科学技術振興対策特別委員会 第16号
- 発言数
- 120 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/06/13
会議録
○石野委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原茂君。
○原(茂)委員 きょう大きく二つ、むしろいろいろ教えていただきながら今後に資していきたいと思うのでありますが、最初にお伺いしたいのは、さきに地震の問題で参考人から意見の聴取を行ないました。そのあとまだいろいろと問題の整理をしておりますが、その間に科学技術庁の資源調査会が、先ごろ南関東地方の大活断層というのを発表されたわけであります。この問題について、調査会で調査をされたその内容につきまして少しくお伺いをしたいわけです。 ERTS1号という衛星によってとられた写真というのは、南関東の大活断層だけ入手したのでしょうか。資料というのはそのほかにもまだERTS1号からの資料として調べておいでになるのかどうか。たとえば日本のちょうど裏側で、アルゼンチンあるいはその他でのいまのような天候異変の問題などもあります。これはあとでお伺いしますが、日本で入手するこの種の資料というものは、日本に関するものだけ入手するのか、地球全体の問題に関しての資料が入るのかということから最初にお伺いをし、二つ目には、南関東の大活断層というもの、断層というだけでなく、活という字が入っているのですが、この活というのはどんな定義なのか、何世紀間か知りませんが、何百年か何千年か知りませんが、第三期ごろまでの間に動くあるいは動くと見られる断層を活というのかどうか。これは、しろうとでわからないのですが、その活というものに対する定義も一緒に二つ目にお聞かせ願いたい。
○長澤政府委員 先生御承知のとおり、五月二十二日の資源調査会で、地球資源隔測の推進構想とその実施のための体制に関する勧告を行なったわけでございますが、私ども、実は隔測技術につきましては、だいぶ前から関心を有しておりまして、いろいろ勉強をしていたわけでございます。 それで、御承知のとおり、去年の七月からERTS1号が回り始めまして、十月ごろからわが国にデータが入る、こういうことでございます。もちろん、これは国連でお世話いたしまして、各国とも資源衛星の利用についていろいろ研究しよう、その成果をおのおの分担して研究しようということでございまして、私のほうもNASAとのお話し合いで、資源研究者が二人ほど日本からテーマを持ちまして申請をして映像が入ってきた、こういうことでございます。 たまたま先ほど申し上げました私ども資源調査会では、隔測技術、リモートセンシング技術が非常に重要であるということで、資源調査会の中に特別委員会を設けまして、リモートセンシング特別委員会と申しますが、和達清夫先生を委員長にいたしまして、いろいろ隔測技術の振興方策について検討いたしたわけでございます。 この過程で、たまたま入手しておりました南関東の映像を分析いたしまして——またこの映像も三種類のいろいろな波長でとらえました映像を重合したものでございますが、したところ、やはり南北に構造線のようなものが通っているのではないかということに気がついたわけでございます。いわば、その調査の過程で副産物的に出てきたと申してもいいのかもしれません。 活構造線というのは何かという次の御質問でございますけれども、構造線というものは、私ども実はあまり専門家ではないのでございますけれども、一般に規模の大きい地質構造上の境界線である、その両側で地質構造が違うものである、こういうことだと伺っておりまして、たとえば日本を縦に通るフォッサマグナというものが静岡と糸魚川の線に縦にございますし、あるいは中央構造線というようなものが九州、四国、紀伊を通っているのがすでに知られているわけでございます。 この活という意味でございますが、いろいろ学者によって違うことを言われるようでございますが、比較的新しい地質年代にこの境界線に沿って移動があったというようなものを活構造線といっているやに聞いております。 以上でございます。
○原(茂)委員 最初にお伺いした資料は、全部地球全体の資料が入るのか、日本だけのものが入るのか。
○長澤政府委員 これは日本だけのものでございまして、それも全部入るということではないようでございます。
○千葉政府委員 実は、その点につきましては、NASAと日本側との話し合いで二つの研究が取り入れられておるわけです。一つは環境問題、いま一つは気象の問題、この二つの研究を進めるに必要な資料を送ってもらうということになっておるわけであります。これは国連を通じて世界じゅうで利用したいという人が申し出て、それでそのうち認められたのが日本では二つ、それに必要な資料であるというので、日本を中心の資料のみを送ってきておるというのが実情でございます。ただし関東だけではございません。まだそのほか北海道とか各地があるわけでございます。
○原(茂)委員 そうしますと、たとえば日本だけの問題にしても、南関東を東西に走る断層に関してこの間発表がありましたね。ちょうどその裏側といいますか、秩父中心の側に何か異常があると私は聞いているのですが、そういう問題も一緒に資源調査会で調査をされているのですか。
○長澤政府委員 現在調査をいたしておりません。
○原(茂)委員 あとで申し上げますが、これは調査しなければいけないだろうと思うのです。 そこで、この活断層といわれるものについてお伺いしたいのですが、利根川、江戸川、荒川、こういう河川を見ただけでも活断層ではないかということが憶測できるのですが、この三河川の流れ方を見て、活断層ではないかという根拠は一体何ですか。
○長澤政府委員 活断層ではないかという一つの提案をいたしたわけでございます。その根拠は幾つかあるわけでございますが、ただいまの東西に走っております線でございますが、これに沿いまして、先ほど申し上げました川が曲がっているというような事実。あるいはその線に沿って植生といいますか、たとえば竹林が多い。竹林は非常に水分が多いところにあるようでございます。あるいはその付近に沿って湖が多いというようなことなどもいわれております。しかし、人工衛星から見ただけでわかるものではございませんで、やはり地磁気であるとかあるいは重力であるとか、こういうものを並行的に調べる、あるいは動いているか動いていないかという前の歴史的事実を調べる、こういうことが必要だと思います。 あるいは私、先ほど活断層であるやに話したかもしれませんが、正式に申し上げますと、活断層である可能性があるということで、私どもは専門家に検討をお願いしょうということで、地震学会であるとか地質学会であるとか八学会に、五月二十二日に御連絡してこの検討をお願いしたわけでございます。また各省には五月三十日、測地学審議会には五月三十一日に説明会を持ちまして、われわれの見たところこういうふうな疑いもあるのだけれども、さらに専門的に検討してほしい、こういうことでお願いをした、こういうことでございます。
○原(茂)委員 逆に言いますと、あれはたしか九百二十キロの高度からとっているわけですね。ですから、単なる何かの影かもしれない、あるいはいま言ったように、樹林の繁殖している状況、特に竹なんかの水分をよけい要求するものがずっとはえているというような状態などで、たとえば千葉県なんか見ると、よくそういう点がよくわかるわけですが、そういうことで類推したのでしょうが、午前十時ごろ斜光の中で九百二十キロの高度からとったという——九百二十キロといっても、人の目とは違って相当精密の高度なカメラを使っているからはっきりするのかどうかしりませんけれども、調査会が活断層ということばを使って発表するほどに、的確な何かをまだつかんでいないのではないだろうか。いまお話を聞くと、各機関でこれを調査するように総合的な機能を動員したようですが、これが結果としてどういう答えが出るか知りませんが、とにかく活断層であるという前提に立って調べるという根拠は一体何なのか。私はへたをすると影の見違いということもあるのではないかというような感じがします。 新聞なり週刊誌等であれだけ出てきますと、私の知っておる人だって、たいへんな線上におれはいるんだけれどと言う。ものに書いてあるばかりじゃない。おまえさん、地震のことを科学技術委員会で前にいろいろやってきたんだけれども、ほんとうにあれは地震があるのかというような問い合わせがあるのです。それはもちろんあるとしたってすぐじゃないだろう、ぼくにはわからぬ、という答えをしていますけれども、しかし、影響するところは非常に大きいので、結論を先に言って恐縮ですが、私は科学技術庁がああした資源調査会等で何かこれはおかしいなと思ったときには、十分に政府の各関連する機関を動員して調べた上で、もうちょっと科学的な根拠があって後に発表するという配慮があっていいのではないかということを言いたいのが実は結論なんです。もちろん、ああいう発表をすることが、広く学者なりあるいは世論を喚起して、より早くムードの上からいっても突きとめる資料になる、あるいはそういう力になっていく、こういうことも考えられるかもしれませんが、いやしくも地震で、しかも百二、三十キロにわたるああいう活断層を、らしいというときに、らしいのでも科学技術庁の資源調査会が発表したということになりますと、これはいつでかいのが来るんだろう、いままで地震の強化地域を中心に相当関心を持っていたんだけれども、新たにまた地震の根っこが、こんなにしかも長い、うっかりするとだうんと垂直に切れちゃって東京が海中に埋没でもするのではないか、しろうとですから憶測したら切りがないわけですね。ですから、ちょっとした話でも、そうした話が相当出るに至ったという事実を考えると、いま私がここでお伺いしたって、いや、実はかくかくの理由で活断層であるということを九〇%確信をしますという答弁はできないわけでしょう。おそらくできないと思う。ではないかと思う。これを五人のあの委員諸君の中で最初に発見したのは、たしか林野庁のだれでしたか、やはり理学博士ですが、中野さんだか何だか知りませんが、何とかいう方が影を見ながら、いつも植物専門にやっているものですから、これはおかしいではないかという提案があったのがきっかけで、この調査会全体として問題にしてという順序でこの問題が提起されたように思うのです。だからそのあとで、一月ごろから十分に検討して、五月の段階でとにかくこれはその危険があるというので発表するんだったら、ほかのどこかの発表——私が言うならいいのですが、科学技術庁が資源調査会として発表するようなときには、もうちょっと確たる科学的な根拠をもうちょっと集めて、そうしてこの種の質問をしたときにも、少なくともまあ間違いなく活断層の発見だ、こう言い切れるような調査が先にあってしかるべきではないかと思うのです。地震に関する限り、むやみに衆知を集めたところで、そうたいした役に立たないんだし、確かにそれ相当の地理院その他の政府の関係する各機関を動員してやらなければ、権威のある答えは出てこない、こう思いますので、どうもその点少しそこつに、だれがどうして許可して発表したのか知らないけれども、発表のしかたが少しずさんではないか、もうちょっと科学的な根拠のある調査を各機関から集めた後にこの種のものは発表すべきではないかというのが実は結論なんです。 参考までにいろいろ聞きたいことがまだ二、三ありますけれども、この点先に御答弁いただきたい。だれが一体どういう判断でこうした発表を科学技術庁としてお許しになったのか。私は、科学技術庁というものは、大臣もここにおいでになりますが、この種の問題に関しては、やはりその担当した部局がかってにものを発表することを許してはいけない。十分に庁全体の討議にかけた上で、少なくともこんな大きな問題に関しては、発表するという配慮があってしかるべきではないかと思うのですが、どうでしょう。
○長澤政府委員 発表いたしましたのは資源調査会、これは科学技術庁長官の諮問機関でございますが、資源調査会のリモートセンシング特別委員会でございます。委員長は和達清夫先生でございます。そのほか先生御承知のとおり専門家が四人ほど入っておる委員会でございます。 もちろん、この東西に走っております構造線というものは、関東平野のまん中でございますので、三千メートルぐらいの堆積層の下にあるわけでございます。したがって、今後いろいろな調査をしていかなければ、これが構造線であるかどうかということはわからないわけでございまして、私どもが各学会に発表した——したがいまして、発表いたしました文書では、要するに今後構造線を示すか、ほんとうに構造線であるかどうかという点でさらに精密調査を必要といたます。そういう精密調査、たとえば深層の地質構造あるいは磁気探査、重力探査、地殻の微変動、微小地震、植生、土壌、微地形の変化あるいは歴史的の事実調査、地理的な調査、こんないろいろな調査を今後必要とするのではないか。 私ども、先生の御指摘のとおり、もちろんまだ疑わしい段階ではございましたけれども、もしこれが活構造線であれば今後の地震予知、そういうものに対して非常に大きな影響を及ぼすであろう、こういうふうな点を考えまして、なるべく早く実態を確かめたほうがいい。ほんとうにこれが活構造線があるならば、またそういうふうに対策を考える必要がある。こういうわけで、精密な調査を今後すべきだ、こういう提案をしたわけでございます。 関東地方には大きい地震が、最近歴史にあるだけでも六十ぐらいございますけれども、もちろんこの付近で発生したのは二つとか三つというものでございまして、直ちに構造線が地震と関係するものではないわけでございます。もちろん大きい関係があるわけでございますが、その線上で常に起こるというような統計も示しておるものではございません。今後大いに防災というような面から手を早く、対策をとっていく必要があろう。こういう意味で検討を依頼したということでございまして、決してここに活構造線があるというようなことを、まあ新聞等の報道は別といたしまして、したわけではございません。
