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69回国会参議院1972/08/10

地方行政委員会 閉会後第1号

発言数
283
登壇者
19
会派数
2
開催日
1972/08/10

会議録

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  初めに一言ごあいさつ申し上げます。  私、このたび委員長に選任されました久次米でございますが、まことに不なれな至らぬ者でございます。しかし、誠心誠意一生懸命に努力をいたしまして、円滑公正な運営を行なってまいりたいと考えておりますので、何ぶん皆さま方のできるだけのひとつ御指導と御協力をお願い申し上げる次第でございます。     —————————————

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 委員の異動について御報告いたします。  去る七月十二日、塩見俊二君が委員を辞任され、その補欠として私が、七月十九日、鍋島直紹君が委員を辞任され、その補欠として園田清充君が、また七月二十六日、林田悠紀夫君及び園田清充君が委員を辞任され、その補欠として中津井真君及び原文兵衛君が選任されました。     —————————————

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 理事の辞任につきましておはかりいたします。  増田盛君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。  この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認めます。  それでは理事に柴立芳文君を指名いたします。     —————————————

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) この際、木村国家公安委員長及び三ツ林自治政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。木村国家公安委員長。

木村武雄自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・国家公安委員会委員長・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(木村武雄君) 田中内閣の成立にあたりまして、国家公安委員長を拝命いたしました木村武雄であります。  学もなく、才も乏しく、人間としての素養もまた浅いのでありまするが、どうか委員各位の御協力によりまして、大過なく過ごさせてくださいますることを幾重にもお願いを申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。(拍手)

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 三ツ林自治政務次官。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○説明員(三ツ林弥太郎君) このたび自治政務次官を拝命をいたしました。微力でございますが懸命に努力をいたしたいと存じます。一そう皆さま方の御指導と御鞭撻をお願いをいたしまして、ごあいさつにかえさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。(拍手)     —————————————

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 地方行政の改革に関する調査のうち、地方行財政等の当面の諸問題に関する件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 私は、端的にいえば、今回の品川区で行なわれております直接請求の問題についてお伺いをしたいんですが、その前に、これらの問題と関連をして、大臣の今後の自治行政についての基本的な方針といいますか考え方を承っておきたいと思います。  大臣も御案内のように、旧自治制度といまの地方自治法下における制度との違いの中で一番大きな違いの一つは、言うまでもなく、住民が直接地方自治に参加する道を開いた、こういう住民自治の原則がいまの地方自治法の中に盛られておる。御案内のように、各議員を選出をして間接参政の道はずっと前から開かれておった、新しい自治法では住民の直接参政にかかる制度が住民自治の基本的な問題として開かれておる、かように私どもは考えておるわけであります。  そこで、この直接参政制度を地方自治法の中で調べてみますと、大別して三つあるのじゃないか。一つは、条例をつくってもらうための直接請求の問題、一つは住民投票の問題、一つは監査請求や住民訴訟の問題、これは大別して三つできると思うのですが、そのうちの条例をつくるための直接請求の問題は、これらの住民参政制度の中でも一番基本的な問題である。非常に新しい自治法としては特質的な問題である。かようにわれわれは考えておるのですが、大臣の御見解を承りたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お説のとおりだと承知いたしています。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 そこで、少なくとも自治省としては将来にかけて、特に大臣の基本方針としては、国民の権利としての直接参政制度が伸びていくように、発展していくように心がけるのがいまの情勢の中で一番大事な問題じゃないか。かように思うのですが、端的な大臣の御意見を承っておきたい。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 自治自体については、法律がちゃんと一応定められております。しかし、それだけでは十分でない、やはり住民の意思を尊重しなければならないという意味合いにおいて、いま御指摘のあったような点が規定されておるわけでございます。私は、その両々相まって、いわゆる自治のほんとうの意味が通じ、また自治が行なわれていくことを支持するといいますか、推進していくのが私の任務である、かように考えております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 まことにけっこうなお考えであって、われわれも大臣のいまのお考えにはもろ手をあげてひとつ賛成もし、その方向については御協力を申し上げたいと思うのであります。  そこで、具体的な問題ですが、きのう、御存じのように、美濃部知事が品川区長代理から審査の申し立てを受けたその審査を裁定をしておるわけです。御案内のように、先月の三十一日の日に、区長の選任のための参考とするための条例をつくってもらいたいという住民の請求運動が成立しておったやつを、三十一日の本会議で、これはもう与野党一致で可決をしたわけです。これはもちろん私ども社会党あるいは公明、民社、共産、そして大臣のほうの自民党の方々もみんな入って全会一致で決定をしている。ところが区長側は、この条例案の内容が違法の疑いがある、こういうことで再議に付した。で、二日の日の本会議では、再び前回の条例案どおり可決をした。こういう経過になっておるわけですが、ところが区長のほうは、これは再議に付しただけじゃなくて、やはり違法の疑いがあるというので、これは法のきめられておるとおり、百七十六条でしたか、知事に対して審査の申し立てをしたわけです。その知事のきのう裁定が発表された。この裁定の中では、急所の点は御案内と思いますが、一つは、あの条例案の内容は、参考とするという、つまり投票の中身を参考として区議会は区長の候補者を選ぶのだということで、これは区の権利を拘束するものじゃないということで、これは適法である。また区議会がみずから住民投票についてのいろいろな仕事をするのは、区長を選ぶ権利を持った区議会としては、当然その執行権の中に入っている、選ぶ中に入っておると。こういうことで、区長側の異議の申し立てといいますか、それは却下されて、そしてこれが裁定では、品川のいま言った直接請求による区条例は正しいという裁定が下ったわけです。  そこで私は、この際、行政局長にお伺いしたいのですが、この知事の裁定というものの法律的な効果はどんなものであるか、こういう点についてまずお伺いしたい。というのは、この自治法の十六条では、再議をして、それが再び前の条例と同じ案文で再可決されたときには、これは確定したのだ。したがって、この確定したものについては、二十日以内に長はこれを公布しなければならない。こういうふうに書かれておるわけですが、当然二日の再可決の時点から二十日以内に公布をすることを長は義務づけられておる。ところが、やはり疑義があるというので知事のほうに審査の申し立てをしたわけですから、その間は効力がいわば停止されておる。これはあなたのほうの行政実例でもそういうふうな回答がなされておる。ところが、知事の裁定が下った以上、これは再びこの十六条に戻って、その日から二十日以内にこれを公布しなければならない。そういうふうな内容を持った条例となったと私は思うのですが、その点、そこら辺の法律効果について行政局長のほうからお話を伺いたいと思います。

皆川迪夫自治省行政局長

○説明員(皆川迪夫君) 自治法の百七十六条第七項の規定によりまして、区が知事の裁定に対してもし異存がある場合には、六十日以内に出訴をしろ、こういう規定があるわけであります。したがいまして、知事の裁定があった段階で、直ちにこの条例が公布をすべきものとなるということは断定しがたいと思いますが、その期間内に区長が訴訟を出すということをしなければ、自動的に六十日を過ぎれば公布のつまり起算日になって、それから二十日以内に公布をしなければならぬということになるわけでございますが、まあ区長が訴訟をするということの考えを持たなければ、これはそのときから公布の手続を進めてよろしい、かように考えております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 そこで、いま区側が訴訟を起こさなければということなんですが、区側は訴訟を起こさぬ、こういうふうに言っておるので、私はその点は省いてあなたに質問をしたわけです。  そこで私は、大臣に今度はお伺いをしたいんでありますが、率直にいって、端的にお答えを願いたいのは、美濃部知事の裁定というものを自治省として認めるかどうか、こういう点であります。なぜ私こういうことをお伺いするかというと、大臣も御案内のとおり、知事の裁定がおりた場合に、その条例の案といいますかその条例、いわゆる区議会で、あるいはまた県会、市町村議会等でも同じでありますが、可決された条例に瑕疵がある、あるいは違法である、こういうようなときには、知事の裁定のおりた後に提訴をする方法と、それからもう一つは、国がその中へ入って、あれは二百四十六条の二でありますが、適当な事務処理の確保の措置というものが御案内のようにあるわけです。これは総理大臣の名で、知事等の事務、事業の執行が法令の規定に違反していると認めたとき、当該地方公共団体またはその長に対して、その事務の処理または管理及び執行について違反の是正または改善のため必要な措置を講ずべきことを求めることができる、こういう条文であります。したがって、もし自治省としてこの条文を発動するということになると、知事の裁定を認めない、知事の裁定には疑義があるということになってくると思うのであります。そういう点で、大臣として、自治省として、知事の裁定を認めるかどうか、そういう点についてお伺いをしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 御質問は、条文解釈上の問題も含めておりますので、局長からまず答弁をさせていただきたいと思います。

皆川迪夫自治省行政局長

○説明員(皆川迪夫君) 二百四十六条の二に、いま御指摘の改善の措置要求、こういう規定があるわけでございますが、ただ、いまお話のありました知事の審査申し立てに対する裁決という行為でございますが、この行為は、先ほど申し上げましたように、将来その問題に不服があれば訴訟という道が開かれておるわけでありまして、その前審として、いわば準司法的な機関として裁決をしたのであります。したがって、その裁決をされたその中身に対して措置要求をするというようなことは、ちょっとできないんじゃないかというふうに思っております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 ちょっとあとの点、最後の点をもうちょっと大きい声で……。

皆川迪夫自治省行政局長

○説明員(皆川迪夫君) 準司法的機関として審査の申し立てに対して裁決をしたわけでありまして、これに対して不服があれば訴訟をするということになるわけでございます。したがいまして、この規定を知事の裁決に適用するわけにはいかないであろう、かように思っております。ただ問題は、もしこの規定に関連をして申し上げるならば、助役——現在区長の職務代理をしております助役でございますが、区長がむしろ訴訟ではっきりしてからこの条例を施行するかどうかきめるべきであると、こういうことはあるいはその対象になってくるかとも思います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 具体的にいえば、この二百四十六条の二に規定されておるその規定では、いまの知事の裁定の問題には関知をしない——関知をしないという言い方はおかしいのですが、それを扱うには適当でない、こういうことなんですな。そうすると、あと残されておるのは、具体的にいって、残されておるのは区長の提訴する権利だけである。したがって自治省としては、区長が提訴をしなければしたがって知事の裁定そのものはそのまま生きていくんだ、こういうことに、まあ平凡な言い方ですが、われわれは法律専門家じゃないので常識的に言っておるのですが、そう考えていいわけでありますか。

皆川迪夫自治省行政局長

○説明員(皆川迪夫君) そのとおりであろうかと思います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 そうすると、自治省の立場からいえば、いわば知事の裁定についてはこれ以上何ら行政指導の面もしないし、それから法的にもタッチはしない、こういうふうに考えていいわけでありますか。

皆川迪夫自治省行政局長

○説明員(皆川迪夫君) 先ほども申し上げましたように、裁決行為は準司法機関として訴訟の前段階において知事がするわけでございますから、この裁決行為自体に対して自治省が意見を申し上げる、あるいは措置要求をするというようなことはないと考えております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 そこで、具体的な問題になるわけですが、いま品川の区側は提訴をしないということに腹をきめているというように私は聞いておる。しかし、これはまだ提訴の期間がありますから、提訴をしないと言い切る、まあ第三者の私から言い切れるわけじゃないのですが、事実はそうなっていくと思う。そうなると、おそらく今月末か来月早早、いわゆる区条例に伴う、実施要領に伴うところの住民の投票が行なわれるようになる。この住民投票の問題については、別に自治省としてこれがいけない、あれがいけないというようなやかましい規制とか行政指導はないと思うのですけれども、その点も念を入れてお伺いいたします。

皆川迪夫自治省行政局長

○説明員(皆川迪夫君) その区条例に基づく投票は、法律上の規定に基づいて行なわれるものではないわけであります。したがいまして、法律上どういう形で進めなければならないという制約はなかろうかと思います。ただし、実際問題として、選挙と同じ行為が行なわれるわけでございますから、それがはなはだしく不当な形で進められるということについては私どもとしても関心を持たざるを得ない。そういう懸念があれば行政的な指導もしてまいらなければならないと思います。ことに、その結果を参考にして区長を選任するということになっておるわけでございますが、選挙の場合ですと、その選挙が公正に行なわれたかどうかということが訴訟その他の手続によって確認をされて、しかる後区長というのがきまるわけでございますけれども、今回の場合にはそういう判定の手続がないわけでございますから、それだけに事後に議論が起こらないように十分その点は執行する立場の者が考えていかなければならない、かように思っております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 そこのところが実は事実問題としては、将来というか、もう目の前に控えておる品川区民の投票、それに伴う運動、こういう場合に私は大事になってくると思うのです。というのは、従来自治省は、準公選運動というような形でやられた場合に混乱が起こる、あるいはまた法的には規制できないところのいろいろの問題が起こってくる。だからこの準公選運動、いわゆる準公選運動には賛成しかねるんだ、こういうことを一つの理由に率直にいえばあげてきたわけです。ところが、昭和四十三年のたしか七月だと思いましたが、練馬の直接請求の運動の問題で、条例の案の内容そのものが違法であるから条例制定の請求代表者の証明を交付しないんだということで、御存じのように区側が拒否をした。その裁判の緒方判決の中にこういうことが書いてあるんですが、多少の困難が予想されるような場合も出てくるだろう。しかし、投票することによって住民の意思というものを区政の中に反映しようというその行為については、区議会の決定権を拘束しない限りは、多少の混乱はあったとしてもこれは尊重さるべきだという、判決の理由の中にそういう点がうたってある。これはもう局長もお読みになったと思うのです。  そこで私は、大臣にお伺いをしたいのですが、問題が、かりにひどい問題が起こったというような場合に、これはもう自治省としては見ていられぬというような場合でも、知事を通じて区議会に注意を喚起するとか、そういうような点については私どもはやってもけっこうじゃないかと思うのですが、これがひどいということで、何かこの運動を押える、あるいはこれに干渉する、そういうようなことは一切やるべきじゃないというふうに私は考えるのですが、大臣、その点はいかがですか。

皆川迪夫自治省行政局長

○説明員(皆川迪夫君) 一応私から若干法律問題もからんでいるようでございますのでお答え申し上げますが、自治省が準公選という行き方について賛意を示さなかった理由はいろいろあろうかと思います。いまお話の、現実にいろんな困難が起こるんじゃないだろうか。ことにその選挙が、投票が公正に行なわれて民意を正しく反映したかどうかというような判定を出す場合に、裁判手続もないというようなことで、参考にする場合の基準でございますけれども、そういうことになると非常にむずかしい問題も起こるんじゃないだろうか、こういうことが実質的なこの進め方について賛意ができなかった一つの理由であろうかと思います。  もう一つは、もっと基本的に、いまの選挙制度には直接選挙と間接選挙という二つの形があるわけでございまして、それぞれ一長一短があるといわれておるわけであります。直接選挙は、住民の意思を直接に把握できるということで非常な長所がある。逆に間接選挙は、いわゆる出たい人よりも出したい人を選ぶというような思想から、こういう制度が一つの特定のある種の機関については適当である。こういうことで法律ができておるわけでございまして、まあ参考にするということにいたしましても、実質はこの法律がきめておりました間接選挙でない道を通るということになるわけでございますから、まあ法の精神から見た場合にいろんな問題があるんじゃないかということで自治省は消極的な考えをしておったわけでありますが、その点についてはいまも疑念を持っておるわけでございますけれども、いまの段階では、これを区側が裁決に対してどういうふうに出るかということもはっきりはさまっていない段階でございます。あるいは私どもにもいろんな相談があるかもしれませんが、その辺の事情を見て、これから事態に対処してまいりたいと思っております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 どうもはっきりしない答弁のようですが、およそ言っていることはわかるし、きょうは時間の制約がありますから、あまりこの問題ばかりでやっているわけにもいきませんが、いずれにしても、知事の裁定というものを自治省としてはいわば事実上は認めておると、こういう形になるわけですから、私はまあこれ以上その問題にはきょうは入らないことにしたいと思います。  ただ、最後に、この問題で大臣にお願いをしたいんですが、一度品川でこれが行なわれると、まだあと東京都内には大田をはじめ四つの区でいま区長を選ばなきゃならぬ、こういう問題が起こってきて、直接請求の運動が起こっているわけです。おそらく品川の条例と同じように、住民投票は参考とするということで条例案が請求されてくると思うのであります。で、これはもう品川だけの問題ではなくて、都内二十三区の普遍的な問題になってくる。これはもう私が考えるまでもなく、大臣もさように見通されておると思うのであります。そこで、私は大臣にお願いをしたいのは、もうこの段階にくれば法を改正して区長公選に踏み切るべきでないかと、そういうことであります。で、大臣も御存じのように、昭和二十七年に区長公選制が廃止をされて以来、自治省側としては、区長の公選と、事務、事業の配分の問題と、人事権の問題、この三つを一緒に考えていかなけりゃ区長公選の問題を処理することができない、そういう方向でこられたんですが、その三つを一ぺんに決着をつけるといったって、これは昭和三十七年でしたか、相当大きな改正をしたときにもこの問題が起こったんですが、なかなかできないんで、つまり区長公選を逃げる口実に使われていたと、これは野党側としての勘ぐりかもしれませんが、私は考えておるわけでございます。そこで、この際、区長公選問題をどうすべきかということを、たとえば地方制度調査会に諮問してはっきりした結論を得るとか、あるいは国会内において何らかの形でこの問題の小委員会でもつくって——これはまあ議院のやることですけれども、自治省のほうさえ承知すればこれはできるんですから、何らか具体的に一歩踏み切るようなというか、この問題を検討できるような、そうした一歩前進の措置を新しい大臣のもとでやるべきではないか、もう段階がそこまできているんじゃないかと、かように思うんですが、最後に大臣の所信をお伺いいたしたい。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ただいま占部さんからお話がありましたように、いろいろの事情があったにもせよ、この段階まできておることも事実であります。したがって、法律上の厳密な解釈からいえば、違法あるいは違法の疑いということもあるかもしれませんが、しかし、これだけの現実の姿が出てきておりますので、地方制度調査会にいま一度この問題を諮問をいたしまして、そうしてその答申を待ってわれわれの態度をきめいきたいと、こういうふうにいま考えておるところであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 関連して、この問題ちょっと尋ねますが、実はこれ三月十六日、それから三月二十三日に自治大臣、法制局長官をここに出席を求めていろいろ法的な問題で論議をいたしました。そのときに渡海自治大臣は、私どもの論議を横から聞いていらっしゃって、そして自治法二百八十一条の三、いわゆる区長の選任、この規定について疑義が残らないような検討をしたいと、それを早急に事務局に命ずるんだと、こういうふうに言われたんです、しかも、それを前向きでということで。それについては、一体自治省としては仕事をされているわけですか。

皆川迪夫自治省行政局長

○説明員(皆川迪夫君) お話のように、そういう御答弁を申し上げております。また一方、そういう民間の運動というものが進んでいることも承知をいたしております。私たちとしましては、近いうちに調査会にはかれるだけの材料をそろえて検討していただきたい、かように思って準備を進めております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 で、いま経過だけちょっと述べておきますが、いま占部委員が述べましたように、私も当然区長は公選にすべきだと思います。これは従来も何べんも主張してきました。理由については一々申し上げませんが、ともあれ、住民の英知が生んできた歴史的な過程というものを、私たちは自治全体を考えた場合に無視するわけにいかぬだろう。このことを十分頭に置きながら対処していっていただきたい。その検討はしました、しかしながら、長年積み重ねた論議とは全く逆の方向に行ってしまったということでは話になりませんから、この点だけは注文をつけておきたいと思います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 次に、横田の基地内における都有地のいま問題になっておる点について簡単にお伺いしたいと思います。時間がありませんから簡潔にお伺いしたいと思います。大臣あるいは行政局長でもけっこうですが、お伺いしますけれども、横田基地のあの都有地は行政財産でありますね。そこで行政財産は本来その行政目的ははっきりしている。その目的に使用するのが第一義的な問題である、こういうふうに思うんですが、その点はいかがですか。

