運輸委員会 第25号
- 発言数
- 289 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/05/11
会議録
○井原委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりをいたします。 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について、本日、日本鉄道建設公団総裁篠原武司君を参考人として出席をお願いいたし、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○井原委員長 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。紺野与次郎君。
○紺野委員 八日に引き続いて質問をいたします。 きょうは、次の問題に移っていく予定でありますけれども、八日の答弁がたいへん問題をはらんでいるひどいものであったことについて二、三点、もう少し深めたいと思います。 第一は貨物の近代化によるところの荷主の経費軽減の問題について、四十一年に国鉄が出した「これからの国鉄」について、原岡常務理事はこう答弁されました。それは、昔計算したという資料は個人的な研究に基づく資料ではないかと思いますが、国鉄として研究したものではないものと理解しておりますというふうにあのとき答弁いたしましたけれども、これは誤りであるというふうに認めますね。正式に国鉄として総裁資料室ですか、そういうところでちゃんと検討して、そして公式に出された資料でありますから、個人がやったもの、国鉄として研究したものでないというふうな、ああいう答弁は間違いだと思いますが、どうですか。
○原岡説明員 貨物の近代化を進めていく際に、荷主の輸送関係の経費が軽減される、これについての調査でございますけれども、先般これは個人的な調査であるんじゃないかと思う、このようにお答え申し上げましたけれども、その調査は国鉄の出版物として印刷されておる。これは私もはっきりいたしました。したがいまして、国鉄としてそのような調査をしておる、こういうことでございます。
○紺野委員 そのようにすなおにあやまるならばかんべんするということで次に移ります。 ところで、あなたがここに出されたいろいろのデータは、やはり重要な本命に関するものについてはこれを避けている。それであらためて私は、ほとんど大企業が占めておるところの化学工業品及び金属機器工業品、これに関するところの輸送コストの低下、こういうことについての調査についてひとつ聞きたいと思います。この二つの部門についてはトータルでどうなっているかということです。
○原岡説明員 先ほどの資料に基づく数字を申し上げたい、こう思います。 千八百億円の中身になるわけでございますけれども、金属機器工業品、この関係につきましては八百七十五億二千三百万、それから化学工業品、これにつきましては三百十億円でございます。
○紺野委員 それは試算ですね。それは四十六年度の試算で、それだけの輸送コストが低下が見積もられるということですが、実績はどうでした。
○原岡説明員 先ほど来申し上げている資料は、四十一年当時四十六年を推定して試算したものでございます。この間御答弁申し上げましたように、その資料に基づいたトレースといいますか、チェックといいますか、調査をいたしておりませんので、それの確認はいたしておりません。
○紺野委員 それは実際上収入がわかっており、また先ほど言いました率がおおよそ明らかでありますから、実際の収入を出してそうしてその軽減率をかければほぼ出てくるのじゃないですか、どうですか。
○原岡説明員 この近代化による経済効果、これはこの間も申し上げましたように、非常にいろいろな観点から調査しなければなりません。したがいまして、この四十一年当時やったグループというものは現在おりませんので、どういう観点からこれを研究して調査したかということがいまの時点で明らかになっていないわけでございます。しかし、こういう資料がございますので、これに基づいていろいろまたそれなりの方法でもって推定をいたしますならばそれは可能だと思います。しかし、それにはかなり大がかりな調査をしなければならない、このように思うわけでございます。なお、この調査だけでいいかどうか、もっと新しいほかの方法もあるのじゃなかろうか、こういうことも考えまして、今後の調査といたしましてはこういうことをやりたい、こう思っております。
○紺野委員 そうしたならば、十年計画というものが出されているわけですから、今後十年間にこの輸送コストがどれほど低下を見込まれるかということについてはどうですか。いまそういう計画を立て研究をしているものが当然あるはずですけれども、それはどうですか。
○原岡説明員 これは単純に今後十年にどうなるかということは推定試算ということは不可能と思います。なおこれは各輸送機関というものは全部こういうことでいかに輸送近代化によって経済効果を発揮するかといいますか、国民経済に寄与するかという観点で各輸送機関がみんなやっていることでございます。したがいまして、国鉄だけで簡単に自分なりの推定をしてもこれは意味がない、こう思うわけでございます。しかしそういうめどというものは持たなければいけない、こういうことでこれから研究いたしまして、四十一年当時試算推定したものを参考にして、今後の課題として推定試算を出すようにいたしたい、こう思っておるわけでございます。
○紺野委員 だからいまの答弁によっても十カ年計画は近代化の計画でありますから、あなた方いかにずさんであるか、きわめてずさんであって、そういう試算もしていない、そうして金だけよこせというふうなことは筋が通らないということです。全くそういうことはずさんきわまりない。そして金だけは国民から四回にわたって八兆円取る。こういうことは全く筋が通らない。だから私はそういうことで大至急それを実際に計算をして……。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 お静かに願います。
○紺野委員 すでに四十一年度に試算をしているわけですから、そしてあらゆるデータが整っているわけですから、これらのあれを至急計算をして、いままででどうだったかという実際の計算と、これから十年の計算を出すように要求いたします。——委員長いいですか。そのことをこれからますますわれわれは徹底的に審議しなければならない。そういう点でいまのデータを要求します。資料を要求します。どうですか。
○井原委員長 理事会で協議いたします。
○紺野委員 次に移りましょう。今度は大臣に御質問申し上げます。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 お静かに願います。——質問を続けてください。紺野君。
○紺野委員 四月二十日の本委員会における石田委員の質問に対する新谷大臣の答弁の中に、こういうことが言われております。「もしこの再建のために必要な収入を主として貨物から得ようといたしますと、貨物運賃が一挙に高くなるということになるわけでございまして、そういうことは実際上できるはずはございません。」というふうに断定しています。これは聞いてほんとうに私は腹が立ちます。一挙に上げられないならなぜだんだんいままでにも上げてこなかったかということです。 では、事実はどうか。昭和四十年度以降を見ますと旅客は三回上げました。そして貨物は一回だけです。率で見ると貨物は一二・三%、旅客のほうは賃率だけでも五二%というふうに当局は言っている。大臣、これはどうですか。いままでにも旅客のほうはどんどんとってきているけれども、貨物のほうは一回きり、しかも一二・三%、こういう形でしかやっておらないのです。これからというよりもまずいままでにもそういう状態であった、これはどうでしょうか。
○新谷国務大臣 私は石田先生にお答えしたとおりにいまも考えております。 貨物のほうにウエートをかけまして貨物の運賃の引き上げだけで収支償うようにしようといたしますと、非常な倍率の運賃引き上げが必要となるのでございまして、これは物価体系からいっても実際実行できるものではないと思います。そういう意味のことを御答弁したのであります。
○紺野委員 やはりごまかしていると思うのです。つまるところ、貨物運賃にはできるだけ手を触れたくないということではないでしょうか。その結果がどうなったかといえば、旅客のほうはとにかく黒字だ、しかし貨物のほうは大赤字になっているという事態になったのです。そうじゃないですか。その上大企業貨物に対しまして割引をしているのです。これを廃止するように私は要求する。そうではないですか。いままでにも貨物に対して、すでに試算をされたりいろいろして、実績としても大企業に対する流通経費というものは非常に大幅に下がっている。その上に大幅な割引をしているのです。ですから私は貨物から赤字が出ているという事態のもとで、やはりこの大企業に対する割引を廃止しなければならないと思う。そして、米とか生鮮食品類、これに対する政策割引は去年の秋に廃止しておりますが、これこそ残しておかなければいけない、復活しなければならない。これは先月の公聴会で自民党が推薦したところの田上先生ですらその必要をやはり認めているのです。そういう点で大企業への割引、これをやめるということと、米、生鮮食品に対する政策割引は復活させる決意はどうかということを大臣にお聞きしたいと思います。
○秋富政府委員 先生の御指摘のいわゆる暫定割引、この問題は一昨年と昨年で五十億のものを全部全廃したわけでございますが、営業割引のほうは、これはいわゆる国鉄の収益を増加させるために割り引くものでございまして、営業上のものでございまして、いわゆる特別割引あるいは暫定割引と営業割引とは性格を異にするものでございます。
○紺野委員 そうすると、あくまでも国民生活に対して大きな意味を持つところの米、生鮮食品に対する営業政策割引はしない。そして大企業に対してはあくまで割引を続けるというわけですね。実際には営業割引のほうは七十六億、私有貨車割引が六十二億もあるということがいままで明らかにされました。それなのに政策割引はわずか六十六億である、それを廃止してしまった。私はそういう全体として、大企業の近代的な物資輸送に伴うところの輸送コストの低下に見合ったこのような実情においてこういうことが行なわれているということが貨物の赤字の大きな原因になっているということです。 私はそこで私有貨車割引についてもう少し突っ込んでお聞きしたいと思います。この私有貨車割引は一体どういう企業に対してやっているのか。特にその私有貨車の多い企業名、これを具体的にひとつこの際知らせていただきたいと思うのです。
○原岡説明員 私有貨車でございますけれども、この割引というのは当たらないかもしれませんですけれども、これは私有貨車を持つ人が資本費をかけてつくるわけでございますので、その関係の経費を、国鉄はそういう費用は一般の運賃には入っておるわけでございますから、そういう分は、私有貨車を持っておる場合にはその運賃からいただかないようにする、これはあたりまえのことでございまして、形が私有貨車割引という事務的な処理の形になっておる、こういうことでございます。 私有貨車を持っておる企業名、どういう企業がたくさん持っておるか、こういうことでございますけれども、事業といたしましてはタンク車、これが一番多いわけでございます。石油とか重油とかそういうものを送るタンク車が一番多い、こういうことでございます。
○紺野委員 それでそのタンク車をどういうところがどれだけ持っておるかということを明らかにしてほしいということなんです。
○原岡説明員 これは各事業の事業主体の中身の問題でございますので、明らかにここで申し上げるわけにはいかない。これは先般の資料の問題につきまして総裁から御答弁申し上げたとおりでございます。
○紺野委員 磯崎総裁にお聞きしますけれども、いま原岡常務理事も言いましたが、あなたも先日、資料提出を要求したところが、企業側の了解がどうしても必要だということを口実にして提出されなかったわけでありますけれども、同じ考えですか。
○磯崎説明員 各企業がどういう輸送機関でどれだけのものを輸送しているということは、これは各企業の中身の問題でございまして、私どもは強制すべき問題ではございません。
○紺野委員 国会でいろいろ審議するために必要であるということで要求したときに、企業の了解を必要とするから出せない、あのときこう言ったのですけれども、企業の了解をあなたは求めたのですか。実際求めて、そして拒否されてそう言ったのですか。その点どうですか。
○磯崎説明員 私のほうから企業の了解を求めることはいたしておりません。
○紺野委員 そうすると、あくまでも大企業のためにみずからそれを秘密にするという態度をとっているわけです。そうですね。
○磯崎説明員 先般なくなった方に対する弔慰金を公表しろという話がございましたが、それもいたしておりません。それと同じ趣旨でございます。
○紺野委員 それはあなた方は全く出せない、国鉄はそういうことをしていないのだということを言っておりますけれども、それはうそです。ちゃんと資料があります。これは七一年十月号の「鉄道車両工業」、この中でいま一番多く私有貨車を持っているといっている私有タンク車の所有者の企業名がちゃんと載っているじゃないですか。それで国会に出せないというのは何ですかこれは。
○磯崎説明員 車両工業協会と申しますのは車両の関係者の何と申しますか任意組合でございまして、それらの仲間の雑誌にどういうふうに出ておるか私どもは関知しないところでございます。
○紺野委員 ところがこれには国鉄運転局調査による、こうはっきりと書いてある。国鉄の運転局調査によってこの資料はつくられたもの、これをここに転載されている。これは明らかにあなたは国会を侮辱しているのじゃないですか。そういうところには出せるのになぜ国会に出さないのか。これはおかしいじゃないですか。
○磯崎説明員 運転局が提出したものではございません。
○紺野委員 それは強弁です。ちゃんとここにそういうふうに書いてある。だから、そういう点で、これをちゃんと書いているんです。それを発表したもの、原簿があるわけです。あるわけですから、それを国会に出してください。ちゃんと一般に出されているものをがんこに国会には出せないということを言っているのは、これは国会軽視です。全く侮辱ですよ。審議ができますか、そんなことで。そういう強圧的な態度で審議をせよというのは、それは筋が通りません。国民が納得しません。出してください。
○磯崎説明員 何べんも申し上げておりますとおり、これは業界の仲間の一種の月報と申しますか、そういう部内の資料でございまして、それは私どもの関知したところではございません。
○紺野委員 はっきりと国鉄の運転局調査によるものであるといっているのですから、国鉄の運転局で調査したものはあるわけでしょう。しかもこれが発表されて何の実害がありますか。実害何にもありませんよ。実害がないということを、これはまた一方証明しているのです。だからなぜおそれるのか。なぜ国民をおそれ、国会をおそれるのか。あなたのその反国会的な態度、反審議的な態度——きのうだってそうでしょう。旅客の黒字について十億だ、十億だと言っておる。(「きのうじゃない、火曜日だ」と呼ぶ者あり)前回、八日です。それが実際には三百七十一億。突っ込んでみるとそうだ。そういうふうに秘密にして、そして国民に対しては八兆円の運賃を四回にわたってこれから出してもらおう。実態を何も明らかにしないし、事実に基づかない。そういういうであなた方は国会を無理押しにやらせようというのかどうか。はっきりと出しなさいよ。もうちゃんと出て、何の実害もないのですから。
○磯崎説明員 実害があるかないかは私どもの関知したところではございません。
○紺野委員 だから、出さなければこれ以上進められないじゃないですか。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 質問を続けてください。その間、理事でひとつ御相談願います。紺野君、質問を続けて、その問題は理事のほうで……。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 理事会で相談してください。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 紺野君、質問を続けてください。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 お静かに願います。——不規則な発言はやめてください。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 紺野君、理事会で協議をしておりますから、その間質問を続けてください。お願いします。
○紺野委員 関係があるのです、次の問題と。
○井原委員長 それ以外の問題でやっておってください、あるはずですから。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 紺野君、質問を続けてください。
○紺野委員 どうしても次のことが関係があるものですから、しばらくだからちょっと待ってください。——それでは当理事会の判断に従いまして、私が、国鉄がかくもおそれているところのものがかくも何でもないということを明らかにして、しかしこのことによって一そう審議が発展するであろうということを明らかにしたいと思います。いいですか、これは大臣、国鉄総裁、鉄建公団の方々もきょう来ておられるわけですが、聞いてください。(「鉄建公団、関係あるのか」と呼ぶ者あり)まあ、みんな聞いてください。 第一はこういうふうになっているのです。四十五年度末の状況ですが、大手が三十六社、これが発表されております。 三井金属鉱業九十八、古河鉱業百、大阪セメント百三、東亜合成化学工業百六、宇部興産百十三、呉羽化学工業百十四、日本瓦斯化学工業百二十六、東邦亜鉛百三十一、安宅産業百三十四、旭化成工業百四十四、三井東圧化学百五十、昭和電工百五十三、米国陸軍輸送隊百五十四、明星セメント百八十、同和鉱業百八十三、味の素二百二十三、日産化学工業二百三十四、三井物産二百五十五、大協石油二百五十七、日本鉱業二百五十八、日本曹達二百五十九、エッソ・スタンダード石油二百八十一、ゼネラル石油二百九十四、日本陸運産業三百十二、三菱石油三百四十五、モービル石油三百八十五、丸善石油三百八十六、電気化学工業四百、昭和石油四百四、内外輸送四百二十四、共同石油四百七十九、シェル石油五百一、出光興産六百二十二、住友セメント八百五十八・日本石油千三百六十七、日本石油輸送二千七十二、その合計は一万二千六百五、その他四千四十一、合計一万六千六百四十六、こういうふうにここにちゃんと書いてあります。そしてこれは「国鉄運転局調査による昭和四十六年四月一日現在における」と、こういうふうに全体としては四十六年四月一日の私有タンク車両数は一万六千六百四十六両であるけれども、こういう状態であるというふうにいって、昭和三十年当時から見ればまさに四倍に達する増加ぶりであるといっております。どうですか、このことについて認めますか。
○磯崎説明員 ただいまのお読み上げになりました数字、一社一社、一両一両全部私覚えておりませんが、おおむねそういうことであると思います。
○紺野委員 だから、総裁、どうですか、こういうことを国会に提出する、こういうことが非常に大切だと思いませんか。あなたが赤恥かくでしょう。国会にこういうことを出すということがたいへん大切なことだということを……。
○磯崎説明員 私も昭和二十年代から国会に出席させていただいておりまして、国会の御審議の模様はよく知っておるつもりでございます。
○紺野委員 それで昭和四十六年度のもの、これと同じものはありませんか。ちょっとお聞きしたい。
○原岡説明員 ございません。
○紺野委員 いまの資料に基づいてこういうことがわかると思うのです。これはみんな大企業だ。そうして三井物産、悪名高い大商社がやはりこの中でも大きな顔をしているし、それからやはりわれわれ日本人として痛恨にたえないのは……(「エッソだ」と呼ぶ者あり)アメリカ陸運輸送隊、いま声がありましたが、エッソ・スタンダード、ゼネラル石油、モービル石油、シェル石油、こういうところも入っている。こういうことで、やはりこういう大企業に対して私有貨車割引をやる、そしてまた多くの営業割引をしているということはやはりやめるべきだ。そういう割引を廃止するということが——やはりこういうデータに基づいても彼らは非常にもうけている。大もうけをしている。そうして貨物で赤字をつくる大きな原因になっている。それにまた何とかに追い銭といろことばがありますけれども、その上に二重にも三重にも割引をしているのです。そういうことをやはり廃止すべきだと思います。重ねてこのことについて、大臣及び国鉄総裁に考えをお聞きしたいと思います。
○磯崎説明員 国鉄は他人さまの車を借りまして、そうしてそれで商売する以上、使用料を出すのは当然だというふうに考えます。
○新谷国務大臣 国鉄には、鉄道営業法の精神に従いまして公平に運営をするように指示をいたしております。いまの問題は、資本費が要らないのですから、経済的には若干割引するのはこれは当然だろうと思います。
○紺野委員 だから、国民のためには米とか生鮮食品に対しては一切割引はしない、しかし大企業に対してはやるというのですから、至れり尽くせり、そういうことをやっているわけで、国民は納得できません。 それで私は申し上げるのですけれども、こういうふうに大企業のこういう資料がすでに、総裁も認めたように、出ているわけですね。ですから、もうあなたが現代のタブーとして国会に対しても抵抗して、そういう資料は上げられませんと言っていたことがもうくずれているわけですね。ですから、あなたがいままでわれわれの資料要求に対して出さないといっておりましたところのいままでの資料類ですね、これについても同じように、やはり出していただくように重ねて要求したいと思うのです。これはあなたは注意深く、この間の資料提出の中で企業別の名前は絶対に出さないというふうにがんばったわけですけれども、工事請負のAランクに関する企業の名称をやはり出さないということを言っておりましたし、それからその他の、東京における第一、第二、第三工事局における工事費一億以上の工事件名と、それを請け負っている者の名前もやはり出さないというふうに言っております。それから資材の購入の、セメント、鉄、車両等々の物件名については出しましたけれども、どこから買ったかというようなことについてはやはり一切提出しておらない。こういう企業名が全然出せないと言い張っているわけですけれども、その他の、鉄道債券所有の金融機関名も出さない、こういうふうなことは、やはりこの際国会にぜひ出していただきたい。重ねてわれわれは、いままでの経過に基づいて要求いたしますけれども、これについての御答弁をお願いしたいと思います。
○磯崎説明員 それらにつきましては、前回御答弁申し上げたとおりでございます。
○紺野委員 五万トン以上の大口荷主の事業所別の調査、この資料はいまつくっておられるんじゃないですか。こういうものも出せないんですか。
○磯崎説明員 前回御答弁いたしましたとおりのことでございます。
○紺野委員 つくっているんでしょう。五万トン以上の大口荷主の事業所別の統計というものはつくっているんじゃないですか。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 御静粛に願います。
○紺野委員 五万トン以上の大口荷主の事業所別発送トン数、輸送トンキロ、運賃収入等々についての資料、これはつくっているというふうにわれわれ聞きましたけれども、それを出してもらいたいということなんです。
○磯崎説明員 そういう資料につきましては、前回申し上げましたとおり、理事会の決定に従いましてお出しいたしません。
○紺野委員 だから現実に、実際の審議の中では出さない、出さないと言っているけれども、すでに出している。国民には出さない。国会には出さない。特に国会には出さないけれども、すでに業者その他に対しては、もう業界誌等には出しているというふうになっているんですから、そういうことでやはり国会の審議に必要なものとして、私は以上の経過に基づいて、重ねてこのことを要求したい。そしてそれがないとほんとうの審議ができないというふうに思います。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 お静かに願います。
○磯崎説明員 前回御答弁申し上げたとおりでございます。
○紺野委員 じゃ、あくまで——先ほど、国会に対してはできるだけそういう資料提出をするというふうにあなたはおっしゃったと思いますけれども、それでは違うんじゃないですか。先ほどのは食言じゃないですか。
