災害対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 244 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/07/27
会議録
○高田委員長 これより会議を開きます。 まず、理事の補欠選任についておはかりいたします。 去る七月七日、理事稲葉修君、七月十二日、理事内海英男君、理事古内広雄君、七月二十日、理事小宮武喜君が委員を辞任されましたので、理事が四名欠員になっております。この際、その補欠選任を行ないたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高田委員長 御異議なしと認め、委員長は理事に 小澤 太郎君 大西 正男君 藤尾 正行君 小宮 武喜君を指名いたします。 ————◇—————
○高田委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。 まず、昭和四十七年六月上旬からの断続した豪雨による被害状況調査のため、七月十三日から十五日まで三日間熊本県並びに鹿児島県及び宮崎県に、七月二十日から二十二日まで三日間広島県及び島根県に、七月二十日から二十一日まで二日間愛知県及び岐阜県に当委員会より現地に派遣されました委員から、順次報告を聴取することにいたします。 まず、熊本班につきましては、便宜この席から私が御報告いたします。 昭和四十七年六月上旬からの断続した豪雨による被害状況調査のため、去る十三日から三日間熊本県に派遣されました委員を代表して、調査の概要を御報告申し上げます。 派遣委員は、自由民主党の森美秀君、委員長の私、高田富之、公明党の桑名義治君、民社党の小宮武喜君で、ほかに地元選出議員多数の御参加を得、現地の実情を調査してまいりました。 熊本県では、六月中旬から七月上旬にかけ断続的な集中豪雨に見舞われ、人吉、球磨、城南地方を中心に大きな被害が発生、さらに七月六日には、天草上島地区を中心に驚異的な局地集中豪雨に襲われ、言語に絶する被害を受け、死者、行くえ不明百二十二名、被害総額約三百四十余億円という、昨年にまさる激甚な被害となったのであります。 本日は、時間の関係で、被害状況及び要望事項等の報告書を、別途本委員会議録の末尾に参照として掲載していただくこととし、被害が激甚でありました地域を中心に重点的に御報告いたします。 天草上島地区の被害は想像を越えたものであります。きわめて短時間に二百八十ミリという異常集中豪雨により、念珠岳、竜ケ岳、矢筈岳等がことごとく山くずれを起こし、沢という沢から濁流、土石流が集落を襲い、住家、農地を埋め尽くし、道路を寸断し、姫戸、竜ケ岳、倉岳の三町だけで、死者・行くえ不明百十名、住家の全半壊五百四十六戸、被害額が約百四十億円にのぼり、自治体として再起不能な打撃を受けております。 調査団は、自衛隊第八師団の協力を得、上島地区を視察してまいりました。姫戸町では、約四十二億円で、同町の予算規模の約十四倍という数字にのぼり、二間戸地区では十七戸が全壊、三十戸が土砂に埋め尽くされており、神代地区では、約八ヘクタールの水田は土石の川原と化し、西川内地区では二十七戸が巨石の流出により全滅し、二十九名の生命が奪われております。 竜ケ岳では、死者・行くえ不明三十六名、住家二百八十三戸が全壊、農地の三分の二が流出、約三十三億円の被害を受けており、特に東風留地区では土石流により七十戸が全半壊、高戸地区脇浦では、三十戸が全滅するという惨状であります。また、同町では、今回の災害の救助活動に大きな役割りを果たした町立天草病院が大きな被害を受けており、これが復旧に国の格別な援助を必要としております。 倉岳町でも、予算規模の約十八倍に当たる約六十三億円の被害を受けており、西之原地区、名桐地区とも、土石が農地を埋め尽くし、住家を押し流し、現状に復旧することが不可能で、住みなれた島を離れ、都会の親戚に身を寄せる人たちが続出しているありさまであります。 また、栖本町、松島町でも住家、施設、農地等に大きな被害が発生しております。 これら天草上島地区の被害は、災害史上まれに見る惨状で、百十五名というとうとい犠牲者のほとんどが老人、女性という過疎の悲劇であります。調査団にとってのせめてもの慰めは、先生や職員の適切な判断で、寸時の差で多数の生命が助かったという姫戸小学校牟田分校、大道中学校、松島町立老人ホームの話題でありました。 調査団は、熊本県庁における説明聴取をはじめ、御船町、嘉島町、益城町、城南町、富合町、人吉市及び球磨郡十三町村、八代市及び八代郡七町村、小川町、松橋町、豊野村、中央村等から被害状況、要望事項等を聴取、それぞれの被災個所を視察してまいりましたが、詳細は別途報告書に譲ずることといたします。 次に、調査団としての所感を申し述べます。 まず、第一は、天草上島地区に見られます全町壊滅的な被害を受けました自治体に対しては、従来の災害復旧制度だけでは対処し得ないことは明らかであります。大幅な改良復旧とともに、地域の実情に応じ、集団移転、生活環境の整備、生活手段の確保等をセットにした総合的な町づくりを強力に実施しなければ、住民は生活を続けることが不可能であります。これがため国は特別の財政援助を行なうべきで、制度的限界があるならば、特別被災地域の救済に関する特別措置として、立法化を検討すべきだと思います。 第二は、個人災害の救済についてであります。特に、住家の被害に対する救済措置を早急に検討すべきであります。見舞金だけでなく、無利子、長期の再建資金等を融資する制度を確立すべきであります。また、中小企業者及び農漁業者に対する災害融資についても、その条件等を大幅に緩和する抜本的改善を早急に行なうべきであります。 第三は、被災者は、当面の生活資金に困窮しております。救農土木事業をはじめ現金収入の方途を早急に配慮すると同時に、農業共済金の概算払い等をできるだけ早急に実施する等生計の立つ方策を講ずべきであります。 第四は、中小河川等の改修についてであります。山くずれ、土石流による被害以外のほとんどの原因は、中小河川のはんらんによる破堤、溢水によるもので、いずれも昨年に引き続いた被害であります。予算のワク等種々な問題もありましょうが、災害常襲地帯としての特殊性もありますので、栖本川、胸川、浜戸川等の改修、球磨川金剛橋、八の字堰の復旧について、特に配慮するよう要望しておきます。 最後に、今回の天草上島を中心とした被害は、現行の災害対策の諸制度では対処し得ない壊滅的なものであります。これが復旧、再建にあたって、政府は、従来の災害対策に対して思い切った発想の転換を行ない、制度を災害に合わすという精神で、あらゆる施策を迅速かつ強力に実行すべきであります。 また、この機会に、現行災害関係の制度、法令について総点検を行ない、国民の生命と財産を災害から守る新しい制度を創設すべきでありましょう。 終わりに、今回の災害で、親や身寄りを失った多数の気の毒な遺児がおります。この方々が将来希望を持って生きられるよう、国及び関係団体は、親身になって援助、救済に当たるよう切望し、報告を終わります。(拍手)
○高田委員長 次に、鹿児島及び宮崎班、中山利生君。
○中山(利)委員 鹿児島、宮崎班につきまして、御報告申し上げます。 派遣委員は、自由民主党の私中山利生、公明党の大橋敏雄君及び民社党の合沢栄君のほか、現地参加の議員多数の御参加を得て去る七月十三日から三日間、現地の実情をつぶさに調査してまいりました。 鹿児島、宮崎地方におきましては、今年は梅雨前線が、異常に活発で、六月十一日から十二日、十七日から十八日、二十六日から二十七日及び七月三日から六日までと四度にわたり、そのつど二百ミリから六百ミリの異常な豪雨があったのであります。このため両県内の各河川が至るところではんらんし、山地の崩壊が頻発し多数の死傷者を出したのをはじめ、家屋の倒壊、流失、浸水、堤防の決壊、道路、鉄道の寸断、農地の冠水、埋没、流失等甚大な被害が発生したのであります。 両県からの報告によります被害状況は、鹿児島県におきましては、死者十一名、負傷者五十六名、住家の流失百二十二棟、全半壊四百六十九棟、床上・床下浸水一万五千六百九棟、土木関係五十九億円、農業関係四十七億円、林業関係十四億円、商工関係十億円、その他の被害を合わせまして、被害総額は百六十三億円となっております。 宮崎県におきましては、死者・行くえ不明八名、負傷者十九名、住家の全半壊九十三棟、床上・床下浸水三千五百十八棟、土木関係五十七億円、農業関係二十億円、林業関係九億円、その他の被害を合わせまして、被害総額は九十億円となっております。 調査団は、鹿児島空港会議室におきまして、鹿児島県当局等から被害状況の説明を聴取した後、引き続き同県内各地の被災地を視察したのであります。すなわち、栗野町の川内川に合流する綿打川、丸池川の内水による同町の浸水状況、稲葉崎の上流市街地の浸水原因となっている川内川の轟の狭窄部の状況、菱刈町の湯之尾市街地の浸水状況、大口市の水の手の破堤状況、大島地区のがけくずれの現場、大園井堰の流失現場、出水市の平良川、阿久根市の尻無川、川内市の高城川、平佐川、隈之城川等の中小河川の災害状況、東郷町の樋渡川、松田川の内水による舟倉地区及び樋脇場の倉野地区の浸水状況、鶴田町の神子地区のがけくずれ、夜星川、浦川内川の災害状況、薩摩町の求名の山地崩壊及び農地の埋没状況、宮之城町の被災地と順次視察したのであります。 特に鹿児島県における今次の災害で最も大きな被害を出した湯田の温泉街の状況は、六月からのたび重なる豪雨によって水位が上がっていた川内川上流の鶴田ダムは、七月六日には、洪水調節の機能を失って二千二百六十トンをこえる流入量がそのまま流出する状況となり、同日午後二時過ぎ、湯田の温泉街は、国民宿舎さつま荘の残骸をとどめるのみで、百二十一棟があとかたもなく流失し去ったのであります。同町の川原、虎居の両地区におきましても、この出水のため軒下まで冠水する被害を受けたのであります。被災住民は、今度の洪水は鶴田ダムの洪水調節の問題だとして、ダムに対する不信、不満は絶頂に達しており、これが解決は急を要する問題であります。 次に、宮崎県におきましては、えびの市眞幸の現地対策本部におきまして、宮崎県当局等からえびのの山津波をはじめ県下全般についての説明を聴取したのであります。 えびの市眞幸の山津波は、七月四日から六日までに同地域に四百ミリをこえる集中豪雨が降ったため、山地がゆるみ、六日午後二時過ぎ一大音響とともに、高さ三百五十メートル、幅二百八十メートル、流出土砂は実に三十万立方メートルが一・五キロにわたる大規模のもので、同部落二十八戸を一のみにしてしまったのであります。最初六十名もの多数が行くえ不明となりましたが、この山津波の徴候を察知した地元警察、区長、消防団等の必死の避難、誘導によって、四人の行くえ不明者のほかは無事であることが判明したのであります。この決死の誘導によって多くの人命を守った区長はじめ警察、消防団の功労は、長く歴史にとどめたいと存じます。 えびのの現場を視察の後、小林市のえびの−小林−牧園線の道路損壊現場、高原町、下町の林地崩壊状況、高崎町谷川用水の埋没個所、都城市の丸谷川の決壊状況、山田町木之川内の林地崩壊、農地埋没等の災害現地を視察したのであります。 以上両県内の各災害現地を視察し、現地におきまして、市長、町長はじめ関係各位から多面にわたる要望等がございましたが、本日は時間の関係上、これらの調査の資料を委員長に提出をし、要望事項につきましては、本委員会会議録に参照掲載のお取り計らいをお願いいたします。 最後に、今次の調査におきまして感じました諸点について、その要点のみを申し上げます。 第一は、連年災害を起こしております川内川の抜本的な治水計画を樹立し、全面改修を早急に行なうべきであります。 第二は、鶴田ダムは洪水期においては、防災ダムとしての目的を完全に果たすため、水位を百三十メートルまで下げるよう措置すべきであります。 第三は、未改修の中小河川の改修の促進をはかること。特に同地方はシラス地帯であるため、中州、寄州がはなはだしく川幅を狭めている現況から、これが排除について特別の措置を講ずべきであります。 第四は、栗野町等の内水排除及び湯之尾バイパスの早期着工を促進すべきであります。 第五は、シラス地帯、急傾斜地における森林の広域にわたる伐採については、保安上から検討をすべきであります。 第六は、えびのの山津波に襲われた部落や、連年浸水におかされている住民の中には、移転の希望が多いのでありまして、これが援助措置について制度の確立をすべきであります。 第七は、個人災害についての救済制度の確立をはかるべきであります。 以上でありますが、今度の調査に御協力をいただきました関係各位に対しまして厚く御礼を申し上げて、報告を終わります。(拍手)
○高田委員長 次に、広島及び島根班小沢一郎君。
○小沢(一)委員 広島県及び島根県の調査団を代表して御報告申し上げます。 去る二十日から三日間、高田委員長をはじめとし、自由民主党の私小沢一郎、公明党の古川雅司君及び日本共産党の津川武一君並びに地元選出議員皆さまの御参加を得、現地の実情をつぶさに調査してまいりました。 本日は、きわめて時間が限られておりますので、調査の経過、被害状況、要望事項等につきましては、別途報告書を本委員会会議録の末尾に掲載していただくことにいたしまして、最も被害の激甚な地域の実情及び調査団が率直に感じました諸点について、重点的に御報告いたしたいと思います。 島根県では七月九日から十三日にかけ、梅雨前線の移動に伴う集中豪雨に見舞われ、河川のはんらん、山くずれ等により、同県の約半数にわたる二十一市町村に災害救助法が発動され、死者・行くえ不明二十八名、総被害額七百十三億円にのぼる同県始まって以来の災害となっております。 被害は斐伊川、江の川、高津川水系等をはじめ県下全域にわたり、特に江の川水系では住家、道路、鉄道、農地等に壊滅的な被害を受けております。 中でも邑智郡桜江町では桜江大橋をはるかにこえる江の川のはんらんにより、沿岸の各集落はことごとく水に流され、全半壊、流失が約五百戸にのぼり、同町のおもな産物である養蚕の桑園が約百十ヘクタール全滅し、町役場、駅等公共機関も機能を停止しているありさまです。同町の本年度の予算規模は約四億円、標税二千七百万円に対し、被害総額は約六十七億円という甚大なもので、昨年に引き続いた災害でこれが復旧再建には、国や県が抜本的な措置をとらなければ立ち直りは困難であり、きわめて憂慮される状態であります。 川本町においても同様の状況であります。江の川の同町における洪水量は、毎秒一万トンをこえる有史以来のもので、同町江の川沿岸の未改修部分が破堤し全域が濁流の中に水没、一千世帯三千五百人の被害者は住家、商品、農地等生活手段や全財産を失い、再起不能の人々が続出、中には気のふれた方々も発生するというまことにお気の毒な状態であります。 このほか、江の川水系で、大和村、邑智町、羽須美村等でも大きな被害の発生を見ております。おそらく同水系で、約三百億円程度の被害があったと推定されますが、かりにこの三分の一の予算で重点的に江の川水系の改修を行なっていましたなら、被害は限られたものであっただろうと予想され、また、高津川水系も、各所に洪水による堤防の決壊、道路、鉄道の寸断、農地の流埋没、山くずれによる住家等の埋没等の激甚な被害が発生しております。特に、同地域の被災町村は過疎対策が軌道に乗ったやさきの災害であり、立ち直りに苦慮しているようであります。 日原町、柿木村等では、特産物のワサビ及びシイタケが被害を受け、農家が農業に対する意欲を喪失しており、なお、左鐙、木部谷地区の被災現場を見てまいりましたが、これらの救済には万全を期すべきであります。 三隅町では、地すべりにより大きな被害を見た倉掛地区の集団移転等について、六日市町、津和野町当局からは、国有林の保護と保安林の改善について強い要望を受けてまいりました。 なお、今回日程の都合で調査できませんでした宍道湖周辺、松江市等においても、床上浸水、農地の冠水等甚大な被害が発生したとのことでありました。 広島県では、最も大きな被害を受けた三次市及び庄原市を視察してまいりました。 三次市では、十一日、早朝には、馬洗川及び西城川の堤防の決壊、また北溝川及び片丘川の小河川の温水により、市内の約八〇%の住家が床上浸水、商店街をはじめとして大きな被害が発生し、特にごみ処理の補助の拡大について要望を受けてまいりました。同市は、広島県下中央部の各河川の集中地点であり、これらの洪水対策についての抜本的な対策が必要であります。 庄原市は二百五十年来の被害で、同市周辺の集落が山くずれ等によりことごとく孤立、住家の全半壊及び中小河川のはんらんによる道路の流失及び農地の流埋没、頭首工の被害が大きく、市当局は赤字直前の予算をかかえ、とほうにくれている状態であります。 また、同県では洪水時の太田川水系のダムの放流について住民から問題が提起されておりますが、住民に不安を与えないよう万全を期すべきであります。同県の被害は、三次市をはじめ二十五の市町村に災害救助法が発動され、総額は約四百億円に達しております。 次に、調査団の所見を簡略に申し述べたいと思います。 第一は、荒れ狂った江の川水系等の被害をまのあたりに見て率直に感じましたことは、激甚法の適用とか天災融資法の発動ということ等で対処できる性質の被害ではありません。この災害は現在の災害対策のあり方に疑問を投げつけ、為政者に反省を求めた災害であります。われわれは、この機会に政治の原点に返って考え直すべきであります。 第二は、早急に江の川及び高津川水系の抜本的改修を行なうべきであります。また、江の川の治水対策にあたっては、流域の町づくり、産業振興策等を総合的に検討し、再びこのような惨状を繰り返さないようにすべきであります。同地域には壊滅的被害を受けた町村があり、これが救済にあたっては、熊本県天草上島と同様、集団移転、環境の整備、生計の確保に万全の措置を講ずべきであります。 第三は、具体的な問題として、個人住宅の復旧に対する助成措置の強化、災害救助費の基準単価の大幅引き上げ、医療班の滞在期間及び障害物除去期間の延長、ごみ処理に対する補助の高率化、急傾斜地法による採択基準の引き下げ、各種災害融資条件の大幅緩和等について早急に改善を行なうべきであります。 最後に、政府は、今回の災害によって被災各地の過疎現象を助長することがないよう万全を期すべきことを要望し、報告を終わります。(拍手)