皆川迪夫自治省行政局長

○説明員(皆川迪夫君) 自治法の二百三十七条第一項に書いてありますように、御指摘のとおりにするのが原則であろうと思います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 そこで、行政目的をはっきりさして使うところのその土地の管理権といいますか、それはもちろん都知事の管理の範囲内に明確に置かれてあると、こういう点はもう論議の必要はないと思うんですが、そういう点はいかがですか。

皆川迪夫自治省行政局長

○説明員(皆川迪夫君) 所有者である知事に管理権があるわけでございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 したがって、防衛施設庁がこれを都側からアメリカの基地に使わせる場合にも、まず都側の許可を得て使用しなければならない。これは私有地の場合と何ら変わりはないし、土地収用法に照らしても、また地位協定に伴うところの土地の特別措置の法律に、これは安保条約関係ですが、照らしてもこれは変わりはないと思うんですが、その点いかがですか。

皆川迪夫自治省行政局長

○説明員(皆川迪夫君) お話のとおりであろうと思います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 そこで、防衛庁関係にお伺いしたいことは、都知事からこの許可の取り消しの公文書がたしか行っていると思うんですが、いかがですか。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) お答え申し上げます。  去る八月五日に不許可の通知が参っております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 で、不許可の公文書がきているという場合に、防衛庁としては、現在基地内におけるこの扱いをどういうふうに考えておられますか。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) この問題につきましては、私どものほうとしましては、過去におきましては、昭和二十七年から地和三十九年度まで賃貸借契約の締結をいたしまして御同意いただいておりますが、四十年四月一日以降昨年度までは使用許可をいただいておったわけでございます。そこで本年度分につきましては、去る二月十日に東京防衛施設局長から東京都に申請を行なったわけでございますが、ただいま申し上げましたように、八月五日に不許可の通知が参った次第でございます。そこで、防衛施設庁といたしましては、この不許可の理由は一体いかがな内容でございましょうかということを、いま申し上げました経緯から、防衛施設庁としては、今回突如として許可ができない、こういう理由はいかなるところにございましょうかということを現在東京都にただしまして、その上で、これからなお御協議を申し上げるべきものは御協議を申し上げる、このように考えておる次第でございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 不許可の理由をいま東京都に尋ねておるというのですが、これは法的にいえば、不許可になった以上、いま米軍が基地内で不許可になった土地を使用しているということ自体が不法占拠になるんじゃないですか。その点はいかがですか。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) 法的にはまさにそのとおりになると思います。ただ、私ども例年東京都に許可の申請を出すのが、前年度末までに出しておるわけです。ところが、その許可の通知が参りますのは、たいてい七月ないし八月に東京都から四月一日にさかのぼって許可になっておるというのが前例でございますので、法的には先生おっしゃるとおりだと思いますけれども、現在その話が続いておるということから、いわば故意に不法使用しておるというふうな形とは若干意味が違うのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 いまあなたの言われた、現に話し合いを続けておると言うのですが、それはあなたのほうの一方的な解釈であって、都庁のほうでは公文書で使用不許可の公文書をあなたのほうへ出しておるわけですよ。向こうが貸さないと言っておるのですよ。それを話し合い中だからということで不法占拠していいものですか悪いものですか。もちろんこれはアメリカに対する基地問題という大きな問題ですから、私どももそう機械的な言い方はしないつもりですけれども、いずれにしても、話し合い中だからそれでいいんだというわけにはいかぬ問題であると私は考えるのですが、その点はどうですか。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) 先ほど申しましたように、この土地は、御説明申し上げるまでもないと思いますけれども、私どもの考えとしましては、滑走路の地下約十八メーターのところに水道管が埋設されております。その上土に対して許可をしない、こういう問題でございますが、施設庁の立場といたしましては、先生御指摘のように非常にこれは重要な基地でございます。われわれとしては条約上の義務は守らなければいかぬ立場にございます。ところで、問題の水道管、いわゆる東京都の行政財産としての使用目的に支障があると、こういうことであれば、私どももその不許可の理由についてとやかく申し上げることはないと思うのです。しかしながら、私どもの考えでは、過去二十年にわたって何ら行政目的は支障なく運用されておると、こういう実態にあると確信いたしておりますので、その点について東京都の方の御再考をお願いしたい、その上で円満な解決を期したい、かように考えておる次第でございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 東京都に再考を促しても、あくまでこれは使用を許可しないということになると、防衛庁としてはどういう態度をとるわけですか。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) 私どもとしては、昨日も実は東京都とお話し合いをしております。なお今後も続けていきたいと。また、続けていくことによって話し合いができるのではないかと。先ほど申し上げましたような実態でございますので、これは当然お話し合いの上で解決ができるというふうに事務的には考えております。しかしながら、どうしてもそれはできないということになりますと、一般論といたしましては、地方自治法上の異議の申し立て等が考えられてくるのではないかと、かように考えております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 地方自治法上の異議の申し立てというと、具体的にはどういうことになりますか。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) これはまだ私上司のほうと相談をいたしまして施設庁としての統一見解を出したわけではございませんので、ただ、一般論として申し上げることにさせていただきたいと思いますが、二百三十八条の七に、「行政財産を使用する権利に関する処分についての不服申立て」というのが規定されてございます。こういったことが事務的に検討した場合に問題になってくるのではないかというふうに……。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 ちょっと待ってください。二百三十八条……。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) さようでございます。二百三十八条の七でございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 これはおかしいじゃないですかな、この不服の申し立てというのは。私、それを聞いたときに、どう具体的にやるんだというふうに尋ねたのは、この場合、知事に対してやるわけでしょう。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) さようです。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 知事に対してやるわけでしょう。その知事が貸さないと言うのに、その貸さない知事に対して、この不服の申し立てをするというのはちょっとおかしいじゃないですか。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) 都道府県知事が出した処分については自治大臣、市町村長がした処分については都道府県知事に審査請求をすることができるということを申し上げている次第でございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 そこで、不服の申し立てをしているその期間はどうなりますか。不法占拠を続けるということになりますか。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) 不法占拠と言われますと、まさに法的には相手の許可がおりていないわけですから不法占拠ということになりましょうが、やはりこの実態は滑走路なわけです。飛行場としての滑走路で、その滑走路をわずかに横断をしておる。その横断をしておる地下十八メーターの水道管がそこを走っておる。こういう実態でございますので、一般論としては、不法、許可処分がなされてないということについては、そのとおりかと思いますが、法的に、はたしてこれが完全な不法行為を構成するかということについては争う余地があるんではないかと、かように考えております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 これは実はきょうは、決してあなたが軽いという意味じゃないですが、事が事務段階だけじゃなく、やはり長官の最高方針としてのあれを聞くのが中心だったわけです。したがって、きょうはこれ以上入ってもむだのような気がするので私はここら辺でとめたいと思うのですが、最後に、逆に東京都のほうから無許可使用による明け渡しの訴訟が起こった場合にはどうしますか。この点だけ聞いておきたい。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) 使用の実態、それから東京都の行政目的等からして、国としてはこれを受けて立つという形です。受けて立つという形になろうかと存じます。まだ、しかし、これは長官と相談したわけではございません。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 じゃあ、時間がもうあれですから、この次にこれはこのままひとつ続けていきたいと思いますから、あとの質問は留保しておきます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 関連。  ちょっといまの占部質問に関連をして一、二お聞きをしておきますが、これは途中に行政財産が自治法の改正でもって変わったわけですね。変わる以前の東京都との賃貸借はいつから始まっておるんですか。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) 賃貸借契約は昭和二十七年七月二十八日から昭和四十年三月三十一日までは賃貸借契約を結んでございます。四十年四月一日以降昭和四十六年の三月末までは使用許可と、かように相なっております。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 そうなりますと、四十年以降のいわゆる使用許可の方式に変わってきたのは、やはり自治法の規定するところによって、従来の賃貸借の関係のものについては、附則の十条ですか、自治法の附則の十条でもって、従来賃貸借の契約のあるものについては十条で使用許可に切りかえることを認めておりますね。これに基づいての措置だと思いますけれども、どうでしょうか。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) そのとおりであろうかと思います。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 そうであるならば、これは賃貸借のいわば実質的継続であって、ただ手続上の問題が自治法の改正によって切りかえになった。こういうことになりますと、本年の七月二十七日をもって例の政府が統一見解を発表して認めた民法六百四条が完全に適用されると思いますが、どうでしょうか。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) 私ども地方自治法の改正によって、従来の一般財産が行政財産に編入がえといいますか、区分がえといいますか、がなされたということで、これから使用許可にしてほしいというふうな要請がそれぞれ関係の地方公共団体からなされまして、使用許可ということで現在やっておるわけであります。先生の御指摘は、これは附則の経過規定によって賃貸借契約と同様に考えるべきじゃないかというふうな御指摘かと思いますけれども、私どもとしては、あくまで賃貸借契約でお願いしたいわけです。ところが、地方自治法の改正によって、これは行政財産になったんだから賃貸借契約はできない、知事あるいは市町村長の使用許可に、いわゆる行政処分にしてほしいというのが各地方公共団体の強い要請でございます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 重要な点だと思いますから質問を許していただきたいと思うんです。  これは法律上の問題になると思いますが、ほかにも全国的にはこのような事例がたくさんあります。私もその点を若干検討を加えましたが、自治法の改正によって、従来賃貸借の契約であったものが行政財産に編入されることによって、したがって借り受けたほうに対する救済の規定として附則十条があるわけであります。ですから、附則十条によって使用許可方式に切りかえられたものは、本質的には、従来賃貸借契約があったからそういう救済規定が設けられたわけであります。ですから、その見地から考えますと、本年七月二十七日をもって、従来の賃貸借契約なるものは、政府の統一見解に明らかのように、これは民法の六百四条に適当するというふうに、これは解釈が学者、専門法律家においても明らかにされております。そうなってまいりますと、都知事がいわゆる不許可の意思表明をしたということは、再契約のこれは拒否の表明をしたということになるわけでありまして、いわゆる民法の六百十九条ですか、黙示の更新というものを認めないという、こういうことに当てはまると思います。そういうことであれば、七月の二十八日以降というものは、東京都においては都有地はこれは全く解放されて戻ってきたんだという解釈のほうが私は正しいと思いますし、そうであるならば、先ほど御答弁のありましたその不許可の理由を照会をするということは、これは全く当たらない。これは東京都は完全に都有地については復権したんだという、こういう解釈のほうが私は妥当だと、こう思いますけれども、見解はいかがですか。

高島正一防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(高島正一君) 若干見解を異にいたします。私どもといたしましては賃貸借契約、いわゆる民法六百四条による賃貸借契約じゃなく、従来本件につきましては行政許可で、行政処分で今回まできた。そこで六百四条も、いわゆることしの七月二十七日で賃貸借契約が切れますので、これについてひとつ更新のお願いをいたします、こういうふうな手続は本件についてはとっておらないわけです。申し上げましたように、ことしの二月十日に処分の許可申請をお願いしておるわけでございます。したがいまして、この許可申請に対する許可処分というのが、先ほども触れましたが、数カ月以上いろいろお話し合いをした上で許可になっているというのが過去の実態でございます。過去十数年間これできておる。こういう実情でございますので、実は事務的にも私どもは昨年と同じように、ことしも別にたいへん変わった経過をとっておるわけではございませんで、今月中に大体去年も話がついたというふうなことでございますので、今後とも話を続けていくということでいま懸命にお話し合いを続けておる、こういう状況でございます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 時間の関係でもって、あまり関連質問でもっておじゃまになってはいけませんから打ち切りますが、私は、先ほど申し述べました私の法律上の解釈というものが妥当であると確信をいたしております。都知事が不許可処分を出したということは、したがって民法のたしか六百十九条だかと思いますけれども、要するに再契約をしないという、黙示の更新というものを認めないという、こういう意思表明をしたことに当たる。こういう解釈のほうが私は妥当だと、こう考えますが、さっき占部委員も問題をあとに残したようですから、私も関連として残します。     —————————————

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、小谷守君が委員を辞任され、その補欠として竹田四郎君が選任されました。     —————————————

