運輸委員会 第4号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/02/27
会議録
○井原委員長 これより会議を開きます。 港湾法等の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。新谷運輸大臣。
○新谷国務大臣 ただいま議題となりました港湾法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 港湾は、海陸交通の結節点として交通の発達及び国民経済の振興に不可欠の役割りを演じてきたところであり、港湾法もまた、その基本法として重要な機能を果たしてきたところであります。 しかしながら、港湾法は、昭和二十五年という経済基盤の強化に主力を置いた時代に制定された法律でありますので、公害防止等港湾の環境の保全あるいは国土の適正な利用及び均衡ある発展等、現在、社会的に重大となっている諸問題に対する配慮に欠けるところなしとしません。 このような実情にかんがみまして、港湾環境整備施設、廃棄物処理施設、港湾公害防止施設等の整備を推進することなどにより、港湾の環境の保全をはかるほか、港湾及び航路の計画的な開発、利用及び保全の体制を確立するとともに、マリーナ等港湾区域外の港湾の諸施設の安全の確保をはかり、あわせて、海洋汚染の防除体制を強化することが、本法律案提案の趣旨であります。 次に、この法律案のおもな内容について御説明申し上げます。 まず、港湾法改正の内容について申し上げます。 第一に、港湾の環境の保全をはかるため、水域の清掃、廃船の除去、廃棄物埋め立て護岸等の管理運営などを港湾管理者の業務として明示する一方、緑地等の港湾環境整備施設を港湾施設として追加し、これらの港湾施設の建設等に要する費用について、国が補助をすることといたしております。また、港湾管理者は、一定の事業者から港湾環境整備負担金を徴収し得ることとし、さらに、港湾管理者の長は、港湾の運営上著しく支障を与える行為に対し、是正のための適正な勧告等をなし得ることといたしております。 第二に、港湾計画の内容の充実をはかるため、運輸大臣が港湾及び航路の開発等に関する基本方針を定めることとし、港湾管理者の作成する港湾計画は、この基本方針に適合するほか、一定の基準に適合したものでなければならないことといたしております。また、そのような港湾計画を調査審議させるため、地方港湾審議会の制度を新設することといたしております。 第三に、航路についてでありますが、従来、港湾区域外の航路整備は、予算措置のみで行なわれておりますが航路予算も年々増加しておりますし、航路のしゅんせつ終了後の適正な維持管理に対する要請も強ままっておりますので、そのような航路は、開発保全航路として、運輸大臣が開発し、及び保全することといたしております。 第四に、最近、シーバース、マリーナ等の港湾の施設が港湾区域外に建設される例が多くなり、その安全の確保をはかる必要があるため、都道府県知事にこれらの施設の安全上の規制を行なわせることといたしました。 第五に、港湾の施設についての技術上の基準に関する規定、広域的な港湾の管理運営をはかるための港湾管理者の協議会に関する規定等所要の規定を定めることといたしております。 次に、北海道開発のためにする港湾工事に関する法律及び沖繩振興開発特別措置法の改正の内容について申し上げます。 これらは、北海道及び沖繩県において港湾工事として行なう港湾環境整備施設、廃棄物処理施設または港湾公害防止施設の建設または改良に要する費用について、国と港湾管理者との負担割合等を定めることを内容としたものであります。 次に、海洋汚染防止法の改正の内容について申し上げます。 まず第一に海洋環境の保全の観点から、海洋において排出した油に臨機応変の措置をとり得る態勢を整えるため、一定の範囲の船舶所有者、油の保管施設の設置者及び係留施設の管理者に、オイルフェンス等の油防除材の備えつけを義務づけることといたしております。 第二に、漁港管理者が行なう廃油処理事業を港湾管理者が行なう場合と同様に届け出制とすることといたしております。 最後に、港湾整備緊急措置法の改正の内容について申し上げます。 これは、運輸大臣が施行する開発保全航路の開発及び保全に関する事業並びに港湾以外の海域における海洋の汚染の防除に関する事業を港湾整備事業とすることにより、これらの事業の実施を促進することをその内容といたしております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
○井原委員長 以上で提案の理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○井原委員長 次に、陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。河村勝君。
○河村委員 きょうは運輸大臣の所信表明に関して御質問をするわけでありますが、特に新東京国際空港についてお尋ねをしたいと思っておりますが、それに入る前に二、三、前回の質疑を通じて多少問題のある点について大臣にお伺いをしたいと思います。 一つは総合交通体系の問題でありますが、昭和四十六年の七月に運輸政策審議会で、総合交通体系に関する答申があって、それに基づいて運輸省並びに政府決定がありまして、それから総合交通体系というものが今後の運輸行政を進めるにあたっての一つの基本的な構想になっているはずであります。ところが、どうも昨今少しそれが曲がってきたような感じがするので、その点を少し大臣にお伺いしたいと思います。 今回の所信表明演説の中で「今日の運輸行政における最も重要な課題は、国土の全般にわたり均衡ある発展に資する総合的な交通体系を整備する」ということがあるわけですね。「総合的な交通体系」ということばを使われておるけれども、「国土の全般にわたり均衡ある発展に資する」というのは、これは例の田中さんの列島改造論、これの構想なんですね。総合交通体系の考え方というものは、均衡ある発展に資するということはあっても、それ自体が目的ではなくて、もっと考え方が違うものがあるはずですね。大臣新任したばかりでありますから御承知ないかもしれないので、こちらのほうから申し上げておきますが、総合的交通体系の意義というものは、交通機関の特性を生かしつつ全体として斉合性のとれた体系の形成をするのだというところにポイントがあるはずなんですね。ところが所信表明演説ではそういうものは何もなくて、いきなり「国土の全般にわたり均衡ある発展に資する」ということだけがうたわれておるということは、田中列島改造論を契機に、どうもそれが総合交通体系の本来の考えがなくなってしまって、もっぱら列島改造的に道路も鉄道も海も何でもいいから残らずあるものはみんな伸ばせという考え方に変わってきたように思われるので、その点についての大臣の所見をお伺いをいたします。
