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70回国会参議院1972/11/13

本会議 第5号

発言数
86
登壇者
19
会派数
6
開催日
1972/11/13

会議録

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。  この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。  議席第百五十六番、地方選出議員、兵庫県選出、中西一郎君。    〔中西一郎君起立、拍手〕     —————————————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 議長は、本院規則第三十条により、中西一郎君を社会労働委員に指名いたします。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) この際、おはかりいたします。  大竹平八郎君から裁判官弾劾裁判所裁判員を、長田裕二君から同予備員を、渡辺一太郎君から裁判官訴追委員予備員を、それぞれ辞任いたしたいとの申し出がございました。  いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) つきましては、この際、  裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員、裁判官訴追委員予備員各一名及び  欠員中の検察官適格審査会委員予備委員  中国地方開発審議会委員  北陸地方開発審議会委員  豪雪地帯対策審議会委員  台風常襲地帯対策審議会委員  鉄道建設審議会委員各一名の選挙を行ないます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 私は、ただいまの宮崎君の動議に賛成いたします。

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 宮崎君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。  よって、議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員に吉武恵市君を、  同予備員に岩本政一君を、  裁判官訴追委員予備員に片山正英君を、  検察官適格審査会委員予備委員に中村禎二君を、  中国地方開発審議会委員に木村睦男君を、  北陸地方開発審議会委員に嶋崎均君を、  豪雪地帯対策審議会委員に佐藤隆君を、  台風常襲地帯対策審議会委員に柴立芳文君を、  鉄道建設審議会委員に徳永正利君をそれぞれ指名いたします。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) この際、日程に追加して、  昭和四十七年度一般会計補正予算(第1号)  昭和四十七年度特別会計補正予算(特第1号)  昭和四十七年度政府関係機関補正予算(機第1号)  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。予算委員長大竹平八郎君。    〔大竹平八郎君登壇、拍手〕

大竹平八郎自由民主党

○大竹平八郎君 ただいま議題となりました昭和四十七年度補正予算三案につきまして、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  今回の補正予算は、社会資本の整備促進をはかることによって当面の緊急課題たる国際収支の均衡回復に資するため、公共投資の追加のほか、公務員の給与改善など当初予算作成後に生じた事由に基づき、特に緊要となった事項について補正の措置を講ずることとなったものであります。  この補正により、一般会計予算の規模は歳入歳出とも六千五百十二億円を増加し、十二兆一千百八十九億円となるのであります。  また、特別会計予算、政府関係機関予算についても、一般会計に準じそれぞれ所要の予算補正を行なうことにいたしております。  これら補正三案は十月二十七日国会に提出され、委員会におきましては、十一月一日植木大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、十一月八日衆議院からの送付を待って、十一月九日から十三日までの四日間にわたり、田中内閣総理大臣並びに関係各大臣に対しまして質疑を行なってまいりました。  まず、安保、防衛問題について申し上げます。  「国際緊張の一大要因であった中国封じ込め政策が米中会談の実現により解消され、さらに、日中国交正常化の実現によりアジアの緊張が大幅緩和に向かっているのに、旧態依然として安保条約に固執していることは、時代の流れに逆行するもので、安保条約は再検討の時期を迎えているのではないか。アジアが緊張緩和の方向にあり、ベトナム戦争も終局に向かいつつあるのに、車両制限令を改正し、道路管理者の異議申し立てを無視してまで何ゆえ米軍車両の搬出を認めたのか。  さきに政府が決定した四次防は、兵器や装備の点から見て、三次防とは質的に異なっており、三次防の延長でないばかりか、憲法の自衛力に関する政府解釈の範囲を逸脱しているのではないか、防衛力の限界並びに戦力に関する政府の見解いかん」などの質疑がありました。  これに対し、田中内閣総理大臣、大平外務大臣並びに増原防衛庁長官より、「米中会談や日中国交正常化により、集団安保体制が不必要になるほど安定したとは考えられない、また、日中正常化は、安保条約が存在しているもとで達成されたもので、安保条約の再検討や四次防を不要とするような時期にあるとは考えていない。車両制限令を改正して米軍戦車の輸送を認めたのは、国会で承認された安保条約に基づいて、わが国は、米国に基地提供と米軍の基地間移動の自由を認める義務を負っており、やむを得ないものと判断しておる。しかしながら、安保条約が結ばれてすでに二十年余り経過し、その間に、基地周辺の情勢も大きく変化しており、国民感情の上からも問題が生じているので、政府は、相模補給廠をはじめ、関東地区などにある基地の整理縮小に一そう努力したい、四次防は、老朽化した兵器の更新等が重点であって、金額はふえているが、基調としては三次防と異なるものではない。防衛力の限界については、非核三原則等、従来の四つの限界のほか、国際緊張緩和がこのまま持続することを前提として、平和時の限界を数量的に示す必要があると考えており、年内には作成したい。なお、戦力については、「広く考えると、戦う力ということで、ことばの意味だけからは、一切の実力組織が戦力に当たるといってよいが、憲法第九条第二項が保持を禁じている戦力とは、自衛のための必要最小限度を越えるもので、それ以下の実力の保持は同条項によって禁じられていない。この見解は、年来、政府のとっているところである」との政府の統一見解が示されました。  次に、経済財政問題について申し上げます。  経済成長率の瞬間風速が一一%という中で、卸売り物価も急騰している現在、公共投資の事業規模一兆五千億円の大型補正予算を編成することは、物価を刺激し、インフレを促進させるのではないか。このことは、結局、ひずみを出した高度成長の繰り返しとなり、政府の言う福祉充実のための安定成長とならないのではないか。また、政府は、円対策として大型補正予算を組んだというが、貿易収支の黒字抑制の効果はどのくらいか。現状から見て、外国からの円の再切り上げ要求を回避することが困難ではないか、などの質疑がありました。  これに対し、田中内閣総理大臣並びに関係各大臣より、景気は昨年末に底をつき、現在、上向きの軌道に乗り、堅実な回復基調にある。しかし、景気回復の牽引力が従来と異なり、今回は個人消費や民間住宅の需要拡大によるもので、回復速度はなだらかである。物価について十分警戒を怠らないが、需給ギャップが依然として残っており、供給に余力があるので、インフレが起こるとは考えられない。過去の経済成長は、第二次産業中心に民間設備投資を伸ばしてきたが、今後は内需の拡大に重点を置き、社会資本の整備や社会福祉など、財政主導型へ移行させ、バランスのとれた量から質への経済へ転換をはかっていくので、いままでのような高度成長にはならない。目下、経済審議会で新長期計画を策定中であり、本年十二月中旬までに結論が出ることになっているが、安定成長路線として考えられる成長率の見通しは七%から一〇%の間が見込まれることになるだろう。貿易収支の黒字解消効果については、一つの試算ではあるが、年度内に三億ドルないし五億ドル、来年度では十億ドルないし十二億ドルの黒字が縮小するものと思われる。中小企業や零細企業が多いため、円の再切り上げの場合、影響が多大であるので極力これを避ける決意である。そのためにも国内需要を拡大するとともに、貿易管理令の発動や輸入金利の引き下げ、外貨貸し等を行ない、両三年のうちに経常収支の黒字をGNPの一%以内におさめたい、との答弁がありました。  次に、田中総理大臣が提唱する日本列島改造論に関する質疑として、列島改造の前提条件は土地の確保だと思われるが、地価が高騰している現状では困難ではないか。列島改造で工場の地方移転が行なわれると公害の拡散が起きるのではないか。工業を地方に移しても、農業が破壊されるだけで農民の生活がよくなる保証はないのではないか、などの質疑がありました。  これに対し、田中内閣総理大臣並びに関係各大臣より、土地の供給をふやすための道路交通網の整備をはじめ、土地利用計画を早急にきめて、思惑による土地買い占めが効果がないようにするとともに、短期所有者の土地譲渡に高率の分離課税や法人持ちの土地をはき出させるための保有税等、税制面からの対策も検討中で、土地の確保と地価抑制の両面の効果があがるようにしたい。工場の地方移転によって公害が拡散するようでは列島改造の目的に反するので、公害を出さない企業の移転に心がけるとともに、有害物質の排出基準をきびしくし、地域ごとの環境保全が完全に守られるようにしたい。農業と第二次産業の生産性の違い、あるいは零細農地保有の実態から見ても、農業生産だけで他産業との所得の均衡をはかることは非常に困難である。農村に適応する工業を計画的に導入し、農外所得の増加をはかることによって、農工両全の実があがるようにしたい、との答弁がありました。  委員会における質疑は、このほか、政治の基本姿勢、教育問題、年金問題、沖繩問題、北富士演習場問題、電気ガス税撤廃問題、石狩炭鉱爆発事故、北陸トンネル列車火災事故、日航機ハイジャック事件、南北朝鮮統一問題、その他各般の事項について活発な論議がかわされましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと思います。  かくて本日をもって質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して杉原委員が反対、自由民主党を代表して西村委員が賛成、公明党を代表して鈴木委員が反対、民社党を代表して木島委員が反対、日本共産党を代表して渡辺委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。  討論を終局し、採決の結果、昭和四十七年度補正予算三案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして御報告を終わります。(拍手)

