運輸委員会 第34号
- 発言数
- 53 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1973/07/13
会議録
○井原委員長 これより会議を開きます。 公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の一部を改正する法律案を議題として、質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、これを許します。唐沢俊二郎君。
○唐沢委員 公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の一部を改正する法律案について若干伺いたい、かように思います。 昭和三十四年にジェット機が羽田空港に離着するようになり、三十五年から大阪国際空港にも離着するようになりました。それから約十四年たつわけでありますが、その間航空機の騒音公害という問題が、短期間でありましたけれども、非常に顕著になった。初めのうちはうるさいなと思うくらいでありましたけれども、そのうち学校の勉強に支障を来たすようになる。さらに一般の近隣の地域住民の方々も話が聞こえない時間がある。また、ラジオやテレビが聞こえない時間がだんだん多くなる。そしてさらには健康にまで支障を来たしておるようでございます。そういう意味で日常の生活環境が欠第に破壊されてきつつあるところもあります。このような情勢に対応いたしまして、地域住民も騒音対策協議会をつくったり、それからいろいろな調停ですか、も行なわれておるようでありますが、四十四年には大阪国際空港の騒音障害について訴訟も行なわれておるような状況であります。 このような状況に対応して運輸当局でもいろいろな対策を講じてこられた。私も存じ上げないわけではありませんが、整理する意味で一応伺いたいと思います。事務当局からひとつ……。
○寺井政府委員 ただいまの御質問は、現在までに運輸省がどのような航空機騒音防止措置というものを実施してきておるかという御質問だと解釈いたします。 まず航空機の騒音軽減のための措置といたしましては、東京、大阪両国際空港におきましては従来から午後十一時から翌朝の六時までにジェット機の発着を原則として禁止するとともに、大阪国際空港におきましては時間帯ごとに許容される騒音の限度を定めて、これをこえるおそれのある航空機の発着を禁止してきております。 四十六年の十二月に環境庁長官の勧告がございまして、これを契機といたしまして、昨年の四月から大阪国際空港では郵便機を除きまして午後の十時から午前七時までのすべての航空機の発着を禁止する措置をとってまいりました。また東京国際空港につきましては、午後十時から十一時までの間と午前六時から七時までの間のすべての航空機の離発着は原則として海側から離発着するという措置をとりますとともに、エンジンテストの時間と場所を規制いたしました。 次に空港周辺におきます騒音障害防止措置といたしまして、いわゆる航空機騒音防止法に基づきまして昭和四十二年度以来、東京、大阪両国際空港の周辺にございます学校、病院等の防音工事の助成、共同利用施設の整備の助成、空港周辺の一定地域からの建物等の移転補償などの措置を実施してまいりました。さらに昨年度からこれらの対策の実施を福岡空港周辺、また本年度からは鹿児島空港周辺においても実施いたしております。さらに昨年度より、財団法人航空公害防止協会が空港周辺で実施いたしておりますテレビ受信障害対策事業に対しまして補助を行なっております。 これらの諸対策のための予算額について申し上げますと、当初の三億円から年々飛躍的に増加しておりまして、四十八年度予算で本法が改正されたら実施される措置をも含めまして約百十億円を計上するに至っております。
○唐沢委員 ただいまの次長からのお話で、夜間の航空機の発着の禁止でありますとか、その他いろいろな対策をとってこられた。いままでの対策はおっしゃったとおりでございまして、大体学校や病院等の共同施設等の対策とか、非常に広い対策がある、移転補償もございますが、今度の法案改正によって個々の住民に対する対策も非常に強化されたわけです。それなりの評価はいたしておるわけであります。しかし私はここにいただいた大阪の訴訟の問題でありますとか、それからいま公害調整委員会における調停の問題、それからそのほかのいろいろな新聞記事を読んでみてちょっと納得できないことがあるわけであります。 それから、もう一つ気になるのは、本年度の予算編成のときの問題であります。確か本法案に盛られております空港周辺整備機構という名前は最初第三セクターという名称であって、国の出資比率も初めは四分の一で、あと四分の三は地方公共団体が出資することになっていたと記憶いたしております。しかし実際航空機騒音というものはそんななまやさしい問題ではない、非常に重要な公害の一つであるということで、ほかのことはわかりませんが、わが党議員が予算編成時に立ち上がってたいへんな運動を起こしたわけであります。そして一日も早く成田空港を完成させたい、また関西の国際空港もできるだけ早く完成したいのだ、そしてわが国の航空行政を強力に推進させる。そのためにはこの公害に国家がもっと積極的に取り組んで、そして一日も早く解決しなければならないというので、ここにおられる運輸委員の先生方も非常に精力的に各方面を説得して回った。地元は地元で原田先生はじめ大ぜいの国会議員が、あるときはもうまっかな顔して大蔵省にどなり込んだり、また地域住民の苦悩を実に切実に披瀝をされたのを私は記憶をしておりまして、非常にこれは印象的なシーンだと思うわけであります。その結果、国の出資比率も四分の一から逆に四分の三に逆転をいたした、まさしくこの逆転は与党の圧力だったと私は思うわけであります。そのような経緯を見てみますと、運輸省というものは何となくおとなしい。大蔵省に遠慮しているんじゃないか。またやるべきことは、確かにある程度やっているのでしょうが、非常にもの足りない感じをわれわれもちょっと受けるので、地域住民の皆さまは非常に感じているんじゃないかと思います。 伺いますと、外国ではそれほどの問題にもなってないし、日本のいろいろな措置が最も強力なんだということでありますが、外国とわが国の場合は家屋構造がまず第一に違うわけであります。そして特に問題となっている航空機騒音の大都市は世界一の過密激動社会でございます。そういうような特殊事情を勘案すれば、もっともっと強力な手を前に打ってもよかったのじゃないか。現在、そういうような航空機騒音問題について運輸省が一体どのような認識を持っておられるか、これも過去の問題も含みますので事務当局から伺いたいと思います。
