内閣委員会 第4号
- 発言数
- 364 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/09/12
会議録
○前田委員長 これより会議を開きます。 国の防衛に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。
○大出委員 実は、戦車問題についての決着をつけたいと思っているわけでございますが、また、それなりに今日まで努力をしてきたわけでありますけれども、それと結果的にからむ問題でもありますから、冒頭、数点にわたりまして、今回の日米会談における共同声明にあらわれている文言を外務大臣がどういうふうに受け取っておられるかという、この点をまず少し承っておきたいのであります。 この共同声明の二項でございますが、見る限り、安保の「円滑、かつ、効果的な実施を期するため、両国政府が緊密な協議を通じ、引続き協力することに合意した」、こういう文章があるわけであります。記者会見等で外務大臣がいろいろおっしゃっておられます。がしかし、ここで問題は、まず一つは、佐藤内閣の末期に、福田外務大臣のときでございますが、私、何回かこの事前協議の問題について質問を続けまして、前後三回ばかりやっておりますが、その間に、二回目の質問のあとで竹下官房長官が、安保条約、特に事前協議についての洗い直し、こういう趣旨の発言をし、新聞に載りました。私は、竹下さんにここに御出席をいただいて、外務大臣と並んでいただいて三回目に質問したのでありますが、多少のニュアンスが違いましたけれども、安保協議委員会その他を通じて時期的なことは議論もやってみる、実はこういう結論だったわけでございます。この方向は現内閣が引き継がれているものと私は実は理解をするのです。 なぜかといいますと、三十日でございますか、増原長官が参議院の内閣委員会等で御発言がありまして、この核装備のできるもの、つまり両用兵器をさすのだと思いますが、この持ち込みについても事前協議の対象にするかどうかということを検討したい、こういう発言まで実は出ているわけであります。だから今回の会談で、当然この辺のことが、これは国民の関心事でございまして、特に返ってまいりました沖繩の問題も非常に大きくからんでおりますので、当然、安保条約の洗い直しの一つの側面として、つまり事前協議問題等をめぐって何らかのやりとりがなければおかしいと私は思うのでありまして、今回の重なる答弁の結果もそう考えなければならぬと私は思うのですが、そういうあるべきものが全く表に出ておりませんで、いきなり安保の「円滑、かつ、効果的な実施を期するため、両国政府が緊密な協議を通じ、引続き協力することに合意した」、こういうことだけ出されたのでは、一体、国会でいろいろ論議されて、政府は立場は違いますが、それなりにこれを受けとめて、できる限り近い機会にアメリカ側といろいろ話してみたいと言っていたことが無意味になってしまう。では何のための国会論議だということになってしまう。だからここらあたりは、話し合いをなさったのかどうか、この点をまず明確にしておいていただきたい。
○大平国務大臣 今回の日米首脳会談におきましての問題は、大出委員も御承知のとおり、日米双方が共通の関心を持っておる当面の問題につきまして、両首脳の間で隔意のない意見の交換を求めるという趣旨のもとで行なわれたものでございます。したがいまして、問題は多岐に分かれたのでございまして、その中におきまして、安保条約の運営の問題につきまして十分の時間が割愛されたようには私は思えません。ただ、日米両国の首脳の会談の結果を両国民にコミュニケの姿で御報告申し上げる場合、日米両国の友好関係のシンボルでございます安保条約に言及しないというわけにもまいりません。したがって、これは維持してまいるということ。そしていま御指摘の効果的な運営云々ということばはございますが、これは当然のこととして日米両国がその効果的な運営について責任を持っておるわけでございますので、そういう当然の責任を再確認したというにとどまるものでございまして、この首脳会談におきまして特別に新たな構想が添加されたというものでないことを、まず御了承いただきたいと思います。 しかしながら、前内閣時代から、安保条約の運営につきまして、国会におきましてもいろいろ論議がなされ、政府側におきましてもそれに対応したお話がありました経緯は、私も承知いたしております。事前協議制度その他の検討問題がありますこと、承知しておりますし、せんだって、アメリカ側のほうも日本のほうも安保協議会のメンバーがかわりましたので、この秋には安保協議会を開かしていただきまして、その間にいろいろ検討いたしました問題について御協議を願うことにいたしたいと考えております。
○大出委員 ということになりますと、今回の首脳会談では、事前協議と安保条約にまつわる、今日まで国会で論ぜられた数々の懸案は特に話し合っていない。だが、この秋に開かれる、確かに司令官もかわりましたしメンバーのかわった安保協議委員会で、これらの問題を提起をして詰めたい、結論を言えば、早い話がそういうことですな。そう理解してよろしゅうございますか。
○大平国務大臣 さようでございます。
○大出委員 あわせて承っておきたいのですが、戦車の問題は、私が記者の皆さんのお話をいろいろ伺ってみると、話は出ているということなんですが、この辺の話し合いは出ておりましたか。
○大平国務大臣 首脳会談の席では議題になりませんでした。
○大出委員 席ではならないとしても、タイムテーブルがどうなっていたか、それは私は知りませんが、どこかの場所で出ているのじゃないですか。
○大平国務大臣 日米双方が二日間にわたって接触いたしたわけでございますので、先方もこの問題の行くえについて関心を示したことは事実でございます。
○大出委員 関心を示したという限りは、話が出たということになるのでございまして、そう言っていただければあまり深く追及はしませんが、そこでもう一つ、二つ承っておきたいのであります。 機会をあらためて時間をかけてとは思っていたのでありますが、この際これだけは答えておいていただきたいのですけれども、台湾条項、あるいは極東の範囲における台湾の周辺という問題であります。これは総裁選挙のころから、いろいろ私、耳にしておりまして、中国側からのいろいろな働きかけがあって、復交三原則以外にいわゆる安保条約六条等にいう極東の範囲について、この中にフィリピン、台湾、日本の周辺ということになっておりますから、ソビエト沿海州を含めずに韓国、台湾の周辺を含むわけでありますから、この意味の台湾の周辺、これを除けというものの考え方。さらに一九六九年十一月のサンフランシスコの共同声明、これとからむ佐藤発言である、台湾地域における平和と安全の維持も日本の安全にとって重要な要素であるといういわゆる台湾条項、この二つの問題について、先ほど私が読み上げました安保条約の扱いとの関連で、日中国交回復もこれから進むわけでありますけれども、どういう形にしろ回復をされるとすれば、そうした想定に立つ限りは、当然、台湾海峡というものを目して考えれば、もし将来における紛争があり得たとした場合に、日本におけるアメリカ軍の基地は使えなくなるはずだと私は考える。ところが、ジョンソン国務次官の記者会見その他によると、それを含めて先ほど私があげた「円滑、かつ、効果的な実施」というところに含まれている。つまりその意味では台湾条項、極東の範囲における台湾の周辺は消えていない、こういうことになる。片や国交回復をされるとすれば、復交三原則の中に、中国は一つであって台湾は不可分の領土である、こうなっているわけですから、お認めになる限り社会党も支持をいたしておりますが、だとするとそこに明確な矛盾が出てくる。単にことばの上でこれは避けて通るわけにいかない問題だと思います。ほかとの関連がございますから、その点だけはこの席で明確にしておいていただきたい。いかがでございますか。
○大平国務大臣 中国の主張いたしておりまする復交三原則につきまして、日本政府の立場は、かねて在野各党から正式に文書でもって御質問が出てまいりまして、それにお答えしたとおりでございます。ここで繰り返しますれば、先方の主張は十分理解できます。それで、これをどのように具体化してまいるかという問題につきましては、日中双方が合意できる具体案を検討したいという立場が日本政府の立場でございます。そういう立場に立って田中訪中が行なわれるわけでございます。 一方、大出委員の御指摘のとおり、日米首脳会談におきまして、安保条約は維持してまいるということを確認したわけでございまして、安保条約を維持するという意味は、安保条約本体ばかりでなく、関連したもろもろの取りきめも維持していこうということでございます。そういう状態で田中総理は訪中しようといたしておるわけでございます。そういう立場で中国側と話し合いまして、政府が期待しておりますように日中双方が合意できるような具体案を発見したい、それがわれわれの任務であろうと考えております。
○大出委員 どうも答弁にならぬわけでありますが……。大平さんはそうしろうとではないのでありますが、これはだいぶあとに実は問題があって聞いているのですが、あるいはそう思ってお逃げになっているのかもしれませんけれども、やはり論理的に詰めていけば、いずれにせよ日中復交ということで三原則をお認めになる立場に立っている。ということになると、台湾海峡の問題は避けて通れない。だからその意味では、台湾条項の問題、あるいは極東の範囲における台湾の周辺という問題はどうなるのか。これはいまの自衛隊の沖繩派遣その他いろいろからんでまいりますから、ここのところはどうなるかと聞いているので、新聞で見る限りは、将来紛争は起こらないのだ、起こることはまずないのだ、だから心配ないのじゃないかという言い方をされているはずなんですね。 それともう一つは、という現実であるとしても、問題は、安保条約の存在というものを、先ほど来引用したようにとらえて共同声明に載せた限りは、論理的に、じゃ一体、将来を展望して、おそらく台湾海峡における紛争なんというものはあり得ないというのだが、安保条約は現存するのですから、その場合に、もしそれに触れる紛争が起こった場合に、アメリカは日本の基地を使えるのか使えないのかという点は明確にしておかぬと、将来のために困る、そこはどうなっているのだと聞いているのです。アメリカ側はだから、極東の範囲の中の台湾の周辺であるとか、あるいは台湾条項というものは、それを含んで日本側は安保条約の維持という中に入っているのだという言い方をしている。そうなると三原則との関係が論理的に非常に微妙になってくる。だからそこらはどうなっているのですか、どっちか言っていただかぬとこれは困る。それを何にも言わぬで、何かわかったようなわからないようなことになっていたら困るので、簡単でいいですから一言言ってください。
○大平国務大臣 当面のわれわれの目的は、日中国交の正常化をなし遂げたいということでございます。それには日中双方それぞれの立場があるわけでございまして、そういう立場を双方日中首脳会談におきまして吐露し合って、そこで日中双方が合意できるような具体案を発見しようというのが今度の日中交渉の課題であると思っておるわけでございまして、田中総理も私も、そういう政治目的を持ちましていま盛んに苦吟をしておるところでございまして、大出さんのおっしゃるとおり、論理的な潔癖さから申しますといろいろな問題点があることは、私もよく承知をしておるわけでございますが、そういうことを含めて日中双方が合意できるような具体案がないものか、そうしてこの大目的が実現されるわけにいかぬものかということを考えておるわけでございまして、われわれが苦心いたしておるところに対しまして若干の御同情をいただきたい。
○大出委員 うまい答弁をされますな。つまり、論理的には矛盾がある。いま潔癖さというお話がございましたが、純論理的にものを考えれば、だれが考えても、知っている限りの方々は矛盾だと思ったと私は思う。その点ははっきりお認めいただいて、さてしかし、台湾海峡を現実にながめてみて、紛争は現実に起こる可能性がない。その現実を直視しているんだという。そこで、双方の立場があるけれどもお互いに話し合える方法はないか、これをさがす。そうならそうで、はっきりしておいていただきたいのです。だから、論理的な矛盾を何となく、ことばは悪いがごまかしたままでは、やっぱり困る。だから、論理的な矛盾というものはお認めになって、しかし現実に紛争が起こる可能性がない、だからその現実をとらえて中国と話し合いをする、そして一致点を見出すということならということで、やっぱりこれははっきり整理をしておいていただきたい、こう思うのですが、いかがでございますか。
○大平国務大臣 あなたの言われる御趣旨よくわかるわけです。私どもも、あの地域に現実に紛争が起こる蓋然性が濃いとは思いません。いや、むしろわれわれは進んで、この極東の地域に紛争が起こらないばかりか、もっと平和が定着するような条件をつくり上げていくところに努力のアクセントを置かなければならぬと考えておりますし、今度の田中訪中も、そういう意味で非常に大事な責任を持っておるんじゃないかと思っておるわけでございまして、いわばこれは政治の領域に属する問題でございますが、条約論から申しますと、疑問点がないと私は強弁するわけでは決してございません。
○大出委員 大平さん、なかなかうまいお答えをなさるので、強弁するわけではないという。つまり矛盾があるということなんでしょうが、実は私は、あとの極東地域における米軍の戦略配置というふうなもの、あわせて四次防というものと、これは非常に大きくからみますので、したがって、これはやはりこの際明確にしておかないと、単に政府が自繩自縛になるんだからいいやということでは済まないと私は思っておる。そこでいまの点を、時間がありませんから、いまの答弁でとりあえずはいいことにいたしますけれども、質問をしたわけでありますから、その点はひとつはっきりさしておいていただきたいと思うのであります。 そこでもう一つ承っておきたいのですが、戦車問題いろいろやってきておりますが、またきょうはここでまとめて決着をつけたいと思っておるのであります。 そこでもう一つ、レアード発言なるものが七日の日に議事録を公表されておりますが、四月十一日の下院の歳出委員会の対外活動分科委員会の聴聞会におけるレアード発言であります。このレアード発言も、記者団の発言の中で、ある人は出ていると言い、ある人はさあと言う。いろいろある。ただ、当事者である皆さんのほうでこれはおわかりなんでしょうから、聞いてみなければいかぬと思うのでありますけれども、ここでこのレアード発言、これはやはりいずれにしても議事録を見てみなければなりませんけれども、いま表にあらわれている限りで申し上げれば、ちょうどこの発言があったころにも一ぺん新聞が取り上げたことがあるのでありますが、この発言の中には幾つか問題点がある。一つは、第七艦隊の攻撃型空母の母港に横須賀をしたい、こういう趣旨のニュアンスでものを言っている中身がある。最近は特に原子力潜水艦というのが入ってきて二、三時間すると出ていく、またすぐ入ってきて二、三時間すると出ていく、もうこの繰り返し、まさに原潜の母港になってしまっているような感じがいまの横須賀の基地の状況であります。またこの中には、ペルシャ湾からインド洋を通ってマラッカ海峡を越えてはるばる日本に入る石油、燃料、これに対する軍事的な意味での日本の寄与――寄与ということばなんでありますが、こういうふうな問題に触れている。つまり基地強化にこれは明確につながっていく筋合いのものであります。 そういうことになるとすると、これはちょっとわれわれ決意をしなければならぬわけでありまして、防衛庁の長官にもあわせて承っておきたいのでありますけれども、今日までの防衛庁がいろいろやっておられることとそう矛盾がないという感じの問題も出てきているわけでありまして、つまりここらのところは、今回の日米会談のいかなる場所かにおいてやりとりがあったのではないかという気がするのであります。あわせて、これは議事録が公表されたのでありますから、そんなことはアメリカが言ってないと言うことはできないと私は思う。しかもこの中身は日本側に言っているということが書かれている。すでに日本側に話してある。ということになると、これまた聞いていないということにはならぬと思う。そうすると、出ているかいないか。いないんだとするなら、いないと日本側に言ってあるはずなんですから。議事録が公表されていない時期ならば聞きません。七日に公表されたわけですから。故意か偶然かそれはわかりませんが……。その辺のところはどういうふうに受け取っておられますか。
○大平国務大臣 日米首脳会談では、その横須賀の問題は議題にも話題にもなりませんでした。しかし、それより以前から、こういう問題につきまして私ども聞いておるのでありまして、われわれもいろいろな角度から検討しておるところでございます。
○大出委員 聞いておる、われわれもいろいろな角度から検討しておる――かつて私がここで一ぺん母港化の問題を提起いたしましたら、何の話もございませんでしたという回答がありました。いまの大臣の答弁によりますと、以前から聞いているという答弁が出てまいりました。そうすると、前に外務省の諸君がうそを言ったことになる。ただこれは、議事録が公表されていないから、言わなかったということになるのかもしれません。かもしれませんが、いまの大臣の答弁は以前から聞いているという答弁。これは私はたいへん重要な問題だと思っている。 しかも、もう一つこれはつけ加えておきますが、エンタープライズ寄港という問題も、実は常に取り上げられている。ここらの関連も後ほどあらためて承りたいのでありますが、この母港化という問題については、御存じのとおり、一昨年十一月二十七日に日米共同コミュニケが出されまして、これは基地の問題の整理が中身となっている。そのときに、横須賀のSRFなどは、第七艦隊は日本に二つの基地は要らぬということで、アメリカの議会証言もこれあり、佐世保に旗艦オクラホマシチー以下全部移る、こうなっておるわけです。ところが、本会議でまた私は何べんか質問をしましたが、結果的に今日、居すわってしまっている。これは明確に二国間の条約の違反です。居すわっている、それをさらに母港化と、こういうことになってきたのでは、おさまりのつく筋合いじゃない。だから率直なところ、私どもは今日――いつからという、この日にちのことは先にいたしますけれども、横須賀にベトナム戦争等の関係で入ってくる米艦船には飲料水の供給はしない、これは簡単にできます、一カ所とめればこれは行かない。そこまでのところを正直言って相談している。こういうことを、前からそういう話はある、検討している程度で事済まされたのでは迷惑千万で、これは私どもは関係市長その他の方々と相談をしておりますが、答弁いかんによっては、この点はただで捨ておく気はない。 そこで、いろいろと検討しているとおっしゃるのだが、新聞の伝えるところ、外務省はそうこれに反論をしていない。そこらのところは一体どうお考えでございますか。
○大平国務大臣 昨年十二月でございましたか、私の前任者福田外務大臣が、米側はそういう希望を持っておるということを聞いておるというような御答弁をされたことがあるようでございます。しかし、エンタープライズの話は聞いておりませんけれども、ただ、私が、いま検討しているということを申し上げたのは、これは大出さん御指摘になるように、いろいろな角度から慎重に吟味しなければならぬ問題を含んでおりますので、私どもの任務としては当然のことだと考えておるわけでございまして、これをどのように処理してまいるかという点につきまして、私どもが一つのプランを固めておるというところまで、まだとてもいっていないわけでございます。
○大出委員 ますますどうも話がむずかしくなっていくのでありますが、いろいろな角度から慎重に検討しなければならぬ問題をいろいろ含んでいる、だがまだプランというものをきめる段階に来ていない、こういうのですね。これは、二国間で共同コミュニケが出ていて、返還されることになっているところを居すわっていて、そうしてその上に今度は母港化の話が出てきて、そこでいろいろ検討しなければならぬものが、ほんとうならないはずなんです。そうでしょう、返すことになっているのだから。七艦は佐世保へ行くことになっているのです。にもかかわらず、検討しなければならぬものがいろいろある、こうなると事重大でございまして、何を一体検討しなければならぬのですか。いろいろあるというのは何ですか。
○大平国務大臣 根本の考え方といたしましては、基地問題につきましては、なるほどアメリカ側と政府は約束を持っておるわけですけれども、国内各方面の御協力がないと基地機能というものは果たせないわけでございます。したがって常にわれわれは、基地の問題を考える場合にその点に留意しなければならぬと思っております。 第二の点は、われわれといたしましては、一般的に、在日米軍基地の整理統合というようなことについては、実情に即して今後も精力的に考えていかなければならぬと考えておるわけでございまして、そういうフレームの中で個々の問題をどのように処理してまいるべきかということにつきましてしさいに勉強しなければならぬと考えておるわけでございまして、具体的に横須賀のいま御提示になりました問題につきましての詳細なディテールにつきましては私はよく承知しておりませんので、御説明を申し上げる材料を持っていないのでございますけれども、責任者といたしましての基本的な考え方はそういう考え方でおるということを御了解いただきたいと思います。
○大出委員 これは知っている方があれば答えておいていただきたいのですが、たとえば、私のところにいろいろ入ってきているものの中に、韓国に六十万の韓国軍がいる、費用はほとんどアメリカが支弁をしている。十二万五千人削減しろとアメリカが言って、北の脅威がなくなったわけじゃないからと韓国の反論が出る。そういう時点で、岩国の基地あるいは嘉手納の基地を強化するから、北の脅威というけれども心配ないということばがアメリカ側から出てくる。となると、この時点において、日本の国内の基地というものは、いま大平さんが言うように、一般的には整理統合だという。そうすると、相模原の補給廠の縮小だ、停止だということになったとした場合に、整理統合だという統合のほうが、実は横須賀の基地の返ってくると思っていたものも母港化の方向に進んじゃったとか、岩国が強化されるとか、嘉手納が強化されるとかというような動きになって、これまた非常に大きな問題なんですね。許しがたい問題だ。しかも安保条約の運用というものは「円滑、かつ、効果的な実施」と、こうなっている。「協議」「協力」と、こうなっている。記者の方々はこれを解説して、どうも日本はあまり基地問題に協力的じゃないじゃないか、だからこういう文言になったのだという解説がついている新聞もある。そうなると、そこらは一体、それこそ基本的にどうなんだということ。相模原の補給廠の問題をきょうの閣議決定はおそらく了解なされたのだと思うけれども、社共立ち会ってないからわかりませんけれども、そういう問題とからんで、片方で相模原の問題が起こっている。片方で今後は整理統合だという話が一般的にいわれる問題として、片方で今度母港化だなんということになると、これはおだやかならぬ問題。だから大平さんは、いろいろあるとおっしゃる。慎重に検討しなければならぬ問題があるが、具体的な資料をいま持ってないと大臣おっしゃるから、それならば、アメリカ局長さんまだ新任間もなくでございましょうが、橘さんおいでになるから、一体そこのところはどういうことなんですかな。少しお答えいただけませんか。
○橘説明員 先ほど大臣が基本的な考え方を御説明になられました。たとえば先生御指摘の横須賀については、一昨年来の御存じのSRFの問題がございます。これはいろいろの経過がございまして、これの具体的な返還の態様といったものについて、御存じのとおり、その後の協議が続いておる状況でございます。安保条約の目的を遂行するのに、基地も、一方において住民の方々の希望もいれながら、他方、国としての防衛も考えながら、この両方調和してやっていくという面で、それぞれの基地についてのいろいろ検討すべき点があるということを外務大臣のほうからお答えになられたものでございまして、横須賀の例についても、そういうようなかっこうでSRFについては協議が進んでおる現状で、これもその一例ではないかしらと考えております。その他の基地につきましても、先ほど大臣のほうから言われましたような、そういった二つの国としての要請と、それから国民あるいは現地の事情というものを調合させながら、これを具体的にどうやって進めていくかということを個々に具体的に解決していく。それによって円滑であり効果的な運用をはかっていきたい、こういうお考えであると解しております。
○大出委員 ふしぎなことに、皆さんすぱっと、いや横須賀は七艦の攻撃型空母の母港にするとか原潜の母港にするなんて毛頭考えておりませんと言うかと思ったら、大臣も、いろいろ慎重に検討しなければならぬものがいろいろあるので慎重に検討しているのだ、プランはまだできてないのだとおっしゃる。橘さんのほうも、大臣がそう言ったのは、国内の基地住民の感情もこれあり、要望もこれあり、整理をしてなくしていくことが必要である、しかし国防ということを一面考えてみると、必要なところは必要なようにしなければならぬ、そういうことを言ったので、横須賀もそういうことなんだ。そうなると、これは実はこういうことがあるのですよ。 愛知さんが外務大臣のときに起こった問題。私はここで何回か詰めた質問をしたら、それを言うてくれるなというような調子の話になった。あとで愛知さん私のところへ来られた。二人で話をしたら、いまでは時効でしょうから言いますが、アメリカの大使、スナイダーさんでしたか忘れましたが、一生懸命愛知さんのところで四者協議をやっていた。防衛庁や何かみんな入って、鶴崎参事官等が中心になってやってきた、横須賀問題その他は。ところが、一昨年十二月二十一日、その共同コミュニケ発表のまぎわになってから、どうしても横須賀へ入れてくれ。そんなこと、こっちはまだ受け入れ体制も考えてないからだめだと言ったら、どうしても入れてくれ。その中身は何だと言ったら、アメリカ議会でジョンソン国務次官でしたか、国務省のほうに質問が出て、ドル防衛もこれあり、その中に日本に第七艦隊の基地が横須賀と佐世保とあるじゃないか、二つも要るか、要りません、一つでいいはずだ、そうだろう、こう言ってしまった。だから、二国間の共同コミュニケで合意して表に出さないと困るのだ。どうしても言うことを聞かぬものだから、しようがないから一番最後に入れたのだ、一、二、三、四、五まで。結局、一、二、三が自衛隊、四、五というのは国有民営でいくか、国有国営でいくか、民有民営でいくか。六は初めから放さないわけでしょう。そうでしょう。そういういきさつがあった。そのあと居すわった、行かない、そういう経過があるのですね。 だから私は、いまの話を聞いているとだいぶ様相が違うので、第六は放していないのだから、ある程度こっち側を自衛隊に、一、二、三あたりをということになった場合に、では片っ方は六、あるいは五、四を含むかわからぬけれども、その初のところは、アメリカの要請にこたえまして、あるいは相模総合補給廠でも機能停止をやってどうこうということなら、どこかふやしまして国防ということを考えてということになってくる。そうだとすると、これは容易ならぬことになる。だから聞いている、くどいようだけれども。 あなた方は、さっきから三、四回御答弁になっているのだけれども、横須賀を空母の母港化するとかなんとかということは毛頭考えていないとあっさりおっしゃるかと思っていたら、そうではない。だから、くどいようだけれども、これは聞きたくなる。はっきりそこは言っていただいてどうなんですか。そこらもう少し一歩進んで言ってもらわぬとさっぱりわからぬじゃないですか。どうなっているのですか、横須賀は。その一般論としては、横須賀もそういうことでありますということをおっしゃったのだけれども、国防ということを考えなければならぬ面もあるということなら、横須賀もそういうことだ。そうなると、横須賀のアメリカの空母の母港化という姿勢というものを、あなた方は、プランはまだできてきないけれども慎重に検討せざるを得ない面がある、こういうことになるのですか。いかがでございますか。
○大平国務大臣 そういうお話を受けますと、私どもとして検討しないというわけにはまいりません。先ほど申しましたように、いろいろな角度から慎重に検討をさしていただきたいと思います。
○大出委員 いま、お話しを受けました以上はというのは、アメリカからの話というわけですね。アメリカから話があった。今回も首脳会談では出てないというけれども、首脳会談は、表のタイムテーブルもあれば、裏の懇談もあれば、いろいろあるのでしょうから、そうだとすると、この新聞の書き方はあながち正鵠を得たものではないとは言えない。お話を受けた以上は慎重に検討せざるを得ないものがある、つまり母港化という問題をめぐって。そうなると、将来、エンタープライズだって第七艦隊所属でございますから、しかも所属の攻撃型空母であって、エンジンが原子力であるというだけですから、当然この新聞の書いておりますように、その辺も慎重に検討せざるを得ない要素になってくる、こう考えざるを得ない。それは二国間の問題でございますから、慎重に御検討いただくことは国の立場として当然でございましょう。否定はいたしません。だが宙ぶらりんじゃ困るのです。それならそれで、立場は違いますけれども、われわれのほうも市民、県民を控えているのですから、それなりの責任をやはりおのおの考えなければいかぬわけですから、そういう意味で申し上げておるので、エンタープライズのほうについても、話を聞いていないというのじゃなくて、これも第七艦隊に属しておりますので、その限りでは、母港化ということになるとすればそういう範疇の中に入っていく、政治的に寄港するしないは別として。こうなるのじゃないですか。
○大平国務大臣 いろいろ検討させていただきたいと思います。
○大出委員 それも含めていろいろ検討させてくれというわけですね。これはちょっと容易ならぬことになりましたね。戦車の質問どころじゃなくなってしまった。いよいよそうなると、ベトナム帰りのアメリカの艦船が横須賀に寄港しても飲料水は一切供給しない、ひねってとめてしまうということくらい――私も実はまだほんとうに腹がきまっていないのですが、そうなるといよいよこれは腹をきめざるを得なくなる。 まあ、それ以上おっしゃりたくないようでございますから、ある程度お認めになっておりますので、この点は、時間もありませんから質問を保留させていただきますけれども、同僚の伊藤さんの御質問もございますので、七分過ぎから入ったので、もうちょっと時間をいただきまして、戦車の問題についてもう少し承りたいのであります。 具体的に承りますが、この相模補給廠の縮小計画というのが、私の調べた限りございます。これは前からずっと私は調べてきておりますので、初めての問題じゃない。米軍資料その他をこの中にはさみながら調べておりますが、これは一九六五年からの詳細な数字を全部持っておりますけれども、時間がありませんから読み上げません。七一会計年度で、M48が百十六台、M113が九百台修理されている。七二会計年度は、M48が五十八台、M113が八百三十台。これは四十六年七月一日から四十七年六月までであります。四十七年七月一日からは七三会計年度でありますが、ここでM48が六十台、M113が五百二十台。七四会計年度の想定、これはいつも予算のワクが先に提示をされるというシステムになっておりますが、ここでM48あるいはM113の修理計画がないのですね。実は六五年からのものを見ますと、トラクター四千八十八台、セミトラクター三千四百台とか、一万五千八百三十八台とか、いろいろあるのですけれども、いままでの経過から見て非常にふしぎな現象になっている。前の国会で私が質問した資料がここにありますが、前の資料とあわせて見てもそう読みとれる。そのほかにも二つの任務を持っておりますが、その一つのほうである例の輸送、中継の任務、これが直接輸送をアメリカが開始をしているということから、この面も相当減ってくるのではないか。こまかく中身を申し上げると時間がなくなりますが、そういう具体的なものが幾つか出てきております。それから、七三会計年度で五トン、二・五トン等の軍用、一般トラックの修理、再生、これが一千台からの数字が出てきている。これらとあわせまして、先ほど申し上げたように、朝鮮の仁川なんかに直接補給が行なわれた実績等も出てきておりまして、そういう意味で相模原の総合補給廠というのはやがて大幅に縮小される、あるいは機能停止という方向にいく、こういうふうな米軍内の考え方があるように見受けられる。米軍の責任ある立場の方がそのことをかつて口にしたこともある、こういうことなんです。そこらは外務省としておそらく連絡をおとりになっているのだと思うのでありますが、どういうふうにこれをつかんでおられますか。
