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70回国会衆議院1972/11/08

地方行政委員会 第1号

発言数
270
登壇者
28
会派数
5
開催日
1972/11/08

会議録

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、本会期中、地方自治行政の実情を調査し、その健全なる発展に資するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明の聴取及び資料の要求等の方法により、  地方自治に関する事項  地方財政に関する事項  警察に関する事項  消防に関する事項 以上の各事項について、国政に関する調査を行なうため、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対して承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 内閣提出にかかる昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 まず、提案理由の説明を聴取いたします。福田自治大臣。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由と、その要旨を御説明申し上げます。  今回、政府におきましては、人事院の勧告に基づき、本年四月一日から国家公務員の給与改定を実施することといたしましたが、これに伴い、地方団体が国に準じて地方公務員の給与改定を実施する場合における一般財源所要額を付与するため、普通交付税の額の算定に用いる単位費用を改定することとしたいのであります。  また、今回の補正予算による地方交付税の増加額は、六百五十六億円でありますが、地方税収入についても増収が見込まれますので、給与改定等の財源におおむね四百六十五億円程度を充て、さらに本年度における災害の多発の状況等にかんがみ、特別交付税の増額に百二十六億円程度を充てることとし、差し引き六十五億円は、本年度分の地方交付税の借入金の減額に充て、明年度における借入金償還額の減額をはかることとしたいのであります。  以上が、昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 以上で、提案理由の説明は終わりました。     —————————————

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 これより質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 自治省の官房長、財政局長を歴任された大村さんが今度大蔵政務次官になられたようでありますから、たいへんけっこうだと思いまして、大村政務次官に大いに質問をいたそうと思いましたが、まだお見えでありませんので、参りましてから大蔵政務次官にはお尋ねをすることにいたしまして、若干その前にお尋ねをいたしたいと思います。  今度の、「昭和四七年度地方財政補正措置の概要」を拝見をいたしたわけでありますが、給与改定財源に対する措置といたしまして、交付団体所要額が六百二十億、不交付団体の所要額が二百億、計八百二十億円でございますが、このうち法人関係税の増、交付団体分百二十億、不交付団体分二百十億、計三百三十億を見込み、節約額というのを、交付団体分として百三十億、不交付団体分として三十五億、計百六十五億を見込みまして、結局、交付団体につきましては、六百二十億から百二十億を減額し、さらに節約額の百三十億円を減額いたしまして、交付税として三百七十億円措置すれば給与改定はりっぱに行ない得る、こういう算定のようであります。  私ども、毎年毎年、この給与改定に伴います交付税法の改正を審議するわけでありますが、必ず節約額というのが出てまいるわけですが、一体、この節約額というのはどういうものをどのように節約をしてやれというのか、この節約が現実の問題として可能なものなのか、その点の御判断をまず承っておきたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 この節減の対象といたしましては、一般行政経費の中で、いわゆる旅費、物件費、それから維持補修費、これについて節減を行なう、こういうことにいたしておるわけであります。もとより、地方団体の経費の中には、社会福祉系統のものがございましたり、あるいは義務教育、あるいは衛生、消防、こういったものが一般行政経費の中に含まれておるわけでございますので、そういうものは除外をする。いわゆる身の回りの、といいますか、部内の経費といいますか、そういうものにつきまして、ただいま申しました旅費、物件費、こういったものを中心にして節約をしようとするものでございます。  ちなみに、ことしは地方財政は非常に苦しくて、一兆円の財源不足、こういうときでもございましたので、当初におきまして五割増しの節減をいたしておるわけでございますが、今回の追加節約におきましては、その点を勘案いたしまして、年度間を通じまして一二・二%の節約、こういうことを考えておる次第でございます。  なお、国におきましても、当初の節約をなお行なわれ、あるいはまた、今般の給与改定に際しまして、さらに追加の節約が行なわれておるわけでございまして、この点につきましては、国と歩調を同じくしておるわけでございますが、国の場合でございますというと、年間を通じて一五%程度の当初経費に対する節約になっておる、こういう状況等もございまして、私ども、この程度の節約というものは十分可能である。  なお、実額で申しますと、この節約対象の額といたしましては、ただいま私が申し上げました身の回りの経費だけで三千六百十八億でございますが、これに対しまして、当初で二百七十五億、今般の追加で百六十五億、合計四百四十億の節約ということに相なっておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 まあ、国との関連その他におきましてこの程度の節約が可能だ、こういう御判断でございますが、そこでお尋ねをしたいと思うのですけれども、地方公務員と国家公務員の給与を比較いたしますと、あるいはどうだこうだという議論があるわけでありますが、その点をお尋ねをする前に、特に、沖繩のことをまず最初にお尋ねしたいと思うのです。  自治省からいただきました昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律の一部を改正する法律案関係資料の二〇ページを拝見いたしますと、「(備考)」というのがございまして、「この表の下欄に掲げる額は、沖繩県及び沖繩県の区域内の市町村の基準財政需要額を算定する場合にあっては、当該額に自治省令で定める率を乗じて得た額とする。」となっております。これは、沖繩が祖国に復帰いたしましたのが五月十五日、したがいまして、会計年度の始まります四月一日と比較をいたしますと、四十五日分そこに差があるということだろうと思うのですが、問題は、沖繩県につとめております地方公務員の諸君、沖繩県内の区域にあります市町村に勤務しております地方公務員の諸君、この給与改定を一体どうするのかという問題とかかわると思うのですが、過般、内閣委員会におきまして国家公務員の給与法の改正を審議いたします際に、沖繩におりますところの国家公務員、この諸君の給与改定を一体どうするのか、以前から本土の国家公務員として身分を持っている方は問題ないといたしましても、従来沖繩県に身分がございまして、その後国家公務員になりました諸君の給与改定は一体どうなるのだということが問題になり、これについては、各方面と検討して、四月一日実施ができるように前向きに努力をするという趣旨の答弁があったと聞いておるわけであります。そうしますと、この趣旨は、当然、沖繩県の市町村の地方公務員についても同じ趣旨で実施されねばいかぬと私は思うのです。検討されねばいかぬと思うのですが、そうした場合、財源は一体どうするのか。法律的にはわかりますよ。わかりますが、四十五日分削っておくと、沖繩の給与改定は一体どうなるのだ。四月一日実施をするという方向の結論が出た場合、一体その財源はどうなるのか。この両方が私は問題になると思うのですが、この点はどうですか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 沖繩関係の地方公務員、県、市町村の公務員の給与改定を四月一日にさかのぼってやるのかどうかという点につきましては、実は、率直に申しまして、これは五月十五日以降、復帰をいたしまして、わが国の統一的な法制のもとに服することになったわけでございますので、私どもの考え方といたしましては、五月十五日以降の分、五月十五日にさかのぼって給与改定を行なう、こういうことで考えておるわけでございます。私も当日その場におりませんでしたのですが、内閣委員会で論議が出たように伺っておるわけでございますが、ただ、県なり市町村の公務員の給与改定につきましては国家公務員の給与改定に準ずるということで、私ども、財政上の措置、あるいは実務上の指導をいたしてまいっておるわけでございまして、琉球政府の公務員であって国家公務員に身分が変わられた方、これの扱いとのバランスで結局きめられる、こういうことになろうかと思います。この点につきましては、まだ、私ども、国家公務員のほうで最終的な結論に達しているように聞いておりません。したがいまして、その判断に従うということになろうかと思います。  なお、かりに、仮定の問題といたしまして、四月にさかのぼって行なうというようなことになりますと、これにつきましては、特別交付税でことしは臨時緊急に手当てをせざるを得ないだろうというふうに考えます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 地方公務員の給与につきましては当然国家公務員に準じて行なうということですから、内閣委員会において、四月一日実施について各方面と検討し、前向きに措置するようにしたいということになって、四月一日実施ということになれば、当然、地方公務員の諸君についても同様の措置がなされねばいかぬ。その場合の財源措置につきましては特別交付税でもって措置せざるを得ないだろう、こういうお話でありますから、一応前向きの御答弁と承りまして、この点につきましては一応了解をいたしておきましょう。  大村さんも忙しいようですから、大村さんにお尋ねしたいと思いますが、その前に、昭和四十七年度の地方財政対策につきましては、私たちは、非常に後退をしたということを、実は当委員会でずいぶん議論をいたしたのであります。結局、昭和四十六年度、七年度と比較をする地方財政の危機といえば、昭和四十年、四十一年の不況の時期と同じではないか、むしろ、当時議論をした段階では、危機はさらに深刻であるかもしれないということだった。しかるに、昭和四十一年度におきましては、交付税率を二・五%引き上げて財源措置をやったが、昭和四十七年は交付税率の引き上げは全く行なわれなかった。当時一兆円の財源不足ということがいわれたわけですが、ぎりぎりしぼって八千億円の財源不足、これについてどういう措置をしたかといえば、特会借り入れ千六百億円。今度これを若干減額するようでありますが、当時は特会借り入れが千六百億円。それから地方債の増が四千九百五億だったと記憶いたしておりますが、この地方債の増額でもって手当てをする。八千億円の財源不足のうち八割に近いものが、特会借り入れ、借金、それから地方債という借金の増、これでもってまかなう。これは、四十一年度の深刻な不況時期であった財源対策に比べて非常に後退をしているということを、実は、私たち、今年度の地方財政対策の当初において批判をいたしたのであります。  その後景気はある程度回復をいたしたようでありますけれども、それでは、まず自治省に私はお尋ねしたいと思うのですが、財政局長でけっこうでありますが、問題は、交付税率が引き上がらなかったということを想定をし、明年度の財政需要というものをおおよそ想定をした場合に、昨年は一兆円の財源不足ということがいわれましたが、明年度においてはおよそどの程度の財源が不足をするというふうに見ておられますか。そのことをまずお尋ねをしたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 いまの段階では、すべての要素が非常に不確定でございますので、率直に申しまして、私たち内々幾とおりかの試算をいたしておるわけでございますが、こういう場で申し上げるまでの数字というものが固まっておらないというのが実情でございます。と申しますのは、ただいま御指摘のありましたように、景気は順調に回復をいたしておるわけでございますし、ことしの当初の当委員会で、今年度の地方財政対策は借金財政ではないか、どうして交付税率を上げなかったのだということでおしかりを受けたのでございますが、交付税率も三二%までなってきておりますので、ある程度景気が回復をするならば、再び相当程度の財源というものが得られるのじゃないだろうかということを申し上げておったわけでございます。期待いたしておりましたとおり、この九月期決算、これから出てまいるわけでございますが、大体ことしの一月からの景気の回復の足取りというものはきわめて順調であるということでございまして、このままでまいりますれば、来年度円の再切り上げ等の問題がどうなるか、これが一つの大きなポイントだと思うわけでございますが、来年度は名目で成長率一五%というのがかたいのではないだろうか。そうしますと、ことしの場合に比べまして、例年税収が七千億くらいあったわけでございますが、ことしはそれが三千四百億、半分以下に落ち込むという惨たんたる年でございましたし、交付税を四千億程度と見ておりましたのが、ことしは千四百六十億しか伸びない。こういった異常な年であったわけでございますが、歳入面におきましては、まあこのまま順調に推移するならばという大きな仮定、前提を置いてでございますが、ある程度の地方税の増収というものは見込めるのではないだろうか。  ただ、そこで交付税でございますが、交付税につきましては、ただいま御指摘になりましたように、千六百億の特会借り入れ、それから千五十億の臨時特例交付金、合わせまして二千六百五十億というものがすでにあるわけでございますので、この分を差っ引きますと、交付税で国税三税の自然増収に伴います増が見込めるといたしましても、対前年度の比較ではそう大きな伸びは見込めない。  他方、歳出ですが、これがどういうところでどれだけ伸びるのか。公共事業あるいは社会福祉系統、かなり福祉優先ということになり、あるいは国土改造といったようなことがございまして歳出が伸びるということになりますと、現在の私どもの見込みといたしましては、去年からことしにかけまして、財政計画の規模で一二%伸びたわけでございますが、かりにこの程度の伸びで来年伸びるということになりますと、かなりの財源不足が来年は必至である。その程度がどの規模になるのか。この点につきましては、ただいま申しましたように、あまりにも不確定な要素が多過ぎますので、確たる数字を申し上げることはできないわけでございますが、相当程度の財源不足というものがどうしても来年生ずるであろうということは申し上げられると思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 円の再切り上げの話がありましたが、この点は、予算委員会でも議論があり、また、今度円対策の法案が二本商工委員会並びに大蔵委員会に提案されておりまして、この法案の審議をめぐって、一体円再切り上げというのは絶対ないと保証するかどうかというようなことがずいぶん議論になっておると私ども承知をいたしております。私どもの見るところでは、ずばり申し上げて、総選挙前ないしは総選挙中に円の再切り上げをすれば与党自民党さんはたいへん損であるから、選挙中は必死になって押えるであろう。しかし、現実にいまドルが毎日一億ドル以上も売られて、百八十億ドルをこえるような外貨がわが国にいまたまっている。そういう中で、政府自体としても、あるいは日銀としても、非常に困難な事態にある。したがって、総選挙が終わって、選挙にデメリットがないという時期になれば、まあ再切り上げをせざるを得ないのではないか。そういうきわめて政略的な態度をとっておられる政府与党に対して、私ども大きな不信感を持っているということを率直に申し上げたいと思いますが、それはさておきまして、来年、経済的な指標がすべて順調であるかといえば、必ずしもそうではない。大きな暗雲が水平線のかなたにはっきり見えておるという状況もやはり考えなければいかぬだろうと思います。しかし、いろいろ不確定要素があって、この財源不足幾らというのはなかなかむずかしいというお話でありますが、昨年とりましたような特例措置をとらぬとすれば、来年歳入の伸びというものはあまり大きくは期待できない。歳出のほうが従来どおり二一%も伸びるということになれば、相当な財源不足があるだろう、こういうお話でございました。  そこで、大村さんに率直にお尋ねしたいと思うのです。  大村さんは、自治省の官房長をおやりになり、財政局長もおやりになりまして、鎌田さんの大先輩ですね。そういう意味では、地方財政の困難さというものは身をもって体験をされ、その体験をもとにして国会にも御進出になり、めでたく当選をされて、そして、いまや大蔵政務次官をしておられる。そういう中から、大村さんは、来年度の地方財政対策にどのような形で取り組もうという、基本的なお考え方をお持ちでありますか。とにかく、昨年のように何でもかんでも借金でもってしりぬぐいをするということは——地方財政の体質は確かに大きくなりましたですよ。しかし、肥満体であって、体質自体は健全かというと、そうじゃないでしょう。肥満児みたいなものですね。そういうような地方財政の体質にすることは私は問題じゃないかと思うのです。そういう意味で、地方財政に非常な学識経験をお持ちの大村さんとしては、明年度の地方財政対策は肥満児的な対策でいいと考えておられるか。そうではない、より健全な体質に地方財政を持っていかなければならぬとお考えでありますか。その点まずお伺いしたいと思います。

大村襄治自由民主党大蔵政務次官

○大村政府委員 山口委員のお尋ねにお答えいたします。  四十八年度の地方財政の見通しにつきましては、明年度の経済動向、税収等の見通しなどが現在の時点においては明らかでないため、その見通しについて具体的なことを申し上げる段階ではないと思うのでございますが、現在の時点で展望をしてみました場合、財源面におきましては、先ほどもお話のございましたとおり、本年度のいままでの状況などからいたしましても、景気の回復に伴って地方税並びに地方交付税に来年度はある程度の伸びを期待できると思われるのでございます。しかるに、財政需要におきましては、先ほどもお話のございましたとおり、国民福祉のための地方財政の役割りがますます重きを加える事情にありますので、円切り上げの問題はさておくといたしましても、財政需要が相当伸びるというふうな見通しもございますので、これらを総合勘案いたしまして、来年度の地方財政の運営が支障を来たすことのないように十分検討してまいりたい。非常に抽象的で恐縮でございますが、現在の時点においてはそういう考え方を持っているのでございます。  なお、おことばにありました地方交付税の制度のあり方につきましては、これは、私見ではございますが、七〇年代中葉を迎えての国と地方財政のあり方、関係につきましては、単に交付税だけでなく、地方財政の構造全体、さらには地方税制度のあり方、各般の面を通じて根本的に検討すべき時期に来ているんではないか。ことしはなるほどスタートが非常にきびしかったので、とりあえずの措置で地方財政全体の運営に支障を来たさないように措置したのでありますが、それらの経験を踏んまえ、四十八年度以降のあり方につきましては自治省とも御相談して誤りなきを期したい、そういう考え方を持っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 前段は、どうもお役人の作文をお読みになったように受け取れるような御発言でございまして、期待したような学識経験豊かな大村さんの御答弁とは受け取りにくかったのでございますが、後段は、いろいろな意味で含蓄に富んだ御答弁だと思いまして拝聴いたしておりました。  ずばりお尋ねしまして、それでは四十七年度、今年度やった地方財政対策については、一体どういう御感想をお持ちでありますか。

大村襄治自由民主党大蔵政務次官

○大村政府委員 まあ、私見を申し上げるならば、理想にはほど遠いわけでありますが、実際面としてはやむを得ざる措置であるというふうに判断しております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 理想には遠いが、現実的にはやむを得ざる措置であったという御答弁でありましたが、私は、やはり、後段にございましたところの、七〇年代、国と地方との財源配分を含めました、あるいは行政事務配分を含めた新しいあり方をお互いに努力をして打ち立てていくというお考え、それは、ひとつ大いにがんばってぜひとも堅持をしていただきたいと思うのですね。私ども、当委員会でも、あるいは本会議でも、いつも申しておることは、とにかく国と地方との税源配分というものがあまりにも片寄っている。たしか昭和四十六年度の地方財政白書だったと思いますが、税は国が七割以上、地方は三割弱であって、実際にこれを使うという段になれば、ちょうどこれが全くきれいに逆転をしておるというような状況、これはいつまでも放置しておっていい問題じゃないと私は思うのです。せっかく後段にお述べになりましたようなお考え方をお持ちでありますならば、ひとつそれを生かしていただきたい。地方というのは、交付税だ、補助金だといって、いつも中央の財源に依存して、そして運営されておる。予算編成の時期になれば、地方から大挙して陳情団が参りまして、大騒ぎして予算編成が行なわれる。あるいは、予算が確定した後、自治体の仕事といえば、中央に陳情に来ることがもっぱら主たる仕事である。そういうような誤った現在の状況というものを改善するために、学識経験豊かな大村先生は、ひとつ、せっかく大いに御健闘いただくように期待をいたしておきたいと思います。  自治政務次官にお尋ねしたいと思うのですが、昭和四十八年度財政対策は、自治省としてはどういう御決意で進まれるおつもりですか。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○三ツ林政府委員 いま、四十六年度、四十七年度の地方税関係、地方自治の関係等についていろいろお話がございましたが、四十八年度の方針といいますか、それらにつきましては、お話しのように、国と地方の税源の配分といいますか、きわめて大きな重要な事柄でありまして、これらはもちろんお話しのとおりでありますけれども、明年度の地方財政について、地方税、地方交付税、地方債等の地方財源の拡充のために、お話しのように総合的な地方財政対策を講ずる必要があるというふうに考えておりまして、その具体的な方法についてはできるだけ早く検討いたしまして、適切な措置を講じて、財政面に支障のないようにいたしたいと、かように考えておる次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 大蔵政務次官はお忙しいようでありますから、続けてお尋ねしたいと思うのでありますが、私ども、当委員会で、ことし特に議論をいたしました一つが地方公営企業の問題であります。三K赤字といいますけれども、公営企業ですから、これもKであって、これも含めて四K赤字ではないか。最近、国有林野の会計が、これまた赤字が深刻であるというので、三Kに国有林のKを加えて、四Kだと、こういっていますが、私は、地方公営企業を含めて、それならば五Kだ、地方公営企業の赤字の問題を閑却することは許されないという立場で、当時の水田大蔵大臣にもいろいろお尋ねをいたしました。昭和四十八年度公営企業の問題につきましては、ひとつ抜本的な施策を講じていきたいという趣旨の御答弁もいただいているわけでありますが、最近、与党自民党の中に公営交通に対する委員会等もできて、いろいろ御検討されて、一応の方針をおまとめになったということも承っております。それからまた、自治省の中にありますところの、自治大臣の諮問機関である公営交通問題研究会も、これまた長い間の御議論を経まして、一応の答申をお出しになったようであります。こまかいことはお尋ねしてもどうかと思いますし、お尋ねいたしませんが、両方を通じて一致しております点、また、私どもが繰り返し質問してまいった点の一つは、地下鉄に対する助成が、確かに改善はされたというものの、まだまだ不備ではないか。道路につきましては、御案内のように、国道は四分の三、主要地方道は三分の二の補助が実はなされているわけですね。ですから、結局、道路が通れなくなって、地下を掘って地下鉄にするわけなんですから、道路並みの補助をやってしかるべきじゃないか、四分の三の補助があってもいいじゃないか、あるいは三分の二の補助は絶対必要ではないかというような議論がございます。自民党内の結論、あるいは公営交通問題研究会の答申等を一応拝見いたしますと、少なくとも、この隧道部分の三分の二は助成すべきではないか。いままでは隧道部分の半分でありまして、実際の建設地の比率を見ますと、三六%ないし三七%の助成にとどまっておりました。隧道部分の三分の二ということになると、これが実質的に五一%程度の助成ということになる。少なくともこれだけは必要ではないかというような御意見が大体まとまっているようであります。私どもは、これではまだ不足ではないかと思っておりますが、それは一応おきましょう。しかし、せめてその程度の助成は明年実施しなければ、これはもうどうにもならぬだろうと私は思うのです。同時に、いままでは八年間で分割交付をやっておりましたが、そういうような方法ではなしに、この際一括交付が必要ではないかということもいわれております。  さらに、いままで路面電車は赤字だというので、これを撤去してまいりました。しかし、その赤字はそのまま残っております。そうして、その赤字をバスあるいは地下鉄等で返済しろと、こういうわけなんでありますが、コスト計算でいくわけですから、バスだって、何も路面電車の赤字というものを考慮した上で料金がきまっているわけではありません。そういったバスでもって路面電車の赤字を解消しろなどということは、これは全く無理な話だと思うのです。したがって、これらのことも勘案いたしまして、いままでの累積赤字、これは八百億ともいわれておりますが、そういうものは、この際、国と地方の一般会計でもってたな上げし、処理をしたらどうだということも、これまた考え方として出ておるようであります。これらの考え方について、当然、前の大蔵大臣の御答弁の経過からいって、真剣にこの問題を取り上げ、いま申し上げたくらいのことは措置するということでなければ、地方公営企業の赤字はどうにもならぬと私は思うのですが、この点はどのようなお考えでありますか。お答えをいただきたいと思います。

大村襄治自由民主党大蔵政務次官

○大村政府委員 地方公営企業、特に病院と交通事業のあり方について、当委員会におきまして真剣な論議があり、また、この春には、附帯決議もつけていただいておるのでございますが、その後、自治省並びに与党の内部にも専門の研究機関が設置されまして、貴重な御意見を発表されているという点も承知いたしておるのでございます。  そこで、来年度における対策についてでありますが、現在予算編成の過程でございますので、具体的な点を申し上げ得る段階に至っておりませんが、今後、明年度予算編成の過程におきまして、ただいま御指摘のありましたところの、過去に生じた赤字のたな上げの方法、あるいはそれを含めての再建計画の進め方、また、これに対する国庫の助成のしかた、これを第一とし、第二に、ただいま御指摘のありましたところの、地下鉄のような大きな建設事業に対する助成のしかたの強化の問題、第三に、公営企業の経営の合理化の問題、等々の諸点につきまして、私どもといたしましても、いま出されております貴重な資料を十分参考にした上で、運輸並びに自治省の関係省とも打ち合わせをしまして、最終的な結論を得たいと考えている次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 運輸省の民鉄部長さんお見えですね。——公営交通の問題は、当委員会でいろいろ議論はしておりますが、地下鉄の助成をどうするかということになれば、これは自治省から予算の要求をするわけにはまいらぬわけでありまして、今日まで、隧道部分の半分を助成する、半分のうちの五〇%は国、五〇%は地方公共団体という負担区分で運輸省のほうから予算要求をされて、それがいま申し上げたような状況で実現しているということだと思います。したがって、ただいま申し上げたような地下鉄の助成を強化するということになりますと、これは当然、運輸省として、そういうような予算要求をしていただかなければならぬだろうと思うのですね。大蔵省のお考え方はいま聞いたわけでありますが、運輸省としては、この地下鉄の助成に対して、明年度どのような施策を講じようとしておられますか。その点をお伺いしたいと思うのです。  あわせまして、きょう運輸委員会を開いておられまして、自民党がさきに議員提案で出しておりましたモノレール法案を自民党が取り下げをいたしまして、各党全会一致、委員長提案の形でモノレール法案を、本日の運輸委員会で可決をしようという動きのあることを、私も議運委員の立場で承知をいたしております。政府提案ではありませんから、若干お答えにくい点があるかと思うのですけれども、あそこには、モノレールに対して国が財政上の援助をするというような趣旨が入っておりますが、いま、地下鉄の問題につきましては、法律に基づく補助ではありませんですね。予算補助でしょう。前からすでに実施をされ、その経営が問題になっておる地下鉄について、これが依然として予算補助であって法律の根拠がない。いま、モノレールといえば、走っているのは浜松町と羽田の間だけであって、今後自治体でつくるという機運はありますけれども、実際には走っておりません。そういうものに、法律ができて、法律に基づいて助成をするということになるとすれば、私は、順序が逆じゃないかと思うのです。むしろ、モノレール法案ができようかというときには、前々からわが党が主張してまいりましたような、地下高速鉄道に対する整備促進の法律というものが当然あって、そして法律的な助成というものを明確にしていくということがものの順序ではないかという気が私はするわけであります。そういう立場から、地下高速鉄道整備促進法案というようなものを運輸省としてお考えになるのがしかるべきじゃないかと私は思うのですが、この点はいかがでございますか。

中村四郎運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○中村説明員 お答え申し上げます。  第一の点につきましては、大都市におきます道路交通の混雑緩和、あるいは通勤、通学輸送力の改善、こういう目的のためには、先生お話しのように、地下高速鉄道を根幹といたしまして、これにバス等の機関を組み合わせまして、有機的な都市交通網の体系を形成するということがぜひ必要なわけであります。したがいまして、その根幹たる地下高速鉄道の整備につきましては、従来から地下鉄建設補助ということで、国と地方公共団体がその五〇%を切半して補助してまいったわけであります。しかしながら、最近の地下鉄の建設費につきましては、深層工事が著しく増大し、騒音、振動等の公害を回避するための特殊工法の採用あるいは建設請負工事費の増大、こういうことで建設費が高騰してまいっております。したがいまして、運輸省といたしましては、来年度予算要求といたしまして、この地下鉄の建設費補助につきましては、その補助率の拡大をはかってまいりたい。現在、その三分の二の補助をぜひ実施に移したいということで力を尽くしておるところでございます。  それから、第二の点につきましては、モノレールにつきまして、国と地方公共団体が、財政上の措置その他、その促進のために必要な措置をとるようにつとめていく、こういう趣旨の規定があるわけでありますが、地下鉄などにつきましては、もうすでに補助制度ができておる、これを拡充していくということでありまして、地下鉄建設の促進につきましては、国と地方公共団体が助成を講じていくのだという趣旨につきましては、私どもとしては、すでに定着しておるのではなかろうかと考えておるわけであります。したがいまして、その内容の充実に努力をいたすということに眼目を置いておる次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 確かに、補助の制度が、地下鉄について、ここ数年間定着していることは事実ですね。しかし、まだほとんど運行されていないモノレールについて法律的な根拠ができ、地下鉄については、それは定着はしているとはいうものの、根拠になる法律がないということでは、私は、常識的に見ておかしいと思います。これは、党といたしましても、また、モノレール法案を本日可決する過程におきましても、地下鉄についても同様なものが先行すべきではなかったか、おくれてもそういった法律制度があるべきが正しい姿ではないかというような議論は、今後とも、これからもいたしますし、本日も運輸委員会でなされると思います。私どもとしては、地下高速鉄道の整備促進の法律というものを、一日も早く何らかの形で実現すべきであるという主張を申し上げておきたいと思います。  そこで、あわせてお尋ねをしておきますが、過疎地域におけるバスの運行が非常に困難な状況になっていますね。今日まで、過疎バスに対して、運輸省が、これまた予算補助をなされておることは承知しているわけでありますが、これは来年思い切って拡充をするお考えはございますか。

中村四郎運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○中村説明員 私、民営鉄道のほうの所管でございますのでお答えしかねますが、運輸省といたしましては、過疎バスの助成につきまして、基本的な方策を確立いたしまして、来年度については、その内容を充実した予算要求をしておるところでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そこで、長岡主計局次長さん、長い間お聞きをいただいておりまして恐縮をしておりますが、明年度の地方財政対策、それから公営交通の財政再建の問題について、政務次官あるいは運輸省からお考え方をお聞きしたわけでありますけれども、実務的には、何といいましても、長岡さんのほうで実はおやりになることであります。そういった立場から、いまやりとりを聞いておられまして、内容については承知しておられると思いますから繰り返しませんが、明年度の財政対策、地方公営企業の財政再建対策について、どのようなお考えでありますか。

長岡實大蔵省主計局次長

○長岡政府委員 明年度の地方財政対策及び公営交通対策につきまして、結論的なことを申し上げるべき段階ではない、また、申し上げることが不可能であるということは御存じのことでございますので、基本的に私どもがいまどんな考えを持っておるかという点について、先ほどの大村政務次官のお答えと重複することになるかもしれませんけれども、申し上げますと、何と申しましても、地方財政について、明年度一番の問題は、地方財政措置全般の問題でございます。これにつきましては、先ほども申し上げましたように、現在の景気動向その他から申しますと、明年度の国税三税の税収の伸び、あるいは地方税の税収の伸びは、ある程度明るい見通しが持てるのではないかという感じを私どもは抱いております。具体的にどの程度であるかという御説明はまだいたしかねますが、相当上向きになっていることは事実でございます。そういう財源面の動向と、それから一方、地方財政の行政需要の面と申しますか、そういう面が逐年増加していることも私どもは十分認識しておるつもりでございますので、その辺を見きわめながら、明年度以降の地方財政に支障がないように、私どもとしては、自治省ともよく御相談を申し上げて措置してまいりたいと考えております。  それから、個別特定の問題として、明年度の地方財政対策の中で最も重要な問題と申しますか、困難な問題と申しますか、これが地方の公営交通対策であるという認識も私どもは持っております。先ほど大村政務次官も申し上げましたように、本年四月の当委員会の附帯決議にも、四十八年度の予算に間に合うように公営交通についての抜本策を講ずべきであるという御意見が出ておりますので、私どもは、それを踏まえまして研究いたしたいと思っておりますが、公営交通対策についての予算要求は、実は若干おくれて——まあ、それだけの理由があったわけでございますけれども、自治省のほうから提案されまして、私どもいままだ勉強中でございます。先ほど来山口委員の御質問にございました地下鉄の問題あるいは過疎バスの問題等も、すべて、今回の公営交通の対策の中では重要な問題であろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、そういうもの全般について、自治省のみならず、運輸省等の関係各省とも御相談しながら詰めてまいりたいと思っております。ただ、地方公営交通の問題につきまして、私どもが来年度何らかの対策を講ずる場合に、同じようなことの繰り返しにならないようにするためにどうしたらいいのだろうかということまで含めまして、非常にむずかしい問題であるとは思いますけれども、問題を詰めてまいりたい、かように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 非常にむずかしい問題だというお話がありました。私どももそうだと思うのですが、それは、結局、財政面から公営交通の問題を解決しようと思っても、これはなかなかむずかしいということだろうと思うのです。結局、都市あるいは過疎、いずれもそうだと思いますが、現在のモータリゼーション、交通革命の中における公営交通というものが一体どういう状態に置かれているのか。ですから、財政以外の公営交通をめぐる交通環境というもの、これを一体どういうふうにして整備していくのかということがやはり一番大きな問題ではないかと思うのです。ところが、そういう問題になりますと、まさに各省ばらばらの行政になっているわけですね。ですから、ヨーロッパなんかへ参りますと、パリならパリ、ロンドンならロンドンというものが、その地域のあるべき交通の姿というものについて一つのビジョンを持ち、そのために、地下鉄は一体どう走らす、道路はどういうふうにつくる、それからまた、駐車場等は一体どういうふうに設置をする、また、優先レーン、専用レーン等は一体どういう形でやっていくかという、当該地域の交通政策全般について、当該自治体が責任を持って計画も立て、仕事もできるような仕組みというものができているように私ども承知しているわけです。  ところが、わが国の場合には、このバスの停車場一つどこへ置くかということも、これは自治体の首長さんでもってきめられるわけではないでしょう。一々運輸省のほうへ行って、最敬礼するかどうか別ですが、そちらの認可を得なければどうにもならぬというような、極端に言えばそういう仕組みになっておる。そういうところに問題もありましょうし、また、優先レーン、専用レーンということになれば、警察の所管であって、これは自治体の長がかってにどうこうするというわけには全くまいらぬ。そういう状況があるだけに、財政の面からこれだけ助成すれば、もう将来赤字がなくなるはずじゃないかというような詰め方を議論としてしてみても、これは無意味なことではないかという感じが私はするのですが、その点はいかがですか。

