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69回国会参議院1972/09/12

地方行政委員会 閉会後第2号

発言数
88
登壇者
11
会派数
4
開催日
1972/09/12

会議録

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る八月三十日、竹田四郎君が委員を辞任され、その補欠として小谷守君が選任されました。     —————————————

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 地方行政の改革に関する調査のうち、地方行財政等の当面の諸問題に関する件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 きょうは三点の質問を通告しているわけですが、これはひっくるめれば一点に集約できることなんですけれども、第一点は、八月三十一日現在、省から大蔵省に提出された四十八年度予算の概算要求の問題について。第二点は、これは権威のない話ですけれども、それをたどるよりほかありませんので、八月二十九日だったと思いますが、日本経済新聞で、大臣が、住民税の一千億減税ということで記者団発表されたのか、スクープか、その辺はわかりませんが、新聞に記載されたことの内容について。第三点は、同じく日本経済でありますが、九月五日、二千万円まで所得控除ということで、公有地拡大推進法に伴う措置として大幅な土地の取得についての控除プランが明らかにされたこと等についての中身は一体どうなのかということであります。  最初の概算要求の問題でありますが、われわれは幸か不幸か野党におりますので、事前の話し合いは全然ありませんし、全くの新聞発表等を手探りにして質問をするより以外に方法はございません。もちろん本番は次の通常国会でやるわけですが、一応われわれは、省が考えていることなど、国民の代表として承知をしておく必要がございますので、きょうは意見を加えるということでなしに、省の予算概算要求の基調と申しますか、その根本的な考え方等についてお伺いしたいと思います。しかし、ただそれは総額何兆何千何百億円というような計数の羅列をいま承ってもなかなかわかりっこありませんし、そうした問題等については、そちらのほうに、できれば資料、と書いておきましたが、新聞等では出ておりませんので、項目別の資料が提示されればまず幸いだと思います。  ただそこで、私が質問を進める場合に一つの大きな柱を私なりに立ててみたいと思います。私たちは地方自治が破壊されつつあるという認識に実は立ってるわけです。それを裏返していけば、予算概算要求の場合に、地方自治の確立、行政権、財政権の確立強化という面で努力されている向きは、どこでどういう形で、金目ではどうなってるかということが一つの柱です。これは私だけのひとりよがりでございませんので、先般全国町村議会議長会から四十七年八月現在で、「昭和48年度町村行財政対策並びに施策に関する要望」というのが出ておりますが、その要望の第一項が「行政改革の断行に関する要望」というのでございます。これは省のほうにも出ておりましょうからお読みだと思いますが、その中で特に強調していることの一つは、まず第一番に強調していることは、「国・地方を通ずる行政事務の再配分とこれに伴なう財源再配分を断行し」と、これは予算の面でありますから行財政ともどもでありますが、「国、都道府県、市町村相互間の行政秩序の確立をはかること。」ということが大きくうたわれております。その他ありますけれども、それはやめますけれども、そういう観点から、今度の概算要求のところでは、このような点で力を入れているというようなことなど御披露をいただきたいことが第一点であります。  もう一度別の項目をあらためるならば、地方財政は危機に立っているということを私たちは常に問題提起をしてまいりました。六十八国会においてもその基調において予算の審議に参画したつもりでございます。この点は現在予算編成の中でどういう配慮をされているか。まあきのうも財政金融の問題で勉強会をやったわけでありますが、その中では、景気が回復しつつある、非常にスピードを上げて景気が回復しつつある。こういうのが学者、それから実務者の総合的な意見であったわけですから、こうしたことをやはり予算編成の過程の中でどういう形で考慮されつつあるか、これですね。もっと具体的に大衆にわかるような表現をするならば、四十八年度は成長率が八か一〇か。まあ改造論あたりでは一〇と押えているようですが、やはり好ましい成長率、これは好ましい成長率もあるわけですから、その点やはり要求される場合に、大蔵省から提示されていると思いますが、八か一〇か、あるいは七か五か、その辺のところをどう押えながら景気回復のこの速度、われわれが憂えたのと違って非常な速度で景気が回復しつつあるという事実はきのうの研究会でも明らかにされたわけですし、私たちもたいへんえらいスピードで景気が回復しつつあるなというデータを中心にした討論をやったわけです。そういう意味で、どういうふうにその辺のところを押えながら予算編成を担当してきたか。  第三点として、いま非常に論議を呼びつつある列島改造論の問題ですが、これはもちろん田中総理から各省庁に対してきびしく指示されたものと思います。でありますから、受けて立つ各省庁、なかんずく自治省は、あるいは二十五万都市の問題なり、その他列島改造論に伴う受けざらをどうつくるか。こういうことでやはり政策立案をされながら、そのことを概算要求の中に年次的にどうはめ込んでいくか、そういうことなど特にお聞きしたい点であります。これだけにこだわることなくもっと広範な立場から説明をお聞きしたい。  もう一度もとに返せば、四十八年度の概算要求についての自治省の根本基調、それは何か、こういうことに尽きると思いますので御説明をお伺いをしたいと思います。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○説明員(三ツ林弥太郎君) ただいま杉原先生のほうから四十八年度の予算の概算要求の基本方針についての御質疑でありますが、いろいろ申し述べられておりますように、今度の予算概算要求の考え方につきましては、御案内のように、新しい内閣が成立をいたしまして、いわゆる内政重視というような線ということを考えておりますので、われわれといたしましても、それらを踏まえて今度の四十八年度の予算編成に入っていきたいと、こういうふうな考え方でありますが、最近におきまする社会経済情勢の変貌に対処いたしまして、都市機能の充実と再編を推進して、農山漁村と連帯する快適な生活圏の形成を促進することにより、住民福祉水準の向上と国土の均衡ある発展をはかることを基本といたしておるものであります。このために、地方拠点都市を中核とする新都市圏の建設、大都市の再開発等の都市対策を積極的に展開いたしまして、土地対策の確立、過疎地域等の振興、生活環境の整備、公営企業対策の充実をはかり、あわせて防災の推進と安全の確保を期することといたしております。これらの諸施策を強力に推進するため、地方財政の長期的展望のもとに地方財源の充実強化をはかろうとするものでございます。  それが今度の概算要求の基本の方針ということになりますが、お尋ねであります全国議長会等から出されました要望の行政改革の断行であるとか行政事務の再配分の問題だとか、そういうふうなものにつきましても検討をしてまいりたい。  さらにまた、日本列島改造論の問題でありますけれども、これも総理のほうから指示が参っておりますので、先ほど申し述べました、自治省として、新都市圏の建設であるとか列島改造論に基づいてどういうふうに具体的に進めるかということにつきましては、現在実は具体的な方策をひとつ求めているというのが今日でございます。きのうも実は全国知事会がございまして、総理が発言されまして、ことに列島改造論については、六十年度を目標にいたしまして、全国の都道府県から一つ一つの六十年を目標とする想定といいますか計画を出してもらって、政府と一体になってその計画を練り上げて実施できるような段階にいたそうと、こういうふうな発言がありましたので申し添えておきたいと思います。  以上であります。

松浦功自治大臣官房長

○説明員(松浦功君) ただいま政務次官からお答え申し上げましたとおりでございますが、若干こまかい点にわたってお答えを申し上げたいと思います。  行政改革の断行という御指摘がございました。国、地方を通ずる事務の再配分の問題は非常に長い間問題になっておりますが、いまだに十分なる結論が得られておりません。この点につきましても地方制度調査会等を通じて十分慎重に御検討を願い、適切な御回答をいただいた上で着手をいたしたいという気持ちでおりますが、さしあたり、これらの問題にからむ問題といたしまして、地方事務官制度の改善等を含む事務の再配分あるいは財政秩序の確立という面からの超過負担の解消、こういった問題について明年度は重点的に取り上げてまいりたいと考えておりますが、これにつきましては、別にこれといった予算を伴うものではございません。しかし自治省の重点方針の中にはこれらの問題をうたい上げて今後努力してまいりたいという考え方でおります。  それから列島改造論の問題でございますが、自治省といたしましては、ただいま政務次官から御説明がございましたように、合理的な土地利用計画のもとに各種都市施設を整備し、大都市からの人口、産業の分散をはかるため、地方拠点都市を中核とする新都市圏の建設、整備を促進するということをうたい文句にいたしておるわけでございます。もちろん大都市の無秩序な集中を排除して良好な都市環境の整備をはかる、そのための再開発あるいは生活環境施設の整備ということも頭の中に置きまして、これら二つを実現するために新都市圏整備特別会計と都市整備税の創設をいたしたいということで予算の要求をいたしておるところでございます。これだけでは必ずしも十分ではないということから、工場分散の効率的な実行が可能であるようにということで、現在交付税を通じて三年間固定資産税の減免に対する補てんを行なっておりますが、これを相当長期間にわたって減免をした町村に財源の補てんをしたいというふうな措置をあわせ考え、さらには土地対策というものが、これらの都市対策に非常な大きなウエートを占めておりますことを十分理解をいたした上で土地利用計画を策定する、あるいは土地利用の規制を行なうというようなことを考え、これらの点については現在関係各省と最後の詰めをしておる段階でございます。

森岡敞自治大臣官房審議官

○説明員(森岡敞君) 経済成長率についてのお尋ねでございますが、四十七年度の国民総生産の伸び率は、御承知のように、当初では沖繩分を含めまして実質七・七%の成長率が見込まれております。ただ最近の情勢は、景気は底固めの段階を脱しまして上向きになってきていると伝えられております。この実質成長率をある程度上回る成長率になるものというふうに予想されておるところは御承知のとおりでございます。ただ、現段階で、本年度の実質成長率がどのような形になるかということについての確定的の見通しはまだ十分得られませんし、したがってまた明年度の成長率をどの程度に見込むかということにつきましては、政府部内でいろいろ検討中の段階でございます。しかし、いずれにいたしましても、現在の日本経済をめぐる情勢から申しまして、明年度予算は公共支出の拡充を通じまして資源配分の適正化をはかるということが国家財政、地方財政を通じましての最大の課題になるということは明らかでございます。  そういう意味合いで、私どもといたしましては、まず第一に、地方一般財源の地方税なり地方交付税の充実確保をはかるということを第一の目標として考えております。  第二には、地方債の拡充を通じまして、生活関連施設、都市施設等の整備を思い切って実施してまいる。同時にまた、国民の健康増進なりレクリエーションの拡充ということで、いわゆる余暇利用施設というふうな各般の施設の拡充もはかってまいりたい、かように考えているわけであります。  なお、財政秩序の問題といたしまして、かねがね御指摘の国の公共事業ないしは補助事業に関連いたします超過負担につきまして、ぜひ明年度から思い切った解消措置を講じたいということで、政府各省相寄りまして調査をいたしております。その結果につきまして現在各省寄りまして煮詰めております。煮詰まりましたところで、各省庁の予算補助単価等の適正化をぜひはかるように持ってまいりたい、かように考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ちょっと先ほどの質問の中で奥歯にもののはさまったものの言い方をしたのですけれども、大体大蔵省には款項目が整理されて、数字も整理されて出ているわけですが、そうしたものは前もってわれわれに示すことはできないのですか。官房長どうですか。

松浦功自治大臣官房長

○説明員(松浦功君) 別に差しつかえないと思っておりますが。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは、できるだけすみやかに示していただきたいと思います。と申しますのは、いまほど政務次官はじめ三人の方が答弁をされたわけですが、大体私もあなた方の立場におればそういう答弁をすると思います。しかもそれは抽象的ですね。でありますから、ぼくは最初概算要求という表現をしたけれども、そのやはり数字の裏づけといいますかね、あなた方の答弁を聞いてると、ぼくがここに持っている、まあ精一ぱい新聞等を集めた程度の資料から見ても、きわめてあなた方のほうは抽象的なんですよ。それだけに私はこの新聞などをたよりにしないで、あなた方のほうはもっと情熱と見通しと誠意をもって、この問題でこの委員会を通して私はお聞きできるものだと実は期待しながら冒頭に抽象的な質問をしたわけですけれども、いまの答弁では列島改造論——と言うと私はきらいがあるんですけれども、うたい文句はばあんと出るんですね、社会福祉をやるとか、福祉をやるということが非常に大事だといったようなことをうたってはいるけれども、しかし、中においてしからばどういうことなんだということを言って開き直ってもう一度見直してもさっぱりわからない。そういうことになってはいけませんので、少なくとも省庁をあずかっている皆さんの立場からすれば、杉原君、これは実はこうなってるんですと、あるいは列島改造論等を含めて地方儀計画は四二%増、二兆四千六百二十四億円である、こういうことは新聞発表を皆さんもうしてるわけですからね、そういったことを裏づけるような説明はできないものかということなんですよ。私はもうあなた方の答弁は前もってここへ来る先にわかっておりました、聞かぬでもこんなことをおっしゃるだろうと思って。それだけでは、こういうとうとい場を通じて貴重な時間を費やして私質問する必要ありません。で、日経などが、一日ですか、各省庁の予算の概算要求の中身についてかなり触れてるわけですがね。かなり統計等を示し具体的に書いているわけですが、そういうものよりもより進んだ形で概算要求の中身が出てくることを実は期待しておった。だから、何かこう、これから相談して、これから相談してというような話でありますが、自治省としてやっぱりリーダーシップをとるところはとっていかなきゃなりませんから、その点では、この面はこういうふうにやっているんだ、あるいは新しい都市圏の構想の問題でも、こういう構想を持ってるから予算ではこう出してきたんだと。そして、省庁で話し合ったらここは削られたと、こういう話はこれから起こる話であって、概算要求のようなことは、時と場合によっては皆さんの主張を私はバックアップしなきゃならぬこともあるでしょう、また、われわれと非常に距離の遠いものはやはりわれわれなりに批判をします、遠慮しません。だから、その辺のところをもうちょっと言えないんですか、この程度の段階ですか。概算というのは文字どおり概算ですからね。私をして慨嘆させるような説明はあまり好ましくない。もう少し突っ込んで言ってください。