○寺井政府委員 ただいま先生から御指摘のございましたように、今回の空港周辺整備機構の考え方、それから予算要求、あるいはいまお願いいたしております法律の改正案等につきまして、事務当局といたしましては大阪の関係市あるいは大阪府、兵庫県等といろいろ話し合いをいたしまして、当初は何とかこの騒音対策を抜本的に実施するために一つの機構が必要ではなかろうかということで、初めの段階におきましては大体国が四分の一程度の出資をして府県と共同で新しい組織をつくって騒音対策を実施しようということでございました。これの審議の過程におきまして自民党のほうの御指導もございまして、出資比率が二分の一あるいは最終的には四分の三というように増加いたしまして、予算的な手配をさせていただいた次第でございまして、この点事務当局としてはまことに感謝をいたしておりますとともに、従来十分力を尽くせなかったという点について深く反省をいたしております。 今回のこの構想は、あとでまた御質問がございますかと思いますが、空港周辺の立地規制を含めます再開発をベースに考えておりまして、このような措置を実際にとっておりますところは、まだ世界でも例がございません。したがいまして、かりにこれが実施されますと、まず世界最初の画期的な騒音対策が実施されることになるかと考えております。ただ、法制上の問題その他いろいろ問題がございまして、実施にはなかなかむずかしい問題があるかと存じますが、この改正案を御承認いただきまして一日も早く実施していきたいと考えております。
○唐沢委員 いま事務当局から感謝していただきまして、これは私でなくて、運輸委員あるいは地元の国会議員に対する感謝だと思いますが、これからは感謝するだけではなくて、積極的に取り組んでいただいて、われわれは少しオーバーランするくらいでもかまわないと思います。その際、もちろん与党議員はできるだけの応援は皆さんするつもりだろうと思うわけでございます。 ただいま、今度の法案は画期的な空港周辺整備機構というものを含んでおるというお話であります。確かに、今回の法改正は住民から航空機騒音をできるだけ遮断するという基本的な方針のもとに空港の周辺地域の整備再開発を含めて抜本的な対策を実施するものだと思うわけでありますが、ここで、政務次官御出席でありますので、今後の航空機騒音対策の基本方針を伺いたいと思います。これは別に法案の内容を何にも知らないでわあわあ言っておるわけではありませんので、整理するという意味で、まず政務次官から伺いたい、かように思います。
○佐藤(文)政府委員 お答えします。 第一に、空港周辺の航空機の騒音につきましては、昭和四十二年に航空機の騒音防止法が制定されておりまして、国としては空港周辺の学校、病院の防音工事など鋭意その対策につとめております。これが昭和四十二年に防止法ができた基本的な考え方であります。これに対して国は四十二年度当初三億円から今年度は百十億円を計上するまでに至っております。しかし一方では航空旅客需要の増高によるジェット機の離発着回数の増加は著しくて、その結果、空港周辺の住民の騒音による被害は必ずしも好転していない実情であります。これが現時点の分析であります。 そこで第二点といたしましては、昨年来、騒音対策のための専門の課を運輸省は設けまして担当職員の増加をはかるなど、これに対処する体制を整えて抜本的な対策を講ずる措置をいたしました。 それから第三点は、その対策の具体的な方法については、後刻事務当局から御質疑に並行してお答えいたしますが、その基本点は二つありまして、その第一点は、従来の対策が騒音による被害の補償といった当面策が中心でありましたが、一歩今度は進めまして、空港周辺の土地利用のあり方から考え直していこう、こういうことで、ただいま御質問のあったような空港周辺整備機構の設立というようなことも、皆さん方の御援助によって前向きに検討されることに相なります。それから第二点は、従来の対策が学校、集会所といった公共施設でありましたが、これを一歩進めて、一般民家に対処する、こういうことが前向きな大きな姿勢になってまいりました。 こういうことで結論から申し上げますと、四十七年度の約五十八億円から今年度の百十億円に予算を増加いたしまして、本法案を提出する段階になったわけでございます。 さらに、努力を重ねて空港周辺の騒音被害の軽減をはかってまいりたいと思いますが、先般、私も各大学の若い学者グループで、騒音の専門家のグループから聞いたのですが、大気の汚染、水質の汚濁、こういった面については科学的に分析をし、その対応策を抜本的にやっていけば、ある目標に達しますけれども、騒音の問題だけについては、これはゼロにすることは不可能である、こういう結論であります。ということは、勉強する静かな、何の音もしないときでも四十ホンあるということを、私は専門家から聞きました。したがって、騒音対策というものが、騒音発生源の音を軽減するというやり方と、それから住民をどのように離隔するかということ、これがやはり中心にならなくちゃならぬということも、参考意見として聞きましたので、そういう問題点を踏まえながら、抜本策に取り組んでいるのが現在の運輸省の姿勢であります。
