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69回国会衆議院1972/08/10

逓信委員会 第2号

発言数
68
登壇者
10
会派数
2
開催日
1972/08/10

会議録

宇田國榮自由民主党

○宇田委員長 これより会議を開きます。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  このたびはからずも当逓信委員会の委員長に就任いたしました。  御承知のとおり当委員会の使命はまことに重大でございまして、その職責の大きいことを痛感いたしております。練達なる委員各位の御協力を得まして、微力ではありますが、誠心誠意円滑なる委員会の運営をはかり、この重責を全ういたしたいと存じます。  何とぞ各位の御支援、御協力をお願い申し上げます。      ————◇—————

宇田國榮自由民主党

○宇田委員長 次に、理事辞任についておはかりいたします。  理事古川丈吉君から理事を辞任したい旨の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宇田國榮自由民主党

○宇田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、理事の補欠選任についておはかりいたします。  ただいまの古川丈吉君の辞任による欠員のほか、理事でありました内海英男君及び本名武君が委員を辞任されておりますので、現在理事が三名欠員となっております。この補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宇田國榮自由民主党

○宇田委員長 御異議なしと認めます。それでは       金子 岩三君    商橋清一郎君      及び       林  義郎君を理事に指名いたします。      ————◇—————

宇田國榮自由民主党

○宇田委員長 この際、三池郵政大臣より発言を求められておりますので、これを許します。郵政大臣三池信君。

三池信自由民主党郵政大臣

○三池国務大臣 三池でございます。  このたび郵政大臣を拝命いたしました。郵政業務については、私よりもむしろ皆さん方のほうがいかに重大であるかは御存じでありますが、一生懸命勉強いたしまして、与えられた職責を全うすることに最大の努力を払いたいと思うのであります。どうか在任中、大過なく職責を全うすることができますように、委員皆さん方の格段の御支援と御鞭撻を心からお願いをいたしまして、ごあいさつにかえる次第でございます。(拍手)

宇田國榮自由民主党

○宇田委員長 次に、木村郵政政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。郵政政務次官木村武千代君。

木村武千代自由民主党郵政政務次官

○木村説明員 木村武千代でございます。  このたび郵政政務次官を拝命いたしました。三池郵政大臣の御命令、御指示に従いまして郵政業務に一生懸命努力させていただきたいと存じます。貴委員におかれましては、どうか私の任務が達成できますように御指導、御鞭撻のほどお願いいたします。私も一生懸命やらせていただきますから、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)      ————◇—————

宇田國榮自由民主党

○宇田委員長 逓信行政に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。井上普方君。

井上普方日本社会党

○井上委員 私は、郵政大臣就任御早々でございますし、まだ十分省内の事情につきましても御存じないと先ほども仰せられましたので、基本的なことだけを大臣に承って、あと各政府委員にお伺いいたしたいと思うのでございます。  前の廣瀬郵政大臣は、私が質問いたしました際に、郵政行政というものは、特に職場は明るくて朗らかな職場にしたい、いまの郵政の省内の職場というものはその点に欠ける面がなきにしもあらず、極力朗らかで明るい職場にいたしたい、こう申されたのであります。このとおり、三池大臣も廣瀬大臣同様のお考え方でやられるおつもりでございますか、どうでございますか。

三池信自由民主党郵政大臣

○三池国務大臣 お答えいたします。  郵政業務は、もう私が申し上げるまでもなく、郵便、貯金あるいは簡易保険にいたしましても、その他電気通信、電波事業にいたしましても、国民の日常の生活に一番密着している関係の深いものであるというふうに考えまして、大方の事業が管理行政よりもむしろ国民へのサービス行政という面が大部分だと思うのでありますから、そういう面で職責を果たすことは国民へのサービスであるというふうに考えておる次第であります。サービス第一という点を達成するためには、三十二万というこの大世帯の職員の人たちがほんとうに一致協力して、お互いの立場においてお互いを信頼し合って明るい楽しい職場になして一生懸命に働くようなそういう職場にするということがもう第一の要件だと考えておるのでありまして、私も、前任者廣瀬大臣同様にそういう面には最大の努力をしなければならぬ。そういうことの第一番に肝要なことは、私たちがたとえば地方に参りましても、現場に出張調査をいたします場合にでも、できるだけの機会をとらえてそこで働いていてくださる職員の方たちと直接に会って話し合いをする機会をできるだけ持つようなふうに努力をして、お互いの交流に遺憾のないようにするということによって、そういう職場の楽しい愉快な空気をつくるように努力をしなければならぬというふうに考えております。どうぞ御了解をお願いいたします。

井上普方日本社会党

○井上委員 大臣、就任早々でございますが、えらい郵政省のお仕事に練達であられると私も感心いたした次第であります。  そこで、郵便貯金の用紙に関しまして、PCB問題がノンカーボン紙で実は起こっているわけであります。これが、徳島貯金局の調査の結果が本年の六月二十二日に発表せられ、大々的に新聞に発表せられたのであります。貯金局内の空気中に含まれるPCB濃度は、普通の空気の大体七百倍ぐらいあるんだということが実は発表されました。郵政職員並びに全国民に対しましてかなり大きい衝撃を私は与えたと思うのであります。  そこで、このPCB問題をめぐりまして、当局側はいかなる態度をもって臨んだのか、この点ひとつお伺いをいたしたいのでございます。大臣、就任間もないことでございますので、他の政府委員からでけっこうでございます。

