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69回国会衆議院1972/08/11

地方行政委員会 第2号

発言数
82
登壇者
14
会派数
5
開催日
1972/08/11

会議録

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 これより会議を開きます。  すでに御承知のことと存じますが、本委員会で御活躍をしていただきました委員華山親義君が昨十日逝去せられました。まことに痛惜の念にたえません。  この際、委員各位とともに、故華山親義君の御冥福を祈り、つつしんで黙祷をささげたいと存じます。全員御起立を願います。     〔総員起立、黙祷〕

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 黙祷を終わります。御着席を願います。      ————◇—————

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。  この際、自治大臣、国家公安委員長、自治政務次官及び警察庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。福田自治大臣。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 今回自治大臣を拝命いたしました福田でございます。  学も浅く、徳も至らぬ者でございまして、皆さん方の御支援をいただいて、大過なくこの重任を果たしたいと考えておりますので、どうぞよろしく御支援、御協力のほどをお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 次に、木村国家公安委員長。

木村武雄自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・国家公安委員会委員長・首都圏整備委員会委員長

○木村国務大臣 私は、田中内閣の成立に伴いまして国家公安委員長を命ぜられました木村武雄であります。  年はとっておりまするが、いまだがんぜないものでありますから、時局きびしいおりでありますので、その責務の重大さを特に痛感しておる次第であります。  警察の目的は、国民が安んじて日々の生活を送れるよう、社会の秩序を確保することにあるのは言うまでもありませんが、私は、とりわけ、国民の生命を、犯罪、事故、災害から守ることが何よりも大切であると信ずるものであります。それには、世界に先がけて平和国家となった意義を十分にかみしめて、平和と積極的に取り組む姿勢が大切であると思います。戦争の最もきらわれるのは、人の生命をあまりにも簡単に取り扱うことであり、平和の第一義は生命を尊重することですから、私は、日本の警察行政を通じて、あらゆる事故をなくしたいと念願して、そのための施策を強力に推進する決意であります。  複雑多岐化しつつありまする社会情勢に対応して、その念願を達成することはなかなか容易なことではありません。いな、むしろ不可能に近いことかもしれませんが、それを承知で突き進むところに人類の平和が確立されると思います。それには、まず、警察に対する国民の理解と協力が絶対必要であります。そして、日々この任務に携わる警察職員の資質と士気の高揚が必要であると思います。  委員各位の御支援、御鞭撻を切にお願い申し上げまして、大過なく私の職責を遂行せしめてくださいますように、特にお願いを申し上げまして、ごあいさつにかえさしてもらいます。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 次に三ツ林自治政務次官。

三ツ林弥太郎自由民主党自治政務次官

○三ツ林説明員 このたび自治政務次官を拝命をいたしました三ツ林でございます。  至らぬ者でございますが、懸命に努力いたしたいと存じます。御指導、御鞭撻をお願いいたしまして、ごあいさつにかえたいと思います。よろしくお願いいたします。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 次に高橋警察庁長官。

高橋幹夫警察庁長官

○高橋(幹)説明員 御紹介にあずかりました警察庁長官の高橋でございます。  去る六月二十四日に任命をされまして、今日まで至っておる次第でございます。前に次長としてしばらく就任しておりましたが、国会に出る機会が非常に少なかったものでございます。  今後とも、御指導、御鞭撻をよろしくお願いをいたしたいと存じます。     —————————————