○高田委員長 次に、愛知及び岐阜班、内藤良平君。
○内藤委員 昭和四十七年六月上旬から断続した豪雨による被害状況調査のため、去る七月二十日、二十一日の二日間にわたり愛知県、岐阜県に派遣されました派遣委員を代表いたしまして、調査の概要を御報告申し上げます。 派遣委員は、自由民主党の羽田孜君、公明党の坂井弘一君、民社党の塚本三郎君及び日本社会党の私の四名並びに現地参加委員としまして愛知県では民社党の渡辺武三君の参加を得まして、昭和四十七年七月豪雨による被害の著しかった愛知県西三河地方及び岐阜県東濃地方の被害状況を調査してまいりました。 視察個所は、七月二十日、愛知県西加茂郡藤岡村、同じく小原村、東加茂郡旭町、同じく足助町及び豊田市であります。翌二十一日、岐阜県瑞浪市恵那郡明智町でありますが、時間の関係上、被災状況及び県、市町村の要望事項等詳細につきましては、委員長のお手元に報告書を提出いたしておりますので、これを本日の委員会議録に掲載していただき、それを御参照願いたいと存じます。 今回の災害の特徴は、最大時間雨量六十ミリから八十六ミリという集中豪雨が、十二日夜半から十三日未明にかけ矢作川上流の西三河地方及び岐阜県東濃地方の、地質的に樹木が育ちにくく、多量の水を吸うと土砂流になってくずれやすい花こう岩の風化した表土の浅いサバ地帯を襲ったということであります。被災地を視察いたしましても、岩石が流出して土石流となっているのでなく、土砂流となって、家屋を押し流し、道路を寸断しているのであります。また、山くずれが過去の崩壊部分でなく、新しい崩壊地であったということであり、名もない小さな沢、安全と思われていた山腹がくずれているのであります。さらには、この向背地の山くずれによって多くのとうとい人命が失われたということであります。従来、雨が降れば河川がはんらんし被害を受けるということが、私たちの概念だったのでありますが、河川のはんらんのみならず、山の崩壊ということも考えなければならないということを痛感いたしたのであります。 次に、視察いたしました結果につきまして若干の所感を申し上げます。 まず、道路の危険個所、危険な急傾斜地の調査等が、過去建設省によって行なわれてきているのでありますが、被害の集中した小原村、藤岡村等では、危険個所として調査していなかったところでも、多くの災害が発生しているのであります。このような現況から、崩壊しやすい特殊な地質地帯について、あらためて治山治水の面から地質の調査、危険個所の総点検を行なうとともに、治山治水事業を総合的に実施すべきであると考えるのであります。 次に、災害復旧工事のあり方であります。通常、災害復旧といえば、原形復旧といわれておりますが、災害の再発を防止するという考え方から、今後、災害復旧工事にあたっては、改良復旧に重点を置いて実施されなければならないということであります。 次に、被災地における部落は、向背地に山を、前には道路、河川という狭隘な場所に建てられているという立地条件であり、被災住民の不安を取り除くために、現在の急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律の前向きな適用をはかるとともに、いわゆる集団移住についても実施し得るよう法制的な検討を加える必要があります。 次に、災害時における警報の伝達、避難場所の確保、強制的な避難命令等災害時における避難体制を確立するということであります。特に東加茂郡旭町では、強制的に避難を実施したため死者がゼロとなっているのであります。 次に、近時集中豪雨による災害が多発しておる現状から、集中豪雨の発生について、科学的な解明を急ぐとともに、予報技術等の向上をはかる必要があります。 次に、個人災害の救済についてであります。被災地では死者、行方不明一件につき、五万円から十万円を支給しております。そのほか、家屋の全半壊にも支給されている状況であります。このような実態から、災害弔慰金制度は本年度から実施するとともに、家屋等の被害についても救済し得るよう検討を進めるべきであると痛感いたしたのであります。 最後に、これら被災地は過疎地でありますが、都会に近く、過去に災害というほどの災害を受けたことのない、平和な生活しやすい町村であります。被災町村の再建にあたり、被災町村長は、この未曽有の災害にもめげず、これを契機として総合的な対策を立て、過疎に拍車をかけるということはしない、新しい村づくりに邁進するのだと、決意のほどを述べておりました。国においても、これら被災地の決意をくみ取り、その期待に沿い得る対策と協力を強く要望いたしたいと思うのであります。 今回の派遣にあたって、県及び関係市町村の御協力を心から感謝し、御報告を終わる次第であります。(拍手)
○高田委員長 これにて派遣委員からの報告は終わりました。 派遣委員各位には、まことに御苦労さまでございました。 なお、今回の調査に御協力をいただきました関係各位には、まことにありがとうございました。 —————————————
○高田委員長 ただいま報告がございました四班の派遣委員から、内容の詳細についてその調査報告書が提出されておりますので、これを会議録の末尾に参照として掲載いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
○高田委員長 それでは、昭和四十七年六月上旬からの断続した豪雨による災害対策について調査を進めます。 まず、その後の被害状況及び政府においてとった措置の概要について、政府当局から説明を聴取いたします。総理府総務長官本名武君。
○本名国務大臣 昭和四十七年七月豪雨等の災害について御報告申し上げます。 七月上旬における災害につきましては、去る七月十二日の本委員会におきまして御報告申し上げましたが、その後も関東地方から九州地方北部にわたって停滞する梅雨前線の活発化によりまして、関東以西の各地に局地的豪雨が降り、各地に被害が発生いたしました。 また、七月十五日には台風第六号が知多半島に上陸し、石川県方面で温帯低気圧になりました。また、七月二十三日には台風第九号が大分県と宮崎県の県境付近に上陸し、下関付近を通って日本海に抜けました。さらに、台風第七号は七月二十日に九州の南二百キロの海上を西に進み、東シナ海に抜けましたが、その後南下し、宮古島付近を通り、さらに向きを北に変え沖繩付近を通り、七月二十五日には九州の西を通って済州島方面に抜けました。 これらの梅雨前線並びに台風による災害で、現在までに判明いたしております被害は次のとおりとなっております。 まず、一般被害といたしまして、警察庁で取りまとめましたところによりますと、七月豪雨並びに台風第六号によります被害といたしましては、死者三百九十九人、行くえ不明四十四人、負傷者五百四十二人、建物の全半壊、流失三千九十四棟、床上浸水四万八千七百九十五棟、床下浸水十五万二千四百九十一棟、罹災者数二十二万三千二百五十七人となっております。 また、台風第七号及び台風第九号によります被害は、死者四人、行くえ不明四人、負傷者十一人、建物の全半壊、流失四十七棟、床上浸水三百五十四棟、床下浸水三千三百二十七棟、罹災者数二千百五十一人となっております。 次に、施設関係の被害といたしましては、県等からの報告によりますと、七月十二日の本委員会で報告いたしました被害額を含めまして、公共土木施設約二千二百九十九億円、農地等約九百四十二億円、農作物等約四百六十四億円、その他合わせまして四千六百七十九億円となっております。 このような大規模、広域にわたる災害に対処し、七月十二日の本委員会におきまして御報告申し上げました措置に加えまして、関係各省におきましては、危険地域の総点検を実施いたしております。また、避難体制を考慮いたしました防災体制の強化と、災害復旧並びに被災地の復興のための万全の措置をとるべく鋭意つとめているところでございます。 各地方公共団体におきましても、延べ二十四県に災害対策本部を設置し、応急対策につとめております。 また、百二十七市町村に災害救助法を適用し、被災者の救護につとめたところでございます。
○高田委員長 これにて政府当局からの説明は終わりました。 —————————————
○高田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細田吉藏君。
○細田委員 私は、質問に入ります前に、今回の七月豪雨で、不幸にして災害のためにおなくなりになりました方々、行くえ不明の方々に心から弔意を表しますと同時に、けがをなさった方も非常に多数に及んでおりますが、お見舞いを申し上げ、また、罹災をされた方々にお見舞いを申し上げる次第でございます。 政府におかれても、いち早く各方面にお出かけいただいたのでありますが、私が本日特にしぼってお伺いしたいと考えております島根県につきましても、木村建設大臣、また森下政務次官がさっそくお出かけをいただきました。また、当委員会としましても、高田特別委員長はじめ皆さま方お出かけいただきまして、御調査をいただいたことを、地元出身の者として感謝申し上げる次第でございます。 ところで、時間が限られておりますので、要点をしぼって若干お尋ねをいたしたいと思います。初めに総務長官にお願いいたします。 これは島根県だけの問題ではございませんが、七月の豪雨災害は、当然いわゆる激甚法の適用を受けるものと私ども信じております。また、その程度の災害であることは、私がるる申し上げるまでもないところだと思います。せっかく災害対策本部におかれていろいろ御準備をいただいておると思うわけでございまして、七月豪雨に対する激甚の問題はどの程度御進行いただいておるか、いつごろおやりいただくか。また、項目等につきましてもたくさんあるわけでございますが、おそらく私は全項目じゃないかと思いますけれども、こういう点についてもできるだけ早く全面的にやっていただく、こういう意味で御答弁をいただきたいと思います。 なお、時間を縮めますために、あわせてお尋ねをいたしておきたいと思います。 いつもあることでございますが、今回の場合特に御留意いただかなければならぬと私思っておりますことは、激甚が適用されます場合に、項目にもよりますが、市町村単位で激甚の適用のない市町村、ボーダーラインといいましょうか、そういうものが法律のたてまえ上出てまいる場合が多いわけでございまして、いつもそうではございますけれども、今回のような場合には、よほどこの点をお考えいただかなければならないのじゃなかろうかというふうに思うわけでございます。たとえば、例をとってたいへん恐縮ですが、島根県などの場合におきまして、災害救助法の出ているところと出ていないところ、いろいろございます。程度はいろいろございますけれども、災害にあった当事者から見ますと、激甚であることは間違いがないところでございますので、全体と個々との関係というものが、なかなかいまの法体系で割り切れないものがございます。そこで、これはできるだけ大幅に激甚の網をかけていただくと同時に、どうしてもそれが不可能な場合は、それに対する救済措置が何らか必要ではなかろうか。そうでないとアンバランスが起こるわけでございます。この問題もあわせてお答えをいただきたい、かように思います。
○本名国務大臣 去る十二日の本委員会でも同様の御意見がございました。また、私どもといたしましては、梅雨前線による豪雨と六号台風につきまして一応の検討をいたしました結果、十二日の時点におきまして、いろいろな査定等の積み上げが必要でありますので発動はいたしかねるけれども、一応その時点における被害の実態あるいは査定のあがってきたものを集計いたしまして検討いたしました結果、この七月豪雨並びに六号台風については激甚災の適用は可能である段階に到達した。しかしながら、その後におきまして七号、九号等の台風あるいはまた梅雨前線の豪雨等も、あちらこちらにおきましてさらに査定が延びるような実態になってまいりました。けれども、私どもといたしましては、何とか八月の中旬までにはすべての調査を完了いたしまして、激甚災の発動に到達いたしたいと考えて、鋭意調査を督励いたしておるところでございます。
○高田委員長 いまの質問の後段のほうにまだ答えていないんじゃないですか。
○細田委員 後段のほうは事務当局からでけっこうですが、時間がありませんから簡単にお答えください。
○杉岡説明員 お答えいたします。 後段の、その適用措置の問題でございますけれども、第二章関係、公共土木、これにつきましてはもうすでに達しております。 それからあと農地、それから農業用の共同施設、それから八条関係の天災融資、これは現在、どの県でやるかという調査を、農林省のほうで急いで調査しておる段階でございます。 それから中小企業関係、十二条、十三条、十五条関係でございます。それからあと水防施設関係、こういったものが現在大体激甚法の適用措置のおもなものでございますけれども、こういったものが今回の七月豪雨の災害につきまして適用されるかという、われわれのほうでは判断をしております。
○細田委員 その話より、一番あとで言ったことのほうが問題なんですがね。そのボーダーラインのものまで、市町村をきめるときの話をしてもらわぬと困る。
○本名国務大臣 激甚災の指定につきましては、これは御指摘のように、町村あるいはボーダーラインの制度上のいろいろな計算と申しますか基準による措置があろうと思いますが、この指定の本質は、やはり七月の豪雨並びに六号台風を含めまして、全般的にこの災害に対して指定をいたすということになっております。町村等のその積み上げの中において、それぞれ財政上の援助を必要とするかどうか、基準に適合するかどうかということが計算されると思っておりますが、詳しくは事務当局から説明いたさせます。
○細田委員 時間がなくなりますから、もうよろしゅうございます。その事務当局のほうへ私の言っている趣旨はよくおわかりいただいておると思うので、こういう点落ちのないように、アンバランスのないようにひとつお願いするということにして、先に進ませていただきます。 私は、問題を大きく分けて二つにいたしたいと思います。一つは河川の根本改修の問題でございます。これは建設大臣、現地でもいろいろ御発言もいただいておりますし、きょうは政務次官、河川局長おいでいただいておりますが、今回の豪雨によりまして、私どもの島根県におきましては一級河川江の川、斐伊川、高津川の三河川が、他の地域にもたくさんあり、またわが県にもあるような中小河川でなくて、本流そのものが大はんらんをいたしました。歴史上もほとんど記憶がないような大洪水量でございます。 そこで、三つの一級河川がそれぞれ事情が違うのではございますけれども、原形復旧、改良復旧ということばもございますが、われわれのほうとしては改良復旧、改良復旧と地元でも言っておりますけれども、もちろんそういう改良復旧なんですが、実は改良復旧以上の問題だと私ども思っておるのでございます。むしろ江川のごときは、一体この河川というものをどうするという哲学というか根本理念というか、こういうものから考えていかないと、ただこわれたから直すどうこうという程度を越えておる問題ではなかろうか、こういうふうに思っております。斐伊川の問題にいたしましても、斐伊川水系は、御承知のように中海の入り口までが斐伊川水系でございますが、だんだん上流のほうを直していったら宍道湖の水があふれた、そして松江市で数千戸というものが床上浸水をする、こういうことが起こってきておるわけでございます。そこで、ちょっとやそっとこわれたところを直すという程度では、これはいけない。改良復旧あるいは災害関連工事という程度では、これは解決しない問題。高津川もややそれに近いのですが、特に江川、斐伊川につきましてはそうした根本の問題になっておるわけでございます。たとえば斐伊川についていうと、分水をどうするとか、あるいは大橋川をどうするといったような問題、こういったような根本問題になっております。江川はもうそれ以上に、広島県、島根県を通じて、もう全流域にわたって大破壊が行なわれておる、こういう状況でございます。そこで私どもは、通常言われる災害復旧とはこれは根本的な観念が違うものではなかろうかというふうにさえ、実は思っておるのでございます。だから、個個の個所を査定に行かれましてこれがどうなっておるというようなことでは済まない。宍道湖の問題もややそういう問題に近い問題、斐伊川全体をどうするかという問題でございます。そこで、これはぜひとも思い切ってひとつ金をかけ工事をやっていただかなければなりません。 あわせて、実はその根本の問題が立つまでどうするかという問題があるわけでございます。たとえば斐伊川の問題一つとってみましても、神戸川分水というようなことがいわれており、放水路をつくるというようなことがいわれておりますが、放水路ができるまで待っているわけにはいかない。そこで、根本の問題と当面する問題とを一体どういうふうにやっていくかということについては、早急にひとつ国の考え方をおきめいただかないと、罹災者は一体どうしていいのか、今後どう考えていいのか。たとえば江川の農地がほとんどといっていいぐらい、田や桑畑や何かもやられておるわけでございます。一体農地として復旧するのかどうか。あるいは宅地もずいぶんやられておるわけですが、もう一ぺん家をそこへ建てるのかどうか。伊那谷方式ではありませんが、部落の集団移転を考えなければならぬかもしれない、そのほうがむしろ適当であるというような場所もございましょう。 そこで、その根本問題と当面する問題、根本問題がきまっても当面どうするかということ等ありまして、これは政府とされても非常にやっかいな問題だと私は思います。私どもがちょっと考えても、これはなかなかたいへんな仕事だと思うのでございます。時間をかけてゆっくりやればいいというものではないものでございますから。それと、非常に罹災者並びに付近の人たちが不安があるわけです。将来どうなるのだろうといっておるわけなんです。 これらに対しては、実は建設大臣おいでいただいて御答弁いただく筋合いでございますが、これは大筋の話でございますから、そこで小渕政務次官からお答えをいただくと同時に、河川局長から、こまかいことはよろしいです、いま私が申し上げた趣旨についてお願いを申し上げ、御決意のほどをお聞かせいただく、こういうことにしたいと思います。
