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71回国会衆議院1973/04/13

運輸委員会 第16号

発言数
102
登壇者
14
会派数
4
開催日
1973/04/13

会議録

井原岸高自由民主党

○井原委員長 これより会議を開きます。  港湾法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。石田幸四郎君。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 前回私は、いわゆる港湾整備の緑地化の問題について質問を留保してあるわけでありますが、その後資料提出を求めたところ、四十八年度の各港湾の管理者の事業要求というものがそれぞれ出てきているわけであります。これについて若干お伺いをするわけであります。  まず一つは、これらの全国の港湾についてどのような基準で重点的におやりになるのか、この点が第一点であります。  それから、私はここに名古屋港の緑地計画の推進状況についてたいへんおくれているという旨の新聞記事を持っているわけなんでございますけれども、特に東京周辺の大型の特定重要港湾それから大阪港、神戸港あるいはまた名古屋港というように、大都市を背景とした港湾の緑地整備というような問題はやはり急務を要する問題ではないだろうか、そのように思います。これは社会全体の都市構成との問題において私はそう考えるわけでございますけれども、まずこういった各港湾の全体の計画を運輸省としては正確に把握をしておられるのかどうか、この点も含めて御答弁を港湾局長にお願いしたいと思います。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 先生の御質問にお答え申し上げますが、まず運輸省として港湾関係の緑地の整備事業というものをいわゆる補助事業の対象といたしまして取り上げたのは、この昭和四十八年度が初めてでございます。したがいまして、現在までに私どもなりの調べはいたしておりますが、必ずしもこの調査結果がもうそれこそ微に入り細をうがった調査であるとは、まだ残念ながら考えておりません。さらに調査をいたしていくつもりでございます。ただ一般的に申せることは、これはたしか兒玉先生の御質問のときにお答え申し上げたかと存じますが、全国的に申しまして臨港地区内の緑地率と申しますのは、これは残念ながら〇・二%程度でございます。非常に低い数字でございます。  さらにこれを臨港地区内で大港湾、いま御指摘のございましたような大都市を背景にする港湾というもので考えてみますと、名古屋はほとんどゼロといってよろしゅうございます。それから大阪が〇・〇三%くらいである。それから神戸が〇・一%くらいである。それから東京は、ちょっとつかみ切っておりませんが、現段階で相当大きな計画をお持ちのわけでございますが、ほとんどゼロに近い値でございます。こういうような調子で、全国平均でさえも〇・二%である。しかも先生の御指摘のとおり、こういう大都市を背景にしたような港湾で相当にふやさなければいかぬのが、はるかに全国の平均をも下回っておるというような非常に哀れな状態でございます。したがって、私どもといたしましては、現段階でこの予算をどういうふうに考えていくかということで、一応これはこの前もお断わり申し上げましたように、四十八年度の新しいこういうシステムを要求するということで、港湾管理者が要求されましたなまの姿をここに資料として御提出いたした次第でございます。これで見まして、とりあえず要求されたというのが五十一ヘクタールで二十二億の事業費を要求されたわけでございます。そこで四十八年度予算におきましては、事業費はこの二十二億程度の事業をまかなえるだけの予算を確保いたしております。  そこで、この具体的な内容といたしまして、これは港湾管理者で、あとでもう少し考えを変えたというようなお話もいろいろございました。したがって現在まだ港湾管理者と協議中でございます。したがって、事業費は全国でとりあえず四十八年度は二十二億程度に押えますが、その中でもう一度各港湾管理者とよく協議をいたしまして、それで配分を考えていきたいという考え方でございます。  ただその配分にあたりましての重点と申しますか、どういうふうなものを中心にしていくかという点につきましては、まことに申しわけございませんが、四十八年度については一応各港湾管理者のなまの御要求をワクにおさめるという作業で、ほんとうの意味の、どこに重点的に配分するかというような私どもの一応の考え方というものをはっきり浮き彫りにできるまでの段階には、残念ながら四十八年度については達しないと存じます。したがって四十九年度以降については、ただいまお話ございましたように、こういう大都市を背景にしている港湾、あるいはそれに続くような都市を背景にしております港湾、こういう港湾の緑地化というものをウエートを大きくして考えていきたいという考え方でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 いまもお話がございましたように、状況はたいへんにおくれておるわけでございます。これらの数字を見ますと、たとえば名古屋港の場合は総埋め立て面積の七%ぐらいを計画しておりまして、実際は進んでないわけでございますけれども、七%の計画に対して全国で〇・二%ということになりますと、これは百分の一に近い状況だということになります。この緑地計画を推進するにあたって、一〇〇%これを満たすことはなかなかむずかしいとは思いますけれども、一応それぞれの港湾で緑地を持つことができた、そういうような状況になるまでには何年ぐらいこれからかかるというふうに運輸省のほうでは見ていらっしゃるのか、ここら辺ちょっとお願いいたします。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 ただいまの先生のおことばにもございましたように、なかなかたいへんな仕事でございます。ただこれは、私どもは港湾整備事業の中でも相当なウエートを置いて進めるつもりでおります。したがいまして、これはまだ全然きめておるわけではございませんけれども、この御審議の際にしばしば申し上げましたが、でき得れば昭和四十九年度以降新たな五カ年計画をつくりたいと考えております。したがってその五カ年計画の中で、四十九年から五十三年までの五カ年でございますが、この五カ年で一応それぞれの港湾区域の中に港湾事業として緑地が整備されたと言えるような姿にはしたい。したがって、まだまだこのパーセンテージをぐっと上げるということは無理かもしれませんけれども、できる限りの努力はするつもりでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 最後に、こういった問題については、私は愛知県でございますので愛知県の例を申し上げますと、いわゆる単独の港湾、これから豊橋なんかにつくるようなそういう港湾はともかくとしまして、東京湾、大阪湾、伊勢湾、こういう港湾を幾つかかかえているところの問題について、今度広域的な行政を運輸省では推進をしよう、こういうふうに考えていらっしゃるわけでありますけれども、この緑地整備の問題もそういうような角度から考えておられるのかどうか。  それから、この前これについて、広域行政に対して予算的な問題はどうするんだという質問を申し上げた。そういう予算的な問題まで含めると、やはり各地域におきましては、かなり地方行政を侵されるのじゃないかというようなことを非常に心配していらっしゃるわけですね。現に私も会いましていろいろ意見を交換してみましたところ、やはり連係はとり合うけれども、港湾全体についてはそれぞれの地方自治体にまかしてもらいたい、こういう広域行政という形でまとめられるのでは制限が強くなって困る、こういうようなことを言っていらっしゃるわけです。わが党もその意見に同調しておるわけですけれども、この点を含めて、今後どのように調整をしていくのか、また予算的な措置は、広域行政の場合どのように一体なっていくのか、これをもう少し明確にお願いして私の質問を終わりたいと思います。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 ただいまの先生のお話でございますが、たとえば一つ東京湾の例をとって考えてみたいと思いますけれども、横須賀港から横浜港、川崎港、東京港、千葉港それから木更津港、いわゆる重要港湾が軒並み並んでおるわけでございます。そこで現段階でこういう緑地の整備というような問題について、広域港湾的な考え方でそれぞれの港湾管理者が調整をしていくべきかどうかという点については、私はとてもまだまだその段階ではないという考え方でございます。むしろ個々の港でほんとうに緑化する、環境をよくするんだということを考えていただくのがまずやらなければいかぬことである、まだまだそういう段階でございます。したがって、こういう緑化問題について、環境整備の問題で、たとえば海水の汚染であるとかいうような問題になりますと、これはとても一つの港でやっても、ほかの港がよごれておったのではちっともきれいにならないという問題が出てまいります。ただ、緑化の問題は地面にくっついた問題でございますから、現段階では、まずまずそれぞれの港で大いに考えていただく、それに対して私どもはそれぞれの港の方々の意思を尊重して、それにできるだけの助成をしていくという考え方に立ちたいというのが私の偽らざる心境でございます。そこでそういうかっこうにいたしまして、ある程度かっこうがついてきた、それから今度は全体の湾を考えまして、たとえば港湾のそれぞれの性格がございますが、そこでさらに、何と申しますか機能の分担を考える。たとうえ緑地率の非常に高い部分と低い部分が出てくると思います。そういうような段階になりますれば、これは当然それぞれの港の間で御協議いただくというような例の協議会制度の活用という問題の議題にも入ってくるかと思います。しかし現段階では、とてもそういう段階では私はないと思っております。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 この港湾法の質問では私が一番最後でありまして、数多くの皆さんからそれぞれ質問があったので、私からもうお尋ねすることはあまりありません。しかし、残念ながらお答えのほうはちっとも解決していないのですね。いまの補充質問された緑地の問題にしても、はたで聞いていて、ああそのとおりかなという答弁が出ていない。これはもう一番最初から質問された方が繰り返しやってきた、この法律の第一というか、目玉ですね。これから始まって、一番最後のこの緑地の問題に至るまで、的確な答弁が出ていないというところに、私は最初から、たいへん失礼ですが、この法案は御撤回をいただいて、あらためて審議をし直してお出しになったほうがいいのではないかというふうに実は考えるのであります。もちろん、ああそうですかということにはならぬかと思うのでありますが、われわれのほうとしましては、御承知のような情勢下でありますので、できますならば、衆参あわせてこの法案の始末をつけたい、こういうふうに考えております。  そこで、これは実務的なことがたいへん多いのでありまして、運輸大臣に御答弁いただくことはそんなにたくさんないかもしれませんが、まず一つは、港湾ではいま一番困っている問題は何でございましょうか。それだけでは何を聞かれるんだかわからぬで答弁に困ると思うのでありますが、まあ言うならば港湾取り扱い荷物が入れものであるところの港湾に比較してどんどん多くなっている。だから、この港湾能力を、いわゆる土木工学的に解決していくというのがいままでの港湾整備五カ年計画の中心的というか、これがほとんどです。そうなんですね。港湾局長も土木工学の権威者のようでありますが、これは土木工学的に私は全部否定するわけじゃありませんけれども、港さえつくれば物の流通はうまくいくというものでは私はないと思うのであります。ところが今度の法律の改正は、やはり土木工学的なものを中心にした田中総理好みの列島改造論を推進する港湾の方面からの一つの改正というふうにとっていいと思うのですね。しかも、つい最近出ました経済基本計画そのものも、御承知のようについ最近の国際収支の問題にからんで、フロートの問題、こういう問題はちっとも織り込んでいない。さらにごく最近、あとからもちょっと申し上げますが、すでに御承知のように産業計画会議からは警告が出ておりますね。産業、いわゆる総資本といわれる側からも、いままでのやり方について実は警告が出ている。そういう重大な警告をちっとも織り込まぬままで、いままでの高度成長経済を土台にして、前提にして、港湾を構築していこう。その中にはもちろん列島改造論でも同じでありますが、だれの責任ということはちっとも言わないで、公害が出てきた、あるいは環境が破壊されてきた、あるいはいま御質問がありました緑地がなくなってきた、だからこれを整備するんだというたいへんうまい話でありますね。聞きようによりますと、そういうものを発生した原因は何かという究明は忘れていて、出てきたそのもの自体を言うなら批判して、世間受けをつけて、いままでどおりの筆法で高度経済成長を何とかやっていこう。その中から出てきた矛盾を土木工学的に、港湾に例をとれば解決していこう、こういうことだと私は見ているわけなんでありまして、率直にいいますれば腹が立ってかなわぬ、腹が立つほどこの法律案というのは人をばかにしているんじゃないか、こういうふうに実は思っているわけであります。きょう私は、いままで同僚各位が質問された議事録をわざわざ持ってまいりました。みんな重要な点はほとんど同じことを質問して、同じことを答弁されているのですね。これだけの質問者と人間をかけて、ちっとも進歩していない、これ以上国会無視ということは私はないと思うのですね。だからそういう意味で、きょうは私が最後の質問でありますから、憎まれ口かもしれませんが、こういう態度で審議に臨む限りにおいては、国会を中心にしたところの議会制民主主義といろのを貫くことは不可能だと私は思っているのですね。だからある程度時間をかけて、人数が大体一番最後まで、野党なら野党全員が質問を終われば、久保三郎が終われば討論採決という手順に持っていこうという、そこにいわゆる政治の一つのパターンがあって、そのパターンを打破しない限りは、新しくどなたが内閣をとっても、どなたが政治をやってもうまいぐあいに私はいかぬと思うのですね。そういうことを前提にして私は二、三お聞きしたいと思うのです。  そこで、一つ、いま港湾で一番困っているのは何でしょうか。これは港湾局長にお聞きをしたほうがいいかもしれませんね。港湾局長どうですか。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 港湾関係で非常に困っておる問題というのは、港湾と申しますのがいろいろな意味での場がございますものですから、非常に範囲が広いと存じます。先ほど先生のおっしゃいましたいわゆる物理的に施設が不足しておるということ、これも一つの問題でございます。さらに港湾管理者の財政問題、これも一つの問題でございます。また個々の港湾におきますいわゆるオペレーションの問題として荷役の方法論の問題点もございます。またこれの制度的な問題点もございます等々、非常に範囲が広いわけでございまして、言うなれば私ども絶えずそういうものを少しでもよくしようという努力をしているつもりでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 あなたがおっしゃった中に一つか二つ私が言おうとするところがあります。それは私が要約して申し上げますれば、結局は入れものが小さいところに荷物が大きくなった、こう現象的に見るわけでありますが、中身をしさいに分析してみると、港湾機能というものが機能していないところに一つの大きなネックがあるということを気づいておられないのですか。たとえば港がある、港湾施設は整備されている。しかしながら、それと一体となって機能すべきところの港湾の機能施設というものが機能していない。たとえばバース、岸壁というか埠頭と背後におけるところの上屋あるいは倉庫との関連、そういうものはどうなのか。そういうものの解決をどういうふうにやっていくのか。そういう方法がちっともなくて、港が足りないんだ。そういうようなやり方自体私はちょっとおかしいのじゃないかと思うのですがね、どうなんですか。いかがですか。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 先生の御指摘のとおりの点が多々ございます。