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本弥之助君。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 品川区におきまして、区長の準公選条例が可決になりまして、近く施行になり、また、これに基づきまして、選挙が、十月一日ごろですか、取り行なわれるというふうな新聞報道が出ておるのであります。  区長公選問題につきましては、過去において一時公選であったのが、二十七年であったと思いますが、廃止になりまして、議会で選任することに改正になったわけであります。自来、いわゆる区の行政が複雑多岐にわたり、また、いろいろ地域住民の要望が強くなってまいりますにつれて、区民の代表としての区長公選の問題が大きく地域住民の間で取り上げられることになったわけであります。私どもの党といたしましては、過去におきまして、地方自治法の改正を提案いたしたことが数回にわたっておるわけであります。先般の通常国会におきましては、自民党の側におきましてもこの問題にいろいろ取っ組むというお考えのようでありましたが、できれば超党派で自治法の改正ということにしてまいりたいという考え方で、社会党といたしましては提案をいたさなかったのでございますけれども、品川区議会におきまして、こういうふうに超党派で、いわゆる区長公選ともいうべき準公選の条例が通過いたしておるわけでありまして、過去において、地方制度調査会等におきましても、大都市問題を論議されましたときに、東京都の区長公選問題に論議が及んだわけでありますが、事務の配分が先行すべきであるというふうな考え方で、検討を続けるということになっておったわけであります。ことに、一面、区民の要望のみならず、本来正当に選任すべき区議会におきまして、過去において、難航いたしまして一年以上も区長がきまらなかったという区もあり、最近も、一、二の区で、区長選任が円満に実現をしていないという区もあるという実態にあるわけであります。これに対しまして、私としては大臣の御意向も一応承る機会があったわけでありますが、こういった、いわば合法的であるにいたしましても、区議会が区民の意見を選挙という手段を通じて聞き、極力区議会で選任せざるを得ないという事態に立ち至り、また、他の区におきましてもそういう例が出てまいる可能性があるという情勢であろうかと思いますので、私どもといたしましても、また、自治省も、真剣に検討すべき時期、あるいは早急に地方自治法の改正を行なうべき時期にきておるのではないか、かように考えておるわけであります。  この問題につきまして、大臣の一応の御意向は私どもも承知しておるわけでありますが、あらためて本委員会におきましてお漏らし願いたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 区長公選の問題については、ただいま山本委員が仰せになりましたごとく、従来、ずいぶんいろいろの経緯があり、そして、その結果、最近に至りまして、品川区で、二回にわたって、区長代理が、これは法律違反の疑いがあるということで諮問したにかかわらず、全会一致で可決されておるという事態、さらにまた、都知事にその措置について申請をいたしましたところ、都知事もそれを合法であると認めたというような事態がございます。その事情は自治省としても十分承知はいたしております。ただ、法の解釈を厳密にいたしますと、依然として違法の疑いはございます。しかし、法律というものは一定不変のものではございません。事情によって変えていくことが民意を尊重する意味でも必要な場合があると思われるのでありまして、私たち自治省といたしましては、とにかく、この事態を踏まえて、地方制度調査会に再度この問題について諮問をいたしまして、そして、調査会の意見、答申を待って、これを尊重しつつ善処してまいりたい、かように考えておるところでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 大臣の前向きの答弁のように私ども了解できると思うのでありますけれども、早急に地方制度調査会に諮問されるというお考えのようでありますが、地方制度調査会も、昨年、ドル・ショックによる応急的な税財政の答申をいたしたわけであります。その後開かれておらないわけでありますが、引き続き地方制度調査会で審議すべき問題は、さらに恒久的な税財政の問題だろうと思うのであります。そういたしますと、いまの大臣の御答弁によりますと、早急に地方制度調査会を招集いたしまして、この東京都の区長公選問題に問題をしぼって早急に答申を求めるという腹がまえであられるのかどうか。お聞きしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 諮問をいたす事項についてはいま仰せのとおりでございますけれども、審議会には審議会の一つの運営のたてまえもあるかと存ずるのでございまして、諮問をした後、先後して、どちらを先にやれとか、どういうふうにやれとかいうまでは、私たちとしては指示するつもりはございません。しかし、こういう事態にあるということは委員の方も十分御承知のことだと思いますので、結果においてあなたの仰せになったような線に進むのではないかと私は推測いたしております。しかし、非常におくれるというような事態が起きた場合には、適当にわれわれとしてもお願いすることがあり得ると思います。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 重ねてお伺いいたしますが、そういたしますと、地方制度調査会にこの問題に限って諮問をし、そして、次の通常国会に、地方自治法の改正という心がまえでお進みになられるのでしょうか。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 御案内のように、諮問することはすでにきめておりますが、その答申を見て善処したいと先ほど申し上げたのでございまして、答申に完全に縛られるというわけではございませんし、諮問という意味はそういう意味でございますが、しかし、あなたが仰せのように、法改正をしたほうがいいというような答申が出てきた場合には、前向きに考えて処理をしていってよろしいのではないかと、私はいま考えておるところであります。しかし、答申が出ない前に私が、いいとか悪いとか、こうあるべきだとかいうことをとやかく発言することは、問題の性質上差し控えさせていただきたいと思います。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 品川の準公選の条例を見ますと、選挙の方法等につきましては、公職選挙法に準拠しないという規程になっておると思うのでありますが、現在の公職選挙法にも欠点はあって、改正すべき点は多々あるのではないかと思うのであります。また、住民の自発的な、あるいは積極的な区行政に対する協力の意味、あるいは地域住民の意思が区政に反映されるような意味の選挙というものは、おそらく区民の熱意によってうまくいくものと思うのであります。しかし、一応公職選挙法という各級選挙に対する規定があります以上は、できるだけそういうものに準拠することが好ましいのであるが、私は、違法だとは思いません。大臣は疑念を持っておられるようでありますが、正規の手続を経て区民の要望が反映されるということは当然なことだというふうに私ども了承しておるわけであります。それにいたしましても、現行の公職選挙法があるにもかかわらず、それに準拠しないという選挙が行なわれるということは——あるいは私どもの杞憂かとも思いますし、りっぱな選挙が行なわれると思うのでありますが、しかし、そういうことが次から次に現在の各区に波及していくということは、これはまた好ましいことではない。やはり、自治法の改正によりまして明確に公選制度を採用することによって、区民の意思が区長選挙に反映される、しかも公職選挙法に準拠して行なわれるということが好ましいのではないか、かように考えられますので、大臣としては、地方制度調査会をぜひ早急に開催願い、次の通常国会に改正案を提出願いまして、区民——いまは超党派で、二十三区こぞっての意向のようになっておると私は存じますし、機は熟しているというふうに思いますので、ぜひそういうことを措置せられますことを強く要望申し上げておきます。  まだちょっと時間がありますので、もう一問だけ御質問したいと思います。  従来、私ども、地方税制の改正等に関連いたしまして、地方税制の改正、あるいは大都市その他の市町村の財源確保というふうな問題についていろいろ要望を申し上げてきたのでありますが、まあ、景気は多少立ち直りつつあるというふうな情勢に立ち至っておるわけであります。それにいたしましても、前年度の補正予算、今年度の予算等を見ますと、起債に依存し、しかも、交付税等も、特別会計で借金をして交付しておるという実態であるわけでありまして、地方財政は来年度は非常にきびしい情勢に当面するのではないか、かように考えるわけであります。この点につきましては、大臣も十分にお考えになりまして、大蔵省その他に対して要望するところは要望し、また、税制をどうすべきであるかというふうなお考えももう固められつつあると思うのであります。そのお考えの大綱でけっこうでございますから、どういうふうな方向に向かわれるかお聞かせ願いたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 地方財政が非常に窮乏しておることは、いわゆる自治というものを完全に行なう意味では非常な阻害原因になっておることは仰せのとおりでございます。したがって、財政的に地方を充実してやる方向で努力をすべきことは、私の大きな任務の一つであると考えております。したがって、当委員会においてしばしば要請がもうございましたが、たとえば超過負担の問題等々においては、すでに閣議においてもこれを要請をいたして、いま各省庁に協力を求めておるということでございます。  後段の税制の問題につきましては、御案内のとおりに、税制調査会というものがございまして、これに諮問をいたしまして結論を出していくという仕組みに一応なっておりますので、いまのところ素案をいろいろ考えてはおりますけれども、まあ、これは、税制調査会に案を出しますまでいましばらく審議をさしていただいて、御趣旨の、いわゆる地方財政を充実するという方向であるということについては全く異議ございませんので、ひとつそのように努力をさしていただきたい、かように考えます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 新聞等で報ぜられるところによりますと、これは大都市財源を確保するという意味におきまして、昨年自治省でお考えになり、また、地方制度調査会等も答申をいたしておるわけでありますが、事業所・事務所に対する課税、当時の案はたしか一時的な課税というふうな考え方に立っての答申になっておったかと思うのであります。これはあくまでも大都市を中心とする財源を確保いたしまして、今日、公害を中心とする環境の悪化をよくしていくというたてまえで私ども考えておったわけであります。最近の新聞等に報ぜられるところによりますと、田中総理の、日本列島改造論という、何といいますか、直ちに過密過疎が解消されて、いかにも世の中が明るくなるような、幻想と言うと失礼かもわかりませんが、一連のそういったことが報道されておるわけでありますが、もともとこの大企業に対する税金は、租税特別措置法によりまして——この租税特別措置は必ずしも大企業のみに限らぬわけでありますが、租税特別措置法によりまして、ある程度の、償却の関係だとか、いろいろな意味で経済の成長に寄与するような税体系を国税においてとってきたわけなんです。過去におきましては、工場の誘致が地方財源を確保して、それを福祉に回すことが可能であるということで、貧しい市町村あるいは府県におきましては、乏しい財源から、固定資産税をはじめいろいろな税の恩典を工場に与えることによって、工場誘致にいわば狂奔した時代がございますが、高度成長は福祉に結びつかないということは、いまや明らかになっておるわけでございます。地方におきましても、この誘致条例というものは漸次廃止の方向に来ておるわけであります。私は、当然だと思います。