科学技術振興対策特別委員会 第17号
- 発言数
- 151 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/06/14
会議録
○石野委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありまするので、順次これを許します。瀬崎博義君。
○瀬崎委員 本論に入る前に、この前の静岡県の浜岡の原子力発電所の安全審査に関連して局長にお伺いしておきたいのです。局長が静岡県の副知事と電話連絡をとって地元の了解を得た、こういうお話であったので、それを再度この委員会で、何日のいつごろの電話でどういう内容のやりとりをされたのか、確認をさしていただきたいと思います。
○成田政府委員 五月二十八日月曜だったと思いますが、静岡県の永原副知事に対しまして、私から、中部電力の浜岡二号炉につきましては、すでに安全審査会の安全である旨の報告が出ており、近く原子力委員会がこれについて総理大臣に答申を出すことになりますが、県として許可することについて問題がありませんか、という旨の電話をしました。これに対して副知事は、問題がないと思いますので許可するに異議ありません、そういう答えがありまして、われわれは通産等を通しまして県なり地元の町の意向も聞いておりますが、念のため二十八日に電話で副知事に対して確かめてそういう回答を得たのでございます。
○瀬崎委員 きょうはこれが本論ではないわけなんですが、どうしても文書でそういうものが出せないというからここで確認をしておるわけなんです。そういう点では浜岡の問題は決して片づいたのではなくて、問題を大きく今後に残したわけです。特に長官にもひとつ答弁願いたいのは、何と弁解をされましても、五月九日の本委員会で、伊藤政務次官の完全なる地元民の了解なしには許可しない旨の発言があったわけなんです。ですから、これはやはり浜岡の原子力発電所にも適用されたいし、今後も法的に知事が形式的に同意をすればそれでよいということで済まされては困るわけなんで、その点について前回にも善処を希望しておるわけですが、再度その点について長官の答弁を求めておきたい、こう思います。
○前田国務大臣 問題は公聴会の開催ということに関連してのお尋ねかと思うのでございますが、現在は地元の知事の意見というものを電調審の段階におきまして聞いております。その他、事実上いろいろ御連絡をして、地元の意向というものを聞いておるわけでございます。 今度の私たちの公聴会の開催要領につきましては、先生御承知のとおりでございまして、知事の要求がある場合に、自然環境または社会環境から見て公聴会開催の必要ありと認められる場合ということでありまして、こういう考え方に基づきまして地元の知事の意見を聞いて、先ほど原子力局長がお答えをいたしましたようなことに相なっておるわけでございます。
○瀬崎委員 それじゃまた、その問題はいずれ静岡の六月定例議会でも問題になるだろうし、そのときにおける向こうの副知事の答弁などを求めて、それが地元民の意思を反映したものであるかどうか確認した上、さらにこの間の伊藤次官の発言等もからめて政府にただしたいと思います。 きょうは科学技術白書について質問をさしていただきたいわけなんです。きわめて初歩的な質問で恐縮だけれども、大体この科学技術白書というのはどういうふうな人々に読んでもらおう、どういう人々を対象にして書かれているのか、まずその点から、この製作に当たられた主任というんですか、責任者の方からお答えいただきたい。
○長澤政府委員 白書の対象は国民一般ということでございますが、技術的内容も多々ございますので、私どもといたしましては、大体高校卒業程度という感じで書いております。
○瀬崎委員 では、そういうふうな相当広い範囲を意味されるようなんですけれども、どの程度読まれ、どういうふうな反響を呼んでいるか、そういう点についての意見というものを、どうですか、集めていらっしゃいますか。
○長澤政府委員 大体現在四、五千部出ておりますが、そのほか新聞あるいは専門紙等で取り上げていただきまして、いろいろ御批判をいただいております。
○瀬崎委員 はたしていま言われました高校卒業程度の人に読んでもらおうという意図が達成できているのかどうか、私はちょっとこれを読んで疑問に思うんだけれども、やはりそういう意図があるならば、そういう意図にこの白書がマッチしているかどうか、やはりこれはアフターケアも必要じゃないかと思いますね。 さて、今年度の四十七年度版には特に「希望にみちた社会をめざして」という副題がつけられているわけです。こういう副題を特につけられた理由は何ですか。
○長澤政府委員 科学技術が現代の経済社会、福祉社会に果たしてきた役割りは御承知のとおりでございますけれども、一面、都市問題とか公害問題とか、われわれの身近にもいろいろな問題が生じているわけでございます。したがいまして、一体国民はわれわれに何を望んでいるだろうかということでございまして、国民はだれも健康でありたい、だれも安全でありたい、というようないろいろ身近な問題等について希望を持っているわけでございます。科学技術が国民の方々から一体何を要請されているのであろうかという考え方で今回の白書はつかまえたわけでございまして、それはおおむね三つあるのではないかと考えたわけでございます。 その一つは、やはりわれわれの身近な問題、安全問題であるとか、あるいは健康問題であるとか、こういうふうな問題の解決を一番国民が望んでおる。 それからもう一つは、地球は有限であるという問題でございまして、公害問題、資源問題というような問題につきましても、まあ資源というような問題を取り上げなければならないだろう、これが第二の柱でございます。 第三の柱といたしましては、いま現在、われわれが生を受けている現在の世の中だけでなくて、将来のわれわれの子孫あるいはわれわれの後輩がやがて遭遇するであろうというような問題に対処するような、いわゆる未来を見た科学技術、こういうものも考えなければいかぬだろう。 この三つに柱を立てまして、国民が望んでいるものに対して、科学技術はそれに対応していくような方向で、希望に満ちた社会を目ざす科学技術であらなければいけない、こういうふうな考え方から現状、問題点等を分析したつもりでございます。
○瀬崎委員 この本そのものに書いてあることをわざわざ言っていただかなくてけっこうなんですけれども、いまのことが一番最初に書いてあります。問題は、じゃそういうことがこの白書を読んだ人に感じ取れるかどうか、確信を持てるかどうか、そこに問題があるし、われわれもそういう点を、ひとつ質問に対する答弁から感じ取っていきたいと思うのです。そういう趣旨で要を得て答えてほしいのです。 この白書の直接の製作に当たったスタッフのメンバーというものは発表していただけませんか。
○長澤政府委員 直接のスタッフは計画局の調査課の職員でございます。これが直接のスタッフでございますが、それに科学技術庁の関係方面、それから各省の御協力を得まして作成したものでございます。
○瀬崎委員 各省の協力というのは、こういうものをまとめるときはどういう形でやっているのですか。
○長澤政府委員 いろいろデータの提供を受けたりあるいは御意見を聞いたり、こういう形でございます。
○瀬崎委員 その御意見を聞いたりデータを集めたりするというのは、特別に何か会議を持つとかそういうような形でやっているのですかどうなんですか、その具体的な内容を聞いておるのです。
○長澤政府委員 特別に会議を持っておりません。
○瀬崎委員 私は、日本学術会議法に照らしてみますと、こういう科学技術白書が出される場合に、当然その意見とか協力を求めるのが法律的にも重要じゃないかと思うのですが、そういう点での学術会議との関係はどうなっていますか。
○長澤政府委員 学術会議の意見は特に聞いておりません。
○瀬崎委員 長官にお尋ねしますけれども、学術会議の職務や諮問事項あるいは勧告できる内容には、当然この白書に盛られるような内容が全部載っているわけですね。いま局長の答弁によりますと、全く意見を求めていないということなんですが、これはいいことなんでしょうか、そして今後ともこういう態度でずっといかれるわけですか。
○前田国務大臣 この白書に関連してひとつ私申し上げたいと思います。とにかく私従前から考えておるのでありますが、官庁から出しておる白書これはどうも無味乾燥と申しましょうか、あんまり興味を持って読むというふうなものが少ないんですね。したがいまして、科学技術白書についても私はそういうことを非常に心配いたしまして、実はことしの四十七年度の科学技術白書を編成する段階におきましては、できるだけ表現もわかりやすくし、そして国民に関心の持ってもらえるような内容にすべきであるということを言いましてこの点は担当の局長並びに関係局長にもよく指示をいたしまして、まあ瀬崎先生からごらんになると、何だこの白書、国民がはたして読むかいというふうなお考えだろうと思いますけれども、ひとつよく見ていただきたいのですが、前年の白書に比べてちょっとようなっていると実は私は思っている。まだまだいまだしの感はありますよ、ありますけれども、私は前の白書に比べていただきたいと実は思っております。まだまだそれはわれわれが大いに努力をせないきませんけれども、その意味で私は実はこの白書をつくったということを申し上げたい。 そうして、まあいろんな意見を聞くということも必要でございますが、これは、いつも平生の行政のうちにおいていろいろな各方面の意見、学者先生の意見、そういうふうなものを聞いておるわけでございまして、そういうものをとにかく消化吸収いたしまして、そういうものを頭に入れて担当官がみな編成したというふうに私は思っております。
○瀬崎委員 まあ、いままでのは無味乾燥だったと長官に言われれば何とも言いようはないわけなんですが、そうなってくると、この間の宇井東大助手の話も思い当たりますね。この種官庁発行の文書は読まない、これはヘドロをこしらえているようなものだというきびしい表現があった。しかし、ことしから変わったと言われるわけなんですが、もう一度私もじゃ変わったかどうか念を入れて昨年と比べて読み直してみたいと思いますけれども、私がいまお尋ねしているのは、こういう文書をほんとうにいま長官の言われたような趣旨に合わそうと思えば、やはり日本学術会議の意見ぐらい求めるのは、あるいは協力を求めるのは当然じゃないかと思うのですが、その点についての答弁をもう一度お願いしたいのです。
○前田国務大臣 非常に貴重な御提言でございますが、現在のところ、従来どおりの方針で進めていきたいというふうに考えております。
