運輸委員会 第20号
- 発言数
- 157 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/04/24
会議録
○井原委員長 これより会議を開きます。 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、参考人として財団法人鉄道弘済会会長小林重國君が御出席になっております。 参考人には、本日御多用のところを御出席いただきましてありがとうございました。何とぞ忌憚のない御意見を承りたいと存じます。審査の参考にいたします。 なお、議事の都合上、御意見は質疑応答の形でお述べ願いたいと存じますので、御了承願います。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 それでは私の質疑を再開をするわけであります。 本日は、鉄道弘済会の会長小林参考人にはたいへんお忙しいところを恐縮でございました。よろしくお願いをいたします。 いろいろ政府委員の都合もあるようでございますから、先に公務員の週休二日制の問題から入りたいと思います。昨日の読売新聞、さらにまた本日の朝日新聞等を見ますれば、公務員の週休二日制の問題が五十年度をめどに完全実施の方向である、このような報道がなされているわけであります。五十年度という時間的なめどがついたわけではないと私は思うわけでございますが、いずれにしても公務員の週休二日制が、国鉄再建計画の後半におきましてこれが実施されるような方向に進んでいるように見受けられるわけであります。 そこで、まず労働省にお伺いをするわけでございますが、現在のこの週休二日制の実施の状況について、全企業を含めてというよりはむしろ民間企業並びに地方自治体等の公共団体、そういうものとの振り分けでどの程度進んでいらっしゃるか、把握をしておりましたらば、簡単にお答えを願いたいと思います。
○廣政説明員 お答えいたします。 週休二日制がわが国で大体三十年後半ごろから一部の大企業を中心に導入され始めまして、四十年代になってから実施企業が非常に増加してまいりました。特に昨年の九月現在で私ども調査したものが手元にございます。これは民間企業だけでございますが、規模三十人以上の企業の一三・二%、一昨年と比べますと大体二倍になっております。それから労働者数の割合で見ますと、三六%の労働者が週休二日制の適用を受けている。これも一昨年の調査、同じ時点の調査と比較いたしますと、約五割増しというのが現状でございまして、なお現時点におきまして、民間企業における週休二日制導入のテンポがさらに早まっている、私どもそのように了解いたしております。
○石田(幸)委員 それでは続いて総理府にお伺いをいたしますが、読売新聞によりますれば、五十年度にはもう完全実施、そういうような記事が出ているわけであります。これは記事の内容を見ますと、閣議決定等もございませんので、そこら辺がさだかにわからないわけでございますけれども、いままで閣議等におきましてこの問題が何度か検討されてきたようにお伺いしますけれども、その検討の状況ないしはまたこの週休二日制の実施のめど、そういったものが、どのように準備がいま進められているのかお伺いをしたいと思います。
○皆川政府委員 お答え申し上げます。 ただいま労働省のほうからお答え申し上げましたように、民間における実施状況が急速に進んでおりますので、公務員につきましても真剣にこの問題を検討すべき段階に参っている、このように考えまして、政府部内でも検討を進めておるわけでございますが、いま新聞でお話のございましたような事実は、まだいまのところ決定しておりません。つい最近の状況を申し上げますと、今月の二十日に関係閣僚の懇談会を開きまして、この問題を検討いただきました。その結果、この実施そのものにつきましては、民間の状況、さらに国民感情また人事院の御意見等もあろうと思いますので、そういう点も踏まえていつから実施をするかというようなことは慎重に検討をしていかなければならないと思いますが、ただ、公務員の場合には実施するということになりますと非常にいろいろな問題が出てまいりますので、時期はともかくとして、そういう具体的な問題を検討する必要があるだろう、こういうことになりまして、事務的にその作業を進めてまいりたい、かような段階でございます。
○石田(幸)委員 国鉄総裁にお伺いいたしますが、きょうの朝日新聞の報道によりますれば、「佐藤人事院総裁は、政府と国会に対する八月の恒例の人事院勧告の中で、国家公務員の週休二日制実施についても政府の決断を促す勧告を出す方針を固め、成案づくりに入った。」このようにいわれておるわけであります。このように国家公務員の週休二日制ということになりますれば、当然三公社五現業も右へならえ、このような形になってくるであろう、こう思います。さすれば、この再建計画、五十七年までの十カ年の間におきまして、讀賣新聞によりますれば五十年ということでありますが、少なくとも五十一、二年には週休二日制が実施されるような方向だろう、こう想像されるわけであります。 そういたしますと、完全にこれは十カ年計画の後半のほうに響いてくるわけでありますが、いまかりに長期試算の支出の面で人件費が十五兆九千七百十五億というふうに想定をされておるわけでありますが、もし後半に週休二日制が実施されますれば、これはどの程度の影響となってあらわれてくるわけでありますか。
○磯崎説明員 週休二日制の問題につきましては先般も御答弁申し上げましたが、私のほうの去る三月の中旬の労使の紛争の一つの問題点は、その週休二日制に到達するまでの時間短縮の問題でございました。先般も申し上げましたように、いま問題にいたしておりますのは、いま私のほうの勤務時間が大体四十五時間をちょっと切っておるところでございます、四十四時間何分でございます。ただ非常に勤務種別が多いものでございますから簡単には申し上げられませんが、大体四十四時間プラスアルファ、四十五時間弱でございますが、大体一時間短縮いたしますのに一万人所要であるというふうに考えております。したがいまして、一挙に週休二日制——週休二日制はご承知のとおり四十時間労働でございますので、一挙に四時間強のものを短縮することは非常に計画上むずかしいということで、私どものほうは大体二段階に考えております。 第一段階はまず、いまよりも二時間ぐらい少ない四十二時間強、四十三時間弱の労働時間にいたしたいというふうに思っておりますが、これで約二万人所要でございます。 これをめぐりまして、実は先般いろいろ組合との、ことに国労との問題があったわけでございますが、これにつきましては先般の話で、昨年の秋にその問題を取り上げまして、まず二時間短縮をひとつ段階的にやっていこうという協定を結んでおります。したがって、その協定を今度再確認いたしまして、まあおおむね私のほうは二年ないし二年半と実は思っておりましたが、しかし、いまのようなお話で多少公務員などのテンポが早くなってきますればもう少しテンポを早くしなければいけないのじゃないかというふうに思っております。私どものほうの計画では五十四年から人を減らさないことにいたしておりますので、実は五十四年以後に大体あとの二時ぐらいをやりたいというふうに思っておりました。しかし、それはまだ正確に計算上入れておるわけじゃございませんので、問題は結局合理化のテンポの問題だと思います。なるべく合理化を早くいたしまして、その所要人員を合理化の中から出すということで、一応現在では四十八年度から二年前後でもってまず四十三時間にして、そしてその後二年ぐらいで四十時間というふうに思っておりますが、問題は合理化のテンポでございまして、その人件費にどう響くかいまちょっと計算いたしておりません。ということは、頭数と、それからベースアップが全部ございますのでちょっと簡単に計算できませんので、人数だけとりあえず申し上げておきます。
○石田(幸)委員 その結論が出ましたならばまたお知らせをいただきたいと思います。 次の問題に移りますが、今度の再建計画の中におきましては、国鉄の企業努力、政府の国費負担、それから利用者負担、この三本の柱が中心になっておるわけでございます。この前も若干申し上げたわけでございますが、この利用者負担、いわゆる国鉄の輸送サービスを受ける受益者も応分の負担をすべきであるというのが政府の持論なんでございますけれども、私に言わしむれば、この受益者の定義というものがきわめて不明確ではないかと思うわけでございます。どういうものがはたして受益者であるのかというようなことにつきまして大臣にお伺いをしたいわけでございますけれども、とにかくこの利用者負担が相当な額に上っているわけでございまして、七兆九千五百十八億、十年間にこういうような予定をされておるわけであります。したがって、どういうものが受益者であるかというその定義を明らかにすることが非常に大事だと思います。 一般的にいって受益者というのは、国鉄を利用している者、いわゆる旅客、貨物のサービスを直接受けている者、あるいは国鉄の施設を利用している者、あるいはまた新線、新設駅等の開設によって地価の高騰あるいは商売の前進等によって利益が増大をしている者等、広義に解釈をすればいろいろあるわけでございますけれども、政府は一体どれをさして受益者といっているのか、その定義を明らかにしていただきたい、こう思うわけであります。
○新谷国務大臣 運賃改定に伴いましてわれわれが説明を申し上げております受益者というのは、いまおっしゃった中で狭いほうの意味と思います。結局国鉄を利用される利用者、国鉄を利用して国鉄にお乗りになる国民の方、こういうふうに考えておる次第でございます。
○石田(幸)委員 いままでそういう議論が繰り返されてきたわけでございますが、そのように直接的な利用者というように限定をいたしますれば、旅客部門の利用者は貨物部門の利用者とは別個の受益者であるという以外にないと思うのでございますけれども、この点はいかがでございますか。
○新谷国務大臣 そのとおりでございます。貨物部門におきましては貨物の運送を国鉄に委託される国民の方、それがここでわれわれが言っております受益者というふうにお考えいただいてけっこうでございます。
○石田(幸)委員 さすれば、結局現在の国鉄の赤字要因というのは、一つは貨物収入が十分にあがらないということと、支払い利息の増大、この二つが大きな要因であろうと思うわけであります。そうしてみますと、少なくとも旅客利用者におきましてはこれは貨物部門の赤字を負担する必要はない、こういうような計算になってくる。そういう理論の展開になってくるわけでございますが、これに対していかがお考えでございますか。
○新谷国務大臣 いまの御意見は、旅客と貨物とで受益の程度が違うから、受益の内容も違うから分けたらどうだ、こういう立論じゃないかと思いますが、その点につきましては、先日も御答弁申し上げましたように、この受益者というものを考えますその考え方と、それから今度の運賃の改定をいたしますについてわれわれがとっております総合原価主義というものとこれは私は両立して考えられてしかるべきじゃないかと思っております。したがいまして、いまのお尋ねにつきましては、総合原価主義でいっておりますから、旅客は旅客、貨物は貨物というふうにはこの受益者を色分けしないで、全体を総合いたしまして受益者の方々から今度の改定についての値上げ幅相当額をいただきたい、こういう考えでございます。
○石田(幸)委員 総裁にお伺いいたします。 この三本の柱、いわゆる利用者負担の十年間の七兆九千五百十八億の金額は、これは再建措置額全体から国鉄の努力部分を差し引いて、そうしてまた政府の負担部分を差し引いて、そして利用者負担分が出てきたという計算ではございませんね。いわゆる三本の柱でございますから、貨物収入を十年間でこれだけあげなければならぬ、また旅客利用者の分をこれだけ収入をあげなければならぬ、そういうような計算から旅客運賃とそれから貨物運賃というのは出てくるのでしょう。いかがですか、この点は。
○磯崎説明員 その点は、前回も申し上げましたけれども、まず私のほうは運賃収入の前に輸送の量がきまってくるわけでございます。したがいまして、まず三本の柱のおのおのがどのくらい負担すべきかという議論、これはまた別問題といたしまして、まず輸送量が客貨別にどう伸びるであろうかということが基礎になってまいります。そしてその伸びる輸送量に対して、何年度でどういう運賃をいただくかという計算をいたします。そして最後には七兆九千億が出るわけでございますので、初めから七兆九千億の中で旅客が幾ら貨物が幾らときめて計算をするのでなしに、全体として国鉄の収入を運賃によって七兆九千億ふやすということを前提といたしまして、その次にそれを客貨に配分する、その基礎は一応の輸送力がまず基礎になるというふうな順序でございます。
○石田(幸)委員 それでは総裁にお伺いをするわけでございますけれども、先ほども運輸大臣がおっしゃった総合原価主義というのは、これは原価を出す方法なのであって、運賃を決定する流れからいきますと、必ずしも——これは十年間におきまして一五、一五、一〇というふうにアップ率を想定をして、そうしてきめた運賃なのでございまして、原価を出す算定方法とは系列が違うんじゃないですか、いかがですか。
○磯崎説明員 ちょっと御質問の趣旨が私にわからない点がございますけれども、一応総合原価主義はいわゆる総原価でございます。これは前回先生の御質問にお答えいたしたとおりでございますが、その総原価を旅客、貨物でどう分担すべきかという問題でございまして、系列が違うと申しますか、その運賃決定については運賃法にございますとおり、いわゆる原価だけではございません。そのほか三つ要素がございますが、それは大体総合原価を総運賃で償うというたてまえでまいりますので、したがいまして原価を計算するのは一つの運賃決定の要素には違いございませんが、やはり総体の経費を総体の運賃収入でまかなう。もちろん総体の経費と申します際には、前回申しましたように、経費の中にどこまで入れるかという問題はもちろんございますが、総体の原価を総体の運賃収入で償う、こういうたてまえで計算いたしますので、先生のおっしゃったように別系統という御質問の意味はちょっとわかりませんが、大体一応は収入と原価とは別々に計算いたしまして、そうして原価を——そういったこれだけの原価がかかるから、これを収入でカバーする。もちろんその前提として政府の援助なりあるいはうちの努力なりいろいろございますが、一応その中から運賃でどこまでカバーできるかというふうなことを考えるわけでございます。
○石田(幸)委員 総裁、この議論をしておりますと二時間たってもなかなか終わりません。そこで、たいへん恐縮でありますが、いわゆる十年間に試算をいたしましたこの七兆九千五百十八億の収入をあげなければならぬと積算されておりますその基礎資料、いわゆる旅客、貨物の輸送量等の問題、試算前提の中にこう出ておりますね、一々読み上げませんが、これを裏づける資料、これをひとつ御提出をいただきたいということと、この輸送量と運賃との関係、こういうものを前提としまして運賃を算定してくるわけですね。その運賃決定に至るまでの概略の関係がわかる資料、これを御提出いただきたいと思うわけであります。それに基づいて、次の公明党の松本議員のときにでも議論をしたいと思いますので、これはお願いできますか。
○磯崎説明員 ただいまの御質問の資料、なるべく御趣旨に沿うような資料をつくってまいりますが、ただ非常に試行錯誤で長期間かけてやっておりますので、非常に明快なものができるかどうかは別といたしましても、相当長期間かけていろいろなコンピューターその他使ってやった経過がございますので、なるべく明快に、近いもので資料を作成して御提出いたしたいというふうに思っております。
○石田(幸)委員 それでは、時間が経過いたしますので次の問題に入るわけでございますが、まず総裁にお伺いをいたします。 国鉄が現在の経営において赤字基調を続けておることは天下周知の事実であります。でありますがゆえに、もし国鉄が収入拡大の道があるとするならば、これは十分に研究をいたしてその方針を探るべきではないか、このように私は思うわけであります。今回の国鉄の企業努力を見ましても十一万人の合理化というような形、あるいは現在所有しておる土地を一千三百億売却をするというような、きわめてうしろ向きのそういうような政策になっておるわけでありまして、現在確かにいろいろな法律によって規制はされておりますけれども、もし収入拡大の方途があるとするならば、これは十分に検討に値をするのではないか、こう私は思うわけです。むしろその方向へと進みたいのが国鉄さんの本音ではないか、こういうふうに思うのでございますが、いかがでしょうか。
○磯崎説明員 たいへんおくればせでございますが、私のほうもやはりそういう付帯事業であげられるだけの収入をあげなければいけないというふうに考えております。
○石田(幸)委員 現在国鉄が公営企業でありますために、国有鉄道法第六条四項によりまして、投資活動は政令によって定められているわけであります。しかしこういうような内容を検討してみますと、多分に国鉄自身でもなし得るような、そういうような仕事の内容がかなり含まれていること、それからまた国鉄のそういうような構内あるいはそういう権益を利用して国鉄自身が経営をすれば相当収入をあげ得る、そういうような要素も多分にあるわけであります。もし法改正ができますれば、国鉄としてもそういうような方向をとるべきであろう、こういうふうに思うのですが、私見を承りたいと思います。
○磯崎説明員 国鉄の付帯収入をあげる方法でございますが、一つは、いま御指摘の第六条の投資による間接な付帯事業収入がございますが、それ以外に国鉄法の三条そのものを改正して直営の範囲を広げることがいいかどうかという問題が一つございます。その中にもいわゆる鉄道と関係ない、たとえば不動産事業だとか土地の分譲だとか、そういう鉄道と直接関係ないけれども、私鉄などがやっておる事業もございます。あるいは極端にいえば百貨店事業等もございますし、また小さくいえば駅構内のいろいろな仕事もございます。その中で私どもの職員を使って実際にやれる仕事は何かということをいろいろ検討いたしてみますと、必ずしもそういう商行為になれておる職員がたくさんおりませんので、やはり部外の経験者の知恵をかりまして、そうして共同でやるということが一番いいのじゃないかということで六条の改正を願ったわけでございますが、今度駅いわゆる民衆駅等の問題でございますが、いままでのように、ただ土地を貸すということでなしに、部外の地元の方々と共同経営をするというふうなことで、最近ターミナルなども考え直しております。 そういう意味で、私のほうといたしましても、必ずしも人材的に見て直営能力がたくさんあるというふうにも思えませんが、ただ方向といたしましては、やはり第六条によって付帯事業と申しますか、関連事業をふやしていくということと、あとはもし直営の適当なものがあれば直営していくということで、直営事業としては必ずしも非常に積極的であるという考え方を持っておりませんのは、主として、人材的な面で非常にむずかしいというような感覚もあるわけでございますが、これはケース・バイ・ケースでやっていく以外にないというふうに考えます。
