運輸委員会 閉会後第3号
- 発言数
- 217 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/10/17
会議録
○理事(江藤智君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 本日は長田委員長が不在ですので、私が委員長の職務を行ないます。 委員の異動について御報告いたします。 成瀬幡治君が委員を辞任され、その補欠として藤田進君が選任されました。 —————————————
○理事(江藤智君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。 まず、派遣委員の報告を聴取いたします。 それでは第一班の御報告を願います。小柳君。
○小柳勇君 第一班の派遣報告をいたします。 派遣されました委員は、長田委員長、橘委員と私の三人で、去る九月十一日から五日間にわたり、新潟県、富山県及び石川県所在の運輸省及び国鉄の各地方機関からの管内事情の説明聴取並びに三県内における港湾、空港の整備状況と海員学校等を視察してまいりました。 以下順次事項別に調査の概要を御報告したいと思いますが、それぞれの機関からは詳細な資料が提出されておりますので、現地の要望事項と調査事項のおもなる点について、その概略を御報告したいと思います。 まず、運輸省地方機関からの管内事情説明について申し上げます。 新潟陸運局からの説明によれば、当面の問題点の一つは、過疎バス対策であり、昭和四十六年度では管内二十二社中十四社が赤字で、赤字額は四億円に達し、路線の維持も困難になっているが安易に廃止もできず、深刻な問題となっている。現在国は一応の助成策を講じているが、今後補助金等の大幅増額をはかる等、抜本的対策が必要であるとのことでした。また都市交通問題、物流問題についての行政指導方針及び自動車台数の増加に伴う車検、登録要員の増員についての要望がありました。 次に、新潟海運局より、日本海経済圏の発展をはかるためには対岸貿易の振興が必要であり、それに対応する日本海海運のあるべき姿について検討を進めている。なお日本海側における大型造船所の必要性、海洋レジャーの活発化に伴う今後の海難防止対策等について説明がありました。 次に、第一港湾建設局より、管内における港湾、空港の整備状況について説明がありましたが、港湾整備は五カ年計画の線に沿って順調に進んでおり、昭和四十七年度は、管内工事量として約二百六十億円の工事を実施中である。日本海側の今後の港湾整備の方向として、まず第一に、港湾開発と環境保全との調和をはかる必要がある。この点については、県及び地元の人と十分連絡を密にして開発を進めていきたい。 次に、流通拠点としての機能を発揮できるような商業港の開発を、また地方的生活に密着した地方港湾の整備を、そして最近の海洋レジャーに関連した港湾施設の整備を促進する方向で今後の港湾整備を進めていきたいとのことでした。 なお、昨年五月の機雷による海麟丸爆発事故に対しては、全く遺憾であり、今後は二度とこのような事故を起こさないよう、現在及び将来にわたり安全性の確保については万全の措置を講じておりますとの発言がありましたことを御報告しておきます。 次に、第九管区海上保安本部より日本海沿岸海域における国籍不明船の取り締まり状況について、また新潟港、伏木富山港、直江津港及びその沖合い海域と能登半島北西岸における海洋汚染の進行状況と、これに対する船艇、航空機等による取り締まりの実施状況について説明がありました。なお当管内では、昨年十一月ジュリアナ号事件を起こしており、初めての経験であるが、最善の努力を尽くした。今後はその経験を生かし、資材、機材等の充実をはかるとともに、官民の協力体制を確立する必要がある。なお、ここでちょっと補足しておきますが、われわれ視察団は、ジュリアナ号事件発生以来の救難状況と油による海洋汚染防止の活動状況を収録した記録映画を見ましたが、きわめて貴重な資料であり、今後の施策の重要な参考になるものと、深く感銘を受けたことを御報告しておきます。 次に、東京航空局より、管内所在の新潟、松本、富山、小松の各空港の整備状況について説明がありましたが、北陸の航空輸送は、夏季に客が急増、冬季は急減という季節波動が大きく、しかも、夏季の増便は、東京方面の受け入れ能力から制約を受けている点が問題であるとのことでした。 次に、鉄建公団新潟新幹線工事局より上越新幹線のうち、管内区間百四十四キロメートルの建設状況について説明がありましたが、本年度中には、管内区間の四四%、六十四キロメートルが工事発注済みになる予定であるとのことでした。なお、今後の課題としては、豪雪地帯における防雪対策と、地盤が硬軟両地帯に分かれている点が問題である。 なお、平野部の用地買収は本年の冬までに測量を終わり、冬季間中に買収交渉を進めたいとのことでした。 なお、新潟地方気象台から、雪害に対する鉄道及び電力気象通報の重要性等についての説明がありました。 次に、国鉄関係について申し上げます。 新潟鉄道管理局より、当管内は豪雪地帯であるため、除雪車両、機械の増強をはかる等、雪害対策を強力に進めている。また、上越新幹線の建設に対応して営業体制の近代化を進めている。上越新幹線が昭和五十一年に完成した場合の輸送人員は、現在の五割増の三十五億人キロが想定されております。管内の営業状況は、全線区が赤字で、昭和四十六年度の営業係数は一五九で約二百億円の欠損になっているとのことでした。 次に、金沢鉄道管理局からの説明によれば、新潟同様に雪害対策は重要な施策となっている。輸送力増強は、特に北陸本線の体質改善に重点を置き、今日まで六百九十八億円の投資を行ない、電化、線増等が完了し、北陸と関西、関東方面の輸送状況が改善された。管内の営業状況は、昭和三十九年以降赤字となり、現在全線区が赤字で、昭和四十六年度の営業係数は一三三で約百三十億円の欠損になっているとのことでした。また、管内では本年三月、三国線を廃止したが、廃止後はバスによる代替輸送等の措置を講じており、地元民の感情も良好であるとの報告がございました。 次に、今回視察いたしました港湾関係について申し上げます。視察いたしました港湾は、新潟東港、西港、金沢新港、七尾港、伏木富山港でありますが、いずれの港湾につきましても、港湾管理者であるそれぞれの県当局及び第一港湾建設局より詳細な資料に基づく整備計画の説明がありました。これらの港湾は五カ年計画の線に沿って整備が進められております。特に増大する貨物量と背後地大規模工業開発のための新潟東港、金沢新港、富山新港の開発は、今後の北陸地方の産業振興のために重要な使命を果たすものと思われます。しかし、港湾をめぐる問題も多く、伏木港においては、しゅんせつ中止に伴う港湾機能阻害問題と工場排水による公害問題が、富山港においては港湾荷役に伴う粉じん公害問題が、また七尾港においては地盤沈下問題等、各種の事件が発生しており、港湾地域をめぐる環境保全の問題は、港湾の開発と運営上の重要な課題となっております。 次に、新潟空港について申し上げます。 現在、新潟空港では、Bランの二千メートルまでの延長工事等が行なわれています。これは昨年一月の日ソ航空協議の決定による本年十月からの新潟−ハバロフスク線の開始に備え、現在のYS機用からB727機の使用を目的としたものであります。しかし、工事がおくれたため十月からの運航開始はできなくなったが、来年六月には千九百メートルで供用開始ができるとのことでした。なお、ここで第一港建当局より、現在、空港の土木関係工事は港湾建設局で担当しているが、空港専門の技術者はきわめて少なく、わずか二人で十億円相当の工事を担当している実情であり、早急に技術者の充足をはかってほしいとの要望がありました。 次に、七尾海員学校からは、最近、生徒応募者が減少しており、定員確保に苦慮しているとのことでした。次いで老朽練習船の代替建造についての要望がありました。 最後に、今回の視察に際し、地元から寄せられました陳情について申し上げます。新潟県、富山県、石川県の三県より、それぞれ県内の港湾、鉄道、空港等の整備促進について、また、高岡市長等から伏木外港の建設について、富山市長等から北陸新幹線富山停車駅設置について、新湊市長等から合同庁舎設置について、また七尾市長から七尾港地域の地盤沈下対策等についてきわめて熱心な陳情がありましたことをお知らせいたしまして報告を終わります。
○理事(江藤智君) 次に、第二班の御報告を願います。森中君。
○森中守義君 第二班の派遣報告をいたします。 派遣委員は、江藤委員、田代委員と私の三人で、九月二十五日以降五日間、宮城県、岩手県、青森県各県所在の運輸省、国鉄地方機関等の管内事情を聴取し、港湾、空港施設、青函トンネルの建設状況等を視察調査してまいりましたので、これら調査事項のうち、主要な点について御報告申し上げます。 まず、東北新幹線の工事関係から報告することといたします。 この新幹線は、昭和四十六年四月一日、運輸大臣から東京−盛岡間約五百キロの建設指示がなされ、昭和五十一年度完成を目標に、福島及び宮城県内約二百二十七キロを仙台新幹線工事局が、岩手県内約百キロを盛岡工事局が担当し、両工事局ともに長大トンネル、橋梁等の建設について、すでに着工いたしております。 これが完成いたしますと、東京から仙台まで一時間四十分、盛岡まで二時間三十分ときわめて短い時間で結ばれることとなり、地元関係者から、その一日も早い完成について強い要望が出されました。 今後の課題としては、新幹線開通後の在来線をどのように活用し、新しい交通システムを確立するかということであり、特に盛岡から秋田及び宮古ないし釜石までを最も短い時間で連絡するための輸送改善方について要望が出されました。 また、三陸縦貫線については、現在建設中の久慈線が、昭和五十二年度とおくれて完成される予定ですので、新幹線開通時に間に合うよう、そして、現在線のスピードアップのための線路規格の改善方について要望が出されました。 以上のことに伴い、たとえば国際興業等による土地買い占めなどがあり、地価の異常な暴騰が関係者に大きなショックを与えている旨の報告があったことを付言しておきます。 次に、青函トンネルの建設関係について御報告いたします。 青函トンネルは、総延長五十三キロ八百五十メートルと、世界最長の隧道で、海底部は二十三キロ三百メートルあり、現在、昭和五十四年三月完成を目途に総工事費約二千億円をもって海底部の掘進が行なわれております。 私たちが視察しました竜飛側は、先進導坑が斜坑底より約六百メートル、作業坑が斜坑より約千三百メートルを掘進中とのことで、すでに一部本坑の掘さくに入っているとのことでありました。 このトンネル及び新幹線が開通いたしますと、東京−札幌間が五時間五十分で結ばれることになりますので、盛岡以遠の新幹線の早期着工についても要望が出されました。 次に、国鉄の運営状況について報告いたします。 旅客収入は、仙台鉄道管理局、盛岡鉄道管理局ともに所定の成績をあげているとのことでありますが、貨物収入については、仙鉄管内では減少の傾向を示し、盛鉄管内では逆に年々増加してはいるもあの、目標には到達できなかったとのことであります。 その大きな一つの理由は、北海道向けの需要に応じられないことにあるとのことで、青函船舶鉄道管理局からの説明によりますと、伸長する北海道向け貨物輸送需要は、昭和五十二年度においては六百三十万トンと想定され、現有船腹での最大航送力四百三十四万トンをもってしてはとうてい対応することができないので、京浜−北海道間のコンテナ船によるバイパス輸送を昭和四十八年十月から実施すべく計画を進めているとのことでありました。 なお、青森県当局及び地元関係者から、廃止すべき赤字ローカル線として、国鉄諮問委員会が勧告した八十三路線に含まれている黒石線、大湊線、大畑線及び八戸線並びに合理化計画として国鉄の発表した貨物取り扱い駅の廃止問題については、地元住民に与える影響がきわめて大きいことから、従来どおり存続するようにとの強い要望が出されました。 また、小湊地区の国鉄用地の払い下げ問題につき、旧浜子操車場用地約二十万平米に対する国鉄の利用計画が早急に明らかにされるよう要望がございました。 次に、港湾の整備関係について申し上げます。 昨年七月十七日に開港した仙台新港は、東北地方における重化学工業地帯のかなめとなるよう、商工的機能と工業港的機能とをあわせ持つ大規模な掘り込み型の港湾で、公共岸壁十七バース、専用岸壁約四千六百メートル等が計画され、昭和五十年度完成を目標にその工事は本格化いたしております。 昭和五十五年におけるこの地区の港湾取り扱い貨物量は、外貿約七百五十万トン、内貿約六百万トン、計千三百万トンに達するものと見込まれており、物流拠点港、さらには国際貿易港としての機能を果たすものとして大きな期待が寄せられています。 東北海運局からの説明では、すでに免許になった太平洋沿海フェリーの名古屋−仙台−苫小牧航路が来春就航の予定で、そのほか免許申請中の東北フェリー、東京−仙台航路、新日本フェリー、苫小牧−仙台航路等の就航が予定されているとのことでありました。 次に、青森港は北海道との物資交流の基点としてその機能を果たしておりますが、最近におけるフェリー時代に即応し、沖館地区をフェリー基地にすべく、三千トン級三バースを本年度事業で実施中とのことでありました。 なお、地元関係者からの説明では、海上交通の安全を確保するため、漁業権との調整が大きな課題であるとのことでございました。 次に、海上保安業務について申し上げます。 第二管区海上保安本部の説明によりますと、当管内における海難の発生は、昭和四十六年では二百十六件となっており、原因別に見ますと、運航の過誤等人為的原因によるものが圧倒的に多く、そのため海難防止講習会、臨船指導等、船主、乗り組み員に対する指導を強力に推進しているとのことでありましたが、一たん発生した海難の救助体制を整備充実するため、船齢二十年をこえる老朽船の更新、ビーチクラフト機の増強、ヘリコプターの配属等について要望が出されました。 また、仙台地方海難審判庁の説明によりますと、三陸沿岸沖合いにおける一千トン未満のレーダーを装備した小型鋼船による霧中衝突事故が多発しているとのことでありました。これは学術試験にレーダーの取り扱いが課せられていない乙種一等航海士の船長等により運航されているからであるとのことで、この小型鋼船のほとんどが油送船であることから、事故絶滅のため万全の策を講ずる必要があるとのことでございました。また、ジュリアナ遭難事件及びこれに類似する松豊丸乗り揚げ事件にかんがみ、陸上と沖待ち船との通信連絡の強化につき要望がございました。 次に、空港の整備関係について申し上げます。 最近における航空需要の増加は著しいものがあり、昭和四十六年の実績で見ますと、仙台空港では二十万七千九十九人、青森空港では四万二千四百十四人となっており、昭和四十年に比べて、それぞれ二・八倍、三・四倍となっています。 このように増大する航空需要に対応し、かつ航空交通の安全を確保するため、現在第二次空港整備五カ年計画が進められておりますが、仙台空港では二千メートルの新滑走路が昭和四十六年度に完成し、VOR、ILS、ASR等空港施設の主要な整備はすでに完了し、誘導路の整備等が残されているとのことでありました。 また、青森空港では、気象条件のため冬季運休になること等、航空利用者にとってきわめて不便であるので、地元関係者より、当面冬季休港中の青森空港の代替として三沢飛行場を本年十二月より利用できるよう要望が出されました。 なお、花巻空港について、岩手県から、当空港の滑走路延長等空港整備事業を進めるにあたって必要な用地費等についても、国庫補助の対象となるよう措置されたいとのことでありました。 次に、陸運行政について申し上げます。 仙台市圏域では、東北本線、仙石線、仙山線の国鉄三線のほかは私鉄もなく、大部分が道路輸送に依存している状況ですが、道路は、車両数の増加に伴う渋滞、さらに人口の集中による輸送人員の増加等から、大量高速輸送機関の検討が急がれているとのことでありました。要望事項としては、仙石線の塩釜地区連続立体交差化工事について、特段の配慮を願いたいとのことでありました。 また、バス問題については、一般乗り合いバス事業者の経営状況が逐年悪化の一途をたどっている現状にあるので、住民の足の確保をはかるという見地から、これに対する国の大幅な補助、企業努力を育成助長するための長期かつ低利な融資制度の強化等について強い要望が出されました。 また、霊柩業界より、軽自動車による道路運送事業の規制援和措置によって業界秩序が乱されつつあるので、その対策方につき、きわめて強い要望が出されました。 最後に、仙台管区気象台からの地方気象台予報官の増員、仙台航空測候所への予報官の配置等について要望が出されましたことをつけ加えて、御報告を終わります。
○理事(江藤智君) 以上をもって派遣委員の報告は終了いたしました。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○小柳勇君 ただいま視察報告をいたしましたが、これに関連して三点質問をいたします。 まず第一点は、港湾開発をめぐる公害及び環境問題についてであります。その第一問は、最近港湾開発に伴う環境保全の問題は、地元住民に重大な影響を与えております。今回視察しました伏木港、富山港、七尾港など、それぞれ問題が起こっておるが、運輸省の港湾開発と環境保全についての基本方針をお伺いいたします。
○説明員(加藤六月君) ただいま小柳先生が視察の報告をされておった中に、地盤沈下あるいは港湾環境の問題、いろいろ御報告されておりました。承っておりましたですが、私たちも、それに対していろいろ考えるところがございますが、これまでの港湾整備事業は、急激な貨物の取り扱い量の増大に対処するための隘路打開ということに追われまして、環境面に対する配慮が必ずしも万全なものとは言いがたいのではないかと考えております。そのため、港湾を中心としての環境問題が種々論議されまして、港湾における緑地等の確保、土地環境との調和をはかるべきことが強く要請されている状況でございます。これはただいま先生の報告にもあるとおりでございますが、このようなことから、実は昭和四十二年度から海水油濁防止施設整備事業、昭和四十七年度からは公害防止対策事業を国庫補助の対象事業として行なうようにしたわけでございます。しかしながら、これらの公害防止のための事業は、今後さらに一そう強力に推進する必要があると考えられますので、昭和四十八年度からは、港湾環境を改善するための諸施策を推進するための事業に対しても、より積極的に国が補助を行なうよう財政当局と目下折衝中でございます。
○小柳勇君 金がかかりますが、いま報告されました財政当局との折衝状況ですね、たとえば概算要求なりなされておれば、その実態及び港湾法の改正が必要ではないかと思うが、その点についてどのように進捗しておりますか。
○説明員(加藤六月君) それは港湾局長に具体的数字については御答弁させていただきます。
○説明員(岡部保君) まず予算の要求内容でございますが、昭和四十八年度予算の概算要求の中に、事業費で申しまして百七十数億の環境関係の要求をいたしております。 この内訳を申しますと、まず第一点は、廃棄物処理施設の整備という問題でございますが、この廃棄物処理施設と申しますのは、たとえば東京港で、東京のごみ戦争、これで問題になっておりますが、実際に都市廃棄物のごみ処理というものが、焼却場ができますれば、これはそれでまかなえるわけでございますが、まだ当分の間はどうも埋め立て地にごみを捨てざるを得ない。こういう埋め立て地にごみを捨てざるを得ないというのを、今後の問題といたしまして、たとえば東京港の例を申しますれば、中央防波堤の付近にごみの捨て場を設ける。そこで、普通の埋め立て地の造成の従来ございましたシステムといたしましては、大体地方の借金、地方債でまかなっておるわけでございます。土地が造成いたしますれば、その土地の売却費によって債権が消滅していくというような仕組みになっているわけでございますが、このごみ処理場と申しますと、当分の間、土地にはなりません。またすぐに土地になるようでは困るわけでございまして、そういうような特殊な埋め立てになりますものですから、その外郭、いわゆる外側の護岸でございます、こういうものの地方負担というのは、相当に大きな地方財政にとっての負担になるわけでございます。したがって、この外郭の護岸に対しましては、何らか国が助成すべきではなかろうかという考え方から、このようなごみ処理のための埋め立て地の外郭施設に対して、来年度より新たに補助を国がいたしたいという考え方で、ただいま予算を要求いたしておるところでございます。これは東京港あるいは大阪港等についてございます。そのほか小規模でございますが、港湾の周辺で、ごく小規模な焼却施設あるいは一時受け入れるような施設というものも、三十数港にわたって要求をいたそうという考え方でございます。 第二点は、公害防止用移動施設の整備でございます。公害防止用の移動施設と申しますのは、これはわかりにくいようなことばを使っておりますが、内容を申しますると、清掃船、海面に浮いておるごみを清掃する船、それから海上に浮いております油を集める集油船、この二種類の船舶、これを港湾管理者が整備する、備えるというものに対して、これに対しての建造費に対する助成をしようということで、これも清掃船については約二十隻、集油船につきましては約六隻の整備をするべく予算を要求いたしているところでございます。 第三点は、港湾汚染防止用の常備施設の整備、常備施設と申しますのは、いわゆるオイルフェンスでございますとか、あるいは油の処理剤——中和剤と申しますか、油の処理剤でございます。従来の考え方で申しますと、こういう油が流出したというときに、それを押えます施設といたしましてはオイルフェンス、あるいは油の処理剤が必要なんでございますが、これは従来海上保安庁あるいは石油関係の企業等が常備しておったわけでございますが、どうも港湾管理者も当然備える必要があるんではなかろうか。したがって、港湾管理者が整備されるものについて、常備されるものについてのひとつ助成をしようという考え方でございます。 第四点は、環境保全施設の整備と呼んでおりますが、これは港湾埠頭地区においてもう少し緑化をいたしたい。たとえば埠頭に緑を添える、あるいは埋め立て地の中に緑地帯をつくるというようなものに対して、港湾面でこれを助成するという必要があるんではなかろうか。これもたとえば都市公園でございますとか、そういうような別の体系での助成措置がございますが、どうも港湾自体で、都市公園ほどのものではない、しかも港湾の埠頭地帯にもっと緑化をする必要があるというようなものについて、ひとつ補助の対象にしたい、これが約四十港ほど来年度要求をいたしております。 次に、港内の海域の清掃事業、これは先ほど清掃船あるいは集油船を建造するのに補助をすると申しましたが、そういうものを使いましての事業でございますが、海面に浮きましたごみの清掃でございますとか、あるいは沈船、廃船が港湾の区域内に沈んでおるというようなものもございます。こういうものを除去するための事業に対して補助をするべきではなかろうかということで、これは約七十港程度の要求をいたしております。 それから、海洋清掃事業でひとつ、これは先ほど申しましたのは港湾管理者でございますので、港湾区域内の海面に限られますが、たとえば東京湾でございますとか、あるいは大阪湾でございますとか、瀬戸内海でございますとか、そういうところは港湾区域外に相当にごみもあるわけでございます。そういうものに対して、これは放置しておきますと、風によって港内がまた汚染される、そういうような特殊な地域につきましては、当然港湾区域外でも清掃しておかなきゃならぬということから、集油船と海上の清掃船を、これは国みずからが持つ必要があるのではなかろうかということで、この船舶の建造につきまして、これは港湾建設局に所属させる港湾の作業船として建造をしようというかっこうで、ただいま要求をいたしておるところでございます。その他、先ほど政務次官の御答弁にもございましたように、海水油濁防止施設の整備あるいは公害防止対策事業——ヘドロのしゅんせつ等でございますが、こういうものについては従来どおり積極的に進めてまいりたい。 それから、もう一つ最後に申し上げますのは、先生前回御質問のございました残存機雷の問題でございますが、残存機雷の探査というものがどうしても相当に実施をしなければならないということで、いわゆる国として機雷の探査船というものを全国で四隻つくりまして、相当に探査の能力を上げよう。これは関門地区あるいは大阪湾、瀬戸内海地区あるいは新潟周辺、そういうところにそういう船を常備させようということで、これも作業船の整備として要求をいたしております。また、こういう港内で、いわゆるしゅんせつ事業に伴いまして探査をするという場合は、このしゅんせつ事業の工事費で実施できるわけでございますが、しゅんせつ事業に関係ない港内の海面で、こういうやはり探査をする必要があるというので、この点について、まだ若干ではございますが、五港ほどにこういうしゅんせつ事業と直接関連のない港内海域の機雷探査というものに対する助成をしよう、そのような要求。 以上、こまごま申し上げましたが、この要求を四十八年度予算の要求としていたしておる次第でございます。 なお、第二点の、これは法律的に措置が必要ではないかというお説でございますが、全くそのとおりでございます。先ほども申しましたように、たとえば公害防止用の移動施設でございますとか、あるいは廃棄物処理施設でございますとか、そういうような施設を、港湾法において、当然港湾施設として法改正をされまして、その港湾施設の、港湾管理者が行なう整備につきまして助成をするというような法改正が必要だと存じます。したがいまして、ただいまその法律案文につきまして検討中でございますが、次回の通常国会にこれを提出して御審議をいただきたいというように考えております。
○小柳勇君 次の第二の問題は、最近の港湾開発を見てみますと、背後地の大企業工場と港湾施設が密着しておる型が多い。港湾の公共性と特定企業の利益というものの調整を基本的にどのように考えておるのかお聞きいたします。
○説明員(加藤六月君) 港湾の開発は、国土の総合的開発と地域の発展という二つを目ざして行なわるべきでありまして、工業港の開発についても、基本的には同様な観点によって計画が立てられるべきであります。したがいまして、その水際線の有効かつ秩序ある利用をはかるためのこれらの港湾の開発と管理というものは、公共団体としての港湾管理者により公共的見地から進められるような仕組みになっておるわけでございます。すなわち港湾管理者は、港湾の公共利用を確保するために港湾計画を策定し、これに基づいて公共施設を整備するとともに、公共的規制のもとにその専用施設の整備を許容するようにいたしております。この際、この公共施設の整備によって受益するものがある場合があるわけでございます。いまおっしゃいましたようなことでございますが、その場合には、受益者負担の制度を積極的に活用していって受益者に負担さすということといたしておる次第でございます。
○小柳勇君 いまの点ですが、たとえば石油会社などが重油基地をつくる。それはそれで特定企業が負担いたしますけれども、その沖のほうにある防波堤あるいは港のしゅんせつ作業あるいはいまおっしゃった公害除去施設あるいは船などは、大部分は国が負担しなければならぬと思うが、そういうものが、まあきざなことばですけれども、私どもが見ると、国なり公共費用が特定産業に奉仕しているのじゃないかという、そういうものも考えられるわけです。したがって、いま言われた受益者負担というものが、制度的に、あるいは法律的にどのようになっておるのか、もう少し御説明願いたいと思います。
○説明員(岡部保君) ただいまの問題でございますが、基本的に申しますと、いま政務次官申しましたとおり、港湾を整備する際に、非常に公共的な性格と申しますか、たとえば防波堤で外郭を守る、そういうようなものについては、まず一般的には公共事業、いわゆる財政資金をもってこれの建設に当たるという考え方でございます。ただ、その中に、今度は企業が、たとえば石油業がそこで精製工場をつくる、そのために前に桟橋をつくる等々の仕事、これは全く企業の資金で実施すべきである。その中間でございますたとえば航路のしゅんせつであるとか、そういうようなのが問題になってくるわけでございます。したがって、たとえば普通の公共的な施設ができてまいりまして、たとえば一万五千トンの船が入るということが将来予想できるというようなものについては、これは一般の財政資金で十メーターまでの航路しゅんせつは財政資金をもって実施いたします。ただここに石油工場がもっぱら使います非常に大きなタンカーが入ってくる、そのためにはこの航路を十二メーター、あるいは十四メーターに掘らなきゃならないというような場合につきましては、十メーターからさらに増深いたします分、そのものについてはいわゆる特定港湾施設整備事業と申しまして、この事業のこれは公共的な性格もございます、むしろ公共規制しなきゃいかぬという意味から、公共的な規制もする事業でございますが、その大半を受益者に持たせる、それが先ほど申しました受益者負担の原則でございます。 そこで、そういうような受益者の負担というものの根拠の考え方といたしまして企業合理化促進法、あるいはただいま申しました特定港湾施設の整備のための法律というようなものによりまして、受益者負担を課しておるという考え方でございます。
○小柳勇君 抽象的ですが、具体的な質問通告してなかったからいますぐ数字で説明できないと思うが、海岸埋め立てするその埋め立て費用あるいはバースの使用料など、当然それは石油会社が払うだろうが、それだけでは港にならないのです。だから防波堤をつくったり、その他いま港湾をいろいろ行使する船などの操作がありますね、その場合にその事業というものは、あるいはその石油会社というものは、その土地造成とそのバース使用料のほかにどういうような負担をするように法的に規制があるのか、あればあると、あるいは具体的に、たとえばパーセントでいって、この会社が支払うものはどういう比率で受益者負担しておるか、御説明願いたいと思います。
○説明員(岡部保君) ただいまお話のございました航路しゅんせつというものに限定して御説明申し上げますと、石油工場あるいは鉄鋼の工場等、港にどうしても大きな船が入るという要請がございます。これは非常に独自性と申しますか、非常にそういう要請が強いために、しゅんせつをしなければならないというようなことになってくるものでございますので、非常に深い航路を必要といたしております。 そこで現段階で、こういう工場があります港における航路の十三メーター以上のしゅんせつにつきましては、これは受益者負担をとるという考え方でございます。それで上限を申しますと、二十三メーター以上、いわゆる二十万トンのタンカーであるとか、あるいは三十万トンのタンカーであるとかという問題が出ておりますので、水深二十三メーター以上のしゅんせつ工事につきましては、この九五%は受益者負担を取ります。残りは、いわゆる公共的な規制というような意味で、わずかでございますが五%を公共事業並みで実施をするという考え方でございます。二十三メーターと十三メーターの間、これが一段階でございますが、いまちょっと正確な数字を失念いたしましたので、一応約七五%は受益者負担であるというふうに御理解いただきたいと思います。 以上でございます。
○小柳勇君 実際、現在こういう例がいままであったのですか。