○瀬崎委員 では、そういうふうに自画自賛されます今年度の白書について、もし学術会議が勧告を出した場合には、そういうものは大いに参考になりますか。
○長澤政府委員 勧告等については十分考えたいと思っております。
○瀬崎委員 時間の関係もありますので、きょうは主として内容については第三部の「政府の施策」の部分についてお尋ねをしていきたいのです。 政府がとっております研究の態様には、まず経常研究というのがあるのですね。何か基礎的な研究をやるんだそうで、一番これが古くから制度としてはあるという話なんですが、現在この経常研究は実際にはどのように行なわれているのでしょうか、答弁を願いたいと思います。ページ数で言えば二六六ページのところに当たります。
○長澤政府委員 経常研究につきましては、いわば各試験研究機関に特別研究であるとか大型プロジェクトとかいろいろあるわけでございますが、その基盤をなすのがこの経常研究でございまして、いわば一人当たりの研究経費の積み重ねというのがこの経常研究になっておりまして、科学技術庁はこの経常研究について、毎年毎年見積もり方針の調整等におきまして増加の方向で努力をしている、こういうことでございます。
○瀬崎委員 そんなことを聞いているのじゃなくて、経常研究によってどういうふうな研究実態がいま行なわれているのですか、こういうことを聞いているわけです。書いてないから。
○長澤政府委員 各研究機関における基礎的、一般的な研究が経常研究で行なわれていると思います。
○瀬崎委員 それは具体的な内容の説明にならないわけですよ。どういうふうにこの研究費を使って、どういう活動を各研究職員がやっているのか、そういうふうな点を具体的に答えてほしいのです。どういうふうに生かされているのかですね。
○長澤政府委員 本件は各試験研究機関によって、もちろん研究者によりまして非常にテーマが違っている問題でございますが、いわば試験所の米のめし的な存在と申しますか、基調になっているものでございまして、光熱水料から薬品、そういうふうな、あるいはこまかい備品というものがこれから支出されている、こういうふうに考えております。
○瀬崎委員 そうすると、現在でもほとんど研究者個人の一定の自由裁量でこういう経常研究はまかなわれている、そういうことなんですね。
○長澤政府委員 ただいま先生の御指摘のとおり、ほかの大型プロジェクトであるとか特別研究であるとかいうようなものと違いまして、研究者の比較的自由な立場から使われている、こういうことはいえるかと思います。
○瀬崎委員 これが要望に従って予算を伸ばしているというのだけれども、対前年比では、ここに書いてあるとおり八%の伸びでしかないのですね。そうしますと、科学技術関係予算全体の伸びが二二・五%ですから、これに比べるとこの経常研究に関する経費というのは非常に伸びが鈍い。ある意味では物価の上昇率くらいしか上がっていないように思うのだけれども、そういうふうな私の考えには間違いはありますか。
○長澤政府委員 この経費はいわば基礎研究でございまして、研究費全般で言いますと、応用研究あるいは開発研究というようなものがあるわけでございます。応用研究、開発研究というのは非常にお金を食う研究でございまして、いわば全体の伸びで言いますと、そちらのほうのウエートが高くなるわけでございます。したがいまして、その伸びは、基礎研究を分担する分野でございますので、伸びが少ない、物価の上昇とあまり変わらぬではないかという御指摘、結果から申しますとそういうことになるかとも思います。
○瀬崎委員 では、他の研究のあり方と比較してあとでまた見解を求めたいと思います。 では、特別研究なんですが、これは「行政上の要請に応えて緊急に実施する必要があり、かつ期限を定めて計画的に遂行される研究である。」そういう意味では、ある意味ではこれは非常に限定された研究のあり方なんだというふうにとれるのですけれども、実際には前年度比一七%増加して、しかも年々ふえるような傾向と見受けるのです。結局、これが恒常化し、一つの基本的な研究態様になっていくように私たちには見えるのですが、科学技術庁のほうとしては、行政上この特別研究をどういう位置づけに置いているのですか。
○長澤政府委員 特別研究というのは、いわば社会・経済の要請に応じまして、行政当局がその必要上テーマをきめまして行なうものでございまして、現代の国民の要請にこたえていくためにはこの特別研究というものにウエートが置かれてくる、こういうことは当然だと思っております。
○瀬崎委員 さらにその上に例の大型プロジェクトというのがあるわけですね。私たちは、そこらの関係がよくわからないのですけれども、特に大型プロジェクトについては、三一九ページですが、「開発規模が大きく、企業化に伴うリスクが大きいため民間のみによる開発に期待しえないものに対し、国が中心となり、学界や産業界との共同研究体制を確立して取り組むものである。」こういう説明がついている。そうすると、民間が当然やらなければいけないのだけれども、やれば負担が非常に重いので、それを国に肩がわりさせるのが大型プロジェクトであるというふうな理解がここから生まれてくるのですが、そもそもこの大型プロジェクトとはどういう意図のもとに設定されたのですか。
○長澤政府委員 本件につきましては、工業技術院長がお見えになっておりますので、担当の工業技術院長からお答えいただくのが適当かと思っております。
○太田政府委員 大型プロジェクトの趣旨でございますが、これは国としてぜひやらなければならない高度技術であって、ただ放任しておいたのでは民間でそれが生まれてこないような問題、現在では、この技術開発に関しましては、無公害社会とかあるいは福祉社会の建設というものに役立つ技術をつくり上げることが非常に強く要望されているわけでございますが、そういうソーシャルニーズに対応いたします技術というものは、どうしても国も力を入れてやっていかなければ成り立たない。その前に、民間の頭脳もいろいろかりてやっていきたいというわけでございまして、民間の利潤のためにやる研究ではございません。
○瀬崎委員 そうすると、ここの化学技術白書における表現というものは、必ずしも妥当ではないということですか。
○太田政府委員 三一九ページの一番最初の行のところの「企業化に伴うリスクが大きい」という点を非常に強くとらえますと、実態とはかなり違うという感じがいたしますが、全体を読みますと「社会・経済の要請に即応する研究開発」とありますが、これを先ほど御説明いたしましたように、福祉社会とかあるいは無公害社会の建設のためにぜひ必要な研究開発というように解釈いたしますと、大体これでそう間違っていないのじゃないかと思います。
○瀬崎委員 ちょっと具体的に説明をしてほしいのですが、大型プロジェクトの内容が表にされております。ほとんど大型プロジェクトで金額の大きいのは通産関係です。中でも金額の大きそうなのを例にとりますと、「海水淡水化と副産物利用」とか、それから「大深度遠隔操作海底石油掘削装置」、こういうものが相当大きな単位の予算をつけてプロジェクトを組んでいます。その二つについて、つまり国が中心で学界、産業界の共同研究だ、こういう白書の説明なんですが、その研究体制は実際どうなっているのかということが一つと、それからもう一つ、ここに載っております予算額で、国の研究機関が直接使っている部分と、それから民間企業へ委託している部分と、具体的にちょっと金額を表示してほしいのです。
○太田政府委員 まず海水「淡水化と副産物利用」でございますが、これは今後の日本を全体的に見まして水が非常に不足するということで、海水から水をとることをぜひやっていかなければならないという趣旨で始めたものでございまして、国の研究所としましては東京工業試験所というのがございます。ここが中心になりまして、そして重機械関係の会社が七社関与いたしております。そして現在茅ケ崎に中間プラントをつくりまして研究を進めておるわけでございます。 それから「大深度遠隔操作海底石油掘削装置」、これは今後のエネルギー資源の不足に備えまして海底油田をぜひ開発しなければならない。その場合に、日本には海底油田を掘さくする技術がございません。特に二百五十メートルくらいのやや深目の海底にあります石油掘さくの技術というものが非常に必要になってくると思われますが、こういったものに対しまして技術的に挑戦しているわけでございまして、国の研究所といたしましては、機械技術研究所というのがございます。それがおもにやっておりまして、会社といたしましては十七の会社、それから一協会でございますが、そういう十七の会社及び協会の協力を得ましていろいろの必要な要素技術に対しまして研究委託をいたして研究しておるわけでございます。 それから、研究開発費の民間に委託しておりますものと国の研究所とが使っておりますものの比率でございますが、民間に委託しておりますものは海水淡水化と副産物利用に関しましては、民間に委託しております金額が四十一年から始めましたときから四十七年までの実績でございますが、十八億五千八百万でございます。それから国の研究所が使っておりますもの、これを開発費といっておりますが、これが四億五百万円。それから「大深度遠隔操作海底石油掘削装置」のほうは委託をいたしました金額が十九億二千百万円。それから開発費のほうが一億九千百万円でございます。
○瀬崎委員 このプロジェクトは圧倒的に民間委託の部分が多いのが特徴ですね。特に私がこの二つを引き抜いてお尋ねしたのは、当委員会でも先ほどの理事会で、来々週この海洋開発の問題について学者をお招きして意見を聞くということもあったからわざわざお聞きしたわけなんですが、結局、こういうことになるから、ある意味では民間リスクを国がかぶるというような表現にわれわれの目がぽっと移るのではないかと思うのです。もしこういう技術が実際開発され、実用可能となった段階では、どういうふうな形で民間との間でその開発技術の応用が行われるのですか。