石井多加三郵政省貯金局長

○石井説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘のありましたのは、徳島地方貯金局のPCB使用の郵便貯金預入申し込み書の問題だと思いますが、これは現在、徳島の地方貯金局で定額貯金の預入申し込み書を保管しております枚数が四百二十七万枚あるわけでございまして、この四百二十七万枚の中で、ただいま御指摘のPCBを含有しておる申し込み書約八十一万枚と、これと一緒に保管しておりますところの外務員の申し込み書あるいはアルキルナフタリン使用の申し込み書でPCBにいわゆる第二次汚染されていると認められるものが三十一万枚ございますので、それを合計いたしまして約百十二万枚でございますか、これにつきまして、これを今後まだ十年あるいは二十年と長い間保管することになっておりますので、これをこのまま放置しておいては問題でありまするので、外部の業者と契約をいたしまして、これの写しかえ作業、コピーをとりまして、従来のものを厳重に保管し、新しいコピーをとったものを今後原簿として使用するという計画を進めまして、この計画がつい最近終了したばかりでございますので、八月十一日以降——徳島の場合は大体十月の末までの間にこのコピーが完了するということになっておるわけでございます。このようなことによって、預入申し込み書を取り扱う職員の上に非常に危険が起こっては困るということで、そのほうの救済を考えましたことが一つと、もう一点は、それまでの期間、これの原簿を保管しておる保管庫がございますので、この保管庫の中のPCBを少しでも薄くするために換気扇を設けるというようなこと、あるいは現在徳島貯金局の三階にこの原簿庫がありましたものを五階のほうに上げまして、同時にいまの換気扇を設備するというようなこと、それから職員に、これを触れますために手を通じて感染してはいかぬということで、ゴムの手袋を使用してもらうというようなこと、あるいはそういった作業後は必ず手の洗浄をしてもらうというような措置をいままでやってきたわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 大臣、いまの御答弁を承ってどう考えますか。私どもでございましたならば、一般常識人から申しますならば、PCBという有害物質を使った紙を職員にずっと昨年の六月まで使用さしてきた。そしてまた、国民に対しても窓口においてその紙を使用さしてきた。そうしてその紙がPCBという有害物質で非常な問題を惹起しておる。したがって、当然、郵政省の態度としては、郵政省の職員にそのような有害物質を使わせたし、かつまた一般国民に対してもそういうのをさわらせた。郵政省当局が医学的に無知なるがゆえに、あるいはまた郵政省の職員の健康管理に対する配慮が不十分なためにこういうことになったので、まことに相済まなかったという遺憾の意の表明がまずあるべきであろうと私は思うのです。どうでございますか。それがいまの貯金局長からのお話では、何らそういうことに対しての反省がないと私は思わざるを得ない。こういう態度でいいのでありましょうか。大臣、どうでございますか。

三池信自由民主党郵政大臣

○三池国務大臣 お答えいたします。  貯金局長も平然として言ったわけでもなかったろう、事実を申し上げたと思いますが、気持ちの上では、省自体としてはまことに遺憾であったということで、私の聞きました範囲内においては、さっそく取りかえ、使用中止をやって、健康管理の問題についてもそれぞれ健康診断をしてやったというように承っております。あらためて申しますけれども、そういうような有害物質を使っておったということについてはまことに遺憾千万だというふうに考えております。

井上普方日本社会党

○井上委員 大臣、私が調べたところ、新聞記事も拝見いたしましたところ、郵政省当局が遺憾の意を表されたのは、あなたがただいま言われたのが初めてであります。おっしゃったというのであれば、いつ幾日どの場で言われたかひとつ御答弁願いたい。PCBでこれだけ世間を騒がしている問題について遺憾の意をあらわしたことは、組合に対しても一回もございませんよ。これが現在までの郵政省当局の労務政策なんですと私はいわざるを得ない。ここに基本的に考え直していただかなければならない問題があるんじゃなかろうか、こう思うのであります。大臣は遺憾の意を表されたので、これは私は、国民に対してあるいは職員に対しての正式の遺憾の意の表明と考えて差しつかえございませんか。——そう私は受け取って、大臣の良識に、これこそ良識に私は期待いたすものであります。  そこで、PCB問題につきまして申しますならば、この徳島貯金局におきまして一応あのような処置はとられた、こう申されました。しかしながら、一例を申しますならば、健康診断は一体どういうようにしてやっているかといいますと、私も医者の端くれでございますので申し上げる。聞きまして実に、こんなのではたして健康診断ができるんだろうかと思わざるを得ないのであります。第一に、精密検査を要する職員は四十名といって認定されておる。ところが、そのうちの五名しか現在精密検査をやっておりません。しかも五名も、いつ精密検査が終わるかといえば、大体一カ月から四十日かかると言うのです。四十人やるのに一体何日かかりましょうか。こういう実態なんです。そうして健康診断に部外の医者を入れてくれいといえば、あすこに医学部がございますので、医学部を入れてくれいといいますと、精密検査の場合にはそれは衛生学教室にお願いする、しかし一次検診の場合は部内の医者でなかったらだめだというようなことをやはり固執せられておる。こういうのではたして大臣がおっしゃるような正常な、円満な、朗らかな職場ができるとお考えになりますか。私ははなはだ疑問に思わざるを得ないのであります。  さらに、私も実はたまたま遊びに行っておりまして聞いたのでありますが、PCBは母乳から検出されることが多い。貯金局の職員というのは女の方が非常に多うございます。それで、人体にどういうような影響があるか、母乳でひとつ調べようではないかというようなことで、組合幹部は必死でございます。そうすると、たまたま乳の出ておる職員、おかあさんが、私の乳を調べてください、私も心配なのです、しかし、これが私が出したということが当局にわかったら私はにらまれます、だからひとつ私の名前を出さぬようにしてくれということを私が直接聞いたのであります。何とまあ郵政当局の労務管理というのはむざんな、何という非人道的な労務政策をやられておるのであろうか。ともかく私の名が出されることにもなれば私はにらまれるのだ、だからひとつ名前は出さぬようにして、違う名前ででも出してほしいと言って母乳を持ってまいりました。それほどまで現在の郵政当局の職場は荒廃しているのです。これに対してあなたはどういう態度をもって臨まなければならないか、この点ひとつ私はお伺いしたいのです。それは健康診断の問題もありますが、まず基本的な態度としてこの点をひとつ直さぬことには、これから数々の問題が出てきます。あるいは私は国鉄のマル生運動にも調査に参りました。そしてまた全逓のマル生問題につきましても私は調査に参りました。しかし、態度が違う。郵便局のマル生は陰惨なと申しますか、陰にこもったようなところが私どもには見られるのであります。このような労務政策をやられておるならば、あなたが、国民にサービスする機関であるから職場は明るくしなければならぬ、朗らかにしなければならぬと言っても、これは口頭禅に終わると私は思う。したがいまして、私はあえて、こういうような態度について根本的に労務政策を変えていただかなければならぬと考えますがゆえに、新任早々の大臣でございますが、御所見を承りたいのであります。

