社会労働委員会 第2号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1972/11/02
会議録
○委員長(矢山有作君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告します。 本日、山下春江君が委員を辞任され、その補欠として宮崎正雄君が選任されました。 —————————————
○委員長(矢山有作君) 理事辞任の件についておはかりいたします。 昨日、丸茂重貞君から文書をもって都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢山有作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(矢山有作君) この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢山有作君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に高橋文五郎君を指名いたします。 —————————————
○委員長(矢山有作君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 社会保障制度等に関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢山有作君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢山有作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(矢山有作君) 労働問題に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大橋和孝君 私は、昭和三十八年の十一月の九日に、三池の三川鉱におけるあの炭じんの大爆発の事故で、四百五十八名の命が瞬時にして奪われた。同時にまた、八百二十七名のCO中毒患者を発生させたことは、いまなおわれわれの記憶に新しいところであります。政府は、本年三月一日に、一時経過観察者六十四名のうちから長期の傷病給付患者を除く二十三名のCO中毒患者に対しまして、労災補償給付を打ち切る治癒認定を下し、向こう一年間にわたって坑外での職能回復訓練の措置を講じてきたのであります。しかし、このCO中毒患者は、法律が下すところの治癒認定のいかんを問わずに、常に、再発をしたり、余病を併発をしたり、あるいはまた死亡をしたりする等の不安にさらされているわけでありまして、家庭的にも非常に崩壊のような危機にさらされておるわけであります。 この事故が発生しましてから九年を経過した今日でございますが、いままで、労働省関係各位のいろいろな配慮をいただきながら、そのつど、処置を講じてまいったわけであります。その後の現地の状況をつぶさに見ますと、CO中毒法が特別法としてできたわけでありますけれども、それがどうも非常に形骸化をされて、そしてまた労災保険法の面から申しましても非常に不十分さもありまして、このCO患者の実態はもはや一刻もゆるがせにできないような状態に置かれているといってもいいのじゃないかというふうに私は思うわけであります。 そういう状況でございましたので、私、大橋和孝を代表といたします社会党と総評、それから炭労、そのほか地区の方々の七団体からなる現地の合同調査団は去る十月の二十五日に現地三池に参りまして、労災病院だとか万田の回復訓練所だとか、あるいはまたアソニット工場なんかを中心にずっと調査をしてまいった次第でございます。この調査を踏まえまして現在のCO特別措置法がいま申したように非常にその立法の精神が十分に行き届いた状態になっていない、言うならば形骸化されておるという事実についてひとついろいろお尋ねをしてみたいとこういうふうに思うわけでございます。 ちょうど本年の三月に、いま申したように六十四名の経過観察者の中でその取り扱いを政府が決定をしたあとにこの三井の鉱山のほうは次のような三条件を打ち出してきたのであります。 長期の病欠者に就業規則を適用をして休職扱いとする、そしてこれが二年六ヵ月後には解雇をするというふうな状態、第二には万田の回復訓練所の就業時間を従来一日四時間というのを八時間に延長するんだ、それから第三番目には、一時金の算出方法を一般鉱員並みにするんだと、こういうようなことを打ち出してまいりました。 この休業二年半で解雇するという就業規則を適用をして、そして解雇を打ち出したというものでありまして、これはCO法の第四条の精神と、——これは大臣ともいろいろお話しをした経過もあるわけでありますが、この第四条の精神に大きな違反をしてくることになるんじゃないか、こういうふうに思うわけであります。また第二につきましても、CO法の六条にいうところの労働条件あるいは職場の環境の改善条項を踏みにじるものではないか、こういうふうにも考えます。また第三のCO中毒の被災者の前収の補償をうたったCO法第四条の精神を非常に大きく、これも大臣との約束もあったわけでありますが、その精神を非常に踏みにじることになるんではないかと、こういうような三点があるわけでありますが、これにつきまして政府はかつてこの解雇制限、前収補償は行政指導で行なうと言うておられたわけであります、これにかかわらず、完全にこれが履行されてないばかりか、企業とともにこのCO法の実質的な空文化につながることになるんではないかというふうに思うわけでありますので、この点についてひとつ労働省の見解をお聞きいたしておきたい、まず一番に。
○政府委員(渡邊健二君) ただいまお尋ねの点につきましてCO中毒症が治癒いたしまして職場に復帰されました方につきましては、これは会社に戻られたわけでございますので、就業規則が適用されることになるわけでございますが、ただ、ただいまもお話がございましたように、その場合でございましても一酸化炭素中毒特別措置法の第四条によりまして「一酸化炭素中毒症にかかった者であることを理由として一切の差別的取扱いをしてはならない。」ということになっております。したがいまして、その一酸化炭素中毒患者であるという理由によって解雇というようなことになる場合についても同条の規定があるものと考えるわけでございます。したがいまして、就業規則は適用ございますけれども、適用にあたりましては同条に違反してはならないことはもちろんでございますが、ただ個々の具体的な場合につきましては、それがはたしてCO中毒症によることを理由とするものか、あるいはその他のその後に生じました私的な、私病等によるものであるか等々につきましてはそれぞれの事情を十分調査いたしまして、この特別措置法の規定に違反しないように私どもとしては十分に指導してまいりたいと、かように考えるわけでございます。 それからもう一つ御指摘の万田の作業所の件でございますけれども、これは三井三池鉱業所がCO中毒症の治癒者の就労の場といたしまして会社のほうで造成した設備でございます。そして後遺障害のある者を対象として軽作業を通じて現場復帰訓練を行なっておる施設であるわけでございますが、これらの対象者につきましても特別措置法の六条によりまして、危害防止または健康保持のために必要があるときには就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮その他適切な処置を講じなければならないことになっておるわけでございまして、同条の規定に違反してならないことはこの訓練施設に入っている者についても全くそのとおりであるわけでございます。ただ、この訓練のための時間が何時間が適当かということにつきましては一がいに判断することは困難であると考えますので、同措置法五条等におきましてそれらの人については健康診断、あるいは九条によりまして、それらの人でなおった者につきましては診察その他のアフターケアをやることになっておりますので、それらに当たりました医者の意見等も聞きながら必要があれば適切な指導を行なってまいりたい、かように考えるわけでございます。 それから一時金の問題でございますが、先ほども申しましたとおり、特別措置法の四条によりまして職場に復帰したCO中毒患者に対して差別してはならないことは明確に規定されておるわけでございますが、一般鉱員と同様の基準を適用することにつきましても、その間の事情については十分会社としても配慮する必要があるものと考えるわけでございます。ただいまの一時金の算定の問題につきましては、私どもも実情必ずしも承知いたしておりませんので、実情を十分に調査いたしました上で必要と認めます場合には会社に適切な指導を行ないたいと、かように考えるわけでございます。
○大橋和孝君 特にいま三点をあげて私はお尋ねをしたんでありますが、やはり局長のおっしゃいますように、この就業規則を適用する上においても相当考慮をしてやらなきゃならない、もうそうおっしゃるとおりであります。ところが現地を見てみますとなかなかそうじゃない。結局私はここで第一番目に感じたことは、これはなおったんだから普通と一緒だという考え方ですね。それはいま局長も御指摘になったように、その前に特別立法があるから、それの精神をちゃんと反映するように考えていただくならば、運用していただくならばそうはならぬわけでありますね。ところが非常に会社側はむしろ普通の就業規則をちらつかせて休職にする、そうしてあとは二年六ヵ月後には解雇にこれは就業規則上なるんだということを打ち出してきて現在悪い状態にある人たちが非常に不安な状態になっておるということはやはりその精神は没却されていると言わざるを得ぬわけですね。特に私はここで見るのに、あとからそれについてはいろいろ詳しく質疑をさしていただきたいと思いますけれども、私が行って実際そういう人たちを見てきまして、CO中毒患者というのは医者の立場から見ましても、あるいは症状が固定しているからそういうふうな治癒認定をした、これはいままで労災の中でやられていることなんですが、その症状固定で認定をしたという範囲以上に、何といいますか、精神やらあるいは神経やらがおかされているわけです。あるいはまた情緒の不安定だとか、そのときによっていろいろなことが起こってくる、あるいはまた精神的にも神経的にもいろんな状態があって、たとえば夫婦の関係もできないような状態になっているとか、あるいは時によってはそういう症状が重くなったり、軽くなったりするとか、あるいはあの人は運動はできるけれども、考えることはゼロだ、こういうふうなものがいろいろあるわけです。こういうものが、症状が固定したら、それは治癒認定という問題もありますけれども、そういうものを含んだら、やはりCO中毒患者の普通の何といいますか、状態よりは違うわけですね。それをすぐ就業規則を引き出すとか、あるいはまた時間がどうだとかやるところに私は非常に問題があるし、いわゆる経営者がそういうふうなところに持っていくことを、やはりCO特別立法の立場からどうチェックするか、こういうことはやはりおりに触れ、時に触れて私はやってもらわなければいかぬ問題だ。特に九年もたって、ずっとその間にはずいぶん委員会でも無理を言いまして、いろいろ了解をしてもらって、いろいろ取りつけた経過も私は初めから十分知っているから、ここで申し上げるときにも、そういうことを踏んまえながら、やはりああいう状態はかわいそうではないか、何のためにあのときにCO特別立法をこしらえてもらったか、あるいはわれわれも要求してつくったか、こういうことを考えてみましても、やはりそういう精神は、どこまでも生かしてもらわなければ、あの特別立法というものを知らぬ間にくずしてしまって、形骸化さしてしまうということになっては、私は非常に大きな問題ではないかと思います。そういう点で総括的に、やっぱりCO立法をどうしても具現するためには、相当やはり労働省のほうで力を入れてもらって、指導してもらわないと、会社側にはやはり企業のあれもありますから、当然そういう方向に進んでいくであろう、そうするとやはり弱いところの被災者が非常に苦しい目に置かれる、そういう現況を見てまいりまして、私はこれはほんとうにたいへんだというふうに思いました。ですから、いまも申しましたように、これに対しては、ひとつ大臣も政務次官もお見えになっておりませんから、こういう議論は、大臣なり政務次官にきっちりやってもらわなければいかぬと思っているのでございますが、特に局長さんのほうから大臣のほうに対して、こういう法の精神を生かすためにどう指導するか、どうやっていくかということを、具体的にひとつ考えていただきたい。 これについてこの法をつくったときを振り返って考えてみるならば、いまごろこんなことを議論するのは、そのときの、立法当時のことを思い出しますと、非常に私は残念に思います。それがどんどんどんどんと行なわれて、労働省の指導によって、被災者がまあまあという、満点でなくてもまあまあという状態に置かれていれば私はあたりまえだと考えるわけですが、私どもが見ても、——どういうところがどうだといわれれば全部指摘します。全部見てきました。そういう点から見ていきますと、ほんとうに法の精神というものが踏みにじられてしまっているといっても言い過ぎじゃないと思います。ですから、これはひとつ労働行政の中で大臣にもきびしく言っていただくように、この状況をひとつお伝え願いたい、こういうふうに思うわけです。 それから次に、万田の回復訓練所の状況について申し上げて、特に労災補償法によるところの治癒認定にかかわることですが、この職能訓練中の者及び終了者は、治癒認定の措置にもかかわらず、まだ通常の能力を回復していない。これが第一点であります。——ですから、治癒認定は受けているけれども、なかなかまだそれだけでは、たとえば、訓練を受けたから正常のあれができるかといえば、私はできないと思うんです。