○太田政府委員 最初のほうの問題でございますが、これは実は国がやるべき研究を民間の方にも民間の頭脳にも協力いただいてやっておるものでございまして、本来ならば国あるいは中立的なところが全部引き受けられればそのほうがあるいはいいかもしれませんけれども、そういう技術能力が不足しておるわけでございまして、民間のほうのそういった頭脳をぜひ活用するというのが大きな趣旨になっております。それで海水淡水化のほうでございますが、これが技術が完成いたしますと、これの目的は大体一日に五十万トンとか百万トンとかという非常に多量の水をつくる技術でございまして、大体大都市あるいは県とか地方とかそういった非常に大規模な領域に対します水の供給を円滑に行なう技術でございます。したがいまして、この技術が完成いたしますと、たぶん、たとえば日本で申しますと長崎県だとかあるいは九州のほうの県、あるいは東京近辺とか、そういったような地方自治体との間で協力をされてこれが実際の工業化に結びついていくのだろうと思います。 それから、大深度遠隔操作のほうでございますが、これも実際にはまだそういったこの技術が適用される時期というものはでき上がるのも相当まだ時間がかかると思いますので、でき上がる時期においてどういう姿でこれが実際に採用されるかちょっとわかりかねるわけでございますけれども現在の海底油田の掘さくに関しましても、いろいろ政府の力も入れてやられておるわけでございますから、そういった方向にいく可能性も十分考えられます。
○瀬崎委員 いまの話ですと、地方自治体が利益を受けるような話だけれども、しかし地方自治体が実際に海水淡水化の技術を使うというようなことがあるでしょうか。さらに、石油掘さく装置なんかについては、これはいまの政治の中で考えたら、もしも技術が実用可能となれば、これはやはり企業が採用するんじゃないですか。だから開発過程にある場合にはリスクはひとつ国に一部かぶらせよう。でき上がってメリットばかりになれば今度はひとつ企業がやる、こういうことでプロジェクトというものは組まれているんじゃないですか。
○太田政府委員 海水淡水化のほうに関しましては、すでに幾つかの県からこれができ上がったときにはぜひ採用したいという申し込みもあるわけでございまして、それから後者のほうに関しましては、まだ研究が最初の段階でございまして、これが完成しますのにはまだかなり時間がかかると思われますので、どういう姿になるのか、はたしてそういう石油の問題というようなものが一企業体の問題であるかどうか、これも今後のエネルギー資源の不足の点を考えますと、必ずしもそうも言い切れない問題が非常に強いかと思います。
○瀬崎委員 それじゃ他にもプロジェクトの簡単な項目が白書にも載っているのです。公表されているものですから、それについていまお尋ねしている内容の資料を出していただきたいし、あわせて、すでにもう研究の完了している部分もあるようですね。だからそれがどういうふうに完成した技術があと処置されているのか、それも含めて資料を出してほしい。 特に私が気になるのは、これは発行先が書いてないからどこの省が出したのかちょっとよくわからない。しかしどうも通産のにおいがするのです。技術プロジェクト資料ナンバー1というもの、昭和四十五年十月二十八日発行になっている。この中にこんなことが書いてある。「しかし、上記のように、」上記というのはこういう大型プロジェクトを必要とする技術ということですね。「上記のように、開発研究に対する政府の積極的関与が要請されるとともに、国立試験研究機関への依存の困難性等の点から国立試験研究機関の拡充に期待せず、民間の研究能力の涵養が、国力としての技術開発能力の涵養のうえでも又行政施策上必要とされる技術開発の受皿を拡大するうえからも必要とされるところであり、政府の技術開発需要を通して民間への資金の流れを拡大する必要があろう。」こういうことが書いてある。こうなってくると、完成した技術の利用だけにとどまらず、この研究そのものが民間企業の需要の拡大、つまり金もうけのネタにされる、こういう意味になってくるでしょう。これはきわめて重大な科学技術行政の問題点だと思うのです。この点についてどうですか、こういう考え方でやっているとすれば、私のような見解が正しいということになるじゃないですか。
○長澤政府委員 御指摘の印刷物の内容については私ども関知いたしませんけれども、一般的に申し上げますと、いわば日本の場合ですと、国の研究費と民間が負担する研究費の割合は、国が二七%ぐらいでございまして、民間が七三%ぐらいというのが大まかな数字でございます。これからいわゆる生産技術から国民福祉の技術への要請が高まっておりますし、そういうふうな面からいきますと、今後ますます国の負担というものがふえていかなければならないかと思っております。諸外国の例を見ましても、いわば国の負担と民間の負担はほぼ日本の逆のことになっておるわけでございまして、アメリカは非常に多いわけですが、ヨーロッパでも四〇%あるいは三〇%以上は国が負担している。それが民間に金としては流れている。しかし、そのテーマはもちろん国として国民が必要とする技術の開発を民間に委託した、こういう形でございますので、国民の要請に従って技術開発を進めていく、その場合に、国全体が効率的にその成果を得ていくのにどこに分担してもらい、どういう仕事を進めていったらいいかという問題を考えますと、民間の頭脳、開発力を使うということもまた大切なことではないかと考えます。
○瀬崎委員 計画局長は関知しないと言われたけれども、技術院長、どうもこれをしまいまで読みますと、防衛費とか通産省との関係がよく出てくるのです。ですから、通産関係が全然これに関知していないということはないと思うのですが、おたくはどうですか。
○太田政府委員 関知していないと思います。そういう資料がありますこと、いま初めて知りました。
○瀬崎委員 これは非常に問題の多い内容があるので、いずれまた私は他の機会にも引用していろいろ政府の方針をただしたい。 いずれにせよ、今日この大型プロジェクトの科学技術行政上果たしている役割りというのは非常に大きいのですよ、こういう形で。ですから、少なくとも白書に載せる場合に、ここに載っているこういう抽象的な載せ方ではだめなんで、いま私が質問しているような内容、せめて予算については、国公立試験研究所が直接使っている費用と、それから民間企業に流れている費用と、それからその民間企業の中でも、これは大体数は限られているのです。いま説明のあった数社です。ですから、そういう研究委託を受けている会社名、こういうものがここに載せられてしかるべきだ。それから、一応技術開発の終わったプロジェクトについては、それがあとどういうふうに処置されているのか、こういうことも、やはり白書の性格からいえば私は必要だと思うのです。そうでなかったら、先ほど言われた「希望にみちた社会を目ざして」この白書がはたしてこたえているのかどうか、判断のしょうがない、こういうことになるのです。これはひとつ長官、自画自賛されたこの白書をもっと内容のいいものにするために、来年度あたりからこういう点は改めてほしいと思うのですがいかがですか。
○前田国務大臣 瀬崎先生のおっしゃるように、できるだけ事こまかに詳しくその内容を白書に書くというのもそれは方法でございますが、やはり白書というのは一般的に読まれるものでありまして、さらにこれを深く検討したい人は、またこれに基づいていろんな資料というか、関係資料といいますか、それを要望されればわれわれのほうで出すという仕組みにして、白書でどの関連の会社のどういう名前まで詳しく書くという点には、私はちょっとその点——まだ局長がそれに補足して御答弁すると思いますけれども、そういうふうに私は考えます。
○長澤政府委員 何ぶんにも、現在の白書ですら、厚過ぎるというような批判も一部にございまして、もちろん各省の大型プロジェクトというものが果たす役割りは非常に大きいのでございますけれども、与えられた厚さというと変でございますが、全部を拾っていくという、詳細に書くというのはなかなかむずかしいことでございます。特にまた特定の民間企業の名前まで書き入れるというような場合は、特定の会社の宣伝ともなりかねない場合もございますので、そういうのは別に担当各省がいろいろパンフレットなどをつくっておりますので、そういう方面を御利用いただく、こういうことが適当ではないかと考えます。
○瀬崎委員 そういう内容を明らかにすることが企業の宣伝になるとはおそれ入った答弁ですね。数千万円の小さな研究は事こまかに書いてある。だから私は、大勢に影響のないようなそういう問題は思い切って削ってしまって、そしていまのように数十億円単位の大きなものですよ、しかもそれが完成されたら、これこそ大陸だなの開発なんというのは、これは一つの大きな政策にも影響するような科学技術になるわけですから、こういう問題の説明がただ一行すっとあるだけだ。これは私はまさに主客転倒のように思う。そういう意味で申し上げているのです。 さらに、こういう傾向は、民間に対する助成の状況を見ればもっとはっきり出てくる。ここでも結局、またこれは通産省をやり玉に上げなければならないのはお気の毒だけれども、金額が目立って多いのは、通産省の重要技術研究開発費補助金これが二十三億円、それからその次に出てくる研究開発委託費、これは大型プロジェクトの推進のためということになっていますが、これが四十億二千五百万円、とにかく通産省を除けばそういうふうな大きなものはこの白書には出てこないのです。大体こういう補助金や委託費の対象となっているような企業の資本金規模はどの程度ですか。
○太田政府委員 補助金でございますが、これは実際にはその会社の規模がどれだけ以上でなければならないといったような規則はございませんが補助金のほうは、研究が完了いたしますと償還をしていただくといったような問題その他がございますので、経理的にしっかりしておるということが必須条件になっておりまして、会社の大きさ自体はそれほど大きく問題になっておりません。ただ、中小企業に対する研究補助金としましては、三二七ページの一番下のほうに書いてございますが、これは中小企業だけに出せるものでございます。その上のほうの重要技術研究開発費のほうはこれは別に規模には制限はございません。したがいまして、大中小いろいろなところに出しております。
○瀬崎委員 だから私は聞いたんで、中小企業って強調されるけれども、一けた低いのですよ。二億四千万。その上の重要技術のほうが、先ほど申し上げました二十三億二千万。だからそういう意味で、二十三億の中身が問題になると申し上げているので、じゃあとで、大体資本金十億円以上の会社に対してどれだけ出ているのか、一億円以上でどれだけか、一億円未満でどれだけか、そういう内訳を出してほしいのです。その点については次のページの「主な科学技術研究委託費」についても明細を出してもらいたい。この点も白書に今後出される上では、やはりわれわれの科学技術行政がどうなっているかという点では一番知りたい点なんで、先ほどの問題とあわせて長官に要望しておきたい。 次に、じゃ今度は研究費の組織別に使われている額の推移が付属資料の二の二に載っているわけなんですが、これがまたおもしろい傾向を示していますね。とても全体を言っている時間はありませんから、特に顕著な変化を示しているのが昭和四十一年度だと思うのです。その四十一年度と、それからこの表に載っている最後の四十六年度の比較を、研究機関について行なってみますとこうなります。 全体で見ますと、国営、公営、民営、特殊法人、四機関で昭和四十一年度の使用した研究費の額が七百七十二億円、これが四十六年度で二千四億円二・六倍にふえています。ところが、その中で国営並びに公営の合計額を見ますと、四十一年六百二十六億円が、四十六年千二百十九億円で、わずか一・九倍の伸びにしかなっていないのに比べてその次の特殊法人が何と四十一年度六十億円が、四十六年度は約十倍に近い五百九十七億円とふくれ上がっている。こうなってくると、政府の方針は、結局国営公営関係の試験研究機関のほうはあまり力を入れずに、もっぱら特殊法人のほうに力を入れているという結果がこの表からは出てくるのです。これがいまの政府の科学技術行政の方針と見ていいわけですか。