長岡實大蔵省主計局次長

○長岡政府委員 確かに、山口委員が御指摘のように、財政だけの問題ではなくて、大都市行政のあり方といいますか、そういう問題に根本的につながっておりますので、その問題の解決がない限り根本的な解決策は求め得ないと思います。思いますけれども、ですから、私どものほうは、そういう根本的な解決策が出ない限り財政的な解決はすべきではない、待つべきであるというところまで極論を考えておるわけではないのでございますけれども、御承知のように、公営企業対策については、かつて一度、もうこれで何とか赤字の負担から解放して、公営企業が健全な経営を確保できるようにというような措置もとったわけでございまして、それが残念ながらそのとおりにはいかなかった。重ねて今回何らかの措置を講ずるとすれば、従来以上に突っ込んで勉強をしなければならないということを考えておるというふうに御理解いただきたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ですから、地下鉄の助成を隧道部分三分の二にした、あるいは過疎バスについてある程度の助成をした、あるいは八百億の問題についてたな上げをした、あるいは料金改定の仕組みについてある程度のくふうをやった、そうすればもう将来赤字が出ぬことは保証しますかというような議論をやっても、それは無理ではないのかということを、実は私は申し上げたいわけです。ですから、財政的の面からの手当てをすべきでないというようなことを言っておるのではないのでありまして、財政的な手当てをしましても、なおかつ、交通環境をめぐるいろいろな困難な諸問題が解決されずに放置されておるならば、この赤字の問題は、完全に対処するということはやはり困難だ。したがって、財政対策もやる、交通環境をめぐる整備もやっていく、そういう中で、交通機関のない都市なんてありっこないのですから、公営交通はいま自治体でやっておりますけれども、将来とすれば、都市の公共施設なんだというぐらいのつもりでやらなければこの問題は解決しないのではないかと思っておりますので、意のあるところはおわかりいただいたと思うのでありますが、ひとつ、明年度の公営交通対策に全力を傾けて、よりよい結論を出すように強く要請をしておきたいと思うのです。  あと、事務的な問題を一、二お尋ねをしたいと思うのですが、同じく今年度問題になりました一つは超過負担の問題であります。全国知事会が調査いたしまして、約二千億円の超過負担がある。これについて、解消するために大蔵省、自治省、両者で共同調査をやりまして、明年度から超過負担の解消のための措置をとるというふうに動いておると承っておりますが、調査はどのように進んで、その結果、どのような形でこの超過負担解消対策を講じようとしておられますか。こまかい数字等の問題がおわかりにならなければ、概略のお答えでけっこうでありますが、具体的な数字等がおわかりであれば、具体的な御答弁をいただきたい。

長岡實大蔵省主計局次長

○長岡政府委員 超過負担の調査を、本年度、自治省と共同で行ないまして、その調査の結果が完全に出ておるわけではございませんので、まだ数字で申し上げる段階ではございませんけれども、各地方公共団体の実態の把握は終わりまして、委員もよく御存じのように、国庫補助につきましては、補助の基本と申しますか、いろいろの条件がございます。その条件に合致しておるものの中で、補助単価が適正でないために地方公共団体が持ち出しをしている分野と、それから、たまたま補助金ももらうことであるから、それに地方がこういうものをくっつけて、一緒にやっておいたほうが経済的でもあるということから、地方公共団体独自に継ぎ足された分野もあるわけでございますから、いまその辺のふるい分けをやっております。私どもとしては、何にいたしましても、来年度予算に間に合わせるように自治省とも御相談してまいりたい、かように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 いま一つお尋ねしたいと思うのですが、たしか、明年から第七次の道路整備計画ですか、それをつくるという方向に動いていると聞いておるわけであります。御案内のように、国、県は道路目的財源は非常に厚いのでありますが、市町村は非常に不利な割合と申しますか、非常に低い割合しか道路目的財源が与えられておりません。自動車重量税ができましてから、従来の比率より若干高まったことは私たち承知しているのでありますが、それをもってしましても、国、県と市町村の間には非常に大きな格差がございます。これについては前々から当委員会でも問題になっておるのですが、市町村の道路目的財源についてはより高めていただかなければならぬと私は思うのですが、この点のお考え方はいかがでございますか。

長岡實大蔵省主計局次長

○長岡政府委員 来年度の道路整備五カ年計画の改定につきましては、建設省においてそのような考えを持っておられるやに承っておるという程度でございまして、私、担当ではございませんけれども、まだ、おそらく、大蔵省に正式に改定要求が出ておるわけではないと思います。  いずれにいたしましても、今後の道路整備の方向を考えてまいりますときに、地方道、特に市町村道の整備というようなものが非常に重要になってくることは事実でございます。その財源の問題につきまして、昨年の自動車重量税の創設に際しましても、その税収の四分の一相当額を市町村の道路整備財源として譲与しまして、道路目的税源の充実をはかったところでございますが、今後、さらに、新しい道路五カ年計画等の中で、市町村道の整備がどのように位置づけられていくだろうかといったようなことも見きわめまして、国、地方を通じまして、総合的な道路計画の見直しの関連の中で、その地方公共団体の財政事情も勘案しながら、この財源措置の問題についても検討はいたしてはいかなければならないと、かように考えておりますけれども、現在のところ、率直に申し上げて、どのような具体的な考え方を持っておるかというようなところまでは、私ども、まだ詰めていない状態でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 自動車重量税法案は、当時、大蔵委員会と私ども地方行政委員会で連合審査をいたしました。当時の大蔵大臣は、わが上州の先輩であります福田さんでございましたが、そのとき、私は、この市町村道というのは生活道路じゃないか、その生活道路に対して、道路財源が全く少ない額しか付与されていないということは、生活道路軽視ではないかということを主張いたしました。当時、福田大蔵大臣は、次の道路整備五カ年計画を立てるときには、市町村道に対して思い切った道路目的財源を付与しなければいかぬと思います、そういうつもりで努力をしますという趣旨の御答弁をされたことを忘れていないわけでありますが、そういう当時の大蔵大臣の答弁の趣旨もあるわけでありますから、私は、いまの御答弁はそれ以上お尋ねしようと思いませんが、やはり、生活道路優先の財源付与というものをお考えいただきたい。要請をいたしておきます。  時間ももう参りましたから、最後に一つだけお尋ねをしたいと思うのですが、実は、鎌田さんにお尋ねしたいと思うのですけれども、あるいは課長さんがお答えいただいてもけっこうなのです。  私の地元では、東邦亜鉛のカドミウム公害というのがございまして、前の公害国会でできました土壌汚染防止法、これに伴って、汚染された土を排土いたしまして、きれいな土を客土するという事業の計画がいま進んでおるわけです。例の公害国会でできました事業者負担法によりまして、事業者が三分の二の負担をするわけです。残りました三分の一は、通常県が行なう土地改良事業の分担方式で、国と県、それから地元市町村、これがそれぞれ分担をして事業をするということになっております。  そこで、問題になりますのは、地元の市町村にしてみれば、公害を出されて迷惑をこうむっただけじゃないか、しかるに、何ら恩恵がなかった市町村が公害防止事業をやるということについて、額はそんなに多くはないわけでありますが、地元として分担金を出すということは割り切れぬ、そういうことは全くおかしいじゃないかという議論が実はずいぶんございます。県警は、当然、市町村が分担したものについては、政府、自治省が特別交付税なりあるいは起債で認めて、災害と同じように、元利償還については国が見るとか、何らかの形で、実質的には市町村の負担はなしの形で処理をするようにしたいというようなことを言って、何とか市町村を納得させるという努力を実はしているわけであります。私は、公害防止事業は、PPP原則で、本来企業者が全額負担するというのが現在の世界の世論からいって正しい姿だと思います。しかし、現在わが国にございます公害法からいえば、どうしても、そういうような常識からいってもおかしいような分担が現に出てくる。その場合、自治体の負担は、何らかの財政措置によって——いま私が申し上げたような方法もあると思うのですが、実質的には市町村の負担はなしだ、市町村の負担があるということは、公害を受けている地域住民が税金から負担をするというかっこうになるわけだから理屈に合わぬ、これは何らかの措置でもって、実質的には市町村の負担はなしにするという、そういうことだけはひとつ貫いていただかなければならぬだろうと私は思うのです。その点のお考え方について、政務次官でも、局長でも、課長でも、どなたでもけっこうでありますから、お答えをいただきたいのが一つ。  それから、通産省から課長さんに来ていただいておりますね。一つだけお尋ねしますが、栃木県に足尾銅山というのがございます。百年公害といわれているわけですが、これも土壌汚染防止法で、今度は銅の基準をきめましたから当然やるというようなことになると思うのですが、その場合、どうしてもいま言ったような地方財政等ともかかわりがあるから、いま当委員会でお尋ねするわけであります。  聞くところによりますと、足尾銅山の採鉱部門は廃止をする、そうして製錬所だけにする、外国から鉱石を買ってまいりまして、製錬部門だけにするという方針を会社として発表されました。新聞にも大きく出ました。そうなりますと、問題は、製錬所だけですと、鉱山保安法適用企業でなくなるという心配が、実は地元にある。というのは、鉱山保安法は、わが国の公害法案の中では画期的な法案であって、無過失賠償責任を明確にしている法律なんですね。ところが、鉱山保安法適用の企業でないということになりますと、無過失賠償責任でなくなるということが問題になるわけで、地元が問題にしているわけです。  私は、実は、かつて、富山の日鉱三日市製錬所のことを問題にいたしました。あそこもカドミウム公害が問題になりました。当時、あそこは、鉱山保安法適用の企業ではなかったのですね。それはおかしいじゃないか、東邦亜鉛だって大部分買鉱でやっているじゃないか、だから、三日市製錬所についても、当然これは鉱山保安法を適用して、無過失賠償責任を明確化すべきではないかという主張を私はいたしまして、この問題は、いま私が主張いたしましたような方向で、鉱山保安法適用企業ということで解決をいたしました。そういう前例もあるわけでありますから、足尾銅山は、採鉱部門がなくなって製錬部門だけになっても、鉱山保安法というのは引き続いて適用すべきが当然ではないかと私は思うのでありますが、この点に対する御見解を承っておきたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 いまの土壌汚染の問題でございますが、担当のほうには、地元のほうから陳情があるようでございます。まだ、実は、私のところまで上がってまいっておらないのでございますので、確たることを申し上げられないわけでございますが、地元の実情をよく調査いたしまして——これは特例債の対象にもなっておるようでございますし、後年度に及び単年度の負担というものがかなり大きい、こういうことでありますと、起債という方式もございましょうし、特別交付税、起債、その辺のどれでいくか、その負担金額、こういったものを精査をいたしまして、できるだけ御希望に沿うような措置をとらしていただきたいということをお答えさせていただきたいと思います。

蓼沼美夫通商産業省公害保安局鉱山課長

○蓼沼説明員 お答えいたします。  足尾銅山につきまして、鉱山保安法を閉山後も適用すべきではないかという御意見でございますが、現在、十一月一日で、足尾といいますか、古河鉱業が、御承知のように閉山をする、ただし、製錬所はそのまま残しておきたい、というような方針を出したということを聞いております。ただ、最終的にどういう形になるかは、現在、地元あるいは労組ともいろいろ話し合いをしているという段階でございますので、はたして当初の方針でいくかどうかはわかりませんが、当初の発表のように、鉱山部門は閉鎖いたしまして製錬所だけが残るということになりますと、実は、これは鉱業法の適用、つまり施業案という形で仕事をする場合のこういう法の適用ということになりまして、鉱物の掘採と関連するかどうかということを一つの判断基準としてきめなければいけないわけでございますが、先生のいまおっしゃった趣旨も、われわれは三日前のことで十分承知しておりますし、最終的な線が出てまいりました段階で、関係の内局と十分検討いたしまして善処したい、こう考えております。  それから、公害賠責法の問題でございますけれども、公害賠責法は、最終鉱業権者がもし鉱業権を放棄したということになりましても責任を負うということで、鉱業法百九条できまっておりますので、これは古河鉱業に参る、こう考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 けっこうです。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 和田一郎君。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 それでは、数点にわたってお尋ねをいたします。  まず、最初に、今回の補正予算で、国の公共事業の追加によって、いわゆる地方負担約三千四百億円が新たに加わるということでございますけれども、それについての、たとえば地方債でやるとか、いろいろなことについての対策ですね。その点についてちょっとお伺いしたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 今般の公共事業の追加に伴いまして、御指摘のとおり、地方負担が三千四百億増加いたします。これに対しましては、まず一つは、税の自然増収。御案内のとおり、今般の国の補正予算で、国税、法人税を中心にいたしまして自然増収が見込まれるわけでございますが、その中に法人税二千五十億ということでございます。そういたしますと、地方団体におきましても、これに対応いたしまする法人事業税、法人税割り等の自然増収が千億余り見込める。こういうことでありまして、このうちの三百億余りのものは給与改定財源として使う。残り七百億程度あるわけでございますが、御案内のとおり、税の自然増収は、交付団体、不交付団体——こういうときでございますので、不交付団体のほうにかなり片寄りがございます。そういった点も勘案いたしまして、七百億の中の四百六十六億程度のものは税の自然増収をもって充てる。残りの二千九百五十四億円、これにつきましては地方債をもって充てる。その二千九百五十四億円の中におきまして、できるだけ政府資金のウエートを高める。こういうことからいたしまして、その中の二千百億、七割程度になろうかと思いますが、政府資金を充当する。こういうことで措置をいたしておる次第でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 問題は、いままでも、いろいろな公共投資のいわゆる裏負担としての地方財政の圧迫ということがいわれておりましたけれども、今回はどうですか。額は小さいけれども、しかし、これは補正予算ですからね。それに対して、弱小団体に対してはどういうふうな配分をするかという問題になってきますから、その点についてお考えを伺いたい。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 この点についてでございますけれども、事業の態様といたしまして、地方負担、したがいまして、それに関連いたしまする地方債の発行を多く必要といたしておりまするものが、一つはやはり災害復旧の関係でございます。それから、一般公共の中でございますと、治山治水あるいは義務教育、あるいは公営住宅、こういったようなものがあるわけでございますが、大体、私どもの考え方といたしましては、弱小団体と申しますか、こういうものに対しましては、政府資金を優先的に張りつけるということで、後年度に対する負担をできるだけ軽減をはかってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 それでは、ちょっと話が変わりまして、四十六年度の決算の概況が最近出たようでございますけれども、それについて、府県、大都市、市町村と分けて、ひとつ大まかに説明していただきたい。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 四十六年度の決算概況は、実は、ただいまのところでは都道府県だけしかまとまっておりません。市町村につきましては、現在鋭意集計中でございますが、その四十六年度の決算の特色といたしましては、御案内のとおり、決算規模がこれは都道府県だけでございますが、歳入歳出とも七兆円の大台をこえまして、前年度に比べて二〇%近い伸びを示しておる。ただ、その決算収支におきましては、御案内のとおり、四十四年の十月からの景気の下降、こういうものが顕在化いたしました年がまさにこの四十六年度でございますので、四十六年度におきましては、過去長期間にわたりました黒字基調というものが、一転して赤字基調に変わった。黒字団体の黒字額は減少し、赤字団体の赤字額が増加をいたした。全都道府県の八割の団体が、単年度におきましては赤字を出した、こういうことでございます。実質収支の赤字団体は、東京都と大阪府の二団体でございます。  このように単年度収支が急激に悪化をいたしました原因は、これはもう御案内のとおり、昨年、臨時国会におきまして補正措置を講じたところでございますけれども、税の伸びというものが落ち込んだ、当初計画で見込みました額よりも千三百三十四億落ち込んだ、あるいは国税の主税の落ち込み、これに伴います交付税の落ち込み、あるいは年度内におきます国税の減税に伴います交付税の落ち込み、こういうものがございました。これらの落ち込みに対しましては、いろいろ対策を講じたわけでございますけれども、何と申しましても、基本の税金、地方税というものの落ち込みと申しますか、というものが致命的でございました。それに対しまして、結局、地方債等で手当てをいたしましたので、地方債に対する依存度というものが非常に高くなってきておる、こういうことがいえようかと思います。  それから、歳出の内容におきましては、義務的な経費というものが、当然のことでございますが、ふえた反面、いわゆる投資的事業、その中でも単独事業の伸びというものが伸び悩んだ、こういうことがいえようかと思います。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 そうしますと、大都市の決算が悪いと、市町村の決算もこれに類例してやはり悪いことは明らかだと思うのです。しかも、その八〇%が単年度赤字を出しているということは、これは前代未聞になってきたように思いますが、結局、補正の収支を、いわゆる帳じりを合わせたということは、地方債に依存しておる。さらに、借金財政としてずっとこれから返していかなければならないという負債になっているわけですね。ですから、今後の見通しを一体どういうようにお考えになっておりますか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 これはいろいろ判断の分かれるところだと思いますが、四十六年度のこの決算というものは、ある意味におきましては経過的なものだ、私はこういうふうに考えております。と申しますのは、この一月から、御案内のとおり、景気は回復基調に転じたわけでございますし、最近におきます経済企画庁あたりの試算によりましても、今年度の経済成長率というものは、当初予想をはるかに上回りまして、名目では一五%近く、実質におきましても九・五%、こういうところまで回復が見込まれておるわけでございますし、先ほども申し上げたことでございますが、通貨問題等の問題がどういう形になりますか、私もわかりませんけれども、そういう影響等を一応除外いたしまして、このままの状況で推移するとするならば、来年度におきましては、やはり一五%の名目成長率はかたいのではないだろうか。そうなりますというと、税なり交付税なりというものにつきましても、先ほど申し上げましたような、かなり明るい見通しというものが得られるのではないだろうかという感じを持っております。  ただ、一寸先はやみの世の中でございますので、これから先どういう経過をたどりますのか、確定的なことは申し上げられないところでございますが、四十六年度の、この単年度収支につきましては、そういう急激な景気の落ち込みということに伴う、いわば経過的な現象だ、私どもはこういうふうに考えておるところでございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 一寸先はやみというようなお話がありましたけれども、そのやみがさらに深くなってきたような感がするわけです。この通貨問題がどういう形になるか。おそらく来年になると思いますけれども、もしこれが最悪の事態になった場合、それから、ある学者に言わせると、おそらく一月ないし二月にはものすごい落ち込みがあるのじゃないかというようなこともうわさしておりますけれども、そうなったとき、これは一体どういうことになるかということですね。だから、やはり両方お考えにならなければまずいと思うのですが、そういう点についてはどうでしょうか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 もとより、私ども、内部的にはいろいろな前提を置いて来年度の財政収支の試算をしておるわけでありますが、何ぶんにも、歳入の面におきましても、歳出の面におきましても、不確定な要素がまだ多過ぎるわけでございまして、確たることは申し上げられません。ただ、私ども、来年度の対策といたしましては、地方財政をまかなってまいりますところの財源といたしましては、御案内のとおり、地方税、交付税それに地方債、この三つの有力な手段しかないわけでございますから、この三つの手段というものをどのように組み合わせながら来年度の財源を確保していくかということに相なるわけでございまして、結論的には、先ほど大蔵省のほうからもお話がございましたように、明年度の地方財政の運営というものが支障なく行なわれるような財源手当てというものは的確に講じてまいらなければならない、この基本的な考え方においては一致をいたしておるわけでございます。問題は、具体的などういう事態に対処してどのような手段の組み合わせでいくかという今後の詰めの問題になろうかと思います。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 じゃ、大蔵省にお聞きいたしますけれども、いまの鎌田財政局長の御答弁、これは自治省側の判断ですが、大蔵省の側の判断としてはどういうことでしょうね。もし来年度の景気の急激な落ち込みがあった場合、いまいろいろな詰めの段階だとおっしゃいましたけれども、何か具体的な案を一つお考えでしょうか。

加藤隆司大蔵省主計局主計官

○加藤説明員 来年度の経済見通しにつきましては、ただいまのところ、本年の見通しは、当初の六%台、実質七%台を上回りまして、九・五%というような見通し、名目的には一五%近くになっておりまして、来年度につきましてもその軌道をたどっていくだろうという見込みに立っておるわけでございます。  そこで、いまの急激な落ち込みというお話でございますが、いろいろ外的な諸条件もございましょうが、そういうことはどういうきっかけでそういうことになるのだろうかという問題だろうと思いますけれども、かりに円の切り上げがございましても——いまのところ、われわれ円の切り上げはないというふうに考えておるわけでございまして、そういうきっかけはなかろう、いまの軌道を安定的にたどっていくのではないだろうかというふうに考えております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 四十六年度の決算の概況は、いまお聞きしまして、税が当初よりも千三百三十四億円落ち込んでいるということですね。それから、交付税が当然そうだ。それだけが結局地方債の依存度が高くなってきた。これは当初の目算が一年間でぐっとはずれたわけですね。そのときも、四十六年度ですから、それほど大きな変動はなかったときですらこういうことなんですから、これは来年度になるともうどうなるかわからないと思います。そうなってまいりますと、これはもう交付税の三二%も考えなければならぬのじゃないか、こういうことも考えられるわけですからね。そういうくらいなお考えは、自治省も、それから大蔵省も一応は考えておられますか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 非常にむずかしい問題だと思います。ちょうどことしの当初がそうであったわけでございますけれども、地方税において例年の半分以下に税収増が落ち込んだ。国におきましても同様でございまして、国税の自然増収が五千五百億、地方税の自然増収が三千四百億、そういうところからことしの財政対策が出発をいたしたわけでございます。そこで、この交付税率の引き上げの問題を含めまして、これは財政窮乏ということに対処するためには検討しなければならないことは当然でございますが、その場合におきまして、この交付税率の問題は、御案内のとおり、地方交付税法で規定がございますように、ある程度長期にわたって交付税の総額が地方財政需要というものをまかなうに足りない。こういうときに交付税率というものは改定をするというたてまえに相なっておるわけでございますので、単年度の収支が歳入欠陥を生ずるというだけの理由では、交付税率というものを——私どもは、三二%という率、かなりの率までいっておるというふうに思うものでございますので、軽々に動かすべきではない、ただ、こういう財源不足の状態がある程度続くという見通しになりますと、そのときは、やはり機を失せず、交付税率の引き上げという問題に果敢に取り組むべきであるというふうに考えておる次第でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 いまの御答弁で、大蔵省のお考えはどうでしょうか。

加藤隆司大蔵省主計局主計官

○加藤説明員 四十六年度の状況は、顧みますれば、四十五年の九月ごろからの景気のサイクルがちょうど下降ぎみになったわけでございますが、大体、四十年あるいは三十七年当時と同じようなパターンでございまして、税収面においても、国税地方税を通じてぐあいが悪かった。四十六年の、例の地方財政の税対策当時、四十六年度決算はおそらく大体そういうような姿になるのではなかろうかということだった。従来でありますれば、税収が落ち込みますと歳出を滅するわけでございますが、むしろそういう際には歳出を伸ばさなければいかぬ。そうなりますと、どうしても国の場合には公債になるし、地方の場合には地方債にならざるを得ない。その結果、本年は、目下のところ、国税、地方税におきましても相当の明るい雰囲気が出てきておるわけでございまして、景気のほうも、まあ過熱という議論もあるくらいに上昇してきたのではなかろうか、そんなふうに見ております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 その議論はさておきまして、政務次官にちょっとお聞きしますが、いまの財政局長、それから加藤主計官等の御答弁で、これはまあ予測しかねるわけなんですけれども、このように公共事業、公共投資——これは悪いことじゃありませんけれども、結局は地方財政にものすごい影響を与えることは事実ですね。これは政府としてどうお考えになるのですか。どんどん地方財政にしわ寄せさしていけばいいのだ、どうせあなた方の財産になるんじゃないかという考え方。まあ、これは田中内閣としての一つの政策には違いないけれども、地方財政に対する相当な圧迫になっておることは事実ですね。それから、押しつけになっていることは事実ですね。これはどうでしょうか。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○三ツ林政府委員 お答えをいたします。  市町村の義務的な経費、住民福祉の向上だとか、または国土改造事業だとか、そういう財政需要が多くなってまいりますが、非常に税源が不足で、確かに、地方財政にも、いまのお話のように、四十五、六年ですか、非常に依存度が高くなって、ますます政府への依存度が高くなってくる傾向だろうと思うのです。しかし、そういうようなところから、お話しのように、国と地方との配分の問題だとか、こういうのも非常に大きな問題でありますので、先ほど財政局長のほうから御説明したとおりに、これは弾力的な運用を待たなくちゃならぬというふうに実は考えておりますが、いずれにいたしましても、総合的な地方財政対策というものを講ずることがきわめて必要でありますので、その具体的な方法につきましては、早急に検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 いま、地方財政の弾力的な運用とおっしゃいましたけれども、具体的にはどういうことですか。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○三ツ林政府委員 これは、国と地方との配分の問題になりますが、事務当局から先ほど御説明がありましたように、そういうふうな必要性が相当強くなった場合においては、弾力的に変えるような考え方も相当強く自治省としては考えていかなくちゃならぬというふうに理解をしているわけでございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 それは自治省としてのお考えか、それとも内閣としてのお考えかということなんですけれども、国と地方の財源配分、これを弾力的に運用していくという問題ですから、そうすると、たとえばいままで国税のものを地方税に回すとか、地方交付税の三二%を上げるとか、いろいろ弾力的な運用があるわけですね。いまのところは、弾力的な運用というのは、国と地方との貸し借りで、地方が景気がよければ国に持っていかれるということもありますけれども、まさかそうじゃないと思いますけれども、その辺のところはどうなんですか。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○三ツ林政府委員 これは、私ども自治省、ことに私としての考え方でありまして……(和田(一)委員「政務次官としての考え方ですか。ですから、内閣としての考え方を……」と呼ぶ)まあ、内閣。この問題については、地方からの非常に強い要望等も出ているわけであります。したがいまして、内閣自体がそういうふうな考え方かどうか、どうも、まだ私もあれですが、政務次官としては、こういう弾力的な運用というのは、そういうふうな必要性が強く出たときは、そういうふうに大蔵省にもお願いをしてやってもらわなくちゃならぬだろう、こういうような考え方であります。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 いずれにしても、あまりに税源が少ないという意味だと思いますが、その点はこれから大いに詰めていかなければならないと思っております。  あと一つ聞きますけれども、人口急増市町村等における公共施設または公益的な施設の整備のための特別措置法案が前回出されましたけれども、これは来年度一応提案しようとされる予定でございますか。——これは鎌田さんのほうでございますか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 特別措置法案というものを、私ども、昨年、事務的に、事務段階で検討いたしたことはございますが、これを国会に提案というところまではまいっておりません。  人口急増地域に対しましては、御案内のとおり、最近におきましては、地方団体におきまして、団地進出の拒否といったようなトラブルも起こっておるようでございますし、私ども、実情を見ておりますと、ほんとうにこれは気の毒だという感じがするわけでございまして、そういうことで、毎年できるだけのことをやってきておるわけでございますが、やはり、基本的に、公共あるいは公益的な施設というものに対しましては、短期間に集中的に投資をしなければならない。それに対しまして、あがってくる税金というものは少ない。こういうことからたいへんな財政窮乏を生じておることは事実でございますので、そういうところに対しまして、少なくとも最低限度の生活関連施設、義務教育施設でございますとか、あるいは保育所でございますとか、そういった施設に対しまする国庫補助負担率の引き上げ、あるいは地方債の活用、さらには、いわゆる五省協定等で現在一部実施をされておるところでございますけれども、いわゆる民間デベロッパーも含めますところの宅地開発業者、この方々によりまする立てかえ施行でございますとか、あるいは公益、公共施設の負担の区分の確立でございますとか、そういったことも含めまして総合的な措置を講じなければ、これらの市町村はとうてい負担にたえ得ないであろう、こういう発想から、私ども、特別措置要綱というものに基づきまして、関係各省、文部省もございますし、厚生省もございますし、建設省もございますが、そういう関係各省で連携をいたしまして、当面、予算措置の段階で大蔵省に対して要求をいたしておる。そういうものの進みぐあいも見ながら、必要がございますれば立法措置も含めて検討いたしたい、こういうふうに考えている次第でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 わかりました。  ちょっと質問が変わりますけれども、先ほども山口先生からお話がありましたが、足尾銅山の問題なんですが、この足尾銅山は、いままで、公害のたれ流しということで相当騒がれました。私もとにかく足尾銅山をかかえておる栃木県側の人間でございますけれども、被害が栃木県から出て群馬県に及んでおるということ。これは、具体的には栃木県も相当被害があるわけで、谷中村という一村が取りつぶしになったということもあるわけですね。たいへんな問題です。しかし、いまだに解決がついていないということなんです。そして、農民の方々がほんとうに困っていらっしゃる。ところが、今度足尾銅山の採鉱部門がなくなるということですね。来年春やめてしまうということですが、これは、地熱が高くてあまり下まで入っていけないくらい掘り尽くしたという話らしい。いずれにしましても、そうなりますと、三分の二の人口が足尾の町からなくなるということです。ですから、足尾の町は火が消えたようで、これからどうやって生活をしようかということらしい。私は足尾へはまだ行っておりませんが、現地の報告ではそういうことです。商店なんかは早くから店を締めちゃって、もうしいんと静まり返っているということです。これは、いわゆる足尾銅山でもっておった町ですね。ですから、今後その町をどうするかという問題です。おそらくこの採鉱部門はたしかやめざるを得ないのじゃないかと思います。もう銅がないんですから、出てこない。公害問題とは別個に考えまして、公害としては、あくまでも古河鉱業がいままでやっておったんですから、私たちもそういう面で一生懸命に追及もし、研究もしていきますけれども、足尾という町の救済、これは自治省でも大いに考えていらっしゃるとは思うのです。過疎法なんかどこへいったっかわからないくらいです。あれは、過疎法の進行よりも二十倍ぐらいの早さで公害が進んでいるような町です。その点についてのお考え方がございましたら、ひとつお教え願いたい。特に、政務次官から確たる御答弁を願いたいと思います。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○三ツ林政府委員 先ほども話が出まして、また、和田先生のほうから、足尾銅山の閉山に伴う窮乏といいますか、ことに、町の財政の窮乏に対処しての対策についてお話がありましたが、よく話がわかっておりますので、私どもといたしましても、よく検討をいたしまして、しかるべく善処いたしたい、かように存じております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 しかるべく検討はよくわかるのですけれども、現実に進んでいる問題でございますし、それから、町長だとか議長さんあたりはおそらくもう陳情にも行っておるはずだと思う。あれだけ新聞にも書かれておるわけですし、いずれにしましても、自治省としての考え方がただ善処だけでは、町の人がどうかということですよ。だから、たとえば自治省のお役人が現地視察に行くとか、または、特別なワクを設けて、そこに特別の措置をするとか、または、何か産業誘致をするような、それだけの特別財源を渡すとか、そういうふうな一つの解決策を示してやらないと、もうそれこそ壊滅状態になっている。あそこは、一番最初、明治二十年か三十年ごろ、松木村という村が一村取りつぶしになったところがあるのですね。やっとこのごろその歴史がわかってきたらしいのです。それはいま地底に沈んでいます。ほんとうに悲しい町ですよ。それがまた、昭和のこのような御代にこうなることは、これはたいへんだ。これは自治省に大いに責任があると私は思うんです。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○三ツ林政府委員 足尾の閉山の関係等も、いまの松木のことは、私も本でちょっと読んで知っていますし、非常に窮乏しているということもわかっておりますので、先ほどもお答え申しましたしかるべき善処ということは、自治省として前向きの姿勢でひとつ検討して善処したいということであると、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 そうすると、こういうことについては、自治省の部内では、まだいままでは検討していないということですね。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 この足尾銅山の閉山に伴いまして、町としての再建の方策というものをどういう形で立てていくかという御意見については、現在、おそらく、栃木県なりあるいは関係町との間で鋭意策定をされておるところではないかと思います。私、実は、気にはかかりながら、まだ全然お話を伺っておらない段階でございまして、事務方のほうにも、何か話を伺っておるようであるか、いま聞いてみたのでありますが、まだ全然——おそらく、それどころではない、どういうふうにしてこの町の将来というものを再建するかということで、この御意見をまとめるので精一ぱいの段階ではないかと思います。こういう問題は、御案内のとおり、産炭地でございますと、振興法というものがございまして、結局国庫補助のかさ上げという問題があり、地方財政におきましても、地方財政面におきまするお手伝いをさせていただいておるところでございますけれども、おそらく、町として、こういう形で再建をしていきたい、その場合、この面については国の補助というもので見てもらいたい、あるいは、地方の一般財源に帰するものにつきましては、これは起債で見てもらいたい、交付税で見てもらいたい、特交で見てもらいたい、こういう具体的なお話が当然出てくると思います。そういう段階におきまして、ただいま政務次官が申し上げましたのは、前向きに善処するということでございまして、こういう一種の異常事態でございますから、それに対しましては、これは単に自治省だけの手に負えない問題でもございますけれども、何と申しましても、これは町でございますから、私どもといたしまして、持ち合わせている財政手段の中で最大限の活用をさせていただきたいというように考えている次第でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 よくわかりました。  その次に、前回もお尋ねしたのですけれども、高速道路の救急医療の問題なんです。高速道路はたくさんございますが、現実に私がキャッチしておるところは東北道なんですけれども、それは十一月十三日に開通だ。もう間もなくですが、しかし、それの救急医療、いわゆる救急車をどこがやるかという問題で、ずいぶん初歩的な問題で騒いでいるわけなんですが、これはどういうふうに解決がついたか。消防庁のほうからちょっとお答え願いたいと思います。