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。西村関一君。    〔西村関一君登壇、拍手〕

西村関一日本社会党

○西村関一君 私は、日本社会党を代表して、昭和四十七年度補正予算三案に対し、反対の討論を行なうものであります。(拍手)  反対の理由を申し上げます前に、まず、田中内閣の政治姿勢について一言触れざるを得ません。  田中首相は、先般の日中共同声明により、戦後二十七年間続いた日中間の不幸な断絶の歴史に終止符を打ち、国交回復を実現されました。私も、首相のこの勇気と決断に対し、国民とともに心から称賛を送るにやぶさかなものではありません。  いまや、日中友好の流れは、とどまるところを知らない大きな川の流れになりました。しかし、過去何十年もの長い間、きわめてきびしい情勢の中で、ときにはとだえようとする日中の細い小さな流れを守り続けてきた先人たちの功績を忘れることはできません。私は先日、福井に遊び、福井の人士が建てた中国の文豪魯迅とその師藤野厳九郎教授との不滅の友情をたたえた「惜別の碑」の前にたたずんで、感慨深いものを覚えました。また、日中国交回復にその生涯のほとんどすべてをかけられました松村謙三先生、そのために命を捨てられた浅沼稲次郎委員長、その他有名無名の数多くの具眼の士が、日中の小さな流れを守り抜くためにいかに苦渋に満ちた生涯を送ってこられたかということを、田中首相、あなたはよもやお忘れになっていますまい。これらの人たちは、真の日中和解、善隣友好、アジアの平和を願い求めた人たちであります。  しかるに、田中首相は、中国からお帰りになると、直ちに沖繩への大規模な自衛隊の移駐を開始し、さらには四次防を正式に決定し、自衛隊員のベースアップ部分を含めれば総額五兆円をこえる膨大な軍事費を使って日本の軍備を増強しようとしているのであります。この四次防の総額は、自衛隊が発足して以来、過去二十カ年の防衛費に匹敵するものだけではなく、その内容は、防衛庁の言う装備の更新などとはほど遠い、近代戦を遂行し得るに役立つ装備編制となっているのであります。  一昨日来の本院予算委員会におきまして、わが党の上田委員の質問の中で、「戦力とは何か、戦力とは近代戦争遂行に役立つ程度の装備編制を備えるものを言うのかどうか、イエスかノーか」という簡単な質問に対しても、政府は直ちに答弁ができず、十数分間も審議が中断され、ようやく三日後の本日午前の予算委員会に政府の見解なるものを出してきたのであります。それによりますと、「一切の実力組織が戦力に当たるといってよいでありましょうが、」云々と、きわめてあいまいな、質問の趣旨をそらす答弁を出しているのであります。これは明らかに国民の目をごまかし、近代戦争遂行に役立つ装備編制を持つ自衛隊という名の軍隊を合憲なりとする意図が隠されているということを、われわれは見のがすわけにはまいりません。  また、わが党が火ぶたを切った米戦車阻止のいわゆる村雨作戦につきましても、わが党の竹田、足鹿両委員の質問の中でもより明確になりましたように、日米安保条約や同地位協定があるからといって、国際的にも例のない国内法を改悪してまでベトナム向け米軍戦車輸送を強行しました。  田中首相は、国防の基本理念についてどのようにお考えでしょうか。米軍の核のかさや、自衛隊の戦力にたよるかどうか。それとも、日本国憲法の戦争と武力の放棄、諸外国と平和裏に共存融和を保つという世界に類例を見ないわが憲法に誇りと自信を持って、国防と外交の基本姿勢をここに定め、アメリカとも、中国とも、ソ連とも仲よくし、みんな日本に見習ってはどうだと、武力の重さに耐えかねているところのこれら列強諸国に働きかけてもらいたいのであります。田中首相、佐藤前首相ではできなかったことを、あなたならばおできになると国民は期待するのであります。ひとつ、やっていただきたいと思うのであります。  ここで、いよいよ本論に入ります。  田中内閣成立後、最初の予算補正でありながら、政府が盛んに宣伝しておられる発想の転換は認められず、決断と実行は誤った形であらわれているのであります。今日は財政主導型の時代であると言われているのに、この補正予算は目先の政治的理由によって財政経済の原則がねじ曲げられ、結果において、人間尊重、福祉優先どころか、インフレ促進と国民生活破壊の産物に終わっているのであります。  次に、四十七年度補正予算は、財政法上の基本原則、すなわち、予算編正後に生じた事由に基づき、特に緊急な必要経費につき、支出の増加あるいは修正処置を行なうという基本原則及び慣例が踏みにじられているのであります。すなわち、公務員給与の改善、地方交付税交付金、義務的経費及び災害復旧費の追加など、緊急やむを得ない義務的経費の支出に重点が置かれているものではなく、社会資本の充実と国際収支の均衡回復という口実のもとに、その大部分は三千六百億円の巨額な国債増発による公共投資の追加といった政策的な経費の支出を大幅に膨張さしているのであります。ここに補正予算の編成原則に反する姿勢が歴然としているのでありますが、そのほかに、たとえば追加支出のうち「その他の経費」では、防衛関係のヘリコプターや訓練用航空機の購入など、補正予算編成に便乗あるいは悪乗りしている事実すら見受けられるのであります。また、多額な財政投融資計画の安易な利用、いわゆる三Kないし四K赤字対策のほおかむり、公共事業の拡大によるところの地方財政への負担強要など、国と地方を通じて改善を要請されているところの積年の問題点が少しも改められていないことも、あらためて指摘せざるを得ないのであります。  第三に、この補正予算が過去のいかなる補正相模をも上回るところの超大型になった理由は、一見して明らかなとおり、公共投資の追加支出が五千三百六十五億円という巨額にのぼったためでありますが、その追加支出の配分内容を見ますると、生活環境施設、社会福祉、社会保障などへの支出増加が小さく片すみに追いやられており、大半は、治山治水、道路など企業利益増大に奉仕する産業基盤整備に多額の経費が追加支出されているのであります。国民が今日最も強く待ち望んでいる社会資本の整備充実とは、このような補正措置とはまさに正反対のものであります。社会資本充実のため公共投資を重視するというのならば、福祉向上に直結するもの、たとえば住宅建設を大幅に推進するとか、社会福祉関連施設の充実とか、社会保障、特に生活保護基準と年金額の引き上げの予算増額などに最大の努力を払うべきであります。また、施設や設備など物の面からだけではなく、看護婦とかソシアルワーカーの大量増員など、今日国民が最も緊急に必要といたしているところの人員充足など、血の通った施策を優先すべきであるのに、相も変わらず高度成長路線に沿って大企業優先、国民生活軽視の編成態度をとっていることは、断固許すことができないのであります。(拍手)  第四に、フィスカルポリシーの面から見ましても、この補正予算の考え方は矛盾撞着しているのであります。景気動向は目下着実に好転しつつあり、経済成長率は実質一〇%を突破するところの見通しである今日、総事業費規模において一兆円を上回るところの補正予算、史上最大規模の公共投資追加をあえて強行し、ことさらに刺激を加える政策をとることはとうてい理解しがたいのであります。また、公共投資の追加が、当面の緊急課題であるところの国際収支の均衡回復に資すると政府は主張をしておりますが、その相関関係につきましても国民が納得のいく確たる具体的な説明はついに今日までなされなかったのであります。  昭和四十七年度補正予算案は、超大型という規模の上からだけではなく、資源配分の内容から見ましても、景気調整策から見ましても、日本経済の現状に逆行し、当面の政策目標に相反するものと断ぜざるを得ないのであります。  第五に、四十七年度補正予算案は、歳入の面におきましても重大な欠陥を持っております。政府は、景気が順調な回復の過程をたどっていると言いながら、かつまた、大型補正による内需増大効果を強調しておりながら、租税及び印紙収入の歳入補正をわずか二千八百二十億円しか計上せず、意識的に自然増収を低く押えておる等々、いろいろな矛盾をはらんでおるのであります。そのために年度内減税も可能であるのにこれをやらないというようなこと等、これを要するに政府は安易に超大型補正予算を組むことによって、財政の持つ資源配分機能と景気調整機能をみずから打ち破り、福祉優先は表看板だけで、結果においては経済拡大、高度成長路線を続けることによって国民福祉を犠牲に、インフレへの道を進もうとするものでありまして、とうてい容認することはできません。  昭和四十七年度補正予算案に対し、わが党は断固反対の意思を表明するものであります。(拍手)      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 丸茂重貞君。    〔丸茂重貞君登壇、拍手〕

