省、一つは文部省、実は文化庁でございますが、そして第三番目に海外子女教育振興財団でございます。 それでこの費用の分担でございますが、政府の中で外務省と文部省につきましては、一応海外で使われる経費は外務省で全部見るという考えに基づきまして派遣される先生及び学校の校舎の借料につきましては外務省の予算に計上しております。 それから文部省の側といたしましては、日本の義務教育に準じまして教科書を日本で買い取りましてこれを送りますので、この点は文部省に予算を計上いたしておりますし、同時に日本におきます海外から帰った子女教育の問題につきましては、これは文部省の所管といたしましてそういう必要な経費が文部省のほうに計上されております。 それから海外子女教育振興財団でございますが、この財団は外務省、文部省の委託費ないしは補助金とそれから関係のいろいろな経済団体と申しますか、そういう関係の商社等の寄付等からなっておるわけでございますが、その中で、日本人学校の二番目のところに書いてありますが教職員医療給付事業、これはいわゆる健康保険のようなものでございまして、この費用は現地の経費でございますので外務省の補助金となっておりますし、それから補習学校につきましても、これは現地の経費でありますので、外務省の経費になっております。 他方、いろいろな教材につきまして各学校の教材を援助するということで、この経費は教科書と同じような意味合いにおきまして文化庁の委託費になっておりますし、それから全日制の学校、補習校のない人々に対する日本からの通信教育というものは文化庁の補助金によって運営されておるわけであります。 その他の経費につきましてはすべていま申し上げましたような財源から教育振興財団独自の事業といたしまして、そこに(4)と(5)と書いてある新設日本人学校開設援助事業、これは一応金額が計上してありますが、実は各現地の学校の要求がございまして、こういうものを寄付してほしい、たとえば学校を建てるについて寄付がほしいという要請に基づきまして募金をしてやる金額でありまして、これは一応見込み額でございますが、予算の項目としては見込み額というふうにお考えいただきたいと思います。 その次五番目に、スクールバスを寄付してくれという要請がありました場合に、関係のほうにバスの寄付を求めまして送るということで、これは一応予定でございます。あとの費目は全部教育振興財団が独自の財源でやっている事業でございます。 それから支出の項もいまあわせて御説明したと思いますが、なお教育振興財団のほうで、説明いたしておりません事業としまして事務職員費援助事業というのがありますが、第三番目の事務職員費援助事業と申しますのはジャカルタの日本人学校への援助だそうでございます。 それから六番目の現地採用教員待遇是正は、現地採用の教員のうち、給与の一部分を補助しておる。 それから教員研修事業と申しますのは、校長が集まっていろいろな意見を交換するというための経費でございます。 あとは帰国子女受入協力、これはもちろん帰国子女の受け入れについて相談にあずかったりいろいろなことをする経費でございます。 附帯事業と申しますのは、そこで書いてありますように機関誌の発行等の経費でございます。 以上でございます。
○渡部(一)小委員 そうけちをつけるわけじゃないのですけれども、海外子女教育振興財団というすごい名前で出ているお金が、これは予算額となっておりますが、六億二千三百五十二万五千円、外務省から出ているのが九億六千三百八十五万八千円、文部省(文化庁)から出ておりますものが五千三百四十八万七千円、合計十六億四千八十七万円でございますね。この金額、十六億くらいといいますと、日本内地でいいますといま高校一つつくるのに十億以上、高いところでもう二十億かかるのですね。こういう金額と比べますと、けた違いということばがありますが、これは十分の一という意味でけた違いというのでしょうけれども、一けた違いじゃなく二けた、三けた違いの金額ですね。だから私に言わせればこういう項目をつけることが恥ずかしいんだな。だからここで出ている予算、海外子女教育関係事業予算一覧、こう明示されているものに対して毎年二〇%ずつ予算を上げれば済むなどという問題ではないわけですね。これはもうとんでもない費用ではないのか。つまりここで議論をするんだったら、むしろ兵庫県とか東京都とか愛知県とか、日本の主要県会の議員なんか連れてきてこれを議論してごらんなさい。もっとよくわかるのです。これは教育にならぬわけですよ。だから日本国内並みに金を支出しろなどと私は言っているわけじゃありませんけれども、また諸外国ですから逆にもっと費用のかかる面もあるわけでありますけれども、この費用に対する考え方というのは少し、少しどころじゃなくて全面的に直す必要があるのではないか。今期予算に対してでなくて、これからの予算に対してはこういうものでは話にならぬと思うのですけれども、御感想のほどを承りたい。
