運輸委員会 第1号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/11/07
会議録
○細田委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。 運輸行政の実情を調査し、その合理化及び振興に関する対策を樹立するため、 一、陸運に関する事項 一、海運に関する事項 一、航空に関する事項 一、日本国有鉄道の経営に関する事項 一、港湾に関する事項 一、海上保安に関する事項 一、観光に関する事項 一、気象に関する事項 について、今会期中調査をいたしたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、議長に提出する国政調査承認要求書の作成及び手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますので、御了承を願います。 ————◇—————
○細田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 航空に関する件、日航機の不法奪取に関する問題について、本日、日本航空株式会社代表取締役副社長高木養根君を参考人として御出席をお願いし、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○細田委員長 これより航空に関する件及び日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。 この際、日航機の不法奪取及び北陸本線、北陸トンネル列車火災事故の概要について、加藤運輸政務次官から説明を求めます。加藤運輸政務次官。
○加藤(六)政府委員 北陸本線、北陸トンネル内列車火災事故及び日本航空三五一便の不法奪取について御報告申し上げます。 まず、北陸本線、北陸トンネル内列車火災事故につきまして御報告申し上げます。 昨六日朝、一時十分ごろ北陸本線、北陸トンネル内において、大阪発青森行きの急行「きたぐに」の食堂車から出火し、死者二十九名のほか、七百十名の負傷者を生じました。旅客の救出は、トンネル内に充満した煙のため作業が困難をきわめましたが、関係機関の協力を得て、午前十一時三十五分、ようやく救出作業を終了いたしました。 政府では、事件発生後直ちに、運輸大臣を長とし関係各省庁の担当局長を委員とする事故対策本部を設置するとともに、とりあえず私が現地に参り、続いて昨日夕刻、運輸大臣も現地におもむきまして、被害者に対するお見舞い、現場視察等を行なっております。現在、死傷者の方々に対し、医療、お見舞い等につきましてできる限りの努力をいたしておりますが、さらにその万全を期するよう国鉄を指導してまいる所存であります。 また事故の原因につきましては、その徹底的究明を急ぐとともに、これに基づいて、かかる事故の再発の防止と緊急時における避難誘導体制の強化改善につとめてまいりたいと考えております。 次に、日本航空三五一便の不法奪取についてでございますが、昨六日七時三十六分に東京国際空港を離陸し、福岡へ向け飛行中の日本航空三五一便が名古屋上空において不法奪取され、犯人は現金二百万ドルを要求するとともに、東京国際空港において航空機をDC8型機に変更してキューバに向かうよう命ずるという事件が発生いたしました。 政府は、運輸省、外務省、警視庁及び日本航空の責任者からなる羽田ハイジャック事故対策合同委員会を東京国際空港に設置し、乗客、乗員の人命の安全の確保を最優先に対策を講じたところ、まず乗客全員及びスチュワーデスが無事に救出され、その後十六時五分犯人は逮捕され、運航要員も救出されました。 ハイジャックの防止につきましては、従来から諸種の方策を講じてきたところでありますが、今回の事件にかんがみ、これらの対策を総点検し、関係各省庁間の緊密な連絡のもとに、ハイジャックの再発を防止するための有効な対策を確立するようつとめてまいる所存であります。 以上、御報告申し上げます。
○細田委員長 以上で説明は終わりました。 —————————————
○細田委員長 これより、日航機の不法奪取に関する問題及び北陸本線、北陸トンネル列車事故に関する問題について質疑を行ないます。 この際、参考人に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は御劇用中にもかかわらず御出席を賜わり、まことにありがとうございました。本問題について忌憚のない御意見を承りたいと存じます。 なお、議事の都合上、御意見は質疑応答の形でお述べいただきたいと存じますので御了承願います。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。山村新治郎君。
○山村委員 私は、きのう、十一月六日に起こりました日本航空の三五一便のハイジャック事件について、航空局並びに日本航空に対して若干質疑を行ないたいと思います。 くしくも三五一便福岡行きは、あの「よど号」事件と同じ便でございます。思い出しただけでもぞっとするようないやな事件でございますが、ハイジャックというもの、これはもう二度とあのような事件は起こしてならない、これが今回の事件の教訓じゃないかと思います。当局また日航をはじめとするそのほかの航空会社が一体となりましていろいろな対策をいまままで練ってきたわけですが、その後全日空の事件、そうしてまた今回のハイジャックと、二回起こってしまいました。まことに残念です。しかし、今回のこの事件、乗客、搭乗員ともに無事、その上に犯人の逮捕、すばらしい解決を見たわけです。しかし、それよりも私は、やはり事件を起こさないほうが重大じゃないかと思うのです。 そこで、いま政務次官から大体の御報告はございましたが、しかし、今回のこの事件に関する詳細な報告を御説明いただきたいと思います。
○内村(信)政府委員 日本航空三五一便のハイジャックにつきまして、ただいまから、概略は政務次官から御報告申し上げましたので、いま少しく詳細に御説明申し上げます。 十一月六日、日本航空の三五一便、これは東京から福岡への便でございます。これが七時三十六分に東京国際空港を離陸いたしまして、福岡に向けて飛行中でございました。そこで、八時五分ごろに名古屋上空にさしかかったころ、乗客のうちの一人がピストルを突きつけまして、二百万ドルの現金をよこせということとともに、B727をDC8にかえてバンクーバー、それからメキシコ経由でキューバに行くように命じたわけでございます。同機には加藤常夫機長以下乗員六名、それから乗客は百二十一名。これはその犯人も含めてでございます。百二十一名が搭乗しておりました。うち一人は子供さんでございます。八時十二分にハイジャックされまして、これから羽田に引き返すという旨を機長のほうから東京の管制部に通報がございました。と同時に、飛行機は羽田へと針路を変更したわけでございます。それから八時四十五分に至りまして、御宿の上空を飛行中であるということを羽田タワーに飛行機から通報してまいりました。 ハイジャック通報を東京のセンターから受けました航空局といたしましては、九時二十分に東京国際空港におきまして東京の国際空港長を長といたしますハイジャック対策本部を設置いたしまして、関係機関と対策について検討を開始したわけでございます。 一方、日本航空はDC8によるキューバへの飛行の準備を開始いたしまして、代替機といたしましてDC8、登録ナンバーJA八〇四〇を決定した次第でございます。 その後十時二十六分に機長から羽田タワーに対しまして、十時四十四分羽田着陸予定である旨の通報がございました。航空局はB727機が着陸後羽田の空港の全面クローズを決定いたしたわけでございます。十時四十六分に問題のB727機が着陸いたしまして、空港は、私どもといたしましては直ちに全面クローズいたしますとともに、当該機をC8の駐機場に、これは消防署の前でございますが、停止いたさせました。 その後犯人は機長を通じましてカンパニーラジオで交信をしたわけでございますが、十二時五十五分、二百万ドルを代替機DC8の最前列の座席に積み込んだ旨を犯人に伝えました。これはそういう要求があったわけでございますから、その要求によりましてDC8の最前列の座席に積み込んだということを犯人に伝えますとともに、乗客を釈放してくれということを説得を継続したわけでございます。 その後、十四時四十分ごろに乗客はB727からおり始めまして、犯人の要求どおり代替機のDC8に乗りかえるべくスチュワーデスの先導でDC8のほうに歩き始めたわけでございます。しかし、DC8には乗りかえませんで、十五時五分ごろ、迎えに参りましたバスに乗りまして、皆さん羽田の東急ホテルに向かわれたわけであります。 その後も犯人に対しまして説得が続けられ、十六時五分、犯人は乗員三名とともにB727からおりましてDC8に乗りかえた。そのとたんに逮捕されたということでございます。 なお、滑走路は十六時三十分にオープンされましたが、この間、十時四十六分から十六時三十分までの間に国内線、国際線ともダイヤが大幅に乱れまして、目的地を変更いたしたものが国内線が七便、国際線が八便、それからキャンセルしたものが国内線が百四十二便、国際線が二便、五時間以上の遅延を生じたものが国内線が六便、国際線が三十七便にのぼったわけでございます。 このようにして、このハイジャック事件を発生いたしましたことは、私どもといたしまして非常に皆さまに御心配をかけ、まことに申しわけないというふうに存じております。ただ、幸いにいたしまして警察のほうの非常なる御努力また綿密なる周到なる御計画、配意によりまして、無窮に全員救助され、なおかつ犯人を逮捕できたということはたいへん喜ばしいことでございまして、私どもといたしましても、警察御当局に対して深く感謝している次第でございます。
○山村委員 この前から二回、「よど号」、全日空と貴重な体験をハイジャックにつきましてはしているわけです。しかし、また今回ハイジャックが起こってしまった。私は航空局、日本航空それぞれ、原因は何であるか、どのように考えておるか、これをひとつお述べいただきたい。
○内村(信)政府委員 この原因でございますが、われわれといたしましては、ハイジャック対策といたしましては先生先ほどお述べになりました「よど号」事件以来いろいろとそのときの経験にかんがみ、またICAOの臨時総会の勧告等も取り入れまして種々の対策を持っておったわけでございます。しかし簡単に申し上げますと、この対策というものは結局は何と申しますか、凶器を犯人が持参しないようにということを厳密にチェックするということ以外にはないわけでございます。その意味で、いろいろゲートをつくりまして、そこに凶器探知器というふうな金属探知器を置きまして、そこを通過するとか、あるいはTVカメラによって見ておるとか、あるいは極端な場合にはボデーリサーチをやるとかいうふうなことをやっておりますけれども、やはり基本的にはこういうものは事前にある程度の情報を得て、その情報をつかむ、それから挙動というふうなものを見る、そして探知器の反応状況を見る、こういうふうなことによってやってまいらざるを得ない。あらゆる人に対して全部ボデーリサーチをするということは、現存の国内線の状況では、非常に客も多くなりましたし時間もかかりまして、実際問題としては問題になるというふうなことから、これはというふうな者にしぼってチェックをするというふうなことをやっておったわけでございます。その辺がなかなか実際問題としては全部網羅的にならないというところに一つの問題がありはしないかというふうな気がいたしております。 なお、この原因につきましては、今後とも捜査が済みました段階におきましてなお深く研究いたしたい、このように考えております。
○高木参考人 私、日本航空の副社長の高木でございます。昨日は私どもの三五一便がハイジャックされましたために世間をたいへんお騒がせをし、また本日御出席の諸先生方に特に御心労をおかけしましたことをまことに申しわけなく存じます。この席で深くおわびを申し上げたいと存じます。 ただいま御質問のありました点につきまして、航空局長と重複しないように会社側の立場から申し述べさせていただきたいと存じます。 実は私ども、前回の「よど号」のハイジャックの後に、関係の御当局の御指示もありまして、このハイジャックに対する体制というものを一応われわれとしてはできるだけの努力をしてまいったつもりでありまして、たとえば組織的には空港保安室というような組織を新たにつくりまして、このハイジャックの問題についてのいろいろな検討それから案の作成、実施というようなことをやりまして、その結果、現在、このハイジャックあるいは爆発物の危険ということに備えまして、体制を三段階で一応やっております。初期警戒体制それから警戒体制、厳戒体制、この三段階でやっておりまして、初期警戒体制といいますのは、特に特定の危険の情報はなくても一般的に警戒をしたほうがいいというときに初期警戒体制、それから日本航空に対する特定の情報はございませんけれども、特定の地方とかあるいは特定の路線について十分に警戒すべきであるという判断がなされましたときに警戒体制、さらに日本航空の航空機に対してハイジャックないしは爆弾の搭載というような情報がありましたときには厳戒体制ということで警戒をしておりまして、昨日現在といいますか、ここのところずっと国内におきましては第二段の警戒体制というものをとってまいりました。この第二段の警戒体制におきましては一応ただいま航空局長からも御報告がありましたような警戒体制をとると同時に、挙動が不審に思われる者あるいは若年であってたとえば手荷物なんかもあまり持っていないというような、特に警戒をすべき者というものについてはよく調べるというようなことを現実にガードマンを使ってやっております。 この原因という御質問でございますけれども、私どもは従来このハイジャックについて特に警戒をしておりました者はどちらかというと若年層でございまして、昨日の犯人のように中年で外見上落ちついて見えるような者についてはまずあまりその危険がないということで、その点の警戒が抜けたということが直接の、今回のハイジャックの起こりました原因に非常に関係があると思います。そういう意味で、現実にこういう事故がまた起こったということにつきましては、従来のわれわれのハイジャックに対する体制というものはまだ不十分であるということを実際に痛感をいたしまして、今後さらに関係の向きともいろいろ御相談を申し上げながら点検をし、改善をしていきたい、このように存じておりますので御了承をお願いしたいと思います。
