外務委員会 第38号
- 発言数
- 132 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/10/19
会議録
○藤井委員長 これより会議を開きます。 国際情勢に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河上民雄君。
○河上委員 外務大臣にお尋ねしたいと思います。 このたび田中総理と訪欧、訪ソの旅を終えて帰られまして、いろいろ御苦労があったことと存じますが、その間に、前国会の休会後、金大中事件について政府はどのように韓国政府に対し交渉を続けておられるか。また、最近総理大臣が山形におきまして、金大中事件の処理の問題と日韓閣僚会議とは別の問題であるというような発言をされたのでありますけれども、その後二階堂官房長官あるいは中曽根大臣などが、この考え方に対して否定的な発言をされております。肝心の外務大臣としてはこの金大中事件の処理の問題と日韓閣僚会議の開催の問題と、どのように考えておられるか、その点をまず初めにお伺いしたいと思います。
○大平国務大臣 金大中事件につきましては、本委員会におきましてもたびたび明らかにいたしておりまするように、事態の真相を究明いたしまして、内外の納得のいく公正な解決をはかりたいというのがわが政府といたしましての基本的な方針でございまして、この方針は一貫してまいっておるつもりでございます。したがいまして、わが国の捜査当局におきましても、引き続き事態の究明が行なわれておるわけでございまするし、先方におかれてもそういう作業が進められておることと思うのでありまして、両国の協力によりまして事態が解明されて、公正な解決をはかりたいと考えておるわけでございます。 それから、日韓閣僚会議を開くかどうかという問題でございます。当初から申し上げておりまするように、この事件は日韓間に起こりました不幸な刑事事件でございます。われわれとしては、この事件が起こったからといって対韓政策の基本を変えるつもりもないし、変えるべきでもないと考えておるわけでございます。ただ、対韓政策ばかりでなく、すべての政府の政策は国民のあたたかい支持と協力を伴わなければ実効があがらないことは申すまでもないことでございまして、日韓閣僚会議を開くにつきましても、開きました以上は十分の成果をあげられる状況であることが望ましいと考えておるわけでございまして、私といたしましては、そういう雰囲気ができるだけ早く招来されることを希望いたしております。
○河上委員 先般、中曽根通産大臣は現在のように金大中事件がまだ解決を見ない段階で日韓閣僚会議を開くことは好ましくない、こういう発言をしておられますけれども、大平外務大臣はいま基本的な立場を言われたわけですけれども、現在の時点で中曽根通産大臣の発言を大体支持するというふうに私どもは解釈してよろしいわけですか。
○大平国務大臣 先ほどお答え申し上げましたことを繰り返すことになるわけでございますが、それを裏から申しますと、いまの状況は直ちに閣僚会議を開くことができるような状況であるとは私は考えておりません。
○河上委員 金大中氏のその後の身柄といいますか、生命の安全、現在の状態について、政府では韓国政府より情報を得ておられますか。
○中江説明員 過般在韓後宮大使が金大中氏に面会されまして、安全に生活を続けておられるということを目で確認されまして以来、その後同様の面会のような機会はいままで持たれておりません。他方、韓国政府から、御質問のように、金大中氏の身の安全その他についての連絡があったかという点につきましては、格段の通報は受けておりません。したがいまして、いまの段階では、その以後、後宮大使が金大中に会われてからあと、金大中氏の身体、その生活の環境について持別の変化があったということは想像されない状態であります。
○河上委員 いまのお話ですと、金大中氏に後宮大使が面会を許されない限りは積極的に事態の究明に当たっていないということになりますか、そういうことでございますか。
○中江説明員 私が申し上げましたのは、金大中氏の身体、生命について何か異常があったかどうかという点についてしぼって申し上げたわけでございまして、政府の基本的な立場は、先ほど大平外務大臣もお答えいたしましたように、本件全体の真相究明のためには常時努力を続けている、こういうことでございます。
○河上委員 それでは金大中氏の安全については、まあ向こうまかせであるような印象を受けるわけでございますが、とりあえずいまの段階で、金大中氏の事件のこのような状況の中で、金大中氏がほかの容疑で——韓国政府の立場からでありますが、ほかの容疑で起訴されるおそれは非常に強いと思うのでございます。そういうことが起こらないように日本政府のほうから、ほかの容疑で起訴しないという確約、確認を韓国政府に求めたことがございますか。
○中江説明員 韓国の領域内に身柄が移されました金大中氏につきまして、その後別の事案で何らかの身体の拘束その他が行なわれるのではないかという疑念がたびたび表明されておったわけでございますけれども、九月のたしか初めごろだったか、半ばだったかと思いますが、後宮大使が韓国の首脳部と接触されました結果として私どもに報告してきましたところによりますと、韓国政府が金大中氏を別件で逮捕するなり捜査するなり、つまり別件逮捕というようなことが行なわれるということはない、そういうことはないという強い感触を得た、こういう報告を受けております。それ以上はこれは韓国の主権に属することでございますので、別件逮捕はあるまいという強い感触をわがほうの大使が得られているということで、私どもとしては、むしろ事件全体の真相究明のほうに努力を傾注すべきである、こういうふうに判断したわけでございます。
○河上委員 いまそういう感触という表現を使われましたけれども、韓国政府側から、ことばの上ではっきりとそういう確約をしたわけではないわけですね。また、いまの後宮大使がそういう感触を得たというのは、どういう時点で、どういう状況のところであったかを、ここで明らかにしていただきたいと思います。
○中江説明員 その時点は何月何日であったかということはちょっと記憶がないのですが、いずれにいたしましても、九月の半ばに東京で開かれましたアジア・太平洋地域の在外公館長会議のために後宮大使が一時帰国される。一時帰国されるにあたって、本件についても韓国の首脳部といろいろの場面で接触されました。その接触の結果として、後宮大使の強い感触として報告が来たのが先ほど私が申し上げましたことでございまして、具体的にだれがどういう表現であったとかということについては、私ども必ずしもことばどおりには聞いておりませんが、わがほうの出先大使がそういう強い感触を得られているという以上は、大使個人としてはそういうことは起こらないという相当の確信を持たれたものだと私どもは想像しているわけであります。
○河上委員 いま金大中氏の生命の安全がかかっているわけでございますので、いまのようなあいまいなことでは約束にならないと思うのです。後宮大使が日本へ帰られたときの報告の時点ははっきりしておりますけれども、韓国政府と後宮大使との間にそういう話があったのはいつであったか、どういう形であったかをここで明らかにしていただきたい、こういうことを申し上げたのであります。
○中江説明員 ただいま申し上げましたように、アジア・太平洋地域公館長会議に出席するために一時帰国される直前でございますから、九月十日過ぎだと思いますが、そのころに金鍾泌国務総理、金溶植外務部長官などにお会いになった、その結果としての報告であります。
○河上委員 大平外務大臣に申し上げたいのでございますけれども、金大中事件をあいまいの形で置いておいて、あるいはこのままうやむやにしてしまって、日韓閣僚会議をもし開きます場合には、先般タイでタノム政権に対し学生運動が火をふいたように、そして結果としてタイの前政権の崩壊という事態を引き起こしたと同じように、韓国における学生運動あるいは民衆の抵抗運動を引き起こす引き金になるのではないかということを私は感じているわけでございます。この問題、金大中事件の解決のしかたいかんによりましては、私は、何度も申しましたように、日本の政治的な道徳そのものが問われている事件だと思います。そういう意味で、先般首相が山形で発言した、金大中事件の解決とは別に日韓閣僚会議を開くのだというような発言は非常に危険だと思いますが、その点大平外務大臣、どうお考えになっておりますか。
○大平国務大臣 河上さんは、この事件の処理いかんは韓国の政治から申してもゆゆしい問題であるという御指摘がございますが、同時にこの問題は日本の政治にとっても大事な、処理を誤ってはならない問題であると私は思っております。すなわち、私が内外を通じて納得のいく公正な解決をしたいと申し上げているのはそういう趣旨でございまして、あいまいにうやむやなうちに問題を放置するというようなことは毛頭考えておりません。 それから、先ほども日韓閣僚会議については、重ねての御質問でございますけれども、対韓政策の基本は変えるべきでもないし変えるつもりもないけれども、それを実行するということになりますと、国民のあたたかい支持と協力かなければならぬということは当然のことと考えておりまして、現在の状況は直ちに閣僚会議が開けるような状況ではないと判断しておるというお答えを申し上げたわけでございます。総理大臣の山形発言についての言及でございますが、どういうコンテクストにおいて総理大臣がいわれたのか私よく承知いたしておりませんけれども、対韓政策の基本は変えるつもりはない、そのラインに沿って日韓閣僚会議もいつかは開かなければならぬ問題であるということでございますならば理解ができると思うのでございます。旅先の御発言でございまして、詳しいところを私よく存じないのでございますけれども、責任者といたしまして私はいま御答弁申し上げたような見解を持っております。
○河上委員 それでは先般の首相の山形発言については、大平外務大臣としては、もし新聞に伝えられたような内容、ニュアンスであるならばそれは好ましくないというか、それとは違うというふうな意味の発言だと私は受け取りたいと思うのです。 最近、中近東に新たな紛争の火がふいて、世界を非常に憂慮させているわけでございますけれども、この中東問題について、政府の態度について伺いたいと思いますが、政府はこの問題について、いまどのような見解を持っておられますか、大平外務大臣にお伺いしたいと思います。