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 次に、交通行政等の当面の諸問題に関する件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 私は富山出身で、非常にこの種の委員会でこうした問題をいろいろやりとりすることに内心苦しいものがあるわけですが、問題の本質が本質だけに、明らかにし、警察当局の答弁を中心として今後の方向を見定めたいと思います。  それはサーキット族といわれている暴走族の問題です。第二点は、後ほど建設、警察、外務各省の責任者に出ていただいてぜひとも明らかにしたいのは、六月六日のこの委員会において戦車の問題と道路交通の問題をめぐって外務政務次官からき然たる方針を述べられたにもかかわらず、その後横浜であの種の紛争を起こしたこと等についての政府の国会に対する責任を実は明らかにしてもらいたい。これを最後にして私の質問を終えたいと思うのであります。  最初の段階で、サーキット問題でありますけれども、調査室を通していろいろ調査をお願いしたわけですが、この中でも私きわめて不満であります。それはサーキットが富山から出発したような実態報告になっておりますが、そうじゃなくって、もっと早い時点で、たとえば北陸でいえば福井市等においても、この暴走族の問題が社会問題となって非常に提起されながら、福井市の市民の協力によって問題が下火になったという事実があります。富山市の場合は、これも徐々にこの社会現象が激しさを加えて、六月の十七日から十八日にかけての時点が車が約五百台、いわゆるやじ馬という、新聞表現によるとやじ馬になるわけですが、市民が三千人も深夜に参加するという、市民と暴走族とが込みになって、あるいは店屋をぶちこわし、店屋から物をかっぱらう、こうした犯罪行為にまで発展するような社会現象として、いなかの町富山では市民をして震憾させるような大きな社会現象を生んでおるわけですが、ただ、ここでお尋ねしたいのは、富山の県だけで考えても、富山市で市民あるいは警察当局相協力する中からある程度鎮静化しようとすると今度は高岡市に移っていくわけです。その後新聞等をずっと点検いたしておりますと、石川に移り、あるいは岡山に移り、大阪に移り、そしてもう大体下火だなあと自分ながらほっとしておりましたが、おいとどっこい今治市にこの八月五日からまた始まっておるわけですね。しかも東京は全然なかったのかというと、東京はサーキット以上の車がはびこっておるから、あまり音が小さくてわからないらしいんですが、静かに私も点検しておりますと、宮城前で始まっておるということをある新聞が載せておったわけです。  私は、まず警察当局からこの種の問題の実態をひとつえぐってもらいたい。そのえぐり方の順序でありますが、第一点は、原因がどこにあるのだということであります。  そうして、その次の二点の問題として、現象をこう分断して考えてみましょう。サーキット族とは一体何だということですね。このサーキット族そのものの何だという場合に、年齢の問題もありましょう、職業の問題もありましょう、そうした一つの分析をきちんと出していただきたい。これらには非常に特徴的な傾向が私はあると思います。  その次に、いわゆるやじ馬であります。見物人であります。なぜ真夜中に、眠る時間を、権利を放棄して、そうしたところへ出てやんやと拍手をし、やんやとサーキットの諸君の気持ちをかき立てるような結果を生んでいるか。いわゆる見物人とは一体何だ。男女性別の分類までは問いません。概括的に一体見物人とは何だ。それはやじ馬という表現で流していいのかどうか。福井のいわゆる見物人の力によってこのサーキット族を撲滅したというとうとい経験もあるわけですから、そこら辺のところを、見物人の中にも私はいろいろあるんじゃないだろうか、その辺の分析。  その次に場、場所です。大体共通した場所のようですね。たとえば駅前とか、国道との関係でぐるぐる回れるとか、とにかくカーブが非常に彼らにとっては大事なんでありますから、カーブの問題、いわゆる場所、一体どういう場所なのか。そしてまた時はいつか。これは深夜であるところは大体おしなべて一貫しておるようでありますが、そうした点も統一されて報告をまずお願いして。  その次に、これに対処してきた富山市をはじめ福井、まず福井は一番ぼくは先見的だと思いますが、対処した方法。私もきのう富山市内を街頭遊説をして回ったんですが、もうサーキット族追放の川中島の戦いのような旗が、色あせて文字も見えないくらいになっておりましたが、それでも風になびいております。それも一つの対策でしょう。そうしたそれぞれの各種の努力、その間における中心的勢力であるべき警察当局がどのような努力をしたのか、一ぺんで申していいでしょう、そういうことでひとつ警察当局の、もはや下火になった時点でありますから、もっと早い時点で私は通常国会の終わりか臨時国会の段階で質問するつもりでしたが、占部理事から押えられたわけもないけれども、流れがちょうどそういうことにならなかったものですからね、質問する機会を失ったので、きょうあらためて質問して、いま申し上げた点だけ一応整理して出していただきたい。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) いわゆるサーキット族とは何かというお話でございますが、先生おっしゃいましたように、富山に始まったわけではなく、大体歴史的に見ますと、昭和三十八年ごろから東京の神宮外苑で若者の集団によるオートバイの暴走競技が行なわれておった、その辺がはしりではなかろうかと思っています。その後昭和四十年から四十二年ころにかけまして、京都の例の宝池の国際会館の付近、それから昭和四十三年には東京都の新宿副都心、あるいは広島市の平和公園、四十四年ころから和歌山市、四十五年ころには大阪の万博会場のあと地、それから阪神高速の環状線、それから名古屋ではテレビ塔付近、兵庫県では六甲山の山の上、それから昭和四十六年に先生のおっしゃいました福井の福井駅前で集団暴走行為が行なわれました。  これを見ますと、初めは主として二輪車、オートバイの暴走でございました。しかも、主として自分たちの仲間同士のいわば競走と申しますか、見物人を意識してじゃなくて、だれも人のいないところで仲間同士がスピードを競い合っている、あるいはわざを競い合っているという傾向でございました。それが次第に変わってまいりまして、特に典型的に変わりましたのは、昨年の福井の駅前の暴走行為でございますが、このときはもう二輪車じゃなくて自動車が中心でございます。それからもう一つ変わりましたのは、駅前という繁華街で、見物人を意識しての、見物人といわば一体となったような状態の暴走行為というふうに変質してまいっておるようでございます。それで本年になりましてから、先ほど先生がおっしゃいましたように、富山市の中心街に四月ごろから数台の暴走車があらわれる、そうしてそれが逐次その数をふやしていって集団化してまいりまして、六月十七日から十八日の早朝にかけての暴走車は約五百台も出た。これを見物しようとする群衆が三千人にもなって、そうして緊急出動の消防車、自動車等を停止させて妨害したり、酔漢が商店の品物を持ち出すというような不法行為が行なわれるに至ったのでございます。その後北陸各県、石川県に飛び、岡山に飛び、高知に飛び、あるいは最後に今治に飛んだというような状態でございます。  したがいまして、初め二輪車のときには、年齢別に見ますと、主として高校生あるいは大学といった二十未満の学生層が中心でありましたけれども、最近の傾向は、むしろ四輪車の場合にもう少し年齢が上がりまして、二十を過ぎた若者、しかも学生はほとんど少のうございまして、会社員であるとか、店員であるとか、大工、左官であるとか、自動車の運転手であるとかといった職業人に変わりつつあるというのが特徴だと思います。それから暴走行為そのものが萌芽的に少し出始めますと、見物人が出てくる、そうしてそれを新聞が報道すると、おもしろいというのでまた集まってくるという、そういう循環を繰り返して、最後に相当破局的な騒擾状態になるという経過をたどっておるようでございます。  それから群衆のほうでございますけれども、見物人と申しますか群衆のほうでございますが、これは初め宵のうちは映画館帰りといったような人たち、それが次第に夜がふけてくるにつれて、まあ一ぱい飲んだ帰りの酔客、あるいは近所に住んでいて、蒸し暑い夏の夜をなかなか眠むれないといったその近所の人たちが好奇心からも出てくる。それから中には、初めのうちに暴走行為をやっていて検挙されまして、自分はもうやらないのだけれども、見物人のほうへ入っていって拍手かっさいしに行く、そういう人たちもその群衆の中に見受けられるようになってくるというようなのが大体の群衆の階層といいますか、性格ではないかと思っております。  で、そういう事態に対処しまして、じゃ警察はどういう手を打ったかと申しますと、当初、確かにこの小さなグループの間は、その所轄警察署の警察官、主として交通警察官なり外勤警察官が暴走の個々の違反行為を取り締まっていくという体制で始めているわけでございますけれども、だんだん数がふえて手に負えなくなる。そこで最終的には県警本部が警備本部を設けて相当数の機動隊、その他県下の警察官を動員しまして、部隊を編成して鎮圧に当たっていくという形態をたどります。ただ、そのときに、私どもの基本的な方針として指導いたしておりますのは、数台集まったその萌芽のときに白バイなりパトカーをやって検挙するし、そのグループを散らしていく、そしてそこでは暴走行為ができないようにするというのを基本的にやる。それから、どうしてもそれで散らなくて、ある程度集まった場合には、群衆と、つまり見物人とサーキット族とを分離するという方針で、分離するためには群衆が集まります場所、人が集まりやすい場所をサーキット族の通行できないように交通規制をして、そこの群衆が集まっている場所で、目の前でサーキット行為をさせないという基本的な方針でやっております。と同時に、マスコミにもよく実情を話し、あるいは県知事、当該市町村長さん方とも十分連絡をとって、そういう行為の違法性、反社会性を強くキャンペーンしていく。それから検挙いたしました若者については、その親であるとか、あるいはその雇い主に通知をして、そういう道路上で競争するような自動車の使い方をしないように、十分に監督者の面からの指導もしていただくという手を打ってまいったわけでございます。  それから、じゃなぜこういう特定の場所で起こるんだろうかという疑問を私初めは持っておりまして、なぜ福井で起こるのだろうか、富山で起こるのだろうかと言って、その当該県の本部長にも聞いたわけですけれども、なかなかこういう理由ですという答えが返ってこないのでございますけれども、ただ言えるのは、場所的に比較的街路の整備ができた広い街路がある、そして夜間になると一般的な交通量が減る、したがってサーキットをやるにもつてこいの場所ができておるというのが一つあろうかと思います。それからもう一つは、非常に平和な、変化に乏しいと申しますか、そういう地帯でございますから、何か催しものといいますか、何かできごとがあると自然それを楽しみに人が集まってくる、そういう問題もあるのではないだろうか。で、取り調べました違反者の供述の中にも、たとえば自分が暴走しておると拍手されたりあるいは喚声をあげて見物人が声援してくれる、そうすると何かしびれるのだということを申しております。そういうところに、大体走っている若者、あるいは見ている見物人の状態がよくあらわれているんではなかろうか。私どもはそういう見方をいたしております。また何かございましたら補足して御説明申し上げます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 まあ随時、車の変化、あるいはサーキット族の年齢構成の変化、あるいは職業その他概括的な報告でありましたけれども、車の変化もわかりますが、年齢の問題ですね、一番年齢が高いのは何歳ぐらいですかね。それが私は二十だと思うのですが、しかも同時に、二十五歳以上はほとんどいないわけですけれども、二十歳ごろの年齢層の連中が特にその族の中心になっているというその精神構造の問題が一つありますね。同時にまた、その人の背景にある家庭構造あるいは社会構造、職場の問題、こうした問題に対する——これは警察当局にお願いするのは無理かもしれぬけれども、   〔委員長退席、理事寺本広作君着席〕 どうです局長、局長なりの分析をしてみたかどうか。それらのところをまずお聞きしたいと思います。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) 年齢は、これは富山の事例でございまして、富山で非常に正確に調査をいたしておりますが、検挙いたしました人員九百五十八名の中で一番数が多い年齢層は二十歳、これが百五十一名で一五・八%でございます。その次に多いのが二十一歳で百五人で一一%、その次が十九歳の百四人、一〇・九%、二十二歳の百人、一〇・四%、したがいまして、十九から二十二、その辺に主としてもう中心がございます。ここでもう約四〇数%がその年齢層に入っております。しかも、いま申しましたように、私も何と申しますか、ソシアルワーカーでございませんのでよく実態わかりませんけれども、現地の話を聞いたり、あるいは職業別を見たり、取り調べの結果などを聞きまして私なりに思っておりますのは、何かやはり日ごろは会社とか店で働いておる、あるいは左官、大工をして働いておる、そして休み——みなこれは土曜日から日曜日の朝にかけての問題でございますが、休みの日に何か日ごろのうっせきした気持ちを吐き出していきたいという、そういう心理状態にあるのではなかろうかと思います。しかもこの中で、大体まだ親のすねをかじっている子供が多いと思いますが、したがって月賦で頭金を少し出せば車が買える、そして月給がかりに大体四万円だとすれば、車の代金を返すのに三万円ぐらい毎月払っていく、残りはガソリン代だというようなことで、生活は親持ちというような人もおったようでございます、一つの例でございますけれども。そういうことで車が簡単に手に入る。そしてその車でもって結局若さといいますか、うっせきされた気持ちを発散する方法としてこのサーキットをやっていく。自分一人じゃなかなかできないのだけれども、だれかリーダーがおればそれに集まってやっていくと、いつの間にかどこのだれか知らないけれどもグループになっていくといった何か傾向が見受けられるように私は考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 私、まあ国会終わってからその事件がございましたので、現場の警察署長五、六人訪ねて、いろいろ現場指導に当たって目をはらかしている署長にも会ったわけですがね、たいへんみな苦労しておられる。ただ、いま対策等について政策的に論理的に私やったわけではございませんので、たとえば根のところで、集まらない先にこれを押えると、これは初期的な処置ですね。それから見物人との間を隔離、分断をすると、これは共通してとられた方法だろうと思いますね。もう少し、たとえば本県に入る前に、福井で問題を鎮静化させたのは私かなり教訓があるように思います。同時にまた、ほかの県もそうだが、私一番よくわかるのは私の県のことですが、片岡局長のほうで、富山県を中心にお願いするのはたいへんやぼですけれども、   〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕 しかし、いま今治にも飛び火をしておりますし、また暑さが続きますから、これからどこでまた火をふかないとも限りませんので、ここらあたりでこうした問題の基本的な対策をお互いに知恵をしぼって経験の中から確立しておく必要があると思いますから、あえて尋ねるわけですが、一体どういう方法が最も効力があったのだろう、効果があったのだろう、これは局長どうです、集約した結論は。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) 私やはり一番、そういう大きなグループになって騒ぎが大きくなる前に、萌芽の形態の間に早く発見し、そしてそれを早く、署だけの問題にしないで本部にまで上げる、本部長の意識にまで高めて、そしてやっていく。警視庁が比較的古くからそれに悩まされておりますので非常にうまくやっておりますけれども、それはもう白バイなりパトカーの隊員が見ていて、そういうグループがあればすぐ寄っていく。そうしてずっとそれをつけ回していく。そうすると、もういやになっちゃって、やめて散っていく。そういうことで、初めの間からグループをつくらさないというのが最大の対策ではないかと思います。それから、ある程度もう出ちゃったときには、私、何と申しましてもマスコミのキャンペーン、その行為自身の反社会性を強く訴えたような、本人はもうそういうことはやらない、親なり雇い主も注意してやらせない、そうしてそういうものを拍手かっさいしに行かない、見に行かないということを強く訴えていくということが一番いいのではないかと、このように考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 最後に、非常に言いにくいことだけれども、富山の現象なんか見ていると、もう最後はやじ馬のほうがかえって熱心になるわけで、サーキット族とやじ馬とが連合軍をつくったというわけじゃないけれども、全く込みになった、まかり間違えば地方の一つの大きな一揆的な暴動になる、暴徒総決起という形の危険性があるわけですが、その中の核になっている一つの心理的状況を、これはまあマスコミの皆さんもかなりきびしく批判しているわけですが、私もそう思うことが一つある。それは一般大衆の警察に対する日ごろの腹立ちが、江戸のかたきがサーキットへきたという点があるんじゃないか。局長、ないと思いますかね、私あると思うんですよ。そこで、おたくのほうの、そうしたことを予想されて「七〇年代の警察」という、これはもう白書と申していいか何と申していいか知りませんが、ことしの六月、私たちのボックスに入ってきておるわけですね。この中に、国民との連携の強化というのが高くうたわれておるわけです。でありますから、警察もそのことを自覚しているはずです。でありますから、今度の国民の間における警察アレルギーと申しますか、警察に対する不信感というものが、いざという場合に手に石を持って投げるという行動にまで発展するおそれが富山の場合もあったと思います。確認ができなかったから逮捕されておりませんが、そういうことを思うときに、そのことを警察はまず認められるかどうか。認められるとすれば、今後の大衆と警察との連携の問題について、ここにはさらさらと名文章で書いてありますがね、これだけで済まされるのか。この辺のところについて、駐在所がどうだとか、遺失物をもって住民と接近するとか、それだけでは済まされないのではないか。もう少し警察当局が、いわゆる大衆の警察としての今後大胆な方針をとらないと、こうしたときにそれが爆発するというふうに私は考える。きわめて私はつむじ曲がりですからね、つむじ曲がりの分析のしかたをするのですが、当を得ているかどうか、得ているとすれば、警察当局がそうしたことに対処する考え方を、局長たいへん御無理だけれども、お出しいただいたらどうかと思うのです。これは私承知しておきたい。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) まあ国民の中に警察アレルギー的な気持ちを持っておられる方もおられると私思います。それがいろんな、その人によってみな違うと思いますけれども、その人たち、国民の一人一人が何らかの形で警察官と関係、接触があったという、そのときの警察官のあり方によって警察のイメージというものはできていくと思いますけれども、そういう意味で、国民一人一人との間の良好な関係を保つような日ごろの執公務というものが私は大切だと思います。その点は十分私どもも留意して仕事をやっていくべきだと思います。ただ、よく私ども交通警察をやっておりますと、刑事警察をやっておる諸君から言われるんですけれども、どうも交通の取り締まりをやると聞き込みがやれなくて困るとか、そういういろいろ内部にも問題をかかえておりますけれども、まあ交通違反で大きな交通事故があった場合に、もっときびしく取り締まれという声は国民の中から出てまいりますし、一方、じゃ車を運転しておって取り締まりを受けた、罰金を払った国民の立場に立てば、決してこれうれしいと思う人はだれもいないと思います。ただ運が悪かったとか、まあやむを得ないという方が多いんじゃないかと思います。しかし、その場合でも、その個々の警察官の執公務のやり方、態度、言動によって非常な悪感情を抱かれる場合もあろうし、まあ御苦労によくやっているなという気持ちを持っていただける場合もあろうと思います。そういうことで、私どもは、やはり個々の実際に第一線に立って、街頭に立って働いている交通警察官あるいは外勤の警察官あるいは刑事諸君のそういう面の教育ということは、十分今後もやってまいりたいと、かように思っております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 で、この問題から、派生的には暴走族に参加したということで会社から首になるとか、いろいろな労働問題も派生しているわけです。同時にまた、いまほどの前後のやりとりの中で明確のように、うっせきに耐えることに苦しいからやっているという問題ではない。あくまで一つの今日的な社会状況の中からかもし出された病的現象だと。だから、それだけに警察だけ責めるんじゃなくて、われわれ政治家としても、日本の政治に対する不信とか、そうしたもろもろの、私は公害現象でいう光化学スモッグのようなもんだと思います。でありますから、原因をもっともっと、われわれは政治的な立場から、警察、それぞれの行政の立場から、とりわけきょう出席を求めなかったけれども、文部省の社会教育局長あたりが出てきて、この問題に対する分析なり対策を講ずべきだと思うのです。文部省の問題でないと考えておったら大間違い。そういう点等も考えていただきたいと実は思っておりますが、そういう点は各省との連携の中で、こうした問題の起こらないように行政的な努力を要求すると同時に、私たち政治家もまたえりを正してこうした現象に対処していきたい、このように私はこの問題を締めくくっておきたいと思います。でありますから、質問はこの問題に限って一応終わります。  それでは、最初に申し上げました八月五日でしたね、横浜における戦車問題でありますが、私はこれは起こるべくして起こったと思うのです。六月六日の地方行政委員会で、各省庁の政務次官、大臣を要求したのでありますが、これは委員長も大臣でなきゃならぬということで、私は一回の質問を中止して、次に大臣の出席を要求いたしましたら、それぞれその当時の政務次官であります、建設省からは藤尾政務次官、外務省から大西政務次官が出て、しかも大みえを切って、私は大臣でないけれども、大臣として責任ある答弁をいたしますという藤尾政務次官の答弁は、私はいまだに忘れることができません。それはそうでしょう。そういう立場から答弁された内容を繰り返しませんけれども、この答弁の山場を明確にしようと思います。で、時間が長く食い込むことを避けるために核心に触れたいと思います。時の建設政務次官は四十六・七トンの戦車であることは認めました。しかし、それがトレーラーの上に乗せると道路の表面に対する圧力は必ずしも四十六・七トンでない。きわめて物理的な御答弁であって、何かしら逃げ場をつくるような巧みな答弁であったと私は思っております。しかしながら、これは建設省がいかにそういう逃げ口上をつくるような答弁をしましても、道路法の四十七条、あるいは車両制限令による第三条、なかんずく、これは時の政務次官の説明によると、四月一日から二十トンが二十七トンになった。しかもその二十七トンは、車両の形態が変わり、社会の進歩に従って重いものが道路上を走りますのでやむを得ない。だが二十七トンは大事なんだと、これを限界にして厳重に取り締まるというのが、われわれ国民からその管理運営を委託された道路管理者である建設省の大臣の答弁であったと私はみなしているわけであります。でありますから、いま横浜でごたごたした四十六・七トン・プラス・トレーラー、これはまかりならぬと私は建設省の立場からも考えられる。交通当局も、相模原警察署がこれに対して警告を発した。その警告を発した文書を私はもらいました。そういう警察的な行政努力もしております。そこで最後に問題は対アメリカ関係でございますので、外務政務次官からの答弁と、それから外務省の松田慶文という方の、説明員の答弁等を総合いたしまして、結論としてこうなるわけであります。「御指摘の米軍の車両による交通法規の無視」、これは六月六日の私の——私だけではありませんが、当日の地行の速記録であります。「これはまことに遺憾なことでございますが、この点につきましては、米側に対しまして、わがほうの法令の尊重方を厳重に申し入れをいたしまして、先方も、今後このようなことはしない、」、ここを繰り返し申しますよ。「先方も、今後このようなことはしない、こういうことを約束しておるわけでございますので、その後はそういう問題は起こってないと存じております。」、六月六日であります。二月後に何をしたか。一体その辺の関係を建設当局も、それから警察当局も取り締まり行政の観点から、とりわけ外務当局はどのようなことをしたか。なお私はこういうことを質問していって、続ける過程の中で、時の松田慶文説明員の答弁によりますと、「外務省から外交ルートで米大使館に申し入れてございます。」、そこで私はこういう皮肉を申したんであります。「お出しになった文書をいただけませんかね。公務員法違反にならぬようにしてください、」と言って、まあ蓮見さんのことを念頭に置いて冗談を言ったんでありますが、説明員は、「通常その種外交ルートにおける連絡は口頭による申し入れをいたすことになっておりまして、今回の場合も口頭による申し入れでございます。」、私はびっくりいたしました。「日本の国内法をじゅうりんしているのにかかわらず、口頭でちょっと気をつけなさいよと、頭なでてくるんですか、そんな外交ですか。秘密電報等、非常にあるということを聞いているのですが、そんな外交でやっておるのですか。楽ですよ、私、外務大臣やりますよ。」と言ったのです。そこで、あわてふためいてどういう答弁をしたかというと、「ただいまの御質問が、申し入れをいつ行なったかという御質問でございましたから、日付を申し上げて、その方法が口頭であったと申し上げました。」、このあとが大事でございます。これはあとで答弁を、説明してほしい。「しかしながら、なお補足させて御説明申し上げますと、この種日米間の案件につきましては、地位協定の実施という側面を持っておりますので、地位協定二十五条によりまして設立されております合同委員会の案件として処理する方法と、あわせて外交ルートに乗せまして外務省、米大使館の間でものを申す方法と二つあるわけでございます。私どもといたしましては、関係省庁と御協議の上、合同委員会を通じる正式の文書によりまして米側に注意喚起及び法令尊重方を申し入れる予定にしておりますが、」、このように合同委員会のことを訴えておるわけであります。だから、外務政務次官からまずお尋ねしますが、私への六月六日のこの答弁以後、口頭による申し入れ以後、文書によって合同委員会、何月幾日の合同委員会においてどのような文書をお出しになったか、この委員会にぜひとも出してほしい。それをつかまなければ、次の問題へは発展はできません。明らかにしてほしい。

青木正久自由民主党外務政務次官

○説明員(青木正久君) 橘アメリカ局長代理からお答えいたします。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) ただいまのお尋ねの件でございますが、六月六日の当委員会における松田説明員の説明後に、間もなく、六月の八日に合同委員会が行なわれましたが、その席上におきまして、日本側より文書をもちまして、道路交通法、なお、そのもとにおける車両制限令というものがありますよと、それについても尊重するようにしてください、尊重されたいということを米側に申し入れております。なお、その後七月の三日に、これは安保条約の実施に関するいろいろこまかいことの協議をやる、まあ随時協議を米側とやっておるわけでございますが、七月の三日にやはり事務レベルでのそういう協議がございました。その際には、口頭をもちまして、さらに道路関係の法規をよく守ってくださいということを米側に重ねて注意を喚起してございます。  以上がその後におきましてとられました措置でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは、先ほど質問の中で、文書をと言ったでしょうが、手元にございませんか。その六月八日の合同委員会に出した文書を出してください。あなた方、口頭では一番だめですよ、それは。そんなことで外交できますか。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 六月八日には文書をもってわがほうより申し入れてございます。ただ、合同委員会におけるいろいろな文書に関しましては、過去における国会の審議におきましても御了承を得ているんでございますが、その文書をそのままここへ出すということは差し控えておりますので、その点は御了承を得たいと思います。ただし、文書をもってはっきり申し上げていることだけは確言申し上げます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 では、そのまま出されぬと言うのですから、おおよそ言ってくださいよ。国会議員ですよ、こちらは。おおよそ言ってください。そこがあいまいになっては話の論点が展開できませんよ、私は。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 六月八日付の合同委員会に対するわがほうの文書は、日本の道路交通規則、法令の順守についてという主題の文書でございます。その中に、道路法それから車両法規、これらにおけるいろいろの要件を米側において特に注意をして、道路管理者の意見等をよく尊重するようにということを申し入れておるのがその趣旨でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そこで道路管理者というのは、横浜の場合は飛鳥田市長であったかもしれませんが、それは市道に関してでしょう。国道は建設省なんです。そうすると建設省が、この横浜に起こった現象について、市道に入るまでは国道なんです。どういう連絡を受けましたか。