私どもほんとうに物理的に——また物理的なあれになりますけれども、施設面で申しましても、たとえば港湾の埠頭を整備した。しかし、背後の道路が不備であったためにこの埠頭が十分に生きていないというような例がございます。そういう点の反省は絶えずしておるところでございます。またいまおっしゃいましたように、たとえば岸壁をつくった、その背後に上屋ができておる、物理的には一応そろった施設の整備ができておるわけでございますが、現実の荷役というものは船から沖側にはしけによって動いていく。したがって陸上のほうに、岸壁のほうに行なわれる荷役というのは非常に少ないというのがつい先ごろまで日本の主要港であった事態でございます。そういうものを新しいというか、能率、効率のいいような流れに変えていかなければならないという点で、これはある意味では物理的な施設の面もございますけれども、それにからまる過去のいろいろな習慣を変えていかなければならぬというような問題もございますし、そういう意味ではむしろ制度上の問題が非常に問題であるということかと存じます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 私がお尋ねしているのは、問題点を聞いているのじゃなくて、問題をどう解決するかまで聞いているのですよ。その問題をどういうふうに解決しているか。たとえば、港湾施設と港湾機能施設との関係についてすでにあなたらが諮問を出して答申をされているのじゃないですか。その答申も港湾審議会では昭和四十年に答申しているのですよ。何をやりましたか。この中で何一つやりません。何かやりましたか。お答えいただきたい。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 いわゆる制度上の問題といたしまして明らかにやっております、いままであの答申以来やってまいっております考え方と申しますと、埠頭のいわゆる効率化、しかも公共性を担保しながらの効率化というようなことから、従来の公共事業方式にさらに加えるものとして公団方式あるいは公社方式等の港湾の施設の整備並びにそれの施設の運営というものに新たな体制、制度をつくったというような問題がございます。また全然別の観点でございますが、港湾運送事業における事業者の集約化をはかり、この基盤を強化しようというためのいろいろな施策をいたしました。ただこれは残念ながらまだまだ問題が残っておるということは申し上げざるを得ない段階でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 港湾機能を公団や公社やあるいは特殊会社によって専用埠頭、専用の機能、そういうもので解決してきた、こういうのですが、港湾というのは元来そういうものじゃないのです。これは特定の人が特定の場所を使うものではないのですよ。特定の品物が特定の場所で処理されることが機能するということなんです。そうじゃないですか。いかがです。特定の品物が特定の場所で合理的にやられることが一番理想的なんですよ。特定の荷主が特定の場所でやるのではこれは港湾ではなくて私有地、私のところでやる仕事である。いかがですか。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 いまの先生のお考え方、確かに特定の荷を特定の場所で扱うというむしろそういう荷姿と申しますか、荷の内容によって区別する方法、それから運びますいわゆる船の系列の別になるという方法と、私は決して片方に限る必要はないと思うのであります。と申しますのは、いわゆる定期船、ライナー的なものでありますと、これは荷主が非常に不特定多数でございます。そういうようなもののためにはむしろ船主別の一つの系列を考えるほうがいいのじゃなかろうか。それからトランパー的に荷の単一化と申しますか、非常に簡単な組み合わせであるというようなものについては、むしろ荷主的な区別あるいは荷姿的な区別というものが必要であるかと存じます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 いまのお話でなるほど一理あるところもあります。トランパーのようなものは御承知のように雑貨でありますから、それはそれでいいでしょう。しかしながら、なぜ埠頭公団ができたのか、埠頭公団をつくらなければならないのか。本来なら機能施設と岸壁、港湾施設、こういうものが一体となって機能するところに能率的な荷役ができるのであります。これができないから埠頭公団をつくるということに逃げていったのじゃないですか。なぜできなかったのかというと、港湾管理者の財政的な基盤強化を怠っていたというところに問題が一つありやしませんか。いかがです。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 公団制度をつくりました一つの理由には、明らかに先生の御指摘の点がございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 だから私が言っているのは、本質的なものを忘れて外へ外へ逃げていこうというのが今日のやり方なんですね。だからこの港湾法はもう一ぺん審議し直したらよいだろうというのです。先般も質問がありまして、廃船あるいは沈船の引き揚げの問題がありました。最近港湾におけるはしけの沈船が多くなってきた、これはどうしますかという質問がありましたね。なぜ多くなったかというのです。結局あなたが港湾運送事業の集約をしたと言うが、港湾局は実際集約に失敗したのだ。港湾力学、港湾工学的には権威者であるかもしれないが、港湾の機能を立てるときには港湾局は権威者でなかったというのです。だから港湾運送事業の集約には失敗した。失敗した結果として今日まではしけが残っている。あるいは先ほど言ったように、港湾施設と機能施設が一致しない。それで逃げ道を埠頭公団に求めていった。こういう矛盾をかかえてずっといまいっているのですよ。廃船や沈船が多くなったことはどうなんです。港湾運送事業法をことし出すのですか。出さないのでしょう。はしけの処理を含めて出せば、こういう現象はないはずです、私が言いますように。出すのですか出さないのですか。いかがです。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 皆さまの御審議によって成立いたしました四十八年度予算で予算措置といたしましてはしけの買い上げ予算というものの実現を見たわけでございます。この買い上げの補助をする、しかしただいまの御質問にございました港湾運送事業法を改正するというのは、現在検討中でございまして、今国会にはとうてい間に合う段階ではないと存じます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 それからもう一つ、これに関連して港湾運送事業法は出さないというのですね。予算としては通ったが出さない。結局処理の方針が明確でない。もっと明確でないのは、もう一つ法律はこれに関連して出ている。港湾運送労働法の改正が片方では出ている。そのうらはらの港湾運送事業法の改正は出さない。はしけの問題は予算で措置したのですが、これではちっともすっきりした措置ではありません。これはどういうふうに考えられますか。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 ただいまの予算で措置をしたと申します問題と、法律の直接の関係、いわゆるこの法律が改正されないとこういう支出ができないかどうかという点については、何ら法律的な措置は必要としないという見解で、この港湾運送事業法をもしも改正するにいたしましても、これは予算関係法案ではないという考え方でございます。  それからただいま御指摘ございましたように、港湾労働法の一部改正が提案されて、港湾運送事業法の一部改正が提案されなかったのはアンバランスではないかという御質問でございますが、必ずしもアンバランスであるとは私考えておりません。ただ本来的に考えれば、これだけの問題点を含んでおりますから、当然一緒に考えをまとめるべきであったとは考えておりますが、残念ながら非常にいろいろ問題がございまして、港湾運送事業法の改正の成案を得るにまだ至っていないわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 いろいろな問題があるからできない。できない問題を解決しないでいては問題の解決にはならないのですよ、はっきり言って。はしけの問題にしても、単純にはしけへ予算をつけたからはしけの問題が解決するというわけのものではないでしょう。そうでしょう。港湾運送事業法のあり方というものをどうするか、これは単独に港湾運送事業法だけの問題ではなくて、さっきから何べんも言うておるところの基本施設と機能施設とのいわゆる機能的な運営をどうするかがきまらなければ出てこない問題なんですよね。そういうものをほったらかしにしておいてこの提案をすることはふまじめではないでしょうかというのです、たいへん失礼な言い方ですが。もう少しまじめにやったらどうでしょうか。私は別に最初からきついことばで言うつもりはないのでありますが、何か質問が終われば終わりだというふうにとりますよ。答申についても何もやってない。港湾管理者の財政的な立て直しについて何をやりましたか。港湾局、国は何をやったか。何もやらないから今日問題が大きく広がってきている。何べんも言うようだが、埠頭公団にいったり、特殊会社にいったり、公社にいったりしているのですよ。そして特定なものが特定な場所でやっているのだ、そういうものを解決しないで第一条の改正のように適正なところに配置するんだとか、開発をするんだとかいうのはちょっと話が逆じゃないかということです。あるものを有効に使わなければならない。あるものの矛盾を解決しないで矛盾の拡大をしていくということについてわれわれは反対だということですよ。大臣、御意見があるようですからお答えをいただきます。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○新谷国務大臣 細部にわたっては局長から御答弁申し上げましたが、全般的に先ほどからいろいろ港湾行政のあり方につきまして御注意をいただきまして、私もお考えはよく理解ができるのでございます。  第一に申し上げたいことは、今日の港湾というものは、お話にもありましたように非常に港湾の機能が拡大をしてまいりまして、港湾が交通体系の中で果たすべき役割りというものが非常に多様化してきておることは事実でございます。そういうのにはたしていまの港湾が対応できるような姿勢を持っているかどうかということにつきましてはいろいろ御批判があると思います。先般も申し上げましたが、今度の港湾法の改正によりまして、あるいは今度の四十八年度の予算におきましてそれらが十分に満たされているとは考えておりません。私どもは、そういう港湾の機能が拡大し、多様化しておることに対応いたしましての法律、制度の制定でありますとか、予算の準備でありますとか、これは順を追ってやらなければならぬと思っております。  第一に考えられますことは、ただいま御承知のように港湾整備五カ年計画を進行させておりますが、この五カ年計画もいまお話になったような意味も含めまして再検討しなければならぬ段階に来ておると思います。でございますから、四十八年度は間に合いませんでしたが、四十九年度から年次計画というものをもう一ぺん根本的に洗い直しまして、新しい時代に対応できるような港湾整備を進めていくようにしなければならぬということを考えまして、いまその準備を並行的に進めておるのでございます。  それから港湾運送事業法の問題につきまして御発言がございました。局長から端的に結論だけをお答えいたしたわけでございますが、申すまでもございませんが、港湾運送事業はその内容、実態が非常に最近変わってきております。でございますから、これをどうしても早い機会に再検討し、実態に応じるような制度を確立する必要があることは言うまでもないのでありますが、その点につきましては検討に検討を重ねましたけれども、十分にそれに応じるような制度の改正というものが今度の国会には間に合わなかったということでございます。この港湾運送事業法の改正につきましては抜本的にやらなければなりませんので、来年度は必ず港湾運送事業法の改正案を提案いたしまして御審議を願わなければならぬと考えております。  それからお触れになりました問題の一つに、いろいろ港湾の機能を有効に発揮できるような施設を整備しなければならぬ、それには根本的には港湾管理の財源措置をもっと講じてやらないとそれができないじゃないかというような意味の御発言があったように考えます。この点は先般来も申し上げておりましたが、私どもは港湾管理者が港湾計画を作成して運輸省に提案をされ、われわれといろいろ相談をして、その港湾が最も効率的に機能を発揮できるような体制をつくるようにわれわれも努力をいたしておりますし、管理者はもちろんのことでございますが、結論的に言いますと、どうも港湾というものに対する公共的な要求というのがだんだんふえてきていることは事実でございます。そういう意味におきまして、港湾整備についてのいわゆる自主財源と申しますか、そういう財源を何かの方法で確保するように考慮しなければならぬということをこの間も申し上げたのですが、これはなかなかむずかしい問題がございまして、そう急には解決しないと思いますけれども、少なくとも来年度そういう港湾整備五カ年計画を見直そうという場合には、財務当局とも相談いたしまして、いま申し上げたような自主財源を何とかして確保するような方向で努力をしたいと考えておる次第でございます。  今度の港湾法の改正にあたりましてはそういったことが十分に組み入れられない法律案でございまして、その点御不満があるかと思いますけれども、われわれの港湾行政に対する姿勢は以上申し上げたようなことでございますから、これがおしまいではございませんで、それから引き続いて必要なものを漸次国会のほうにも御提案を申し上げて御審議をいただきたいと思っておりますので、御了承をいただきたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 大臣、あなたも在任五年も六年もおやりになるわけにはいかないかもしれませんが、少なくとも一年や一年半ぐらいはおやりになるだろうと思っているのですが、そこで、あなたもしろうとでないのでおわかりだと思うのですが、港湾運送事業は港湾の中身が急速に変わってきているのでつかみにくくて、それで港湾運送事業法の改正は今度は間に合わなかったのだというような補足的なお話がありましたが、たいへん失礼だがそれは認識不足じゃないですか。大体集約体制というものが始まった時期があるんですよ。そこで港湾局はすでにこれに失敗しているんですよ。だから、すでにそういう集約に失敗して——失敗した原因というのは、何回も言うようですが、基本施設と機能施設との間のいわゆる組み合わせというか、そういうものの機能についての検討、研究というのが足りなかったことなんですよ。だからそういう部局が大体手薄なのかもしれませんね。大体土木屋さんと言ったら語弊があるが、港湾構築のほうを専門の人がやっておられるから当然だろうと思うのでありますが、もし御検討いただくなら、あなたにお願いしたいのは、港湾局の中身を少し改めたらどうでしょうかというふうに申し上げたいのであります。  それからもう一つは、総合交通体系というのは絵にかいたもちみたいで——もちよりひどいので、ばらばらに書いたものが政府から出たのでありますが、それでも運輸省では運輸省自体のものを出してきたのです。だから、せめて運輸省の中の港湾局だけぐらいは、一局でありますから、一局でできる仕事ぐらいは総合的に、斉合的に機能させる方向の政策を出してきたらどうだろうかというふうにわれわれ議員どもは思うわけですよ。ちっとも斉合性も総合性もないんですね。ただ、荷物はふえそうだ、計画が小さかったんだなといって、計画が小さいのかむやみやたらに持ってくるのが悪いのか、そういう検討もなしに押しつけられて、港が足りないからひとつよけいつくろうということだけに専念しておるようなことにしか私どもには思えない。いずれにしても港湾内部の機能をもう一ぺん点検してもらいたいと思う。  それから自治省の林行政局長にお尋ねしますが、昭和二十五年に港湾法というのができて、御承知のように中央集権から地方自治体に権限が委譲されて今日まできているわけです。この年月の間にはたして港湾の管理運営というものは成熟したと思うか思わないか、いかがでしょう。  それからもう一つ、時間もないようだから、みんなが急いでおるようだから、港湾財政の確立というのは四十年以来何かやったかどうか、その二つをお答えいただきたい。