○石田(幸)委員 なぜ私がそのようなことを言うかといいますと、国鉄の出資会社全体の状況を見ましても、かなりの収益をあげておるわけでありますし、またその内容を見てみましても、たとえば日本交通公社あるいは日本旅行社の仕事の内容を見てみますと、要するに乗車券の代売事業でありますので、あるいは団体列車を確保するときのいろいろな国鉄等の打ち合わせを見てみますと、線引きであるとかいろいろなことをやっておりますね。そういうことはいわゆる国鉄の古手の方が、自分たちのいままでの仕事を利用して、そういう能力を活用してやっているのであって、まさにこれは国鉄さんがずばりできるような事業なわけですね。そういうようなことを考えてみますと、私は何もこれらの企業をつぶせと言っているのじゃない。しかし、国鉄が収入を拡大する方途というのは、今後の問題として幾らでも開けてくる可能性があるではないかということを、いま私は指摘をいたしておるわけであります。 鉄道弘済会の問題をこれから議論をするわけでありますけれども、四十六年度において、営業収入は一千四百五十二億六千七百万円という膨大な営業収入をあげているわけであります。また国鉄の出資会社、そういうものを関連して考えてみましても、これは年間五百七十億の収益をあげておる、あるいは弘済会のさらに子会社等の状況を見ても、これは鉄道弘済会の出資会社が百十九社ありますけれども、わずか代表九社の年間収益を考えてみても、百八十八億に達するわけであります。おそらく百十九社全体を調査すれば、五百億くらいには達するであろう。 また鉄道弘済会のその後の伸び率を見てみますれば、四十八年度で二千億の収入はこえるであろう、こういうふうに考えられる。そうしますと、これだけでも、この三つを合計いたしましても二千五百億から三千億くらいの収入をあげておる。この二千五百億というのは、この間も申し上げましたように、実に国鉄の貨物の一年間の営業収入に匹敵するわけです。そういうような収益をあげている、それがいわゆる国鉄という機能、そういう施設を活用して、これだけの収益をあげているわけです。ということを考えてみますと、国鉄の機能とかそういった施設は、これはいわゆる国民の財産、国民の財産をもって他の人たちが収益をあげておって、それは投資に対する還元という形で国民にも多少は還元されるでありましょうけれども、微々たるものです。そういうような角度を見ますと、私鉄との比較におきましても、私鉄十四社の状況を見ても、そういった輸送関係におきますところの収入は微々たるものです。ゼロもしくは赤字に近い。ほとんどの会社がそうなっておる中におきまして、四十六年度半期だけでも、十四社で百七十七億の実績をあげておる。純収益だけでもざっと三百五十億から四百億ぐらいの収入をあげているわけですね。そういうことを考えてみますと、これからの国鉄の経営をもう少し考える必要があるのじゃないかと私は思うわけでございます。 それから、鉄道弘済会の状況を見てみますと、これは公益事業であるというふうに、特に厚生事業を中心として国鉄の職員に還元をするというような形になっているわけでございますけれども、その売り上げに対して考えてみれば、わずかに〇・五%くらいにすぎません。 さらにまた、従業員の状況を見てみましても、四十二年度において弘済会の職員数が二万六千五百八十五名、そのうち国鉄退職者が四千五百八十八名。ところが五年間においてかなりその率が下がっておりまして、四十六年度において弘済会の職員数が二万三千八百三十三名、うち国鉄退職者は二千八百三十六名というふうに、一七・二%から一一・四%に国鉄退職者の割合は下がってきているわけであります。 これは何を意味するかといいますと、結局、年間一千五百億円以上の売り上げをあげる企業体として、営利企業体の体質を強化するためには国鉄退職者を受け入れる余地がもうだんだんになくなってきているということを意味するのではないか、こう私は思うわけでございます。これはもちろん見解の分かれることでございますから、いや厚生事業をやっているのだ、こういうふうにおっしゃるかもしれませんけれども、千四百五十二億も一年間にあげているところが、厚生事業にはわずかに八億程度しか回っていないわけです。この二万三千数百人の方が一年間の千四百五十二億の収益で食べていらっしゃる。そういうことを考えますと、弘済会はもうすでに中身は営利会社に転進をしているのではないか、私はこういうふうに思うわけであります。これは法律上からいけばそういうような指摘はできないかもしれませんが、しかしこの弘済会の行動というものはあくまでも厚生事業を中心とした、それを生み出すための営利事業でなければならない。しかもたてまえは公益法人でございますから、当然社会全体の繁栄のためということを旨としてやっていかなければならないのじゃないかと私は思うわけであります。 ところが、その鉄道弘済会がそういう厚生事業を中心とする公益事業から営利に転進しているという一つの事実として、私は弘済建物の問題をここで取りあげるわけであります。参考人にお伺いをいたしますが、弘済建物と弘済会との関係、これはどのような関係でございますか。
○小林参考人 お答えいたします。 弘済建物株式会社は、たしか昭和三十四年に設立した会社でございます。その出資全額は弘済会で負担いたしております。この会社を設立いたしました目的の大きな部分は、国鉄の従業員の住の安定をはかっていきたい、こういう気持ちで設立いたしたわけでございます。ただし、この会社に行きましたものは大体国鉄の職員でございまして、あまり土地の売買その他の経験もございませんので、十分な活躍ができませんで、ようやく最近になりましてまあ八分程度の配当を維持できるというような情勢になってまいっております。 以上のとおりでございます。
○石田(幸)委員 いま参考人からお答えがございましたように、鉄道弘済会からの全額出資の会社である。役員を拝見いたしましても、代表取締役中村さんをはじめ、全部国鉄のOBであります。またさらに、きょうおいでになった参考人をはじめ、現職の弘済会の役員の方が五人取締役として入っていらっしゃるし、監査役にも同じく弘済会の現職の方がお入りになっているわけであります。支店を名古屋、仙台、札幌、出張所を大阪、広島、北九州、高松、新潟、そのほかに派出所を全国に十七カ所持っていらっしゃるが、確かにいま参考人がおっしゃったように、国鉄の職員の住まいの問題を主として営業するんだ、そういう仕事をするんだというふうにおっしゃっておりますけれども、現在特に商品投機の問題を中心にいたしまして、土地の買い占め問題が話題になっているわけであります。この弘済建物もかなり積極的に土地の買い占めに参画をしておられる。その買い占め状況を見ていくならば、決してこれは国鉄職員の住宅を確保するための、そういうような意図で土地の買い占めをやっているとは考えられない。特に我孫子周辺におきましては特定の不動産業者と結託をして、これを不当にもうけさせている疑いすらあるわけであります。 その状況を若干申し上げます。弘済建物が我孫子市におきまして土地を購入、販売をした、弘済建物さんからの資料を私要求をいたしましていただきましたけれども、これを見ましても、我孫子市を中心にいたしまして、柏市、藤代町それから成田市、そういうところにおきまして六十九万二千七百九十八平方メートル、これだけの膨大な土地を取得していらっしゃるわけであります。坪数に直して約二十万八千坪ぐらいあるわけでありますから、しかも購入状況のその後の状況を見に行っても、国鉄職員の住居なんというものは建っておらない。また、中には実際に鉄道の職員の方も土地を買って入っていらっしゃるけれども、安い土地を買っておいて、そして国鉄職員さんに売却をされるときには時価相場で売っていらっしゃる。相当な利潤をもうけているというふうに考えざるを得ないのであります。現在六十九万二千七百九十八平米のうち、二十万五千九百三十六平米を売却していらっしゃる。現在四十八万六千八百六十二平米を所有していらっしゃるわけでありますけれども、これは表示価格、いわゆる帳簿上の価格によりますと非常に低いのでございますけれども、おそらく五十億から七十億ぐらいの資産であろう、このように思われるわけであります。あるいはまた、四十六年度までの活動報告をずっとみてみますと、大体五年間で十六億ぐらいの利益をあげていらっしゃる。先ほど参考人は国鉄職員の住居というふうにおっしゃいましたけれども、北海道のほうにおきましては、四十七年の二月、いわゆる札幌オリンピックを当て込んでか、四十三年に札幌市の星置というのですか、これを六万五千八百三十平米を購入して、五万一千七百六十二平米を売却していらっしゃる。同じく東苗穂におきましても一万七千七百二十九平方メートルを購入して、約一万四千平米を売却して、約一億に近い売却利益をあげていらっしゃるわけであります。こういうような問題に対して、弘済会だけではなくて、私は国鉄当局にも非常に大きな責任があると思う。その前にお伺いいたしますが、こういうような土地の買い占め、いわゆる公益法人が九九%出資していらっしゃる会社がこのような土地の買い占めをすることが、はたしてこの寄付行為に盛られておるところの目的に合致をするとお考えになっていらっしゃるのかどうか、この点について参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
○小林参考人 お答えいたします。 現在弘済建物会社を設立しましたのは、弘済会の寄付行為の四条の八号「鉄道従事員の生活安定又は向上に資する事業」並びに九の「鉄道利用者に対する便益増進及び鉄道利用の促進に資するための事業」この二つの事業目的に合致すると考えまして出資もいたしておりますし、運営をいたしておるわけでございます。
○石田(幸)委員 そういうお答えを私はお願いをしておるのではございませんで、いわゆる二十万坪からの土地を取得することが、はたしていまあなたがおっしゃったような目的に合致をいたしますか。これは土地の買い占めだと私は断ぜざるを得ませんが、参考人はそうお考えになっておらないわけでございますか。
○小林参考人 相当な坪数を買っておるようなお話でございますが、ほかの民間の不動産会社に比べますと、どっちかと申しますと非常に微々たるものでございます。ささやかなものでございまして、持っております土地も、もっぱら鉄道職員に売っておりまして、ときに鉄道職員に売れません部分は一般に販売もいたしておりますが、まず鉄道職員重点に販売をいたしておるような次第でございます。それで、先ほども申し上げましたように、これでもって大きな利益をあげておるわけでは決してございませんで、ようやく最近八分程度の配当がどうやらできるというような姿になったわけでございます。 もっとも、私のほうで買っております土地が全部住宅用の用地だけではございませんで、先ほどもお話し申し上げましたように鉄道利用の促進に資する事業、こういった事業のために買っておる土地もございます。最近国民の福祉と申しますかのためにいろいろレジャー施設を行なう方向が強くなってまいっております。その施設によりまして鉄道の利用も促進されるわけでございますので、いまおっしゃいました土地の坪数のうちにはそういったレジャー用の施設の土地も含まれておることもお含みおき願いたいと存じます。
○石田(幸)委員 それではお伺いをいたしますが、この我孫子で買われました土地の購入価格、大体平均して一坪幾らですか。
○小林参考人 我孫子で買いました土地は三カ所ございまして、新木団地というのが三万八千九百二十七平米でございます。その購入原価が平米当たり四千四百八十円でございます。それから新京北、いずみ団地と申しておりますが、この土地が八万八千九百五十二平米でございまして、購入原価が平米当たり六千七十円でございます。布佐というところに十二万二千平米買いましたが、これは住宅開発に適しないということでございまして、この土地をあっせんしてくれた者に買い戻してもらったことになっております。 販売価格も申し上げましょうか。——我孫子の土地の平均販売価格でございますが、原価が先ほど申し上げましたように平米当たり四千四百八十円でございます。これに対しまして、販売までの期間の金利とか諸雑費、管理費、そういったものを加えますと、一万九千五百円の原価になります。これを販売いたしましたのが——間違いました。平米当たり五千九百十円になっております。それを販売いたしましたのが、四十二年に平米当たり五千六百四十円、四十三年に平米当たり六千九百四十円、四十四年に平米当たり八千四百五十円で販売いたしております。この販売先は全部国鉄の職員になっております。いずみ団地のほうでございますが、これは購入価格は先ほど申し上げましたように六千七十円でございます。これに対しまして、この土地は造成に相当費用がかかりまして、造成費が約六千円ほどかかっております。そうしますと、土地の購入価格と造成費と合計いたしまして、約一万二千円になるわけでございますが、それに対しまして、金利、販売諸費、そういったものを加えまして、販売の原価と申しますが、平米当たり一万九千三百三十円になっております。これを販売いたしましたのが四十五年以降でございますが、平米当たり二万二千七百六十円になっております。これは土地の状況によりましていろいろ値段に差が出てくるわけでございますが、そういうような値段で売っております。もっとも、これらの土地の販売は私のほう一カ所ではとても人材的にもあるいは資金的にも限界がございますので、地元の不動産業者と共有のかっこうをとりまして開発いたしました。したがいまして、それ以外の業者におきましては、あるいはこれ以上の値段で取引したものもあるかとも存じますが、私のほうで取引いたしました価格はそういうような価格になっております。
○石田(幸)委員 参考人は現場へ行っておられるかどうかわかりませんけれども、私が見てきた限りにおきましては、これは全部国鉄の職員には売られておりません。しかも、確かにいままでの経過におきまして購入したものはかなり販売をされております。いま我孫子に残っておりますのは、いわゆる新京北のうち四万三千九百九十平米、このようになっております。帳簿価額が五億四千八百万ですね。この土地価格というのは、大体いま我孫子において時価相場どのくらいしているか御存じですか。
○小林参考人 これは駅の近くになりますと相当高い値段を出しておるようでございますが、私のほうの土地は駅からだいぶ離れた場所でございますので、それに比較いたしますと値段は下がっておると思います。いま申し上げました価格はその当時の価格としては多少相場よりも安かったかとも存じます。
○石田(幸)委員 私は、たとえばいま参考人が申されました新木団地、この新木団地ですらいま十万円では買えないのです。実際行って相場も聞いてきました。長太郎団地はいま入っています、販売をやっているわけですよ。その新木団地にいたしましても、その土地の購入者等の状況を聞きますと、そばに無人駅があるのです。そして四十五年にその小さな無人駅が、そのホームが二倍に拡大をされて駅になっておる。しかし、ここには一人の職員もいないわけです。私全国いろいろ回って見ておりますけれども、急行がとまる駅ですら、いわゆる列車が中に入らないで、途中からとことこ前のほうに出ておりてくださいなんというところもありますよ。そういうようなニュースが事前に流れて、そうして新木団地の造成が行なわれておるわけです。それはいわゆる価格の高騰を操作できる要因でしょう。そういうような形で長い間売られておるわけです。この新木団地というのは確かに国鉄職員も入っておりますけれども、しかし、総構成人員、世帯数等を検討してみますと、三割にも満たない数字ですよ。一般の人がこの新木団地にはたくさんいま入っているわけなんです。そういう人たちが、いわゆる現在の土地相場で土地を買わされておるわけです。あなた方は安い値段で買い、そう高く売っていませんと言うけれども、現実は販売会社等を通じて買ってみれば、高い値段になっておるわけです。そういうような行為がほんとうにいわゆる鉄道の便益に資する事業というふうにお考えになるのは、私はいささか見当違いじゃなかろうかと思うわけであります。いかがですか。
○小林参考人 新木団地は、これは全部国鉄向けに売ったはずでございます。それからいずみ団地のほうは国鉄職員に売りました分は三割程度でございまして、残りの部分は地元の意向もございまして、できるだけ地域の開発を促進する意味で建て売り業者等に土地をあっせんしてくれぬかというような話がございましたので、いずみ団地のほうは建て売り業者に売ったものが相当ございます。新木団地のほうは鉄道職員に全部売った、こういうふうに私聞いております。
○石田(幸)委員 新木団地に行ってみてください。まだ多分に土地があいているのですよ。まだ、そんなにたくさん販売されておるわけではないのです。 ではお伺いをいたしますが、そういうような土地の造成をやることが、いわゆる鉄道利用者に対する便益の増進に資することになるならば、これは他の不動産業者だって全部そういうことになるじゃないですか。他の不動産業者だって、では公益法人と同じだということになると思うのですけどね。私は公益法人というものはそういう性質のものではない、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
○小林参考人 住宅用地を獲得いたしましたのは、これはもっぱら、鉄道利用の促進よりも、国鉄従事員の生活の安定向上、こういったような目的で買っておるわけでございます。ただ土地を買いましても国鉄職員に全部売れない場合もございますし、一部民間に渡ることもございます。 なお、先ほど私説明不十分でございましたが、新木団地は三業者共同でやっております。私のほうの持ち分は全部国鉄職員に売りましたが、他の業者の持ち分のものは民間の人に売られたと存じます。そういった意味で、いま先生の仰せられましたように国鉄職員の分は三割じゃないかというような数字になったのじゃないかと思います。私のほうの持ち分は全部これは国鉄職員に売ったわけでございます。
○石田(幸)委員 それは事実と違うのですよ。弘済建物さんじゃなくて弘済サービスさんが窓口になっているはずでしょう。ところがこれはいろいろなところに働きかけているわけですよ。国鉄だけじゃない、いろいろな官庁の組合なんかにも働きかけているわけです。そういうふうに実態が少し違うのですね。 それではもう少しお伺いをいたしますが、たとえばいま藤代町に、これは取手の先ですか、二十六万三千六百九十二平米、こういう膨大な土地を取得していらっしゃるわけでございますが、これはどのような目的でこれだけの土地を取得していらっしゃるわけですか。
○小林参考人 藤代につきましては、弘済建物のほうで三年ばかり前から、県御当局とも打ち合わせまして、住宅地の開発を行なうことにいたしたわけでございますが、これは市街化調整区域に含まれておりまして、住宅の開発をします際には一定の面積以上の規模が必要でございますし、また認可を受けなければならぬわけでございます。それでこの購入しました土地につきましては、茨城県の住宅開発供給公社でございますか、そういった公的な機関がございまして、そこと共同で開発することになっております。ただいま県のほうといろいろ折衝中でございます。
○石田(幸)委員 それではなおお伺いいたしますが、昨日の物価の連合審査会におきましては、いわゆる銀行が一〇%程度土地会社に資本金を投入いたしまして、そして他の資金はその他の会社から集めているわけでございますが、そういう不動産会社をつくっております。そしてそれらの活動について、きのうも連合審査会で問題になったわけでございますが、大蔵大臣は、そういうような金融機関が土地会社を持つということはよくない、法律で規制することはできないけれども、行政措置によって資本金も引き上げるようにいたしましょう、そういう方向で行政指導をしたいというようにおっしゃっているわけです。銀行の持つ、いわゆる金融機関の持つ性格からいきまして、私は当然そういう方向でしかるべきだと思うのです。やはり公益法人であってもそういうような土地の造成を積極的にやる、それが特定の、ほんとうに鉄道従業員の生活に資するために行なわれているならばいいけれども、現実はなかなかそうはまいらないじゃないですか。 じゃなお私申し上げたいと思いますけれども、いま参考人は、いわゆる土地の業者をお使いになって、そして共同で事業をしているのだ、こういうふうにおっしゃいますけれども、この特定の不動産業者というのは三十七年当時におきましてはわずかに資本金が五百万程度の会社ですね。いまは資本金八千万の会社に成長いたしておるわけです。しかも、この特定の不動産業者というのは、この間現地へ行っていろいろ状況を調べてみますと、いわゆる個人企業から発足をしておるわけです。それがいまは堂々たる、もう何十億というような土地を一時的に取得できるような、そういう能力のある会社に発展をいたしておるわけであります。しかもこの会社には、これは弘済会から出ているのかどうかわかりませんけれども、小林さんという方が、国鉄の東京第二工事局次長、この人が四十五年三月に国鉄を退職なされて、そして四十六年の二月に監査役としてこの特定の不動産業者に就職をしておられるわけです。こういう状況を見ますと、おそらく弘済会と特殊な関係があって伸びていったのであろうということは推測にかたくないわけであります。 さらにまた、弘済建物とそれからこの特定の不動産業者とのつながりを見てみますれば、三カ所の共有資産というような形でいままで売買をしあるいは取得をされてきておるわけであります。そういうふうな形でこの不動産会社はこの十年間のうちに急速に有力な土地の不動産業者に成長をしてしまったわけでございますが、これはいわゆる弘済建物、また直接的にいえば鉄道弘済会の支援がなければここまで成長することができない。したがって、土地の方々のいろいろな状況を聞いてみますと、あそこら辺の土地の買い占めについては鉄道弘済会の資金で佐藤興業が表面に出て大々的に買収をしているのだ、こんなことをされたんでは土地はどんどん上がってしまうし、たまったものじゃない、そういうような評価をしておるわけです。そういうような評価を得ながらも、なおこの不動産業者と結託して、この不動産業者を応援していかなければならない何か特別の理由はあるのですか。