○原(茂)委員 そうですか。資源調査会として発表したことになっているんですよね。そうじゃないのですか。
○長澤政府委員 資源調査会として、資源調査会の特別委員会委員長として発表したわけでございます。
○原(茂)委員 ということでしょう。そこで、長官どうですかね。この種の問題を諮問機関であるから自由に発表していいんだというのでなくて、諮問機関であればあるほどに、やはり長官なら長官の、相談をした上、許可を得て発表するなら発表するという慎重な態度が必要じゃないかと言っているわけですが、どうですか。
○前田国務大臣 ただいま原先生の御指摘の点でございますが、政府関係の発表、ことに科学技術庁の発表あるいはそれの関係機関の発表というものは、やはり科学技術というものは正確でなければならぬという点は先生の御指摘のとおりでございまして、その意味におきまして、よほど確信がなければ軽々に発表すべきじゃないじゃないか、慎重に発表すべきであるという御指摘、全くそのとおりだと思います。 ただ、その発表でございますが、別に活断層であるというふうな断定的な発表じゃなくて、その可能性があるというふうなニュアンスはあったかもしれませんけれども、そういうふうなことを検討すべきであるというふうな趣旨でそういう発表をしたのだというふうに私は思っておりますが、ただ先生御指摘のように、いま地震のことはみな非常に心配しておりますので、すぐにそれと結びつけて、特に私もちょっと二、三の週刊誌も見てみましたけれども、すぐに地震ということで大きく見出しが、むしろそれを大きく書いてありましたので、その点は私も、これはちょっとあまりにぎやかに書かれ過ぎておるのじゃないかという実は感触はいたしましたことを、はっきり申し上げておきます。
○原(茂)委員 だから、いつ地震があるかわかりませんし、ないとは保証できないし、萩原会長じゃないけれども、とにかく江戸開府以来いままで、M六以上の大きな地震が六回あった。どうも考えてみると、そろそろ大きいのがあるかもしれない、大きなナマズが寝ているのかもしれない、目をさますかもしれないというようなことを、萩原さんあたりこれについて端的な表現をしていますよね。それで、あるかもしれないという学者先生、いや、まだこれは非常に疑問だという先生、これも当然のこととして、まだまだつかんでいないから、両論があるわけです。 こういうときに、発表したこと自体を取り上げているのじゃない。私のいま大臣に一番要求しているのは、この種の重要な課題に関しては、やはり科学技術庁として統一した見解をまとめた上で発表するという習慣をつける必要があるのじゃないか。今後、原子力もそうですが、科学技術に関する問題を、いろんな機関で検討をしました、それを庁として統一して、ではこれはこういう発表をしようというようなことをしないで、科学技術庁何々という機関で発表をどんどんかってにさせるようなことは、いたずらに問題を起こさしたり、紛糾さしたりということを実はおそれて、やはり政府機関としては、この種の問題に関しては、何かあったときに十分相談をして、そしてまとまった意見として、長官が責任をいつでもとれるという前提で発表するということが、何もこの問題の責任問題には全然関係ありませんけれども、そういうことが必要じゃないだろうかというふうに感じているから、しつこいようですが言っているわけです。 この点はどうですか、ひとつそういう考え方を常にお持ちになることが必要じゃないか。各個ばらばらに発表することが許されていてはいけない。特にわが国の科学技術行政を統括する立場の科学技術庁としては、やはり最終的にはいつでも長官が責任を負えるという前提でおやりになることが必要だ。この間、安全審査会の問題などをいろいろ論議していても、速記なんかとられたのじゃ、どうも学者がものを言いにくそうで困るから、速記なんかとらないのだという話、一体、学者もそうなら長官の側からいっても、およそ安全審査をやった結果、総理にいい悪いの答申をしたといったときのほんとうの責任というものをどこが負うのだろうという疑問を、実は押し問答しながら抱くわけですね。ですから、何かどこもばく然として責任がないようだというようなことになるのも、その一つのあらわれなんだ。したがって、科学技術に関する限り、しかも今回のごとき地震の新しい大活断層の発見というような問題に関しては、いまお話を聞くと、どうもこの東西に伸びている南関東の大活断層の裏側というか、左の側面の側を、私は資料がないのかあるのか知りませんが、当然資料がERTS1号から来ていると思うので、このほうも十分に調べてみないといけないだろうと思うのですね。これだけ一本調べました、これは二本ですよね、一つ交わっているらしいところもありますけれども、しかしこれだけで、日本のような地震国で非常に神経過敏になっているときに発表をする。そこでその発表も、したことがいけないということよりは、大事なことですから、必要に応じて発表することもいいのですが、しかし、その手続というものは、やはり何があっても科学技術庁の長官として責任を負うという前提で発表する。これは責任問題ではないけれども、そういう思想があると、科学技術庁資源調査会の発表なんという形にこの問題がなる性質の問題じゃない、こういうことを言っているわけですが、いかがですか。
○前田国務大臣 重ねていろいろ御指摘をいただきましたが、私、今度の発表は、なるべく早くこういう活断層についての可能性といいましょうか、あるかもわからぬということを関係の向きに申し上げて、なるべくすみやかに検討、研究してほしいという熱意から実は出たわけだと思うのでございまして、その点先生もお認めいただけると思うのですけれども、しかし、確かに科学技術庁の発表、特に科学技術というのは正確でなくてはならぬということは、これは科学は客観性がなくてはいけませんしいたしますから、その点でその発表は慎重でなくちゃならぬということは全く御指摘のとおりでございます。その点につきまして、今後ともあらゆる発表の場合、そういう点は十分心得ていたしたいと思います。
○原(茂)委員 おわかりになったようですが、くどいようですけれども、この発表という形式をよく調べてみると、単にスクープされたのじゃない。資源調査会が発表をして、その責任者あるいは関係者が記者にいろいろとものを言っているという意味では、資源調査会の発表というふうにとれますから、この種のものを担当の各機関がかってに発表することのないように、科学技術庁としてまとめた意見というものをつくった上で発表をするというようにすべきだ、こういうことです。いまの大臣の答弁は少しそれに類しているから、それでその問題は終わりますけれども、そういうつもりで言っているのですから、決して悪いことをしたと言っているわけじゃありません。しかし、いままでの一連の原子力問題その他のやりとりからいっても、どうも私のひっかかっているものとまた一緒にからみ合ってきたものですから、こういう点を十分今後注意したらどうか、こういう意味ですから……。 そこで、ついでにもう一つお伺いをするのですが、この種のいま論議されている問題というのは、新聞なり週刊誌なりに出ている範囲以上には何もわかっていない、目下調査中である、こういうことでよろしいわけですか。
○前田国務大臣 実は先生からいろいろ御親切に御指摘をいただきまして、私もこの問題について、ほんとうにこれが地震の前兆というかにつながるものであるなら、たいへんな問題であるししますので、実は率直に言ってわれわれもにわか勉強でございます。その意味におきまして、私、きょうというのじゃなくて、できましたら和達清夫先生を、資源調査会の特別委員長をやっていただいておりますので、一度この委員会にでもお呼びいただいて、われわれよりはるかに詳しい専門的なお答えができると思いますので、実はまことに胸のすくような回答ができなくて申しわけないと思いますけれども、ひとつそういう機会も与えていただきたいと思います。
○原(茂)委員 わかりました。私の前段しつこく言ったことはおわかりになっていただいた上でいまのお答えがあったと思います。あまりこまかいことをいまお聞きしても、確かに私もしろうとでわかりませんし、しろうとにわかるには、よくわかった学者から聞いたほうがよくわかるかもしれませんから、和達さんに、またいい機会がありましたらおいでいただいて、この問題を専門にこまかくお聞きします。 そこで、きょう気象庁からおいでいただいていると思うのですが、実はこれに関係するわけじゃないのですが、最近の異常気象といいますか、四月、五月がひっくり返ったような、季節的な予報によると、冷たい夏だとかあまりいい予報をしていないわけです。確かに、先ほどもちょっと言ったように、日本の裏側の国を見ても、どうもいままでないような長期の雨に見舞われてみたり、かと思うと西アフリカのように、大干ばつのために一千万という多くの人がいまや飢えつつあるというような状況を見ますと、何かいま日本の気候ばかりでなく、世界全体の気象というものが異常気象というふうに解釈できるような、これもしろうとでわかりませんが、気がするわけですが、この点ひとつ気象庁のお立場で、いまの私の質問というよりは、疑問に解明を与えるように、日本ばかりの長期予報ではなく、世界全体の気象の異常というものなのかということをお答えいただきたい。
○毛利説明員 お答え申し上げます。気象庁の予報部長でございます。 先般、気象庁におきまして、近年の世界の天候につきまして、印刷物にしまして発表がございました。先ほど先生が申されました異常ということでございますが、この世界気象機関のきめによりますと、大体二十五年以上に一回起こるような現象を異常と申しているわけでございます。 気象庁の発表いたしました気候の内容のおもな点でございますが、いろいろな現象が報道されておりますが、この天候につきまして気象庁で申し述べましたおもな点は、主として北半球全体で見まして、北緯六十度、七十度あたりの気温が、一九四〇年ごろからやや下降の傾向がある、そういうグラフを載せまして、特にこの現象は夏よりも冬にはっきりあらわれている。夏にももちろんその傾向がございますが、そういう気温の現状を主として記述いたしましたが、こういうことが世界的な現象でございます。 次に、日本につきましては、一九四〇年ごろから世界の北半球の緯度の高いところでやや気温が下がったのでございますが、日本の十一カ所の気温を平均いたしますと、一九三〇年ごろから気温はやや上昇ぎみでございましたが、一九六五年、昭和三十五年ごろから、ごくわずかでございますが、気温は下降の傾向をたどるようになっております。その傾向といたしましては、少なくともそれまでのあたたかい傾向は一応終わって、寒冷化の傾向が見られるということでございます。ただしこの印刷物にもございますように、毎年気温が下がるということではございませんで、長い天候の変化の間に小さい変動がございますので、ある年はあたたかく、ある年は寒く、夏が寒く、また夏が暑いとかいうような状態を経過いたしながら、全体といたしましてはやや下降の傾向にある、それは大体一九七〇年代であろうというふうになっております。
○原(茂)委員 たしか三十四年前、昭和十四年ですか、あのときに日本の気象が非常に激変しまして、昭和十四年ごろ干ばつがあり、それからいろいろな災害が日本にあったときなんですが、もういまは三十四年たっているんですよ。あの当時と比べていまの気象というのはどうなんですか。同じような傾向をたどったいるのじゃないですか。それとも、いま御説明のあったのは、三十四年前の、あの昭和十四年ごろとは違うのですか。私はしろうとでわかりませんが、どうもあの当時にちょっと似通ったような状況になっているのではないか。データも何もなしに勘で言うのですから、専門家のほうで判断をして明瞭に教えていただきたい。あの当時と似通っているんだとおっしゃっていただければ、それでもうよくわかります。あの当時とはこういう理由で違うんだ、こういう何か根拠をお示しいただければ、またあとでいろいろ調査をするのに便利なわけです。
○毛利説明員 お答え申し上げます。 先ほど間違えましたのを訂正させていただきますが、一九六五年、昭和四十年でございまして、昭和三十五年と申し上げましたので訂正させていただきます。 ただいま先生がおっしゃいました昭和十四年ごろとどう違うかという点でございますが、十一カ所の日本全体の気温の平均で見ますと、十四年は、一九三九年でございますが、大体日本の平均気温が一二・五度ちょっと割るくらいでございます。現在、一九七〇年で一二・七度くらいでございまして、まだそこまでは下がっておりません。三十五年まで温度は平均的に上がりまして、いまはやや下降いたしているということでございます。