松浦功自治大臣官房長

○説明員(松浦功君) 新都市圏の整備ということを一つの大きな柱にいたしておりますということは先ほど申し上げたとおりでございます。これにつきましては、予算要求といたしまして、大蔵省の一般会計から繰り入れてもらいたいという主張をいたしておりますのは、分散工場に対する固定資産税の長期減免の補てん措置だけでございまして、あとは、新たに起こしたいと考えておる都市整備税で、大都市圏の再開発とそれから新しい新都市圏の建設促進を行なっていこうと、こういう考え方でございます。したがって概算要求はいたしておりません。新しい税目を起こしたいということで、税制調査会等にこれからお話をし、大蔵省と新税を起こすか起こさないか煮詰めていくという形になろうかと思います。当省としては地方税、しかも目的税という形で大都市の再開発と新都市圏の建設整備に充てるんだという形で都市整備税を創設をしたいという考え方でございます。この都市整備税がどのくらいの税収入になるかということには、いろいろこれは課税対象をどうするか、税率をどうするかということで問題がございますので、正直なところを申し上げまして、現在の段階では各般の情勢をうかがいながら決定していきたいと思っておりますので、どの程度の見込みになるか、私どもとしても数字を申し上げる段階に至ってないのは真実でございます。そういう形で、新都市圏につきましてはほとんど概算要求はございません。むしろ概算要求として、大きな金額で、ことしの自治省のもう一つの重点項目になっておりますのは公営交通事業の再建の問題でございます。この点については担当の森岡審議官から必要がございますれば詳しく御説明をいたしてもらいたいと思っておりますが、概算でございますのでこれは途中で変更があり得ます。約三百四十億程度の予算の要求をいたしております。  それからさらに、これは地方行政委員会の皆さんはよく御承知のことと思いますが、これまでもございました人口急増対策、これに十億余、それから広域市町村圏の整備に二十億余、過疎対策に六億余、こういった地域整備に要する経費を要求いたしておりますほか、あとは御承知のように、当省として大きなものは地方交付税の問題、それから、あるいは沖繩の臨特の問題、あるいは国有提供施設等所在市町村に対する助成交付金、こういったところが大きなものでございまして、これと言って概算要求の中で昨年に比べて大きく変わってまいったという点はございません。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 実は、そうすると、ここに書いてあることとぴったり同じですがね。これは原典を申し上げますと、日本経済新聞の九月一日、先ほど申したとおりです。そこで、地方財政の問題ですけれども、この中で強調されていることは、いま自治省は日本列島改造の柱となる人口、産業の地方分散を推進するためにと、いまの官房長の言った過密都市における事務所、工場の地方分散促進と大都市再開発の財源を確保するため都市整備税を新設すると、これは新設するか、しないかまだ決定はしてない、こう理解してよろしいですね。だから税収はどうなるか、これもわからない、そういうことですか。これはあとでまた確認をしましょう。  二番目に、これらの財源をもとに新都市整備特別会計を創設し、魅力ある地方都市圏を建設するための交付金や分散工場の優遇措置に伴う固定資産税の減収補てんなどに充てると。これは田中改造論の中にうたわれていることであり、通常国会の予算委員会で、通産大臣であった当時の田中さんと私やりとりしたところなんですけれども、それもめどがないわけですね、結局。そういう一つの方向性は出しているけれども、めどとして、予算ではどこどこの款項目でどう生かしている、それがどういう法律をつくり、どういうふうにしてこれをしめていくか、そういったような具体的なプログラムといいますか、そういうものは現在の時点ではまだ明確でないと、こういう理解のしかたをしていいのかどうか。  それから土地利用の問題でありますけれども、環境整備基準を設け、これによって工場及び住宅団地の立地を規制するなど、これは規制するということですから、新しいそんな大きな予算的な裏づけの必要もないかと思います。  そういうようなことなど、いろいろマスコミがあげているわけですが、これはそちらのほうからニュースが、話のたねが出ていると思いますが、いま申し上げた一点、二点、三点、これらの問題についても、いま申し上げたようなことで、そういう方向でそれぞれの機関、審議機関等を通して検討を加えながらおもむろに確定していくということである、そういうふうに理解していいわけですね。予算措置は、そういうものとして何もない。

松浦功自治大臣官房長

○説明員(松浦功君) そのとおりでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そうしますと、今度はこれは八月三十一日現在でなくて六日とありますから、自治省は六日、総額二兆四千六百二十四億円にのぼる四十八年度地方債計画案をまとめ大蔵省に要求した。先ほど言ったとおりとすれば、二兆四千六百二十四億円で、ことしから見れば四二%の増である。なぜふえたかということを——特にこの新聞は、皆さんの説明がそうであったのだろうと思いますが、列島改造構想に沿って地方自治体の事業を促進しようとの目的から大幅な増額をしたのだ、それをどういうところにどうするかということは、先ほどの説明では抽象的には承知しました。だが、そういうことなのかどうか。なお加えて、それらのことをこれから検討する過程では、二兆四千六百二十四億にプラスの一千億を追加する考えである、かなり具体的なんですね。そうしたこと等について、いままでの説明では私非常に不十分だと思うので、いま申し上げた点、指摘した点をそのように検討されておるものと理解してよろしいかどうか、その辺のところを……。

松浦功自治大臣官房長

○説明員(松浦功君) ただいま御指摘をいただきました二兆四千億なるものは地方財政計画ではなくて地方債計画ではないかと思います。この点につきましては、地方債計画の概算を一応要求いたさなければなりませんので、その段階で算定し得るものに限定をいたしておりまして、新都市圏の整備等に要するものについては空欄にいたしまして後刻追加をする、こういうような形で要求をいたしておりますので、そのように御理解をいただければけっこうでございます。この数字は、各般の政策が固まっていくに従って当然変更が出てくるものであるというふうに御理解をいただいたらけっこうかと存じております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 これ以上、私、手元に資料がございませんので、私が考えるような地方行財政の問題ということで議論しても始まりませんから、皆さんの答弁は答弁として了としますが、先ほどちょっと言ったことで、地方財政は危機に直面しているという私たちの認識は正しいと思いますけれども、かりにそれを一つの仮説として置いた場合に、それに伴う予算措置の中で、こういう点ではひとつ努力をしたい——先ほどちょっと森岡審議官からということで、公営企業の面で、公営交通ですか、その面では三百四十億円ですか、何か見たのだということも一つの大きな手当てだと思うのですが、その他、地方財政の危機という一つの私たちの判断ですけれども、それに対応する措置ですね、予算的な措置、そうしたものが概算要求の中でどう組み込まれているか。公営交通の問題は先ほどの説明で理解をしました。まあ金額の多い少ないは別として、その他の面でもう一度こういう方法でひとつめんどうみようというような——超過負担の問題も先ほどちらほらしましたけれども、これはどこでどうなってくるか、これからの問題だというふうにおっしゃっておるわけですから、なかなか説明もしにくいことだと思いますが、これはやはり従来一貫してわれわれは超過負担をたいへんだ、たいへんだと言ってきたのですから、その辺のところの作業の中身等がもし御披露いただければお聞きしたいと思います。

森岡敞自治大臣官房審議官

○説明員(森岡敞君) 地方財政がたいへん危局に当面いたしておりますことは、御指摘のとおりだと思います。四十七年度で、地方税なり地方交付税が著しい伸び悩みがあったわけでございます。若干景気が回復過程に入っておるといたしましても、四十八年度なお地方財政をめぐる諸環境はきびしいものがあると考えております。現時点では、地方税なり地方交付税の伸びを的確に予測することは困難でございますけれども、私どもといたしましては、概算要求の段階では、地方交付税はほぼ例年並みの二割程度の増加はぜひ確保いたしたいという概算要求をいたしておるわけでございます。しかし、今後の国税三税の増加の状況などを見ませんと、国税三税の三二%に見合う地方交付税の増加見込み額が幾らになるかということはまだ明らかではございません。そういうものがだんだん明らかになってまいりますにつれまして、地方財政に対する財政対策を定めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。  超過負担の問題でございますが、先ほどもお話し申し上げましたように、本年度当初から各省と打ち合わせをいたしまして、公営住宅、義務教育施設、保育所等六事業につきまして、主として建設事業を中心に実態調査をいたしました。その結果が一応まとまりましたが、これにつきましては、御案内のように、各省では補助単価はこの程度でいい、それをこえる部分は地方公共団体が任意に出していいのだというふうな議論もかなり出ておる部面がございます。私どももそれについて自治省の立場でいろいろ議論もあるわけでございます。各省と論議を積み重ねまして、予算の確定までの間に客観的な結論を得まして、それに基づいて単価あるいは補助対象面積等につきまして適正な超過負担の解消対策が立てられるように努力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 私、手元にそうした数字を持たずに議論しておるものですから、めくら象をなんということになるので、これ以上の質問は控えて、後ほどまた資料をいただいてから十分検討した上で意見なり質問を申し上げることになるかと思いますが、これまた、から回りしますから何ですけれども、いま改造論の中で二十五万都市云々というのがありますが、自治省が今日まで進めてこられた広域都市圏の問題との関係ですね。これをどういうふうな形で点と面との関係で今後進められるのか、その辺のところをひとつ指針と申しますか、大まかな考え方を出していただければいいのではないか、これは予算と非常に関連するわけでございますからね。

松浦功自治大臣官房長

○説明員(松浦功君) 具体的な地域を設定いたしまして御説明申し上げるといろいろ誤解を招くかと思いますので、全く抽象的な例を頭の中へ描いていただいて御説明をお聞き取りいただきたいと思いますが、たとえば一つの県の中に七つ広域市町村圏があったと仮定をしていただきたい。そうしてこれは、ぐるりに六つあって、まん中に一つ広域市町村圏がある。この広域市町村圏の核をなしておる都市が比較的都市機能の集積があり、交通の焦点になっておるというふうな、いわば拠点であるというふうにお考えをいただきたい。そうすると、その拠点の都市を中心といたしまする広域都市圏、若干区域の変動は当然あってもよろしいかと思いますが、そこに、先ほど申し上げましたように、ある程度の都市機能の集積があるわけでございます。そこに重点的に投資をいたしますことによって、完結した都市機能を持った都市圏というものをそこにつくりあげる。こういう形になりますならば、まわりの六つの広域都市圏と新しく新都市圏として造成されまするところは、何と申しまするか、放射状に完全に密着をするわけでございますが、まん中にございますその新都市圏に文化施設も何もかも一通り都市機能をそろえておるということになりますると、東京近辺の方が東京に文化のためにあるいは絵画を見るために集まられるというような形で、その県全体が一つの生活圏といいますか、そういう形になっていくんではなかろうかというような考え方で、新都市圏の配置というものを全国的に考えていったらどうだろうかということでございます。非常に抽象的な説明のしかたで申しわけございませんが、具体的な県名を入れますと、いろいろ市の間でトラブルが起こると思いますので、そういう御説明で御了解をいただきたいと思います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そうしますと、いまの構想というのは大体ぼうっとわかるのですが、具体的にどうこうと、そういうことでなしに、この四十八年度の予算の中で一応どういう形で、小刻みか大刻みか知りませんが、何か手を打っていくわけですね。そういうものは何か具体的な段取りみたいなものが想定されているのですか、どうですか。