山田滋消防庁次長

○山田政府委員 この点につきましては、いまお話しのように、先回も御質問がございまして、その後、現地のほうと私ども、それから特に建設省、道路公団、この関係者が鋭意努力を続けてまいりました。とりあえず、東北縦貫道は十一月十三日でございますか、開通式がございます。その前にやはり一応めどをつけたいということで努力いたしました結果、四十七年度につきましては一これは本来建設省のほうから申し上ぐべきことかと思いますけれども、四十七年度には道路公団が自主救急隊を一隊設ける、これは二十四時間体制でやる、こういうことを道路局長が申されております。それで、そのほか、御存じのように、インターチェンジ所在の市町村には、公団のほうからそれぞれ救急車を一台無償貸与するということでございまして、そのほか、これは事故がないことに越したことはございませんけれども、もし相当の規模の事故があった場合には、市町村の消防も当然これに応援せざるを得ません。その場合における経費につきましては、四十七年度は、これは急場の関係もございまして、どうして毛特別措置をするいとまがございませんので、特別交付税で措置をしたい。こういうことを実は私どもの大臣が申しております。  ただ、その前提といたしまして、やはり、四十八年度以降の体制をどうしても確立してもらわなければいけないということで、特に、先般、十一月二日の閣議で、大臣からも、建設大臣あるいは大蔵大臣に、要請といいますか、発言をいたしまして、四十八年度の体制としては、ぜひ公団の自主救急隊を——東北縦貫道は、これはモデル的に行なうわけでございますけれども、全路線にわたって自主救急隊を整備するように努力してもらいたい——もちろん、これは単年度でできるというわけではないと思いますけれども、とにかく、そういう体制をつくることにしてもらいたい、それから、市町村の経費につきましても、これはやはり公団において負担をするように努力をしていただきたい、こういう発言をいたしまして、大蔵大臣としては、よく事務当局とも相談をしたいというふうな発言があったやに聞いております。したがいまして、現在、建設省としても、非常に積極的な、前向きな予算要求を大蔵省に対していたしておりますので、これが予算時期に十分財政当局との協議がととのっていくように、私どもも大いに努力したい、かように存じております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 そうしますと、昭和四十七年度分は、特別交付税でその経費については出す。これは御承知だと思いますけれども、地元のほうでははっきりそうだろうというふうな受け取り方なんですよ。だから、この委員会で、政務次官から、四十七年度にかかった経費については、特別交付税で出しますとはっきり答弁してもらったほうがいいように思うのです。その御答弁をさっそく電話で知らせますと大喜びしますから、三ツ林政務次官は祭られますから……。その点ひとつ御答弁願いたい。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○三ツ林政府委員 いま消防庁のほうから御説明があったとおりでありますが、四十七年度分については、出動の場合の経費は特別交付税で措置することにいたしたいと思います。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 決定ですね。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○三ツ林政府委員 そういうことであります。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 この特別交付税というのは地方団体の財源でございまして、結局、これはいわゆる地方の固有の財源、それを国がやるべきところに食い込んでおるのですから、いままで、たとえば交付税の国と地方との貸し借りの場合でも、これははっきりと線を引いて、貸し借りでちゃんと返してもらいましたね。この分はどうなるのですか。出しっぱなしで貸しっぱなしということなんですか。それとも、これはちゃんと解決がついたら返してもらうつもりですか。これはどちらのほうからお答え願えますか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 高速道路の救急体制につきましては、私ども、できるならば今年度から、先ほど消防庁のほうからお答え申し上げましたようなことでやってほしいという希望を持っておるわけでございますけれども、まあ、明年度以降は地元の負担に帰さないような形で処理せられるということを確信をいたしまして、それを前提にいたしまして、今年度はもう時間もないことでございますし、目の前に一部開通という問題が来ておるわけでございますので、特別交付税で処理をいたしたい。これについては、貸し借りなどということは私ども考えておりませんので、特別交付税のワクの中でこれをいさぎよく処理をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 建設大臣に来ていただけば一番よかったのですが、これはあとの問題にしまして、四十八年度以降の問題です。  これは山田次長にお聞きしますが、公団の自主救急隊を全路線につくるという閣議決定じゃなくて、おそらく要請でしょう、これは。もしできなかった場合、公団がやらなかった場合はどうなりますか。というのは、救急隊は、おそらく訓練期間も必要だし、全路線にさっとできるわけではありませんよね。ですから、来年の四月一日からそうできるかどうかという現実的なものとして、次長はどうお考えですか。

山田滋消防庁次長

○山田政府委員 これはもちろん、私どもとしては、建設省なり、あるいは大蔵省の御努力を大いに強く要望いたしておりまして、まだ、相ともに努力しなければならぬと考えておる段階でございますから、確実なことは申し上げられませんけれども、四十七年度、そういうかっこうで、特に東北縦貫道について、一隊二十四時間体制に踏み切るという措置がなされましたので、当然、それに準じて他のところもなすべき体制に入る、かように思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、いろいろ財政の関係もございまして、そう一挙に全部一どきにというふうにいかないかもしれません。したがいまして、現在建設省で考えておりますのは、大体百キロ単位ですね。百キロ間隔に一隊くらい設けるというふうな経費について予算要求をしているというふうに聞いております。とりあえずそういうことでまいればけっこうでございますし、したがって、百キロという間隔が長いという場合には、当然市町村が応援しなければならない。その場合の経費というものにつきましては、これはできるだけ公団で負担してもらうというかっこうで進めたいと思っておりますし、建設省もその考えで予算要求をいたしております。  したがって、これは、神さまでございませんから、できるかできないか、いま私が確言いたすことはできませんけれども、しかし、これは最大の努力目標としてぜひ消防庁としては努力したい、かように思っております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 それは、四十七年度に道路公団で自主救急隊を一隊つくるというお話が先ほどありましたね。これは具体的にどういうふうになっているのですか。

山田滋消防庁次長

○山田政府委員 個所等につきましては、ちょっと私も聞いておりませんけれども……。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 東北道ですか。

山田滋消防庁次長

○山田政府委員 東北道です。東北縦貫道は延長九十二キロと聞いておりますので、来年度の構想に当てはまる一隊を置く単位としてちょうどいいというので、建設省では一隊を設けるということを公団と話し合ってきめたというふうに聞いております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 四十八年度ではないのですか。

山田滋消防庁次長

○山田政府委員 七年です。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 わかりました。  いずれにいたしましても、地方財政全般の問題とこういう具体的な問題で、一つ一つ地方市町村が、また県が、なんだかんだ言われておる。それから、去年のちょうどいまごろも問題になったと思いますけれども、義務教育費の国庫負担の問題も幾らか県に肩がわりさせるとか、それから、国民健康保険の事務費もどうのこうのということもずいぶんありましたよ。まだことしは大蔵省からそういうような発言もないようで、実に地方も喜んでおるわけですけれども、とにかく、今後の地方財政のあり方はたいへんな問題だと思いますので、われわれも勉強して大いにやっていきますが、こういう具体的な問題で、自治省としては、弱い姿勢ではなくて、住民が背景になっているのですから、もう少し強い姿勢でお願いしたいと思うのです。救急医療なんという問題は、閣議決定されているのですから、とにかく自主救急があたりまえだとなっているのだから、これが遂にこうなってしまったということは、何か押されてしまったというような感じなんですね。そういう面で、ひとつ大いに御努力を要請いたしまして、質問を終わります。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 この際、午後一時から再開することとし、暫時休憩いたします。    午前十一時四十五分休憩      ————◇—————    午後一時七分開議

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  委員長所用のため、委員長の指名により、私が委員長の職務を行ないます。  内閣提出にかかる昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。門司亮君。

門司亮民社党

○門司委員 最初に、いま議題になっております交付税特例法の一部改正に対する問題は、補正予算の結果として生まれたものであって、法案自身については別段問題はないかと思う。ただ、問題になりますのは交付税のあり方であって、最近、交付税が何か目的税のような形で使われる傾向が非常に多いのであって、このことは交付税自身の性格からも問題がありまするし、それから、同時に、地方の公共団体に対する問題もあわせて含まれておって、したがって、私どもとしては、本来の交付税の法律どおりの配分が一体なされておるかどうかということについて非常に大きな疑問がある。  この点について、まず最初に自治省側から意見を聞いておきたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 交付税の配分のあり方につきまして、いま目的税的な運用がなされておるのではないかという御指摘がございました。先生が具体的にどのような事例をさしておっしゃっておられるのか、つまびらかにいたしませんが、私の推測いたしますところでは、たとえば、何らか特定の事業というものがある、それについて事業債をつける、それに対しまして元利償還を交付税で見る、こういったような傾向をさして御指摘になっておられるのではないかという感じがいたすわけでございますが、私どもといたしましては、やはり、交付税本来のあり方は、ひもつきでない地方に対しまする一般財源の付与ということでやっておるわけでございますし、また、毎回この席でお話がございますように、この交付税というものは、地方団体共通の固有の財源である、こういう考え方からいたしまして、そういった意味での疑惑といいますか、誤解というものをできるだけ払拭するような交付税の運用のあり方、すなわち、この交付税法で明らかに定めておりますような、特定の使途というようにひもをつけない、文字どおり自主的な使途というものができる交付税の付与の形に徹すべきだというふうに考えておる次第でございます。

門司亮民社党

○門司委員 これは自治省と大蔵省と両方にひとつ聞いておきたいと思いますが、御承知のように、日本の今日の税制は、昭和二十五年並びに二十六年のシャウプ勧告のときにきめられた規定がそのまま持続されている、こういうことであります。ところが、その当時における地方財政の関係から見てみますると、最近の状態は、実は非常に大きく違っておりまして、現在の国と地方との間における税の配分関係が著しく違った形を示しております。  たとえば、昭和二十五年の税制改革の当時の構想としては、地方公共団体は、できるだけ税財源に浮動のないように、固定した財源を与えるべきだというシャウプの意思に従って、固定資産税というものを中心にしてきめられてきておる。国は主として経済関係に属するものをあてがっておりますので、したがって、経済の成長が今日のように飛躍的に伸びてくると、どうしても国税はそのウエートが非常に大きくなって、その下に府県税があるということ。したがって、市町村の税財源というのは、固定資産税を一つとらえてみても、これは社会情勢の関係から上げられない。たとえば、固定資産税は、その年度に属する一月一日の時価とはっきりと法律には書いてあるが、今日の状態では、一月一日の時価ときめてごらんなさい、固定資産税はどんな数字になるか。とんでもないことになる。したがって、これは、押えるだけ押えておるということ、ここに一つの大きな矛盾がある。同じ税を納めるにいたしましても、住民側からいわせれば、例の自治省の関係である、いわゆる市町村税の関係である固定資産税の課税の価格と、たとえばなくなったときの相続税の価格、あるいは売買されたときの価格というものは非常に大きな開きがあるということであります。一体どっちがほんとうなのか。同じ国の一つの制度で、同じ物件に対する見方が著しく異なっているということ。一体こういう税制がよろしいかどうかということであります。私は、税全体というものは、やはり一つのものに税金をかけていくならば、その単価というものは大体似たような形でないと、正しい税法とはいえないんじゃないかと思う。ところが、一方は、税を納める担税能力を持っておるということから、結局、時価で大蔵省はどんどん税金を取っていく。一方は、それを上げると社会に及ぼす影響がきわめて大きいということで、社会的な配慮をして、依然として何分の一かの安い価格に押えられているという今日のこの現状。こういうものに対して政府は、大蔵省も自治省も、一体どうお考えになりますか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 ただいま御指摘のように、固定資産税の評価と、国税の、主として相続税に問題があると思いますが、相続税の評価との間に相当な開きがある。この点は、確かに、税の性格が、固定資産税が毎年取られる、いわば経常的な税負担であるのに対して、相続税というものが、相続という、いわば一時的な所得に対して課税されるというような、その税の性格からくるところの税制の運営上のいろいろな問題から、現在のような評価額の開きというものが出てきておるということは御指摘のとおりだと思います。ただ、私どもも、国の制度として、国税、地方税を通じて、その評価額に差が生ずるということは好ましいことではないというふうに考えておるわけであります。その国税との評価額の調整ということにつきましては、固定資産税における基準年度ごとの評価額につきまして、特に、各県ごとの基準値の評価につきましては、できるだけ国税の相続税の評価額と合わせるという措置をとってまいっておるわけでございます。そういう意味におきまして、基準値の評価額というものは相続税と大体合ってきておるわけでありますけれども、ただ、相続税の課税価額というものは、毎年評価水準の改定を行なっております。したがいまして、基準年度以外の年度につきましては、どうしても差が出てくるということはやむを得ない現在の制度面からくる問題でございます。この点は、私ども、いまのところ、いたし方がないというふうに考えておるわけであります。  こうした評価上に差が出てくるということにつきましては、やはり、納税者の側から見ますと、その税の執行についてやや問題があるというふうな見られ方をすることはやむを得ないことだと思いますけれども、できるだけその点の調整はしていくつもりでございます。ただ、固定資産税は、経常的な税負担を求めるという意味において、その税負担の面で問題があるということである場合におきましては、やはり、それは税率で調整をしていくべきであろうというふうに考えられるわけでありますが、いずれにしましても、固定資産税につきましては、いわば時価課税をたてまえにしているという、そのたてまえがまだ十分に実現されておらないという点につきましては、固定資産税全体として、税務上もっと努力をしていかなければならないというふうに考えている次第でございます。

福田幸弘大蔵省主税局税制第三課長

○福田説明員 先生御指摘の点は、われわれ税務行政上の一番むずかしい問題でございます。いま局長から御答弁がございましたので、再三申し上げることはないのですが、税の性格が、相続税というものは一回限り、特に、社会正義的な面からも、資産の再配分と、それから所得税の補完的な、清算的な課税というような趣旨から出ておりますので、一時的に負担がかかるという問題から、負担関係と評価上の問題と同時にございます。したがって、税自体の性格に照らして、評価の問題と合わせて、延納とかいろいろな形で、総合的に、相続税の目的に合う執行をやらなければいけないわけですが、その際、評価といいますのは、時価評価であるとわれわれ抽象的に言いますが、時価を目標にして、公示価格等の制度に合わせて将来やっていきたいと思うのです。納税者の負担というのは、固定資産税の場合、これは自治省の問題でございますが、毎年の課税を——しかも事業を常時やっておるということもあって、負担調整その他が合わせられて、評価の問題と、そういういろいろな負担調整、もしくは相続の場合は延納とかいうことで、総合的に無理のないようにということで、先生御指摘の点を今後とも検討してやっていきたいというのが私どもの意思でございます。

門司亮民社党

○門司委員 これは一応自治省側の答弁もそういうことになろうと私は思っておりますが、問題は、税金を納める側からの考え方と、税の一つの性格上の問題、いわゆる相続税は日本における唯一の財産税、こういう性格で処置をしておるわけであります。ところが、固定資産税のほうは別に財産関係がなくて、固定された物件にかけている税金であります。したがって、いまのような形になることも一つの考え方としてはあるわけであります。しかし、同じものであって、それは財産税としてのかけ方、いわゆる累進課税をしているというのは、これは税法上の、徴収上の一つの手段であって、税の本来のものではないわけであります。本来のものは、何といってもきめられた価格に税金をどうかけるかということが一つの課題であって、したがって、均衡がとれないというが、それなら固定資産税の税率をずっと下げればいいのであって、固定資産税の税率がいま千分の十一というところに置かれているところに問題がありはせぬかと思うのです。したがって、いま価格を上げるととんでもない税金になってしまうので、毎年それを払うわけにいかない。こういう問題が出てくるので、この税率を、千分の一なり千分の二・五くらいにずっと下げてしまえば正常な価格に課税をされる。いわゆる国税と地方税の、納税者側からいわせれば、同じ政府から見積もられる自分の財産が高かったり安かったりするというようなことがないような、一定した税の徴収ができるのではないかということが考えられる。しかし、この税金で、いつまでもここで私は議論しているわけにまいりませんけれども、日本の税金というものは、そういう形で、いま国税と地方税の間におけるいろいろな問題があります。  そこで、端的にもう一つ、二つ聞いておきますが、さっき申し上げましたように、税制改革のときには、地方の自治体が非常に大事だということで、その当時は、国民全体の税負担の割合の中で、大体八・七%くらいが地方税、いわゆる市町村税として私どもは配付されるようにできておったと思うのです。ところが、現状は、昨年の度合いはまだよく出ておりませんが、四十五年度の予算から見てみますと、国民の国税と地方税総合算したものの配分関係を見ても、四十五年度は、予算で見ても、全体の負担率が一八・八%、約一九%が通例考えられることでありますが、これに対して国が一二・八%取っておる。そうすると、残りは六%しか残らない。それが都道府県と市町村に配分されておる。こういう形になっておる。そして、その中で、おそらく四%くらいは府県がとっておるでしょうから、そうすると、残るものは、市に対するものは二%くらいしか残っておらない。この税の配分率は、さっき、当初申し上げましたように、二十五年の税制改革当時における日本の新しい制度として、今日の自治法ができて、そして、自治体のあり方が従来と変わってきておる。こういう時期には、いま申し上げましたような税配分の率になっておったのであるが、今日は、これが全く逆転しておって、したがって、地方の財政というのはもうにっちもさっちもつかなくなってきている。三割自治だの、二割自治だのというのはここからきているのであって、したがって、今日、国と地方の税金を私はよけいに取れというのではなくして、取られた税金をどう配分するかということについて真剣に考える時期がもう来ているのじゃないかということである。そして、この景気はこのまま続くであろうということである。そうすると、いつまでたっても地方の税財源が脆弱であるということよりも、さっきお話があったように、政策的のものがここに加味されておりますので、どうしても市町村財政というものは苦しくなるのは当然である。この辺でやはり税財源の配分を変える必要がある。このことを変えない限りは、仕事がだんだんふえてくればくるほど、国の財政運営の中から地方の自治体の行政に干渉してくるということがあるわけでありますから、これをこの前の委員会にも私は申し上げたと思いますが、四十六年度の状態と、四十七年度の予算の中の地方に対する国の補助金、負担金、分担金というものを調べてみると、百件くらいふえているんですね。したがって、地方の行政に百件ばかり干渉する余地がふえてきたという、こういう結果になっておる。したがって、この際、こういう税を通ずる、いわゆる財政を通ずる地方自治体に対する中央政府の干渉というようなものをできるだけ避けるために、この辺で税の配分関係を思い切って変える時期がもう来ているのではないか、その時期ではないかということである。そうしなければ、田中さんが日本列島改造論なんというようなわけのわからぬものをどんなに書いたからといって、これを受けて立つ地方の自治体の問題をどう解決するかということである。だから、みんな福祉行政、福祉行政と言っておりますけれども、福祉行政は一体だれがやるかということである。国が福祉行政をやるからといったって、福祉行政を直接担当をしているものは何があるかということである。地方自治法の二条を読んでごらんなさい。地方の公共団体というものは、そこに住んでおる住民の生命、健康、あるいは財産というようなものをすべて網羅した行政を行なわなければならないということが明らかに書いてある。そうなると、いま福祉行政といっておるが、老人の問題であろうと、あるいは公害の問題であろうと、すべての問題が地方の自治体の仕事であるということに間違いがないのである。日本の法律の中で、地方住民の、住んでおる住民の健康、それから生命とか財産とかいうようなものを保持しなければならないと書いた法律は自治法だけであります。ほかの法律にそんなことは書いてないはずである。この福祉行政の集約されたすべてのものを地方自治体はやらなければならぬということが、何十項目かに、ずっとたくさんあるでしょう。だから、福祉行政、福祉行政とお互いに言いながら、一体財源をどうするのか、行政能力をどうするのかということになると、全くこれに手当てがしてないということ。こんなことで一体福祉行政というようなことがいえるかということである。私は、したがって、福祉行政ということを今日政府が大看板にするというなら、この税金の関係をひとつ根本的に改革をしてもらいたい。そして、地方の自治体が、二条に基づく、ほんとうに住民の安全と健康を保持することのできる、いわゆる福祉行政を行なうことのできるような素地をこしらえなければならないと思う。  その点について大蔵省側はどうお考えになるのか。どうも大蔵省が一番うるさいらしいので、大蔵省の意見だけ聞いておけばいいと思うんだが……。

福田幸弘大蔵省主税局税制第三課長

○福田説明員 税の面だけの担当でございますので、歳出のほうにはあまりわたらないかと思いますが、ことしも、三月十六日でございましたか、中橋審議官にも同趣旨の御質問があって、中橋審議官も御答弁されて、また、先生からの御質問、いろいろ御教示がありまして、勉強を続けておりますが、非常にむずかしい。   〔塩川委員長代理退席、委員長着席〕  むずかしいでは答弁が答弁にならないわけでありますが、一応数字的にまず負担率を申し上げますが、四十五年が、国税が二三・二でありますが、地方税は六・三というような、さっきおっしゃった数字に近いと思います。合わせまして一九・五。この中で市町村が問題だと思いますが、市町村のほうは、御指摘になったように、約四三・七。約四四ですね。いま計算してみたのですが、二・七五でございますか、そんなものだろうと思います。半分より少ないわけです。いろいろ勉強を続けておりますけれども、外国との比較というのは、見方といいますか、地方制度が違いますので、その辺はどうなっているかということを見たのですが、アメリカは、州税があったり、なかなか比較がむずかしいのですが、イギリスで四・七、それから西ドイツ、これは連邦州税というのが大体一緒に考えられて、市町村をとると三・五ですね。フランス、イタリアがたまたま二・七、同じであります。こういう比率は大体さようなことであります。  ただ個別に数字を申し上げているだけでありますので、先生のほうが一番お詳しいので、私のほうから申し上げて、間違っておったら教えていただきたいんですが、シャウプの当時——この間もシャウプが参りまして、めしを食ったときにいろいろその当時の話を聞いたんですが、当時の眼目は、言われるように、市町村税の強化ということで、固定資産税は、これは外国でも一番の根幹ですから、これを前提にした上で住民税をつくったということだと思います。言われるように、固定資産税と住民税で安定財源が得られれば、たいへん民主的な姿で発展ができるということだったと思います。非常に理論に忠実な勧告でございますが、この地方自治を、安定財源、しかも普遍的な安定財源、しかもさらに自主性のある財源でいくべきものだという、この考え方はやはり、いまでも基本としては変わらないというふうに考えてよろしいかと思いますが、その後、特に二十九年にいろいろ日本的な改正を加えて、その後、警察事務も府県に移管したということもあって、いろいろ修正があったのですが、基本的にはそう変わっていないと見ていいと思うのですが、府県税のほうに、どちらかといえば、税源の配分が何回も改正してふえてきたということは数字的に出てくると思います。  また、事務の配分も、うらはらの話でございますが、その結果は、法人関係税がやはり府県税でふえた。言われるとおりでございます。法人関係税は、法人の住民税、それから、特に事業税、これは付加価値税的な話だったのですが、結局、日本的に同じような法人関係税になっちゃったわけですが、そういう意味で、言われるとおりに、やはり府県税が、経済のその後の高度成長の結果がそのまま反映して、府県税のほうは税収が商いものですから多くなって、相対的に市町村のほうが税収が減っておるというふうに、動きが変わってきたということで、現段階でどう考えるかということになると思うのですが、府県税と市町村税の割り振りの話といたしましては、シャウプの勧告しておった、それに基づく税制の趣旨は、府県税が三七・〇、市町村が六三・〇というふうに、もちろん市町村が重点だったのですが、四十五年の決算で見ますと、府県が五六・三、市町村が四三・七、こういうふうに逆転をした形になっておるわけであります。法人関係税が多いということと同時に、料飲税、娯楽施設利用税、これが景気にあまり関係なしによく伸びる税で、これも府県税にあるわけです。というようなこともあって、府県税のほうが市町村税よりは景気に対して非常にうまい税であったということが、シャウプが予測をしなかった日本的な経済からくる結果であると思います。  それで、最近の、税だけの話ではなくて、歳出面のほうで、御指摘のように、住民に接触する、特に、市町村の行政、これがふえてきたというのが最近の特殊な進展だと思います。これは言われるとおりで、この辺で新たに市町村財政問題が出てきたというふうに解していいかと思いますが、特にシャウプが言ったような一般的な市町村財政ということではなくて、こういう福祉問題がからみ、さらに過密問題がからんだ大都市財源問題がまた一つの焦点だと思います。それで、去年の税調の答申あたりでも、答申のあちこちにございますけれども、やはりポイントは都市財源問題ということで、事務所・事業所税とか、新たな消費税とか、いろいろな提案が出ておる。そういうふうに、シャウプ勧告がいまの段階で新たに見直されておるということになっております。こういうことも、具体化をどうするかということを自治省とわれわれの間の共同作業としていま進めておるわけでございますが、次に、国税と地方税の税収の配分を見ますと、国のほうは二十五年で全体の税収の七五を取っておったわけでございます。これは御存じのことなんで失礼でございますが、地方のほうは二五であったというのが、四十五年は、国は六七%になっておる。ということは、景気で非常に税収は伸びるのですが、減税を国税のほうで行なったということもあったかと思いますが、国の取る税の率自体はそれほど、というよりも、七五が六七になっている。それに加えて、交付税等の補助金、特に補助金による調整もあるというようなことから、実質的には、税源のうち国が取るのが三四で、地方が六六ということで、これは二十五年当時の、国が四四に対して地方が五六というよりは市町村の取り分が多いのですが、これ自体がいろいろな補助金によって還元されるということが先生の御指摘のポイントかと思うのです。  それで、固定資産税の問題、これは評価もあるわけですが、非常に地価が上がるだけに、適正な構成比を地方税の中で占められないで、非常に日本的な地方税のむずかしさがあるのですが、あと、同じ税源、法人所得と個人所得に対して国と地方の両方からかけておるという問題があり、一方、国のほうは、三つの税に一定率をかけて交付税にしておるという関係ですが、では、地方の独自の、特に、最近の財政支出にマッチする地方税としての独自の税源は何だ、こうなってきて考えますと、それが税の偏在、それからまた、安定性から見てどういう税源が一番大都市の歳出事情に見合うか、こういった個々の詰めになってきますと、非常にむずかしいといいますか、税源自体が、消費税がいいのか、消費税は府県税にあるわけですが、さらに新たなものがいいのか、事務所・事業所税がいいのかということが特に重要な課題となっております。  この辺、非常に個別的な都市財源問題、こういうことになってきますと、税源の一般的な配分だけで処理するということではなくて、広い意味の財政処理問題として処理すべき面が多いわけで、いずれにせよ、本問題は、歳入歳出、それからわれわれと自治省、それから税制としても、国、地方を通ずる税制、さらに、現在の財源の調整措置というようなことで、総合的な見地で検討を要するのですが、非常にむずかしい問題ですが、学識経験者あたりにもいろいろ研究をお願いしておりますし、この問題は、引き続き先生の御指摘を受けて、具体案を十分に考えていくというまじめな態度で取り組もう、こう思っております。