○原(茂)委員 資料がないからおわかりにならないでしょうが、確かに昭和十四年というのは、干ばつと冷害でたいへんだった年で、それがいまおっしゃった一二・五度より下だった、私ちょっとそこまでいっていなかったんじゃないかという記憶ですが、私なりの資料があるのですが、これはあとでお調べいただくとして、私のようなしろうとが考えると、どうも地球の極自体が寒冷化現象を起こしているという現象からいって、本年の気象状況というものを見ると、どうも三十四年前の昭和十四年ごろに、いろいろなデータで見ると非常に近くなっているような気がして——これはやはり政治の立場で、干ばつだ、冷害だということの起きないように、万やむを得ず起きたときには、遅滞なくその手当てをするようにすることがわれわれの役目ですから……。そういう意味で何か似通ってきているような気がして、実はたいへん心配しているわけです。したがって、きょうすぐにお答えはいただけないと思うのですが、地球全体の状況といまの日本の状況というものをもう一度検討していただいて、言わずもがな、専門家ですから御検討なさっているに違いないと思うのですが、われわれにわかりやすく、何年代ごろのあの干ばつ、あるいは冷害、ああいうときと比べてこうなんだ、単に現在が数字でどうこうだというだけではなくて、前に、記憶に新しいいろいろなわが国の災害がありましたあの当時のそれに比べてこうなんだというような、回答といいますか資料を、できましたら気象庁としてお出しいただくとたいへんありがたいのです。しろうとの私が、専門家の先生と一緒にやりとりしたって話になりませんから、そういう意味で、資料という意味で数字を含めてちょうだいできたらと思うのですが、いかがですか。
○毛利説明員 よくわかりました。
○原(茂)委員 そこでついでに、その資料の中でつけ加えていただきたいのは、気象帯の位置の動きも一緒に教えていただきますと、たいへん参考になるわけです。私は気象帯の位置などを考えても、どうも心配だ、しろうとなりに心配をしておる。地震で心配をし、原子力で心配をし、こんなことで心配をし、何のためにおまえ国会議員になっておるのかわからないということになるかもしれませんが、これはやはり政治が先取りをしていく必要がある現代、大衆の安全と平和な生活というものを考えるときには、やはり科学技術というものを前提とした場合には、十分に考えてしかるべきだ、こう思いますので、いま言った資料をちょうだいできるようにお願いいたします。 それから二つ目の問題としてお伺いしたいのは、原研の、実はこの間もここへ原子力の問題で参考人として呼んだ中島さんの処分問題が起きてまいりましたが、このことで、これは大臣にも十分聞いていただいて御答弁をいただきたい。 お聞きしますと、中島篤之助氏の「科学」という雑誌の二月号に出した論文がありますが、これに関して五カ所ないし七カ所、当局では五カ所という御指摘だそうですが、どうもまずい点があるというので、これは処分に値するということで論議がされたようですが、その経過を、日にち別に、どういう順序で、問題はどこにあって処分ということになったのかをお聞かせいただきたい。これは局長ですか。
○成田政府委員 原研の東海研究所の原子炉化学部副主任研究員の中島篤之助氏の、岩波から出ております「科学」の二月号に出ました論文、テーマは「原子力施設の事故例について」という論文でありますが この論文に関しまして所内でいろいろ検討した結果、一部に事実と異なる点があって、原研の名誉と信用をそこなうことがあるとして、文書によって厳重注意を行なったというふうに聞いております。 それで、経緯につきましては、二月初旬に「科学」が出まして、二月から四月にかけまして所内でいろいろ事情調査をやっておったようでございます。そうして原研の中に表彰懲戒委員会という表彰したりあるいは懲戒、就業規程違反等の場合には懲戒をいろいろ検討する委員会がありますが、この表彰懲戒委員会に理事長から五月二十一日に諮問がありまして、五月二十八日に第一回の委員会を開催し、五月三十日に第二回の委員会を開催しております。そうして五月三十日に委員会から答申が理事長あてに出まして、これに基づきまして六月五日に原研の理事会が行なわれ、審議しまして、先ほど言いましたように、この論文は一部事実と異なる点があって、原研の名誉と信用をそこなうことがあるというので、文書によって厳重注意を行なうという決定がなされたのであります。 それで、その内容につきまして、どういう点が事実と異なっておって、それが原研の名誉、信用をそこなう原因になっておるかというのを簡単に申し上げますと、一つは、中島氏の論文におきましては、原子力は原子力基本法で定めたところの公開の原則というのがありますが、原研はいろいろ原子炉の運転状況とか発生した事故を知る方法はなくて、新聞記事以外にこういう事故の例を知る機会がない。自分のように原研につとめておる者につきましても新聞記事以外に知る方法がないということを書いておりますが、これにつきましては、原研のほうの考えを聞きますと、保健物理部の活動とか、「保健物理と安全管理」という印刷物を毎年出して、ここにおきましてはいろんな事故とか故障とか、異常のある場合をこの年報で詳細に出しておる。したがいまして、たとえば一九七〇年度の事故につきましては、この十三号という雑誌が出ておって、これは去年の二月に発行になっております。それから一九七一年度の事故その他の異常に関しては、第十四号という号で、去年の十二月に発行しておって、これに出ておるという事実でありまして、新聞以外には知る方法がないというのは事実と非常に違うということであります。 それから第二番目の点はJRR3、これは研究用炉第三号でありますが、この燃料が破損した。この炉を用いまして昭和四十四年ですか、脳腫瘍の治療を強行して、その結果燃料の大破損が生じて、従業員の大量被曝が生じたという記事がありますが、これにつきましても、燃料の破損が発見されたのは四十三年四月から何回かにわたって発見され、取りかえられておりまして、脳腫瘍治療は四十四年の三月であって、脳腫瘍の治療を強行したために燃料が大破損を来たしたという結果ではない。そういうことも原研側の事実から見まして非常に間違いがあるということを言っております。 第三番目としましては、一次燃料も一度も解体して調べたことがなかった。あるいは二次燃料納入後も原子炉に装荷するまで一年以上も期間があったのに、所内での検査や試験は行なわれなかったというように書いておりますが、これにつきましても誤りであって、いろいろ規定によりまして外観の検査とか寸法検査をはじめ各種の非破壊検査を行なっておるということを所側では言っております。 第四番目の点としましては、所側が労務政策の強行によって職場の労働者の発言権を封殺した結果となって、原子炉の安全運転については最高の発言権を持っておりますところの原子炉主任技術者までが沈黙させられるに至ったと言っておりますが、当時の原子炉主任技術者等につきましても、決して職制によって沈黙させた、強制したという事実もありませんし、また炉を停止するかどうかという点につきまして、そういう両者間で議論されたということもないということで、この点も事実に違うということであります。 それから第五番目としましては、JRR3が一九六五年三月ごろの放射線のレベルと破損後の七〇年四月のレベルと比較しまして、この中島氏の論文においては放射能が上がっておりますのは燃料破損の影響であるというふうにいっておりますが、これは所側の見解によりますと、一九六五年と七〇年と非常に違った時点をとっておりまして、燃料破損の直前と直後でとるべきであって、ここから燃料破損によって放射能が上がったという推論は間違いである。 以上の五点について事実がないということで、こういう書面による厳重注意が行なわれたというふうに聞いております。
○原(茂)委員 懲戒委員会のほめるほうと罰するほうの規定というのはありますか。
○成田政府委員 懲戒につきましては就業規程の六十一条、六十二条において規定をしておりまして、それに基づきまして懲戒委員会規則というのが昭和四十年の十二月二日付の達しによってできております。これによりますと、これは就業規程のむしろ六十二条の規定でございますが、懲戒の種類としては、戒告、減俸、停職、免職という四つの懲戒処分の規定になっておりますが、今度の中島氏に対する処置は、この六十二条による懲戒処分ではなくて、これによらない、むしろ文書による厳重注意という、懲戒処分の形態ではないというふうになっております。
○原(茂)委員 ですから、厳重注意というものがその規定にあるんですか。
○成田政府委員 懲戒規定には厳重注意というのはないのでありまして、したがって、懲戒処分ではないということであります。 ただ、就業規程には職員の守るべき、たとえば原研の名誉とか信用を害するような行為をやってはならないという規定がありまして、これは五条ですか、これとの関連で、本人に反省を促す意味で文書による厳重注意、これは従来も所側ではそういうことが行なわれている慣行になっておると聞いております。
○原(茂)委員 およそこういう処分を必要とするようなときに、委員会が開かれて、しかも六十二条でもない、局長の答弁によりますと、たしか五条に当てはめて厳重注意というようなことにしたのだと聞いているというのですけれども、少なくとも人を処分するのに、もっと明瞭な規定、第何条の何項というものが当然あってしかるべきだと思うのです。過去そういうことが何回かあったという前例だ、慣行だとおっしゃるのですが、いまその慣行を全部、一体どんな内容でそれが適切であったかどうかを論議することはできないと思います。どうもその点だけ考えても、少し何かこうすっぱりと、原研の体面を汚し信用を傷つけたというようなことに、この論文のいま言われました五カ所が当てはまるのだという自信が、原研当局のほうにないんじゃないかという感じを受けるのですが、いや、そういう自信があるのだとおっしゃるかもしれませんが、宗像さんあるいは村田さんなどがこれをおやりになった当事者でしょうから、実際には直接聞かないとわからないのかもしれません。必要があれば、宗像さんなり副理事長なり、これに関連した当局側の方々と処分を受けた側の人においでいただいて、ここでもう少し詳細にお聞きをしたいと思うのです。 そこで、二つ目にお伺いしたいのは、この中島さんの処分を必要とするということから、文書によって厳重注意をするというその文書が発送される前に、関係の理事が中島さんと会って、お前さん、ここがよくないというようなことはやったのでしょうか。
○成田政府委員 私たちが聞いておりますところによりますと、五月十一日に東海研究所長の山本理事が本人と面談をしまして、口頭によりいろいろ御注意を行なったというふうに聞いております。
○原(茂)委員 山本理事が中島さんと会って話をしたその内容は、公式の口頭による厳重注意というものだったのでしょうか。その話し合いというのは非公式だったのでしょうか。非公式というよりは、処分を前提にして厳重注意を行なうということを口頭で伝達するのだということがきっちりと言われた、その意味における公式の話し合いだったのかどうか。私の聞いているところでは、少しニュアンスが違うんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○成田政府委員 私もその山本所長の本人との面談がどういう意味であるかはっきりしないのでありますが、ただこれは決して公式な口頭注意ではなかったのではないかというふうに考えます。といいますのは、五月十一日にその面談が行なわれて、その後に、理事長から五月二十一日に表彰懲戒委員会に諮問が出ておりますので、その諮問の前の面談でありますので、公式な口頭注意ととるのは適当でないように考えられます。
○原(茂)委員 そこで、次に問題になると思いますのは、五月十一日に口頭でとにかく疑問点のディスカスが中島さんとあった。その後、五月二十一日に理事長が諮問をしているわけですね。そこで、せっかく口頭で厳重注意なりあるいは疑問点なり、こういうところはいけないじゃないかというディスカスをやったのに、なおかつこの委員会に諮問をしなければいけなかった内容だったのかどうか、ここが問題になるのですね。五月十一日の山本さんと中島さんの話し合いというのが、一体中島さんが突っぱねきりで、いやおれの言っておることが正しい、この論文はどこも間違いがないのだというので、山本さんのいろいろ指摘した五カ所に関して全部突っぱねたというんでしょうか。それとも、その内容は、山本さんのおっしゃることになるほどと言って同調したり、改むべきは改めようと言ったりということがあったのかないのかはどうですか、おわかりですか。
○成田政府委員 私もあまりその詳しい内容を知らないのでありますが、ただ私たちが聞いているところは、山本所長と本人との面談では、本人が相当突っぱねたといいますか、そういう形の話し合いだったというふうに聞いております。