○説明員(岡部保君) これは、たとえば鹿島港でございますとか、あるいは水島港でございますとか、そういう例はいろいろございます。現実に相当な港数の仕事をいたしてまいっております。
○小柳勇君 そうしますと、いま新しく人工の掘り込み式の港湾をつくっているのですが、あれは十三メーターと聞いてきましたけれども、それ以上になりましたら、もうそこに工場を据えようとする企業がしゅんせつ費用は全部支払うものと理解していいですか。
○説明員(岡部保君) ただいま申しましたように、十三メーター以上の水深を必要とする工場、これは当然これの航路しゅんせつの事業の、全部ではございませんが、相当部分を当然その企業が持たなければならないというふうに御理解いただいてけっこうでございます。
○小柳勇君 それは法律事項ですか、政令ですか。
○説明員(岡部保君) 特定港湾施設整備特別措置法という法律に基づいております。ただ、ただいま申しましたように、どういう範囲をどういうふうに受益者の負担の割合にするかという問題につきましては、これは財政当局との事務的な打ち合わせによって実施をいたしております。ただこの考え方の根拠は法律によっておるということでございます。
○小柳勇君 いま一つは、いまのしゅんせつはわかりましたが、たとえば防波堤については、中に施設する企業としては受益者負担の根拠はないですね。
○説明員(岡部保君) 防波堤につきましても、これは非常にむずかしい問題でございますが、このような受益者負担をかけて実施いたしておる防波堤はございます。と申しますのは、これはどうも具体的な例を申し上げないといかぬと思いますが、たとえば鹿島港におきまして、現在この防波堤は一応一般の公共事業で建造いたしてまいりました。これが普通の原則的な問題でございます。ただもう少し防波堤を延長してもらいたいという要望が非常に強いわけでございます。これは地元の港湾管理者からの要望もございます。これで非常に延ばしました際に、それでおおわれる、言うなれば、ただいまの方向よりも少し北側の海面でございますが、こういうところを、将来はそこの住友金属工業が使う可能性があるというようなことから、この防波堤は当然鉄鋼会社において一部受益者負担をするべきであるというような考え方で、これは五〇%の受益者負担金を取るという考え方で、まだ実施するところまで至っておりませんけれども、そういうような例が、わずかではございますがございます。その他は、大体が防波堤というのはその港本来の必要な施設であるということで、一般的には普通の公共事業、財政資金の支出でまかなっておるというのが実情でございます。
○小柳勇君 わかりました。 新潟などでも、北陸のほうでもりっぱな防波堤を造成しておりまして、片一方では新設の工場の地帯をその港につくっている、それを守るための防波堤もつくっております。おそらくあの新潟のほうは国の費用だと、費用の負担はよく説明を聞かなかったのですが、いまそう思うのですけれども、そういうものを私なりの頭でずっと考えると、もちろんそれは防波堤ができて港が入りやすくなれば、一般船も寄港します、あるいは嵐のときには避難港になります、これは非常にいいことだけれども、たとえば新しい掘り込み式の港をつくって、そこに大多数の地域利用の工場群が入った場合に、防波堤をつくるということもあろうかなと思っていま質問しているわけです。 いま一つは、あそこで石油基地を視察するときに、石油のにおいが一ぱいしまして、やっぱり海面に——十分に対策は立てておると聞いております、おりまするが、油のにおいがするし、やっぱり浮いているわけです。ああいう公害の除去については一切その工場群が責任を持つ、これは当然ですね。いかがですか。
○説明員(岡部保君) お説のとおりだと存じます。当然その企業が排出規制を受けておるわけでございますし、当然企業の責任において押えるべきであるという考え方でございます。
○小柳勇君 その点ももう少し、今度は掘り込み式の港湾の建設について質問いたしておきます。 最近の大型掘り込み式港湾の建設については、港湾整備の当初計画において、背後地の都市計画など十分調整をはかり、たとえば市街地との区分についてはグリーンベルト地帯をつくるなどの配慮が必要であると思うが、港湾開発をめぐる環境保全は、今日は社会的要求となっておるが、この点についての背後地の都市計画との調整などについてはどのような仕組みになっておるか、御説明を伺います。
○説明員(岡部保君) この問題につきましては、ケースがいろいろあると思いますのですが、まず都市計画区域にすでに指定されておりまして、しかも、そこに都市計画の決定がなされておるというような地域に対して新たに掘り込み港湾をつくろうという場合ですと、これは当然都市計画の決定を変更していただかなければならぬわけです。したがいまして、むしろその地方の都市計画審議会等に付議をいたしまして、この新しい港の計画というものを都市計画の一環としてお認めいただく。その際に、こういう港湾ができ、しかもここには、まあ工業地区でございますから、工場ができる。その際に、いわゆるグリーンベルトをどういうふうに、遮断緑地をどういうふうに設けたらいいかというような議論が都市計画サイドと港湾計画との間で十分調整されるわけでございます。ところが都市計画区域にはなっておりますが、都市計画が決定されていない、そういうような場合に、これは港湾のこういう計画をつくりますというような場合に、これは法的に申しますと、むしろ港湾のほうが先行してしまうというのが実態でございます。ただ、この場合にも、まずほとんどが港湾管理者の公共団体、それから都市計画を担当いたしております公共団体、まあ同一団体が普通でございますが、このような場合に、同じ公共団体の中で、いわゆる具体的に申しますれば、県の土木部の中で、課としては港湾課と計画課というふうに分かれるわけでございますが、その間での調整を土木部長のところで行なうというのが実態でございます。したがって、むしろ実態的に都市計画と港湾計画との食い違い、あるいは非常にそごを来たしておるというような問題ではなくて、むしろ落ちがあるとすれば、いままでのわれわれ自体の港湾計画に対する観念あるいは都市計画に対する観念、そこの辺でもっと環境問題に頭を使うべきではなかったか、そういう反省のほうが大きな原因かと、もしも何かそごがあるとすれば、そういう点をもっと考えなきゃいかぬという感じを私は持っております。
○小柳勇君 掘り込み式のこの大港湾建設を実際見まして、非常に技術的にもその御努力に心から敬意を表しているところでありますが、ちょっと見まして、背後地の人たち、農村の人たちは問題なかろうかと考えます。あるいはりっぱな港はできるけれども、いわゆる大資本、大工場だけが優先して使うのじゃないかという、そういうものをちらっと考えました。もう一つは、いままでありました漁港などがそっちのけされて、のけものにされて、ここだけがりっぱになって、もう漁港などは小さくなっておるような印象も受けたものですから、そういうものも、いわゆる現在生きている地域住民の利益も十分ひとつ勘案しながらこの港の大計画を遂行されるように心から希望しておきたいと思います。 それから第二の大きな問題は、飛行場建設関係専門技術者の確保でありますが、この報告にも書いておきましたように、飛行場建設関係の専門技術者は、全国の港湾建設局にどのように配置されておるのか。それは新潟航空滑走路の工事に、あれだけの大きな工事をやっておりますのに、滑走路土木工事のわかった専門技術者はわずかに二人、しかもその人もかけがえのない人というふうに聞いております。したがって、現在の港湾建設局別定員一人当たりの担当工事額あるいは航空局と港湾局の間の協力体制などお聞きしたいと思います。
○説明員(内村信行君) 空港における空港建設の要員の問題でございます。これを全体申し上げますと、港湾建設局の本局におきます空港関係の要員は、全部で二十三名でございます。その内訳を申し上げますと、一建が四名、二建が四名、三建が七名、四建が七名、五建が一名でございます。それからその下に工事事務所というのがございますが、その工事事務所の総計は百三十名でございます。で、事務所別に申し上げますと、新潟が八名、それから東京が三十五名、仙台が八名、大阪が三十二名、徳島が三名、松山が十二名、高知が二名、三保一名、博多六名、大分四名、大村二名、熊本四名、鹿児島七名、名古屋六名で、合計百三十名でございます。 なお、四十八年度の要求といたしましては十一名を要求しております。以上が定員の状況でございます。 それから、一人当たりの工事額、これちょっと私いま資料持ちませんので、後ほど提出さしていただきたいと存じます。 それから港湾と空港との斉合性でございますが、いま申し上げましたのは、空港工事関係のみの要員でございます。そのほかに港湾関係の要員というものがまた別にあるわけでございます。ただ、その地方における空港の建設の問題、これにつきましては、従来は航空局でやっておりましたけれども、航空局のみではなかなか手も足りず、知識も足りないというところから、港湾建設局のほうに御援助願いまして、港湾建設局のほうにおいて両方相まって、その建設局長の責任において、いま申し上げた定員の配分によって仕事を案分していただく。なおその工事につきまして、空港ないし港湾との工事に関連のあるものにつきましては、建設局において十分調整をとるというふうにやっておるわけでございます。 それからさらに、先ほど御報告でも御指摘ございましたけれども、新潟あたりは専門の技術者が二名しかいないというお話でございました。これは定員は八名ございますが、その八名全部を必ずしもその技術者によって、専門家によって充足するということは、実情といたしましてははなはだ困難でございます。われわれといたしましても、なるべくそういう技術者の充足をはかろうと思っておりますが、残念ながら、北から南まで全国的なバランスを考えてまいりますと、なかなか一カ所に要員を充足することはできないということで、たいへんこれは私どもも遺憾に存じておるわけでございます。この点につきましては、さらに実際の具体的な工事の場合に、本省などとよく緊密な連絡をとって、それによって少しでも専門技術を生かせるようにというふうに考えておるような次第でございます。
○小柳勇君 いまおっしゃいました本局二十三名、それから工事事務所が百三十名というのは、これは技術者の数でございますか。
○説明員(内村信行君) これはいわゆる港湾建設局なり工事事務所なりにおける定員でございます。で、定員を充足する場合には、必ずしも技術者のみで充足しているというわけでもございませんけれども、一応定員でございます。
○小柳勇君 私が言っているのは、定員もそうですけれども、定員も足らないから、技術者を配分なさると思うけれども、滑走路をつくる土木技術者。普通の港湾建設には港湾建設の技術者がおりますね。ところが飛行場の滑走路をわかっている土木技術者というのは非常に少ないという話を聞いたものですから、その人は何人いるんですか、運輸省関係に。
○説明員(内村信行君) その定員の中において空港関係の技術者をまかなうことは可能なわけでございます。可能と申しますか、論理的には可能なわけでございますが、実際問題として実際の技術を身につけている人が少ないというために、現場に配置される人間は定員全部が技術者によってはまかない切れないというのが実情でございます。いま各事務所にそれぞれ何名ぐらい技術者がおるかということにつきましては、ちょっと資料がございませんので、これも後ほど資料によって提出さしていただきたいと思います。
○小柳勇君 港湾局長、ですからね、資料がないといっても、これはきのうから言っておいたんだから、具体的に土木技術者ですよと。いわゆる事務所の実際の定員ももちろん足らぬでしょうけれども、土木技術者が足らぬものだから、飛行場の滑走路をつくるという技術者が足らぬというわけですよ。だから二名じゃどうしてもできないと、あれだけの大きな工事をやっているから、だからふやしてくださいという具体的な要求なんですよ。ふやしてくれますかということ。ふやしますとおっしゃればこれで終わりますけれども、もう少し説明してもらわぬと困る。
○説明員(内村信行君) ただいまの御質問でございますけれども、先ほどちょっと申し上げましたように、現地において技術者というものの実際の要員が非常に不足しております。したがいまして、定員は一応満たしておっても、その中の技術者のパーセンテージが少ないということは偽らざる実情でございます。ただこの場合に限られた技術者をどういうふうにあんばいするかということでございますけれども、やはり北は北海道から沖繩までというふうにばらまかれておりますし、それぞれの空港整備の量が非常に多くなっておりますので、なかなか新潟だけに技術者をよけいふやすということは、実情としてはたいへん困難であろうかというふうに考えております。
○小柳勇君 港湾局長に聞きますがね。その飛行場滑走路をつくる土木技術者、専門屋は全体で何名か。そしていま滑走路をつくっているのは一体国で何カ所ですか。それをちょっと教えてください。
○説明員(岡部保君) ただいま滑走路を建設の個所は、ちょっといま調べますので……。 先ほど航空局長から申し上げましたように、事務所で百三十名の空港要員があると申し上げましたが、これは正確な数字じゃございませんが、この事務所と申しますのが、大体が港湾建設のために従来ございました工事事務所であわせて空港を整備しておるというところでございます。で、東京、いわゆる羽田——国際空港でございますが、東京とそれから大阪——伊丹の空港でございますが、この二カ所だけは空港のための工事事務所というものをつくっております。したがいまして、この二カ所の事務所においては、たとえば庶務課長であるとか、いわゆる事務所として事務要員が入っております。したがって、まあ百三十人のうち十人内外の事務系の職員が入っておる。残りは全部技術屋でございます。 それから本局の二十五名と申しましたのは、これは本局で工事課あるいは調査設計事務所等の要員でございまして、いわゆる設計とか積算であるとか、そういうような実質上これも全部技術屋でございます。ただ、非常にむずかしい御質問なんでございますけれども、空港のほんとうの専門の技術屋はこのうち何名おるかというところが問題であるかと思います。私ども港湾建設局で空港の土木工事というものを引き受けるにあたりまして、従来航空局の傘下におられたほんとうの空港土木工事の専門家というものを引き継いで建設局にいただきました。ただそれはごくわずかの人数でございます。むしろ従来、港湾の建設に従事いたしておりました土木屋が一生懸命勉強いたしましてただいま空港に従事しておる。そこで、たとえば先ほど先生のおっしゃいました新潟で二名しか現場におらぬと申しましたのは、新潟の新潟港工事事務所で新潟空港の仕事もあわせてやっておりまして、その要員としては八名技術屋がおるわけでございます。ただそのうち二名が建設専門官あるいは工事専門官として、いわゆる空港のほんとうの専門的な知識を持っている土木屋であり、それ以外はいわゆる港湾の土木が専門であった連中が現在空港の整備に従事しておるというような意味でございます。
○小柳勇君 政務次官に質問しましょう。これはやっぱり各局長では答弁できぬでしょう、おのおの定員があるから。どうなんですかね、ほんとうに真剣に一建の局長が訴えていた。だから委員長も、すぐ橘さんも帰ってからこれはほんとうに言っておかなければいかぬと言って、私はきょういないものだから、私が代表で超党派で言っているわけだけれども、あの新潟の飛行場がおくれた理由はいろいろありましょう。ありましょうけれども、やっぱり技術者の問題も大分私は関係しておると思います。それだけの工事を、十数億の工事をやっておるのだから、だから民間の会社にそんな技術者がおられるかと聞いたら、まあ優秀な技術者おられるかも知れぬけれども、なかなかいなかのほう、地方のほうまで行かぬというわけです、大きな会社ではね。そうしますと、あの重要な作業を十分の監督もできないでつくる、それはできないでしょう、つくらせるわけにはいかぬのですよ。だから二名では足りませんと、技術屋が足りませんと、早急にひとつふやしてくださいと言われるその熱望は、政府としてやっぱり考えてやらなければならぬと思うが、いかがですか。
○説明員(加藤六月君) 先ほど来、航空局長あるいは港湾局長がいろいろ御答弁申し上げておるのを、私ここで聞いておりました次第でございますが、新潟の事業所には技術屋が八名おるということはちゃんと資料ではっきりしておるわけです。ただその八名のうち飛行場関係の人間が何名おるかということを具体的にはっきり聞いておりませんが、先生のお話の内容を承りますと二名だということのようでございます。したがいまして、来年度の予算要求、増員要求におきましては、せっかく予算が取れても、そういった技術屋の不足で工事ができないというようなことのないように、増員要求につきましては積極的にやっていきたいと思います。ただ飛行場という限られた土木専門家でございますので、わが国の、いわゆるそういった技術者を養成してくれるマーケットというものがどうであるかということ等も十分考えます場合に、一般的に港湾の技術者、空港の技術者ともにある面では再教育いたしまして、両方で十分できるような問題等も考えなくてはならぬのではないか、要は増員要求にいままで以上にがんばっていかなくてはならぬという決意を固めておる次第でございます。
○小柳勇君 それでは技術者の増員を考えてもらうにいたしまして、とりあえずは全般的に現在の飛行場、滑走路関係工事を一ぺんチェックしてもらいまして、そして本省なり、あるいは他の局にそういう方がおったら、適当にある時期だけ、一年でも二年でも新潟空港が竣工するまではそれじゃ二人なら二人ふやしてやろうというようなことも一ぺん考えてください。チェックしてみてください。せっかくわれわれ聞いてきた以上は、やっぱり具体的に何か処置しませんと、議員が遊びに行ったようなことになりますから、問題があったら緊急な問題はやはり処理すると、全部で。寄ってたかって処理するという体制をとってもらいたい。このことをお願いしておきましょう。 それから、あの新潟の滑走路が延長になりまして、非常に海の、海岸までいきましたね。冬になりますと波が高うて滑走路に波が打ち寄せてくると、沖のほうに大きな防波堤をつくらなければ、冬場はあの滑走路は使えぬのではないかという懸念があるんですけれども、いかがですか。
○説明員(内村信行君) 新潟空港の滑走路、これは先ほど御指摘になりましたように、現在千九百メートル、幅四十五メートルにわたりまして工事いたしております。そこで、波をかぶるという問題でございますが、これは確かに海岸のほうにずっと延びてきます。この辺の滑走路の末端が海岸に近うございまして、しかし大体滑走路の一番端末から海岸のふちまで約六十メートルございます。そこで、一応は支障なく着陸できるのではないかと考えます。さらに、実際に航空機が着きます場所、これは海のほうから入ってきます場合に、これは大体ケースは非常に少のうございまして、全体のうちの約一%程度が海のほうから着くだろうというふうに考えられておりますが、その場合の接地点、タッチダウンポイント、この場合におきましては、大体滑走路のふちから百三十メートルぐらい海まで離れております。したがいまして、全然波をかぶらぬということはもちろんございません。かぶる場合もございましょうけれども、まああとは維持をしっかりやることにおきまして支障なく行なわれるんではないかというふうに考えております。ただ、今後さらにこれを二千メートルまで延ばすということを考えておるわけでございますが、その際には、相当また多く埋め立てを必要といたします。その場合には先ほど先生御指摘のように、相当波のことも考えて、その外郭のいわゆる消波施設と申しますか、防波施設と申しますか、そういったものについても十分検討して考えなきゃいかぬというふうに考えております。
○小柳勇君 現地の局長では十分説明ができなかったですよ。やっぱり予算を伴うからだと思います。だからハバロフスク航路でソ連の飛行機も来るようでありますから、防波堤をどうするか、あるいは海辺の滑走路をどうするか。海辺が高いと、波が、滑走路全部一ぱい海になるでしょうね。だから波が高いときにはおそらく着陸できぬのじゃないかという、そういう気がいたしました。まあそれは専門屋さんの皆さんがおつくりになるんですけれども、私もそう感じました。現地の局長も十分説明できなかった、防波堤をどうするかと私が聞いたら。うんと膨大な予算をかけ、相当の難工事のようです。だからそういう点は十分ひとつ御検討あって、早急にハバロフスク航路が開通できるようにひとつ努力してください。希望しておきましょう。
○説明員(内村信行君) そのようにいたしたいと思います。
○説明員(岡部保君) 先ほど先生にお答え申し上げました特定港湾施設の工事の受益者負担のうち、ちょっと間違いがございましたので訂正をさせていただきます。 防波堤の受益者負担をとります場合、これはレアケースでございますが、これについては五〇%受益者負担をすると、これは間違いございません。航路のしゅんせつでございますが、一般的な公共埠頭が、十メートルの公共埠頭があるとすれば、その港の航路は十メートルでいいわけでございますが、そこに企業が出てきたというために深く掘らなければならないという場合には、一般の公共埠頭の水深以上の水深について受益者負担をかけるわけでございますが、その場合に十三メートルまでは受益者負担が五〇%でございます。それから水深十三メートルから十九メートルまでが七五%受益者負担でございます。それから十九メートルより深くなりますと九〇%の受益者負担をかけるということでございます。したがって、それの残りのものについては公共事業費並みでございますから、まず大体国と管理者が半々で残りを持つというような仕組みでございます。 訂正させていただきます。
○小柳勇君 最後の問題は、海員学校のあり方と船員教育であります。全国の海員学校十一校の生徒応募の状況について、どうなっているか御説明を願います。 それから、一括して質問しておきましょう。七尾の海員学校を見たのでありますが、あの学校では応募者が定員に達していない実情である。魅力のある海員学校にするためには、海員学校のあり方を根本的に検討する必要があるのではないかと思うが、いかがでございましょうか。 それから教育器材などの充実をはかる必要があるように思います。非常に古い練習船がありましたが、この点はいかがになっておりましょうか。 この三点を質問いたします。
○説明員(丸居幹一君) 海員学校の応募状況から御説明さしていただきます。 昭和四十七年四月における海員学校生徒の応募状況は、高等科は生徒定員八百五十五人に対しまして応募者は千五百四十三人、約一八〇%でございます。合格者は千六十九人で一二五%でございます。そのうち入学者は七百七十人、約九〇%でございます。このうち七尾及び清水海員学校につきましては、この学校の募集地区における応募者数は定員を下回っておるわけでございますが、門司、唐津、口之津等の地区等からの応募者を加えまして、ほぼ定員を満たすようにしておると、そういう状況でございます。 それから、海員学校に対する応募がかなり少ないという御意向のお話だと思いますけれども、海員学校といいますのは、中学校卒業者を募集いたしますために、一般にもこれは金の卵といわれるような、非常に貴重な人たちでございまして、同じように海員学校につきましても、金の卵につきましては、非常に最近、全体が少なくなっておりまして、高等学校への進学者がふえましたために、逆に少なくなっておりまして、一般的に御指摘のように少ない傾向にあることは確かでございます。しかし、せっかく入ってくる意欲のある学生につきましては、海員学校そのものを、施設等を十分充実いたしまして、これらの教育に力を入れていきたいというふうに考えておりまして、特にまあ最近は船の技術革新が進んでまいりまして、新しいそういった船に乗っても十分こなせるような新しい施設を、こういった海員学校の教材、施設等に加えてまいりまして、これらの教育の充実をはかっていきたいというふうに考えております。 また資格の問題等につきましては、いろいろ問題があるのでございますが、これらもわれわれなりに十分検討いたしまして、これらに何とかもう少しはっきりした資格が与えられるようにということで、文部省にも相談をいたしまして、検討を進めてまいりたいというふうに考えて、海員学校そのものにいまより以上のひとつ魅力を与えていきたいというふうに考えております。
○小柳勇君 いまが中学卒二年間で、卒業後の資格が何にもないものですから、やっぱり青年として、結婚するときなんかいろいろ考えるでしょうね、資格の有無。それから、もしもその職をやめてほかの工場に入る場合に、やはり資格が要りますから、それから乙種二等航海士、二等機関士の免状をやられるかと言ったら、何年か乗った場合、筆記免除だけやりますけれども、特に免状をやられる特典はないと言っておられた。きのう私の部屋に来てもらった関係者の方は、もう乙二の免状をやられるというように聞いたけれども、その点いかがなっておりますか。
○説明員(丸居幹一君) これにつきましては、法律が改正になったあと、審議会の答申も出まして、実はわれわれが省令を改正をしていけば、それができることに実はなっておるのでございますが、ただ非常にむずかしくていま困っておる段階なんでございますが、海員学校のみならず、ああいった種類の同じような程度の学校がたくさんあります。先生ごらんいただきましても、海員学校は非常にみなしっかり勉強しておると思いますが、中にはどうもそのまま資格をやるのにはちょっとどうかなと思えるような学校もございますので、こういったものに資格を与えるためには、一定の基準をつくりまして、その基準に合格した学校については運輸大臣がそれを養成施設として指定するという、そういう姿になるわけでございますが、その基準をつくりますのに、たいへんだだいま苦慮いたしておる最中でございますが、しかし、なるべく急ぎましてやっていきたいというふうにいま考えておるところでございます。
○小柳勇君 そこで現状は二等航海士、二等機関士の免状をやる特典はないと、しかし近くそれがやれるように検討したいと、こういうことですか。いまのところはっきり……。
○説明員(丸居幹一君) 試験には筆記試験と口述試験と二つございますけれども、そのうちの筆記試験を免除する方向で検討しておるということでございます。
○小柳勇君 質問終わります。
○森中守義君 ちょっと関連。 港湾局長、この前、決算委員会で水俣の水銀ヘドロ、あのときに運輸大臣から、実施官庁は運輸省、こういう言明がありましたけれども、熊本県あるいは水俣市でもそのことが明らかになったということは非常に喜んでおります。つきましては、最近また水俣の市長及び議長のほうから重ねての陳情があって、おそらくお会いいただいているだろうと思う。それと相前後しまして、熊本県がこういう調査結果をまとめてきております。もうごらんになったかどうか、「堆積汚泥処理対策研究報告書」、これは主として熊大に委嘱をしてつくったもののようでございます。内容を見ますと、かなり真髄を突きとめた研究になっております。 それでこの際、ちょっと、ぼくは関連だし、もうお帰りのようだから、一通りお聞きしておきたいのは、前回は環境庁それから厚生省などの関係もあって、実施官庁という答えは出たけれども、一体どういう方式でこの問題取り組んでいくかということははっきりしなかった。しかし今日、チッソの中で少し人員整理を始めている。たいへん過疎現象が強い。ですから地元の皆さんに海底をきれいにして、もう一回漁業に従事してもらう。こういうことがいま地元では一つの大きな問題である。だからそういつまでも待てないということのようなんですが、前回のお話からいけば、運輸省プロパーでこの実施計画をつくり実施していくのかどうなのか、その辺のことと、処理方式ということになれば、非常にこれはある程度学理的に、水銀を多量に含んでいる、へたなやり方だと二次汚染、三次汚染の可能性があるという問題になろうかと思う。ですからまず運輸省プロパーで一切がっさいの計画をやり、しかも予算も投入してやっていこうということであるのかどうなのか。また手をつけるとするならばいつから手をつけていくのか。その辺のことをちょっとお答え願いたい。
○説明員(岡部保君) 前回お答え申し上げましたとおりに、私ども実施官庁であるという考え方は全く変わっておりません。ただ、いま先生おっしゃいましたように、私残念ながらその新しい報告書をまだ拝見しておりませんけれども、現実にたとえば埋め立てによる処理であるとか、いろいろな方法があると思います。そういうような処理方法を私ども独自できめるということは、いささか私どもの能力が不足をいたしております。したがって、これは当然環境庁あるいは熊本県でそういう審理をされた、そういうような方々の知識をひとつお教えをいただかなければならないと存じます。それでそういうようなお教えによりまして、どういう処理方法がいいんだということ、相当具体的にいろいろお打ち合わせした上で、計画は私どもが立てるというふうにいたしたいと考えております。したがって、私どもだけで、独自で、その報告書を拝見してこうやるんだというような段階ではまだまだないと思います。もう少しそういう方々の知恵を拝借したいという気持ちでございます。 それからいつからそれを実施するかという問題でございますが、これにつきましては、つい数日前も県と打ち合わせをいたしておる最中でございます。ただ残念ながら、どうも県の態度がはっきりいたしておりません。もう少し調査をする必要があるというような感覚でございます。したがいまして、その辺もう少し時間をかしていただきたいと思いますのですが、港湾管理者である県当局が本腰になって実施しないといかぬということ、これはもう事実でございます。そこの辺もう少し具体的な打ち合わせをしていただきたいという段階でございます。ただ現在四十八年度の予算要求におきましては、水俣港の、どういうふうにしてどうやったらいいというのがまだきまっておりませんために、予算要求の中に水俣港といって計上はいたしておりませんが、これはその辺の問題が片づきますれば、直ちに他の港の予算を回してでも実施をするという考え方でおることは事実でございます。
○森中守義君 この県の報告書というのはすでに公にされている。私はおそらく運輸省に届いていると思っていたんですが、ちょっと参考までに言ってみますと、研究代表者が熊大の工学部長、それから土木工学、工業化学、合成化学、理学と、ほとんど熊大の教授陣総動員です。しかもこの中で言われているのは、要するに非常に慎重でなくちゃいかぬ、この処理のやり方は。こういうわけでかなり学理的に詰めてあります。これはちょっと私も一通り読んでいますが、あとでごらんになってください。 そこでいまのようなお考えで大体けっこうですけれども、問題は三十一年以来のことだし、海は全くかれていますから、いま水俣市の流出人口は年間約四千から五千ぐらい出ている。異常な過疎現象ですよ。それでいまさしづめかんきつということで市が指導を行なっておりますが、かんきつが成木になるにはやはり七、八年かかるわけです。これも考えて切りかえないといけない。もともとここは海を中心に生業を営んだところですから、どうしても海をきれいにしなければならない、こういう地元の旺盛な意欲は無視できないと思うのです。ですから、私はいま言われるように四八の予算でどうしてもつけかねるならば、他のものを流用してでもという、こういうことなので、ひとつそのことに期待しておりますけれども、早急にひとつ対策機関でも局内につくってみたらどうですか。その中に県も、ちょっと言われる意味が理解できないのですが、県一生懸命なんですよ。県の態度があいまいだということはどういうのをさされるのかわかりませんが、ただし学理的な問題が背景にある。非常に慎重であることは間違いない。ですから、早く県の企業局なり何なりをお呼びになって、少し機構的にその専門家でも配置をしてやっていただきたいですね。それと県がいま言っていますのは、県だけの財政能力じゃできない。これも申し上げたように、やはり調査をするにしても国のほうで何ぶんの援助をと、こういうことをしきりに言っているんですよ。そういう援助のワクまで運輸省でやるべきかどうか。ただ一がいにヘドロ処理の実施官庁という名のもとに運輸省がやるべきかどうか。多分に財政的な問題になると幾ぶん吟味の余地がありましょうけれども、まあそれはそれとして、関係の機関と連絡をされて、実施官庁であるからにはやっぱり中心になってもらわなきゃ困ると思うんです。やってくれますか。