○磯崎説明員 一昨日詳しく一件一件御説明申し上げたとおりでございます。
○紺野委員 だから全くこれは、先ほどのような事実が出てくると、いわばかぶとを脱ぐけれども、そうでないとがんとして出さない。こういうことは全く国鉄運賃値上げを国民に要求しながら真実のいろいろのデータ、資料類を隠すということで、これをどうしても強行したいという態度だと思いますけれども、国民はそうとりますけれども、あなたは当然だと思いませんか。国民はそういうふうにとりますよ。ほんとうに国民に八兆円も運賃を値上げして出してもらうということになれば、そういう必要な資料はやはり出して、そしてとことん審議をした上でやらなければならない。ところがそれを全部隠しておいて、そして八兆円をよこせということは、国民はこれは納得できない。私はそういう点でこれらの資料が出ないとなかなか審議できない。国民を代表してほんとうの審議はできない。
○磯崎説明員 資料につきましては、一昨日申し上げたとおりでございます。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 御静粛に願います。御静粛に願います。
○紺野委員 そういうことで、やはり国会審議というものは、もっともっと資料を国会に出して、そして徹底的な審議を仰ぐというふうに、国鉄当局、それから運輸大臣のほうでもそういうふうに態度を変えてもらいたいと思うんですね。 では、次に移りますが、今度はこういう点をお聞きいたします。 いままでは私有貨車割引、これがこういう大企業に行なわれている。また、営業割引も行なわれているというふうに事実で明らかにしたわけですけれども、どうしても大臣もその割引を撤廃する意思がないという答弁ですが、やはりその点は、大企業がらみというか、骨の髄まで大企業本位の立場でこり固まっているというふうに思うんです。 私は次に、料金問題、これについて申し上げたいと思います。 それは、四月二十日の運輸委員会で、梅田委員の質問に対して、総裁はこういうふうに答弁しています。快速、準急を別といたしまして、急行、特急、超特急と、やはり一つのスピードと、それからそれに使います車両の関係で、料金という問題についてはきめるんだ、と言っております。ですから、料金の厳格な基準というものははっきりしない。スピードと車両関係のサービスできめているというふうに言っております。さきに梅田委員も主張したように、この料金が旅客に対しては非常に高い。今度も大幅に引き上げられるわけでありますけれども、それをわれわれとしては思い切って料金を引き下げるということが必要だ。旅客について、そういうことが大きな問題になっております。 ところで、総裁に聞きたいんですけれども、貨物については料金制度があるかということなんです。もっとも、今度フレートライナーに少し料金を増すのは別として、その他の貨物の、近代化によるところのいわゆる拠点直行方式ということによって、ノンストップで通っていくところの新しい貨物、これに対する料金というのはあるのかどうか、そういう料金制度をつくるという考えがあるのかどうか、これについてお聞きしたいと思います。
○磯崎説明員 この問題も先日太田先生にお答え申し上げましたけれども、いま貨物でやっている直行輸送は、旅客でいえばいわゆる快速列車程度のことでございます。したがって、旅客の快速列車は料金を取っておりませんので、貨物も取っておりません。しかし、今後、いま先生のおっしゃったように、特急的な貨物列車がどんどんできてくれば、これは当然料金を取ってまいりたい。したがって、今回のフレートライナーにつきましても同じようなことでございます。
○紺野委員 それはやはり詭弁だと思うんですね。快速列車的だ。しかしあなた方の資料によると、つまり拠点間の直行方式の列車及び物資別専用列車ですね。そういうものの一般に宣伝されている、またいろいろの文書の中でも明らかにされているのは、つまり到着する日時がコンピューターによって正確になる。何月何日に到着します、そしてスピードがある。この確実性及びスピード、こういうことは貨物輸送におけるやはり大きな画期的な事態であるということを言っておるわけですね。しかも、そのことはもう始まっているわけです。でありますから、単にこれをスピードが快速列車程度のものだからというふうなことで言うことは、やはり依然として真実をあるときにはおおい隠し、あるときには宣伝し、そういう形で、そして取るべきものを取っていない、こういうことじゃないですか。
○磯崎説明員 旅客列車は百年前から時刻表がございまして時刻表どおりに走っております。貨物も当然そうすべきでございます。すなわち、国鉄の使命の安全、正確、迅速、ことに正確の面から申しますと、実はいままでの貨物列車は非常に正確でないことは事実でございます。したがって今後正確なものをやる、これは輸送として当然なことでございます。
○紺野委員 だから、すでに列着日時が正確になっている列車の数というものは非常に多くなって、そして特に大企業の貨物についてはそれがほとんど達成されているんじゃないですか。何%ぐらい日時がほぼ明確になってきている貨物があるか、そのパーセンテージをひとつ知らしてください。
○原岡説明員 輸送トン数の対比でございますけれども、四十六年十月現在で四二%でございます。
○紺野委員 ですから、そういう点でももう四割、これが四十六年度です。ほとんど半分はすでにそういうふうな近代的な輸送システムということで行なわれている。直行方式、そして日時も正確、コンピューター、こういうふうになっているのですから、一方では非常にそれで輸送コストが低下して、四十六年度の試算によっても、千八百億円の輸送コストが低下していると試算が出ている。そういう非常に大きなものです。そうしてそれに対していま割引もしている。ですから、いわば二重にも三重にも大企業は大きな庇護のもとにあるというか、国鉄から多くの利益を得ているわけですね。しかもその結果がどうか。赤字の最大の原因なんです、貨物がですね。非常におかしいじゃありませんか。巨大な赤字が口をあけている。しかもその中で王さまのように優遇されている大企業がいる。何でもかんでも国鉄の幹部の方々にかしずかれて、そして利益を得ているということがはっきりしてきている、こういうことなんです。だから私たちは言う。必要なのはどういうことか。赤字があるのですから、それをなくせというのは国民の要望です。そういう点からいって、やはりこの際、そういう事情に基づいて、大企業の貨物、いま言いましたような新しい輸送システムによって運ばれる貨物に対しては、割引を全廃せよということです。そして国民のために、米、生鮮食品、こういうものに対しては政策割引をするように、これが国民の願いなんです。それから貨物のこれらの輸送に対する適正な料金制度です。われわれ庶民は座席券一つ取るにも料金を取られるのです。王さまの荷物はどんなにふっ飛んでいっても何の料金も取られない、こういうことでは国民は納得しません。その結果が赤字になるという点でなおさらそうだ。そういうことで、これらの料金制度というものを、料金を適正に取るということは——つまりいままでの一次、二次、三次、四次にわたるところの近代化設備投資、そのことによって達成したところの一つの到達点でしょう。あなた方が鼻を高くしているところの、二十一世紀の国鉄といって誇っているものがすでにそういう形で存在している。それに対して応分の運賃体系、貨物に対する料金ですよ、私が言うのは。そういう料金制度を、やはり料金を取るようにせよということを、重ねて私は主張いたします。 いままでは貨物、特に運賃体系の中から大きな赤字が生まれてくる、その内容についていろいろこの前から聞いてきたのですけれども、第二の問題、これは減価償却の問題です。これについてお聞きしたいと思います。 最初に、大臣にお聞きいたしますけれども、国鉄の全体の総経費の中で、減価償却費が相当の部分を占めていると思います。四十六年度では千六百六十億円です。これは利子負担を上回っております。しかし、これは一定のきまった方法でやっているわけですから、設備投資を押えない限り、節減はできないというふうに思うのですけれども、この点、どうでしょうか。
○秋富政府委員 運輸省といたしましては、会計原則の基本的事項につきまして、運輸大臣の認可にいたしております。その中にいわゆる償却制度の問題もあるわけでございますが、国鉄の償却制度は、法人税法に準じましていたしておりまして、適正な償却制度であると確信いたしております。
○紺野委員 それで、私はこの償却制度のやり方について納得がいきませんので、具体的に聞きます。 まず、お聞きしたいのは新幹線の電車ですね、あの償却はどういう方法で、耐用年数がどんなふうになって行なわれているのか、お聞きしたいと思います。
○小林説明員 新幹線車両につきましての償却のやり方につきましては、これはいわゆる償却の方法には定額法と定率法と二つございますが、新幹線の車両のみならず、車両につきましては、全部定率法を用いて償却をいたしております。 それから、第二点の耐用年数につきましては、新幹線電車は十年ということで耐用年数を定めて、定率法償却になっております。償却開始の時期は、新幹線電車が稼働いたしました翌月から、これを月計算をもって計算する、かような制度をとっております。
○紺野委員 ですから、新幹線は三十九年の十月一日にたしか開業していると思います。その当時三百六十両で出発したと思いますが、その前年あたりからすでに試験用に走っているという点から含めまして、この三百六十両のうち、いままでに廃棄、更新されたというようなものはあるのですか、もうすでに十年来ているものもあると思いますが。
○小林説明員 ただいまお話のございました、三十九年に開業以来、現在で相当の数になっておりますが、いわゆる廃車をしたものはまだございません。
○紺野委員 ところで来年はいよいよ十年になります。それで、来年は更新されるわけですか。
○小林説明員 耐用年数一般でございますが、ここで会計学的な御答弁を長らく申し上げるつもりはございませんが、耐用年数と申しますのは、先生すでに御承知のとおり、一定の投下資本を期間損益に配分する会計の手続でございます。それをきめます場合の要素はいろいろございまして、単なるものの寿命ということだけできまるものではないことは、これは現在の通説になり、また民間で行なわれております法人税法等における基準でもそういう基準をとっております。私どもが、この新幹線の車両の耐用年数をきめるにあたりましては、そういった観念から、これは税法に基づく規則には、新幹線というような車両がございません、これは国鉄だけしかございませんので、国鉄の独自の立場で、在来線の主要電車との諸種の関連というものを総合的に勘案してきめたものでございます。実績値の経験といたしましても、大体いま御指摘がございますように、やがて、使用開始いたしましてから、ことしで九年でございます。耐用年数としては、おそらく私ども妥当な線である、かように考えております。現在国鉄の財政も非常に窮屈でございまして、これを一挙に取りかえるということになりますと、これは非常に多額の金もかかるという点もございますし、もとより安全性の問題には、第一の注意、留意をいたしまして、その車体その他本体の部分につきましての資本的な改造等を加えることによりまして、なお一両年寿命を延ばしてまいりたい、かように思いますが、大体耐用年数のきめ方としては、従来やってまいりました約九年間にわたります実績から見れば妥当な線である、かように考えております。
○紺野委員 じゃ、何年使うつもりですか。
○小林説明員 これはいろいろ技術的な観点、あるいは主要部品、車体そのものの損耗、それらの状態を具体的に検査し、点検して、毎日厳重な検査のもとに走っておるわけでございますが、そういったものを総合的に見ながら具体的にきめるということでございまして、おおむねあと一両年というふうに申し上げておきたいと思います。
○紺野委員 そうすると、たいへんあぶない電車が——来年からは新幹線は危険期に入るわけですか、それともだいじょうぶなんですか。
○小林説明員 鉄道輸送に携わる私どもといたしまして、安全性を第一に考えることはもとよりの使命でございます。来年から危険な電車が走るというようなことは、毛頭ございません。その点につきましては、厳重なチェックと補強、必要なる個所につきましては、補強すべきものは補強し、修繕すべきものは修繕いたして使いますので、保安上危険のあるような電車が営業に使われるというようなことは、絶対に御心配ございません。
○紺野委員 これは大臣と総裁にお聞きするのですけれども、では、そういう耐用年数十年で、来年からは一応期限が切れる。そういうことで責任を持って走らせるということですか、全責任を負いますか。
○磯崎説明員 私は、国鉄の責任者として全責任を負います。
○紺野委員 大臣は、どうでしょうか。
○新谷国務大臣 交通機関の安全を確保するということは、運輸省としての第一の使命でございます。その意味におきまして、国鉄に対しまして、十分注意をし、安全を害しないように指導してまいるつもりでございます。
○紺野委員 どうも責任のほうがはっきりしないようです。つまり民間の営利会社の場合には、内部留保を多くするというふうな点で、事実に基づく耐用年数ではなくて、税法上の年数を使うということもあると思います。それ自体、まあ正しくないというか、けしからぬと思いますが、一応理解できないことではありません。しかし国鉄は営利会社じゃありません。そういう意味で、償却は事実に即する、実態に即したやり方でやるべきではないか。つまり新幹線がだいじょうぶだというならば、やはり償却、こういうものもそういう実態に即してやるのがほんとうではないか、この点大臣にお聞きしたいと思います。
○秋富政府委員 ただいま大臣からも申し上げましたように、鉄道といたしまして、安全が最も重大な使命でございます。しかし、なおそれ以外に、いまございました実態に即すということ、これは国鉄におきましても電電公社におきましても私鉄におきましても共通したことでございますが、いわゆる減価償却率、これを他の企業と比較してみますと、同じ公共企業でございますが、国鉄が償却率五・七四%に対しまして電電公社は一二・四%でございます。なお、いま御指摘のございました大手私鉄につきましては九・一七%でございます。
○紺野委員 国鉄と電電公社のデリケートな自動交換機などの電子機器とこれを一緒にするということは、あるいはそれと比較してというのは納得できない。私はそういう点でもう少し聞きますけれども、新幹線は現在すでに千二百両くらい、すでにそれ以上の電車を持っていると思いますけれども、これ全部がいま言いました十年償却ということでやっている。その償却費の総額ですね、これは幾らなんですか。
○小林説明員 四十六年度までの償却費の総額を申し上げますが、七百四十八億でございます。
○紺野委員 もしこれを、一般電車の場合には耐用年数が十三年ですね。そうすると、一両年延ばしたいということで、かりに実態十三年と見て、もし新幹線を十三年の耐用年数で償却するとすると、どういう違いになりますか。
○小林説明員 最初から現在国鉄で使っております新幹線の電車を全部十三年間の耐用年数として償却した場合の試算でございますが、これは先ほど申し上げましたように月計算でやっておりますので、正確に戻して計算することはなかなか困難でございますから、一応の概算で申し上げますが、四百十三億。先ほどの数字と、三十九年から四十六年の七年間で六十五億の差がございます。
○紺野委員 だから、そういうところにやはり——これは六十五億ですね。私たちも計算して大体そのくらいじゃないかというふうに見たわけですけれども、やはりこれが過大償却ですね。過大な償却になっている。だから、償却制度の中にこういう赤字がふえてくる。赤字をふやすようなそういう要素が新幹線というふうなものの中にもある。これは一種のトリックであるというふうに思いますけれども、やはり過大償却ではありませんか。
○小林説明員 過大償却とは考えておりません。適正なものと考えております。
○紺野委員 それでは、今度は事実についてお聞きします。 今度は国鉄の車両全体、これは現在十四万両ですか、あると思います。そのうち耐用年数がすでに超過したのはどれくらいありますか。
○小林説明員 これまた四十六年度末の車両全体につきまして、車種別に申し上げますと、その間、長い間に耐用年数が、三十年に償却制度を再評価いたしましてから二度ばかり変わっております。現在の耐用年数を基礎に申し上げますと、蒸気機関車、これは一〇〇%を過ぎております。と申しますことは、戦後蒸気機関車は一車もつくっておりません。あと改造なり補強工事によって工事経費を投入いたしまして処置いたしておりますので、一〇〇%耐用年数を過ぎております。それから電気機関車は約一八%、ディーゼル機関車はございません。耐用年数をこえるようなものはございません。それから新幹線電車はございません。その他一般電車は二七%、それから客車が約四〇%、それから貨車は特殊構造その他合わせまして二二%でございます。気動車が二九%、合わせまして総車両十七万——さっき十四万とおっしゃいましたが、国鉄の現在稼働中の車は十七万四千両余りございまして、現在その耐用年数経過車両の割合は二三%、かような数字になっております。
○紺野委員 そういうことで全体の五分の一がもう耐用年数を切って使われております。大臣、これは非常に重大じゃないかと思います。耐用年数が過ぎている車が、客車が四割以上、そうして貨車その他が二三%、ですから、事故がいつ起こるかわからないという車が走っている、こういうことが一つ。それから、もしそれがほんとうにだいじょうぶだというのだったならば、やっぱり償却のしかたが——つまり耐用年数を短くすることによって過大な償却費を落としておる。そのどちらかだ。いずれにせよ、それは国民としては事実を知れば、これについて大きな疑惑と怒りを感ずると思う。一体どうですか。これをどういうふうに思いますか。
○磯崎説明員 いまの御質問はたいへん私は誤解を招くと思います。はっきりと御答弁申し上げます。 先生御承知のとおり、耐用年数の計算は、先ほど小林が申しましたとおり、取得のとき、あるいは正確に申しますれば、稼働した翌月から耐用年数が計算されるわけでございます。鉄道車両と申しますのは、自動車などと違いまして、使用期間中に相当資本投下をして改造するわけでございます。たとえば客車を改造して寝台車にする、あるいは客車を改造して食堂車にする、あるいは客車の走行部分を改造するときには新たな資本投下をするわけでございます。これは保守、維持、修繕ではございません。新たな資本投下をいたします。そうすると、そのときから耐用年数の計算が始まるわけでございます。したがって、その部分につきましては、耐用年数の超過が多い。自動車などはそういうことはいたしません。飛行機もそういうことはほとんどいたしませんが、鉄道車両の特性といたしましては、そういうふうにある時間がたちますと、それに対して相当資本投下を新たにいたします。資本投下をいたしますと、そこから耐用年数の計算が始まる。こういうことでございますので、ごらんのとおり客車の耐用年数の超過が多いというのは、客車の改造が多い、こういうことでございまして、どうぞ誤解のないようにお願いいたします。
○紺野委員 しかし、四割もの客車が年数をこえて走っておるのを見ると、そういうことは、一部のものはあるでしょう。しかし全体としてはそうではない。そうして結局この償却制度の中に過大償却というからくりがあるからこそそういう矛盾が出てきているのじゃないか。事実そういう二〇%も……。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 お静かに願います。
○紺野委員 時期を過ぎたものが使われているということは、償却制度の中に過大償却、こういう事実があるんじゃないか。それから、それについて減価償却方式そのものについて、では質問いたします。 ちょうど昭和三十六年から定額を定率法に改めましたね。三十九年には取りかえ資産に半額法、四十年と四十六年には耐用年数についての大幅な変更をしたというふうに、いろいろ償却制度を三十六年度から大きく変えてきております。しかし、これについて、そのことから急に償却率が非常に大きくなった。償却の実際の額が、実額が大きくなったということです。そうしてこれについてはもう事実をそれならば出しましょう、最初にこういうことをいっております。石田前総裁ですね。この方はこの当時償却制度が変えられて非常にたくさん償却をすることになったという問題について、ヒルトンホテルでこういうことを言っておるのですね。「国鉄の現状と将来」についてということで、四十三年に言っております。「もう一つは償却の問題だ。国鉄は四、五年前に学者先生らを頼みまして、国鉄をしてどういう償却をしたらいいかという理想的な案をつくってもらった。その結果三十七年度には七百五十億円だった償却費が、三十八年度には八百十億円、これはいいのですがその次には三十九年度は千九十億円、四十年度には千三百六十億円、四十一年度には千四百五十億円、四十二年度には千五百三十億円という償却をやっておりますが、私はこれは理屈はどうか知らんけれども、私やなんかのコンモンセンスから言うと、少し過剰だと思う。」こういうふうにはっきり言っているのですね。そうして、いろいろ国鉄の資産状況から判断して、そして「千五百億の償却費というのは少し過剰じゃないかと思う。」ということははっきり言っているのです。そういう点から見て明らかに過剰な償却制度をつくったわけです。そしてふえておるわけです。こういう状態になっていることは石田前総裁自身がはっきりと言っていることです。 それで私はお聞きしたいのですけれども、このようにふえた、明らかに過剰であるというふうに思われて、石田総裁自身も言われたそういう方法によって計算したところの、つまり、現在の償却の実額、三十六年度から四十六年度までにどれだけの償却をしたかという実額と、それから、もし前のとおり、たいしていままで差しつかえないというふうに石田さんも考えておられた前の方法によって、かりに三十六年から四十六年までにやったとすればどうなるか、その両方の数字を出していただいて、その差額をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○小林説明員 ただいま償却制度の三十六年以降からのいろいろの改正につきましての御指摘がございました。石田前総裁のいろいろお話しになったことを引いてのお尋ねでございますが、私どもといたしましては、三十六年以降の償却は、いずれもこれは国鉄自体でとんでもないことをやったつもりは毛頭ございませんで、いわゆる世間一般の企業におきましては、当然前から行なわれておることをやったまででございます。それでもなお慎重を期する意味におきまして、学識者によりましていろいろ会計制度調査会等をもちまして、そこで国鉄の実態を明確に把握しながら、償却制度がいかにあるべきかという点を検討していただき、その結論をもとにいたしまして、運輸大臣に、その償却年数と償却の方法等につきましては先ほど鉄監局長から御答弁ありましたように、会計規程の基本事項といたしまして御承認を得てこれを実施し、それに基づきます決算は国会に御提出しておる、かような内容になっております。したがいまして、私どもといたしましては現行の償却制度は決して過剰なものであるというような考え方は毛頭持っておりません。 それを前提にいたしまして、ただいま紺野先生お尋ねの件でございますが、数字的な点について御答弁申し上げますと、決算額、要するに三十六年から四十六年の決算まで出ておりますので、その決算額が幾らかという問題と、三十五年当時の制度のままこれを実施した場合には幾らになるのかということの数字をお尋ねだと思いますので、両者についてお答えいたします。決算額は三十六ないし四十六年度で一兆四千百六十六億円でございます。これは毎年の決算によって明確でございます。それから一方、三十五年当時、三十六年改正前の制度でもってそのまま償却を実施したならばどうなるか、この計算はなかなかむずかしい問題を含んでおります。と申しますことは、ただいま申し上げましたように、制度の改正あるいは耐用年数の区分等、償却資産の単位とが異なってきておりますので、直ちに比較することはむずかしいわけでございますが、これはごくラフな概算数字として御承知おきをいただきたいと思います。そういう意味で申し上げますと八千五百三十億程度でございます。
○紺野委員 そうすると差額は、一兆四千百六十六億マイナス八千五百三十億、六千六百三十六億ですか。
○小林説明員 五千六百三十六億でございます。