小渕恵三自由民主党建設政務次官

○説明員(小渕恵三君) その後におきましては連絡を受けておりません。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それはおかしいな。それは私困るわ。そんな無責任な……。私、ここで調査室からいろいろ資料をもらっているわけですが、この中で、藤尾政務次官がこの間答弁の中で、あの人はなかなか回りくどい話をされる人でわかりにくいんですよ。それで私精一ぱい政治家として判断をしたんですが、その中の一つとして、この相模補給廠から横浜に至るまでの橋梁、橋幾つあるかと言ったら、六つある。その橋が建設時点でそれぞれ設計があるかと思うんです。設計は、何トンの車が通ることを想定に置いてその橋をつくられたかということを聞いたわけです。その後資料としては、あるいは昭和四年につくられた橋、あるいは十六年につくられた橋、それから四十一年ですか、一番新しいのは。ところが、そのときの話では——建設省はよく聞いておいてくださいね、私は、逆に言っていいですよ、一番弱い橋は幾らかと聞いた。二十六・七トンとおっしゃった、一番弱い橋は。そうすると、それはたいへんでしたね、四十六トン何がしにプラストレーラーですから、橋落ちませんでしたかと聞いたら、いやだいじょうぶでしたよ。ああそうですが、いいあんばいでしたな、しかしそれで済みますかと言ったら、いや、保存何とかをしますね、建物にしても橋にしても、そういう維持保存するところの年限というのはあるわけです。それが少し縮まったかもしれません。すばらしい名答弁をされた。そこでお聞きをしたいのは、きょうもらった資料でも、いま申し上げた最高の重量、どの橋が、どれぐらいの重量をもって通れるか。横浜の市道にかかっているのは、新聞で私見たんだから確認できませんが、たしか戦車と同じ四十六・七トンだというふうに言っておられるようですが、その他の橋はどうですかね。幾らありますか。この間は二十六・七トンがぎりぎりの橋だそうです。六つのうちの一つ。その点もう一ぺん確認したい。それぞれの橋ももう一度申してください。幾つも橋がきまってるんだから。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 橋の設計をいたします場合に設計荷重というのがございまして、ただいまは二十トンを設計荷重にしております。ただし、これは通常のトラックを想定いたしまして、それは総重量二十トンのトラック、それが橋に連続してずっと並んで通っていく場合、そういうものを想定しております。したがいまして、たとえば五十メートルの橋でしたらトラックが大体十台ぐらい乗ると思います。そうすると、もう簡単に申しますというと、二十トン設計というものはそういうものでつくるわけです。そうしますというと、五十メートルの橋に約二十トンが十台、二百トンくらいの荷重が乗ってるような計算になるんです。ですから、われわれの車両制限令等によりまして二十トン未満のものは自由に通行をさしておるわけでございます。それは要するにどんな状況であってもだいじょうぶだからでございます。ところが、二十トンこえますものにつきましては——まあ二十五トンや七トンぐらいでしたら、これは実際問題ほとんどチェックは要らないわけでございますけれども、一応設計荷重こえておるものでございますので、許可を申し出ることになっております。特に一番われわれが心配しておりますのは超大型のものでございます。たとえばいま重戦車みたいなこういう四十トンをこえるような重量につきましては、橋によっては非常にぎりぎりの線で、先ほど申し上げました橋にはそれぞれ安全率というものがございます。たとえば橋を設計する場合に、鉄はたとえば二千六百キログラムパースクエアセンチで切れる、破断するものも、実際はその半分ぐらいでもって設計せられます。それからまた、そのほか地震に対する安全であるとか、あらゆる安全を見込んで橋というものは設計されておりますから、実際あれが二十トン荷重で設計されましても、実際は四十トンないし五十トン通ってもだいじょうぶなものはございます。多いのでございます。おそらく六十トンぐらいまで通るのは普通だと、無断で通っても通れぬことはないと思います。しかし、先ほどのお説のように、たとえば百年間もつと予定した橋が、そのために耐用年数があるいは五年縮むとかあるいは六年縮むとかというようなことになろうかと思います。ですから、道路を管理する者としましては、超大型のものに対しては非常に細心なチェックをするわけでございます。したがいまして、橋というのは個々の橋がすべて全部違っております。御承知のように、まず主げたというものが通りまして、その中間に横げたというのがございまして、その中間にストリンガーという縦げたが入りまして、その上に床板というものができておりまして、それぞれの部材についてチェックを行ないまして、それぞれが何トンに耐えるかというものをして、総合して幾らに耐えるという計算をいたします。したがいまして、簡単にこの橋は何トンに耐えますかと言われましても、私は、たとえば三十トンの車は通せますかと言われたら、即座に通せますと言いましょう。ただし、五十トンないし六十トンの場合通れるかと言いましたら、その場合、深夜にたった一台だけ、普通は往復車線ですけれども、それを一台だけ通しまして、しかも、ある非常にインパクトを与えないような、衝撃を与えないようなゆっくりした速度でもって走った場合には、しかもその走る位置を指定した場合には、あるいは通れるかもしれません。そういうものは技術屋が丹念にチェックしないとわからないと思います。したがいまして、どこまでの限度かという御質問でございますが、私自身その橋の、個々の橋について技術者にそれぞれチェックさせないと実は正しくはお答えできないわけでございますが、まあ非常に簡単に申し上げますと、三、四十トン程度の橋でしたら、まず大体通行の方法と、それから時間とかそういうふうなものを制限し、あるいはものによってはある程度の補強——これは補強と申しましても、鉄板を敷くというような方法もあります。覆工板といいますが、そういうような方法をとることによってさらにもう少し通せる場合があるのじゃないかと思いますが、これらにつきましては、各それぞれの橋の個々の設計図を見ないというとこの実際の御返事はできないような情勢でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 どうも話が混乱しない先に念を押しておきますがね。先ほど私、橘さんの答弁の中で、合同委員会の席上で、あるべき道路管理者には十分連絡をとってもらいたいと言いましたが、だがしかし、政務次官は何ら連絡をとっていない、これがはっきりしております。これを確認しておきますよ、政務次官ね。これは非常に重大なことです。  その次にね、局長ね、あなた橋の話、なかなか技術屋としての詳しい説明をされたので、ますますもって私は混乱しましたけれどもね。それでは、これどなたに質問していいかわからぬが、車両制限令違反の場合に、これに対する取り締まり、処罰をするのはどの省ですか、はっきりしてください。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 車両制限令に違反した車を道路管理者が見つけまして、警察に、取り締まり当局に告発して、警察のほうから処罰することになっております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そうすると、あなた方眠っておると警察も眠っておっていいわけですよ。しかもいまのような解釈では警察が自発的に取り締まりできませんよ。片岡さんできますか、そういうこと。この橋一つ一つについて何も書いてないのだから、その橋にはこれだけなら通る、何台ならだいじょうぶだ、深夜ならだいじょうぶだ、連結して行ったらこうなる、どこに書いてある、橋に。そうでしょう、高橋さん。書いてないでしょうが。そうすると、警察当局はどうするのです。何で取り締まるの、これを。それは片岡さん、あなたひとつ頭白くしてだいぶ勉強したそうだから答弁してくださいよ。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) いま道路局長から答弁がございましたように、道路法あるいはそれに基づく車両制限令等につきましての違反につきましては、その絶対的な禁止ではなくて、一般的に禁止をしておいて、そうして許可申請をして、許可になればいいと、そういう仕組みになっております。したがいまして、第一義的には道路管理者あるいはその道路管理者の命を受けた監理員の告発をもって私どもが捜査をするという、そういうたてまえになっております。ただ、たとえばその非常に木橋で脆弱な橋の場合に、五トン以上の車あるいは十トン以上の車は通っていけないという、二十トン以下に規制した標識が出ておるというような橋がございます。そういう橋にダンプカーが通っておるというようなことを警察官が現認すれば、そういう場合には、これはどうも違反じゃないかという疑いを持ち、捜査もやることができると思いますけれども、そうでないりっぱな橋の場合に、そこを何トンまでの車が通っていいかということは現場の警察官には全然わかりませんし、また具体的にそれを調べようとすれば、その車そのものの重量をはかる装置がなければそれ自身の捜査もできないということではないかと思います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 私は清水谷宿舎におるのですよ。いまどういうことが起こっているかというと、隣にホテルニューオータニの新しい建物を建てる工事が始まっております。ものすごく朝早くから音がするので困ったなと思うのですが、それはそれでがまんをしているけれども、感心していることは、けさ、あそこへ五分ほど立ちどまって、土砂をくずして土砂を積んだトラックが出て行くところを見ておるのですが、きちんと上を何で包んでおります。これが一つ。これはあなたのところから注意したんだと思いますがね。もう一つは、どろの上を走って来た車ですから、どろがついている。それをすごい圧力の水をぶっかけて車のどろを全部落としてから舗装上を走っているのですよ。これは大成建設ですがね。こうした民間の資本が涙ぐましい道路上の配慮をして努力をしているこの現実を私は見ました。そういうこととあわせかねて、いかにアメリカの戦車といえども、横暴きわまる形で、建設省へも連絡もとらなければ、警察の皆さんもあと追いの形で、告発ない限りは手をこまねいて、こうしております。こういう状態でしょう。だれがこのあばれん坊をつかまえるのですか。われわれ国民は困りますよ。だからある種の新聞が言っているように、米軍は日本の主権を尊重せよという基本的な問題に入らざるを得ない。私たちが年来主張する安保条約の問題にまで入らざるを得ない。日本の今日の安保体制の問題にまで入らざるを得ない。沖縄にB52が遠慮なく出入りしております。この事実を私たちは黙認するわけにいかない。戦車の問題ではないのであります。  でありますから、警察、もう一ぺん技術的なことを聞きますが、この前は相模原警察署が警告を発し、それなりの努力をしてくれました。今度はどういう連絡を受けてどういう処置をとり、県警察本部、国の警察庁本部がどういう指示を与えたのですか、今度の場合。車が出てしまっているじゃありませんか、横浜まで。道中でなぜとめられない。なぜ警察がとめなかったか。こんなことができないのですか。どんなにスピードを出したって、それだけの余裕があるはずであります。そこら辺のところを警察当局の臨機の処置と申しますかね、その辺のところがとれないのかどうか。これまた、アメリカとの関係において、日本の主権の一つである警察権まであくまで金縛りになっている現実を片岡局長認めるのかどうか。とにかくどういう処置をあなた方はしたのか。横浜市長ががんばってとまったかのように伝えられております。ぼくは残念でたまらない。横浜市長はほかの仕事があるはずです。わざわざそういうところで陣頭指揮をとらざるを得ない今日の状況、尊敬する飛鳥田市長がそこまで出なければならないところに今日の国政が眠っていると言われてもしかたがないじゃないですか。警察どうしておったんです。それを聞かしてください。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) 八月四日の午後三時四十分ごろに、相模原の補給廠から相模原警察署に対しまして、本日午後十一時ごろから横浜のノースピアに向かって戦車を運搬するという連絡がありました。それで県警本部は、在日米陸軍司令部の横浜のノースピアの陸運部長に対して電話で、戦車の運搬については道路管理者に連絡をとり運行するよう指導した。さらに同様に、座間の在日米陸軍輸送司令部副司令官に対して、戦車の運搬については許可等の問題があるので道路管理者に連絡の上運行するよう電話による警告を行なった。それからなお米軍物資の輸送を請け負っている輸送業者に対しても、戦車級の重量物を運搬するという場合、道路管理者に許可を受けるように指導をしておる、そういうことでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そこで、あとは言わぬでもわかっておりましょう。あとは竹田君のほうから鋭く追及しますからね。それはそれで一応……。ぼくは、この間金日成に会いましたのでね、犬小屋に入って犬をつかまえようとすると自分がかみつかれるそうで、犬小屋のドアをあけると犬が逃げていきます。逃げていくしっぽからつかまえるとっかまえられるという話を聞きました。私はその論法をいま利用しているわけです。一応残しておきますから、犬小屋の戸をあけておきますので逃げてください。竹田君が食らいつきますからね。  問題は、きょうは、あと政務次官の時間も限られておりますから竹田君に渡しますが、一番大事なことは、現在相模原補給廠に何台戦車があるか。それが今日の、この間の六月六日の政務次官の答弁ときょうの答弁とを総合しますと、それはそれ以上出れないことになります。どこにも行けない。当然でしょう。ところが新聞等で伝えられると、米戦車に便法を考えて検討しているとか、あるいはルートを変えるとか、空にぶら下げていくとかいろいろなことが書いてあります。空にぶら下げていくのはどうも私たち抵抗しにくいような気がしますけれども、しかし、少なくとも国道、市道を走る場合には、これは車両制限令の例がありますから、特例を変えるか安保条約を変えるか、どっちかで勝負をつけなければならない。このことはきわめて重大ですから、これは外務政務次官から明確な答弁をいただきたいと同時に、最後にもう一つ、すでに静岡で告発されている六十トンもあろう大きな戦車が演習のために日本に来ている。そのために今沢ですか、何か海岸から入ろうとしております。この事実は認めますかどうですか。こうした問題等について、一体外務省はどういう腹で外交を展開しようとするか、外交の基本的なこの問題をめぐってその方針を明らかにしていただきたいと同時に、私はあとのところは、より具体的な八月五日の現象的な問題等につきまして、現地指導しました同僚の竹田委員がおりますので、竹田委員の質問に譲ります。最後のところをひとつ外務政務次官しっかり答えてほしい。

青木正久自由民主党外務政務次官

○説明員(青木正久君) 御存じのとおり、地位協定の五条によりまして、米軍は施設区域間の移動というものが認められているわけでございまして、政府といたしましてもこのことをやっぱり確認を、何といいますか、その移動ができるようにやはり守る責任があるわけでございます。一方、しかしながらこの移動の場合に、交通の秩序とかあるいは道路の安全あるいは橋や道の保護ということなどにつきまして国内法がいろいろあるわけでございまして、その国内の法規も守らなくちゃならないこともまた事実でございます。したがいまして、これからの見通しでございますけれども、この二つの間の調整をはかりつつ具体的な解決の方策を見出していきたい、こう考えておるわけでございます。目下日米間、さらには日本の関係官の間でその話を詰めておりますので、もうしばらく時間をおかし願いたい、こう思うのでございます。何ぶんにも問題が多岐にわたっておりますので時間をおかし願いたい、こう考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 答弁で、調整ということばは非常に私気に食わないわけですね、しかし追い詰めません。先ほどのように犬小屋の中でつかまえようと思いませんから、一応逃がしておいて、この次の段階で質問します。どうぞ竹田君。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 外務政務次官、いま相模原補給廠に何台の戦車があるかということを杉原委員から質問があったんですが、その点についてあなた答えてないんですが、それを答えてください。

青木正久自由民主党外務政務次官

○説明員(青木正久君) 私は存じておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それは日本の政府はどこもキャッチしていないんですか。

青木正久自由民主党外務政務次官

○説明員(青木正久君) 米軍の中のことでございまして、日本政府はキャッチしていないと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 はなはだそういう点から米軍に従属している態度だと私は言わざるを得ない。少なくとも今回の横浜の村雨橋に起きた戦車輸送計画を阻止する戦い。これ、実際に全体の戦いを統括された片岡参議院議員もここに現実に聞いているわけですから、だから私は初めからではありません。さらに今後それは追及されるかと思います、私だけじゃなしに。  そこで、この間の米軍の相模原補給廠から運び出すところの戦車の輸送計画というものは、新聞によりますと、十七台の戦車を今月の十七日までにベトナムのダナンの基地に必着するような作戦命令が出ていたと、こう言われます。もし、この命令がそのままであるならば、ノースピアから積み込んでベトナムのダナンに行くまでには、おそらく一週間くらいの時間というものは必要とされると思う。きょうはもう十日なんです。そうしますと、今晩あたりまた相模原の補給廠から具体的に戦車輸送を開始しなければ間に合わないということになります。この計画が一体どうなったのか。これだけの問題を起こして、わざわざ相模原から横浜の神奈川区のノースピアの入り口まで来た五台の戦車がUターンして帰ったわけですね。それまでの事件を起こしているわけですね。事件を起こしていないと言うならば、私はそれはわからない、軍命令であるから、わからないということも言えると思うのですがね。具体的にこの十七台の戦車を八月の十七日までにダナンの基地まで送り届けるという軍命令、それはその後どうなっているのですか。それが明らかにされないと、私どもも十六号線にきょうの晩あたりからまたピケを張らにゃならぬ。法律違反を平気でやっているところの米軍の戦車の輸送というものをとめなければ国内法を守るということにはならぬわけです。その計画は具体的にどうなりましたか。

青木正久自由民主党外務政務次官

○説明員(青木正久君) いま、十七日までにダナンに運ばなくちゃならないという御指摘でございますけれども、われわれそういうことを全然存じておりませんのでお答えのしようがございません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 何も知らぬ存ぜぬということでは、まことにあなた外務政務次官をやっているのかどうなのか疑わざるを得ないのですね。それは何も日本の法令を守ってやっていることであれば、あるいは知らない、あるいはわからないということはいいですがね、これだけの事件を起こしているのですよ。毎日の新聞がトップ欄でこれを扱っているような記事なんです。しかも法律違反をやっているわけなんです。日本の各大臣も、米軍に日本の法律を守るように要求をしているし、守らなかったことはきわめて遺憾ですという、国会でもちゃんと陳謝をしている。これだけ重大な問題で、その後のことがわかりません、これじゃ国民納得しないです。答えてください。調べて答えてください。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 政務次官から御答弁申し上げましたように、米側における輸送の計画とかそういうものの細目については私どもも存じません。ただ、これも政務次官から御説明申し上げましたように、一方において、地位協定の五条に基づく米側としての輸送、こういうものを輸送できると、われわれもそれを確保するという要請が一つございます。同時に、国内の法令で認められるところによってこれをやらねばならぬという、もう一つの要請がございます。これを、両者を調整してこの問題を解決したいということをいま検討を進めておるわけでございますので、そういう方針で今後ともなるべく早くこれを解決したいと思っておりますが、それ以上具体的に、いつまで、どうこうということは、米軍内部の事情も私どもわかりませんし、また先ほど申し上げましたような、そうしたわがほうとしてのこの問題の解決の方針に沿った方法によってこれを解決したいと考えておる次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どこの外務省なのか、私はこういうことになるとわからないと思うんですね。非常に国民は心配している。しかもこの戦車輸送というのは、建設省は、さっきの話だと、よく見てそれを警察に告発してその違反をやるという、建設省は夜は眠っている。だれも見ている者はいない。こういう中で堂々とやられてきているのですよ、いままで何回も。それに耐え切れなくなったから今度とめたんです。ぶっとめたんです。法律も変わったという時点もあるからぶっとめた。それを相変わらず存ぜぬ知らぬということじゃ私は困ると思う。これは委員長、はっきりさしてもらわないといけないんです。これは米軍とかけ合って、その当面の計画は変更になった、いついつになったのだというくらいのものは、国民に対してそのぐらいの答弁をする私は外務省は責任があると思う。どうですか、できませんか。そんなことできないなんて、ばかなことないですよ。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 繰り返しになって恐縮でございますが、先ほど申し上げましたような方針で、この問題をどうやって解決するかということになれば、おのずとその段階においてまた明らかにできるときもこようかと思っておりますが、ただいまの段階では、それ以上申し上げかねる状態でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私どもの計算ですと、もうきょうの晩出さなければその命令を遂行することはできないわけですよ。そういう事態の中で、その計画が変更されたということすらも言えないなんという、そんなばかなことないじゃないですか。変更されたぐらいのことは言えるでしょう。どうですか、変更されたぐらいのことは言えるでしょう、 それも言えないんですか。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 重ねて繰り返しということになりますが、ただいまの段階では、先ほど申し上げました以上のことは何にも申し上げかねるということなので御了承お願いしたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 あのね、そんなばかなことないと思うんです。それは変更されたというぐらいのことは、これは私は軍機でも何でもないと思うんですよ。これは委員長、さっそく調べさしてください。お取り計らいをお願いします。そんなこと、できないことはないですよ、冗談じゃない。

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) それじゃちょっと理事会をやりますから、その間休みます。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 委員長。

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 答弁しますか。それじゃ前言を取り消して続行します。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) これは取り消しというわけでございませんで、補足さして申し上げさしていただきたいと思いますが、何か輸送計画というのがあって、それが変更されたかという御質問でございましたので、先ほど政務次官からもお話ございましたように、その計画というもの自体が、私どものほうに別に説明を受けてもおりませんし、特に受けるべき立場にもなくて、私どもとしては、国内での輸送の問題だけが直接こちらに響くわけでございまして、したがいましてその輸送の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、政府としても地位協定上の、わがほうとして当然やるべきこと、米軍として必要なこと、それから国内法令で認められること、その両者を調整して方途を見つけたい。そういうものが見つかったときに問題の解決ということが次の段階に進むわけでございますので、そのときにまた明らかになれば、そのときもまいろうかというお返事を申し上げたわけでございます。したがいまして、輸送計画云々ということのゆえでございますと、これは全くそれと離れた、米軍がたとえば十七日に云々ということは私どもは存じないので、その点を分けて申し上げたつもりでございますので誤解なきようお願いいたします。