三池信自由民主党郵政大臣

○三池国務大臣 私がさっき申しましたように、お互いが信頼し合って明るい職場をつくらなければ、それこそほんとうに国民へのサービスというようなことは達成されないのだと申し上げました。その方針に背馳するようなことがありましたら、逐次それは早急に改めていくように最善の努力をしなければならぬと思います。さっきお話しのような女子職員の方の検診が匿名でなければ差別的な待遇を受けるというような心配をされたというようなことが事実ありますならば、これはたいへん遺憾なことで、そういうことがあること自体がお互いの信頼関係をたいへんにそこなうことなのですから、そういうことのないように、当初私が申しておりましたような方針に相矛盾するようなものがありました場合には、どんどんそれは改めて、最初の方針どおりの雰囲気をつくるように努力しなければならぬと思っております。

井上普方日本社会党

○井上委員 大臣、匿名でなければ母乳を出せないという事実を私が確認しているのです。私も政治家の端くれです。現認したことは現認したから私は申しておるのです。これは事実なのです。こういう事実がある。ここに郵政省の労務政策が問題があると私は思う。信頼関係がなければならない、そのとおりです。しかしその前に使用者と被使用者の関係を考えなければならない。まず使用者側の態度というものは、えりを正して職員から信頼を得られるような態度でなければ、職員というものはついてきますまい。私は組合の関係はございません。ただ一般常識をもっていたします。私は先ほども申し上げましたように医者でございます。組合というものと私はあまり関係がない。しかし見ておって、このような人権じゅうりんみたいなことが行なわれてはたしていいんだろうかと思わざるを得ないのであります。  もう一つ私は大臣に申し上げたい。私は三月の終わりに予算委員会におきまして、全逓バッジの問題と、それから野球のユニフォームの問題を実は問題にいたしたことがございます。これはどういうことかといいますと、全逓のバッジを胸につけておれば見学出張の際にはわが庁舎に入れないという事件が多々あるのであります。不届きじゃないか、バッジをつけておってどれだけの——常識的におかしいのではないかと言いましたら、廣瀬大臣も、そのとおりです、バッジをつけておるがために出張旅行はさせないとか、あるいは出張しても局舎を見学させないとかというようなことははなはだ不都合だ、改めさす、こう申しました。そしてまた郵政局当局が行なう野球大会があります。野球大会に全逓というマークが入っておったら、そのユニフォームを脱ぎなさいというような子供じみたことを平気で言っておるという事例がありました。この点もお伺いいたしました。そうすると郵政大臣の廣瀬さんは、そんなあほうな話があるか、改めさす、こう事実私どもには申したのであります。ところが一カ月後私が帰ってみまして、その点は改まったかと言って全逓職員に聞きましたところが、いや、大臣が何を言っても、私どもは人事局長からの通達がない限り守るのです、全逓バッジをつけておる者は見学出張の場合には局舎に入れません、大臣が何と言おうとやるのです、こういうような管理者がおるのであります。これも私は言われた本人から聞いてきました。そして組合当局が私と大臣との議事録を提示して見せたところが、それは大臣はこんなことを言ったかもしれぬが、私どものほうは人事局長から言ってこない限りはやりませんと言って、平然とうそぶいておるというのが実態であります。ここなんです。大臣はこれは政治家です。これは有力なる政治家で、常識も円満に備えられた方だろうと私は思う。その方がわれわれと、国会という場で常識から判断して約束されたことでも、郵政省の官僚は目をつぶって、大臣の声が頭の上を通り過ぎるのを待っておる。そのうちに新しい大臣にかわるであろうということくらいしか考えていないのではないかと思われるのであります。こういうようなことを考えますと、どういたしましてももう少しき然とした——先ほども大臣は、そういうようなことがありましたならば逐次早急にひとつ改善させたいと申されましたけれども、それではもうあなたの威令というものはなかなか行なわれないのであります。もし大臣の言うことを聞かなければ、そこらここらにおるえらいお役人もびしびしとどこかに職場をかえてもらおうというようなくらいの御決意がなければ、あなたの基本的な態度である明るい朗らかな職場にして国民へのサービスを向上する機関にならないのではないかと、こう私は思うのであります。大臣の御決意を承りたい。

三池信自由民主党郵政大臣

○三池国務大臣 お答えいたします。  たいへん機微に触れる問題が含まれているように感じますけれども、大臣の意向が下のほうへ通じていかない、それが行なわれないというようなことはほんとうはあるべきでない。たまたまそれがあっても、そういうことはまことによろしくない。ただ、さっきのバッジの問題あるいは全逓のマークの問題ですけれども、これにはあるいは大臣と事務当局との意見の相違があったのかもわかりません。その後どういうようになったのか、私はいま初めて聞くのでつまびらかにいたしませんから、その問題にはちょっと触れにくいのでありますけれども、大臣の言うことを聞かなかったら云々というような話は、そういうような人事の問題に触れなくても、大臣が考えているその方針というものが貫かれるように私は最善の努力をしたいというふうに考えておる次第であります。

井上普方日本社会党

○井上委員 私は大臣、ただいまのお話で、大臣の意見と事務当局の意見が違う場合はとかというお話がございましたけれども、そういう場合はあってはならないのであります。大臣の威令というもの、意見というものが局内に統一して流されなければならないのです。当然でしょう。それが、この前私が質問いたしまして一カ月後にその点を承って、実は慨嘆にたえなかったのであります。したがって、大臣の言うように、バッジの問題とユニフォームの問題で事務当局と意見が違っても、大臣の意見というものが貫き通されなければならないのです。それが政党政治の本質じゃありませんか。それを、ともかく一カ月後に、大臣がそんなことを約束になっても私どものほうは聞けません、こういうようなことをぬけぬけと言う管理者があなたの部下におることをひとつ御認識願いたいのであります。  さてPCBの問題でありますが、PCBの汚染の紙は全国で幾らありますか。何トンありますか。

