科学技術振興対策特別委員会 第24号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/07/19
会議録
○石野委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堂森芳夫君。
○堂森委員 科学技術庁長官並びに原子力局長がおられますので、私の地元の若狭の美浜原子力発電所の第一号炉の故障等につきまして、おそらくこの委員会でいろいろ御質疑もあったと思いますが、重ねて私はお尋ねをしておきたいと思うのであります。 せんだっても成田局長にお尋ねをしたのでありますが、私の地元の新聞に、美浜原子力発電所の第一号炉は不適格品である、落第品である、そういうものを福井県に軽水炉の一号炉として持ってきた、こういう大きい見出しで書かれておるのでありまして、地元の人たちは、何だ政府は、不適格品、不合格品のようなものをお粗末にも持ってきてつくったのであるか、われわれ非常に不安である、こういうような世論といいますか、不安が非常に高まっておるのは事実であります。 それから、せんだって私の党で、美浜発電所あるいは原子力発電会社の敦賀の発電所、それから大飯の原電の現場、あるいは高浜の原電の現場、これはまだできていないわけでありますから別問題でありますが、参りましたときに、この第一号炉の蒸気発生器の細管の故障が昭和四十七年の六月にあった、また今年になっても故障があった、そして現在アメリカのウエスチングハウスの本社から多数の技術屋が来まして修理に当たっているが、何か関西電力の首脳部の人たちのいろいろな答弁を聞いておっても、どういうわけでこういう故障が起きたのかよく理解できないような説明しか受けることができませんでした。私、この間も成田原子力局長にもお尋ねして、あの新聞はひどいじゃないか――あなたが言ったんじゃないですよ、通産省当局が、美浜の第一号炉は不適格品である、落第品であるというような答弁を国会において、これは参議院の科技特でやられたようでありますが、そういうふうに科学技術庁は、落第品をあそこに持ってきておる、原因がわからぬのだ、こういうようなお考えでありますか、あらためてお尋ねをしておきたい、こう思っております。原子力局長から先に御答弁になっていただきたいと思います。
○成田政府委員 美浜の一号炉につきましては、昭和四十五年十一月運開しましてからいろいろ事故があって、とまったり、いろいろ補修を必要とし、非常に遺憾なことだと思っております。 ただ、今度の蒸気発生器の細管の問題につきましても、いろいろその後検査をやった結果、大体二千九本の盲栓工事をやって、そして会社としてはいろいろな検査等を行なって、営業運転を八月上旬にやりたいという新聞発表もやっております。これをやるについては、通産省の厳重な検査をやって、安全であるという確認をされて初めて運転に入るわけでありますが、そういう意味で、一新聞に欠陥炉であるとい5記事もありましたが、われわれは、こういう補修工事あるいは二千九本の盲栓工事をやって、そして安全に運転できるという確認があれば、決して欠陥炉というものではなくて、これは通産の厳重な検査を受けて、その結果いかんでありますが、正常な営業運転に入れるというふうに考えております。
○堂森委員 きょうは通産省は来ておられますね。この間の参議院で、おそらく辻議員の質問に答えられたと思うのでありますが、どういうような答弁をしておられるのでありますか、あらためてもう一ぺん、だれがされたのか……。
○成田政府委員 通産省の公益事業局の和田技術長が美浜一号炉の蒸気発生器の故障についていろいろ聞かれまして、通産省が欠陥炉であるという発言をしたのではなくて、辻先生が、それではこれは何というか欠陥炉と名づけたほうが適当ではないかという、辻先生の命名になる発言だったと思います。
○堂森委員 通産当局はどうお考えでございますか。一号炉は不適格品と見ておられるのですか、どうなんですか。
○井上政府委員 問題の炉でございますが、これにつきましては、御承知のとおり八千八百本ほどございます配管を二千本ほどふたをしまして、それでその後十分な検査をいたしまして、なおその結果によりましては、結果を通産省の原子炉の顧問会にかけまして、厳重に検討していただきまして、運転につきましては、いまの状況では一〇〇%運転ぎりぎりだという感じでございますけれども、一〇〇%運転はとても不可能であって、安全運転としてはどれくらいが可能であるかということをよく顧問会とも打ち合わせをいたしまして、また運転する前にはうちのほうで十分な検査を行ないまして、これを安全なサイドで運転してまいりたい、こういうふうに考えておりまして、欠陥炉であるというふうには考えておりません。
○堂森委員 そうしますと、この持っておる一号炉のキャパシティーですか、能力ですか、そういうものはフルにはとうてい発揮できない状態であるかどうか、もう一ぺん重ねてお尋ねしておきたいと思います。
○井上政府委員 先ほど申し上げましたように、実際の運転に際しましては、技術顧問会等の御意見をよく伺いまして、どの程度の運転が適当であるかということを御検討願いまして、その結果に従って運転をいたしたい、こういうように考えております。
○堂森委員 そうすると、まだわからぬわけですね。
○井上政府委員 いまの段階ではまだはっきり結論は出ておりません。
○堂森委員 そこで、私いつも不安に思うのですけれども、ウエスチングハウスから買い入れましたね。そうすると、こういう大きい世界の超一流の大会社ですから、おそらく日本だけじゃない、世界の他の国にもやはり売っているでしょう。アメリカの国内にもこの会社の軽水炉があちこちに建設されておると思います。いままでにこのような故障があったのか、全然なかったのか。あるいはあったとしても会社は営業上発表しないと私は思うのですが、このような権威ある会社はそれは正確に発表しておるものですか、しないものですか。あるいはいままでにそういう故障があったという報告があったのかないのか、その点少しお尋ねしておきたい。
○井上政府委員 われわれの聞いておりますところでは、外国においても、若干規模は小さいと思いますけれども、そういう事故があったと聞いております。
○堂森委員 よくわからないのですが、もうちょっと詳しく……。
○井上政府委員 外国におきましても、これと類似の事故があったことがあるというふうに聞いております。ただ、その事故のめくらぶたをした管の数などは、日本の場合よりは非常に少なかったというように聞いておりますけれども、類似の事故がやはり発生しておったというふうに聞いております。
○堂森委員 現地に行きましたときに説明に当たったのは伊藤さんという常務の方でありましたが、私はしろうとですからほんとうにこまかいことは理解できない。これはやむを得ないと思うのですが、どこに原因があるのか、われわれしろうとが御説明を聞いておっても納得ができないわけですね。ほんとうの原因は鋼材にあるのか、あるいは曲げ方にあるのか、そこらの説明が全然わからぬわけですが、通産省当局はどこにああいうたびたびの故障が来た原因があるとお考えでございますか、これも聞いておきたい。
○児玉説明員 ただいまの御指摘の点でございますけれども、通産省といたしましても、その細管漏洩の事故の原因につきまして、原子炉の技術顧問会にその審議をお願いいたしましていろいろ御検討いただいたわけでございますけれども、それによりますと、第一には、構造上ふれどめがございますけれども、そのふれどめと細管の間の流体が渦を巻きまして、そのため熱の伝達が十分でないところがございまして、そういうところが熱影響を受けて腐蝕するということが第一点。それから第二点としましては、化学的な物質、たとえば水の腐蝕を防止するためにいろいろ薬品を入れておりますけれども、その薬品の入れ方が多過ぎるために、その薬品がさらにそういうふれどめとそれから管との間の水がたまるようなところに濃縮されていくのではないか、その二つの原因があるのではないかというふうに考えておりますけれども、主としては熱による欠陥のほうが大きいというふうに聞いております。
○堂森委員 そうしますと、この美浜の第一号炉に見られるような故障が起き得る可能性というものは、これは基本的には今後もあるであろうということは予想できるわけでございますか。それは完全に何もかもということ、そこに私はやはり問題点があると思うのです。そういうことはこれからもあるだろう、こういうことでございますか。
○児玉説明員 春からの定期点検におきまして、集中してそういう欠陥が起こっておるということが確認されましたので、そういうふれどめと配管と接触している部分についての管のめくらぶたをするということで、そういう穴のあく可能性のあるところは大部分予防できるというふうに考えまして、このたびも、実際にその穴があきそうな部分以外に、まだ欠陥が検出されておりませんけれども、予防して数百本の管を余分に入れるということで、二千本という非常に大量なめくらぶたをすることになったわけでございます。 そういうことで、いままでわれわれが得ました事故に関する知見からいきますと、今後起こるようなところについても相当数予防してめくらぶたをした、今後拡大していくようなことはまずないのではないかと私たちは考えております。そういうことで大量にめくらぶたをしたわけでございます。
○堂森委員 私、もっとお聞きしたいのですが、時間がありませんので……。いまの説明を聞いておってもやはり私ははっきりしないと思うのですよ。だから、学問技術に絶対ということはない、そのくらいは私しろうとでも知っておるつもりでありますが、そうだとすればなおさら、原子力発電の国内における今後の建設については非常な問題点をかかえておる。これは否定し得ないところであります。福井県の狭い若狭湾にもうほんとに大きな発電所を幾つも密集してつくっているということがある。地域ではいろいろな反対運動もだんだんと熾烈に起きておる。こういう状況でありまして、私は原子力発電というものは、福井県のあんな一地域に、しかも狭い地域に密集的につくっていくということは、地域の住民たちも、今後はやめてもらいたい、われわれも、やめなさい、知事にも厳重に申し入れて拒否しなさい、こういうように申し入れもしておりますが、そういう福井県における密集した原子力発電所の建設については今後どういうふうにお考えになっておりますか。最後に大臣から御所見をお伺いしまして私の質問を終わりたい、こう考えます。
○前田国務大臣 先刻来先生の御質疑の蒸気発生器の細管の事故でございますが、私もその事故を実は国会でも聞き、いろんな情報も得まして、まことに遺憾なことだと思っております。今後さらに徹底的に――実は検査は通産省でやるわけでございますけれども、通産省にもきびしくこの点を言いまして、これはかっこうだけ言ったのではなくてほんとうにきびしく、私も何べんか話をいたしました。今後の検査を徹底的にやっていただきたい、そして万一のことがあったらたいへんでありますから、それを稼働させる場合には、安全性というものを十二分に確認してもらいたいということを特に念を押してございます。 それから、美浜地区とかこういう地区は、保安の上からストップしたらどうかというふうな御意見でございますが、集中化させることももう大体趨勢といいましょうか、いま集中化しております。ただ私たち、現在、釈迦に説法、先生にこんなことを申し上げるのはどうかと思いますが、許可するにあたりましても、原子炉安全専門審査会とか、それから許可後におきましても工事認可、使用前検査及び定期検査というふうに、その検査が一向に実行に入っていないじゃないかという御指摘もあるかもしれませんが、これで一生懸命やっております。と同時に、今後また新しく若狭湾で、万一ですよ、いま別につくるというわけじゃありませんよ、つくるという場合には、そういう集中化地域でありますので、今後私どもが考えております公聴会を開きまして、地元の皆さんのなまの声を十分に聞いてやりたいというつもりで、先般も公聴会という制度を考えたわけでございますので、むやみやたらに、やみくもに集中化していこうという姿勢ではございません。その点は、地元の声を聞いて公聴会を活用していきたいというふうに考えております。
○堂森委員 先般来あなたのほうで公表されております公聴会制度のあり方、私はあんなものはとても賛成できないのですが、時間がないのでこれはまた次の機会に譲りますが、福井県における密集した原子力発電所の今後の増加については、われわれはどうしても納得できないということを重ねて申し上げまして、私の質問を終わります。
○石野委員長 次に、湯山勇君。
○湯山委員 私は、先般の十六日、十七日、日米貿易経済合同委員会が開かれましたが、そこで、日本側のほうは予期していなかったというようなことを伝えておる新聞もございますけれども、とにかく世界のエネルギーの危機が伝えられている、そういう情勢の中で、ひとつ日米合弁の濃縮ウランの新工場をつくろうというようなこと、これは以前に首脳会談でも議題になっておりましたが、そのことが討議され、さらに新しいエネルギーとして核融合反応を開発するということが協議議題として出されて、それは合意に達した。そのために新しい協定も必要ではないかというようなことも合意されたという共同声明もございます。こういうことと関連して、いまそれじゃ国内の体制は、一体それらに対応できる体制かということを見ますと、先般来問題にもなっておりましたし、ただいまも問題になりましたし、また当委員会へ請願という形で公明党の広沢委員はじめ多くの万が、伊方の原子力発電所については、不安解消のためにもつと対策を講じるべきだというような趣旨の御紹介もございます。これら一連のことから、一体国内体制はこれでいいのかどうか、そういう問題を処理しないではたして新しい今回の日米貿易経済合同委員会の共同声明の発表というようなことが具体化できるかどうか、ひいては日本のエネルギーというものについて、現在実際にも不足しているということでいろいろ問題が起こっておりますが、一体ほんとうにそれが解消できるものかどうかというような大筋の質問を申し上げたいと思います。 そこで、まず、日米貿易経済合同委員会でいろいろ討議されておりますが、その中で、シベリアの資源開発で日米の協力というようなこともありますが、濃縮ウランの新工場建設という問題です。これは昨年首脳会談では、現在まである三つの上に加えて、新たに第四番目の濃縮ウランの工場を合弁でつくろうじゃないかというような話が進められた。それを受けてのことだと思うのですが、一体アメリカにつくるのか、日本につくるのか、どういう形でつくろうということなのか、このことをまず伺いたいと思います。
○成田政府委員 日米共同で新しい第四番目の濃縮工場をつくることを検討しようではないかという話は、一昨年の秋ごろから非公式な話としていろいろありまして、昨年の八月ですか、総理と大統領のホノルル会談の際、鶴見外務省審議官とインガソル大使との間で鶴見・インガソル会談発表がありまして、その際、日米合同で、アメリカのガス拡散法の技術による濃縮工場をアメリカにおいてつくることについて、いろんな技術的、経済的な問題を検討するためのスタディーグループを早急につくろうではないかという申し合わせがあったのであります。したがって、内容としては、アメリカが持っておるガス拡散技術方式による工場でやります、またアメリカにおいてということもはっきりうたっております。ガス拡散法というのは電力代が非常に多くかかるので、日本のように電力の高いところでは適当ではない。アメリカは石炭とか水力とかいろいろコストの安いエネルギー源がありますので、アメリカのほうが妥当であろうという背景だと思いますが、アメリカにおいてガス拡散法の技術による工場ということになっております。
○湯山委員 そうしますと、電力の事情、それからその技術はアメリカ側が持っているということですから、合弁という内容は、日本は金だけ出すということだと理解してよろしゅうございますか。私は以前から、これはどうも日本は合弁といいながら、金を出すことが主体であって、技術は全く向こうの技術ということになってしまうということを懸念しておりましたが、いまの御説明を聞きましても、やはりそういう懸念は解消しないのですけれども、今回の話し合いもそういうことですか。
○成田政府委員 共同で会社をつくるということは、おそらく合弁形式になると思いますが、これは決して資本なり金を出すだけの意味ではなくて、やはり株主として経営に参加して、そして濃縮ウランの安定供給を受けるという非常に強力な立場になると思います。 それから、金だけじゃなくて、やはり日本はアメリカには及びませんが、原研を中心としてガス拡散の技術の研究もやっておりますし、したがって技術的にも当然参加できるわけであります。それから工場をつくる場合のいろんな設備とかあるいは機械関係等、日本で協力できるものがあれば協力するということも考えられると思います。