○紺野委員 結局五千六百三十六億で、これが四十六年度末の累計赤字と比べると、累計赤字が七千九百九十六億ですね、ですからその約七割にあたるわけです。いいですか。ですからこの点が、つまりいかに大きな五千億も、実際赤字の七割にもあたるものが、前の計算方法を変えて、そして過大に償却をして落とされたものですね、こういうふうになっているのです。ですから前のとおりにこれをやっていれば、こんなに大きな赤字にはならない。赤字はこれだけでも二千億ぐらいの額になる。だから国民に対して、これは赤字が出ましたから運賃を上げてください、こういうふうにやる、そういう内容になっているということなんです。実際そうでしょう。運賃値上げとこのようなやり方とは密接に関係があるのじゃないですか。ちょっとここをお聞きしたいと思います。
○小林説明員 減価償却制度の改正は、常に私どもといたしましては適正なる損益計算、財務諸表、これを明らかにするということを目的に常日ごろから勉強しておるところでございまして、運賃値上げをするために、はなはだ失礼な申し上げ方かもしれませんが、特に不当に償却費をふやすというようなことをやったつもりは毛頭ございません。
○紺野委員 私は事実をもって反論してみましょう。いいですか。昭和三十六年というのはどういう年だったか。これは第二次五カ年計画が発足した年です。そして新しい設備投資が必要だということで、旅客と貨物の一二%の運賃値上げが行なわれた年になっております。それから四十一年のあの大幅な値上げですね、旅費三一・二%、貨物一二・三%。こういうふうな大幅な引き上げをやられたのは第三次長期計画が始まった年なんです。こういうふうに運賃値上げと長期計画ということは、常にその発足する年度の頭に運賃値上げがありまして、そこからの増収分が自己資金として相当部分が設備投資に流れていく。運賃値上げによって国民からそれを取る。そしてこれを設備投資に回す。その増額分は、やはりそれが減価償却の中に隠されていく、そこにためられていくわけです。そこから設備投資に流れていく、こういうしかけにされたんだと思うのです。そういうことで減価償却というものを過大にしてふくらまして、そうしてそこに過大な償却をし、またそれには運賃値上げによる増収分が入ってくるというふうなからくりですね。ですから、ある会計学者が償却制度をつくったときに造成資本説ということを言っておるのです。要するに国民から値上げをして得た増額分を設備投資への資本に転換するというような理論を彼らはつくっているというふうな点からいっても、そこに関連があって、減価償却制度というものは非常に過大に、実際の実態よりもはるかに大きなものとしてつくられ、そしてその点では赤字が見せかけよりも大きくされているということは明らかだと思うのです。この点について大臣と総裁のお考えをお聞きしたいと思います。
○新谷国務大臣 減価償却制度につきましては、これは国鉄におきましても運輸省におきましても、絶えず適正な制度を樹立するための努力を続けております。新しい機材が入りました場合には、それをいかにするかということについては慎重に考慮をしながら今日までまいっております。この減価償却制度につきましては、いろいろな問題があると思いますけれども、今日まであるいは国鉄の減価償却制度を大体妥当なものと認めてきておりますが、これについては第三者機関であります会計検査院が毎年のように検査をいたしておりますが、これに関する非違事項は一回もあったことがございません。
○磯崎説明員 国鉄の増収は運賃値上げによるものだけでございませんで、そのほかに輸送量の伸びというものがあることをはっきり申し上げておきます。 それからもう一つは、これは一昨日神門先生から御質問になったことでございますが、いわゆる償却費をカバーするような運賃値上げはとてもできないわけであります。運賃を値上げいたしましても、せいぜい償却前の黒字になるかどうかという程度でございまして、償却費をカバーするような運賃値上げはいたしておりませんので、その点はどうぞ誤解のないようにお願いいたします。
○紺野委員 しかし現に、あなたの前任者であるところの石田さんは、過大な償却制度を学者先生はつくってくれた、そういうふうに言っているわけです。これはきわめて率直なんです。あなたのほうがその点、新しい償却制度の擁護者としてお話しになっているわけですけれども、私はそれは(「大ものと小ものの違いだよ」と呼ぶ者あり)やっぱり違いだと思いますね。まあ何の違いというか、とにかく違いだということなんです。 それで結局、私はもう一つだけつけ加えておきます。それはこういうことなんです。国鉄の場合には、いわゆる経費で落とす備品あるいは機器類、これは一般的には税法上で五万円以下は経費で落とし、それ以上は減価償却の資産として考えるというふうになっているが、国鉄の場合には百万円でしょう。百万円以下の備品はこれを経費として落とす。あの券売機のようなものも、百万円以上、あるいはそれ以下のものもあるでしょうが、ああいうものまで備品で落としてしまうというふうにやっている。そして償却に関しては過大な償却を百万円以上のものに対してやる。百万円以下のものに対しては備品として落としてしまう。非常にずさんな、過大に赤字をふくらませるようなことをしている。ですから先ほどの計算によって見ますと五千億円も過大に計算が出てくるわけでありますから、そういう点で、やはり赤字というものの一つの——これだけじゃありません。貨物運賃の体系の中に大きな一つの根源があるのじゃないか。もう一つの根源は償却制度にもある。そしてこの償却制度の中から出てくる過大な赤字のそれだけの見せかけの増額というものは、そういう点でまぼろしの赤字、赤字そのものが実勢よりも過大につくられてきている。そうしてそれが結局国民に対する運賃値上げの口実にされてくる。大きな赤字だから国民よ出してくれ、こういうふうにされてきているんだ。 そういう点で私は、やはり減価償却制度そのものを正直に再検討することを要求したいと思います。この償却制度の再検討についてはどういうお考えであるか、ひとつ大臣及び国鉄総裁の御答弁をお願いしたいと思います。
○磯崎説明員 国鉄の償却制度につきましては、日本で有数の学者の先生方にお願いして今日の制度ができております。しかしなお今後とも、改善すべき点があれば、また委員会等を設けて改善することはあるかもしらぬというふうに申し上げておきます。
○紺野委員 じゃそういうことで……。 私はもう一つ、構造的な赤字として、つまり国の金でない借金で設備投資を連続的にやってきた結果どういう事態が起きてきているかについて質問したいのですが、その前に、鉄建公団の総裁が来ておられまして、時間の関係上、その関係のことをお聞きしたいと思います。 これは大臣と鉄建公団のほうに聞くことになるわけですけれども、大宮駅から高崎のほうに上越線と将来の北陸新幹線ですか、これは鉄建公団が工事をなさるのですね。
○秋富政府委員 そのとおりでございます。
○紺野委員 それでお聞きしたいのですが、この新幹線問題についてあとでもう一ぺん立ち寄りますけれども、路線の設定及び駅の設定等について住民が非常に反対する、これは困るという問題がたくさん出てきているのですね。そういうことで、その具体的な実例としていまの関係のところについてどういう問題が起きているか、具体的にひとつお聞きします。 その一つは桜木団地というところですね。大宮付近の桜木団地。その団地は五棟の団地でありますけれども、そこに新幹線が飛び込むのですね。まっ正面に飛び込みまして、そしてそこをどけ、この団地、どくべきであるというふうに路線が設定されているわけです。それで団地の人はびっくりして、何事かということで反対運動をしているわけでありますけれども、いまどき団地の中に飛び込んでくる新幹線の路線設定というのは避けられないのか、そこを避けて通ることはできないのかどうか、このことについてお聞きしたいと思います。
○内田説明員 当該地は国鉄のほうで担当いたしておりますので、私からお答えいたします。 避けられないのかというお話でございますが、大宮駅で、どうしても現在線と連絡する関係がございまして、その関係でやむを得ず通らざるを得ないということでございます。
○紺野委員 ところで、そこからちょっと進みまして、熊谷駅と高崎駅との間に三ケ尻というのがあります。そこでは同じように三ケ尻新幹線反対の対策協議会ができて、反対しております。絶対反対と言っております。ここのところは鉄建公団の担当区域ですか。
○篠原参考人 公団の担当でございます。
○紺野委員 そうですね。それでここでは今度は反対の現象が起きているのです。熊谷駅を出ると、今度は左に大きくカーブをしますね。しろうとの考えからしても、住民の考えからしても、なぜここでわざわざ左に曲がって三ケ尻部落に闖入してくるか、こういうふうにここでは問題が起こっているのです。一方ではまっすぐ通っていく、今度はわざわざ左に曲がってくるということになっているのですけれども、これはどういうわけでそういうことになっているのですか。
○篠原参考人 お答えいたします。 高崎と熊谷の間を通ります場合に、鉄道の現在線よりも少し西のほうへ寄らざるを得ないのでございます。そういう形で線を引いてまいりますと、熊谷の駅のところで並行しなければなりませんので、どうしてもここのところにSカーブが入らなければならぬという形で、Sカーブが入っているわけでございます。
○紺野委員 委員長、ちょっと地図を広げますから、梅田君に協力してもらいます。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 お静かに願います。——お静かに願います。
○紺野委員 ここは熊谷駅ですけれども、ここでこうまっすぐに行くべきものが、ここでわざわざこう曲がっていくわけです。そしていまここの曲がってくるところで三ケ尻部落で反対運動をしているのですけれども、ここが三ケ尻、そしてここに…… 〔発言する者あり〕
○井原委員長 お静かに願います。
○紺野委員 ここのところにあるのが問題のところでありまして、鉄建公団の東京新幹線建設局工事第二課長の金子忠良さんという人がこう言っているのですね。この路線の変更は絶対にできないんだ、こう曲がらなければいけないのだ。なぜかというと、ここは自衛隊がいるんだ。いいですか。そうして大工場もあるのだ。こういうふうに自衛隊の基地と大工場がここにずっとあります。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 お静かに願います。
○紺野委員 ここが秩父セメント、それから日立金属、日産、日本鋼管、こういう大工場がありまして、わざわざそこを避けるためにここは敬意を表して左に曲がったということになっているわけです。このことを鉄建公団の第二課長が、そういうことでこれは絶対にそういうふうにカーブにせざるを得ないということを言っているのですね。ですから、これは住民に対しての挑戦であって、技術的にどうだこうだというものじゃない、やっぱり政治問題、大工場や基地に対してはこれを避けて、そうして住民の中に飛び込んでくる。これは鉄建公団の路線決定ですね。こういうことは住民が著しく憤激していることでありますけれども、これを変更することはできませんか。
○篠原参考人 この路線につきましては、この図面、ちょっとわかりにくいのでございますけれども、これが高崎で、これが熊谷でございます。それで現在の鉄道がここを通っております。それでこの辺が一番人家の少ないところで、皆さまに御迷惑をかける率が一番少ないというところを通っております。そしてこの熊谷のところが現在線と並行しなければなりませんので、並行するとここのところにカーブが入らざるを得ない。これがしかも四千メートルのカーブでございまして、いま図示のあれがよくわかりませんけれども、あんな極端じゃないように私どもは考えております。一番経済的で一番いいルートだと私どもは確信しております。
○紺野委員 やはり自衛隊それから大工場のところ、本来はそこを通っていくのが一番経済的じゃないですか。
○篠原参考人 ここが一番いいと私は確信しております。一番民家に支障が少ない。これをもしまっすぐやったならば、たくさんの民家をつぶさなければならぬということで、私は一番いいルートじゃないかと思っております。
○紺野委員 基地とそれから大工場を通る。そこが住民にとっては一番犠牲の少ないところであり、わざわざ大きく回ってそして依然として三ケ尻その他この辺の住宅あるいは住民に対して大きな迷惑をかけている。だからはっきりとそういう点で新幹線は住民の意見というものを十分に考えないで、大企業中心です。また自衛隊やそういうものを中心にして考えられている。大企業及び軍事優先、そういうことで住民を犠牲にしてそういうことをやっているということは、絶対にわれわれ国民の立場からは反対だ、こういう非民主的なやり方はわれわれは許せないというふうに考えるわけです。これについては、こういう新幹線が桜木団地のまん中に飛び込んでいく、それからここでは曲がって住民の中に飛び込んでくるというふうな路線決定ですね。これは最初に十分に住民との間で意見を聞いて、そうして決定するという手続を踏まないでこれをやるのですか。この点についてはまず最初に大臣のお考えを聞きたいと思うのです。
○秋富政府委員 新幹線の計画の具体化でございますが、いわゆる基本計画、整備計画、これにつきましては鉄道建設審議会に諮問いたしまして、その議を経まして運輸大臣が決定しているわけでございます。いま御指摘のいわゆる路線の決定でございますが、整備計画を決定いたしまして建設主体を運輸大臣が指示するわけでございます。それによりまして建設主体の鉄建公団あるいは日本国有鉄道がそれぞれ具体的な工事実施計画を策定いたしまして、これを運輸大臣が認可する、こういう手続でございます。
○紺野委員 そうすると、その前に公聴会を開くとか、あるいは自治体と折衝するとか、そういうことは事前にやらないのですか。
○秋富政府委員 それは建設主体の鉄道建設公団あるいは日本国有鉄道が工事実施計画を策定する段階におきまして、地元の公共団体といろいろと協議をするわけでございます。
○紺野委員 きまってからそういうことを相談するということになるのですか。路線その他すべてきまってから地元の住民、あるいは自治体と相談する、こういうことになるのですか。
○秋富政府委員 きまってからでございます。
○紺野委員 それでは、これと一応続きますけれども、鉄建公団の総裁についてはこれで質問のほうは終わります。 赤字問題の第三番目の問題についてお尋ねいたします。 国鉄赤字の大きな問題として利子問題があります。この点はみんなだれでもが注目していることでありますけれども、この利子負担が財政悪化の大きな要因であるということは大臣も認めると思いますが、どうですか。——これはあとでおっしゃっていただきまして、いままでに国鉄側からもこの利子問題について子利子の直接補給をしてもらいたいということをだいぶ折衝された経過もお話ありましたし、今度は孫利子という発明が行なわれて、今度の予算に出てくるわけでありますけれども、この利子とは何ぞや、国鉄における利子、一般的の利子ということじゃない。国鉄の財政の悪化における利子の問題ということの根本問題についてお聞きしたいと思いますが、いわゆる借金ではなく、自己資金でもって国鉄が建設されるというふうにすればこの利子に相当するものは当然国鉄に留保される、そういうものですね。これをまずお聞きしたいと思います。
○磯崎説明員 いまの御質問、利子が留保される——御質問の趣旨がわかりません。ちょっとおそれ入りますが、もう一ぺんお願いしたいと思います。
○紺野委員 つまり利子としての支払いをされるものは本来利子として支払われなければ当然のことながら国鉄の収益として、国鉄の内部蓄積というか国鉄自身の収益としてとどまるものであるということですね。その点は間違いないでしょう。
○磯崎説明員 御質問よくわかりました。その点はかりに収入のほうに借金がなければそういうことになります。収入に借金がございますと、金に糸目はついておりませんので、利子の分が借金で払うのかどうか、それは明確になりませんが、収入に借金がないというたてまえで、たとえばことしの予算をごらんくださいますと収入に借金がございますが、これは利子を払わなければ、全部それがほかの経費に当たるかということになると、ちょっとそれは端的にはそういう結論にならないと思います。収入に借金がなければそういうことになります。
○紺野委員 ところで昭和三十二年からずっと第一次計画、第二次計画が始まったわけですけれども、ことしの三月までに国鉄における利子支払いが、累計で幾らになっておりますか。
○磯崎説明員 失礼ですが、昭和三十二年からいつまででございますか。
○紺野委員 四十七年までです。
○磯崎説明員 ちょっと至急予想いたしますから……。
○紺野委員 算術計算だからすぐできるでしょう。できますね。
○小林説明員 三十二年度から四十六年度までの決算で一兆四千五百億でございます。
○紺野委員 実に天文学的数字であります。たいへんなものですが、ところで今度は同じ期間における累積赤字はどのくらいですか。
○小林説明員 四十六年度の累積赤字は七千九百九十六億という決算になっております。
○紺野委員 だから、そういう点からいっても利子というものは赤字よりももっと多い、二倍にもなるという内容を持っております。でありますから、利子つきのいわゆる借金で国鉄が建設をするということがなければ、国が一般会計から金を出して国の利子のつかない金でやれば、そういう利払いをする必要のない国の金でもし建設をしてきていたとすれば、これらの赤字というものは本来出なかったものであるというふうに考えていいんですか、どうですか。
○磯崎説明員 おおむねそのとおりでございます。
○紺野委員 だからこの点からいって、国鉄の赤字が人件費によるものであるかのように宣伝する人たちがおりますけれども、実際には国鉄の労働者はりっぱに働いてりっぱに収益というものをかせぎ出しているわけですね。しかし、そのかせいだ収益を実際は利子という形で外へ持ち出してしまうというからくり、国鉄財政の特異な体質がここに出てきていると思うのです。そうしてかせいだところのばく大な利潤というものを利子という形に転化させる、ほんとうは国鉄労働者、職員たちみんながかせぎ出したところのばく大な利潤を利子という形で抜き出していくというこのからくり、これで四苦八苦しているのが国鉄の現状じゃないかと私は思うのです。しかもそれに一そう拍車をかけているのは、先ほどから言いましたところのいわば減価償却制度で非常に過大な償却をして赤字をふくらましているとか、経理の操作でそうしているとか、そういう面もつけ加わりまして、そしてこういう国鉄のいわば病気が出てきているということです。 ですから、私はここで設備投資の問題について少しお聞きしたいと思うのです。こういうふうな過大な利子に悩むようになった国鉄、悩めるというよりも病める国鉄になった原因に設備投資の問題があります。 ところで、この現行の財政再建計画の基本方向をきめた昭和四十三年十一月一日の「国鉄財政再建推進会議意見書」、ここでこういうことを言っております。「設備投資について」「国鉄は現在第三次長期計画を遂行中であり、昭和四十四年度から四十六年度までは、年平均おおむね五千億円の投資を行なうことが予定されていた——第三次長期計画で予定されていた投資が、内容からみていずれも緊急度の高いものであることは明らかであるが、最近における国鉄財政事情のもとで、年額五千億円にのぼる設備投資を行なうことは実際上不可能とみざるをえない。」こういうふうに言い切っております。つまり年額にして五千億円の設備投資はできないのだ、そうして十年間に三兆七千億、年額三千七百億円が適当であるといっております。でありますから、当時に比べて現在はどうか、もっと国鉄財政事情というものは悪化しております。この悪化している状態、そうして——これは昭和四十三年十一月一日の国鉄財政再建推進会議の決定でありますけれども、こういう五千億円以上にのぼる設備投資はこのような財政悪化している国鉄にとっては限度である、これ以上はできない、こういうふうに言っている。このことについて大臣ははっきりお認めになるかどうか、お聞きしたいと思います。
○秋富政府委員 過去におきまして国鉄の投資不足ということが今日の国鉄の衰退を招いている大きな原因でございます。それで国鉄といたしましては新しく今後の体質改善のためにも投資をしなければいけないわけでございますが、そのためには御指摘のいわゆる利子という問題はやはり今後の国鉄の負担になる、こういう点がございまして、今回の再建計画におきましては出資を一五%、いわゆる利子補給は三・五%まで補給するということで、いわゆる工事の利子負担を三%というきわめて異例な低利の金利まで補助する、こういうことによりまして、一方におきましては工事を大いに拡大し、新しい国鉄の体質の改善をいたしながらその利子負担は軽減する、かような措置をとったわけでございます。
○紺野委員 そういうことを聞いたんじゃないのです。その前のことを聞いておるのです。 それでもう一つとあわせて大臣に答えてもらいますが、昭和四十四年九月十二日に、この意見書に基づいて「日本国有鉄道の財政の再建に関する基本方針」ということを閣議決定して、その中でこう言っています。「再建期間中に日本国有鉄道が行なう設備投資の規模は、おおむね三兆七千億円を限度」とするということを明記しております。このことについても大臣、間違いありませんか。
○秋富政府委員 現行の再建計画におきましては、十カ年間の投資規模三兆七千億、そのとおりでございます。
○紺野委員 それは全然私の質問に答えていないのですけれども、つまりいまのような財政悪化のもとでは五千億円をこえる財政投資というものは危険でもあり、実際上できないということをここでは言っているのです。そういうことをきめていることをあなた方は知っているか、認めるか。
○秋富政府委員 現行の再建計画におきましては……(紺野委員「前の前の計画」と呼ぶ)いわゆる四十四年にできましたのが現行の再建計画でございます。その四十四年度から発足いたしました十カ年計画、これが現行の再建計画でございまして、これの十カ年の投資規模が三兆七千億でございます。それで昨年の廃案におきましては十カ年間の投資規模を七兆円にしたわけでございます。現在御審議いただいております新しい再建計画におきましてはこれを十兆五千億にしたものでございます。
○紺野委員 それで今度は十兆五千億ですから、前にお聞きしたところの三兆七千億というもののほぼ三倍ですね。あのときに、そこが限度だといったのに対して約三倍近い額になります。三倍弱です。それで問題は、推進会議がなぜこの年間五千億の投資が不可能であり、三千七百億が限度であるといったのか。なぜそういったのかということについてちょっとお聞きしたいと思います。
○秋富政府委員 これは、いわゆる利子の負担というものがいかにかかるかということが一つございます。現行の再建計画におきましては、利子負担を六・五%まで利子補給をするということで四十四年に発足したものでございます。したがいまして、当時といたしましては、いわゆる工事に伴う利子負担というものが大きいということがございまして、再建計画におきまして、その工事規模と利子負担、こういうかね合いあるいは投資資金の獲得規模、こういったものを含めまして三兆七千億としたわけでございますが、それによりましては新しい国鉄に生まれ変わるためには投資不足、こういうことにおきまして、昨年はそれを七兆にいたして御審議いただいたわけでございますが、今回におきましては、さらに今後の国鉄の再建ということを考えますと、十兆五千億という投資規模にいたしまして、新幹線をつくるとか、あるいは複線電化を拡充していくとか、あるいは旅客輸送サービスを改善する、大都市通勤通学輸送関係、あるいは公害、保安関係、こういったものの投資をふやすために十兆五千億にしたわけでございます。 同時に、その金利負担というものを軽減するため、現行計画におきましては六・五%までの利子負担でございましたものを、出資を含めまして三%まで利子負担をする、かようにいたしまして、再建計画の面におきましても助成を強化したわけでございます。
○紺野委員 だから、なぜ三千七百億限度であるといったかといえば、ここではこういっております。「最近における国鉄の設備投資量の増大が、資本経費の増嵩をもたらして、財政悪化の一つの原因をなしてきている点にかんがみれば、財政再建期間中における国鉄の投資量については、極めて慎重な配慮を要することはいうまでもない。」というふうにいっております。でありますから、いっていることは、設備投資、設備投資というふうにこれを増大させていくことが結局資本経費をどんどん大きくしまして、利子及び減価償却費を大きくするために限度だということをいっているわけです。ですから、いまの国鉄のやり方はやはりそこに根本的な問題がある。いままでの当委員会で、利子を何とかせめて三分だけにして、そうしてやれば望みがあるんじゃないかというふうなことまでいろいろ言われた。しかし、利子そのもののつかないような金でもって国鉄を再建するというところまではなかなかいかない。そうしてあくまでも利子のついた金でやろう、借金でやろうというところにやはり国鉄財政が悪化してくるところの最大の根本問題があると思うのです。政府はこの設備投資に対して、出資として、利子のつかない金として、いままで一体どれだけ出してきたのでしょうか。どうですか。