○小渕説明員 このたび建設政務次官を命ぜられました小渕でございます。よろしく御指導のほどをお願いいたします。 建設大臣、南九州の災害地を視察してただいま帰京中でございますが、先生御指摘の問題につきましては、まず根本問題につきましては、私ども、閣議におきまして総理大臣からも、災害の復旧につきましては根本的な方策を講じて、従来に増して改良あるいは関連事業等を行なうべきであるというお話があり、大臣にも指示があったと承っておりますので、省をあげてこの問題に取り組んでまいりたいと思います。 当面の問題につきましては、これまた御指摘のとおりだろうと思いますので、早急に処置を講ずるようにいたしてまいりたいと思います。
○川崎説明員 今回の七月豪雨で全国の大河川がかなりひどい被害を受けたわけでございますが、その約十本ばかりの河川の中の三本が島根県に流れておるわけでございます。そういった点で、私どももこういった被災しておる一級河川については、できるだけ応急的な問題と、それから恒久的な考え方となりますと、やはりかなり時間がかかりますので、何か緊急暫定といったような形でできるだけ改修を急ぐような方針で進めたいと思っております。御承知のように江川それから斐伊川は、非常に特殊な事情を抱えた河川でございますので、在来からも改修方式等についてはいろいろ問題があったわけでございますが、江川につきましては、一応広島県側の問題は独自で解決ができるのじゃないかと思います。したがって、下流の江津、それから桜江、川本、こういったようなところの問題だと思いますが、今回の被災水位を調べてみますと、私どもが現在計画をいたしております護岸工事を急げば、大体今回の災害も本川では防げたのじゃないかという気がいたします。しかし、流量等を検討いたしまして、今後あの地域の村づくり、こういったものとの調整をできるだけ早くとった上で、根本的な改修も追っかけて実施をいたしたいと思っております。 それから斐伊川につきましては、これは下流部の出雲市、平田市といったようなところの治水上の問題、それから宍道湖を中心とする水位と治水の問題、いろいろございますが、やはりこの際思い切った対策をとらざるを得ないだろうと思います。現在、今回の出水程度の水位に対して、やはり松江市等を緊急的に守る対策と、それからダムなり分水路を含めた根本的な斐伊川の改修計画、こういったものを合わせながら進めていきたいと思っております。 高津川等につきましても、ダム並びに河道改修計画、こういったものの中から根本的な改修計画をできるだけ早く立案をいたしまして着手するように努力をいたすつもりでございます。
○細田委員 時間の関係で、あまり詳しく申し上げません。 私は、田中総理の言われる日本列島改造、もとより私ども大歓迎であり、大いにやらなければならぬことであると思っておりますが、どうも日本列島至るところ災害でこうやられるのでは、あわせてよりもまずこれをやらなければならぬじゃないかと思いますので、ひとつ単なる災害復旧というような観念以上のもので対処していただきたいということを要望いたします。 次に私は、広い意味での個人災害の問題について、この際、総務長官並びに関係の皆さんにお願いしたいと思います。 当災害対策委員会としまして、個人災害については、長い間与野党あげていろいろこの問題と取り組んでおり、若干の成果があがっておることについては、私どもたいへん敬意を表しておる次第でございます。たとえば死者に対する弔慰金のごときも、今回の災害で初めて適用されることになった。額はともかくとしまして、一つのエポックをつくった。これは衆議院の災害対策特別委員会の与野党の努力の結果があらわれたことでございまして、この点たいへん私ども喜んでおりますが、私は、日本経済がここまで成長いたし、日本の国の富がここまで参りますと、いろいろ福祉国家だ、社会保障だといわれておりますが、災害にあった人とあわなかった人との差といいましょうか、災害を受けた方の打撃というものが非常に大きなものがございますので、私は、観念を変えていく必要があるのじゃなかろうか、国が保障するといいましょうか、国民が全体でその災いを分かち合うといいましょうか、こういう考え方で個人災害を見ていく必要があるのではないだろうかということを、つくづくと感ずるわけでございます。単に一弔慰金などの問題ではなくて、広い意味でもっと災害を受けた方々に救済の手を差し伸べることが、救済ということばが当たらないほど実は当然なことであり、必要なことじゃなかろうかというふうに思うのでございます。したがって、現在の法体系というものを根本から再検討する小委員会が当委員会にも設けられていろいろ進められておりますが、今度あたりの災害を見ますと特に痛感をするのであります。 そこで、いままでは農地とか農業用施設、あるいは災害救助法、こういうものはどっちかというと個人に対するものになっておると思います。しかしながら、いろいろな点で不十分でございます。そこで当面いたしますまず第一点として、これは厚生省関係になると思いますが、総理府のほうから一本でお答えいただいてもけっこうですが、災害救助法のいろいろな基準、こういうものを全部この際見直すことが必要だと思います。応急仮設住宅にいたしましても便所がない。十年前とあまり変わりがないような応急仮設住宅、こういうものをやっておる。国民の生活水準は大いに上がっております。たき出しは一日三百二十円だそうでございますが、三百二十円で一日では、とにかく長く続いたらたまらない。(「二百八十円だ」と呼ぶ者あり)二百八十円というお声もありますが、私は県で三百二十円と聞いてきましたが、いずれにしましてもこんなものでやれるわけはない。私は、たとえば災害救助法にいたしましても、これはいままで国の費用のほうが大切で、災害を受けた人は気の毒だけれども、最小限度とにかく必要やむを得ないものに応急にやるのだという観念から災害救助法ができておると思います。だから乱用におちいらないように、なるべくよけい出さないように、最小限度のことは何とかめんどうを見ましょうというのが、どうも災害救助法のたてまえのように思うのでございます。日本のGNPがこんなに大きくなり、経済がこんなに豊かになっている時代には、災害救助法の根本的な観念は変えていいのではないか。災害にあったらお気の毒だから、できるだけのことはしてあげましょう。すなわち、なるべく出さないということじゃなくて、みんな国民が一緒になってできるだけめんどうを見てあげようじゃないかということに切りかえていいのではないか。こういう点で救助法の根本精神自体、私は見直していいのではないかというふうに思います。しかし、こういうことを言ってもなかなか容易じゃありませんので、個々の一つ一つの基準などは新しい時代に対応して変えなければ、三年もほったらかしておけば、今日のような物価高の時代、今日のような経済成長の時代ですから、時代おくれになる。これらの点については、厚生大臣もおいでになりませんから、これは総務長官、ひとつ根本問題ですからお考えだけでいいと思います。 それから個人災害については、金をくれてやるということはなかなかできない。災害救助法なんかくれてやるわけですけれども、一般的にはなかなかできないのですが、農民の皆さんにしても中小企業の皆さんにしても、あるいは住宅を失った方々、これはやはり金融である程度やっていくという方針は、これは個人災害というものを見ていくのには、どうもまだまだ全部ただで配るということは無理ではないかというふうに思うのですけれども、これのワクの制限だ、年数が五年だ、ものによっていろいろ違うわけですが、たとえば中小企業と農民の皆さんとの間でもたいへんな待遇の開きがございます。こういうのももう時代おくれであります。したがって、こういう金融の面におけるワクの増大、貸し付け期間あるいは個々のワクの、個々の一人一人の貸し付け制限の額の問題、それから一番大切な問題は利息の問題、こういう問題について、やはりこれは思い切った、それこそこれも観念を変えるぐらいな、要するに私が申し上げておる個人災害に対する基本観念、日本の災害法規の体制、役所の考え方、そういうものを根本からひっくり返していく。国民が全部で、国がとにかく災害にあった人たちにはできるだけのことをしましょうという体制に持っていっていい時が来ているのじゃないか、個々のことはまたいろいろ、分科会がありましたり小委員会がありましたらいろいろまたお願いしますが、どうしてもこのことを根本的にひとつ政府としてやりましょう、災害対策本部でお取り上げいただきたい、そういう観念を変更してもらいたい。五十万を八十万とするとか、五年を八年にするとか、個個の問題はもちろんありますけれども、そういうことではもう足りないのじゃないかというふうに思うわけでございます。たとえば私のほうなどは、こういうことができませんと、まあそうでなくても日本一の過疎地域でございますが、いよいよ人はおらなくなってしまう。おらなくなってもいいやなどという暴論を吐けば別なことでございまして、これではどうもならぬというところまで参っておりますので、これは総務長官からひとつ御決意のほどをお聞かせいただきたい。
○本名国務大臣 災害も、その対策は時代の推移、変遷とともに対処しろ、特に個人災害についてはさらに国民互助の精神にも立ち、また国の責任においても対処しろという御意見、まことにごもっともであると存じます。したがいまして、私ども、今次の災害の異常な状態を察知いたしまして、すでに関係各省とそれぞれ前向きに対処するように検討はいたしておりますが、ただ、法律、制度を直ちにこの際見直し及び新しくつくり変えをするということは、時間的にもなかなか及ばないところでございますが、いかに今次災害に対処するかについては、厚生省のほうからひとつお答えいただくことにいたします。 要するに農民、中小企業に対する対策等に及びましても、やはりいま御指摘のようなことを配慮しつつ、経済の成長下及びいろいろなそれぞれの構造の変化等に対応して災害に対する救済措置をとらなければならぬということで、実は今度の現地の調査並びに査定等につきましても、つとめて許される範囲において最大の、しかも流動的な措置がとれるようにということを指示してまいったわけでございます。そういうことで、本質的には、いわゆる個人災害に対する対策は、一般死亡者を含めましても、あるいは生業の上にも、あるいは個々の住宅をはじめとして復興の上にも、つとめて御意見に沿うように努力をいたしたいと思います。 なお、この機会にちょっとお断わりとおわびを申し上げたいと存じますが、前回の委員会におきまして——個人災害に対する本委員会の今日までのいろいろな御検討に対しまして、政府は、たとえば弔慰金のごときは四十八年度から実施いたしますというふうに決定をいたしておりました。しかしながら、今回の災害に対処いたしまして、本委員会の御趣旨を体して今年度から実施いたすことにいたしましたというふうに申し上げるのを、新米でございまして、多少ことばが足らなかったために誤解を受け、また私の真意が伝わらなかったことを非常に遺憾に存じまして、ここでつつしんで訂正をしておわびを申し上げたいと思います。
○細田委員 与えられておる時間がもう五分しかございませんので、一つ一つ伺うことはやめますが、いま申し上げた中で農林関係の融資、特に自創資金のワクの問題、それから中小企業関係の金融、私のほうなんか連年災害で、三年続きでやられているところもあるものでございますから、そういう点十分考えていただいて、これまでの借金を返すのを延ばしてもらうとか、あるいは中小企業の金利の問題などは、もう問題にならぬと思うのです。これはどうしても今回お考えをいただきたいということを要望だけ申し上げます。 最後に、農林省の関係で特に参事官に、これも要望みたいなものですけれども、申し上げたいのですが、米の問題はもとより大きな問題がございますが、今度の災害で特に非常に現地で強調いたしておりますことは、いわゆる米の調整の問題に関連しまして、畑作あるいは畜産あるいは養蚕関係でございますとか、あるいは山間部ではワサビ、こういうつまり米以外のものであり、また総合農政の見地からいうと奨励されてしかるべしといいましょうか、そういうものが実は被害を受けております。ことに簸川平野などでは牛、豚、ニワトリ、こういうものが、低いところなものですから、ずいぶんやられました。こういうものに対する救済措置というものは——米だってもちろん不十分でありますけれども、米についてはある程度共済その他いろいろな点で一応定着した一つの方法があるわけでございますが、それぞれの農民の方々が、新しい分野に入って勝手がわからないせいもございましょうけれども、どうしていいかわからない。もうこんなことではやはり米だな、ほかのものをやってこんな目にあったんじゃかなわないというのが、素朴な、ほんとうの切実な声であろうと思うのでございます。そういうものに対しまして、やはり総合農政、総合農政と、米中心にはやっていかないんだというようなことであれば、当然もっとこういう災害というような面からも考えていかなければならぬのじゃないか。今回などは、全国的にそういったことも多分にあるんじゃないかと思いますので、こういう方面に対する当面の考え方、また将来に対する考え方、これはやはり農林省として、大きな災害というような面からもこういう点を考えていただくということが必要じゃないかと思います。これらの点について簡単にお答えをいただきたいと思います。 私は、なおいろいろ申し上げたいことがたくさんございますが、同僚議員がたくさんいらっしゃいますので、時間の関係でこれだけで質問を終わらせていただきます。
○森下説明員 ちょうど農林大臣が、米の問題で農林委員会のほうに参っておりますので、政務次官でございます私がお答えいたしたいと思います。 ちょうど私は四日間、広島、島根等に参りまして、先生の地元の江の川また斐伊川、つぶさに災害の状況を教えていただきまして、全般の総災害の中で農林災害の占める割合が半分または三分の一、農林関係の非常に大きな災害を受けております現実を見まして、いかに雨の量が多かったか、またそれに対するいろいろな施策、また心がまえが足りなかったかというふうなことを実は感ずるわけでございます。 多少農林からはみ出た内容でございますけれども、たとえば江の川の場合には、上流が広島県であり、下流が島根県である。そこに行政区画の問題で多少考えさせる問題があるように思います。それから、いわゆる中国山脈の土質的な問題、風化花崗岩、真砂土と申したり、またばら土と申すような非常に脆弱なあの土壌に集中的に雨が降って、そして木があろうがなかろうが、また木の樹齢を問わず、山がくずれるというよりも、むしろ山が溶けて流れたという感じを受けております。それで、あの堅固な江の川の中流以下の沿岸がえぐりとられて、いかに雨量が多かったか、また水流が多かったかということを考えさせられます。 それにつきまして、もちろん米の被害に対する生産調整の問題、そういう陳情をたくさん受けました。たとえば植えつけ間もなく埋没してしまった、それに対していわゆる生産調整の適用を受けれるかどうか、また共済金の支払いと生産調整の資金との関係がどうであるか、いま先生がおっしゃいましたように、特殊な農産物、または米以外の産物につきまして、何かそれを救済できるような方法はないだろうか。残念ながら、いまのところ米以外に対する共済制度はございません。ワサビなんかもずいぶん大きな被害を受けておるようでございまして、まことにお気の毒な現状でございますけれども、共済制度がないために、融資以外にお助けする方法がないという実情でございますけれども、なお農林省といたしましてはできるだけ米作を押えて、選択的拡大、他の作物に転換を奨励した手前もございまして、極力善処していきたい、このように思うわけでございます。 まことに十分な答弁でございませんけれども、申し上げまして答弁とさせていただきます。
○高田委員長 藤井勝志君。
○藤井委員 ただいま細田委員から適切な御質問がございましたので、また時間の制約もございますから重複を避けまして、特に私は個人災害については、先ほどお話が出たことを繰り返すようでございますけれども、やはり発想を転換をして、やはり何とか制度化しなければならぬということを、今度災害地を回りまして痛切に感じました。まあ火災関係ですね、こういう場合は共済制度、保険制度、いろいろなものがありますけれども、水害に関する制度は、いわゆる自主防衛も制度的に行なわれておらない。特に水害の場合は火災と違う。火災は建物は焼失しますけれども土地は残る。ところが、水害の場合には土地、建物もろともに失われてしまう。こういう事態をまのあたりに見て、特に日本は毎年どこかでだれかが死に、だれかが流失のうき目を負っておるというモンスーン常襲地帯であって、こういうことに対して国の制度的な配慮がなされておらなかったということは、まことに福祉国家を目標としている現時点、しかも国の台所は豊かになっておるきょう今日、あまりにもわれわれが、何といいますか政治的にも努力が足りなかったということを痛切に反省しているわけでございますから、総理府長官、まあきょうあすすぐに簡単に結論は出ないにしても、やる意思を持って、ひとつどうか早急にこれが制度化に積極的に努力をしていただきたいと強く要望いたしますが、これに対する長官の御見解を承りたい、こう思います。