田所文雄郵政大臣官房資材部長

○田所説明員 PCBの敷き紙は百五十万トンございます。現在厳重に保管しております。

井上普方日本社会党

○井上委員 それはどういうふうに処置される御予定ですか。

田所文雄郵政大臣官房資材部長

○田所説明員 ただいま全国の各郵政局に一括保管させることにいたしまして、郵便局から全部回収中でございます。八割終わっておりますが、これを隔離保管いたしまして、その上にビニールのカバーをかぶせる、これによりまして、そのうちに通産省のほうで処理方法を決定するのを待ちまして処分したいと考えております。通産省におきましては、感圧紙処理技術委員会というものにおきましてその方法を検討中であるというふうに聞いております。

井上普方日本社会党

○井上委員 ともかくPCBの感応紙というのは焼却いたしましても煙に出て、これが大気に入るというようなことなんです。したがいまして非常にやっかいなものでございます。これは大臣も御存じのとおりだと思います。またこの国会におきましても、PCBにつきましての特別な決議がなされたことも大臣御存じだろうと思うのです。このあとも慎重に扱っていただきたい。これはひとつお願いいたしたいと思います。  それから健康診断の問題でありますが、全国に貯金局というのはかなりある。PCB汚染に対してその中のいま徳島だけ、これは徳島がたまたま——これも大臣非常におかしいのですよ。これは六月十四日に愛媛大学の助教授を組合が呼びまして、そして機械を取りつけさしてくれといって申し込んだのであります。機械を十四日に持ってまいりまして、十五日に取りつけさしてくれといいますと、さあ当局は言を左右にいたしまして、本省との話し合いでなければということで十七日にならなければ取りつけさせなかったのであります。そして十七日から調べてみた。そうしますと、大気中の普通の空気よりも七百倍も多いPCBが含まれておるというので大問題になったのであります。こういうようなことを考えますと、一体健康管理にどういうような態度で臨んでおるのか、なぜ本省にまでそれを持ってこなければならないのか、私はどうもふしぎでならないのであります。こういうようなことがある。さあそれから全国でも、組合の要求によって長野が調べてみた。これもまた相当な数字にのぼったということで大問題になっておるのであります。これは一体全国的にどういうようにいま処置されておるのか。ただいまは徳島だけ承りましたが、全国的にどういうような処置をされておるのか、ひとつお伺いいたしたいのです。

三池信自由民主党郵政大臣

○三池国務大臣 いまお尋ねの件はまだ私もよく承っておりませんので、事務当局のほうに答弁いたさせます。

北雄一郎郵政省人事局長

○北説明員 健康診断の措置についてでございますが、全国に二十八の貯金局がございまして、いずれの局におきましても当該用紙を使っておるわけでございます。したがいまして、仕事上関係のある人たちが全国で二千三百九十九名という数字でございます。この方々に対しまして、労働省告示でもってきめられておる特定化学物質についての健康診断の具体的な基準がございますが、それに準拠しました健康診断というものを臨時に実施いたしました。先生よく御承知だと思いますが、その労働省告示によりますれば、まず第一次検診というものがございまして、第一次検診でチェックされた人たちに対してさらに第二次検診を行なう、こういうシステムになっております。この二千三百九十九名について第一次検診をやりましたが、その二千三百九十九名のうち百九十名について第二次検診の要がある、こういうことに相なりました。現在百九十名についての第二次検診を行なったところであります。この結果については現在までに全部判明しておりませんで、うち三十一名分だけが判明いたしております。三十一名について見ますと、そのうちで要治療者が二名、こういうことに相なりました。ただこの二名は、いずれも過去におきまして肝臓疾患の既往症のある人々でございましたために、これはなお精査を要しますけれども、現在のところでは既往症の関係で数値が上がったものというふうに一応考えられておるわけであります。ただ徳島地方貯金局につきましては、問題の発端にもなりましたという関係もございまして、徳島地方貯金局でいまの預入申し込み書を扱っておる人たちが総計百六名おりまして、この百六名につきましては、ただいまの全国的な方式によらないで、いわば一つのモデルケースといたしまして、徳島大学の医学部に別途精密検診をお願いしておるわけであります。衛生学教室の鈴木先生に一任しております。同教室では西山先生が長になられましてプロジェクトチームを編成して、逐次精密検診をやっていただいておる、こういう状況でございます。  それからなお、先ほど母乳の関係の御指摘がございましたが、ああいった経緯につきまして私も実は存じておりません。そういった経緯があるとすれば、これは非常に遺憾なことでございます。十分に注意をいたしたいと思いますが、母乳検査についてもやるつもりでございまして、ただいま準備中でございます。徳島地方貯金局におきましては現在授乳中の職員が一名おりますし、それから全国的に見ますと、いまのところ約三十名の方々が授乳中でありますので、こういった方々につきまして母乳についての検査をやる、こういう手はずを進めておるところであります。

