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71回国会衆議院1973/03/13

運輸委員会 第8号

発言数
237
登壇者
22
会派数
5
開催日
1973/03/13

会議録

井原岸高自由民主党

○井原委員長 これより会議を開きます。  日本国有鉄道の経営に関する件について、調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。加藤六月君。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 質問の機会をいただきましたので、最近いわゆる順法闘争という名のもとに行なわれておる違法スト、この問題を中心に御質問させていただきたいと思うわけでございますが、その前に、けさ上尾駅を中心に起こった恐慌状態、混乱状態がわれわれの耳にひんぴんと入ってきております。上尾駅、宮原駅、大宮駅、ここら辺を中心とするところの恐慌状態、混乱状態、騒乱状態、こういうものについて、まず当局側の説明を求めます。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 加藤委員の質問にお答えいたします。  今朝上尾駅を中心にして起こりました事件について、国民各位に心から私は責任を感じております。この起こった現況をまず報告いたします。  十三日、本日七時十分ごろに上尾駅に八三二M電車、籠原−上野間十二両編成でございますが、これが到着をした際に、乗り切れない旅客が騒ぎ出しまして、電車の窓ガラスを次々に破壊するようになりました。国民の怒りが頂点に達した現況になったわけであります。また一部の旅客がホーム駅長事務室に侵入いたしまして電話線を切断いたしました。さらに後続の一八三〇M電車、これは新前橋−上野間、十二両編成でございますが、これを中線にとり込み、運転を確保せんといたしましたが、この列車に乗りかねた乗客が同列車の窓ガラスを破壊する、こういうことで、乗客の一部がさらにドアを押えて運転不能にしているほか、線路上にも続々とおりまして、運行が中止されておる現況であります。ただいまの状況では上尾駅を中心にして約五千名の乗客が集中しておりますので、この完全輸送を期するべくバスその他でもって手配を完全にいたしまして、その処置をいま運輸省としてはとっておるところてこさします。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 恐慌状態の現況はおぼろげにわかりましたが、けさの上尾駅問題に対して政府側がとったそれぞれの措置についてお答えいただきたいと思います。  いろいろな措置があると思いますが、まず現場の措置並びに中央における動労に対する処置、こういったものについての御報告をお願いいたします。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 ただいま予算委員会を続行中でございますが、この事態が発生いたしましたので、官房長官は直ちに総理と御相談なさいまして、総理は労働大臣、運輸大臣に命じて、緊急に国鉄労使双方に事態の解決を要請いたしました。したがって、労働大臣、運輸大臣が中心になりまして、国鉄の労使双方にけさから当たっております。事態の解決のためでございます。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 現場に対する措置はどういう措置をされておりますか。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 現場に対しましては上尾駅を中心にした紛争、事態をすみやかに解決するために警察当局の出動を要請し、ただいまの状況では一応平穏になりつつありますが、運輸省といたしましては事態の収拾と同時に乗客の完全輸送について緊急な措置をとるように指示をいたしまして、バスあるいは乗客の誘導、そういった措置をいたしておるところであります。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 先般来重なる違法行為が行なわれておる。まして昨日からまた第二波のこういう違法行為が行なわれておる。首都圏のどこかであるいは近畿圏のどこかで一般客の怒りが、国民の怒りが爆発してくるということはわれわれも心配し指摘し、またマスコミもたびたびこの問題については指摘してきておったわけであります。それに対してけさは上尾駅を中心にこういう問題が起こってきたわけであります。  私がこれからいろいろお聞きしていきたいと思いますけれども、その中でいろいろな問題があります。問題はありますが、この違法行為を中心に御質問いたしたいと思うわけでございますが、この席でまず聞いておきたいのは、一体動労は何を要求し、何を行なわんといたしておるのかということをはっきり御明示いただきたい。いろいろな話や説明はありますけれども、われわれ国会議員、国民の代表の前に動労の要求なるものを、まずはっきり御明示していただきたいと思います。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 この件につきましては国鉄当局に正確に御報告をさせます。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 重ね重ね御迷惑をかけてまことに申しわけなく思っております。ただいまの御質問非常に大きく分けますと、運転保安に関する二人乗務の問題でありますが、二人乗務の問題につきましてはすでに協議をして実行しておるということでございますけれども、それについては特殊なものについて二人乗務を要求しておるということが一つ。それからもう一つは踏切その他保安関係の設備を整備してほしい、こういう二つに大きく分かれると思います。以下少し長くなりますが、一つ一つ具体的に申し上げたいと思います。  まず一つが、先ほど申し上げました動力車乗務員二人乗務の問題でございますが、東京、大阪の国電について前方注視要員として二人乗務を要求しておる。二番目が二キロ以上の長大トンネル及び特殊線区について二人乗務を要求しておる。それから深夜交番、二十二時から五時まででありますが、これは二人乗務を要求している。なお、EB装置実施に伴う一人乗務の見直し。EB装置というのはエマージェンシーブレーキでございますが、それの実施に伴う一人乗務の見直しを要求している。それから深夜交番の制限について、従来の交渉経緯に基づいて、二十二時から五時にまでかかる仕業について月十回以下とする。これが二人乗務に関する内容でございます。  次に、運転保安関係の設備改善の問題でございますが、一つが運転保安を無視した駅構内にあるゼロ号信号機を撤去しろ、こういうことでございます。踏切道については、全踏切を立体交差にする。なお、物理的に立体化が不可能な個所については、第一種踏切として遮断機を鎖錠方式をとって安全を期する。次が車両の前部分、前部を補強すること。それから、全国的に鉄道沿線における危険個所について安全を保障し得る条件とその基準を明確にすること。それから諸規定に違反する欠陥車については、直ちに使用を停止すること。それから車両保守検修の見直しをする。運転保安に関する確認事項に基づく八項目の決着をつけること。それから四十八年二月二十一日発生の新幹線事故について、その原因を明確にすると同時に、具体策についてすみやかに提示すること。  次は大きな三番目でございますが、乗務員に対する危険手当を月五万円支給すること。  四番目は業務上労働災害補償を一千万円とする。  五番目が生命保険一千万円を全乗務員にかける。掛け金は当局負担。  六番目でございますが、労働時間の短縮の問題でございます。  それから七番目が運転関係職員の労働条件の改善といたしまして、旅費その他の問題それからいろいろな手当の問題でございます。  それから八番目として、新規採用の促進。  九番目として、その他、従来の問題、いろいろございます。  以上でございます。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 いまのが動労側の要求であるということはわかりました。大きい項目に分けて一、二、三から八まででありますが、これに対して、いままで折衝あるいは交渉は何回、どの程度に行なわれてきたでしょうか。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 先週三月五日に、動労が保安闘争と称しまして順法闘争に入りまして以来、五日以降連日連夜にわたりまして深更に及ぶまで話し合いを続けております。毎日やっております。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 いま原岡常務から動労の要求について——私たちはあすは何が何でも国鉄の関係の労働組合の皆さん方を参考人として国会に来てもらって、向こう側の、といいますか、組合側の要求を聞きたい、こう思っておるのですが、いままで連日連夜熱心に折衝を行なったという、いま課長の御説明がありましたが、その中で解決のついたものとつかないもの、それについて答えられる範囲内でお答えをいただきたいと思います。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 事柄の性質上、解決の完全についたというものはございません。ただし、組合側のいろいろな要求に対しまして、当方としてもすでに考えておる、あるいはさらに前進的に考えられるというものにつきましての話し合いは進めておるものもございます。したがいまして、各項目ごとについて一つ一つ組合側の言い分、当方の言い分、それぞれを言いまして、ともかく正常な話し合いの中で進めていこうということで、目下のところ進めておるところでございます。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 こういう折衝でございますから、この席で言えない問題と言える問題があると思います。その点は理解します。  実は労働省にも来てもらうべくお願いしたのですが、労政局長その他、けさから同じく飛び回っておられるというので御出席がいただけないのは非常に残念に思っておるわけでございますけれども、運輸省あるいは国鉄側で御答弁いただけるならしていただきたいのですが、公労委に調停あっせんを当局側が依頼しましたね。そこで組合側を呼んで公労委でいろいろお話しした経過等あって、翌日、この公労委における調停あっせんを投げ出したという経過があったわけでございますが、この間の経過については、運輸省、国鉄は御存じないわけですか、どうですか。答弁できるなら答弁してもらいたい。わからないならわからないで、けっこうです。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 三月八日に、——それまで連日連夜話し合いを続けまして、違法な争議はやめろ、ともかく話し合いで進めようじゃないかということで連日連夜説得を重ねてまいったのでございますが、どうしても応じてくれないということで、当方といたしまして最善の打つ手はないかということを模索いたしました結果、三月八日に至りまして公労法の規定によります緊急あっせんという手段を尽くしたわけでございます。しかしながら事情聴取にあたりまして、公労委側で、本件はあっせんになじまない、不調であるということで、残念ながら打ち切られたという経過になっております。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 この問題につきましても、私たちは労働省のほうに来てもらってじっくり質問いたしたいと思うわけでございます。  先ほどの動労の要求の中で危険手当を月五万円出せ、そのほか一千万円の要求が二つ、四項目、五項目目にそれぞれあったわけでありますが、こういった問題の適否あるいはまた踏切、保安関係の設備の問題、運転保安の問題、二人乗務の問題、こういった問題で一つずつここで議論してもいいわけでございますけれども、現実に国民が毎朝、毎晩の順法闘争でたいへんな迷惑をこうむっておるわけでございますが、この迷惑の内容についてこれから少し承っておきたい、こう思うわけでございますが、今回の違法ストを通じて一体けが人は何人出ておるでしょうか。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 きょうの十二時までで八十二人けが人を出しております。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 けが人が八十二人出た、しかも受験のシーズンである、さらに生鮮食料品の端境期である、木材の高騰がある、セメントの輸送が断たれておる、あらゆる問題が出てきておるわけでございますが、経企庁斎藤参事官においでいただいておるわけですが、今回のいわゆる順法闘争という名のもとに行なわれておる違法ストに関して、物価に及ぼしておるもろもろの影響について、まず生鮮食品についてお願いいたしたい。それからそれについて運輸省、国鉄当局は昨日生鮮食料品の緊急輸送対策を講じた、こういう話でございますが、それの具体策について承りたい。  まず経企庁から承っていきます。

斎藤誠三経済企画庁長官官房参事官

○斎藤説明員 お答えいたします。  今回の闘争前と、十三日の神田市場の資料でございますが、比較いたしますと、たとえばタマネギにつきましては五十円のものが七十円、バレイショは五十八円のものが八十五円、リンゴは九十四円のものが百二十二円、サバは九十円のものが百二円等々に上昇しております。キュウリやミカン、マグロ等につきましてはトラック輸送等の入荷増がございまして、価格は若干低落しておりますが、生鮮食品全体としては相当の影響を受けておるわけでございます。物価指数の中で生鮮食品は九%でございますが、日々購入するものでもあり、実体的にもまた心理的にも非常に影響を受けるわけでございます。そのほか石油、セメント等につきましても、内陸部におきまして輸送の円滑化が阻害されているために若干品不足等の傾向も看取されるわけでございまして、国民生活にとってはきわめて重要な影響を与えるものと考えております。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 まず生鮮食品等の輸送対策につきましては、九日の日に本社に生鮮食品等緊急輸送対策本部というものを設けまして、何とかこのごたごたの中でもこれだけは確保するということで鳩首いろいろ対策を講じてやっておるわけでございます。  まず全体的に貨物の流動が非常に悪くなっておりますけれども、なかんずく首都圏、近畿圏、近畿圏よりむしろ首都圏の輸送の状況が非常に悪くなっております。これの生鮮食品をまず確保しなければいけないということで、生鮮食品は日ごろから特別の列車を編成して動かしておるわけでございますけれども、この列車だけは他のものを押えても何とか確保する、優先確保する、旅客列車のようにできるだけ絶対優先に確保する、こういう対策を講じておるわけでございます。  それから第二番目にはコンテナ列車の利用をできるだけ生鮮食品に振り向けて、コンテナ列車は原則的にいわゆるヤードの作業がなしに動けるということで、コンテナ列車によって緊急に生鮮食品の輸送を確保するという方策をとっております。それでも首都圏の生鮮食品の輸送確保はなかなかむずかしいということで船舶その他の代行輸送ということも考えておるわけでございます。  輸送の計画といたしまして、西のほうから東京に、首都圏に流れてくる生鮮食品の輸送の確保のほうが若干よくできておりますので、北のほうがなおできにくいという状況なので、主として北海道から京浜にくる生鮮食品の輸送について船舶等の代行をもってこれに対処していかなければいけない、こういうことでこれを具体的に検討しておるという段階でございます。  なお、お客さんのけがその他に対しましては、現地に救護のための要員を配置してすみやかに救護の体制をつくる、そしてまた特定の人を張りつけてずっとその人のその後の状況をケアできるような体制にする。これは首都圏にお客さんの対策本部を設けて、食品の緊急輸送対策本部と同時に発足して対処しておるわけでございます。

原田昇左右運輸大臣官房審議官

○原田政府委員 運輸省といたしましては、現下の国鉄貨物輸送力の逼迫に対処いたしまして、生活物資の輸送を優先的に確保するための当面の緊急対策を昨日決定いたしまして実施に移しております。  まず第一は、国鉄の貨物輸送力についてでございますが、これは先ほど国鉄の原岡理事から話がありましたとおり、さしあたり急送品の列車二十五本、フレートライナー七十五本、米及び野菜の専用列車三本の運転を確保することにいたしております。それからなお、この場合操車場の作業を必要としないフレートライナーを生鮮食品の輸送についても極力活用することにいたしまして、国鉄の貨物輸送力をできるだけ確保するという措置をまず第一にきめました。  第二に、生活物資について、この国鉄の急送品列車等によって輸送し切れない状況が生じた場合には、関係者の協議によりまして、特に緊急度の高い品目及び数量を指定いたしまして、内航船舶による振りかえ輸送を行なうということにいたします。当面、北海道−京浜間におきまして一日約二百トン程度のスペースを確保いたしまして、さらに情勢の推移に応じまして九州−大阪間についても同様の振りかえ輸送の実施をはかることにいたしております。  第三は、北海道、四国及び九州の各地域におきまして、関係行政機関、国鉄地方機関、出荷団体、運輸事業者等により構成される生活物資緊急輸送対策協議会というものを設置いたしまして、生活物資の輸送状況に応じまして、出荷地におきます緊急輸送対策に関する具体的な実施方法について緊密な連絡、協議を行ないまして適切な対策の実施をはかることにいたしております。これは本日から協議会が持たれておるはずでございます。  それから第四に、トラック、カーフェリー等の輸送機関におきましても、可能な限り生活物資の輸送を優先的に行なうように措置いたすことにいたしております。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 農林省の鶴さんおいでいただいておるようですが、われわれのところへくる生産者からの苦情というのはたいへんなものでありますが、農林省のほうに具体的にどこで貨物の配車が足りないのでこういうものが腐っておる、運送できないというようないろいろなものがあると思いますが、おもな苦情、陳情と、それに対する処置を、どういうような処置をされたかということについて承りたいと思います。

鶴哲夫農林省食品流通局流通企画課長

○鶴説明員 野菜の輸送につきましては、全体としては約八割がトラック輸送でございますので、野菜全体に影響が出ておるというわけではございませんけれども、特に北海道からのジャガイモ、タマネギの輸送はほとんど国鉄に依存をいたしておりますので、この二品目について相当の影響が出ておるわけでございます。現に北海道庁あるいは北海道の農業団体から相当強い要請を受けておる次第でございます。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 水産庁平井水産課長においでを  いただいておりますが、鮮魚のほうあるいは遠海ものも含めてですが、今回のこの違法行為でどう  いう状態になっておりますか。