門司亮民社党

○門司委員 この問題だけでいつまでも議論しているつもりはございませんけれども、これは国のおのおののあり方でありまして、たとえばイギリスの場合などは、国民所得に対する税負担の割合、国が取っている割合が非常に高いのであります。イギリスも高いし、西ドイツも高いし、フランスも非常に高いのであります。地方配分は非常に少ない。アメリカは州を非常に大事にいたしておりますから、結局、国の配分と州の配分というのは、イギリスや何かのようなわけにはいかない。しかし、問題は、これらの国々は社会保障の面において完全に行き渡っております。社会保障に対する税の負担の割合、国の支出の割合というのは、日本とフランスを比べてごらんなさい。大体七分の一ぐらいしか日本は一人当たりの費用を使っていないのじゃないですか。日本の六十一ドルに対するフランスの四百二十三ドルですか、そういうもの、イギリスの百五十七ドルというもの、こういう大きなアンバランスがあるということであります。これは、国がそういう形ですべての公共施設等に対する——いわゆる下水の問題もほとんど完成しているといってよろしいし、それから環境整備についても、下水を中心として、地方のやるべき仕事というのは、大体これを地方は維持管理しておればよろしいというところまでほとんど先行投資が行き渡っているということである。日本の場合はそれをちっともやっていないということで、道路にしても、河川にしても、基本的には地方が全部これを集約してやらなければならないということになっておる。そこの違いというものがあるから、一律に、イギリスがこうなっておるからというわけにはいかない。ことに、現状で、国民がひとしく望んでおる福祉国家の建設ということになれば、やはり、地方の自治体がおのおの地方の自治体の情勢にマッチした、いわゆる甲らに似せた財政の運営のできる力を持っていませんと、どうしても福祉行政なんというものはできないことになろうかと思う。  したがって、税の配分関係はひとつぜひ考えてもらいたいということだけれども、これは非常にむずかしい問題だといわれておりますけれども、私は、そんなにむずかしい問題じゃないのじゃないかというふうに考えております。たとえば、これはいいかどうかわかりませんが、ごく平たく言って、ごく簡単に考えると、政治というのは、基本をなす税金が、自分たちの納めた税金がどういうふうに使われているかということが国民によく理解されるところに、初めて国の政治が円滑に行なわれるのであって、国民は税金を納めているけれども、どういうふうに使われているのかちっともわからないということでは、政治に関心を持てといっても持てないのであります。だから、民主政治の根幹は、何といっても国民が政治を知るということである。国民が政治を知るということのもう一つ手前で、納めた税金がどう使われているかということが明らかになるという、こういう措置が一体日本でどれだけとられているかということはちっともわからない。だれに聞いてみたって、自分の納めた税金がどこにどれだけ使われているかわかる人はいません。特に、配分についても、国民に面接関係のある大衆課税、いわゆる消費課税というものは、今日、住民の最も身近な行政として、一つの大きな課題であります。たとえばお酒の税金とか、たばこの益金とか、代表的なものはこの二つでしょう。こういう問題は、日常住民が消費して納めている税金である。その税金がどこに使われているか。こういう大衆課税をみんな国が取り上げてしまって、そして、その中で、固定資産税等として、あるいは今度の交付税として、三二%おまえのほうに還元するのだ、たばこの益金ですか、これも二一%ばかりそっちに還元するのだ——この二つの税金を還元しているという趣旨もそこにあるのであって、住民に密接した消費と税金というものを結びつける一つのつなぎとしてのこういう消費税というものがここに出てきているのである。この二つの税金の今日の現状から見て、その趣旨から考えるならば、このワクを広げたら、いま端的に一体どうなるかということ。この税金をまるまる地方公共団体におろしてごらんなさい、どういう結果になるか。すでに、これはそういう趣旨にのっとって三二%が配分され、二一%が地方に出ているということであります。私どもは、こういう税配分については、真剣にひとつ政府に考えてもらいたい。そういたしませんと、いつまでたっても、地方の自治体というものが中央のごきげんをうかがわなければ何もできないような状態になってきている。  ここに大都市から数字が出ております。これは会議録にとどめておきたいというだけで、答弁を求めませんけれども、「大都市の当面する緊急投資の必要額と財源の不足額」と書いて、投資必要額が四十八年度に一兆二百十四億円、財源不足額が二千四百六十二億と書いてある。これが五十一年になってまいりますと、当初の必要額が一兆四千二十七億円、財源不足が四千七百三十八億、こう書いてある。そして、これを四十八年から五十一年まで四年間このまま続けていくと、一兆三千八百十三億の財源不足になると書いてある。こういう現実の姿をカバーしていくには一体どうすればいいかということである。地方に財源が要るわけですから、これをカバーしようとすると、結局、国の補助をもらうか、分担金をもらうかということで、国に依存しなければならないことになる。こういう税財源の問題については、ひとつ十分に政府として考えていただきたいということだけを申し上げておきます。  時間もあとあまりございませんので、先に直接建設省関係で聞いておきますが、いま私がこの問題を聞きますのは、その根本の趣旨というのは、自治権の侵害に対する政府の意向をただしたいからであります。  いま横浜で問題になっております相模補給廠から戦車を運搬することのための、例の政令を改正して、そうして道路管理者の許可を必要としないというようなことで、かってに国が戦車を通すわけでございますが、その場合に、横浜にある村雨橋が戦車の重みにたえられない構造になっているということで、これの補強をしなければならぬということになっておるのです。その補強をすることを国がかってに行なっておる。しかも、法の二十四条を適用すればそれでいいのだということがどうも解釈らしいのですが、それが、おかしいといってまた横浜で小言を言ったら、また、七十一条の解釈がどうだこうだということを言われておるということを私は聞いております。これはおかしいのであって、二十四条でも、「軽易なもの」というのは一体どの程度のものかということなんです。いま村雨橋を補強しております現状をあなたはごらんになりましたか。どんなものであるか見ましたか。あれはばかばかしい厚い大きな鉄板で、普通法律の解釈に書いてあるような、砂利をまくとかあるいは少し水たまりのできたところを補修するとかいうようなものではないのですよ。一枚何トンになるか、こんな厚い鉄板がずっと敷いてある。あの補強は、法の二十四条にあるものとは全然違うというのが私どもの解釈なんです。だから、地方の自治体の自治権というものは当然尊重しなければならぬのであって、国が政令を改正したから、自由に通せるのだから、おれたちのほうは通すのだ、そして、補強することが必要だからといって、二十四条を適用するのだというようなことで一体よろしいかどうかということです。  私は、そのことの是非よりも、むしろ、そういう形で自治権を侵害してくるということが問題だと思う。横浜の市としては、法に基づいた範囲の補修ならまだしもでありまするが、いま行なわれているのは、こんな厚い鉄板でずっとやっておりますけれども、ああいう大がかりのものが、一体二十四条に該当するかどうかということである。きょうは時間がありませんから法律論をやろうとは思いませんが、皆さんがやっている行為自身が非常に大きく自治権を侵害しておるものであるということを申し上げてもちっとも差しつかえないと思う。それに対して、まず、自治省側から、ああいう行為について、一体自治権を侵害したものでないと解釈されるかどうか、聞いておきます。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○三ツ林政府委員 いまの御質問、もちろん、自治省としても自治権を尊重することがたてまえでございますけれども、それが自治権の侵害かどうかということでありますが、そのことについては、まだ、統一的な考えをまとめておりません。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)政府委員 ただいま、M48戦車の輸送に関しまして、村雨橋、千鳥橋の補強を行なっておりますことについての御質問でございまして、先ほど先生からお話しのように、横浜市におきましては、道路占用の許可が三十二条によって必要だということでございますが、これにつきましては、いわゆる道路占用ではございません。これは道路の維持行為でございますので、これは二十四条の行為であるというふうにわれわれは解釈しているわけでございます。したがいまして、先生の御指摘は、まず、軽易な維持行為といえるかどうか、つまり、道路管理者の許可の必要でない軽易な維持行為であるかどうかということでございますが、これにつきまして、われわれの解釈は、たとえ鉄板を敷いたものであろうと、あるいはアスファルトを敷いたものであろうと、道路の構造上に影響を及ぼさないような工事につきましては、軽易とみなしているわけでございます。たとえば補強の方法につきまして、鉄のけたの上にカバープレートをつけるとか、いろいろな方法がございますけれども、そういうものについては、明らかに構造に影響を及ぼしますが、今回の場合は、舗装の上に敷いたものでございますので、これは維持行為であるというふうにわれわれは解釈しておりまして、これは道路管理者の許可の必要のないものであるというふうに考えたわけでございます。  なお、自治権の侵害であるかどうかということにつきましては、これは道路法に従いますと、明らかに道路法の二十四条行為でございますので、自治権の侵害にはならぬというふうに私たちは考えております。

門司亮民社党

○門司委員 おそらくそういう答弁をされるだろうと思っておりましたが、実態は、橋の長さが大体二十六メートルくらいの長さであって、幅が九メートルですね。その中で、あなたのほうで鉄板を敷いているのは六メートルなんですね。ですから、両方に一メートル半ずつある。車が通れば一台ずつ通る。これをあけてあるから、いわば橋全体の補強じゃないのだ、一部の補強だというあなたのほうの解釈だと思うのです。現実にそうなっておりますからね。ところが、この問題は、それならなぜ一体九メートルの橋でなければならないか。橋は九メートルであってこそ、初めて橋全体の効用をするわけなんです。両方に一メートル半ずつ残しておけば車は通れるじゃないかということも一応いえるかもしれない。しかし、橋全体の構造からいって、一部分だけしかやらなかったのだから二十四条でいいんだという言いのがれはどうかと私は思うのです。そうして、その二十四条の言いのがれについて、きのうのあなたのほうの答弁では七十一条を持ち出したようでありまするが、私は、時間のないときに法律論争をやろうとは考えませんけれども、いずれにしても、実際上の問題として、これは明らかにあなたのほうのごまかしである。なるほど、橋全体を変えるんじゃないのだ、一部分だけだということ、いま言ったように、九メートルの幅のものに六メートルほどしか鉄板を敷いていないから一部分であるということは、九メートルの幅のやつに六メートルしか鉄板を敷いていないから、一部分といえば一部分といえるかもしれない。しかし、橋の機能全体からいえば、大部分の橋の機能というものがこの鉄板で押えられているということですね。だから、そういうことは建設省の詭弁だと言うとあなた方はまたおこるかもしれないが、詭弁にひとしいようなことで、地方の自治体の許可を得なくてもよろしいんだということはいかがかと私は思う。地方の自治体は、少なくとも橋あるいは道路に関する責任者なんですね。もし、橋あるいは道路に欠陥があって、かりに交通事故が起こったとすれば、その賠償は市役所が負わなければならないのですね。市役所はそういう責任を持っているということです。補強するのだからいいのだということでなくて、いずれにしても、その市役所に、道路構造について多少の——多少というよりも、こういう大きな変革を来たしたような場合には、少なくとも自治体の了解を得るということが当然なければならぬと私は思う。政令が改正されたからそれをやらなくてもいいというなら、地方自治体の権限はそれだけ抹殺されたということになる。したがって、われわれから考えれば、その抹殺をされたということは心外だということであって、今度の問題は明らかに地方の自治権の侵害であるというように考えておりますが、これは、横浜市の了解を得るということについてどうお考えになりますか。どこまでも二十四条でいって、それでだめなら七十一条をかつぎ出すというようなことで、最後まで了解を得なくてもよろしいんだというお考えですか。一体どうなんですか。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)政府委員 横浜市と全く相談なしに、突如としてああいう工事をやったわけではございません。横浜市当局とは、事前に再三再四にわたりまして打ち合わせをやっております。こういう補強の方法であるならばやむを得ないであろうという横浜市の了解の上に、実は、日米合同委員会の中の車両通行小委員会の席上で、米軍に、こういう方法ならば補強を認めますということを通告いたしますと同時に、横浜市に対しましても同様の文書を差し上げております。したがいまして、最終的にはこういうふうにして通行させますということをやっておりますので、全く相談なしにやったわけじゃございません。われわれといたしましては、しかも二十四条行為でもって、先ほど申し上げたように「軽易なもの」とみなしておりますので、ですから、市の道路管理者との正式な協議は必要ないわけでございまして、われわれは十分手当を尽くしたつもりでございます。

門司亮民社党

○門司委員 その辺をもう少し詰めなければならぬのですが、時間等もございませんので、私は、ここではこれ以上あまりやかましく聞きませんが、明らかに地方の自治権の侵害であって、大体、政令の改正自身が従来の自治権の侵害であることに間違いはないのであって、法律で委任されたあの政令の範囲を越えているのだということを言ってもちっとも差しつかえないのじゃないかと思う。それは政府に言わせますと、安全保障条約がありますから一応国の義務であるが、条約に基づく国の義務を果たさなければならないということは国際信義である、だから一応こういうことをやったのだということをいろいろ言われておりますけれども、問題は、地方自治体のそうした権限をこういう形でだんだん縮めていくということになると、国家権力だけが非常に強くなってきて、そして、結果は、自治権がだんだん薄らいできて、いまのような、ベトナムに運ばれることがわかっている戦車を通していくということ。何といいっても、戦車は、御承知のように人殺しの元凶みたいなものであって、陸上の戦いにおいては一番強い人殺しの兵器であることに間違いはないのですから、そういうものが日本から戦地にじかに送られるというようなことは、平和主義をとっている日本の立場からいえば、きわめて遺憾なことであります。われわれは、いまの答弁で満足するわけではございません。しかし、建設省としては、ごまかしだと私が言えば、また諸君はおこるかもしれませんが、しかし、納得のいかないような答弁でこれを強行されようとすることについては、ひとつ十分配慮していただきたい。自治省にもそういう問題は考えてもらって、地方の自治体を擁護するためには、自治省としても十分検討してもらいたいと私どもは思うのです。それを横浜市と建設省のけんかだ、相模原市と建設省のけんかだというようなことでなくして、自治権をどう擁護するかということについては、私は、ひとつ基本的に考えてもらいたいと思います。  このことをこの機会に要望いたしておきまして、時間がございませんので、その次に、これも自治権の侵害でありまして、私はどうしても聞いておきたいと思いますが、北海道における岩内線の建設にあたって、その赤字の負担を地元の八町村が行なうという約束を国鉄とされておるということが新聞に報ぜられております。その契約書の内容等もここにございますが、一体、これについて自治省はどうお考えになりますか。それから同時に、運輸省のほうも、これでよろしいとお考えになっておるのかどうか。見解を聞かしておいていただきたいと思うのです。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 岩内線の問題につきましては、九月十五日付で、岩内線建設促進期成会が、国鉄総裁と鉄道建設公団総裁あてに、「岩内線につきましては、その開業後、国鉄の営業収支損失が生ずる場合には、その全額を関係町村が負担することといたしますので、すみやかに工事実施計画を決定されるようお願いいたします。」というのを出しておられるようであります。それで、結局、この文書の内容の解釈でございますが、国鉄の赤字を関係町村が公費負担で持ちますということでありますれば、これは、地方財政再建促進特別措置法の二十四条の規定に全く疑問なく違反することは明らかであります。私どもといたしましては、こういう文書が町村の財政負担ということを前提にしておられるならば、この文書は法律違反でありまして、絶対に容認することはできないというふうに考えております。

山田宏運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○山田説明員 地元の町民あるいは村民の有志の方々が期成会というものをつくっておられまして、これは新線建設に関しましては随所に見られる形でございますが、いま自治省側から御披露のあったように、岩内線の建設促進期成会から、国鉄、公団に対しまして、開業後赤字を負担するというお申し出がございましたが、岩内線につきましては、かねてより、工事実施計画の協議を国鉄、公団の側でやっておりました段階においてそういうような申し出がございました。そこで、そのような地元の有志の方々の鉄道新線の建設、つまり早期着工あるいは早期完成、こういうものに対する非常に熱烈なるお気持ちのあらわれとして、具体的な御協力というような御意向を表明されたもの、国鉄、公団ともそういうふうに受け取っております。また、運輸省といたしましても、そういうような地元の御意向というものを十分尊重いたしまして、先月の二十四日に工事実施計画の認可をいたした次第でございます。

門司亮民社党

○門司委員 それで、さっきの自治省側の意見はわかりましたが、国鉄側にさらに聞いておきたいと思いますが、八町村と約束されたと言われておりますけれども、ここに、私の手元にある書面には、「町」とまでは書いてあるが、「町長」とも書いてないし、「村長」とも書いてない。個人名なんですね。一体、こういうものが町役場との間の公式な文書と解釈されておりますか。

山田宏運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○山田説明員 先ほども自治省から話がございましたし、私もただいま申し上げましたように、この地元からのお申し出は、いわゆる地元町民あるいは村民の有志の方々がつくっておられます期成会からのお申し出である、こういうふうに国鉄、公団あるいは運輸省といたしましても了解しておるところでございます。

門司亮民社党

○門司委員 そうだとすれば、これは公式の市町村との取りかわしの文書ではないということに解釈してよろしゅうございますね。

山田宏運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○山田説明員 お説のとおりでございます。

門司亮民社党

○門司委員 そうだとすると、問題はしごく簡単であって、市町村は、赤字がどんなに出ても、別に負担しなくてもよろしいはずですね。市町村負担にはならないわけですね。有志の人は個人的には多少債務負担行為があるかもしれないが、しかし、実際としては負担しなくてもいいわけですね。

山田宏運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○山田説明員 この地元からの申し出につきましては、いわゆる町村財政、これとは関係のないものというふうにわれわれも理解しております。

