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70回国会参議院1972/11/10

内閣委員会 第2号

発言数
341
登壇者
35
会派数
5
開催日
1972/11/10

会議録

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨日、山崎昇君及び上田哲君が委員を辞任され、その補欠として加瀬完君及び工藤良平君が選任されました。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(閣法第三号)、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(第六十八回国会閣法第五四号)、法務省設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、以上五案を便宜一括して議題といたします。  まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。本名総務長官。

本名武自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(本名武君) ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  本年八月十五日、一般職の職員の給与について、俸給表及び諸手当の改定等を内容とする人事院勧告が行なわれたのでありますが、政府としては、その内容を検討した結果、人事院勧告どおり、本年四月一日からこれを実施することとし、このたび、一般職の職員の給与に関する法律について、所要の改正を行なおうとするものであります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一は、全俸給表の全俸給月額を引き上げることとしたことであります。  第二は、医療職俸給表(一)の適用を受ける職員の初任給調整手当について、支給月額の限度額を八万円から十万円に引き上げるとともに、支給期間の限度を三十年から三十五年に延長することとしたことであります。  第三は、扶養手当について、配偶者についての支給月額を二千二百円から二千四百円に引き上げるとともに、満十八歳未満の子のうち二人までについての支給月額を六百円から八百円にそれぞれ引き上げることとするほか、配偶者を欠く職員の子のうち一人についての支給月額を千四百円から千六百円に引き上げることとしたことであります。  第四は、交通機関等を利用して通勤する職員に支給する通勤手当について、運賃等相当額の全額支給の限度額を月額二千八百円から月額四千円に、運賃等相当額が四千円をこえる場合における加算の限度額を月額千四百円から月額二千円にそれぞれ引き上げるとともに、自転車等を使用して通勤する職員に支給する通勤手当を、自転車等の使用距離が片道十キロメートル未満の職員にあっては月額千円、その他の職員にあっては月額千五百円、その他の職員のうち人事院規則で定めるところにより通勤が不便であると認められる者にあっては月額千八百円とすることとしております。  なお、交通機関等と自転車等を併用して通勤する職員に支給する通勤手当についても、その支給月額を改定することとしております。  第五は、非常勤の委員、顧問、参与等に支給する手当の支給限度額を、日額九千円から九千八百円に引き上げることとしたことであります。  以上のほか、附則において、この法律の施行期日、適用日及び最高号俸等の切りかえに伴う所要の措置について規定しております。  以上、この法律案の提案理由及びその概要について御説明申し上げました。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。     —————————————  次に、ただいま議題となりました特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  政府は、本年八月十五日に行なわれた人事院勧告に基づいて、本年四月一日から一般職の職員の給与を改定することとし、別途法律案を提出して御審議願うことにしておりますが、特別職の職員の給与についても、一般職の職員の給与改定に伴い、所要の改正を行なおうとするものであります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一は、特別職の職員の俸給月額を引き上げることとしたことであります。その内容を御説明いたしますと、内閣総理大臣の俸給月額は九十万円とし、国務大臣等の俸給月額は六十五万円とし、内閣法制局長官等の俸給月額は五十二万円とし、その他政務次官以下の俸給月額については、一般職の職員の指定職俸給表の改定に準じ、四十五万円から三十八万七千円の範囲内で改定することとしております。  また、大使及び公使については、国務大臣と同額の俸給を受ける大使の俸給月額は六十五万円とし、大使五号俸は五十二万円とし、大使四号俸及び公使四号俸以下については、一般職の職員の指定職俸給表の改定に準じ、四十四万円から三十三万五千円の範囲内で改定することとしております。  なお、秘書官については、一般職の職員の給与改定に準じてその俸給月額を引き上げることといたしました。  第二は、委員手当について、委員会の常勤の委員に日額の手当を支給する場合の支給限度額を一万八千五百円に、非常勤の委員に支給する手当の支給限度額を日額九千八百円に引き上げることとしたことであります。  第三は、秘書官について寒冷地手当を支給することとしたことであります。これは寒冷地に所在する高等裁判所の長官の秘書官がこのほど発令されたことに伴い、規定を改めることとしたものであります。  なお、附則においては、この法律の施行期日、適用日等につき規定するほか、旧沖繩復帰のための準備委員会への日本国政府代表の俸給月額を大使四号俸に準じ、四十四万円に引き上げることとしております。  以上、この法律案の提案理由及びその概要について御説明申し上げました。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 増原防衛庁長官。

増原恵吉自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、このたび提出されました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の例に準じて、防衛庁職員の給与の改定を行なうものであります。  すなわち、参事官等及び自衛官の俸給並びに防衛大学校学生の学生手当を一般職の職員の給与改定の例に準じて改定するとともに、営外手当についても従前の例にならい改定することとしております。  なお、事務官等の俸給、扶養手当、通勤手当、医師及び歯科医師である自衛官または事務官等に対する初任給調整手当等につきましては、一般職の職員の給与に関する法律の規定を準用しておりますので、同法の改正によって同様の改定が行なわれることとなります。  この法律案の規定は、公布の日から施行し、昭和四十七年四月一日から適用することとしております。このほか附則において、俸給の切りかえ等に関する事項につきまして、一般職におけるところに準じて定めております。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。     —————————————  ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、予備自衛官手当について、その月額を現行の千五百円から二千円に改めようとするものであります。現行の月額は、昭和四十二年に改定され現在に至ったものでありますが、その後の経済事情の変動にかんがみ、これを改定することとしたものであります。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) なお、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(第六十八回国会閣法第五四号)は縦議院において修正議決されておりますので、この修正点について説明を聴取いたします。衆議院内閣委員長代理加藤陽三君。

加藤陽三自由民主党

○衆議院議員(加藤陽三君) ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  御承知のとおり、本改正案は、第六十八回国会に衆議院に提出され、本国会まで引き続き継続審査となっていたものであります。  政府原案では、本改正案の施行期日は昭和四十七年四月一日となっておりましたが、すでにその日が経過しておりましたので、これを公布の日から施行し、本年四月一日から適用するということに改めた次第であります。  以上が修正の趣旨であります。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 郡法務大臣。

郡祐一自由民主党法務大臣

○国務大臣(郡祐一君) 法務省設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明いたします。  この法律案は、第六十七回国会において成立し昭和四十六年十二月十三日公布された法務省設置法の一部を改正する法律中、羽田入国管理事務所を廃止し、成田入国管理事務所を設置する部分につき、附則において定められた施行期日の定める期間内に当該部分を施行することが新東京国際空港開発の状況から見て不可能となったため、附則を改正し、施行期日を新東京国際空港の使用開始の日としようとするものであります。  以上が法務省設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の提案理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 以上で説明は終わりました。     —————————————

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  法務省設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の審査のため、新東京国際空港公団総裁今井栄文君を、また農林省設置法の一部を改正する法律案の審査のため、公害防止事業団の役職員を本日の委員会に参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) それでは、これより五案に対し質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 いま総務長官から一般職の職員の給与に関する法律案の御提案があったわけですけれども、総務長官すぐお出かけになるそうで、あとでちょっと伺いたいんですけれども、人事院総裁おいでになりますので、人事院総裁にお伺いしたいのです。  いまの法律案を見ますと、去る八月十五日に人事院が勧告になったその勧告内容が、ほとんど完全実施という形になっていて、ここのところ、完全実施が定着しつつあると見ていいんじゃないかと思うのです。それから今度の勧告内容及び勧告内容に基づく法律案を見ますと、一応、人事院方式というのはちょっと耳ざわりかもわかりませんれけども、いわゆる人事院方式による官民給与比較によってその格差を埋めるということは、ほとんどことし実現したんじゃないだろうか。それからもう一つ、これまで懸案でありました四月実施も勧告の中に入り、それが法律案になって出てきたわけで、そうなりますと、これまでの人事院がとってきた民間追随と申しますか、民間給与というものを一つの到達目標として、そこに近づけるという、そういう意味では、一つの目標を達したと言えるような気もいたしますし、逆に言えば、そういう方式の限界点に達したと。したがって人事院の勧告制度そのものが、これまでの惰性でやっていっていいのかどうか。ここらへんで新しい方向をとるというお考えがあるのかどうか。基本的な考え方はあとで伺いますけれども、いままでの人事院のとってきた、そういう公務員給与を民間賃金へ追随してそれに近づけるという、そのやり方が一応の目標を達成したとわれわれは考えるのでございますけれども、その点についての総裁の考え方をまず伺っておきたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) ただいまお話しのとおりに、われわれが最初から念願しておりましたようなことは、これは国会のたいへん大きなお力によることではございますけれども、ことしは特に四月一日実施ということにもなりましたし、完全実施のほうも定着したという意味では、われわれとしては非常にうれしいことだと考えております。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 ちょっとすみません。話しておりましたので十分お話を伺えなかったのでございますけれども、一応転機にきている——転機というか、一応いままでの方式は一つの目標を達したというふうに考えてよろしいわけでございますね。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 今回、四月実施も実現いたしますし、たいへんうれしいことだと存じますというところまで申し上げたわけでございます。いまのお話ですと、転機に達したかどうかというような面に触れてのお尋ねのように思いますが、われわれとしては、これは八月の二十何日でございましたか、勧告の直後に、この委員会で御説明を申し上げました際にも最後のところで相当声を大きくして申し上げたところでございます。いま申しましたように、一応われわれとしては満足すべき、喜ぶべき段階に達したのでありますけれども、なお、これを新たなる出発点として公務員給与の根本的な改善という方向に、あるいは合理化という方面に力を入れてまいりたいということを申し上げたわけでございます。御承知のように、現行の給与制度は昭和三十二年に相当大改革が行なわれまして、それ以後今日まで基本的には続いてきております。もちろん、その間、諸般の情勢の変化に伴いまして、私どもとしてはそのつど、勧告のつどに改善を加え、合理化を加えてきております。したがいまして、今日のでき上がりの姿は決して不合理なものであるというふうにはこれは考えませんけれども、形から見ましても何ぶん継ぎはぎ細工のような形で、実質はそれでいいにしても、すっきりしない形にもなっておる。さらには、基本的のいろんな問題もまだ宿題としてかかえておるところがございますから、今日を踏み切り台として、ひとつさらに新しい心持ちをもってこの給与制度の改善あるいは合理化に取り組んでまいりたいと、そういう意気込みを申し上げましたし、今日も持っておるわけでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 いま人事院総裁のお話、この前の、勧告後の当委員会でもそういうお話がございましたし、きょうも再度そういうお話が出たわけでございますので、一応、人事院としては、現在の矛盾を解決して、今後、いわば抜本的な改正ということにも取り組みたいという御意向があることはわかりました。そこで、これはまあ、この前の当委員会でも——昨年でございますか、私が申し上げたのでございますが、やっぱり公務員というのは、公務の独自性といいますか、特殊性というものが相当考えられるべきじゃないか。この場合に、公務の特殊性ということについてはいろいろ議論があろうかと思いますけれども、そういう基本的なものについて人事院総裁どうお考えになっているかということ。それからもう一つは、いまの給与制度で、一応、人事院方式で、ある目的を達成して非常に喜ばしいというふうにおっしゃったけれども、ところが、年齢関係で公務員には比較的中高、特に高年齢者が非常に多い、むしろ頭でっかちになっていることによって民間給与との比較ではなかなか解決できない問題があるという、これは本質的な問題ではないと思いますけれども、当面やはりこれは解決しなければならぬ問題だと思うのでございます。そこで、今後のそういう給与に対する抜本的な検討をなさる場合に、まず第一に、その公務というものの本質をどうとらえ、それに携わる公務員をどういうふうにお考えになっているか。したがって、それに対して給与制度というものをどういうふうにやっていくのだという基本的な考え方と、当面問題になる年齢構成上の矛盾というものをどう解決していくのか、できれば二つに分けて総裁のお考えをちょっと伺いたいんですけれども。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 公務の特殊性の面から申し上げますと、実は現在の制度も大きく言えば民間追随ということばであらわされておりますけれども、具体的な制度になりました形をごらんいただきますると、もちろんのことでありますけれども、これは公務あるいは公務における仕事の分担など相当大きくそれに基づいて仕組みができておる。非常に卑近な例でございますけれども、たとえば税務職とか公安職とかというような別の俸給表もございますし、あるいは看護婦さんの場合を申しますというと、うちは民間の病院の看護婦さんよりもよけいに月給を差し上げているというようなこまかい点をごらんいただいても、そういうことは現在でも一応たてまえとしてわれわれが堅持しておるところだということを申し上げたいと思いますけれども、ただし、いまのやはり考え方をさらに今後も伸ばしていかなきゃならぬのじゃないか。おそらく、おことばの根底に含まれておるところは、これを徹底していけば大体、官民比較主義そのものに反省を加えるべきじゃないかというようなことじゃないかと思いますけれども、そういう御趣旨でしたら、それまた申し上げますけれども、どうでしょうか、そこのところは。それはまた別の問題にいたしますか。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 いや、それはむしろ人事院総裁のお考え方を伺いたいというのは、私のほうでワクをはめたわけではないのであって、一応、民間追随といういままでの人事院方式がある程度目標を達して非常に喜ばしいという状況になってきた。ただし、それは公務員本来のあり方としては、総裁もおっしゃっているように抜本的な改正を考えているということなんですね。だから、言いかえれば抜本的改正というものをお考えになる場合の一つの考えの根拠はどこにあるかとなると、私はやっぱり公務の特殊性、独自性というようなものですね、その公務に携わる公務員の独自性ということが再三出てくるんじゃないだろうかということで、こちらから、むしろよけいなことを申し上げたことになるかもわかりませんけれども、そういう基本的な考え方でございますね。それが一つと、それからもう一つは、いまの方式ではどうしても乗り越えられない民間との比較における矛盾としての年齢構成という当面の課題でございますね、これらについて、どういうふうな解決の——解決というか、今後勧告の中でそれを乗り越えておいでになるのか。そのことでございますから、むしろ民間追随を離れろとかなんとかということを申し上げておるのではないのであって、公務のそういう特殊性という立場に立っても、なおかつ給与については民間追随が正しいんだということもあるかもわかりませんけれども、そういう基本的な考え方について総裁のむしろ所見を伺いたかったわけです。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 失礼いたしました。とにかく、われわれの公務員給与に対しましての基本的な考え方は、先ほど申しましたように、決して公務員のあるいは公務の特殊性というものを無視してはおりませんということに尽きるわけでございます。ただ、その場合に、いまおことばにもありましたように、民間追随がいいかどうかという根本問題にもこれは当然つながってくる問題でございますけれども、これは先回りして申し上げさしていただければ、この点は、なお、われわれとしては、そのたてまえを脱却するような段階にはなっておらぬのじゃないかというひそかなる気持ちは持っております。ただし、官民比較のやり方とかなんとか、そういう面については、さらに、いまの根本問題の一つとして今後も取り組んでまいりたいという気持ちでございます。  それから高齢者の問題にお触れになりましたけれども、これは率直に申しまして、民間の職員の構成に比べますというと、公務員のほうは年齢が非常に高くなっております。もちろん特定のポストをとらえての比較におきましても学歴が高い、全体的にいって学歴が高いというような面からの年齢の差もこれはございますし、さらに絶対的の年齢から申しましても、私どものほうでは定年制をとっておりませんからして自然に高齢の方々が多いということは必然のことになるわけです。したがいまして、これまた話がだんだんこまかいほうにつながってまいりますけれども、今度は高齢者の給与のあり方をどうするかとか、あるいは、かねて昇給延伸という措置をとりましていろいろ御批判を受けたわけでありますけれども、そういう面の措置も、これは公務部内の特殊性からして、あるいはまた大きな目で民間と比べた面から申しましても、やはりわれわれとして取り上げざるを得なかった問題だろう、そういう形の問題がここに出てくるわけでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 人事院総裁の立場で現在の俸給表でも公務員の特殊性は相当認めておるというお話、それはもちろん公務員の給与でございますから、全然これを無視しては成り立たないと思うのでございますけれども、実際上、賃金水準の毎年の上げ方にしても、これはあくまで民間が上がっているから公務員も上げるのだという形で、そういう実態賃金水準ということになってくると民間追随ということははっきりしているわけですね。あとでこれは伺いますが、その点については、水準における民間追随と給与体系の問題とは分けて考えていただきたいと思うんです。だから、むしろ水準については、やはり従来の、大体、民間の賃金水準というものをめどにしてやっていくというその原則はお変えにならないということでございましょうか、体系そのものは別にして。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 体系の問題は先ほど触れたようなことでございますけれども、いまの民間水準との均衡の問題は、これは相当根本的な問題を含んでおると思います。したがいまして多少ことばを費やすことをお許しいただけるならば、結局、これは私の個人的な考えということでかつて申し上げたこともございますけれども、やはり白紙に立って考えれば、公務員は公務員独自の職務と責任を持っておるということから申しますというと、他の民間企業の給与がどうなっておろうと、そういうことにはかかわりなしに、率直に公務員そのものの実態をとらえて、これにふさわしい給与を策定するということが理想ではないか。現に戦争前は、公務員の給与は内閣の法制局でやっておったわけです。私はそのころから法制局におりまして、そういう仕事をやっておりましたけれども、その当時は民間の給与はどうのこうのなんということは一度も考えたことはない。むしろ、でき上がった形において、どこどこの会社は非常にいいそうなというようなうわさ話をする程度でございまして、非常に伸び伸びと給与制度をつくっておったという気持ちを持っておるわけです。したがいまして、さらによけいなことになりますけれども、大正十四年か何かに当時の俸給表ができて、これは戦争に入っても、それの引き上げということもなしに、そのまますべり込んだ。もちろん、いろいろな手当による調整はございました。それから昭和六年の減俸騒ぎがございましたけれども、それぐらいのことで、大正十四年当時の俸給表がずっと戦時中までも続いておったということは、逆に言えば、いかに伸び伸びと制度ができておったかというような一種の郷愁みたいなものを私は感ずるわけです。  したがいまして本質的に考えれば、先ほど最初に申しましたように、公務員は公務員独自のたてまえで白紙に立って給与制度を立てるのが理想ではないかという気持ちはいまも持っております。ただし御承知のように、もとは憲法から申しましても天皇の官吏というようなことで、一種の特権的な地位を官吏——公務員は持っておったわけであります。ところが、憲法が変わりましてからは、やはり憲法第二十八条の勤労者の中には公務員も含まれるのだと、普通にいう一般の労働者と公務員とは特段の違いはない、いわゆる特権的存在ではないという考え方が根底にならざるを得ないわけです。そうすると、やはり給与の問題についても、普通の一般の勤労者の方々と常に比べ合わせて特権的な待遇をするんじゃないぞというような面からの、一つのメルクマールも考えながらいかなければならない。いわんやまた国民全体の奉仕者ということになりますというと、納税大衆あるいは国民大衆の方々の思惑ということもこれは無視してきめるわけにはいかないという状況があります。さらには経済情勢、一般の貸金情勢ということからいって、ヨーロッパその他の諸国のようなぐあいに一般の賃金水準は日本の場合はまだまだ追いつかない状態にあるじゃないかという、そういういろいろな環境の中において公務員給与を考えます場合には、やはり民間の納得できる水準というものを厳密にとらえまして、そうして、これと合わしていただくという立場をとることことが、いままでの情勢のもとにおいては一番堅実な方法であり、一番手がたい方法であり、かつ納税大衆にも御納得をいただけますし、あるいは公務員の方々にも、それではしようがないというような意味で不承不承ではありましょうけれども、御納得をいただく、あるいは財政当局にも御納得をいただくという点では一番手がたい方法だろうというふうに私どもは考えておるわけでございます。したがいまして、自慢話を申し上げますけれども、最近の経済情勢の変化もありましょうが、イギリスとか——ことに英米系統の国々においては、やはりこういった例、慣習とかいうようなものがありながらも、民間給与の調査ということをだんだんお始めになって、年々、人事院式にこまかい調査をお始めになって、それを一つの賃金改定の大きな指標にしておられるという実態もございまして、それらを考え合わしてみますというと、どうも理想論は、私、依然として理想として持っておりますけれども、まだそこに踏み切るだけの環境は成熟していないんじゃないかという気持ちで、そういう条件のもとにおいてできるだけ改善をしてまいりたいというのが、ほんとうに率直な、ただいまの気持ちでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 いま総裁のお考えの中に、戦前への郷愁ということばがあった。ことばじりをつかまえるわけじゃないのでございますけれども、しかし、現在の公務員というものは、戦前のようなああいう特権的な、つまり天皇の官吏として天皇から給与をもらうのだという発想、これはぼくはやはり誤りだと思うのです。これは何といっても納税者に対するサービスという観点が基本になると思うわけです。制度として、私は、やはり国民はなるべく安い費用で有効な、効率的な行政サービスをという、これは、いまの憲法下における原則である。それからまた、したがって、国会でもって、こういう形でもって公務員給与を審議するという、そういう立場が出たのだろうと思うのでございますけれども、それにもかかわらず、私はやはり公務というものと一般企業の職務というものは本来的に異なる点がある。これは大体一般の企業の場合には、会社が利潤追求のために労働者を一定の賃金を払って雇って、それで利潤追求という方向への一つの体系がきちんとできるわけであります。ただ、公務員の場合には、むしろそういうものが出てこない。そういう意味で、公務の特殊性から出てくる公務員賃金というものの考え方というものが一般に考えられていいんじゃないか。  しかし、そういう観点があっても、今度は俸給を受ける側でございますね、公務員というものは、ぼくはいま申し上げたように、戦前の特権的なものでないという立場に立つなら、原則としては私はやはり一定の労働への対価として給料は支払われているのだ、この原則は変わらないと思うのです。これは民間企業の場合であっても、公務員の場合であっても本来なら変わるべきではない。ただ、これは一つの原則であり、理想図であって、現実に日本の労働市場の関係とか、それから民間における賃金の決定の方式、これは企業内組合が大体でございますから、したがって、人事院では非常に苦心をして民間の賃金を調査なさるだろうと思いますけれども、これは調査の方式いかんによってはずいぶん変わってくると思うのです。これはやはり日本のように労働市場を通じて一定の賃金水準というものはきちんときまっていて、というのは、自由な形での労働需給関係がないわけです。労働組合も、さっき申しましたように、企業内組合だというようなことで、そういう意味からいくと体系と不可分になってまいりますけれども、やはり民間の賃金水準をどうとるかということと、それから、それを公務員の賃金水準にどう合わせるかということは、いままでの人事院方式が万全であるとは言えないんじゃないだろうかという気がするのであります。その点、いかがでございましょう。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 理想的な形であるということに——その比較のやり方その他については理想的な方式であるという意味で安住はしておらないわけで、これは先ほどもちょっと触れましたように、民間との比較の方式をとるにしても、そのやり方等については、なおいろいろ検討する必要があると思っておりますということを申し上げたとおりでございまして、その点は不動のものとして考えておるわけではありません。これも小さいことではございますけれども、こまかい職種と職種の比較その他につきましても、年々実情に応じた改定はしております。そういう点で、われわれ今後もさらにその辺の努力はしていかなければならないと思いますけれども、ただ、基本的なたてまえとして触れておきたいと思いますのは、やはり先ほどのように、納税大衆、国民大衆の御納得というようなことになりますと、日本の勤労大衆、私企業の勤労大衆等を計算して、その全体の方々のごく一部の人と比べたんでは、これは御納得いただけないだろうと、少なくともその過半数を占める方々の給与水準に近づけるということでないと御納得いただけまいということで、現在百人以上の企業規模というような形で線を引いておりますので、その線の引き方は、先ほど申しました根本の考え方との関連において、そう軽々しくは動かせないんじゃないか、そういう気持ちは持っております。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 この点については、まあ総裁から最初にお話のあったように、抜本的に検討したいというお話でございますので、おそらく来年の勧告等にはそれが出てくると思いますので、ひとつその点、その時期でもってもう一回またいろいろ御意見をお伺いし、むしろ御講話を拝聴いたしたいと思いますけれども、そういう抜本的な改正をなさる場合に——私が申し上げた意味は、結局その賃金水準というものが観念的にはあり得るけれども、これはやはり実際はいろんな操作をして一つの水準をつくっているわけですね。試算的には、いま人事院ではラスパイレスをおとりになって一応水準をきめているということがあると思うんですね。だから、その考え方は考え方として、そのラスパイレス方式というのは、非常に何か私、何回聞いても十分のみ込めないんでございますけれども、何かラスパイレス方式によってある程度その同じファクターの多いものを比較する場合には、かなり的確な水準の比較ができるであろう。ただし、こういうふうにどんどん民間の俸給生活者と年齢構成が変わってくると——具体的に申し上げれば、たとえば旧制中学、旧制専門学校を卒業して、もう三十年以上もつとめているという、これは民間企業の場合非常に少ないと思うんですね、民間企業は戦後また新しく発足したところもあるし、新しく人員を拡大しておりますから。公務員の場合は、そういう層が非常に厚いわけなんですね。ここら辺なんか、年齢比較からいっても困難であるし、学歴比較からいっても困難である。したがって、現在人事院でおとりになっているラスパイレス方式そのものにかなり無理がきているんじゃないだろうか。というのは、いま言ったように、水準をきめる場合に、現実のそういう賃金をどう寄せ集めて、どう比較するかということの、これは方法論だと思いますけれども、これらの点については、いかがでございますか

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) パーシェ式がいいか、ラスパイレス方式がいいかというようなことは、そこで鈴木委員も笑っていらっしゃいますけれども、これは私が人事院にまいりました当初から大論争の種でございまして、私もだいぶ勉強さしていただいたのでございますけれども、結局、結論はラスパイレス方式のほうが合理的であるということで、今日までこれを踏襲しておるわけであります。ただ、いまの、そのラスパイレスの適用のあり方、こまかいテクニックの問題になりますと、基本はそういうラスパイレスでいくにしても、こまかいテクニックの面では、いろいろそこにモディファイすべきあれがあるんじゃないかというようなこともこれは考えられることなんで、何もそれをピンからキリまでの鉄則だというべきものでも私はないと思っておりますから、基本はそういう基本をとりながら、やはり適切な官民比較ができるようにというような意気込みで検討してまいりましたらいいじゃないかというように、非常に大ざっぱな話でありますけれども考えております。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 いや、考え方としては、しかし、そうなりますと、結局ラスパイレスというのは、やはり一つの算数というか、かなり数学的な問題でございますね。だから、実際上いろいろデータを集めて、その方式をとれば自動的に計算しておるわけでございますから、いま総裁のおっしゃった、適当に配慮をしていけばいいじゃないか、モディファイしていけばいいじゃないかという、そこら辺のところことばとしてはうかがえるんですけれども、具体的にどういうことでしょうか。ラスパイレス方式をとる以上、具体的データがあって、ラスパイレス方式による算数方式できめていけば、どこで一体そういう考慮を払い、モディファイしていく可能性が出てくるんですか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 公務員の給与と民間の給与を比較いたします場合に、いまラスパイレス方式という問題が出ておるわけでございますけれども、要するに、同じ条件のものについて給与を比較するということがポイントでございます。で、現在日本の賃金がどういう要因によって強く決定されておるかという点がまあ比較における大前提でございまして、そういう点で申しますと、職務の種類、それから職務の段階、学歴、経験あるいは勤続、あるいは年齢とか、そういう幾つかの要因を非常に強い要因からいろいろあげていきますと、こういう形でございます。で、そういう貸金を決定している強い要因を同じ条件にそろえまして、たとえば、ここに公務員の本省の係長、事務の係長の人がいた、その人は大学卒業で三十歳である、そして、まあ東京なら東京で勤務しておる人であるという場合には、そういう職務内容、それから段階、それから学歴、あるいはその人の経験、あるいは年齢、そういうものをとらえまして、同じ条件にして、その公務員の人と同じ条件を持った民間の人をいろいろ調べてまいりまして、その民間の平均とこちらの公務員のもらっている給与とを比較いたしまして、高いか低いかということを比較しまして、かりに公務員のほうが九万円であり、民間のそれと同じ条件の平均が九万五千円であるならば、五千円の差がございますから、それをこちらに埋めようというシステム、考え方でございます。そういう意味で申しますと、日本の賃金が何で決定されておるかという点が基本的な問題点でございまして、まあ、その点に関しましては、たとえば勤続という点をもう少し考慮すべきだというような職員団体の御意見もいろいろございます。そういう点で、たとえば今年の場合には、研究調査としまして、勤続要因を入れたらどういう問題が生ずるか、それがほんとうに決定要因としてどの程度になっておるかといったようなことの研究調査をいろいろいたしておりまして、なるべく日本の賃金が決定されているその重要度に応じまして条件づけをして比較をするということに持ってまいりたいというように考えております。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 いや、私の申し上げたのは、いま給与局長から御説明いただいた、その程度は大体勉強をさせていただいたのですけれども、問題は、一つは、たとえば三井本社と三菱本社の非常に似た二つの会社の給与を比較する場合に、これはラスパイレス方式がまさにぴたっとくると思うのですね。ところが、いまの、たとえば年齢の問題一つとっても、この年齢にも非常に最近格差が出てきている。年齢と不可分の形で学歴の問題も、非常に不可分になって出てきているのじゃないか。民間とかなり異なった状況になってきているわけですね。だから、たとえば旧制中学卒業で三十年、三十五年つとめて、まあ現在五十齢ぐらいの公務員という者、こういう人は民間では非常に少ないと思うのですよ。あるいは旧専門学校を出て、やはり三十年なら三十年つとめて、現在まあ課長補佐なら課長補佐、あるいは支分部局の課長になっているという人、こういう身分の人も民間の場合には非常に少ない。したがって、民間との比較をする場合に、それが非常に障害になって、ラスパイレス方式の持っている、本来の、同じ群を比較することによって水準をきめるということに一つの問題点があるんじゃないかということ。このことは、それじゃ、もし、そうでないのだと、ラスパイレス方式によってきちんと民間賃金と比較ができるのだとなると、ほとんど、さっき言った公務の特殊性とか独自性というものがネグレクトされていく。このラスパイレス方式がそもそも公務の特殊性というものは入っていないわけなんですね。ですから、二つの矛盾を今後どういうふうに解決しておいでになるのかという、この点だと思うんでございます。これは何かどっちへいっても矛盾が出てくるのであって、ここら辺でラスパイレス方式そのものをやっぱり考え直すか、あるいはこれを、さっき総裁がおっしゃったように、モディファイするならどういうふうにモディファイしていくのか、そこら辺のところがないと、現状のままではどうも比較できないものを無理に比較しているか、逆に、比較できるようにしていこうとすればそれは公務の特殊性というものは全く失われて無理無理鋳型にはめていくということになっていくような気がするのです。その点いかがですか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 非常に精密な形でその方式を論じていきますというと、いろいろな指標のとり方というようなことで私は問題が出てくると思います。そういう意味で、先ほどいろいろ技術的な面で検討すべき余地があろうと申し上げたのは、たとえば対応の職種のとり方だとか、それから、いまの中途採用者の問題だとか、いろいろまた話題として検討すべき問題点をかかえておりますものですから、そういう点に触れて申し上げたわけでありますけれども、大体しかし、大所高所からそれを見ました場合においては、確かに公務員は民間の方々とはまた違った仕事の性質のものに従事していらっしゃるということはありますけれども、たとえば素朴に言えば、廊下のふき掃除をしていらっしゃる方、これは役所の廊下のふき掃除をしていらっしゃる方と民間の会社のふき掃除をしていらっしゃる方とは全然同じじゃないかというようなところからずっと積み上げて考えてみますと、なかなか、その辺のけじめというものは、私はむずかしいと思うんです。もちろん公務員には民間の会社の方々に見られない一種の倫理的な使命要素というものも持っておられるわけでありますから、そういう点ももちろん考慮の中に入れなければならないとは思いますけれども、大体しかし大きな形で言えば、ラスパイレスのやり方で当面はいくのが正しいのではないか。これはいろいろまたこれからお教えを受けまして、いろいろまたわれわれとしても研究してまいりたいと思いますけれども、いまのところはこんな気持ちを持っておるわけでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 まあ、この点、時間もございませんので、これ以上突っ込みませんけれども、ただいま総裁のお出しになった、ふき掃除をしていらっしゃる方という例がありましたですね。これは医師の場合なんか一番はっきり矛盾が出てきているわけなんですね。だから、そういう公務員だからといって公務員というものの概念を一つにまとめて民間と比較するというには、かなり特殊なものは特殊なものとして当然それは考えるべきである。全体の水準というものを何かラスパイレス方式でもって一応きめて、こういう水準でというところにも無理があるわけですね。だから、そこら辺のところを今後——おそらく、総裁がさっきモディファイと言った意味はそういう点のことだと了解いたして、一応この点は打ち切りたいと思うんです。  その次に、やっぱり根本的な改正をなさっていく場合の現行給与体系の一つの問題点として、一応ことしの場合に一〇・六八ですか、水準のあれが出ますですね。それを給与体系に引き伸ばす場合の給与体系そのもの、これは等級別、号俸別になってくると、必ずしも水準ではなくて、ある程度の配慮がある。たとえば下厚上薄というようなことになってくる、あるいはくびれの部分を修正するということになるわけですね。だから、そういう一つの給与表への引き伸ばしの基準というものは何を一体基準にしてやっていらっしゃるのか、これをひとつ伺いたいんです。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 先ほど官民比較のプリンシプルを申し上げたわけでございますけれども、要するに、日本の賃金決定で重要な要因が職務の種類、段階、学歴、年齢、それからその他、地域とかございますけれども、そういう要素につきまして同じ条件のものを比較するということでもやっておりますので、たとえば、いま申しました幾つかの条件につきましては、民間とどのように給与が違っているかという点が、たとえば年齢が何歳の者については幾ら違っているか、あるいは職務がたとえば事務なら事務の職務につきまして、そして係長なら係長段階のものにつきまして申しますと、大体行政(一)の五等級ということになるわけでございますけれども、そういう関係のものについては、学歴別にかつ年齢別に結果が出て、官民比較の結果が出てまいります。そうしますと、それぞれの等級の中で学歴別、年齢別にどこのところが高くなっておる、低くなっておるという関係が出てまいる。そういう官民比較の中の傾向という関係を基本的に踏まえまして、そうして、かつ民間におきまして上下配分がどうなっているか、たとえば部長級は何パーセント上げ、課長級は何パーセント上げ、そして、だんだん下のほうになるに従ってどういうふうに上げ、そうして初任給は幾ら上げているか、こういう基本的な傾向がございますので、その基本的な分配傾向と、さっき申しました年齢別、学歴別の官民比較の結果というものによりまして、それをなだらかに埋めていくということで俸給表の引き上げ額をそれぞれ個々にきめるというふうにやっているわけでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 いや、御説明としてはそれでわかるのでございますけれども、実際に俸給表、たとえば行(一)の場合をとってみますと、先ほど申し上げたように、公務員の給与体系と民間の賃金体系の非常に異なっておる部分というのは、やっぱり公務員の場合、高年齢者が多い、しかも、学歴で見ても、旧制の学歴の方が非常に多い。そういうものを民間と比較するとおっしゃっても、これはごく特殊な例と、それもむやみに拡大して、引き伸ばして比較することになるのであって、むしろ給与表をつくるときこそ、さっき人事院総裁のおっしゃった公務の特殊性というものが生まれてくるんじゃないかとぼくは思うのですよ。それをあくまで個々の段階から民間と比較するといっても、比較できない場合もあるだろうし、無理をして比較する場合もあるだろうし、そうなったら全く完全な民間賃金になってしまって、全然そこへ、さっき言ったモディファイもなければ配慮もなくなってしまうわけですね。だから、いま給与局長のおっしゃったように、それはそういう説明もできるけれども、むしろそこにぼくは問題があるんじゃないかということを申し上げておるわけです。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 人事院は、官民比較をする以前の問題で、官民比較のプリンシプルはさっき申しましたようなことで、私どもはやはり同じ条件と比較をするということは、それはそれでいいんじゃないかというふうに思うのでございますけれども、問題は、たとえば現在民間の全平均の年齢が三十一歳ぐらいでございます。ところが、公務員の場合には平均は三十九歳になっております。それほど非常に年齢構成が違う。それから学歴構成も大学卒以上につきますれば民間平均の倍もあるというような形で、中身が相当違っております。そういう関係を無視をして、ただ相互の比較をするというのでは問題ではないかというお話であろうと思いますけれども、確かにそれはそのとおりでございますが、そういう点で申しますと、やはり一面におきまして、それぞれ現在公務員の中においての等級構成、等級の格づけと申しますか、そういうものがやはり一応適正に行なわれておるということが前提にあると思います。やはり一方におきまして、職務段階の民間における構成と、それから公務における職員の職務の格づけの構成というものが両方ともそれぞれ適合しておる、一応適合しておるということが比較の前提であろうというふうに思うわけでございます。そういう点で申しますと、やはり私どもとしましては、後ほど御議論があろうと思いますけれども、等級別定数の問題があるわけでございます。つまり、そのように三十九歳という非常に年とってきておる公務員の仕事のしかたというのは、非常に若い人たちで構成している仕事のしかたとは違うわけでございまして、やはり専門家、ベテランが非常に多くなってきておるという面がございますから、そういうベテランの仕事のやり方、ベテランを持った仕事のやり方というのは、やはりそれなりの専門職を擁した能率的な仕事のしかたがあるわけでございまして、そういう点の仕事のしかたを各省庁がお考えになって、そして、こういう組織構成でいきたいということでいろいろ御相談がございまして、そういう関係で職務上の格づけという点を、毎年できるだけ各省の実情に合わせるということで、従来は、若い時代におきましては等級別定数の下のほうに定数が非常に多かったわけでございますけれども、現在はそういうベテランが専門職的に仕事をしているという関係で中堅のところが定数が多くなっている。そういう関係で、そういう格づけが一面では適正に行なわれて、そうして比較をしていくということが必要でございますし、われわれとしては、そういうことを心がけてやっているということでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 給与局長、申しわけないのですが、時間がないのですが、何か話がもとのところへずっと戻っていくので、私が伺っているのは後形の部分なんです。つまり今度の場合でも一応一〇・六八という賃金水準の比較を出しますね。それを給与表にずうっと引き伸ばしていく。その一〇・六八をつくる過程では確かにラスパイレスとか、そういうものをおとりになっただろうけれども、給与表に引き伸ばす場合には何か基準がおありになるのかということを伺っているわけです。それを尾崎給与局長、先回りして、給与表の今度は運用として等級別定数というのをお出しになりました。それはあとで伺いたいので、要するに、いま言った、給与表に引き伸ばすのに何か基準をお持ちになっているのかどうか。給与表をおつくりになるときに、たとえば、ことしは下厚上薄にしたとか、そのつど説明がありますね。そのつど人事院が判断をして、ここが問題だと思うことを人事院の判断でやっていらっしゃるのか、何か基準がおありになるのかということを伺っているわけです。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 各俸給表の全体の格差というものを基準にしまして八千九百円というような形で、そこで平均すれば八千九百円だけ違うということをまずわかりやすく申し上げておるわけでございますけれども、それを各俸給表にどう分けるかという点につきましては、一つの部内均衡原則というのが、これはもう外国の場合でもそうでございますけれども、部内で一つの従来の均衡という点がございます。そういう点で、まず行政職(一)あるいは。(二)——行政職を一応基礎的に考えまして、行政職との均衡でほかの俸給表が一応絶えず均衡状態を保っているということが従来から行なわれているやり方でございます。そうして行政職のやり方につきまして、じゃ行政職をどうやるかという点につきましては、さっき申しましかように、一番上の等級が何%で上げており、二等級の場合には何%上げているかという上下配分の傾向をつかんでおりますし、かつ等級内におき幸しては、各学歴別、年齢別の傾向をつかんでおりますから、それに基本的に合わせるように各号俸の引き上げ額を定めるというということをやっているわけでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 どうもそこら辺のところがちょっとはっきりわからないのです。これはあとで伺う職の問題とか、調整手当その他管理職手当、いろいろ手当が出ていますね。そういうもので、あとで穴埋めしていらっしゃるのであって、俸給表号のものを、いまおっしゃったような形においてやっておるのであれば、民間追随という関係においてはそれで完結するわけでしょう。だが、一体どこに問題があるのかが、ちょっとわれわれわからない。というのは、一応いまおっしゃったように、大体民間の格づけなり全部調べて、その格づけに合ったようにやっているとおっしゃるけれども、実際上、民間の給与体系が、民間の人員構成から見て官民比較ができない部分が相当多くなってきている。そこに問題があるし、いま申し上げたように公務の特殊性という問題もあるでしょう。そんな点を含めて、行(一)なら行(一)の給与表をおつくりになるときに、等級別に号俸別に大体民間との比較をしていらっしゃるということになってくると、これはちょっと話が変わってくると思うのですが、その点はどうなんですか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) ちょっと手当の問題をお出しになったわけでございますけれども……。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 いや、それはあとでいいですから、その基準があるのかないのかなんですよ。等級別、号俸別にずっと毎年勧告なされているでしょう。その場合に、いま言った、ことしは一〇・六八%なら一〇・六八%上げるときまった場合に、それを実際の俸給表に適用するにあたって等級別、号俸別の配分ですね。その配慮について何か基準があるのかということを伺っているのです。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 実際のやり方を御説明いたしますと、民間の給与体系と公務員の給与体系を大体やはり合わしていくことが必要だというふうに考えまして、たとえば扶養手当を増額するなら増額する、あるいは通勤手当を増額するなら増額するということを先にきめまして、そして、その増額に要する金が幾らということを、手当で増額する要因を先にきめて、それをまず控除する。八千九百円から控除しまして、残った金につきまして基本給でございます俸給表の改正をするといったような、まあ単純にいうとそんな形でやっておるわけでございますけれども、こうして本俸——俸給表の改正にあたりましては、さっき申しましたように、行政職を基準に改正をする……。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 いや、それはわかっている。行(一)の表をおつくりになる場合の基準があるかどうかを伺っている。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 行政の中の改正としましては、各等級別の上昇率、上がり方、民間における上がり方というものを調査をいたしまして、そして各等級の中では年齢別の格差というものを踏まえて上げるというふうに、その両方を見ましてきめるという、これはまあ、ある程度は判断でございますけれども、そういうデータによって、つまりきめるということをしているわけでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 どうもはっきりしないのですけれども、よしましょう、これはあんまりこまかくなりますから。  ただ実際上、そういう水準の問題は、要するに賃金水準の民間との比較というのは、これはぼくはやはり一つの原則だと思います。基準だと思います。それを行(一)なら行(一)の俸給表に引き伸ばす場合に、そこにぼくはやはり非常に問題点があるのであって、ここら辺はやはりいまの公務員の年齢構成とか学歴とか、あるいは公務というもののあり方、国のと民間のと違いがあるのだから、それをみんなこまかく民間に合わしていくのだということになっちゃうと、これは公務員の特殊性も何もなくなってしまうと思うのです。この辺はむしろ機械的な御答弁でなしに、むしろ次の機会にそういう点についてもうちょっと——それこそさっき総裁のおっしゃった抜本的改正の、一つのぼくはめどだと思うのです。というのは、もう一つ、じゃ俸給表をつくられたと、人事院としてはどういう俸給表が合理的だとか、いろんな年齢とか、民間の人といろんな考慮をしてつくられた俸給表を各省で運用する場合、各省でかなり異なってくるおそれがある。そこで人事院では等級別定数というものをおつくりになって、各省のそういう運用についてある基準を、頭を押えるわけですね。これもぼくはどうもいまの、俸給表があるにもかかわらず、任用制度というものが非常にあいまいである。各省が適当に昇格をやったり昇級をやっていくという、そういうところに問題があるのであって、だから民間追随といって一応水準についてはこまかい計算をなさってつくるけれども、俸給表に引き伸ばすときに一つの問題があり、今度、俸給表の実際の運用において、これはやはり問題があるのではないか。だから、私がいま伺っているのは、さっき申し上げた、総裁が抜本的に改正なさるとすると、現在の公務員の給与体系の中のそういう問題点をいま伺っているのですから、そういう点、問題があるのかないのか、こういう点があるのだということを御答弁いただければいいと思うのです。いま言った引き伸ばしの話は一応打ち切りましょう。問題は、各省の運用について、どういうふうに人事院でお考えになっておるか伺いたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 運用の問題は、御承知のように、各省それぞれ人的構成が違います。非常に中ぶくれの大きいところ、そうでもないところ、卑俗なことばで言えば、出世の早いところ、おそいところというような面がございます。それ自体の運用は、これは人事当局者の責任でございますから、運用のその具体的な面について、われわれは、いわゆる昇格とかあるいは昇任とかいう任用面に関係いたした面については、くちばしをいれるべき筋合いではありませんけれども、しかし、いま、たとえば級別定数という形でお述べになりましたような面については、これは給与制度と完全に表裏一体の関係にもございますし、そういう基準を合理的に毎年きめていくという形によって、その辺の調整をはかる役割りをつとめさせたい、そんな気持ちでおるわけでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 級別定数だけで、そういう運用がある程度、各省別に調整できるとも私思えないのでございますけれども、今度逃げる手段を各省考える場合もあるでしょうし、級別定数というものはやむを得ずおやりになっている手段であって、むしろやっぱり各省における任用制度の問題を人事院として今後お考えになる気持ちがあるかどうか、それを伺っておきたいのです。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど、ちょっと口に乗せましたように、あらゆる役所を見渡してまいりますというと、構成の違いというものがありますし、先ほど卑俗なことばでと申し上げましたように、出世の早いところ、おそいところがあります。これらの面は、ほんとうに純粋の運用の面にわたることでございますからして、そのほうは、あるいは行政管理庁なり、あるいは人事局なりの御所管かとも思います。したがいまして私どもが出しゃばるには、一応そこに限界があるだろうという前提で考えていきますというと、たとえば任用の際の選考の場合はわれわれのところに参ります。しかし、これとても、りっぱな資格を備えている人であるにかかわらず、おたくは、これは若過ぎますよというようなことで、われわれがチェックできるかというと、これはまた別の問題でございまして、われわれ資格選考をやる側としては、若かろうが何しようが、その人がそれだけの適格性を持っておれば、どうしてもパスをさせざるを得ないという面があります。そこに限界が一つあります。そういうような意味では、やはり、さしあたりいまお話に出ましたような級別定数というような問題が、そういうものが一つの大きな基準の役割りを果たしておるのだろうということでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 それじゃ級別定数の関連で伺いますけれども、職の問題でございますね。いろいろな官といいますか、官と職と、この間もちょっと議論になりましたけれども、官と職とはどうだということ、きょうはその点は省きますけれども、職でけっこうなんでございますけれども、いろいろな職がつくられますね。職は級別定数に入るのですか、入らないのですか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 等級別定数と申しますのは法律によって決定をしているわけでございますけれども、これは行政組織の法律、行政組織法令の趣旨に従いまして、そして職員の職務と責任というものを等級に区分するというわけでございまして、そういう職員の職務というものを等級に区分するときに、各省が、ほんとうは個々にこれは何等級だということをやる必要があろうかと思いますけれども、それを個々にやるのはとてもたいへんでございますので、一応各省の、ある省庁のある部局については幾つという形で、各省がやられる格づけの一つの補助手段としまして、定数というものを設定しておりますので、それによって職を定数の範囲内できめていく、格づけしていくという形になっておるわけでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 一応、職の、それがたとえば給与表でいって三等級に該当する職であるならば、級別定数に入るわけでございますね。行政管理庁お見えになっておりますか——いま、実は人事院のほうのお話で、実際上、級刑定数というものを各省に割り当てる。そうすると、それは各等級別の定数が出ているわけでございますね。それに職の問題も入っていく。人事院のほうでは全体としての、今度は総定員法に基づく定員の問題もあり、それから行政機構の何というか、不必要な拡大を抑えるために、課長なり何なり増加することを押えていますね。そうすると、いろんな職というものが出てきますね、いろんな職という形でもって。これについては、どういう形で職の設置を承認されるのか、どういう基準で。