平井清士水産庁漁政部水産課長

○平井説明員 お答え申し上げます。  水産物につきましては、トラックによります切りかえ輸送、また東北、北海道のものにつきましては、現在は冷凍のものが相当多うございます。かわりにそういう都内の保管分、これは冷凍保管しておるものでございますが、そういうものが市場に出回ったと推定されておりまして、現在までのところ、築地の市場への入荷量につきましては大幅な減少というかっこうは見られておりません。卸売り価格につきましても、これはここにあるわけでございますけれども、大略申し上げますと、先週は若干の上昇をも示しましたけれども、今週、これは昨日ときょうでございますが、これは幾ぶん落ちつきを見せておる、そういうかっこうでございます。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 私たちは、国民の生活に及ぼす生鮮食料品その他の問題について、いま各省関係並びにこれに対する緊急輸送対策その他いろいろの問題を承ったわけでございますが、引き続き先ほどちょっと触れましたが、受験シーズンであります。聞くところによりますと、たとえば群馬県はきょう公立高等学校が一斉酢入学試験をやる。それで県当局、教育委員会、層間代表、あらゆる人々がきょうの違法行為は中止してもらいたいと、国鉄内部における組合も相当たくさんありますが、その中の組合員もそういう要求をした。ところがその要望が入れられなかったという話を聞いておるわけでございますが、たいへん遺憾に思うわけです。東京に受験に来ておる人、これはまた数限りなくあるわけでございますが、この受験生に対する対策というものを何か特別に講ぜられたかどうか。あるいはまた先般御説明があったように、先般来連日連夜、夜を徹して話をされたというときに、この受験生に対する配慮というものも話し合いが行なわれたかどうか、承りたいと思います。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 ちょうど受験のシーズンのまっ最中で非常に御迷惑をかけておる。ことに受験生には取り返しのつかない御迷惑ということでございますが、輸送上といたしましては、特に受験生のための輸送上の特別な手配といいますか輸送の確保といいますか、こういうことは実は手配としてできていない、やっていないという状況でございます。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 交渉の過程においてこの話は出たか、出なかったかという点について……。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 受験生の問題をはじめ、すべて乗客に不便をかけておることにつきましては、当方から繰り返し申し入れまして、直ちに違法な行為をやめるようにということを申し入れております。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 国民全部が迷惑をこうむっておるわけでありますけれども、特に受験生という生涯の運命、方向をきめるにひとしい試験を受ける諸君がコンディションをこわしあるいは受験におくれ、いろいろな悲喜劇がこもごも起こっておるわけであります。これに対して公共性をうたい、国民のための日本国有鉄道が、国民の運命、方向が非常に大きく変わっていくというこういう問題についての配慮、処置がされてないということは、全部について遺憾でありますが、特にまたこういう問題については遺憾のきわみであります。当局側がこれに対してどの程度組合側に要求したか、話し合いをしたかということについて、いま職員課長は、いろいろお願いしたけれども聞いてもらえなかったということでありますが、具体的にこういう問題を出してやったのかどうかということについて、もう一度聞かしてもらいたいと思います。もうそういうものはかまっちゃいられないのだ、われわれは要求の八項目を実現するためには国民の迷惑も何もかまわないのだ。たびたびこういうことを行なって国民を麻痺させて、われわれはわれわれの要求を実現するのだ。そのためには一切いかなる国民の幸福も福祉も踏みにじってかまわないのだといったような態度で交渉に出てきたのかどうかということを知るためにも、ささやかな例でありますが、受験生に対するこういった話し合いが正式の場で正式に出たか出ないか、はっきり教えてもらいたいと思います。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 いまのお話のとおり、具体的に受験生の問題は緊急の問題であるということで、当方から何度も説得をしているわけであります。組合側の態度といたしましては、当方の要求を聞くならば直ちにやめる、したがって、当方の要求をのめということを再三繰り返すばかりで、私どものともかく違法な争議行為はやめて、平和的な話し合いの中で進めようじゃないかということに、残念ながらいまのところ耳をかしてくれないというのが現状でございます。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 それではもう一つ観点を変えてお伺いいたしますが、国鉄の列車を運行する関係の職員数はおおよそ何人であって、動労に加入しておる人は何人くらいでしょうか。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 輸送に携わっております職員は、現在国鉄職員四十五万人のうちの相当部分が輸送に関係しておるわけでございますけれども、直接運転に従事しております運転士あるいは機関士等につきましてはい全国で約五万人ほどおります。そのうち動力車労働組合に所属しておりますのが、これも確かな数字ではございませんけれども、約三万七、八千人じゃないかというふうに思っております。残りは国鉄労働組合並びに鉄道労組に加入しておる者でございます。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 けさの上尾問題、まだたいへん混乱が続いておるのでよくわからぬと思いますが、乗客によって引きずりおろされそうになって逃げたという松本倉一運転士は、どの組合に加入しておった人でしょうか。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 まだ調べておりませんので、わかりません。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 私たちはいろいろ国鉄問題について心配いたしておりますが、この動労という組合と、いま職員課長が名前を出しました国労、鉄労という組合がありますが、国民の足を確保しよう、国民に迷惑をかけてはならないといって一生懸命努力しておる国鉄職員の皆さん方が逆に国民の怒りを買って、たとえばきょうの上尾の駅長さんなり、あるいはまた宮原駅の駅長さんは引きずり出されて線路の上を列車の来る方向に向かって歩かされておる。この駅長さんは動労の組合員では絶対ないと思います。そういう人が迷惑をこうむっておる。それでこういうことを使嗾し扇動しあるいは実際に行なっておる連中は、迷惑をかけておる国民の正面にはあらわれてこない、陰に隠れておる。こういう事態で、いま課長が言われた四十五万の国鉄職員全体が、まじめに国鉄を愛し、国民のために国鉄はなくてはならないという立場でやっておる皆さん方が意欲を失ってきておる。何でもかんでも要求を通さないと、国民の迷惑なんかかまっちゃいられない、それほど国民に迷惑をかけておるのなら当局はわれわれの要求をのめ、のんだらこういう違法な行為——連中は違法な行為とは言いませんが——をやめてやる。こういう連中は国民大衆の直接の表面に出てこないんじゃな一いかと思うのです。  それでけさの上尾駅での松本倉一運転士、あるいはまた「とき2号」の運転士、あるいはそれに関連してずいぶん列車の窓、運転席をこわされたり破られたりした運転士がおると思いますが、私はこういった運転士さんがどの組合に所属しておるかということを実は知りたいわけであります。しかし、緊急の場合でありますから、まだそこまでの調査が済んでいないと思いますが、きょうの上尾駅あるいはまた大宮駅、宮原駅の皆さんでけがをされたりした人も出ております。もちろん国民もけがをしておりますが、そういう皆さんがもしかりに動労以外の組合の皆さんであったとするならば、私たちは非常に憂慮にたえない次第であります。まじめに国鉄を愛し、国鉄を守っていこうとしている皆さん方が被害をこうむっておる。実際にそれをやっておる連中、教唆扇動しておる連中は表面に出てこないということになりますと、これはゆゆしき一大事ではないかと思っておるわけでございます。  そして先ほど御質問申し上げましたタマネギが五十円が七十円になる、バレイショが五十八円が八十五円になる、リンゴが九十四円が百二十二円になる、サバが九十円が百二円になるというようなことや、あるいはまた受験生の生涯の運命を左右するといったような問題に対して、目をつぶってまっしぐらに違法行為を行なう、こういった皆さん方に対する国民の怒り、またわれわれ国会議員の怒りというものも相当なものがあるわけであります。  私は繰り返して申し上げますが、けさこういった上尾駅、宮原駅、大宮駅でまじめにやろうとしておる国鉄職員の皆さん方で迷惑をこうむった方々に対しては、心から国民を代表して逆におわびを申し上げなくてはならない。そしてまた、こういう事態が発生するということは、先ほど申し上げましたが、首都圏において、近畿圏において近いうちに起こるぞということはたびたび注意を喚起しておったにもかかわらず、けさのような事態が起こった。起こってみたら当局は——組合側はよくわかりませんが、当局は先ほど政務次官の御報告のように、運輸大臣と労働大臣が官房長官と相談し、総理から指示をいただいて、必死で動き出したという御報告がございましたけれども、この動きも私は鈍いと思います。いつもこういう問題が起こらないと政府は本気でやらないというのなら、これは政府が怠慢であります。  そしてまた、きょう労働省の皆さんがおられないのでわかりませんけれども、公労委の調停あっせんについてなじまないということで調停あっせんが行なわれなかった。これは労働省がおらないので質問できません。質問はできませんけれども、それに対して組合側がどういう態度をとったかということを詳しく承って、この委員会の席で究明していかなくちゃならない問題であります。  先ほど承ると、三万七、八千の動労の諸君の行動が、四十数万人の国鉄職員全体の信用を失墜し、そして国民全体に対するたいへんな迷惑をかけておる。私はこの席で組合側を云々しません。政府当局側がいま少し真剣に腰を上げてやらなくてはならない。こういう上尾駅問題が起こって、騒乱状態に近い状態が起こり、恐慌状態が起こって初めて腰を上げて動くということは怠慢であります。  この問題について今後まだ追及していきたいと思うわけでございますが、次に承っておきたいのは、けさの上尾問題で信号機がこわれておるらしいという話を聞いたのですが、原岡常務理事も職員課長もそちらの担当ではないのでわからないかもしれませんが、信号機がこわされたか、こわれていたかどうかということははっきりしているのでしょうか。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 信号機が破壊されて故障しておるという状態は確認されておりませんけれども、大宮駅その他で信号機に対する投石があったということは聞いております。現時点でどういうふうになっておるのか、まだここでは確認いたしておりません。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 信号機がこわされておるということについて、警察庁がおいでになってないのではっきり申し上げる意欲を私持ちませんが、かりにこういう列車運行に対する信号機がこわされるというようなことが起こってきたとするならば、これはまさに騒乱状態でなくして騒乱であるというところまで断言したくなるような気持ちになるわけであります。  しかしその反面、国民大衆をここまでおこらしめたという点については、けさの予算委員会におきましても、田中総理が民社党の永末さんの質問に対して、順法闘争の名によって行なわれている国労、動労の違法行為はすみやかに解決されなければならないということから、最後に政府としても大きな責任を感じているということを述べられておるわけでございますけれども、今回のような違法な行為が直ちに中止されないと、上尾や大宮だけでなくして、今晩あるいはあすの朝、首都圏のどこかであるいは近畿圏のどこかできょう以上の大きな問題が発生してくると私は思うのであります。  各党の皆さん方が御質問されたあとよく相談いたしたいと思いますが、当運輸委員会において政府当局並びに組合側に要望する決議文くらい出さぬと、当運輸委員会の責任は済まされぬのではないかという気持ちさえ持っておるわけでございますけれども、こういう緊急事態であり、また予算委員会が行なわれておるというところでございまして、労働省あるいは警察あるいは私が御質問申し上げたい当局の皆さん方の御出席をいただいておりませんので、この問題に対しては質問を留保しておきます。  もう一つ、ここで率直な問題として政務次官にお伺いしておきたいと思いますが、政務次官、今回のこういった問題に対してすみやかにこういう行為を調査して、自主交渉に入ってもらうという希望、考え方というものは、国民にも国会にも満ち満ちておるのではないかと思うのです。先ほど政務次官の御報告にあったように、労働大臣、運輸大臣、官房長官等の間で必死でやっていただいておると思うわけでありますが、これはきょうじゅうぐらいにもはっきりとした自主交渉に入るという目鼻はつくものでしょうか、つかぬものでしょうか、大体の気持ちでけっこうですからお教え願いたいと思います。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 ただいま加藤委員の一連にわたる御質問を承りまして、私は次のようなことを考えました。  国鉄が争議を行ない、そして大量処分をしていく、大量処分をしてまた争議行為が行なわれるというこの何年間続いた、この慢性化したやり方にピリオドを打つ時代がやってきたのではないかと私は思うのです。その原因は非常にたくさんあると思います。しかし、いろいろな原因はたくさんあると思いますけれども、経済的一つの問題にとりましても、昭和三十九年以後、国鉄が独占企業でなくなってきたのだ。いままでは何とかして独占企業でやってきましたから、運賃だけで赤字路線も保持ができ、安全に国民の輸送機関として任務を果たしてきましたけれども、三十九年以後、皆さん御承知のとおりに赤字が累積するし、そして借金の額も御承知のとおりに三兆七千億をこすようになり、赤字だけでもって一兆二千億にもなるといったようなきわめて不安定な経営状態になってきた。そうすると働く従業員の方々も、私は自分の生活権を守るための経済的な不安というものが起こってくるだろうと思う。また、経営者にとりましてもより以上な安定した、安全を中心にした国鉄の運営、——これを考えねばならないといったような問題に取り組まなくちゃならぬ、そのためには金がない、こういったような悪循環を打ち切る政治的な時期がやってきた。これが先般運輸大臣が皆さま方に御審議を願う国鉄再建の大きな趣旨だろうと私は思うのです。その中に私は、安全問題として向こう十年間に一兆五千億は投資しましょう、年次計画にことしから毎年毎年踏切とか、あるいはその他の安全対策をやっていこうという計画は出してある。また、そういう問題について国鉄のほうは組合側と十分に話し合っていく。私は今度の問題だって徹夜でやるべきだと思うのです。労使双方やめる必要はない。国民にこんなに御迷惑をかけているのですから連続徹夜で一週間でも十日間でも話し合うという努力を私は希望したわけです、要請したわけです。そういうことでやって、初めて国民大衆はその問題点はどの辺にあるんだろうかということを知っていただく。その中に私は解決の糸を労使双方が求めるというその努力をまだ一歩進めるべきである、こういうことを要請をいたしておるわけであります。  したがって、非常に内容はむずかしい問題でありますけれども、昭和三十一年に政府がその当時に国鉄を中心に争議行為が起こったときに、政府としては、これは順法闘争という名で行なっているけれども、これは違法なのですよ、ですからこういうことはしてはいけませんということを昭和三十一年に指導しているわけです。ですから、そういう指導体制下で今度また起こったわけですから、当然総理も言われるように、運輸大臣も言われるように、あるいは労働大臣も言われるように、この行為というものはきわめて微妙であるけれども、違法行為ですよ、順法という名であって内容は違法ですから、そういうことは起こさないで、利用者には迷惑をかけないで、労使双方が徹宵話し合って解決しなさい、こういう指導をしているわけです。したがって、私は見通しとかなんとかじゃなくて、しなければならぬ、もうきょうあすにかけてその問題は労使双方で解決しなくてはならぬ問題であるということだけは強く私は申し上げておきたいと思う次第であります。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 私が言わんとしたのはもうちょっとほかの観点でございます。中途はんぱな態度で政府がこの際妥協するのかしないのか、当局はどういろ決意を持っておるのかということを聞きたいと思ったのです。これが今後の国鉄再建に、労使問題というものが一番大きな国民の関心の的になっておるのです。政務次官がいま御答弁になったように、国鉄の旅客輸送に占めるシェアは三〇%前後に落ちた、貨物は十数%に落ちた、こういわれておる。そこで国民の税金を投入して、国鉄再建を何とかしてしなくちゃならぬという問題は、これからまたわれわれが当委員会において抜本的にいろいろ議論していくことでございますが、当面の問題として、労使問題がどのように落ちつくかということが国民の関心としては一番大きいんじゃないか。いわゆる順法闘争という名のもとにおいて行なってきた違法行為が、先ほど来私が経企庁あるいは農林省、水産庁にお聞きしただけでもわかるように、国民生活自身に非常に大きな悪影響を及ぼしてきておる。さらに個々の例をあげれば、きのうの夕刊にあるような小学生が泣いておる、ああいう姿が出てきておる。受験生が泣いておる、苦しんでおる姿が出てきておる。通勤、通学者が苦しんでおる姿が出てきておる。都内は麻痺状態に近い状態で毎日が繰り返されておるという。こういうことはどこに原因があるのかという問題まで突き詰めて、労使問題が根本ではないだろうかということを国民はいまはだで感じてきておるわけです。この問題が国鉄再建やあるいは運賃法を審議する場合のもとになるべき問題だ。労使問題の解決、はっきりとした筋道を立てる以外に、国民は国鉄再建というものに対して拒絶反応を起こしてくるのではないかとさえ私たちは心配しておるわけであります。そういう点で、もし自主交渉に入るようになった場合にも、いいかげんな中途はんぱな妥協というものを行なうならば、私たちは再建に対する意欲、運賃改定の審議に対する意欲というものを半減するか、もうなくしてしまうという気持ちさえあるわけでございまして、どうぞ政府委員、政府当局の皆さん方も腰を据えてこの問題についてはやってもらいたい。またその反面、すみやかに解決してもらわなくちゃならないという二律背反といいいますか、非常にむずかしい立場にあるということは重々理解しておるのです。理解しておるけれども、これを国民が納得しないような中途はんぱな解決ではこれはいけないということでもあるわけでございます。  ここで、わが党の江藤委員が関連質問を要求されておりますので、ひとつ関連質問をやってもらいたいと思いますので、よろしくお願いします。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 関連質疑の申し出があります。これを許します。江藤隆美君。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 国鉄は去年一年間でサボタージュと名のつく闘争を数限りなくやってきました。いわく、ダイヤ改正反対、運賃値上げ反対、合理化反対、組合員逮捕抗議、新賃金要求、合理化反対、逮捕抗議、仲裁裁定完全実施、同じく仲裁裁定の完全実施、組合員逮捕抗議、処分反対、ダイヤ改正反対、ベトナム反戦、合理化反対、スト権奪還、これで去年一年間旅客で運休したものは一万八千六百七十四本であり、貨物で運休したものは船を合めて四万三千二百九十七本、六万二千本にのぼる国民の足を奪っておるということになっておるわけであります。にもかかわらず、まだこの年じゅう行事化した順法と名のつくこのストを、サボタージュをことしも加えて、いま加藤委員が言われたような今日重大なる時局を迎えておる、こういうときであります。きょうは労働大臣あるいは運輸大臣が御列席であればそれにお答えを願うことが一番適当であろうと考えておりますけれども、この事態になって国民が一番知りたいことは何だというと、一体これからどうなるのだということであります。あしたになったらこの運転が正常化されるのか、あるいはこの迷惑状態が正常に戻っていくのか、あるいはまた物資の輸送に重大なる支障を来たして、地方都市においてはセメントが足りない、木材が足りない、いろんな問題ができてくるし、こういう都会地においては生活必需物資の急速な値上がりによって生活が脅かされる。一体それがあしたになったら、あさってになったら、いつになったら解決できるのか、正常に戻るのかということを国民は一番知りたいのであります。政務次官に対して聞くのは酷かもしれません。あらためて大臣がお見えになったときに聞くのが筋かもしれませんが、政務次官として、あるいは国鉄当局として一体どうされるつもりなのか、いつになったらどのような形でこの争議行為というものが正常な形に戻って国民に迷惑をかけないような状態になっていくのか、それについてのお答えを賜わりたいと思います。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 お答えいたします。  先ほどお答えしましたとおりに、総理の指令を受けまして労働大臣、運輸大臣ともども国鉄の労使に向かって積極的な紛争解決と申しますか、この問題の解決をやるべく現在続行中でございますので、私はその成果が必ずある、こういうぐあいに思っております。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 今日の不祥事、これは一刻も早く鎮静しなければいけない、こういうことで、もちろん自主交渉ということで交渉はうんと重ねておりますが、そういう交渉だけというのにはあまりにも緊迫した状態でございますので、急速総裁から動労に対しまして、緊急に中止するよう強く説得をしておるわけでございまして、目下説得の話をしておる最中でございます。基本的には先生御指摘のように、まさに将来にわたって安定して輸送がびしっとサービスできるような根本的な問題は筋を立ててやっていかなければいけない、こう思うわけでございますけれども、それをよくわきまえながら緊急の事態に対して、ごく放置できない状態に対しまして緊急なる説得をいまやっておる最中でございます。十二時過ぎからやっておると思います。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 動労が「国民の皆さんに訴える」といって配りましたパンフレットにこう書いてあります。「私たち国鉄に働く労働者、とくに直接運転業務に従事している私たちは、日常業務にあたって全力を安全輸送におき取組んできています。また、私たち『動力車労働組合』は、昭和二十六年結成以来一貫して国鉄当局に対し、安全確保について、設備、機器などの整備をはじめ、要員の配置を含めて善処方を要求し、努力してきました。しかし、国鉄総裁以下の首脳部は、口を開けば『安全は国鉄の最大の使命である』といいながら、独立採算という立場や、政府政策に迎合し利潤の追及にのみ狂ほんしかつ、合理化を強行し安全無視の政策を押し進めてきているのが現状であります。」こう書いてあります。事実そのとおり国鉄はやってきたのかお尋ねしたい。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 御指摘のように動力車労働組合がパンフレットでいろいろ書いてございますけれども、国鉄といたしましては、過去、安全輸送の確保こそ国鉄の最大の使命であるという観点から、保安設備の充実、設備の改善につきましては十分意を尽しくてやってきておるわけでございます。もちろん技術の開発その他がございましてなかなか安全な設備とはいかないわけでございますけれども、ATSあるいは地上設備等につきましてはかなり改善がなされてきておりまして、今日では踏切等につきましてもかなり多額の投資を行なっておりますので、統計的に見ましてもかなりの改善が行なわれてきているということでございます。したがいまして、安全面につきまして一刻もゆるがせにしたことはないというのが当局としての立場でございます。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 そうすると、完全ではないけれども、国鉄は国鉄なりに置かれておる立場から安全問題については懸命の努力をしてきた、ただしそれは十分なものであるかどうかということはいえないが、それだけのことはやってきた、こういうふうに理解してよろしいか。  それからもう一つ、いま動労が最終的に安全の確保、踏切、それから二人乗車の問題、二つにしぼっておるということでありますが、この踏切三千数百カ所の動労の要求をそのままのむとしたらどれくらい金がかかるのか、二人乗車をもし実施するならばどの程度の人員を必要とするのか、わかっておりましたらお答えを願いたいと思います。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 踏切のほうの要求の設備費につきましては積算をしておりませんので、ここでは詳しくわかりませんけれども、私どもといたしましては、予算の許す限り踏切の整備に当たってまいりまして、今回の国家予算におきましても八十五億の予算を計上して目下審議をしていただいているところでございます。動労が言っております全踏切について一挙にやるということは、これは不可能でございまして、やはり財政の許す範囲内で最大限の努力をしていくということではないかというふうに考えておりまして、実行予算面でも考えていただくことになろうかと思っております。  それから二人乗務の話でございますが、二人乗務につきましては、目下組合側が要求しておりますのは、国電区間の二人乗務、前方監視要員、それから長大トンネルのある線区は二人乗務にせよ、それから深夜時間帯に乗務するものについては二人に乗務せよということでございまして、特に二キロ以上の長大トンネルの部分について全部二人にしろということになりますと、ほとんど全線区が二人乗務になるということでございますから、現在の動力車乗務員はほとんど二人乗務にせざるを得ないということになりまして、たいへんなことになるわけでございます。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 ここで企画庁にちょっとお尋ねをいたします。  先ほど来質問に対して説明がありましたとおり、運輸省、国鉄が、あるいはトラック輸送あるいはまたカーフェリー輸送、船舶輸送等によって必要物資の輸送を確保しよう、こういうことで努力をしておるということでありますけれども、そのような努力がかりにいまの状態のままなされたとして、一体生活物資の値上がりというものは防げると企画庁はお考えになっておるかどうか。おわかりですか。いまの国鉄のストが続いておったならば、そのような対策をすることだけで、生活物資のいわゆる供給の逼迫、値上がり等は防げるかどうか、企画庁としてどういうふうに考えておられるか。