○小林参考人 この我孫子の三カ所の土地でございますが、いずれも共有で、共同事業で始めたものでございます。それで、共有、共同事業で始めましたときには弘済建物と泰和興業、ビルデランド、この三者で組合をつくりまして土地の販売事業を始めたわけでございます。その後佐藤興業が出てまいりましてビルデランドを吸収合併いたしたわけでございます。その結果、現在では組合契約上弘済建物と泰和興業と佐藤興業の三者で共同的に事業をやっておるという結果になっております。 聞き及びますところによりますと、佐藤興業の社長の佐藤氏は、かつて泰和興業の嘱託をいたしておりまして、もっぱらこの方面の地理に詳しいためにいわゆる地上げというものをやりておったようでございます。多少弘済会の信用を利用した傾向があるかと存じますが、いずれにいたしましても、出資額自体は持ち分を弘済建物が二分の一、その他が四分の一、四分の一、こういった持ち分になっておりますし、販売しました利益も販売経費もその三者がそういった持ち分で分担することにいたしております。
○石田(幸)委員 それでは参考人は、その佐藤興業がそういう弘済会のいろいろな信用やら何やらを利用して今日まで大きくなったということについてはお認めになるわけですね。
○小林参考人 おそらく、弘済会と提携したことによりまして、信用上の利益は確かに得ただろうと私推察いたします。
○石田(幸)委員 この佐藤興業につきましても、いま、とかくのうわさがあるわけです。なおこの土地におきまして買収を盛んにしておりまして、ある有力な電機メーカーを招致するために積極的に働きかけておる。その買収のしかたがあまりあくどいので、だんだん土地を売るのはやめようじゃないか、こういうような動きさえも出てきておるわけであります。そのために土地は上がってきて、その電機メーカーは藤代方面にでも転進をしようかというような状況にいまなってきておるわけであります。またこれには市がからんでおりまして、市が直接そういう電機メーカーの土地の買収をあっせんするわけにいかないというようなことで、土地の業者の全体的な協会があるわけですけれども、その協会に委任をしたわけです。ところが佐藤興業がいろいろなクレームをつけるためにこの協会が仕事ができなくなってしまった。支部長ばかってにやめてしまう。そのあとに佐藤興業がかってに支部長になって、そしてその協会の仕事としてやればいいものを、自分の仕事に切りかえていまばんばん買収をしておるわけですよ。そういうようなとかくの評判のある会社と提携をして土地の造成をやるということは、これは公益法人の目的に大きく違反をするのじゃないか、こういうふうに私は思うわけです。しかしあなたはそうでないというふうに強弁をされるならば、これは意見の食い違いでございますが、私はこれ以上申し上げませんけれども、しかし今後の事業内容においては、当然私はそういうようなものを十分チェックして、公益法人としての使命を十二分に果たせるようなそういう方向にいくべきじゃないかということを申し上げたいわけであります。 さらにもう一点あるわけです。参考人のお手元にも資料があると思いますけれども、松尾鉱山、いわゆる岩手県の松尾村におきまして二十二万五千二百十六平米取得していらっしゃいますね。これは何の目的で取得されたのでございますか。
○小林参考人 佐藤興業につきましてはいろいろ御勧告をいただきましてまことにありがとうございます。私らのほうも十分検討いたしまして——従来組合契約を結んでおります面につきましてはこれを破棄するわけにはいきませんでしょうから、今後の活動につきましては十分そういう点も気をつけて、弘済会自体のイメージを落とすようなことのないように努力してまいりたいと思います。 松尾鉱山のあと地でございますが、松尾鉱山と申しましても、私のほうの購入いたしましたのは、松尾鉱山から沢を一つ隔てた約六キロの離れた土地でございます。どちらかと申しますと、あれは岩手山のふもとでございまして、松尾鉱山とは向かい合わせになっている山地でございます。ご承知のとおり松尾村は松尾鉱山でおそらく生きておった村だと思いますが、松尾鉱山が廃鉱になりまして町の財政も相当苦しくなってまいっただろうと思います。幸い松尾村は地積が非常に広うございまして、将来国民のレジャー施設として広い地域を開発したいというような希望を持っておりまして、雇用促進事業団あるいは県の開発公社等と相談いたしまして、この地域の開発を計画いたしておったわけでございます。その計画に際しまして、弘済建物も一枚乗ってくれぬかというような話がございまして、共同でこの地域のレジャー開発を行なうことにいたしたわけでございます。もっとも土地自体は先ほど申し上げました共有のかっこうじゃございませんで、私のほうが相当部分の土地を購入いたしまして、そこにどういうレジャー施設をつくるかは松尾村、県開発公社等といろいろ協議しながら進めていく考えでおります。
○石田(幸)委員 松尾村の取得されたこの周辺、いままでどういうような鉱害が発生しているか御存じですか。
○小林参考人 松尾鉱山のほうは相当な鉱害があったと存じますが、私のほうの開発に着手しております地域は岩手山の山ろくのほうでございまして、松尾鉱山とは直接関係はなかったのじゃないかと推察をいたしております。
○石田(幸)委員 周辺を流れている赤川というのですか、これとは関係ありませんか。
○小林参考人 私も一度行ってまいりましたが、水域といたしましては松尾鉱山より私のほうの開発する地域のほうが上流になっているのじゃないかと思っているのでございますが、あのあたりにはすでにマスの養魚をやっておるところもございます。必ずしも水質は悪くないのじゃないかと思っております。
○石田(幸)委員 参考人におかれましても、松尾鉱山のいわゆる鉱毒水については十分御存じかと思うわけであります。いま将来のレジャー施設としての開発を進めていらっしゃるようでございますけれども、ここら辺の一帯はたいへんに河川が硫酸で汚染をされておるわけです。そういうようなところにわざわざ取得されたということについては、なお私も疑問がありますので、私自身もさらに現地に行きまして状況を調べてみたいと思うのでございますけれども、現在一日百三十トン内外の硫酸がこの松尾鉱山周辺から北上川に流出をいたしておるわけであります。そのために、いま鉱山所有者がとても手が出ないために、建設省が一日百万円前後、こういうような、年間約一億六千万円前後の金を投入をして中和処理をしておるわけです。そういう人体にもたいへん危険を及ぼすような状況、それからこの周辺にはやはり硫黄のために異常児がたくさん発生をしている特殊な地域であるわけです。そういった点等も十分にひとつ調査をされて、そして将来の計画をお進めにならなければいけないと思うのです。これは相当な広範囲です。大体河川にいたしましても、いまは松尾鉱山の上流とおっしゃいましたけれども、私の見たところではこの赤川に関係があるのじゃないか、こういうふうに思っているわけです。さらに、大体この北上川は百キロ以上も汚染をされていることで全国でも有名な汚水河川なわけです。そういった点も十分にひとつ考慮をして計画をお進めになっていただきたい、こういうふうに注意、勧告しておく次第でございます。 なおそちらでお調べの資料がございましたらば、私のほうともう一ぺん照合してみますので、御提出をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小林参考人 私のほうも、県あるいは雇用促進事業団でございますか、そういったところもすでに施設をつくっておりますし、松尾村も県と折衝しましてあの地域を開発するということになったわけでございまして、私のほうもあるいは十分の調査はしないで着手したか、あるいは地元の公共団体の御意向を非常に尊重しまして開発に乗り出した姿かと存じますが、いずれにいたしましても、先生からのいろいろの御注意もございますので、私のほうも慎重に検討いたしまして、また村、県当局と相談いたしまして開発を進めてまいりたいと存じます。
○石田(幸)委員 これは松尾村の立場に立ってお考えになっていただくと困るのでありまして、松尾村はそういうような状況があるからさびれたのでございます。ですから、当然いろいろな施設を誘致して繁栄をはかりたいということはわかります。しかしながら、やはり今日これだけ公害が騒がれておる時点におきましては、そういうような繁栄という見地からこの問題を取り上げるのでは大きな誤りでございます。あくまでもそういうレジャー施設ということになりますれば、いわゆる八幡平国立公園を目ざして大ぜいの人がここに集まってくるわけですから、そういった人たちの健康に十分留意をしなければならない、これを第一義に考えなければならないわけでございますので、そういう点でひとつなお御研究を進めていただきたいし、また安全であるという、そういう資料がありますれば、私のほうと照合いたしますので御提出をいただきたい、こうお願いをするわけであります。 国鉄総裁にお伺いいたします。いま私が一つ、二つの問題を御指摘したわけでございますが、いかにこれが鉄道に従事しておる人たちの生活向上あるいは鉄道利用者に対する便益の増進に資するというようなことを言われましても、今日不動産業者が土地をそのようにどんどん造成という目的で取得をしている。そのために土地価格が上がっておるということは、これはまぎれもない事実です。したがって、私は、先ほど銀行が所有しておりますところの不動産会社、そういうものが縮小の方向に向かっているという事実を、きのうの物価の連合審査の過程の中からお話を申し上げたわけでございますが、やはり公益法人として私はそういった点を十分注意をしながら、事業を進めていかなければならないと思うわけであります。現に、この弘済会の人事については、「役員の任命」の第九条におきまして、会長さんも総裁の意見を聞いて評議員会が選任をする。また理事長、専務理事、理事及び監事は総裁の意見を聞いて会長が任命するというふうに、人事権におきましても、相当な責任を総裁はお持ちであるわけでございます。さらにまた評議員におきましても、総裁の推薦する者三名というふうに、そういった弘済会の全体の人事について、総裁の責任はたいへん重いと私は思うわけであります。そういった意味におきまして、そういうような国民全体を苦しめるような方向の事業というのは、なるべくセーブをするように、十分ひとつ御監督を願いたいと思うのでございますが、御意見を承りたいと思います。
○磯崎説明員 先ほどから先生のお話を承っておりましたけれども、やはり国鉄の分身ともいわれるような公益法人でございますので、それの投資いたします会社の仕事の内容にいたしましても、公益目的の範囲を逸脱してはならないというふうに思います。したがいまして、鉄道職員の住宅のあっせん、供給及び鉄道利用の促進という目的を逸脱することのないように、いやしくも先生のおっしゃったような買い占め、その他による投機のためにやるというようなことは、絶対ないと思っておりますけれども、今後とも十分御趣旨を体しまして、会長を通じ十分業務の監督をしてまいりたいというふうに思う次第でございます。
○石田(幸)委員 さらに弘済会にもお願いをするわけでございますけれども、こういうような取得した土地——私は現在国鉄の職員に大ぜい知り合いがあります。その人たちの生活状況を聞いてみますと、今回もベースアップでもめているわけでございますが、この物価高の中におきまして、一般よりは給料が低いのじゃないか、こういうような感覚を皆さんは抱いておられます。そういったところから、何とかもう少し生活が楽にならないだろうかということを願っている人が、国鉄従業人の中の下部へいけばいくほどそういう感じを抱いておられると思うのです。ですから、参考人がいまそのように、国鉄従業員の生活に資するために取得するのだ、そういうことであれば明快にひとつそういう目的のためにそれらの土地を手放していただきたいと思うのです。 私も我孫子へ行ってきました。新木団地の状況を見てきました。しかし、そこにおきましては、とてもいま参考人がおっしゃるような国鉄従業員のための団地の造成なんだという状況ではないのです。行ってごらんなさいませ、アーチをくぐって行きますれば、まず突き当たるのは「長太郎団地」という大きな看板です。長太郎団地といえば、最近非常に有名になっている土地の造成業者でしょう。そういうような状況しか見受けられないわけなんです。そういった点についても、特にそういう目的でお買いになったのであれば、非常にけっこうであります。しかし、先ほど申し上げたように、我孫子の新木団地だって、いま坪十万円以下では買えぬのです。二万円で取得したとおっしゃるならば、あるいは一万数千円で取得したとおっしゃるならば、時価相場よりもはるかに安く従業員の方に分けてやる。そういうような方針でいっていただきたい。これは私の私見からくるお願いでございますけれども、そういう方向でひとつ取り扱いをお願いしたい、こういうふうに思うのでございますけれども、御意見を承っておきます。
○小林参考人 先生の御意見、もっともでございます。私たちといたしましても、できるだけ国鉄従業員の生活の安定のために努力いたしたいわけでございまして、土地を購入いたしましてすべてが鉄道従業員の土地になるとは限らないと思います。場所によりましては、ほかに売らざるを得ない土地も出てくるかもしれませんが、どこまでも国鉄職員のために土地を獲得いたしまして、合理的な価格で提供するようにつとめてまいりたいと存じております。
○石田(幸)委員 次は運輸大臣にお伺いをいたします。 私はなぜこういう問題を取り上げるかといいますと、先ほど大臣がお席をはずしておられたときに申し上げたのでございますけれども、確かに現在は国鉄は法令によって出資事業というものを規定されております。しかしながら、国鉄の企業努力の姿勢を見ますと、十一万人の合理化、それから不要な土地の売却というような、うしろ向きの企業努力である。しかるに、この出資会社の状況あるいは国鉄に関連するいろいろな事業の状況を見てみますと、国鉄が行なっても機能として当然やれるのじゃないか、そういうような状況がたくさん見受けられるわけです。国鉄の財産は国民の財産でありますから、そういうものを活用すればさらに収益を増大することは私はできると思います。そういう方向でこれからの問題を考えていかなければならない。現在法律で規制されているのだから何もできないのだというのであれば、これはやはり国費負担と利用者負担で今後の赤字財政をまかなっていかなければならないことになるのであって、そのワクを一歩出るという方向で私は考えていただかなければならないと思うわけであります。弘済会だけを申し上げるわけではありませんけれども、いろいろなこういった事業を見ますと、はたしてこれが公益法人として適当な事業であるかどうか、疑わしいものは幾らでもあるわけです。たとえば食堂一つを取り上げてみても、これは別に鉄道弘済会が手を出さなくても、ほかの業者でも旅行者に便益を供することはできるし、いまもそういう形のものは幾らでも行なわれているわけです。しかしそういう収益は全部そういう特定業者のほうに回っておるわけでしょう。全部をいっては語弊がありますけれども、家賃等は収入として入ってくるでしょうが、その利益の大部分はそういう特定業者の方向に流れていく。国民には還元されない。国鉄のそういう諸設備、施設全般を考えてその売り上げ総額を計算してみたら、おそらくこれは膨大なものになると思いますね。何千億という単位ではないでしょう。たとえば、新宿のステーションビル一つ取り上げてみても、あそこに有名店が二百五十店入っているわけです。この年間の売り上げはたいへんな数字であろうと予測されるわけです。全部が全部国鉄が運営できるというふうには申し上げませんけれども、そういう方向に、新しい国鉄の企業努力の方向性が示されているように私は思うわけです。そういった意味で指摘しているわけでありますけれども、そういう前向きの国鉄の収益拡大の方向というものを考えられないものかどうか、この点についての御意見を伺っておきます。
○新谷国務大臣 まずもって、先ほど弘済会及びその付属の投資の対象であります株式会社等につきましていろいろ御質疑をいただきましたが、運輸省の管下の公益法人は、実は非常に多いのでございます。中にはほんとうに公益的な目的を持って終始しているのもございますし、いまのように事業体として活動しておるのもあります。私どもは管下の各公益法人につきましては、その実態に応じて業務の報告を求めましたり、あるいは定期的に監査をいたしまして、本来の目的から逸脱しないようにという努力をしておるのでございますが、なおその点につきまして、今後、御質疑にありました趣旨を十分体しまして、公益法人が正当な本来の活動に専念するように努力をしなければならぬと考えます。 それから、いま御質問の付帯事業あるいは投資事業についてでございますが、実は私も、具体的にはどういうふうにするか、これからの研究題目だと思っておりますが、そういう事業を前向きに拡大していく方向に向かうということは、実は私も方向としては賛成をしておるのでございまして、それもおっしゃるように、何か関係者がその間に立って利益を得るというような方向では悪いのですが、国鉄自身がそれによって、財政上非常に困っておりますから、そういった点に何らかの還元をしてもらえるような方法、そういう体制をつくって、そして投資事業あるいは関連事業を拡大していくというようなことができれば非常にけっこうじゃないか。私もそういう方向で今後具体的に検討したいと思っておったやさきでございますから、御趣旨をよく含みまして、これから具体的にそういう方向で検討を進めてまいりたいと思います。
○石田(幸)委員 それから国鉄総裁にお願いをするわけでありますが、先ほど御指摘しましたように、特定の不動産業者、これに東京第二工事局次長が国鉄を退職なされて一年後に就職をされておるわけです。これは国鉄の役員の方でございます。役員という言い方はおかしいでしょうけれども、幹部の方でいらっしゃる。そういうところから私たちは——弘済建物は全部、国鉄のそういうような役員の方が再就職をしていらっしゃるわけでしょう。さらにそういう不動産業者にも監査役として国鉄から行っておる。そこにいろいろ情報交換も自然になし得る機能になっているわけですね。弘済会は公益法人であるからまあいいといたしましても、そういうとかくのうわさのある不動産業者に国鉄のそういうかなり幹部の方が就職をされるという形は私はまずいと思うのですよ。今後やはりこういった問題は十分御検討をされるべきじゃないか。先ほど申し上げたように、その周辺ではもっぱら、駅の増築がなされるんだ、それが前提で、なされる前から土地の造成が行なわれ売却をされておる、そういうニュースがどんどん流れておる。そういうような状況であるわけなんですね。無人駅ですから、これは拡大するもしないもたいした影響のないところだと私は考えざるを得ませんよ。そういうようなことが情報として漏れて、そうしてその土地がどんどん値上がりをしていくというような状況を考えますと、国鉄の役員の方がそういうところに就職するからやはりその情報も流れるんじゃないか、こういうふうに思うわけです。こういった点についても今後十分御注意をなさるべきではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。
○磯崎説明員 私、実はそのことを存じませんで、きょう初めて伺ったわけなんです。私どもの職員の再就職の問題につきましてはいろいろの問題がございますが、そのケースがどういう、個人的な関係で入ったのか、その点はつまびらかにいたしませんが、やはり相当な幹部のものであれば、よほど個人的な関係で、親戚とかなんという場合は別でございますけれども、いやしくも国鉄サイドで口をきいて入れるというようなことについては、していないつもりでございますが、十分今後考えなければいけない問題だというふうに思います。