地方公共団体の使命、ことに市町村の使命は、住民の住みよい環境をつくるということ、あるいは福祉を充実することを第一義的に考えなければならぬと思うのです。やはり大都市の場合も、環境整備をすること、その他の方法を加味することによって、おのずから、ことに、首都圏整備等によりまして、工場の増設、新設を強化する方向もあるわけでありますし、また、ある程度自然にもう地方に進出せざるを得ないという実態になりつつあると思うのです。その意味におきまして、新聞に伝えられておるような整備事業の問題も、やはり大都市財源の確保という本来の税の体系から自治省は考えていただきたい。政策税制というものを強化されることによりまして地方税制は混乱するのではないかと思いますから、そのことが地方自治を守るのだということを、大臣、深く頭に置いていただきたいと思います。ことに、地方におきまして、固定資産税を二十年も二十五年も減税して、そして工場の誘致を、従来の、昔に返るような考え方に立って、固定資産税を減税という方向で工場の分散をはかるという考え方はあくまでとらないで、環境の整備なり福祉の増進というたてまえで、独自の税源を考慮するという方向をとってもらいたいと私は考えております。いろいろ検討中のようでありますので、深く質問を申し上げませんが、あくまでそういう考え方に立っていただきたい思います。しかも、その固定資産税の減収を交付税で補てんするという考え方、これはもういままでほんとうに困っておる問題でありまして、本来の地方公共団体全体の財源をどこかにふやせばどこかがへっこむに違いないわけでありまして、交付税の総額をふやさなければならぬ。それも非常に期待ができないという状況になっておる。一般会計から繰り入れて特別会計を設けて、それで考えるというような考え方をちょっとお考えになっておるような報道でございますけれども、やはり、そういう工場の分散に重点を置くような地方税制という考え方よりも、地方の環境をとにかくいま整備しなければならぬ。私のほうの岩手県などは、松尾鉱山は硫黄鉱山でありますためにつぶれたんでございますけれども、しかし、そのつぶれました松尾鉱山の坑内からいまだに強酸性の水が出てくる、あるいは砒素であるとか、その他の悪性の成分を含んだ水が流れてくるというので、いま大問題になっておるわけであります。どこがこれを処理するのか。通産省その他企画庁、あるいは建設省等、関係方面に強く要望をしなければならぬと思うのであります。岩手県の内陸部の北上川というのは、かんがい用水なり、あるいは飲用水なり、いろいろな意味で重要な水系であるわけであります。そういった問題一つをとりましても、自治省だけは、どうかひとつじっくりと、地方自治体の住民福祉の充実をはかるという考え方に立っての税制、税財源をお考えくだすって、あんまり時流に便乗して、また地方が困ることのないように御配慮をお願いしたいと私は思います。  検討を加えつつあるということでありますので、大臣のその点についての御見解をお聞きしまして、質問を終わります。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 ただいまの問題につきましては、政府全体としていろいろ考慮をいたしておることは山本先生も十分御案内のとおりでございます。先生の御意見は十分承らしていただきましたが、いずれにしても、どういう措置を取る場合においても、地方がそれによって非常に疲弊をするというような形でこの問題の解決をするということは、自治をあずかる私といたしましては賛成いたしかねることでございます。  しかし、計画全体の内容は、いま御案内のように、政府において検討中でございますので、先生の御意見、いわゆる、地方自治体が窮乏しないように、しかも、福祉が増進されるようにというたてまえの御発言を尊重いたしまして処理をさしていただきたいと思っております。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 次に、和田一郎君。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 私は、高速道路においての救急業務について質問いたしたいと思います。  まず、建設省の道路局長さんから聞きたいと思いますけれども、高速道路、特に、新しくできつつあります東北道または北陸道、中央道、そういう道路に対しての救急業務、その基本計画は、昭和四十六年三月三十日の交通安全対策会議ですか、これでもって決定されておる、こういうことを聞いておるんですけれども、どういうものが交通安全対策会議で決定された基本計画に沿ったところの救急業務の姿であるか。まず道路局長さんのほうからひとつ……。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)説明員 高速道路におきます救急業務につきましては、従来から、消防庁によりまして、関係県を通じて地元市町村の指導がなされてきているところでございますけれども、日本道路公団といたしましても、消防法に基づく市町村救急と協力いたしまして、交通安全基本計画に基づく自主救急の一環として、本年度は、試験的に東名高速道路における基地を設け、専門の車両並びに人員を配置して、高速道路管理業務と一元的に救急業務を行なうことにしております。  いま申し上げましたように、原則的にはやはり市町村の救急業務が中心でございまして、日本道路公団としては、自主救急の一環としてこれをお手伝いするというふうなのが原則になっております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 ここに本が出ているんですよね。これは「交通安全基本計画の要旨」ですけれども、「日本道路公団が道路交通管理業務と一元的に、自主救急として処理するとともに、救急業務実施市町村と同公団との連携を強化する。」と書いてある。ですから、道路公団自体がいわば救急業務をやるというふうに私どもは解釈して、そこへ各市町村が協力する、だから、いわば救急車を持っている、それは公団自体が持つんじゃないか、私はこう思うのですが、その点どうですか。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)説明員 そこに書いてある内容のとおりでございまして、主体はあくまでも市町村の消防が中心となる救急業務でございます。日本道路公団ができるだけこれに援助するということでございまして、なお、日本道路公団としても、一部ただいま試験的に自主救急業務としての準備は始めておりますが、原則はあくまでも市町村が主体でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 消防庁はどうなんですか。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤説明員 その関係は、ただいま和田委員お読み上げになりましたとおり、政府部内におきまして、交通安全基本計画できめられているところでございます。交通安全基本計画には、ただいまおっしゃいましたように、日本道路公団が自主救急として処理するとともに、救急業務の関係の市町村と密接な協力をする、こういうことになっております。私どもは、救急も消防の一環でございますので、基本的に市町村がその責めに当たる、これはもう明確であると思います。基本的にはそういうことでございますが、しかし、ただいまお読み上げになりました交通安全基本計画等におきましても、まず、第一次的にと申しますか、まず、高速道路のような、長大な、しかも特殊な施設でございますものの設置管理に当たります道路公団自身が自主救急を行なう、それと市町村が協力して行なう、こういうふうに考えているわけでございます。それは、あたかも、たとえば同じ消防関係におきましても、コンビナート地区におきます工場というようなものは、工場自身がまず自主防衛組織を持っていたします。しかし、それは所在の市町村の責任を全く免除するものではございません。所在の市町村にも責任はございますけれども、そういう特別な施設を持っておりますものは、まず第一次的に、自主的な仕組みでものを処理していく、こういう考え方でございますので、私は、それと同じであろうと思います。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 よくわかりました。そうしますと、やはり公団自体も自主救急ということになっておるのですから、それ自体のいわゆる救急隊というものを持たなければならぬ、こういうわけですよね。十一月あたりから、たとえば東北道の場合、宇都宮インターチェンジまで開通するのですけれども、それじゃ公団自体救急車をお持ちになって救急隊を配備してやる、こういうふうに解釈してよろしいですね。その点はどちらから答えていただけますか。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)説明員 先ほど申し上げましたように、その交通対策本部の決定に基づきまして、日本道路公団としては、ことしから実は試験的に東名高速道路に基地を設けまして、それで専門の車両と人員を配置して、いま、これは全くのしろうとでふなれでございますので、試験的にやっている段階でございまして、ただいまの御指摘の宇都宮までの東北縦貫道につきましては配置はされないと思います。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 そうしますと、配置されないとなると、自主救急にならないじゃないですか。東北縦貫道路については配置されないとなると、あくまでもそれは基本計画できめられておるところの道路公団としては、まるっきりお手あげだということですか。まるっきり市町村におぶさるということになりますか。その点どうなるんですか。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)説明員 ただし、自主救急について私は申し上げたわけでございまして、市町村に対しましては、たとえば東北縦貫道、宇都宮までの加須、館林、佐野、栃木、鹿沼というようなところに救急車を提供したい。そういう施設の提供等は行なう予定になっております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 消防庁は、これはどうなんですか。救急車を通過する市町村にお貸しするという、それでもう自主救急ということになるのですか。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤説明員 これは、ただいま建設省のほうからお答えになりましたように、公団なり建設省なりのお考えがあるかと思いますが、交通安全基本計画を私なりにすらっと読みますと、先ほど私が申し上げましたように、たとえばこれは基本的に市町村の責任を解除するものではございませんけれども、特別な施設でございますので、まず第一次的には公団自身が自主救急を行う、それを市町村と協力をして行なう、こういうふうに読みますのがすなおではなかろうかと私は思います。私が仄聞をしておりましたところでは、道路公団におかれても、本年度自主救急体制を整備されるために、予算上大蔵省と種々、折衝をされたらしいようでございますけれども、それが必ずしも所期の目的を達していない。したがって、それに至る過程として、消防車、救急車を市町村に無償で貸与して、それを保管をしていくというような経過的な措置をとっておられるのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 そういう御答弁を実は待っておったのですけれども、大蔵省の方にひとつお聞きしますが、これはどういうわけでことしから開通される高速道路に——高速道路の事故はすごい事故ですよ。しかも、いつですか、イギリスですか、玉つき事故がありまして、三十台ぐらい一ぺんにやったのがありますね。ですから、市町村の救急隊ではちょっとまだ手の及ばないようなのもあるようです。しかも、高速道路に入る入り口自体も、インターチェンジしか入れないし、やはり専門的にならざるを得ないのじゃないかということも言われておりますけれども、ことしの十一月から開通されるのにどうして予算をつけていただけなかったのですか。それは建設省の高橋局長さんのほうがお静かだったのか、わかりませんけれども、何で予算がつかなかったのか、それを教えていただきたいと思います。