○秋富政府委員 現行再建計画におきましては出資は全然考えなかったわけでございます。そして、昭和二十四年に発足いたしまして以来、二十五年に増資いたしまして以来、約二十年間は出資しなかったわけでございますが、昭和四十六年度に二十年ぶりに三十五億出資いたしまして、そしてさらに昨年六百五十五億増資いたしまして、ことしはこれを八百億増資する、かように考えておるわけでございます。
○紺野委員 だから、国鉄の赤字の原因はそういうように国鉄に対して政府がほとんど金を出さなかった、そしておまえたちでやれ、国民からお金をもらいなさい、そして借金をしなさいということでやってきたということから今日の国鉄財政悪化の根本問題が出てきている。こそくな手段ではこれはできないということなんです。 そういう点からいえば、そういう借金の金でやってきたために、われわれの前には巨大な国鉄だと思いますし、もう骨格ができておりますが、財政的に見ると病気なんですね。かせげばかせぐほど出血する病気で、巨人になればなるほど出血していく妙な病気になっておる。そして借金によってつくられたところの巨大な骨格が、かせげばかせぐほど出血していく、利子として流れていく、ここに根本的な病気があるのであって、この点を変えなければ、国鉄の再建というものはできないということなんです。 現に、そういう点で利子をせめてここまでしたいとか、ああとかこうとか、それで再建債として利子を補給する、孫利子まで発明する、いろいろなことを言っても借金地獄には変わりはないのです。この間、総裁だったと思いますけれども、今度の十カ年計画においても、十兆五千億円の中で一兆五千億円は政府が出す、これは一五%。そして一割ほど足して二兆五千億円は自己資金だ、あと残りの六兆五千億円は借金だ、こうはっきり言っておる。やはり借金ですね。借金による国鉄再建なんです。 そういうことで、利払いが、廃案になった再建計画では昭和五十年度で二千九百九十五億円、そして五十六年度で四千百八十八億円。今度の計画では五十年度で三千三百二十六億円、五十六年度では実に六千二百五十四億円の利子の支払いというふうになる。この計画によりますと、結局毎日六億円の利子を支払うことになって、十年後には十七億円の利子を毎日支払うという国鉄、かせげばかせぐほど出血する国鉄、そういうものになっていくということなんです。 そういうことで、こういう赤字出血の体制というものと、巨大なこれらの借金によって大投資をするというのはなぜかということについて、大臣と総裁のお考えをお聞きしたいと思います。こういう体質を変えないでやっていく、巨大な設備投資をやるのは何のためなのかということをお聞きしたい。
○新谷国務大臣 国鉄の現状が財政的に見て非常に健全であるとは考えておりません。健全でないから今度の再建計画を立てておるのでございます。それにつきましては政府委員からるる御説明いたしましたように、政府の出資もいたします、利子の補給もいたします、その他あらゆる面で援助をいたしまして、十年間には国鉄の財政が再建されまして、国鉄本来の機能が発揮できるような体質に改善したいということで、われわれのほうは具体的な提案をいたしておるわけでございますから、その点はあなたとあるいは意見が違うかもしれませんが、われわれはそういう確信を持ちまして、案を出しておるのでございます。
○井原委員長 紺野君に申し上げます。 理事会で協議いたしました時間が経過しておりますので、どうか結論を急いでいただきたい、お願いいたします。
○紺野委員 質問をもう少し続けてまいります。 いま大臣が言ったわけですけれども、結局巨大な設備投資を実行して、そして、これが赤字をなくすような体制になるのだと言っているわけですけれども、これはたいへんなことで、国民が大迷惑をするような計画になっているのですね。その具体的な実例を申しましょう。たとえば新幹線とそれから大企業の貨物輸送力増強ということに力点を置いて四兆八千億、三兆五千億ですか、そういうものを根幹とした計画をするということになるわけですね。その場合に、いまわれわれがたくさんいただいている地方からの陳情や訴えを見ますと、駅がたくさんつぶされる、貨物駅がつぶされる、無人化駅にされるという、そういう苦情や訴えがたくさん出てきております。国鉄はどうなるのだ、われわれから離れて、そうしてだんだん不便になっていくのじゃないかというふうにいってきております。たとえば、地方公聴会で仙台に行ったときにわれわれの聞いた農協、農民たち、これはあの古川駅を中心にした付近の駅がつぶされて、そして結局自分らの貨物駅がなくなったために、拠点駅に集約されるために、米の輸送あるいは肥料の運搬、こういうことが二重の手間がかかるようになった。その計算をすると、三百万円も横持ち運賃がかかるということになるというふうなこととか、あるいは自主流通米とかいうことだけで、宮城県では一千万円の新しい輸送費として出費がかさむというようなことまでいわれております。そして、無人化駅等についても、熊ケ根駅の実情について見ますと、冬になるとストーブもない、便所もない、そしていつ汽車が来るのか情報もわからない、何時間も何時間も待たなければならないというふうな、そういう無人化駅が、四百人も通勤者がある熊ケ根駅というところでもそうなっている。そういう貨物駅の整理、無人化等々によって農民や地元産業やあるいは庶民にとってはこの国鉄はわれわれから離れていくものだというふうに見ている。そして、これについてはやはり大きな反対運動が起こっております。でありますから、そういうことでこれから十カ年計画で国民にとっての新しい計画をやるのだというけれども、内容自体がこういう国民の大多数にとってたいへんなものになるのだということ、そして大企業の貨物輸送が急行その他でふっ飛んでいくような体系につくられる、そういう点からいっても、われわれはこういう設備投資というものについては反対であります。 それで、そういうことが私は反論するわけですけれども、ここで磯崎総裁にちょっとこういうことをお聞きしたいのです。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 御静粛に願います。 紺野君、結論を急いでください。 お静かに願います。
○紺野委員 磯崎総裁はこう言っております。これは交通新聞の、ことしの二月四日の新聞で、こういうのですね。「四十四年度からみましても、なるほど財政再建のほうはうまくいっていませんが、設備投資はほとんど計画どおりいっているんです。それは幸か不幸か、財政問題と切り離して設備投資をやっていますから、設備投資のほうはほとんど計画どおりいっています。」こういうふうに言っているのですね。ですから、これは大臣にお聞きしたいのですけれども、財政問題と切り離して設備投資をやる、おれはやっているのだ、こういうふうに言っているのですが、こういうふうに大臣は指導しているのですか。財政問題と切り離して、そうして設備投資をやる、つまりあとは野となれ山となれということばがありますが、そういうふうに、財政問題はこういう大問題をかかえておりますけれども、そういうことを切り離して設備投資をやればいいのだ、こういうふうに言っているのは、大臣としてもこういう指導をしておられるのかどうかお聞きしたいと思う。
○磯崎説明員 大臣が御答弁になる前に私から申し上げます。 御承知のとおり、設備投資の金は、相当大きなプロジェクト以上のものは全部建設仮勘定でやるわけであります。したがって収益勘定には入りません。ですからそれをごらんくだされば、設備投資の中の利子負担の大きなものは建設仮勘定なんだということを言っているわけでありまして、そういう次元の高いことを言っているわけじゃありませんから、誤解のないようにお願いいたします。
○新谷国務大臣 設備投資がふえておりますのは、輸送需要がふえまして、国民の要望がそこにきているから、それにこたえるために設備投資がだんだんふえておるのであります。しかし収支関係におきましては、いろいろな輸送事情の変化等によりまして予定どおりの収入が得られないというような事情もありますので、これはもちろんこの財政問題とは切っても切れない関係にございますけれども、収支関係においては非常に悪化しておるという事情でございますので、そういう点を踏まえて今度の再建計画を出しておるわけでございます。
○紺野委員 それで私は、以上のようにやはり国鉄の大きな問題は、結局利子についてだんだん政府がある程度負担しようとかいろいろそういう方向を、新しいやり方を考えてきているけれども、根本的には、やはり仕組みとしては利子つき資本によって大きな設備投資をやるということになっていることと、もう一つ三倍に設備投資を今度するという、この前の計画よりも一挙に大きくなっていった原因ですね、それは日本列島改造論で、そうして過大な投資をやるというふうにやってきたことが、一そうこれが大きな矛盾となってやはりあらわれてきているということだと思うのです。そうして、その一番大きな矛盾が、国民に対して金を要求する。四回にわたって八兆円の金を出してもらわなければできないといって、やはり国民に大きな犠牲を持ってくるような財政再建計画だと思うのです。あくまでもこういう仕組みを変えない限り、国民のほうにその犠牲をやはりしわ寄せするという形に今度の十カ年計画がなってきている。国鉄総裁はそういう点で、去年こういうことを言っているのですね。つまり、国鉄はいまや国土改造機関に衣をかえなければいけない、こういうことを八月ごろ突然言われたわけですね。これは田中首相の日本列島改造論、これと相呼応して、国鉄はいまやこの日本列島改造論の機関にならなければいけないのだ、こういうことで、いま国民がもうすでにその矛盾というか、過大なこの計画に対して財界の中からも、それは過大な投資であるというふうに批判が出ているわけでありますけれども、そういうものに願をかけて国鉄に巨大なこういう設備投資を強要する。いままでの財政仕組みそのものを変えないで、そうして強行しようとするために、その結果国民に八兆円の新しい犠牲、負担を要求し、そうして国鉄労働者に対して十一万人の合理化を五十三年度まで要求する。こういうふうな大きな国民犠牲の道をとるということになったと思うのです。そういう点で、いわゆる国鉄を国土改造機関にするといったことが、いまの日本列島改造論の機関になるんだということを宣言したんじゃないか、このことを磯崎総裁にお聞きしたいと思うのです。
○磯崎説明員 私は、常に国鉄は国民の交通経済の中枢機関でなければならないという信念を持っております。
○紺野委員 いまのことばはやはり……。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 お静かに願います。
○紺野委員 私はそういう点で以上いろいろ聞いてきましたけれども、ここで私は第一に、そういうことで国民に八兆円の犠牲を要求する第四次にわたる運賃値上げ、こういう計画及び国鉄労働者に十一万人以上の犠牲を要求するような、こういう計画に反対します。 そして国鉄を国土改造機関、日本列島改造論に基づいて——これで田中内閣の支持率が二六%に落ちたことを知っておられるでしょう。そういういわくつきの根本政策です。こういうものに願をかけて、そしてやろうという、国土改造機関に国鉄をするということに反対します。そしてそういうことによる大企業中心の超高度成長政策の過大な設備投資に反対します。 それから……。(発言する者あり)最後の結論ですからね。国民の立場に立ったところのわれわれの再建の方向というものについて具体的にまとめますと、第一番に、大企業奉仕の運賃体系を改める。第二番目は過大な減価償却制度をやめる。三番目は、設備投資をばく大な借金でやるという仕組みを改める。そして国民に必要な国鉄設備投資は、原則として利子のつかない国の資金によってこれを行なうというふうにする。 新幹線について申し上げますと、路線や駅の決定については住民や自治体などの意見を聞いて自主的にきめるようにして、そうして団地の中に飛び込むとかそういうことをやって地域社会を破壊するようなことをやめる。そして十分な公害対策をやるということです。 そしておもしろいことがあるからちょっと最後につけ加えておきましょう。それは上越線は、新潟県の駅を見ると、湯沢も、浦佐も、長岡ですか、燕、三条も選挙区は三区ですね。私乗って行ってきましたからね。ほう、ここも三区か、あそこも三区か、そういうふうなこと。やはり路線決定というものはもっと住民の、みんなの公明正大なところできめられるように、新幹線は路線決定や駅をきめるというのは民主的にすることを要求して、私は質問を終わります。しかし私のいままでに言った——これは答弁を要求する。大臣及び国鉄総裁の御意見をお聞きしまして、そしていろいろな保留しましたところの質問、いろいろ資料提出その他を要求したことについてはこれを保留いたしまして、一応きょうの質問を終わります。
○新谷国務大臣 御意見として承っておきます。
○磯崎説明員 大臣と同様でございます。 ————◇—————
○井原委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 本案について、本日、日本放送協会営業総局副総局長市原嘉男君を参考人として出席をお願いし、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本会議終了後再開することとし、この際暫時休憩いたします。 午後一時十九分休憩 ————◇————— 午後二時二十一分開議
○井原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。斉藤正男君。
○斉藤(正)委員 私は、国鉄二法について若干の質問をいたしますけれども、なるべく重複を避けてお尋ねをいたしますので、率直なお答えをちょうだいいたしたいと思います。 なお、通告したものもあるし、ゆうべ思いついて追加したものもございますので、その点は当局の非を責めるわけではございません。じっくりお考えの上、適当な御答弁をいただけばけっこうであります。 最初に、私は、運輸省と日本国有鉄道との関係について、実は連休中に簡単なアンケートを一般市民からとりました。そのアンケートの内容というのは、運輸省設置法に基づいて、その第四条には「運輸省の権限」が規定をされておりまして、三十番目に、「日本国有鉄道及び国鉄共済組合を監督する」ということが運輸省設置法にあるわけであります。ところが、国鉄問題といいますと、直ちに日本国有鉄道のことばかり思って、運輸省の監督権限について国民は比較的理解していないのではないかという想定に立って尋ねたわけでありますけれども、アンケートの回収率は七六%で、必ずしもいいものではありませんでした。 それで、三点ばかり聞いたわけでありますけれども、まずその第一点は、日本国有鉄道は運輸省の監督を受けていることを知っていますかという問いであります。これに対して、知っていると答えた者が三二%、知らないと答えた者が六〇%、それから、いずれでもない、わからないというのか回答する必要がないというのが八%、こういう結果であります。 〔発言する者あり〕
○井原委員長 御静粛に願います。
○斉藤(正)委員 二番目は、運輸省に鉄道監督局という機構があることを知っていますか。知っていると答えた者が一八%、知らないと答えた者が何と八〇%もあるのであります。回答のなかった者が二%。 鉄道監督局に国有鉄道部と民営鉄道部という機構があるのを知っていますか。これは何と知っているというのがわずかに一三%、知らないというのが八三%、回答のなかった者が四%であります。 なぜ私がこういうことを冒頭お尋ねするかというと、過日から特にわが党の委員は政府の責任についてかなり明快にお尋ねをいたしました。国鉄問題というと、すぐ磯崎さんの名前が出たりあるいは国鉄労働組合を思い起こしたりというようなことで、どうも運輸省というのはかすんでいる。私の予想は残念ながら的中をして、いま申し上げましたような結果になったわけであります。もちろん、私の調査はきわめて個人的な権威のないアンケートでございますから、これがすべてだとは申し上げませんけれども、事ほどさように運輸省というのが日本国有鉄道に対し監督権を持っていて、運輸省の顔色一つ、鼻息一つうかがうわけではないでありましょうけれども、日本国有鉄道は自由になっていない。また、運輸省が国政の場でかなりの配慮をしなければ日本国有鉄道はどうにもならぬという実態にありながら、国民全体は、国鉄は国鉄で公共性と独算制のもとにたいへんな苦労しているのだろうと——しかし、いまの国有鉄道については評判のいいものはあまりない。新幹線が世界に冠たる輸送機関だと誇っていたと思っていたら、予想外の事故があった。あるいはその沿線に公害をまき散らしているというようなことで悩みが多い、先ほど紺野委員は病める巨人というようなことばを使いましたけれども、まさにこのようになっております。この病める巨人は孤独でたよりにするものがない。ようやく長年の国民の要求が頑迷固陋な政府・自民党にも達して、スズメの涙ほど出資や援助が今回出てきたという程度のことであって、やはり運輸省は監督という立場にある以上、国鉄自身の努力もさることながら、国政の段階において運輸省がもう少し本気になってこの国鉄問題をいままで考えていたならば、今日のような事態はなかったというように思うわけであります。この種の質問につきましては、先に質問を終えられた各位も触れられておりますけれども、大臣から、いままでの運輸行政の中で国鉄財政再建に対し、あるいは国鉄の整備拡充強化についてあまりにも冷淡ではなかったか、積年のうみがたまり今日の国鉄になったというような認識が大臣にあるかどうか、ひとまず伺いたいと思うわけであります。
○新谷国務大臣 日本国有鉄道法にいろいろの条文がございますが、法制的にいいましても、運輸大臣は国鉄のいろいろ行ないます行為につきまして許認可権をたくさん持っております。そのほか包括的には法益上必要な命令権まで持っております。そういう権限というものは言うまでもありませんが、その裏を見ますと、これは責任ということにつながってくるはずでございまして、運輸省といたしましては、国鉄の運営につきまして大きな責任を持っておるということは、これはもう当然言うまでもないことでございます。しかし、私から今日までの政府と国鉄の関係がどうだったかということにつきましてここで具体的にいろいろ言うことは、私は避けさしていただきたいと思いますけれども、今度の再建案でも、実は私どもは国鉄の現状を見まして、これではいけないと思いまして、われわれが先頭に立って再建案を整備したことは御存じのとおりでございます。われわれも今後はそういう意味で、あらゆる重要な問題につきましては、当然政府が方針をきめなければならぬ問題もありますし、また、国鉄が大きな政府の援助を得なければなし得ない事柄がたくさんございますから、そういった問題につきましては、国鉄に対しまして意見を徴し、必要な問題については積極的な援助をするという心がまえでいかなければならぬと思います。 ただ、御承知のとおりに国鉄は公共企業体でございまして、一面事業をやっております。あまりに政府の介入が多過ぎますと、事業の自由濶達な運営ができません。でございますから、与えられた範囲においては、国鉄は自分の自主性をもちまして自由潤達な事業活動をするということが本旨でございますから、その点の調和をはかることは実際問題としてはむずかしい点もございますけれども、国鉄のそういう自由潤達な活動を助長しながら、一方において政府が積極的な援助を与えていくという方向で今後は処理しなければならぬということを痛感しておりますことを申し上げておきたいと思います。
○斉藤(正)委員 日本国有鉄道法に規制をされている問題にもあとで触れようと思ったのですけれども、大臣が言及をいたしましたのでこれ以上触れるつもりはありませんけれども、なるほど前進はいたしております。しかし、私はこれをもって満足をするものではないことは前提として申し上げておきながら、次に、大臣が考えている総合交通システムについて少し見解を伺いたい。これもある角度から各位が触れております。しかし、私は、やはり日本における総合交通システムができない限り、どのように御苦労なさっても国鉄の再建はできない、こういう観点からお尋ねをいたしたいと思うわけであります。 まず第一に、昭和四十六年の七月三十一日、運政審の会長中山伊知郎名をもって時の総理大臣丹羽喬四郎君あてに答申されたこの「総合交通体系に関する答申」、これはみなさんみんなお持ちであります。そして、昭和四十六年十二月十七日、臨時総合交通問題閣僚協議会が「総合交通体系について」というものを、これは内部資料といってもいいかもしれませんが、とにかく重要な決定を閣僚協議会としていたしております。 私がまず伺いたいのは、この「総合交通体系に関する答申」と、閣僚協の「総合交通体系について」というものの関連性であります。大臣はおわかりにならないわけはないと思いますけれども、ほかの説明員でもけっこうでありますが、一体総合交通体系に関するこの答申とこの閣僚協がきめた総合交通体系というのはどういう関係にあるのか、まずお答えください。
○原田政府委員 お答え申し上げます。 運輸大臣に答申になりました運輸政策審議会の「総合交通体系に関する答申」は、運輸大臣の諮問機関でございます運輸政策審議会におきまして、調査、審議されて運輸大臣に答申になったものでございまして、それを受けて、運輸省といたしましては、その趣旨を極力政府の総合交通体系の作成の作業に反映すべく、経済企画庁はじめ関係各省と協議をいたしまして、その結果、政府の「総合交通体系について」という臨時閣僚協の方針が決定された、こう了解しております。
○斉藤(正)委員 そうすると、この「総合交通体系に関する答申」は、言うなれば総論的なものであって、閣僚協がきめた総合交通体系は各論的なものであるという解釈なのか。さらに、運政審の答申は何本かの柱を立てたものであって、閣僚協がきめた総合交通体系は、なお、はりを横だにけたをかけ、といったようなものなのか、その辺の関連はどういうように考えたらいいのですか。
○原田政府委員 どちらかと申しますと、運政審の答申は、これはいわば審議会の見解でございますので、政府の公式見解としては、私どもは、企画庁で作成され閣議で決定されました臨閣協のほうが、政府の正式見解ということになるわけでございます。内容的にはおわかりになると思いますが、運政審のほうは具体的な計数の予測をいたしまして、たとえば需要の予測とか施設の規模とか、そういったものを具体的に数字の作業をいたしております。それに反しまして政府のほうは、その時点では正式にいまのような数字を決定する段階でない。むしろその当時といたしましては、新全総の一つのフレームがございましたのと、もう一つは、ちょうど国際経済関係等について、為替レートの問題等についてかなり変動が予想され、またそういう段階でございましたので計数的にやる段階でないということで、計数については今後の経済社会基本計画なりあるいは新全総の見直しなり、そういった段階でやるべきであろうということで、計数の点は一切排除いたしまして、基本的な方針を打ち出したというところに特色があるのではないかと思います。
○斉藤(正)委員 そうすると、運政審の答申の総合交通体系は、なるほどある程度の見通しも立て、数字も駆使しております。それから閣僚協がつくった総合交通体系は、そうした数字をいわば抜きにして、一応柱めいたものだけをつくったという点が違っておる。したがって思想としては、総合交通体系に対する運政審の答申を受けて、閣僚協としては政府の考え方を明らかにしたものだ。しかし、総合開発なりあるいは経済社会基本計画なりというものが別途あるし出てくるので、数字的なものは、これは他に譲ったというように解釈してよろしいか。
○原田政府委員 大体御趣旨のとおりであろう、かように思います。 〔委員長退席、細田委員長代理着席〕
○斉藤(正)委員 そこで私は、この総合交通体系に関する答申と、お話しのございました経済社会発展基本計画、いずれも数字が出ておりますので、いわゆる総合交通システム確立のために、若干の対比をしながら政府の考え方を伺いたいと思うわけですが、その前に、この総合交通体系に関する答申の内容を私なりに要約するならば、私は三つに要約できると思っております。違ったらひとつ議論をいたしたいと思います。すなわち、その一つは、企業間に競争原理を導入する。二番目は、顧客に選択の自由を与える、どの交通機関を使おうとそれは国民の自由だ。三番目は、設備投資に必要な財源は利用者の負担とする。いろいろありますけれども、大まかにいうと、この総合交通体系に関する答申の内容は以上三点に集約できる。またそれらしきことばが随所に出ているというように思うのですけれども、そうじゃないんだ、こうなんですよとあるならば言ってください。