平井廸郎行政管理庁行政管理局長

○政府委員(平井廸郎君) 最初にお断わり申し上げておきたいと思いますが、行政管理庁で所管いたしております職の設置の問題は、いわゆる政令職以上の職でございまして、したがいまして、省令職以下でつくられましたものについては、これは私どもの所管でございませんで、まあ、そういう意味では部分的なものにならざるを得ないと思いますが、その点を御了承いただきたいと思います。政令以上の職の設置につきましては、先生すでに御承知のように、国家行政組織法十七条の二で、いわゆる法律上の総括整理職という規定がございますし、さらに、その二十条で、いわゆる各官房あるいは局、部等に置かれる総括整理職なり、分掌職というものについての規定がございます。そこに書いてございます規定自体はきわめて抽象的でございまして、たとえば局、部の総括整理職につきましては、「特に必要がある場合において、その所掌事務の一部を総括整理する職を置く」ということが書いてございます。それについては、政令で定める必要があるというふうに規定しているにとどまっております。  そこで、実際の運用の問題でございますが、これらの総括整備職なりあるいは分掌職の設置につきましては、御承知のように、毎年度、機構等の各省の要求が出てまいりますが、これについて具体的な審査を行ないます際に、各省庁の行政上の必要最小限度のものを認めるという考え方をとっておりまして、現実に過去数年間の増加の状況を見ましても、たとえば特許庁におきます審判長、審査長というような形、こういったものは政令職でございますが、これは特許関係の事務の増大に伴いましてどうしても増加せざるを得ない、こういうようなものを中心にいたしまして必要最小限度のものについて認めているという形でございまして、特に共通の原則というものはございません。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 これ時間ございませんので、その点少し詳しく伺いたかったんでございますけれども、整理しますと、要するに、いまの本来の行政機構である省庁の局、部、課ですね、そういうものと、省と別にいろいろな職が出てくる。これはむしろ職をつくることによって級別定数をふやしていくと言うとおかしいのですが、こういう職が必要なんだということで置くことによって、むしろ人事院のほうの級別定数に切り込んでいくという、そういう手段に使われる場合があるのじゃないか。  それからもう一つは、職の機能として、法律上は確かに総括整理職、分掌職となっていますけれども、実際の職の機能というものはいろいろな機能を果たしているわけでございますね。こういう言い方はいいかどうかわかりませんが、当然、行政事務にしても、この間、日本でもまず中央制度に補佐官を置きたい、あるいは各省に補佐官を置いたらどうかというような意見が出ているわけで、言いかえればスタッフとラインの関係というものが現在の行政機構あるいは行政事務の処理についてあいまいである。局長というのは、本来ならライン業務の中心的役割りを果たすべき人である。これは佐藤人事院総裁がいつも言うように、次官というのはライン業務の最高責任者である。スタッフとしてはまた別の機能を持つべきである。ところが実際上、局長というのは、私どもが呼びつけておいて申し上げるのは恐縮なんでございますが、国会が始まればほとんど国会に出ずっぱり、これは大蔵省との予算折衝もほとんど局長がやる。そうすると、局長の機能というのは、ラインの責任者というよりは、どちらかというと、むしろスタッフ的な機能を非常に果たしてしまっていて、本来の行政機能の場合、やっぱりライン業務が非常に重要だと思うんでありますけれども、どうもその性格があいまいになっている。職を置いて、職の人が、逆に——本来、それは専門職であるとかあるいは分掌職的なものであるにもかかわらず、その人がむしろ代行していくというような形がしばしば生まれているんだろうと思うんですね。そういう意味で、この際、一回ぼくは、そういうものを含めて職の問題というのを再検討してみないと、行政機構としても問題があるであろうし、これは今度給与のほうからいくと、ある程度、級別定数をふやすために職をふやしていくというような、給与から押されて出てくる無理な面も出てくるのではないだろうか。そこら辺の職の問題というものを、もう一回抜本的に考え直すという意向がおありになるかどうか伺いたいんでございますけれどもね。どうでしょう。

平井廸郎行政管理庁行政管理局長

○政府委員(平井廸郎君) 確かに、職の新設というのが等級別定数上の波及効果を持つことは、先生御指摘のとおりでございます。さらに、先ほど申し上げましたような総括整理職というような形で置かれたものが、現実の運用上、ともすれば局長の代理的な機能を持っている事例が皆無ではないということも事実ではございましょう。ただ、基本的なたてまえとして、それでは職について根本的に洗い直してはどうかという先生の御意見でございますが、私どもそういう給与上の感覚という点では、政令上の官職については、先ほど申し上げましたように、年々の増加数をごらんになってもおわかりになると思いますが、ほとんど考慮していない、ほとんどと申しますか、全然考慮しておりませんので、まさに行政上の必要性に基づいてやっていることでございまして、その点については、むしろ人事院なりあるいは予算当局で、省令以下の官職、これらのほうが特別職としても非常に数が多いわけでございますが、そういったところの問題として十分御検討いただく必要はあるであろうというふうには考えております。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 いや、以上申し上げたのは、いますぐ行政管理庁にどうこうしろということよりは、むしろ総裁が給与体系を抜本的にお考えになる場合に、以上申し上げたようないろいろな問題点が現在の給与体系にはあるんじゃないか。そういう問題点を含めて総括的にひとつ抜本的改定をお考えいただくんでないと、結局、現在の給与表というものの持っているそういう矛盾点というものは解決していかない。これが解決しなければ、結局、働いている人が、自分が妥当な報酬をもらっているのだという感覚が出てこないわけでございます。それからまた、逆に言うと、給与のほうから押していって、その行政組織なり行政事務というものをある程度ゆがめていく。せっかくのベテランであるにもかかわらず、給与が非常に低くて、くさっちゃって仕事をしないという場合もあるでしょうし、そういう点を含めて、要するに私どもとして、現在の給与体系というものに以上申し上げたような問題点があるということを指摘して、今後総裁が抜本的な改定をお考えになる場合に、それらの点を当然考慮いただけるものと思いますが、その点いかがでございますか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 私どもの心がまえは先ほど来申し上げたとおりでございまして、決してこだわった気持ちでこの問題に臨むということはいたしません。できるだけ柔軟な態度をもって、いろいろな御意見も率直に拝聴しながら研究を進めていきたいと思います。したがいまして、先ほど、来年というお話がございましたけれども、来年やらにゃならぬということでもございませんし、やっぱりその点は、こういう機会に、いろいろただいまのお話のようなことをたびたび聞かせていただきまして、そして、われわれとしてもいろいろ研究の心がまえの足しにしてまいりたいという気持ちでおります。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 総務長官お見えになったので、ちょっと人事院についての質問を中断いたしまして、本来ならもう少し話が進んでからのほうがよかったんでございますけれども、総務長官に特に二点伺いたいんでございますけれども、一点は、これは公制審がございますね、公制審の中でやはりいま問題になっているのは、労働基本権の問題である。これは公務員並びに公共企業体関係労働者の労働基本権についての審議が行なわれていると思うんでございますけれども、どうもこれはちっとも進捗していないんじゃないか。この前の運輸委員会等での御発言だと、これをなるべく早く促進して、労使のあり方の正常化をはかりたいというような御発言も運輸大臣からしているわけです。総務長官も大いにこれは促進したいとおっしゃっている。ところが、実際上、現在の構成なり運用で公制審がそう早急にどうも結論を、審議の結果を出すという状況にないんじゃないのかというふうに私考えているんでございますけれども、一方で、これはあとで人事院総裁にも伺いたいんですが、国家公務員給与にとっても、給与の決定の一つの方向として、当然、働いている者の労働基本権がどうなるかということによってずいぶん変わってくると思うんですね。そういう意味で、一体、公制審の現状並びに今後の見通し、特にその公制審が一番重要な課題としている労働基本権について、もし公制審での結論が困難なら、どういうふうにここでもって政府としての方針をおきめになるのか、それらの点をちょっと伺っておきたいのでございますが……。

本名武自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(本名武君) お話のありましたとおり、公制審の御答申はなかなかいただけないで、実は、私どものほうも、こういうふうにいろいろな意味で情勢の変化を来たしている今日でありますから、つとめて早い機会に御答申をいただきたいということはお願い申し上げているわけでございます。特に公制審の運用とか、あるいは御答申をいただく期限ということは、私どものほうからとやかく申し上げる筋ではありませんけれども、やはり早い御答申を心から期待しているわけでございます。  それから前回の審議会におきましても、やはりこういうふうに長引いているということは、時間がかかるということは、反面、それだけ非常にむずかしい問題であるということも理解できるが、また、この時点に及んで、政府から何かひとつ、平たいことばで言いますと、たたき台のようなものでも審議会に提示をして論議をしたほうが早いではないかというような御意見もあったのでありますが、政府としては、そのようなことを申し上げて審議会を拘束するとか、あるいは政府の意見としていつ幾日までにやってくれとか、あるいは審議会の運営はこのようにして早く結論を出していただきたいというようなことを実際申し上げるべき筋合いのものでもないというふうに考えておりますので、この上は、どうかひとつ、すみやかに御答申をいただきたいということをお願いしている状況でございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 これは、どうもわれわれ悪く勘ぐりますと——公制審というものを一応置いておいて、そこの結論がなかなか出ないということはいま長官もお認めになっているわけですね。にもかかわらず、公制審の答申を待たなければ政府として全然動けない。むしろ、この公制審を逆に利用して、この問題の解決を引き延ばしているというふうにすら勘ぐられる向きもあるわけでございますね。だから、それが多数意見であるのか、あるいはわれわれの特殊な意見であるのか別として、いずれにしても、長官も、公制審の結論を早く出してもらいたい、にもかかわらずなかなか出ないということはお認めになっておるわけなんで、ここでぼくは、やっぱり公制審のあり方について、これは、むしろ公制審そのものに一回論議をしてもらう。このままではだめならだめ、改組するなら改組するとか、そういう点も含めて、一回公制審の問題というものを、これは考える必要がある。公制審の問題というのは、やっぱり基本権の問題だと思うのです。基本権の問題について何らか見通しを早くつけなければ、これは国公労働者の場合には年じゅうストライキでもってごたごたごたごたいたしますし、それから人事院総裁に伺うと、人事院総裁も、今度、公務員の給与を抜本的にひとつ改定しようとおっしゃっておる。その場合に、当然、公務員労働者の基本権があるかないかによってずいぶん違ってくると思うのですね。そういう意味において、客観的な事態というものは非常にその点の早い結論を要求しているわけなんですから、ただ公制審の答申待ちです、答申待ちですという御答弁だと、何かそれを隠れみのに使っているような印象を受けるのでございますけれども、これはどういうものでございましょうか。

本名武自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(本名武君) 私としては、決して、隠れみのということは全然考えておりません。事ほどさように、たいへん重大な時期を迎えて重大な問題であるということは認識いたしておりますが、それだからこそ、こういう制度、いわゆる中立と労働側と使用者側の三者が一体になって公正な御審議をいただくという方法は、私は、もうこの時点ではどうしてもとらざるを得ないのではないか。なるほど時間がかかり、また、むずかしい問題であることは承知しながらも、これ以外に、政府としては、いろいろな御意見を承るよき手段はないのではないかということで公制審におゆだねを申し上げ、また、公制審の御答申を期待しているということであります。決して、隠れみのにして、政府が意識的に延ばすなんということは毛頭ないことだけはひとつはっきり申し上げておきたいと思います。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 この点は、どうせ新しい田中内閣ができて日が浅いわけでございますから、田中内閣の持ち味として、私は、本来なら、そういう点についてきちんとした態度の変更があってしかるべきだと思うのでございますけれども、長官の御答弁ですと、いままでもずっと引き継いでいらっしゃることもあるし、近く何か伺うと総選挙もあるそうですから、新しい内閣でこれはほんとうに腰を入れてやってもらうということを期待して、この点の質問は一応打ち切ります。いずれにしても、そういうふうに客観的な事態はどんどん要求しているにもかかわらず、公制審というものがあって、そこで論議をしています、していますで日を延ばしていると、ますます事態は悪化するということだけは、これは政府も十分御認識だと思いますので、それはひとつ総選挙の済んだあとで、また来年ゆっくりひとつ討議をさせていただきます。  もう一つ、長官にぜひここで伺っておきたいのは今度の、この四月実施の問題に関連して、沖繩の旧琉球政府の職員でございますね。この旧琉球政府の職員については、沖繩の実際の返還のあった五月十五日にまでしか遡及しないということになっているので、これは沖繩の旧琉球政府の職員で、たとえば総合事務局につとめている人たち、あるいはその他の中央官庁の支分部局につとめている人たちが同じ机を並べていて、本土から来た人たちは四月まで遡及してもらえる、自分は五月十五日だということになってくると、これは実際の運用として非常に何かそこにみぞができるわけですね。だから、これは何としてでも、ひとつ中央の職員だけじゃなしに、沖繩県庁の職員、あるいは教職員、軍労務者、こういうものを全部含めて、やはりこの際、沖繩が返還されてまだ日が浅いことは浅いわけですけれども、何か差別されるような印象を与えないように措置できないものかどうか、それをひとつ長官に伺っておきたい。

本名武自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(本名武君) 実際、同じ職場でお仕事をしていただきながら、やはり旧琉球政府から引き継いだ職員、国家公務員になった職員は、この給与改定の取り扱い日時が違うということは、まことにいろいろと心情を察しますと、御同情を申し上げたいということは十分言い得るのでございますが、御案内のとおり、今日の制度あるいは法令その他からいきまして、やはり五月十五日以前にさかのぼるということは、これは全く制度上は不可能であるということは明らかになっておるわけでありまして、その点、非常に私も苦慮いたしておるのでございます。いろいろな案が、いろいろな方面から耳に入ってくるのですが、それらの案を検討してみましても、たとえば超勤手当で出したらどうかとか、いろんな案がありますけれども、それらを検討してみましても、なかなか的確に適用できるということが不可能であるということがだんだん明らかになってきたわけであります。  それから、お話にもありました沖繩開発庁関係の総合事務局をはじめとして、郵政省関係その他もう千四百人、ほとんど各省にまたがっている。運輸はもちろんでありますが、ほとんど各省にまたがっていると言っても過言でないほど数多くの関係者がありますので、それらのほうの御意見等もいろいろ伺っているのでございますが、なかなかいろいろな対案について、出される対案について検討してみましても、的確に適用できるということが不可能に近い状態であるわけで、はなはだ残念でございます。ただ、冒頭申し上げましたように、私は心情的には、ほんとうに情においてはまことに忍びがたい。しかし、理においてはできないから、といって、ほっておいていいかどうかということになりますと、どうもこのままではいかぬじゃないかという気持ちもあります。したがいまして、これができるかできないかは、最後まで努力してみなければなりませんが、一応、引き続き各省庁と連絡をとりながら積極的に検討していきたいということで、いま動いているわけでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 まあ長官のお立場よくわかりますし、いまここでもって、こういう方法でやりますということは言明できないことはよくわかりますので、これは要望として申し上げておきたいのでありますけれども、一応、沖繩が日本に返還されたということ、この中には、やっぱり沖繩県民にとっていろいろ不満があるわけなんですね。たとえば一つは米軍基地の問題もございましょうし、自衛隊派遣に対する反対もございましょうし、あるいは本土産業が沖繩に行って、必ずしも沖繩県民が期待したような形での沖繩県民の経済生活が楽になっていく兆候もない。いろんな意味で、私はむしろ沖繩復帰に伴っての沖繩県民の心情というのは複雑だと思うのですね。そういう中で一番端的にあらわれてくるものは、何かこういう差別待遇というような印象でございますね。そういうものを残すというのは、単に公務員の給与がどうである、こうであるという問題でなしに、復帰した沖繩県民の立場としては、いろいろな意味で不満があるものを、さらにその上にそういうものが非常に具体的な形であらわれてくるということは私は非常に好ましくないし、沖繩県民の心情としてもまたそのままにしておけないという気持ちもあると思うんですね。だから、いま総務長官も、それはそのまま忍びないという御発言があったわけでございますから、これは最後まであらゆる努力を重ねて、それはたとえ一〇〇%でないにしても、少しでもそういう点を解消していくように御努力いただきたいと思うのでございますけれども、その御努力いただけることについては一応了承していただけましょうか。

本名武自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(本名武君) 先ほど申し上げましたように、一生懸命いま努力はいたしているのでございますが、率直に申し上げて、たいへん失礼な表現でありますが、努力をすればするほどなかなかむずかしい問題が出てくるという現状であります。しかし、それだからといって私はこのまま引き下がらずに、最後までひとつ努力をいたしたいということを申し上げおきます。いましばらくお時間をおかしいただきたいと思います。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 もう一つ重ねて要望ですが、いまの、むずかしい問題が出てくるというのは、これはどっちかというと法技術的な問題なんでございますね。政治的判断に立てば、さっき申し上げたように、大体隣の人がもらって自分がもらわぬということは、これは大体おかしいし、なおかつ、いま言ったように、沖繩復帰に伴って沖繩県民の心情というものを考えた場合に、政治的には、むしろそれはやるべきなんですね。長官もそうおっしゃっていらっしゃるわけでしょう。にもかかわらず、いろいろな法的規制があってできないんだから、これはむしろ法的規制のほうがより重要だというふうにお考えになっちゃうと、初めからもう幾ら努力してもできなくなるわけですね。どっちが重要なのか。むしろ、いまの事態としては、沖繩の問題については、そういう政治的な問題こそより重要なんだから、法的規制については何らかの形で、これは皆さん方が——ここに皆さん方の部下には法的にはいろいろ専門家がおいでになるわけでございますから、むしろどっちにウエートがあるのか、まさに政治的な問題にこそ重点があるんだということで、より一そうのひとつ解決への努力をお願いして、これはもう私の希望でありお願いですから、答弁はけっこうでございますが、要するにウエートの置き方を間違わないように、法的に縛られてできないからこれは重要だというふうにお考えにならないようにお願いいたしたいと思います。  それから、もう時間もありませんので、さっきのまた人事院総裁への御質問がもう二つばかりあるのでございますけれども、これは簡略に伺いたいのでございます。というのは、先ほど私が申し上げたのは、結局、総裁が、公務員の給与制度のあり方について抜本的な改定を自分としても考えたいと、そういう作業に入りたいという決意を披瀝された。それで、現在の給与体系についての矛盾についても、ほぼ、総裁の考え方と私もそう違わない面があると思うのでございますけれども、そういう上に立って今後むしろ問題になるであろうことは、一つは、やっぱり公務員法二十九条に基づく職階制の問題でございますね。職階制というものがいまだに法律上は非常に強い形でもって残っている。また、職階に合った形の給与体系というものが要求されている。そこで、大体、職階制なるものが法律として残っているにかかわらず、職階制ができてない。かつては人事院が一回おつくりになった。これはいただいたんですが、非常にこまかいめんどうなものをおつくりになって、これは結局、廃案になってきているという事情がありますね。一つは、職階制をどうお考えになるかということが、今後の基本的改正の一つの扱い方としてどうするかということが、一つの分かれ道になると私は思います。それから一つは、いまそれで総務長官にむしろあとで伺いたかったんですけれども、現在の公務員というものが、労働基本権の中で団結権はあるが、団体交渉権ないしは協約権がない、もちろんストライキ権がない。こういう状況下における救済手段としての人事院制度、これは人事院制度で直接触れるんで人事院総裁として言えぬということになるかもわかりませんけれども、もし公務員が団体交渉権なり協約権が持てる、ストライキ権すら持てるというふうに、そういうふうな面からの改正があった場合に——あった場合というか、そういう方向へ改正していくということも一つの筋道だと思うんですね。大きく分けますと、私はどうもいま当面問題になるのは、抜本的に考えるという考え方の二つの方向として、職階制をどう扱うのかということと、それからもう一つは、公務員の労働基本権が回復されるのかどうかということの見通しとの関連なしには、どうも抜本的改正というものが軌道に乗らないんじゃないかという気がするんでございますけれども、その二つの点について総裁の御意見を伺いたいのと、二つを踏まえて、おれとしてはこういう独自案が、名案があるんだということなら、名案の大体片りんでもけっこうでございますから、ひとつ伺わしておいていただきたいと思うんでございます。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 最初に職階制のお話でございましたが、まことにポイントを突いた御発言だと思います。われわれとして、やっぱり現行法があります以上はほっておけることではありませんし、片や、先ほど来申し上げております給与制度の抜本的な洗い直しという点から申しましても、やはり職階的な一つの基盤をつくった上でこれを見直すということもたいへん重要なことだと私は思っております。したがいまして、職階制については、特に私の院内には職階課を設けて、その間の督励をやっております。現在相当作業は進捗しておりますが、私どもの、少なくとも私の今後の職階制についての考え方は、いまたまたまそこにお持ちになりましたように、昔かつて人事院が出しました——当時われわれは部外者でありましたために、電話帳というようなことを言って、悪口を言った覚えがありますけれども、電話帳は今度はもう願い下げにしよう、やはり日本的職階制ということを私、前から申しておりますが、簡素な、しかも的を射た職階制というものでありませんと、いたずらにまた各方面の方々に刺激と御心配をかけるということにもなります。したがいまして、その意味では、きわめてラフだという批判がありましょうとも簡潔なものにしたいということで目下努力をしております。そして、その形が一応できましたら、それをどう使うか、むしろ採用、任用の面についての一つのかがみとして、その職階制の面から現在の採用制度はどうなっておるかということを見直してみようじゃないか、給与制度についても、その面からまたひとつ検討してみるということも一つの大事なことではないかという気持ちで作業に臨んでおります。  それから先ほどもう一つの、労働基本権の話は、非常にお察しのいいおことばがございました。私どもはいま現在、労働基本権の代償機関として大きな使命を与えられておるわけです。したがいまして、われわれとしては労働基本権があろうとなかろうと結果は同じ勧告なり何なりによって保障をいたさなけりゃならぬという立場におるわけでございます。したがいまして、現在、また今後ともその意気込みでわれわれの使命達成に邁進したいという決意を持っております。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 どうも最初のは非常によくわかりましたが——職階制のことはよくわかりましたので、これは職階制をどういうふうに運用していくかという、運用というか、どういう職階制を考え、あるいはその職階制の持っているよさというものだけをとるような方式を考えようというふうに私は察しましたけれども、それはそれでけっこうだと思いますけれども、あとのほうの点につきましては、これはちょっとはっきりわからなかったのですけれども、もし労働基本権の回復があった場合に、その救済手段としての人事院が従来と同じように大いに責任を感じて仕事しているのだとおっしゃいますけれども、大体、人事院そのものの立場が変わってくる可能性というものはないのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) あまり意気込んで申し上げたものですから、どうも誤解をしていただいたようなことになってしまって……。そういう趣旨で申し上げたのではありませんで、現在われわれは労働基本権の代償機関としての大きな使命をになっております。したがいまして、労働基本権がかりにおありになっても、われわれとしての代償機関としての使命を達成するとすれば同じだという決意をもって臨んでおりますし、今後もそういう使命感のもとに大いにその点に努力をしようという立場におりますので、たまたま労働基本権の代償機関だという現在の立場におります以上は、そういう一念に燃えてやるのがこれは当然なことだろうと思います。そういうことを申し上げたわけでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 それ、ちょっと総裁、もう少し、労働基本権の回復の問題との見合いだと思うのでございますけれども、総裁としては、じゃ、あれですか、大体、公務員が労働基本権を、ある場合、一〇〇%回復する場合もあるだろうし、スト権だけは制約される場合もあるだろうけれども、そういう事態、望ましいとお考えになっているのですか、あまり望ましくないとお考えになっていらっしゃるのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) それは現在の私どもの、先ほど申し上げましたような立場もございます。また大きな問題で現在、公務員制度審議会でも御検討になっておることでございます。われわれとしてはそこまで意見は申し上げられませんが、しかし現在われわれの使命感というものは、先ほどのような気持ちで臨んでおりますということを申し上げさせていただきます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 いや、ちょっとそこのところ、もう少し実は伺いたい点があるのでございますけれども、時間もございませんので、また次の機会に——どうせこれは来年抜本改正ぱっと出して、これでどうかとおっしゃるようなことはないと思いますので、抜本改正について今後しばしばまたお話を伺い、またわれわれの意見を言う機会もあるかと思いますので、給与に関する質問は一応この程度にいたしたいと思います。  引き続いて、法務省の関係について少し御質問いたしたいのですが、実はこの法務省の入国管理事務所の設置について、これは六十七国会で、当委員会で私からも御質問をして、当時の運輸省それから法務省、いろいろ御意見を伺ったわけですけれども、大体当時の御意見では三月十五日あるいは五月十五日に開港するだろうという見通しでこの法案をお出しになっておるわけですね。それが結局予定どおり開港できなかった。それでこういう新しい設置法の改正になったと思うのでございますけれども、一応六十七国会に御提案になって当委員会でも十分審議をし、それで一応成立したものを一年たってまた、できなかったから変えますというのは不見識な話だと思うのです。当時、法務省としては運輸省なりと十分連絡をとってやっておりますという御発言があるわけでありますけれども、その後どうなんですか、法務省としては実際上どの程度運輸省と御連絡をなさって、結果論になって非常におかしいのですけれども、運輸省との連絡が悪かったからこういうふうになったのではないかと思いますが、一応この委員会の答弁では、十分とっておりますと言っているがとってない、なかったからこういう結果になったのではないかと思いますが、この点、法務省のほうからひとつ、どういうふうな連絡をおとりになったのですか、伺いたい。

香川保一法務大臣官房長

○政府委員(香川保一君) 設置法の改正法案を提出いたします際に、運輸省から、本年の六月には開港するだろう、こういうふうな見通しをいただきました。それならば、さらに六ヵ月の余裕を目まして、ことしの暮れまでには施行できるだろう、こういう見通しのもとに施行期日をきめまして提案さしていただきました。さようなことで可決されたわけでございます。当時は十分、運輸省とも連絡をとりまして、さような見通しのもとでやったわけでございます。決して連絡が悪く、私ども法務省が独自に見通しを立てたということではございません。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 もちろん、それは法務省独自に開港の見通しを立てられるはずがないわけでございますから、運輸省と御連絡になったんでしょう。私が伺っているのは、運輸省との連絡が不十今だったからこういう形になったのか、それとも運輸省の見通しが誤っていたからこういうふうになったのかということを法務省はどういうふうに判断していらっしゃいますか。

香川保一法務大臣官房長

○政府委員(香川保一君) 結果的には、当時まあ運輸省としてはいろいろ慎重に御検討の結果、本年六月には開港されるであろうという見通しをお立てになったわけでございます。結果的には、その見通しを誤ったということにならざるを得ないと思います。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 それじゃあ、法務省としては、いわば運輸省の見通しの誤りのしりぬぐいとしてこの法案をお出しになったということですね。