○大平国務大臣 まず今日の事態を深刻に憂慮いたしております。そして武力紛争が一日も早くやめになりまして、とうとい人命の損傷が回避されることをこいねがっております。 政府の中東問題に対する基本的な姿勢は、すでに河上さん御案内のとおり国連決議二百四十二号のラインに沿って解決さるべきであるという見解を終始堅持してまいりました。このラインに沿いまして、一昨日も国連の事務総長に対しまして日本政府として、国連が事態の収拾に積極的な手を打つべきである、そして日本政府は、その国連がとられるアクションにつきましては全幅の支持を惜しまないという趣旨の申し入れをいたしておるわけでございまして、私どもといたしましては両当事者が国連決議二百四十二号のラインに立ち戻っていただきまして、早急な解決を生み出すようにしていただきたいと念願いたしております。
○河上委員 そういたしますと、一九六七年の国連安保決議二百四十二号が今回の中東紛争についても解決の基礎になる、これが政府の態度である、こういうふうに了解してよろしいわけでございますね。 今回の中東紛争であらためで石油資源との関係がクローズアップされているわけでございますが、これについていま政府はどういうようなお考えを持っておられますか、伺いたいと思います。
○大平国務大臣 石油が今回紛争にからんでの政治的用具として使われるということは、日本の立場から申しましてたいへん困った事態になる可能性を秘めておると思うのでありますが、目下のところ日本を仕向け地といたしました石油の供給を削減するというような動きにつきましては、まだ一切私どもは聞いていないわけでございます。しかし、日本を対象とするものでなくとも、生産制限が行なわれ、供給制限が行なわれるということになりますと、間接的にわが国の石油需給に影響がありはしないかと憂慮をいたしておるわけでございまして、そういうことのないように関係当事国の理解と協力を求めなければならないと存じ、そのように努力をいたしておるところでございます。
○河上委員 今度の田中首相の訪欧、訪ソの中でチュメニの問題がどのように論議せられたのか必ずしも明らかでないのでございますけれども、西ドイツで田中首相が言明されたスワップ方式でございますか、これはいまの中東情勢から見てはたして合理的なものと考えられるかどうか。あの時点ではまだ中東紛争が起きていなかったわけでございますけれども、今日中東紛争が起きているこの段階でスワップ方式というものについて当然再検討されなければならぬのじゃないかと思いますけれども、外務大臣は田中首相に随行されておった当事者としてどのようにお感じになっておりますか。
○大平国務大臣 中東紛争自体は早期の収拾、解決が望ましいし、そういう方向で関係国の努力でそういう収拾が望ましいと考えておるわけでございますが、石油の問題は長期にわたっての問題でございます。とりわけわが国のように石油資源のほとんど全部を海外に仰ぎ、またそのほとんど全部を中近東に仰いでいるという国といたしまして、将来増大する石油資源の需要をどのように満たしていくかということについて、今日火をふいておる中東紛争に重大なる関心を持ちますけれども、それを越えた長期的視野に立ちまして常に考えておかなければならぬ課題であると思うのでございまして、田中総理のスワップ構想というのは、グローバリーに申して、石油資源の開発ということを各国と協力してやろうじゃないか、そして日本に近いところで開発された油は日本に供給を受けたい、ずっと離れたところで開発されるものに日本が参加いたしました場合には、そこで産出された石油を何も日本へわざわざ回航する必要はないじゃないか、そういうことで各国が共同で研究もし、努力もしていかなければならぬと思うがどうだという提言を各国首脳にいたしたわけでございまして、各国の首脳におかれてもこれを原則的には了承されたと思うのであります。 もとよりこれは平和を前提とした話でございまして、すなおにそういうことを田中構想として打ち出されたものでございます。グローバリーに石油の資源を開発するということ、そして複数の国が参加していくということは、いまお尋ねのサイベリアの資源についても例外ではないわけでございまして、この地点はこうする、この地点はこうするという、それぞれの地域についてそれぞれの方式を打ち出したわけでなくて、全体として大まかにスワップ方式でという考えを基礎において、共同開発ということが考えられるではないかという提言でございまして、それはそれなりに各国の理解を得られたものと私は思います。
○河上委員 今度の中東の紛争は、いま言いましたような、日本を中心としたグローバルな構想というようなものに対して一つの頂門の一針になっているのではないかという気がするわけでございます。グローバルと言いながら、実は日本中心の資源対策という印象が非常に強いのであって、そういうことではいけないのだ、もっと世界のそれぞれの国のそれぞれの地域の独自な利害関係、主張というものを十分に勘案しながら、それとの相互理解の中で初めて資源対策というものは打ち出せるのじゃないかということを今回の事件は教えているように私は思うのです。一方的に、日本がこれだけの資源が必要である、ついてはどこそこを開発する、そっちをこっちへ回せというようなことではいかぬのだということを今度の事件は教えていると私は思うのです。 それはそれといたしまして、もう一つ今度の事件でお伺いしたいと思いますのは、イスラエル軍の攻撃によりまして日本のタンカーが沈没をしたという不幸な事件が起きております。これについて、この損害はだれが負担するのか、外務大臣、その責任の所在、また今回の状況をいわゆる通常の戦争というふうに見るのか、何かそれとは違った形の状況と見るのか、また今後これをどういうふうに解決するのか、今後こういう事件が戦争状態が長引くにつれていろいろ起こってくると思うのでありますけれども、これについて政府のお考えを伺いたいと思います。
○田中説明員 ただいま御質問のシリアにおきます邦船の被災事件、これは現地時間で十一日午前一時三十分、シリアのラタキア港で起こった事件でございます。日本郵船所有の貨物船山城丸——これはタンカーでございませんで、貨物船でございます。これがシリアとイスラエルの双方の海軍艦艇の砲戦の際に被弾をしたわけでございますが、この山城丸は荷役を終えまして出港をしようとしておりましたが、付近が危険水域、戦闘水域に指定されまして、出港を停止されておったのでございます。たまたまこういう不幸な事件があったのでございますが、いろいろ御質問の内容は、その被災当時の状況、これを調査をする必要がございまして、乗り組み員の三十七名、船長以下は無事船から脱出いたしまして、一昨日十七日に帰国いたしておりまして、本日、日本郵船のほうでいろいろ事情聴取を行なっておるというふうに聞いておりますが、われわれもその結果をまちまして、これがどういうケースに相当するかということを検討いたしたいと思っております。
○河上委員 これから検討されるということでございますけれども、こういう戦闘状態における第三国の損害賠償について、国際法的に見て、日本として主張し得る範囲、条件、そういうものは、どういうように政府としては考えておるか。またその見解に基づいてどのように行動するつもりであるか。それからいまちょっと聞き漏らしたのでございますけれども、今度の事件が起こる前にイスラエル側あるいはアラブ側より危険だからということで退去の警告が出ていたのかどうか。そういうようなこともちょっと伺いたいと思います。
○松永説明員 国際法上の問題についてお答え申し上げます。 現在の状態が、一般国際法上いわれるところの戦争というものに該当するとは私ども解釈いたしておりません。しかしながら、事実上そこに戦闘行為、武力行使を伴います戦闘活動が行なわれているということから、事実上は、そこに戦争と同じ状態があるというふうに見ております。したがいまして、その場合どういう国際法が適用になるかということを申し上げますと、いわゆる戦時法規、国際法の戦時国際法が類推適用されるというふうに考えるのが、最も至当であろうと思います。 そこでどのような戦時国際法があるかと申しますと、この場合に当てはまりますものとして考えられますのが、一九〇七年の戦時海軍カヲ以テスル砲撃ニ関スル條約というのがございます。これはシリア、イスラエル、ともに当事国ではございませんけれども、国際慣習法の原則を掲げていると一般的に考えられている条約でございまして、この条約の規定に従って今度のケースを当てはめて考えてまいりますと、あそこのラタキア港が国際法上防守された港であるか、防守せられざる港であるかということによって、その責任の所在が変わってまいります。国際法上、そこの港が防守港であるという場合は、イスラエル海軍——これは実は、事実がまだ十分確認されておりませんので、仮定の問題としてお答え申し上げることを御了承を願いたいと思いますが、かりにイスラエルの海軍の砲撃によって被害を受けたということを考えました場合に、イスラエル海軍は無差別砲撃を行なうことが認められておりますから、その際山城丸、邦船の損害についていろいろな責任を問われるということはないと解釈されるわけでございます。逆に、国際法上防守港でないという場合におきましては、イスラエルが無差別砲撃を加えた結果損害が発生したという状態が確認されますれば、イスラエル側にそれに対する責任が生ずる。それからまた、イスラエルが山城丸というものを目標にして砲撃をしたという事態、これがまた確認されますれば、当然のことながらイスラエルにそれについての責任が生ずるということになる。それから今度もう一つの場合といたしまして、イスラエル海軍が軍事目標を砲撃するという意図をもって砲撃をして、その場合過失または不可抗力によって山城丸に損害を与えたということになりますと、この条約の規定によればイスラエルは責任を負わないということになってくるかと思います。 したがいまして、ひっくるめて申し上げますと、現在事実が十分に究明されておりませんので、その事実関係の究明の結果、国際法上イスラエルに責任がある場合があり得るわけでございますから、その場合には当然のことながらイスラエルに対して責任を追及していくということになろうかと存じます。
○河上委員 国際法上の見解はいま伺ったわけですが、それでは現在起こっております山城丸の事件につきまして、日本政府はこれに対してイスラエル政府に対しどのような行動に出られるか、かつて上海事変のときに揚子江で、たしかアメリカの砲艦だと思います。商船じゃなくて砲艦ですが、パネー号が沈没したときに賠償問題が現実に起きている先例があるわけです。そういう点から見ますと、今回は完全なる商船であります。そういう点から見まして、ましてや、先般テルアビブの事件がありましたとき、日本としては国際法上の立場のいかんにかかわらず何らかのことをしたという先例もあるわけです。それとのバランスということではありませんけれども、今回こういうような事件が起きたのに対して、日本はイスラエル政府に対して当然ある種の行動をとるべきだと思いますけれども、それについて政府はどのような処置をとられるつもりか。外務大臣並びに当局者の御意見を承りたい。