○湯山委員 そういうのに幾らかの参加があるということは当然だと思います。ですけれども、主なるものは、金を出す、それから、できたものをこちらにもらう、またいわゆる経営にはもちろん参加する、それはそうですけれども、実際に技術的な主体はアメリカである、こういうことですか。
○成田政府委員 ガス拡散法の技術は、やはりアメリカは軍事利用から出ました技術で、 アメリカ、フランス、英国等の軍事利用をやった国が非常に進んでおりますので、アメリカの技術が主体になるとは思います。ただ、日本も全然知らないのでは共同参加の場合でも非常に不利な立場になりますので、原研等を中心にいろいろな研究を数年間にわたって相当やらしておるのであります。
○湯山委員 ただいまの御答弁のとおりだと思います。そうすると、この方式というものは軍事と非常に密接な関係を持っている。しかも技術の主なる部分はアメリカ側にある。そして日本も、それは野放しじゃなくて、若干の参加はするといいながら、いまおっしゃるとおりそのまま受け取りましても、非常に憂慮される問題がある。一つは、日本の原子力基本法によって、あくまでも平和利用だという原則があります。それから民主、自主、公開の三原則から言いまして、はたしてそれでいま、軍事と非常に関係のある方式ということであれば、公開の原則がどこまで堅持されるか、それから金とかできたものは別として、一体その過程において日本の自主性というものがどこまで維持されるか、これは非常に問題だと思うのです。この点はいかがですか。
○前田国務大臣 お答えいたします。 確かに濃縮ウランというものは、米国の国有の三工場で現在やっておりますゆえんのものは、相当な軍事機密と申しましょうか、そういうものがあるからであろうと思います。しかし、私も詳しくはサウンドはいたしておりませんけれども、相当その機密というものが解除されるといいましょうか、民間工場にやらせるという背景には、私はそういうものが相当あるのじゃないかというふうに実は考えておりまして、それで民間に第四工場をやらせるということ、それは経済的な理由もあるとは思いますけれども、そういう点で相当機密が解除されておるのだということも実は聞いております。しかし、別に私みずから確認したわけではございません。今度私、日米会談に参加はいたしておりませんけれども、そこまで突っ込んで実は通産大臣も話をしたということも私は聞いておりませんし、もちろんそういう日本の原子力平和利用に関することは、やはり原子力委員長である私に当然御相談あってしかるべきものだと思っております。かってにやるべきものじゃないと私は思っておりますので、その点も通産大臣によく念を押しております。したがって、原子力基本法の自主、民主、公開これを改正せいというようなことはもちろんございませんし、また、それを訂正するとか、停止をするとか、そういうことにはならぬというふうに私は考えて、理解をしておるわけでございます。しかし、具体的にどういうことでやるということは、まだこの間の会談ではただちょっと話しただけでありますから、そんなに詰めてないように思います。
○湯山委員 これについては、あとでお尋ねする核融合反応とも関連がありますけれども、新たな協定というようなものが必要だということを両者とも認め合っているようでございます。その協定というものがどういうことをさすかについては、伝えられるところはまちまちであって、これは当然安保体制というものにつながりがあるという解釈をしておるところもあるし、あるいはもっと違う意味の解釈をしておるところもあります。しかし、もしこれがいまのような安保体制というような軍事的なつながりと関連を持つということであれば、それは私どもは非常に重大であると思いますし、この点については、科学技術庁長官は長官の立場で、いまのように非常にはっきりしたお立場をとっておられますので、まだ今後の問題だと思いますけれども、いまの基本的な姿勢をくずさないで、ひとつむしろ十分監視を願いたいというように思います。 次に、核融合反応その他新しいエネルギーの開発について協力していくという合意がなされておりますが、核融合反応までいかなければほんとうの原子力のエネルギー利用ということは行くところまで行かないのだということはもう常識であると思います。しかしながら、日本の現状を見ますと、そういうところについて、いまアメリカが言っているように、決して対等に協力してやっていこうというだけの体制にはないと私は思います。聞くところによりますと、何でも日本の人で核融合反応についての非常な権威者がアメリカにいるから、その人をひとつ日本に呼んできて、そういう人を中心にしてやろうかという、かつて中国がみずから核開発をしたときに、やはりアメリカに行っておった銭という人を中国に呼び返して核開発をやったということがありますが、そういうことにならってか、だれかそういう人を迎えて帰ってきてこれから体制をつくっていこうと考えているというようなことも承りましたが、核融合反応をいまから取り上げて、一体どの程度、いつを目途にどういう研究をやっていこうとするのか、これはあまり問題になったことはない点だと思いますので、この際承っておきたいと思います。
○前田国務大臣 核融合につきましては、無公害といいましょうか、これについてもいろいろ批判もあるようでございますけれども、クリーンエネルギーといいましょうか、しかも資源がほとんど無限に近いということで、核融合というものにどうしてもやはり取り組まなければいけない。私これは日本だけの問題じゃないと思いまして、私は非常に張り切っているのです。これは日本だけの問題じゃなくて、人類のためにもやらなければならぬと思って張り切っていることも事実でございます。現在、日本原子力研究所でこの三月十四日に実験したその実験がすばらしい成果をあげて、ソ連並びにアメリカよりも、現在の記録では世界の最長記録を持っておるということも、非常に私は誇っていいんじゃないかと思っております。私はあらゆる機会に、あらゆる場所でもってこの功績をみんなに説明しておるわけでございます。 実は先生のいまの御指摘のように、東大から行っておりました吉川という博士でございますが、プリンストン大学に行っておりました吉川君が今度こっちに帰ってきてくれまして、東大の教授並びに私たちの相談にあずかるといいましょうか、別にそんな辞令を出したわけではありませんが、いろいろ御相談をしておりまして、ソビエトとかアメリカ、それはそれとして、私の考えたのでは、別にアメリカと一緒になってやろうと考えていない、日本だけでもひとつやっていこうと考えて、これは私の一存でございますから、あまりにも日本が先ばしり過ぎるんじゃないかという批判があるかもしれませんが、私はこれでいいと思って、実は原子力委員会の中に核融合研究開発懇談会というものをつくりまして、その中において運営形態だとか、民間あるいは大学との協力関係だとか、そういうものについていろいろ検討してもらうことにして、大体一年足らずで結論を出してもらいたいというふうにお願いをしてやってもらっております。と同時に、具体的な内容につきましては、その懇談会に来ておる人はほんとうに代表的な人ばかりですから、もっと具体的なものに取り組まなければいけませんので、具体的な内容につきましては、専門家からなります分科会を置いて、ここで実際に主たる仕事をやってもらう。この分科会には吉川君あたりに入ってやっていただいておるというのが現状でございまして、実用化は早くいければ今世紀末ぐらいを目途にして、しかし吉川君と私と二人で話したところでは、吉川君はむしろ相当早くいけるというふうなことを私には言っております。しかし、正式にこういう委員会で、それではいつやるかと言われて何と言うかなと思いますけれども、相当早くいけるのだということも吉川君の個人的な意見として私に言っておりました。
○湯山委員 大臣の非常に御熱意のある、しかも御見識のある御答弁で、当然そうなければならないと思いますし、そうなさるのにはそれに必要な予算なんか惜しまないでどんどんお出しになって、そこまで行っておるのであれば、記録的には短い時間だけれども、とにかく世界で一番長時間成功したということですから、これは公開された学問の面での提携ということは必要ですけれども、ぜひ自主的にやっていくというかまえでやっていただきたいということをお願いしたいと思います。 いまのような非常に進んだりっぱなお考えを長官は持っていらっしゃいますけれども、それではもう一ぺん足元に目を戻してみますと、まことにどうも残念なことが多くて、先般この委員会で私は伊方の原子力発電所の異議申し立てに対して却下の説明書といいますかについてお尋ねをして、そのお聞きしたことでもって今度地元の人たちに話してみました。ところが、どうも決して信用していないのです。そういうことがさっき申し上げました公明党の広沢議員やその他の方の紹介された請願にもなってきていると思うのですけれども、たとえばこういうことが言われます。冷却水の問題は当初はお隣の保内町からもらうということであった。それが今度は何かのはずみで途中で海水から取るということに変わっておった。地元の人たちは、それはいろいろ反対があるからそうしたので、今度できてしまえばまたやはり保内町から取ると言うにきまっておる、そういうことを現に関係者が話をしておる、こう言うのですが、もし今度もう一ぺん、あれはああ言ったけれども、保内町から取ることにするというという申請が出てきたら、これをもう一。へんお認めになるわけですか。
○成田政府委員 四国電力から、取水は海水の淡水化によるという変更申請がなされて、それを安全審査会にはかって許可をして、いまその実行に入っているわけでありますが、四国電力が将来また話がつけば保内町から水を取るという計画は、われわれは全然聞いておらないのであります。 それから、将来そういう申請が出た場合許可をするかどうかというのは、これは安全であるかどうかという安全審査の問題は別でありますが、そういう社会的、政治的にいろんな問題を考えますと、これは非常に慎重に地元の意見もよく聞いて、そして原子力委員会としては、当然変更の許可手続は必要でありますので、許可をするかどうか慎重に地元の意見を聞いて取り扱うべき問題だと思います。
○湯山委員 最初の保内町から取るのを海水の淡水化に変えたということについては簡単にお認めになったわけですね。今度は、もう一ぺんまたもとに戻るときにはこれは慎重にというのじゃ、ちょっとおかしいんじゃないですか。首尾一貫しない。本来ならば、冷却水というのはやはり一つの基本的な問題ですから、これを変更するときにもつと慎重にやっておかないと、いまのような住民の不安というのは解消しないし、何といったって隣から取るのですから、非常に簡単です。そこでやっぱりもとへ戻るんだということを、賛成の側も反対の側も大部分がそういう感覚を持っている。これじゃとても信頼、安心できないということになります。あとの場合慎重にやらなければならないというなら、今回の場合だってもっと慎重にしてしかるべきではないか、再審査するとかなんとかいう方法を講じるべきではないかというように思いますが、いかがですか。
○成田政府委員 四国電力から海水淡水化の計画を内容とする変更申請が出ましたのは三月二十八日でありまして、これを原子力委員会としては非常に慎重に扱ったわけでございます。といいますのは、安全審査会等にも付託して、安全審査会で安全サイドから十分な検討をやって五月二十六日に許可をして、これは非常に慎重にわれわれは扱ったと思います。 ただ、隣の保内町から取る計画よりも海水淡水化というのはコスト的には高くつくのでありますが、安定供給という面から見ましても非常にベターでありますので、前の保内町からの取水もこれは十分可能性があると、いろいろ科学的なデータによってそういう判断をして許可をしたのでありますが、淡水化になりますと、コストは高くても安定供給の面から非常にプラスである。ベターであるという総合的な判断、しかしながら非常に慎重に扱って安全審査会にもはかって、そうして原子力委員会が五月の下旬に許可をしたのであります。
○湯山委員 安全審査会にはかったということが慎重に扱ったということと同じではないと思うのです。やはりそういう基本的な問題であれば一応白紙に返してやっていくというぐらいの慎重さがなければ、私はほんとうに慎重だということは言えない。ですから、いずれも簡単に、日がかかったとか審査会にかけたとかいうことは別として、ベターであるということになればまたもとへ返すということになると、今度やはりコストの面から考えてそっちがベターだと考えて戻したということは当然出てくる問題で、この点私は、いろいろ説明されましたが、どうしても納得しないし、それじゃもうそのほうがベターだといって慎重に検討してきめたのなら、もう一。へんもとへ戻すというようなことは絶対に許さないということをはっきり言い切られるなら別だ。しかし、そういうことについて、なおまた出てきたら慎重に検討してじゃ信用できない、こういうことですが、いかがですか。
○成田政府委員 取水計画がまた前の案に戻るということは、われわれはそういう可能性については考えられないのでありまして、ただ仮定の問題として、将来そういう申請が出た場合どうするかというのは、これは非常に慎重に、非常に社会的な大きな問題を起こしたケースでありますので、地元の意見も聞いて、これこそほんとうに慎重に扱って判断すべきだと思います。 ただこの際、仮定の議論としても、許可をしないとか、それは私ここで確定的に言うことはできない立場でございます。
○湯山委員 今度こそほんとうにというのが本音だろうと思うのです。いままでがほんとうにでなくて、かなり軽く扱ったというそしりは免れない。ことばじりじゃありません、ほんとうにです。これは非常に大事な問題ですから、ひとつよく頭に入れておいていただきたいと思います。 それから冷却水の問題も、漁業に対しての影響等について、補償で片づいたということを科学技術庁もおっしゃっておるし、通産省も言っておられます。しかし問題はやはり科学的に処理しなければならない問題であって、補償で片づけるということは私は邪道だと思います。というのは、いま詳細に一つずつを申し上げる時間がございませんけれども、いま補償問題をめぐっていろんな、黒い霧とまではいかないにしても、問題が起こっておることを御存じでしょうか。新聞には具体的に書いてありますけれども、そんなに具体的でなくて申し上げますと、とにかく世論操作、抱き込み工作というようなことで、ある発電所をつくるために会社が八回も招待している。一人当たり何万円かで何回にも何回にも分けてやった。漁協の組合長等はこう言っております。「当然町が持つものと思っていた。同行した中に電力の職員がおり、かなりごちそうになったのでおかしいと思った。視察も機械などを見せられただけで漁民の立場では参考にならなかった。まるで観光旅行のようだった。」と言っている。これは名前も書いてありますけれども、ここですから申しません。それから、ある地区では、隣村ですけれども、町の庁舎を建てる、その際電力会社側へ七千万円の寄付を申し込んだ。これが町議会で問題になっておるということ。これは寄付されたかどうか。六月二十九日の新聞に、問題になっておるということが出ておりました。それからまだ同じように、もてなし旅行、そのために町議会の議員たちが書類送検されている。「「世論操作のための露骨な抱き込み工作」と強い批判の声が上がっていた。」というようなこと、ずいぶんあります。 そこで、皆さんがおっしゃった漁業問題は地元漁協の了解を得ておるというようなことがおもな理由でしたけれども、こういうことを見ますと、補償で片づくということは決して好ましいことではないし、そういう姿勢も科学技術、特にこういう問題ではよくないことである。うわさによると、ずいぶんそういう費用が使われているということです。一体そういうことのために、どこどこという名前はおっしゃらなくてけっこうですけれども、どの程度の世論操作費用が使われているか、こういうことをお調べになったことがございますか。これは通産省でも科学技術庁でもどちらでもけっこうです。
○井上政府委員 発電所の建設のためには一応建設関連費を見ておりますけれども、これはそういう金を特に接待用の金とかなんとかいうことではございませんで、そういうものについての統計をとったことはございません。したがいまして、幾らぐらい使っておるかということはわかりません。
○湯山委員 どれくらいという見当も立ちませんか。
○井上政府委員 地点の数も多うございますし、見当もちょっとつきかねる次第でございます。