香川保一法務大臣官房長

○政府委員(香川保一君) 政府の提出する法案でございますので、運輸省の見通しの誤りをしりぬぐいするというふうなことではもちろんないわけでございますが、さような見方をされれば、まあ結果的には、まことに申しわけないことになったわけでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 いや、申しわけないと別にあやまっていただく必要はないんであって、私が申し上げたいのは、法務省としても、むしろそういう見通しの誤りというものがあったからこうなったんだというふうにお考えになっているとすれば、運輸省に伺いますけれども、運輸省としても、これは何も、ただ何でもないところに橋をかけるとかあるいは鉄道を引くというのじゃなしに、あれだけの、成田空港についてはいろいろな政治問題もあり、地元の農民の反対もあり、非常にもめたことでございますわね。それで、六十七国会の当委員会でも、その点について私からいろいろ質疑をしているんでございますけれども、にもかかわらず運輸省としてそういうお見通しを立てたということは、運輸省としての責任問題だと思うんでございますよ。そんないいかげんな——あれだけもめにもめた問題について一応見通しを立てて、その見通しが結局一年たってみたら全然狂ってしまったと、こういうことはちょっと運輸省の実際上そういう航空行政をやっていく上で大きな——何も法務省だけでなしにですよ、全体に与える影響というのは非常に大きいと思うんですね。運輸省からひとつその点について経過を伺いたいんですが……。

隅健三運輸省航空局飛行場部長

○説明員(隅健三君) 新東京国際空港の開港につきまして、運輸省といたしましては新東京国際空港公団に対しまして、いろいろその工事の実施その他等につきまして十分慎重に検討いたしております。で、ただ大体において場内の設備の完成がほぼ見通しがついた段階におきまして、千葉港頭から空港へ参りますパイプラインにつきまして相当の工事のむずかしさと申しますか、そういうもののあることがわかりまして、ついに今年じゅうに開港を見るに至らなかったわけでございます。この点につきましては運輸省といたしまして非常に責任も感じておりますし、各方面に与えました御迷惑について心からおわびをしたいというふうに考えております。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 これは、パイプラインのお話が出ましたけれども、私の聞いたところでは、パイプラインの問題があることと、それから滑走路の先にいまだに反対をしている人たちの鉄塔があるわけですね。それからもう一つは、私はやっぱり、防音に対する対策もまだ完全にできていないと、そういう点の話を伺っているんでございますけれども、一体パイプラインなんか、やはり——何という公団でございますか、正式の名前は。公団の仕事になるわけですか。——それじゃ一応そういう意味では、実際仕事を請負っていらっしゃる公団として、おそらく運輸省からはやいやい言われたであろうと。にもかかわらず結局開港できなかったということの具体的な経過と今後の見通しを伺いたいんでございますけれどもね。ということは、今度の法改正は、期限を切っていないということは、おそらく前車の轍を踏みたくないということから、期限を切らずに、こういう空港開設の日からということに一応していらっしゃるわけですから、一応、運輸省が督促したにもかかわらず、公団としてついに年内開港ができなかったという経過ですね、それから今後いつごろ一体開港できるお見通しなのか、それを公団のほうからお答えをいただきます。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) まず初めに、法務省あるいはまた直接の監督官庁である運輸省等に対して、空港の開港が私どもの微力のためにおくれて非常な御迷惑をおかけいたしておるということをおわびすると同時に、国民の皆さま全体に対してもはなはだ申しわけないというふうに感じております。  ただいま先生の御質問にあります、一体どうしておくれたか、それからまた今後の開港の見通しはどうかというふうな点について簡単にお答えいたしたいと思います。  まず第一に、私どもといたしましても、この年内には何としても開港に持っていこうということで、場内の工事の完成に全力をあげてまいったのでございますが、場内で現在行なわれております最も重点的な工事は、旅客ターミナルの内装工事と、それから貨物ターミナル・ビルの内装工事でございまして、それ以外の施設は、滑走路はもうすでにこの春完成を見ております。それ以外に場内の道路関係あるいは駐車場というふうなものも、おそくてもおおむねこの十一月末には全部でき上がるわけでございます。滑走路それからまた保安施設あるいはまた航空灯火というふうなものは、もうすでにこの夏には全部使えるような状況になっておったわけでございます。そういったことで、旅客ターミナル、貨物ターミナルの内装関係で現在若干おくれておるということが言えると思います。これは主として外国の航空会社が三十数社全部入ってまいりますので、各社のオフィスあるいはまたカウンター等についての面積あるいは仕様についての照会を出しておったんでございますけれども、なかなかそれが出そろわないというために、ターミナルの中の配管であるとかあるいは配線というふうな工事がおくれたために内装がおくれてきた。しかし、この内装につきましても、先ほど申し上げましたように、年内には大体完成する。今日、成田へ行ってみますれば、ほとんど外観的にはもうすでに空港はでき上がっておるというふうな状況になっております。  しかしながら、パイプラインにつきまして、千葉の港頭にはすでにタンクは埋設してあるわけでございますが、それからまた飛行場の中にもタンク並びに各航空機に給油すべきハイドラント施設も全部完成をいたしておりますが、千葉から成田までの四十四キロのパイプラインの建設工事が現在非常におくれておるということでございます。このおくれた原因につきまして、これは私どもとしても、まことに、やはり自分たちの見通しについて誤りがあったという点を反省しなければならないと思いますが、私どものほうは、実は飛行場建設に技術陣——これは土木あるいはまた建築に関する技術陣をほとんど集中いたしておりまして、パイプラインについては、私どもの施設関係の機械方面を担当する部局で、現在その設計、施工についての各方面との折衝、特に地元市町村に対する同意書を得るためのいろんな折衝等、今日までやってまいって、ようやくこの春、各関係市町村——これは千葉からまいりまして四街道、佐倉、酒々井、富里、成田、こういうふうな数ヵ市町村でございますが、ようやく了承をいただいて工事を始めた。ところが、その中に河川を横断する部分について、河川改修計画があるところについては、その改修計画に従ってシールド工法をやるようにというふうな御指示がございました。それからまた鉄道横断の部分につきましては、特に千葉市内について総武本線あるいはまた京成千葉線の横断をやはり並行してシールド工法でやるというふうな御指示もありまして、これが非常に難工事として工期がかかるということで、とうていこの年内には間に合わないという状況になってまいったわけでございます。この点については、私どもがパイプライン建設実施本部というものをこの春つくりまして、土木陣をあげてこれに投入した結果、各工区に分けてそれぞれ施工方法を検討した結果、判明してまいったものでございまして、この点は私どもとしてはまことに申しわけないというふうに存じております。そういうことで、これが非常に長引くという関係から、現在は鹿島港並びに京葉港からタンク車で成田まで持ってまいりまして、というのは、現在私ども十万平米ばかりの砕石の取りおろし場を成田市内に持っております。これが、もうほとんど場内の工事が終わりました関係で、砕石の取りおろし並びに場内への搬入がだんだん必要でなくなってまいります。そういう関係で、そこに暫定的に燃料の中継基地をつくって、そこから成田の空港の中まで運ぼうというのがいま暫定輸送の方式で、関係方面と折衝いたしております状況でございます。こういうことで、私どもが飛行場の建設に全力投入をしておったために、パイプライン関係についての十分な設計、施工の調査の若干甘かったという点については私どもはほんとうに深く反省しておるわけでございます。  で、今後の見通しでございますが、現在、暫定輸送につきましては、まず鹿島港を中継基地として成田まで貨車輸送をするという点について茨城県と懸命に折衝しておるという状況でございます。それからまた成田市におきましては、早期開港は賛成である、暫定輸送も賛成である、ただ、その土屋の砕石取りおろし場から場内への輸送はタンクローリーによらずして、暫定でもパイプライン——これはもう途中まで私どものパイプラインができておるわけでございますので、二・七キロ程度のものをつくればやれるわけであるから、成田市としては、暫定であっても成田市内の燃料輸送をパイプラインでやってほしいということで、そのほうの測量等も現在やっておる状況でございます。  以上のようなことでございまして、私どもとしては、何としても来年の春までには開港に持っていきませんと、現在もうすでに、先ほど申し上げましたように、飛行場はもうほとんどでき上がった状態になっております。来年の正月以降はそれぞれそのターミナルの中に入るテナント関係——売店であるとか、あるいはまた食堂であるとか、それ以外のいろいろな事業もそれぞれ中の内装を始めてまいるわけでございます。そういった方々の金融機関からの借り入れ金に対する金利負担というものも考えますと、私どもとしては一日も早くこれを開港に持っていきたいということで、いま全力をあげておるわけでございますが、ほんとうに私どもとしては、そういったいろいろな意味で御迷惑をおかけしていることを心からおわび申し上げたいと思います。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 いまの総裁の御説明で、事実経過はわかりましたけれども、総裁のいまのおことばの中で、結局そういうことが発生してくる一つの背景として、ただ公団は早く飛行場をつくり、早くパイプラインをつける、そのための技術的な検討はおそらくなさったんだろうと思うのですね。ところが、全体に、最初に申し上げましたように、成田空港の設置については地元民の大きな反対もあったわけですね。今度はパイプラインの敷設についてもやっぱり沿道の住民の反対がある。さっきのお話の鹿島港からの問題にしても、タンクローリーで運ぶことについての危険性に対する地元民の反対がある。だから、公団はただつくりさえすればいいのだというので、いままで非常に主観的にみずからの技術的な面だけを考えておいでになって、それが地元民にどういう影響を与え、地元民がこれに対してどういう反応をするかということをおろそかにしたことが私はおくれた最大の原因だと思うのです。そうは総裁お考えになりませんか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 御指摘の点につきまして、私どものほうとしましても、特に空港は、建設するだけでなしに、私ども公団が今後経営もやっていくわけでございますので、地元に対しては、私どもとしては将来永久におつき合いをせにゃならぬ立場にあるわけでございます。そういう意味において、私どもなりに地元の方々との対話、それからまた特に空港周辺のいろいろな問題について、たとえば農民の代替地の問題、あるいはまた今後の総合対策というふうな面について、できる限りの接触をしてまいったつもりでおりますが、先生御指摘のように、あるいは私どもとして足らない点もあったんじゃないかという点については、深く反省すると同時に、そういった面についても今後力をいたしていきたい、かように考えております。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 まあ、そういうお話があればそれで済ましてもいいようなもんでございますけれども、私はどうもまだ事の運び方として、技術的な問題、法律的な問題だけでもって処理をしていくいままでの経過がむしろ災いをしておるのだろうと思うのですね。成田空港の設置についてあれだけの反対があったということは、同時に、パイプラインの施設設置についても、もし成田空港がすなおにできていれば、あるいはパイプラインについてもそれほど問題にならなかったかもわからない。いろいろな因果関係があると思うのですね。それから、なおかつ、技術的に一応開港はしてみたけれども、今度は騒音問題で非常に地元住民が大きな迷惑をこうむるということになってくれば、やっぱり政治問題になってくるわけですね。だから私は、そこら辺について、公団のみでなしに、運輸省を含めて、どうもそういう点に対する配慮が非常に欠けている、だから事をかえってこじらせたり、拡大させたりして、おくらしているという面が非常に強いと思うのですね。だから、まあ今度は、法改正で期限を切っていませんから再度ということはないと思いますけれども、しかし、これは、こういう法律さえ成立さしちゃえばあとはどうなってもいいわということじゃ困るのであって、そういう点について、やっぱり単に技術論あるいは法律論あるいは経済論だけでなしに、あくまでやはり地元住民の生活の問題というものを十分考えた上でこういうものを計画していただかないと、こういう失態を演ずることになるわけでありますね。その点について、ひとつ時間もございませんので、法案そのものの内容は別にさしたる問題はないのであって、こういうことを引き起こした原因が今後再び繰り返されるのでは私は何にもならないと思うのです。だから特にその点を強く要望いたしまして、この点についての質問を終わりたいと思いますけれども、ただ、いまの総裁のあれでは、何か内装工事がおくれているというのは、これはちょっと問題ですね。これは別に何ということはない、これはまさに技術論的な問題であって、そんな見通しすら半年も狂っちゃったんだということは、私はむしろおかしいという気がするのです。  もう一つは、さっきのお話には出てきてなかったのですけれども、鉄塔除却の見通しなんかおありになるのですか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 御指摘の鉄塔の除却でございますが、これは滑走路の末端からわずか千メートルのところに約六十メーターの高さの鉄塔が立っておるわけで、そのうしろに、さらにもう一基立っておるわけでございますが、これについては、燃料輸送についての暫定輸送の見通しが立ちますれば、私どもとしては裁判所に対して撤去の仮処分の申請をいたして、執行官によって除却していただくというようなスケジュールでおるわけでございます。現在まだ、先ほど申し上げましたように、暫定輸送についての茨城県との問題、また成田市との問題、先生御指摘の沿道市町村との問題等もございまして、これを詰めた上で、千葉地裁に対する仮処分の申請をいたしたい、そういうふうに考えております。これが撤去できませんと、南側からするフライトチェックも、あるいはまた日本航空の慣熟飛行等もできませんので、開港はできないということになりますので、当然、燃料輸送問題のめどがつきますれば鉄塔問題ということになると思います。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 そこでも、どうも総裁のいままでのやり方の片りんがうかがえるわけでございますね。ということは、パイプラインについても、すでにもう地元住民との折衝に失敗して、千葉からのパイプラインがうまくいかないわけでございましょう。そのほうは暫定使用なり何なりさんざん苦心をしてくる。鉄塔除却については、これはもう強行手段でやるのですと。鉄塔除却について強行手段でおやりになることになれば、当然またそこで相当問題が起こるわけでございますね。だから、むしろ、いままで一年間の時間があったんですから、またこれからだって、おそらく半年くらい時間がかかるわけでございましょう、その間に十分話し合いでやっていくという方向をなぜおとりにならないのか。そこはおそらく騒音問題でも出ますよ、いまのような考えでいらっしゃれば、これは運輸省のほうにも伺いたいのです。そういう点についてどうお考えなんですか、一体。もう準備ができて、こうなれば、もうめんどうなものは全部強制的に撤去していくという考えでやっていけば、これはいままでの繰り返しになりますわね。

隅健三運輸省航空局飛行場部長

○説明員(隅健三君) 鉄塔除去につきましては、鉄塔を建てましたのが成田空港を決定いたしましたときの反対同盟、それから学生の建てたものでございまして、これに対する話し合いと申しますか、いろいろの接触は、公団のほうから聞きますと、これは並行的には続けておるけれども、非常に見通しは暗いという報告は受けております。運輸省といたしましては、やはり話し合いによってこの鉄塔の除去を行なわれることが最も望ましいということは十分承知をいたしております。また、できるだけそのような方向で公団に善処をするよう求めておりますけれども、非常にむずかしい問題があるように伺っております。  それから騒音対策につきましては、空港の建設あるいは管理というものの基本的な原点が私は騒音対策にあると思います。運輸省といたしましても、大阪の国際空港が、伊丹、豊中、あの十一の関係の市にたいへんな御迷惑をおかけいたしておりますので、われわれといたしましては、常に十分地元の地方公共団体あるいは地元の皆さまとお話し合いをいたしております。これは成田においても当然のことでございまして、運輸省といたしまして、公団に対しましては、地元住民とできるだけ話し合いをするように、また運輸省といたしまして騒音防止法の改正を次の国会で考えております。それで、人家の防音工事であるとか、あるいは土地利用計画であるとか、そういうようなものをして、できるだけ騒音直下には人が住まないように、あるいは、どうしても住まざるを得ぬときには防音工事をするというような方向での法改正を考えておりますので、そのように公団に対して指示をいたしたいというふうに考えております。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 大体こういったことの御説明はそういうことになるのでございますけれども、さっき公団の総裁のことばの片りんに出ているように、早くパイプラインの問題が片づけば鉄塔のほうはもう強制的に除去するのだということは、期せずしてことばから出ている。私は、全体の考え方として、どうもそういうふうな考え方、既成事実をつくって、それで強引にやっていくということが、ますます地元住民との対話というものをこじらしているんだと思うのですね。これは公団に対する要望でもあり、なおかつ、その監督官庁である運輸省に対する要望なんでございますけれども、いまの騒音防止もそうですよ。いまここでおっしゃっているけれども、おそらく、ぼくは、そうはいかぬと思う。これは実際になったら必ず問題出ますよ。そういうことはもうわかりきっているんです。この場だけそういうふうに言っておけばそれで済むんだということではないのですから、現実にそのために空港の開設が一年——半年以上もおくれて、こんなみっともない法改正しなきゃならないわけでしょう。だから、私は、ことばだけでそうおっしゃらずに、むしろ——ことばだって、いま言ったように、ちょっと裏返せば総裁のようなことばが出てくるのです。ところが、運輸省のほうはそうじゃない、これもなるべく話し合いで撤去するように公団を指導するとおっしゃる。そういう意味で、ここでもってそういうふうにことばでもって一応解決をなさっても、これは成田空港というのは相当な大きな空港であり、なおかつ、ジャンボやなんかみんな入ってくるわけでしょう。騒音問題というのは非常に重要問題でございますよ。騒音問題についてあらかじめ地元住民と十分話し合いもし、具体的な解決方法も提示し、準備をしていくということが、むしろ技術的な開港そのものの問題よりも重要だと思うのですよ。それを先に開港して既成事実をつくっておいて、あとから適当に、どけるものはどかせとか、あるいは多少継ぎはぎの防音装置をやるとか、そういう形では、うまくいかない。そういう考え方があるから地元住民と話がつかない。だから、これは質問じゃありません、要望ですが、たまたま昨年の国会で私が質問したのに対して、いかにも具体的な見通しがおありになるように答弁しておきながら、現実にはこういう改正をしなければならなかったということの原因がそこにあるというふうに私、考えますので、今後、ただ空港の開設を急ぐためにかえって禍根を残さないように、もうこれで法改正した以上、十分そういう万全の体制を期しておやりになることを、これは運輸省並びに公団に要望しておきたいと思います。その意味で法務省のほうもそういう点を十分ひとつ配慮なさって、この法改正のむしろ醜態ですね、こういうことはひとつ身にしみて感じていただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 時間がありませんから簡単に予備自衛官の手当の法案についてお伺いいたしますが、まず一番先に、私はこの手当のことを伺う前に、どうもいろいろ法律を続んでみてもはっきりしない点がありますから、その点をまずお伺いいたしますが、予備自衛官というのは、いまの日本の防衛計画の中にどういう位置づけになっておるのか、まあ予備自衛官の任務は何か、それをまずお伺いいたします。

箕輪登自由民主党防衛政務次官

○政府委員(箕輪登君) 先生御承知のとおり、予備自衛官は訓練招集並びに防衛招集に応じなければならない義務を持っております。さて、その任務でございますが、訓練招集を受けた予備自衛官は、予備自衛官としての資質を養うとともに、必要な知識及び技能について復習を行ないます。練度の維持をはかると同時に、必要に応じて新規の事項を習得させることを目的といたしまして、年間五日間、内外情勢や自衛隊の現状等の訓育あるいは体育訓練、特技職に応じた訓練などを定められた駐屯地において実施をいたしております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 いまのことは書いてあるのですね、法律に。訓練を受ける目的の予備自衛官を設置しているということが、どうも私はおかしいので、別の目的があって、その目的を達するために訓練をするというなら話はわかる。予備自衛官の任務は何かというと、訓練をして予備自衛官たるの資質を確保するために、これが任務でございますと言われたんじゃ国民ははっきりしない。何のために訓練をするのかという予備自衛官の任務を聞いているのです。

箕輪登自由民主党防衛政務次官

○政府委員(箕輪登君) 先ほど申し上げましたように、訓練招集と防衛招集がございますが、予備自衛官は防衛招集を受けた場合には、これは自衛官になります。したがって自衛官と同じように防衛の任務を持つわけでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 それが第一の目的である、そうだと思うのです。そういたしますと、まず、この予備自衛官というものは、いろいろな点で問題が出てくると思うのですが、これはあとで四次防の問題で問題になると思う。防衛招集を受けた場合には自衛官になる。そうすると、防衛招集を受ける場合はどういう事態なのか。ということは、防衛庁自体は、いつ、どういうことがあっても発動できるという訓練を盛んにしているわけですから、そうすると、予備自衛官の防衛招集のための、どういう場合にはどうといろ計画があるだろうと思います。その概要について御説明をいただきたいと思います。

箕輪登自由民主党防衛政務次官

○政府委員(箕輪登君) 防衛計画は毎年々々これを検討することにいたしておりまして、その年度において考えられる国際情勢その他いろいろな複雑な要素を勘案いたしながら防衛計画をつくるわけでありますが、予備自衛官の招集等についても、この年度年度の防衛計画の中で検討されることに相なっております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 本年度の防衛結集計画は、何万名くらいを、どこにという計画になっておりますか。どなたでもけっこうです。時間がありませんから、どなたでも、担当の局長さんでもいいです、答弁は。

箕輪登自由民主党防衛政務次官

○政府委員(箕輪登君) 本年度の防衛計画については、陸上においては、いま三万六千人の予備自衛官がおりますし、海上においては三百人の予備自衛官がおりますが、これらに対して訓練招集をいたすべく計画を実施いたしております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私が伺っておるのは防衛招集です。毎年毎年防衛招集の計画を立てていらっしゃると言うから、じゃ、そういう事態が起こらない、招集しないで済む場合もあるでしょう、防衛の場合には。招集したか、しないかじゃなしに、今年度はどういう——毎年の国際情勢や何かで計画を立てるとおっしゃるから、本年度は何人ぐらい防衛招集の計画を立てておられたのか。やる、やらな  いは別です。その計画を伺いたい。

箕輪登自由民主党防衛政務次官

○政府委員(箕輪登君) 事務当局から答弁させま  す。

伊藤圭一防衛庁防衛局防衛課長

○説明員(伊藤圭一君) ただいま御質問ございましたが、ことし、じゃあ何人招集して、どういうふうに使うかというふうな御質問でございますが、何人といいますと、いろいろな事態を考えますと、いま法律で定められております三万六千人と三百人を招集して、まあ次のようなところに使うというようなことを計画いたしておるわけでございます。といいますのは、御承知のように、予備自衛官制度ができましたのは自衛隊ができたときでございます。で、これは各国の例を見ましても、現在の自衛官だけで国の危急の際に任務を果たすということは不可能である、したがって、どこの国でも予備勢力というのはあるわけでございますが、それに該当するものといたしまして予備自衛官制度というものをおきめいただいたわけでございますが、これは御承知のように、有事になりますと、どちらのほうから侵略があるかわかりません。しかし、その方面に現在の自衛官の大部分を、主力を注がなければならないわけでございます。したがいまして、現在ございますそれぞれの師団の——いまある部隊の所に、まあ留守部隊といいますか、そして、その地方のゲリラ的な侵略なんかに備えるというようなことが一つございます。それから御承知のように、有事になりますと、いわゆる戦闘をやるためには現在のような補給体制ではとても足りないわけでございます。したがいまして、そういう補給面の充足、そういったものにこの予備自衛官を当てるというような考え方をとっているわけでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 これも時間がないのであまり詳しくはお伺いいたしませんが、私は、この予備自衛官の発想に——いま課長が答弁されましたように、大体どこの国でも予備勢力を持っているから日本も予備勢力を持つんだという、この発想に多分にぼくは危惧を感ずるんですね。日本は戦力を持たないと、こういうことになっているわけです。よその国で持ったから日本もという、直ちにそういう言い方を最近平気でおっしゃいますけれども、まあ大臣であれば文句言うところだけれども、あまり文句も特に言いませんけれども、そこから発想して出発した予備自衛官であるだけに、非常にいろいろな矛盾があるんじゃないか、いまの憲法なり日本のあらゆる制度上からですね。そういう点をまず私は感じている。いずれ、この問題については、しかし、このあと、どうせ四次防問題で詳しく議論する機会があると思います。それに譲りますが、一応いまの考え方は、説明としてはわかったと、中身について賛成という意味じゃありませんけれども。  そこで、次に私がお伺いしたいのは、まあ、そういう発想でいま予備自衛官というのが三万六千名ですか、それにあと三百名か、ある。その現在ある予備自衛官の現状といいますか、たとえば、どういう職業にいまつかれておって、そして現在どういう専業をやっておりながら予備自衛官の任務を果たしておるのか、これは現状を少し御説明いただきたい。

高瀬忠雄防衛庁人事教育局長

○政府委員(高瀬忠雄君) 現在予備自衛官は、本年の八月末で、先ほどお話しのように定員三万六千三百名、陸海合わせましてあるわけでありますが、それに対しまして三万五千百十九名というのが八月末の現員でございます。  その職業別につきまして御説明申し上げたいと思いますが、具体的な人数がございませんでパーセンテージで申し上げたいと思います。陸海を一緒にいたしまして申し上げますと、農林業に従事しておる者が一二・八%、それから漁業が〇・四%、鉱業が〇・八%、それから建設業が六・五%、それから各種の製造業で働いている者が二八・四%、それから商業の関係が一一・七%、運輸、通信、そういったいわば公益事業といいますか、そういったところに働いております者が一五・六%、その他のサービス業が一二・八%、それから公務に従事しておる者が五・〇%、その他が六・〇%というような割り振りになっております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そこで私は扱いをちょっとお伺いしたいのは、いまのような職業分布になっているわけですね。そうして、その予備自衛官の扱いの中に、これは自衛隊法の七十三条ですか、不利益な待遇を受けないという、ここに規定をしてあることと、いまの職業についていることとの関係ですね。先ほど次官が、年間五日間、訓練招集をしているとおっしゃいました。ところが、どうも私がこれを読んでみると、年二回以内、そうして二十日間と、こうなっているじゃないですか……。「一年を通じて二十日をこえないものとする。」、だから五日間ですね。ただし、この人たちが防衛招集を受けるということになれば期間がないわけでしょう、防衛招集の場合には。そういたしますと、特に、雇用関係にある人に不利益な処遇を受けないのだということがきちっときまっておる。そういう場合の雇用者との関係はいまどうなっているのか。たとえば運輸、交通関係ということになりますと、国鉄の機関士なら国鉄の機関士が予備自衛官になっておる、その場合に、招集を受けるときは、当然国鉄側のほうでは、その機関士の、逆に言ったら欠員——招集に行った間の補充というのは手当てがついているのかどうか。あるいは中小企業に就職している人たちは、招集を受けた期間の賃金というのは雇用関係からもらうことになっているのかどうか、その辺はどうなんですか。

高瀬忠雄防衛庁人事教育局長

○政府委員(高瀬忠雄君) いまのように予備自衛官はそれぞれ職業を持って、それぞれの企業なり会社につとめておるわけでございますが、その間におきまして、実は予備自衛官は訓練招集——いまは年間五日、訓練招集に出てくるわけでありますけれども、そういったことにつきまして、休暇をもらってくるとか、あるいは休暇の場合におきましても有給であるとか、有給でないとか、いろいろ事情があると思いますけれども、その企業主の理解がない場合には、非常に招集に応ずるというのもなかなかむずかしい。そういうことがないように、日ごろから予備自衛官である者を雇用していただく、そういうところに対しましては、本人は予備自衛官であると、それで、予備自衛官というものはかくかくの者であるので、こういう場合にはよろしくお願いいたしますというようなことで、雇用者と予備自衛官の間の相互理解といいますか、そういった話し合いは十分いたしておきまして、そうして訓練招集にもつつがなく出るというような関係をできるだけつくり上げまして、そうしてスムーズに訓練招集に応ずるというようなことにお願いをするというふうに考えております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 訓練招集の場合はまずそれで五日間ということになれば話はわかるとして、二十日間をこえないことに法律にきまっておるから、二十日までは可能性がある。そうすると、いま有給休暇という話が出たけれども、二十日間が限度だ、それはそれで限度としても、防衛招集の場合には期限というのはないでしょう。防衛招集の場合にも何日をこえてはならないという制限があるんですか。私がどうも調べてみた限りでは、それがない。そうすると、有給休暇というものをみな使っても足りないということになる。しかし、そういうような状況にしておいて、一方では——いま話し合ってうまくいっていると言っているけれども、七十三条は「何人も、被用者を求め、又は求職者の採否を決定する場合においては、予備自衛官である者に対し、その予備自衛官であることを理由として不利益な取扱をしてはならない。」、できっちりきめられておる。そうすると、いつか半年いなくなるかもしれないけれども、予備自衛官が就職を求めてきた場合には、それは困ると言えないということが法律で国民を縛っておるわけですね。これはどういう意図なんですか。

高瀬忠雄防衛庁人事教育局長

○政府委員(高瀬忠雄君) この七十三条の規定は、予備自衛官を採用するその企業、雇用者に対しまして、国として、そういった不利益な取り扱いをしてもらっては困るという考えをここに書かれたものでございますが、ここで不利益な取り扱いというのは、給与上の問題とか、そういうことじゃなくて、身分上不利益な取り扱いをしない、あまりそれによって差別待遇をするとか、そういったことのないように、国としては企業にお願いをしたいというのが、この規定でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 だから、そのことを言っているんですよ。採否にあたってはと書いてある。採用するかしないかというときに、予備自衛官はいつか半年も連れていかれる危険性があるから、できるだけ敬遠したいというような、そんな不心得起こしちゃいけませんぞと、国民に、こう縛っておる。いまの、この法律の意味の説明はわかるんですけれども、そういう点が、特に防衛招集が主目的であるということから、さっきも私は予備自衛官の発想というところをちょっと申し上げたけれども、そういう問題ともかかわって、ここに問題が一つあると思う。  それからもう一つは——時間がないからはしょりますけれども、もう一つは、いろいろな適用除外があるんですね、自衛隊法の中に。予備自衛官には、適用するという問題がそれぞれ除外されていること。そのうちの一つに政治活動がある。そこで私は端的にお伺いいたしたいのは、政治活動は自由を保障されておるわけですから、予備自衛官が。そして、どんどんどんどん定数がふえていく。いまのところ三万六千人と言っているけれども、もっとふやそうとしてひっかかっている意図はちゃんとわかっておりますから——そういう人たちの政治活動の自由を保障されているわけですが、たとえばあるAならAという人が議員になった、その議員になったときに招集を受けると、招集を受けなければ処分をされるわけです。処罰を受けるわけです。五日間という場合には一回ぐらい欠席してもということが内々話があったにしても、防衛招集がかかったら、その人は議員活動と防衛活動とどちらが優先するんですか。

高瀬忠雄防衛庁人事教育局長

○政府委員(高瀬忠雄君) ただいま自衛隊法の適用除外の条文を御引用になりましたけれども、この規定によりますと、七十五条の第二項で、もちろん、議員である者が、村会議員なら村会議員である者が村会議員の身分のまま防衛招集命令を受けて自衛官になるわけでございますが、そういった場合に、その身分は保有していいわけでございますけれども、この規定によりますれば、政治行為、政治活動というものが禁止されておりますので、そういった政治的目的を持った政治的行為というようなものはできないというふうになっております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 政治活動が禁止されておるというのはほんとですか。自衛官は政治活動が禁止されるのですか。

箕輪登自由民主党防衛政務次官

○政府委員(箕輪登君) 予備自衛官は普通時におきましては政治的には自由であります。訓練招集、現在行なわれておる五日間は、これは政治的には中立を守ってほしい。また防衛招集を受けた場合、先ほどから先生そのことに力点を置かれてお聞きのようでございますけれども、申し上げますが、これは完全な自衛隊隊員になってしまいます。したがって、御承知のとおり、自衛官でございますから、政治的には中立性を守る、こういう義務になっておるわけであります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そうなるはずだと思うのです。そこで平時の場合、それから非常の場合——非常の場合といっても、日本の憲法が示しているように、平和路線というものはさまっているわけです。そういうときに、政治活動を保障されておったその自衛隊予備自衛官が防衛招集を受けたために、議員なりあるいは政党の幹部なりという、それは一ぺんに失ってしまうわけですね。要するに、自衛隊の防衛活動のほうが国民の権利よりも優先しているというところが、ここに出ている。これはどうも私は憲法違反の疑いがありはしないかと思う。この点についても、きょうはもう私の時間もなくなりましたから、問題として私はそれを指摘しておきたい。憲法違反の疑いが十分にある。これはきょうは問題の指摘だけにしておきまして、あとでまた機会を見てこの問題を突っ込んでまいりたいと思います。  それからもう一つ、政治活動を保障しているという中にも最近非常にこの問題が出た。それは、さっきの憲法違反というのは、軍が政治より優先してはいけないということになっているのに、いまの条項では、軍が政治に優先をしているということに私は憲法違反の疑いがあると、こう申し上げた。今度はその問題は別にしまして、日常の場合の政治活動の自由が許されておる。予備自衛官になりますと、服務の宣誓をするわけですね。もちろん服務宣誓には、政治活動云々とか、そういうことは一切触れておりません。触れてはいないけれども、そういう服務の宣誓をして、いわばいまの自衛隊のOB群ですか、そういたしますと、たとえば、しばしば最近問題になっているようなある地域の自衛隊関係、防衛庁関係のそれぞれの行動なり計画なりと地域の住民との利益が相反する。そうして、たとえば市町村議会議員がそのことに対する反対議決をするということが盛んにあるわけです。そういう中に入って、その人はその議員として押し込まれていけば、そういう議会活動に対しての先兵がそこに送り込まれたという形にもなってくる。それは私は法律的に変な論理をいじくり回すように聞こえるけれども、その人がいなくても、何べんかここで指摘いたしましたように、市町村議会に圧力をかけている例がある。防衛庁なり自衛隊なりが、反対するとためになりませんぞといったような、その先兵がその中に送り込まれていることにもなる。こうなってくると、私は、ほんとに将来自衛官としてあるいは防衛招集を受けた場合には政治活動が禁止されるんだ、それだったら初めから政治活動というのは制限しておくべきではないか、制限されておる職種の人たちがいるんだから。どうもその辺、私は、この点は非常に問題がここにも存在をしておる、そういうふうにも考えます。  そうしてもう一つだけ私が伺いたいのは、こういうようなところにいままでの手当が千五百円、これを二千円に今度値上げをしたい。こういうのですけれども、一体そうなってきますと、たとえば雇用関係においては不利益な扱いを受けない、そういうことを法律できめておいて、そうしておいて、また予備自衛官の手当を別途法律できめている。この予備自衛官の手当というのは一体どういう性格を持っておるんですか。

箕輪登自由民主党防衛政務次官

○政府委員(箕輪登君) これは生活を保障する手当という意味ではございませんで、いま申し上げた訓練招集だとかあるいは防衛招集に応じなければならないという義務を負荷しておりますので、そうした精神的拘束に対する対価と私どもは考えているわけでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 それはもらっている人は、金もらわぬでもそういう待遇を受けておれば、あるいは自覚を持っているだろうと思うので、どうもいまや千五百円を二千円に上げることに血道を上げているという気持ちがよくわからぬですよ、私もほんとう言いますと。これは別に五百円上げたから、下げたからどうということじゃなくなっておると思うのです。ただ私は、もしそういうことなら、さっき言ったようにすきっとしておいて、政治的な権利等もきちっとしておいて、そのかわり、招集があったら、招集の場合にそれこそ正規の手当なり日当なりというものを出したらいいだろう。ところが、一般の旅費法による日当の半額とするなんというやつが一方においてはきまっている。なぜ予備自衛官だから応召した場合に日当は半分でなければいけないのか、どうも私はその辺をわからない。その辺をきっちりしておいて、日常は差別待遇を受けないのだから、手当なんかなしにしておいて、そして招集したら自衛官になるなら、自衛官になるときの権利なり義務なりというものをきちっと与えておく、そういう整理というものが必要じゃなかろうかと私は思うのですけれども、時間がありませんから、これで質問はやめますけれども、私がさっきから指摘をいたしましたように、どういたしましても、予備自衛官制度というのは、いま伺っただけでも、私が問題を指摘しただけでも、どうも戦前の、かつての陸軍、海軍——軍が日本に正式にあった時代の、あのころの兵役制度というものが頭にありはしないか。そうして軍が優先するのだという思想がこの中に入っておる。そうすると、いま新しい憲法のもとの社会構造の中では、どうしてもマッチしない存在だ、これは。そういう点で幾多つじつまが合わないだろうという点を私はきょう指摘したにとどめます。こういう点ではやっぱり再検討してみる必要がありはしないか。私は問題提起だけできょう質問を終わっておきますけれども、どうもいまの御答弁と、それからこの法案を読んでみた関係で私自身はすっきりしない、こういうことだけを申し上げて、質問を終わります。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 午前の審査はこの程度といたします。     —————————————

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、沢田実君が委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。  午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時五十四分休憩      —————・—————    午後一時三十五分開会

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  午前に引き続き、これより質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言願います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 午前中の質問の中で、公務員の労働基本権の問題が質問の中に一部出たと思うのですが、それに関連をいたしまして二、三ちょっとお伺いしておきたいと思うのです。  一つは、今回、総評がILOに対して春闘の処分やスト権回復の問題について、これは提訴いたしました。これに関しまして、政府に対してもILOのジェンクス事務局長から提案がありまして、新聞報道によりますと、総評、政府ともにこの問題については受諾をした、こういうふうになっているわけでありますが、この問題につきましては、私たち前々から、この公務員の労働基本権という問題は非常に重要な問題である、こういうぐあいに考えまして、この委員会でも、私は給与の問題等が出る場合必ずこの問題を一回は取り上げて質問する、そういう姿勢でずっとやってまいりました。しかし、なかなかこの問題が解決しない根源というのは一ぱいいろんな問題があると思いますけれども、とりあえず一応来年の二月をめどとして政府と労働者側との直接協議をして解決する方向というのは出されているわけですけれども、これについてはどういうふうな姿勢でいらっしゃるのか、ちょっとお伺いしておきたい。

小宮山重四郎自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(小宮山重四郎君) ジェンクスILO事務局長の提案、サゼスチョンということばを使っておりますけれども、労使両方で話せという提案については政府も異存がございません。しかし、これはもう少し詳しい情報を得た上で、どのレベルで話すかというような問題もございます。この点は今後詰めていく問題だろうと思います。で、政府もそういう提案を受けましたので、誠心誠意今後とも話し合いに応じていきたいと考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それは誠心誠意わかるんですけれどもね。これはもうちょっとそれじゃお伺いしておきますが、この公共企業体の争議権の問題について、政府が最近九月の二十一日ですか、私の手元に入っておる資料によりますと、参議院の運輸委員会で、山下官房副長官が政府の統一見解というのを発表したと、こういうふうに聞いておりますが、これはどういうことですか。