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和四十七年度補正予算三案につきまして、賛成の討論を行なおうとするものであります。  政府は、さきに四十七年度当初予算の編成にあたり、昨年の暮れに行なわれた国際通貨改革を機といたしまして、財政のもつ機能を最大限に活用することによって、不況を克服しながら、かつ社会資本の充実をはかり、福祉社会の実現のため経済体質を刷新強化して、積極的な財政運営をはかられたのであります。この結果、積極大型予算の執行とあわせて数回にわたる公定歩合の引き下げなど、財政金融両面からの措置によって国内景気も回復の軌道に乗ったのでありまするが、民間主導型経済成長の過程においての立ちおくれた社会資本の整備に対する国民の要請は、なおきわめて強いものがあるのであります。  他方、わが国最近の国際収支の動向を見ますると、昨年末に行なわれた通貨調整後も、相当の貿易収支の黒字がいまもって続いており、この対外経済関係の調整いかんが、今後のわが国経済の発展に大きな影響を生ずるに至ったのであります。  今回の補正予算は、このような経済事情を背景にいたしまして、公務員給与の改善、社会資本整備の促進をはかるとともに、当面の緊急課題となっておりまするところの国際収支の均衡回復に資するため、公共投資の追加を行なうことといたしたのであります。  以下二、三の事項について申し述べてみたいと思うのであります。  まず、社会資本の充実と福祉への配慮についてであります。  政府は、これまでも社会資本の充実に努力をしてまいりましたが、目ざましい経済成長の中で社会資本の立ちおくれはなお解消しておりません。わが国の国民一人当たり社会資本のストックの水準は、イギリス、西ドイツの半分、アメリカの五分の一の低さであります。これらの社会資本の立ちおくれを取り返すためには、昭和六十年度までに二百六十兆円の投資額が必要と試算されておるのであります。  今回の補正予算においても、このような観点から社会資本整備のための公共投資を最重点に取り上げておるのであります。  公共投資のおもな内容を見てみますると、一般公共事業においては福祉につながる生活環境整備を特に重視し、当初予算に比べ四四%を増額いたし、さらにこの生活環境の中でも最も立ちおくれの目立つ下水道については、当初比約五〇%の大幅増額をするとともに、公園整備についても五六%を増加するなど、生活福祉に重点を置く一方、いわゆる生産基盤関係については低率の伸びに押えておるのであります。  また、社会福祉施設の整備につきましては、老人、心身障害者、保育所等の施設補助をはじめといたしまして、看護婦養成所等の施設整備や、文教施設整備についても追加補正を行なう等、きめこまかい配慮をされたことは、福祉政策の前進を具体的に示したものといたしまして高く評価できるところであります。(拍手)  しかしながら、これら公共投資の執行にあたりましては、その政策効果を高めるため、当然契約及び支払いの迅速化をはかるべきでありまして、政府はこの点十分配慮せられるようお願いをいたす次第であります。  第二は、公務員給与の改善であります。  国家公務員の給与につきましては、去る八月十五日人事院から実施期を四月一日といたしまして、一〇・六八%の給与改善を行なうべき旨の勧告がなされました。政府はこの勧告を尊重いたしまして、俸給表、扶養手当、通勤手当等に改善を加えることとし、その経費として、実に総額一千百三十三億円を計上いたしたのであります。給与改善は、昨年までは五月一日付をもって実施せられましたが、本年はそれを一カ月繰り上げまして、四月一日からということになり、年末を控えまして、公務員諸君のふところにはかなりの追加払いが入ることになります。たいへんけっこうなことであります。願わくは、公務員諸君が、その本分についての自覚を高め、精励恪勤、よく国民の期待にこたえられたいものであります。第三は、国際収支の改善、円対策についてであります。  今日、わが国の貿易収支の黒字基調がすっかり定着いたしまして、かつ、その黒字幅が次第に大きくなろうとする傾向を示すに至り、そのことが、さきの国際通貨調整に際して、大幅の円の切り上げを招く結果となったわけでありまするが、さらに問題は、最近における外貨準備の急増であります。資源のほとんどを海外に求め、国際経済への依存度の非常に大きいわが国が、世界の注視する中で、対外収支の黒字を累積させていくことは、国際経済の中で孤立を招くおそれなしとしないのであります。この際、黒字幅の増高を押え、国際収支の均衡回復をはかることが、政府の当面する緊急課題であり、政府はこれに対処いたしまして、公共投資の追加補正を行ない、内需を喚起するとともに、輸入の拡大、輸出の適正化、資本の自由化、経済協力の拡充に関する一連の措置を講ずることといたしておるのであります。このことは、輸出第一主義の財政金融政策からの転換であり、経済の流れを変える適切な処置であろうと信ずるのであります。  国際収支の黒字がどの程度であることが適正水準であるかにつきましては、政府は、おおむね経常収支の黒字額が国民総生産の一%以内であることが望ましいとされたのであります。本年度の国民総生産を約三千億ドルといたしましても、その一%は三十億に当たります。本年の経済見通しの経済収支の黒字五十五億ドルは、その約一・八倍に当たりますが、年々のGNPの伸びを勘案いたしまするときに、政府の努力いかんによりましては、両三年間に一%に引き下げることも決して不可能ではないと思うのであります。政府が効果的円対策を実施して、国際収支の均衡回復に成功することを切に期待するものであります。  以上、今回の補正予算は、当面の経済情勢に即応する適切な措置を盛り込んだ予算であると考えるのであります。  最後に、私は、今回の補正予算案が、田中新内閣の掲ぐる七〇年代の日本民族の国家目標である日本列島改造の輝かしい出発点となることを期待しつつ、補正予算三案に対しまする賛成討論を終わります。(拍手)     —————————————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 塩出啓典君。    〔塩出啓典君登壇、拍手〕