門司亮民社党

○門司委員 それだけはっきりすればものは片づくわけでありますが、どうもその辺はおかしな形でありまして、これ以上は、これこそ林君のほうの自治権の侵害になりますから、この辺で私は一応やめますけれども、国鉄としては、いま出ている、この前廃案になった法律の中にもこれと同じような趣旨があるのですね。赤字の始末は国が半分持って、そして、当該市町村が三分の一持つんだなんということが書いてある。(「自民党の了解事項だ」と呼ぶ者あり)自民党の了解事項かもしれませんが、これもやはり、同じような角度でこういう問題が各地でやられるということになりますと、いたずらに町村の行政上の混乱を導くということですね。私どもそれを憂えるのであって、やはり、町村は円滑に運営をやってもらいたい。その場合に、町長であるとか村長というような人たちが、赤字の場合にはおれたちが負担するんだからというようなことを約束されて——これは法的には何の効果もございません。村議会でやったわけでも、町議会を開いたわけでもありませんし、何にも手続はしていないのですからね。ただ、こうすることによって、鉄道が敷けるからというような安易なものの考え方であって、万一の場合も、国鉄のほうでこれはどう補てんされるかわかりません。いまの答弁だけ聞いておりますと、どんなことで赤字が出たって、村のほうには何ら関係のないものでありますから、赤字の始末は国鉄が当然されることだと思いますけれども、こういう形で、これはいかにも自治体との間の取りきめであるかのような印象を与え、また、いかにも将来自治体の負担になるような取り扱いの考え方が出るようなものは、ひとつ厳重にやめておいてもらいたいと私は思う。こういうことはいたずらに自治体を混乱させるだけだと思うのです。何の効果もないと思うのです。  これ以上私はきょうは質問いたしません。どうも御苦労さまでした。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 山本弥之助君。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 交付税の改正案につきましてまずお尋ねしたいと思いますが、法人税の伸びによりまして六百五十六億交付税が増額になるわけでありますが、非常にこまかくこれを配分しているわけですが、いまの地方財政の状況から見ますと、積み戻しにつきましては、これは当然だと思います。これは残りを普通交付税に全部交付すべきではないか。節約だとか、あるいは、昨年は、たしか特別交付税には配分しないで、普通交付税に全部突っ込んだんじゃないかと思うので、こういうふうなこまかい分け方をしないで、非常に困窮しておる地方財政の立場から考えますと、これを全額普通交付税に入れて地方に配分すべきである、かように考えますが、いかがでございますか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 お答え申し上げます。  交付税六百五十六億出たわけでございますが、今年度の追加財政需要増といたしましては、御案内のとおり、すでに交付税を配分をいたしておりまして、交付税で措置をしなければならないものといたしましては、お手元の資料にございますように、今年度の財政措置をきめました後に生じました新しい財政需要、すなわち給与改定の財源、所要財源ということになるわけでございます。  この給与改定の財源措置につきましては、先ほど申し上げましたように、過去におきまして法人関係税の自然増収というものが見込まれます。  それから既定経費の節約、これは国に準じて行なう、こういうことでございまして、いわば、年度中途におきまして給与改定があり、交付税の自然増収を生じました場合におきまして、大体いままで一貫してこういうやり方をやっておるわけでございます。  そこで、その場合に、給与改定財源といたしましては三百七十億円、それから御案内の調整戻しでございますが、九十五億、四百六十五億普通交付税で措置をすれば足りるわけでございます。  そこで、問題は、私たしか当初の財政計画の際にこの席で申し上げたかと思いますが、ことしはいわば背水の陣をしいた形でございまして、普通交付税が全然伸びないものでございますので、できるだけ普通交付税を拡充する。こういうことで、特別交付税は去年に比べまして百九億増しかとっておらなかったわけでございます。百九億の中で二十七億円余りのものが沖繩にまいる、こういうことになりますと、本土分の増加額といたしましては八十億そこそこ、前年に比べましてほとんど伸びがない。その中で、ことしは異常な災害の多発した年でございますので、災害関係の市町村の特別な財政需要をまかなうということで、この増加額というものはほとんど食われてしまう。こういうことでございますので、この際、異例の措置ではございますが、計算上は三十九億余り特別交付税が出るわけでございますが、その上に上乗せをいたしまして、全体で百二十六億特交をとることによりまして、例年並みの特交の伸びというものを確保いたしたわけでございます。その残り六十五億になったわけでございますが、それにつきましては、御案内のとおり、ことし千六百億金を借り、あるいは去年におきまして千二百九十六億交付税会計で借りておるわけでございますので、これは当然、後年度におきまして交付税特別会計に返さなければならない。返すものであるならば、この際少しでも荷を軽くしたほうがいい、こういう判断に立ちまして、ことし千六百億借りますものを六十五億だけ借りないことにする。その結果は、これまたお手元の資料にございますように、来年度の交付税の中から百四十億資金運用部に返さなければならないものが、七十五億返せば足りる。こういうことになりまして、明年度の地方財政の状況も、今年に引き続きまして困難な状況にあると考えられるときでもございますので、それが最善の措置ではなかろうかということで判断をいたしまして措置をさせていただいた次第でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 特交につきましては、昨年は交付税の伸びが期待できないために、これに対しては、一般会計からの補てん、あるいは特別会計で千六百億というふうな借り入れをしたわけでございますが、私は、これは必要最小限度のいろいろな操作をした上での交付税の確保ということだったと思うのですね。そういたしますと、わずかな来年度償還する額を、本年度国税が伸びたということによりまして、これをわずか六十五億減額する必要もないのではないか。また、来年度は、——まあ、あとでいろいろお聞きしたいと思いますが、すでに、本年度におきましてもある程度までいわゆる景気は上向いておる。先ほどの質問に御答弁になりまして、実質一〇%近い成長率になるだろうと言われておるわけでありまして、これはおそらく持続するのではないか、来年は好転をするのではなかろうかということが予測されます。そのほか、予測される円の切り上げの問題だとか、これはまあ必至だろうと思いますが、そういったことが経済界にどういうふうな影響を与えるかということはまた重要な問題だろうと思いますが、いずれにしても、景気は上向きであるということが一般に言われているわけですね。そうなりますと、苦しい本年度にわざわざ借り入れ額を減少するという必要はないのではないかという感じがいたしますし、節約にいたしましても、一部の市町村にはいろいろあろうかと思いますけれども、府県、市町村を通じまして非常な無理をしておる。しかも、単独事業等も、財政計画である程度まで見込んだにいたしましても、これは、過去の実績を見ますと、補助事業を完全に消化しますけれども、単独事業は、赤字を出さないという意味からいくと、これを削らざるを得ないというのが府県、市町村を通じての実情だろうと思うのです。そうすれば、わざわざわずかな節約額を——国と地方とは財政事情は相当違うと思うのです。それぞれの財政事情の違う多くの市町村あるいは府県、これらに対しましては、おそらくそれなりの配慮をされるんだろうとは思いますけれども、国の節約を総括的に——地方公共団体も多少節約額を減らしておるというお話ですけれども、そこまで地方公共団体が国に同一基調でなくてもいいのではないか。苦しいときに、これは当然交付税として配分すべきではないか。しかも、事業がなくて起債をやらない団体ほど非常に無理をしているのではないかと思いますので、相当の交付税の増額が今年度は少なくとも必要ではなかろうかと私は考えるわけですが、そういうときに、国と同じような、率を低下いたしましても、節約をし、そしてベースアップの財源だけを確保すればいいという考え方はどうも私はふにおちないのです。  特に、特交につきましては、これで例年並みになったというわけですが、交付税の増額に伴いまして、特交の率を、現在の六%も過去よりは下がってきておりますけれども、これをさらに下げるべきではないか。ある程度まで恒常的なものは、普通交付税の中に入れて交付すべきじゃないかということは、従来、私ども主張してまいっておるわけです。そういうときに、特交を増額する必要はないと思うのですが、ただ、この特交については、本年はいろいろな地域的な災害が出ているわけです。その災害に対して、特交で配慮をするという前提のもとにこれを増額をしてあるのかどうか、もう一度お答え願います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 考え方の問題といたしましては、六百五十六億出てきたんだから、全部それだけ普通交付税にこれを充てて、地方団体のいわば金繰り、財政運営の苦しいときに息をつかせたらいいではないかという御意見、確かにあろうかと思います。ただ、問題といたしましては、私ども、ことしの財政計画の策定の際におきまして、地方団体の今年度の財政運営につきましては、一応支障なく運営できるということで、交付税あるいはその他の措置を講じたところでございまして、今後財政措置をしてまいらなければならないものといたしましては、今度の給与改定の問題だけである、こういうふうに判断をいたしておるわけでございます。  それから、特別交付税の問題でございますが、これは先ほど申し上げましたことの繰り返しでございますけれども、ことし、特別交付税は、前年に比べまして本土で八十億しかふえない。これは、率直に申しまして、ことしのような異常に災害が多発した年でございますというと、特別交付税の配分というものに非常な困難と混乱を生ずる。これはもう火を見るよりも明らかなところでございまして、私どもといたしましては、この六百五十六億が出ました機会に、特に、災害多発等の情勢に対応いたしましてこれだけの特別交付税がとれるということは、私いつもそう言ってみんなに申しておるのでございますが、いわば一種の天佑であったという感じすらもするわけでございまして、特別交付税はどうしてもこの程度のものは確保しなければ、ことしの地方団体の、特に災害を受けた団体というものはたいへんな年を迎える、たいへんな事態を迎えるということを私ども憂えておるわけでございます。  残りの六十五億の問題についての御論議はあろうかと思いますが、この点につきましては、私、先ほども申し上げましたが、また、先生もおっしゃいましたけれども、来年明るいということはいまの段階では言えますけれども、先ほども申しましたように、一寸先はやみの世の中でございますので、来年どうなるか、これは率直に申しまして、私ども、ことしと同じような財政困難ということを前提にして対処しなければ、あまり楽観的な前提で来年の財政を考えるわけにはまいらない。そういうことになりますというと、来年度の地方財政全体としての負担というものを少しでも軽くする、あらゆる機会をとらまえて負担を軽くするということを講じてまいるべきではなかろうかというふうに考えている次第でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 そういたしますと、特交の百二十六億は、すでに発生した災害の財源に備えての増額であるというふうに了解していいわけでございますか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 百二十六億全体が、災害を受けました府県、市町村に対する特別交付税だということにはならないと思います。これは、これからの特別交付税の算定の作業におきまして、個々の団体ごとに積み上げなければならないわけでございますが、いずれにいたしましても、その八十億の当初の増では、災害を受けました府県や市町村に対する十分な手当てというものはとうていできないし、あるいはまた、それ以外の市町村におきましても、御案内のとおり、普通交付税の画一算定では見られない特別な財政事情というものも見てまいらなければならない。先ほどお話がございましたが、たとえば高速道路の救急といったようなこと等の要素もあるわけでございますし、そのほかに、特別交付税に持ち込まれる要因というものはかなりあるわけでございますので、災害を中心にいたしまして、この特別交付税を増額するということで百二十六億をふやしたことは間違いございませんが、全体にそれが災害府県、市町村に回るというものではございません。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 いつまでも論議いたしましても、時間の制約がございますので、次に移りますが、今回の補正予算によりまして、公共事業が五千三百六十五億ですか、追加になっておるわけでありますが、これに対しまして、地方公共団体の財政にはね返るのが、先ほど三千四百億というふうな御説明があったのでありますが、すでに八月に地方債のほうは二千百二十億、今回さらに二千九百五十四億、さらに、そのほかに、ワク外債としても千二百四十五億ですか、考えておるということになりますと、地方財政の起債は、いろいろ公営企業その他もあろうかと思うのですが、国の公債が三千六百億追加になっておりますが、昨年から特殊の財政情勢だろうと思うのでありますが、安易に地方債に依存するという考え方に堕しておるのではないか。しかも、これからこれだけの公共事業をするのに、地方にいたしましてもいろいろ事情があろうかと思うのであります。私どもの知っている限りでは、盛岡市も、もうすでに長年にわたりまして、積極的に下水道なんかも進めているわけなんですが、実際は、下水道の監督というようなことを、事業を推進するために極力節減をしているわけなんです。下水道の埋設というような工事は、地下に埋設になりますので、したがって、手抜きの工事がありますと、これはたいへんなことになるわけなんですが、ただ設計に追われ、あるいは監督に追われるということで、どうしても手抜きになっておると私は思うのであります。しかも、これから冬季にかかりまして、盛岡市に増額になることはけっこうでありますけれども、そういった状態で人件費の節約を強要されるということで、事業費に回すことによって事業量をふやすということだけでは、将来、恒久的な施設といわれる下水道なんかも完全にできるのかどうか、私は疑問を持っているわけですが、そういうことに対して自治省として——これは一例を申し上げたわけでありますが、これからの公共事業を推進してまいる、あるいはそのほかの都市計画事業を推進してまいる、一方ではいろいろな物価の値上がりということで、家屋の移転にいたしましても、接収に手間どるというようなときに、安易に、国の公共事業の増額に伴って、地方公共団体も、補助事業であれば当然負担をする、それを起債に振り向けていくということは、将来の問題から考えても、自治省では、その辺の全体の将来のこともよほど考えながら、あるいは事業の進捗等も配慮をしながら考えなければならぬ問題だと思いますが、この点につきまして、財政局長、どうお考えになっておられますか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 結論的に申しまして、ただいま御指摘になりましたように、安易に地方債に依存をする財政運営と申しますか、こういう財政対策というものは、私ども厳に慎むべきものだと思います。ただ、これは毎々申し上げていることでございますけれども、地方団体が行なってまいりまする事業の中で、後年度の住民もその恩恵に浴するというものにつきましては、現在の納税者の税金だけでございませんで、やはり、世代間の負担の分配の公平化と申しますか、適正化という考え方から、地方債にこの財源を求めるということは許されるところであろうというふうに私は思うわけでございます。  今般の国の補正に伴いまする地方負担は、ただいま申しましたように、三千四百億程度あるわけでございますけれども、これらの事業の内容を見ましても、これは適債事業として、起債に親しむと申しますか、なじむと申しますか、というものが当然あるわけでございまして、社会資本、特に生活関連社会資本の整備がこれだけ立ちおくれており、それを急速に取り返すということになりますと、一般財源プラス地方債ということで、かなり思い切った投資というものをやはりやっていかざるを得ないのではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。ただ、繰り返して申し上げますように、金がないから地方債に逃げ込むということは私ども断じてとっておらないところでございます。  なお、この地方債の発行限度と申しますか、毎々論議になっておるわけでございますが、どの程度まで地方債に依存ができるかという点につきましても、いま私どもいろいろな試算を行なっておるわけでございます。古く、シャウプ勧告におきましては、毎年の利払いが、一般財源の二〇%程度までは地方債を自由に発行させてもいいんじゃないかといったような提案もあるわけでございますが、これではややルーズに過ぎると申しますか、歯どめにならないのじゃないかということでございまして、普通会計債の一般財源に占める割合というものを、私どもは一五%から二〇%の間にどうしてもアップ率をとどめたい。こういうことでこの地方債の計画的な発行というものを考えてみたいと思っておるわけでございます。  現在のところでは、今年度二次の追加によりまする地方債の発行によりまして、いわゆる地方財政計画上の地方債の依存度と申しますものは、当初の八%から九・五%。国の場合でございますと、これが一九%になっておるわけでございますが、地方財政の場合でございますと九・五%ということでございます。また、このスピードで将来元利償還というものが一般財源に占める割合、経済成長率を、いろいろな前提を置いて試算をいたしておるわけでございますが、ピーク時におきまして一一%程度にとどまるのではないだろうかというふうに考えておるわけでございまして、マクロとして、地方財政全体として考えます場合におきましては、今年度のこの措置というものが後年度の地方財政に非常に大きな負担になるということは、いまのところ考えられないのではないだろうかというふうに考えておる次第でございます。  ただ、問題は、いつも申し上げておりますように、個々の団体——いま申しましたのはマクロでございますが、個々の団体におきましては、財政力の弱い団体については、公債費の重圧ということが後年に財政負担、財政に重圧を及ぼすことにならないように、これは個別的にきめのこまかい措置をとっていかなければいけない、こういうように考えておる次第でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 御答弁の趣旨は私どももわからないわけではないと思うのですが、本年の通常国会の際に、公共用地の先行取得等の場合にもいろいろ論じたのでありますけれども、この交付税の増額の問題にしましても、起債の問題にしましても、私は前々から主張しておったのですが、いまみたいに、日本列島改造論というようなことで幻想が出て、昨年からの土地騰貴がますます拍車をかけられておるときに、公共用地の確保に地方公共団体が力を尽くすということは、さらに地価の上昇を促すわけですけれども、いまのような現状から考えますと、むしろ、わずかな金でも、起債の場合も、もっと積極的に公共用地の確保ということに努力すべきでなかったかと思うのです。  御承知のとおり、先行投資の法案なんかも、いまごろから段取りをつけて、公法人としての公社化をこれからはかろうかどうかというのでは、これがどの程度進捗しているかわかりませんけれども、もういまとなれば、これは非常に手おくれになって、公共団体は後手をいっておるのではないかと思うのです。これは無理な工事をするよりも、当然必要な土地を、将来の公共用地を早く確保するということになぜ本年あたりは力点を置かなかったか。非常に残念に思っておるわけです。しかし、いまからでは、当然必要な公共用地にいたしましても、土地の騰貴をどう押えていくかということと、それと関連して公共用地の確保をやらなければならぬというむずかしい問題に関連してきますので、これは今後適切な方法をとらなければいかぬと思うのでありますが、すでにこの前もいろいろ御質問したことでもありますので、本日はこの程度にとどめておきたいと思うのですが、すでに、山口委員をはじめ皆さん方から、ことに門司先生からも、詳しく来年度財政問題についての御質問がなされたわけで、私の言いたいことは尽きておると思うのであります。  先ほど、大蔵省の政務次官の大村さんも、私見ではあるけれども、来年度は、地方公共団体の財源確保については、国と地方との関連において解決がつくような努力を積極的にしたいという答弁がなされたと私は聞いたのでございますが、財源確保といいますと、地方税の問題をどうするか、あるいは交付税をどうするか、国庫支出金をどうするか、さらに、地方債をどうするかという、この四つの大きな財源に尽きるわけですけれども、もし、積極的に来年度地方財政を考えていくということであれば、来年度の景気上昇を考えながら、地方税の自然増収がどうなるかわからぬ——先ほど鎌田財政局長から適切な御答弁があったのですが、期待はできるけれども、どうなるかわからぬというような、きわめて不安定要素が政府全体の中にあるのではないかと私は思うのです。  それにしても、交付税は、何とか従来の額の一定率の伸びを確保していきたい、地方税は、景気の好転を見込みながら、何としても一定率の伸びを期待したい、その上でいろいろ話し合って、細部にわたって調整をとるということだけであれば、これは従来の惰性だろうと思うのですが、いまの段階になって、話し合いを進めておらない、煮詰まっていないということもわかりますけれども、あるいは一方、地方制度調査会にも諮問をせられておると思うのですが、しかし、これも毎年のように、来年度の税、財政をどうするかということに追われるのではないかと私は思うのです。  佐藤内閣から田中内閣にかわりまして、何か大きく期待が持てるような、あるいは持たせるような発言が今国会でもいろいろなされておるわけでありますが、それには、いろいろ先ほどお話がありました公営バスの問題も、財源ばかりでなくて、公営バスを自主的にどう運営するかとか、賃金の問題も、バス停の問題も、一々中央のあまり事情のわからぬところで決定をするということじゃなくて、地方団体が自主的に配慮ができるようにするとか、いわゆる権限の問題と財源の問題があるのですが、今後、根本的に、ある程度まで強く大蔵省と折衝をされる体制を進めておられるのか。あるいは交付税も、何とか少しでも考えるということなのか、地方税も、何とか小手先で部分的にいじくっていこうというようなことなのか、自治省は、今後、この問題について、どういうふうに根本的に考えていこうとしておるのか。あるいは、当面何とか糊塗していこうとするのか。この辺のことは、政務次官は政治的に参加されたと思いますので、御答弁願いたいと思います。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○三ツ林政府委員 先生から地方財政全般についての見解が述べられました。まことにそのとおりでございます。そこで、私どもといたしましても、先ほど大蔵省のほうからもお話がありましたし、また、政務次官のほうからもお話がありましたように、地方財政を確立するのには、自主的な、安定した財源というのがどうしても必要になってまいります。しかし、現状は、経済の動向がきわめて流動的でありますし、また、予測はきわめて困難だという現段階でございますが、長期的な観点からいいますと、私どもといたしましては、国と地方の税の配分の問題とか、そういう根本の問題等はやはり相当出てまいると思うのであります。  当面、四十八年度につきましては、実をいいますと、大臣と私どもといたしましても、大蔵省と実は二回ばかり接触いたして、直接詰めておりまして、実際的に明年度の地方財政を拡充して、総合的な立場でひとつお願いしよう、こういうことで現在折衝中でありますが、その具体的な方途につきましては、先ほど申し上げましたように、現在なるべく早く検討を進めてまいりたい、かように考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 たとえば、地方交付税の現在の税率は上げるべきである、あるいは、おそらく来年度は主税も伸びるのではないかと思いますけれども、ただ、問題は、所得税の減税ということは、どうしても来年度予算では考えていかなければならぬ問題だろうと思いますので、そういたしますと所得税はある程度まで減税ということを考えなければいかぬ。  それから一方、法人税の問題も、景気も上向きかけておるときではあるが、法人課税は、あるいは株だとか土地の投機で相当ぼろいもうけをしているようなわけですが、また、別途土地税制等で吸い上げるにしましても、この機会にいわゆる社会資本の充実をはかるという意味で、国も地方も法人税の課税を強化する。ことに、私は地方税で必要だろうと思いますが、そういう考えで進んでおられるのかどうか。あるいは交付税も増率を考えておられるのかどうか。あるいは、自治省で主張せられておる都市整備税というのは、通産省の追い出し税との関連において、自治省の主張が通るのかどうか。この辺の見通しまでもわからぬものでしょうか。  いま私どもの聞いておるのは、たとえば固定資産税の工場移転に伴います長期減税、それを補てんするのに交付税ということであれば、共食いみたいなかっこうになる。特別会計を設けて、その特別会計にある程度の収入を入れて、それを固定資産税の減免の補てんにするという構想もおありだということですが、それもはっきりしない。そうしますと、政策減税も、国税、国税といいながらも、結局は、地方税の重要な、ことに市町村の重要な固定資産税の長期減免というような問題が何となしに表に出てきている。これは既定の事実みたいになっているわけです。  ところが、それを補てんする財源になりますと、自治省の主張は通るのか通らないのか、きわめてあやふやな点がある。それらの問題もどうやるんだという方向だけでも多少お聞かせ願えないものでしょうか。折衝してきまったときは、もうきまってしまうわけです。これは、地方公共団体を動員いたしましても強くやるべきじゃないか。例年のように、各六団体からは、自主財源の確保、交付税の率の改定というような要望がある。それにどう自治省はこたえられるのか。その辺のことは、従来は、この点は強くおやりになるんだというようなことがそれとなく何かわかったものですが、今度は、もう予算を組まなければならぬようなときに、おそらく予算要求はされておるかもわかりませんが、何回お聞きしても、いまだにどうもわからぬ、わからぬで来ているわけですね。もう少し、何か方向だけでも聞かしてもらえないものでしょうか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 繰り返しになって恐縮でございますが、現在の段階では、まだ御案内のような段階でございまして、来年度の歳入歳出要因、ただいま仰せになりました国税、地方税等の減税規模の問題も含めまして、未確定と申しますか、流動的な段階でございますので、具体的に、どういうことに重点を置き、どういう方向でいくのかということについて明確に申し上げられないというのが実情でございます。  ただ、基本的な考え方といたしましては、午前中にも繰り返し申し上げておりますように、地方団体におきます財政の財源確保の方法といたしましては、基本的には、交付税、地方税、地方債、この三つの大きな柱があるわけでございますので、交付税におきましては、税率の問題も含めまして、当然総額の確保という問題が出てまいると思います。  それから地方税の問題につきましては、税務局長から別途お答えがあると思いますけれども、私どもは、機会あるごとに、地方の税源、特に最近におきましては、都市税源の充実という問題があるわけでございますし、あるいはまた、大きな観点からの国土全体の均衡ある発展をはかってまいる。こういう意味での国土改造事業ということになりますと、これのいわばにない手というものは、やはり、大部分は地方団体にその負担というものはかかってまいるわけでございますので、そのための特定財源として、都市整備税というのは有力なる税ではないかと思うわけでございますが、そういうものの実現を含めて考えてまいるべきではないだろうか。  地方債の点におきましては、地方債の弾力的な活用と申しますか、という面との関連におきまして、政府資金というものをできるだけふやしてまいる、あるいは、その償還条件、利率等の条件につきましても改善をはかってまいる、こういうことに重点を置きながら明年度の地方財政の対策を考えてまいりたいということでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 どうも、具体的な御答弁はなかなかお聞きできないようですが、税務局長の答弁は聞いていませんけれども、御答弁願いたいと同時に、特に、都市整備税の構想は、いまどういう段階なんですか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 税制につきましては、当面の問題というような考え方ではなしに、むしろ、地方税の全体から見て、将来ある程度長期的に見た場合に、どちらの方面にその改正の重点を置くべきかということから判断をしていくべきであろうというふうに考えております。そういう意味におきましては、最近の府県、市町村の財政需要の実態から見まして、市町村税制について相当強化をはかるという方向で進めていかなければならないというふうに考えております。そしてまた、最近、特に、土地の問題あるいは都市の問題というものが、いわば国の大きな政策課題でありますとともに、私どもの地方財政の上におきましても重要な課題になってきているわけでありますので、税制の改正の方向も、これらの方向に合わせた改正をしていかなくてはならないであろうというふうに考えるわけであります。  そういう意味におきまして、まず、土地の問題につきましては、いわば土地保有課税の基礎税制でありますところの固定資産税というものについては、やはり基礎税制としてのていさいを整えていく必要がある。それによって、そのほかのいろいろな政策的な税制というものは、その基礎税制の上に積み上げていくべきであるというふうに考えるわけであります。そういう意味で、まず固定資産税を、現在の税制の中でやや適正な課税になっておらない面というものについては、できる限り基礎税制を整備するというたてまえから、改正を考えていきたいというふうに思っておるわけでございます。  それから、特に、大都市地域における都市整備の問題につきましては、私どもが昨年からいろいろ検討いたしております事務所・事業所税の考え方につきまして、さらに、それを、現在の、特に財政需要の多い地域というものに焦点を合わせまして、いわば経常的な都市税源となり得るようなていさいを整えるように検討してまいりたい、こういうことでございます。  そういう意味におきましては、現在、似たような税制として、通産省等で追い出し税ということが構想されておるわけでございますけれども、むしろ、私どもの考え方としましては、特に財政需要の増加の著しい地域の、特別な財政需要をまかなうための税制ということに考え方の重点を置いて税制を考えていくべきであろうというふうに思っておるわけでございますが、なお、この問題につきましては、現在、政府の税制調査会におきまして、その考え方等につきましていろいろ御審議をわずらわしているところでございます。私どものいまの税制についての考え方の重点だけ申し上げまして、お答えにしたいと思います。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 法人課税の強化の問題はどうですか。いまの都市整備税につきましては、これは極力強く押していただきたい。国と地方税の配分関係からいいましても、国税にすればなかなか地方税に来ないのじゃないか。結局、地方公共団体の一部に返ってくるのでしょうけれども、大都市としても、それぞれの費用をまかなうのに、税金だけ国税でその地域から取り上げて、その地域の大都市の必要な需要——さっき門司先生も言われたようでありますが、そういう税制というのは、私はやはり避けるべきじゃないかと思うのですよ。これは極力強く主張してもらいたいと思っております。  それから、法人課税はどう考えておられるか、お聞きしたいと思っております。  それから、もう一点、御答弁の前に……。この機会に、地方税は、国の税制の政策減税と、思い切って切る体制を、すべての税制にわたって、税種にわたって、まず考えるべきではないか。固定資産税の問題を含めまして洗い直してもらって、地方の財源は、その財源を確保しながら還元していくという体制が必要ではないか。政策減税であり、さらに税金を取って、よくして、また企業のために都市整備をはかるというようなやり方でなくて、思い切ってそれは国の税でやって、地方税は、取るべきものは——特殊の、とうしても減免すべき問題を除いては、政策減税にあまり関連を持たせないという御意思はございませんか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 まず、第一点の法人の所得課税の問題でございますが、これは、確かに、御指摘のとおり、現在、わが国の法人所得課税の実効税率が四五%でございまして、欧米各国の税制に比べますと、大体一割程度税負担が安いというような形になっております。そういう意味におきましては、法人所得課税について、なお若干の増税をはかる余地があるというふうに考えておるわけでございます。これが可能になります場合には、その所得課税の部分を、市町村民税の法人税割りのほうに配分をするという方向での改正を考えていきたいと考えておりますが、ただ、先ほど申しましたように、固定資産税の合理化あるいは都市整備税の創設というような問題になってまいりますと、その負担の大きい部分というものは、どうしても法人のほうにかかっていくというような形になってまいります。そういたしますと、結局、固定資産税の負担なり、あるいは都市整備税の負担なりを通じまして、法人の所得課税の相当部分が、実質的には地方に回ってくるというような形にもなるわけでございます。これらの改正の方向を見定めながら、法人課税の問題については、あわせて検討していく必要があるというふうに思っているわけでございます。  それから、租税特別措置の問題でございますが、仰せのとおり、私どもも、従来のような租税特別措置というものにつきまして、できるだけ地方税においては遮断をしていきたいということは考えておるわけでございます。ただ、現行の税制のいろいろな仕組みから、なかなか遮断し切れないものがございます。そういうことから、租税特別措置自体についての洗い直しというものについては、大蔵当局とも寄り寄り相談をしているわけでございますけれども、最近の経済情勢の変化等から見まして、租税特別措置法について洗い直すべき時期が来ているというのではないだろうかという判断をいたしております。  そういう観点から、現在、税制調査会におきましても、租税特別措置についての検討を進めております。私どもも、租税特別措置の制度につきましては、できる限り地方税の中に取り入れない、遮断をしていきたいという方向で進みますと同時に、そうした洗い直しあるいは廃止ということに重点を置いた審議をお願いしたいというふうに考えておるところでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 租税特別措置法の洗い直しにつきましては、税制調査会におきましても、大蔵省との折衝におきましても、来年度予算から実現できるように、ぜひ強く御努力願いたいと思っております。  だいぶ時間がたちましたが、一言だけ最後にお聞きしておきたいと思います。  行政局長はお見えになっておりませんけれども、従来、府県、市町村の財政問題については、市町村の財源確保に重点を置くという趨勢に来たことは今後も変わらないと思うのですが、私は、何か、地方団体が非常にいろいろ複雑になってきたという感じをしているのです。たとえば、大きく分けまして大都市問題、大都市周辺の人口急増地帯の問題、過疎地帯の問題、それから広域市町村圏——これはまあ、大都市周辺地域を除いてほとんどいまおつくりになったようでありますが、その中心都市を中心として、その地域の行政需要を満たしながら伸展をはかっていくという、大きく分けてそういうふうな考え方でいままで来たと思うのです。ところが、最近、日本列島改造論ができまして、また一つ要素が加わったわけですね。自治省では、新都市圏構想でしょうか、二十五万都市構想、中核都市構想というふうに、何か、地方都市の幾つかを中心にして、そこのいわゆる工場の受けざらとしてのいろいろな施設の整備をはかっていくという新しい要素がまた入ってきた。これは非常に複雑になりつつあるのじゃないか。これではたして端的に過密、過疎が解決つくのかどうか、私は疑問を持っておるわけです。  御承知のとおり、過疎地帯は、新産業都市とか工特都市の周辺のところも相当過疎になって、過疎対策をやっているわけなんですね。それに多少きめこまかく、幾つかの、全国八十前後の新都市をまた設けることによって、それで過疎、過密が解決つくのか、非常に疑問を持っておるわけです。ことに、過疎地帯は、御承知のとおり、いろいろな合理化が進んでいる。たとえば登記所の統廃合ということになりますと、岩手県なんかも、市にしか登記所がなくなって、町村には登記所がなくなる。国有林の合理化によりまして、ある程度まで林野庁の職員を削減する。これは過疎につながる問題ですね。しかし、政治の総合的な施策によって過疎を避け得る。たとえば植林を積極的にやるとか、民有林を含めて、林野庁が、特別会計でなくてやり得ることを積極的にやるということになれば、岩手県の国有林を多くかかえておる市町村にもある程度まで賃金が潤うのじゃないかと私は思うのですが、そういうことがいまの政治の視野からはずれていって、整理の方向に向かっている。そして今度は新しい要素が入って、都市の中から幾つかをピックアップして、二十五万都市とか中核都市とかをつくるという構想について、一体これをどういうふうに自治省は総合的にお考えになっておるのか。また、その幾つかの都市を全国から選んで、広域市町村圏の中から中核都市を幾つか選んで、特別な施設の整備、受けざらとしての整備に力を入れていかれるのか。それを交付税でまた政策的に配分していかれるのか。こういったいろいろ違った要素を次から次にふやしていって、市町村のそれぞれの持つ特色、それぞれの持つ行政需要に来年度どういうふうにこたえていこうという指導をなさるのか。この点を最後にお聞かせ願いたいと思います。  行政局長がいませんので、いまお尋ねしましたことは政務次官から御答弁願いたいと思う。  それと、これに関連して、自治省も関心を持っておられると思いますが、土地利用計画というのは、自治省はどこまで関係を持って調査を進めておられるのかどうか。土地利用計画については、私どもは数年前から主張してまいったのでありますが、これは簡単に、そう短時日に、利用計画の完全なものができるはずはないわけなんです。かつて宮澤さんが官房長のときですか、自治省のスタッフで土地利用計画についての研究もなさったことがあったと思うんですが、これも、研究すればするほど、いろいろな角度から検討しなければならぬ問題が出てきて、十分な調査と国のいろいろな計画——それは、工業だけでなくて、産業全般にわたって、農業や林業、あるいは漁業、そのほかの流通機構の問題、あるいは住宅地帯の問題等を関連せしめながら、いま問題になっている自然環境の保全というようなことを十分調査をし、検討を加えて、その成果に立って土地利用計画が、市町村あるいは府県を中心に策定されるべきものだということ、そして、それがほんとうに地域住民のためになるかどうかということを常に検討しながら施策を進めなければならぬと私は思うのですが、それが、一夜のうちに土地利用計画を策定して、過疎、過密が解決するというふうな考え方は、一体どう対処されようとするのか。最も地方自治体のことをお考えになっておる自治省は、こういう構想に対して、従来の調査研究の成果なり、その困難性、あるいは進めてまいりました調査等の上に立って、関係省との間にどうこれを折衝し、どうこれを進めていかれようとするのか。その辺の基本的な考え方、今後のあり方や進め方についてお聞かせ願えれば、私の質問を終わりたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 私の所管に属しない問題もございまして、満足なお答えができますかどうか、その点あらかじめお許しをいただきたいと思うわけでございますが、私どもの役所といたしまして、全国の地方自治体のあるべき姿というものを将来構想し、運営をしてまいるという場合の基本的な考え方といたしましては、やはり、基本的には、行政的にも財政的にも強い地方自治体というものをつくる、これが今日の内政の問題における国政の基本でなければいけないというように私は考える次第でございます。  そういった面から見まして、現在のように、三千の市町村の中に、すでにその三分の一というものは過疎市町村である、あるいはまた、全国土の一・四%にしかすぎないところに全人口の六割が住んでおる、他方、全国土の半分を占めておりますところの農山村地域というものには全人口の八%しか住んでおらないというような、こういった、国土の一方におきます過密状態、他方におきまする過疎状態というものは、国土全体の健全な均衡のとれた発展、あるいは国民の福祉の向上という面から申しまして、何と申しましてもこれは問題があるところでございますので、やはり、基本的には、広域市町村圏というものを基本に置きながら、行政の効率的な運営というものをはかる。同時に、他方におきまして、緒についたばかりでございますけれども、コミュニティー構想というものも進めながら、いわゆる近隣社会というものをつくり上げていく。こういう、いわば外に向かっての広域市町村圏、内に向かってのコミュニティーということが一つの基本の様式ではなかろうかというふうに考える次第でございます。  その中におきまして、広域市町村圏、これは現在全国的に三百二十余り設定をいたしておるわけでございますが、その中で、ある程度すでに開発の熟度が進んでおる、あるいは近い将来にそういう熟度を備えるに至る条件というものがあるといったようなところを基礎にいたしまして、広域市町村圏の中から新しい都市圏というものをつくり上げていくべきではないだろうか。そこにおきましては、先ほど申しました都市整備税あるいは地方債、こういったものを基本に置きながらその具体的な展開をはかってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  その場合におきまして、御指摘のとおり、土地利用計画というもの、これがすべての前提になるというふうに私ども考えておるわけでございまして、今日のような乱脈な国土全体の利用状況というものから申しますと、全国的な土地利用計画というものを確定するということが何よりも先決問題であろうというように考えるわけでございまして、この土地利用計画につきましては、現在、関係省の事務次官レベルで、土地利用計画というものをどういうふうに立て、どういうふうに進めていくかということを、定例的に会議を持ちまして、考え方を煮詰めつつある段階でございますが、基本的には、国が基本的な方針、考え方を示しまして、それに基づきまして、都道府県知事が市町村と緊密な連携をとりながら、土地利用計画というものを立ててまいる。各省とも、この土地利用計画の具体的な色分けというものについての考え方は、大体そう差異がないわけでございまして、いわゆる都市化を進めてまいる区域、他方におきまして、自然のままに保全をすべき地域、それから農業地域、その他の地域、大体この四つくらいに基本的な範疇を分けまして、それぞれに応じます土地利用計画、それに伴いますところの土地利用の規制、こういったことを具体的に早急に煮詰めつつある段階でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 時間がありませんので、これで終わります。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 林百郎君。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 私も、時間がありませんので、ごく簡潔に答弁を求めたいのです。  一般的な問題で二問だけお聞きしたいのですが、いわゆる節約の問題です。合計百六十五億円の節約、都道府県で七・〇%、市町村で四%ですね。しかし、今年度の当初の財政計画では、都道府県が一〇・五%、市町村が六・〇%で、二百三十二億の節約。これは、前年度に比べますと、都道府県七・七%、市町村四%より高い節約度を当初予算の中でもう見込んでおるわけなんです。それが今度余裕ができたからといって、これを前年度並みにして、本年度特にきびしくしたことを緩和するような措置をとらないのはどういうわけでしょうか。今年度だけは当初予算に節約として見込んだ一〇・五、六・〇、前年度より高い比率の節約がなし得る。こういう根拠はどこから出ているのでしょうか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 ちょっと、前年度との比較の表をあとで御説明申し上げますが、私どもの考え方といたしましては、先ほども申しました旅費、物件費、維持修繕費、こういうものを対象にいたしまして、現在百六十五億を考えております内容といたしましては、県でございますと、前年度におきましては物件費、これは物件費全体を対象といたしましたが、今年度におきましては、その中の約八割というものを対象にする。あるいは市町村でございますと、前年は五二%を節約の対象にしたわけでございますが、今年度は四二%にこれを下げる。あるいは維持補修費等におきましては、それは土木費以外の維持補修を対象にするわけでございますが、前年は、県の場合は七一%を節約をかける対象にいたしておりましたが、これを五七%に下げる。あるいは市町村におきましても、前年は八八%を対象にいたしておりましたが、ことしは七一%を対象にする。こういったことでございまして、年度当初におきまして、すでに前回申し上げましたように、五割増しの節減というものをかけておりますだけに、今度の追加節約につきましては、その節減の度合いというものをゆるめる。こういうことにいたしまして、そこで、年間を通しましては一二・二%、国の場合が一五%。国の場合よりも、そういう意味におきましては節約の緩和をはかっておるというところでございます。結局、この節約ということにつきましては、私どもといたしましては、やはり、既定の経費について絶えず見直しをして、貴重な税金の使い方でございますので、できるだけ効率的な使い方をしてもらう。こういう考え方から節約を地方団体にお願いをいたしておるということでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 ことしは地方財政がきびしいということで、節約も例年よりパーセントを上げたと思うのです。それに対して、余裕が出てきたということならば、それをむしろ緩和してやるということに施策を施すのが当然だと思うのですが、それが、何ら緩和されないどころか、前年と同じ比率の節減をまた押しつけてくるということは、結局、これは、住民に対するサービスを、節約という名のもとで落とさざるを得ないような結果になるのではないか、私たちはこういう点を心配しているわけです。必ずそういうことになるのではないかということなんです。  そこで、時間がないので次官にお聞きしますが、自治省が認識しているところと、実際の地方自治体の財政の実情とがどうもずれているのじゃないか。自治省のほうは、余裕があるはずだ、自然増もあるはずだあるいは起債の能力もあるはずだというようなことについて、少し楽観過ぎるじゃないかというように思うわけなんです。これは次官にお尋ねしますが、ことしの十月の全国市長会の、「昭和四十六年度都市決算の概況」というのを見ますと、こういうことが書いてあるのですね。「国が財政主導型の積極予算を続ける限り、現行の税財政制度のもとにおいては、歳入における市税の伸びは逐年鈍化し、反面、公共事業の拡大実施に伴う国庫支出金の増大傾向は避けられず、都市財政の中央依存に拍車がかかる結果となるであろう。また、地方財政規模の維持を確保するためには、地方債の比重が高まることも当然予想されるので、将来、都市税源の伸びが期待できないとすると、山積する都市政策を社会経済状勢の変貌に対処しつつ、積極的かつ計画的に推進することは至難なことである。このためには、早急な都市財源の抜本的な拡充強化策が強くのぞまれる。」中央では国の公共事業をますます拡大する、したがって、地方としてはそれに対応する費用を見出さなければならないし、また、国の公共事業自体が、地方自治体を中央へ依存する方向へますます深めていく結果になる、したがって、都市税源の伸びがあまり期待できないときに、山積しておる都市政策、単独の社会経済情勢に対応した仕事をやろうとするためには、積極的かつ計画的に単独事業を推進することがむずかしい条件のもとで、都市財源の抜本的な拡充強化が強く望まれる、と、こういうことが言われているわけなんですけれども、きょう一日の答弁を聞いての自治省の考え方と、実際の地方自治体の財政の実情との間にどうも食い違いが相当あるのではないか、こういうように思いますが、政務次官としてはどういうようにお考えになりますか。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○三ツ林政府委員 自治省と市町村の実態とで認識は相当違うんじゃないかという話でありますけれども、もちろん、市町村等の強い要請等を受けておりますので、実態につきましては、実は認識をしておるつもりでございます。まあ、最近の福祉優先であるとか、日本列島改造政策だとか、そういうふうな仕事、いろいろ公共的な立場で、いわゆる住民福祉というのが基本になりますから、そういうような仕事をどんどん遂行してまいりますには、地方の行政需要にこたえるためには、どうしても金を持たなければなりませんので、そういう点についての地方の要望というのは実は相当強いわけであります。しかし、われわれといたしましてもそういうようなことでありますから、認識がどうということじゃなくて、相当強い認識を持っておりますので、地方に対しまして、自主的な安定的な財政付与といいますか、そういうふうな財政を確立しよう、こういうことでやっておりますけれども、前段もいろいろ論議されたところでありますので、税制調査会であるとか、そういうものの検討を待つとともに、また、自治省といたしましても、これにつきまして十分検討していきたい、かように考えておる次第であります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 一般的な地方財政と、その補強、確立についての問題については各委員からも質問がありましたので、私は、一つの問題、これは在日米軍、軍属、家族まで、個人で所有しておる車両の自動車税についてあまりに矛盾がはなはだしいので、この点について自治省と外務省の安全保障課長にお聞きしたいと思うのですが、米軍の軍人、軍属及び家族が個人で所有しておる車両、すなわち私有車両に対する自動車税はどういうようになっているのでしょうか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 いわゆる地位協定の第十三条三項の規定によりまして、合衆国軍隊構成員等の私有車両につきましては、原則的に、道路の使用について納付すべき租税については納付するけれども、一般的な財産課税としての自動車税については租税を免除される、こういう規定になっております。この地位協定の規定を受けまして、地方税法の特例といたしまして、現在、いわゆる自動車税のうち、道路損傷負担金相当部分について自動車税を課税する、こういうことになっております。したがいまして、一般の自動車税の税率よりは相当低い税率で課税されているというのが現状でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 日本の国内法に、道路の使用について納付すべき租税というのがありますか。そういうものの「租税の免税の免除を与える義務を定めるものではない」と、あなたがいま読んだ日米地位協定の第十三条三項にありますが、こういう税金がありますか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 現行の自動車税につきましては、従来から、固定資産税に相当する税、並びにそれにプラス道路損傷負掛金に相当する部分を加味したものという自動車税の性格の説明がされておるわけです。そういうことで、自動車税につきまして、明確にどの部分が道路損傷負担金相当分であるかということは明らかにしておりませんけれども、従来から、自動車税は、そういう意味で、固定資産税相当分プラス道路損傷負担金相当額を加味している、こういう見地に立ちましてこの協定の運用に当たりまして、道路損傷負担金相当部分については自動車税を納付してもらいたい、こういうことで日米の合同委員会におきまして取りきめをいたしまして、道路損傷負担分相当部分だけは納めてもらうということにいたしておるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 道路損傷負担金分については自動車税を納める。道路使用損傷金分というものが計算できるのですか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 いま申しましたように、自動車税の中では、固定資産税相当部分と道路損傷負担金相当部分というものは明確ではございません。そこで、道路損傷負担金部分というものにつきまして、日米合同委員会におきまして協議をいたしまして、その道路損傷負担金相当部分というものを、一定の計算方式によりまして計算をいたしまして定めたわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 じゃ、具体的にお聞きしますが、米軍人、軍属、家族などの私有車両に対する租税について、自動車税はわれわれとしては相当と考えられる。税額ですけれども、その自動車税と、それからいまあなたの言うような、特別な、米軍に与えている特権と比較して、ひとつ数字を出していただきたいと思うのですが、それは普通乗用車、普通トラック、小型乗用車、自動三輪車、軽自動車でどうなっていますか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 若干の計算の基礎を申し上げたほうがいいと思いますが……(林(百)委員「基礎はどうでもいいです。金額だけでいいです」と呼ぶ)普通乗用車が九千円でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 日本人に対して、自動車税は……。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 自動車税の現行税率は軸距によって違いますが、五万四千円と九万円でございます。それから、小型乗用車は、これは排気量によって差がございますが、一万八千円から二万四千円でございます。これが、米軍に対するものが三千円でございます。それから、普通トラックが、現行税率が一万五千円でございますが、米軍に対しましては一万九千五百円。それから、軽自動車は、これも四輪乗用車が四千五百円、三輪乗用車が二千円、二輪乗用者が千五百円、これが三百円でございます。それから、二輪の小型自動車、これが現行税率が二千五百円に対しまして、六百円でございます。  以上でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 いま言われました自動車税相当の米軍あるいは家族、あるいは使用者関係に対する税率はいつきまって、その後いつ変わっていますか。いませんか。それから、日本のほうの自動車税はいつきまって、いつ何倍に値上げされておりますか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 この米軍に対する自動車税の税率をきめましたのが昭和二十九年でございます。昭和二十九年以降におきまして、自動車税の税率が変わりましたのが昭和三十六年、それから昭和四十年とございますけれども、この場合の税率の改正は乗用車についてでございます。トラックにつきましては、二十九年以降据え置きでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 米軍関係はどうなんですか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 米軍に対しましては、二十九年以降変わっておりません。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、日本の国内の自動車税は、そこで、三十六年、四十年で、大体二十九年ですかにきめたものの何倍くらいになっておりますか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 乗用車、しかも自家用車についてでございますけれども、五割増しでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 いま、トラックが、米軍関係は一台一万九千五百円ということになっていますが、東京都の例で申しますと、米軍関係のトラックが百五十五台ございますが、実際一万九千五百円納めているのですか。これは東京都でも問題になって、われわれは、実際納めている税金の額を知っているのですけれども……。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 現行の自動車税の普通トラックの税率は、四トンから五トンまでの標準税率として、地方税法の税率は一万五千円であり、米軍の税率が一万九千五百円でございます。現在、このトラックにつきましては、その積載量並びに排気量によりまして、この税率を標準にいたしまして、それぞれその大きさによって税率を変えております。したがいまして、トラックにつきましても、一万九千円の部分もございますし、もっと安いものもございます。そういうことで、東京都の場合は、トラックの内容はすべてライトバンで、千五百ccから二千ccまでの小型トラックでございます。そういうことで、東京都におきましては、税率は、三千円という普通の小型乗用車の税率を採用いたしております。また、県によりましては、たとえば埼玉県の場合には、いわゆる貨客兼用のライトバンにつきましては三千円、その他のトラックにつきましては一万九千五百円というふうに、それぞれの県の米軍のトラックの構成によりまして、税率はそれぞれの実態に応じた税率を採用しているというふうに考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 税率はわかっておるのです。税額は一万九千五百円ときまっておるけれども、いまあなたの言ったように、小型だというような理由によって、実際は三千円しか取っておらないというのが実情じゃないか、こういうふうに聞いているのです。一万九千五百円まるまる取っている例がありますか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 東京都はすべて三千円でございます。トラックが、ほとんどがライトバンでございますので、三千円程度の課税をしているところが多いと思いますが、一万九千五百円の税率を適用している例は、埼玉県、長崎県等に例がございます。これは、結局、トラックの内容を見ますと、全国で二百七十六台ございますが、四トンから五トンという大型のトラックは一台だけでございまして、あとはすべて貨客兼用の小型のトラックでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 結局、一万九千五百円ということを形の上ではきめておるけれども、貨客用だとか、あるいは小型というような名目で三千円しか納めておらないというのが実情だと思うのですね。いまあなたの出した数字を要約してみますと、普通乗用車では、米軍関係は、日本のそれに比べて六分の一。しかも、車軸三・〇四八メートル以上のもの、たとえばキャデラック等を見ますと、わずか十分の一。小型自動車では、米軍関係は七分の一、自動二輪車では、米軍関係は約四分の一、軽自動車では、米軍関係は約五分の一、こういうことになっておるわけですね。  いま、地方財政が非常に窮乏しているというとき、地方財政の拡充が当面の緊急の問題になっているときに、この米軍関係の自動車について、このように、はなはだしいのは国内の自動車税の十分の一から、四分の一程度の実質上の自動車税しか取っておらないということは、これは重大な問題だと思うのですがね。これは、やはり、この協約を改正をして、至急自動車税を普通の自動車税として、日本の自動車並みの税金を取ってしかるべきだと思うのですよ。これについて、何らかの対策を講じ、アメリカ側と交渉する——合同委員会で、この改正についての申し入れを、外務省あるいは自治省、両省で考慮をしたかどうか、そして、考慮をして交渉したかどうか、交渉したとすれば、その結果はどうなっているか、これを外務省と自治省からお聞きしたいと思うのです。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 先ほども申しましたように、一般的な自動車税につきましては、いわゆる固定資産税相当額の自動車税というものにつきましては、この地位協定の第十三条第三項の本文によりまして課税免除になっておるわけでございます。したがいまして、この第三項の後段の規定によります部分につきまして税率を変えるかどうかという点につきましては、これは日米合同委員会の協議事項になると思いますけれども、本来の課税免除部分についてどうするかという問題は、この条約自体の問題になりますので、私どものほうからそれについてどうするかということは御答弁申し上げることができないというふうに考えます。