○新谷国務大臣 私が申し上げましたのは、もちろんいまお話しのように運輸政策審議会において答申のございました総合交通体系についてというものをもとにいたしまして、一昨年の十二月に関係閣僚の協議によって生まれました総合交通体系についてというのがやはり骨子になっておるのでございまして、その点から言いますと、別に変わったところはないと私は思っております。もちろん総合交通体系というものは単に運輸省所管の行政だけではございませんで、中には道路のこともございますし、いわゆる交通に関係のあるあらゆる機関、したがって関係各省が協力をいたしまして今後の総合交通体系というものをどういうふうな考え方でどういうふうに組み立てていくかということを審議したものだと心得ておるのでございまして、私が運輸省所管の問題につきまして申し述べましたのは、その中のある部分でございまして、この点は、私もその総合交通体系についてというパンフレットを何回か読みましたが、その方向と違っているところはないと考えておるのでございます。 いまお話しの田中総理の唱えておられる列島改造論、それに非常に偏向しているのじゃないかというような意味のお尋ねでございますが、これは、特にそれを意識したわけではございませんで、ただしかし、いまわが国で問題になっておりますのは、やはり田中総理が言うまでもなく、一方では非常な過密状態があり、一方では非常な過疎状態がある、それが国全体としましては均衡のある豊かな国づくりというものの障害になっておるということは、これは田中総理が言うまでもなく、みんなが認識しているところだと考えます。そういう意味におきまして、私どもは、全国土にわたりまして、過密地帯は過密地帯、過疎地帯は過疎地帯でもって適切な交通政策を樹立いたしまして、国民全体の福祉に貢献するような方向で考えていかなければならぬという意味のことを実は申し上げたつもりであったのでございますが、申し上げました所信表明ではあるいはことばが十分でなかったかもしれませんが、いま申し上げましたような意味において私はとらえておるということを御了承いただきたいと思います。
○河村委員 そうしますと、所信表明演説の中では書いてないけれども、しかし、交通機関の特性を生かしつつ、全体として整合性のとれた体系をつくるという点については、これは従来と変わらないとこういうことでございますか。
○新谷国務大臣 そのとおり御理解いただいてけけっこうでございます。大都市は大都市、過疎地帯は過疎地帯でそれぞれ特徴のある交通機関がございますから、その特徴を生かして、さっき申し上げましたように、国全体にわたりまして豊かな国づくりに貢献するように持っていかなければならぬということを言いたかったのでございますが、何ぶんことばが十分でなく、足りなかったかもしれません。その点はあらためて御説明申し上げますので、御了承いただきたいと思います。
○河村委員 ところが、どうも実際施策にあらわれている限りにおいては変わってきているのですね。特に国鉄の再建問題に関連をいたしまして、昨年の再建の考え方とことしの再建の考え方の中ではその点に大きな開きがあるのです。私は、国鉄再建問題は、法案が上程されましてから詳しくお尋ねをするつもりでありますから、きょうは深く立ち入ることを避けますけれども、しかし、前回においては、過疎地帯の国鉄のいわゆる赤字ローカル線、もう少しこれはいわゆる赤字ローカル線より幅の広いものでありますけれども、そういうものについてはなくしていって、他の適切な自動車その他の交通機関に置きかえていくという発想があったわけですね。ところが、今回のその出された国鉄再建の構想の中には、そういうものが姿を消してしまっているのですね。これは大臣はかわられたかもしれないけれども、しかし機関としての大臣は一緒でありますから、この点について、非常に大きな変わりがあるということを大臣は御承知であるかどうか。
○新谷国務大臣 承知いたしております。この点は、先ほど申し上げましたように、全国土にわたってやはり豊かな国民生活を実現したいというような趣旨もございますが、昨年の——これは私はその当時は関係しておりませんでしたが、昨年のこの同じ法律案の御審議の際に、衆議院におきましては特に各議員の方々から、過疎地帯でありましても住民の意思を無視して、閑散線だということで廃止するというような方向では困るというような強い御意見があったように聞いておるのでございまして、その点は、実際にどういうような方法でそれを行なっていくかということについては問題があるかと思いますが、しかし、少なくともほかにかわるべき交通手段がないというような場合には、やはりそこが国鉄の非常に公共性を主張されるゆえんであると思いますが、そういう場合には、やはり閑散線でありましても、営業収支が悪うございましてもこれは残していくのが本来の姿であろうというようなことも考えたのでございます。ただ、しかしそういった点につきましては、実際にこの再建計画を具体的に実行いたします方法として若干変わったところがあることは事実でございますが、しかし大体の趣旨といいますか、方針といいますか、方向につきましては、昨年御審議いただきました方向とは根本的に基本的には変わっていないつもりでございます。そういう点について若干の昨年とは違った点があることは事実でございますけれども、基本的には変わっていないということで御了承いただきたいと思います。