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十七年度補正予算三案に反対の討論を行なうものであります。  反対理由の第一は、国民大衆の期待を全く裏切った予算だからであります。  田中内閣は、発足以来、歴代保守党内閣がとり続けてきたもろもろの政策を批判し、国民福祉優先の政策に転換することを公約してきました。したがって、本補正予算は、今日までの高度成長と生産輸出第一主義の経済運営を改め、国民生活の安定をはかるものでなくてはなりません。すなわち、社会保障関係費や年金の増額をはじめ、四十七年度当初予算で見送られた所得税減税の実施、生活環境改善のための社会資本整備等が行なわれるべきであります。しかるに、今回の補正では、こうした福祉関係の予算は社会福祉施設にほんの申しわけ程度行なわれただけで、国民の期待を完全に裏切っております。  田中総理の最初の施政方針演説の、「豊かな国民生活を実現するため、欠くことのできないものは、社会保障の充実であります。このため、今日までの経済成長の成果を思い切って国民福祉の面に振り向けなければなりません」との演説は、実に言葉のみに終わっております。この一事をもってしても、田中内閣が、従来の保守党の政策の軌道修正は言うべくして実行できないことは明らかであります。  反対理由の第二は、時期はずれの大型補正予算がインフレの危険を高めるとともに、政府のいう国際収支の黒字調整にも役立たないからであります。  政府の四十七年度の当初経済見通しのGNP成長率は七・二%で、今回の改定で九・五%に引き上げられ、民間研究機関や銀行の発表では一〇%成長が確実視されております。こうした時点でなぜ五千三百億円をこえる公共事業費の追加補正を行ない、景気を刺激するのが理解できません。  最近の卸売り物価の動向は、日銀総裁の警告を待つまでもなく、八、九、十と三カ月、棒上げの状態であり、しかもその中で鉄鋼と木材の値上がりが大きなウエートを占めておるのでありまして、公共事業の拡大がこれらの価格を一そう押し上げることは間違いありません。さらに、日銀券の月別平均発行残高は、ここ数カ月一七・八%と高い増発が続いておりますし、ことに十月は二〇・八%と昭和三十六年以来実に十一年来の増加率となっております。これから年末に向かっての資金需要や来年の景気上昇気配等を考えますと、日銀券の一そうの増発が続くものと見なくてはなりません。さらにまた、経済企画庁の景気警告指標は、過熱警戒を告げる一歩手前の二・九となっております。このように景気は着実な自立上昇軌道に乗り、物価や通貨に警戒すべき要因が出てきているときに、大型補正を組み財政面から需要を拡大することは、インフレの危険があることは明らかであります。  政府は、本補正の公共事業費拡大を国際収支改善策であると言っており、予算委員会で総理は、本年度中に五億ドル、来年度まで含めると合計十七億ドルの黒字解消に役立つと説明されましたが、それなら四十七年度当初予算で二兆一千五百億円という膨大な公共事業費予算を計上し、伸び率二九%と四十年代最高の増額をしながら、百億ドルの貿易収支の黒字発生が確実といわれているのはどうしたわけでしょうか。本予算と補正予算の公共事業費に質的な違いがあるとでもいうのでしょうか。このような不明瞭な政府の姿勢こそ、今日の国際収支問題を生んだ大きな原因であるといえましょう。こうした無定見な政府のもとでは、円の再切り上げはおろか、再々切り上げも起こる可能性があることを強く警告します。  反対理由の第三は、歳入に計上された公債金収入三千六百億円と租税収入二千八百億円についてであります。  まず、巨額な公債発行が公共事業費予算の財源調達手段として使われている現状を認めることはできません。四十七年度の公債はすでに当初予算で一兆九千五百億円、依存率一七%と相当多額に発行されておるのであります。その上、今回の補正で追加されることにより、発行額は二兆三千百億円、依存率一九%とはね上がっております。四十一年度に本格的な国債発行が始められてから四十六年度までの発行済み額が三兆一千八百億円でありますから、四十七年度は一年間で過去六年間の発行額の約六〇%の国債が発行されるのでありまして、これは容易ならざる事態であります。さらに、戦時はともかく、平時にこれほど高い公債依存率の国は日本以外にありません。今後の国債費負担等を含めて考えたとき、こうした国債の安易な増発を承認するわけにはまいりません。  昭和四十七年度の税の自然増収を、法人税と相続税に限って二千八百二十億円を計上しておりますが、経済の動向、租税の収納状況等より判断して、その他の税も相当多額の年度内自然増収が出ることは確実であります。政府が故意に年度内自然増収を過小見積もりをしていることは、年度内減税の国民的要求を回避することと、国民の納め過ぎた税金を行政府が意図する方向に自由に使おうとするねらいがあるとしか思われません。こうした四十七年度補正の歳入予算に対しては反対するものであります。  最後に、今国会の論議を通じて明らかになった田中内閣の外交、防衛、経済政策について、重大な警告をしておきます。  国民の支持を完全に失った佐藤内閣が引退し、「政治の流れを変える」とのキャッチフレーズが登場した田中内閣の政治姿勢は、政治資金規正法一つをとってみても、言を左右にして改めようとせず、いままでの延長以外の何ものでもないと断言せざるを得ません。  外交、防衛政策では、アジアの緊張緩和の方向に逆行し、アジアの諸国の不安を高めております。すなわち、三次防を倍増した四兆六千三百億円の四次防を決定し、量的な拡大をはかるばかりでなく、質的に格段の違いがある攻撃的兵器の装備を推進しようとしているのであります。  さらに、今年八月のハワイ会談では、安保条約の効果的運用の確保を約束し、その実行ということで、車両制限令を違法、不当な論理を用いて改悪し、相模補給廠の戦車を南ベトナムに送り、米国のベトナム戦争に加担し、また、台風避難を口実にしたB52戦略爆撃機の沖繩飛来を無条件に認めるなど、米国追随の姿勢を強めております。わが国の将来にとって憂慮すべきことであり、田中内閣に猛省を促したいのであります。  次に経済政策に一音触れるならば、国民福祉を優先すると口では言いながら、実態は産業優先、大企業優先の経済運営を行なおうとしております。鉄鋼の不況カルテルを、需要がふえ、価格は上昇し、増産指示を通産省が出しておるという状態のもとでも、カルテルを是認し、鉄鋼価格の高位安定をねらい、大企業の利益擁護をはかっております。  また、土地の投機や買い占めに対する規制も、すでに議論は出尽くしており、ただ、政府の決断だけが残された問題なのであります。わが党の調査によっても、大手不動産業者や商社を中心にした土地買い占めが神奈川県の全面積を上回る約二十五万ヘクタールに及んでいるのでありまして、これは金もうけと投機の手段に土地が使われていることを証明しております。こうした実態が明らかになっても、政府は何一つ有効な手を打とうとはしません。  田中内閣のうたい文句の「決断と実行」は、まさに看板に偽りありと断言します。列島改造論で、田中総理は、福祉は天から降ってこないと主張し、経済の高度成長が必要であると主張していますが、佐藤内閣でも、政治末期には、「福祉なくして成長なし」と言わざるを得なかったのであります。しかるに、田中総理の列島改造は、「成長なくして福祉なし」と、まさに歴史の歯車を逆転させようとするもので、ここに田中内閣の間違った経済政策の出発点があることを強く指摘して、私の反対討論を終わります。(拍手)     —————————————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 藤井恒男君。    〔藤井恒男君登壇、拍手〕