井上普方日本社会党

○井上委員 大臣、いまお話承りましてどういうお考え方を持たれたでしょうか。  PCBが問題になりましたのはカネミ油症事件であります。これは昭和四十三年初頭の事柄であります。それから、このPCBの紙を郵政省当局が取りかえたのは去年の二月であります。その間今日まで全部放置してあるのです。しかもPCBが有害物質であることは世間周知の事実なんです。去年の二月におたくのほうは、これは有害物質だというので取りかえておるのです。この間に、職員に対して愛情があるなら、温情があるなら、病気は一体起こらなかっただろうかということは当然使用者側としては調べなければならないでしょう。ところが、それもほおかむりのまま、組合がおかしいじゃないかということで、あるいは徳島貯金局の中にそれらしき症状のある者が出てまいりましてものを言ったがために初めて調査をする。これではたして、あなたが先ほども言われたような信頼関係のある労使関係が生まれるでしょうか。私はこういう態度につきましてはなはだ残念に思わざるを得ないのであります。  それからもう一つ、先ほども徳島におきましては百六名がテストケースとしてやられる、こう申しております。衛生学教室の鈴木教授のもとで精密検査をやって、西山君がともかくプロジェクトチームをつくる——西山君というのは私、同期生なんです。十分知っているわけです。しかしこの能力が、現在のところ五名しかやっておられぬじゃありませんか。こういう遅々とした状況なんです。その職場で働いておる職員は不安な日々を送っておるのです。大臣、これは予算の問題じゃありませんよ。早急に要る金はどんどんお出しになって、そして精密検査を早急にともかく全国的にやる必要があると思う。予算のワクに縛られたりなんかして、あなた方は職員との間の信頼関係を失ったならばどうなりますか。これこそ早急に解決しなければならぬ問題でしょう。どうです、大臣。先ほど徳島で百六名第二次検診をやるんだと言っておりますけれども、私がつかんだのは徳島で四十数名です。その中でともかくいま第二次精密検査をやっておるのは五名です。この五名の検診にさえ能力がないのです、衛生学教室に。でございますので、いつ終わるかわからぬというのが実態なんです。それじゃ、あとの要精密検診の職員は四十数名おるわけなんですが、いつになったらこれの精密検診をしてくれるかわからないというので、不安と不満を持っておることは事実なんです。能力がないなら、ほかのところへもたくさん頼んで早急にお願いするという方法を講じなければならぬと思うのです。どうでございますか。

三池信自由民主党郵政大臣

○三池国務大臣 お答えいたします。  精密検査の技術的な難易その他は私はよく承知いたしませんけれども、さっき私が申しましたような気持ちはあくまで貫くために、遺憾な点があればどんどんとそれを改めてほんとうに実をあげるような方向へ、足りないところはどんどんと充実していく気持ちでおりますから、御了承を願いたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上委員 ともかく大臣、私はまだまだ申し上げたいところがたくさんございますが、後ほどの委員から申すでございましょう。しかし、このいまのPCBの一つの経過をとりましても、郵政省当局側の職員に対する愛情あるいは労務管理それ自体に大きい欠点があるということを私は指摘せざるを得ないのであります。こういう点をひとつ十分御留意になって、あなたのおっしゃる職員との間の信頼関係を樹立し、そうして明るい朗らかな——いまのままの郵政の労務政策でありましたならば陰湿なる暗い職場ができ上がって——すでにでき上がっております。これを明るい、国民から信頼せられ、サービスが十分行なわれるような職場に転換するために、大臣が一大英断をもって行なわれんことを強く望みまして、私、質問を終わります。

田所文雄郵政大臣官房資材部長

○田所説明員 先ほどPCBのノーカーボン紙の量を百五十万トンと申し上げたのは私の言い間違いでございまして、重量が百五十トンでございます。金額が八千五百万円でございます。訂正いたします。

宇田國榮自由民主党

○宇田委員長 武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 私は、ただいま井上委員から話がありました郵政省の職場における労使関係、職場の問題等についてたくさんの意見を持っておりますし、新しい大臣からぜひこの問題について見解を承りたいと思っておりますが、この問題は次の機会に譲りたいと思います。  きょう私がお尋ねをいたしたいのは、沖繩国会の際にいろいろ政府側の見解を問いただしました極東放送とVOAの問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  最初は極東放送の問題であります。この極東放送の存続をめぐっていろいろとやりとりをいたしました。これは明らかに電波法の違反である、したがってこの極東放送の問題は慎重に取り扱うべきだということを強く要請をいたしました。特にこの極東放送が第七心理作戦部隊と密接な関係があるということを、具体的な「守礼の門」という冊子を通じてわれわれはその内容を明らかにいたしました。なお、この極東放送の存続について、この財団法人極東放送なるものが今後免許を与えられるのではないか、こういう点について愛知書簡なるものが出されておる、そうなってくると、明らかにこの放送の免許である放送局の開設の根本的基準「最も公共の福祉に寄与するものが優先するものとする。」というこの放送局の免許の基本方針と相反するのではないか、こういう点について見解をただしました。最終的に廣瀬郵政大臣は、競願があった場合は、この極東放送の問題について私がたったいま読み上げましたような精神にのっとって競願の手続をとる、処理をする、こういう答弁がなされたわけであります。沖繩返還後約三カ月経過をいたしておりますが、この極東放送の現状はどうなっておるのか、これを最初にお伺いをいたしたいのであります。

三池信自由民主党郵政大臣

○三池国務大臣 武部先生にお答えいたします。  私もまだ詳しくは存じませんけれども、極東放送はいままで日本語で放送していた部分については日本の法人として認可をするというような方針をとっていたようで、現在仮免許をやって、いま放送をしておるように承っております。英語の部門は、これはまあ従来のままであと五カ年間、中国放送の部分はやめるというように聞いておりますけれども、詳細のことはひとつ局長から答弁をさせます。

斎藤義郎郵政省電波監理局長

○斎藤説明員 補足的に説明さしていただきます。  財団法人極東放送の設立許可申請書、これと放送局の免許申請書、この二つは沖繩の復帰前に琉球政府に提出されております。それで沖繩復帰に伴いまして郵政省がこれを引き継いだというかっこうになっておるわけでございます。これを引き継ぎまして郵政省が審査をいたしまして、放送局につきましては去る六月の二十日に極東放送——設立中の法人、日本法人でございますが、設立中の法人ということで、これに対しまして予備免許を与えたわけでございます。それから財団法人のほうでございますけれども、これの設立許可につきましては、極東放送の使用している放送施設が米軍の基地からはずされる、それから厳重にさくをもうけて囲う、そういうような必要がございますので、そういうような措置を待って設立許可の決定をいたしたいと、こういうぐあいに考えておるわけであります。なお放送施設を米軍基地からはずすことにつきましては、極東放送のほうにおいて関係の向きとただいま折衝をいたしまして着々進捗しているというぐあいに聞いております。