斎藤誠三経済企画庁長官官房参事官

○斎藤説明員 お答えいたします。  企画庁としては、今回の国鉄闘争につきまして重大な関心を持っておりまして、週金曜日にも国民生活局長から貨物局長あて生活物資優先輸送等の要請を強くしてまいったところでございます。先ほど申し上げましたように、現状のようであれば、北海道等長距離国鉄貨物に依存度の高いものについては相当値上がりしておりますし、トラック輸送にもおのずから限度があろうと思いますので、どの程度物価指数が上昇するかは現時点でお答えはいたしかねますが、相当の部分についての値上がりが見込まれますし、またわれわれとしましても、生鮮食品は日常毎日買うものでございまして、物価指数で一年に何回買うといったものと性質を異にしておりますので、そういう点でこういった状態が長引くとすれば、実態的にも心理的にも国民生活への影響は重大であろうと考えております。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 最近のマスコミを見ておりますと、今回の動労は当事者能力がないところに、この闘争が長引くあるいは険悪化していく一つの大きな原因があるとの説をなす者もあります。組合自体が当事者能力をなくしておるのだ、だから現場においては、無政府状態、無秩序状態、あるいはまた暴力事件は頻発をして、そうして統制がとれない、ここに今回の争議の一つの大きな問題点があるといわれておりますが、事実そのとおりでありますか。国鉄当局はその点についてどういうふうな判断をされておるか、答えにくいと思いますけれども……。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 今回の動力車労働組合が要求しております諸項目につきましては、完全に当事者能力がございまして、国鉄の経営判断の中ですべて解決し、あるいは進めることのできるものでございます。したがいまして、自主交渉の中で解決するように組合側にも十分説得をし、交渉を進めておることでございます。  それから、現場の混乱云々ということにつきましては、そういうことのないように日ごろから当方といたしましても管理体制の確立につとめてきておりまして、昨年以来若干職場内の乱れがありまして、その後徐々に立ち直ってきているというふうに判断しております。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 いまの説明を聞きますと、まるで職場は規律は守られ、統制はうまくいって、そしてこういういろいろなストが行なわれること自体がふしぎなような説明でありますけれども、これ以上聞かぬことにいたしましょう。  ただ、私が言いたいことは、先ほど政務次官が申されましたとおり、おとといでありましたか、第二次のストが方針として出されたときに、夕方に交渉を打ち切ってしまいました。なぜあのときに労使双方とも徹夜をしてやらなかったのかというのが国民のひとしく憤激を招いた事項であります。先ほど政務次官から、徹夜してでも、三日でも四日でも五日でも一週間でも徹夜してでも、国民に対する責任から、労使双方でこの問題について話し合うべきだ、こういう旨の御意見がございました。私はそのとおりだと思います。少なくとも国鉄が置かれておる立場というものを十分自覚をし、労使双方ともに口を開いて国民に向かって言っておることが事実であるとするならば、今夜から私はさっそく徹宵、徹夜をして交渉に入るべきであると思うのです。ましてや動労は当事者能力を持つという判断の上に立つならば、当事者能力を持っておる動労に対して、ストを中止せよなどといってみたところで始まらない。それよりか、自分たちで、国鉄当局が経営者の責任において場所を設定し、共通の場所にのぼって、そしてこれから交渉を続けていかれる用意があるかどうか。そういう決意があるかどうか。そして運輸省としてはそういうことが行なわれるように、全力をあげてこの問題について取り組んでいただきたいと私は思います。したがって、運輸省当局とそれから国鉄当局の決意のほどを承っておきたいと思います。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 こういった問題の解決にあたっては、私は労使双方の心がまえというのが非常に大切だと思います。政務次官になりましてから、実は焼津の沖で船が衝突しまして、漁民が転覆した小さな船の中で助かっているかもしれないということで、海上保安庁が直ちに救助作業を始めました。ところが非常に波が荒くなりまして、夜の作業が困難になりましたので、周辺の人と相談をいたしまして、夜の九時に一時打ち切って、そうして翌日からこの救助作業に入ったことが最近ありました。私はその事実を知りまして、保安庁長官を呼びつけましておこりました。たとえ中の方がなくなっているかあるいは生きているかわからなくても、徹夜でそのことをやっていくという、その心がまえというものは私はいまの行政で一番大切であるということを指導いたしたことがあります。それと同じように、国鉄の紛争は慢性化いたしまして、それが何か国民から見ると定期的に話し合いが行なわれて、また別れてまたやっていくといったような、そういうことがいいのだろうか。もうそれは許されない。要するに利用者を中心にした運輸行政ということを積極的に考えるならば、利用者に迷惑をかけておって、そうして労使双方がある時期にその話し合いを打ち切るなんということはもう許されない。こういうことを考えまして、私は強く、今後とも、労使双方に、こういう問題がもしも起こるとしたならば、徹宵でこの問題を片づける努力を要請したい、こういうぐあいに考えておる次第であります。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 動労との交渉でございますが、いままでも徹宵のような形でやっておるわけでございますけれども、今日の事態を踏んまえて、今後は徹宵で、徹底的に交渉して、なるべく早く解決のめどがつくように努力いたしたい、こう思っております。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 今後でなくて、今夜からやりなさい。(「いまからだ」と呼ぶ者あり)

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 いまからやるつもりでございます。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 たとえ動労が土俵に上がってこなくても、あなたたちは国民に対する責任から、そういう土俵の上に上がって、そうして上がってくるのを待つべきだと私は思うのです。それが責任で、それくらいのことをやらないとこの問題は片づかない。国鉄の財政再建をやろうという大事なときに、それぐらいの心がまえと熱意を持って、私はぜひただいまからやってほしいと思います。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 ただいまから自主交渉をやります。徹宵で徹底的に、なるべく早く解決のめどがつくように、熱意を持って、とらわれずにやるつもりであります。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 きょうは政務次官にはおいでいただきましたが、後ほど運輸大臣がお見えになりましたら、運輸行政の総責任者として大臣に質問することを保留いたしまして、一応これで質問を終わります。(「総裁、労働大臣も」と呼ぶ者あり)失礼しました。総裁と労働大臣にもぜひ御出席を賜わりたい、こう思っておりますので、そのことを保留いたしまして、一応これで質問を終わります。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 斉藤正男君。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 ただいま与党の委員の各位とやりとりがございました。政府側の答弁を伺っておりますと、いいところまで行きかかってなお核心に触れてないというような感じが多々ございますので、私は率直に、よって来たる遠因、そうしてまた今朝の好ましからざる事件発生等々にかんがみまして、初めに基本的なお尋ねをいたしたいと思うわけであります。  与党委員の皆さん方の質問にもありましたように、今回の一連のいわゆる順法闘争というものの起こりは、お話にもございましたような春闘の一環でもないし、また国鉄運賃値上げ反対闘争の目的でもないし、また処分撤回の戦いでもない。きわめて具体的な問題を取り上げて交渉に入り、交渉が決裂をし、最悪の事態といってもいい事態を迎えたというように私は考えるわけであります。したがいまして、いままでの間に自主交渉で解決できなければならなかったはずなのにこれが解決できなくて、運輸大臣の要請あるいは労働大臣の出馬、その前に公労委への持ち込みというようなことが行なわれたけれども、最終的に妥結に至らなかった。なぜこのような事態になったのか、これを少し究明しなければならぬと思うわけであります。  そこで国鉄当局に伺いますけれども、ここまでいく前に何とか解決の方法はなかったのか。いいところまでいっていた。しかし、最終的に完全な意見の一致にならなかった。それは当局の回答をのまなかった組合側が悪いのだと一口にきめつけていいのかどうなのか、私はなお疑問を持たざるを得ない。というのは、長い間国鉄についてはほぼ同じようなケースの交渉、そして闘争、そして妥結というようなことが繰り返されてまいりましたけれども、私は、十年一日のごとく、その交渉のやり方、あるいは妥結の方法、あるいは機関の利用等々について全く新味がない、マンネリだ、いつも同じことを繰り返して、迷惑を受けたのは利用者である国民であったというようなパターンが、少しも改まっていないのではないかというように思わざるを得ないわけであります。  私は、国鉄労働者すべて、国民の足を守る交通体系の中で最も重要な輸送機関を担当しているのは国鉄だという自負とそして責任は、だれも持っていると思うのであります。しかし、その自負と責任を一〇〇%貫徹をするには、最小限これこれこれだけの要求はとらなければならぬという使命感にも一面燃えての要求でもあろうかと思うわけであります。自分さえよければ人はどうでもいい、自分の要求さえ通れば国民の足はどうなってもいい、国鉄はどうなってもいいというような気持ちでやっているものでないことは明らかだと思うわけであります。したがいまして、従来のたび重なった交渉の反省の上に立って、今回も全く手のつけられないような状態でこのような事態になったと思っているのか、いまになってみればああもすればよかった、こうもすればよかったというようなことがないというのか、この辺をまず国鉄の当局から最初に伺いたい。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 今回動力車労働組合が要求しております安全保安に関する要求は、すでに従来より再三——再三といいますか、そのつど話し合いを進めてまいったのであります。すなわち三河島事故以来、労働組合との間に事故防止に関する話し合いというものを設けまして、団体交渉以前の問題であるということで話し合いを進めてまいっております。事故防止に関することについての組合側の要求がございますれば、その場において解明し、当局側からもいろいろな施策について組合側に説明し、いろいろ組合側の意見も聞くという立場で、事故防止については万全を期して進めてきたつもりでございます。したがいまして、今回の闘争につきましても、安全保安の戦いと称して、三月の五日に順法闘争と称するサボタージュに入ったわけでございますが、話し合いに入る前に順法闘争と称するサボタージュに入るということで、非常に私どもとしては遺憾に思いまして、話し合いをする以上平和的に話し合いをしようではないか、違法なサボタージュは直ちに中止して平和的に話し合っていこうということで説得を重ねてまいったのが現在までの状況でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 今回の組合側の要求は、いまもいみじくも答弁の中にありましたように、従来からもやってきた、そしてそのつど交渉の場にのってきた問題でもあった。これが集中的にいわゆる保安安全という形で強く打ち出されてきた背景にはそれなりの理由があると思うのです。たとえば、昨年乗務員が五名も事故で死んでいる。あるいは、お話もありましたような、三河島の原因が今日なお依然としてその真相は究明されていない。あるいは直ちに改善を要する踏切等が危険個所として三千三百三十四カ所もある。こういう問題も、乗務員あるいは国鉄労働者自体の安全の問題もさることながら、国民のための国鉄という立場から乗客の安全ということも必ず付随してきておる問題であることは、国鉄労働者だって十分知っていると思うのです。この問題をたな上げして、その場で、何といいますか、急場のがれの話し合いを終わったとか、あるいは、まあまあこの辺でとかいうようなことで安易に事を考え過ぎて、根本的な問題の追及なり対策に熱意を欠いたところに、根本的な問題があるのではないかというように私は思うわけであります。でなければこのような問題が突如として出てきて、突如としてこのような事態になるなんということは考えられない。なるほどそのつど誠心誠意話し合ったと言うかもしれませんけれども、第三者が見たり、あるいはこれに特に関心のある人たちから言わせれば、きわめて不十分な回答であり、根源にさかのぼった対策ではない、妥結の内容ではないというようなことから、問題がやはり次から次へ未解決のまま持ち越されて、積年の弊害が積もり重なって今日の保安安全の要求になり、この解決を完全にしなければ、どうにも国鉄労働者として国民の最も安全な輸送機関国鉄を運営する責任を負えないというほどのせっぱつまった気持ちからの要求ではないのか、このように私は思わざるを得ないのでありますけれども、職員課長でなくて、局長からもう一度この点についてお答えをいただきたい。——職員局長いないようですから、課長でもけっこうです。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 安全の問題につきましては先ほどから繰り返し申し上げますように、国鉄輸送業務の最大の使命ということで重点的に投資を重ねてまいりまして、かなりの改善がなされておるわけであります。組合側が要求している内容の中には、先ほど説明いたしましたように、たとえば踏切道の全踏切を立体交差しろという要求をしているわけであります。たとえばこういう問題につきましては国鉄だけの力ではいかんともしがたい問題でございますし、地元との関係あるいは建設省との関係もございまして、それぞれ話し合いのつくところから順番に進めてまいっておるわけでございます。その他四種踏切の一種化ということ、あるいは踏切道の廃止、統合というものにつきましては毎年かなりの改善費をかけまして進めてきているところでございまして、組合の要求のように全踏切を立体交差にしろということは一朝一夕にはできない問題でございます。そういう意味で、一つ一つ具体的に説明をし納得をするようにして説明を進めているところであります。あるいは車両の前部補強を行なえということでございます。これに衝突いたしましたときに車両の前部が強くなければ乗務員が死傷事故に至るということで車両の前部を補強しろということでございますが、今後の優等列車におきましてはかなりの改善ができますけれども、従来の電車等につきましては、かなりの改善はしておりますけれども限界があるというようなことで、これも十分説明をし納得をしていただくようにつとめておるわけでございます。  そのようにして個々の件名につきまして、当局といたしましては一つ一つ理を尽くして組合側に説得をし説明をし理解を深めるようにつとめているところでございます。したがいまして、従来から運転保安のための設備投資、あるいは組合側の要求について全く考慮してこなかったということでは決してございませんので、御了承いただきたいと思います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 私も全くやっていないと、こういうことを申し上げているんではないのであります。ただし今度も、先ほども話題になりましたけれども、危険白書なるものが出ております。それに伴う宣伝パンフレット等も巷間に配られておるわけでございます。この危険白書等に対する国鉄当局の見解を聞いてみますと、白書の全部を調査しているわけではない、しかし首都圏については指摘されたとおりの個所もある、また改良済みの個所もあるし計画中の個所もあるというようなことも、よその委員会での答弁等でされております。この白書の全部を調査しているわけではないが、首都圏については指摘されたとおりの個所もある、あるいは指摘はされたけれども、不十分であってもいわゆる改良の済んでいるところもある、また計画中のところもあるんだ、こういうような態度が国鉄当局の態度だというように聞いておりますけれども、それで間違いありませんか。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 そのとおりでございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 そうしますとやはり三千三百三十四カ所一挙にやれ、直ちにやれ、これは要求するほうも間違いではありませんけれども無理だと思うのです。しかしやはり国鉄当局としては、それが国鉄の安全輸送のために必要だというならば、何かしら前進した形の対策が具体的に立てられなければならぬと私は思う。無理だ、でたらめだ、むちゃを言うな、それだけでこの問題が片づくものではないと思うのであります。たとえば労使双方が、それでは労使双方からなる調査委員会をつくろうじゃないか、そして優先順位をきめようじゃないか、そして最大限の工事費を捻出をして可及的すみやかに改良をやろうじゃないかというような前向きの方向での努力と説得がなければ、この問題は解決をしないと思うのです。あなたに回答を求めれば、いや、それはやっているんです、こう言うに違いない。それをやっているんだけれども受け入れてくれなかったんだ、こう言うかもしれない。しかし、言ったが受け入れない、それだけの関係で簡単に決裂だとかあるいはもうやることはやったんだということで国鉄当局の責任を回避できるものではない。そこに粘り強い説得が必要だし、交渉が必要だと思うのです。その辺の国鉄当局のものの考え方、いや、当事者間で話ができなければ公労委という機関がある、労働大臣もそのうちに何か言ってくれるんじゃないか、政党も介入するんじゃないか、まず第一国会が黙っていまいなどという甘い考え方がもし当局の頭の中にみじんでもあるとするならば、私はこれは責任を回避したことになると思うのです。あげて労使の問題だからだれの世話にもなりません、労使でやりますという気魄がはたしてあったかどうが。私はこの点にやはり注文と同時に疑問を持たざるを得ないと思うのです。徹夜でやりました、何時間やりました、こちらにはやる気持ちがありましたけれども、相手方が席を立って帰ってしまったんです。子供のけんかじゃないのです。そこをなお粘り強くやらなければならないのが当局の責任だというように思うのですけれども、いかがでございますか。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 先ほど申しましたように、本件は当時者能力のある当局と組合の中で自主的に解決できる問題でございます。その意味で精力的に交渉を進めておるわけであります。  それから保安設備の問題についてもう少しやりようがあるのではないかというお話でございますが、これはもちろん御指摘のとおりでございまして、現に動労以外の他組合との間の事故防止委員会におきましては、動力車労働組合が要求しているのと同じような保安設備に対する種々の組合側の要求がございます。それらについてはそれぞれ持っております事故防止委員会の中の小委員会というのを設けまして、そこで十分話し合いをしながら進めるという態度で目下進めておるところでございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 私の予想したとおりの答弁であります。国鉄当局としてはやるだけのことはやりました、そして前進の方向も出ました、こういう論法しかない。最悪の場合は国民の世論がこれをきめるというような気持ち、きょうの事態を予測してここ数日間を徒食し、無為に過ごしたという責任感がありますか。もう最悪の事態が惹起するんじゃないかという心配は数日前から当局にあってしかるべきなんです。それを労働組合のほうが言うことを聞かぬからこういうことになったのだ、国鉄婦局はやるだけのことをやって、だれにも非難をされ、指弾をされる何ものもないというだけの自信が、この場でお答えとしてできますかどうか、もう一度伺いたい。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 先ほどから申し上げますように、今回の問題は三月五日以来徹宵に近い形で連日連夜話し合いを進めてきたわけでございます。先ほども申しましたとおり八日に、どうしても話し合いがつかない、違法な状態が続いて国民に迷惑をかけている、この状態を一日も放置できないということから当局側が緊急あっせんを公労委に申し入れたわけでございます。これが不幸にいたしましてあっせん不調に終わりましたけれども、その後も引き続き自主交渉を続けておるわけでございますが、さらに三月の十日には労働大臣の御仲介がございまして、ともかくこの違法な状態だけは一時中断して平和的な話し合いをしなさいというあっせんがあったわけでございまして、これに対しましては、御承知のように国鉄労働組合は仲介をいれられまして、目下平和的に話し合いをするということになったのにかかわらず、残念ながら動力車労働組合だけは依然としてこの仲介にも耳をかさずに違法な状態を続けたまま今日に至っているのが実情でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 それは課長、やってきた事実を事実として御答弁されたのであって、やるだけのことはやった、だから国鉄当局には責任は全くありませんと言い切れるかどうかと私は聞いたら、(「課長では無理だ」と呼び、その他発言する者あり)まあ課長さんでは無理だという不特定発言もありましたけれども、あなたにしてみても非常に苦しい立場だと思うのですよ。   〔発言する者多し〕