○説明員(岡部保君) 先ほど県当局の態度に非常に問題があるというようなニュアンスの表現をいたしたわけでございますが、実は本日も土木部長あるいは公害局長の上京を求めまして環境庁と一緒になって私ども打ち合わせをすることにいたしております。具体的にどういう方向でどういうことをする必要があるか、あるいはそのための財政措置というものも含めまして、ひとつなるべくすみやかに措置をできるように今後いたしたいと思います。
○森中守義君 これはいま具体的には水俣をあげたわけですが、例の本州製紙の問題もありますしね、要するに海底の汚染、これの一つの先がけになると思うんです。ですから沿岸全域にわたりまして、こういうものがいつでも直ちに実施できるようなそういう体制をもとられるように強くこれは求めておきたいと思うんです。
○伊部真君 関連して。 私はかなり前の委員会で、北海道港湾工事のときに要望しておいたんですが、港湾工事のあり方について一般港の場合と、いわゆるコンビナート、鹿島あるいは苫小牧というふうな、そういう巨大企業が集中するような港というところですね、やはりその資金的な配分については考慮すべきではないか。一般港の場合には確かに言われるような水深十メートル、あるいは防波堤の工事を国が持つということはこれは理解できても、そういうコンビナートの場合にそういうことでいいのかどうか、いわゆるこの受益者負担というものについて考えるべきではないかというふうに私は質問したら、大臣がそれは当然検討すべき段階だろうと、こういうふうにお答えになったわけですが、私はいまの質問の中でもそう思うんですけれども、もう少しきめこまかいやり方をしないと、在来の港の工事の場合と、いわゆる大きな工業基地を控えた港湾工事の場合とは変わってくるのではないか、変えなきゃいかぬのではないかと、こう思うんですが、その点についてひとつお答えをいただきたいと思います。
○説明員(岡部保君) 先生の御説に私全く賛成でございます。現実にいわゆる何と申しますか、公共的な不特定多数のものの使う港と、それから非常に、多数でありましょうとも特定なものの使う港、これは本来的に考え直さなきゃいかぬという問題がございます。また、もう少しこまかいことになりますが、たとえば先ほども小柳先生に御説明申し上げましたように、受益者負担制度というものを使っておるわけでございますが、たとえば港をつくります際に、航路をある程度先行して掘らなければならぬ。そういう場合に、そこに企業が進出するということがきまった企業から受益者負担を取るというようなシステムをいま実施しておるわけでございます。ところが、あとから進出してきた企業には、実際上できあがった港を使うというんで、非常に同じ企業間でも不公平がございます。これはまあ端的な例でございますけれども、いずれにいたしましても、現在の仕組みがどうも問題点をはらんでおることはもう十分承知をいたしております。また逆に、非常に貿易港で大きな港で、しかも非常によく整備されてきた港などで、やはり地方の港湾と同じような補助体系でいいかどうかという問題、これもあるわけでございます。その辺の点を含めまして、これは本来でしたら、それこそ港湾法のそういう意味での改正というものを早急にしなければいかぬわけでございましょうけれども、非常にいろいろな問題が重なり合っておりまして、込み合っておりますので、私の考え方で言わしていただきますならば、これから一年がかりでそこの辺を少し整理いたしたい。それでいま先生のおっしゃいましたような問題、あるいはそのほかの問題も含めて、もう少し港湾整備の仕組みというものを考え直さなければいかぬという考え方にただいま立って作業を始めておるところでございます。
○伊部真君 これは港湾工事の五年間計画の二兆一千億の全体の配分の問題に影響すると思います。したがって、やはりこれはいまの時期に合った補助というものを出していかなければいかぬのじゃないか、必ずしも十メートルの水深は全部国がどこの場合でも持つというふうなことは、私は検討すべき段階だろう、そういう点もひとつお考えをいただきたいのと、もう一つは、これは前に国鉄の運賃の問題のときに要請をしておいたんですが、運輸省関係全体として、やはり何が公共性を持っているのかと、そのウエートによって、ほんとうにこれが二兆一千億でいいのか、あるいは国鉄のほうの資金が、どの程度、バランスから見て、これは運輸関係だけでも、公共性という意味で、資金が適当なのかどうかということもやはり考えなければいかぬのじゃないかと。これは私は全般的に言えることなんだけれども、いままで実績がこうあったからそれの何割増しというところにもしも流れているなら、やっぱりある程度ここでブレーキをかけて、それは港湾のほうにもっと大きくこれはやっていかなければいかぬとか、あるいは海運関係の補助金はもっとこれをどうしなければいかぬとかいうのは、どこかでやっぱり検討するということがなければいかぬのじゃないか、そういうことで、私は大臣にも要請しておったんですけれども、この点についても、だいぶんおかわりになったので、御見解をできれば次官のほうからお聞かせをいただきたいと思います。
○説明員(加藤六月君) 伊部先生がおっしゃいましたその問題につきましては、私たちは総合交通体系の立場からとらえなくてはならない、こう思っております。いま国鉄、港湾の問題を具体的におっしゃいましたが、国鉄関係のシェアはどうなるか、あるいは港湾関係における外航、近海、内航、こういった問題どうなるか、あるいはまた港の機能とそれに直結するところの陸上分野をどうしていくかと、こういった立場から考えなくてはならない、こう思っておる次第でございます。
○伊部真君 その点はぜひひとつ今後十分お考えをいただきたいと思うんでありますが、一つ私は要請をしておきたいのは、私がこの間要請を受けたんでありますけれども、釜石で港湾工事——いわゆる産業のことだけに工事がかなり焦点が当てられておるけれども、釜石の場合はかなり古くなって、津波にかなり危険を感じていると、したがって、こういう状態では非常に市民が不安感を持っているんで、したがって、こういうところへも工事費をかけてもらいたいと、次の五カ年計画の中にはこれを織り込んでやっていただきたいということを言われておるわけですけれども、私は当然港湾工事というのは港の産業に寄与するということも必要ですけれども、これはどこの責任かというのはちょっと問題があるような気がいたしますけれども、当然やはりそういう心配がある場合は、それは優先して、やはり危険度があるなればそれは見ていくべきだと思うのです。釜石の問題については、何か聞きますと、ほかのほうにも陳情がきているようでありますが、見解がありましたらひとつお聞かせをいただきたい。
○説明員(岡部保君) 確かに先生御指摘のとおり、釜石におきましては津波の問題が非常に大きな問題でございます。これはチリ地震津波のときに、あのすぐ横でございますが、大船渡に防潮防波堤と申しますか、津波の被害を防ぐための防波堤をつくった例がございます。そこで釜石におきましては、現段階では海岸法に基づきまして、海岸保全施設として、いわゆる海岸堤防を現在整備中でございます。これは本明年中には大体の整備が終わるかと存じますが、このような海岸堤の整備だけではなくて、あそこの港全体にいわゆる津波も防止し、さらに活用もできるような防波堤——大防波堤になりますが、をつくってもらいたいという御希望が非常に強くなっております。現段階で私どもまじめにこれを前向きに対処しようということで、これは来年度は調査をしようということを考えております。来年度調査をいたしまして、新しい五カ年計画に移り変わります際には、これを何とか具体化できるような方向にもっていこうという考え方でただいま検討中のところでございます。
○伊部真君 ぜひそういうことで、命の問題ですので、ぜひひとつ優先をして考慮していただけるようにお願いをしたいと思います。
○理事(江藤智君) 他に御発言もなければ、本件に対する午前の調査はこの程度といたします。 午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 —————・————— 午後一時十分開会 〔理事鬼丸勝之君委員長席に着く〕
○理事(鬼丸勝之君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。 都合により、私が委員長の職務を行ないます。 午前中に引き続き運輸事情等に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○伊部真君 まず大臣のかわられたことでありますから、トラック、タクシー、バス全般についての質問をしたいわけでありますが、これから方針についてお聞きをしたいわけでありますけれども、きょうは時間的な関係もありますので、タクシーに限って質問したいと思います。 昨年の八月に、バス、タクシーに対する答申が出ましたし、その後十二月に、総合交通体系というものが出まして、その中の重要なタクシー行政の問題点として、一つは、いわゆる自由営業の問題——昭和五十年を目途にしていまの免許制度から許可制度というふうな形を考慮したらどうかという答申がありました。それから、二つ目には、リース制の、リース制ということばは、この場合、私が簡単な用語として使うわけでございまして、リースの内容というのは、たいへん問題なわけでありますけれども、答申に言われていますように、いわゆる車両管理責任者と運行責行者と分離するという考え方、これは私自身から、私の考え方から見れば、いわゆるリースだというふうに理解をするわけです。こういうこと、さらに運賃の自由化の問題、この三つが、大体タクシー行政のこれからのあり方として言われているわけです。これについての運輸省としての見解をお聞きしたいわけです。 まず第一点の、自由競争の問題につきましては、自由営業の自由行為、自由参入の問題につきましては、いまのタクシーの現状から見て、それが世論から、あるいは業界の実態から見て、必要なのかどうか。いまの、現在時点の状況について、私も十分数字はつかんでおりませんから、当局のほうでつかんでおられたら聞かしていただきたいのでありますけれども、いわゆる稼働の実車数はかなり、五十くらいになっているというふうな、稼働数ですがね。運転手の不足によって、実際に車はあっても稼働してないというような状態、そのことの実態を踏まえて考えるならば、問題は営業行為を自由に、あるいは新規参入を要請するよりも、むしろいま保有しておる車をフルに稼働するように、いわゆる運転手を導入するということが一番大事なことではないか。そのことをおいて、自由競争が是なりとする考え方はどうも私は納得できないので、まずその点について運輸省としての方針を聞かしていただきたい。二番、三番、リース、それから運賃の問題については、あとからまたもう一ぺん聞きます。
○説明員(加藤六月君) いま伊部先生がおっしゃいましたように、たとえば五十台免許台数を持っている。しかし、それが運転手不足で二台なり三台、あるいは五台というものが、稼働していないという会社もあるように聞いております。そういった問題からの、いわゆるタクシー営業の自由化という問題等が、逆にいろいろ出てきたりなんかしておると思いますけれども、この答申の二十四ページにございますように、利用者の安全、利便の確保という問題と、輸送力の確保という問題、この二つの分野があると思います。そういう点で、私たちはこの答申に従いまして、慎重に処置していかなくてはならぬ。そうして、先生おっしゃるように、野放しにするよりか、現在免許台数を持っている会社のタクシーというものをフルに活用さしたほうがいいのではないかと言われる点につきましては、同感でございまして、ただ、なぜそれがフルに動かないかという問題については、いろいろわれわれとしても考えなくてはならない点があるのではないかと考えている次第でございます。
○伊部真君 そこら辺が問題だと思うのですけれどもね。結局利用者の利便、サービスを向上させるというのは、いまたいへん問題なのは、やはり運転者の質の問題もありましょう。これはやっぱりその職場に運転者がたくさん入ってきて、入社試験をして、良質なものを選ぶというような、そういう状況をつくったときに私は解決ができていくのではないかと思うのです。そうじゃなくて、一生懸命運転手を集めるのにたいへんで、そうしていま車が遊んでいるから、来た運転手はどなたでも、あるいは日雇いの運転手ですら、すぐあわてて使わなければならぬという状態になれば、これは何ぼ免許を与えても、企業を何ぼたくさんつくっても、この状態が解決しない限りは、私はどうにもならぬのではないかと思うのです。だから、私はこの答申の中では、いまの実態から出ておるというのではなくて——それは学者の間では、これはサービスが悪いのは、会社をよけいつくらして競争さしたらいいじゃないかというようなことが出てくるかもしれぬわけです。いまの実態からみると、それはそうではなしに、いまですら年々の割り当て数というものについて、割り当ててもらったけれども、返上するというところが出ているわけです。なぜ返上するかといったら、車が余っているからではないんですよ。その企業としては、運転手が足りないからですよ。そういう状態を考えた場合に、やはりそこら辺の考え方を、運輸省としては整理をして、そうしていま何をすべきかということを考えていくべきではなかろうか。したがって、この考え方については、私は少し、運輸省としては、そのままずばりということはどうかと思うのでありますけれども、いずれにしても、これは具体的なことではありませんから、十分これからの運用の中で考えてもらいたい。私はいま一番大事なことは、答申に言われておるような、自由参入ということが大事なことではなしに、これはやっぱり運転者に魅力のある職場をつくって、労働条件を向上さして、そうして職場の士気を高めていくということが、ひいては利用者の利便になると思います。そういうことでお考えを願いたいと思うのです。これは、これからもまあ論争点になろうかと思いますから、私の意見として申し上げておきます。 それから二番目の問題は、車両の保有責任と、いわゆる運行責任との問題ですね。これは非常にむずかしいことばで言っているけれども、事実上は、やはり契約を結んで、そうして車を、レンタカーのように受けるほうと、そうして貸すほうとあって、受けたほうがこれを責任を持って運行するという形になるだろうと思うのです。これはリースとあまり変わりないじゃないか、車両の賃貸契約に基づく運行というふうに考えていいのではないか、そうすると、これはいまあります道路運送法の三十六条ですか、いわゆる名義貸しの問題だとか、あるいは三十七条の自動車貸しの問題、いわゆる禁止条項と私は相関性が出てくるのじゃないか。したがって、これはいままでは運輸省としては好ましくないという指導であったのに、それが今度は運行管理という名前に変わったら、これがどうもむしろ歓迎すべきだというふうに言われている。そこら辺がどうもわからぬので、お聞かせを願いたい。
○説明員(小林正興君) ただいま御指摘の運政審の答申におきまして、将来のタクシーのあり方を、免許制の規制というような——輸送力の確保というような点について、国で規制をする必要はない。利用者の安全と利便の観点からのみ、いわば許可制というようなものを考えたらどうかということが答申の趣旨でございます。その許可制に移行させる際の一つの具体的な例といたしまして、ただいま先の御指摘になりましたとおり、車両運行の責任と車両保有の責任を分けまして、それぞれについて許可をする。で、このことは輸送力全体につきまして、行政が規制をするのでなくて、自由に参入、自由に脱退というような意味でございます。そういうような二つの許可制を設けた場合に、保有の許可を得た者が運用の許可を得た、いわば運転者を雇用契約でやれば、それは従来のような法人営業企業でありましょうし、また、個々の運用の許可を得た者が同時に車両保有の許可も得てやる。これは現在の個人タクシーというような形態であるわけです。それから第三の形態といたしまして、保有の許可を得た者と運用の許可を得た者との間で賃貸契約でやる、いわゆるリース契約でやるというような場合があり得るということをこの答申の中の例示では示唆しておるわけであります。これはまさに、現在の免許制というものに対して将来のタクシーのあるべき新しい規制制度について許可制にする際の一つの具体的な例示でございまして、今後運輸省といたしましては、こういった方向に沿って、いかなるタクシーの規制制度がいいのかというようなことについて慎重に検討してまいりたい、こう思っております。 それから、なおその際に、現行法の三十六条で名義貸しの禁止の規定があることはそのとおりでございますが、これは免許制をたてまえにしておる以上、当然その免許で得た権利というものを他人に利用させるということを禁止している条文でございまして、そのもとになっております免許制が何らかの形で将来変わった場合には、当然三十六条の名義貸しの規定等も変更されるということは御指摘のとおりだと思います。
○伊部真君 問題は、いままで名義貸し、あるいは車の賃貸という形は、三十七条関係は好ましくないということには、まあいろいろな理由があったと思うのです。そういう指導を行ない、あるいは条文を設定する場合には、当然それなりの理由があるわけですね、それは安全面からいって、あるいは運転者の労働の問題からいってですね。そういうふうな当然状況から、これは出ておると思うのです。それを踏まえて、まあいま局長の話では、必ずしもその答申の内容を是としてやるのではなしに、この問題についてもひとつ具体的に検討をしようということで言われておるけれども、いままでこれは好ましくないということで指導し、やってきたものが、それを踏まえて検討するというのは、私はどうも理解ができないのですけれども、むしろこれは、こういう答申があったけれども、いろいろ弊害があるので、これはよほど考えないと、具体的にやるというのは問題点が多いように思うのですが、その点は、この答申の保有責任あるいは運行責任という形というのは、運輸省としては好ましいとお考えなのかどうかですね。
○説明員(小林正興君) 答申は先ほど申し上げましたとおり、将来のタクシーのあり方につきまして、タクシーの本質から、これは輸送力の確保といわゆる需給調整をする、そういうような観点からの行政は必要ないんではないか。一定の資格要件に合致したものに対して、自由に参入あるいは自由に脱退できるような制度、これを考えるべきではないか。これは一口に言って、資格要件についての許可制度であろうかと思います。その際の例示として、一つの方法を答申はうたっておるわけでございますが、私どもはタクシーのあり方につきまして、この答申の線に沿って、いかなる具体的な新しい制度がいいかということについて、慎重に検討していきたいということでございまして、一応これは現行法のたてまえである免許制、そのうらはらになっております名義貸借の禁止の規定というようなものに対して、全く新たに、新しくタクシー規制の制度を考えるわけでございますから、それとの関係は、新しい制度というものにふさわしい諸般の法制が整備されるわけでありまして、これは根本的に道路運送法の大きな改正の問題でございますので、今後慎重に検討してまいりたいと思っております。
○伊部真君 私は具体的に言うと、これたいへん多くの問題をかかえておる、含んでおると思います。たとえば事故が起きたときにどうするとかですね。ですから、それは、中身が明らかになったときでないと十分でないというのは、局長の言い分だろうと思うのでありますけれども、精神としてやっぱり安全面からいったり、あるいは事故が発生したときの問題からいって、いわゆる責任を分離するというのがいいかどうかということになると、私はまあ多くの問題点があろうかと思うのです。したがって、これについての見解というのは、これもまだまだ隔たりがあるようでありますから、これからも議論の対象にしなければいかぬと思います。ただ現行規定でいって、いわゆる賃貸の契約というのがかなりうわさされているわけであります。たとえば運転者に対しては、おまえは月間に六万円、一台の車に対して二人運転手を頼みますと、六万円、六万円ということでやらしておいて、そしてそれは事実上、健保その他の問題も、保険料の事業主負担分でさえそれを加算して、その責任を負わす。事故が起きたときも、当然に各人その契約者の責任だ、運転者の責任だと。これは法律的には問題があるのですよ。ですが、実際には、私も現認しておるわけでありませんけれども、事故が起きたときには、一応会社は立てかえ払いをするけれども、それは確実にその個人については、なかなか求償しても、負担能力の問題がありますから、従業員全体で月賦ででもとるという方式で、かなり具体的にリース方式というのが採用されておるというふうに言われているわけです。これは明らかに私はやっぱり現行法の三十七条の違反行為だと思うのです。賃貸契約を具体的に金額を示して結んでいるということは、それには間違いありませんね。
○説明員(小林正興君) 一般にリース制というような名前で、現在免許を持っておる事業者が、内部の経営管理上いろいろな制度を設けております。こういったことは私ども聞いておりまして、その際に、これが第三十六条の名義の利用あるいは他人に経営をさせておるというような——「させてはならない。」という禁止規定に違反しているかどうかという問題につきましては、法律に明らかに書いてありますとおり「一般自動車運送事業者は、その名義を他人に「利用させてはならない。」それから第二項でも、方法のいかんを問わず、「他人にその名において経営させてはならない。」という規定を設けておりまして、よくいま一般に言われておりますリース制におきましては、ここでいう「他人」であるかどうか。雇用契約を結んだ労働者との間において、利益分配方式と申しますか、どういった賃金形態にするかという際に、取りきめを企業内部においてやるというような場合には、一般的には、この三十六条の名義貸し禁止の規定に抵触しないと、こういうふうに考えております。つまり雇用契約を前提として、その賃金の一つのあり方であるというように解される場合には、これは三十六条違反にならないと。三十六条の意図するところは、免許を受けた事業者が、自分は免許の上に乗りまして、いわゆるナンバーを他人に貸すと、他人が車を持ちまして、あたかも免許を受けた会社のナンバー、車であるようにいたしまして、そうして事業用の自動車ということで登録をして、そして実態は、その方が経営をしておると。これはまさに三十六条の運送事業者の名において経営をしておることになるわけです。また、事業者はそれをさせているというようなことで、三十六条違反になるわけでございまして、そういった際の車の持ち方、それがどちらにあるかということで、具体的にはこの名義貸しに該当するかどうかということを判断しておるわけです。
○伊部真君 私の質問はそんなことじゃないんですよ。私は具体的に例をあげているんですよね。たとえば一台の車に対して六万円、六万円ということで、運転手二人乗せて、契約を結んでいるという状態は、これは違反でしょうと言っているんですよ、これは三十七条に明らかに。私は、三十六条を言っているんじゃない。三十七条にあるように、その自動車の貸し渡しをしようとするときは、運輸大臣の許可を得なければならぬわけですから、したがって、許可なしにそういうことをやっているということは、明らかに違反でしょうと言っているわけですよ、私は。それが一つ。 もう一つは、いま局長は他人という話を言われましたけれども、ここにいう「他人」というのは、運輸省の見解はどういうときのことをいうのか。これは、「他人」というものの定義を明確に出していただきたい。
○説明員(小林正興君) まあ「一般自動車運送事業者は、その名義を他人に」ということでございますから、一般自動車運送事業者以外の者ということになろうかと思います。その際に、先ほど申し上げましたのは、従業員との間における車の貸し借りとか、あるいは先生のおっしゃる賃貸料を取っておるというようなことについては、その名目のいかんでなくて、その実態が、他人に事業を経営させておる、あるいは自分の車を他人に貸し渡しているということになるかどうか。これは、全体の会社と、その貸し渡しを受けているといわれております者との間の契約の内容を、全体的に見ませんと、それは現在、雇用契約を前提として、利益分配方式として認められるような形であるならば、これは直ちに違法とは言えないということでございまして、その点につきましては、具体的なケースについて詳細なる監査をした上で判断しませんと——賃貸料を取っておるというようなことから、一応、形式的には貸し渡しに該当するかということも考えられますけれども、その点は実態をよく見きわめた上でないと、はっきりしたことは申し上げられません。
○伊部真君 これは私は、具体的な例として申し上げておるので、一カ月に六万円という賃貸契約というものを結んだ場合は、これは雇用契約とは言えないでしょう。雇用の場合は、給料が何ぼで、何が何ぼという労働時間に対する対価として、それは契約を結んでいるのはわかりますけれども、一カ月当たり何万円という契約は明らかにこれは賃貸契約じゃないですか。それは内容を見ないでわからないと言われるけれども、そういう具体的な金額の設定で契約を結んでおるといった場合には、明らかにこれは自動車の賃貸ですから、賃貸契約に対する問題ですから、三十七条にひっかかるんじゃないですかと言っておるんですよ。それを、実態を見ないとわからないということなら、これはあなた、そういう契約は、何ぼでも法律的に抜け道が出てきますよ。私の申し上げておるのは、一カ月六万円という契約を結んでおるというところを、具体的に何カ所か聞いておるので、そういう場合はどうなんだというんです。
○説明員(小林正興君) それは賃貸借契約を結んでおる際に、確かに賃貸借契約であれば、それは三十七条でいう、許可を受けないでやってはいかぬという条項に抵触すると思うわけでございますが、私が全体としてと申し上げましたのは、その賃貸借契約の対象たる車を一般的に賃貸するというようなことなのか、あるいはその六万円というものの金額が名義料なのか、あるいは燃料等についてはどなたが払っておるのか、そういったような点を全体として見ませんと、直ちに三十六条違反であるとか、三十七条違反であるというようなことについては、最終的な断定はできないということを申し上げているわけでして、確かに先生おっしゃるとおり、形式的に賃貸ということばを使っている限りにおいて、非常にそこに疑わしい点があることは事実だろうと思います。こういった点については、厳密な監査、調査をいたしまして適切な措置をとりたいと思います。
○伊部真君 私は、どうも最近の運輸省のほうの指導というものが、答申のことがあるものだから、少しいままでの方針と変わってきたのではないかという心配をしておるわけです、リース制問題がいかにも合法性があるんだということでね。そういうことであるなら、これは現行法が明らかである以上は、それに基づいて取り締まりを厳重にしないと、これはどこまでもいって、解釈など非常に幅が広くなってくる。 私はここに具体的に——これは局長のほうに書類がいっておると思ったのですが、いってないようでありますから、熊本の昭和タクシーという会社で具体的な契約書というものが手に入ったわけです。いままで大体、業界では、こういう契約書は絶対に秘密にしておって、外には出さぬようでありますけれども、たまたま手に入ったのですが、この内容を見ると、明らかに第一条でも「甲所有の」、いわゆる車を持った会社ですね、「甲所有の指定車輌を乙に賃貸すると共に賃貸車輌の運行業務を乙に嘱託し、乙は、これを賃借して委任会社の条件に伴い」という条項があるわけです。というのは、これは第一条というのは、貸し出しの約束なんです。それで後ほどに一カ月に賃貸料として六万円、それから本人の賃金その他の運行三費の関係もあるんでしょう。嘱託費として四万円という契約を結んでおるんですね。これは私は、明らかに三十六条の名義貸しの問題にひっかかるか、あるいは三十七条の賃貸してはならないという、運輸大臣の許可を受けておるはずはないですから、ということにひっかかると思うのですが、そういうふうに考えていいわけですね。
○説明員(小林正興君) 現地のそれぞれ陸運局においてある程度の調査、これはそういう情報が提供された場合には、いたしますが、ただいま具体的な契約書をお示し願いましたので、そういった点については、後刻早急に監査をいたしまして結論を出したいと思います。
○伊部真君 運輸省としては、こういう契約事項に対して、当然に免許を与えるときと、それからもう一つは、運賃が上がるときというのは、その条件を出さしているはずですね、雇用条件も。四十四年の十一月のあの通達から見ても、明らかにそれは取っているはずでしょう。もしもこれは取っておったけれども、内容はうそを書いておるというなら、これはたいへん重大なことだと思うんですよ。運輸省だとか、陸運局へ出す書類は、いいかげんなものを出しておいて、内容的に違うというんなら、こういう場合に、もしも相違があるんなら、陸運局のほうはどうされますか。
○説明員(小林正興君) 免許をいたします際には、どういった、どれだけの従業員を確保し得るか、あるいはその収支計算の見積もり上、会社の計画はどういうふうになっているか、というようなことについては、添付書類として取っております。こういったことで一応の見通しを立てて、従業員の確保、また、経営の収支の将来についての見通しを得た場合に、免許をいたすわけでございます。先生のただいま御指摘の、労働条件の詳細、たとえばそれが賃金制度であるとか、勤務時間の問題であるとか、そういったようなことについては免許の際に取っておりません。
○伊部真君 これはまあ、具体的な内容は明示されておりませんけれども、私はこの解釈の問題で、二十七条の政令で定める一定の条件というのは、やはり当然にそこの労働条件なりというものは、安全面からいっても掌握をして、そしてどういう労働条件で、どういう契約に基づいて営業するのかということは、当然、陸運局は掌握をしないでやることはないでしょう。私は、就業規則が提出条件になっているとか、なってないとかいうんじゃないですよ。一定の条件というのは、当然にその辺の条件を見ないで免許を与えることはないんじゃないかと思うんです。 それからもう一つは、それをもしも与えても、それは年数がたてば変わってくるでしょう。しかし具体的な、たとえば運賃を上げたりなんかするときには、やはり体質改善についての指導をしているわけですよね。その場合の労働条件の内容というのは、当然に掌握をした上で、これは認めていくというふうに私は聞いているんですがね。そうすると、これは当然こういうリースというようなことがあったら、その時点でわかっているはずなんですが、もしもわかってないとしたら、業者がうそを言って、陸運事務所へ届けをするのと、具体的に、実際に内部でやっているのとは違うというようなことが考えられるわけです。私は、そういうことが横行するということになると、これは監督機関というものは、どうにもしようがないと思うんですね。立ち入りする権限があるのか、ないのかという問題が考えられる。したがって、そういう相違があった場合は、これはどういうふうに処置をされるというつもりなんですか。免許取り消しをやったり、あるいは具体的な処分というものをやっぱりやらなければ、これは、この業界の指導というのは行き渡らぬと思いますね。どういうふうにやられますか。