○山村委員 現在残念ながら、世界の航空界ではハイジャックが流行しているというような傾向がございます。しかしわが国で起きた——残念ながら三回起きたわけですが、このハイジャックそれぞれうまく事件の解決を見ました。特に今回は、先ほど申しましたように乗客、搭乗員、これがすべて無事であった。そうしてその上に犯人逮捕、すばらしい成果を得たわけですが、今回のこの羽田ハイジャック事故対策特別委員会、この構成はどのように行なわれておりますか。
○内村(信)政府委員 先ほど政務次官からもちょっとお話し申し上げましたけれども、今回の場合の対策本部のメンバーといたしましては警察庁、それから日本航空、外務省、それから私どもと、この四者の構成によってつくったわけでございます。そこで、私ども従来の例にかんがみまして、山村先生もよく御存じでございますが、「よど号」の先訓と申しますか、その当時の例に見ますと、やはりややともすれば全体の連絡が不十分であり、個々ばらばらに動いたきらいもなきにしもあらずというふうなことが、率直に申しまして当時の状況であった、こういうふうに思っております。したがいまして、今回はそういったことのないように全体的にこれを一本で把握して、あらゆる判断、対策を一本でやるというふうなことが非常に重要であると感じまして、そういった意味からこの対策本部も設けられ、それに基づいて統一的な意思決定をはかってまいったつもりでございます。そこで、その意味におきましては、今回は各者間のそごはなく、非常に連絡は密にいったというふうに私ども思っております。
○山村委員 事件がうまく解決したというよりは、今度は事件を起こさない、これが一番いいのです。ベストでございます。 そこで先ほど、ハイジャック防止ということには、まず凶器を機内に持ち込ませないということを局長が言われましたが、今度の場合はかなり予防措置はとっておったにかかわらずピストル、そうして数十発の弾丸、これを犯人が持っておったようです。いわゆる凶器発見器というものは何の役にも立たないのかということにもなろうと思いますが、今回どういうわけでそれが発見できなかったのか、それをひとつお話しいただきたい。
○室城説明員 ただいま犯人の取り調べをしております最中でございまして、当日の犯人の空港内に至りますまでの足取り等については詳細に判明いたしておりません。一応推定されますことは、乗客として普通に入ってきたものとすれば、どこかの地点で不審者としての職務質問を受けるなり、あるいは金属探知器によって所持品を探知されるなりしておるのが従来のたてまえでございまして、そのような体制下に当日も警戒をしておったわけでございますが、結果的には空港の中にそのようなものを持ち込まれておるということでございまして、私どもといたしましても十分にその犯人の足取り等について調査を進めまして、その中から当日の警戒体制のどの点に不備があったのかということをさらに追及してまいりたいというふうに考えております。
○山村委員 今後十分調査をなさいまして、そして盲点等を明確にいたし、今後凶器は中に持ち込まれないようにしていただきたいと思います。 一つお伺いしたいのですが、今度の事件がうまく解決したというのはやはり三五一便が727であって、そしてこれは長距離航空ができないということでDC8に乗りかえた。それによって今度の事件が不幸中の幸いといいますか、これが解決したわけでありますが、私の聞くところによりますと、十月一ぱいは三五一便はDC8を使っておった。ところが十一月になりましてから727になった。これは日本航空、どういうわけで機種が変わったか、それをお知らせいただきたいと思います。
○高木参考人 この機種の変わりました理由は、実は器材のやりくりの関係でDC8が当該便に使いにくくなりましたために727に変えた、こういうのが実情でございます。
○山村委員 そういうようなことで、これはまことによかったわけですが、しかしもしこれがDC8であった場合には、犯人には身のしろ金二百万ドルを持ってそのまま行かれてしまったというようなことになるわけでございます。 そこで私は、やはり今度は不幸中の幸いということでしたが、絶対に凶器を持ち込ませないということに万全を期すべきである。特にまた犯人の遺留品からニトログリセリンとかいわゆる黒色火薬とかが出てきたといいますが、それについてもし調査がしてありましたら御報告をお願いしたいと思います。
○室城説明員 ただいままで私どものほうで確認いたしております点を申し上げますと、拳銃はブローニング三十八口径六発装てん一丁でございます。これは犯人の供述によりますと、米国居住当時に購入したものであるというふうに申しております。そのほか、ニップル爆弾のようなものを三個靴下とくるぶしの間に差し込みまして導火線を外部に出す。これにいつでも火をつけるぞというようなことでおどしておったということでございます。さらに犯人のバッグ二個の中からブローニングの予備弾五十発、ニップル爆弾四個、落下傘、スコップ、ロープ、導線、針金といったようなものが発見されております。
○山村委員 どうも時間がなくてあまりこまかく質問ができませんで残念ですが、ハイジャックを絶対起こしてはならない。これは皆さんだれも異議のないところではないかと思います。ハイジャックを起こさないのには、これは凶器を機内に持ち込ませないことである。そこでこれに万全を期すということですが、今度の場合おそらく手品師ではあるまいし、何も持って入らなかったのが、飛行機の中に入ったらピストルを持っていたということではないと私は思います。そうすると、凶器発見器というものが一つも役に立たなかったということになってしまうわけですが、どういうわけでそのようにそれだけのものを持った人間が通ったのに凶器発見器が、これは何か三つの信号があって点滅するそうでございますが、それが点滅しなかったのか、また、した時点でどうしてそれを取り押えることができなかったのか、それを局長にお伺いしたい。
○室城説明員 お尋ねの件でございますが、先ほど申し上げましたように、本人の当日の足取りなどを十分調べてみませんとまだ不審な点が残るわけでございますが、かりに推定いたしまして、一般乗客と同じように金属探知器をしかけました通路を通って入ったにもかかわらず発見できなかったということだといたしますと、一つには、金属探知器の性能は私どもかなり自信を持っておりまして、相当小さなものにまで敏感に反応するわけでございますが、その関門を通過します際の乗客の何人がどういう形で通過したかというようなことによっては、あるいは十分に所持品が、単独に一人だけ通ります場合と違って、だれが持っておったかということがはっきりしないままに別の人を一生懸命調べておるということで、犯人のほうが十分調べられないで見過ごされたということがあったのではないか。あるいは、現在は空港側の要員がまずランプがつくのを確かめまして、それを警察官に連絡をし、警察官が横におりましてその人を次々職質するような形をとっておりますけれども、大ぜい客が込んで一緒に入ってまいります場合には、一人一人を全部チェックするというわけにはまいらない場合もございます。したがって、必ずしも金属探知器が反応したから全員を調べるといういとまなしに、そのうち容疑があると思われる人物についてのみピックアップしてチェックをするというふうなことも間々あろうかと思いますので、当日どういうような状況であったかというようなことについてもさらに十分調べてみたいというように考えております。
○山村委員 いま混雑したときと言われましたが、はっきりいって、なかなか十分な取り調べができないということでございますが、やはり手荷物にしても身の回りのものを持ち込ませておる、そこに盲点があるのではないかと思います。この際、身の回りのものを持ち込むといいますが、私はずっと今回の三回のハイジャックというものを見てみまして、国際線には一ぺんも起こってないわけでございます、日本の場合。そうすると、これは国内線。特に国内線の場合は長時間にわたって飛行機に乗っておるわけではございません。そこで乗客の方にはお気の毒でございますが、しかしまた同時に、ハイジャックが一たび起こりますならば、その乗客が今度は被害者になってしまうわけです。そこでそれをお考えいただいて、身の回りの持ち込むものもほんとうに——いま小さなかばん等は許されておるわけですが、これはひとつ局長にお伺いしたいのですが、どの範囲でいま許されておるか。時間がありませんのでまとめて申し上げます。そしてそれを今後は、身の回り品でもこの際御遠慮いただいて、それも全部お預けいただく。そういうことになればかなり凶器の発見というものは詳しく行なわれるのではないかと私は思うのですが、その点局長にお伺いしたいと思います。
○内村(信)政府委員 現在、航空機違法奪取等の防止対策といたしまして、四十六年には大臣通達、それから四十五年に局長通達を出しまして、会社のほうにも徹底しているわけでございますが、その中で旅客の手荷物チェック及び必要な場合の開梱ということを設けまして、そこで運送約款によりまして、これは怪しいと思うものはいつでも開梱できる。開梱を拒否した場合には、これは搭乗をさせないというふうなことははっきりしております。 そこで制度はできておるわけでございますが、一体どの程度の重さのものまで、どの程度の大きさのものまでというふうなことは——持ち込み手荷物の制限は一個、それから重量は五キログラム以内、容積が四十センチと三十五センチと二十五センチ以内、大体こういうふうに手荷物制限をいたしておりますが、その上でさらにいま申し上げたような方法によりまして、これはあぶないと思うものはあけてみる、あけるのを拒否したものについては持ち込ませないというふうなことはいたしております。 それで、確かにこれは一つの乗客に対する利便の問題とそれからいわゆる危険防止というふうな公共性の問題とどういうふうにかみ合わせるかという問題でございますけれども、やはり何といってもハイジャックというふうなものがかりに起こるとすれば、それは乗客の皆さまに対してたいへんな御迷惑をかけるわけでございますし、そのためには個々の不便というものはやはりひとつ忍んでいただいて、方向といたしましては、そういったものをますます制限していくという方向に向かわざるを得ない。そういうことはまた御了承をいただかなくてはならぬかというふうに考えております。
○山村委員 ちょっとお伺いします。 現在のいわゆる国内線の利用客というのは、一日何人ぐらいですか。日本航空でもどこでもけっこうです。
○高木参考人 日本航空としてお答え申し上げますと、概算でいいまして一日大体二万人でございます。これは日本航空だけでございます。
○山村委員 二万人の方がお乗りになる。それで、その間混雑が起きないほうがおかしいわけでございます。 そうすると、五キログラムまでの荷物が入って いい、手回り品は持っていってよろしいということになれば、それは、もしかりに、みやげもので、まあ東京へ来たら帰りにカン入りのノリを買っていくというような場合には、これは凶器発見器のほうでは点滅ということはどういうことになりますか。
○内村(信)政府委員 点滅はいたすと思います。
○山村委員 そうすると、そういうような人を全部チェックしなければならない。これははっきりいって不可能に近いことでございます。そこで、なかなかむずかしいことかもしれませんが、手荷物を持ち込ませなければ簡単に見つかるということはいえると思いますので、今後その点も十分検討していただきたいと思います。 残念ながら時間が来てしまいましたので、航空に関する問題はこの程度でとめさせていただきます。まあひとつ、二度とハイジャックが起こらないよう、万全の手配をしていただきたいと思います。 それと、続いていわゆる北陸線の事故について御質問申し上げたかったのですが、時間がございません。一言、死者二十九名、負傷者七百十名、この死者の方に弔意を表し、負傷者の方の一日も早い御回復をお祈りいたしまして、私の質問を終わります。
○細田委員長 次に斉藤正男君。
○斉藤(正)委員 不幸にして重大な事故が続発をいたしましたが、私はまず最初に、国鉄北陸線のトンネル内における事故についてお尋ねをいたしたい。 今度の事故は、昭和二十六年四月の桜木町事故、三十年五月の紫雲丸事故、三十七年五月の三河島事故。三十八年十一月の鶴見事故などと匹敵をし、しかもその責任の所在ということになりますと、国鉄当局にとりましてはきわめて重大な事故であるというような認識をいたしておるわけでございますが、一体この責任はだれにあるのか、どこにあるのか。ともすれば、現地でも当然行なわれるでありましょうけれども、たとえば乗務員のミスだ、あるいは食堂車管理責任者の過失だというようなことでその責任が末端に押しつけられて、最高責任者である総裁をはじめ、あるいは監督官庁である運輸大臣の責任等々についてはうやむやに過ごされた例もないではないし、またそのような結果になって、ほんとうの責任の所在が明確にならないうちに次の事件が発生をするというような不幸の連続になる心配が多分にあるわけであります。大臣はお見えでありませんけれども、次官から、この大惨事の事故の最高責任者はだれなのか、明快にお答えいただきたい。
○加藤(六)政府委員 昨日、私、現地へ参りまして、夕刻大臣が敦賀の現地へお着きになりましていろいろお打ち合わせをいたしたわけでございますが、その席で大臣はこういう発言をされました。今回の事故は佐々木運輸大臣を含む全員の責任である。深く反省し、二度と起こさない処置は大臣を中心に検討していきたい、こういうお話がございました。また大臣は、その立場に立ってすべての問題について指示されております。また、昨日早速本部を設けられまして、大臣自身が本部長になられまして、この問題について真剣に取り組んでいただいておるわけでございます。われわれは責任を回避したり逃げたりいたしません。大臣以下全員この責任をかぶって処置していきたい、こういう決意でございます。