○湯山委員 これだけすでに検察の問題になって書類送検されている問題、それからいまの町の庁舎をつくる寄付とか、公けになっておる問題はたくさんあります。ですから、当然これは調べる責任があると思うのです。そうでなければ、安全審査というものも、それから地元民の了解というものも、どういう形でどうされたかということ――ただ皆さんは、地元漁協の了解も得ている、こう言っているのだということでここで御答弁になっただけなんで、そういう実態をつかまないで、向こうから出てきた結論だけ見て、これでだいじょうぶだ、心配ないのだ、これでは済まない。ここいらに私は不信を招く大きな要素があると思うのです。こういう状態の上にもっていって、さっきお話しのように新しい合弁会社をつくっていく、あるいは今度はひとつ日本が先頭に立って核融合反応を今世紀内に実現していくと言われても、いまのように核開発というものがスタートしたばかりでこんなもたもたしたようなやり方ではたしてできるかどうか。これは私は早急にお調べいただいて、これは単に特定の電力会社だけじゃなくて、全部にわたってあると思います。地域の世論操作という名目で一体どれぐらいの金が出ておるか。とにかくうわさによれば何十億というところもありますし、何億というところもありますし、これは書類送検されただけでもそう少ない額じゃありません。それからお隣の町に対してと、とにかく数千万ですか、七千万でしたか、そういうような寄付を公然とやっていくというようなことが正常だとお考えになられますか、長官いかがでしよう。
○前田国務大臣 実はただいま湯山先生のお話を聞いて驚いておるのであります。そんなに作為的といいましょうか、世論をつくらせるような工作に、私はそんなばく大な金を使っておるとも実は思えないのです。われわれは、どういうふうに御指摘になるか知りませんけれども、安全性を確保するために一生懸命努力をし、そしてほんとうに正しい理解を得たいなと思ってやっているわけでございますが、実際は業界がそういう作為的な、いろいろ何かあちこち連れていったりどうやらしたとか、そのほかいま御指摘がありましたようなことは、私は実は、多少説明に来たとかいうことは聞いておりますけれども、そんなに激しいものであるということはいま初めて知ったわけでございます。
○湯山委員 そういう背景があって、地元住民の不安というものが出てきている。そうすれば、請願にも出ておりますように、不安解消のためにもつと積極的な努力を政府当局がしなければならない。そういう問題を、ただ電力会社、企業だけにまかしておくという姿勢に問題があるというように思います。これはひとつお調べになって、こまかいことのわからない点もあるでしょうけれども、資料を御提出願いたいと思うのですが、委員長においてお計らい願いたいと思います。
○井上政府委員 電源開発関係のPRの問題でございますが、これにつきましては、やはり実態をよく御説明して地元の納得をいただくという関係上、ある程度いろいろと説明をしておることは事実だと思います。それからその点につきまして非常に過度なことが行なわれないようにかねがね注意はいたしております。 ただ問題は、そういう場合に、地元協力と申しますか、電力会社と申しますのは地域と非常に密着しているところでございまして、地域的な供給力があるとかいうようなこともございまして、地域と密着いたしておるところがございます。したがいまして、地域のほうで地域協力というようなことで地方公共団体等からいろいろとお話があることも事実でございます。たとえば道路をつくるときに電源開発のための道路をちょっと通してくれとか、いろいろそういうお話もあるわけでございます。したがいまして、世論操作ということで使った費用を別途計上して、これを調べ上げて数字にして出すということは不可能だと思います。したがいまして、全体の建設費のうちで一般的な関連経費というものはどのぐらいあるか、その中にはいろいろなものが入ると思いますけれども、その中で世論操作ということで、そういう項目で出すということはちょっとできないのじゃないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
○湯山委員 それでは、ほんとうに必要な経費と、それからいまの、協力してもらうのだから道路をつけるとか、あるいはどこそこへ寄付するとか、そういうことはありますね。これは調べたらわかりますね。そういう費用がどれぐらいかかっておるか。それから視察と称する、いま読み上げたようなことを含めて、それはほんとうの視察もあるでしょうけれども、とにかく電力会社の人たちじゃなくて、ほかの人を連れていって視察したというようなことの費用、これも調べればわかるでしょう。
○井上政府委員 先ほども申し上げましたように、そういうものが世論操作であるとかなんとかいう色分けと申しますか、そういう感じは非常にむずかしいと思いますし、それから主観的な判断によりまして非常に内容の解釈が変わってくるような点もございますので、そういう項目として資料をお出しするのは非常にむずかしい、こういうふうに考えます。
○湯山委員 それでは、世論操作という名目じゃなくて、間接経費というようなことでけっこうです。発電所をつくるのに対する直接の経費、必要な土地を買うとか必要な研究をするとか、それ以外のものですね。地域に対して出したもの、直接関係者以外に出したもの、これならわかると思うので、それでもけっこうです。
○井上政府委員 間接経費も、間接経費の定義が非常にむずかしゅうございまして、どういうものになるかということは非常にあれでございますが、お申し越しでございますので、中で一回、どういうことになるか検討さしていただきたいと思います。
○湯山委員 申し上げておるのは、皆さんがあの書類にも書いておられたように、地元の漁協がだいじょうぶだと言ったとか、賛成したとか、補償で解決しているという内容というものは、純粋なものだけじゃない。だから、それらについてはもっと真剣に考えないと、そういうことで審査をパスさした、許可をしたということがかえって不信感増大のもとになっているということを申し上げて、そういうことについては十分な注意が必要だということを申し上げておるわけです。それがこれだけで、ここができればもうこれで日本の原子力発電所の建設は終わりだというならもう言いませんけれども、将来を見通した大きな計画を持っておられるというのが、いまのようなところでそんなにもたつくようではだめですから、そこを憂えるがゆえに申し上げておることですから、そういう同じような観点から取り組んでいただきたいと思うのです。そしてほんとうに大事なことは、科学技術の面で住民に信頼されるようにしていくということなんで、そういう点から言えば、たとえば火力発電所についてスモッグがどうとか、建設反対とかというのが起こっております。あの燃料の硫黄分を除去するというような簡単なことがなぜいままで完全にできないのですか。これはどこに聞いたらいいのかわかりませんけれども、ああいうことは簡単にできることじゃないのですか。
○井上政府委員 排煙脱硫の問題だと思いますが、これは二・五%ぐらいあるS分を八〇%、九 〇%近く下げるということは技術的に可能であるようでございますけれども、非常にS分の少ないところのものをさらに少なく下げていくというときには、非常にむずかしいそうでございます。 ただ、いま非常に問題になっておりますところは、いまの火力発電所のS分でございますけれども、大体〇・一、あるいはきょうあたり関西電力は非常に需給が逼迫いたしておりますが、こういうところでたいております、たとえば尼一、尼二とかいうような一番の密集地帯でございますが、そういうところは〇・〇三ぐらいをたいております。 そういうようなことでございまして、問題を解決するために必要なような非常にローサルファのものをつくるにはなかなかまだ十分でない。それで、問題のあります地域は密集地帯でございまして、発電所に余地がないとかいうようなことで、脱硫施設ではなくてむしろローサルファ燃料を入手いたしまして、これでやっていくというようなところに力点が置かれておるわけでございます。もちろん排煙脱硫は五十一年ごろにはもう八百万キロワットくらいつけたいというようなことでどんどんやっておりますし、今後新しくできるものにつきましては、そういう特殊地域を除きましては大体二分の一なりあるいは四分の一のスケールでそれぞれの排出基準を考えましてつけさしていくという方針で、これは非常に強く言っております。 ただ、密集地帯につきましては、そういう排煙脱硫施設をつけたのではまだ問題が解決しない。もっと低い、もっとシビアなものが問題になったということと、なかなか敷地などもあいておりませんので、これはやはりローサルファの燃料をいろいろ手当てしていくという方向で考えたいと思っております。
○湯山委員 しかし、原則的には簡単なことですね。こういうことがちゃんとできていくということが実は科学技術に対する信頼を増すことになるのであって、補償だとかいろいろな工作なんというものは邪道なんです。 私はこういうことを思い出します。もう五十年も前ですけれども、住友の四阪島の製錬所、これは硫化銅ですか含銅硫化鉄鉱ですか、それですから当然亜硫酸ガスが出る。公害の問題が毎年知事の大きな仕事の一つでした。しかしドイツからペテルゼン法というのを導入して、それから亜硫酸ガスを取り出して硫酸に変えて硫安肥料にする、そういうことで、それができてから煙害というものはぴしっととまりまして、あと問題になっていません。 そこで、そういうことを考えますと、現在の技術、学問をもってして、本気で取り組めば、私は簡単にできる問題じゃないかと思います。こういうことをちゃんとやっていく。それからいまの伊方の問題、そのほかの問題にしても、やはり原子力発電所の場所が密集地帯に近過ぎます。いろいろ聞いてみますと、一番大きい理由は、送電中のロスだということです。ところが、これもまだいまのように交流、高圧で遠距離やればどうしたってロスが出る。こういうことが解決できれば、大きいところへ一つつくれば、それで日本全体に供給できる。こういう研究を先行さして、これはこうだということがびしっとできれば、いまのような住民の不安はなくなるわけです。言ったとおりできるのだから信用していい。そういう体制をつくらなければへ核融合反応までやっていくという体制につながらない。ますますつまずきが大きくなるばかりです。こういうことをひとつきちっとやっていくということをお考えになって、補償でものを解決するというようなお考えは、少なくとも科学技術に関する限りは当然排除すべきだというように思いますが、長官のお考えいかがでしょうか。
○前田国務大臣 先ほど先生との問答を聞いておりましたけれども、インチキな工作をいたしましてそうして信頼を得るというふうなやり方は、もう全く邪道中の邪道であります。私もそれは大反対であります。そういう工作をして信頼を得るということは、かえって不信を招く原因になるということも御指摘のとおりであります。したがいまして、公害の除去といいますか、安心を得るためには、万事補償で解決していく、金でものを解決するのだという姿勢はよくないと思います。しかし、現実に損害を受けた場合は、やはり補償もしてあげなくちゃいけないということも事実であると思います。しかし、万事金で解決しますという姿勢は、私もまことに芳しくないと思っております。万事金さえ出せばものはみな解決するのだという姿勢は、私もまことによくないと考えております。特に、そういう技術があればそれを利用すべきであるし、なければ、たとえば送電ロスをなくするような技術の開発は、われわれもそういう方針をきめて各省庁に指示しております。科学技術庁ではやっておりませんけれども、しかし、そういう研究もやっていただくということももちろん必要でございます。その姿勢でいきたいと思います。
○湯山委員 時間もありませんので、最後に、そういうことからいまいろいろなところで住民が心配をしている問題というものは、皆さんがお考えになれば解消しておるかのようにお考えかもしれません。具体的に一例を申し上げますと、先般来水銀の汚染の調査に参りました。工場へ行ってみますと、クローズドシステムでこうやってこれはこう取るので、今後絶対に心配ない。確かに説明を聞いた範囲では、全然排出されるという要素はないのです。だから、おそらく皆さんが調べに行かれても、あるいは書類をお取りになっても確かにそうです。しかし、実際に見ますと、それらのシステムというものが完全に動いていない。活用されていない。そういうシステムは説明用であって、見ていくと、これじゃ決して不安は解消されないなと思われるものが多分にあります。だから、そういうことを見ていくと、いま請願で出ているような不安、そういうものも決してただ単に取り越し苦労だとは言い切れないものがあると思うのです。 そこで、いま堂森委員からも公聴会についてお話がございましたが、公聴会というようなかたいものであるかないかは別として、そういう不安を持っておるところに対しては、直接担当の通産省なり科学技術庁なりが出かけていって、積極的にそういう不安を解消する努力をなさる必要があるのではないか。公聴会は何かこういう規定がないとできないとかそういうようなことではなくて、そういう努力を積極的にされる必要があるのではないか。ただ問題は、いままでのこじれからエキサイトするというようなことがあっては、せっかくのこういう学問的な、技術的な冷静にやらなければならない問題ですから、それは困るというようなことがあれば、われわれあるいはまたそれぞれ紹介をしたような人たちが、責任を持ってそういうような状態は起こさせないようにするということはいたしますが、そういうことができればひとつどんどん出かけていって、積極的にいまのような点について不安解消に努力される。そうすることが、日米貿易経済合同委員会の共同声明にあるような、あるいはいま長官が非常に熱意を持ってお答えになったような、将来の日本のエネルギー、原子力開発に非常に大きく役立つのではないか。いまはそれは気分も重いだろうし、その必要はないとあるいは思うかもしれませんけれども、申し上げましたような点からいえば、必ずしもそうではなくて、やはり足りないところがたくさんある、不安を持つのももっともな点もたくさんあるということですから、むしろ受け身ではなくて、積極的にそういう努力をすべきではないかというように考えますが、いまのような感情的になるとかいうような点がもし御心配であれば、それらの責任はお互い持つことにして、そういう機会をつくるということについて御配慮、御努力を願えるかどうか、最後にひとつお答えいただきたいと思います。
○前田国務大臣 いろんな説明とか、いろんな機関とか、いろんな組織が、単に見せかけの安全性だけを確保するというかっこうだけのものになってはいけないという御指摘はごもっともだと思います。それではほんとうに国民の信頼というものはなくなるわけでございますから……。しかし先生、さればと言って、そういう機関が企業べったりということでもないということも御理解をいただきたい。私もそういうことをよく言われるものですから、そういう点をいつもみずから注意しております。しかし、ややもすればものごとというのはわりあい形式的になりがちなものであります。それも事実です。したがいましてそういう不安というものも、ほんとうに心配しておる人もいらっしゃると思います。その点で不安をやわらげるような、まあそれは胸がすくようにわかったというようになっていただくかどうかは知りませんけれども、やはりできるだけそういう努力はわれわれはしなければいけない。そしていつも姿勢としては自分たちを戒めていくという姿勢でいかなければいかぬということも、そのとおりでございます。そのためには公聴会という姿勢も、実はそれはたいしたことはないという御指摘もありましたけれども、それも一つであるし、そのほか県並びに会社それから地元とが環境放射能の測定に参加するとか、そういうこともやっていらっしゃるようでありますが、私も、こういうこともなかなかいい考えであると思っておりますし、そして、できるだけそういう努力をしていきたいというふうに考えております。
○湯山委員 終わります。
○石野委員長 次に、山原健二郎君。