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 私は、民社党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十七年度補正予算三案に対して、以下の理由により、反対の討論を行なうものであります。  七年八カ月の長期にわたる佐藤内閣のあとを受けて田中内閣が発足し、多くの国民が田中内閣に期待を寄せたことは事実であります。  国民が田中内閣に抱いた期待とは何であろうか。それは率直に申して、国民はこれまでの煮え切らない政治ときっぱり訣別して、もっとドラスティックな政治をやってくれということ、さらに、物価、住宅、公害、交通戦争等、庶民の上にあまりにも重々しくのしかかっている重圧をこの際はねのけてくれという期待であったと思います。つまり、言葉をかえて申すならば、わが国政治の指標を経済成長主義から脱却せしめ、福祉至上主義へ転換すること、これこそ今日の政治に期待する国民の切なる願望であり、政治の目的としなければならないところであります。しかるに、これらの輿望をになった田中内閣の初仕事である補正予算の内容は、明らかに従来の自民党内閣の惰性にとらわれ、「決断と実行」をスローガンに掲げ、庶民宰相をあえて売りものにした内閣とは全く別のしろものであり、国民の輿望を裏切ったものであって、断じて承服できないのであります。  以下三点にわたって具体的に反対理由を申し述べます。  その第一の反対理由は、この予算案は、大企業、大資本の経済活動を促進するための大土木事業に重点を置き、国民の最も渇望する福祉関係費があまりにもわずかであるためであります。すなわち、一般公共事業関係費を突如として三千八百二十億円も計上しているに比して、緊急を問われている福祉関係費はわずかに千百三十四億円しか計上されていません。しかも、景気浮揚を目標とした当初予算が未消化のとき、さらに三千六百億円ものばく大な追加公債を財源とした本補正予算案は、景気の回復が進みつつある今日、全くその意味をなさないのであります。しかるに、依然として景気回復を主張する田中内閣の意図は、より多くの財政資金を土建業、不動産業をはじめとする企業側に提供する以外の何ものでもないと言わなければなりません。したがって、このような反国民的な政府補正予算案を認めることは断じて許されないのであります。  第二の反対理由は、三千六百億円もの公債発行は、大幅な資金のだぶつきを来たし、財政インフレを生ぜしめ、物価の上昇を招き、補正予算を通じて結局は調整インフレになるためであります。すなわち、先にも申したように、当初予算に組まれた公共事業資が未消化の状況でありますから、むしろ行政の側から予算の執行を強要する事態が各所で見られ、ゆえに工事単価が急速に高まるなど、財政がインフレを促進する役割りさえ果たしていることからして、この政府補正予算案を認めるならば、資金のだぶつきを一そう大きくし、一般物価を激しく上昇させることになるのであります。すでに卸売り物価が戦後最高の上昇率を示しているのも、田中内閣のこうした財政乱費傾向を見越した作動であり、一方、田中内閣には、この作動に呼応して車の両輪関係をつくり出そうと政治的な意図を秘めていると言わなければなりません。まさに、物価上昇、インフレの地獄社会に国民をおとしいれる暴政の最たるものと言うべきであります。  第三の反対理由は、総選挙を意識したおおばんぶるまいの予算であるためであります。すなわち、六千五百十二億円の政府補正予算案のうち、約六〇%ものばく大な一般公共事業関係費をもって、子供にあめ玉を見せびらかすように、総選挙を意識したおおばんぶるまい予算には断じて承服できないのであります。国民生活の安定、福祉の向上に大きな責任を持たなければならない政治に、このような思考論理を取り入れ、厳正たるべき予算案の中にそれを具体化するがごときは断じて許してはならないのであります。  田中内閣の初仕事ともいうべき今回の政府補正予算案は、まさに国民の貴重な税金を無定見、無責任にもおおばんぶるまいに使用して、退勢傾向の強い政府・与党の挽回をはからんとするねらいが明らかと言わなければなりません。  政府は、口には福祉重点を唱えはするが、その実は、これまで申し述べてきたように、決して政治の軌道を国民生活に向けていないばかりか、国民からうみ、きらわれ続けてきた保守惰性の政治そのものであると断ぜざるを得ません。  ここに、私はあらためて政府補正予算案に強く反対する意思を表明して、討論を終わります。(拍手)     —————————————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 岩間正男君。    〔岩間正男君登壇、拍手〕