○斉藤(正)委員 当然な答弁でございますけれども、そういう心がまえで本事件にも対処をいただくし、今後ほんとうに二度とこのような惨事の起こらないような徹底的な原因の究明、そして対策に万全を期していただかなければならぬというように思うわけです。 そこで伺いたいのは、長大トンネル対策を国鉄当局はどのように考えてきたのか。承りますれば、この旧北陸トンネル内で、しかも蒸気機関車が客車や貨車を牽引している時代にも三回にわたって事故があったということを聞いている。蒸気機関車を使っていたから事故があったんであって、電気機関車になれば事故はなくなるんだというような認識が一体あったのかどうなのか、また前三回の事故の経験をこの北陸トンネル内でどのように生かして今日にきたのか。総括して長大トンネルの事故対策を国鉄当局としてはどう考えているか。この北陸トンネルの過去三回の経験をどう生かしたのか、副総裁から伺いたい。
○山田説明員 昨日の事故でたいへん御迷惑をかけまして申しわけございませんが、いま御質問の長大トンネルに関する事故でございますが、まあ長大トンネルといいましても定義がございません。全国的にトンネルの数は三千四百ございます。その中でかりに長さが五キロ以上のトンネルを拾ってみますと、これが十七ございます。それで従来の長大トンネルは、蒸気機関車のときにはこれが蒸気で走るわけでございますから煙も出しますし、もちろん火炎も出します。それで排気装置——機関車が出します煙で乗務員が窒息をするというような事故がございました。機関車そのものは、非常に下世話な言い方になりますが、火をたいて走るものでございますから、火災に対する心配と申しますか、そういうものはないような設計になっているわけでございます。したがって、当時の蒸気時代のトンネルに対する対策としては、その中で窒息死をするというようなそういう対策は十分講じていたわけでございます。 それから現在ございます北陸トンネル、これは確かに十三キロで、日本で二番目に長いトンネルでございますけれども、従来のトンネルにかわって掘ったトンネルでございまして、これはできたときから電気機関車の電気運転をやっておりますので、先生御指摘の三件の事故というのはその前のトンネルのときかと思います。そういう現状でございます。
○斉藤(正)委員 蒸気機関車なら煙が出るけれども、あるいは蒸気機関車なら火災が起きる心配があるけれども、電気機関車なら煙は一切出ない、火災が起こらないという保証はどこにある。そこに大きな落とし穴があった。機関車が電気機関車であろうと何であろうと、客車から火が出ることもある。あるいは食堂車から出る危険性も非常に高い。貨車といえども、火が出ないという保証は一つもない。そういう点から考えますれば、蒸気機関車が走っていた当時のトンネルの構造あるいは設備といったようなものと、電気機関車だからという設備の手抜き等々はそこに重大な、ミスが隠されていたことを今度の事件で学ばなければならぬと思うわけでありますけれども、しからば、北陸トンネル一つをとってみましても、工事用の換気孔は三本あった、斜坑もあったということでありますけれども、工事のときに中の空気をかえるという意味で換気孔を三つもつくっておった、斜坑もあったというのに、これらの換気孔や斜坑が完成をしていよいよ列車が走るという段になって何の役目も果たしていない。それは工事専用のものであったということであるならば、これまたたいへんなロスであり、認識の不足だというように思うのだけれども、巷間伝えられている工事用の換気孔三本、斜坑等々は全くこうした有事の際の避難用なり緊急用に技術的に使いものになるのかどうなのか伺いたい。
○山田説明員 換気孔とおっしゃいます中に立て坑が一本とそれから斜坑が二本ございます。これは確かに工事のときに、長大トンネルでございますので途中から掘るためのものでございまして、それで立て坑はまっすぐでございますので、これは足場をつくりましても電柱に登るようなものでございますので、実際問題としては避難坑といたしましては役に立たないと思います。ただ換気には若干役に立つとは思います。それから斜坑は斜めの道路がついていますから、これは避難用にはできるわけでございますけれども、まず排煙という点から考えますと、北陸トンネルは十三キロで十二ミリの片勾配でございます。それで私ども申しております自然通風の風速が非常に強いトンネルでございますので、それにさからったような換気装置をつくるということは非常に困難であろうというのがいままでの見解でございます。 それから避難坑につきましては、あそこは従来のトンネルが単線でございました。しかし掘り直した北陸トンネルは複線でございますので、万一の場合には片側の線を使って避難、脱出ができるのではないか、そういうような考えで、そういうような訓練、指導をいたしておったわけでございます。今回もその片側の線で避難されたお客も相当ございました。しかし、そのいとまがなくて煙に巻かれてなくなられた方があったことは非常に残念でございます。 そういうことで、現在あります斜坑なり立て坑は率直に申しまして、避難用あるいは排煙というようなために特に意を用いてそういうような設備をいたしてはおりませんでした。
○斉藤(正)委員 建設省は国道主要線の長大トンネルに対しましては、その後ばく大な経費を投入して換気に全力をあげております。またハイウエーにつきましては、トンネル内の火災その他の事故に備えて十分な設備がしてある。国鉄に限って、もちろん立て坑一本、換気には若干役に立つかもしれぬけれども、避難には役立たないとか、あるいは斜坑二本については避難用に若干役立つかもしらぬけれども、主たる目的が工事用であったとかなんとかというようなことで、しかも勾配の関係上、自然通風が強くて人工的な換気その他については困難な面もあるということでありますけれども、私は何よりもかによりも国鉄当局に欠けていたのは長大トンネル内の事故に対する配慮がなかった。全くなかった。いま、上り下りのどちらかに事故があったときに、反対の線路を使えばとこういうことでありますけれども、これは三河島事故が雄弁に物語っているように、幸いにして今回は停電その他で上りの列車がとまったからいいようなものの、もし上り線に乗客が殺到し、そこに列車がばく進をしてきたときの事故などを想像すれば、二重、三重の事故も考えられる。したがいまして、私は、長大トンネル対策として、緊急対策としては何をやるか、恒久対策としては何をやるか、いま国鉄がこの貴重な犠牲の上に立って当面立てなければならない問題であろうというように思う。しろうとの私でも、緊急対策としてはしかじかかようなものがあるではないか、恒久対策としては当然こういうことが考えられるというようなことが、実はメモしてありますけれども、時間の関係もありますので申し上げませんけれども、緊急、恒久分けて、長大トンネル、お話しのように五キロメートル以上が十七本もある、これからもなお続々と新幹線その他では長大トンネルができていくという現状にかんがみ、決意のほどを伺いたい。
○山田説明員 御指摘のとおり、私どもなおざりにしていたわけではございませんけれども、長大トンネル、従来の蒸気と比べまして、中の排気の問題については非常に研究はいたしておったわけでございます。 それから、自動車のトンネルのお話がございましたが、自動車のトンネルは、火災もそれは起こりましょうが、その前に排気ガスの問題が非常に大きな問題になっているわけでございます。その点で、うちの電気運転では、そういう心配は全然ございませんし、それからディーゼル運転でも、列車間合いが比較的ございますので、ディーゼル機関車から出る排気ガスでどうこうという問題は全然心配ないと考えておりますけれども、先生御指摘のように、それは電気機関車は全部鉄でできておりますので、これは火災の心配はないと思いますが、しかし客車、それから現に食堂車が燃えております。それから、貨車でも、これはものによっては何かの火種がつけば燃えるわけでございまして、現実に長大トンネルの中の火災が起きたわけでございますので、絶対起きないということは、私ども申し上げられないと思います。 その点で、今度の事故の原因、これをまず第一に究明いたしまして、まず第一に、トンネルの中はもちろんのことでございますが、車両火災を起こさないような構造に考えていかなければいけない。これは車両の不燃化については相当研究もいたしておりまして、新幹線車両のごとき、特にトンネル区間の多いところを走る車でございますし、スピードも速い車でございますので、これは相当、車両のいわゆる難燃化——不燃化ということは、これはなかなか車両の構造上あるいは重量上むずかしい問題でございますので、いわゆる燃えにくい車をつくるという点は相当進めてまいってきたわけでございますが、今度のこの燃えました食堂車も改造いたしまして、−昔、食堂車の火災事故が相当起きております。それについては全部台所から出ておりますので、現在の食堂車は全部台所は金属化いたしておりますが、しかしこれは実地検証が済んだばかりで、われわれ確認がまだできておりませんが、今度の事故は食堂車の喫煙室部分から出たらしいということでございますので、そこはまだ金属化されていない部分でございます。そういう点で、事故の原因をまず究明して、燃えない車をまずつくる。それから万一燃えた場合には、その排煙の問題なり、避難の問題なり、これをどういうふうにやっていくかというその対策、この二本立てで早急に原因の究明と結論を出したいと思いまして、さっそく本社内にその対策委員会を設けまして、鋭意検討を始めたところでございますが、この点につきましては運輸省からもいろいろ御指示を受けておりますので、私ども最大の努力でできるだけ早く結論を見出したいと考えております。
○斉藤(正)委員 万が一にもということが大事故につながるわけであります。今度も万に一つのことでこの大事故が発生をした。まずまずないだろう、まずだいじょうぶだが、しかし万分の一はあるというところにやはり間隙があり事故がある。したがいまして、不必要だ、とにかく生産性の向上だ、近代化だ、合理化だということで、つい万に一つのことがおろそかになれば、またこのような悲惨な事故は繰り返す。かつてそうだった。 私はここで具体的に伺いたいのですけれども、一体この列車には、機関車関係の乗員は何人であったのか、車掌さんを含めた客車関係の乗務員は何人であったのか、食堂車関係の乗員は何名であったのか、郵便車が連結されておるようでありますけれども、この鉄道郵便車関係の職員は何人であったのか、公安官は何人乗っていたのか。これで大体乗客以外のすべてだと思うが、まだそのほかにもこういう人もありましたというなら言ってもらいたい。具体的に人数を教えてください。
○山田説明員 動力車関係は、機関車に乗っておりました者が三名でございます。その内訳は、指導機関士が一名、機関士が一名、機関助手が一名でございます。それから車掌は、乗客専務が一名、乗務指導掛が一名でございます。それからそのほかに、お客の世話をし、寝台がついておりますので、寝台関係の仕事をやりますいわゆる乗務掛というのが三名、それから荷物車がついております、その荷物関係の車掌が一名、それから荷物掛が二名で、そのほかに公安職員が二名乗っておりまして、国鉄職員といたしましては全部で十三名乗っておりました。そのほかに、食堂車におります日本食堂の従事員が八名、それから郵便車がついておりまして、その中で郵便の仕事をやっておられた郵政の職員が九名、全部で三十名がいわゆるお客以外の乗員と申しますか乗り組み員でございます。
○斉藤(正)委員 郵政省職員九名ですか、これは国鉄がどうこうする指揮監督権はないかと思いますけれども、少なくも三十名の関係者、政府関係者が乗っていた。日本食堂の八名は別でありましょうけれども、それにしてもいざというときには何かしらお手伝いいただかなければどうにもならない。しかし実際は旅客の避難誘導等々に働いたのは一、二名じゃないか、こういうことを報道関係では言っているのですけれども、そんなばかなことはあり得ないと私は思う。少なくも国鉄職員は総がかりでやった、このように思っておりますけれども、その点はいかがでございますか。
○山田説明員 実は言いわけではございませんけれども、乗り組み員全員からまだ正確な供述をとっておりません。断片的にとったのはございます。これは警察のほうでもおとりになっていると思いますが、それによりますと、火災を発見したのも食堂の女子従事員であったというようなこともございますし、それから公安官が見たというのもございます。それで食堂車の従事員も最初のいわゆる初期防火に一生懸命になっていたことは事実でございます。 それから、今度の場合に、まず火事をその場で消そうという努力を、これは機関士も車掌もやっておりますが、結局手に負えなくなって切り離して引っぱり出したということでございまして、その間、うしろのお客さんにはおりてください、それから前のほうのお客さんには車内にいてくださいというような誘導もやったという供述、これはまだ確認いたしておりませんが、そのように、それぞれ国鉄職員の十三名は列車の後方防護も、あるいは向こうから来たいわゆる対向列車、これもございましたので、そういうものの防護にもそれぞれの持ち場でやっていたように、いまのところ判断いたしております。
○斉藤(正)委員 一体国鉄の規定として、寝台車にはどの程度の消火器を積めというのか、食堂車にはどういう規定があるのか、機関車にはどういう規定があるのか、何かその消火器搭載の規定等はどうなっているのですか。
○鈴木説明員 お答え申し上げます。 消火器にはいろいろございますが、食堂車には二つ積んでおります。寝台車にも二つ積んでおります。それから一般の客車には一つ積むということにいたしております。それからそのほかディーゼルカーの場合には床下に、エンジン部分に近く一つ、これは車内、客室内その他に積むものとは違う性質の消火器を積んでおります。 以上でございます。
○斉藤(正)委員 機関車にはどうなっておりますか。
○鈴木説明員 機関車にも一つ積んでおります。