○石田(幸)委員 まあ繰り返しになるかもしれませんが、私が現地に調査に行った段階におきまして、晩めしを食おうと思って、ちょっときれいなあるレストランに入っていった。そうしたら、そこでは弘済建物さんが宴会をしていらっしゃるわけですよ。聞いてみますと月のうち二、三度は必ずある、そういうような状況を言うておりました。そうすると、やはりその土地周辺にとってはたいへんな、弘済会と佐藤興業との結びつきによりますところの土地の買収というものが我孫子市の大きな話題になっているわけです。そういったことがどうな心理的な影響を国民に与えるか、住民に与えるか、こういった点も十分お考えになってひとつ進められるべきだと私は思うのです。それでなければ、まあ株式会社だから何でもやっていいんだというような形でいったらば、これはこの前の商社の論理と同じでありまして、何も悪いことをしているわけじゃないじゃないかと言うても、客観的にそういうような土地のつり上げなり、あるいはそういった心理的な住民の混乱が起きるとするならば、やはりその一端の責任は感じなければならない。まして公益法人としてそういうことをおやりになっている以上は、これを十二分に感じなければならないというふうに再度私は意見を申し上げておくわけであります。 この問題についてはこれ以上触れませんが、いずれにいたしましても、公益法人といたしまして今後ますますりっぱな仕事をされるように、希望を申し上げておくわけでございます。 質問中たいへん失礼な言辞もあったかと思いますけれども、社会全体のことを思っての発言でございますので、どうかひとつ御容赦をいただきたいと思うわけでございます。
○井原委員長 小林参考人には御多用のところ御出席いただきまして、ありがとうございました。
○石田(幸)委員 次の問題といたしまして、新幹線公害の問題に少し触れておきたいわけでございますが、環境庁来ておりますか。——前回、予算委員会におきまして私は三木国務大臣にいろいろと御質問をしたわけであります。その際に私が申し上げたことは、いわゆる環境庁といたしましては、国鉄を指導すべき十分なデータをお持ちでない。この前は、いわゆるいろいろなところの調査、国鉄の調査あるいはまた仙台の学者のグループ、そういうようなデータに基づいての国鉄に対する勧告であったわけでございます。私は、指導的な立場にある環境庁として十分に独自の資料を持って、そうして国鉄に勧告をすべきであると思うのでございます。そういう意見を申し上げたのでございますけれども、そういうような方向でいま進んでおりますか。
○山形(操)政府委員 お答えいたします。 先般の新幹線騒音に関しまして、環境庁から運輸省に勧告いたしましたその基礎になりますデータにつきましては、先生御指摘のとおり、環境庁ができましたのが四十六年の七月でございましくそのときから新幹線あるいは航空機騒音の問題がやかましくいわれておりましたので、すぐそれに取り組みましたが、基本的なデータは国鉄のほうからいただき、また環境庁としては専門の先生方に集まっていただいて、現地の調査あるいは内国、外国の文献を全部網羅して勉強していただく等いたしまして、環境庁自身の調査というのは昨年の終わりにスタートできまして、それらは現在、今後つくられていく環境基準の基礎資料としております。したがいまして、当時新幹線騒音に非常に悩んでおる住民の方々に対して何とか暫定的にも指針を出そうというのは、すでにありました既存のデータと、学者の先生からいただきましたデータをもとにして、それから国鉄のデータをもとにしてつくり上げたものでございまして、今後に関しましては、現在分析、解析を行ない、次の環境基準づくりの基礎データにする所存でございます。
○石田(幸)委員 この前も御指摘申し上げましたけれども、環境庁の唯一のデータというのは、いわゆる時速二百キロのスピードで走っている個所二十三カ所ですね、これを測定したわけでございます。しかしその中にはたんぼの中というようなこともありましてね。こういうようなデータ収集の姿勢はどこからきたのでございますか。そういうようなデータではいかぬと思うのですがね。
○山形(操)政府委員 測定の問題に関しましては、一応平たんな場所で見通せるところ、百メートル離れたところで軌道を見通せられるという条件を選びまして、軌道から十二・五メートル、二十五メートル、十五メートル、百メートルの地点で騒音測定をやりました。ただし、周辺民家、この内外における騒音測定をいたしますために、その付近の五十戸の民家に対しまして、アンケート調査をいたしましたので、先生の御指摘の平たんな場所で測定したものと、民家のところで測定したものと両方、環境庁の分には入っております。
○石田(幸)委員 しかし、いずれにしても、百メートルも見通しができるところなんというのは民家のないところでございましょう。そういうデータを集めて、九十ホンであるとか八十五ホンであるという数字を出しても無意味じゃないかということを私は申し上げておるわけであります。 さらに、この前三木長官がおっしゃったことは、いわゆる中公審の専門部会で八十ホンというノイズのレベルを出した、しかし、これは暫定的な指針である、今後全国的に適用される環境基準を出したいというような発言をしておられるのでございますけれども、これはどの程度いま準備が進んでおりますか。
○山形(操)政府委員 現在の作業の状況でございますが、とりあえずいま航空機騒音の環境基準の原案ができまして、それの部会での審査が始まりましたが、それに引き続きまして、引き続くというより同時に、新幹線騒音の環境基準づくりをスタートしようということで、実は本日の部会からその問題についての検討に入ります。したがいまして、航空機騒音と大体似ておる間欠的、衝撃的音でございますので、環境基準づくりに関しましては、あと新しい調査のデータを集めた上やりますので、私の予想では、年内には環境基準づくりの基礎データができるものと考えております。
○石田(幸)委員 基礎データができるということになりますと、今年中に再度国鉄に対して、標準基準といいますか、環境基準を、標準の基準をもとにした勧告をなさる、こういう意味に理解してよろしゅうございますか。
○山形(操)政府委員 環境基準づくりの問題でございますが、環境基準というのは、生活環境、人体への影響等、これを含めて行政の目標を示すものでございます。そして、その行政の目標に対して、あらゆる総合施策をして、それを維持、達成するというのに目的がございますので、環境基準をつくりましたら、それを、達成方途、達成年限をきめて、何とかその行政目標に達するようにという施策をきめますので、勧告という形はとりませんで、平常の施策の中にそれを織り込んでやっていくという方向で進んでまいりたいと思っております。
○石田(幸)委員 それでは総裁にお伺いいたします。 いままでの東海道、山陽新幹線につきましては、いまいろいろと防音対策をしておるわけであります。ただこの間、名古屋のほうでは、防音対策をなされたあと、数値をはかったけれども、国鉄さんもはかっていらっしゃると思うのですが、名古屋大学衛生教室のほうでもこれをはかったわけなんです。そうしたら、大体いいところで五ホンないし二、三ホンしか下がらぬというようなデータが出ておりますけれども、現在の対策工事で十分なそういう防音対策ができるかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○磯崎説明員 防音問題につきましては、いろいろ技術がちょうど進歩の過程にございます。先般やりましたこともいろいろ結果も出ておりますけれども、いま考えております防音対策をやるということと同時に、やはり技術内容の進歩ということを考えなければいけないと思います。その点もう少し詳しくなりますので、担当の内田常務から御説明させます。
○内田説明員 名古屋の防音工事に対しましては、先生のおっしゃられましたように、防音壁を高さ約二メートルということで、現在施工中でございます。場所によりましては、先生が御指摘されましたように、五ホン、悪いところはそれ以下というようなところもございます。しかし全般としては約八ホンくらい、平均では下がっておるわけでございます。 ただ、御承知のように非常に特殊地帯でございまして、高架橋と人家が非常に距離が接近している場所がございまして、そういうようなところでは別途の方法を講じなければいけないということでございます。これらのことにつきましては、ただいま総裁がお話し申し上げたように、防音壁だけではなくて、高架橋そのものに対しての防音の設備をする等、現在国鉄の技術陣の総力をあげまして、これらの対策について検討中でございます。結果が出ましたらそれらの施策もあわせてやってまいりたいというふうに考えております。
○石田(幸)委員 いまの問題に関連をしてお伺いをするわけでございますけれども、やはりそこで起こってくるいろいろな苦情の状況、時間があまりありませんので一つ一つ申し上げませんけれども、いわゆる病人がいた場合にはたいへんに現在騒音、振動で悩まされておる、いろいろな状況が出ているわけです、勉強がしにくいとか、一々読み上げませんけれども。そういう状況について、この前地元でそういう大会を開いて関係者に来てもらってということでございましたが、まだそういう対策が明確でない時点でございましたので、けんか別れみたいな形になっておりますね、事が終わったわけであります。また二十九日にはそういうような状況、大会が開かれるということでございます。やはり私はそういうような住民の苦情も十分に聞く必要があるのじゃないか、こういうことをお願いをしておくわけであります。 これはまあ、こういう席で、出席をすべきであるとかなんとか言うこともまた差しさわりがあるでしょうから申し上げませんが、今度はさらに新しい新幹線設置の予定、こういうところについては、やはり十分なそういう対策を講じながら、特にこれは距離との問題が非常にいま騒音の焦点になっております。人家と線路との距離。したがって、新幹線を設置する場合、市街地等におきましても周辺にかなりの道路をとるというような余白の部分を買収してやらないと、これはもう全国的に今後こういう騒音公害に対する反対運動が高まっていく、こういうふうに見ざるを得ないわけであります。今後どのような方針で進まれていくか、この点も明らかにしていただきたいと思います。
○磯崎説明員 こまかい点は後ほど内田から御答弁させますが、全体の考え方といたしまして、これからとにもかくにも新幹線が延びていくというときに、やはり騒音その他で地元からきらわれては、これはもう鉄道の本質がゆがめられるというふうに考えます。したがって、いま私どものほうの技術者は、やはり速いだけではなく静かな鉄道ということを考えなければいけないというふうに肝に銘じておるわけでございますが、騒音の問題は、幸い大気汚染などの問題と違いまして、いま先生おっしゃったようにある一定の距離を離れれば、わりあい自然に解消する問題でございます。したがって、今後山陽新幹線の岡山−博多間につきましては、建設省の非常な御協力をいただきまして、道路の上に新幹線を載せるというところが数カ所ございます。そうすると自然的に両側に相当幅の広い道路がとれる、静かになるというふうなことでもって、根本的にはそういう意味で都市計画その他と一緒にして新幹線問題をまず考えなければいけない、これが根本問題だと思いますが、それと同時に、そういうことのできないところにつきましては、極力いま申しましたように防護壁あるいは高架構造そのものを考えるというふうなことで、一応八十ホンということで出ておりますけれども、私のほうは八十ホンはもう許された最低の線であるということを頭に置きながら、あらゆる角度から技術的にこの問題を詰めていきたいというふうに思っております。まあいろいろ技術が、いま、ちょうどこの問題が日進月歩で進歩している最中でございまして、私はそう遠くない機会に、速くてしかも静かな鉄道が必ずできるというふうに考えております。
○内田説明員 ただいま総裁の申し上げましたことで尽きておりますが、具体的にはまず東海道新幹線で一番問題になっておりますのは鉄げたでございまして、これは今後の新幹線においては全部コンクリートげたに直す。そのほか構造物につきましては、防音壁を人家のあるところは全部やりますし、要すればさらに音を下げるための防音壁をつくる、あるいはまたレールそのものを大きくする、あるいはバラストの下に衝撃を緩和するバラストマットを置く等の構造物に対する施設のほか、いわゆる車両の問題その他いわゆる保守管理の問題、これは線路あるいは車輪の摩耗限度等を厳格に規定することによりまして、八十ホン以下のできるだけの目標値に対しましてあらゆる技術面からこれを達成してまいりたいというふうに考えております。
○石田(幸)委員 国鉄総裁に新幹線のスピードの問題、スピードダウンをせよというのは、これは被害者側の言い分なわけでございますが、いますぐ答弁をせいというふうに私は申し上げはしません。しかし、いずれにしても、これからの時代の変遷に伴っていわゆるこういう列車等もスピードを上げていかなければならない、こういう事情もあるでしょう。しかし、いま社会全体に問題になっているのは、いわゆる人間の生存に適する生活環境を守ろうではないか、こういうようなことがたとえば日照権の問題というふうに発展をいたしておるわけであります。やはりそういった周辺住民の生活環境を守らねばならぬということも前提として考えなければならぬわけでございますから、今後の新幹線においてこのスピードとそういった人間の生活環境を守るというかね合いについて、総裁は原則的にどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○磯崎説明員 いまの先生の御質問は、私は将来の鉄道の運命を決する問題であるというふうに考えて、非常に重大な問題だと思います。やはり鉄道というものは社会の環境にマッチし、周囲の環境に調和したものでなければいけないというふうに私は考えます。したがって今後新幹線が五千キロ、七千キロと延びる場合に、その調和なしには私は延びられないと思います。いかに延びたくても延びられないと思います。そこに私どもの今後の技術者を含めての国鉄としての前進の余地が非常にあると思います。それが克服できないようでは、私は鉄道というものはそう長もちはしないというふうに考えております。いま私どもの技術者は内田以下土木、車両、電気あらゆるセクションの人間が、どうしたらその地域にマッチした、社会生活にマッチした鉄道ができるかという全然新しい時点に立って勉強しておりますので、私は必ず国鉄の名誉にかけても今後できる新幹線につきましては国民の御納得のいくような、また環境と調和できたようなものができるということを確信しておる次第でございますが、まあ私どもの考え方と申しますか、そういう考え方で進んでいかなければならないという意味で、先生の御質問を私は将来の鉄道の命運を決する非常に大きな問題だというふうに考えております。
○石田(幸)委員 運輸大臣に最後にお伺いをいたします。 いま国鉄総裁の将来の国鉄に関するいわゆるスピード問題と生活環境という問題についての方向、またその決意が披瀝をされたわけであります。しかし現実にはこのような公害問題で非常に悩み多き人たちが存在をするわけでございますので、この問題をやはり何としても政治的にも解決をしなければならない。いま住民の要求はスピードダウン。言うべくしてそう簡単にできないというふうに、技術的にはそのような立場からおっしゃる、また営業方針からそのようなことをおっしゃるわけでありますけれども、いまそのためにいわゆる防音技術工事、防音技術を開発してそうしてこの対策を進めようというふうにしておるわけでございますが、いまも発表がありましたように、現実にはなかなかそこまでは下がらぬ、そういう状況。まあ今後も進めていかなければならないとは思いますけれども、いま起こっている現実的な問題を一体大臣はどういう角度で処理をしたらいいか、国鉄に対してどのような指導をしよう、こういうふうにお考えになっているのか、御意見を承りたいわけであります。
○新谷国務大臣 先ほど国鉄総裁から申し上げましたように私も考えております。 いままでできております新幹線の防音対策でございますが、ご承知のように、技術的な開発がいまどんどん進んでおる際でございますから、現状の技術だけで処理を考えるということは早計であろうと思っております。環境庁からは一応原則として八十ホンというようなのが出ておりますけれども、これは国鉄総裁も申し上げましたように、これはもう最小限度の要求でございまして、それ以下にするためのあらゆる努力をするようにということを国鉄にも指示をしておるのでございまして、問題は都市の区間、人口の密集地を通る場合の騒音であろうと思いますが、これに関しましては考えはいろいろございます。 先ほど国鉄総裁が申しましたように、都市計画の上で道路と併用いたしまして、道路の上に新幹線を持ってくる、そして非常に住宅との間の距離を広げるというようなことも方法だと思います。もっと極端に申しますと、どうしても騒音対策が確立できないようなそういう都市におきましては、私はやはりそういう都市の中心から、場合によりまして在来線の駅と必ずしも一致しなくてもいいのじゃないかというようなことも考えております。これはまだ方針として確立したわけじゃございません。けれども、おっしゃるように、やはり住民の環境というものを守りながら、新幹線というのはやはり速力が相当速いということに非常な意味を持っておりますから、速力を落としてもいいというわけにはなかなかいかないだろうと思います。速力を維持しながらそういう環境のためにどういう対策を講じるかというのが課題でございますから、少しいままでの考え方と変えましても、新幹線というものは全国に新幹線網を実現をするというたてまえで、しかもそれと並行的に、おっしゃるような環境問題を十分に考えて住民にも喜んでもらえるような新幹線をつくるための努力をしなければならぬ。それには技術的な問題もございますし、また考え方の問題もございます。そういったことをあわせまして今後の新幹線対策の基本的な方針にしたいと思っておる次第でございます。
○石田(幸)委員 最後に総裁にお伺いします。 現在の問題、現在起こっている、これは都市間交通でありますのでスピードというのは非常な生命とは思います。しかし、人間はそういう環境をこわしてまでもなぜ急がねばならぬかというような問題もあろうかと思うのですね。現在の問題の処理のしかた、技術開発を急いでおりましてもなおかつ十分な成果をあげるためにはなお二、三年かかると思うのです。そうすると、二、三年その住民にがまんせいというようなことに結果的になってしまう。私はたいへんその状況をおそれるわけですが、現在の問題を解決する方法というのはそれ以外にはございませんか。スピードダウンというような方法も考えるべきだと私は思うのだけれども、しかしなかなかそうもいかないらしいし、ほかに何か方法というのはないですか。それだけ伺っておきます。
○磯崎説明員 やはりいままで考えられたような防音対策を積極的にやるということと、まあこれからの問題はいろいろ解決しやすいと思いますが、東海道のようにつくってしまったものは、なかなか実は手が入れにくいということもございます。しかしやはりそれに対して、いままでのやってきた防音対策あるいはこれからの技術開発を取り入れて、そしていまのスピードを落とさないで騒音を減らすということについて具体的に何かとおっしゃいますと、なかなかございませんが、一応いままでの対策を相当強力に、しかも迅速に推し進めるということが最大の対策ではないか。何とか私どもの技術者が音に負けないで今後の鉄道を目ざして進むというふうに私は激励してまいりたいというふうに思っております。
○石田(幸)委員 被害を受けている各家庭に対して、窓ワク等の防音工事もやる、こういうようなお話もございましたけれども、これは進んでいますか。
○内田説明員 現在のところ約百八十戸、千五百万円ぐらいのものを、いわゆる振動に対する実害補償という形でやっております。これらのものにつきましては、今後と申しますか、新幹線総局に環境課というものを本年度からつくりまして、今後沿線の住民の皆さんに対して、強力にそれらのものを進めてまいりたいというふうに考えております。
○石田(幸)委員 では以上で終わります。
○井原委員長 河村勝君。
○河村委員 国鉄運賃法並びに国鉄再建促進法の質疑に入る前に、きょうから始まって、来たる二十七日から公労協の統一ストという形で、七十二時間ストが計画されているようであります。国民生活に対して非常に憂慮すべき事態が存在しているわけであります。このことに関して、今後の経過についてちょっと伺っておきたいと思います。 国鉄総裁・昨日国鉄はじめ三公社五現業の当局から有額回答がなされたわけでありますが、いまの段階で有額回答がなされた以後、労使間で妥結に至るまでの条件が整ってないことは、これは労使双方とも知悉をしているはずであります。そこで、当然調停段階に入ることになるんだろうと思いますが、一体その辺のこれからの段取りはどういうふうになるのか、それを総裁に伺います。