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっている補正予算三案に反対するものであります。  この七月、田中内閣が発足してから四カ月、「脱佐藤」、「決断と実行」などをキャッチフレーズとして歩み始めましたが、その「実行」とは、アメリカと大資本のための実行であり、「決断」とは、国民に犠牲と窮乏をしいるための決断であったことが、本補正予算案の審議を通じてますます明るみに出ました。すなわち、外交・防衛面では、国民感情と世論の反対を押し切って、国会にもはからず車両制限令を一方的に改悪して米軍と自衛隊に手放しの例外規定を設け、相模補給廠からベトナムへの米軍戦車搬出にあたっては、連日数千人の警察機動隊を動員し、輸送反対に立ち上がった人たちに対して警棒とたてをふるって襲いかかり、数百名に傷を負わせ、百数十名を逮捕するなどの暴行をまであえて行なったのであります。  一台の戦車がベトナムに送られることは、数百人のベトナム人の死傷を意味します。政府は、ベトナム和平の実現をこそ努力すべきである。しかるに、これをなさないのみか、反対にアメリカの人殺し政策に手を貸しているのであります。さらに、米軍の台風避難の口実をうのみにして、B52の沖繩大量飛来を認め、さらには、米軍の毒ガス貯蔵を野放しにしているのであります。  また、憲法違反の自衛隊を増強するため、五兆二千億という膨大な四次防を発足させ、ニクソン戦略による補完部隊として、たてからやりへの攻撃部隊の拡大強化にやっきとなっているのであります。これこそは、ホノルル会談によって確認させられた安保条約の堅持であり、その効果的な実施を地で行くものにほかなりません。  ところで、内政面ではどうでしょう。東京ガスに続く全国各地のガス料金の値上げ、営団地下鉄、東急など、私鉄バス運賃値上げを全部認可し、さらに消費者米価を値上げするなど、物価値上げを率先垂範しております。  また、列島改造の幻想を巧みに振りまきながら、その陰では大企業の土地買い占め、投機を規制するどころか、地価上昇を野放しにしているのであります。さらに、何らの公害対策もないことは明らかであります。  以上、述べただけでも、田中内閣のこの四カ月の歩みは、安保最優先、日米軍事同盟強化の道であり、大資本奉仕、国民生活犠牲の高度成長政策、生産第一主義の道であり、歴代自民党政治が歩んできた道を突進しているのが、その実態であります。このような政治を、われわれは、断じて容認することはできません。  次に、私は、以上述べた田中内閣の基本姿勢を踏まえて、本補正予算案に対する反対理由を具体的に申し述べます。  第一に、本補正予算案は、財政投融資と合わせて、実に一兆一千五百億円をこえる膨大なものであり、その財源として、三千六百億円にものぼる赤字公債の発行を予定していることであります。これと当初予算の公債とを合わせれば総額二兆三千百億円となり、一般会計の国債依存度は実に一九%であります。これは日本が大々的に中国侵略戦争に突入した直後の昭和十三年の国債依存率と同じであり、ベトナム侵略戦争最盛時のアメリカの赤字公債発行率ともほぼ同様という膨大なものであります。こうした無謀な赤字公債の発行が、インフレを激化し、ますます物価の高騰をもたらすことは、日銀総裁の言をかりるまでもなく明らかであり、国民生活を一そう破壊することは必至であります。  いま国民は、とりわけ物価の値上りで苦しんでおります。田中内閣は、予算の面でこの国民の苦しみにこたえるのではなく、逆に政府みずから物価値上げに拍車をかけており、断じて許すことはできないものであります。  第二は、補正予算案の三八%に及ぶいわゆる公共投資であります。これはその多くが産業道路を優先した道路整備費一千四百七十九億円をはじめ、港湾、空港、工業用水など大資本本位のものであります。  これに対し、国民が緊急に要求している公害、物価、社会保障対策などは全く軽視されております。これが、総理が所信表明で述べた「豊かな国民生活を実現し、経済成長の成果を思い切って国民福祉に振り向ける」とか、あるいは「国民生活の向上に万全を期す」などという美辞麗句の実体ではないですか。断じてこのような内容を許すわけにはまいりません。  第三に、本補正予算案は、地方財政の逼迫をさらに激しくするということであります。すなわち、今回の大幅な公共投資の拡大は、地方自治体に対し実に二千五十四億円にのぼる膨大な地方債の発行を余儀なくさせるものであって、その結果、地方財政をますます窮地におとしいれるものであります。  第四に、本補正予算案の眼目ともいうべき、総理が最も緊急な課題と所信表明で述べた円対策についてであります。  円対策の根本的解決は、ドル危機の根源であるアメリカのベトナム侵略戦争をやめさせ、さらに、ドルと金との交換性の回復をアメリカに強く要求し、その実現をはかることでなければなりません。同時に、公務員賃金をはじめ、労働者の賃金を大幅に引き上げ、独占価格の引き下げ、大企業への特権的減免税の廃止、公害費用の企業負担の引き上げなどによって、大企業の輸出第一主義を抑制して、経済政策を国民福祉優先に切りかえることであります。しかるに政府は、アメリカの要請にこたえて、ヘリコプターやウランなどの緊急輸入を一般会計のみならず、財政投融資金を使って行なうのであります。また、補正予算をも含めて、一貫して産業優先の財政政策をとり、自由化の拡大で、中小企業や農民に一そう犠牲を拡大しているのであります。このように、政府は独占・大企業の利益を保障しつつ、労働者、農民、中小業者などの犠牲によって円対策を推し進めることは、絶対に許されません。  以上おもな反対の理由を申し述べましたが、わが党は、赤字公債の発行を直ちにやめるとともに、大企業から法人税等を厳格に取り立てることを要求します。これによって、大企業本位の日本列島改造のためではなく、物価安定、社会保障の充実、大衆的減税、中小零細企業の低利の年末融資の大幅な拡大など、直ちに国民生活擁護、国民生活優先のための緊急支出を行なうことを要求するものであります。  また、財政投融資は、この八月にも政府が一方的に二千六百六十八億円も組み、今回さらに五千三十億円の追加を行なって、急速に膨張しています。わが党は、財政投融資を、国会の議決を要する制度に改め、国民のための投融資に切りかえることを強く要求するものであります。  以上を述べて、私の反対討論を終わります。(拍手)