武部文日本社会党

○武部委員 財団法人極東放送の設立申請は一昨年の十一月であった、これは間違いないかどうか。それが一つ。  それから米国法人の極東放送のうち日本語放送、この存続期間は来年の五月十四日、それまで日本語放送の存続期間はある、このように理解してよろしゅうございますか。間違いありませんか。

斎藤義郎郵政省電波監理局長

○斎藤説明員 そのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 私が冒頭申し上げますように、この極東放送の問題は、例の問題になりました外務省の秘密文書の中にもこの一項があったわけであります。これはニクソン大統領の近親者云々ということから、これが取引されておるということが明らかになっております。そういういわくつきの内容を持ったこの極東放送の存続については、慎重の上にも慎重を重ねなければならぬということを私どもはしばしば言明をいたしました。同時にこの放送がどのような形で沖繩に認められるかということについて、放送法の精神にのっとってやはり競願の上で慎重にやらなければならぬ、こういうことを私どもはしばしば皆さんに指摘をしたところであります。ただいま電波監理局長の話を聞きますと、六月二十日でありますから復帰後わずか一カ月、それも存続期間がまだ米国法人の極東放送の日本語放送は来年の五月十四日まである、にもかかわらずなぜこの六月二十日に放送局の予備免許を交付したのか。これはさっき申し上げた競願の問題と関係があると私は思うのです。なければないで御説明いただいてけっこうですが、競願の精神を尊重すると言いながら、復帰後一カ月余りのうちになぜこういうふうな形で放送局の予備免許をこの財団法人極東放送に対して与えたのか。これは競願の申請を規制するということになるのではないか、このように私は思いますが、いかがですか。

斎藤義郎郵政省電波監理局長

○斎藤説明員 沖繩の復帰に伴いまして日本のチャンネルプラン、置局計画でございますが、これを五月十五日付で変更したわけでございます。変更の内容のおもなものは沖繩の周波数の割り当てということでございますが、この中にNHKの中波の放送、それからその他民間の放送の波が追加されたわけであります。それで、このチャンネルプランに従いまして六月の初めにNHKについてまず予備免許をしております。それから二十日ばかりたちましてから極東放送、民間放送について審査を完了しましたので免許を与えた、こういういきさつでございます。そのときには競願者はございませんでした。

武部文日本社会党

○武部委員 復帰後一カ月足らずのうちにそういう予備免許を出した、その間には競願者がなかった、五月十四日まで存続期間がある、そういう期間的な問題についてはいかがですか。それならばこれから全然競願者は出てこれないわけですか。あなたのほうは予備免許を与えた、これからも競願者が出てくる、そういうことが可能ですか。

斎藤義郎郵政省電波監理局長

○斎藤説明員 再免許のときまでには競願処理ということは起こらないと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 私は、この問題は非常に不可解であります。あれだけ沖繩の委員会でやりとりをして、少なくとも愛知書簡なるそういう何の権限もないもので極東放送の存続を約束することはおかしいじゃないかという点について、いろいろ問いただして、特にこの財団法人極東放送なるものは米国法人極東放送の肩がわりだ、身がわりだ、したがって、確かに役員には日本人が相当名を連ねておるけれども、もう実権は明らかにアメリカ側にある、このようにわれわれは理解をしておるわけですが、あなた方が予備免許を与えたこの財団法人極東放送なるものは、現在もなおある米国法人極東放送と全く縁もゆかりもない新しい極東放送だというふうに理解しておるのか。われわれは、名前は確かに日本人が名を連ねておるけれども明らかに実権はアメリカ側が持っておる、肩がわりの極東放送だ、このように理解をしておるわけですが、いかがですか。

斎藤義郎郵政省電波監理局長

○斎藤説明員 確かに復帰前に極東放送がやっておりました放送は日本語、英語それから中国語と、これを一体となってやっておったわけでございますけれども、それが改組されて英語放送は米国法人の極東放送がやる、それから日本語の放送は日本法人の極東放送がやります、まあこういう形になりまして、日本法人極東放送は電波法でいう欠格事由には該当しない、こう判断されたわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 この極東放送のことについてはもうこれ以上やりとりいたしません。いたしませんが、私は納得できないのであります。したがって、これはあくまでも競願を阻止するために抜き打ち的に予備免許を与えたとしか思えないのであります。したがって、これは沖繩現地の事情をもう少し調べまして、あらためて極東放送のこの予備免許の問題についてはこの席上で私は伺いたいと思いますから、極東放送はこれだけにしておきます。  次にVOAの問題でありますが、外務省の北米第一課長お見えになっておりますか。——VOAの問題について長い時間かかってやりとりをいたしました。その際、非常に明確な答弁が福田外務大臣、佐藤総理大臣、吉野アメリカ局長からございました。私はきょうここへ議事録を持ってまいったのであります。五月十五日に返還になりまして三カ月経過をしたわけでありますが、このV ○Aの放送はその後どのような内容が放送されておるのか。これについて郵政省は現地において傍受をする、こういうことを衆参両院の逓信、沖繩委員会で約束をされました。このVOAの放送を五月十五日の返還後一体どのような形で承知しておられるか、最初にそれをお伺いしたい。

斎藤義郎郵政省電波監理局長

○斎藤説明員 VOAの放送の傍受の問題でありますけれども、現在沖繩本島内のVOAの送信所に比較的近い大宜味というところに受信所を私どものほうで設けまして、朝鮮、中国、沿海州、フィリピン、マレー連邦、インドネシア各地域向けの放送をすべて傍受いたしております。それで、これを電信電話公社の専用回線で那覇の沖繩郵政管理事務所というところに持ってまいりまして、ここで録音いたしております。ただし、沖繩が復帰いたしました五月十五日から七月三十一日までは暫定的に大宜味郵便局で傍受して録音を行なっております。録音をいたしましたテープにつきましては、これをすべて外務省に送付するというたてまえをとっております。