○大平国務大臣 報道によりますと、米軍も、相模補給廠におきまする戦車、兵員輸送車の修理を来年七月以降停止するというようなことが伝えられておりますが、この点につきましては、政府としてはまだ確認しておりませんで、目下照会中です。
○大出委員 これはどうせ米軍のそういう計画があるのなら、政府が閣議了解で縮小、機能停止なんということをきめる、これはあたりまえじゃないか。何で一体、にもかかわらず歯切れの悪いことを言っているのだ、そういうことになる。私も実は、今回の問題を何べんか、先月八日、十七日というぐあいにここで質問を外務大臣にもしてきておりますから、できればこれは何とか流血事件その他を避けたいという気持ちもありまして、それなりに外務省の皆さんにも御努力をいただき、かつ私どもも努力を続けてきたところなんでありますが、それだけに、やはりざっくばらんに言うところのものは言っておいていただきませんと、現地はいろいろああいう状況の中でございますから、新聞にいろいろなことが出ますと、それなりに、なに、これは米軍のほうにそういう計画があって進めているのなら、政府が閣議了解だなんというのはあたりまえのことじゃないか、もったいぶって一年だ、二年だというのはどういうことだ、こういうことになる。だからそこらのところはどうですか。もう少しはっきりものを言えませんか。外務省は、そういうことを聞いてないなら聞いてないと、否定すべきものはぴたり否定して、またそうでないものはそうでない。米軍折衝をやっておられる所管の外務省でしょう。この起こった先月の初めからいままで五十日にもなる。その間何回か対米折衝があっているはずだ。その中で皆さんが気がつかぬとすれば、よほどどうかしている。そうでなければならないのであって、そこらのところははっきりさせておく必要ないですか。
○大平国務大臣 政府としては、先ほど申しましたように、全然まだ確認いたしておりません。
○大出委員 そうすると、中身は、米軍の計画はいま聞いてないが、しかし、米軍をともかく説得をして、さっき言った一般原則が出てきますと、いろいろ横に飛び火するので私も迷惑なんだけれども、それはそれとして、この際、相模総合補給廠における戦車修理機能については、その縮小ないし停止を検討するものとするという閣議了解。おそらくきょうそういう措置をおとりになられたものと私は思っているのでありますが、そして一両年を目途としてやります、こういうことのはずなんでありますが、いかなる困難があってもこれはそういうことでやる、こういうふうにはっきり了解をしておいてよろしいのかどうか。官房長官がものをおっしゃってみても、担当は外務大臣でございますから、したがって、おそらく閣議了解もあったものと考えまして、所管の外務大臣に念を押しておきたいわけであります。いかがでありますか。
○大平国務大臣 私どもは内外に対して誠意と熱意を持って当たる決意でございます。
○大出委員 それでは、それでよろしゅうございますな。いまの点は誠意と熱意を持って当たる。 ところで、いま、いろいろやりとりをいたしましたが、ベトナム戦争というものは、今回の日米会談でいろいろ情勢の交換が行なわれているはずでありますが、どういうふうにこの会談を踏まえてお考えになっておりますか。おそらく各種意見あるいは分析をおのおの交換されただろうと思うわけでありますが、そこらのところは外務大臣、いかがでございますか。かつまたニクソン大統領は、共和党大統領指名後の演説の中で、地上戦闘の一切の任務を終了している、こういう言い方をしている。その辺のところをどういうふうに見ておられますか。関係ございますので、簡単でけっこうでございますが、御答弁願いたいと思う。
○大平国務大臣 これは、たびたび政府が申し上げておるとおり、日本政府としては、ベトナムの戦争がすみやかに平和裏に終結を見るように希望しておるわけでございます。われわれは当事国ではございませんので、この戦闘の行くえについて、政府として憶測する立場にございませんので、それはお許しをいただきたいと思います。 ハワイの首脳会談におきましては、先方のあらましの考え方を田中総理は御聴取になったことと思います。
○大出委員 と言ってみても、わが国にあるアメリカ軍の提供施設を使っていろいろなものがベトナムに運ばれている実績がある。そうすると無縁ではない。椎名外務大臣が中立ではないと言いましたが、それを繰り返してもらおうと思っているわけじゃありませんけれども、だとするとやはり、どうなっていくのかぐらいのことを、外務省はそれなりに分析をしておく必要があるのだろうし、首脳会談で聴取をされたならば、所管である外務大臣の頭に入らぬわけはない。私の言いたいのは、一日も早くと言っておられますけれども、ここまでくれば、何もベトナムに日本で修理をしたものを持っていく必要はない、アメリカ本国に持っていきなさい、そう言いたい。 そこで、きょうの官房長官の記者会見におけるやりとり、発表のしかたなどを、私、官房長官秘書官と連絡をとって承ってみた。そうしたところが、社会党の石橋書記長が昨日二項目の申し入れをいたしました。私も同席をいたしましたが、さて日本で修理したM48であるとかM113などの兵器をベトナムに持っていくな、アメリカ本国に持ち帰れ、こういう趣旨のものを実は言っている。文書にもしてあります。これに対して官房長官は、石橋さんのお申し入ればよく理解できます、理解できますということを何べんも申し上げる。ほんとに理解できるかと聞いたら、聞いてもらえればほんとに理解いたしましたと、こう何べんも答える、そこまでにしてくれぬかというきのうの話。ところがそのあとで、政府の意思は表明しておられぬですから、理解したというだけですから、やはり、政府といたしましてもその方向で善処いたします、このくらいの、つまり政府の決意のほどを明らかにすべきであろう、こういうふうにきのう申し上げましたら、あした閣議で検討をする。きょうは石橋書記長のお申し出はよく理解できる、何べんも理解できますと申し上げる、わかりました。ほんとかと言ったら、ほんとに理解いたしました、こう繰り返します、そこだけにしてくれ、あした閣議でいろいろやったあとで、政府といたしましてもその方向で善処いたします、閣議でやったあとあしたそう言いたい、こういうわけです。で、そう言いたいことになっているのですから、そういうふうに言うたかどうかを確認をいたしましたら、間違いなくそう言うたというわけです。電話で連絡をいただきました。 こういうわけなんですが、それは米軍というのが相手にあります。第七艦隊みたいに居すわっちゃう軍というのがある。いつの場合も、日本も昔はそうでしょうが、軍というのはなかなか言うことを聞かない存在でございましょう。だがそれにしても、やはり、神奈川県民なり、横浜市民なり、相模原市民なり、あるいは沿道七市町村の住民の皆さん、さらには大きく言えば国民の皆さんが願わぬところであります、ベトナムへ持っていくというのは。これは所管の責任者である外務大臣として、社会党の申し入れはよくわかる、石橋君の申し入れはよくわかる、理解できる、だから政府としてもその方向で善処いたしますと言うた限りは、そういう意味で全力をあげていただきたい、こう申し上げたいわけであります。この点について、所管の大臣でございますから、お答えをいただきたいのであります。
○大平国務大臣 官房長官と外務大臣一体でございますから、きょう閣議で官房長官が表明せられた御意見に従いまして、私どもその趣旨に従って米国側にその意向を強く主張いたしたいと思います。もっとも相手のあることでございますから、直ちに明確な反応が期待できるかどうか、それはわかりませんけれども、その点は政府の誠意を御信頼いただきたいと思います。
○大出委員 それでは、戦車問題でまだはっきりさしておかなければならぬ問題が多数ございますし、防衛庁関係の問題もからんでおりますが、私、実は持ち時間を三分ほど超過いたしましたから、ひとつ伊藤さんの質問時間との関係がございますので、ここで切らしていただきまして、伊藤さんのほうから関連の御質問をしていただくように委員長に御手配をいただきたいと思います。
○前田委員長 それでは、関連いたしまして伊藤惣助丸君の発言を許します。伊藤君。
○伊藤(惣)委員 外務大臣が二時半ごろにどうしても退出ということでありますので、関連して質問いたします。 一つは、相模補給廠の戦車の問題、ただいまも大出委員からいろいろお話がありました。私はこの問題は、外務省が、条約上の義務を遂行するために、何とか国内法と調整をして米側に戦車の輸送問題について協力したい、こういう立場ではなく、日本国民の生命と財産を守る立場から、国民の感情をよく踏まえた上でこの問題を一日も早くすみやかに解決するよう強くまず第一に要望しておきたいと思います。 そこで、具体的に申し上げますと、この問題については、閣議了承ですか、この内容は、相模総合補給廠における戦車の修理機能についてはその縮小ないし停止を検討するものとする、これはきょう閣議了承したものと聞いておりますが、これだけではなくいろいろ話があったと思うのです。このことについて、外務大臣のもう少し具体的な見解をまず第一に伺いたいと思います。
○大平国務大臣 いま伊藤委員がお読み上げになったとおりの閣議の了解でございます。これは八月上旬以来の米軍の輸送問題に関連をいたしまして、現地が御承知のような状態になり、関係地方公共団体の通行許可をいただけないというような実情になりましたので、かたがた神奈川県知事、横浜、相模原両市長はじめ社会党の方々等各方面の御要望もございまして、政府として真剣に考慮いたしました結果、こういう閣議了解に至ったということでございます。閣議の御了解をいただきました以上、政府としては、この線に沿いまして関係各位の御意見も虚心に聞きながら誠意をもって事に当たろうと考えておりますし、そのことにつきましては国民各位の御理解が得られるのではないかと考えております。
○伊藤(惣)委員 そこで外務大臣に伺いたいのですが、前回ですか、米軍の戦車修理については、たとえそれが南ベトナム軍あるいはNATO軍の戦車といえども、米軍のものを供給したものであれば、日本の国内で戦車を修理することも安保条約上当然含むのだという見解が発表になりました。これは外務大臣、率直に伺いたいのですが、そのとおりですか。
○大平国務大臣 その点につきましては、遠からず政府の見解をまとめて発表いたしたいと思うのでございまして、いまいろいろ立案中でございます。
○伊藤(惣)委員 立案中であるというならば、近く発表するということだろうと思います。どうもいままでの発言を聞いていますと、そこにもおりますが、安保課長の答弁によりますと、たとえ南ベトナム軍が米軍の戦車を使ったとしても、米軍から借りている、いわゆる戦車そのものが米国籍なんだから修理することは問題ない、こういう答弁をずっとしてきているわけですね。われわれから見れば、条約上問題ない、地位協定上問題ないということをまた外務省では見解として明らかにするのじゃないかと、いままでの答弁から見ていきますと思うのですよ。そこで私、一番心配する点は、そういったことを認めていけば、安保条約、あるいはまた地位協定の拡大解釈というのがものすごく広がりまして、そういう条約上の義務、あるいはまた条約上における一つの解釈論が広がりますと、日本の基地は米軍が自由に使うことができる、何でもできる、こういうことになるのですね。いままでの外務省の答弁の中で、これは問題ないというような見解を繰り返し答弁しておりますけれども、であったとしても、戦車輸送の問題については、たとえ国内法に合わせたとしても通さないというような、いま住民感情が盛り上がっているわけですね。ですから、こういったことについては、無制限に認めるという考えがもしあるとすれば、政府が国民からますます不信の念を強く受けて住民感情を刺激する、こういうふうに思うわけであります。簡単に要約しますと、要するにこの地位協定に基づく条約上の解釈また範囲内での修理だとしても、私は、無制限に認めるべきではない、何らかの歯どめをすべきだ、こう考えるわけです。その点いかがですか。
○大平国務大臣 仰せのように、在来の外務省の見解が国会で表明された経緯は承知しておりますが、それに問題があるのではないかと私が参議院の内閣委員会で申し上げて、これが国会で、食い違いだということで御指摘を受けた経違がございます。いま伊藤委員がおっしゃるような問題もございますので、私どもとしては、慎重にひとつ統一見解をあらためて出してみたいと思いまして、いま苦労しておるところでございます。
○伊藤(惣)委員 統一見解が出ないうちはものが言えないじゃなくて、そういう住民感情について外務大臣はどう思いますか。
○大平国務大臣 あなたのおっしゃること、よく理解できます。
○伊藤(惣)委員 ということは、無制限に、野放しに認める考えはないというふうに考えてよろしいですか。
○大平国務大臣 理の当然として、何かそこに歯どめがないものかという点についてせっかく苦心しておるところです。
○伊藤(惣)委員 もう一つ、沖繩の問題なんですが、これは最近、国内法というものを無視しているということでずいぶん問題が出ております。あるいはまたCBR、核兵器または化学兵器、あるいはまた生物兵器ですか、こういうものがいまだに沖繩の基地にあるのではないかというような疑惑がいま出ております。つい最近では瀬長島の問題があります。そのことについては何回か現地の新聞に大きく出ておりまして、また外務省あたりの回答ですか、そういったものも新聞紙上で読んでおるわけでありますが、やはりいま一番大事なことは、こういった疑惑が出たときには、すみやかに立ち入り調査をするとか、あるいはまた米軍とその問題で協議をするとかということが、国民の疑惑を晴らすことになる。アメリカが、もうすでに撤去しております、ありませんと言っているんだから絶対にありませんという答弁をいつも外務省は繰り返しておりますけれども、そうではなくて、そういう疑惑や問題が出た場合にはすみやかにその問題について協議する、こういう一つのパターンをこういった機会につくることが大事ではないか、私はこう思うのですが、その点いかがですか。
○橘説明員 一部にまだ毒ガスのようなものがありはせぬか、あるいは生物化学兵器がありはせぬかというような問題がございまして、これにつきましては、たとえば生物化学兵器は、アメリカ自身もこういうものはもう製造をやめて、みんな捨ててしまうということを米政府もはっきり公にしておりますので、致死性の毒ガスにつきましても、かねて日本には沖繩を含めまして全部ない、生物化学兵器についてもあり得ないということを随時先方は明らかにしております。したがいまして、この点につきましては、いろいろ問題のような点がございますれば、重ねて何度でも米側には念を押しております。その点につきましては、米側も誠心誠意、わがほうの照会に対しては、現地についても調べて、結果をわがほうに連絡してくるという体制になっておりますので、日米間のそういう点の打ち合わせ、協議の緊密さについては、これまでもよくやっておりますが、今後も一そう密接に確認していきたいと考えております。
○伊藤(惣)委員 私、外務大臣に伺いたいのですが、こまかい話は橘さんとまたあとでやりますけれども、大きく、外務大臣に基本的な考え方をいま質問しているわけですから……。 いま現地の県知事をはじめ関係者が最も考えておりますことは、現地にそういった問題を協議する機関をつくってほしいということです。さらに九月の初旬に、沖繩・北方領土特別委員会においても、沖繩に行った際、鯨岡団長が、現地にひとつ協議機関をつくることを考えたいというようなことも現実に言っておるわけであります。ですから、そういったことについては、皆さんとの間に何らかの話し合いなくして、団長だけがかってに言っているのではないと思うのです。何か問題が出ますと、本土の外務省にすぐ言っても、外務省からは返事が非常におそくなって来るということで、不満が実はあるわけです。ですから、県当局も強く要望していることでありますから、現地にそういった問題について協議する何らかの機関をつくったほうがいいんじゃないか、私はこう思うのですが、いかがですか。
○大平国務大臣 先ほど事務当局から御答弁申し上げましたように、日米間の連絡は懈怠がないようにしてまいりますということでございますが、実効をおさめていく上において何らかの仕組みが必要じゃないかという御提案でございますが、その点につきましてはなるべく検討させていただきます。
○伊藤(惣)委員 要するに、いま協議する機関といいますのは、地位協定の第二十五条に基づく日米合同委員会がありますね。大体一週間に二回くらいずついろいろやっておるわけですね。本土でいろいろな問題が出れば、すぐ近くにありますからいいのですけれども、沖繩という地域は、いままでたいへんな強大な基地があって、そしてその基地機能というものは大体皆さん知っているわけですよ。しかし、返還後においてもあまり変わってないということで、あの島にはあるんじゃないかとか、ないんじゃないかとか、あるいは運んだところを見たことがあるとかないとかいうことをいろいろいっておるわけです。いままでの外務大臣も、そういったことを言いますと、それはもういつも、アメリカ大使館に聞いている、向こうは言っているんだから間違いない、こういうことの繰り返しなんですね。だからその疑惑はどんどんつのる一方なんです。そういうことに対して国民の前に疑惑を晴らすためには、前向きで、ないと言っているのだから、ないと言った以上は、見に行ってなきゃないで、次に疑惑を持とうと思って行ったってないんじゃないか。逆に今度は、外務省がないと言っているんだからないんだろうということにもなるわけですよ。ないない、しかしながら見せられない、それでまた協議する機関は特別つくる必要はない、こういうことではやはりうまくないと思うのです。そういった意味で、大臣は検討するとおっしゃいましたが、これも住民の感情をよく考慮した上で、早急に、前向きに結論を出していただきたい、そう思います。 最後にもう一問、相模補給廠の問題でございますけれども、これは以前、私がここで毒ガスの問題を指摘したことがございます。この内閣委員会で超党派で相模補給廠に行きましたが、塩素ガスと表示した一帯が全部こわされてなくなった。当時トンプソンという基地の司令官がおりまして、いろいろ懇談した結果、要らなくなったところは当然縮小してもいい、あるいはまた返還してもいい、そういう要望があれば考えるということも言ったことを私は記憶しておりますけれども、そういう面からも、大きく考えて、全面返還はもちろんしてほしいという神奈川県民の要望があるでしょうけれども、少なくとも現在あいているそういう塩素ガスのあったような地域というものについては、その面だけでも早く削って返還することが、私は、こういった問題を解決するのに一つは大きな役割りを果たすんじゃないか、こう思うのですが、その点、外務大臣、どう考えますか。
○大平国務大臣 先ほど御答弁申し上げましたとおり、きょうの閣議了解の趣旨に沿いまして精力的に進めていきたいと思いますが、それを進めるにあたりましては、現地の具体的な事情、条件を当然十分吟味させていただいて遺憾のないように取り運びたいと考えております。
○伊藤(惣)委員 相模原についてはいかがですか。
○大平国務大臣 同じような趣旨で、相模原の具体的な事情に応じまして、精細に吟味して遺憾のないように取り進めていくように検討を始めたいと思っております。
○伊藤(惣)委員 終わります。
○前田委員長 大出俊君。
○大出委員 二、三分時間をいただきまして、実は戦車問題の収拾がつかぬことになっては困るので質問いたします。 実は現地の神奈川の私のほうの委員長から連絡がありまして、二階堂さんの記者発表の中でたいへん重要な問題が二点落ちた。故意に落とされたのではないと私は善意に解釈をいたしておりますが、私がここに持っております文書は二階堂さんのお持ちになっている文書でありまして、だからそのとおりおっしゃる筋合いだと思っておったんですが、閣議後の記者会見で、相模総合補給廠における戦車修理機能についてはその縮小ないし停止を検討するものとする、こういうことが閣議了解の中身だと理解をいたしております。そして記者会見で、政府は一両年を目途としてやりますという、この一両年が官房長官の記者会見で言われていないというのが一つ。だから一両年と理解してよろしいかということ。所管の大臣でございますから、官房長官はその方面はくろうとではないはずでございますから、その点大平さんに確認願いたいのが一つ。 それからもう一つは、社会党の石橋書記長から、私も同席をいたしましたが、ベトナム向けのM48重戦車、M113などについては、アメリカ本国に持っていってくれ、ベトナムに持っていかないでくれ、簡単に申し上げればこういうふうに申し入れをした。これに対する答えは、昨日は、社会党の石橋さんのおっしゃることはよく理解できます、何べんもよく理解できますと申し上げます、ほんとうかと言われればほんとうによく理解できます、また繰り返して申し上げます、こういうところまでなんで、閣議が終わりましたら、M48、M113等については、社会党の石橋さんの申し入れの趣旨もこれあり、政府としてはよく理解できるので、政府といたしましてもその方向でM48、M113などを善処いたします、こういうことになっていたわけでありますが、M48しか言わなかったというようなことですから、この点で現場のほうは、当面問題になっておるM113が大きな問題でございまして、少なくとも政府はそういう努力をするという姿勢でなければならぬはずだというので、これは実はおさまりのつかぬことになるという連絡がありました。これは昨日も私が直接二階堂さんと話をしておりますので、そのときは、M48、M113など、こういうことでやりとりをしたわけでございますから、よもやそういうことをおっしゃるとは思っていないのでありますが、現にそういう発表だったというものですから、この二つの点、一両年、それを目途に縮小、機能停止の方向について政府が努力なさるという点と、ベトナムに持っていくなというのはM48、M113など、こう言っているわけでありますので、そこをひとつはっきりさせておいていただきたい、こう思うわけであります。
○大平国務大臣 第一点の一両年中を目途としてということにつきましては、そのとおり間違いございません。そのように私も理解をしておりますし、けさの記者会見で申し上げました。 第二点のベトナム向けの戦車の確認事項でございますが、いま大出委員の言われたことに間違いはございません。私どもそのように理解いたしております。
○大出委員 じゃ、どうも……。 引き続き戦車問題について数点にわたりまして、特にひとつこれまた非常に大きなひっかかりのある問題がありますので、それを含めてなるべく時間をかけずに結論をいただきたいと思っているわけであります。 そこでまず第一点は、十六号国道を建設省はお考えのようでございまして、したがって、これこれの橋はこのくらいの耐荷重量があるということを計算なさいまして、簡易算定表にかかわらず設計トン数その他に触れた出し方をなさっております。 〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕 私どものほうの理解からすると、十六号国道の横浜市内にございます尾張屋橋という橋、この橋は尾張屋橋、塩田橋、塩田跨線橋というふうに三つに分かれていて通称尾張屋橋というのでありますが、この橋の通過について、どうやらおろして戦車を単体で走らしてもいささか困難である、こういう現実が出てきている。そこで別な通路をということで、横浜市の管理する道路になりますが、そういう考え方が出てまいった場面がございました。したがって、やはりこれは通れないものは通れないとはっきりしておいていただきたい、こう思うのでありますが、建設省の皆さん、どういうふうにお考えでございますか。
○木村国務大臣 道路局長から答弁いたさせます。
○高橋説明員 国道十六号線の橋につきましては、さきに耐荷力につきまして発表したわけでございますが、いま御指摘のとおり、尾張屋橋と塩田橋、それから塩田跨線橋の三橋につきまして、トレーラーに戦車を積んで輸送することは耐荷力上非常に困難でございます。この三橋につきましては、戦車の自走によりまして、速度ももちろん制限いたします、それから通行の位置も指定いたします、一橋につき一台ということでもってやりますと通過できるという計算になっておりますので、そのように発表いたした次第でございます。
○大出委員 それならば、尾張屋橋を避けて通る路線設定をなさる必要はなくなるわけでございまして、たとえば尾張屋橋を通らずに青木橋に抜ける。これは横浜市長の管理する道路で、ございます。尾張屋橋を避けて、尾張屋橋の手前から青木橋に抜ける。青木橋を通って、横浜駅前を通って、高島町を通って大江橋に行く、このコースをお考えになる必要はない。だから、一ぺん出したものだから、それに対して市の技術者からいろいろクレームがついたにしても、言いたくないならいいんですけれども、事実上、尾張屋橋は困難だというのですね。そういう結果であればこそほかの路線が出てくるのじゃないですか。そこのところ、いかがでございますか。
○高橋説明員 ほかのルートにつきましては、前にM48はノースピアに行くときに通りました市道もございます。尾張屋橋等を含めた三橋を通らないようなルートがございます。このルートにつきましては、おっしゃるとおり、戦車をトレーラーに載せて通ることはできると思います。しかし、これらにつきましては、横浜市の市道になっておりますので、建設省としてはチェックはしておりません。
○大出委員 そのやりとりはもう少しあとでいたしますが、ここにもう一つ問題がございまして、先月の三十日に十六号国道の金沢区におきまして水道の本管が破裂をいたしまして、四千戸の住宅が給水不能になりました。横浜市は、横浜市が持っておる全給水車を動員いたしまして、全力をあげて給水に当たったわけです。やっと何とかかっこうがついた形になったわけでありますが、 一応市長が、この事故に基づきまして、直ちにこの問題についての調査を市の水道局長に命じたわけでございます。その後、政党関係の方からの調査の申し入れ等もあったようであります。 その調査結果が先日出てまいりまして、私ここに持っておるのでありますが、これを見ますと、どうも非常に危険な状態にございまして、おおむね屏風浦というところから金沢区の六浦町、この間に内径四百六十ミリ、水道管の中の直径が四百六十ミリ、こういう鋳鉄管という鉄の鋳物でございますが、そういう水道の本管が通っているわけでございます。これが七千五百四十メートルにわたって十六号国道の下を通っている。しかも市の調査によりますと、岩盤に乗せているということでございます。砂の中に埋まっていない。ところが、この水道管が実はたいへんに古いものでございまして、青山の貯水池にあったものを向こうに移したという経緯がございます。 そこで、五千六百四十メートルのうち約九〇%は、この本管が明治二十年に横浜水道が創設されたころのベルギー製の鋳鉄管というものの再使用です。塗装もしないで再使用したといういきさつがあった。それから残りの一〇%は明治三十年なんですね。英国製の鋳鉄管。だからこれは七、八十年たっているんですよ。これに水が走っているということです。実は一本道ですから、バイパスをつくらない限りは埋めかえ作業ができないという状態にある。そのことが明確になってまいりまして、私ども非常に驚いたり困りたりしたわけであります。 そこで水道局の調査の結論は、もしこういうところを戦車の七十トンからあるものが通る場合に、そのために水道管が破裂して何千戸か給水できないことになった場合は、これは容易なことでおさまらぬ筋合いになる。しかも昭和四十一年以後今日まで二十回、この路線は本管の破裂が起こって修理している。そのたびに何千戸かが給水ができなくなっている、こういう実績が出てまいりました。そこで市会関係者の方々も、こういう状況にあるところをM48を通すなどというばかげたことがあってはならぬではないか、こういう御意見でございまして、確かに、米軍戦車が通ることによって破裂をしたなんということになりますと、これは容易ならぬ国民感情の問題になってまいります。あわせて普通の、戦車でない一般車両のバイパスができ上がりますまで、この路線はトン数制限を市議会が取り上げてやらざるを得ないのではないかというところまでいま来ているわけであります。 したがって私は、ここを通そうなどという考え方は、将来どういうふうにこれが政治的に発展するにしても、あってはならぬという気がするのであります。つまりそのことは、一つ間違うとえらいことに発展するから、こういうことなんでありますが、そこらは、私、それなりに申し上げてはおきましたけれども、その後御検討の上でどういうことになったかという点、建設省側の考え方を、輸送路線とからみますので、承っておきたいと思います。
○高橋説明員 ただいまの水道管の破裂等の問題につきましては報告がございまして、確かに御指摘のとおり、たいへん古い鋳鉄管を使ったための破裂のようでございまして、すでに水道管としての耐用年数が来ているのじゃなかろうかと思います。したがいまして、今回のM48をもし輸送すると仮定する場合には十分注意する必要があると思いまして、この点につきましては現在慎重に検討中でございます。
○大出委員 慎重に検討中といまお話しでございますけれども、私、昨日、官房長官、副長官に会いましたときに、後藤田副長官から私に――これは、きのうは表でものは言わないことになっておりましたから、言わないでおいて、言いたくないからきょう直接おたくに承ったのですが、検討中なんということをおっしゃるから、実は私、言わざるを得ぬのですけれども、副長官はきのう、この水道管のこっちのほうを通すことはいたしませんと言い切りましたが、その間のいきさつはどうなっておりますか。きのう私が、官房副長官、官房長官等とやりとりをいたしました際にこの問題に触れましたが、わかりました、こんなところを通ったらえらいことになる、だからこれは通りません、こういうお話があったのですが、いまおたくのほうは検討中、こうおっしゃるので、検討中という限りは、通るとも通らぬとも、通れるとも通られぬともまだわからないことになるわけであります。政府のスポークスマンのほうは、通れぬから通らぬ、こう言うのでありますが、たいへんな食い違いになるので、そこらいかがでございますか。
○高橋説明員 官房副長官には、あまり詳しくこの事故についての説明はしてございません。したがいまして、私たちのほうは現在詳しく技術的に調査中でございますが、たとえば道路の一般路側に入っている場合は、中央に車が通りましてもほとんど影響はございません。車輪の及ぼす影響というものは幅の狭いものでございますので、路側にあるものはだいじょうぶでございます。したがいまして、詳細に検討した結果でないと……。また、耐荷力はどのくらいございますか、深さによって違いますが、それらによって違いますので、こういうものについて現在慎重に検討中でございます。
○大出委員 そうすると、副長官がおっしゃったことがうそだということになりますな。このことについては、副長官にここへおいでをいただいて明確にいたしませんと……。そこまで現場には報告をしてございますので、この路線は通らないということになったと明確にきのう聞いたが、かつ、報告をしたけれども、そうではないと言い直さなければなりませんので、ひとつ副長官をお呼びいただきたいのですが……。