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) ちょっと待ってください。  前言を取り消してということは、あなたがということじゃない。私が、この会議はしばらく休んで理事会をちょっとやりますと言いましたが、あなたが発言をすると言うから、前言を取り消して会議を続行しますということで、あなたのことじゃございません。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) はい。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、いまの局長の発言というのは、要するに、国内の道路を通行することができるという地位協定ですね。それから地位協定の中で、日本の国内法を尊重しなければならないという、その二つの調整がつくまでは戦車は動かさない、相模原の補給廠に置く、あるいは入ってくる戦車も入れない。こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) ただいまの両者の調整をはかって、それからこの問題を解決していきたいと考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 調整をはかった上でこの問題を解決していきたいということは、その問題の調整ができなければ戦車の移動、これはしないということですね。必然的にそう解釈する以外にないですな。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 何らかの形で両者が調整された段階で動くものだろうと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 この許可を与えるのは、これはあれでしょう、特殊車両ですからね、これは道路管理者がそれに対して許可を与えなくちゃいかぬわけですね。そうすると、その調整ができるまでは道路管理者はそういう許可を与えない、こういうことですね。どうもその答弁がはっきりしないんですよ、いまのおっしゃり方では。

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 速記を起こして。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、調整がついたあとで動くであろうと、あなたはそういう予想をしているんですね。しかし道路管理者としては、許可申請が出るはずですよ、これから、米軍から、出るはずですよね。警察でも何回か警告をして、日米合同委員会でも、先ほどの杉原委員の御説明のときに、六月の八日、七月の三日、二回にわたって国内法を守りなさい、要するに許可申請を出しなさい、こういうことをやっているわけでしょう。だから、その調整がつかない限りは許可は出せませんね。

小渕恵三自由民主党建設政務次官

○説明員(小渕恵三君) 調整は外務省とということの御質問でございましょうか。私ども建設省といたしましては、申請が出た段階におきまして、道路法並びに車両制限令その他法規に適合いたす限りにおいては許可いたすものだろうと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ外務省と建設省と意見が一致してないわけですね。外務省のほうでは調整がついたら動かすであろうと、道路管理者は許可申請が出てくればそれは許可しますと言っている。こんな不統一な答弁じゃ私は困りますよ。

小渕恵三自由民主党建設政務次官

○説明員(小渕恵三君) 許可しますということではありませんで、すべての法規にととのっておるとすればこれは許可すべきものだろうと、こう申し上げておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その辺ちょっと意見が違う。意見統一してくださいよ。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 建設政務次官からの御答弁と、私の申し上げたことは、表現が違いますが同じことではないかと存じます。私どもも地位協定上の先ほど申し上げましたような輸送は認められる。したがって、政府としてはそれも確保してやることと、国内法で認められる方途によるということとを申し上げたわけでございますので、国内法令で認められたところというのは、特に建設政務次官のほうからその点を御説明になったわけでございますので、その点に食い違いがないと存じております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 少し方向を変えて聞きますけれども、横浜の戦車阻止事件が起きたあと、あなたのほうは米政府なりあるいは米軍と何らか折衝がありましたか。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 現地でトレーラーが立ち往生した際に、私どもも米側に対しましては、先ほど申し上げましたように、かねて日本の法令というものを尊重してやってくださいということを申し上げました点をさらに指摘いたしまして、米側に、こういう輸送については関係の法令もあるのであるから、それに基づく手続というものも踏まねばならぬのですよということを、あらためてさらに米側に指摘しております。米側もなかなか、実は四月に関係の政令が変わったことでもあり、下部に徹底していなか たうらみはあるが、いろいろ内部でも検討したならば、やはりそういう点は日本の法令を尊重してやらねばならぬのであったということはよく自覚するに至りまして、したがいまして、その後米側において至急に横浜市のほうに許可申請を出すという動きもございまして、現実に横浜市へのアプローチも行なわれたようでございます。そういうわけで、国内法令に認められた法手続を踏まねばならぬということについては、いろいろのいきさつはございましたが、米側においても、これを契機としてよくわかったということは言えると思います。私どももその点は重ねてそれ以後も十分注意を喚起しておる次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 米側がよくわかった、そこまではいい。今後それでは日本の法令に基づいてやっていきますよという積極的な発言はなかったわけですね。あなたのいまの報告でも、よくわかったと言える、この程度のことしかおっしゃらないわけですがね。向こうはこれから日本の法令を守ってやっていきますということは言っていないんですね。言ったんですか、言わないんですか、それをはっきりしてください。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 今回の問題が起こります前に、先ほど申し上げましたように、別途すでに米側に道路法その他の国内法令がありますよということは注意を喚起しておりまして、これを尊重してくれということを言っております。そのときにも米側は、日本側の法令は尊重いたしましょうということを言っておったんでございますが、たまたまこのケース、比較的最近の改正であった、法令の改正であったというところもあって、先ほど申し上げましたように十分下部に徹底しておらなかった点はある。その点は、したがって法令上の手続を踏んでおらぬということは、向こうとしても今後はそういうことはしないということを今後についても言っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 じゃあ、それはそれとしていいですが、あなたの発言の中でぼくはおかしいと思うのは、横浜市だけが道路管理者じゃないのですよ、道路管理者は。国道十六号線の道路管理者はどこですか、横浜市ですか、どこですか、これは。

小渕恵三自由民主党建設政務次官

○説明員(小渕恵三君) 当省でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 建設省に当然それではそういう許可申請というものは出すべきですよ。横浜市だけに出したって、横浜市の道路なんか幾らでもない、大部分は十六号線ですよ。市にさえ出せばほかは出さなくてもいいということですか。国道通るときには国道事務所なり建設省に出さなくてもいいんですか、どうなんですか。これははっきりしておいてください。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) ただいま私どものほうから申し上げましたのは、あそこで立ち往生いたしました五台の問題についての経緯、これを契機として米側はどうであったかということを御質問と考えましたので、五台について、とりあえずあそこで問題になりましたのは横浜市の二つの橋である。戦車はあそこにすでに来ておりまして、あと二つの横浜市の管理しておりました橋が問題でございましたので、その五台の問題について、横浜市のほうに米側が許可を申請をしたいということを申し出ておったというその事実を申し上げた次第でございます。

小渕恵三自由民主党建設政務次官

○説明員(小渕恵三君) 先生の御質問の趣旨よくわかりますが、一応法令上で申し上げますと、道路管理者が二者にわたる場合は、その一方に申し出があり、その申し出があった場合に二者以上のものが協議する、こういうことになっております。一応手続上はそういうことでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 とすれば、建設省はそんなことは全然知らなくてもいいということですか。そうじゃないんでしょう。大体一番先出るところは国道十六号線ですよ。当然建設省に許可申請というものが出さるべきなんです。横浜市の市道を通るときには、建設省が横浜市に、こういう許可申請きているけれども、いいのかどうなのかとやるべきである。ぼくはそう思うのですが、どうですか。

小渕恵三自由民主党建設政務次官

○説明員(小渕恵三君) 御質問の趣旨はよくわかりますけれども、ただいま外務省のほうから御報告のありましたように、国道の場合には一応この制限重量でもって国道を通過することについては問題点がなかったので、特に橋の場合に問題視されたゆえに、それを管理するところの市に申請が出たものと私どもは解釈をいたしておりますが、しかし御指摘のように、国道が中心でありますれば、わがほうにも協議があることはきわめて当然なこととも考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ今回の場合、いつもは十六号線を通って、そして国道一号線に出て、さらに国道十五号線へ出て、それからノースピアへ行くわけですね。今度の場合、尾張屋橋、塩田橋、塩田跨線橋、この三つの橋、できたのは昭和四年です、いずれも。これがさっき言った耐用年数が非常に縮小されるだろうというふうに道路局長が言った橋だと思うのです。今度はこれを避けて通ったのはどういう意味なんです。この橋を通らないで、その前の洪福寺というところで左折をして、市道を通って青木橋へ出て、青木橋からこう回って行ったその理由はどういうわけですか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 許可がなくて、しかもどういう…。ですから、どういう経路をとるかということは、われわれ道路管理者は知らなかったわけであります。なぜこの橋を避けたかということについてわれわれも、米軍の意思でございまして、われわれは全くわからぬわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 建設省がそういう態度でいるというのは、道路法の趣旨をどう考えているのですか。車両制限令などをつくって、特殊の重車両を通すのには道路の保全をはかったり、あるいは橋の保全をはかるために、道路管理者が、ある場合には通行を禁止する、ある場合には迂回を命ずる、こういうことができるようになっているでしょう。先ほど避けた橋のこの三つというのは、昭和四年の建設ですね。たいへん古いものです。おそらく耐用年数に近くなってきていると思う。ですから当然これだけの重戦車が十七台、場合によると、この前は七十何台通ると、こういうふうになったら私は、道路管理者としては、こういう重車両はどっちへ、どういう道路を通れということを言うのがあたりまえだと思うのですね、法令にも書いてあるのです。それを自由に通させるということは、国民の税金でつくった道路、これの保全を怠っているとしか私は言えないと思うのですがね。そう思いませんか。道路管理者としての役割りというのをもっとぴしっとやってもらわなければ困るのです。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 先生のおっしゃることは道路管理者として全く同感でございます。ただ、いまほど申し上げましたように、どういう経路をとってくるかという全然通知がないものですから、もしあればわれわれは、ここはやめてくれと、むしろこちらを通ってください、もしここをどうしても通る必要があるならば、こういう補強をしてくださいというふうに申し上げたつもりです。いま申し上げましたように、全く連絡はございませんので、この点についてわれわれは全く知らなかったということは事実であります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 こういうことがわかった以上、今後許可申請を出して、通行に対する条件というのはいろいろつけられると思うのです、いまもおっしゃられるように。そういう許可申請が出ないようであれば、これは私は通すべきでないと思うのです、国内法の立場からすれば。建設省、どうしますか。許可申請が出てこないで、具体的にトレーラーが出ていくという場合に、どうしますか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) また再び全く無許可でそういう事態が起きました場合には、直ちに外務省を通じまして厳重に抗議を申し込みます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、この前無許可で通りましたね。今度無許可で通れば必ず告発しますね、警察のほうに。確約しますか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 日本の、日本じゃございませんで米軍でございますので、われわれが直ちに警察に告発することはいたしません。外務省を通しまして厳重に抗議をいたします。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 じゃ、米軍の場合に告発しないのですか、警察へ何とも言わないのですか。外務省とこう話している間には通っちゃいますよ、どんどんどんどん。警察ならすぐ何か持ってきてストップかけられますよ。そんなことやったって、どんどんどんどん通っちゃうじゃないですか。あなたの言っている法の精神というのは何ら守られないじゃないですか。守られる保障一つもないじゃないですか。そんなことじゃ困るのじゃないですか。国民の税金を使って、りっぱな橋かけたのだけれども、こわされたんじゃかなわぬじゃないですか。あなたは先ほど——その点はあとで答えてもらいますがね。あなたは橋のことだけ言ってるのですね。特殊車両が通る場合には橋だけじゃないでしょう。路面についてだって制限があるでしょう。路面については一切ありませんか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 通常の舗装路面につきましては、トレーラーを含めて七十トン程度と思いますが、その荷重に対しましては舗装は耐え得る設計になっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 舗装に耐えられるか耐えられないか、この新聞、見てください。この間トレーラーが通ったところですよ、これ。見てください。ダンプのタイヤが十五センチ沈んでいるのですよ。これ、見てください、この写真。そんなこと言えますか。そんないいかげんじゃ困るのですよ。ただし国道じゃないですけれどもね。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) ただいまの例は、これはどういう道路か存じませんが……

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 市道だよ。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 国が直轄で行なっております国道につきましては、現在七十トンのトレーラーが通ってもへこむことはございません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 もし許可が出ても、先ほどあなたは、第一番目には国道関係出るでしょう。で、横浜市と協定するでしょう。現実にしたってそういうことがあるんですよ。これは浅間下だから、第三京浜道路からずっと出た所ですよ、非常に交通量の多い所ですよ。そういう所でもこういうことがあるんです。だから、路面については平気だなんと私は言えないと思うんだ。路面についてもそれは私は責任持ってくれなければ、交通は、橋が落ちただけで交通が途絶するわけじゃないでしょう。道路の路面がこわれても交通は途絶しますよ。だから、橋だけでよろしゅうございますなんて言うようなことじゃ困ると思う。特に横浜の旧市内などは線路をはずした所がだいぶあるわけです、電車の線路を。必ずしも私は七十トン、八十トンの車に耐え得るというふうには私は思いません。これは一回点検し直してみてください。  それから、これは外務省にお聞きするんですが、一体この戦車は今後どういう方向で——搬出していく幾つかの方法があると思うんですが、外務省ではどういう方法を考えておりますか。あるいは、幾つかの方法が考えられていたならばその方法を言ってみてください。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 先ほども申し上げましたとおり、搬出すること、これは向こうも必要とし、政府としてもそういうことは確保してやらねばならぬと思っておりますが、同時に国内の法令の認むるところによらねばならぬということなので、国内の関係の省庁とも御相談して、あわせて米側とも打ち合わせております段階でございまして、ただいまのところ、これからどうするということについて申し上げる段階に立ち至っておりませんので、御了承をお願いしたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃあ、それはあれですね、その話し合いがっかなければ一応戦車は出ていかないと、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) ただいま申し上げましたようないわば要件といいますか、そういうものを相互に調整して、そして解決をしたいということなので、そういうことが調整ができるということがすなわち解決の前提になっていると私は考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 解決できるできないということを私は聞いてるんじゃないんですよ。これは解決してもらわなくちゃ困るんだ。解決しなければ戦車は出ていきませんねと、そのことを私聞いてるんですよ。解決しない前にまた法を犯してやって、警察は腕を組んでながめている、建設省はぐうぐう寝ていると、こういう状態じゃどうにもならぬわけですよ。起こされるのは沿道の市民だけですよ、地震が来たじゃないかと思って起こされる。困るじゃないですか。はっきりそこをしてください。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 解決する場合の一つの重要な要件は、国内法令の認めるところによりますということを申し上げましたとおりなので、これは国内の法令の認めるところでなければやらないと考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうもはっきりしませんけど、私もよそ者ですから、この委員会は。それですから時間もひとつ節約しなくちゃいかぬと思うんですが、けさの朝日新聞によりますと、横須賀で船積みをするであろうという予想記事が出ておりました。もし横須賀で船積みをするということになりますと、道路管理者としては、どのルートをどう通っていくのが道路の保全上一番いいと思いますか。道路管理者として答えてください。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) もし横須賀から船積みするといたしますと、あの辺私完全に調べたわけでございませんので、あるいは間違っているかもしれませんが、国道十六号線が横須賀まで達しておりますので、これが一番よろしいかと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、国道十六号線をずっと通っていくわけですね。いいですか。ほかの道は通りませんね。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 全く仮定のお話でございますので、私も……。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いや、仮定じゃない。具体的に道があるじゃないですか。十六号線というあなたのほうで管理している道があるじゃないですか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 横須賀に行くにはどれが一番いい道路かとおっしゃるのですか。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうです、道路管理者として。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) ですから私は、全道路の全橋について熟知しておりませんので、どれがいいかということは申し上げられませんが、非常に勘で申し上げますと、先ほど申し上げたのはそれですが、勘で申し上げますというと、十六号線というのは直轄で指定している道路でございますから、国が直接やっておりますので一番管理が行き届いているであろうという想定から、十六号線がよろしいんじゃなかろうかと申し上げているのです。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 十六号線には橋が幾つありますか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) たまたま竹田委員から資料要求がありましたので私も知ったわけですが、十四のようでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 道路管理者として、十四で間違いありませんね。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) この資料のとおりでしたら間違いないと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 間違った資料を出せばそれで正しいことになるわけですか。あなた、ほんとうに正しいかどうか、道路管理者として責任があるじゃないですか。それを、資料のとおりならば間違いありませんとは、一体どういうわけですか、そういう答弁は。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) この資料は七・六メートル以上の橋が出ておりますので、あるいは七メートル以下の小さい橋が、みぞみたいな小さな橋は残っているかもしれませんが、普通はわれわれ橋と申しますと十メートル以上を申し上げておりますけれども、これで大部分入っていると考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、七メートルぐらいの橋ならこわれてもどうでも知っちゃいないと、こういうことですね、戦車が通る場合。そんなことはないでしょう、道路管理者として。もう少し具体的に出してごらんなさい。私が知っているだけでもこれよりほかにあるはずですよ。私は一人ですよ。あなたは部下を何人かかかえていますよ、横浜にも国道事務所ありますよ。そういうのが調べ上げて、私はこれはきのうの朝から資料要求しているのです。持ってきたのはこの委員会が始まってから。あるかもしれませんとかなんとか、そんなことでは道路管理者としての役目がつとまらないじゃないですか。つとまりますか、あなた大いばりで。どうですか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 先生の資料要求がこのたびの戦車の輸送にからむものというふうに聞いておりましたので、現場から上がってきた資料は小さな橋——大体小さな橋は強うございます、一般には。それで、ほとんど問題のないような小さな橋については除いたというふうに報告されております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私はそうでないと思うのですよ。道路局長、よく一回、十六号線を戦車を通すというふうに思っていたら、全部走ってみてください、あなた。あなたは十六号線がいいと言っている。十六号線通れますか、現実に。どの橋を——このうちで通れない橋あるでしょう、知っていますか、あなた。全部通れますか、これ。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 私の手元に十六号線不通個所という報告が来ておりませんので、全部通れると思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 じゃあお聞きしますが、大江橋の現状どうなっていますか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 大江橋は工事中でございますが、片側通行になっているはずでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 あの橋、通れますか、この間来たような戦車、通れますか、完全に。往復通れますか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) ただいまの橋は通れないと思います、そのままでは。ただし補強すれば通れるはずであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どういう補強をしますか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) これも橋の細部設計を見ないと、ここで軽々に申し上げられませんが、補強すればどんな橋でも通れるはずでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それは補強すればどんな橋だって通れますよ。そんなのはあたりまえですよ。しかし、それにはある程度の経費も必要ですよ。いまかけかえをやっている時期ですよ。私は通れないと思うから聞いた。あなたそれを知らないんだ、これだけ国内で大問題になっているのを。それで十六号線でいいでしょうと、いいと思いますと言ったかな。そういうような道路管理者じゃ困るんだな。何にもなければいいですよ。あなた、この戦車の問題御存じでしょう、ニュースは。それでけさの新聞を見ているでしょう。そうしたら、十六号線の状態できょう私が質問をするということはあなた知っているはずだ。じゃどのぐらいのところがどうなっているかということはあなた知らないというのは、そんなことで道路管理者やっていけますか。まことに私は不可解です。どうですか。それでいいですか、そういう状態で。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 大江橋の工事中ということは存じておりましたが、その他の橋は、もし実際通れるかどうかということになれば、これは現実にそれぞれの橋について細部の設計図をもとにしてチェックすることになりますが、ですから私のほうでいま通れるかどうかということはまだもちろんわからないわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ橋は除いて、ほかは全部通れますか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) これも現地をしさいに知っているわけじゃございませんが、多分通れると思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 あれだけの大きい戦車が、いまの地下鉄工事をやっている最中に私は通れるとは思わないですよ。尾上町の付近はとても通れないと思います。いまおそらく片側一車線でしょう。しかもいろいろこう工作物を置いております。それでやっと一車線が通っているというのが現状ですよ。ですから、私は十六号線はちょっと通れないと思う。あなたは通れると言うんですからね、そういうところを一回見て、しかも通れると……。どうもあなた見ていらっしゃらないようですね、現状を。一回見て、通れるか通れないか、通す前に、許可を出す前に少なくとも私のところに返事をしてください、十六号線完全に通れるか通れないか。見てないです。  トンネルはどうですか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) トンネルも通れると思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 やめろという催促がありましたから、こまかいことはひとつやめましょう。ただ、このあなたのほうで出されてきた十四の橋、少なくともこの重量制限、出してください、上のほうの重量制限。どれだけのものに耐えられるか。ひとつ設計図を見て計算をして、横げたに対してはどのぐらいの力だから——あなた先ほど杉原委員の質問に対して、総合してだから幾らに耐えられると、こういう御答弁をしております。だから、これ、十四の橋をさっそく出してください、あしたのお昼までに。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) せっかくでございますが、あしたのお昼まで、とても間に合いません。というのは、それぞれの橋の、いま申したメーンガーダー、それから横げたですね、ストリンガー、スラブというふうな、それぞれ全部のチェックをしないとできません。したがいまして、そんなに簡単に実は出ません。それで、結局、ある申請があった場合、たとえば六十トンなら六十トンの重量が通れますかというときに、われわれチェックを始めまして、それで、ここの橋についてはこういう補強をすればこれは通れるというふうな許可をするわけでございますが、全線についてちょっとあすまでと申しましても、これはちょっとむずかしゅうございますので……。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ具体的に、私、こういう車が通れるか通れないかお聞きします。聞いておいてください。48戦車は9Aの6441号、トレーラーは5Eの2249号、これが通れるか通れないか、具体的にこれだけの材料を与えています。この諸元は調べりゃわかることです。これ具体的に出してください。いつまでに出してくれますか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) できるだけ急ぎたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 できるだけ急いでというのは、戦車が通らない前にその諸元がわれわれのところへわかるという意味ですね。その計算ができない前は許可は出さないということですね。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) そういうことでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 じゃその点は、それが私の手元へ届くまでは、そこは、十六号線の各橋は戦車が通らない。いいですね。——返事してください。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 緊急の場合があれば別でございますが、緊急でなければできるだけそういうふうにしたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 緊急の場合というと、あなた道路管理者として、そういう許可申請がきたら許可せざるを得ないでしょう。許可する基準というのがあるはずでしょう。この橋はだいじょうぶだから許可するとか、このトンネルはだいじょうぶだから許可するとか、許可の基準なしにいいかげんにオーケーのサイン出すわけじゃないでしょう。そうしたら、許可する前に、この橋はどれどれに耐えられる、このトンネルはこの高さに耐えられるとか、この道は何時何分から何時何分の間の交通には耐えられるとか、そういうことが出てくるはずでしょう。それでなければ、許可をする、したがってどういう速度で何メートル以上の車間間隔をあけてこの橋を渡らなくちゃいかぬとか、このトンネルを通らなくちゃいかぬという条件を付せられないじゃないですか。そうじやないですか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) できるだけ急いで調査しまして、早い機会に出したいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ぼくはそういう質問しているんじゃないんですよ。その調査ができなければ戦車を出しませんねと言うんです。出せるはずないじゃないか。できないじゃないか。答えなさいよ。次官でいいから答えなさいよ。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) もちろん計算して、通れるかどうかのチェックは、もちろんもし米軍から出た場合はチェックいたしますので、これはおそらくそれと同じ数字になるかと思いますが、ただ許可する前に報告するかどうかは、ちょっと私どもの立場上できません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私はそういう資料をきのうの朝から要求しているのですよ。冗談じゃないですよ。資料が提出できないなんという、どこにそういうことが書いてあるんですか。冗談じゃないですよ。資料を提出しなさいよ。ぼくはきのうの朝九時におたくの総務課にその資料提出を申し入れたのですよ。これについては重量制限が書いてない。ぼくは重量制限も含めて要求しているんですよ、きょうの委員会で使うから。それを提出できないなんて、そんなばかなことないじゃないか。委員長、そういうことはできるんですか。冗談じゃないよ。設計図見ればすぐ技術者は出るはずだ、設計のときにそういう形で計算しているんだから。できないなんて、そんなばかなことないよ。