松浦功自治大臣官房長

○説明員(松浦功君) この問題については非常にむずかしい前提がございます。単に重点投資をするという地域をきめるということになりますと、やはり全国でのぶんどり合いの問題が起こってまいると思います。当然に一つの新しい都市圏、しかも都市機能を完結したりっぱな都市をつくるということになりますると、おのずから土地利用計画というものが精密にできておりませんといけない。土地利用計画を精密につくって、あるいは土地利用規制をするということは、住民に対する一つの負担を負わせる形になるわけでございます。したがって、当該地域の住民のコンセンサスとしてそれだけの負担は受認をすると。われわれはそういう形で制限されることを了解するという形にコンセンサスが得られましたような地域について重点投資をしていくということにならないと、これはいけないんではなかろうか。したがって、土地利用規制という問題が非常に大きな問題になってくるというふうに考えております。  土地利用規制の問題について特に大きな問題は、一定規模以上の工場あるいは住宅団地、こういったものも規制の問題になろうかと思いますが、この点については自治省だけでは片がつきません。関係各省寄って現在意思の統一をはかるべく努力中でございます。一つの形として、どういう地域が新都市圏だということになりますれば、これは関係各省と連絡を十分つけました上で、年次計画も当然新都市圏整備計画というものもつくられるし、各省の予算の中からその計画に従って配分されていくという計画をつくらざるを得ないというふうに考えております。しかし、現在の段階では、どの地域が新都市圏ということも問題としてはまだ上がっておりません。抽象的にどういう地域を、条件を備えているところをどうするかということを論議している段階でございますので、それがきまって、ある程度具体的な方策が立つということになりますれば、おそらく法案という形の問題まで進展してくると思います。その法案に基づいて新都市圏の整備計画というものを、たとえば下水であったならば、一年にどれだけずつ投資をして、何カ年かけてこういう形で下水ができ上がりますという計画をつくって、それに即応して各省の予算を流していく、こういう形に相なろうかと思うのでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 これは質問してもとんちんかんになると思いますけれども、私も実はわからなくなってくるところがあるわけですね。  たとえば、これは木村建設相が九日の日に仙台で記者会見しているわけですよ。その中で、いまおっしゃったように、具体的な個所を申し上げると陳情その他の問題で混乱を起こすからこれはもちろん控えると、これはいいですわね。ところが建設大臣が、「地方中核都市整備計画について指定地域を全国で八十カ所に広げたいなど次のように語った。」云々と。この中に、「佐賀県の鳥栖地区など三カ所を予定しているが、最終的には全国で八十カ所にしたい。指定地区は」、順次きめるのではなく、「来年度初めに一斉に発表し、整備計画を早期に実行したい。」と、かなり具体的なプログラムを明らかにしているわけです。同時にまた、おそらくどの新聞もそう言っているのじゃないかと思いますけれども、いま問題を提起している新二十五万都市、各省構想がまちまちで調整したらどうだという意見が出てきているわけですね。建設大臣はこういうふうに大胆な言い方をしているし、いま松浦官房長はかなり謙虚に答弁をしておられるわけですね。この間、政府のそれぞれの省庁間の調整があまりはっきりしない。ぼく自身もわからないわけですね。建設大臣だから、こんなことを言われるのはあたりまえのような気もするし、そうかといって、これは自治省の所管にもなるような気もするし、なかなかわからなくなってきたわけですが、官房長、どういうふうにそれを割り切るのですか、ここのところを。

松浦功自治大臣官房長

○説明員(松浦功君) 通産省では二十五万都市という構想を出しております。自治省はいま御説明申し上げました新都市圏という構想でございます。それから建設省は地方拠点都市構想、それぞれ構想が違っております。自治省と建設省との構想にはあまり大きな開きはないようでございまするが、若干考え方には食い違いがあるようでございます。それはこれから調整をしないといけない問題だと考えておるわけでございます。したがって、建設大臣がいろいろおっしゃられ、あるいは建設省の事務当局が若干地域の発表をしたこともございました。しかし、これらの問題については、当省と一切煮詰めを行なった上での問題ではございません。現在まだ基本的な問題で歩み寄りをどうはかるかということを詰めている段階でございます。したがって、建設省の言ったのが正しいのだというふうにもお答え申し上げるわけにはまいりません。また先生のように、当然都市の問題は自治省でやるべきだというお考えもおありのようでございます。当省といたしましても、この問題はぜひ当省でやりたいという気持ちを持っておりますけれども、いずれにしても似たような構想が三者三様で出ておりますので、早い機会に調整しなければならないと考えておる段階でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 日本列島改造論というものは、政策じゃなくて調節だと言う人もおりますね。それですから、評価はまちまちですけれども、総理大臣になった方が、少なくとも二十五万都市の建設ということを書いているわけです。一六三ページですね、これの。それにもかかわらず、いま松浦官房長から言わせると、おれたちはそういうことを言うはずがない、新都市圏構想だ。建設省は二十五万だと言っている。何かそこらになりますと私たちもどうとっていいのかわからなくなりますね。その辺のところを、二十五万——二十万になってもいいですけれども、何か意思統一をまずしてくれませんか。概算要求すら出ておる段階で、その辺のところがもやもやした形で進むと、それはますますわれわれ国民はどうなっていくのかなということになりますがね。だから、木村さんの言っておることは間違いなんですか、これは。建設大臣が仙台で言っていることは。ちょっと統一してくださいよ、私はますますわからなくなってくるわけですね。

松浦功自治大臣官房長

○説明員(松浦功君) 木村建設大臣が仙台で御発表になったのは、建設省の考え方でございますので、当省としてとかく申し上げる問題ではないかと思います。自治省としては自治省の考え方がある。それをどういうふうに両者を突きまぜていくかということが今後の問題ではなかろうかという考え方でおるわけでございます。二十五万都市というお話がただいま出ましたが、これは通産省が言っておるわけでございまして、私どもの新都市圏は、人口にそうこだわるという考え方ではございませんで、中核都市が十万のところに外部が三十万ついて四十万になってもけっこうだと思いますし、要するに、一つの都市機能を完結したものとして持ち得るような生活圏的な圏域というものを満足した形でつくり上げていきたいという構想でございますので、この点につきましては、政府部内の各省の意見が統一されておらないということについては申しわけないかと思いますが、いましばらく時間をおかしいただかなければ、なかなかこれだということを申し上げる段階までには立ち至らないかと存じております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 どうもわからないのですがね。そんなことを突き詰めてみたって何にもなりませんけれども、要するに、二十五万都市というのは通産省の考え方だということはどういうことなんですか。これをどう評価するかということが問題ですね。これはひとつ政務次官、あなたは政治家ですから、これはどう考えたらいいのですか。巷間伝えられるように、これは夢物語りだと言うのなら、これは私は真剣に言わぬことにしますよ。どう考えますか。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○説明員(三ツ林弥太郎君) いま御指摘の改造論の二十五万都市ということでありますが、いま通産省のほうが二十五万だとか建設大臣のほうが二十五万と、こう言っておりますが、私どもといたすと、やっぱり二十五万を一つのめどといいますか、そういうふうなことで理解を私どもはいたしているわけであります。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 これは発表の自由ですから、このことを取り上げてとやかく申しませんが、「市民」という雑誌が、月刊ではありませんけれども一月おきに出す雑誌があるんですが、これには日本列島改造論を問題提起しているわけで、この中でたびたび取り上げて、宮澤さんに聞きましたけれども、宮澤さんの構想が出てきているわけですね。これは消防庁長官ですから、あとで言ったことを水かければ消えますから、消防庁長官の任務を果たせばいいわけですが、この中でさまざま理想像を描いているわけですね。「緑のなかで、オープンスペースがあるようなところに生活をして、しかもいつでも都市機能に容易にアプローチできる、そういうような生活空間をつくることが、理想の生活のひとつのありかたじゃないかと思っておりました。かねてから、そういうことのために、日本はもう大都市ではなくて、地方都市を中心に生活空間を形成していかなければいけないという考えをもっておりました。「日本列島改造論」は、分散ということを中心のテーマにしている。」ということで、あと分散の問題、経済機能の分散の問題などいろいろ議論をしておるわけですが、こういう形で説得して言われるとぼくらわかるんです。そこで、二十とか二十五とか、田中さんが二十五と、それは通産が二十五と、木村さんが二十五と、いや自治省はそうじゃないんだと、新都市圏構想を持っているんだ、こういうことになってきますと、私はそれを聞いて、国民にこの話を持ち出しながら国民の知恵を借りて新しい地方都市を創造していく大きなエネルギーを下からつくり上げていこうという努力などは、なかなか焦点がぼけるものですから困るんです。いま政務次官がその中をとっておっしゃったので、そこらあたりで一応とめておきまして、後ほど大臣が来ましたら、大臣にこの点もひとつお聞きしたいと思いますので保留いたします。  その次に、先ほど通告いたしました第二の住民税の税率を緩和して少なくとも一千億減税を目ざすんだという自治省の方針と、これはこういう方針を発表されたと信じていいかどうか。発表されたら、この一千億という減税、一千億という数字を出しているわけですからね、かなり具体的になって、私たちが地方税をもっとまけろまけろと六十八国会で地方税法の一部改正法案についても私たちは私たちなりの要求を実はしながらも政府の壁が厚かった。今度は政府は大胆にこういう問題提起をしておりますが、こうした一千億という目玉を出した、それを実現できる確信、根拠、そういうものがあったらお聞きしたいと思います。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○説明員(三ツ林弥太郎君) 住民税の一千億円の減税ということでありますが、これは実は発表してないというふうに理解をいたしております。そこで、個人の住民税につきましては、従来から課税最低限の引き上げを中心に毎年度相当程度、約七百億円前後の減税をいたしてまいりましたが、昭和四十六年八月の税制調査会の長期税制の答申においては、個人の住民税について、国民生活水準の向上に伴って納税義務者数の推移及び地方財政の状況等を総合的に考慮しつつ、さらに課税最低限の引き上げ等について検討するよう指摘されているところであります。しかし、住民税は地方団体の基幹的な税目として重要な地位を占めており、その減税は地方財政、特に市町村財政に大きな影響を与えるものであり非常に苦しい状況と予想される。明年度の地方財政において大幅な減税を行なうことは相当困難と考えますので、国民の税負担の状況等も見きわめながら今後とも慎重に検討してまいりたい。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 政務次官は、発表してないと、こういうわけですね。それは新聞発表もずっと発表語尾を拾っていきますと、前向きに取り組む方向を固めたと、こうなっております。だから政務次官のおっしゃったことは正しいかもしれません、発表していないという事実はです。これは形式行為の問題です。税制調査会、東畑さんが会長ですけれども、九月八日から総会を開いて四十八年度の税制改正の本格的な審議に入るわけですから、それに対して、たたき台として、いま申し上げた一千億減税のところは出していないのですか、そこへも。つまりやるということは発表しなかったけれども、たたき台をそちらへつくって出していないのですか、いるのですか。それはきまっていないのかどうか。その辺のところは、政務次官のことばはかなり含みを持っておりますから、どういうことなんですか。国民はこれを見て喜んだんですがね。喜んでからそうじゃなかったというなら、もっと早くおっしゃったほうがいいんじゃないかと思います。

佐々木喜久治自治省税務局長

○説明員(佐々木喜久治君) 税制調査会におきましての減税についての審議はこれからの予定になっておるわけでございまして、具体的にどういう税についてどういう内容の減税を行なうかということにつきましては、まだたたき台も出しておらないというのが現状でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 記者の皆さんもおりますから、私らもマスコミに対する不信感を持つような結果になるのですが、何にも出していないんですか、こういうこと。局長段階でないちょっと下のほうでやっておるんかな。はっきりしてください。絶対ないというならないと言ってください。たたき台もないんですか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○説明員(佐々木喜久治君) 税制調査会におきましては、いろいろな税についての今後の問題点ということで、住民税については課税最低限の問題と税率の問題がある。こういうことだけ問題点として提示いたしております。この提示いたしました問題点は、従来から税制調査会におきましては、課税最低限を引き上げるべきか、税率を緩和すべきかという議論が常に論議の対象になっておるわけでございますので、従来の論議を整理をいたしまして、課税最低限と税率の問題がありますということだけの問題点を整理したものを出ししておるということでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは、それ以上申してものれんと何とかになりますのでやめます。  そこで、次に第三点として指摘した、これものれんと相撲になるのじゃないかと思いますが、地方公共団体で土地売却を促すために土地売却の二千万円までは所得を控除する、自治省の都市整備をあと押しする一つの方針として出された、こういうことですね。これは六十八国会で公有地の拡大の推進に関する法律案を私たちは審議してきた過程でいろいろ議論したことですが、どうでしょう、こうした具体的数字まで出ているわけですがそれはどうです。先ほどの範疇にやはり入って、言ったことはないという性質のものですか。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○説明員(三ツ林弥太郎君) いまの御質問は、個人の住民税の所得計算については、原則として所得税に関する法令の規定によることとされており、土地税制の特例についても租税特別措置法の規定に準じ定められていることは御承知のとおりで、いわゆる千二百万円。したがって、御指摘の点については、国税の取り扱いの状況を見ながら検討してまいりたい、こういうことでありますけれども、お話のように千二百万円では少な過ぎる、これをもう少しふやす、控除をふやすべきじゃないかという意見は相当聞いております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 政務次官、聞いておるというのは、省内で聞いておるのか世論として聞いておるのか。ところが、この数字がどうして出てくるのですか。それならそれなりで、国民はそういうことを言っている。参考にしたいと書きなさい。