小宮山重四郎自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(小宮山重四郎君) 官房副長官の御発言の要旨は、公労法制定以来二十余年を経過して、かつ内外の情勢も法制定当時から大きく変化してまいりましたので、したがって、今日の実情に即して公企体の労使の関係の基本はいかにあるべきかということを公制審に諮問しているということを述べたのでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いま副長官おっしゃいましたように私も聞いております。基本的には、結局、公務員制度審議会に対して、今日の実情に即してすみやかに結論を出すことを期待する、か、そういうふうなことらしいのですけれどもね。これは副長官、公務員制度審議会に対して圧力をかけることはできないとか、いろいろな問題をおっしゃったらしいのですが、これはそういう話は通用しないわけですよ、ほんとを言えば。なぜかっていいますと、公務員制度審議会のメンバーの中には、これは政府側の委員としているわけですよ。どういう方がいらっしゃいますか。

宮崎清文総理府人事局長

○政府委員(宮崎清文君) ただいまの公制審の委員の構成は、御指摘のように三者構成でございまして、その中には、いわゆる中立委員、それから労働側を代表する委員、それから使用者側を代表する委員となっております。そこで、御指摘の使用者側代表委員でございますが、現在六人の委員がおられまして、いずれもかつて公務員等であられた方でございます。具体的にお名前申し上げますか。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いや、いいですよ。  したがって、いま話も出てまいりましたように、これは要するに半数は、これは労働者側というよりも政府側の委員がいるわけですよ、現実の問題として。それで、この間から、第二次の答申を見ましても、結局、並列というようなことで、労働者の委員と両方側を並列して、それで終わったということになっているわけですよね。そういうようなことからいいましても、これはやっぱり国際的な問題として、これはもうスト権というものは認める方向でいくべきだと、私はそう思うんです。政府側の見解というのがやっぱりそういう方向でないといかぬと思うんですよ。たとえば、先ほどの、副長官がおっしゃった、政府の統一見解らしいものを副長官が発表した。この内容を見ますと、公務員制度審議会が、「今日の実情に即して、」というんですから、やっぱり「今日の実情」というのは、いままではもうがちがちで全然だめということだったわけですよ。ということは、「今日の実情に即して、」すみやかに結論を出すことを期待するというのは、もういままで、今日までがちがちであったその政府の姿勢というものが、多少なりともこれはゆるむ可能性を期待していらっしゃるのかどうか。これは直接そうだとか、ああだとか言えないかもわかりませんけれども、私はこのあれからいっても、そうじゃないかと思うんですがね。副長官、どうですか、これ。

小宮山重四郎自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(小宮山重四郎君) 先生のおっしゃる意味、わかるのでございますけれども、中立の審議会でございますので、「今日の実情に即して、」という意味は、やはりこれも解釈するのは公制審のほうの判断によるということしか言えないと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そんなこと言うたらあかんわ。要するに、「今日の実情」ということは、政府はどういうことを考えて「今日の実情」とおっしゃっているんですか。「今日の実情」というのはどういうことなんですか。

小宮山重四郎自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(小宮山重四郎君) 「今日の実情」とはどのように評価するかというような問題でございますけれども、これもいま述べましたように、公制審の公正な判断を待つ以外ないと思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そんなことで——私はきょうは非常に時間がありませんでしてね、議運がありますので、それに行かにゃいけませんから、押し問答していられませんけれども、いずれにしても、これは副長官、いろいろありますけれども、それは確かに公務員制度審議会というものがありまして、そこでちゃんとやるべきであろうと思うんですけれども、現在の実情から考えまして、やはり政府の決断にかかっているわけですよ、結局は。ぼくはそうだと思うんです。そういう点から考えましても、現在の給与体系、いろんな問題から考えましても、私は、これは当然公務員の労働基本権というものは、ここで、まあ全面的に認めるとか認めないとか、そういう問題、議論は別にいたしまして、何らかの方向でやっぱり検討をすべき時期にきていると、私はそう考えるんですがね。どうですか。

小宮山重四郎自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(小宮山重四郎君) 先生の御意思はよくわかるのでございますけれども、四十年以来、公制審を中立的な審議会として動かしておりますので、政府といたしましては公制審の判断を待つ以外にございません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それはわかるんですけどね。それはわかるけども、政府としてももうこれは検討せにゃいかぬ時期にきているんやないかと、こう言うているわけです。検討する時期にきているんやないか言うているわけです。検討する時期にきているから、政府も公務員制度審議会に対して諮問をしているわけでしょう。このところはわかってもらいたいと思うんですけどね。  もうあんまり時間ありませんので、もう一つだけ総裁にお伺いしておきたいと思うんですが、この問題についても、総裁、これはもう給与の問題につきましては先般から相当質問もありましたし、人事院の勧告のあとの質問でもやりましたので、きょうはもう簡単にしておきたいんですが、先ほど四月実施以降の基本的な問題についても御質問があったようであります。そこで、今回の四月実施を機会に、今後給与制度の全般にわたって検討をする、基本的な検討をされるというのが総裁のもともとの御意見だと私は思うんですが、先ほど同僚議員の質問のときに、今後は内部の合理化とか矛盾点について力を入れていきたい、こういうような答弁があったということなんですが、ここら辺の内部の矛盾とか合理化とかいう問題、これは、確かに給与表そのものについてもいろいろな問題がありますし、現在出てきているいろいろな矛盾点というのは私はあると思うんですが、ここら辺のことについて総裁は具体的にどうお考えなんですか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 「内部の」ということばは使いませんでしたけれども、大きく分ければ官民格差主義の問題が片やあります。と同時に、俸給表あるいはその他の面で問題点があるかどうかということを勉強してまいりたいと、そういう意味で申し上げたのであります。これからの勉強によることではありますけれども、現在われわれが一つの意識として持っておりますことは、大きなことを申し上げますというと、午前中もお話が出たんですが、たとえば、職階制というものが法律的にはわれわれに対する一つの宿題として課せられておると。これが給与あるいは任免、任用その他のやはり根本になるということから申しますというと、やはり職階制のほうの確立について勉強していかなけりゃならぬと。現在もそれを進めておるわけです。そういう点が一つでございますが、たとえば、こまかい例で申しますというと、先回、報告で指摘しておりましたように、調整額の性格の問題とか、あるいはまた教員の給与の三本立ての問題とか、そういうふうな面ではたくさんあります。その両面あわせて——根本的な面とそういった具体的な面をあわせて勉強してまいりたいという、一言にして申し上げればそういうことでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 総裁ね、人事院の性格ということもありますけれども、給与制度というのは、公務員にとりましても、また労働者全般にわたって非常に私は重要な問題だと思うんです。現在、世界的に見ましても、先進国の中では日本の給与というのは非常に安いんじゃないかと思うんですよ。何とかもうちょっと大幅な引き上げというか、そういうようなことは考えられぬものですかね。これは、実は、尾崎給与局長は、「日本労働協会雑誌」という雑誌の座談会で、十月号ですが、その中でちょっとおっしゃっているんですが、「人事院制度というのは、大事なことは運用の問題であって、人事院制度をもっと労使関係の上に十分働かせていくというためには、それこそいろんな問題の先取りと事態の進行彼」が必要だと。こういうような発言があるわけですが、確かにこれは、いままでやってきたように、民間追随とかそういうことだけじゃなくて、もっと抜本的に、何というか——いままで重箱のすみを突っつくみたいな改正といいますか、給与表にしましても何となくおかしな給与表をつくってきたり、ワク外とかいろいろな問題一ぱいありました。そういうような問題だけじゃなくて、公務員の給与というものをもっと抜本的に改正をすると。そしてもっと大幅な引き上げをやると。こういうようなことについて何らかの方法といいますか基準といいますか——人事院そのものがいろいろなものに追随するというのも、民間に追随するというのも私は大事だと思うんですが、しかし、民間に追随するだけでなしに、人事院がそれを先取りし、先にやって人事院の勧告に従って民間の給与が上がってくると。上がることについては私はいいと思うんですが、確かに公務員だけが給与が高いというふうに言われても困りますが、現在の状況では全般に低いわけですから、これは議論の余地もないくらい低いわけですから、そういう点では、人事院として、給与制度のあり方という問題についてもっと抜本的に考えるべきじゃないかと思うんですが、ここら辺の問題について総裁どうでしょうか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 給与局長の、いまの御引用になりましたことは、実は私がかねがね先取り精神でいこうではないかと言っておりましたのを先取りして(笑声)申したと思います。まさに私どもその精神でおります。ただ、いまの公務員の給与をよくしようという面がそれにつながってまいりますけれども、ただいまのおことばで、いまの民間追随主義に対する御批判もあります。ただ、私どもは、午前中ちょっと触れたのでありますけれども、やはり確かに外国、ことに欧米の公務員給与とわれわれのおあずかりしております公務員の方々の給与と比べますと、これは断然低いんです、ということを私ははっきり認識いたします。したがって、それに合わせたいという気持ちを持っておることも申し上げるまでもございませんけれども、ただ全般の賃金水準と申しますか、公務員以外の一般を含めての賃金水準がこれまた低いと私は思います。したがいまして、それらも含めての、それらとの関連におけるこれは問題だというふうに把握いたしませんと、先取りではなしに先走りということになるという問題を一面においてははらんでおりますから、われわれとしては慎重ならざるを得ないわけでありますけれども、しかし、先ほど申しましたようないわゆる先取り精神によって、そういう点もあわせて勘案しながら適当なところへ持っていきたいという気持ちでおるわけでございます。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 先ほど実は総裁のいろいろ高邁な御説を拝聴して、ちょっと質問を二つばかり聞き飛ばしたものですから。  これは質問というより要望でございますけれども、寒冷地手当の問題ですね。この前の、八月の勧告後のこの委員会のお話で、この勧告が済んだら、なるべく従来の八月中に出したいというお話だったけれども、現実には出ていない。昨年は雪が降らない冬だから、どうも寒冷地手当がすなおにできなかったということで延びていますね。これは、ことしは雪が降ればいいですけれども、雪が降らないことだってあるわけですね、だから、やはり寒冷地手当の問題についてできるだけ早く勧告を出していただきたいが、その点はどうかということと、それからもう一つは、特地勤務手当の問題で、沖繩の本土復帰に伴って、従来、奄美大島に属している与論島、徳之島、沖永良部島の特地勤務手当が、まあ沖繩が返ったからということでしょう、いままで南へ行くほど高くしていたものを、沖繩が歯どめになって一級下げるという何か規則をおつくりになっているということでございますけれども、これは別に行政管轄が変わったわけじゃないし、いずれにしても、現在もらっているのを下げるということは、個々のこまかい理屈からいけば成り立つかもわからないけれども、結局、御本人にすればもらっている全体の給与で生活をしているわけですから、それはやはりダウンになるわけですよ。だから、ぼくは、そういうあまりこまかい理屈でなくて、沖繩が返ってもっと南に島ができている、沖繩との関係もあるからということでもし一級下げるというお考えなら、この下げるという操作はやめていただいたらどうなんだろうかということなんです。この二点だけ要望を兼ねて御意見を伺っておきたい。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 寒冷地手当の問題は、かねがね研究しておるということは申し上げておりますけれども、だんだん煮詰まってはおります。ただ問題は、基本的な問題についてはどうしてもまだ色よい結論は出ません。おそらくこれはちょっと無理だろうと思いますが、たとえば級地の区分その他の問題での合理化と申しますか、その点についてはいま盛んにピッチを上げてやっております。近いうちに御勧告ができるのではないかと思っております。  あとは給与局長からお答えさせます。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 特地手当いわゆる隔遠地手当の問題でございますが、これは従来、西南諸島におきましては、鹿児島を基準にいたしまして沖繩のほうに向かってだんだん高くなっていくという形で、与論島、沖永良部、徳之島というところが一番高くなっているわけでございますけれども、今度沖繩が復帰してまいりまして、沖繩で従来やっておりました特地手当を一応継承するということでいま暫定的に入れておるわけでございますけれども、これは那覇という三十万の相当の都会を基準にしまして、そして西のほうの宮古、石垣のほうに向かって高くしていくという面が一つと、それからこちらのほうに向かいまして、何といいますか、すぐ隣の与論島、沖永良部、それから徳之島という形の、那覇からすぐ隣の島になるわけでございますけれども、そういう関係をずっと全体として見渡してみますと、たいへん不均衡な事態になっているわけでございます。復帰後は那覇等沖繩本島からも沖永良部島には交通が非常によくなってきつつございますけれども、そういう意味合いで、やはり那覇を基準にして正確にやりますと非常に落ちることになるわけでございますが、当面は復帰直後の交通事情を考慮いたしまして、とりあえず一段階くらい調整をすることによって沖繩関係の間の部内の均衡をはかっておかないと、中でいかにもおかしな関係になるという関係にもなりますので、ただし保障措置は十分講じてまいりたいということでいま検討をしておるわけであります。

水口宏三日本社会党

○水口宏三君 ですから、そういう理詰めでいけばそういう点でもわかるけれども、給与というものは特地勤務手当が幾らで何が幾らということで別々に使っているわけではなく、もらっている給与で生活をしているんです。別に行政管轄区域が変わったわけではないので、必要があれば鹿児島に出かけなければいけない場合もあるわけです。そういうことで給与というものは下げるという操作は元来やるべきではないと思うんですね。そういう意味で、いま給与局長が言ったような観点からも理屈は成り立つけれども、給与というもののあり方、実情からいって下げるという方向はなるべく考えるべきではないという気がいたしますので、これはもう一回ぜひ御考慮いただきたいということを要望いたしておきます。     —————————————

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、田中茂穂君が委員を辞任され、その補欠として岩本政一君が選任されました。     —————————————

中村利次民社党

○中村利次君 ことしの人事院勧告が、たいへんにいままで議論が多くて要望の非常に強かった四月実施の勧告に踏み切られた。それと、短期従事の問題も、これは私の質問に対して、総裁は、前向きに検討したいという御答弁があったんですが、これは勤勉手当が十月一日から改善をされるようであります。そういう当然のこととはいっても、懸案事項を前向きに解決されるという点に対しては、私はそれなりに評価をして敬意を表したい。  短期従事の問題は勤勉手当のみではなく、ついでですからお伺いしますけれども、これはやはり期末手当本体そのものも一貫した関連を考えますと、当然改善されるべきであると思いますが、その点やはり引き続いて前向きに検討されるのかどうか、まずお伺いしておきたい。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 期末・勤勉手当そのものの問題でございますか——そのものの問題は、やはり基本的にさかのぼればいろいろ議論のあるところであると存じますけれども、これは今後の検討の問題といたしまして、現在のところでは、現在の期末、勤勉の二本立ての制度、そうしてその実態については、やはり民間の場面を見きわめた上で調整をとりながら、それとの均衡をとりながら措置をするということが一応ひとつの行き方であろうという気持ちは持っておりますが、その点について、別にいま、こうしたらというようなかわりの案というものは期末、勤勉については持ち合わせておりません。

中村利次民社党

○中村利次君 総裁、ちょっと私の質問を誤解されているのではないかと思うのですけれども、私は短期従事の取り扱いについては、この前も質問をしましたし、それから、これは民間と比較をしてはなはだしく当を得ない面がありますから、そういう点で質問しているんです。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) それは、もう大体われわれの態度をきめまして、来年の一月から実施したいという心組みでおります。

中村利次民社党

○中村利次君 そうすると、手当本体、期末手当本体についてもそういうぐあいにお考えだと考えてよろしいですか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 期末手当のほうは、これは従来全部出しておりますから……。問題だったのは勤勉手当のほうが問題として残っておったと、それを解決いたしますと、こういうことです。

中村利次民社党

○中村利次君 そうですか、間違いありませんか。それじゃ敬意を表するだけにして……。  これは大体もうすでに各委員から指摘をされ、あるいは総裁の御答弁でも、公務員の給与水準については、やはり諸外国に比べて低い、民間そのものも低いというような御答弁がされておりますから、給与水準の問題について、私は、実はこれは政策の問題がからんでまいりますから、人事院総裁にお尋ねすることが、当を得ているかどうかは、これは相当問題があると思いますが、今日、円対策とかなんとかというふうに、解散国会の中ですら円対策を出さなきゃならないという、そういう異常な事態になっておるんですけれども、いろんな手を政府はお打ちになっていますけれども、やはり、たとえば週休二日、これも政策として政府がお取り上げになっている、あるいは時短、賃金水準というものを、全くそういうものと関連なくして、国際経済社会の中で日本がどうあるべきかということを論ずるのは、これはやはり木に登って魚を求めるようなもので、全くどうもあべこべの感が非常に強いと思うのです。ですから、これは人事院総裁にお尋ねするのは当を得てないと思いますが、どなたでもけっこうですから、この週休二日、これは後ほどまた具体的にちょっと触れたいと思いますが、時短等の労働条件あるいは賃金水準、そういうものを、発想の転換時代を迎えてどういうぐあいにお考えになっておるのか、これはもう大いに公務員給与とも重大な関連があることでございますからお伺いをしておきたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) いずれもそれは私どもの所管でございますから、まず私からお答えさしていただきます。  週休二日制の問題につきましては、私どもも非常に深い関心を持ちまして、さきに、勧告の後に御報告も申し上げたと思いますが、あの際の報告書にも、われわれは民間の企業について調べた結果をあげまして、ただ、予期したほどの数字は出ませんでしたから、今回は見送るということを述べておいたわけです。その後、なお、われわれは執念深く週休二日制の問題を中心とした勤務時間の問題を、現在また重ねて調査をしております。と申しますのは、私どもの考えとしては、これは結論として望ましいことだという立場に立ちまして、これは先ほどの先取り精神ではございませんけれども、そのくらいの意気込みで問題に取り組んでいいことであろう。ただし、このなまの先取り精神で申しますと、これは私ども始終新聞の投書欄その他で民間の声を拝見しておりますと、やっぱりまた一般の方々のお気持ちというものも察しながら動かなきゃならぬことで、独走は許されないことだということで、周辺との関連は常に考慮してはおりますけれども、私どもとしては相当意欲的にいま取り組んでいるつもりでおります。

中村利次民社党

○中村利次君 先般の本委員会で総務長官は、週休二日については、これはもう必然性なんだ、むしろ政策以前であるというような、そういう意味の答弁をされたんですが、しかしながら公務員先導型は好ましくない、いま総裁がおっしゃった、やはり民間の声を無視できないというのを相当、これは別の表現で言われたと思うんですよ。しかし、私そのときに申し上げましたのは、たとえば週休二日が必然性であって、政策というよりもむしろ政策以前だということになると、これは政府が、しからばそういう必然性のあるものをどうして実施をしていくのか、政策としてもう相当な決意を持って取り組まなきゃならない問題だと思うんですね。ですから、その場合、人事院として、もう政策としてたとえば条件整備をどうしていくんだ——民間の場合あるいは公務員を、どっちが優先で好ましくないとか好ましいとかという問題じゃなく、何というか、実現のためにはどういう条件整備をするのかということが重大な問題だと思うんですが、人事院サイドでそういう点はどういうぐあいにお考えになっておりますか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) まさにその点が一つのポイントでございます。私どもはあらゆる各種の違った性格の職場を一応かかえて、それらを見回しながら作業を進めていかなきゃならぬという立場におりますために、特にその点、問題に考えておるんですが、たとえば交代制勤務の職場を考えてみましても、交代制勤務でやっておられる方々について、週休二日制を導入するとすればどういう方法があるか。まず素朴な答えとしては、おそらく定員をふやしてくれればすぐできるというような話になってくるだろうと思いますけれども、さて、この定員の増加というものは、また一方においては厚い壁があるというような条件の中で、これを円滑に導入する方法はどういう方法があるかというような、たとえばの話でありますけれども、そういう面をめぐっての研究問題。あるいは、先ほど民間の関係のことを申し上げましたけれども、まあ土曜日なら土曜日に役所が全部窓を締めてしまうということは、またこれは民間の方々に対してたいへんな御迷惑を及ぼすようになります。窓を締めるのか締めないのか、締めずしてやれるのかというような、ほんの一、二の例ではございますけれども、そういう点をやはりじみちに考えてまいりませんと、なかなか自信のある結論は出ません。そういう点もあわせて検討を進めておるという次第でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 おっしゃるとおり、これはそう単純な問題ではないと思いますが、やはり週休二日を含む労働条件の改善とあわせて、やはり賃金水準の引き上げというものを——どうもGNPは世界の二位だとか三位とかいわれて、国民所得は十五位だとか十六位だというようなアンバランスが、やはり円対策その他にたいへんな影響をしておるという事実を、もう一回見直しをする必要があると私は思うんですよ。ですから、そういう意味では、いまの政府では、かっこうのいい看板は掲げられますけれども、そういう問題に対して本気になって裏づけを持ってやる気はないと私は思うのです。これはひとつ人事院総裁、人事院の自主性、独立性をもって、こういう問題には積極的にひとつお取り組みをいただきたい。民間追随型というのも、いままでそういうことを、公務員ベースの引き上げ、賃金水準の引き上げについてはそういうものをとってこられたわけですけれども、また今後もそれをお続けになるという御答弁でありますけれども、やはりいま総裁からお答えがございましたように、それはそれとして、人事院が公務員の労働条件、それから賃金水準かくあるべしというものを——私はそういう時代に来ておると思うのですね。きょうは時間もありませんから、いずれこれは機会あるごとにひとつ人事院の考えなり、あるいは対処のしかた等を伺ってまいりたいと思います。強く要望をしておきたいと思います。  今後のやはり具体的な課題は、いろいろもう皆さんから指摘をされておりますけれども、改善率や配分等々の問題、あるいは給与体系等の問題がやはり当面具体的な課題になると思いますけれども、今度の場合は、勧告に書かれておりますように、たとえば配分を取り上げてみますと、二人世帯の形成時から三人世帯の形成時にかけて重点を置いて改善をやっていらっしゃる。しかし、これももう指摘し尽くされていますけれども、大体、中年層といいますか、四十代のところには、ほとんど今度は日は当たっているという答えは出ていないんですけれども、しかし、これはやはり私は、この二人世帯形成時から三人世帯形成時にかけての、ここに重点を置いていけないと言うのじゃないですよ。これは大いにけっこうでありますけれども、しかし、四十代というのも、またたいへんこれは経費のかさむ年代ですよ。子供ができて、それが大きくなって就学年齢に達する、あるいは高校、四十代は、もう早い人は大学というぐあいに、子供の教育費その他相当の、やはり生活費の非常に負担が重くなるころですけれども、これは現在あるいは将来、どういうぐあいにお考えですか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 最もわれわれの苦心しているポイントに触れてのお尋ねでございますが、たびたび民間追随性ということを申しますけれども、実は、民間のそういう点の構成を見ますと、大部分は非常に無理をして初任給を上げていらっしゃるものですから、その辺のところに実はしわ寄せが来て、あまり優遇されていないというのが民間の実情なんです。しかし、われわれとしては、いまちょうどおっしゃるような、気持ちがそれでは済まないというわけで、ことに二人世帯、三人世帯が一番自慢のところでございまして、これは標準生計費というものを別途算出いたしまして、それを当てはめて、これでだいじょうぶだという点でやっているわけです。四十代からその辺になりますと、これはもう一番当初の採用人員が多かったグループで、中ぶくれと申しますか、非常に人員がそこにかたまっているところでございます。一番これはやりにくいところではありますけれども、しかし、たとえば昇給間差額などの点で、今度の勧告では手当てをいたしたつもりであります、したがいまして、その点についての関心は今後も強く持ち続けてまいらなければならないという気持ちを持っております。

中村利次民社党

○中村利次君 これは民間でも中だるみといいまして、この層はえらいこれは問題になっていて、なかなかどうも、たとえば初任給の引き上げ等の、何ですかバランス等々から、やはり非常に問題になっているところです。これはひとつ私は期待いたします。そういう問題意識を十分お持ちのようですから、こういう点、民間でもやはり中だるみ現象というものを何とか解消しなきゃならないということで、これは労使の重大な課題、そういう点について、やはり何も民間追随をおとりになる必要ないわけでありますから、したがって、いま総裁がお答えになりましたようなことをひとつ実現できるような、むしろこういう点は公務員先導型で、胸を張って堂々とむしろ主張できるし、あるいはリード的な役割りも果たせると思いますので、この点もひとつ、いま総裁からお答えいただきましたから、強く要望をしておきたいと思います。  時間がなくなってしまいますから——総理府総務長官お見えになっていないですね、副長官ですね。週休二日制を実は聞きたいのですが、総務長官からこの前ありまして、私はこれは十分に議論したいと申し上げていたのですが、長官がきょうはいらっしゃいませんので、この次に譲りましょう。  それから、やはり人事院勧告によってだんだんある意味では定着をし、毎年一〇%以上のアップが実現をしているわけですね。給与改善費の五%はおかしいと思うのだが、これはしかし大蔵省でなければぐあいが悪いそうですから、総理府でお答えが当然できると思いますことを質問しますが、毎年、人事院の勧告を実施するにあたって、これはどういうのですか、財源捻出の一つの方法として既定経費の節約をおやりになっていますね。ことしも閣議で八%節約ということをおきめになって、百七十億節約されたということです。これは総理府の立場から、こういうことが行政事務に影響があるのかどうか、支障があるのかどうか、お伺いします。

小宮山重四郎自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(小宮山重四郎君) 経費の節減のことで大蔵大臣から閣議の中で発言がございまして、八%の節減をしろということでございました。行政事務に支障があるかないかということでございますけれども、行政事務に支障がある部分については、やはりそれは削減できないものでございまして、当初予算を組んだものの中で削減ができるものについてはぜひやりたいということで、ことし八%の節減をしたいということだと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 私のお伺いをしていますのは、閣議決定をして、毎年これはやはり節約をしよう、削減をしようという、それが総理府の立場からいって支障はないのかどうかをお伺いしている。

小宮山重四郎自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(小宮山重四郎君) これは各省間で支障のない範囲でございますから、私は支障がないと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 これはまことにどうもおかしなことになってしまうのですよ。とすれば、初めから水増し予算を組んでおるのかということになるわけですからね。そういうのが、やはりどうも間違いのもとですから、ほんとうに正しい予算が組まれておれば、当然これは支障がなければならないと私は思うのですよ。ですから、支障がなければ、これは水増し予算としてわれわれは徹底的に追及しなければならぬ。どうですか。

小宮山重四郎自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(小宮山重四郎君) この問題に関しても、先ほど水口先生からのお話の、沖繩の問題についてもたいへん苦慮いたしております。そういうようなことで、五%の、前もっての当初予算から入っておるものでは足らない、事務実行の中で支障があるか、一部には予算を組みましたけれども実際そこまで事業が進まないといえる問題もありますし、それから、ある面ではやり繰りができる部門を削減しているのだろうと思います。その実態については、私、各省間のことについては存じ上げません。

中村利次民社党

○中村利次君 きょうは時間もなくなりましたから、またあらためて……。これはしかし私が質問をしていますのは、各省間のというよりも、少なくとも担当は私は総理府だと思うのですね、行政事務その他。ですから、これはひとつまたいずれ質問をいたしますから、十分御検討を願っておきたいと思います。  以上で終わります。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) ちょっと速記をとめてください。   〔午後二時十九分速記中止〕   〔午後二時三十四分速記開始〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは警察庁長官来てからはっきりさせてもらうけれども、国会の要求によって——しかもこれは委員会の非常に会期末の時間のないところです。そのために予算委員会と並行審議している。そこで当委員会から、当然これは委員長から要求してもらった。そして、さらに私も、まあ念を入れて各党の予算の理事の間を回って了解を得たのです。ところが、その時間に来てない、実は病院に行ったなどということで、こういうふうに国会の審議を延引させることは、非常にこれは遺憾だと思います。そういうこともありますが、いま間もなく来るということですから、その前に懸案の問題として、静岡の問題、つまり、いまから半月ほど前に、国家公安委員長にわれわれが申し込んだのでありますが、静岡の県警並びにあそこの沼津あるいは大仁の警察署がスパイを使って、そうして警察官が多年にわたって、十一年の長きにわたって党の情報を提供するスパイを養成しているという問題がありました。そして、その現場に対してこれを確認されて、党員にこれが摘発されまして、そこで、この謝罪文を書いているわけですね。この謝罪文、念のためにこれを読んでいきます。これは警官がはっきり党員に渡した謝罪文です。   私は上司の(署長伊東)命により水口孝三に  対して不当不法なスパイ工作を強要しました  今後この様な事は致しません これまで私たちが日本共産党をはじめ労働組合や民主団体に対して行ったスパイ行為は憲法の精神に反する違反する行為であり犯罪行為である この様なことはいたしません   ここに右の事実を認めおわびいたします   一九七二年十月十三日    沼津市松下町みどり荘にて     大仁警察署警備課係      巡査部長 土屋欣爾     大仁警察署警備課      巡査 鈴木恵造  こういうわび状が出されておるのですね。この問題について、木村国家公安委員長に対して、このような不当なことが警察行政の中で許されていいのかどうか、こういう点で私は見解をただし、抗議をしたわけです。そのときあなたは、この事実を調査して、これについて適当にこれは処理したい、こういうことでございました。すぐにこれは返事をもらうということになっておったわけです。国家公安委員長は警察とぴったりじゃいかぬので、あくまでもこれを指導監督する、そういう立場にある点から、非常に私はこの問題を重大だと考えておったのでありますが、いまだに返答をいただいておりません。これは、本題に入る前に、どういうことになっておりますか、お聞きをしたいと思います。

木村武雄自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・国家公安委員会委員長・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(木村武雄君) なるほど岩間代議士からそのことについてお話がありましたので、その実情を調査さしてみたのであります。それでありまするから、そのときにおける実情を、報告を受けたままに御報告を申し上げます。  静岡県警察本部からの報告によりますと、十月十三日午後六時三十分ごろ、同県大仁警察署の警備課員二人——巡査部長土屋欣爾、巡査鈴木恵造が情報収集のため——日本共産党関係の情報であります。情報収集について従来から協力を受けている日本共産党員の方なんです。従来から協力を受けている日本共産党員の方と、沼津市の旅館、山岸旅館の一室で話し合いをしていたところ、突然十人くらいの男が二手に分かれて、半数は玄関口から、半数は裏側のガラス戸から承諾もなく部屋の中に乱入してきた、そうして警察官二人を取り囲んで、肩を押えたり、えり首をつかむなどの暴行を加えたり、さらに無理やり所持してきたカメラで顔写真を撮影したり、あるいは紙とボールペンを与えて謝罪文を強要して書かせたりした上、警察官所持のテープレコーダーのテープやカメラに充てんしていたフィルムを意に反して抜き取り、持ち去るなどの不法行為を行なったと、こういうことなんであります。  そこで静岡県警では、捜査を行なった結果、被疑者二名——共産党修善寺町議遠藤勇、民青同東部地区委員長勝俣義人が特定できたので、建造物侵入、暴力行為等処罰に関する法律違反、強要、窃盗の容疑で裁判官の令状を取り、十月十五日、両名を逮捕するとともに、その自宅及び日本共産党静岡県委員会、同東部地区委員会、日本民主青年同盟東部地区委員会の各事務所を捜索し、取り調べの上、検察官に十月十六日送致したと、こういうことであります。  さらに、その後の捜査により被疑者三名——共産党静岡県委員会専従藤日則夫、同東部地区常任委員田中泰治、同委員鈴木信夫が判明したので、裁判官の令状を得て——これが十月十五日であります。十月二十二日から十月二十三日にかけて、それぞれ三名を逮捕し、取り調べの上、検察官に十月二十四日、送致した。そして十月二十五日、勾留請求が却下されて釈放ということになっておるのであります。  犯罪の容疑があったならば、やはり法律に基づいて捜査し、逮捕し、取り調べなどを行なうことは警察の職務として当然のことであり、日本共産党に対する違法、不当な弾圧などと言われるようなことは絶対ないと、こういうように報告がありまして、こういう判断に立ったので、それをそのまま御報告申し上げます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は念を押したわけですよね。警察があんた一方的に報告したものを、国家公安委員会という権威ある機関が、それをそのままここで報告したって、それは報告になりますか。あれだけ私は事実をあげているのです。その警察は、自分のことは全然たなに上げておる。盗人たけだけしいという報告だ、それは。十一年間にわたって、その党員のところに接触をする。そうしてだんだん利益を食らわせる。帰りぎわには最初に千円をここに入れる。それは十一年前のことだ。そうして無理に今度は——まあ、その当人は気が弱かった。そうしているうちに、何回も今度は電話をかけてくる。結局それに応じないというと、おまえは金をもらったということを認めさせる。これ、ばらすぞということで脅迫をする。そうしてまた引き寄せて、今度はだんだんとこの謝礼を三千円、五千円と上げていく。一万円、最後には三万円ぐらいになった。これはみな血税であります。こういうことで十一年間にこのスパイを養成してきたことについては、あなたが調べなければならぬです。あなたの独自の機関でこれを調べて公正を期するというのが、民主主義を守るかどうかということの非常に重要な問題になるわけです。  だから、その任務を遂行してくださいと私は言ったんだ。何も警察のそんな一方的なもの証拠になりませんよ、そんなものは。自分ばかりかばっておる。自分がこういうものを摘発された。しかも、この山岸旅館というのはどういうところです、一体。お調べになったと思う。これはパンパン、連れ込み宿じゃないか。こういうところでスパイ養成のなにをやっておいて、そうしてそれが今度明らかになって、証拠までこれははっきり取られた。当然これは憲法違反でありますよ。警察法に対してもこれは侵犯であります。だから、当然それに対して、この党員が党を守る立場もありましょう。大きく言えば、このような憲法違反の許すことのできないスパイ養成事件に対して、これは反撃するのはあたりまえですよ。ところが、盗人たけだけしい。それを隠すために、しかも、こういうようなわび状をはっきり入れているのだ。男一匹これは書いたものですよ、警官が。これは公務員が書いたものですよ。これはどうなるんだ。これはうそだったのか。二人いるんだ、警官が。この警官はちゃんとなにを持つことはできるんでしょう。武装することのできる警官ですよ。党員は武装していましたか、そのときに入っていったのは。摘発するのはあたりまえじゃないですか。そうしてこれを書かされたものを、いまになって、これは脅迫で書かされたんだ。何の面目があるんだ。こんな公務員は一体、何の面目があるのです。そういう警察官をあなたたちはかばうような形で、国家公安委員長がいまのような報告をするということは、私はまことにこれは道理がさか立ちした問題だというふうに思います。だから、この問題はやはり国家公務員の給与法の問題ともこれは非常に関係してくる。警察行政と深い関係がありますから、私はその具体的な内容について聞いている。一環として、いまこの話をしている。どうなんですか。これはあなた独自で聞かないでしょう。だれに聞きました。だれからもらった。

木村武雄自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・国家公安委員会委員長・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(木村武雄君) あなたのほうのお話は、口頭で、お目にかかった場所でお聞きいたしましたので、今度は向こう側の意見も聞かなければならない。こういうことになりまして、向こう側の意見も聞いたんであります。そして向こう側の意見を、いまここでそのまま御報告申し上げたような次第なんであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなたの判断をお聞きしたい。

木村武雄自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・国家公安委員会委員長・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(木村武雄君) それでですね、私はこう思います。どっちが情報を取ったのか、情報を売りに行ったのか知りませんけれども、ともかく相手の人は共産党員であった。あなたのほうに所属しておる共産党員であったと。その人が、理由はともあれ——金をもらったとか、おどかされたとか、そういうような理由はともあれ、十年間という長い期間にわたっていろいろな情報を提供しておったという、そういう事実だけはやっぱり認めなければならない。その事実。そういう情報というものを提供したのは日本共産党員であったということは(「提供させたのは」と呼ぶ者あり)提供させたかもしれませんし、されたかもしれませんけれども、ともかく十年間にわたって日本共産党員の人がそういうような情報を提供しておった。そいつが金をもらったとか、おどかされたとかいうふうな理屈があるかもしれませんけれども、なにも、おどかされたって行かなくてもよろしい。もらいたくなければもらわなくてもよろしい。そいつをポケットに入れられた。だからやむを得ずもらったと。もらったがためにまた情報を提供しなきゃならないなんということ自体に、私は間違いがあるんじゃないだろうかと。そういうことでですな、また情報をもらっておったところが、そいつが発覚して、あなた方のほうで、これだけの大ぜいの者がその場所に出かけていって、こういうような処置をしてやったと、こういうことなんであります。  それでありまするから、私は両方の間に立って、どういうように判断したらいいかということは、これはもっと聞かなければなりませんよ。これからもっと聞かなければなりません。そして、そういうような事実があったからといって、十人も二十人も押しかけていって、こういうようなことをしていいか悪いかという問題もありますよ。それは情報を取るために銭をやったということが悪かったかもしれませんよ。それから、来いといって呼んだということが悪かったかもしれませんが、だからといって十何人もこの部屋に出かけていって、そうして、こういうような態度をとるということが、はたしていいのか悪いのかということも、私は一つの問題になるんじゃないだろうかと、こう思っておりますよ。私自身はやっぱり長い政治活動もしておりまするからね、そういう立場に立って、党員というものはそれでいいのかどうかということに対して疑問を持っております。その情報を提供したということが、脅迫でされたとか買収でされたなどと言って逃げるということは間違いなんじゃないだろうかと、私はこう自分では思っておりますよ。そうでありまするから、どうしたらいいかということは、もっともっといろいろな材料をもらいまして、これは判断しなければならない。こういうようなことは、たくさんあることじゃない、まれにあることだと思っておりまするから、判断しなきゃならない、こういうように自分は考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 警察の公務員がこのような金を使って、謝礼という名前でスパイ費を出して、それで多年間に、これは相当な額ですよね。そういうことをやることは、これは警察の方針なんですか。ここをはっきりしてください。そこのところを国家公安委員長がはっきり判断すべきだと私たちは要求しているのです。あなたは妙なことを言っているが、国家公安委員長、あなたは指導監督する立場にあるんでしょうが。そうじゃないですか。