本人たちは働く意欲はありますけれども、やはり見てみますと、先ほどちょっと話したように、たとえばピンポンやバトミントンをやっております。運動をやっておりますが、運動をやっておるところを見たら、どこが悪いかと思われるような方です。ちょっと話してみたら記憶がないし、あるいはまた状況によっては情緒的にも不安定さが出てきて、家族の中にいろんなトラブルがある。あるいはまた、われわれがそれを見ておりましても、手足をふるわしておる、こういうような形で、これを見てみまして、なかなかこれが一年間で職能訓練、回復訓練をやって、それが目的どおりになって、そして一般の人と同じように働けるかどうか、私は非常に問題があると思います。そういう点を見ましたときに、やはり回復をしていないものでありますから、これに対してどうするかということも考えていただかなければならぬと思います。 それから、治癒認定者の中から症状が悪化したり、再発をしたり、あるいはまた肺ガンだとか、あるいはまた死亡者がふえる、あるいはまた胃ガンも肝臓ガンも発生者が非常に目立っている。何人かのうちに何人という人の数も私は聞いてまいりましたが、パーセンテージからいったら非常に多いわけですね。医学的にどういう関係があるかないかそれは別としまして、そういうふうな状態があるのでありますから、この労災補償法におけるところの治癒認定というものの不十分さ、欠陥さというものが明らかになっているんじゃないか。中にはもう一ぺん再発を申請をしている人もたくさんある、こういう状態でありますからして、あすこの中でいわゆる治癒認定そのものに対して私はもう一ぺん考え直してもらわなければいかぬのじゃないか。いま局長さんのお話にもありましたように、月に一回ですか何かの健康診断ということがあるようでございますけれども、私はもっとそれを綿密にやる必要があるんじゃないか。こういう状態でやはり本人たちが少し精神的にも神経的にも変化があるとすると、普通の人のようにまともな訴えができないかもしれませんけれども、そういう観点から申しますとこういう問題が非常に起こってくるのではないかというふうに思います。特にCO中毒による後遺症は記憶の喪失から先ほど申しておるように性格の変化あるいは情感の喪失、機能障害等をはじめとする内部的な疾患、精神的な疾患を主体としておりますから、現行の労災補償法における認定は、おもに内部疾患的な基準が中心になっておりますから、いま申したような内部疾患、精神疾患にかかわる認定に対しては、きわめて私は不十分のように思うわけであります。こういう状態に置かれておりますところのCO中毒患者、特にいまあすこで訓練を受けている人たちは、治癒と断定するのには医学的にも不確定の要素がたくさん残っているんじゃないか。また余病の併発それから再発あるいはまた死亡という危険がおそらく一生の間CO患者については続いていくものであろうから、逆に言うならば長期療養あるいはまたリハビリテーション、あるいは経過観察あるいは休業等のこういうことがある程度つきまとってくるんじゃないかと思います。ですから、そういうことを考えてみますと、状況の変化に応じて、逐次制度的にやっぱり疑わしいのは補償するというくらいの観点、——いまの公害の被災者に関するような考え方を適用してもらって、そういう観点に戻って、そういう状態に対応していかないと、とてもうまくいかぬのじゃないかというふうに思うわけです。ですから、いまやられているような健康の調査、検査、そういうものではとても不十分だというふうに思うわけですが、こういうものについてもう少しこの点で、いま申したように疑わしいのは補償するくらいの形でやっていただきたい。そういうところにまで突き進めないと、このCO中毒患者に対してはやはり大きな抜け穴ができてくるんじゃないかと思います。ご存じのように、公害はこのごろ無過失賠償責任までやかましくいわれておりますから、当然疑わしいものに対しても補償されているわけでありますから、いままでの考え方でなく、公害病あるいはまた公害の被災者というものに対して、そういうふうなところまでいっておりますから、特に公害なんかとは違いまして、COなんかは企業に全責任があるわけでありますから、もう少しそれは丁重に取り扱うべきじゃないかというようなことから考えますと、非常に冷酷過ぎるんじゃないかというふうに思いますけれども、そういう点をひとつ踏んまえて、その辺のところの御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(渡邊健二君) 労災保険において治癒と申しますのは、先生も御承知のように、その症状が固定して、そうして治療を要しなくなったときをもって治癒といたしているわけでありますけれども、CO中毒につきましては、御指摘のようにいろいろむずかしい問題があることをわれわれも十分に承知いたしております。したがいまして、CO患者の治癒の認定につきましては、単に一般の場合と同じように、主治医の意見だけですぐきめるというだけでなくて、主治医の意見を聞いた上にさらに現地の事情に詳しい専門家の意見も聞き、中央で専門家による委員会等の意見を仰いで、非常に慎重に治癒と認定するようにいたしておりますし、またその間におきましては先ほども六十四名の例をおあげになりましたように、必要な場合は大体なおったとしましても、直ちに治癒としないで一定の経過観察期間を置いてから認定する等、十分に慎重にいたしておるつもりでございます。しかしながら、それらの結果、治癒になりました者につきましても、御指摘のように、CO中毒の患者等は、やはりその後の季節や天候あるいは環境の変化などによりまして、非常に不安定なものがございます。そこで、CO特別措置法では、先ほども申しましたように、第九条によりまして、必要なアフターケアということで、月に一回診察をするとか、あるいは保健の投薬をするとか等々の措置も講じまして、十分に配慮をいたしておるところでございます。また、一ぺんなおられた方でありましても、先生もおっしゃいましたように、また療養の必要が生じたというような方もわれわれ伺っておるわけでございまして、それらの方々で再発の申請をされました方につきましては、十分に医者の診察を受けまして、CO中毒との相当因果関係があると認められるものにつきましては、再発としてCOの療養給付を行なうことにもいたしておるところでございます。 以上申しましたように、CO中毒患者の方々に対する治癒認定につきましては、十分考えまして行なっておるわけでありまして、私どもといたしましては、これまで一応適切な認定が行なわれているものと考えておりますけれども、今後とも、具体的な事案につきましては、十分にそれらの事情を配慮いたしまして慎重にきめこまかくやってまいりたい、かように考えるわけでございます。
○大橋和孝君 これは非常にたいへんな問題でしてね、表のいままでの労災の保険法からいって、こういう認定やなんかのことが、一つのルールがあるわけですけれども、このCOの場合には、いま局長のおっしゃったように、非常に特別に扱ってもらわなければならぬいろいろな要素を持っているわけですね。私は、この問題につきましてはひとつ最後にお願いをしたいと思うのですが、やはりその経過をいつも見て、月に一ぺんの健康診断じゃなくて、やはり主治医が見ているように適切な状態で、もっと回数もふやさなければいかぬし、検査の方法もふやさなければいかぬし、そしてまた、それを詰めて、どういうふうにしていくかということをしなければいかぬ。特に私は、ここの中で再発を、再申請を出しているような者がありますから、こういうふうな者に対しては、もっと早く実態を見て、その状態を出しているわけですから、これはひとつやってもらわなければいかぬじゃないかというふうに思います。特に、それがやられないから訴訟をしている者もあるわけですね。ですから、そういうことからいえば、いろんなケースを、いまのケースとはちょっと違うかもしれませんけれども、そういうふうなところまで行かすのじゃなくて、やはり企業の側にはその中毒を起こさせた責任があるのですから、ですから、私は、もう百歩譲って、いまのような公害のいろんな問題の議論を見ましても、そういう観点から見るならば、こういうものはもう一度やらなければならぬ観点にあるわけですから、そういう点からいって非常に矛盾を感じます。ですから、そういうことをひとつ十分に配慮をしてもらいたい。 それから、現に患者たちが、目の前に見ているのには、いろいろな病気を併発したり、あるいはまたガンになって、あの人はこういうのが起こった。いろいろな例を聞きますと、何でここだけこんなに多いのかという疑問を持っている。そういうような人たちに対しては、そういうふうな検査もしてやる、そして、早期に発見をするためには少なくとも何回のそういう検査をするとかというふうなことは、このCO患者に特別にやるというものをひとつやってもらわないと、あそこの状態、万田の機能訓練所を見まして、私はいかにも寒々しく、感じました。そして、あそこの、あとからちょっとお話をしたいと思いますけれども、あの訓練のしかたであれでいいのか。それからまた、訓練されている人たちの特に病気に対する不安さ、そういうものを考えてみますと、家族を含めて、私は治癒認定のしかたにももう一ぺん手心を加えてもらうようにやらないといけないと思いますので、原点に返って、もう少し回数をふやすような方法を考えて、そうして、実情をどうしたら十分吸い上げられるか、そういう観点で、私はもっとこういうものを詰めてやっていただきたいというふうに思うわけです。それがないと、ほんとうに私は、現地の状態を見まして、何のためにCO特別法をこしらえたのかということも思われますし、いかにも、この労災補償法における治癒認定というものが、何といいますか、規則にとらわれ過ぎたような形で、実情をくみ上げるのにもうちょっと考えてもらえぬもんか。不満さを非常に感ぜざるを明なかったわけです。ですから、この治癒認定のやり方についても考えてもらいたいし、それから、そのきまった人たちに対しても、もう少しいろいろなところで検査をして、そうして再認定なり、あるいはまた再発の認定なり、そういうものに対して手を下すときには、相当実情を把握しながら、本人たちの救われるような立場でひとつやっていただきたいというふうに思います。CO患者というものは、御存じのように非常に悲惨ですからね。思っている、見ている以上に、そういう大きな精神的な欠陥というものは、非常に私はみじめじゃないかと思うのですよね。ですから、そういうことを十分踏んまえながら、あとの検診なり、あるいはまた健康診断なり、あるいはまたその再認定のしかたなり、再認定をすることなり、そういうことに対しては、ひとつ十分な配慮をしてください。これは特に私はお願いをいたしておきます。 それから、次には、この企業責任についての明らかに一つしておきたい点がたくさんありますので、ちょっと申し上げたいと思います。 機能回復訓練を受けている十九名の生活補償をめぐって、三池労働組合と、それから三井鉱山との交渉は、決裂したまま今日に至っているようであります。この間、この十九名の人たちは、労働組合から毎月一世帯当たり三万円の生活資金を借り受けて当面を過ごしているようでございますが、一体、この災害の直接責任者である三井鉱山のこのような態度を、労働省のほうはどういうふうに受けとめていらっしゃるのか。私は、向こうへ行きまして、非常に不可解に思いました。 それから、それと同時に、私は、あれは三井のほうの幹部の方であったと思いますが、その人とも会いまして、そういうことを申し上げてまいりましたが、その話も非常に冷淡でございました。 ですから、私は、最近これにつきましてもそう思うわけでありますが、公害の判決なんか見ましても、企業責任を明らかにしている実情でありますからして、ことにその企業の責任が一〇〇%であるかないかということまで議論されるような公害の問題に対しましても、責任を相当明らかにするように迫られているわけです。ここなんかも、COの中毒患者というのは企業に完全なあれがあるわけですから、そういう明らかな労働災害でありまして、特に三池のCO被災者につきましては、なぜ企業の責任者である態度がこのように誠意を欠いているか、誠意を示さぬじゃないかということに対しても、私は非常に疑問を感じました。ですから、労働省はこの事態をすでに御承知だと思いますからして、監督官庁として、どうかひとつ、この行政指導をして、その点、十分なことをしてもらいたいと思いますが、その辺のところはどうなっておりますか。
○政府委員(渡邊健二君) 十九名の方々に対します生活補償の問題につきまして、私ども、会社と組合との間に交渉が持たれていることを前に聞いておりまして、話し合いはかなり進展しているような話も伺っておりましたので、すみやかに円満な妥結をするということを期待しておったのでございますが、その後聞きますところによりますと、これが中断しておるということでございます。その辺の事情、どういう事情であったかまだつまびらかにいたしておりませんので、早急にそれらを調べまして、会社等も呼びまして事情を聞きますとともに、すみやかにそれらの問題について話し合いをつけて、そうしてそれらの被災者の方々の不安のないように、円満な解決をはかるよう行政指導をしてまいりたいと、かように考えます。