井原岸高自由民主党

○井原委員長 お静かに願います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 しかし、あなたも団体交渉の第一線で中心的な役割りを果たしてきている立場であります。あなたの見解を伺いたい。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 今日のような事態になっておるということにつきまして、われわれが全然責任がないということでは決してないと思います。しかし、私どもとしてはできるだけのことをやってきたということでございますので、御了承いただきたいと思います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 私はこれ以上この問題で追及するつもりはありませんけれども、先ほどもちょっと触れましたが、今後この問題を急遽解決するには、やはりこの事態になったからは、もうまあまあということでの解決ではまた来年もこのようなことになりますぞ。いままで年々歳々繰り返されたことなんです。したがいまして、非常な決意をもって急場をしのぐということで臨まないとどうにもならぬと思う。それには具体的に、たとえば踏切事故の対策についてはどうする、あるいは安全総点検のためにはどういう機構をつくるかというような点まで触れて事を運ばなければ、それはいわゆる闘争の山、交渉の山にすべてが具体的に——数字まで並べるということは不可能であっても、これとこれとこれは必ずやる、そしてそのためにはこういう機関をつくる、こういう機関で臨むというようなことまで説得力のある提示がなければ事態は解決しないと私は思うのです。このような点について、もう一度前向きの姿勢の強さ、見解を述べてそしい。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 個々の点につきまして、先ほどから申し上げますように、具体的にどういうふうに進めていくかということについて組合側に提示し、説明をして納得をしていただくように努力をしてきておるのでございます。他組合につきましても、他組合の中では踏切独自をとらえて専門委員会的なものもありますし、その中で同じように今後の具体的な進め方についての話し合いを進めてきているということでございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 あなたそれ以上言えないというお気持ち、わかるのです。  次官にお答えを願いたいのですけれども、先ほどから次官の答弁を聞いていると、きわめて問題を深刻に受けとめられ、そして一刻も早い解決のために運輸省が全力を投入するという決意のほどは十分うかがえるわけであります。ただ、大臣にしても次官にしても、永久に運輸大臣ではないし、運輸政務次官ではないわけでございまして、運輸省や国鉄の幹部のようなわけにはいかないと思うのです。しかし先ほどのような次官の見解に立つならば、私は、今度のこの闘争の解決は従前とは違った形の解決の方法をしなければ一時しのぎの解決に終わってしまう、このように考えるわけであります。もう一度次官の国鉄に対する解決の方向へ向かっての指導なり要請のあり方について伺いたい。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 お答えします。  今度の国鉄のこの問題については、安全というものを追求することから起こってきたことだと思います。したがって、安全、スピード性、公害、住民意思尊重といったような、いままでの運輸行政と違った運輸行政が今後行なわるべきであるということは、これは先生方皆さん御承知のとおりだと思います。  そこでその安全問題について労働組合は労働組合としてこうやるべきである、こう考えるのは私は当然だと思います。ところが国会でも、交通安全対策特別委員会で各党あげて国鉄の安全問題についてもう慎重な審議がいまから展開されようとしているときでもあります。したがって、安全問題について労使双方が大いに話し合い、追求し、そして万全の策をとっていくということについては、私は賛成であります。ところがそれをやるためにここに紛争らしき行為をやるという、その点が私はどうも理解できない。したがって、この安全問題は十分に国をあげて、政治力をあげての解決をしなくてはならぬ問題でありますから、これを争議に結びつけるというやり方だけは明確にひとつ切ってほしい、これが国鉄紛争に対する私どもの考え方であります。したがって、紛争に突入して、そしてそれをバックに安全を確保するというパターンはもう許されない。もう大衆も安全を追求し、政治も安全を追求し、労使双方安全を追求しているのですから、それは話し合いで、堂々と労使間でやるべき問題である、こういうぐあいに考えておりますので紛争を起こして大衆に御迷惑をかけてやるというやり方というものに一応ピリオドを打っていただきたい、私はそう考えている次第であります。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 順法闘争などをやらずに、紛争などを起こさずに事態が解決できれば今日のような事態にはなっていないわけなんで、これが繰り返しやられてきたところに根本的な問題の放置、なおざりがあったと私どもは言わざるを得ないわけでありますので、いまお話のありましたような強力な行政指導を国鉄当局にもやっていただいて、すみやかにこの事態を迎えますように切に要求をして私のお尋ねを終わります。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 梅田勝君。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 このたびの問題で明らかなことは、動労が、一つは二人乗務を中心とする労働条件を主として改善することによって、国民の足を安全に保障していくという問題がございます。それからもう一つの問題は、施設を十分に改善する。現在国鉄の踏切は半分は安全対策が十分とられていないということは、もうすでに数字で明らかであります。そういう点を万全の体制をしかるべくとるべきだ。こういった施設改善を中心とした安全対策を十分にしろ、この二つの要求が出されておったと思うのですね。  私はまず質問したいのでありますが、この要求自体の正当性について、国鉄当局はどのように考えられておるのかをお尋ねしたいと思います。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 御指摘の要求のうち、二人乗務の話でありますが、二人乗務の話につきましては、すでに昭和四十四年に労使間の協定によりまして、従前二人乗務をしておりましたところを一人におろすということで、いろいろな設備改良を加えながらやってきたわけでございまして、一人で安全か、二人でなければだめかという安全論争につきましては、すでにこの協定がされる以前に第三者機関にはかりまして、そこの答申を得た上で実施してきた問題でございまして、その答申に基づきまして労使間が納得をして、そしてこの一人、二人問題の安全問題につきまし、てはすでに議論済みでございます。したがいまして、目下動力車労働組合が要求しております二人乗務につきましては、そういう基本的な立場から、当方といたしましては対処しておるわけでございまして、これが非常に大きな対立点になっております。  それから設備の面でございますが、設備面につきましては、先ほどから繰り返して申し上げますように、各組合との間に設けられております、労使以前の問題としての事故防止委員会というものの中で、具体的な話し合いを進めてきておるわけでございまして、これらの点につきましては先ほどから申し上げるとおりでございます。   〔委員長退席、細田委員長代理着席〕

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 それではさらに聞きますが、安全輸送の問題は、非常に大きく問題になってきましたのは、国鉄の事故が最近あまりにも多い。大阪の新幹線の事故の問題もしかり、それから成田線における踏切衝突事故の問題もしかりでございます。また北陸トンネルにおけるあの火災事故で非常に悲惨な結果が出ている。これに対する国民の不安というものがやはり底辺にあって、そして国鉄を実際に輸送業務で引っぱっていっているのは労働者でありますから、自分たちの生命の安全の問題でもあります。だから労働者にとりましては、国鉄を十分に安全対策をとらせて走らすということが、これはとりもなおさず国民大衆の生命、安全を保障するということであり、同時に自分自身の生命、安全を保障するという問題でもある。ここで国民の要求と国鉄労働者の要求というものは統一されているわけですね。だから、そこに大きな国民の支援を受けて戦いが前進する要因があると私は思うわけです。そこで安全輸送についての責任は一体どこにあるのか。国鉄当局にあるのか、公共企業体としてあるのか、あるいは労働者の責任だけに負わせるのか、国が最終的に責任を負うのか、そこのところを明確な答弁をお願いしたい。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 安全につきましては、国鉄の安全綱領にございますように、輸送に携わる者の最大の使命でございます。したがいまして、輸送に携わる者の全責任だと思います。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 企業体として責任を負うのか、そこらあたりどうですか、はっきりしておいてください。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 企業体ももちろんでございますし、それに携わります職員も当然でございます。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 だから私はこの問題はきわめて重要だと言うのです。つまり、お客を乗せて走る、その方面では当然国鉄という企業体、公共企業体が責任を持たなければならぬ。しかし実際の問題になると、運転者とかあるいはその他の労働者に対して責任を負わす、こういうことになりますと、やはり労働者としては十分な安全対策というものを保障されなければならないし、労働条件についても十分なものを保障されなければならない。賃金、その問題についても十分なものを保障されなければならぬということで、全部つながった一つの問題として要求が出されてきている。そこのところをはっきりしませんと、いま順法闘争ということで、もともと法律に従って、規則に従って十分やっていこう、こういうことでありますから、それでダイヤが乱れているという問題は、もともとそういう事態にしているということの国鉄の責任というものがとられなければならぬ、私はそのように思うわけであります。  そういう点で安全対策の根本的な問題、さらに国鉄労働者にストライキ権が保障されていない問題、こういった点で紺野議員が発言を用意しておりますので、お認め願いたいと思います。

細田吉藏自由民主党

○細田委員長代理 紺野与次郎君。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 最初に政府に聞きますけれども、きょうの上尾事件ですね。この上尾事件の発端から客観的にどういうふうに事態が進んだのかについて説明を求めます。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 先ほど加藤委員にお答えをしましたが、あらためて申し上げます。  けさ、七時十分ごろ、上尾駅で八三二M電車、これは籠原から上野間の十二両編成でありますが、到着した際、乗り切れない乗客が騒ぎ出しまして、電車の窓ガラスを次々に破壊しました。また、一部の旅客がホーム駅長室等に乱入をいたしまして、電話線を切断しました。後続の一八三〇M電車、これは新前橋から上野間十二両編成でございますが、中線に取り込み、運転を確保せんといたしましたが、この列車に乗れない乗客が同列車の窓ガラスを破壊し、また、乗客の一部分がドアを押えて運転不能にしておるというふうなことが事件の発端となりまして、先ほど、一時間ほど前の状況でございますが、上尾駅に四、五千名の乗客が集中しておりますので、その旅客を安全に移動する、あるいは輸送を確保するためにバスその他で国鉄当局が緊急処置をいたしておるというのが一時間ほど前の状況でございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 いまの報告は正確でないと思うのです。だから、三番線の六時二十九分、三十分おくれて入ってきたこの三番線の列車が、四番線に入ってきた次の列車との間にあふれた者が一番、つまり二番線に……(「五番線だよ」と呼ぶ者あり)そうじゃない、茶化しちゃいけない。一番線に入ってきた列車、七時ごろに着いたものに乗り切れないのを、次の二番線に着いた大宮どまりの列車に移動してくれということが大騒ぎの発端になっております。そういう点は、いまのお話によりますと、全然省略されているんです。事態の発端が、やはり政府のほうの責任のがれのためにつくられた報告だと思います。実際には、いま言いましたところの六時二十九分のものが三十分ほどおくれて一番線に七時ごろ入ってきた。これが一つ。これは上野行きです。ところが、それからあと、六時三十九分の大宮どまりのものが二番線、中線に入ってきた。そこに移動してくれということを言ったことから、やはり問題が起きております。騒ぎが起こっております。この点についてはどうですか。事実をつかんでおりますか。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 国鉄当局にその後の状況を報告させます。

柳井乃武夫日本国有鉄道旅客局長

○柳井説明員 上尾駅に着きました八三二Mに乗り切れなかったお客さまから騒ぎが起こりまして、運転台のガラス等がこわされ、この列車が運転不能におちいりまして、そのために後続の一八三〇Mという列車をやむを得ず中線にとりまして、動かなくなった前の電車のお客さまをあとの列車にお乗せして、それでお客さまを運ぼうと処置をしたところが、今度は両方の列車のお客さまがそのあとの列車に乗り切れないということから、またそのあとの一八三〇Mにつきましても、ガラスをこわす等の事件が起きた、かように聞いております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 だから、いま言ったように、明らかに中線に入ってきた列車に移動するよう要求したために、一そう混雑が大きくなって、そうして混乱を増す起動力にその時点ではなっているという点を当局は隠していると思います。  それから、その事態において国鉄当局は一体どういう対策をその乗客に対してとったのか、その経過を質問します。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 ただいまの御説明の状態によりまして、高崎と大宮の間にたくさんの列車がとまってしまったわけであります。約十八本、そして乗客その他の人で三万人ぐらいというような数字が推定されたわけであります。  そこで、緊急にそのお客さんをはくためにバスでもってこれを代行輸送しようということで、約三十五台手配をいたしましてその用意をしたわけであります。しかし、事態が少しおさまらないとそういうことも実行に移せないということで、すぐにはバス代行ということはできなかったわけでございますけれども、現時点においては大体各駅とも平静に戻っておるわけでございます。  なお、非常にお客さん並びに一般の群集が鉄道の施設に入りましていろいろなところを破壊するというような状況も発生しており、危険な状態であるということで、警察官を要請いたしまして、警官の援護、警備を求めまして平穏の回復につとめたわけでございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 では、そのバスの対策をした時間ですね。三十五台と言いましたけれども、何時に最初の一台が用意され、その後三十五台まで、どういう時間で手を打たれましたか。

柳井乃武夫日本国有鉄道旅客局長

○柳井説明員 各社にバスの要請をいたしましたが、正確な時間は把握いたしておりませんが、各バス会社のラッシュが終わった時点におきましてから逐次各社から回してもらいまして、バスの代行輸送の手配をとったわけでございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そこがたいへんなあなた方の姿勢です。一体何時です、ラッシュが終わったときということは。一番ラッシュがここでは七時ですよ。七時のときにそれをほっておいて、そうしていつよこしたのですか、その第一車は。そこを言いなさい。そういうところにあなた方の抜け道がある。とんでもないことです。三十五台を全部正確に……。

柳井乃武夫日本国有鉄道旅客局長

○柳井説明員 正確な時間を把握いたしておりません。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 つかめないのか。そういうところに国鉄当局の誠意がないということです。(発言する者あり)黙って聞け。国会の権利だぞ、こっちは。そういうことで、明らかに国鉄当局の誠意がない。見ていた。火事がこういうふうに見えるのを傍観して見ている。その態度が間違いだ。とんでもないことです。われわれのつかんだあれでは、起きてから五時間ですよ。その五時間後にわずかに三台、十一時三十分に三台来た。お昼ごろに来ているのです。そうしてその後に十六台、これはいま言いました事件後五時間かかっておる。ですから、三十五台来たのは、全くそういう点で国鉄当局の誠意がないということです。これが明白になっております。  それからもう一つ、三時間後における事態は国鉄は何ら乗客に事の真相を話しておらない。われわれのあれではそうですけれども、あなた方いつ乗客に対して事態の真相を知らせたか。これもお聞きします。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 混乱を起こしまして、直ちに現地の管理局並びに首都圏本部、それから人を配置し、そして現地に本部を設置いたしました。それから本社においても緊急に本部を設置して、そして現地との連絡によってできるだけの対策を講ずるようにやったわけでございます。そして現地は、上尾駅がすでにそこに本部を置けるような状態でなくなったので、駅の前の通運会社の事務所を借りて、そこに本部を設置してこちらと連絡をとるようにいたしましたけれども、駅の鉄道電話が破壊されまして通信が不如意になったわけでございます。そういうことでバスの手配その他現地でできるだけのことをやっておりますけれども、本部において十分そのことを把握できていないという状況で推移したわけでございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 だからそういう点で、乗客に対して直ちに事態のいろいろのことについて真相を知らせるとか、その他の対策を直ちにとっていない。そうして事をながめているという事態が出ていると思います。誠意がない態度が出ていると思います。このことばきわめて重要です。  それから私は、上尾においてこのことが起きたということから、次のことを聞きたいと思います。それは、上尾においては非常に通勤者が混雑しております。非常にふえております。したがって、この上尾における過去五年間における通勤乗客がどういう状態に現在までにふえてきているか、これを上り列車について、定期券の乗客及び普通乗客、これについての数字をひとつ知らせてもらいたい。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 ただいまその数字を持ち合わせておりませんので、後刻に御連絡したいと思います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 これはつかんでいないのですか。そうしたら委員長、保留質問として資料を提出してもらいます。問題は、この五年間に通勤乗客は大体二倍になっております、そしてそれに対する通勤列車の数というのはほとんどふえておらない、こういう状態で、乗客は平常のときでも非常にいらいらしている状態である。どうしてこんなに通勤旅客に対する対策をやらないか。そうしてこういういらいらした状態にほっておくということに対して、やはり今度の事件というものは関係がある。ですから、今度の事件の一つの要因は、乗客に対するところの、特に通勤乗客に対するところの施設が全く顧みられないというふうな状態が今度の原因の大きな一つの要因だと思います。だから、これについて実際にどうであったか、この点についての質問をします。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 通勤輸送については国鉄としては非常に力を入れて年々強化をしてやっておるわけでございます。この高崎線につきましては、いわゆる中電といいますか、中距離の通勤輸送でございますが、この確保については車両の編成長の増大等、できるだけの前向きの措置でいままで対処してやっておるわけでございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 いま言ったように、実際は最近乗客が非常にふえているのにかかわらず通勤対策をほとんど立ててないというふうな実情が今度の問題の基礎にあって、そうしてこういう不満をそらせるような態度をとっておるのじゃないか。今度の問題についても、そういう点についてまじめにわれわれが聞くと、ほとんど資料もない、発表できない、こういうふうなことを言うこと自体が、やはり問題の真相をずらしておるのじゃないかというふうに思います。  それから第二点について、今度の問題の原因としてお聞きしたいのは安全問題ですね。安全問題が最近ほとんどまじめに取り組まれておらないということからたくさんの事件が起きております。そのたくさんの交通事故、これがだんだん累積してきたということが、国民も不安に思い、労働者も不安に思うというところから安全を要求するということから、今度の安全順法闘争というふうなこともいわれてきたので、そういうところに一番の大きな原因がある。そのことについて政府の意見はどうですか。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 お答えします。  安全問題については、先ほどから御返答いたしておりますとおりに、一番重要な課題として今度の国会を通じまして皆さん方に御審議を願う案を出してございます。したがって、通勤問題にいたしましてもあるいは通学の問題いたしましても、都市内における混雑度を緩和するという具体的方策を出してございますので、御審議を十分していただいた上で御決定を願いたい、こういうぐあいに思うわけであります。その方針に従って安全問題と取り組んでいきます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 最近、三月五日三鷹の電車区で車輪に五ミリの幅のひびが入ったものが発見されました。このことを知っておりますか。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 その件は聞いておりません。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そういうことが全く安全ということを無視しておる。ほんとうにあなたはいま無視していることを答えました。しかし実際には三月五日午前十時三鷹電車区においてこれが発見された。あなたは知らないど言った。そういう色盲ですね、車輪が割れておるのに、そのことについて知らない、こういうふうな安全に対する色盲現象、これがあなた方の一番悪い点だ。そしてこの電車の型式は何だかわかりませんか。こういう事故を起こした機関車の名前はわかりませんか、わかる人、答えてください。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 担当がおらない関係もありまして、私その車の型式も聞いておりません。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そういう重大な事故について何も知らないという態度、だからこれはあとで資料を要求します。これはどういう欠陥車なのか、どういう型式の車両なのか。これは何べんも事故を起こしている前科者です。そういうことがわかっていないのか。前にそういう事故を何べんも起こしている車だということです。そのことを知らないというのは怠慢です。  それから次にお聞きしますけれども、最近の大阪の新幹線の脱線事故、これについての調査委員会の事故の原因の発表、これはどういう結論ですか。