○田中説明員 先ほども申し上げましたように、現在事情聴取中でございまして、海難報告は写しを見ておりますが、これがとても十分でございませんので、調査を完了しまして、その状況に従いましてしかるべくイスラエル側に申し入れをするなりあるいはその他の方法をとるなり、状況に応じた措置をとりたいと思っております。
○河上委員 大平外務大臣、この問題は先ほどの中東問題全体の解決策とある種の関連があると思いますので、特に重ねてお伺いしたいと思いますけれども、いま局長が言われた御答弁では、いささか不満足でございます。もう少しこの問題について政府として積極的な態度をとられるように希望したいと思うのですが、大臣いかがでございますか。
○大平国務大臣 政府は、この事件が起こりまして、まず船員の安全を確保しなければなりませんし、また海難の状況を調べなければなりませんので、イスタンブールの領事館に全員いっていただきまして、一応の調査はいたしたわけでございますが、いま田中局長から御報告申し上げましたように、一応の海難報告だけでは足りませんので、乗り組み員から事情をいま聴取中でございます。したがって、この事情を踏まえた上で、とるべき措置は遅滞なくとりたいと考えております。
○河上委員 それでは、今後その結果についてまたこの委員会で御報告を受けたいと思いますが、政府として時期を失しないように、き然とした態度をとっていただきたいと思うのです。 きょうはこれで質問を終わります。
○藤井委員長 鯨岡兵輔君。
○鯨岡委員 外務大臣、私、いつもそう考えていることをこの機会にちょっとお尋ねしてみたいと思っているのですが、お尋ねというよりは、外務大臣がどんなふうに考えておられるか。それは、総理や外務大臣か、重要な外国における会議、交渉、そういうことで出かけていって帰ってくる。そのことの成果については国民は非常に心配しているわけです。それはいち早く外務委員会等をすぐ開いて、できれば総理大臣も、外務大臣ももちろん御出席になって、ここを通じて国民にその結果、経過を知らせるということが私は大事な事だと思うのです。もちろん、飛行場なんかで記者会見をすることは、非常に丁重なもてなしを受けたとか、そういうことはもちろんあるでしょうが、内容等について、いろいろなところでもっていろいろな御発言をなさっちゃったあとで、御都合のよろしいときに時間をもらって外務委員会を開くというようなことは、これはどういうものだろうか。そういうことでなしに、もう慣例として、重要な会議からお帰りになったならば、総理大臣、外務大臣がここを通じて国民にその経過並びに結果を知らせるというようにする必要がないかどうか。私は十分あると思っているのですが、この点について、外務大臣、どうお考えになりますか。
○大平国務大臣 私どもといたしまして、いま鯨岡委員が言われたように、帰朝後直ちに国会のしかるべき委員会または本会議等を通じまして御報告の機会か与えられますならば、たいへんしあわせだと思っております。
○鯨岡委員 そういうことについて、これからも私、委員会のみなさんともはかって、十分ひとつそういうふうにしていきたい。そうでなければうそだと思うのです。外務委員会で、お帰りになってから一週間も半月もたってから、新聞の伝えるところによればというようなことを言っていろいろ事態を究明することは、私、たいへん誤りだと思いますので、これは委員長もお聞きのとおりですから、この外務委員会はやはりそういうふうにやっていきたい、こう思っているわけであります。 次は、私、質問の概要はすでにお伝えしてございますので、私もなるべく簡単に御質問申し上げたいと思いますが、お答えも簡単にひとつお願いいたしたいと思います。 今度えらい御苦労なさって、総理ならびに外務大臣のソ連での交渉があったわけでありますが、その結果は、今度共同声明が出ていますが、共同声明は、戦後の未解決な問題を討議するため、一九七四年というのですから来年中に話し合いをするということをきめてありますが、この未解決の問題というのは領土問題、すなわちわれわれからいえば歯舞、色丹、国後、択捉の四つの島の返還ということにしぼられていると理解してよろしいのかどうか、この点についてソ連側もそのとおりですと合意したのかどうか、そこのところがよく私にはわからないので、この機会にひとつはっきりしていただきたい。 すなわち、いままでソ連はしばしばにわたって領土問題は解決したのですという言い方をしていたのですから、そうじゃありません、来年中に平和条約について話し合いをしましょう、その手順、そういういろいろなことはこれからやるにしても、来年中にやりましょう、しかし、そのときには日本側としては四つの島の返還が基本なんですよ、おわかりですね、わかりましたと、こういうふうになったのかどうかということについて、外務大臣からはっきりひとつ教えていただきたい、こう思うのです。
○大平国務大臣 今度の日ソ百脳会談の内容といたしまして、日ソ間にありまする領土問題、漁業問題、経済協力問題、未帰還邦人の帰還問題、それから墓参問題等、全部洗いざらい両首脳の間で討議されましたことは事実でございます。しかし、そのうちで一番精力もさき時間もさいたのは領土問題でございました。今度の会談の結果、双方で共同コミュニケを出したわけでございます。そしてそれには両首脳、両外務大臣が署名いたしたわけでございますが、これには第二次大戦の後の未解決の諸問題を解決して平和条約を結ぶことが重要であるという認識が一つ述べられております。それで今度の会談におきまして、平和条約の内容に関する諸問題について交渉したというのが第二点としてうたわれております。第三点といたしまして、一九七四年中にこの交渉は継続して行なうという三点が共同声明で明らかになっておるわけでございまして、これからお考えいただきまして、いまの御質問は、この未解決の諸問題の中に領土問題が含まれていることは当然の両国の了解であると私は存じております。
○鯨岡委員 この問題もう少し、ぱっとわかるように御説明いただきたいと思ったのですが、外務大臣えらい慎重な御発言でございますが、従来しばしば領土問題は解決しちゃったのである、何も解決してないことはないよ、あれはもう解決しちゃったのだ、こう言っていたソ連でありますから、来年中には平和条約について話し合いましょうね、わかりました、その話し合うときには前提として、日本としては四つの島の問題が前提なんですよということを総理大臣は非常に精力的に言われた、それはおっしゃるとおり、報道もかなり詳細に伝えておりますが、それはわかったということで、未解決という、従来言っていたそのことが大きく後退したのだと日本国民は大きく期待しているのですが、そういう期待は誤りですか。
○大平国務大臣 総理大臣は多くの精力と時間をさきまして、日本は四つの島の返還ということが平和条約締結の前提条件であると心得ておるということを中心にいたしまして、精力的な折衝をいたされたわけでございます。これに対しまして、先方は、それは理解できるが一朝一夕には困難である、去年グロムイコ・大平会談で第一回の交渉がやられたばかりじゃないか、第二回で、この問題をすぐ解決するというようなことはむずかしいということを何度か先方の首脳から言明がございまして、これは日ソ親善関係を深める中において継続して交渉しようじゃないかということでございました。 それで、私が去年第一回の交渉を行なったわけでございますが、その後のプレスリリースはこうなっておるのでありまして、両者は平和条約の締結について双方の立場を主張し、意見の交換を遂げた、交渉はまた続けてやるということがうたわれておるわけでございます。今度の共同声明を注意深く読んでいただきますと、意見の交換あるいは立場を述べるという表現はないわけでございまして、端的に交渉したという表現になっておるわけでございまして、そういう点から、いまのあなたの御質疑には共同声明はこたえておると私は思います。
○鯨岡委員 南樺太に朝鮮の人が大ぜいおられて、日本へ帰りたいという人が相当おる。これは外務大臣お聞きのとおりで、そのことも交渉の中に入れられたと承っておりますが、あれはどんなことになりましょうか。
○大平国務大臣 たくさんの方がおられるわけでございますが、日本政府に対しましては帰国したいという希望は来ております。しかし、先方に話しをいたしました結果、ソ連政府には何らそういう希望が表明されていないということでございます。日本人の帰還者につきましては、ちゃんと日本側で家族の者まで含んで名簿ができておりまして、その名簿を直接最高首脳に手渡して、先方も善処を約したわけでございますが、韓国人につきましてそういう名簿は私どものほうは持っておりませんで、希望はもたらされておるけれども、具体的にどういう方々が何名おられるのかということまで事実を確かめておりませんので、以後事実を確かめた上で先方に通報することになっております。
○鯨岡委員 時間がありませんから、この問題もう一回お尋ねしておきますが、それは外務大臣ちょっと違うのです。韓国人で向こうへ戦争のときに連れていかれたり行ったりした人たちで日本人の妻を持った人たちはこれは帰れたのです。ところがそうでないような人たちのうち、私の記憶に誤りなければ約七千人ぐらいぜひ帰りたい、早く帰りたいと言うている人たちがありまして、その名簿はこちらへ、日本のほうへは来ております。そのことについては官房長官のところへ私は総理がお出かけになる前に提出をいたしました。そうしたら、もう提出されるまでもなくそれはある。そのことは十分外務省から話を聞いて総理は交渉することになっているから、その成果についてはわからないけれども、一生懸命交渉するというお話だったのです。だからこちらがわからないということはないわけなのです。ただ、向こうがどういう事情でかそれがおくれているわけですから、一日も早くその希望をかなえさせてやりたい、こう思っているのですが、外務大臣でなくてもけっこうですよ、その問題どうなっているのですか。
○新井説明員 お答えいたします。 いままで大体推定される在サハリンの韓国人希望者は、おっしゃるとおり約七千人と承知しております。このうちでわがほうがほぼ確認し得た帰国希望者の数は約二百人でございます。これにつきましては速急にリストをまとめましてソ側に提出し、その善処を求めるという措置をとることになっております。
○鯨岡委員 七千人のうち二百人が帰りたいというと、残りの者は帰りたくない人だと考えていいのですか。