木村武雄自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・国家公安委員会委員長・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(木村武雄君) そうです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その問題はどうなんだ。党が何かかんだということをあなたは言った。それは党員の中にも、そういうようななにがあったでしょう。それは事実だ。しかし、そういうところに追い込んでいって、それから国の金でもってそういうものを、何十万ですよ、十一年間ですからな。そういうものを養成することは、単にこれは静岡だけで起こっている問題ではない。もうほとんどこれは警察の方針としては陰でやられていることです。これは何ぼでも指摘することができますよ。そういうことがいいのかどうかと聞いている。これは憲法に抵触しないのか、警察法に抵触しないのか、ここのところを明確にする必要がありましょう。この基本が、原因が一切そこから来ているじゃありませんか。どうなんです。

木村武雄自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・国家公安委員会委員長・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(木村武雄君) 警察は、警察法第二条に定めておりまする職責を果たすために必要な情報は各地で収集しておるのであります。そのために、国民の方々からはいろいろな協力をいただいて、治安維持の大役を果たしておるのであります。それでありまするから、その場合における警察官の行為はあくまでも法律で許される範囲内でやっておるのでありまして、任意、自発的な協力をいただいておるのであります。決して強要をしたり、おどかしたり、何かして協力をいただいておるのでありません。それから金銭を無理やりに渡したとか、その負い目を利用するなどということは、こんりんざいいたしていないと、こういうことであります。  それから、その謝罪文は、大ぜいの者に取り囲まれて強要をされて書かされたんであると。その書いたこと自体は、もっと信念が強くて、どんなことがあっても書かないと、こう言えば、より以上ほめられていいだろうと思いまするけれども、そういうような場所で大ぜいでおどかしたり、何かしたりして、こういうようなわび状を書かせなきゃならないと、そういうこと自体に私は非常な疑問を持っておるのであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ずいぶんあなたの論理は妙だと思うんですね。だから、公平な中立の国家公安委員会というものの任務は、私は果たされていないと思うんですね。警察から聞いたことだけでみな答弁しておるわけです。大体あなたに会いに行ったら、警察庁の、あそこの政府委員控え室で会うという、これがおかしいと私は思ったんです。国家公安委員長というのはそんなものですか。べったりじゃないか。しょっちゅうそこの——答弁できないでしょう。たとえば、おどかしたことがないと言ったって、おどかしたことがないかどうか、当人のところにちゃんと供述書があるんですよ。これは告訴していますから、私も検事総長にこの間、会って、当然、日本の民主主義を正す立場から公判に付すべきだと、立件すべきだと、こういうことを言っています。で、検事総長もこの問題は非常に重大だと、それで前例もございますので、これについては深い関心を持っている、こういう答弁を私はもらっておるわけですな。だから、そこでこれは明らかになる問題だと思いますけれども、あなたの立場はどういうことなんです、これ。行政組織法の立場に立っても考えてみなくちゃならないのだが、警察べったりなんですか。警察の情報でこう言ったからというので警察の代弁機関なんですか。おどかしがないとかなんとか言ったって、あなた実際どうなんです。組合のこれは役員をやって、党に入っておった。途中でこれはやめたわけですけれども、最初はとにかく近づけて、そして何となく言い寄ってきて、それで情報を提供させる。無理やりにこの辺に金を突っ込む。そういうことをして、今度はもらったのを暴露すると、そういうことでおどしをかけて、だんだんだんだんこれは深みに追い落としていく。この人の一生をめちゃくちゃにしているんですよ。こういうことをやるのは、これは情報提供のためにはやむを得ないと、こういうことなんですか。それは警察の方針だと言うんですか。これは少しも差しつかえないと言うんですか。それから警察法の二条の公正のなにというものに、これは合致するというんですか。憲法の、このような思想、信条の自由というものに対する、こういうような圧力を加えるということは差しつかえないと言うんですか。この点を明確に答えてください。

木村武雄自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・国家公安委員会委員長・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(木村武雄君) 本件に関しては、いま岩間議員がおっしゃいましたけれども、おどかしもいたしておりませんし、それから脅迫もいたしておりません。金は渡しておりますと、こういうことであります。それから、この件は十月十八日に、公務員の職権乱用、それから特別公務員職権乱用であなたのほうが静岡地検に告発されておりまするから、このことはいずれ裁判所が明瞭にしてくれると思います。そうでありまするから、私がどうだとかこうだとかいうことでなく、あなたのほうで告発をされておりまするから、裁判所が明瞭にしてくれると思います。それで、それ以上のことにつきましては、ここでは、まあ、どっちがいいとか、どっちが悪いとかいうようなことは、私は答弁の限りじゃない。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 国家公安委員長の任務についてお聞きしておきます。何か問題を調べるときに、警察から聞いた、その一方的な——ほとんどあなたの答弁は、速記録を見ればわかるけれども、ほとんど警察情報であります。これであなたの職責は果たされると考えておりますか。それと、独自の機関である警察の公正——警察法にも、とにかくその精神はうたわれております。そういうものをはっきり明らかにする、あくまで国民のための警察である、そういうような立場をとらせるために努力をする、そのための指導監督の機関だとわれわれは考えておるのでありますけれども、いま言ったような警察べったりなので、警察はこう調べましたからってもっともしごくのような答弁をしておるところに、今日の国家公安委員会というものの偏向性がはっきり明確になっていると、あなたの答弁は何よりも物語っています。それでいいんですか、どうなんです。

木村武雄自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・国家公安委員会委員長・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(木村武雄君) 先ほども申し上げましたとおりに、私は、あなたから口頭で聞いたことにつきまして、警察に向かって、岩間代議士はこういうことを言っておったのだと、これはどうだと、こういうことを言っておるのだ、これはどうだということは一々聞いたんであります。聞いて、そしてあの事実はどうであったと、こういうことを聞きましたところが、こういう報告書を持ってきたと、こういうことでありまして、私は、あなたの話を警察に話していない、ただ単にそいつはもう聞きっぱなしにしておいて、そして警察の報告だけをここで発表したのじゃありません。あなたのお話に基づきまして、一々警察にただしながら、その結果、警察の返事がこうであったということをここでお話をしただけのことなんであります。そして、現在では、あなたのほうで告発をされておりまするから、やっぱり裁判所の判断というものが一番大切なんじゃないかと、こういうことを申し上げておるのであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 裁判所の判断はそれは別で、独自のまた見解がされるでしょうから、ここで触れる限りじゃないんだが、私はいま、国家公安委員会並びに委員長、そういうもののやっぱり職責は何なのか、任務は何なのか、これを聞いておるんです。あなたいま言われたとおり、さっきも私は指摘したとおり、今度の経過については警察で有利な、自分を弁護するようなことを書いています。しかし、十一年前からの経過なんて何一つ書いてないじゃないですか。それは明らかにされているんだ。そういう報告に基づいて、ここで、それはこう聞いたんでございますというようなことで出せば、あなたの見解のようにこれはなってしまう、これがおそろしいと言っているのです。あなたの任務を聞いているのです、私は。不偏不党で、あくまでこれについて中正な立場から判断する、そのために調査をする、そういう立場に立っていないじゃないですか。警察べったりじゃないですか。それがいまの姿ですか。そのことを明らかにしてほしいと言うのです。

木村武雄自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・国家公安委員会委員長・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(木村武雄君) あなたは警察べったりだと、こうおっしゃいまするけれども、一番最初は、あなたの要望に基づいてこれは調査したのでありまして、あなたの要望された事項はすべてみんな警察には申し上げておるんであります。それでありまするから、その結果について報告書を私がここで読んだのであります、

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 速記をとめてください、   〔午後三時速記中止〕   〔午後三時十分速記開始〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなた、ここで陳謝しなさい。公然たる委員会が、ちゃんと委員長の指名によって、これは委員部を通じて予算委員会の了解を求めて、私は各党の理事の間を回って念を入れてそのことを了解をとっている。そういう事態があなたにわからなかったのか。それとも知っていてこういう時間をおくらしたのか。当委員会に対して当然これは警察庁長官は陳謝すべきだ。みんなに迷惑をかけている。全部関係者は迷惑している。黙っているという手はない。はっきりしなさい。

高橋幹夫警察庁長官

○政府委員(高橋幹夫君) 私のほうに連絡のありましたのは、本日は私が出席しなくてもよろしいというふうに了解しておったんですが、ただいま委員長のおっしゃるとおり、私が出席しなければならないことであれば私は即刻出るわけでございます。御了承願いたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 連絡したのはだれです。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 いまの答弁では、これはちょっと岩間氏の質問以前のだな、警察庁の担当のほうには時間を示して、きちっと委員長から言ってある。そうすると、これはちょっと事情をずっと調べてもらわないと、いつもこういうことがあるとだめですよ。だから、一応質問は続行するにしても、警察庁の中の長官責任をもって、委員部から言われて、だれからだれに、どこでとぎれておったのか調べて出しなさい。

高橋幹夫警察庁長官

○政府委員(高橋幹夫君) 私のほうの事務部局のほうがそういうことであれば、私に対する報告が迅速でなかったのでございますから、私は全体の問題については私は責任者でございますから、その点については、ただいまおくれました点につきましてはあらためて私から御了承を願いたい、こういうふうに思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 経路を調べてみろ、あとでいいから経路を調べて報告してください。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 了承願いますなどと言って、あなた済むと思っているんですか。全体の公務がおくれたんだから、一時間以上。いまごろもうちゃんと上がっている、給与法は。その原因をつくっているのはあなただ。それを了承願いますとは何だ。もう一ぺん言いなさい。公務員だよ、あんた。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 速記とめて。    〔速記中止〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 速記起こして。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あとの結果については私は保留しておきます。あなた、ここで当然陳謝しなさいよ。警察庁長官だろうが何だろうが、そんなことじゃだめじゃないか。大体あなたいつもあけていることが多いわけです。私何回も警察庁へ行くけれどもいない。この前天皇について行ったというけれども、何日も東京をあけている。そういうことであなたの任務がつとまるかどうか、これは再検討せざるを得ない問題である。この問題にこだわっていられませんから、あとにこの問題残して質問します。時間もないので明確に答えてもらいたい。とにかく国家公務員の給与改定に関する関連問題として、いまの問題も含めて警察行政のあり方について私は質問したいのです。  まず、具体的に、戦車輸送問題ですが、八日、九日、十日の暁までこれはまたがったわけでありますが、米軍M48戦車輸送について警察はどういう態勢をまずとったのか。これは出動人員はどれだけだったのか、どのようなこれは機動隊が出たのか。それからそのとき使用した装備は何か。出動の目的は何であったか。以上三点についてお答えを願いたい。これは警察庁長官答えてくださいよ。特に警察庁長官を呼んだのはそういう意味です。警備局長の代弁ではだめだ。

高橋幹夫警察庁長官

○政府委員(高橋幹夫君) ただいまの態勢であるとか、あるいは私のほうが今度の警備の問題についてやりましたことにつきましては、ただいま申し上げたように、神奈川警察が本件の問題につきまして管区機動隊あるいは警視庁あるいは埼玉、千葉、静岡、各警察の応援を求めまして、警察官五千人の動員をいたしまして、所要の警戒警備に当たったわけであります。そのときの装備あるいはその他の問題につきましては、局長のほうから答弁をさせます。

山本鎮彦警察庁警備局長

○政府委員(山本鎮彦君) 機動隊がおもに警視庁、ただいま長官の申された各県から出動したわけでございまして、普通の装備であって特別な装備は持っていっておりません。  それから出動の目的でございますが、これは戦車輸送反対、阻止ということで、かねてから特に極左暴力集団などが機動隊をせん滅して戦車の輸送を阻止するというような不穏な言動を弄しておりまして、これまでも戦闘車両の輸送については激しい投石、妨害あるいは火炎びんを投げる、こういうような事態がございました。したがって、そういう犯罪の発生が予想されるという事態に対して、公共の安全と秩序を維持するため、こういう目的のために五千名の機動隊員を配備して平穏な輸送を確保する、こういう趣旨で機動隊を配置したわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この目的は戦車を通すためじゃなかったのですか。そのときに何か極左暴力分子の何、そういうものもあったんだろうけれども、実際は戦車を通すためじゃなかったのか、具体的にどうなんですか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○政府委員(山本鎮彦君) もちろん戦車の輸送ということに伴って、そのような不法行為の発生のおそれがあるということで配置したわけです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そんな本末転倒した答弁ではだめですよ。そこで、そういう中でこれはお聞きしたいのだが、けが人をたくさん出しておりますね、それから逮捕者もこれは出している。そういう中には非常に過剰警備があったんじゃないかというふうに考えるわけです。第一にお聞きしたいんだが、私もこれは現場に行って見ておりますから、一時間前に歩道橋を閉鎖したのはどういうわけですか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○政府委員(山本鎮彦君) 歩道の上に多数のそういう反対勢力の人たちが蝟集するということになると、いろいろな事案が起こるおそれがある。こういうことで、平穏な事態を確保するためにあらかじめそういうところの通行を禁止したわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは事実に反するんじゃないですか。これはあそこでわが党の県会議員並びに警察の責任者の間に話がついていたはずです。当時も抗議したところが、これは指揮者があそこのところを封鎖するなとこう言っている。ところが実際は、あそこに行ったところの機動隊の若い連中は絶対あそこのところを封鎖している。そういうことをやっている。そのために通行人もずいぶん迷惑をこうむっているのです。こういうのはこれは正しいのですか、こんな道路を、当然の公然たる交通を。実際戦車が通ったのは十二時でしょう。そうすると三時間前から封鎖するというのは、そういうことは正しいんですか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○政府委員(山本鎮彦君) やはり警備の本質は負傷者を出さない、お互いに負傷者を出さないということ、それから一般的な事態が平静であるというそういう目的のためにいろいろな手段を講じておるわけでございますが、これまでの経験にかんがみて、そういうような事態の発生を防ぐために事前に必要な措置を講ずることは当然なことだと考えてます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 わざわざ警察庁長官を呼んでいて警察庁長官から答弁ないのははなはだ遺憾に思います。あなた、補助してください、警備局長は補助すればいいんだ。なぜかというと、私は警察行政についてただしているんだ。そういうやり方だから、当然あなたをいままで待っていた意味がなくなってしまう。それについてお聞きします。  それから通行人を歩道に排除しましたね。非常にずっと事前から排除しております。これはどういうわけですか。これは関係ないんですか、道交法に関係ないんですか。違反しないんですか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○政府委員(山本鎮彦君) 特に道交法に違反するとは考えておりません。警察の措置が当然な措置だと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 警察庁長官に答えてもらいますよ。あなたは補助すればいい、補助すれば。

高橋幹夫警察庁長官

○政府委員(高橋幹夫君) 当然通行人について、そういう点についていろんな問題点があれば私のほうとしては法律に従ってやるべきである。こういうふうに思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どういう法的根拠ですか。

高橋幹夫警察庁長官

○政府委員(高橋幹夫君) 申し上げましたように、道路交通法の各種の規制というものがありまして、たとえば七十六条の問題であるとかあるいは七十七条であるとか、それらの問題について、いずれも道路交通法の各種規制に基づく規制でやっておるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 戦車さまが通る。それに道をあける。そのために実際は市民がどんな迷惑をこうむってもかまわない。これが道交法の規制ですか。そういうことにはならないんじゃないですか。まるでこれは戦車が通るのは絶対至上命令だという、その前提に立たない限りはそういう何は出てこないと思うのですが。どっちを優先するんだ、警察の立場は。あなたたち、どうなんだ。警察官の職務は正しくこれで何になっていると考えられませんよ。さらにまあそういう中でこん棒それからジュラルミンのたてが非常に多く使われた。これはどうなんです。あのたてというものについて特にお聞きしたいが、これは防御用なんですか、攻撃用なんですか。

高橋幹夫警察庁長官

○政府委員(高橋幹夫君) たては当然防御的な私のほうの問題でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、これは攻撃のために使ったというようなことがあるとすれば、どうなんです。ちょっと長官やってくださいよ。わざわざ呼んでだな、待ってたかいがないんじゃないか、待ってたかいがない。警察庁長官がそれぐらい知ってなきゃしようがないだろうが。

山本鎮彦警察庁警備局長

○政府委員(山本鎮彦君) 非常にこまかい点と思いますので、攻撃的という意味がわからないわけでございますが、あくまでも防御的な手段に使うべきであって、攻撃的に使われたと仮定するならば、そのやり方は好ましくないというふうに思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 少なくとも警備局長は見ておりますか、現場を。

山本鎮彦警察庁警備局長

○政府委員(山本鎮彦君) その現場は見ておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 だから、そういうことでこれやれるわけですね。警察の報告というのはさっき言ったようなものです。そこでもう正体というのは明らかになった。全くうそついて、一方的にこれは出してくる。自分の都合の悪いところは全部うそついておる。これが警察情報の、君たち部内の中にあるこの姿で、何べんわれわれ国会論議の中でこういう事態にぶつかってきたかわからない。現実と離れている、私はこのように見ておる。あのたてというのは防御用のはずなんだ。ところが、実際あれは攻撃に使われておる。あのたての端でもってずいぶんやりました。百何人以上のけが人が出ておりますが、これはほとんどジュラルミンでやられた。あの場合にはジュラルミンというやつは防御用じゃないのです、たては。攻撃用になっておるわけです。そういう中で、どうですか、長官に伺っておきますが、こういう使い方というのは、これは武器使用に関する警職法七条一項ですか、これの乱用を戒めておりますね。こういう規定にこれは該当することになりますか、どうなんですか。

高橋幹夫警察庁長官

○政府委員(高橋幹夫君) 私ども装備をするときに、それぞれの防具につきましては当然正しく使用しなければならない、おっしゃるとおりでございます。私どもも第一線の警察官に対しては、そういうふうに厳格にそれらの問題について正しく使用するというふうにいたしておりますが、結果的にいろいろな問題についてでき上がった場合においては、私どもはそれらについて是正をする問題を持っておりますので、いまの段階におきましては、できるだけそういうことのないようにというふうに私は思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういうことを言ってますが、正しく使用されたと思いますか。これで多くのけが人が実際出ておるのです。これは何に当たってみればわかるのです。ジュラルミンでやられておる。こん棒でやられたのもありますけれども、ジュラルミンでこれはやられておる。こういうものは実に乱用じゃないか。警職法七条一項、こういう条項に違反する、そういう形で。さらにジュラルミンのたてがどういうふうに使われたか。たとえば共産党の宣伝カー、この宣伝カーに対しまして、どうですか。ここに写真がありますけれども、私服が——あなたたち盛んに私服を使っておる。私服の男がジュラルミンでもって宣伝カーのところのガラスを割っているのです。そしてその中にいろいろ防御用になっているのを引っぱり出す。それからさらに今度はキーを取り上げちゃった。いわばこれは無断で持っていっちゃった。さらに今度はここに入っておる乗務員を引きずり出して、途中でから手チョップをくらわしている。これは十日のけがをやってます。こういうようなやり方というのは、これはあなたたちがかねてちゃんと今度の中で計画しておったのですか、どうですか。

高橋幹夫警察庁長官

○政府委員(高橋幹夫君) いまの問題については、もともと私のほうは、当然やるべきことについては正しくやっているわけでございます。いまの個々別々の問題につきましては、それぞれいずれも理由もあり、また、その状況につきましては私どもの局長から申し上げます。

山本鎮彦警察庁警備局長

○政府委員(山本鎮彦君) いまの宣伝カーの問題は、この間の八日の夜、戦車の搬送の際、午後十一時半から約一時間二十分にわたってノースピア前の交差点のところの中央に日本共産党の宣伝カーが停車して、道路をふさいで交通の妨害をするという事案が発生した、その件についてのお話だと考えます。このような行為は、警察としては、往来妨害罪及び威力業務妨害罪に該当する、こういうことで警告をして、そこからどくように申し述べたんでありますけれども、それに従わないということで、レッカー車を持ってきてそれを移動させようとしたところ、引っぱろうとすると、かなり大きな宣伝カーでございますので、バス型の宣伝カー、逆にエンジンをかけるということで、非常に危険な状態でありますので、レッカー車による引致はやめまして、そのような犯罪を行なっております運転手を現行犯ということで逮捕しようということで、窓をあけようといたしましたが、それに抵抗をする、あけないということで、やむを得ず警棒で窓を破って逮捕しようといたしましたところ、消火器のスプレーのようなもので目に吹っかけられて見えなくなったということで、逆に回ってまた窓を警棒で割って中に入って逮捕しようとしたんでございますが、そのマイクロバスの中にかなりの人員がおりまして、妨害されて運転手を逮捕することができないということで、やむを得ず、そのような犯罪の現行犯を逮捕するための必要な措置としてガラスを割ったわけでございますが、同様の措置として、そのキーを証拠として差し押え、押収したものであり、犯罪捜査のためのすべて必要な措置であったというふうに報告を受けております、

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 報告を受けたと、さっきの報告で全くこれは事実に反するでしょう。あそこで、歩道のところのこれは通行人に対して、ものすごい制圧をやった。ほんとうに何重にもジュラルミンのたてを持ったところの何がみな歩道に大衆を押しつける、そういうようなやり方に対してわれわれは当然これは不当だと抗議をしたわけです。それで向こうのほうで何か警察官が広報車か何かでがあがあなにしているが、全然それは聞こえるものじゃないですね、あんな中で。ところが、いま言ったように、今度は牽引車を持ってきてこれを引っぱる。ところが引っぱることができない。そうするというと今度は窓ガラスを割る。そういうような事態をこれは引き起こしているんです。そういう事態というのは、これは私自身がはっきり見ていますよ。そういうものは全くこれはあなたたちのちゃんと計画的な一つの弾圧的なやり方だというふうに見られます。私はこの問題を宣伝カーの上で見ておりましたので、国会議員として当然これに抗議をする。そこでその割られた窓ガラスのところに行った。そうして、責任者を出してください、十分にこの問題について話し合おうじゃないかと。ところが、いきなりこれは私の胸ぐらをとったんですね、それからこのバッジをむしっている、それからたすきをなにして引きずりおろしている。これはどういうことなんです。あれは全然話すことができない気違いになっている、狂暴化している、あの警察官の姿というものを私は見て非常にこれはたいへんなことだというふうに考えたわけです。かまわないんですか。何も国会議員だから私は特別に扱ってくれというふろに言っているわけではない。しかし、われわれは少なくとも多くの人に支持され、そうしてほんとうにあのようなやり方に対して、警察の暴力的な行為に対してはっきりわれわれはこの事態を明らかにする、これに抗議する当然の任務を持っているわけです。かまわないんですか。私はその当人だから何より知っている。胸ぐらをとるわけです、胸ぐらをこうやって。それで実際私は国会議員なんだ、話し合いたいんだ、君たちの責任者出てくださいと。出るどころじゃない、逆に今度はそこから引きずりおろす、これはどうなんですか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○政府委員(山本鎮彦君) 一応報告の来ているところによりますと、その宣伝カーに岩間先生がお乗りになっていたことは当時の現場の幹部は十分知っておりまして、宣伝カーのステップがかなり高い、約数十センチあるようでございますが、そこからおりようとされたときに不測な事態が起こってはいけないので、むしろ岩間先生を保護するというような形で二人の警察官が手を伸べて一応まあ安全におろすような形をとりましたと、それからさらに運転手を逮捕しようとするときに、先生が立ちはだかってまあ警察官の行為を制止されるようなことをされたので、それじゃ困りますという形で、ちょっとどいていただけませんかということで、ちょっと手を触れたときにたすきがとれたということで、すぐたすきは拾って先生に差し上げたという形で、別に特別な先生に対する不当な行為を行なったことじゃないと、十分その間のことを考えて、失礼にわたらないように慎重な措置をしたんですけれども、ややそこでまあ混乱的な状態が生じたために先生はそのようにお考えになったかと思いますけれども、現場の幹部は十分慎重に配慮してやったんでございますというふうに報告をされております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなたたちはそれでまかり通ると思っているんですか。私はいやしくも国会議員ですよ。そんなに自分の何を、判断を失うとか、そういうものじゃない。全く引きずりおろしたじゃないですか。ここのところをなにしておいて——私は洋服をかえていますよね。それからバッジの何は、これは何を取られているんだ。それがなに、国会議員だから丁重に扱ったと——そういうことになるのか、警察のほうでは。でたらめもはなはだしいです。だめだ、それでは。それで現実に、これはきのうあそこで法曹団とかそれからわが党の県会議員が交渉に行っています。この問題に対して抗議しておりますが、これについてははっきり謝罪しているじゃないですか、現場では。あなたのほうには、そうでないようなことになっているんですか、どうなんです。まるでこれはでたらめですね。こういうやり方で一体行なわれている。それでたくさんのけが人を出した。さらに報道陣でもこれは二人けが人が出た。それでこれから激しい抗議があったはずですよ。これに対して全く反省するということがないんですね。あなたたちのやった行為というのは全部是認するために合理化をしている。いま言ったことばの中に、事実とどんなにこれは反するか。第一、私が乗務員をかばったなんというのはどこから出てきたんですか。そういうふうに報告しているんですか。全くでたらめじゃないですか。これはどうです。

高橋幹夫警察庁長官

○政府委員(高橋幹夫君) 神奈川県の本部長から私どもに報告を受けている問題は、ただいま局長から申し上げたとおりでございます。ただ、その間においていろいろな紛争が生じたことは間違いありません。したがって、それらの紛争については、私としては当然正しくそれを処理しなければならないということは、いつもわれわれが申し上げているとおりでございます。しかし、いま申し上げたように、現在の時点におきましては、私のほうに報告を受け、ただいま申し上げたように、報告の内容のとおりでございます。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 速記とめて。   〔速記中止〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 速記起こして。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは警察行政の立場からお聞きします。  いま、あなたたちの答弁されたものね、全くこれは事実に反する一方的な、そうしてほんとうに合理化するためにあとでつくられたようなそういう報告が非常に多い。ということは、事実、現実は何だかというと、百人以上これはけが人を出しているんです。逮捕者を出しているんです。けが人も出ている。そういうところに問題があるわけですね。私は時間が非常にないから聞きたいんですが、警察行政のあり方として、この問題について神奈川署にわれわれは抗議におもむいたわけです。これは抗議団は県会議員もあり、国会議員が私とそれから衆議院の米原代議士、さらに自由法曹団の人たち、これで抗議に行ったところが全然署長は会わないんです。警察署のあそこの最高責任者はだれなんです。あれだけの緊急な事態が起こって、これについて、当然これはあなたたちのそういうやり方についてただして、それから不当なことについて抗議をすると、こういうような行動について全然これを——ちょっと待ってください、さっきのあれだ、三分だ、待っていると二十分以上かかるんですね。さっきもちょっと待ってくださいと言うから、あそこで待っていると、五十分も待たして結局出ないんですね。そうして県警から行ったところの幕僚なる者が出て、私が署長の代理であります、こういうことで、あくまでも私に話を聞かしてください、こういう話です。署長の代理ができるのかと言ったら、とにかく私は署長からそう言われましたから、こういう形なんですが、これは警察行政のあり方として、あそこの署をあずかっている責任者、その責任者というのは当然その責任に応じなければならないし、そうして、このような不当なやり方に対する抗議なりあるいはいろいろな申し入れなり、こういうものには当然対応しなければならぬと思うんですが、これはどうなんですか、この点は。

山本鎮彦警察庁警備局長

○政府委員(山本鎮彦君) 当夜は、神奈川の警察署にノースピア方面全体を管轄する警備本部が置かれていろいろな問題に対処しておったんでございますが、神奈川警察の署長は、その警備本部の副本部長ということで、全体の統括指揮、いろんな問題の処理に当たっておったために、岩間先生というわけではないんでございますが、当夜神奈川の警察署を訪れてこられる外来者の接遇などは、ほかの幹部を指定して、その人に、あらかじめ自分のかわりにいろいろな問題について伺っておくように、承知するようにというふうにきめておいたわけでございまして、したがって、当夜岩間議員が行かれた際に、その方が応接したわけであって、署長がどっかに隠れていたとか逃げていたということではないんでございまして、その点は、そのように署長から委託を受けてその任務々持っていた者が先生にお会いしていろいろとお話を伺った、こういうことでございます。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 速記とめて。   〔速記中止〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 木村国家公安委員長も来ないんですがね。ああいう形、こういう形で審議を非常に混乱させられるのはうまくない。とにかく、いまの答弁というものは全く事実に反するんです。こういうものをもっと正確にしなきゃなりません。署長に会いに行った。なぜ署長が出られないのか。しかも、いま会うからというようなことで実際は時間を待たせる。こういう不当なやり方、これは警察のもう常套手段ですよ。こういうのがはたしてほんとに国民のための警察であるかどうかという点が非常に私は重大だと思う。  私は時間がないからこれでやめますけれども、実際はね、この前もあそこの自走砲が送られる段階で私はあの現場に参りました、その事態をよく見てます。車両制限令というのが改悪されてから警察の態度は全く変わってきている。この点が非常に私は大きいと思う。国内法を守るという立場のときには、あんたたちは受け身だったかもしれない。ところが実際は、憲法違反のやり方、そして法の精神を踏みにじったかっこうで米軍の人殺し戦車を通す。それを唯一の方針として、そのためにはどうなろうが、人の通行をとめようが。当然これに対して、あの戦車一台通ればそのとたんにベトナムの人が何百人も殺されるんだ。しかも明らかにこれは安保条約そのものにも違反しているんだ。極東の周辺です、あれは。範囲ではないんだ。そこに送る戦車に対して、なぜ一体安保で義務を負わなければならないのか。しかもその結果は、たくさんの人が殺される。こういうことを、平和憲法を持った日本の国民は許すわけはないわけだ。だから、私はこの前、先月十七日のあの車両制限令が改悪された次の日の委員会でも二階堂官房長官に聞いたわけだ。私たちがこのような戦車の輸送、そういう輸送について反対するというのは、当然平和を守る国民の権利じゃないか、これは認めるか。これを否定することはできなかったじゃないですか。いわば、そのようなわれわれの当然の権利ですね。そういうものをあんたたちは、こん棒と、あのような凶器みたいなジュラルミンでもって、多数のけが人を出して、しかもあすこを通す。これはあんたたちのむろん責任だけじゃないかもしれませんけれども、車両制限令が改悪されて、そのあとにおける警察の態度というのは、まさに安保闘争時代のようなかっこうで歯をむき出してきているという正体を私は見たんだ。これが最大の大きな問題ですよ。こんな形でまかり通っていけば、軍国主義の復活とか、さらにアメリカの侵略体制の中にはっきり日本は編入させられるという、そういう具体的なその手先の役割りをこれは警察が果たしているということになる。木村国家公安委員長がいないからなんだが、この点では、私は、政治的にこれは明らかにしたがったんだ。  しかし、警察庁長官といえども、あなたの立場はどうなんですか。中立不偏の立場だったら——国家の意思だからというのでこういうことが強要され、そういう体制の中で全くいやおうなしにその命令どおりにこれは行なわれている。しかも、最近のやり方で、あなたはしばしば田中総理と会っておるというこういう記事も国民は知っております。さらに田中総理は、この前の全国の県警本部長の会議に、前例のないことですがわざわざ出席をしておる。どういう話をしたかということは明らかになっていないが。それから、警察の姿というものは非常にこのような弾圧的なものになってきているんだ。こういう点について、全然これはあなたたちは、正当な行為であった、反省する必要はありません、過剰防衛は認めません。そうして実際は市民のこのような行動に対して襲いかかってくる、こういうことには何らの反省を持たないというんですか、どうなんです。あれだけの人をけがをさした。報道陣からもけが人ができた。私自身もこれは被害者の一人です。わが党の宣伝カーは破壊されたんだ。そういうようなやり方をしなければだめなんですか。そうしなければ戦車は通らないのか。これはまさにおそるべき姿じゃないですか。私はこのことを心配しているんだ、非常に。あの晩の光景というのは、私は見ていて、安保闘争も戦った、砂川の戦いも私たちは直接この目で見てきた。そういうものにだんだんだんだんとこれは近づいていく。車両制限令というものは、人民に襲いかかるところのそういうものじゃないか、国民への挑発だということを私たちは言ったけれども、まさに具体的にその姿があらわれたのがあの日のことです。これは長官として、この点について、あなたは警察をあずかる者としてどういう一体考えを持たれるか、これをお聞きしたいんです。

高橋幹夫警察庁長官

○政府委員(高橋幹夫君) 今回の戦車阻止闘争等につきましては、警察としては、国家公安委員会の管理のもとに、私どもとしては厳正公平な警備をやる方針をもっていま申し上げたようにやっておる次第でございます。したがって、いまいろいろ御批判がございましたけれども、私どもは国家公安委員会の管理のもとに、警察としてやる問題につきましては、政治的な中立性を持ち、あわせて妥当な仕事をするということが当然のわれわれの責務でございます。したがいまして、今回の阻止闘争につきましては、紛争の生じないように私どもとしては十二分の努力をしたというふうに考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 反省の余地はないんですか、反省の余地は。

高橋幹夫警察庁長官

○政府委員(高橋幹夫君) しかし、それらの点について、いろいろな問題につきましては、私どもの問題としては、それぞれの問題について今後の問題としてわれわれが考えるべきものは考えていきたい、こういうふうに思っておりますが、私どもといたしましては、今回の紛争の問題については、いかにしても平和のうちにこれをやらなければならないと、こういうふうに考えております。私どもは警察の仕事として当然の仕事をしたものであるというふうに考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 反省の余地はないんですか、検討する余地はないんですか……。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 質疑中の五案の審査はひとまずこの程度とし、後刻審査することにいたします。     —————————————