○説明員(小林正興君) 労働条件の問題についての再度のお尋ねでございますが、労働条件につきましては、労働行政として、労働基準法の監督、あるいはいわゆる二・九通達、要するに労働省の通達がございます。その中に、主として労働時間の問題、あるいは賃金形態の問題等につきまして、詳細な通達が出ておるわけでございます。交通運輸、特にタクシー事業につきましては、そういった労働条件の適否が安全の問題に密接に影響があるというようなことは御指摘のとおりでございまして、そういった観点から労働省方面の監査等、そういったことを運輸省といたしましても重要な参考にいたしまして、運輸省といたしましては、安全の確保及び利用者の利便の見地から、運輸規則等において定められている条項が幾つかあるわけでございます。これは事業者がいわゆる労務管理を適切にするというような観点から、安全と利便というような問題を確保しようとする規定でございまして、そういった中に、労働行政と若干関係があると思われますのは、労務管理上、過労防止の措置をしなければならないとか、あるいは仮眠施設を設けねばならぬとか、若干の規定がございますが、一口に申し上げれば、経営管理の一環としての労務管理を適切に行なって、そうして事故防止、さらには利用者の利便確保を期しなさいというのが運輸省のほうの、私どものほうの関係の一貫した法令のたてまえでございまして、労働行政上のいろいろ問題点があったような場合には、これは役所同士でございますので、労働法令違反というようなことで労働省自体が適切な処置をするとともに、私のほうにも情報を提供する、こういった仕組みになっておりまして、そういった場合に、そのこと自体で運輸省が、先生のおっしゃるような、免許取り消しをするとか、しないとかいう問題が直ちに起こるわけではございませんで、運輸省といたしましては、たとえば先ほどの三十六条の規定違反であるとか、そのほかもろもろの道路運送法関係の法令違反の事実がありました場合には、当然免許取り消しを含む行政処分というふうなことが考えられるわけでございます。
○伊部真君 どうもそういう答弁では私はわからぬのですがね。四十四年の十一月の二十一日の、このときの通達だけを見ても、明らかに「二・九通達に適合した就業規則及び賃金規程の提出を条件とする。」ということになっているわけでしょう。そうすると、賃金規程というものは掌握してなきゃいかぬでしょう、いずれにしても、陸運局のほうは。あるはずですよね、賃金規程というのは。手元にあるはずです。それと賃貸契約というものとが大きく相違をしているということになったらどうされますかと、こう言ってるんですよ。これが、実際の契約というのがリース契約で、車の契約で、賃貸契約で、中身が歩合給制度でやってるということが往々にして言われているわけなんですから。そういう場合は、それは労働省の管轄だから、内容的にはそこで連絡をしてやりますが、免許だとかなんとかいうことに関係ありませんと言ったら、運輸省はそれじゃ何をするのかと、何を指導の条件にしていくのか。これは当然にリースだとか、あるいは賃貸契約という三十七条関係というものは非常に問題だと言いながら、何にも手を打たぬということになるじゃないですか。
○説明員(小林正興君) 労働条件そのものが適法であるか、あるいは適当であるかどうかについては、労働行政が判断するところでございます。運輸省としては、何もしないということではございませんで、そういったような、労働行政上でもいかがかと思われるような会社については、役所間の連絡を密にして情報をキャッチいたしておりますし、また、その他問題のある場合には、先ほどの昭和タクシーのような問題がありそうな場合には、そういったものにつきまして直接監査、調査をいたしまして、道路運送法あるいは先ほどちょっと申し上げましたが、運輸規則等で定められた労務管理が適切に行なわれているかどうか、こういう観点からの違反の事実があった場合には、これは当然道路運送法上厳重な処分をいたすということでございまして、労働条件が不適切であるから直ちに道路運送法上の処分をするという仕組みではないと、こういうことを申し上げております。
○伊部真君 私も労働条件が適当かどうかということで、この免許をどうのこうのと言っているわけじゃないんですよ。労働条件じゃなくて、契約事項は、明らかにこれは、法に触れるような契約を実態としてはやっている。形は違いますよ、形は違うかもわからない。いわゆるほかのやつで申請しているわけですから、歩合給の形で出しているんですから。しかし、実態がそうなっておる場合には、これは労働条件というよりも、やはり免許を与えたときの所定の条件というものに欠けているわけでしょう。初めから三十七条に違反するような行為を、あるいは途中でそういう行為をやったというなら、免許を与えたときと条件は変わっているわけでしょう。そうしたら、これは当然に、そのときに処置をするのがあたりまえじゃないですか。それが労働条件だということで、労働省の管轄だと言って逃げてしまえば、これは何にも所定の条件というか、あるいは免許を与えた一定の条件というものを、初めに踏まえたやつを、全然初めのときだけでごまかしてしまうということになりはせぬだろうか。したがって、熊本の昭和タクシーのような事件があっても、これはどこまで処置ができるのかということに非常に疑問があります。これはたまたまわかったからいいですよ。しかし、ほんとうは、局長は免許を与えるときの条件ではないと言うけれども、これほど三十六条、三十七条のような大きな問題があるのに、なぜ条件にしないのですかね。当然に、契約が、労働者の歩合だとか賃金の制度については、それは当然に条件にすべきではないのですか。そしてまた、運賃を認める場合に、値上げを認める場合でも、それは当然に中へ含めて監査の対象にすべきではないんですか。それを全然見ないで、そうして一ぺん免許したやつはそのままほうりっぱなしというようなやり方は、私は運輸行政があってないような感じがするんですがね。
○説明員(小林正興君) 私の説明がちょっと舌足らずだったわけですが、労働条件そのものは運輸省が直接監査し、あるいは行政処分の対象にしないということでございまして、ただいま御指摘のような三十六条違反の状態が出ているとか、あるいは三十七条違反の問題があるというような場合につきましては、先ほど来申し上げましたとおり、監査をいたしまして、それに対しての処分をいたすということになるわけでございます。
○伊部真君 私は、ここでもうあんまり議論をしようとは思いませんけれども、局長、私は、運輸省としてはき然とした態度をとってもらわないと……。この間私が申し上げたんだけれども、暴力団が入っておったりしているとか、あるいはリース制度の問題についても、賃貸の状況があるとか、局長自身も聞いているというだけで何も手を打ってないんですよ。たとえば、いま言っている契約事項でも、かなり前からこれはうわさにされているんですよ、リースというのは。それに対して、それじゃ運輸省としては何をされたのか。こういうことを取り締まるために、これはいかぬ、危険だからですね。あるいは暴力だとか、あるいはスピード違反を生かすような契約で、おまえ六万円さえ持ってくればいいから、あとはフリーに走ってこいというようなやり方をかなり前からうわさされているのに、何の手を打たれましたか。たまたまこれは私のところに持ってきてくれる人があったから、こういう契約が手に入ったからいいんですが、しかも私の聞いておるのでは、こういう契約を外に漏らしたら、この契約は、あなたとの雇用契約はパーにしますよとおどかしているそうです。これに対して、六万円という私は具体的な数字もあげているのに、その中身が、労働条件なのか、歩合制なのか、中身がよくわからぬから、ここでははっきり判断できませんというようなことを言っておって、私はどうも逃げばかり打っているように思うのですが、はっきりしたやはりリースの問題について——いま言っているようなリースですよ。その内容については厳重に取り締まるし、これは当然に違法行為としてこういう例題の場合にはこれはいかぬと、したがって、厳重に取り締まるし、これから免許取り消しもあり得るということを明確にしてもらわないと、これは業者としては、あぶなくてしようがないですからね。
○説明員(小林正興君) ただいまのように、会社とあるいは従業員との間にいろいろな契約をしているというようなことはなかなか発見しにくいことが多いわけでございます。両当事者間の合意のもとに何らかの契約でタクシー事業を運営するというようなことがかなりあろうかと想定はいたしておるわけでございますが、そういった点が明確になりました場合には、先ほど来申し上げましたとおり、厳重な監査をして、そして事実確認をした上で、三十六条違反なり三十七条違反という事実があれば、断固たる処置をとりたいということでございます。この昭和タクシーの問題についてはさっそく、ある程度の調査等は陸運局でやっておるように聞いておりますが、ただいま、そういったなかなか把握しにくい貴重な資料というようなものについての御説明がございましたので、その点について今後厳重な監査をいたしたいと思います。
○伊部真君 ですから、これは昭和タクシーの問題につきましては、後ほど明確な回答をもらいます。 それからもう一つは、私、次官にお願いしておきますけれども、これは大臣にも、前の丹羽大臣にも言っておったのですけれども、やはり運輸行政というものをもう一ぺん検討しなければいかぬと思うのですよ。白トラが横行し、過積みが横行し、そうしてこういうやみ行為が横行するというような状態に、何ら運輸省として手がつけられないというのは、どこに原因があるのか、やはりこれは法できめられたことは、きちっとして守られるようでなければ、これはたまたま追及していったら、みなひっかかりますよ。ノースピアの問題がひっかかったけれども、あれは米軍だけではないですよ。いまあなた、事実問題として、積載の問題でも、どこでも、日本の車自身がチェックできないで、積載を看貫できるところがない。前も私言いましたけれども、桐生セメントのレミコン車が毎日セメント一立米、二千三百キロも大目に載せられる。そこで車に大きな看板を掲げて、これ積載オーバーしているから、つかまえてくださいと言ったら、積載オーバーかどうかということが看貫場がないからわからぬと言って、ポリさんはつかまえられないというのです。そこまで出しても、運転手がそういう危険を感じてそれを出してでも、どうにもならない状態です。ここにどこに運輸行政があるのですか、トラックの場合、あるいはタクシーの場合。これは私、局長ばかりを責めてもしようがないのですけれども、いつも手足がない。前の局長も手足がない。陸運事務所に人数がおりませんから、人数くださいということを言うけれども、それだけで済ましてはなりませんよ、これは。そこに問題があるから国鉄の貨物の問題が出てくるのですよ。運輸行政ででたらめなことをやって、行政がでたらめというか、野方図なトラック行政をやっておった中で、それであんた、貨物と競争せいと言っても無理な話でしょう。だから、ここに大きな問題があるわけでありますから、タクシーもみな一ぺん、運輸省としてはどうしたら法が守られるのかということを私は検討していただきたい。そうでないと、これは運輸省の運輸行政の、タクシーであろうが、バスであろうが、何の問題にしても、どこにも法がチェックされるような状態がありませんから、ぜひそういうことをお願いしたいと思います。いかがですか。
○説明員(加藤六月君) いま先生がおっしゃいましたこと同感でございます。先ほどおっしゃいましたトラックその他の過載の問題にいたしましても、われわれといたしましては、警察庁あるいは建設省に対して看貫といいますか、はかりをぜひ至るところに完備してもらいたいという要求、それからまた過載に対する、過積みに対する厳重なる取り締まりをやってもらいたいということもお願いいたしております。これはもちろん交通安全の立場からもぜひ守ってもらいたい問題でございます。それが一割あるいは二割過積みという問題が正々堂々、公然と行なわれているということは、まことに心外にたえない問題でございます。また、タクシーの問題につきまして、いま先生が御指摘になりましたような問題、どれを取り上げても、おっしゃるようにいろいろむずかしい問題があると思いますけれども、いやしくも許認可事業であって、その許認可事業で許認可をもらった人が、そのもろもろの順守すべき法律、規定というものが守られない、その原因はどこにあるかということは、これは私たち自身も真剣に考え、また、これはある面では国会でも考えていただき、国民皆さんも考えていただかなければならない。そして、そういう立場で究明されていった問題につきましては、鋭意解決していくという立場に立って運輸行政はやっていかなければならない。しかし、これは単に運輸行政だけで済まされない問題もあるのではないかとも考えておる次第でございますけれども、要は、そういった許認可に従って行なわれる行政というものが守られない原因、これはもう内部にも外部にもあると思います。それらをひっくるめまして検討してやっていきたい、こう考えておる次第でございます。
○森中守義君 ちょっと関連で。 いまのリースの問題、自動車局長、たまたま熊本の昭和タクシーが具体的な問題として提起されたけれども、このほかにもあと三社か四社ある、熊本で。もう一般的なそういう評判、風評というのでなくて、みんな知れ渡っていますよ。そこで、四十五万程度の都市のことですから、あれだけ熊本市内で法人タクシーが走っていれば、陸運事務所の目にとまらない、耳に入らないということはない、これは。だからいま事実のあるかないかを調査して回答しますというのんびりした、そういう問題じゃないのですよ。つまり、せんだって熊本のあれは、県乗用車協会というのか、タクシーの業界だな、このあたりから五二%か五三%の料金改正の申請があった。まだこれは認可になっていないようだけれども、こういう問題のいきさつの中で、認可料金という制度が存在をしながらも、リースが事実上存在をしておるのは、認可料金の価値がないじゃないか、こういう問題がいまかなり熊本では騒がれている。この契約は、まだ私いま内容をちょっと詳しく読んでいないけれども、私が把握した内容では、大体これまで入れて五社、その中の一社などは、一車両に対してドライバー二名契約している。一人当たり八万円、一車両十六万円で貸しておるというわけだな。そういう計算になりますね。それに油持ち、タイヤ持ち、こういうわけだから、会社のほうは十六万円丸もうけですよ。しかも保有車両の一〇〇%やっておるところもある。あるいは五〇%のところもある。リースに回している車両はかなりの台数です。一体こういう事情を出先の機関が把握しない、理解しないことないですよ。問題はむしろ私はその辺にあると思う。しかも協会の代表などからいろいろ聞いてみますと、リースをやっておる会社はおおむね経営はよくないと、こう言っている。経営がよくないからこういう方式をとっておるのです、こういうわけです。だから私は、これは少し話は広がっていくけれども、先般の運政審、むろんリースを認めるとかそういう表現は使っていないけれども、許認可の方向について何かの暗示を与えている。だから、免許事業者が免許を持ちながらリース制を採用するのは、運政審は、いかぬのだ、こう言いながら、実際問題としては、それを容認することになりはしないか。そこで経営状態がまずいというならばまずいように、そのかたまりである団体等によって、たとえば別途融資の道を講ずるとか、あるいは運輸省が中に入ってある種のめんどうを見てみるような、そういう金融財政面からその会社の立て直しをやっていく、経営の相談にあずかる。そして、そういうことはこれはやめなさい、やらせない、それが業界の自主的な自粛でもあるわけです。——こういうのを続けていくならば、五三%値上げしてくれといっても価値はないじゃないか、まあこういう意見を私はつい最近言ったことがある。ですから、調べてみなければわからぬという型一片の答弁でここはのがれるわけにいきませんよ。この場でもいい。熊本に電話してごらんなさい。陸運事務所が知らぬはずはありませんよ。おそらく全国的にそういうようなものは多いと思う。 だから、私は言いたいのは、自動車局と地方陸運局及び陸運事務所が、どういうものだか、距離が遠過ぎる。これは加藤政務次官よく聞いてください。距離があり過ぎるよ。どういうことをやってみても、陸運局で何か少しコースが変わっていく。陸運事務所にいけば、本省が何を言おうと何を考えようと、それとはかかわりのないようなことが往々にしてある。これは最近私が直接関係をしたリースの問題じゃないけれども、自動車関係の問題で、そういう問題で、小林局長が言っていること、本省で考えていることと地方の受け取り方は全然違っている。何がそうなのか。私は、大臣、政務次官、首脳部でいま考えなければならぬのは、本省と出先地方との間でなぜこういう距離があるか、それが何なのかということを、当然これは行政運営の面で一考も二考もする必要があります。ことに私は、その理由を言え、それを語れと言われるなら言うが、しかしそれは大臣、政務次官等の手でもっと具体的な問題を解析する必要がありますね。しかも国会でこういう問題が提起される、こういうリースの問題、これは八万五千のところもある。かなり高額ですよ。しかも一車両に二人貸しているわけだから、こんなべらぼうな話ありますか。小林局長、まともに自動車行政を私がやっておりますと言うならば、なめられているもはなはだしいよ、これは。何が自動車行政か。それはいま言うように、中央と地方の距離があり過ぎる。その原因、その理由、その背景、そういうものをいま真剣に考える時期を私は運輸省迎えているんじゃないか、こう思いますよ。これはひとつ、局長のように、調査しますなんて言わないで、やる気があるなら、やってごらんなさい。すぐでもいいよ、熊本陸運事務所に。昭和タクシーはわかったが、あと三社か四社あるようだから、どれか聞いてごらんなさい。進んで手をつけようとしない。しかも、このリースの問題等は、いまにわかに突然に伊部委員から出された問題じゃありませんよ。前任の局長、その前の局長の時代からリースの問題は委員会でしばしば問題にいたしておる。どういう手を打ちましたか。伊部委員がおこるのも無理はない。この前などは御報告をいたしますと言っておきながら、ついに委員会にその結果を報告していない。どの事案であったか、確実に記憶していないけれども、これは伊部委員からも二回も三回も指摘を受けながら、とうとうその答えが出ない。出ないということは仕事をしなかったから出ないというのか。なあに、委員会はたかだか野党の言うことだ、社会党が言うことだ、そのまま聞いておればよろしいという姿勢なのか。いまさら小林局長に言うまでもない。内閣法に何というか、一体の責任を国会にになうとありますよ。運輸省自動車局が国会で聞かれたこと、回答を約束したことをほうっておくという、そういう姿勢ならば、姿勢であるように、われわれとしても考えがある。だから、私はいまの伊部委員の調査して返事しますということじゃおさまらない。やってごらんなさい、いますぐ。暫時休憩してもらってもいいよ。熊本陸運事務所にこの事実を一つ示す、そしてあと三社か四社ある、こういう話だから、それを把握しているのかどうか、その措置をとったかどうか聞いてもらいましょう。また、これは伊部委員に、あとで返事するなんか言っても、いままでも返事したためしがない。ここで返事してもらいましょう、しばらく休憩して。
○説明員(小林正興君) 私がこれから調査をする、監査をいたすということを申しましたのは、ただいま具体的に、一カ月賃貸料という名義で六万円という、具体的な伊部先生からの御指摘がありましたので、それの性格等については、調査をいたしたいということを申し上げたんでありまして、一般的に、森中先生の御指摘は、非常に各地でリース制という名前の形態が多く出ていると、こういったことを役所はほうっておるというような御指摘だと思いますが、この点につきましては、私どもは、これは非常に重要なことでございまして、それぞれの陸運局におきまして、通達あるいは会議等を持ちまして、業者の監督指導、特に道路運送法違反の事実があるかどうかと、これは先ほども申し上げましたとおり、経営者と労働組合との間で、いわば合意をもっていろんな方法を講じておる問題でございますので、非常に事実確認がむずかしいわけでございますけれども、そういった点についての監督指導を強化するということをいたしたい。特に熊本におきましては、福岡の陸運局の管内でございますので、陸運局から陸運事務所長あて、あるいは輸送課長に対する指導通達も出ておるわけでございます。これの一般的な考え方につきましては、先ほど来申し上げましたとおり、三十六条あるいは三十七条に抵触しておるという事実があれば、これは厳重な処分をいたすという覚悟でやっておるわけでございます。で、一般的な指導といたしまして、そういう実態把握というようなものを陸運事務所長に命じておりまして、かりに熊本が非常におくれているというような場合、私どもはそういった地区におけるたとえば、運賃改定というようなことについても、そういう状態が正常化されないうちには、地元の皆さん方に、運賃改定の負担をしいるということもいかがかと思いますし、こういった問題は十分調査をしていたしたいと、特にかつて東京におきまして、前々回の改定の際には、先ほど来、伊部先生の御指摘の労働条件、特に累進歩合給の問題、あるいは長期連続勤務の問題等において、労働基準局の監査に全員が合格しない限りは、運賃改定を認めないという強硬な措置も東京陸運局が当時とった例もございます。熊本において、ただいま先生御指摘のような、よその県と違いまして、そういった事実があるようでございますので、この点については、さっそくそういう全体的な問題、それから伊部先生の御指摘の、具体的な法解釈を求められたものですから、それについてのさらに詳細な調査をいたすということを申し上げたわけでございます。
○森中守義君 これは一がいに出先ばっかりを一方的に責められない。これはだれよりも局長が一番御存じだろうけれども、非常に業務が繁雑過ぎる。つまり人が足りない、処理すべき仕事がさばけない、こういう側面も背景にあるということも考えなきゃいけませんよ。たいへんな苦労というのか、体力と能力の限界にきている、そういう実情も一つの大きな側面にある背景である。これをどう処理して解決するか。いきなりそのことを簡素化にのみに求めていいかというと、そうばかりもいきませんよ。対応策としては、業務の簡素化、合理化というのも一つの方向である。けれども、それだけで事が済むものでもない。それならば要員の充足をしていく——いろんな方法が全体の問題として考慮されていかないと、苦労が多い。やらなければならぬけれども、次から次に追っかけ回される。こういう実は出先の状態等も十二分にこれは考えなくちゃならぬ。今度東北などを回って見ても、そういう事情にぶつかっている。あるいは私は、熊本——九州、例外なくそういう状況というものが、非常にどこにもあるというこの事実をやはり踏まえながら検討してもらいたい。 ですから、これは政務次官、いまの具体的な事実は、委員会のほうは休まぬでもいいから、進行中にでもちょっと聞かしてください、事実があるかどうか。そのくらい小林局長、国会に対しては、やり遂げるという責任をお互いに持とうじゃないですか。くどいようですけれども、国会で問われたこの調査の結果を、問うた人にきちんと答えなければだめですよ。在来、自動車局はそういうことが非常に欠けておる。いままで三回か四回、伊部委員のそういう預けられた問題に答えを与えていない。こういうところで私は言うのは、はなはだどうかと思うのでありますが、委員会の場ではなかったが、ほかのことでも自動車局は返事を持ってきていない。これはいつか小林局長に個別に私は言ったことがある。そこで小林局長の言う料金の問題、五三%の改定の問題、その当否はともかくとして、方式としてリースがあるから、それが片のつくまでは決着をつけないというこの考え方もまた間違い。全業者じゃないんだよ。四社か五社ですよ。それが善良な他の業者までこのためにとばっちりを受ける、審査さるべきものがお預けになるというそういうことはやめなさい。他の善良な業者にまでそういうものを及ぼしちゃいけません。違法、脱法やっているのは四社か五社だから、これに対する制裁を加えるべきであって、他のものも一緒込みにして、そういう措置はとるべきじゃない。そのことと、それから政務次官、私が言う距離があり過ぎるという問題、それを政務次官がどう解釈するのか。内容を言ってくれといえば言いもしますが、大体見当つくでしょう。そういう距離を縮める縦のラインというものは、ぴしゃっと、いつもぴんと打てばかんと響くような、そういう体制をとってもらうためには、何かの方向をとらなければならぬ、そのことを——関連質問ですから、あまり長く言いませんが、局長と政務次官からそれぞれお答えいただきます。
○説明員(加藤六月君) 自動車行政におきまして、本省の自動車局と陸運局と陸運事務所との間に距離があり過ぎるという御指摘いただきまして、まあ陸運事務所は国民に直接接し、いろいろの業務をやっておる場所でございますけれども、われわれも政務次官になる前に、自動車台数の猛烈な伸びぐあい、また、それに伴うところの多くの自動車行政の新しい規定あるいは法律というものが次々と付加されていく、それに対して、現場の職員の増という問題、その作業量をこなす現場職員の増という問題がなかなか確保できない。したがって、まあそれにコンピューターを導入したり、あるいは先生方の御協力をいただきまして、整備関係あるいは登録関係いろいろな方法を講じて今日きておりますけれども、まだまだ現場のそういった職員の数が足りないという問題と、しかも陸運事務所の皆さん方は、直接業者あるいは国民に日常毎日接しておられる方々だと思います。それからその中間に立って、陸運局というのは、本省とのいろいろな関係があって、仕事の面あるいはまた行政上の面、指導の面でできてきていると思います。要はしかし、本省と出先の陸運事務所あるいは陸運局との間に距離があり過ぎる、意思の疎通が欠けておるということについてはまことに遺憾でございますので、そういうことのないように、あらゆる方法を講じていかなくてはならない。それがある面では窓口業務の改善にも通じていき、国民に奉仕する運輸行政として、国民に信頼され喜んでもらえる運輸行政としての一貫性を貫いていかなくてちゃならない。私はいま先生の御意見を承っておりまして、そのように痛感いたした次第でございます。
○説明員(小林正興君) ただいま政務次官から御答弁がありましたとおり、現地の陸運事務所におきます特に輸送関係の職員が、非常に御承知のとおり手薄でございまして、毎年予算要求、増員要求ということをいたしておるわけでございますが、現状におきましては、むしろ公務員の削減というような国全体の方針がございまして、先ほど来御指摘のような実態把握というようなものにつきましても、御指摘のとおり、あるいは欠けておるところがあろうかと思います。しかしながら、われわれは与えられた要員で重点的に仕事をいたさなければならなぬわけでございますので、先ほども申し上げましたように、一般的な指導あるいは伊部先生御指摘のような個別の法律違反の問題というものにつきましては、いずれにいたしましても、いずれも個別の問題は問題として的確な監査をいたし、決して業界に対して要員が不足だから手をゆるめるということがないように、私どもとしては精一ぱいの仕事をやっておるつもりでございますし、その一例といたしまして、森中先生御指摘のように、特に熊本地方におきましては、わずかな具体的な例じゃなくて、これはもう非常に地元で問題になっているのだというようなことが事実であるとすれば、これは一般論として、われわれとしてはあらゆる運賃認可権も持っておるわけでございますし、こういった点につきまして、行政の面において、できるだけの業界に対する指導監督をいたしたいという決意を申し上げたわけでございまして、違法をおかしておるものも、そうでないものも一緒にどうするというようなことを決して申し上げているわけではございません。一般的に業界が非常に不公正な運用をやっておるよう場合には、これはまたそれなりの指導あるいは監督というような方法もございますし、また具体的な御指摘については、それはそれとして詳細な監査もいたしたいということを申し上げておるわけでございますので、確かに要員不足ではございますけれども、そういった点については、全力をあげて行政の推進に当たりたいと思うわけでございます。
○伊部真君 まだ自動車局長には、森中君からあとから質問があるようでありますけれども、私かなりたくさんあるわけですけれども、時間的な問題もありますので、ある程度しぼって質問したいと思います。 まず第一番に、今回の鷹取工場の汚職問題について、どのような状態になっておるのか、わかっておられる範囲内で報告を願いたいということと、それからこの中で一番問題なのは、一つは天下りというか、とにかくほかの業者へいっておるものと国鉄のほうと話し合って、そうして操作をしているというところが一つですね。 それからもう一つは、その資金が明らかにマル生に使われておるということを本人が自供していることが新聞に出ております。この点は非常に国民の側にとっては重大な関心事だと思う。その点について御説明をいただきたい。
○説明員(山田明吉君) いま御指摘がございました大阪で不祥事件が起こりまして、まことに申しわけないと思っております。わかっている範囲で報告をしなさいというお話でございますが、実は言いわけではございませんけれども、関係者が勾留処分になっておりますし、それから一件書類がやはりその筋に押えられておりまして、なかなかまだきょうの段階では、全貌を把握しておらない状況でございます。しかしながら、私どもで、できる範囲の実情の調査はいたしました。それによりますと大阪鉄道局管内で、冷暖房工事をやっております請負業者から収賄の事実があったようでございます。これは本人から直接私ども確かめるすべがございませんので、ようでございますというたいへん無責任な言い方でございますけれども、その点が現在司直の手で調べられているわけでございまして、その関係者が単に一社からのみ収賄をしたということではなくて、収賄の相手方が複数ある模様でございます。その中にいまお話がございました鷹取工場関係の事件も出てまいりました。しかし、これが新聞で伝えられるところ、それから私どもがまたその筋から間接に伺っておりますところでは、架空の工事を立案いたしまして、そうしてその支払った代金を回収して、それを何らかの使途に向けたというようなところまでははっきりいたしておりますが、新聞に伝えられておりますような労働問題のためにそういう行為をし、それからそれを目的として、その使途に向けたというようなことは、私はいまの段階ではあり得べからざることと考えておりますが、しかし、新聞で報ぜられているところは、そのような事実があったというような報道でございまして、これはいま私どもの及ぶ限りの方法で調査をいたしております。一般的に工場と限らず、あるいは鉄道局あるいは本社でもそういう会議用とか、あるいは部外の方々と会合するときに飲食をいたすことはございます。これは食料費として予算にも計上してございますし、しかるべき立案、決裁で処理すべきものでございますので、そういう方法で鷹取工場関係もやっているものと考えているわけでございますが、新聞に報ぜられておりますような不正な方法で金をつくって、それをまた労働問題に使うということは、私ども想像もできないようなことでございますが、新聞の報道によればそういう疑いがあるということが報ぜられておりまして、その点真相の究明に私どもなりの努力でいま調べているところでございます。