○高橋説明員 副長官がどういう御判断でお話しになったかは私も存じませんが、現在検討中であることは事実でございまして、したがって、通れないという仮定の上に立っているのじゃないかと思いますが、もし通れないという場合には、その部分だけ別なルートを選ぶことがあり得るんじゃないかというふうに考えます。
○大出委員 別なルートなんか選びようがないのです。それは通ってみればわかるじゃないですか。十六号の屏風浦から金沢文庫、八景の近くまで別なルートなんてありゃしませんよ。私は選挙をやってきて、さんざん知り抜いているんだから。一本しかないから、できないんじゃないですか。いいかげんなことを言ってはいけませんよ。これは私は政府との約束と受け取っているのですがね。だから担当の省に念を押して一言伺っているのです。これをひっくり返すようじゃ、あぶなくてしようがないですからね。これはやり直さなければなりませんから。
○高橋説明員 私も実は昨日、官房副長官に呼ばれまして詳細にお話を承っておりますけれども、この横浜ルートを通らないという約束はしてないように、そこまで私、聞かなかったわけであります。確かに水道管の破裂個所がございまして、通れるかどうか疑問であるということを私たちも聞いておりまして、厳重に今後検討してからでないと結論が出ないと思いますが、あるいは副長官がそういうふうに御発言になったとすれば、われわれとしては、そのルートは放棄いたします。
○大出委員 これは、私どもの党の書記長石橋さんと神奈川県党本部委員長の片岡勝治さんと私の三人で、官房長官、官房副長官にお会いしまして、その席上で、この水道管の破裂した個所は危険であって、もちろんそちらを通すようなことは考えていない、こういうお話でございましたから、私はそのように正式な機関に報告をいたしてあります。したがって、そういう分析の上にものを考えているのでありますけれども、その基礎がくずれるとなると、これは小さい問題ではございません。横浜市長もそういう決断を出しているから、前もってそう申し上げているのでございますが、そうでないのだとすると、これは新たな争いが起こりますので、いま最後の御発言のとおりであれば了承いたしますが、大臣よろしゅうございますか。
○木村国務大臣 官房副長官と道路局長との間に連絡が不十分だったということであります。私は了承いたしておりますので、そのとおりでけっこうです。
○大出委員 これは官房副長官も同席でございますから、私のほうも三人おりましたので、そういうふうにおまとめを願いたいと思っております。 それから次に、となりますと、実は新港埠頭というところに米軍の埠頭がありまして、バージ、つまりはしけが入っているところでありますが、ノースピア、例のいままで積み出していた対岸になりますが、ここのところも、いろいろお話がございましたので横浜市が検討いたしましたら、何と万国橋が明治時代の橋でございまして、たいへん形のいい橋でございますけれども、ちょうど木村大臣のような年齢でございまして、これがやはり三十七トンというところでございまして、これもどうにも単体でも通しようがないというかっこうでございまして、そこらのところは御検討いただいたことがございますか。
○高橋説明員 検討しておりません。
○大出委員 だから私がここで申し上げたいのは、そうならば、やはりもとに戻って、問題の村雨橋、千鳥橋――千鳥足みたいな橋でございますけれども、この辺のほうをあなた方はお考えになる、御検討をなさる必要があるような気がするのでありまして、あえてやってくれと申し上げているんじゃなくて、どうもあっちこっち話がちらほらありますので、まとめておきたいという意味で申し上げているのですが、その辺のところを含めて、一体、建設省側はどうお考えなのか、簡単でけっこうでございますが、承っておきたいのであります。
○高橋説明員 横浜市道にございます村雨橋と千鳥橋につきましては、市当局とわれわれとの間でいろいろ相談をしております。村雨橋のほうは、簡易計算法によりますと、トレーラーに載せた戦車は通れないようなことになっております。先般、市長が拒否したとおりでございますが、その後の詳細なチェックをいたしますと、一橋一台、非常に徐行でもって通されますと、詳細計算によりますと通過できるようになっております。これは横浜市も存じているはずでございます。一方の千鳥橋につきましては、現状ではやはり無理でございます。たとえ自走しても通ることができないような状態でございますので、これは何らかの補強をする必要があろうかと思います。したがいまして、われわれのほうは、むしろそれを主体にして現在事務的には検討を加えている段階でございます。ただ、急にもし何らかの――ということでございます。
○大出委員 これはお互いに苦労して長い期間が過ぎておりますので、別にわれわれのほうは気にしておるわけじゃございませんから……。 そこで、私が申し上げたい趣旨はこういうことなんです。あまりこそくなことをお考えになるとかえってものごとがこじれるもので、急がば回れという名言もございますので、だから市長は、かつて四日の日にパトロールカーを持ってきて、村雨橋について、ここはいけませんよ、簡易算定表で計算してあるのですからと言ったときに、道路法というものは通れるものなら早くお通りくださいという法律です、だから妙なことをしないで、直すならば国がお直しになったらいいじゃないですか、市民の財産の橋をこわすわけにいかぬのだから、こういうふうに言っているわけであります。だから私は、やれどこを抜けていかなければなんということを――いま袋のネズミになっているから、ネズミというのはどこからか出ようとする。しかしこのネズミは中身が少し大きいのです。何しろ日本の国内というのは七十トン以上のものを運ぶことを想定してつくられた町じゃないのです。だから、どっちへ行っても何かにぶつかってしまう。こういうことなんですよ。だからそういう意味で、あまりこそくなことをお考えにならぬで、やはりものごとをオーソドックスにお考えいただいたほうがいいのじゃないかという気がするのです。そういう言い方をしたわけです。おおむねお考えはわかりましたので……。 私は、この問題はそういう意味では、いろいろございましたけれども、国内法を見直すというような意味で――安保条約が長らくあるのですけれども、行政協定、地位協定がこうあったわけですけれども、この米軍なり、あるいは構成員なり、あるいは軍属なり家族なりというものは、日本の国内法、法律を順守する義務があるという条項が存在をしたのに、先月八日の日あたりになって、国会で初めて国内法優先を確認するなどという、そういうことはないはずなんですが、つまりそこに気がついたというわけであります。主権国家でございますだけに、法律を一つ犯されても主権の侵害になります。そういう意味で、私はむだなことではないだろうという気がするわけでございますが、そういうふうに受け取っていきたいと思っているわけでございます。 そこで、最後でございますが、これは木村大臣に、どう考えているかというお考えをどうしても承らなければならぬわけであります。私、苦労をいたしまして、何とかこの問題を前向きに一つの区切りをつけたい、こう思っているのですけれども、これはどうしても一つ残る問題がある。それで、出身組織だけでも、M113であれM48であれ、前にすわると言う。何べんでもやると言う。これはどういうことかといいますと、相模原市職員を逮捕したという事件なんですよ。これは先般、私、木村大臣に質問いたしましたが、三月二十七日に文書が出ている。警察の協力を要請されている。反対がない限りは警察側も了承したものでなければならぬはずでありまして、そうだとすると、道路法七十一条に基づく道路監理員の任命が行なわれていて、そして手続に従って出かけていったものである。 それを二つに分けて申し上げますと、片方の課長さんのほうは、ちゃんと証明書を持って手をあげて呼びかけている。それを、おまえ何だ、相模原市の道路監理員だ、道路監理員もヘチマもあるかというのでグリーンベルトに押し倒されてしまって、それでも叫び続けたら、四の五の言わず逮捕するのだというので、飛んで逃げたと言うわけです。御本人は古川弘道さんとおっしゃいます。私は話をしている。私は市長の命令をもって、法律に基づいて、職責を持っているんだというのです。これが一つのケース。 もう一つのケースは、道路パトロールカーが安全運転義務違反をやったと言うのですよ、神奈川県警は。安全運転義務違反をやったからというので逮捕した。私は、これは威力業務妨害だとかなんとかひっついているのかと思って聞いたら、いや安全運転義務違反だ。新聞には公務執行妨害みたいなことが載りましたが、私が聞いたら、そう言っておられる。そうすると、安全運転義務違反でそんなに簡単に逮捕されたんじゃ、点数一点ぐらいしかないものをたまったものじゃない。 ときに現場に即したいろいろな事情があったのかもしれぬ。しかしたくさんの人が見てもいた。だから、その間のそれぞれの主張の食い違いがあるにせよ、この問題は単に起訴しないということだけで済む筋合いのものではない。だから、その方が属している組合の組織が、何としてもこの問題の決着がつかぬ限り、起訴しないでは済まぬ、何らかの責任を明らかにしろ、そうでない限りは、この組織独自でも反対闘争を続けるという。そうすると今度は、この組織が属している総評傘下の神奈川県評という組織がある。神奈川県評あげてということにならざるを得ない。加盟組合である限りは、しかも正当な理由がある限りは。そうすると、幾ら私どもが考えても、具体的な事実がある問題だけにおさめようがない。昨晩、実はたいへんおそくまで県評の責任者と話しましたが、何としてもこの問題だけは、何らかの政治的解決が出てこない限りはあとに引けない、最後の結論はそこだ。 そうなると、やはりここで大臣に――これは指揮命令系統その他の関係は私も知らぬわけではありません。ありませんが、私はきのう石橋書記長と同席をして二階堂さんにお目にかかったときに、石橋書記長から二階堂さんにこの問題を提起をした。二階堂官房長官はいわく、これは私が木村大臣と話して解決します、こういう趣旨の回答なんです。だが、その点は話しましたが、それだけでは片づかない。だからそこから先に、起訴をしないだけでなしに、何かの措置が要る。神奈川県の警察常任委員会では、県警本部長さんが何回目かの遺憾の意を表しましたが、現場の諸君のほうは、相模原署長を首にしろとかなんとか言っております。それは現場の諸君にすれば、憤激しているわけですから、そのくらい言いたくなるのも無理はないと私は思いますけれども。だからそういう点について、皆さんのほうで、この際この問題の収拾をはかる、こういう考え方でないと、とてもじゃないが私ども政党関係だけで処理ができない。労働組合の組織というのは独自な決定機関を持っておりますから、その機関できめていることでございますから。そういう意味で、先般は責任の所在、こう申し上げたら、時間をかしてくれ、こういう大臣のお話でございました。警察庁の方々のほうで詳細な説明を大臣にしていないということがかりにあるとしても、十七日からいままで時間をおかししたのだから、それは皆さんのほうの責任でございまして、だからやはりこれについては何らかの解決をお考えを願わなければならぬ。いかがでございますか、との点は。
○木村国務大臣 きのう二階堂官房長官から話がありました。この問題の解決には最高の考慮を払って処理いたします。
○大出委員 最高の考慮を払って解決いたします、そう受け取りましてよろしゅうございますか。
○木村国務大臣 けっこうです。
○大出委員 それでは、具体的にはいろいろ事情がございましょうから、ひとつそこらを後刻御勘案をいただきまして、いまの御発言の趣旨に従って詰めていただきたい、こう思うわけでございます。 あと一つだけ、M48というのは鉄道輸送はできますか、できませんか。
○橘説明員 問題はないと思いますが、物理的にその大きさとか高さとかいうことで、現状では難点があるいはあるかもしれません。
○大出委員 現状では難点がある。M113のほうは、これはいまのお話からすると、あるいは難点がないのかもしれませんが、政治的に貨車輸送ということをお考えになる必要がありますか。
○木村国務大臣 早く解決させてもらいたい、解決しなければならない、こう思っておりまして、村雨橋、千鳥橋ですか、私のような橋であるかもしれませんですけれども、これは一生懸命になつて直させてもらいまして、ここを通るようにやらしてもらいたいと思います。
○大出委員 先ほども年齢のお話が出ていまして、たいへん恐縮でございますが、この水道本管も現在ちゃんと給水しておりまして、たいへん古いのでございますけれども、なお堅牢でございまして、ただ折れやすいという難点がございますのでああ申し上げたわけでございますが、いまのお話は、片づけばということでございますので、私どものほうも、できる限りひとつ前向きで事の解決に当たろうというつもりでおりますが、そういうことで時間をかけて質問をしておるわけでございますから、御了承いただきたいと思います。政治的な意味で問題が相次いで起こるということは極力避けていただきたい。おのおのかかえておるその組織、組織でいろいろな意思表示をしておりますので、あえてそこに新たな問題を提起されると、ますます事が混線をいたしますから、なるべくそういうことでないような方途をお考え願えないかという趣旨で、気をつけて最後のところを聞いておりますので、ひとつその意のあるところをおくみ取りいただきたいと思います。 それでは、あと何点かずっと個条的に聞いてまいりますが、なかなか時間がございませんので、御了承をいただきたいと思います。 増原防衛庁長官に承りたいのですけれども、四次防につきまして防衛庁原案をおつくりになっているわけでありますが、日米会談で大平さんがお答えになりましたように、台湾海峡における紛争の可能性というのはないのだ、こういう言い方をされておりますが、その認識は間違いがない、こういう前提に、これは日米会談でそう言われたのでございますから、立つべきだろうと思うのでありますが、あわせて、南北朝鮮の三十八度線の問題がございますけれども、ここでも今日話し合い、不戦の方向に進んでいる。これも現実の問題で、否定する余地がないわけであります。そうなると、ずばりと承りたいのでありますが、脅威を前提として、旧来、有事即応という体制をおとりになってきた防衛庁。そうすると、ここに二つ出てまいりますが、久保さんあたりがちょいちょいものを言っておられますけれども、脅威を前提としない、こういう立て方からすると、その中における軍事的合理性、こういう表現、あるいは政治的妥当性、こういう問題、そういう論点で四次防を考えた場合に、いまの四兆八千億円は、ベース改定を入れると五兆三千億円くらいになりましょうけれども、これは必要なんだ、こういう言い方になっていく。ここらのところを一体どう理解をすればいいのかという点。 なぜこれを聞くかというと、一面、脅威はなくならぬということをまだ防衛庁は言っておられる。その脅威がなくならぬという言い方の中に、つまり、戦力あるいは戦闘能力を持っている周辺の国国というものを対象にして、その国に侵略的意図があるわけではないけれども、能力を持っている国々がある。だからそういう意味で、つまり脅威が全くなくなったわけではないという言い方になる。時間がありませんから文章を読み上げませんけれども、こういう二面、答弁が出てきているわけでありますが、そこら一体どう整理すればいいのですか。つまり、四次防のいまお考えになっている中心的な思想というのは、周辺に能力のある国がある、その国に侵略の意図はない、ないけれども能力がある、つまり脅威はなくならぬという言い方が一つ出てきている。かと思うと、脅威が前提にならない。そういうことになると、その中における軍事的合理性の追求あるいは政治的妥当性、そこらで四次防を判断をするというふうに考えても、なおかつ、このくらいの四次防は必要であり、安保条約は必要だ、こういう論理ですね。これらの言い方をどういうふうに私どもは整理して受け取ればいいのか。私どもが疑問を持つ限り国民諸君だって疑問を持つはずでありますから。その点をひとつ、前提になりますので、承っておきたいのであります。
○増原国務大臣 四次防の前提としての大出委員のおっしゃる軍事的合理性、政治的妥当性という問題、基本的な大事な問題でございますが、われわれは、四次防を策定をしまする前提としての国際情勢の判断と申しますか、そういうものは、これは現在、日本周辺、アジアにおける国際情勢というものは緩和の方向に向かっておる。いまおっしゃったように、台湾海峡にしろ、南北朝鮮にしろ、そういうことを認識をしておることが前提でございます。そうして、ここ当分の間に日本に侵略の脅威が起こるというふうには考えておらないということも、その間の一つの前提でございます。しかしこれは、日本の自衛隊を、いままで一次防、二次防、三次防をつくっていきまする際に、そういう考え方でまいっておるのでありますが、やはりまた現在の世界の情勢、アジアの情勢を考えて、当時、いまよりは緊張があると考えておったと思いますが、そういう時代においても、直ちに侵略が起こりそうだという判定は当時もしていなかったわけでございます。しかし、そういう状況判断でありましても、無防備で国の安全を守れるという情勢にまだ世界の情勢というものはないという一つの基礎的なものの考え方を持っておる。したがって、これはやはり周辺における武力と申しまするか、力というものが一つの判断の要素になるでありましょう。周辺にそういう武力が少しもないということである場合とは違うわけでございます。周辺に武力があるという状態のもとで、現在の世界情勢、アジアの情勢のもとでは、やはり日本として相応の自衛の力、武力を持たざるを得ない。そうして、これはもうすでに、いままでの事実としての歴史的段階として安保条約というものをつくりまして、三十五年に改定をした安保条約というものを基本に持っておる。安保条約を一つの基礎として、できるだけ自分の力で、国力、国情に応じた自衛力を整備をして、両々相まった力としての自衛を全うしていくという考え方が必要であるという基本的な考えでございます。 そういうことで、一次防、二次防、三次防という防衛力整備をやってまいった。四次防を今度策定をしまする場合にも、最初、御承知のように中曽根原案というものがつくられました段階は、一応十年先の状態をひとつ見通しをいたしまして、そのときの状態に対応できるような力、防衛力を想定をし、その目標のもとに、五年間に策定をする第四次防衛力整備計画。新防衛力整備計画とそのときはいわれたものをつくろうとしたということでございます。ところが、それが昨年の段階になりまして、いよいよ決定をする段階になりまして、いわゆるニクソン大統領の訪中という問題が起こってきた、緊張緩和という方向がさらに望ましい方向に強くなってきた、そういうことも一つ出てまいりました。一つはドル・ショック、世界通貨不安ということで、日本の経済見通し、財政見通しというものが、中曽根原案をつくった時分より悪い方向といいまするか、望ましくない方向になったということを考え合わせまして、中曽根原案のような量、質のものをそのままやるわけにはいかないという判断をいたしまして、量、質、若干の削減をするということを考えましてつくりましたものが、ただいまの防衛庁原案ということでございます。 前々も、私は脅威を前提としたということは、当面、そう言っておったかどうか、ちょっと記憶がありませんが、そうは言っていなかったんじゃないかと思いまするが、まあ最近は防衛局長が脱脅威論というようなことを言ったりしておりますが、しかしこれは、脅威が当面しておるということで二次防、三次防もやったんではなかったんじゃないかと私は思います。少なくとも四次防をこの場合策定をする際には、当面の脅威を考えて策定をしたものではない。しかし、やはり当初申し上げましたようなことにおける自衛の力、安保を一つの背景とした自衛の力を持たなければいかぬという考え方、それは一つの考慮すべき要素は周辺の武力というものである。それを、この中曽根原案をつくったときに比べて、一方において国際情勢の緩和があり、一方において財政、経済のダウンがあるというふうなことを考え合わせましてつくったものが今回の原案であるということでございます。
○大出委員 この脱脅威論という話がいまひょっと出てまいりましたが、ある意味では平時編制という言い方も出ておりまして、そういう意味で言えば、これは脅威を前提としない。脱脅威なんですから。平時なんですから。そうすると、その面からいけば、以前は脅威を前提にしたことになる。今日、朝鮮半島の話し合いのムードが一つ前進をしている。台湾海峡の紛争は予測できない。また東西ドイツの関係もそうでございましょうが、あるいは米中接近がそうでございましょうが、あるいは日中国交回復の動きがそうでございますが、そうなってきた中だから、国民一般は、こういう世の中になってきているのに、何でこれだけの金を四次防へ使わなければいかぬのかという大きな疑問を持っている。だからそれに対応して脱脅威論が出てくる。そうでなければ国民は納得しないのだから。そうでしょう。だから、軍事的合理性、つまり脱脅威という形の中の軍事的合理性あるいは政治的妥当性、こういう問題が出てくる。 これは、私どもが前から唱えていたように、極東の冷戦構造の崩壊。脅威が全くなくなってきている。その中で旧来の理論を幾ら振りかざしてみたって、皆さんのほうの言っていることは通用しない。向こう岸が高くなるからこちらも高くしなければならない、というようなことを言ってみたって通用しない。そうなると、ここで一つの決断が要る。決断という意味は、不足であっても何であっても、国民が納得しない限りは、政治的に四次防は要らないなら要らないと割り切らなければならぬ時期が来ている。それじゃ困るということで出てくる理論が脱脅威論であってみたり、その中における軍事的妥当性あるいは政治的妥当性という観点から見ても、ベースアップを除いて四兆八千億はなお妥当な数字だというようなことを言うようになる。これは私は理解に苦しむ。だからそれは何だと聞いたのですけれども、長官の言うことによると、さっぱりはっきりしない。私の言っている趣旨はおわかりでしょう。何でそう変わらなきゃいかぬのだということです。中曽根原案でいけば五兆八千億という。だがこれはベース改定を含んでいた。五兆八千億が四兆八千億になっても、周辺の状況は中曽根原案のときとは全く一変している。国民のだれの目にも、米中接近、日中国交回復は進んでいるし、台湾海峡における脅威というとは考えられない。南北朝鮮の間も平和の方向に進んでいる。この間、東西ドイツにしても、不戦東方条約等の顕著な例が出ている。こういう世の中に要らぬじゃないかという、その国民の疑問に答えていない。相変わらず四兆八千億という言い方をする。さあその論理に困ると脱脅威論が出てくる。平時編制でいくなんてことが出てくる。その点は私はごまかしじゃないかと思う。だから、その点をごまかしでないように、何が一体政治的妥当性であるのか、何が一体軍事的合理性なのか、この面から見て、何で四兆八千億が妥当なのか、説明してもらいたい。
○増原国務大臣 少し質問とお答えの方向がうまくかみ合っていないかのような感じを受けますが、申し上げたのは、私どもがいま当面の脅威を感じているというのは、これはしかし三次防、四次防でも、当面の脅威というようなことは、私ども防衛庁であまり言ったのじゃないというふうに記憶しておりますが、当面の脅威を感じているわけではない。アジアにおける緊張は緩和の方向に向かっているという認識は持っています。しかし、国を防衛するというたてまえでものを考える場合に、国際情勢の変化を短期間でとらえる。あるいは私どもの言い方からすれば、国際緊張緩和という状態が定着をしたと見るのはまだ早過ぎはしないか。やはりこういうものはもう少し長い期間で確かめるということが必要であるということは、一方に考えておるわけであります。そういうたてまえで考えまして、防衛力を整備するという方面のことは、またこれは三年、五年で整備ができるものではないという問題もあることであります。一応、長期的な見通しに基づいて長期的な整備の方向を立てるということが防衛力整備においては必要であるというたてまえで、いままでも来ておるわけであります。そういうことでこの問題を考えておる、こういう意味であります。
○大出委員 これは、いまの話を進めていったんでは議論になりませんがね。というのは、私も長いからですけれども、防衛庁長官おやりになった方が何人かわったか忘れたぐらいですが、そのたびに、松野さんみたいに適当なことをおっしゃるのがいるんだから。限界がどうなるんだと言ったら、向こう岸が高くなればこっちも高くしなければならぬと言う。その論議が今日通用しないです。通用しないから、それじゃ極東のつまり今日的現象――当時のですね。中曽根さんのときもそうでありますが、核開発をやっている中国の動向がアジアの情勢にたいへん大きな影響を与えている、なんというような書き方を防衛白書にはしている。これは明らかに脅威論です。 だから、そういう論理を立てておられたから、それじゃ、米中接近なり日中国交回復なり南北朝鮮の話し合いなりというように日本が努力すべきじゃないのか。そして極東の情勢がそういう変化を示していけば、いまの構想というのは成り立たなくなるじゃないかという議論をずいぶんした。いまそういう時点が来た。来たら何だといったら、脱脅威論とかなんとか理屈をつけようとする。そこで四兆八千億、ベース改定を入れれば五兆三千億。あなた方のほうは、金額を大きく見せようと思ったときには、ベース改定計算までして五兆八千億と言って、今度、どうも世の中が冷戦緩和の方向に動いている、こんなときに四次防とは何だと国民が言うもんだから、今度はベース改定を引っ込めて、わざわざ少なく見せようと思って四兆八千億というようなことを言う。そういういいかげんなことで事が済む段階ではない。 そこで、もう一つ承っておきたいのでありますが、国防会議の参事官会議で、戦力判定というのは一体どうなんだということで、費用対効果の問題等を含めて防衛庁にものを言っている。ところが防衛庁のほうは、そんなものはできないのだというふうに回答している。戦力判定はできない。そうすると国防会議の参事官諸君が、それはわからぬという疑問を出している。これは中曽根さんのときは、五次防まで見通して、四次防というのは防衛力の面でいけば八合目までのところだと言っていた。今度の四次防にはそういうことは何も書いてない。ということになると、これは参事官諸君が疑問を持つのはあたりまえで、そういう疑問を防衛庁にぶつけた。島田次官の言い方ではわからぬというわけです。わからなければ、参事官が疑問を持つのに、国民がより以上大きな疑問を持つのはあたりまえでしょう。国防会議に名を連ねている参事官諸君がわからぬと言っているのに国民にわかるはずがない。疑問が出てくるのはあたりまえだ。 そうすると、戦力判定ができない限りは限界論争はできない。そうなってくると、戦力判定もできない、限界論争もできないということになると、残るのは、向こう岸こちら岸論理ですよ。周辺に戦力というものについて能力のある国がある、だからということになる。そうすると、これは私は、四次防策定にあたっての致命的な欠陥だろうと思っているのですよ。めったなことで四次防なんというものは通せない気がする。 そういうことなんで、長官は、防衛力の限界というものを一ぺん調べろというようなことをかつて指示されたようですが、私にかつてそうお答えになっていましたが、そこらを含めて、今日一体、自衛隊の戦力というものはどの程度のものと判断をなさるのか、四次防でそれがどのくらいのものと考えるのかという点、これはわからなければわからないでけっこうですけれども、わからないものは論議のしようがないという結果になるので、そこらのところをひとつはっきりしておいていただきたい。
○増原国務大臣 戦力判定という問題になりましたが、御承知のように、中曽根原案のときの十年先の陸、海、空の総合兵力というものが出ておりまするが、これは十年後の一応の世界の情勢といいますか、アジアの情勢を想定をし、それに対するものとしての防衛力というものを考えたというのが、中曽根原案における十年後の力であります。これは考えようによっては、いわゆる戦力判定といいまするか、これが日本の防衛力の限界ということが言えないことはないと思いまするが、そういう趣旨で出たものではなかったわけでございます。そういう十年後の目標に対して四次防は八合目というふうな論が出てきたわけでございます。 このたびの四次防は、そうした十年後の想定というものを国防会議の基本構想決定にあたりまして取り去ったといいますか、それをやめたわけでございます。したがいまして、三次防の延長としての自衛力の増強ということでまいりました。これは何合目ということが言えないという状況でございます。しかしいわゆる戦力の一応の限界というものを出すべきではないかという御議論を承りました。これは私、十分意味のある御意見であると考えましたので、事務当局に命じまして、幾つかの前提を置かなければならぬと思いますが、幾つかの前提を置きまして、この国際情勢の推移、アジアにおける情勢の推移がいまのような形で推移するということが一つの情勢である、あるいは安保体制というものを背景に持っていくということも一つの前提であるというようなこと、その他の前提を幾つか置かなければならぬと思いますが、そういうことで一応防衛力の限界というか、戦力の判定というものをやってみようということをいま命令をしておるわけでございます。これは一面においては、防衛力というものでありまするから、周辺の力というものと無関係にはいかないという要素があることは、おわかりいただけると思うわけでございます。しかし、そういう意味で戦力の判定と申しますか、防衛力の一つのめど、限界というものをつくりたいと思っております。そういうものができれば、それに対して今度の四次防というものは何ぼになるのか、七合目になるのか八合目になるのかということは、もとより申し上げられるわけでございます。そういう意味において、大きく前の原案と違って全然見当のないものをやっておるということでは、もちろんないつもりでおるわけでございます。
○大出委員 だから、五兆八千億を五兆三千億にしてみても、五次防を想定してものを考えれば、これはたいした規模じゃないんですよ。八千トンのヘリ空母を五千トンにしてみたところで、たいした変わりはございません。これは増原さん、マラッカ海峡防衛論に類似するようなことをレアードに言うてあるというんですけれども、軍事的に寄与しろなんということを、これはいまから蒸し返してもしようがないけれども、やれ公海防衛、やれ航空優勢だとか、いろいろ言ってきたわけです。中曽根さんのときにあれだけ笛吹いちゃったから、あとの長官がたいへん困っちゃったんじゃないかと私は思うのであります。だから、あれだけ吹いた人のあとだから、吹かなければ何か変わったようなことになるけれども、吹いたから中身があまり変わらぬ。そこで、幾つか問題提起をしたんですけれども、さっぱり説得力のある中身ではない。防衛力の中身というものは一体出ますか。それは出てきますか。
○増原国務大臣 さっき申したように、幾つかの前提があるということでございまするが、やはり一応のものはできるであろう、できるという見通しでいま作業にかかっておるということであります。
○大出委員 それが出てこなければ四次防はきめませんな。
○増原国務大臣 そういうつもりはございません。四次防は従来の経緯をもちまして策定をするという、いまいわば最終の段階を進みたいと思っておるところでございます。それができてからというつもりではございません。
○大出委員 国民に対してものを言う限りは、国民の税金を使うのですから、やはりやれる限りのことはやって、かくてこれこれだというのが正しいんじゃないですか。あなたのほうは、できると思う、だから指示をしたと言っているでしょう。しかも参事官会議でものを言ったって、皆さんのほうは、そんなのはできないと答えているでしょう。たいへんな矛盾じゃないですか。片方の内のほうでやりとりしている間においては、できないと言っておいて、今度は表街道では、できるだろうと言ってやるというのでしょう。ほんとうにできるのなら、四次防というものはこういう判断だと国民に言わなければならない。たくさん疑問を持つのですから。ところが、それは関係ない、四次防は四次防でやるんだ、そんなふざけたことはないんです。ことばは悪いけれども、何のための四次防ですか。見せかけでしょう。アピアランスということばがいまはやりだけれども、それは、何かやらぬとぐあいが悪いからというので、やるというのですか。そういういいかげんなことではだめです。