○本名国務大臣 まことに心から共鳴をいたしたい御所見でございまして、御案内のとおり政府におきましても、昭和三十五年以来個人災害に対する救済制度を確立すべく検討いたしてまいりました。特に本委員会におきましても御熱心な御検討をいただきまして、鋭意これが目的達成のために努力をいたしてまいりましたが、いろいろ内容的に、たとえば加入方式、任意加入かあるいは強制加入か、またその制度の管理、収支等々につきましてもいろいろむずかしい問題が横たわっております。したがいまして、政府としてはこの制度はなかなか実現は困難であるという見通しに一応は立ったわけでございます。 しかし、今次の災害は、御指摘のとおり毎年繰り返される災害の中にあっても、やはり悲惨な災害を繰り返したという事実の上に立ちますと、何とか処置せなければなりません。そこで、特に人命を失われた方々に対しては、先ほども申し上げましたが、すでに本委員会でいろいろと御構想を御決定なさいました。しかも政府は、四十八年度から実施するということについては、とりあえず今回はひとつそれを繰り上げて、御趣旨を体して四十七年度、本年度災害から実行しようということに踏み切ったわけであります。しかしながら、御指摘のようにそれで救われるものでないことはわれわれも十分承知いたしております。特に人命及び物的な損失につきましても対処することが必要であるということから、私も会議におきまして関係各省ともお話し合いの上、ぜひこれはさらに政府の立場においても検討して、一刻も早くこれが実現のために努力をしなければならない。前段申し上げましたように非常にむずかしい問題が横たわっておりますが、むずかしいからやれないという問題ではないと思いまして、政府も前向きに直ちに検討を始めることにいたしたわけでございます。よろしく御指導のほどお願いいたします。
○藤井委員 このたびの集中豪雨は、全国至るところに悲惨なつめあとを残しておるわけでございますけれども、特に日本列島は、御案内のごとく九月前後台風が来て相当災害をもたらすという、あとにまた出番が控えているこの日本列島の特殊事情から考えまして、早急にこれが復旧対策を急がなければならぬ、このように私は思うわけでございまして、この緊急査定をして早く災害の復旧を急ぐということ、特にこのたびの集中豪雨の起こった時期から考えて時間的に急がなければならぬ、こう思うのです。万々手配はよろしくやっておられると思いますけれども、ひとつこれはお願いをしておきます。 それから、現在新しい内閣ができて、田中総理はいわゆる日本列島改造という一つのアイデアをもって大いに国内の問題処理に当たろうというお考えを持っておられますが、私は今度の河川の災害状況を見まして、従来は災害復旧というとやはり原形復旧ということを原則にしておる。ところがこれが、原形復旧する、またちょっとやられるとすぐさいの川原になる。これはどこかに人為的な無理がある。まさに今度の災害は、いわばこの日本列島の状態からして、無理な人為的な河川の復旧をやっているというところに、問題のガンがいつまでも残されておるのではないかというふうな場所が散見されたわけでございますから、今度の場合、いわゆる日本列島を改造するというこの線に沿うて、災害復旧は原形復旧を原則としないというたてまえをとるべきだ、このように思います。そのたてまえを踏まえながら、特に川沿いの田地田畑の流失の場合、これを原形のまま復旧するよりも、政府が既存の田地田畑を、生産調整の一翼にもなりますからそのまま買い取って、それはもう河川に変えてしまうという、こういう意味も含めた改良を積極的にやるべきだと私は思うのです。この点について、建設省のほうは今度の災害を見てどういう検討をされんとしておるのか、私の意見を踏まえてお答えを願いたいと思います。
○川崎説明員 今回の災害にかんがみまして、私どもの河川関係を主にいたしましたいわゆる災害復旧でございますが、大臣からも、積極的に改良復旧を原則とするつもりでやる必要があるのではないかという御指示を受けました。 現在の災害復旧に関する法律、これはやはり原形復旧をどこまでもたてまえにはいたしております。したがって、法律的には今後いろいろ検討する必要があろうかと思いますが、在来からも災害関連事業というものをあわせまして、復旧とあわせて改良復旧をやっておるわけでございます。したがって、こういった改良復旧に対する採択の姿勢をわれわれもこの際変えまして、できるだけ大幅に改良復旧を行なう、同時に長期的な根本的なものは治水事業の促進をもってこれに補いをする、こういった姿勢で臨みたいと思っております。したがって、ぼちぼち緊急査定が始まっておりますが、先般査定官を全部集めまして、そういった大臣の趣旨も私のほうから伝えまして、十分現地の事情をくんで、原形復旧のみならずそういった改良復旧といいますか、現在の関連事業の制度を大いに生かせということを指示してございます。 なおもう一点、ただいまの河川敷の中に残ります農地の問題でございますが、全国の河川では、堤防の川側のほうにずいぶん民地が残っておるわけでございます。中にはやはりそのままで耕作を続けたいとか、いろいろケースによっては違うわけでございますが、水害の頻度が非常に高い、あるいは堤防をつくるなり何なりで新しくそういった土地を取得したほうがかえっていいというような場合には、在来からも逐次買うことは買っておるわけですが、非常に膨大な面積になりますので、私どももあまり積極的に取り組むには至らなかったわけでございますが、こういった災害のために耕作も不可能になる、しかもいわゆる改修費に対してそうたいした負担でもないというようなところについては、お話のような方向をひとつ積極的に取り入れるように検討いたしたいと思います。 以上でございます。
○藤井委員 だいぶ緊急査定の方針が、新大臣の考え方を取り入れて局長のほうで指示したというお話でございますけれども、いまお答えを聞きながらも、やはり原則は原形復旧だというそういう線が出ますと、現地の査定官がどうしてもそれにこだわっちゃって、当然改良すべきところがもとの姿でいくということ、これは大蔵省あたりの財政的な配慮からいえば、一そうそれがきつくなるから、むしろ現場機関である建設省が、原則は改良だ、原形復旧ということは日本列島改造という面からいってこの際とらない、このくらいな姿勢があって、現場に届く時分にはちょうどあなたが言われた程度のことに実際にはなると私は思いますから、この点はひとつ十二分に配慮してもらいまして、現地でいよいよ緊急査定をやる査定官が——私が言うのはあなたのような精神でいけばいいのです。それが徹底しないのです、いままでは。そこは特に配慮していただきたい。さいの川原を何回も繰り返すということはナンセンスではないか。一文惜しみの百文失いということになっては相ならぬ。このことをひとつよく留意してほしい、こう思います。 次に、今度の災害は、高知県の土佐山田町に始まったごとく、いわゆる山くずれ、山津波、こういう意外な降雨によって土が水を含んで流れ出たという地帯が、現在人命を失った地域以外に相当日本全国に散在していることは御承知のとおりなんですね。これに対する従来の政府の対策はどういうふうになっておるのか。まあ、私の聞き及ぶ範囲では、林野庁において何か地すべり防止地域を指定して、それに対して補助率が相当多い。これは八割ですか、九割ですか、そこら辺であるということも聞いておる。ところが、急傾斜地帯に対しては四割の補助しかない。こういった状態では、将来安心して国民が住み得る国土ということにはなかなかほど遠いということになりますから、こういう問題に対しては、関係各省、建設省、林野庁、この辺がよく横の連絡をとって、まあ総理府がその中心になっていただいて、思い切ってこういったことに対する復旧対策を急がなければならぬ。当面の対策と同時に、抜本的な補助率、その対象の範囲、こういったことについて十二分な検討があってしかるべきと思いますが、これに対して関係各省、現状はどうなっているか、今度の災害をまのあたり見てどういう対策を講じようとするか、この辺の見解をひとつ承りたいと思います。
○森下説明員 今回の災害の特徴は山地崩壊でございまして、藤井先生のおっしゃるとおりでございます。その原因につきましては、集中的に雨量が非常に多かった、また土質によるということもございますけれども、それ以外にやはり事前の点検、それから保安設備、また治山対策、そういうものが総合されまして被害を少なくすることができるわけでございますけれども、農林省といたしましては、本年度を初年度とする五カ年計画、まあ前の計画の倍額の五千八百億円という予算でことし治山対策を始めたわけでございますし、昭和四十一年でも点検制度はやっております。 それから、先ほど御指摘いただきました補助率の問題、急傾斜地の問題は、これは建設のほうでございまして、農林のほうはそれは直接関係ございません。 それと、われわれが現地に参っていろいろ陳情を受けまして反省させられるのは、同じ砂防工事でございましても建設砂防、また農林でも林野砂防、それから農業砂防と、どうも連携のとれておらない点がございます。建設砂防のほうが山の上をやって林野砂防が山の下をやってみたり、そういう点で連携のできておらない点もございます。これは各関係よく連携いたしまして、治山の効果が発揮できますようにしていきたいと思うわけでございます。 以上でございます。
○川崎説明員 全般的な治山並びに治水砂防の問題は先ほどの御説明のとおりでございますが、私どものほうではいわゆる急傾斜地の危険区域に対する対策を分担いたしております。これにつきまして全国の調査を四十四年に行ないましたところ、一万三千カ所ぐらいの危険個所が出てきたわけでございますが、いろいろ私権の制限を伴うとか、こういった制約も一つの原因だと思いますが、表に危険区域として正式に指定されたものは約二千百カ所程度でございます。したがって、指定が非常におくれておるという問題が一つ基本的にあろうかと思います。 それから、まあそれだけでは不十分だということで私どもも市町村にPR等いたしまして、一万三千カ所のうちで約一万カ所程度はひとつ地域の防災計画にぜひ入れてもらって、救急避難等の措置を十分行き届くようにしてもらいたいということで、約一万カ所ぐらいが入っております。しかし、今度の災害を見てまいりますと、全国ではそんな数ではもうとてもおさまりそうにないということで、総理府のほうで、私どもの関係以外に林野とかその他いろいろな問題がございますが、ひとつそういった危険地帯を全部洗い出してみようじゃないか、その上で個々に診断をして一つずつ対策を考えていくということにしたいと思っております。 現在私どものほうの予算は昨年が十八億、それから四十七年度が約三十億でございまして、かなり大幅には伸ばしておりますが、とてもこんな状況では追っつかないと思いますので、総点検の結果に従いましてもっと積極的に取り組みたい。 なお、そのほかに擁壁とか水抜きをやったほうがいいのか、あるいは少数の家屋等では移転したほうがむしろいいんじゃないかというふうなことも考えられますので、四十七年度からそういった移転に対する補助制度を一部開いておりますが、こういったものもあわせて私どももひとつ積極的に取り組んでいきたいと考えております。
○福田説明員 ただいま政務次官から大綱については御答弁申し上げたとおりでございますけれども、なお林野庁といたしましては、この治山事業につきましては、基本的には森林の取り扱い、つまり計画制度を基本といたしまして、なお保安林の制度でございますが、これをさらに強化し、またあわせて治山事業も強化してまいりたい、かように思っておるわけでございます。ただいま全国総点検いたしまして具体的な実施計画を立てたい、かように考えておるところでございます。
○藤井委員 林野庁長官にちょっと。地すべり防止指定区域というか、そういったなにが林野庁の所管であるんじゃないですか。これはどういうふうな制度的な仕組みになっているか、御説明願いたいと思います。
○福田説明員 地すべりの点の御質問でございますが、全国ではただいまのところでは二千二百五十カ所、面積にしまして九万七千七百ヘクタールというふうになっております。このうち緊急に処置しなければならぬ場所につきまして、第四次治山事業計画において六百十六億三千万円、これは前計画からだいぶふえておりますけれども、これを計画的に実施してまいりたい、かように思っております。これは補助率は、山腹につきましては三分の二、渓谷につきましては二分の一、こういう制度になっております。
○藤井委員 いまのお話は、今度の六月、七月の集中豪雨以前の計画なんでしょう。私の言いたいのは、今度六、七月集中豪雨を受けた地域で、あなたのところの所管の地すべり地帯が現に相当危険な状態になっておるのです。これをひとつ急いでほしい、これはお願いしておきます。 次は、私は地元の問題につきまして、これは河川局、建設省が中心の問題ですが、河川にダムを構築された、そのダムの下流がたいへんな災害を受けておるという、岡山県の成羽川水系、新成羽川ダムの問題に関連して、ひとつ当局のこれが対策をただしたいと思うのでありますが、その前、私は現地へ行ってみまして、あの渓谷の状態から見て、新成羽川ダムが、発電、工業用水、こういったものであって、治水的なダムでなかったという。これはあの災害をまのあたりに見ると、われわれ専門家でないですからどういう計画であのようになったのかわかりませんけれども、当然治水というものの配慮はなされてしかるべきではなかったか。それが発電、工業用水、こういったことのみに限定されたところに今度の惨事をもたらしたというふうに思うのですが、これについてひとつ建設省のほうの見解を承りたいと思います。
○川崎説明員 お話のように、新成羽ダムにつきましては、発電と工業用水等のいわゆる都市用水の専用のダムでございます。あの河川の流域につきましては、岡山県がいわゆる管理をしておる区間、こういうことになっておりますが、私どものほうでも、いろいろ中小河川等の改修を急いでおるわけですけれども、まだあの辺まで手が及ばなかったというのが実情でございます。 一方、そういった電力の需要あるいは都市用水の需要、こういった面からあのダムが企画されたわけでございますが、もちろん下流の改修等については、当然河川事業の促進で私どももやるというような前提で、あのダムには特に洪水調節に対する考え方を、われわれとしてもあるいは県といたしましても、当初持ってなかったわけでございます。いまから思えば、あるいはいろいろな計画の立て方について検討の余地はあったかと思いますけれども、そういった事情であのダムができたわけでございまして、いわゆる積極的に洪水を調節する能力といいますか、構造になっていないダムでございますので、私どもの基本的な考え方といたしますと、流入した以上の水は下へ超過放流は絶対させない、これが一応利水ダムの原則になっております。したがって、できる限りそういったピークの山をつぶすとかおくらせるとか、そういう努力はいたしておるわけでございますが、計画は約二千二百トンくらいのものが三千トンを上回るような洪水が出た、こういうようなことで、いろいろ下流に治水上の問題がございますが、ダム自身については、私は一応通常の操作に従ってやったというように検討の結果は聞いておる次第でございます。
○藤井委員 ただいま河川局長からお話を聞きまして、ちょっと私は、済んだことで、これをいまここで問題を掘り返して議論したところで災害が救えるわけではないけれども、今後がありますね。今後、下流地帯の住民の安寧福祉を考えれば、これは思わない雨がたくさん降ったからというようなことで済ませるかどうか、重大な責任問題だと私は思うのですよ。これは一体国の責任か県の責任か、どうなんですか。
○川崎説明員 非常にむずかしいお尋ねでございますが、全般から見れば、やはり治水なりそういったものを完全にやるというのは国なり県なりの当然の責任であろうかと思います。ただ、先ほども申し上げましたように、治水投資といったものも相当長期にわたって投資しませんと日本の中小河川全体が充実しない、こういう現状でございますので、そういった点ではおくれがあったということは、やはりわれわれも反省する必要があろうかと思います。したがって、今回のような大災害を受けたことでございますから、私どももこういったものを反省をして、もっと早急に、先ほど来改良復旧という話も出ておりますが、原形復旧とかそういったものではとても及ばないわけでございますから、根本的な改修をしたいと思います。 なお、ああいったダムができますときに、地元の方には、一応そのダムができればかなり洪水も防げるのだというような認識がやはり前提にあるのではないかと思います。そういった点では私どもも、ダムの目的なりあるいは下流の改修の程度なり、そういった点に対するPRといいますか、そういったものが確かに不足しておったのではないかと思いますので、今後は、目的を問わず、下流の治水事情等ももっと配慮をして、そういった工作物の建設なり許可にあたって十分配慮をする必要があるのではないかと反省をしておる次第でございます。