○伊部真君 この新聞、十月の十六日の朝日新聞によりますと、本人の自供の中に組合対策運動費として工場幹部と分配をしたというようなことが出ておりますね。ですから、これやはりおっしゃるように全貌が明らかにならなければ不十分だと思いますけれども、いわゆる国鉄から出た職員となれ合ってやったこと、あるいはその使途というものはたいへん問題だと思います。したがって、可及的すみやかにひとつわれわれのほうにもこの状況について報告をいただきたいと思います。 それからもう一つ、私は、非常にこういう事件が起きたときに心配をしますのは、ここにも出ておるんですけれども、「黒い報告書」というものの内容が紹介されているわけですね。その中に、一つは「九十人の指導機関士が温泉にカラ出張したことにして旅費を浮かし、この金で当局側が組合員を供応して」おるというふうなことや、あるいは踏切の移設工事を業者に発注したかのように見せて、浮いた工事費を野球チームに使ったと。これは、前のやつは盛岡鉄道管理局、いま申し上げたのは旭川鉄道管理局。それから三番目に書かれておるのは、「助役二人が架空の乗車勤務書類をつくり、旅費を浮かした」と。これも旭川ですね。私がある管理局へ行って調べたときにも、その出張をしている日に、いわゆる第一組合、国鉄の組合職員の家へ行って、第二組合への勧誘をしているという事実を私自身も掌握をしたんですがね。どうもこういう、当局が支持しているというか、マル生運動のようなところへ金使うのは、ルールを違反してもそれは許されるもんだというふうな、そういうものが流れているんではなかろうか。そういう風潮がある限りは、私は、これからも断ち切れぬもんだと思うんですよ。したがって、やっぱりぴしっとした、そういうから出張だとか、あるいは今後も起こり得るようなことについては、厳重にやはり監督責任なり当事者の処罰というものをやっていかないと、私はこれが甘くなってくるというふうに思うので、こういう具体的なことが指摘されたようなところについて、どういうふうに監査をされ、そして管理者の責任についてどういうふうに処置をされたのか、その点をお聞かせをいただきたいと思います。
○説明員(山田明吉君) ただいま御指摘になりましたような事例は、実は昨年の夏ごろから新聞等でずいぶん取り上げられましたいわゆるマル生運動に関連しまして、若干起きていたことは事実でございます。それでそれ以後、国会でも御叱正をいただき、またいろいろな御示唆をいただきまして事態の改善に努力してまいったことも、これは御承知のところであろうと思います。 それで、当時、いわゆるマル生運動に関連しまして、不当労働行為というような問題も起きまして、これはまことに申しわけないといまでも思っておりますが、その点につきましては、公労委の決定にも服しまして、その後対組合との間では紛争処理対策委員会も設けて、これはほんとに労使双方ともの努力でいままでに至ったわけでございますが、あまりまだ大きなことは申し上げられませんけれども、ようやく一年を経過いたしまして、事態は鎮静に向かい、労使の関係も好転しつつあるように私ども感じているわけでございます。 その間におきまして、先生いま御指摘、例としてお話しになりましたような事件の善後措置もいたしまして、返すべき金は返させ、それからまた、それに関連したものについての処置もいたしたつもりでございます。 それから、そういう問題が起きた背後関係と申しますか、客観的な関係の改善は、先ほど申しましたように、逐次好転しつつある、改善されつつあると私ども考えているわけでございますし、また、昨年の夏以来の不当労働行為と疑われるようないわゆるマル生教育も、その後いたしておりません。ただ、職員の新しい鉄道に対する指導訓練、これは絶対必要だと思いますので、その点は続けておりますけれども、昨年来から言われておりますような、不当労働行為に関連づけられるようなことは一切いたしておりません。この点は国鉄の内部でも、逐次、労使ともそういう認識のもとに事態の改善をはかっているわけでございまして、したがいまして、過去に起きましたような、疑惑を招くような行為、不当な行為はもちろんでございますが、これは今後絶対起こさないように私どもも指導をいたしておりますし、全職員がその気持ちで国鉄の再建に取り組んでいる状態でございます。
○伊部真君 私がここで質問申し上げているのは、不当労働行為のことを重点で申し上げているんではなくて、問題は、から出張だとか、あるいはそういう何らかの手を尽くして対策費というものをつくったということですね、これは、何に使おうとも、このこと自体が違法なんでしょう。そのことは許されることではないわけですね。その処置について甘いから、この程度だったらたいしたことはないという慢性化が部内にあるんではなかろうかと、そういう私は心配をするわけですよ。したがって、どこへ使おうがここへ使おうがというのは、これはまあ第二の問題として、とにかくそういう資金を調達する誤ったルールというものがあった場合には、これはちゃんとやっぱり示しをつけ、処罰すべきものはちゃんと処罰をしないといかぬのではないか。それを怠ると、やはり使い道でこれがよければ——よければというか、私はいいとは思えないけれども、しかし、当局のほうで好ましいと言われるなら、これはたいした処分は受けないというなら、これはたいへんにまた事故の誘発になると思うんですよね。したがって、私は、いままで各地方でそういうことが起きたというなら、やっぱり特別に監査機関を設けて、そういうことを徹底的に洗いざらいをして、そうしてやっぱり粛正をして、どんなことに使おうとも、間違った、法に触れるようなことはこれはどんな場合でも処罰をされるし、ぴしっと粛正をされるもんだということを、ぴんと糸を張らないといかぬのじゃないか。そこに今度の事件の一つの問題点もあるんじゃないか、ほかにもいろいろありましょうけれどもね。したがって、これはいま国鉄は一ぺん反省をして、から出張だとか、あるいは工事費の水増しだとかいうふうな問題について、ほんとうにいままで厳重な処置をしてあったのかどうか。それをいま振り返って、そうして足らなければ、やっぱりぴしっとこれはやらなければ、またしてもこういうことが起きやせぬだろうかという心配をするわけです。したがって、この姿勢についてお伺いをしたいと思っているわけです。
○説明員(山田明吉君) いまお話のございましたのは、根本的には規律の維持、それから執務態度の厳正という一言に尽きるわけでございます。これはもう従来からとても、決してなおざりにしていたわけではございません。特に昨年、申しましたように、そういう事例が指摘されたことがございまして、その後全国的に監査をいたしました。その後絶対起きていないと確信をいたしておりますし、これからもそういう問題は絶対起こさない指導をやっていきたいと思います。また特に今回工場関係でこういう不祥事件が起きましたので、先日来全国の工場関係について念入りな監査をいたしました。ほかの工場ではこういう事例は起きておりません。しかし、それでもって今後絶対安心というわけにはまいりませんので、その点の指導はこれからは工場のみならず、管理局、工事局、全組織につきまして規律の厳正、執務態度の厳正という点については徹底的な指導をしてまいるつもりでございます。
○伊部真君 私は、執務態度もあるけれども、やはり誤った処理というものは、これはだれが見ても誤った処理なんですからね。たとえばから出張の場合でもそうでしょうし、水増しもそうなんです。規律の問題じゃなしに、これはもう明らかに不当な行為なんですね。こういう問題についてはささいなことでもきちっと監督責任なり、直接の責任追及というものがなされなければいかぬと思いますね。そうでないと次の問題が出てくると思いますので、そういうことについて、このことについては後ほどまた報告を受けるとして、ぜひひとつ明らかにしてもらいたいのは、この私が読み上げたような項目に対して過去にどういう処置をされたのか、この具体的な水増しだとかそういうことについて、やった行為に対して、当事者にはどれだけの処置をし、監督責任にはどれだけの処置をしたのか、これをひとつ、いますぐにはちょっと無理かもわかりませんが、具体的な例を出していただきたい。そして、やはり私ら自身にも法を守らない者には国鉄はやっぱりきびしくやるんだ、法を守った順法闘争に参加をした者が処罰をされて、法を守らない者があまりたいして処罰を受けぬというのは、どうも私は合点がいかぬので、その点はやっぱり法に違背をした行為についての厳正な処理の実例をひとつ出していただきたいということを申し上げておきます。 それから次に移ります。まず最初に、私はかなり前の委員会のときにお願いをしておったわけでありますが、この三二五ダイヤ改正に伴って、そして定期——鈍行がなくなるんで、そうなると子供がたいへんだろう、あるいは通勤の人がたいへんだろうと、そういう意味では快速をふやすとか、あるいは急行に定期で乗れるように処置をしてもらったらどうかということを提起したことがあります。幸いにしてかなり配慮を願って、十月の十一日から定期で乗れるというふうにしていただいたことについては、私は敬意を表したいと思うんでありますが、ただ、やっぱりもう少し思いやりを考えてほしかったのは、通勤や、あるいは毎日使う商売をしておられる方というものは二の次にいたしましても、次の段階といたしましても、せめて子供だけは、通学の定期を持っておられる人ぐらいは急行券なしで乗せられないものだろうかと、これも前から私申し上げておったんですが、百歩譲って、もしもそれはどうしてもほかとの関係がぐあいが悪いというなら、急行に乗ってもいい定期券というものは、何ぼか、その父兄に大きく影響されるようなことではいかぬわけでありますけれども、少しは何かこう、還元しても……、私はやっぱり学校を終わってから百円出さなければ急行に乗れぬからどこかうろうろしているということが起きても、どうも父兄の身にとっては好ましくないと思うのですね、そこまでの配慮ができないのだろうかというように思いますが、この点はいかがですか。
○説明員(原岡幸吉君) 先生の御指摘のように、三・一五ダイヤ改正に関連いたしまして、いろいろその後現場の実情をよく検討いたしまして、御案内のようにこの十一日から制度を施行いたしたのであります。さらに先生は、通学について特別な配慮ができないか、通学の定期券を持っておる者に配慮ができないか、こういう点でございますが、御案内のように、通勤につきましても通学につきましても、割引をいたして相当なる便宜をはからっておる、こういう制度になっております。ことに通勤通学を比べた場合には、その実態を十分考えまして、通勤よりもかなり高い、平均的に言いますと八〇%以上の割引率という高い割引でもって通学の便宜をはからっておるわけでございます。また列車の問題にいたしましても、通勤と通学というものにはできるだけそれに合ったような列車を設定するという気持ちでやっておりますが、全体の輸送量、この関係でもって非常にそういう要請にこたえられないというような個所が出てきておる、そこで急行を活用するというような道を講ずることによってその不便を解消するということを今回いたしたわけでございますけれども、現時点におきまして、通学の者に対しては百円の急行券を全然ゼロにしてこれを利用していただく、こういうことは考えられないという状況でございます。 なお、通学の場合に特別高い定期券でもいいから急行に乗れるような定期券はいかなるものか、こういうことが第二点目に申されたわけでございますけれども、これにつきましても、現時点においては輸送の体系上の問題、こういうものもございまして、それからまた通勤通学の定期券に対する現在の制度の問題、この二つを考えあわせまして、現時点においてはそのようなことも考えられないということでございます。
○伊部真君 ここで押し問答してもいけませんから。しかし、かなり評判の落ちた国鉄ですから、少し父兄が喜ぶようなヒットをせめてもう一つ打って、子供の割引は普通よりは安いとか何か方法を考えてもらいたいというふうに思いますので、まあこれひとつお預けをしておきますので、ぜひひとつこれからも検討していただきたい、こういうように思います。 それから、前にも私申し上げたのですが、どうもはっきりしないので、一ぺん文書にしてほしいと思うのでありますが、国鉄の言う急行と特急と鈍行というのは何が基準なんですか。急行のうちでどういう状況になったらこれは特急といって八百円もらうということになるのか、房総線でも、私はこの間調べた。急行がなくなって——急行いま何ぼでしたかな、特急になった、なったけれども、十分も速くなっていない、そうすると急行というのと特急というのは何を基準にしてやるのかですね、あの場合は急行と特急とが両方走っていたら選択の自由があるのですけれども、房総線の場合は急行が走っていて今度は特急になってしまったのですから、そうするともう選択というものがないわけですね、特急に乗るか鈍行に乗るかしかない。そうすると、私は値段がはっきりしないのですが、二百円が八百円でしたか、いままで二百円のやつが八百円になった、六百円よけいに何か取られてしまった。速いのかと思ったらあまり速くないということになると何かごまかされたような気がするのです。やっぱり利用者が、ああ、これは特急だなと、だから速いのだなと、前よりは速くなったなというような納得するような何かがなければいかぬと思うのです。したがって、こういう条件の場合は鈍行から急行に昇格するので、こういう状況の場合は急行から特急に昇格するのだという何かの基準を、この間非常にややこしいことを言われたのですけれども、瞬間的に時速何ぼ以上のところがあればそれは特急でいいのだということで、これは国鉄としては非常にかってな言い分だけを持っていると思うのですが、それでなくて国民が納得するような何か説明がなければいかぬと思うのです。したがって、その説明を、できたらいまお答えを願って、そしてできたら文書で一ぺんわれわれに知らしていただけませんか。どうも私らとしてはデラックスだから、この間は房総線急行だったけれども今度は車がよくなったから特急になって八百円もらうんだというのは、これはどこまで車がよくなったのか、クッションがどうなったのかということになると非常にデリケートになりますので、よくわからぬので、国民にわかるようなやはり基準というものを明示願いたいと思うんですが、いかがですか。
○説明員(原岡幸吉君) 特急列車とはそもそも何かということでございますけれども、先生お話のとおり何かややっこしいことを申し上げた気憶がございますが、結論的に明確なる定義はございません。とにかくスピードの面においても、それから設備サービスの面においても一般列車よりすぐれておって、とにかくいろいろサービスの内容を総合して一番最高クラスの列車であるというのが終局的な特急の定義であると、こういうことになろうと思います。それをもう少し具体的に、到達時分が短いとか、あるいは設備がいいとか、それから一番有効時間帯に運転しているとかというように、具体的な列車につきまして、それぞれほかの当該線区の他の列車に比べた場合に、すべてこれは、何といいますかクラスのいい列車であるというふうに、サービスとして申し上げることができる、そういう内容の列車でございます。たとえば車両は走行性能が非常によろしい車を使っておる。急行列車ですと大体九十五キロから百十キロの時速の性能であるのを、特急の場合には百十キロから百二十キロの性能の車を使う。しかし、これも勾配とか曲線とかという関係でそれだけの性能が発揮できるかできないかそういうような場合ももちろんございます、具体的には。それからまた停車駅につきましても、特急は特急にふさわしいように、まあ原則的には何といいますかわりあい大きな駅に発着するということでございますので、急行が大体二十キロ単位の停車駅ということになりますと、特急はそれに対して四、五十キロというのが、これが原則的な一般的な結果になって出ておる数字でございます。 そういうことで、結局急行列車よりも停車駅が短いということでありますから、かなり平均速度も速いわけでございまして、急行列車が一般的に五十六キロという数字になっておりますのに対しまして、特急列車が時速七十二キロ、こういうような数字に全体的ではなっておるわけでございます。 それから、何しろ特急列車は一番便利のいいといいますか、お客さんの需要からして有効時間帯といいますか、最も利用しやすい時間帯に設定する、ほかのダイヤをつくる前にまず特急列車を設定する、こういうようなことをやっておるわけでございます。 それから、もちろん車内の設備につきましてはいろいろ座席の問題その他含めまして、いわゆる居住性の快適なる車内設備をつくっておる等々、一番優秀なものを特急列車とするということで、明確なる定義はございませんですけれども、国鉄全体が一つのサービスといたしまして、一番いいものを特急とし、そして次に急行としというような明確な定義がなくても、国鉄全体としてそういうことでやっておるわけでございます。 結論的に、いろいろ申し上げましたけれども、なお文書によって御報告申し上げたいと思います、いま言ったような内容につきまして。
○伊部真君 私は、基準がないもんですから、だから答弁も大体最大公約数というような話になってしまうわけですけれども、やはり私がここで納得するんじゃなしに、利用者が、この間も新聞記事に載ったのですが、少しも速くない特急ということで、房総線の問題については投書が来ているわけです。新聞にも出されているわけです。なるほど特急というのは前より速くなったのかといって、ぼくらこの間調べさせたら、ちょっと何分間か、二分か三分ぐらい速くなったようですけれどもね。そうすると、それで国民が納得するのかと、二百円を六百円よけいもらうためにそういうことをしているんじゃなかろうかというふうな感じがしますんで、やはりこれは国民の納得するような基準をつくって、いまあなたの言われているものでも地域によって違うでしょう、時速何ぼで走っている特急があれば、こっちのほうで全然時速のうんとおくれている特急もあるわけですから。そういうふうになると、全国的にやはり何かひとつ納得するような説明を求めて、ある程度、そこに特急が走ったらこれは基準に合っているんだなというふうにしてもらわんと、私はどうも理解がしにくいので、その点はできるだけ、この基準について文書を出していただくと同時に、今後の方向についてひとつ検討して、ある程度納得できるようなものを出してもらいたい。 それからもう一つ、ついでみたいになりますけれども、大阪でこの間新幹線で車掌さんに聞きますと、新大阪に新しい新快速がとまらないということでかなり不満を持っておられるようですけれども、なぜ新快速を新大阪駅にとめないのかということと、それからあのダイヤが九時から大体夕方の四時までなんですね。ラッシュの間に新快速が走っていないんですよ。これがまあいろいろ憶測をされると思うのです。私鉄との競合関係があってじゃないかとか、いろいろなことを言われるようでありますけれども、この問題について、なぜ新大阪にとめられないのか、それからもう一つはラッシュ時になぜ新快速がなくて、輸送のダイヤの関係もあるんかと私は推測はしますけれども、現地の通勤者にとっては、せっかく新快速があるのに通勤のときはオミットされているということで不満があるようでありますが、この点についてお答えをいただきたい。
○説明員(原岡幸吉君) ただいまの、新快速がなぜ新大阪にとまらないか、この点でございますが、新快速は都市間を高速で結ぶと、こういう使命でつくりましたので、新大阪は新幹線に接続するという関係で、新幹線とのつなぎのための停車を考えなかったということでございます。 なお二番目の、ラッシュ時間帯になぜ走らないかということでございますけれども、この点につきましては線路容量といいますか、そこに新快速を走らせる線路の容量がない関係で、現時点では走らせることができない、こういう状況になっております。
○伊部真君 それでは次に移ります。 これも前に議論したことでありますけれども、せっかく次官もかわられたことですから、もう一ぺん確かめておきたいと思います。特急の割引の問題ですね。新幹線から在来線の特急に乗った場合あるいは特急から新幹線に乗った場合、前にも申し上げたんですが、相生から博多まで行きますと九百円。もうちょっと博多のほうに近い岡山からいきなり特急に乗ったら千円ということで、新幹線に乗ったほうがちょっと遠くて百円安いということですな。こんなこともありますし、それから逆に今度は東のほうへ来たら、一駅の新横浜から乗って東北へ行ったら割引がないということになりますね。これはどうしても国民側からいくと、距離が同じであそこに在来線が走っておったから、走っていないからということではどうも納得ができないので、この点はぜひひとつ割引の全般について検討する必要があるんではないかというふうに思うわけですね。在来線がどうだったかこうだったかというのは、国鉄の職員さんはわかっているけれども、それ以外の人にはわからないですからね。なぜ岡山から福岡へ行ったら割引があって、静岡から乗って青森に行ったらないのかとか、あるいは仙台から乗って青森に行って、青森から札幌までの通貫で買うたら函館と札幌間は割引があるんですよね。それはなぜかといったら、あそこは同じ路線と見て北海道だからだと、こう言うし、片っ方は四国だからと、こう言うでしょう。しかし、東海道線で特急で行って名古屋から中央線に乗りかえたり、北陸に乗りかえたらそうはいかぬわけですよね。ここら辺やっぱりいろいろ整理をする必要があるんじゃないか。その点についてお答えをいただきたい。
○説明員(原岡幸吉君) 特急乗り継ぎの割引の問題でございますけれども、特急乗り継ぎの割引につきましては、いま先生御指摘のとおり二通りあるわけでございます。 第一番目は東海道新幹線をはじめといたしまして、新幹線ができたことに伴いまして、在来の線に特急を走らしておる、それを新幹線のほうに置きかえる、こういう輸送上の改善が行なわれるわけでございまして、その関係において、在来線を利用されておった特急のお方に対する制度上の便宜といいますか、こういう観点からの割引でございます。したがいまして、そういう観点からしますと、御指摘のように相生からの場合と岡山からの場合、逆に高くなるということも現在あることは承知しておりますが、現時点において、制度上やむを得ない一つの制度じゃなかろうかと、このように考えておるわけでございます。 それから、もう一つの特急乗り継ぎ割引の問題は、本州という島と四国という島と北海道という島、これは連絡船で結ばれておるわけでございますけれども、連絡船によって結ばれていることに伴う特急乗り継ぎ利用の、何といいますか、制度上のマイナスをカバーするということが考え方として当然じゃなかろうか、線路がつながっておるんだから。こういう前提で、その本州と北海道、あるいは本州と四国というものを特急で乗り継いだ場合に、片一方のほうを割引する、こういう二つがあるわけでございます。今後新幹線が延びていき、だんだん整備されてくる場合に、いまの制度だけでよろしいと私は考えておりません。しかし、現時点における新幹線と在来線の輸送体系、これを前提といたした場合には、いまの制度でもって対応していくということしかないんじゃなかろうかと、このように考えておるわけでございます。今後の問題としては、もちろん検討いたさなきゃならない問題と思っております。 なお、本州と島の関係、これについては、従来の考えをそのまましばらくその制度で対処して いくということが適切じゃなかろうか、かように考えております。
○伊部真君 私は、やはり移りかわりに対処して、そんなにいままでのやつはしようがないというんじゃなくて、ある程度やっぱり対処していく必要があるんじゃないかと思うんです。たとえば、いまのやり方でも、広島へ行こうとしますね、東京から。名古屋で乗りかえるといたします。そうしたら、名古屋から広島までの間の割引はしますね、これ、名古屋乗りかえの場合には。ただし東京発の列車に乗ったらしませんね。時間の都合で名古屋で乗りかえるときに、名古屋発の特急に乗るか乗らぬかというのは、時間の関係でやむを得ずその汽車に乗るわけです、やむを得ずというか。そこにとにかく来た一番近いところに乗るわけでしょう。だから、東京発の列車だったから、それは割引いたしません。途中の名古屋発の特急なら割引いたしますというのは、どうも私わからぬのですがね。これも従来そうだったからやむを得ぬということなのか、これは何も好んでその汽車に乗るというわけじゃない。東京発に乗るというわけではないけれども、たまたまそこに東京発があるから乗るのであって、その場合に割引がないというのは、これはどうも納得できぬと思うのですが、その点どうですか。これ、しようがないですか。
○説明員(原岡幸吉君) 御指摘のように、実際に運用上、この制度にいろいろな矛盾がございます。先ほどの名古屋から乗り継ぎの場合だっておかしいじゃないかという、いろいろな矛盾がございます。したがって、全然検討いたさないという気持ちで申し上げておるわけじゃございませんけれども、現在、制定されている輸送の体系、こういうものとのかね合いからいって、現在私どもが逢着しておるいろいろな矛盾といいますか、これは現時点においてはある程度やむを得ないのじゃないか、こういう気持ちでおるわけでございます。 なお、いま御指摘のような具体的な問題について、全然検討しないと、こういう気持ちはございません。輸送上の関連を見まして、検討すべきものを、改めるべきものを改める、こういう気持ちでおります。
○伊部真君 これはたくさんあるのですよ、東京発のたとえば北陸へ行くとか、名古屋乗りかえの場合なんかは、途中で乗りかえた場合には……、そしたら東京発で切符を買うているから、そういう切符買うている人は割引がないというわけですよ、途中の場合だったらいいんですが。これはどうもわからぬので、ここら辺はやっぱり直していかなければならぬのじゃないかと思うのです。 もう一つお聞きをいたしますが、無人駅がだいぶ出てきましたね。このごろは車内売りはやらぬわけでしょう、いわゆる割引の車内売りというのは。前は車内売りをやったんですけれども。車内で特急から急行へ、あるいは新幹線から急行へというような場合なんか、昔は車内売りしたのですが、このごろ車内売りしないのですよ、駅売りで。しかし、無人駅を国鉄さんはどんどんつくっておいて、それに乗ったら車内売りできませんというのは、これはかってな話じゃないですか。だからこれは当然に車内売りもするようにすべきじゃないでしょうかね。
○説明員(原岡幸吉君) 車内の割引扱いでございますけれども、これは昔はやっておったわけでございますけれども、一時やっておったわけでございますけれども、非常に車内の何といいますか、扱いからいってとても耐えられないということで、現在では車内では割引扱いをいたしておりません。ただし無人駅というものがこれからだんだんふえてきますので、無人駅における場合の車内割引扱いはこれはやるようにいたしております。したがいまして、先生の御指摘のような矛盾といいますか不便はないような制度をとっておるわけでございます。
○伊部真君 この問題については、私が現場で車掌さんに聞いてみると、いまのように特例措置で、無人駅とは言いませんけれども、特別な場合にはやってよろしいというようなことになっておりますというお答えをされる人と、いや、やっぱりそれは通達がありまして、もう言われておりますのでだめですという車掌さんとおります。ということは、やはりこれは視察内容が不十分だと思いますから、この点はやはりこれはたくさんの通達を出しているわけですから、現場の人たちは非常に消化しにくいと思うわけでございますけれども、これは無人駅やったときには、そういう状況が出たときには、直ちにいままでやらなかったものを復活させていくというようなことを臨機応変にやらなければならぬと思う。 それからもう一つは、無人駅になって、これは再建法のことに立ち入ったことになるのですけれども、無人駅になって一番車掌が困るのは、新幹線の場合はもうそんなことはありません、無人駅というのがないわけですから。普通の急行や特急の場合には電報をお客さんから受けたとき、それから病人が出たとき、これの連絡方法がないのですね。私は前も近鉄事故のときに鉄監局長に要請したことがあるのですけれども、少なくともそういう場合には、やはりもよりの駅に連絡をできるような、やっぱり電話措置をするとかしないと、それは何万に一人かもわからぬけれども、病人が出た、あるいは電報を委託されたけれども、無人駅がずっとたくさんあって連絡のしようがない。それをこの間言ったら、人がおらぬから渡すことができないというのはだれの責任かと言ったら、やっぱり車掌に責任を負わされると言うんですよね。それじゃかわいそうじゃないですか。ですから、この場合は無人駅で病人が出た場合とか、あるいはそういう取り扱いについては直ちに措置できるような、電話あるいはその他の方法を考える必要があるのではないかと思うのですけれども、その点はいかがですか。
○説明員(原岡幸吉君) 第一番目の無人駅の場合の扱いでございますけれども、これはいろいろ通達がございますが、先ほどお答え申し上げましたような線で指導を徹底いたしまして、非常にあれこれしないような指導を実際にいたしたいと、こう思います。 それから二番目の、電報なり急病人が出た場合、急に連絡するのに非常に十分でないじゃないか、こういう問題につきましては、無人駅の中でも電話でもってすぐ連絡できる場所もございますけれども、しかし、これは全部ではございませんので、そういうことに対処できるような点はなお検討いたしたい、こう思います。十分対処していけるように検討いたしたい、こう思います。
○伊部真君 それじゃ私のやりとりで次官にお願いを、あるいはお聞きをしたいんですが、結局、国鉄のいまの料金問題なんかを見ましても、国鉄のほうの側に立った従来の営業路線だとか、従来の営業のルールに基づいてここまできているわけですね。やっぱり国民の側から見たら、先ほど申し上げたように、急行がなぜ特急になったんだ、特急のありがたみがわかってくるとか、そういうふうに納得のできるような形にするとか、割引の問題にしても、名古屋で同じ乗りかえたのに、東京発の列車にたまたま乗ったばかりに割引がなかった。名古屋発の列車に乗れば割り引いてくれたということが起きたり、東北に行くときには、西に行くときは割引してくれたけれども、東のほうは議員さんが悪いのか、とにかく東に行ったら、仙台に行くのには、あるいは青森に行くのには、静岡から行ったら東京−青森間の割引がなかったり、こういうちょっと常識で考えるとおかしなことがだいぶできているわけですね。これは監督側としても、やっぱり法規ですから国民が納得するような内容にしてもらうということでないとまずいように思うんですが、いかがでしょう。