松田慶文外務省アメリカ局安全保障課長

○松田説明員 お答えいたします。  地位協定におきましては、合衆国軍隊のそのものの取り扱いと、御指摘の構成員等の私有財産関係の二つに分けまして、種々の特権免除を与えておりますが、これは、条約に基づいて外国軍隊の駐留を許している以上、国際慣行その他に応じまして、適正な特権免除を与えているものでありまして、単に道路の使用に関する租税のみならず、関税の問題、その他財産課税の問題、多々ございますが、このようなものに対して、一定の仕組みをもってこのような措置を条約として設けているのでございまして、現在、私どもといたしましては、十三条三項の私有車両に関する租税について、特段条約改正というような考えは持っておりません。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 先ほどの自治省の説明を聞きましても、自動車税のうちの道路損傷の補償の部分と固定資産部分とに分ける。自動車の道路損傷の補償部分というのは、抽象的で、計数的に出てこないわけなんでしょう。だから、これは政治的な折衝で引き上げることもできるし、また、合同委員会で問題にし得ることだと思うのですよ。で、松田さんにお聞きしますが、合同委員会に引き上げの申し入れをしたことがないですか。私どものほうの調査ではあるはずですよ、昭和四十三年に。

松田慶文外務省アメリカ局安全保障課長

○松田説明員 私の先ほどの御説明は、条約そのものの改正については考えていないということを申し上げた次第でございますが、合同委員会を通ずる本件の従来の記録によりますと、四十三年以降、日米間におきまして、あらためてこの問題を見直そうというような形で話し合いは行なっております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 だから、話し合いを行なった結果どうなっているのですか。どういう申し入れをして、そして、その申し入れについてどういう回答があるわけなんですか。

松田慶文外務省アメリカ局安全保障課長

○松田説明員 先生御承知のとおり、合同委員会には、幾つかの下部機関、専門的な小委員会がございまして、本件は財務小委員会の担任事項でございます。そして、税を含む財政問題について、大蔵省、自治省と御専門の関係省庁の代表の方に入っていただいて、米側と協議するわけでございます。この財務小委員会の場を通じまして、先ほど御答弁申し上げましたとおりのお話し合いが行なわれましたが、一つ申し上げたいのは、昭和二十九年、道路の使用に関する納税部分という形で、三千円とか六千円とかきめる際の日米間の話し合いの結果は、普通トラックを一つのモデルといたしまして、これのうちの道路損傷負担金相当部分は幾らとみなすべきかという協議をるるしたわけでございます。ところが、その普通トラック分は、二十九年以降日本側においては税率改定が行なわれておりません。したがいまして、日米間に新しい問題を提起すべき二十九年の経緯にかんがみての交渉は、実はなかなかむずかしい次第でございまして、四十三度以降の折衝の過程を通じて、現在まで、米側と全体的な引き上げについての合意を見るに至っておりません。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 合意を見るに至っていないということは、こちらから申し入れをしたけれども、まだ何ら回答が来ておらないということですね。さっきあなたの答弁があるように、引き上げの申し入れをしたわけでしょう。それに対して、米側から、それならば、その率をこの程度にという話があったんですか。それとも、全然回答がないのですか。この点もわれわれは結論をちゃんと調査して持っておりますけれども、その点はどうなんですか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 米側のほうから引き上げについての回答は来ておりません。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 松田さん、合同委員会へ申し入れをしたと先ほどあなたは言いましたね。そうすると、申し入れをしたけれども、しっぱなしで、何らの回答が米側から来ておらない。自治省の回答と外務省の回答を総合してそう理解していいですね。

松田慶文外務省アメリカ局安全保障課長

○松田説明員 先ほど申し上げましたとおり、四十三年に、自動車税のうちの道路損傷負担金部分の金額につきまして見直そうということで、アメリカと話し合いを始めまして、私どもとしては、二十九年から後の経済情勢の変化に基づきまして、金額の引き上げをはかるべきではないかという提案をいたしました。しかし、その後非公式に数回の接触がございましたけれども、まだ、米側から、公式にそれに応ずるというふうな回答には接していない、こういうことでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 わかりました。申し入れをしたけれども、話し合いに応ずるという回答すら来ない、こういうことなんですね。しかし、道路損傷ということになりますと、現在の米軍人、軍属、家族の使用している自動車の道路の損傷の度合いというのは、国内自動車よりももっとはなはだしいものがあることはだれが見ても明らかだと思うのですよ。それに対して、地位協定によって固定資産税分は除かれているということは答弁がありましたけれども、道路損傷部分だけでも、日本の国内車に比べて、あまりにも明瞭な、はなはだしい損傷を与えると考えている。その米側に対して、自動車税の固定資産税部分をかりに除いたとしても、四分の一、五分の一、六分の一、七分の一、十分の一というような状態でいつまでも置くということは、日本国の主権がアメリカに非常に従属した状態にあるということのひとつの象徴になると思うのですね。しかも、いま、地方財政について、われわれがこんなに真剣に問題にしておる際でありますから、これは当然こちら側の申し入れに対して米側が誠意をもって回答をし、あるいは話し合いをするということの促進をすべきだと思います。  そこで、そういう前提に立って、これは自治省にお聞きしますが、現在、米軍人、軍属、家族の使用する車両は大体どのくらいあって、それにかりに国内並みの自動車税を課した場合は、どのくらいの税収があると計算しておりますか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 現在の課税台数は、最も新しい資料で申し上げますと、昭和四十五年度でございますが、自動車税の課税台数が二万五千台、軽自動車税の課税台数が三千台ということになっております。その自動車の税額が、四十五年度で一億四千万円、軽自動車税が百十六万円という数字でございます。また、各車種ごとに税率が違いますので、詳細な計算はできませんけれども、約十億弱であろうと思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それは、年間十億ということですね。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木政府委員 はい。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 年間十億の地方税が、都道府県、あるいは一部は市町村に行くのですけれども、本来、対等な形で米側と交渉すれば、地位協定の問題も改定をし、あるいは道路使用損傷部分の引き上げによってもさらに一定の改善が見られるのに、昭和四十三年にこの改善の申し入れをしたのに、向こうからは話し合いの回答もまだない。昭和四十三年に申し入れをしたのに、四十四、四十五、四十六、四十七年と、四年間も回答がないままで放置してあるというのは、松田さん、これは一体どういうわけですか。

松田慶文外務省アメリカ局安全保障課長

○松田説明員 私が先ほど御説明申し上げましたとおり、四十三年に話し合いを始めましたけれども、その後向こうが何ら言ってきておらないとは申し上げておりません。数回にわたって接触はございます。そのときの先方の説明ぶりは、二十九年の経緯にかんがみ、すなわち、道路損傷負担金相当額の日米間の交渉の基礎となりましたモデルが普通トラックということであり、その普通トラックの税率がその後日本側において改定を見ていない。したがって、論理的に二十九年の合同委員会合意を変えるべき根拠はないのではないかという米側の非公式見解は述べられている次第でございます。それが第一点でございます。  それからあと、自動車税そのものではございませんけれども、たとえば自動車重量税といったものにつきましても、この十三条三項の趣旨に沿いましたところの、すなわち、道路の損傷にかかわるものという部分については、米側から徴収している次第でございます。したがって、先ほども、米軍からの納付が一億数千万に対して、かりにこれが現行どおりの自動車税の料率であれば十億というお話がございましたけれども、あくまでも、現行自動車税というのは、財産税と道路使用負担金と二重の性格を持っているということをもう一度申し上げさしていただきたいと思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 あと一、二点で終わりますが、地位協定の十三条三項の、米軍の持っている自動車を財産と認めない、ただ、道路を走る場合の道路の損傷の補償金だけについては、その義務については免除しないという、この取りきめ自体がはなはだ不公正だと思うのですよ。だから、このこと自体根本的に合同委員会で話し合わなければならないと思うのですよ。しかし、松田さんの答弁によると、米関係の自動車の道路使用の損傷部分についての話し合いをしたけれども、そのもとがトラックを基準にして行なっているので、それでその話がそのまま進まないという。そうすると、最後にあなたが話し合ってそういう回答を得たのはいつですか。

松田慶文外務省アメリカ局安全保障課長

○松田説明員 昭和四十四年八月十九日でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 昭和四十四年というのですから、その後、ことしに至るまで三年間ですか。四十五、四十六、四十七年ですね。その間そのまま放置されているということは、外務省としては、真剣にこの問題を考慮して米側と交渉する意思がないんだということの一つの象徴じゃないでしょうか。あなたは外務省ですから、いま地方自治体の財政がどういう状態になっているかということはあまり意識にないかもしれませんけれども、少なくとも、地方行政委員会で、各委員の皆さんの論議をあなたが一日でもお聞きくださるならば、いま地方自治体でどんなに財政問題が真剣に論議されているかということは気がついていただけると思うのですよ。そういう中で、毎年十億近くの一これは、私のほうの計算はまたあとで申しますけれども、私のほうの計算によりますと、昭和四十五年度の台数で、大まかに計算して七億五千万。沖繩も今年度から同じ課税ができますので、沖繩分も入れますと約十五億円に達する。これは、米軍関係の使用車について、日本側と同じように課税するということになれば、当然十五億の金額に達するわけなんですね。ところが、先ほどの、今年度の補正予算の説明にもありましたけれども、公務員のベースアップ分を節約していかなければならない。しかも、不交付団体分については三十五億ですけれども、不交付団体だけでも三十五億というような金を節約していかなければならない。これは節約といっても、実際は節約する弾力性がいまの地方自治体にあるかどうかということは、私は、非常に大きな問題点だと思いますが、いずれにしても、幾らか余裕ができれば、地方財政を節約して、そして一般財政からの繰り入れをいままでの借り入れ金の償却に充てるというときに、沖繩分も入れて年間十五億の、米軍の使用しておる自動車に自動車税をかければ収用できるべき正当な税金を取ることができないでいる。しかし、それも、四十四年に外務省としては合同委員会に話し合いをしたけれども、それ以来は回答も得ておらないし、話し合いも進めておらないということですね。これは地方自治体の財政に重大な影響を及ぼす問題でありますので、もっと真剣に考えてもらわなければならないと思いますが、その点について、根本的には地位協定の十三条第三項の改正、あるいは、さらには、かりに道路の使用によって損傷する補償の部分ということにしても、その引き上げについて、二十九年以来全然何らの引き上げの措置もとられていないということに対しては、外務省としてはもっと真剣に合同委員会で論議をすべきだと思いますけれども、その点についてはどう考えますか。

松田慶文外務省アメリカ局安全保障課長

○松田説明員 るる御説明申し上げましたとおり、外務省といたしましては、日米合同委員会の全体的事務局の立場から、米側との折衝、連絡に当たっておりますが、この種案件は、各小委員会ごとに、御専門の所管省庁と御一緒になって仕事をしておる次第でございます。外務省は、税のこまかい問題を踏んまえて米側と交渉する能力もございませんし、いわば、場をつくって、そして各省庁と御一緒にやるというのが、単に税の問題のみならず、すべて一般に通ずるやり方でございます。したがいまして、本件につきましても、担当官庁である自治省と御協力申し上げて、今後とも努力してまいりたいと考えます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 じゃ、いまの問題はそれにしておきまして、それでは、まだ時間がありますので、一、二聞いておきたいと思うのです。  一般的な今度の交付税の改正に関する部分についてお聞きしたいと思いますが、当委員会でも論議がされてきたのですけれども、国の補正予算による公共事業費の増加に伴って、地方負担分の三千四百億円に対して、地方債の第二次追加二千九百五十四億円をとっておるわけであります。ここであらためて自治省にお聞きしますが、鎌田さんは非常に楽観論で、この点については楽観論者の尤たるものでありますけれども、一体、地方債の発行の限度というものは、こういうように、地方負担部分に対して、第二次の追加地方債の発行を二千九百五十四億も許していくというようなことを、このままいつまでも継続していっていいのでしょうかね。あなた方自治省の首脳部に、地方債の発行の限界というものについて、何らかのワクがあるとかないとか、あるいは、これはどの程度まではこういう合理的な根拠によって許されるものであるとか、そういう点についての限界をお聞きしないと、地方自治体からいえば、まだ返済の能力があるといいながらも、事実上は、毎年毎年地方債が山積していくわけなんですからね。これが鎌田さんの言うように、まだ能力があるからいい、この点はもっと積極的に地方債を発行してもいいんだということで済ましていくわけにいかないと思うのですけれども、この点どうでしょうか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 これは、私、手放しで楽観しておるわけではございませんで、先ほども申し上げましたように、地方団体全体として、公債に依存する限度というものさしをどの辺に置くべきかということにつきましては、私ども常時検討いたしておるわけでございます。そこで、一つの考え方といたしまして、歳入の中で、いわゆる地方債の占める構成割合、これは、御案内のとおり、公債の依存度と申しておるわけでございますが、公債の依存度というもののめどをどの辺につけたらいいのであろうか、それからもう一つの問題といたしましては、歳出の面で、公債でございますから元利償還というものが毎年出てまいりますが、この元利償還金というものが、一般財源の中でどの程度のウエートを占めるに至ったならば警戒信号を出し、危険信号を出すか、こういう両面から私ども検討をいたしておるわけでございます。  そこで、現在、私どもの一つの考え方といたしましては、四十六年度までは財政計画上の地方債の発行額プラス、ワク外で出しております縁故債。これの実績はわかります。四十七年度におきましては、現在の第二次の追加までの額に、プラス昨年並みのワク外縁故というものがあるという前提を立てました。それから、四十八年度は、現在要求をいたしておりまする、この中の普通会計債務、これにやはりワク外縁故分をプラスいたしました。それから後は、大体年率一五%伸ばしていく。こういうモデルをつくりまして、その場合に、元利償還金というものは、一般財源でどの程度のウエートになるであろうかというものをつくってみました。もちろん、これも、経済成長率をどの程度に設定をし、それに基づいて地方税がどれだけ伸び、譲与税がどれだけ伸び、交付税がどれだけ伸びるかということで、この幾つもの仮定を立てなければならないわけでございますが、かりに、この経済成長率を今後二二%で平均してまいるということになりますと、一応ピークになりますところの昭和五十五年度におきまして一一・四%、それから、一五%で経済成長率が平均伸びてまいるということになりますと九・六%程度ということになるわけでございまして、私ども、地方債それ自身の機能と申しますか、働き、あるいは役割り、こういうものからむしろ考えてまいらなければならないと思うわけでございます。もちろん、この財源が足りないから地方債に逃げ込むということは、これは極力避けなければならないと思うわけでございますが、そういう問題を離れまして、一応公債費の一般財源に占める割合というものからまいりますと、いま私が申しましたような規模で今後発行を続けていくという場合におきましても、この程度の公債費の一般財源に占める割合であるならば、地方財政全体といたしましてはそう心配する必要はないのじゃないだろうか。  ただ、何べんも繰り返して申し上げますように、これは三千の団体のトータル計算でございますので、個々の団体におきましては、たとえば大都市周辺の人口急増地域の市町村でございますと、すでに公債比率がかなり高くなっておるところがございます。また、いなかの財政力の弱い市町村に地方債を抱かせるということにつきましては、これはもとより、私どもといたしましては、財政力、将来の財政負担というものとのからみ合いで慎重に考えてまいらなければならない。そういうことから、できるだけそういうところは交付税で措置をする、あるいは、地方債を割りつける場合におきましても、政府資金をできるだけ多くはめる、こういうことで公債費の重圧というものを避けてまいりたい。こういうことを考えるならば、全体といたしましては、私は、今年度の増発をもちまして、直ちに将来の地方財政に救いのないような重圧を負わすということには絶対ならないというふうに確信をいたしておる次第でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 これは、地方制度調査会の第十五次地方制度調査会答申にあるわけですけれども、あなたの言う経済の成長という中で、国は公債を発行して、そしてそれを公共事業に投資をして、国内生産に、ことに公共土木事業だとか、そういう点で刺激を与えることができると思うのです。しかし、そういう、国が公債を発行して国内投資をして、そして建設事業やいろいろなものに刺激を与えるという場合は、地方自治体がそれに対応する費用を必ず捻出しなければならないわけなんですね。そういう捻出しなければならないものを、これを安易に地方債へのがれていく。逃げ込む。あなたは、そういうことはしないつもりだというようなことを言いましたけれども、そういうことになりますと、財政力の弱い地方自治体の地方債と国が公債を発行するのとは質的に違ってきますから、この点を特に考えてもらわなければならないと思うのです。  そこで、国は公債を発行することができる。しかし、その場合は、必ず国内の——これは財政法にもありますから、それは国内の建設事業あるいは公共土木事業のほうへ投資される。そうなりますと、それが地方自治体の対応費の捻出にはね返ってくるということになりますから、国が公債を発行した場合には、その発行に伴う地方財源の不足については、これは、私が申しました答申についても、一般財源でもって措置すべきであるといっているわけですね。今度の補正予算でも三千六百億円の公債発行が予定されている。これはもう当然公共事業の拡大が予定されているわけですけれども、今回の地方財政補正措置をきめるにあたって、公債を三千六百億国のほうでは発行する、そのはね返りとして、地方自治体がそれに対応しなければならない費用を見るのを、これを地方債の追加によって見る、こういう形になっているのじゃないでしょうか。しかし、国が公債を発行する、それに対応するために地方は地方債に逃げ込むということになりますと、財政力が質的に全然違う国の公債発行と、地方自治体の地方債の発行とは、おのずから性格は違ってきますから、これはやはり、答申にあるように、公債発行に伴う地方財源の不足については一般財源で措置すべきである。これが原則だと私は思うのです。  ところが、今度の措置を見ますと、二千九百五十四億の地方債の発行、これに逃げ込んでいるのじゃないですか。地方自治体に対して非常な大きな負担をかけるような、こういう財政措置が雪だるま式に大きくなっていくということは、——もちろん、国の公債発行がばく大になることがどんなに経済的な破綻と危機がくるかということは、これはもう戦前にもわれわれ経験していますけれども、同時に、地方自治体の地方債をも雪だるま式にそれが大きくさしていく。自治省の方針がここへ逃げ込むような方針を持っているとすれば、これは重大な問題だと思います。今度の補正予算措置でそういう点が見られると思いますが、こういう点はどうお考えになりますか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 今度の公共事業の拡大に伴いまする地方負担の中身を見てまいりまするというと、たとえば災害復旧事業、あるいは義務教育施設の整備事業、あるいは公営住宅の建設事業、こういったようなものがあるわけでございます。こういうものにおきましては、何がしかの国庫補助の追加ももちろんあるわけでございますし、あるいはまた、地方税の自然増収もあるわけでございます。本来、たとえば災害復旧事業等でございますと、この国庫負担の裏の公共でございますと、九割までは地方債で措置をする。これは今度の場合だけでございませんで、常にそうなんでございますけれども、あるいは単独事業でございますれば、単独災害でございますれば、一〇〇%地方債で措置をする。その元利償還につきましては、ものによりまして、九五%は交付税で見る、あるいは五〇何%は交付税で見る、こういうしかけの上に乗っているものが大部分でございました。  私どもの考え方といたしましては、従来のルールで地方債に乗るものについてはこの地方債を充当いたしまして、ただ、その場合におきまして、いわば国の政策的な都合による公共事業の追加という面があるわけでございますから、それに対する地方負担については、地方債の充当割合を高めて、かつ、政府資金をその七割は充てる、こういうことで配慮をいたしたつもりでございまして、財源不足をすべて地方債に逃げ込むという措置は絶対にとっておらないというふうに考えておる次第でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 しかし、本年度の国の補正予算による公共事業の増加に伴う地方負担分の三千四百億に対して、二千九百五十四億も地方債へ肩がわりをしていくということは、これは非常に重大な問題だと思うわけです。先ほどあなたが言われたように、地方債の発行といっても、それは公債を発行していく国の事業の中において、地方債負担部分ということが、ひものついているものについて地方債が発行されるんだ、だから、その点については適法に行なっているのだというお話ですけれども、しかし、最近こういう話が新聞にも発表になっているのです。十月二十五日の毎日新聞によりますと、大蔵省が、地方債発行の許可制について、総ワク制に切りかえる、そういう個々のひもつきの地方債でなくして、総ワク制に切りかえるということを検討しているという、こういう記事があるわけです。こうなりますと、さっきあなたの言ったような論理が解消してしまって、地方自治体のいろいろの負担が、規制なくして地方債に総転嫁していくという可能性も出てきて、これは非常に憂うべき事態になるのではないかというように私は考えているわけですけれども、こういうことを自治省は聞いておりますか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 私ども聞いておりません。新聞の記事によって私ども聞いておるだけでございますが、推測をいたしますと、地方債の総ワクというものだけをきめて、個々の事業の許可というものについては、これを行なわない、地方団体の自由にゆだねる、自主的な判断にゆだねるということであれば、これは、地方債の運用方針としては、やはり  一つの新しい進んだ考え方であろうというふうに私は思うわけでございますけれども、いまの点に  つきましては、大蔵のほうから、私ども、何も公式に話を一切聞いておらないところでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 では、これで終わりますが、結論を申しますと、鎌田さん、今度の地方税法の改正については、昭和四十六年度以降の不況とドル・ショックの影響を受けて非常に表面化してきておる地方財政の危機の実態と、その打開策については、いままでこの委員会で幾度も論じられましたが、各委員が心配していることは、政府の地方財政対策について、税財源の毒配分だとか、あるいは交付税率の引き上げだとか、あるいは地方債における政府資金の大幅な増額だとか、そういう方向へ地方自治体が大きな希望を持っており、あるいは要望を持っているにもかかわらず、自治省の方向がそういう方向でないということについてであり、その点について、当委員会で、野党側から、自治省に対して、あるいは政府に対して、いろいろの角度から質問が行なわれたわけです。今度のこの改正法を見ましても、交付税の特別会計からの借り入れを返済するとか、あるいは地方債の増発などを内容とするものであって、結局、これを見ますと、地方の借金のみが増加する、そして、地方自治体が真に望んでおる自主的な財源を幾らかでも余裕を与えてやるという方向に向いていないということについては、われわれは非常に大きな不満を持っておるわけです。  したがって、本案に対する態度に対しても、われわれは賛意を表するわけにいきませんけれども、地方自治体の望んでおる地方財源の再配分だとか、あるいは交付税率の引き上げだとか、そこまでいかないにしても、地方債における政府資金の引き受け額の増額だとか、そういう方向へ一そうの努力をするように大きく期待をいたしまして、私の質問を終わります。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 これにて、本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 これより討論を行なうのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 ただいま議決いたしました昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、中村弘海君、山本弥之助君、小濱新次君及び門司亮君から、四派共同をもって、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を求めます。中村弘海君。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党を代表いたしまして、昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付したいと思います。  案文の朗読により、趣旨説明にかえさせていただきます。    昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、地方財政の現状にかんがみ、とくに左の諸点について遺憾なきを期すべきである。  一 明年度の地方財政は、住民福祉の拡充、社会資本の充実等の財政需要が著しく増嵩し、今年度にひきつづき財政運営上の困難が予想されるので、地方交付税の所要額の確保、地方税源の充実、政府資金による地方債の拡充および償還期限の延長等総合的な地方財政対策を講じ、地方財政の運営に支障を生ずることがないように措置すること。  二 大都市の再開発および地方都市の整備のための都市税源の充実をはかるとともに、人口急増地域および過疎地域の市町村に対する財政対策を拡充すること。  三 地方道路財源とくに市町村道の整備のための道路目的税源の拡充をはかること。  四 公営交通事業の経営危機を打開し、経営の健全性を確立するため、明年度からあらたな財政再建措置を講ずるとともに、国の財政援助の拡充、都市交通環境施設の改善整備等総合的な対策を強力に推進すること。  五 国庫補助負担事業について、地方団体において多額の超過負担を生じている実情にかんがみ、その完全な解消をはかること。   右決議する。 以上であります。  何とぞ、皆さま方の御賛同をお願いします。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 以上で、趣旨の説明は終わりました。  本動議の採決をいたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 起立総員。よって、中村弘海君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福田自治大臣。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、御趣旨を尊重し、善処いたします。(拍手)     —————————————

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 おはかりいたします。  ただいま議決いたしました法律案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 警察及び消防に関する件について調査を進めます。  去る六日に起こった日航機乗っ取り事件及び北陸トンネル列車火災事故について、関係当局からそれぞれ説明を聴取いたします。警察庁関根刑事局長。