林忠雄自治省行政局長

○林(忠)政府委員 お答えいたします。  港湾の事務というのは、たびたびこの委員会でも御指摘を受けましたとおり、地方団体自体が営々としてみずからの生命と同じようにこれを築いてまいったものでございます。法規が地方分権になったからあるいは港湾を中央集権的に処理するからという法規自体の問題ではなくて、港湾は地方団体のまさに生命だと思います。堺、横浜とかあるいは外国でいえばハンブルクというのはまさに港とともに育ってきた町でございます。そういう意味においては、地方自治体の港湾にかける情熱は、港町におきましてはその地方自治体の発展そのものでございます。  そこで、お尋ねの二十五年以降はたして地方自治体が港湾管理に習熟したかどうかという問題でございますが、まさに港と一緒に育ってきたそれぞれの港湾管理者たる地方団体は、その港湾の維持発展に心血を注いでまいったと存じております。具体的にどこの港でどうだというデータは持ち合わせておりませんけれども、まさに港湾自体その団体の生命を注いでまいっており、またそれなりに発展もしてきておると思います。しかし一方、国民経済の伸びはさらにそれを上回る発展があり、荷物量の増加その他もあった。したがって、先ほどお話にもございましたように、経済上流通する荷物の量の増加というのは、地方団体が心血を注いで整備してまいりましたそれをさらに上回って、必要度も高まってきておる、こういうふうに存じておる次第でございます。  それから財政のほうは、実は私の所管ではございません。したがって、地方交付税上その他どれだけのものを配慮したかという数字は実は持ち合わせておりませんけれども、港湾を含めて地方団体全体の財政需要の伸びというものに対して、できる限りの措置をやっておるわけでございますので、交付税の需要算定上その他についても、許された財源のもとにできる限りのものを注いでおるはずでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 財政の問題は所管外でおわかりにならぬということでありますから無理でしょうが、港湾の管理運営については成熟しているという御見解であります。  そこで、港湾局長にお尋ねするのでありますが、港湾の管理というのはどういうことなんでしょう。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○新谷国務大臣 ちょっと私からお答えいたします。  管理ということばをいろいろに使いまして、先般もここでそれはどういう意味だというお尋ねを受けたことがございます。港湾局長は技術の大家でございますが、そのほうはあるいはふえてかと思いますから私からお答えするのです。  一般的に管理といいます場合は、たとえば港湾に対する補助とかそういったものをすべて含めまして通俗的に管理と呼ぶ場合もございます。それから、同じ法律の中でもいろいろ使っておりますけれども、一般的に港湾管理という狭い意味でいいます場合は、これは港湾法にも書いてありますように、港湾というものを建設したりあるいはそれの機能発揮をするような運営をしたりすることを、狭い意味では港湾の管理といっておるのでございます。同じように管理といいましても、一般的通俗的な意味で管理といいます場合はもう少し広く使っておるのでございまして、これは時間がかかりますから申し上げませんが、関係の法律、いろいろな法律がございますから、それをごらんくださいますと、単に港湾だけではございません。他の法律におきましても管理という字を使ってございまして、いま申し上げたような狭い意味と広い意味に使い分けておる例がほかにもございます。でございますから、いまここで港湾法の御審議の上でいっております管理というのは、狭いほうの意味でお考えくださってけっこうじゃないかと思っております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 私は大臣と見解をちょっと異にするのです。ここで議論しお尋ねしておるのは港湾の管理なんです。港湾管理とは何でしょうかと聞いておる。  港湾管理とは、まず港湾から解いていかなければなりません。港湾というのは海陸の結節点で、荷物の流通の地点であるということですね。その荷物を流通させるものはだれかというと、利用する人がいるわけですね。一人で来て一人で出ていくわけではありません。言うならば、港湾の管理というのは港湾の利用ということなんです。てまえどもはそういうふうに考えております。この利用を中心にして港湾の施設、制度をどうしたらいいのか、これを考えていくのが、いわゆる広い意味でというか狭い意味での港湾の管理だと考えていいと思うのです。どうなんでしょう。利用するということが中心なのが管理だと思うのです。利用のない管理なんというものはないんです。たとえばこのマイクならマイクを管理する、利用しないで、単に置くだけの管理というものがあるかもしれませんが、港湾の管理というものは港湾の機能を管理するのですから、これは利用が中心ですね。いかがでしょう。港湾局長お考えになっておるようですが、どうです。あなたがわからなくては困りますよ。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 確かに、先生のおっしゃるように、港湾の管理という意味が利用が前提である、したがって、利用を中心として施設をどうしていくかというような意味ではあるまいかというお説に対しては、先ほど大臣から非常に広い意味と狭い意味とがあるというお話がございましたけれども、少なくともいまおっしゃった範囲においては私はそのとおりだと存じます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 だから港湾の管理というのは、利用を除いて管理という概念は出てこないんですね。ところがこの法律改正では、第一条から港湾の利用の文句が抜けておるんですね。どこに港湾の利用があるか。管理がない。管理がなくて、港湾の構築のほうだけ書いてあるんだな。おもしろい話ですね。主人公がなくて、何か付属的なものが中心になってくる。こまかい法律のことを言っちゃたいへん失礼で、専門家に申しわけないのですが、いかがですか。港湾の利用というものを除いて何の港湾法なんだろうか。この法律の中から港湾の管理という文句を抜いて、そしてここに書いてあるのは、御承知のように力点としては「均衡ある発展に資するため、港湾の秩序ある整備と適正な運営を図るとともに、航路を開発し、」云々、こうなっておるんですね。いまのものは「この法律は、港湾管理者の設立による港湾の開発、利用及び管理の方法を定めることを目的とする。」大体管理者を定めないで、それでいろいろなことをやろうというのではちょっとおかしいのじゃないですか。この辺にこの法律の性格もずいぶん違ってきたと思うのですね。結局、中身を見ると、港務局の法律などはずっと長いこと書いてあります。そういうものはそのままになっておりますね。これはいうと、皇居においてごちそうに出すかやくめしというのがありますが、いろいろなものがたくさん入っている、どれが中心であるかわからぬごちそうがありますが、このかやくめし的法律に改正しようとするのですね。何が中心なんですか。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○新谷国務大臣 法律上の問題になりますと、これはたいへん失礼な答弁になるわけですが、いろいろな公共施設をつくりまして、どの関係の法律でも利用というものを前提としない法律は、そういう施設はないと思うのですね。でございますから、よい港湾をつくって、そしてそれを適正に管理をして、この港湾を利用する人たちによいサービスをしていくということは、これは当然のことであると思います。たとえば、道路にいたしましても鉄道にいたしましても河川にいたしましても、これは公共関係の事業あるいは管理法によりましてそれぞれ目的を書いてございますけれども、おっしゃるように道路というものは一般大衆が利用するのが目的だというようなぐあいには表現はしていないと思うのです。これは表現のしかたに関係するのでございまして、その公共施設というものはいずれも国民が適切にそれを利用されるということを目途といたしまして、それに対応するような施設を整備していくのだというのが公共関係の事業法の、これは概括的にいいますと一般的にそういうふうな書き方をしておるのでございますから、この港湾法でも港湾の利用ということをなぜ書かないかとおっしゃいますが、それはもうそういう公共施設をつくるのには、関係の船とかあるいは関係者がそれを利用する、利用に供するというのがあたりまえなものですから、それでそういう表現をしなかったということでありまして、利用というものを度外視してこの港湾法がすべて組み立てられておるということは、これは私たちも考えておりません。そういう趣旨ではもちろんないと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 おことばですが、私が言っているのは、一般的なことはもちろんそうですが、たとえば、河川法一つとりましても、河川には河川の管理者が指定されますね。あるいは道路では道路の管理者というのがある。これはみんな利用というか、そういうものを前提にして管理者、管理というのがあるのですね。そうだと思うのですよ。いまの法律は、それを前提にして書いているのですよ。ところが、今度のこの法律の改正は「この法律は、交通の発達及び国土の適正な利用」、だから「国土の適正な利用」というのですね。それと「均衡ある発展に資するため、」とあって、何だかわけのわからぬことでありますが、列島改造論に書いてあるように、どうもいろいろめちゃくちゃなところがあるから全体として地ならしをしようではないかというふうにだけこれはとれるわけですね。結局これは、自治権の問題はいままで議論されたとおりでございます。港湾管理者という規定が中に全然ないわけじゃございませんけれども、管理者を設立するという第二条がなくて、管理者の長などがぽっこり出てきて、これはずいぶん法制局も、きょうは法制局呼んでいませんが、ずいぶん法制局というのも間の抜けたことをやっているものだと思っているのですが、こういうことからいって、主人公のないものが国土の「均衡ある発展」とか「利用」なんということを何でいえるのですか。いかがです。ほかに管理というのは何もないのですよ、利用なんですよ。港湾の管理というのは、港湾を利用することが管理の概念なんです。その利用というものを除いて、除いてというのか、管理を除いて利用というものはどこからも出てきませんよ、はっきりいって。いかがです。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○新谷国務大臣 おそらく、現行の港湾法の一条と今度の改正案の一条とを比較して、「利用」という字を現行法では使っておるのに、今度はそれを目的のところで、新たに「港湾の秩序」とか「適正な運営」というふうに改めたから、利用というのが抜けているじゃないか、こういうことじゃないかと思いますが、これは前にもるる御説明をいたしておるわけなんですけれども、港湾の機能が非常に変わってまいりましたので、目的のところでは、これはあなたのおっしゃるように、港湾という公共施設というものは、これは関係者によって効率的に利用されるようにしなければ、そういう設備をつくる必要もないわけでございますから、それはもう言うまでもないということでございまして、今度この法律は何を目ざしているのだ、何を目ざして港湾法は整備されるのだということを第一条の目的のところに書いてあるわけでございます。いままでの港湾が持っておりました「交通の発達及び国土の適正な」云々ということのほかに、港湾につきまして環境の整備をもっと積極的にやらねばいかぬということが、今度は新しく港湾の整備の目的の中に入ってきておりますし、それが予算的にも非常に裏づけをされまして、また一般の港湾関係者の御希望もそこにございまして、ただ単にしゅんせつをしたりパースをつくったりということではなしに、港湾全体を利用しやすいように、環境の整備をはかりながら、地域の発展にも寄与するようにというような意味を十分に含めて目的のところを書きかえよう、そういったものを追加しようということでこの一条の条文ができたわけでございます。ここに利用とか管理とかいうことが入ってないから、この港湾法によって利用、管理がどこへ行ったかわからぬとおっしゃいますが、それはもう当然のことでございますから、そういう字句がなくても、港湾については利用の効率を高めるとか利用しやすいようにするというのは、それがこの港湾法の趣旨である、それはどういう目的に向かっているのだというと、いま書いてありますような目的に向かって集約されて利用されるのだという趣旨なんです。ということをこの前にも申し上げたのですが、そういう点で書き方につきましては多少おっしゃる点と違った感覚をもって書いておりますけれども、趣旨はおっしゃるのと少しも変わってないのでございますから、その点は御了解をいただきたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 御親切な御答弁でございますが、ちょっと了解がいかないのであります。現行の法律は管理者を定めまして、その管理者の手によって御承知のように港湾の開発、利用及び管理の方法をやっていこう、こういうことでありまして、先ほど自治省の行政局長から御答弁があったように、すでに今日では管理については成熟しています、こういうことなんですね。成熟しているものをなぜ改正するのか。改正したい理由は、地方自治体のもとに管理者を置いてそういう開発や利用や管理をまかせておいたのでは、列島改造論にいうところの、あるいは新しく改正しようとするところの「国土の適正な利用と均衡ある発展に資するため」云々というようなことがどうも書きにくい、そうですね。主体を港湾管理者である現行の自治体に置いたのではそういうものを書きにくい、だからこれは改正しよう。だから、これから出てくるところの基本方針並びに基本計画、まあいろいろなものが質問されましたが、そういう矛盾がずっと広がってくる。そうなんですね。だから、言うならばこれは基本的な港湾管理権というか、そういうものの地方分権から中央集権へのいわゆる逆戻りである。そういうものの下地をつくるための法律改正ではないかといわれても、これは当然だと私は思うわけであります。別に私は中央集権がいいか分権がいいかということについて論評は加えないにしても、そういうふうにとられてもやむを得ないんじゃないですか。  しかも、いままでの質疑から見ても、来年になったらまた改正するというような答弁をしているのですね。近々改正しますと言う。来年になって改正するようなものをなぜあわててやるのだろうかということですよ。  それから前段私が申し上げたように、固定機能施設と基本施設との関係、あるいはこれからの港湾施設の整備の方式、そういうものも検討しなければならぬのですね。いまのようなままで政府当局はいいのかもしれませんけれども、公団あるいは公社あるいは特殊会社、そういうふうなものでやっていっていいと思っているかもしれませんが、これはとんでもない話なんですね。そういうことになりますと、特定な者に海岸なり港湾を切り売りするというかっこうになってくる。だから根底から、いわゆる公有物としての港湾の性格からずっともう変わってきてしまうということなんです。変わることがいいか悪いかはいまは論評を加えません。加えませんが、そういうふうになってくるのじゃありませんか。港湾局長、こういう重大な法案を一挙に押し通そうなんということは、これはちょっとず太いんじゃないかと私は思うのですよ。なぜこういうことを考えたのか。田中総理からの厳命によってこれはやっているのかもしれませんけれども、これはとんでもない話だ。せっかく何回も御答弁いただいているのでありますが、これは自治権の侵害というか、やはり中央集権の柱、土台でありまして、いまの管理者はいわゆる法律の体系上からは消えていくということです。