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 次に、農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案は、第六十八回国会において提出され、同国会において趣旨説明を聴取しており、その後、今期国会まで継続審査となっておりますので、これより直ちに質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 それでは農林省設置法の改正案につきまして質問をいたしたいと思います。  この法案は、いま委員長からもお話がありましたように、先般の国会から継続審議になっている法案でありまして、慎重に審議をすべきだと思いますけれども、日程があまりないようでありますから、たいへん大ざっぱになると思いますけれども、順を追って逐次質問をしてまいりたいと思います。  まず、この農林省設置法、いわゆる機構改革が行なわれます最大の理由は一体何なのか、こういうことについて当然明らかにしなきゃならぬと思いますので、その点について、まず基本的に、なぜこの機構改革をするのかという主眼についてお伺いをいたしたいと思います。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 御承知のとおり、今回御審議をお願いしています設置法の機構改革のおもな点は、構造改善局の設置と食品流通局の設置でございます。  食品流通局につきましては、かねて、物価安定の見地から、農林省に課せられた使命がたいへん重いということ、産地から消費地までものの流れにフォローいたしましてこの安定をはかるということで、私どももその使命感に徹して努力をいたしたいということから、特にこうした流れに沿った管理ができるような局をひとつつくっていただきたいということで考えたわけでございます。  構造改善局につきましては、従来は、農地局が主体で土地改良、基盤整備等を進めてまいったわけでございますが、いわゆる上ものと称せられております構造改善の面は農政局所管でございましたが、これはやはり一体的に運営をするところに妙味があるといいますか、目的を達し得るということから発想いたしまして、農政局の一部を農地局に合併をいたしまして、新たに構造改善局といたしたい。それに伴って、従来の農政局が農林経済局としてまとめられますし、なお、生産方面を指導するのは農蚕園芸局という、サンという字はお蚕でございますが、そういうふうな、ここへまとめたと。こういう形で機構改革をすることによって、これを今後の農政のスタートラインにいたしたい、こういう考え方で御審議をお願いしているわけでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 確かに、いま大臣が御指摘のような、現在の新しい情勢の推移に従って機構改革をするということは、それはもちろん私は筋だと思うわけであります。それでは、そのようないまの新しい情勢の中で、一体、農業というものはこれから日本経済の中でどのような位置づけをするのかと、こういう問題がまた提起されていいのではないかと私は思います。これは先般の本会議でも質問が出ておりましたように、何か新しい——田中総理の列島改造論を見ても、今回、十月に農林省から出されております、長期の、「農産物の需給の展望と生産目標の試案」というものを見ましても、何か農業というものが、新幹線や道路に取られ、あるいは工場用地に取られていく。その残されたところで農業が細々と経営をするというような感じを、そういう印象を私は非常に受けざるを得ない。そういうことではやはりいけないのではないか、このように思うわけであります。そこで、一体これからの日本農業を進めていく上において、私たちが何を考えなければいけないのか。私は、すべて農業一〇〇%農林省でやれということは非常にむずかしい問題ではないか。そうすると——おのおの個々の農家においては、農家の今日までの伝統的な技術の上に立って一つのものを見出していこうという努力が積み重ねられ、ある程度それが成功しているという実態もある。県段階、町村段階、地方自治体でもそういうことが進められているという経緯もある。それでは、農林省はそれを踏まえて一体何を基本に置いてこれからの農業を進めたらいいのかということ、そういう分担というものをある程度考えていかないと、私はこれからの新しい情勢に対応する農業政策というものが出てこないのではないかという実は気がするわけなんであります。  そこで、これは農林大臣にお伺いをいたしますが、そういった意味から、一体、日本の農業というものをどのような角度で日本経済の中に位置づけるのか、その点について、たいへん大きな問題ですが、お聞きをしたい。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 工藤先生御指摘のとおり、わが国の農業をめぐる情勢はまことにきびしゅうございまして、現に、米の生産過剰を解決するために、たいへん無理な政策でありますが、生産調整というようなことをお願いをしているわけでございます。私は、何とか早く転作を定着させまして、将来に希望の持てる農業に仕上げていきたいというふうに思っておりますが、こういう情勢だけでも非常にむずかしい場面でございまして、何と申しましても農業の使命は、国民に対して食糧を安定的に供給するということでございますので、そのためにあらゆる手段を講じて、農業の振興をはかっていかなくちゃいかぬというふうに思っております。けさほども予算委員会で、足鹿委員の質問に関連して、工藤委員からの御質問がありまして、御指摘があったわけでありますが、需給見通しを立てるということは、農林省にとってはたいへん、冒険といいますか、いままでにない思い切ったことを実はやったわけでありまして、一部自給率が足らぬじゃないかというおしかりもいただきましたが、私どもとしては、今後、精一ぱい努力をいたしますその最低線といいますか、目標として十月に発表したような自給度を保っていきたい、こういう考え方でございまして、あの中にも、御承知のとおり、米はもちろん一〇〇%自給。さらに、野菜とか鶏卵とかいうようなものはほぼ一〇〇%。その他の主要農産物、たとえば、肉類であるとか酪農製品であるとか牛乳であるとか、そういうふうなものはこれから需要の伸びるものでありますが、こういうものは八〇%以上自給しよう、こういう目標を立てたわけでございます。もちろん、飼料作物のように日本には適しないもの、たとえば、マイロとかあるいはトウモロコシとかいうものは、北海道の一部では適作ではございますが、全般的には適しないもの、これはやむを得ず輸入を覚悟しなければならぬと。こういうふうな全般的な配置を考えましてあの自給度を算定いたしたわけでございまして、相当思い切ったことをやりました理由は、いま御指摘になったように、何となく世の中が農業に対して風当たりが強いといいますか、非常にきびしい情勢にある。また、これは私は誤解だと思いますが、日本列島改造というような声が出てくると、農業というものはどこかすみっこへ追いやられるのではないか、こういうような感じが出やすいわけでございますが、農林省としては、決してそうではない。農業本来の使命と目的を達するために、こうした基本的な考え方で腰を落ちつけて今後農政をやりますよ、こういうことを意思表示するためにも、この際多少不備な点があっても、思い切って自給度の基本方針をきめる必要がある。こういうことで実はふん切ったような次第でございまして、私としては、そういう基本的な考え方に立ちまして、今後農業の振興をはかっていきたいというふうに思っております。  同時に私は、着任以来申しているわけでありますが、日本列島が南北に長く伸びておりますんで、亜寒帯から亜熱帯まで横たわっておりますので、それぞれ地理的な特徴を持っておりますから、適地適作の実を徹底的にあげていきたいということと、高能率、高生産の農業を実現したい。特に水田農業等につきましては、あるいは畑作でもそうでございますが、機械化を進めていきたいという考え方に立っておりまして、実は、今度お願いしているこの構造改善局も、そうした考え方に立って考えられた機構でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 私は、いまのこの日本農業が、さっき申し上げましたように、工業優先という立場の中で政治の外に押しやられてしまっているという印象をぬぐい去ることができないわけであります。しかし、そのまま放置しておくわけにはいきませんから、一体どうするのかということで、そこを真剣にまた考えなければならぬと思っているわけであります。いま大臣おっしゃったように、確かに米の場合には生産過剰になり、これが生産調整という形で、どうにかいま、年間、生産と消費がとんとんになるという、需給の均衡がとれたというかっこうになっているわけでありますけれども、しかし、これにはやはり多くの農家の皆さんの犠牲があったという、そういう上に立っているわけであります、私は、そのような生産過剰、非常にばく大な生産過剰に落ち込んだということは何を意味するのか、これはやはりいまの農林行政の当然担当すべきところに手が届かなかった、こういうことではないかと思うんですね。たとえば、具体的に言いますと、稲の品種の改良ですね。それによって非常に反当収量が上がった。いま山形県あるいは佐賀県に参りますと、七百キロ、八百キロというような十アール当たりの収量がとれるようになった。こういうことはだれも考えていなかったわけでありますけれども、それが実現可能になってきたわけですね。そういうことが米の生産過剰という段階に追い込んだ。これは本来からいうと喜ばしいことなんですけれども、これが、正直申し上げまして、農家のいま大きな犠牲になっているという実は状態なんですけれども、私はそういった生産過剰というものをつくり出した。こういうことは、ひとつ農政の大きな私は欠陥ではないのか。担当すべきところに手が抜けていたという実は理論に立つわけなんであります。  そこで、具体的に申し上げますけれども、これから日本が、いま申し上げましたような安定的に食糧を供給をしていく、こういうことは、安定的にということは、あまり大きな、要するに売れないような過剰の状態をつくり出すということは、これまた安定的ではありませんし、大量にまた不足するということもこれは困るわけでありますから、そういう均衡のある状態をつくり出すということは、後ほどまた質問いたしますけれども、需要と供給の計画性というものを徹底的に議論をし、詰めていくということが大切でありますが、それと同時に、特に将来にわたって今回出されている長期の展望というものを私は見ますときに、一体アジアにおける、たとえば中国や、あるいはベトナムの戦争が終結をする、南北の朝鮮の問題も解決をしようというような新しい情勢を踏まえて昭和五十七年度のいわゆるこれからの十年間の長期展望というものを当然立ててしかるべきではないだろうか、このように思うんですけれども、そういう点についてはどうでございましょうか。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 米の過剰につきまして工藤先生の御意見ございました。確かに、全般的に計画性が足りなかったじゃないかといえばおしかり受けることもやむを得ないと思いますけれども、これは議論する気はありませんよ、議論する気はありませんが、私の認識では、やはり国民の生活程度が向上し、食生活が急変してきた。その証拠は、米の消費量ではっきりわかっておりまして、私ども長く農政やっておりますが、日本国民一人、これは赤ん坊まで入れまして、年間消費量一石といわれておったものでありまして、百五十キロ、それが最近は農家でももう百キロそこそこ、平均すれば九十キロ割るというような状況にまで落ち込んできておる。この消費量が減ったということが過剰の根本的な理由だと実は思っておりますし、これはまた、急速にあらわれてきたということでございます。もちろん、品種改良その他いろいろな手当てを講じて増産をはかってきた。これは私は、農林省としては当然なすべきことをやってきたと思っておるわけでありまして、もしそれならば、農地を他に転作してでも、少ない土地からより多くの米がとれるということならば、土地の利用から言えば、より有効なわけでございますので、全体の計画が足りなかったじゃないかというおしかりは甘んじて受けますけれども、そういうふうに私は認識いたしております。したがって、今後安定的な供給、需給のバランス、こういう点に最も重点を置いて計画を立て、いま野菜なども御承知のとおり団地を指定いたしまして、計画的に生産をしていただいております。いまカンランなんか下がって困っておりますが、こうした場合には価格補償もやろう、こうした政策を徹底することによって、計画的な生産と計画的な出荷、そうして需給のバランスをとる。こういう考え方で進めていきたいと思いますので、これは特にいま審議をお願いしている食品流通局をつくって、そうした全体的な需給のバランスをとるような、また、流通を円滑にするような方策をとりたいという今度の機構改革も、そういうふうな考え方が根本にあるということを御理解いただきたいと思っております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 農林大臣は簡単に、米の生産過剰というものが急速にできたと、こうおっしゃいますけれども、米の品種の改良というものは、そう簡単にできるものじゃないわけでしょう。一年や二年で新しい品種の改良なんていうものはできないわけです。これは長い、一生懸命努力してきた技術家の皆さんの努力の結晶というものが、日本の食糧、米についてはそういう過剰の状態に持ち込むことができたわけです。ですから十アール当たりの、いわゆる反当収量というものを大幅に上げるということは、私はますますやらなければならぬと思うのですが、その使い方が誤まったと思うのです。これは率直に申し上げますけれども、三十六年に農業基本法ができた。河野農林大臣が適地適産を叫んで、米はもう余った。だからこれからは果樹や野菜や畜産にひとつ向けようじゃないかということを十数年前に言って、農業基本法ができた。私はこれは問題があるということは指摘しましたけれども、そのときにすでに米の過剰という問題は指摘をされて、そういう方向というものは出されてきたわけです。しかし、それが現実に農林政策の中では生かされずに、逆の方向にいってしまったという、この歴史的な経緯というものを私たちはどのように踏まえて、農民に新しいものを与えていくのかということが、今回のこの長期展望にあらわれ、農林省の機構改革というものにあらわれてこなければ私はいけないのじゃないか、このように思うのですね。  そこで、この議論をそれ以上深追いしてもしようがないと思いますけれども、私は、そういう歴史的な経緯の上に立って、今度のこの行政改革なり、これからの農林行政を見ていきたいと思うのです。正直申し上げまして、いままでの農林行政というものは、どちらかと言いますと、補助金農政というものに終始してきた。農林省が補助金を持っておって、各県・町村を通じて補助金を与えますよということで、それぞれがかってにやってきたというきらいがあるのではないか。ですから、これから農業をやろうとすれば、何に一体目標を置くのかということ、率直に申し上げますが、第一番に大切なことは、いままだ二〇%しか完成していないという農業の基盤の整備、これは個人でなかなか行なうことができないわけであります。たとえば圃場の整備、水の開発、農道、こういうものは、これは当然行政のなすべき仕事ではないだろうかと私は思います。これが一つ。  それから次は、これは全体的に技術の開発、これも必要です。試験研究機関を充実して技術の開発をやる、それをさらに農民に普及していくという任務が農林省の重要な二つ目の任務だと思う。  さらに、その上に大切なことは、食糧の需要と供給のバランスをとりながら、それを計画的にどう生産をし、消費者に新しいものを安く供給していくかということ、これが農林省の仕事でなきゃならない、私は三本の柱だと思うのですね。これが今日まで私は抜けているような気がするのです。これは大臣、ひとつぜひ考えていただきたい。私は、この前、さっき鈴木さんもここに見えておりましたけれども、北朝鮮に参りました。行きましてたいへん驚いたことは、北朝鮮は私どもの想像からするとたいしたことはないだろうと思って参りましたけれども、行きまして一番感じますことは、もう水の治水、利水ということが全く徹底しているということなんです。農村で何を一番先に手がけているかというと、基盤の整備と農道と水の整備、さらに村落の再編ということが、これが一番先にやられているわけです。たとえば、大同江の一番下流の水を六十メートルの高台に引き揚げて、それが逐次上のほうに引き揚げられていって、一ぺん使われた水が農村の果樹園にも、あるいは雑穀地帯にも、スプリンクラーのコックを一つひねれば、それで全地域に水が供給できるというようなことが完成している。一体、日本の農業にそのような基盤の整備が今日までどれだけできているだろうか。私は、まずこのことを手がけるということが先決ではないのか。そういうことを考えてみると、さっきおっしゃいましたように、一体、農林省として、基盤の整備にどれだけの熱意を示すのだろうかと、今度の機構改革にそのことがどこにあらわれているのかということを私は疑わざるを得ない。大臣、その点はどうですか。具体的にこれから一つずつ聞いていきたいと思いますが、その点について。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 構造改善局の主体は、先ほど申し上げたとおり、従来の農地局が主体でございます。農地の基盤整備は、私としても最も力を入れております。まだ予算折衝が始まっておりませんので、私があまり大ぶろしきを広げますとしかられまするけれども、私としては、来年から十ヵ年計画を立て直しまして、もう徹底的にこの基盤整備、圃場整備を重点に置いてやりたい。まあいままでの土地改良、農道の整備等ももちろんあわせてやりたいと思っております。いま御指摘のとおり、まだ全国的に申し上げると、この土地改良も進捗はあまりいたしておりませんが、私は、やはりこれからの農業を高能率農業にするためには、どうしても機械を入れて、機械の力で作業を合理化するということ以外にないと思っておりますので、機械を入れる基本的な条件としては、思い切った基盤整備が必要だと思っておりますので、私どもがいま頭に描いている十ヵ年計画では、少なくとも全農地の八割程度のものは、十年後には機械が全部入るような基盤整備をやりたい、それを目標にして、相当大がかりなひとつ土地改良事業を進展さしたい、このように思っておりますので、工藤委員の御指摘全く同感でございますから、決してそれをないがしろにしているわけでも何でもございません。その点はひとつ御理解をいただきたいと思います。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 まあ局がなくなったからといって、基盤整備に力が抜けるということはないとは思いますけれども、今日まで農地局という局があった、それが今度は構造改善局という中の一つの部ということになるわけであります。もちろんそれは、いままで、さっき大臣がおっしゃったように、基盤整備は基盤整備でどんどん進んでいく。農業の経営というものは別のところでやっていくということから、このアンバランスというものが農業経営に非常に逆に影響をしてくるということから、失敗をしたりすることがたいへんありましたから、その調整をはかるために一つのこの構造改善局というものの中に入れて、上も下も同時に計画的にやるという、その構想はわかるのですが、確かにそれは直さなきゃならぬとは思うんですけれども、日本のいわゆる耕地の八〇%以上のものを十年間にやろうという熱意があるならば、私はこの機構改革でそういう熱意が一体あるのだろうかという実は危惧の念があるわけでありまして、これはむしろもっと充実すべきではないか。逆に、これは次の問題を、さっき私は指摘をしたところなんですけれども、日本の農業行政というのはすべてそうなんですけれども、総合性というものを一体どこで樹立をしていくのかという点が欠けるわけですね。この今度出された生産目標の試案ですけれども、これはずっと前も、昭和五十年を目標とした長期計画というのが出たことがあるのですけれども、ちょっと見てみますと、これはもう一年か二年すると完全に計画がこわれてしまうという状態があります。私は、そういままで言ってきたのです。大体、十ヵ年計画で二年ないし三年、五ヵ年計画で初年度が終わった段階で、全然修正しなければ農林省の統計なりこういう計画は進められないというのが、いままでのどうも経緯のようでありますから——。私はそういうものじゃいけないと思うのですね。だから、やはり基盤整備を徹底的にやるということと同時に、やはり需要と供給の計画性というものについては、もう徹底的に、これは日本のような自由の国でありましても、私はそれは必要ではないだろうか、このように思うのですね。ですから、いまの農林省の機構の中で一番欠けているものは何かと言ったら、さっき言ったように、農地局といわゆる農政局との間とか、経済局との間というものの全体的な総合調整というものが欠けているのだ。だから、それを一つの構造改善局の中で何とかごまかそうとしてみても、私はそれはしょせん五十歩百歩、あまり変わったものじゃない。そうすれば、私は今度の機構改革の最も大きな欠陥というのは、そういう総合性を持たせるという一つの、いわゆる農林省の頭脳、日本の農業の頭脳というものがここにあってしかるべきじゃないか。そういうものをきちんと据えて、そのピラミッドの頂点の下にそれぞれの部局が入って、政策を展開をしていくということが当然至当じゃないだろうかと、こういうふうに思うのですけれども、ひとつそういうことが可能であるのかどうか、今度の機構改革で。私は、構造改善局のこの内容を見てみても、いままでのやつをあっちこっち動かした程度にすぎない。私はそういうように理解しているのですけれども、もしそうでなければ御説明をいただきたい。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) おことばを返すようですが、工藤先生、あなたはいままでの名称にたいへんこだわっていらっしゃるが、私の認識では、この構造改善局というのは、農地局を拡大強化したものだという認識なんです。この職制表をごらんいただくとおわかりでございますが、いままでの農地局の中の管理部が農政部という名前に変わっただけでございまして、それに上ものの関係、農政局の一部を加えておりまして、農業団地対策室というのが新設されているわけです。それから計画部は従来どおり、それから建設部はさらに強化をはかりまして、水利課、整備課、開発課というようなものが新たに新設されているわけでありまして、これはいままでの農地局の範囲内でこういうふうに強化をはかっているわけでございまして、むしろ農政局のほんの一部と農地局とを合体して、名前は構造改善局と言いますが、むしろ農地局を強化、整備したものだというふうに考えておりますので、私は、むしろこの基盤整備等はもう総合的な計画もさることではありますが、この構造改善局で一貫的にもうほとんどやれる、これが一番強力な農林省の組織になる、機構になる、こういうふうに考えておりますので、名前にあまりとらわれずに、私どものほんとうの気持ちをおくみ取りいただいて、今後ともひとつ御理解ある御支援をいただきたいと思っております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 私は、この名前にこだわるわけじゃないのです。むしろ、私はこだわらないのですけれども、しかし役所の機構というものはたいへん名前にこだわる。逆に名前にこだわるわけであります。大臣、そうじゃないですか。私はそう思っているのです。私も農林省の出身でありますけれども、やっぱり役人というものはどうしても名前にこだわるわけです。だから、そのからを大きく飛び出していくということがやはり必要ではないだろうかというように実は思っているわけで、そういう意味からすると、むしろ確かに農地局を拡大をしたといえばそれはそれまででありますけれども、確かにそういう面があるということは私も認めます。認めますが、残念ながらいまのように基盤整備を非常に進めていく、上ものを乗せていくというその総合的な計画というものは、局部的には出ていきますけれども、全体的にこういう農林省、いわゆる国の農産物、食糧の需要と供給という大きな観点に立って綿密な計画を立てるという、そういう基本というものが一体どこで立てられていくのか、そういうものがはたして考えられているんだろうか、こういう実は気がするわけです。これは基本法に基づいて、毎年白書を出さなくちゃならぬというお義理のものであってはならないわけであります、そうでしょう。そういう頭脳というものが一つ一本あって、その下にやはりそれぞれの部局で車が回っていくということが大切じゃないのか。この機構改革見ても、私は従来から指摘をしてきておりますけれども、それが何かないような気がするわけであります。これで、構造改善局でそういうことがやれるということであれば、これは今後私はお手元並みを拝見をしていきたいと思うんですけれども、私は問題があるような気がいたします。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) いま御指摘の総合的な計画ということは、これは従来とも官房の企画室が中心になりまして、先ほどお話のあった自給度の問題なども、官房の企画室でやってまいっているわけでありますが、今度の機構改革の中でおわかりのとおり、身分は官房に所属する審議官というものを各局に配置をいたします。これは身分は官房でございます。ですから、新たに七人の審議官が官房長の下につくわけでございまして、常時は各局におりますが、いまおっしゃるような総合的なプランを立てるというような場合には、この審議官が官房に寄りまして総合的な計画を立てるということも可能でございますし、私どももそれを考えているわけでございます、ここでじゃあ大きな何か総合企画室というものをつくれというようなお考えかもしれませんが、私は大臣のもとに事務次官がおり、官房長がおりますので、そのひざもとで企画室がありまして、いまの審議官が各局におって、いざというときには集めてくるということで相当な企画能力は持っておるというように思っておりますので、その総合計画の面では私は御心配ないと、かように思っております。どうかよろしく。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 その心配のないことが、さっき申し上げましたように、あなたがおっしゃるように急速に米が過剰になってきたり、たいへん飼料——畜産は伸びたけれども飼料の自給率は年々低下をするという状態が起こってくるわけでしょう。私はそのことを言っているわけです。だから長期に安定的に供給するということは何かというと、私はさっき言ったようなことで、極端に過剰なものが出てもいけないし、足らないものがあってはいけないという、それをどのように調整をしていくかということを考えてみると、これは農林省には総理府以上の統計調査部という非常に手足を持った機構を持っているわけでありますから、これを最大限に駆使し、現在の科学というものを最大限に私は使っていけば、農林省としてそんなに大きな、ずさんな数字というものが、計画というものが出るはずがないと思っているんです。しかし実はこの長期試案を見ても、この中には正直申し上げましてこの数字はたいへん大きな違いが起こるかもわかりませんから、そういうような目で見てくださいというようなことまでわざわざ書いてあるのですよ。こういうようなことで最初から出てきたんじゃ、私、これお話にならないと。少なくとも、農林省が出すこの長期計画については、農家の人は安心してひとつこれをつくってくださいよと、その具体的なものはこうですよと、その具体的なものはこうですということが当然私は出てきてしかるべきじゃないか。そういうものがなければ、農家の人だって安心して生産に取り組めないじゃないですか。結局出稼ぎに行かざるを得ないという形になるわけでありますから、それはきょう私は足鹿さんの関連でも質問をいたしましたように、そこに日本農業の大きな欠陥があるし、日本列島改造論の中でも、何か主要農産物について八〇%の自給率を確保すればいいんだなんというようなことが簡単にぽんぽんと出てくるような軽い扱いになってくるわけでありますから、そういうことのないように、やはり農林省としては親切な、しかも、それが日本の食糧という重要な任務を持つ試算をしていくわけでありますから、いま直ちにこれを改正してそういうことをしなさいということではありませんけれども、七、八人の頭脳で、できればけっこうでありますけれども、私はまずそれが基本になっていかなければいけないんじゃないかという考え方を持っておりますから、これは今後、大臣も相当農業問題に詳しいわけでありますから、当然その矛盾については感じられておると思いますから、そういう方向で検討を願えればたいへん私は幸いじゃないだろうかと、このように思うわけです。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 工藤先生の御指摘、御注意、よく私も理解できます。先生非常に農政に御熱心で、農政を何とかしてやろうというお気持ちからおっしゃっていらっしゃることも、私も衆議院農水時代からのおつき合いでございますから、よく承知いたしておりますので、決していいかげんに伺っておりません。今後十分注意をいたしまして、こうした機構をお認めいただければ、この機構をフルに生かしながら、同時に総合計画的な面についても、企画的な面についても十分意を配ってまいりたい、かように思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 次の問題は、私は三つ目の問題として指摘をいたしました、どんなにりっぱな技術を開発しても、それがやはり農家の中に受け入れられて、それが農業経営に合理的に利用されていくということが必要だと思うわけであります。そういう意味から、私はこの農林省の主要な任務として、これから合理的農業経営方式の試験研究、普及ということが非常に大切ではないかと、このように思うわけでありまして、そういう意味から今回園芸試験場が果樹試験場と野菜試験場に分けられたということがなされておりますけれども、私はこれらについてはもっともっと充実をしていって、局地的な部面からさらに大きく全体の日本農業を見詰め、さらにそれが普及徹底をしていくという体制というものが必要ではないだろうか、このように思っているわけでありますが、今回見てみますと、さっきお話がありましたように、農蚕園芸局で普及関係を担当するということで、若干ここらあたりにばらつきがあるような気がするわけでありますが、そういう試験研究と普及の関連についてどうも私すっきりしないような気がいたしますから、その点を少しく説明していただきたいと思います。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 御審議願っています今度の機構改革の中で、農蚕園芸局というと、何か余りものを集めたような名前、かしら文字ばかりとっていますから、そういう御指摘もあるかと思いますが、この機構の中をごらんいただくとおわかりのとおり、生産行政の面でございますので、やはり普及部はこの生産行政の面とくっつけまして、そして実態に触れて指導していくというのが一番望ましいと思っております。もちろん試験研究機関との関係はより深くなきゃならぬと思っておりますし、しかもアメリカのエクステンションサービスも現地に見たことがございます。そういう面では、最近は日本の農民もそれぞれ団地営農化してまいりまして、主産地がつくられてくると、うっかりすると普及員よりも農民のほうがりこうになりまして、普及員が逆に教わらなきゃならぬというような場合もございますので、よほど専門的に高度化しないと十分に技術普及の実をあげることができないんじゃないかというふうに思っていますが、これはだんだん集団指導のような形でこういう技術員を養成いたしまして普及すべきだというふうに思っていますので、今後できる限り御指摘のような点を注意いたしまして努力をいたしたいと思っております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 その点ですね。さらに具体的に申し上げますと、たとえばさっきお話がありました構造改善事業を進めていく、あるいは畜産の開発をやる、こういう具体的な事例が起こってまいります。私どもはずいぶんあちこち回るんですけれども、たとえば畜産の団地形成をやるとか、あるいは野菜の団地形成をやる、その現場に入って見ますと、やはり従来からの、昔からの一つの伝統的な技術というものがあるわけですね。その中からいつの間にか農民の中で科学的にそれが生かされてきている、そういうものが中心的になって一つの団地形成の大きな中心になり、成功しているという事例が私はたくさんあると思うのですね。ですから、これからの構造改善事業にいたしましても、そういうことを一つの中心に置きながら、全国的なにらみをしながらこの団地形成なりということがおそらく進められていくだろうと思うのですけれども、そういうことをしなければ私は失敗するんじゃないかと思うのですが、ただそこで問題になるのは、非常に形式主義になるというきらいがあるわけであります。したがって、極端に言いますと、畜産をやるという場合に、畜舎などにとてつもない金を入れて、そのことが経営を非常に不振に追い込んで、牛飼いは成功するんだけれども、そこで採算に合わないという状態が起こってまいりますから、やはりいかにして安い、しかもこれはおいしいということがもちろん条件ですけれども、そういうやはり生産コストをいかに下げて国際競争力に打ち勝たせるかということ、そういうことがやはり中心になってこれからの試験研究ということが進んでいかなきゃならぬ。もちろんそれはやってるだろうと思いますけれども、そういうことを全面的に私たちとしてはやらなきゃならぬと思うし、そういう指導というものをやっていくためには、いわゆる直接農業経営と試験研究機関のパイプをどこでどう結んでいくのか、こういうことが非常に大切なような気がいたします。それをやらないと、どんなにこれがいい、この牛の飼い方がいいんだと言ってみても、なかなか農村の皆さんは飛びついてこない。私どもは、大分県の場合も昔から畜産の盛んなところですけれども、いま毎年、共進会があります。りっぱな牛をつくって、一頭が八十万も百万もするというりっぱな牛をつくっておりますけれども、しかし、それがはたして採算に合うかどうかという点になりますと、非常に大きな問題が出てくるわけであります。私はこの前、青森県に参りましたけれども、青森県の場合には、混牧林を利用いたしまして、そこで牛を飼う。非常に素朴な農業のしかたではありますけれども、むしろそれのほうが効率的にはきわめていいというような試験結果というものが出てきている。ところが、そういうことを私どもが話をしてみても、そんなことをやっても牛というものはきれいに油をかけてみがくようにしなきゃやっぱり牛じゃないんだという感覚というものがあるわけでありますから、そういうものをどのようにして直していくかということは、やはり試験研究機関というものと個々の経営をやってる農家との結びつきというものが非常に私は重要になってくるのではなかろうか。そういう意味から、特に普及関係に対する統一的な指導体制、こういうものが私は大切だと思うんです。近ごろどうも普及関係につきましては、農林省が地方移管をやるんじゃないかという話もときどき聞くんでありますけれども、そういう点については、もっと私は国の、さっき言った基盤整備、それから総合的な計画の樹立、そしてこの試験普及ということが三本の柱のような気がするわけでありまして、そういう点についての大臣のもう一ぺんひとつ考え方を聞かしていただきたいと思います。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 私も、先ほど申し上げましたんですが、技術的な試験研究機関と普及との関係の一体化というものはどうしても必要だと思っております。現在どういう方向で実際に進めているかということにつきまして、普及部長が参っておりますから、普及部長から一言言わしていただきます。

田中基雄農林省農政局普及部長

○説明員(田中基雄君) 御説明さしていただきます。  先生のおっしゃいますように、農家がいろいろくふういたしまして開発した技術がございます。それを中心にしながら試験研究のほうにつないでいくというふうなことは普及員がやっておりますし、それから逆に、新しい研究成果が出てまいりますと、専門技術員を通じまして農家の方に連絡する。それからさらに、おっしゃるように、農家自身が非常にいい技術を開発しておる場合には、それをそのまますぐに横に広げることもできるような技術もできておる場合がございます。そういうこともやっておる。したがいまして、試験研究と普及との結びつきは、現実には県の場合には専門技術員、農林省の段階では技術会議と農政局との間で連絡会議がございまして、その会議をひんぱんにいたしまして、できるだけ現場の情勢を国の研究機関にも反映するような努力はいたしております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 これは予算的に見ましても、どうしてもそちらのほうが非常におろそかになるような私は印象を受けるわけでありますが、これはこれからの重要な問題として、ぜひ農林省としても十分な配慮をして、これからの農業経営というものがうまくいくようにするためには、私はそういう試験研究機関の充実ということが必要になってくるのではないか、このように思いますので、その点については、特にこれからの予算要求等の段階につきましても配慮していただきたいと、このように思っているわけであります。  それから次に、今回の行政改革の非常に大きな柱でもあります野菜の問題ですね。これは一つの柱になっておるようでありますが、これを今後食糧庁の食糧事務所の職員に担当させるということでございますけれども、この野菜の対策について、こういう程度の対策ではたして安定的に供給できるのかどうか、そしてまた、農家の生活の安定、農業の安定ということをはかることが可能であるのかどうか、私はどうも中途はんぱのような気がいたしまして、こういう中途はんぱなことをやりますと、食糧庁が野菜は担当したけれども、結局は消費者のほうからも生産者のほうからも、どちらからも攻撃を受けて、何か農林省の寿命というものが縮められていくような気がするわけでありますけれども、この点について、ひとつ率直な御意見をいただきたいと思います。

池田正範農林省蚕糸園芸局長

○政府委員(池田正範君) それでは、お尋ねの野菜の当面の対策について私から申し上げたいと思います。  御指摘のように、野菜全体につきましては、最近までかなり騰落が非常に激しかったために、生産から消費に至ります間の流れが必ずしも円滑にいっていなかったということが、御指摘のとおり、言えると思います。そのことにつきましては、最近急速にこれが対応策を講じまして、特に最終的には需給をうまく合わせる。その需給をうまく合わせるために必要な生産の計画化、それから出荷の計画化、それから流通市場関係の合理化、最終的には消費へのマッチ、こういう形で野菜全体の流れを調整はしてまいるということが肝要であろうかと考えておるわけでございます。そういたしますと、野菜と申しましても、御承知のように、全国、販売農家だけでも百十万戸、つくっておる農家にいたしますと二百数十万戸あるわけでありますし、種類自体も、先生御承知のように、非常にバラエティに富んだものでございます。そこで、全般にフラットなつかまえ方をせずに、重要な野菜を時期別につかまえまして、その重要な野菜とその重要な野菜が主として消費される地域とをうまく結びつけるということができますと、ただいま先生が御指摘になりましたようなことにかなりこたえられるのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。そこで、野菜の指定産地を指定するという形で全国六百六十六産地を指定をいたしまして、そのほかに今度は指定消費地域、これを全国——東京、京阪神地域ほか九地域指定をいたしまして、そうしてこの両者の間の野菜の安定的な需給関係を維持するということにいたそうと考えておるわけでございます。消費地域につきましては、おおむね五年後の需要の見通しを立てますと同時に、月別の市場別の入荷必要数量等を明らかにいたしまして、県とかあるいは生産者団体というものが構成員となりました生産出荷協議会というものを別途つくりまして、これを開催して需給の調整を進めていくというふうなことを考えて実施をいたしておるわけでございます。特に四十七年度からは、秋、冬の大根とか白菜とかキャベツとかいう重要な野菜につきまして、計画生産あるいは計画出荷ということを進めますために、出荷団体が生産出荷計画を作成しまして、農林省の承認を得て、この計画を基礎に出荷予約をする。そうしてこの予約に基づきまして予約概算金を払う、あるいは出荷奨励金を交付するといったようなことについて、それぞれ予算措置を結びつけまして、そうして全体としての計画があらかじめきめられました出荷計画にほぼマッチでき得るように、そういうふうな形に持っていきたい。中にはオーバーフローする場合もあるわけでありますが、オーバーフローいたしますと、たとえば産地においてこれをある程度抑制するといったようなことについての予算措置、あるいは市場隔離でございますとか、そういうふうな従来からやっておりますものはむしろこれにコンビネートしてくっつけてこれをやってまいりたい、こういうふうに現在考えておる次第でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 そうしますと、食品流通局と食糧庁との関係はどういうようになりますか、仕事の関係は。

三善信二農林大臣官房長

○政府委員(三善信二君) ただいま園芸局長が申しましたように、野菜対策に特に力を入れているわけでございますが、その野菜に関する流通事務等の末端においては、食糧事務所にこれを携わらせるということに今度の機構改革でなっておるわけでございます。したがいまして、本省が計画その他をやりました場合に、地方の農政局を通してこの野菜に関する食糧事務所の事務は指導していくというかっこうに系統的にはなっていくというふうに御理解願いたいと思います。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 特に、この野菜の場合には、生産量から供給の関係については非常に私は把握をしにくいだろうと思うんですが、特に、この野菜の場合には、価格の変動というものも激しいわけでありまして、市場における集出荷の数字の把握というものは農林省としてはどういうかっこうで今後やられるのか、この点をひとつもう少しお伺いしたいと思います。

池田正範農林省蚕糸園芸局長

○政府委員(池田正範君) 御指摘の点につきましては、市場では、統計調査部のほうでございますが、市場出回りの調査を別途にいたしておるはずでございます。したがって、それによって把握をするわけでございますが、なお、いま官房長から申し上げましたことに多少補足をいたしますと、食糧事務所のまあ役回り、役割りと申しますか、そのうちで先ほど申し上げました秋、冬の重要野菜の価格補てん事業、これを拡充をいたすことにいたしておりますが、当然そういたしますというと、その出荷計画にのっとって出してきたものが、中間でかってにもうけて、消費者の台所に行くころには高くなるという形になっては非常に困るわけであります。そこで、まず出荷する数量が出荷計画どおりに出る、出されるということが確保されますと同時に、売られる価格がめちゃに売られないということをある程度保証しなければいけません。その意味で、実は産地におきます食糧事務所は、そういった主要野菜の生育状況等の見回りを常時やって、これを情報を送っていただくといったようなことを、今後はある程度機能としては期待できるのではないか。それから消費地におきましては、指定店舗、小売り店を指定いたしまして、その指定小売り店で市価よりも何割以上高く売ってはいかぬということをあらかじめきめます。それによって、その言うことを聞いた農家、出荷者に対して逆に概算奨励金を出すとかということに結びつけますので、野放しが実はできないわけであります。いまのやり方ですと、地方農政局の職員にこの見回りをさせるといったことでございますけれども、これだけでは非常に不十分でございます。これはむしろ食糧事務所の職員に綿密にそれらの指導監督、見回り等をやってもらうというふうな形を結びつける等も、今後の食糧事務所の新しい役割りの中に入ってくるんではなかろうかというふうに考えるわけでございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 そうすると、食糧事務所の職員は、該当の指定産地の職員が全部それに当たるということになるわけでありますか。これは生産の状況を把握をし、さらに市場におけるその価格の問題までも干渉するということになりますと、これはもうたいへんな仕事になるわけなんですが、それが可能であるような配置というものがなされるのか。私はそうは聞いてないわけであります。そういうことになると中途はんぱになってしまって、結局生産者からも消費者からもあまりあってもなくてもいいようなもんじゃないかということで、御叱責を受けるということが落ちじゃないか。やるんなら徹底してやるのか、さっきお話がありましたように、市場のほうは統計事務所のほうで実は数字を把握をする。生産関係は食糧事務所でやるなんということになると、何か私さっぱりわからないような気がします。そこにこの行政と行政の間のパイプというのは全くなくなってしまうわけで、そこら辺がさっぱりわからなくなるんですけれどもね、その点どうですか。

三善信二農林大臣官房長

○政府委員(三善信二君) いま蚕糸園芸局長が申し上げましたような食糧事務所の職員がやる仕事と申しますのは、これはやはり統計の仕事のそういう補助的な仕事というふうに解して、食糧事務所の職員が全般的に、全面的にそれに当たるということじゃなくて、やはりその補助的な役割りを果たして協力をしていくというふうに理解していただいたらいいと思います。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 いや、そういうことでこういう大切な仕事ができるかどうかということを心配しているわけですよ。ですから、そのためにも、いまよりもう少しきちんとしなければいかぬわけでしょう。きちんとしなければ、どことどこの範囲を統計事務所がやって、農林省の食糧事務所が補助的なことをやるなんて言ってみても、具体的に仕事が進んでいくわけなんでしょう。もう少しきちんとしなければ。いま官房長と局長間においても、まだどうもそこら辺がすっきりしていない。そういうものをいま設置法が通過したからといって、おろしたからといって、具体的にならないでしょう。どうなんですか。もう少しわかるようにひとつ説明していただきたいと思います。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 私も、こまかいことはわかりませんが、御指摘のような、ちょっと混乱した点が確かにあります。しかし、まあ食糧事務所のほうもですね、季節的には手もあいておりますので、これを大いに活用しようという政治的な意図もあるわけでございますが、同時に、統計調査部も、今度の機構改革で統計情報部と改めていただきまして、その中には特に園芸統計課というのを設けられまして、こうした数量的な把握は統計情報部でしっかりやっていこうということで、食糧事務所はとりあえず主産地を指定いたしますから、その主産地のいろいろな相談相手になりめんどうを見る。しかし、出荷のような場合には、ほとんど産地では農協がまとめますので、農協との連絡をとりながら、いま園芸局長から説明があったように、それが正規のルートで、ほんとうに流通改善に役立つような流れ方をしているかどうかというような点は、やっぱり食糧事務所のほうが専門でございますから、米のほうはそれ専門にやっていますから、まあそれに当面やらせようと、こういうことでございますが、これが本格的に進んでまいりましてね、何か縦割りの機構をつくらねばならぬと、農政局直属の野菜のめんどうを見るものをつくらなきゃいかぬという段階がくれば、また末端の組織の改善は将来に残しておきたい。とりあえず、食糧事務所の職員のあいている手をひとつ利用さしていただいて、活用して、まあ人間をふやすばかりが能じゃありませんから、これを活用したいと、こういうことでございますので、とりあえずひとつ御了承いただきたいと思います。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 私も、いまの食糧事務所の仕事が確かに季節的に偏在をしておりますし、一部批判が出ておりますけれども、それをどのようにしてやはりこれからの農政の担当者として生かしていくかということは、非常に大切だと思うのです。さっき申し上げましたように、農林省は私は総理府よりもっとより以上の統計のきちんとした機構も持っているわけでありますから、これを最大限に使うということがいま大切なことだと思うのです。ただ、残念なことに、仕事の内容なりこの機構改革によって、一体どこがどういう部門を担当して、それがこうなっていくんだということが何か私どもにまだすっきり落ちないわけですね。具体的になっていけば、それはこのまま済むわけはないでしょうけれども。ですから、この議論を通じて見ましても、何かまだすっきりしておりませんから、それをきちんと整理をしていって、私は食糧事務所の職員がこれは担当すると、それは消費者のためにも生産者のためにもこういうメリットがありますよと、こういうことにならなければ機構改革をする意味がないわけでありますから、その点をはっきりしていただきたいということなんです。