○唐沢委員 画期的な法案改正の基本方針、ただいま政務次官からお話しのあったことで大体よくわかりました。そのような法改正でありますが、非常の頭のいい方がつくったのでしょうが、読んでみて非常に難解でございます。特定飛行場で大体いま問題になっているところは、第一種、第二種、第三種区域があって、第一種が八十五WECPNL、第二種が九十、第三種が九十五である。そして第一種の区域内は騒音防止の、たとえば民家の騒音防止工事等をやるのだ。第二種は移転補償もするのだ。第三種は大体緑地帯、緩衝地帯にするのだというふうに、わかりやすく解釈しても差しつかえありませんか。
○寺井政府委員 そのように御了解いただいてけっこうです。
○唐沢委員 それでは、次に環境庁から発表されました航空機騒音にかかる環境基準についてお伺いいたしたいと思います。 環境庁から運輸省に、四十六年十二月二十八日航空機騒音対策に関する環境庁長官の勧告というのが来ております。これは指針の第一の2を見ますと)「航空機騒音がWECPNL八五以上に相当する地域については、これにより住居内における日常生活が著しくそこなわれることのないようにすること。」というふうにうたってあるので、これをもとにして、本改正案ができておると思うわけでございます。しかし、本年三月に発表されました航空機騒音基準に関する環境基準ということでは、七十WECPNLというものが問題になっておる。これが中央公害対策審議会で正式に決定された場合には、基準が変わってしまうわけであります。したがって政府の騒音対策にどのような影響があるのか。たとえば第一種区域を拡大しなければならない、あるいはもっと空港周辺地域の対策も手直しをする必要があるのじゃないか、かように思うわけでありますが、その点について御答弁をいただきたいと思います。
○寺井政府委員 環境庁の環境基準が、現在のところ八十五ということになっておりまして、これにあわせて、おっしゃるとおり空港周辺の整備計画が一応考えられております。 ただいま御指摘の、最近出てまいりました環境庁の考え方につきましては、航空機騒音の環境基準について諮問を受けました中央公害対策審議会が、その審議を騒音振動部会にまかす、部会はさらに特殊騒音専門委員会を設けましてここで審議を進めておったわけでございます。その段階での結論を部会に提出いたしましたものが、ただいま御指摘の七十WECPNLという一つの考え方でございます。しかしながら、この報告がそのまま環境基準として直ちに設定される性格を有するものではございませんし、今後、この報告を受けた騒音振動部会がさらに審議を進めまして、何らかの結論が政府に答申されるものと考えております。したがいまして、その答申を受けました後に政府としての方針を明らかにしたいと考えております。 他方、空港整備五カ年計画につきましては、環境基準の新たな設定のいかんにかかわらず、最近非常に問題となっております騒音問題に十分対処するためには改正をする必要に迫られておるわけでございまして、新たな環境基準が設定された場合には、これも十分に考慮して改定を検討いたしたいという所存でございます。
○唐沢委員 新たな環境基準がきまりましたときには、それに伴って、当然法改正なりいろいろ施策が変わるということで、いまどうなるかということは、これ以上伺いません。 それから次に、航空機騒音に関する環境基準ですが、われわれは昔、何ホンということばを使っておりました。最近はWECPNLということばを使っています。これは日本ばかりではなくて国際的に使っているようなんです。もし違っていたら言っていただきたいのですが、二百機飛んだとすると、大体百ホンが百WECPNLになるというふうな御説明を私は前に聞いたような覚えがあるのです。これは継続的なお話でありますけれども、しかし一時的にホンが高いということはあり得ると思うのですが、それについてはどういうふうに——もうWECPNLで統一してやるのだというお考えでしょうか。もし差しつかえなければ、おっしゃっていただきたい。
○寺井政府委員 ただいまのホンとWECPNLの関係の御質問ですが、二百機飛べばホンに相当するという点につきましては、大体そのような関係になります。 ただ、航空機の騒音基準を判定いたします際に使いますのがWECPNLという単位でございまして、これは国際的にそういうものを使おうということをICAOできめまして、こういう単位が航空機の騒音のうるささを表現するのに一番適切なものであるということになっておりますので、この単位を使用してまいりたいと考えております。
○唐沢委員 そうしますと、WECPNLは低いけれどもホンが非常に高いという空港があると思うのですが、そういう空港に対してはどういうふうな考えを持っておられますか。
○寺井政府委員 WECPNLと申しますのは音の一日の総量でございまして、一回飛んだ場合の飛行機の音の量をはかりますのにはホンを使っております。ですからホンが高いという場合、たとえば一回飛びますと百ホンが七十三WECPNLというような関係になります。したがいまして、飛行機が一日に一度しか飛ばないという場合には、確かにWECPNLでは低いわけでございますが、ホンとしては高い。やはり頻度と音の総量という観点で空港周辺の騒音というのは判断するのが適当ではないかというように考えております。たまたま一日に一度百ホンの飛行機が飛んでも、これは総量としてかなり低いということでございまして、総量の高い空港にまず対策を講じるというふうに考えております。
○唐沢委員 いまお話しのように、まず最初はWECPNL、頻度まで含めた騒音公害に対する対策が必要でありますけれども、逆にそのホンのほうも重要だと思うわけですね。だからWECPNLが八十五とか七十という基準がある。ホンについてもたとえば百とか、たとえ一日一機でもそれがものすごい騒音であるという場合には、考えなければいけないというような気がいまちょっとしたものですから伺ったわけでございますが、その点も一応御検討をいただきたいと思います。—— 次に、この法律によって騒音対策を実施する特定飛行場ということになっておりますが、一応話の順序として特定の飛行場というのはどういうところが指定されているのか。また指定する基準を一応伺います。