松浦功自治大臣官房長

○説明員(松浦功君) この点につきましては、自治省が毎年重点項目というものを抽象的に定めております。その中の一つといたしまして、地方公共団体への譲渡者の譲渡所得税については、現在、公共目的であるということが認められた場合に千二百万円の特別控除制度の適用があるわけでございます。それを来年度自治省といたしましては、公有地確保を容易ならしめるために、公共団体及び土地開発公社が取得する限りは、その取得目的のいかんを問わず、もうそういう承認というような手続きなしに特別控除制度を適用してもらえるように改めてほしいということと、もう一つは、特別控除額を引き上げてほしいということを、当省としては大蔵省に、税制上の問題でございますが、要求をしたいということをきめております、この点は省内の一致した意見として、強く、大臣もこの問題を理解しておられるところでございます。ただ、二千万円という金額は、きょう初めてお伺いしたのでございまして、大臣が御発表されたということは、私どもとしては寡聞にして聞いておりません。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それは誤解されては困りますが、別に大臣が発表したという表現にはなっていないわけです。だから、私が取り上げているのは、新聞の名前まで示しているわけですからね、あなたに。その辺のところを、お読みになったと思います。私はそんなこと言っておりません。少なくとも省内で意思統一をされているかどうかということでお伺いしたわけです。いまおっしゃる意味は、一千二百万円では十分な公有地を獲得することは至難であるから、少なくとも、二千万円という数字は出さないけれども、もっとふやしていきたい。まあ税制調査会に相談しなきゃいかぬ。こういうことなんですが、私はこの二千万円というのにかなり飛びついたので、その辺のところを徐々に固められると思いますが、これ以上私は意見がましいことは省きますけれども、事実だけ確かめる。そういう方向で自治省は動いていると、こういうふうに理解していいわけですね。

松浦功自治大臣官房長

○説明員(松浦功君) そのとおりでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 私は、おもに交通問題を何点かお尋ねしてみたいと、こう思います。  最初、したがって警察庁。ことしの七月二十一日から八月三十一日までに子供の交通事故死ですね、これが昨年から比べますと二十名ばかりふえているわけでございますね。子供を交通事故から守ろうということで、その啓蒙をやり、その推進をしてきているわけですけれども、逆の結果が出てきたようですね。非常に問題としては細部な問題であるかもしれぬけれども、その辺のところは問題であろうと、こう思います。そこで、なぜそういうような子供の事故死がふえてきておるのか。この事故死についての特徴というか、原因といいますかね、こういった点をどういうふうに把握してらっしゃるのか、その点からひとつ。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) いま先生御指摘のように、夏休み中に全体の事故死は七十九に減ったのでございますけれども、十五歳以下の子供が二十人ふえております。さらにもう少し見ますと、いわゆる幼児、六歳以下の子供の事故死は八人減っております。それから十三歳から十五歳はプラス・マイナス・ゼロとなって、問題は、七歳から十二歳のまあ小学校に行っている子供さんの年齢層だと思いますが、そこで二十八にふえているということで、そのふえ方は昨年に比べても相当な数だと私も憂慮しておるわけでございます。ただ原因は個々のケース——わずかな期間でございますので、一般的な原因としては、何と申しても夏休みで子供さんが戸外に出て道路上におるチャンスが多くなった、機会が多くなったということだと思います。普通であれば学校にいる時間に、やはり戸外に出て危険に身をさらす時間帯が長くなった。しかし、それは昨年も同じことでございますので、やはりレジャー交通と申しますか、マイカーによって動く人たちの数がふえてきているということも大きな原因ではなかろうかと、このように思っております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 まあ一応その事故に対する当局の原因究明というものがその程度の、言うならばはっきりしないという、こういうことなんです。はっきりしないから対策を立てられないというわけにはいかぬと思う。そこで、そういう現実を踏まえて新学期も始まる、こういったことで、この種の事故をなくすための対策を何かお立てになっておやりになりましたか。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) 新学期の場合は、春の新入学のときと違って、一般的に児童の保護者の方の注意力もあるいは少なくなるおそれがあるということで、各県とも新学期の始まる直前に交通安全のためのPRをしたり、あるいは街頭に警察官なり婦人の交通指導員を立てるということはやっております。しかし、そういう一時的なことだけでは本質的な解決にならないということで、私ども現在考えておりますのは、この月の二十二日から秋の交通安全運動旬間がまた始まります。このときに、いま春の安全運動が済んだときから各県で準備をやってもらっているわけでございますが、スクールゾーンの拡大を大々的にやる、それで市街地にある小学校の校区には必ずスクールゾーンを設けるという方向でいま指導をいたしております。スクールゾーンと申しますのは、小学校の校区中心に安全施設の整備をはかったり、あるいは交通規制をきびしくしていく、そして子供の事故が起こらないような道路環境をできるだけつくっていく。と同時に、PTAなりあるいは学校当局とも十分連絡をとって、子供に対する交通安全教育のほうもあわせやっていくということで現在準備をいたしております。いずれ九月二十二日からの十日間に集中的に警察官も動員をして子供の交通事故防止に当たってみたい、そのように考えております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そこで、お話が出ましたので、この前にもちょっとお尋ねしたわけですがね、たとえばスクールゾーンの設置ですね。これはこの前、何か交通安全週間ですか、そのときに、これは非常にいい結果を生んでおる。こういったことなんですけれども、しかしその反面、いわゆる住民との何といいますかね、調整といいますか、住民からそういうことについての批判というか、そういうものがある。その辺の調整についてはうまく——この前にはそういった点を問題にしたわけですけれども、その後そういった調整については、地元との調整については十分話ができて、そして今後スクールゾーンの設置については支障がないと、こういうふうに考えてよろしいですか。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) 春の安全運動の場合にはちょっと準備が足りなかった面もございまして、警察、道路管理者あるいは学校当局との間の意思の疎通が十分行なわれてなかった県もあるように聞いております。しかし、そういうこともございましたし、スクールゾーンをつくった地区はよかったのですけれども、つくってもらえなかった地区で、自分の地区もぜひつくってくれというような話も相当ございます。そういうことで秋の安全運動までに十分根回しをよくして、関係者が協力してできるような態勢をとるように強く指導しておりますので、今度はそういう問題が起こらないのではないかと思っております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 次にお尋ねしたい点は、これもやはり交通問題ですけれども、昨年までの交通事故の傾向ですね。これを見てみると、まあ安全設備がいろいろと整備されまして、それで人対車という事故が非常に少なくなってきている。その反面、スピードの出し過ぎであるとか、酔っぱらい運転だとか、その結果、車対車、車対物、こういう事故が多くなってきている。こういうデータが出ているわけですけれども、ところが、ことしに入りまして逆戻りして、いわゆる人対車、こういう事故が多くなってきておる。こういうことなんで、言うならば逆戻りであると、こういうことが言えるわけなんですけれども、これらについての原因あるいは今後の対策ですね、そういったものが必要になってくると思うのですね。こういう結果を踏まえた上で今後どうするかという問題、また逆戻りの状態が現出されてきておる。こういう傾向にあるわけですが、その点どういうふうに今後おやりになっていくか。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) 私どものあるいは先生にお渡しした資料が間違ってたのかよく存じませんが、私どもの資料ではそういう逆転の結果が出てきてなくて、人対車が昭和四十四年ごろは全体の構成率で三七・三%でございます。それが四十六年が三六・三%、四十七年の一月から八月まで三六・三%で同じ傾向が続いております。むしろ車の単独事故、自分でひっくり返る事故が四十四年に一七・六%であったのが、四十七年は一九%というふうに、むしろ棺おけ型の事故のほうがふえてきておるという傾向でございます。したがって、これは当然のことといえば当然のこと、自動車の普及が多くなればこういう傾向に一般的にはなると思います。と同時に、弱い道路利用者である人とか自転車を車がはねる、いわゆる走る凶器型の事故を減らす努力も少しずつ実りつつあるのではないかというふうに考えておる次第であります。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 先ほど子供の交通事故の問題ちょっとお尋ねしたわけですけれども、そのときにマイカーによる事故、そういったものが原因の一つとしてあげられました。そこで非常にマイカー族というものがふえてきて、したがって車もふえてくる。そのマイカー族がふえてくる、それを法的に規制するとかなんとかいうわけにいかぬだろう。そこでやはり何かチェックをしていくという、交通事故につながらないような。そのために、いわゆる車を購入する場合には車庫証明というのですか、こういったものを提出させる、まあこういうようなことになっているわけです。これが完全に実施されているのかどうか、この点がちょっと疑問であると思うのですがね。この点どういうふうにチェックされておるか、その点ひとつ。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) いま御指摘の自動車の保管場所の確保等に関する法律の運用の問題だと思いますが、これは御承知のように、車を新規登録をする、あるいは変更登録をする、あるいは移転登録をする場合に、使用の本拠の位置の変更に伴うときに限って陸運局長に車庫の、保管場所の証明を提出しなければならないと、こういうことになっております。これは自動車を保管するに適当なスペースと申しますか、場所があるということと、その場所を使用する権限を持っているということを証明するわけでございます。そういう制度によって保管場所法第三条に規定してございますように、自動車の保有者は必ず道路以外に保管場所を持たなければならないというその規定を担保するようにできており、現在政令で適用地域をきめるようになっておりますが、大体人口十万以上の市を基準として百三十四市に適用いたしております問題、これは巷間よくざる法ではないかということを言われるわけであります。確かにそういう面がございます。たとえば車庫証明をする場合に、登録時だけの証明をやる、そうして駐車場などと一月とか三月の契約をして登録が済んでしまったら解約してしまって、実質的な保管場所がなくなってしまったという場合、あるいは適用地域外に使用の本拠を移してしまった形にしてやっているというような、いわば脱法行為も行なわれておるように見受けられます。それに対して私どもとしましては、路上駐車——路上を保管場所としておる違反行為、あるいは長時間の駐車の違反行為として年間約六、七万件の取り締まりはやっておりますけれども、十分担保されていないという悩みがございます。そこで、先ほど先生がおっしゃいましたように、少なくともマイカーにしろ車を持つ場合は、道路外に保管場所を必ず持つという社会的責任を果たすべきであるというふうに私どもも考えております。それで現在関係省庁と検討中でございますが、適用範囲をすべての市と人口十万くらいの市の周辺の関連の町村くらいまでに拡げてはどうであろうかということで、そういう案で現在検討いたしております。これは多くの都道府県または市町村からも要望がございまして、適用範囲の拡大を考えろという御指示なり御要望なりが出ておりますのでやってみたいと思っております。と同時に、できれば次の通常国会までに保管場所の法律そのものをざる法でなくするような手当てをひとつしてみる、そういう方向で現在案を検討いたしております。いずれ関係省庁で意見がまとまり、成案ができ次第、また国会のほうに御審議をお願いしたいというふうに考えております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それでは沖繩の今度は問題についてお尋ねしてみたい。  最初に、交通問題がやっぱり主体なんですけれども、沖繩が復帰しまして約四カ月です。でその期間を踏まえて、いわゆる沖繩行政における問題点、と同時に、それらに対する今後の対策、まあ問題点といえば相当たくさんあると思います。その中で、特に今後この問題についてはこのあと対策を講じていかなければならぬだろう、こういう問題点についてひとつお聞かせ願いたい。