○斉藤(正)委員 何ぼ積んでおったって、それを使う人がなかったり、使う要領がわからなければ宝の持ちぐされであって、鋭意お使いになったと思うのですけれども、まさか国鉄が整備不良の消火器を積んでおるなんということは考えたくもありません。しかし万全だったかどうかということになりますと、これはまた別問題でございまして、私は、火災発生、発見、消火、避難誘導、すべて現場の皆さんは最善の努力をされた上の事故であろうというように良心的に考えますけれども、しかし誘導にあたって、敦賀口へ行けば近いのに、三キロも遠い今庄のほうへ誘導してみたりというようなこともあって、乗客、遭難者ではいろいろ批判が出ておるようであります。 しかし起きたことはもう前車の轍としてこれに学ぶ、そして二度とこのような事故を起こさないということが最大の急務だろうというように思うわけでありますが、私は、しかしやはりローカル線は切っても急行の増発、あるいは地方線は整理しても新幹線といったような国鉄のもうけ主義、合理化、近代化、人減らし、省力化といったようなものが原因の一つになっていることは間違いない。極論をすれば、国鉄当局の人命軽視のあらわれがこうしたことに出てきたのじゃないかという判断をせざるを得ないと思うわけでありますけれども、いずれにしても、運輸省としても重大な決意を持って臨まれるということでありますが、なくなられました二十九名の方々、そしてその家族、御遺族の皆さん、重傷者約九十人、軽傷者四百人といったような皆さん方に対しましては心からお見舞いを申し上げ、遺族並びにその関係者に万全の対策を立てていただきたいと思うのでありますけれども、事故絶滅と、この犠牲になられた皆さん方が、しかも一酸化炭素中毒になっておられるということで、後遺症その他を考えますればお先まつ暗であります。政務次官から、事故撲滅と遭難者並びに重軽傷者に対する対策につき、決意のほどを伺いたい。
○加藤(六)政府委員 斉藤先生に最初に一言申し上げたいと思いますのは、先生いま御意見を開陳せられた途中において、生産性向上、合理化の問題が今回の事故を引き起こしたのだとおっしゃる点につきましては、いささか今回の事故の原因がまだはっきりいたしておりません。いつも運輸省並びに国鉄が言っておりますように、輸送というものは安全が第一であります。安全が最優先いたします。われわれとしましても安全を無視したそういうものをやろうとは、さらさら考えておりませんので、そこは誤解ないようによろしくお願いいたしたいと思います。 また今回の事故に伴いましてなくなられたお方あるいは重傷者、軽傷者、ほんとうに何とおわび申し上げていいか、おわびの申し上げようがございません。私たちといたしましては、なくなられた方に対しましては最大限の補償その他をいたしたい決意でございます。また、負傷を負われた方々——私も昨日お見舞いにそれぞれ参りまして、負傷者の皆さん方の中にも後遺症問題を心配されておる方、特に一番懸念いたしましたのは、のどの障害を起こされて声が出ない方、三、四人おられました。元気でございますけれども、声が出ない方、あるいはまたいろいろそういう一酸化炭素等に伴う問題等がございます。こういう方々に対しても、昨日は労働省のほうに御依頼いたしまして、高圧酸素を緊急に配置していただきまして、後遺症の残らないように、あるいは治療上の、敦賀あるいは武生地区にそういうものがない場合の配置等もお願いしたり何かして最大限の努力をいたし、また、こういう方々が完全によくなられまして、社会に完全に復帰せられるまで一生懸命努力さしていただいて、めんどう見さしていただきたいという決意でございます。今回の事故を決してのがれもせず真正面から取っ組みまして、二度とこういう惨事を起こさないような決意で臨んでおり、また災害にかかられた方々に対するそういった処置の万全を期したいと存じます。 それからこの席を借りてついでにもう一言お礼を申しておきたいのは、当該関係市町村、日赤、各種団体の皆さま方が、今回のこの火災事故に対しましてたいへんなる御協力をいただきましたことを、私はこの席を借りてお礼申させていただきたい、こう思う次第でございます。
○斉藤(正)委員 次官からそういう答弁があるなら念のためにもう一ぺん言っておきますけれども、最近新幹線における微細な事故でありますけれども、窓ガラスの破損、架線の故障あるいは線路敷にある敷石の飛散等々、私も最近数多く乗りますけれども、一本としてまともに「こだま」が走っていたごとはない。過日「こだま」に先行する「ひかり」が窓ガラスが原因不明で割れてえらい被害を受けた。きのうはまた上り二番が四十分もおくれてきておる。私は警告をいたしますけれども、スピードを誇り近代化を誇る新幹線といえども、いまのまま放置せんか、ごく近いうちに大惨事が起きやしないかという心配を持っている利用者の一人であります。全く最近の新幹線はぶっそうで乗っちゃおれぬ、こういう気持ちが率直にいって利用者の一人としてあるわけでありまして、国鉄当局に警告をいたしておきますけれども、全くそのようなことは起こさないという決意をひとつ固めていただきたいと思うわけであります。 時間がありませんけれども、ハイジャックの問題で二言だけ伺いたい。 一体このハイジャック事件の取り締まりの最高責任者は、主管官庁からいえばどこなのか。警察庁なのか、あるいは運輸省なのか、あるいはこの航空会社なのか、空港なのか。空港というと運輸省になりますけれども、どこが一体このハイジャック防止の主管庁なのか。主管庁と思う方から私のほうですという答弁をいただきたい。
○内村(信)政府委員 どこが主管庁かという問題でございますが、これはいろんな官庁がお互いに協力しながらやっていくということでございます。ただその場所は空港でございますし、それから対象が飛行機でございます。したがいまして、その意味から、私、一応御答弁申し上げる次第でございますが、現在、先ほど申し上げましたように、関係各方面がいろいろ関係ございますので、空港におきまして、空港保安委員会というものをつくっております。これはICAOの勧告にもあるものでございまして、それに基づきまして各空港に空港保安委員会を設ける。その保安委員会のメンバーといたしましては、空港の事務所長、それから警察の方あるいは税関、それから刑事、それから航空会社等、そういった方々を網羅いたしまして空港保安委員会をつくっておる。その空港保安委員会がいわば責任を持って、各空港におけるハイジャックの防止を考えておるというのが実情でございます。
○斉藤(正)委員 案の定ぼやけているわけでございまして、私は警察庁だというように思っているわけでありますけれども、その根拠はきわめて単純でございまして、航空機の強取等の処罰に関する法律が生まれ、主として警察庁が担当すべきことではなかろうかと思っているのですが、今回の事件は、警察庁、運輸省、日本航空その他官民あげての協調体制がハイジャックを未然に最小の犠牲で防げたということで、そのチームワークに対しましては、当然のことでありますけれども、敬意を表するものであります。しかし、私は最近、羽田—ロス—サンジエゴ—シカゴ—ワシントン—シスコ、そしてホノルル—羽田という形で帰ってまいりました。また、少し以前でありますけれども、国内では伊丹−鳥取、伊丹−大村、伊丹−那覇、羽田−宮崎というようなところへ乗りました。アメリカにおける国内航空のハイジャック防止のチェックの徹底さ——私は日本の衆議院議員でありますけれども、アメリカへ行けば一外国人であります。徹底的な調査をされましたが、私自体は、職掌柄みごとにやっているという感じは持っても、やり過ぎだとかうるさいだとか失礼だとかいう感じは毛頭持ったものでありません。それは、まずロビーから待合室へ行く。そこへ行くときに係が手荷物を全部開くわけであります。そして開いた手荷物は本人に渡さない、向こうのテーブルの上に置いてある。それを、探知器の中をくぐって向こうのテーブルへ行って自分の荷物を持って、いよいよゲートへ行くという形になるわけでありまして、ゲートにはまた探知器がある、こういうことでございますが、ともすればプライバシーあるいは基本的人権などなどに名をかりてこういうものをおっくうがる、あるいは行き過ぎだというようなことがままある。しかし飛行機を利用する者はそれが常識だということにならなければならぬと思うのだが、さて日本の国内の航空路線となりますと、私は一ぺんもそんなことをされた覚えがない。それは国会議員だから間違いあるまいということだけではないと思う。私の前後に並んでいる一般乗客も同じであります。きのうは、同僚から聞きますと、ものすごい検査をやられた。あの後ですよ。これは「よど号」事件の直後あるいは全日空事件の直後、同じだったのですよ。ものすごい検査をやった。のど元過ぎれば熱さを忘れるというのは、日本におけるハイジャック対策のためにつくられたことばではないかぐらいに私は思っておるのですよ。事後の処置はたいへんけっこうでありましたけれども、一体何者ですか、この中岡達治、ポール中岡と称するアメリカでは札つきの男だ。これが免許証を偽造してアメリカでピストルを買い、日本へ来て、しかも日本でも国内の航空をずいぶん使っておるようなんですね。第一、太平洋を渡って、羽田へ着いたときに全然チェックされていない。こっちへ来て、あっちこっち動いている間も全然チェックされていない。一回や二回の関門を通ったのじゃないと思うのですね。札つきの男だ。日航さんを責めるわけでも何でもありません。警察庁に、こういう札つきの男が入ってきたというようなことは全く連絡がなかったのかどうか。そしてまたピストルを持ってちまたを歩いているのに何の事前の探知もできなかったのかどうなのか。まことに残念でありますけれども、警察庁関係者から、このポール中岡は全くノーマークの人間であったのか。多少はくさかったのか。何か情報をお持ちでございますか。
○関根政府委員 ポール中岡と称する男につきましては、昨日から取り調べをいたしまして、最初偽名を使っておったりいたしまして、本人の身元が判明しないという状況でございまして、もちろんあらかじめその人物が非常な要注意人物であるというふうな認識とか、あるいはアメリカから怪しげな人物であるというふうな通報は受けておりません。
○斉藤(正)委員 まあいずれにいたしましても、こののど元過ぎて熱さを忘れないように、飛行機に乗る場合は、最悪の場合は、からだにさわられることもやむを得ないのだというようなことを常識化し、一つの通念化するために、のど元過ぎても熱さを忘れないようにひとつやっていただきたいというように思うのですが、航空局長、いかがですか。
○内村(信)政府委員 ボデーチェックの問題でございますが、これは先ほど警察御当局のほうからもお話がございまして、非常に国内線の人が多いものでございます。これを完ぺきに一々やってまいると非常に混乱いたすということもございまして、現状は必ずしも徹底していないということは事実であろうかと思います。ただ、私も先生のおっしゃる御趣旨はまことにごもっともでございまして、できるだけ徹底してボデーチェックをやるというふうなことがやはり将来の方向としては望ましい。それがどういうふうに、どういう場合にどういうことをというふうなこと、これはもう少し検討いたさなければいけませんけれども、方向といたしましては、御趣旨を体して進みたいというふうに考えます。
○斉藤(正)委員 私は、外国へ行った際に、スペインも非常に厳重でありましたし、アメリカもそうでありますけれども、日本でも国際線で、東南アジア向けがかなりきびしいけれどもほかはゆるやかだというようなことを聞いているわけであります。したがいまして、空港警察あるいは空港当局あるいは航空会社あるいは警備会社等々、やりようによっては、きわめてスムーズにできると思うのですよ。いかついピストルを持った男がからだにさわるというよりもやはり御婦人であろうともけっこうやれる仕事だ。アメリカなどでは御婦人がずいぶんやっているわけだ。私はさわってもらいたいぐらいだ。もっとくふうをして、事前のチェックということを徹底していただきたいと思うわけであります。 最後に、犯人を誤認をいたしましたね。日本コッパース有限会社社長、西ドイツ人フォルクハルト・インゲンホフ氏と日本人鶴岡生根雄氏、このお二人が犯人だというようなことで新聞も書いたし、テレビもラジオも報道をされた。わかります。しかし事外国人を誤認したのですから、これはそれ相当の弁明、陳謝があってしかるべきだと思いますけれども、国際関係として善処を要望いたしておく次第であります。 最後に、次官から。アメリカでは失敗する率が高いけれども、日本ならやれそうだ、こういうことで日本を目ざしてきた。日本は非常になめられているわけですね。しかし、日本だって「よど号」はやられましたけれども、いまのところ打率七割五分になったわけですから、決してハイジャックのやりやすい国ではないということを、今度は端的に示したわけであります。ここ二、三年の統計を見ますと、一昨年はかなり成功率が高かった。犯人にとっての成功率ですよ。だから、われわれにとっては防御率が低かった。去年は防御率がぐっと上がった。ところが、ことしはまた防御率が下がっているという、世界的な情勢だそうでありますけれども、残念ながら、この種のものは今後続発すると見なければならぬと思うわけでありますが、最高責任者としての決意を伺ってお尋ねを終わります。
○加藤(六)政府委員 ハイジャックが世界的流行であるということは、まことに遺憾にたえないわけでございまして、条約を結び、われわれはこれを次々と批准いたしていっておるわけでございます。また、昨日の犯人が日本はやりやすいと思ったという判断をしたということは、これまたたいへん遺憾きわまりない問題でございますけれども、ある面では日本は非常に自由な国であり、また地形上、他の諸国のように大陸に引き続き接していないということで、ハイジャックというのはあまり行なわれないのだというような認識が、国民の皆さんあるいは世界の皆さんからあるとするならば、これもまた遺憾千万なことでございます。 先ほど先生が申されましたように、われわれが調査しましても、西ドイツにおきましてもあるいはイギリスにおきましても、あるいはブラジル、アルゼンチン、ペルー、こういう国々、アメリカはもちろんスペイン、ポルトガル、すべてハイジャックに対しては、特に中近東の諸国のハイジャックに対する厳重な取り締まりと、また国民一般のこれに対する過敏なというか機敏な対応のしかた等もいろいろ知っております。そういう点、いままで航空局長あるいは警察のほうから答弁がありましたように、わが国は比較的ゆるくあったということは、事実ではないかと思います。しかし、さりとてこれを防止するのに、きびしくしたからすべてが防止につながるんだということだけでもないと思いますけれども、要は、今後こういうハイジャック防止に対する万全の措置を、警察、航空会社ともよく相談いたしまして、二度と起こらないような方法は何と何があるか。しかも、また逆にそれが国内の航空の混乱を来たさないような点でどうしたらいいかということは、十分検討していかなくてはならないと思います。前車の轍を踏むなということわざもございますので、前車のわだちのあとを踏まないように、今回のハイジャックの経験をよき教訓としましてがんばっていきたい、こう思います。