○河村委員 ほんとうは重大な変わりがあるのです。ありますけれども、きょうはそれだけを申し上げておいて、大臣にも少し余裕を置きますから、十分御検討おきをいただきたいと思います。いずれあらためてこの問題について質問をいたします。 それから、先日の質問の中で、今度の円の変動相場制移行に関連をしまして、事実上の円切り上げでもあるし、やがて固定相場制に移ってもう少し上がるでしょう。その場合の海運、造船に関する業界の為替差損について質問があって、造船のほうはわかりました。これは旧債務の問題だけが残るでしょうから……。海運のほうは少しよくわからないところがあるものですから、それをもう少し具体的に伺いたいと思います。 定期船の場合と定期外の場合とはずいぶん違うと思います。定期外のもので、大臣は、この前ほとんど全部円建てになっておるから別段被害はないのだというようなお話でありましたが、専用船、タンカー、一般船、みなそれぞれ条件が違うと思いますが、一体実際円建てあるいは円建てに準ずるエスカレーションクローズその他で防護されているものの比率はどのくらいになっておるのですか。具体的な金額、総収入の中に占める円建ての部分の割合その他をちょっと聞かしていただきたい。
○新谷国務大臣 数字のほうは政府委員に答えさせることで御了承いただきたいと思いますが、御承知のように、一昨年の為替相場の変動以来、何とかして海運業の受ける影響を少なくしようということで、運輸省も海運関係者に指導いたしまして、不定期船部門におきましては、原則として円建ての運賃率を適用してもらっております。ただ、外国とのいわゆるコンファレンスのあります定期航路につきましては、なかなかこれを円建てにするということは困難でございまして、今日なおドル建ての運賃率が多いようでございます。こういうところから、相当に今度の為替変動相場によりましても影響を受けるだろうと考えておりますが、しかし、全体といたしましてはこの前と比べますと非常にその影響が少ないというふうに理解をいたしておるのでございます。 数字につきましては、主管局長から御説明を申し上げます。
○佐原政府委員 ただいまの数字の御質問でございますが、全収入のうちの円建てがどのくらいあるか、ドル建てがどのくらいあるかという御質問でございますが、中核六社からの報告によりますと、全収入を一〇〇といたしますと、ドル建てが約八〇%、円建ては二割でございます。ただ計画造船につきましては、前回の切り上げ以後、いま大臣の御答弁のように、ほとんど実質円建てということになっております。それから定期船はタリフでいきますので、これはドル建て、それから一般不定期、いわゆるトランパーというものは千差万別でございまして、表示はドル建てになっておるが、変動相場があったときには、用船契約あるいは運送契約によりまして、その差額を補てんするとか、いろいろなクローズがついた部分もございますが、したがいましていろいろ千差万別で、一律には申し上げられませんが、一応計画造船に関する限には円建て、こういうことになっております。
○河村委員 そうしますと、ひっくるめて一体割合はどうなるのでしょう、円建てになっているのとドル建てになっているのと。
○佐原政府委員 ただいま申しましたように、ドル建てが約八割、円建てが約二割ということでございます。そのドル建ての中にいろいろ条項、クローズのついたものがございますので、これは実質円建てと考えてもよい、こういうことでございます。その詳細はちょっといま手元にございませんので、後ほど御報告させていただきたいと思います。
○河村委員 定期船のほうは、これは外貨建て、当然ですけれども、それだけでなしに、これにもやはりカレンシー・サーチャージのようなものがあるわけですね。そういうもので防護されている割合は、どのくらいになるのでしょうか。
○佐原政府委員 カレンシー・サーチャージの問題は運賃同盟のディファレンスの問題でございますが、前回の切り上げのときには、あらゆる同盟で一三%程度のカレンシー・サーチャージがつきまして、定期船の場合は、ほぼ全額が実質的には補てんされた、こういうように考えております。 それから、今回の場合にも、各同盟一斉にカレンシー・サーチャージの防護をいたしまして、とりあえず一〇%程度のサーチャージがつけられております。これが固定相場制になって、円の切り上げが一〇%をこえた場合には、さらにアディショナルなサーチャージということで要求する船主の動きがある、このように承っております。
○河村委員 まあ大体様子はわかりましたので、今後の問題として残しておきます。 それからもう一つ、都市モノレールのことを伺いたいのでありますが、都市モノレールの法案がが、議員立法で前国会でできまして、新しい都市の交通機関としてモノレールを生かしていこうというための基礎みたいなものができたわけでありますが、これについて、この法案の中で、国の補助というものも可能なような仕組みができたわけですね。でありますから、いま各都市で従来の遊びのようなものではなくて、ほんとうに市民の足になるような、ほんとうの意味での都市モノレールの計画ができつつあります。だけれども、それに対する運輸省のほうの構想が固まらないもので、みんな戸惑っているというのが現状だと思います。それについて、どういうふうにこれから進めていかれるつもりか、大臣に所見を伺います。
○新谷国務大臣 地方の中核都市における交通機関として、都市モノレールが非常に重要な役割りを果たすであろうということは、よく理解のできるところでございまして、さきの国会におきまして、都市モノレールの整備の促進に関する法律が提案され、それが成立をしたのでございまして、われわれ運輸省におきましても、現在運輸政策審議会に、地方の中核都市の交通機関の整備のあり方について諮問をいたしまして、審議をしていただいておる最中でございます。私どもとしては、基本的な方針は、この答申を待ちましてきめなければならぬと思っておりますけれども、しかし、都市モノレールというものが、非常に今後の都市交通に重要な役割りを占めるという点は、よく理解できますので、運輸省といたしましては、法律の規定の趣旨に従いまして、国及び地方公共団体がこれに対して積極的に取り組むのが当然であろうと思いますから、運輸省も答申の結果を待ちまして、各地における具体的な計画が出てまいりました場合には、それに対して積極的に取り組んでいくという姿勢でございます。