○寺井政府委員 現在特定飛行場は東京、大阪両国際空港、それから福岡、鹿児島、この四空港になっております。 それで基準という御質問でございますが、これは特にはっきりした基準があるというわけではございません。大体一日に五十回くらいのジェットの離発着というのを一つのめどと最近いたしております。しかしながらこれはジェット機のみならず、かりにその他の航空機一機の騒音といいますか、音がジェット機に比べて低いものでありましても、頻度が非常に多うございますとやはりうるささの問題がございますので、こういった離発着回数を総合的に勘案いたしまして、特定飛行場の指定ということを今後できるだけふやしていくというふうに考えております。
○唐沢委員 大体五十機以上離着陸する飛行場が特定飛行場ということですね。そうすると、特定飛行場以外の第二種空港及び第三種空港周辺における騒音が現在でも問題になっているところもあるし、将来問題になるであろうという飛行場もあるわけでございます。これについての今度の法改正でございますが、六十四条に「地方公共団体は、特定飛行場以外の公共用飛行場についても、当該飛行場に係る航空輸送需要の動向、その周辺地域における市街化の進展等の状況にかんがみ、当該周辺地域において航空機の騒音により生ずる障害が著しくなると予想される場合においては、当該周辺地域についての振興又は整備に関する施策の策定及び実施にあたつては、できる限り、航空機の騒音により生ずる障害の防止について配慮するものとする。」というような規定がある。また第二項もあるわけでありますが、特定飛行場に比べてこれら第二種空港及び第三種空港に対する施策が、まだ順番でやっておられるので無理だといわれればそれまででありますが、ちょっと弱いのじゃないかという気がするわけであります。やはり航空行政も長期的なビジョンに立って、先手の行政をこれからしていただきたいと思っておるわけでございますが、一体こういう飛行場については空港の騒音対策の主体はどこなのか、だれが実施するのか、具体的にはどんな施策をとるのか。法案にははっきりありませんし、断言はできないかもしれないが、一応のお考えを伺いたいと思います。
○寺井政府委員 特定飛行場以外の公共用飛行場は、現在のところジェットの便数も少なくて、航空機騒音の障害が特定飛行場に比べますとそれほど著しくないということでございまして、国は現行の騒音防止法で想定されているような対策を直ちに講ずることは現在のところ考えておりません。騒音障害の対策を必要とするようになれば、当然特定飛行場に指定をいたしまして対策を実施すべきものと考えております。しかしこれらの空港につきましても、周辺地域の住民の福祉の観点からある程度の騒音対策を行なっていく必要がある場合も考えられますので、これは地元市町村に実施してもらうという方針のもとで、昭和四十七年度よりその財源として、航空機燃料税の一部を譲与税として関係市町村に配付いたしております。またそれらの空港周辺が将来市街化するとかあるいはまたこれらの空港の航空機の便数が将来相当増加すると予想される場合には、現在騒音被害が少なくても何らかの対策を事前に立てておくほうが望ましいというふうに考えておりまして、このような空港につきましては地方公共団体がその周辺地域の振興整備計画を立て、実施する場合、将来の騒音防止に配慮をしていただきまして、そのために国は資金の確保、技術援助など努力することといたしたいと考えまして、ただいま御指摘の改正案の第六十四条にその趣旨を規定しておる次第でございます。
○唐沢委員 飛行場にもいろいろありまして、われわれの松本空港などは、一便しか飛ばない。飛行場はつくったけれども飛行機の飛ばない飛行場、こういう名称がつけられております。それでも、一便往復するだけでも鶏が卵を生まなくなったというようなこともいわれておる。そういうのまで一々やるのはたいへんだと思いますが、私もここに新聞を持っておりますので申し上げてもいいのですが、あちらこちらの空港周辺で現在問題になっておるわけであります。今回のこの程度の改正でいたし方ないのかもしれませんけれども、早急に検討していただきたいと思います。私は公害防止というものはいわゆるPPP原則、発生者負担でいいと思うのでありますが、航空機騒音公害、この障害を除去するためには、国が主体となって実施してもよい場合があるのではないか。またすべき場合もあるのではないかというような気がするわけです。と申しますのは、この対策の対象の地域となるところは非常に広い地域でございますし、計画も長期的観点に立って進めなければならないし、また資金量も非常にばく大な量に及ぶわけでございます。そういうことで公害の発生者負担の原則というものについて、騒音公害の場合は特別に重要なので、もっと国が積極的にやるべきではないか。非常に騒音公害の大きいところはそういうように考えるべきだと思うのですが、この点は運輸当局はどのように考えておられますか。
○寺井政府委員 ただいま御指摘の点まことにごもっともだと存じます。現在までのところ空港特別会計という一つの仕組みの中で、騒音対策に必要な資金を捻出しております。空港特別会計と申しますのは、燃料譲与税あるいは通行税等、結局航空機の利用者に全部最終的には負担させておる資金でございますが、そういうものを利用して、一応原因者負担的な考え方でこれが対処されております。しかしながら、国が全く無関心であるというわけでもございませんで、一般会計からも相当額の繰り入れがございまして、両者相まっていま実施をされておるわけでございます。将来、この騒音対策と申しますのは、相当多額の資金を要する事態になるかと考えられます。その状況に応じましてやはり一般会計からの資金の手当てということもお願いをしていかなければならないのではないかというふうに考えておりますが、当面は、特別会計から資金手当てをしていくという考え方で進んでおります。
○唐沢委員 特定空港につきましては本法案でかなりカバーできるわけでありますが、それ以外の空港も含めて、現在問題になっている空港もあるし、また将来航空機騒音公害が問題視されるような空港も現にあるわけでございます。こういう空港の場合、もう早々と隣接地域を国あるいは地方公共団体が買い上げるとかあるいは都市計画も将来その航空機騒音公害のことを十分考えて進めて、あとに悔いを残さないようにすべきではないかと思います。また、そういうことを地方公共団体に指導していくということは必要なことだと思うのですが、そういうことは現にやっておられますか。