○大橋和孝君 この物価がこのように上がっておるときですから、生活するのにはなかなか家族ぐるみ非常に因っているわけですね。だから私はあとのいろんなことの経過等もありますので、それを十分踏んまえた上で私は質問さしていただいているわけですから……。会社のほうも通り一ぺんな回答はいたしておりますけれども、そうした意味でいまの公害のいろんな責任の問題から比較していきますと、こういうものは当然企業が全責任を持たなければならぬわけですから、それからいきますと、いまのような態度では何といいますか企業のほうが横柄というか、あるいはまた非常にうまく逃げているという形になってしまって、私はやっぱり弱い者が一番ひどい目にあっているということになるのじゃないかと思います。私はほんとうに見てみまして、そんなことで生活している人たちが病人であって、回復の訓練を受けているようなところですから、普通の人よりはよけい金がかかるはずなんです。そういう人が十分に補償されておらなくて非常に困っているという状態は、非常にもっと積極的に会社がやらなければどうにもならぬ、そういうことは許しておけない状態というふうに私は考えます。こんなことで今後続けられるならば、私はこの委員会に会社の幹部を呼んで、相当きびしく糾弾しなければならない問題だと考えておりますけれども、まあ、それは二としまして、まず監督官庁の労働省のほうからきびしくこれに対して行政指導してもらって、そして実効があらわれるならばそんな無用なことをする必要はありませんから、私は特に労働省のほうで十分な、そういう患者の側に立ってひとつやっていただきたい。労働省は、私はいつもお願いしているように、そういう働いている者、あるいはまた労災の場合であれば被災者、その側に立ってやっていただかなければいかぬので、企業の側に立ってやってもらってはいかぬと思います。ほんとうにそういうことでなかったら労働者は救われないわけですから、そういうことで特にひとつこれはやっていただきたいと思います。その結果によっては、私はあとからいろんなこともしてみたいというふうに考えておるわけですから、どうか、そこのところを踏んまえて、徹底的に早く実効のあがるようにやっていただきたいと思います。 それから次は、先ほどからも申したいと思っておりました職能回復訓練の、あるいはまたリハビリテーションのあり方について私は再検討してもらうべきじゃないかというふうに思います。 現在の実態を私は見せてもらいました。バドミントンをやったり、卓球をやっているところが二ヵ所ぐらいしかないですね、その程度で訓練が行なわれているというわけですが、あれはもう確かに精神的な面もありますから、そういうふうな知能の回復、あるいは精神の安定をするためのリハビリテーションということがおそらく完全にならないわけですね、あそこでは。それは非常にCO患者の機能回復には私は必要じゃないかと思うんですね。それをやればいろいろなことがあるわけです。いままでもやられている、いわゆるリハビリテーションの中で、そういうようなものをやるのにはどうするかということはたくさんあるわけですから、もう少しあそこにもそういうようなことをしないと、大事なことがぽろっと抜けてしまっているような回復訓練というならば、私は職能回復訓練という名前だけで、あそこで一年間遊ばしておくというような形、十分なものもなく遊ばしておく。何か訓練をして——何か機能的にも、職能的にも、あるいはまた精神的にもあり得ると思いますけれども、そういうようなつながりがあれでは全然ないと思います。あまりにもひどい、ぼくはあれを見て、いまの社会であれでいいのか、前世紀というか、もう、ちょっと考えられないような前時代的なものじゃないかと私は思います。一ぺん私はあそこはぜひ見てもらいたいと思います。何か職能回復訓練所だというのにはあまりにもおそまつ、おそまつというほどに値しないああいうものを置いておいていいのかと、私はそういうふうに思いました。あんなことが行なわれておるとするならば、私は大きないまの経済、あるいは文明の水準から言いましても陥落ですから、こういうことでCO患者がそこへはめられているとすると、これはCO特別立法の精神からいってもひど過ぎるのじゃないか。私はことばでようあらわせませんけれども、非常にひどいものだと思います。こういう観点からこの内容を見てみますならば、直ちにあの問題は少しでもそういうことの意味に合うようなことにしてもらわなかったら、何というか、憲法違反というか、人道に反するというか、あまりにも人権を無視するぼくはひどいもんだと思うのですね、あれでリハビリというなら。私は、その中を写真もとってまいりました、あまりにびっくりしましたから。こういうようなことで機能回復訓練所だと言っておれるのかどうか、私はもう一ぺん労働省のほうからあの実態を見ていただいて、これでいいかということをもう一ぺん検討していただきたい。たとえば国立労災病院あたりでリハビリテーションをやっておられます。そういうものと比較してあれがほんとうの職能機能回復訓練所だと言えるか。私はこういうところに入れておくこと自身が憲法違反、本人のこういう人たちの権利意識からいうならば、むしろ憲法にももとるような、人権を無視したようなやり方ではないかというようなふうにまで私は思いました。ですから、非常に憤りをもって私はあれを見てまいりましたので、これについてのひとつ対処のしかたを十分に考えていただきたい。しかもこれが労災病院の付属施設だと言われることになると、私はこれは大問題だと思います。だから一体そういうことを言って、当局のほうはどうこれを把握していらっしゃるのか。少なくともあばら家で、そうして非常な悪い状態で何の改善策も行なわれていないし、そこにバドミントンのネットが置いてあるだけだ、ピンポンの台が置いてあるというだけで、そこのガラスも割れているという、もうそれは、実際あの状態はお話にならないと思う。ですから、こういう訓練所のあり方、一体日本の中にああいうのがあるというわけですから、ことに労災病院の付属施設としてあるということですから、私は、これは非常に大問題だと思います。必要ならば、私は写真をとってきましたから見てもらいたいと思いますが、そういうような形を見ますと、もう何とも言いようがないですね、この問題に対しては。ですから、これに対してはひとつ、どういうふうにされるのか、お考えを聞いておきたいと思います。
○政府委員(渡邊健二君) ただいま御指摘のございました大牟田の労災療養所及び荒尾回復訓練所におきますリハビリテーション施設でございますが、施設も古いものでございますし、われわれ決して十分なものとは考えておらないわけでございます。 そこで行なっております回復訓練につきましては、これは医師の指示のもとに機能回復訓練のリハビリテーションを行なっておるわけでございますが、ただいま先生から御指摘のあった点もございますので、それで十分かどうかという点につきましては、それら担当の医者の意見も聞きまして、リハビリテーションの効果が十分にあがるように、それらの施設については今後その施設の充実をはかるように努力してまいりたいと、かように考えます。
○大橋和孝君 医者の意見も聞いてというお話ですが、それは医者の意見を聞く前の段階ですよ。そんなふうなことで医者がそこに一枚かんでやっておるのだから、労災病院のその話を聞いて云々というようなことと実際違うんですわ。局長あすこごらんになりましたか。一ぺん行ってみてください。私は行って寒々としました、それはぞっとしました。私も社労に置いてもらっておってこれでいいのかという感じを持ったわけです。特別立法してもらったりなんかして、こういう方々は特別に保護しておくということで、いつでもそういう人が入っておるんですよ。そういっちゃ悪いかもしれませんけれども、少し頭がぼけた人、私ならあんなところに入ってようしんぼうしておれませんよ。あれでは人権無視ですよ、あんなことで置かれて。ですから、言うならば、補償なんかの点も考えてみて、私は事業主はそういうことに対しては冷酷であって、しかも労働省がやっておる労災病院の付属施設のああいうところに入れられて、監獄に入っておるよりひどいんですよ。それが四時間ではいかぬから八時間にするということでは、一体全体どうですか。あすこに八時間かん詰めにされたら拷問にされておるようなもんですよ。私はそんなふうに感じました、実際は。ことばは少々荒い言い方かもしれませんけれども、精神的にはそういうことだと思う。そういうことはひとつ根本的に考えて、やはりいまの、何ていいますか、文化水準、経済水準から見てどうあるべきかということを考え、局長一ぺんひとつ見てください。私はそう思って涙が出るほどだったのですよ。自分自身もこういうことであってよかったかな、自分の反省までさせられて帰ってまいったわけです。特にこの問題についてはきびしくひとつやっていただきたいと思います。 それから、CO患者であった者が定年退職した後の就職についてでございますが、現在この身体障害者にかかわる就職は一定の法律のもとに保護をされてやられているわけですね。しかし、精神とか神経の障害者に対しましては、何らの保護もなくて、就職したくても仕事につけないでおる。同時に、それはまた、生活の窮迫な状態に追い込まれる大きな要因にもなっておる。精神とか、あるいはまた神経の障害者に対する就職あっせんについては、やはり私は、当局は特に一ぺん考えてもらわなきゃいかぬのじゃないかということであります。ここで聞いてみますと、CO中毒患者だと言ったら、就職ができぬから隠しておるという人もあるわけですね。事ほどさように、多少精神とか神経に異常のある人の再就職ということに対しては、採用する人もいろいろ警戒するのでしょう。ですから、これに対しては、何とか狭い門になっているところの門を開くための処置というものがないといけないわけです。身体障害者は、御存じのようにある程度の保護をして、税金をまけるとかなんとかするというようないろんな措置をして、身体障害者を採用してもらうようにしているとか、何%身体障害者を使用してくれというようなこともされておるわけです。こういう人より条件の悪いCO中毒患者、ことに定年で退職したような人は非常に困っているわけです。現在そういう人たちは働けないで非常に困っています。そういうことで、家族の人たちのいろいろ訴えも聞いてまいりましたが、ほんとうに涙なくしては聞けないような状態ですね。ですから、いままでのたくわえがあってやっていけるのではなく、また、障害年金とか、あるいはまたその他の年金によって食べられるような状態でもない。こういうような状態になったら少しでも働かなければならぬけれども、働けるような場所がないという状態。これもやっぱり私は何とかひとつあたたかい気持ちで指導をしてもらわなければならぬと思いますね。ですから、こういうことに対してひとつお考えおきを願いたいと思います。
○政府委員(道正邦彦君) 御指摘のとおり、CO中毒治癒認定者の再就職の問題、これはそれだけハンディキャップのある方々でございますので、一般の健常者に比べまして非常に困難であるわけでございます。御指摘のように、身体障害者の雇用促進につきましては、特別の法律がございまして、名前が示すとおり身体障害が中心になって法律ができておるわけでございますから、最近の実情にかんがみまして、予算措置等をもちまして、精神薄弱者、精薄者も特別の措置の対象に含めるように、逐次改善をいたしてきております。CO中毒治癒認定者の方々も精神薄弱者と同じような類型に属する方々でございますので、就職の援護措置の運用につきましては、そういう点十分に検討に値する問題だというふうに考えておりますので、今後誠意をもって検討してまいりたいと思います。 なお、特別のハンディキャップをお持ちの方々を含めまして、定年到達後の再就職の援護措置、これは定年延長の対策と合わせまして、四十八年度におきます雇用政策の最大の問題の一つとして取り上げて予算要求もいたしております。ぜひ高齢者の方々の再就職が円滑にいくように、たとえば雇用奨励金の支給というようなことが実施できますように十二分に努力をしてまいりたいと、かように考えております。
○大橋和孝君 いままでずっといろいろお尋ねしたり、お願いをしてきたりしたこと、感じたようなことに対してみなそうだと思いますがね。これからこういうふうにいたします、考慮してやります、医者の意見も聞いてやりますと、こうなっていますが、実際はいま困っている人をどうして救うかということが、現実に見て非常に胸を打たれ、迫られた問題です。ですから、法の解釈なり、あるいはまたいままでのいろいろなあれもありまして、私が言うようにすぐさまできないことはよくわかりますけれども、しかし困っている者の側に立って行政を進めてもらはないと、——ほんとうに困っている方はいま困っているのです、いま食えないのです。ですから、先ほどから胸を打たれたとか、ほんとうに責任を自分でも感じるような気がしてきたというのは、そういう人たちを現地で見てきたからです。ですから、こういう人たちをどうしていま扱うかということが問題です。物価はこのようにどんどんと上がっているでしょう。また働きたくても働けない。補償でもらう金はとても食べるだけのあれにならない。そういうことだったらどうするかということでいま困っている。私はここで働いたためにこんなひどい目にあったという憤りのことばやら、あるいはぐちやらということだけが一ぱいであって、本人はともかく困っておる。これを救済するのにどうするかということを私は何とか早く進めてもらいたいと思う。これはもう法律論だとか、あるいはまたいろいろな議論を乗り越えて私はそういう感情を持ったわけです。そういう意味で、ひとつ何か処置をしてもらう方法を考えていただきたい。それについては、労災法の改正もしなければならないかもしれませんし、あるいはCO特別立法の内容も変えてもらわなければならないかもしれません。こういうことを含めて、特によほど抜本的にやってやろうという気持ちになってもらわないといけない。特に定年退職者というものの再雇用ということがいま全般においてむずかしいですね。年寄りを雇用することに対しては非常にむずかしい。これほど労働者の不足しているときでありながら、一般の老齢者がそうですから、COの中毒患者で定年になってやめた人からいえば、もう一つのハンディキャップを感じておる。都合によっては、こういう人に何かの保護を特別に加えていかなければとてもいかぬのじゃないかという感じも私はするわけです。そういうことも含めまして、いま困っている人をどうするかということで、労働省の中でこういう人の再雇用について何かいい方法を考えていただきたい、こういうふうに思うわけです。そういうことについて何かいい方法がありますか、教えていただきたい。