○河村委員 その審議会の答申というのは、補助率であるとか、あるいは軌道や車両の基準、そういったものまで答申されるようになっておるのですか。
○原田政府委員 お答え申し上げます。 運輸政策審議会の都市交通部会で現在審議いたしております、地方中核都市の交通機関の整備のあり方についてでございますが、この部会におきましては、基本的な方針なり考え方について答申されることを期待いたしております。 具体的な助成の措置等につきましては、その方針にのっとりまして、事務当局で関係者と詰めているということになろうかと思います。
○河村委員 時期的には、大体いつごろをめどにやっておりますか。
○原田政府委員 大体再来年度の予算措置に間に合うようにわれわれとしては、基本的な答申が行なわれるように期待しておる次第でございます。
○河村委員 それでは、これから航空関係、特に成田国際空港の問題をお伺いしますが、その航空関係の中で二つばかり先にお伺いしておきます。 一昨日ぐらいでありますか、インドのニューデリーの日航の事故、これについてインド政府の調査委員会の結論が出て、これから日本政府と協議をするというようなことが発表されております。こまかい内容は、私は知りませんが、どうやら高度の確認を怠ったパイロットミスだという結論のようでありますが、このインドの問題については、ILSの誤電波といいますか、そういう誘導ミスみたいなものがからまって議論されていたように思うのでございます。そこで、これから政府は、たぶんインド政府との協議に臨まれるのであろうと思いますが、どういう態度で臨まれるのか、それを伺っておきたいと思います。
○新谷国務大臣 まだ新聞に出ておりましたような結論には達していないと思います。いまインド政府の主宰する調査会におきまして、これはわれわれのほうからも関係者が出ておりますが、その事故原因につきまして鋭意調査中であると考えておるのでございます。
○河村委員 そうしますと、新聞に発表されたものは、これはまだ確定的な結果ではなくて、まだ審議調査中である、こういうことでございますか。
○新谷国務大臣 そのとおりでございます。
○河村委員 それからもう一つ、四十六年の七月でございましたか、雫石で自衛隊の飛行機と全日空でしたかな、衝突をした事故ですね、これについていま自衛隊と全日空との間に訴訟で賠償問題が争われているようであります。これは御承知だと思いますが、運輸省で事故を調査し、形式的には総理府か何かになっておるかもしれませんが、事故を、責任を持って運輸省が扱って結論が出ておるわけですね。それに対して、いま防衛庁側では過失相殺の部分があるということを主張して争っておるようでありますが、それに対して運輸省は知らぬ顔をして、訴訟のままでながめている、そういう態度ですか。それはどうなんでしょうか。
○内村(信)政府委員 ただいま御質問のございました、全日空機と自衛隊の航空機との雫石における衝突事故の問題でございますが、これにつきましては、先生ただいま御指摘のとおり、総理府のほうに事故調査委員会が設けられまして、そこで一応事故調査の結論が出たわけであります。ただ御承知のとおり、その事故調査委員会の事故調査と申しますものは、その目的があくまでも将来同種の事故の再発を防止するというふうなことが目的でございまして、必ずしも責任の追及というふうなことまでやっておりません。端的に申しますと、多数説及び少数説ということが併記される場合もございます。それに対しまして、受け取るほうといたしましては、それぞれに必要な事故防止対策をするというふうなことでございまして、本件につきましては、いわゆる民事訴訟と航空機の事故調査というものは一応これは別個のものであるというふうに考えております。たとえば、アメリカあたりにおきましても、航空機事故調査の結果は民事訴訟の場合に援用してはいけない、こういうふうなことにもなっております。そこで事故調査を終わりましたけれども、その結果責任がはっきりどこそこにあるというふうなことまでは明確ではないというのが実情でございます。そこで、全日空側といたしましては、もっぱら自分のほうには過失はないのである、防衛庁側のほうの全面的な過失である、こういう主張をいたしておりますし、防衛庁側におきましては、もちろん防衛庁側の過失は認めるわけでございますが、全日空側にも若干の過失があったのではないか、こういうふうな考え方を持っております。 そこで、それではそういうものを一体どこできめるのかと申しますと、それはやはり私どもといたしましてもそういうものに介入してきめる立場にはございませんし、どうしてもそれをどこかできめてもらわないと困る。会社の側としても株主等に対しまして困りますし、あるいは政府側といたしましても何かはっきりした根拠がございませんと、支払うべきものか支払わざるべきものかはっきりしないというふうな点もございまして、民事訴訟に提起したというふうなことがいきさつのようでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この民事訴訟に介入する意図はございませんが、訴訟を提起された後においてなるべく双方円満に合理的な形で解決されることを望んでおるというのが実情でございます。