そういうことですね。しかも、財源については何らの手当てもしないでいるのです。財源というのは大体が国で持っていく、基本方針といっても、あとから質問しますが、これも抽象的なことではなくて具体的になってきます。御答弁は、抽象的なことでございます、こう言っているが、これは具体的にならざるを得ないのですな。特に流通港湾をつくるとか拠点港湾をつくるとかいうことは、対象にならざるを得ないです。だからそうなると、中央で全部コントロールしていく、そういう実権を取ろうという遠謀を持った法案改正だと私は思うのだが、いかがでしょう。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○新谷国務大臣 たびたび御質問を受けた問題でございますから、あらためての御答弁は簡単にいたしますが、地方自治体の権限を中央に集中しようというような考えは、この港湾法に関する限りは毛頭持っておりません。それは、るる申し上げましたが、少し考え過ぎておられるのじゃないかと思うのですけれども、たとえば、基本方針というものにつきましても、これは全国の港湾についての一般的抽象的な港湾はこういうふうにあってほしいという方針をきめまして、それに基づいて各港湾管理者がそれぞれ具体的な港湾の計画を自分できめて、そして運輸省のほうに持ってきてもらう。その間に意見の違う点があれば、法律に書いてありますようないろいろの方法によって意見の調整をはかりまして、日本全体の港湾というものから見ましても適正なものであり、地方自治の上からいいましても必要な港湾計画というものなきめまして、それを実行してもらうという態度でおりますことはるる申し上げたとおりでございすして、地方の自治権というものをこれによって縮小しようという考えは毛頭持っておりません。  のみならず、今度の法案をごらんくださいますとわかりますように、予算措置を講じましてさっき申し上げたような港湾の環境整備等につきましていろいろな新しい施設を計画いたしておりますが、これはいずれも中央——中央といいますか運輸省がみずからやるのではありません。いずれも港湾管理者を通じまして、港湾管理者の計画によってこれを行なわせるという方法をとっておるものでありますから、それをごらんになりましても、いまおっしゃったような意図はないので、お考え過ぎがあるのじゃないか、私はそう想像するのでありますけれども、そういう御心配をしていただかないように希望する次第でございまして、われわれはそんな方針は少しも持っておりませんということをあらためて申し上げておきます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 法案の上では自治権を侵害するようなことは毛頭ない、また運輸省としても政府としても考えておらないという言明でございますが、言明の限りにおいてはそのとおりですね。しかし法律は一ぺん書くとそのまま動いていくのですよ。大臣はかわりますから、未来永劫新谷運輸大臣でおられるわけではないし、行く行くは総理大臣にもおなりになるか知りませんけれども、いままでいろいろありましたように、たとえばこの基本方針にしても、この基本方針にはどういうことを書くのですか。次のようなことを書くというのでしょう。たとえば、この中で「港湾の開発、利用及び保全の方向に関する事項」あるいは「港湾の配置、機能及び能力に関する基本的な事項」云々、そして最後に第三項では、「基本方針は、交通体系の整備、国土の適正な利用及び均衡ある発展並びに国民の福祉の向上のため果たすべき港湾及び開発保全航路の役割を考慮して定めるものとする。」こう書いてあるのですね。これはみんな中身を割っていけば抽象的ではおさまらない問題ですよ。たとえば港湾の配置について基本方針において書くというのですが、この間もあなたは答弁していましたね。北関東に流通拠点港湾をつくるのだ、私の構想だが、こういう話ですが、これは絶対に反対だ。地元としては反対だが、ぼくらの構想を持ってきたから、粗末なものですが、これを置いていきますからあとで読んでください。まあ、いずれにしてもそういう考えていること自体を表面にあらわさなければ基本方針にならないのじゃないですか。北関東一つとっても、北関東一帯の三県に対する物資の流通について、内陸では飽和状態である、だからどこかに穴をあけなければならぬ、幸い水戸の射爆場返還に伴う三百六十万坪という広大な土地は、地主は国という一つのものである。これに目をつけていけばいいのじゃないかというようなことで構想を立てた。結局その理由としては東京湾がパンクしますという——パンクするというのは、さっき言ったとおり固定基本施設と機能施設との関係がちっとも改善されていないからパンクするわけです。それともう一つは、御承知のようにGNP中心でやってきた高度経済成長のために、あり余る資源ではないのに、資源をどんどん持ってくるということなんです。産業計画会議からも注意されておるように、もはや資源には限界があるということなんだが、経済社会基本計画の中身を見ると、御承知のように、たしか五カ年計画はいま一兆五千五百億ですね。地方のも入れて大体二兆一千億ぐらいです。ところが今度はこの基本計画からいきますと、港湾でいくというと幾らになりますか。三兆一千億ですね。倍ですね、五年間で三兆一千億ですから。結局五年間で倍だというのは、貨物の量が倍だというふうに算定をしておるわけです、この基本計画では。貨物が倍になる、いわゆる輸入を中心にした資源が倍だけ占める余裕と——われわれはそういうものに対する矛盾というものがないのかどうかということが問題になる。そういう検討がないのに、この基本計画が出てきて、そしてそれに合わせる、先行するために港湾法の改正ということになるのですよ。だから、そこから結局基本方針なんといういいかげんな表現でありますが、中身は具体的になってくるのです。そうでしょう。北関東の流通港湾というのはどこへつくるつもりなんですか。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 ただいまの北関東の流通港湾というのをどこにつくる考えかという御質問に対して、私どもまだ全くきめておりません。はっきり申しますれば、その候補地の一つとして、水戸の射爆場あとというのが候補地の一つとしてあがっていることは事実でございます。日立港から大洗港にかけてのあの地域あたりを考えたらどうであろうかという考え方でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 それからもう一つは、貨物の量が倍になるということについての見通しはどういうふうに考えていますか。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 貨物量の想定につきましては、私どもやはり国として、政府としてきめた経済計画というものをベースにして考える立場でございますので、先生のおっしゃったような考え方で、貨物量が増加していくということを、経済社会基本計画をベースにして考えておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 運輸大臣いまのお話のとおり、この経済社会基本計画ですね、これはやはり練り直しの段階に来ておると思うのですね。この国会を通してもたくさん議論がされておりますし、現実にいま問題がたくさんあります。しかもこの産業計画会議から提言として産業構造の改革というのが出て、大臣のところにもいっておると思うのですね。この中でいっておることは、資源消費の伸び率は世界全体で年五%、鉱工業の伸びはGNPの伸び率よりは低いのが世界的なパターンだ、こういっておるのですね。それに反して日本は、この十年間反対の方向に大きく——一九六二年から七〇年のGNPの伸びは一一%だというのですよ。鉱工業の生産の伸び率は一四%。この間の資源の消費の伸び率というのは、輸入の伸び率は平均二〇%だというのですね。七年間で約三・五%。これから十年で五倍以上になる。それは世界の四分の一の輸入量である。こういうのです。そんなことを考えられるはずはないのじゃないかと言っておるのだな。そういうものに全然耳をかさないでこの計画を進めることについて私は警告を発せざるを得ないのであります。しかも、いまこの中で第一条でいうことは、この計画をつくるということは基本計画ばかりではなくて、今度は具体的に基本方針から基本計画をつくるということですね。この法律がたとえば通ったらば、ことしじゅうにやって、来年の、いわゆるこの基本計画に基づいたところの五カ年計画に合わせるわけですか。局長。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○新谷国務大臣 経済社会基本計画との関連でございますが、政府といたしましては、そういうふうな基本的な一つのパターンを目標にいたしまして、すべての公共事業につきましてそれに対応するような予算措置を講じ、それに対応するような措置をとっておることは言うまでもございません。しかし、この問題につきましては、予算委員会で総理からも、まだ本格的に国際通貨の問題も決定をいたしておりませんから、そういうのがもう少し落ちついて、そういう国際為替相場の問題も見きわめがつきました段階におきまして必要とあれば予算の補正もいたしましょうということを申しておったのでございますが、この問題につきましても、経済社会基本計画が若干修正されるかもしれませんから、それに対応いたしまして港湾計画その他の公共事業の設備につきましても、これは考え直さなければならぬ段階が、その時点において来るかもしれませんが、いまはまだその時期ではございません。この既定方針でやりましてそういう事態が起こりました場合に国全体として再検討をするということになると考えております。それは予算委員会におきまして総理が御答弁を申し上げたとおりでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 港湾局長に聞きますが、この間の答弁の中で、いまは大体特定重要港湾、重要港湾、地方港湾、こういう港湾の種類というか形態、補助率の形態でやっておるが、これからその分類のしかたを変えていこうという考えである、そういう答弁をしておりますけれども、それはそのとおりでありますか。もしもそうだとするならば、一々おあげになった港湾の性格について説明してほしい。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 確かにいま現行法で港湾の種別、港格と申しますか、の指定がございます。これに対してこのままでいいのか、あるいはこれを直すべきなのか。いわゆるいまの港格が補助体系と非常に密着した体系でございます。したがって、こういうものを改めるべきなのか、そこの点に一つの検討しなければならぬ問題点が含まれておると思います。  それからこういう港湾の整備というものを考えます場合に、いわゆる港湾の性格別に分類したものという分類のしかたもある。したがって、これをどういうふうにこれから考えていくかということについては、まだ十分な検討の結果を得ておるところではございません。ただ必要であればそういう問題についても改正をするということも考えなければいかぬのではなかろうかという考え方でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 ところが、この間もあなたからの話があるとおり、たとえば、北関東に流通港湾をつくるのだ、流通でない港湾というのはあるのかね。港湾というのはそこを通って出たり入ったりするんだ。だからその限りにおいては流通だ。特別のことばを発見したので、北関東では流通港湾というのは付近の住民には何ら関係のないものだと思って安心しているかもしれぬ。ぜひ説明してほしい。流通港湾とは何だ。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 港湾の性格にはいろいろな性格があることは、事実でございます。たとえば・レクリエーションを主体にした港湾であるとか、あるいはいま申しましたように、流通を主体にした港湾であるとか、いろいろの考え方がございます。貨物の流通を主体にした考え方、しかも流通港湾といっております中で、内航海運のネットワークというものと結びついた、内航の貨物に応じた拠点の港湾というものを流通拠点港湾として、いろいろの計画で説明をして使っておるという実例がございます。そういうような意味で、特に厳密な意味での流通港湾という意味はまだございませんが、一応貨物の流通のためを主として考えておる港湾であるというふうに、御理解いただきたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 私はいまの御説明でおおよそ考えていることはわかったけれども、実際にそういう港湾の形態を考えること自体ばかばかしい話だと思うのですね。この港湾はこんな顔をしている港湾だ、この港湾はこんなに小さいのだとか大きいのだとかいう区別はあるけれども、中身まで規制する港湾は、これは一つは自治権侵害もはなはだしい。だから、総合的にこれは流通港湾であろうが、拠点港湾であろうが、名前をどうつけようが、それに終わるものではないのですよ。それが時代の趨勢であることは、すでに横浜一つ見てもわかるでしょう。東京を見てもわかるでしょう。横浜はまず第一に商業港としてできてきたのだ。いまはどんな港湾になっているか。いまこれは何港湾というのですか。あなたのおっしゃるパターンから見れば、どういう部類に入りますか。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 先生の御説のとおりでございまして、一つの港を流通港湾であるとか、あるいは工業港であるとか、レクリエーション港湾であるとかいう、一つの性格にぴしっと分けることは、非常に困難な点が多々ございます。確かに横浜港というものを取り上げれば、あれは商港であり、あるいは工業港である、そういういろいろな性格を持っております。したがってそういうもので一律に顔をきめてしまうという考え方ではなくて、そういうような性格の港湾の要素をどこかに何か考えていく必要があるのではなかろうかという意味で、私ども言っているところでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 それは関係者の、言うならば遊戯でありますよ。そういう遊戯であります。そういうものをもてあそぶことによって、地域住民は大きな迷惑をこうむる。しかも、地方自治権はそれで制約される。とんでもない話だ。だから、これはもう少し検討を要することだと私は思っております。  それからもう一つ、これに関連して言うのですが、港湾の開発についてであります。私の選挙区に鹿島港がある。まだ未完成ではあるが、すでにいろいろな問題が起きている。これの臨港地帯におけるところの処理についてだれが責任を持つのか、まず聞きたい。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 いま先生のおっしゃいました臨港地帯において——どういう意味でございましょうか。御質問の意味がよくわかりませんでした。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 たとえばサンドイッチ地帯といわれる、三方を化学コンビナートに囲まれて、海のほうは埋め立てでやられておる。そこでいままさにゴーストタウン的なものが残っている鹿島神栖の、これは奥野谷浜の南部地区ですね。そういうものをこのまま残していくという考えが地元の知事にある。これはとんでもない話だと思う。地域住民から見れば、臨港地帯のために土地も提供した。ところが、残った土地はゴーストタウン化していくということであっていいのかどうか。こういう問題の解決こそ、いま望まれているのではないでしょうか。いかがでしょう。