○穂崎説明員 御指摘の点、私も全く同感でございます。ただ、言いわけめくわけでございますけれども、子女の教育の予算は、一応外務省の数字といたしましてはここ三、四年の間、毎年五〇%ずつふえておるわけでございまして、来年度また相当の金額の予算を考えておりまして、もちろんわれわれといたしまして現在の数字で満足しているわけではございません。ただいろいろな関係から予算が思うように伸びないということでございますが、おっしゃる点は私も十分に感じておりますし、この金は思い切ってふやさなければいかぬ、このように考えております。何ぶん金をふやしましてもどんどん学校もふえますし、それから生徒の数もふえますし、なかなか現地の方の思うようにいっていないという実情がございます。しかし、われわれ自身としましてはほんとうに一生懸命やっているわけでございまして、来年度におきましてもなお相当額の予算を申し入れたい、そのような考えでいま作業を進めております。
○渡部(一)小委員 私は皆さんの努力を問題にしておりません。私の問題にしているのは、いまの金額が異常だということです。だから、五〇%ずつ上がっていけば十年たてば大体五、六倍になる。二十年たてば十倍程度にようやくなるのですね。そうすると私の要求するところまでこのペースでは百年くらいかかるんじゃないかと思うのです。だから、私は海外子女教育に対する考え方の基礎を量的な少々の改善でなく、質的な取り組みの改善が必要であると申し上げたいと思っておるわけなんです。 たとえば一つお聞きしてみましょうか。すごいことが出てくるのですよ。わかりやすそうな話で一つ申し上げてみるのですが、通信教育事業というのがここに出てまいりますね。六千五百八十六万九千円というのが四十八年度予算についております。この通信教育は何人を対象としてどれくらいの教材を郵送料補助にし、そして提供されているのですか、伺います。
○角井説明員 通信教育事業といたしましては、対象人員は三千六百六名というのが予算の積算基礎でございます。実際にはまだそれが始まってから二年目でございますので、そこまではいっていないわけでございます。そうしてそれぞれの通信教育受講者から年額八千四百円の受講料を取っているわけでございますが、これで国語と数学と社会と理科の四教科につきまして毎月郵送いたしまして、必要に応じて添削問題を記入して、返ってきたものにつきましてさらに添削をいたしまして返送する、こういうふうなことをやっておるわけでございます。
○渡部(一)小委員 いま言われたのは、海外に出ている日本人のおそらく小学校、中学校……
○角井説明員 失礼いたしました。いま申し上げましたのは小学校の一年から六年まででございまして、中学校は将来の課題になっているわけでございます。
○渡部(一)小委員 こういう通信教育をすべき人員というのは、海外に出ている小中学生に該当する日本人は何人いますか。
○角井説明員 小学校相当年齢児童数が九千百五十五名でございます。
○渡部(一)小委員 単純な計算ですけれども、九千百五十五名に三千六百六名の対象の予算が組まれておる、中学校はまだ将来のことである。これではずいぶん穴があいておるわけですね。私はアメリカのプリンストン大学においてここの勤務の先生方から通信教育事業についての問い合わせがありましたが、私はちっとも知りませんでした。こちらに帰ってまいりましてそういうすばらしいのがあるのを知りました。当時お話し合いの中では、通信教育がないものかという問い合わせを日本側にしたら返事がないという話でした。というのは、こういうことがあるということのPRというか、周知徹底の努力も行なわれていない。この点は私は現在の御努力をとやかく言っているのではないけれども、だいぶ穴があるんじゃないか、簡単に言ってそう思うわけですね。 さらに私が思いますのは、ここに帰国子女受入協力と書いてあります。帰国子女受入協力一千五十二万五千円の予算です。帰国子女受入協力というのはどういうことなのか。私をして言わせるならば、これは人件費三人分ぐらいにしかなりません。この帰国子女受け入れというのはおそらく帰ってくる子女の受け入れのためですから、電話をかける事務員を二、三人配置すれば、それはなくなる額だろうと思います。これは一体何なのか、お伺いします。