住田正二運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○住田政府委員 いま手元に詳しい報告書を持っておりませんが、推定原因として二つの点をあげております。一つは油等の原因だと思いますが、そのためにすべったのではないかということ。もう一つは電気の回線のほうの問題。その二つの原因を推定原因としてあげておりまして、その二つに対しまして対策を講じております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 油かすですべるような新幹線なのか、こういうふうな新幹線の安全性というものが、全く科学的な根拠もはっきりわからない、そういう事態だと思います。この調査委員会はどういう構成なんですか。部外の者が入っているのですか、国鉄の部外の科学者や技術者も参加してなされたものかどうか。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 この調査委員会には外部の人をお願いいたしておりません。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そういう点から見ても、国鉄部内においてほんとうの安全の侵されている実態を、広く部外の権威ある人たちによって明らかにされることをおそれている。ここにも安全に対する不誠意な点があると思います。  それからあの事件が起きたすぐ直後に二月二十四日、二月二十六日、二月二十七日と連続的に新横浜駅で新幹線が事故を起こしております。その事故について知っていますか、どういう事故が起きているか。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 具体的な内容は承知しておりません。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 これは全く新幹線をあなた方が大っぴらに何の欠陥もない車であるかのように宣伝しているが、しかし実際にはこの日に起こっているのは、わが赤旗の新聞にもちゃんと報道しておりますよ。それもあなた方は見てない——見てないと称している。国民にそういう事実を知らないといって、そうしてないかのように無視している。これはどういうことかといえば、二百キロの時速でもって新横浜駅を通過する。それが突然急ブレーキがかかった。それが二十四日に起きている。二十六日も起きている、二十六日は二回、さらに二十七日も起きている。しかもこの運転士さんはちゃんとCTCのある総合指令所に行って、そうしてあそこを二百キロで飛ばすのは危険である、七十キロにダウンして通過すべきでないかということまで言っているのですよ。こういうことを知っておりますか。

細田吉藏自由民主党

○細田委員長代理 ちょっと紺野君に委員長から申し上げたいと思いますが、安全の問題は非常に重大な問題でございますし、国民ももちろん最も関心を持っている問題でございます。そこでかなり専門的な御質問になっておりますが、本日は政府委員の側はまだ参っておりません。そのほうの担当の者、総裁、副総裁が来ておれば別でございますが、担当でない者が答えて、もし何かこれに対する誤解や間違いがあってはいけないと思いますので、これを呼びませんといかぬと思うのであります。そこでこの問題は政府の側で担当の者を至急呼んでもらうことにいたしたいと思います。紺野委員がその問題以外の問題でお続けになるか、そういうことにしていただかないと、間違いが起こりますとこれは非常に重大問題でございます、御質問の内容が安全問題ですから。急にきょうは緊急質問だったものでございますから、関係官が参っておりません。そこでこれはあしたにでも別な機会にしていただけますか。あるいはもうちょっとあとにして係官を呼ぶか、いずれかにしていただかないといかぬと思います。どういたしましょうか。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 その点は質問を保留してあとでしますけれども、いまの点から見ても、ここに来ておられるのは佐藤政務次官、原田審議官、住田国鉄部長、原岡常務理事、こういう方々です。お歴々ですよ。こういう方がほとんどわかっておらないということは、いかに安全についてほおかむりをして真実を知らせない、そういう点がやはり根本にあるということです。このことが今度の大きな問題です。じゃ、このことについてはさらにあとに保留します。  上野保線区の問題についても私この前質問しましたけれども、百六十六カ所にわたって二十五ミリの誤差ができておる。これは当然十五日以内に修理しなければならない、修理しなければ、そこを徐行しなければいけない。こういう個所がちゃんと明白であるのに、これについて何もしていないのじゃないか。このことについてどういうふうにつかんで、どうやっておられるか。今度は新幹線じゃありませんけれども、上野保線区について、特に今度の高崎線やその他について大きな関係のあるところですから、この前も何べんも問題になったところだけれども、当局はこれについてほとんど誠意ある答弁をしておりませんから、重ねてこの時点で質問いたします。答弁してください。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 その件につきましても担当が参っておりませんので、詳細のことをお答え申し上げることは適当でない、かように存じます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 じゃ関係者を呼んでもらいます。それまで……。

細田吉藏自由民主党

○細田委員長代理 それでは委員長として申し上げますが、保安の関係の方を来ていただくようにお願いします。——ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

細田吉藏自由民主党

○細田委員長代理 速記を始めて。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 じゃ、これを答弁できる、技術的な面について十分に説明できる安全問題についての権威を、あなた方が持っておられる権威を出してもらうということで、それから質問を継続します。

細田吉藏自由民主党

○細田委員長代理 紺野君の質疑は一応あとに譲りまして、次に、松本忠助君。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 今回の動力車労働組合の順法闘争、これにつきましては、去る三月五日以来連日混乱をしているわけでございますが、先ほど原岡常務からもお話がございましたけれども、これでけがをした人が八十二人のぼっているというような話、まことに、けがをなさった方々に対して、心からお気の毒といわざるを得ないわけでございます。そのほかに、私も毎日国電を利用いたしまして、東十条駅から新橋駅まで、そして新橋からはタクシーで国会へ参っております。毎日のように、ここのところ混乱している電車の中に乗っておる被害者の一人でございます。そうした点から、けがをなさった人、この八十二名以外にも泣き寝入りをしている人がたくさんあることを私は見ております。そればかりでなくて、めがねをこわされたとか、あるいはまた外套のボタンがなくなったとか、数え上げれば切りがない、いろいろの被害が出ているわけでございます。そうしたことを考えまして、この乗客の迷惑、その怒り、いままで黙っていたけれども、がまんにがまん、耐えに耐えていたけれども、もうがまんし切れなくなった。そういったことから、けさの上尾の事件になったのではないかと思うわけでございます。  この順法闘争の影響がどうあらわれるかということについては、貨物輸送の運休、おくれ、そういったために生鮮食科品が、あるいは生活物資が値上がりをする、こういったことは予想された事態だと思うわけでございますが、これを今日まで放置しておいた田中内閣の責任というものに対して、私は重大な問題であろうと思うわけでございます。国鉄と動力車労働組合の直接交渉、これをさせておいて、傍観していたところの政府の責任、これは私は追及をいたしたいわけでございます。  まず第一番に、運輸大臣でございますが、お見えがございませんので、かわって佐藤政務次官に、責任ありやいなや、このことについて明確なお答えをいただきたいと思います。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 御質問のこのような労使問題について、問題の究明なくして政治的な介入というものを直ちにやるということは、私は本旨ではないと思います。したがって、政府としては、労働大臣がこれに直ちに当たり、そして運輸大臣としては、運輸行政全般にわたって国民大衆に御迷惑をかけないように並行的に行政指導をやっていく、そういう面において措置していくのが、私は当然の運輸大臣の責任であろう、こういうぐあいに思っております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 いかにも労働大臣におっつけてしまって、運輸大臣は責任がないかのことき話でございますが、運輸大臣と労働大臣は、一体この問題に対して、どれぐらい会って、お話をしたことがあるのか。実際に話をしたことがないのか、あるのか。この点はどうですか。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 三月五日に、この問題が惹起いたしましてから、直ちに運輸大臣は、労働大臣と横の連絡をとりながら状況報告をし、そうして運輸大臣としては、国鉄に対して労使双方の行政指導というものを、運輸行政全般にわたっての、御迷惑をかけないように指導しながら、労使間のいろいろな問題についてのいろいろな状況報告を労働大臣に横の連絡をとりながらやっていったわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 労働大臣、労働省関係の方もお見えになっておりませんので、——要求してございますが、お見えになっておりませんので、やむを得ませんから、次に移ります。  農林大臣は、生鮮食料品、この需給の見通し、こういうものについて、十分計画を建てていたと思うのですが、この輸送がどうなるかという状態。三月五日以来この問題に対してどのような考え、そしてどのような策を講じていたか。輸送に対して運輸省に、あるいは国鉄に要請した事実があるかないか。この点、どうでしょう。

鶴哲夫農林省食品流通局流通企画課長

○鶴説明員 国鉄のこの闘争によります生鮮食料品等への影響につきましては、私どもも重大なる関心を持ち、憂慮いたしておるわけでございまして、農林大臣にもそのつど神田あるいは築地の市場の価格の動向、入荷量等の動向につきまして報告をいたしております。農林大臣からも適切な指示をいただいておるわけでございます。  農林省といたしましては、この五日に始まりました闘争の結果、市場への入荷と、特に国鉄に依存をいたしております、北海道からのジャガイモやタマネギ等、あるいは西日本から参りますミカン等、あるいは関西への東北から送りますリンゴあるいは水産物等につきまして、それぞれ影響が出ておりますので、三月の八日に、農林省から国鉄に対しまして、生鮮食料品の輸送の円滑化について要請をいたしまして、輸送の優先受付、あるいは貨車等の優先配車、急送品列車の優先運行、停留中の当該貨物の優先輸送につきまして要請をいたした次第でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それでは、警察庁がお見えのようでありますから、警察庁の方にお伺いするわけでございますが、今回のこの上尾の事件でございます。事件と言っていいかどうかわかりませんが、上尾で発生しました問題でございますが、このことにつきまして、まず先にお伺いしておきたいわけでございます。  けさ、あの上尾における問題が発生しましたとき、警察官は、上尾の駅にいたか、いなかったか、どちらでございますか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 お答えいたします。  上尾駅前の派出所に三人の者がおりました。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 上尾駅前の派出所に三名の警察官が配置されていた。その三名の警察官はどういう行動をとったか。その点について何か情報が入っていれば、お知らせ願いたいと思うわけでございます。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 事件が発生したのは七時三十五分ごろと聞いておりますけれども、その瞬間には駅の前におりましたので、駅の中の事情は知っておりませんでした。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 聞くところによりますと、警察官が一個中隊出動したということを聞いております。これははたして警察官の判断で出動したのか、あるいはまた国鉄の要請があって出動したのか、このどちらかと思うのですけれども、あるいはまた一般の方々が一一〇番などで通報したのかわかりませんけれども、いずれにしてみても、私は一個中隊の出動があったということを聞いております。この点は事実でしょうか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 これは熊谷の鉄道公安室長から一一〇番で出動要請があって、出動をしたということでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 そうしますと、国鉄側の要請によって出動したということでありますね。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 さようでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それでは、その状態は現在でも続いているのか、それともあるいは解除されたのか。そしてもう一つ問題になるのは、これからのことでございます。きょうの夕方の問題である。このことをニュースあるいは夕刊こういうもので承知しました乗客、あるいはそれに輪をかけたような、やじ馬と申し上げてはたいへん失礼かもしれませんけれども、そういう方が非常に多いわけでございます。そういう人が通勤の帰りに、また騒ぎを起こすことにならないという保証は何もないわけでございます。そうしてみますと、今晩のこれからの体制、これに対して国鉄の公安ではどう考えるか、それから警察当局としてはどのように考えているか。今晩のこれからの体制についてどのような準備がなされているか、その点を聞いておきたいわけであります。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 今晩のラッシュ時における体制でございますが、首都圏各駅において同様な事案の発生が予想されますので、警視庁では警察官一万一千六百名を動員して警備に当たっております。上尾駅、埼玉県その他関係の駅においてもそれぞれ万全の警備体制をとるように連絡をいたしております。   〔細田委員長代理退席、委員長着席〕

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 いまのお話でございますと、一万一千六百名という膨大もない警察官が上尾周辺を中心にいたしまして警備体制についている。これはゆゆしい問題だろうと思うのですけれどもね。一万一千六百名というのはあまりにも多過ぎるのじゃないでしょうか。不慮の事態を予想し、問題が何も起こらないようにするために、そのような多量の出動があったということも考えられないではありませんけれども、とにかくけさの群衆というのも、一説によると七千ともいわれておりますし、六千ともいわれております。いずれにいたしましても、今晩はそれほど大きな問題にはなるまいと思いますけれども、一万一千六百名という警察官の出動の体制は、これはあまりにも多過ぎるように思いますけれども、この点はどうでしょうか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 これは直接駅に配置というのじゃございませんで、都内から近県全般にわたっての、たとえば交通警察官それから待機している部隊、そういうものを全部含めて、いつでも出動できる体制にあるものということでございまして、直接駅に配備されているという意味ではございません。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 いずれにしましてもきょうの夕方、これはいろいろの問題が起ころうかと思いますから、厳戒体制をとられるのもやむを得ないかと思いますけれども、あまり先走りしないようにしていただきたいと思いますし、この一万一千六百名の要請は国鉄からあったのか。それとも警察庁自体の考えなのか。この点はどうですか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 これは十分情勢を判断して、国鉄の見解等も聞いた上で、独自に配備したものでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 この点については、国家公安委員長の了解を得ていますか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 国家公安委員長のほうにも御報告申し上げております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 報告し了承を得ていることというふうに聞いたわけでありますけれども、いずれにいたしましても、きょうこれから、けさのような間違いが起きないように厳戒はしていただきたいと思うわけでございます。  大体、警察庁としては今回のこの問題に対していままでどのような手配をやってきたのか。この三月五日ごろから順法闘争なるものがだんだんエスカレートしてきたこの状態において、警察庁としてはどのような処置をとったのか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 最近の順法闘争に対しましては、全国の各都道府県警察では一日最低約千三百名から最高五千名の警察官を動員して警備に当たっております。特に昨日からの動力車の第二波順法闘争に対しては、これまでの最高二千五百人から五千人というふうに、体制を増強して警備に当たらしております。  なお、国鉄当局に対してもこの九日に警察庁次長の名前をもちまして総裁あてに文書で要望いたしましたし、また責任の者に来ていただきまして、それぞれ警察の体制なり、これに対する国鉄の警備体制について協議をいたして、その結果、国鉄のほうからも十二日に文書で回答がございまして、警察の趣旨に従って負傷者等を出さないように万全の警戒体制をとる、必要な場合に警察官の派遣も要請するという意味の回答を得ております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 いずれにいたしましても、大量の警察官が今晩これから都内をはじめとして埼玉県各方面まで出動し警戒に当たる。このことについて、善良な市民に迷惑のかからないように、行き過ぎがないように十分気をつけていただきたい。この点を要望しておきます。警備局長も忙しいことだと思いますから、以上で警察関係の質問を終わりますので、退席していただいてけっこうであります。  ところで、原岡常務理事に伺うわけでありますけれども、鉄道公安官のほうはどのような体制になっておりますか。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 けさは、鉄道公安官が百名、直ちに現地に配備についたわけでございます。日ごろは安全のために鉄道公安官の配備準備を十分整えておるわけでございます。そしてまた非常にあぶなくなる場所というものは大体見当がつきますので、そこに重点的に配備をしておるわけであります。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 今晩これからの体制は、どんなふうになっていますか。おわかりだったら、述べてください。おわかりにならなければ、けっこうであります。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 公安官の配備につきましては、私、だいぶ前からこちらに来たままになっておりますので、具体的な配備の計画は承知しておりません。もちろん全力をあげて配備する計画にはなっておると思いますけれども、具体的な内容は存じておりません。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 けっこうであります。後ほど調査の上御報告いただけばけっこうであります。  そこで、重ねて国鉄に聞くわけでございますけれども、運輸大臣が所信表明の中でも述べられましたように、あらゆる輸送機関は安全を第一に考えなければいけない。これは大臣の言を引くまでもございません、国鉄といたしましても、当然人命尊重、運転保安の確立という問題については、国鉄当局自体の大きな問題でございますので、これはもう御異論のないところだと思います。要するに、安全を確保するということが国鉄の生命綿であると私は思います。  ところで、今回の順法闘争のように一般乗客か犠牲にする形でその話し合いがなされているということについては、私はどうも合点がいかないわけでございます。今回の労使の交渉を見ておりますと、国民や乗客の立場が軽視され、そうした状態において何か行なわれている。これはどうも最もいけないことではないかと思うわけでございます。安全第一の国鉄をつくり出すためにも国鉄労使の共同責任でこの問題の解決に当たるべきではなかったか。これが延々として解決がはかれずにこのような事態が起きてしまったということに対して、国鉄の当局としてはどのように責任を感じられますか。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 安全の問題は輸送の前提でございまして、まさに労使問題以前の問題として、当然最も大事な基本問題として認識しておるわけでございます。この安全の問題を一つの種にして、お客さんあるいは荷主さん、こういうものを不在のかっこうでこのような状態が進められておるということについてはまことに申しわけない、非常に遺憾とするところでございます。したがいまして、いままでもお客さん、荷主さんにたいへんな迷惑をかけて申しわけないと思いますけれども、ひとつこういう事態に対処しまして根本的にこの安全問題を確保し、労使の不正常によって悪い状態をつくるということが根絶するように誠心誠意熱意をもって解決に邁進したい、かように思っておるわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 営業担当のあなたにこうきびしく言うのもお気の毒なような気もしますが、確かに職員局長がおり、また今回の問題を担当されるところの、言うならば阪田常務理事あたりが出てくるべきじゃないかと思うのですけれども、まあ原岡さんが営業担当としてここに出てきたためにどうしてもあなたに矢が当たるわけであります。しかし国鉄の常務理事とし、当然この責任の一半は負うべきであろうと思いますので、重ねて国鉄の見解を聞くわけでございますけれども、動労の主張するように、今回の闘争の目的がいわゆる運転保安の確保などという安全にかかわるものであれば、それは早急に対策は進めなければならぬと思うのです。  先ほどからいろいろ伺ったわけでございますけれども、この交渉というものがなかなか進んでいなかったということであります。この国民を困らせる、そして政治問題化す、社会問題化す、こういうふうなことをねらおうとするのだったら、労働組合もちょっとみずから墓穴を掘るのではなかろうかと思います。そういうことはないと思いますけれども、いかにも今回の問題があまりにも長引き過ぎている、解決がつかない、こういうことに対して本来ならばもっともっと磯崎総裁自身が、あるいはまた職員局長などとほんとうに一体になってこの問題に取り組んでいたのかどうか。単に職員局長にまかせておいて、自分は第一線から後退して、そして時期がくればおさまるさ、あるいはまた世論が沸騰すればそのときに出ていけばいいのだ、こういうようなかまえが総裁の腹の中にあったのじゃはいかという推察をしている人もあるわけであります。ほんとうに総裁が現実にこの問題の解決に当たろうとするならば、もっともっと総裁自身が矢面に立たなければ問題の解決はできないと思うのです。  これは三月十三日の朝日新聞に載っておりますけれども、目黒委員長は総裁に何回ぐらい会っていますかという質問に対して、目黒委員長は、自分が委員長になってから四年間にわずか四回だ、年始に会った程度だ、こういうことを言っております。私は国労の、あるいは動労の委員長と国鉄総裁が会ってはならないということはないと思います。もっともっと労使がほんとうに腹をぶちあけて話し合うならば、こういう目黒さんが言われるような四回ということが事実であるとするならば、これは国鉄総裁がもっともっと真剣に労働組合の最高幹部と会う、そして問題の解決をみずからやっていこうというその気迫がなければ国鉄の問題の解決にはならないと私は思うのです。総裁がここにいればもっともっと総裁に私は問い詰めたいわけであります。残念ながら総裁がここに見えておりませんので、矢面があなたにいくわけでありますけれども、いずれにしましても目黒委員長が言っているような、四年間にわずか四回というようなことであっては、しかもそれが年始程度だ、こういうことでは労使間の話し合いというものがふだんから行なわれていなかった証拠ではないかと思うのです。もっともっと労使間で常々話し合っていれば、そこまで問題をこじらせなくても問題は片がつくだろうと思うのです。そういうことをみずから放棄しているところに私は国鉄総裁の責任があると思う。この点どうでしょう。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 目黒委員長が四年間に四回しか総裁に会っていない、このようなことは私は存じません。  それから日ごろから総裁が交渉の第一線に出てやるべきじゃないかという問題でございますけれども、この交渉につきましてはいろいろなやり方があろうと思います。いまここでそれをとやかく言うのは適当でないと私は思います。しかしながら、総裁としては、あるいは国鉄当局としては常に積極的に、自主的に組合とその問題は話し合って、交渉して解決していこう、こういう熱意は日ごろから一ぱいでございまして、それが十分に成果をあげていない、しかも第三者にあたかもその力をゆだねておるといいますか、第三者によって何とかその解決の糸口をつくろうというような印象を与えておるとすれば、これは非常に遺憾なことでございまして、そのようなことも踏まえまして、今後はなお積極的に、自主的に組合との話をやってこの問題を解決していくように努力するという姿勢と実をあげていくようにしなければいけない、かように思います