○原田政府委員 競争原理を活用し、利用者選択を尊重して考えなければならぬという基本的な線においてはごもっともでございますけれども、そしてまた、原則的に受益者——利用者というよりはむしろ受益者が負担すべきであるということもごもっともでございますが、しかしながら、単にそれだけで望ましい交通体系ができ上がるということにはなっておらないとわれわれは理解しております。と申しますのは、たとえば具体的に一例をあげて御説明いたしますと、総合交通体系に関する答申の第三の「総合交通体系形成のための行財政措置」というところに「費用負担の合理化」というところがございますが、このところで「一般的にいって、交通市場は交通手段の多元化に伴い競争的・選択的になってきているので、こうした分野においては可能な限り、利用者負担によるべきである。これに対し、シビル・ミニマム的性格の強い施設、国の分散政策遂行のための施設の先行的整備、特定の施設の利用を政策的に誘導する必要がある場合等については、その目的を達成するための必要最小限度において、財政による援助を行なうべきである。」こういうように述べられております。
○斉藤(正)委員 私もそこへアンダーラインが引いてあるのですよ。必要最小限度などということばは、こういう公文書で使う場合は最もけちな額でいいということですよ。その次のページにも、同じように「国および地方公共団体による最小限度の経営補助を行なう必要がある。」最小限度とか必要最小限度などということばは、こういうものの中に占める意味というのは全くもう読んで字のとおりなんですよ。これは、何と強弁しようとも私が先ほど申し上げました、企業間に競争原理を導入し、やみくもとは言いませんけれども、競争させる、そして利用者は何を使おうと、交通機関の選択の自由権が与えられる。これらに必要なばく大な投資は当然受益者負担にすべきだ。しかし、それだけではややいびつなので、補てん的な意味で必要最小限度の助成をする、こういっているのです。ここに私はやはり問題があると同時に、そのことを言いたいのじゃな、活字になり文章にはなっておりますけれども、しからば鉄道はどう位置づけるのか、船はどうなるのか、航空機はどうなんだ、トラックは、自家用車は、バイヤーはということになってくると何にもないのですね。だから、総合交通体系というのはこういうものですよということは教えている、閣僚決定も同じなんです、教えているのですよ。しかし、どうするのだということはちっとも提示がない。そんなことはない、あるとおっしゃりたいのでしょう。二六ページの別表1をごらんくださいというようなことを言うかと思う。各交通機関が占めるシェアが提示してあります、こう言う、そう言わざるを得ないのでしょう。いかがですか。
○原田政府委員 答申にございますのは、先生の御指摘のように、具体的にその作業をいたしましたものを抽象的に表現いたしたわけでございますが、このバックには相当膨大な作業をいたしておりまして、大まかな交通体系の骨格というものは随所に記述されておると思います。それから、いま御指摘の需要の予測については、大まかなシェアの目標が出ております。ただ、もちろんこれは、そのときの経済情勢あるいは今後の経済構造の変化あるいは地域構造の変化等について、そのつど見通しをすることは適当であろう、こういうことが述べられておるわけでございます。
○斉藤(正)委員 そこら辺になると苦しい答弁にならざるを得ないと思うのです。私は、自由主義経済のもとにおいて、特に資本主義経済体制下において言うべくしてできないことですと言うことがほんとうだと思うのです、そこにおすわりの皆さんはみんな。しかし、いろいろな工業生産、人口動態あるいは国土の開発等々との関係からいくと、この別表1の数字などは、こうなるであろうという数字であろうと私は思う。一歩進んで、こうしたい数字だということではないではないか。こうしたいという数字というならば、それに伴う具体的な施策がいよいよ明らかになってこなければ、これは全くほごにひとしいものになる。一体、ここに航空、鉄道、自動車、海運と、旅客、貨物相互にわたって四十四年、六十年対比のシェアが書かれておりますけれども、これはこうしたいというのですか、こうなるだろうというのですか、どちらですか。
○原田政府委員 この需要予測の作業を若干御説明申し上げますと、六十年時点の日本経済の構造あるいは人口、産業の配置を地域別に一応の想定をいたしまして、それに基づいて交通需要の予測をいたすわけでございます。その場合、まだ施設ができておらないところもございますから、たとえば新幹線もできておらぬとかあるいは飛行場、港湾もできておらぬということも一応想定いたしまして、これはまず施設ができたらどういうふうに最も経済効率といいますか、運賃と時間のファクターを一応そのファクターにいたしまして、最近いろいろな経済学者がモデルを開発いたしておりますが、そういったものの一番最新的な考え方を取り入れて、かりに東京と北海道の間にいろんな交通手段ができたと想定した場合に、利用者がどういう交通機関を選択していくであろうかということをモデルで計算いたしまして、これは膨大な作業になるわけです。それによりますと、各交通機関に需要の配分ができるわけであります。それによってかなり需要の密なところは、たとえば新幹線鉄道でありますと、ある一定規模以上の需要になれば十分新幹線鉄道が成り立ちますから、それは新幹線を引こうではないかというようになるわけです。それからあるところでは、こういうところは港湾をつくったらどうだろうかということになりまして、その数字が、たとえば新幹線鉄道でございますと七千キロくらいはやったらどうだということがこれに出ておると思いますが、そういう作業過程を経ましてここの施設整備計画というものはできておる。したがって、かなり具体的に、施設整備計画では具体的な施設整備のおもなものをここへ列挙してあると思いますが、そういう作業過程が行なわれたと私どもは聞いております。
○斉藤(正)委員 そうすると、ほっておいても趨勢としてはこうなっていくから自然にまかせようということだけではなくて、かなり作為的に、誘導的なものが入っている、こう解釈してよろしいか。
○原田政府委員 そのとおりでございます。
○斉藤(正)委員 きょうはあえて経済企画庁を呼ばなかったわけでありますけれども、国鉄並びに運輸省、経済社会基本計画の、しかもこの運輸関係については知悉をされていると思います。交通関係については知悉をされていると思いますから、ちょっと酷なようでありますけれども、国鉄並びに運輸省にお尋ねをしたいと思うのです。 先ほども触れましたけれども、答申の二六ページの輸送需要の予測と、これは四十四年対六十年比でございますから、違うといえば違うといわれてもやむを得ませんけれども、経済社会基本計画では四十六年から五十二年がとってあります。このうちでへたとえば旅客について言いますと、答申のほうでは四十四年、航空一に対し六十年は四だ。鉄道は、四十四年五二に対し六十年は四四になる。自動車は、四十四年四六に対し六十年五一になる。海運はそれぞれ一だということで、航空においてはプラス三鉄道においてはマイナス八、自動車においてはプラス五ということになっております。経済社会基本計画のほうでは、航空が四十六年一・七に対し四・一、鉄道が四十六年四六・九に対し四〇・八、自動車が五〇・六に対して五四・二ということで、航空はプラス二・四、鉄道はマイナス六・一、自動車はプラス三・六、海運がプラス〇・一というようなことになっておりまして、この傾向は答申でも経済社会基本計画でもほぼ同じなんです。ところが貨物になりますと、鉄道は、答申では四十四年一七に対し六十年が二四、プラスになっておる。ところが経済社会基本計画では、鉄道一八・七に対し一四・三と、マイナス四・四になっておる。片やプラス七なのに片やマイナス四・四ということは、差し引きといいますか合計といいますか、いたしますと、シェア一〇%以上の違いになるわけであります。もっとも冒頭触れましたように、経済社会基本計画のほうは四十六年対五十二年、答申のほうは四十四年対六十年だから、年次が違いますよと言うかもしれませんけれども、少なくともこれは傾向であります。磯崎国鉄総裁も、一生懸命貨物の輸送増強について説明がございました。私は、願望としてはこの傾向はわからないわけでもないのでありますけれども、経済社会基本計画のほうが一八・七から一四・三に減らしているのに、答申のほうは一七から二四にふやしているというこの内容がわからないというよりも、経済社会基本計画のほうが残念ながら正しいのではないか。いや、それは年次が短いからそこまでは減っていくのです、そこから答申のようにふやすんですよ、ふえますよと言うのか。そんなに簡単に物流の動きが作為的に直るとは私は考えないのでありますけれども、この違いをどう解釈したらよろしいか、教えてください。
○原田政府委員 先生の御指摘のように、貨物については、経済社会基本計画の分担シェアと運政審の答申では大きな違いがございます。 経済社会基本計画は、御承知のように五十二年を目標にしておりまして、これは現在のテンポから考えまして大体貨物で二倍近くでしたか、ちょっといま数字を忘れましたが、大体全体の数量が二倍くらいにふえていく。しかしながら、国鉄の貨物輸送力を増強するといいましても、必要性はあるわけでございますが、五年間に一挙に二倍になるように、とてもそれはいけるものではないわけでございますから、徐々にしか増強できない。実際の投資をいたしましても効果が出てくるのは時間がかかる。そこで、どうしても大体現状の趨勢延長を若干出た程度ということになりますので、シェアは、具体的に申し上げますと、若干現在より落ちるくらいになろうかと思います。 そこで、経済社会基本計画のシェアが一四%でしたか一四・何%程度に予測されておるわけでございます。しかしながら、運政審のほうは、むしろこれは政策審議会におきまして、先ほど御説明したように、将来のあるべき姿というものをかなり率直、大胆に作業をいたして計算しておりますし、また輸送需要の見通しについては、これは政府として必ずしもこのとおりになるかどうかという点については、いまだ現段階において正式な数字は出ておらないわけでございますが、運政審が作業した当時としては、貨物輸送量は全体として四、五倍の数字になる。その場合、先ほど申し上げましたようなやり方で各交通機関の分担関係を作業いたしてみますと、かりに国鉄の貨物輸送が完全にシステムチェンジをして、フレートライナー網というものが張りめぐらされることができるとすれば、これは非常に貨物を吸収できるものであろうということになりまして、そちらのほうに相当の貨物を分担してもらわないと、貨物輸送体系がくずれてしまうということは明らかになったわけでございます。そこでシェアとしましては、現在よりはむしろふんばってもらうということで、鉄道のシェアが二四%というのが出てまいっておるわけです。これでも道路のほうは相当窮屈な状態でございまして、もしこれが経済社会基本計画でいっておりますような一四%程度のシェアになった場合には、現在でもすでにもうトラックは、自動車全体の台数が可住地面積当たり世界で一番過密な状態になっておりますので、たいへんな自動車の数量になってまいりまして、いろいろな点で問題ができるということから、鉄道の協同一貫輸送を推進しようということで、こういう数字になったと承知しております。
○斉藤(正)委員 だいぶ苦しいお答えをいただいているのですが、そうすると、先ほど私が途中で申し上げましたように四十六年から五十二年というのは、鉄道についてはなおマイナス四・四というような下降の傾向にいく。しかし、五十二年を過ぎてフレートライナーその他が整備され、新幹線等の建設と相まって、答申による、六十年では二四のシェアも可能だ、こういうことでこういう数字が出た、こういうように解釈してよろしいか。
○原田政府委員 政策審議会の議論としては、確かにそういう考え方はあったと思います。
○斉藤(正)委員 これ以上この問題は触れませんけれども、たとえば自動車輸送につきましても、答申のほうではマイナス五となっているのに、自動車のほうはプラス一・一ということですから、先ほどの御説明のようにその段階までは、すなわち五十二年までは道路輸送もそういう傾向であるけれども、やがて六十年が近づくに従ってマイナスの方向にいき、六十年には二九になる、こういうことと解釈をいたします。しかし、これはなるほどバックデータは膨大なものを集めてこういう数字を計算上出した、決して架空の数字でないと私も思いますし、そうだろうと思いますけれども、この数字を並べ、ことばを並べ、活字を並べただけで総合交通システムはできるものではないと思うのであります。たとえばこの経済社会基本計画におきましても、自動車の保有台数を見てもわかりますように、普通トラックは、四十六年八十九万七千台が、五十二年には百三十七万台になるとしている。伸び率は年七・三だ。小型トラックは、八百四万六千台から九百八十五万台になる。伸び率は年率三・四だ、こういうことになっていて、なるほど御説明にありましたように、道路へ車が並んでそれでおしまい、にっちもさっちもいかないというような状態になるおそれもあるかと思いますが、これを経済社会基本計画でこのように書いておくだけでは、日本の交通は改善をされない。 ここに私は大臣に考え方を聞きたいのでありますけれども、なるほど答申なりあるいは基本計画なりいろいろな文章や数字はあるけれども、蛮勇をふるって、いわゆる輸送機関によるシェアの確立という方向へ持っていかなければどうにもならぬのではないか。これはうちの太田委員その他も触れておりますので、あれこれくどくは言いません。特に乗用車などは、四十六年一千四百九十一万五千台が、五十二年には一千九百四十八万台になって、年一〇・一%の割合で伸びていく。これは伸びていくのか、伸ばしていくのか、あるいは抑制するなのか、政策が出てこなければどうにもならないことになると思うのであります。私はあえてレーバープランなどをそのまま日本へ持ち込めとは言いません。言いませんけれども、よほどいまの段階で、特に大臣在任中に画期的な決断と実行でこの指導、規制をしなければたいへんなことになって、経済社会基本計画どころの騒ぎじゃない、運政審の答申どころの騒ぎじゃない、国鉄再建どころではないというのっぴきならない立場に追い込まれると思いますので、大臣ひとつ、こうした答申書やあるいは計画書やあるいは国力の決定などはけっこうでありますけれども、その基礎の上に立って画期的な施策として、少なくもあなたが在任中にこれだけはやりたい、半分でも一つでもいい、何かありませんか。
○新谷国務大臣 経済社会基本計画、これはただ未来の予測をしたものだけではございませんで、関係各省協力いたしましてつくり上げたものでございます。したがいまして、その中をごらんになりますと政策の方向が示してございます。こういうことに持っていくにはこういう政策を行なわなければならない、こういう施策を講じなければならないというのが至るところに出ております。交通についても同様でございます。しかし、これは一般的、抽象的なことばであらわされておるのでありまして、具体性があまりない。それを具体化していくのが各省のこれからの仕事であろうと思います。 御指摘になりましたように、また政府委員が答えましたように、いまのそういう総合交通体系というような見方からいたしまして、各交通機関が持っている特殊性を生かして、どういうふうな分担をもって今後の輸送に当たるのが一番望ましいかというようなことにつきましては、あまりに広範なものですから、政策のいままでに具体化したものはそうたくさんないように思います。問題はこれからだと思いますが、しかし一面から考えますと、先般もお尋ねがありまして、いままで運輸省は何もやってないじゃないか、こういうようなおしかりを受けたことをよく覚えておりますが、しかし運輸省も、いままでにもその方向に向かいましていろいろのことをやってきていると思います。たとえば大都市間、大都市を中心にしての通勤通学輸送にいたしましても、これは年来の問題でございますから、財政の許す限りにおいていろいろのあらゆる措置を講じてきたと思います。それから地下鉄の問題もそうでございますし、あるいは都市交通の中でバスの問題もそうであると思います。しかし、初めにおっしゃいましたように、これはやはり答申にもあり、また経済社会基本計画においてもそういうものを基本方針としていると思いますが、交通機関におきましては、各国ともやはり競争原理というようなものをもとにいたしまして、利用者の選択によりまして利用者が選ぶというのが先に立ちます。ということは、結局輸送についての設備を整えること、それから輸送について、そのほうに荷物なりお客さんならお客さんが集中するようなサービスの改善を強力に行なっていくこと、こういったのがやはりもとになってこなければならないと思います。 その点を強調してまいりますと、どうも国鉄の例によりますと、国鉄の力だけでは及ばぬという問題がたくさんあるわけでございまして、そういう点につきましては、今度の再建計画におきましても国鉄が独力では力の及ばぬところを政府の助成、補助によりまして、できるだけのことをさせようというのがねらいではございますけれども、これで足りるかということになりますと、私は、それは必ずしもこれで十分だとは少しも考えておりません。なお輸送事情がどんどん変化してまいりましょう。社会構造も変わっておりますから、産業構造も変わってまいりますから変化してまいると思いますが、いま申し上げたような原理において、それに対応したような設備を整え、サービスの改善をしていかなければならぬ。それには政府の助成というものがさらにさらに必要になってくるのじゃないかという気がしておるのでございますが、いま立てました案は、そういったことを一応頭に置いては考えておりますけれども、これがもう絶対的なものではないと思っております。事情の変遷によりまして、それに対応したような政府の姿勢というものが必要であるというふうに考えておりまして、積極的な努力は決して惜しみません。
○斉藤(正)委員 私は運輸委員委員会に籍を置いて、橋本、丹羽それとあなたと三代の大臣にそのつどこの種の要望をしてまいったわけであります。しかし私もいま、これだという総合交通システムの一つのきめ手を、半分でもいいからあなたやれと言ったのですよ。どういうものがありますか、私に聞かぬでも、あなたは専門家だから知っているはずだ。だけれども、なかなかそれをやると言わないのですね。どの大臣も言わない。善処いたしますとか、金が要れば出しますとか、努力をいたしますとかと言うだけです。 私がここで読み上げるまでもなく、先ほどもちょっと触れましたけれども、レーバープランなるものがありまして、西ドイツにおいてはどうしたか。新聞記事でたいへん恐縮でありますけれども、ちょっとひとつ読み上げてみましょう。「西ドイツの例をみると、一九三〇年代から鉄道と自動車の間の貨物輸送における競争を規制するため、両者の運賃を調整する政策がとられ、四九年からは営業用長距離トラックの台数制限まで行なった。また、内陸水運との調整では、鉄道と競合する路線の鉄道運賃は船舶運賃を下回らないような措置も講じられた。ところが、これらの施策はいずれも期待はずれの効果しかあげられず、鉄道のシェアは低下する一方であった。そこで、鉄道当局、学識経験者、産業界から種々の提案が寄せられ、政府は一九六一年、これまでの競争抑制を目的とした調整政策を一八〇度転換、競争促進政策を採用した。これによって、各輸送機関は定額または最高最低制の運賃によらなければならなくなり、必然的に運賃の競争が行なわれた。この競争に勝つためには、各輸送機関は、経営の合理化、近代化などによって経費の節減をはかるとともに、自分の技術的、経済的利点をもっとも効果的に発揮できる分野を担当しなければならなくなっている」こういうように書いてあります。西ドイツにおいても、先進であるかどうか、私はちょっと疑問に思いますけれども、紆余曲折があり、いろいろやってみたのですよ。言うならば、この総合交通システムあるいは経済社会基本計画においても、西ドイツ政府で言うならば、「政府は一九六一年、これまでの競争抑制を目的とした調整政策を一八〇度転換、競争促進政策を採用した。」などということになると、競争原理の導入なんというのはまさにいいじゃないかということにも自画自賛されるかもしらぬ。しかし、大陸続きのドイツ、そして内陸に運河の発展しておるドイツというような、地形あるいは風土、地勢等々とこの絶対の島国である日本とは、やはりそのままの適用はできない部面もあろうかと思うのです、総合的な交通システムということになれば。しかし、何かしらやらなければならぬ。そこで新聞の記事によれば、「今の日本には、総合交通政策らしきものもない。どこからどこまでが国鉄担当分野なのか、バス、トラック、船舶、飛行機はどうなのか、ばらばらに進んでいるのである。できるだけ早く、将来の輸送量の伸びを中心に、それぞれの輸送機関が持つべき分野を定めた交通政策をたてるべきではないだろうか。国鉄自身「弁解と受け取られるかもしれないが」と前置きしながらも、「交通政策があればどんなに楽になるかわからない」といっている。これこそが国鉄問題を含めた輸送問題打開の切札だ、との意見が、各方面に強い」ということが書いてあるわけであります。統制経済、計画経済でないこの自由主義経済の日本において、できない、むずかしいというようなことを言っていれば、これは先ほども触れましたけれども、ますます迷惑するのは国民だということになると思うのであります。 そこで大臣、一つでも半分でもと私が言ったのは、先ほどの経済社会基本計画の中で、たとえば乗用車が年率一〇%オーバーしてふえていくというようなことを、あなた主要交通閣僚としてメーカーにストップさせる——できないと言うでしょう。きっとできないと言う。できないと言っていれば、どんどんふえる一方ではないですか。マイカーの生産の規制ができないというならば、せめてマイカーの乗り入れ等々に対する規制——すぐあなたにもできることは、この間も問題になりましたけれども、トラックの過積みの取り締まりでありますよ。あなた少なくとも交通閣僚としてはトップですよ、運輸大臣。どうです、何か一つ、絶対やりますとここで言明できませんか。絶対やりますと言うまで私は質問を続ける。
○新谷国務大臣 絶対にと言われると非常に私も御答弁に困るわけでございますが、先ほど申し上げましたような趣旨に従いまして積極的にやりたいと思っております。絶対やりますなんとみえを切ってできなかったらこれはしようがないのですが、そういうことは、いいかげんなことは私は言えないと思っております。しかし、おっしゃるように、どこに欠陥があるかということはだんだんみんなにわかってきておるはずでございますから、いま具体的にお述べになりましたようなマイカーの問題とかあるいはトラックの過積みの問題とかいうのは、これは税制の問題もございますし、いろいろな問題から対処をしていかなければならぬということだけはいえるのでございます。これはだれかがやらなければなりません。しかし、先ほど申し上げましたのは、これはいまさら何を言っておるのだとおっしゃるかもしれませんが、たとえば私は、鉄道との関係を考えますと貨物を例にとります。これはほとんど、航空とかいうようなものは問題ないと思います。海運の関係を考えてみますと、カーフェリーは別でございますけれども、一般的に海運との関係を考えますと、荷物の種類とかあるいは距離とかによりまして、これは大体きまってきておるわけです。よほどのことがない限りはさまってきている。問題はやはりトラックとの関係でございましょう。トラックとの関係におきましては、運輸省でも、これはぼやぼやしておるわけではございませんで、いろいろ調査をしております。たとえば鉄道との関係においてどこまでが望ましき分担関係だろうかというようなことにつきまして、これは経済的には調べております。二百キロぐらいまではトラックがいいだろう、二百キロをこえると国鉄のほうが経済的にはいいはずだ、こういうのですが、しかし、それが実現されないのですね。なぜかということですね。これはいろいろ原因があると思います。さっきも申し上げましたが、ただ単に運賃だけではなしに、荷主に対するいろいろなサービス、そういったものが整ってまいりますと、これはこの競争原理を生かしましても、当然そこに、国鉄のほうに荷物が流れていくということになるわけでございますから、そういうような体制をこしらえるために、いろいろの計画をしておるのでございます。今度のよくいわれますフレートライナーとかなんとか、いろいろな計画がございますが、そういったものを動員いたしまして、そういう望ましき貨物の輸送の分担というようなものにつきましては、今度の再建計画でも十分に考えておる、これをもっと徹底してやりますと、いまおっしゃるようなことが、これはもう当然実現されてしかるべきだし、そういう結果に持っていける、私はそういうふうに考えておりまして、奇想天外なことを申し上げるよりも、そういう地についたことを着々やっていって、そしておっしゃるような総合交通体系の中における国鉄のシェアというものを確立するように、あらゆる努力をしなければならぬというふうに考えておるのでございます。