岡部保運輸省港湾局長

○岡部政府委員 先生のおっしゃるとおりだと存じます。したがって、鹿島港につきましては港湾管理者が県でございまして、管理者の長が県知事でございます。したがって、県の施策としてああいう港をどういうふうな計画にもっていくべきかという点についていろいろ検討もされておるようでございますし、その計画をこれから推進していくという必要があるかと存じます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 いずれにしても、これはなるほど港湾管理者が地元の知事であるというかもしらぬ。しかしこの構築というか計画というか、そういうものにタッチした責任者は、いままさにこの法律を変えようとする運輸省そのものにもあるわけですね。そういうものに対して是正を求めていくことが、いま一番大事な法律の改正なんです。もう一ぺん御答弁願いたいが、これはどうするつもりであるか。いかがです。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○新谷国務大臣 局長から御答弁申し上げましたように、先ほども御指摘がありました港湾管理者は地方自治団体の長でございまして、鹿島港につきましても茨城県知事が港湾管理者になっているはずでございます。港湾管理者がその計画をきめて運輸省に出してくるわけなんですが、そのときにはおそらく県議会にかけまして承認も得ているはずでございます。地域住民の方々の利害につきましては、県議会を通じまして具体的に十分に反映しているものと思っております。運輸省は、全体計画の中で、あるいは港湾のあり方という点におきまして、致命的にどうしてもこれは変えてもらわなければならぬという問題につきましては、両方で協議をいたしまして調整をはかるような措置を講じることはもちろんでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、そうでない限りは、できるだけ港湾管理者の意見を尊重し、地域住民の利益を守るという方向につきましては同じでございますから、運輸省といたしましてももちろん最終責任はございます、ございますけれども、その責任というものは、港湾管理者の立ててきた計画をできるだけ尊重し、そして地域の住民の利益も守るという意味におきまして責任があるわけでございますから、その点は運輸省が独走しているわけじゃないということにつきまして御理解をいただきたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 独走しているわけじゃないですけれども、進めさせたところの計画からそういう矛盾が出てきているのです。だから、この責任はどうするかということを、私は解決を迫るわけですよ。  それからもう一つ、これを計画した場合には地元の意見も聞いている。県議会の意見も聞いている。なるほど、県議会なりあるいは市町村の議会の決議というか意見、そういうものを聞けば、形式的には地元の意見を聞いたというふうにはなるのかもしれません。しかし大臣、いま政治はそういうものでおさまるとあなたは思っておいでになるはずはないと思うのですね。地元の意見というものはそんなものだというふうにお考えではないと思うのですね。地域住民の問題は、もちろん議会に反映されることは当然であります。それ以上に、生活に密着した問題はそれだけでは足りないということなんです。それを考えないで推し進める政治は、これはファッショにつながる。そういうものを考えていかないでは、この際たいへんなことになると私は思うのですね。だから、その点、いかがですか。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○新谷国務大臣 われわれが国民の方々の一人一人の意見を聞くということは、実際上これはできないのでございまして、そのためには地方の住民の方々の意見を代表しておられる地方自治体というものを通じまして意見を聞くのは当然のことであると思います。しかし今度の港湾法に関係する問題につきましては、制度上港湾管理者というものが地方自治体の長でございまして、その方が計画をすべてお立てになりまして、これならば地域のためにもいいし、住民のためにもいいんだということで計画を届けておられるわけでございますから、そのやり方がどうしてもまずかったとか結果がまずかったということが明らかでありますれば、さっき言いましたように、われわれも意見を述べまして調整の措置は講じますけれども、一般的にいいまして、やはり港湾管理者がそういう計画をおきめになるときには、地方の利益、利害関係というものを十分に代表しておきめになっているということを考えざるを得ないのでありまして、その方法も悪いということになりますと、地域住民の意見を聞く方法はないと思います。でありますから、これは他の公害問題にも関係するわけでありますけれども、私どもは地方自治体の意見というものを最大限に尊重いたしまして、それが地方住民の御意見であるというふうに考えて処理せざるを得ないということを申し上げまして、御了解をいただきたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 いまの話ですが、なるほど形式的にはそのとおりなんですよ。中身について問題が出てくる場合が多いんです。それを指導するのが運輸省なり政府というものである。われわれはそう考えている。だから、開発を進めてきたところの鹿島港の問題についても、われ関せずえんでいること自体これは問題があるということですね。  それから次に申し上げますが、射爆場あと地の問題であります。いま一番問題なのは、日本は四面海に囲まれてたいへんいい国であるというふうにいわれてきた。ところがいま静かに考えてみれば、なるほど海には囲まれているが、汚染された海に囲まれているという感じを持つのが最近の実態ではなかろうかと思うのであります。そこで、特に鹿島灘一帯に生活する地元住民から見れば、北は福島から茨城の南部一帯にかけて油玉の漂流一つとっても問題がある。そういうものをそのまま放置しておいて、たった一つ残っているきれいな海岸をこれまた流通港湾にしてよごしていこうというがごときは、断じてやるべきではないと思うのでありますね。海岸保全についてどういうふうに考えておられるか、御答弁いただきたい。   〔発言する者あり〕