○河村委員 一般的に、民間同士の場合であれば一応民事訴訟にまかせるということでもいいと思うのです。ところが片方が自衛隊——国でしょう。国ですね。この場合、事故調査委員会でも多少民間機のほうの見張り義務等について触れたどころはあるけれども、その第一義的な原因ははっきりと制限区域を自衛隊機が侵したというところにあることだけは間違いないのですよね。それが国ですよ。だったらば、刑事責任は別として、民事上の責任については一方の当事者、加害者が国なんですから、これを民事訴訟にまかせるという態度は私はよくないと思う。だからそれは事務的な事故調査の責任者の立場からいえば、形式はどうかは知らないけれども、これは同じ国であるのだから、運輸大臣は国務大臣の立場で、こういうものを民事訴訟などに持っていかないで明確に国の責任を明らかにして処理をするということが私は正しい行き方ではないかと思いますが、大臣いかがでございますか。
○新谷国務大臣 問題は二つになると思います。全日空に乗っておりまして、これによって被害を受けた方々に対する損害賠償の問題と、それから全日空と防衛庁との関係、この二つになるかと思いますが、前段のほうの問題は、防衛庁のほうにも運輸省からもそういう趣旨のことを申したと思いますが、非常に誠意を持って当たっておるようでございまして、大部分の方は示談でもって賠償問題のほうは済んでおる。若干残っておるそうでございますがそういうことでございますので、なおこの点については防衛庁側にもそのことを早く解決をするようにということを申したいと思います。 全日空との関係につきましては、私はいまその事情を承知したのでございますが、御質問の趣旨もよくわかります。この点につきましては防衛庁長官とよく協議をしてみたいと思います。
○河村委員 いま防衛庁側で民事訴訟を待つという考え方は、結局会計検査上のことばかり考えて、一種の責任のがれですね。ほんとうにお役所の立場で考えているというところです。そういうのは、事務当局がどう考えようと、最高首脳部としては、あれだけの大事故を起こしてその結末なのですから、それを民事訴訟にまかせるなんというのでなしに、積極的に介入して結論を出すべきものだと思います。ですから、ぜひ防衛庁と運輸大臣、直接お話しになってそういうふうにするように要望しておきます。 それから、いよいよ成田国際空港の問題に入りますが、成田の国際空港の問題ほど国際信用を落とし、かつ政府の無責任体制というものを露骨に示した事例というものはちょっと珍しいのじゃないかと思うのです。国際空港というのは単に国内問題だけでなしに、もちろん対外的な関連が非常に深い。ですから、慎重に扱うと同時に、時期的にもいつ開港するとかどういう設備でやるとかいうことははっきりさせていかなければ国際信用をたいへん落とすんですね。ところがこの空港については、四十二年の一月に四十六年四月開港を告示して以来もう四へんぐらい変わっておる。もちろんその間に例の飛行場そのものに対する反対運動という非常に深刻な問題がありましたから、これは恕すべき点があるといたしましても、それを除いても何べんか変わってきている。前の佐々木運輸大臣が四十七年の八月に、四十八年三月に開港する、これを大臣として声明したわけです。ところが九月になったらもうそれが怪しくなってしまって、この間の所信表明の中でも運輸大臣は早期開港に努力するというようなことを言われ、質疑の中でも同じようなことを言われただけで、そう遠くなく開港を目ざしているというような言い方をされて、日時については何も言っておられない。このくらい重大な政治責任というものはないと私は思いますが、一体大臣はどうお考えになりますか。
○新谷国務大臣 成田の国際空港の開港につきましてお尋ねでございましたが、当初計画をされましたようなスケジュールで進行できませんで、これはまことに申しわけない次第だと考えております。 今日問題になっておりますのは、いろいろの空港そのものの設備関係は順調に進んでおるのでありまして、問題の最大のものは、航空燃料をどういうふうにして運ぶかという問題に集中しておるわけでございます。この点につきましては、将来の航空燃料の輸送を石油パイプラインによって千葉から持っていこうという計画でございましたが、これには二つ問題がございまして、地元のほうでこの石油パイプラインはどうしても困るという反対運動が起きまして停滞しておりますのと、もう一つは、技術的に工事上非常に困難な場所が出てきたということで停滞をしておるのでございますが、先般当委員会においても他に御質問がございましたので、多少お答えしたのでございますけれども、そういう状況でございますから、じんぜんこれを見送って本格的なパイプラインができますまで国際空港の開港を見合わすというわけにはまいりませんので、この航空燃料の輸送につきましては、ただいまそれにかわって、暫定的な案でございますけれども、その暫定的な案を立てまして鋭意折衝を続けております。先般申し上げましたのは、この暫定的な航空燃料の輸送問題につきましていろいろな困難がございまして、なかなか解決の糸口が見出せなかったようでございますけれども、関係者がみんなそれぞれ手分けをして非常に努力をいたしました結果、二、三の点がまだ残っておりますけれども、さっきお話しになりましたように、私どもとしましてはできるだけ近い機会にそれらの問題点を解決をいたしまして、暫定輸送計画を樹立して、これに早く着工するという段取りで進めたい、こういうふうにいまは考えまして、毎日のようにこの点について努力をしておる最中でございます。 佐々木前運輸大臣が三月開港ということをおっしゃったということも承りましたが、これはおそらくその当時、三月をめどにして開港の準備をし、それについてあらゆる努力をいたしますという意味ではなかったかと考えるのでございます。私も一日も早く——国際空港であり、これだけの設備投資をしたのであり、また成田空港が早く開港されるということでその準備をして関係の方々がいろいろの計画を持っておられるということもよく承知しておりますので、そういった点をあわせ考えまして、ほんとうに一日でも早く開港ができますようにあらゆる努力をしておる実情であるということを御了承いただきたいと思います。
○河村委員 そういういいかげんなことを言ってはいけないです。佐々木運輸大臣は四十八年三月開港をめどに努力いたしますなんて言ったんじゃないのです。四十八年三月に開港しますと言ったんです。それに合わせてすべての関係の会社が準備を始めているわけなんですけれども、そうじゃありませんか。