○説明員(加藤六月君) 国鉄は、この間開業百周年をやったわけでありますが、長い間のお客さんの利用形態、あるいは感じというものと、複雑多様化した今日のわが国の社会、経済、流通、こういうものに対応する任務と、二つの問題がいまこんがらがっていろいろそういう問題が派生してきておるんではないかと考えます。そして先生がおっしゃいましたように、抜本的にいま考えなくてはならないのは、国鉄のための国鉄でなくて、国民のための利用者のための国鉄であるという観点に立って、先ほど来のいろいろな問題を考えなくてはならない時期に至っておるんではないかと思います。そういう点で、いろいろ矛盾や不合理の問題があると思いますが、鋭意そういったものはそれぞれの立場で解決していって、利用者のための、国民のための国鉄としての一貫した合理性を貫いていくように指導いたしたい、こう考えておる次第でございます。
○伊部真君 続いて、この間から整備問題でだいぶ問題になっておるわけですけれども、たとえば向日町のほうの整備工場へ入るのが、どうもこの最近岡山どまりの車が多いために整備の間隔が非常に長くなっているんですね。したがって、整備状況が悪くなったとか、あるいは事故の原因になっているんじゃないかということが言われておりますけれども、事実岡山打ち切りになったために整備時間が長くなっているんですよ。その点は、いまデータがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(山田明吉君) ちょっといま正確な数字を持ち合わせておりませんけれども、車両の運用上ちゃんと基地に帰って検査を受けるような、そういう運用のダイヤはつくってあったわけでございますけれども、この六月からの長雨災害、これでとりこになった——私ども通俗にとりこになったと言っておりますが、基地に戻れなかった場合が相当ございまして、それで自後調べてみますと、予定の検査日を超過した車が確かに二十数両出てまいったわけであります。これはまことに規則の上でも、また安全の点では、結果的にはその車が事故を起こしたという例はございませんでした、調べましたけれども。しかし、規則の上で運輸省にもお届けしてあります規則を破ったわけでございますので、これは申しわけのないことでございまして、自後そういうことの絶対ないように、少し余裕を持った車両運用のダイヤを組むようにいたしまして、災害にかこつけて弁解するわけではございませんけれども、そういう事実はあったわけでございますが、これからはその点は厳重に規則は規則として守らせるようにいたしたいと思います。
○伊部真君 それからもう一つは、新幹線や非常に重要な幹線についてはスピードの問題についてはかなり関心が払われているし、かつまたそれなりの手当てをされておると思いますが、どうも気になりますのは、枝線のほうのスピードというのがどうも置き去りにされているのではなかろうか、私がこの間たまたま釜石に行きましたら、花巻−釜石間がたしか九十何キロでしたかね、二時間かかるのだそうですね。ですから新幹線ができても、あそこのほうに行っているのはたいへんに時間がかかる。東京と同じくらいかかってしまうということなんで、そこで聞きますと、秋田のほうなんかに少し入れたそうでありますけれども、カーブの多い地帯なので、スピードアップが非常に困難である。しかし、何か私はよくわかりませんが、振り子電車を秋田のほうでは採用したところがあるそうですが、それらを考えますと、釜石線も少しは経費が高くなるでしょうが、二時間の分が一時間になるというふうに聞いておりますので、何とか速くならぬものだろうかという話があったのですが、やはり枝線の場合は、営業係数も私が聞いたのでは、そんなに悪いものではないと言うんですね。一〇〇はこえておりますけれども、一〇八か何か。そういう状態ですと、枝線のスピードアップというものも、国鉄はできる限りやるべきではなかろうかというふうに思いますが、見解をいただきたいと思います。
○説明員(原岡幸吉君) 具体的に御指摘の釜石線でございますけれども、御承知のように急行は四往復ございまして、平均の速度は四駅停車いたしまして、それも含めて時速四十八・五キロと、このようになっております。したがいまして、あのような地理的、線路的な条件では決して何といいますか、おそ過ぎる、こう思っておるわけではございませんで、現時点においてはわりあいスピーディーなサービスができている、こういうふうに考えておるわけであります。 なお、お話の振り子電車といいますか、これによってカーブに強くなる電車、これも目下開発されておりまして、何といいますか、カーブの多い比較的長い線区につきましては、積極的にその開発、導入が進むにつれて、いろんなそういう線区に導入いたしましてスピードアップ、サービスの改善につとめる、こういうつもりでおります。いま具体的に釜石線につきましては、それを計画するまでにはまだ至っておりませんけれども、御指摘のように、新幹線のみならず新幹線に関連したそういう肋骨的な枝線、これも今後のいろいろなそういう新しい電車の開発、導入をして積極的にスピードアップ、サービスの改善をはかっていく、このような計画を持っておるわけでございます。
○森中守義君 二、三回前の委員会で、自民党の山崎君から、青森県の小湊地区、旧浜子操車場ですね、ここに二十万平米の旧操車場がある、これがひとつ払い下げができないものかという質問があった。それを、今度東北に行ってみて、地元あるいは県側からも、いつまでもこういう広大な土地を放置しておいちゃ困る。地元には一定の開発計画を持っているんで、すみやかに二十万平米の利用計画を示してほしい、願わくは地元に払い下げてくれないかと、こういう非常に強い要望が出ておるんですが、たしか総裁からすみやかに善処したいという趣旨の答弁があったように記憶しているんですが、その後どうなっておりますか。
○説明員(山田明吉君) 私そのときの委員会に出ておりませんので、正確なやりとりの内容は承知しておりませんが、そのお話はその後聞きました。それで、おそらく総裁もそのときはいきさつも御説明したと思いますし、これからの東北地方の地域開発に何かお役に立てば喜んで払い下げをしたいという趣旨で御答弁したと思います。ただ、ただでは困りますので、それは適正な時価ということも申し上げたかどうかわかりませんが、その気持ちでおるわけでございます。
○森中守義君 これは副総裁、無償で渡すなんということは、これは考えられないんでね。そういうことは言っちゃいないんです、向こうは。いわば適正な価格で、願わくは極力低廉に、こういう希望はありましたよ。 そこでね、盛岡まで新幹線ができるので、もっと早く青森まできめてほしい、こういう要望の中から、青森県の後進性を脱却するために一連の開発を急ぎたい。その開発構想の中にこれが入ってるようですよ。だから、開発計画をつくるために、この用地がどの程度活用できるのか、青写真をとるにはどうしてもこの問題が、方向としてきめなくちゃならない、これが知事をはじめ地元の市町村長の非常に強い意見なんですね。むろん、これは国鉄側で別途何か有効な利用方法を考えておいでになるなら別ですが、おそらく青函が、あれは入り口が竜飛ですから、方向がだいぶ違うからね。そういうことになると、おそらく国鉄の用地としては、その地域についてはさしずめ利用される内容のものじゃないんじゃないかという私どもなりの見解を述べておいたんですけれども、これはひとつ早急に検討を加えられて、地元の要望にこたえてやりませんか。どうでしょう。
○説明員(山田明吉君) 御趣旨のような、早急に私どもも結論を出しまして、始末を考えたいと思います。
○森中守義君 それでね、この種のものが全国的に他にどの程度あるかわかりませんけれども、大体ランクからすれば相当巨大だと思われるものを一ぺんひとつ委員会に出してくれませんか。数年前に決算のときだったでしょうかね、一ぺん出してもらったことがあるんですけれども、かなり古い資料になっていますからね。現在不用のものになっているもの、一ぺん提出していただきたい。できますか。
○説明員(山田明吉君) 承知しました。
○森中守義君 それから住田部長、これは現地でいろいろな工事に携わっておる人たちの意見の中から、新幹線を国鉄が自前でやったり、鉄建公団でやってみたり、具体的にどういうものか、そこまで申し上げないほうがいいだろうと思うけれども、なかなか両立してるんじゃ困る、こういう意見がやはりあるようです。しかし、よるべき根拠としては、これは当然新幹線整備法に基づいて大臣が、これは国鉄、これは鉄建公団というように分けておるわけでしょう。違法ということにはもちろんならないけれども、何かこの辺のことをそろそろひとつ検討を加える必要がありゃしませんか。ただ、具体的に両方でやっておるということが極端に障害があるということにはもちろんならぬだろうけれども、いまの国鉄の運営の状態、鉄建公団のあるべき状態、こういうものからいけば少しく検討の時期にきたんじゃないか。むろん鉄建に全部集約するほうがいいか、あるいは国鉄に集約するほうがいいか、なかなかその辺の判断はむずかしいけれども、どういうことを根拠で、この新幹線のルートは国鉄、ここは鉄建という振り分けをされておるのか、最低その辺の根拠くらいはちょっと聞いておきたいと思う。
○説明員(住田正二君) 新幹線の建設につきましては、先生御承知のとおり、現在、国鉄と公団でおおむね半々くらいの工事量で担当いたしておるわけでございます。今後、新幹線をどの程度敷くことになりますか、まだはっきりきまっておりませんが、いずれにいたしましても、今後相当量の新幹線を敷いていくということになりますと、国鉄だけでそれを全部やるとか、あるいは公団だけで全部やるということは、工事能力の点から見ましても不可能ではないかと思います。したがいまして、今後もやはり国鉄、公団の両方で分担して工事を進めていくということになろうかと思います。この場合に、国鉄がどの線を分担し、公団がどの線を分担するか、特に基準があるわけじゃございませんが、今後路線の性格であるとか、あるいは工事の難易というようなことを検討いたしまして、各路線について担当の工事主体をきめていくということになろうかと思います。
○森中守義君 ただ住田部長ね、これは工事能力という問題になれば理屈は一緒ですよ。国鉄が担当しておるルートも国鉄が自前でやっておるわけじゃないわけです。鉄建公団もそのとおり。ちゃんと下に落として、孫請から曽孫までやっておるわけだから、その点はちっとも関係ないですよ。だからその点はどういう分け方かという非常にきめのこまかな議論まで発展をしていかなければこの結着つかないけれども、大体方向として、走らせるのが国鉄であるならば、つくるのは公団だという、何かそういったような一つの原則をぴしっときめたほうがよくはないですか。どっちにしても両者ともたいへんな業者をかかえながらやっておるわけで、そういう要員の事情であるとか、国鉄の経営能力あるいは財政能力、いろいろな観点からもう一回これは検討する必要がある。もちろん、これは一部長の手ではどうにもなる筋合いのものではないけれども、そういう意見が今回の視察を通じて問題にして提起されたので、一ぺん機会があれば、鉄監局の方なり、政務次官聞いておられるけれども、ひとつ考えとってください。非常に強い意見がありました。 そこで、内村航空局長にお尋ねいたしますが、在来この委員会あるいは予算委員会もしくは本会議等で、その一貫した理論として、私は日中の国交回復、国交回復の一つの陽動的な意味からも、まずは人の往来、その手段として航空機の乗り入れ、これが急がれるべきであるという主張を常時展開をしてきました。まあせんだってのニクソン訪中で、アメリカが対中関係に非常に意欲的であり、わが国も先般の田中総理の訪中で一つの新しいめどができたようです。そこでせんだって総理が行く前あるいは総理が行ったとき、チャーター便が東京−上海−北京という、こういうルートで飛びましたね。しかもその際には韓国の防空識別圏を横切っておる。大体このルートというものは、将来、政府間協定もしくは民間協定が締約をされる段階においてでも、このルートの設定としては非常に良質なものという、こういう判断をお持ちでしょうか。
○説明員(内村信行君) ただいま先生の御質問は日中の往来、航空機による往来、その場合の航空機の飛ぶルートの問題と存じます。従来は韓国のFIR、これは飛行情報区でございますが、これを避けて台湾と韓国の中間——韓国と台北FIRとの中間、これをアメリカあたりは利用して飛んでおったようであります。しかし、今度の訪中の場合には、上海あるいは北京に参ります際には、やはりすぐ隣の国でございますから、できれば飛行時間の短い経路を飛びたいということでございまして、韓国の当局ともお話をいたしまして、その了承を得まして新たに韓国のFIRの中を飛んで上海及び北京へ参ったわけでございます。それで今後の問題といたしましても、やはり従来のいわゆる台北FIR、韓国FIRとの間を飛ぶというよりは、やはり韓国のFIRの中を飛ぶというほうが望ましいと考えております。そういう方向で進めてまいりたいというふうに考えております。
○森中守義君 そうしますと、チャーター便を飛ばすときの対韓交渉というものは、限定をされた話し合いであったのかどうか。むろんそういうことだと思いますがね。そういうかけ合いの際に、このルートを将来のものとしたい、ついては防空識別圏を横切りたい、感触として韓国側はオーケーを出しそうな感触ですね。
○説明員(内村信行君) 先ほど申し上げましたのは、必ずしも韓国の防空識別圏ではございませんで、いわゆる韓国のFIRと申します飛行情報区、この中を通ったということでございます。したがいまして、今後の問題については、まだそういうふうな折衝はいたしておりませんし、ちょっと現在のところ感触はわかりません。
○森中守義君 これは航空局長、やはりこの状態を判断していけば、何が何でも対韓交渉を詰めていって、最も短い距離で結んでいく。もちろん気象条件等もありましょうがね。そういうことで外務省の見解も問わなくちゃなりませんけれども、要するに前回の数回飛びかわしたこのルートというものは、つまり定期ルートに将来しようという場合に非常に良質のルートになりますか。
○説明員(内村信行君) 将来の定期の問題につきましては、これは中国と日本政府との問題でございまして、現在はまだ全然白紙の状態で、これは何とも申し上げられない段階でございます。それからそのルートにいたしましても、定期のルートにいたしましても、あるいはチャーターの場合のルートにいたしましても、どこを通ったらいいかということにつきましては、私どもはなるべくこれは技術的な問題として考えてまいりたいと思っておりますが、何さま相手のある問題でございますから、どういうふうに展開いたしますか、その辺は十分関係国間でよく話をし合いまして円滑に進めたいと思います。
○森中守義君 最近、法人格を取得している日中旅行社などが中心になりまして、どんどん人の往来が激しくなるということで、旅行事務ないしは旅行あっせん等を営業開始したようです。そのことは要約していけば、結局空の便を何かの形でまとめざるを得ないじゃないかというふうに私は考えるのです。そうなれば、国交回復のきざしが、もう目の前にその時期がきた。であれば当然政府間における航空協定が結ばれるという、こういう段階になりましょう。まだしかし、そのことが具体的に交渉の日程にのぼるには多少の時間がかかる。そうなると、協定が成立するまでの間、在来のように香港経由で汽車に乗りかえるという、こういうコースをとるか、あるいは今回の先例にならってチャーター便を入れるという話し合いが進んでいくものか、いかないものか、こういう選択の時期にきたと思うのです。しかし、何といっても国民の強い要望と期待がやっと実現の方向にきておるわけだし、しかもすでに飛ばしたという実績があるわけですから、香港を経由して汽車に乗りかえる手はないと思う。であるとするならば、当然さっき申し上げるルートを一つのベースに踏まえながら、チャーター便を飛ばし得る可能性を発見せざるを得ない。そういう話し合いをおやりになる意思があるか、いかがですか。
○説明員(内村信行君) 前々から先生御指摘のように、日中間の交流というものがだんだん大きくなっていく、早く飛行機を飛ばしたらどうかというふうなことは、前々から先生の御主張として承っております。私もそれには同意の意を表しておったわけでございます。そこで先般の総理の訪中を機会といたしまして、チャーターではございますが、直接上海なり、あるいは北京なりへというふうな、不定期ではございますけれども、チャーター便でございますが、そういう飛行ができたということは、やはりある意味におきましてエポック・メーキングなことであったろうと存じます。しかし、何ぶんにもこの総理訪中というのは、非常に特殊なケースでございまして、そういうふうなものがあったから直ちに一般の旅客のいわゆるチャーター便までも先方に認めていただけるかどうか、これについてはまだそれほど確信はございません。しかし、先生御指摘のように、やはり日中間の交流というものが増していけば、その足である飛行機というものが、香港経由で行けば何日もかかります。それに対して直接上海とか、あるいは北京へ行けるようなルートができますと、これは非常に両国のためにもけっこうなことだと私は思っておりますので、その辺につきましては前向きに進んでまいりたいというふうに考えております。
○森中守義君 これは加藤政務次官お聞きのとおりですがね、おそらく日中旅行社あたりがいよいよ営業を開始する、各界、各層の人たちがこちらからも行こうし、向こうからも来るだろう。そうなると、在来のコースを通らなくても、もう先例があるわけだから、当然航空機を利用して往来を激しくしていく。このことが友好関係のきわめて具体的な積み上げになるんじゃないか。しかも北京側といえども、事態がこういう段階まで進んできたわけだから、決してノーという答えは出てこないと思うんですね。問題は、先方側から積極的な働きかけを待つのか、あるいはわがほうから積極的に働きかけていくのか、あるいは両方とも立ちすくんでいくか、大体三つに一つ以外には方法ない。だとするならば、この際わが国が積極的に先例を踏襲して、すでにチャーター便を飛ばしたルートもできているわけですから、こういうものをどんどんと開拓していくようなお考えをお持ちじゃありませんか。 それと、そういうものを積み上げていくにはどうしても専門家の往来というものもこれは当然考えなくてはならない。だからそのことは、航空局長のほうで、たとえば気象の専門家の派遣であるとか、あるいはレーダー関係の専門家の派遣ですね、あるいはパイロットであるとか、局内にお持ちの有能な人材をどんどん向こう側に出そうと、向こうからも来てもらおう、こういういわば一つの段階的な積み上げということで、お考えできませんか。
○説明員(加藤六月君) 共同声明の第九項に「貿易、海運、航空、漁業等の事項に関する協定の締結を目的として、交渉を行なうことに合意した。」ということがございますように、私たちは、この中で運輸省関係としましては、海運、航空という問題がはっきり出ておるわけでございます。したがいまして、外務省等とも相談いたしながら、なるべくすみやかにそういった問題は作業を進めたいという気持ちでございます。 ただ、最後に先生がおっしゃいました、そういう場合に協定締結交渉の開始のタイミングをいつにするか、どういう方法でするか、あるいはまた、大臣がいつどういうかっこうで行くかということ等もあるだろうと思いますが、その前に事務レベルでの折衝開始ということが、先生も御指摘になりましたんですが、私は非常に急がれるし、また早くこの事務レベルでの折衝を進めないと、多くの国民の皆さん方が、日中国交回復できた、さあ往来しようという場合でも、いろいろ事航空に関してはなかなかはかどらぬじゃないかという気持ちを逆にお持ちになってくると思いますので、一番急がれるのは、こういった事務レベルでの折衝をすみやかに開始することではないかと、このように考えております。
○説明員(内村信行君) いま政務次官から御答弁申し上げた点で十分意を尽くしておると思いますが、私どももいま政務次官から申し上げたと同じことでございまして、まあ気象は、これは若干、私どものほうでございませんので、御答弁申し上げかねますけれども、いわゆる技術の問題あるいは事務の問題含めまして、一般的な事務レベルの折衝をできるだけ早く開始したいというふうに考えております。
○森中守義君 そういうことで進めてほしい。 なお、日中問題がこういう状態になりますと、私は、在来のように香港経由で入って行くということになれば、はだに感じないですわ、ちっとも変わらぬじゃないかと。そうでなくて、なるほど三時間ないしは三時間半ぐらいで北京に行ける、東京に来れると、こういうはだに感ずるようなものがやっぱり航空機の一つの価値だと、評価だと、こう思うんですね。だから、そういう意味で、私は日中問題に取り組んで以来、航空機の乗り入れをことさらに急ぐべきだ。皮膚に感じておる。それが近くて遠い国というものから近くて近い国という、こういう一つのイメージを変えていく方法じゃないだろうか、こういうように感じている。ですから、そういう意味で問題を受けとめながら、ぜひひとつ閣内においても、あるいは行政当局においても、具体的プランをつくってほしい。いまの御答弁で大体意を尽くしておりますからいいと思います。 それといま一つは、せんだって私が九州におりましたときに、いずれの社長であったのか、ちょっと記憶が正確でありませんが、日航か、あるいは全日空かのいずれかの社長が九州の某基地を対中国関係の航空基地にするには、けだし適当であろう、こういう談話を発表して、非常に九州地方は騒然となったことがある。むろん私は熊本ですから、かなり無理をして熊本新空港をつくりましたので、これはやるならば熊本以外にはない、こういう確信を持っているけれども、いま言いませんよ、それは。それは言わない。言わないけれども、最適だと思う。あまり影響が大きいから言いません。ですからこれはやはり行政当局の責任者であるとか、あるいは企業の責任者あたりが熊本を知りながら、福岡で福岡がよかろうとか、鹿児島がよかろうということで言われると、ちょっとこれはおだやかではない。ですから決して熊本、熊本とは主張いたしませんけれども、できるだけそういう固有の基地などをあげて、これがいいということは、いずれの責任者も慎んでもらうように。おりがあったついででいいですから、熊本の代表がそう言っておったと、こういうように言っておいてもらいたい。どうですか。
○説明員(加藤六月君) 実はその新聞が、そういう記事が出たというので、あわてて、運輸省内部からそういう問題が漏れているなら——漏れているならではございません、そういう話があるならけしからぬということで、呼んで調べてみました。ところが全然まだそこまで作業が進んでいないわけでございますので、そういうことはまだ全然白紙でございます。ということで答弁にかえさせていただきます。
○森中守義君 それから航空局長、いまその時期的な問題でもありますが、日本航空あるいは全日空、いずれも中国に行きたいという具体的な希望の表明がありますか、この前かその前か私は委員会で、わが国の航空業界、これを国際線として考える場合に、日本航空一社で国際線はおかしい。むしろ遠距離は日本航空、近隣諸国は全日空、こういうことで業界の再編成等を含めて検討に値する問題であろう、こういう実は提言をしたことがあります。むろん今日といえども私はその思想は変わっておりませんけれども、具体的に日中問題に対する両者の意思の表明というのはどういうことになっておりますか。
○説明員(内村信行君) 日航も全日空も、それぞれ希望といたしましては自分がやりたい、あるいは自分もか自分だけかわかりませんが、とにかく自分がやりたいというような意思を表明しております。そこで、これに対する考え方でございますけれども、私ども現在までのところでは、航空政策といたしましては、四十五年の十一月の二十日に閣議で了解をいただいた線がございます。それは「国際定期航空については、原則として、日本航空が一元的に運営する。」「近距離国際チャーター航空については、日本航空と全日本空輸の提携のもとに、余裕機材を活用し、わが国国際航空の積取比率の向上に資する。」というふうなことになっております。そこで、こういったような政策に基づいておりますのが現状でございまして、先般全日空、日航とともに中国にチャーターで参りました。これはチャーター便でございまして、いままでの原則の範囲内で行なっておるところであります。今後の問題につきましては、これは私から御答弁申し上げるのはいかがかと思いますけれども、やはり現在のところは以上の方針に従って進めてまいる。それでその後中国との航空交渉の状況いかん、あるいはその他の情勢いかんということを見ながら慎重に検討してまいらなければいかぬというふうに考えております。
○森中守義君 この問題は非常に微妙な背景を持つもののようですから、もう少し日時の進展を見ながら後日の委員会でまたとっくりとお尋ねすることにいたしましょう。大体、現状における航空当局の意向としては承知しておきます。 航空局長に伺いますが、那覇空港の現在の運用状態はどういうことになっておりますか。
○説明員(内村信行君) 那覇空港でございますが、これは先般の沖繩の返還と同時に、従来の米軍管理がわが国に移りまして、私ども航空局が那覇空港を管理いたしております。そこで第二種空港としての管理をしておるわけでございます。面積は約二百三十七万平米、滑走路は長さ二千五百五十メーター、幅が四十五メーター、これが一本でございます。そこで私どもが管理しておりまして、もちろん私どもの事務所がございますが、そのほかに、現在は米軍のP3B、これが若干残っておる。それから自衛隊がこの那覇空港は共用するということになっておりまして、これはまだ現実に飛行機は飛んでおりませんけれども、間もなく部隊が入ってまいるというふうなことになっております。地上部隊は一時入っておる。こういうふうな状況でございます。あと、なお飛行機の乗り入れ回数その他必要とあれば御説明いたします。
○森中守義君 これは返還協定上の問題としてちょっと違約という感じがします。 そこでもう少し具体的に聞いておきたいんですが、いま那覇空港に入っておるものでどういう航空会社があるか、その便数はどのくらいであるか、自衛隊は人は出したがまだ器材は入っていないようですね。いま言われる米軍機P3か、これが三機かいるはずです。それでいまのこういう共用状態からいけば、かなり窮屈な感じがする。その辺の現状をもう少し詳しく言ってみてください。
○説明員(内村信行君) 那覇空港の利用状況でございますが、現在、那覇空港に入っております民間機といたしましては、南西航空のYS11、これが島と島との間の定期航空をやっております。島内の線をやっておるわけでございます。それから本土と沖繩の間は、これは日本航空及び全日空が運航しております。さらに国際線といたしましてノースウエスト、それからトランス・ワールド、それからコンチネンタル、それからフライング・タイガー、この四社が那覇に入っております。それで運航回数は、国際線の合計は毎日一往復、それと週に十五往復、それから国内線のほうは毎日二十四往復、それと週に十一往復でございます。合計いたしますと、毎日二十五往復と、週に二十六往復ということが民間機の利用状況でございます。なお、その使用状況でございますが、現在、八月の統計をとってみましたところが、民間が二千三百六十九回離発着、それから軍用が三千六百七十五ぐらいでございます。これを一日平均いたしますと、民間が七十六離発着、軍用が百十九離発着でございます。 そこで那覇空港の滑走路の、いわゆる能力と申しますか、どのくらいこなせるかという問題でございますが、まだそう厳密に詰めてございませんが、大体年間に十三万ないし十三万五千ぐらいではないかというふうに推定しております。そういたしますと、大体一日に三百六十回前後ということになります。そういたしますと、現在のとおりでございますと、使用能力から見ましてさほど問題はないというふうに考えております。
○森中守義君 まあこれで大体わかってきましたが、五十年の海洋博、これなども運用計画としてにらんでおく必要があると思う。むろん、その間には幾つかの情勢の変化等もありましょう。しかし、いま言われる民間の社名、国際線等々、これはふえはしても少くならぬのじゃないか。たとえばカナダと中国の定期便が始まる、あるいは米中の定期便が始まる、日中の定期便が始まる。沖繩経由というコースも当然生まれてくると思いますね。したがって、こういうことを計算していけば、国際線などは増便になっても減便ということは考えられない。ということになると、いまの滑走路の機能、能力からいって、さて海洋博等で間に合うかどうか、しかと数字的には固めた話じゃないと思いますが、まあ私の手元に寄せられている海洋博への一つの想定としては、大体百万から百五十万ぐらいは沖繩に送り込むのではないか、こういうことが言われている。こういうことになりますと、いま局長が言われるように、おそらく米軍は時間……、これもあとでお尋ねいたしますが、時間の問題だと、ぜひそうしたい。しかし、自衛隊は一体どういうことになるのか、一つの問題だと思いますね。ちょうど沖繩返還協定の審議の際に、前の江崎当時の防衛庁長官がこういう答弁をしている。那覇空港を民間と自衛隊の共用ということは問題があると、まあいずれ考慮せざるを得ないだろう。言ってしまえば、自衛隊は別にどこか考えたい、那覇空港は完全に民間空港にしておきたい。こういうことを言っている。しかし、これは新聞の談話等からいけば、つまり江崎防衛庁長官が代議士という政治家的な感触からそういうものを言ったに過ぎない。具体的に防衛庁、自衛隊が沖繩の航空自衛隊あるいは海上自衛隊のために、別途、空港を用意するという計画もなければ意思もない。ただ、あるいは普天間にいま使われている米軍の海兵隊、この基地が五十年段階では返還をされるであろう、それをにらみながら自衛隊はそこに移ってもらう。まあこういう一つの図表、図式が考えられる。けれども、江崎長官がそのことを念頭に置きながらの答弁であったかどうかはわからない。けれども、政治家的な感触としてものを言ったのだろう。まあこういう実は解説の記事も新聞には出ておりますね。ですから、私は、さっき局長が言われるような現在の二千五百五十メートル一本の滑走路で、しかも海洋博があるという特殊の時期等もにらんでいくとするならば、すみやかに米軍の立ちのき、自衛隊の立ちのき、当然運輸大臣の管理下に置かれているわけですから、自衛隊との共用等がこれは存在するにしても、実際問題としては排他性を強めていく必要があるんではないか、まあこう思うのですが、航空局長としてはどういうお考えですか。