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 速記中止。   〔午後四時三分速記中止〕   〔午後四時二十分速記開始〕

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 速記を起こして。  ただいま別室で理事会を開きました。その結果に対しまして、それぞれ政府当局から答弁をいただきたい。

小渕恵三自由民主党建設政務次官

○説明員(小渕恵三君) 建設省といたしましては、今回の問題につきましては、また今後の問題もさようでありますが、一切の基準に適合しない限りにおきましては、道路の使用の許可をいたさない方針でございます。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 資料の提出につきましては、できるだけ早く当委員会に資料を提出さしていただきます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 次官の御答弁の要旨は、今後においても、基準に適合しなければ許可をしない、こういうことに理解してよろしゅうございますか。

小渕恵三自由民主党建設政務次官

○説明員(小渕恵三君) そのとおりでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 許可しないにもかかわらず出た場合は、これはどうしますか。告発しますか。

小渕恵三自由民主党建設政務次官

○説明員(小渕恵三君) 外務省を通じて厳重に抗議をいたします。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それから局長の、委員会に資料提出ですが、なるべくすみやかにというおことばのようですが、具体的に日にちを限ってください。いついつまで、あした一ぱいならあした一ぱい。あまりずるずる——すみやかにというのは、一番抽象的で一番長くなるおそれがあることなんですよ。日にちをあした一ぱい、あしたの夜の十二時までというふうに限ってください。あるはずなんだ。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 一日じゃとてもできないと思います。できるだけ早く出すことにいたします。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ二日間でいいですか。だって橋をつくったときの設計というのはあるはずでしょう。それにはちゃんと構造計算出ているはずでしょう、数値が。出てないの、それが。だからそういうものを集めてくればすぐ出てくるわけじゃないですか、総合すれば。どうすればできるのですか。もう橋の何ですか、履歴というのか、橋の一番初めの設計書というのはあるはずですよ。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 普通は設計書等は残っておりません。図面だけ残っております。図面からもう一度断面計算をいたしまして、何トンの荷重に耐えるか、たとえば車を今度はまん中に乗せた場合と端に乗せた場合等のその位置によっても計算はそれぞれ違います。そういうチェックが必要になりますので、相当時間がかかると思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 あまりこれでこだわるのは時間の点でもたいへん恐縮なんですが、おたくで出している——戦前ですね、大正年間、それから昭和の四年、昭和の十六年、戦前につくられた橋、戦後はいいですよ。戦前につくられたものについては、優先的に出してください、同一でなくていいですから。われわれはそういう橋を一番心配しますから、一緒でなくていいですから。特に六浦橋は大正十五年ですね、羽衣橋もそれから睦橋も大正十五年ですよ。それから港橋も大正十五年です。こういう特に古い橋は耐用年数のきている橋だろうと思いますから、こういうものに対しては特に早くやっていただきたい。あまり時間つぶして申しわけないんですが、じゃその点で、先ほどのを確認して終わりたいと思うんですが、村雨橋と千鳥橋ですね、これは補強するということになっております。補強をするということですね、この間渡れなかった橋については。これはおそらく八日の日ですか、建設省は横浜市の建設局長を呼んでいるはずですね。協議しているはずですね、それはどういうことになりましたか。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 状況の説明を聞いただけで、別に補強せよというような指示はしていないようでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ、それはあと、話がまとまったら御報告ください。  その次に、警察当局にお聞きするんですが、これはおとといの神奈川県議会でも、この問題がたいへん大きな問題になりました。そして一体警察が黙って見ていたというのはけしからぬじゃないかという話がありました。率直に言って、私もすわり込んだ一人でありますけれども、そういう意味では道路交通法違反の一人であります。われわれすわり込んだ者については、道路交通法違反だから、さっそく歩道上に上がりなさいということは言った。しかし、米軍にはわれわれは何も言ったというふうには聞いておらない。そして県議会の中で、森交通部長は、道路管理者の告発がなければ取り締まることはできない、こういうふうに言っているんですが、私は一昨年ですか、道路法の改正の趣旨というものは、そういうものじゃないと思う。それ以前には、確かに告発がなければ警察は動くことはできなかったわけですけれども、道路法の改正というのは、今度は、そういうことがなくても警察は独自に調査することができるし、場合によっては検挙して取り締まることもできるように私はなっていると思うんです。この問題の場合には、先ほど交通局長も言われましたように、六月の八日に日米の合同委員会、七月の三日に国のほうから、これ外務省と米軍ですか、この間で日本の国内法を守れ、こういうふうに言っている。七月の十四日ですか、二十日ですか、これは横浜市が横浜防衛施設局を通じて、この問題について警告を発している。しかも、戦車が出発する当日、八月の四日の午後四時過ぎ、午後七時過ぎ、先ほど述べましたように二回にわたって県警は警告を発している。それにもかかわらず、午後十一時には無許可で出ている。こういうものが新しい道路法の規定で、それを告発を待たなければ手がつけられない、私はそういうふうには今度の新しい道路法はなっていないはずだと思う。あちらこちらで問題があると、こういうふうに警告をしているわけです。警察としても、どのルートを通るならば、どの橋とどの橋とどの橋はどうだということは道路管理者に聞けばわかることなんです。それに基づいて、当然、告発を待たずして私は警察は行動できると思う。そういうことをしていない。その根拠に、県議会に示された文書というのは、建設省道交発第十四号、昭和四十七年三月二十七日道路局長通達、これを示して、これだからできないと、こう言っている。道路局長、あなたの通達の趣旨はそういう意味ですか。私はそうじやなくて、道路法が変わったから違反車についてはどんどんと警察のほうに告発をしなさいという趣旨の文書だと私は理解しているのですが、どうなんですか。これ両局長からひとつ御答弁してください。

高橋国一郎建設省道路局長

○説明員(高橋国一郎君) 道路法が四月一日から改正になりましたので、それについて警察に違反車両の指導取り締まりについて御依頼を申し上げた次第でございます。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) 仰せのように法律の改正前は、その道路管理者またはその道路監理員が行政措置をとって、その措置違反に対して罰則がついた。ところが法改正が直接罰則がついておる、その変化があると思います。したがって、直接罰則がついておりますから、形式的には警察官が直ちに捜査することは可能だと思います。しかしながら事柄の性質上、道路の構造に関することであり、非常に技術的な問題の多い問題であります。しかも絶対禁止ではなくして、総体的な一般的な禁止をしておきながら、申請して許可した場合はいい、こういうたてまえの制度でもございます。そういうことで、建設省のほうと協議し、また建設省のほうからの法改正に伴う行政解釈的な話し合いにおいても、一義的には道路管理者または監理員が措置する、そしてその告発をもってやっていくというたてまえにしております。ただ、先ほども申しましたように、あるいはここで申したかと思いますが、非常に脆弱な木の橋であるとか、そしてこの橋は五トン以上の車は通れないといったようなことで標識も出ておるというところに大きなダンプカーが通っておるというようなことを現認した場合に、これはもう数値もはっきり出ておりますし、現場の警察官が捜査を始めるということは可能だと思います。しかしながら、今回の場合のようなことは、そういう技術的な問題もあるし、第一、問題になった橋も何トンまで通行可能なのかということも全然警察としては連絡も受けていない、横浜市のほうから連絡も受けていないというような状態では、やはり一義的には道路管理者が行政権限を用いてその車をとめる、そしてその行政的な措置を表に出していくというのが妥当な行政のやり方だと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうももうやめなくちゃいけないらしいですからね。いまの答弁というのは非常に私は不十分だと思う。問題になってなければ私はそれはそうかもしれませんよ。これだけ問題になっているわけです。この委員会だっても、六月において二回にわたってこの問題を議論されているわけです。あなたのほうも、それから外務省のほうも、この問題については警告まで発しているのですね。それにもかかわらず、やらないということは、私はその法の精神より違っていると思うのですよ。全然わからないものならこれはしようがないと思うのですよ。そういう点では、時間がないからこれ以上言いませんけれども、警察としてきわめて怠慢だ。アメリカの言うことは何でも聞く。国民に対しては、ちょっと道路に出たって道路交通法違反だとおどかす。こういう態度というのは私はまことに民主警察としてはあるまじき行為だと思うわけですが、まあこれ以上言いません。  それから自動車局の方お見えですか。さっき言った米軍のトレーラー、これの騒音規制というのはどうなっておるのですか。現実問題として、十六号線のこの付近の人は、戦車が通った場合には振動と騒音で寝ている者は全部起きちゃうんです。これも地位協定によって認められているからしようがないと言うんですか。どうなんですか。

景山久運輸省自動車局整備部長

○説明員(景山久君) いま先生の御質問ございましたトレーラーと申しますのは、何かお話が二つあるような感じがいたします。  先般のは国内法に基づきまして登録を受けておりますトレーラーでございます。したがいまして、これは道路運送車両法に基づきまして騒音規制をいたしております。  それから後段のほうの、どうもいま先生のお話でございますと、米軍のトレーラーというようなお話のように承りますが、そちらのほうでございますと、ちょっと長くなりますが「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う道路運送法等の特例に関する法律」というのがございまして、これで私どもの手から全く離れております。したがいまして、どういう騒音規制というお話でございますが、そういう国内法につきましては全く手を離れておりますので規制はございません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは外務省、そういうことでいいですか、そんな状態で。警察のほうもいいですか。そういう騒音を発した自動車が走って、深夜道路の周辺の人を起こしたりあるいは実際物が落ちてこわれておる。アメリカ軍ならしようがないんですか。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) ただいま御答弁ありましたように、ただいまの法体系においては御説明のあったとおりの実情でございますので、それ以上は何とも申しかねる状態でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 警察はそれでしかたがないんですか。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) 現行法のもとではそういうことになるかと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 異議がある……。

片岡誠警察庁交通局長

○説明員(片岡誠君) 現行法のもとでは、いま運輸当局あるいは外務当局からお話になったようなことになると、そう思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 局長、あなた大臣の代理だからね、そういうようなことじゃ沿線の住民というのはたいへんなものですよ。もう少し騒音を発しない、振動の少ないような通行方法なり、そういうものをしてもらわなければかなわないわけだ。あなたそれでしかたがないと思っているの。何か改善方法は考えられないの。政策的にひとつ答弁してください、事務的じゃなく、政策的に、あなた大臣の代理だから。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 私、局長の事務代理でございますのでその範囲内で答えさせていただきますが、実際上の実施にあたっては、それなりのでき得る限りの配慮は行なわれているのであろうと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 あろうと思うんじゃ困るんだ、そんなことではね。あなたそういうところに住んでいないからわからない。これはあなた答弁できないらしい。ひとつ大臣なり政務次官から私のところへ返事ください、あなた答えられないらしいから。答えられるなら答えてください。答えられなければひとつ返事ください。いいですか。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 協定あるいは条約の法体系の中で申し上げれば、ただいま申し上げましたこと以上には申し上げかねる状態でございます。ただ、ただいま先生の指摘されました点につきましては、上司にも報告しておきます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 上司に報告しておくじゃ困るんですよ。あなた、さっき外務政務次官が出ていくときに、私そう言ったでしょう。あなたが——まあ政務次官なら大臣の代理ですわな、それとして答弁できるというから政務次官出ていったわけですよ。申し上げるだけじゃない、返事もらわなくちゃいけない。返事もらえるように措置してくれますか。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 私としては、御報告申し上げるのが任務であると思います。それに対してどう判断されるかは大臣の御判断だと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 判断を言っているんじゃないですよ。私に答弁くれるかというんです、大臣なり次官なりから。簡単なことなんだ。私は、それがいいか悪いかということを、大臣にどう判断させろということを言っているんじゃないんですよ。きょうのこの討議を大臣に話をして——大臣がどう判断されるか、あなたの関知するところじゃないです、大臣の判断を私に知らせてくれと、こういうことを言っているんですよ。それ、できるでしょう、そのぐらいのことは。

橘正忠外務省アメリカ局長事務代理

○説明員(橘正忠君) 繰り返しになって恐縮でございますが、私としては、大臣に御報告申し上げるということはお約束できます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これでやめますが、委員長、あなたも政務次官は出ていけということを言われた一人でございますからね、ひとつこれは委員長において、いまの問題の答弁の処理をひとつお願いします。それを言って、私の質問終わりますから。

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) それでは交通行政に関します質問はこれで終わりたいと思います。     —————————————