○新谷国務大臣 当時のことはよく存じませんでしたが、いま政府委員から聞きますと、公団に対しまして、四十八年三月開港をめどにして努力をしろ、こういうことを命じたということだそうでございます。
○河村委員 結局公団に責任を押しつけたわけですか。大臣はこの前の質疑の答弁で、これまでも公団を督励し、運輸省自身も交渉に当たってきた、こうおっしゃいましたけれども、公団はなるほど督励したかもわからぬけれども、ほんとうに運輸省自身が交渉に当たられたことがありますか。
○新谷国務大臣 ただいま申し上げましたのは、前運輸大臣が開港を三月にすると言ったかどうかという問題についてお尋ねがあったものですから、政府委員に聞きますと、公団に対してそういう督励をしたということでございますということを政府委員が申しましたので、そのとおりにお答えしたわけでございます。しかし、お話しのように、これは公団まかせでは解決しない問題が多いのでございます。政府部内でも、御承知のように、新東京国際空港を実行いたします場合に、各省に関係のある問題が非常に多いのでございまして、運輸省だけではなかなかこれは実行できません。でございますから、閣僚会議もつくっております。そういうことでございますから、公団まかせではこれは進行しないのは当然でありますから、私たち微力でございますけれども、運輸省といたしまして、公団にやらせるべきものは公団にやらせますけれども、運輸省の者がむしろ先頭に立ってこれの促進をしなければいかぬという体制をつくりまして、私もその先頭に立って問題点の解決につとめておるという状況でございますから、その点は誤解のないようにお願いしたいと思います。
○河村委員 私はいま過去のことを伺ったので、公団を督励し、運輸省自身交渉に当たったと大臣がこの間おっしゃったが、ほんとうに運輸省自身が過去に交渉の矢面に立ってやったことがありますか、それを伺っているんです。
○新谷国務大臣 幾つかの難問題がございまして、私が全部それに顔を出してということは困難な点が多いのでございますけれども、私どもの政務次官に特命をいたしまして、実は最近では毎日午後五時から、空港公団の総裁はじめ関係者が集まりまして、問題を一つ一つ解決すべくお互いにその日の交渉の結果を報告し合い、そして明日はどうするかというようなことについて協議をしながら、ほんとうに一日でも急ごうという体制をつくりまして、先頭に立って運輸省が公団を督励するし、公団にもほんとうに前向きで一生懸命やってもらうし、運輸省自身もそういう体制で積極的に取り組んでおるという事情でございます。 どういう問題についてやっておるのか。これは現地に対しますいろいろデリケートな問題もございますので、一方この問題についてはこうしておりますということを申し上げる段階ではございませんけれども、三つほどの問題がございまして、それについて毎日のように集まってお互いに報告をし合い、そして明日のやり方を協議するというようにして進めておることは事実でございますから、御了承いただきたいと思います。
○河村委員 集まって相談をし、情報交換をされるかもしれないけれども、従来公団にまかせて、実際運輸省が自分でつくるのだという感覚がなかったのじゃないかと私は思うのです。空港というのは、飛行場をつくるのはほんの一部なんですね。それに対する各種のもの並びに人の輸送手段段、それから公害対策、そういったものを包括した非常に大きなプロジェクトでしょう。ですから、空港公団にやらせておいてスムーズにいくわけがないんですね。いままで非常に大きな障害があったことも事実だけれども、そういうところに非常に欠けたところがあったと私は思うのです。しかしこの時期になって、大臣も再三いつ開港するということを新聞にまで書かれて、それがひっくり返って非常に迷惑をかけておりますから、いまはっきりしたことを言いにくいのかもしれませんけれども、四十八年三月に開港すると佐々木運輸大臣が言ったときには、その理由は羽田空港の過密緩和が安全確保上緊急であるということと、それからたび重なる開港予告の変更が国際不信を招く、この二つの理由から三月開港ということを言ったんですね。ですから、いまもってまだ日にちも見当つかぬというようなことでは関係者の迷惑この上なく、さらに一そう国際不信を招くわけですね。第一に、羽田空港の過密緩和が安全確保上緊急と言っておるのですから、これは単なる形容詞ではないと思うんですね。であれば、この時期にきて大体いつごろできるのかくらいのことを正式に表に発表するのは別にして、そのくらいの腹案がないのは——もしそういうめどなしに毎日情報交換をやっておるとしたらたいへんな怠慢だと思う。大体めどをつけておやりになっておるんでしょう。大体いつに開港のめどをつけるつもりでおられるのか、それを伺います。
○新谷国務大臣 もちろん計画としては目標を持っておることは事実でございますが、その目標を何月というふうにめどをつけますことはここの場所では控えたいと思います。といいますのは、いろいろむずかしい交渉をいたします場合に、それによりまして相手方を刺激いたしましたりあるいは予期しない障害が起こる可能性がないことはございませんので、私たちはもちろん一つのめどをもちまして進行させておるわけでございますけれども、いま申し上げましたようにそれを何月ごろ必ず開港いたしますということは、まだ交渉が道筋でありまして途中でございますので、もうしばらくお待ちをいただきますと、的確にめどをつけて、この工事はいつまでにやって、そしていつごろに開港できますということを申し上げる段階になれるかと考えておるのでございまして、もう少しお待ちをいただきたいと思います。
○河村委員 いまあなたがはっきり言えない理由の直接の障害というのはおそらく茨城県の鹿島港を使用する問題だろうと思うのです。パイプライン全体の構想が行き詰まり状態になって、鹿島港から陸送する、そういう計画であったと思います。一体、この鹿島港が使えなくなった、鹿島港を使って中継することができなくなったという理由はどういうところにあるのですか。