○斉藤(正)委員 具体的なお願いに対して、答弁が抽象的になって残念でありますけれども、私は三年ばかり前に橋本さんが運輸大臣のときに、トラックの過積みをなくすために、高速道路のインターのゲートがあります、この一つの入り口をトラック専用にして、そこへは必ずはかりをつけろ、こう言った。しばらくたって、橋本さんはのこのこ来まして、斉藤君、一つつくったぞ、こう言うのです。私は一つでも勇断だと思った。なかなか途中から、ああいうところへはかりをつくるなんということは容易じゃないのですよ。しかし、ゲートというゲートへ全部つくれというのじゃないんだ。トラック専用のゲートを一つつくって、そこへのみはかりを置く、そのはかりの施設費等は、過積みに基づく事故あるいは道路のいたみその他のことに比べれば、ささいなもので済むと思うのですよ。今日、トラックというトラックがたいへんな過積みをしているという事実は、大臣もお認めだと思うのです。高速道路の数あるインターチェンジのゲート一つに、はかりをつけるくらい何のことはないでしょう。橋本さんは一つつくったといって報告に来た。大臣、どうです、全部つくりませんか。
○新谷国務大臣 これはもう十分御承知だと思ったものですから抽象的なお答えをいたしましたが、関係各省で、このトラックの過積みの問題につきまして十分協議をいたしております。その中に、いまおっしゃった重量計の問題がございまして、取り上げております。ですから、いま全国に幾つあるか、これは政府委員からお答えさせますけれども、高速道路を中心にいたしまして、相当普及をさせるようにしておるのでありまして、これは費用がかかるからではなしに、それにいろいろの人間のあれが要ったり、あるいはいろいろの手続が要ったりするものですから、つい全国的に、どこのゲートにでも置くというわけにはまだいっていないようですけれども、トラックの過積みの問題につきましては、あなたの御示唆があったので置いたのかもしれませんが、だいぶこのごろは普及してきておるというように私は承っておるのでございます。
○斉藤(正)委員 せっかく自動車局長が来ていますから、高速道路への重量計の設置について資料がありましたら、お答えください。
○小林(正)政府委員 この過積み対策を総合的に推進しようということで、昨年の十一月十日に内閣の交通安全対策室に、関係省といたしまして通産、運輸、労働、建設、警察と、関係各省が集まりまして、総合対策が策定されたわけでございます。それの第五項に、重量計の整備による取り締まりの強化という一項目がございまして、固定式重量計、これがただいま先生の御指摘の重量計だと思いますが、これを今後、全国主要地点に整備する。それから可搬式重量計と申しまして、これにつきましては警察庁が増備をするということで、この両方の重量計を使いまして、法令違反の重量車両の取り締まりを行なう。取り締まりは、御承知のとおり、警察庁所管の道路交通法違反ということになりますので、この取り締まりを強化する、こういうことが重要な項目になっております。 そこで現在あるいは今年度の予算でこの重量計が増備されることになっておりますが、ただいま手元に具体的な個所数については持ち合わせてございません。
○斉藤(正)委員 総裁、長いこと聞いてばかりいただきましたけれども、何も国鉄の肩を持って、私は、貨物を国鉄へ回せとか、あるいは客をもっと国鉄へ回せとかということで言っていたのじゃないのですが、先ほど読み上げました新聞記事によりましても、国鉄のどなたが言ったか知りませんけれども、総合交通体系があって、各交通機関の受け持つ分野さえきまっていれば楽だがという気持ちは、率直にあなたでも言うと思うのですよ。そういう意味で、総合交通体系の具体的な実施に移らない限り、国鉄にとって苦難の道は続くということを覚悟しなければならぬと思う。 そこで、しばらくごぶさたしましたから、国鉄に集中的に聞きますけれども、新幹線についてちょっと……。これはきわめて具体的なことですから、多少の計数はどうでもいいですよ。東海道新幹線が開通して十年になろうといたしておりますけれども、四十五年において営業係数四四、四十六年四五、まことに期待以上だと、これは総裁もほくそえんでいるわけであります。このようなすばらしい、新幹線に限ってのみ言えば、成績をおさめていますが、土地買収を含めて、東海道新幹線、すなわち東京−大阪間に投資した額は、当時のお金で幾らであったのですか。
○磯崎説明員 いまの正確な数字はすぐお答えしますが、その前に総合交通体系のことを一言だけ申し上げます。 私、先年レーバーさんが東京へいらっしゃったときにお目にかかりまして、実際に直接お話を伺いましたときに、やはり貨物の距離制限とか、品目制限はなかなかむずかしい、ドイツでも法律を守らなくて困るのだというお話がございました。これはお話のあった過積み問題でございます。これはぜひ自分の国でもやるのだということを言っておられました。ただ、具体的な例でございますが、たとえばある県の警察本部が過積みの取り締まりをするということになりますと、たとえば砂利のようなものは、ばっと私のほうに荷物が参ります。一番多いのは、砂利と木材だと思います。これを県の警察が取り締まりをするということになると、とたんに貨車の要求がふえてくるということになりまして、なかなか総合交通体系と申しましても、ドイツでも成功しておる面と失敗しておる面とあると思います。しかし、やはりできる面は必ずあると私は思いますので、私は、大臣が必ず何か具体的なことをやってくださるということを確信いたしております。 新規投資——東海道新幹線の最後の投資額が三千七百八十九億九千三百万円、約三千七百八十九億でございます。これは当時の金でございます。
○斉藤(正)委員 この三千七百八十九億の投資を、いまの調子でいくと——むずかしい償却はいいですよ。いわゆる投資した投資額を回収できるのは、いつになりますか。簡単な計算でけっこうです。むずかしいことは要りません。すぐにもおわかりになりませんか。
○磯崎説明員 借金を返しまして、そして償却費を計上して一応とんとんになるという、借金を返す期間だけはまだあれでございますが、三十九年からでございますから、あと償却未済額が二千七百億円程度でございますから、三千七百億の全額回収ということは要らないわけであります。たとえば土地なんか残りますので、そのために借りた金を返すということを全部計算いたしますと、あと五年か七年ぐらいで大体全く黒になるというふうに思います。
○斉藤(正)委員 東海道新幹線に限っていえば明るい見通しでありますが、その後、御承知のような七千キロを含めて新幹線建設計画が進んでおります。山陽は別として、東北なりあるいは上越なり成田も別口になるかもしれませんけれども、九州なり北海道なりというような形で着々延びていくわけでありますけれども、この東海道新幹線あるいは山陽新幹線の甘い夢じゃない、現実をもってよその新幹線のことをまさか考えてはいないと思いますけれども、つくった結果荷物になって持てあますというようなことが全くないといえるかどうか、いわゆる採算性という点において。この辺は、とくといろいろな計算の上に立っておやりになっていると思うのです。なるほど、あいた旧線を貨物輸送に使う、しかもそれは快速で飛ばすというようないろいろなことは当然お考えになっていると思いますけれども、しかし、十六両編成を一時間に二十本も走らすというような線はおそらく東海、山陽で終わりであって、あとはそんなヘッドはとても組めないだろうというように思う。しかも投資はばく大なものになるというように考えるのですが、その辺の計算あるいは全国鉄に占める使命、位置といったようなものについて誤算があってはならぬと思うのです。どのようにお考えですか。
○磯崎説明員 確かに先生のおっしゃいますとおり、東海、山陽と申しますのは日本でも非常に特殊な地域でございまして、旅客の輸送量のもとになる人口の配置、あるいは産業の配置にいたしましても、これほど過密な地域は世界にはないといわれておりますので、東海、山陽以外の新幹線が、それほど東海、山陽のように急ピッチによくなるということは絶対考えられないというふうに思います。 いま線別で申しますと詳しくなりますのでグループ別に申し上げますと、私のほうのいろいろ推定から申しますと、いま着工いたしております、一応成田は別といたしまして、東北、上越の二線、東北は盛岡まででございますが、この二線は一応五十二年度に開業いたすといたしますと、これは主として東北線のおかげでございますけれども、大体盛岡まで、新潟までならば五十二年の初年度から償却前の黒にはなる。いわゆる経費だけはまかなえるということの計算でございます。また、これが一応償却費を計上いたしましたあとの黒になるには、その後二年ないし三年はかかる。五十四年ないし五十五年には償却後黒になるだろう。東海の場合には翌々年にはなったわけでありますけれども、大体東海道より一年おくれでもっていいのじゃないかというふうに考えます。 ところで、いま鉄建公団と両方で調査いたしております五線でございますが、御承知の盛岡−札幌間、北回り及び九州、五つございますが、この五線につきましては、一応現在の計算では昭和六十年前後にならなければ償却前の黒にはならない。これは五十四年開業というふうに考えております。五十四年度に開業いたしまして、五年ないし六年は償却前でも黒にならないというふうに計算いたしております。また、それが黒になりますのは六十九年です。昭和六十九年になりますと償却後の黒になるというふうになります。 これを全部総括いたしますと、これも非常にラフな計算でございますけれども、現在開業いたしております東海道並びに最近の山陽、これといまの工事線、調査線全部ひっくるめた、いわゆる新幹線グループ全体の収支といたしましては、東海、山陽のウエートが非常に高いものでございますから、全体から見ますとわりあいよくなりまして、昭和六十一年度には一応償却費を計上いたしましたあとで黒になるだろうというふうな推定でございますが、これは大部分東海、山陽に負うところが大きいというふうな計算でございます。
○斉藤(正)委員 とらぬタヌキの皮算用にならないように期待をすると同時に、あまりこれに期待をしていくことは私はあぶない、危険だ、ちょうどいまの赤字線をかかえたように、東海、山陽両新幹線でおんぶしていかなければならぬというようになることをおそれ、かつ警告をするわけであります。 そこで、新幹線の公害をやはり伺わなければならぬわけであります。大臣、「せまい日本そんなに急いでどこへ行く」という標語を御存じですか。「せまい日本そんなに急いでどこへ行く」、これは何ですか、ひとつ答えてください。
○新谷国務大臣 高速道路を通っておりましたら、あまり急いで事故を起こすなというような意味で警察庁のほうから出している標語だと考えております。間違っておりませんでしょうか。
○斉藤(正)委員 そのとおりで、交通安全のための標語でありますけれども、この「せまい日本そんなに急いでどこへ行く」ということばは、いまの日本の社会情勢のすべてに当てはまる標語だと私は思っているのですよ。国鉄運賃をやっておりますけれども、そんなに急いで上げることもないし、これは非常に含蓄のあることばだと思うのです。 もう一つ、大臣、これは失礼ですけれども、「やみ開く音して梅の花開く」、この俳句だか発句だか川柳だかわかりませんけれども、この「やみ開く音して梅の花開く」ということばを直感的にお聞きになって、禅問答みたいですけれども、何か静かさというような感じは持たれますか。ちょっと感じを。「やみ開く音して梅の花開く」、すなわち梅の花が開くときに音が聞こえたというのですよ。感じはいかがですか。どういうふうに感じますか。
○新谷国務大臣 文学的な面では非常に素養が少ないものですから、あなたのような実感は伴わないかもしれませんが、非常に心静かな、なごやかなよい感じがします。
○斉藤(正)委員 非常に適切なお答えをいただいたわけでありますが、この「やみ開く音して梅の花開く」というのは、新幹線が通るまでは松籟の音が聞こえる関西随一の住宅地といわれた尼崎市の松籟というところがあります、そこの住人が、歌人でありましたけれども、つくった歌であります。「やみ開く音して梅の花開く」、そのように静かだった松籟地区が、山陽新幹線が開通をしてたいへんな騒音地帯に変わったのであります。大臣は、これは言ったかどうか、あなたは後ほど否定をしておりますのでわかりませんけれども、四十八年二月二十日、「80ホンと決めれば70ホンといい出し 際限ない騒音対策 つい本音?運輸相、居直り発言 「音の出ない汽車はない、騒音の基準を八十ホンと決めれば、住民は七十ホンといい、騒音問題はエスカレートするばかりで際限がない」——。新幹線の騒音対策を要求する沿線住民の顔をサカなでするような発言が二十日午前閣議後の記者会見に臨んだ新谷運輸相の口から飛び出した。新幹線の騒音対策について、中央公害対策審議会は昨年末、騒音の暫定基準を八十ホンに抑える基準を設け環境庁長官に答申、これを受けて国鉄では東海道新幹線、山陽新幹線など在来線の騒音対策に取り組むことにしている。ところが名古屋、静岡など、新幹線沿線の住民の間では「八十ホンでは地下鉄の車内並みの騒音であり七十−七十五ホンにして欲しい」との要求が出ている。新谷運輸相も大臣就任直後は「安全公害対策を最重点として運輸行政に取り組む。新幹線建設は地域住民との調和がカギ」とカッコよい抱負を述べていた。しかし、この日の“居直り”的発言は騒音対策に消極的な運輸当局の本音をもらしたものとみられる。」後ほどあなたはこの発言を訂正されて、訂正記事がやはり新聞にも載っておりますが、まあ言った言わぬはともかくとして、何か言ったに違いないのですね、こういうふうに新聞記者に受け取られる発言を。本音はこうだったのですか。いかがですか。
○新谷国務大臣 不徳のいたすところで、そういう記事が出たということは、事実、事実でないにかかわらず、非常に遺憾に思います。しかし、そういったことを、「閣議後」というふうにおっしゃいましたが、閣議後そういった発言をした覚えはありません。おそらく問題は、私が仙台に行ったときのことだと思います。仙台では七十ホンということを要求しておられます。そこで、記者会見をいたしました際に、仙台七十ホンにしろというのはどうだ、こういうお尋ねがありました。それに対しまして、いま環境庁のほうでは八十ホンというのを基準にしているんだ、八十ホンをわれわれは一応の基準として全国的に八十ホン以下にしようと努力をしております。八十ホンで満足しているわけではありません。それ以下にするべく、あらゆる方法をいま検討もし、努力もしておるのです。しかし、場所によりましては、この土地は八十ホンでいいとか、この土地は七十ホンでいいとかいうわけにはまいりません。やはり全体の基準に従いまして、これは処理していかなければ運輸省としては困るのですというような意味のことを話したことがございます。それがどういうふうに伝わったのか知りませんが、いまお述べになったような一部の居直ったとかなんとかいうようなことがどこか仙台のある新聞に出たように私は聞いておるのでありまして、それがさらに東京に移入されまして、機会のあるごとにいろいろな記事になって出ておるのではないかと私は思います。 その問題は、言うまでもございませんが、環境庁としましては中央公害対策審議会で一応標準をきめまして、われわれのほうに公文でもってこういう基準でやってほしいということをいってきております。私は、さっそくそれを国鉄に移しまして、国鉄の具体的対策をこれによって講じてもらいたいということを言ったのです。それに対し、国鉄のほうはいろいろ検討されました結果、返事がありまして、東海道新幹線のほうは着手当時からその点については多少配慮が足りなかったので、相当時間もかかり経費もかかるので、なかなかこれはむずかしい点があるけれども、最大の努力をしますということと、それから山陽新幹線のほうは、従来の経緯もあるものですから、その経験を全部生かして、いまのようなことは相当早い機会に全部できる見込みだというような意味の返事がございましたので、その後もこの問題につきましては、事務当局も環境庁と打ち合わせながら、あらゆる方法を講じて国鉄もまた開発研究を進めまして、騒音を最小限度に押えるための努力を引き続いてしておるというのが現状でございまして、いまお述べになりましたような、何だか公害をしょって歩くような姿の発言というものは、私の本意でないことはもちろん、そういった事実については私は全然記憶もないし、その事実は私は肯定するわけにいかないのであります。
○斉藤(正)委員 仙台でしゃべれば河北新報に出て、その河北新報の記事がまた共同か何かで東京に流れてきて、中央各紙なりなんなりが書くということはありますけれども、これは中日新聞なんですよ。もちろん中日新聞だって全国ネットワーク持っておりますからあれですけれども、しかし、言った言わぬはいいけれども、新幹線公害について、大臣、何と何と何があるか、五つくらいお答えできますか。
○新谷国務大臣 足りないところは政府委員から補足させます。 騒音もあります。振動もあります。それから字が違いますけれども、黄害もあります。それからラジオ、テレビなんかに対する電波障害がございます。その他あるかもしれませんが、いまとっさの場合ですから、そのくらいしか考え出せません。
○斉藤(正)委員 新幹線公害と聞いたので、黄色い害は新幹線には幸いないのですが、大体よく御存じですよ。 〔細田委員長代理退席、佐蔵(守)委員長代理着席〕 しかし、主管大臣ですから自信と確信を持ってお答えいただかないと困ると思うのですけれども、世界に冠たる新幹線がたいへんな公害をまき散らしておって、公害発生源は新幹線であり、これを運転させておるのは国鉄であり、これを監督しておるのは運輸省ということですから、これは相当重要な問題だと思うわけであります。 そこで私は、まず公害問題に入る前に、いま大臣は言っておりませんけれども、日照権の問題であります。この際、若干新幹線の高架——特に防音壁を、いままではブロックのへいが一メートルの高さにあったところに、それを騒音対策をするという意味で、また一メートル上積みをしたわけですよ。騒音防止のためにあらゆる努力をするということで、国鉄当局がやろうとしてやったことはわかるわけだ。ところが実はこれが日照を遮断するということで、新たな公害といっていいと思うのですけれども、発生をさせております。環境庁から実はきょうは三木大臣にどうしてもと思ったのですが、都合が悪く、次官も局長もだめだということですから、たいへん残念でありますけれども、私が日照権が公害だということを環境庁とやりとりいたしますから、ぜひひとつ大臣も総裁もしばらく聞いていてもらいたい。 その前に、これも大臣、総裁でもどちらでもけっこうですけれども、最高裁判所が日照権を認めた判決をいたしておりますけれども、どちらか御存じですか。
○磯崎説明員 私勉強してまいりましたが、昨年の六月二十七日、最高裁の判決がございまして、これは聞くところによりますと、違法建築の結果、権利乱用ということで、日照権の問題を巧みに避けたような判決だというふうに聞いております。判決文、読んでおりませんが、結論的には権利の乱用で日照権をあれしちゃいかぬというような判決のようでございます。
○斉藤(正)委員 そのとおりでございまして、最近急激に高層建築が日照を阻害するということで、裁判所へ持ち込まれる日照権阻害の訴えがふえているわけでございます。資料によりますと、この裁判所の判断の根拠というのは、これは建築物でありますから家でありますけれども、Xという隣の人が訴えを起こしたわけなんですが、「本件につき、」「Xの敷地についてみると、Yの建物により、冬至において平均して四時間以上、日影内にあり、かつ、八二・三%の日照エネルギーが奪われる。この事実によれば、Xは多大の日照を奪われるのみならず、居室南面で仰ぐ天空は著しく狭まり、採光、通風その他の点でもその生活環境が大いに悪化するであろうことが予測される。」という決定を裁判所はした。被告側である「Yは、裁判所の勧告により、建物についての設計変更を考慮する旨の約束をしたにかかわらず、その翌日、急拠木製板枠を組みたてて建物五階の工事に着工したとし、五階の一部についての工事差止と、その部分に存する既設の仮枠の撤去を命じた。」というのが裁判所の判断であります。これは建築物で、しかも約束違反だということだから当然だというように思われるかもしれませんけれども、昭和四十六年度以降に東京地方裁判所へ持ち込まれた日照権問題に関する件数は、四十六年は三十四件、昭和四十七年には六十八件になっている。四十八年には、一月だけで七件になっているのです。このうち、和解、却下、認容、取り下げ、未済等いろいろありますけれども、いまや日照というものが、人間の生活にとってあるいは環境にとって非常に重要なものになってきたことはいなめない事実だと思うわけであります。 ところが、ふしぎなことに、この日照の問題は公害基本法の規定する対象になっていないわけであります。そこで私もいろいろお尋ねしたのですけれども、今日、日照の問題を公害として扱うあるいは政治として扱うという役所は建設省だというのであります。私は、ここに日本の役所のなわ張りというのか、あるいは都合の悪いことは逃げるというのか、感じているわけであります。なぜ環境庁が日照権問題を扱わないのか。建設省は好んでなわ張りでこれをかき込んだのか。私はそうじゃないと思うのですけれども、唯一のよりどころというのは、公害基本法に日照が対象になっていないということであろうと思うわけなんですが、環境庁と建設省の方、お見えでしたら私の見解について御意見をください。
○三喜田説明員 お答えいたします。 現行公害対策基本法におきましては、対象を大気汚染、水質汚濁等の七公害としているわけでございますが、主としてこれらの公害におきましては、多数の排出源からもたらされる汚染物質の排出等によりまして、相当広範囲にわたって不特定または多数の人々の健康または生活環境に被害が発生するおそれがあるということに着目いたしまして、これを行政上の公害という共通の概念としてとらえまして、その防止のために総合的な施策を講ずることといたしておるわけでございます。 これに対しまして、御指摘の日照阻害につきましては因果関係、規制の手段等につきまして基本法でとらえております公害とは異なる面が多いと思われます。すなわち、建築物規制ないし土地利用等の側面での規制によって対処することが適当であるというふろに思われますので、公害対策基本法の対象としていないというふうに考えております。