三善信二農林大臣官房長

○政府委員(三善信二君) 食糧事務所に分掌させます事務の内容、私どもが考えておりますのは、具体的にこれは一応はっきりさしているつもりでございます。と申しますのは、野菜の指定産地で計画生産が行なわれている。その確認事務、そういうことをまずやらせる。それから出荷の確認、そういうことに限定をして食糧事務所にやらせる。また統計事務所のほうは、もちろん行政の推進に必要な一般的な統計、それから情報、資料の作成、収集、そういうことをやらせることになっておりますので、一応その辺の振り分けははっきりいたしているわけでございます。食糧事務所もそういう意味で一部指定産地の事務だけに限定をしてやらしているということで、分けておるわけでございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 先ほどからいろいろ議論をしてまいりましたけれども、まあ何となくわかったようなわからないような気持ちであるわけなんですが、いずれにいたしましても、これからこの農林省が、特に農産物を長期的に安定的に供給をしていくというたいへん重要な任務があるわけでありますから、それとこの新しい農業の任務としてやはり環境保全という問題についても、これは列島改造論の中にもそういうことがうたわれております、確かに新しい任務というものが私は出てきたと思っているわけであります。そういう意味から、特にこれからの農林行政を扱う機構として、いかに農民やあるいは消費者に奉仕をしていくかという立場でこれからの農業というものが考えられなければなりませんし、そのための私はこの機構の改革というものが必要だと、このように理解をしているわけでありまして、必ずしも今度の機構改革というものがそれにこたえ得るのかどうかということについては、若干の疑問を残すわけでありますが、これらはさらに今後大いに私ども議論をしてまいりまして、もしも不備な点があればまた改めていただくというようにしてまいりたいと思うのでありますが、さっき私ちょっと問題を提起したのですが、大臣のほうから御答弁がなかったわけであります。それは国内的な問題については、ぜひ、きょうも予算委員会でも質問をしましたように、できるだけ前向きにひとつ考えていただく。ですから主要食糧については八〇%確保すればいいんだというようなことになりますと、総合自給率は六〇%、五五%なんて落ちていきますからそれじゃ困ると。やっぱり歴代大臣が申しわけで言ったと言えばもうそれまでですけれども、とにかく申しわけであろうと何であろうと、総合自給率八〇%を何とか達成するようにしてまいりますということを言ってきたわけで、今回のこの長期計画を見ると、七七%か七三%ぐらいの幅でというようなかっこうが出ておるわけでありますから、これは必ずしも私は前向きとは言えないと。もちろん採算に合うものもあれば合わないものもある。合わないけれども、しかしどうしても日本でつくらなければならぬという面もあります。ですからそういう面を十分に配慮していただいて、これからの需要と供給の関係を樹立をしていただくと、こういうようにひとつ考えていただきたいと思うのですが、それに関連をいたしまして、さっき中国なり、あるいは北朝鮮の問題なり、あるいは東南アジア等のこの食糧事情なり、あるいは農業の全体的な新しい状態の中で、日本の農業がこれから一体どう取り組んでいくのかという問題についても、当然これから配慮されていかなきゃならぬのじゃないか、こういうように思うわけでありまして、この点先ほど質問しましたけれども、大臣のほうから御答弁がございませんでしたから、この点ひとつ基本的に、大臣のこれからの姿勢を若干お聞きをいたしたいと思うわけであります。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) いまの工藤先生の御質問はあれですか、さっき足鹿委員から飼料について——あれと違うのですか。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 全体、まあ全体的にですね。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 私は農業につきましては、国際分業といいますか、そういう考え方は基本的にはとりたくないと思っています。私どもはやはり主要食糧はできる限り自給するという考え方で進みたいと思っております。この間、十月発表しました、まあ七三だとか七だとかいって、ずいぶん御批判がありますが、現状からしますと相当張り切った実は数字でございますが、ただ足を引っぱるものがございまして、どうしても国内で生産がもう半分以下と、どうしても半分以上輸入しなけりゃならぬというものも相当量ございますので、これが足を引っぱっているわけでございまして、私があえてこの時期に、いままで歴代やらなかったあの自給度というものを大胆不敵に発表しましたのは、先ほどもちょっと申し上げたように、こうした非常にむずかしい情勢の中で農業がもみくちゃになってしまってはたいへんだと、もう優良農地はどこまでも確保する。永久農地ということばがございますが、もうそういう考え方でひとつ確保していかなくちゃいかぬ、こういう考えが前提になって、あえてあれを発表したわけで、私どもはあの線が最低線だというふうに思っています。農地もいま五百七十何万ヘクタールございますが、あの自給度を十年後を展望し、生産力の向上を考えましても、少なくとも田畑で機械の入るようなものがもう八割を占めるというような好条件になって五百二十万ヘクタールはどうしても必要だ。その半面、畜産酪農等の振興のために逆に今度は六十万ヘクタールぐらいの牧草地を——現在二十数万ヘクタールしかありませんから、さらに四十万ヘクタールくらいの牧草地を造成しまして、農用地全体としてはほぼ現状程度に維持したい、こういう考え方に立っているわけでありまして、決してうしろ向きでも後退でもございませんので、現状からいたしますれば、われわれも精一ぱいひとつ腰を落ちつけて、ここで農業の振興をはかりたい。こういう考え方に立っておりますので、今後とも御理解をいただきたいと思っております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 時間がまいりましたからこれで終わりますが、最後に、これは率直に申し上げまして、私どもが新都市計画法をいろいろ議論をする際に、どうしてもやはり都市近郊においては、都市の侵食というものによって都市農業というものがつぶされていくのではないかという心配をしてまいりました。そのために、市街化区域と調整区域というものを設定して農地を守ろうということであの法律ができたのでありますが、現実に見てみますと、都市の地価というものがウナギ登りに上がっていくという状況の中から、どうしても調整区域に出てくるという状態が起こっておりまして、私ども見る限りにおいては、調整区域の農地が二十ヘクタール以上あれば、あれは計画を出せば許可がおりることになっておりますから、ほとんど無政府状態が続いていくのではないかという心配を実はいたしております。やはり農業の重要性というものは私がいまさら申し上げるまでもないのでありますから、そういうことで、農林省としては、先ほどから再三申し上げてまいりましたように、いまこそやはり日本の全体的な食糧確保という意味と、新しい任務に向かって環境保全という任務も出てきておるわけでありますから、ひとつそういう熱意に燃えて、ぜひこれからの農林行政に取り組んでいただきたい、こういうふうに思うわけでございまして、その点をひとつ申し上げて私の質問を終わりたいと思います。  何か大臣一言あれば……。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) いま御指摘の市街化農地の問題は、実は私の専門でございまして、自民党の中でぶちこわした張本人でございますが、まだ結論が出ておりませんが、十二月一ぱいまでに出すということになっております。私は、新都市計画法の趣旨は了承しております。しかし、当初の予定よりも倍以上も広い市街化区域を線引きをしておいて、その中の農地は税金で追い出すぞというようなめちゃくちゃな話はないぞといって戦ってきたわけであります。私の考えでは、やはり市町村に審議会をつくって、自分の町の町づくりなんですから、そして具体的に市街化開発事業がきまって、建設大臣の承認を得て予算もきまったという段階については、これはもっと合理的な緑のある新しい都市づくりを、公害のない、下水も完備した都市づくりをやるというなら、これは農民にも協力してもらわなければならぬと思っていますが、ただばく然と線を引いただけで農民は出ていけというのでは結局土地ブローカーのえさになってしまって、実際に事業をやるときにはかえって地価はつり上げられて事業はできなくなる。こんなばかな話はないと言って戦ってきたわけでございますが、まあ調整区域の問題、二十ヘクタール以上という問題がございますが、これはやはり各市町村でほんとうに将来を考えて、町づくりという考え方から計画的にやってもらわなきゃならぬ。幸いに調整地区は農地転用が必要でございますから、私ども農地転用の申請がある場合には、それがほんとうにその地区の将来のために必要であるかどうか、これをはっきりさした上でなければ農地転用を認めないと、こういう方針で進めなきゃいかぬというふうに思っております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 まだいろいろありますけれども、やめます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 農林省設置法の一部を改正する法律案の審議に当たりまして、まあ、農業を取り巻く内外の諸情勢、たいへんに複雑多岐にわたり諸問題が山積しておりますが、これはまあ二十分か三十分で討議するということもできませんし、その大まかな、大綱的な、基本的な問題がはっきりしなければ、どんなに機構を改革してみても、日本の農業を新しい方向に持っていくことはこれはできないんじゃないか。こういう点で、時間がまああまり与えられておりませんので、当面する問題二、三点だけお伺いしたいと思います。  この提案理由の説明の中に、いろいろ今回の改正についての問題点が列記されておりますが、これの中に、第四に、「試験研究機関の整備拡充」、この問題が出ております。野菜試験場を新設するとか、園芸試験場を果樹試験場にするとか、食糧研究所を食品総合研究所に改組すると、まあ、まことにこの新しい時代にふさわしい名称であって、これは現実、現時点、現在に即応したどういう人的配置や予算措置、こういうもので進められるかという、こういう問題につきましては一まつの危惧を持つものでありますが、これは単なる機構の改革ということにとどまらず、新しい農業推進のために強力に進めていただきたい。こう申し上げまして、私は、この試験研究機関整備拡充という、これに伴いまして、いまこれらのことに対するとともに、最もまあ考えなきゃならないこととして、水産業の問題をちょっと取り上げてみたいと、こう思うわけであります。  私が長々申し上げるまでもなく、とる漁業から育てる漁業ということが言われまして、最近この水産業のあり方につきましても、いろいろ検討がなされております。しかしながら、このとる漁業ということにつきまして、どうしても利潤追求といいますか、産業の形からいたしまして、利益追求の形にどうしても進みまして、研究機関といいますか、いろんな対応策というものが非常におくれておるということをしみじみ感じるわけであります。ことしの一月も台湾坊主が参りまして、一風吹きますとこれはもうたいへんな被害を与える。また、いま一番問題になっております公害問題にいたしましても、逐次漁場が狭められておるという、こういうことは、もう瀬戸内海、また東京湾へ私が申し上げるまでもなく、全国各地に山積しておるのは御存じのとおりであります。こういう現状を踏んまえて、養殖漁業というものに対して、大臣基本的にどうお考えになっていらっしゃって、今後に対する、この施策に対する姿勢というものをまずお伺いしたいと思います。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 仰せのとおり、私はとる漁業から栽培漁業に重点を転換する必要があるということを強く主張しておりまして、来年の予算はどうなるか、いま何とも言えませんが、この栽培漁業センターというものを全国的な規模で設けて、これは単に、いまハマチの養殖のように、狭い網の中で飼うというだけではなくて、日本近海全般について魚の資源をひとつふやすくふうをしようじゃないか、これに最も重点を置いていきたいというふうに思っておりますので、御趣旨につきましては、そのとおり今後がんばっていきたいと思っております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 大いにがんばってもらわなければならないのですけれども、農林省の中で、まあ、予算措置から見ましても、水産業というものは非常に重要な部門だと思いますけれども、予算全体から見まして非常に低く押えられておる。まあ、水産白書なんか見ますと、漁獲高というものは非常に年々伸びておるということですけれども、内容に非常に問題がありますし、特に、養殖漁業、沿岸漁業ですね、遠くへとりにいくそういう漁業——遠洋漁業もさることながら、やはりこれは沿岸漁業というものについて、ほんとうに新しい角度で施策というものを強力に進めなければ、年々漁場が狭められる。さらにまた、漁業公害と申しますか、いろいろな被害が起きておる。こういうことを見まして、これは成り行きにまかせるようなことでは絶対にいかぬ、早急な対策が必要だと思います。大臣せっかく力一ぱいがんばるということなんでありますけれども、この現況というものをよく認識していただいて、ほかの産業とのつり合いもあるかもしれませんけれども、特に、沿岸漁業はどちらかというと高級魚、魚介類につきましては貴重な資源でありますから、この育成強化というものが最重点でなければならない、私はそう思うわけであります。そしてしかも、産業のあり方としまして、これは当然のことでありますけれども、やはり多様化する消費傾向に応じて新しい種類のものがどんどん養殖されておる。最近などは、ホタテなんかはもう宮城県の気仙沼あたりまでずっと養殖するような現況になっております。それは当然養殖のできるような環境があればお金にもなるわけでありますから、産業として十分成り立つのであれば、漁民の方々がそれをやるのはこれは当然だと思いますけれども、そういう漁民の要望といいますか、産業のあり方としてそちらのほうがどんどん進みまして、災害の補償または病災害の場合の研究機関、こういうものがずっと後手後手になっておると、こういうところに今後大きな問題がどうしても起きてくる。早急にこれは対策を立てなければならない。特に、生態学といいますか、魚の基礎的な研究ですね。まあ、そんなむずかしいことは別にいたしましても、現在養殖しておりますものについての基礎的な研究というものが非常におくれておるために、何か病虫害が発生しましても対応できない。問題の原因が追求できない。これはもう最近は、アワビのからが溶けるようなことが福島県の勿来のほうにありました。また、気仙沼のほうにも赤潮のような現象が起きまして、カキが全滅するような事故も起きました。それは原因は何にあるのかということにつきまして、論争だけが、思惑だけが先に進んで、これに対する十分な対策がない。こういうことは枚挙にいとまがないわけですね。そして、地方の県の試験場、また国の機関、いろいろあるようですけれども、非常にわずかな人で、最近の養殖漁業の大きな発展に対応できるような体制でないという、こういうことをもうしみじみと痛感しておるわけでありますけれども、この辺の問題につきまして、大臣並びに水産庁長官の所見をお伺いしたいと思います。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 政策的な面につきまして私からお答え申し上げますが、私も、着任以来、瀬戸内海の赤潮で悩まされまして、ほんとうに漁民の方々には御同情申し上げたわけでございまして、おそらくいまだかつてなかったと思いますが、天災融資法の発動を特にいたしたわけでございますが、御承知のように、漁業共済制度がすでにできておりますが、これもよく調べてみますと、結局いわゆる逆選択になっておりまして、被害を常時受けるようなところだけが加入をしておる。そうすると、共済制度というのは一種の保険システムでございますから、三年なり五年なりの実績に基づいて次の掛け金率を算定いたしますので、逆選択の結果、非常に掛け金率が高くなる。そうすると、よけい入らなくなる。入るのは、いよいよもうほとんど被害を受けるところだけが入るという非常に困った現象が起こっているわけでございますので、私はことしの経験から、水産庁長官以下に申しておりますことは、これは思い切って農業災害補償制度のように、もうある程度義務加入制度にして、定置で養殖をやる場合、これはもうそこへ赤潮等が発生する、あるいは台風がくる。必ず被害を受けるわけでありますから、これはもう全国的に全部義務加入にして入っていただく。やはり全国漁民の助け合い運動でございますから、それによって掛け金率はもうぐっと下がる、入りやすくなる、そういうふうな努力をする必要があるということを申しているわけでございます。同時に、工場排水その他の自然環境汚染といいますか、水質汚濁の問題は全く私ども被害者でございまして、これはもう声を大にして私どもも何とか環境庁でひとつ規制を厳格にしていただいて水産業を守ってもらいたいと、こういうことを強く叫んでおるわけでございまして、ぜひひとつ今後とも御鞭撻と御協力をお願いいたしたいと思いますが、技術的な点、基礎研究の問題等につきましては、水産庁長官のほうから答えさせていただきます。

太田康二水産庁長官

○政府委員(太田康二君) 先ほどお尋ねのございましたホタテ貝の問題でございますが、先生御指摘のとおり、北海道における噴火湾、青森県のむつ湾等でたいへんホタテ養殖が盛んになっていることは事実でございます。私どもも漁業共済につきましては、その内容の充実を漸次はかっておるわけでございまして、御承知のとおり、本年度からワカメの養殖を対象に加えたということでございます。なお、ホタテにつきましても、私どもといたしましては垂下式の養殖業、これにつきましては明年度から養殖共済の対象にするということで、現在予算要求を大蔵省に行なっておるということでございます。  それから増養殖を中心につくる漁業を大いに進めるということで、先ほどこれは大臣からもお答えがございましたが、現在一つは国の施設といたしまして栽培センター等をつくりまして、これによって大いに増養殖を進めるということを実施いたしておるわけでございますが、それ以外に私どもといたしまして、構造改善事業で各県の地先水面にできますところの種苗の供給センター、これの設置を進めておるわけでございます。現に、すでに施設として二十一できておりまして、かなりそれなりの効果を上げておりまして、回遊性の魚類等につきましては、私どもの栽培センターで実施をする。地先水面の貝類、藻類等につきましては、県の水産種苗供給センターの設置によってこれを進めるということにいたしておるのでございます。  なお、試験研究の点でございますが、全く御指摘のとおり増養殖をこれから進めなければならないことに対しまして、特に魚苗等の問題についての体制がたいへん弱いということは全く御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては、現在水産研究所のあり方の問題について検討いたしております。その中身をちょっと申し上げますと、私どもといたしましては現在淡水区の水研というのがございます。それと真珠研究所があるわけでございますが、できますれば、やはり今後増養殖を中心に進めていくということになるわけでございますので、増養殖についての基本的な研究をするところの機関を新しく増養殖研究所というようなものを中心につくってまいりたい。その際、いま申し上げたような従来の機関を統合しながら考えてまいりたいということで、やはり将来は増養殖を中心にした試験研究体制の整備ということには特段の力をいたしてまいりたい、かように存じておる次第でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 試験研究ということにつきまして、それは確かに日本の全体を網羅する、四面が海であります水産国日本といたしまして、大体重要なところは押えられておるようでありますけれども、そこの研究施設や何かというのは非常に弱小というか、新しいものがどんどん進みつつある。新しい種類のものがどんどん進みつつあるものに対して非常に弱体であるということ、人的に、また設備その他、何を見ましても、新しいものに即応できない現在の現況というものを、よく実態を把握していただいて、本日時間はありませんのでこまかいことは申し上げませんが、対処をしていっていただきたい。これがしっかりしないと、沿岸漁業というのは結局どんなに声を大にして叫びましても進まないんじゃないか。試験研究というものが十分になされて、そこで得た成果というものが漁業者に技術として与えられる。その基礎的なものが非常におくれておる。統計的なものはあるかもしれませんけれども、試験研究というものがおくれておるようなことではならないと思いますし、また、この試験研究で得たところの成果を漁業者に技術を与える普及員というか、こういう制度も農業なんかから見ますと非常に弱体であって、新しいものがなかなか実際にやる漁民に伝わるのがおそい。こういう点で非常に問題があろうと思います。いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、高級な魚介類というのは沿岸で最近は非常にとれるようになりましたので、多様化する消費者の嗜好に応じて沿岸漁業の推進ということを強力に進めなければならない。こういう点で一生懸命大臣は努力するということですから、それはそれとして、今後どのように対策を講ずるか見守ってまいりたいと思います。  先ほどちょっとお話がありましたけれども、災害の問題ですね、これは試験研究的なもののおくれとともに、いままでの共済制度そのものにも少しく問題があろうかと思います。数年の実績を見て、その上に立ってこれをやらなければならないということは、これは非常に時間的に当面やっている方々が対応できない。ある程度その機関ができて、設備なり何なり充実したものができれば、少しくらいのことには耐えられると思いますけれども、新しいものがどんどん入ってきて、たとえばホタテのようなものが入ってきて、それによっていままで非常に打ちひしがれておった漁民の方々も活路を見出すことができたということで勢い立っているところに被害があるということになりますと、出鼻をくじかれるということになって、やはり共済制度も早くに推進していくような形にしなければならないと思います。そういう点で垂下式を来年から見ていくということでありますからよろしいですが、ノリのように損害補償方式のものはどうしても長い実績の上に立たなければならないということで、やはり地元の方としても収穫方式という、これはいつでも災害のあるたびに叫ばれることですけれども、さっきも大臣が災害補償制度のあり方について考えなければならないというお話がありましたけれども、やはり国としてもこれから大きく育てていかねばならない産業でありますので、これは思い切った対策を講じて、これらの方々の安定した生計の立つような方向に進めていくべきじゃないか、このように思うのですけれども、そこらあたりについてはどうお考えですか。

太田康二水産庁長官

○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、昭和三十九年に漁業共済制度をつくりまして、昭和四十一年に国の再保険をするといろ制度に改正をいたしまして、今日まで実施いたしておるわけでございますが、御指摘のとおり、いろいろ問題が出ております。  そこで、一昨年実務者に集まっていただきまして研究会を設けまして、漁獲共済あるいは養殖共済、それと先ほど大臣からのお話にもございましたように、義務加入制度の問題等につきましての御検討いただいて一応の結論を得たわけでございますけれども、さらに専門的にこれを掘り下げるということで、学識経験の方々にお集まりいただきまして、現在いま言ったような点に視点を合わせまして検討をお願いをいたしておる段階でございます。実は、きょうも第三回目の研究会が持たれておるのでございますが、これらの成果が出ましたら、その結果を待ちまして私どもは制度改正に取り組みたい、かように存じております。しかし、まあ現行法上できますものにつきましては、先ほど申し上げましたように、来年度から、たとえばホタテの垂下式の養殖業につきましては養殖共済の対象にするということで、現在の法令の改正を待たずにやれる制度の改正につきましては、できる限りこれを実施してまいりたいということで取り組んでおる次第でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 まあ高級な魚介類の養殖ということからいたしまして、漁業者の立場から、消費者の立場から、いずれにしましても、これは水産庁としては、農林省としてはこれは大きく取り上げ、今後何年かの計画を立ててしっかりしたものにしていくことが大事だろうと思いますので、その点しっかりがんばっていただきたいと思うのです。これに対する十分な予算措置、これもこれからいろいろ検討があるだろうと思いますけれども、その点ひとつ十分に念頭に置いて進めていただきたい。  それからその次に一番問題になります公害の問題ですね。先ほど栽培センターの問題もちょっと出ましたけれども、種苗を多量に生産して放流する。こういうことから、ふ化させたものが、自然環境が十分でなければ回遊性のものなんかだめになるわけですね、ですからどうしても自然環境の保全ということが重大な問題になります。そのためには公害に対する十分な配慮がなければならないと思います。年々漁場が狭められ、いろんな補償とか何とかされてはおるかもしれませんけれども、現在の沿岸漁業のあり方からして憂えざるを得ない現況であります。これは二、三年前になりますか、最近の漁場の総点検をして、そして実態をまず掌握せよ。そうした上に立って今後の漁場の完全な確保といいますか、こういう計画ある進め方をしなければ工業化の波に押されて沿岸漁業は衰微するんじゃないか。このように申し上げて水産庁も鋭意総点検をやったようでありますが、途中までの報告は聞いておりますけれども、そのあとどうなっておりますか、聞いておりませんが、その点と、この公害にはいろんな原因があるわけでありますけれども、私も被害者の一人だなんて大臣のお話がありましたが、被害者の一人ならば、ひとつもっと声を大にして、それからまた閣僚の一人として、現在の水産界のあり方についてやっぱり強力な施策の中の歯止めになる施策がなければ、私も被害者、被害者だと言いながらどんどんどんどん押されてしまって、日本近海でも魚がとれなくなるようなことになってしまいはしないか。こういう憂いを非常に深くするわけであります。企業はどんどん技術開発をして、大規模、大きな産業が発展してきたわけでありますけれども、一番肝心の公害技術の開発というものが非常におくれているということのために、現在いろんな問題が起きているのは、私がここで長々述べるまでもないと思います。確かに公害法ができましてからそれぞれの企業は企業なりに努力していると私は思います。これは前回も当委員会で峯山委員が取り上げておりましたけれども、宮城県の塩釜における水産加工団地の問題につきましても、零細な企業の方々が集まって、そして美しい日本三景の一つといわれる松島湾を汚染してはならない。また、ノリやカキ養殖の大事なところであるということから、零細な企業の方々でありますけれども、これらの方々が集まって加工団地をつくり、何とか公害を防いでいこうという、こういう積極的な姿勢で、国の公害防止上事業団に働きかけて事業してもらったわけですね。こういう積極的な姿勢のところもあるわけであります。しかるに、研究機関といいますか、これに対する対処というものが十分でないために、今日なお問題が波及しておる。こういうことを考えますと、公害問題と沿岸漁業、これ一口に今後どうするかなんという簡単なことで済まされないのですけれども、大臣のほんとうの、今後の施策に対して、これどう歯どめといいますか、守っていくというおつもりなのか、今後どう対処しようとするのか、こういう最も基本的な問題ちょっと最初にお伺いしたいと思います。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 私が被害者の一人だと申し上げて、どうもいささか不謹慎かもしれませんが、私は漁民の立場に立って水産政策を担当しているわけでございますから、そういう感覚を持っているわけで、実感をそのまま申し上げたわけでございまして、先ほど御指摘のありました日本近海の水質汚濁の状況を常時点検をしまして、漁民の立場に立ってこの改善、改革に努力をしたい。これはもう全力をあげて戦っていかなくちゃいかぬというふうに思っております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 その総点検のあとの実態……。

太田康二水産庁長官

○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、私ども四十三年から公害対策の基礎資料整備のための漁場環境保全基礎調査というのを実施いたしておりまして、その後、先ほど先生御指摘のとおり、ひとつ漁場の総点検ということが話にのぼりまして、四十五年には水質あるいは底質等につきましての漁場の総点検を実施いたしたのでございます。これを取りまとめまして、たしか昨年の六月か七月でございましたが、結果を御報告申し上げたわけでございますけれども、もちろん調査の時期、あるいは調査の時点等の関係もございまして、これをもって一義的に判断することはいささか問題もあるわけでございますけれども、この調査によります限りにおきましては、水産できめておりますところの環境基準に適合しない調査検体が河川では七・四%、湖沼では三〇・六%、海域では一三・二%、たしか全部で二百二十一ぐらいをやったと思いますが、そういった結果が出ておりまして、御指摘のとおり、漁場汚染の進行がかなり進んでおるという地域もあるわけでございまして、なお私どもといたしましては、今後もこういったことに対しまして的確な判断を下すために、継続的に調査を実施するということで取り組んでおるのでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 本来ならば、藤原議員が続けてやるつもりでありましたけれども、塩釜の問題をやりますので、続いて私やります。  実は、きょうは農林省設置法の内容について種々やりたいと思って、これは先国会からの懸案でございますので、前々から準備をいたしておりましたけれども、きょうじゅうに法案を上げるということらしいので、時間が制限されましたので、これはどうも時間的にも問題がございますので、われわれの聞きたいところだけを聞くということになっちゃうものですから、まことに申しわけありませんが、法案そのものより、現在直接問題になっておりますその問題についてこれから話をしたいと思います。これは塩釜の問題というのは、私、実は決算委員会でも二回、それから内閣委員会でも、きょうで全部で五回くらいこの質問を続けてまいっております。そこで、どうしても私はこの問題何とか解決しなければほんとうに申しわけありませんし、国としても大きな責任がございます。そういう点から、きょうはお忙しいところを公害防止事業団の理事長にも御出席をいただきました。  それでまず初めに、やっぱりこれはどういうことかということを両大臣あまり御存じないかも知りませんので、端的に申し上げますと、これは環境庁長官、農林大臣聞いてほしいんですけれども、これはいずれにしても、公害防止という面から塩釜の人たちが立ち上がったわけですね。結局水産加工業者というのは、これは一般的に申しまして大企業も幾つかありますけれども、ほとんど零細な業者が全国的に多いと思うんです。そういうふうな意味で、特に松島の場合は環境保全という面から松島湾を控えておりますので、いわゆる塩釜方面の二百幾つかの業者の皆さんが公害を防止しようというわけで、いわゆるいままでたれ流しにしておったその汚水を何とか一ヵ所にまとめて処理しようと、こういう面で立ち上がったんだと私は思うんです。これは決して業者の皆さんが積極的にやったんではなくて、これは少なくとも政府並びに県あるいは市の行政機関の皆さん方が指導して——私もきのう現実に現場に行って会ってまいりましたけれども、現場の水産業者の皆さん方はBODが何ぼとかPPMなんてどういうことか全然わかんないという人ばっかりだった、現実に。そういう人たちが公害防止に立ち上がったわけです。なぜ立ち上がったかといいますと、これは公害防止事業団が、要するに皆さん方が集まって汚水を一ヵ所へ処理するほうがいいですよという話があって、それで立ち上がったわけです。したがって、この問題は、これは何とかして私たちは成功させなきゃならないと、こう考えております。そこで初めに環境庁長官並びに農林大臣のお考えをお伺いしたいんですが、こういう人たちが現実にいるわけですね。こういう人たちに対して大臣はどうお考えですか。

小山長規自由民主党環境庁長官

○国務大臣(小山長規君) 環境をよくしようというので、基準を設け、あるいは規制をきびしくしますと、いまのような問題が起こるわけであります。しかし、さればといって、そのことのためにそれじゃ基準を緩和することがいいのかというと、これはまた他の要請からして、これは不可能だと思うんであります。そこで、元来そういったような公害防止事業をやろうというのに、零細な企業者もおりますので、公害防止事業団から低利、長期の融資をすることにしておるわけですが、これに政府がたとえば直接補助金でも出してそしてやってあげれば、これはまあ零細な人たちには非常な助けになるわけですけれども、この間、御承知と思いますが、OECDの先進国その他で採択されたPPMの原則と一体どうなんだという問題がありまして、どうも直接補助をすることはいかがなものであろうかという考え方があるわけであります。しかし、この塩釜の問題についてはちょっと特殊事情があります。といいますのは、一般にはこれは経過規定があるわけであります。一般の場合には……。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 大臣、そんなことを聞いているんじゃないんだよ。大臣ね、もっとわかりやすく言いますと、要するにそういうふうな立ち上がった人たちがいるわけでしょう、現実に。公害防止のために立ち上がった人たちに対して、要するに環境庁としては、公害防止に立ち上がった人たちですから、そういう人たちに対してはうしろから全面的に応援をしてあげるべきじゃないかと言っているんです、私は。

小山長規自由民主党環境庁長官

○国務大臣(小山長規君) いや、だから、いまその点を申し上げておるわけです。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 端的に答えてください、簡単に。

小山長規自由民主党環境庁長官

○国務大臣(小山長規君) 環境庁として、そういう善意で立ち上がっている、大いに協力していただいたから補助金を出しましょうというわけにはまいりません。しかし、この場合には特殊な事情もあるわけでありますから、やはり担当のところでいろいろお考えいただくについてはわれわれも知恵を出しましょうと、こう考えておるわけです。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 だから大臣ね、あなたは勘ぐりで、補助金を出せなんて私はまだ何にも言っていないわけですよ。そうでしょう。私は補助金は出すべきだと思うんですよ。国が全面的にやるべきだと思うんです。大臣ね、あなた方、環境規制だけどんどんどんきびしくやっちゃって、そのために地元の零細な漁民がどうなるかということは考えたことないでしょう。あなた方の規則を守らなくて、現実に魚の汚水をどんどんたれ流しにしている人が全国にたくさんいるわけですよ。そういう人たちはなぜたれ流しにしているかというと、環境基準を守れないからたれ流しにしているわけです。塩釜の人たちというのは、少なくとも、よろしいか、松島湾をよごしてはいけないという自主的な考え方に立って、行政指導を受けて立ち上がったわけですよ。そうでしょう。だからそういう人たちに対しては、それは国としてはできる限りのことはすべきだと私は思うんです。補助金の何のという話はこれから私しようと思っていることで、私が聞く前にそんなことを言うのはあなたの姿勢ですよ。公害に取り組むあなたの姿勢じゃないですか。私はこんな——もうきょうはほんとうにこの問題がっちり解決しないと質問やめませんからね。公害に対して立ち上がった人たちに対してあなたはどう考えているんだと私聞いているんです。それに対してあなたが、補助金を国がやるつもりはない。けれども、ほかの官庁で何とかやらそうと思っているなんというのはおかしいじゃないですか、そんなことは。

小山長規自由民主党環境庁長官

○国務大臣(小山長規君) これは先ほども申しましたように、環境基準をつくっておるのは、業者のためもありましょうけれども、一般の環境をきれいにしてほしいという人たちのためにつくっておるんだと思います。そのために、それじゃその環境をよくすることのために、まあ私は補助金ということばを使うとおこられますから言いませんが、何らかの助成をしようということは当然考えなきゃならぬことなんです。その場合にいまどういうことを考えているかというと、公害防止事業団からの融資ということで考えておるわけですね。ところが、公害防止事業団の融資だけではまだ問題は解決しないではないかというのがこの問題だと思います。で、もし日本全国の公害防止をしようとする人たちに政府が全部助成をしなきゃならぬということになったら、これは国の責任で全部やらなきゃならぬと、こうなりますね。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 長官ね、私はそんなことを言っていない。それじゃ長官ね、じゃ今回の、公害防止事業団の今回の塩釜の失敗の原因についてどういう決着をつけたか、あなた報告してください。なぜかなら、前回、大石長官のときですけれどもね、私が大石長官に質問をしたときに、今回の問題については、あなたの御意見のとおり、事業団で責任があるならばその責任は負わねばならない。この問題については早急に調査をしてはっきりさせますと、こういう私に答弁です。それから一年たっている、どういう結論出ましたか。

船後正道環境庁企画調整局長

○政府委員(船後正道君) 塩釜の水産加工団地の排水処理施設の問題につきましては、ただいま峯山先生御指摘のとおり、前長官におきまして十分実情を調査せよと、こういうことでございまして、事務当局におきましても昨年八月、環境庁発足間もないときでございますが、地元と十分打ち合わせをいたしました結果、当初事業団で設計いたしました設備ではどうしても千トン、かつ、BODが一〇、〇〇〇PPMという汚水に対処し得ないことが明らかとなりましたので、追加工事をいたすこととし、総額約二億一千万円のうち、主として水溶性のたん白質の回収技術の部分につきましては、なお研究開発の必要がございましたので、その部分の約三千九百万円を科学技術庁の調整費をもって充て、残余につきましては、公害防止事業団の融資ということにいたしまして、今年三月工事は完成し、試運転の結果、ほぼ所期の目的、つまり排水のBODはおおむね一〇〇PPM程度という結果を見ております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私はそんなことを言っているんじゃないよ。要するに、この塩釜の問題について、初め設計のミスがあったじゃないか、ちゃんと。その責任はどこにあったんだ、責任は。私は初めからこんな声を大きくして言うつもりはなかった。けれども、大臣ね、この問題については塩釜の零細な業者の皆さんは何にも知らないんです。何にも知らないと言ったのは、PPMの問題とかそういうことは何にもわからないから、全部事業団にまかせ、頼んだんです。その設備がうまくいかなかったからたいへんな思いをしているんじゃないですか。事業団が融資するなんていったって、さっきもあなたおっしゃっているとおり、融資したお金は返さなくてもいいわけないでしょう。彼らは、うまくいかなかった設備に対してお金を返すんですよ、たいへんな思いをして。いま局長から話がありましたように、要するに加圧浮上方式というのをやって、そしてその上で、今度はまたフロスが出てきた。それを処理する研究設備、そのために三千九百万の補助をした。しかしながら現実には二億一千万かかっているんです。そういうような装置全体が、いま実際問題としてはこれはたいへんな問題です。これは公害防止とか何とかかんとか言っても、私は、少なくともこういうふうな規制をやる前に、少なくともですよ、全国の中小企業やこういう人、たくさんいるわけですから、いわゆる魚の汚染についてはこういうぐあいに処理をすべきだということの研究を国がやるべきですよ。国が本気になってこれに取り組んで、皆さん、ランニング・コストはこれだけでできます、こうしてこうすればうまくいくんですという設備をつくって、そして零細企業にやらないと、実際問題、そういうような零細企業にこういうような研究設備をつくらしたんじゃどうしようもないじゃないですか。大臣ね、実は私は現地へ行ってまいりましたけれども、塩釜の設備を見に東北の市長会の皆さん、きょう、もうすでにちょうどいま時分見に行っている。全国でも、こういうふうな場所というのは松島だけじゃない。そのほかにも釧路とか根室、そのほか稚内、八戸、青森、宮古、釜石、大船渡、気仙沼、石巻というように、全国至るところであるわけです。そして至るところの人たちが、塩釜の設備が成功するかどうかということを真剣に見てるんです。それは簡単に事業団で融資すればいいなんという問題じゃ私はないと思うのです。こういうふうな公害防止のために立ち上がった人たちを全面的に応援をしてあげるという姿勢がなきゃいかぬと思うのです、まず。大臣、どうですか、これ。