○新井説明員 希望者がない以上はほかの人は希望していないと考えざるを得ないと思います。
○鯨岡委員 この問題、数字に私の了解と大きく違う点がありますので、次の機会にまた御質問することを保留しておきます。 それから外務大臣、新聞には大臣たちが一生懸命になってソ連と交渉しているさなかに、アジア安保という問題についてブレジネフ書記長からかなり強い熱心なお話があったということですが、共同声明にはこのことについてさがしたのですが、ないんですけれども、どうしてないのかなあということと、ブレジネフ書記長のアジア安保構想というものはどんなのかなということを、新聞には書いてありましたけれども、外務大臣の口から簡単でけっこうですが、お話しいただきたい、こう思います。
○大平国務大臣 今度の首脳会談ではアジア安保問題は全然取り上げられませんでした。したがって、共同声明にもうたわれなかったことは当然と考えております。アジア安保構想というのは党大会においてブレジネフ書記長が提言された構想と聞いておるわけでございますが、詳しい内容につきましては私はまだ解明を受けておりませんので、解説するほどの自信はありません。
○鯨岡委員 先ほども御質問がありましたが、金大中事件ですけれども、河上さんから、しばしば政府内の意見が相違しているのではないかという印象を国民が受ける。法務大臣が何か言われる、そうすると官房長官がそれと違うようなことを言われる、総理大臣がお話しになる、官房長官がまたそれを言われる。外務大臣はどういう御意図か、まあわからないことはないのだがという先ほどのお話。これはわれわれのようなものでも、あれっと思うのですから、国民はちょっと内閣の中で意見が違うのかなというような感じを持つのは当然だと思いますが、どうしてそういうふうになるのか、外務大臣、どんなふうにお考えですか。
○大平国務大臣 この問題につきまして、いろいろな方がいろいろな立場で御心配をいただくのはありがたいことだと思っております。ただ、日韓の間に起こりました不幸な国際刑事事件でございますので、事柄の性質上外務省が担当いたしまして処理しなければならぬわけでございまして、また外務省以外において処理するという性質のものではないと私は心得ておるわけでございますので、この問題につきましては外務省のほうでどうするか、どう言うかということを中心にお考えをいただきたいと思います。
○鯨岡委員 私の質問に御親切にお答えいただいたとは思えないようなお話なんですが、それはそれでいいでしょう。それはもちろん外務大臣の言われるとおりですからいいですが、国民が不審に思いますから、このことは御注意をくだすっていただきたいと思うわけです。 先ほど河上さんの御質問に対していまの状況は直ちに閣僚会議を開くような状況とは考えていない、こういうきわめて慎重な御発言があったわけでございますが、そういたしますと、こんなふうに理解してよろしゅうございましょうか。金大中事件について韓国から何か誠意のある解決策が示されないならば、あるいはある種の進展がないならば、閣僚会議は開かれないし、あとは外務大臣の言ったことじゃありませんが、まことに遺憾なことだけれども、いろいろな経済協力などについても十分協力的にはなり得ない、こんなふうに私としては政府の考えを理解して、そんなに間違いじゃないでしょうか。
○大平国務大臣 政府が日韓閣僚会議をいつ持つことにするという判断をし、それを発表した場合に、国民として政府のとった措置は理解できるような状況であってほしいと私は願っております。
○鯨岡委員 いま私が申し上げたことがおおむねそのとおりだというふうに言われたと判断をするわけでございます。 中東紛争の問題については先ほど河上さんからかなり詳しい御質問がありましたが、これは国民としてもえらい心配です。油の値上がりはするし、これは紛争と直接関係があるかないかは別としてですが、それから直接より関係があるのは量が減る。毎月前の月の五%ずつ減っていく。二十カ月たったらなくなってしまう。アメリカが主体ですが、アメリカに関係の深い日本も影響を受けないわけにはいかないと国民は考えているわけです。そうすると油を使うほう——まあとにかくいろいろな問題がありますから、外務省を中心としてこの問題に関係のある閣僚において最近会議か何か開かれてどうするというような、いま日本にどのくらい油がある、どういうふうな規制をしなければならぬというような話し合いがありましたか。
○大平国務大臣 政府も事態につきましてたいへん心配をいたしておるわけでございまして、関係各省において寄り寄り協議をいたしておることは事実でございます。先ほども御答弁申し上げましたように、値段の点はともかくといたしまして、対日供給を削減するというような措置が直ちにとられなくても、間接的に影響が生ずるおそれがあるという意味におきまして、この問題は慎重に対処していかなければならぬ課題だと心得ておるわけでございます。 ただ問題は、油の問題は産油国がございますし、消費国もあるし、政府の願いとするところは、消費国側で産油国側と対立的な状況になるということは非常に危険なことだと考えておるわけでございます。産油国、消費国あわせて十分の理解の上に立って問題の処理をせねばならぬという心がまえのもとで、いろいろ協議をいたしておるところでございます。
○鯨岡委員 この問題はこれで終わりますが、後手にならないように、いま外務大臣の御発言の御心配は全くそのとおりだと思います。しかし、関係するところが外務省だけではない。使うほうになりますと別の省もありますから、十分御連絡の上、あとから悔やむというようなことのないように、ひとつ十分慎重にやっていただきたいと思います。事波及するところきわめて重大なもので、国民は非常に、経済界のトップじゃなしに、町の人たちまで心配し始めているということ、このことを申し上げておきます。 最後に、時間もありませんが、これはこの次また機会を近いうちに得て、来年の通常国会等にできれば御解決を願いたいという意味できょう申し上げておきますが、外務大臣、お考えおき願いたいと思いますが、阿波丸の事件です。阿波丸事件は、この概要を申し上げておると長くなりますから申し上げませんけれども、先ほど阿波丸事件についてお尋ねをしたいということを申し上げておきましたから、すでに御存じでしょうが、あれは七万円見舞金を出しただけで終わっているのです。その七万円の金額も少ないということ、これも立証できますが、一人の場合には七万円、同じ家族で二人の場合には十四万円じゃなくて十二万円、同じ家族で三人いた場合には、七万円の三倍の二十一万円じゃなくて十五万円、こういうふうにしたことは、見舞金の性格を如実に私は表明していると思います。だから、あの二千何名というのですからそんなに大きな数じゃありませんから、政治に圧力をかけるような要望にはなっていませんけれども、これはひどいじゃないかという叫びがずっと続いているのです。 それで、ここに全部名前がありますが、自民党百二十二名、社会党九十名、公明党四十七名、民社党三十二名、共産党十四名、衆議院三百五名、この選挙の前ですから。参議院では自民党六十五名、社会党六十三名、公明党二十四名、民社党九名、共産党七名、無所属二名で百七十名。衆議院で三百五名、その中には閣僚経験者十数名、それから参議院で百七十名、もっともです、それは何とかしなければなりません、こう言っているのです。そのことに賛成しているのです。それをそのままにしておくということは、私は政治の信用を回復するゆえんじゃない、こう思うのです。大きな声でわっと言えば——そう言っちゃ失礼で、少し言い過ぎをお許しいただきまするが、多少理の通らないことでも通ってしまう。どんなことでも小さい声だと通らない。どんなに理が通っていても通らない。それはやはりいけないことだと思いますので、このことは解決しちゃったんだというふうにお考えにならないで、いままでの速記録等をよくお調べの上、これは外務省の担当ですから、来年度には何ほどかのことをして、この問題に最後の終止符を打っていただきたいという強い希望があります。内容については、申し上げるまでもなく御存じだと思いますし、また申し上げる時間もありませんが、もしお答えがなければそれでもけっこうですけれども、この次また機会を得て御質問いたしたいと思います。 どうぞよろしくお願いします。
○大平国務大臣 よく検討させていただきます。
○鯨岡委員 終わります。
○藤井委員長 金子満広君。
○金子(満)委員 最初に、ベトナムの関係で質問したいと思います。 御承知のように今年九月二十一日に、日本国とベトナム民主共和国の間には、交換公文と共同声明で国交樹立についての合意がなされたわけであります。その共同声明では、「両国間の関係の発展を希望して、両国間に外交関係を設定し、特命全権大使の資格を有する外交使節を交換することを決定した。」こういうふうにあるわけですが、最近、ベトナム民主共和国と日本国との間で人の交流を望む声が非常に大きくなっています。また、文化や経済の交流についてもそうでありますが、政府、外務省のほうとしては、大使館の設置の準備また予定がどのようになっているか、最初にお伺いしたいと思います。
○大平国務大臣 北越大使館の設置でございますが、本十月十九日、きょう付をもちまして設置の政令を施行することにいたしました。そして館員二名を、実館設置までの間とりあえずの措置としてラオスに派遣いたしまして、本日付をもちましてハノイ大使館兼任の発令を了したわけでございまして、実館設置を急ぎたいと考えております。 〔委員長退席、鯨岡委員長代理着席〕
○金子(満)委員 そうしますと、入国ビザその他は、ラオスの兼任の在外公館のところで扱うということになりますか。
○中江説明員 入国ビザは、先生も御承知のとおり、日本の在外公館ならどこでもいいわけでございまして、今回北ベトナムとの間に外交関係が設定されました現段階におきましては、日本の方々にございますいずれの在外公館でも、承認国の国民に対する入国査証の付与ということで、他の一般承認国外国人と同じ扱いを受けるわけでございます。ただ、ハノイから出てこられますときには、交通の便あるいは地理的接近度その他から見まして、おっしゃいますように、ビエンチャンの大使館でビザをもらってこられるのが一番便利で、そのケースが多いのではないか、こう思っております。
○金子(満)委員 同じくその関係ですが、九月二十一日の共同声明以後、日本の外務省とベトナム民主共和国との側で、その他の問題について話し合いが進んでいますかどうですか、その点お聞きしたいのであります。