○磯崎説明員 昨日私のほうも、まあ現在運賃法、再建法を御審議中であるにもかかわらず、数年ぶりで有額回答をいたしましたのは、何とかこの事態をおさめたいという気持にほかならず、政府におかれても、まあおまえのやること、しようがないという——しようがないというのは非常に語弊がございますが、やってもいいだろうというふうな御了承を得たわけでございますが、今後の問題で、昨日四組合にいろいろ話いたしましたが、国鉄労働組合は、一応非常に無理をしたとの評価をするというふうなことを言っております。動力車労働組合も、全然問題にならぬというようなことを言っておるようでございます。また鉄道労働組合はこれを踏まえて、やはり早く調停の段階に持っていきたいというふうな意向でございます。そのようなことでもって、各組合とも、昨日の有額回答に対する受け取り方はまちまちでございます。したがって今後の進展状況も、いまここで端的に結論だけ申すのは非常にむずかしいと思いますので、私のほうといたしましてももうしばらく、一日二日組合の動きを見ました上でいかにするか考えなければいけない。かりに私のほうが一方的に調停申請いたしましても、組合が協議に応ずるかどうかという問題もございます。そういうことを踏まえました上で、しかも私鉄の中労委のあっせん、あるいはいわれております鉄鋼の回答等もいずれ日ならず出るように思いますので、それら等も十分状況を見きわめた上で、何とか二十七日以降の、動労は二十六日と申しておりますが、二十七日以降の事態を避けたいという努力を続けてまいりたいというふうに思っております。
○河村委員 様子を見たいといっても、二十七日という一つの時限のようなものがあるわけですね。それで調停、労使双方が調停申請するのはこれは一番望ましいことではあるけれども、しかしそれが不確定であれば、当然一方の当事者が申請をして、労働委員会が調停必要なりと認めれば、調停を開始されるはずですね。であれば、かりに調停に応じない組合があっても、当然一方から、使用者側から調停申請をすべきである。また主務大臣だって、やろうと思えばできるわけですね。主務大臣が調停申請することも可能だ。だから、とにかくいずれにせよ、当然そういう手続きをとるべきものだと思いますが、いかがですか。
○磯崎説明員 昨日の有額回答で一応労使双方の争点がはっきりしたわけでございます。したがいまして、いまおっしゃったように私のほうも一方的に調停申請をすることができる段階になっております。まあその辺でもう少し、政府部内の御意見もあるでしょうし、また組合の動向等も考えました上で、そう遠くない機会に適当な措置をとらなければいけないと思っておりますが、まだきょう、いまの段階で、いまの御質問に率直な御答弁をするには、機が熟していないというふうに考えております。
○河村委員 二十七日からのストライキというのは公労協の統一闘争という形でやられるようでありますが、国労並びに動労が闘争目標として掲げているテーマというのは何と何ですか。
○磯崎説明員 これは新聞等でいわれておりますけれども、また私どものほうも聞いておりますのは、いわゆるベースアップの問題と、さらにいわゆるスト権奪還ということばを使っておりますが、公労法によって禁止されております争議をできるようにしたいという意味のスト権奪還、それが相当大きなウエートに入っているというふうに聞いております。
○河村委員 まあ労使関係のことでありますから、さっきの私の質問に対して総裁が、ここでまとまらなければ一方的に調停申請するという返事はできないだろうと私も思います。しかし調停段階に、当事者双方であるか、一方からの申請であるか、いずれにしても、二十七日前に入るということだけは間違いがないと思う。そうすれば当然、もともと争議行為が禁止されていることはもちろんであるけれども、そうでなくとも、調停段階でこれに圧力をかけるというようなことは許されることではありません。したがって、二十七日以降は政治ストだけが残る、そういう段階に入るわけですね。大体そういうことになると考えてよろしいか。
○磯崎説明員 かりに二十七日の午前零時以前に調停に持ち込み、また幸いに調停が開始されたといたしますれば、その後、調停委員会に対して労働組合が圧力をかける、これはもう全く言語道断の話だと私は思います。事柄をお願いいたしておいて、それに圧力をかけるなんということはこれは許されないことだと思いますので、もしかりに二十七日午前零時以前に調停が開始されるというふうな段階になりました場合には、二十七日以後のいわゆるストライキというものは意味がなくなってしまう。ということは、逆に申しますれば、いまの政治的な意味の理由しかないということになると思います。
○河村委員 運輸大臣、そこで問題は、労使関係の問題がもちろんあるけれども、政治ストだけが二十七日以降は残ると考えてもよろしい。そこで簡単に申せば攻撃の対象は主として政府にある。政府のこれからの態度というのが非常に重大な段階です。運輸大臣、これに対してどう考えておられるか。
○新谷国務大臣 全般にわたりまして今度のこの統一ストの問題でございますが、昨日官房長官から談話を発表いたしております。それに尽きております。政治ストはやはり今日、法秩序を守るという意味におきまして、これは絶対にやめてもらいたいということを要請しております。もしこれに反する行為があれば厳正な態度をもって臨みますということも声明しておるとおりでございます。 しかし職員の待遇の問題につきましては、政府におきましてもあらゆる方法を考えまして、労使間の紛争の解決に努力をしてもらいたい。私のほうで申しますと、たとえば国鉄当局に対しまして、いま国鉄総裁が述べましたような方向で労使間の紛争の解決に当たるということは、これを了承しておるのでございまして、一日も早く待遇問題についての労使間の紛争は終止符を打ってもらいたいと考えておる次第でございます。
○河村委員 まだ二十七日までに何日かの日があります。したがって当運輸委員会においてもまだ審議をする時間もあろうと思います。だから、きょうはこれ以上私は聞こうと思いませんが、しかし政府としてはこの国民生活に重大な事態を避けるという責任があると同時に、この政治スト——政治ストというのは国家危急存亡の際のような場合は、これはまた理非を超越した事態があるかもしれないけれども、今回の程度の問題で許されるはずのものでもない。そうした事の本質をはっきりとわきまえて対処しなければならない。どうもとかく田中内閣というものは従来現場処理能力はきわめて高いけれども、無原則なまとめ方をするきらいがある。だから、適当にこれをおさめて、その場さえしのげばいいというかっこうでやると、将来きわめて大きな禍根を残すという心配があるわけですね。だから運輸大臣、大いに腹をきめてこれからの来たるべき事態に対処をしてもらいたい、それだけ要望をしておきまして、本論に入ります。 今国会の最初の運輸大臣の所信表明演説の際に、私は、運輸大臣は一体総合交通政策というものをほんとうに理解をしておられるかどうかという質問をしたことがあります。今回の国鉄再建法案の提出に際しても、運輸大臣は総合交通体系を整備するという基本路線に沿って、それでこの再建案を考えたんだという答弁があったと思います。ところが、この前も申し上げましたけれども、この所信表明演説の中には「今日の運輸行政における最も重要な課題は、国土の全般にわたり均衡ある発展に資する総合的な交通体系を整備する」ことだ、こう言っておられるんですね。これはあなたが書いたのではないかもしれないけれども、それならなおさら運輸省の事務当局に至るまでみんな同じ発想に基づくものだと理解せざるを得ないわけです。ところが、総合交通体系というものは「国土の全般にわたり均衡ある発展に資する」ということも関連しないわけではないけれども、本質は、事のポイントはそういうものじゃないでしょう。ここに書いてある「国土の全般にわたり均衡ある発展に資する」というのは例の日本列島改造論の文句そのままなんですね。だから、これが総合交通体系だというならば、それは田中式総合交通体系であって、オーソドックスの、本来のものじゃないはずです。運輸大臣は総合交通政策あるいは交通体系というものはどういうものだとお考えになっておりますか。
○新谷国務大臣 初めに所信を求められました際に申し上げたとおりでございまして、いま御指摘になりましたようなことを総合交通体系の基本的な精神であると考えております。
○河村委員 いま申したというのはどういう意味ですか。私はまだ総合交通体系というのがどういうものであるか言ってないのです。おかしいじゃありませんか。
○新谷国務大臣 いまお述べになりました私が所信表明で申し上げたような点が、総合交通体系の基本精神であるということを申し上げているわけでございます。
○河村委員 それならば、総合交通体系を全然理解されておらないということなんですね。これはもうお忘れになったのかどうか、ずいぶんお忘れになるのが早いのでありますけれども、総合交通体系に関する答申として運輸省でも採択をされたものにおいては、「総合交通体系においては、交通機関の特性をいかしつつ全体として斉合性のとれた体系の形成が必要である。したがって、各交通施設の整備に当っては、それら相互間の有機的な連けいが強化されるように計画されなくてはならず、」これが本質的な問題なんですね。だから総合交通政策なんですから、こういう体系ができるような誘導政策がなければならない。一体今度の国鉄再建計画の中にそうした見地からの配慮がなされておるのかどうか。私は昨年の再建計画とことしと比べて、その辺に非常な違いがあるように思うのですが、大臣はそうお考えになりませんか。
○新谷国務大臣 私の申し上げている意味は、日本全体にわたりまして均衡のある発展を遂げさせるために総合交通体系というものは必要であるという目的を申し上げたのでございますが、河村先生のおっしゃっているのは、そういう目的を達成する意味においてどういう方法があるかということについての総合交通体系の答申の冒頭に書いてあることをお述べになったものと思っておるのでございまして、それは相矛盾するものではなしに、日本国土全般にわたりまして豊かな国土づくりをしよう、そういう目的に従って交通政策としてはどういう政策を具体的にとったらいいかということを総合交通体系の答申が書いておるのでございまして、これは目的が違ったものでもなしに、むしろそれは方法論であろうと私は考えております。
○河村委員 ただ「国土の全般にわたり均衡ある発展」という場合には、これは交通機関というものを直接に対象にしたものではありませんね。ですから、いま考えられている列島改造論あるいは田中さんが考えておられる総合交通政策というものは、これは特性というものは別にしてしまって、どんなところでも道路も鉄道もとにかく伸ばしていけばよろしいということであって、その間に国民経済的に見て、ここは道路でいくべきか、ここは鉄道でいくべきかというそうした斉合性を保つ、そういう観念が抜けているのですね。どうも私は今度の再建計画を見て、去年のそれと比べてみますと、具体的に申せば、昨年の再建計画では三千四百キロのいわゆる赤字ローカル線、これは本来自動車輸送にかえていくべきものだ。逆に言えば国鉄の、鉄道の持つ特性から考えて、もはやこれは維持していくのは適当でない分野だ、そういうものは撤退をしていく、もし地域的な必要があって残す場合には国と地方団体、地方団体が三分の一、国がその一・五倍、全体として四分の三の赤字補てんをやろう、五年間にわたって。そういう計画があったわけですね。これはやはり総合交通体系の中で、鉄道というものの特性を生かして、撤退すべき分野と、それから、これから伸ばしていかなければならない分野とを一応仕分けて進めていこうという発想ですね。これはきわめて不完全で、単にその程度にとどまっているけれども、発想としては一つのスタートになっている。これが今度は消えてしまったわけですね。それを総合交通政策という見地から見て一体妥当だとお考えになるかどうか、大臣いかがですか。
○新谷国務大臣 地方の閑散線の問題についてお触れになったのでございますが、その前に御理解をいただきたいと思いますことは、よくこの委員会では、去年の出した案とあまり変わらないじゃないか、内容は少しも変わらないじゃないかというような御意見が出るようでございますが、(河村委員「いま変わってくると言っているのです」と呼ぶ)ああそうですか。その赤字線の問題はおっしゃるように相当考え方を変えたのであります。それは予算委員会でも申し上げましたが、昨年の衆議院における運賃法関係の法律、これの御審議の際に、各委員からお出しになりました御意見として一つ傾聴しなければならぬと思いましたのは、そういう国鉄が、公共的な輸送機関でありながら、採算がとれないからといってすぐにやめてしまうのはどうか、それでは公共的な輸送機関としての存在意義がないじゃないか、こういう趣旨の御質問が非常にたくさんあったと思います。そういう点は、確かに国鉄の本来の性格からいたしまして反省すべき問題であろうと思います。したがいまして、地方閑散線につきましては本来もう鉄道を残しておくという理由は失われてしまった、むしろ道路によって自動車輸送に切りかえるべき性格を持つようになったというようなものにつきましては、これは前にも御説明しましたように、廃止の方向で地方の住民とよく話し合いまして、代替輸送というものを考えながら廃止するという方向でやっていこうという点は前と変わりません。しかしそうでなくて、どうしても地方の住民の方々にはこれがもう最後の足だというような路線につきましては、それがかりに相当採算上悪い影響があることがわかっておりましても、これは残していくということを考えまして、これは一線一線別々にじゃありませんけれども、包括的にそういう収支の採算の悪い線も含めまして、全体として政府においても財政的な措置を講じまして、国鉄が十年間たてばそういう点も含めて黒字の会計ができるような計画を立てさせようということで、そういう赤字閑散線につきましても、包括的には対象として政府の助成を考えつつ進めておるということでございまして、この点は確かに昨年の提案とは変わっておるのであります。 その理由は、いま申し上げましたようなことでありまして、国鉄の本来の使命からいって、これはどうしてもほかに輸送の手段がないという場合には、これは残していく以外に方法はないんじゃないか。これは御決議はいただきませんでしたが、多数の委員の方々の昨年の審議の際の御感触であったと思います。
○河村委員 そういういいかげんな逃げ口上を言われては困るのですね。 それから、大体大臣は問題をすりかえて言われるのははなはなだよろしくないのです。鉄道が最後の足であって、他に全然交通機関がないやつを、それをはがせなんということはだれも言ってはおらないのですよ。第一、そういうところでは鉄道そのものが成り立つので、ローカル線であるかもしれませんけれども、赤字線じゃありませんよ、鉄道以外に輸送機関のないところなら。そんなものを議論しているのではなしに、もう道路との競争状態の中で立ち行かない赤字ローカル線、自動車との競争で立ち行かなくなった赤字ローカル線のことを言っているので、問題を初めからすりかえられてはたいへん困る。 それから、代替輸送があるところは今後も廃止の方針だ、それは変わらないと言っておられるけれども、ほんとうに変わらないのなら、なぜ、その廃止する間の国と公共団体との間の赤字補てんですね——御存じないですか。そのローカル線を廃止するまでの間、五年間国と公共団体でその赤字補てんをやろう、こういうのがあったわけです、去年。なぜそれをなくしたのですか。方針が変わらないのなら、残しておくべきじゃないですか。これは単なる言いわけでしょう。文句だけ抽象的に、住民が承知したらそういうところは代替輸送をつくっておやめなさいと言ったというだけで、それで肝心の資金的な裏づけはとっちゃったということは、あんまり文句を言われると困るから、予算はとっちゃったけれども文句だけは残した、こういうことですね。 それから、大体、国会の皆さんの議論がというようなことを言われるのは私ははなはだおかしいと思う。それは中には一人やそこら、絶対に赤字線を廃止してはいけないという人もあったかもしれない。しかし大多数の者が議論したのはそうじゃないんですよ。五年間この赤字補てんをするといいながら、ほんとうにその五年たってもやめられない場合には、それならそれで打ち切ってしまうのか、一体どうやって路線の廃止を決定するのか、そうした取り扱いがまるっきりあいまいで、答弁にならないのですよ、政府側の。だからみんなが文句を言ったのであって、赤字線そのものを、代替輸送がある場合は当然だし、それからどうしても残さなければならぬ場合には赤字補てんするということについては、だれも意見の相違はなかったのですよ。それを何か——これは私は国鉄総裁にも言いたいので、あなたも何か、大部分の議員がそうおっしゃった……。私は少なくともそんなことは言わないが、私だけではなしに、きょうここでもって並んでおられる方でそういうことを言った人はないと私は思う。だからこれは、そういう国会の論議に籍口して、それで変心したのを言いわけにするというのは、私ははなはだけしからぬと思うのです。その点いかがですか、大臣、総裁。
○新谷国務大臣 私が昨年のこの会議録を見た範囲では、これは決議されたわけではありませんけれども、非常に多数の方がそういう御発言があったということを申し上げたのでありまして、それは会議録にも書いてあるとおりでございます。 しかし、本論に返りまして、昨年と同ぐじゃないかというようなことでございますが、そうではなくて、先ほども御説明しましたように、昨年はそういう路線を運輸大臣が認定をいたしまして、五年間に漸次廃止するという措置をとるんだということを御説明したと思います。そういうことは今度はやりませんということです。個々の路線につきまして一つ一つ慎重に審査をいたしまして、これはむしろ自動車による代替輸送にかえたほうが、かえって地域住民の方々もそのほうが喜ばれる、また輸送の手段もそれで足りるんだということになった場合には、いま申し上げたように、その鉄道の路線を廃止いたしまして、代替輸送に切りかえるようにいたしますということを申し上げているので、その範囲においては昨年御説明しましたのと同じことでございますということを言っているのです。その他の路線、つまり、鉄道の本来の使命を失わないで、将来に対しましてこれは経営が成り立つかもしれない、あるいは、地方の住民の方々から見まして、路線の長いところなんかそうだと思いますが、自動車輸送に切りかえることが常非に困難であるというような場合におきましては、これは私は詳しいことは知りませんが、非常に積雪の深い北のほうの国なんかではそういう点があるかもしれません。だから、そういう点も考えますと、なかなか廃止できない。廃止できないところは、赤字でありましても、国鉄に営業を継続させますという方針でございますということを申し上げているのでございまして、昨年のことは私まだ、自分でその衝に当たったわけではありませんから、もし御不満があれば、当時の政府委員から詳細に御説明をさせます。
○磯崎説明員 昨年の案との違いの一番大きな点は、御指摘のとおりでございます。私どもといたしましてはやはり、二、三年前から申しておりますように、鉄道の持っている技術的な特性あるいはその物理的な性格からいって、ある程度の輸送量がなければ成り立たない、これは明らかでございます。したがって、幹線系と地方交通線系に分けまして経理することについては変わりはございませんで、ことしも、四十六年度分については財務諸表ではっきり公表しております。 ただ、いま大臣がおっしゃいましたように、結局去年と比べまして、一万一千キロの地方交通線に対する措置のテンポが非常におそくなったというふうに考えざるを得ないと思います。その、テンポのおそくなった理由は、やはり過疎過密問題で、将来過密地帯を解消するために過疎へ持っていく、その際にやはり交通機関がなければ過疎地域の解消ができないじゃないかという理由から、三千何百キロの五年間の廃止という予定を非常にスケールダウンして、そして、大体いままでの実績どおり、年間三十キロぐらいというふうに縮小された。したがって、その分に対する赤字補てんがなくなったというふうに考えています。 したがって、私は、鉄道というものの持っている技術的、物理的な性格からいって、もし鉄道としての収支バランスをとろうとすれば、これは輸送量の少ないところは成り立たないという考え方には変わりない。ただ、それをどうしても、ソーシャルミニマムで維持しなければならないときに、だれがそれを負担するかという次の問題に当然なっていかなければいけないというふうに思います。