○山原委員 伊方原子力発電所の問題につきまして、住民の不安解消請願の紹介議員の一人になっておりますので、この問題について少し質問をいたしたいと思います。 現在、原子力発電所についての住民の不安というものは、ただいまもお話がございましたけれども、たとえば科学技術の面からの不安もあります。それから環境問題もありますし、それから同時に、これもかなり多くの部分を占めておるのはいわゆる企業あるいは国や県という行政に対する不信感というようなもの、こういうものが混在をしながら住民の不安というのはつきまとい、そしてそれがちっとも明確に解明をされないという問題があるわけです。これに対してほんとに親切に、しかも事をわけて道理にかなってこれを説明をしていく、あるいはその不安を解消していく、この基本的な姿勢の問題でございます。 伊方原発の問題については、私もときどきこの場所で質問をいたしておりますので、重なる面もありますけれども、たとえば五月三十一日に出ましたところの田中総理の異議申し立てに対する決定書を見ますと、やはりこれでは住民の気持ちをすっきりとさすことはできないと私は思うのです。この前も指摘しましたけれども、この中に幾つか問題を感じますが、時間がありませんから一、二申し上げますと、この中に何カ所かこういうことばが出てくるんですね。たとえば三ページ、(1)番の(Ⅴ)に出ております「審査会は、原子炉工学、建築学、地震学等々の専門分野の最高権威者により構成されており、原子炉の安全性確保のために必要かつ十分な審査が行なわれているところである。」こういう断定のしかたですね。最高の権威を集めておるのだから問題はないんだというこの思想性の問題。あるいはそれはさらに四ページにも出てまいりますが、「わが国の最高権威者により構成され、厳正中立な審査を行なっている。」こういう文言が随所に出てくるわけですね。これは住民を納得さすことばじゃないわけです。最高の権威者が集まっておるからといって、はたしてそれが「理由がない。」という決定書の基礎になるなどということ自体が私は非常におかしいと思っているわけです。 それからもう一つは、日米間の問題でありますけれども、「日米間における審査日数の差異については、審査制度が異なっており、単純に比較することはできない。」この問題、これもこの委員会で問題になってまいりまして、公聴会の問題とかあるいは日数の問題とか出てまいりました。それからアメリカ側においては環境調査が行なわれるというような問題が起こりました。だが日本の場合とは違うのだ、こういう御説明があったわけですけれども、そういう制度が違うということよりも、どちらがより安全性を確保する立場に立っておるかということが問題にならなければ、制度が違うんだから比較にはならないというこういう突っぱね方、こういうところにも私は非常に問題があると思っております。まずこの点を指摘をいたしておきたいのです。 今回は東海二号炉とそれから伊方原発の不服審査に対する決定書が初めてわが国において出されたわけでございますけれども、その中の一、二の点を申し上げますと、たとえばいま湯山先生が指摘をされました海水の淡水化の問題ですね。これはまさに重大な計画変更だと私は思うのです。しかもあの三月の段階で、四国電力が計画変更を申請をする前に何べんかここで私は原子力局長に対しても質問をいたしまして、揚水のことはだいじょうぶなんですか、保内町に水がないという説もありますし、それから保内町のほうでは反対の意見もある、だからだいじょうぶなんですか、こういって質問をしますと、だいじょうぶだということで、四国電力の申請のままの立場に立った答弁がなされてまいりました。そして三月の段階になりまして突然、塩水の淡水化という問題が出てまいるわけですね。これなども、この委員会における答弁の経過からしましても、どうも私は納得がいかないんですね。それから塩水の淡水化の問題について、じゃ採算ベースに合うのか、コストはどうなのかというような問題になってくると、これは世界でもないことはありませんけれども、そういうことが安定した経営上の問題にはまだなっていないわけですね。しかも原子力発電所において塩水の淡水化がコンスタントに行なわれておるというようなところもない。いわば大がかりなものとしては初めての経験といっても間違いない。少しはあるにしても実際上はもう初めての経験だ。そんな計画変更ですね。これはまさに重大な計画変更でありますが、これがすぐに、五月段階になりますと認められてしまうということです。こんなことをされますと不安が起こるのは当然でして、住民の不安どころか、私どもここで審議をしておりましても、どうも一貫性のない答弁だというふうに考えざるを得ないわけです。四国電力伊方原発における塩水淡水化の構造は発表されるのですか、発表するようにしておりますか、それを一点伺いたいのです。 それから、この淡水化の場合には最初に原子炉を動かさなくてはならないわけですね。その最初の水は一体どうするのか、こういう問題も出てまいります。これなども、こまかいようでありますけれども非常に問題になるところでございまして、その辺は明確にしていただきたいと思いますが、どういうふうに把握されておりますか。
○成田政府委員 淡水化の装置構造等につきましては、三月二十八日の申請書に具体的に出ておりますので、これはもちろん公表になっておるのであります。 それから淡水化の場合、最初の水をどうするかということでございますが、これは、ボイラーによって海水を淡水化することも考えられますし、それからこれは海水淡水化だけでなくて、構内の渓流取水ということもかなり水の供給力として考えておりますので、渓流の取水によって最初動かすということも、おそらくそういうことになると思います。
○山原委員 構内における取水ですね、それは私初めて聞くのですが、決定書の中、どこへ出ていますか。
○成田政府委員 異議申し立て並びに決定書に、構内の渓流取水出ておりませんのですが、最初の申請書には出ておりまして、構内の渓流取水でございますので、これは一番安全なかっこう、ただ全体の量はそれほど大きいものではありませんので、あるいは一割くらいではなかったかと思います。
○山原委員 そこらの問題も、いわば想像なんですよ。構内における取水、それは問題ないと言われますけれども、こういう大きな計画変更がありました場合には、その辺のことは想像でなくして、おそらくそうであろうなどという問題でないと私は思うのですよ。だから、精密にその辺がなされていないのでしょうか。おそらく構内取水は前の申請書に出ておるから一割程度とるのだろう、構内取水の問題はこれは別途用途としての問題としていままで出ているわけですから、それが今度の海水の淡水化問題とからんで出てくるという、これはもうほんとうに住民の不安解消のささいな部分についても、用水の問題が淡水化の問題に集中しているときに、それらがきちっと説明できるような態勢でなければ私はぐあいが悪いと思うのですよ。どうですか。
○成田政府委員 これは当初の申請計画書にはありますが、大体パー・デー・二百ないし三百立方メーターがとれるということになっております。ただ、これは構内の渓流も公有水面の問題がありますので、国の許可手続が必要であるというふうに聞いております。
○山原委員 それから、局長のお話にありました、タービンによって蒸留水をつくるというお話なんかも、これもちょっと意外ですね。最初の水をそれでやられるというわけでしょう、そんなことですか。
○成田政府委員 発電所の場合は、当然所内用のボイラーというものをつくって設置しておりますので、それを使って淡水化をやることも可能な構造になっております。
○山原委員 そんなことも申請者である企業側からきちっと聞いていないのですか。想像で大体そうやるんだろうというようなことで御答弁いただいているのですか。そういうこともきちんと詰めておりますか。
○成田政府委員 それは具体的に詰めて審査をやっております。
○山原委員 どうもちょっと当てにならぬような、この前の御答弁ではそういうところまでなかったものですからね。何か当てにならぬような気もするのですけれども、そう言われればそういう話もできておるのだろうかと思いますが、それはそれでおきます。 それから、土地の問題ですね、廣野さん、坪野さんの土地が炉心部から七百メートル以内にあるという問題も起こっておりまして、これは買収対象に最初なっておりましたが、このお二人の反対も強くて買収因難だということで計画の中からはずしておるという問題も依然として不明なんです。お聞きすれば、七百メートルの線のすれすれだとかなんとかいうような説明ですけれども、これも裁判になっておるはずですが、四国電力のほうでは、裁判には勝つ自信があるから、裁判が終わるまで待つのではなくして、工事は進行するんだ、こういう答弁をしておるのですが、これも全く乱暴な話だと思うのです。これはどうなんですか、精密に調査した結果は。
○成田政府委員 土地の関係ではいま係争中の人が七名ほどおりまして、松山地裁でいまいろいろ係争手続中ということを聞いております。ただ、土地契約につきましては、これは四国電力との間で有効に譲渡契約が結ばれておるというふうにわれわれは聞いておりまして、法律上の訴訟になっていることも確かでありますが、そういう面でそういう立場でわれわれは考えております。
○山原委員 その土地の契約書もこれは公然たる事実で、初めは普通の火力発電所でしょうか、そういうものをつくるということ、それが契約の判を押して、そしてあとで原子力発電所ということがわかる、この過程というのも非常に不安を醸成する問題になっております。だから、少なくとも地方裁判所の決定が出るまでは、この問題については慎重に対処しなさいという行政上の指導を四国電力に対してできないんでしょうか。
○成田政府委員 われわれは地元住民との関係、四国電力と円滑に解決されることを非常に期待して、またそういう努力をするべく電力会社等にも指導しておりますが、ただ具体的にこの係争中の土地が解決するまで関係の工事をやめるとか、そういうことはこれは全体の計画との関連もありまして、はっきりしたことは政府として言えないと思います。
○山原委員 時間がございませんので、もう一つは公有水面の埋め立て免許の件ですが、これも異議申し立てがこれは建設大臣に対しまして出ておりますね。そうして県の弁明書、それに対する反論が出ておりまして、これも裁判中ですが、そういう公有水面の埋め立てなどについてもまだ係争中の場合に、この決定書、そういうものを残しながら異議申し立てを却下するというようなことも、私、どうもふに落ちないんですが、政府の態度としてはそういうことをやられるわけですか。
○成田政府委員 公有水面の許可に対していま紛争があるということは、われわれは聞いておらなかったのでありますが、この異議申し立て書におきましてもその点に対するその事項についての言及はなかったので、決定書にもその問題は触れてないのであります。
○山原委員 だから、よく御存じなかったことはよくわかりますけれども、公有水面の埋め立てという問題がすでに裁判にかかっておるというような場合、新たにそういう事実が出てきた場合は、やはり慎重な態度をとられるのがいいんではないかと思うんですが、もうしかたがないわ、あとから知ったんだということでしょうかね。
○成田政府委員 公有水面の埋め立ての問題は、これはあとからわれわれも聞いたのでありますが、これが具体的にどういう内容であってどういう問題であるかは、建設省ともよく調査してみたいと思っております。
○山原委員 もうすでに出されてだいぶ日数がたっていますから、これはよく打ち合わせをしまして、その結論が出るまで何らかの行政指導を行なってもらいたいと私は思います。 それからもう一つ、環境問題でありますが、温排水の問題について、温排水がどこまで影響するのかということは調査していますか。これは通産省ですね。通産省「排水基準は、未だ設定されていないのが現状である」ということがこの決定書の一〇ページにありますが、これはまだ未決定ですか。
○成田政府委員 温排水の排出基準というのは、これは水質汚濁防止法で環境庁が作成することになっておりまして、そのためのいろいろな基礎調査、拡散の理論とかあるいは海産生物に対する影響とか、四十七年度毎年一億円近い金を四十七年度、四十八年度かけて基準作成の検討をいま行なっておりまして、環境庁としては四十九年度末までにはこの基準を作成したいという状況でございます。
○山原委員 この温排水の問題について「発電所から排出される温排水については、水質汚濁防止法第三条第一項にもとづき総理府令をもって環境庁により定められる排水基準を適用して同法第二十三条第二項の規定により通商産業省が電気事業法にもとづいて規制することとなっており審査会の審議対象事項ではない。」ここでこう突っぱねておいて、そして次の項で「なお、上記の排水基準は、未だ設定されていないのが現状であり」こういうふうになっておりまして、この部分、いわゆる温排水の問題については、何ら規制とか基準というものはいまないまま全く野放しの状態にあるわけです。
○成田政府委員 法律的には環境庁がいま調査中で、規制基準はないという状態であります。ただ、ないから自由かってに野放しの状態にしていいかという問題でありますが、これは最近温排水等の環境問題が非常に地元住民にも影響が大きい問題でありますので、法律的には基準がありませんが、通産省において、これは通産省が実施の面では所管でありますので、通算省では温排水の影響の調査、そして地元漁業組合との関係、あるいは影響をなるたけ緩和するためのやり方、排出のしかた等、調査会等の形をとっていろいろ調査をやっておるところでございます。したがって環境問題は非常に大事でありますので、法律的にはまだ規制基準がないんでありますが、非常に実態的な調査をやって、そして原子力委員会もその結果を聴取して判断をしていくわけであります。
○山原委員 どうもたよりない状態でございまして、これは通産省が電気事業法に基づく規制をするということは大体いつごろできる予定ですか。それから、この伊方原発における海流調査はどこがやったのですか。
○井上政府委員 伊方発電所の排水の温度上昇の範囲でございますが、大体二度Cの上昇範囲が沖合い大体百五十メートル、沿岸方向千メートル、面積〇・二平方キロメートルということでございまして、そこにおける既存の漁業の問題等の調査の結果によりますと、大体あまり影響がないということでございまして、そういうことで賠償の問題等もからみまして、大体これでいいんではなかろうか。なお、海流につきましては、若干沖へ行きますと非常に長い流れがあって、水の撹伴は非常に温度の下がるのが早く下がるというようなことでございまして、瀬戸内海の地域では特に潮流の早いところであるというようなこともございまして、大体適当である、賠償の問題は別でございますけれども、そういう判断をしております。
○山原委員 排水基準もまだない状態の中で、ここでも温排水の問題について影響がないということが書かれておりますけれども、私はどうもまだ納得できないのですね。たとえばカレイとかアジ、タイ等の沿岸漁種の問題につきましても、ちょっと時間がありませんから詳しく申し上げることはできませんが、基準もない状態で――基準もないということは、科学的にその基準を設定する条件がまだ整っていないということだと思うのですがね。そういう中で、安全だ、心配ないんだということが一体どこから出てくるのかというと、これはいわばかなり感覚的な問題になってくると思いますね。そういうこともやはり住民を納得させ得ない条件にもなっておるのではないかと思うのです。隣接漁業の漁業権の問題もありますし、それからそのほかに魚介類の問題、あるいはこの地方における特産物であるミカンの問題など、環境問題というのが非常に重要な問題でございまして、その点についてはどうも決定書を見ましても私は説得力がないと思うのです。 それから、少し時間が過ぎて申しわけありませんが、最後に入りたいと思います。 先ほど湯山先生からもお話がございましたように、公聴会などの問題も出ました。私はこの間決算委員会におきまして、四国電力のやってきたいろいろのいわゆる世論工作ですね、そういうものの一つの例として、今回四国電力が電気料値上げ申請をしています。それが七月の十六日、十七日、一昨日、昨日までですね、香川県庁でこれに対する公聴会が行なわれた。その公聴会にあたりまして、四国電力側が公聴会に出席する公述人の工作をやっている。その中身というのは、大体公述人を通産省のほうへ申請する場合、こういう中身で書きなさいという見本を出している。四国電力は十九年間電気料値上げをしなかったからそれはわかるけれども、しかし少し値上げをすることはやむを得まいというような賛成の見本を出しているということを私は指摘したのです。そうしましたら、四国電力側ではそんなものを出したことはない、こう言い張っておるそうです。 しかし、実際一昨日、昨日と高松の香川県庁で行なわれました公聴会の公述人の通産省への申請状況を見ますと、八百九十一名の異常な申請者がおるわけです。その中で何と電気料値上げ賛成者は七対一の比率になっています。現在電力料金の値上げというものについて、四国のたしか四県の県議会の与野党含めて満場一致で反対を決定しておる。商工会議所あるいは農業団体その他中小商工業者に至るまで、電気料金の値上げは困るといっておるこの現実の問題がありますのに、公述人は七対一、七のほうが賛成者です。一が反対者。こういう結果が出ておりまして、そして中曽根通産大臣のほうにお聞きしますと、百名の公述人をその中から選ぶ。その百名の選び方というのは五十名までは賛成、反対半分半分、それからあとの五十名については、公述人希望者の中の賛否の比率をつくるというわけですね。そうしますと、四国において公聴会を開きまして三電気料値上げ賛成という世論構成がばっとできるわけです。こういうことは何と考えても、ふしぎ千万なことでありますけれども、そういうことが現実に行なわれて、きのう公聴会が行なわれているのです。