○増原国務大臣 いいかげんなものでは決してございません。何といいますか、卒然として防衛力の限界は何だと言われますと、なかなかむずかしい問題でございます。
○大出委員 卒然じゃないじゃないですか。
○増原国務大臣 これは、なかなか防衛力の限界が示しにくいということは、私も今度防衛庁長官になって初めに申したことがございます。そういう意味で申しておったのですが、防衛力の限界というものの一つのめどが、中曽根原案で十年後を考えたものを、一般の人も、一応防衛力の限界というふうに大体考えておられるということであるように私は思うのです。そういう意味の防衛力の限界は私どもでも考えることができるという意味で、その点は、言い方が変わって考え方が変わったことはまさにそのとおりでありますが、いいかげんにあれしているわけではございません。そういうつもりで防衛力の限界をつくっているわけではございません。
○大出委員 最後に一つ聞いておきたいのですが、防衛短大なんというものを考えるのですか。もう一つは、いま陸、海、空三自衛隊の欠員はどのくらいあるのですか。
○久保説明員 陸上自衛隊は現在充足率八七%でございまして、充足は十五万六千名でございます。二万四千名の欠であります。それから海、空は九七%の充足率でございます。したがいまして、おのおの千二百人くらいだろうと思います。
○大出委員 そうすると、陸上は十七万九千で十五万六千しかいないわけでしょう。それで、六一式なんて四次防で装備を一生懸命強化しようというのは、そこに大きな矛盾がある。平時編制に切りかえるんだなんて、これはほんとうですか。つまり曹の段階を――陸、海、空違いますけれども、比率がきまっております。そこらの比率を少し変えて、おまけに防衛短大みたいなものをこしらえて……。昔の士官学校みたいなものですよ。乙幹みたいなものがございましたが、私は甲のほうで豊橋士官学校ですけれども、昔のそういうふうなものまでこしらえてやっておこう、しかもそれは五次防を考えて。そこらのところは一体どういう関係を持つのですか。充足率が悪過ぎる、悪過ぎるのにそこばかり先に進ませる、そんなめちゃくちゃなことはないじゃないか。ただ足元のことばかり考えての対策ですか。
○久保説明員 いまの平時編制ということばは旧陸軍にはありました。現在調べましたところ、われわれの知っている範囲では、外国で戦時編制、平時編制の区別はございません。一つの編制があって、それの装備と人員の充足を何%にするかという問題のようであります。そこで、いま陸上自衛隊の場合の編制は、いわば望ましい編制というものを十八万人体制としてつくっております。その中で、実際の募集の度合い及び予算との関連を考えまして、あるときは九〇%、あるときは八五%にするというわけでございます。したがいまして、その意味におきましては、毎年毎年ことしの募集の度合い及び予算と見比べ合わせて、ことしは定員と装備とをどの程度充足するかという充足基準がございます。言うなれば、平時編制とでも言えるものであるというのが今日の認識であります。しかし、それが唯一最善のものであるかどうかということについては、われわれとしても常に問題意識を持っていないといけない。しかも今後五年間ぐらいは、募集人口といいますか、対象人口が漸減をして、あと横ばいになりますけれども、そういった状況を踏まえてさらに検討の余地はないかどうかということは、われわれの当然の義務として勉強してまいりたい。 しかし、四次防の中でどうなるかと申しますと、たとえて言えば、戦車は定数が千百両でありますが、その中で戦車を充足するのが八百両程度、それに対する人員は七六%であったと思いますけれども、その場合に戦車の一台一台を見ますと、定員四名に対して充足も四名できるということで、四次防の装備を見た場合に、私どもは常態の訓練において支障はないというふうに判断をしております。ところが、どんどん装備がふえてまいって、たとえて言えば戦車千両近くになってくる場合に一体問題はないのか、あるのか。これは編制の考え方の問題であります。外国でありますと、人員充足は減しても装備だけは一〇〇%にしておく、いざというときには人を集めればよろしい。動員体制がございますので、そういった点が違いますので、一がいにいまの編制が悪いとは言えません。悪いとは言えませんが、しかし唯一最善のものであるかどうかについては問題意識を持たねばなるまい、したがって今後の問題として検討してまいりたい、こういうのが私どもの態度であり、また国防会議事務局にもそういうふうに説明しておるわけであります。
○大出委員 そこまで言われると、あとこまかい点を三点ばかり聞きたいと思っておったのですが、もう一言言っておかなければならないのです。 これは新しい発想になる。そうなると、一面では、先ほどの久保さんの論理である、やれ軍事的合理性だとか政治的妥当性だとかいうもの、つまり平時というとらえ方をしている。つまり一つの脅威論ですか。これは脅威、脅威と言わないように気をつけてきただけで、本質は脅威というものを想定しての防衛構想であった。理屈は繰り返しませんけれども、これは間違いない。そうすると、この中から出てくるものは、片や五次防まで想定をして、防衛短大みたいなものをこしらえて、ここで曹のクラスをどんどんつくっていく。これは、いざというときに、装備はふえるのだから曹をつくっておく、あとは人を集めればいいという理屈ですよ、端的に言ってしまえば。皆さんはどんどん装備をふやそうとしているのだから、それに見合うものを考えなければ国民は納得しない。そうすると、周辺の戦力を持っている国、これは最大のものはソビエトですが、それらをいろいろ考えて、とにかく装備はふやしていかなければいけない、人は追いつかない。そうすると、短期に養成して、いままでの曹なら曹の期間を短縮して曹にするというかっこうにして養成をする。そしてあとは、たとえば陸上の二年なら二年制というものを一年に切って、一年でおしまいになるのだからといって人を集めやすくする。そういうところまで問題を落として考えて、つまり、片っ方では装備をどんどんふやしていく、国民が納得しないから合理的な裏づけをしよう、そういうふうに久保さんの論理というのは受け取れるのです。 それは私は、いささかどうも当面まさにごまかしであり、見せかけであるというかっこうのものになりはせぬかという気がするのです。もっと国民を納得させる本質的なものがあるのじゃないか。たとえば沖繩に行った皆さんが給水も認められない。たいへんショックを受けて帰ってきている。つまり、国民が信頼をする自衛隊というものである限りは、数は少なくたってそれなりに精強なものになるはずです。そうではなくて、充足率が陸上においても、いまお話しのように決定的に足りないという中で、装備をどんどんふやそうとする。そうすると、便宜的に短大をこしらえて短期養成をする。そうしておいて二年は一年に短縮をしてそこに人を入れようとする。そういうふうなやり方は私は非常にこそくだと思うのです。 だから、脅威論を唱えてきたならば、それが情勢が変わったなら変わったのだということを率直に認めて、それに合わせた予算の使い方、それに合わせた装備の更新、そういうふうにしぼっていくべきだと思っているのです。そうでないと、装備ばかりが先に出ていく。何としてもそれをやろうということだけが先行する。人はついていかない、国民は納得しない、参事官会議から疑問が出てくる。だからいま私が申し上げたように、やれ防衛短大だとか一年制だとかというようなことをやって合わせていこうとする。それではますます国民のものの考え方から離れていくことになりますよ。だから、久保さんの言う論理ならば、それは根本的にものの考え方を変えなければならないのじゃないか、こう思っているんですが、その点はいかがでしょうか。
○久保説明員 脅威の問題とか、それからいろいろ先ほど御提言になりましたような問題については、実は防衛庁長官が将来の防衛力の整備のめどをつけるという場合の立論として考えているわけでございまして、したがって、そういった中で装備のあり方も考える。これは現実に集まり得る人員というものはほぼ見当がつきましょうから、将来、量的にも当然防衛力というものは、そこから物理的な制約もあろうと思います。したがって装備の数をどんどんふやそうというようなことは考えないような構想ができると思っております。 しかし、曹の問題とか一年制の問題というのは、別に起こるのかもしれませんが、私どもが考えております防衛力の中では、まだ登場しておらない。あるいは現実の問題として出てくるかもしれませんが、防衛庁のいまのスケジュールの上には上がっておりません。そこで、その問題と四次防の問題とは一応切り離してお考えいただきたいと思う。四次防の中では五次防以降のことは全然議論されておりませんし、将来の目標も議論されておりませんので、四次防で募集できる人員と装備の関連がどうかということについては、私どもは訓練上だいじょうぶでありますということを答弁しておるのでありまして、いま御提言になりましたような問題点は、問題点として今後のいわば長期的な防衛論の中で検討してまいりたい、かように思います。
○大出委員 それでは、厚生、農林、通産の皆さんにお出かけをいただいたのでございますが、基本となるべきものを承って終わりにしたいと思うのでありますけれども、まず、地位協定というものから考えて、たとえば人に関する検疫というものは、地位協定上検疫を免除されるなどということが明文として存在するのかしないのか。あるいは植物防疫、動物防疫、あるいは検査等の面から見て、そこらのところは地位協定との関連は一体どうなっているのか。 それからさらに、問題は火薬取り締まり法令関係。ここに法令集がございますけれども、これはひとつ例をあげて申し上げておかなければいけませんでしょうから、申し上げて回答をいただきたいのでありますが、例の沼津の今沢海岸から、アメリカの第三海兵隊が沖繩から参りまして演習に行く。その場合に人は船で参ります。M48戦車等を持ってまいりまして、今沢から上がって、寿橋なんて怪しげな橋を通っておりますから、これは国内法のたてまえからいって違法だと思いますね。ところが砲弾あるいは各種弾薬等々を陸送しております。ここに勝間田清一さんから私は資料をもらっているのですけれども、陸送しています。ところが、所轄の警察の署長さんの言い分は、早岐という署長さんですが、国内法に基づいてやっておりますから御心配なくと言う。じゃ、火薬取り締まり法規に基づく輸送その他どうやっているのだ、荷姿は一体どこでつくるのか。基地の中でございます。点検したことがございますか。いや、残念ながらございません、ただ信管は空輸しているそうでございます、空輸しているのだからだいじょうぶでございます。じゃ、信管を抜いて空輸しているのをあなたはチェックしたことがございますか。いや、これは米軍でございますから全くできません。そうなると、国内法に従ってやっておりますから心配ないとおっしゃっているのだけれども、どこもチェックも何もしていない。信管を抜いているからだいじょうぶだといったって、抜いたか抜かないか、見てもいない。そういうかっこうで運ばれているということになると、一体国内法との関係は、どういう条文でどう解釈すればいいのかという点です。 ここにこまかい中身はありますけれども、とりあえずその三点。人のほうの検疫、あるいは動物検疫、植物検疫の関係。これも法律がございます。ここにそろえてありますけれども。これらは私かつて一ぺんこまかく質問したことがあるのでありますが、ここらのところはどういうふうに理解をすればいいのかという点ですね。この基本になるべきものをまず承りまして、その上で二、三御質問いたして終わりたいと思うのであります。
○柳瀬説明員 米国軍隊の基地内における検疫につきましては、これを地位協定に基づきまして実施をいたしております。これは免除はいたしておりません。基地に一番近い検疫所長が検疫を実施することになっておりまして、具体的には米国軍隊の検疫官をして検疫を実施させておるということになっております。
○大出委員 ちょっと待ってください。早く片づけるためにもう一ぺん聞きたいのですが、免除はしておりません、こう言うのですが、私が聞いておるのは、地位協定の関係では具体的にどうなっているか、地位協定の中に一体該当条文が明文としてあるのかという点、あるいはないのかという点。それからいまのお話で、近い検疫所、ただ実際には米軍軍医がやっているというのですけれども、それはどういう法律でやっているのですか。この合意書をお話しになるのかもしれませんけれども、合意書というならば、合意書は法律に優先いたしませんよ。そういう意味で、地位協定と国内法との関係をまず明確にしていただきたい。どういう条文とどういう条文ですか。いま免除していないということですから。この国内法でやっているのなら免除していないということですけれども、特例があるとすれば、地位協定と国内法との関係で、どちらがまず優先するのか、明確にしていただきたい。
○柳瀬説明員 検疫自体につきましては、これは免除しておらないわけでございますが、その具体的なやり方につきまして、地位協定あるいはそれに基づきました日米合同委員会でその具体的な実施のしかたについてきめておりまして、それに基づいて先ほど申し上げましたような方法をとっております。
○大出委員 だから地位協定何条のどういう文言でございますか。
○柳瀬説明員 地位協定の内容につきましては公開しないことになっておるわけでございます。
○大出委員 そんなでたらめ言っちゃだめですよ。地位協定なんというものは、六法全書あけてごらんなさい、防衛六法を見てごらんなさい。公開しなければどうするのですか。そんなでたらめ言っちゃいけませんよ。 地位協定上明文はないのですよ。明文がなければ国内法が優先するのですよ。そんなものははっきりしているんですよ。あなた、そういう答弁しちゃいけませんよ。私は専門家に全部検討していただきましたが、地位協定上明文はない。そこであるのは、これは抜粋です。要旨です。これは安保の騒ぎのさなかに日米合同委員会が出している。この「安全保障条約第三条に基づく日米行政協定の本文中に」云々というところから始まりまして要旨が出ている。「本文中に明文がない」とはっきり出している。ちゃんとあるでしょう。あなた方持っているでしょう。明文がないものを合同委員会でかってにきめた。明文がない限りは国内法が優先するのです、十六条があるのだから。いまそれが明らかになったでしょう。そうすると適用法規というものは一体何になるのか、国内法でいえば。
○柳瀬説明員 ただいま先生おっしゃいましたように、地位協定上の明文がないとおっしゃられましたが、さようでございますが、それを日米合同委員会で、具体的に検疫の実施のしかたということをどういうふうにやろうかということが取りきめられておりまして、それに従いまして検疫所長が……。
○大出委員 そんなことは知っている。そうじゃない。ちょっと時間がないから……。 明文がないものはないのだから、明文がなければどうなるかといえば、あなた、地位協定の第五条なんですよ、関連があるとすれば。ところがそれは明確になっている。ここに合意議事録が出ているでしょう。この日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定についての合意された議事録、この第五条第四項で「この条に特に定めのある場合を除くほか、日本の法令が適用される」と書いてある。これしかない。そうすると防疫法ですよ。ところがここに外国艦船についての特例があるのです。外国軍用艦船等に関する検疫法特例。検疫法によるんだけれども特例が出ている。これに従わなければいけないんですよ。明確にそのものずばりなんです。ところがこれはもう占領後でございますから。この先ほどの要旨の中、ここにいま出てきているこの外国軍用艦船等に関する検疫法特例、この範囲内でこっちのほうはやることになっておる。地位協定に明文がないからかってにきめているのです。これが適用されるものをこのワク内でやる。ワク内ということは、これの以内でやる。明らかにこのとおりにやらなければいけないのです。この要旨になっておる中身は出しませんが、皆さんがいけないというならお出し願いたい。そうすると、明確にこれは国内法違反です。だからその論点を皆さんのほうで、いまの答弁全然なっておりませんから、もう一ぺん整理して答えてください。 〔委員長退席、野呂委員長代理着席〕
○川田説明員 米軍に対するわが国の植物防疫法の適用の関係につきましては、これは地位協定の解釈に関する問題ですから、外務省のほうからお答えいただいたほうが適当ではないかと思います。しかしながら、米軍に対する植物防疫については、昭和二十七年の日米合同委員会における取りきめに従って運営いだしておりまして、土は輸入禁止ということでございます。
○大出委員 通産省、お答え願えますか、火薬問題。
○上杉説明員 火薬類取締法の運搬の問題につきましては、所掌上警察の所管になっております。一般問題といたしまして、この関係につきましては外務省にお願いしたいと思います。
○大出委員 これは皆さん外務省とおっしゃるなら、何もお見えいただく必要はなかったのでございまして、所管の法律をお持ちだからと思っておいでいただいたのです。 それはどういうことかといいますと、昭和二十七年のいま話の合意議事録というものは要旨しか出ておりません。まあ占領直後でしょう。だから今日の現状に全然合わないのです。だから、さっきの検疫関係の特例法に出てくるような問題が、これは出てきてしまう。だれがどこでどう解釈したって、これはいま通る筋合いはないのです、ずいぶん私もいろいろ方々で聞きましたが。だから当時は、まあ安保条約、行政協定、地位協定という形でやってきまして、えらい長い年月がたっておる。改正安保以来十二年たっておるわけですからね。そこで初めて、国内法を米軍といえども守らなければいけない、自後国内法違反はさせませんという答弁が出てくること自体がお粗末なんで、そこにやっと気がついたということなんですよ。気がついて振り返っていろいろ合同委員会で合意したものをながめてみると、国内法違反、これをかってにきめている。だから、それらのものは外務省で一ぺん御検討いただいてこの点は改めていきませんと、これはとんでもないことが起こる。この火薬の問題その他もこまかく私のほうで申し上げたいのだが、いま時間がありませんから、簡単に検疫関係だけ関連したものを申し上げましたが、そこらは一体外務省のほうはどうおとらえになっておるかという点を明らかにしてほしい。 この二十七年の合意議事録というものは要旨しか出ておりませんが、これは本来地位協定に明文がない。安保条約の三条にも明文がない。「明文がない」と合意議事録の冒頭にある。そうでしょう。明文がないものをきめるのだから。明文がなければ国内法が優先するというように十六条で明確になっておるのです。米軍人あるいは軍の構成員、軍属、これは国内法を尊重することは義務であるということになっておる。そうすると国内法の中で特例が出てきて、その外国軍用艦船の特例法の範囲内で取りきめますなんということが書いてある。そうすると特例法そのものでいかなければいけない。その中で取りきめるから、検疫所長なんというものは証明書を出しておるのだけれども、これはおそらく具体的にやっちゃいないのだと思う。だから私は、それらの証明書を、どこの所長が出したのでもいいから、どのくらい証明書をどう出しているかということを資料をいただきたい。調べてはありますけれども、皆さんのほうからいただきたい。 やってないですよ。これは全然でたらめです。そういうことをやっていると、手の皮がむけちゃったり、はれ上がっちゃったりするのが出てきたり、いろいろする。たとえば有毒ガスについて一体どういう法律で取り締まるのかという問題。たくさんある。土の話もさっき出てまいりましたが、これも問題だ。これは合意がありまして、持ち込めるようになっているんだから。三号に「土又は土の附着する植物、」こうなっている。植物防疫法というものは、何も米軍の戦車にくっつけてくる土などを想定してつくった法律じゃない。便宜そんなことをやっているだけのことです。だから、国内法の洗い直しと私この間申し上げましたが、洗い直さなければいかぬと思っておりますが、そこらのところを御意見があれば、外務省から承っておきます。
○高島説明員 検疫関係につきましては、地位協定上は先生御指摘のとおり何ら規定はございません。したがいまして、こういう場合には、ただいま御指摘のとおり第十六条の一般的な「法令を尊重」ということがかぶさると思います。ただ、国内法令を尊重する義務があるという規定のしかたは、一般的に日本国法令を適用するという場合とは多少意味が違いまして、国内法令を実体的に守る義務があるということでございまして、われわれ日本人が法令の適用を受け、またそれに違反する場合に罰則を受けるということとはちょっと意味が違うと思いますけれども、実体的には日本の法令を守る義務があるという意味でございます。
○大出委員 その日本の法令のワク内ということになると、その法令よりもワク内なんですから、非常にルーズになる。だから、検疫何とかという標示をして、それを船にくっつけていくわけですが、そんなこともしてない。そうすると国内法令の明確な違反なんです。いまおっしゃる、実体的に守る義務があるならば、この種のことはこの法令どおりやってもらわなければ困る。たまに抜けることがあるというなら話は別です。ただこれは、検疫法を専門におやりになっている条約局長じゃないのですから、私は調べて聞いているのですから、調べたほうがよく知っているのはあたりまえですからやめますが、そこらのところは指摘をしておきます。あらためて具体的な問題を取り上げて指摘をします。たいへん御迷惑をかけましたが、実際にはそっちのほうの米軍との関係を取り上げて、外務省とおっしゃるのですから、私のほうも質問のしかたを変えて、外務省に要求すべきものは要求し、指摘すべきものは指摘し、あらためて出てきていただいて、火薬の問題もそうでございますが、質問させていただきます。時間もありませんので……。
○野呂委員長代理 伊藤惣助丸君。
○伊藤(惣)委員 私は、四次防の問題、それから沖繩基地問題、瀬長島の問題、あるいはまた海上防衛の構想の問題など、最近特に問題になっております点について、防衛庁長官から率直な答弁をお願いしたいと思います。 まず第一に、政府は、七日の午後ですか、国防会議幹事会を開いて四次防の問題点について協議した、しかしながら、これは問題提起しただけにとどまって、結論を出すことはできなかった、そして結局は早く策定するためには高度の政治判断によってきめる、こういうようなことを伺っているわけでありますけれども、前に防衛庁長官は、七月とか八月とかに四次防の原案を発表しまして、そして早く決定してほしいというような立場からいろいろ答弁があったわけでありますが、こうなりますと、四次防はいつごろ策定するようになっているのか。先ほど来の質疑応答の中で、おそらく田中総理が訪中から帰ったあとぐらいになるんじゃないかぐらいの見当が私はしたわけでありますけれども、大体四次防策定のスケジュールについてどう考えているのか、長官に伺いたいと思います。
○増原国務大臣 御承知のように、四次防を策定する経過は、ことしの二月七日でありましたか、国防会議で四次防の大綱をきめました。その後、できれば年度内、予算がきまるまでの年度内にということで努力をされたようでありますが、そのことができなくて、六月三十日に至りまして――これはもう間もなく内閣がかわったわけでありますが、二月七日の大綱をきめました時期に夏以降四次防をきめるというふうにきまったのでありますが、六月三十日になりまして、夏以降なるべくすみやかにきめるということになったのでございます。夏以降なるべくすみやかにということは、八月末を目途としてという含みであったということでございます。 したがいまして、私が防衛庁長官になりまして、この従来の経過、三十日の国防会議の決定などに従いましてきめていただきたいということで、国防会議議員懇談会を開いていただいたのでございますが、おりから総理がハワイへ行かれてニクソン大統領と懇談をする、関係閣僚が韓国へ出かけまして日韓閣僚会議がある等のこともありまして、八月末あるいは九月早々ということは困難であるということで、その間繰り延べというわけじゃありませんが、初めの予定どおりというわけにはいかないということになりまして、それが若干おくれるとなりますと、その後における各閣僚の海外出張あるいは総理の訪中などということがございまして、国防会議を開くことが困難であるということで、これは大体十月に入って四次防をきめるという段取りになるだろうという一応の見通しに国防会議議員懇談会でなったわけでございます。そうして一方においては参事官会議及び幹事会が進行をしておるということでございまして、十月に入りまして国防会議において四次防を決定をするということに運びたいという見通しでございます。
○伊藤(惣)委員 総理はたいへんお忙しいようですし、それぞれの閣僚もいろいろスケジュールがあってなかなか開くことができない。その前に大事な事務レベルでの幹事会会議ですか、こういう中で問題点を指摘されても、それを防衛庁側としては、その参事官会議の中でそれぞれ各省の参事官に納得させることができない。あるいはまた指摘されても、それについては前向きに答えられない。こういう面が事務的に詰まらない大きな原因になっているのじゃないか、こう思うのですが、この点いかがですか。
○増原国務大臣 質問をされて答えられないというものは私ないように聞いておりまするが、意見が違って、防衛庁の意見を皆さんが納得をするということにならない問題はまだあるということでございます。
○伊藤(惣)委員 そういう問題はどういう問題ですか。
○久保説明員 必ずしも納得されてないということではありませんで、きわめて技術的な問題であるので、幹事会で議論するのが適当であるかどうかというふうに言われたものはあります。それからまた、幹事会は明日予定されておりまするけれども、その中で基本的な問題もまた討議される。経済問題もあるいは入るかもしれません。また誤解を避けるために申し上げれば、いま議論されておりますのは防衛庁の案についての議論でありますから、いずれ政府関係各省が協議をして、おおよそ関係各省の協議がととのって事務案ができますれば、その段階におきましてまた幹事会あるいは議員懇談会といったような段階を経ていくことになると思いますので、途中の問題でそういうことで問題が残されているのは、あるいはやむを得ないかと思っております。
○伊藤(惣)委員 要するに、たとえ総理に時間があったとしても、事務レベルでまだまだ調整しなければならぬ問題があれば、たとえ訪中しなくてもまだきまる段階ではない、そう思います。新聞などでしか私たちは会議の内容を知ることができませんが、それによると、一つは、最近、三次防から四次防にかけては兵器の近代化ということから重装備計画がずいぶん出ていますけれども、それに対する隊員が少なくて、また今後も新規装備をしても隊員確保がむずかしいという指摘があったとか、あるいはまた、そうなった場合には兵器はつくっても乗る隊員がいない。具体的に言うならば、戦車などは、一番大事な砲手がまだ熟練した者が少ないとか、さらに正面兵力に比べて弾薬などの後方体制が不十分だ、それに対する説明がなっていないとか、あるいはまた最近、AEWであるとか、PXLだとか、これからのそれぞれの航空機などの機種の更改、後継機などについては、いままでの例から言うと、研究開発に着手すればそのまますべて国産化されておるという一つの実態があるわけでありますが、そういったことからして、結局は国内生産というものについてたいへんな予算を食うということについては、防衛庁としてはどうなのかというような点が指摘されたようでありますけれども、こういった点については、私たちもそのとおりに思うわけです。ですから、こういったことを、今後幹事会などにおいて、それぞれの各省の参事官に納得させなければまとまらぬと思うのですね。そういうことについてはどういうふうに考えているのですか。
○久保説明員 問題は、たとえば配員の問題でありますけれども、戦車の問題については、これは議論があったわけではありませんが、あるいは新聞などで誤解があったのかもしれませんが、戦車は定員四人でありますが、三人しか配員されない。といいますのは、四次防の原案、昨年の案を出しましたときに、九百両余にふえることになっておりましたが、そのときの戦車の充員配分は一応三名にしておりました。今回は戦車の数を減しましたので、定員どおり四名配備いたすことになっております。ですから、この点については教育訓練その他で問題はございません。ただ問題は、いま御指摘の、砲手などで熟練度が足りないのじゃないかというお話がございましたが、私どもの局の連中が部隊へ行って聞いたところでは、従来であればわれわれは、戦車が少ないのではなかなか乗せてもらえないというようなことも聞いております。したがいまして、戦車の数がふえることによって、まさに訓練そのものができることによって練度が向上するということであろうと思います。たまたま砲手で練度が低い者はそういうことで練度を向上させてまいろう、そういうことになっております。 それから弾薬の問題は非常に重要な問題でありまして、これはまさに選択の問題でございます。弾薬というのは非常に高いものでありまして、従来、予算的に申しますれば、年間の射耗分よりも予算で獲得をする分のほうが少ないということで、備蓄が漸減の傾向であった。これは過去十数年来そうでございました。しかしながら、それは適当でありませんので、四次防の段階からは幾らかでも備蓄がふえるようにしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。現在六万数千トンの備蓄がございまするけれども、これを五千トンであれ、一万トンであれ、ふやすことは非常に大きな金を食うわけであります。ところで、必要な分だけの弾薬の備蓄を持つということでありますると、われわれは七〇年代にわたっておそらく平和なときが続くであろうという前提に立ちますと、非常にもったいない持ち方をするわけであります。特にミサイル関係でありますると、これは耐用年数の関係もありまして、非常に多くを持つことはできない。またミサイルの特に生産パイプの問題もあります。したがいまして、あした何かがあったときに全兵力をあげて十分戦えるような戦力を持つということにするのか、あるいは今日は当分の間平和な見通しがあるということで、保有し得る隊員について教育訓練を中心に考えて練度を向上していくということを考えるのか、それの選択の問題でありまして、私どもは、おそらくは平和なときが相当長く続くであろう、このときにこそ、人は石垣、人は城と申しますように、人は防衛の基礎でありますから、そういうものを獲得し練度を高めていく。そしてそのために経費が幾らでも取れれば格別といたしまして、一定の経費ワクがあるならば、後方体制を全部一ぱい充実いたしまして弾薬等も十二分に整備するということが望ましい選択であろうということについては、私どもは疑問を持っておるわけでありまして、そういう説明はしましたところ、おおよそやはり選択の問題であり、そういう方向が考えられるのではないかというようなことで、この点は了承していただいていると思っております。 それからAEWとかPXLの開発の問題につきましては、これは御指摘がありまして、AEW、PXLという名前があがったわけではありませんけれども、一般に研究開発の姿勢としての問題が提示をされました。そうして私どもも実はそういうことについての問題を感じております。国産と輸入の問題、あるいは研究開発をした場合の歯どめの問題、そういうことについてはまさに問題点を感じておりまして、指摘されるまでもなくわれわれ内部の問題として検討してまいろう、そしてものによってはある時期においてチェックポイントを置きまして、研究開発をゴーにするか、そこでストップにするかということも考える。あるいは装備の段階のときにおいても、もう一度いろいろ装備の問題、外国における類似の装備との比較の問題、そういうものももちろん十分検討してまいりたいということで、この点についてはわれわれ自身も異論のあるところではなかったわけでございます。