○斉藤(正)委員 終わります。
○細田委員長 田中昭二君。
○田中(昭)委員 昨日は人命にかかわる重大な二つの大きな事故がございました。私は、まず公明党を代表し、心配された国民の皆さんとともにこの事故の関係者の方に御同情と、またなくなられた方に対しましては哀悼の意を表するものでございます。 最初にハイジャックの事件でございますが、これは一応全員救助されたということで、関係者の御努力に対しては敬意を表し、国民とともに喜ばしいことでございます。昨日はもう朝から夕方までほとんど国民の目はテレビに集中し、ほんとうに一喜一憂しながら心配したわけでございます。 まず私、このハイジャックの問題から入っていきますが、あれがもしも犯人が単独でなくて複数で行なわれ、そして乗客の安全を第一とするために、犯人の要求どおり、バンクーバー、メキシコ経由でキューバへ向かわざるを得なくなった場合を考えますと、その間、犯人が逮捕されるまで政府としてはどのような処置をとられたのか、まずお尋ねしてみたいと思います。私、さきの質問者の点を考慮しましてなるべく重複しないように聞いていきますから、簡潔にお答えいただくことをお願いしておきます。
○内村(信)政府委員 先生おっしゃるとおり、私どもといたしましては、何よりも乗客の保護、乗員の安全というものを第一に考えております。したがいまして、ある場合にはメキシコまで飛んでいくということも当然想定に入れてものごとを考えたわけでございます。したがいまして、外務省を通じまして、事件発生後直ちに在京メキシコ大使館あるいはキューバ大使館、カナダ大使館等に対しまして、乗客、乗員、航空機の安全の保障につきまして万全を期するよう、協力を依頼したわけでございます。
○田中(昭)委員 こういう航空機のハイジャックの場合、国際的に乗客の保護ということについてどのような取りきめがありますか、お尋ねしておきます。
○内村(信)政府委員 ハイジャックが起こりました際の乗客の保護等に関しましては、航空機の不法な奪取の防止に関する条約、いわゆるヘーグ条約といっております、その第九条、及び航空機内で行なわれた犯罪その他ある種の行為に関する条約、これは通称東京条約といわれておりますが、その第十一条に規定がございまして、締約国は、その旅客及び乗組員ができる限りすみやかに目的地まで旅行を継続することができるように便宜を与えるものとし、また航空機及びその貨物を返還することとなっており、この両条約によりまして、乗客の保護については国際的に保障が与えられておるわけでございます。
○田中(昭)委員 それらの条約についてわが国は批准しておりますが、また他の国々の批准状況はどうなっておりますか。
○内村(信)政府委員 わが国は東京条約は昭和四十五年六月二十六日、またヘーグ条約は昭和四十六年四月十九日にそれぞれ批准しております。 それから、これらの条約の批准状況について申し上げますと、東京条約には、英、米、仏、西独等五十四カ国が加入しておりますが、ソ連それからアラブ諸国の大部分は未加入でございます。ヘーグ条約には、英、米、仏、ソ、カ、イスラエル等三十九カ国が加入しておりますが、アルジェリア、キューバ、レバノン、リビア、アラブ連合等は未加入でございます。
○田中(昭)委員 かりにその条約にかかわっていない未加入国に向けて飛行機を飛ばせるとか飛んでいった場合、日本政府としてはどのような処置をとって乗客の保護をはかるのですか。
○内村(信)政府委員 条約に未加入の場合には、当然その国は条約上の義務はございません。しかし、日本政府といたしましては乗客の保護ということを第一に考えまして、外交経路を通じまして、先ほど申し上げましたような、条約に盛られておりますようなもろもろの措置をとって協力を依頼してまいるつもりでございまして、先般もそういうふうに依頼したわけでございます。現に、今回の事故につきまして、すでに申し上げましたとおり、外務省としては関係国の在日大使館に乗客の保護に万全の措置をとっていただきたいというような協力を依頼いたした次第でございます。
○田中(昭)委員 日航からも参考人がお見えになっておりますから、まじえながらお聞きしていきますが、私はこのような事故を見てみますと、日本の空も陸も交通機関というのがたいへん最近に事故が多過ぎます。最近のこの航空機事故というのは数えあげればもう毎日起こっているというような状態が新聞に報道もされておりますが、報道にないものも相当あると私は聞いております。この航空機を利用する乗客に対して、日航並びに政府の関係当局は大体どのような考え方をお持ちになっておるか。私が聞きたいことは、この乗客の需要の大きいことに対して経営者側が、その交通機関がそれを消化するためにたいへんな集中力——そちらのほうにばかり力が集中して、そして交通機関で一番大事といわれます乗客の安全というのがおろそかになっていやしないかという点を今度の事件からも感ずるわけでございますが、政府並びに日航側からお答え願いたいと思います。
○内村(信)政府委員 私からまずお答え申し上げます。 私どもの航空会社に対する基本的態度、これは何より安全第一ということがまず一番のことでございます。そういった見地からいわゆる航空事故につきましても、あるいはこういったハイジャック問題につきましても、やはり乗客の安全を第一に考えるということが必要でございます。まあ株式会社でございますから、当然やはりその経営の収支というものは考えるでございましょう。しかし、考えるでございましょうけれども、その中におきまして航空会社の経営といたしましても、やはり安全を確保していくことが長期的に見ればこの経営収支をよりよくするということでございます。したがいまして、決してその短期的な経営というふうなものを考えない、長期的にわたって考える。その中には安全というものに最大限に取り組むということを本来の趣旨として私ども考え、また指導しておるわけでございます。
○高木参考人 ただいま先生御指摘のとおりで、交通運輸業におきましては、何ものにも増して安全ということが大事でございます。私ども日本航空におきましても創立以来何ものにも増して安全を優先するということを社の基本方針として守ってまいっておるつもりでございますけれども、ただいま先生から御指摘いただきましたように、昨日のハイジャックも含めまして、日本航空としても最近大小の事故がございます。そういう意味でいわゆる原点に立ち返りましてこの安全第一、何ものにも増して安全第一ということで社内の体制も再点検し、急速にこれを改善していきたい、このように考えております。
○田中(昭)委員 政府側の答弁も、私はこういう事故が起こった場合に責任は政府にあるという、先ほど、重大であるし責任をとるというふうな政府側の御答弁も聞きましたけれども、これはいつも事故が起こった場合に聞くことであって、その事故なり周囲の状況から政府はどういう具体的な乗客保護のための施策を進めてきたかということが問題ではなかろうかと思うのです。それからまた日航も人命の安全ということについて基本的に社の方針としてやっておることは私も十分聞いております。 しかし、それじゃ申し上げますが、きのうの727に乗っておりましたスチュワーデスはハイジャックに対する訓練は何も受けておりませんと、いまここにいらっしゃる方の前ではっきり言っておりましたが、私たちはあの四十五年のハイジャックのときから、搭乗員にはハイジャックというものに対してはどういう処置をとるべきであるというようなことぐらいは訓練もし、注意も与えてあったと私は思っております。また国民もそうだろうと思うのです。そういう問題をあげていきますなら、また先ほど話も出ましたが、アメリカではたいへん困難だから日本をねらった、また犯人は国際線の監視はきびしいから国内線、いわゆる手薄のところをねらった、そういう客観情勢からして、私は経営、それから国内線に対していわゆるそういう保安上なすべきことをおろそかにしておったということ、こういう事実を私は国民が心配しておると思うのです。いかがでしょうか。
○高木参考人 ただいま先生の御指摘の昨日のアシスタントパーサーの発言でございますけれども、私どもハイジャックの問題につきましては、先ほども局長その他からもお話がございましたように、まず第一に旅客、それから乗員の生命の安全ということを考えなければならないということで、ハイジャックのありました場合に、それに対してどう対処するかということにつきましては、具体的な訓練ということよりもとにかく安全であるということで、この対処策につきましては、むしろ警察その他の関係の御当局の御指示を受けるということでございますけれども、機内におきましては、とにかくハイジャッカーに対して何か考え何かやるということは非常に危険でございますので、むしろそういう意味でハイジャッカーの意向を十分にくんで、これを地上に連絡をする、こういうことが基本方針でございまして、したがいまして、具体的ないろいろな訓練というようなことは細目については確かにやっておりません。
○内村(信)政府委員 先ほど全般的に旅客の保護ということから一体どういうことをやってきたかというふうな御質問がございましたので、それについてお答え申し上げたいと思います。 このハイジャックの防止のためには、何よりもまず事前にその企図を察するということが肝要でございますので、十分に事前の調査を徹底するということなどをいたしまして犯罪予防のための措置を講ずるということと同時に、旅客及び手荷物の点検を強化する等の措置によりまして、凶器類あるいは危険物の機内への不法持ち込みを防止いたしますことが最も有効であろうというふうに基本的には考えておるわけでございます。 このような観点に立ちまして、政府及び航空会社ではICAOの臨時総会の勧告とかあるいは「よど号」事件の経験等に基づきまして、関係機関の密接な協力のもとにほぼ次のような措置をとっております。 それを申し上げますと、まず、先ほどちょっと申し上げましたが、官民の関係機関からなる空港保安委員会というものを設置いたしまして、これは東京国際空港あるいは伊丹をはじめといたしまして全国に定期航空の就航しておるすべての空港に設置する。それからそのほかにも空港の警備の強化をはかる。それから旅客の氏名、連絡先等の確認をさせます。それからまたその場合、虚偽の申告をした場合にはこれを搭乗を拒否するというふうなことを指導しております。それから凶器類の機内への持ち込みの禁止。それから旅客の手荷物の点検及び必要な場合にはこれを開梱して見るというふうなこと。それから各必要な空港には凶器探知器を設置する、あるいは航空機の内部につきましては、操縦士のドアにロックをするということ、それから機長と地上との間にその真の意思を連絡するためのコード番号、信号の使用、これは特定のコード番号をつくって、ハイジャックされた場合にはそのコードナンバーを押すと地上にわかるというものでございます。それからコックピットと客室の間に監視窓をつけまして客室内の監視をするとか、あるいはコックピットの中にテレビをつけまして、そこで機内の状況を監視をするというふうな方法をとる。あるいは旅客と送迎人との間を分離いたしまして、これは東京国際空港でやっておりますけれども、その間の行き来によっておかしな者が入ることがないようにというふうなことなどを講じておるわけでございます。こういったようなことが実際にやっておる指導でございます。 また法律面におきましては、先ほど申し上げましたような東京条約あるいはヘーグ条約に対する加盟、批准をいたしておりますし、また国内法といたしましては、航空法を一部改正し、機長の権限を強化する、あるいは航空機の強取等の処罰に関する法律を制定いたしまして、ハイジャック行為に対して厳重に処罰するというふうなことをやってハイジャック対策をやっておるわけでございます。 もちろんこういったようなことにつきましては、私どもいろいろやっておりますけれども、なお先生御指摘のような不十分な点もあるかと存じます。その点につきましては、なお今後十分関係方面とも連絡をいたしまして、今回の経験をもとうとい経験といたしまして、さらに積極的に対策を進めたいというふうに考えております。
○田中(昭)委員 政府の関係者が言われる、そういう通り一ぺんというとあれでございましょうが、一歩ずつ前進はしておるとは私は思いますけれども、そのあなたがいま言ったようなことが実際事に当たる人たちの最前線まで、気持ちの上からもそういう状態になるような行政をやるのが政府の責任だ、私はこう思うのです。資材なり人員なり限られたものでやっておる。そんな、いまあなたが言ったようなことはほんとうに全部できやしませんですよ。こういうことについてはひとつ政務次官から——政務次官もその辺についてはたいへん造詣が深いのですから……。空港も羽田空港だけじゃありません。いまもう空港は、ほんとうに九州の果てから北海道の果てまでありますよ。ありますし、私は福岡ですが、特に福岡空港なんか、実際問題として乗客と送迎人を分離するようになっておりませんよ。あんな状態であれば、どんな犯罪でも起こります。そういうこまかいことは、いまの局長のただ通り一ぺんここでやっておりますというようなことだけでは、こういう人命にかかわるような事故を起こさないという具体的なことにならないと私は思うのです。 それから日航のほうも、くどいようでございますけれども、私は、一つ例を取り上げてみれば、日航が国際航空運賃のダンピングをやって、かせげ、かせげでやっている。ところが、国際運賃ではダンピングのために赤字になっている。その反面、国内航空運賃では相当の利益をあげて、それでカバーしている。そういう状態は、経営者の最高幹部のあなたたちの中にはいろいろな施策があるかもしれませんけれども、実際働いている日航の関係者はそういうことについてたいへん心配している、これでは事故が起こらないほうがふしぎだ。また乗員関係については、この前からストをするというような問題も、極論もありましたけれども、私は、そういう最高幹部の方がいろいろ努力してやることはけっこうでございますけれども、それがまた、みんなが、社員一同が乗客の安全ということについて、サービスの向上ということについて、ほんとうにやれる体制にあるのかということをつけ加えておきたいわけであります。十分努力していただきたいと思います。 時間もございませんから、航空機の問題は一このハイジャックの問題につきまして政務次官から最後に御決意をお聞きしたいと思います。