○藤井委員 この問題は、私は、専門的な検討の上に立って、やはり降雨量、降ったときの放流量、これに対して、あの渓谷の状態から見て非常に検討が不十分であったというふうに思うのです。したがって、この問題に対する下流の被害者に対してどういうふうな救援対策、補償対策をやるかということについては、一ぺん国としても検討すべきである、これは私は一応指摘しておきます。この場で答弁を求めようとは思いませんけれども、それが第一点。 第二点は、いま河川局長から話があったように、これからひとつ治水的な面において十分配慮していこうというわけですから、これはひとつ早急に検討していただきたい、このように思います。 それと、第三点ですが、今度の現場の被害者側の声を聞きますと、ともかく、いまお話しのように、流入量と放流量がイコールだ、だからダムがあるなしにかかわらず、それだけ雨が降ったのだから決してダムのせいではございませんという、こういう一応の答弁をされるわけだけれども、現地の状態を見ると、そういうことでは割り切れない状態があの当時出現したということですね。もう急激に、一時間といわないなにで水かさがどんどんふえちゃって、床上から二階ぐらいまでいって、しかもあまりにも急激に来たから、家財道具を持ち出すひまもない、命からがら飛び出したという、こういう状態なんです。ところが、その水系と合流している別のところは全然問題がないのですね。だから、降雨量は大体その地域ほぼ同じですよ。同じだから、やはり被害者の受ける感じは、あの増水中に放流したダムのためにわれわれはこんな被害を受けた、こういう受け取り方になるわけですね。私も現地でその話を聞いてなるほどそうだと思ったけれども、その後通産省の諸君とかからいろいろ話を聞いてみると、要するに流入量と放流量がパーしておりますから、決してそういうものじゃない。これは私は一応の机上の説明としては理解できないことはないけれども、広いダムの地域において水がたまっている、それを目盛りを見ながらある程度放流するわけでしょう。その場合に、人間——あの状態はたいへんらしいですね、ダムの管理の事務所ですか、すさまじい音を立てている。だから目盛りは狂います。人間の心理——だからついゲージがちょっと違ってもこれはたいへんな放流になりますね。だから一応の帳面の報告では、ちゃんと法的な規制を守ってやりましたと言っても、結果がたいへんな増水になっておる。しかも急激な増水をもたらしたという、こういう現場の惨状を考えれば、私は、ただ一応の机上の説明によって被害者住民の納得を得るわけにはいかない。やはりゲージのあけ方が、あの心理状態、特殊な状態ですから、狂って出てきたというふうな状態にしか受け取れないというふうに思うのです。この点もよく事情をひとつ精査していただきたい。 それともう一つ非常に遺憾に思いますことは、災害の当時、何ら事前に警報が知らされなかったということなんです。これは道路が決壊して連絡がいかないとか、あるいは電話線が切れてしまったとか、こういう不可抗力に近い状態でありますけれども、こういう場合には無線の、特にいまのような工業用水、電力用のみの、治水を考えていないダムが川上にあるのですから、こういう施設がある下流に対して、一朝有事のときには、機敏に地域住民に実態が直結して伝わるという体制が全くなかった、こういう点については、私は今後のことについて万遺憾なきを期してもらいたい。 それと一千万トンあるいは二千万トンという、これは地域住民は、その流域がどの程度の高さになるかわかりませんね。だから、おおよそ一千万トン放流のときには大体の目安がこのくらいのところになるのだ、これは床下浸水だ、二千万トンの時分には床上になるのだ、こういう目じるしを、そう広い地域じゃないのですから、当然示しておくべきではないか。そういうことがあれば、今度は警報が鳴りますね、何千万トン放流する、それじゃこのくらいになるだろうというので家財道具を上に、あるいは上に上がるとか、こういうことがやれると思うのです。そういうことも何もなくて今度やられているわけですね。だから、あのような構築物が上流地域にある下流地域住民のことを考えた場合には、いかにも管理運営上粗漏があったということを私は言わざるを得ない。これは民営ですから中国電力でありましょうけれども、河川管理はやはり国であり県でありましょうから、そういう点について万遺憾なきを期してもらいたい。これが善後策についてどういうふうにその後やっておられるか、答弁を願いたいと思います。
○川崎説明員 先ほど申し上げましたように、新成羽川ダムの操作自身には、私も確認をしたところ、先ほど申し上げたようなことでございます。 なお、下流に田原とか黒鳥のダムがございますので、そういったところの関連でどういう流況で下流に流れたかということを、もう一度私も十分調べてみたいと思います。おっしゃるように操作をしておる者自身も、ああいった状況の中であって、非常に重圧を感じながら操作をしておるということは察せられるわけでございますが、そういった意味でも、もう少し時間的に余裕を持たせておくらせることによって操作の安全も期せられると思いますし、下流に対する通報の時間的余裕もできるのではないかと思います。したがって、現在の操作規程にかかわらないで、これはもちろん中国電力との問題もございますけれども、積極的にあの操作規程を一度検討いたしたいと私自身は考えております。 その中で、もちろん通信系統あるいは連絡の方法、こういったものにつきましても、一応はルールどおりされておるようでございますが、現実にはいろいろ支障があって目的を達してないということでございますので、今回の災害のような事態にあっても十分連絡がとれる、また、地元のほうにも、単に放流を幾らしていますということではなくて、貯水池の状況等ももう少し詳しく連絡をしてやるとかといったような配慮を今後する必要があるのではないかと思いますので、そういう点もくみまして十分指導をしていきたいと考えておりますので、よろしく御了承いただきたいと思います。
○藤井委員 時間が参りましたのでひとつ結論に入らせていただきますが、局長、ぜひひとつきめこまかい配慮を国のほうで徹底してほしい、こう思います。 それから、先ほどお話ししました流入量と放流量との関係ですが、先ほどお話しのようにダムが三つできていますね。この辺の操作のかげんが、ともかく現実の被害を受けた状態は、いまのような役所的説明では納得のいかない災害の現状であるということをよくひとつ念頭に置いて善処方を要望したい。 最後に、この災害の関係の実際の現場というものは市町村ですね。市町村に対してとりあえず、何といったって先立つものは金でありますから、市町村に対するつなぎ融資をいろいろ配慮しておられると思いますけれども、やはり政府資金をひとつこの流れをよくして現場に届くように特段の配慮をしてもらうことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○高田委員長 辻原弘市君。
○辻原委員 だんだんの御意見もございましたので、重点的にお尋ねやら意見を申し上げておきたいと思います。あとで具体的な現地に即した質疑は他の同僚議員がおやりになることと思いますので、私は特に今度の災害の現況にかんがみまして、ぜひともこの程度のことは政府としても基本的にお考えになり対策を進めるべきではないか、こういうことを一応党として意見をまとめておりますので、それらの点について簡潔に申し上げておきたいと思います。 第一は、先ほどからるる御質疑がございましたいわゆる個人災害についての問題でありますが、ここでひとつ政府も視野を広くお考えいただきたい。と申しますのは、いわゆる人命尊重ということが最近の社会の中における大きな命題になってきております。当然でありますが、きわめてスピーディにこの問題が各方面に具体化、制度化されつつありますことは申し上げるまでもないところであります。したがって私は、人命の尊重ということに社会的に不公平を来たしてはいけない、そういう観点から考えますと、たとえば交通事故、飛行機事故あるいは公害による最近の判決の例等等を比較検討いたしてみますときに、天災による死亡、あるいは天災とまではいかないがそれにかかわりあいのある、たとえばせんだっての千日前火災によるああいう近代社会における特異的な災害によってなくなられる方々、こういう方々についての対策というものについては、やはり私はいま申し上げたような、できるだけ社会的な不均衡を引き起こさないということにおいて検討の基本を進めなくてはならぬ、これが第一点であります。 しかりといたしますならば、天災によって、従来私どもが十年来検討いたしてまいりました個人災害の中のなくなられた方に対する弔慰もしくはお見舞いというものも、はたしていまの程度であっていいのかという問題が基本的に残ると思います。もちろん、政府が一歩進められて十万円を本災害から適用し差し上げるということについては、私どもも大いに歓迎をいたしておりますし、芽を出したという意味において非常にけっこうであります。しかしながら、金額につきましても、これはやはり——こう申しては失礼でありますがいわゆる場当たり、いいことばで申し上げますとケース・バイ・ケース、でなくて制度として考えるべきである。時間がございませんから他の例を私は引きません。政府は、いいことでありますから大いにやっていただいて私もけっこうだと思いますけれども、ただその場その場でやりますと、必ずその間に不均衡が生じます。したがって、まとめられ得るものは一つの制度としてまとめるということが、国の政治、行政上きわめて私は重大なことではないか、こう考えます。 そこで、もう少し具体的に意見を申し上げておきましょう。 個人災害につきましては、先ほど総務長官お述べになりましたような経過をもって私も承知をいたしております。政府としては、二カ年にわたって行なわれた共済による災害補償、個人災害に対する補償制度というものはこれはもうあきらめられたのか、そして、今度のいわゆる見舞金、もっと詰めて言いますならば、国が何がしのことをして差し上げる、いわゆる国家的な立場における補償的な観点でおやりになるというふうに一歩進められたのか、その辺はやはり明確にしておくべきではないかと思います。せっかく国費を使って弔慰を示したのでありますから、あいまいでは困る。私どもはかねてから、共済は現状に即さないであろう、いろいろこれはお話がありましたような欠点がございます、したがって、やはり実情に即するためには、国家的な補償をたてまえとする制度に持っていくべきではないかという主張をしてまいりました。その線の上にどうやら乗っかってきたような感じもいたしますけれども、そういう方向で今後お進めになるという決意をこの機会に明らかにしておいていただきたいと思うのであります。 それから、それをおやりになる場合、私が間違っておれば御訂正願いたいのですが、何か災害救助法を発動した地域に限るとか、何がしの制限を設けられるやにも聞いておりますが、そういうことは私はきわめて不適当であろうと思います。理由は申し上げません。不適当であります。したがって、災害によってなくなられた方々に対して公平、平等に差し上げるという原則をまず確立すべきであろう、こう考えるのであります。 それから、なくなられた方々だけの見舞いということで終わるべきではない。全半壊、家屋流失、こういう方々は非常な損害を受けておるのであります。家屋を再建するについては融資制度もございますが、同時に、家屋が流された、家屋がつぶれた、そういう場合は家財道具も同然でありますから、それらに対する見舞いは当然あってしかるべきだと思います。 それから、死者に準じた重傷者に対する見舞い等もこれは検討されて、少なくとも最低その辺までワクを広げられるということが、私は個人災害にとって歓迎され得る制度だ、こう考えるのであります。ですから内容的に——先ほど藤井さんでありましたか、強調されておりましたが、やはり制度としておやりになる、こういうことが必要であろうかと思うので、その点はせひそういう方向において御検討願いたい。 簡単でよろしいから、私のお尋ねをいたしました要点だけお答え願いたいと思います。
○本名国務大臣 まさに御指摘のとおり、発想の大転換をいたしていくべき事態に参ったと思っております。むしろ時期を失したうらみさえあるのでございますが、しかしながら、さっきも申し上げましたように、政府も真剣に取り組みまして、四十五年以来検討いたしました。その結果、個人災害についていろいろな難点があることを御指摘申し上げたわけですが、今次災害に、いままでの検討いたしました経過を私なりに聴取いたしまして、その上に立って、先ほども申し上げましたが、ぜひ政府としても積極的に検討いたしたいということを重ねて申し上げ、同時に決意を新たにして実現を目ざして努力をいたしたいと思うわけでございます。 それから、弔慰金につきまして非常に金額が少ない、しかし一歩前進であるから今後改善しろというお話でございます。もちろん私どもも、これで足りるとは毛頭考えておりません。ただ、地方団体の負担をしいるわけではございませんが、地方団体が十万円をこえてお出しになることは御自由でありますけれども、国の補助の対象としては十万円で一応打ち切ったということでございまして、この点についても、今後共済制度をはじめ、救済の基本的な対策の上であるいは改善の道が得られるであろうとも考えるわけであります。 それから、災害救助法を発動した地域に限定することは不合理である、なるほど災害そのものの性質からいたしますと、ごもっともな御意見であろうと思います。ただ、これを取り扱う上につきまして、やはりその災害救助法を発動されました町村は、財政負担の上にも、また被害の度合いにおいても、かなり基準を上回り、非常な大きな災害を受けられておる、したがって財政負担も非常に多いというような見地から、まずもってそういった御負担の多い町村に対して国が御援助申し上げよう、お手伝い申し上げよう、こういうような意味で一応制限しているのでございますが、今後個人災害の制度を新しくつくるという前提に立って、これらの問題もおのずから解決される問題であると思います。と同時に、なお御意見もございましたのでわれわれは一応考えてはみたいと思いますが、現状におきましてはやむを得ないのではないかとさえも考えるわけでございます。 それから、御指摘のように共済制度の中で、やはり人命のみならず物的ないろいろな被害に対しても救済の道を講ずるということは、これは今後検討の中において十分考えるべき問題であって、当然のことであろうと思います。 それから、それらにあわせて、話は前後いたしますが、殉職者並びにそれに協力した方々については、今次災害において初めて消防団に協力をして命を失われた方にはそれぞれの賞じゅつ金の制度を設けたわけでございますが、これでは十分ではない、したがって今後検討いたします共済制度の範疇においても検討さるべき事項であろうと考えております。
○辻原委員 本日は時間の関係で議論はいたしません。 第二に申し上げておきたいのは、今回の災害の一つの特徴は、特に山間過疎地域といわれている地域の中で、また都市の中で、思いがけないがけくずれ、思いがけない部落の流失、こういうものが起きております。従来この種の問題は、原因が乱伐にある、あるいは野方図な宅地開発、地域開発、こういうことが原因である、こういうふうに指摘をされてきたのでありますが、それらのいずれにも該当しない現象が起きているのであります。したがって、先般建設省が、私は新聞で拝見をしたのでありますが、先ほどからもいろいろ御議論がございましたが、総合的にもう一度そういう地域の調査をおやりになる、あるいはやっておられるということでありますが、この際、それらの原因がはたして異常気象にあるのか、ないしは人為的な原因によるのか、いま一つは、地質その他の学問的な、技術的な原因によるのか、こういう点を突き詰めるために総合的な調査をおやりになってはどうか。あるいは総合的な調査をやるためのスタッフ、幸い政府には防災対策本部もあれば防災会議もあるわけでありますから、建設省は建設省、農林省は農林省というようなことにならず、ぜひ一元的にすべての政府の機関をあげて総合的な調査をやる、こういうことが私は絶対に必要である。国費の浪費、国費のロスにならないためにも、まず科学的な調査が前提で、しかる後にその種の防災対策を進められることが私は最も必要だ、こう考えておりまするので、まずもってあなたが、総務長官が所管をなすっておられる防災会議その他にそういう専門的なスタッフを用意されて、そして早急にその調査をおやりになる、こういうことをぜひ実現をしていただきたいと思うのであります。これが一つ。 それからいま一つは、先ほどもお話がございましたし、私も十数年来非常にこのことについて経験を持っておりますが、災害時に対する緊急避難あるいは避難のできる体制、こういうものをどうとるか。部分的には確かにとれているところがあります。今回の災害を見ましても、非常に経験といったらあれですが、累次の災害でそれぞれの体験を持っておられる地域は、難を免れているところが多いのであります。たまたまそうでない地域に災害が起きた場合に、被害が拡大され大きくなっているという現況、これは何に基因するかというと、避難体制が不十分であるということであります。そこで、これははたしてどういうような措置がいいのか、むずかしい問題でありますが、現地で私どもの同僚委員が聞いた範囲によりましても、町村長が避難命令と申しまするか、避難の指示をやった地域、それに従われて集団的に避難をされたところは免れている、しからざるところについてはかなり被害が大きくなった、こういう実例もあるようであります。したがって、やはり市町村長という立場にある行政権者に、何がしそういう一つの指示権と申しますか、そういうものを与えるというか、わずらわすというか、そういうことを検討されてはどうか。 それからもう一つは、避難場所の設置であります。これは最近の建築様式から、学校も鉄筋化されてきておりますからけっこうでありましょう。その他の集会所、堅牢な集会所であればけっこうでありましょう。