○伊藤(惣)委員 要するに、防衛庁側での原案提示について、はっきりした結論を持って臨むこと。ある程度その選択の幅を持って臨むことでは、やはり会議を進める上でなかなかまとまらぬじゃないかと私は思いますね。ですから、そういう議論が展開され、そしてまたそういう問題点について指摘していくならば、これはもう当分の間四次防というものは参事官会議あるいはまた事務レベルでの一つの結論は出ないのじゃないかと私は思いますね。私は何も急いで出せということを言っているのじゃないのです。ただ、四次防の策定というものがこのままいきますと、今国会、またさきの通常国会でありましたように、やはりまた予算上においては、予算を先取りしながら実際に策定せずに通常国会に臨むなんということになってしまうわけですね。また同じことが繰り返されるわけですよ。ですからそういう点、私は同じことをまた繰り返すのかなという感じが実はするわけであります。 そしてまた最近の傾向として、日中国交回復であるとか、あるいはまた極東情勢の中において朝鮮と韓国の統一問題であるとか、あるいはまたベトナム戦争についても最近は前向きで終えんの方向に近づいているというようなことを考えますときに、やはりこの四次防というのを各国は注目しているわけです。しかも大体の原案は五兆三千億、これはまた非常に大きい。これは中曽根原案とあまり変わっていないということから、国民は、なぜ逆行するようなそういうものを持つのかということについて疑問を持っているわけです。 ですから私は、この四次防の問題について、そういうふうにまとまらないということであるならば、まとまる時点でいろいろな議論をし、事務レベルでのある程度の結論を出した上で、そしてやはりこれは国防会議を開き結論を出していく、こういう方向できめるべきではないかと思うのです。 先ほど長官は、十月中などというような話をしましたけれども、十月中ということは十月三十一日まで入りますけれども、次の内閣委員会は大体十一日ごろに先ほど理事会できめましたけれども、いかがですか。いままでの話の中で十月中ということをおっしゃいましたが、この次の十一日くらいまでは、四次防策定、あるいはまた国防会議を開いてきめるという見通しを持っておられるのですか。
○増原国務大臣 何か幹事会等でたいへん話がもつれておってあれではないか、そういうあれではございません。意見はそれぞれ出まして、意見の違うところのお話し合い、調整というようなことはもちろん活発にやっておりますが、えらくもつれておるということではなくて、こういう重要な基本的な問題でありまするから、それぞれの人がそれぞれの立場で議論をするということは当然けっこうでございます。これはまとまる方向で進んでおるということでございまするが、無理やり進めようというわけでは決してございません。まとまる方向で進んで、まとめていきたい、国防会議でもそういうことで論議をしてきめていただきたい。それが私どもは八月末ということで、九月に入るころにはと思っておりましたのが、そうはいかないという事情になりました。十月にその後の事情を考えてなるでありましょうというふうに見通しを持っておるということでございます。無理やり急いでやろうということではありませんし、たいへんむずかしい状況を考えないでやろうということでもございません。その点は御了解を願いたいと思います。十月十一日にまとまるかといわれると、これは、まとまりますとも、まとまりませんとも、ちょっと申し上げかねるわけでございます。
○伊藤(惣)委員 先ほどもありましたが、基本的な防衛力の限界であるとか、あるいはまた、できれば質、量の問題であるとか、あるいはまた地域防衛力の限界などというものを、やはり平和憲法のワク内である程度の原則論を立てて、それに基づいて四次防を策定するということが私は正しいと思っておりますが、そのまた自衛力の限界については、これも秋ごろまでに出すというお話ですが、やはりそういったものを踏まえてやることが正しいのではないかと思いますけれども、いかがですか。
○増原国務大臣 防衛力の限界というものを踏まえて考えるというお話でございまするが、先ほどもお答えをいたしたのでありまするが、私どもも防衛力の限界というものをひとつ出そうということでいま作業にかかっておるわけでございます。しかし、大ざっぱに申しまして、いままでに一応防衛力の限界というふうに具体的に受け取られておりますものは、中曽根原案のときにつくられました十年後の防衛力というものであったわけであります。そういうものを踏まえて考えまする場合、中曽根原案における四次防と私どもの四次防というものは、これは先ほども申しましたように、周辺の緊張緩和という現象なり、あるいは財政、経済の見通しのダウンなりというふうなものを考えまして、可能な限りにおける縮減というか、それをいたしたものがいまの防衛庁原案でありまして、これはそういう意味では、いわゆる防衛力の限界といわれた中曽根原案で考えました十年後の数字などというものをちゃんと一応にらんで考えておるわけでありまして、無原則で四次防を策定をしたわけではないというたてまえで御理解を願いたいし、そういうことで、やはり従来考えましたスケジュールに従いまして、若干おくれてはおりますが、十月に入りました適当な時期に決定ができるように運んでまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○伊藤(惣)委員 防衛力の限界も十月中に出したいと考えていらっしゃる、こういうことですか。
○増原国務大臣 これはそうではございません。防衛力の限界は十月中というわけにはまいらぬと思います。
○伊藤(惣)委員 年内ですか。
○増原国務大臣 大体年内には出したいと思っております。
○伊藤(惣)委員 じゃ、具体的にもう少し伺いたいのですが、中曽根原案もやはり横目でにらみながらいろいろ考えていくんだといまおっしゃいましたね。海上防衛ですが、あのとき中曽根さんは、海上防衛については富士山で言うなら五合目だ、こう言いましたね。陸上自衛隊は八合目で、空はその中間だと言ったことがあります。私は、艦というものがだいぶつくられていくわけでありますが、もう一回原則的に聞いておきたいのは、ヘリ空母とも思われるようなヘリコプター護衛艦は、六機を三機に減らして二隻の護衛艦が今度計画に入っておりますね。そういうことであるとか、あるいはまた相当に艦もつくられていくわけでありますが、まず海上防衛力の構想について、増原長官からもう一回明確に伺っておきたいと思うのです。今後の海上防衛についてはこういう構想でいきたいというものが、長官、あると思うのです。まずその点から……。
○増原国務大臣 防衛局長から御説明させたいと思います。
○久保説明員 防衛庁原案のときには、内航護衛群二、外航護衛群二のほかに対潜掃討部隊というものを一隊。これは原案の場合はその一隊の半分でありますけれども、一隊をつくって、いわば機動部隊的に使用してまいりたい、こういう構想でありました。それに対して今回の場合は対潜掃討部隊はなくして、単に従来からありました内航護衛群二群、外航護衛群二群というものをそれぞれ一群ずつ近代化、つまり対空ミサイルを積んだDDG、それからヘリコプターを積みましたDDHの二隻、これを装備してまいりたい。この点は三次防でもDDGは一隻、DDHは二隻でありましたが、その程度の近代化をしてまいりたいわけであります。さらに対空火器の充実を近代化の際にはかってまいりたいということであります。したがって、対空と対潜については、これらの近代化を通じて三次防よりも一歩前進をするということになります。 そこで、防衛庁の原案を策定しました中期目標という場合には、三十数万トンという数字が中曽根長官の個人的私見として出されましたが、そういった比較的大きな規模の場合にどの程度のものがあるかということは、ORなんかをやりましていろいろ検討してまいりました。探知率がどうであるとか、撃沈率がどうであるとかいうことをやってまいりましたが、今回はそういった構想というものを白紙還元いたしまして、三次防の延長として、三次防の兵力について近代化をしてまいるというおおよその構想に立ちましたので、その近代化の結果どういうような具体的な効率が出てくるかということは、これは厳密な意味で言えば、やはりORその他をやってみませんと出てまいりません。したがいまして、その点については放置することなく今後検討してまいりたいと思いますけれども、おおよその言い方でどの程度であるかということは、ある程度のことは言えるんじゃないか。これは小規模なもの、小規模というのは何かということはいろいろ問題がありますけれども、われわれのほうである程度具体的な事態を想定しながら小規模のものについてはある程度対処し得る。しかし、それ以上のものについては、やはりいまの規模ではなかなかできないというような考え方であります。 なお、問題になりまする船団護衛の問題でありますが、航路帯を設定するかどうかといったような問題、これは運用の問題としてわれわれは解決してまいりたい。 〔野呂委員長代理退席、委員長着席〕 一応基礎的な兵力としては、内航護衛、外航護衛二群ずつの従来の体制をわれわれは近代化してまいる、こういうことを四次防については継続してまいりたい、こういうような考え方であります。
○伊藤(惣)委員 いわゆる内航護衛ですか、それから外航護衛ですか、それから対潜護衛、三つあるけれども、四次防の場合はその二つしか、装備の近代化ということしか考えていない。しかし、基本的にはやはり、海上防衛の構想というのは、その三つをそろえて初めて完成するということになるのですね。ですから、その構想を今後どのくらいにこれからスケジュール的に考えているのか。私はやはり、こういった問題は、率直明快に、それは五次防までを考えておるとか六次防なんといったのではなくて、いわゆる構想としてはこういうふうに考えておるというその構想を伺いたいわけであります。
○久保説明員 海上防衛の機能の面から申しますると、特に対潜関係から申しますると、現在あります内航の二群、外航の二群、そのほかに対潜掃討部隊という機動部隊を持っておりたいという考え方はございます。そうして、おそらく白紙で考えれば、そういった対潜掃討部隊、機動部隊を若干ずつふやしていくという構想が望ましいわけでありましょう、軍事的には。先ほどお話が出ましたが、軍事的合理性を追及していけばそういう面もあろうかと思います。しかしながら、今日の情勢のもとでそれが適当であるかどうかということは十分に考えてまいらなければならない。そこにある種の歯どめというものがあるのではないかということで、これは長官の御指示で私どものほうで検討してまいる。その際に、ある種の見通しなりお答えなりができるのではないかと思います。
○伊藤(惣)委員 それを聞きたいわけですよ。要するに、四次防というのは三次防の延長であって、それが海上防衛のどの辺までの装備なのか。いわゆる中曽根さんが言ったこともにらみながらいろいろ考えたというのですから、中曽根さんこういうことを言ったけれどもそれがやはり正しいのだ、というふうに考えていらっしゃるのか。あるいはまた、いまこういう時期だから、三次防の延長で装備の近代化などを考え、次の機会に対潜護衛の問題について考えていくということになるのじゃないかと思うのですがね。そういうものがない限りは、全然一つの構想が示されないままに、ただ単に五年間の兵器の近代化であるというだけでは、われわれが聞いていても非常にわかりにくいわけですよ。その点はいかがですか。
○久保説明員 中曽根構想と申しますか、という名前をつけられるわけでありますが、それを下敷きにしてわれわれは考えたわけではございません。ただし、また計画をつくるのか事務当局でありまするから、とれまた百八十度思想が転回するものでもございません。そこで、いま申しましたように、対潜機能としての機動部隊、対潜掃討部隊がほしいことはおそらく間違いなかろうと思うのですが、その程度をどうするかということ、これは今後の問題でありまするけれども、将来の問題を先取りいたしますると内外からいろいろ批判もございますので、やはりある程度内部でのコンセンサスを得たところでお答え申し上げたいというふうに思います。
○伊藤(惣)委員 この対潜護衛については、いまはまだ内部できめてないから言えない、しかしながら、どこまでも海上護衛の構想というものは、そういうものは明らかにしない限りは、認める立場に立った自民党の人でさえもやはり疑問を持つと私は思いますね。 そこで、じゃ議論のできる範囲で申し上げますが、外航護衛というのはいわゆる船団護衛を意味するわけですか。
○久保説明員 これは二次防と三次防までの思想では、外航護衛は船団護衛を考えておりました。しかしながら、船団護衛ということを考える場合も、航路帯というのを一応設定しておりまして、つまりその航路を航海すれば比較的安全であろうという航路帯というものを考えておりまして、そこで船団護衛をやろうという着想でありました。正確な数字は失念いたしましたけれども、二次防当時で二十何%、三次防当時で十数%くらいの船団護衛はできるのじゃないかという考え方を、当時一応の算定としては持っておりましたけれども、その後、日本に対する輸入量というのが非常にふえてまいりまして、船団護衛だけにたよる海上護衛方式というのは無理であろうという考え方に現在はなっております。そこで、一般に航路帯を設けて安全なように哨戒をするか、あるいは近海についてどういうような厚さで哨戒をするかということ、それと特定のものについてはやはり船団護衛も残るのではないかということで、これらのコンビネーションというのはやはり運用の問題であろうというふうに考えておりますので、船団護衛一本で必ずあるというふうには考えておりません。
○伊藤(惣)委員 要するに船団護衛というのは航路帯がやっているということですね。その航路帯というのはどこまで行くのですか、大体。
○久保説明員 現在の四次防の大綱の中では、周辺海域の防衛能力の向上、それから、海上交通保護能力の充実とかなんとか、その辺のことばが書いてありましたが一それで周辺海域というのはどのくらいかということについて、数百マイル、それから海上交通の保護ということについては明確な数字が出ておりませんが、大体私どもは数百マイルから千マイルくらいの程度という感じでおります。
○伊藤(惣)委員 そうしますと、大体日本からどの辺の距離ですか。
○久保説明員 方向としましては、南西航路、南東航路で申しますると、サイパンまでは千三百マイルでございますから、その少し手前のほう、沖繩のほうは南西航路でありますから、おそらく沖繩本島からちょっと先くらいの感じでありましょうか。
○伊藤(惣)委員 将来はこれはさらに、石油輸送だとか、あるいはまたほかの重要な物資の輸送については、この航路を延ばすことは考えておりますか。
○久保説明員 将来の問題につきましても、現在の四次防で整備されまする海上護衛能力から非常に大幅にふえるということは、私ども予想いたしておりません。したがいまして、将来海上防衛力がふえましても、おそらく私がいま申し上げた範囲内において周密な哨戒能力あるいは対潜能力を維持するということであって、それ以遠には出得ないと思っております。
○伊藤(惣)委員 その以遠はだれに頼むわけですか。
○久保説明員 この問題はどこの国でも一番むずかしい問題であると思います。アメリカにいたしましても、アメリカ側に言わせれば、太平洋の海上交通の安全というものはアメリカ一国だけで担当するわけにはまいらないということで、これはそれぞれの海洋の沿岸諸国のそれぞれの分担に応じてやってもらうよりしかたがないというような言い方をしております。これはもちろん非公式でありましょうが……。したがいまして、インド洋でありますとか太平洋でありますとかの海洋交通というものが、あるいは海洋の自由というものが破壊されるということになれば、これは一国対一国の戦争ということではなくて、やはり相当規模の国が巻き込まれるような事態になるわけでありますので、われわれとしましては、遠いところまでを軍事力でもって守るということは、アメリカがなし得ないごとくわれわれも当然なし得ない。したがって、われわれとしては周辺海域に限られてしかるべきであろうというふうに思っております。
○伊藤(惣)委員 あとは、きょう基本的に聞きたいことは、結局、艦が少ない、能力がないから手数百マイルくらいまでしか行かないのか、能力があれば行くのか、能力があっても行かないのか、その点はどうなんですか。
○久保説明員 私どものほうで非常に大きな規模の防衛力を持つということは、これは憲法上も問題が当然ありますが、それは別にしましても、比較的適当な規模の防衛力でよろしいというふうに私は信じております。したがって、将来、いま私が申し上げたような千マイル以内くらいの程度のものから外へ出る必要も、また意思もないというふうに考えてよろしいのではないか。つまり海上防衛力を非常に大きく伸ばし、かつマラッカ海峡あるいはインド洋にまで伸びていくということは考える必要がないのではないかというふうに思っております。
○伊藤(惣)委員 だから、それはあなたの見解であって、基本的にあなたの答弁を聞いた範囲では、能力がない、行けないというふうにおっしゃっている答弁を私は読んでおりますが、国民が許せばそれは能力が出てくる。しかし憲法というものもある。しかし、その範囲内でも、たいへん海賊であるとか、あるいはその他の問題で、どうしても航路帯がついていかなければならないという事態が発生した場合、当然やることになると思うのですが、その点はいかがですか。
○久保説明員 日本は島国でありますが、日本の情勢と似ているのはイギリスでありますけれども、イギリスが現在百五十万トンの艦艇を持っております。したがいまして、海外における権益擁護というものに相当つとめるわけでありますけれども、日本の憲法のたてまえからいえば、海外における権益を自力で擁護する発想はあり得ないのではないかと思っております。したがいまして、そういうために必要な防衛力というものは、やはり憲法の範囲を越えるものであり、したがって、海上防衛力の限度というものもある程度で押えられるべきものであると思いますので、相当遠くまで有効に海上能力というものを維持し得るだけの防衛力というものは、日本としては持ち得ないのではないかというふうに思います。
○伊藤(惣)委員 なぜ私がそこまでお話ししたかといいますと、これから外務省に伺いますが、要するに、最近の報道で、アメリカの歳出委員会ですか、七三年度対外軍事援助予算に関する対外活動分科委員会、この聴聞会の証言記録、これが公表されたわけですね。それによりますと、これは新聞の範囲でしか私わかりませんので、その内容についてまず外務省に伺ってから、また防衛庁に伺いたいと思うのですが、その証言の内容について簡単に外務省から、記録について御説明願いたいと思います。
○橘説明員 ただいまお話しのレアード国防長官の歳出委員会の対外活動分科委員会の聴聞会の証言録というのは、これは委員会そのものは四月ごろでございますか、行なわれたもののようでございますが、その記録がいま出ておりませんでして、先般向こうで公表されたということで、私どももただいまその全文は手に入っておりません。ただいまワシントンから取り寄せる手配中でございます。
○伊藤(惣)委員 概要についてはいかがですか。
○橘説明員 とりあえず私どもの手元に参っておりますのは、新聞に報道されましたような、わが国に関係がある部分だけが抜粋といいますか、その部分だけが入っております。
○伊藤(惣)委員 その抜粋の部分だけでけっこうでございますから、ちょっと簡単に……。
○橘説明員 抜粋の部分の要旨は、すでに新聞紙上にも報道されましたところとほぼ同じでございまして、幾つかの項目がございますが、日本の安全保障はわりあいに安い値段でやっておる、もう少し経済力もあるので防衛力をふやしてもらったらどうだ。それから議員の質問のほうで、日本は、先ほどの論議にも関連がある部分といたしましては、石油をだいぶインド洋のほうにも依存しておるようだから、日本が将来いつかその石油の補給船を保護するために必要な自衛をするということも可能なことではないのであろうかと思っておるというようなくだりもございます。なお、日本の防衛責任の分担というものを、ヨーロッパのNATO式な適切な分担率にすることも、今後考える問題ではないか。さらに、これも議員のほうの質問でございますが、米国の第七艦隊などを日本の基地の使用、補給でもう少しふやすという可能性があるかという質問に対して、そういうことは日本の自衛と結びつけなければならないだろう、しかしそういうようなケースというものは可能であろう、というようなことを答えておるというのがおもな要点でございます。
○伊藤(惣)委員 私はこのレアード長官の発言したことが、日本との関係者と何ら話もしないでこういう発言があるとは思われない。やはり、やるやらないは別として、こういった問題が日米間において話し合いがなされておるというふうに思うわけです。防衛庁長官に伺いたいのですけれども、そういったような話が過去にあったかどうか。事務当局でもけっこうです。
○増原国務大臣 私どもその資料をいただきたいと思っておりましたが、いま外務省で読み上げられた程度のものも、まだ実は私どもはいただいておりません。新聞のあれだけだったのです。しかし、その中でたとえば、日本のタンカーもたくさんインド洋をしょっちゅう通っておる、その防衛を日本が受け持ってもらいたいというふうに新聞では出ておりましたが、いまのは少しそのことばの使い方が違うようでございますが、こういう問題を日本側に向こうから何らかの形で話があったというふうなことは、防衛庁に関する限りございません。ほかにも、ちょっと聞いてみたところではないようでございます。 第七艦隊が、新聞では、横須賀あたりを母港にしたい、これもいまのあれを聞きますと、だいぶニュアンスが違うあれになっておりますが、横須賀を使って、修理その他乗員の休養等のために本国に帰っていくというようなことをやらないで済むようになれば、第七艦隊としてはたいへん行動力、能率が上がっていいという意味で横須賀あたりを母港にしたい、そういう趣旨の話は、先ほど外務大臣が答えられましたように、あったようでございます。それで、そのことについてはいろいろの事情を考えていま検討をいたしておる、外務大臣が言われたような事情にある、そういうことでございます。 そのほかの問題は、たとえば日本の防衛はたいへん経済的にいっておるのでもう少し分担を持ってもらったらどうだというような話は、これは私どもの前任者その他の時代にもまだ具体的にはないようでございます。これは伊藤委員がおっしゃったように、日本にも当然話があってそういう証言が出たのだろうとお考えになるのは私もごもっともと思いますが、いまの第七艦隊のある意味の母港的なものをという話はありましたが、そのほかのものは話はないようでございます。
○伊藤(惣)委員 要するに、こういうことは、たとえば一方的に日本に対する防衛の期待といいますか、それを端的に表現していると思うのですね。そういう話があった、ないということは別にしましても。いまの防衛局長の話では、それはもういろいろな制約があって将来毛当然制約されるということなんですが、こういう要望については、たとえ石油の輸送問題にしても、とても今後海上輸送また海上防衛の構想の中では考えられないとか、あるいはまた、もちろん今後海上防衛の一つの段階においては当然考えられるのかどうか、そういった点、この辺は大事なところですから、はっきりと伺っておきたいと思います。
○増原国務大臣 御趣旨ごもっともでございまして、私どももそういう意味で、正確なレアード国防長官の証言を取り寄せまして、それに基づいて打つべき手といいますか、申すべきことは申すというふうにしたいと考えております。さっき防衛局長も申しましたように、インド洋の防衛を引き受けるなどということは、われわれのほうで現在考えておらないのみならず、将来もそういうふうな方向に日本の海上防衛の力が伸びるべきものではないというふうに考えております。そういう点は、テキストを得てしっかり調べましてからまた適当な措置をとろう、こういうふうに考えております。
○伊藤(惣)委員 要するに、海上防衛構想の中においても、そういうことは将来考えられない、こういうふうに了承してよろしゅうございますか。
○増原国務大臣 インド洋の防衛を日本が引き受けるというようなことは考えられない、考えないとお受け取りいただいてけっこうであります。
○伊藤(惣)委員 そうじゃなくて、いわゆるインド洋に対する防衛という意味と、先ほど言った航路帯ですか、ただ単なる航路の先導をするというような意味と、防衛といっても二つあると思うのです。日米安保条約に基づいて極東における自由圏諸国のアメリカが果たしておった役割りを日本が担当するなんといって、米側がずっと担当しておったいわゆる極東防衛を将来は自衛隊が肩がわりして引き受けるという意味と、ただ単に航路帯によって、中近東であるとか、あるいはまたインドネシアだとかというところの海上防衛をする意味と、ちょっと違うのではないかと私は思うのですが、そういう二つ意味があって、どちらも海上自衛隊の今後の構想にはこれはないというふうにはっきり言えますか。
○増原国務大臣 ちょっと質問の御趣旨が十分にのみ込めなかったかもしれませんけれども、この海上護衛の考え方については、いわゆる船団護衛の考え方、航路帯の考え方、両方ございまして、さっき防衛局長がお答えをしたように、船団護衛の考え方を一部の特殊のものについては考えるという思想はもちろん残っておりますが、大体は航路帯というふうな考え方でいこうというふうな考え方になっておるわけであります。 それで、第七艦隊のやっておることを肩がわりをしていくというような考え方があるか、ないだろうというふうに言われましたが、第七艦隊の力というものは、主たるものは打撃力でございます。米海軍自身も、海上護衛、船舶の海上護衛というようなものは、いままでも、自分のほうでは十分日本の船舶護衛をやってやるというようなことはできにくいということは言っておるわけであります。打撃力としての第七艦隊にかわるようなものをわれわれがつくるということは絶対考えておりません。
○伊藤(惣)委員 航路帯としてはあるいは考えられるということですか。
○増原国務大臣 航路帯といえども、これはいま申しましたように、第七艦隊としては、航路帯を形成するというのは主たるあれではないようでございます。われわれのほうは、航路帯をつくるなり船団護衛をするなりということが日本の周辺において一番の任務でありますから、そういうことをしっかりやっていく。これはしかし、第七艦隊のあれだとか米海軍の機能に代替をしていくというふうな性質のものではない、こういうことでございます。
○伊藤(惣)委員 しつこく聞いて申しわけないんですが、要するに、今後はいつもいつも平和であるということにもならないと思いますが、インド洋の波が高いとか海賊があらわれるとかいうような場合、いろいろな問題で要請があった場合には、当然防衛庁では考えなければならないことですよ。そういう場合には航路帯としての役割りといいますか、航路帯の一つの考え方をはっきりとしておかないと問題だろうと思うのです。もし日本の航路帯がサイパンの以北くらいしか行かない、どんなことがあっても、どんなに装備してもそれから以遠は行かないということであれば、これまた各国にいろいろな面でたいへんやらなければいけません。ただ時間の問題もあるし、また、いろいろな輸送というものはほとんど毎日のようにやっているわけですから、そういった船会社から要請があった場合にはやはり検討しなければならないと思うのです。だからそれを頭から一〇〇%行かないなんというようなことを言っていていいのかどうか。この点いかがですか。
○増原国務大臣 それは二つの面から考えたほうがいいかと思いますが、船団の護衛をやるという面を突き詰めて考えていきますると、千海里、千二百海里でとめておくということは適当でない。何らかの形で、インド洋はたくさん日本のタンカーが通るわけですから、そこをやらなければいかぬという方向になると思います。しかし、それでは日本の防衛力というものをそういうふうな意味で海上の力を伸ばしていくことができるか。日本の防衛構想としてそういう方向に行くことがいいのかいけないのか。日本憲法のたてまえからいっていいのか。あるいはまた少し具体的に言えば、それだけの日本の経済力、人的力というものがあり得るか。これはもうとてもないと思います。ですからやはり両面を考えていかなければならない。むしろ、いまの日本のたてまえとしては、やはり憲法の示す専守防衛に徹するという意味を量的にもしっかり考えていきまして、インド洋まで伸びていくというような方向はとるべきではない。それは船団護衛としては不十分でありまするけれども、先ほど防衛局長が申しましたけれども、武力による護衛ということ以上にといいまするか、やはり外交によるそういう事態の発生の防止、世界各国との平和な友好な関係の発展、持続、そういうことに一そうの力を入れるということでカバーすべきであり、せざるを得ぬというふうに考えまして、そのほうへ力があり資金があれば伸びていくというふうな考え方はとるべきではない、そういうふうに考えております。
○伊藤(惣)委員 もちろん、アメリカがどう期待しても、やはりいままでの日本の国民の感情というものがありますし、また世界各国の日本に対する恐怖といいますか、あるいはまた軍国主義の台頭だとかいうことを言いまして、いろいろきびしい目で日本を見ているわけですね。しかもインド洋に対する派遣なんというのは、戦中は別として、戦前なんかもなかったわけです。ですから私は、このことについては、防衛庁長官としては、こういう記事が出たらさっそく取り寄せて、強くこの点で防衛庁としての態度、見解を明らかにして、これを国民の前に示すということが必要だと私は思います。
○増原国務大臣 いまあなたが述べられました理由、私は先ほど申し述べませんでしたが、そういう重要な理由もあるわけです。おっしゃるとおり、その点は明確な線をはっきり引いて、私どもこの計画を進めていくということにいたしたいと思います。
○伊藤(惣)委員 沖繩の問題ですが、私、いろいろ毎回指摘しておりますけれども、きょうまた二、三御質問したいのですが、御存じのように、この沖繩は長い間米軍によって政治が行なわれたために、すべて軍事優先になってきているわけですね。それが今回の返還によって、日本本土と同じだという、沖繩のいわゆる基地の態様が安保条約のワク内に押し込められたわけですけれども、ずいぶんと矛盾があるわけですね。そして、つい最近取り上げておりますところの国内法無視の問題が、沖繩にずいぶん実はあるわけですね。 それについてはそれぞれの委員から指摘がされておりますけれども、私はその中で幾つかの問題にしぼって質問したいのですが、例の那覇空港の隣にあります国道三百三十一号線の問題です。これはちょうどいままで軍用道路だったのですが、これが今度は国道になる。しかし、その国道にはいまだに検問所がありまして、そしてそこを通る場合には一々チェックされるという状況があるわけですね。この三百三十一号線の取り扱いについては覚書があって、その覚書によって処理されるというふうにいわれておるわけでありますけれども、それはその後どうなったか、まず伺いたいと思います。
○増原国務大臣 施設庁長官からお答えいたさせます。
○高松説明員 いま御指摘のように、この三百三十一号線につきましては、本年の五月十五日に合意がなされております。それによりますと、「この部分は、必要な措置を完了次第、公共用道路のため開放される」、この「必要な措置を完了次第」ということがいままで非常におくれておりまして、先月の末に大体米軍側の必要な措置の要求が出てまいりました。現在私どもといたしましては、ここに出されております条件、たとえば横断歩道橋あるいは立体交差橋、あるいは信号機というふうなものの設置について建設省と協議をいたしまして、これから米軍側とこれについてさらに折衝をやる。それでできるだけ早くこの道路を約束どおり開放するということに持ってまいりたい、かように考えていま折衝を始めておるところでございます。