○政府委員(道正邦彦君) 先ほどお答えいたしましたように、今後の問題としては十分考えますが、御指摘のように当面どうするのだ、こういう問題は差し迫った問題としてわれわれとしても放置できないと思います。せっかくの御質問でございましたので、従来とも地元の職業安定所におきましては、管轄内の雇用政策上の最大の問題の一つであることには間違いございませんので、鋭意努力をいたしておると思っておりますけれども、直ちに重ねて指示をいたしまして、ケースワーク方式で、一人々々の事情が非常に悪いと思いますので、そういう点を踏まえまして、最重点として就職あっせん等に努力するように指示をいたしたいと思います。
○大橋和孝君 まあ、私がいま申し上げたところで局長も十分わかっていただいたことと思います。その切々たる状態をひとつ把握していただきたいと思います。 労働省のほうも肝いりであそこにアソニット工場を誘致していただいた。山で働いてCO中毒になって困っている人、あるいはなくなった人の家族のために、こういうようなことでアソニット工場というものを誘致してもらった。あれは荒尾市でしたか、あそこにアソニット工場ができておる。私もちょっとのぞいてまいりました。十分詳しく見たかったのですけれども、ちょっとのぞいただけですが、あそこに遺家族の方なんかも職場としていま非常にたくさんつとめていらっしゃるようです。この中を聞いてみますと、えらい大きな格差があるわけです。先ほどのあれから言いましても、特別立法の精神から言いましても、非常にまずいような状態に置かれておる。ここに入っている遺族の方、奥さん連中ですね、こういう方々はやはり同じ材料をもらうのも、何というか、糸くずみたいなものをもらってそれをやらせている。若い新し人たちで、新しく雇用されている人たちは非常にいい糸をもらってやっている。だからその生産性の上においてはあらわれて格差が出てくる。だからして、一般の人から比べたらそういう家族の人たちは一万円くらい賃金が低い、こういう状態に置かれているわけですね。あるいはまた、その他一般のその辺の労働者、婦人の働いている人たちの給与からいっても一万円ないし一万二、三千円低いという状態になっている。こういう人たちはもうCOの中毒患者の、あるいはまた死んだ方の家族だからあまり移動はしない。あるいはまた、何かかんか言うて賃金を押える。地場賃金よりも一万円以上も差のあるような状態で、労働条件も非常に差をつけておる。これも私はたいへんな問題だと思うのですね。ですから、そういうことも含めますと、やはりCO中毒患者全体の取り扱いがもう一つやっかい者のような、少しは精神的にも神経的にも異常があるからやっかい者のような形になってしまっておったんじゃないか、そういうようなことも疑われるわけでありまして、特に、そういう意味で、労働省の肝いりでつくって誘致をしていただいたこのアソニット工場においてすらそういう差別が行なわれておる。これは私は許すことのできないような状態であります。これに対しまして労働省のほうからはきびしくひとつ指導をしてもらってそういうことのないようにしてもらわなければ、せっかくつくってもらった工場に魂どころか非常に中心を欠いていることになるわけですから、これはひとつ十分に考えてもらいたいと思いますが、その点どうでしょうか。
○政府委員(渡邊健二君) せっかく誘置いたしましたアソニット工場の問題につきましてただいま先生の御指摘をいただいたわけでございますけれども、私どもいまお話を伺いまして、どうしてそんな特別の差別をしておるのかちょっと理解ができない、こういう感じがいたします。さっそく事情を調べまして、そういうことがなくなるように行政指導をしてまいりたい、かように考えます。
○大橋和孝君 それから、それと同時に、回復訓練をやっているところで何か簀子みたいなものを織っていますね。何といいますか、私は忘れたけれども、簡単な——あれは何に使うのかよく知らないけれども、私見せてもらいました。あれなんか見ても非常にそれは雑なものです。ですから、こういうもの、それは工場には関係ありませんけれども、回復訓練の中でやっている問題ですから、あるいはまた職業指導をやっているところですから、私見せていただきましたけれども、あれなんか見ましても、まあほんとうにお粗末ですね。ですから、やはり考えてみると全体にそういう流れが流れているように私は思うのですよ。ですから、これはひとつ、そういうことを踏んまえてもらってこのアソニット工場に対しましても相当の行政指導をやっていただきたいと思います。ほんとうに差別待遇なんていうのはけしからぬと思います。これは事実です、私ちゃんと見てきましたのですから。これはひとつ、そんなことが行なわれているということは局長自身御存じないくらいですから、最もそれはいけないと思うのです。そういうことも含めて一ぺん——私は今度飛行機でさっと行って、忙しくて、それで一日見ただけでぼくはこんなように思ったわけですが、局長、お忙しいでしょうが、一ぺん見てもらって、これはひとつ徹底的な指導をしてください。これはそうしなかったらどうにもならぬと私は思います。どうぞよろしくお願いしたいと思います。 それから最後に、アフターケアの充実について一ぺんちょっとお願いしたいと思います。CO患者で、治癒の取り扱いを受けた人たちにアフターケアの措置を講じてもらっておるわけですけれども、しかしその中身は、何をしているかといえば、栄養剤を支給するにとどまっているような程度です。その過程では、一度医者による診察をしてもらって、そしてそれが一度してもらったきりでほっておかれる、こういうようなのが実態のように思います。そしてまたそのCO患者の治癒認定後の実態に照らしましても単に栄養剤を与えただけじゃなくて、もっと少なくとも月に一、二度の診察をして、そしてまたそのときの状態によって、変化によって適切な処置をしなければ私はいかぬのじゃないかと思います。これは先ほども申したように、いろいろな余病も再発しておりますし、あるいはまたいろいろな症状もあと返りをしたりしておりますし、そういうことを考えてみますとやはり月に一度ずつ、年に一度でしたか——非常に回数が少なくて、それでそれきりほっとく、それでちょっとした栄養剤を渡しておけばそれでいいという、これでは私はどうにもならぬと思いますが、そういうアフターケアに、もう少し念の入った診察なり、あるいはまた生活指導なり、あるいはまたいろいろな連絡をとってやるということが私は必要じゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(渡邊健二君) CO被災者の治癒者に対しますアフターケアにつきましては特別措置法九条に基づきます施行規則の八条におきまして、診察のほか、「保健のための指導」、「保健のための薬剤の支給」というようなことをすることに規定をされておるわけでございまして、診察は月一回いたしておりますし、また薬剤につきましては保健薬——ビタミン等の保健薬等だけでなしに、脳機能賦活剤、精神安定剤、筋弛緩剤、鎮痛剤、血管拡張剤、その他抗パーキンソン剤、抗麻痺剤等のいろいろな薬剤を必要に応じて投薬いたしておりますし、また、それだけでなしにいまの読み上げました施行規則にもございますように、保健のための指導もいたすことになっておりまして、診察の際に必要な方々につきましては保健のためのアドバイス等もいたしておりますけれども、なお一そうこの特別措置法九条の趣旨が生かされますよう、今後ともその内容については充実をはかるようにいたしてまいりたいと、かように考えます。
○大橋和孝君 これは私、向こうへ行きましていろいろ聞いてみました。局長のおっしゃるようにこれは月に一度検査はあると言っておりますが、なかなかそれも、もっと言うならば、綿密な検査をしてもらわなければその検査が意味をなさぬと、私はその検査のやり方も聞いてまいりました。私はやっているところを直接見ておりませんけれども聞いてまいりました。医者の感覚から言うならば、これはもうそれでいわゆる月一度やったのが即その次のいわゆる生活指導、いま指導しているとおっしゃっているが、それにはね返ってくるようなやり方ではないと私は考えざるを得ないと思って聞いてまいりました。私はそれは実際見ていませんからわかりません、もっと強く言うことはできない。しかし、あの状態ではまだまだ足りない。たとえば、賦活剤が出たり、安定剤が出たりすることが時にはあるかもしれません。けれどもそれだけではとても済まない問題ですね。もう少しそれに適した方法を月にたとえば二度やるとか、あるいはそういう傾向のある人は特別に回数をふやすとか、それに対しては検査をふやすとか、いろいろな検査の方法もこのごろは進んでおりますから、それに対する反応を調べて、そして、こういう適切なことをするということがなければ本人たちも不安なわけですね。ですから、この方法を見てみると私はもう少し変えてもらわなければいけないということを感じてまいりました。ですから、特に栄養剤でも、安定剤程度のものだけじゃなくて、何かもう少しできるものに対してはやると、やってもだめだということはありましょうけれども、それはケース・バイ・ケースだと思いますけれども、そういうことがやられていない。やってもいいなということがそういうことを聞いてみると私どもでも感じられることがあるわけですから、そういうことについてはひとつ何とかやってもらわなければいけない。私は一ぺん見てきているわけですから率直に申し上げているわけですから、言いにくいことも言っています。けれどもそれはもうそういう観点から言っているわけですから、特にひとつ私は聞いていただきたいというふうに思います。 それから、このCOの被災者のことは状態を見てみますと、いまの問題も含めてでございますが、特に定年退職の人たちを見ますと、そういう人たちの手のかかり方が普通の老人とは違って、そういう精神的なものもありますし、非常に家族の方の手がかかるわけですね。手がかかるから家族の方が働けない、こういうような状態で両方が悪く重なり合って、それで非常に生活を圧迫しているというのが現状です。ですから、私は、この家族の手間というのだって、奥さんも働けないような状態を何とかするためには、私がそのときに感じたことですけれども、子供の保育所があるように、やっぱりこのCOの年寄りを集めて何か世話をするようなところ、もっと言うならば、いわゆる保護センターと申しますか、そういうふうなものがあってもいいのじゃないか。それくらいのことをしないと、あれはもう追いかけごっこで生活を苦しめていくということになりますから、私はこれは生活の窮状を救うことにならないというふうに思いまして、私は、その補償の一環として、少なくともそういう方々を保護するセンターぐらいを設けてもらってはどうだろうか。それはほんとうにそういう困った人をまのあたりに見て私はそういうことを感じたのでありますけれども、特にこのCOの特別立法の精神から言うても、私は何かそういう特別な補償の一環としてもそういうふうなものがあってもいいのじゃないかと思いますので、私はやはり、何といいますか、この三井鉱山のほうの企業の責任としてもこういうものをひとつやってもらって、そしてそういう人たちがあとでも困らないような、保護センターというか、そういう人たちを入れる保育所みたいな形のものがあって、そしていろいろ検査もしながらやるということも必要じゃないか、こういうふうに思うわけです。ですから、そういう点も含めまして、ひとつこの保護センターの問題も考えてもらえないかというふうに思います。 それから先ほどもちょっと触れましたけれども、いままでこういういろんな問題を考えてみますときに、やはりこれは法も少しは改善してもらわないとほんとうの目的が達せられない場合が出てまいります。そういうことにつきましても私は考えているわけですが、まずこの保護センターというような考え方についてひとつ局長さんの御意見を伺いたい。
○政府委員(渡邊健二君) 確かにCO被災者で、特に年寄りになられた方については、御指摘のようないろいろな問題があると存じます。保護センターといったような御構想も、そういう意味ではまことに検討に値する一つの問題であろうと存じますが、ただ、直ちに国で、たとえば労災保険などの給付で定年退職された方についてまでということになりますとむずかしいかと存じますけれども、企業の負担等々含めまして、それらの問題については、関係行政機関その他関係者と十分にひとつ検討して考えてみたいと、かように存じます。