○河村委員 ところが、総裁、この前の他の委員の質問に対して、再建十年計画をつくるのには哲学がなければならない、その哲学として、要するに資本費の負担を軽減することを考えた、だから利子の軽減、工事費の利子補給ということを考えたので、収入のほうは増収努力なり運賃なりで考えればできるけれども、これだけができない、だからこれに問題をしぼった、焦点をしぼった、赤字補てんなんかやってもらうのは国鉄職員の士気にかかわる、こういうことを言っておられるのですね。そうでしょう。この前、石田委員の質問。赤字補てんは士気にかかわるというところまで言っておられる。ところが、従来の総合交通体系ができ上がってから以降の再建計画を議論されているときのあなたの発言を大まかに言いますと、こういうことでしょう。一万キロぐらいの地方交通線がある、三千キロ前後のものは廃止を原則とするとして、その他の七千キロぐらいのものも、これは公共輸送であるから、本来ならば国鉄の守備範囲外のものをしょっていることになる、だから、そこから出てくる赤字は黒字線にしょわせるわけにはいかない、だから国か地方財政で赤字補てんをしてもらいたいというのがあなたの考え方。きのうは、赤字補てんは士気にかかわるとまで言っておられる。ところが、ついこの間までは、国鉄の守備範囲外の、いわゆる地方交通線の赤字については国で補てんしてもらいたい、これをひっくるめたどんぶり勘定では経営意欲が起こらない、ここまで言われたのですね。今度は正反対だ。いまことばを修飾して言われたけれども、今度は、どんぶり勘定で、工事費の利子負担の軽減さえすればあとはやっていくんだ、赤字補てんなんかしてもらうのは士気にかかわる。百八十度でしょう。君子豺変というけれども、一年やそこらでこうまで変わるということは私にはどうもふに落ちない。どうしてそう変わったかという点は、単に、国会の議論で赤字線の廃止の主張が多かったぐらいでごまかされたのでは、私も納得しないし、国鉄の、いままで一生懸命ローカル線やなんかの合理化に努力した連中でも、これはなかなか納得いかないだろうと思うのです。その辺私はどうも、田中内閣成立以来、日本列島改造論が出てきて、あれを契機に一挙にみんな変わって、総合交通体系はどこかへ飛んでしまって、あるとすれば田中総合交通政策に変わってしまったのじゃないかという気がしておるのですが、総裁、いかがです。
○磯崎説明員 その点はまあ、内閣がかわってと申しますか、過疎過密問題と、それからいわゆる自動車の公害問題と申しますか、自動車自身の輸送力の行き詰まりということも急激に論じられてきたわけでございます。したがって私どもといたしましては、鉄道の持っている物理的特性は、さっき申しましたとおりある程度のロットがなければこれは収支として成り立たない、これは変わっておりません。しかし、鉄道の持っている、ことに地方交通線の持っている使命というものを見直さなければいけない。しかし、かといって一万一千キロ全部が必要だとも思わないという意味で、それの非常にスローダウンになったということではないかというふうに考えます。 したがって私どもといたしましては、さしあたりこの段階では、まあここ数年間は、とりあえず、一番国鉄としての資本費の負担になっているものを軽減してもらう、そして、もうしばらく過疎過密問題の動静を見なければ、いま地方交通線で残さなければならないものもあるから、その分を負担してくれということを申しますと、実は先般の通産省の線引きを見ましても、私のほうで一番やめると言った八十三線区、これは全部誘導地域と申しますかこれに入っております。そうすると、政府の方針の中で通産省が告示しているあの告示の中で、八十三線区全部、将来使うかもしれぬ、こういうことを公にされたわけでございます。そういたしますと、それをいま廃止するということを言うことは非常におかしい。鉄道プロパーとしては、これは現時点においてはやめるべきである、あるいは必要ない、自動車でいい。しかしながら、これを政府が過疎過密対策の一環として使う予定があるとおっしゃる以上は、これは残さざるを得ない。しかし、それをどこまで残すのか、それを何年残すのかというのはまだきまっていない。その意味で、いまここでしばらく、その問題に触れて、赤字補てんをしてくれとかなんとかいうことよりも、全然別な角度から国鉄に対する補助をお願いしたいというような考え方でございまして、その問題は、いわゆる鉄道というものが輸送量が小さいものまでどこまでやらなければならないかという問題は決して解消していないというふうに私は考えます。
○河村委員 どうも、過疎過密の問題も去年からありましたし、自動車の行き詰まりという問題は、これはいわゆる地方交通線なり赤字ローカル線の主体ではないですね。これはむしろ問題は、ああいうところで堂々たる道路が、赤字の草ぼうぼうの線路と並んで走っているようなところが問題なんであって、そういうところは自動車の行き詰まりはない。だから、その理由は成り立たないと私は思う。八十三線区は政府の今後の開発に必要だから残せというなら、それこそ政府が残せというのだから、当然、昨年計画の中に入っていたものと同様、あるいはそれ以上に明確な赤字補てんがあってよろしい。それが、これからそういう制度をつくるのではなしに、去年あったものをことしなくしちゃった。だから、これは全く理由にならないですね。ですから、根本的に急に考え方が変わってしまったというほかはないですね。私はその点に非常に納得のいかないものがある。これは単にそういう、変わったんだからどうだというだけでなしに——きょうは昼前はもう時間がないようでありますが、あとで、国鉄の今後の収支問題についてもお尋ねしたいと思っておりますが、どうも、最終的にあなたの哲学による、資本収支をよくするというだけでは、国鉄のほんとうの財政再建はできないという考え方を私は持っているものですから、単に赤字ローカル線だけでなしに、いわゆる地方交通線全体の問題として私は心配しておるからお聞きしているのです。これ以上追及しましても同じようなことの繰り返しになりましょうから、それはやめます。 時間までにもう一つ大臣にこれに関連をしてお聞きしておきたい。それはいままである赤字ローカル線、これについては大臣の言い分も、去年と考え方が変わったということは別として、何分かの理がある。盗人にも三分の理というくらいですから、四分やそこらの理はありますけれども、しかしいわゆるAB線というものを新しくつくっていく。これは去年も残っておりましたけれども、ことしは抜群に予算がふえて、三百三十億の予算を投下してAB線をつくっていくのですね。それも道路がないような、それこそ鉄道しかないようなところ、そういうところにつくるならまだよろしいのですよ。しかし堂々たる自動車道路があるようなところを、これからまたAB線を三百三十億かけてつくっていく。これは一体国民経済的に見て、これはおとといのテレビでも申しましたけれども、これは国民経済的にむだであって、もしそんな金があるなら、ほんとうに国鉄の合理化に役に立つような方向に使ったらよろしいので、こういうものを一体なぜ今後やらなければならないのか、これだけは私は説明がつかないと思うのですね。いままであったものはそれは住民の反対もあるでしょう。しかしつくらないというのは、つくらなければ、これは消極的にがんばっておればいいわけです。ですからそうむずかしいものではない。選挙の票のためだという答弁ならこれは別ですけれども、これだけは私は説明がつかないと思うのですが、大臣どうお考えですか。
○新谷国務大臣 AB線の処理の問題でございますが、これはしかし今日まで必要であるということで、ある程度の投資をしておるわけです。それが毎年毎年この投資額が少ないために経済効果が全然あがらない。本来ならばたとえば十カ年間でできるものがもう十五年もたっている。十年というのは少し大きいかもしれませんが、五年もやったけれどもちっとも効果があがらない、開通しないわけです。そういったのは投資しているのですから、なるべく早く経済効果をあげるようにするのはこれはあたりまえのことだと思います。でございますから、全然鉄道としての効果を発揮し得ないようなところに新しく線を引くというようなことにつきましては、これは慎重に考えなければならぬと思いますが、しかし現在まで相当の投資をして今日に至っているようなものは、なるべく早く効果をあげるようにするのは、これはむしろ当然のことではないかと考えるのであります。そういう意味で、先ほど来申し上げておりますような趣旨も含めまして、今後のAB線につきましては、いままで投資額が少ないためになかなか完成しなかったというようなものは、相当重点的にこれに投資を集中して、経済効果をあげるための準備をしているという意味で、二百億を三百三十億にふやしたということでございます。
○河村委員 たいへんでいさいのいいことをおっしゃっていますけれども、これからやろうとしているものはそういうものもあるかもしれない。だけれども、大体予定線なんというものはみんな壮大な絵がかいてあるので、部分的に完成すればそれで間に合うものでも、とんでもない遠くまでの地域とつなぐような形にはなっているのですよ。ですから、完成しないからこれを全部やるといったら、残っている調査線みたいなものも残らずやらなければならなくなりますよ。そういうことではなしに、ほんとうにこれはやりかけで途中でやめるわけにはいかないというのもあるでしょう。しかしそういうものを除いたら、それはやらないという方針を立てるのは私は当然だと思うのですよ。そこまでどうして踏み切れないのか、私も非常に疑問に思うのです。あなたもおそらく一線一線検討していま御答弁になったのじゃないと思うのですよ。ですからその点私はもう一ぺん大臣も勉強し直して、ほんとうに具体的に自信があるところまで御検討の上で再度回答してもらいたいと思います。 本会議の予鈴までもう時間もありませんので、あと長期収支の問題に入るとはんぱになりますから、では一点だけ離れた問題を聞いておきましょう。 この前から営業割引というのがえらい大問題になって、特に梅田委員などがかんかんがくがくやっておるけれども、議論は相手が大企業であるとかなんとかいうことだけが問題の対象になって、営業割引というのはほんとうにもうかっているのか損しているのか、その辺の議論がちっともされない。一般の商売でも割引というのは一ぱいやっているけれども、これは商売上もうけるためにやっているのだ。それがちっとも議論にならないでどうも言いわけばかりしているところを見ると、営業割引というけれども実態は損をしているのではないかという疑問を持たざるを得ない。その点はどうでございますか。
○原岡説明員 貨物の営業割引に限定して申し上げます。 貨物の営業割引の現状は、大体二つのカテゴリーに分けておりますけれども、純粋に出荷契約トン数つき割引ということで年間に約六十六億割引しておりまして、それによって収入増、得る額が約三百二十三億、このように算定いたしております。 それから同じように出荷責任つき割引でございますけれども契約方式が違う定形割引、これは十億の割引をいたしておりまして、年間七十七億の収入増を得ている。すなわち七十六億の営業割引をいたしまして、年間それによって四百億の収入増を得ている、こういうことでございます。 営業割引をいたしますのは、先生御案内のように、別に相手がだれであるから、BであるからAであるからあるいは大企業であるから小企業であるから、こういうことは全くございませんで、一つには輸送力を活用いたしましてそしてそれによって出荷増を期待する、招く。そしてまたやらなければ出荷減が起こる、そういうときに出荷増を期待しあるいは出荷減を防止する、こういう観点でやっておるのが先ほど申し上げた第一のカテゴリーのものでございます。 それから第二番目のものは、旅客でいう団体割引と申しますか、非常にまとまった形で定形的に流れていく。その場合、ほかの形で流れるよりもそのほうが比較した場合にはより経費が安くいく、こういう団体割引的な意味の割引でございます。 そういうことで、これの扱いにつきましては非常に公正に扱っておるという意味で、この間も御答弁申し上げましたけれども、条件につきましては営業法あるいは運輸規程、これに基づきまして一般第三者に明らかにするように公告しておる。それからまた一定の条件のものにつきましては必ず受託をしなければならない。これもまた営業法、運輸規程に定められておるとおりでございまして、その規定どおり実行しておるという状況でございます。 一応貨物の営業割引についてだけ御答弁申し上げました。
○河村委員 いまの答弁も、六十六億割引して三百二十三億もうかった、十億割引して七十七億収入があった、要するに収入があったということだけで、一体その採算はどうなんだという議論とはこれは別なんですね。その辺をもうちょっと明確にしないと、いつまでたっても疑いが残る。その点はどうですか。
○原岡説明員 その点の御説明が欠けておりまして申しわけございません。その点につきましては、総論を先に申し上げますと、鉄道の貨物の輸送経費というものを見た場合に、これは一つの物を送るために特別かかる経費と、それから送らなくても当然かかっておる経費、いわゆる先に申し上げましたのは変動的な経費と申しますか、あとで申し上げましたのは固定的な経費と申しますか、こういう変動費と固定費というものの考え方があるわけでございます。したがって、営業割引をする際には、厳密には輸送形態も違いますし運賃のあれも違いますから個々にはいろいろございますけれども、一般論といたしまして大体三〇%ないし三五%あるいは四〇%というようなものが変動費ではなかろうかという一般論的な推計がございます。それを一応の目標といたしましてやっておるわけでございまけれども、そういたしますと、変動費には、いま申し上げました単純な変動費のほかに、具体的に当該輸送をするために特に経費のかかるような費用もございます。たとえば基地を特別つくるとかあるいは貨車を特別つくるというような費用もございます。これも変動費のほうに組み入れて考えておるわけでございます。したがって、そういうふうに分けますと、一般論といたしまして、変動費をカバーして余りのある収入があるという場合には、収支の改善、プラスになるんだ、こういうことを一つの目安として持っておるわけでございます。具体的には、いま一般論として申し上げました一つのめどをめどといたしまして、具体的な割引条件のときには、輸送力のほんとうの活用になって、それにどうなるのかということを個々具体的に検討いたしまして、公正な、そして収支改善に寄与するようなことを眼目として営業割引を実施いたしておる、こういうことでございます。
○河村委員 そうすると、この三百二十三億に対する変動費が幾らで、七十億に対する変動費が幾らだという数字がなければならないと思うが、それはあるのですか。
○原岡説明員 この六十六億の割引をする場合、これの変動費は幾らか、こういうことでございますけれども、個々的にはみなございますが、いまここに手元には持っておりません。
○河村委員 しかし、個々の積算がないとしても、こういう集計があるからには、大体推定してどのくらいのオーダーになるということは見当ついていないんじゃ、これは本社として怠慢じゃないですか。それじゃ、結局、もうかっているかもうかっていないかわからない。だからいま具体的な数字がないとしても、大体何%ぐらいがいわゆるこの変動費に入るのか、そのくらいの数字はあるのでしょう。それはないのですか。
○原岡説明員 七十六億の割引をする場合四百億の収入増と先ほど申し上げましたけれども、この場合、端的に申しまして、いまここに手元にはっきりございませんけれども、大まかな見当といたしまして百億未満の変動費じゃなかろうか、このように推定をしております。 なお、しさいなあれはそのための資料をつくって御報告申し上げます。
○河村委員 変動費のはこれはおそらく、もうかるかもうからぬかの計算方式みたいなもの、そういうものはあるはずだと思うのですよ。だからそういうものがあればいいわけなんで、それは、個々の商品を割引して売る場合と違って、とにかく九州から東京まで貨車を動かすとなれば方々に関連経費が多いから、なかなか積み上げ方式はいかぬ。だけれども、基準計算方式があるはずです。だからそういうものはあるはずだと思うので、私はそれを具体的に聞きたかった。一ぺんサンプルとして、相手の企業は大企業でも小企業でもよろしいから、ひとつどういうことでやっているのか、その一つのサンプルを出してください。よろしいですか。
○原岡説明員 ただいまの変動費の計算のしかた、具体的に全部ございます。それでサンプルもございますので、提出いたします。
○井原委員長 本会議終了後再開することとし、この際暫時休憩いたします。 午後零時五十五分休憩 ————◇————— 午後二時四十九分開議
○井原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。河村勝君。
○河村委員 国鉄でつくられた長期収支試算について、これからお尋ねをいたします。 これは単なる試算ではなくて、同時にその内容のおおよそが閣議了解の内容になっているわけでありまして、特に運賃の十年間に四回値上げというのが閣議決定になっております。そこで十年間に四回、それも実質一五%の運賃値上げが三回、一〇%の値上げが一回ということになりますと、賃率のアップからいえば平均二十数%になるわけでありますが、一体十年間に現行の運賃に比べて何倍になるのですか。
○小林説明員 ただいまお尋ねの件でございますが、運賃が何%上がるかということにつきましては、長期収支試算におきましては、いま審議をお願いしております四十八年度につきましては御承知のとおりのアップ率になっておりますが、その後につきまして名目のアップ率をどの程度にするかということにつきましては、いろいろむずかしい問題がございまして、あとは五十年以降三回の予定につきましてはそれぞれ五十一、五十四が実収一五、最後の五十七年度は一〇%ということで、実収率ではじいてございます。したがいまして、ノミナルで幾ら上がるかというお尋ねに対しましてはダイレクトにお答えすることはちょっと困難でございますが、いわゆる運賃を上げますと、御承知のように利用減がございますので、その利用減率を、かりに仮定の計算といたしまして、現在のとおり、たとえば四十八年の利用減率と同じだというふうに想定をいたしますと、おおむね運賃水準は二・二倍程度、かようになろうかと思います。
○河村委員 その二・二倍というのは、運賃、料金全部含めて二・二倍ということですか。
○小林説明員 ただいまの四十八年度の旅客が二三・二%、それから貨物が平均二四・一%というものは料金、運賃含めてこの数字になっておりますので、仰せのとおりでございます。
○河村委員 国鉄運賃というのは今日まで——昭和十一年に比較して旅客で二七〇、貨物二三〇、これ自体はアップ率が低いのかもしれませんが、昭和十一年から今日まででその程度の上がり方であるのが、十年間で二・二倍に上がるというのでも私はたいへんなものだと思います。その場合、これは運輸大臣にお聞きすべきだと思いますが、他の運輸機関とのバランスがとれなければ、かりにこういう運賃の値上げができたとしても、実収はいま二・二倍で済むと言ったけれども、とうていそれではおさまらない。利用減というものはもっとふえるはずであります。この場合トラック、特に長距離トラック、私鉄等とのバランスを運輸省としては一体どういうふうに考えておられるか、それを伺います。
○原田政府委員 お答え申し上げます。 経済企画庁で算出いたしました、先般閣議決定になりました経済社会基本計画におきまして、大体年平均の雇用者の所得の伸びが一二・三%程度見込まれております。これは五十二年までの平均年率で出したものでざいますが、そういうことを考えますと、トラックその他につきましても相当労働集約性の高い産業でございますので、相当の賃金コストの上昇が見込まれるわけでございます。したがって、運賃がコストを反映するといたしますと、他の輸送機関におきましても相当程度のコストアップが見込まれるということでございます。一方国鉄におきましては、今回の再建計画で相当思い切った企業の合理化体制をしくことになっておりますし、さらに新幹線等の非常に生産性の高い部門が伸びる、また貨物部門におきましてもかなり思い切った近代化が見込まれておりますので、われわれとしては、他の輸送機関との運賃のバランスという点も十分均衡がとれていくものと期待しておる次第でございます。