そうすると、四国の住民は四国電力電気料値上げに賛成という結論が出てくるわけです。こういうことをやっておる企業なんです。 だから私は、そういう点もやはり考えておかないとたいへんな失敗をする。そして常に国も企業側の立場に立つという不信感が住民の中に生まれてくるのは当然です。しかも電気料金の値上げというのは、赤字が出ておるから値上げをするんだというこれ一点張りですね。しかも配当は一割をずっと続けておりますから、さっぱりわからない。赤字だと言っておるのに、今度は伊方の原発においてはわざわざさらに赤字が拡大するであろう塩水の淡水化という問題が出てくる。もうコストが高くなることがわかっておるこのコスト高の淡水化問題が突然三月二十八日に出てくる。赤字はますます拡大する。そういうことになるわけでしょう。そうすると、四国電力の将来のことを考えましたら、必ず地下用水を取るということに転化することは必至だと思う。そういう状態があります。 だから、湯山先生が質問されたように、将来において淡水化問題はやめて、今度はまた保内町から地下水を取るんだというような申請が出てきた場合には国はどうするのかという質問が出るのは当然のことなんです。こういう経過というものもやっぱり私は知っておかなければなりませんし、そういう企業の横暴さというもの、これがものすごい住民の不安を買っておるという、この企業に対して、行政がほんとうに厳正なきびしい態度をとるというのは絶対必要なんです。そのことを申し上げておきたいと思います。不安解消のためにはこのことを私はぜひともやっていただきたい。 いま湯山さんが言われましたように、公聴会については、伊方等の場合には公聴会をやらないと皆さんは言っているわけです。しかし、ほんとうに住民の不安がどこにあるか、どういう問題が残っておるのか、これを精査して、そしてこれは解消できる、この点は解消できないけれどもこういう説得方法があるとか、この点はどんなに説明しても納得してもらえないだろうとかいうような、幾つかの住民の不安に対して、ほんとうに企業の側に立つのではなくして、国が特に科学技術庁があるいは通産省その他と話し合いをしまして、それを十分に聞いて、それに対する適切な処置を講じていく、場合によっては通産省あるいは科学技術庁、環境庁あるいは水産庁などが一緒になって現地へ乗り込んで、そして住民の方々の意見を聞き、それを整理をして解決していくという、そういう大胆な態度をとらなければ、こんな決定書などという木で鼻をくくったようなことで問題が解決できるはずはないのです。しかも、いままで原子力発電所は高度経済成長政策の路線に乗っているわけでしょう。そうしてきて、いま公害問題でこれではいかぬという、日本の国民的な気持ちがここまできておるときに、依然たるいままでのままの態度で対処することは、私は絶対反対でございまして、そういう意味でどういう態度を具体的にとられるのか最後に長官に伺っておきたいのです。
○前田国務大臣 先刻来山原先生からいろいろ御指摘をいただきましたが、山原先生には前から伊方問題についてはたびたび御指摘を受けておるわけでございますが。これに関連していろいろの例をあげられて、インチキな世論構成に非常に力を入れておるといいましょうか、そういうことを具体的な例をおあげになって御説明がございましたが、私は、そういうインチキ性が暴露されますとかえって不信のもとになる、せっかく信頼を得ようと思ってやったことが、かえって逆に反目に出るということもよく知っておりますので、ほんとうにその点はけしからぬことだと思います。もしそれが事実だとすればですね。そして、われわれは企業べったりだ、そういうふうに御判断をいただくことも、われわれといたしましては残念しごくでございまして、企業べったりというそういう考え方はございません。その点は私もいつも原子力局にも言っているのです。その点は、われわれはやはり公務員として、全体の奉仕者として厳とした姿勢をもっていかなければいけないということを私はいつも言うておる次第であります。 この不安をやわらげるために何かしろというふうなお話でございますが、先ほど先生の、われわれの決定書に対する御指摘がございました。審査会が最高権威者で構成されておるからこれでいいじゃないかとか、何かそういうふうな例をおあげになって御指摘を受けたわけでございますが、とかく役所の文書というのは木で鼻をくくったような表現が多いと思います。それはよくないことだ。できるだけよくわかっていただくように親切にしていくという、表現のしかた自体でもそうあるべきだというふうに私も思います。その点は、われわれも今後表現のしかた等においてもいろいろそういうふうに行き届いたような表現をする必要があるということもよくわかっております。そして、不安をやわらげるような努力をしろということでございますが、その点も、何としましても地元の人に御理解をいただかなければいかぬわけでございますから、その点、いろいろ先生の御指摘のあった点、水の問題やら、土地の問題やら、いろいろな問題がございます。その点につきましても、通産省も四国にもその局があるわけでございますから、その点等にも、いろいろなまの声もそういう場合お聞きになると思います。また、事実そういうことも聞いてもらったし、かつまた、放射能とか――これは発電するようになってからでございますけれども、そういうふうな場合でも、よく地元と業者と県と三者協定、三者のそういう監視体制とか、そういうようなものをやられるようでございますが、そういう考え方も私は非常にいい考え方であって、そういうふうな安心を地元の方に持っていただくような、そういう方法をいろいろ考えてみたいと思っております。 具体的にそれじゃどういうことをやるかいまここで答えろと言われても、ちょっと私は具体的なお答えができないのでありますけれども、先生の御趣旨を体してできるだけ不安をやわらげるように勉強したいということを申し上げます。
○山原委員 私どもも具体的な提案をいずれすることもあると思いますが、ぜひそういう態度をとっていただきまして、問題をほんとうに住民の側に立って解決をしていくということをぜひやっていただきたい、こう要請しまして、私の質問を終わります。 〔委員長退席、原(茂)委員長代理着席〕
○原(茂)委員長代理 次に、石野久男君。
○石野委員 短い時間、昨日瀬崎委員などから質問のありました福島の東電の発電所の問題等に関連して二、三聞いておきたいと思いますことがありますので、お尋ねいたします。 大熊の事故で、特に水漏れをしたということについて、水漏れが二・四トンということになっているわけです。それで、これは六月二十三日に作業をしたあと、二十五日月曜日にこの水漏れの事態がはっきりしたのですが、説明によりますと、二十三日の作業をやめたあと、「その運転終了後次の運転のため給液タンクに廃液四トンを供給し、」こういっておりますから、二十三日に廃液を給液タンクに入れたわけですね。そして二十五日の夕刻にこの事態を発見しているわけです。作業をして二・四トンの廃液が漏れた、その期間的な時間は大体どのくらいの時間に水漏れをこれだけの量までしておるのですか。その点からちょっと先に聞かしてください。
○児玉説明員 今回の事故に際しまして、十一日から十三日の三日間にわたりまして通産省から検査官を派遣いたしまして事情聴取をし、実際の現場にも立ち入ったわけでございますが、そのときの調査によりますと、いま石野議員がおっしゃったように、二十三日の作業が終わりまして、それでドレン弁をあけ、そして二、三分後に締めて、そして次の日の午後の作業に備えて四トンの廃液を給液タンクに入れたわけでございます。この設傭は、電源を切りますと電磁弁で出口弁が締まるようになっておりますので、ドレン弁のところには廃液が来ないかっこうになっておりますので、二十五日の作業開始まではドレン弁からは廃液は出なかったというふうに私は考えております。それで、実際に締め忘れのためにドレン弁から廃液が出ましたのは、作業開始後電磁弁が働きまして液が流れ始めたときから出たというように考えます。したがいまして、その作業時間が約二時間でございますので、その二時間の間に廃液が漏れたというふうに考えております。
○石野委員 二時間の間に廃液が二・四トン流れているんですから、たいへんな量が流れているんだろうと思うのですね。一分間にしましても約二十キログラムのなにが流れることになりますね。秒間にしましても相当な量だと思いますが、こういうような液漏れが出てくるということは、これは原因は簡単に言えば締め忘れたからだと、こう いうことでございましょうけれども、しかし、いまこのことに関連して考えなくちゃならぬことが幾つかあるだろうと思うのですが、当局としては、どれだけのことをこのことに関連して考えていらっしゃるか、幾つかの要件があると思いますから、それを全部言ってください。
○成田政府委員 原因は、バルブの締め方が十分でなかったということ、あるいはドレン配管の吸い込み口が詰まっておったということ。それで、そういう原因を考えますと、やはりバルブがどんな締めぐあいになっているかというのがちゃんとわかるような装置が必要なんじゃないかということ。それから、ドレン配管の吸い込み口が詰まっておるということ、それがわからないという状態でなくて、それがわかるような状態、あるいは詰まって水がたまった場合、どれだけたまっておるかという水位の検出装置といいますか、そういう装置が必要であるということ。そしてそれが中央の制御室等にすぐ知らせ、あるいは必要な場合は警報が鳴るような装置が必要じゃないかということ。それから、廃液がたまってそして屋外に出たという、やはりたまった場合でも屋外でなくて地下のところへ流れていくように、そういう床ドレンの系列をちゃんとはっきりさせる必要があるんじゃないか等の対策が必要であろうということが考えられます。 それで結局は、総体的に言いますと、保安教育といいますか、それから作業をやる場合の、チェック、事前事後のチェックというものを十分やらないと、こういう問題特にいろいろな発電所等で作業がなれてまいりますと非常にルーズになるという点もありますので、保安教育の徹底、あるいは運転のチェック、あるいは装置のチェック等の総点検ということが必要であろうというふうに考えております。
○石野委員 いまお話のあったような件は、安全審査のときに原子力委員会として十分注意をしておったことでございますか。
○成田政府委員 安全審査の場合、一こういう廃液の処理系の設計等についても、当然原子力発電所の施設として審査の対象になっておる問題であります。 それから、通産省でも電気事業法に基づいて詳細設計に基づく工事計画の認可とか、あるいは使用前検査、運転後の定期検査等もやっておりますので、安全審査並びにその後の運転上の実施段階でも十分に対象になっておる問題であります。
○石野委員 対象になっておったのにどうしてそういう事故が出たんですか。
○成田政府委員 まあ、バルブの締め忘れというような運転上のミスが主たる原因だと思います。ただ、ミスがなければ事故は起こらなかったのでありますが、たとえミスがあっても、それが事前にわかるような構造上の改善も必要であろうというので、先ほどのいろんな問題を指摘したのでありますが、そういう事前にチェックできるような開閉表示つきのドレン弁とか、そういうのは運転上の面からやはりあったほうが安全であるということで取りつけさせるわけであります。まあ運転上のミスということに原因がありましたので、ミスということは、そういう安全性の設計審査等においては、そういう運転上のミスということは考えてなかったということでございます。
○石野委員 そうすると、先ほどは運転上のミスの問題も考えていたということでしたが、まあ考えていなかった。しかし、それでは原子力委員会の安全審査会というのは、運転上のミスということはもう全然考えないでいつでも審査をしておるんですか。
○成田政府委員 安全審査におきましては、運転上のミスを全然考えないということは言えない。相当な部分については、運転上ミスがあってもさらに安全が確保されるようないろんな、何重かの安全装置、安全的なものを取り入れているものもありますが、こういうバルブ等については、安全上のミスの影響ということは考えてなかったと言えると思います。
○石野委員 バルブの問題では、かねて原子力研究所でやはり一度事故を起こしていますね。天井を焼いた事故がありますね。考えないということはおかしいんじゃないですか。
○成田政府委員 そういう運転上の事故等の経験からいろいろ改善していくべき点だと思いますが、原研の事故等があっても、いままで改善する点が指摘され、改善されなかったということは非常に遺憾なことだと思っております。
○石野委員 事故があってその経験に学ばないということが、結局はこういうことになったことだということですね。そのことは、原子力委員会としての審査の中に手落ちがあったということじゃないんですか。
○成田政府委員 原子力委員会の安全審査は、基本設計を対象にしておりますので、こういう具体的な問題については、安全審査の問題よりは電気事業法の運用等の点でチェックされるのが適切な問題だろうと思います。
○石野委員 そうしますと、今度の問題は、原子力委員会の安全審査の問題とは関係なく判断しなくてはならないという意味でございますか。
○成田政府委員 先ほど言いましたように、安全審査会は基本設計をもとにしてやっておりますので、そういう問題は通産省の行政の問題で処理するのが適切だと思います。
○石野委員 安全審査会では、そうしますと、基本設計の問題だけを論議して、あとの安全性の問題については、全然原子力委員会は責任はない、こういうことですか。
○成田政府委員 安全審査会は、安全審査を対象にしました基本設計等については、もちろん責任は持っておるわけでございます。ただ、今度の問題は、基本設計上の問題よりは詳細設計等で処理すべき事項であったと思います。
○石野委員 大臣に聞きますが、大臣は放射能について管理監督するについてはどこまで考えていらっしゃいますか、原子力委員長として。
○前田国務大臣 原子炉の許可までは、原子炉安全審査会等によりましてわがほうの所管になっておりまして、許可等工事計画の認可は、詳細設計等につきましてからは通産省の仕事に相なるというふうに私は考えております。
○石野委員 大臣は、そうすると原子力についての放射能管理の問題については、基本設計の部門だけしか責任をとらない、こういうお考えですか。
○成田政府委員 まあ安全審査会としては、基本設計についての責任が――責任範囲は基本設計についてと思います。ただ、原子炉等規制法がありまして、行政府としてはいろいろ保安規定の順守とか、そういう運転その他実施面の責任も規制法等によって負っておるわけでございます。
○石野委員 運営面において通産省が責任をとるということは、これは当然出てくることだと思いますが。しかし、原子力基本法というものをわれわれが持って、放射能について、原子力の平和利用に関連して出てくるであろういろいろな危険を防止するために基本法が持たれておる。そういう中で、その基本法を主体的に処理するものとして内閣総理大臣が直接それを科学技術庁長官に、原子力委員長ということで委託しておる、こういう形だと私は思いますが、そういうときに、放射能の問題が一番問題になるのは周囲の環境汚染をすることなんですね。炉の中で放射能が出ることをとめるわけにはいかないんですよ。炉の中にはものすごい放射能が出ておる。それをとめるということはだれもやっておりはせぬです。一番放射能を管理するのは、やはり環境に汚染することを防止するために基本法があるんだと思います。他の側面は、戦争へ追い込まれないようにということは規定しておりますけれども、その他のものは、主として環境汚染をしてはいけないということです。その環境ということは、結局、建家の外へ放射能が出ることなんでしょう。建家の中でどんなことがあったって、実を言うとかまわないんですよ。外へ出てくるから問題なんでしょう、実際問題としては。その外へ出ることに対して、科学技術庁長官が、原子力委員長が責任がないということになったら、一体だれがほんとうの責任をとるんですか。
○成田政府委員 私は、安全審査会との関連で先ほどお話ししたのでありまして、規制法をあずかっている原子力局、科学技術庁としては、保安規定を順守させる法的な責任、義務もありますので、その限りでは当然運転についても責任が行政府としてあるわけでございます。
○石野委員 そうしますと、安全審査会というこの委員会は、基本設計の部門だけであって、その他の部門に対する、やはりこうした付属設備等についての安全性の審査の問題について、通産省の管理監督下にあるのだから、そうすると、原子力委員長である科学技術庁長官は、通産省に対してはどういうような形でそれを管理監督するのであり、また常時それをやろうとしておるのですか。その場合、原子力委員会の安全審査会というものは、その問題にはノータッチでいくのですか。