しかし、それをたまたま思いついてそこへ避難するということではおそい。したがって、常時そういうものを市町村が、常に危険であろうと考えられる部落に対しては、どこどこに避難したほうがいいというふうなあらかじめの指示か何か計画的にやられるというようなくふうがないものかどうか、こういうことも大いに私は検討すべきではなかろうかと思うのであります。 それからもう一つ、これはかって私の地域でダムの異常な増水があって大災害を起こした後に、その事後対策として上流から下流への連絡あるいはダム操作規程の改善、いろいろなことをやったわけでありますが、その後非常に効果をあげておりまするのは、連絡方法であります。これは小型無線による連絡、こういうことが非常に効果があがっております。したがって私は、国としても積極的に、県には何がしそういう通信機関があるはずでありまするから、市町村にもそういったせめて小型無線ぐらいは設置をして、緊急時の情報の交換、連絡、こういうことをやり得るような措置を講じておいてはどうか、こう思うのであります。これは災害にも必要でありまするし、こういう情報化時代でありまするから、市町村も最近IC化を考えていろいろやられております。それとは別に研究をされておるようでありますが、私は災害ということを考えても、この際この問題を歩を一歩進められる必要がある、こう思うのであります。同時に、今度の災害でも、雨量計あるいは雨量計の運用ということに関心を持たれている地域については、何がし事前の心がまえがあったようであります。しからざるところは必ずしもそうじゃない。降ってみてあとでああ六百ミリ降ったかというようなことで、災害を受けてからたいへん悔やんでおられる。これではいけない。そこで私は、いわゆる簡易雨量計の設置ぐらいは市町村がおやりになってはどうか。それを国が奨励し補助し、一人ぐらいはその雨量計を十分活用できる要員を市町村が確保する、養成をする、こういうこともあわせて検討すべきではなかろうか。こういうことをひとつ御提案申し上げておくのであります。 時間がありませんから、以下二、三重複を避けて御提案をいたしておきたいのでありますが、その次には、現在過疎法とたしか山村振興法であったと思いますが、これはかねてから私どもは過疎対策としてやかましく言っている問題、すなわち部落の集団移転という問題、テストケースとしていま農林省が、たしか私の記憶によりますると三カ所やられている。そのうちの一カ所を私も現地を見ましたが、過疎対策としても非常にすばらしいものであります。同時に、災害対策としてもこれを考えるべきじゃないかというのが私の意見であります。それは、今回の災害でも、部落ごと流された。それはもう、歯どめがありましょうが、山腹砂防をやろうが、何もかも一緒くたに押し流されておる。もしもそれを、先ほどから議論がありますが、もとの位置に原形復旧して家を建てるというようなことになりますると、経済効果あるいは社会的な効果というものは全くこれはゼロであります。そういう観点から考えてみると、この際そういう地域については思いを新たにして、ふるさとを去っていくのは忍びないけれども、どこか当該市町村の範囲内なりあるいは近隣の地等々を求めて、いまおやりになっておる部落の集団移転のモデルと同じようにこれを新しく再生する、過疎対策もかねて最も便利な地域に新しい部落を再生する、こういうことを災害対策としてもやる。これこそ私は、非常にものの考え方を変えた改良復旧ではないかと思うが、そういうこともひとつ十分これは検討される、このことは経済効果、国費を投ずるという立場から見ても、私はそのほうが時宜に適するのではないか、こう考えるのであります。 あまり多くを申し上げましてもなんでありまするから、いまの点について、時間がございませんから簡潔でけっこうです。詳細なことを私もいろいろ検討いたしておりますから、ひとつ検討するか、おやりになるか、計画を進めるか、それらのことについての態度だけお答え願いたいと思います。
○本名国務大臣 総合的なことがございますので、私から一応お答え申し上げたいと思います。 いま御指摘のようなことについては、まことに適切な御意見でありまして、ぜひわれわれもその実現に向かって検討をしてまいりたいと思いますが、特にその中で、第一に、いままでのように各省がばらばらで原因究明調査をするということではなく、科学的にやれということにつきましては、実は数日前の非常災害対策本部におきまして、関係各省、特に技術的調査につきましては直ちに科学技術庁、通産省、農林省、建設省等の技術者を動員いたしまして、技術調査団を派遣することにいたしました。しかし、これは従来の行政上のいろいろな経緯もありまして、御指摘のような徹底したものになるかならないかということは、私自身も一まつの不安がないわけではございません。しかし、ここに新しい制度を設けて、さあそれから基本的な科学調査だということではなく、とりあえず各省庁の責任において技術者を派遣して、いわゆる対策本部の調査団として根本的なメスを入れてみたいという処置をいたしたわけであります。 あわせて後段のほうでお話がございましたが、避難体制につきましても、消防庁、警察庁、気象庁等々、あるいは河川その他の関係がありますので建設省、農林省、通産省等も合わせまして、避難体制について積極的な検討をすることのグループをつくりまして検討することにいたしたわけであります。特に避難体制につきましては、御指摘もありました実例は、今次災害の一つの特色として、全く壊滅するだろう、人命をはじめとして壊滅するであろうというところが、避難指導よろしきを得て危うく救われたというのが、天草はじめ二、三ございます。また、避難命令を出したが、何かの思いつきで再び現地に舞い戻って避難命令を聞かないためにとうとい人命を失ったという矛盾した点も指摘されております。そういうようなことをあわせて考えながら、避難体制及び御指摘のような、あらかじめ平時において避難場所というものの選定等もたいへん適切な方法であろうと考えております。 それから、ダムの問題について、これは従来の災害におきまして大なり小なりダムが人災である、天災であるという論議がございます。先ほど河川局長からもお話がございましたけれども、私どもといたしましては、人災、天災論はもうここらで打ち切りたい。したがって、ダムの本来の目的、それは単一目的であるか、あるいは多目的であるか、ここらにも一つの問題があります。特に単一目的、発電を目的にしたダムにつきましては相当の問題がございます。あるいは多目的にいたしましても、発電という行為がある限りにおいてはやはり所定の水位が必要である、または送電を減らしたり、あるいは打ち切るというわけにはいかぬということから基準水位は保たなければならない。そのことが逆に洪水調節の水位とはかけ離れて、ついにこの放流についての処置を誤って災害を大きくしたというようなことも聞き及んでおりますので、そこはひとつ建設省と通産省がじっくりと話し合いをして、おのおのの利害得失を離れて、水の調節については徹底した処置をとるようにということも、対策本部において、並びに閣議においても私から申し入れをいたし、厳重に関係両省の接触をお願いいたしておるようなわけでございます。 それから、山村振興法に関連し、特に災害時における過疎地帯における部落の移転の問題につきましては、これは過疎対策とあわせてという先生の御指摘はほんとうにそのとおりだと思います。これこそまさに地域における改良復旧の大きな柱でなければならぬというふうに考えております。同時にまた、災害そのものに対する対策としては、長野県をはじめとして既往に二、三の例がございますが、これらを改善しながら、この部落移転の問題については積極的に対処してまいりたいと思っております。なお、それらのことについて関係省に詳しくは方針並びに対策について説明をいたさせます。
○辻原委員 いまのダムの問題については、少しなまの意見になりますけれども、多目的ダムか、あるいは単一ダムか、ないしは防災ダムに徹するべきか、いろいろの議論が今日までかわされてまいりました。これも私は、時代の進展というものが今後のダムのあり方についても一つの方向を示しておるのじゃないかと思います。かんがい用ダムあるいは水力用の電力ダム、はたして現在の時代がそれを強く、かつてほど要請しているかということを考えたならば、これも一つの発想の転換の時期に来ておる。私をして言わしむるならば、少なくともダムは防災ダムを基本にして考えるべきだということになるのではなかろうかと思うのであります。 いま長官が言われました点も、私の意見と合致いたしますので議論はいたしませんけれども、少なくとも防災の観点に立ってダムの操作規程あるいは河川法等の関係の中でも十分防災に役立たすことができる、現行法の範囲の中でもできるのでありますから、そういう点については特に今後の各省との話し合いの中で、やはり防災を観点としたダムの放流の運営というものに徹していただきたいことを希望いたしておきます。 それから、災害救助法その他の点につきましても、御意見もございましたし、あとからまた質疑もあるだろうと思いますが、これも長い私どもの意見でありますから、この機会に、やはり現状に即さない災害救助法を抜本的に検討すべきである。これはひとつ委員長にもお願いをいたしておきたいと思います。 最後に、私は二つの点——一つは災害についての交付税、それから起債、その年々によって違いまするけれども、ことしのように大きくなりましたならば、必ずその面において非常に窮屈になる、こういうことはもう明らかであると思います。したがって、やはり特別交付税等の中における災害ワク、災害に対する手当てというものはひとつ十分おやりを願いたいし、同時に、起債についても同じことが言えるのじゃないかと思います。ことしは特にこの面についての配慮がなければ市町村がたいへん困るということは明らかであります。 それから、いま一つの問題は融資の問題でありますが、これもいろいろ御意見が出ました。融資の中で問題となりますることは、金額もさることでありまするが、災害融資という観点に立てばやはり利子が問題でありましょう。引き下げるか、利子補給をするか、このことはひとつこの際歩を一歩進めていただきたい。たとえば住宅金融公庫の利子は今日五分五厘でしょう。これでは災害時における融資としてはあまり効用をなさないというのがだれしもの認識であろうと思いますから、少なくとも利子を引き下げるか、ないしは災害に対しては利子補給をするか、こういうことをひとつ御検討いただきたい。 それからもう一つ、これは先般私が当委員会で申し上げましたが、天災による災害対策はそれぞれの法律によってきちんと規定されておりますが、先ほど申しました、それに多少かかわり合いがあるが天災ではない、せんだっての千日前の火災なんかがその好個の例でありましょうが、たとえばあの場合におきましても、先日申し上げましたとおり、間接的被害者が現在一番困っておる。中に入っておる弱小商店が百五十六店もある。ところが、これらについては必ずしも十分な対策が今日行なわれておりません。したがって、やはり国民金融公庫、中小企業金融公庫等のすばやい行動、それからいま申し上げました金利についての特別な配慮、据え置き期間あるいは返済期間等の配慮というものをさらに一段くふうをこらしていただきたいと思います。 それからなお、私がせんだって指摘をいたしておりまする千日前火災による中小零細企業者への融資についての配慮は今日どこまで行なわれているか、それはひとつ後刻中小企業庁その他から資料をいただきたいと思います。 たいへん時間がございませんから、申し上げることは以上にとどめまして、政府からお答えになる点がございましたならば承っておきます。
○福島説明員 ただいま特別交付税の重点的な配分についてお話がございましたが、今回の災害によりまして災害を受けました地方団体は、臨時の多額の経費の支出を余儀なくされるわけでございますので、御趣旨にのっとりまして重点的に配分をしてまいりたい、かように考えております。 それから、起債の措置についてお話がございましたが、四十七年度の地方債計画におきましては、災害復旧事業債は三百八十一億円を計上しておりますが、これは決して固定したものでございませんで、起債措置が十分でないがゆえに災害復旧がおくれるということのないように、災害の発生状況を勘案いたしまして地方債計画を修正して万全の措置をとりたい、かように考えております。
○宮下説明員 いま自治省のほうからお話があった起債の関係で、それで十分だと思いますけれども、今年度のようにたくさんの被害が出た場合は、現年災というのは一応計画上は補助対象分で二十億、それから単独災害分で十五億、これは固定して毎年つけておりまして、そのあと出ました被害によってあとで修正増額をするというようなかっこうにしております。したがいまして、それまでのつなぎ資金というのが必要になると思いますけれども、これも四十六年度までは、一応災害状況を見た上で本省のほうへその額について要求がある、それをそのワクで地方の財務局へ配る、こういうふうな手間をとっていたわけですけれども、四十七年におきましては、出た額につきまして、本省のほうでワク配分することなく、各財務局でその場で政府資金を出せるような措置をとっておりますので、その点も十分配慮が行なわれていると思います。
○高橋説明員 先ほど先生のほうから、市町村に簡易雨量計をつけたらどうかという御提案がございましたけれども、私といたしましてもたいへん適切なお考えであろうかと思います。この点につきましては、従来も自治省あたりでは消防庁とか、あるいはそれ以外では鉄道とか電力会社でつけております。そういった面につきましては、気象庁である程度いろいろ技術的な面で御相談申し上げてやっておりますので、そういった面で気象庁といたしましても協力していきたいと考えております。
○高田委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時二分休憩 ————◇————— 午後一時三十八分開議
○高田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます。大原亨君。
○大原委員 午前中ずっと質問があったわけでありますが、できるだけ重複は避けまして重点的に質問をいたしたいと思います。建設大臣も御出席ですから、建設大臣からもひとつ積極的な御答弁をいただきたいと思います。 午前中あったわけですが、一つは改良復旧か原状復旧かということで、原状復旧を原則とするけれども積極的に改良復旧を取り入れる、こういうふうな建設省の答弁でありました。これは先般——建設大臣、これはあなたに聞きたいのですが、総理大臣から改良復旧を旨としてやれと、こういう指示が閣議であった、こういうことは新聞に報道されたとおりであります。しかし、私どもが実際に災害地の第一線に行ってみますと、その趣旨が末端までなかなか徹底してない。査定官が緊急査定をする際には、やはり原則に基づいてやりながら改良も考えていく。応急措置を原状復旧でやっておきますと、あとで改良にしようと思いましても、たとえば河川の幅を広げる、橋を広げるとこういうふうにいたしましても、なかなかこれは財政的にもむだであります。 そこで、ひとつお聞きしたい点は、田中総理大臣が指示をした、このことと、たとえば閣議決定で改良復旧を原則として、同じことを何回も繰り返すというのは芸のないだけでなしに、関係住民にとっても、あるいは国家財政からいっても不経済であるということははっきりわかったわけでありますから、改良復旧を原則とするような、そういう上から下までの、あるいは各省を通じての、あるいは中央官庁と都道府県や市町村に至るまでのそういう方針が徹底するようなそういう閣議決定をする。というのは何かといえば、要綱を決定をして、それがぴしっと実行できるようにする。前の佐藤総理大臣のときも、総理大臣が指示したといえばニュースになるから、ぱっぱっとやっておいてあとは龍頭蛇尾ということが多かったわけでありますが、田中総理大臣の指示と、私が言う意味における普遍的に徹底するような閣議決定のしかた、こういうものについてどちらが強力なものであり、どちらが徹底するんだ、こういうことを考えてみたならば、総理大臣の指示の上に閣議決定がある、要綱はぴしっとやっておいて、それに基づいて上から下まで、左右前後がいく、こういうふうにすべきではないかと私は思いますが、建設大臣、いかがですか。
○高田委員長 大原君にちょっと申し上げます。 建設大臣が、御答弁に先立って一言ごあいさつを申し上げたいということであります。あいさつに引き続いて御答弁をお願いします。木村建設大臣。
○木村国務大臣 私、このたび建設大臣を仰せつかりました木村武雄であります。 浅才でありまして、行政などについては全く底の浅い人間でありまするから、どうか御指導、御鞭撻くださいまするように切にお願いを申し上げます。 いま大原さんのおっしゃったことは、全くもっともでありまして、私は、災害が起きますとその翌日から災害地を回って歩きまして、おととい、きのうと最後の鹿児島県と宮崎県に行ってきたのでありまするが、私が災害地に立ちまして指示いたしましたことは、原形復旧じゃありませんです、改良復旧なんであります。どこの場所でも、二度と災害の起きないような対策を立てなければならない、こういうことを指示してまいりました。その後に田中内閣総理大臣から、あなたのおっしゃったような、原形復旧じゃない、改良復旧にしなさい、そして、予算などにとらわれないで対策は根本的に立てなさいよ、こういう命令があって、あらためて閣議の決定事項となったのであります。 そうでありますから、私が出席しない午前中に、原形復旧を主にして改良復旧を従にするんだというお話が、建設省のどなたかからあったといたしますれば、それはこういうことだと解釈してください。原形復旧で間に合うところ、それが自後災害を起こさない根本対策となっておる、こういうところは原形復旧である、こういうように言ったんだ、こう解釈してください。それから、根本は二度と災害を起こさないような改良復旧をやるのである、そういうことでいま取り組んでおりますし、その指令は、建設省では各関係者に全部出しておりまするから、間違いがないと思います。しかし、こういう点で間違いがあった、間違いがあるという場所、危険があるという場所がありましたならば、どうかお示しくださいまして、お示しくださいますると、それは全部改めたいと思っておりますから、どうかお示しくださるようにお願いを申し上げます。そして対策をして万全を期さしてくださるように、御協力をお願いを申し上げます。