藤仲貞一大蔵省主計局主計官

○藤仲説明員 お答えいたします。  先ほども道路局長から御答弁申し上げましたとおり、高速自動車国道における救急業務につきましては、日本道路公団の予算におきまして、昭和三十九年度以来、関係の市町村に救急車の提供等、こういう協力措置を講じてまいっておるわけでございます。そのほか、公団におきまして交通管理用車両に対しまして救急薬品等を配備する、あるいはまた、交通管理要員等に対しまして救急訓練の実施等を行なう、こういうような点におきまして種々の措置を講じてきたところでございます。四十七年度の予算におきましても、さらにこれらの措置の充実強化をはかる。  こういう一面、先ほど道路局長から御答弁申し上げましたとおり、とりあえず試験的に東名高速道路の御殿場の交通管理分駐所に専門の車両及び人員を配置いたしまして、道路交通管理業務等と一元的に自主救急を行なうということにいたしております。  私、専門ではございませんので、ここで先生に私から御答弁申し上げるのがいいかどうかわかりませんけれども、先ほど来いろいろお話がございましたとおり、基本的には、これは市町村がやはり消防のほうを担当される。こういうことでございますし、公団のほうは、いま道路局長が申し上げましたように、そういう業務になかなかなれていないわけです。権限の点もいろいろまた問題があろうかと思います。そういうことで、とりあえず四十七年度におきましては、試験的に東名高速道路について車両と要員を配置いたしまして、その効果を測定いたしまして、その結果を待って検討させていただきたい、かような考えで予算措置を講じておる次第でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 ことしの十一月から大体開通になるらしいのですけれども、救急業務はどちらへ行っていいかという場合、現在、栃木であるとか、群馬、埼玉あたりでは相当もめているようです。しかも、市町村としてはもう一ぱい、一ぱいだと言うのですよ。救急業務に従事する消防職員の確保の困難、それが一つですね。さらに、高度な技術を要する高速道の救急業務は、普通のところでは不可能だということ。それからもう一つは、東名、名神等における各県の財政力から考えれば、関東、東北は財政的に弱い。たえられない。いろいろな理由がありまして、市町村はこぞってお手あげの状態である、こういうわけですよ。そういうときは、一体どういうふうになってきますか。これはどなたが答えていただけますか。それでも高速道路は高いお金をかけてどんどんできておるのですから、だから、救急業務ができるまで使わないというわけにいきませんし、使わなければならぬ。道路も、既成の道路は困ってしまうという状態になりますから、こういう点については、さあ、どうされますか。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤説明員 基本的には、先ほど私が御答弁申し上げ、あるいは建設省、大蔵省から御答弁もございましたように、交通安全基本計画で政府が定めました趣旨に従いまして、本年度実験的に東名でやっているという御答弁があったようでございますけれども、こういうものを至急に一般的普遍化をしていただきたい、私どもはそういう気持ちでおります。しかし、それに至る間におきましては、先ほども申しましたように、やはり基本的には市町村に責任があるわけでございます。先ほど建設省からも、救急自動車を貸与をするというふうなお話もございました。関係機関と協力をしてそういう体制が一日も早くできることを待ちながら、その間も万全を期していくということではなかろうかと思います。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 その、万全を期するとおっしゃるのは、ただ貸してもらって、あとはどうするかという問題、具体的になったらどうなりますか。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤説明員 先ほど、私は、基本的に市町村の責任である、解除されるわけではないということを申し上げました。救急関係の市町村は、申し上げるまでもなく、通常は一般の高速道路以外の救急もやっているわけでございまして、そういう意味合いにおきましては、一般的な救急業務に加えて、高速道路の仕事が入ってくるわけでございます。そういうことにつきまして、ただいま自動車の貸与というようなお話もございましたけれども、そういう援助措置も加えながらやっていくことが現在においても最も現実的な方法であろう、私はこういうふうに考えているわけでございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 どうもすっきりしない答弁なんですけれども、御承知のとおり、市町村はもうこぞって困ると言っているわけですね。というのは、公団自体も自主救急を持たなければならぬわけですよ。それが大蔵省の方の御答弁だと、東名のほうでやってみて、そしてその経過を見てやっていくというふうなことでしょう。それはずっと前の話、四、五年前の話なら話はわかるのですよ。もうことし十一月に開通しようとしているのに、しかも自主救急隊をつくらなければならぬのに、これから東名のほうで検査してやる、これでは市町村も困りますよ。しかも、地方財政は、御承知のとおり、一昨年あたりから相当危機に瀕しているわけですよ。税収が減っていく、しかも救急業務はさらにふえるということ、そこで特殊技術が必要な高速道路ができるというわけでしょう。その辺のところは、どういうわけで政府というのはやり方がそんなにおそいのですか。大臣、この点についてどうですか。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 ただいま政府委員のほうからいろいろその間の事情を御説明申し上げたと思うのでありますが、予算の問題等々においていささかでもおくれがありといたしますれば、今後は十分注意をして解決に努力をいたしたいと思います。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 そうしますと、結局、いまから救急隊をつくれといったって、高橋局長のほうはお手あげだと言うのですから、これはやはり消防法云々の市町村にやってもらう以外はないという消防庁長官のお考えらしい。問題は、市町村に対してどういうふうな措置をされるかという点ですね。——財政局長はいらっしゃっていませんね。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤説明員 先ほど私も多少歯切れの悪い御答弁を申し上げましたけれども、私は、基本的には、和田委員のおっしゃいますように、早く公団の自主救急体制を確立をしてほしいと思っております。ただいま、来年度予算の要求の時期でもございますので、私は、来年度には、高速道路につきまして、テストケースとして、御殿場で行なったようなものの普及化を一般的にやっていただきたいということを道路公団のほうにも私のほうからお話しをして、お願いをしてございます。しかし、その間のいろいろな問題があると思います。おっしゃいますように、財政上の問題もございます。したがいまして、私ども従前もそういう考え方でおりましたけれども、特に、高速道路が所在をしておりますために救急業務につきまして財政上の需要が高まってきているというところにつきましては、特別交付税によって措置をするという考え方でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 それじゃ今度は高橋局長にお聞きしますけれども、東北道には何台ぐらいの救急車がどこに貸し与えられるわけですか。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)説明員 先ほども申し上げましたが、栃木県鹿沼までの間に、埼玉県は久喜、加須、群馬県の館林、栃木県の佐野、栃木、鹿沼の六カ所になっております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 そうしますと、その六カ所の市町村に一応一台ずつ貸し与えられる、そしてあとは、消防庁長官がおっしゃった特別交付税で人員等の手当てをしてもらう、こういうわけですか。

宮澤弘消防庁長官

○宮澤説明員 何カ所かは、私のほうではございませんので、いま建設省からお答えになったとおりでございます。私申し上げましたのは、救急業務につきまして、高速道路所在の市町村で財政需要が増高しておりますところには特別交付税で手当てをいたしますと、そういうことでございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 今度は大臣にお尋ねしますが、結局、道路公団のほうから、各六カ所の市町村なら市町村に救急車を一台与えるわけです。貸すというけれども、ほとんど何に使ってもいいのだと思います。そして、特別交付税でそのほかの手当てはするとなりますと、必然的に、いわゆる道路公団自主救急というのが一歩後退してしまうような感じがするわけですよ。しかも、東名では現在試験中であるというようなこと。そうしますと、結局は、高速道路ができて、そして、確かに便利になるかもわかりませんけれども、それだけまた、人命の問題ですから、救急業務がふえる、すべてが地方団体にぶっかかってくる、こういうわけです。その点について、ひとつここで福田大臣から確答を得ておきたいと思いますけれども、東北道だけに固執して申しわけないのですけれども、大体いつごろ自主救急隊をつくるようにするか。自治大臣ですから、建設大臣のほうとうまくいかないかもしれませんが、特に、消防を管理していらっしゃる大臣として、つくらせるという確答をしていただかないと、いつごろできるのだいつごろできるのだと市町村はやきもきしている。いつまでたったって、東名ではいま試験中でございますということで、大蔵省では、なかなか主計官に予算をつけてもらえない。いつまでたっても同じような委員会の答弁ではしようがない。その辺について、ひとつどの辺でピリオドを打つかという確答をしていただいて、二十分しか時間がありませんので、残念ですけれどもやめなければならない。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 御質問の趣旨、御要望の趣旨はよくわかるところでございます。しかし、直接の予算措置の問題は建設省にやってもらわなければならないと思いますので、御趣旨を十分建設大臣に伝えて、その実現に努力さしていただきたいと思います。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 大臣の御答弁、わかりました。それでは、建設省からおいでになっていらっしゃる高橋さんに、もしお考えがありましたらおっしゃっていただいて、私の質問を終わります。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)説明員 ご趣旨を十分体しまして、大臣に申し上げたいと思います。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 次に、門司亮君。