○寺井政府委員 ただいま先生御指摘のように、できる限り空港周辺の土地を早く手当てをして買っていくあるいは都市計画の一環として立地規制をお願いをするというようなことはまことにごもっともでございまして、われわれも現行の体制の中で、許される限り地方公共団体に先行買収をお願いする、あるいは立地規制等について、地域的な考え方で整備をしていくというようなことをお願いをしてやっておりますのが現状でございます。
○唐沢委員 そういうことを指導し、やっていきますと、非常に国が表面に出る、それから一般会計からも航空機騒音公害のためにかなりの資金が回されるというようなことになった場合なんですが、そういう場合ひとつ注意をしなければいけないと思うのは、現在並びに将来、航空機騒音公害がそこに発生するということをよく承知しながら空港周辺に所有権並びにそういう物権を取得して、あとでその補償を求めるというような心ない人間もいることは確かにいるらしい、こういう者は保護する必要はないし、絶対保護してはいけないと思うわけであります。したがいまして、騒音が問題となっておる、また将来問題になるであろう空港周辺の一定地域については住居やその他の建造物の建築を制限すべきではないか。あるいは特定飛行場ばかりではありません。どこの飛行場でも将来問題になるような飛行場周辺、特に隣接するところは、これは緑地帯にするのだから公共機関で買い上げる、そうしてここは何も建てないでくれとかあるいは倉庫みたいなものならよいとか、そういう制限が現行法上は非常にむずかしいと私も思います。しかし、御承知のように最近いろいろ法律ができまして、自由や競争も制限していこうということでありますし、私権の制限の問題もちらほら出ているわけでございます。ですから、こういう地域については国も積極的に公害防除に取り組むのだから、ここで私権も制限をするということで、私権制限の先頭を切るという意味で、まず運輸省でもそういう従来の権利についての考え方を変えるのだというやり方を勇断をもってやってみたらどうかということを提案し、希望しつつ伺いたいと思うのですが、政務次官から……。
○佐藤(文)政府委員 空港周辺の立地規制に関してでございますが、一部制限に関しては、公共的な見地からの、あるいは合理的な必要性の立証が現実には非常に困難であります。そこで現在やっていることは、当面は都市計画法による一般的な規則の手法によるのが望ましいというのが基本的な考え方でございます。 そこで、現実的にはどうやっているかというと、地方公共団体に先行取得をしていただきまして、そうしてなるべく空港周辺の騒音対策としてその騒音発生源から民家の距離を離していく、そういうことの土地の先行取得は地方自治体にお願いするという現時点での考え方でやっているわけでございます。しかし、このたび百尺竿頭一歩を進めまして整備機構をつくり、そうして多額な資金、それから流動する騒音公害に対して機動的な運営をやらなければならぬということで、この際思い切ってこの法案の提出をお願いして御審議を仰いでいるわけでございます。 非常に参考になることは、最近フランスで海洋の大型レジャーセンター、百八十キロに及ぶ沿岸地域の開発をするパターンを私ある専門家から聞いたのですが、国と地方公共団体が思い切って現時点で必要な量の用地を確保し、それから将来必要であると思われる地域も思い切って土地の買収をやりまして、その中に計画的に、どういう建物、どういう緑化地帯、どのような道路を通すといったような思い切ったことをやっているという話も私は聞きました。したがって今後における空港の建設については、土地の先行取得によって不当な土地の値上がりを未然に防止していく、そういう意味においても一歩進めた考え方でやっていきたい、こういうぐあいに考えているわけであります。
○唐沢委員 飛行場周辺の先行取得、たいへんけっこうだと思うのですが、大体飛行場というのは従来人家のないところにできていて、ぜひ飛行場をつくってもらいたいという誘致運動があってやった。そうしてそのうちそこにだんだん人家が建ってきて航空機の騒音公害というものが出てきたわけでありますけれども、確かに飛行場に隣接する地帯は先行取得すればいいが、その周辺は将来は騒音公害が出てくるということが予測できるにもかかわらず、そこへ入ってきて何でもかんでも騒ぎたいという人もいるわけですから、そういう不心得な人に対しては国及び地方公共団体がばく大な資金を投下するのなら、そういうことがないように、いままだ人家が建ってないけれども、これからどんどん建築されようとしているところもあるのですから、そういうところに対する規制をやらなければ片手落ちになると私は思うのです。その点、もうそんなことは心配せぬでもいいということならいいのですが、なかなかそういかないと思うわけでございます。そういう新たに入ってくる人に対して何らかの制限はできないものでしょうか。
○寺井政府委員 確かに先生のおっしゃいますとおり、そういう立地規制ができますれば一番理想的な騒音対策ができるわけでございますが、現在の状態ではこれが非常にむずかしいという事情にございます。そこで、当面はやはり都市計画法の手法を利用してこれを規制するより手がない。 そこで、いまお願いしております改正法の中では、空港周辺整備計画というものを都道府県知事が策定することになっております。同時に、都道府県知事は都市計画の担当者でもございます。したがいまして、空港周辺整備計画を策定する際に、都市計画等を十分勘案し、かつ都市計画の一部修正が必要ならば周辺整備計画に沿ってその一部を修正していただきまして、できる限り立地規制をしていくということが当面でき得る手段であろうかと考えておりまして、これを円滑に進めますことによって騒音対策をかなり実施できるというように考えております。