○原(茂)委員 これは、私の調べたところでは、五カ所指摘されたうちの三カ所に関しては、中島さんが、そういう点はなるほど自分の勘違いだった、あるいは発表のしかたが適切ではなかったというような意思表示をして、要するに五つのうちの三つ、半分以上のものは突っぱねるどころか話し合いの中で、やはり表現のしかた、あるいはものに書くならば、この種の注意が必要だったと思う、というような意思表示をちゃんとしているように聞いているわけです、全体的に言いまして。 これはあとの問題になるのですが、この論文に書かれたことが原研の面目を失する、信用を失墜するという問題になるおそれのある個所というのは、なるほどこのまま読んでいきますと、いま五つ御指摘になったところに一、二あるかもしれません。あるかもしれませんが、そのことが事実であったら、特にわが国においては、先ほどもちょっと触れられた公開の原則というようなことからいって、本来中島さんたちが、いろいろな事故あるいはその原因あるいはその処理に関して、詳細にわたって何をやったかを知る機会が十分に与えられていないときに、善意に誤解を生むことがある、あるいは実際にあとから検討をしても、この論文の指摘したとおりだというようなこともあり得るというときに、一回の話し合いを通じて、しかも全部突っぱねたのではないと私は聞いている、調べているのに、なおそのことの内容で整理をして、五つのうち一つ半よくないということで委員会にかけることにきめたのか。いま局長の言うように、聞いているところによると全部突っぱねたと聞いた、ほんとうに全部突っぱねたという前提で委員会にかけたというのはたいへん問題だと思うのです。同じ所員を、理事長なり所長が一緒に仕事をしていこうという仲間に対して、何でもあらがあったらすぐほじくり出して、とにかく処分をしようという前提に立っているような印象を受ける今回のこの処分というものは、どうしてもそのところに問題があるように思う。 したがってこれは、局長は全部突っぱねたと聞いている、実際には突っぱねたのではないと聞いている問題をここで論議してもしかたがないのでありますが、これはあとで委員長にお願いしておきますが、早急に関係の理事長なりあるいはそれに付随した責任者を一緒に呼んでいただく。中島さんと、それに関係してこのことに関してものの言える人を一緒に呼んでいただきまして、そこで詳細に聞いてこの問題を掘り下げておく必要がある。と申しますのは、何といっても、率直に申し上げて、原研なら原研という立場からいいますと、できるだけ問題がないように、問題があっても、とにかく世間に知られないうちにその問題をきちっと整理をして、できる限り問題のあったということを外部に知られない手当てを十分にしておきたい。これはどんな機関だって同じ心境だろうと思う。それを自主、民主、公開の原則などもあるからというので、そういうことも関連をして一々世間に発表されるということはたいへん迷惑だし、体面を傷つけ、信用をそこなうという結果にもなると解釈する立場が当局の側にあるのも私は一理あると思う。これも一面もっともだ。しかし、原研のやっている仕事に関する限り、そのことのあやまち自体が直ちにそこの職員自体の生命に関係する、やがてそのことがふえんされて原発その他に利用されていったときには、大衆の生命に非常に大きな損傷を与えるような危険があるということを考えてきますと、自己を守るという本能ばかりでなく、この種の作業に携わる技術者、エンジニアとしたら、当然自分の身を守るということをもう一つ飛び越して、これの応用された結果、日本人全体に与える大きな損害、大きな損傷というものを考えたときには、これはみだりに妥協してはいけないという考えを一面持ってもらうことが必要だし、持たせなければいけないと思う。そのことを持たせるように理事者も教育をしていく、このことがない限り、わが国のまだまだ日の浅い、歴史の浅い原子力に関する技術が、ほんとうに平和的に利用されるような技術の展開というものはむずかしい、非常に時間がかかると思います。 原研の当事者というのは、確かに私が前段申し上げたように、世間的にいっても信用を失墜するようなこの種の事故があった、事故があったけれども、その手当てが十分であったとかなかったとかいうようなことの内容が世間に発表されることに関しては、これを何とかして手当てをして世間に知れないようにしたい、こう考えることは当然だと思いますが、いま申し上げた職員の側から言うならば、いま言った使命感を持つ、技術屋としての使命感を自分の良心にかけて持つばかりではなく、持たせるように一面理事者の側が教育もし、指導もしていくということが一番公正な、いまの日本の原子力に携わる機関の、あるいは当事者の当然の心がまえでなければいけないと私は思うわけです。 そういう観点からいっても、現在のようにみだりに一方通行的な、一回面接を行なった——その面接が、いま言ったように、実は全部突っぱねたのではないかもしれない。私は、ないことを信じていますし、知っているつもりでいますけれども、こういうことで処分が行なわれたということは、何か前例として非常に危険であるし、ただもう処分されたのだからやむを得ないといってわれわれが見のがすには、今後に大きな問題を残すのではないかという危険、心配をいたしますので、先ほど委員長に申し上げたように、両者にやはり来ていただいて、十分に話を聞かせていただいた上で、その後の判断をする必要があるように実は思うわけであります。 ついでに、当事者でないから、そう聞いています、私はこう聞いていますということになっちゃうだろうと思うのですが、理事長さんが外遊をされていた期間、もう帰ってきたのか、まだ行っているのか知りませんが、外国へ行ってきた時期と帰ってきた時期、要するに理事長が諮問をし、理事長が五月三十日の答申の出たものによって文書によって、六月五日ですか、厳重注意ということをきめた。理事長が最初に諮問をして、それから答申が出たものを理事会にかけて決定をして本人の処分をしたというときに、理事長がきちっとこの問題に終始責任を持ってかかわり合っていたのかどうかを参考にお聞きをしたい。
○成田政府委員 原研の宗像理事長は、原子力ソ連調査団の一員としまして、六月三日に出発して十五日、金曜に帰国する予定になっております。したがいまして、先ほど言いました理事長諮問の五月二十一日は、まだ出発前であります。それから理事会の決定をやりました六月五日の理事会には、出張後でありますから、副理事長が理事長を代行して行なっておると思います。
○原(茂)委員 それも、たとえば大事な自分の機関の職員の処分を行なう、それが軽い重いは別なんですが、諮問をして、しかも五日にその決定を行なうのを副理事長にまかせて、わずか十二、三日で帰ってくるのに、自分の帰ってこない間に副理事長に委託をして六月五日にその決定を行なうというその決定のしかたも、事、職員の処分に関する限りは、もうちょっと慎重にやってしかるべきではないかというふうに思います。 これはあとの問題でいいのですが、そのことに関連いたしまして、理事長宗像さんの出張された間に、理事会にかけて決定をされた六月五日前後に、たしか理事の山本さんが、どなたか知りませんが、日曜日に、処分のあるという通告を関係する労組の委員長かだれか知りませんが、そこへ電話をしたという事実があるのですが、御存じでしょうか。
○成田政府委員 山本理事が、日曜に労組の代表に電話したとかいうことは、私たちはその事実は全然聞いておらないのであります。 それから先ほどの、理事長が六月三日出発でありますが、懲戒委員会の答申が五月三十日に出ておりますので、おそらく宗像理事長はその答申を見て、これは推測でございますが、あるいは方針について副理事長と十分打ち合わせて行ったのではないかともとられますので、その点申し添えておきます。
○原(茂)委員 それは私の考えからいいますと同じことなんです。三十日にそれを見て、三日に出発するんなら二日に自分が出てやったらいいのですよ。一日にやったらいいのであって、どうして五日になったのかまた疑問も起きますが、とにかくその点はそれでいいとしましても、ではだれか、労働組合の委員長でないけれども、どこかへ日曜日に、関係理事が、中島氏の処分をこうするよという、あたかも事前の了解でも得るように電話をしたという事実は聞いていますか。
○成田政府委員 その点は、先ほど言いましたように、聞いておらないのであります。
○原(茂)委員 どうもその事実があるようです。私は、皆さんが、内容はどうあれ、処分をしようというのに、日曜日に事前にそのことを電話で何か言うというのは、何か自分にちょっと影の暗いところがあるような感じがするのですよ。それはどうもたしかあったように私は聞いているのですが、お調べをいただきたい。そんなことをやるとすれば、これは不見識もはなはだしいのですね。たいへんおかしいのではないかという感じがするわけです。 もう時間がないのですが、処分をされました文書ですが、「あなたの執筆に係る岩波書店刊「科学」誌一九七三年二月号掲載の「原子力施設の事故例について」と題する記事は、一部事実と相違し、読者に誤まった印象を与え、ひいては当研究所の名誉と信用を損うこととなり甚だ遺憾である。今後、このようなことのないよう厳重注意する。」私は、六月五日付のこの写しを実はけさ見せてもらったのですが、先ほど中段で触れたように、中島さんと山本さんとの話し合いがなされている。並行線のものもあり、中島氏が納得をしてなるほどと言ったものもあり、山本氏が納得をしたものもあったろうと思う。要するに、事、原子力にかかわる研究途上の問題に関して、この種の技術屋、中島氏という学者、こういう人に対して厳重注意をするというときには、やはり問題点の五点なら五点のうちのこことここがという文書による通達をすべきではないか。単に一回の話し合いで、原子力局長は、全部突っぱねたと聞いている、私のほうは、全部突っぱねたとは聞いていないというような、一回の話し合いだけで厳重注意をするという重要な前例をつくるような処分というものが、この重要な原子力にかかわる問題である限り、相手が中島氏である限り、なおさらその問題点の五点に関してかくかくの理由でと、堂々たる理由の披瀝、添記というものがあってしかるべきだと思うし、そういうものがぜひほしいと思う。それがないと、「科学」のあれに対してどうも事実と相違しているんだ。一方で同じように、実際毎日毎日原子力の研究にかかわりある技術屋が見たときに、一体どんな問題で相違があったのか、何がいけなかったのか、何が遺憾だったのかということが具体的に、技術者としてぴしっと納得がいくような文書による添記、披瀝、付記が私はなさるべきだと思う。そうでなければ、これは一方的に、話し合いは一回しかされていない。その内容すら局長も知らない。言っていることが食い違っていたままで、一回だけしか話し合いをしていない。われわれの側から言うなら一方的にと思われる。この論文に関してこことここが具体的に遺憾の点である、こことここが事実と相違するという文書がはっきりとあれば——何もわれわれ、だれも知らない間に山本氏と中島氏が話し合ったということだけでその問題が十分処理されている、わかり合ったということにはならないと思う。やはり文書で出していただく、これに対して必要があれば、いや違う、あのときも話したが、中島氏の考えはこうだ、中島はいまだにこの事故に関しては事実だと思う。たとえば脳腫瘍の問題に関しては、すでにここにも書いてありますことが、表現そのものが確かに誤っている、少なくとももうこわれているから使ってはいけないよと言っているものを使ったのだという表現をしたかった中島氏が、その表現をしなかったことが誤りだったと認めているはずです。したがって、その例があるないにかかわらず、中島氏にその答弁がぴしっと文書によってできるように、単にだれもいないところで二人で話し合いをした。お互いに技術屋であり学者である諸君が話し合いをしようというときには、その問題点というのは文書によって指摘をする、中島氏が堂々と論文で出したものを、誤りを指摘したのですから、その指摘は科学者らしく、文書によって一、二、三、四、五項に分けて指摘をする、そしてそれに対しては反論があるならしなさい、言い分があるなら言ってごらんなさい、また私たちも自信のあるところを言いましょう、こういう態度が研究者、技術屋というものには必要だと思いますから、原研の職員に対するこの種の処分に関しては、事、論文を中心にして起きたこの処分に関しては、論文の誤りだと指摘した五項にわたって十分な文書上の指摘、添記、こういうものを行なう義務があると私は思う。少なくとも、わが国の原子力に携わっていただく宗像さん、あるいはその他の特に平和三原則を中心にした原子力を中心にする学者あるいは政府の関係機関の責任者としては、その態度をとってもらわないと技術の発展もない。 また、引例するようですが、この間の安全審査会の記録の問題も、実はこの種の問題が起きたときに、だれが何を言ったよりは、ABCでもいいからやはりこの種の論議が行なわれたということが、あとの審査委員の皆さんの参考になるためにも記録が必要だと私は申し上げたのですが、この問題だって、山本さんがいなくなった、中島さんがいなくなった、かつて中島氏が厳重注意を受けた。問題は中島のこの論文に対して、これは当局が考えてみてどうも名誉をそこなう、世間の信用を落とす、誤りがある、こういうふうに一方的に言った。それが完全に中島氏の誤りであり、誤謬であるという保証がない。原研の理事諸君のほうは、これはもう誤りなんだとかってに言っているだけであって、お互い技術者であるならば、それが誤りだと言ったときに、誤りではないという文書による反論が非常に行なわれる、あるいは言いわけが行なわれる、弁解、疎明が行なわれる、その記録がある、それに対して当局のほうは、そうじゃない、こうしてこれをまた反駁するだけのぴしっとした、この厳重注意に値する結論が出るまで、ぴしっと文書上、技術屋としての理論の交換なり展開を行なったその記録があることが、私は前例として大事だと思う。これが原子力にかかわる研究所の職員対理事の問題である限りは、絶対にそれが安全審査会の速記などの論議とも照らし合わせて私は必要だと思うので、あえてこの問題をきょう取り上げたわけでありますが、時間も参りましたし、それからいま言った、私はこう聞いているというふうな局長の答弁も、当事者でない限りやむを得ないと思いますから、先ほどお願いしたように、委員長のほうでお取り計らをいただけるようにひとつお願いをして、委員長の御答弁を聞いて終わりたい、こう思います。