井原岸高自由民主党

○井原委員長 お静かに願います。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○新谷国務大臣 海岸の汚染問題につきましては港湾法もございますし、公有水面埋立法というような関係の法律もございまして、環境の保持に対しましては御承知のように最大限の注意を払って政府は対処しているのでございます。  水戸の射爆場あとという具体的な問題につきましては政府委員から答弁をさせますけれども、まだその問題は関係各省の間でもきまっているとは聞いておりません。  それから流通港湾とかいろいろいわれますが、これは法律上そういうふうに性格づけまして特別の措置をしているわけではないのでありまして、先ほど政府委員のほうからも申しましたように、すべての港湾がいろいろな機能を備えていることは当然でございます。ただ一般的に、たとえば学者の方々との関係の方々が、これは流通港湾のような性格を一番多く持っているのじゃないかとかいろいろそういう意味の分類をされますので、これはきわめて通俗的な意味でお考えを願ったほうがいいのではないかと思います。法律上格づけをして、これは流通港湾だから流通だけをやっているんだとか、そういった港湾はおそらく日本にはないと思います。あらゆる機能を持っているのがあたりまえでございます。ただその場所柄によりまして、その地理的な関係からそういう機能を一番たくさん持っている港湾である、これはどういう機能をたくさん持っている港湾であるということは、これは自然結果的に裏づけされてくる問題でございますから、流通港湾、流通港湾ということであまり——北関東地区における流通港湾をどうするかというような問題をお考えくださいますときに、流通港湾の必要なことはもちろんであります。どこかにそういったものがないと、東京湾も詰まっておりますから、物資輸送上非常に困るのです。しかしどこに置くか、これは関係各省の間で検討中でございますから、いまのお話の水戸に流通港湾を置くのだということを前提にしてのいろいろな御心配は、この際はまだ時期が少し早いのでございまして、われわれも真剣にその問題につきましては検討を進めている状況だということで御了解をいただきたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 港湾をたくさんつくるかどうかの問題は、さっき申し上げたいわゆる資源をどこまで輸入してくるか、経済成長をどこまでやっていくかという問題が前提になると思うのです。いま御説明がありましたのはこれまでのやり方である。高度成長経済政策というか、そういうものを前提にした伸び率を土台にして、いわゆる五年間に二倍の荷物をはくのにはどうしたらいいか、こういうことになると思うのです。なるほどそれも一つの見当かしらぬ。私はそれもそうあるべきではないとは思いますよ。資源の問題というものはそうあるべきではない。しかしそれにしても、いまたとえば物的な流通の内面を見ても、交錯流通というものがどのくらいあるか港湾局長知っておりますか。交錯的に輸送されているもの、こういうものを整理しただけでもずいぶん違うですよ。よろしゅうございますか。そういうものを整理することが先決なんでありまして、それを整理しないで資源は使いっぱなし、国土も使いっぱなしということでは、残念ながらわれわれは承服しかねるということですね。こういうものの検討をだれがしているのか知りませんが、やっておりますかどうか、一言お答えいただきたい。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○新谷国務大臣 港湾がいまお話しのような点で非常に重大な役目をしていることは言うまでもございませんが、先ほど申し上げましたように、私どもの港湾計画は、一応はこの五カ年間に対しまして経済社会基本方針にのっとりまして計画をしておることは事実でございます。しかし先ほども申し上げましたように、世界経済というものは非常に流動性がございまして、動いてまいるかもしれません。その場合にはそれに対応した措置を講じますということを総理も言っておりますから、もちろんその場合には港湾にも影響があると思っておるのでございます。のみならず、私から申し上げるまでもございませんが、この世界の経済というものは、そんなに十年間、二十年間先を見通して、固定した形でもって考えられるものではないと思います。たとえば、同じ品物にいたしましても、西から入ってくるものもあるし東から入ってくるものもある。それがときに応じまして、今度は東からのほうが多くなってきた、あるいは西からのほうが多くなってきたというようなことになりますと、港湾の機能というものも変わってくるはずでございます。しかしそういったことにつきましては、世界経済の変動に応じましてできるだけ間違いないと思われるような見通しを立てまして、その上で港湾というものについても考えなければならぬことは言うまでもないのでございます。私たちは微力でありますけれども、そういう世界の経済の動き、その中における日本経済の動きというものを考えながら、港湾の整備を実際の経済の動きに負けないといいますか、それにおくれをとらないように、それに対応するような政策を早くとりまして、その施設の整備を進めていこうというのが港湾の計画でございます。その点は十分御承知の上で御質問になっていると思うのですけれども、われわれもそういう点について十分注意をしながらやりますから、御承知を願いたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 時間がないそうでありますから簡単にお答えいただきたいのでありますが、私が言いたいのは、運輸省だけでできる仕事といったら総合交通体系の中で、陸海空全体の中で交錯輸送がずいぶんある。お述べになったような事態もあるかもしれません。しかしそれはごく一部だと私は思うのですよ。交錯輸送は何のためにできているか、この間摘発されました、たとえば米の買い占めとかいろんな問題がありますね。そういうもののためにもできてくる世の中になってきているのですよ。だからそういうことをしさいに検討して、まず第一に、有効に資源を使うということを先に考えてほしいと思うのです。単にふくれ上がったからこれはつくらなければならぬ、どうしたらいいだろうかということだけであっては困ると思うのです。最後に環境整備あるいは港湾の公害の問題でありますが、そういうものについて今度新しくやろうというのですが、それぞれのいわゆる所管庁があるわけですね。港湾局自体として、今度の法案では、いままである環境庁のやる仕事、たとえば港湾の汚濁なんというのは、これに流れ込むところの河川あるいは臨港地帯における工場、そういうものの規制がきちっとできれば、まず一つはできる。そうでしょう。河川法の関係でもこれは規制できる。この規制ができないのは、いまたまっている、たとえば港湾の中にあるヘドロの除去の問題等が出てくる。どれをやろうとしておるのですか。港湾局ではどれをやろうとしておるのか、それをひとつお聞かせいただきたい。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○新谷国務大臣 港湾の汚染の問題は非常に関係する官庁が多いのでございまして、これにつきましては建設省もございますし、その原因である工場ということを考えますと通産省がありますし、あるいは農林省もあると思います。またその基準についていろいろ注意をされ、きめられるのは環境庁ではないかと思いますが、とにかく関係省が非常に多いわけです。その関係省の間でこれは絶えず相談をいたしておりまして、これは手をつけるのが非常におそくなりましたが、おくれながらただいま港湾のそういう公害の防止に対しまして関係省が力を合わせて一つ一つ処理を進めておる際でございます。運輸省の港湾局で所管しております問題は、港湾における汚泥のしゅんせつとかあるいは埋め立てとかいう問題と、港湾におけるいろいろの廃棄物等の処理の問題でございまして、これは港湾局が責任を負って処理をするということで、いま懸命に各港湾におきまして具体的な処理を進めておるわけでございます。それから港湾における油の処理、これも港湾局が関係をいたしております。そのほかこれからいろいろの問題が出てくると思います。それに対しましては関係各省庁の間で協議をいたしまして、それぞれ協力をしながらそういう港湾の公害というものを防止し、それからできております公害につきましてはそれを除去するための最大限の努力をしなければならぬと思っておる次第であります。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 この法案の改正についての調整は環境庁並びに建設省河川局ですね、そういうところとはできているのかどうか、おいででありましたならばお答えいただきたい。調整ができているのかどうか。

川田陽吉建設省河川局次長

○川田政府委員 お答え申し上げます。  事前に十分港湾局とお打ち合わせを済ませております。

三喜田龍次環境庁企画調整局企画調整課長

○三喜田説明員 環境庁といたしましては、港湾法の改正に関しましては十分環境保全の措置がとられるように調整いたしたところでございます。また、日常の環境保全業務につきましても常時調整をとっております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 いまの答弁は形式的な答弁とは聞いておりませんから、よく御承知おきを願いたいと思うのであります。  いずれにしましても、もう時間のようでありますから終わりますが、いま一時間ほどやりました質問の中でも、あまりいい答弁は出てきませんね。私の質問がへたなのか答弁がじょうずなのかわかりませんが、これは問題の多い法案でありますから、われわれは、出直すことを最後に希望し七質問を終わります。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。小此木彦三郎君。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員 私は自由民主党を代表して、本案に対し賛成の討論を行なうものであります。  今回、政府から提案されました港湾法等の改正法案は、現行の港湾法が、昭和二十五年に制定された法律でありますので、現在、社会的に重大となっております公害防止等の港湾の環境の保全の問題とか国民の福祉のための港湾の秩序ある整備という問題について配慮が十分でないという認識に立って改正を行なおうとするものでありまして、私は、その趣旨につきまして、まず第一に賛意を表明するものであります。  次に、本改正案の内容につきまして賛成の理由を申し上げます。  第一に、本案は、港湾の環境の保全という問題を港湾行政の前面に大きく打ち出していることであります。  すなわち、港湾の環境の保全をはかるため、港湾管理者の業務として、水域の清掃、廃船の除去、廃棄物埋め立て護岸等の管理運営などを明示する一方、緑地等の港湾環境整備施設を港湾施設として追加いたしますとともに、これらの港湾施設の建設等に要する費用について国が補助することといたしております。また、港湾の環境の整備のために行なう港湾工事に要する費用につきましては、港湾管理者は、一定の事業者から環境整備負担金を徴収し得ることといたしているのであります。最近における港湾の環境悪化の実情を考えますとき、まことに時宜に適した改正であると存じます。  第二に、本案は、港湾管理者が定めます港湾計画の内容の充実をはかるため、運輸大臣が港湾に関する基本方針を定めることとし、港湾計画は、この基本方針に適合するほか、運輸省令で定める一定の基準に適合したものでなければならないことといたし、また、地方港湾審議会の制度を新設する等、現行法第四十八条の港湾計画の審査の規定を充実整備いたしているのであります。  本問題につきましては、このような法改正が自治権の侵害ではないかとの論議が野党委員の間にあったのでありますが、私どもといたしましては、運輸行政の全般を担当している運輸大臣が、交通体系の整備、国土の適正な利用と均衡ある発展及び国民福祉の向上のため果たすべき港湾の役割りを考慮して基本方針を定めますことは、重要港湾の整備の正しい方向づけを与えるものとして当然であり、いままでも実際に港湾の計画書ということで、おおむね、そのように実施されておりますことを、今回の改正で法文の上で明らかにしたものでありますので、港湾管理者である地方公共団体の自治権ないしは自由採量権を決して侵害するものではないと考えるものであります。  第三に、本案は、開発保全航路に関する規定、港湾の施設についての技術上の基準に関する規定、広域的かつ総合的な港湾の管理運営をはかるための港湾管理者の協議会に関する規定、最近におけるプレジャーボートの普及発達に対処してのマリーナ等の港湾の施設の安全の確保をはかるため港湾行政上懸案となっていた諸問題の解決のほか、現在の時代に即応する法文の整備、明確化のための法改正がなされており、これらは、いずれも現時点においては、まことに適切なものと考えられます。  特に港湾管理者の協議会に関する規定は、先進諸国にあってわが国にないポートオーソリティー設置への一歩前進とも思われますので、早急なその実現を強く要望するものであります。  最後に、本案は、瀬戸内などで従来から強く要望されていた油防除資材の備えつけを義務づけており、また海洋汚染防除事業を港湾整備事業として国が海洋汚染防除に対してさらに積極的な姿勢を明確にいたしております。また、このことは現状から考えましてきわめて妥当なことと考えるものであります。  以上、本改正案についての賛成の理由を申し上げ、本案に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)