森岡敞自治大臣官房審議官

○説明員(森岡敞君) 沖繩が復帰いたしましてから御指摘のように相当の月数がたったわけでございます。私どもその後行財政調査などもいたし、また沖繩県あるいは市町村からの行政執行あるいは財政運営上の報告も適時適切に受けておるわけでございますが、現時点での地方自治行政の一番の問題は、昭和四十六年度からの繰り越し事業、これの実施に非常に事務能力がさかれておりまして、四十七年度の新たな建設事業につきましてはなかなか進捗が苦しいと、こういう状況になっているように見受けられます。そういうことでございますので、沖繩県政なり市町村の行政の運営上いま一番必要なことは、繰り越し事業を早く仕上げまして、新たな開発振興事業に積極的に取り組む体制を固めていく、これがまず第一ではないだろうかと、かように思います。  それから第二に財源の問題でございますが、地方交付税は八月決定いたしまして、県及び市町村に配分をいたしました。市町村につきましては、従来琉球政府が交付いたしておりました市町村交付税に比べますと格段の増額が行なわれました。まあ市町村といたしましては、それをささえにいたしまして、今後自主的に財政運営を行ない、地域振興をはかっていくという基盤ができてまいったと、かように私どもとしては見ております。なお、地方債でございますが、先国会で御説明いたしましたように、約百四十数億円の起債を予定しておるわけでございますが、これにつきましては、いま最初に申しました繰り越し事業の執行に実は若干追われているような面もございますので、予定いたしました起債ワク全部を消化できるかどうかはやや疑問に思っております。しかし、この分は四十八年度に消化して使えるような私どもとしては対策を考えていきたいと、かように考えているわけでございます。  大まかな現在の行財政の運営の状況は以上のとおりでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 まあいまのお話は、非常に大きな立場からのお話でありました。で、私は、その沖繩県民の毎日の生活の中で起きてくるいろいろな問題点、こういった点でまだまだ不備な点があるんじゃないか、こういう立場から、これまた交通問題をお尋ねをしてみたいと、こう思います。  先ほどお尋ねしたことと同じようなことになりますが、この夏の沖繩における交通事故死です。これは昨年に比べますと三倍増、二十一人ということ。で、やはりこの原因ですね。沖繩は、車はいわゆる右側通行、こういうことになっているわけですね。ですから、そういう状態の中で日本に返ってきて暫定時間三年間、これを三年間でまた直そうということなんですけれども、まあそういう中で、この条件はいろいろあると思いますけれども、いずれにしても、この交通事故というものが三倍にふえてきておるということ、どこにそういうふうにふえてきた原因があるんだろうか、こう私は思うわけです。その点をどういうふうにとらえておられるのか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) 私ども沖繩復帰後交通事故がふえるんではないかという心配をしてまいったわけでございます。いろいろ原因があろうと思います。幸いに、まあ発生件数や負傷者数は十数%ふえてきておりますけれども、死者数が実は七月までは減っておって、これはいいのかなという気持ちで見ておったわけです。ところが、仰せのように八月一カ月間だけでも十八人の人がなくなったということで、逆にいま現在では昨年に比べても九人ふえておるというような状況になっております。   〔委員長退席、理事寺本広作君着席〕  一つには、私ども心配しましたのは、占領下というきびしい体制の中で、しかもスピードは五十キロに最高速度が押えられておる、それから米軍の車両もパトロールしておるというような体制下であったのが、いわばそのきびしさがなくなって、米軍のパトロールもやらない、それにかわる十分な沖繩県警のほうの体制が必ずしもとれていないというような面もございます。しかしながら、どうも根本を見ますと、車両が急激にふえております。この車両の登録台数を見ますと、たとえば一月から五月くらいまでの間は毎月約千五百台ないし二千台しか増加していなかったのが、六月には約四千台、七月にも三千三百台ばかりということで、いままでのテンポの倍ばかりの車両の登録台数がふえてきている、復帰に伴って車が倍のテンポでどうもふえだしているのではないだろうか、どうもそういうことが基礎になっているのじゃないかという心配をいたしております。そういう取り締まりが若干弱体化してきている、車もふえてきているというような面。それから特に八月は内地から、本土から約四万五千人ばかりの人が行っている。観光ブームになってきている。昨年の夏は二万五千人ばかりですから、これも倍近くも行っている。幸い本土から行った人が加害者になったり被害者になっている者はございませんでしたけれども、やはり車の動きは激しくなっているのは事実だろうと思います。それで、私どもとしては何としても——まだ安全施設、これは道路管理者のほうも公安委員会のほうも両方でございますが、本土の各県に比べて悪うございます。これを急速に整備をしていくということと、できるだけ現行の体制の中で、交通の指導、取り締まりに多くの警察官を注入していくということをやってまいりたい。それから運転免許行政の面でも立ちおくれが相当見受けられますので、その辺も、免許行政を通じての運転者の安全教育の問題ももっと力を入れてやってまいりたい、このように考えています。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうすると、この三倍にふえた事故の中に、いまのお話ですと、これは全部が現地人である、こちらから、本土から行った観光客等には事故がなかった、こういうことですか。内訳はそういうことになるわけですね。現地人がすべてである、こういうことですね。いずれにしましても、現在は返還にはなったけれども車は右側を通っておる、これを是正するのに三年間の暫定期間がおいてある、当然沖繩もいまお話があったように急激に車がふえてきておる、こういうことなんで、将来は、また右側から今度は左側に、三年たてばそういうことになる。非常に、そういった点を見ますと条件としては本土よりもまだこの条件が悪い。行く行くはこういうことも考えられるわけです。そこで、やはり三年間の暫定期間においてどういうような指導訓練といいますか、それに切りかえ時の事故防止ですね、そのための対策というものが、また指導というものがどういうふうに行なわれてきておるのか、その点ひとつお聞かせ願いたいと思います。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) たとえば安全施設を取り上げてみました場合に、昭和四十六年六月三十日現在、昨年の六月三十日現在で信号機が沖繩に九十九基しかございません。しかし四十七年度予算で二十八基つける予定になっております。相当既存のストックから見れば大きな数だと思います。しかし、これでも十分じゃございません。それで、御承知のように現行の交通安全施設等整備五カ年計画には沖繩が入ってございませんでしたので、沖繩県につきましては昭和四十七年度、本年度以降の四カ年計画をつくりまして、四十八年、四十九年、五十年、この三カ年に相当数の交通安全施設を投入しまして、何とか沖繩を本土の大体類似県のレベルにまで持ち上げていくという努力をしたいと思っております。  それから、あと警察官につきましては、御承知の、現在の警察官をもっと有効に使っていくという体制だと思いますけれども、問題は、教育の面についてまだまだおくれている面もありますので、運転免許行政を通じたり、あるいは安全運転管理者という、事業ごとにございます管理者の組織を使ったり、あるいは教育当局と十分連絡をとって学校教育の面でも力を入れてまいりたい。そして何とか悪条件にある沖繩の条件をよくすると同時に、逆に人口当たりとか、車の台数当たりから見ますと、いままで沖繩は非常に交通事故の少ない県でございました、その伝統が受け継がれてそのまま定着できるような方向で努力をしてまいりたいと思っております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 いずれにしましても、いろんな点が徹底されてないという感が強いです。そこで、たとえば沖繩は車が主たる交通機関である、こういうことですね。Uターンをする場合でも、とても東京都内では考えられないようなUターンのしかたをするというようなことですね。あるいはまた、そういったことに対する標識の問題だとか、そういったものが非常にまだまだ整備されてない、こういうことのようです。ですから、その点をやはりいたずらにきびしい規制ということは、これはどうかと思うけれども、やはり当然やらなくちゃならないそういう規制、これは早急にやっぱりやっていく必要がある。その辺の手の打ち方が非常にまだ手ぬるいという、こういう感じがいたします。また夜間なんかは、   〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕 夜間の事故を防ぐために水銀灯をつける、こういう水銀灯についても非常に数が少ないということ、そういった面の整備、いろいろあると思いますね。そういったいろいろな規制なり整備しなければならない問題がたくさんあると思います。いまもお話があったのですけれども、教育の問題とかという問題がありましたけれども、そういった実際に教育なら教育を、それらに対する教育をやっていく機関というものの整備充実、これが早急にできるのかどうか、これも一つの問題点だろう、こう思うわけでございます。その点どうですか。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) まだ本土の各県に比べて立ちおくれが強いと思います。本土の各県は御承知のように県知事部局に、総合的な交通安全対策を考える部局が県庁の中にございます。沖繩の場合にはいままでございませんでして、やっとそれができ始めた。したがって警察とか、道路だとか、教育だとか、陸運行政だとか、そういうものの総合的な調整がまだ十分行なわれていない面があろうと思います。私どもとしましては、当面まず交通の問題だということで沖繩県の公安委員会とも十分協議をしまして、県警本部の交通部長と交通企画課長に本土から人を出しまして、沖繩県警の幹部の中では交通部長と交通企画課長だけが本土から派遣された人になっております。そういうことで交通事故を抑制するため、また交通の、警察の体制を十分とると同時に、関係機関の連絡をよくするような配慮ができるような人的な措置を十分とったつもりでございますので、もうしばらく時間をかしていただければよくなってまいるんではないかと思っております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 また問題は別なんですけれども、いま嘉手納飛行場ですね、この中にナンバープレートのついていない車が走っているわけです。これは常識で判断しろということにもなるかもしれませんけれども、実際にナンバープレートをつけていない車が県内をあるいは市内を走ることができるのかどうかという問題、この点はどうですか。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) 御承知のように、米軍の公用車両につきましては、道路運送車両法の十九条に規定します自動車登録番号標などの表示義務は適用が除外されております。しかしながら、地位協定の十条二項によりまして、その車両には、合衆国軍隊または軍属用の公用車両であることを容易に識別できるような明確な番号標または個別記号をつけなければならないということになっております。現に、現在嘉手納基地に所属しております米軍車両には、前後のバンパーに陸・海・空軍の部隊名を表示するかしら文字の略語、たとえばUSAF——ユナイテッド・ステート・エアフォースのかしら文字をとって、そうして番号を書くということをやっておるようでございます。現在そういうことで、全部ついているはずなんですが、ただ車が来たばかりで、まだナンバーリングをしていない車が若干嘉手納基地の中にはあるようでございます。しかし、そういう車はナンバーがつくまで絶対に外に出さないという方針で米軍もやっているようでございますから、出ていってはいないんではないかと思います。かりに出ていっているようなことが万一あるとすれば、十分注意をして標識を明確につけるように米軍のほうに話をしたい、そのように思っております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 現在、嘉手納飛行場とそれから知花弾薬庫、この間に県道がある、その県道をナンバープレートをつけていない車が行き来をしている、こういう問題があるわけです。そういった問題を、わずかな期間じゃないかということを言われるかもしれないけれども、たとえわずかな期間であっても、実際に法の上からいって、ナンバープレートをつけていない車が県道を横切る、たとえ横切るといってもそれは通るわけですから、そういったことが許されるのかどうか。また今後そういった問題についてはどういうふうにそれに対処していくのか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思うのですが。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) いま御説明いたしましたように、車両法の適用はございませんけれども、地位協定によってそれにかわる識別番号をつけるようになっておりますので、道路上を通行する場合には必ず識別番号をつけた車を使うよう米軍のほうに十分注意をしたい、そのように思っております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 専売公社の方来ていらっしゃいますか。まず、沖繩県と本土との販売店の申請ですね、この販売店の申請によっての許認可、この違いですね、この点についてひとつお聞かせ願いたい。

三角拓平日本専売公社総務理事

○説明員(三角拓平君) お答えをいたします。  復帰直前の状態から御説明をしてお答えをいたしたいと思いますけれども、復帰前におきましては、沖繩のたばこ販売というものは沖繩政府下の税務署の免許制によってやっておったわけでありますが、実態的にはかなり多い店がございます。数字を申し上げますと約一万九千、沖繩の人口を九十七万というふうに仮定いたしますと、五十人に一店というような数字でございます。本土のほうはどうかといいますと、四百九十人に一店ということで、かなりな数になっているわけであります。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 四百九十人に一店ですね。

三角拓平日本専売公社総務理事

○説明員(三角拓平君) はい。四百九十人に一店ということでございます。  それで、そういうような実態がございましたので、復帰にあたりましては国会において御承認をいただいた法律がございます。沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律、これと、沖繩の復帰に伴う国税関係以外の大蔵省関係法令の適用の特別措置等に関する政令というものが出されております。この趣旨は、復帰前にそういう販売店があった実態を踏まえまして、流通の混乱なり、小売り店あるいは業者の不安を解消するという見地から、大体実態に即したような小売り店なりを認めてまいっておるわけであります。もちろん復帰時に販売店であった者は、たばこ専売法によって指定を受けた小売り人としてみなされております。同時に、小売り人間の取引あるいは卸売り人からの仕入れ、そういうものも認めてまいっておるわけであります。そういうことでございますので、新しく小売り店を指定をする上におきましては、いま申し上げましたような実態を踏まえまして、直ちに本土の基準を適用するのは不適当ではないかということで対処をいたしております。  そこで、本土と異なる点を申し上げますと、本土におきましては環境区分に従いまして距離の基準がございます。で、その距離の基準につきましては、これは基準を設けないということにいたしております。  それからもう一点、取り扱い高の基準がございますが、これは本土であれば等地別にきまっているわけでございますけれども、いま申し上げましたように、小売り人間の取引あるいは卸売り人からの仕入れというものが認められておりますので、この取り扱い基準につきましても適用をしないということになっております。ただ災害等特別な事情がございましたときには、公社から直接小売り店が仕入れる場合がございますが、その場合は一カ月二ケースというような基準がございますけれども、これは指定についての必ずしもの条件ではございません。したがいまして、取り扱い高基準については特に基準を設けてございません。  以上でございますが、ただ卸売り人の承認基準を設けてございますが、それを簡単に申し上げますと、一つは、小売り人の経験が一年以上であるということ。それから取り扱い予定高が一カ月百ケース以上であること。これは本数に直しますと百万本以上ということであります。それから三番目に、資産、信用が卸売り人として適当であること。それから四番目に、営業所の位置、構造が卸売り人として適当であること。こういうような条件になっております。  以上でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうしますと、いまお話のありましたような条件ですね、その条件にひっかかってどれだけか減るという可能性はあるわけですね。たとえば、一年以上たっている者でなければならないというような条件があるわけですね。そうすると、現在幾らですか、現在一万九千ですかね、一万九千。それからどれだけか減るであろうというふうにも考えられますね。その点はどのくらい減るというふうに考えますか。