○大橋和孝君 では、これで私質問をまとめて終わりたいと思いますけれども、いま申し上げたように、三池のCO被災者について、こういうようないまの状態をるるお尋ねをし、御意見を申し上げてきたんですが、私はこの機会に一ぺん原点に立ち返ってこういう問題を総ざらいをしてもらいたいというふうに思うわけです。それできょうは労政局長さんもおいでになっておりますから、最高の方として、これには直接関係はないかもしれませんけれども聞いていただきたいと思いますが、そういう意味で一ぺん総ざらいをして、法律の不十分なところがあればこれを改善する。先ほどからちょいちょい触れさしていただいておりますが、改善をすべきところは改善をする。こういうようなところまでいってもらわないと、どうもこの精神も生きなければ、困っている人は相変わらず困っているという状態で、私は非常に憂慮すべきだというふうに思います。これは振り返って考えてみれば、先ほどからも申しましたが、関係当局のほうにはいろいろ配慮をわずらわして、いままでCO中毒患者についてはずっと経過をたどって措置もしてもらい、無理も言い、あるいはまた、いろいろそういう点に返ってやってもらった経過は私は十分知っています。ですから、それに対してまた少し追いかぶせに申し上げるような形になるかもしれませんけれども、私は実際今度行ってみましてそういう人たちと実際触れてみて、そうして、そういう状態の中でいろいろ考えてみて、あるいはもう少ししなきゃならぬのではないかという感じがいたしました。COが初めて出た三十八年、あのころと水準がずいぶん変わっています。物価もずいぶん上がっています。あるいはまたいろいろな一般の国民の意識も変わっています。こういう中で、こういう人がいまあるのがあのころのときとあまり変わっていないことがあれば非常にこれは落ちこぼれだと思うわけです。そういう点からいって、私が先ほど申しましたように、何か、責任上これでいいのか、そんなことをしておってここへ来ているのかという感じをいま迫まられて感ずるわけです。行っていただいたらおそらくそういう感じも持っていただけると思うのです。私はこれは非常に悲惨だと思います。日本列島全体を考えましても公害の問題でたいへんです。これは命に関連する問題だと私も思います。そういう人たちのことも認識をしてもらわなけりゃ、公害問題に対する補償ということも非常に進んでいるわけですから、無過失責任賠償までするということになっていますから、こういう点を考えますと、ここらのところはもう一ぺんやってもらわなければならないという気持ちで一ぱいです。ですから、こういうCO患者を一斉に再点検をしてもらって、そして、そこからスタートしてCO中毒患者をしあわせにするためにこの中毒患者に対する特別措置をどういうふうに充実させるかと。労災保険のほうも、もう一ぺんそういうところから見てみるならば、もう少し改良すべき点はあるのじゃないか。こういう点も踏まえてそこまで踏み込んでもらわないとこれはなかなか、将来にも企業のほうからも逃げ口上にもなるでしょうし、いろいろな意味で私は変わってくると思いますから、そこまで突き進んだことを考えてもらいたい、こういうことを考えているわけです。いままで言ったことも考えてもらわなければならぬこともありますけれども、全体で考えてみて、そこらのことをやってもらうことが今後の労災保険法も、あるいはまたそのCO立法もほんとうに生きたものになるのじゃないかというふうに思います。この点について、ひとつ、労政局長御答弁願いたいと思います。
○政府委員(石黒拓爾君) 三十八年の三池の事件は労働省始まって以来の最大の労災事故でございます。私どもといたしましては、できる限り手厚い取り扱いをいたしたいと思いまして、国会におきましても、しばしば諸先生の御審議をわずらわして誠心誠意やっておるつもりでございます。ただいま御指摘のことを伺いまして、実は私事で恐縮でございますが、この三十八年事故のあとの大牟田の労災病院の開設等は——当時私は労災補償部長をやっておりまして手をかけておりました。現地にも何回も行っております。したがって、その気の毒な事情も、当時の状況私よく存じておりますが、十年近くたちました今日においてもなおそういう気の毒な方が残っておられるということについては非常に遺憾でございます。われわれとしては、できる限りの手段を尽くすべきであるというふうに思っておりますので、先生の本日の御指摘の点も十分踏まえて上司にも報告いたしまして、さらに手厚い取り扱いをいたしたいと思っております。
○高山恒雄君 最近非常に社会問題化しつつある看護婦不足の問題ですが、最近せっかくの措置をされた病棟も延期をしなくちゃならぬという状態が新聞あるいはあらゆる情報機関によって伝わってきております。私は、この問題は、単に看護婦さんの不足だけでとどまる問題ではなくして、つまり、患者としても高い付き添い料、不十分な看護、さらにその不足による医療のミスの発生もないではないというような情勢が起こりつつあると、全く深刻な社会問題ではないかと、こういうふうに考えるわけであります。現在、看護婦の不足は全国で一体どれだけになっているのか。これは労働省として、当然、その雇用対策の問題の一環として調査もされておると思いますが、一説によると十万人ともいわれ、あるいは十四万人ともいわれておりますが、どのくらい足らぬとお考えになっておるのか。労働省はそういう面に対して深刻にお考えになっておるのか、まず、そのことから私お聞きしたいのです。
○政府委員(道正邦彦君) 御指摘のとおり看護婦さんの不足の問題、これは深刻な問題でございますが、特に今後は国民福祉の向上ということを国政の最高方針にして進めていくということから考えますと、特に今後重要な問題になると存じます。 先般、労働大臣の諮問機関でございます雇用政策調査研究会から中間報告をいただきましたが、その中でも、特に御指摘があった点でございます。ただ、看護婦さんの問題につきましては、非常に過激な労働である反面、必ずしも労働条件その他雇用環境が整備されていないというきらいもございますので、そういう点、厚生省とも十分連携を密にいたしまして、改善につとめ、結果的に看護婦さんが喜んで働けるという環境づくりにつとめていきたいというふうに考えております。 なお、御指摘がございました、どのくらいの不足になっているかという、こういう御質問でございますが、これは厚生省の担当者から的確にお答えしたほうがいいんじゃないかと思っておりますが、私どものほうで把握している調査によりましても、最も不足している一つであることは間違いございません。
○高山恒雄君 いや、私は厚生省から聞くことは十分理解しておるのです。労働省としての対策があるか、ないかということのためにきょうは質問しておるわけです。実際は、こんな質問はほんとうに安定所として充足ができるという姿勢があるならば、質問も要らないことです。私は、そういう意味で質問申し上げておるのです。 労働省としては、実際にこれを促進しようという見地に立ってやっておられるのかどうか。そういう意味で掌握しておられるならば、ひとつお聞きしたいと思って、一説には十万人ともいわれ、十四万人ともいわれておるが、どの程度足らぬのかという確実なものがあって初めて充足をさせる手が打てると思うのです。むろん、厚生省にも聞きます。 人員が確実でなければ、次に私も進めていきたいと思いますが、看護婦の資格を持つ人は正看、准看合わせて昭和三十年当時は約三十万といわれておったと思うのです。この十数年の間に約二倍弱の五十五万人程度増加しておるのではないかと、こういうふうにいわれております。したがって、年々その養成につとめておられることは、これはもう間違いない事実だろうと、厚生省はそうおっしゃるだろうと思うのです。したがって、資格者が増加していることはもう間違いない。そこで、現在、看護婦の資格を持っている者のうち、実際に従事しているという人は少ないために厚生省としては困っておるわけであります。ほんとうにいま従事しないでいる人がどのくらいいるかということは、これは労働省としても私は必要だと思うのです。充員の方法について、それはひとつ検討されておるのか。それも検討されていないということなら、充員には何も力を入れていないと言っても過言でないと私は推察せざるを得ない。二十三万人程度しか従事していない。したがって、あとの二十数万というものは現在従事していないという人がおると言われておるんですが、的確にこの問題をつかんでおられるのかどうかということが聞きたいんです。 特に、この問題の「日本の医療」というところの一一三ぺ−ジに載っていますが、これの資料によると、いまから十年前の統計で見ても、看護婦と助産婦との資格者は全体の三六%程度しか従事していないということが明らかにこれは統計上出ています。現在でも六〇%程度しか実際には従事してないといわれているのが現実のようであります。したがって、看護婦問題は現在始まったことではないということも言えると思うんです。昭和三十八年ごろから問題になっておることはもう御承知のとおりです。 で、これを私は労働省で考えてもらいたいことは、一体厚生省まかせでいいかというと、労働省がやらなければ厚生省でできない問題があると思うんです。それは労働条件の改善ですよ。労働条件の改善は、何としても労働省がやっぱり基本に立たないと、私は改善ができないと思うんです。 そこで、労働省としてはいろいろ調査をされた結果が出ておるのであります。これは、まあ非常にいいことを調査されたと私は思いますが、まず労働時間ですね、男子の場合で三〇%、女性の場合では五三%、違反事項があるわけです。それから休日ですが、これも大体女性の場合は一六%ぐらいとれてない。はなはだしいのは三四・二%割り増し賃金を払ってないというのが出ておるんですね。なおまた、公的医療等には健康診断をする義務が付されておるのでありますが、それすら……。医療機関におられる人の健康診断、これが三二・三%やられてない。これは基準法上からこれを推し進むればますます看護婦の不足が憂慮されるかということが私は言えると思うんですよ。しかし、こういう労働条件で看護婦さんを雇用しようということには私はつながらないと思うんですね、今日のような時代に。労働省はこの点はどうお考えになっておるか。
○政府委員(渡邊健二君) 先生御指摘のように、私どもも看護婦さんの労働条件につきまして非常に問題があるとかねがねさように考えております。そこで、今年も五月に八つの労働基準局管内で約四百八十の病院について一斉に監督を実施いたしたところでございまして、ただいま先生が御指摘になりましたいろいろの違反状況はその監督の結果でございまして、労働時間、休憩等につきましての違反状況、御指摘のとおりでございます。 なお、割り増し賃金三四・二%の違反と申しますのは、必ずしも払ってないというだけでなくて、払ってはおるが計算等が、基準法の適正な正しい計算がされてないというものも含めた数字でございますし、また健康診断につきまして二二・三%もの違反があるという点、これはまさに紺屋の白袴的な点があると思います。これも、中には、全然やってないということでなくて、たとえばレントゲン技師等々について特別の健康診断が必要でございますが、そういう一部のものが完全に行なわれてないといったような点も含むわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、御指摘のように、非常に高い違反率が出ておるわけでございまして、これらにつきましては、私ども監督によって違反を発見いたしましたときには、文書によりまして是正の勧告をいたしまして、そして是正させ、その確認をいたすようにいたしまして、少なくとも基準法に違反するような状況がないように特に重点的に監督指導をいたしておるところでございます。 しかしながら、これは今年だけの結果ではございませんで、従来からもそういうような点が見受けられておるところでございます。そこで、昨年の九月にも、これら病院、医療機関のほかに、社会福祉施設などについても同様な点が見受けられますので、それらにつきまして、特に女性の労働者の方がそういう問題が非常に多うございますので、当時の労働基準局長とうちの婦人少年局長の連名をもちまして、厚生省の医務局長、社会局長、児童家庭局長等に対しまして、私どものほうから文書でいろいろ御意見を申し上げまして、それについての適正な処置をお願いをいたしたところでございますが、その中におきましては、いまなお就業規則の未作成、あるいは違法な時間外労働、休日労働、及び許可基準をこえた回数の宿直勤務等の事例が相当見られる。これらについては、看護婦さん等の員数の、要員の不足等に起因する問題も多いと思われるので、その解決をはかるために必要な職員の充足等について御配慮を願いたい、特にそれらについては国及び地方公共団体において適正な財政上の処置がとられることが特に重要であると思われる問題もあるので、それについて特段の配慮をわずらわしたいという旨の御要望も申し上げておるところでございまして、それら行政上の所管官庁からの財政上の処置、御指導、そういうところと相まちまして、労働条件の適正化につきまして、監督指導の面で一そうわれわれ今後とも努力してまいりたいと、かように考えております。
○高山恒雄君 同じような繰り返しになるかもしれませんけれども、最近看護婦の不足対策にちなんで、准看護婦の養成施策というものが非常に重点的に行なわれておるのではないか——むろん不足をするからそうなると思うんです。この結果、三十七年ごろより准看護婦が急速にふえておるということです。ある意味ではこれが逆に粗製しているのではないかという見方も出てこないではございません。したがって、正看護婦そのものはむしろそのために横ばいになっておるということすらあるわけですね。わずかにふえておるだけであります。このことが全体的に看護婦の賃金、労働条件の低下の原因になっておるのではないかと推察されます。むしろそのために正看護婦の賃金や労働条件が低下されていくという危険があるのではないか。 またこの十数年間、政府の施策として、看護婦の労働条件の改善に積極的であったかどうかというと、それは疑問です。労働省自体も最近労働条件の内容調査を行なわれたんであって、いままでにこういう資料があまり出てこなかったんではないかと私は思うのです。特に「日本の医療」奥山賢二さんの資料によると、もうそのことが出ております。したがって看護婦さんは、一九六八年には、六二年から六八年の間に准看護婦の伸びがものすごい増大をしておるわけであります。約六〇%ふえております。ところが、正看護婦はなかなか横ばいのままでずっときておる。したがって、准看護婦がふえるということは、入ってはみたけれども、看護職というものは給与的にも、労働条件的にも十分なる休養もとれない、これをあらわしておると言っても過言でないんですよ。私はそう思う。准看護婦さんがほんとうに入って三年なり五年なりを勤めて資格をとってずっとおればある程度の、最近の結婚年齢を二十五歳としますか、私はある程度の満たされる人員の確保もできるんじゃないかと思うんですね。准看護婦で終わるということは、結果的には三年以下で終わっているということが言えるんではないか。したがってそれが大きな隘路になっていると、数字的に見ても私はそういうことになるのではないかという考え方を持つわけであります。特に先ほども、私は賃金問題、労働時間なり休日の問題で触れましたが、これは労働省でお調べになった宿直勤務制を採用している場合も、宿直をして平常出勤をするというのが私立よりも公立のほうが多いじゃありませんか。六二・七%と、こんなべらぼうなことはないですよ。宿直をやって翌日また勤める。過重労働ですよ、これは。なお、産前産後の特別の取り扱いについても、公立は八三・一%その取り扱いがない。私立のほうは七五・八%、公立が悪いですね。一体、労働省の局長、厚生省の局長は、こういう問題についてどういうふうにお考えになるのか。公立と称するものが悪い、むしろ、法人でやっておられるのかわかりませんけれども、そういう私立のほうが労働条件の改善を進めておるにもかかわらず。これは政府の大きな責任じゃありませんか。これで看護婦を満たそうなんということを考えてみても、私は、こういう悪条件の中で入社はしてみたけれども、結局希望も夢もないということでやめるんじゃないかと思いますが、どうですか、労働省。この問題についての考え方をひとつお聞かせ願いたい。