小山長規自由民主党環境庁長官

○国務大臣(小山長規君) 私、いま最初のなにが失敗であったという話をちょっと聞いていませんでしたのでたいへん失礼しましたが、要するにわれわれの姿勢としては経済的にペイするものであって、そうしてしかも有効なものを国の責任においていろいろ研究をして、そうして提供することがやはり政治の姿勢であろうと思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そんなこと言ったら、もうしようがないや、ほんとうに。  農林大臣、この問題は、大臣は先ほどから、私も被害者の一人という話を私もここで聞いておりました。浅海漁業者の立場から言えば、これは非常に確かにたいへんな問題だと私は思うのです。現実の問題として、私はきょうは農林大臣にいろいろ質問をしたいわけです。これはぜひとも農林大臣、現実の問題として、こういう零細な魚の加工業者ですね、これは全国津々浦々にずいぶんあるわけです。こういう人たちは、たとえば東京とか大阪なんというところはすべてその汚水は広域下水道へ流しているわけですね。そうして広域下水道でそれぞれの都道府県が処理をしているわけです。現実の問題としてそうだと思うのです、私は。また、しかしながら、こういうふうな松島——きょうは具体的に例が出ているから塩釜なんですけれども、塩釜なんかの場合は、確かに二百何十軒の人たちがそのまま流しておったんでは、松島湾はたいへんなことになると思うのです。現実の問題としてノリの問題や浅海魚介類の問題がずいぶん出てまいりました、現実の問題として。だからそのために彼らは立ち上がったわけですよ。そのためにも、私は全国のこういうふうないわゆる加工業者のためにも、これは農林省としても本気でこの問題について取り組まないといけないのじゃないか、こう思うのですが、大臣、どうですか。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 私、実は塩釜の具体的事案はきょう初めて知りましたんで、先ほど来、たいへん失礼でございましたが、ここで資料を拝見し、長官からもいろいろ説明を聞いておったわけでございますが、過去においてたいへん問題があったようでございまして、しかも、手直しをし、地元の零細な加工業者がたいへんな負担を背負っておるということは農林大臣としてまことに御同情にたえません。これはやはり、何といいますか、いまおっしゃる御趣旨は、公共事業としてやるべきものじゃないかという御趣旨のように拝聴いたしますが、私も、これは国として相当本腰を入れて援助をすべきものだと思います。そういう制度的な体制がよくできてないままに水質基準等がきめられて、相当無理を——無理をしてというと語弊がありますが、踏み切ったと。たまたま事業団が最初の設計を誤ったといいますか、そういう経過から、手直しもあり、負担が非常にかさんだと。やむを得ず国はたん白質の回収施設という名目で若干の補助的なものを出したということで一応工事が終わったわけでございますが、この経験にかんがみまして、私のほうでは、これは真剣に取り組んでおります。現に、四十七年度から水産物産地流通加工センター調査事業という事業をこの地区について調査を始めておりますが、今後第二期工事で大体見積もり事業費八億ぐらいな金がかかるということでございますから、これからの問題でございますので、ここで私は確約はできませんが、農林省としてはこれを補助事業にしていこう、こういう考え方で取り組んでまいりたいというふうに思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 農林大臣から多少なりとも前向きの答弁がございましたが、大臣、これはもうちょっと私申し上げておかないといけないと思うんです。実は先ほど環境庁の局長さんから答弁がございましたが、いわゆる科学技術庁が補助した三千九百万という金額は、これはほんとうに付属的な設備でございまして、汚水処理そのものじゃないわけですよ。いわゆる二〇、〇〇〇PPMある水を一〇〇PPM——まあ一五、〇〇〇から二〇、〇〇〇ある汚水を処理するわけです。そうして一〇〇PPMに落とすわけです。一〇〇PPMに落とす過程でまた一日に三トン、四トンという汚泥が出てくるわけです。その二重に出てきた汚泥を、処理したその汚泥からたん白質やいろんなものを取る、いわゆる二番目の装置の補助金が三千九百万なんです。しかも、環境庁や、皆さんはこの設備や相当いろんなことをやりまして、たとえば塩釜の学者の皆さんに集まっていただいて、これは環境庁とかいろんなところからも出まして、学者の皆さんが集まって研究設備の設計プラントをつくった。その設計プラントが、大臣これは聞いてほしいんですが、一日に十万円の薬代がかかるんです。一日十万円かかって一年間で一億かかる。ところがその一億の、そんなにたくさんのお金がかかったんじゃ採算が合わないわけですよ。ですから、いわゆる塩釜の漁民の皆さんに公害防止事業団が提供した装置というのは、いまの成功した——いまの装置でですよ、前はもう全然だめだったわけですからね、いまの成功した装置で一トンの水を処理するのに二百五十円かかる、一トンの水を処理するのに。しかし、現在、実際上、上水道が七十円、それから工業用水が四十円の水を使っているわけです。こういうふうな、千トンの水を処理するのに二十五万円、現実の問題として。それプラス工業用水四十円というものを加えますと、これは千トン当たり三十万円近くの金額がかかるわけです。これじゃどうしてもペイしないわけです。いわゆる、やればやるほど赤字になるような装置で現在取り組んでいるわけですね。ということは、これは公害防止事業団が——地元の零細な業者の皆さん方はそういうことは知らないでやり出したわけですからね。しかもやり出した零細な業者の皆さんというのは、これは、大臣、ぜひお会いして私は聞いてほしいですがね。みんな自分の家や財産を売ったりいろんなことをして、長い間仕事をやってきたところから立ちのいて、そして市がつくったこの団地に移ったわけですよ。ところが団地の処理装置がうまいこといかぬものですから、しかも金はあそこへ出している。もうやめて昔どおりやりたいけれども、それもできない。ほかの、たとえば塩釜以外の、釧路とか根室とか、そのほか近くの気仙沼とか石巻なんかでは、とにかく、いま現在、たれ流しているわけですね。しかしながら、彼らとしても、公害を防止するために何とかやりたいという気持ちはあるわけです。しかしながら、塩釜の処理装置が成功するまではやめたと。これなんですよ。ということは、結局、塩釜の皆さんというのは、国のいわゆる公害防止のためのモルモットになっているわけですね。だからもうほんとうに彼らの悲痛な訴えというものは、もう行って話を聞いてみるとたいへんなものがあります。そういうような意味から、私は、昨年も農林大臣の出席を求めてこの委員会でやったんですけれども、当時は佐藤政務次官がこの席へ出ました。佐藤政務次官の答弁を聞いて、彼らは喜んで帰りました。ところが、いま農林大臣は、それはもういまの答弁のように、農林大臣もいまその塩釜の実情を御存じなかったぐらいですから、実際問題としてはあまり進んでいないように思う。農林大臣なり、同時に政務次官は、事業団の責任だからといってこういうことを引き延ばすわけにはいきません、だから、農林省としても、汚水の共同処理の研究開発スケジュールが一応ありますので、各関係官庁と横の連絡をとって早急に進めてまいりたいと思いますと、こういう答弁をしているわけです。こういう点から考えてみましても、大臣、これはもうほんとに何とかしてもらいたい、そういう気持ちで私は一ぱいなんですよ。それで、地元へ行きますと、もうほんとに自分たちは何とかこの研究を、またこのテスト・プラントを成功さしたいという気持ちで一ぱいなんです。しかしながら現状はこういうわけです。こういうふうな意味からも、大臣、ぜひとも、いま大臣ちょっとおっしゃいましたけれども、これはこれだけではなくて、この次の問題があるわけです。第二期工事というのもあるわけです。あとにどんどん控えているわけです。そういうような意味からも、これはできたら国で、こういうふうな汚水処理工事というのは私はやるべきじゃないか、そういうぐあいに考えておりますんですが、そこら辺のところの御見解をお伺いしておきたいと思うんです。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○政府委員(足立篤郎君) 私もさっき正直に白状しましたように、きょう初めてこの具体的事案を知りましたので、いま一生懸命でこの席で研究して申し上げたわけでございまして、前向きには、今後の問題としてはもう最善の努力をいたします。過去の問題につきましては、いろんな経過がございまして複雑でございまして、いまここでちょっと即答は控えさしていただきたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そうすると、大臣、それは大臣としましては、この問題についていま即答はできないのが当然だろうと私は思います。しかしこれは大臣、非常にむずかしい問題は、もうこれは十三日でまた農林大臣がわかる可能性があるわけですね。ほんとに今度はぜひとも大臣、私は、かわるか、かわらないかわかりませんけれども、こういうような問題は重要な問題でもありますし、次にどなたが農林大臣になるのかわかりませんけれども、また大臣が続いてやられるかもわかりませんし、いずれにしても、この問題については、ぜひとも真剣に取り組んでいただいて、これは全国のいわゆる零細な加工業者の皆さんが取り組んでいらっしゃるわけでありますので、これは、要するに、何とか成功するように、あるいはこういうふうな汚水の処理装置というのは、ぜひとも国で開発をするという姿勢が私は大事だと思うんですよ。そういう点をあわせて、これは御見解なり、お伺いしておきたいと思います。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) どうも、私も引き続きひとつ農林大臣をやらしていただきたいと思って張り切っておりますが、御鞭撻をお願いします。  ただし、いま私は精一ぱいの御答弁を申し上げたつもりでございまして、何とか少しでもお役に立ちたいと思っておりますし、前向きの、これからのことはできる限り努力するということで、きょうのところはひとつ御了承いただきたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 まあ、大臣からそのようにおっしゃっていただければ、もう私、これ、ほんとうはもう少しいろいろこまかい問題も詰めたいわけでありますが、何ぶんにも大臣がそういうことではもうどうしようもありませんので、これ以上私は詰めませんけれども。それでは、いずれにしても、きょうはこの問題についてはもうこれ以上やりませんが、きょうは水産庁長官もお見えになっておりますし、それから環境庁長官もお見えになっておりますので、ぜひとも、これは塩釜に限らず、こういうふうな問題というのは全国各地にやっぱりあると思うのです、現実の問題として。これから公害問題というのは大きな問題になってまいりますし、これは、どうしても国として規制をぼくは強めていくというのは、一般住民のためにも私は大事だと思うのです。当然そうすべきだと私は考えております。しかしながら、そのために、そういうことに知らぬふりしている人に対して、これはまた規制が加わっていくのは当然ですけれども、その規制が出てきた、そういう法律ができた。そういう法律を何とか現実に守ろうという人たちに対しては、やっぱり国としても全面的に応援をし、そういう人たちの運動、そういう人たちの事業が成功するようにならないと、公害防止という問題は、これはほんとうに前進しないと私は思うのですよ。これは非常に大きな問題だと思うのです。  そういう点からも、これは、きょうはせっかく公害防止事業団からも理事長お見えいただきましたけれども、もう農林大臣のあれがありまして、あんまりどうも話が進みませんのでこれ以上やりませんけれども、公害防止事業団についても、この間のいろいろな問題から、やっぱり内容的にも充実して、それで公害防止という問題に本気に取り組んでいかなければいけないと思うのです。そういうふうな意味で、その後、私は、昨年のああいうことがあったあと事業団がどういうようになってきたのか、どういうような努力をされたのか、聞いておりませんので、そういう点も一ぺん理事長から一言御答弁をいただきたいと思います。  それから、水産庁長官もきょうはせっかくお見えになっておりますので、水産庁長官も、やっぱりそういうふうな零細な加工業者に対してはどういうふうな施策をやっていらっしゃるのか、そういう点についてもお伺いしておきたいと思うのです。  それから環境庁長官も、規制を強化するのは私は大事だと思います。しかしながら、先ほどから申し上げておりますように、公害に対するそういうふうな面の姿勢というものは、これは非常に重要な問題であると思いますので、こういう点も含めて、大きな立場から御答弁をいただきたいと思います。

江口俊男公害防止事業団理事長

○参考人(江口俊男君) お答えいたします。  塩釜の問題につきましては、たびたび御注意を受けまして、そのたびに恐縮をいたしておるのでありまするが、先般お約束をいたしましたと申しまするか、説明をいたしました以後の処置についてお答えをいたします。  御承知のように、ただいまお話しになりました塩釜におきまする、第一期工事と私たちは言っておりまするが、総額四億九千六百六十万の工事のうち、頭金をのけまして四億七千五百六十万の仕事をやりましたその中で、排水処理のための施設五千万の工事が、いろんな手違いと申しまするか、まず第一には、水のよごれの濃度の測定を誤ったと申しまするか、あるいはその後また水質が変わったという点も多少はございましょうが、そういうことや、あるいは、初め六百八十トンの一日の水という計算をしましたのが千トンも出てくるというような事例もございまして、とにかくたいへんな見当違いというような結果が出てまいりまして、まことに申しわけなく思ったわけでございます。それを施工いたしました。名前はその後変わったようでありまするが、住友重機も責任を感じまして、いろいろ手直しをやってまいりまして、最後は、それじゃ二、一三〇PPMのものを、六百八十トンとして一〇〇PPMのものにするという約束なんだから、その努力を、とにかく契約上期限を切ってなかった関係で、自分の技術陣としてはメンツにかけてもぜひともやりたいということで、一生懸命いろいろの試験研究をやっておったのであります。  ところが、先ほど環境庁から御説明になりましたとおり、そういうことを待っておったのでは、それができるかできないか、技術者としてはどうしてもできるところまで持っていきたいということでございましたけれども、大局的な見地からいって、やはり新しい方式を採用しなければだめだというふうに、これは多数の意見に相なり、かつ、それを施工業者におきましてもやりたいという人ももちろんございましたけれども、責任者としては、これ以上長引いて御迷惑をかけちゃいかぬのだから、どういう条件でどうしたらいいかというような話に乗ってまいったのであります。そういう際に、ちょうど、新しい、先ほどお話しになりました三千百何十万でございましたか、今度の施設の中でどうしてもつくらねばならぬ施設に転用できる部分が三ヵ所ございましたので、それをそのまま使えば今度の新しい計画も早くできるということになりまして、それを使いたいという申し入れがございました。それが新しくつくるとすれば幾らかかるかという、いわゆる転換価格と申しますか、従来のものを、残ったものをどれぐらいに値踏みするかということについていろいろ検討をいたしました結果、五千万の契約でやった工事で、その後いろいろ手直し等にかけておりまするから、もちろん実際上はそれ以上の金額をかけておりましょうが、その施設を新しい施設に転用した場合三千万に相当するということに相なりまして、私自身も最後の詰めの場合には仙台に参りまして、塩釜ももちろん参りましたけれども、仙台で、県の副知事立ち会いのもとで、塩釜の市長さん、議長さん、及び住友重機の、住友機械の副社長さんと私、この四者のところで、三千万としての転用をし、残りについては施工業者である住友が責任を持つ。三千万ですね。その間の塩釜が払いました利息の三百万についても、これは塩釜に返納するというようなことで話し合いがつきまして、先ほど船後局長から御説明になりましたような工事の一部となって現在に及んでおるわけでございます。  初めの水の検査及びそれに対する設計あるいは施設ということについて十分の御期待に沿えなかったという点につきましては、施工業者はもちろんでございますが、発注をいたしましたわれわれとしてまことに遺憾に存じておることは重々前から申し上げておることでございまするが、そういうことで現在に及んでいるわけでございます。

太田康二水産庁長官

○政府委員(太田康二君) 先生御指摘のとおり、水産の加工業者は確かに小規模の企業がたいへん多いわけでございますので、従来のような加圧浮上あるいは活性汚泥施設というのは、土地も広く使いますし金額的にもかなり施設の設置に多額の資金を要するというようなことで、先般、前佐藤政務次官がおっしゃいましたように、私ども昨年食品センターに委託をして、もうちょっとコンパクトな施設でできないかということの調査研究の委託をいたしたわけでございます。北海道の技術研究所でこれをやっていただきまして、電気凝集浄化法という処理施設ができまして、現に、私どもの境港等でこれらの設置もいたしております。したがいまして、今後、これらの成果も見なければいかぬわけでございますが、そういった、小さな施設でできるだけ安くあがる、しかも効果的なものというものの開発にさらに今後努力をいたしてまいりたい。それらにつきましては、先ほど大臣の御答弁にもございましたように、私ども、主要な産地ではございますが、水産物産地流通加工センター形成事業という事業を実施しております。これらによりまして、産地における市場施設あるいは冷蔵庫、さらにはこういった加工の処理施設等につきましての補助をいたしておりますので、これらによりまして援助をいたしてまいりたい。なお、地元負担の点につきましては、農林漁業金融公庫の融資あるいは漁業近代化資金の融資等のあっせんをいたしてまいりたい、かように存じております。

小山長規自由民主党環境庁長官

○国務大臣(小山長規君) 公害の規制をいたします場合に、当然、企業者側の負担がふえてまいります。で、規制をする場合に、対応する措置があるかどうかということは、われわれ規制をするときには当然にそのことを考えて経過措置などもするわけでありますが、そういう意味で、今後も、特に零細な方々の問題に波及するような場合は十分その辺のところも配慮をして、そして各省庁と相談をしまして、公害も防止できる、そして一方、零細な方々もお困りにならぬような措置をぜひ講じたい、こういうつもりでおりますことを申し上げておきたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 水産庁長官ね、農林省でいまやっているいわゆる汚水処理装置の研究ですが、それは完成しておるんですか。いまどういうぐあいになっておりますか。

太田康二水産庁長官

○政府委員(太田康二君) 先ほど申し上げました委託研究によりまして北海道の技術研究所で開発されまして、全国冷凍食肉協会がその普及をいまはかっておりますが、特許等申請中でございまして、電気凝集浄化法という処理施設でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それは採算ベースに合うわけですか。

太田康二水産庁長官

○政府委員(太田康二君) これをすでに設置の準備をいたしておるところがございますので、これらの運転状況を見まして、なお今後これを普及さすかどうかということを考えなければいけませんが、いま現在いわれておる限りにおきましては、施設の設置の場所も非常に小さく済みますし、能率も非常によろしいし、設置の経費も安いという結果が出ておるのでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そうすると、あなたのほうでやっておる研究は大体採算が合うということですね。お隣の公害防止事業団でやった——いま理事長いろいろ説明しましたが、その装置も、あなたの担当の零細な業者の皆さんが公害防止事業団に頼んでやったわけですよ、現実の問題として。塩釜の皆さんは公害を早くなくしようとしてお隣の理事長さんのところに頼んでやったわけですよ。そしたらそれが、いろんないきさつはありましたけれども、研究の装置もだめだったわけですよ、いろいろテストやったけれども。現在、でも成功したみたいですよね。確かに一〇、〇〇〇や一五、〇〇〇PPMの汚泥が大体一〇〇PPMに下がるのですよ。県の条例にも合うようになったのです。ところがランニング・コストが一日に十万円かかのですよ、十万円。こういう装置をやったのは——これは公害防止事業団を監督しているのはやっぱり環境庁でしょう。そうでしょう。環境庁、これ、実際問題、公害防止事業団がやった装置というのは一日に十万円かかるのです。採算が合わないのですよ。どうします、実際問題。農林省で開発しているものが間に合わなかったわけですよ、言うたら。だから、急いで公害防止に協力した人はたいへんな目にあって、公害防止に協力しなくてあとでゆっくりかまえた人はよかったなんて、こんなことが通ったらいかぬと思うんですよ、実際問題。どう思いますか、大臣。

小山長規自由民主党環境庁長官

○国務大臣(小山長規君) きわめてむずかしい問題でありますが、これは善後措置としていろいろなことを考えなければなるまいと思いますが、それでは、いま、さてどんなことを考えたらいいかということまではまだ頭に浮かびません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いずれにしても、農林大臣もそれから、ずいぶん先ほど前向きの答弁いただきましたので、これはやっぱり将来の問題として、私、これ以上きょうは詰めませんけれども、環境庁並びに農林省等も、こういうような問題は全国のいわゆる零細な加工業者の皆さんがいま待っている問題でございますので、そういう点も考えあわせて、農林大臣、御検討いただきたいと思うんですが、いかがでしょう。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 先ほど来御答弁申し上げておりますように、まあ前向きという官僚的な答弁は私はきらいでございますが、努力をいたします。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 じゃ、終わります。     —————————————

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、中山太郎君が委員を辞任され、その補欠として竹内藤男君が選任されました。     —————————————

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いまの塩釜の加工団地の問題ですが、これは私の郷里でもあり・われわれも非常に関心を持って現場を何回か視察をし、それからこの春には、赤城農林大臣と大石環境庁長官に、これはわれわれとしていろいろ要請したわけです。そのとき、この問題についてとにかく対処する、こういう答弁を得ておるわけですがね、問題は、一番大きいのはやっぱり市の財政が完全にこれで破綻しているということですね。二十億そこそこのこの市の財政ですよ。そういう中で、たいへんなこれは負債を業者たちはかかえ込んでおる。したがって、この問題は、これは実際、初めて環境庁長官と農林大臣が聞かれるという、こういうことなんですが、そういうものじゃないんだね。いまのくさい政治の典型的なやつが出ているのだ。あすこへ行ってごらんなさい、塩釜に。あなたたちあと三日の代議士なんですが、あとで大臣になられるかどうかわかりませんが、もしなられればこれを継続して、先ほど答弁されたようなものをやるべきだ。しかし、なられないかもしれない。これで終わりかもしれない。そういう場合には、この事務引き継ぎをはっきりしておいてもらいたいのだね。もう聞いてみるというと、全然事務引き継ぎがないんだ。これは典型的に解決しなければならない、いわば恥部なんですよ。いまの公害対策あるいは水産対策、こういうものの恥部がはっきり出ているのですね。それで、この被害を起こした公害事業団というやつは、全くこれに対して積極的な態勢をとっていない。これは政治的に解決する以外にない。したがって、そういう点では最善の努力を尽くすべきだということ、これは少なくとも両大臣は事務引き継ぎではっきり言い残しておいてもらいたい。このことを要請したいと思いますが、どうですか。簡単でいいです、時間がないんだからはっきり答弁してください。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 私自身が引き続き農林大臣の職にあってこのお役目を果たしたいと思っています。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうでない場合を聞いているのです。それはいいけれども、その決意はいいが、ない場合はどうしますか、事、志に反するということは大いにあり得ることだから。引き継ぎはやりますか。

小山長規自由民主党環境庁長官

○国務大臣(小山長規君) これはおっしゃるような非常に長い歴史の問題のようでありますから、何らかの善後措置を講じなければならぬ問題であることも承知します。したがってそういう意味で、もし私が引き続いでやらないときには、次の方にこの問題は書き置きをするようにいたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それ厳重にやってください。農林大臣もいいですな。あなた後任になられる希望を持っておられるのはよくわかりますが、諸般の事情でどうなるかわからぬが、その場合を聞いているのですが、そう考えていいですか。時間がないですからはっきり御答弁願いたい。引き継ぎはできるでしょう、この場合。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) もちろんやります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それじゃ、その問題はそれだけです、時間がないですから。  じゃあこの法案の問題に入りますが、最初にわれわれの態度を明確にしておきます。第一に、こんなせっぱ詰まったところでこの法案を審議して通すべきではないということがわれわれ共産党の見解です。きょうこの法案がかけられることについて、実は私は賛成しなかったのです。しかし、これは全体の理事会の決定がそうでありますから、これはやむを得ないと思います。これは、いろいろこの法案に非常に欠点があるからです。たとえば食管制度というやつが今度の改革で非常にくずれてくる、もうあとかたもなくなってくる、そういう前提があるというような問題。あるいは食品流通局の新設の問題なんか掲げておりますが、これはほんとうに筋の入ったものじゃない。現在の問題を根本的に解決するようなそういう方向をとっていない。その他いろいろなたくさんの理由をあげることができますが、この法案にはわれわれとしては賛成することはできないのであります。  で、その前提条件として、時間が非常にないのですから、私は特に見解をただしておきたいのであります。といいますのは、列島改造論と日本の農業という課題について、農林大臣はどのような一体検討をされておるかということです。第一にお聞きしますが、列島改造論によって日本農業はどうなると農林大臣はお考えになっていらっしゃいますか。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 列島改造論の中にも、御承知のとおり、心のふるさととしての緑の農村をりっぱに育成したいということが書かれております。そうして高福祉農村を建設したいということがるる書かれておるわけでございます。農政の基本は、申すまでもなく国民の食糧を安定的に供給するというのが最大の使命でございますので、列島改造論の中に、この農業の振興、農村の環境整備、そういうものを十分に組み込みまして、りっぱな農村なり農業を建設していきたいというのが私の意欲でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 せっかくの御答弁でありますが、この列島改造論によりますと、大体一九八五年までに農業人口は三分の一になるのでしょう、そうなんでしょう。農地面積はどういうふうになるか、そういう点から考えれば、いまの話は農地を、緑地を、緑をふやす、環境を守るんだと、こういうことを言われておりますけれども、まず大ざっぱに言って非常にこれは農地は縮小されてくる。そうして農業人口というものは御承知のように三分の一に切り捨てになっていく、そういうことじゃないですか。つまり工業が優先して、二十五万都市というものが至るところにつくられていく。それから現在の太平洋ベルト地帯というやつは、これは現在の七三%ですか、これから五〇%とする、生産力はね。しかし、どうですか、全体として四倍になるのでありますから——実際はこれは三倍なんです。それから裏日本にもその形が出ていく。公害は何倍増かになるわけであります。そういう体制の中で、これは農地というものを保有することは非常に困難だという、そういう現実がはっきり出ているわけでしょう、計算の中から。そうしますというと、これはうたい文句、から文句になりはしませんか。環境を保全する、こういうことを言ったって、これは話にならぬじゃないですか。この点どうです。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 列島改造論の中で農業就業人口が減っていくであろうということを予想しておられます。別に列島改造論が将来の農業人口をきめるわけではございません。予想するのはやはり根拠があって予想しているというふうに私は受け取っております。先進工業諸国におきましても同様でございますが、日本の場合は、いまフランス型程度でございますが、ドイツが七%ぐらい、イギリスはもう三%を割っております。アメリカが四%程度というふうに、先進工業型の国におきましては農業就業人口というのは減っておりますが、結局それは、生産性の向上をはかりまして、機械が農業をやるという方向へ向かいますので、生産量は決して落ちてないわけであります。言いかえれば、この狭い国土でございますので、私どもは優良農地はどこまでも確保しなきゃならぬと思っておりますから、結局経営規模が拡大してくるということに結果としてはなると思いますので、決して矛盾はないというふうに私は考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあそう問屋が安くおろしてくれれば、何もわれわれはここでこれを論議をしなくてもいいと思うんです。そうはいかない。そうはいかない、そういう要素というものは多分にこれはあるからです。  私は、それじゃ具体的にお聞きしましょう。この鹿島臨海工業地帯ですね、この問題が今度の改造論をやっていくときの私たちは一つのこれはものさしにある程度なるわけなんです。こういう点から見ていくわけでありますが、最初はどうですか、農工両全というものを、これはほんとうに鹿島工業地帯のときの何といいますか、うたい文句にしてこれは押し出したじゃなかったですか。ところが現実はどうなっていますか。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 私どもが考えています農村工業導入という政策は、鹿島のような大規模なコンビナート、工場集団というものを頭の中に描いておるわけではございません。やはり各市町村で計画的にその地域の町づくりをお考えいただいて、適地に適当な公害のない工業を導入していただいて、そこに労働力の雇用口を見つけ出していく、そして水田農業は協業化をはかって機械化をやっていきたい、こういう基本的な考え方でおりますので、農村工業導入促進法も国会で通過さしていただきましたので、あの線にのっとって、今後、県並びに市町村とも十分協議をし、現地即応の工業を導入することによって農業の改善にも資していきたい、こういうふうに考えておりますので、いままでのような非常に大きな工業開発といいますか、これは私はやはり農業とは両立し得ないというふうに思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 二十五万都市幾つつくる計画なんですか。それから、言うまでもなく、苫小牧東、それからむつ小川原湖、それから志布志湾、それから宿毛、そういうところで一つのテストケースが始まるわけですね。しかもそれはもう非常にやはりそれとの関連で、これは二十五万都市というのはどんどんできるわけでしょう。そういうことになりますというと、いまのようなことをこれは言っていますが、まさにそれが優先でしょう。そして余った土地がこれは農地になるんです。いわゆる余り地農業あるいは残地農業という形態をとらざるを得ないんです。そういう点で、私は鹿島の臨海工業地帯というのは非常にこれは重大な問題を持っている。鹿島は人口はそんなにありますか。鹿島の人口を見たって二十五万ないでしょう。それでさえもこれはたいへんな問題が起こっている。農工両全というものを太鼓入りでうたったわけです。なぜかというと、公害がもうぼつぼつ出てきた。公害問題が非常にやかましく問題になってきた。そういう中での鹿島の開発でございましたから、この問題をうたわなければこれはやることができなかった。そこで農工両全というのを非常にうたったわけだ。ところが、結果においてはどうです。これは最近の報告を見ましても、実際たいへんなことでしょう。あすこの農民が具体的にどう言っているか。結局は、土地を取り上げられただけだ。それで終わったのがこの開発計画だ。しかも公害は全くこれは何ともならなくなった。それから、あすこのこれは水産業がそうでしょう。鹿島の漁民たちが一体どうなっているか、あの近海。これは木村さんが何かたいへんな失言をやって、これは大問題になっているわけです。魚の奇形児が出てきた。こういう問題が具体的に発生しているんですから、こういうものから学ぶ教訓というものが一体はっきりあるのかどうか。そういう中でほんとうに農地を確保することができるのかどうか。この点は、少なくとも私はずいぶん真剣に追及しなければならない問題です。ばく然とやることはできない問題です。大臣は、鹿島の最近のこの農工両全なんというものは全く、全然うそであったという、そして全く公害におおわれ、これによってあすこの住民たちが苦しんでいる姿というものを一体どういうふうにつかんでおられるんですか。この点をお聞きしたい。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) まことに申しわけありませんが、私は鹿島の状況は存じません。決して逃げるわけではございませんが、いろいろと批判のあることは聞いております。いま私が申し上げたとおり、ああいう大規模なコンビナート的な工業開発というものは、やはり当該地域においては農業がある程度犠牲になるということはこれは当然想像されます。ただし、土地利用計画等は事前に十分立てられておると思っておりますが、おっしゃるような問題があるのではないかと思っておりますが、私は実態をよく存じませんので、いいかげんなことを申し上げてまたおしかりを受けても困りますので、その点はひとつ控えさしていただきますが、私どもが考えている今後の日本全般についての農村工業導入というのは、私が先ほど申し上げたような、市町村が主体になって計画的に今後のその地域の開発を考えるために導入する、それが何といいますか、労働力のはけ口を見つけて、同時に農業問題も解決する、こういう手だてにしていきたい、こういうふうに思っておりますから、今後はそういう考え方で進みたいと思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 大臣の希望は希望として、現実はそういかないんです。そういう甘い考えでこの問題と対決したらたいへんなことになる。だから私は、前車のくつがえるのをほんとうに研究しなければならぬ。その最もいい例はこの鹿島です。ところが、鹿島の何倍ものものが始まるんです。苫小牧東を見てごらんなさい。鹿島のこれは二倍どころではないんですよ。私は現地を見ました。この夏の国会の予算委員会の視察でこれは見ました。むつ小川原にも行ってみた。むつ小川原で始まる。これはむつ小川原で終わるんじゃありません。これは八戸にも行くし、久慈にも行くだろうし、宮古までにも、これはみな影響してくるんですよ、この大コンビナートは。そして裏日本のほうをやっていくといったら一体どうなるんですか。いま言ったのは、これは全くまぼろしのような希望に過ぎないのです。大体十三年間でとにかく現在の四倍でしょう、国民総生産が。そういうふうになると、三百兆、——三百五兆ですか。三百五兆というのは今年度のアメリカのこれは工業生産です。十三年後にそれができますか。アメリカの十何分の一でしょう、日本は。カリフォルニアより小さいんです。そうでしょう。その日本でやろうとしている。人口はどうだ。人口は二分の一だ。こういうところで、この十三年間にいまこの列島改造論がやられ、そういう中で農業の運命というものはどうなるかということは、大筋にはっきり明確にこれは出てくる問題ですよ。  こういう中で、私は、時間がないから最後にお聞きしておきたい、ただしておきたい。日本の独立の基礎としての農業というものをどういうふうに考えているかという問題です。これは今日の改造論と対決するのに最も私は重大な課題だというふうに考える。そうしてどんどんどんどんと、これはもう農地は御承知のように接収されていく、工業化されていく。そういう中で日本の食糧自給の問題さえこれは非常に問題になってくる、国際価格にさや寄せがある。そういう形で、自由化は一方でどんどんどんどん強制されてくる。これは安保の影があります。安保条約そのものがそういうところにしみ込んできて日本の産業を従属さしている、この姿がはっきり出ている。そういう体制の中で日本の独立を一体どうするかという問題は、単に食糧だけの問題じゃないんですよ。農村というものが、いまの自然環境があって、その自然環境がどのように一体これは守られるか。大きな国家的意思によってこれは守られるか。そうして、そこのところはほんとうにこれはやはり私たちの大きな、何と言いますか、公害を避けて、そうしてわれわれの一つの大きなよりどころになってくる。ところが、全然反対の方向にこれは行っているじゃないですか。農地はどんどんと、これはもう最近の政策で接収されていく、それから食管制というものはつぶされていく、そうして農業の自由化というかっこうでもって農作物は買いたたかれていく、そういうような形をとったら、これは話にならぬです。だから、私たちとしては、とにかく主要農作物の価格保障というものを国家が明確にすべきだと思う。そして、その地においてほんとうに青少年たちがちゃんとこれは生産に従事するならやっていける、そういう基礎の上に立ったところの農業の独立というのが非常にこれは重大ですよ。これがやっぱり日本の独立の基礎になる。この問題を抜きにした日本の独立ということは非常に危ういと私は考えている。そういう点から見ると、日本の独立の基礎としての農業というものをどういうふうに位置づけるかということは日本の政治全体の重大な課題になってくる。これを一体農林大臣としてはどうお考えになるか、お聞きしたいと思います。

足立篤郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(足立篤郎君) 先ほど申し上げましたように、農政の基本は大事な国民の食糧を安定的に供給するというのが一大使命でございますから、先月、農林省としては思い切って今後の見通し、十年後の自給度というものを発表いたしました。これは申すまでもなく、米については完全自給、また野菜とか鶏卵とかそういうものについてはほぼ一〇〇%自給、その他の主要農産物については八〇%以上の自給をはかる、こういう基本方針を明らかにいたしたわけでございまして、それだけの自給をはかるためには農地が相当量必要になりますから、場合によれば造成しなければならぬ面も出てまいります。これは私どもはどこまでも確保していく。特に優良農地につきましては、生産性を高める意味からいたしましても、なお、今後適地適作をやっていきます上からいたしましても、優良農地を確保するということは絶対の使命だというふうに考えておるわけでありまして、そうした基本的な態度に立って、今後列島改造が進めばそれと組み合わせをうまく考えながら農業の振興をはかっていきたい、同時に、農村の環境整備も来年度から十ヵ年計画を立ててやっていきたいというふうに思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 最後に、これでやめにします、時間がありませんから。いまのような希望を農林大臣は持たれているのはいいと思うのでありますが、現実はそうなっていない。ブルドーザーがまかり通っているのです。明確だ。これは国会の予算委員会の論議を聞いても、ブルドーザーがまかり通っている。だから、どういうふうにこれをほんとうに守っていくかというここのところが非常にいま重大な課題ですよ。私はそういう点から言いますと、この法案そのものもやはり結局はそういう方向に道を切り開いていくようなそういう関連を先ほど二、三指摘しました、そういう点からあげることができる。したがいまして、私は、この法案そのものにはこれは賛成することはできない。しかもこれだけの審議でこれが通るということについては、はなはだこれは遺憾を感ずるものであります。  以上であります。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) ほかに、御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 御異議ないと認めます。これをもって質疑は終局いたしました。  本案の審査は、ひとまずこの程度にいたします。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。     —————————————

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(閣法第三号)、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(第六十八回国会閣法第五四号)、法務省設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、以上五案を便宜一括して議題といたします。  それでは、これより質疑を行ないます。——ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようでございますから、これより直ちに採決に入ります。  まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     —————————————  次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     —————————————  次に、法務省設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきも審のと決定いたしました。     —————————————  次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(閣法第三号)を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     —————————————  次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(第六十八回国会閣法第五四号)を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、これら五案の審査報告書の作成につきましてはこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 次に、農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、先ほど質疑が終局いたしておりますので、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。なお、修正意見のある方は討論中にお述べ願います。

内藤誉三郎自由民主党

○内藤誉三郎君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております農林省設置法の一部を改正する法律案に対する修正案を提出いたしたいと存じます。  修正案はお手元にお配りしてありますので、朗読は省略させていただき、その要旨を申し上げます。  林野庁の組織につきましては、国有林野事業のあり方等をめぐって最近種々検討が進められているようでありますので、その結果を待ってさらに慎重に検討を要するものと考えますので、この際は組織改正は見送ることとして、全面的に削除したいと存じます。なお、これに伴い附則第二項の沖繩開発庁設置法にかかる規定の整備につきましても削除することとしております。  以上の修正部分を除く原案に賛成をいたしまして、私の討論を終わります。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより農林省設置法の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、内藤君提出の修正案を問題に供します。内藤君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 多数と認めます。よって、内藤君提出の修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。  以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時四十七分散会      —————・—————

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