武部文日本社会党

○武部委員 いまあなたは電波の発信先の国のことをおっしゃったわけですが、朝鮮、中国、ソ連、フィリピン、マレーシア、インドネシア、これだけですか。

斎藤義郎郵政省電波監理局長

○斎藤説明員 ソビエトと申しますよりは沿海州向けでございます。その他はそのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 その中に南北ベトナムは入っておりませんか。

斎藤義郎郵政省電波監理局長

○斎藤説明員 入っておりません。

武部文日本社会党

○武部委員 南北ベトナムが入っておらないという理由は何ですか。

斎藤義郎郵政省電波監理局長

○斎藤説明員 VOAの放送は、返還協定が締結されたときに行なっている内容、周波数、それから国語、放送時間、そういうものが返還協定が締結されたときに行なわれておる状態において行なう、こういうことになっております。したがいまして、そのときに南北ベトナムが入っておりませんものですから現在もやっておらない、こういうぐあいに承知しております。

武部文日本社会党

○武部委員 それはたいへん重要なことであります。返還協定が締結されたときに南北ベトナムに対する放送が入っていなかった。現実に沖繩のV ○Aが中継をして、南北ベトナムへのロサンゼルスからの中継が入っていないとあなた方は思っておるのですか。録音をとってみればわかることでしょう。傍受してみればわかることでしょう。現実にロサンゼルスから発信された短波が、VOAを通して南北ベトナムに中継されておるという事実は、傍受してみればわかることじゃないですか。それとも録音テープに全然とっていなかったということですか。それともVOAは沖繩を通じて南北ベトナムに何らの放送もしていないとあなた方は思っておるのか。その点はどうですか。

斎藤義郎郵政省電波監理局長

○斎藤説明員 お答えします。  交換公文に基づきましてわが国が承認しておる電波の周波数と方向をきめてありますけれども、電波の方向の中にはベトナム方向に向けられたものはないということでございます。それから、最近わがほうで調査しました結果によりましても、使用周波数、放送時間も、わがほうが承認しておるとおりになっております。

武部文日本社会党

○武部委員 それならば、順序が逆になりますが、これはどのように理解されましょうか。私はちょっと詳細を申し上げます。  沖繩VOAがハノイ向けの戦略放送を中継しておるという報道がワシントンから出ておりますが、内容を見ますと、沖繩及びフィリピンのVOA中継局が利用されておる。そして特に沖繩返還の直前の三月末日まで五時間であった北ベトナム向け宣伝放送が、ハノイ時間の毎日午後三時から翌朝九時までの十八時間に増強されておる。そしてこの報道によると、沖繩のVOA中継局は、北側大攻勢開始以前から毎日五時間ほどハノイ向け放送を続けていたが、それを十八時間に増強した。その内容も、単なるニュース放送から、北ベトナム国民の戦意喪失をねらった宣伝放送中心に大きく転換されておる。たとえば六週間前からこの宣伝放送は米軍及びサイゴン政府軍に捕えられた北側捕虜の氏名、階級、出生地、留守家族の住所氏名などの放送を始めた。この放送は毎日最初の一時間と、その後何回も反復して行なわれている。こういう報道がワシントンから伝わっておりますが、あなたのほうは、VOAの沖繩中継局がこういう報道を短波によって南北ベトナムに送っておるという事実を知っておりませんか。

斎藤義郎郵政省電波監理局長

○斎藤説明員 そういう報道を私のほうでも新聞等によりまして承知いたしまして、それで使用周波数、放送時間等について傍受を行なったわけでありますけれども、そのときには入っておりませんということであります。

武部文日本社会党

○武部委員 そうすると、この報道は誤りだというふうにあなたのほうは理解しておりますか。

斎藤義郎郵政省電波監理局長

○斎藤説明員 それからもう一つでございますけれども、傍受しました放送内容、これを外務省に送っておるわけでありますが、外務省からのお話によりましても、その中にベトナム語は入っておらないというようなお話を承っております。したがいまして、沖繩に関する限りはそういう事実はないものだと思っております。ただ、その新聞報道にもありますように、フィリピンということになりますと、これは何とも申しかねます。

武部文日本社会党

○武部委員 そういたしますと、私はいまこの報道を一つの根拠にして御質問をいたしたわけであります。しかし、いまあなたがおっしゃるように、使用周波数、こういう点からこのような事実はない、こうおっしゃっておるわけですが、そうすると、ワシントンから特派員が報道しておるこういう内容については、日本政府の外務省も郵政省もこういう事実はない、そのように理解をしておる、全然そういう事実はない、このように断言いたしますか。間違いありませんか。

斎藤義郎郵政省電波監理局長

○斎藤説明員 そのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 外務省はどうですか。

深田宏外務省アメリカ局北米第一課長

○深田説明員 お答えいたします。  外務省といたしましても、沖繩の中継基地を使用してそのような放送が行なわれておるということはないと考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 それならば、この報道について私どもは再度調査をいたします。これは発信人も明らかになった報道でありまして、非常に詳細に報道されておるのであります。ただ、この報道は特派員の報道でありますから他の報道にはないのであります。この一新聞だけにございました。  なぜ私がこれを指摘したかというと、沖繩の委員会でも発言をいたしましたように、例のゴ・ジンジェム政権が転覆したそのときにVOAが大きな役割りを果たしたという例のアメリカのニューヨークタイムズですか、あれの報道の中に明らかにVOAの役割りが記載をしてあったわけです。そういう点から見て、これはあり得ることだと私は思いました。したがって、もし郵政省が完全に傍受をしておるとするならば、この内容は皆さんの手元に明らかになったはずだ。それを前提としてお伺いをしたわけでありますけれども、あなたのほうはこれを否定されたわけであります。したがって、われわれのほうはさらにこれを調査して、あらためて御質問をいたしたいと思います。  そこで、いま録音テープを外務省に送付をしたということをおっしゃったわけでありますけれども、そういたしますと、録音テープは翻訳をしないままに、テープをとったそのものを外務省に送っておる。そうすると翻訳をするのは外務省の役割りですか。