○政府委員(渡邊健二君) 最初に、准看護婦がふえておることが看護婦全体の労働条件を悪くしておるのではないかという御指摘の点でございます。私どもも准看護婦がふえておられるということは間接的には聞いておりますが、どのくらいの割合でふえておられるかそこまでは直接承知いたしておらないのでございますが、私どもで看護婦さんの労働条件について調べましたものといたしましては、四十五年の七月の賃金構造基本調査、職種別に調べましたものはそれが最近の一番新しいものでございますので、二年前でございますが、その数字等によりますと、当時の段階におきまして正看護婦さんのほうは毎月きまって支給する現金給与五万八千九百円、准看護婦さんのほうは当時の段階で月間きまって支給する現金給与総額が四万三千百円ということになっておりまして、やはり准看護婦さんよりも相当正看護婦さんが給与の開きもございます。もちろんこれは年齢が高い、勤続年数が長いということももちろんあるわけでございますけれども、そういう状況に相なっておりまして、そのときの賃金構造基本調査における全産業の女子労働者の計が三万四千七百円であった。高卒以上だけとりましても三万六千九百円であったといったようなことからいたしますと、正看護婦さんの現金給与というのはそれなりに非常にやはり女子の中ではいい条件になっておると思うのでございまして、特に私どものそれらの調査によりますと、准看護婦さんがふえたために正看護婦さんの労働条件まで低下の要因になっているかどうかという点については、そういうことを推定し得るだけの数字は出ておらないわけでございます。 それから公立と一般の私立との労働条件につきましては、先ほど先生がおっしゃいましたようなことことしの五月の一斉勧告の結果では出ておるわけでございますが、その辺につきましては私ども、どこにそこの原因があるかというような点については、これの調査だけからは断定的なことは言えないと思いますけれども、やはり看護婦数の不足等がその要因の一半をなしておるのではないかということは推察し得るのではないかと考えるわけでございます。
○高山恒雄君 あなたの説明を聞いておると賃金もある程度上昇しておるという話だが、それはもう私も勧告を見てますから知ってますよ。けれども、「日本の医療」奥山賢三著という新日本出版社の医療に対する資料が出ておるんですよ。したがって、三年看護婦はほとんど横ばいです。それから二年過程の看護婦さんも横ばいですわ。急激にふえておるのが准看護婦なのです。これは数字的ですが、これはあなた見られたことないんですか。私はこれ見て言っておるのです。これだけ准看護婦さんがふえたということは、医療上必要とする正看護婦がほしいんだけれどもないから新しい准看護婦がふえてきたと、これ言えるでしょう。ところが、入ってはみたけれども将来への希望がないからやめる人が多いんじゃありませんかと私は申し上げている。それは賃金との関係もございましょう、あるいは他の労働条件の問題もございましょう。したがって、悪循環で准看護婦はどんどんどんどんふえていくけれども正看護婦はふえないんではありませんかということを申し上げている。むしろ准看護婦がふえるということは悪循環の中の一つの原因となって、正看護婦を受けるということにならないんじゃないか、これを申し上げておるんです。賃金が一面でよくなったからといっても、賃金はあなた、社会的にそうよくなったと思っていますか。私はよくなっておるとは思っておりませんよ。普通だと思います。いま普通の十五歳の初任給が大体三万五千円です。これはもう労働省は御承知でしょう。三万六千円もありますけれども、まあ三万五千円と見てもいいでしょう。一体見習い期間というのは何年だと思っておりますか。看護婦さんの見習い期間、——准看護婦さんの資格を取るのは何年だと思っておりますか。一年だと思っておりますか、二年だと思っておりますか。もっと科学的にその点説明してください。おかしいですよ。賃金も満たされておるからそういうふうに考えないというあなたの考えはおかしいじゃありませんか。私はこの表を見てどうもそれはおかしいと、准看護婦がふえてくるというのは悪循環の中から、入ってはきてみたがどうも将来の希望がない。むろん労働条件、内容もございましょう。賃金の問題もございましょう。そのためにまた医療としては必要の人員を准看護婦で間に合わせなければしかたがない。こういう悪循環じゃないかということを私は申し上げておる。どうですか、この見習いの賃金、——一体准看護婦になるのは何年かかるんですか、六ヵ月ですか。私は労働省、——いや、厚生省じゃないんだ、労働省に聞いておる。雇用促進をしようというのに賃金の状態もわからないではだめじゃないですか。——もうよろしい。私はきょう労働省に聞いているのは、先ほど局長がおっしゃったように、ほんとうは厚生省にやらせればいいんですよ。賃金と労働条件は労働省ですよ。これは労働省の実態からいえば、この悪循環をどう労働省が解決つけるかによって厚生省は私はある程度の芽ばえができる、いまの現状の労働省のいき方の指導ではだめだ。十年間も続いておる今日において、先ほど私が過去の問題を申し上げましたように、全くこの問題はいろいろ国会から質問されております。いろんな状態で、特に第六十一国会においてはこれは決議までつけております。一体検討したんですか。こんな問題、いいかげんなこと言っちゃいけませんよ。こういう劣悪な労働条件の中で日本の病人の看護をさせる正看護婦なり准看護婦を現状のままで医療制度をやろうというようなことは夢ですよ、私に言わしたら。あまりにも誠意がなさ過ぎる。したがって、どうすれば今日の看護婦さんが、准看護婦でも正看護婦でも希望を持ってやれるかという道を開いてやらなきゃならぬ。その仕事は労働省ですよ、私に言わしたら、労働条件ですから。労働組合がやれと言っておるんじゃなしに、労働省がどんどんと検討をして一年間のいわゆる見習い期間というものを制定すると、そうして一年後には初任給として三万八千二百円なら三万八千二百円のいわゆる四等級というものを准看護婦には出すんだ、こういう一つの基準を対外的に発表してごらんなさい。大きなこれは影響になりますよ。いまの労働条件なりその他全部あんた労働組合まかせじゃありませんか。そうじゃなくて、労働省はそういうものにやっぱり指導をする立場でなければならぬと私は思う。単に厚生省だけがいわゆる特殊学校をふやすとか、あるいは付属をふやすとか、さらにまたその厚生省として過去の経験者の再採用の努力をするとか、それだけで満たされるなら過去八年間における経過の中で満たされなくちゃいけません。それが八年間も経過して満たされないところに問題があるから、私は労働省において労働条件の改善の指導をこの際やるべきだということを強く主張したいと思ってきょうは質問に立っておるわけです。どうですか、その考え方、いかぬですか。私が間違っておりますか。もっとはっきりしてくださいよ。
○政府委員(渡邊健二君) われわれ労働条件を労働者のために向上させることはこれは当然しなければならないことだと考えておりますし、特に私ども、先ほども申し上げましたように、看護婦さん方の労働条件は決してよいものだとは考えておらないわけでございます。問題が非常にある業種だと思っております。そこで、いま監督指導を、病院、特に看護婦さん等は重点的にしばしば一斉監督等を実施いたしまして、適正な条件にいたしますように監督指導につとめておるわけでございます。 ただ、一般の基準法を上回ります労働条件につきまして、一々どういう金額にしたらいいのだということになりますと、これは賃金等につきましては、労働条件の労使自身の問題でございますので、そこまで行政で申しますことはいかがかと思いますけれども、特に私問題があると思いますのは、看護婦さんの場合には、長時間労働、それから深夜、宿直、日直、こういう問題等は、特に看護婦さんにつきましてはこの職種特有の問題であり、労働条件としても非常に問題なところではないか、かように考えまして、監督指導の場合に、そういう基準法の規定を上回るような宿日直をしておる者、あるいは時間外労働をしている者についても適正化をはかっておるところでございますし、さらにそれ以上の問題につきましても、たとえば、最近一般に推奨いたしております週休二日制などについても、病院等はむずかしいといったような意見も出ておりますけれども、最近出ましたビジョン懇談会の中間答申におきましても、そういう職種であるからこそ、そういう労働条件の改善、したがって週休の増等も必要なんだというふうな指摘がされておるわけでございまして、私どもといたしましても要員確保のためにもそういう労働条件の改善については今後極力病院等に対して指導をしてまいりたい、かように考えております。
○高山恒雄君 私も、あなたのおっしゃるように、労働者がみずから改革しなければいかぬという改善は要望してはおりません。これは当然のことです、みずから労働者がやるべきことについては。 たとえば一つの例を申し上げますが、私は前回も主張したと思いますが、この割り増し賃金を、現在の基準法では二割五分だと思っておりますが、これを増額するということは法の改正ですよ。したがって、人を入れないで割り増し賃金を支払って——先ほどのあなたの説明では、まあ、未払いという考え方、——ここに抜粋したとはおっしゃっておりませんけれども、未払いもあるわけですね。したがって、この割り増し賃金を西欧並みのものに五割なり六割なりにすることは、これは労働省のやれることです。そういうことを労働省としても検討していただくのが重要な段階ではないかと、これはすべての問題にもつながりますけれども、特にここに示されておりますように、未払いその他が三四%もあるというようなこういう実情の中では、私はむしろ割り増し賃金の増額をはかるべきだ、倍額にすべきだ、こういうふうに考えます。この点はどうお考えになるかお答え願いたいと思います。特に先ほど私が言いましたように、看護婦職員の不足対策に関する決議をしておるわけです、第六十一国会で。その中で「政府及び関係機関は、看護業務と労働諸条件を考慮し、その改善をはかること。」と第四項にしるしてあるのですよ。これは何をやられたのですか、あれから。第六十一回ですから四十四年ですね。四十四年の六月にきまったのです。一体労働省はそれに対してどういう対策をやられたのですか。「業務と労働条件を考慮し、」と、こういう点ではどういうことをやられたのかお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(渡邊健二君) 私どももそれらの御決議に従いまして、看護婦さんの労働条件の改善をはかりますために、先ほど来申しておりますように、看護婦さんに対する監督指導は重点業種といたしまして毎年特にその業種を取り上げまして一斉の監督指導をし、そうして違反が見つかればそれを是正させる、同時にその改善について御指導するということをつとめてまいっておるわけでございます。なお、先生御指摘の基準法の二割五分の割り増し賃金を五割にすべきではないかという御意見につきましては、私どももそういう御意見のあることは十分に承知いたしております。しかしながら、基準法の割り増し率をこの際改正するかどうかということは他の産業に対する関係もあるわけでございまして、それとの均衡の問題等もございます。そこで先般の基準法改正の検討の中で、ただいま基準法研究会等でこの問題は一つの重要な問題として検討がされておるわけでございまして、私どもそういう研究会等の御意見等を今後いただきますならば、それを参考といたしまして、十分この点は将来の問題点として考えてみたいと、かように考えております。
○高山恒雄君 私はきょうは大臣も見えないから、むしろその後の対策なりこの調査に対する考え方なり、そういう問題を実はやろうと思ったけれども、あまりにもあなたのほうで弁解だけにおつとめになっておるから、私は言わないでいいことも言うかもしれませんが、実はきょうはそんなつもりじゃない。そこで私は、私案ですが、労働省は、雇用安定促進をするために雇用促進事業団という事業団があって、託児所をたくさん奨励されております。それで普通労働雇用の安定をはかっておられるというのが現実だと思うのです。労働不足の場合の婦人労働者の働きやすい環境をつくってやるということは、これは非常にいい適切な方法であったと思います。医療機関にもこういうことを奨励されておるのか、現実に数年前から始まっておりますが、この事業団の発足以後、現在どういうふうにその実態がなっておるのか、一応説明をお願いしたいと思うわけです。