○中江説明員 これは共同声明によりまして、ただいまお読み上げになりましたように、すみやかに特命全権大使の地位を有する外交使節を交換するということに合意を見ておりますので、さっそくお互いに大使館を設置する問題につきまして事務的な話し合いを、パリの日本の大使館とパリにあります北ベトナムの大使館との間で話し合いをしてまいりまして、先ほど外務大臣が紹介いたしましたように、本日付でとりあえず二人の館員をラオスに派遣いたしまして、ハノイの生活事情その他先方の大使館設置についての準備その他を打ち合わせて大使館実館の開設を急ぎたい、こういうふうにしておるわけでございます。
○金子(満)委員 そこでもう一つの問題ですが、パリ協定を踏まえてやる、つまりパリ協定を尊重するということでありますから、日本の政府及び外務省は、当然南ベトナム臨時革命政府を敵視はしていない、これははっきり言えることだと思うのです。同時に、南ベトナムの臨時革命政府統治下の民間団体の代表は、去る七月日本に入国した経験もございますので、今後こういうケースも私は多くなるのだろう、こういうふうに思いますが、パリ協定を踏まえ、そしてまたそれを尊重してやっていく臨時革命政府、この存在は協定にも明記されているとおりでありますから、人事の交流、入国、こういうことは当然認めていく方針だと思いますが、その点はいかがですか。
○中江説明員 ベトナムに関しますパリ協定を、日本といたしましても歓迎いたしましたし、また、それが四当事者によって忠実に順守されることを期待して、ベトナムに和平が定着することを望んでいるわけでございますけれども、その中の南ベトナムにつきましては、従来、日本が正統政府と認めておりますベトナム共和国政府というものを、引き続き日本政府としては南ベトナムにおける唯一の合法政府であるという立場を堅持するという点につきましては、これはことしの九月二十一日の北ベトナムとの外交関係設定の際に、外務省が公に発表いたしました中にも触れてあるわけでございます。 ただそのことと、南ベトナム臨時革命政府というものがパリ協定の当事者として持っている地位を尊重しないということとは関係がないのでございまして、日本政府がパリ協定によるベトナムの和平を希望する以上、パリ協定の当事者としての南ベトナム臨時革命政府というものの存在は、これは尊重し、そしてパリ協定にありますようなベトナム人全体による自決権の尊重、また、パリ協定にうたわれている民族自決による南ベトナムの最終的政治的解決、こういうものを待ち望んでいるわけでございます。 それで、入国の問題になりますと、これはとりあえず第一義的に主管は法務省の入国管理局の所掌するところでございますが、したがいまして、具体的に入国の申請かありましたときに、場合により外務省に協議があり、私どもの考えを述べる機会もあるかと思いますが、私どもの考えといたしましては、いま申し上げましたように、南ベトナムに在住する南ベトナムの人が臨時革命政府の発給する旅券を持って入国を申請されますということになりますと、日本政府が、先ほど申し上げましたように、現段階では南ベトナムにおける唯一の合法政府はベトナム共和国政府であるという立場をとっております以上、その旅券を有効な外国政府の発給した旅券と認めるわけにいかなくなりますので、そこで入国は普通の外国人の入国のようにはまいらない事態があるだろう、こう思います。
○金子(満)委員 九月二十一日の外務省の見解は、これは一方的見解でありますから、双方が合意したものではもちろんありません。で、それ自身について言えば、私はもちろん異議があるしするけれども、時間がありませんから結論だけ申し上げますと、パリ協定を尊重するということと、南ベトナムにおける唯一の政権はサイゴン政権だということは矛盾しているわけです。これは日本政府の独特の解釈であって、国際的に通用するものじゃないと私は思うのです。これはかつて日本政府が、サイゴン政権は全ベトナムを支配するといった見地を出したこともあるわけですから、この問題は別の機会にただすとして、一応この問題はさておいて、次に中東問題と日本との関連で政府の考えをお聞きしたいと思うのです。 いわれているように、イスラエルの侵略によって中東全体が戦争の中にある、そうしてまた石油の問題も、日本の国民生活にとっても重大な情勢をつくり出している、こういうことになっているわけですが、報道されているところによると、きょう午前中にエジプトなどアラブ十カ国の駐日大使と大平外務大臣が会うことになっているという報道ですが、お会いになったのですか。なったらその内容を最初にお聞かせ願いたいて思うのです。
○大平国務大臣 本日午前九時に、アラブ関係九人の大使と一人の臨時大使とお目にかかりまして、口上書の手交を受けたわけでございます。その内容はあとから中近東局長から説明させますが、私のそれに対する答えは、先ほど河上委員にお答えしたような筋道で日本の立場を説明しておいたわけでございます。
○田中説明員 本日、在京アラブ諸国大使団から外務大臣あてに手交されました口上書、私、そのものを持ってまいりませんので記憶によって御説明申し上げますが、これはまず、ただいまの戦火が起こったゆえんのものは、イスラエルが安保理決議を守らずにいるためにこのような戦火が起こってきたものであって、アラブ諸国は非常にこれに対して憂慮をしておる、それで、この点につきまして日本が従来とってきた基本的な態度、これに沿っていかなる見解、立場にあるかを聞かせていただきたい、さらに、日本が積極的にこれの解決のためにどのような態度をとり得るか、こういう点を質問したものでございまして、それについて外務大臣から見解が述べられた次第でございます。
○金子(満)委員 その見解というのはどういう見解ですか、ちょっとお聞かせ願いたいのですが……。
○大平国務大臣 まず第一に、中近東情勢については日本政府として深い憂慮を感じておる、身をもって戦争の惨禍を経験した日本といたしましては、戦火が一日も早く終息して、人命の犠牲が回避されることを強く希望するという点が一点でございます。 それから第二点は、日本政府は、各大使も御承知のように、中東問題が起こりましてから以来終始一貫、国連の安保理決議二四二号を軸にいたしまして、その決議の趣旨を堅持してこれに対処してまいりました、そしてそのラインに沿って、本月十七日に国連事務総長に対して申し入れを行なったのも、その趣旨のものであるということを述べたのでございまして、その中で、積極的に、建設的に日本として措置できないかという質問があったわけでございます。われわれといたしましては、国連が平和維持の責任を持っている以上は、国連が積極的なアクションをとるべきである、その場合、われわれは全幅の支持を惜しむものではない、しかし、とりあえず難民問題等もあるので、これとても国際赤十字等の機関を通じておやりになる場合は、これまた日本は応分の寄与をなすつもりである、そういう態度であることを了承してくださいというように御説明いたしたわけでございます。
○金子(満)委員 国連の安保理の二四二ですか、この決議でいいますと、イスラエル軍が撤退しろということがはっきり書いてあります。つまり、撤退するということは、そこに入っていることが間違いである、これがもちろん前提にあります。人の領土に入ったのだから、侵略したということもはっきりしているのです。 それからさらに、二四二の決議によりますと、すべての国の主権、領土を尊重する、政治的な独立を保障する、こういうことになっているわけです。そうしますと、今回の戦火というものの原因はどちらが攻めたか、攻められたかということが当然問題になりますが、一口で言えば、イスラエルがやっている行為は、一九六七年から今日に至るまで、国連の決議を全然守ってない。そして占領した地域から撤退をする気配もなければする意思もない、むしろそれをどんどん拡張する、侵略してくる、こういうことだと思うのですね。 そうしますと、大臣言われるように、国連の決議、これは満場一致でありますから日本政府も賛成したわけで、イスラエル軍は撤退をしなさい、六七年のあの六日戦争の以前のところまで下がりなさいということは、私は言ってしかるべきだし、言うことが正しいと思うのですね。そうしますと、非常に憂慮していて、戦火が終息するように望んでいる、まあ難民問題でいろいろおっしゃるなら、資金の若干は出してやりましょうというような受動的、消極的態度でなくて、この問題をはっきりさせるように、この点でひとつもう一回聞きたいと思うのです。 続けて、関連がありますが、これもまた報道されておるところであり、われわれも若干の情報でつかんでいるわけですが、イスラエルに対するアメリカ軍の武器輸送の問題です。この点については、広島の広弾薬庫からイスラエルに向けて大量の弾薬が輸送されているという報道もあるし、間違いないという人の意見もあります。十月十七日、おととい大がかりな弾薬輸送が開始されている。その船はグリーンフォレストである。そしてアメリカの呉地区輸送事務所が呉の市議会に連絡をしてきたところによると、十月十五日から二十二日までの間弾薬を積み込むためのトラック運送、これを申請してきているということであります。これはことしになってから同弾薬庫、呉の問題としては一番長い期間である。これが一つの問題。 もう一つは、そのグリーンフォレストという船は、十月十二日に外国へ向けて出港を予定しておったものを、急遽予定を変えて広弾薬庫沖に停泊をして弾薬を積み込んでいる、こういうことがいわれているわけであります。この点について質問をするわけです。これが二番目です。 第三番目には、時間がありませんから一ぺんにやってしまいますが、ここで一つの問題を聞きたいのは、昨年の九月十九日に参議院の内閣委員会で、高島条約局長が当時こういう発言をしています。これは相模原の戦車の修理と輸送の問題に関連したことでありますが、その中で、安保条約第六条の趣旨に沿うならば、たまたま一部の部品が極東の範囲外の、たとえばNATOの地域に転用されても第六条に反するものとはいえない、こういうように述べております。NATOまで持っていってもこれは違反とはいえないということであれば、中近東はもっと近いのですから、ここもさしつかえないというような解釈になると、事は、安保理事会の決議を尊重するとかしないとかよりもっと重大な問題になってくると私は思うのです。現にアメリカの第六艦隊、地中海の艦隊に対しては、ヘリコプター用の航空母艦、あるいはまた攻撃用の空母が増派されていることは事実だし、報道されているように、アメリカから武器が送り込まれている。これはイスラエルに対してでありますが、こういう事態もあるわけですから、その辺も含めて、大臣及び関係当局の御意見を聞きたいと思うのです。