○大原委員 建設大臣から積極的な御答弁ですが、たとえば、いままでは原状復旧ということで、従来からのしきたりでやったけれども、改良復旧がこれは必要である、こういう住民の意見や関係自治体の意見や、私どもが実際見た場合に指摘をするならば改めるにはばからず、こういう御意見であります。 これに関連いたしましてお聞きしたいのですが、自治省、改良復旧の場合には、原状復旧よりも財政上の補助率が低いわけであります。改良復旧の際には起債とか交付税に繰り込むとかいうふうな、そういう元利償還の措置があるわけでありますが、しかし、いまの交付税制度ではこれはしぼられるという結果になりますし、手続が煩瑣であります。やはり補助率を上げておいてその裏打ちをしていくというふうなそういう原則ならば、原則にふさわしいような財政の措置をとるべきではないか、こう思います。自治省は、大臣の御答弁を受けて、この問題についても改める意思があるかどうかをお聞きいたします。地元の負担はたいへんですから、やはりそういう点では、二級河川や中小河川や、さらに小さい河川の災害が問題になっていますから、その点について御答弁いただきます。
○福島説明員 お答えいたします。 現在、補助災害関連事業につきましては、現年災分は地方負担額のおおむね八〇%、過年災分は地方負担額のおおむね四〇%が一般公共事業債で措置されておるわけでございます。したがいまして、従来の行き方を変えるということになりますと地方負担額に対する起債の措置をどうするのかというお尋ねかと思いますが、それにつきましては、今後各省がどういう対策を立てられるか、どういう措置をなされるか、これに応じまして起債措置を十分考えてまいりたい……
○大原委員 補助金を上げて……
○福島説明員 補助金につきましては、これは関係各省の問題でございますので、地方負担額につきましての起債措置につきましては、各省がどういう形で今後事業をなされるか、それに応じまして万全の措置をとりたい、かように考えておるわけでございます。
○大原委員 大臣、いまのような、改良復旧は補助率が御承知のように低いわけですが、これは議論いたしません。そうして、その裏打ちをして起債や交付税でやるわけでありますが、やはり原則を改良復旧、二度と災害を繰り返さないという措置をとるのであるならば、補助率を改良復旧についても原状復旧と同じように上げていくというふうな措置をとらなければならぬと私は思います。 それからもう一つ。建設大臣、いまの点が一つ、これはあとで聞かなければならぬ点ですが、もう一つは、午前中から議論になりましたが、つまり、今回の災害は非常に広範であります。しかも過疎地帯が非常に多いわけであります。ですから、これは言うなれば過密地帯と過疎地帯の関係、過密地帯は公害、過疎地帯は大きな災害が起きたということで、いまの政治に対する一つの大きな警告だと私は思いますが、この問題について、いままでの個人災害の問題を含めて考え方を変えていかなければならぬ。 そこで、そういう問題については、災害の額が非常に多いという点等から考えても、やはりこのために臨時国会を開くべきじゃないか。通常国会を待たないで措置することが必要じゃないか。あなたは田中内閣の非常に有力な閣僚でありますが、あなたはどういうふうに思われますか。災害のたびに災害に頭を突っ込まれましたが、臨時国会を開いて特別な措置をすべきじゃないか、こう思いますが、いかがでしょう。
○木村国務大臣 臨時国会を開いたほうがいいか悪いかという問題は、私はまだ考えておりませんから、これは考えてからあとで御返事をさしてもらいます。臨時国会を開かなくとも済む問題は開かないで解決しなければならぬし、臨時国会を開かなければできないという問題がありましたならば臨時国会を開かなければならない、こう思っておりますが、これはもっと考えさしてもらいたいと思います。 それから、あなたのおっしゃったとおりに、今度の災害はほんとうに過疎地帯に多い。というのは、私ずっと全国回って歩きまして、やはり公共施設などで金をかけた場所は災害から免れております。金をかけない場所が非常に災害が多かった、そういう点が過疎地帯に非常に多かった、こう思いまするので、やはりいままでの考えを変えまして、そういう過疎地帯に金をかけて、そして災害が起きないような政治をやることが一番大切なことであると私はしみじみと感じてまいりましたので、これからそういうようにやってみたい、こういう考えを持っております。
○大原委員 もう一つは、広島県の江の川は非常に水量の多い川でありますが、大体中流、上流で非常に水域が広くて水量が多いのですが、そこの集中点である三次とか庄原とかが、過疎地帯と相呼応しまして集中的な被害を受けている。そのときに、広島の太田川の水系というのは江の川とは対照的で、谷が鋭く深いというわけであります。一級河川でありますが、そこにはたとえば王泊とか立岩とか樽床とかいう中国電力の利水ダムがあるわけであります。その利水ダムが、けさほどからも藤井委員やあるいは鹿児島の鶴田ダムの報告の中にはぴしっとあるわけですが、利水ダムが、つまり洪水のときに、入ってくるのと出ていくのが同じであるならば、これはダム操作規程に基づいて自主的に中国電力が運営していく、こういう仕組みになっておる。 この問題については、たくさんの問題が出てまいりました。そこであなたは、現地に専門家を派遣することを指示されまして、専門家が参りました。その調査のしかたについては、私は時間があればあとで申し上げますが、私はさらに午前中からの議論を深めていく際に、河川法の五十二条によりますと、緊急時における建設大臣の指揮権、監督権というのがあるのであります。それはどういうことかといいますと、「洪水による災害が発生し、又は発生するおそれが大きいと認められる場合において、災害の発生を防止し、又は災害を軽減するため緊急の必要があると認められるときは、ダムを設置する者に対し、当該ダムの操作について、その水系に係る河川の状況を総合的に考慮して、災害の発生を防止し、又は災害を軽減するために必要な措置をとるべきことを指示することができる。」一方では、ダムの操作規程のためには四十七条の根拠法規があるわけであります。 中国電力が操作規程をつくっておいて、建設大臣の許可を得て利水ダムとしての出入りの操作をするわけであります。しかし、利水ダムとして操作をする際には、後に時間があれば申し上げますが、たくさんの欠陥がどこでも出ている。たとえば広島県で、そういう中電の利水ダム、発電用のダム、立岩ダムとか樽床ダムとかあって、それが合流する地点で、立岩ダムのほうが被害が大きい。立岩ダムの操作に問題がないか、こういう議論が一つ起きているわけであります。 そこで、五十二条との関係でいくならば、建設大臣は、四十七条に基づくダム操作規程による中国電力のダム操作について、たとえば予備放流をするとか、あるいはピークをずらすとか、そういう問題等について適切な指示をすることができるはずであるけれども、これはできるという見解に立ってやってきたのかどうかという点を聞きたい。これはあなたでなければ河川局長でもよろしい。
○木村国務大臣 広島に参りましたときに、現地でそういう話はありませんでしたが、新聞記者会見においてダムに対するいろいろな話がありましたものですから、いやしくも住民に対して不安を与えるようなうわさ話でもあっちゃならない、こういうように感じまして、即座に建設省から調査団を派遣して、そして徹底した調査をせよ、こう言って調査団をすぐに派遣したのであります。 それから、今度鹿児島に参りまして、鶴田ダムの問題で現地の人々から切実な話をお聞きいたしましたので、自今こういうような被害を与えるか、またはうわさ話でも起きないように建設省は責任を持つ、そうでありますから、必要があった場合にはどんな処置でも講ずる、それが管理監督しておる建設省の立場なんだ、こういうことを明確に言ってまいりましたから、ダムに関する限り、これからそういうような不安を与えないような処置を講じてみたい、こういう考えで、その点は明確に鶴田ダムでは言ってまいりました。そうでありますから、やはり政治というものは住民に不安を与えないこと、それから被害を与えたならば、その被害に対する万全の対策を講ずることだ、こう思っておりますから、御懸念のことは責任をもって解消してまいりたいと思います。
○大原委員 建設大臣の意図はかなり私もわかるわけであります。しかし、なかなか親の心子知らずでありまして、下のほうへ通じてない。というのは、問題は、七月十一日の午後十時ごろから十二日の午前二時ごろにかけてが洪水のピークでありますが、そのピーク以前に山県郡の戸河内の町長や関係者が、中国地方建設局の担当課長に対しまして、直接電話で一時間ないし二時間にわたってダム放流について延ばしてもらいたい、あるいは明るいうちに出してもらいたい、夜中に出したのではいけない、こういうように盛んに要請いたしました。現地で私聞きましたが、そういたしましたら、中国地方建設局の担当課長の話では、もしそういうことを中国電力に対してやるならば、利水ダムの操作規程をたてにとられて損害補償の問題等が起きてくる、国が中国電力に対して損害補償しなければならぬというふうな措置が起きてくる等があって要請ができないと言って、にべもなく断わった。 私は、中国建設局の災害時における体制がどうであったかということを聞いてみると、知事その他市町村長は災害の第一線に立ってやっておるのに、建設局長は、被害のそういうダムの問題の第一線の市町村長に対しまして、局長がみずから陣頭指揮をとっておったかどうかということは疑問であって、時間が経過するだけであって、何ら措置をとっていない。ですから、地元の市町村長の意思というものは、中国電力あるいは現地の管理者に通じないで、そして電話が途絶し無線もきかなくなった。こういう状況において洪水が起きて、立岩ダムの流れの合流しておるこちらで、一瞬のうちに五名の死亡者が出た、こういうことがあります。 そこで、あと社会問題になりまして、この地元の新聞社の記事を見てみますと、これはあとで確かめましたら、間違いなく言ったというのですが、中国電力の土木課長は、下流に被害を及ぼすおそれがあったが、あの豪雨ではダムが持ちこたえられず、やむを得なかった、こういう発言をいたしております。その新聞記者を私追跡いたしましたら、間違いないと言う。こういう中国電力の利水ダムは、太田川にはたくさんあるわけであります。非常に鋭い渓谷でありますから影響が大きいわけであります。 そこで、中国地建の第一線の指示も、いま言われたように五十二条を頭にとった指導では全然ないということである。こういうことで、大臣の気持ちというものは下に徹底しないのではないか。つまり、四十七条というのは、その企業は一応ダム操作については一つの基準を持っておるけれども、しかしながら、総合的に地域住民を災害から守るという観点からは、建設大臣がこの責任を果たすべきである、不安を解消するための措置をとるべきである。単なるダム操作規程をたてにとって誤りはなかったというふうな、あなたが指示をいたしました専門家の報告というものは、これは私は断じて関係者を納得せしめるものではないと思っておる。そういう反省なしにこれから新しい問題の処理はできないのではないかと私は思っておる。 ですから、この問題に対しましてもう一つ言うならば、現地に派遣をされた専門官は、戸河内町とか加計町とかは、ダムで常に一番不安を持つという経験を住民はずっとしておるわけですが、その被災地の住民なりあるいは町村長とか助役等の意見を聞かないで現地における調査報告書を書いておる。役場に来てください、実情を申し上げます、こう言っても、ちょっと現地を見たかっこうで、さあっと、顔を向けないで帰っておる。中国電力と企業と癒着をしておるのではないか、こういう議論が起きておる。これは午前中も、藤井委員等も納得しないという質問があったわけでございますが、私はそういう点から考えて、いまのこの災害の時点から考えてみて、利水ダムといえども、これは公共性を持っておるわけですから、公共に水を使っておるわけであります。ですから、治水の目的に集中的に使うべきである。洪水時においては治水の目的のために運営をすべきである。そのためには、河川法の五十二条の建設大臣の権限は、大臣が答弁された趣旨のとおり、ぴしっと上から下まで徹底しなければならない。補償の問題などが起きるということはもってのほかである。補償を要求するから監督が鈍るというふうな考え方はとんでもない癒着をした考え方ではないか、こう思いますが、大臣いかがでしょう。
○木村国務大臣 私が申し述べました考えを、各地建にも全部徹底させるように、もう一ぺん伝達をいたします。そしてそういう際には、何も電力会社の利害休戚なんか考える必要はありません。第一位の条件が住民の安全でありますから、建設大臣の責任においてすべて処置いたします。私のここで申し述べましたことは、なおより一そう徹底させるようにこれから努力いたします。
○大原委員 それは建設大臣、こういうように考えてよろしいですか。これは利水ダム、調整ダム、防災ダムという議論でありますが、中国電力は利水ダムといえども、申し上げたように公共に水を使うわけです。それで、いまは火エネルギーが重要である。これも公共かもしれない。公益事業という名前がついておる。しかし、電力は火主水従ですから。それから、今日のような環境権の問題で、株主だけに責任を持つのでなしに、地域住民に責任を持つというのは、今日これは否定できない議論です。だから、古い法律の体系をもって、四十七条に基づくダム操作規程というものが監督権を越えてまかり通るというふうなことはいけない。あなたが派遣された調査官のあり方もいけない。その点は住民の意見を聞かなければいけない。被害地の町村長の意見を聞かなければいけない。ですから、このことは午前中も議論がありましたが、四十七条に基づくダム操作規程において、大臣が言われたダム操作規程のようにダム操作規程も洗い直す、こういうふうに私は理解をいたしますが、大臣、そういうように考えてよろしいかどうか。
○木村国務大臣 けっこうであります。
○大原委員 これは私は、その問題がありました直後、中国地建からデータをとりました。データをとりまして、満水位の水位の変動、それから入ってくる水と出てくる水の問題があります。このデータが、あなたに報告いたしました報告書と、私がとりましたデータ並びに中国電力加計の電力事務所が出しましたオリジナル、もとのデータ、この調査と違うわけです。自動的に装置をしておるし、出て入っておる水についてはぴしっと誤りないというような、こういう報告があるのでありますが、データが数字が違うのですよ。そういうことは、これはその当時の措置と、一緒にがあっと洪水が来ると現場には人間が少なくなって、二、三名しか労働者はおらぬわけです。ですから、これでは堤防があぶないということでボタンを押す場合があるというふうなことを言っている人が、現地の人の中でもあるわけです。これは会社に忠ならんとする気持ちが強いですから。それは数百万円の水の利用等になるでしょう。利用の効率があるでしょう。ですから、利水という観点では洪水の警報が出されるし、予備警報が出されて、おそれがある場合にはこれは防災第一にするような明確な操作規程をつくる、そういうことをやらなければ、私は疑惑を一掃することはできないと思います。重ねて申し上げますが、建設大臣の——これは大切な問題ですから、データの問題は時間の関係であとで私は事務当局から確かめたいと思いますが、重ねて、この趣旨の徹底を期するようにやってもらいたいということであります。
○木村国務大臣 建設省が管理、監督いたしておりますダムに関する限りは、治水ダムだろうが利水ダムだろうが、すべてを通じまして住民に絶対不安を与えない、こういうやり方でこれから徹してまいりたいと思います。
○大原委員 そこで問題は、やはり中国電力なりあるいは監督する建設省、特に中国電力がダム操作規程においてとった措置というものは、規程はともかくとして、そういう住民の要望、自治体の要望やあるいは大臣の答弁もあったわけですが、当時やった措置につきましては、つまり利水権の乱用ではないかという議論すら起きておるのであります。エネルギーを蓄積することが公共の福祉であるというたてまえは一つあるだろうけれども、それを越えた問題が今日起きているのではないか。それは環境権の問題ももちろんですが、火力発電のウエートの問題等考えてもそうです。ですから、そういう議論があることを踏まえながら、データの問題その他を含めて、建設局のあり方を含めて、私は、大臣はこの問題については事務当局によく命令をしていただいて、住民に疑惑のないようにしてもらいたいということが一つ。 それから、中国電力が電話を入れた、電線がなくなった、無線はだめだというふうなこと等でいろいろ混乱があったにいたしましても、それを越えて、無線の装置その他の問題等を含めまして、情報を関係機関に徹底させる、あるいは事前に住民に理解を求める、不安を与えない、あるいはその現場に当たりまして十分の措置ができる措置をする、こういう問題等において手抜かりがあったことは、私はまぎれもない事実であると思います。したがって、この問題については、ひとつ内部でもう一回、いままでやってきたことについての点検をすると一緒に、自治体の皆さん方に対して納得を与えるような解説、説明、大臣の意思が浸透できるような説明の措置をとってもらいたい、このことを私は要望いたしまして、見解をお聞きいたします。