門司亮民社党

○門司委員 ごく簡単に心がまえだけを、本質は非常にむずかしい問題だと思うので聞いておきますが、いま、政府の一番大きな目玉商品のような形で、総理大臣の例の日本列島改造論というのが盛んに言われてある。これをずっと一読しましただけでは、何が何だかわからない。少し悪口を言えば、大体いままでの罪悪史を並べたようなことで、よってきたる原因はすべていままでの政府にある。その政府の経済閣僚としての中心にあって、同時に党の幹事長を長くやってきた田中総理としては、みずからの罪悪史を書いたようなものだと読めばたいして気にもさわらないのですけれども、あれが実際の列島を改造するということになると、そこに問題があるので、これは一つだけ聞いておきたいと思います。  ああいう一つの構想にいこうとすれば、日本の政治、経済の型を変えなければできない。いまの資本主義の範疇で、どう考えてもああいうものができるはずがない。同時に、もう少し具体的に言えば、結局、国のあり方というのが、経済第一主義から福祉社会第一主義というような形で百八十度の転換をしない限りは、あの構想は、私は困難だと思う。一体、政府は、ほんとうに百八十度転換する意思があるのかどうかということ。これは総理大臣に聞いたほうがいいと思うので、一応委員長にもお願いしておくが、この問題はかなり大きな問題でありますので、機会があればひとつ総理に出てきていただいて、われわれの問題を聞いていただきたいと思いますが、こういうものを前提として考えますと、あの問題は、すべてが地方の自治体に関係のあることであります。だから、地方の自治体、都道府県や市町村を度外視した構想がどんなに立てられても、それを受け入れる市町村の体制というものができておるかどうかということについては非常に大きな疑問がある。この点で、自治省としては、ああいう大ぶろしきだか小ぶろしきだかわからぬが、とにかくふろしきを広げられて、そして、現在の都道府県や市町村の持っておる財政能力あるいは事務能力というようなもので受け入れられるという自信があるかないかということ。これはこの委員会にとっては非常に大事なことだと思うのですが、もしその辺の心がまえ等ができておるなら、ひとつこの際発表しておいていただきたいと思う。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 日本列島改造論というのは、総理もしばしばあらゆる機会で申し上げておるように、日本の国がここまで経済的に伸びてきた段階において、非常な過密な地域ができてきて、しかも、このままの状態にしておけば、公害その他がますますふえていくだろう、そこで、非常に狭い日本の領土、土地というものをもっとうまく利用する考え方でこの問題を解決していかなければならないのではないかという、こういう考え方に立って日本列島改造論というものを書かれたのであります。しかし、総理は、常に、もしこれにかわるよい案があるのならば、いつでも自分はその案をひっ込めてもいいのだ、その考え方をひっ込めてもいいのだということを発言されておるのでございます。問題は、これをどう実際の政治の面において運営をし、具体化していくかということでございまして、これについては、ただいま政府部内の各省においていろいろ検討を加えておるところでありまして、研究を続けております。自治省においてもまたしかりでありまして、一応この考え方をどう具体化して生かしていくかということについて勉強を続けておる作業中の段階でございます。  これは門司さんを前にしてそういうことを言っては失礼だが、門司先生は非常にまじめなりっぱなお方だと私はいつも尊敬しておりますので、門司先生からそういうふうに詰問されるような形で御質問を受けると、いささか辟易するというのもおかしいのでありますが、ちょっと困ったなという感じもしないわけではありません。しかし、あなたがいま仰せになるのは、いまのようないわゆる資本主義経済のやり方においてこの問題が解決されるとは思わない。それからまた、その場合においては、制度自体、いわゆる社会主義的なものの考え方で処理をしなければできないのではないだろうかということと、もう一つは、やはり地方自治体というものが弱体であるから、これにもっと力をつけておかなければこんな大きな構想は実現しないじゃないかというふうに私は承ったのでございますが、これは、究極へいきますとおそらく議論の分かれるところになると思うのでございまして、それをここで申し上げることは差し控えさせていただきますけれども、いずれにしても、われわれとしては、過疎過密の状態を何とか解決しながら、日本の経済をもっと伸ばしていくようにしたい。そしてその拡大均衡をしていく間において、いわゆる公平な配分といいますか、できるだけお互いの格差を是正する。もとよりこれは福祉政策に大きくつながるものでございますが、そういう観点でこの問題を処理していきたいというのが田中総理のお考えであり、また、われわれいま内閣に連なる者といたしまして、そういうような観点からいま作業を進めておるとお答えをさしていただきたいと思います。

門司亮民社党

○門司委員 私が聞いておりますのは、そういう議論をすれば実際はきりがないのですが、私、中を読んでみて、この機会に言うことが適当かどうかわかりませんが、たとえばこの前の国会で工業の再配置法のようなものもこしらえたと言うのですけれども、これは時期が非常におそいのです。法律をこしらえてもなかなかできない。こういう問題は時期的の問題であって、たとえば英国の工業配置法のできたのはたしか一九四五年だと思います。それから、その次に手直ししたのが五〇年であります。これはいずれも労働党の内閣であります。終戦直後であります。いわゆる荒廃し切ったイギリスの再建はチャーチルにまかしておけないということで、戦後の総選挙では労働党の内閣ができたことは御承知のとおりです。そのときの一つの大きな目玉商品として、英国は、この際工業の再配置によって、——これは工場再配置と私は解釈しておりますが、それによって社会、経済を改革していこう、と同時に、地方の自治体の力づけをしていく必要がありはしないか、いわゆる戦争経済から平和経済に移行する場合には、何も重工業経済だけが戦争のときのように中心でないはずだ、国民の生活に密着したいわゆる生産計画あるいは経済計画を立てるべきだ、それには従来のような工場配置では少し片寄り過ぎているということで、その当時イギリスの労働党がこの政策をとった時期と、いまの日本の時期とは非常にわけが違っている。日本のいまの時期というのはイギリスとは全く逆であって、産業中心主義の政策が行き過ぎて、都会に人間が住めないところまで追い込まれてしまった。そうしてそのあとで何とか考えようという一つの配置をどんなに考えても、資本主義の社会ではそれは無理だ。どんなにりこうなことを書いても、あるいは言っても、営利関係を主とした体制である限りはこれは無理だということしか考えられない。私は、この発想自身について、いまからでもおそくはないということばはありますけれども、多少時期おくれでいかんともしがたい時期に来ているのではないかということで、さっき申し上げましたように、発想の次元を、いままでの生産第一主義、いわゆる経済第一主義という時代から福祉社会建設に邁進するという大きな思想転換をする時期に来ていると思う。ところが、この問題は、そこまで来ると、あげてこれは地方の自治体の仕事になってしまう。自治体がそういうものを受け入れるかどうかということ。自治体がそういうものを受け入れて、はたして地方の地域社会が豊かになるかどうか等については、私は、自治体の選択がかなり重要なウエートを占めることになりはしないかということが考えられる。同時に、それらの問題を地方の自治体がこなすことのできる能力を一体持っているかどうかというと、自治体の本来のあり方にまで触れなければならない。ところが、田中構想を読んでみますと、府県の合併だとか統合だとかいうものはあと回しにすると書いてあるのであって、そこにちっとも触れておらない。一方、自治省では、きょうの新聞を見ていると、何か連合方式というものを考えておるようなことが書かれておる。こういうことをずっと考えてくると、いまの日本のそういう問題を解決しようとするには、地方の自治体の行政のあり方、あるいは行政組織のあり方等にどうしてもメスを入れないわけにはいかぬのじゃないか。そうしなければ過密とか過疎とかいうものは解決できないのじゃないか。二十五万都市なんてかってなことを書いているけれども、二十五万都市なんというものは一体どんなものが構想されているか。今日の情報化時代にあって、交通が非常に便利になった時代に、二十五万というものを限って、そこの中で仕事場もある、住宅もある、教育もそこで片づくというような、言うなれば地方政府というような形の自治体が適切であるかどうかということについては、もう少し検討する必要がありはしないか。ものの考え方を、何か、中央でものをこしらえて、それを地方の自治体に押しつけるというような形でこの問題を片づけられたのでは、日本の自治行政というものはほとんど考えられない。だから、少なくとも、日本の憲法が指向している地方の今日の行政のあり方というものについては、あくまでもやはり地方政府という一つのたてまえの上でなければあの田中構想というものは発展しないと私は思っているのです。ずっと読んでしまうとそういうふうに書いてあるのですね。大体一つの地域、二十五万という地域の中で、住居もそこにある、職場もそこにある、したがって、地方の自治体の住民の意識というものも伸びてくるし、と、こういうことが書いてあるのです。そうするには、単に二十五万というようなもので一体解決がつくかどうかということであって、自治省にはっきり聞いておきたいことは、二十五万構想というのはどういうものを意味するのか、どういう形でこれがよろしいのかということ。われわれのほうから言うと、田中さんの構想というものはそれが基本になっている。二十五万都市というものをつくれば、そこに工場もある、職場もあれば、寝るところもできて、そして日本列島というものは完全に改造されるのだという。結論はそうなっているのです。だから、結論のほうから聞いておきたいのだけれども、自治省はそれを受けて立って、一体どういうものが理想的だと言えますか。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 先ほども申し上げましたが、日本列島改造論は、一つの大きな転換としての提案をいたしておるということでありまして、そのうちで二十五万都市というのを一応一つの筋として考えてはおりますけれども、御案内のように、いろいろの自然状況というものがそれぞれの地域によって異なっております。したがって、それは、場合によっては、十万である場合もないとは言えない、あるいは二十万の場合もないとは言えない、三十万の場合もないとは言えないが、一応二十五万というものを標準にして考えてみようという考え方であると私たちは理解をいたしておるのでございまして、人口がそれぞれ、十万の場合、二十万の場合、二十五万の場合においても、いずれにしても、ここは農業関係の地域である、これは工場の地域であるというふうにいたしますと同時に、工場地域等々においては、敷地、工場建物の建蔽率等々できつくこれを押えていく、そして公害等がないように処理をいたす。こういうふうなことをする場合においては、やはり、企業がやっていきます場合には、どうしてもそれだけいままでとは非常に不利な面がございますから、そこで税制面等においてかなり優遇をするようにしていきたい。と同時に、交通関係を十分によくいたしまして、新幹線にいたしましても、あるいは高速自動車道にいたしましても、こういうところは全部通るような仕組みを早くつくる。先行投資を早くいたしまして、そして、それぞれのものが一つとして生きていけるような単位であると同時に、また、これが連絡しながらうまく経済の運営ができるように持っていきたい。こういうような構想であると考えておりまして、その趣旨でいまいろいろと作業をいたしておるところでございまして、二十五万というものを絶対と考えておるわけではございません。しかし、標準として考えておる、こういうことでございます。