斎藤義郎郵政省電波監理局長

○斎藤説明員 そのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そうすると外務省にお伺いいたしますが、私が長い時間かけてソビエト沿海州方面あるいは北朝鮮、さらには中国に対するテープの翻訳内容を申し上げました。その中には明らかに謀略放送の性格を持ったものがある。その点は政府側も逐次それを認めたわけであります。しかしこれは返還までのことであって、返還後はそういうことはあり得ない、こういうことをおっしゃったわけです。そういたしますと、現在返還後約三カ月間、郵政省が録音テープをとって外務省にそれを送付しておるわけですが、あなたのほうで翻訳されてみた現在、明らかにこれは単なるニュース、そういうものであるかどうか。私が指摘をしたような内容になっておるかどうか。その点、いかがです。

深田宏外務省アメリカ局北米第一課長

○深田説明員 お答え申し上げます。  郵政省のほうからの御説明のように、外務省で録音テープを受け取りました。これを詳細に記録をとってございます。大体技術的仕事、まあ時間がかかりますものですから、十日近くおくれて詳報という、私ここに持参しておりますけれども、そういう形で出てまいりますが、それを私ども一見いたしました限りにおきましては、そのような謀略放送というたぐいのものではないように考えます。たとえば七月二十七日木曜日の英語放送に例をとりますと、来たるべきニクソン・田中会談についての米国諸紙の社説の意見を取りまとめた内容でありますとか、あるいは米国の大統領選挙に関連いたしました内容でありますとか、そのようなものがおもなニュースの項目になっております。

武部文日本社会党

○武部委員 沖繩委員会の際に、先ほど申し上げるような総理、外務大臣あるいは局長からの答弁の内容を見ますと、ボイス・オブ・アメリカ中継局の運営の継続に関する交換公文第六項、この中に、中継局を通じて中継される番組に関する責任の問題が記載されております。これはアメリカ合衆国政府がこれを負う。もっとも「日本国政府は、必要と認めるときはその番組につき自己の見解を表明する権利を留保し、アメリカ合衆国政府は、日本国政府が表明した見解を尊重する。」この第六項をめぐっていろいろやりとりをいたしました。そのときに廣瀬大臣並びに外務大臣は、わが国が事前にこのプログラムなどをあらかじめ手に入れたい、そしてその資料を前もって手に入れれば、事情の推移を見て事前に手を打つ、こういうことを答弁されました。そしてその窓口はもちろん外務省である、こういう答弁がございました。返還後三カ月間、この交換公文の第六項に基づいて、日本政府はアメリカのVOAのプログラムについて事前に入手するような協議をされたかどうか、その点はいかがですか。

深田宏外務省アメリカ局北米第一課長

○深田説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のような趣旨からアメリカ側と話をいたしまして、番組編成の内容につきまして通報を受けるようにいたしております。私、手元に一つ持っておりますけれども、このVOAの放送は、先生御承知のようにUSIA、米国の海外広報庁の所管のもとに、たとえば東アジア太平洋向けということで一つのまとまったプログラムを持っておりまして、五月、六月、七月、八月のプログラムの概略が一表に記載されたようなものを手元に持っております。内容的に、ニュースでありますとか、音楽放送でありますとかそういうものを主体としたものでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 おそらく私もそうだろうと思います。しかしこれは明らかに、事前にどのような番組のスケジュール、プログラムがあなた方に示されようとも、現実にはそのようなものと全く縁もゆかりもないことが放送されておった。これは私が録音テープの翻訳の内容を申し上げたことをお聞きになれば明らかであろうと思うのです。これは前回そのような内容であったわけですから、そのことが五月十五日を契機にして百八十度転換して、従来と異なった音楽とかあるいは単なる広報宣伝とかそういうようなものに直ちに変わったとは私は理解できないのであります。ですから、このことについて郵政省は傍受をしておるわけですが、その内容をぜひ明らかにしていただきたい。これは外務省であります。いまあなたは七月二十七日のことをおっしゃった。確かに七月二十七日のことはその程度の内容のことかもしれません。しかしいままで中国語、ソビエト語あるいは朝鮮語で報道された内容はそのようなものとは違っておるのであります。ましてや先ほど私が申し上げたこの沖繩VOAの南北ベトナムに対する中継の内容は、この前回の委員会で申し上げた内容とは全く違う、さらに謀略的な放送内容であります、これが事実とするならば。そういう点を考えると、いま外務省がおっしゃったようなことを直ちに私はそのままうのみにするわけにはまいらぬのであります。  そこで外務省にお願いをしたいのは、八月二日の読売新聞に報道されたこのワシントンの特派員の報道が真実であるかどうか、この点についてぜひ調査をしていただきたい。私どももそれなりの調査をいたしますが、この内容はたいへん重要な内容を持っておるのでありますから、ぜひ調査をして当委員会へ資料として提出をいただきたい。なければないでけっこうであります。ぜひこの内容を調査していただきたい。  それからできますならば、アメリカ側とあなた方との間にいまおっしゃった点についてのプログラムの内容でありますが、吉野局長は最終的にはこういう答弁をいたしております。「現在USIAは特に秘密のものもございませんし、また秘密の機関でもございませんから、われわれに対して、前もって、大体あらかじめの長期的な、どういうような計画で放送するか、こういうようなことを特に隠しだてすることはないと思います。したがって、交渉によりましてそのような一般的な政策なり方針なり、そういうものは入手できると思っております。」これはいまあなたが答弁されたとおりであります。その若干のプログラムを資料として御提出をいただきたい。それによって、次回あらためてこのVOAの内容についてお伺いをいたしたいと思います。  では、私はきょうは終わります。

宇田國榮自由民主党

○宇田委員長 本日はこれにて散会いたします。     午前十一時四十九分散会

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