○伊藤(惣)委員 折衝の大体の中身は聞いたのですが、要するに基地と基地の中間に国道があるそうですね。それは米軍側が、国道をまたぐいわゆる跨線橋、車の通れるものをつくってくれということですよね。それについて向こうから要求があったわけですね。私、こういう問題で特に感ずることがあるのですが、要するにあれは三百三十一号線の左側の宿舎のほうでしょう。宿舎のほうはそんな重要な基地じゃないですよね。だから沖繩の県当局も、その米軍の言うとおりに跨線橋をつくるのはけっこうだけれども、将来基地が大幅に縮小されることはわかっているんだ、にもかかわらず、ここに米軍の言うとおり大きな橋をつくることは、非常に税金のむだ使いじゃないか。どちらか一方の基地を返せば問題はすぐ解消する。一日も早くあの国道の自由な使用を要求するときに、橋をつくって提供していくということになれば、非常に時間がかかることと予算を食う。しかも将来は、これは国会においても非核決議と基地整理縮小の決議が出ているわけで、まして沖繩の振興開発十カ年計画というものがあって、十カ年の後には全部基地がなくなるという想定に基づいていろいろな沖繩の開発が行なわれる、こういう一つの構想があるわけですね。ですから私は、そういった面から考えましても、あれはどちらか一方を返還してほしい。それを実現すれば、私は直ちにあの国道が自由に使えるというように思うわけなんです。そういう点についてはどう思いますか。
○高松説明員 いま御指摘になりましたようなこともありましょうし、それから私どもとしましても、この米軍側が提示しております要求が絶対必要不可欠なものだという、その点については疑問を持っております。それでどの程度必要かということ。それからまた、片側、基地自身の返還というのは、これはこれからの問題になってまいるわけですが、これはわりあい時間がかかるだろうと思います。それで私どもとしては、たとえば立体交差を完成して道路を返還するということよりも、暫定的にあるいは、平面交差でしばらくがまんをして、立体交差が幾つかどうしても必要ならば幾つかつくるというのも一つの方法であろうか。まずはこの三百三十一号線を早期に一般の人が通れるようにする。五月十五日の約束どおり、合意どおりなるべく早く通れるようにする。そのための最小限度の必要な措置は何であるか、そういうことを眼目に置いて交渉を進めてまいる、こういうつもりでおります。
○伊藤(惣)委員 私、要するに結局、米軍が言うように、ここに橋をかけるなんということについては、向こうはそう言ってきてもどうかと思う。だから、とりあえずは平面交差ですか、信号をつけて、それをやっておいて、あとはまた返還交渉なり、あるいはまた、その橋をかけることについては向こうにあきらめさせるというようなことを考えている、こういうことですか。
○高松説明員 全くあきらめさせるということにもなかなか問題があると思います。しかし、数カ所ありますものを、こんなに必要があるかどうかというふうな検討は、大いにやるべきだというふうに考えております。
○伊藤(惣)委員 この問題は、やはり施設庁長官だけの問題ではなくて、日米合同委員会の重要な基地整理縮小の一つの議題だと思います。ですから長官から、この問題についてどう長官は考えておられるか、それを伺っておきたいと思います。
○増原国務大臣 ただいま施設庁長官が申しましたように、やはりとりあえずといいますか、平面交差で開放をして、そうしてあと若干の立体交差も、そうたくさんではない、金のかからぬようなことで最小限のものを考えるという方向で話をつけるようにしてはどうか、そういうふうに考えます。
○伊藤(惣)委員 片側一方の返還についてはどうですか。基地の要するに宿舎のほうを返還させるという方向で検討はできないかということですがね。
○高松説明員 沖繩における基地の整理統合問題というのは、これは沖繩返還のときの一つの方針でございます。私どもとしても、この問題には真剣に取り組んでまいらなければならぬと思っております。いま御指摘のように、たとえばそこの地域の一つを返還すれば問題が解決すると、こういう御指摘でございますが、やはり問題は、私はもっと大きく考えて、基地全般についての統合なり、あるいはリロケーションなりというものを考えて、その中の一つとして考えていかないと、これだけ単独にという処理のしかたは、非常にむずかしいのではなかろうか。そしてまた、それは必ずしも当を得ないかもしれないということで、全面的にひとつ再検討をやって、そうしてそれに基づいて整理統合という案をつくり、それでいろいろまた交渉していく、こういう方向でまいりたい。個々のものにつきましては、あるいは部分的に、たとえばどうしても道路を通さなければいけないということで若干縮小する、そういうものはあり得ましても、大きな一つのブロックの問題についてはそういうふうな方針でまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○伊藤(惣)委員 もちろん、この全体の中で考えれば、十カ年の振興開発計画がありますね。あれは実行計画ですから予算がつくわけですよ。だけれども、あれについて防衛庁としてはしっかりした見解を持っていませんと、片や十カ年計画で、なくなることを考えていろいろやっている、片や米軍に言われて、施設、区域を提供する義務があるからといって施設庁がやっている、そういうお互いの見解が根本的に違っていれば、今後たいへんな混乱が生ずるんじゃないかと私は思うのです。だから、一つ一つの現実的な具体的な問題を申し上げながら、皆さんの考え方を聞こうと思っておるわけです。 三百三十一号線の問題だけではなくて、今後三年後に行なわれる海洋博覧会がありますね。これについては、高速道路とか道路の拡幅をやるわけです。しかし、それが全部、基地があるために、基地のところまで行きますと曲げなければいけないわけです、まっすぐに行かないわけです。だから、そういう点から、沖繩県としては国に対して要請しておるわけです。振興開発十カ年計画を政府としてはどこまでも実行してほしい。同時に、まず第一に、海洋博覧会を成功させるためには、沖繩にいろいろな人が来るのだから、道路を整備しなければならない、それにはまず高速道路をつくらなければならない、現在の道路を拡幅しなければいけない、こういう問題が一つあるわけです。ですから、そういった点を考えた場合に、やはり高速道路を通す場合には明らかに基地の中を横断するところがあるわけです。そういった点なんかについてもどう考えているのか。
○増原国務大臣 そういう十カ年計画を実施するという、そういう問題を一つの主要な計画としてその実行をやるために、基地問題をわれわれの要望のように合わせていくというふうな方向で考える、そういうふうにわれわれも基地問題としては努力をしていきたい。しかしただ、なかなかそう必ずしもうまくいくところばかりじゃないかもしれません。それは十分努力をして、そういう方向に沿う形で努力をしてまいりたい、そういうふうに考えます。
○伊藤(惣)委員 ですから、今後、日米合同委員会はしょっちゅうやっているわけでありますから、そういうことをよく踏まえた上で、この三百三十一号線の問題は、片側一方を返還しろとか、あるいは、三年後には海洋博が行なわれるのだから、この地域についてはやはり縮小してほしいとかいうような交渉を前向きにやってほしいというふうに私は考えます。その点いかがですか。
○増原国務大臣 それは、そういう計画を立てる方面等から、われわれの施設庁のほうへ早くちゃんと連絡をしてもらいまして――実行不可能なものをなかなかやるわけにもいきません。その点は、やはりある場合には考えてもらわなければいかぬことも出てくると思いますから、よくわれわれのほうへ連絡をしていただいて、そういう計画がりっぱにできることを主軸としてわれわれは基地対策のほうの問題に取り組んでまいりたい、こういうふうに思います。
○伊藤(惣)委員 もう一つはパイプラインの問題です。これは御存じのように、基地から基地の間に、石油、あるいは原油、ほかの軽油だとか、いろんなもののパイプラインがあるわけです。これは民間の土地を米軍がかってに使ってやっているわけですが、この問題についてたいへん問題があるわけでありますけれども、これが本土であれば、個人の土地であるならば、契約を結んで借料を払って、そして提供するということになっておるわけでありますが、これに対しての施設庁の考え方を伺いたい。
○高松説明員 現在までパイプライン敷きの所有者が、那覇市、浦添市、北谷村、宜野湾市、これで大体五百八名ございます。そのうち四百四十四名の方がすでに契約済みでございます。率にしまして約九〇%は契約を完了しておる、こういう状態でございます。
○伊藤(惣)委員 残る人は拒否しておるわけですか。
○高松説明員 拒否している人もあるかと思いますが、まだ交渉中の方もあるはずでございます。その辺の内訳はいま詳しく手元に資料を持っておりません。
○伊藤(惣)委員 いわゆる賛成する人はけっこうですが、拒否した場合について、また同じように暫定使用法ですか、これを適用してやるというふうに考えておるのですか。
○高松説明員 これにつきましても暫定使用法の適用がございます。したがいまして、この前申し上げましたように、告示によって収用の効果がすでに出ている、あとは補償交渉になるか、さらに一条二項の精神に従って契約を結んでいただけるように促進するか、こういう問題が残っている状態でございます。
○伊藤(惣)委員 要するに法律があるからといって、おまえら応じなかったらやるんだ、そういうような態度ではなくて、やはり慎重に法の適用については考えるのが当然だし、また極端に言えば、拒否しているところについてはそこを避けて通るというくらいの配慮を考えるべきだと思うのです。その点はいかがですか。
○高松説明員 この前も申し上げましたように、私どもとしてはとにかくこの一条の二項でございましたか、あの精神に従って極力契約を結ぶという方向でやってまいる、そのために、契約なりあるいは補償の通告が多少いまおくれている状態にございますけれども、できるだけそういうことで御納得をいただいて契約を結んでまいる、こういう方向で進んでいるというのが実情でございます。
○伊藤(惣)委員 演習場の問題ですが、ホワイトビーチ先に第五区域というのがありますね。これは今度新しく米軍に提供するところであります。いままででさえも訓練海域というものが三十九カ所くらいですかあって、非常に漁業に支障がある、満足な漁業補償もないという実態があったわけでありますが、さらに一方的に、返還後、このホワイトビーチ先の第五区域というものを米軍に提供したわけです。こういった点について、地元の漁業協同組合というのがたいへん強く抗議しているわけです。いままででさえも訓練海域が多い。だから前の沖繩国会でも、これはもうどんどん将来は縮小して、内水ではなくほかの場所で訓練すべきではないかということに対して、政府はそのように前向きで考えるという答弁があったわけですよ。しかしながら、そういったことが最近は全然なくて、むしろ新しくまたその区域が提供されてきている。これはもう沖繩国会の答弁と実態が違うということですね。そしてまた、いままでの漁業補償の問題についても、まだはっきりした結論が出てないところも非常に多いわけです。ましてやこういった第五区域の問題についても、たいへんな強い反対がありながら、これにはまだ結論が出ていない、それが実態なんです。その点についてはどう施設庁は考えておりますか。
○高松説明員 復帰後新しくそこを提供したという形はないはずでございます。復帰前のものの中を第五、第六というふうにいろいろ分けたという形になっておるかと思います。そういう水域につきましては、復帰後は演習を行なう通報がありました場合には水域が制限されるわけでございますが、それにつきましては、地元の漁業等に影響を及ぼさないように配意するために、必要であるときは、それについて、現地の那覇施設局と現地米軍との間で調整もいたしておりますし、また、復帰前行なわれなかった漁業補償についても、当然にこれは漁業の操業制限等による補償を行なう、こういうたてまえで進んでおります。
○伊藤(惣)委員 よく実態を調査して答弁してくださいよ。そういったことが問題になっているから新聞に書かれているんだし、そういう点が問題だからこそ漁業組合が騒いでいるわけですよ。新しく提供したところはないなんということをそんな簡単に言っては、地元の人たちが騒いでいるのに、施設庁長官はおかしいですよ。実態をよく調べた上でその点は答弁してください。いずれにしても、いままでの訓練海域については、ふやす方向ではなくて、やはり漁業協同組合に対して補償を十分にしながら、基本的に縮小する方向で検討してもらいたい、私はこう思うのです。いかがですか。
○高松説明員 ちょっと私誤解があったかもしれませんが、この点につきましてはひとつ調べてみます。ただ、根本方針としては、いままさにおっしゃったように、大体従来のものを縮小してまいるというのがあくまでも基本の方針でございます。そういう意味で、新たにそういうのが加わったというのは、ちょっと私には理解できないのですけれども、その点はまたあるいは私の記憶違いかもしれませんので、調べてまたそれに対処してまいりたいと思います。
○伊藤(惣)委員 外務省に伺いたいのですが、日米間においてSR71の問題などいま協議しているという話が参事官からあったわけです。ほかにもP3とかB52、KC135、こういった問題の機種があるわけですね。そのほかにRB57であるとかいろいろ機種はありますけれども、そういった問題については今後どうするのか。たとえばP3の問題については玉つき移駐が発表されたけれども、その後何もしていない。あるいはまた、B52が気象条件が悪くなればどんどん飛んでくるかもわからない、こういう不安があるわけです。 前回、沖繩の調査団の一員として嘉手納基地を訪問しました。そして基地公害が激しいという嘉手納小学校を訪問しましたけれども、そのときに向こうから資料として出された生徒のつづり方、作文を見せてもらいました。その作文の中にこう書いてありました。私たちが国会議員にお願いしたいことは、防音校舎であるとか冷房つきの教室を提供してほしいということではない、根本は嘉手納飛行場というものをなくしてほしい、これが私たちの国会議員に対する願いだという作文を私、読みまして、まさにあの地域の住民の方々は、朝から晩まで二十四時間たいへんな騒音に悩まされているわけですね。そういった実態を見てまいりまして、早く沖繩からそういう基地を撤去させねばならない。少なくともいろいろ安保条約上疑義のあるような飛行機などの発着については認めるべきではない。また、いろいろな問題で疑惑が起きた場合には、外務省は前向きでそういった点を米軍に提示して注意を喚起して、たとい条約上問題ないとしても、住民感情のほうを大事にして日米交渉に当たってほしい、こう考えているわけですが、そういった点についてアメリカ局長から答弁願いたい。
○大河原説明員 私、アメリカ局長に就任したばかりで、最近の実情についてはつまびらかにいたしておりませんけれども、基本的にはわが国は、安保条約並びに地位協定に基づいて、米軍に対しまして基地の提供をいたしております。その基地の提供に伴いまして、地元との間にいろいろな問題がかねて起きておる。また沖繩の本土並み復帰ということに伴いまして、従来米軍が自由に使っておりました沖繩の基地につきまして、いろいろな問題が発生いたしているということも承知いたしております。したがいまして、こういうふうな問題に対処するにあたりまして、わが国が米側に安保条約並びに地位協定に基づきまして約束しておる義務を円滑に果たすと同時に、地元その他関係の向きの問題について、できる限りきめのこまかい心やりのある態度で対処すべきものというふうに考えております。今後、なるべく早く勉強いたしまして、そういう問題に取り組んでまいりたいと考えております。
○伊藤(惣)委員 先ほど橘参事官が答弁しておったようですが、いまどういうふうになっているのか。先ほど申し上げましたように、SR71とかP3とか、簡単でけっこうですから、交渉しているのかしていないのか。していないとすれば、このままでいいのかどうか。そういった点について伺いたいと思います。
○橘説明員 たしかさっき、私、間違っておるかしれませんが、大出先生のときに出ましたのは、SRF、横須賀の艦船修理部でございますが、それは別にいたしまして、SR71は、かねて国会におきましても、私ども繰り返し申し上げておりますとおり、国際法に違反するような飛行は行なっておらないというふうに承知しておりますので、しておる状態が続いております。 それからP3につきましては、本年度の予算におきまして、沖繩における所要の工事費というものが計上されまして、ただその後、P3の移転先と想定されておる飛行場、それの地元等におきまして、そういう飛行機が来ては困るというような動きもございますようで、その辺の調整も見計らいつつ今後工事も進めていくという段階、手順になっていくものと考えております。
○伊藤(惣)委員 伺いますが、いままでの答弁ですと、SR71は絶対に中国や北朝鮮の国境を侵犯していない、こういう答弁ですが、いまも変わりませんか。
○橘説明員 SR71につきましては、繰り返しになりまして恐縮でございますが、国際法に違反するような飛行はやっておらぬということを重ねて米側から承知しておりますので、そのとおりであろうと考えております。
○伊藤(惣)委員 もし今後、そういう国から侵犯したという事実を指摘されたり、あるいはまた他国の領空を侵犯したというような実態、事実関係が明らかになったときにはどうしますか。
○橘説明員 これまで中国のほうが何かそういうことを言ったというケースは承知しておりません。ただ、北鮮でときどき侵犯したという抗議といいますか、そういう発表をしておるのを承知しておりますが、これも片耳といっては何でございますけれども、私どもが一方米側から確かめておりますところは、先ほど申し上げましたとおり、国際法に違反するような飛行はやっておらぬということでございます。
○伊藤(惣)委員 もしそういうことが起きたときには、沖繩にはそれらの飛行機の駐機は認めないのか。あるいはまた、そういう他国の領空を侵犯していても認めていくのか。その点はいかがですか。
○橘説明員 米側もかねて、国際法に違反するようなことはやっておりませんということを、私どもには言うておりますので、さような事態はないものと私どもは存じております。
○伊藤(惣)委員 条約局長に聞きたいのですけれども、安保条約上、日本からのそういうスパイ活動、あるいはまた偵察飛行というもの、中国や北朝鮮やソ連、そういった国の中の領空を侵犯するような飛行機を日本に置くことができるかどうか。いかがですか。
○高島説明員 日本の施設、区域を使いまして偵察をするということは、もちろん可能でございますけれども、その偵察のために他国の領空を侵犯するということは、とうてい認められないことであろうかと思います。
○伊藤(惣)委員 そうですね。そういった他国の領空を偵察飛行することを常時するようなことは当然認められない、これは私は条約上の正しい解釈のしかただと思いますが、そういう意味からいって、もし今後そういったことが明らかになった場合には、直ちに沖繩からそういう飛行機の撤去をすべきだと思うのです。その点、アメリカ局長いかがですか。
○大河原説明員 ただいま条約局長並びにアメリカ局参事官から答弁ございましたように、米側は偵察の行動におきまして国際法に違反はしないということを言っておりますし、また、万が一違反というふうな行為がありますと、条約局長の答弁のとおりに、これは国際法上望ましくないことであることは間違いございません。したがいまして、米側は十分それを承知の上で行動するものと考えます。
○伊藤(惣)委員 最後に瀬長島の問題を一つ質問したいのですが、最近、盛んに瀬長島の毒ガスの疑惑が指摘されております。この間も瀬長島の豊見城村の又吉村長さんに、いろいろと瀬長島の問題について伺ってまいりました。そして社会党の同僚委員もいろいろと、黄色が毒ガスで赤が核であるとか、あるいはヤギが飼ってあるとか、あるいはまた弾薬庫が二重三重ワクになっているとか、そういった実態は、知花弾薬庫だとか辺野古弾薬庫と同じであるというようなものを指摘しながら、立り入り調査を迫っているわけですが、そういった点について外務省はもうすでに何回も聞いていると思いますが、そういった問題に対する外務省の見解をまず伺いたいと思います。
○松田説明員 お答え申し上げます。 昨年も国会で御議論いただきましたように、米軍、特に米海軍の弾薬庫の標示等は、ある色が小口径、ある色が大口径というふうな、外観上、標識で識別できるような色分けをしております。またその警護の態様も、普通より危険度が高いものは二重にする。どろぼうに盗まれても、ちょっとこれは極論かもしれませんが、さほどほかのものよりは問題が少ないというものはある程度さくが少ないとか、いろいろ基準がございましてやっているようでございます。ただいま御指摘になりました瀬長島の問題とおっしゃいますのは、現地の報道で、あそこにヤギがいる、したがってそれが核ないしは毒ガス保存の証拠ではないかというふうな形で問題が提起されているものと承知をしております。 御承知のとおり、沖繩には核はなく、また致死性ガスもすべて撤去されておりまして、そのような問題は絶対にございませんが、なぜヤギがいるのかということにつきましては、米側で調査いたしました。お時間をいただいて御報告を申し上げたいと思います。 復帰一年半ほど前の昭和四十五年十二月十日、当時のランパート高等弁務官は、ブラウン那覇海軍基地司令官その他の者を帯同いたしまして、宮古島に近い来間島下地町を訪問したことがございます。そこでランパート高等弁務官は上江州という方を訪問いたしましたが、その方はヤギを飼っていらっしゃいました。上江州氏はランパート高等弁務官にそのうちの一匹を進呈いたしましょうと申し入れて、そのヤギは四十六年三月に、雄ヤギでございましたが、ランパート高等弁務官のところに届きました。ランパート高等弁務官はヤギを受け取りまして、この飼育を視察に同行いたしましたブラウン大佐に命じたのであります。ブラウン大佐は高等弁務官の同地訪問の同行者でもございましたし、また米海軍にとりまして、ヤギというものはある意味を持っているのでございます。それは御承知のアナポリスの海軍兵学校のマスコット動物がヤギでございまして、米海軍の軍人の中には、そういう因縁でヤギを好む者が多いということであります。ブラウン司令官は自分で、雄一匹ではかわいそうだということで雌ヤギを購入いたしまして、これを自分の所管いたします瀬長島の弾薬庫地区に放し飼いにいたしました。この二匹のヤギはその後二匹の子供を生みました。しかし、あとから購入いたしました雌ヤギと子供のうちの一匹は、野犬にかまれて死亡しておりますので、現在おりますのは、上江州さんから贈呈のございました父親と子供一匹、この二匹でございます。
○伊藤(惣)委員 あなたとヤギの論争をすると時間がないから、やりたくないのですが、これは瀬長島の村長さんの指摘ですね。 私は厚木飛行場において指摘したことがあります。よく調べましたら、厚木市の渉外部で毎年六十頭のヤギを買って、厚木の弾薬庫地域に米軍は放すわけです。ところがこれは、毎年必ずある日突然野犬にかまれていなくなるのです。しかもどうして野犬が入ったのかというと、がんじょうなコンクリートが下にありますけれども、それを掘って野犬が入って三十頭のヤギを一ぺんにみんな食い殺してしまうのだそうです。それで殺されるから毎年毎年同じ数字を買うのだというのです。だけれども、あれほどがんじょうな米軍の金網の下を野犬がもぐっていって三十頭食い殺すなんということは、だれが聞いてもおかしな話なんです。じゃ、その三十頭の死んだヤギをいつだれが運んだか、それもわからない。その地域をガードしておるガードマンでさえも、それこそわからない。いろいろな疑惑が実はあるわけです。 そこのヤギは、私はそういうかっこうで飼ったのかどうかわかりませんよ。ただ、こういう毒ガス兵器を扱う米専門家は、ヤギというのは人間に非常に体質が似ておる、そしてそれらを放し飼いにしておけば、毒ガスが漏れたり、あるいはまたそういうものをしょっちゅう使うわけじゃありませんから、漏れがあった場合には、弾薬庫の上にある草を通じてすぐヤギなんかの内臓に反応するというのですね。これは私は米軍の専門家から聞いた話ですよ。だから、ある一定の期間飼ったら、必ずそれはあるところへ持っていって内臓を切るのだ、そして調べて何でもなかったら、ガス漏ればない、こう確認するのだ、こう言う人が一方においているわけです。しかも飼っておるところはどこでもヤギでしょう。マスコットといったって、御存じのように、今度はウサギだってそうですね。毒ガスを運ぶときは全部うしろにウサギをつける。あれも非常に反応が早いという意味で、漏れをつかむためにウサギを飼って、そしてそれをまたつけておったわけですね。かつて知花弾薬庫の核倉庫付近にもヤギがいた。これもだいぶ前に報道されていますね。 あなたの説明は漫画みたいなものですから、私はやはり、そういったことをたとえば指摘されて、あなたが聞いて発表されたとしても、決して沖繩県民は納得しないと思いますよ。ですから、あなたが米側の立場に立って、ないというようにおっしゃる。それはけっこうです。だったら私は、ありませんよと見せてほしいと思うのですよ。瀬長島の村長さんはじめ沖繩県民の人は、そういう疑惑を実は持っているのです。だから、立ち入り調査だと言うとものものしいですから、あなたがおっしゃるように疑惑があるならどうぞ見てくださいというふうに、私はある程度開放してもいいと思うのです。また、あなた方が沖繩県民の立場に立って、そういうことを米側に言ってもいいと私は思うのですよ。そういった点はどう考えますか。
○松田説明員 これまた昨年来国会で御議論を賜わりました案件でございますけれども、政府は従来より重ねて繰り返し述べておりますとおり、条約をもって駐留を認めております外国軍隊に対しまして、権利、権原をもってその立ち入りを求めることは一般国際法上もできない。政府が申しておりますのは、にもかかわらず、政府の判断においてこれは調査すべき正当、相当な根拠があると認定いたした場合には、しかるべく米側に調査なり開示なりを求めるけれども、政府の責任においてこれはそこまで米側に求める必要がないと判断し得るものについては、なおいろいろな問題を十分究明するにとどめ、米側に立ち入り検査を求めるということは、これは簡単に考えるべきでない。これは御承知のとおり、昨年の国会、今年の通常国会を通じまして、政府が一貫して御説明申し上げたところであります。今回の瀬長島の問題は、私どもは調査の結果、ヤギの問題、ただいま御説明申し上げたとおりでございますけれども、米側に開示を求めるべき相当の理由はないものと判断しております。
○伊藤(惣)委員 私はきょうは初めて提起しますが、公明党を使っていろいろ調査しておりますけれども、これは琉球新報の八月三十一日の新聞です。この琉球新報の一番トップに「瀬長島にあるナイキ基地」といってナイキハーキュリーズが出ております。これをちょっと……。 御存じのように、ナイキハーキュリーズというのは核専用ですね。日本の場合は、それを核をつけられる部分を詰めまして、ナイキJにして非核兵器にしているのです。これはうちがとった写真じゃありません。琉球新報で示したやつです。そうなりますと、ハーキュリーズは核ですよ。いままで、沖繩に非公式ではありますけれども確認されているのは、メースB、それから核装備のナイキハーキュリーズ。しかしそのナイキハーキュリーズは、これは自衛隊に持ってきて核専用を非核に変えて使う、こういわれているのです。しかし三十一日の新聞に、そのように明確に瀬長島のハーキュリーズが上がったところが出ております。これは安保課長、大きな疑問じゃないですか。
○久保政府委員 このいまいただきました写真を見ますると、手前のほうに「サウスウエスト・エアラインズ南西」――あと見えませんが、飛行機の尾部が出ております。これはおそらく、どちらのほうから写したか知りませんけれども、那覇飛行場の中にあるハーキュリーズだと思います。そしてこのハーキュリーズは当然、核、非核両用のものでありますから、そしてまたいま外務省側からも答弁がありましたように、ハーキュリーズについてというよりも、沖繩について核弾頭はないという現状でありますので、これは核、非核両用でありますけれども、核弾頭のついてないもの、那覇飛行場のものが写真に写されたもの、そういうように理解いたします。
○伊藤(惣)委員 それじゃ、琉球新報のその写真はいいかげんだというわけですか。瀬長島にあるナイキと書いてあるじゃありませんか。
○久保説明員 どう書こうとわかりませんが、瀬長島にハーキュリーズがあるということは、私も全然知っておりませんし、あるはずがないわけでございます。
○伊藤(惣)委員 その写真は信じられないということですか。
○久保説明員 写真は信じますけれども、その下に「瀬長鳥にある」というのはいかがかと思います。
○伊藤(惣)委員 それじゃ、いままでナイキハーキュリーズがあった地区は、防衛局長、どことどこだか知っていますか。
○久保説明員 ナイキのありまするところは、与座、恩納、それから那覇飛行場という三カ所であります。
○伊藤(惣)委員 普天間飛行場にあるやつは何ですか。
○久保説明員 普天間には私はないと思いますが、いまホークのある場所をちょっと調べています。
○伊藤(惣)委員 これはそうおっしゃるだろうと思いまして、防衛庁に私は確認してあります。というのは、沖繩の何カ所かにハーキュリーズがあるのです。それで私は、いま申し上げませんけれども、普天間飛行場のハーキュリーズは伊藤防衛課長が見ております。だから、ハーキュリーズがあるぞなんということは、米軍は大体言わないのです。あるということを聞いてないから、写真にあってもうそだなんということは、答弁にならぬと思うのですよ。だから私は質問をやれませんなんて、ここですわるわけじゃないが……。そういう疑惑がもしあるとすれば、やはり私は、立ち入り調査、あるいはまた、そこにある新聞が示している以上、やはりあることが考えられる。であるならば、やはりこれは米軍に照会して、そしてその実体を明らかにすることが、外務省、防衛庁の義務じゃないですか。
○松田説明員 この先生御指摘のこれは、瀬長島ではなくて、旧那覇海軍空軍施設の一部である那覇サイトではないでございましょうか。瀬長島というのは弾薬庫地区でありまして、これは離発着のとき、民間の方どなたでもごらんになれますけれども、それは弾薬しかない島でございます。
○伊藤(惣)委員 私もこれはたいへん疑問に思ったわけです。それで、那覇空港のハーキュリーズを写す場合には、その建物は入らないのですよ。 これは、わが党が調査した弾薬庫地域と、それから弾薬庫の位置をあらあら書いたものであります。これがそうです。私たちは、そのハーキュリーズはこの地域のこの辺にある。軍用道路の裏側のほう。どうもその辺は、海からではあまりよくわかりませんけれども、そこに夕やみ迫まるころ、にょきっと立ったものがある。琉球新報はうまくとらえているようでありますけれども。うちもとりましたけれども、はっきりしてない。そこで私は琉球新報のその写真をもって皆さんに申し上げたわけであります。
○久保説明員 いま思い出しましたが、うしろにおられる記者方と一緒に、復帰以前に那覇に参りました。瀬長島は米軍の案内で車で回りました。もちろんナイキはございません。ただし、いま那覇の飛行場にありますナイキはおそらく瀬長島寄りでありますので、飛行場の中にあることは間違いはございませんけれども、写真のとり方によってそういうような角度がとれるんじゃないか、これは確信を持って申し上げます。
○伊藤(惣)委員 先ほど三カ所のナイキハーキュリーズしかないとあなたはおっしゃったでしょう。普天間にほんとうになかったのですか。