○加藤(六)政府委員 田中先生から、先ほど航空局長等が答弁いたしましたことはまだ不十分だというおしかりをいただきまして、たいへん恐縮いたしております。特に、各飛行場で送迎人と乗客との区別をする法を一日も早く備えつけること、また各空港に、先ほど航空局長が答弁申し上げました保安委員会をつくっておるようでございますが、こういった保安委員会がどういう会議をし、どういう行動をしておるかということも一度点検いたしてみたい、そして乗客の皆さま方に対する不安を一そう取り除いていきたい、また飛行機会社の経営姿勢というものが利潤追求にならないような経営形態のあり方というものにつきましても十分に指導していきたい、こう考えておる次第でございます。
○田中(昭)委員 次に北陸トンネル内の列車火災事故についてお尋ねいたしますが、いろいろ前の質問にもございましたから、その点を割愛しながら触れてみたいと思います。 まず私は、国民がすべて疑問に思っておることは、あのトンネル内での火災発生に対する乗務員の処置の中には、ただその場のいわゆる火災を消しとめようというようなことだけの説明があったようでございます。ということは、端的に言えば、この事故に対する救援処置といいますか、そういう事後の対策については、私は、国民がもう少し早く何とかならなかったのだろうか、こういう疑問を持っておると思いますから、その辺の一いただいた資料から見ましても、ただどうした、こうしたということだけで、事故発生からどういう処置をどの時間にとって、それがどういう波及効果をもって救援に効果をあげたというようなことについては書いてないのです。ただ、こうやりました、こうやりました、こまかく言えば時間的なものは一つも書いてないのです。そういう面を中心にひとつお聞かせ願いたいと思います。
○加藤(六)政府委員 私、現地へ参りまして、特に入院いたしておりました国鉄のこの列車に搭乗しておりました職員にも会いまして、その間の救護、誘導あるいは火災防止に乗員各員がどんなに努力してくれたかという話を聞いてまいりました。先ほど先生が申されました、あるいはまた斉藤先生から御意見もございましたけれども、私が現地で見たり聞いたりした点に関する限り、乗員十三名、それぞれの立場で必死に努力してくれております。ある者は火災防止、ある者は他の列車に対する連絡、ある者はその燃えておる列車の分離切断、ある者はお客の誘導ということで、それぞれの立場でやってくれておりましたので、その点を御報告申させていただきます。 総括的に国鉄当局から次々と御答弁があると思いますが、私はその中で一つだけ残念に思ったことを先に申し上げますと、まさかと思ったまさかが起こったわけでございますが、ああいうところの車掌区、機関区、ああいうあたりには防毒マスクといいますか、防毒面のようなものを準備しておればもう少し早く救助ができたのではないかということを、これはしろうと考えでございますが、思いました。一生懸命皆さんが、各界、各方面、国鉄全職員、付近におる者あげてがんばったわけですが、ややもすると救護がおくれたという非難がございますが、私は、あの場における限り、皆さんが一生懸命最大限の努力をしてくれたと思いますが、いま、少し残念に思うのは、そういう防毒マスクのようなものがあったらもう少し早くできたのではないかという印象を持ちましたのですが、それ以外の点につきましては最大限の努力をしてもらっておったという感謝の気持ちで一ぱいでございます。
○山田説明員 概括的にいま政務次官のお話がございましたけれども、救援列車は敦賀方と、それから今庄方と両方から入っております。ただ、今庄方は、先ほど申しましたように、風が今庄方へ抜けておりまして、しかも、その風の中に有毒ガスがございますので、一時立ち入り禁止というような措置もとられたようでございますが、列車のこまかい動きについては運転局長から補足させていただきたいと思います。
○鈴木説明員 ちょっと時間を追って、救護、救援列車の時刻を御報告申し上げます。 その前に、ちょうどあの火災事故を発生いたしました列車とトンネル内で行き違いになります「立山3号」という列車がございまして、その列車は、おそらく「きたぐに」の関係乗務員の手配をした防護措置によるものと思われますが、その点、指導機関士が死亡いたしております、また機関士、機関助士も重傷でただいま意識が不明あるいは取り戻したというような段階でございまして、細部を聞くことができませんが、トンネルの中の上り線の信号機が赤になりまして、それによってとまっております。それで、その「立山3号」が逃げてこられますお客さん約二百名を収容をして、逆行して今庄方に出ております。それから二時三十七分、敦賀方からディーゼル機関車と客車四両をもちまして、途中この「きたぐに」のあとに貨物列車がトンネルの中へもう一本続行で入っておりました。それのうしろにつきまして、それを逆に引き揚げてまいったわけでございますが、貨物列車を引き揚げてくる際、お客五十人を収容して、四時二十六分に帰着いたしております。また、四時十分に今庄方からディーゼル機関車及び貨車十両で救援に向かいまして、これは現地の事故現場の近くまでは寄れず、ちょっと離れたところでございましたが、お客約百六十名、うち九名なくなっておりますが、収容して七時二十六分に帰着いたしております。そのようなことで、大体両方から五回くらいずつ、五往復救援に参りまして、お昼前にけがされた方大体を収容いたしております。
○田中(昭)委員 時間がないので、私もはしょって質問しておりますからわかりにくかりたかと思いますが、いま政務次官からのお話で、確かにその事故が起こったときには、私は現場に当たった乗務員関係の人は一生懸命やったと思います。しかし、その一生懸命やることがどういう観点で行なわれたか。火災が起こった、車が燃えているんだ、まず消そう、そういうことじゃないんですか。先ほど私が聞いたのは、火災が起こって連絡なり救援を求めた、そういうところの時間ということについては詳しくは——新聞報道によりますと、その辺がもう少し早くできなかったんだろうか、国民はたいへんこういう心配を持っておるから聞いたわけなんですよ。 いま政務次官のお話からいくと、その乗員関係者だけに聞いた話だろうと私は思うのです。それは私は乗員関係者も一生懸命やったことはやられたと思いますよ。しかし、実際避難している乗客というのはどういう気持ちで一あのまつ暗なトンネルの中で自分の率直な意見を、こうだった、ああだったということをいっておることが報道されている、私はこう思うのです。その一生懸命やること自体が、車が燃えているんだからこれを消そう、物を大事にして人を軽視した姿じゃないんですか。そういうことが、国鉄の全般の仕事の中に責任といいますか、そういうものがあることに気づかないでおるところに問題があるのじゃなかろうか。まず車が燃えているのだからそれを何とかしなければ自分の責任だ。その間乗客は右往左往している。連絡もしない。四十分もしなかったというのですが、それはうそですか。
○加藤(六)政府委員 私の御説明に言い足らないところがあったらあやまりますが、私、現地で本部長に聞きますと、三十分後にすぐすべてのお客を誘導し、救助するという本部を設立いたしております。そしてトンネルがああいうことでございますので、敦賀側並びに今庄側にもあとからすぐつくるということで、全力をお客さまの救助に充てておりまして、列車の火災防止並びに列車を引き出すということは一番あとにいたしたという報告を現地で私は聞いてまいっております。先生がおっしゃいましたのは、一番最初食堂車に火がついて、食堂車の従業員がその他の客車に類焼しないように消したということを新聞その他が報道されたので、そうお考えになっておるかもわかりませんが、もうこれ以上だめだということから、すぐ全員救助のほうに全力を集中してやっておりました。
○田中(昭)委員 火災が発生してから、そういう発生に対してそれを何とか最小限に食いとどめよう、そういう行動をすることについて、国鉄に乗務員に対する訓練なり、トンネル内での事故に対する訓練なり、そういうものについては手抜かりがあったということは、総裁自体がもう認めているんじゃないですか。これは現場に当たってはいろいろなことをやったでしょう。しかし今度の事故につきましては全面的に国鉄のミスが大きかった、一〇〇%だった、そういう発言をされたような報道がなされておりますし、避難していく乗客からも、この事故が起こってから、それに対する誘導なりそれから消火につとめるなり、そういうものに対して何の訓練もなされてなかった。ある報道によりますと、もう指揮が乱れてしまって混乱した、こういうことまでいわれますから、そういう点については今後国鉄が万が一の場合の事故も想定して取り組まなければ、私はいま国民が国鉄に持っておる不満というものは解消できない、こう思うのです。 時間が来ましたので、私、最後に申し上げておきますが、いろいろなトンネル内の排煙装置それから連絡装置、また先ほど政務次官から言われた救援物資というものに確かにミスがあった、手落ちがあったということであるならば、私はこの事故を契機にそれ相当の予算措置をしてもらわなければならない、こう思うわけであります。そのほか、この車両がたいへん古いものであったというような問題もございますし、また遺族の補償の問題もございます。それからまた、いま新幹線の建設が着々進んでおりますが、岡山までの新幹線につきましてもトンネルが相当あるようでございますし、また岡山−博多間の建設についても半分以上はトンネルだ。こういうことについてもいままでのような事故に対する処置はとってないように聞いておりますし、こういうものについてもいまからつくるわけでございますから、この事故の経験を生かして、お客が安心して旅行できるようにしてもらいたい、こう思います。そういう点につきましてお答えいただきたいと思います。
○山田説明員 御指示のありました問題、小は消火器の問題から車両の構造、トンネルの構造、いずれも重要な問題ばかりでございます。先ほど申しました原因究明対策委員会の中で早急に取り上げてまいるつもりでございます。
○田中(昭)委員 最後にもう一言申し上げておかなければならないのですが、私はなくなられた方また負傷された方、こういう方に対する補償なりお見舞いなりについては十分やっていただくと思いますが、その反面、きのうの時点で佐々木運輸大臣は、こういう事故が起こりましたことについて、国鉄の車両なりトンネルなり、そういうものの事故の起こる可能性のあるものについては早急に総点検を行ないたい、こういう御発言もなさったようでございます。私はそういうことをすることが国民の皆さんに対する一つの国鉄の方向ではないか、こう思います。こういう総点検といいますのは、私はあぶない個所についてはもう時間を待たずに、年末年始も控えていることですし、ひとつ国民が納得のいく方向で、大体いつごろから始めていつごろまででそういうものができるものか、お聞かせ願いたいと思います。
○山田説明員 実は、私ども運輸省の御意向もありまして、年末に向かって事故防止の強化運動をやろうと思っておりました際でございますので、この事故、不幸な事故でございましたけれども、これを契機としましてそういう考えでいま先生がおっしゃいました総点検と申しますか、全般的な見直しをやってまいりたいと思っております。
○田中(昭)委員 先ほど政務次官は、政府には責任がある、大臣を含めて全部それの責任を持つのだ、こういう御発言もありましたし、国鉄に十分配慮も与え、いつごろまでに総点検をやるという時期でもお示しいただければたいへんありがたいのですがいかがでしょうか。
○加藤(六)政府委員 ただいま大臣が現地でいろいろお見舞も申し上げたり、善後措置を講じておられると思います。大臣並びに国鉄総裁も現地へお行きになっておられますから、大臣、総裁、お帰りになりました時点におきまして御意見を承り、早急に指示すべきものはいたしたい、こう考えております。そして、年末年始のお客さまに対し、不安を一掃するようにいたしたい、こうも考えております。
○田中(昭)委員 以上で終わります。
○細田委員長 河村勝君。
○河村委員 このハイジャックの問題について、すでにいろんな角度から質問がなされておりますが、その中で、警察庁の答弁でちょっと合点がいかないところがあるのでそれを聞きたいと思います。 それは、さっき犯人がどうしてゲートを通ってしまったかということに対して、この凶器探知器の性能には誤りがないけれども、大ぜい一ぺんに通るときにはごたごたしているものだからどの人間が対象の人間だかわからないから、込みで大ぜいを一ぺんに調べるわけにいかぬので、まぎれて通ってしまったんであろう、こういう答弁がありましたが、この探知器はそんなに不特定、対象人員がどれであるかわからぬほどに、そういう意味で不正確なものであるのかどうか。それをまず聞きたいと思います。
○室城説明員 先ほど申し上げましたのは、現実にはどういう通り方をしたのかわかりませんが、一応想定として考えられるとすればそういうことがあり得たんではなかろうかというふうに申し上げたわけでございますが、たとえば二人が一緒に入ってくるというような場合に、どちらかの人が持っておりますものを検知器が反応いたしますと、片方は持っていないんじゃないかということで、片方だけが不審扱いされるということもあったかもしれない、あるいはまた、両方持っておりましても、片方の分だけでもうすぐ敏感に反応してしまいますので、片方のほうが隠されてしまう、物理的にちょうど重なったような場合に、そういう両方の反応というものが同時的にうまくとらえられないというようなことがあり得るんではなかろうかというようなことを想定として申し上げたわけでございます。なお、現実にはかなり大ぜいの客がいわばチェックカウンターを通るわけでございますので、われわれも一々反応するものを全部調べろ——たとえばライターとかいうようなものまで全部反応しますので、全部不審扱いというわけにまいらないわけでございますので、その中で年齢あるいは外観からのいろいろな不審点というようなものを総合的に判断しながら、そこでお引きとめして調べておるというようなことが現状でございます。ただ、非常に大きなものを隠し持っておるというような場合には、ランプのつき方が変わってくるというようなことで、こういうものは見のがさずにきちんと調べるというようなことをやっておるわけでございまして、したがって、反応するものを全部現実に調べるということばなかなかむずかしい。その中で、特に何人かを選んでチェックをしておるというようなことが現実のやり方でございますので、そういう場合に、犯人がチェックをされながらも実際の調べが確定しなかったというようなことがあり得たかもしれないというようなことを申し上げたわけでございます。なお、検知器そのものにつきましては性能が非常に敏感なものでございます。