○石野委員長 この際、原委員から要請のあります、本件に関する関係者を招致して本委員会でそのことを聞きただすことについては、後ほど理事会ではかりまして処置したいと思います。
○原(茂)委員 これで終わります。
○石野委員長 次に、近江巳記夫君。
○近江委員 六月四日に水産庁はPCBの魚介類汚染の実態調査結果を発表したわけです。これによりましても、この汚染は想像以上に広範にかつ深刻なものになっておることが明らかになったわけですが、当委員会におきましても公害特別委員会と連合審査もいたしましたし、決議もいたしましたし、こうした対策につきまして、われわれは常に強力な対策を政府に要求してきたわけでございますが、今回の発表をごらんになって、長官としてどのようにお感じになったか、率直な感想をお聞かせいただきたいと思うわけです。
○前田国務大臣 水銀の汚染につきましては、私、就任する以前から、当委員会その他におきまして、近江先生からたびたびきびしく御指摘をいただいておったということを、速記録によっても拝見をいたしております。 この水銀汚染対策につきましては、水俣病等これに関連しまして私も非常にショックを受けたわけでございます。実は新聞にも発表されておりますが、きのう閣議におきまして、水銀等汚染対策推進会議というものを設置することにいたしまして、環境庁その他関係閣僚が一丸となりまして、もちろん環境庁がその座長格でございますが、そういうもので実は推進することに決定したわけでございます。 先生の御指摘は、何をいまごろまだぐずぐずしているのかというような御指摘かと思いますけれども、とにかく現内閣としても、この問題にひとつ強く取り組もうじゃないかということをさらに申し合わせしたということを御報告申し上げます。そして、十四日、あしたでございますが、あしたの午前八時からこの推進会議を開くことに相なっております。
○近江委員 こういう世論のきびしい追及によって、政府もようやく腰を上げた、そして対策に乗り出したわけですが、このPCBの生産、販売の停止であるとか、あるいは食品中の暫定許容基準の確立等いろんなそういう対策が練られてきたわけです。 しかし、一番大事なことは、そういう汚染経路、いろいろあると思うのですが、たとえば魚が汚染され、国民の口に入ってくる、こういうことが一番あぶないことです。そして、そういう魚を通じて人体に蓄積されていく、こういうことをほんとうに防がなければならないわけです。そういう点において政府はいろんな対策をとっておりますが、現実にはこういうように汚染された魚が食卓を飾っており、確実にPCBが人の口に入っておるということになっておるわけです。 このように、一連のPCBの汚染対策というものは、このPCBを一掃するきめ手となるものじゃない。現状以上の汚染を食いとめるという、そういうきわめて消極的なものにすぎなかったのじゃないかと思うのです。この点について大臣の率直な反省をお聞きしたいと思うわけです。
○前田国務大臣 PCBにつきましては、これは非常な危険物質である、簡単に分解もしないし、なかなか消え去らないという成分を持っておりまするがゆえに、何としてもこのPCB根絶対策といいましょうか、科学技術関係においても、あるいは紫外線を使うとかいろんな方面で実は当庁関係としても研究はしております。しかしまた、当庁関係以外につきましても、PCB対策というものを通産省あるいはその他の省庁にも、研究調整方針と申しますか、それを通じて実は指示をいたしましてやっておるわけでございます。 ただ、現在この問題は、別に科学技術庁が逃げるわけじゃございませんけれども、環境庁が現在では中心となって、世話役といいましょうか、そういうことをやっておるわけでございますが、もちろん閣議においてわれわれも、今度の水銀等汚染対策推進会議も、実は初めきのうの閣議では水銀ということだけだったのでございます。だけれども、PCBが抜けておるじゃないかということをわれわれも言いまして、PCBと一緒に水銀等ということにしようじゃないか、正式の名前がどうなって発表したか私は知りませんけれども、実はそういうやりとりがあったわけでございまして、PCBこそ、水銀並びにそれ以上にひとつ強力に取り組まなければいかぬじゃないか。ただ、これまで一向能率があがっていないじゃないかというふうな先生の御指摘と思いますが、能率があがっていない面もあるかもしれません。私その点、しかし取り組む姿勢は一生懸命に、何とかしてこれは、高い熱で分解するとか、これまでPCBの生産を禁止するとかいろんなことをやっておりますけれども、まだそういう害が残っておるということ自体が、われわれに警鐘を与えてくれておると思います。
○近江委員 こういう汚染の問題については、いま大臣おっしゃったように、水銀であるとかPCBであるとか、あるいはBHCなどの農薬であるとか、カドミあるいは六価クロム、有機燐、砒素、そういう有害な化学物質、重金属、こういうように水質汚濁で非常に深刻な問題になってきておるわけですね。そういう点におきまして、閣議で水銀等というような「等」をその場で入れる、そういうお粗末なことではならぬと私は思うんですね。だから、これは大臣も、そういう点は非常に正直なところがあるわけですけれども、とにかく聞いておりましても、何か問題が出てきますとばたばたとやる、そういう取り組みの根本的な姿勢が私は問題だと思うんですね。 きょうは環境庁も来られておりますが、環境庁さん、いま私、大臣にお聞きしました。そして反省を求めて、感想をお聞きしたわけですが、環境庁さんは、国民の口に魚等が入って汚染されてきておる、そういう点をどのように思われますか。
○山村説明員 このたびの一連のPCB、重金属を含みます事故に対応いたしまして、先ほど科学技術庁長官のほうからお話がありましたように、水銀等の対策推進本部というものの設定がきめられまして、われわれ事務当局といたしましては、全国的な総点検をする調査計画を立てるよう指示を受けて現在検討をしている段階でございます。
○近江委員 非常に簡単な答弁ですけれども、きょうは通産省はじめ各省も来ているわけでありますので、お聞きしたいと思います。ちょっと整理する意味で少し数字的な点も初めからお聞きしてみたいと思うのですが、一体PCBのわが国の総生産量は、いままで何ぼだったのか、それが一つ。 それから、回収状況はどうなっているか。まず、この二点について……。
○小幡説明員 いままでわが国のPCBの総生産量は五万九千トンでございます。このほか輸入といたしまして約一千トンが入っているわけでございます。 次に、回収状況でございますが、この用途は大きく分けて四つございます。一つは電気機器用でございまして、これには非常に大量のPCBが使われております。次に熱煤体用でございますが、これには約九千トンのPCBが使われております。その次が感圧紙用約五千トンでございますが、その他塗料とか印刷インキ等の開放系に三千トン近くが使われたわけでございます。 これらの用途のうち、電気機器用は完全な閉鎖系に使われておりまして、使われている限りにおいては環境を汚染するおそれがないわけでございますが、この寿命が参りまして、これを廃棄するときに厳重な管理をいたしませんと、それが環境汚染のもとになるわけでございます。そこで、これらの電気機器用につきましては、現在まだ寿命が来ているものが少ないわけでございますので、回収量はあまり多くございません。 次に、熱媒体用でございますが、これは一応私どもは閉鎖系というように考えておりましたが、昨年の使用工場の点検の結果、この熱媒体用は、閉鎖系といっても漏出することがあるということがわかりましたので、これは他の代替品に転換させる必要があるということから、ことしの十二月末までに転換をさせるように指導しております。 そこで、現在回収されておりますPCBは、主としてこの熱媒体用でございますが、回収量は四十八年の四月末で約三千五百トンでございます。そのうち、これまでに焼却した量が約百四十トンございますので、現在三千三百トン程度のPCBがメーカーにおいて保管されているわけでございます。 次に、感圧紙でございますけれども、これにつきましては、すでに感圧紙として使用され、廃棄されてしまったものが多いわけでございますが、現在民間におきまして五千トンないし六千トンの在庫があるように推定しております。これの回収に極力努力しているわけでございますが、四月末現在で約千二百トンが回収されているわけでございます。 その他の塗料とかあるいは印刷インキに使われました開放系は、その用途の性格上、また四十六年末までに全部この使用を停止させておりまして、過去のものとなってしまったということもございまして、回収は非常に困難であろうというように考えております。
○近江委員 この数字が六万トンということをおっしゃったのですが、もう一ぺんお聞きしますが、電気機器用には幾ら振り向けた、熱煤体用には幾ら振り向けた、感圧紙用には幾ら振り向けた、それから開放系、塗料とかそういうものですが、それには幾ら出した、これはそれだけですか。その数字と、輸出とかそういうものはないんですか。
○小幡説明員 供給量約六万トンに対しまして、電気機器用は約三万七千トンでございます。熱煤体用は九千トン、感圧紙用は五千トン、その他の開放系が三千トン、そのほかに輸出が約五千トンございます。
○近江委員 それで、この熱媒体のほうを大体回収しているようですが、三千五百トン現在回収している、百四十トンを焼却した、三千三百トンを要するに保管している、なぜこれは保管しているのですか。保管しているそれ自体も、ドラムかんやタンクでいろいろやっていると思うのですが、これだって雨さらしになっているでしょう。そうすると、その辺だってまた環境汚染をするわけですよ。なぜこのように放置するんですか。
○小幡説明員 この回収いたしましたPCBにつきましては、これをすみやかに処理させたいわけでございます。この点につきましては、昨年環境庁のほうで焼却処理をした場合のPCBの排出基準というものが暫定基準として定められまして、焼却をしておりました鐘淵化学の実際の煙道ガスの分析を環境庁の企画で大学その他の研究機関が行なった際に、環境庁で定められました排出基準に十分合格するということがわかったわけでございます。しかし、基準には十分合格するけれども、非常に小さい数値というものが出てきているということから、いわば絶対ゼロではないということで、現在兵庫県のほうから焼却の停止命令を受けまして、まだそれが解除されていないという状況でございます。私どもといたしましては、国の定めた基準に合格するわけでございますから、これはぜひ焼却の再開を期待しているわけでございます。 それから、保管の状況でございますけれども、現在この保管の内訳といたしましては、タンクに入れて保管しておりますのが三千五十一トンでございます。それからドラムかんで保管しておりますのが二百七十三トンございます。一時は回収されましたドラムかんが非常に大量になりまして、鐘淵化学だけでも四千本というような大量のドラムかんによる保管という事態が発生したわけでございます。しかし、ドラムかんで保管しておくということは、万一事故が起こった場合に非常に危険であるということから、タンクの増設をして、タンクにこれを入れるようにという指示をいたしまして、その後鐘淵化学におきまして、タンクの増設を行ないました結果、現在、いま申し上げましたような大部分はタンクに入れて保管をしている、こういう状況になったわけでございます。タンク能力としては、現在の保管量を十分まかなえるものがあるわけでございますが、回収が引き続き行なわれておりまして、やはり過渡的にはタンクに移す前にはドラムかんという形での保管がある程度あるのはやむを得ないことではなかろうかというように考えておるわけでございます。
○近江委員 六万トンで回収が三千五百トン、それから輸出が五千トン、そうしますと五万一千五百トンというものは、現実に放置されておるわけですね。そうしますと、今後さらに環境汚染をして、またこうした問題がさらに拡大していく心配があるわけです。 そこで、今後その回収をどうやっていくのか、あるいはまた、その回収したものをどう処置していくか、焼却炉にしても、性能が悪いとかいろいろな問題があろうと思うのですが、この二点の問題についてどう考えておりますか。