○久保説明員 少なくとも今日あるわけではございません。ナイキは、従前二個大隊ありました。二個大隊のうち一個大隊を撤去しまして、残り一個大隊であります。これはいつ撤去したかは調べればわかりますが、少なくとも一年以上前に撤去いたしております。したがって、昨年の沖繩国会以前、私は少なくとも一年以上前からだと思いますが、それ以後は三個中隊しかございません。したがって普天間にはありません。
○伊藤(惣)委員 しかしながら過去にあったでしょう。
○久保説明員 過去には一個大隊ありまして、四個中隊分の場所が現にありまして、そのうちの一部はおそらく返還になったところだと思いますが、機材そのものは全くございません。
○伊藤(惣)委員 防衛局長は、その写真は那覇施設にあるハーキュリーズをとって組み合わせて、そして瀬長島にあるナイキとしたと、こうおっしゃるのですか。
○久保説明員 組み合わせてということでありませんで、ある角度から見ればこういう写真がとれるのであろう、ただし、その注釈として「瀬長島にあるナイキ基地」と書くのは、これは間違っているのでしょう、こう申し上げたわけであります。
○伊藤(惣)委員 ですから私は、そういった問題についてあなた方にいろいろ聞いたですよね。しかしながらはっきりわからなかった。だから私は、そういった点を調査してほしいというのですよ。あったじゃないか、こうじゃないかと言っているんじゃない。疑惑がある。ヤギとか軍用犬の放し飼いだとか、二重ワクだとか、赤だとか黄色だとか。何回言っても、いままで皆さんは、外務省の話を聞いて、なかなかやろうとしませんけれども、やはり沖繩県民の感情というものは本土のわれわれ以上に強いものがあるのです。だから、そういう疑惑があれば、また皆さんがほんとうにないと確信があれば、やはり村長さんをはじめ瀬長島や県民の皆さんに開放するように申し入れたらどうかと私は申すのです。防衛庁長官どうですか。
○大河原説明員 先ほど申し上げましたように、私、まだ着任早々で実情は存じませんけれども、少なくとも私が確信を持って申し上げ得ますことは、沖繩返還に際しまして、米国は正式に日本政府に対しまして、沖繩返還とともに核は沖繩から撤去されているということを約束いたしておりますので、復帰後の今日、核兵器が沖繩に保管されている、あるいは配置されているということは、私は絶対にあり得ないというふうに考えております。
○伊藤(惣)委員 私もそれを信じたいのですよ。あれだけ国会で問題になって、外務省が何回も言われて、また聞くのかというふうに防衛庁はいやな思いをしたということも私は聞いておりますよ。ですから、それほどまで言われてなおかつずうずうしく置くとは思われない。しかしながら、やはりそういった疑惑に対して、ないんだからないんだという姿勢は私は問題だと思うんですよ。だから、前回、相模補給廠の問題だって、私は塩素ガスの問題を通じていろいろ毒ガスの問題を申し上げました。それで、そういった点についてたいへん疑惑があったということで、委員会で超党派で私たちは調査に行きました。そのときは、すべて撤去して、ありませんでしたけれども、しかし、そういったことによってやはり相模原の地域住民の不安を消したわけです。だから、同じようにそういう不安を県民の方々が持っているのですから、そして外務省にも防衛庁にも、このことは瀬長島の村長が中心となって申し入れているのでしょう。だからこれは私は、ほんとうにハーキュリーズもいまはない、これは古い写真である、それでもいいでしょう。ほんとになかったならば、ちゃんとないというところを見せて納得させていかない限りは、私はやっぱり沖繩県民の感情というものはおさまらないと思います。だから私は、先ほどから言うように、条約上の義務だけを考えるんではなくて、県民の感情というものを考えて、県民の立場に立ってすべてものは考えるべきではないか。それは外務大臣も先ほど来言っているじゃありませんか。事務当局の皆さんが、どこまでもそれはできないなんということになれば、外務大臣はせっかく言っていても、外務大臣の考え方に反することになりますよ。防衛庁長官いかがですか。
○大河原説明員 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、沖繩の本土復帰後に沖繩には米軍の核兵器はないということを繰り返して申し上げたいと思います。
○伊藤(惣)委員 防衛庁に伺いますが、こういう写真が出た以上は、それは那覇空港のナイキサイトだろうということでこの問題は済まされませんよね。ですからそれを調査してください。調査した結果、またこの委員会で報告してください。いかがですか。
○久保説明員 瀬長島のことであれば、私どもでも比較的調査は容易であると思いますので、やります。
○伊藤(惣)委員 最後に申し上げますが、防衛庁長官に伺いたいんですけれども、要するに、四次防の問題といい、基地問題といい、いろんなこういう疑惑といい、常にいままで政府は、だれが見ても、われわれ国民の立場ではなくて、どこまでも条約上の義務を遂行する立場からものを言っていた。外務省はいつの場合でも、アメリカ大使館の代理店みたいに、向こうがないと言うんだからないというようなことを言ってきておるわけですよ。ですから、今後四次防の策定にしましても、基地問題にしましても、どうか沖繩県民あるいは本土のそれぞれの基地の地域住民の考えを常に正確に把握して、そしてそのことを正確にとらえて米軍と交渉してほしいと私は思います。 それから沖繩では、県知事をはじめ、いろんな問題が出たときに、現地で協議したいと思ってもそういうものがないから、いつの場合でも、外務省に照会しますということでごまかされてしまうというんですね。だから、そういうことではなくて、現地にそういった問題を協議する委員会をつくってほしいというふうに言っているんですが、防衛庁長官はどうそれを考え、またこれからどういうふうにそういった問題について臨んでいくのか、最後に伺って終わりたいと思います。
○増原国務大臣 この問題は、防衛庁所管ということではないようでございますので、関係所管のほうと相談をいたしまして、先生の御意思のあるところは十分伝えて検討をいたします。
○伊藤(惣)委員 終わります。
○前田委員長 次に和田耕作君。
○和田(耕)委員 初めに、相模補給廠の問題についてお伺いします。 これはきょうの閣議の決定という形で、今後、あそこの戦車あるいはその他のものを修理するとかという問題を、この一両年の間に修理その他のことをやらないように申し入れるという、そういうことはありましたか、きょうの閣議でですね。――これは防衛庁長官の問題じゃないですね。この二つの政府が約束をしたことで、戦車あるいは兵員輸送車を送れるようになるという明るい見通しになったということですけれども、その問題について若干お伺いしたいんですが、建設省の道路局長さんいらっしゃいますか。この道路の重量制限というものは、あるいは幅の制限というのは、どういうふうな意味を持っていますか。
○高橋説明員 車両制限令に定まっております幅は二メートル五十でございまして、二メートル五十未満のものにつきましては、許可なしにいつでも通れるようになっております。二メートル五十をこえるものにつきましては、許可が必要でございます。
○和田(耕)委員 重量はどういうことですか。
○高橋説明員 通常の車両の場合は、二十トンが限度になっております。
○和田(耕)委員 そういう制限の規定があるのは、二十トン以上のものであれば、道路が破損するとか、あるいは橋梁であれば落っこちるとかいう危険があるからという意味ですか。あるいはその他の意味がありますか。
○高橋説明員 最近の橋は二十トンの設計荷重でございます。つまり橋を設計するときの基準が二十トンでございます。ただし、その二十トンが一つの橋に一台じゃございません。それは並ぶだけ並んで通るわけでございますから、たとえば一つの橋に十台並ぶとすれば、二百トンの荷重がかかることになります。したがいまして、二十トン以上のものが通ったら橋がこわれるとかいうものじゃございませんで、ただ基準が一応二十トンになっておりますから、二十トンまでは自由に通れます。ただし、二十トンをこえるものにつきましては一応チェックだけさせてもらう。それで可能なものにつきましては、通過方法を指示いたしまして通過を許すわけでございます。
○和田(耕)委員 それでは、これ以上たいへん危険だという重量はどれくらいのものだと思いますか、普通の橋梁で。
○高橋説明員 その橋によりまして、その橋のタイプ、たとえば、アーチであるとか、あるいはトラスであるとか、いろいろタイプがございますが、橋のタイプ、あるいはその設計されました年月日、大正時代とか昭和の初めとか、あるいは最近であるとかいう、設計の基準がその時点によって違いますので、それぞれの橋によって違うわけでございますけれども、通常、二十トンの荷重でしたら、どの場合でも大体だいじょうぶだというふうに考えられます。
○和田(耕)委員 いまの問題になっている村雨橋の場合は、これ以上危険だという重量はどれくらいですか。
○高橋説明員 ただいま車両制限令が四月一日から強化されまして以来、各道路管理者、それは国も県も市もあるわけでございますが、それぞれに通知を出しまして、簡易計算方式というもので、しろうとでもだれでもできるような計算方式で算定される方法をとっております。それによりますと、今度の村雨橋の場合はたしか四十六・九トンでございます。四十七トン弱しか通れないようになっておるわけでございますが、それを精密な計算をいたしますと、つまり、橋を通る位置まで指定いたしまして、しかも速度を十キロ未満に押えるとか、一台しか通らない、対向のものを通さないというような計算で、しかも主げたとか横けたとか、それから床版とかいうもので、その橋の部材ごとにそれぞれ詳しくチェックいたしますと、八十トンぐらいまではその通行方法によっては通れるような計算になっておるわけでございます。
○和田(耕)委員 そういうことになりますと、その八十トンということは、今度の戦車を積んだ車の重量に匹敵するという重量ですね。それで、こういう政府と反対側との政治的な取りきめで、今後、相模補給廠で戦車その他の修理はやらないように申し入れをするとか、あるいは横浜から積み出したものが、日本の国民感情を考えて云々のあの規定によって――規定とは関係ないですね、いまの橋梁の危険であるかどうかということは。それはどういうふうに考えられますか。
○高橋説明員 橋の耐荷力というものは、日本の車であろうと外国の車であろうと、それは全く関係ないわけでございまして、われわれは、日本の車でも、許可申請があった場合に同じようにチェックいたしまして、アメリカの戦車であろうと、道路管理者としては全く同等に取り扱うべきであるというふうに考えております。
○和田(耕)委員 それでは、きょう閣議了解として官房長官が発表されたあの二つの条項がありますね。これがあるからといってこの輸送を許可するということは、どういう意味を持っているのか。
○高橋説明員 私も、その点につきましては、官房長官ではございませんのでよくわかりませんし、また、許可をする、許可をしないは横浜市長、相模原市長ですから、どういうことになるか存じませんが、私の判断では、道路管理者としての市長は当然許可しなければいかぬだろうと思うのです。ただ、別な行政官としての市長でございますか、地方行政を預かる市長として、住民の意思等をそんたくいたしまして、ただいまの段階で許可を出していないのじゃないかと思いますが、その辺についても、きわめて高度な政治判断が、先ほどの二条件をのむことによって許可できるというような方向に結ぶのじゃないかというふうに考えます。
○和田(耕)委員 高度な政治判断はいいのですけれども、実際八十トンぐらいのものを運べばあぶないというものを許可することないでしょう。それは政治判断とは違うことになりますか。
○高橋説明員 ただいまの村雨橋につきましては、八十トンまで通れることになると思います。ただ、その先にもう一つ千鳥橋という橋がございまして、これは非常に老朽化しております。これにつきましては、ただいまの計算では、戦車が自走をするときは四十六トン強だと思いますが、自走しても通れないような状態じゃないかというように計算されております。したがいまして、お説のとおり、たとえそういうふうな二つの条件が満足されたとしましても通ることはできない状況にございます。
○和田(耕)委員 兵員輸送車の場合の重量はどうなりますか。
○高橋説明員 兵員輸送車につきましては、これは重量も高さも、それから長さも基準を下回っております。ただ幅だけが十八センチばかりオーバーしているというふうに聞いております。したがいまして、これは村雨橋、千鳥橋については全く道路管理者としては許可すべき性格のものだというふうに考えております。
○和田(耕)委員 つまりきょうの発表によりまして、あそこでからだを張って反対している野党あるいは反対側が、この二つの条件が出ればやや目的は達成したという意味で、今後この兵員輸送車あるいは戦車を送り出す見通しがついた、そういう趣旨のことをみずからも言っているわけですけれども、そういうことと、道路管理の一番の本元の責任者であるあなたのところが、技術的に見て非常にあぶないものを、あるいはすれすれのものを運ばすという手はないでしょう。ないですね。またこれは、横浜の飛鳥田市長がこういうことをやったからということですけれども、当然そういうことをやれば国民自体がそういうふうな問題を検討しなければならぬ問題ですね。 私がこれを問題にしますのは、安保条約というのは日本にとって重要な条約です。安保条約の義務は日本は守らなければなりません。そのことと、いまのその危険だという問題が技術的にある、すれすれだという問題があるのに、政治的な決定とかなんとかいうことでその問題を軽視するのは、私はけしからぬと思うのですよ。ほんとうに危険であれば、こんな妙な取りきめで通すとか通さぬとかいうべき問題じゃないでしょう。そう思いませんか。
○高橋説明員 全く同意見でございます。
○和田(耕)委員 それからもう一つ、きょうの新聞に載っているあの防衛庁の千駄ケ谷でやる観閲式の問題ですね。あそこに毎年来ておる戦車ですか、その他の機材、これも重量がオーバーする、あるいは幅が広過ぎるということで車両制限令に違反して、送れなくなるという意味の報道があったのですけれども、あれは長官、対策としてどういうふうにお考えになっておりますか。
○増原国務大臣 その問題、係の者に調べさせたのでありますが、富士にあります戦車を持ってくる場合、国産の六一式戦車が都内に入るまでの経路上の橋梁で制限重量を超過する個所が数カ所あるということでございます。したがいまして、この制限重量を越えるということで、そこを通すべきではないと一応考えられまするので、これは他の方法で運ぶということをいま検討をさせておるところでございます。
○和田(耕)委員 その制限重量というのは、オーバーしているのは二十トンの制限ですか。
○増原国務大臣 六一式戦車の場合は重量は、自走しました場合が三十二・八四、普通持ってくるときトレーラーに載せて持ってくるわけですが、その場合、五十八・三七ということでございます。
○和田(耕)委員 ここでいま私がお伺いしておるのは、法律上の重量制限の基準である二十トンの制限なのか、あるいはその橋そのものの強さのマキシマムの制限なのかということなのです。
○田代説明員 いまの御質問の中で、橋の重量制限といいますか、そういうサイドからの問題だと聞いております。
○和田(耕)委員 橋そのものの強さということですね。
○田代説明員 そのように聞いております。
○和田(耕)委員 これは私、非常に重要な問題だと思うのです。今後そういう戦車が国内で走る状態がこないことを祈るのですけれども、走る状態があるわけです。そのために自衛隊があるわけですから。そういう自衛隊の重要な基幹になる装備が移動できない。移動すれば危険なような橋をいつまでもほうっておくというのは、どういうことですか。
○高橋説明員 戦後におきます道路法は、国の防衛については全く考えずにつくられております。戦前には、御承知のように軍の師団司令部に対する国道というものがございました。また国道の指定要件にもそういうものがございました。したがって、道路の大きな目的の一つに軍用がございまして、そういうふうな構造になっているわけでございます。これは単に日本だけでなくして、現在、世界各国すべて軍の活動ができるような設計になっておるわけでございます。日本は戦後そういうことはございません。日本の防衛関係上、そういうようになっております。したがいまして、最近の重戦車等の荷重にたえるような設計になっておらないのが実情でございます。ただ、何度も申し上げますように、通行の方法によっては、設計荷重は二十トンでございますが、四、五十トンクラスは十分通れるはずでございます。また、たとえばトレーラーに積みましても、今回のような七十トンクラス、これでもかなりのものが通行の方法によって通れるわけでございますので、必ずしも戦車なりそういったものが全く通れないという状態ではございません。
○和田(耕)委員 何か少しあやふやな感じを受けるのです。長官、これは重要な問題であって、せっかく防衛庁の持っておる大型戦車が自由に通れないような橋が重要な道路の上にあるということは、たいへん重要なことでしょう。これを至急に点検して検討する必要があると思うのですが、どういうように思いますか。
○増原国務大臣 まことにおっしゃるとおり大事な点でございますが、何ぶんこの問題が、最近の横浜における戦車の通行以来起きてきた問題でございます。私どもまだ、いま先生のおっしゃるような対策をしっかり考えるという段階にまで至っておりません。ばく然とは考えておるわけですが、おっしゃるように、この点は十分考えまして、普通に連続して何台も無条件で通れるということではなくても、若干の規制、制限をすれば通れるような橋には、やはり重要な国道はつくってもらうようなことを、われわれとしてもひとつ考え要望をしなければなるまい。いまのところ、まだ十分に固まったというところまでいっておりませんが、その点、先生と同じように考えます。
○和田(耕)委員 この問題、きのうも私お伺いしてみたんですけれども、千駄ケ谷の観閲式場に運ぶのに、いま長官のお話にもあるように、数カ所の、オーバーする、つまり通ったら危険だと思われるところがある。それだから、あるところまで船に載せて、あるいは汽車に載せて上野まで運んでくるというような案もあるようですけれども、こういうふうな考え方をなさることは私は反省を要すると思うのです。問題は、千駄ケ谷の観閲式場へ来るということなんですけれども、実際にそういう必要がある事件が起こったらどうなるのですか。それを、考えておるようなかっこうで実際は考えていないから、こういう問題が起こってくる。そうではありませんか。
○増原国務大臣 考えてないというふうには私ども言い切れない心持ちですが、こういう問題が最近に突如として起こった。前はやはりこれはちゃんと通っておったわけで、実質上の危険などなくてやっておったわけですが、そういうものですから、こういう問題を突き詰めて考えておらなかったということでございます。やはり基本的には和田委員のおっしゃるような方向を考える。われわれとしては、いまの当面のあれとしては、これで法規上制限を越えるということであれば、一応汽車輸送ということも考えてみなければいかぬというふうにいま頭が向いておるので、そういうことも申し上げたかと思うわけですけれども、基本的には、おっしゃるように、こういうものは基本的な道路は通れるようにしてもらわなければならぬというふうに考えます。
○和田(耕)委員 私は、たとえばいまの村雨橋の問題でも、いままで通っておった。危険なしに通れたわけですね。しかし、いま道路局長に聞いてみますと、これは、非常に危険であるかすれすれであるという重量のあれしか、技術的に見てないわけですね。そうでしょう。とすれば、つまり技術的に見てすれすれと思われるものが誤っておるのか。長官も、あまりそういうことは意識しないで通っておったと言うのだから、あるいはそれが危険だということを知らない、つまり調べるような意図なしに、つまりこれを軽視しておったのか。あるいはまた、そういうふうな重量制限というもの自体が誤っておるのか。道路局長さんの言うようなものが誤っておる、過小に評価しておるのか、いずれかですね。そうでしょう。 長官、これは単に何かの取りきめがあるとか許可するとかいうことじゃないと思うのです。もし安心して通れないような橋であれば、全国的に点検すべきですよ。そうでなければ何も戦車なんか持ったってしようがないですよ。動けない戦車。一ぺん通ったら落ちるような橋を持っていたんじゃ、意味のない戦車なんです。私が声を大にして申し上げますのは、まだ、しろうとでよくわからないけれども、いまの日本の自衛隊には、そういうふうに感ぜられる問題が多過ぎやしないかということなんです。実際に使う、実際に役立てるということを真剣に検討しないで重要な装備を持つ、重要な施設をつくる。この前、私は輪島のレーダーサイトの問題を質問しましたけれども、ああいう重要な施設でありながら、これに対する防衛のための演習もしていなければ、その計画もない。あるいは読売新聞でしたか、先ほどお話になった、戦車四人乗りのやつが三人しかいないで、たまを込める人がいないので使いものにならないとか。これは間違っておるという久保さんのあれですけれども。これだけの武装力があります、今後も四次防その他でつくりますということは言いますけれども、実際に使うという気持ち、あるいは演習というものをそういう角度で見てないから、いまのような問題が起こってくる。そういうように私は思うのですね。だからこの際は、四次防その他の問題も必要かもわかりません。わかりませんけれども、いまある重要な機材、あるいは戦力になるいろいろな設備がフルに動けるかどうかということを至急に総合的に点検してみる必要があると思うのです。何かしらいままでの政府の態度が、アメリカとの安保条約があるから、そのたてまえ、その都合上ある一定の兵力を持たなければならぬ、そういうようなことがあまり先に行き過ぎて、実際持った兵力というものを、武力というものを、自衛力というものを使うという面から真剣に考えてない、そういう気がしてならないわけなんです。 その例として、最近起こった例の戦車輸送あるいは兵員輸送車の輸送の問題は、私は非常にいい教訓的な例だと思うのです。建設省にしても、そういうものがほんとうに危険であれば、いまの八十トンの戦車、あるいはそれをオーバーするかもわからない重量のものが通る。八十トンのマキシマムのところを現にいままで通っておるのだ、そういうことであれば、もっと真剣に橋梁の強度の問題を考えてみる必要がある。そういうことを、特に長官にも各省の方々にも私はお願いしておきたいのです。これが政府と野党の反対のほうとの解決のことになるかどうかわかりません。実際はならぬと思います。一両年のうちに何とかかんとかと言ったって、これは何も確かな約束じゃありませんよ。あるいは日本から船出したものがベトナムに行かないというふうなことであっても、これは行くか行かぬかわかりやしない。そういうことで、ただ両方とも顔を立てて、実際ある危険な問題、あるいは改善しない問題というものは一つも改善していない。両方ともかっこうだけで張り合っている。そういうふうな問題をもっと関係者は検討すべきだと私は思う。そうでしょう。
○増原国務大臣 防衛庁として、いままでの考え方に、安保のたてまえである程度のものを早く装備しなければいかぬのではないかという考えがあったのではないかという御心配をかけたことは、たいへん私どもの至らないところでございます。そういう考えは持っておりません。現在は防衛力整備の段階でございまして、いろんな点で不備、不十分があるということは、私どもも自認せざるを得ぬのであります。そういう点でお目にとまるということがあると思うわけでございますけれども、一応外見、ずうたいだけをそろえておく、装備、員数をそろえるというふうな考えは持っておりません。やはりあくまでも、いざというときに十分行動に役立ち得る自衛力として装備をし訓練をしてやっていくというたてまえでおるのですけれども、それが十分にその目的を達していないうらみはなしとしないということでございまして、その点については将来とも十分心を配って整備をしてまいります。 それから、そういう今度のことが起こりましたのも、ある意味においては、突然に起こったという、全体としてわれわれにとってたいへん困った情勢、状態が出てきたわけでございますが、こういうことに対する配慮がたいへん欠けておったという結果をあらわした、これはたいへん申しわけないことでございます。基本的に、そうした問題は十分に動けるように、防衛の能力を発揮できるようにという形で、関係の諸施設、施策を整備していくということに努力をしていくつもりでございます。
○和田(耕)委員 ぜひお願いいたします。 それから第二の問題は、いつでしたか、防衛庁で全国の基地を点検するというお話がございましたね。それは具体的にどういうふうなことでしょうか、お答えをいただきたい。
○増原国務大臣 これは、江崎長官の時分に定めまして、国会でも御説明を申したことでございます。基地の総合調整のための点検ということばが適当であるかどうかは別として、総合調整をやりたい。そして、場合によっては、あるところへ集結をしてほかのものは整理をする。そしてまた、現在あるものでも、不要不急のものはこれを整理をしてもらう。防衛庁のものは自分で整理をしまずし、アメリカのものも整理をしてもらう。そういうことで、全体としてはやはり基地を合理的に縮小しようということで、ひとつの考え方のもととしてそういうことをやろうということでございまして、具体的な行動のプランはいまやっておるところでございますが、まだ具体的な形にはできておらないということで、これは急いで行動計画をつくり具体的な行動に移りたい、こういうふうに考えておる問題でございます。
○和田(耕)委員 この問題の扱い方についてお伺いしたいと思いますけれども、安保条約はだめだ、基地はすぐ返してもらえというような有力な意見もあるので、なかなか扱いにくいことはよくわかりますけれども、この基地の縮小というのはいろんな意味でいまや天下の声になっている。それから日本の自主防衛ということを考えても、これは当然考えなければならぬ問題です。そういうことですから、基地の縮小というプログラムは、防衛庁だけでなくて、関係のある、たとえば自治省の関係、地方自治体の関係ですね。まだたくさんあると思いますけれども、そういう関係者が集まって、公式な機関として基地審議会のようなものをつくって、当然、防衛庁はその幹事というか、中心になるべきですけれども、そういうアイデアはできませんか。
○長坂説明員 先ほど大臣から御答弁ございましたように、総合的な調整というようなことを一面やっていくわけでございますけれども、やはり防衛ということを考えました場合には、この基地の問題というのが、住民とか地方公共団体とか、そういうところとあまりシリアスな摩擦を起こさないような、そういうあり方を長期にわたってとらなければならないであろうということは、基本的に考えているわけでございます。そこで作業もなかなかむずかしいわけでございますけれども、私どもの検討が一応ある程度進みましたならば、大臣にお許しを得まして、たとえば渉外関係の都道府県の知事会議というようなものがございます。全国の市長会の中に基地協議会というようなものがございます。あるいは全国の市会の議長の会議の中の基地協議会というようなものもございます。そういうようなところの御意見も、機会を得まして、ある段階になりましたならば十分に伺いまして、われわれの考えの修正すべきところは修正する、またその方面のお考えをいただくべきところはいただきまして、そしてよりよく練り上げて最後のものに仕上げたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
○和田(耕)委員 私、こういう問題を申し上げるのは、前の問題とも関連することなんですけれども、日本の現在の状態は、いままで戦後二十五年はアメリカの強力な武力があった。これにおんぶしておればよかったのですね。ところが最近そういうわけにはいかない。日本は本気になって、自分の防衛を自分で考えなければならないという段階です。そういうことですから、先ほど申し上げたように、戦車の通れないような道路をいままでほったらかしておくというようなこともいけないし、基地の撤去、返還を要求する問題でも、その立場からもっと本気になって検討してみたらどうだろうか。むろん、そういうようなものを提起すれば、強力な反対、即時安保廃棄という強い勢力がありますから、いろいろな問題が起こってくる、それは事実でしょう。起こってくることをおそれて、やるべき問題をやらないというのはいけないことなんです。ぜひひとつ、いまの基地の縮小計画は、防衛庁だけでなくて政府部内でも、関係の各省を集めて正しい立場で検討する。特に、地方の関係のある、いまお話しのあった地方自治体の関係者も、当然これに入るべき問題です。東京であれば美濃部さんも入るし、あるいは飛鳥田さんも入るしというようなことで、そういうふうなものを公式なものとしてつくり上げる。当然反対もある。賛成も出るでしょう。国民の前で、自分たち自身の問題なんですから、アメリカさんにまかしておく問題じゃないですから、そういうふうに問題を提起する時期にもう来ている。基地という非常に合意がむずかしい問題でも、そういうふうに運用していく必要がある。そういう意味で、公式の基地縮小あるいは撤去の審議会のようなものを、しかるべき方法でつくっていくということが私は必要だと思うのです。ぜひとも御検討いただきたいと思う。
○増原国務大臣 指摘されるところ、まことにごもっともであります。なかなか基地の問題はめんどうで、合理的に基地を確保するというような方面の意見をいま出してくれる人がなかなかありませんものですから、われわれも、いまそこまで考えを運んでおりませんでしたが、その点は十分ひとつ検討さしてもらいたいと思います。
○和田(耕)委員 もう一つ、特に外務省関係の方にお伺いしたいのですけれども、せんだってのハワイ会談あるいはソウルの会談で、非常に重要な問題を総理、外務大臣はお話し合いになったようですけれども、この会談の中で、今度近く行なわれる田中訪中、つまり中国との国交回復の問題に関して、台湾の地位をどうのこうのというような要望等があったでしょうか、なかったでしょうか、お伺いしたい。
○橘説明員 私、ソウルにおける日韓の会談のほうは、所管の関係も違いまして、よく存じませんが、ハワイにおける日米の首脳会談に関します限り、台湾につきましては、わがほうはわがほうとしての考えを述べた、米側から特に要望があったという点はございません。
○和田(耕)委員 台湾の問題はできるだけひとつ二つの政府で話し合いをしてくださいよ、というようなこともなかったのですか。
○橘説明員 日本側からは、日中の国交正常化に伴う日本側としての基本的な考え方を述べております。したがいまして、米国側は、他方、日本が中国問題についてとる政策は基本的に日本がきめられるべき問題であるという立場を明らかにしてございます。それ以上、特に注文とか要望とか、そういう点は出ておりません。
○和田(耕)委員 私、きょう午前中に、大平外務大臣にこの問題を直接お聞きしようと思ったのですけれども、他の委員会で発言しておりましたので、その機会がなかったのですが、長官、まあこれは、言えないことは言えないでしょうけれども、そう隠すこともないと思うのですけれども、アメリカとして、あるいは韓国として、日中国交回復の問題の話し合いについて、台湾との話し合いを十分つけてやってくださいよというような趣旨の向こうの意思表示はなかったですか。あるいは何か閣議でのそういう方向はありませんか。もしよろしければお答えいただきたいと思う。
○増原国務大臣 閣議の席でそういうふうな問題についての話し合いは、いままでいたしておりません。総理がハワイから帰られたときの簡単な報告みたいなものは総理からありましたが、その中にもその問題はありませんでした。