○成田政府委員 科学技術庁としては、運転についても、まあ基本法上の安全確保という見地から当然責任がありますので、これは事務局同士の緊密な連絡をとって、そうして運用面において通産省の措置等の調整をはかっております。また、必要な場合には、原子力委員会に通産省の担当局長等にも来てもらって、いろいろな説明を聞く、そういうたてまえをとっております。
○石野委員 関係諸官庁との間にいろいろ連絡をとって調整しているということの内容は、結局やはり放射能を外に出さない、そのことのための調整なんでしょう。
○成田政府委員 原子炉の安全性については、そういう放射能を周囲、環境に出さないということが一番大きな内容だと思います。
○石野委員 環境に放射能を出さないということの中には、平常時の場合と事故時の場合がありますね。だから、いずれの場合についても、科学技術庁長官はその問題に対して責任をとっていく、そういうことでなければならないと私は思いますが、そういう点については長官はどういうふうにお考えですか。
○前田国務大臣 先生に御説明するまでもございませんが、原子炉規制法には、三十七条の保安規定という規定もございますし、科学技術庁長官としては、その点、責任を感じております。
○石野委員 科学技術庁長官はあらゆる場合、たとえば他の諸官庁に関係することであろうとも、基本法に基づくところの放射能管理の点については、すべて責任をとらなければいけないというふうに私は思って、おりますが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○前田国務大臣 さようでございます。
○石野委員 そうしますと、通産省が運営上におけるところの監督をするにあたって、たとえばバルブを締めるということについて、バルブを締め忘れたというのは運営上の問題であって、それは通産省の責任だというふうに成田局長は言ったけれども、簡単にそんなふうに考えてはいけないと私は思うのですが、いかがですか。
○成田政府委員 行政府としての科学技術庁は、当然御指摘のとおりに考えるべきだと思います。また、そういう立場から現在通産省、科学技術庁、それから電力会社、研究機関等の安全管理連絡会という会合を毎月一回定例的に、必要な場合はそのつど持ちまして、安全管理の徹底、これは科学技術庁と通産省が一体になって関係機関の責任者を呼んで、そういう徹底をはかっております。したがいまして、安全上の責任については、運転その他末端までわれわれは責任を感じてその徹底をはかってまいっておるのであります。
○石野委員 そうだとしますと、原子力委員会の中に設けられる炉の安全性の問題についての審査、認可を与えるについては、当然のこととして、基本設計の問題だけでなく、それをおおうところの建家の問題であるとか、あるいは敷地内におけるところのすべての構造物に対してのことについても、当然のこととして、原子力委員会の安全審査会は配慮すべきであろうと思いますが、事実上はそういうことは全然考えないで、それは通産省のほうで考えてもらおう、こういうような形で安全審査をやられますか。実際にその安全審査会のやる業務内容というものは、通産省の所管部分であるということについての安全性の問題にはノータッチでいくのですか、どうですか。
○成田政府委員 どこまで基本設計であり、どこまで詳細設計になるかという、私、具体的に分野をはっきりここでどの部分についてはどうということを言えないのでありますが、建家とかそういうものは基本設計に当然入ってくる問題だと思います。
○石野委員 建家などが基本設計の部分に入ってくるとしますならば、その中に入っているいわゆる本体からこのような廃液処理の問題も一連の建家内の設備構造ですね。ですから、こういうものを建家の中で処理するとするならば、そこから出てくる安全性の問題について安全審査会は当然配慮しておくべきだし、それに対しての断定を一応それなりに持たなければいけない、私はこう思うのですが、これは安全審査会では関係なく、別途に考えるべきものなんでしょうか。特に今度のこういう廃液漏れというようなことが出てくる事態について……。
○成田政府委員 この廃液漏れの問題これは安全審査会で取り上げるべき問題であるかどうか、われわれ具体的に検討して、安全審査会等ともよく相談してきめたいと思いますが、いまはっきり安全審査会の問題として取り上げるということをここで申し上げられない。むしろ早急に検討してまたお答えしたいと思っております。
○石野委員 いまの御答弁だと、今日まで安全審査会としては、この問題には安全性の問題は触れてなかった、こういうことですね。
○成田政府委員 バルブの運転操作のミス等について、そういう配慮は、従来の安全審査においては施設におけるそういう問題については配慮されてなかったということでございます。
○石野委員 私は事実をさだかに調べてみないとわかりませんけれども、原研におけるところのバルブの事故が起きたときと、それからこの福島の第一号炉を認可した時期との間はどういう時間的な関係になっておりますか、ちょっと教えてください。
○成田政府委員 ちょっといま、原研の事故がいつであったか、早急に調べてお答えしたいと思います。
○石野委員 たしか福島の炉の認可をするちょうど同じような時点だったろうと思うのです。審査に入っている時期よりも少し早いんじゃないかなと思ったりしているのですがね。 いずれにしましても、これが若干のずれがあったとしても、ああいう事故がありました。あのときもしもう少しおそく、あれが炉の中まで入っていったらたいへんなことだった、そういう警告があったわけですよね。やはりこういう事故の経験に学ばない審査というのは私は非常に不安を感じます。これは原子力委員長として、こういう問題について安全審査会がしっかりと審査の手を伸ばしていないということであるとするならば、これはそのまま放置しておいてはいけないと思うのです。少なくとも今度の問題に関連して、安全審査の問題はこういうところにまでももう少し着目せなければいけないんじゃないだろうか、こういうように思いますが、長官はどういうようにお考えですか。
○前田国務大臣 私は、これは安全管理上の払うべき注意義務が十分でなかったというふうに実は聞いておりまして、まあほんとに心のゆるみと申しましょうか、そういうふうに私は実はいままで解釈しておったわけでございます。安全審査の点でもこういう点を十分注意すべきじゃないかという先生の御指摘もございますので、ただいまからも私はこの点をよく検討してみたいと考えております。
○成田政府委員 原研のバルブのゆるみからホットラボの廃液漏洩事故、この事件がありましたのは昭和四十七年の四月十九日でございます。福島一号炉の許可をしましたのは昭和四十一年の十二月一日でございます。 ただ、やはりこういう運転上のミス等の教訓を生かして、安全審査等においては十分取り入れて改善していくべきものは改善していくべきだと思いますので、そういう方向で検討してまいりたいと思います。
○石野委員 原研の事故はずっとおそかった、それは確かにそのとおりですね。問題は、先ほど総括されたという中で、吸い込みが詰まるとかあるいはそれが詰まったときにわかる装置をしなくちゃならぬとかいうようなことが、この経験に学んで当然やられねばならぬことでありますが、しかしこれらのことは、やはり安全審査会の段階で、それが欠落しているかどうかをしっかりとつかまなくちゃならぬ問題だということをここで確認しておいていただかなければいけない。今後炉の審査をするにあたって、こういう問題についても十分審査の手が伸びていなければ、こういう事故が起きたときにだれが責任をとるということもできなくなります。 もう一つ大事なことは、たとえばバルブから出た二・四トンの水が屋外に〇・二トン出ているということです。先ほど、床ドレンをつくればこれは十分吸収できたのかもしれませんが、それがなかったからだと言うけれども、しかし、それがなかったということであったとしても、屋外に出るということは問題なんですね。 そうすると、この建物自体についても安全性は確認されていないんですね。そういうことが言えると思いますが、これは考え方としては間違っていますか。
○成田政府委員 あの建家の構造、吸い込み口が詰まってなければ外へは出ないというたてまえになっておったのでありますが、詰まったことによって屋外に出た。あの設計におきましては、詰まることを考えないで、外へ出ることはないというふうに考えておった、そこに問題があるんでありますが、そういうことだと思います。
○石野委員 そうすると、原子力の問題では事故がないということを前提として安全審査をしておるということですか。
○成田政府委員 あの場合も十センチぐらいの高さをとっておりまして、その範囲でたまった場合は出ないようになっておりましたが、今度の場合量が多かったために、その高さを越えて出たということで、安全審査の段階では操作上のミスあるいはドレンの詰まりということを考えないために、そこまで起こるということは想像してなかったと思います。
○石野委員 原子力委員長としての長官に、これは重大な警告をしなければいけないし、当然このことは、今後原子力委員会全体が考えてもらわなければならぬと思いますが、バルブの締め忘れをしたらこうなるんだということを考えなかった。それで廃液漏れが幾らかあってもそれはここへ吸い込めるだろうと思ったら、それが詰まっておってだめだった、こういうことはやはり一応考えなければならぬ問題ですね。そういう考えなければならぬ問題を全然考えないで、安全審査をどんどん通してしまうというところに、一般の住民は不安を感じるし、それだけじゃない、少し研究されておる科学者は、やはり重大な不安を感じているわけですよ。 いま原子力の問題についての行政上の処置というのは非常に甘いということだと思うのですね。やはりこの点はもう少ししっかりやらなければいけない。特にいまの問題などは明らかに設計ミスになるわけでしょう。設計ミスじゃないといえる理由はないわけですよ。事故が起きた場合のことを考えてないんだから。だから私は、こういう安全審査会で安全だと言ったことがきわめて不安だという実例が出たということになりますと、今度は電力会社などが、原子力委員会が安全だと言ってくれているんだからだいじょうぶだということを、手放しでビラを書かれるのは困るんですよ、実際問題いうと。そうでしょう。東電に行きましたときに、いろいろなビラが出ていますよ。そしてまた、こういうような原発周辺の放射能についてというようなことでビラも出ています。だいじょうぶでございますと書いてある。あるいはまた、こういう東電の出しておるパンフレットの中にも、裏のほうにやはりだいじょうぶですということが書いてある。しかし、こうなってくるとだいじょうぶじゃないんですよ。だからこういうようなごまかしの宣伝をされるということを許してはいけないとぼくは思います。 かねてから原子力については未知数が多い、経験が乏しいということをわれわれはしょっちゅうここで言っているわけですよ。それだのに、こういう事故が起きてもなおかつそのことについて十分な処置をしないということになったならば、これは事故が起きないときはいいですけれども、事故が起きたときたいへんだとぼくは思います。ですからわれわれは、別に電力業者にいちゃもんをつけていやがらせをするとかなんとかということを言うんじゃないですよ。こういうような初歩的なミスが重なって、そしてしかもドラムかん四十八本というようなものを、あんな何でもない土を詰めて、しかも膨大な金を出した倉庫の中へ最も厳重な格納をせなければならぬという、こんなばかげたことをやらなければいかぬでしょう。だとするなら、これはもう少し行政指導の面においても厳格さがなければいけないと私は思うんですよ。 特に私は建家の問題について、建家の安全性との関係について、原子力についての建家の安全性について、特に注意してもらいたいと思うんです。建家の中にあるところのものが何かの事故を起こして放射能を出しても、その建家が完全に外へ放射能を出さないように、永久にではなくても、ある一定の時期それができるようにならない限りは、その建家は何の役にも立たないわけですよ、安全性の観点からすれば。だとするならば、私は建築基準法におけるところの建築確認の問題が一つ問題になってくると思うのです。建築基準法の第一条は、きょうは建設省からも救仁郷課長さんが来ておられるから十分おわかりだと思いますけれども、第一条のなにを読みますと、「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。」とこうある。この国民の生命、健康という問題がそのまま原子力の放射能につながるわけですね。そういうふうに読んでいいと私は思いますが、大臣はどういうふうに考えますか。
○前田国務大臣 同様に考えます。
○石野委員 建設省の方はどういうふうにお考えになりますか。
○救仁郷説明員 基準法の目的に書いてございます安全の問題これは当然建築物を主体として考えまして、建築物による災害を防止するという問題でございます。しかしながら、具体的にはそういった最低の基準というものを建築基準法の中で法律あるいは政令におきましてきめてございます。その中では、放射能の直接の問題に関しましては他の法律にゆだねてございます。したがいまして、建築の確認という段階では、放射能の問題に関しましては科学技術庁あるいは通産省のほうにお願いいたしまして、私どものほうといたしましては、その耐震性の問題、そういった問題から確認をいたしていくというのが実情でございます。 しかしながら、先生のおっしゃいますように、そういったばらばら行政の弊害を避けるために、私どもといたしましては、通産省のほうにもそういった建築の耐震関係の専門家を顧問に加えていただきまして、そちらの意見を徴していただいた結果を建築主事は判断してそして確認をおろすようにというような指導をいたしております。
○石野委員 そうすると、放射能関係の建物、いわゆる原子力に関する建物について建設省の建築確認の問題というのは、大体耐震構造のそういう側面に重点を置いておるのであって、放射能が漏れるか漏れないかということについては全然関係はない、こういうことでございますか。
○救仁郷説明員 審査の対象といたしましてはそういうことになろうかと思います。ただし、工事現場でそういった通産省のほうのいろいろな工事について計画の認可どおり行なわれているかどうかということを確認する義務は当然ございます。
○石野委員 大臣にちょっとお尋ねしますが、いま建設省のほうは、建物の建築確認の問題については救仁郷課長からの説明のとおりです。でありますと、たとえば先ほどの問題になっております廃液漏れの問題なんか出てまいりますね。こういう問題についての監視監督という問題、そういう問題は具体的にはどちらがその構造物を許可確認する場合にはその責任をとることになりますか。
○成田政府委員 そういう場合の責任は、通産省がとるべきたてまえと思います。
○石野委員 そうすると、たとえば電力会社が安全審査会の確認をとって総理大臣から認可を得る。そうすると当然今度は建築に入りますね。建築に入った場合に、その建築の確認をいま地方自治体の長が、やはり代行される建築主任技師ですか主事ですか、これにやらしておりますね。この場合、通産省はそれらの点についてかかわり合いを持ちながらこれを認可をしておるのですか。
○救仁郷説明員 原子力発電所の具体的な建設に際しましては、電気事業法施行規則によります諸手続を実施しながらやっております。実際には約十数回に分けた部分的な工事計画の認可申請が参りまして、その内容について逐一審査をし、また技術顧問会の先生方の御意見をいれまして認可の処分をしております。その中で、私たちといたしましては、技術基準というのを持っておりまして、技術基準にのっとっておるかどうかをそのときの、審査の一つの目安としております。技術基準の中身は、これは放射能関係の問題につきましては、科学技術庁の法令にほとんどすべて準拠するかっこうになっております。そういう意味では、科学技術庁の行政と全く同じレベルでやっております。 それで、今回の問題なんかにつきましても、技術水準といたしまして発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令というのがございまして、それの第三十条に廃棄物処理設備に関する技術基準が定められております。そういう諸基準によりまして、今度の場合なんかは技術上問題ないと実は判断いたしまして認可したわけでございます。
○石野委員 そうすると、この建物の構造等についての放射能漏れとか、あるいは放射能が漏出するということについての建築確認のときの責任は通産省が持たれるということですね。