○小幡説明員 今後どうやって回収していくかということでございますが、熱媒体につきましては、これはすでに回収しておりまして、ただいまの回収体制を堅持してできるだけ年末までに回収を進めたいというように考えておるわけでございます。 それから、感圧紙につきましては、現在市中にある在庫を、さらに回収に努力いたしまして、これもできる限り回収するということで努力してまいりたいと思っております。 それから、特に大量に使われております電気機器用でございますけれども、これにつきましては、この使用形態が非常に複雑といいますか、多岐にわたるということが言えるわけでございます。たとえばトランスとかコンデンサーを企業あるいは工場が取りつけている数と申しますのは、全国で約二十万件にのぼるのではないかというように推定されております。したがって、まずこれにつきましては、戸籍簿を整理するというところから始めなければ、確実な回収が行なわれないのではないかというように考えておるわけでございます。そうして戸籍簿を整理いたしますと同時に、その回収計画、回収見込とみいうものを立てて、今後各年どれだけ回収されてくるかということの見当をつける。そうして、それに応じた処理体制というものを考えていかなければならないということから、これは当省の重工業局のほうで指導をいたしまして、電気工業会を中心といたしましてPCB処理協会という財団法人を設立する準備を進めておるわけでございます。そして、この財団法人におきまして、ただいま申し上げましたような戸籍簿の整理、回収計画の策定、それから処理方法の調査研究、こういうことを行なわせていく必要があるというように考えるわけでございます。 感圧紙についても同様でございますが、液状PCBにつきましては、現在の焼却技術によりまして、現在の排出基準を十分満足させるだけの焼却技術が確立されているというように考えておりますけれども、このPCBが他のものに含浸している、たとえば感圧紙だとかあるいはコンデンサーだとか、そういった状態でいかにして公害を出さずにこれを処理するかということにつきましては、まだ現在研究中でございまして、技術として確立しておりません。したがいまして、回収された感圧紙あるいはPCB含有のコンデンサー等の処理については、それらの技術の確立を待って処理をするというように計画されておるわけでございます。 なお、液状PCBの焼却炉の能力でございますけれども、現在鐘淵化学におきましては、年間六百トンというように非常に小さな焼却炉しか持っておりません。したがいまして、今後回収されてくる液状PCBを焼却処理するにいたしましても、これでは能力不足であるということから、昨年、通産省のほうで年間千八百トンの処理能力の焼却炉を建設するようにという指示をいたしたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、兵庫県において、焼却することはいけないという命令が出ておりますので、それが解除になりませんとこれに手がつけられないという状況でございまして、私どもは一刻も早くこれが焼却することができるようになることを期待しております。もし焼却できるということになりますれば、炉の建設は一年あればできるというように考えておりますので、今後回収される液体PCBの焼却処理ができるというように考えております。
○近江委員 PCBの処理協会等もつくってやっていくということでありますが、この五万一千五百トンの回収あるいはそれの処理ですね、これは大体どのくらい回収して処理できるのですか。政府としてはどのくらいの見込みを立てているのですか。
○小幡説明員 回収できる見込み量といたしましては、感圧紙とかその他の開放系、若干はあるというように考えますけれども、しかし特に取り上げるほどの大きな数量にはなるまいというように考えております。やはり大きな数量として回収できることが期待されますのは電気機器用と熱媒体用でございまして、電気機器用については約三万一千トン、熱媒体用については約六千トン、合計三万七千トン程度は回収できるというように考えております。
○近江委員 この処理等の技術開発の問題もいろいろあろうかと思うのですが、この点は科学技術庁としてはどう考えておるのですか。
○千葉政府委員 この処理の問題につきましては、実は四十七年の五月に、政府といたしましてPCBの汚染対策推進会議というのをつくりまして、そこでPCBの汚染防止の総合対策をつくってこれを関係各機関が実施していくということにしておりまして、この処理の問題につきましては通産省が主となってこれを行なうということに相なっております。 それで、この問題につきまして、科学技術庁の立場につきましては、先般当委員会で御答弁申し上げましたように、科学技術庁の特調費を出しまして、四十七年度には全体で約八千万円ほど出しております。その中にもこの処理の問題を取り上げまして、それで通産省を中心に進めていただいておるわけでございます。 それで、この件につきましての現状でございますが、これにつきましては、先ほど先生御指摘のとおり、焼却の問題、それから第二が放射線による分解の問題、第三が酵母菌による分解の問題、さらにはこれをコンクリートで固めて埋め立て等に用いるというような封じ込めのやり方、それ以外に、五番目には化学処理の問題、こういったような点がございまして、鋭意進めておるところでございます。
○近江委員 いずれにしましても、これだけの約一万五千トンというものはもう回収が不可能という、いまおっしゃった数字を足しましてもそういう数字が出てくるわけですが、こういうような非常な環境汚染問題は私は放置できないと思うのです。したがいまして、いまの見込みではそうではあっても、オール回収をしていく、私はやはりそれだけの決意と姿勢がないと、これはもう対策といったって、最初から妥協しておったのじゃしかたがないと思うのです。その点はさらに回収を進める決意ですか。
○小幡説明員 電気機器用とか熱媒体用につきましては、少なくとも現在あるものは厳重な管理をさせておるわけでございまして、これは不要になったときは必ず回収できるという体制のもとに今後の回収に当たっておるわけでございます。 それから、感圧紙用につきましても、現在市中にある在庫につきましては極力回収するということで、現在努力させておるわけでございます。 その他の開放系につきましても、その使用を禁止した時点におきまして、企業にあった在庫等についてはできるだけ回収をはからしたわけでございます。 ただ、すでに環境に流出してしまったPCBについての回収ということになりますと、これはなかなかむずかしい問題でございまして、環境を汚染している状態をどう改善するかということは、やはり環境庁等とも御相談をした上でこれに対処していかねばなるまいと考える次第でございます。
○近江委員 そういう環境に流出していったPCBの回収ということが非常に大きな問題であろうかと思うのですが、環境庁さんはこの問題についてどうされるのですか。
○山村説明員 お答えいたします。 環境に出ましたPCBの一〇〇%のものはヘドロ化しておりまして、底質にたまっておるわけでございまして、そのヘドロをどう処分するかという問題になっておるわけでございますが、現在とりあえず一〇〇PPM以上含むものについては、その詳細な分布調査をして除去するようすでに指示いたしておるところでございます。なお、それ以下のものについては、除去基準を検討いたしまして、そのうちに処置するという姿勢で現在進めております。
○近江委員 その点が非常に遅々としておるように私は思うのです。この点も環境庁さんとしてはさらに促進をしていただきたいと思うのです。 それから、水産庁は許容基準三PPMの汚染検出率が二〇%未満の魚介類については比較的安全度が高いということでやっておるわけですが、一水域二百尾足らずの魚で、しかも一魚種十尾足らずのサンプルで調査して比較的安全というようなことも言っておるわけですが、こういうようなやり方でいいのかどうかを、水産庁さんにひとつお伺いをしたいと思います。
○松下説明員 先生御指摘の点でございますが、現在やっております検体数は、ただいま先生お話しのとおりでございますが、今後なお検査結果を待ちまして、さらに引き続き定期的にチェックを続けてまいりたいということでございます。 二百検体と申しますが、これは結局いろいろ分析その他にかなり日数を要しますし、そういった点から一応制約されてくるわけでございますけれども、今後、可能な限りそういった水域の検討をさらに続けてまいりたいと考えております。
○近江委員 そういう検査のやり方につきまして、再度私は検討する必要があると思うのです。これは強く要望しておきます。 それから、魚介類の汚染がこのように問題になりながら、取り締まりの関係法、規制ということがないということは私は非常に問題だと思うのです。この点は水産庁としてはどう考えておりますか。
○松下説明員 現行の制度においては、たとえば漁獲の禁止区域、そういった措置が法制的にも非常に困難でございますので、さしあたり漁業者の救済措置といたしまして、農林中央金庫によります低利融資その他の措置を現在検討しておるわけでございますが、なお現行制度では不十分な面もございますので、これは今後引き続きさらに検討してまいりたいというふうに考えております。
○近江委員 その点も強く要望しておきます。 それから、漁業補償の問題ですが、汚染源である企業が負担すべきであるということはもうずっといわれているわけですが、この見解には変わりないわけですか。
○松下説明員 変わりございません。
○近江委員 そうであるとした場合、この汚染源の企業というものをなぜ発表しないかということなんです。一、二の県ではやっておるところもあるわけですが、この点なぜ企業名を発表しないのですか。
○松下説明員 一部の汚水域につきましては、現在資料を取り寄せておりますけれども、まだ私どものほうに完全に資料が集まっていない面もございますので、引き続き検討中でございます。
○近江委員 検討中ということは、その資料が整い次第発表するということですね、もう一度確認しておきます。
○松下説明員 この点につきましては、なお関係省庁と協議して検討してみたいというふうに思っております。
○近江委員 いまちょっとあまりはっきり聞こえなかったのですが、関係省庁と検討してやるのですね、どうなんですか、その点は。
○松下説明員 関係省庁と協議をいたしまして、検討さしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
○近江委員 検討さしていただきたいということは、これはことばで言えば非常にいいかげんなことばなんですね。当然企業が負担するということになっておるなら発表すればいいじゃないですか。この点長官どう思われますか。
○前田国務大臣 その点は、汚染に対する推進会議というものを開くわけでございますから、私またそういう点は関係閣僚ともよく話し合いをしてみたいというふうに考えております。これは私の所管外だということもありますし、どうこうと言ってもし間違ってはいけませんので、十分ひとつ相談してから……。これまた検討ということになる、別に私は結論を逃げておるわけではございません。さっそくあした八時から開くわけでございますから。あした八時からのには私は出ません、局長だけ出るのですが、そういう場においてやはり十分そういう点は相談すべき問題じゃないかと思います。
○近江委員 ともすれば、政府は企業に癒着しておるんじゃないか、やはりそういう目はみなあると思うのですね。ですからそういう点におきましては大胆に私はやっていくべきであると思います。このことを特に強く要望しておきますから、よく相談してやってもらいたいと思うのです。 それから、年次別に見た乳児の死因順位、これはデータを見ますと、四十四年と四十五年と、第一位は先天異常という形になってきているわけですね。これはこういうPCBの問題であるとか、水質汚濁の問題であるとか環境汚染、いろんなものが原因じゃないかと、しろうと考えで思うわけですが、こういう点、厚生省は因果関係という点においてどのようにそれをとらえておりますか、厚生省にひとつお伺いしたいと思います。
○岡部説明員 食品中のPCBの問題につきましては、先生御存じのとおり暫定規制値ということで、現在まで得られました資料に基づきまして科学的にきめたつもりでございます。したがいまして、これが十分正しい運用ができれば一般的には十分安全性が確保されておるものと思いますけれども、さらに食品衛生調査会におきましても、特に汚染した魚介類を多食する人あるいは妊産婦、乳幼児に対します影響ということも、今後十分検討する必要があるというようなことも指摘を受けておりまして、調査会におきましてさらに引き続きただいま検討中でございます。
○近江委員 ですから、この暫定基準を設けておられるわけですが、それが蓄積をしていくとどういう結果が出るか、そういうようなところにおいてもまだまだその研究が進んでいないと思うのです。こういうことは人体にたいへんな問題でありますので、こういうことにこそ私は力を入れてもらわなければならぬと思うのです。こういう点、特に厚生省さんは心してひとつ研究を進めてもらいたいと思うのです。こういう点、科学技術庁調整局長も来られておるわけですが、どのようにお考えですか。