○角井説明員 この帰国子女受入協力と申しますのは、特別にことばが弱いという子供は直ちに小中学校に受け入れるということが一般的には非常に困難である。そこで三カ月程度のハードトレーニングと申しますか、日本語を集中的に教えまして、一般の学校への復帰が可能になるようにするということで、財団が昨年から始めました事業でございます。まだ日浅いために十分至らぬ点もございますけれども、受け入れ学校、一般の小中学校からは感謝されていると申しますか、好評なプロジェクトであるというふうに伺っております。
○渡部(一)小委員 それはどこでどれくらいの規模でやっておられるのですか。
○角井説明員 実際にはファミリースクールという施設がございますが、これは海外子女教育振興財団の理事をしておられる波多野勤子さんの関係しておられる施設でございます。その施設を借用いたしまして、それからまたそのスタッフも借用いたしましてやっております関係上、比較的安く上がっているわけでございます。
○渡部(一)小委員 それは何人ほど収容しているのですか。何カ月開校しているのですか。
○角井説明員 期間は、私の伺っておりますところでは現在三カ月だそうでございます。それから規模の点でございますが、規模はまだ十名以内、ごくりょうりょうたるものでございます。
○渡部(一)小委員 スクールバス補助というのは、これは何台をどこで買うのですか。千二百万とついていますが。
○穂崎説明員 このスクールバスは、先ほど申し上げましたように寄付でございます。昨年度ここに千八百万円と書いてございますが、これは昨年度は二十五台分の金を、寄付でございますけれども、一応収入に計上し支出する。勘定としてはゼロになりますが、そういう形で計上しているものでございます。もちろん今年度寄付でございますので、予想金額として先ほどの金額が計上されているわけでございまして、台数といたしましては、大小ございますでしょうが、昨年二十五台でございますればその約三分の二の台数ではなかろうかと考えます。
○渡部(一)小委員 千八百万円で二十五台買ったのですか。
○穂崎説明員 二十五台という計算だそうです。
○渡部(一)小委員 そんなに買えないですよ。けたが違いますよ。安過ぎる。それはスクールバスじゃなくてトラックかなんかじゃないですか。
○穂崎説明員 仰せのとおりでございますが、現実にこのような評価をしているのだそうでございます。ただ、評価のしかたでございますけれども、国内で買えばもちろん税金がかかるわけでございますから、あるいは税金なしの評価かもしれませんが、その点はわかりません。
○渡部(一)小委員 ますますすごい話ばかりですね。 教員研修事業、校長さんが集合される代金だとさっき御説明がありました。二百七十一万八千円で何人の校長さんがどこに何回集まるのですか。
○穂崎説明員 これは去年はイランのテヘランで十一校集まりました。もちろんこの金だけで集まったということではありませんで、現地の各学校で幾らかそれに足していると思いますが、そういう金額でございます。ことしはまだどこでやるかわかっておりません。
○渡部(一)小委員 そうしますと、十一校集まったというのは、百万円ですから一人当たりにして九万円くらいですね。一人に対する補助としては九万円。その九万円の費用を校長さんにあげたということは交通費にもなりませんですね。せいぜいホテル代くらいでございましょう。ほんとうにこれは教員研修事業なんというしろものじゃないですね。全くすごい感じだな。 あとちょっと痛ましくて聞く気にもなりにくいのだけれども、もうちょっと聞かしてもらいたい。事務職員費援助事業と書いてある。二千九百八十九万五千円予算がつけられている。この予算は事務職員何名に対して幾らずつの予算費用でございますか。
○穂崎説明員 いまここに正確な資料を持ち合わせておりませんので、あとでお知らせしたいと思います。
○渡部(一)小委員 そうすると外務省の関係は資料はそろっておりますか。−それでは外務省関係を伺いますが、派遣教員旅費・在勤手当等とございますが、これは何人の人に対してどういう費用を出すのか、それをお伺いしたい。これはかなりついていて七億四千六十五万円だそうでありますが、これは何でしょうか。