○香取説明員 先ほど来先生御指摘のように、近年非常に日照の紛争が各地に、大都市を中心として頻発する傾向にございます。もともと建設省といたしましても、生活環境にとって日照が非常に重要であるということはそのとおりに考えてまいったところでございますけれども、最近におきましては高密度都市社会の進行とともに、たとえば平屋二階建て等の低層住宅地に、こつ然として中高層のマンションができる等の事例にあたりまして日照が阻害される。この日照阻害ということが最近激化してまいりまして、もともと重要である日照が阻害されるということに適切に対処する必要があるというふうに考えまして、実は建設大臣の諮問機関でございます建築審議会に、日照問題にいかに対処すべきかということで御諮問申し上げてあるわけでございます。その中で、市街地環境分科会に日照問題専門委員会というものを設けまして、昨年の二月から十月まで十回余りの審議を重ねまして、御承知のところでございましょうけれども、昨年の十月に一応中間報告が出されております。その中では、先ほど来御指摘のように、日照というものの人間生活における重要性を特に指摘せられております。ことにわが国のような気候風土あるいは歴史的な居住様式、こういう面から、諸外国以上にわが国では日照が重要であるということを指摘されております。 それから法律的な問題といたしまして、従来、日照は南側に建てられる建物と裏側の建物との間の相隣の問題としまして、主として私法上の問題とされ、結局決着は裁判ということで行なわれる傾向にあったわけでありますけれども、しかし、公法上の対処も全くなかったわけではございません。都市計画法なりあるいは建築基準法なり、こういった建築物の規制の面で日照の確保に寄与する制度はございましたが、何と申しましても非常に間接的であり、また一律、マクロ的な規制方法でございました。こういうことにつきましては専門委員会として従来の対処のしかたは非常に不十分である、やはり単に私法上の問題から十分な公法上の規制を導き入れるべきであるということから、日照問題に対する対処の考え方といたしまして、まず抜本的にわが国の都市の日照問題を解決する方策といたしましては広域的な、できるだけ広がりを持って計画的に再開発を実施すべきである、その中で十分のオープンスペースを取りながら中高層化をはかるということで日照を確保すべきであるということがまず第一に指摘されております。 次に、そうは申しましても一挙に市街地について、全面的に再開発事業でつくりかえるということは困難であるから、やはり個々の敷地での問題を防ぐために何らかの大規模特定と申しますか、中高層建築物に対する規制を考えるべきであるということが二番目に指摘されております。それにあたりましては、日照に関する基準というものがこれまで十分なものがございませんので、基準を確立いたしまして、その基準を使って公法上の規制を導入すべきである、こういう指摘がございます。 そこで十一月以降、日照基準の専門委員会をこの審議会の中に設けまして、現在すでに八回余りの審議を願っております。できるだけ促進していただくように私どもも事務局といたしましてお手伝いを申し上げておるわけでございますが、建設省といたしましてはこの方式の答申を近々いただけると思いますので、それを受けまして国民生活上非常に重要な日照の確保につきまして公法上の規制を考えてまいりたい、そういうふうに考えております。
○斉藤(正)委員 私は、日照障害というのは一種の公害だ、したがって万人が受くべき日照の恩恵を何者たりとも阻害する者は敵だという考え方に立って、建設省、せっかく事務的にも実際的にもお進めになっておりますけれども、本来的にはやはり環境庁の所管すべきことじゃなかろうか。ただ、公害対策基本法にないばかりに環境庁ではどうにもならぬということではおくれている。三木副総理がいらっしゃればこの辺で公害対策基本法も改正をして、日照も含めろということを言うつもりであったわけであります。 私がここで環境庁や建設省においでをいただいて聞いていることは、磯崎さん、人ごとではないのですよ。あなたがたくさんおつくりになり、これからもおつくりになろうとしておる新幹線あるいはその他の鉄道の高架並びに継ぎ足している防音壁等が多大に日照を阻害をし、住民に迷惑を与えるという新たな公害が、これまた残念ながら新幹線につきまとってきた、こういうことからであります。私も、適当なときに三木環境庁長官に新幹線公害激甚地へお出かけ願って、一晩民家へ泊まってもらおうと思っておりますけれども、そのときはぜひ大臣も御一緒して一晩暮らしてみていただきたいと思うと同時に、適当なときに、日照の問題が建設省所管でいいのかどうなのか、公害対策基本法の中に日照問題を入れる時期が来たのじゃないかというようなことも含めて、ひとつ御検討をいただきたいというように思うわけであります。 そこで伺いたいわけでありますが、先ほど大臣がお答えになりましたけれども、騒音、振動、テレビ障害、そして日照、そしてまた電話障害その他あるわけなんです。そのうちでテレビの障害については、きょうはどうしても大臣から確答をいただかなければならぬ問題が実はあるわけであります。それは運輸省の指示要請、国鉄の受け入れというような形で、特に東海道新幹線、山陽新幹線沿線のテレビ障害につきましては、NHKの協力を得て鋭意努力をされているところは、私も認めるにやぶさかではありません。しかし、問題がまだまだたくさんあるわけであります。この新幹線沿線のテレビ障害について、国鉄とNHKは何か覚え書きか協定を結んで、すでに金額にして十五億になんなんとする個人アンテナの立てかえ、共同アンテナの建設等々をやったということを聞いております。当委員会で資料要求をした際、いろいろな問題もありましたが、日本国有鉄道と、予算決算等国会の承認を必要とするNHKが交換をした協定書だか覚え書きだか知りませんけれども、これは門外不出のものだなんということは、ちょっと行き過ぎではないのか。実はそれぞれに見せろ、見せてくれないかと言ったのですけれども、御遠慮します、こういうことだった。これはそんなに機密の文書じゃないと思うのですよ。それを見せたからといって国鉄の営業成績に影響するわけでもないし、NHKの運営に支障があるものでもありますまい。私はこれはかなり紳士的な協定だと思っている。総裁、これすらこの席で御説明いただけませんか。
○磯崎説明員 これは実は私のほうは差しつかえないのでございますけれども、いろいろNHKで、お願いいたしまして若干異例とも思われる措置をとっていただきましたので、それで私のほうは御遠慮申し上げたので、承ればNHKのほうは差しつかえないということでございますので、私のほうはもちろんけっこうでございます。
○斉藤(正)委員 NHK、いらっしゃっていますか。——これ、やはりだめですか。
○市原参考人 NHKといたしましても差しつかえございません。喜んでお出しします。
○斉藤(正)委員 あまりすなおで、ゆうべとだいぶ違っているものですから、こっちがびっくりしているのですけれども、別に私も公表しようとは思っておりません。また公表しても差しつかえないものだと思いますけれども、後ほどぜひ見せていただきたいというように思うわけであります。 なぜそういうことをお願いするかというと、なおこれから国鉄にもNHKにもたいへんな努力をいただかなければならぬという点があるからであります。個人アンテナも一度は国鉄の費用で立てかえる、共同アンテナも住民の合意でつくります、NHKが担当されてやっているわけでありますけれども、問題は、個人アンテナの立てかえはもうだめです、共同アンテナの、わずかな維持費でありますけれども、維持費は個人持ちにしてください、実はこのけちな根性であります。ちりも積もって山となる、ささいな金でも一銭たりとも粗末にできませんという気持ちもわからないではありませんけれども、これはちょっと冷た過ぎると思うのですよ。国鉄の言い分を聞けば、テレビ障害のない個人のお宅のテレビでも、アンテナはいたむときが来ればいたむ、そのときには自分で立てかえているじゃないですか、こういうことをおっしゃるでしょう。共同アンテナについても個人アンテナの集積であって、当然アンテナは寿命があり、そのときには自分でおかえになるじゃないですか、したがって維持費などは持ってあたりまえじゃないか、こういう言い分であります。私は違うと思います。新幹線さえ通らなければ、あんなテレビ障害はないのです。静かなところできれいな画面が、きれいな音楽が聞こえ、見られる。新幹線が通ったばかりにああいう形の電波障害があるのですから、国鉄が加害者だ、補償は原因者負担だという原則に立つならば、個人のアンテナの立てかえといい、共同アンテナの維持費といい、当然国鉄が持つべきだというように思うのですけれども、総裁、どうしてもだめですか。
○磯崎説明員 実はまだテレビ障害のあと始末と申しますか、維持費が非常に具体的な大きな問題になっておりませんので、もっぱら共同アンテナを立てたり個人アンテナを高くしたりということのほうに重点を置いてまいりました。私のほうといたしましては、それだけで十数億の金を使っておりますので、維持費は何とか個人に持っていただきたいというふうに実は思っておるわけでございます。
○斉藤(正)委員 あなたは参議院の予算委員会で、久野郵政大臣と同席のもとに、本問題をわが党の瀬谷委員から聞かれて、久野郵政大臣と反対といっていいか、違って答弁をされて、物議をかもしたといわゆる議事録がここにあるわけなんです。あなたのおっしゃることもわからぬわけではない。「先ほどの郵政大臣のおっしゃいましたテレビの問題でございますが、私どもといたしましては、貧乏な国鉄でございますので、なるべく金持ちのNHKさんにも少し持ってもらいたいというふうに思っておりましたが、郵政大臣、ああいうふうにはっきりおっしゃいましたが、できるだけ私のほうも」云々ということで、言い直しのような苦しい答弁をされている。事の起こりは、あなたが、「そのうちのテレビ障害の問題は非常にNHKの協力を得まして、私のほうも相当な巨額な金を出しまして、大体、いま、シラミつぶしにやっておりますので、これはそう時間のかかる問題ではないというふうに考えております。」で、久野郵政大臣は、「ただいま新幹線の電波障害についての御質疑がございました。国鉄総裁は、大体これは、この問題は解決したかのごとき御発言がございましたが、全部解決したわけではございません。そのことはひとつ訂正さしていただきたい」というようなことでいろいろ言い合っておりますが、私はここでこれを蒸し返すつもりは毛頭ない。きょうは郵政大臣いませんが、このときに前向きの姿勢を示されておるのです。ただわかることは、何もこういう障害については国鉄新幹線だけではなく、空港の問題もあるし、あるいは高速自動車道路周辺の問題もあるし、いろいろありますから、私はここで直ちに即答せよとは言いませんけれども、閣内の意見を統一して、少なくも原因者負担という原則を確立すべきだと思うのです。先に大臣答えてください。
○新谷国務大臣 この問題は、実は前々から郵政大臣といろいろ協議をしておるところでございますが、いまお示しのように、新幹線と非常に似たものは高速道路がございます。そのほかに、新幹線の問題が起こる前から基地の問題、あるいは民間の飛行場の周辺の問題、最近では高層ビルのビル陰になっている問題、そういったのがあちらこちらで問題になっておるのでございますが、今日までの実情を言いますと、NHKがこういった原因者とそれぞれに交渉をいたしまして、そのお互いの分担割合とか分担方法とかをきめておるのが実情でございます。必ずしもその間統一がとれておりません。で、郵政大臣にもこの問題については、もっと全体的に統一のとれた基本的な方針、それによってNHKと原因者とがどういうふうに協力をして分担をするかということをきめられるような基本的なものを、先にきめなければいかぬのじゃないかということで協議しておりましたが、けさもそういう話をしました。そうしましたら、それは四十八年度予算にも若干の調査費がとってあるので、至急に専門家を集めて調査をして、基本的な方針を早急に出します、こういうことでございましたから、郵政大臣のところでおそらくそういったすべての共通の問題についての基本的な方針は、近く相談の上出されるものと思います。 私から申し上げるまでもないのですが、NHKの関係の法律、いまの放送法の規定によりますと、NHKは聴視料を取るかわり、電波を各家庭に届けなければならぬという義務があるわけです。しかしそれは、いまのように原因者があってそれをさえぎって妨害しているという場合まで、NHKが全部責任を持つものとは考えられない。この点は法律の不備だと思います。先ほどお示しになったようなこういう公害関係の法律がまだ十分に整備されておりませんので、その一つの問題だと思いますので、場合によりましてはあるいは法律の整備をしなければならぬかもしれませんが、しかし、とりあえずこの問題につきましては、早急に具体的に各家庭、各世帯が困らないような措置だけはNHKと原因者との間でとらせるような基本的な方針をきめよう、こういうことでございます。
○斉藤(正)委員 これちょっと見てください、大臣。いかがですか。いま大臣にお渡ししたチラシは単なるチラシじゃないのですよ。NHKが、東京で印刷したものではありませんけれども、関西方面で印刷をし、新幹線テレビ障害の家庭へ配ったものです。一読してわかりますように、テレビ障害の犯人は新幹線だ、したがって、もし料金を払えないというなら、あなたのほうから国鉄へ要求をして払ってください、テレビ障害というのはこういうかっこうで出るのですということでやっているのですよ。NHKから国鉄は犯人だといわれて、あなた、天下の国鉄が、天下の運輸省が、あるいは国家が、そう簡単に引き下がるわけにいかぬじゃないですか。NHKとしては集金の方がたいへんな目にあっているわけですよ。取りにいくでしょう。冗談じゃない、見えないテレビの料金を払えるか、犯人は国鉄だから国鉄へ行きなさい、こう言うものですから、ここでいろいろやっているとまた口論になったりいろいろあるということで、これを渡して帰ってきちゃうわけですね。 そこで、いまたいへん御理解のあるお答えがありました。NHKに伺いますけれども、国鉄から委嘱をされて東海道あるいはその他で、テレビ障害について個人アンテナあるいは共同アンテナ等で施策をし、難視聴を解消した世帯数というのはおわかりでございましょうか。
○市原参考人 昭和三十九年に東海道新幹線が走った東京−新大阪間でございますが、東海道新幹線で九千世帯をやっております。それからその次に山陽新幹線が、新大阪−岡山間でございますが、これが約一万五千世帯の対策をいたしました。 それ以外に、昭和四十七年でございますが、これは新幹線でございませんけれども、大田区、品川区の品鶴線、それから名古屋市内の南方貨物線の関連で約四千世帯の対策をいたしました。 それからさらに現在、東海道の初期にいたしました対策が、相当事情も変わってきておりますし、一部老朽もございまして、これが今後対策をする計画に入っておりますが、いままで済ましたものとしては約五千世帯の対策を完了しております。 いままで済ましたものは以上でございます。
○斉藤(正)委員 そのように鋭意取り組んでいただいて、私も実はこれほどの実績があるとは知らなくて申しわけないのですけれども、なおやらなければならないところがあるわけなんです。しかし、たまっている不払いの料金がある。それで、私は今度被害者のところへ行って、とにかくまとめろ、そしてそれを私が国鉄へ出してやるから、国鉄から払わせるからというところまで言ってやろうと思っているのですけれども、公害対策基本法を見ればわかりますように、「国の責務」というので第四条に、「国は、国民の健康を保護し、及び生活環境を保全する使命を有することにかんがみ、公害の防止に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。」ということが書いてあるのですね。国がこういう独自の責務を持っている上に、日本国有鉄道は公害を発生させているのですから、二重、三重の責任が運輸省には加わっているわけなんですよ。それは国鉄の問題だと言わないで、大臣、せっかく取り組んでいただいておりますけれども、国鉄だけではどうにもならぬ、運輸省の指示を得なければならぬ。運輸省の命令があればやりますという面もあるのですよ。私はそういう意味で、このテレビ障害が一刻も早く解消し、まず沿線住民が新幹線公害から——事テレビに関しては一番早く救われる道なんですよ。ほかのことはなかなかと思います。しかし、テレビの問題につきましては、金さえ出せば直ちに解決する問題であるし、被害者もまたこれを待っているのです。先ほどの大臣のおことばをぜひ実行に移していただきたい。いつごろやってくれますか。
○新谷国務大臣 先ほど申し上げましたように、郵政省のほうで、あらゆる同じような類型の問題がございますからそれを早く解決すると言っております。それができ次第、すぐにやらせます。
○斉藤(正)委員 そこで総裁、その個人アンテナの立てかえ、共同アンテナの維持費等いろいろありますけれども、テレビ本体が、普通の家庭のテレビよりも真空管あるいはブラウン管その他が早くいたんでいるのですよ。総裁御承知でないでしょう。テレビの寿命というのを知っていますか。おそらく知らぬと思う。厳密に言うと、テレビの寿命というものは、NHKにも通産省にもどこにもないのです。しかしテレビは、モデルチェンジその他もありますけれども、これが寿命であろうというものはあるわけなんですね。すなわち、使用していきますと故障の回数が、五年になりますとないというよりもあるというほうが上回ってくるのですよ。したがって、一応のめどは五年というようなことがいわれておりますし、また昭和三十八年当時は四年ないし五年、ものがよくなって昭和四十一年ごろには四年ないし六年ということで、それぞれ平均的には四年ないし四・七年というような客観的な数字も出ているわけですよ。五年というのはまず寿命だろうと言って差しつかえない。ところが被害地で調べてみると、やはり三分の一程度は寿命が縮まっているのです。いたみが早いのです。このことを考えれば、アンテナの立てかえぐらい、共同アンテナの維持費ぐらい、これは当然加害者である日本国有鉄道が見てあげなければならぬ問題だ。何だ、テレビぐらいのことをとお思いかもしれませんけれども、当然のことだと思って申し上げたわけであります。 その次にお願いしたいのは、騒音対策でございます。騒音対策で、まあ環境庁の暫定基準等々から国鉄がずいぶん取り組む姿勢を示しました。当然のことでありますけれども、けっこうだと思うのであります。しかし、ばく大な金をかけてやっているあの防音壁、沿線住民の皆さんに聞くと、効果がないと言っているのです。国鉄当局が調べた効果はどのようになっていますか。
○内田説明員 防音壁を施工いたした場合に、中心から大体上十五メーターのところで平均いたしまして八ホンぐらい音が下がるということ、これは相当の実験を重ねておりますので、非常に効果があるというふうにわれわれとしては考えております。
○斉藤(正)委員 これも、長い間の国鉄の冷淡さあるいは不親切さが被害地住民をあのような根性にさせてしまったのではないかと思われる節もありますけれども、国鉄のデータを信用しないのであります。そして彼らが信用するのは、公害研究所だとか、あるいは市町村だとか県だとか、あるいは他のそうした民間の機関の調査を信用してしまっている。国鉄当局が八なり十ホン下がる、下がったと言ってもなかなか信用しない。かえって音の質が変わったとか、近くはいいが遠くは悪いとか、北側はいいが南側はだめだとか、いろいろ言っていることは御承知のとおりであります。 そこで私は提案をしたい。国鉄だけが測定をして何ホン下がったと言っても信用しないのです。これは地方自治体あるいは民間機関、研究所等、可少なくとも二者以上が立ち会って、同じ機械で同時におはかりになって客観的の数字を出すような気持ちがあるかどうか。悪いことでありますけれども、先ほど申しましたように、被害地の沿線住民というのは国鉄を疑いの目で見ている。あの測定は甘い、機械が狂っているのだ、こういうことを盛んに言うのであります。いかがでしょうか。
○内田説明員 先生御指摘のように、一部住民の皆さまに対してそういうような不信感を抱かせたことにつきましては、国鉄として適切な措置ができなかったという意味でおわびするわけでございますが、御承知のように、いろいろと国鉄といたしましては対策をやってまいりましたし、その中で、大部分の地域におきましては、共同でいわゆる音の測定をするとかあるいは市独自でおやりになったものを私のほうで採用さしていただくとか、そういうような雰囲気が生まれているところもたくさんございます。今後はそういうことで、沿線でトラブルの起こっておるところにつきましても国鉄の誠意を示しまして、気持ちの上では国鉄をわかっていただく、そういう努力をしてまいりたい、こう思うわけでございます。
○斉藤(正)委員 東海道新幹線で防音工事を必要とする区間、すでに施工済みの区間、東京から大阪までおやりになったところ、これからやろうとしているところ、市町村別はけっこうでありますけれども、都道府県別に資料があったら説明してください。
○内田説明員 現在までに防音工事をやりました延長が約三十五キロでございます。それで、所要の延長でございますが、百四十八キロ、これは東海道新幹線でございます。それから、山陽新幹線が約八十三キロでございます。そのぐらいが今後やらなければいけない防音壁の長さでございます。
○斉藤(正)委員 必要総延長四百八十六キロ、四十七年度までに済んだところが三十四・八キロ、四十八年度施工予定が百六十キロ、四十九年度以降が二百九十一キロ、これがほんとうでしょう。きのういただいた資料にそうなっておりますね。ですから、これは非常に取り組み姿勢はわかるんです。わかるけれども、先ほど言ったように、実質的な効果がほんとうにあるのかどうかという点について疑いの目をもって見られているし、これからばく大な金をかけるのにつまらぬことだというように思うわけでございます。これを全部やってしまうと、一体お金が幾らかかりますか。四十六年度の予算で東海道だけで。四十七年度でもけっこうです。
○内田説明員 ただいま申し上げましたのは、防音壁両側でございますので、延長メートルにいたしますと、先生のおっしゃるとおりでございます。必要な金は約三百億でございます。
○斉藤(正)委員 国鉄再建危うしと思われるような巨額な金でございまして、ちっとやそっとの金でないことが私も初めてわかりました。しかし、何でもやらなければならぬことでございます。そこで問題は、これ以上もうやる方法はない。にもかかわらず、八十五ホン以下にならぬというところは何とするか。暫定基準が出てありとあらゆる施策をやった、線路も五十キロから六十キロに変えた、パッドも敷き直した、いろいろやったが八十五ホン以下に下がらぬというところはどうするのですか。
○内田説明員 これは運輸大臣も今後の方針の中で御答弁しておりますが、あらゆる防音工事をやりましてもなおかつ八十五ホン以上になる地域につきましては、家屋に防音工を施すとか、あるいはそれでもだめな場合には移転補償をいたしますということで、目下家屋の防音工のやり方、それから基準、それから補償の方法等について検討をいたしております。なおこの場合に、いわゆる公共用地取得の補償基準がございまして、それとの調整もつけなければいけないというふうに考えておりますが、これらのものを全部セットいたしまして、四十八年度中には、まあ技術開発をやってまいりますけれども、それでもなおかつ見込みがないというような問題、あるいは非常に環境が悪いというようなものについては、一部実施をしてまいりたいというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 結局、まず防音工をやる、しかし、よそさまのお宅ですからかってに直すわけにいかぬ、国鉄内部で試験的に沿線の社宅か何かをいろいろな角度からやってみる、これがきめ手だというものが出たら、被害者の了解を得て防音工事をそれぞれの家庭に施行する、なお騒音のひどいところについては移転補償を含めても考えなければならぬ、昭和四十八年度中にはこれも実現をいたしたい、このように確認してよろしいか。
○内田説明員 そのとおりであります。補償工事については一部着工いたしたいと思います。
○斉藤(正)委員 そこで、私は東海道新幹線なり山陽新幹線の沿線で、国鉄当局の立てている補償対策といったようなものが一貫をしていない、また地域的な、部分的な現金補償をやってみたりあるいは実害補償と称して、金を渡すにしても渡し方も違うし、どうも説明等についてもそれぞれの地域で一貫をしたものがないのじゃないかというようにしか思えないのであります。 過日、名古屋の新幹線騒音対策協議会へ行きましたが、そのときに金で見舞いをもらっております。わずか七万五千円の金でありますけれども、受け取った本人は白紙で領収書を出したつもりだ——ここに領収書の写しがありますけれども、ところが後刻手に入れた領収書には、補償はこれで打ち切りだ、あとは国鉄には一切迷惑をかけませんと記入されておった。激高して当日会場へ来た運輸省並びに国鉄本社の方々に食ってかかった。私も事の重大性に驚いて、そのようなことをする国鉄ならば、領収書を出した何さまか知らぬけれども、首を取る、こう言って勇んで帰ってきて、本社を調べてみたら、国鉄ともあろうものがさようなことはいたしません、本物はこれですといって見せていただいて、そうでないことがわかって安堵すると同時に複雑な気持ちになりました。なぜああいう席で被害者がああいうことを言うのか私は解せないのであります。しかし考えてみると、私の経験したある地域の補償でも、最初市役所が要求した委任状はまさに白紙委任状でありました。今後一切国鉄には御迷惑をかけませんというようなことばも入っていたこと、私どもが要請をし指導をして領収書の条件が認められたということから考えますと、私は何かその辺にあったのではないかといまだに疑いを持っている。すなわち白紙のような領収書を二枚捺印をさせて、一枚のほうはそのままにしておいて片方のほうへすり込みをしたのじゃないかとすら疑っているのですよ、いまだに。公開の場です。見せる必要はない、そこにあると思いますから。断じてそうでないということを回答してください。