門司亮民社党

○門司委員 二十五万で全部くくると言っても、別にくくれるものではありません。それから、田中総理の考えていることはよくわかりますが、最も大きな逃げ道として考えているのは懇談会だ。これは答申を求めないと言っておるところに、一つの大きな逃げ道、穴があいておる。これが、普通の審議会のように、答申を求めて、その答申によってということになるとめんどうになる。あれは答申は必要としないと田中さんは言っておる。意見を聞くだけだとおっしゃっているわけですから、そういうところに一つの大きな逃げ道が構成上にもつくってある。そこで、かわりを持ってこいというんだが、かわりを持ってこいというよりも、かわりを持ってくるようなことが議論されるようなことがあそこに書いてありますが、これを受けて立つには、自治省がどうこれを受けて立つかという構想を出すべきだということです。いま現に、さっき言いましたように情報化時代です。だから、政府が本気でやろうとすれば、ある程度、いまの理想の公害のないようなもの、あるいは事務的な仕事というものは地方に出せば出せるのです。現実にすぐにそこにあるのです。第一生命の本社が神奈川県の大井町に行っておる。これは二千人の従業員があそこに行っておる。公害もなければ何もない。机の上で仕事をしておりますから、多少の水の問題なんか、自治体の受け入れ体制は、これは必要です。だから、私がさっきも申し上げましたような能率あるいは能力、行政能力であるとか、あるいは財政能力であるとかというものがあるかないかということは、それらの問題を受け入れる体制が一体あるかどうかということです。と同時に、私がさっきから申し上げておりますように、いまの資本主義の社会でそれだけでやれないということは、企業が水道も持つ、水道は市町村のやっかいにならないで私のほうでやるというようなことが考えられるかどうかということ。学校も私のほうでやります、教育もやります、道路も私のほうでつけます、下水も私のほうでやりますというのならある程度いけるかもしれない。しかし、そういう仕事は全部地方の自治体の能力でしょう。おまけに税金でどうこう言っておりますが、一体そんなものの税の調整ができるかどうかということです。これはやり方によって、いまの公共企業体の中の、たとえば水道とかなんとかいうようなものについて、これをどう処置していこうかということについて考え方が私どももないわけではございません。しかし、自治省として受け入れる能力を一体どれだけ持っているかということです。やり方はありますよ。水道なんというものは、後世の住民が水を飲む計画についていまの住民が水道代を払っているのですから、あとから来る人は建設費を払わぬから、その建設費の幾ぶんかを背負わせてやろうということも理論的に考えていい時期ではないかと私は考えている。そういうことも一面考えられないわけではない。しかし、そのことだけで問題の処理ができるものではない。したがって、ただのアドバルーンだけならそれでけっこうですけれども、実際問題として、受け入れる地方の自治体がそういうことでやれるかどうかということ。  それから、私ははっきり言っておきますけれども、あの構想の裏にもう一つひそんでおるものは、府県の廃止論がひそんでおるということです。あの構想を進めていきますと、これはそうならざるを得ないということです。ここには、そこのところだけは、何かあとでというようなことが書いてあるわけでありまして、ちっとも触れておらぬ。したがって、いまの田中構想を推し進めていこうとするには、そういう意味で、地方の自治体の行政組織の変革が最後には必ず問題になってくると私は思うのです。その辺の問題をどうされるか。時間ももうありませんから申し上げませんが、たとえば、いま自治省が考えておる連合方式というようなものをとっていくのか。あるいは、府県、市町村の合併をとっていくのか。  いま、御承知のように、一部事務組合というようなものが非常にたくさんあるのです。この間ちょっと調べてみたら、日本全国で四千幾つかありまして、町村で平均すると大体一・五から一・七くらいの事務組合を持っておるようです。たくさん持っておるところは十ばかりも持っておるというようなこともないわけではありませんが、平均するとそういうことになっておる。こういう形でいまの自治体がやっている。それを連合体にしようというところに広域行政に対する一つの行政のあり方が出てくる。そうなってまいりまして、地方の市町村、基礎的団体というものが田中構想の中に書いてあるわけでありますが、この基礎団体が中心となってそれを行なっていこうとするには、どうしても府県の境界というものがじゃまになってくる。それから、水の問題を解決しようとすれば、これまた府県の境界というものがじゃまになってくる。道路の構想にしても、府県道というものを中心にいままでやってきたけれども、府県道と国道との調整を一体どうするかという問題が当然出てくる。同時に、これらの問題も、すでに府県道という形でなくして、やはり全体的の一つの大きな構想が必要になってくる。こういうふうに考えてくると、この問題を推し進めるにあたっては、自治省の考え方がはっきり中心になっていないと、地方住民に対する福祉国家の構想は困難であろうと私は思う。いわゆる産業第一主義で来たのでは地方の自治体は非常に迷惑するのですから、どうしても構想を実現しようとすれば、この構想を変えて、福祉行政を中心とした地方自治体の行政能力の培養、地方自治体の財政能力というようなものを先に考えて、そして、環境整備をまず行なったあとでなければこの問題の解決はつかないのじゃないか。こういう気がするのでありますが、それに対する財政処置その他が来年度の予算要求でどの程度考えられるのか。いま概算要求が大体済んでおるのじゃないかと思うのだが、来年度の予算要求でそういう面をどの程度まであげられておるか。おわかりなら、この際発表しておいていただきたい。いわゆる環境整備に対する予算要求……。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 例の、審議会にしないで懇談会にしたという意味、これは答申を得ないでやっていくというところに一つの意味があるのじゃないかというようなお話がございましたが、実はそうじゃないので、審議会にしますと、答申を得ないうちは何もできません。そこで、懇談会にしておいて、やるべきもの、早くやれるものはどんどん政府としてやっていくのだという意味です。そういう意味で仕事を進めてまいりたいというのが今度の懇談会の趣旨である、こういうふうにわれわれは理解をしております。  それから、地方自治体を強化しなければいけないということでございますが、われわれとしては、何としても、先行投資、すなわち、交通関係とか港湾等々、将来どうしても必要なそういう施設に重点を置いて先行投資をするということを考えておりますと同時に、過密都市にこれ以上人口が増加しないように、最小限そうする。そして、できれば、間引きといいますか、あまりにも過密なところからは人口の移動が行なわれるような方策をある程度順次とってまいりたい。こういう考え方をいたしておるのでございます。先生がお話しのように、自治体の能力を強化しなければできない。自治体の能力の強化ということが必要であるという意味におきましては、今後いかなる政策をとります場合においても、自治体の強化というものは大事な問題だと思いますので、われわれは十分その点も考慮して施策をしてまいりたいと存じております。  なお、どのような構想、どのような施策があるかということにつきましては、政府としては、御案内のように、例年は八月末で予算の概算を提出するのでありますが、ことしは重点事項は九月末までに出してよろしいというふうに閣議で方針を変えておりまして、それまでに重点施策は出してよろしい、こういうことでございます。なお、この間は、総理が、九月以降であっても、非常に必要なものについては、総理自身の発議において予算の要求をする考えであるということを明らかにされておるのでありまして、政府として、非常に積極的に、また、早急に構想を具体化してまいりたいという考えでおることを御理解を願いたいと存ずる次第であります。