○説明員(内村信行君) 確かにその需要はふえてまいりますし、昭和五十年度開催目途の海洋博を考えますと相当な需要になると思います。そこで通産省の予測によりますと、大体一日に一万人ぐらいの需要ではないかと、これはまあ本土間と国際線の話でございます。それからそのほかに、いわゆる先ほど申し上げました島内路線がございます。そこでこういった一日一万人ぐらい需要をさばくためには、やはり現状のような小型の飛行機だけでは無理でございます。これはやはりジャンボクラス——これはいまジャンボは行っておりますけれども、あるいはそういったような大型機に変えてまいる、まあ日航、全日空におきましても昭和四十九年度ぐらいから大型機を就航さしたい、こういうふうな国内幹線の考え方を持っておりますが、これは可能かと思いますが、そういうふうな大型化をいたしますことによって相当節約ができる。そういたしますと、大体先ほど申し上げました能力の大体三分の一あるいはそれ以上になるかもわかりません、その程度は大体民航のほうでさばけるだろうというふうな大体の感じでございます。したがいまして、それの余裕の部分、これはまあ自衛隊のほうでお使いくださってもそれほど多くなければまあまあこなせるんではないかと、こう思っております。 また機数だけではなくて場所の問題がございます。これは新しくターミナルを建てるためには、相当中央部分というものを確保いたしましてやらなければなりません。そういうことでございますので、そういった問題、ああいった問題考えますと、私どもといたしましては、やはりこれが純粋な民間空港といたしまして民航専用に使うということが最も望ましいと考えております。先ほど先生お話しになりました構想というものがもし実現するならば、私どもとしてはそれにこしたことはないというふうに考えます。
○森中守義君 まあ大体概念としては了承いたしますが、ちょっといま海洋博等をにらみながらの空港の運営状態に対する見解が少し甘いようであります。しかし、これからが努力でもありますし、また私ども国会としても注目に値する時期に入りますからね。 そこでこれは一連の返還協定の関連事項として米軍はいつまでに撤退するという約束になっておりましたか。P3が残っている……。
○説明員(松田慶文君) お答え申し上げます。 昨年返還協定を米側と交渉いたしました段階では、復帰前に日本側が所要の措置を講じて那覇空港から一切の米軍機を移転してもらい、完全な意味で日本側の管理する飛行場にいたしたいということでるる交渉いたしましたことは御承知のとおりであり、日米間では原則的な合意は成立いたしました。しかしながら、本年春、主といたしまして日本側内部の予算上の措置がおくれまして、暫定予算その他の関係がこれあり、復帰までに所要の措置がなし得なかったことも当時るる御説明申し上げたとおりでございます。この結果、心ならずも、復帰に際しまして米軍とP3その他の海兵隊機等若干が日本側の段取りがとれまして、所要の代替施設の整備ができますまでという条件つき、いわば暫定的な残留ということで、那覇空港の一部に残ることを日本政府として認めた次第でございます。したがいまして、その際の、いつまでという条件は、日本側が所要の措置を講じた段階、講じ得る段階までという条件となっております。
○森中守義君 いまの保障課長のその御答弁は、両院を通じて返還協定の審査の際に、当時の佐藤総理は、空港返還はこれは一つの目玉商品だと、こういうふうに胸を張っていたわけです。だから当時、沖繩問題に取り組んだ私どもとしては、いまなおP3が残っている、どうしても合点がいかない、しかもいまお話によれば、国内上のいわゆる予算上の措置等で十二分にその対応策がとれなかった、こういうことのようですがね。他面私どもの耳に入ってくるのは、海兵隊あたりが拒んでいる、こういう話も聞いております。それとこれはちょっと古い新聞記事だけれども、ことしの一月十日、読売の記事ですよ。P3が普天間に移って行く、普天間の130ハーキュリーズが、これが逆に今度は岩国に来る、岩国にいるP3が三沢に行く、こういう記事が出ている。これらの問題が一連の背景になりながら、本土の沖繩化ではないのか、こういう実は大きな問題になったことがある。しかし、この記事は予見をした記事であったろうけれども、実際問題としては普天間の海兵隊が拒んでいるために依然として那覇の空港に残っているというように私は考える。予算上の措置であったとするならばこれは政府の責任。しかし、当時佐藤総理あるいは福田外務大臣等々が、口をきわめて那覇空港の全面返還ということは返還協定の目玉である、こういう認識を私ども持っていただけに、しかも先ほど航空局長からお話があったように、かなり那覇空港というのは重要な空港ですよ。いまこの状態として見る場合に、二種空港でいいかどうか、むしろ私は一種空港、国際空港にすべき性質のものだ、そのくらいの重要性がある、こういうように見ている。そこへ間もなく自衛隊が入る、P3が依然として居すわるということになれば、返還協定の趣旨、その精神、当時国会における返還協定に関する約束事というのは一体どうなったのかということで、政府の責任は非常に大きいですよ、これは。一体国内の予算上の措置としておくれている、それがまともな話なのか、あるいは私の耳に入っている海兵隊が拒んでいるということがほんとうなのか、可能な限りひとつ課長からもう一回お答えいただきたい。
○説明員(松田慶文君) 御説明申し上げます。 私が先ほど予算上の措置もこれありと申し上げましたのは、前々からお約束申し上げていたとおりの復帰前の完全撤去ということが不可能となった事由として御説明申し上げたわけであります。しかしながら、復帰を五月十五日に迎えましておよそ半年たちました現在、なおP3その他が残留しておりますことについては各方面からおしかりを受けております。したがいまして、その間の事情を若干御説明申し上げたいと思います。 復帰に際しましてP3及びその他の海軍機の残留は認めざるを得ませんでしたが、この間の事情は、先ほど申し上げましたとおり、もっぱらわがほうの事情に基づくものでございます。しかしながら、那覇空港は、御承知のとおり運輸省の管理する空港として日本側の手に渡り、飛行場の管理も航空管制もわがほうの手でやっております。その意味では、政府といたしましては完全ではなかったが返還は一応なし得たと予解しております。他方この半年間ものごとが進んでおりません事情を率直に申し上げますと数点あろうかと思います。 第一点は、予算もその後お認めいただきまして所要の措置を講じ得る体制をおつくりいただいたのでありますが、ただいま御指摘のとおり、那覇空港のP3は普天間へ移動させる、また一部の海軍機は嘉手納へ移動させるということがこの計画の根本となっております。ところがその計画を実施するにあたりましては、ただいま先生御指摘の新聞記事とほぼ同一でございますけれども、普天間の許容量から申しまして、普天間に現在おります十二機でございましたかのKC130という輸送機を岩国へ持っていかなければP3を受け入れることができない。また岩国にKC130、これは海兵隊の所属機でございますけれども、受け入れるならば、同飛行場の過密の状況から申しまして、たまたまそこに同居しております別のP3を三沢へ持っていかなければならないというのが米側の計画ないしは考え方でございます。これに対しまして、政府といたしましては、第一義的には普天間の飛行場の所在地である宜野湾市、これは地元でございますが、そちらの方々との調整を第一にお願いしなくてはなりません。政府といたしましては、那覇空港が沖繩の表玄関ということになることにかんがみまして、米軍機を普天間へ持っていきたいということにいたしたかったんでございますが、地元にはきわめて強固な反対がございました。それも復帰まぎわになりまして、いよいよP3が普天間に行くということがきまりまして、その後反対の声をちょうだいしたわけでございます。また岩国、三沢もそれぞれそのように、何といいますか、新聞は玉つきと称しておりましたけれども、このような事象が起こるのでは、それぞれ現地の事情もあるから、十分諸般の面で調整してくれないと困るというお申し出もございました。そのように那覇空港のお約束どおりの完全返還を実施するにあたりましては、三カ所の地元のそれぞれの御関係の向き向きと政府としては御調整申し上げて、御理解を得た上でやりたいと、御指摘のとおり、このような結果になることは、一部に本土の沖繩化という御批評を承りましたけれども、政府といたしましては、沖繩の開発のためと、百万の沖繩の県民の負担を軽減するためには、結果的に一部本土にものごとの波及があっても、日本本土全体として沖繩の、何といいますか、負担軽減を受けとめるのは一つの筋ではなかろうかと考えた次第でございますけれども、何はともあれ、その第一の入り口と申しますか、第一に工事を着手すべき普天間の地元、宜野湾市におきまする反対がきわめて強うございますので、政府といたしましては、こういう地元の御意見を無視して仕事をやればいいという態度はとり得ず、現在に至った次第でございます。 なお、お許しがいただければ、政府はこういう現状を踏まえて、いま何を考えているかを御報告申し上げたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。——政府は、何とか関係者各位との円満なお話し合いを通じて、一つには公約申し上げたことの実行をはかりたい。一つには予算をちょうだいしたことの責任を全うしたい。もう一つには関係地元の御満足のいくような必要措置を講じたいと多々腐心してまいりました。しかしながら、時の経過とともに、先ほどから先生御指摘のとおり、海洋博の開催まであと二年有余を残すのみとなり、運輸省からも那覇空港整備のためにはP3の問題を含む那覇空港の処置について、早急な決断と実行が必要であるというお申し出をいただきました。これを受けました大平外務大臣は、種々勘案の結果、先般の海洋博関係閣僚協議会におきまして本件を提起され、政府が従来の公約どおりの案を実行するとなると波及するところきわめて大であって、それを強行するのも一つの問題ではあろう、しかし約束したことであるから、やるならばやるで、決意の上、関係の御了承を得てやらなければならないが、あるいはかなりの時間を要するかもしれない、他方海洋博には時間の制約がある、このように二つの要件を前にして、政府としてはいつまでも思いあぐねて考えているだけではいけないのではないか、多少の困難があっても、無理をしてもやるべきことはやるのか、あるいはそれを早く決意して何らかの現実的な措置を講じて、海洋博実施のための空港整備、なかんずくターミナルビル建設ということをやらなければならないのかどうか、この決断を政府としては早急にしなくてはならない、その意味で事務当局に検討させたいという趣旨の御発言をされまして、私どもも御指示を得た次第でございます。その後外国に出張されましたので、まだ具体的に仕事は進んでおりませんが、私どもといたしましては外務大臣の意を体しまして、事務的にこれら諸般の考慮を含めまして検討を鋭意ただいま進めている段階でございます。
○森中守義君 いまの課長の説明で一通り経過はわかりました。そこで、決断ということをしきりに強調されるんだが、なるほどあっちもうまいように、こっちもうまいようにという、なかなかこれはうまいぐあいにいかない。さあ来てくださいというようなそういうたぐいのものじゃありませんよ、これは。しかもところてん式に……。いま私は嘉手納ということは初めて聞いた、一部を嘉手納に移すということは。元来嘉手納は全然考慮されていなかった、私の記憶では。嘉手納はそのままにして、那覇から普天間に、普天間から岩国へ、岩国から三沢へ、こういうことをアメリカ側では言っておったと聞いておる。新聞もそういうように伝えていましたね。ところがどちらであるにせよ、さあいらっしゃいという筋合いのものではない。であるならば、いかに那覇空港のターミナルの大きいものをつくろうと、どうしようと、返還協定の趣旨には沿いませんよ、P3を那覇空港に置く限り。これは私は筋論だと思う。しかも実態的な運用論でもある。そこで決断をするというならば、すみやかにP3を、あるいはKC130を日本から去ってもらう、これが決断じゃないですか。しかもさっき御指摘があったように、那覇空港は運輸大臣の所管に移っているわけだから、そういう意味ではこの運輸委員会というものは重視します。たとえ外交上の問題であろうと、防衛上の問題であろうと、運輸大臣の所管に移った以上、所管をするこの委員会としては、諸般の理由、諸般の釈明というものは理由にならない。これはひとつ私の固有の意見としてぜひ大臣にお伝えいただきたい。 そこで、じゃどうするかという問題、ことにKC130を岩国に移すという、こういう問題となれば、これは新たな角度から猛然と反対の火の手が起こりますよ。いま那覇、それからあとアジアで二カ所、大体三カ所がKC130の所在地になっているようです。これが事実上戦闘機への給油行為をやっているわけですから、そうなると、日本本土が事実上の戦争に加担をする、こういう非難を受けてもやむを得ないと思うのですね。しかし、それは内閣委員会あるいは予算委員会等の別な機会に譲ることにして、とにかくこの那覇空港の問題はいま言われるような決断では返還協定の趣旨に沿いません。すみやかにP3はどこなりと立ち去ってもらう、これがいまないと思うのだが、どうしますか。経過としてはわかるけれども。
○説明員(松田慶文君) 先に事実関係を二、三点申し上げさせていただきまして、あと再度お尋ねの点に答弁させていただきます。 嘉手納に一部、P3以外の、復帰前から現在にかけておりまする若干の海軍機等を嘉手納に持っていきます点は、六十八通常国会を通じまして御説明申し上げまして、それを踏まえて予算をお認めいただいた中身も総計約百三十六億のうち二十七億が普天間経費、十一億が嘉手納経費というふうに御説明申し上げて御了承いただいた次第でございます。なお普天間におりますKC130は海兵隊の所属の輸送機でございます。これはこのかいわいでは、嘉手納ではございません。普天間だけにおりまして、もっぱら岩国の海兵隊航空基地と普天間の海兵隊航空基地との間の物資輸送を主たる任務としております。これはKC、つまり給油能力を持っておりますが、C130ハーキューリーズの改造型でございまして、機内に円筒型の着脱式油槽を積み込むことができて、油を運ぶときにはタンクに入れて積み込む、通常物資を運ぶときはタンクをはずしまして通常の輸送機として使う。もっぱら岩国と普天間という、わが国にあります二つの海兵隊基地の間の往復を主たる任務とし、あわせてその他の給油も行なっております。ただいま先生が御指摘のアジアにおける長距離給油機は、これはKC135、戦略空軍の所属機でございまして、これは海兵隊とは全く関係のない飛行機でございます。 以上事実関係の説明を先にさせていただきましたが、最後のお尋ねの、ではどうするかというお尋ねでございましたが、率直に申し上げまして、これは返還協定当時における政府の国民各位への公約、政府の姿勢の表示ということと直結する問題であることは御指摘のとおりでありまして、きわめて高度の政治判断のもとに、右せんか左せんかおきめいただくべき性質のものではなかろうかと、その趣旨から、私どもも大臣から事務的に諸般の面を検討するようにとの指示は受けておりますが、これらの諸般のデータを踏まえまして内閣として最終的な御判断をなさるべき筋合いのものではなかろうかと考えております。
○森中守義君 そうすると、これは大臣来てくれというのに課長来たので、答えにならぬわけだ、それでは。経過の説明を求めるための実は質問じゃない。おのずから留保せざるを得ません。けれども、返還協定の最大の目玉と言われたこの問題が、たとえ国内の事情であろうと——まあ国内というより政府の事情ですね。そういうことのためにここまで停滞をしているというこの事実、別に私は食言とは言わないけれども、少なくとも返還協定を審議する際に目玉だ、商品だと、こう言っておきながら、どこまで延々と引き延ばされている。しかもさっき申し上げるように、いまや二種空港として見るべきであるか。実態としては一種国際空港と見るべき那覇空港に、やがて自衛隊機もいる、米軍機もいる。これで安全性がはたして保たれるかどうか、実態論としてはね。また返還協定という騒然としたあの状態の延長として考えるならば、まさしくこれは国民に対する欺瞞ですよ。その責任は大きい。まあこれは課長に私は文句を言ってもしようがないけれども、さっき言うように、いずれ予算委員会なり、あるいは内閣委員会等でも当然こういう問題は一度整理しなくてはならぬ。けれどもいまは那覇空港の運用の問題として問題を提起していますから、そういうことにやや限定して言いますけれども、一日も早く那覇空港はきちんとしてもらいたい。これは課長から答弁を取ろうということが無理なんで答弁要りませんけれども、しかしきょう大臣がいないのは、はなはだ遺憾です。 それと、さっき言われる管制は全部日本に移ったと、こう言っているけれども、これはだいぶ事実と違うのじゃないか。航空局長どうですか。米軍がやっているじゃないか。
○説明員(内村信行君) 補足して御説明いたします。 沖繩における管制は、那覇における飛行場の管制と、それから沖繩のセンターにおける航空路管制と両方ございます。那覇の飛行場の管制はわが方に移管されました心センターにおける航空路管制はまだ米軍がやっているということが実情でございます。
○森中守義君 ちょっとその辺が実務的なあれでよくわかりませんが、那覇空港はわが国がやる。それはあれですか、たとえばさっきから問題になっておるP3が動くという場合もわが国でやるのですか。それと自衛隊はどうなんですか。
○説明員(内村信行君) ことばが足りませんで、もう少し詳細に御説明申し上げます。 航空交通管制にはいわゆる航空路を管制しております航空路管制、これはつまり本土では東京管制部とか福岡管制部あるいは北海道の札幌管制部、この三カ所でやっておるものと同様の質のものでございます。これをいま沖繩の嘉手納におきまして米軍が従来からやっておりましたけれど、それは私どもの準備が整うまでの間、暫定的に米軍が現在やっております。それから那覇における飛行場の管制、これは米軍から私どもに移りました。したがいまして、那覇における那覇空港の飛行場管制は私どもでやっておりますので、那覇空港を利用して離着陸いたします米軍機といえども、あるいは自衛隊機といえども、私どもの管制に服するということが実情でございます。
○森中守義君 いま言われることは逆の場合もあるわけですね。わが国の民間機等々が米軍の管制に従うということもあり得るということになりますか。
○説明員(内村信行君) 航空路におきましては米軍の管制が行なわれておるわけでございます。 それから、もう一つ落としましたけれども、もう一つ飛行場に入ってまいります進入管制というのがございます。これは嘉手納行場に入ってまいります場合も、それから那覇空港に入ってまいります場合にも、それぞれ進入管制というものがございます。これは飛行場の管制の外側にあるものというふうに御承知おきいただければけっこうでございますが、これにつきましては那覇と嘉手納との距離が近いものでございますから、これを一括して一本で進入管制をやっておるということでございます。これにつきましても現在は米軍が那覇と、それから嘉手納との両方の空港の進入管制をいわゆるコモン——共通にやっております。これもこちらの準備が整えばわがほうに移管されるということになっております。
○森中守義君 まあその辺はわが国の準備が十分でないという、まあそういう状態もわかりますけれども、これは少し理屈を言えば、米軍によって管制が行なわれておる、態様は、それぞれ分離した場合ね。しかし、そのことを少し理詰めで考えていけば、明らかに憲法六十五条違反ですよ、これは。「行政権は、内閣に属する。」と、こう言っているわけだから、それを管制という一種の行政権をアメリカ側に移譲しているわけでない。だからこれは安保条約あるいは地位協定を受けているとはいいながら、つまりこの管制業務の合意事項それ自体が間違い。これはひとつ外務省のほうでも一ぺん検討してくださいよ。明らかにこれは行政権を移譲したようなかっこうになる。だから違憲ですよ。ただし実態としてはわが国が管制上の諸般の準備が整わないからいたしかたないという、まあそういう便宜上のこととして理解しておきますけれどもね。理屈から言うならば行政権の移譲である、憲法六十五条違反ということに私は相なろうかと思う。 まあそこで、いま那覇の問題、これに関連をする岩国及び三沢、ことに三沢の問題等は、いま自衛隊が使っているようですけれども、完全に米軍の手から管理は自衛隊に移っているんですか。防衛庁どうですか。
○説明員(伊藤参午君) お答え申し上げます。 米軍の三沢飛行場につきましては、現在航空自衛隊の86F飛行隊一隊を配置しております。ただし配置状況につきましては、施設の状況では、米軍の提供基地を二条四項(a)によりまして、所要の滑走路、エプロン等を使用しております。なお、三沢基地は相当広大でございまして、残余の部分についてはなお米軍の専用基地等も残っております。なお飛行場の運用状態としましては現在航空交通管制は航空自衛隊の手によって行なっております。
○森中守義君 まあこれは韓国に出動したあとは一応日本側に返したという形になっているようだけれども、まだしかし、いま伊藤施設課長のお話だと、これは青森一帯、東北一帯が三沢はすみやかに民間に返してほしい、民間空港に変えると、こういう意見が非常に強い。そこで問題なのは、すでに米軍が用済み的な状態でありながら一部を管理している、そういう変則的な状態に置けばこそ、沖繩から岩国、岩国から三沢にと、こういう実は状態をつくり出す可能性が十分にあるわけだから、この際ひとつ合同委員会に持ち出していって、三沢空港の完全返還を要求したらどうですか。ただきょうは私もにわかじたてで質問をしておるし、呼んだ人たちもずっとあとになったものだから、課長さんたちでお茶を濁されたわけだ。したがって、どこまで聞いていいのか責任ある答弁も、課長の段階の答弁しかできないので、はなはだ残念です。また日を改めますが、一通りしかるべき責任者に合同委員会に持ち出せ、すみやかに返還を求めるという、こういう姿勢をとってほしいと思うんですが、どうでしょう。
○説明員(松田慶文君) 三沢飛行場につきましては、昨年三月までおりました米第五空軍のファントムを主力とする戦術航空部隊は韓国へ張り出しまして、ただいまそれらの飛行機はおりません。しかし施設区域としての三沢基地はいまなお米軍基地となっておりまして、その状態の上に所要の地位協定上の手続をとりまして、航空自衛隊等が現に使用しておるわけでございます。このような状況をさらに進めて、完全返還にというお話でございましたが、従来から三沢の扱いを含めまして、日米間でわが国における米軍基地の今後のあり方についてるる討議してまいりましたけれども、わが国の安全を確保し、そのために米軍を駐留させているわが国といたしましては、あの地域に有用な飛行場を一個米側の使用に供し得る形で残しておくことが、安全確保のためにどうしても必要であるという認識のもとに、現在のような手だてをとっておる次第でございます。しかしながら、御要望のむきはさっそく上司へ、先生の意をお伝えいたします。
○森中守義君 これはわが国の安全という立場というお説は、必ずしもいただきかねる。それが全体の意思というように思われては迷惑しますよ。とにかく遊んでるんですよ。地位協定をたてにとって、必要だから握っておる、必要だから返さないということを、そのまま聞いておったらたいへんですよ。それと、そういうものを含めながら、国内における基地問題の整理をしたいと、こう言われるけれども、早くもこれは十年経過しておる、そういう話が出てから。何か国会でむずかしく政府の追及が始まると思い出したように一つ返している。あるいは半分返す。こういうようなことで、言わなければじっとそのままやっておくという政府の姿勢も問題ですよ。アメリカの姿勢も問題だ。はたして三沢が必要であるかどうか。そのような基地あたりがどういうことになっているか、これをいま少しくリストを正確に点検をしながら、不要不急、しかも地位協定を理由に何もかにも必要だと言われるのじゃたまったものではありません。ことに私がいま三沢を問題にしているのは、青森県の中で、空港の地点の設定に非常にいま難儀をしております。八戸、三沢、現有の青森空港、この三つのうちのどれを青森空港にするのか、そういう地元のたいへんな問題がある、なかなかいい場所がないんですよ。しかも、いいところをとっている。それを完全に返還をされるならば、第二次空港整備計画の中からたくさんの金を出して新しい空港をつくる必要はない。三沢を返してもらうことはどのくらい国益に忠実であるか、こういう実はことなんです。いま使っていないわけなんですから返してもらいなさい。地位協定の中には不要不急であるけれども、アメリカが握るんだという条項はどこにもない。しかし、その認定、その判断をアメリカ側に一方的に専断されたんじゃかないません。いま少しく積極的に日本みずからが返還を求める時期にきていますよ。これは加藤政務次官、政府の一員としてどう思いますか。しかも航空関係を扱う運輸政務次官として黙ってほうっておける筋合いのものではない。だいぶ勇ましい政務次官のようだから、その勇ましさをそっちへ向けてみたらどうですか。
○説明員(加藤六月君) 運輸省としましてはいま先生がおっしゃいましたように、既設飛行場の効率的利用という観点等から、三沢飛行場の民間利用というものを促進したいという考えを持つのは、これは当然のことでございますけれども、その返還ということにつきましては、政府部内においてなお十分に検討してもらいたい、こういう意向を持っておるということを表明させていただきます。
○森中守義君 元気ないね。してもらいたいという、そういう希望意見じゃだめですよ、あなた政務次官だから。これは閣議でも次官会議でも出ていって、ときには防衛庁と四つ組みになってもやりなさいよ。いつまで運輸政務次官でおられるのかしらないけれども、これはやっぱり一つの仕事ですよ、功績を残しなさい。国鉄運賃なんてよからぬことを考えないで、そっちのほうをやるべきですよ。これは特に注文をつけておきます。 自動車局長、この前から私が問題にしていた霊柩車、これは何かの方法で歯どめしてもらったつもりなんだけれども、確信をもって将来そういうことが歯どめになるという保障がありますか。
○説明員(小林正興君) 八月の国会で、森中先生から軽自動車が届け出制になったために、それをいわば奇貨として各地に軽自動車を用いた霊柩が非常にふえてきている、一つの問題は新しく軽自動車で霊柩を営むものが、あたかも役所の認可を得てそうしてやるようになったんだと、一般に非常に誤認するような宣伝方式を用いておる、あるいは誇大広告をやっておるというような点が一つございました。この点については、もちろん届け出制でございますから、役所が認可その他で関与することはあり得ないわけでして、間違えた宣伝、広告というようなものがあるとすれば、これは非常に遺憾なことでございますから、そういったものがないような指導通達をいたすと、これについては国会の直後、直ちに通達の措置をいたしております。 それから次の第二点は、先生の御指摘は、軽自動車は形が非常に小さいので、特に片側霊柩、片側付き添い人というような場合に、非常に左右の荷重状態が変わってくるというようなことで、これが安全に影響があるのではないかという御指摘でございました。この点と、それからもう一つの第三点といたしましては、新たに軽自動車で霊柩事業を営むものが、非常にまあ暴利とも言えるような運賃を取っておる、こういったことについて措置できないかと、こういう御指摘であったと思います。で、この安全の観点と、それから軽自動車を用いた霊柩事業者が、たとえば運賃で非常に暴利を取るというような、この点につきまして、その後、先生の御示唆もございましたが、全国の陸運局長を集め、部内においても鋭意検討をいたしました結果、先般、この二点についての運輸省の考え方をきめまして、これを現地の陸運局長に通達したわけでございます。 まず、第一点の安全の観点につきましては、現在軽自動車自体につきましては車両検査が行なわれ得ないわけでございます。先般の国会で道路運送車両法が改正になりまして、来年の四十八年十月から車両検査を行ないます。したがいまして、改造車につきましてもこれを役所が法的にチェックし得ることが可能となるわけでございますが、現時点におきましても、御指摘のような安全性について疑いがありとすれば、これは問題であるから、来年の十月を待たないでそういった点について審査をいたすということが安全の問題でございます。 それから二番目の、軽自動車を用いて霊柩事業を営むものが、免許制がはずれたからといって暴利をむさぼるというようなことにつきましては、現在自由営業にはなったわけでございますけれども、準用規定がございまして、安全の面あるいは公衆の利便を著しく阻害するというようなことにつきましては禁止の規定がございますので、一般の自動車運送事業に対する規定を準用いたしておりますので、その規定に基づきまして、新たに届け出られた軽自動車を用いた霊柩事業者が、先生御指摘のような、不適正な運営がないように指導監督をいたすと、こういう二本立ての通達をいたしたわけでございます。その後はその通達に基づいて現在各陸運局において届け出を受理する事務が行なわれると思いますが、その通達の線に沿って処理されておるというふうに考えております。
○森中守義君 あのときに行管も、許認可整理法の問題なので、事志と違ったという行管局長の説明もあったでしょう。それならば結果が実態としてどうなのか、特別監察やってみないかということで、行管は特監をやったようです。その答えがそろそろ出る時期にきていると思うんですが、何かお聞きになっておりますか。
○説明員(小林正興君) 行管が当時先生の御指摘で特別監察等をやるということも聞いておりますし、さらにその後、現在調査を進めておられて、かなり調査結果もまとまりつつあるというふうに聞いておりますが、監察結果あるいはそれに対する行管の所見等についてはまだ内容については承知いたしておりません。
○森中守義君 これはその間に二、三回いろいろと意見も聞いておりますから、よっては、行管の結果が出た段階でどういう措置を講ずるか真剣に考えていただきたいし、またそのときに私も意見を述べることにいたします。 それから官房参事官、そろそろ予算の詰めにきたような時期でもあるし、次の臨時国会もしくは通常国会に運輸省が提案をしようとする法案の構想はどういうものですか。まとまっておりますか。
○説明員(斎藤英夫君) 次の国会に提案を予定いたしております法案につきましては目下省内で検討中でございます。まだここで御説明申し上げる段階までには至っておりません。
○森中守義君 もちろん予算法案もだいぶあるだろうし、一がいに言えないだろうが、大体件数からいって何件くらい予定しておりますか。
○説明員(斎藤英夫君) 十五、六件程度と考えられます。 —————————————
○理事(鬼丸勝之君) この際、委員の異動について御報告いたします。 稲嶺一郎君が委員を辞任され、その補欠として初村瀧一郎君が選任されました。 —————————————
○理事(鬼丸勝之君) 質疑を続けます。田渕君。
○田渕哲也君 初めに航空問題についてお伺いをしたいと思いますけれども、すでに森中委員も触れられておりますので、できる限り重複を避けて簡単に行ないたいと思います。 日中共同声明によりまして日中間の航空協定の締結が進められるということがきめられましたけれども、日中航空協定締結交渉についての今後の見通し及び問題点についてお伺いをいたします。
○説明員(加藤六月君) 先ほど森中先生のときにもお答え申し上げました次第でございますが、共同声明第九項に基づきまして、できるだけ早く日中定期航空路を開設しなくちゃならないと思っております。したがいまして、外務省とも十分に打ち合わせを行なった上で早急に航空協定締結交渉を開始したいと考えておる次第でございますが、航空協定締結までの見通しにつきましては、目下のところ明らかではないわけでございますが、いずれにしましても、日中航空協定というのは、将来長く日中航空関係の基礎をなすものでございますから、慎重に対処していきたい所存でございます。