関根廣文警察庁刑事局長

○関根政府委員 日航機ハイジャック事件について、事件の概要を申し上げます。  十一月六日の午前八時五分ごろ、名古屋上空を航行中の日航三五一便、ボーイング727が乗っ取られまして、キューバ向けの代替機と二百万米ドルを要求されるという事件が発生し、警視庁及び警察庁に警備対策本部を設置いたしまして、人質となった乗客及び乗務員の安全救出を第一とした所要の警察措置をとりました結果、午前十時四十六分羽田空港に着陸いたしました同飛行機から、乗客全員とスチュワーデス三名をおろさせることに成功した上に、午後四時五分、犯人が人質三名を伴いまして代替機に乗り移った直後に、同機内で待機中の警察官により犯人を逮捕した次第でございます。  発生した日時は、十一月六日の午前八時五分ごろ、場所は、名古屋市上空、被害の飛行機は、日本航空三五一便、羽田発午前七時二十分の福岡行きでございまして、ボーイング727、JA八三一九機、乗務員六名、乗客百二十一名でございます。  被疑者は、本籍東京都文京区本駒込四丁目一九九の中岡達治、四十七歳でございますが、住所は米国カリフォルニア州ロサンゼルス市アナントレール六二三一でございます。  逮捕罪名は、航空機の強取等の処罰に関する法律第一条、爆発物取締罰則第一条、第三条、銃砲刀剣類所持等取締法第三条違反でございます。  事件認知の状況でございますが、午前八時十四分ごろに、加藤機長から、航空管制本部に、無電で、「ハイジャックされた。国籍不明の外人一名がピストルを突きつけ、米ドルで二百万ドルとDC8機を準備しろと脅迫している。また、貨物室に十キロ爆弾二個をタイマーでセットしたと言っている。」という旨の緊急入電がありまして、東京空港事務所を経由して、午前八時三十八分、二〇番により警視庁に通報があったわけでございます。  捜査の体制といたしましては、午前八時四十五分に東京空港署に現地指揮本部を設置いたしまして、刑事部長、警備部長の両部長以下約千五百名の警察官を空港周辺に配置いたしまして、警備その他の措置に当たったわけであります。  午前十時四十五分、乗っ取り機が空港C滑走路に着陸いたしましたが、犯人からさらに代替機DC8を要求してきましたので、これに応ずることといたし、その代替機の中に捜査員七名を潜入させまして乗っ取り機の近くまで運んだわけであります。  午後二時四十分、犯人は、当方の説得に応じまして、乗客全員とスチュワーデスを機外に解放し、午後四時、機内に残っておりました乗務員三名を人質にしながら乗っ取り機からおりて、代替機のDC8機へ乗り込んでまいりましたので、その直後に、機内に潜入しておりました捜査員がこれを逮捕したものであります。  押収品は、おもなものは次のとおりでございまして、たまが六発入っております拳銃が一丁、それから、ケースに入りました挙銃弾が四十一発、鉄パイプ爆弾と思われるものが七本、無煙火薬と思われるものが約三キログラム、導火線が六本、パラシュート一組、スコップ一丁、その他でございます。  取り調べの状況でございますが、逮捕しました後に取り調べました被疑者の自供の概要は、まず経歴でありますが、先ほど申し上げました本籍地で生まれまして、同地の昭和小学校、郁文館中学校を卒業いたしまして、立教大学の予科を中退、昭和十八年に陸軍航空隊に入隊し、熊谷航空隊に配属になり、昭和二十年八月、神奈川県の相模原航空隊におきまして、陸軍少尉として終戦になりました。昭和二十四年に渡米、その後現地で結婚という状況でございます。  家族関係は、アメリカの住居地に妻及び三人の子供の四人が居住しておりましたけれども、昭和四十三年から別居いたし、その後はときどき顔を会わす程度になっております。なお、奥さんは会社につとめまして一家の生計を立てておるという状況であります。  現在の職業は、被疑者は一定の職業を持ちませんで、土方とかアルバイトなどをして生活をしてまいったようであります。  犯行の動機などにつきましては、アメリカでの現在の生活にあきたらないということで、キューバに行って、さらに南米のウルグアイ国の空港を占拠し、革命を起こして大統領になるつもりだったというふうに言っております。革命に使う機関銃の購入資金が必要であった、日本でハイジャックをやったのは、日本の国内線は、諸外国に比べまして、身分証明書などのチェックがなく、偽名による電話の申し込みでも簡単に航空機に乗れるという状況だからであるというふうに言っております。  それから、拳銃などの入手、持ち込みの状況でありますが、拳銃とたま五十発は、本年の十月十六日に、サンフランシスコ市内の中古品売り場で百十ドルで買った、火薬類も、同市内の火薬店で購入をした、日本へ持ち込むときは、以前に、テキサス大学の某教授の書いた「ハイジャック犯心理学」という本を読んだときに、明るい色の四角いかばんに入れ、カラーシャツを上にかぶせて隠せば点検されずに持ち込めるというふうに書いてありましたので、そのとおり実行したら成功したというふうに言っております。  入国から犯行までの足取りでございますが、十月三十一日の午後三時三十分に羽田に着きまして、空港の東急ホテルで休憩した後に、午後八時三十分羽田発の日航機で福岡に参り、西鉄グランドホテルで四泊、十一月四日、日航機で上京し、都内の高輪プリンスホテルで二泊しております。  今後の捜査等でございますが、なお、まだ、供述にあいまいな点が少なくございませんので、さらに追及をするつもりでございます。また、火薬類と思われる押収物の鑑定を急ぐ、あるいはまた、アメリカでの生活状態など、身辺捜査を徹底するという方針でございます。  また、今後のハイジャック防止対策といたしましては、凶器の持ち込みを防止するための装備資器材の改善と増強をはかる、あるいは、警戒要員の増強と効果的な警戒配置を行なう、あるいは、事犯防止の実効を期するため、国民の理解と協力を得る方策を推進するという方針で、鋭意対策を立ててまいるつもりでございます。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 次に消防庁、宮澤消防庁長官。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤政府委員 北陸トンネルの列車事故につきまして御報告を申し上げます。  事故の発生日時は、昭和四十七年十一月六日の一時十分ごろでございます。  場所は、北陸トンネルの敦賀駅側入り口から約五・二キロメートルの地点でございます。  事故の車両は、急行「きたぐに」でございまして、二十二時十分大阪を出ました十四両編成でございます。  乗客は七百六十一人、乗務員も合わせまして、当時、七百九十二人がその列車に乗車をいたしておりました。  発火の場所は、後部から四両目の食堂車でございまして、同食堂車を全焼いたしました。原因につきましては、目下調査中でございます。  被害の状況は、死者が二十九人、負傷者が七百十九人でございます。  以上が事故の概要でございますが、次に、県その他関係機関の活動状況につきまして御報告を申し上げます。  この事故の発生に伴いまして、県といたしましては、直ちに、北陸トンネルの事故災害対策本部を設置をいたしまして、陸上自衛隊の鯖江にございます施設隊、それから金沢の普通科連隊に災害派遣の出動要請をいたしました。同時に、毛布、酸素ボンベ、ドライアイス等の必要な品物を現地に輸送をいたしております。  次に、市町村及び消防関係機関の措置でございますが、出口に今庄町がございますが、今庄町では、直ちに災害対策本部を設置いたしまして、救助隊との連絡、たき出し等を実施いたしております。  それから、消防関係機関でございますが、消防関係機関につきましては、入口の敦賀の地区におきましては、敦賀・美方の消防組合がございます。それから、出口の地域につきましては、南越消防組合、福井市の消防本部、それから鯖江丹生消防組合。四機関があるわけでございますが、それぞれ事故につきまして連絡を受けますとともに、消防職員、消防団員が出動いたしまして、救助、避難誘導、負傷者の搬送等を実施をいたしております。  出動の状況は、消防職員、団員二百数十名が出動をいたしておりまして、救急車十一台、消防自動車七台、高発泡化学消防車、酸素呼吸器等、必要な資材を出動させております。  事故の概要及び、これにつきまして関係機関がとりました措置は以上のとおりでございます。  先ほど申しましたように、原因は目下調査をいたしている最中でございます。運輸省を中心にいたしまして、事故対策につきましての委員会を設置いたしまして、私ども消防関係からもそこに参加をいたしまして、今後の対策を検討いたすことになっております。  なお、私ども消防の立場から見まして、検討事項と思われます点は、一つは、やはり、車両の不燃化対策あるいは車両におきます消防設備の問題があろうかと思います。第二番目に、トンネルの防火あるいは消防設備、排煙設備等も含めました防火、消防設備、あるいは警報設備というようなものにつきましての検討が必要であろうかと思います。それから、第三番目に、特に、今回の事故におきましては、乗客の避難誘導という点につきまして遺憾の点があったように思われます。乗客の避難誘導の方法ということにつきましても、今後検討を要することが数多くあると思うのでございます。それから、最後に、事故が発生をいたしました場合の外部との通報連絡につきましての問題、こういう問題も今後検討をしていかなければならないことであろうかと存じております。  事故の概要等につきましては、以上でございます。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 以上で、説明の聴取は終わりました。  質疑の申し出がございますので、順次これを許します。山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ハイジャック事件につきましては、警察当局は非常によく活動いたしまして、死傷者が全くない状態の中で犯人を逮捕することのできましたことは非常によかったと思います。関係いたしました各位に心から敬意を表したいと思うわけです。  そこで、簡単にお尋ねしますが、私は、今度のハイジャック事件では、心理学を勉強された制服の警官でない方が非常によく活躍されたことを非常に感銘を持って見ておったわけでありますが、これからやはり犯罪心理学等は大いに研究をいたしまして、こういった事件あるいは連合赤軍等の事件がございましたが、そういう方面のスタッフを大いに養成いたしまして、これら犯罪に対して万全の対策をとるということが必要ではないかと思います。聞くところによりますと、そういった研究所はいま警視庁にございまして、全国の警察を指揮いたしております警察庁にはそういう研究所の機構は全くないと実は聞いているわけでありますが、そういった機関を強化拡充をするという意味で、警視庁にありますものを強化拡充することもけっこうでありましょうし、また、警察庁にもそういった機関を設ける等のことを考えてもよろしいのじゃないかと思います。  それから、いま一つは、警察官、警察の機構を見ておりますと、警察大学を出まして警察官になりました方は大いに栄進をするわけでありますが、そういった、防衛庁でいえば文官に相当する者、警察でいえば警察官でない通常の事務官の栄進が少ない。しかも、こういう方々の活躍する分野は大きいということを考えましたときに、警察の機構も、警察官優先の機構というのではなくて、こういった広範な知識をお持ちの方々をもっとスタッフに大いに加えると同時に、そういう方々の栄進の道も十分保証をするということを当然考えてしかるべきではないかと思いますが、この点に対するお考えをひとつお聞かせをいただきたい。  それから、金属探知器等を設置いたしまして、警戒ランプ等もそれに反応しておったようであります。聞くところによりますと、ピストルのたま四十一発、拳銃一つ、鉄パイプ爆弾七本というものを持っておったというんですから、相当これは金属探知器が反応したはずですね。そして、アメリカから羽田に着く、羽田の空港から福岡へ行く、また福岡から羽田へ戻る、そうして羽田からまた福岡に向かったわけですから、何回もチェックをする機会もあったはずですね。それが全くノーチェックでまかり通ったというところにやはり問題があるのではないかと思います。もちろん、言い分としては、大ぜいの乗客が乗降する、連合赤軍のようなふうさいをしておる者ならチェックもするが、そうでない服装の方は、警戒ランプが反応してもそのまま通したというような状況だというお答えだろうと思うのでありますが、私どもが外国等を旅行しましても、ボディチェックも受ける、手荷物についても改められるという機会はしばしば実は経験をするわけです。確かに、それは、率直に言って感じのいいものではありません。しかし、また、そういうチェックを受けるということは、言いかえれば、安全な旅行というものを保障されるということにもなるわけだと思うのです。そういう意味では、この際、このボディチェックの問題を含めて、もっと国民の人たちに理解を求める、気分は悪いかもしれぬけれども、いわば、それは、安全な飛行を保障される保険料のようなものだというPRをするなり、認識を広めるということがやはり必要ではないかと私は思いますが、その点に対するお考え方もあわせて承りたいと思います。  それから、時間がありませんから一ぺんに聞きます。消防庁長官と国鉄の関係者がおられると思いますので、お伺いしたいと思うのですが、北陸トンネルのほんとうに悲惨な事故でおなくなりになりました方々の御冥福を心から祈りたいと思いますが、問題は、新聞等にも、あるいは週刊誌等にも報道されているのですが、敦賀・美方消防組合が、昭和四十四年以来、何回も何回も、金沢鉄道管理局に対して具体的な防災対策を要請してまいった。具体的には、トンネルをシャッターでブロックに分けて、他の部分に燃え移らないよう消火装置をつけること、二番目として、乗客を避難、誘導できるような警報装置をつけること、三番目に、自動消火できるスプリンクラー、ダクトなど、強制排煙装置をつけること、四番目に、トンネル内から出口への距離標識を完備すること、こういうような具体的な要請を行なった。ところが、国鉄の回等はどうかというと、いまそういう装置をすれば数百億も経費がかかる、いま国鉄財政もたいへんだというようなことで、十分検討するということだけで、財政難を口実にして、これら消防組合の要請を今日まで何ら具体的に実行していなかったということが報道されているわけであります。  長官にお伺いしたいのですが、消防庁として、こういった消防署が国鉄に対して具体的な要請をしているという事実については御承知でありますか。で、そういう要請に対して国鉄が何ら具体的にこたえていないということは非常に問題だと思うのですが、消防庁としてのお考えを承りたい。  さらに、国鉄に対しては、何も国鉄だけがこの消防体制から治外法権ではないわけでありまして、消防組合からそういった要請を受けたならば、最大限これにこたえるという努力が必要じゃないかと私は思うのですが、そういう要請を受けたという事実を国鉄当局は御存じでございますか。受けておりながら、なおかつ、この消防署の要請に対して何らこたえていなかったということになれば、国鉄はきわめて怠慢だといわざるを得ないと思うのですが、その点に対する国鉄の御返答を承りたいと思います。  以上です。

関根廣文警察庁刑事局長

○関根政府委員 科学知識その他広範な知識を、警察の捜査体制その他に導入せよということについてお答えをいたしたいと思いますが、心理学の導入とか、あるいは科学者を導入して捜査を進めるということがいいのではないかという御意見については、そのとおりでございまして、私どももその方向で努力をいたしております。心理学の導入等につきましても、警視庁の町田技官が、先般現場で相当の業績をあげていただきましたのはごらんのとおりでありますが、警察庁にも科学警察研究所という施設がございまして、これは全国的な見地から技官その他大ぜいかかえておりまして、そこでも心理学の部門がございます。各府県にも科学検査所の小規模なものがございますが、ここに一々心理学の専門家がおるというわけでもございませんけれども、そういったような警察庁の科学警察研究所の心理学関係の部面の拡充強化ということ、警視庁の現場の部門の強化ということとあわせて、今後ともやってまいらなければならぬというふうに存じております。  それから、技官等の待遇その他について、その充実をはかるということも当然でございまして、逐次、その組織面において、科学検査所をつくっては、所長という身分を設けて昇格するというようなことで待遇改善をはかるとか、あるいは、研究費その他の面におきまして改善をはかるということを逐次やっておりますが、今後とも改善強化ということにつとめてまいりたいと思います。  それから、最後に、科学知識を警察の犯罪捜査に導入するということにつきましては、国鉄の火災事故につきましても、科学警察研究所から火災の専門の技官を現場に派遣するというような措置も講じておりますし、大規模事故、事件の増発するというような現状にかんがみまして、この部面の強化ということは、刑事警察の最も大きな使命の一つであるというふうに考えまして、大いに努力してまいりたいという所存でございますので、どうぞ御了承願います。

室城庸之警察庁警備局警備課長

○室城説明員 金属探知器等を用いてチェックを厳重にやるということについて御指摘がございましたが、私ども、「よど号」事件以来、空港の警戒体制というものはかなり強化いたしまして、当時といえどもかなりの体制をとっておったわけでございますが、現実に、あのような形で凶器を持ち込まれておったということにつきましては、非常に残念に存じております。ただいま犯人を取り調べ中でございますので、どういう形でわれわれの裏をかいたかという点をさらに追及いたしまして、これは将来の教訓として、十分生かしてまいりたいというふうに考えておりますが、一つの金属探知器の探知方法に加えまして、もう一つ、預かり荷物のチェックということがあるわけでございます。今回の犯人が直接身につけて持ち込みましたものは、ブローニングの拳銃一丁、並びにその中に入っておるたま六発、それから、くつのくるぶしのところに隠しまして、ニップル爆弾のようなものを三個ばかり持っていっておる。あとは預かり荷物のほうにいろいろ品物を入れておったわけでございます。したがって、その双方についてチェックの体制をとらなければならないと思いますが、金属探知器につきましては、性能等につきましても、非常に敏感に反応しますだけに、これをもう少し的確に運用できるようなくふうを加えていく。あるいは、預かり荷物についてのチェックのしかたをどういうようにするかということにつきまして、先生御指摘になりましたボディーチェックのやり方なども含めて十分に検討してまいりたいというふうに考えております。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤政府委員 御質問の点につきましては、私どものほうの担当課長が現地に参りましたので、現地の消防関係機関から得ました情報に基づきまして御答弁を申し上げます。  御指摘のように、四十四年の十二月に、北陸トンネルで、特急の「日本海」でございますかの電源車から出火をいたしました事故がございまして、御質問が、実は、私は、二つの問題を含んでいると思うのでございます。  一つは、直接の事故は電源車でございまして、電源車の油が漏れまして、ブレーキのスパークによって発火をいたしましたというのが直接の原因でございます。そこで、敦賀の消防関係機関といたしましては、この直接の問題につきまして、三点ばかり金沢の管理局長に申し入れを文書でいたしております。一つは、いまのブレーキにつきまして改善をすべきであるということ、二番目は、電源車に油を積んでおりますので、危険物の貯蔵についての設備をもっと充実をすべきであるということ、それから、第三番目は、車両の不燃化の問題でございます。そういう三点の申し入れを文書でいたしましたが、それにつきましての回答は、第一番目の点と第三番目の点は、検討をし、逐次改善を加えるということでお話が進んでいるようでございますけれども、第二番目の点につきましては、これは、現地の消防関係機関の私どもに対する情報によりますと、根本的に考え直す必要がある問題であって、直接運輸省に要望してもらいたいというような、多少つれないと申しますか、そういうような回答があったようでございます。この点につきましては、現地の消防機関は不満の意を持っているということは事実でございます。  それから、もう一つの問題は、先ほど御指摘がございましたように、トンネルにつきましての事故防止対策でございます。これは、この事故が直接いまの電源車の事故でございましたので、こちらのほうは文書で金沢の管理局長に申し入れをいたしております。ただいま御指摘のシャッターでございますとか、あるいはスプリンクラー、排煙設備というような問題は、文書にはなっていないようです。ただ、しかし、消防関係機関としては、現地の国鉄の当局に、そういうような問題について考えてくれないと、今後どういう事故が発生するかわからないということで、文書ではございませんが申し入れをしていることは事実でございますが、それにつきまして、国鉄の当局のとられた措置が必ずしも十分でなかったということにつきましては、やはり、現地の消防機関としては、不満と申しますか、その意を表明をしているようでございます。

寺嶋和年日本国有鉄道運転局保安課長

○寺嶋説明員 保安課長の寺嶋ですが、ただいまお申し入れの件につきまして、応対があったことは聞いております。それで、ただ単に財政難、経済難を理由に拒否したことはないと思うのですが、たとえば、スプリンクラーを設けて出火しているところへ水をかけた場合の影響とか、そういう技術的ないろいろな問題があるので検討するというふうなことではなかったかと思いますが、現実のやりとりあるいは文書を見ておりませんので、それ以上いま的確なお答えはできません。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ずいぶんいまの御答弁はいかがかと思うんですが、やはり、地下鉄の場合は車両不燃化も進んでいる。それからまた、排気口もずいぶんたくさんありますね。ところが、十三キロもあるこの長大なトンネルに対して、排気口は三つしかないというような状態で、しかも、車両は不燃化が進んでいるどころか、全く、毒ガスをたくさん発生するような、きわめて遺憾な構造の車両だったようでありますけれども、国鉄とすれば、大国鉄が地元の消防から要請があったくらいで、何もそう気にとめることはないというようなつもりでもしおるとすれば、国鉄というものは、何か、消防から治外法権であって、別なんだというようなふうに住民から受け取られてもやむを得ないと私は思うんです。やはり、貴重な生命を輸送の関係においては預かっておる国鉄ですから、安全対策、また、消防の面からの具体的な提案というものには謙虚に耳を傾けて、できるだけやっていくという姿勢が私は必要だと思うんですよ。  同時に、私は、消防庁長官にもお尋ねしたいと思うのですが、今度のこの事故を契機にいたしまして、消防については消防庁は専門家なんでありますから、消防庁として、たとえば、八重洲側の地下街についてはいろいろな注文も出しているししているだろうと思うのですが、こういった国鉄の車両あるいはトンネル等の事故等に対して、消防庁としての立場から、全国の消防署がいろいろな意味で要望を出していることでもありましょうから、そういうものを集約するなりして、さらには、より高い技術的な見地から、国鉄に対して率直に注文をつけるものはつける、そして、国鉄からも、そういう要請についてはきちんとこたえてもらう、こういう体制をぜひ努力をしてとってもらうことが必要じゃないかと思うのですが、政府一体の課題として、ひとつ真剣に取り組むように要請をいたしておきたいと思います。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤政府委員 御指摘のとおりだと私は思うのでございます。現在の消防法のたてまえから申しますと、鉄道の車両等は、実質的には、一応消防法の外に出ているというようなことになっております。これはいろいろ経緯もございましょうし、また、車両が運行をされるものでございますので、そういうような特殊性もございましょう。しかし、おっしゃいますように、消防につきましては、私どものほうがいわば専門家であり、責任を持っているわけでございます。先ほども申しましたが、今回、運輸省を中心に事故対策の検討委員会ができます。それに私どものほうも参加いたしますので、おっしゃいますような趣旨で万全を期してまいりたいと思っています。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 先ほどから、先生から、いろいろと私どもの不備について御指摘をいただきまして、まことにありがとうございました。  私ども、いま消防庁長官の御答弁がございましたように、今回の事故の当日、直ちに、運輸省の中に、運輸大臣を本部長といたします対策本部を設けまして、消防庁からも消防庁次長に御参加いただきまして、即日その第一回の会合をやったわけでございます。その後、大臣は、予算委員会の途中から出まして、本日のお昼まで現地に行っておりまして、帰ってまいりまして、いままたずっと予算委員会のほうに入っておりまして、まだ第二回が開けない状況でございますが、なるべく早い機会に第二回、第三回を開きまして、この事故を契機に、消防関係の方々の御意見を十分反映した形で、事故の再発防止につとめてまいりたいと考えております。  さらに最近の例で申し上げますと、総武線が地下にもぐることになりまして、東京駅に入っておりますが、この場合には、国鉄が初めて経験した長い地下鉄道でございますので、設計の段階から消防の専門家の方々の御意見を十分取り入れてつくりました次第でございまして、在来線もそういうふうな形でこういう長大トンネルについてやられていれば、この種のことはなかったのではないかと思いますが、確かに、三十七年の三月にできておりますこの北陸トンネルでございますが、当時においては、そこまでの配慮が十分なされていなかったのではないかと私どもは考えております。  それから、それ以後、いろいろな現地での御要望等がどこでどう切れてしまったか、その点については、私どもも詳細調べてみますけれども、先ほど、消防庁長官のほうから一言運輸省のほうに言ってくれと言われた件については、電源車の火災について、その問題については、私、実は車両を担当しておりますけれども、聞いておりませんので、そこら辺は、何かどこかで切れていたのではないかと思います。  電源車の関係は、四十四年十二月に起きまして、私どもとしては、床下のブレーキがきいたままゆるまなくなった事態でございましたが、まずそれを全部直しました。もう一つは、床に穴があいて、そこから電源車の廃油が落ちていた。その床の穴も全部ふさぎまして、次に、もう一つ、漏れた油がついても燃えないように、床下の配管のカバーを全部不燃化した。全部で三十六両ございましたけれども、いたしまして、その後はこの種の事故は起こっておりません。  この種の御意見を十分取り入れまして、事故防止につとめてまいりたいと思います。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 小濱新次君。

小濱新次公明党

○小濱委員 今回の国鉄事故でなくなられた方々に対しましては、衷心からお悔やみを申し上げる次第でございます。  きわめて時間の制約を受けましたので、警察関係に限って、二、三問御質問をしたいと思います。  まさかとおそれられていたハイジャック事件が、ついに日本で再発をしたわけでございます。いまお話がありましたように、無事に救出ができて心から喜んでおるわけですけれども、よく犯人を逮捕した警察官、関係者に深く感謝を申し上げておるものでございます。ここ数年来、ハイジャックは、世界各地の主要空港で続出しているわけであります。そこで、よく言われることは、ハイジャック対策にはきめ手がないというふうに言われているわけですが、それは、つまり、乗客に迷惑をかけずに、乗客の人間性を尊重しながら、しかも、どうすれば十分な防止策を講じ得るのかということでございますけれども、対策がないということは絶対にないと私は思います。  そこで、今回の事件をよき教訓として、いろいろとまた御審議をなさっているかと思いますけれども、警察当局のこれに対する御見解をお聞かせ願いたいと思います。

室城庸之警察庁警備局警備課長

○室城説明員 先ほど、刑事局長の説明の中で申し上げましたけれども、私どもといたしましては、今回の教訓を含めまして、今後二度とこのような事件が起きないように、さらに十分の対策を練ってまいりたいと考えておりますが、具体的には、第一に、凶器の持ち込みを防止しますための装備、資器材、いわゆる金属探知器といったようなものを、さらに性能的にも改善をする、あるいは運用についてもくふうを加える、そして、事前にこういったものの持ち込みを完全に防止し得る体制を考える必要があろうというふうに考えます。  第二点としては、警察その他関係機関による一応の警戒体制はできておるわけでございますけれども、それぞれの間の緊密な連絡を今後ともより一そうはかる必要があるということも含めまして、全体の警戒体制をより効率的なものにしていくということをくふうしてまいりたいと思います。  第三点といたしましては、先ほど来御指摘がございましたように、やはり、国民の理解と協力を得て、そのもとで、いまよりはより積極的な防止策を具体的にやっていくということで、いろいろな乗客の迷惑というようなこととのかね合いにおいて、消極的になっておる面もございますので、こういった点をさらに十分検討いたしまして、国民の御理解のもとに、より前向きの対策が打てるように考えてまいりたいと思います。  以上、三点を御答弁申し上げます。

小濱新次公明党

○小濱委員 先ほどから、改善とか、十分検討するとか、あるいは積極的な防止策を、ということばは聞いているわけですけれども、世界の各空港ごとに、パトロールとか、手荷物の検査とか、ボデータッチ、凶器探知器などの整備強化を急いでいるということは、われわれも聞いているわけです。ハイジャック完全防止についての、これに対する取り締まり当局の、凶器発見のための新兵器の開発——改善あるいは検討だとか、そういう段階じゃなくして、これはもう前々から叫ばれていることなので、思い切ってやればできないわけはないと思うので、その決意がなければ、いつまでたっても追っかけごとであろうと思うわけですけれども、新兵器の開発ということが急務だということなのですね。この点について、いまのようなお答えではどうしても納得ができないわけですが、どうですか。その点についてもう一ぺんお答えいただきましょうか。

室城庸之警察庁警備局警備課長

○室城説明員 私ども、関係各国の資料等も十分集めまして、器材等についてもいろいろ情報を得ておるわけでございますが、これを実用化しますための努力も一方においてやっております。たとえば、ただいまの金属探知器は、そこをくぐりますとランプがつくというふうなしかけになっておりますが、どの部分に凶器が隠されておるかということについては、実は、はっきり明示されません。したがって、ランプがつきました場合に、どこかに隠し持っておるということで検査をするわけでございますが、アメリカ等におきましては、どの部分に物が隠されておるということを発見し得る機械を、一部すでに実用の段階に移しておるという情報もございますので、こういった資料を得まして、成田空港においては、これをぜひ設置してもらいたいという要望を申し上げまして、一応、現在、成田空港の計画の中には含めていただいております。これは、たとえば胸の部分にしまっておるのであれば、胸の部分だという標示が片方で出てくるというようなものでございます。それから、一方、エックス線を使って持ちものの中を透視するというようなことも、一部において実験的に使われておるというふうに聞いておりますので、こういったものの資料も現在入手につとめております。  なお、これを現実に運用する段階になりますと、まだまだ各国ともいろいろ問題があるということでございますので、その点も十分煮詰めて、できるものであれば、積極的にこれを取り入れるというふうにしてまいりたい。  さらに、ボデーチェックの要領等につきましても、これは、ここ二、三年来、世界じゅうで、ハイジャックがかなり急激に増加しておるおりから、各国とも非常に神経質になって、強化していることをわれわれも十分に承知いたしております。これらにつきましても、関係機関と十分に協議をいたしておるわけでございますが、前向きに、こういったことが積極的にできるようにくふうしてまいりたいということは先ほど来申し上げておるとおりでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 警備課長にお尋ねしたいのですけれども、わが国の全空港にも、凶器探知器というのは、航空会社の責任において設置されているということをわれわれは聞いているわけです。大きな空港では、ガードマン等を雇って自主警備もしているという話も聞いているのです。ところが、警察側は、携帯用の凶器探知器を持っているということなんですが、いまの課長さんのお話のような、ランプがつくというのは非常に重いとか、あるいは携帯用には非常に不便を来たしているとか、あるいは金属製のもののみしかわからないとか——火薬など、すべてのものに通ずるような、そういう万能な探知器なのかどうなのかという問題については、相当手抜かりがあるようにわれわれには思えてならないわけです。火薬等については、外見から探知ができるようなものがあるのですか。ないのでしょう。そういう器材がないということになれば、新兵器の研究ということに真剣に取り組んでいかなくちゃならない。いまのものを改良、改善したのではどうにもならない。そこのところをぼくは強調したいわけなんです。私の言うのは、すべてに利用できるような、そういう万能な新兵器の作製が急務だということで、その考え方を起こしてもらわなくちゃならないわけです。予算がほしいというなら予算をぶんどって、思い切って対策を早く講じないと、これからどういう大きな事件に発展するかわかりません。携帯に簡易なもので、しかも万能的に利用できるような、そういう新兵器の作製ということについて、ひとつお答え願いたい。

室城庸之警察庁警備局警備課長

○室城説明員 御指摘のような新兵器は、われわれとしてもぜひほしいということで、世界じゅうに手を伸ばしまして、どういうような発想でどういうものがくふうされておるかという情報の収集につとめておるわけでございます。われわれ自身としても、いろいろ専門家の意見なども聞きまして、何かこれはというアイデアはないものかということで、研究はいたしておりますが、遺憾ながら、現在のところ、そのような万能な兵器というものに近づけるという見込みが実はつかみ得ておりません。特に、火薬類等につきましては、ある国では、犬を訓練いたしまして、犬の嗅覚によって発見をするという努力をしておるというふうな話も聞いておりますが、これも、現実に実用にするというところまではなかなかいっておらないようでございます。  いろいろなくふうを各国ともやっておりますので、今後とも、われわれももちろん独自の努力もいたしますが、そういう情報の収集にもよりつとめてまいりたいというふうに考えております。

小濱新次公明党

○小濱委員 きょうは刑事局長もおいでになっているのですから、最高会議で、そういうものの促進のために、ひとつ大いに発言をしていただきたいと思います。  最後にもう一点お伺いしたいことがあるのですが、今回の事件を通しまして、警視庁と警察庁も、断定の形で、犯人ドイツ人説を流したという、こういうことが何かのときには私どもの質問となって出てくるわけですが、やはりきびしい批判を住民は持っております。そういうことで、衆議院の内閣委員会でも、木村国家公安委員長に別人が犯人らしいと言わせた、こういうふうになっているわけです。それから、警視庁の小関捜査一課長も、羽田空港での記者会見で、犯人はドイツ人と日本人の二人と思われるという発言をした。ところが、思われるとか、らしいとかいうことを入れても、もう国民、住民はだめなんですね。そう断定をしてしまう。ところが、あとになって、人違いであったということで、また、私どもに質問を受けるわけです。無事に救出ができて落着したのですからいいのですけれども、この犯人の扱いの騒ぎの決着というものが、たとえば署長さんがお伺いをしておわびをした、こういう程度の報道のみなんですけれども、警察当局といたしましてもこれは問題でありましょうし、今後の課題として、御意見は伺っておかなくちゃならない。こういうように思いますので、この問題についてお答えをいただきたいと思います。

室城庸之警察庁警備局警備課長

○室城説明員 いま御指摘の点でございますが、最初われわれが得ました情報として、機長の——今回は機長の通信が唯一のたよりであったわけでございますが、機長の交信内容として、犯人は外国人だということが第一報として入ってきたわけでございます。その時点で乗客名簿を調べましたところ、外国人とすればこの人しかいないということで、そういう機長の判断が正しいとすれば、いまの時点で推定されるのは、名簿の上からはこの人だというふうな推定をしておった時間が実はかなり続いたわけでございます。私どもも、途中でこの事件を大臣に報告いたしました場合に、現在のところほかにこれという情報がございませんので、機長の判断で外国人だということであれば、名簿上はこの人になりますということを報告をいたしております。そういうことで、それが犯人だという断定で警察側から発表されたということではございませんが、非常に乏しい情報の中から、何らかの形で推定するとすれば、機長の、この外人だということしかこのときにたよりがなかったということで、結果的に非常に御迷惑をかけましたことは遺憾でありますが、報道関係等につきましても、警察の立場から、これを犯人だと断定するような発表というようなことはいたしておりません。その後、乗客が全部飛行機から降りてまいりまして、それを東急ホテルに御案内いたしました時点で、一人一人名簿と突き合わせをいたしました結果、そこに問題となっておる方がおられたわけでございまして、明らかに間違いであったということがはっきりいたしたわけであります。それで、御本人に、その時点で、実はこういうことであなたの名前があがっておったのだということをお話ししまして、一応の了解を得たといいますか、事情を御説明いたしました。御本人は「日本コッパース」という会社の専務でございまして、その後すぐ帰りたいからというのでお帰りになりましたので、あとから追っかけていって会社に参りましたところ、社長もおられまして、社長もドイツ人の方でございますが、日本の警察は非常に短時間の間に犯人を検挙した、非常にすばらしい、私どもも迷惑であったけれども、こんなことは問題じゃないからというふうな、非常に御理解のある態度でございました。  その際に、このお二人の名前が出ましたので、警察としましては、一応お二人の留守宅などに御連絡をしたりしておりましたので、御夫人がお二人とも出てこられまして、いつでも必要なことがあればお手伝いしますというふうなことでおられたわけですが、そうではなかったということを確かめられて、非常に安心されたわけであります。その奥さん方も、特段迷惑というふうには感じておらないからというふうな御了解でございました。  結果的に非常に御迷惑をかけまして、今後、こういった問題の取り扱いについては、より慎重を期さなければならないと思いますが、あの時点では、非常に乏しい情報の中から、われわれとしても最大限の捜査をしようという結果がこのようなことになりましたので、その点は事情の御了承をお願いいたしたいと思います。

小濱新次公明党

○小濱委員 以上で終わります。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 門司亮君。

門司亮民社党

○門司委員 ごく簡単に一つ二つ承っておきますが、今度のハイジャック事件でちょっと私ども戸惑っておるのは、ピストルの所持の経路というようなものはどういうことになっておるのか、一向発表されておりませんが、犯人の持っておったピストルの所持の経路はどういう形で所持しておったかということであります。これを外国から、アメリカからこちらへ来るときに持ち込んだとすれば、一つの関門は税関でありますが、その辺の経路はどうなっておりますか。

関根廣文警察庁刑事局長

○関根政府委員 拳銃の購入、持ち込みのことでございますけれども、先ほど、アメリカで購入したと申しましたが、正確には、去年の十月十六日ごろ、サンフランシスコ市の中古品売り場で買ったということで、これは本人の供述でございますから、ICPOを通じて裏づけをする予定でございますが、一応アメリカで買ったというふうに想定しておるわけでございます。  それから、本人の供述によりますと、日本に持ち込む経路につきましては、日本航空でサンフランシスコから羽田に入ってきたわけでありますけれども、そのときは携帯バッグに入れて、そして、きれで包んで見えないようにして持ってきたというふうな供述をしております。税関を通過するときには、ほかのバッグは調べられたけれども、そこまでは発見されなかったと、現在こういう供述でありますけれども、さらによく突き詰めて調べてみたいと思います。一応、現在の供述では、バッグに入れて税関を通過したと、こう言っております。

門司亮民社党

○門司委員 問題は、そういうことであるとすれば、第一関門である税関を通ってきたということであれば、その凶器は、ハイジャックに使うつもりで持ってきたのではあろうかと思うけれども、結局、他にも利用すればできるわけなんですね。そういうことで凶器が入ってきたということですね。その限りにおいては、警察の責任ではないのですね。税関の責任なんです。日本の税関というのは、世界じゅうで一番うるさい税関だと言われていながら、こういう問題が現実にあったという事実、その辺の、警察と税関との間の連絡はどうなっていますか。税関であるから警察権が及ばないところであるということで、税関に一切まかせっきりだということですか。

関根廣文警察庁刑事局長

○関根政府委員 税関につきましては、税関だけでやっております。

門司亮民社党

○門司委員 そうすると、結局、われわれのところで重視をしなければならないのは、税関が一つありますのと、それから、拳銃については、駐留軍の連中がときどき置いていくことがあります。特に、彼らが帰りぎわになりますと、こういうものを売ってみやげを買っていくとか、遊ぶ費用にするとかする。彼らは、うちに帰ればこれは幾らでも買えるのでありますから、そういう経路がなかなか多いのでありますが、しかも、これもなかなか取り締まりが困難だということ。それから、こういう形で外国から持ち込むことが容易に行なわれた、と言うと警察からおこられるかもしれませんが、しかし、発見できなかったということは、一つの税関のミスだということに考えが及ばざるを得ないのです。そういう問題は、世間ではあまり大きな問題にはならない。特に、これは外国航路ではありませんで、国内線であります関係から、出かけるあの飛行機に乗るときには、税関の責任でも何でもない、警察の責任である、こういう形になっているかと思います。したがって、持ち込むときは税関の関係で、黙って持ち込んできて、そして持ち出すときも、日本の警察の管轄であるが、ここも黙って出かけたということ。  先ほど探知器の話がいろいろ出ておりますが、税関にはそういう装置がありますか。