○河村委員 そうすると、あなたのおっしゃることを翻訳すると、他の私鉄、トラック等についても大体こういう比率でもって運賃を上げていくのだ、こういう結論になるのですか。
○原田政府委員 お答え申し上げます。 上げていくということでございますが、上げていくというよりはむしろわが国の経済の成長あるいは所得の上昇に伴いまして、運賃コストは、好むと好まざるとにかかわらず、他の輸送機関においても上昇せざるを得ない、こういうように考えております。
○河村委員 その場合、この経済社会基本計画なり何なりで想定しております一般の物価、消費者物価の値上がりとの関係はどういうふうになりますか。
○原田政府委員 本来ならば企画庁からお答えするのが筋かと思いますが、経済社会基本計画におきましては、たしか五%以下でございまして、年率四・九程度見込んでおると思います。
○河村委員 これだけの四・九%という企画庁の想定というものは、国鉄のみならず一般の運賃までこれだけ上がるということを想定してつくったたものでは決してないと私は思う。だから実際問題として非常に無理なものだと思いますが、その問題は一応おいて、そういう前提でこれからほんとうに収入というものが、この試算のように昭和五十七年現在で一応償却後の黒字が出るような結果になるかどうか、その点について質問をしたいと思います。 今度の長期試算での運賃収入の伸びというのは、旅客で年率五・二%、それから貨物で八・九%ですね。昨年の分は幾らですか。昨年つくられた計画で見た運賃収入の伸び率は幾らですか。——私の言っているのは、昨年つくった長期収支見通しの毎年の伸び率です。これはもうすぐわかるはずですが、どうしたのですか。
○磯崎説明員 今回の伸び率から先に申し上げます。旅客のほうは、いまおっしゃったように、全体としては四十八から五十七までのパーセンテージはおっしゃいましたけれども、今度は四十八から五十と、それから五十一から五十七と、前半と後半に分けて申し上げます。 四十八年から五十年が、年平均輸送量の伸び率が新幹線、定期、普通合わせまして三・〇%、それから五十一から五十七が六・二%、それから貨物のほうでございますが、四十八から五十、これは全部合わせまして二・八%、それから五十一から五十七、これが一一・六%でございます。昨年の計画の数字をいますぐ申し上げます。ちょっとお待ちください。
○小林説明員 たいへん失礼いたしました。 輸送量のお尋ねだと思いますが、本年の、今回御提案申し上げております一応試算の中で計算されております輸送量の伸び率は、客貨に分けて申し上げますと、旅客では年率五・二%、四十七年度がいずれも原点年度になっております。それから、貨物では八・九%、昨年御審議をいただきました案におきましては、これは収入を計算いたします場合に賃率のとり方が、いわゆるノミナルでとるのと実収でとるのと違っておりますので、昨年は実収率で賃率をとっておりますので輸送量が少し大きく出ておりますが、昨年の伸び率では、そのままの数字で申し上げますと、旅客が四・三%、それから貨物が六%、かような年率の伸びになっております。
○河村委員 私のさっき収入の伸びというのは間違いで、輸送量の伸び率です、それは言いかえます、トンキロ、人キロで見た場合。そこで昨年説明を聞いたのでは、旅客は五・四%、貨物は五%と私は聞いておったけれども、これは収入の伸びでしたか。
○小林説明員 いま先生二つ数字をおっしゃいましたが、片っ方の多いほうは、当該年度、すなわち昨年は四十七年度から再建計画が改まるということで、四十七年度を原点にいたしましたものと、四十六年度、前年度を原点にいたしましたものと二つございまして、あとからおっしゃったほうは——多いほうが新再建計画に入ります四十七年度を原点にしたものでございます。
○河村委員 いずれにしましても、旅客のほうは大体見当がつくのですが、貨物の輸送量の伸びが五%あるいは六%にしましても、今度の場合八・九%という、一年違いでこれだけの輸送量の伸びの計算が違ってくる、その理由が私にはわからない。それは一体どういうわけですか。
○小林説明員 ただいま御指摘の点でございますが、昨年とことしと輸送量のとり方そのものが、冒頭に申し上げましたように若干、賃率を実収でとります場合とノミナル、名目でとります場合と、数字は相乗積になりますので変わってまいりますけれども、その点は非常にこまかい話になりますので一応省略さしていただきまして、大勢として申し上げますと、今回は昨年に対しまして収入計算のやりかえをいたしました。試算の作業といたしましては、四十八年から五十年まで、この三年程度は、国鉄といたしましても、貨物につきましてそれぞれ、物資別輸送適合貨物は物資別に、その他コンテナ等に適合いたします一般貨物はそれごとに、過去の実績と諸経済数値とのいろいろな相関値というものから積み上げた計算をいたしました。それからなお、したがいまして五十年度時点までの三年間は個々におおむね積み上げた計算ということで、ご承知のように単年度の収入想定をいたしますが、単年度予算と同じような想定の方法をとったわけでございます。 それに対しまして五十七年は、ただいまお話がございますように十年先の話でございまして、非常に先の部類に属します。この輸送量を一体どうするかという問題につきましては、試算をいたします場合にも非常にむずかしい複雑な要素がからんでまいりますことは申し上げるまでもないわけでございます。また政府の計画といたしましても、五十二年度までの計画は、とにかく先般閣議御決定になりました経済社会基本計画というのがございまして、それにGNP以下いろいろの経済フレームが出ております。したがって五十二年までは、経済社会基本計画の線に沿いまして輸送量を想定をいたしております。それからさらに五十七年に延びるわけでございますが、延ばす場合の計算といたしましては、これまた経済社会基本計画の五十二年までの趨勢、それと同時に、基本計画を決定されました際に同時に付属資料として発表になっております六十五年までの企画庁の経済展望といったようなものからのデータを使いまして、五十七年度の国民総生産を一応推定いたし、それから生産、所得等の諸要素というものを推計をいたしまして五十七年度時点を出したわけでございます。それによりましてただいま申し上げた四十八年度から五十二年度までの伸びの傾向というものと、いわゆる定率的な補完と申しますか、そういった手法を用いまして途中年度を想定した、かような次第になっております。 したがいまして、その結果五十七年におきましては、先般総裁も御答弁申し上げましたが、おおむね千四百億トンキロということで、現在の約二・三倍という貨物輸送量を想定したわけでございますが、違っております点といたしましては、昨年は、主として貨物の問題について申し上げますが、全体の投資規模、現在の貨物に国鉄の財政上の問題が相当多くあることはすでに御承知のとおりでございますが、そういった問題を踏まえまして、投資全体も、昨年は新幹線の建設を含めて全体で七兆円でございましたものを、その五割増しの十兆五千億円ということにふやしました。また貨物につきましては、昨年も同様でございますが、本年は特に重点的に約一兆九千億に近い投資をいたしまして、徹底的なシステムチェンジを行なうということ、さらに、申し上げるまでもないことでございますが、すでに昨年の廃案になりました案におきましては、五十年時点当初から博多までの新幹線を開業する、それから五十二年で、現在工事をやっております工事三線の完成、それからあとは全部工事線ということで新幹線の稼働はないものとしておったわけでございます。したがいまして、新幹線の稼働キロは全体で千九百キロということで計算をしておりましたが、本年は、今回におきましては、ただいま調査命令が出ております調査五線につきましては、五十四年度時点から開業するということに変わってまいりました。そのために在来線のほうはかなり輸送力、キャパシティーとしてはあいてまいりますので、そういった従来からとかく旅客優先になりがちであった輸送力を、貨物中心に活用するということも可能になる。同時に、先ほどとダブりますけれども、投資の拡大、さらにシステムチェンジ、また国によりますところの総合交通政策というものを、強力なかつ有効な精神を期待いたしまして、ただいまのような数字を見込んだものでございます。
○河村委員 それは確かに一年ぐらいでもって投資規模が三兆円ばかりふえておりますね。ただそこでもって、新幹線の開業が始まることによって、在来線の輸送力ができるということはわかります。しかし、貨物輸送改善などに回しておる金額というのは二千億程度で、そっちのほうはあまりたいした影響はない。要するに在来線の輸送力がふえるということだけですね。 それにしても五十二年以降の貨物の伸び率が年率一一・六%ですね。あまりにも大きい。私はこの点に非常に疑問を持つのであって、昭和五十二年のトンキロで見ますと、国鉄の試算では八百十九億トンキロですね。これはちょうど企画庁のほうの数字とはぴったり合っておるわけです。企画庁のほうの推定が八百三十億トンキロ、これは私鉄も含んでおるわけだから、大体いいところだと思う。しかし、それから先が問題なんですね。八百三十億トンキロを企画庁が推定した際に、鉄道、海運、航空、自動車、こういうものの輸送のシェア、これを見ますというと、いわゆる経済社会基本計画では、五十二年に趨勢として国鉄のシェアが一八・七%から一四・三%に下がってきている。そうですね。ところが、総合交通体系に関する答申、これも企画庁が関与していると思うのだけれども、運輸省ではじいたのかどっちかわかりません。五十二年の中間の段階が出ておりませんから、これはそこのところはわからないけれども、四十四年の鉄道のシェアが一七%、それから昭和六十年が二四%と、鉄道のシェアがずっと拡大するようになっているんですね。ところが基本計画で見ると逆に、鉄道のシェアというものは、四十六年一八・七%ですけれども、五十二年では一四・三%まで下がってくる。こういう試算がしてある。だから、もしあなた方が経済企画庁の数字を五十二年まではトレースして、それから先も企画庁のいろいろな推計をもとにしてやっているとすれば、こんな一一・六%なんという伸び率ができてくるわけがない。それは新幹線の開業によって輸送力の余裕ができるということを考えに入れても、あまりに上がり過ぎではないか、そう思うのですがね。 先に企画庁に伺いましょう。 企画庁のほうでは、基本計画では五十二年以降の推計は出ておりません。しかし、大体昭和五十二年八百三十億トンキロの推計をした。それから先は傾向値として鉄道のシェアは減っていく、そういうような試算をしておられるのですか、その点ちょっと伺います。
○喜多村説明員 このたびつくりました経済社会基本計画におきましては、先生御承知のように五十二年度までの数値を出しております。それから先の経済フレーム全体につきましては、六十五年までのものをつくっておりますけれども、輸送需要がどうなるかにつきましては、試算はいたしておりません。したがいまして五十二年以降についての輸送需要がどの程度になるかについて、正確なお答えをするわけにはまいりません。ただ、先ほど御指摘がございましたように、将来推計として、あるいは臆測として国鉄のシェアはどうなるかということにつきましてお答え申し上げますと、新全総を行ないましたときの作業がございます。そのときの国鉄及び自動車との関係等々を含めまして、比較的国鉄の分野が高まっていくというような予測をいたしております。したがいまして、もし五十一年度以降新幹線あるいはそのほかのシステムチェンジ、いま運輸省からお答えがありましたようなことが行なわれますならば、国鉄のシェアは次第に回復するもの、こういうふうに考えております。
○河村委員 多少好転するというのはつじつまを合わせたような返事でありますが、どうも私がこうやって数字をすらっと白紙の立場で見ますと、五十二年のところは企画庁の数字があるからここで押えざるを得なかった、大体目の子でもわかるでしょう。ところが総裁が前から強調しておられるように、五十七年度千四百億トンキロ運ぶという計算にしないことには、計算上どうしても償却後黒字にならない、そこで、千四百億トンキロというものを据え置いて、八百十九億トンキロというのを据え置いて、それを逆算してみると年率一一・六%の伸びになる、こういう計算をされたものというふうにしか見れないのでありますが、そうじゃないのですか。
○小林説明員 経済社会基本計画を政府側のほうにおかれまして策定をされている時期と、私どものほうでいろいろの検討をしながら一つの長期の展望をつくっている作業とは、大体時期を並行いたしておりましたので、いろいろ企画庁のほうからも資料あるいはお知恵を拝借さしていただいたものでございますが、五十二年では、御指摘のとおりおおむね斉合をしております。その後につきましては、先ほども申し上げましたとおり、政府としてその後の年度につきましての、古い新全総等のGNP等の経済フレームは出ておりますけれども、目下検討中だというふうに承っておりまして、そういったオーソライズされたものがございません。そこで六十五年度までの一応今回の経済基本計画の基本になった、背景となりました長期展望の数字からGNPの伸び率が出ておりますので、そういったものから一つの推計式によりまして五十七年度を想定いたしますと、おおむね五十七年度のGNPが百五十兆程度というふうに推計をされますので、そういったものをもとにしましてそれから生産者所得を、さらに域内流動を求め、さらにまた県間あるいは県内の物流の総流動を求めまして国鉄のシェア、輸送数量を求めてまいりますと、これは一つのモデル式の計算でございますけれども、千四百十九億トンキロということを推計したものでございまして、つじつま合わせの結果といたしまして千四百億というのが先に出たものではございません。
○河村委員 つじつま合わせにやったという御返事は、どっちみち得られるとは思っておりませんけれども、しかし、昭和六十年のGNPが二百兆というのはいいとして、それにしましても従来の傾向が、従来のGNPの伸びに比べれば、この前の経済社会発展計画のときにはGNPの伸びが一〇・六%でしたかね、今回は九・四%、とにかく相当下がっておるわけだ。だから、伸び率からいうといままでの傾向値が、いままで以上に伸び率が高くなるという要素はそもそもない。おまけにいまちょうど産業構造そのものが転換期で、いままで田中さんが三百兆円を想定していたような時期とは違って、これからはいままでの資源消費型の産業構造がそのまま伸びていくという時代ではありませんね。そうすれば、同じGNPの伸びであっても、その物的な流通というのは、いままでよりも若干下がっていくはずですね。それを加えれば、どう考えてみてもこの一一・六%の伸びというのは、私は異常だと思うのです。これは歴史が証明するのだから、勝ち負けはいずれ決着がつくかもしれません。だからこれ以上私は言いませんけれども、しかし私の率直に見たところでは、どう考えてもこの千四百億トンキロというのは、このままでは達成する可能性がないと思うのです。そこで、さっき総合交通政策による施策にもたよるんだというようなことの発言がありましたが、一体政府に対して、総合交通政策としてどのようなことを期待しておるのか。もし運輸省として、すでにこれに相呼応してどういうことを考えておるのか具体的な案があるなら、運輸省のほうから直接聞きたいし、ないのなら国鉄が一体どういうことを頭に置いて言っておるのか、まず国鉄のほうから聞きましょう。
○磯崎説明員 確かに五十七年度の貨物輸送量が今度の再建計画のポイントであることは事実でございまして、これについてはずいぶん私どもも内部で議論し、またいろいろな方のお知恵も拝借したわけでありますが、結論は一応千四百十九億トンキロで計算したわけでございます。 しからば一体それに対して、国鉄プロパーの努力以外に、いわゆる政策としてどういうふうなことをしていただかなければならないか。いろいろあると思います。おもに分けますと、まず輸送上の政策と、それから大きくいいまして流通上の政策と、二つに分けられると思います。 輸送上の政策と申しますのは、やはりトラックとの問題であると思います。これはレーバープランを見習うというほどのことでもございませんが、いずれにしてもトラック輸送との調整、これは距離別あるいは品目別等にいろいろ問題があると思います。もう一つは重量の問題がございます。やはり過積みの問題がございます。そういう意味でトラックとの輸送調整によって、相当な物のあるべき輸送の姿に直してもらいたいということが一つの問題点でございます。 それからもう一つは、いまご承知のとおり、鉄道の貨物輸送が社会全体の流通体制から別にあると言ってはおかしいですが、何か断面、切れ目があります。断絶がありまして、そしてその社会全体の流通機構の中に、鉄道の流通機構が必ずしもうまく入っていないという問題があると思います。したがって、今後の貨物の一番問題になるターミナルの問題でありますが、ターミナルを極力一般の市中の物資の流通のターミナルと合わせるということによって、私は鉄道輸送を相当積極的にふやすことができるというふうに思います。現に最近つくりますターミナルは、もう極力市中の一般の貨物流通ターミナルと合わせるというふうな考え方になっておりますので、いままで駅という独立した鉄道プロパーの場所でなしに、駅をつくるにしても、やはり町の全体の流通計画あるいは流通団地等と合わせた計画をつくるということをどうしてもしなければいけない。これは運輸省にお願いする、国鉄だけではできる問題ではありませんし、物資官庁とも大いに連絡しなければなりません。この問題が第二点であります。 それからあと、小さい問題になりますけれども、鉄道全体の貨物輸送に対するソフトウエアの問題があります。これは運賃の問題を一応除きまして、たとえば通運の問題にいたしましても、あるいはいろいろな制度の問題にいたしましても、ご承知のような制限が非常にたくさんございますが、この制限をやはりある程度自由競争ができるような形でもって相当緩和してほしいというふうなことでございます。 これは外国においても非常に問題になっておりますが、そういう意味で、もう一ぺん申し上げますと、まず自動車との問題、それから第二にターミナルの社会の流通機構との調和の問題、それから第三に、いま申しました鉄道を取り巻くいろいろなソフトウエアの改善と申しますか、近代化というふうな問題、大体おもに分けてこの三つの問題になると思います。あとはわれわれ自身がやらなければならない問題ですが、こういうように政府によってお世話にならなければならない問題、おもにまとめますと、大体そういう点だと思います。
○河村委員 運輸大臣、先週の質疑を聞いておりますと、総合交通政策という問題について運輸大臣が言われたのは、こういうことなんですね。各輸送機関の特性に応じてそれぞれの望ましい輸送分野があるはずだ、それは自由経済下において強制はできないから、荷主の選択にまかせなければならない、荷主の選択にうちかつような体制を国鉄でつくるんだ、それで貨物輸送体制をほんとうに整備できれば、国鉄の貨物の近代化ができれば、十年たてばそうすればもう黒字でやれるんだ、いろいろな公共負担を背負ってもできるのだ、こういうような発言でしたね。あなたのおっしゃっておる公共政策というのは、結局国鉄の内部的な近代化のことしかおっしゃらないで、交通政策と言いながら、望ましい分野に持っていく誘導政策ということについては、さっぱり発言がないんですね。いま国鉄で注文のようなものがありましたが、その中でも特にトラックとの調整ですね。長距離トラックとの調整がなければ、いま傾向値として輸送シェアがむしろ下がってくる傾向を企画庁の基本計画も示している。これは総合交通体系をつくったときの数値とはずいぶん違うのです。これはシェアを上げておかない限り、この一一・六%の伸びまでいかなくとも、それに近いようなところまで持っていくのには、相当大きな誘導政策がなければ私はできっこないと思うのです。また現在、大臣の思いつきではなしに、運輸省としてどういう構想をお持ちなのか。それがなければ、私は総合交通政策というものを基礎に置いて国鉄再建を考えているとは言えないと思うのです。その点どうですか。