三角拓平日本専売公社総務理事

○説明員(三角拓平君) お答えをいたします。  いまのお話は、ちょっと先生の把握違いであろうと思いますけれども、一万九千と申し上げましたのは、一般の消費者にたばこを売っている小売り店であります。卸売り人といいますのは、もちろん一般小売り人としてお客さんに売ることもできますけれども、小売り店に仕入れをさせておるということでございます。ですから、必ずしも減るというようなことにはならないと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 では、お話ありましたように、一万九千、これは人数からいいますと五十人に一店であると。内地の場合には四百九十人に対して一店だと、非常に販売店が多いということですか。これはいままでのアメリカ施政権下にあっていろんな事情があった、それでそういう状態できたものである。これはやっぱり生活権の問題とかいろいろあると思いますね。ですから、これを早急に本土並みにするということになりますと非常に無理が出てくる。いろいろそういった事情はわかります。そうしますと、この状態で今後もやっていくのだと、こういうことになると思うのですね。そうすると、あまり小売り店が多過ぎて、そこに混乱というか弊害というか、そういうものが起きてくる可能性というか、そういうものがないのですか、あるのですか。その点どういうふうに考えていらっしゃいますか。

三角拓平日本専売公社総務理事

○説明員(三角拓平君) お答えをいたします。  先生が御指摘のとおり、そういう心配は多分にあると思います。ただ、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、復帰前の実態、それから復帰時にあたっての処置がいろいろとられたわけでありますけれども、復帰と同時に本土並みにするということについては、従前の小売り店の不安なりお客さんの利便、そういうことを考えますと、軽々にはできないと思いますが、やはり流通の実態なりその動向を見きわめながら慎重に対処をいたしたいと思います。  まあ、ついででございますけれども、沖繩におけるたばこの販売につきましては、どちらかといいますと、専売制をしいたばかりでございますので、専売制についての認識あるいは定価制についての認識、そういうものがまだ不徹底でございます。そういう点については今後十分注意をしながら万全を期してまいりたいと思います。いずれにいたしましても、急激にどうこうということよりは、むしろ実態を見詰めながら、できるだけいい方向に努力をしてまいりたい、こういうふうに思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 その考え方よくわかります。それで、いわゆる専売制についての認識がまだ足りないための混乱、こういうものは確かにあると思います。で、とにかくアメリカの施政権下にあったときには、たばこは、これは専売ではない、こういう考え方、それが専売になったわけですから、そこに当然いままで味わわなかった一つの何というか規制、こういうものがあるわけでしてね。そこで、これは一例でございますが、たとえばコザ市のある販売店でハイライト——ハイライトは一個八十円だ、それを百円で売っておる、こういう事実がある。こういった問題は、これはいわゆるいまおっしゃった専売制に対しての認識が足りないということだろう、悪意ではないだろうと思う。しかし、悪意ではないけれども、観光客にしても、あるいは、それでなくても沖繩の物価高なんというものはこれはたいへんなものです。いろんな面で沖繩の県民というものは苦しんでいると思います。そういう中で、いわゆる専売制の認識が足りないからやむを得ないのだというわけにはいかぬ。あらゆるものを、物価については、少なくとも政府が取り扱うものについて、やっぱりこれは的確を期さなきゃならぬ、私はこう思う。そういう立場から、このコザ市における、八十円のハイライトが百円であるという、これは直ちに調査もし、それは指導していかなきゃならない、こう思いますけれども、この点ひとつ。

三角拓平日本専売公社総務理事

○説明員(三角拓平君) 先生お話の点、やはりそういう事例があるんではないかということを心配をいたしております。で、ただ、まあ言いわけになるかとも思いますけれども、事情を御説明をさしていただきますと、やはり先ほども申し上げましたように、復帰前の販売店といいますのは、琉球政府のたばこ消費税法による免許制でございました。したがいまして、その末端価格につきましては業者の協定価格だけがあったわけでございます。したがって、価格についての法的な規制はなかったのでございますが、特に料飲食店等におきましては協定価格にサービス料を加えなどいたしまして、市中価格より高く販売されるというような慣行があったわけでございます。一方、沖繩の復帰に伴いまして、復帰時点で合法的であったたばこにつきましては定価制を適用をいたしておりません。で、過渡的に、定価制を適用しないたばこと、それから私どもが供給している定価制を実施をしておるたばこと両方が流通をしたのでございます。そういうこともありまして、あるいは先生御指摘のような事例があったかと思いますけれども、復帰時に持っておりましたところの自由なたばこにつきましては、そろそろ在庫がなくなってまいっております。これからは定価制を守るべきたばこが出回ってくるという事態になろうかと思いますが、先ほどもお話し申し上げましたように、専売制なりそれから定価制というものについては、一般のお客さんだけでなく、販売店のほうについても十二分認識されていないというのが実態でございます。したがいまして、私どもといたしましては、この時点で専売法を厳格に適用するというようなことについては多少いかがかと思いますので、これについては慎重を期しまして、専売制なり定価制の維持についてのPRと申しますか、周知徹底と申しますか、当分の間そういうことをやりまして定価制を維持するように十分つとめたい。一方小売り店に対しましては、問題がありますればやはり個別的な指導というもので逐次徹底をさしてまいりたい、こういうふうに思います。もちろん悪質な事犯、たとえて申しますと組織的な密貿易、そういうものについては厳重に取り締まってまいりたいと、こう思っておりますが、まあ結論的に見ますれば、まだ復帰直後でございますので、そういういろんな手段を使いまして定価制の維持、専売制の認識というものを周知徹底いたしまして、できるだけ早くお客さんに迷惑のかからないような処置をとりたい、こう思っております。  以上でございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 先ほど杉原委員からもいろいろ地方自治体の問題について御質問がありましたが、私もきょうは地方公営企業の中の交通事業の問題について二、三御質問をしてみたいと思います。  昭和二十七年の八月に地方公営企業法という法律ができましてから、水道や軌道やあるいは自動車事業が独立採算制をとることになりました。それ以来モータリゼーションの発達や何かによって企業の環境がたいへん悪化してまいりまして、特に交通事業の悪化がひどくなって、最近では財政赤字が非常に大きくなってきている。この間、神戸市の交通局のほうからも御説明をいただいたわけですけれども、今年度の予算が組めない、こういうことでたいへん困惑をしていたようでございます。これは神戸市だけではなくて、六大都市においてもこの交通事業は相当どこでも赤字を出していて、たいへん困っているような状態でございますけれども、これに対して自治省としてはどういうふうに対処していかれるか、それを御質問したいと思います。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○説明員(三ツ林弥太郎君) お答えいたします。  お話のように、最近における路面渋滞等による企業環境の悪化、毎年大幅の給与改定による人件費の増大、料金適正化のおくれ等により公営バス事業の経営収支は著しく悪化しており、昭和四十六年度末の不良債務は、公営三十九事業で七百四十七億円、料金収入の一・一倍、六大都市で六百二十八億円、料金収入の一・六倍に達しております。このため自治大臣の私的諮問機関として公営交通問題研究会を設け、バス事業を含めた公営交通事業の抜本的な経営改善方策について、四十八年度国庫予算を目途として調査研究を進めているところであります。当面、公営バス事業の経営改善のため、バス路線の再編整備、ワンマン化の推進等の経営合理化、料金の適正化を進めるとともに、バス優先及び専用レーン等の拡大により企業環境の改善をはかるよう努力する所存であります。なお、四十八年度国庫予算については、バス事業を含めた公営交通事業対策として概算要求を行なっているところでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 そういうようなことは、大体私どももそうしなくちゃいけないだろうと、こういうふうには思っているわけですけれども、安易にバス代を値上げしたり、あるいは交通料金を値上げすることは、再三物価のほうでも問題になったり、地方行政委員会でも一度問題になったわけですけれども、値上げをすれば、またこれは物価騰貴にはね返るということがあり、私は安易にバス料金や軌道料金を値上げすることは多少問題があろうかと思います。で、その中でバス料金もだいぶ値上げの時期がずれてしまった、こういうことでさらに赤字が大きくなっているようではございますけれども、しかし、これの抜本対策というものは一体どうすべきか。いま公営交通問題の審議会ですか、これを設置されてこれに取り組まれると、こういう話ですが、それはまだ審議会は開いておられませんか、もう開かれたのでしょうか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○説明員(森岡敞君) ただいま政務次官から申し上げました公営交通問題研究会でございますが、自治大臣の諮問機関として委嘱をいたしまして、第六回まで御審議を願いました。現在のスケジュールは、できますれば十月末、おそくなりましても十一月初めには御答申と申しますか御報告をいただきまして、それに基づいて、先ほど御説明いたしました抜本対策及びそれに関連する国に対する財政措置を含めた予算要求をしてまいりたいと、かように思っておるわけでございます。基本的には、いま御指摘のありました料金問題も含めました今後の都市交通の健全化の方策をどのように措置してまいるかということを中心に御検討いただいておるわけでございます。しかし、その公営交通問題は、さらに根底には、都市の交通体系をどうするのか。現在、民営あるいは国鉄、営団というふうに各般の交通経営主体がございます。また交通機関といたしまして、一部の路面電車、地下鉄あるいは高速鉄道、それからバス、さらにはタクシーというふうな各種の交通の手段の種類もあるわけでございます。それらの経営主体ないしは交通手段の種類、機能分担と申しますか、そういうものを一体どのように合理的に考えていくのかという根本問題に触れてまいります。そういう意味では非常に広範かつむずかしい問題でございます。そういう長期的な基本問題も含めまして御検討いただいているわけでございまするが、さしあたりは、やはりいま政務次官から御説明申し上げました累積赤字の解消を含めた健全化対策というものをこの際早急に御報告をお願いしたい、かように考えておるところでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 その諮問機関ですね、審議会ですか、これはほんとうに力を入れてやっていただきませんと、いまお話しのとおり、ずいぶんいろいろな根本的な問題があろうかと思います。それは高度成長によるひずみと申しますか、いままで大都市圏に産業と人口が集中してきた、こういうようなこともあって、大都市周辺はもう何か無秩序といいますか無制限といいますか、そういったような人口が移動してきたり、あるいは職場と住宅の距離がだんだん遠くなったとか、あるいは通勤通学の膨大な輸送量が要求されるようになったとか、こういうふうなことの中でさらに自動車がずいぶんふえてまいりましたね。そうして道路容量を完全にもうオーバーしてしまった。そういうところで、大都市では大半、いわゆる路面電車、これを廃止して、自動車やタクシーが走りやすいようにはしているのですけれども、しかし、今度そうなりますと交通渋滞におちいる。こういうことで路面電車がなくなったからそれではバスで通勤通学しようかと、こうなるとバスの速度が非常におそくなってしまう。もうバスも慢性的な何といいますか速度制限、速度を非常に落としてしまう。こういうことで、そうするとますます今度はタクシーを利用しようか、自家用車を持っていこうかというようなことになってしまいまして、さらにさらに大都市交通は行き詰まってしまっているわけですね。これは私いま神戸市の問題を多少申し上げたわけですけれども、神戸市だけではなくて大都市全部がそうなっているというような感じがいたします。そうして、いまワンマンカーの話も出ましたけれども、ワンマンカーにしても、人件費は相当減ったのかどうかは知りませんけれども、とにかくバスの優先レーンですか、そういったようなものもつくらなくてはならないかと思いますけれども、その優先レーンをいまからつくるにしても、神戸市の場合にいまちょびっとだけ優先レーンというものをつくったのですが、それをするだけでももう二千万のお金が飛んだ。神戸という町はたいへん西と東に長い町で、南は海だし北は山だしというような点もありまして、この優先レーンをつくるのに、今後全部しようと思うと、やはりこれでも数億かかる。いまですら相当の赤字をかかえているのに、この優先レーンをつくろうと思えばまた数億かかるということになると、もうそれにもお手あげの状態だということで、もうとにかく四十八年度の予算が組めないということで非常に困っているようでございます。それですから、この審議会では十月末ないしは十一月の初めに答申が出るようですけれども、ほんとうに心してこの抜本対策をつくってもらわなければならないと思いますし、またそのように持っていく責任が政府にあると思います。ひとつこれを本腰を入れてやっていただきたいと思います。  そこで私、多少決算を調べた資料をいただいてまいったわけですけれども、六大都市で全部合計しますと、単年度の赤字が三百六十四億九千万円、それからいままでの累積欠損金ですね、これが千七百五十六億二千八百万円、その中で不良債務といいますか——その中でなくて、これは別個だと思いますけれども、いわゆる焦げつきといいますか、不良債務というのが千三百二十三億、まあこういうようなことを聞きますと、ほんとうに六大都市でも来年度の予算が組めないだろう、こういうふうに思いますときに、これはさりとて公営交通事業が手をあげてしまったら、住民や通勤者あるいは学生、そういったものはさらに困ってしまうわけですから、これには私はやはり財政補助あるいは新しく高速軌道ですね、地下鉄、そういったようなものも充実をしていかなければならないと思いますけれども、そういった面における補助率の引き上げですね、あるいは起債、利子補給、そうしてさらに国鉄財政再建に見合ったような財政再建を地方の公営交通事業にも私はこれは自治省として取り組んでいかなければならないのではないかと思います。おそらく自治省のほうにも地方自治体からそういったような面でいろいろ要望が来ているかと思います。私のところにも送ってきたんですから、おそらく自治省のほうにも行っていると思いますが、その点で特に神戸市の場合は、どうしてももう地上交通が麻痺してしまうし、先ほど言いましたようなバスの優先レーンをつくろうとしても、もう数億かかるということで、自治省のほうのお許しもいただいて地下鉄いまつくることにしているわけです。そこで、その地下鉄に対する補助率ですね、これをぜひ実質三分の二にしてほしい、こういうふうな要求が出ているのですが、いままでの補助金は、工事を施行した翌年度から八カ年間の分割補助ということになっておるのですね。これは運輸省のほうですか、自治省のほうでよろしいですか、八年間の分割補助になっておる。これでは交通渋滞を解消するために地下鉄を建設しようと思っても、こんなことでは建設利子にも満たないので、これではとうてい、いまの状態では地下鉄を建設するわけにもいかない。こういうふうなことでございますけれども、まず初めに、高速鉄道を建設するのに対しての国の補助率を実質三分の二にするわけにはいかないのか、その点をお尋ねしたいと思います。