○千葉政府委員 このPCBの慢性毒性の問題につきましては、先生から約二年ほど前から御指摘がございまして、私どもも先生の非常に先見性がおありになるのに敬服しておるわけでございます。科学技術庁といたしましても、もうすでに御案内のとおり、PCBにつきましては四十六年から本格的に取り組んでおりまして、この慢性毒性と、さらにいま先生御指摘のPCBの母子の健康への影響でございますが、こういった点につきましては、特調費を計上いたしまして、厚生省を中心に大学の専門家を集めまして、それで鋭意進めているわけでございます。先般一部発表いたしまして、これが催奇性が動物実験でどうも出る可能性があるというような重大な研究の成果も得られております。現在も引き続き、四十八年も、環境庁に移しましたけれども、研究を進めておるわけでございます。逐次その結果が発表されると私は考えております。相当進んでいると一部聞いておるわけでございます。 それから、そういった点が主でございますが、それ以外にもたびたび先生から御指摘がありました、要するにPCBのいろいろな実態の問題、これの把握の問題でございます。これにつきましては、当庁といたしましては、PCBの測定のしかたを確立いたしまして、しかも魚類、肉類だけではございませんで、水、空気、それからヘドロ、こういったものの測定のしかたを確立いたしまして、もうすでにこれは成果をあげております。しかも、この成果を全国の都道府県のこういったほうの関係者に講習までいたしまして、その成果を利用して全国的に同じ基準ではかれるようにしたわけであります。 そういった成果が実りまして、昨今の全国的な、各都道府県あたりにもいま行なっております測定の結果が非常に正確なものになってきております。それで、今日のPCBの実態がいろいろわかってきつつあるわけでございます。 そういった点のほか、当庁といたしましては、先ほど申し上げました処理の問題を進めております。先生御指摘の中で特に処理でまたむずかしいのは、ヘドロなどに汚染されてしまって一般に入っているものを、どういうふうに処理したらいいかという大問題が今後に残っておるわけであります。そういった点も、いま研究は進めておるわけでございます。今後も科学技術庁といたしましては、この見積もり方針の調整を通じまして、一そうこのPCBの問題につきましても総合的に研究を進めていきたいというように考えておるわけでございます。
○近江委員 その点は、進めておるといっても、やはり結果が一歩一歩出てくるようでないとだめだと思うんですね。ほんとうに現実のこれだけの差し迫った状況でありますし、その点やっておればそれでいいということであっては私はならぬと思うんです。その点ひとつ総力をあげて政府としては取っ組んでいただきたい、このことを申し上げておきます。 それから、水銀の汚染の状況も全国的に拡大しておるわけですが、先日琵琶湖の水銀汚染の実態が発表され、予想以上の汚染ぶりに非常に驚いたわけですが、この実態をどのように受けとめておられるか、環境庁、それから科学技術庁、通産省、ひとつ簡潔にお答えいただきたいと思います。
○山村説明員 御指摘のとおり、先般の水産庁のほうの調査で水銀の汚染が非常に激しいことがわかったわけでございますが、その原因がどこにあるのかということ、まだ十分われわれ究明いたしておりませんので、さっそくにも詳細な調査を行なって、その原因を明らかにしてまいりたいというふうに考えております。 なお、環境庁といたしましては、各省の施策を総合いたしまして、それぞれの能力に応じた分担をしながら、総点検をしてまいりたいというふうに考えております。
○千葉政府委員 この琵琶湖の水銀汚染の問題につきましては、滋賀県が担当されて実施したいろいろな調査の結果が発表されておりまして、科学技術庁といたしましてもその結果はよく存じております。そして、このような水銀によります環境の汚染につきましては、非常に緊急性がある、非常に重要であるという点からいたしまして、実は科学技術庁といたしましても、あしたから開かれます政府の水銀等汚染対策推進会議の一員といたしまして、今後早急にこの問題の解決のために努力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○小幡説明員 水銀によります汚染につきまして、これは非常に重大であるということで、通産省といたしましては、水銀を使っていた主力の工場であるアセトアルデヒド八工場、塩化ビニール十九工場、電解ソーダ四十九工場、合計七十六工場に対しまして、通産局を動員いたしまして現地調査を開始したわけでございます。これらの工場の過去におきます使用量等につきましては、もちろん企業からの報告を得ておりますけれども、それらについての現状におけるチェックとか、あるいは過去において排水を処理した場合のその後の状況、たとえば沈でん池においてどういうように水銀を含んだかすが置かれているかといったような点を調査いたしまして、それらによるこれからの汚染が起こらないような措置をしてまいりたいというように考えております。
○近江委員 特にこの琵琶湖の水銀汚染の調査については四年前の資料で判明しているわけです。との琵琶湖でとれた魚介類から水俣病の原因になったメチル水銀が、水俣湾あるいは有明海の魚介類を上回る数値が四年前に検出されているわけです。こういうデータがなぜ今日まで知られなかったか、こういう点において全国の汚染の実態を掌握するのに手抜かりがあったのじゃないか、こういう非常に疑惑が出るわけですが、こういうことはいままでわからなかったのですか。各省どこでもけっこうですけれども。
○山村説明員 私、直接の担当でございませんので正確なことをお答えできませんが、四年前厚生省の公害部時代に行なった調査結果のことであろうと思います。その節は厚生省で取りまとめて各県に全部通知をして、どういう形で公表されたかは存じませんが、各県に通知をしたということは伝え聞いております。
○近江委員 非常にその点が私は何か行政の秘密主義といいますか、そういうにおいが非常にするわけです。やはり、正確に出たものであればそれを公表して、そして対策をとっていく。隠蔽していくようなそういう方向はもう絶対よくないと思うのです。ですからこういう点、どこが責任であったか、直接には滋賀県であろうかと思いますけれども、非常に私は不明朗な不自然なものを感じるわけです。私はこういうことは許せないと思います。だから、この点は政府として、今後、地方自治体にもいろいろな権限も委譲しておりますし、これはやはり一体となってやっていかなければならない問題なんです。こういうことは二度とあってはならぬわけです。この点、今後そういうデータの問題であるとかこういうことについては、正確に、そういう隠すようなことは絶対によくないと思いますし、この点についての反省を込めて今後の方針についてまずお聞きしたいと思うのです。これは長官にひとつお伺いしたいと思う。
○前田国務大臣 先生から非常に熱のある御指摘をいただきまして全く私も同感でございます。実はきのうの閣議でございますけれども、何か一考後、にわかにまた「等」を入れてあわて込んで対策を立てたというふうにお受け取りになったかと思いますが、そうじゃございませんで、最近まれに見る活発な閣議でございまして、どの閣僚も大きな声を出して、私も非常に大きな声を出して論じ合った閣議でございました。決してそう安易には考えておりませんということもあわせて申し上げたいと思うのであります。 とにかくこれは、国民の健康、生命にかかわる非常に大きな問題でございますので、まず第一にデータをつかまなければいかぬ。総点検といいましょうか、そういうふうなこともし、そうしてそのつかんだものは、先生おっしゃるように、それを企業のために隠すとかそういうことがあっちゃたいへんでありますから、そういうことなくそれを公表する、そうして安全性に寄与するようにするということが非常に大事でありますので、御指摘の点を十分関係閣僚の席においても先生の御意見を反映するように私は意見を述べたいというふうに考えております。
○近江委員 水の環境基準においては水銀は検出されてはならないということになっているわけですが、しかし今回のこれを見ましても、魚介類に大量の水銀が検出される。こういう事実は、水の中にやはり水銀が含まれておる、さらに調査をしますと検出されるということがこれは十分考えられると思うのです。そういう点、調査方法、検査方法あるいは技術的な点において問題がないかということなんです。この点、局長はどう思いますか。
○千葉政府委員 いま御指摘の点でございますが、もう御指摘のとおりでございます。PCBのときに御指摘が先生からございましたけれども、この水銀の問題につきましてもやはりこれを的確に採取し、これを的確に分析し、それでこの測定の結果を正確に割り出す、これがきわめてベーシックの問題で重要なことでございます。この水銀を含めまして要するに水中や土中におきますごく微量の物質の分析の技術につきましては、当然一段の発展が期待されておるわけでございまして、科学技術庁といたしましても、実は四十六年からこの問題について取り組んでおりまして、二年の計画で四十七年度中には終わらせようということで、水銀を含んだこういった水とか土をどういうふうにやってうまく採取してくるか、そしてそれを前処理をいろいろしなければいけませんので、そういった前処理の方法をどうするか。これはへたしますと全部水銀が逃げていって、はかっても水銀がけっこう出てこないというようなことがあるわけでございます。で、的確なる測定をするには御案内のとおりガスクロマトグラフ法、こういったものとか、もう一つございますが、まあ二つ、三つの方法につきましてこれの確立をはかっていく。もう相当なところへきておりますので、これにつきましてもPCBと同じように都道府県のほうにも関係の方々にも十分にこの研究成果を至急徹底いたしまして、さらに正確なる資料を得て、これをぜひ公表して、それでその対策に役立てたい、かように考えておるわけでございます。
○近江委員 いま一例として琵琶湖のことを申し上げているわけですが、御承知のように琵琶湖は一千万人の水がめといわれているわけです。そういう点でこれは全国どこの河川も同じでありますけれども、特に一例として申し上げているわけですが、なぜこのように琵琶湖の魚介類に水銀が濃縮されておるか、原因はいろいろあろうかと思うのですが、環境庁は原因は一体どこにあるとお考えなんですか。
○山村説明員 魚介類中のそういう重金属とかPCBとかの含有は、水の中の水銀等の重金属等を直接あるいはプランクトン等の食物連鎖を通じて体内に蓄積していくというメカニズムであろうと想像いたしておりますが、実はその生物濃縮の程度というのは、魚の種類でありますとか、重金属あるいはPCB、そういった物質の種類とか、環境の中でどれくらいの濃度含まれておるとかいった要素によってかなりむずかしいメカニズムを持っておるようでございます。大体そういうことであろうと思いますが、実は定量的にはなかなかつかめていないというのが実情であろうと考えております。
○近江委員 プランクトンから魚が摂取するということは、これはわかるんですよ。要するにどこから出ておるかというんですよ、汚染源ですよ、環境庁はどこだと考えているのですか、それを聞いているのです。
○山村説明員 ただいま、ちょっとまだ、琵琶湖周辺の水銀の工場でありますとかあるいは鉱山でありますとか、そういう実態をよくつかんでおりませんので、いまのところ何とも申し上げられません。
○近江委員 きょうは近畿圏整備本部の石川次長さんもお見えになっておるわけですが、その点どのように思われますか。
○石川政府委員 琵琶湖の周辺におきましては、御承知のように非常に工業化が進んでおるわけでございます。どの工場からということはわれわれわかりませんけれども、おそらく水銀でございますので、そうした工業化が進む過程で流出したのではないかというふうに思われております。 琵琶湖総合開発計画におきましては、これは法律にもございますけれども、琵琶湖の汚濁された水質の回復、保全、これが非常な重要な目標といいますか、基調でございまして、このためには総合開発計画の中でも一般的な都市排水——工場排水、生活排水を含めまして都市排水に対する対策といたしまして、下水道の早期整備を非常に大きく取り上げておるわけでございますけれども、しかしながら、先ほどから御指摘のような、ああいう重金属等による汚染につきましては、下水道だけでは十分でないことはもちろんでございます。したがいまして、これにつきましては、今後排水規制の的確化、それから工業を立地する場合の選定基準と申しますか、特に琵琶湖は内水面でございますので、そういった公害を及ぼすような工場の選定ということについて十分注意を払っていかなければならない、このように考えております。
○近江委員 琵琶湖のそういう特殊性にもかかわらず、最近は工業用地にしましても非常に造成が進んでおるわけです。三十八年以降におきましても、三十ヘクタール以上のものを見ましても、湖南工業団地、水口工業団地、さらに四十八年度の工業用地の造成計画を見ましても、県開発公社が日野工業団地あるいは多賀工業団地、草津開発事業団が山寺工業団地、湖南開発事業団が古高工業団地、こういうように非常に大規模な開発を進めていっておる。こういうことで、いまでもこのような水銀であるとかPCBであるとか、これはたいへんな汚染源になっている。各工場から出てきているわけでしょう。特に大津周辺における十六工場から出ておるあの日本コンデンサをはじめ東洋レーヨンであるとか、いろいろな汚染源が明らかになってきておるわけですよ。ああいう特殊な琵琶湖周辺にそういう工業団地をどんどん許していいのですか。実際上いまの技術にしたって完全に処理できますか。このままでいけばほんとうにたいへんなことになりますよ。この点、工業団地の立地規制ということについてどう考えているのですか。また、いまの科学技術の上において完全処理できますか。この点について、通産省の立地指導課長もこられておりますから、まずお聞きしたいと思うのです。