○唐沢委員 私は空港周辺の立地規制をすべきだと思いますが、当面なかなかむずかしいと思います。その考え方を都市計画に織り込んで、ぜひいまのとおりやっていただきたいと思います。 次に、民家の騒音防止工事ですが、これはたしか本年度の予算では国の助成は七五%というように承っております。あとの二五%については皆さん非常に努力をしておられて、できるだけ地域住民には迷惑かけたくないという方針でやっておられるとわれわれは確信をいたしておりますが、その点について最近までの情勢ではどういうことになっておりますか。
○寺井政府委員 ただいま御指摘のありましたように、本年度予算におきまして民家の防音工事は、国が定めます標準的な防音工事に対してその工費の七五%を補助するということになっております。残りの二五%のうち、防音工事によりまして防音効果が生ずる以外に、建物が改良されまして耐用年数が延長されるというような利益も生じますので、その受益の範囲内で若干は個人負担をお願いしなければならないというふうに考えておりますが、国の補助と個人負担の残りの部分につきましては、住民福祉の増進という面から地元地方公共団体の助成が望ましい、これを期待しております。 ただ、この点につきましてはさらに関係方面と協議をいたしまして、具体的な案を持ちたいと思っております。また、そのような場合に地方公共団体がそのために支出する経費につきましては、将来何らかの形で財政的な裏づけを考慮すべきだと考えておりまして、この点につきましても財政当局のほうと協議をする予定にいたしております。
○唐沢委員 あと、この二五%について財政当局と十分話し合っていただきたいと思うわけですが、このさらにこまかい基準、たとえば一室の防音工事をするときには何%、あるいは地域住民の希望によって全部うちの中をやりたいという場合とかいろいろあると思うのですが、そういうこまかな基準までいま確定しておったら教えていただきたいと思います。
○寺井政府委員 ただいま建物の防音工事につきましていろいろ実験をいたしております。建物の構造によりまして経費が当然異なってまいります。たとえば木造の場合あるいは木造モルタルの場合、鉄筋の場合、いろいろございますが、これによりまして経費が算定されました暁に全体の額がわかってまいります。ただいま御指摘の一室のみの場合、あるいは二室目、三室目をやる場合どのような負担にするかということは、そういう標準的な設計並びに経費がきまりました暁にきめていきたいというように考えておりまして、現在確実の案を持っておるわけではございません。
○唐沢委員 先ほど政務次官から基本方針を伺ったわけですが、そのとき空港周辺の整備と並んで、もう一つ発生源対策のお話があったわけでございます。そこでICAO条約だと思いますが、その付属書類というようなことで、騒音基準適合証明制度が今度新設される。これは航空法でしたね。まあこちらも関係がありますので、こちらで伺いますが、これはどんな制度なのか、この制度によって航空機の騒音問題がどの程度解決するか、それらについて伺いたいと思います。
○寺井政府委員 発生源の問題につきましては、騒音証明制度というのを航空法の一部改正のほうでお願いいたしておりますけれども、御質問でございますのでその関係について御説明を申し上げますと、今後出てまいります新しい型式の航空機の騒音は、現に飛んでおります在来の飛行機に比べて著しく低下するようになっております。また、残る在来機のエンジンの改修というような計画も進められておりますので、これは先ほど申し上げましたICAOの場におきまして積極的にわが国としても推進していきたいと考えております。 現在おおむねわかっておりますのは、あるきめられた測定点におきまして現行の航空機に比べましてどの程度音が下がるかということでございますが、これはたとえばボーイング707あるいはDC8につきまして申し上げますと、現在離陸時の音が百十三ECPNLですから百ホンでございますが、これが改善されますと九十八ECPNL、これから十三を引いていただきますとおおむねホンになるわけでございますが、その程度に下がります。これは離陸時の音でございます。着陸時には百十九・五ECPNLが百一ECPNLに、サイド、側方の音が百七・五ECPNLが九十九ECPNLになる。こういうふうに一応音が低減されるということが考えられております。
○唐沢委員 いまの次長のお話は、騒音基準適合証明制度の対象になっていない飛行機がエンジンの改良等でやられるということなんですね。これは大体いつごろをめどにしておられますか。
○寺井政府委員 これは一九八〇年が目標になっております。それでこの新しい騒音証明制度が適用されますのは新しい型式の飛行機でございまして、たとえばロッキード一〇一一あるいはDC10というような新しい型式の飛行機はすでに騒音証明制度に適合するような音の低さになっております。したがいまして、御承知のようにエアバスと称するこの新しい機種は在来の機種よりもはるかに音が低い。問題は、現在飛んでおります707とかあるいは727というようなものがエンジンの改造によりまして音が下がるという見通しがございません。これは国際的には一九八〇年が目標でございますけれども、わが国といたしましては、できる限り早い時期に改良されたエンジンに取りかえていくということを推進したいというふうに考えております。
○唐沢委員 時間がなくなりましたから簡単にお答えいただきたいのですが、私が最初伺いましたのは、一〇一一、DC10に騒音適合証明制度が適用されるということになるわけですね。そういう制度が創設されたということなんだけれども、それがどんな制度なのか、その制度によってこの航空機の騒音問題がどの程度解消するのか、そういうことを伺ったのです。
○寺井政府委員 騒音証明制度が発効いたしますと、その騒音証明を持っていない飛行機は飛べなくなります。これは飛行機が安全性に合致しなければ飛べないと同じような状態でその種の飛行機が飛べなくなりますので、したがいましてその騒音証明制度は、飛行機の重量によって音が違うといわれておりますが、低い音の飛行機しか飛べないという事態になります。