○新谷国務大臣 いまお述べになったように、先般御答弁申し上げたとおりに考えております。 それならば何か調整策が具体的には考えられてみないのかといいますと、おそらくこれは河村先生も、たとえばレーバープランのごときものをやってみたらどうだというようなことをお考えの上での御質問かと思うのですが、これも具体的にいろいろ検討しております。検討しておりますが、たとえば税金面でどうするとか、あるいは実際の輸送面にあたってこの長距離トラックのシェアを減らすのにどうしたらいいかというようなことを非常に政策的に考えていくということは、これは現在のところはなかなか困難であるということでございます。でございますが、私申し上げたのは何もしないということじゃないのです。交通政策の中でそういったことが可能になるような方策を検討するということは、もちろんしなければならぬと思いますけれども、しかし根本は、やはり利用者の選択によりまして輸送機関というのはさまってくると思うのですね。この間も申し上げましたが、現在でもそうだと思うのですけれども、かりに料金制度でもっていろいろやりましても、ほんとうの利用者の受けるサービスという面で開きがございますと、わずかな料金政策では間に合わないです。でありますから、国鉄の貨物にいたしますと、自動車の輸送との間で現にいろいろな要因で競争が起こって、国鉄が押されぎみであるということは事実なんですが、そういう中で国鉄が十分サービスを提供して、そして利用者が国鉄のほうがいいのだということで国鉄のほうに運送を依頼する、その方向で国鉄は、料金も含めてサービス全体を通じて考えなければならぬということを私この間も申し上げたのですけれども、その点は私は、根本の政策としてはいまも変わりはないのです。変わりありませんが、それかといって、あなたのおっしゃるように、あるがまま放任しておいたら一体どうするのだ、これじゃうまくいかないよという御意見、これもごもっともだと思います。ですから、それに関しましては、先ほど申し上げましたように、全然何もしないのじゃない、何も考えないのじゃない。そういったことで何かいい方法があるだろうかというようなことについては、政策的にいろいろ検討を進めておるということでございまして、現在のところすぐに実行し得るような調整策というのはなかなか発見しがたい、こういうふうに御了解いただきたい。
○河村委員 しかし、そうなりますと、総合交通政策というものを打ち出して、そういうものを打ち出した上で国鉄の再建をやるのだというのがもう数年来の運輸省の一枚看板みたいなものですわね。ところが今回出てきたものを見ますると、確かにおっしゃように国鉄自体が近代化努力をしなければならない、それはあたりまえのことです。それはもう徹底してやるのは当然でありますけれども、それだけでできることでないのは、いま私が申し上げた数字を見てもおわかりだろうと思うのです。でありますから、いままで御説明になったところを聞きますと、国鉄全体の体制をどうするかという点についても、赤字ローカル線、あるいはもう少し幅広く地方交通線をどうするかという従来の総合交通政策的な見地に立って一応処理を考える方向であったものが、完全に消えてしまった。それで今度は、いよいよ別な形で輸送シェアを適正分野に持っていくような方向に誘導していこうという政策についても、何かありはしないかと思っていまさがしておるというようなことで、現実にはない。そうなりますと、運輸省が今度おやりになったことは——私は悪いことばかり言っているわけじゃなくて、今度おやりになった中で資本費の負担を軽減していくという意味において過去の長期債も全部利子補給の対象にするとか、あるいは工事費に対する助成を出資を含めて三%以下の金利にするとか、いろいろないい点はあるのですけれども、それはあくまでも単に工事費の補助だけに終わっておって、そうした総合交通体系的な見地からの政策というものは、何一つこの中に織り込まれてないということになるのですね。まあ、大臣は来て間もないから御存じない点もあろうと私は思うのですけれども、運輸省としては一体構想ぐらいのものは持っていないのですか、たとえばトラックとの調整なんかの問題で。たとえば西ドイツのレーバープランで非常な抵抗が多くて、必ずしもそれか十分に実施されているとは私は思いません。けれども、こうして再建計画をスタートしようとするときに、政策のそのまた基礎になる案すらもないということでは、これはできても十年先ですね。そうなったら、結局そうした政策抜きでもって、ただ資本費の補助、あとは交通政策の発展を期待して、まあ貨物輸送の伸びをちょっと倍くらいに見込むかというようなことでつじつまを合わせるというような結果になって、十年たってみたら、赤字がさっぱり減っておらぬという結果になるのは見えすいていると思うのです。どうです。
○原田政府委員 お答えいたします。 ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、まず第一に私ども考えておりますのは、国鉄の貨物サービスにおきまして自動車に比べて速達性あるいは機動性が欠如しておるという点でございます。この点につきましては、最近の流通革新の動向を踏まえますと、協同一貫輸送の推進ということと、大量定型貨物につきましては物資別の専用輸送という二つの面からアプローチいたしまして、協同一貫輸送につきましてはフレートライナーを中心に展開していく、それから物資別専用輸送につきましては、セメントあるいは自動車の輸送とか、あるいは小麦の輸送とかこういったものについて物資別専用輸送体制をとらせるというような形で、貨物輸送に対します設備あるいは制度の面で種々改善をいたしまして、最近の物流革新の動向を踏まえまして、この線に沿って国鉄の輸送体制をシステムチェンジしていくということでございます。それによりまして、トラックか鉄道かという選択ではなくて、両者がそれぞれ特色を発揮して、協同で一貫した輸送体制をとるという形が一番実情に即しておるのじゃないかと思います。 第二は、先生の御指摘の社会的費用の負担の面におきます均衡の問題がございます。これは自動車の場合よく出る話でございますが、自己公害の費用負担について、必ずしも十分ではないのじゃないかというような御指摘もございます。それから諸外国におきましても、重量トラックに対する課税を見ますと、日本と比べますとかなり高い水準になっております。こういうような費用負担の面について、実は先般の閣僚協で指摘された問題として、社会的費用の公正な負担という点がございますが、これについてはわれわれとしても、今後前向きにいろいろ検討してまいりたいと考えております。 それから第三点は、環境保全との対応の問題であろうかと思います。これは御承知のように、最近相当、自動車による大気汚染あるいは事故の発生を防止するために、どうしたら環境整備という観点に立って、望ましい施設の整備ができるかという点でございまして、かりに国鉄の貨物輸送が非常に赤字で問題があるというようなことで、これをトラックに移しますと、非常に道路にトラックがあふれることになりまして問題を起こしますわけでございますので、こういった点については十分総合的に施設整備その他におきまして対応を考えまして、交通政策を運用してまいりたい、このようにわれわれとしては目下考えておる次第でございます。
○河村委員 いまもって、いまお聞きをしても、だいぶ数はたくさん並べたけれども、どれもこれもあまりたいしたものはなさそうであります。それではとうていだめなので……(「河村さん、それは総理だ」と呼ぶ者あり〉そうか。しかし、現実にトラックの問題につきましては、もうすでに話が出ておるように長距離トラックの過積み問題、労働条件の悪化の問題等が非常な問題になっておりますね。同時に、高速道路が長距離トラックによって破壊されて、修理に困っておるというような問題も出ておる。現実に輸送を離れた問題としても非常に重大な問題になっているのですね。この問題は、イコールフッティングという問題も確かにあります。それはいま車が道路を破壊する力というものは、車軸重量の四乗といわれておりますね。ですから、長距離トラック、大型トラックの場合には非常に格段に破壊力が大きいんだから、もっとそれは車軸税のようなものを、車に対する税金を重くしてもいいわけだ。しかし、それだけでは解決しないので、やはり長距離トラックの場合にはいろいろなそういう規制をいたしましても、結局労働条件を下げることによってカバーしちゃう面が非常に強いんだね。現実にいまの条件下だって、東京−大阪間を一個列車で荷物を千トン運ぶのと、それから一人か二人の運転手が十六トンか十七トン運ぶのと比べれば、生産性からいったら鉄道が勝つにきまっておる。それにもかかわらず長距離トラックがどんどん運行しておるということは、単に普通に条件を整備しただけでは片づかない問題があるということなんだな。運輸省はそれは率直に認めなければいかぬ。だから長距離トラックの場合には、むしろ頭から長距離輸送を規制する、そういうようなところまで臨まなければ、私は問題は解決しやしないと思う。だからいまだに何もないというようなことではとうてい話にならないのであって、そういうものを含めて、この長期収支見通しというものは、私はこのままではとうていだめだという結論に到達せざるを得ないのです。私はかりにこういう長期収支を前提としても、やはり根本的には俗にいう地方交通線というものの赤字、恒常的な赤字線区の問題をどういうふうにするか、この処理をやらない限りは、再建計画にはならないと思っているのです。だけれども、少なくとも運輸省が責任をもって再建計画を推し進めていこうというならば、いまの段階で、何らかそうした問題についての構想ぐらい持たない状態であるということは非常に残念です。だから、きょうは仙台出発の時間も近づいて、あまりそこのところを突き詰めて聞けないのは残念でありますが、これは運輸大臣に特に強く要望をしておきます。 そこで、さっきの問題の残りが一つあるので、さっき貨物の営業割引の場合のもうかるかもうからぬか、それを算定する基準というものはあるはずだ、それはありましたか。あったらば説明してください。
○原岡説明員 先ほど四十六年度の数字で六十六億円の営業割引をいたしております、そして三百二十三億円の、それによって収入確保といいますか収入増加を来たしております。このように御説明申し上げました。これでもうかっているかもうかっていないか、こういうことでございますが、これは一般論といたしまして、国鉄の貨物の全体の営業収支、これを一つの要素として考える、それから変動比、これを三〇%と考えまして、それらの要素を入れて考えますと、四十六年度はいまの数字を前提といたしまして百五億もうかっておる、こういうことでございます。もう少し具体的に申し上げますと、追加収入が三百二十三億あがったわけでございますが、これに対しまして追加経費が二百十八億、したがって百五億の収支改善といいますか、百五億もうかったといいますか、そういう計算でございます。これが一般的なものでございまして、これをもとにいたしまして個々の営業割引の際のスタンダードにして、個々具体的な運送条件の割引について考えてやっておる、こういうことでございます。
○河村委員 いずれ機会がありましたらもう少し具体的な話を伺いたいと思ますが、一応それでつじつまが合ったものと考えて、あと先の問題を……。 ひとつ終わりに、十一万人の合理化の問題ですね。これは閣議了解の中にも数字があがっておりますが、これのやり方ですね。もちろん、解雇をするというようなことはできないことはわかっておりますが、自然退職を含めてやるのだろうと思うけれども、一体どういうような段取りでこの十一万人整理をやっていくのか、その全体のスケジュールをちょっと聞きたいと思います。
○磯崎説明員 十一万人の合理化のうち、御承知のとおり約二万五千人はすでに減っておる。四十四年度から五十三年度までの十一万人でございますから、一応二万五千人はすでに減っております。したがって、今後の問題といたしましては、まだ八万五千人の合理化をしなければいけない、こういうことでございます。そしてこれは大体毎年、前年度の年度末に組合と話をいたしまして、翌年度の合理化の件名をいわゆる団体交渉いたします。ことしもそれを三月二十日までにやる予定だったところが、少し延びまして先般の四月十七日になったわけでございますが、非常にこまかいことは一件一件申し上げませんが、大体その年じゅうに消化できそうな項目を数項目選びまして、年度末に話をいたして、そしてそれを翌年度に実施する、こういう手順に参りたいと思います。したがって、今後の問題としては、たくさんまだまだ合理化の問題がございますが、とりあえず本年度は、先般お話しいたしました工場の再編成の問題、これはもうちょっとまだ煮詰まっておりませんが、その問題とか、こまかい寝台車の問題とか、あるいはこまかいヤードの中の問題とかいろいろございますが、そういう問題を数項目あげまして、ことしはぜひこれだけを合理化したい。翌年度は翌年度でまた今年度末に話をするということで、やはり逐年翌年度の目標を定めて、合理化を実施してまいりたいというふうに思っています。 御承知のとおり、年間の自然減粍が、一応現在の定年を前提といたしますと約一万人ございます。この中でどうしても補充しなければならない職種がありますので、これは補充いたすといたしますと、その年によって違いますが、七千ないし八千の自然減があるわけでございます。今後なお、現在の年齢構成が非常に高いものでございますから、毎年自然減粍の数がふえてまいります。一応いまの場合で申しますと、単年度でやめる人の一番多い年が、たしか五十三年度の一万五千八百人ですか、これが最高でございます。したがって、これは一応現在の定年制を変えない限りこういうふうになっておりますし、大体いままでは五十五で九十数%の人がやめているという現状でございます。したがって、この穴埋めをどれだけするかということによって全体の合理化がきまってくるわけでございますが、これらのほかに、途中で病気するあるいは転職するという者も若干おります。これらを全部合わせまして、年間の退職者の中から、本年度大体何人最小限度必要があるかということをとりまして、そしてあとは減った部門の人間を新しい必要な部門に回すということでやってまいりたいと思っておりますが、ただ、いままでのように非常に大きな、たとえば機関助手の問題とかいうふうな大きな問題はわりに減ってまいりまして、今後はいろいろこまかい合理化問題をあげていかなければならないと思っていますし、また、非常に具体的な問題もたくさんございます。と同時に、やはり今後の問題といたしましては、技術開発あるいは近代化等によって相当大幅な投資をしてまいりますが、その投資によって自然に出てくる点、いわゆる積極的な合理化と近代化による合理化と、これは当然二つございます。これらを毎年やった上で、全体で昭和五十三年度までにいま申しました人員を減らしてまいりたいというのが計画でございます。
○河村委員 この合理化による減員に関連をして、私は気になっておることが二つあるんです。 一つは、いま必要な人員は採用するから、一万人整理しても七千人か八千人になるんだという説明でしたので、ある程度わかるのですが、大体減員ばかりしておりますと、単なる穴埋めという以上に、たとえば構内作業掛というような最低の職種、そういうところから、いつまでたっても昇職の機会がなくなってくる。これは非常な士気沈滞を生ずるのですね。これはほかにも同じようなものがあると思う。そういうものを常時新陳代謝できるような体制でできる計画になっておるのかというのが一つ。 それからもう一つは、現在私もときどき現場などを見ておりますと、たとえば運転部門の整備関係などにおいて、せっかく近代化によって合理化ができても、そこに遊んでいる、余分な人間がいつまでもそこにおって、それが配置転換できずに、そのためにそこの職場の雰囲気が逆に悪くなって、職場秩序が乱れておるというような傾向を私は見るわけです。一体、こういうものをもっとスムーズに転換をしていくことを考えられないのかどうか。その二つをちょっと……。
○磯崎説明員 ただいまの御質問のうち、前の問題でございますが、これはやはり私のほうの若年層の非常に大きな不満の原因でございます。しかし、いまのように四十歳以上が非常に数が多いと、なかなかその昇進の道が開けないということで、たとえば労務職にいつまでたってもいるというふうなのが相当おります。しかし、これはいずれかの時期に、いまの四十歳以上の高年齢層が十二、三年たてばもういなくなってしまって、今度は逆に非常に年齢構成が若くなってしまうという時代も参りますので、やはりもうしばらく現状でがまんしてもらって、しかしその間に試験などをやりまして資格を与えて、そうしてしかるべき時期が来ればそれを登用するというような方法でもって、やはり自分の仕事に刺激を求めて働くようにしなければいけないというふうに思っておりますが、実行上は非常にいろいろな難点がございますが、そういうことでぜひあすへの希望を持たせてやるようにしなければならないというふうに思っております。 それから第二の問題、これは非常に問題でございますが、実際に合理化、近代化をやりまして人が浮いてくるのと、その人を所要する場所、時期とは必ずしも実は一致いたしません。非常にはっきりしているのは、たとえば電化が何月何日にできるとかあるいは新線が何月何日に開業するというような、非常に時期的に明確になっている問題はわりあいにうまくまいります。たとえば今度の武蔵野線が四月一日に開業する、どうしても四月一日までに七百人なら七百人の人間を集めなければいかぬ、これはどことどこの管理局から何人連れてくる、こういうふうに非常に明確な人員を必要とする場合はわりあいに右から左へまいります。最近の配置転換では今度の武蔵野線が一番大きかったと思いますが、これはおかげさまで大体順調にまいったわけでございます。ああいうふうにはっきりしたものでなくて、あそこへ五人、ここへ八人というような事態がむずかしい。一方、合理化した人間が、いまおっしゃったように、端的に申し上げまして現場に余っているというようなことで、これが仕事がなくてぶらぶらしておる事態が確かにあります。これは極力やはりその所要する部門、時期を早くきめて、そして近代化で浮いたらすぐそれを右から左へ持っていく。大体配置転換につきましては、組合との基本的な原則はできております。ただ、個々の人間が行く、行かないという問題はありますけれども、ルールとしては確立いたしておりますので、それを結局、必要とする部門が早くきまって、そこへすぐ持っていけるという体制にしなければいけないと思っております。なるべく配転ロスと申しますか、その配転ロスを少なくして、全体の人事の運用を合理化しなければならないというふうに思っておりますが、できるだけ——むしろ浮いてくるほうはわりあいはっきりいたしますが、所要する部門が必ずしも時期が明確でないというふうな問題を、極力管理局ごとに明確にして、配置転換のロスを少なくしてまいりたいというふうに思っております。
○河村委員 あとのほうの問題は、ほんとうは私はそれではおさまらない問題だと思うのです。最終的には、落ちつく先がきまらない場合であっても、それはどこかにプールをして機動的に使うというようなことを考えるべきであって、いつまでも余ったままの状態で置くということは、私は、労働環境を逆に非常に悪くする、そういう面があるので、特に御注意を申し上げておきたい。なかなかむずかしいかもしれぬが、これはやるべきです。 汽車の出発の時間が来たので、私はほんとうはもう少し申し上げたいこともあるのですが、最後に一言だけ申し上げておきます。 いま私は、こういう収支その他の物的、金銭的な問題についてだけ申しましたけれども、やはり最終的に再建できるかできないかは、人の問題が最後をきめます。私は、いまの国鉄の現状が決してそれができるような現場の環境にないということを、最近現場を歩いているときに痛感をしたわけです。いろいろないきさつもありましょうけれども、現実にいまほんとうに自信を持って部下職員を統御できる現場というのは、非常に特殊な、非常にりっぱな人あるいは非常に従来から労使関係が円満であったところ、そういうところは別として、一般的に見てどうも職場秩序というものが乱れ、現場の管理者というのは意欲を失っているということだけは、私は率直に皆さん方も認めざるを得ないはずだと思っているのです。この問題を解決するのには、やはり総裁以下幹部に重大な決意がなければならないはずだと思います。私はこれ以上申し上げる時間がありませんので申し上げませんが、最後のこの人の問題について、ほんとうにこの辺でもって性根を据えてやっていただきたい、それを要望して、質問を終わります。
○井原委員長 次回は、来たる二十六日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十九分散会