○児玉説明員 ただいまの技術基準の中に三項目がありまして、その第三号に「放射性廃棄物が漏えいしがたい構造であること。」というのがありまして、それにのっとりまして、たとえばせきを十センチ出入り口のところに設けろというような指導で、建物にそういうものを付加させたということであったわけでありますが、まあ結果的にはそのせきの高さが足りない、またもっと床にたまった場合に検知すべき装置がこの技術基準では明記してなかった、そういうような具体的な問題があったのではないかということを反省しております。
○石野委員 そうしますと、この問題については通産省は、そういうようなせきを設けるとかなんとかとしたことは、特殊建築物だという立場から放射能漏れを防ぐということでやられたのですか。それの基準になるのは科学技術庁が提起しているわけですね。科学技術庁のほうから、そういうことについての資料なりあるいは御相談になって、大体科学技術庁がそれに対する指示を与えている、そういうことじゃないのですか。どっちなんです。
○児玉説明員 この技術基準をつくるに際しましては、学識経験者の方の御参加を得ていますし、それから科学技術庁からもいろいろ御意見を伺っておりますけれども、手続上としては、独立した形でつくっておりますので、手続上は科学技術庁と相談した形にはなっておりません。
○石野委員 大臣、いまのような状態ですと、結局放射能の管理の問題については、ああいう建物に関する限りは通産省と科学技術庁との間に連絡が密であることはある程度わかりますけれども、しかし、実際には管理監督の責任は別途になっておりますね。そして、長官はそれに対して発言はできないわけじゃないのでしょうけれども、しかし、もう通産大臣なりあるいはその関係者にこれを委託した形になっている、放射能管理についての問題ではやはり原子力委員長というのは案外にそういう点はルーズな立場に置かれているわけですよね。それでいいのだろうか、この点は、これは従来の法令上の何であるかどうか知りませんけれども、私はこれは非常に問題があると思うのです。ことに今度のような、実質的にこういう事故が出てまいりますると、私は、この問題を通産省の所管だからということで放置してはいけないのではないか、原子力委員長はそういう問題についてももう少し厳格な管理監督をすべきじゃないだろうか、こう思いますが、それはどうでしょうか。
○前田国務大臣 その点は、所管争いでキャッチボールみたいに何か自分のほうの責任じゃありません、責任じゃありませんという、そういう姿勢をとることは非常にまずいと思います。しかし、建築の設計とかそういうものを具体的にケース・バイ・ケースで審査し検査していくというのは、結局通産省でお願いしているわけでございますから、その点はさらに緊密に連絡をとっていきたい、必要によってはわれわれは報告を求めることもできるわけでありますから、そういうことは原子力委員会設置法に関係ありますし、そういうことで指示あるいは勧告することもできるわけでありますから、特にそういう形式ばったことをしなくても、この点はさらにわれわれのほうから、こういう点は特に注意してもらいたいということは、私は意見を言うべきである、委員長のいまの御警告の趣旨はそういうふうに理解したいというふうに思います。
○石野委員 ことばの上ではそういうふうになるのだけれども、実際にはそれではいけないのですよ。事実問題として建築確認をするのは、通産省にはいろいろ関与すると言うけれども、事実上はやはり建設省の管轄下にあるところの地方における自治体の建築主事、そういうようなところでこれは処理してしまうわけですよね。そうしてこの建築主事は、やはり建築設計上の問題だけに合っておればいいということだけで、放射能が漏れるか漏れないか、そんなことは私には関係ないという態度をとるわけですよ。事実そういうことなんですよね。私は、この問題はなぜこういうことをやかましく言うかというと、再処理工場の問題で建築確認に対する戦いをわれわれはしてきているのですよ。そのときにいまのような話はちっとも出やしないのです。建築主事は設計どおりやってあるからいいということだけなんですよ。設計どおりやってこんなミスが出てくるということになったら、もう少し何か考えなければいけないのではないか。いま大臣は、連携を十分とりさえすればいい、格式ばったことを言わなくてもいいと言う。そんなことではいけませんよ。事故が出なければ――現実に事故が出ている。たまたま小さいからいい。小さいからよくても、現実には科学技術庁の調査官なり何なりが行った当日は、現場に入れなかったのじゃないか。それで、あとから行ってドラムかんに詰められた土を見ているだけでしょう。こういうふうになるんですよ、実を言うとね。これがもうちょっと量が多かったり、もう少し濃度が強かったら、これはたいへんなことになっちまいます。私は、中の程度でよかったと思うのです、中レベルで。だから、一つあることは幾つも出てくるのですからね。いまのようなキャッチボールじゃない、ほんとうにキャッチボールしているのですから、そんなキャッチボールじゃだめですよ。これはここでもう一度あらためて管理監督上の処置をもう少し明確にし、一元化しなくちゃいけないと思います。同時に、建家についての問題について、もう少し原子力委員会が真剣に突っ込んでいかなければいけないのじゃないだろうかと、私はこう思うんですよ。これは大臣の所見をひとつ聞いておきたい。 それが一つと、それからもう一つは、やはりわれわれが問題にするのは、建家から外へ放射能を出しちゃいけないということなんですね。放射能を外へ出さないようにするということについて真剣な努力をしなければ、これは問題を何べんでも起こすだろうと思うのですが、こういう点について大臣はどういうふうに処置されるか、考えておられるかということも、ひとつここで聞かしておいてもらいたい。
○前田国務大臣 ただいま委員長御指摘の、そういうバルブの問題であるとかあるいは建家の問題等につきましては、関係行政機関に原子力委員会として必要な処置をとりたいというふうに考えております。
○石野委員 関係機関に対して原子力委員会が処置をするんじゃなくて、原子力委員会がこれらの問題についてやはり責任をとる態度をとらなければいけないのではないかということを私は言うんですよ。それが必要でないほどにまでわれわれは安全性が確認されていないから言うんですからね。いま大臣が言われることは、もうだいじょうぶなんだということが前提になっての発言なんですよね。ところが、私はそれはだいじょうぶじゃないからこうしなさいと言うんで、もう発想が全然違うんですからね。大臣がそんなに安全性の問題について確信があるのかどうかという問題に触れてくるんですよ。だから私は、単なる連携をとってということじゃなくて、この事故にかんがみて、もう少し科学技術庁長官、特に原子力委員長というのは、そういう問題について全責任をとるという立場に立って原子力問題を処置していかなければ、いろいろ新しい問題が出てくると思います。もう一度長官の発言を聞きたい。
○前田国務大臣 今回の事故にかんがみまして、原子力委員会としては安全性の確保のためにさらに強い姿勢で臨んでいきたいということを申し上げます。
○石野委員 私は福島の東電を見て、そのときにこういうことをみんな質問したのです。こういうような事故が出てくるということはたいへんなことなんだから、もちろん所内における従業員についても当然事故に対する訓練はしなくちゃいけないだろう、待避訓練というようなものはせにゃいかぬだろう、防護装備もしなくちゃいけないだろう。同時に、こういうような事故、いわゆる仮想事故というものを一応想定して、そうして町民に対しても不安を与えないような訓練をする必要があるんじゃないか、こういうことをわれわれの仲間が聞きました。そのときに、会社側はこういうようなことを言っていました。訓練をやると町民が不安を感じるんだ、そういうことはもう、町民に不安を与えるようなことはなるたけやりたくないんだ、もしそれをやるなら町当局でひとつ考えてもらいたい、こういうような実に突っ放されたような答弁を聞いたのですがね。私はこういう考え方を会社が持っているということは全く無責任だと思うんです、実を言うと。むしろこういう事故があったらなおさらのこと、私は退避訓練などを――事故がなければないでけっこうなんですから、やる必要があると思いますが、長官はどういうふうにお考えですか。
○成田政府委員 防災計画に基づく退避等の訓練は、東海地区で県、関係市町村が入りましてやった経緯があります。したがいまして、福島の今度の事故に関連して、あそこで防災計画に基づいてやるかどうかという点については、県あるいは関係市町村とよく相談をして検討したいと思います。
○石野委員 東海村の防災訓練というようなものもほんの一部分のなにで、そんなに大きな顔をして言えるような内容じゃないんだ、実を言うと。ほんとうにみんなに対して言いわけ程度のものしかやっていないんですよ。こんなことでは、事故が起きたら、何の役にも立たないですよ。もう少し親身になって考える必要があるだろうと私は思います。 いずれにしましても、今度の大熊の事故といい、それから美浜の炉内におけるところの、ああした熱交換器におけるところのいろいろな故障が起きていることといい、いろいろわれわれは考えなければならぬ問題がありますが、ちょうど大熊の炉がいま定期検査中でございますね。定検の中で、取りかえ燃料棒の中から若干のピンホールが出ているということを聞いておるのですが、どんな状態ですか。
○児玉説明員 福島原子力発電所の定期点検におきまして、燃料体の検査を四十八年の四月二十七日から五月二十三日にわたりまして実施いたしております。その実施いたしました結果、燃料体におきまして漏洩が若干認められまして、三十八体の燃料体を交換するということで、それを全部新燃料と今回取りかえることにいたしております。
○石野委員 こまかいことはまたあとでわれわれ自身としても考えなければいけませんが、現在の軽水炉あるいはまたそれに使う燃料棒等においても、このように私たちがだいじょうぶだ、だいじょうぶだと聞かされている中から、美浜の場合でいえば八千八百本のうち二千本余りの細管を取りかえしなければならぬ、めくら閉じしなければいけないというような事故が出てきています。そしてまた、大熊の場合でも、燃料棒にピンホールがそういうふうに出てきております。 いずれにしましても、原子炉というのは、それ自体が正常な運転を安心してやっていける事態にはない、まだテスト期間中であるというふうにしか思えないような内容になっていると思います。 美浜における事故によっていま出力低下が当然予想されるわけですけれども、先ほど井上さんからまだそれは検討中だというお話がありましたが、少なくとも二千本以上の細管、熱交換器としての部分をとってしまえば、これは機能上十全でないことははっきりしているわけですね。向こうでは、二割の余裕をとっている、いや三割の遊びがあるからというようなことをいろいろ言っていましたけれども、実際問題として三十四万キロワットは出ないだろうと思うんですよ。われわれの計算からいけば、非常にいい計算を出してみても二十二、三万キロワット。しかし、実際にやれば二十万キロワットを割ってしまうかもしれない、安全性をとれば。そういうことになるだろうとわれわれは考えますが、通産省はこの問題についてはどういうふうに見ておりますか。
○井上政府委員 先ほど御説明申し上げたとおりでございますけれども、正確に申しますと顧問会の結論に従ってやるということでございますが、個人的には、先生と似たような感じを持っております。十全に動くことはないのではなかろうかと思っております。
○石野委員 これは電力会社のほうでも考えなければならぬ問題だろうと思うんです。三十四万キロワットを出せるはずで当初しているわけですね。ところが、炉は永久に使えることはなくて大体三十年というような年期になっている。いまのようなこういう事情で三十年運転したらものすごい赤字ですよ。とてもじゃない、原子力で火力や水力以上にもうけを出すことはできないだろうと思うんですよ。なぜこんなばかげたことをやるのだろうか。こんな例が出てきているのに、何で急いで次から次へ原子炉をあっちもこっちもつくらなければならぬかという問題が、われわれとして考えなければならぬ問題として出てきていると思うのです。 私はやはり電力会社が、自分たちはもうけたいからということで、まあ経験を積んでいけばいいんだというようなことで、たくさん利益金をあげているから新しい投資をするのかもしれませんけれども、しかし、普通の企業だったら、こんなことをやっておったらつぶれてしまいますよ、率直に言って。三十四万キロワットを予定したものが、せいぜいまだ二年か三年しかたたないうちに二十万キロワットになってしまうんですよ。どんなに、それこそすそをはしょってはち巻きを締めて、一生懸命運転したところで、とてもじゃない、これは二十五万キロワットも出やしないのだ。そんなことはわかっているのに、通産省はこの経験をもう少し電原開発の問題について、原子力の場合、日本の原子力が、たとえば軽水炉としても全然別な形のもの、全然別途の設計のもの――それは新しいものは若干前進していることは知っていますよ。でも同じような思考性の上に立っている設計ですから、事故は必ず出てくるという不安をわれわれは持つんですよ。そういうものについて一挙に、テスト期間も何も抜きにして、ものすごく一挙に六千万キロワットというのでわんさわんさで進軍していくというやり方は、ちょっと私は考えられないんだ。これは経営上の立場からいっても、私たちはこれはちょっと頭をかしげますし、安全性の関頭からいうと、これは非常に不安を感じるのです。 私は、この際通産省のほうで、熱エネルギーを確保するために原子炉の開発ということを一生懸命やられる。また科学技術庁も、そのことに真剣に取り組んでおられることは敬意を表しますけれども、実態はこういう形になっているものを、全然あなた方がチェックしないで、企業の側が予定されるような状態にどんどん認可していくというやり方、そこに問題があると思うんです。こういうような企業の一つの計画に追随するという形が、原子力委員会の中に出、あるいは安全審査の中に出てきているように見受けられる。こういう点をもう少し締めてかかるべきじゃないか。急がば回れということばは、われわれの古くからの先輩がわれわれに残していることばなんですよ。いま一番原子力行政の上においても、原子力産業の上においても大事なことは、この急がば回れという道を着実に踏むことじゃないのでしょうか。美浜の問題にしても、あるいは大熊の問題にしても、あるいは東海にでもですよ。しかも東海では、営業用のところでない原子力研究所の中だって、いろいろな事故が出ているんですよ。もう少し原子力政策について腰を落ちつけなくちゃならないことをこの事故は示唆していると私は思うのです。大臣、ひとつこういう問題について、ただやります、やりますじゃだめなんで、しっかりひとつ考えていただく必要があるように思うのですが、どういうようにお考えでしょうか。
○前田国務大臣 美浜の事故であるとか、いろいろ軽水炉の事故の点も、先生御指摘のとおりであります。この点は、確かに原子力発電の歴史というものはまだそれほど古くはないという関係もあるだろうと思いますけれども、私は専門家じゃありませんけれども、技術は、まあわが国でも一生懸命に軽水炉の開発、技術の向上にも、いろいろ研究費を投じておりますが、結局、技術の改良向上ということに自主性を持ってさらに取り組んでいきたいということと、その安全性の確保、万一事故があったらたいへんでございますから、その意味において、安全性の確保のためにも、検査体系というものを充実して、そうしてそういう点の不安がないようにしながら、先生は、少し現在の原子力発電の構想というものは先ばしり過ぎるじゃないかというお考え方でございますけれども、別にわれわれは、企業の売らんかな主義の姿勢に即応して原子力発電というものを進めておるわけではないというふうに私は固く信じておりまして、結局、電力需要というものが相当な比率、年率九・五%前後で電力需要というものが進んでまいりまするし、生活水準が向上しますと、どうしても電力の必要性が増してくるという関係で、先生御指摘の安全性の問題であるとか、あるいは軽水炉の能率が非常に悪い、効率が悪い、欠点が多いということも改善しつつ、原子力行政というものの現在の線を進んでいきたいというふうに考えておるわけであります。
○石野委員 電力が足りないのだから、電力をつくるということについては私は反対しません。だけれども、安全性を無視した形で、何でもやらんかなであるやり方を私は批判しているのですから、そういう点は明確にしておいてもらいたいと思うんです。 お聞きしますけれども、現在九電力なり各社が定検の時期に入っていますね。いま定検でとまっているのは炉だけじゃない。もう水力、火力含めてですが、どのくらいありますか、特に原子力の場合。