○和田(耕)委員 閣議というのはそういうところですかね。私も大臣になったことないのでよくわからないけれども、閣議でそういう重要な問題を報告するという場合はないわけですか。あるいはこれは、もしなければ、当然国防会議等でこういう話し合いがあるべきだと私は思うのですけれども、そういうこともいままでないわけですか。
○増原国務大臣 日中国交正常化に関連して、中華民国、台湾に関連しての問題としては、閣議でいままで話し合い、あるいは国防会議においての話し合いというものはありません。
○和田(耕)委員 それは防衛庁長官、当然、長官としての責任において、そういう意味での四次防のどうのこうのということと関連してもそうですけれども、そういう問題について国防会議を開くように総理に要請するというようなことは、私は必要だと思うのです。 外務省の方にお伺いしたいのですが、田中総理は、せんだって国慶節前後訪中というお話をなさっておられたのですが、前の可能性が多いのですか。後の可能性が多いのですか。可能性です。
○橘説明員 私、アメリカ局の参事官でございまして、そこまで総理の御意向は存じ上げておりません。
○和田(耕)委員 前になりますと、もうこれは自民党の代表団も行かれるし、いろんな方も行かれる。いろんな行事もあると思いますけれども、国慶節前に行くことは非常に困難になりはしませんか。長官、どういうふうにお考えになりますか。
○増原国務大臣 その点、私もちょっとわかりかねる問題ですが、自民党の議員団は十四日に出かけるようでございます。二十日ごろ帰ってくるように聞いております。したがいまして、その日程と総理が訪中されることと、それであれば、いわゆる国慶節前は行けないということは必ずしもなかろうかと、そういう意味では思いますが、この問題につきましては、しかしまだ全然話を権威筋から聞いておりませんので、わかりかねます。
○和田(耕)委員 それじゃやむを得ませんが、先ほどの四次防の策定の問題、時期の問題ですが、これはいろいろな新聞では、中国の訪問ということがあるから、中国への一つの考慮から四次防の決定をおくらしておるという報道がありますけれども、そういうこともあるだろうなという感じを私も持つのですけれども、そういうことがありますか。
○増原国務大臣 せんだって国防会議議員懇談会を八月二十五日に開いてもらいました。これは主として四次防をきめていく段取りについて話をしてもらおうということで、内容は、私はできれば若干大ざっぱな説明をするということも考えておりましたが、主たるものは運び方。八月末を目途とするということで運び方を考えるということで開いてもらいました。そのときは、総理のハワイ訪問、それから関係閣僚がソウルへ行くこと等で、それまでに参事官の会議だとか幹事の会議だとかいうのを済まして、七日、閣僚がそろったところで、それまで地ならしをずっとしてきた上で国防会議にかけてもらって、二度なり三度続いてやってもらってきめてもらいたいというのが私の案であったわけです。そうしてそれには、きまったあと衆議院議長が確認をするという行為が要ります。衆議院議長が十五日から外遊をされるというふうなことで、その間に確認行為も十四日までに取り行なってもらいたいというふうな私のスケジュールで話を持ち出したわけです。それに対しては、主としてそれまでに運んでくることが時間的に相当詰まっておるということと、七日から十二日ごろまでにあれを国防会議できめて、あと二日くらいで解除のあれをやるというふうな段取りが――解除の問題は、時の国会におけるいろいろ質疑応答を顧みまして、なかなかそう簡単にはいかないぞということが、そういうスケジュールでは無理だろうということになりました理由でございます。それで十五日おくれると、もう何か議長がいない、あと、大蔵大臣や何かまたその他の会議で出かけていくということがあるものですから、それで十月にずれ込むということになるわけですが、したがって一番大きい理由は、解除の手続を十分各党の了解を得るというようなことがその日程では無理だろうということでおくれたのであります。おくれると、参加する人が外遊をされたりなんかする関係で、一週間おくれとか十日おくれというわけにはいかない。十月へずれ込むということになったので、訪中の問題と関連をして、この八月末、したがって九月上、中旬ごろまでにこれを片づけようということは無理だということになったということでございます。
○和田(耕)委員 これは内容的にはむずかしい問題はあまり残っていないでしょうね。もしそれが残っていなければ、大臣が内容的な問題を一々発言するということも、従来の慣例からいってないわけですから、国防会議の関係の事務当局がよく話し合って合意に達することができれば、それはそうたいしたことはないわけですね。会議を開くことは、大臣のおられる間で、たいしたことはないと言うと失礼ですけれども。何か内容的な問題で意見の違いがあるやの意見もあるようですが、そういうことはありますか。ないですか。
○増原国務大臣 まだ国防会議の閣僚の方々にどういうあれがあるかということは、具体的にはちょっと確かめられないのですが、参事官会議をずっとやって、それから幹事会議をやったわけです。これでいろいろ意見が違ってあれがあるのではないかという御質問を、けさほどからも受けましたが、これはそうえらく基本的にむずかしい意見の相違というふうなものはないわけでして、話し合いによって、意見の相違はありましても話が煮詰まっていくという方向で進んでおります。しかし国防会議の閣僚方も、一ぺん集まったらさっといくというふうには、これはむしろ運ぶべきではないという考えがありまして、私どももやはり、二度三度は国防会議を四次防について開いてもらうことが必要である。そしていままでに一回は懇談会ということで開いてもらえたわけです。やはり近くもう一度国防会議は、幹事会の進行を見まして開いてもらうようにしたいというふうに考えていまして、国防会議でもやはり十分閣僚の議を尽くしていただいて、事務のところで、幹事会でやってきたからさっと通すということではなくやってもらうほうがいいというつもりで運んでおります。
○和田(耕)委員 私も同意見なんですけれども、大臣、この前の例の四次防の先取り問題のときにも、経済企画庁長官の木村さんが、日本の経済の見通しがつかないということで一つの異議を差しはさんだということが、ああいうふうにおくれてきた一つの原因だという話も聞いたのですけれども、国防会議というものはそういうふうにあってほしいということですね。これは佐藤前総理大臣のように、どうせおれが議長だし関係の閣僚なんだから、やってもやらぬでもいいというものではなくて、国防会議の関係の人たちは、そういう任務の場に出ればやはり責任をもって発言をするということですから、実質的な国防会議を開いてもらいたい。また開く気になれば開くことはできるというわけですけれども、大臣、総理が中国からお帰りになって臨時国会までには、必ず四次防の政府原案は策定されるでしょうね。どうでしょう。
○増原国務大臣 政府原案というのが幹事会を通った案という意味でありますれば、それまでにはできるというふうに見通しております。
○和田(耕)委員 そういうことを願っておきたいと思います。こういうこともほおかぶりのままで選挙なんかに出られたのでは、これは困ったことで、やはり堂々とそういう問題について政府の意見もきめてもらいたいと思うのですね。 そういう場合に、中国がどうのこうのということにあまり頭を使う心理状態というのは、私はよくないと思うのですよ。やはり日本の自主的な立場で必要なものをきめていくという必要がある。これは形の上のことだと思いますけれども、単に形の上のことじゃない。こうして政府としてきめたことを、八月の末までにはということがだらだらと延びていく。しかもその原因が中国との話し合いをするためなんということは、これはかっこうのいいことじゃないですよね。ぜひひとつ政府としては責任を持った形できめてほしいと思います。その上で私どもも言うべきことを大いに言うというようなことにしてもらいたいと思います。 まあ私どもは、最近いろいろ党内でも話し合ったのですが、数だけをふやすということには反対しよう。せっかく一兆円という税金を使うわけですから、国民のお金を使うわけですから、使えるものを、実のあるものをつくるような方向にひとつわれわれもがんばっていこうということなのですね。規模としては三次防程度のもので一応いいじゃないか、しかし、実際それが使えるものをつくってもらわなければというような感じが、私どもの正直なところの感じであって、こんなものはどうでもいいとは決して考えていない。皆さん方よりもっと真剣に、何とか使えるものをつくっていこうじゃないかというような考え方に基づいていろいろ発言をしているわけなのですから、誤解のないようにお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○前田委員長 次に東中光雄君。
○東中委員 きょう相模補給廠の戦車問題等についての閣議了承が出されたわけですが、戦車の修理機能について、政府として縮小、停止の方向で検討するものとする、政府として今後これらの戦車をベトナムへ送らないという方向で善処することとしたい、こういうことでありまして、非常に抽象的かつばく然としているわけですが、日本の国内法を無視してベトナム侵略のための戦車輸送、これは一切即時やめさすべき性質のものだと私たちは思うわけなのですが、こういう非常に抽象的なことで、輸送を、あるいは補修をまだ続けていくというのは非常に遺憾だというふうに私たち考えます。ただ、和田議員と同じように、ちょうどほかの委員会で質問しておりまして、外務大臣のおられるときに質問できなかったのですが……。 これとの関連で、私は弾薬輸送、火薬輸送の関係のことについて外務省にお聞きしたいのですが、今沢海岸に九月の七日にまた弾薬が二十七・二トン揚げられて、東富士演習場へ運ばれた。沖繩の中北部の東海岸沿いで、国道三百二十九号線で大型トレーラーをはじめとして弾薬の輸送がひんぱんに行なわれておる。辺野古弾薬庫から天願への輸送、いろいろそういう問題が起こっているわけですが、米軍の弾薬、火薬類の運搬、輸送について、米軍がみずから行なう場合と、米軍と契約した火薬運送業者が行なう場合と、米軍所有の軍用車を日本人が運転に従事する場合、こういう三通りがあるように思うのですが、こういう輸送は国内法の火薬類取締法との関係で一体どういうふうに扱われておるのですか。
○橘説明員 日本にあります米軍の火薬類の陸上での輸送につきましては、輸送上の安全を確保するために、火薬類取締法、その精神にのっとりまして、昭和三十五年の日米合同委員会におきまして、「米軍の火薬類運搬上の処置」という合意ができております。それによって保安措置が合意せられておる次第でございます。特に、先生おっしゃいました米軍が自分で米軍の所有しておる車両で運搬する場合、この場合には、ただいま申し上げました合同委員会の合意によりまして、公安委員会の運搬証明書の取得というものが求められておらないのでございますが、可能な限りあらかじめ運搬の通知を県の当局にするという手順がきまっております。他方、米軍との契約で一般の民間車が陸上の輸送をするという場合には、先ほど申し上げましたような関係の国内法令がそのまま適用されるという原則になっております。
○東中委員 この昭和三十五年十二月の日米合同委員会における合意書、「米軍の火薬類運搬上の処置」、これですが、これは地位協定との関係で言うと、地位協定の何条に基づく日米合同委員会の議にかけた合意書なんですか。地位協定との関係をひとつ明らかにしていただきたい。
○橘説明員 地位協定の中におきましては、直接この問題についての規定がございませんが、一般的な十六条の国内法令の尊重ということが基本的な精神であると考えます。
○東中委員 そうじゃないですよ。私の聞いているのは、日米合同委員会にかけたでしょう。かけるについては、ただ何となしにかけてこういうことをきめた、こういうことですか。そんないいかげんなことをされているわけですか。 この「米軍の火薬類運搬上の処置」というのによると、「米軍と契約した火薬類運送業者は、日本の法令で要求されるすべての手続を行なわなければならない。これらの手続は、米軍所有の軍用車については必要としない」。日本の法律を適用するかしないかというようなことをアメリカ合同委員会で合意しているわけでしょう。何の根拠もなしに合同委員会でそういうものをきめて、日本の法律を適用するとかしないとかというようなことができるのですか。
○橘説明員 一般的に外国の軍隊につきましては、必ずしも当然国内法が適用されるということではございません。したがいまして、他方、地位協定におきましても、この点に関する直接の規定はございませんので、合同委員会において関連の国内法令の精神も尊重して、かような合意をつくって手続をきめたということでございます。
○東中委員 そうすると地位協定上の根拠はない。ただ、根拠はないけれども、地位協定の二十五条による日米合同委員会を開いた、それで合意した、こういうふうに外務省としては考えていらっしゃるわけですか。はっきりしておいてください。
○橘説明員 繰り返しになりますが、直接の地位協定上の規定というものはございませんので、一般的な国際法上の原則で、外国軍隊に接受国である日本の法令もそのまま直ちには適用がない、しかし、わが国の法令も尊重してもらいたいということから、このような合同委員会の合意をつくった次第でございます。
○東中委員 そうすると、米軍所有の軍用車で火薬類を運ぶ日本人は、火薬類取締法は適用があるのですか、ないのですか。「米軍の火薬類運搬上の処置」のD項の一号の後段ですね。この規定の解釈をアメリカと話されているわけですから、それを開いているわけです。
○橘説明員 先生御指摘のとおり、米軍所有の軍用車というものは別になっております。日本側の運搬業者は日本の法令に従うということで、実際上も、米軍の車両を日本人が運転しているようなケースというのは私は存じておらないわけでございますが、車両自体については、ここに書いてありますように、この手続が、米軍のものであれば除外されておるわけでございます。
○東中委員 そうすると、日本人が米軍所有の軍用車で火薬類を運搬している場合は、この合意書によると火薬類取締法は適用されない、そういう見解ですか。この合意書の解釈を聞いているんですよ。
○橘説明員 一応この合意書では、米軍の場合は米軍が使う、日本側の場合は日本人がやるという事態を想定しておりますので、直接に御質問の点の規定をしたものはございませんが、車両それ自体については、ここにございますように、国内法の手続そのものはかぶらないということになっております。
○東中委員 あなた、何をおっしゃるのですか。一項のほうは「火薬類運送業者」と書いているのです。人でいっているのです。二項は「軍用車」、今度は車のほうでいっているのです。あなたのいま言われたようだったら、二項は車じゃなくて米軍にすればいいんじゃないですか。米軍についてはこれは全部適用することになっているんだから、冒頭に「米軍が遵守すべき手続」だと書いてあるんだから、この二項はそうでない場合のことを書いているんじゃないですか。こういう合意書を結んでおいて、そしてそれについて、その後の点検を全くされていないのじゃないですか。その点どうでしょう。
○橘説明員 米軍の車両を米軍人が動かす場合と、それから米軍の車両を米軍に雇用されておる日本人労務者が動かすという場合もあると思います。前者の場合はもちろん例外になりますが、後者の場合につきましても、その際の日本人の労務者は、米軍の雇用のもとに活動しておるという状態であると考えております。
○東中委員 そうすると、米軍は火薬類取締法の適用外に置くという特別措置が法律できまっていますから、また、いま言われた米軍に雇用される日本人が日本の国土で、たまたま米軍の自動車を火薬を積んで動かす場合には、日本人であって、日本において、日本の法律の適用は除外されるんだというふうな、そんな法律がありますか。
○橘説明員 関係の国内法には、米軍に対する特例は規定しておりません。ただ、最初に申し上げましたように、一般的に外国の軍隊に対して接受国である日本の法令は、直ちにすべてが適用になるものではございませんので、この問題に関しましては、関係の国内法令を尊重した内容の合意な合同委員会においてつくったということでございます。
○東中委員 これは道路法について除外規定がたい。特別措置を法律できめておるのがない。だから道路法がいま大きな問題になっているわけですが、火薬類取締法についても同じ関係ではないのですか。特に火薬類取締法に関しては、いまあなたの話では、米軍に雇用されている日本人が日本の法律の適用を受けない、こういうことを一片の合意書でできるのですか。これは立法権に対すろ侵害ですよ。その点はどういう発想でやっていらっしゃるのか。道路法の場合のことを考えてもらえればわかるわけですよ。
○橘説明員 軍隊の場合は、軍隊の活動と火薬、爆薬というものの密接度が非常に強うございますので、そういう見地から、軍隊については実体的な判断を加えてこういう形が行なわれていると思われます。
○東中委員 戦車だって軍隊だけが使うのですよ。同じことですよ。問題は国民の安全、そういうところから出発して国内法があるのでしょう。それと体系の違うものでその国内法がじゅうりんされているというところに問題があるのです。地位協定上の根拠もない。ただ事実上、日米合同委員会で合意書をつくっているというだけで、日本の法律が日本人に適用されたり、されなかったり、私は言語道断だと思うのですよ。 さらにB項では、「車輌に積載する荷重は、合衆国安全規則において許容されている安全な量に制限しなければならない」、こうなっているのですが、外務省にお聞きしても合衆国安全規則というのはわからぬようですけれども、あるのですか。
○橘説明員 ただいまの日米合同委員会における合意で、御指摘になりました合衆国の安全規則というのは、一九六〇年に制定された爆発物及び他の危険物の取り扱いに関する合衆国の公法の八十六の七百十号、及びこれに基づく米国の運輸省の危険物取り扱い規則、並びに各軍がそれぞれ持っております安全規則、それらを総称しているという了解でございます。
○東中委員 それはいつの了解ですか。ここ数日の間の了解ですか。
○橘説明員 関係の法規が特に明らかになったのは比較的最近でございます。その間において、米側内部にも規則の改正その他があったようでございます。ただ、いま申し上げました法律がはっきりわかったのは、比較的最近でございます。
○東中委員 結局、比較的最近というのはほんの数日なんですよ、私の外務省に聞いた範囲では。そうすると、日本側はこういう合意書を結んで無責任きわまるのですよ。どうやっているのかわからないのですから。これに基づくと言っているけれども、アメリカさんに全部まかしておくという、全くそういう意味じゃ主権に対するひどい問題を含んでいる、こう思うのです。火薬類取締法の関連の法規というのは、危険の問題、国民の安全の問題が直接かかってくる問題ですから、きわめて厳格に、ずいぶん詳細に規定をしています。この「米軍の火薬類運搬上の処置」といわれているこの合意書の火薬類というのは、これは定義はないのですけれども、火薬類取締法にいう火薬類なのですか。
○橘説明員 日本側の火薬類取締法にいう火薬は、少なくとも全部これにカバーされておるという了解でございます。
○東中委員 何かようわからぬことですね。少なくとも全部含まれている、その概念規定としては何が入っているのか、じゃわからぬということになるのじゃないですか。私は、こういう合意書による弾薬輸送というのが、非常にほしいままに、米軍の占領意識そのままむき出しにしてやられるような感覚をつくってきているもとになっている、こう思うわけです。 沖繩で火薬輸送するときに、かってに道路を遮断して米軍が警備車を配備して、完全武装して運んでいくというような事態が復帰後も何回か起こって、これについては那覇の市長を通じて、これはむちゃくちゃであるということで瀬長亀次郎さんが申し入れて、施設局長も米側に申し入れるということを回答されたように聞いているのですが、その後その点についてはどうなっているか、施設庁のほうで御承知でしょうか。
○高松説明員 ちょっとその回答の結果は、私どももまだ聞いておりません。
○東中委員 米軍側へ申し入れをされた要旨は、どういうことになっているのですか。
○高松説明員 米軍側に対する申し入れば、日本の本土と同じようなことにやってもらいたい、こういうことであると思います。
○東中委員 もう一点、この合意書に関連して聞いておきたいのですが、毒ガスの日本国内輸送ですね。これについては日米合同委員会で合意をしておられることがあるのですね。それはどういうふうになってますか。
○松田説明員 毒ガスのみを取り上げた合意というものはございません。しかしながら、お手元に火薬に関します合同委員会合意書の抜粋がおありかと存じますが、その中に、ガス類及び可燃物の扱いについて言及されている部分がございます。
○東中委員 これによりますと、毒ガスは火薬類及び可燃物とともに、「特に日米合同委員会によつて承認されなければ関門海底車道トンネルを通って運搬してはならない」、こうなっております。だから毒ガスは日本へ持ち込まれておる、日本へ運搬されておるという前提に立って、関門海底車道トンネルを通る場合は、日米合同委員会によって承認されなければならない、こういうことですね。
○松田説明員 持ち込まれていて、したがって関門だけが禁止されているというふうな御発言だったと理解いたしましたが、そうではございません。すなわち、ここで「火薬類、毒ガスおよび可然物」というふうな抽象的な一般規定をしているわけでございまして、この「毒ガス」はいま確認しておりますが、ポイズニングガスという英語でございまして、要するに致死性ガスというような意味ではなくて、もっと広い一般的な意味での毒ガスというふうな訳語であろうかと思います。したがいまして、このことと、先年来問題となっております致死性ガスはわが国には全く置かれていないということとは、直接関係ないと考えております。
○東中委員 私は、置かれておるか置かれていないかを言っておるのではないのです。置かれて運搬することができるということが前提になっておってこそ、関門トンネル云々という問題が出てくるのであって、ほかのところにないのだったら、関門トンネルを通るときには特別に承認が要るなんというばかな規定が要るわけがないですから、だから当然この協定によれば、毒ガスはアメリカは持ってくることができる。ただ、関門海底トンネルを通るときには承認がなかったらだめだ。現実に入っているか入っていないかはとにかく、いまその論議をするんじゃなくて、持ってくることができるという合意書をつくっているということになるのではないですか。
○松田説明員 ごらんのとおり、この書き方は関門についての特定な取りきめをネガティブにやっているわけでございます。通ってはならない、そのことは、直ちにほかは通っていいというふうになりますものでありますかどうか、私は必ずしもそうではないと思うのでございますが、毒ガスは日本に持ち込む場合はどうであるとか、運ぶ場合はどうであるとかというような合意は、冒頭に申し上げましたとおり、何らございません。
○東中委員 合意がないから、米軍はその装備として持って入って、運ぶ場合には、火薬類は特別の手続を合意した、これは合意してないから適宜に――たとえば小火器の場合だったら何もないですね。そういうふうに適宜に運搬できることを認めておるからこそ、火薬についての合意書の中に「毒ガス」をわざわざ入れたのですからね。だから、関門トンネルについては毒ガスはだめだ、火薬と同じようにだめなんだということをわざわざ入れてあるのでしょう。当然この解釈というのはそういうことになるのじゃないですか。規定していないから入る。それから「毒ガス」というふうにこれには書いてあるのであって、これは合意書ですからね。だから、国際的に毒ガスという場合に使われている内容というのは、致死性を含まないとか含むとか、そんなことは言わないはずですね。毒ガス等の使用の禁止に関する議定書を見ても、窒息性、毒性またはその他のガス及びすべての類似の液体、物質または考案を戦争に使用する、これが毒ガスだ。液体は毒ガスじゃありませんけれども、このガスがあるというふうに一般的にいわれている。その一般的なことばが、そのままここに使われているわけでしょう。そうしてこの合意書をつくることによって、米軍は火薬類取締法、日本の国内法は関係なしということになっている。だから、国内法上の措置はしないままでそういう体制をとっているということになるわけですが、論理的に毒ガスは、いま安保課長の言われたような、致死性のものは含まないとか、それを持ってきているか、持ってきてないかということの議論をいましているのじゃなくて、ここでいっている合意書の解釈として言うならば、これは明らかに全部含む、そういうことになるのではないですか。
○松田説明員 繰り返しての答弁で恐縮でございますが、私どもといたしましては、このF項の解釈は、関門海底車道トンネルに関して特段の定めをしたものであることは疑いを入れませんが、そのことが、とりもなおさずほかは自由であるというふうに帰着せしむべきものとは、なお考えない次第でございますが、それにいたしましても、先生御指摘の、論理可能性としてそういう解釈も成り立ち得るのではないかという点は、私たちとしても考えるべきではなかろうかと思います。
○東中委員 沖繩へ毒ガスを全面占領の時期に持ってきて、また少なくとも私たちの面前で持ち出したときは安保条約の適用下ではない段階でありましたけれども、しかし、持ってきたときはだれもわからない状態で持ってきていた。だから、いま日本国内に持ってきていることがわかっても、それは彼らは、この合意からいえば、そういう反対解釈からいえば、論理的に当然のことですから、そういうことになってしまう。いわゆる毒ガスを持ってこさせないということがたてまえになっているのだったら、こういう規定は「火薬類」の中に入れる必要は全くないわけですから、そういう点で国内法を非常に排除しちゃう。そうして非常に危険な合意書が結ばれて、しかも安全規則なんかはわからぬままでずっと来ている。こういうふうな、ほんとうに日本国民の安全という立場から、あるいは火薬類取締法をつくったという法律のたてまえからいったら、これは全く従属的な向こうさんまかせというかっこうになっておる。私はこれは安保条約の性質からくることだと思いますけれども、こういう点について、当然国内法を守らせる、そうしてこれは破棄するような処置をとらるべきだということを強く指摘しておきたいと思うのであります。 それからもう一点、これは防衛施設庁のほうへお伺いしたいのですが、北富士演習場内の山中湖村道というのですか、これがもめているわけですが、あの北富士演習場内にある村道二号線というのは、あること自体は施設庁としては認識をされておるのか。その点はどうなんでしょうか。
○高松説明員 先般、参議院の内閣委員会でもこの問題の御指摘がございまして、それで私どものほうでもいろいろ調べてみました。結局、中はずいぶんごたごたしているのですが、結論といたしましては、現在、通称中道といわれている部分は旧山中湖村道二号線、これは道路台帳の上には大正九年に道路認定を受けていることになっているのですが、その後いろいろな変遷がございまして、いまはその道路敷が残っているというのが実際のようでございます。ただ、いま山中湖村当局ともいろいろその点を調べているところでございますが、少なくともそういう旧山中二号線というものがいろいろな変革を受けたあとで、廃道または路線変更の手続がとられないでそのままになっておる。現在いわゆる中道と称している道路は、山中村道二号線とは違うというのが、私どものいままで調べてまいりました結論でございます。
○東中委員 道路台帳によりますと、千二百九十八メートルの村道、四千六百七十二・八平米の土地がとにかくあるわけですから、この土地はそれではどこにあるとおっしゃるのですか。
○高松説明員 ちょっとややこしいのですが、その経過を申し上げますと、確かに道路台帳には千二百九十八メートル、幅員三・六メートルの砂利道というのがあるわけでございますが、大正十五年に富士山麓土地株式会社がこの土地を譲り受けまして、別荘地の分譲のために区画整理を行なった。そのときに旧山中村道二号線の一部がつぶされた。したがって、そのときの道路敷は宅地造成によって一応形をなくしてしまったというのが一つございます。 それから、昭和十一年、旧陸軍が梨ケ原廠舎地区一帯の土地を買収いたしまして、現在の場所に廠舎を建設いたしましたが、この際に、この旧山中二号線の道路敷の部分を廠舎敷地の一部として使用して、東側につけかえ道路をつけた。それで一般の地元民はみなこの東側のつけかえ道路を使用する、こういうふうな形になっていた。その後いまの中道の場所が八メートルに拡幅されて現在に至っている。 そういうことで、やや明確でない部分も若干あるわけでございますけれども、そういうふうに路線が変更され、旧路線は事実上消滅している。それでこれにかわる道路が設置されておりますけれども、道路法上の廃道または路線変更の手続がとられていないということが実際のようでございます。ただ、何ぶんにも古いことでございまして、記録も必ずしもはっきりしないところもございますし、これらの点については、さらに山中湖村当局といろいろお話し合いをして、それで実際どうであるかということを検討をしているという段階でございます。
○東中委員 いまの自衛隊のところに入っていく道路、これは本来の村道を改造拡幅したんだというふうに地元で言っていますし、現にそこを通っているわけです。ただ、囲いというか、さくを設けて、ときによって、必要に応じて通さないということになっておるけれども。そうではないんですか。
○高松説明員 地図で見ますと、現在の中道というのがこうあるのに対して、旧山中村道というのはどうもこういうふうに斜めに通っている。いまの中道というものとは異なっておる。いまの中道というのは、あれは何年でしたかに拡幅して、演習場に入る道としてつくった道ですが、これは山中村道ではない。ただ演習場に入るについては、便宜それらのものを、演習のない場合には地元の人たちの通行の用には供している、演習のある場合には、そこを一応閉鎖して危険のないようにやっているというのが実情でございます。
○東中委員 村当局はとにかくそうは言っていないわけですし、拡幅されたのだと言っているんだから。要するに、施設の中に村道がある、あるいは村道敷があるというままの状態で、とにかく敷地全体としては施設だというのでは、これは地元の人がおさまらないのは当然なんで、特に現地の施設事務所ですかの人たちは、結局、わしらわからぬから上へ聞いてくれというかっこうで、開き直っておるという状態になっておるのですね。
○高松説明員 ちょっと実情が違いまして、施設事務所のほうでは、いろいろその点について調査をし、山中湖村ともその点について相談をしておるわけでございます。山中湖当局も、この中道がいわゆるあの旧山中二号線であるということは申しておりません。前の山中二号線というのは、先ほど私が申し上げましたように、いまの中道に対してクロスしている部分が大体そうであるというふうな言い方をしているわけでございます。この点は、いま御指摘のところと、少なくとも私どもが施設事務所あるいは横浜施設局を通じて山中湖村について調査をいたしました点と、異なっております。
○東中委員 どっちでも、古い経過のあることだから……。ただ、村道、道路台帳にちゃんと載っておるものが事実上は廃道になっておる、あるいは維持管理をしておらなかったんだというようなことを言われても、施設になっておるのだから、維持管理のしようがないわけですから、そういう問題も起こるわけですし、これは旧陸軍時代からの経過がありますけれども、いまごそっと基地になってしまったというところに問題があるわけですから、この道路及び道路敷の問題を、早急に現地の調査をきっちりやって解決をつけられたいということを要請しておきます。 では終わります。
○前田委員長 次回は、来たる十月十一日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後七時三十八分散会