○唐沢委員 次に、さっきおっしゃった、画期的だといわれる空港周辺整備機構のことについて伺いたいのですが、まず第一にこれが認可法人ですね。これなんか、もっとも私は特殊法人でいいんだと思いますが、認可法人になった理由を伺いたいと思います。
○寺井政府委員 それはおっしゃるとおり特殊法人でもよろしいのではないかと思いますけれども、こういう機構をつくりまして空港周辺を整備しようという話を大阪府あるいは兵庫県といたしましたときには何らかのそういう組織をつくりまして整備事業をやりたいということで、発端は実は特殊法人ということを考えておりませんでした。その場合、しかしながら国が何らかの形で出資をしてもらいたいという要望がございまして、それに合わせますためにこういう認可法人という形を初期の段階において考えまして、それがそのまま現在まで、規模が大きくなりましたけれども、発展いたしまして、認可法人という形で、実質的にはほとんど特殊法人と変わりない事業をするという結果になっております。
○唐沢委員 それでは次に、空港周辺整備機構の一応の業務ですね。それからそれに対して政府がどのような財政援助をしていくのか。基本的なお考えを伺いたい。 〔委員長退席、細田委員長代理着席〕
○寺井政府委員 周辺整備機構は地元府県知事が空港設置者——大阪の場合は国でございますが、協議してつくる空港周辺整備機構計画を実施することを目的といたしておりますので、その内容の概略を申し上げますと、国が行なう移転補償事業の代行、それから騒音の激しい飛行場に隣接する一定の区域を緩衝緑地化する事業、緩衝緑地化区域の外側で騒音の影響のある区域において、できる限り民家を移転させて騒音の影響を受けにくい倉庫、あるいは工場等を計画的に配置する再開発整備事業、これらの事業に伴いまして移転することとなるもののために代替地を造成し、そしてそれを提供する事業などをこの整備機構が行なうことになっております。当面資金的には政府出資七億五千万、政府の無利子貸し付け十五億円、それから代替地造成事業関係の補助金といたしまして三億円を本年度予算で計上さしていただいておりますが、これを十カ年間で、大阪の場合総事業費を約五千三百億円と想定いたしております。 その内訳を申し上げますと、空港周辺の緑地の造成事業のために十九億円、空港周辺再開発事業のために三千三十億円、代替地造成事業のために九百三十三億円、共同住宅建設促進事業のために八十億円、移転補償のために九百二十八億円、民家の防音工事のために三百四十一億円などを考えております。このうち、先ほど申し上げましたが、移転補償と民家の防音工事は国が直接行なう事業でございまして、この事業を周辺整備機構に代行させて、残りは周辺整備機構の直轄事業として考えております。
○唐沢委員 いま大阪国際空港周辺整備機構のお話が出ましたが、そこで、十年間の事業費約五千三百七十億円程度を見込んでおられる。運輸省は最近ものすごく早手回しになった、この点は私は非常に敬意を表するのですけれども、まだ周辺整備機構もできていない。大体これは設立されてから事業計画が運輸大臣に提出されて、それからこれが認可されて実際事業が始まるわけですが、もうすでに十年間の事業計画を大体想定して準備しておられるということはたいへんけっこうであります。何ごともこの調子でやっていただければいいと思うわけであります。いま、大体お話を繰り返しますと、これは将来の話ですけれども、大阪空港周辺の方が非常に心配しておられるので、一日も早く安心させてあげたい、また気を静めていただきたいという意味で、もう一度確認いたしますが、予想の問題でありましょうが、事業費五千三百七十億円ということですね。そうして直轄事業が四千六十二億円、国の代行が千二百九十五億円、これだけ大体想定しておられるのですが、この結果は、さっき政務次官おっしゃったけれども、航空機騒音公害というのはなくなりません。しかし、これができた暁には大体どの程度になりますか。
○寺井政府委員 できた暁の結果と申しますと、ちょっと逆になりまして非常にお答えしにくいのでございますが、どういうことに相なるかと申しますと、第一種区域、これは広さが約九百三十ヘクタールございますが、この中の一万六千戸、三万三千二百世帯、それから第二種区域の中の五千二百一尺 一万二千五百世帯、第三種区域内の七百戸二千三百世帯というものが対象となりますので、これらがある程度整備されていく結果ということに相なります。これは立ちのく部分もございますし、民家の防音工事の対象となる戸数もございます。結果的に多くの人が移転をされるかあるいはどの程度の方々が残りたいとおっしゃるか、この辺がまだ確とめどがつきかねますが、その程度の世帯、戸数を対象として事業が行なわれるというふうにお考えいただいたらと思います。
○唐沢委員 ちょっともう一度伺いたいのですが、大阪でWECPNL八十五以上、第一種区域内の方が三万三千世帯くらいある——もう一度、それがどういうふうになるか……。
○寺井政府委員 ただいま御指摘の三万三千世帯というのが第一種区域の中にいまございますが、これは立ちのき移転を希望される方々については移転をしていただく、それから、いや立ちのかなくとも防音工事だけでけっこうですとおっしゃる方もございますので、そういう方は無理にお立ちのき願わないというたてまえでございますので、この三万三千世帯という方々がどういう形で最終的に落ちつくかということは、いまの段階ではちょっとはっきり見通しがつきかねます。
○唐沢委員 事業計画のことも伺いましたので、これはあくまでも想定ですが、資金の調達についてお伺いしたい。
○寺井政府委員 先ほど五千三百七十億円を、十年間で予定していると申し上げましたが、これは本年の予算を要求する場合の基礎として、一応財政当局に説明をいたしました数字でございまして、この事業がまさにこのとおり行なわれるということではございませんで、一応の目安でございます。この事業を実施するための財源としては、事業費の二〇%は国が、それから一〇%を府県がそれぞれ無利子融資をいたしまして、さらに残りの部分につきましても、できるだけ財投等の援助を行なって、この事業を推進していきたいと考えております。 なお、この機構が行ないます人件費等につきましては、出資でまかなっていきたいというふうに考えております。