門司亮民社党

○門司委員 これでもうやめますけれども、ただ、一言だけ最後に申し上げておきますが、いずれの行政機構の改革その他でも、迷惑をするのは地方の自治体であります。しりぬぐいということばはあまりいいことばではございませんけれども、結局、終末処理だけは地方自治体が背負わなければならぬのです。このことを忘れられて、ただはなやかなところだけとって議論されたのでは、また、実行されたのでは、地方の自治体が非常に迷惑すると思うのです。今日の実態だってそうなんです。好んで地方の自治体が人間を集めたわけじゃないのですよ。住民を募集したわけじゃないのです。政府の施策が、集まるような施策をしたから集まったのであって、人間がいなくなったところは、好んで出ていった人は一人もいないわけです。社会がそうなったのだ。それを変えようというのだから、その根源になっておる地方の自治体のあり方というものについて、自治省は特に注意をしてもらって、あまり中央に迎合しないように、自治大臣は特に気をつけて見てもらわなければ、いよいよしまいに困る問題が出てくるようになりはしないかという気が私はするから申し上げたのであります。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 林百郎君。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 時間が二十分というわずかな時間ですので、自治大臣の所信表明を根本的にお聞きしたいのですけれども、私は、非常に具体的な問題だけ二十分の時間の範囲内でお聞きしたいと思います。  先ほど、自治大臣の答弁をずっとお聞きしていますと、やはり、日本列島改造論の大きな方向に沿った自治行政を考えていられるということははっきりしていると思うのです。日本列島改造論の特徴的な点をあげてみますと、大きな筋は、東京圏大阪圏、名古屋圏、国土の一%に人口の三二%、三千三百万人が住んでいる、これを、工業をてこにして地方開発をしていく、それで太平洋ベルト地帯とその他の地域の格差を除く、こういう方向をねらっていると思うのです。  さて、そこで、工業をてこにして地方開発をし、超過密地帯を適正に規制をしていくという方法ですけれども、これは根本的な問題を聞いていると限りがありませんので、非常に具体的なことをお聞きしますが、きょうの新聞を見ますと、自治省の考えが発表されて、昨日自民党の地方行政部会で説明があって、大石委員がそこにいらっしゃいますが、地方行政部会の大石部会長の了解も得たと出ておりますので、その点についてお聞きしますが、過密都市を規制していくために都市整備税を新たに考えている、そして、それによって、事務所、工場の地方分散の促進と大都市再開発の財源を確保したいとして、額にして一千億という数字まで新聞には出ておりますが、こういう都市整備税というような構想はお持ちになっているのでしょうか、どうでしょうか。大臣からひとつお考えを聞かせていただきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 そういう構想をいまのところ考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 考えておるなら、どういう構想か、もう少し御説明を願いたいと思うのです。新聞を見ますと、通産省の工場追い出し税、妙な名前ですけれども、工場を分散させる税金と、それから首都圏整備委員会の事務所・事業所税などと調整して、そして、これを税制調査会にはかりたいというようなことも出ておるのですが、大体そういう構想を考えているなら、その大臣の構想をここでなるべく具体的に御説明願いたいと思うのです。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 これは、いま、筋としてそういうものを考えておることは、先ほど申し上げたとおりでありますが、御案内のように、これらの問題を順次煮詰めていくのは、これからの省内における事務でございます。それを詰めないうちは——考え方としてはそういうものでいく。大きく言えば、いまおっしゃったように、二千億円かけまして、そして一千億円は過密都市に残しておいて、そして住民の福祉増進と公害除去というものを考えていく、一千億円は、地方へ分散したものの地域の負担を持ってやる、こういう考え方でおるわけです。しかし、いまあなたの御指摘になったように、通産省とかその他においてもいろいろ考え方がございます。これらもありまして、いま、まだ、政府としての確たる意見はできておらないわけであります。それはこれから詰める段階にあります。大きく言って、構想として言えとおっしゃれば、いま私が申し上げた程度までわれわれは目下考えておるということで、まだ、こまかい具体的なことまではそう煮詰まっておるわけではございません。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それでは事務当局に答弁を求めますが、構想はいま大臣からお聞きしたのですが、なお、きょうの新聞、テレビ等によりますと、この都市整備税を国税として——たぶん国税とするのじゃないかと思いますが、この点も、地方税とするのか国税とするのか。これを、新都市圏整備特別会計を創設して、そしてこれに入れる。そして、その使途については、いま大臣から、旧過密都市に半分、新しい分散都市の方向へ半分、二千億円を分けるという大筋のお話がありましたけれども、とにかく、新都市圏整備特別会計を創設する。そして、地方都市圏を建設するほうへ使うものについては、交付税や分散工場の優遇措置に伴う固定資産税の減収の補てん等に充てたいと思うというようなことも新聞に出ておるわけなんですが、事務当局から、さらに、それじゃ大臣の構想がどの程度なお具体的になっているかをお聞きしたいと思います。

森清自治大臣官房審議官

○森説明員 ただいま大臣からお答え申し上げたとおりでございますが、昨日自民党で説明しました案というものも、一応自治省事務当局で検討いたしまして、これから政府部内におきまして、関係各省のそれぞれいろいろな案が出てまいりますが、それと調整をはかるという意味で出した案でございます。そういう意味におきましては、政府といいますか、自治省において十分固まった案ではないということをまずお断わりいたしておきたいと思います。  現在検討いたしております事務所・事業所税というものの概要でございますが、大都市地域の再開発というものと、それから、いわゆる地方分散の考え方に従った新都市圏の整備促進をはかるというものと、この二つの目的をもって、地方税としてこの税を創設したいということでございます。したがいまして、課税団体は、東京都、それから指定都市、それから工業再配置促進法に指定する移転促進地域というものを含んでおる市町村ということで、その市町村が税金を取るということになっております。それで、先ほど申されましたとおり、その半分は、その取った市町村自体で、都市の再開発なり、あるいは公害防止とか、福祉向上ということに使うわけであります。そのあとの半分を、触れられました新都市圏整備特別会計に納入をしていただく。そして、新都市圏の特別会計から、今度新しくできるであろう、分散していくところの新都市圏の開発整備に支出をしていくということでございます。  ちょっと触れられました固定資産税の減収補てんにつきましては、これは、この会計から出るのでございますが、その財源は、この都市整備税ではなくして、国の一般会計から繰り入れてもらって、それから出すようにしたいと考えております。  課税する方法でございますが、その課税団体の区域内に所在する事務所・事業所に対して課税するということでございます。納税義務者は、その事業を行なう者でございます。  課税標準の取り方でございますが、これは、いわゆる通産省で言えば、工場追い出し税的な考え方もありますし、そのほか、適正な人口あるいは事業の再配置というふうなこと、あるいは、東京をはじめ大都市の過密抑制というふうなこともございますので、いろいろな考え方があろうかと思いますが、そういう要素をうまく満たしながら、しかも、都市の再開発、都市財源の充実という目的もあわせて持つわけでございます。そういうことを考えますと、ただいまのところ、固定資産評価額といいますか、固定資産税額というふうなものも一つの標準になるのではないか。また、もう一つは、そこに人口が集中しているということに着目いたしまして、そういう従業員というふうなものも一つの課税の基礎になるのではないか。それから、やはりそこで相当な所得をあげておられるわけでございますし、また、担税能力の面から言っても、そういう所得の額というものも標準にしていいのではないかというふうなことも考えておりますが、これもどの程度のものを課税するかどうかということは、この特別会計の規模、逆に言えば、新都市圏の整備事業の規模というふうなものとも関連いたしますので、われわれ一番大きく取るといえば、先ほど大臣から申し上げましたように、二千億という案もありますし、その他財源のあり方と関連しながら税負担をきめていきたい、このように考えております。  当初にお断わりいたしましたとおり、ただいま、事務当局で検討いたしまして、関係各省ともまだ煮詰まっていない案でございますので、そういう方向を見ながら、今後案を煮詰めていきたい、このように考えておる次第でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 この税の性格がちょっとよくわからないのですが、大臣から二千億という一つのめどが出たわけですけれども、二千億というめどが、何を基準にしてどういうところから出たかということ。これはまあ大臣にあとから説明していただきますが、森さんの御答弁によりますと、現在過密になっている都市から二千億徴収しまして、そして、一千億はその徴収した過密都市に投入する。あと一千億を新しい開発都市のほうに入れる。そうすると、これは国税として徴収するわけになるのですか。地方税として徴収するわけになりますか。その辺の性格がちょっとわかりませんので、説明していただきたいと思います。