○長澤政府委員 特殊法人が非常に大きい伸びを示しておりますのは、大規模プロジェクト研究開発を扱う分野の金額が非常にふえてきている、こういう面で特殊法人の伸びが大きくなっているわけでございます。国営公営等の平均伸び率も、先生の御指摘の期間でも大体一三%ぐらいの伸び率になっておるわけでございまして、特に国営公営をないがしろにしようという考え方では毛頭ございません。
○瀬崎委員 冗談じゃないですよ。四十一年から四十六年で、国公営は二倍になってないんです。その間の物価の上昇を考えてごらんなさい。実際の研究費の伸びは一体どのくらいになります。特殊法人は実に十倍ですよ。じゃ、一ぺん数字を示してくれませんか。特殊法人四十六年度五百九十七億円の研究費使用となっておりますね、その内訳、つまりそこの研究機関自身が使った費用と、その研究機関がトンネルで民間企業に委託した研究費の割合、出してください。
○長澤政府委員 現在資料は手元にございませんが、調査いたしてみたいと思います。
○瀬崎委員 大体の割合ぐらいはわかるでしょう白書つくったんだから。
○長澤政府委員 現在こまかい資料を持ち合わせておりませんので、後ほど調べます。
○瀬崎委員 これは決してこまかい資料じゃないですよ。大まかな比率ぐらいは心得ておかないと、そういうものを説明できないようだったら、白書をつくった主任として失格じゃないかと思う。きょうはいいですがね。じゃ、ぜひあとで資料を出してほしいです。 しかもこれは、この白書についている研究機関の組織別の研究者の数の推移にもはっきりあらわれている。時間があまりありませんから、くどくど言いませんが、四十一年度と四十七年度を比較しますと、国公立関係の試験研究員の増加はわずかに一・二倍、二割しかふえていない。これに比べて特殊法人関係は二・二倍になっている。こういう面でもやはり政府の方針は、どうも特殊法人重点というふうにとらざるを得ないと思うんです。 ここで長官、どうですか、結局、国が関係している研究体制として、国公立試験研究機関に依存する率と特殊法人に依存する率と、どちらを重点にしていかれるつもりなんですか。
○前田国務大臣 先生の御指摘は、国公立の関係の伸びが特殊法人に比べて鈍いじゃないか、(瀬崎委員「非常に鈍い」と呼ぶ)非常に鈍い、特殊法人がまた非常に躍進しておるじゃないかという御指摘だと思いますが、この数字の上でごらんいただくと確かにそういう感じがいたします。 〔委員長退席、藤波委員長代理着席〕 しかし、この特殊法人が伸びておりますのは、宇宙、原子力あるいは海洋とかそういうわが国が相当おくれておりまして、どうしても急いでこれを追いつけ進めなければいけない、そういうふうな面について重点を置くがために非常な伸びを示しておるわけでございまして、別に国公と差別をつけて、特にこっちをおくらそうというそういう意図は毛頭ないのですが、一方の伸びが非常に躍進というか、ロケット式にとっととっと伸びておるものですから、その点はそういう御指摘のような印象を与えるかと思います。
○瀬崎委員 それじゃ国公立のほうも大いに充実するものはしていく、こういうことなんですね。 白書は、曲がりなりにも通産のことも一応書いてあるし、警察の関係も書いているんですが、全く触れていないのが一つあるんですね。これが防衛庁の関係なんです。ところが、科学技術研究費の伸びがどのくらいだというふうな数字を示す場合には、ちゃんと防衛庁も含めてあるわけなんです。たとえば二六四ページで「昭和四十七年度の国立試験研究機関経費は七百五十八億円と前年度と比較して一四・〇%の増加であり、」と書いてある。この七百五十八億円の中へは、ちゃんと防衛庁の研究費が百三十八億一千六百万組んであるわけですね。伸び率の中へはちゃんと防衛関係の研究費を入れておきながら、この白書のどこを読んだって一言たりともその内容について説明がない。これは一体どういうわけですか。
○長澤政府委員 第二章の統計の数字の中で防衛庁の研究費を入れてありますのは、これは統計でございますので当然入ってくるかと思います。あとの研究内容について記述してないのではないかという御指摘でございますが、防衛庁の研究費というのは、いわば先生御承知のとおり技術研究本部のものでございまして、防衛庁技術研究本部の研究は主として自衛隊の装備品に対する研究でございます。したがいまして、他省庁の研究のように、国民生活に直接関係がそれほど強くない、こういうことでございまして、まあ今回の白書は、科学技術の国民生活への寄与ということを記述することにいたしてございますので、特に防衛庁の研究成果については記述しなかったわけでございます。
○瀬崎委員 いまあとでつけておられた説明の分はまず除いて、統計だから載せたと言われる。統計とするならば、当然それに付随する研究機関の定員数なんかも、これも統計じゃないのですか。これは統計外ですか。
○長澤政府委員 この統計表は、先生御指摘のとおり非常にできがよくなかったわけでございますけれども、実はここに定員を書きましたのは、各省庁別試験研究機関定員数、ここは予算上の費目で科学技術振興費という費目がございます。 〔藤波委員長代理退席、委員長着席〕 科学技術振興費という費目の中の試験研究機関を入れてございますので、ここにたまたま防衛庁だけではございませんが、落ちている分がございます。第三の五表、第三の六表の整合性のない点は御指摘のとおりかと思います。
○瀬崎委員 じゃ、きょうは防衛庁のほうも見えていますから、せめて防衛庁の数字だけここで統計表に入れてください。
○番匠説明員 定員でございますか。
○瀬崎委員 表に該当するように数字を言ってください。二六七ページ。
○番匠説明員 ただいま持っております数字で御説明いたしますと、昭和四十七年度の防衛庁技術研究本部の総定員数は千二百五十九名でございます。そのうちの研究職の定員数につきましては、ちょっといま手持ちがございませんので御猶予いただきたいと思いますが、昭和四十六年度の定員につきましてもいま調査資料をチェックいたしたいと思いますので、ちょっとお待ちいただきたいと思います。
○瀬崎委員 防衛庁の関係の研究費と載せているのは、結局防衛庁の技術研究本部の費用百三十八億円をそっくりそのまま載せているのですね、これは。そうじゃないのですか。
○長澤政府委員 先生御指摘のとおり、大部分が技術研究本部の経費でございます。そのほか防衛大学の教官研究費が入っております。
○瀬崎委員 私もこの間、時間が非常に短かったけれども、本部の第一研究所だけちょっと見せてもらって説明も少し聞いた。この百三十八億円のうちで、付属機関として存在する研究所、試験場で使っている費用と、それから内部部局と称する組織がありますね、そこで使っている費用と、こういうふうに分けてひとつ発表していただけませんか。
○番匠説明員 いまの御質問にお答えいたします前に、ちょっと先ほどの数字を訂正さしていただきたいと思いますが、四十六年度の定員が千二百五十九名でございます。四十七年度の定員は千二百五十六名でございます。それだけちょっと訂正さしていただきたいと思います。 いまの御質問でございますが、先生おっしゃいましたとおり、確かに百三十八億というのは技術研究本部全体の予算でございますが、それを、その内訳といたしましては大体三つに大まかに性質として分けられるわけでございます。一つは、人件費と一般管理に必要な経費、それから施設等の整備に要します経費、それから本来のつとめであります研究開発に必要な経費、この三つに大分けしてございますが、いま先生おっしゃいましたように、研究所の予算と本部の予算というふうな分け方は、いましておりませんので、すぐお答えはできませんのです。と申しますのは、防衛庁の研究開発は、先ほどもお話が出ましたように、自衛隊の装備品の研究開発ということを目的としておりまして、それを二つ大分けいたしますと、装備品の開発というような仕事と、それからそれをサポートするための事前の基礎的な研究と二つに分かれるわけでございます。それで、研究所のほうの仕事は基礎的な研究のほうをやるわけでございますが、純粋にそれだけではございませんで、装備品の開発のテストもいたします。両方がちょっと入り組んでおりますので、研究所と本部という数字は、ちょっと作業いたしませんと出てまいりませんので、ちょっと御猶予をいただきたいと思います。
○瀬崎委員 私が見た限り、これは前もって言ってあったから、そういうふうに見物用にしてしまったのかもしれませんけれども、少なくとも第一研究所などの内容は、あんな研究機関が防衛庁に必要なんだろうか。ほかのすでにある国公立の試験研究所でやっているようなことを、全部防衛庁の機構の中にまたそっくりこしらえているんじゃないかと思われるような節もあるのです。ところが、これは説明を聞いただけだけれども、内部部局である技術開発官などのもとに幾つかの班があるそうですね。これなんかのやっていることは、全然この研究とは性質の違うことをやっているらしい。装備に直接結びつくことをやっている。そういう説明を聞いているわけだ。だから画然と内容は違うように思うので、ぜひこれは、後ほど作業してもらった結果でいいから、内部部局で使っている予算額とそれから付属機関が、つまり研究調査機関が使っている費用とに分けて出してほしいのです。この点は科学技術庁にも要望しておきたい。何ぼ統計数字だといったって、少なくとも研究費という形で載せる以上は、ほんとうに研究の費用になっているのかどうかぐらい確かめて載せてほしいと思うのです。その点はどうですか。少しここではっきりさしておかぬと、こんな形の数字を毎年載せられては、それこそ見る人がへたに見れば——高校を出たくらいの人に見せようというのでしょう。こんな中身はわかりませんよ。ほう二十何%か伸びたなあというようなものでしょう。改めてくれますか。