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 目黒委員長がみずから朝日新聞に質問に答えて——三月十三日の朝日新聞に載っているわけであります、四回ということは、私は目黒委員長が言うのは決してうそじゃないと思うのです。それは何回会おうと、国鉄総裁のほうが拒否していれば、これは会おうと思っても会えないかもしれません。しかしやはり私はいまの国鉄の現状からして、何にしても、問題の解決をはかるのには国鉄自身がほんとうに国鉄を再建しようという心がまえがなければできないと思う。今回の再建案にしてみてもあるいは値上げ案にしてみても、結局は国民に負担を押しつけている。そうして国鉄のほうはみずからの努力を怠っているとしかいえないと私は思うのです。こういう点をもっともっと国鉄が労働組合と一体になって、そして真剣に事態を見てその解決に当たるという気迫がなければならない。それがなければ、国鉄の再建なんということはとうていできない問題だと私は思います。自分たちが真剣になって国鉄を再建しようという気持ちがあって初めてそこに労使の話し合いが円満にいくと思う。いろんな問題があると思う。財政的な問題がからんでくれば、安全のためにはどうしてもこれだけの金が要るのだ、だとすれば、政府に労使が一緒になってぶち当たればいい。国民の交通安全を願うならば、国鉄当局といわゆる労働者の側と一緒になって、この問題はどうしてもこうしてもらいたいのだと運輸大臣にぶつかる、大蔵大臣にぶつかっていくだけの気迫がなければ、問題の解決にならない。ことに安全という問題は今回の紛争の一つのポイントでございますから、そういう点から考えれば、私は、国鉄自身、特に国鉄の当事者、理事者側がもっともっと真剣な態度をもって進むべきであろう、臨むべきであろう、こう思うわけでございます。こうした紛争が長引けば長引くほど直接国鉄利用者にとどまらず、全国民に迷惑をかけるわけでございます。  ちょっと一例をあげてみれば、この間の新聞にも出ておりました。年老いたおとうさんの危篤の電報を手にし東京駅へかけつけた、新幹線が出ない、もう飛行機も出ない時刻、こういう事態で、ついにその人はおとうさんの死に目に会うことができなかった。あるいはまた約束の時間に大阪に着けないで商取引がついに成立しなかった。そのために大きな損害を受けたという中小企業者の例もある。こういう直接的な損害あるいは心理的な苦痛に対して一体どこへ訴えたらいいのかというのが国民の声だと思うのです。国鉄は何をしているのだろう、こう国民は思っています。二言目には値上げだ、値上げだという。この値上げの宣伝はするけれども、国民のほんとうにいま期待して、いるのは安全な国鉄ということです。国民を困らせない国鉄になってもらいたいということなんです。これを裏書きするような話がけさから続々と私の公明党本部に、電話でございますけれども、通知がありました。ひとつ読んでみましても、まず国鉄の問題に対して、この順法闘争に対して、このままの状態でいいのか、何とかならないのか、こういう電話がひんぴんとしてありました。そしてまた通勤におくれる、あくれたために、結局、自分たちは月給じゃないのだ、おくれればおくれただけ生活に影響が出るのだ、一体この損害はどうしてくれるのだ、やり場がないから結局わが党の本部へかけてくるわけです。国鉄にかけてみても全然取り合ってくれないので、そうなれば結局そのしりというものはわれわれのところへ持ってくるわけです。私はそれを代弁して申し上げるわけでありますけれども国鉄当局を追及してくれ、あるいは中小企業の経営がもうどうにもならなくなってきている、このような状態を続けてもらってはまことに困るということがさまざま出てきているわけであります。こうした問題を十分に吸い上げて、一日も早くこの問題の解決をみずから当事者がやるべきである、労働大臣の出馬を促すばかりでなく、当然国鉄、そうしてまた労働組合どっちも一緒になって——徹夜ででもいいから、ただいまからやるという話がありましたけれども、ほんとうにやってもらいたいと思うのです。  そこで、もう一つ問題は、負傷者に対する補償の問題があります。先ほど八十二名というお話がありましたけれども、私の住んでおります北区王子本町一丁目二十六番の十四というところに西方しづさんという方がいます。この人が二月四日、順法闘争のときに国電の中で肋骨を折られているわけであります。東京駅へ着いて直ちに手配をいたしましたけれども、どうにも呼吸が困難だということから、その日は仕事を休んで帰った。夜になって私のところへ電話で相談がありました。私は、それはいかぬということで、直ちに田端の鉄道病院を紹介しました。翌日鉄道病院へ診断を受けさせにやりましたところ、肋骨が折られていることがはっきりしたわけであります。そうしたことから、その後北鉄道管理局の奥田法務課長が御本人のところへ行ってくれまして、いろいろ手配をしてくれました。そうした結果、この二月十日に診断書が出ました。一応五週間ということで三十五日間の休養ということになりました。事実この人はひとり者でありまして、東京駅八重洲口のほうの喫茶店につとめているという方であります。その日その日の暮らしに困っている、こういうところからいわゆる休業補償を要求したわけです。そうした結果、奥田法務課長との間の話し合いで、結局一日二千円、要するに二月十日から三月十五日までの三十五日間について七万円をきのうもらったわけです。しかし、この人はこうして私がお話をしてあげたので、こういうふうな取り扱いができ、きのうのうちに七万円もらったわけであります。しかし三月十五日で完全になおるかどうかということは三月十五日になってみなければわからぬわけであります。こういうふうに処置のできた人はいいのですけれども、処置ができないで泣き寝入りしている人がうんとたくさんあるわけなんです。先ほど原岡さんが言われた八十二名なんという問題じゃないのです。私の周囲にもずいぶんあります。小さなボタンがとれたとかめがねがこわれたとかいうそんな問題じゃなくて、からだに痛みを覚えている人がたくさんいるのですよ。そういう人たちに対して国鉄の救護体制は一体どういうふうにやっておるのだろうか。申し出がない限り何もしないのが国鉄の現状であります。しかし、おけがをなさった方はどうか申し出てくださいというような張り紙があるかというと、さがしてみてもそれはどこにもありません。これでは救護体制は万全とは言いがたいと思う。こういうことに対して運輸省としても考えなければならぬと思う、監督の立場にあるのですから。  それから、補償の体制についてはどうなっておるのか。この八十二名に対してどういうことをやったのか。私はいま西方さんの一例をあげたわけでありますけれども、私のほうで手配をした者はこうなるけれども、手配のできなかった者は全く泣き寝入りということなんで、言ってもしようがないということ。あるいはまた翌日になって痛みがあったから行ったら、翌日では全然取り上げてくれない。もうそういうふうになっている。この西方さんという人は、幸いにも東京駅に着いたときにすぐ手配をしたために、けがをしたということの証明ができた。だからこうできたわけであります。そういうことを考えますと、この救護の体制、補償の体制、これに対してどのように国鉄はやっているのか。そうしてまた運輸省としてはこれに対してどう指導監督しているのか、この両方からひとつお答えを願いたいと思います。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 毎日毎日たいへんな御迷惑でまことに申しわけない次第でございます。  まず、救護体制でございますが、表に出ない状況でもたいへんな状態になっているのじゃないか、こう思うわけであります。人体非常に混雑してそのようなことが予想される駅といいますか場所、これは大体想定されますので、そのような場所を重点に考えてけがが起こらないような体制、それからまたけがが起こった場合の医療班の体制を整備しております。  その基本には、三月八日でございましたか、首都圏の本部に旅客の安全対策のための本部を設置いたしまして、そこで全部取りまとめておるわけでございます。その前後のころに、いま先生御指摘のように、いわゆる泣き寝入りになっているような方がずいぶんいるのじゃないか、それからまた現場の扱いが不親切じゃないかというような声も耳にいたしまして、そのようなことがあってはいけないということで、本部を設置して、さっそくそこに救護の体制、それから補償の体制、これも担当の筋を通しまして補償が十分行なえるような、現場でトラブルがなく行なえるような指示体制をつくり、そうしてまた、えてして負傷された方を見た人がすぐまた次の人にバトンタッチしてしまうことになると非常に不定じゃないかということで、そういう負傷の方を最初に御案内した人は最後までその人専属につけまして、補償それから治療の関係が十分できるようにごめんどうを見さしていただくという体制にいたしておるわけでございます。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 前段の労使双方がより一そう理解と協力でやるべきであるという御意見でございますが、私も同感であります。社会情勢なり経済情勢が非常に変わってきましたのですから、いままでの国鉄の運営より以上に労使双方理解と協力をする努力をすべきである、こういうぐあいに行政指導をいたしたいと思います。  なお、けさほどから労働大臣、運輸大臣がそれぞれ労使に当たりましたが、現在の状況の御報告を簡単に申し上げますと、総裁と目黒委員長とが会いまして、総裁は「この緊急事態に際し、いわゆる順法闘争を中止されたいと申し入れた」、組合側はこれに対して「緊急事態については理解しているが、組合の要求について当局の回答をされたい」こういうことの話し合いが行なわれまして、そうして連続して議論が展開されました結果、次のような当局の最終提案がなされました。「(1)今日労使間の問題点となった運転保安設備については今後予算実行にあたって中央、地方で最大限の努力をする (2)運転保安設備については労使問題以前の問題として認識し、乗務員等が提起した運転保安に関する設備等の条件については中央、地方及び現場を通じて検討し、解決に努力する」この二つの提案をいたしまして、「なお組合側は二人乗務問題を強く主張したが、当局側は困難であると回答し、平行線に終った。しかし、組合側は緊急事態は理解しているので持ち帰り早急に回答するという態度を表明した」——ただいまたぶん労働大臣と目黒委員長が会っているのじゃないかと思います。現在の状況はこういう事態であります。  なお、補償問題につきましては、逐次詳細なデータが参りますので、その資料に基づきまして国鉄当局に適宜な補償措置をするように指導していきだい、こういうぐあいに考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 労使間の折衝の状況についての御報告拝聴しました。熱意をもって交渉に当たられていることはよくわかるわけでありますけれども、どうかぜひともきょうのうちに、少なくとも夕方までに妥結点を見出してもらいたい、こう思うわけでございます。  それから、補償の問題あるいは救護体制の問題でございますけれども、原岡常務理事にもう一点だけ伺っておきたいのは、駅に、おけがをなすった人、こういう方に対する張り紙をして、どうぞこちらへおいでくださいというようなことをする勇気はありませんか。全くどうにもならないということで困っている。よほど痛い人、ほんとうにどうにもならない人でなければ行かないですよ。みんな泣き寝入りしている。やはりそれが国鉄の責任だとするならば、駅のホームにでもそういう張り紙をするなり、どうかお困りの方は駅長室においでくださいという具体的なそういうものは出せませんか。もう少し常務理事から救護の体制と補償の体制についての具体的な問題を私は聞いておきたいわけです。時間もあまりありませんので、その問題は文書でもけっこうです。このようにしてあります、こうやりますということでもけっこうでありますけれども、まずその一つの手だてとして、駅の構内に、駅長室においでくださいということだけでも書いてあげたら、乗客の方々に対するサービスじゃないかと私は思うのです。この一点だけでもどうでしょうか、いま常務の回答はいただけませんか。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 御指摘のように申し出を待っているという姿勢じゃなくて、積極的におけがをされた方についての御案内、これはさっそく検討して、すぐ実行するようにいたします。先ほど申し上げましたように、首都圏本部に本部も設置いたしておりますし、さっそく検討して実行できるようにさせたいと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それから次の問題でございますが、これは原岡常務理事の担当部門の話でございます。  生鮮食料品の緊急輸送対策本部ですか、これができて、話によりますと、三月十日から二十五本の急送品列車を手配した。米、野菜の輸送のための専用列車、この計画と実績でございますが、出ていますか。計画はこう立てた、しかし実際にはこうであったという実際の問題です。どこからどこへ、どれくらいのものを運んだか。まあ計画によりますと、北海道、三陸、静岡、九州から東京方面に対して十一本、あるいはまた北海道、三陸、静岡、九州から大阪に対して九本というような計画は出ているようでございますけれども、この計画に対してどのような実績をもって輸送することができたか、この実績のほうもあわせて伺いたいわけであります。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 緊急の食料品の輸送対策、これにつきましては、先ほど先生がお話しになりましたとおりの計画を立てておりまして、この計画した分につきましては輸送を確保いたしております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 まあ確保したといわれればそれまでなんですけれども、私は何日に出たものが何日に入ったかというところまでほんとうは聞きたいわけです。確保しましたといえば、私のほうはそうですがといって引き下がらざるを得ないんですよ。ほんとうにいま原岡さんが手元に持っておる材料というものでいわれるならば、手配したのが三月十日だ、実際上に現発が何日だ、東京と大阪到着が何日だということが言えなければならないと思うのです。ただ手配をしたにすぎないわけなんですね。きょうはまだ十三日ですから、実際問題として三月十日から急送品列車の手配をしたということはわかるとしましても、それがいまどういう状態にあるのか。実際に東京に着いたのか、大阪に着いたのか。私はまだ着いていないと見るのです。実際にこれが出たのかどうかということなんです。実績を聞いているんです、私は。手配はだれでもできると思います。問題は、いま大宮のヤードにしましても、鶴見のヤードにしましても、盛んに貨車が停留している。たくさんの貨車が停留している。はたしてこれで空車があったのか。空車の回送ができたのか。そしてそれを完全に積んで回すことができたのか、こういう問題にひとつ私は食いついてみたいわけなんです。実際なんですか。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 先ほどは運転確保の計画でもって、その確保する量、これだけは何とか確保するということでございまして、その列車が正常の運行ができておるということではございません。したがって、各列車ともたいへんなおくれをもちまして、その分また市場につきましても、間に合ったり、たいへん間に合わなかったりという状況でございまして、一々につきまして、そのおくれぐあいそれから非常な不都合ぐあい、それはちょっと手元に資料がございませんので、御答弁できない次第でございます。  なお、ヤードにおきましては、非常にたくさんの列車が滞留し、貨車も滞留しておるということでございまして、運転の確保につきましては、ヤードにかからないような作業でもっていくというものについてだけ対処しているわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 当然フレートライナーのようなヤードにかからないようなものばかりができればいいのですけれども、なかなかそうはいかないだろうと思うので、心配するわけですプレートライナーを七十五本手配した。こっちのほうはどうですか。同じことですか。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 これも極力確保するということでございまして、七十五本の全部は確保できておりません。時間も非常に狂っております。そのために、それを利用する荷主さんからもたいへんいろいろな問題が提起されておるという状況でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 常務の答えられるのは事実そのとおりだと思うのです。実際問題として北海道に貨車の手配ができたのか、空車の回送ができたのか、北海道にそれだけの貨車があったのか、こういう問題だろうと思うのです。  実際問題として農林省に方にも伺いたいわけでございますけれども、首都圏に住むところの国民すべてが大きな迷惑を受けておるわけであります。それで問題は、生鮮食料品の値上がり、先ほど加藤委員の質問に対してもございまして、お話を伺っておりますのでわかりますが、生鮮食料品の不足、それによるところの値上がり、こういったものが、かりにきょう労働大臣のあっせんによって紛争が解決されたとしても、ほんとうに生鮮食料品の値上がり、それに対する大きな影響というものが全く解消するのにはどれくらい時間がかかるだろうか。要するに、この順法闘争なるものが終わった瞬間から、生鮮食料品の値上がりというものがストップするとは思えないわけです。どうしても品物がない。いま原岡常務が言われるように輸送というものが完全でないわけです。円滑にいってないわけですから、当然のこと、これに対する値上がりというものは、私の見解では一週間や十日くらいはやはり続くのじゃなかろうかと思いますけれども、こういうものに対して、続くとしたならば農林省としてはどのような対策を考えるのか、この点を伺っておきたい。

戸田博愛農林省食品流通局野菜計画課長

○戸田説明員 ただいまたいへん輸送が混乱いたしておりますのは、北海道の食用バレイショとタマネギでございます。ただ一番発地の北海道の発送の状況を簡単に申し上げますと、八日の日が非常に悪うございまして、食用バレイショでわずかにコンテナ五個、タマネギで四十三個という状況でございました。しかし先ほど国鉄のほうから御答弁ございましたけれども、十一日以降今週に入りまして発地のほうの受付はかなりスムーズにいっております。たとえばタマネギでございますと、十一日に貨車三十両、コンテ九七十二両ということでございます。この状況は、二月の二十日前後のものが北海道から積み出されているという状況でございます。普通大体三日ないし五日かかりますので、現在は七日、八日ごろに向こうから出しましたのが上場されているという状況でございます。やや荷物が少なくなっておりますけれども、今週に入りましてから発地は非常によくなっておりますので、それが順調に東京に入ればかなり安定した状況になるだろうというふうに思います。ただ先ほどの先生の御質問にございます、順法闘争がかりに終わったとしたならばどうなるかということでございますけれども、やはり早くて三日、おそければ五日くらいは混乱が続くだろうというふうに思っております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 これは一つの例でありますけれども、北海道の帯広に農産品のターミナルがあります。またこれに対抗して田端にも東京食品ターミナルというのがあるわけです。そこへジャガイモであるとかあるいはタマネギであるとかいうものを輸送して、常時田端のほうの食品ターミナルに保管するようなことになっているわけです。これは保管のきく品物でございますから、当然そうしたことがなされなければならないわけでございます。まあ私のほうの調査によりますと、これは単に帯広と田端間だけの輸送でございますから、これが全体というわけではございませんけれども、十月にジャガイモが六千九百トン、タマネギが三百トン、十一月、ジャガイモが五千八百トン、タマネギが三百トン、十二月になりますと、千五百トンの三百トン、一月は三百トンの二百トン、二月は五百トンの四百トン、こういうふうに、出来秋が終わりましたので逐次低下をしているわけであります。現在北海道全量としてタマネギなりあるいはジャガイモなりの駅の滞貨はどれくらいあるか、農林省はつかんでいますか。