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) これにて討論は終局いたしました。  これより三案を一括して採決いたします。三案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、三案は可決されました。(拍手)      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 日程第一 防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律案  日程第二 激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部を改正する法律案   (いずれも衆議院提出)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。災害対策特別委員長松永忠二君。    〔松永忠二君登壇、拍手〕

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 ただいま議題となりました二法案につきまして、災害対策特別委員会における審査の経過並びに結果について御報告いたします。  まず、防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律案は、災害が発生した地域などで、住民の居住に適当でないと認められる区域内にある住居の集団移転を促進するため、市町村等が自治大臣の承認を受けて実施する集団移転促進事業計画に基づく事業に要する経費について、国が四分の三を下らない割合で補助する等の特別措置を講ずるものであります。  次に、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部を改正する法律案は、激甚災害を受けた中小企業者に対する商工組合中央金庫の貸し付け金の利率を年六・二%に引き下げるとともに、激甚災害による損失額が著しい特別被害者等に対する貸し付け金の利率を年三%にするものであります。  委員会における質疑の詳細は、会議録によって御承知願うことといたします。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、両法案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) これより両案を一括して採決いたします。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 日程第三 都市モノレールの整備の促進に関する法律案(衆議院提出)  日程第四 臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案(第六十八回国会内閣提出、第七十回国会衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長長田裕二君。    〔長田裕二君登壇、拍手〕

長田裕二自由民主党

○長田裕二君 ただいま議題となりました二法案について御報告いたします。  まず、都市モノレールの整備の促進に関する法律案は、都市モノレールの整備を促進するため、国及び地方公共団体の財政上の措置に関する規定等を設けようとするものであります。  次に、臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案は、わが国の国際海運及び造船の現状にかんがみ、現行法の有効期間を二年間延長する等の措置を講じようとするものであります。  以上二法案の委員会における審査の詳細は会議録により御承知願います。  質疑を終了し、討論、採決の結果、二法案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。  まず、都市モノレールの整備の促進に関する法律案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 次に、臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 日程第五 海外経済協力基金法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。商工委員長佐田一郎君。    〔佐田一郎君登壇、拍手〕

佐田一郎自由民主党

○佐田一郎君 ただいま議題となりました法律案について御報告いたします。  本法律案は、海外経済協力基金の業務を拡大し、本邦以外の地域からの物資の輸入についても、外国政府等に資金の貸し付けができるようにするものであります。  委員会における質疑の詳細は会議録に譲ります。  質疑を終わり、討論なく、本案を採決の結果、可否同数となりましたので、国会法第五十条後段の規定により、委員長これを決し、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手)

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) これより採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 日程第六 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案  日程第七 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案  日程第八 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出、衆議院送付)  日程第九 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(第六十八回国会内閣提出、第七十回国会衆議院送付)  日程第一〇 法務省設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)  日程第一一 農林省設置法の一部を改正する法律案(第六十八回国会内閣提出衆議院送付)  以上六案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長高田浩運君。    〔高田浩運君登壇、拍手〕

高田浩運自由民主党

○高田浩運君 ただいま議題となりました六件の法律案について、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、各法案の要旨について申し上げます。  一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、去る八月の人事院勧告を完全実施するため、一般職の職員の給与について、  第一に、全俸給表の全俸給月額を平均一〇・五%引き上げること。  第二に、扶養手当、通勤手当及び医師等の初任給調整手当について改善すること。  第三に、これらの改定は、本年四月一日から実施すること、等であります。  次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案並びに防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の二法案は、一般職の職員の給与改定に準じて、特別職の職員及び防衛庁の職員の俸給月額等について、それぞれ改正を行なおうとするものであります。  次に、第六十八回国会に内閣から提出され、衆議院において継続審査となっていました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案は、予備自衛官の手当の月額を千五百円から二千円に引き上げようとするものであります。  本案は、衆議院において施行期日についての修正が行なわれております。  次に、法務省設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案は、去る第六十七回国会で成立した法務省設置法の一部を改正する法律で定めている羽田入国管理事務所の廃止、成田入国管理事務所の設置については、新東京国際空港の供用開始までなお相当の日時を要する現況にかんがみ、その施行日を供用開始の日からとするよう改めようとするものであります。  最後に、農林省設置法の一部を改正する法律案は、第六十八回国会に内閣から提出され、本院において継続審査となっていたものであります。  その内容は、本省の機構について農林経済局、農政局、農地局及び蚕糸園芸局の四局を再編成して、構造改善局、農蚕園芸局及び食品流通局を新設するとともに、農林経済局の所掌事務を整備するほか、林野庁及び農林省の地方支分部局、附属機関について組織の整備を行なうこと等であります。  以上の六法案についての委員会における質疑の詳細は会議録に譲ります。  六法案とも質疑を終わり、順次、採決の結果、一般職職員給与法改正案は全会一致、特別職職員給与法改正案、防衛庁職員給与法改正案及び第六十八回国会内閣提出の防衛庁職員給与法改正案並びに法務省設置法の一部を改正する法律の改正案は多数をもって、いずれも原案どおり可決すべきものと決しました。  また、農林省設置法改正案は、林野庁の機構改正に関する規定を全面削除する修正案が多数で可決され、本法案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。  以上報告申し上げます。(拍手)

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。  まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び今国会内閣提出にかかる防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、両案は可決されました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 次に、第六十八回国会内閣提出にかかる防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 次に、農林省設置法の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案の委員長報告は修正議決報告でございます。本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決されました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 次に、法務省設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 日程第一二 対外経済関係を調整するための租税特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長藤田正明君。    〔藤田正明君登壇、拍手〕