○新谷国務大臣 鹿島港の問題につきましても、関係各省でいま法律的にそれから実際的な事実問題として、両方から協議をいたしております。鹿島港が使えなくなったということはまだきまってはいませんし、私どもは鹿島港につきましては、燃料輸送の問題で非常に大きな期待を持っておるということは事実でございます。
○河村委員 もし鹿島港を使うことに支障がなければ、いまあなたがいつ開港するかという日時を言えないという障害はほかに何があるのですか。
○新谷国務大臣 鹿島港だけで全部国際線の航空燃料をまかなうことができるかどうかということが一つの問題でございまして、いまの各方面からの意見を総合いたしますと、それは暫定的な問題でございましても非常に困難であるというように考えられます。したがいまして、国際線を移します場合に、他の輸送手段によりまして鹿島港以外からも若干の燃料輸送をしなければならぬということではないかと考えるのでありますが、これにつきましても若干——やはり鹿島港から運ぶにつきましても、パイプラインの問題が起こってまいります。他のほうから運びますにつきましてもパイプラインの問題が起こってきまして、そういった問題につきまして、地元とも十分な協議を遂げ地元が納得されるような方法でこれを完成しなければならぬというところに、非常にデリケートなむずかしい問題がまだ多少残っておるというように御了解いただきたいと思います。
○河村委員 どうもあいまいで、少しもわからないのですけれども、もともと鹿島港を使って、なおかつ若干足らぬ部分は千葉港ですか、他のところで補てんをするということは前からきまっておったわけでしょう。ですから、鹿島港自身に問題がなければ、いまもってめどがつかないというのは、もう一つ、それでは暫定的な成田地域のパイプライン、これについての話し合いがつかないのですか。そのいずれなんですか。いまの御説明では少しもわからないので、もう少し明確なお答えをいただきたいと思います。
○新谷国務大臣 いまの暫定輸送の方法をとるにいたしましても、若干のパイプラインは必要でございまして、このパイプラインをどこにどうして敷くかということにつきましてまだ地元のほうと折衝中の地点がございまして、土地問題もまだ最終的にきまるというところまでいっていないというような事情でございます。
○河村委員 これは、私の聞くところによりますと、鹿島港を使うことについて、首都圏整備法との関係で・法制上使かわせることに疑義があるというところで停とんしているのだというように聞いておりますが、そういう事実はないのですか。
○新谷国務大臣 御承知のように、閣僚協議会の下に関係各省の人が集まりましての幹事会がございます。その幹事会でその問題も取り上げてもらっております。その問題は多少そういった法律上の問題にもひっかかるおそれがあるかもしれませんが、これについては関係各省の間で検討を進めておる次第でございます。
○河村委員 ことしの二月の一日に、いまあなたのおっしゃった閣僚協議会の幹事会で羽田と成田を両方使う、ですから成田の一部開港ですね、両方使うことを検討するというような申し合わせをしたということが新聞記事に出ておりましたが、そういう事実がありますか。
○新谷国務大臣 幹事会でそういった結論を出したことはございません。やはりでき得るならば、国際線というものは羽田にも残し成田も使うということではなしに、なるべく成田を使うということになりますれば、一本で成田に集中するということが望ましい形であることは言うまでもございません。この点につきましては、要するに航空燃料の問題その他それに応ずるような体制ができ上がるかどうかということで決定すべき問題でございますが、私たちはそういう希望を持って進めておるわけでございます。
○河村委員 一部開港などをやらないのは、両方使うなんということはやりたくない、望ましくないという程度のことですか。これはほんとうに両方使うというようなことをやれば、暫定的であっても、税関だとか出入国管理とか検疫とか、関係するところがたくさんあるわけですね。重大な問題であります。一部開港なんというのは、単にできれば避けたい程度の話では私はないと思うのです。一部開港ということは絶対やらないということをここであなたは明言はできますか。
○新谷国務大臣 いまお話しのように、成田開港の場合に国際線を全部移すということは望ましいし、われわれとしてはしたがってそういう方針で進んでおるということは申し上げてもけっこうでございますが、ただ多少留保めいたことを申し上げましたのは、要するに国際線全体で使う航空機の燃料を、必要とする分量を他の暫定する方法によりまして得られるかどうかという事実問題にかかってくるものですから、そういう場合は考えなければならぬとは思いますけれども、方向とし、また方針としましては、国際線は移すならば一挙に移すべきだという考えは持っておるわけでございます。そういう方針で進んでおることも事実でございます。
○河村委員 そういうことではほんとうに責任ある御答弁とはいえないですね。燃料が国際線を全部移すだけ運べるかどうかわからない、だから明確なことが言えないというような態度では、とうていこの問題は解決しませんね。ほんとうに、これだけの問題なんですから、腹をきめて、方法の具体的内容は別として、とにかく早急に必要な全燃料を運んで開港する、一部開港などというこそくなことは絶対にやらないという不退転の決意で政府全体が取っかかればできないことはないと思うのですね。あなたはそのくらいのことはおっししゃるだけの勇気はおありにならないのかどうか。私はたいした勇気じゃないと思うのですけれども、いかがですか。
○新谷国務大臣 私はそういう方針で腹をくくっているつもりでございますけれども、われわれの政府部内だけでは解決できないような地方住民との関係もございますので、これは十分に考えていかなければならぬ問題だと思いますから、いま申し上げたような答弁をしたわけでございますが、もちろん決心はしておるつもりでございます。