○唐沢委員 将来の話でまだちょっとわからないのですが、大体国の負担は二割ということ。その場合、空港整備特別会計だけでこれができるのか。一般会計からいまみたいに二割くらいか、将来はもっと大きいものを考えて、これを立てられたのか。その点ちょっとお伺いしたい。
○寺井政府委員 これの考え方のベースになっておりますのは、現行の特別会計と一般会計との関係のもとに、これを考えておりまして、この無利子融資の二〇%ではもちろん足りませんので、その他は財投等の低利の金を利用したいと考えております。
○唐沢委員 大体時間も参りましたので、最後に政務次官にちょっと伺ってやめたいと思います。 いま航空機の騒音防止の問題を、いろいろ伺ってまいりましたけれども、やはり最終的には予算の限度だとか、資金の限度にぶつかるわけであります。そうすると、例によりまして、これを利用者負担にするのか、国民の一般的な負担にするのか。それから、いま問題になっているイコールフッティングの問題もあるし、他の交通料金との関連もある非常にむずかしい問題だと思います。そういうことでありますから、これはわが国ばかりでなくて、外国でも同じような問題になっている。 そこでいつも申し上げていることでございますが、最後は長期的な総合交通体系のビジョンがなければ、これは何をやっても同じ問題でぶつかるので、国鉄諸法案の改正で、何も八十四時間も費やすこともなかったのじゃないか。あくまでも自由主義社会でございますが、自由主義社会にあっても、十年後、二十年後の秩序ある総合交通体系、交通絵図はこうなんだということは、もちろん自信は持てないと思うけれども、これを政府と申しますか、特に運輸行政の主柱である運輸省で、交通絵図を示していただいて、国民に協力を求めたり、指導を強化していってもかまわないのじゃないか。それと同時に、それができれば、その負担はどうするのかという問題が出てくるわけです。したがいまして、今度の航空機騒音対策も、いろいろ資金の問題がからんでまいりますので、長期計画は非常に立てにくいと私は思います。しかし、これが毎年毎年の計画になったり、五カ年計画が途中で改定されるということは、私どもは絶対に避けたいと思うわけでございます。 そういう意味で、政務次官に就任されましてもう半年以上たたれた佐藤先生に、その点について総合交通体系というものを、今度の航空機騒音に関連して、どのようにお考えになっておるか、最後に伺いたいと思います。
○佐藤(文)政府委員 私は大体五つか六つに集約されると思うのですが、第一に運輸省として、陸海空にわたっての人と物との流れを流通することがあすの福祉国家をつくる一番大切な分野であるということを私は自覚いたしております。そこで、そういう観点から考えて第一に考えることはやっぱり安全性、この問題についてはこれでストップということは陸海空を通じてありません。そういう問題については徹底的に追求していくことが必要であること。 それから第二点は、交通問題についての公害問題というのが、かつてない大きな課題であります。したがって騒音、振動それから交通がもたらす大気汚染、水質汚濁、こういう問題については陸海空を通じて一つ一つチェックする必要がある。 それから第三点が混雑度の戦いであると思うのです。非常に一地域に偏した混雑度、これを平均化していくという行政をやっていかなくちゃならぬ。 第四が、時間短縮度の戦いでございますけれども、先ほど先輩からの意見もありましたように、はたしてスピードアップだけがいいのかどうかということになると、航空機のスピードと新幹線のスピードとのチェック・アンド・バランスが必要であると思うのです。したがって国内航空において、どの地域においてはお客さんは航空機を利用するが、この距離の範囲内においては新幹線あるいはローカル線を使うべきであるという、そのところをチェックする必要があると考えます。そういった意味において第四点は時間短縮度の戦い。 そして第五点が、サービス度との戦いである。利用者を中心にしたサービスをするためには、現時点で、定期便を出してその時間と時間との間がいいかどうかということは陸海空を通じてチェックしないと、一昨日委員会でいろいろな御議論が出ましたように、定期便を出すために、あるいは安全性を阻害する面があるかもしれないというような面もチェックする必要がある。 第六点が、やはりこういう科学の時代ですから、騒音の発生源であるエンジンの部門について国際的な視野から見て騒音のチェックをしていく。先般、ある専門家の話を聞きましたのですが、これは具体化することはなかなかむずかしいと思いますが、消防車あるいは救急車がドドッといっていたのがピーポピーポとしただけでもって、人間に聞こえる騒音は違う。ピーポのほうが騒音は高いそうです。したがって、ミュージックが騒音と微妙な関係があるということで、いま世界に先がけて日本のエンジン技術者がジェット機の騒音をミュージック化していくことも可能であろうということで検討に入っておるやに聞いております。したがって静かな部屋で四十ホンであるならば、七十五ホンがわずか五ホン下がっただけでも、人間の耳に感ずる音は非常に静かになるそうであります。したがって二ないし三ホン下げるだけの努力をすれば、大衆にとってはどんなに騒音公害から解放されるかということを専門家から聞きました。 以上六点について、陸海空にわたっての問題を検討しながら、いま各局をあげて前向きで検討し努力している最中でございます。
○唐沢委員 ただいま政務次官から陸海空にわたって六点についての問題点を指摘されて、現状は十分把握しておられるわけでございます。非常にアイデアに富んで、かつ実行力のある政務次官御在任中に何らかの形でその成果がありますよう期待いたしまして、質問を終わります。
○細田委員長代理 次回は来たる十七日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十分散会