○長澤政府委員 ここに書いてあります試験研究機関の経費でございますけれども、その中にはいわゆる基礎的な試験研究もあるし、開発的な研究もあるということでございます。それがどの辺までが——開発と基礎を分けて載っけろという御趣旨かと推察するわけでございますが、それは統計上困難かと思いますので、できかねるかと思います。
○瀬崎委員 私の言っているのは、一般的に言っているのじゃないのです。防衛庁の技術研究本部というこの部分は特殊なんですよ。全然ほかと違います。はっきり内部部局と付属機関とに分けてしまっているのです。付属機関のほうが本来の研究調査機関であって、内部部局のほうはそうじゃないのです。だから、その費用の内訳をここで聞ければ、いかにこういう統計のとり方が矛盾しているかが出てくるのです。資料をもらった時点でもう一ぺんその点は私のほうの見解も述べましょう。 その付属機関の研究所の研究のやり方なんですが、態様としては、経常研究の予算でまかなっているということなんですね。経常研究だったら、本来、先ほど言われている基礎的な一般的な研究が行なわれているはずなんだけれども、実際にはちゃんとテーマが各室ごとに与えられて、目的意識的に研究をやっているということですね。これは防衛庁だけがそういうことを許されるわけですか。
○番匠説明員 説明いたしますが、先ほども申しましたように、防衛庁技術研究本部の任務と申しますのは、自衛隊に必要とする装備品等に関連いたします研究開発を、ミッションとしておるわけでございますので、研究所の経常研究といいますか普通基礎的にやっております研究といたしましては、防衛庁の装備品に適用できるような内容の研究を実施するわけでございます。したがって、そこが何といいますか、そのほかの国立の研究機関と若干性質が異なるところでございますので、その点は御了解いただきたいと思うわけでございます。
○瀬崎委員 それでは、性質が若干異なるから、そういうことは一般行政のワクでは考えられないのだということになると、科学技術庁長官の権限監督というものは、防衛庁に対してはどういう関係になるのですか、これは長官に。
○前田国務大臣 お答えいたします。 科学技術庁が関係行政機関の科学技術振興経費の見積もり方針について調整いたしまする場合に防衛庁も関係行政機関の一つとして試験研究経費の一部を調整の対象としておるわけでございます。
○瀬崎委員 いつも前田長官は自分の意見という形で元気よく言われますが、いまだけ原稿まる読みですね。なぜ防衛庁に対してそういう警戒した姿勢になるのですか。たしか国防会議に科学技術庁長官が入ることは私たち反対だったけれども、いま席を占めていらっしゃるのでしょう。それは一体どういう役割りで長官は国防会議に入っていらっしゃるのですか。
○前田国務大臣 国防会議に私は正規のメンバーとして入っておるのじゃなくて、国防会議の第何条でしたか、いわゆるオブザーバーという形で入っております。これを正規の形で入るように改正すべきじゃないかというそういう法律案もありますが、今度は出さないというので、別に今回そういうことは問題になっていないわけでございますがとにかくオブザーバーとして入っておることも、結局、特に原子力の場合、原子力基本法で原子力は平和目的に利用しなければいけない、科学技術庁長官は、その原子力基本法のこれを守るための番人として入っておると、そういう意味でオブザーバーとして入っておる、そういうわけでございます。科学技術が軍事目的のために特に原子力とかそういうものが使われてはいけない、そういう意味で入っておるわけでございます。
○瀬崎委員 ところが、これは去年の十月十九日の本委員会でこの問題が論議されておるのです。そのときに政府側はこういう答弁を繰り返していますね。科学技術の面において文民統制の実をあげるために、科学技術庁長官が会議にオブザーバーであるか何か知らぬが入るのだ、こういうことが政府側の公式な答弁であり、またこれは、中曽根国務大臣もこう言っていますね。「科学技術庁は科学技術庁設置法の趣旨に基づきまして、国民経済の発展あるいは福祉のために研究をやる、そういう趣旨でありますから、科学技術庁が行なう研究は、これは軍事利用のための研究をやることはないのでありまして、その長官である科学技術庁長官が、軍事利用の目的のために国防会議に入るそういうことは誤解であると御理解願いたいと思います。」つまり文民統制の実をあげるのがその目的だということが繰り返し強調され、決して一般の科学技術を軍事に利用されるために入るのじゃない、こういうことなんですよ。だから、そうなってくると、当然科学技術行政そのものが防衛庁を統制しなかったら文民統制にならないじゃないですか。そう遠慮することはないと私は思うのだけれども、白書に書いてないことといい、いまの答弁といい、いよいよもって、こういう点ではわれわれは疑問と心配を深めざるを得ないと思うので少し明確にいま答弁願いたい。
○長澤政府委員 先ほど長官から答弁がございましたとおり、見積もり方針の調整におきましては経常経費については対象にいたしておるわけでございますが、この調整というのは、各省とのダブリがないかとか、いわばそういうふうな調整あるいは重点項目というふうな調整でございますが、防衛庁の研究経費は非常に特殊な経費でございまして、各省との研究の重複というようなこともございませんので、現在調整の対象とはしていない、こういう状況でございます。
○瀬崎委員 結局、研究のダブリがないかどうかの調整だけだというのですか、いまのお話を簡単に言えば。
○長澤政府委員 それも一つの大きい理由でございます。
○瀬崎委員 文民統制という内容は、いまおっしゃった調整するということが文民統制なんですか、これは長官にひとつお答えいただきたい。
○前田国務大臣 たとえば原子力に例をとりますと、原子力基本法の精神というものはあくまで守る、原子力が軍事利用に転化されちゃたいへんだそういう意味において文民統制、オブザーバーとして参加しておるというふうに御理解願います。
○瀬崎委員 そうすると、ほっておくといまの自衛隊は原子力を平和目的以外に利用するという危険がある、こういうことなんですか。
○前田国務大臣 そういう危険は全然みじんもございません。しかし、やはり私は、原子力基本法の番人の一人として参加するというところに非常に大きな意義があるのではないかというふうに考えております。
○瀬崎委員 それでは、こういう具体的な質問でほんとうに文民統制する気があるのかどうか、ひとつ長官の精神をわれわれ知りたいと思うんです。防衛年鑑によりますと、技術研究開発予算の伸びがこういうふうに示されております。二十七年の技術研究本部発足時が六千万、三十五年二十億、四十年三十八億、四十七年百三十八億、一般の研究費に比べるとものすごい伸びを示しておるわけです。だから私たちは、こういうこと自身がそれこそ科学技術の軍事化ということで、しかも、いまの段階でいきますと、自衛隊だけが切り離れても一切の研究は成り立つような、ちょうど昔の軍のような傾向になりつつあるような気がしてならないのですけれども、こういう大きな伸びを示していても、なお、この年鑑の中にはこういっているのです。「わが国は一般財政に占める防衛費も諸外国に比べて低いが、その少ない防衛費の中でさらに研究開発費は先進諸国に比べて、きわめて少ない割合を与えられているにすぎない。「研究開発こそ将来わが国の安全保障への国家的投資」(アメリカ一九六九年予算解説君)であるといわれるものであるが、わが国の場合あまりに水準が低すぎる。又、政府支出の研究開発費の中に占める防衛研究開発費もわが国の場合、先進諸国に比べて非常に低く、」云々と、こうなっている。結局、政府支出の一般研究開発費と比較して云々と、こんなことまで書いているのですね。 こういうことに対して、本来は、防衛庁も含めてちゃんと文民統制もして——政府の言い分からいくならはですよ——その科学技術行政に従わせなければならない立場にある長官、どういうようにお考えですか。
○前田国務大臣 いま瀬崎さんの御指摘の数字、ちょっと、早くおっしゃった関係上、私、数字はいまわかりませんけれども、とにかく非常に研究開発費がふえておるという御指摘だと思いますが一般的に、すべての分野におきまして、防衛も含めていろいろな面において、科学技術が社会のいろいろな分野において演ずる役割りというものはだんだんふえてきておる。しかも、それが非常にスピードが速い。そういう関係から、一般的に考えまして、科学技術の研究開発費というものがふえるということはやむを得ないんだと私は思っております。それは単に防衛だけの分野でない、ほかの分野においてもふえてくるのがこれはやはり趨勢じゃないかと思いますので、この点は、特に防衛だけが非常にふえてけしからぬじゃないかというふうにも私は考えていないわけでございます。
○瀬崎委員 時間がずいぶん経過しておりますからこれで終わりますが、いまの発言は私は承服できませんね。軍事関係の研究費がふえるというのも趨勢だ。昔はこういわれたでしょう、科学技術は戦争とともに発達した。二度とそういうことを繰り返さないために、もう一ぺん、これはやはり長官の反省を求めたいし、機会をあらためてこの問題をもっと突っ込んで質問さしていただきたいと思います。 終わります。
○石野委員長 次に、近江巳記夫君。
○近江委員 沖繩沿岸の放射能汚染の実態というものが沖繩県の土地利用計画書に報告されておるということが報道されているわけですが、この件につきまして科学技術庁はどういう報告を受け、どのように受けとめておりますか。
○成田政府委員 きょう新聞に出ておりますところの沖繩県の調査結果については、われわれは聞いておらないのであります。ただ、沖繩が復帰しました去年の五月十五日以降、政府としまして、沖繩の米国の原潜が入っておりましたホワイトビーチ、それから那覇港等につきまして、海産生物とか海底土、あるいは海水の採取をやりまして、いろいろな分析をやっております。その結果につきましては、去年の十一月、学会において発表しておりまして、きょうの新聞の記事と比べてみますと、四十七年五月という値は、科学技術庁が調査した結果と大体同じような値になっております。ただ、四十七年一月という調査、これは復帰前でありまして、これについてはわれわれのデータがないところでございます。
○近江委員 この沖繩の原潜入港に伴う放射能調査というものは、復帰前は米軍がやっておった。復帰後は科学技術庁がやっていたわけですが、米軍はどういう調査をやっておったのですか。また、そのデータを掌握しておられるのかどうか。さらに、この復帰に伴ってデータの引き継ぎも当然すべきじゃないかと私は思うのですが、米軍のこの調査の結果はどういうようなものだったのですか。