○河村委員 あなたのおっしゃることをここではとにかく一応信頼をして、必ずそうやられることを期待をします。どうも成田の空港に関する問題ぐらいあれこれしょっちゅう変わるのはおよそ例を見ないのですね。一番大事な旅客の足の問題にいたしましても、最近では何か成田新幹線建設はどうも見込みがないから、間に合わないからやめて、在来線、国鉄の成田線を延長してそれで間に合わせるんだという話が出たかと思うと、また既定方針どおりやるんだというようなのが新聞に出たり、これは私は新聞で見ているので具体的にそれぞれ確認をしたわけではありませんが、これだけ遠くの空港ができて、ハワイから一時間で来て、東京までまた一時間半かかるというのじゃ話にならないわけですね。成田空港への新幹線というのはほんとうになくてはならないものだと思うのですが、こういうふうに変わってきたのは事実か、一体、これからほんとうにどうするつもりなのか、それを伺いたいと思います。
○新谷国務大臣 成田空港からの人員、貨物の輸送の手段でございますが、当初計画いたしました新幹線ができ上がりますということは、これはもう一番適当なことだと考えております。その点につきましては当初の計画は適当であったと思います。 ただ、その新幹線を実現しようというので具体的に関係の地元の人たちと当たってみましたところが、非常な障害が起こってきたということも御承知のとおりでございます。それをどういうふうに受けとめて実現をするのかという具体的な方法論がいま問題になっておるのでございまして、新幹線はもうやめた、これはもうやらないのだということをきめたことは今日までないのでございます。したがいまして、実は私就任以来二カ月くらいしかたちませんが、さっそくこの問題に就任以来とりかかりまして、問題の一つ一つを検討いたしてまいりました。何か実行できるような方法を講じまして、実行できるものからみんなが協力をして取り組んでいこうじゃないかということで、先ほどからるる申し上げましたように、関係者が全員一致いたしまして、そういう方向で取り組んでいるのが現状でございます。新幹線問題につきましても、地元の住民の方々から、これはもうどうしてもここを通すのは困るんだというような強い反対も出ておりますので、ただこれを成田の新幹線だから何もかも忍んでほしいというわけにはまいりません。それには、もしそういう計画を実行する場合には、やはり地元の方が納得するような方法でこれを取り上げていかなければならないことはいうまでもございません。そういうことについて地元との交渉、そして何かそれに対応するような他の方法があるかないかというようなことについても鋭意研究をさしておるのでございます。 しかし、成田の新幹線をかりにいますぐに着工することが可能であるとしましても、これが完成までには三年以上かかるというようでございます。そうなりますと、成田のこの国際空港が近いうちに開港されるという見込みがかりに立ちましても、その輸送手段がないと、いまお話しのように成田へ着いたけれども東京へ来るのに何時間もかかったということでは困るから、それと並行的に暫定的な輸送対策ということについても検討を進めておるような次第でございます。
○河村委員 約束の時間になりましたからこれでやめますけれども、今度の成田空港の一連の経過を通じて、大臣どうお考えですか。空港というのは、空港をつくる費用あるいは困難さというのはほんの一部であって、輸送手段を含めて非常に大プロジェクトです。金のかかる割合からいったら空港というのはほんの一部ですね。これだけ金をかけて、しかも公害問題がこれからまだ残るでしょう。そうなると結局は、海の中の相当むずかしいところでも埋め立ててつくったほうが経済的に見ても一番よかった、そういう結論になりませんか。これからの問題として、ちょっとあなたの所見を伺いたい。
○新谷国務大臣 まあ白紙で考え直せということになりました場合には白紙で検討しなければなりませんけれども、これだけの国費を投じましてここまで仕事が進んできておるのでございますから、国費をむだにしないという意味におきましてもこれは既定の方針をもとにいたしまして、既定方針でどうしてもそのとうりにいかない部分はもちろんこれは修正をすることも考えられますけれども、大筋からいきますと、今日の計画というものはそのまま進めていくのが適当であると考えます。
○河村委員 さしあたりいまこれでやめたというわけにはいかないから、それはどうしても一日も早くやらなければならぬわけですね。ですから、いままで大体見ておりますと運輸省は公団まかせ、公団が困って運輸省がいよいよ出ていけば、今度は政府機関は単なる閣僚協議会ぐらいでしょう。各省全部が関係するような大計画、しかも国際的にも非常に重大な関係あるものを、こういうやり方でやっていますと、私はまだまだ障害が出て難航することは必至だと思うのですよ。だから、この際そんな閣僚協議会なんかやめて、ほんとうに成田空港対策本部ですか、何かそういう臨時の機構でもつくって、もちろんこれは各省から責任者をそこに集めて、それでやるぐらいのことをやらなければできないと思うのですが、大臣いかがですか。
○新谷国務大臣 本部という名前はついておりませんが、私は就任のときに東京新空港の問題についての担当大臣に任名されておるのでございまして、いつでも関係の各省に対しまして協力を求め得る立場にございます。その閣僚協議会の前提といたしまして、先ほど御説明いたしましたような幹事会を開かせまして——いままでにはこれは開いたことがなかったようでございますけれども、先般開かせました。なお、近いうちにもう少し事態が進展してまいりましたならば、閣僚会議の前提としての幹事会をやらせて、できるならば閣僚会議でいまお話しがあったようないろいろの問題につきまして一応のめどをつけまして、閣僚会議でさらに各閣僚の協力を求めて推進していこうという考えでございます。
○河村委員 終わります。
○井原委員長 それでは、本日の会議はこれをもって一応終了し、次回は明二十八日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十八分散会