○河村委員 後半のほうは私の質問に対する答弁でも何でもないので、私が聞いたのは、どれが持っているものが反応したかわからぬというような状態じゃほんとうは困るので、これはきびしくしたほうがいいといっても、それには限界がある。大ぜいの人がそのために大いに迷惑を受けるわけですからね。だけれども、どれのものが反応したのかわからぬというのじゃこれは話にならない。鉄道なんかでは、もっと大ぜいの人が通っても、改札口を通るときは一人でしょう。二人通ることはない。一日二万人ぐらい通るのに、チェックポイントが構造で一人しか対象にできないぐらいのことをやるのはこれは迷惑でも何でもないので、そこまでいままでやらなかったとしたらはなはだ怠慢ではないかと思う。ふだん私も何の気なしに通っているものだからちょっとぴんとこないのですが、一体そのくらいのことはできないのですか。実際に調べる調べないはあとの問題、少なくともまずその人間の品物であるかどうかが機械によってわからない状態では、初めからそれはやるべきことをやっていないことになるので、その点は一体どうなんですか。
○室城説明員 繰り返し申し上げますように、現実にそういうものを持ち込まれておるということを逆に振り返ってみますと、そういうことがあり得たかもしれないということを申し上げておるわけでございます。
○河村委員 ぼくが聞いておるのはそんなことではないですよ。
○室城説明員 現実には一人一人入ってくるのが通常の姿でございますから、そこで一応機械そのものは感知をしておるということでございます。
○河村委員 それじゃあなたの言うことは違うじゃないですか。一人一人入ってくるなら——込みで入ってくるからよくわからないので、束にして調べるのは非常に迷惑がかかるからできないのだ、それがさっきのあなたの答弁ですよ。その人間を疑わしいとして調べるか調べないかは別として、この人間の持っている物が反応したということは区別できるのですね。
○室城説明員 大部分のものはできるはずでございます。
○河村委員 どうもおかしいな。大部分というのは一体どういうわけですか。もしできないようならそういう構造にすべきじゃないですか。
○室城説明員 普通の場合は一人一人入ってこられますので、どの人に反応したかということはわかるわけでございますが……。
○河村委員 普通の場合というのはどういうわけだ。入口が一人しか通れないようになっておれば二人入ってくるわけはないでしょう。それはあかんぼうでも抱いて入ってくればこれは別だけれども、あかんぼうのハイジャックというのはまずないのだから、おとなの入ってくる分にはちゃんと調べてできるはずでしょう。できないのですか。
○室城説明員 一々反応しておるはずでございますので、チェックはされておったと思いますが、結果的にそういうことが現実に持ち込まれておったという事態がありましたので、振り返って考えてみればそういう可能性もあったかもしれない。たまたま二人が一緒に入ってきたというようなことがあったかもしれないということを想定として申し上げておるわけでございます。
○河村委員 あなたの答弁は実に無責任でだめだ。大体何という名前だか忘れたけれども、あの人物はずいぶん太って大きい人間だね。あれと並んでゲートを入ってこれるのですか。そんなにゲートというのは広くて、普通の人間なら三人ぐらい並んで入れるのですか、その点はどうなんですか。もしそうであるならば、このゲートを直すことが大切なんですよ、まず第一歩として。そうじゃないですか。
○室城説明員 物理的には二人ぐらいは並んで入れると思いますが、通常は一人ずつ大体通っておられると思います。 なお、当日、必ずしも検知器だけで警戒しておるということではございませんで、空港ロビーの中でのパトロールでございますとかそのほか各種の問題をやっておるわけでございます。
○河村委員 よけいなことを言わないで。私の意見として、なかなか完全に防ぐことはできないのですね。できないけれども、少しでも常識的にやれることはやったほううがいいでしょう。たとえば、鉄道の改札口ぐらいの広さにすることはそう迷惑じゃないはずだ。これは二人は絶対に通れないですね。それぐらいのことをする気はないのですか、これは。
○内村(信)政府委員 先生の御趣旨、まことに私ごもっともと思います。現在の構造は大体二人ぐらいは並んで通れる程度のゲートであるかもしれません。しかし、これは要するに整理の方法によってできることでございます。航空会社等にも指導いたしまして、必ず一列励行して入っていくというふうな方法で処したい、こういうふうに思います。
○河村委員 それでもいいですよ。とにかくそういうまず常識的にやれることをやらなければ、それは責任を果たしたとはいえないのです。 それからも一つ、これも常識的にやれるのじゃないかと思うのですが、一体、凶器とまぎらわしくて同じような反応を示すもの、ライターなんというのはずいぶん小さいものだから、おそらく反応は小さくて違うのだと思いますが、主として一体どんなものがあるのですか、まぎらわしいものは。
○室城説明員 これは端的にお答えになるかどうかわかりませんが、現実には金属類は全部感応いたします。したがって、先ほどどなたかもお話にございましたように、おみやげのかんが入っておるということになればそれなりの反応はいたします。ただ、私どもが現実にチェックをいたしまして、ことしに入りましてから各空港のそのようなチェックカウンターでチェックしましたものは四千件をこえておりますが、正規に所持を認められた刀なども含めまして、約六千件、現実にはチェックの結果判明しております。
○河村委員 私が言いたいのは、そう何でもかんでもかばんをあけて調べるというのはたいへんな時間もかかりますよ。たとえば、ほんとうにまぎらわしいものは、ノリのかんとか刀とかがあったら、その程度のものは別の包みにして通りなさいというぐらいのことはそう迷惑でもないのでね。だからやることには限界があるのだから、せめて常識的なそのくらいの、非常な迷惑にならない、サービス上もそれほど悪感情も与えないという程度のことを、まずできることからやったらどうだということを聞きたいのです。それぐらいのことはできませんか。
○内村(信)政府委員 確かにお説のとおりでございまして、なるべくはだ身につけるものは、そういうふうなものがありましたら、これを別に取り出し、それで別の方法でこういうものはこういうものでございますということをはっきりいたしまして、そのあとで何もなくして通るというふうな方法をやはりねらっていくべきであるというふうに考えます。
○河村委員 私が言うのは、一々あけて調べるのはたいへんだから、疑わしいものはこういうものですということを一般に周知さしておいて、そういうものがあったら、ちょっとふろしきや何かに包んで通ってください、そうすれば、これはさわったって何でもない、すぐわかる。そうでなくて、大きなバッグのほうに反応するものがあれば、そいつを調べざるを得ないというふうにして、初めから周知さしておけばそう手数でも何でもないですよ。こう問題が多いのだから、ぼくはその程度のことをやれば大体は防げるのだと思う。今度みたいにブローニングとたまを三十発か持って、それでもわからぬというのじゃほんとうにしようがないので、せめてそのぐらいのことをやらしたらどうか、こういうことです。
○内村(信)政府委員 その方法で検討いたしたいと思います。
○河村委員 時間もありませんから国鉄のほうの関係をちょっとお伺いをしたいと思います。 大事故というのはいろいろな悪条件が競合して起こるものですから、すべての事故に対して万全の措置というのは、これはなかなか、とり得べくしてとれないものだと思います。だけれども、過去の例から見てやっておかなければならぬというものがやられてないとすれば、それはやはり怠慢だといわなければならないですね。この食堂車、今度の場合はたまたま喫煙室から発火したようです。ですけれども、やはり食堂車の不燃度が高ければ火事は大きく広がらないで済んだはずですね。この食堂車のオシ一七二〇一八、これはだいぶ古いもののようですが、いつごろつくられたものですか。
○鈴木説明員 この型式は、新製は昭和五年でございますが、昭和三十五年に台車、台ワクを残すだけで、上は全部改造、新製に近い改造をいたしております。したがいまして、客室設備としましては三十五年製とお考え願って、その時点でのいろいろな経験を入れましての難燃化、特に食堂車に対する難燃化という観点から製作されたものでございます。
○河村委員 食堂車が燃えやすいということで対策が本格的に講じられたのは四十二年の十一月に山陽線の「安芸」が出火してからですね。そうすると、この車は事実上三十五年製だとすると、四十二年の対策以前のものですね。それから何か新しい改善はされているのですかどうですか。
○鈴木説明員 それからはされておりません。
○河村委員 そうなりますと、四十二年以後にいろいろな改善をされたはずだと思う。たとえば、いま新しくつくったものは大体電車の食堂車だと思うけれども、電車の食堂車と、この該当する食堂車、これとは一体耐燃性においてどういう違いがあるのですか。
○鈴木説明員 いま改造されておりませんと申しましたが、誤りでございまして、厨房の中をステンレスで張りかえるといった難燃対策はその後されております。 それからいまの四十二年以降の一番新しい車両と比べての難燃化度につきましては、たとえば最近の事故にかんがみて、興趣室に当たる洗面所付近というようなところにつきましては、デコラのアルミ板でかえておりますが、その工事はなされております。
○河村委員 そうすると、この食堂車も電車列車の食堂車と同じように、もう木は使ってなくて、キッチンの壁というのは全部金属になっているのですか。アルミになっているのですか。
○鈴木説明員 キッチンの中は、レンジは古い石炭レンジでございますが、そのほかは全部金属性で囲っておりますので、不燃化対策がなされているものでございます。
○河村委員 そうしますと、これは新聞報道しか私は見てないのだけれども、新建材を使っておった関係で、特に燃えるときに酸素の吸収度が強くて、そのために炭酸ガスのふえ方が多くて、それが被害を大きくしたというようなことが出ているのですが、今度の場合、新建材は使っていない、新しい電車列車の食堂車なんかと全く同じものである、そういうことですか。
○鈴木説明員 いまの厨房以外の場所、一つの発火場所の想定が濃い喫煙室、あれの板は、新建材に当たる、難燃性ではあるけれども、燃えた場合にいまのようなガスが発生するおそれのある材料でございます。
○河村委員 喫煙室の部分だけが木が残っていたというところに問題がもちろんあるのだけれども、それ以外のところはそうすると別段いまの最も新しいものと区別はないということは間違いないですね。その点が、古い食堂車について改造はやっても、その程度がほんとうに新しいものと同じになっていないのではないか、そういう疑問を私は持ったからお伺いしたのですが、その点はそうでなければけっこうだと思います。それから喫煙室であっても私は多少問題があると思うのです。
○山田説明員 ちょっと補足いたしますけれども、このオシ、今度燃えた車は古い車であったことは確かなんですが、それは足回りだけが古くて、いま申しましたように三十五年にそれを食堂車に改造しております。それで、いままでの食堂車の火事というのは御承知のように全部台所から出ておりますので、台所にまず気をつける、これは全部不燃化しております。これの喫煙室は、私が聞いたのは座席のカバーは塩化ビニールなんかを使って、軽い難燃性のものですから、万一かりにたばこの火が落ちたとすれば燃える可能性はあったと思います。 それから厨房の料理用は電子レンジを使ったり、それから石炭コンロを使っておりますが、これは全部そこの部分を金属化しておりますから、厨房についてはどんな食堂車でも火災の心配はまあまあないと考えられる状態にまではなっておると思います。
○細田委員長 この際、参考人に一言申し上げます。 本日は、長時間にわたり御出席いただき、まことにありがとうございました。
○河村委員 それでは、現場の実際の事故が起こってからの問題なんですが、これも新聞報道ですから、私は事実を確認しておりませんが、この北陸隧道で三年前にやはり食堂車の火災があって、たまたまそれが入り口の近くだったから走ったまま通り抜けて事なきを得た、そういうことがあったというのですが、そういう事実がありますか。
○山田説明員 いまちょっと手元に資料がございませんので、後刻調べて御報告いたします。
○河村委員 私はけさの読売新聞を見たところが、三年前にこの北陸トンネルでは急行列車の食堂車から出火、幸い、入り口付近だったので、乗客は脱出して危うく助かった、こう書いてあるのですね。入り口付近だからおそらく走って出てしまったんだろうと想像するのですが、もしありとすれば、——ありましたか。
○鈴木説明員 食堂車じゃございませんで、四十四年十二月の六日に電源車の一時的不良がございまして、油が着火して、おっしゃいますように出口近くで、出て処置しております。食堂車ではございません。