森清自治大臣官房審議官

○森説明員 税はあくまでその都市が課税をして徴収しますので、これは地方税でございます。地方税で徴収した額の半分を国に納めていただいて、国の会計を通じて他の地方団体に配っていくということでございますので、いまの交付税の逆のような形になるわけであります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、新都市圏整備特別会計という会計は、どこの所属の会計になるわけなんですか。

森清自治大臣官房審議官

○森説明員 これは、もちろん国の特別会計でございますので、そういう案を私のほうで立てておりますが、自治省と大蔵省で所管するということになります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、徴収した二千億というのは、一応国の特別会計である新都市圏整備特別会計へ入れて、そしてやるんですか。それとも、その新都市のほうへ投入するものだけが新都市圏整備特別会計に入るのですか。その辺のところを……。

森清自治大臣官房審議官

○森説明員 説明が十分でなくて申しわけございません。その都市で、たとえば五百億なら五百億円の税収入がありますれば、二百五十億円だけを国に納めてもらいます。したがって、その金があっちこっちの団体から入ってきて千億なら千億になりますと、その千億が、今度は一定の基準に従って、また新都市のほうに回るわけでございます。徴収した団体からいえば、半分だけ納めて、そのあとの半分は、都市の再開発なり、その他公害防止とか、そういうものに使われるということでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 わからなかったんですが、そうすると、都市が徴収したものは、一応全部新都市圏整備特別会計に入れるのですか。(発言する者あり)簡単にそうもいかない。そうじゃないのですか。そこのところをもう一度……。

森清自治大臣官房審議官

○森説明員 入れないのでございます。半分だけ入れるのです。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 半分だけそこへ入れて、それは国が握って、新しい開発都市のほうへ今度は国の手を通じてそれを入れる。要するに、交付税を逆にしてやるのだ。山本委員からも不規則発言で、ここでさっきからアドバイスがあるわけなんですが、そういう方向だということですか。そうすると、新しい税体系になると思うのですけれども、そういうことですか。

森清自治大臣官房審議官

○森説明員 いままでにない新しい方向でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 なおいろいろ聞きたい点がありますが、あと五分しかありませんので、一、二点伺って終わりたいと思います。  これもまあ、新都市を開発する。二十万から四十万新都市、あるいは新都市圏といいますか、その辺もはっきりしませんが、二十万から四十万の新都市あるいは新都市圏を建設して、そうしてそこへ過密の企業を移すということなんですけれども、これは御承知のとおり、日本列島改造論によりますと、昭和六十年までに、工業は、国民総生産を新全総の一・五倍の急ピッチであげていく。そうして三百四兆円にする。現在の四倍以上にする。これは、かつて、前大石環境庁長官が、閣議で、今日の公害の元凶は新全総であるということを言って、これが閣議でいろいろと突き上げられて、自己批判をしたという事実もありますが、こういう新全総の一・五倍の急ピッチで現在の国民総生産をあげていくということになりますと、その企業がどこへ移ろうと、公害ということを考えなければならないと思います。そういう公害というようなことを考えまして、あるいは四日市判決もあったし、富山の三井金属の判決もあったばかりなんですけれども、新聞によりますと、何か土地利用計画を策定する、そうして土地利用計画法を、これは建設省が主管としてつくるけれども、自治省としてもそういうことを考えるのだということが新聞に出ておりますけれども、土地利用計画法というようなものをお考えになり、そしてこれを実施するという構想があるのでしょうか。これは建設省の所管ですけれども、田中内閣の国務大臣として、福田さんにお聞きしたいと思います。なるべくそれも具体的にひとつ御説明願いたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○福田国務大臣 いま仰せになったような構想を持っておるわけでございます。しかし、それをどういうふうにするかということについては、まだ具体的にきめておりませんから、こまかい説明をせよとおっしゃっても、ちょっといまはいたしかねるわけでありますが、考え方として、そういう考えを持っておるわけであります。  もう一つ。六十年までにいまの生産の一・五まであげて三兆幾らにする。これは一つの基準でありますが、要するに、日本の経済をまだまだ伸ばしていこうということであります。はたしてそのとおりいくかどうかは、それはまだいろいろの事情も出てきますから、そのときによって変化するでしょう。変化するでしょうが、しかし、それをやっていきます場合にこれ以上都市で新しい工場などをつくるということは、非常に困難なような状況に税制その他で追い込んでいきたい、そして、いまあるものを、できるならば外に出したい、その受け入れ体制を地方においてつくりたい、これから新しくできるものはできるだけ地方においてつくるようにしたい、こういう考え方が根本になっておると思うのであります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それでは、これで私の質問を終わりますが、土地利用計画法というものの中には、具体的に土地利用計画を策定するとか、工場などの環境整備基準を設けるとか、工場及び住宅団地の立地規制をするとか、そういうようなものを盛り込んで、そして、この裏づけ的な予算的な措置をして予算の概算要求もする、そういうような内容を持ったものになるわけなんでしょうか。要するに、土地利用計画といっても、どういう内容で、どういう規制力を持っているのか、これは大臣の答弁だけではちょっとよくわかりません。もし事務当局でわかっていたら、その点も、内容をなるべく具体的に説明をしていただきたい。  私の質問はこれで終わります。

横手正自治大臣官房企画室長

○横手説明員 ただいまの土地利用計画の関係でございますが、この点につきましては、国土の合理的な利用をはかるための土地利用計画法的な法律の制定が必要ではなかろうかということで、建設省その他と協議を続けてまいっておるところでありますが、私どものほうの省としては、一応の考え方といたしましては、国が定める国土利用の基本方針に基づきまして、都道府県知事が土地利用計画を策定する。こういうような手続を踏みまして、その際の土地利用計画の内容でございますが、これは、都市的な、いわゆる都市計画区域、それから自然保護等で必要な保全区域、農業用の利用に充てる農業区域、その他の開発調整区域、こういったような四つの区分分けで考えればどうだろうか、こういう考え方を持っております。  なお、いま申し上げましたような点につきましては、おおむね建設省も同様の考え方を持っておりまして、相協力いたしまして法制化に取り組んでまいりたい、かように思っております。  なお、工場等の立地規制の関係でございますが、これは通産省のほうで、工場法あるいは工場立地法といいますか、そうしたような法制化を検討されておられますが、これにつきましても、私どものほうでは、一定規模以上の工場団地、こうしたものの新規立地につきましては、すべて都道府県知事の許可が必要だということにしてはどうだろうということと、また、別な面で、工場等の環境整備基準というものも設けまして、これによって工場の立地についての規制を強化する、こうした内容を織り込むべきではなかろうか、こういう考え方を持っておりまして、これも通産省と今後協議を続けてまいりたい、このように思っております。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後零時十四分散会

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