○成田政府委員 復帰前におきましては、米国と琉球政府が合同でいろいろ調査をやっておったようでございます。そして、その結果につきましては、復帰前におきましては外務省を通して日本政府が資料をもらっておりまして、本件につきましても琉球政府は発表しておるというふうに聞いております。
○近江委員 じゃ、その米軍の調査しておった資料を、またあとでいただきたいと思うのです。 それから、現在行なわれておる科学技術庁放射能調査はどの程度のものであるか、これもひとつ、あなた方がやっている中身をお聞きしたいと思うのです。どうなんですか。
○成田政府委員 科学技術庁がやっておりますところの調査は、三カ月に一ぺんとか、定期的に、海水と海底土、それからいろいろな、イワシとかカニとかアジとか、それから貝類、こういう海産生物の各種分析、そういう資料をとりまして定期的にやっております。 それから、こういう定期的な調査のほかに、アメリカの原潜が入ってくる場合は事前に連絡がありますので、その入港直前、それから入港中、それから出港直後等の調査を、そのつどやっておりまして、放射能の値が異常でないかどうかという点を十分調査をやっております。去年の五月復帰以降現在まで、ホワイトビーチに若干入っておりますが、従来の結果によりますと異常ないということになっております。
○近江委員 異常がないと言いながら、このように原水協が発表しているわけです。沖繩開発の土地利用計画、ここにはっきりと汚染が出ておるわけですよ。だから、あなた方がやっている調査というものは、モニタリングだけを主力にやって、肝心の生物へのそういう濃縮された放射能であるとか、あるいは海底に沈でんをしておる放射性物質であるとか、こういうものについては非常に疑問があるわけです。極端に言えば、これはやっていないのと違いますか。異常がないなんと言ったって、これは異常があると言っているじゃないですか。調査が非常に不十分だと私は思うのですよ。
○成田政府委員 科学技術庁の調査によりましても、ホワイトビーチ、去年の五月でありますが、採取したシャコガイ、ハリセンボンという魚等から、コバルト六〇が、微量のものが検出されておりまして、これは六十二ピコキュリー・キログラム——ピコキュリーというのは一兆分の一ということで非常に微量であるようですが、そういう検出が出ておりまして、この点も許容限度の八千分の一あるいは一万分の一以下というようなことで、この点も発表しておるのであります。したがいまして、そういう貝とかある種の魚で、コバルト六〇も、微量でありますが、去年の五月の結果出ております。そういう意味で、決して何もなかったという意味じゃないのでありまして、その点は、科学的に十分、分析結果を発表して、六十二ピコキュリー・キログラム、これをどの程度に判断するかという問題は別途ありますが、許容濃度の一万分の一以下という調査をしておるのであります。
○近江委員 そのコバルトにつきましては、若干発表しておったかしらぬけれども、この県調査のそれを見ますと、コバルト60、それからセシウム研、ストロンチウム90、こういうことが出ておるということを明確にしているわけですよ。あなたのほうの調査でそんなにはっきりしていますか。しかも科学技術庁は、従来から原潜入港に伴う放射能汚染はないということを発表してきたわけですよ。しかし現実にこうした調査結果が出るということは、これはもう汚染があったということなんです。したがって、科学技術庁の発表は非常に疑わしいと言われても私はしかたがないと思う。これについてはどうですか。
○成田政府委員 科学技術庁が去年の五月やりました海産生物の各種分析測定結果、これは全部発表しておりまして、たとえばストロンチウム90が、テレピアという港内の魚で三・〇ピコキュリー、それからセシウムが四・一あるいはセリウム、プロメチウム等が二・一ピコキュリー、亜鉛等は測定限界以下というように、非常に魚の種類、貝の種類ごとに、それから地点別に、それから各種ごとに詳しく発表いたしております。
○近江委員 それで、この沿岸全部をこれは調査をしておるわけですが、このように汚染されておるのは那覇港であり、それからホワイトビーチなんですね。これは何を物語っているかということです。これは原潜の入港しておったところなんですよ。そうでしょう。そうすると、科学技術庁はいつも調査をやっておって放射能汚染はないと言っておったのです。ところが、このように魚介類に蓄積されてきておる。あなた方がいままで発表してきたのはうそだということになるじゃありませんか。原潜が入港してくるということについては、重大な汚染をもたらしておる、こういうことでしょう、結局。それについてどう思うのですか。
○成田政府委員 先ほど言いましたように、去年の五月の海底土あるいは海産生物の結果によって、微量でありますがストロンチウムとかコバルトとかそういうようなのが出て、この点は全部発表しておるのであります。ただ、これはおそらく復帰前の沖繩政府と米軍が共同で調査をやっておった当時の結果だと思うのでありまして、その後復帰になりましてから九回ほどホワイトビーチ——那覇港はその後一回も入ってないのでありますが、ホワイトビーチに入っておりまして、そのつど厳重な調査をやって、その結果はそのつど発表しておるのであります。
○近江委員 発表しておるといっても、これだけの汚染が出ておるわけですね。こういうような実態を見て、今後その汚染についてどういうように具体策をとっていくのですか。いま政府がやっておるようなモニタリングポストを中心としたそういう調査だけでいいのですか。あなた方がこの五月に発表しておるそれと、今回発表したこの数字と食い違いがあるわけでしょう。その食い違いについてどう思うのですか、これは。
○成田政府委員 その点は、先ほど言いましたように、去年の五月の調査については食い違いはないのであります。ただ、去年の一月の調査、これは復帰前でありまして、これについてはわれわれは調査しておりませんので、その正確度についてははっきり言えないのでありますが、五月以降に関しては食い違いはないということでございます。 それから、今後こういう問題に対してどうやって対処するかということでございますが、われわれは、日本が復帰になりまして自主的にいろいろなことを調査分析をやりますので、原潜の寄港のつど、それから定期的な調査によって、原潜入港によって復帰後はそういう問題がないように、佐世保、横須賀と同じように厳重な放射能調査をやって、そういうことがないようにやっておりますので、われわれの現在の測定方法なりやり方については問題ないというふうに考えております。
○近江委員 問題はないといったって、これだけ汚染されているわけですよ。この前にも一次冷却水の放出というようなことで大きく問題になったわけです。しかし、現実にこのように魚介類に蓄積されていっておる。そうすると、ただ調査だけしておるそういう政府のなまぬるい態度でいいのかということです。その辺については、政府全体としてはどう考えているのですか。
○成田政府委員 この五月の調査結果は、これは復帰前の入港に伴う問題かと思いますが、今後日本が責任を持って、復帰後につきましては原潜による影響がないように、そして住民を守るという見地から厳重な調査分析をやっておりますから、今後は新しいこういう問題は発生することはないというふうに考えておりますし、また過去のこういう点につきましても、沖繩県と十分相談をしてこれは非常に微量でありますが、しかし微量であってもないほうが当然望ましいのでありますから、その解決を考えていきたいと思っております。
○近江委員 こういう汚染は当然原潜が出したわけですが、この一次冷却水を出したか出してないか、大きな論争もあったわけですけれども、現実にこれはもう放出しておるということを物語っているわけです。そういう点におきまして、横須賀においても佐世保においても、原潜の入港地、これをさらに厳密に調査していきますと、私は驚くような事実が出てくると思うのです。佐世保や横須賀等においてもこういう魚介類の調査とか全部やっておりますか。
○成田政府委員 横須賀及び佐世保につきましては、こういう定期的な各種分析、それから入港のつどケース・バイ・ケースの厳重な調査をやっておりまして、過去においてソードフィッシュ号等の問題がありましたが、その後はそういう事態は二度とないように、非常に厳重なアメリカ側の協力を得ましていままで問題なかったというふうにわれわれは考えております。
○近江委員 それで、こういうように那覇港やホワイトビーチ、こうしたところが汚染をされておるわけですね。それで今後調査をさらに厳重にやっていく、これだけの対策じゃだめだと思うのですよ。原潜の入港についてはどうするかとか、やはりそういう点に至るまでこれはもう歯どめをかけなければいかぬと思う。さらに、横須賀や佐世保の問題においても、定期検査をやっておる、一般に発表しましたか、そのことは。さらに、今後どういうように厳重にそういう調査体制をとっていくのか、もっと政府はシビアに考えていかなければいかぬと思うのですよ。それについてはどう考えておりますか。これは一ぺん局長のあと大臣答えてください。
○成田政府委員 横須賀、佐世保につきましても、定例定期的な核種分析の結果あるいは入港のつどの調査結果については発表いたしておりまして、いままでそういう問題なかったというふうに考えております。 それから、今後につきましては、こういう地元民の不安感等も考え、いろいろな調査、放射能調査あるいは分析のやり方等一つの基準がありますので、この基準を厳格に守って、そして地元民も安心してその分析なり調査の結果を信用し信頼できるというふうに厳格に守って、問題の起こらぬように励行していきたいと思っております。
○前田国務大臣 実は、近江先生の御指摘の点でありますが、私もけさの新聞を見まして、すぐに担当局長を呼びまして、これは一体どういうことかということをすぐにただしました。先ほどお答え申しましたように、昨年の五月放射能調査をいたしておりまして、その後約三月に一ぺんぐらいの割りで調査をいたしておりますということを私に報告をいたしました。その数値の点につきましても、けさの新聞の発表の程度と大体同じでございますということでありまして、この点は、特にこの汚染の問題、いろいろな水銀そのほかの汚染問題をはじめ放射能の汚染問題は非常に重大な問題であるから、きびしくやらなければいかぬじゃないかということを実は申しました。けさ話したばかりでございます。 それに対しまして、いまお答えのとおりに現在実行しておりますが、今後ともきびしい姿勢でこの放射能の測定調査をできるだけ知らせるというふうな点に、そういう方向できびしく臨んでいきたいというふうに考えております。