森岡敞自治大臣官房審議官

○説明員(森岡敞君) ただいま御指摘のありました事項が、現在公営交通問題研究会で真剣に御討議を願っております事項でございます。まだ結論を得ていませんので、先ばしって申し上げることは、ややいかがかと思いますが、私どもといたしましては、先ほど御指摘のありました千三百二十三億円、昭和四十六年度末の公営交通事業の不良債務総額でございますが、その内訳を見てみますと、路面電車が二百三十六億円、バス関係が六百二十六億円、地下鉄が四百六十二億円というような内訳になっております。  そこで、まず路面電車、地下鉄、バスの今後のあり方でございますけれども、路面電車につきましては、やはりいまの交通状況、道路状況から申しまして、御指摘のように撤去をしてまいるということはやむを得ないと思います。ただ、京都市のように、立地条件なり市の都市構造が他の指定都市とかなり異なります、そういう都市におきましては五割程度残すという計画になっております。その他につきましてはおおむね撤去してまいる、その上で地下鉄を基幹的な交通施設とし、バスを補完的な交通手段として用いる、こういう考え方でまいりたいと思います。その場合に、地下鉄につきましては非常に膨大な建設投資を必要といたしますので、その経営収支のバランスは長期間でとってまいると、こういうことにならざるを得ないと思います。したがいまして、累積の不良債務に対する処理につきましても、地下鉄とバスなり路面電車とでは違った考え方をとってまいりたい、かように思っております。  そこで、地下鉄につきましては、いま御指摘の現在実質三八・二五%の補助になっておりますが、それを拡大する方向でぜひ御検討をお願いしたいということで御審議を願っておるわけでございます。それからバスなり路面電車の累積債務につきましては、これは現在の財政再建計画では、経費の節約あるいは料金の適正化、それから経営努力等を通じまして、バス事業である程度収益を得て、それでもって不良債務を償還してまいる。ただ、全部を償還してまいることは困難でございますので、一部国の利子補給、三分五厘をこえる部分につきましては利子補給を得ておったわけでございます。しかし、再建計画が四十一年度発足いたしました後、交通事情は非常に大幅に変化を来たしてまいりました。おそらく現時点では、将来バスの収益をもって過去の不良債務を支払っていくということはなかなか困難な状況になっていると思います。そういう意味合いで、累積不良債務についての何らかの財政措置を含めた解消計画というものを新たに立てなければならない、かように考えておるわけでございます。国鉄財政再建計画に見合ったような抜本策をという御指摘でございました。そういう点を中心にいたしまして、私どもといたしましては、ぜひ公営交通の健全化を抜本的にはかるための対策を、御答申を得て、来年度予算で実現してまいりたい、かように思っております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 神戸市でも不良債務の解消のために相当な努力をしているようです。たとえば、あそこに摩耶山という山がありますけれども、摩耶山の一部を売り払ってみたり、いろんな対策を立てながらこれを解消することに一生懸命になっておりますけれども、先日聞いたところでは、昭和四十一年度末の不良債務というのが四十七億円だった。ところが今年度——いろいろ第一次、第二次、第三次、第四次と不良債務を消すために計画を変更してきたけれども、人件費の増高だの、国からの援助があまり進まなかったり、それから地方自治体自身がもう相当な赤字を出しておりますね。昭和四十六年度で百十一億ですかしらの累積赤字を出しているわけです。そういうようなことで、資産の処分をしたり、いろんなことをしますけれども、当初の計画が百五十三億ですか、その不良債務を消すために百五十三億という予算を計上してみたんですけれども、四十八年度の予算を立てようと思ったら、その約倍くらいの赤字になってしまった。第四次までの計画を変えてみたけれども、なおかつ赤字が消えるどころか、倍ぐらいの赤になってしまった。こういうことで、いかに財政再建がむずかしいかということがここにあらわれているわけですけれども、ひとつほんとうに真剣になってこの問題に取り組んでいただかなければたいへんなことになるんじゃないか。もうお手あげですといって、予算も組めませんということで、そのままほうっておくわけにはいきませんので、ひとつほんとうに公営交通事業のために努力をしていただきたい、このように思うわけでございます。  大臣がお見えになりましたので——これはまた初めから順番を追ってやられるわけですか、よろしゅうございますか。——それでは杉原委員も大臣に御質問をする通告をしていらっしゃると思いますので、いまわずかの質問をしたわけですけれども、大臣に、いま政務次官からもお答えがありましたけれども、今後の公営交通事業の対策、これをほんとうに抜本的にやっていただくために国鉄並みの財政援助をやってほしい、こういうふうに地方自治体は言っているわけですね。国鉄再建のために八千億円の赤字を何年間で解消する、こういうふうに言っているわけです。地方公営交通事業、これもそれは国鉄並みの援助をやってほしい。しきりにそのことを言ってきているわけですけれども、この点について大臣のお答えをひとつお願いを申し上げたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ただいまのいわゆる公営企業、特に交通関係の問題でございますが、これはもうお説のとおりでございまして、事情が非常に急迫をしておることは、自治省においてもその内容は十分認識をいたしておるところでございまして、しからばこの問題をいかようにして解決したらよいかということについては、ただいま調査会において真剣に取り組んでいただいております。その答申を待ちまして、答申の内容が不足をしておれば、場合によってはそれを補ってでもやはりわれわれとしては何とかこの問題を解決しなければいけない。もう都市においては、特にこれが住民の一番大きな悩みの種であると、かように考えておりますので、まあ具体的な問題はございますが、一般的な考え方としては、何としてもこれは解決するように骨を折りたい、かように考えておる次第でございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 ひとつほんとうにやっていただきたいと思います。  それから今度は、それと反対に、いまは大都市の過密交通のことなんですけれども、今度は過疎のほうの交通問題、これもまた過密と同じように大きな問題だと思うのです。で、この間もあるところに参りましたら、たいへん過疎になってしまったところでは、バスまでが赤字を出すので、そのバスも廃止の方向に向かっている。そうすると、農家だのいろいろなところで、一軒の家で一台の自動車しかないところでは、だれかがそれに乗っていってしまうと、あと急病人が出ても、急用ができても、買いものに行くのでも、足がないというのです。一体過疎の足をどうしてくれるか、こういうふうな御質問をいただいたわけですが、この点について大臣はどうお考えになられますか。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ただいま御指摘をいただきました過疎地帯のバスの問題、これは私などの郷里におきましても、これはしばしば起きておるのでございまして、まあ営業の点からいえば、相当の人数の人が乗ってもらわなければならない。ところが、非常に辺地であったり、交通関係の密集部落のないところにバスなどを運行しておる、あるいはいままで密集部落であっても、だんだん人がいなくなってしまって営業が成りたたなくなる。こういうような場合がいろいろございます。これについては、ものによっては運輸関係からの補助をある程度考えてみたりすることもございますし、われわれとしても、その面については交付税その他でやっておるものにおいて配慮をいたしまして、それを存続するようなくふうはいたしておりますが、しかし、こういうものを最後までそんなに長く、みすみすそういうことがわかっているのにやるというわけにはいきません。そうなるというと、非常に少ない、もう五軒や十軒ぐらいのところならば、里のほうにおりてきてもらうというか、都市に近いところに移動をしてもらうとか、そういうふうなくふうでもしなければ抜本的な解決にはならないかと思っておるのであります。いずれにしても、しかし一人一人の生活をおびやかさないように、そういうおびやかすような原因があるときには、何かやはりあたたかい心で問題を処理していくことのわれわれとしては義務がある。国民一人一人の生活を守るというか、また自治体自体もそういう考えでやっておられるわけですから、そういうことをしておられる自治体に対しては、またあたたかい気持ちで自治省としても対策を立てていかなければなりませんが、これも実は悩みの種の一つでございます。それは先生のほうが事情はよくおわかりかと思いますが、まあまあ何とか……。しかし、そういうお気の毒な人が一人でも少なくなるようにするという考え方でいろいろの施策をして問題の解決に当たりたいと、かように考えておるわけでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 先ほどから実は日本列島改造論の問題がいろいろここで議論されたんですが、いま、そういったような過疎地域と、田中総理の言われる日本列島改造論、これのかみ合わせを大臣はどういうふうにお考えになっておられますか。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私は、この日本列島改造論の中には二つの問題があると実は考えておるわけです。すなわち、工業化——工業をある一定の都市を中心にしたようなところへ移して、非常に過密になっている都市の住民の公害をなくすると、あるいはそこに一つの福利施設をつくるというようなものの考え方をすることが一つでございます。それと同時に、人の非常に少なくなっているようなところでも、うまく利用するくふうがあれば、それを利用するというか、うまく活用するということもまた一つの日本列島改造論の大きな趣旨であろうと私は思っておるのでございまして、実はきのうも総理が知事会議におきまして、各府県知事に対して、日本列島改造論は、国としては、こういうようなことをしてもらえば、こういうような補助とかこういう援護はするということなんで、その地域地域がどういうことをされるかということは一番知事さんが知っておられるはずなんだから、知事が一つのプランをつくらなければいけない。そのプランについて中央が大いにこれを、たとえば一つの考え方としては、二十五万というような都市を一つの単位としてものを考えるということもあるけれども、しかし、それだけで県全体の地域をおおってしまうわけにはいかないと思う。そうすると、それ以外のところで、いろいろなたくさんの地域が残っておる。そういうところは今度はこういうふうにするんだと、今後十年の間にはこういうふうに発展をさしていくんだとか、あれをするんだとかいうようなことを考えてもらうということも非常に大事なことです。また、これに対して私は手を打つべきだと思っております。それがほんとうの意味でうまく利用するということなんで、二十五万都市中心だけでものごとの解決が私はするとは思っておりません。それではそこにまた一つの公害が、あるいは場合によっては、やり方いかんでは起こることもあり得るので、全体として問題を考えていく。そうなりますというと、地域と人口との関係、そういうものも一つの大きな基礎になるだろうと思っておるのであります。私は、北海道開発庁長官も兼ねておりますので、実は北海道あたりにもそれをどういうふうにするかという一つのマスタープランをまずもってつくりなさいと。それは北海道において、苫小牧というようなところに工業地帯をつくるというような、あるいはまた石狩の地帯において一つの工業地帯といいますか、つくると、そういうことはあると思うんです。しかし、そうでない非常に過疎のところについては何もプランがないというのではいけないじゃないかと、そういうところにも全部プランをつくって、それはすぐにはいかないまでも、今後十年なら十年、十三年なら十二年の間にはこういうふうにするんだというプランをつくったらどうか。そうすると、そのプランによって国としては思い切った施策を——それはなるほどいいプランである、なるほどとわかれば思い切った私は補助をする、こういうこと。補助というか施策をしてやると、こういうことをするのが日本列島改造論ではないかと。一つの考え方として、二十五万都市というようなものが出てきておるが、それだけで日本列島改造ができるとは私は考えておらないわけでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 最後に、それじゃいまの過疎の問題、締めくくったようなかっこうで、いまのお話たいへんけっこうだと思います。それならば私どもは、知事なりあるいは市町村長にいろいろな注文をこっちからつけていきたい、こういうふうに思っておりますが、それまでたとえ十年、十三年かかるということになれば、それまでに、いま過疎に住んでおる人たちが早急にこの足の問題で解決はできない。こうなってまいりますので、そこで一つの提案でございますけれども、何もそういった過疎のところに大型のバスを走らしてもらう必要もなかろうかと思いますね。乗り手が少なければ当然赤字になるわけですから、マイクロバスのようなものでもよろしいからそういうところを走らしてもらう。しかし、そのマイクロバスもお客さんが三人か五人しか乗らないのに時間をきめて走ってもらうのでは、これもまたお困りになるだろうと思います。そこで私は、こういう過疎のところをマイクロバスという小さなやつを走らせるのには、電話をかければバスが来てくれる。こういうふうなことで、その地域の人も連絡を密にしなければいけないわけですければも、そういうようなことをひとつ考えてみたらどうだろうか。どっかでこういうことをやっておるという話を聞いたわけですけれども、用事のある方は、その日の大体何時ごろにバスのほうに電話をすれば——だれがこうやって、どこそこに行きますからと。それじゃ午後からじゃなくても、そのような時間にそのバスを利用してください、こういうような連絡をしてくださるならば、そういう過疎の人たちが足の問題で非常に切実な声として私どもに訴えられるわけですから、何とかそういうふうな具体的な方策を立てていただいて、ただ、あたたかい心でこうするのだの、これからどうするのだというようなことではなくて、そういった具体的な方策を講じながら、いまの大臣のおっしゃったような、将来の日本列島改造論ではなくて、いま現実の問題にそういったものを少し考えてみていただけたらたいへん過疎の人たちも喜ばれるのではなかろうか。