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 引き続いて、地方行財政等の当面の諸問題に関する件を再び議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 非常に時間が経過しましたから簡略にやります。いまから二時間もかけたらおこられるでしょうから。  まず第一に、八月四日に地方公務員の給与問題専門調査研究会、これが提出をいたした報告書について、特に自治省の基本的な態度でありますが、いやしくもこの給与問題というのは、非常に大きな部分が労使の関係あるいは慣行に左右される。それと離れた理念の機械的ないわゆる適用と言おうか、そういうようなものは避けなければならないことは、これは申すまでもないのでありますが、この報告書が出ていますけれども、長期間にわたってこれまで労使関係で積み重ねられてきたことがありますね。これが尊重されなきやならない。言ってみれば、各自治体のあり方というものが、あくまでも、賃金問題、労働条件の問題については尊重をされなければならない。したがって、それを除いて何か指導がされるというようなことは自治省としてつつしむべきだと基本的に思いますが、それはそう理解しておいてよろしいですね。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) 地方公務員の給与問題につきましては、従来、自治省といたしましては、国家公務員に準じた扱いをするという指導をずっと続けてまいりましたが、地方団体にいろいろな実情その他もありまして、はたしてこの指導方針でいいのか、改めるべきところがあるのかということで給与問題研究会に御検討を依頼し、さらに、その研究会ではいろいろ時間をかけて審議した結果、従来の方針を改める必要はない、ただし、それぞれの地方のローカルの事情に適した幅の問題があるであろうから、さらに突っ込んで専門の組織で研究をしてくれということで、先ほど御指摘の給与問題の専門の研究会がさらに一年ほど審議をされて答申を出されたわけでございます。そこで、今後の地方団体の給与問題の指導については、大体この御答申というものを参考にいたしまして実情に即した指導をしたいと思っておりますが、ただいま先生のおっしゃいました、従来積み重ねてきた一種の労働慣行と申しますか、そういうのが事実各地方の団体にたくさんあると思います。しかし、この慣行のうちで、この給与体系全体の正しいあり方から見て何ら差しつかえない慣行もあれば、やや給与体系を乱るような慣行もあるということもあるいはあり得るかもしれない。積み重ねられてきた習慣の上でも、全体的な体系上好ましくないものは、もちろん労使間の話し合いの上ではございますけれども、改めるという努力もあるいは必要かと存じます。一方、国家公務員の給与体系の変換に伴いまして、たとえば、府県と国の相当職の対応関係がずれてきておるというような問題については、また改善をしていくという必要もある。要するに給与問題全体を眺めて、改善すべきことは改善し、運用上好ましくないことは改めていくという態度が必要であると思いますので、一律に慣行であるからといって一切これに手を触れないということはやはり合理性を欠く面もあるんではないか。直すべきところは直す、そのかわり改善すべきところは改善するという態度が必要であろうと思います。もちろん、それぞれの地方には職員団体もございますことですし、そういう方面と十分な協議をする必要はあるわけでございまして、それについてはそういうふうに指導はいたしますが、いまおっしゃいましたような点では、私、いま申しましたように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 反論していると長くなりますから、一言だけ。  労使間のいわゆる交渉、それを抜きにしてはいろいろなことをやることはないと、このことはどうですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) もちろん、労使間の交渉を抜きにして独断的にすべてやることはない。ただ、労使間の交渉で合意に達しない問題もあるいは出てくるかもしれません。そういうものの取り扱いとしては、また、その問題個々に処して妥当な解決方法があろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこの部分については一番最後にまとめをやります。  そこで、内容については、実はずいぶん反論すべきものがあります。それは基本的には、この調査会ができるときに、御存じのように、私はこの委員会で労働者代表を入れるべきだと主張した。しかしながら、その主張が通らなかったから結果的にはこんな報告しか出てこない。こういうことに一応なっていますから、したがって一つ一つ突いていくと二時間ぐらいかかるが、きょうはしょうがないからあとに譲りますが、基本的な問題についてどうしても確認をしておかなければなりません。  それは、一つは、この報告書が各等級の標準職務について、まず原則として一職一等級とすべきであるとしていますね。都道府県の行政職給与表の等級別標準職務を一部改正して、都道府県の規模や行政組織等によっては国の一等級を導入することができる。研究会がここで原則として確認しているこの一職一等級、これは現行の等級別給与制度が確立をした昭和三十二年当時、政府や人事院が指向した考え方であったことは事実です。しかし、以来十五年を経過した今日、国においてすらこの原則はもはや空文化しているし、死語となっているのが現状だと思うんですよ。たとえば八等級採用の一般係員が、職務内容が変わらなくてもこれまで六等級まで自動的に昇任していた。昭和四十三年から主任という肩書きをつけてさらに五等級に昇格さしている。係長の一部も四等級に格づけされている。その数というのは年々実は拡大しているんですよ。さらに課長補佐あるいは課長については標準職務の上ですでに二つの等級にまたがっているわけです。こうした現実を無視をして、何かかびのはえたような一職一等級という古証文を持ち出してきたのは、この報告書全体を貫く目的が、地方公務員の賃金水準の抑制、渡り運用の禁止にあったのではないだろうか。これをもう一読してみてそう思う。その意味で、報告書が都道府県の標準職務について、従来の自治省指導基準よりランク上げて、行政の規模や組織によっては国公一等級の導入を認めて、いかにも改善をしたかのように見せかけていますけれども、これは国と都道府県の人事交流の実情に合わせて修正をしなければならない。したがってそうするにすぎない、こういうものであるように思う。現在の都道府県における非役付の一般職員の場合に、全府県が国の五等級まで、過半数の府県で国の四等級まで昇格の道を開いている現状から考えますと、研究会が示した基準というのは抑制の基準であって、何ら改善ということはできない。ただ専門職に関しては、標準職務にかかわらず、「職務分類の活用等により特定の職名を付し、」云々、「等級の格付けを行なうべきである。」、こう書いていますから、上位等級への格づけを示唆している点は、一定の前進として評価できるだろう。そう考えてみても、専門職の範囲も不明確なまま、いたずらに官職を乱設していくということは、これはどうしても公務の簡素、能率化に逆行する、そういうふうに考えられてしかたがない。これは基本に関することですから一言答えておいてもらいたい。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) このレポートについて、それぞれの立場からそれぞれのいろいろな解釈があり得ることではあると存じます。ただ、私たちはこのレポートを受けて今後地方団体を指導するについて、このレポートというものが、いま先生のおっしゃったような抑制の原理の上に立ったレポートだとは思っておりませんし、ただいま改善したごとくというおことばがありましたけれども、現実に従来の対応等級に比べては一等級上に改善をしていることは事実でございます。そこで、現在までの地方団体の給与の運用の実態というもの、それから国家公務員の給与の実態の変遷に伴う地方団体がこれに対応する対応のしかたについて、従来のままの指導方針ではそれに対応できないために、こういう、私に言わせれば改善と思うのでございますが、改善を加え、一方、運用上、給与制度の本質を乱るような、あまりにもはなはだしい渡りというものがあれば、あるいはこれも一部抑制するということが、給与を本来の正常な姿に返すためにそういう点も必要であると思っておりますので、現実の運用の実態、それから現実の府県の職員構成、年齢構成その他を十分勘案の上、それぞれの府県あるいは市町村で適正な給与体系が樹立できるように指導してまいりたいと思っております。専門職の問題につきましては、これはなお時間をかけて一つ一つの専門職について、たとえば獣医さんであれば獣医さんというのはこういう等級に、こういう職務というのをこまかく示すことができれば、あるいは最もよかったのではないかと思いますが、時間的その他の関係で、ただ一言、専門職についてはしかるべき等級の間に配分したらということを言っただけにとどまったわけでございますけれども、これも実際に府県なりそれぞれの地方団体にあてはめます場合には、その実情に応じてあるべき何と申しますか、職名、あるいはそれに伴う対応等級というのを現実的によく話し合いの上できめていけばいいんじゃないか、こういうふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この研究会、現在の地方公務員給与の実態に触れてこういうふうに言っているんですね。「給与の財源は租税負担によって賄われ、その財政に占める割合が大きく、かつ、給与費が義務的性質をもつ経費であることを考慮すれば、いたずらに給与費を増高させ、財政をいちじるしく硬直化させる原因とならぬよう十分配意しなければならない」、こういうふうに言っている。この表現は、毎年この自治省の出す財政運営通達と全く一緒ですね。たいへん驚いた。そこでまあお尋ねしたいんですがね。自治省は給与問題研究会にこの財政分析の研究まで依頼されたのか、これはどうか、人件費が財政に占める割合は、この税制、財政制度にかかわる問題であります。何を基準にして割合の大小が判断できるのであろうかということを実は考えるわけです。研究会は地方公務員の人件費についてどれほどの一体調査研究を重ねられたのか、まずお尋ねします。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) ちょっとわかりかねる点もございますが、この研究会に財政の分析まで依頼したということはございません。したがって、研究会といえどもその財政上どういう地位でどういうパーセントでというような結論は出しておりませんが、給与費そのものの持っておる性質として、義務的経費であり、しかもこれは増高する傾向にある。そこでこれに対する扱いを慎重にしなければと言っておるのは、まあ財政当局から出した通達と一緒だと言われますけれども、われわれもそういう考え方を持っております。一方公務員の待遇改善を、できるだけ手厚い給与をやって、意気を新たにして公務に尽瘁してもらうという必要性、これも公務員部としては当然考えるべきでございます。その両面の勘案をしつつ適正な指導をしてまいりたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 地方財政計画見ても、総額に占める人件費の割合というのは、昭和三十六年の三六・四%から昭和四十五年は三〇・四%、年々低下の一途をたどっている。しかも、この中には教員や警察官の給与も含んでいるわけです。四十五年度決算の職員給与、職員給ですね、これは二兆六千三百五十六億円、このうち教育、警察関係を除いた一般職員分というのはわずか一兆四百四十八億円です。で、しかも地方自治体の主要な仕事である教育ですね、あるいは民生、あるいは衛生、清掃など、住民の日常生活に関連した部門では、どこでも低賃金のために深刻な、御存じのとおり、いま人手不足で悩んでいるのが現状です。しかもこれらの部門では、人件費即事業費の性格を持っています。人件費の増加がそのまま住民サービスの向上に直結している事実を忘れてはならないわけでしょう。研究会は給与費の増高を非難することによって、何かこの研究会に名をかりた、まさに自治省の御用機関——まあこれをつくられるときに私はそのことを早くから指摘しておきましたがね、そんなところで落ち込んでしまっている、やっぱり。そういう意味では、私何にも研究の必要ないじゃないか、こういう感じを大体これを読んで思った、それは意見として述べておきます。  で、問題は渡りの問題です。研究会がいわゆる渡り運用に最大の非難を集中をしていますね。そうしてすみやかに是正を強調しているのです。これは職務と責任に応ずるそういう職務給の原則に違反をして、このまま放置をしておくと給与制度の崩壊を招くという認識がどうも基本にあるようです。しかし、標準職務の改正、あるいは先ほど言った専門職の格づけ、あるいは下位等級の号級の継ぎ足しなどですね、これはすべてが渡り禁止のかわりの策として提案をされている。渡りの禁止の最大にしてただ一つの理由というのは、それが職務給の原則に違反するということに尽きるわけでしょう。私たちも、将来にわたって職務の相違によって、何といいますか、賃金差を否定するものではありませんが、それには一定の生活水準の保障が前提条件になければなりません。一定の生活水準というのは、少なくとも標準的な年齢で、労働力の再生産が可能な四人世帯の平均的な生計を維持できる、そういう水準を意味している、釈迦に説法ですが。この水準に到達するまでは一切のこの職務による賃金格差を認めないというのが、これはまあわれわれの態度であることは御存じのとおりです。そうすると、現在の公務員賃金の水準が同一条件の民間労働者に比べて著しい格差を生じていることは、全公務員の実感としてよく知られています。で、労働省の調査を照合してみても、きょう触れませんでしたが、高卒男子三十五歳労働者の実在者賃金というのは九万六百円です。国家公務員の同一条件の職員との間に約二万円の開きが事実として存在しています。また、各種の民間モデル賃金によっても二万円以上、二万五千円程度の官民格差が確認をされています、これは政府が出しているんですから。そうすると、研究会が職務給の原則を叫んで、そして渡りの禁止を強調する前に、この不当な官民賃金の格差の解消を検討することこそが実は緊急な課題でなければならなかった。報告書の中でこの点に全く触れられていないのは、実はたいへん不可解だと思うんです。時間がないから一方的にしゃべりますが、かりに、研究会の言う職務給の原則を認めたとしましても、そのためには客観的かつ合理的な職務内容の分析あるいは評価、それを基礎にした職務の格づけを私は必要とすると思う。ところが、今日まで職階制は法文上に存在するだけで、いまだ実施されていないし、国、地方行政機構の全官職について職務の評価の分類もされずに、職務の概念すら御存じのとおり確立されていない。ただ、便宜的に職務にかえて課長あるいは係長などというような、そういう職名をもって等級格づけを行なっているにすぎないわけでしょう。厳密に言いますと、現行の公務員給与制度というのは、職務給にはほど遠い体系であります。研究会が、地方公務員の給与制度がすべて国家公務員に準ずることを基本としている。ちなみに、国家公務員の在等級人員分布の推移を見ますと、過去十年間の総人員があまりふえていないのに、五等級以下の人員分布の変動は目をみはるものがありますよ。職務職階給制度のもとでどうしてこういう現象が一体起こるのか、納得できる説明を実はゆっくりお聞きしたいんです。で、きょうは時間の関係で非常に残念ですがそれができませんがね。地方自治体における渡り運用というのは、まさにこのような国家公務員の現状に適合させて、そして給与上の均衡を保持するための必要な調整措置として採用されたものであることは、まさかお忘れになっておるわけはないだろう。今日、多くの地方自治体は、国家公務員の俸給表に準じた給料表を設けていますけれども、国の俸給表は国家公務員の仕事の内容、あるいは役付の構成、あるいは人員分布などの実態に基づいて制定されたものでありまして、地方公務員に機械的に適用できない。そういう事情があることは、これは研究会も実情を考慮して必要な調整を加える、こういうふうに認めていますね。で、地方自治体に給料表の渡り運用が登場したのは、昭和三十五年の給与改定の際でありました。それまでの国の俸給表というのは、各等級とも共通金額の号給で構成をされていて、等級間の水準差は昇給期間によっていました。したがって、当時の地方自治体の給料表というのは、国より各等級の号給の幅を伸ばして、それで昇給期間を変えることによって国家公務員との給与の均衡がはかられていたのであります。ところが、昭和三十五年の改定で、いま思い浮かべるんですが、昇給期間の統一と引きかえに、各等級の号給金額を分断をした。そのために国と給料表の構造を変えることが非常にむずかしくなったのです。そのため、当時自治省と私ども——そのときはまだ現職でしたが——自治労との交渉で何べんかやり合いましたよ。そして国に準じた給料表を適用する条件として、国家公務員の等級別人員分布を参考にして、上位等級への格づけ、いわゆる渡りですね、その運用が約束をされて、自治省公務員課長内簡、昭和三十五年十一月二十二日付内簡が出たんじゃありませんか。それによって、その旨通知をされた。自治省は、この報告書が出ていますけれども、こんなものはやっぱりあんまり頭に置かずに、いま私が述べてきた経緯ですね、その上に立って、ここで自治労との間に話し合いがつかない限りには軽々に行動を起こさない、そういうふうに約束をすべきだと思うんです。どうです。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) 渡りができました経緯、あるいはその渡りの効用と申しますか、達成しなければならない目的のためにはこういう手段をやむなく講じたというお話でございまして、それなりにそれぞれのいろいろの理由はあったと存じます。ただ、いまの御指摘の当時の内簡というのは、私まだ実はそういう話も自治労からありまして探しておるんですけれども、なお見つかりませんのでございます。まあ当時は私鳥取県の総務部長をやっておりまして、むしろ県で組合との給与改定についていろいろやり合った覚えはございます。ただそういう形で渡りというものができてまいりましても、この渡りというものがある程度運用が乱に流れます場合、まさに現在の給与体系の根幹となっておる職務給というものの原則を全く打ちこわしてしまうという、たとえば一等級の渡りを二等級、三等級にまで渡るとすれば、そもそも等級別に設けてカーブをつけているという職務給の本質、これ自体を全部こわしてしまうことには間違いないことでございまして、まあ渡りの効用といいます反面、渡りの弊害というのもそこにあるだろう。しかもその渡り運用がいま地方団体ごとに非常にいろいろな違った形を持っております。そこで地方団体の職員の給与を国家公務員に対して均衡をとるためにいろいろな方法がなされているにせよ、この際、職務給の原則というものにもう一ぺん立ち返って、一ぺん全部整理してみる。整理してみるというのは、おっしゃるとおり、職階制がまだ施行されておりませんけれども、地方団体でいえば課長、課長補佐、係長という格づけによって一応の職務の責任というようなことがある程度のランクづけができるので、一たんそこに返って、一職一等級という原則に返ってみる。そうした上で従来の渡りというものがなぜ必要が生じたか、等級別定数はどうなっておるかということを、それこそその団体の実情に合わして一ぺん整理した形でこの際検討してみることが必要であろう、こういうことでこういう勧告が出たのではないかと思っておりますので、これを地方団体に指導いたします場合は、十分その地方団体の実情に合ったような解決方法がはかられますよう指導いたします。また、いまの御指摘の自治労との話し合いがつかない間はとおっしゃいますけれども、自治労とも十分意見は交換いたしたいと思います。ただ意見を交換し自治労のおっしゃること、それぞれの理由もあり、あるいはその妥当性のあるものは取り入れてまいりたいと思いますが、ある点では立場の相違ということも予想されますので、その点はよく話し合いをし、そうして決断すべきことは決断したいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 まあこういう雰囲気の委員会ですからあんまり長くは申しません、そわそわですから。  そこで言いたいことだけ言っておきます。しかし、いまの結論ちょっと気にくわぬけれども、ともあれ経緯があって、そして私も思い出しますよ、あのときの光景というのを。そしてとにかく渡りの問題については、少なくとも意見を私たちと自治省との間でちゃんと統一したんですから、その経緯というものを無視して進むことはあり得ない、そのことはそういうことですよ。  それでもう一つは、この研究会が渡り禁止と表裏の関係で、等級別定数の設定と厳正な運営を提起しています。昭和三十五年の給与改定の際に自治省が渡りを認める条件として等級別定数の制定を指導した、報告書にも指摘しているとおり、「諸種の事情により」、こうなっているわけです。ほとんどの地方自治体では実施していないのが実情であります。これはもう公務員部長だってよくそのことは地方におられておわかりのとおりなんですが、問題は、なぜ地方自治体で自治省の強力な指導にもかかわらず実施できないかという事情の解明が先決である。等級別定数管理というのは、厳密にいえば職務給制度の別の表現でもあります。これを完全に設定して運用をするには、全官職について職務の分類、格づけを必要としますが、先ほども言いましたが、現行公務員給与制度が職務給にはほど遠い体系である以上は、地方自治体が等級別定数を設定をして管理することは不可能であると私は断言します。これは長い間賃金をいじくってきてみて、そのことはそうだと思うんです。まして、渡り禁止の手段として等級別定数の設定を強要しても、渡り禁止が実情を無視したものである限りは、それが実現できるはずがありません。国家公務員の場合に、一応人事院規則で形式的に等級別定数なるものが設定をされていますが、実際の運用というのは、等級別有資格者の実数に応じて毎年修正をしておって、現状追認の作用を果たしているにすぎないと私は思う。たとえば五等級定数を見ますと、この制度の発足当時に一五%程度であったものが、四十七年度は三〇%をこえています。最も多い集中等級となっているわけです。しかも、一年間で一万人以上の定数増が行なわれていること、こういう事実というものをどういうふうに一体判断をされるか。  最後には、その研究会が人事委員会の機能に触れていますね、もう一つは。職員の勤務条件の改善が行なわれて、全体としてはよくその機能を発揮し成果をあげてきたと評価している。この研究会の六名の委員のうち二名が人事委員会の委員もしくは事務局長であることを見れば、これはまさに自画自賛、まあそれはあいきょうとして受け取れというのはそういうことでしょう。人事委員会が都道府県職員の勤務条件の改善に少しでも役割りを果たしてきたと信じている職員は残念ながら一人もいません。現在の人事委員会制度というのは、地方公務員から労働基本権を剥奪した代償として設置をされたものでありますから、三人の委員は使用者である首長の任命であり、それから職員の意見は全く反映する余地のない仕組みとなっている。その不当性についてはすでにILO対日調査団の報告でも鋭く指摘をされた。したがって、私たちは人事委員会が独自性を持った中立機関であるとは全く考えていませんし、また、賃金、労働条件の改善について、その勧告にいささかの期待も抱いていません。事実、過去の人事委員会勧告の内容を見ても、ほとんどが国家公務員の給与に準ずるというだけで、独自性は少しも見ることができなかったのであります。ところが、この研究会によりますと、人事委員会の中には、たとえばもっぱら他の地方公共団体との比較に重点を置いた内容の勧告を行なうなど、地方公務員の給与の基本原則と必ずしも一致しない意見を述べるものも見受けられ、このことが他の地方公共団体等に累を及ぼす結果を招いていると言ってるんです。一部の人事委員会の活動をこういう形で批判をしているわけですね。人事委員会が研究成果を報告、勧告する場合、都道府県間の比較友行なうことがどうして不都合なのか、私は全く理解に苦しみます。地公法第二十四条の三項では、地方公務員の給与決定にあたって考慮すべき要素としては、御存じのとおり他の地方公共団体の職員の給与、こういうふうに規定をしていることを見ますと、むしろ当然の任務であって、そのような比較を行なわない人事委員会のほうが、法律に定めた基本原則を無視していると言えるんじゃないだろうか。人事委員会の勧告が、研究会の期待しているように、単に国家公務員に準ずることの勧告をするのであれば、人事委員会の存在の理由は全くなくなります。人事委員会が当該府県間の民間労働者の賃金をはじめ、国家公務員や他府県の職員との比較の上にその地域の実情を加えて勧告を行なって初めて法律の趣旨にも合いますし、人事委員会の存在価値も生ずるのではないだろうか。  この二つの点について、少し長くしゃべりましたが、一言ずつ答弁をまず承っておきたいと思います。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) まず、等級別定数の設定の問題でございますが、国家公務員における等級別定数の設定が、先生御指摘のように、全く実情に合わせた受けざらであるとも思いませんけれども、常に改定を加えられて非常に動いているというのが事実でございます。これはたとえ、かりに府県において等級別定数の設定ができましたといたしましても、それはやはりある程度実情に合わせて、フレキシブルなものでなければまた受け入れられないとは思います。ただ全くそういう基準が何もなくして格づけを運用していく、一応そのワクといいますか、この程度にやるのだという目標を持ち、基準を設けて格づけをしていくというところに、おのずから全体を正しく持っていく機能は持ち得るのではないか。おっしゃるように、各職務の職階制がまだ未施行でありまして、職務の分類ができておりませんといたしましても、地方団体の構成を大体こういう形でやっていくという一つの理想的な型、あるいはそれに対して現況はこうであるから、暫定的にこうでなければならぬという、たとえば暫定定数的な型、そういういろいろな運用のくふうはあるとしましても、これを設ける意味が全くない、ないしは先生の御指摘のように不可能であるとは実は思っておりませんが、その辺もう少し地方団体の実情もよく調べた上で、最終的には結論を出したいと思います。  それから人事委員会が公務員の争議権を取られた代償として与えられたものであり、はなはだその内容は片寄っている。職員の意見を反映する余地はないという御批判には、やや私異論がございます。任命も長が自分でかってにやるわけでもございません。議会の議決を経るということを経ておりますし、それから現実に府県の人事委員会に対して職員団体が意思表示をし、話し合いをするということは現実にたいへん行なわれております。人事委員会も本来職員の立場も考慮し、財政も考慮して職務を遂行すべきだと思いますが、その場合に、職員の意見を十分聞いて、それを反映するということが現実には相当になされている面もあるだろう。府県の人事委員会、一応法が予定していたような機能を、不十分な面はあるといたしましても、果たしている点は十分あるのではないかと考えております。  それからこのリポートの中に人事委員会を一部批判したことに対して先生御指摘でございます。確かに公務員法の他の地方団体、同種の地方団体の均衡ということがもちろん書いてございます。人事委員会が、たとえば岡山県の人事委員会が広島県の給与はどうだろう、鳥取県どうだろうと考えるのはこれはあたりまえです。おそらくここに批判してあることは、私はよくは存じませんですけれども、比較の方法が、たとえば、同年齢の者だけの平均給与をとってみたらこう差があると、こう言ってみても、それはあるいは学歴とか勤務の経験の年数とかで当然差があるべきものを無視されてという、その方法において不十分な点があることを指摘したのではないかと推察しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 問題はあれでしょう。わずかに人事院の報告よりもよい良心的な報告、勧告をなした人事委員会に対して非難をされた、そういう意味では公務員部長が言った機能をしている人事委員会に対する非難である、それはそれだけのことでしょう、これは。  そこで大臣、最後にあれしますが、要するに、いまいろいろなことを述べましたが、過去の経緯をたどってみたんですが、給与問題というのは、御存じのとおり、すぐれて労使間の問題でありますから、先ほど公務員部長から答弁がありましたが、ぜひ大臣からも答弁いただきたいのですが、自治労の代表を実はこの研究会に参画させるように国会で私は強くこの研究会が発足するとき要求したのです。しかしながら、自治省がそれを聞き入れませんでした。たいていものわかりがいいんですけれども、これだけはどうしても都合が悪かったか、聞き入れられなかった。そこで一方的に研究会が設置をされて、いま申しましたような形でたいへん多く問題点を含んだ報告が出る、こういうことになって、きわめて遺憾だと思っているのですが、ついては、この報告書をめぐって自治労との間に十分な話し合いを、大臣、話し合いをする機会を持っていただきたいと思うのです。また持つべきであると思いますが、その約束を大臣から最後にしていただきたい。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 御趣旨はよくわかりますので、話し合いをする場をつくらせたいと思っております。ただ、よくおわかりだと思いますけれども、話し合いをするということと、必ず一致するということは……(笑声)それはひとつ……。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 あとのほうはけっこうでございます。  とにかく、まず十分に話し合っていただきたいということで、そこで次の問題。  先般、集中豪雨でさまざまな救済活動で多くの地方公務員が出動をしました。そして逆に山くずれにあったりして死んだ地方公務員もいるわけですが、その被害の実情を実は知りたかったのですが、もう時間がありませんから、後ほどこれは資料でいただきたいと思います。  具体的な問題で二、三この機会に確認をしますが、七月の五日に高知県土佐山田町の繁藤地区のがけくずれで六十人が死亡した事件がございました。そのときに田中総理の指示で、消防団員に協力した民間協力者に同等の補償の加算措置に見合う措置、そういうものをとって話題になりましたが、あのときに実は一般職の職員二人が救助作業に行きながら、同時に死亡しています。その人たちに対する措置、これはどうなりましたか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) 田中総理がおとりになりました措置についてのこの二人の職員に対する措置は、いま問い合わせておりますが、未確定だそうでございます。当然、一般の協力者は、どこにも何ら公務災害補償もないということで、個々それに見合うものをこの際臨時に措置した。この二人の公務員の方は、一般職員でありますから、当然公務災害補償の適用はある。その補償は当然あるわけでございますが、問題は消防職員との間に、つい先だって成立いたしました法律、これが一方は適用があり、一方は適用がないという不均衡の問題がございます。そこで、あるいは御質問を先取りしてしまうことになるかもしれませんが、この問題に対しては、あの国会のときの御答弁でも申し上げましたように、いなかの町村のこういうような状況のときは、それこそ消防も役場の吏員もくそもないわけでございまして、ほんとうに犠牲的精神と申しますか、飛び込んでやっていくのですから、ぜひ同じ扱いをしてやりたいと、あの法律のときの答弁にもそういうことを申し上げましたが、民間の労災補償との均衡その他でもって、とりあえず警察と消防ということで発足した制度でございます。さきざき、たとえばこういう場合の災害ということであれば、それは民間との均衡という問題もないと思いますので、そういうものに広めるという方向はぜひとってまいりたいと思っておるわけでございます。当面、現在起きましたこの二人の方については、もう消防職員と均衡をとって、町で何らかの心配をしていただくことをぜひお願いしよう。その財源は、たとえば特別交付税あたりで先は心配するという考え方で処していきたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この事態がやはり予見されたから、あの法律論争——あれをつくるときにここの部分について論争したので、地方公務員災害補償法の四十六条で「警察職員、消防職員その他の職務内容の特殊な職員で政令で定めるもの」、これで一般職員といわゆる消防職員との差別の理由がない。もう事態もこういうふうに起こりましたから、いま言われた答弁そのまま受けとめて、同様の措置がなされるように希望しておきます。  もう一つは、非常にこまかい問題ですが、今度の災害出動で実は広島県の三次市に非常に多かった事例でありますが、車の絶対量が少ないために職員のマイカーが実はかり出されています。そしてそれが行って水びたしになった。そして車全体が使えなくなった。エンジンが故障してしまった。これは私は、いわば民間機材の借り上げだと思うのです。当然補償されるべきであると思いますが、どうか。  もう一つは、その場合に夜中に職員が市長から緊急に出動させられた。よって車を持っている者は車でだっと市役所にかけつけた。ところが、おまえはすぐこれこれこれということで、あっちに行けと言う。ここに車を駐車させておいたのではこの車はだめになるなとわかっておりながら、結果的には緊急を要しますから、他の行動に移っていく。案の定、水びたしになって車を使えなくなった。この車についても私は同様に補償をされるべきだと思いますが、いかがですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) 公務員の持っている私用の車を、役場の公用車が足りないためにその車を使って災害のしかるべき措置をせいと、まあ借り上げると同じような形で出動した者についての損傷は、当然民間の車を借り上げても同じような補償がなされるべきものでございましょうから、それは当然補償がなされるべきものであろうと思います。ただ、先生のいま御指摘になった後段の問題は、実情に照らしてやや考え方が違うことが出てくるかと思います。同じ民間のたとえば会社あるいは民間の商店で、その社員、商店員が出勤しまして、駐車場に置いておいた、それが水につかったものを店主なり会社が全部補償するかというと、必ずしもそれはそうではないのかもしれない。その辺の均衡も考えなければならないと思いますので、もちろん実情にはよりますけれども、具体的に命令をされて自分の車で災害出動したというのと、出勤のために車を使っておって、ここに置いておいたらだめになるという予見はしておるかもしれませんけれども、役所の駐車場に置いておいたのがつかったというのでは、やや扱いを異にするのは当然ではないか。具体的には地元で納得いくようなお話し合いの上で話し合いがつくのが望ましいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ただ、いわゆる緊急出動で、もう交通機関も何もない。歩いていけば緊急出動になりませんから、したがって、隣の車を借りた人もいれば、あるいは自分の車で行った人もある。そういう事情はやはり事情として存在しますから、一般論で片づけるわけにはいかない。一般的な出勤ではない。その辺のことは十分配慮しながら指導してもらわなければならないと思います。  最後ですが、地方公務員の賃金引き上げ要求に基づく全国統一行動で懲戒処分が全国総計で延べ三千七百六十五人、こういう形で出ております。ところが、このうち宮崎県だけで三千三百七十一人、実に全国の九〇%を占めています。すでに社会労働委員会その他でもってずっと煮詰まってきている問題ですから、私はここでたくさんのことは申しません。一つ二つの問題だけでお話ししたいのですが、自治大臣はこういう状態をお聞きになって、宮崎県のこの状態というものにどういう御感想をお持ちになりますか。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私、実情をつまびらかにしませんから、何かやはり特殊の事情があったのだろうと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 八日の衆議院の社会労働委員会では、田村労働大臣は、まことに奇異に感じます、こう労働行政の立場から答弁をしているのですが、なぜこういうような現象が出てきたと自治省は判断されているわけですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) 具体的にこれであろうという理由を話せと言われても、それも必ずしも思いつきませんけれども、事実ある程度そういう行為が激しかった、あるいは反覆して繰り返されたということもあったかも存じませんし、かりにそういうのが宮崎県でなくて、ほかの県でも相当あったということもまた間違いないと思います。それに対してどう対処するかということで、自治省、私のほうは常に公務員のそういった勤務時間内にわたる争議行為というのは法にもとることであるからやらないようによく指導しなさい。もし不幸にしてそういう事態が起こったならば、これは公務員というのはやはり他のものに先がけて順法精神ということが大事であるから、法に照らして厳格に処置をしなさい、これは全府県、市町村に対して指導しているところでございますが、そういう指導をある意味では忠実に受けとめられて、宮崎県の市町村が処置をされた。しかも処置をするについては、先生御承知のとおり、一つの団体だけで処置をいたしますと、隣がやらないのにということで非常な激しい攻勢も受ける。そこで、処置をやるについては処置をやる側でも寄り寄り集まって相談をするということが、これは間々行なわれることであり、その結果、宮崎県というところが相当多数の市町村が当時足並みをそろえてやるべきことをやったという、その結果こういう数字が出たのではないか。これも推察でございますけれども、そういうふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは自治省のそういう答弁ではなく、もっと実態を調査してもらいたい。たいへんやはり古い感覚でのものの見方、考え方、こういう形のものが三千七百六十五人の中の三千三百七十一人が宮崎だ、こういう状態になってやはり具現をしていると思うのです。いま言われたようなことで片をつける問題ではない、こういうふうに考えます。たとえば、いま時間がありませんから多くのことは言いませんが、四十一年十月二十六日の最高裁の全逓中郵事件の判決、同じく最高裁四十四年の四月二日都教組事件の判決、あるいは第一審判決とはいいますけれども、昨年八月十日の佐賀教組事件の判決、あるいは十月十五日都教組事件の判決、これを通じまして、官業労働者の労使関係については、その統一的な実力行使に対する処分緩和の方向が、いわばいまの世の中の趨勢ですよ。全国多くの地方自治体の首長もそのことを頭の中に置くから、そう何といいますか、余分な、過ぎたそういう処分を行なわずに、労使関係の円滑化のほうに頭を使っていく、そういうことだと思うんです。著しく宮崎県の場合はこれからはずれてしまっている。宮崎県に関する限りは労使関係の円滑化というような形のことについては、実はそういう思想性というものはない。自治体の首長のほうに非常に古い考え方が残存をしている。こういう事案で幾つかの具体的な例を私は時間をかければ指摘することができます。しかし、きょうはそれやりませんが、紛争処理の手続上の問題で、たとえば一例あげて二、三質問しますがね。私は宮崎県下の市町村の公平委員会で扱っている係争事件のてんまつ書をここに持っています。それをまた一々やる時間がありませんが、驚いたことに、公平委員会に提訴して三年以上たっているのに何ら音さたがない。こういう市町村が九つもあるんです。これ一体、見ただけでもおわかりでしょう、いま私が言っていること。こんな事態は正常だとお思いになりますか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) おそれ入りますが、その先生のおっしゃった前段のほうには私やや意見を異にする面がございます。確かに四二判決、最高裁の全逓中郵判決その他があり、あるいはそれを受けてと申しますか、佐賀地裁、東京地裁というところで行政処分に対する緩和の判決があった、御指摘のとおりでございます。ただ、最高裁の判例はいまだこの公務員の争議行為に対する刑事処分についての判断を出しただけでございまして、しかもその判断の中には、その判決の中には公務員法三十七条は合憲であるとはっきり位置づけてもおりますし、また、この行為に対して民事責任あるいは行政責任を追及されることはともかくとして、刑事責任で追っかけるほどのものではないという判断をしているだけでございますし、それから地裁の段階では佐賀地裁、東京地裁というのが確かにおっしゃるとおりに、この行政責任についてだいぶ緩和の判断を出しておりますけれども、これに反する厳格な判断、たとえ五分といえども公務員がそういう職務を放棄するような行為は公務員法にもとるという判断を出している地裁の段階もまだたくさんございまして、全体的な風潮として行政処分に関して緩和の方向があるとは私たち思っておりません。むしろ地方団体の場合、従来教育職員の場合が相当厳格な処分がなされてきたのに対して、一般職員については従来もあまり措置をされておらない。自治省のほうからは法にもとる行為はやるな、もしそういうことがあれば強い態度でこれに臨めという指導を常々しておりますにもかかわらず、この指導がむしろ徹底していない点があるように考えております。  ただ、後段の公平委員会が受け取って三年もほったらかしておる、これはまさに事実でございます。実は衆議院の社会労働委員会で御指摘を受けまして、直ちに電話その他でもって照会いたしましたところ、やはりおっしゃるとおり、九つの市町村について三年間審理の手続がほったらかされておるということがごございます。この面につきましても、私のほうも地方の公平委員会、人事委員会に対して恒例の審理を促進すべし、促進することが権利救済にもつながり、当事者の間の気まずい対立も早く解消できるんだからということで、これもまた常々口をすっぱくして促進を指導しておりますけれども、これもまた十分な指導の徹底がいきませんで、これは宮崎県のみならず、ほかの県においても同様でございまして、ある程度審理がおくれている原因の一つには、公平委員会というのが比較的軽易と申しますか、簡素な組織でございまして、この委員の方々は非常勤の、しかも地元の名士というような方がなっておられるのが通例でございまして、訴訟手続その他については不なれであるという面も確かにございます。ただ宮崎の九つの場合に、個々に理由を聞いてみましたが、たとえば準備書面ができて、反論書を提出ぜいという話がいってるのですが、反論書が一つも提出されないとか、あるいは、たまたま審理を少しゃっておったら、新しい七・一五の事件が出てきたので、これと並行審理をするためにひとつこの際待っているのだとか、個々にはいろいろな理由があるようでございます。中には、審理を要求したほう、あるいは受けて立つぼう、双方の合意によってしばらく待ってくれといわれて審理に手が出せないというのもあるようでございます。まあ要は個々の問題についてはいろいろ事情もあると思いますけれども、全体としては、やはり審理を促進することが公務員の権利救済上もぜひ大切だと思いますので、その面も、今後もさらに一そう力を入れて指導してまいりたいと存じております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 やはり宮崎のこいううような事例に見られるような、言ってみれば姿勢というものが、前に戻りますけれども、非常に他とアンバランスのような形での処分と、こういうものにつながっていってるのですよ、現状としては。苦情ないし申し立ての処理の遅延ということ、その事態が最も有害である、これはドライヤー勧告の二千百七十六号で指摘をされているところです。私は何よりもこれは地公法五十条一項に違反するのじゃないだろうか、そう思うのです。これ、違反しますね。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) 御指摘の地公法五十条一項は、たしか審理の請求が出たら早く審理しろと、三十日以内でしたか、何日以内でしたか……、審理の促進を書いている条項だと思いますので、これの精神にはもちろんもとると思います。これは強行規定ではございませんから、その期限を少し過ぎてもどうこうということはありませんが、それにしても何年とかというように審理を進めないでいるということは、この法の趣旨には違反すると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっとすみません。ちょっと理事、立つようですからちょっと。公務員部長、五月二十五日私と約束をした福陽会の実態調査やられましたか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) 福陽会については、当時からいろいろな資料を集めましてよく調査をしておりますが、先生、福陽会のうちのどの問題についての……。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私が述べたのが事実であれば、地公法十三条、十五条違反だと、これは罰則ついていますからね。そこで委員会としては、理事お立ちになりますから、理事会に正式な福岡県への調査団をまかせました。理事会の結果をひとつ聞くこと、並行的にはあなたのほうで、私が言ったことが事実であるかどうかということの調査を約束されているが……。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) 具体的には人事についてその組合活動にどうこうしたということを事由にやれば違反だということを申し上げましたが、その点につきましては、その後確かめましたところ、人事について決してそういう事由でやったことはないという返事でございました。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、理事会がその後どういうふうに運ばれたかしりませんが、ともあれ、相手方の調査と私の調査、違いますから、実態調査に委員会として出向かなければ結論出ませんね。新しい委員長ですから、ちょっと思い出して、非常に恐縮ですが、いいですか、理事会でもう一ぺんよく——寺本理事はおわかりでございますから……。