戸田博愛農林省食品流通局野菜計画課長

○戸田説明員 御承知のようにタマネギとジャガイモは秋に収穫をいたしまして、それを貯蔵しておいて必要量をこちらに運んでくるという形でございます。ただ二月あるいは三月に入ってまいりますと、かなりこちらの気候があたたかくなりますので、タマネギやジャガイモは芽が動き出すということで、なかなか東京に長期間置けないというのが実情でございます。したがいまして、北海道の寒いところに置いておきまして、適量を輸送してくる。大体北海道から毎日、日量バレイショで千トン、タマネギで千トンというのが輸送量でございます。現地には、本年はバレイショにいたしましてもタマネギにいたしましても、通常の年よりもたくさんまだ残っております。したがいまして、輸送が円滑であれば、消費地においてこういう野菜が値上がりするという条件は非常に少ない年でございます。そういうことで毎日毎日の両方で千トンずつ、大体二千トンの輸送量が確保できるならば順調な消費が進められるだろうというふうに思っております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 東京には冷凍の倉庫が全然ないというようなお話ですね。東京へ持ってくると芋がふいてしまって腐ってしまう。だから北海道に置いておくのだ。私はそういうことじゃないと思うのです。あなたは東京の食品ターミナルを御存じですか。あるいはまた東京に冷蔵倉庫、冷凍倉庫がないと言われるが、その辺はどうなんですか。農林省はつかんでないですか。いまはそういう時代じゃないですよ。ちゃんと冷凍倉庫があるんです。ちゃんと持ってこられる。あなたたのことばだと東京には置けないから現地に置いておくんだ、こういうお話でありますが、少し認識が違うのじゃないかと思いますがどうなんですか。

戸田博愛農林省食品流通局野菜計画課長

○戸田説明員 冷蔵庫があることも承知しておりますし、低温倉庫もございます。ただ御承知のように、現在のタマネギはケース千四、五百円、千三百円から千五百円、バレイショもそのくらいの値段のものでございます。これを冷蔵庫に入れて保管料をかけておくということは、現地の生産者としてはそれだけ手取りが少なくなるということでございますので、できるだけコストをかけないような形で輸送をしていくというのが実情でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 おことばを返すようですけれども、やはり東京という大消費地、これで完全な輸送ができているのなら問題はないのです。こういうような順法闘争のあおりを受けて東京都民が困ってしまう、こういうことを考えるならば、常日ごろからある程度のものは確保しておく、そのように指導するのが農林省当局として当然じゃないかと私は思う。値段値段と値段ばかり言う必要はないですよ。やはりこういう非常な事態に備えるためにあの食品ターミナルもできているわけです。それを活用しない。何か商人にもうけさせるばかりが能じゃないと私は思う。やはり採算を度外視してもこういう保存のきくものは東京へ持ってきて保存をしておく。常日ごろからこれの輸送に対する措置は農林省は国鉄と十分考えて、そして不時の災害が起きたときにも野菜に困らないように、なま野菜がこなくっても少なくとも乾燥した野菜、いわゆるジャガイモというものがあれば、三日や四日はしのげるわけです。そういうために農林省というものが考えておくべきではなかろうか、国鉄とふだんからよく協調をし、そして輸送をしておくべきではなかろうかと思います。こういった対策は十分できているとは思いますけれども、一応念のために申し上げておるわけです。  時間も参りましたので、以上で終わろうと思いますが、とにかくこの順法闘争によりまして受けた影響というもの、昨年の四月からことしの三月まで、三月もあと何日もありません。半月ばかりで終わります。この約一年間にいわゆる順法闘争なるものによって受けたいろいろの影響というものがあるだろうと思うのです。こういったものに対して国鉄でどのような数字を握っているか、ひとつお聞きしておきたいわけです。先ほどけが人は八十二人とか言いましたけれども、昨年の四月からは相当なけがが人にのぼっていると思いますが、この点はおわかりですか。あるいはまた延べ何日間この順法闘争があったのか。あるいはまたこれによって何人の人が迷惑を受けたのか。これによって国鉄自身が受けたところの減収、旅客については幾ら、貨物については幾ら、こういった減収が当然あると思うのです。  以上四つの点がわれわれ拾ってみましても考えられるわけでございますが、けが人、延べ何日順法闘争なるものがあった、あるいは何人が迷惑を受けた、国鉄がどれくらいの損害を受けた、こういった減収、それからまた国民の皆さまの迷惑、こういったものが結局また国鉄の赤字につながってき、そしてまた国民が結局はそれをしょい込むことになるのです。これが値上げにつながってくる。こうなると、いつもいつも助からないのは国民ばかり、いつも弱い者いじめに終わってしまう。これではならないと思う。こういう問題は私は今回限りにしてもらいたい。労働大臣が入って解決するならば、こういう問題はもうこれ限りにしてもらいたい。そうして再びこのようなことで国民に迷惑をかけるというようなことを絶対に私はやめてもらいたい。これを国民の声として私は強く申し上げて、いまの四点に対しての回答を伺って終わりにしたいと思います。

原岡幸吉日本国有鉄道常務理事

○原岡説明員 ただいま御指摘の一年間におけるけが人の数、それから不正常な延べ日数、それから御迷惑かけた人の数、それから国鉄の旅客、貨物の減収額、それぞれ実は手元に資料がございませんので、非常に恐縮でございますけれども、後ほど資料として提出させていただきたいと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 資料の手持ちがないということでありますからやむを得ないと思います。了解します。後ほどこの資料は届けていただきたいと思います。  それでは時間が参りましたので、以上で終わります。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 河村勝君。

河村勝民社党

○河村委員 今回の国鉄労使の紛争というものは国民大衆に迷惑をかけることこれ以上大きいものはないのでありまして、きょうの上尾の事件などはそれこそ緊急事態ともいうべきものであります。さっき政務次官の報告で、労働大臣のあっせんでやや前途に好転のきざしが見られるというような説明でありまして、そうなることが望ましいと思います。とにかく一日も早く解決しなければならない問題だと思います。しかし同時に、この問題を労使間で適当に妥協して済ませたらよろしいという問題ではないと私は思う。もしいいかげんな片づけ方をすれば何度でも起こって、ますますこれがエスカレートすることは間違いないと思いますから、ほんとうに抜本的な解決をしなければならない。それをここでもって議論するのには二つ問題をはっきりしてかからないといけないと私は思う。  その一つは、順法闘争というものが争議手段として一体どういう性格のものであるかということが一つ。それからもう一つは、今度の順法闘争というものがどういう経過で起こって、そして今回の係争になっている問題というものが、争議行為というものを背景にして短期間の交渉で解決できる問題であるかどうか、この二つを明確にしてかからないと、何か適当に、さっきの当初の政務次官のお話でも、労使双方に警告をしたというようなお話であるけれども、そうしたおざなりの行政指導にしかならない、私はそう思うのです。  そこで、ほんとうはきょうは労働大臣ないしは労働省から来てもらいたかったのでありますが、上尾から帰ったようであるけれども、当面いま労使間のあっせんをやっている段階でもありますから来られないのはやむを得ない、それは非常に残念であります。  そこで、運輸政務次官に聞くのは少し筋違いかもしれないと思いますが、この順法闘争という争議手段は、もともと公労法は争議行為は禁止しておるのですから、そういう意味で違法行為であるのは当然であります。しかし、それ以上に順法闘争というのは順法といっておるけれども、事実上はいろいろな法規、令達等を組合側がかってに解釈をして、それで一種のサボタージュをやっておる。少し論理的にいえば一種の生産管理ですね。ですから、争議権を持つ労働組合がやったとしてもこれは違法な争議行為である。私はそう考えているが政務次官はどうお考えですか。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 お答えいたします。  先般もお答えいたしましたとおりに、国鉄の紛争が、争議行為を行なう、大量処分をやる、また争議行為が行なわれるという、最近続いた国鉄を中心にした一連のこういう問題は、国民にとって非常にふかしぎな、慢性化された、何だか国鉄は親方日の丸じゃないかといったような、こういう印象を強く植えつけるわけであります。そこで、昭和三十一年前後に起こった国鉄の一連の紛争の際に、政府の統一見解として、次のような点をはっきりいたしたわけであります。その第一は、公共企業体職員の争議行為等については、「職員は、「同盟罷業、怠業その他の争議行為をなし、又は政府の活動を低下させる怠業的行為」をしてはならず(国家公務員法第九十八条第五項)又は「同盟罷業、怠業その他業務の正常な運営を阻害する一切の行為」をしてならない。」こういったような公共企業体等労働関係法第十七条によりまして、「遵法闘争等と称し、法令若しくは業務上の規定について、その規定の求めている客観的限界を逸脱し、又は抽象的な規定であってその具体的実施はその範囲内において監督者の裁量又は慣行等に、よって定まっている場合に正当な監督者の指揮又は慣行等を逸脱して、恣に自らの判断する所によって業務を行い、以て能率を故意に低下させ又は恣に自らの判断する所によって違法状態があると称して就労を拒否する行為」は、これは違法行為である。こういうぐあいに一応統一見解をはっきりさせまして、そして行政指導をいたしておるわけであります。したがって、最近行なわれておるところのいわゆる順法闘争というものは、順法ということばを用いていますが、実際には労働組合がその主張を貫徹することを目的として、業務上の規定等をほしいままに解釈して、ほしいままのしかたで業務を行ない、あるいはなすべき業務を行なわないといったものが多いと承知しており、このような場合にはその行為は公労法の禁止する争議行為に当たると考えておる、こういうぐあいにわれわれは考えておるわけであります。

河村勝民社党

○河村委員 私がお聞きしたがったのはそういうことではなかったのですけれども、これは政務次官に聞くのは無理なのでしょう。公労法違反の争議行為であることは間違いないのです。ただ、それ以上に、たとえば会社、工場なんかで流れ作業の工場があるでしょう。そういうところでかってに機器をいじって、それでベルトの回り方をスローダウンして、事実上生産をうんと落とすことが、やろうと思えばできますね。そういうのは民間の産業というものは争議権は持っています。ですけれども、そういうやり方は争議権を持った組合がやってもこれはいけないのですよ。それと同じことだということを私は言っているのです。ですけれども、これはあなたに質問するのは無理ですから、私の言いっぱなしにとどめておきます。  それからその次に、これは国鉄に聞きますが、今度順法闘争が三月五日から起こりましたね。その前に係争になっている問題についてどのような交渉が行なわれて、どのように決裂をして、それでどのような段階でもってこういう順法闘争に入ったのか、その点を伺います。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 先ほどもお話しいたしましたが、運転保安に関します組合側の諸要求につきましては、動労との間では運転保安の話し合いということで、労使以前の問題として、その中で話し合いを続けてまいってきておるわけでございます。今回動力車労働組合が問題にしております諸種の事案につきましては、そういう運転保安の話し合いの中でも若干は出てまいりましたけれども、これほど大量な要求として出てきたのはこの三月五日の文書による申し入れが初めてでございます。したがいまして、従来から運転保安の問題につきましてはそういう形で話し合いは続けてまいりましたけれども、今回の要求しておりますいろいろな問題については、この三月五日の時点で文書で申し入れられたのが最初でございます。——ちょっと間違えました。三月五日以前に実はそういう申し入れがございました。

河村勝民社党

○河村委員 いまの終わりのところがよくわからなかったのですが、三月五日以前のいつ申し入れがあって、それについてこの順法闘争に入るまでにどのような交渉が行なわれていたのか、その点をはっきりしてもらいたい。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 失礼いたしました。先ほどの三月五日以前といいますのは三月三日でございまして、三月三日に現在の問題になっております九項目につきまして申し入れがございました。

河村勝民社党

○河村委員 三月三日に申し入れをして、そうして交渉はどういう段階にあったのか。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 申し入れがございましてから双方で今後話し合っていこうということでございました。したがいまして第一回の話し合いは三月五日から始まったわけでございます。

河村勝民社党

○河村委員 そういうことになると、本件については全然話し合いは持たれないままに争議行為に入った、そういう経過になるのですか。これは私は労働組合のほうも呼んでここで聞きたいと思いますから、うそを言ってもわかるから、正確なところを言ってください。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 実は先ほどもちょっと触れましたけれども、三月五日から違法な順法闘争と称するものに動労が入ったわけであります。したがいまして、闘争に入ってから話し合いが始まったということになるわけでございます。

河村勝民社党

○河村委員 政務次官、こういう経過、そういうような事情で順法闘争が発生したということは、あなたは御存じですか。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 私は順法闘争が始まってからそういう問題が提起されて話し合いに入ったということで、総裁が、話し合いをする前にこういう行為をすることはよしてもらいたい、こういうことを新聞面でも発表している点を了承いたしております。

河村勝民社党

○河村委員 政務次官、政府というものは労使関係には原則として中立であるべきものですけれども、それは正常なる状態で労使が話し合いが行なわれておる間には常に中立でなければならない、中正でなければならない。だけれども話し合いも行なわれぬ前に——同時にですか、争議に入って、しかもその争議行為は当然違法行為である。二重ですね。こういうような場合にはやはり理非曲直を明らかにすべきものであって、労使双方の話し合いでまとめるというようなことでは済まないのであって、政府の責任としてはやはり態度を明確にして、まず争議行為をやめよというほうがほんとうじゃないのですか、いかがですか。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 ただ問題は、こういった労使間の話し合いという問題に政治が直ちにすぐ介入するという問題については、労働法の基本的な考え方からいいまして、そういうことをすべきではない、どこまでも労使間で話した結果政治的な解決をするチャンスと時期、そういうものを模索するのが労働問題の紛争解決の一つの手段である、私はこう考えております。

河村勝民社党

○河村委員 それならばそれでいいですよ。それなら労使にわざわざ交渉で早く収拾しなさいなどというのはよけいなことです。そんなのは責任回避だけですよ。もし言わんとするならば、その理非曲直を明らかにして言うべきものであって、双方でもってうまくやりなさいと言うなら言わなくてよいのです。そういういいかげんな態度を常に政府はとっているから、かえって無益かつ有害な場合が非常に多い。やるなら腹をきめてかかるべきだと思いますが、あなたはどう思いますか。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 この問題は、御承知のとおりに安全問題でございますから、非常に技術的な問題があります。したがって、公労委等にそのあっせん方を依頼するというような手段もありますので、公労委としては一たんそれを取り上げ、しかし技術的な問題はいろいろそういう労使間で話す余裕があると考えて、それをまたもとに戻したという経過もございますので、そういう問題にすぐ運輸省として、運輸大臣として介入するということは私はとるべきではなかろう、こう考えておるわけであります。

河村勝民社党

○河村委員 私の言っていることの返事にならないのです。介入すべきでないと思ったらよけいなことを言わなければいいのです。言うならばはっきりものを言うべきであって、労使でもってうまくまとめなさいなどというような、言っても言わなくても同じだし、そういう責任回避みたいなことは言うべきではない。何かやらないとていさいが悪いからやるというだけですよ。介入すべきでないと思ったら、何も言わないで黙っておればいいのです。そういうものです。どうも何かやらなければいかぬというので、そういうどうでもいいようなことをやるのはいけないのです。私はそれを言いたいのです。  それから次に、今度の組合の要求事項、ずいぶんたくさん並んでいますが、その中で重点を置かされているのが二つ、二人乗務、それから踏切の全面立体化ですが、二人乗務という問題もかねてからずいぶん長い問題で、一回妥結をしたものである。だから、いずれにしても早急にこれが動かせるものでもないし、同時にもともと全線区二人乗務などということは、そもそもこういう短期間の争議行為をバックにして解決できる性質のものではないでしょう。一体国鉄は二人乗務について話し合いでまとめる可能性ありといまでも思っていますか。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 二人乗務の問題につきましては先ほども触れましたが、すでに一人にしては不安全なのか、二人乗せなければ安全ではないのかといういわゆる安全論争につきましては、四十四年にEL、DL乗務員の一人乗務化というものを協定化いたすまでに何回か労使間で話し合い、しかも労使間で話がつかないということもございましたので、公平な第三者機関でございますEL、DL委員会というものをつくりまして、内外の学識者に依頼しまして、その安全性について究明していただき、答申を得た上で、しかもその結論に従って労使が円満に妥結したという経過で今日に至っているわけでございます。したがいまして、すでに終わっておる安全論争を再びこの時点で持ち出すということにつきましては、当方からは、絶対にこれは出されてものまないということを常々申しておりまして、今日この段階を迎えましても、この問題につきましては一切のむものではないということを回答しております。

河村勝民社党

○河村委員 そうすると、全踏切を立体化しろなどというのも、これもだれが考えても不可能なことですね。そうなると、さっきは今日まで徹宵、連日連夜交渉を続けてきた、これからもまた徹宵でやる、こういう話だったが、一体何を話するのです。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 二人乗務の件につきましては、そういうことで何回話し合いましても平行線でございまして、徹宵で話し合いましても平行線は変わらぬわけでございます。ただし、そのほかの八項目にわたります内容の中には非常にこまかいものがございまして、たとえば踏切につきましては、全踏切を立体交差しろ、こういう要求になっておりますけれども、現実問題としてはそういうことはできないということも相手方はわかっておりながら要求しておるということになりますと、現実的な解決手段といたしましては、現在ある踏切をどういうふうに整備をしていくかということにかかってくるわけであります。したがいまして、当局側は踏切につきましての具体案を持っております。もちろん予算の裏づけ等が必要でございますので、一挙には解決しない問題でございますが、それぞれどういうふうな解決の方法を考えておるかということにつきまして、具体案を持っておりますので、それについて説明をする、組合側はそれについて一つ一つ反駁あるいは意見を述べていくというようなことで、かなりの時間はかかるわけであります。そのほか、組合側が危険個所と称する鉄道沿線のいろいろな面についての要求書を持ってきております。そういうものについて、一つ一つその点についての当方の見解を述べ、組合側が意見を言うというようなことで、保安問題につきましては、話し合いをいたしましても非常に見解の相違そのものがございますので、かなかな当方の言い分を聞いてくれないというような面もございまして、どうしても長く時間がかかり、深夜に及ぶということが再三にわたるわけでございます。

河村勝民社党

○河村委員 深夜に及ぶことはたいへんよくわかったけれども、それは問題のポイントになることは一つも片づく可能性のない交渉だ、そうとしか理解できないが、大体そんなようなことを繰り返しているわけですか。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 私どもといたしましては、二人乗務以外の設備問題につきましては、当方のいろいろな具体的な施策を説明すれば理解していただけるという見解に立っておりまして、これは組合側が見解の相違でいろいろ意見を申しますけれども、これはやはり時間をかけてでも説得しなければいかぬということで、必ずしも不毛の交渉とは思っておらぬわけであります。

河村勝民社党

○河村委員 不毛の交渉ではないかもしれないけれども、とうてい片づくとは思われないことをやっておる、こういうことです。一体こうしておいて、一方でほんとうに国民に大迷惑をかけている争議行為が行なわれている。それに対してあなたは黙って見ておるのですか。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 五日に交渉に入りましてから、先ほど申しましたように毎回一方で誠意をもって交渉を続けるとともに、一方いまの違法な状態のままで話し合いをすることは、労使の慣行からいっても不正常ではないか、直ちに違法な闘争はやめて、平和的な話し合いに入るべきであるということを繰り返し申しながら、片一方で説得につとめてきておるわけでございます。