○政府委員(道正邦彦君) 看護婦さんの不足対策の一環といたしまして、看護婦の資格を持ちながら家庭に入るとか、いろいろの事情で働いておられない方が相当ございます。そういう方々に事情さえ許すならば職場に出てきていただくということも不足対策の大きな柱かと存じます。そういう場合に一番問題になりますのは、先生御指摘の託児施設の問題があるわけでございまして、現在雇用促進事業団で、看護婦さんを含めまして、託児施設への融資制度を設けておりますが、実績を言えというお話しでありますので、最近五ヵ年間の数字を申し上げますと、七十九件、五億七千八百万円が託児融資の増額でございます。そのうちの病院に対するものはわずか二件でございまして、五百万円でございます。なお、雇用促進融資は託児施設以外にもございまして、医療関係に対する託児施設以外の、従業員住宅であるとか、福祉施設に対する融資の総額を参考までに申し上げますならば、最近五ヵ年間で百五十四件、十四億六百万円になっております。
○高山恒雄君 五ヵ年間で七十九件ですね。五億七千八百万円。病院はその中で二件ですから少ないですね。 これは、私の私案ですから参考にしてもらえばいいんですが、私は、正看護婦さんでも准看護婦さんでも、資格を持っておる方が非常に多いわけです。したがって、そういう方が働きやすい環境をつくってやる。それは、何といっても、たとえばその地方における病院の近くに託児所をつくってやるべきではないか。ほんとを言えば、市町村が保育所なり幼稚園なりつくるというのが当然でございましょうけれども、実際はなかなかいまそれも厚生省としては不可能でしょう、大体、全体を見まして。だから、託児所を設定するという方法も一つの方法ではないかと私は思うんです。どうですかね。これは、職業安定の、雇用安定の立場からそういう奨励をするということは、厚生省とお考え願って早急に一つの試案としてやってみるべきではないかという気がするのですが、そういう意思はございませんか。
○政府委員(道正邦彦君) 十分にございます。四十八年度予算の編成にあたりましても、御指摘の線に沿いまして労働省としても、厚生省と連携をとりまして託児施設の拡充につとめてまいりたいと思います。
○高山恒雄君 厚生省はどうですが、この問題は。
○政府委員(滝沢正君) この、先生のおっしゃるように雇用の促進の立場から、託児施設の問題についてつとに必要性がございまして、いろいろ予算要求してまいりましたが、実現の実態といたしましては、本年度初めて、約十ヵ所この助成が認められまして、来年度は三十ヵ所要求いたしております。考え方としては地域の公的の中心になるような病院に敷地を持って託児所を設け、この近辺の私立の医療機関の看護婦さんも必要によってはそれに託児できるようにする。あるいは町村等の保育所の立場からの助成もいただくようにしたい、こういう考え方で、これは、児童局とも連絡いたしまして、この指導について将来措置の助成もしていただくようなことも合わせて検討し、なお四十八年度もこれを要求いたしております。
○高山恒雄君 厚生省に聞きますが、それは、今年の予算で要求をしておるとこういうことですか、いまの計画は。
○政府委員(滝沢正君) ことしの十ヵ所につきましては大体、話し合いがつきまして、その補助の対象になる場所がほぼきまりましたので、ことしの分はわずかではございますが、十ヵ所実行できると思います。来年度は三十ヵ所、大体同じような構想のもとに要求いたしておる、こういうことでございます。
○高山恒雄君 したがって、四十ヵ所ですね。昨年のも私わかっておるものですから。 これも厚生省にお聞きしますが、これではなかなか現在の不足を満たすような方法にならないと思うんですね。つまり、資格のある人が准であっても正であっても、あるいは助産婦にしても——私はここでもう一つつけ加えますが、ここに看護婦さんの宿直というのがありますね。宿直というのは寝てやるのか、あるいは深夜一時ごろまでは横にもなれないという宿直なのか、その内容、私は体験はございませんけれども、宿直は泊まって番をしておるというわけで、これは勤務と違うんですよ、ほんとう言うと。宿直ですよ。勤務であるけれども、寝て、つまり重大なときにやるというのが宿直ですね。で、当直というのが必要だと思うんですよ、当直。宿直は寝てその責任を全うしていく。寝ておってできるかと言われるかもしれませんけれども、私は宿直は寝て、いざという場合にいつでもその姿勢につくことができるという態勢をとる。したがって、当直というのを専門的につくる。あるいはその専門的につくる年齢層はある程度の年齢層が必要でしょう。したがって助産婦の方、これはもう日本ではほとんどいま病院出産ですから個人助産婦という人が相当見えるのではないか。しかも三十七、八歳から五十七、八歳くらいまで見えるんじゃないか。そういう人を当直に使う。できるだけ准看護婦、正看護婦は休養させる。宿直と当直を分けてしまう。そうして看護婦の不足をできるだけ満たしてやる。そうすればこの宿直明けの勤務の大体六二%というものはそう心配しなくてもできる労働ではないかと、私はこう思うんですよ。これは労働条件の改善です。しかしこれは私は雇用の問題があるから、政府がやっぱり検討して、ある程度そういう指導をしてやらないとできないのではないかという感がするものですから私はこういうことを御提案申し上げておるのです。どうしてもそういうことをやらなくちゃいかぬ——これは十年私たち唱えてきておりますからね。この社労委で十年間このことを唱えてきておりますが、何の手も打たれていない。学校はふえています。学校もしかし定員には入っておりません。いまのまま放任しておけば、結局は患者がそれだけの迷惑をこうむるということになるのです。したがって、私は新しい考え方ではございますけれども、私の私案ですが、そういうことをやって、ひとつこの看護婦対策というものを根本的にこの際労働省と厚生省とやる意思はないのかどうか。これはもう、きょうはほんとうに労働大臣に私はお願いし、厚生大臣にも私の考え方を申し上げようと思ったんですが、局長のお考えはどうか。試案でもけっこうですから。そういうことは病院ではなかなか受け入れないというお考えなのかですね、お聞かせ願いたい。
○政府委員(滝沢正君) 先生のただいまお話の宿直というのは、医療法の中で医師には宿直ということばが使っておりまして、これはもう休んで、寝ておってもよろしい。それで必要によって起きて仕事をする。看護婦の場合は宿直ということばは医療法には出てまいりませんが、勤務が二十四時間の医療機関であって、病人を取り扱うという、八時間の三回勤務の組み合わせが変わるという仕組みでございますから、夜間といえどもこれは一つの勤務という状態でものを考えております。したがいまして、夜勤という俗にことばを使っておるわけでございますが、先生のおっしゃるような、必要なときに必要なことができるようにしながら、なおかつ全部がまんべんなく、ただ当直的、あるいは夜勤というかっこうでいなくもいいんじゃないか。その問題につきましては医療機関でございますから、いろいろなくふうが行なわれております。大体病院というものは五十床くらいを標準単位にいたしまして一つの内科、外科、産婦人科というように看護単位というものが組まれております。その看護単位のところに一人、少なくとも最小限一人はまず夜勤は常時いるような仕組みが大体現在の病院の夜間勤務の状態、これをやはり少し重い患者のいるところは二人にしろというのが四十年に人事院判定が出ましたいわゆる二人夜勤問題でございます。その上、夜勤回数も八日以内にすべきであるという努力目標が人事院判定として出た、こういうことは労働条件にも関係がございますが、医療の立場からの問題も含めまして、したがってどこでも全部病院は二人夜勤の八日勤務にしなければならぬという判定ではございません。必要なところにそうすべきであるという人事院のお考えでございますので大体重い病人をかかえている病棟には三人います。もっと、手術直後の患者のところに三人、四人が夜間といえども勤務している。そのかわり、あまり心配ない病人にはパトロールでときどき行って隣の病棟から見るという先生のお考えの一部が実際には病院の実行の上ではいろいろ採用されております。ただ、補助者を使うということは国立、公立病院等では現状のところできるだけ資格者を使う、少なくとも准看か看護婦を使う、補助者を夜間まで使うということは民間の病院ではあり得ると思いますが、私は必ずしもこまかいことは知りませんが、一般的にはそういう考え方で夜間の病人の看護というものは非常に重視しなければならぬ、こういう観点に立っておる。なおかつそれを労働条件も組み合わせながら、どういうふうに病院全体の勤務体制を、夜間の勤務体制を組むかというところにたいへんないろいろ苦心をしているわけです。その上、救急医療が飛び込んでくるというような問題がございます。それから全体の夜間の看護業務の責任者である主任看護婦的な人は夜勤——当直に近い状態で、場合によっては睡眠をとってもよろしいという状態で特定な部屋におる場合もございます。あとはもう仕事のしたくのままで各病棟に勤務する。その上、労働基準の考え方から夜間勤務の場合、適当な時間、睡眠をとる、あるいは休養をとってもよろしいという問題はあります。したがって、これについても休養をとるべきだとなると、やはり必ず甲と乙の病棟は連絡がつくようにしておく、あるいは二人であれば交代で一人が休むという問題を含めまして、やはり病院の夜間の看護婦の勤務という問題はたいへん労働条件や医療の面からと含めまして非常にむずかしい問題でございますが、先生のお考えはできるだけそういうものをパトロールあるいは通信装置、連絡ができるような装置等の活用をはかる方向に向かってできるだけ労働条件を軽減するような方向には努力いたしておりますけれども、基本的にやはり人でなければできない問題がどうしてもございます。やはり病院の労働条件あるいは勤務の条件、こういうものについてはわれわれも一そう向上をはからないと看護婦そのものの仕事の本質からいって看護婦を確保することが非常にむずかしいんではないかというふうに考えております。
○高山恒雄君 私が聞いた範囲内ですが、私専門家じゃありませんから誤っておったら訂正していただいてもけっこうですが、この宿直という方は大体十時ごろまでにはやるべき仕事は終わるということですね。十時ごろまでに終わっちゃう。それから、深夜、つまり病人といえども深夜はやはり休むのが基本でしょうからね、それで十時以降はおっしゃるように寝てはいかぬということになっていますね、二十四時間勤務ですから。私はそれを法的に、十時までに終わりますならば、大体宿直ということで、寝て、ある程度の休養を与えてやる、三十分なり一時間なり。ただし、いつ何どき、どういうことがあるかもわかりませんから、純然たる当直、これは全然しろうとじゃいけません。しかし、従来の助産婦の方であればある程度の常識は持っています。したがって、そういう人たちを寝てはいけない当直者、時間的に回るとか、あるいは連絡を受けたら直ちに看護婦さんとその連絡をとるとか、あるいは主任看護婦に連絡をとるとか、お医者さんを起こすとか、こういう場合ですね、それは純然たる当直者、こういうものを検討してやればいわゆる過重労働にならないで済むのではないか、平常勤務もそこから生まれるのではないか、こういう私はしろうとながらの考えを持つわけです。しかし、法律では二十四時間勤務ですから、それで平常やれということになると全く酷使ですわね。こんなのは一般の産業でもないですよ。これがもし危険な機械でも扱うのであったらたいへんですよ、労災法から見ても。看護婦さんだから、病人を扱っておるんだから、二十四時間やって翌日平常どおりの勤務をやってもいいということは言えぬでしょう。これは厚生省もちょっと頭を切りかえてもらわなくちゃいかぬ、労働省はこれに対してやはりある程度の指導をしてもらわなくちゃいかぬと私は思うんです。まあ産前産後の問題は次の問題で私は質問いたしますけれども、その点は私の希望として、少しでも正看護婦なり准看護婦が休養のできる働きやすい環境、そして深夜の当直というようなそういう仕事は中年なり中年以上の方で、昼は家にどうしてもおらなくちゃいけない、あるいは夜勤だけでしたら、六時間か七時間の勤務でしたら当直ができる方、それを四交代制にするとかいうような方法、何でも道は開けると私は思うんです。まあ日本にはそのくらいの監督ができる経験者ですね、看護婦さんにしても助産婦の方でも相当の労働力があるのじゃないかという考えを持つわけですが、検討してひとつやっていただくことを希望いたしておきます。 なお、きょうはもう一つ、先ほど局長から賃金の問題が出ましたが、人事院は見えていますか。——ことしのベアを私ちょっと見せてもらったんですが、これはまあ体系の問題ですから、人事院からはそこまで入れぬとおっしゃる答弁かもわかりませんけれども、大体一般の、たとえば例を引きますならば、ことしの引き上げ率ですね、教育者、学校の先生あたりの給与、これの三等、行(一)七等、八等クラスぐらいがその基準になるんですか。それが正看護婦の場合にするならば大体三等ぐらいになると思うんです、比較は。四等になっていますからね、准看護婦さんは。三等のほうで一一・八%になっておるわけです。行(一)七、八を平均しますと一四・三になっておるわけです。どうして看護婦をこれだけ低くしておるのか、何か理由でもあったのか、こういうところにも厚生省あたりは強く要望を出さなければいかぬですよ。なぜこんなに正看護婦あたりが——四等になると違いますよ、四等になると一三・八ですから、これはよけい上げています。ところが、一般の学校の先生やその他で一三・六六お上げになっておるのに三等の正看護婦では一一・八しか上げてない、こんな矛盾したことはどこから出てくるのか、人事院ちょっと説明してください、何か理由があるならば。