○穂崎説明員 ここにございます派遣教員旅費は、今年度二百十七名の先生の滞在費と、それから交代のために日本から現地へ参ります九十四人の先生の片道の旅費と現地から日本へ帰ります五十七人の先生の帰国旅費でございます。
○渡部(一)小委員 滞在費の平均は一人幾らになりますか。
○穂崎説明員 各先生の家族手当、住居手当を入れまして二十五万くらいでございます。
○渡部(一)小委員 これはおそらく現地で費用が出、それに足される費用でございましょうが、二十五万というのじゃ滞在費になりませんでしょうね。 それから在外子女教育実態調査費は三百八十八万五千円ついておりますが、これは何でしょうか。
○穂崎説明員 これは毎年三十幾つあります日本人学校及び補習校、これらの関係のところを回りまして、主として予算の問題なり学校管理の問題になりますけれども、そういう問題を主として拾って歩くと申しますか、現地といろいろな打ち合わせをしながら歩く、そういう出張旅費でございます。
○渡部(一)小委員 通信費みたいなものですか。
○穂崎説明員 旅費でございます。
○渡部(一)小委員 教科書の配布と書いてあるこの費用は、文部省の文化庁のほうですが、教科書の配布と書いてあるこの費用が四十八年度で一千百七十九万六千円となっておりますが、この費用は教科書何冊を印刷して、送料どれくらいをかけて何部くらい出すものであるか。
○角井説明員 お答えいたします。 四十八年度一万一千百三十六人という積算になっておりまして、小学校につきましては国語、書写、社会、地図、算数、理科、音楽、図工、家庭、九種目の教科書を送っております。 それから中学校につきましては国語、地理、歴史、公民、地図、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術家庭、英語というような種目につきまして送っているものでございます。ここに掲げておりますものは教科書の配布という名目になっておりますが、教科書を購入する費用でございまして、配布のほうは外務省にお願いいたしまして別途の経費で、たぶん別途の経費だと思いますが、郵送をしていただいているわけでございます。
○渡部(一)小委員 今度の都議選でもおわかりでしょうけれども、この千百七十九万円くらいですと、各党の一回分のビラ代にもならぬくらいですね。これはほとんど必要なところに行っていないのではなかろうかと私は思いますね。この一万一千百三十六人というのは要するに総積算で、各種類の教科書一部ずつをもらった人が一万一千百三十六人という数ですね。
○角井説明員 その一万一千何がしという数は小学生も中学生も含めて申し上げておりますので、小学生につきましては先ほど申しました八種目ないしは九種目、それから中学校もその学年に応じまして配布をされているということでございます。ただ教科書の場合は単価が非常に低廉なものでございますので、一応これで全部に行きわたる積算にはなっておるわけでございます。
○渡部(一)小委員 先ほどから各種類の項目の中で、全部ではありませんが、幾つかお伺いしてみました。その結果というものは各省庁の御努力はさることながら、ちょっとあまりにも予想をはるかに越えた少額の予算であるという感じがいたします。したがいまして、もし大きな問題点があるとすれば、この予算の急速な増額というものが重大な項目でなければならぬということはもう明確ではないか。それから教科書を買うのが文部省で送るのが外務省などという妙ちきりんな分業体制は、こういう問題をますますやりにくくさせるものではないかと私は思いますので、この点はいま改めつつあられると思いますが、いかがでございますか。
○穂崎説明員 教科書の配布につきましては、従来は外務省から各大使館にいろんな品物を送る関係がございまして、それと合わせて送るというのが便利であるという考え方に基づいてやっておったわけでありますが、来年度からはそれを改めまして、文部省のほうの予算といたしまして教科書をつくった会社と申しますか、そこで一括送れるような体制に改めたいと考えております。
○角井説明員 ただいまの教科書の配布の方法につきましては外務省からそのようなお話がございまして、目下文部省内部で検討中でございます。
○渡部(一)小委員 それでは本日はこれで終わります。
○西銘小委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後四時八分散会