○近江委員 それで、政府と地方自治体とのそういう連携の問題であるとかいうことはまたここでひとつ問題になるわけです。沖繩県は、もうすでに知っておったものをなぜ公表しなかったのですか。その辺のことを、科学技術庁も報告を受けてない、そういうばらばらな、一番の責任は科学技術庁でしょう。それが、いまごろ聞くとかいうような、そういうずさんなことでいいんですか、あり方として。
○成田政府委員 去年の五月からは県と科学技術庁は非常に綿密な連絡をとって、われわれも放射能調査、これは非常に専門的な経験知識が要りますので、県の担当者に教育等もやり、講習会もやり、いろいろ指導しておりますが、入港するたびごとに、本庁から専門家を派遣して、県の職員と一緒になって合同調査をやらしておりまして、現在非常に連絡関係については問題ないというふうに考えておりますが、今後一そう十分注意してやっていきたいと思います。 それから、今度のケースにつきましては、去年の一月ごろ民間団体が調査したものを踏まえておるようでございまして、その結果についてはわれわれは聞いておらなかったわけでございます。復帰後につきましては、県から絶えず十分な連絡を受けて、問題のないように十分その体制はできていると思いますが、去年の一月ごろの民間団体が現地で調査をやったことについては、県から聞いておらなかったということでございます。
○近江委員 綿密に連携をとってやっていくといっても、そういうずさんな状態ですよ。また、県自体も、こういう自分が委託しておって、出た数値を公表しない、これはやはり非常に、政府も自治体もそうですけれども、最近はそういう傾向があるのです。ちょっと都合が悪いようなことについてはできるだけ隠蔽しようという姿勢がある。これはもうきびしくその点は改善をしなければいかぬと私は思うのです。この点についてほんとうに反省をすべきだと思うのですよ。これは長官にひとつ反省を求めます。
○前田国務大臣 そのけさの新聞に出ておりました沖繩の問題は、具体的に、どういうわけでこれは従来発表していなかったのか、それは私実は知りませんけれども、とにかくその測定をした結果というものは、みんなに安全な生活を送っていただけるように、この点はできるだけすみやかに発表しなければいけないというふうに一般的には考えます。しかし、この問題はどういう関係でこういうようになったのか、ちょっと私いまわかりませんけれども、全く近江先生御指摘のとおりだと考えます。
○近江委員 それから、やはりこの原潜の入港によってこれだけ汚染しているわけですね。ですから、幾らきびしく調査するとかなんとかいっても原潜の入港によってこういうことが起きているわけでしょう。環境汚染という点においてこれは重大な問題がある。われわれはいつも原潜の入港についてはこのことを指摘してきたわけです。こういうことが積み重なってくれば、これは言わざるを得ないでしょう。その点において政府全体として、原潜の入港についてどう考えていますか。いままでのような状態で放置しておってよいとお思いなんですか、これをひとつお聞きしたいと思います。
○成田政府委員 沖繩の核種が出たということは非常に遺憾なことでありますが、先ほど言いましたように、日本に復帰する前の入港に伴う汚染といいますか、だったと思います。それで、日本に復帰になった以降におきましては、横須賀、佐世保にやっていると同じように、非常に厳重な調査なり測定をやっておりますので、われわれはこのやり方を厳重に厳格に守らせる、また実施していく、そういう方法によって環境汚染という問題は新しくは起きないというふうに考えておりますがしかしこれは念には念を押す必要がありますので十分地元ともよく協議をしまして、問題の起こらぬように励行していきたいと考えております。
○近江委員 それで、今後そういう原潜の入港について、これはとめるとか、いろいろな対策があろうかと思うのですが、今回のこういう件からもいろいろとお考えになって、これは政府全体の問題として取り上げて、米軍にそれを申し入れするとか何らかの処置を長官はおとりになりますか。
○前田国務大臣 原子力潜水艦の入港につきましては、従来からもその放出いたしまする放射能、そういう公害というものに対しましては、きびしい態度で臨んできましたけれども、さらに今後もうんときびしい態度で臨んでいきたいというように考えております。直ちに原子力潜水艦の入港をお断わりするということは、私きょうこの段階では申し上げる段階ではないと考えております。
○近江委員 きびしい態度、きびしい態度ということだけおっしゃっておるわけですが、しかしいまよりかどれだけきびしく具体的にやるのですか。また、沖繩について三カ月に一回ですか、調査をやっているわけですけれども、今後の調査のあり方ですな、いままでよりもどれだけきびしい調査をするのか、あるいは佐世保や横須賀においても、いままでよりもどれだけの体制をもって進むのか、ただきびしいきびしいというそんな抽象的なことじゃなくして、具体的にどういう処置をとっていくのですか。
○成田政府委員 私たちは、横須賀や佐世保につきましては、放射能調査のやり方、いろいろな基準ができておりまして、われわれはこれを励行することによって放射能汚染の問題は起きない、そういうたてまえになっておりますので、厳重にこのルールを励行させ、そうしてアメリカ側にもまたそういう方針で入る場合には守ってもらう、そういうことに尽きることだと思います。 沖繩につきましては、いま大体横須賀、佐世保と同じようなやり方をとらせておりますが、さらに厳重に、何か新しい装置とか何か必要であるかどうかという点の検討も含めまして、佐世保、横須賀と同じような厳重なやり方をとっていきたい。ただ、県の担当者等もまた経験も少ないので、なれていない点もありますので、十分専門家に育てるようにいろいろな機会を見つけて養成して、そうして測定なり、調査で遺憾のないように十分いまのルールを励行させる、厳格に守らせるということに尽きると思います。
○近江委員 まあ、厳格に今後やっていくということをおっしゃっているわけですが、われわれとしては、先ほど申し上げたように、米軍に対しても入港を断わるとか、そのくらいの強い線を政府としてはこの際考えるべきである。このことを申し上げておきます。こういう対策については一段と強化をしていただきたいと思う。 一般の原発につきましても、こうした魚介類がこのように汚染されていっておる。これは事実なんです。ですから、いまや環境を守っていくということは、ほんとうにたいへんなことです。PCBの問題であるとか、水銀汚染の問題であるとか、日本列島はこのままでいけばほんとうにもうわれわれ生存はむずかしくなりますよ。そういう点におきまして、きょうはほかのことも考えておりますので、ほかの問題に移りたいと思いますけれども、原発も、そういう汚染の問題にしても、真剣に政府としては取り組んでいただきたいと思うのです。 その次にお聞きしたいのは、開発途上国に対する援助の問題でございますが、私は科学技術の協力の問題についてお聞きしたいと思うわけです。こういう援助問題というものは、南北問題の解決であり、世界平和のためにもきわめて重要な問題でありますけれども、そういうことで先進国としても経済援助については力を入れてきておるわけです。わが国としてもしておりますが、政府のそういう協力姿勢というものは非常に弱いわけですが、いままで技術の協力が非常にまずかったんじゃないか、このようにいわれますが、どのように反省しておりますか。
○田宮政府委員 御指摘のように、わが国の海外技術協力というのは全体としての努力も足りないといわれておりますし、また、ややともすれば橋をかけたり何かをつくるというかっこうで、何と申しますか、日本の技術で向こうに何かをつくるという点に重点が置かれていた傾向がございまして、その点の傾向はわが国だけではございませんで、各先進国もその辺を反省いたしまして、また開発途上国の要望もございまして、いわゆる技術移転、移転した技術が開発途上国に定着するようなかっこうで援助すべきであるという議論がされていることは先生御指摘のとおりでございます。
○近江委員 こうした技術協力を促進するために、国連において世界行動計画というのがまとめられておるということを聞いておるわけですが、それはどういう内容であるか、あるいは決議なりそういう形をとっておるのか、加盟国をどの程度拘束するものか、そういう点についてお聞きしたいと思うのです。
○田宮政府委員 御指摘の世界行動計画でございますが、これは国連の経済社会理事会の科学技術常設委員会が、国連の第二次開発十年計画というのに関連いたしまして開発途上国援助におきます科学技術の重要性を指摘いたしまして、その開発の戦略としましてつくりましたものでございます。これは現在経済社会理事会等において討論中でございまして、多少南北問題がございますけれども、大体先進諸国もその趣旨については非常に賛成しております。ただ、開発途上国が、その中に織り込もうといたします具体的な数字、ターゲットという数字につきまして議論が行なわれておりまして、まだ決議にはなっておりませんと承知しております。
○近江委員 わが国の技術協力の現状、ポイントをひとつお答えいただきたいと思うのです。
○田宮政府委員 先ほど申し上げましたように、従来のわが国の海外技術援助は、海外技術協力事業団に一本化して行なわれております。協力事業費といたしましては、昭和二十九年から四十六年度で四百十二億くらいでございます。そのほかに研修員の受け入れといたしましては、同じく二十九年から四十六年にわたりまして約一万六千名の研修員を受け入れております。また、当方から派遣いたします専門家といたしましては、同じく二十九年から四十六年にわたりまして六千二百名ばかりが派遣されております。しかしながら、これはこういう形に基づきます量でございますので、内容についての反省がいま行なわれているという現状でございます。
○近江委員 通産省は国際産業技術研究事業計画を立てて、発展途上国への研究協力へ乗り出すということを聞いているわけですが、科学技術庁こそ中心になってやるべきじゃないかと思うのですが、そういう点は具体的に考えていますか。