それはいま私が申し上げたのは思いつきみたいな一例でございますけれども、いろいろやはり考え方はあろうかと思いますのでね、その辺でひとつ過疎の問題もよろしくお願いを申し上げたいと思います。  これで私の質問を終わりますが、お答えをひとつ。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) いまの御提案は非常におもしろいと思いますが、ただ問題は、通信機関の問題、通信があれしていればそれができるわけで、その場合は、何も一人しか動かない場合には小さい車でもいいわけなんですから、そうしてそれを何度動かしたかということくらいは大体みんな計算が出るわけですね。その計算の集計がうまくいくならば、ごまかされては困りますけれども、集計が出れば、それについてある程度の補助をするとかなんとかというようなことは町とか村でやれるはずじゃないか、それだけ経費がかかったからそのめんどうは少し特交で見てくれとかなんとかいうことになれば、これは考え得る方法だと思うので、まあひとついまのおことばをそのまま生かして勉強さしていただきたいと思います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 先ほど、大臣もおいでにならないので、政務次官を中心として昭和四十八年度予算の概算要求について質問をしましたが、特にその中で、地方財政の危機という認識にぼくらは立っておるわけですが、それに対する対応のしかたが予算要求の中でどう実現しておるかということなど、概算要求の俗な表現をすれば目玉商品は何だということをやりとりしておりましたが、そういう中で若干明確を欠いたきらいがあると判断することは、いまも出ました日本列島改造論の中で出てくる新二十五万都市の建設の問題です。これはこの本の中で、著述の中では明確に新二十五万都市建設と。だんだんよく読んでいくと、しり抜けになっているわけですけれども、これは例によって例のごとしだと思いますが、しかし、新聞、マスコミの皆さんも、またわれわれも、二十五万というところに飛びつく。そこで、そのことについて先ほどやりとりしておりますと、だんだんと話がぼけてきまして、それは通産は通産、建設は建設、自治省は自治省、こういう話になりまして、ますますもってこれからあとが心配になってくるわけです。だから、大臣にあえてその点明確に答弁をいただきたいのですが、この改造論の訴えている二十五万都市の構想で自治省も取り組まれるのかどうか。いやちょっと待て、それは通産は工業再配置の問題を中心として工業都市建設ということで六十ないし八十の都市構想を考えている、建設は先ごろ仙台で建設大臣が八十ほど考えているという談話を発表しているわけです。自治省は、実はそうじゃないんだ、通産の考え方とは違うという答弁があったりして、実に混乱をしているわけです。私としても、新聞にもありますとおり、建設、通産、自治省一つになって一つの路線を明確に早急に出してもらわないと、批判するわれわれの側も、要求するわれわれの側も戸惑いをするわけですね。これは建設へ行って話をすればいいのか、通産へ行って文句を言えばいいのか、福田さんではだめなのかということになりますと、これは国民としては困るわけですから、その辺のところを大臣ひとつ明確にしてもらいたい、そういうことが一つ。  それからもう一つは、地方自治を守るということと——ぼくら侵害されているという被害者意識に立っているわけですけれども、この改造論でいきますと、やっぱり府県の境が、府県がじゃまだと、わかりやすくいえば府県の境はじゃまであるというような論法を総理がやっているわけですね。機能的にも地理的にもいろいろな問題はあるでしょう。そうすると、ぼくらが心配しているのは、やはり広域行政という考えに立って、府県の境を廃止して道州制へいくんじゃないかということを先に読んで実は気をもんでいるというのがぼくらの実情なんです。そういう点について、この改造論との関係について大臣の考え方、おれはそういうことをまだ考えておらぬ、しかし将来どうなるか知らぬということになるかもしれませんが、その点、第二点として、この点はこの時点、現在の時点で明確にお聞きしたいと思います。  私は、実は国会へ出て四年ほどたちますが、たまさか農林におったときでも、社団法人関西経済連合会——関経連から出ておりますが、ここからくるもろもろの意見、米の自由化とか食管制度の廃止の問題とか、こういうのは政府が決定する前に出した関経連の意見がおもむろに具体化している。農林行政もそうだ。今度はまた関経連から御丁寧に、四十四年十月二十七日の地方制度の根本的改革に関する意見書とあわせて、ことしの七月三十一日、行政制度の抜本的な改革に関する意見というのが出てまいりまして、この第一項が「広域行政(道州制への推進)」ということで打ち出されてきているわけです。またもやこれはこの線でいくんじゃないかというような警戒心をぼくは持っているわけですが、おれたちはその線で強引に進めるんだというなら大臣はっきり申していただかないと、ぼくらもかまえがありますから、その点、二点について明確なる御答弁をお聞きしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) まず第一の問題でございますが、いまお持ちになっておられます日本列島改造論というのは、総理は一つのものの考え方を述べられたのであって、詳しく施策をこのようにしてやるという姿をその本で述べておられるとは私は理解しておりません。また、私たちが総理に会っていろいろ話をしておりましても、それは一つの提案として受け取ってもらいたいということをしばしば言っておられるわけでございまして、提案という以上は、もちろんそれと全然離れるということではございませんが、すべてがそれに盛り込まれておるということではないと思っておるわけでございます。  そこで、一つのものの考え方として日本列島を改造するという考え方、その中にはまだ二十五万都市というもの、そうしてそこに工業を移す、また、そこにりっぱな住宅をつくる、あるいは緑の公園をつくる、いろいろな問題があろうと思うのでありますけれども、そういうふうな意味で一つの提案をされた。これではどうであろうか、そうしなければこの過密、過疎の問題は解決しないと思うから、そこで自分はこういう提案をしたのだということでございます。でありますから、その提案を受けて、通産省でも建設省でも、また自治省にいたしましても、それぞれの立場からいま案を具体的に出しておる段階でございまして、政府自体にこういうふうなことでやりますという具体的な計画はまだ出ておらないのでございます。その意味では、その御本をお読みになったあなたと私の立場もおおかたまあまあ似通ったような認識に立っておると思うのでありまして、これから煮詰めていかなければならないということでございます。しかし、これだけ太平洋ベルト地帯にたくさんの人口が張りつけられておって、しかも東北とか北海道とか、あるいはまた日本海とか九州などというようなところに非常に遊んでおる土地もあるというようなことでは、これはもう日本の、今後の日本人の健康のためにも、また今後の日本の経済の発展のためにも、また経済発展を通じての生活の充実といいますか、われわれの収入を確保するという意味からも、いろいろな面からみてもうどうにもならなくなっておるから、ここらでひとつ考えをまとめていかなければいけないということでありますからして、もし御批判をいただくといたしますならば、ここにわれわれがこういう一つの構想をまとめ、そうして予算を組んで、そうしてその予算に基づいて今度はこういうことはこうこうではないかというような御批判をいただきませんと、いまの段階において各役所がいろいろのことを考えておることを中心として御検討いただいても、これはまだ実体がないものでありますから、どうしても議論がかみ合わないということになろうかと存ずるのでございます。私は、そういう意味で先ほどもちょっとお答えを申し上げたわけでございますけれども、やはり過密、過疎の問題を解決するというたてまえで、しかも日本の経済、文化、教育、あらゆる面のやはり問題を解決するくふうを今後していくにはどうしたらいいかということで、それぞれの立場からいま勉強させていただいておる、こう申し上げるよりほかにお答えのしようがないかと存じておるのでございます。  それから第二段の道州制の問題等々につきましていろいろお話がございました。確かに私のところにも永野氏がひとつこれだけはぜひやってもらいたいということを、私が自治大臣に就任するとすぐに持ってこられましたけれども、私は、わかりました、すぐにやりますと申し上げたわけでも何でもございません。この問題はなかなかいろいろのことがございまして、すでに過去におきましても大阪と奈良と和歌山を合わせて一つにしようではないかという話がございました。それから岐阜と三重と愛知を含めて一つにしようという話もあったけれども、実際にはいろいろの故障があってできなかったわけであります。私は、故障があるからやってはいけないと申すのではございませんけれども、やはり人間が、私たちが生活をいたしておりますには、それぞれの環境というものがございまして、その環境を急に変えるということがまた非常な大きな苦痛にもなり、またマイナスにもなる場合があるわけであります。一方、これを変えることによるプラスというものもまたこれは見のがすことはできません。プラスの面だけを強調してマイナスの面を忘れてそして施策をするということも、これは私はいかがかと存ずるのでございまして、ここいらは十分住民の納得のいくように、そしてなぜそういうことが必要であり、すなわち道州制というものをやらなければならないというのは、どういうようなそこに利益があり、現在どのような弊害があるかということをみんながよく理解した上で実行に移すということでなければ、いわゆる民主主義政治ではないと考えておるわけでございまして、いろいろのお方にいろいろの知恵を出していただきますことは、これはわれわれとしては歓迎いたすところでございますけれども、そういう知恵がたとえ経済界のどなたから出てまいりましょうとも、あるいは一つの団体から出てきましょうとも、それだけですぐにこれを実行に移すというようなことは非常にむずかしいし、また、そうあってはならない、もっと慎重に問題を考えてまいりたい。かように存じておりますので、今明日の問題でないということだけは御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 これの政治的な位置づけの問題に大臣は触れられたと思います。結局、だれがどんなことを論じようと、予算化してくる、それを裏づける立法が整わなければ具体的なものとは言いかねるということで、これをそういう位置づけをしておられるわけですが、けさから自治省の皆さんからいろいろ答弁をいただいておるよりこれは具体的ですよ。非常に具体的です。皆さんの答弁がかえって抽象的なんです。この具体的だということは、たとえば二十五万都市に焦点を当てると、「新二十五万都市は、地域開発をすすめるための拠点である。」と、こういう明確な位置づけがあるわけです。より具体的には、たとえば一つの方法として、「地方の小都市で、すでにある程度の都市集積のあるところを充実、強化するやり方」、「山形県の酒田市と鶴岡市を中心とした地域などのように、人口七万ないし十万ぐらいの小都市の市街地を外に拡大し、市街地から離れたところに工場団地を建設して、市街地と有機的な連繋を持つブロックを形成し、人口の吸収をはかる。もう一つは隣り合っている人口二万人程度の町村が多数集合して、新しい市街地をつくり、その周辺に工場団地を立地する方法である。たとえば鹿児島の」何々、こういうかなり具体的であります。しかし、これは具体的の内容の意味が違うかもしれませんが、例でありますから。だからといって軽く見る性質のものでないような気がいたします。自治省なり行政当局はそういうふうにおとりになるのは当然だと思いますが、国民はどうとるかということなんです。国民はここまで具体的に出てきますと、あすにでも二十五万都市がどこかにできるという気持ちになる。その辺のところを、これは政治的にきわめて責任のある発言だと思うのですよ。しかも、その発言をした人がやがて総裁となり、総理大臣になったんでありますから、国民はこれを信頼するのは当然だと思うのです。そういういわくつき、ただし書きつきのものであれば、これは田中さんにあやまってもらわなければ困る。そういう影響というのを私は考える。責任はないと言われるならそれまでのことです。その他、道州制の問題にしましても、大臣はかなりやんわりとソフトムードで御答弁なされているが、それはそうでしょう。しかしこの中では、明確に明治の廃藩置県以来の都道府県はということで否定的に近い発言をしているわけです。それを受けて立つ自治省がその論理を乗り越えていくだけの度胸と見通しがなければ困ると思うのです。少なくとも大臣は、田中総理と一けんかをするような勢いでなかったらこれはむずかしいと思う。必ずそういう作業を命ぜられると思うのです。そういう点で私たちは道州制の問題は最大の抵抗をいたします、将来とも。そういう意味では非常に警戒的なんです、この文章を読んでも。だからそういう点で、いまおっしゃった具体的具体的ということなんですけれども、行政秩序なり手順からいえばおそらくそういうことだろうと思いますが、私もこういうことがやがてその線に従っていくような例をたくさん持っておりますから、まだまだ各省間の統一が困難であるというのも、これは行政的にはわかります。しかしながら、私たちは最大の警戒心を持ちながら、いいのはいいわけですから、御協力を申し上げるのは御協力申し上げますが、いま申し上げたようなことで非常に多くの問題を持っているのだというふうな私の考え方であります。でありますから、大臣の答弁を信頼するのはけっこうでありますが、必ずしも私は全幅の信頼はおけないような危惧を持ちます。国民が持っているウエートの問題であります。国民の受けとめ方の問題であります。でありますから、地方自治行政を守るという観点から、地方財政を守るという観点から、大臣も相当腹帯を締めてひとつがんばっていただきたいということで、私の質問を一応これで終わります。

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 本件に対する調査はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十七分散会

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