藤田正明自由民主党

○藤田正明君 ただいま議題となりました法律案について申し上げます。  本案は、去る十月二十日、政府において決定を見た対外経済関係の調整を主眼とする総合的な施策の一環として、既存の輸出優遇税制を整理する一方、輸入を促進するための関税上及び金融上の措置等を講ずるため、関係法律を整備しようとするものであります。  すなわち、租税特別措置法の一部改正において、現在の海外市場開拓準備金制度の適用対象から資本金十億円をこえる法人を除外することといたしております。  次に、関税暫定措置法の一部改正においては、輸入拡大をはかる見地から、鉱工業生産品及び農産加工品一千八百六十五品目について関税率を一律二〇%引き下げるほか、所要の措置を講じております。  次に、日本輸出入銀行法の一部改正においては、輸入金融、海外投資金融等について業務範囲の拡大をはかるほか、それに伴う事業量の増加に備え、借り入れ金の限度額を自己資本の三倍から四倍に引き上げることとしております。  委員会におきましては、いわゆる第三次円対策の効果、国際収支の見通し、為替投機に対する防止策等の諸問題を中心に質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、討論もなく、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上報告を終わります。(拍手)

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) この際、日程に追加して、  裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案  検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。法務委員長阿部憲一君。     —————————————    〔審査報告書は都合により追録に掲載〕     —————————————    〔阿部憲一君登壇、拍手〕

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 ただいま議題となりました二法案について、法務委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。  御承知のように、一般の政府職員の給与を改善する法案が今国会に提出されて可決されましたが、この両法案は、裁判官及び検察官についても一般の政府職員の例に準じて、その給与を改善しようとするものであります。  委員会における質疑については、会議録に譲ることにいたします。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、別に発言もなく、順次採決の結果、右二法案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手)

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) これより両案を一括して採決をいたします。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) この際、日程に追加して、  昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長久次米健太郎君。    〔久次米健太郎君登壇、拍手〕

久次米健太郎自由民主党

○久次米健太郎君 ただいま議題となりました法律案は、地方公務員の給与改定に要する経費の財源を地方団体に付与する等のため単位費用を改定するとともに、地方交付税交付金が追加されたことに伴い、昭和四十七年度における借入金の減額を行なう等の所要の措置を講じようとするものであります。  委員会における質疑の詳細は、会議録によって御承知願います。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して占部委員より反対、自由民主党を代表して寺本委員より賛成、また、公明党を代表して上林委員より、民社党を代表して中沢委員より、日本共産党を代表して河田委員よりそれぞれ反対の意見が述べられ、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対しましては、各派共同提案にかかる附帯決議を付しております。  以上御報告申し上げます。(拍手)

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) この際、おはかりいたします。  栗原祐幸君外八名発議にかかる日中共同声明に関する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加して、これを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、本案を議題といたします。  まず、発議者の趣旨説明を求めます。栗原祐幸君。    〔栗原祐幸君登壇、拍手〕

栗原祐幸自由民主党

○栗原祐幸君 私は、ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び日本共産党の五派共同提案にかかる日中共同声明に関する決議案につきまして、提案者を代表して趣旨を御説明いたします。  まず、案文を朗読いたします。     日中共同声明に関する決議(案)   さきの日中共同声明により、多年の懸案であった両国間の国交が正常化され、友好関係の基礎が樹立されたことは、国民とともに慶賀にたえない。   政府は、両国間の二千年にわたる長い交流の歴史にかんがみ、共同声明にうたわれた諸原則のもとに、すみやかに平和友好条約の締結等を進め、両国間の恒久的な平和友好関係を確立するとともに、両国の親善友好が、ひいてはアジアの安定と繁栄に寄与し、さらに世界の平和に貢献するよう最大の努力をいたすべきである。   右決議する。  去る九月下旬、北京において田中内閣総理大臣と毛沢東主席、周恩来首相ら日中両国首脳の間で、真剣かつ率直な会談が行なわれた結果、九月二十九日共同声明が発せられ、この日をもって、多年にわたる両国間の不正常な状態は終わりを告げ、日中間の歴史に新たな一ページが開かれるに至ったのであります。  時の流れもさることながら、国民世論の高まりと、各方面の方々のしんぼう強い努力の積み重ねによって、ここに日中両国間の国交正常化を見るに至りましたことは、まことに慶賀にたえません。国民とともに深く喜びたいと存じます。  しかしながら、両国間の善隣友好関係を今後いかに発展させるかは、両国国民と政府の努力にかかっておるのであります。  よって政府は、両国間の長い伝統的友好の歴史と、過去半世紀に及んだ不幸な関係に思いをいたし、共同声明にうたわれた諸原則を基礎として、すみやかに平和友好条約の締結等の措置を進め、両国間の恒久的な平和友好関係を確立するよう最善を尽くすべきであります。  さらに、共同声明では、日中両国間の国交正常化は第三国に対するものではなく、また、日中両国ともアジア・太平洋地域において覇権を求めるべきではないことが確認されております。政府は、この趣旨に深甚なる配慮をいたし、両国の親善友好がアジアの安定と繁栄、さらに世界の平和に貢献するよう最大の努力を払うべきであります。  ここに、日中間の国交正常化に歓迎の意を表し、あわせて政府に特段の努力を要請する本決議案に対し、諸君の御賛同をお願いする次第でありす。(拍手)

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)  ただいまの決議に対し、内閣総理大臣から発言を求められました。田中内閣総理大臣。    〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 日中共同声明につきまして、ここに参議院の御理解と御支持を得ましたことを感謝いたします。  政府といたしましては、本日の決議の趣旨を十分尊重し、日中共同声明の精神にのっとり、日中両国間の恒久的な平和友好関係を確立するために、努力してまいる所存であります。(拍手)      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) この際、日程に追加して、  本日、内閣委員長外八委員長から報告書が提出されました両眼失明重度戦傷病者に対する恩給等改善に関する請願外百六十四件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。     —————————————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) これらの請願は、各委員長の報告を省略して、各委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) この際、委員会の審査及び調査を閉会中も継続するの件についておはかりいたします。     —————————————     —————————————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 本件は、各委員長要求のとおり決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、本件は各委員長要求のとおり決しました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) この際、おはかりいたします。  去る十一日、栗原祐幸君から議員辞職願が提出されました。  辞表を参事に朗読させます。    〔参事朗読〕    辞 職 願                    私儀  この度一身上の都合により参議院議員を辞職いたしたいので御許可下さるようお願いいたします    昭和四十七年十一月十一日           参議院議員 栗原 祐幸   参議院議長 河野 謙三殿

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 栗原祐幸君の議員辞職を許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。      —————・—————

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 栗原祐幸君の議員辞職に伴い、議院運営委員長が欠員となりました。  つきましては、この際、日程に追加して、  常任委員長の選挙を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。

桧垣徳太郎自由民主党

○桧垣徳太郎君 常任委員長の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 私は、ただいまの桧垣君の動議に賛成いたします。

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 桧垣君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河野謙三各派に属しない議員議長

○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。  よって、議長は、議院運営委員長に植木光教君を指名いたします。    〔拍手〕  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十七分散会

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