井原岸高自由民主党

○井原委員長 金瀬俊雄君。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、港湾法等の一部を改正する法律案に対し反対の意見を表明いたします。  反対の第一の理由は、地方公共団体の自治権の侵害についてであります。  現行の港湾法は昭和二十五年に制定されましたが、この港湾法は憲法や地方自治法の精神に基づいて住民の意思を尊重する立場から、港湾計画の立案権は地方自治体の港湾管理者にあることを明確にいたしております。すなわち、国民経済に重要な位置を占める港湾の管理は、地方公共団体の国有の事務として住民の意思の尊重を第一義として今日まで発展してきたものでございます。  港湾の開発、管理、運営は地方自治体の都市政策と一体のものであり、地方自治権の尊重は当然のことであり、港湾法の重要な柱といわなければなりません。  しかるに、今回の改正案によりますと、国が港湾の基本計画をつくり、これを管理者に強制することによって大幅に自治体の主体性を制限しようとするものであり、このことは港湾行政の基本理念に逆行するものであり、改正ではなく改悪といわなければなりません。民主主義は住民自治がその基盤でなければなりません。中央集権体制によって行政の一元化、あるいは官僚統制のみをはかる政治の弊害はすでにわれわれにとって体験済みのことでございます。田中総理の列島改造論に見られる考え方もまたこの中央支配による天下りの開発計画であり、港湾法の改正もその一環であると考えざるを得ません。今回の改正案の底に流れるこうした運輸当局の根本的な考え方に、私はまず強く反対するものであります。  田中総理は参議院の予算委員会において日本列島改造論の失敗を認め、真の福祉を確保するために、観点を切りかえて、第二巻をまとめたいと発言されたそうでございます。あやまちを改むるにはばかることなく、いまからでも決しておそくはございません。本改正案は地方自治の尊重、国民の福祉の立場から再考を求めるものであります。  反対の理由の第二は、今回の改正案は、第一条の目的である「港湾の秩序ある整備と適正な運営をはかる」ためと称して国の権限を強化した点に主たる目的があると思われます。  しかし、時代の変化に対応し、その重要な任務を果たすための港湾整備にとって重要な課題は、それに要する巨額の費用であります。港湾行政における自治体の自治権を尊重した上で、十分な国の財政補助をはかるほか、適正な特定財源の処置をすることがいま最も必要なことでございます。  運輸大臣は委員会の審議の過程で、公共的見地から国がすべての責任を持った立場で改正したと繰り返し説明されましたが、港湾への財政補助体系の確立、適正妥当な補助率の策定、それが大きな国の責任であると思うのでございます。しかるに、本改正案は環境整備に若干の補助対象を追加したにとどまり、従来と比較して全く前進も進歩も見られないものでございます。現に、大臣や局長もこの点を認めて、今回は間に合わなかったので検討を急ぎ次回にお願いしたいと答えているが、なぜこのような重要な問題をあと回しにして、小手先の改正によって国の権限の強化だけを先取りしようとするのか、はなはだ理解に苦しむところでございます。いわゆる、口ばかり出して金は出さない、非民主的なそういう行政のあり方は許されてはなりません。  反対の第三の理由は、港湾の公害防止や環境の保全をうたっておりますが、その具体的な政策がきわめて不明確であることであります。  今回の法改正によりますと、環境の保全のためと称する幾つかの新しい措置が見られます。しかし、この措置によって海の汚濁を防ぎ公害を除去し得る効果があるかどうかはなはだ疑問であり、全く不十分であります。たとえば、水域の清掃、廃船の除去あるいは廃棄物、埋め立て護岸の管理、運営等を港湾管理者の業務として明らかにしているが、これで一体どれほどの効果をあげることができるでしょうか。よごれた海の廃棄物等を取り除く作業は、いわば清掃局の業務に似たものでありまして、根本的な海洋汚濁の防止対策になり得ないことは言うまでもありません。  港湾なり海岸汚染の最大の原因は、港湾と結びついた臨海工場からの工場排水、河川からの工場廃液、港湾に入る船舶からの廃油等の不法投棄等でございます。したがってこの防除のためには、公害関係の諸法規によって発生源の規制を中心とする各種の対策を講ずべきことはもちろんであるが、河川管理者や都市下水の管理責任者に対しても、法律上の強力な発言権を持つことが必要であると考えます。  また多発する油の流出事故に対処するため、港湾関係者に薬品、オイルフェンス等の油害防止材の備えつけを義務づけていますが、運輸省が想定する程度のものでは、現在のように油が大量に流れ出す事故が多くなった場合、事故発生率の高い夜間や風の強い日には役に立たないものであり、実際の効果があがるかどうか、はなはだ疑問でございます。特にこの油の流出は漁業関係者に大きな被害を与えるものであり、その防止と処理にはより慎重かつ強力な対策が必要です。  港湾行政を考えてみますと、そこを働く職場としておる労働者、生活の場としている漁民に対する配慮が全く感じられません。さきの海上交通安全法にいたしましても、この七月一日の施行を控えた現在、法案通過の付帯条件はいまだ実施されておりません。本改正案におきましても、たとえば、東京湾における新しい航路のしゅんせつ、開発保全航路等が計画されていますが、これは場合によっては海を生産の場としている漁民の死活問題にもなります。小さな漁船をあやつって暮らしを立てている漁民は、東京湾だけでも一万六千人にも及んでおります。危険が一ぱいの海に働く漁民にとっても、港湾を職場とする労働者にとっても、海を汚染された上、港湾整備と称するさまざまな法改正が説明も説得もなく次々と打ち出されては不安を増すばかりでございます。この点、十分な配慮を強く要請いたします。  歴代の政府の進めてまいりました高度経済成長政策の中で輸出入の拠点としての港湾はその重要な役目を果たしてきましたが、同時にまた生産至上主義による公害、たれ流しの被害は、港湾を中心として、日本列島を取り巻く海全域にわたっており、海の荒廃と汚濁は、いまや根本的な政策の転換を求めています。  政府は小細工に近い一片の糊塗政策をやめて、重ねて申し上げますが、憲法や地方自治の精神を生かし、住民の意思を尊重する総合的かつ抜本的な港湾対策を真剣に考慮すべきでございます。  以上申し上げましたが、ますます公共性を失い、大企業に奉仕する本改正案に対し、撤回を要求いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)

井原岸高自由民主党

○井原委員長 紺野与次郎君。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、港湾法等の一部を改正する法律案に対し……   〔発言する者あり〕

井原岸高自由民主党

○井原委員長 お静かに願います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 断固反対する立場から討論を行なうものであります。  まず第一に、本法改正案のねらいは、国土総合開発、工業再配置など、田中内閣が実行しようとしている大資本本位の高度成長のための日本列島改造論の海洋港湾版であり……   〔発言する者あり〕

井原岸高自由民主党

○井原委員長 お静かに願います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 国土総合開発を促進し、また、そのための物的流通計画を推進する強権的立法によって、大港湾及び航路を開発し、この目的に利用しようとするものであります。  政府はこのねらいで……   〔発言する者あり〕

井原岸高自由民主党

○井原委員長 お静かに願います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 本法第一条の目的を改め、第一章の二を新設して、運輸大臣が港湾及び航路の開発、利用、保全の基本方針を定め、港湾政策の実権を握ることにしたのであります。そして、列島改造論の目玉である苫小牧東港、むつ小川原港、北関東茨城港などの大工業港、流通港をつくる意図を示し、明四十九年度から、五兆円投資の新港湾整備五カ年計画の策定の作業に入ろうとしているのであります。日本列島改造論がすでに全国的に土地の買い占め、地価暴騰を引き起こし、列島総公害化の危険が明らかになり、すでにむつ小川原や茨城新港計画等に反対運動が現地に起こるなど全く破綻しているときに、これに奉仕して、ますます国民の不幸を激化させる本法改正案にはこの基本点において反対するものであります。   〔発言する者あり〕

井原岸高自由民主党

○井原委員長 お静かに願います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 第二に、大企業本位の国土総合開発に港湾を従属させて、これに奉仕させる港湾政策の基本方針なるものを政府がつくって、すべての港湾計画をこの方向に規制することにしたために、港湾法はその成立以来の地方自治の性格が大きく後退をして、地方自治体の固有の権利となってきた港湾管理、開発、利用等の基本的な権利が奪われ、さまざまの言いわけがされましたけれども、地方自治体の港湾管理者は、運輸大臣の定める基本方針のワクと政令と省令の規制に縛られて、政府の列島改造論の下請港湾管理者に変えられるのであります。これは、地方自治権に対する大きな侵害であり、港湾が大企業本位の港湾に変貌する道を開くものであります。  第三に、すでにこの傾向は、外貿埠頭公団法……   〔発言する者あり〕

井原岸高自由民主党

○井原委員長 お静かに願います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 港湾整備緊急措置法によって、大企業参加によってつくられた東京、横浜、大阪、神戸、鹿児島港の専用バース、専用岸壁等が地方自治体の港湾管理者の手の届かないものになってあらわれている。政府答弁でも、これからの港湾開発は膨大な資金を必要として、公的な資金だけにたより得ないということを言って、大企業の投資の参加の見通しを立てているのであります。大工業港、流通港、航路などの開発が、さまざまな形態をとるにせよ、大企業の参加によって行なわれ、そのつくられる港湾が、現にその典型がすでに示しているように、大企業専用バースや岸壁を持った大企業本位の港湾にますます変貌していくであろう。  港湾法改正案は、上から大きく国土政策的にこの方向に港湾を変えていくものであります。港湾を大企業の手に渡していくものであります。その結果は、すでに東京港をはじめ、深刻な問題となっている港湾運送業にも甚大な影響を与えることは明らかであります。中小運送業者はますます港湾から排除されて、港湾労働者の失業はますますひどくなるでありましょう。  いま港湾において必要なことは、八大港湾管理者たちが要望している方向であり、この政府が促進している港湾の大資本支配、管理をチェックし、そうして彼らに対して実際に地方自治体の港湾管理者が発言権と管理権、それから総合調整権限を持ち得るようにすることであります。  港湾労働者と中小港湾運送事業者は、失業と倒産や転廃業に反対し……   〔発言する者あり〕

井原岸高自由民主党

○井原委員長 お静かに願います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 港湾で仕事を持ち、営業を続け、港湾とともに生きていくことを願っております。  全日本自治団体労働組合は、今度の港湾法改正に対して、自治権の侵害として許すことはできないと反対の陳情を国会にしてきております。私は、これらの痛切な港湾労働者、自治体労働者、中小港湾運送業者、地方自治体港湾管理者の声を聞きながら、それを代表して港湾法改正に反対するものであります。  第四に、八大港湾管理者と自治労は、埠頭通過料の制度化等によって港湾管理者の財政基盤を確立し、自主性を確保して、公共埠頭の近代化や労働者の福利厚生の完備を求めているのであります。また、港湾環境の整備についても、政府補助を十分に行なうこと、港湾汚染についても、地方自治体の港湾管理者に汚染の原因者に対する規制権及び発言権を与えることを求めております。この方向こそ港湾汚染に対しても真に国民本位、住民擁護の立場に立つものであり、政府案は環境保全対策を看板にしているにもかかわらず、現行の法令の追認にすぎず、原因者と発生源を徹底的に取り締まるものではありません。私は、公害関連法規を再改正して、海洋汚染対策の抜本的強化、港湾のヘドロ等の流入をやめさせるために発生源での防止と規制を強化すべきであると主張するものであります。  また、伏木港の現状にかんがみ、全国九百六十三港の港湾に対して総点検を行ない、ヘドロのしゅんせつをすみやかに行なって港湾機能を完全に回復すると同時に、港湾が市民とともにあるべき姿として、緑地や公園の整備、港湾に働く人々の健康と安全が保障されるような真の環境保全を確保することを要求するものであります。  以上、政府の港湾法改正は環境保全を掲げながらその要求を満たすものではなく、真のねらいは日本列島改造の国土総合開発を大企業の立場で強行し、港湾をそれに奉仕させ、地方自治権を侵害するものであります。これらは港湾管理者の要求する方向ともまっ向から反対のものであって、自治体労働者や港湾労働者の願いにも反するものであり、公害、土地買い占め、地価暴騰の日本列島改造論に基づく、反国民的、反動的なものとして、国民はこの港湾法改正を断じて認めるものではありません。  以上で、私の日本共産党・革新共同を代表しての反対討論を終わります。(拍手)

井原岸高自由民主党

○井原委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。  港湾法等の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

井原岸高自由民主党

○井原委員長 起立多数。よって、港湾法等の一部を改正する法律案は、原案のとおり可決すべきものと決しました。  おはかりいたします。  ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井原岸高自由民主党

○井原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

井原岸高自由民主党

○井原委員長 この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。新谷運輸大臣。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○新谷国務大臣 ただいまは、港湾法等の一部を改正する法律案につきまして、慎重御審議の結果、御採決をいただきまして、まことにありがとうございました。お礼を申し上げます。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 本会議終了後再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後零時五十一分休憩      ————◇—————    午後七時二十二分開議

井原岸高自由民主党

○井原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案並びに公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、それぞれ提案理由の説明を聴取いたします。新谷運輸大臣。     —————————————