○井上政府委員 いまとまっている数字、はっきり知りませんけれども、大体定検が終わりまして、ぼつぼつ戦列に復帰しかかっている状態でございます。いま関西、中部、中国、いろいろ問題がございますけれども、大体二十日ごろまでには中部の大きい発電所がだんだん入ってまいりますし、それから関西につきましても、姫路の第五、六号機がまた入ってまいります。そういうようなことでございまして、ぼちぼち定検が終わりまして、もう入ってくる状態でございます。そういうようなことで、全体の数字が幾らか、ちょっといま資料持っておりません。
○石野委員 いま電力不足が非常にいわれておるし、電力危機だといわれておるけれども、定検で、一定の期間内にばさっと検査が終わって入ってくれば一番いいのですよ。しかし、たとえば原子炉のごときは、予想される期間以上にやはり定検の期間が長くなっているだろうと思うんですよ。これはもう首をかしげる必要はなく、そのとおりになっていると思います。したがって、予想されるような発電量がいま原子炉については期待されないわけですよ。だから、こういうような実情がありますと実際混乱がくるんですよ。計画上の混乱がくると思いますね。 われわれよりもおそらく政府当局なりあるいは通産省なりにそういう混乱がくるんだろうと私は思うのです。なぜそういうことがくるかというと、やはり炉の不安を無視した形で設置しているからということになってきますから、やはりここらのところは、大臣、しっかりと押えてかからないと、炉がありますから、そして既定の容量のものはこれだけのものは発電しますからと、数字をはじいて計画を立てたら、いつだって不足が出てくるんです。しかも、それの不足が出てくれば、一般の住民が冷房使うからいけないんだなんということで、庶民のところに停電の押しつけがくるという形になる。われわれはそういう場合、いろいろの観点から発電はどんどんさせるべきだと思いますけれども、少なくとも原子力に関する限りは、もっと慎重でなければいかぬということだけは、これはひとつ重ねて、大臣、私は注意を喚起しておきたいと思います。
○前田国務大臣 委員長からたいへんいろいろ御注意をいただいたのでございますが、われわれの計画にいろいろそごがあるのじゃないか、そごを来たすのじゃないかという点も御指摘をいただきましたが、その点もよく心いたしましてそごのないように、しかも慎重に進んでいきたいというふうに考えます。
○石野委員 時間の関係もありますが、やはり原子力についてはあくまでも地域住民の放射能汚染についてあるいは危害についての不安を排除するということがもう大前提にならなければいけないと思います。そういうような意味で、私は大熊の視察のことを軸にしまして幾つかの質問をしましたが、特に私は建築物の確認等の問題について、実際には地方の知事がその責任をとってやるんですけれども、率直に言いますと、全く放射能については無関心ですよ。これはもう設計どおりできておればいいんだということで通しますから、そうなると、建築確認に対する地元民の不安なりそれに対する憤りというものは激しくなってきます。これは地元民が悪いんじゃなくて、建築確認におけるところの法令上の責任者が建築主事という形になっておりますので、そういう形になっちゃっているんだと思う。結局、この法令の解釈なり運用の問題について、これは当然もう一。へん考えなくちゃいけない問題だと私は思いますから、これはわれわれの議会の場でももう一ぺん考えることになりますけれども、やはり政府各機関の間において、もう少し放射能漏れの問題について、建家の側で真剣な配慮をすべきだろうと思います。こういう問題について、私は通産省なりあるいは建設省なりの御意見も聞きたいし、なお大臣からもそのことについて所見を聞いておきたいと思います。
○井上政府委員 今回の放射能漏れにつきましてはまことに残念だと思います。今後の方法といたしましては、先ほど児玉課長からも御説明申し上げましたけれども、工事認可の際のいろいろな技術基準がございますがそれにつきましては、先ほどもちょっとお答えいたしておりましたけれども、放射能が外部に漏れないことというようなことで、どっちかというと抽象的でございます。それでは今度のような事態が発生することがあると思いますので、今後技術基準につきましては具体的になるような検討を進めていきたい、こういうように思います。
○救仁郷説明員 原子力発電につきましては、先生御指摘のように、科学技術庁の安全審査を経まして、それから通産省の工事計画の認可というものを踏みまして、建築確認、最終段階に入るわけでございますが、先ほどもお答えいたしましたように、従来その関係につきましては調整をはかってきておりますが、なお一そうの調整をはかりながらそごのないようにいたしたいと考えております。
○前田国務大臣 原子力委員会といたしましては、先ほど御答弁いたしました関係省庁とも十分よく連絡をとりまして放射能漏れがないように対処いたしたいと思います。
○石野委員 茨城県では今度原発の汚染等について、どうも国や会社にたよっておったのではあぶなくてしょうがないというようなことで、県自体が今度茨城県の自衛観測体制というものをつくる、そういうところまで実はいっているんですよ。このことについて、大臣はそれをどういうふうに考えますか。
○前田国務大臣 ただいま委員長御指摘の問題は、実は私、けさの新聞でも拝見をいたしまして、もちろん地元においてそういう関心を持っていただくということは、非常にけっこうなことである、しかし、これが国に対する不信感のあらわれであってはいけないというふうに考えております。しかし、みんながそう関心を持っていただくということは、あるいは訓練をするというふうなことも含めまして、地元においてもそういう関心を持っていただくという点はありがたいことだというふうに考えております。
○石野委員 私は大臣の答弁に驚きましたよ。私はむしろ、やはり遺憾だと思うくらいに答弁をもらいたかった。県やなんかでそんなことをしなくても、おれのほうでだいじょうぶやっちゃうのだからというふうなことをなぜ言えないのですか。茨城県がこれをやるということは、不安があるということを政府が認めていることですよ。これには相当な金をかけますよね。とにかくだいじょうぶだ、だいじょうぶだということで土地を安く売って、そして常時事後のいろいろな出費をしてやっている茨城県が、またその上にこういうようなことに金をかけるのです。政府はこれをありがたいことだというふうに思っているというようなことでは、これはとても私は納得できませんよ。大臣はもう少し原子力について責任感を持ってほしいと思います。茨城県はこれだけ自主的に、東海村と大洗へああして監視体制をつくらなければならぬ、それもただでできるわけじゃないのです。一カ所やれば少なくとも五百万から一千万の金はかけなければならぬのでしょう。これを恒常的に維持するというなら、また経常経費がかかってくるんです。それを国の方針によってとか、あるいは会社の利益のためにというようなことでやって、何で地元民がこういうことを常時負担していかなければならぬのです。こんなものは、これだけの構想が出たら、よし、それは政府でやってやろう、なぜそのくらいのことを考えないのですか。私は、むしろこういう経費は、全部国が出すか、あるいは原発なら原発というようなところでやはり責任をとるべきだと思います。そういうようなことを来年度予算くらいでは考える気持ちはありませんか。
○成田政府委員 御承知のように、水戸に科学技術庁の原子力事務所を置いて、東海地区のモニタリング等をやっておったのでありますが、事業者のモニタリング、それから国の水戸事務所のモニタンリグ等で従来やってまいりましたが、最近県民の不安解消という見地からか、県が独自につくるということも聞いておりまして、これは国のモニタリングを信用できないということであったら、そういう意味なら非常に遺憾なことだと思いますが、地元民の不安解消のために、いろいろな形のモニタリングがあるということは、また非常に厳密を期する意味ではプラスにもなることだと思います。
○石野委員 プラスになるかどうか知らないけれども、茨城県としては、現在でさえもいろいろな不安がある。それに再処理工場ができる。再処理工場ができれば、クリプトン85が毎日八千キュリー出ていく。それを押えることも何も政府は考えてないのでしょう。いま大熊でわずかに二・四トンの廃液が出て、出たところの放射能はほんのわずかなものでしょう。これは福島の東電の言い分によりますと、ここで出た放射能の量は二〇・八ミリキュリーでしょう、向こうの報告によりますと。こういうふうに報告されていますが、それは違いますか。建家内では十九・一ミリキュリー、屋外には一・七とありますが、違いますか。
○児玉説明員 屋外に出ましたのは一・七ミリキュリーでございます。
○石野委員 だから、屋外へ出たのは一・七ミリキュリー、そして屋内で十九・一ミリキュリーですね。たったこれだけのもので大騒ぎするんですよ。ところが、再処理工場ができれば、毎日八千ミリキュリーのクリプトンが出ていくのです。こういう問題を、建物をつくったときに、これは安全でございますということで安全審査会は通しているわけなんですよ。こういう問題についても、実を言うと私は疑義があるわけですけれども、現実にあの安全審査会の報告書によれば、毎日八千キュリーのクリプトンが煙突から出ていく。しかもそれは二キロの地点に大部分が沈下します。こういうことが書いてあるんですよ。こういうわかり切ったことを安全審査会が許しているわけなんですが、こういう問題についてもう一ぺん検討を加えるべきではないだろうか。大臣、これは原子力委員会でもう一ぺん考えてほしいのです。大臣は、ことしの正月に、無公害の何をやるのだということを本院でも答弁しましたけれども、煙突から八千キュリーのクリプトンが出ていく、それも一年間じゃないんだよ、毎日毎日なんですよ。作業が行なわれる限りにおいてはそれだけ出るのです。こういうことがわかっているのに、これが安全性をパスしましたという、こういうことになったら地元民が不安を感ずるのはあたりまえなんだ。だからこそこういう施設を県はつくるんですよ。だから、これは何も茨城県民がやらなければならぬことではなくて、結局政府の安全審査会がそれを許可し、それによって事業体が建物をつくり、操業することから来る負担なんです。私はやはりこういう問題は、ただ言いのがれじゃだめなんで、本来ならばこういうものを茨城県がつくらなくてもいいようにしなければいけないと思うのです。つくらなくていいようにすべきだと思いますよ。政府にはその考えはありませんか。
○前田国務大臣 ただいまの私の答弁、別に国が責任のがれをするという趣旨では毛頭ございません。県にまかしてしまって、国はどうでもいいというふうな、どうでもいいとはちょっと言い過ぎでありますけれども、そういう姿勢では全然ないわけでございまして、その点をひとつ先生、誤解のないようにしていただきたいと思うのでございます。安全性といいますか、地元に御安心をいただくような措置というものは、できるだけいろいろ考えていきたいというふうに思います。
○石野委員 県にまかしてしまうつもりじゃないということならば、第二原発ができたり、あるいは再処理工場ができることが前提となって県がこういう予算を組まなければならなくなったのだが、県にまかせ切るつもりじゃないのだということなら、何かこれについての予算的な責任をとるとかなんとかということまで考えなければ、そのことばはうわずったことばになってしまいますね。中身はないですよ。その用意はございますか。
○前田国務大臣 いま具体的に予算的にどういたします、そういう御答弁はいたしかねます。しかし、地元にできるだけ安心をしていただくように、そういう先生のいろいろ御注意もございましたし、今後よく考えていきたいというふうに考えております。
○石野委員 時間があまりありませんが、こういう問題は、私が茨城県だから言うのじゃないのです。どこでもやはり、茨城県であったことは必ず各県ともこういうふうになってくると思います。いまのやり方でいきますとですね。不安を感じた上に、それだけのよけいな出費もしなければならぬ。そういうような原子力行政であってはいけない。だから、原子力行政のあり方というものを、これはいまここですぐにはできませんでしょうが、やはり科学技術庁としては真剣に考え直してもらう必要があると思います。 そういうようなことも含めて、昨日瀬崎委員からもちょっと質問がありましたが、福島をずっと見ますと、あの辺一帯がずっと原子力の地帯で並んでしまうわけですよ。あそこだけじゃなく東海へ来る。それから今度は静岡にいきますね。日本列島をずっと回ると原子力の設置地点がばらばらつと、ちょうど何か照明のランプがついたように並んでいるわけですよ。私はこの状態について、いいのかどうか、これはもう、こういうような各電力会社が思い思い、思いつきであっちやこっちにやるというようなことになると、日本列島がどこもかしこも原子力放射能不安地帯になってしまう。事故さえ出なければいいですけれども、そういう不安地帯になってしまう。これは原子力行政上、将来よろしくないと私は思うのです。この際、私の感じでは、やはり国が一定の計画を立てて、そして原子力基地というものを設定するようなかまえをしないと、あとでは収拾のつかないような状態になってしまうだろうというように私は考えます。 こういう点については、どうしても政府にひとつ考えてもらわなければいけないと私は思いますが、長官は、いまのような状態で、これで立地条件はいいのかどうか。すでに電源地帯整備についての法案も今国会には出ましたが、これはおそらく審議未了でそのままになってしまうでしょうけれども、ただ、やはり電源を確保するために金さえ出せばいいということじゃありません。なぜ電源地帯でトラブルが多いのかという問題を考えますと、もうちょっと国家計画というものがそこに出てこなければ、もう電力会社の恣意にまかしてはならぬ事態に来ているんじゃないかというふうに思います。 この問題についてはあとでまた、いずれわれわれ委員会としてもまた考えなければならぬ問題があると思いますけれども、しかしこれは、長官に一言こういう問題についての考え方だけは聞いておきたいと思いますので、ひとつ所見だけをお伺いしておきます。
○前田国務大臣 いつも委員長からよくそういう御意見を拝聴しておるわけでございますが、確かに日本列島が原子力発電所であちこち一ぱいになるのじゃないかというふうな御注意でございますが、もちろん現在でも、不十分とおっしゃれば不十分でありますが、安全性あるいは環境との調和ということに配意しながら進めておる。まことにお粗末じゃないかという御注意もあると思いますけれども、進めております。しかし、先生の日本列島全体から見て、大電力基地というふうなものを考えてはどうかというふうなお考え方だろうと思うのでありますが、まことに示唆に富んだ重大な御提言であると拝聴しまして、この点についてはわれわれもよく――私これについてすく答えを言えと言われましてもちょっとできかねますけれども、重大なる御提言と拝聴いたしまして、よく検討いたしたいと思います。
○石野委員 じゃ時間もございませんからこれでおきますが、いずれにしましても、安全性の問題については、われわれもかねてからいろいろ問題提起をしておりますが、各地における原子力発電所で事故があまりにも多過ぎる。われわれの予想以上に事故が多い。こういう状態を平常の状態だというふうに考えてはいけないと思いますので、この点についてはひとつ原子力局もそうですが、特に通産省当局も、各電力会社等に対して厳重な注意を喚起していただくように私はお願いいたしまして、質問を終わります。 〔原(茂)委員長代理退席、委員長着席〕 ――――◇―――――
○石野委員長 閉会中審査申し出に関する件についておはかりいたします。 本委員会は閉会中もなお科学技術振興対策に関する件について調査を行なうため、議長に閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますがこれに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 次に、閉会中審査のため、委員会において参考人より意見を聴取する必要が生じましたときは、人選その他所要の手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御共議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 次に、委員派遣承認申請に関する件についで、おはかりいたします。 閉会中審査案件が付託になり、実地調査の必要がある場合には、委員派遣を行なうこととし、派遣委員の選定、派遣地及び期間並びに議長に対する承認申請の手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十六分散会