室城庸之警察庁警備局警備課長

○室城説明員 私ども、税関がそういうものを持っておるということは聞いておりません。

門司亮民社党

○門司委員 そうすると、実に妙なものであって、持ち込むときには別に検査をしない。そして、これがかりに外国航路であれば、おそらく警察の手もここには及ばないであろうと思います。その辺の日本の行政組織というものが私には疑わしくなってきたのですが、これは何とかその辺を改善する方法はありませんか。  第一関門でも、探知器というものがあれば、あるいはここで発見されたかもしれない。あるいは、かりに管理に不適確なものであっても、ここは何にもしない。ただ国内航路だけやかましいことを言っておるというのは、私はどうもおかしいような気がするのですが、この前の「よど号」事件なども、国内線であった関係から、政府当局は国内線には目を光らせるけれども、外国航路にはそういうものをあまり使わない。これは国際関係もありますが、さっき言ったように、日本の税関は世界じゅうで一番うるさい税関だということでいやがられている面もありますけれども、しかし、探知器等があって、携帯しておるものをある程度見きわめていくということは、そうむずかしい仕事ではないのではないかと私は思うのです。その辺の連絡は、警察と税関の間には何もないのですか。

室城庸之警察庁警備局警備課長

○室城説明員 先般テルアビブの空港で射殺事件がございましたときの経験から、政府として、このような凶器の持ち込みについてのチェック体制というものを早急に再検討すべきであるということで、ただいま、総理府が中心になりまして、関係各省が集まって、対策を研究しておる最中でございます。その中には、先生御指摘のように、税関と警察との関係、持ち込まれたものが全然ノーチェックで税関を通ってくるということにならないようなくふうというものについて、ただいま研究いたしておりますので、従来は、必ずしも警察と税関が一緒になって手回り品を見るという体制になっておりませんでしたが、それが問題点としてただいま検討されておる段階でございます。

門司亮民社党

○門司委員 私は、何も一緒になって見ろとまでは言いませんけれども、一緒になって見ることができればそれでいいかもしれませんが、しかし、警察から見れば凶器の持ち込みであり、税関からいえば、結局、協定されたもの、いわば持ち込んではならないものを持ち込んでいる。こういうおのおのの立場によっていわゆる取り締まりの対象が違うのであって、それを税関と警察が一緒になって調べるということは、これはやっかいなことになろうと思いますが、税関は税関として、一応持ちものについては検査することになっておりますから、その限りにおいて、税関がこれを調べていく。しかし、今度の場合のように、バッグをあけなかったというのなら、これは何をか言わんやでありますが、バッグをあけておればこれは発見されておったかもしれない。と同時に、先に探知することができるような装置があれば、あるいはまた、その場で発見されておったかもしれない。したがって、この事件は、ある意味においては、事前に防げ得たかもしれない。この犯人がそういう目的のために持ってきたとすれば、その時限で、税関を通るときに、すでに一応犯人の考え方は挫折せざるを得なかったのじゃないかと考えられる。こういうことを考えますと、なわ張り根性といいますか、日本の官僚のなわ張りの悪いところがここにもどうも何か出てきているような気が私どもするのです。税関は税関でやればいいんだ、警察は警察でやればいいんだということで、そうして今度の問題が起こって、あとの始末は、警察は文句ばかり言われている。持ち込んできたのは税関のせいであって、こういう問題は、もう少し政府で連絡のとれた形をとっていただかないと、税関は税関なりに、凶器というものの考え方でなくて、荷物というものの考え方で処理すると、そういうことが起ころうかと私は思う。したがって、凶器というものの考え方でこれを見ていけば、やはりある程度厳重に調べなければならぬという観点が出てきょうかと私は思う。こういう点は、政府当局で、ぜひひとつ連携のとれた問題にしていただきたいということでございます。  それから、あとの問題としてのトンネルの問題は、ほんとうに痛ましい事件でありまして、私も、なくなられた方に何と言って国が言いわけしていいのかわからぬような状態であろうかと思います。ほんとうにお気の毒だと思いますが、ここで消防関係と当局にひとつ聞いておきたいのですが、列車その他の問題についての防火施設等は一体どこが監督することになっておりますか。車庫のあるところの消防署が立ち入り検査ができるのか、あるいはどこでどういうことになっているか、その辺がはっきりしておりますか。排煙の設備があったとかなかったとかいうのは別の問題ですけれども、大体、車両自身を消防庁の立場から検査をすることができるのか。一体だれが検査をしているのか。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤政府委員 制度のたてまえを申し上げますと、車両も、消防法に申します防火対象物ということになっているわけでございます。そこで、防火対象物につきましては、一定の消防施設をつけることになっておりますが、その消防施設をつけます場合、どういうものをどうつけるかという技術的な基準は、これは消防法のほうから、今度は運輸省関係の法規、鉄道関係の営業法でございますとか、あるいは軌道法でございますとか、そういう法規のほうに移ってまいりまして、実質的にどういう設備をどうつけるかは、鉄道関係の法規で規制をされているというのが現状でございます。ただ、先ほど申しましたように、防火対象物であることは事実でございます。消防法のたてまえから申しますと、消防関係機関が立ち入り検査ができないというわけではございません。立ち入り検査はできるわけでございます。

門司亮民社党

○門司委員 ここもやはり一つのなわ張りなんですね。やはり消防であれば、消防としてのたてまえから立ち入り検査ができるといま長官は言っておりますが、しかし、それはどこの時限でやられるのですか。登録されている車庫でやるのですか。車庫の当該消防署がやるのですか。それとも、担当は一体どこになっているか。法律があったって、だれが調べていいかわからなければ、法律はどうにもならないんですけれども……。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤政府委員 法律のたてまえは先ほど申し上げたとおりでございますが、実際問題といたしましては、先ほど山口委員の御質問にもあったかと思うのでございますけれども、運輸省関係、国鉄関係はやはり国鉄関係で、自分のほうでものをすべてなさるというようないままでの事実上の慣例と申しますか、そういうことになっていたと思うのでございます。ただ、私どものほうといたしましても、いま申しましたように、消防法の防火対象物ではございません。たとえば、ことしの春の防火運動時期におきましては、その運動の一つの項目といたしまして車両というものを取り上げて、運輸省当局と協力をいたしながら立ち入り検査をした事実はございます。

門司亮民社党

○門司委員 私が聞いておりますのは、立ち入り検査をした事実と言っていますけれども、所属はどこだかわからないが、どこの消防署が責任を持って立ち入り検査ができるのか。当該消防署の管轄はどうなるのですか。車両のある車庫を持っているところの消防署でそれをやれるのか。どういうことになっておるのですか。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤政府委員 先ほど、私が、実際問題といたしましては国有鉄道の当局が自分でなさっておられるということを申し上げましたのも、いま門司委員御指摘のように、車両が動いております。したがいまして、結局、実際問題といたしましては、いたしますのは、定置場と申しますか、そういうところでなければ行ない得ないだろうと思います。理論的には、それは走っておりましても、駅に停車をする。その場合に、所轄の消防署が立ち入り検査ができないかというと、これはできないとは言えないと思います。

門司亮民社党

○門司委員 その点がきわめてあいまいなんですね。動いているものだから、たとえば仙台なら仙台の駅にとまったところの、その消防署でやれる、そして動いていったら、その次にはその次のどこかの都市でやれる、私は、そういうあいまいなものであってはいけないと思うのです。車庫なら車庫の所在している——一日じゅう動いているわけじゃないのですから、国鉄にはどこかに拠点があるはずですから、そこならそこの消防署がいつでも立ち入り検査ができるような、やはりきちんとしたものにしておかないと、何かしら責任のなすり合いみたいなことになって、規則はやっていいことになっているけれども、事実上できないということでは、これは何にもならない。その辺の調整というようなことはできませんか。国鉄側もその辺の方法はできませんか。  それともう一つは、いま、建築でも不燃化建築がかなり進められておるのでありますから、例の車両にしても、やはり燃えないようなものをできるだけ使っていくというようなことがどの程度まで進んでおるかということですね。これはああいう非常に速度が速いもので、気がつけば、これはもういかんともしがたい。途中から水をかけるわけにはいかぬでしょうし、持っている消火器の機能がなくなればすべてはおしまいだ、あとは逃げ出す以外に手がないというようなことになる。私のところなどでも、横浜の桜木町の大きな事件等があったのでございますが、どうも、車両が焼ける場合においては、何かしら考えさせられるものがたくさんあるわけであります。これはある程度防止することができたのではないかなという疑念が私にはたくさん浮かんでくるわけですけれども、そういう点は国鉄はどうなっておりますか。できるだけ不燃性物を使うという、こういう規定等がどこかあるのですか。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 今回の事故は、まず車両の燃えたのが第一原因でございますので、再発防止のためには、まず、不燃化を第一に取り上げなければならないということで、実は、運輸省といたしましては、一番問題になりますのは、東京をはじめとした地下鉄、これが一番問題がございまして、従来から一、二事故例もございまして、現在、AA基準という最もきびしい、燃えにくい材料を使う基準を使いまして、これを現在の地下鉄には適用しておるわけでございます。国鉄の場合は、今度の東京駅の地下に乗り入れているようなものにつきましては、全く同じ基準を適用しておりますが、在来の地上を走っておりますものにつきましては、ほぼそれに準ずるような形でだんだんやらせてはおりますが、必ずしもその線までには至っておりません。  さらに、今回北陸トンネルの中で燃えました車両は、昭和五年に生まれた一等寝台車でございまして、それを三十五年に食堂車に改造した、いわば古い型の食堂車でございます。したがいまして、不燃性の面からいいますと、大きくABCと分けてみますと、Bに相当する中くらいの程度の不燃化対策が施されているという種類に属した、いわば十分でない構造のものであったと考えられます。最近つくっております食堂車は、その辺の配慮をもっと十分いたしたものになっております。

門司亮民社党

○門司委員 これ以上、約束の時間もございませんので聞きませんが、どうも、ハイジャック事件にしろ、今度の国鉄の災害にしろ、どことなしに非常に役所のなわ張りがあって、そうして法律があっても、その法律が完全に施行されないような状態があるように見受けられて、どこにかそういう欠点があるんだ、どこかがくぎが一本抜けているんじゃないかという気がするのですが、その辺のことは、ひとつ、国鉄も消防署ももう少し話し合って、消防も立ち入りができるという規定があるというんなら、どこの消防署が責任を持ってやれるんだということに——おのおの列車には車庫があるはずですから、休んでいる場所があるはずなんだから、そこの消防署なら消防署がやれるんだということにしておきませんと、法律だけ幾らあったからといって、それを施行する場所がないということでは、法律をこしらえたってどうにもならない。そうして結果は、こういうことが繰り返されて、そのときに、時の大臣がどんなに頭を下げたからといって、事故がなくなるわけではありません。国鉄のこういう焼ける事件はたびたびあるでしょう。この二、三日前にも一つあったんじゃないですか、九州のほうに。これは幸いにして死傷者はなかったのでありますけれども、われわれは、こういう官僚のなわ張り争いの弊害というのがこういう事故を起こす一つの原因であると思う。と言うと、また諸君も、そうじゃないと言うかもしれませんが、しかし、はたから見ているとそう見えるのですね。拳銃にしたって同じことであって、凶器になってああいうことになると、大騒ぎをやって、警察がどうのこうのということで、持ち込むときは平気で持ち込まして、しかもそれを、管轄が違うんだから持ち込んだのはどうもいかんともしがたいということになる。だから、私は、最後にそのことだけ申し上げておきますが、こういう事件が将来起こらないように、協力し得る体制のところは、なわ張り争いでなくて、できるだけお互いが協力し合ってこういう問題を解決していくということに努力していただきたいということを一応お話しをして、質問を終わりたいと思います。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 林百郎君。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 運輸省にお聞きしますが、六日に、国鉄北陸トンネルの惨事について、磯崎総裁は、現地の記者会見で、今回の事故は国鉄の一〇〇%ミスであるということを言っておるわけなんですが、運輸省も同じ意味でしょうか。  それで、この一〇〇%ミスだということは、具体的には、本件発生した原因の要因というものは何と何と何だか、それを知らせていただきたいと思います。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 昨日、衆議院の運輸委員会でやはり同じような御質問がございまして、私どもの政務次官から、まさに、これは国鉄では総裁、運輸省では運輸大臣以下全職員の責任であるということをお答え申し上げております。そのとおりと考えております。  それから、原因の問題につきましては、警察、消防、それぞれの御当局が現在検証中でございまして、私どもはっきりしたことをまだつかんでおりませんので、いまの段階では何とも申し上げることはできません。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それはしかし、おかしいんじゃないですか。昭和四十四年に特急「日本海」がトンネルで同じ事故を起こしたでしょう。このときの原因は何だったんですか。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 四十四年十二月に起きました事故は、ブルートレインと申しまして、特急用の寝台列車でございますが、これの機関車の次についております電源車、すべての客車の冷暖房、照明等の発電をする電源車、これが燃えたものでございまして、今回の食単車とはちょっと異質のものでございます。ただ、火災という意味では同じことでございますが、これにつきましては、先ほどもちょっと御説明申し上げましたけれども、そこの中に発電用のエンジンがございまして、エンジンから落ちる廃油が下にたまるわけでございますが、それが、床にある改造をしたときに、誤ってあけておいた穴がそのままあいておったために、その穴を通じまして床下に流れまして、たまたまそのときに、ブレーキがきいたままゆるまない状態の故障を起こしておったために、そのブレーキから出る火花が、その付着した床下配線のカバー等に引火いたしまして、そうして電源車が燃えたわけでありまして、その対策といたしましては、ブレーキがゆるまなくなるのを防ごうということで、その改造をいたしました。それから、その穴が一番張本人でございますので、この穴をふさぎました。さらには、その穴から漏れて、床下にいろいろ配管がありますが、それの被覆が可燃性のものであると燃えますので、これを不燃性のものに全部取りかえました。この三つの改造をいたしましたので、三十六両ほどでございますが、その後は一応類似の事故は起こっておりません。したがって、今度の事故とは、確かに場所が同じでございますけれども、しかも、火災という意味では同じでございますが、ちょっと異質の面がございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 しかし、そのとき、地元の消防関係者からは、具体的に、強制的な排煙設備とそれから消火設備をするように、自動消火できるスプリンクラー、ダクトなど強制排煙設備をするようにという意見が出ていたことは知らないのですか。それは、国鉄まであがった、あがらないの問題はあとで聞くとして、今度のこのトンネルの事故の大きな原因の一つの中には、トンネルの中に排煙の設備と消火設備がなかったということも原因の一つに考えられないんですか。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 その四十四年の事故のあと、地元のほうからその種の御要望があったことにつきましては、少なくとも、私どもの段階では、それは全然承知していなかったわけでございます。私ども、帰りまして、その辺の経緯が、どういうふうな形でどこでつかえていたのか調べてみたいと思いますが、私ども、実は、全然聞いておりません。  それから、その原因の一つになっているんじゃないかということにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、確かに、三十七年につくった当時には、全くその辺の配慮が足りなくて、さらには、四十四年の事故を契機に、そういうことについてさらに思いをいたさなかったという点について御指摘がございますと、まさに、私どもたいへん申しわけなかったということに尽きるのではないかと思っております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、いま、日本の相当長いトンネルの中で、この自動消火できるスプリンクラーとダクトなど、強制排煙装置がしてあるトンネルは幾つあるんですか。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 私、専門でないので、正確なお答えになっておるかどうかちょっと自信がないのでございますが、今度改良いたしました東京地下駅乗り入れルートについては、ほぼその種のことが整備されている。それから、今後できます青函その他の新幹線の新しいものについては、この辺の配慮は十分なされるものと考えておりまして、それ以外に、従来のものについてはなされていないというのが実情かと思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、現在ある各線並びに新幹線のトンネルの中には、自動消火できるスプリンクラー、それからダクトなど、強制排煙装置は一つもないというように聞いていいんですね。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 そのように私ども聞いております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 どうも驚いてしまったんです。われわれそういうことを知らないんで、気楽にトンネルの中を通っていたんですがね。今後はそういうことを改善する意思はおありになるのですか。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 今回の事故は、そういう意味で、非常に大きな教訓を私どもに与えまして、実は、本日正午過ぎ、大臣は、国鉄総裁を呼びまして、厳重な警告を出したわけでございます。その中で、具体的に、この種長大トンネルの中で災害が起こったときの防災対策、それから旅客の避難誘導体制、さらに車両の不燃化の問題、この三つについて、至急抜本的な対策を立てるように強く警告をいたしたわけでございまして、国鉄も、この種警告を受けるまでもなく、今度の事故を契機に、いろいろと部内で連日連夜検討いたしておりまして、近いうちに具体化するんではないかと考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、その具体策を講ずるという中には、消火設備と排煙設備も長大なトンネルの中には設ける、そういうことも入っているんですか。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 つけることになるかどうかについては、やはり技術的にいろいろ問題がございまして、実は、私も専門でないのでよくわかりませんが、排煙することは、即、火が燃えているときには火勢を強めるようなこともございますし、火が消えたあとに……(林(百)委員「消火施設と、それから排煙施設の二つをやれば……」と呼ぶ)その辺二つあるんですが、避難の道の問題もございますし、いろいろ技術的にむずかしい問題もございますので、それぞれの御専門の消防、警察、その他の皆さん方の御意見も承りながら答えを出していきたいということで、いますぐこれをやる、これをきめたという段階にはいまいっておりません。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そういうのんきなことをおっしゃっておるから、事故が次から次と起こると思うのですけれども、それじゃ消防庁にお聞きしますが、敦賀市の消防署から四十四年の「日本海」の事故の起きたとき出した要望書、それにはどういう事項があったのでしょうか。先ほど山口さんがお読みになりましたけれども、その中には、たしか、自動消火のできるスプリンクラー、ダクトなど、強制排煙装置をつけること、こういう要請をしたというように新聞には出ておりますけれども、この内容はおわかりでしょうか。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤政府委員 先ほど山口委員の御質問にもお答え申し上げたわけでございますが、地元の敦賀の消防機関からは、前回の事故の際に、文書で金沢の鉄道管理局長に要望いたしましたのは、先ほど来のお話に出ております電源車の火災に伴う措置について文書で要望いたしております。いまおっしゃいましたスプリンクラーでございますとか、あるいは強制排煙設備につきましては、文書の形にはなっていないようでございますが、口頭なり何なりで、現地の鉄道関係機関に、敦賀の消防関係機関から申し入れをしたという事実がございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 文書ではなく、口頭でしたという事実がお調べになったらあるのですか。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤政府委員 ございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 もう、四十四年にそういうことが消防署から言われておるのに、どうして国鉄並びに運輸省ではそういうことが問題にならなくて、今日に至ってもなおまだ、そういうものを設けるかどうか検討中というような御回答になるのですか。全くわからないのですがね。消防の最高の責任者は、やはり消防関係の方々でしょう。消防並びに火災発生時における人命の保護、そういうものの最高の権威者は、やはり消防庁であり、消防関係の方々でしょう。その方々が、昭和四十四年にもう意見を出しているというのに、いままた、本件の再検討にあたって、そういうものを設けるかどうかはわからないという回答は一体どういうことなんでしょう。国鉄というものは、消防庁や消防関係者の言うことはもう二の次にしていいということになるのではないのですか。

寺嶋和年日本国有鉄道運転局保安課長

○寺嶋説明員 私たち、決してそのように思っておりませんで、最近の東京地下駅の開業にあたりましても、所轄の消防署の方の立ち入り検査なども十分受けまして、いろいろ指摘された事項につきまして手直しなどもやっております。それから、各地でも、現地の警察の方々の立ち入りなど、必要に応じて受けておりまして、いろいろまた御相談などにもあずかっております。  それから、車両に積み込みます消火器でございますが、それも昨年の四十六年十二月に規格を一部改正いたしましたのですが、その改正にあたりましても、消防の方の御意見を伺い、また、実際の試験などにもお知恵をかしていただいておるというようなことで、消防のことは消防の専門の方の御意見を聞いて十分努力したいという考え方でおります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 おかしいと思うのは、この四十四年のとき、地元の敦賀市の消防関係者は、何回となく金沢鉄道管理局に具体的な防災対策を要請したが、ところが、金沢鉄道管理局では、「費用がかかる」「検討する」など、いまあなた方の言うことと同じことを言っているのですね。そして、「「検討する」など、にえきらない回答ばかり。ひとつも実現しないまま、惨事を招いたという。」と、地元の防災関係者は言い、さらに、「「国鉄の返事は、数百億もかかるので十分検討する、など逃げるばかり。日本海の事故のあとも、机上の防災訓練だけだった」「国鉄は自分を治外法権視しているのではないか」地元の国鉄不信はさらに強い。」」というように言われておる。何回となく防災の要請をしたにもかかわらず、「費用がかかる」とか、いまあなた方が私に国会で答弁しているような「検討する」ということで終わっている。こういうことが地元の消防関係では口をそろえて言われているのですけれども、これに対してはどういう措置をとるつもりですか。東京駅の地下鉄については新しい処置をしたと言うのですけれども、お聞きすれば、すべてのトンネルに、口頭ではあったとしても、このとき地元から要請された消火の設備と排煙の設備は一つもない。しかも、積極的に前向きに設けるという方向もまだ打ち出していない。そういうことで一体責任が持てるのですか。あなた方は、一体、この新聞記事を見て、金沢鉄道管理局に聞いてみたのですか。  それでは、まず、そのことをお聞きしましょう。新聞にあれまで書かれているのですから。

寺嶋和年日本国有鉄道運転局保安課長

○寺嶋説明員 その件につきましては、金沢局にいま照会しております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 いま照会するといっても、電話があるでしょう。電話をかけて聞けばわかるんじゃないですか。返事が来ないのですか。

寺嶋和年日本国有鉄道運転局保安課長

○寺嶋説明員 車両の件につきましては、すでに、不燃化工事をはじめ、機器の過熱防止対策、あるいは、たばこの火に対する車両の難燃化、漏油防止対策、その他進捗しておりまして、ものによりまして、たとえば、ほろの難燃性物質への取りかえなどは五十年までかかりますが、燃料タンク受け排油管の形状変更などは、四十七年度に全部終わるということで現在進めてございます。  それで、お申し出のスプリンクラーなり、あるいは排煙設備、そういうものにつきましては、即時に全面的に実施するということは技術的に問題がございますので、まだ、実施に至っておりません。この点早急に検討いたしまして、問題がなければ、そういうものを進めて、今後このような事故が再度起こらないように、また、起きた場合、あと十分な措置ができるように対処したい、そう考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 時間がありませんから、それでは消防庁にお聞きします。  国鉄並びに運輸省のほうは、もっぱら列車の不燃性のことを強調されているのですが、消防庁としては、こういう長大なトンネルの中に排煙設備、消火設備を同時に設けるということについては、どういうようなお考えなんでしょうか。この際、運輸省と消防庁と両方顔を合わせておりますから、お聞きしておきたいと思います。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤政府委員 今回の事故につきまして、先ほど、私、四、五点あげて、消防関係機関としていろいろ検討すべき問題があるということを申し上げたわけでございますが、車両自身の不燃化の問題でございますとか、あるいは消火設備の問題とか、それから、ただいま御指摘のようなトンネルの排煙設備なり、消火設備なり、あるいは警報設備の問題ということは、やはり、今後至急に検討して実施に移していかなければならない問題であろうと思います。私は、技術的なことはあまり知識がございませんで、スプリンクラーにしろ、排煙にしろ、先ほどもちょっと御議論がありましたように、技術的に研究をしなければならない領域は多少あるかと思うのでございますけれども、方向といたしましては、トンネル自身が安全に通過でき、しかも、何か事故があった際にはすぐ報知され、警報され、事後の措置がすぐとれるような仕組みというものを、消防関係といたしましても要望をいたしたいと思っております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 運輸省にお聞きしますが、これは週刊誌にも出ておるし、新聞にも出ておるのですが、この事故でなくなられた方が多いことは非常に残念でたまらないわけでありますけれども、ぬれたハンカチで口、鼻を押えていた人は助かった。これは一酸化炭素中毒もあるし、同時に、微細な炭素粒子が気管支や肺をいためておるだけでなく、窒息死の危険がある。さらにまた、後遺症も残る。こういう原因でなくなっておるのですが、運輸省で調べたところの、この事故でなくなった方々の死因は一体何になっているのですか。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 おなくなりになった方の個々の死因について、実は、私自身まだ資料を十分に把握しておりませんが、国鉄の総裁から先刻別の席で御報告があったところによりますと、ほとんどのおなくなりになった方は一酸化炭素中毒による死亡だと伺っております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、もしそこに強制の排煙のための設備があって、その一酸化炭素がトンネル外に排出されたとすればどうなるのですか。助けることはできたわけですか。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 できたと思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それで大体わかりましたが、この事故の原因は、明らかに、列車から火が出たということではありますけれども、しかし、なくなった方々の死因は、ほとんど一酸化炭素中毒死であった。しかも、それが、もし煙を排出する排煙の設備があれば助かったであろうということまであなた方がおっしゃるなら、万一に備えて排煙の設備をするということは、もう既定の方針として——それは、予算の都合やいろいろあると思いますけれども、少なくとも、国会で、消火の設備と排煙の設備だけは、運輸省としては、積極的に施設するように国鉄に指導していくという答弁ができないのでしょうか。そこにいくとどうして検討するということになるのですか。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 私は、先ほども、そういう防災対策を至急樹立するよう、運輸大臣から本日総裁に警告を出したということを申し上げたので、検討するということを申し上げているわけじゃございません。ただ、先ほども繰り返し申し上げましたように、私どもいろいろ担当がございまして、私どもは事故の原因を究明するほうが仕事でございますので、そういう設備的な面につきましては、隣にいる寺嶋課長も含めまして、直接の担当をいたしておりませんので、そこら辺が明確なお返事ができないのじゃないかと思いますが、先ほど消防庁長官がおっしゃったとおり、私ども、これは、前向きに、早急にそういう方向に具体化されるだろうと考えております。いま直接の担当でございませんので、申し上げることができないのが残念でございます。  それから、さらにつけ加えさせていただきますと、従前、蒸気機関車が走っておりましたときには、国鉄のトンネルには全部強制通風の装置がございました。それがだんだん輸送が近代化されまして、ディーゼル機関車あるいは電気機関車、あるいは電車で輸送するようになりましたあとは、いわゆるピストンアクションと申しまして、列車がトンネルを通るときの風で排気をするということで大体いけるということでずっときたわけですが、最近のように火災事故が続発いたしますと、こういう問題がそれだけでは解決がつかなくなりますので、いまの段階で、新たな視野からこの問題と真剣に取り組まなければならぬということになったわけで、それを四十四年十二月のあとなぜ十分にやらなかったかというおしかりを受ければ、先ほども申し上げたとおり、頭を下げるばかりでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうなりますれば、もう私は結論を申しますが、国鉄は、事故がありますと、その事故のあった当時、検討する、検討するということで、実際の対策が全くおくれているというところに、次から次へと同じような事例の事故が起きてくる原因があると思うのです。国鉄の山田副総裁もこういうことを言っておるのですね。トンネル内の排煙設備も火災を想定して備えたほうがよいとすれば、何キロ以上のトンネルに必要なのか、どんな強制換気装置がよいか、あるいはトンネル内排煙装置と車両不燃化のどちらに金をかけたほうがよいか、専門家で小委員会をつくって考えてもらう、こう言っておるのですね。こういうようなことも大惨事のあとでなければ言えないところに問題があるのですね。こういうことはもう、ふだん当然研究をしておかなければならないし、それから、四十四年の特急「日本海」の事故の後も、また、敦賀消防署や国鉄労働組合から要望があった時点で当然検討されていなければならない。この検討もされずに、対策も講ぜられておらない、こういうところに問題の根本があると思うのです。国鉄は、常に、大惨事のあとでしか安全対策と取り組もうとしないこと、これは過去の事例から明らかなんですね。ここに国鉄当局や運輸省の根本的な姿勢があると思うのです。国鉄も、運輸省も、口を開けば安全第一と言う。しかし、過去の事実から見ても、今回の惨事から見ても、また、山田副総裁の、トンネル内の排煙装置と車の不燃化のどちらに金をかけたほうがよいかということばを見ても、安全は二の次、三の次ということが国鉄の姿勢だと思うのです。今回の惨事の根底には、安全の保障は次にして、トンネルを建設していく、この建設計画を優先していく、一般乗客や国鉄労働者を犠牲にして、いろいろの大きな資本家などの輸送の合理化、高速化のためというほうに力を置く国鉄の根本的な姿勢があるということ、それがこの事件の基本的な原因だ、こういうように考えるわけです。国鉄は、そこに乗っておる人命の安全の保障が第一であって、国鉄のつくっている建設計画が人の生命の安全より優先するというようなことは許されないと思うのです。現に、総武線での追突事故、日暮里での追突事故のあとでも、国鉄当局は二回にわたって総点検をやると言っているわけです。  そこで私はもう結論を申しますが、この総武線での追突事故、日暮里での追突事故のあとに一体総点検をやったのかどうか。やったとすれば、その結果を公表すべきである。どういう結果だったか、ここで説明を願いたい。なお、資料として、その結果について当委員会へぜひ提出してもらいたい。これは委員長にもお願いしておきます。  それから、もう一つは、こういう消防の専門家から、金沢鉄道管理局に、何回となく、この事故に対する対策が陳情あるいは要請されているにもかかわらず、いや金がかかるとか、いや検討をするとかいうことで終わっていることに対する責任ですね。この三つの点をお聞きして、私の質問を終わります。  総点検の結果についてはどうだったか。四十四年の事故の直後に、金沢鉄瓶管理局に、地元の消防関係者が、何回かにわたって防災関係について要請しているにもかかわらず、いや、それには費用がかかる、検討にかかるといって、運輸省にもその報告がない、それから、国鉄当局の常務にも報告がないという不手ぎわ、これに対する責任はどういうようにおとりになるつもりか。その二つの点をお聞きして、私の質問を終わります。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 ことしの三月に船橋で起きました事故のあと、先生御指摘のように、運輸大臣が緊急特別点検という形で実施を命じまして、四月一ぱいを大体運動期間として、総点検を命じました。その結果の報告が、五月の中ごろに出ました。出たすぐあと、また、空の交通機関でもございましたけれども、新幹線で、かなり乱れる事故が相次ぎまして、その最初の四月一ぱいのものは国鉄だけでやったわけでございますが、そのあと、六月の初めから約二週間程度、こちらのほうが緊急点検をやった。これは、全交通機関を運輸大臣の命令で点検をいたしまして、その報告も、六月の終わりに、前者の国鉄だけがやった点検とあわせて、いずれも私ども報告を受けておりますし、私どもの省のクラブを通じて、一般にも記者発表をいたしております。  もう一つの金沢の北陸トンネルの問題につきましては、先ほど何回か申し上げましたように、私ども直接担当いたしておりませんので、あるいは、トンネルなんかの施設面を担当しておる課長あるいは課には来ておったのかもしれませんけれども、それにつきましては、帰りまして、調査の上お返事いたします。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 いま残った点、総点検の資料を当委員会へ参考にひとつ提出させていただきたいと思います。  それから、金沢鉄道管理局に対して、地元の消防関係が何回かにわたって要請をしている、非常に残念がっているということですが、その点も確かめて、当委員会へ——当委員会は、この臨時国会では、これが最後になるかもしれませんが、委員長には報告をしていただきたい。そうでないと、さっきのなわ張りみたいに、専門の消防関係者がいかにアドバイスをしても、国鉄がなわ張り根性でそれを取り入れないということでは、こういう事故が次に起きないという保障は全然ないわけですから、この点は非常に重要な点だと思います。権威者の意見は、いかに国鉄といえども、やはり謙虚に聞き入れるという態度がなければ、こういう事故を国民の生命の安全のためになくすことができないと思うのです。そういう意味で、消防関係のことは、国鉄も消防関係の人の意見を謙虚に聞くということが重要であると思いますので、金沢鉄道管理局に四十四年に地元の消防署関係からどういう要請があったかということについての報告を、当委員会へ、委員長を通じてしていただきたいと思います。委員長からも適当にお取り計らい願いたいと思います。  これで、私の質問を終わります。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 それでは、国鉄並びに運輸省、いまの点検の報告、あるいは金沢管理局のほうでの、どういう形態のことになっておったか等の報告を私のほうへ出してもらいたいと思います。  本日は、これにて散会いたします。    午後六時散会

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