○田宮政府委員 科学技術庁といたしましては、その技術協力の中で、研究協力という面につきまして努力をいたしております。それで、具体的なことといたしましては、アジア科学技術連合という東南アジア諸国の地域開発のための会議を持っておりまして、これは本年第三回でございましたか東京において開催されまして、その中におきまして日本が提案をいたしました。その提案は、とりあえず各研究所間のシスターラボと申しますか、研究所間の協力ネットワークをつくりまして共通の問題に取り組もうという提案をいたしまして、アジア科学技術会議におきまして賛同を得ております。 それから、日本と韓国の間には御承知のように日韓科学技術大臣会議が行なわれておりまして、昨年は東京で行なわれましたが、本年はソウルにおいて行なわれる予定でございます。そのほかアジアエレクトロニクス会議等がございます。 ただ、御指摘の通産省の技術移転のための機構というようなことにつきましても、科学技術庁といたしましては、全体の科学技術を調整するという立場から新しい仕事のやり方を今後大いに考えていかなければならないと考えております。
○近江委員 発展途上国というものは、私も前に一回アジアに行きまして、確かに要求するところも非常に多種多様化しておりますし、そういうニーズの調査であるとかそういうことは当然やっておられると思いますが、さらにASCAを通じて協力を検討されておると思います。そういう調査も、一応でありますけれども、やはり実際の研究協力をやってみて初めて先方の信頼も得られて、具体的な要請というものが生まれてくるのじゃないかと思うのです。その点、わが国政府がやっておることは、関係各省ばらばらのような感じがするわけです。したがって、そういう研究協力のプロジェクトといいますか、そういうものを具体的に組んで進めていくことが非常に必要じゃないかと思うのですが、こういう点についてはどう考えておりますか。
○田宮政府委員 御指摘のとおりでございます。申しおくれましたが、ASCAにおきましては、これは科学技術庁のみならず各省の御参加を得ておりまして、日本側が提案をいたしました各研究所間のネットワークというのも各省の御賛同を得てやっていることでございます。 それで、先生御指摘のように、開発途上国はいろいろな希望を持っておりますけれども、それを具現化するのにいろいろな問題があるというようなことでございますので、ASCAでもたとえば熱帯植物のそれを薬用化するというような問題につきまして、農林省の研究所、厚生省の研究所その他とネットワークを結ぶ提案がされまして、これが採択されておりますので、すみやかにその実現化をはかるように、今後努力していきたいと考えております。
○近江委員 大臣もすでに御承知のように、この科学技術政策の中で、発展途上国に対する協力というものは非常に弱いと私は思うのです。やってないとは言いませんけれども。そこで、こうした科学技術協力について真剣に力を入れなければいけないと思うのですが、その点、大臣の決意をお伺いしたいと思うのです。
○前田国務大臣 確かに近江先生御指摘のとおりでございます。科学技術の研究開発協力というものについては、特に最近その重要性が強調されております。従来は海外技術協力事業団を通じて技術協力を進めておりますが、科学技術庁といたしましては、アジア科学技術連合だとか国際連合の要請、開発途上国科学技術現状調査等に基づきまして、研究協力というものを現在よりももっと積極的に進めていきたい、実は私もその熱意に燃えている次第でございます。
○近江委員 これを強く要望しておきます。 それからあと一点、ライフサイエンスの振興の問題ですが、科学技術会議の懇談会の報告が出されているわけです。これは、長官も所信表明において決意をお述べになっておるわけですが、決意の表明だけじゃだめなんです。その後どうなっておるのですか。われわれも非常に期待をしておるわけです。
○長澤政府委員 先生御指摘のとおり、科学技術会議で、懇談会を昨年の八月に設けまして、昨年の暮れに懇談会の報告が出ております。その後、私どものほうは、その懇談会でいろいろ提案していることの実現化につきまして、積極的に、前向きに検討中でございます。 具体的に申しますと、計画局の中にライフサイエンス企画室というものを設けまして、ライフサイエンスの研究体制の整備充実に関する具体的方策の策定事務をここで行なっております。それからライフサイエンス推進委員会、これは局長の諮問機関でございます。ライフサイエンス研究推進方策につきましては、先ほどの懇談会がいろいろ指摘したところでございますけれども、この構想をさらにこまかく検討していこうということで、この委員会の下にもさらにプロジェクトの分科会と施設の分科会を設けまして、この実現化に鋭意努力中でございます。
○近江委員 ライフサイエンス推進委員会をつくったということは、私は一歩前進であると評価をするわけですが、どういうメンバーが入っておってどのくらい熱心に回数をとってやっておるか、それでまた結論はいつ出すのですか。
○長澤政府委員 ライフサイエンス推進委員会のメンバーは、委員長は千葉大学の宮木先生にお願いしてございます。そのほか、委員には、厚生省の国立がんセンターの研究所副所長の杉村先生、東京大学の南雲先生、東京大学医科学研究所教授の山本先生、東京大学の和田先生、それから当庁の安尾科学審議官。委員長以下全部で六名の方々に構成員になっていただいております。 宮木先生以下たいへん御熱心にやっていただいておりまして、私自身も非常に感謝しているわけでございますが、月に四回程度、毎週やっておられまして、たとえば土曜日も、午後から夜七時ごろまでやっていただくというようなこともございまして、いま鋭意具体案を検討していただいております。 その委員会の下に、先ほど申し上げましたプロジェクト分科会、施設分科会という二つの分科会を設けておりますが、プロジェクト分科会は、宮木先生に主査になっていただいて、どういうふうな研究プロジェクトを今後組んでいくべきかということにつきまして、五名の委員の方々と一緒に御検討をいただいております。それから施設分科会におきましては、東京大学の医科学研究所の山本先生に主査になっていただきまして、ライフサイエンス推進のためのセンターを設ける場合にはどういう施設が要るだろうかというふうな具体的な施設等につきまして検討していただいております。 結論は早急に出していただくようにお願いしている次第でございまして、近日中に中間報告のようなものはいただけると考えておる次第でございます。
○近江委員 そういう抜本的なライフサイエンスの振興策を立てていただくということは非常にけっこうですが、御承知のようにいろいろな問題がいま山積しておりますし、それではもうおそいということもあるわけですよ。そういう点で研究を並行的に、当然強力に推進していかなければならぬこのように思うのですけれども、これについてはどのように具体的にやっておりますか。
○長澤政府委員 ただいま申し上げましたのは、ライフサイエンス研究体制の整備に関する準備ということで、ただいまわれわれは一生懸命やっておるわけでございますが、そのほか、それじゃ現在どうかという問題でございますけれども、当庁におきましては、生体高分子及び顆粒の理化学的研究であるとか、生態系における細胞と個体の理化学的研究等々というような、ライフサイエンスに関連の科学研究を理化学研究所においても大いに進めていただいております。そのほか、特別研究調整費、これは全額で十二億ほどあるわけでございますが、その一部をこれに充当いたすということで努力している次第でございます。
○近江委員 このライフサイエンスの振興については、科学技術政策の中でも特に力を入れていただくように。このことは、われわれ常に申し上げてきておるところでありまして、ライフサイエンス懇談会の報告でも、ライフサイエンス研究推進センターをつくるとか、そういう非常にユニークなこともいわれておるように聞いておるわけですが、とにかく具体的にそういう核をつくり、また研究も推進していく、こういうことが一番大事なことじゃないかと思うわけです。そういう点、今年度は予算もほぼ実行しておりますが、研究調整費といっても額は知れておるし、長官もそうやって所信表明された以上は、来年度の予算獲得といいますか、そういう具体的な構想に基づく予算獲得に全力をあげてもらわなければならぬと思う。来年度においてはライフサイエンスの振興についてどれだけ大幅な前進をされようとなさるのか、それを局長と大臣にお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
○長澤政府委員 先生から御激励のことばをいただきまして、私ども、委員会の先生方も張り切っておられますし、われわれ事務局も大いに張り切っておりますので、できるだけ前向きというよりは、もう一生懸命にライフサイエンス推進のための施策について検討をし、努力をいたしたいと思っております。
○前田国務大臣 ライフサイエンスにつきましては、近江先生、もう前々から非常に熱心に御声援といいましょうか、激励をいただきまして、われわれも非常に感謝しております。先ほど局長も御説明いたしましたように、企画室をつくったり推進委員会をつくったりしておりますが、それと同時に、実は先般、アメリカのライフサイエンスの進め方、アメリカの現状は一体どうであろうか、必ずしも私はアメリカがいいという意味ではありませんけれども、一つの参考としてアメリカにも安尾審議官とかそのほか藤井先生とか、そういう専門家の人も派遣をいたしまして、向こうにおけるライフサイエンスの現状等も把握させまして、どういう体制にするのがいいかということを調査に行かしたわけでございます。その他、私も私なりにいろいろな学者とかいろいろな人にも会いまして、極力そういう知識の吸収につとめておりますが、先ほど局長から御説明いたしましたように、推進委員になった先生、宮木先生はじめあとの委員の先生、実はライフサイエンスについては相当な見識を持った方だそうでありまして、私いま学問的にどういう立場の人か知りませんけれども、とにかくいろいろな人に聞いてみても、非常にすばらしい人だそうでありまして、こういう人々によく相談をいたしまして、早くその考え方をまとめてこれを予算要求に反映をしたいという段階で、いま作業を進めておるということでございます。今後とも一生懸命にやりますが、どうぞひとつ先生からも一そうの御支援をいただきたいということを特にお願いする次第でございます。
○近江委員 これで終わりますが、いずれにしてもこの問題は、特にビッグサイエンスにばかりいままで片寄ってきたと思うのですよ。ですから、いまの時点において、ほんとうにこのライフサイエンスについては特段の力を入れていただきたい。これはいま長官もおっしゃったわけでございますので、重ねて私からも強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○石野委員長 次回は、来たる二十日水曜日午後一時より理事会、一時十五分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十三分散会