○田中説明員 第一の御質問、安保理決議二四二とイスラエルの態度でございますが、これは、安保理決議二四二号の内容は御指摘のとおりでございます。この決議が一九六七年十一月安保理事会で採択されましたときに、もちろんわが国も賛成をいたしております。そしてこの決議は、イスラエルもエジプトも双方とも受諾をいたしております。その後、双方が受諾をしながら現在に至っておりますのは、これまた双方が相手に対しましていろいろと注文をつけておるわけで、言うなれば占領地域からの撤退、これにつきましての条件が双方でかみ合っていないということで現在まできているというふうにわれわれ了解しておりますが、わが国の立場といたしましては、この安保理決議二四二号というものを支持する、これに沿っての解決を希望するという意思表示は終始いたしておりまして、この基本的態度におきましては、最初からいささかも変わっていないわけでございます。 次の、日本の基地から米軍によりまして弾薬が積み出されているということは、実は私、承知しておらなかったわけでございますが、この今度再発いたしました戦争、これに対しますアメリカ及びソ連の援助というものは、確認はなかなかむずかいことでございますが、いろいろな報道あるいは発表などによりまして、双方が行なっているということは間違いのないことだと思います。私の承知しております限り、ソ連が大体十日ごろから、アメリカが十四日ごろから開始をしておるというふうに考えておりますが、内容その他につきましては、もちろんつまびらかにいたしておりません。一般的に申しますと、この戦争に対しまして大国がこのような援助を行なうということは、事態をエスカレートする原因ともなるわけでございまして、われわれといたしましても非常に憂慮をもってこれを見ておる次第でございます。
○金子(満)委員 在日米軍基地から送られているかどうかという、このことは……。
○田中説明員 これは実は私まだ承知しておりません。 第三の点は……。
○金子(満)委員 安保六条。
○田中説明員 条約局長からお答えいたします。
○松永説明員 日本にあります米軍の施設、区域から、いまご指摘がありましたような弾薬等の補給、移出が行なわれておりますかどうか、その事実関係については私存じませんので、その点につきましてはお答え申し上げることができません。 ただ、先ほどちょっと御引用がありました、高島前条約局長の答弁につきまして若干申し上げますと、条約局長の答弁というものは、日本を含みます極東の平和及び安全と全く無関係な地域に対する補給なり移出というものを目的としまして、そのために日本の施設、区域が恒常的に使用されるということである場合には問題になるけれども、たまたまそこにあるものが軍隊の移動、移送等のためにそういう区域外の、たとえば在欧米軍のための補給というようなことがあっても、それは安保条約第六条が禁止しているというふうに考えることはできないという答弁だろうと思います。
○金子(満)委員 時間が終わりましたから、最後に一言だけこれは言っておきたいと思うのです。 国連決議の二四二号でいいますと、イスラエル軍の撤退ということは明記されているけれども、何も条件なんかついていない。つまり無条件撤退なんです。だからエジプト及びアラブ側とイスラエル側で、条件について話し合いがまとまらないからこうなっていたという解釈は、私は、事実に相違するし、これは欺瞞になると思うのです。ですから、これは無条件なんだから、その撤退を要求する。これはイスラエルが悪いということは天下周知なんで、この点を一つ。 もう一つは、私は、広弾薬庫から船の名前までわかっているわけですから、このグリーンフォレスト、これがどういうものであったか、どういう状態にあるかはあとでけっこうですから、ぜひ外務省のほうでしかるべき調査をして知らせていただきたいと思います。 それから三番目の、安保六条の解釈の問題はいろいろあるけれども、大体日本側にみんな不利の解釈ばかりしているのですね。今度入ってきたミッドウエーだって、行動半径はベーリング海峡から南極までと、西のほうはインド洋全体から東はグアム島までだと、こういうふうにいわれて、地球の五分の一がそこに入っている。そうしてまた、恒常的に輸送するなら問題だが、まあ一時的とか何かの変更でやる場合には使ってもやむを得ない、いろいろそういう解釈をすると、安保条約の区域がどこまでかというようなことは、もうないのと同じだ。そこへもってきて平時と平時でない場合というのが、先般の内閣委員会でも大河原局長からも話されている。こうなってくると、何が基準で何を基礎に、根拠にやっているかという点については全くあいまいになってきて、すべては米側に協力をする、米側の立場を弁護する、擁護する、こういうことにならざるを得ないと思うのです。時間がありませんから、後日この問題については明らかにしていきたいと思います。 これで質問を終わります。
○鯨岡委員長代理 沖本泰幸君。
○沖本委員 私は、藤井委員長に同行して訪中いたしました。その点につきましては、きょう外務大臣のところにお伺いしていろいろ御報告したわけでありますが、その点について二、三の御質問をしていきたいと思います。 時間がありませんのでかいつまんで御質問いたしますが、中国に行きまして、問題を日中航空協定にしぼりたいと思うわけでございますが、まず姫鵬飛外務大臣のおっしゃっておる点につきまして、印象といたしまして、まず大平外務大臣に来ていただきたい、そしていろいろ話し合いたい。姫鵬飛外務大臣が日本訪問がすぐできないという条件は、非常に多忙だという御説明があったわけでございます。いわゆるその点に関しまして、小川大使等とのいろいろの話し合いもあったそうですが、その中で、まず一年目は相互理解を深めるということの段階であった、二年目に入ってからは、これからは発展の段階に入っていく、こういう点の小川大使の話には同意をするという関係から、ことしはいよいよ相互関係が発展すると思って、大平外務大臣に来ていただいて意見交換をして、それから訪問したい、こういうふうな意味だったと私は理解しておるわけでございます。 その点に関しまして、まず平和条約はどういうふうに考えておられるかというような話し合いの中から出てきたお話ですけれども、早く実現することを非常に望んでおる。しかし、この点について大平外務大臣が来られてからもっと話し合ってみたい。そして共同声明の線に沿って航空協定、さらに実務協定、こういう話の順序で話があったと記憶しておるわけです。 もし航空協定が実現して解決していけば、貿易から漁業協定その他の実務協定が解決するのだ、こういうようなお話ですから、当然その航空協定が先決問題だ、こういうことになってくるわけでありますが、まずその航空協定をやらなければならないということになってくるわけです。で、大平外務大臣の訪中でその点を解決していくような話になっていくわけですけれども、まず来ていただきたい。 なぜそれを急ぐかという理由は、正常化されてから相互の交流がひんぱんになってきたということから、お互いに非常に不便な交通をやっておる。飛んでくればすぐ直接来れるものを、香港経由で非常な時間をかけて来なければならない。これはもう多数の人になってきて、早く航空協定を結ばなければならない現実があるのだ、こういう話で、これは急がなければならない、こういうことにかかってくるわけであります。 この点について、外務大臣はどういうふうにお考えになり、また、いつごろ中国を御訪問なさるお考えか、その点をまずお聞きしたいと思います。
○大平国務大臣 国交が正常化いたしまして、これからいろいろな仕事に取りかかるわけでございますけれども、まず相互の理解を深め、信頼を固めてまいるということが当面の仕事であるということは、御指摘のとおりでございまして、私は、そういう意味におきまして、日中間におきましては理解も深まり、信頼も固まりつつあるように考えております。 第二に、仕事の手順でございますけれども、実務協定をやり遂げて、それから平和友好条約へという手順も仰せのとおり考えておるわけでございます。しかも、実務協定の中で目玉となるのは、何といっても航空協定である。だから、まず航空協定を結ぶということを第一にいたしたいと私も考えております。 第三にしからばそれはどういう時期かということでございますが、これは、いま沖本さんの言われたとおり、相互の交流が多くなってきておるわけでございますので、できるだけ早く急がなければいかぬと考えておるわけでございまして、そのために私が訪中いたしまして問題を処理するというのではなくて、この日本自体が処理すべき点につきましては、日本が処理した上で訪中いたしたいと考えております。
○沖本委員 平和条約につきましても、外務大臣が田中総理と御一緒に訪中された時期によく話をしたのだ、その点では、結局航空協定が進んでいけばほかのものも全部進んでいく、そしてその平和条約は条約だけのことであるから簡単にできるのだ、だから航空協定が先なのだ、こういうふうな内容の話であったと思います。そういう点からいきますと、航空協定ができなければほかのものは一切進まない、こういうふうな印象を私は現地で受けたわけなんです。 ですから、この点に問題はしぼられてくるのじゃないか、こう考えますから、外務大臣のお考えも同じではないかと思いますけれども、その点について私たち大臣からはっきりした、解決したいとは考えておるがそのうちにというようなことでなくて、はっきりしためどというものをお立てになっていただきたい。また、その腹案というようなものがどのくらいのときにそれができるか、手順をお踏みになっていらっしゃると思いますけれども、その辺のお考えを具体的に伺いたいと思うのです。
○大平国務大臣 先ほども申し上げましたように、実務協定と申しましても、航空協定が目玉であるという認識はあなたと私は同様でございまして、まず、これを仕上げるということに全力をあげたいと考えております。時期といたしましては、これを仕上げた上で、荷物を持たずに北京を訪れたいものだと私は考えております。
○沖本委員 それは時期としては年内に実現できると理解してよろしいのですか。
○大平国務大臣 できるだけ早くやらなければならぬと考えております。
○沖本委員 その辺がちょっとかみ合わないわけですが、私は、もう前から盛んに報道もされておりますし、今度行った場合も、藤井委員長からも年内に相互訪問ということを強く向こうにも申し上げたし、そういう希望も述べておるわけでございますから、向こうもそういうふうに理解していらっしゃると思います。その点に関しまして、その辺まで考えを進めていただきたい。たとえば、貿易協定はもうほとんど解決のところまで来ているのだ、こういう説明もありましたし、しかし航空協定がと、こういうことになっておりますから、当然その航空協定が問題になってくる、こういうことになるわけです。 そのときのお話の中に、突っ込んだお話になりますけれども、一番の問題が飛行機についている旗の問題であるということであって、結局、それをそのままにしていけば二つの中国を認めてしまうようなことになるという結論が出てくるような印象を私たちは受けたわけですけれども、そういう点がこの問題の解決点で大臣はよくその点については、一番の問題点でございますから、十分のものを持っておやりだと思うわけですけれども、最後はこちらが決断をせざるを得ない、こういう結果になってくるわけでありますけれども、そういう決断をしなければならぬ、こうお考えでしょうか、どうでしょうか。