○政府委員(尾崎朝夷君) われわれといたしましては、公務員の給与は民間に準じて、局間の調査をいたしまして、それに準じまして引き上げるということでやっておるわけでございます。普通の事務の場合も看護婦さんの場合も、みんな民間の状況を調べまして、それに準じてやっておるということでやっているわけでございますが、一般的に申しまして最近の十年ぐらいの傾向でございますけれども、学校出たての人の初任給が非常に、たとえばことしの場合には高卒初任給が一七%ほど上がりまして、大卒の場合には一五%くらい、それから係長なり役付になりますと半分ぐらいの八%くらいという形になっておりまして、上のほうにいくに従って引き上げ率というものは低いという傾向が非常に強うございます。 したがいまして、一般的に申しまして下の等級ほど、つまり初任給に近いほどその引き上げ率が高いという関係になっておりまして、たとえば准看護婦の民間における引き上げ率は非常に高くて、看護婦の初任給の引き上げ率のほうがこれよりやや低いという関係は、当然そういう傾向の一つのあらわれでございます。 したがいまして、そういうあらわれを反映をいたしまして、いま御指摘のように准看護婦、若い人ほど引き上げ率が高いということで、准看護婦の場合には一三・八%、看護婦さんの場合には一一・八%という形になって、上のほうにいくに従って引き上げ率は低くなるという傾向でございます。これは、一般的な事務でも技術でもすべてそういう傾向でございます。 そして、一般的に申しまして、看護婦さんの給与につきましては、民間に比べまして公務員のほうが、いわば公務員が主導型という形に一応なっておりまして、最近では官民格差を見ますと、本年の場合にはたとえば民間のほうが、四月現在の給与で大体四%ぐらい低いと。つまり、端的に申しますれば、向こうのほうがまだ低いですから、ベースアップをさらにする必要はないというような状況になっているわけでございますけれども、それが最近では四%くらいに、ほぼ同じくらいになってきていると。ところが、十年ほど前には、官民格差を比較しますと、民間のほうが二割も低いという状況であったわけですけれども、だんだん近づいてまいりまして、十年ほどの間にほぼ二割くらい民間が相対的に上がってきたという状況でございます。最近では非常に近づいてまいりまして、まあそれでも一般的に申しますと、四月現在一割ほど上げるという今度は勧告でございますけれども、看護婦さんの場合にはまだ民間のほうがやや低目くらいだというような状況でございます。 そういう民間の実態でございますけれども、公務員部内におきましては、一つの均衡ということで、たとえば行政職が一割上げればやはり看護婦さんも一割上げるということで、つまり従前看護婦さんも行政職の場合も同じ金額をもらっている場合には、たとえば両方五万円もらっている場合には、同じ金額をベースアップするというやり方でやってまいっておりまして、本年もそういう状況で、同じ金額のものを同じだけ上げるということでバランスをとってまいっております。 しかし、さらに本年の場合には、看護婦さんの場合には民間の初任給がやや高目に出たものでございますから、従前よりもやや高く出ております。そういう関係もございますので、行政職の、つまり大学卒の上げ方よりも三百円高ということで、特別にさらに積み増すという方向でことしはやっているわけでございます。
○高山恒雄君 もう一つ人事院に聞きたいのですが、大体平均の出し方は従来からそういう説明をしておられますから、私もある程度わかりますが、その比較をする場合に、民間の場合は十五歳が初任給として大体きまりますわね。新中卒を入れた場合に、それが初任給ということになるわけです。それで二十三歳までとしますか、そうすると八年間ですよね。それで女性の八年間というその期間というものは、非常にその技術を身につけようという意欲のあるところなんですね。あるいは向学にもっと努力しようと、ほんとうに若葉のごとく若芽をふいてどんどん木が伸びるという状態ですか、まさに努力の要る期間なんです。したがって、民間の場合は、そのクラスのところのこの上昇率というものは、たとえば入って二年間は六ヵ月ごとに昇給制度というものがございます。あるいはその次は八ヵ月になりそれから一年になる、こういうふうな昇給制度というものがあるわけです、民間には。したがって、私はこの場合には大体、見習い期間は制定しておられるのかどうかわかりませんけれども、二年間と見まして十八歳になって准看護婦の資格をとったとしますか。それが大体十八歳で三万八千二百円ということになるわけですね。それからこの五年間の期間というものは、最も私は労働面においても先ほど言ったように知識面の本人の会得しようという努力というものは、これはたいへんなものだと思うのです。したがって、民間と比較をする場合、年齢構成の比較の中で見れば、私はかなり高いと思うのです、そこは。そういう年齢別の比較から見てこれでいいというお考えなのかどうか、その点をひとつお聞かせ願いたい。
○政府委員(尾崎朝夷君) 公務員の給与を民間と比較いたします場合に、たとえば看護婦さんの場合には年齢別、学歴別と申しますか、准看護婦さんなら准看護婦さん同士でそうして年齢別ということで比較をしておりまして、たとえば二十歳の准看護婦さんの給与を比較いたしまして、その間において幾ら格差がある、その格差があった場合には、かりに民間が高ければその分は公務員のほうに埋めるのだ、その分だけ上げてやるのだということを各看護婦さんにつきまして、すべてそういうことをやりました結果、その平均がどうかということをやっておるわけでございます。全く年齢別に、そして地域別に比較いたしましてやっておりまして、その点は非常に詳細に比較をしております。その結果、なおかつこちらのほうが相対的には四%高かったという形でございますけれども、実際問題といたしまして、いま御指摘のところの初任給のところでございますが、こちらのほうがだいぶ高くきめておりまして、たとえば准看護婦さんの場合には、民間の四月現在の給与が三万五千三百円ということでございますけれども、こちらのほうは今度三万八千二百円というようなふうにきめておるわけでございます。それで、さらにそこから昇給していく関係は、いま御指摘のように、若いところは比較的短期間に昇給するところもございますし、また一年で昇給するところもあるわけでございますけれども、そういう年齢別に比較いたしておりますし、かつこちらのほうが初任給のところでも相当高くきめておりますので、その点はこちらのほうがなおいいという形できめられておるという実情でございます。
○高山恒雄君 私は、そういう比較をされていることでしょうけれども、ひとつこれも希望ですが、人事院として考えてもらいたい。厚生省としてもどしどし人事院にやはり賃金の職務給的なものをぼくは要求すべきだと思うんですよ。これは労働省も指導していただきたい、実際問題として。したがって、正看護婦にならっての基準をとられたということについては、私はもっと広い範囲内の大企業を中心とする十八歳から二十五歳までの間の年齢別構成の賃金はこれはうんと違うんです。それは正看護婦に准看護婦の年齢別の構成で見たって、これは社会的に出ないですよ。だから私が言うように、一番伸びようというその時期に希望を持たせるような意味でここらは高くならなければおかしいですよ。だからみんな逃げてしまう。この点はいまここで詳しく申し上げ、質問する意思もございませんけれども、私が大ざっぱに見て、やはりそういう欠陥があると考えるわけですよ。ひとつこれは労働省でも調べてください。 なおまた、その養成期間というのは平均どのくらいなのか、厚生省でも来ていただいて、ぜひ来年の賃金改正にはここらの点を重点において働きやすい、いわゆる准看護婦、正看護婦が働きやすい、そして継続して働くようなひとつシステムをつくってもらいたい、このことを強く要望しておきたいと思います。 なお、きょうは大臣が見えませんから、私は簡単に調査いたしたことを申し上げたわけでありますが、もう一回大臣が見えましたら、詳しく申し上げようと思いますが、どうかひとつ、十年ごしの日本の看護婦不足に対する考え方を私は単に厚生省まかせにしないで、労働省で労働条件の指導をやはり改善してやる、賃金もその一つでございましょう。法的に解決するものは法的でやはり指導してもらいたい。厚生省は厚生省で、厚生省だけでできないことがたくさんあるんですから、それを強く人事院なりあるいは労働省に連絡をとり、万全の体制で患者に迷惑にかからぬような医療制度というものに対する、私は看護婦の充足のために全力を尽くしてもらいたい希望を申し上げてきょうは終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○大橋和孝君 ちょうど人事院から尾崎局長もおいでになっておりますから、関連してちょっと聞いてもらいたいんですが、このごろ看護婦の不足のために非常に、言うなら——今度はガンの検診センターができたが、看護婦がいないから半分しか稼働しない。東一も十六階建てができたが、半分は看護婦がいないからやっていないというきびしい状態です。ですから、起こり得ることだと思いますけれども、このごろ——これは少なくとも、私の病院でも看護婦がいないから、看護婦集めに回らしておるんですが、そうすると向こうでぶつかるわけです。そこで話を聞きますと、奨学資金制度をつくらなければ、看護婦なんか集まりっこないという話なんですよ。これは職業安定所の出先で教わってきたわけです。どうしたらいいかというので、私のほうでは月に一万円ぐらい奨学金を与えましょうというので持っていったら、それはおかしい、こんなものでは絶対だめですよと、というのは月一万円出したって、もう一つ五十万から四十万上に積んでもらわなければいかぬ。それでびっくりして聞いたら、それが今度は、それを何年間おれば何にも金は要らなくなる。そのかわり何年間おらなかったら、それに利息をつけて返しなさいということまで出ておるわけです。これを引っくり返して考えるならば、昔娼妓さんを集めに行くのに、前借を高くして集めたのとちっとも変わらぬ。これをやっているのが国であり、公共市町村の大学なり病院なんです。やらなければ集まらぬわけですから、それはわかる、わかるんですけれども、こういうことがいま行なわれておるとすれば、やはり同じ人買いということになるわけです。せめて学費を奨学金として与える、これは行き過ぎたらちょっと問題が起こるわけですが、まだましだ。私は、一万円出すならば——一万円かからないですよ。高等学校なんかにおるのに五千円か四千円で済むわけなんですよ。それをオーバーして出しているのは、これは気を引いて、集まらないからといって一万円出す。私は持たして行かしたわけです。こういうことをしなければ看護婦が集まらぬ。普通はたいてい五十万、三十万積まなければいかぬ。それは積んだらあとはどうなるか。三年間おればパーにしている。それを、すぐほかへかわるのだったら利息をつけて返しなさいという一項目を入れてやるんだ、こういうことなんです。これはもう私は非常に聞いてまいりまして驚きました。ですから、私は今度一ぺん決算委員会でも、たとえば人事院にも聞いておいてもらいたいんですが、そういう金を一体公の病院はどこで払うのか、それを決算のほうで一ぺんやりたいと思うんです。こういうような金が、人集めの金が公のところからどんどん出るならば、これは大問題だと思うんです。これはあとから決算委員会でぼくらもやりますから、一ぺん全部その資料を集めてやるつもりでございますけれども、しかし、そういうことがあることに対して職安局長は、どういうふうに職安局長として、こういう出先の人がそう言っているんです。あなたこんなことではとても来ませんよ、こう言われているわけですから、私は、職安行政の中でそういうことをやれるのかどうか、これをひとつ聞かしてもらいたい。
○政府委員(道正邦彦君) 一般的な人手不足の中で求人を確保するために、たとえば夜学の大学に行かせるとか、そういうことを希望する若い人たちが多いので、そういう一般的な傾向がございますが、それが行き過ぎまして、先生御指摘のような法律に違反するようなことがあれば、これはもう行き過ぎでございますので、是正をしなければならないと思います。いずれにいたしましても、御指摘ございましたので、実情をよく調査するようにいたしたいと思います。
○大橋和孝君 もう一点だけ。最近はこれは韓国や台湾へ行っているわけです。こういう問題もこれは私は職安行政の中でよほど考えてもらわないと、あとからいろいろな問題が起こり得ると思います。これはいろいろなデータを持っておりますけれども、時間がありませんから、きょうは申し上げません。ですから、そういう点も含めてこういう看護婦さんの問題というものは——厚生省もよく聞いておいてください。要請をするとか、あるいはいろいろな、いま半分しか稼働してないのですから、そういう問題とか、いろいろなことを含めてやらないと、こういうままで置いておけば、そういうところはどんどん悪いところへ発展していきますから、医者が悪い、また診療所が悪い、そう言う前に、国が悪い、あるいは公共団体が悪い……。どこから金が出ているかということも一ぺん聞かしてもらいたいと思います。そういう観点から一ぺんこれは各省と連絡をとって、真剣に考えてもらわなければならない問題ですから、こういう問題の提起をしておきます。
○委員長(矢山有作君) 本調査に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十九分散会