河村勝民社党

○河村委員 それではとうてい問題が解決するとは思われぬ。結局当てどなく、そのうちに何とかなるだろうということでやっているしかない、そうとしかとれないわけです。だから私は、あなた方がほんとうに誠意をもって事に当たり、自分のとっている態度に自信があるなら、ここでもって違法行為の責任者を厳重処分するなら処分して、その上で新聞の一面の半分くらいの広告をなさる、一面全部でもよろしい。そこで、いまあなたが言ったことが事実であるならば、それを国民の皆さま方によくわかるように書いて、これだけ毎日非常な収入減になっているんだから、新聞広告のいかに大きいのを書いてもそれに比べればたいしたお金ではないでしょう。それで国民に訴えるのですよ。訴えて、それで理解を求めて、世論によって問題を解決するということが正しい道です。それでもし国民大衆が、やはり国鉄当局が悪いという判断を下せば、それでもあなた方を攻撃するだろう、それは今日まであなた方がやってきた労務管理、経営姿勢、そういうものが国民のいれるところとならなかった、そういうことになるのです。国民の審判を堂々と仰いだらよろしい。仰いでもしそれがあなた方が悪いという審判を受けたら国鉄幹部は総辞職をして、責任を明らかにしたらよろしい。私は、そういう職を賭してやるという態度がないところに、こういう問題が容易に解決しない根本があると思う。だから今度の、いま労働省でやられておる解決案というのは、さっき政務次官の説明によれば、要するに精神規定だ、これから解決に努力しましょうということでしょう。そういうことでこの緊急事態の圧力によって解決できるなら、それは非常に望ましいことだと私は思う。しかし、もしそれでもなお問題が収拾できなかったら、そのくらいのことをやるべきだと私は考えるが、国鉄ではどう考えていますか。

大森義弘日本国有鉄道職員局職員課長

○大森説明員 交渉に当たりますわれわれといたしましては、全責任を持ちまして事に当たっておりまして、もちろんいかなる事態に対しましても動揺せず、確固たる信念のもとに交渉をしておるわけでございます。したがいまして、御指摘のように誠心誠意事に当たっていきたい、こういうふうに考えております。  それからPRの問題でございますけれども、御指摘のとおり必ずしも当方の誠意といいますか、真情が伝わっておらぬという点につきましては、今後も施策の上で十分考えて対処していきたいというふうに考えております。

河村勝民社党

○河村委員 どうも職員課長にこの答弁を求めるのは無理で、ほんとうは総裁でなければならぬわけでありますが、政務次官どうですか。ほんとうに政府の立場でこの問題を指導して解決しようというなら、そのくらいのことをやらせて、それで国民の審判を仰いで決着をつけるというくらいの指導をしたらいかがですか。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 非常にむずかしい問題ですけれども、私は、こういったような国民に直接関係のある紛争問題というのは、国鉄には国鉄記者団がありますし、運輸省には運輸省の記者クラブもございます。こういった方々を通じまして国民に、内容はこういう内容だということを、やはり労使双方の主張があればそれを明確に国民にお知らせするということは今後必要だと思います。それと同時に国会を通じまして、そうして国会の議論の中で安全問題はこういうぐあいに考えておるのですよ、しかし、その安全問題については足らないじゃないか、こういったようないろいろな議論が展開されるでしょう。国会を通じてまた十分に国民に御理解を求める、こういう二つの考え方で今後指導していきたい、こう考えております。

河村勝民社党

○河村委員 非常にあたりまえの御答弁ですけれども、しかし実際、一般国民は、いろいろ新聞で報道されておりますけれども、ほんとうに両方の言い分がきちんと整理をされて扱われて伝えられていないのですよ。だからわからない。どっちがいいか悪いか判断する材料を持たないですよ。だからほんとうに国鉄当局に自信があるなら、そのくらいのことはやるべきなんですよ。それで国鉄当局もいけないというならば、幹部はみな総辞職したらよろしいのです。これはきょうは総裁もいませんから、ひとつ国鉄当局もよく考えてください。これから国鉄再建問題を国会でも議論になるのですけれども、いまやはり国鉄の職場秩序というものは乱れて、現場の第一線管理者は意欲を失っていますよ。これじゃ国鉄の再建なんかできないのですよ。順法闘争なんかも起こるのは、やはりそこに起因しているのです。だからここでもってほんとうに腹をきめて国民の審判を仰ぐという思い切ったやり方をやってほしい。それを最後に、これは要求して、私の質問を終わります。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 紺野与次郎君。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 それでは鈴木運転局長、篠原施設局長、渡辺保線課長、柳井旅客局長の方々に御質問します。  最初に、今度の上尾事件のそもそもの根底にあるものはやはり安全問題です。そういうことで安全がいかに重大なところまでこの問題がなっているかどうかということを明らかにするためにお聞きするのですけれども、去る三月五日の三鷹電車区において発見された列車の車輪が五ミリメートルの幅でひび割れが入っている、そういう事実、これが労働者によって発見されました。そのことについて知っているかどうか、これはどういう車両の故障であるか、何でそういうことが起きたか、なぜ発見できなかったか。それから大阪の新幹線脱線事故調査委員会の発表、これが二つの解釈がありますけれども、この問題、それから新横浜駅の事故、これは二月の二十四日、二十六日に二回、それから岐阜駅で二月二十七日、二百キロの時速で走っているものが急ブレーキが突然かかって、それで停車させられるということが、あの大阪新幹線脱線事故に続いて連続起こっているのですね。こういうことに対して、この原因、これはどういうふうにその後調べて、その原因が何であったのかどうか、これらについて最初に質問したいと思います。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 お答えいたします。  三月五日三鷹電車区において発見されました車輪のひび入りの事故でございますが、構内で検査の際発見いたしまして、御指摘のとおり開口部が数ミリの傷入りを発見いたしました。この原因につきましては、全然ブレーキのゆるまない故障が発生いたしております。その際のブレーキ熱発生後の冷却による応力過大によるというふうに推定いたしております。さらに詳細に調べるために、ただいま当該車輪をはずしまして、工場に送って精密に調べております。  この事故の原因といたしましては、ただいま申し上げましたようなブレーキがかかってゆるまなかったということによりまして、車輪に熱が異常に高く発生して、それが急に冷えたということによって起こったというふうに考えております。と申しますのば、ほかにそのぐるりに塗っておりました塗料も変色しているということで、温度が急に上がったあとが見受けられるというようなことでございます。  対策といたしまして、非常にまれではございますが、このようなブレーキ弁がゆるまない故障が発生いたします。ただいまそのような故障の発生をとめるための新しい膜板式という弁を数年来使って成績がいいということで、これにできるだけ取りかえるということをやっております。それからこの種タイヤ、車輪の材質関係もさらに高いバナジウム鋼を使うということも試験をいたしております。  それから新横浜駅で二月の下旬に発生いたしました急に非常ブレーキがかかる事故に関しましては、いろいろな調査検討の結果、当該個所付近のレールをつないでおります電気を通すための、在来線でボンドと称しておりますものに当たりますジャンパー線の溶接をいたしております場所の接触が不良で、そのために発生した——ときどきその接触が悪くなって発生したということが各種の測定で判明いたしまして、二十七日にその原因が見つかり、対策を打ち、溶接をやり直しまして現在安全に直っております。  それから二十七日に岐阜の羽島で急に列車が予定の進路でないということになったということでございますが、これは列車番号を手で——コムトラックと申します方式でやっておりますのに、当日指令の手による入力、人手による入力を列車の乱れの関係でいたしました際に入れ間違えたと、うことによることでございまして、安全上の問題といたしましては関係のない、ただ間違った線へとまるという営業上のほうの問題の事故に当たるものでございます。  以上、御質問にお答えいたします。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そうすると、最初の三鷹の車両についてはブレーキにも故障があったわけですね。そしてブレーキと車輪の両方の複合でそういう事態が起きたと思いますけれども、この車両は何という型式の車両で、前にこういう事故が何べんか起きていませんか。このことは先ほども聞いたのです。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 この車両は三〇一型と申します営団地下鉄に乗り入れている車でございます。この種事故、同種事故は一回も発生いたしておりませんが、前に東陽町付近で車両故障によりお客さんにおけがをさせたということがございました。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 それは昨年の五月ですね。モーターの側板が割れて、そして床を吹き破って天井にこれが飛び出していったわけですね。こういう事故が発生しております。これは一体何台くらい国鉄では使っているのですか、こういう欠陥車ですね。前にもそういうブレーキがかからないということを起こしている。これは何台くらいいま運行していますか。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 ちょっとただいま資料を持ち合わせませず、両数は覚えておりませんが、数十両でございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 それから新横浜駅で、線路の溶接の部分をやる工事は国鉄ですか、それとも下請の委託加工ですか。

篠原良男日本国有鉄道施設局長

○篠原説明員 線路のロングレールの溶接にはフラッシュバットという機械を使いますときは直営でやりますが、現地で溶接するテルミットあるいはエンクローズ溶接につきましては請負が施工しております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 この事件はどうですか。

篠原良男日本国有鉄道施設局長

○篠原説明員 請負でございます。請負の施工でございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 一昨年大阪駅でやはり同時発車を新幹線がやっております。二台の列車が同時にゴーということになって、もう少しでぶつかりそうになって、それはとめたということでありますけれども、これも何か委託の保全関係の誤りからきていると聞いておりますが、どうですか。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 御指摘の事故は四十四年九月十八日に発生した事故かと存じますが、レールの絶縁を取りかえました際に近所に鉄粉が残って、それを介して信号電流が流れたということで、いまおっしゃいます関係とは関係があるとは私たち思っておりません。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 いま鉄粉と言うけれども、実際は切断したレールが砂利の中に入っていたというのじゃないですか。お粗末限りないことなんです。単なる鉄粉じゃない、鉄のかたまりですよ。鉄の断片ですよ。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 そういうふうには聞いておりませんので、調査いたします。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 それから例の大阪の脱線の事故については、部外者は、あれば油とかなんかではない、そういう油だったらどこでも起こることなのであって、あそこだけで起こるはずはない、やはりこれはATCの老化現象というか、つまり劣化現象ですね、そういうものが実際に起こって、やはり新幹線の体系の中に全体としてそういういろいろの小さな発見されにくい故障やあるいは劣化現象がたくさんできておる、そういう結果ではないかという批判がありますけれども、どうですか。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 新幹線鳥飼事故の原因につきましては過日御発表申し上げましたとおりでございまして、二つの推定原因にしぼり、一つは先ほどお話しのレールに長く腐食変質した油がこびりついていたのに空転滑走したという推定、それから一つは絶対停止〇三信号コイルの発信がおくれた可能性があり得るということで、その両者に合わせて対策を打ったわけでございます。私たちも、事故原因調査といたしましては、いまお話しの劣化あるいは老化といった要素も当然考えまして、さらにそれよりも広い範囲でのいろんな可能性を考えまして、それらにつきまして一つ一つ測定あるいは調査を深めて、その可能性を各種の観点から消去してまいりまして、最後に残った二つが、この前御発表申し上げた原因でございます。したがいまして、あの事故に関しましてはそういうことばないということは申し上げられると思います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 これは国鉄部内の技術者の委員会ですね。ですから、やはりそこには主観的に一面性があると思います。やはり他の分野の国鉄外の技術者の意見も取り入れて、そしてあらためてもっと慎重に全体の点検をやるべきであるというふうに思います。  それから、時間がありませんから、もう一つ、上野保線区における百六十六カ所といわれております、このいわゆる高速の検測車、マヤというものですね、マヤチャートによって明らかにされている大体百六十六カ所の不良な個所というものに対して、保線区のほうでははっきりとこれに対してどういう作業計画を立て、作業日数をとり、またそれが実行に移されているかどうか。現状においては、この百六十六カ所といわれる危険な個所はどういうふうに変わっているかどうか、これをお聞きしたいと思います。

篠原良男日本国有鉄道施設局長

○篠原説明員 お答えいたします。  先生のおっしゃる百六十六カ所というのは、現場では軌道狂いの二十ミリ以上をとった数値だと思います。私のほうは線路を直す基準を二十三ミリというように指導しております。しかし、現場の技術者としては乗りごこちのよい、よりよい線路をつくりたいということで、上野の保線区は二十ミリを目標としております。したがいまして、二十三ミリ以上の狂いは四十七年の十月には、上野保線区に五十五カ所ございました。四十七年の十二月には二十九カ所でございます。四十八年の二月には四十八カ所、かようになっております。そして、四十七年の十月、検測車ではかった結果、その修繕をいたしまして、六十六カ所直してございます。これは現場の上野保線区では二十ミリ以上を保守修繕の目標としておりますので、百一カ所のうち六十六カ所を直しました、こういうことでございます。しかし、われわれが指導しておる二十三ミリ以上でありますと五十五カ所に対して、六十六カ所直しておるということになっております。四十七年の十二月には、二十ミリ以上の狂いは五十六カ所でございまして、三十三カ所直してございます。しかし、われわれが現場に指導しておる二十三ミリという原点からいきますと二十九カ所でございますから、全部一応即時修繕をやっておる、このように解釈しております。四十八年の二月、これは二十三ミリ以上は四十八カ所でございまして、現在まだ六カ所しか修繕いたしておりません。しかし、これは二月に測定いたしまして、現在修繕中である、このように解釈しております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 この区間は非常にでこぼこが多いというふうに、実際に通勤している人たちがいっているところであります。単に二十三ミリというだけでなくて三十ミリ、四十ミリというふうに非常に危険な数字も出ているということでありますけれども、これらを記録したマヤチャート、これを国会に提出して、そして現在の時点において安全がどういう状態であるかということを明らかにする資料を提供してもらいたいと思いますが、どうですか。

篠原良男日本国有鉄道施設局長

○篠原説明員 マヤチャートと申しますのは、線路の狂いをいろいろとっております。たとえば高低あるいは通りあるいは軌間あるいは水準あるいは平面狂いというような狂いを全部同時に測定しております。この数値の評価というものは、一つの狂いで線路は脱線するというものではございません。それぞれの狂い及び車の種類によって脱線の限度というものが違ってきます。したがいまして、このチャート一つだけで判断されますと、きわめてこれは国鉄のプロパーの技術的な問題でございますので、誤解を招いてはいけないということで、私たちとしましては、チャートの提出はお断わりしたいと思っております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 これは国民プロパーの鉄道でありすすから、当然国会においてはそういうものを出してもらうということは必要だと思います。委員長これは資料提出を要求します。  これから、そういうことで、実情はいま答弁を聞きますと、やはりたくさんの危険個所があるということなんです。たくさんの危険な個所がありそして安全のために解決しなければいけないことがたくさんある、危毅が一ぱいということであると思います。したがって、これを実際に運転している人、労働者たちは、これに対して多くの意見を持ち、そうしてこれに対して早く改善せよ、こういうふうな声が出るのは当然でありまして、そのことを国鉄がまともに受けないというところにいまの深刻な問題の本質があるのであって、そういう点からいって、第一にわれわれがあなた方に要求したいことは、こういう現場の労働者とこういう安全問題について対等な立場でよく検討して、話し合う場をつくって、そうしてどんどん国民のために安全な国鉄をつくるようにする意思はないかどうか、これが一つ。  第二点は、そういう点でいままでのお話、いろいろの答弁を聞きますと、労働者に対して非常に権利のないというか——日本の労働者はすでにスト権を持っております。これは労働の基本権として憲法で保障されておる権利を持っております。ところが国鉄労働者は持っておらない。こういうことが著しく、要するに労働者の意見が採用されない、こういう痛切な苦しみを感じているわけでありますから、そういう意味において、スト権をやはり国鉄労働者に与えて、正々堂々、団体交渉、対等の立場で話し合うことによって、初めて国民の安心できる状態をつくることができるのじゃないか、スト権を与える意思がないかどうか。国際的にも、ILO条約で日本政府がちゅうちょ逡巡していることに対してすでに批判が起きていることです。いまこそ事態の根本的改善のためにそのことを与える、そういう意思はないかどうか。  三番目、国鉄のこれらのたくさんの危険があるにもかかわらず、それを国民に隠したり、いまも隠しておりますね、そういう隠したり、いろいろのことを過小評価している。そうしてやっているやり方、そういう合理化の考えを改める必要があると思う。それを労働者を削減する、今度も十年計画の中で十一万人の首切りを主張しております。(「首切りじゃない」と呼ぶ者あり)削減です、削減しようとしている。こういうふうな人員削減の上に、機械万能の考え方で合理化をやって、そうして事態を危険な状態に導いている。これらの誤った営業第一主義、機械万能、労働者無視、こういうふうな合理化政策を撤回する意思がないかどうか。  最後に通勤列車、問題が起きたあの上尾、ここでの事態が、この五年ぐらいの間を見ましても、通勤乗客が二倍になっている。ところが列車は二倍になっておらない、十四本に対して十六本、こういうふうな事態を放置していることが、多くの通勤者に対していらいら、苦痛を与えているのでありますから、そういうことを抜本的に解決するように、もっとこの点について、通勤を重視するところの投資、そういうことをふやさなければいけないと思うがどうか、この点について御返答を要求します。

篠原良男日本国有鉄道施設局長

○篠原説明員 一番と三番について答弁を申し上げます。  一番の問題は、私のほうは線路を保守するほうですが、線路を保守するには列車に乗って動揺をはかったりあるいは現場へ巡回をして目で見る、そういうような両方の観点からやっております。したがいまして、乗務員のほうから乗りごこちが悪い、こういうと、すぐ速報が入りまして、現場へ見にいって応急対策の方法を講ずる、こういうような組織をとっております。  それから三番目の問題でございますが、最近御承知のとおり線路を保守する軌道掛というものがなかなかなり手がございません。したがいまして、メンテナンスフリーといいますか、非常に手のかからないコンクリートまくら木あるいはロングレールというふうにして、保守周期を延ばすとともに、従来タイタンパーでしておりましたものを、マルチプルタイタンパーというような機械で、かっこうのいいような職種に改善する、しかもこれは労使協議いたしまして事柄を決定してそういうふうに移行しております。  それから資料の問題でございますが、先ほど資料の内容については先生に正確に御答弁いたしました。ただ、資料については、ある平面的に見られますと非常に誤解を招きますので、私はお断わりしたということでございます。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 公共企業体の国鉄の職員のスト権の問題については現在はございません。しかし、公務員制度審議会で現在審議中でございますので、これはその答申を得て善処したい、こう考えてみたいと思います。  それから第四番目の通勤の問題ですが、通勤通学の大都市圏内におけるところの交通緩和の問題は、今国会に提案をしてある国鉄の再建の内容の中に十分盛っております。したがって、四十八年度から向こう五年、十年を目標にいたしまして年次計画を立てまして、ホームを長くするとか増線をするとか、あるいは非常に通勤客の多い駅にはエスカレーターをつけるとか、そういったサービスの面で向こう五年先には大体混雑度を二〇〇度ぐらいにするとか、あるいは向こう七、八年先を目標にして一九〇度に持っていくとか、こういうふうに段階的に年次ごとに通勤通学の混雑度を緩和していく対策を盛ってございますので、十分御審議をお願い申し上げたい、こう思っております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 最後に一つ答えていただきたい。それは労働者を削減して合理化するという経営、安全に対するこの考え方を改める必要はないかというのです。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 当然安全と合理化を並行して十分に考えてございます。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は明十四日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開くこととし、これにて散会いたします。    午後五時二分散会

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