○河村委員 そういう事故があれば、原因は何であれ、隧道の中で火事が起こるということはたしか三年前に例があった。そうであれば、隧道内でどんな理由であれこうした火災が起きて、そのために問題が起きるという可能性があるということは事実があったわけですね。だったら、それなりに起こったときの対策が十分準備されてあったはずだと私は思うのですね。どうもその点が必ずしも十分でないような気がするわけです。 さっき副総裁の答弁の中で避難路の問題が出て、この隧道は複線だから、反対側の線路を利用すればそれが避難路に使えるから、だから避難路はなくてもよろしい、こういうお話があったのですが、しかし実際どうも、これも新聞報道以外われわれはいま知識がないから新聞報道で言うわけですが、何かみんな排水溝か何かを伝わって、それでどろまみれになって逃げたというようなことが書いてあるわけですね。ですから、さっき運転局長のお話では、やっているのではないかというような話でありましたが、もしほんとうにこの避難路を使って誘導するというつもりであるならば、当然その対向列車を押えるだけの、反対の線路を閉塞状態にして、それを確認した上でお客を反対側の線路を誘導するという措置がなされるべきであったわけですね。それがどうもなされてないような気がするのですが、その点は事実はわかっていますか。
○鈴木説明員 先ほど御報告いたしましたように、対向列車は赤でとまっております。それはいまの列車防護の手配をした結果によるものと想像いたしておりますが、関係者が死んだりあるいは重傷でおりますので、供述はいただいておりません。したがいまして、そういう手配をしたあと、お客をおろしているということは間違いないと思います。 それから今庄方には機関助士が、これは供述を本人から得ておりますが、ただその後意識をなくしておりますが、案内していって倒れたということを言っておりますので、その点、また、敦賀方へは車掌、乗客掛が案内しております。その点は手抜かりなかったものと推定しております。
○河村委員 そうしますと、側溝や何かを伝わってお客がみんな逃げたというのは事実とは違うので、それは少しはあったかもしらぬが、大部分はちゃんと反対側の線路の上を誘導して外に出したということが確認されているのですか。
○鈴木説明員 そこまで確認できてはおりません。しかもたくさんの方、暗い中でございますから、ほんの限られた方しかその誘導は効果がなかったかもわかりません。いずれにいたしましても対向列車はとめてあったということだけは間違いございません。
○河村委員 まだ伺いたいこともありますが、時間が参りましたから私はこれで終わります。 なくなられた方の御冥福をお祈りしますと同時に、国鉄としてもなお調査を進めていきますといろいろな反省の材料が出てくると思いますから、それをもとにして今後万全の対策をやられるように要望して質問を終わります。
○細田委員長 田代文久君。
○田代委員 まず、大臣がおられませんが、政府並びに国鉄に伺いたいのですが、今度の事件について磯崎総裁は、国鉄側の一〇〇%のミスだというようなことを言われたということが出ております。もしそれが一〇〇%のミスだということになりますと、これは非常に責任の所在をはっきりされたということはわかるのですが、きわめてこれは重大で、その責任をどうとられるかという問題とからんでくるわけなんですが、実はこの運輸行政に対して、ことしの三月に総武線のあの大事故が起こりましたときに、私は佐藤総理あるいは当時の丹羽大臣に対して、こういう事故は国民としては実際にはたえられない、国鉄は輸送安全に対して、また運輸行政としてはこれはほんとうに一〇〇%の対策を講じなければ国民はほんとうに安心して飛行機にしましてもあるいは汽車、船にいたしましても乗れないというようなことで、これはもう言うまでもなく安全輸送ということが第一義的な原則であるわけですが、そのとき当時の佐藤総理が私にこういう答弁をされました。またとこういうことが起こらないように配慮してもらいたいということで、これが十分責任を持った措置をされないとまた大事故が起こると思うがどうですかと言ったら、田代君それはあまりに大げさに先のことを心配し過ぎているんじゃないか、これほど機械化が進んでおるときにそんな心配する必要もないし、そういう大事故を予想するというようなことは必要もないんだというような答弁をされたんです。私はそういう答弁を満足しなかったわけですけれども、はたしてわずか半年足らずのうちにこういう大事故が起こっておるわけですね。ところがまたきのう、たしかこれは昨日の予算委員会で田中総理が今度の事故については「万が一ともいうべきケースが起っているので、十分の調査を進めて再発を防ぎたい。」というふうに答弁されたということは新聞に出ておるわけです。「万が一ともいうべきケースが起っているので、」というのは、こういう考え方というのは私は納得できません。こういう答弁のしかたというのは、万が一であればそれはしかたがないんじゃないか、そこまでとにかく手が届くか、露骨に言えば、そういうふうに国民には受け取られるわけですね。万が一であろうとなかろうと、国民の生命と身体に対して危険が予想されるという場合には一〇〇%あるいは一二〇%、あらゆる科学を動員しまた頭脳も動員して、そうして十分予防措置を講じなければならないのです。ところが万が一にこういうことが起こったのだからということが言いわけの条件になるのなら、われわれは全く納得できない。そういう点に関しまして、全体として国の運輸行政に対する姿勢、国鉄の姿勢そのものが根本的に改められるべきではないか。 なお、これは具体的に申しますと、とにかくあまりに赤字再建という、——これは赤字再建もいいですけれども、当然それば放置されることではないでしょうけれども、私たちの観点と違う点がありますが、そこでこの営利主義、とにかくスピードをアップして、そうして黒字にいたせばいい、過密ダイヤでも何でもかまわない、人員は減らせばいいというような、そういうふうに国民には受け取られている面があるのですねっしたがって、輸送の根本原則である安全輸送という問題についてどれくらい、ほんとうに真剣に政府並びに国鉄当局が考えているかという点がまだ十分国民を納得さしておらないと思うのです。私もこれは納得できない。もしこういう姿勢であれば、また起こる可能性があるんじゃないか。そういう場合に国民は大体だれに自分の身をまかせて、そうして行くところに行ったらいいか、これができるかということで非常に危惧を抱くわけですね。だから、少なくとも政府並びに国鉄としましては、その全責任を感じられるとともに、根本的にそういう姿勢を改めて、やりかえるというお考えをお持ちであるかどうか。そうしてまたこの責任は、先ほども加藤政務次官から御答弁がありましたが、それが非常に抽象的ではっきりわかりませんが、具体的にどういう責任をおとりになろうとするのであるかお答え願いたいと思うのです。
○加藤(六)政府委員 昨日田中総理が、いま先生がおっしゃったような御答弁をされたかどうか、私詳しくお聞きしていないのでわかりませんが、いま事故のほんとうの原因につきましては警察庁並びに国鉄当局で一生懸命調べてもらっておることでございますが、私たちは責任を回避するものではございません。大臣以下全員責任をかぶろう、こう決意いたしておりますが、ただもし巷間に伝えられ、一部の新聞に出ておるように、喫煙室へ二、三人の不逞の連中が来た、しかも喫煙室のソファーの上にダンボールがあった。単なるたばこの火でこれが火事になったのか、あるいは火をつけて逃げたのか、それもわかりません。そういう事故が、だれがどうやってやったのか。われわれが合理化あるいは生産性向上、水揚げをふやすためにしておる問題と、そして安全の問題、これはもうたびたび繰り返して申し上げておりますが、安全ということが最優先でございます。それと故意に火をつけてやろう、こわしてやろう、燃やしてやろうという人がおった場合は、これは私たちとしても、あるいはそういう点も考慮して総理が「万が一」ということの発言になったのかどうかわかりませんが、姿勢としてはもう安全が最優先であって、乗りもの、運輸、交通において安全を無視した運輸、交通はあり得ないということが第一点。 それからそういう点で国鉄当局が安全を怠っておるんならば、監督官庁であるわれわれとしても重大なる決意でそれに臨まなければならない、こう思っております。どうぞその点を誤解しないようによろしくお願いいたしたい、こう思う次第でございます。まだほんとうの事故の原因がわかっていないというところに私たちのいら立たしさがあるわけでございます。
○田代委員 そういう問題はわれわれはいささかも誤解するわけではないのです。まだしかしいまから質問する中で明らかにしたいのですけれども、いずれにいたしましてもやはりこういう事故が続発するということについては、根本的に運輸の基本的な姿勢なり考え方について考え直してもらう必要があるのじゃないか。ただスピードアップとか、ただ量がふえたというようなことだけでそこに実績があがったというふうに処理されるというところにこういうことになるということは、これは国民として納得できないということを申し上げて、申しおくれましたが、こういう事故にあわれました犠牲者に対しては、私はほんとうに心から哀悼の意を表したいし、また現在けがされておる方に対しては政府並びに国鉄当局がとにかく万全の対策を講じていただきたいということを要請しまして、もう一点だけ質問いたします。 それはやはりいま加藤さんが言われたような、そういう火をつけたとかこんなのは全然別問題です。こんなことはぼくは許されないと思います。ですが、私どもがやはりこういう事故が起こることについては安全を十分考慮しない合理化といいますか、そういう点、たとえばこれは私は以前も質問したことがあるのですけれども、車両検修制度というようなものは、あれは周期延長されるというような措置がとられましたね。ああいうことに対して私はやはりこれは早過ぎるのじゃないか。それによって人を減らすというようなこと、しかしもう大体機械がいま非常に進んでおるから、これは周期が延ばされてもとにかくだいじょうぶですというような御答弁のようでありましたけれども、車両の検修制度がそういう措置をとられたというようなこと、その他いろいろ関連しますけれども、やはりもう一度全体の車両を総検査する。それは予算がかかるかもしれませんけれども、そういうことをおやりになる意思があるかどうか。私どもこれはやってもらいたいと思います。 それから今度のこの事故の内容ですね。新聞の報道などを見ますと、非常に過密ダイヤで、そして乗務員に対して、こういう非常事態が突発したときにどういう体制でこれを善処するかという訓練が十分やられていない。実際そういうことに当たる当事者の国鉄の従業員に対する訓練ができずに、課長とかごく上のほうの人がこれをやったという形で、実際これをやるということが十分できなかった。できない原因は、あまりに過密ダイヤで、そういう従業員が結局訓練を受ける時間がなかったというようなことになっているということもいわれておりますし、それから夜勤がやたらに多い。それから新聞の報ずるところによりますと、たとえば三十五年ごろまでは列車運行の安全だけを任務とした運転車掌もいた、それに寝台車の担当は一車に一人という乗務員がいた。しかし、四年ほど前から二車に一人、現在国鉄当局は三車に一人というふうな考え方を計画しているということを言っておりますが、こういうふうないわゆる合理化ですね、これはやはりこういう事故を続発させる一つの原因になるのではないか。やはり安全という問題は、機械に一〇〇%まかせるわけにはいかない。基礎はやはり人にあると私は思うのです、実際に。ですから、そういう点を考えていただいて、いわゆる三車に一人にするような計画を持っておられるかどうか。そういう点を改正するというようなことを、今度の事件の反省としておやりになる気持ちがあるかどうか。 それから、食堂車は下請になっておったというようなことなんですね。そういう点は私たちは非常に疑問に思うわけなんですけれども、結局安全に対する責任が、ほんとうに政府並びに国鉄当局の神経の届いた責任ということにならずして、そういう下請とかあるいは外注ということになりますと、どうしても責任がおざなりな傾向になる心配があるわけですね。ですから、そういう下請とかあるいは外注、とにかく定員を削除するというような目標のためにそういうことになるということは非常に危険じゃないかと思うわけです。そういう点でこの下請業者を実際に私は聞きたいと思いますが、現在資料をお持ちなければあとから出していただきたいのですが、下請業務の内容、そのために要する下請会社の人員、国鉄下請会社に払っておる総金額、そういう点をお知らせ願いたいと思うのです。 以上で質問を終わります。
○山田説明員 今度の事故の原因は、先ほどから申し上げておりますようにまだはっきりいたしておりませんので、先生が、あるいは合理化がその原因じゃないかとおっしゃるように伺ったのですが、私はそうではないと思いますが、これは断定的なことはまだ申し上げられません。しかし少なくとも合理化と今度の事故とは全然無関係であると思います。 それから業務一般で、下請の問題のお話がございました。これは事故の関係でなく、一般の御質問のようでございますが、いまちょっと手元に資料を用意してまいりませんで、あるいは車両検修なり、あるいは車両の清掃なり、下請に出しておることは事実でございます。それらは資料を取りまとめて、後刻ごらんに入れたいと思います。
○田代委員 終わりますが、合理化と無関係ということは、これは私がいま申しましたように、非常に意見が違っておりますので、ひとつよく研究していただきたいと思います。 さっき言った、三車に一人にするという、これはどうですか。
○山田説明員 私、その話は聞いておりませんけれども、寝台車のいわゆる昔の列車ボーイを合理化で数を少なくしていることは事実でございます。それは寝台車の構造も非常に近代化されておりまして、そう人手を食わないのじゃないかという考え方でだんだん——それは確かに合理化の要素でございまして、むしろ事故につながるというよりもサービスの点でどうかというような御懸念はあるかとも思いますけれども、それらは国鉄の合理化のために乗客の方にも何とか御協力していただけないかという趣旨で合理化をしているわけでございます。 それから三車に一人というのは、寝台をボタン式に、非常に近代的な寝台車をいまつくっております。そうしますと、いままでのように、こういうばったんばったんで寝台をつくる必要がなくなりまして、ボタン一つでばたっと寝台ができますので、その際にはもう三車に一人ぐらいでも十分できるのじゃないかということで現在研究しております。
○田代委員 時間がありませんから、これはいまの御答弁で私は異存がたくさんありますけれども、よしましょうう。
○細田委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時十六分散会