○平河説明員 工業団地におきます工場の立地でございますけれども、一般的に申しまして、地域におきます総合的な開発計画といったような中で進められておりますので、特に先生御指摘の団地の造成は、県自身あるいは県の開発公社等が行なっております。これは県の開発計画の中でございます。もちろんその中に個別に立地します企業につきましての公害防止につきましては、完全に対策を講じていくということが必要かと思います。その公害の規制につきましては、現在の規制法の強化等が考えられるわけであります。団地立地の規制そのものにつきましては、私どもの所管でもございませんけれども、ただいまお答えしましたように、全体の計画の中での一環としての位置づけは必要かと考えております。
○近江委員 この処理技術の開発であるとか、あらゆる分野において汚染を防止しなければならない、これはもうほんとうに緊急の課題なんです。それは技術開発がそこまで追いついておらない、こういう現状において、幾ら規制しようと何しようと、こういうような工業団地がどんどんできてくれば、総量としてばく大なものになるわけですよ。こういうようなことを、各省それぞれの管轄が違うからというようなことで放置していっていいかということです。また、処理技術にしたって、いまのままでは絶対だめですよ。そういう点、技術開発も含めて長官としてはどのようにお考えですか。
○前田国務大臣 確かに、近江先生御指摘のとおり、現在の科学技術は生産第一主義というか、戦争に負けてから、とにかく生産することに重点を置いて進めてまいりましたことは御指摘のとおりでございまして、公害問題というものは、ほんとうに最近は非常に公害問題、公害問題と大きくクローズアップされてまいりましたけれども、大体十年くらい前から公害問題、公害問題といわれてきておるわけでございまして、特に現在そういうことが大きな関心の的になっておることは御指摘のとおりでございます。したがいまして、われわれといたしましては、科学技術というものが生産に重点を置くばかりではなくて、やはり福祉というか、そういったことに寄与するように、とにかく公害の防止、環境の保全に寄与する、そういう方面に科学技術の行政というか、行き方を進めていきたい。まだ不十分じゃないかという御指摘の点もあるかと思いますけれども、そういう方向でわれわれとしては進めていきたいというふうに考えております。しかし、これはこういう問題とは違いますが、自動車の問題にしましても、なかなか一ぺんに排気ガスを処理することはできぬ。しかし、これはとめるわけにもいかぬ、そういう点もありまして、なかなかむずかしい問題もあろうかと思います。しかし、さればといって、どんどんと工業団地というか——私、どの程度に琵琶湖の周辺が開発されておるのか知りませんけれども、琵琶湖の周辺とかあるいは瀬戸内海の沿岸であるとか、どんどんとそういう工場がつくられていくという点は、これは環境保全ということを十分考えて開発していかなければいけないというふうに考えておりますので、そういう点は、われわれの閣議の席におきましても、いろいろ琵琶湖の問題等がいま非常に問題になっておるわけでございますし、並びに瀬戸内海も問題になっておるわけでございますが、琵琶湖の問題につきましてもそういう点が特に御指摘があったということも私よく、今度の水銀等汚染対策推進会議並びにそれ以外の会議におきましても、琵琶湖の周辺関係の住民と申しましょうか、それに関連する人々が一千万あるという先生のいまの御指摘でございますが、そういう点もよく説明して、先生のほうの御指摘も十分閣議に反映させたいと考えております。
○近江委員 それで、石川次長さんもお見えになっておるわけですが、こういう工業団地の開発等の行き方につきまして、これは非常に大きな問題だと私は思うのです。この点は十分政府において反映されるわけですか。もう一度確認します。
○石川政府委員 この工業団地は私のほうで直接指導しておるというものではございません。しかしながら、琵琶湖の水質という問題から見た場合に、非常に重要な問題であることは先生御指摘のとおりでございます。直接にはこういう開発を進めておりますのは県でございますので、われわれのほうといたしましても、関係行政機関と十分連絡し、県とも連絡いたしまして、十分環境に見合った工業、工業でもたとえば木材加工でございますとか、ああいうふうに琵琶湖周辺は非常に開発のおくれておる地域でもございますので、そういった工業もございます。したがいまして、環境に見合った工業を立地させるというふうな形の指導が当然県のほうでも考えられると思いますけれども、この点につきましては、十分関係行政機関及び県と連絡調整いたしまして、こうした汚染を断ち切るような方向に持っていきたいというふうに考えております。 それから、先ほども申し上げましたが、一般的な琵琶湖の汚染は、やはりそれに対応する施設の整備、特に下水道の整備が最も急務でございますので、この点は現在県をはじめといたしまして、国におきましてももちろんでございますが、非常に重点を置いて進めておりますので、こういった規制と対応施設、非常に広範な角度からこの汚染対策を進めてまいりたい、このように考えております。
○近江委員 京都市の水道労組が報告書を出しておるわけですが、「水中のPCBなど化学物質はほとんどろ過できず、五年後に琵琶湖南湖の水は汚染で水道水には使えなくなる」こう言っているのですね。水と空気がなくなれば人間はもう生きていけないのですよ。働いておる人がそれだけの重大な警告を出しておるのですよ。 汚染の原因も、PCBをはじめ化学物質、いろいろあげておるわけですが、さらに合成洗剤による汚染等につきましての問題も重視しております。「繊維の汚れをとる働きをする界面活性剤が、水にとけないはずのPCB、BHCなどの化学物質、鉛、水銀などの重金属をとけやすく変質させる。」こう言っておるのですよ。 ところが、本委員会におきましても中性洗剤のことを私何回も質問しているのです。学者が安全やと言っているんだからいいやないか、反対する学者もあるけれども。ひとつも結論出さぬとずるずるきているわけです。大量使用のところについては何らかの規制をとりましたけれども、家庭とかそういうところにおいては放置しているでしょう。しかも、この琵琶湖周辺の住宅開発というものはまた急ピッチに進んでいるのです、工業団地以上に。どんどんと家庭排水だって流れ込んでくるのですよ。こういうような状態を放置していっていいかということです。しかも、そういうように中性洗剤自体も非常に大きな問題であるから、この辺について政府として真剣に研究してもらいたい、私はそのことをずっと申し上げてきたのです。いまだにそういう規制だってできないわけです。この中性洗剤の問題だってたいへんな問題ですよ。 私は、いまそこで、衆議院の議面の下に売店があるでしょう。きょうは委員長に許可を得まして私持ち込んだのですけれども、これはいろいろ製品があるわけですが、これに「社団法人日本食品衛生協会推奨品」こうなっておるのですよ。これ、社団法人ですよ。そういうところがこんなものは推奨品で出しているんですよ。何を推奨しているんですか、これは。環境面から見れば、働いておる人たち自体がこれだけの警告を発しておるんですよ。五年後に琵琶湖は死ぬと言うておるんですよ。そういうものを、こんな推奨品で出していいんですか。これ一つにしたって問題ですよ。いまや、中性洗剤というものは議論の対象になっている、大きな問題になってきている。それにもかかわらず、推奨品で出している。これについてどう思いますか。厚生省さんにまずお伺いしたいと思うのです。
○千葉政府委員 いま厚生省、所管の局長参っておりませんので……。 いま先生の御指摘の、中性洗剤を中心としたそういったような化学物質につきましての、いま社団法人のある協会が推薦している、こういうような話でございます。その洗剤のどういった面を推薦しているのか、私存じませんのでございますが、おそらく、善意に解釈すれば、いわゆる洗剤としての直接的な性能と申しますか、そういったようなところは推奨に値するといったような意味かと思いますけれども、いま先生の御指摘の、中性洗剤自体の人体に対して二次、三次、四次、五次のいろいろな影響、こういったことを考えた場合に、一体どの程度のことが問題かというような点につきましては、従来いろいろ研究はいたしておりますけれども、まあ、ある使用法を注意すれば人体には影響はまずまずないんだというようなことが、いままでこの結論として出ておるということはもう御案内のとおりでございまして、そういった点でいま使われておるということでございます。 先般、私この科技特の場でお答え申し上げましたように、この問題につきましても、ほかの重金属とあわせてこういった化学物質の人体への影響、それから環境への影響、こういったようなものについて、いま琵琶湖中心の御指摘がございましたけれども、きわめて重大な問題だと私は認識しておるわけでございます。 当庁といたしましても、その点につきましては、極力見積もり方針の調整を通じまして、さらには特調費を通じましてこの数年来研究を促進しております。したがいまして、こういった点を一段と進めてまいりたいし、かつまた、先ほど大臣からの所信の表明がございましたけれども、あしたから開かれます水銀等汚染対策推進会議におきまして、いま先生御指摘のような点もあわせて私としては推進するよう対策の推進方を進めてまいりたい、かようにいま考えておるのでございます。
○近江委員 それで、この裏側にはこう書いてあるんですよ。「お台所の専用洗剤 日本食品衛生協会推奨品」と裏には書いて、表にはこうやってマークを打っているんですよ、推奨品と。 それで、これだって厳密にいけば、学者は、この中性洗剤が皮膚から入っていって、これは非常に大きな障害がある、蓄積していくということを言っているんですよ。これだって結論は出ていないのですよ。しかも、環境に対する影響は、京都のいま申し上げた水道労組がそのように報告書を出しているんですよ。環境に対するそういうような検討というのは全然ないじゃないですか。こういう一事を見ても、ほんとうに政府は神経を張りとがらしていないのですよ。ほったらかしのような感じです。もう重大な問題です、これは。 この京都の水道労組の報告書というのは、ばかげた報告と思いますか。これはきわめて重大だと政府は受け取りますか。まずその認識を聞きます。長官どうですか。
○前田国務大臣 ただいま先生のその水道労組の報告を聞きまして、まことに重大な警告だというふうに感じております。
○近江委員 そう認識されたならば、この問題は単なるこの委員会だけでとめてもらったら困るわけです。この問題は政府全体の問題として上げていただくのですか、真剣に取っ組んでいただけますか。それをお聞きします。
○前田国務大臣 真剣に、この琵琶湖の問題、ただいま先生御指摘の問題に取り組みたいというふうに考えております。
○近江委員 私は何も琵琶湖だけで言っておるのじゃないんですよ。全国各地の河川、全部これは中性洗剤等をはじめとしてPCBあるいは重金属、もうひどいんですよ。特に中性洗剤の使用量というのは膨大なものですよ。これは、私は非常に大きな問題だと思いますから、この問題、いま長官もそのように閣議で取り上げられるかどうか知りませんけれども、これは一つの大きな問題として、環境汚染の一つの大きな原因として対策を考えていただきたいと思うのです。これは特に要望しておきます。 時間も来ましたので、きょうはこれで終わりたいと思いますが、先ほど原委員からもお話がありましたけれども、先ほどの学者に対する原研のとった態度、きわめて好ましくないと思います。この点は十分ひとつ政府としても反省を促しておきます。きょうは時間がありませんから、これで一応終わりたいと思います。
○石野委員長 この際、ちょっと委員長からも長官にお願いしておきたいのですが、環境汚染とかなんとか、最近の公害問題は、出てしまってからではもうどうにもなりませんので、たまたまきょうは近畿圏整備本部の石川次長さんもおいでになっておりますし、やはりそういうことが起きないようにするためには、特に科学技術庁として配慮しなければならぬ問題だと思います。明日から水銀等汚染対策会議ですか、いろいろ仕事をなさるそうですが、あと追いの仕事だけじゃなしに、そういうことを発生させないように、ひとつ強い発言を長官がしていただくように、私からも特にお願いしておきたいと思います。
○前田国務大臣 委員長のいまの御指摘の点を体しまして、十分御意に沿いますように努力いたしたいと思います。
○石野委員長 次回は、明十四日木曜日午前十時より理事会、十時十五分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三分散会