○内田説明員 そういうようなお怒りを買ったことについては深くおわびいたしますが、国鉄の職員というのは融通はききませんけれども非常にまじめでございまして、人にうそをついたり、ひっかけるというようなことはいたさないというふうに私は確信しております。この場合、先生のおっしゃるケースも何か御本人ではなくて代理の奥さんか何かが御判をおつきになって、それをごらんになった御主人が非常におこられたというように——これは事実かどうか、聞きづてでございますので確かではございませんが、そういうふうに聞いております。なお御迷惑をおかけしませんということばは、私たちが見ましても非常に適当ではないと思いますので、このことについては、二度と補償はいたしませんという意味でございますので、そういう意味で何かもっと適当なことばにいたしたいというふうに考えます。
○斉藤(正)委員 ここにありますけれども、「日本国有鉄道新幹線総局長阪田貞之助殿、住所、名古屋市南区明治町三丁目十四の十一、氏名伊藤元邦、金七万五千円、新幹線列車の運行により私の所有する建物の一部、一、外壁の亀裂及びはく脱、二、床モルタルの亀裂にうけた損傷について、今般上記の金額を受領のうえはこれをもって当方が補修します。つきましては、今後このことに関して、日本国有鉄道にご迷惑をかけません。後日のため本書を提出します。」こういうことになっておるのですね。「つきましては、今後このことに関して、日本国有鉄道にご迷惑をかけません。後日のため本書を提出します。」というと、この伊藤元邦さんには、外壁の亀裂及び剥脱、床モルタルの亀裂が新幹線の振動でもう一ぺん起きても国鉄はめんどう見ないということですか。修理したところがもう一ぺん破壊をされた、そのときは、もう一ぺん見たからめんどう見ないという領収書ですか、これは。
○内田説明員 工事のやり方その他いろいろございますけれども、完全に工事をやれば、まずその部分でもう一度そこに亀裂が入るというようなことはないと思いますけれども、やった結果、確かにまたそこに亀裂が入ったというような場合には、これはもう一ぺん御協議申し上げて、お払いしなければならないというふうに考えます。
○斉藤(正)委員 大体御迷惑をかけておるのは日本国有鉄道ですよ。被害者が見舞金なり補償金なりとしてもらったその領収書に「今後、日本国有鉄道にご迷惑をかけません。後日のため本書を提出します。」なんて、こんな盗人たけだけしい文句は私は気にくわぬですよ。ここは、幾ら役所でももう少し誠意ある文書で同じことが書けるでしょう。そういう配慮がやはり日本国有鉄道に足らないということを私は指摘をするわけであります。 〔佐藤(守)委員長代理退席、委員長着席〕 もう一つ問題になっているのが病人対策であります。名古屋の会議で非常に前向きな当局の答弁がございました。私もぜひそうしていただきたいと思ったのでありますけれども、この新幹線騒音なり振動が、特に悪い病気があるようであります。自律神経症などはいい病気ではないようであります。こういう人がうちで病んでおる。それは非常に苦痛だというような訴えに対し、国鉄として考えたい、こういうお答えがございました。当然なこととはいえ、いままでにない発言でありましたが、出先で言われた方々が本社へ帰って、何を言ってきたのだというように言われやしないかと思うほどの雰囲気でありました。私は当然なことだと思いますけれども、この考えさせていただきますということは間違いございませんか。
○内田説明員 病気と振動の因果関係というものはなかなかむずかしいと思います。しかし医療機関にその病人の方がおかかりになって、確かにそのとおりであるということであれば、これは国鉄の責任でございますので、医療その他についてお払いいたしたいと思います。
○斉藤(正)委員 むずかしいことはわかりますけれども、すでに、直接、間接の理由は別として、あの年寄りは新幹線公害で寿命を縮めたというような方が二人もあるし、現実自宅では療養できなくて入院をされたという方々もたくさんあるわけであります。私はその認定は非常にむずかしいと思いますけれども、国の機関ですから、やはり温情を持って臨んでいただくように強く要望をするわけであります。 もう一つ問題があるのです。それは新幹線公害によって、この異常な地価騰貴の時代にもかかわらず、騒音地帯の地価というのはちっとも上がらない。上がらないどころじゃない。下がっておる。(「いいことだ」と呼ぶ者あり)貸し家は一ぺんあけば二度と入居者はないのですよ。こういう事態もやはり非常に深刻な問題であります。あとからそこへ来て住んだ人ならば別です。先祖代々住んでいた土地へそれこそ新幹線が飛び込んできたのであります。だれの責任でもない。新幹線のおかげで地価が上がらず、あき家には借家人が入らないということです。直ちにどうするという答弁は要求いたしませんけれども、こういうこともあるということを考えていただかなければならぬと思う。総裁、実損補償だとかあるいは防音工事だとか移転補償だとかあるいは病人対策だとか、地価の値下がりとかアパートの入居者がなくなることだとか市井の一できごとでありますけれども、被害者にとりましてはその上十何時間——一時間数十回という騒音振動に悩まされての上、こういう直接間接の被害が出ているのであります。いかがお考えですか。
○磯崎説明員 やはり東海道新幹線をつくりましたときといまとは非常にそういう問題についての客観情勢が変わってきたと思います。確かに東海道新幹線をつくりましたときには、早ければいいというふうな感じでつくったことは事実だと思いますが、やはり私どもといたしましてはこれから地域とマッチした、環境に順応した鉄道でなければいけない、そういう意味で、今後の問題につきましては、すでに発生した問題については一応別としてこれからできるだけ救済措置を考えるといたしまして、今後の問題につきましては鉄道というものは早いだけではなくて、早くて静かな、地域にマッチしたものでなければいけないということを私はしみじみ感じます。その意味で、今後の鉄道技術の中には単にスピードということだけでなしに、その中にもう一つ無公害と申しますか、そういうポイントが入らなければ鉄道技術の進歩というものはだめであるということを私ども事務、技術を問わず幹部一同深く肝に銘じておるつもりでございまして、今後十分そういった面に技術の進歩と同時に心を配ってまいりたいというふうに思う次第でございます。
○斉藤(正)委員 最近新幹線公害、沿線のだれもが言う被害者のことばは、ほかに手はない、スピードダウンしてくれ、こういうことであります。一体新幹線を二百キロで走らす法的根拠というのは——名古屋でも質問が出まして私も困ったし当局も困ったのですけれども、法律的な根拠で新幹線を二百キロで走らしているわけではないのでありましょう。さらにもし何か規範があるとするならば、何であのようなスピードで走らせているのでありましょうか、お答えをいただきたい。
○磯崎説明員 二百キロ以上で走らなければいけないという法律はございませんが、ただ新幹線をつくります前に当委員会で御審議願いました全国新幹線鉄道整備法がございますが、あの中に新幹線鉄道とは——ちょっと正式の文句を少し間違えるかもしれませんが、主要な区間を二百キロ以上のスピードで走る鉄道が新幹線鉄道だという法律がございます。もちろん、これは走らなければいけないという意味でなしに、いわゆる新幹線鉄道という新しい時代の鉄道は主要区間を二百キロ以上で走るのがその内容なんだということであると思います。そういう意味で走らなければいけないということではなしに、逆に二百キロ以上走ってもそういう公害のないものをつくるのがわれわれの仕事であるというふうに、あの法律を解釈すべきである、私どもはそう思っております。 〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
○井原委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○井原委員長 速記を始めて。
○斉藤(正)委員 高架部門が東京都内にはずいぶんある。私も新幹線運転取扱基準規程というのを拝借いたしまして調べてみた。そうしたらやはり意識的に東京都内はゆっくり走っているのじゃなくて、ゆっくり走らざるを得ないように線路その他ができていることがわかりまして、私は東京都は知事以下公害問題に熱心であるし、都民も意識が高いので、新幹線はいち早くそれを察知してスピードダウンしたのかという疑いの眼をもって見ていたのがほんとうです。特に私は新幹線をひんぱんに利用させていただいておりますので、何で東京都内に入るとあんなにゆっくり走るのだろうと思ったけれども、それは構造上そうなっているということでこれは理解をいたしました。しかしここに新聞記事がございます。順法闘争については世論いろいろございました。ところが四十八年二月八日の朝日新聞の本紙は「順法闘争こちら大歓迎、新幹線の騒音ダウン」という四段抜きで記事になっているわけであります。中を読んでみますと、「新幹線の騒音に悩む名古屋市内の住民たちが八日朝、国労のスト権奪還の順法闘争でゆっくりと走る新幹線に向って、「バンザイ、ありがとう」と手を振った。「いつも寝ていられない騒音だが、きょうはまだがまんできる」という住民の感想だ。」「国労はスト権奪還闘争の一還として、八日午前零時から順法闘争にはいり、新幹線は名古屋市域で百十キロにまでスピードダウンするよう指令を出した。さらに雪のため遅れが加わり、いつもは時速百八十キロの同市南一番町、南一番センター付近で百キロ前後。住民がいくら要求しても当局がガンとして聞入れなかった減速を国労がやってくれた、とこの朝十時半、名古屋新幹線公害対策同盟の被害住民約三十人が、南一番センター屋上に集って、そばを通る列車に向って「これからもいっしょに騒音振動と闘って」。新幹線の運転士が警笛を「プオー」と鳴らしてこたえた。国労はスピードダウンといっしょに、同市南区豊郷町の新幹線ガードそばで騒音測定を始めたが、いつもは時速百八十−百九十キロ、八〇−八五ホンを記録する騒音が、推定速度百キロ前後にまで落ちて六八ホン。九十キロ以下の列車では六五ホンにまで下がった。」こういうことが書いてあるわけでして、新幹線公害の沿線住民は順法闘争歓迎だ、こういう皮肉な記事になっているわけであります。事実測定をやった結果が出ております。出ておりますけれども、いずれも一〇ホン程度の低下でございまして、明らかに減速が騒音減少の唯一の方法だということが証明されているわけであります。私は、二百キロで走る新幹線の使命というのもわからぬでもありません。だからさっき大臣に、「狭い日本そんなに急いでどこへ行く」という標語を解釈していただいたわけでありますけれども、どうしても「ひかり」で東京−大阪間を三時間で結ばなきゃならぬのでありましょうか。防護壁をつくり、架道橋を巻く、さらに金をかけて半トンネル式にまでしても騒音の防止をしようとする、その努力はあたりまえでありますけれども、それでもなお八十ホン以下にならぬ。補償もした、移転もした、防音工も施行した、しかし、十分とは言えないと思うのでありますけれども、なお二百キロで走らなければならぬという使命を持っているのがあくまでも新幹線だとお考えでございましょうか。いかがですか。
○内田説明員 この前、先生に御説明いたしたとおりでございまして、確かに新幹線の公害問題は、沿線の皆さんに非常な御迷惑をおかけしております。これにつきましては、ただいま御説明いたしましたように、いろいろと対策を講じております。それらの対策を講ずることによって、少なくとも環境庁の新値までは何としても下げるというつもりでございます。これには時間がかかりますけれども、そういうことを前提といたしまして、やはり東京−大阪間を新幹線を御使用になっているたくさんの方々に、三時間十分のサービスをいたすということは、日本の経済のために非常に大事はことではないかというふうにわれわれは考えております。そういう意味で、御承知のように東海道のベルト地帯、名古屋でスピードダウンをすれば、浜松でもしなければならないということになりまして、新幹線の本来の目的がそこなわれることになりますので、多くの対策を十分進めていく。これに対しましては、われわれ国鉄の技術の総力をあげてやるつもりでございますので、ひとつこの点は御了承願いたいと思う次第でございます。
○斉藤(正)委員 私は何と説明されようと、東京−大阪を三時間で結ばなきゃならないという理由がわからぬ。それは速いに越したことはないですよ。速いに越したことはないけれども、そのことが沿線住民何十万人かに命の危険すら、四六時中不快な気持ちを与えているというようなことを考えたときに、それを越えてもなお東京−大阪間を三時間で走らなければならぬという必然性がわからぬ、どうしてもわからぬ。もし東京−大阪間が「ひかり」で四時間になったって、私は、乗客が飛行機に殺到するとは思わない。新幹線とはそういうものだ。公害のためにスピードダウンをしたそうだといったって、私は、いまの日本人であるならば、公害に対する認識のもとに了として、必ず新幹線の乗客は確保できるというように思う。 かりにいまの国鉄の技術陣を総動員して、万策尽きた際、なお沿線住民が納得しないという場合には、もうそのときにはスピードダウンしかないじゃないか、そのときまで待てというのか。それでもなお、天下の世論を無視して突っ走るというのか。私は、いかに国鉄の使命とはいえ、それは行き過ぎだと思う。総裁、言うことはわかるのです。わかりますけれども、万策尽きて、なお沿線住民が納得しないという事態があったときに、じゃ百五十キロに下げます、百七十キロに下げますではおそいと思う。そのときは、新幹線の意味はなくなると思うのです。まさに怨嗟の的にだけなって、国民のコンセンサスは得られぬというように思うけれども、いかがでございましょうか。
○磯崎説明員 先生のおっしゃるおことばもよくわかります。そういうお話もわからないわけではございませんが、やはりここでもって新しい技術にぶつかっていく。全力をあげて、それを克服して、そしてその次の時代に至るというのがわれわれの鉄道の発展であり、技術の進歩であるというように思います。したがって、私どもも、いわゆる騒音問題等は、国鉄プロパーの問題として——決してそのそばに置かないで、国鉄自体の問題として取り組んでいくということで、全技術者の全能力をあげて、この問題に取り組んでいきたい。たとえば防音壁一つにいたしましても、最近は技術の発展のテンポが非常に早うございます。私は、日本の総技術の進歩が、この程度のものは必ず克服できる、またうちの連中は必ず克服すると自信を持っておりますので、しばらくその点で、一つ一つの具体策が功を奏するまでお待ちを願いたいと思います。
○斉藤(正)委員 NHKの方、長いことお待たせいたしましたけれども、この難視聴問題等で国鉄と協力をし、国鉄と一緒になって仕事をされてみて、NHKの技術陣は、NHKなりに何か、たとえばスパークの問題その他電気系統の問題等で、NHKが国鉄に、こうされたらいかがでございましょうかとか、こういう方法はどうでしょうかということを、テレビの難視聴だけでなくて、何か教えてやるようなことはありませんか。私は、テレビの聴視料の不払い、これは当然国鉄が払うべきだというように思っている、聴視者が払わなければ。しかし、そういうことは別として、私は、国鉄の技術陣というのは、世界に冠たるものだということは承知をいたしておりますけれども、NHKだって、いろいろ技術陣は持っておる。そういう意味で、ここでは言えないかもしれませんが、何か公害防止についてサゼスチョンはないのでありましょうか、承りたいと思う。
○市原参考人 技術的な面で、なかなかむずかしい問題だと思いますが、いま私たちのほうで問題にしておりますテレビの受信障害につきまして、この対策をどう進めるかということに関して申し上げますと、NHKの希望としては、障害が発生したら、なるべく早くその対策を進めて、一日も早くテレビが見えるようにしてあげたい。そのためには、やはり原因者である国鉄さんが、住民と十分話し合いをされた上で、早くその対策が着工できるような、そういう体制づくりというのが必要なんじゃないか。NHKといたしましても、テレビを見ていただくという関係から、十分な技術協力はもちろん、できるだけのお手伝いは従来もやってきたわけですけれども、国鉄の中でそういう体制をおつくりになっていると聞いておりますが、そういう体制の強化ということが必要なんではないかと思います。 もう一点は、いま先生の御質問の中にもありました電気雑音については、国鉄の十分なる研究力で、一日も早くスパークの現象ということについて研究をお願いしたいというふうに、ふだん国鉄さんと打ち合わせしております。被害の調査あるいはそういった改善の調査については、NHKとしても、できるだけの技術的な協力は、もちろん今後ともやっていきたい、こういうふうに考えております。 大体以上でございます。
○斉藤(正)委員 NHKの方、けっこうですから……。 最後に近づきましたけれども、先ほど紺野委員から東北新幹線が団地のどまん中へ乗り入れたり、あるいは自衛隊の基地や大企業の工場群を避けて通っていくというようなお話がございました。大臣のところへも、国鉄総裁のところへも当然来ていることと思いますが、実は東京都北区赤羽台四−二−十四星美学園から、私どものところへ、星美学園の校地を縦断する東北新幹線の経路については承服できないという要請書が参っております。「東北新幹線が国鉄の計画如何に依つては弊星美学園を縦貫する恐れがあり、私共父母といたしましては、子女の教育上これを黙許すべからざる現状でございます。御高承の如く秦の始皇帝は即位三十四年に焚書の愚を犯し、現代に至るもその悪行を喧伝されて居りますが、教育の重大さを叫ばれている今、国鉄は学校を打毀し新幹線を通過させる暴挙を敢えて為さんと致して居ります。就而、添付陳情書にございます弊意を御高察賜わり、その愚挙差し止めの程御高配願わしゆう存じます。」ということで、父母の会会長から要請がされている。 図面を見ますと、この赤羽付近を、第一の通過予定地は、いまの京浜東北線に沿ってずっと行っておった。ところが、この第一通過予定地は住家が多くて、補償その他に金がかかる。したがって、星美学園を縦貫すれば、補償その他に金が少なくて済み、密集人家を避けることができるというのが、理由のようであります。どういうことなのか。いやしくも学園のどまん中を新幹線がぶち抜くなんということは、どのような理由があろうとも、私は避けるべきだというように思う。たとえ買収しなければならない人家が多くても、第一に予定した路線を通すことが当然ではないか、私はこのように思うわけです。図面を見れば、なるほど数百メートルの星美学園キャンパス内は人家はありません。けれどもそれを通り越せば、また密集人家の町へ出るのですから、差し引きして、それほど差異はないというように思わざるを得ませんのに、弱き者学園をねらって、新幹線の経過地に予定変更をしたというようなことは、心ある為政者のやるべきことではないと思うのですけれども、運輸省、どのようにお考えになっておりますか。
○内田説明員 赤羽地区につきましては、新幹線の工事について運輸省の認可をいただいておりますが、地元にはまだ正式にルートの発表はいたしておりません。ただ御承知のように運輸省のほうから、現在の通勤線を併設することを検討せよというようなことで、現在の新幹線に通勤線を併設することについて検討をするようにという御内示もいただいておりますし、そういうようなことで地元と可能性についていろいろと御相談申し上げているというのが実情でございます。 先生いまおっしゃられました星美学園につきましても、そういう意味で下相談をさしていただいておるということでございます。これにつきましては確かに先生のおっしゃられるとおりに、常識では、地下を通りますと非常に音がするとかいうようなことが考えられるわけでございますが、幸い星美学園は、ちょうどたまたまわれわれが計画しているところの校舎をお建てかえになるという計画があるやに聞いておりますので、その場合には、地下からがっちりした防音設備をいたしまして、しかも私のほうの構造物と建物の間に空間をつくって遮音するというような構造にいたしますれば、ほとんど音の影響はないのではないかということで、そういう構造その他についてお話し合いをさしていただいておるわけでございます。ただし学校のほうといたしましては、いろいろ異例のことでございますので、そんなものはこないほうがいいというお気持ちはおありのようでございますが、われわれのほうの設計の中身をよく御説明いたしまして、納得していただきたいというふうに考えております。 なお、これにつきましては、地上権その他についてのお支払い等は当然いたすわけでございますが、その後の授業についても支障のないように工事をさしていただきたいということでございます。
○斉藤(正)委員 まだ地元に発表していないものが漏れたというような言い方でありますけれども、そもそも国鉄当局としては、この京浜東北にやや平行したのが第一予定地であり、変更路線が星美学園縦断路線だというように聞いておりますけれども、それはどうですか。
○内田説明員 そういうようなものについては、きまるまでは発表はいたしておりませんので、第一とか第二とかいうことはないわけで、大体、住民の皆さんの御意向を体して最終的に結論を出すということでございまして、そういう意味ではまだ正式に地元に発表していないということでございます。
○斉藤(正)委員 そうすると、何本かある予定線のうちの一本が星美学園縦断に当たっているというふうに解釈していいと思うのでありますけれども、東海道新幹線、山陽新幹線建設にあたって、このたぐいの学園なり病院の下をトンネルで通ったというような例があるのかどうなのか。そしてまた土地収用法の対象にこのようなものがなるのかどうか。その点もあわせて伺いたい。
○篠原説明員 ただいまの先生の御質問にお答え申し上げます。 東海道新幹線では四カ所ございます。山陽新幹線では九カ所ございます。大体土かぶりは、五メートルくらいのものから六十メートルの深いものもございます。それから、線路の離れから五メートルないし三百メートルのものがございます。山陽新幹線、東海道合わせまして十三カ所でございます。
○斉藤(正)委員 大臣、それから総裁、私は高輪宿舎に住んだことがございますけれども、都営地下鉄一号線があの地下十五メートルを走っております。昼間の静かなとき以外は別として、夕方から朝にかけてたいへんなごう音が宿舎に響くわけであります。ましてここは学園であります。私は土地収用法まで適用してこのようなところを通すべきではないというように思います。幾つかある路線の一つがこれだというのならば、ほかの路線を選ぶべきだというように考えますけれども、先ほど読み上げましたが、秦の始皇帝に匹敵するような悪業を時の運輸大臣新谷さんや、時の国鉄総裁磯崎さんがやるべきではない。やるにしても完全な了解のものでなければやるべきではないというように思います。大臣並びに総裁から見解を承って私の質問を中止いたします。
○新谷国務大臣 大都市における新幹線の建設にあたりましていろいろの問題が起こっておりますことはよく存じております。この問題につきましては、われわれのほうから見ますと国民全体のためにする公共的な交通機関でございますから、できるだけ国鉄当局では努力して、そういう考え方を住民の方々にもよく理解をしていただいて協力を得るようにしなければならぬと思いますし、また同時に、そういう住民の方々が御心配になっているような、いわゆる騒音公害でございますとか、その他の公害につきましては、これはもう技術陣を総動員して、そういった公害の被害を最小限度にするためのあらゆる努力をして、この点についても住民の方々によく御理解を得て、その上で実行するのが至当であると考えております。 いずれにいたしましても、住民の方々の十分な御納得を得ることを前提として建設を進めていくことがよろしいと考えておるのでございます。
○磯崎説明員 私は非常に公害問題に関心の深い東京都の都営地下鉄が十五メートルぐらいの土かぶりでそんなに音のするようなものをおつくりになるとは考えませんが、事実先生お住みでもってそういうことであれば事実かと思います。私どもとしましては、できるだけそういうことのないように、また都営地下鉄の例もいろいろ参照いたしまして、設計その他の面で——いま慶応義塾大学の下を通っておりますが、慶応からは何も文句が出ておりません。十分そういう点につきまして、星美学園とも御相談いたしまして、万遺憾なきを期してまいりたいというふうに思います。
○井原委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後五時二十四分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