○大平国務大臣 それは日本政府の決断の問題と考えております。
○沖本委員 あと永末先生もこの問題についておやりだと思いますので、時間もありませんから、大きい問題はまたそれぞれのときに詳しく御質問したいと思いますが、ついでに、小さい問題とは言えませんけれども、民間の相互交流の中で青年の船が参りました。しかし、その日程があまりにもあわただしくて、何もできない間にもうかけずり回って見て帰ってしまうということは非常に困るということを上海でも北京でも述べておられたわけであります。そういう点については、まず十分そういう内容の検討をしていただいて進めていただかなければならぬ。これは地方自治体なりいろいろな問題点があると思いますけれども、外務省でもよくそういう点お考えになって、問題が国際間にわたるわけでありますから、十分その点も御配慮していただきたい、こう考えております。 それから、もう時間がありません、もう一点になりますが、先ほど鯨岡先生が御質問になったサハリンの抑留されておった人たちの点に関連してでありますけれども、少し鯨岡先生のお話につけ加えますと、私の聞いたところでは、ソ連の国籍をあえて辞退して待っておるという内容があるわけです。それに二人ほど、その中から許可か実現した人がおるけれども、ソ連側の言っていることは、身元を引き受ける人がおれば帰してもいいというような話が向こうからあった、こういうことがあるわけです。当然韓国の野党側の質問でも主権問題で大きな問題になったわけでありまして、この人たちは日本人として、あるいは強制的にサハリンに仕事に行かされて、そのままこの問題に巻き込まれた、こういうことになりますから、この問題解決には日本政府が大きな責任を背負わなければならないということになってくるわけだと私は考えるわけです。 一方、この間やはり問題になりましたイスラエルの人たちは、どんどん危険をおかしながらソ連からも帰国をはかっておる。事情はいろいろ違いますけれども、いわゆる他国籍の国に向かって帰すという条件においては同じだと私は考えるわけですけれども、そういう実例もあるわけですから、この点もう少し突っ込んで考えていただいて、十分実現をはかっていただくというものが日本政府から出てくれば、また金大中の問題も一歩前進する条件がそこにも生まれてくるということに関連性が出てくる、こう私は考えるわけでありますけれども、大臣並びに関係のお方のお答えをいただきたいと思います。
○大平国務大臣 日本人につきましては四百八名家族を含めて名薄を手渡しまして、先方も善処を約したわけでございまして、韓国人につきましては私どもの手元に材料がございませんでしたので、それを整えましてソ連当局に提出して善処を求めたいと考えております。
○新井説明員 ただいまの大臣の御発言に、若干データに関連してつけ加えさせていただきます。 先ほど鯨岡委員の御質問に答えまして、約七千人が現在サハリンにいると推定される、そのうち帰国希望者は二百名と考えられる。これは確認されている。この帰国という意味はあくまで韓国へ帰国を希望する者の数でございます。そのほかわれわれが理解しているところでは、約千五百名が日本へ帰国を希望しておる、そういうデータがございます。この点ちょっと補足させていただきます。
○沖本委員 中国関係でもう一つ落としたわけですが、中国の里帰りの件につきまして一つだけ、時間がもう少しありますからお伺いしておきたいわけですが、里帰りについては中国側も十分善処する、こういうお答えだったわけで、これは大臣にいろいろお話しを申し上げたわけですけれども、九名の人が里帰りした、それは青年の船で帰って、費用は向こう側が持った、今後もその点については十分協力してやっていく、こういうお話だったわけですけれども、日本側のほうも費用を出した、こういう話も聞いているわけなんですが、その辺、両方から費用が出ていたらおかしいというふうになるわけですけれども、その辺をつまびらかにしていただくことが大事でもありますし、また中国側のほうは、日本へ一たん里帰りして、中国へ帰りたくない、日本にとどまりたいという人はそのとおりにしてあげるということも言っておりますし、大使館のほうにも約四百名希望者が申し込んできておるということも言っておりますので、その問題に対する外務省側のこれからの対策なりをお伺いしたいと思います。
○中江説明員 まず、今回中国においでいただきまして、里帰りの問題について具体的に、特に四百名の希望者がいるというようなことを含めまして貴重な情報といいますか、現状についてお教えいただきまして感謝しておるわけでございます。 ただいま御指摘の三重県青年の船で帰ってまいりました九名の費用の点でございますが、これはいま御質問のありましたようにちょっとごたごたした経緯がございまして、これはもう船が出るという直前になって費用はどうなんだというようなことで往復したようなことがあって、あるいは両方が払っているのではないかとかいうような誤解があったかのようにただいまも拝聴いたしましたので、事実をちょっと経緯といたしまして御説明させていただきたいと思うのです。 まず、最初に、この九名が三重県青年の船で帰ってくるというときに、その船賃については中国政府が負担するのだという話が私どもの耳に入ったわけでございます。これが九月の十何日でしたか、それで九月二十日にわがほうから、それはいずれも日本人の里帰りでございますので中国政府に負担をかける筋合いのものでもないし、したがって日本政府で払いたいけれども、もう船が二十一日に出るというわけでございますので、それで運賃あと払い、つまり運賃は日本に帰ってから日本側で、本人なりあるいは政府が立てかえるなり、あるいは政府が負担するなり、それはさらに検討するといたしまして、まず日本側で払う、あと払いということで申し入れたわけでございます。そういたしましたら、二十一日、その翌日でございますが、船賃は九名からすでに支払われておる、もうすでに支払いが終わっている、切符もできている、したがってあと払いということにはできないということがわかって、ただその船賃がだれによって、財源といいますか、どこから出たお金であったかということははっきりしなかったのですけれども、いずれにしても船賃はもう払ってあった。で、わがほうで、それではだれが払ったのだろうか、最初に中国政府から申し出がありましたように、中国政府が払ったものであればこれはさらに詰めなければいけないということで調べましたところ、船会社からの連絡によりますと、九名は自費で払った、こういう連絡があったわけでございます。 したがって、私どもといたしましては、それなら、まあ自費で払って帰ってこられるのなら中国政府に負担をかけないで済む、こういうふうに思っておりましたところ、今度は九月二十七日になりまして、中国の外交部のほうから大使館に対しまして、右の九名に対しては中国の関係機関が帰国費を支給しておる、それによってすでに船賃を払い込んでいるので了承してもらいたい、こういうことになりまして、まあそういうようないきさつその他ありまして、結論としてはどうなりましたかといいますと、先ほど先生もおっしゃいましたように、結局、これはどうも中国政府のごやっかいになって船賃を払ってもらってきたようだ、これは一番最初に私どもが意図していたところと違った結果になったわけなのですけれども、ものごとがこういうふうに進んできてしまいましたので、もうこのことで本件はやむを得ないといたしまして、これからまだ何百名と残っておられる方につきましては、これは厚生省のほうとただいま予算措置その他について協議をいたしながら、自国民の里帰りについて他国政府に必要以上の負担をかけるようなことのないように鋭意努力している、こういうことでございます。
○沖本委員 終わります。
○鯨岡委員長代理 永末英一君。
○永末委員 私は、ここ十日間、中国を訪れておりました節、いろいろと問答いたしましたことを頭に置きつつ、二つの点について御質問したいと思います。 一つは日ソ共同宣言、日ソ共同宣言の第一項で、「双方は、第二次大戦の時からの未解決の諸問題を解決して平和条約を締結することが、両国間の」関係にいいことだ、そういうふうに確認をしているわけですね。この「第二次大戦の時からの未解決の諸問題を解決して」という内容について、日本側がおそらくは歯舞、色丹に加えて国後、択捉等四つの島に言及されたと思いますが、大平さんは、相手方、ソ連側もまたそのことをはっきりと了解をしてこの文字が使われたと解釈してよろしいか。
○大平国務大臣 わがほうははっきりと領土問題という表現を用いるようにソ連側に要求いたしたのでございました。ソ連側といたしましては、領土問題というのは非常に広い概念であって、必ずしも適切でない、そういう表現は避けたい、で、領土問題以外にも経済協力の基本の原則とか、いろいろ平和条約の内容にふさわしい問題もあるじゃないか、だから「未解決の諸問題」という表現であれば納得できる、共同声明は双方が合意したものを書くべきものであるから、この表現であればオーケーだということで最終的に合意したわけでございます。
○永末委員 いまの大臣の御答弁によりますと、わがほうは領土問題として問題を提起した。彼らのほうは領土問題も、まあ日ソ間には未解決の諸問題、平和条約を締結するための問題、こうなると経済協力の問題もあるのでこういう表現にした、こう言われたと聞きました。つまり、もう一つ大平大臣のことばをかりますと、領土問題だけと書くといろいろほかに差しさわりがある、したがって、このことばで、わがほうが提起した領土問題も含まれておると解釈してよろしいですね。
○大平国務大臣 私もさよう了承しています。
○永末委員 第二番目の問題は、第三節目の一番最後でございますが、この前には国際情勢あるいは国際の平和問題についての見解が書かれておりましたが、その最後の部面に次のようなことばがございます。「双方は、国際間の永続的な平和と福祉を増進するため建設的な貢献を行なうとの決意を表明した。」とあります。これはソ連が前から提唱しておりますアジア集団安保の提唱、これに何らかの意味でもコミットしていないと解釈してよろしいか。