○田渕哲也君 その場合いろいろな問題点があると思うんですが、もうすでに乗り入れ会社、特に、具体的にいえば日本航空と全日空がこの日中路線に乗り入れようということで火花を散らしておるというのが新聞等でも報ぜられております。したがって、どの会社を選定するか、これはもちろん日本政府が決定するということになろうかと思いますけれども、いまのところ、具体的にもちろんきまってはいないと思いますけれども、選定の基準といいますか、要件というか、基本的な原則というものがなければならないと思います。この点について、どうお考えなのかをお伺いしたいと思います。
○説明員(加藤六月君) 先ほど、同じく森中先生に、航空局長が御答弁いたしたわけでございますが、中国に乗り入れる航空企業をきめる場合には、昭和四十五年十一月二十日の閣議了解及び四十七年七月一日の大臣通達に基づいて行なわれるわけでございます。 もう一ぺん申し上げますと、昭和四十五年十一月二十日の航空企業の運営体制に関する閣議了解というものの中に、一つ、「国際定期航空については、原則として、日本航空が一元的に運営する。」、二、「近距離国際チャーター航空については、日本航空と全日本空輸の提携のもとに、余裕機材を活用し、わが国国際航空の積取比率の向上に資する。」ようにつとめるということにされておるわけでございます。また、四十七年七月一日の航空企業の運営体制に関する大臣通達は、以上の閣議了解の範囲内においての今後の方針を示したものでありますが、この中では、一つ、日本航空は「国内幹線および国際線の運営を行なうものとするが、今後一層国際線運営の充実につとめる」、二つ、全日本空輸は、「国内幹線およびローカル線の運営にその主力を注ぐとともに、逐次近距離国際チャーターの充実を図る。」、こういうふうにされておるわけでございます。 したがいまして、現在のところは、以上の考えに従い対処していく方針でございます。また、中国との航空交渉その他を見きわめつつ妥当な処置をしていきたい、こう考えておる次第でございます。
○田渕哲也君 四十五年十一月の閣議了解、さらには本年七月の大臣通達によりますと、国際路線のあり方について、一元論、日本航空が一元的にやるのが原則だという精神に貫かれておるように感じます。この国際路線のあり方について、一元論がいいのか、あるいは二社で競合したほうがいいのか、いろいろ論議が行なわれておりますけれども、これについて、これはまあ一般論ですね、一般的に、基本的に政府はどういうお考えを持っておるか、お伺いをしたい。また、その利害得失などあればお答えいただきたいと思います。
○説明員(加藤六月君) 先生がいまおっしゃいましたいろいろな議論を政府部内において重ねた上、四十五年十一月二十日の閣議了解並びに四十七年七月一日の大臣通達ということになっておるわけでございますので、先ほど申し上げました線がわれわれのはっきりした線であるというように御理解いただければありがたいと思うんです。 なお、具体的な利害得失につきましては、必要あれば航空局長のほうからお答えいたさせたいと思います。
○説明員(内村信行君) まあ利害得失もいろいろあるかと思いますけれども、一番大きなものは、一社に運営させると、この利点といたしましては、やはり強力に政府がバックアップしていく。そこで、国際航空路線を延ばします際には、やはりペイする路線もありますしペイしない路線もある。ペイしないけれどもやはり国全体から見ては必要な路線もある。そういうふうなことを考えますと、強力な一社にやらせるということが一つの特色かと思います。特徴といいますか、長所かと思います。しかし反面、ややともすると独占の弊におちいりやすいというのがやはり反面のマイナスではないか。したがいまして、先般の閣議了解の際にも、「国際定期航空については、原則として、日本航空が一元的に運営する。」とありますものの、さらにそれにつけ加えまして、「この場合、特に独占運営の弊が生ずることのないよう自戒するとともに、国民的要請に応えうる体制の確立に努める。」ということがあわせて述べられているわけでございます。 大きな点はそういうことかと思います。
○田渕哲也君 そうすると、政府のいまの現時点における見解も、原則として一元的に運営するのが望ましい、そう解釈していいわけですね。
○説明員(加藤六月君) そのとおりでございます。
○田渕哲也君 私は一つ要望申し上げたいんですけれども、航空路線の問題に、往々にしていろいろ政治的に動きがあるということを聞いておるわけです。ところが航空行政というものは、そのときどきのそれぞれの会社の利害に応じて政治的に動いてものを決定するということは、長期的な政策を誤るものではないか。したがって、あくまでも、どうあるべきかという原則を先に立てて、それに従ってそれぞれの会社の路線の選定を行なうというのが基本ではないかと思うんです。 四十七年七月のこの大臣通達、これは四十五年の閣議了解の範囲内だということが言われますけれども、しかし問題点がたくさん私はあろうかと思うんです。これは本論からそれますけれども、このときも、ちょうど内閣がかわるまぎわにこの大臣通達が非常に突然として出されたように聞いております。したがいまして、私は、こういう一つの方針をきめる場合には、できるならばこの運輸委員会にもはかっていただいて——これは行政権の範囲内ですから運輸委員会の決定が要るということではございませんけれども、いろいろ意見も聞いていただいて、基本的な路線というものをきめていただきたい。それで、あとのそれぞれの具体的な決定は、その路線に基づいてやる、こういう原則を確立しないと、やはり、その路線にからむいろいろな政治的な動きによって原則が曲げられるおそれがある。特にこの点次官に要望申し上げたいと思うんです。
○説明員(加藤六月君) 私は、長期的構想のもとに行なわなくちゃならないし、また路線そのものが政治的な配慮によって左右されるようであってはならないと思います。また、先生がいま御指摘されました、四十五年十一月二十日の閣議了解と、四十七年七月一日の大臣通達というものの間に若干ズレがあるんではないかというような印象にとれる御質問がございましたが、私たちはその間にズレはないと、このように判断いたしておりますので、その点ひとつ誤解ないようにお願い申し上げたい、こう思う次第です。
○田渕哲也君 航空関係は以上で打ち切りたいと思います。 次に国鉄の問題に入りたいと思いますけれども、まず、先日の順法闘争の際に行なわれた労使交渉の内容についてお伺いをしたいと思います。 特にこれは、九月二十七日の労使の交渉で、処分の軽減について取りきめが行なわれたということを聞いておりますけれども、その内容を具体的にお話をいただきたいと思います。
○説明員(加賀谷徳治君) 先月の九月二十六日から二十七日の朝にかけてでございますが、直接には十月からの時刻改正にからんでの労働問題でいろいろ組合と最後の詰めをやっておったわけでございますが、その問題につきましては、ダイヤ改正に直接関連の問題は全部詰めが終わりまして、闘争指令が出ておったんですが、まあ闘争中止という形をとったわけでございまして、その際に、かねてから国鉄労使の間の過去一年の間の正常化というふうなことをいろいろ批判されておりまして、そういった問題について、平生の状態に返ろうではないかというふうなことでいろいろ話し合いをしていたことは事実でございますが、労使間の正常化によって、できるだけ、この春以来非常に連続してサボタージュ、順法闘争がなされたというような経緯からいたしましても、国民生活に対する影響というようなものが非常に大きいということもわれわれ痛感しておりますので、そういった基本的な労使の姿勢の問題について話し合おうということにしております。その話が、一応その先にちょうど国鉄百年の記念日といったようなものも控えておりましたので、大体その話も煮詰めようということになりまして、一つには昨年以来紛争が始まりまして、紛争対策委員会というものを特に持って、これは本社、本部間並びに各地方機関ごとにも持ってございますが、そこで問題の処理にあずかってきた。これにつきましては、特にそういうものがなくても、平生のいろいろな労働条件その他につきまして話し合いができるわけでございますので、こういった際に、そういったものがあって、何らかまだお互いにこだわりが生ずるということがあってはいかぬということで、まずこれはとにかく無条件でやめようという話が一つ。 それからもう一つは、処分問題につきまして、国鉄には処分の通告をいたしますと、弁明、弁護の機会を与える、それが済みましてから発令になるという制度がございます。これにつきましても、弁明、弁護そのものの過去における運用といいますか、そういった面を見ますと、本来の趣旨のとおりに運用されているかどうかというふうなこと、こういったようなことも労使の一つのしこりになるのじゃないかというようなことにつきましても根本的に話し合ってきておったわけでございますが、今度ことしの三月以来八月にかけて、特に四月の春闘、そういったもので約三万八千七百という大量の処分をしております。それからまた、昨年の春闘以来のものも多少まだ未発令のものが残っておるというような現状におきまして、両方、本来の趣旨をわきまえて弁明、弁護のそのルールに乗せて、結局処分のもとになっております事実問題、それについて組合員が積極的に事実の状態について進んで述べる、こちらも誠意を持って聞くというような姿勢ができますれば、しかもこれを早くとにかく解決するということ、つまり具体的には年内に全部解決しようというような話ができるということであれば、そのルールに乗せて、その間に事実問題のことを聞きまして、情状酌量できるというような余地のある者につきましては、管理局長がいいと判断すれば、処分の一段落としというようなことを考えてもいいわけです。これは新聞紙上なんかに伝えられておりますように、全部一律にそういうことをやるというのじゃなくて、よく事情を聞いた上で、情状酌量の余地があれば、そういった処置をとってもいいと、実情に即した処置をとってもいいじゃないかというようなこと、それが一つ、その二つでございます。 それからさらにもう一つは、国鉄には、御承知のように、毎年鉄道記念日を期しまして二十五年ないし三十年つとめた者に対する永年勤続的な功績賞という制度がございます。これも過去におきましていろいろな、これは労働問題に限りません、運転事故その他いろいろなことがございますが、何らかの処分を受けた者につきましては、当然二十五年でもらえる時期にきておる者でも延ばされるというような制度があるわけでございますが、これにつきましても、管理局長の判断によって、これならば——特にこの百年という非常にめでたい年でもあるわけでございますので、その記念日には、一応そういったいままでのルールの特例を設けてみんなで一緒にできるだけたくさんの人で祝えるようにしようじゃないかというような話が出まして、そういったようなことを踏まえて、一応とにかく平生に戻ろうという話をしたということが実情でございます。
○田渕哲也君 その弁明、弁護という制度があるわけで、それを通じて実情に即した措置をとる、事実を調べて情状酌量の余地のある者は軽減すると言われましたけれども、これは従来からそういうことはやってないわけですか。
○説明員(加賀谷徳治君) 従来ももちろんその弁明、弁護という制度は昔からあるわけでございまして、それに乗せた上でやっておるわけでございますが、いろいろな意味で、これは正しく運用されておるかどうかというようなことがいろいろ問題があったわけでございます。これは労使双方の間に反省することがある、だからそういったものについての基本的な話し合いをした結果、弁明、弁護という制度を、決してそういう本来の意味をはずれて運用すべきものじゃないというようなことで、これははっきり合意に達したとは言えませんが、そういうような気持ちの通じ合いといいますか、そういったようなことがありまして、それを通じて今回お互いに誠意を尽くして早く問題を解決しようという話になりましたわけで、従来もそういった段階におきまして、事実を聞きまして、これは情状酌量の余地がある、あるいは場合によっては、非常に数の中でございますから、間違いもあるというようなこともございまして、そういった場合には、率直に訂正するというような処置はとられております。
○田渕哲也君 私は、いまの説明だけではちょっとわからない面があるわけです。なぜならば、実情に即した措置をとって情状によって酌量するというのは、これは当然やられなければならないことです。ところが、今日たび重なる順法闘争の組合側の要求は、やっぱり処分の撤回が一つの目的だったと思うのですね。この交渉を契機に順法闘争を打ち切ったというのは、やはり当局が組合側の要求をいれて大幅に処分を軽減したからじゃないですか。ただ単に実情に即して情状酌量する余地のある者は負けてやろうというぐらいで組合がほこをおさめるとは考えられないわけです。新聞等によりますと、約九〇%が処分軽減の対象になる、しかも一段落としは、これは年内ぐらいに三万九千名の者を解決しようとするならば、ある程度機械的に処理しなければできないと思いますね。一つ一つ審査をして、実情に応じて情状酌量なんということをやっていたら、年内にこういうものが解決できるはずがない。私は、この表面にあらわれた確認書以外に、労使の間で何かの話し合いが行なわれたのではないかという気がするわけですけれども、この点はいかがでしょう。
○説明員(加賀谷徳治君) 紛争関係を解いて正常化に戻そうという話がもとになっての話でございまして、それだけでもあれでございますが、やはり弁明、弁護といったような制度が曲げられて今後運用されることのないような基本的な話なんかもした上で、そういった両方の話を勘案した上で、今回そういう措置をとったということでございますが、それは先生のおっしゃるように、そういう情状酌量の余地ある者については、軽減されるという形にはなるわけでございますが、決して処分を撤回するとか処分をなしにするというような形にはなっておらぬわけでございまして、いままでのこれも大きな問題だったのですが、そういったようなことが話し合われた。 それからまた、短い間に、これは先生おっしゃるとおりに、尋常な手段ではなかなかこなし得ないという面がございますが、これらにつきましても、たとえば書面で審査するとか、それからまとめてやるとか、いろいろなやり方がございまして、そういった組合側の協力方も了解を得ておるわけでございますが、それらによって、いままでと違って、むしろ、自分はこういう行動をした、こういうことをやったというような本人の実際の声といいますか、そういったようなものがかえってよく聞けるという形でもってやれるわけでございまして、できるだけそういった本年内にこなすということにつきましては、私どもはできるというふうに考えております。
○田渕哲也君 それから今度の妥結内容ですね。そのときの労使双方の約束で、労働組合は掲示板に掲示しない、口頭で伝えるというようなことも新聞紙上に伝えられております。これは事実ですか。
○説明員(加賀谷徳治君) この正常化にからんでいろいろ基本的な話し合いをした。したがって、賃金問題とか、あるいは合理化問題とか、そういったものと違いまして、まあいわばとったとかとられたとかという話は、基本的にはないということでございますので、まあ発表のしかたとしましては、こういう問題については、特に労使同じような発表のしかたをしてしかるべきなんで、そういうような話はしておったんですが、事実上いろんな意味で、いろんな面から新聞には漏れておりまして、いろんな書かれ方をしておる。非常に誤解を受けるような面もあったわけでございますが。それからもう一つは、国労、動労と、こういう話し合いをしていたということは、必ずしも国労、動労とだけこういう話し合いをしていたということではございませんで、当然全般の正常化の問題でございますから、鉄労、その他の組合についても前もって同じようなペースで話し合いをして、そうして話をまとめた、了解を得たということになっております。
○田渕哲也君 私は、ちょっとこれは不審に思うことがあるわけです。というのは、労使の話し合いの内容にまで一々第三者が立ち入る必要は私はないと思うんです。当事者同士で話し合って話がつくことはそれでけっこうだと思うんですけれども、今回の順法闘争の場合は国民が多大の迷惑をこうむっております。その原因が大量処分の発表が契機になっている。それで組合側は処分撤回を要求して、順法闘争に入った。そうして、大衆の足が奪われた。その結果どうなるかというのは、これはだれでも大衆は注目します。ところが、三万八千七百名の大量処分が九月十四日に発表されてわずか二週間足らずのうちに大幅にそれが軽減され、それでちょんになる。これは一体どういうことなんだということになるわけですね。それなら処分の発表そのものが、誤った処分を発表したから当局は組合にその軽減をして闘争を打ち切ってもらったのか、こういう見方もできるわけです。それならば、私は、これは国鉄というものはやっぱり国民に対して何らかの責任を負ってもらわぬと困ると思うんです。当局のほうが誤って大量の処分を発表して、それが契機になって国民に迷惑をかけたならば、組合とこそこそ話をして、その妥結内容も、これは公表されたものはきわめてあいまいな表現です。抽象的な表現です。こういうものでケリがつきますと言われても国民は納得できないと思うんですよ。あるいは当局の処分は間違ってないけれども、やはりストライキをこれ以上やられたらかなわぬからここらで手を打とうといって妥協されたのか、あるいは百年記念だから恩赦の意味を込めて軽減したのか、その辺はっきりしてもらいたいと思うんです。 それからもし当局側の責任で、誤った処分で大量処分をして、それが原因になってあのごたごたを起こしたならば、当局側は国民にも一言あやまってしかるべきではないか、こういう気がするわけですよ。私は前の委員会で、国鉄の問題はやっぱり国民不在の姿勢にあるということを申し上げました。私はこの労使の問題も、すべての問題が、国民、第三者が立ち入るべきだとは思いませんけれども、今回の順法闘争で国民は非常に大きな迷惑を受けているわけですから、その結果がどうしたということは、やっぱり知る権利があると思うんですね。それがこの抽象的な表現だけではよくわからない。この点、よく納得のいくような説明をいただきたいと思いますけれども。
○説明員(山田明吉君) おくれてまいりまして申しわけありませんが、加賀谷から御説明申し上げたと思いますけれども、概括的に国鉄の考えを申し上げますと、昨年来の労使の紛争、特にこの春以来からのいろいろな事案をめぐってのストライキ類似行為、その中にはいわゆる順法闘争も入っておりますが、これで非常に国民に御迷惑をかけておりまして、この委員会でも、またほかの機会でも、国民不在だという非難をずいぶん私ども伺っているわけでございます。それで私自身も非公式な話し合いをずいぶん持ちまして、それからまた事務当局と対応機関との、事務当局同士のいわゆる団体交渉というような形のものから、それから非公式な話し合いもずいぶん重ねてまいったわけでございます。たまたまこの十月が百年記念でございまして、われわれ労使とも、これ以上国民に迷惑をかけたら相すまぬじゃないかという気持ちが出てまいっていたと思います。処分の問題につきまして、発表してから旬日を出ないで、それが何か非常に大きな変更を来たして不可解だというようなお話でございますが、正直なところ、いままでのような一つのルール、力と力による処分、そのルールではこの事態の解決ができないということを考えまして、別に恩赦というような、そういうおおそれた表現の気持ちではございませんけれども、この百年記念を機会に労使の関係をぜひ正常化して、国民に御迷惑をかけることをなくそうじゃないかということで、私は組合——特に国労、動労でございますが、この執行部の諸君もその気持ちになってくれたと思っております。それで私どもとして一応の考えを、つまりいままでの機械的な処分、それに対する反対闘争、またそれに対する処分——その処分も過去の経過を見ますと、相当エスカレートしてまいっていることは事実でございます。それを打ち切るという意味で、弁明、弁護の機会によく事情を調べて言い分を聞こうという提案をしたわけでございまして、具体的な内容を申しますと、今度の処分で解雇、免職にした職員もございますが、そういう内容につきましては、私どもはそれを変えるつもりはないということをこの席ではっきり申し上げます。従来、いわば何回も処分を受けると、だんだん、だんだん重い処分になってきたというような機械的な考え方は、一応この機会にこちらも振り返って考え直そうという提案をいたしまして、それが組合のほうでも、国民にこれ以上迷惑をかけたくないという気持ちに沿ったものと考えますが、それで事態が鎮静化しているという状況でございます。
○田渕哲也君 私は、詳しい内情のことはよくわかりませんけれども、少なくともマスコミとか、あるいは私が知ることのできる限りの情報では、今回の問題で基本的に問題が解決されたという気がしないわけです。なぜかと言いますと、私はやっぱり順法闘争というのはこれは違法な闘争だと思います。違法闘争を積み重ねて処分者が非常に大量にのぼった。それであんまり大量にのぼるからどうしようもなくなった。ここらでひとつ清算しようやということで清算したにすぎないんじゃないですか。言うなら、借金がたまりにたまってどうしようもなくなった。ここらで棒引きにして出直そうということにすぎないと思いますね。基本的に、その問題の核心に触れた話し合いがはたしてなされたのでしょうか、労使の間で。それを知りたいのです。この確認書にあらわれている限りは非常に抽象的ですし、新聞で見ておる限りは、いま私が申し上げたように処分者がたくさんふえてにっちもさっちもいかなくなった。ここらで一ぺん整理して出直そうということにすぎないのじゃないかと思うんですね。それが国鉄の労使の正常化にほんとうにつながるのだろうかという気がするんですが、この点いかがですか。
○説明員(山田明吉君) 御指摘のような、これもこの方法で正常化ができるという妙手は実はございません。私がただいま申しましたように、数回、数十回の話し合いを重ねて、これ以上国民に御迷惑をかけたくないという気持ちが労使の両者に出てきたというところが、これからの勝負どころだと思います。したがいまして、御懸念のように、ほんとうに組合側が違法行為を全然今後やらないというような、そういう言明はとってはおりませんけれども、これからもやはり時間をかけまして、団体交渉の問題もございますし、それから団体交渉事項でない国鉄の経営の問題につきましても、私ども胸襟を開いて四組合ございますが、これから同等に話し合いを続けて、そうして国鉄の再建につながる方向に持っていきたいという決心でございまして、私どもその線で私どもなりのいわゆる当局側としては誠心誠意努力をしてまいるつもりでございます。これを組合側がどう受けとめるかはこれは相手次第と申しますか、しかし、少なくとも話し合いの場に乗る空気にはなってきたということは申し上げられると思います。
○田渕哲也君 次に、十月の十二日の労使の話し合いの内容についてお伺いをしたいと思います。 これは新聞で報ずるところによれば、鉄道百年祭に労働組合が協力をする、そのかわりにマル生はやらない、こういう話し合いがなされたと報道されておりますけれども、これをもう少し具体的に話をしていただきたいと思います。
○説明員(加賀谷徳治君) ただいまの、十月十二日に組合が——これは国労、動労両方そろってでございますが、労使関係改善に関する申し入れ書というものを持ってやってまいりまして、私が会ったことは事実でございます。その申し入れ書の趣旨としましては、すでに先ほど来お話し申し上げた正常化のときにも話が出てた問題ではございますが、なお組合としてはさらにどうかというようなことで持ってきたものと思います。一つは生産性運動、そういったものについて今後どうするのかと、それに対するはっきりした答えを言えということが一つ。それから第二点は、国鉄の再建問題についてどうなっておるのだと、当局の責任を追及するということが第二点。それから第三点は、スト権回復の問題これについて当局の考え方はどうだということでございます。まあ、これにつきましてはその場で答えを出すといいますか、そういうことは避けまして、いろいろ今後の再建問題その他につきましてもまだこれからの問題がありまして、法案が前回流れまして以来、これから何か新しく考えていかなければならぬ問題もいろいろあるわけでございますので、後日そういうときを得て総裁と会っていろいろ話をしたらいいという話もいたしました。 ただ第一の点の生産性教育、生産性運動といったようなものにつきましては、いろいろな話し合いがあったわけでございますが、まあ本委員会はじめ国会でいろいろ申し上げてまいったとおりでございまして、国鉄を愛するといいますか、あるいは国鉄の利用者に誠意を尽くすという原点に立って、あくまでも国民のための国鉄を再建するという意欲を全職員に持ってもらわなきゃいかぬという信念には変わりないという話やら、それから組合のほうからもいろいろな話がありまして、昨年来多少問題がありました、たとえば不当労働行為とか、そういったようなことでいろいろお騒がせした点もあったわけでございますが、そういったような問題について、そういうイメージの伴うような運動はそれはもちろんやらない、また、絶対やるべきじゃないというような話などもあったというようなことで別れておるわけでございます。
○田渕哲也君 この場合、私は不当労働行為を伴うような運動というのは本来間違った運動だと思うのですね。ただ、そういうものはやらないというのはわかるけれども、生産性向上の努力をしないということまで約束されたわけですか。
○説明員(加賀谷徳治君) そういう話はいたしておりません。
○田渕哲也君 新聞によりますと、マル生教育を含む一切のマル生運動を今後行なわないことを当局は約束したものと労働組合が受け取っておるという記事があります。これはどうなんですか。
○説明員(加賀谷徳治君) 先生いま御指摘のとおりで、不当労働行為その他の伴うものは絶対あり得べきことじゃないということですが、過去のそういった意味の暗いイメージの伴うような運動はしないという話をしたのが、そういうふうに伝えられておるというふうに解釈するしか私ども考えられないことでございます。
○田渕哲也君 そうすると、せっかくここで労使の話し合いができて百年祭に協力するようになったといっても、労使の間に見解の食い違いがあるのじゃないですか。組合側は一切の生産性運動はやらないというふうに理解しておるし、当局は、そうではないというふうに理解しておる。こういうあいまいなかっこうでものごとをきめていくと再び労使の間のこじれというものが出てくるのじゃないでしょうか。この点どうなんですか。
○説明員(山田明吉君) 先ほども申しましたように、これ一発で完全に解決するという妙手はございません。その点はこれから労使ともやはり誠意と努力を積み重ねて局面の展開をはかっていかなければならないと考えております。 それから生産性運動云々のことでございますが、表現は別といたしまして、これからの国鉄の合理化の問題、あるいは近代化に伴ういわゆる教育指導訓練、これは絶対必要だと思って、私は私自身たびたび組合の執行部にもその方針はこれからも堅持するぞということは申しております。
○田渕哲也君 九月二十七日の交渉といい、あるいは十月十二日の交渉といい、私はやっぱりまだ問題が非常に残っておるというような気がします。また、これで問題が済んだのだといわれると、国民としては何が何だかわけがわからなくなる、何のために順法闘争で足をとめられたのか、それもわからなくなってしまいます。だから私は国鉄にお願いしたいことは、やっぱり常に国民の立場を忘れてもらったら困ると思うのです。労使間さえうまくいけばいいのだということではないと思うのですね。ほんとうに国民のために奉仕する国鉄になってこそ国鉄の使命が果たせるわけですから、とにかく労使がうまく行かない、うまく行くためにはマル生運動もやめてもいいのだとか、処分を軽くしてもいいのだとか、そういうことでは私は再建できないのじゃないかと思うのです。この点に対する決意をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
○説明員(山田明吉君) 御指摘のとおりに、私どもとしては筋を立てた業務の遂行をやるべきだと思いますし、それから先ほどからお話のありましたように、裏で何かやみ取引をやって事態の改善をはかっているのじゃないかというような御疑問もおありのようなふうに伺いました、私聞き違いかもわかりませんけれども。そういう事実もございませんし、先ほどから申しておりますようにわれわれも誠意をもって局面の展開をはかっていこう、その気持ちはこの機会に組合のほうも持ってくれたという、確信とまではまいりませんけれども、そういう気持ちの通じ合いはできたと思っております。ただ時間はかかると思いますが。それから、労使の問題でございますので、意見の対立、利害の対立する問題もこれから出てくることは当然予想されるわけでございますが、それはやはり労使の団体交渉なり話し合いの場で解決をいたしまして、国民の皆さま方に御迷惑のかからないように、それから順法闘争というのは私どもはもうたびたび申し上げておりますように、これは違法行為であるという見解はいまでもくずしておりません。そういう意味で、これからも最大の努力はいたすつもりでございます。
○田渕哲也君 最後にもう一言だけお願いしたいんですが、確かに労使の話し合いの発表というのはかなりむずかしいと思うんですね。結局どちらの顔も立てなきゃならない。当局が負けたようなかっこうになってもまずいし、組合の幹部が折れたようでもまずい。ですから、抽象的な発表で事をおさめざるを得ない場合もあろうかと思います。ただ私がお考えいただきたいことは、やっぱり国民の国鉄だということですね。労使の間だけではうまくいってんだからいいじゃないかということだけでは済まないと思うんですよ。あれだけ何万人の人に迷惑をかけておいて、結果はこうなった、組合もこういう点が悪いから反省した、当局もこういう点が悪いから反省した、今後改めるから国民の皆さんがまんしてもらいたい。こういうことなら話がわかるわけです。国民にわからないようなことを発表しておいて、労使の間がうまくいくからまかしておいてくれというだけじゃちょっと不親切じゃないかと思いますがね。
○説明員(山田明吉君) 私の御説明、舌足らずで御理解いただけなかった点があったかと思いますけれども、決して労使の間でごそごそやってうまくいったから、あとはどうでもいいというような気持ちは毛頭持っておりません。国鉄の業務が円滑にいくためには、何といってもやはり労使の関係を正常化するのが根本問題だと思います。それから、その間に規律の問題もございますし、指導訓練の問題もございますし、それらの問題につきましてはこれからもいろいろな団体交渉の内容になる問題が出てくるだろうということは想像にかたくないわけでございますが、それらは健全な労使関係の基盤の上に立って話し合いで解決していきたい。そのために、私どもとしては誠意をもって最大の努力をする。それに対して組合側もそれを受けとめてくれる気持ちが出てきたものと、そのように考えているわけでございまして、それでもって国民の皆さん方にもう過去のことは免れて恥なしというようなことで申し上げておるわけではございません。これからの努力をさらに続けていくという一言に尽きるわけでございます。
○理事(鬼丸勝之君) 本件に対する本日の調査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十二分散会 —————・—————