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○新谷国務大臣 ただいま議題となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  国鉄は、過去百年間国内輸送の大動脈として国民生活の向上と国民経済の発展に寄与してまいりましたが、今日その役割りは、都市間旅客輸送、大都市通勤通学輸送、中長距離大量貨物輸送等の各分野においてますます重要性を増しており、過密過疎の解消、国土の総合的開発のための中核的交通機関として将来にわたってその使命の遂行が強く期待されるところであります。  一方、国鉄財政は、経済社会の変動と輸送構造の変化に伴い、昭和三十九年度に赤字に転じて以来急速に悪化の傾向をたどり、国鉄が今後国民生活、国民経済において果たすべき使命を全うすることができなくなるおそれが生じてまいりました。  このため、政府といたしましては、六十一回国会において成立した日本国有鉄道財政再建促進特別措置法に基づき、昭和四十四年度以降十年間を再建期間として、各種の財政再建対策を鋭意推進してまいった次第であります。  しかしながら、その後の推移を見ますと、自動車輸送の発達等による輸送量の伸び悩み、人件費の大幅な上昇等のため、国鉄財政はさらに悪化し、昭和四十七年度には約三千六百億円の欠損を生じ、累積欠損は約一兆二千億円に及ぶ見通しとなり、きわめて憂慮すべき事態に立ち至りました。  このような実情にかんがみ、政府といたしましては、現行の財政再建対策が十分にその目的を達成できなかった原因について反省し、あらためて昭和四十八年度以降十年間を再建期間とする抜本的な財政再建対策を策定し、これを推進する必要があると考えております。  このため、今回の財政再建対策におきましては、将来にわたり国鉄がわが国の基幹的公共輸送機関としてその果たすべき役割りに応じ得る近代的経営体制を確立しつつ、財政の健全性を回復し得るよう、今後十年間にわたり政府出資、工事費補助の増額、過去債務についての財政再建債及び同利子補給金の対象範囲の拡大等財政措置の大幅な拡充を行なうことといたしましたが、なお、その実現のためには、国鉄自身が労使相協力して収入の増加と業務運営の合理化に最大限の努力をいたしますとともに、あわせて利用者各位の御理解と御協力のもとに、必要最小限度の運賃改定を行なうことも真にやむを得ないものと考え、このたびこの法律案を提案することとした次第であります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  まず、国有鉄道運賃法の改正の内容について申し上げます。  第一に、鉄道の普通旅客運賃につきましては、その賃率を、おおむね二二パーセント引き上げるとともに、遠距離逓減制を是正することとし、現行賃率では営業キローキロメートルごとに五百キロメートルまでの部分については四円二十銭、五百キロメートルをこえる部分については二円五銭となっておりますのを六百キロメートルまでの部分については五円十銭、六百キロメートルをこえる部分については二円五十銭に改定することといたしております。  第二に、航路の普通旅客運賃につきましては、鉄道の普通旅客運賃とほぼ同程度の改定を行なうことといたしております。  第三に、貨物運賃につきましては、制度の合理化をはかるため、車扱い貨物運賃の等級数を現行の四等級から三等級に圧縮するとともに、その賃率をおおむね二五パーセント引き上げることといたしました。  また、小量物品輸送の合理化をはかるため、小口扱い貨物を小荷物に統合するとともに、近年飛躍的な増加を続けておりますコンテナ貨物の運賃につきまして、従来は小口扱い貨物運賃の一種とされておりましたものを新たに国有鉄道運賃法上の貨物運賃とすることといたしております。  なお、これらの改定により、実収一五パーセント増の運輸収入が得られることとなっております。  次に、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の改正の内容について申し上げます。  第一に、昭和四十八年度予算案編成を契機として今後十年間にわたり助成策の大幅な拡充を行なうこととし、新たに、昭和四十八年度以降の十カ年間を再建期間とする国鉄財政再建に関する基本方針及びこれに基づく再建計画を策定することといたしております。  第二に、国鉄が今後新幹線鉄道の建設、在来線の複線電化の促進等輸送力の増強及び輸送方式の近代化のための工事を推進し、その体質の改善をはかるため、政府は、再建期間中の毎年度、国鉄に対し、工事資金の一部に相当する金額を出資するものとしたほか、工事費にかかる利子負担の一そうの軽減をはかることとし、工事費補助金の対象工事年度を昭和五十七年度まで延長するとともに、交付期間を十年間に延伸し、その交付年度を昭和六十七年度までとすることにいたしております。  第三に、過去債務の利子負担を軽減するため、財政再建債及び同利子補給金の対象を現在の昭和四十三年度末政府管掌債務から昭和四十七年度末政府管掌債務及びすべての鉄道債券にかかる債務に拡大することといたしております。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。(拍手)  次に、ただいま議題となりました公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  公共用飛行場の周辺地域の航空機の騒音対策につきましては、昭和四十二年に現行法が制定されまして以来、学校、病院等の防音工事に対する助成、建物の移転補償等の諸措置が講ぜられてきたところでありますが、ここ数年航空輸送需要が激増し、航空機の大型化、ジェット化が進み、このため航空機騒音問題は、年々深刻化し、特に大阪国際空港におきましては、大きな社会問題となっている状況であります。  このような事態に対処するため、政府といたしましては、学校、病院等の防音工事を中心とする当面の対策からさらに進んで、住民から航空機騒音をできる限り遮断するという基本的な方針のもとに空港の周辺地域の整備、再開発を含む抜本的な対策を実施することとし、これに必要な法制の整備をはかるためこの法律案を提案することとした次第であります。  次に、改正案の概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、現行法により航空機騒音による障害が著しい飛行場として指定されております特定飛行場の設置者は、その飛行場周辺の一定区域に現存する一般民家につきまして、その所有者等が防音工事を行なうときは、その工事に対し、助成の措置をとることといたしております。  第二に、特定飛行場の設置者は、航空機の騒音による障害の発生を防止するため、その飛行場に隣接する一定区域内の一定の土地を緑地帯その他の緩衝地帯として整備するよう必要な措置をとることといたしております。  第三に、特定飛行場のうち、計画的な周辺整備を促進する必要があると認められるものを周辺整備空港として指定し、関係都道府県知事が空港の設置者と協議して、その周辺地域における緑地帯等の整備、工場、倉庫等航空機騒音の影響の少ない施設のための土地の造成等を内容とする空港周辺整備計画を策定することといたしております。  第四に、周辺整備空港ごとに、空港周辺整備機構という法人を設立し得ることといたしております。この機構は、国と地方公共団体がともに出資し、運輸大臣の認可を受けて設立され、その監督のもとに、空港周辺整備計画の実施等の業務を一元的に行なうことといたしております。  以上のほか、特定飛行場以外の公共用飛行場につきましても、その周辺地域における航空機騒音による障害が将来著しくなると予想される場合には、地方公共団体はその周辺地域の振興または整備の施策の策定等にあたっては騒音障害の防止について配慮するものとし、国はこれに対し必要な援助を行なうようつとめることといたしております。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。(拍手)

井原岸高自由民主党

○井原委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  引き続き、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について補足説明を聴取いたします。秋富政府委員。

秋富公正運輸省鉄道監督局長

○秋富政府委員 ただいま議題になりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案の内容につきまして運輸大臣の提案理由の説明に補足して御説明申し上げます。  まず、国有鉄道運賃法の改正の内容について御説明申し上げます。  同法第三条関係について申し上げます。  同条は、鉄道の普通旅客運賃についてその賃率及び運賃の計算方法を定めておりますが、現行では、その賃率が、営業キローキロメートルごとに、五百キロメートルまでの部分については四円二十銭、五百キロメートルをこえる部分については二円五銭となっておりますのを、遠距離逓減制の是正をも考慮しまして、六百キロメートルまでの部分については五円十銭、六百キロメートルをこえる部分については二円五十銭に改定することといたしております。  同法第四条関係について申し上げます。  同条は、航路の普通旅客運賃について別表第一のとおりとすると定めておりますが、これにつきましては、別表第一を改正し、青森−函館間につきましては現行五百円を六百円に、宇野−高松間につきましては現行百二十円を百五十円に改める等、鉄道の普通旅客運賃とほぼ同程度の改定を行なうことといたしております。  同法第六条関係について申し上げます。  同条は、日本国有鉄道が定める料金について定めたものでありますが、準急行料金につきましては、現在の列車体系の実態に合わせ、これを削除することといたしております。  同法第七条関係について申し上げます。  同条は、貨物運賃の種別及びその賃率について定めておりますが、まず、車扱い貨物運賃につきましては、別表第二を改正し、等級数を現行の四等級から三等級に圧縮するとともに、その賃率をおおむね二五%引き上げることといたしております。  また、小量物品輸送の合理化をはかるため、小口扱い貨物を小荷物に統合することとし、貨物運賃の種別としての小口扱い貨物運賃を廃止するとともに、近年飛躍的な増加を続けておりますコンテナ貨物の運賃につきまして、新たに国有鉄道運賃法上の貨物運賃の一種別とすることといたしております。  同法第九条の二関係について申し上げます。  同条は、運輸大臣の認可を受けることを要する運賃、料金を定めたものでありますが、第二号につきましては、第七条の改正に伴い小口扱い貨物運賃をコンテナ貨物運賃に改めるとともに、第五号につきましては、第六条の改正に伴い準急行料金を削除することといたしております。  次に、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の改正の内容について申し上げます。  同法第二条及び第三条関係について申し上げます。  同条におきましては、現在財政再建の目標年次を昭和五十三年度とし、再建期間を昭和四十四年度以降十年間といたしておりますが、昭和四十八年度以降十年間を新たな再建期間とする抜本的な財政再建対策をあらためて策定し、これを強力に推進する必要があると考え、財政再建の目標年次を昭和五十七年度とし、再建期間を昭和四十八年度以降十年間に改めるものであります。  同法第四条の二関係について申し上げます。  同条は、政府の出資に関する規定を新たに設けようとするものでありますが、国鉄が今後新幹線鉄道の建設、在来主要幹線の改良工事等、輸送力の増強及び輸送方式の近代化のための工事を推進し、その体質の改善がはかられるよう、政府は、再建期間中の毎年度、国鉄に対し、工事資金の一部に相当する金額を出資するものといたしております。  同法第五条関係について申し上げます。  同条は、第六条の利子補給に関する規定と相まって、過去債務の利子負担を軽減するため、財政再建債の対象を昭和四十三年度末政府管掌債務といたしておりますが、同条を改正し、昭和四十七年度末政府管掌債務及びすべての鉄道債券にかかる債務に拡大することとしております。  同法第七条関係について申し上げます。  同条は、工事費補助金に関する規定でありますが、再建期間を昭和四十八年度から昭和五十七年度までに改めることに伴い、工事費補助金の交付対象工事年度を昭和五十七年度まで延長するとともに、交付期間を十年間に拡大し、その交付年度を昭和六十七年度までとするための改正であります。  以上が、本法律案の概要でございます。  次に、お手元に配付いたしてあります昭和四十八年二月二日に閣議決定となりました日本国有鉄道の財政再建対策要綱についてでありますが、その骨子は、日本国有鉄道が将来にわたるわが国の交通体系においてその果たすべき役割りに応じ得る近代的経営体制を確立し、昭和五十七年度までに損益計算において利益が生ずるよう財政の健全性を回復することを目標として、財政再建期間中に行なうべき国の助成、日本国有鉄道の合理化並びに運賃改定の内容につき定めたものであります。——ただいま、私、閣議決定と申しましたのは間違いでございまして、閣議了解でございます。つつしんで訂正いたします。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 これにて説明の聴取は終わりました。  この際、日本国有鉄道当局から発言を求められておりますので、これを許します。磯崎総裁。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○磯崎説明員 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案についての運輸大臣の提案理由の説明に関連いたしまして、国鉄の長期収支の見通しを御説明申し上げます。  この長期収支の見通しは、昭和四十八年二月二日の閣議了解にかかる「日本国有鉄道の財政再建対策について」に基づき、さらに経済フレーム、輸送量、設備投資等については、経済社会基本計画、昭和四十八年二月十三日閣議決定の線に沿って、国鉄において試算したものでございます。  なお、国鉄の再建計画は、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法に基づく政府の再建の基本方針を受けまして、後日、国鉄において作成し、政府の御承認を得ることとなっております。収支試算の前提条件は別紙一のとおりでございますが、一、二補足して御説明いたしますと、工事費につきましては国土の総合開発に資するため、新幹線の建設、在来線の増強等の工事費を重点的に増額し、完成目標を極力繰り上げることとし、その所要資金として十兆五千億円を見込んでございます。  以上のような前提に基づいて昭和四十八年度から五十七年度までの十カ年間の収支を試算いたしますと別紙二のとおりでございます。このうち、昭和四十八年度は予算と同一でございます。前半における一、二の例外を除き、償却前の損益は黒字となる見込みであり、後半昭和五十四年度以降は逐次財政の健全性を回復し、最終年度においては償却後損益も約三千八百億円の黒字となり、財政は安定するものと考えます。  以上をもちまして、長期収支見通しの御説明を終わらせていただきます。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 議事進行に関し、加藤君から発言を求められております。これを許します。加藤君。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 ただいま議題となっております二案中、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を先議し、審査を進められんことを望みます。   〔発言する者多し〕

井原岸高自由民主党

○井原委員長 ただいまの動議について採決いたします。  加藤君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

井原岸高自由民主党

○井原委員長 起立多数。よって、加藤君の動議のとおり決しました。  これにて散会いたします。    午後七時四十三分散会

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