○大平国務大臣 先ほどもお答えいたしましたように、アジア集団安保という問題につきましては、首脳会談で全然取り上げなかった、言及しなかったわけでございます。
○永末委員 それでは日中間の問題、航空協定の締結の問題でございますが、先ほど大平さんは、一番最初に航空協定の締結を、目玉であるからしたい、こうおっしゃいました。私はもう少し突き詰めて考えておりますのは、この問題を解決しなければあとの問題は解決しない、目玉ではなくて、もっと顔全体の問題だというくらいに考える。ほかの問題、いかに交渉を進めましても、この問題が解決しなければ解決しない。すなわち、この問題には原則の問題がかかっておると見てまいりました。したがって、ねばならない、そういう絶対の問題と大平大臣は受け取っておられるかどうか、伺いたい。
○大平国務大臣 航空の問題であれ通商の問題であれ、どの問題であれ日中共同声明の精神に従ってやるべきものでございまして、事に軽重はないと私は思います。ただ、航空協定が実務協定の中で政治的に目玉として取り上げられておるという現実は十分頭に置いてやらなければなりませんし、したがいましてまずこれを片づけなければならぬと考えております。
○永末委員 目玉学説にはまだもう少し慎重に再検討される余地があろうかと私は思います。 さて、いままで延引をいたしております理由でございますね、そこまで重要性を感じておられるにかかわらず延引をしておられます理由について伺っておきたいのですが、共同声明の三項で、中国側は「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であること」を表明をされて、わがほうは「この立場を十分理解し、尊重」するというぐあいの表現を使われました。この二つの、中国側の政府の台湾に対して考えていることと日本政府が台湾に対して考えていることには幅がありますか。
○大平国務大臣 共同声明に書かれてあるとおりでございます。
○永末委員 いま台湾から入ってきている飛行機、中華航空公司の飛行機にはどんなしるしがつけてありますか。
○後藤説明員 御説明いたします。 従来、台湾の政府が加盟をいたしておりましたいわゆるシカゴ条約、国際民間航空条約でございますが、この条約には一般的な規定といたしまして、国籍記号及び登録記号をその飛行機につけるのでなければ国際間の業務に従事してはならないという趣旨の規定がございます。一方で、ここでいうところの国籍記号というのは、どのような国はどのような記号であるかということが同じ条約の附属書第七に規定されておりまして、そこでは、中国はアルファベットの二番目のBということばが中国を表示することばであるということが規定されております。 ただ、理論上の問題といたしましては、台湾にございます政府は、中華人民共和国が国連における正当な中国の代表者と認められたあとで台湾の政府はICAOのメンバーとして中国を代表するものではないということが明確にされましたので、はたしていわゆる台湾の飛行機がBという字を掲げて国際業務に従事する義務ありやなしやについては若干の疑問があると存じまするけれども、現在現実に台湾の飛行機として台湾以外の国に飛んでおります飛行機は、そのBという字をつけて飛んでおるものと承知しております。
○永末委員 この場合問題となるのは、青天白日旗という旗ではなくて、この条約によって約束で定められておるBという記号であると、こういうことですか。
○後藤説明員 ただいま申し上げましたように現実にはBという記号をつけて飛んでおる、そのBという記号は、中華民国政府が中国を代表する政府として国際民間航空機構のメンバーとして認められている限りにおきましては、そういう記号をつけて飛ぶ義務を持っておるということでございます。
○永末委員 中国の航空機を飛ばす公司がございますが、この中国側の航空機はいまどういう記号をつけて飛んでおりますか。
○後藤説明員 現実には、私どもが見ました中華人民共和国の飛行機はいま申し上げましたBという字をつけておりませんで、単に通常の観念で申せば、登録記号とでも申しましょうか、その飛行機特有の数字をつけておるように承知しております。 なお、中華人民共和国は、台湾がいまさいぜん御説明申し上げたような形でICAOにおいて中国を代表する政府でないとされた後におきましても、中華人民共和国政府としてICAOのメンバーとして行動いたしておりません。
○永末委員 大平大臣はこの共同声明を昨年出されました以後、すなわち日本と中国との間の国交が成立をいたしました以後、われわれ日本と台湾との関係は中国の一部の地域の問題であり、同時に日本国の国民と中国側の民間の者との問題であるという御認識をお持ちですか。
○大平国務大臣 共同声明の発出にあたりまして日中首脳会談が持たれたわけでございます。共同声明に書いてあるとおりの約束に基づきまして国交の正常化を行なったわけでございますが、その際、首脳会談におきまして台湾との関係について双方で意見の交換が行なわれまして、事実上の日本と台湾との関係は日本政府としては維持したいという希望を表明いたしまして、先方はそれに対して理解を示したわけでございまして、そういう状況のもとで日台間にはもろもろの交流が行なわれておると私は承知いたしております。
○永末委員 いま大平大臣が言われました「事実上の」というのは、つまり政府間の関係ではない、事実上の関係である、別のことばで言えば民間の関係でございましょうね。 さて、わがほうの運輸省は、よその国からわが国の飛行場に入ってくる航空機について乗り入れの許可をいたしておると思いますが、先ほどの話のこの中華航空公司という会社がいままでBという記号をつけて乗り入れてきておる。しかし、いわゆるシカゴ条約機構から見れば、もはや正当には条約上Bという記号をつけてはならぬ、そういう会社になってしまっておるにかかわらず、そのBという字をつけてきたその飛行機には、記号が間違っているんじゃないか、記号を直すべきだ、だから直さない間は、あなたはいままで許可をしてきたが、許可をするわけにはまいらぬというぐあいの筋道になりますか。
○後藤説明員 先ほど御説明申し上げましたように、従来台湾の政府がICAOの場におきまして中国を代表する正統な政府と認められておりましたときには、疑いもなく台湾の飛行機は国際業務に従事する間Bという字を表示する義務があった、そのように理解されると思います。で、今日のような状態のもとではそのような義務ありやなしやには大いに疑いがあると存じまするけれども、つけてはならないというふうに直ちに解釈されるとは限らないと存じております。
○永末委員 行政措置としてわがほうの政府が他国の航空機の乗り入れを許可するわけでございますが、その場合には、その航空機がつけておるデザイン一切については一切の注文はつけられぬ、こういうことですか。
○後藤説明員 ただいま御説明申し上げました一般的なシカゴ条約における義務以外につきましては、そのような注文はつけておりません。
○永末委員 つけておらないということと、そういうしるしをつけた飛行機では困るということがいえるかどうか、行政上ですよ。
○後藤説明員 実際上の飛行機の識別の上から見まして、そのような識別をつけた飛行機では困るということが直ちにはいえないものと存じます。
○永末委員 乗り入れを許可しなければならない必須条件というのは何ですか。
○後藤説明員 乗り入れを許可しなければならない必須条件というものは、取り上げて申し上げるものはございません。
○永末委員 必須条件がなければ、いまのようにわがほうのある理由によって何らかの注文をつけるということも可能ではないですか、裏から言えば。いかがですか。
○後藤説明員 法律なり条約なり国際間の取りきめなり、そういったようなものに根拠を持たずして、条理上理由のない制限あるいは注文であるならば、つけにくいのではないかと存じます。
○永末委員 一つの国で二つ以上の航空会社から乗り入れを言ってきている。アメリカなんかございますね。そういうものはそれぞれの会社に対する許可でございますね。
○後藤説明員 御指摘のとおりでございまして、たとえば米国のパン・アメリカン、そしてノースウエスト、その他の飛行機が日本に乗り入れておりますけれども、それらの会社に対する許可は、それぞれ会社別に運輸大臣がいたしております。
○永末委員 運輸大臣がその会社別に許可をいたした場合、その飛行機会社の所属している政府には連絡をいたしますか。
○後藤説明員 通常の場合でございますと、そのような会社が日本の運輸大臣に対して運営の許可を申請いたします前に、当該国、たとえばノースウエスト、パン・アメリカンの例で申しますならば、米合衆国政府から日本の政府に対して、これこれの会社を指定をした、つまり日本に乗り入れるべき会社として指定をしたということを通告してまいるのが通例でございます。
○永末委員 通例でございますが、その政府がそういう指定をしたという通例がない場合は一つもございませんね。
○後藤説明員 ただいま私が通例であると申し上げましたのは、その国と日本国との間に民間航空に関する二国間協定が結ばれている場合でございます。
○永末委員 通例、航空協定が結ばれているから入ってくるのでございまして、さて、あなたは実務の担当者として、いまわれわれは中国政府との間に航空協定を結ぼうといたしておるわけです。このいままで入っております中華航空公司という会社は、これは中国の台湾省の一部にある会社であって、あっち側から指定してこないかもしれませんが、そういう場合に、いよいよ航空協定が結ばれる場合に、中華人民共和国政府から指定のない会社の飛行機は乗り入れさせることはできない、こういう結論になりますか。
○後藤説明員 御質問の具体的なケースにつきましては、今後の中国政府との交渉の経緯にもよりますけれども、直ちにそのような結論に到達するとは限らないかと思います。
○永末委員 もう時間がまいりましたので、時間を食うわけにましりません。 大平さんに申し上げておきたいのは、先ほど共同声明第三項を二回にわたって御確認いただきましたが、中国側が日本と台湾との問題を地域的な民間の問題であるというていることばを十分にそしゃくをされまして、そして、いろいろな国のやることは歴史がございますから、その歴史性の上に立って判断をし、結論をつけねばならぬことでございます。しかし、この航空協定の問題はいまや時期が来ており、そのことを決着しなければあとのことが進まない段階に来ていると私は判断いたしておりますので、ひとつ慎重に御検討いただきまして結論をお急ぎいただくよう期待をいたしております。終わります。
○鯨岡委員長代理 本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十八分散会