寺本廣作自由民主党

○寺本広作君 きょうは……。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いや、きょうじゃなくていい、それはよろしいね。これ、いいかげんに結論を出しておかなければいかぬですから……。  そこで宮崎の問題は、これは最後にしますが、たとえば地労委だとか、そういうものについても宮崎県下の各首長の出席状況というのは、ここに資料がありますけれども、もうほとんどないのですよ。こういう状況はやはり好ましいことじゃありません。やったならやったで正々堂々と出てきて、理由言ったらいいんですよね。どうですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) 地方団体の処分というのは、もちろん市長、町村長の名前でやられます。これは懲戒処分のみならず、懲戒処分にしても、あらゆる地方団体の行為は、その地方団体のその代表者の名前でやられますが、これは一つの組織体でございまして、その代表者が何もかも自分で資料を集めて、自分で判断してやったというものでもない。やはり一定の手続を経て、むしろその処分についていろいろ、よくタッチをし、内容を詳しく知っており、法規にも明るいというものは、ある場合は総務課長であり、ある場合は人事課長であるというようなことでございます。そこで、それに対する不服申し立てが出た場合に、審理の席に首長自身が出るということが必ずしも審理の遂行の円滑に資するものではない。場合によっては、その助役が出、さらに問題が少し法律問題になり、現実の問題に即するようになれば、総務部長が出、総務課長が出、町村であれば、人事係長が出るというようなことが、その事件自体を知悉しておる者、そして実際的にその処置をした者が出るというのが正しい審理——正しいと申しますか、適当な適切な審理に対する臨み方だと存じます。したがって、首長が出ないということのみをもって批判をすることは当たらないのではないかと思います。要は、その団体でその事務に従事し、それについて十分責任をとり得る者が出席すればいいのではないか。まあさらに審理が進んで、法律技術的な問題が非常に問題になるとすれば、場合によっては弁護士が出るということもあり得ますが、首長が出ない、あるいは係長が出るということ自体を非難することはできないのではないかと存じます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは何べんも過去においてやってきたことですから、くどいようなことは言いませんがね、ちょっと自治省、いままで言われてきたことと少しいまの答弁は違ってきたような感じがするわけです。法律技術論的なところにいけば、弁護士が出る、あるいは人事担当課長、係長などで——私たちは決してそのことを否定はしません。しかしながら、一体どういう判断でもって最終的に首長が判断したかということ。これはやっぱり首長でなければわからぬわけですからね。したがって、それが市長であるか、あるいはそれにかわるべき助役であるか、この辺はやっぱり出るべきである。その指導というものは原則的にはされるべきだと思う。そして、一貫してそういう答弁をされてきたのに、きょうだけ変わるというの少しおはかしい。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) あるいは、私が就任後そういう問題がなかったので……。私自体は一貫していま先生の御指摘のような答弁はしたことはございませんつもりでございますが、事実先生のおっしゃったとおり、最終的な判断は市長が判をついておりますし、あるいは助役に事務をまかせておるとしましても助役が判をついておる。ですから、そういった最高の判をついた者が、まあ一ぺんは出て自分の考えを述べるということは、おっしゃるとおり妥当であろうと思います。事実、宮崎県の場合は、聞きますと、市長自身はほとんど出ない。まず、助役とかあるいは総務課長というのが最初のうち出る。さらに、だんだん審理がこまかくなるに従って事務担当者が出るというような運用をしておるように聞いております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 したがって、最高責任者がとにかく一度は出て、そして意見を開陳する、そういう形の行政指導をやっぱり強める、こういうことに理解してよろしいですね。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○説明員(林忠雄君) 原則としてそのとおりだと思います。ただ、その処分の審理の結果その他によって、その地方団体についてだれが出るのが最も適当かは、それぞれの団体の判断があると思います。

久次米健太郎自由民主党

○委員長(久次米健太郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十二分散会

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