○木村国務大臣 ごもっともでありますので、十分意を体しまして、それを徹底せしめたいと思っております。
○大原委員 これは一応その経過、報告書の検討等、ひとつ点検をいたしまして、また後の機会に、あやまちを繰り返さないという意味において議論をする機会を持ちたいと思います。 たくさんあるわけでありますが、所定の時間がまいりましたから、以上をもって私の質問を終わりたいと思います。
○高田委員長 卜部政巳君。
○卜部委員 今回日本列島を襲いましたところの豪雨というものが各所に甚大な被害を与えておる、中でも島根県の場合は特にひどいということが、資料においても明らかにされておるわけであります。きょうの新聞を見ましても、田中総理が、この災害には金を惜しまない、全力投球を行なう、このように言っておられるわけでありますが、当然、こうした資料に基づきまして、総理府としましてもすでに具体的な腹案、こういうものができておるだろう、このように考えますが、その点についてひとつお伺いをしたいと思います。総理府長官にお願いをします。
○本名国務大臣 御指摘の点につきましては、異例な、異常な災害であること、及びこれが対策は、一応現行制度の上に立ってやれることはもちろんでありますが、また総理の意思もあり、先ほど建設大臣からお話がありましたとおり、今後徹底的な前向きの態勢で対処していきたいと考えております。 ただ、各省にわたることであり、私のほうとしては、各省の御責任においていろいろな基礎的な調査あるいは資料、その他現行対策等についていろいろ検討していただき、さらには、いま御指摘のような前向きの措置に対してどう処置すべきかということをだんだんと相談をしながら決定をしてまいりたいと考えております。
○卜部委員 長官、私はひとつ具体的に申し上げたいわけですが、大臣もおいでになりましたが、島根県に桜江町という町がありますね。これが水害に見舞われている。この桜江町の財政規模は四億円ですよ。さらに標準税収入が二千七百万円。今日の被害額が六十七億円ですね。いま長官は現行法云々というようなことを言われていますが、いわゆる激甚災害、天災融資法、これを適用して一〇〇%の補助率を出したって、この金額が示すように何ら足しにならない、足しにならないということじゃなくて再起できないという状況下にあるわけですね。ですから、建設大臣あたりは、おいでになりましてたいへん前向きなおことばをいただいたわけでございますが、こういう問題に取り組む総理府の姿勢というものがやはり必要だと思うからこそ、私は具体的にということを聞いているのです。この点どうでしょうか。
○本名国務大臣 先ほど既存の制度ということを申し上げましたが、後段申し上げましたように、いま具体的に桜江町の財政事情等御説明があったわけでありますが、おそらくそういう町村はほかにもあろうかと心配しております。同時にまた、この災害対策、公共施設をはじめとして個人の生業に至るまでのいろいろな対策がございます。また物的面ばかりでなく、人身の面にもいろいろな救済の道があろうと思います。したがって、それらの措置は町村の財政規模の大小に応じてやるべきものではないと考えております。その点は、先ほど申し上げましたように、災害の実態というものをよく調べた上で、また各町村それぞれに特色があれば、その特色に対応できるような措置をとってまいりたいということを申し上げたわけでございます。
○卜部委員 いま長官が申されたとおり、これはあながち島根県に限られた問題ではないわけですね。だからやはり特に強調しておきたいのは、財政規模にかかわらずということになりましても、現実には法律があるわけですね。ですから、こういう場合には特別法が必要だと思うのです。その点では、特別法を必要とするかどうか。また、今回の水害、日本列島を襲った災害にかんがみて、ひとつこれをつくる意思ありやいなや、この点をお伺いいたします。
○本名国務大臣 先ほど申し上げましたように、その被害の実態及び市町村の財政事情等によって、激甚災並びに天災融資法発動の指定等もいたすわけでありますが、この被害の実態というものをいま鋭意調査中でありますので、その調査の上に立って、一応特別立法措置が必要であるかどうか、あるいはまた特別の財政措置が必要であるかどうかということを検討したいと思っております。しかし、いままでの報告を受けたところによりますと、現行制度においてやれることはわれわれも着々と処置をいたしているつもりでございます。しかし、御指摘のように、それでは間に合わないぞという前提に立ってのお話になりますと、私も同様にこれは間に合わない、非常な悲惨な面があるぞということも想像できないわけではございませんが、私の想像だけで立法措置あるいはその他の措置を講ずるという段階にまだ至ってないということであります。したがいまして、今後の調査によりましては、立法措置等の処置が必要であるかどうかを早急にひとつ判断をしてまいりたいと考えております。
○卜部委員 長官、もう災害が過ぎて二週間になろうとしている。その中で、まだ資料が集まらぬ、調査が終わってないということは、私は全く理解に苦しむところです。大臣もおいでになりますが、大臣自体は、この江川水系に立ってずばりずばりと住民を勇気づけることば、さらにこれはおそらく実行していただくでありましょうが、そういう発言をなされているわけですね。こういうような現実がいまあるのですから、当然に、いま申し上げた具体例もありますように、立法措置を必要とするんですよ。そういう点について明確に、総理府長官としてばさばさと田中内閣らしくやってもらいたいと私は思うのです。何かありきたりの事なかれ主義の答弁では納得できないと思うのです。 もう一つは、もうすでに浸水してから十日を過ぎておるわけでありますが、この桜江町等は、大臣も御承知かと思いますが、なおかつヘドロの海です。こういうふうな状態にありますので、島根県の土木事務所の土木職員や、さらに地方自治体の職員というものはもう疲労こんぱいに達しておると思うのです。こういう面の健康管理という問題をどう取り扱っているのか、これが一つと、さらに二つ目には、これはちょっと総理府の関係ではないのかと思うのですが、建設関係なら建設のほうからひとつ答弁をしていただきたいのですが、なおかつヘドロの海のような状態にあるということは、土木職員の疲労、それも輪をかけまして、結果的に過疎の県、しかもそういう地元業者ではどうにも処理し切れないような状態ではないのだろうか。もうそろそろ大手の業者を導入すべきではないか、このように私は考えておるのでありますが、ひとつ関係当局のほうからそれぞれにお答えを願いたいと思います。
○木村国務大臣 私も島根県に行ってまいりましたが、全く惨状目も当てられない、お気の毒にたえない、ことばも出なかったのであります。御指摘の桜江町はヘリから見ましたけれども、役場自体が機能をなくしてしまって、一帯死の町になったのじゃないかと思って下を見てきたのであります。若干人影が見えましたので、それだけでもほっといたしましたが、川本町にはおりまして、親しく現場を視察してまいりました。 それで、建設省としてでき得る限りのことは現場で指図をしてきたつもりであります。どのように金がかかりましても、自今水害から免れるような堤防をつくりなさい。それから、まず住宅難の問題でありまするが、建設省の住宅局ででき得るだけの補助金を思い切って出してあげて、そしてとりあえずどんな住宅でもいいから入れるような態勢を整えなさい。それも現場で指令して、東京に帰ってまいりましてもさらに指令したような次第なんであります。 それから、住宅金融公庫に話をいたしまして、住宅金融公庫でさっそく向こうに出かけていって、ああいうような商店街や住宅の人々なんかには、積極的にこっちのほうから注文をとるような気持ちになって、金を貸すような方針をとりなさい、こう言って、それも向こうにやったつもりなんであります。 ただ、あのように町の中がどろで埋まってしまいますると、一体どうしようか、こう思って、私自身がいま心配で実は頭痛はち巻きしておるような状態なんであります。それでありまするから、ああいうような場所に対しましては、法などにこだわっておったんではほんとうの対策なんかできませんです。どんな形でもいい、どんなことでもいい、とりあえず人々が現場で立ち上がるような指導をしなければならない、こう思いまして、総務長官やそれらの人々とその対策をどうしたらいいんだ、こういうことを鳩首協議しておるまっ最中なんであります。私は、そのあとまたあちこち飛んで歩きましたので、きょう帰ってまいりましたばかりでありますから、その後、どういうように進展しておるかわかりませんけれども、進展の度合いがおそかったならば、あなたのおっしゃるような大手業者を導入するとか、どんなことでもして、そしてまず災害の傷あとを早く住民からなくしてあげたいものである、こういうことで、これからも一生懸命になって取り組んでいくつもりでありますから、何かこういうことをしなさい、こういうことをやりなさい、こういうことが適切じゃないかとお考えになることがありましたならば、どうかどしどしおっしゃってくださいますれば、必要なものはどんなことでも取り上げてやってみたいと考えております。
○本名国務大臣 総合的なこともありますので、私からちょっと申し上げますが、実は、前回の委員会でも御報告と方針を申し上げたわけでありますが、ただいま地方公務員、主として市町村の関係者の方々の過度な体力の消耗、あるいは精神的な消耗等によって限界があるのじゃないか、まさにそのとおりだと思います。われわれ対策本部として、また特に総理からの御指摘もありまして、各省庁関係の現地における調査、査定等については、民間人を起用しても早急に仕事を行なうべきである。同時に、自治省におきましてもそういうことを考慮してやっていただいているものと思いますが、なおあらためて自治省にも強くそれを申し入れます。ただし、その場合に、町村財政がないから、間に合わないからというようなことは言わないで、われわれのほうで、適切なそれらの公務員に対する応急的な処置についてはまた考えてまいりたいと思っております。
○卜部委員 建設大臣がいち早く視察をされて、地元民に勇気と自信を与えていただいたことについて、まず感謝を申し上げたいと思います。 しかし、私、先ほどの大原委員の発言と関連をして、若干地元民が不安を抱いておる点を指摘をしたいと思うのですが、大臣もおっしゃったように、あの川の幅を広げなければいかぬ、町全体をやはり少し変えていかなければいかぬということがありますね。にもかかわらず、きのうの時点では原形復旧である。査定官が来るので川本町の準備をせよということに対して、川本町としては、おかしいじゃないか。やはり町づくり全体というものを考えて、さらに大臣がおっしゃったような、川を広げるということになれば堤防の位置も違ってくるでしょうが、そういう問題が、原形復旧ということでの査定が来るということでは一体どうなんだろうか、大臣のことばに偽りがあるのではないかという疑惑があるわけであります。こういう問題等々を含めてまいりましたならば、そういう疑惑を除く意味においても町、県、建設省を含めたいわゆる町づくり計画、こういうものを早急につくって、それで住民の不安を除き、さらに町当局に対し勇気と自信を私は与えてもらわなければならぬのじゃないか、あくまでも改良復旧じゃないか、こういう気持ちがします。それで、きょうちょっとただしてみましたところが、県としては改良復旧するということは当然にやらなければいかぬ、たとえば堤防の場合はやらなければいかぬ、こういうことで町づくりその他も考えておるということも言われておりますけれども、住民にそれが浸透してない、町に浸透してないからこそ町議会がこういう不安を持っておるのですから、早急にその面の対策を立ててもらいたいと思うのです。その点についてひとつお答えを願いたいと思います。
○木村国務大臣 改良復旧をやれということは現場で指示してきたのです。それを、卜部委員のおことばによりますと、原形復旧などということばを使っておる者がおるとすれば、それは非常に心外でありますから、そういうことばなどはかりそめにも使わないように、これから厳重に伝達したいと思っております。 それから町づくりの問題は、県と町と相談されまして、そしてこういうことをしたいのだということも早く出してもらいたいということを言ってまいりましたけれども、なお建設省のほうからも参加させまして、それを早急に急がせたい、こう考えておりますが、原形復旧などということばを使った者がおるとすれば、不届きしごくなやつだと私は思っております。
○卜部委員 幸いにして私も籍を建設委員会に置いておりますから、具体的に河川の問題、橋梁の問題等についてはその委員会でつまびらかにしたい、このように考えますが、ただ一点、桜江町にしても浜原にしても川本にしても、言えることは先人のことば。いわゆる古い人たちがつくり上げてきた。たとえば竹林なんか、江川河畔にあるわけなんです。そういうものを伐採してしまって、そのあとに堤防をつくった。その堤防が一気に解決しておるような場合はいいけれども、五カ年計画等で一部しかやってないためにそこに集中して、浜原等においてもあの広大なお寺さんが流れていく。お寺が流れるということは、そこら辺にある住宅をともに流していくという姿になるわけであります。そういう面に対する怨嗟の声があるわけですから、これは町づくりその他も含めてのことでありましょうが……。そこで歴史が証明するように、五年に一回くらいここは浸水しておるわけです。同じように浸水しております。でありますから、こういう問題を一気に解決するということでなければいかぬ、これを強く申し入れて、建設省のほうは終わりたいと思います。その点の具体的な問題はまた建設委員会の中で取り上げていきたい、このように考えます。 そこで、きょうはたまたま農林省のほうからも来ておりますので、農林省の方にひとつお伺いしたいと思います。 先ほど説明しましたようにヘドロの海と同様に、あの江川水域はもちろんのこと、いまは石見を中心に話をしましたが、簸川平野、島根県の穀倉地帯、そして水稲地区の平田市、こういうところは十日間も水が引かない。これはテレビでもずいぶん報道しておりましたけれども、船によって連絡をし合うというようなこういう状況下であります。したがいまして、こういうような水田はすでに全滅状態、同時に石ころとヘドロのあれが流れ込んできて、美しい実りのある水田を埋没せしめたという柿木の左鐙地区とか、それから江川沿岸のそういう地区があるわけでありますが、こういうようなものを考えてみたときに、抜本的な対策としていろいろとるべきこれからの方途はあろうと思いますが、先ほども申し上げたように、それに加えて家は全壊をしておる、半壊をしておるというこういう状態の中で、サラリーマンならつとめればあすのかてがある、給料が入りますが、農民はあすのかてを求めることができないという状況下にあります。こういうふうなことになりますと、やはりこれは、あたたかい農政の光がその人々の上に投げかけられなければならぬと思っています。こういう意味合いにおきまして、いろいろな委員から取り上げられたと思いますが、これに対するいわゆる対策、たとえば休耕だとか共済制度の問題等もあろうかと思いますが、この点はどうなっておるか、この点もひとつ具体的に御説明を願いたい、こう思います。
○森下説明員 私も江の川、斐伊川災害状況を見せていただきました。特にあの宍道湖のほとりにございます出雲空港のバルコニーに上がりまして、関係の方々から陳情を受けたり実情の話を聞いたわけでございます。いろいろ湛水による被害、また直接土砂に埋没した被害、まことに深刻な悩みの訴えを聞いたわけでございますけれども、ただいまのところ個人災害に対する救済措置はまことに貧弱でございます。いわゆる融資による方法以外にあまりない。ただ湛水の場合は、土地改良区がやる場合には、全額ではないのが残念でございますけれども、十分の九の補助金がございますけれども、個人災害に対しましては、天災融資法による経営資金の融資また自作農維持資金の融資、これの多少増額があるくらいでございまして、まことに貧弱な救済しかないわけなんです。しかし、先ほど建設大臣も、また総理府の長官もおっしゃいましたように、今回の災害につきましては総理みずから従来と違ったような感覚で、特に今回ねらわれた地区が過疎地域の農山村であるというような感覚で行き、見違えるほどりっぱなものになるのだ——われわれ自身も、政務次官会議でこういう指令も受けて、災害地に飛んだわけでございます。詳しいことにつきましては林野庁また農政局のほうから御説明いたしますけれども、そういうような前向きの感覚で、個人災害を未然に防ぐように取り組んでいきたい。ちょうど農林大臣が農林委員会のほうへ参っておりますので、私かわって以上のことだけお答え申し上げたいと思う次第でございます。詳細につきましては係からお答えをさせていただきます。
○卜部委員 政務次官、いまのおことばは前向きだと思っていらっしゃいますか。たとえばいま建設大臣が、江川の幅を広げていく、さらにそうした被害を受けた町村の町ぐるみを考える、これはもういわゆるほんとうの前向きの姿勢ですね。これはいままでにとられていない措置ですよ。自作農維持資金も天災融資法もありますけれども、若干のかさ上げをいたします、それ以外には残念ながら何もございませんという。たとえば建設大臣が言うように、町づくりはできました、家もできましたけれども、じゃ農民は何を求めて生活をするのですか。そういうことじゃいかぬでしょう。やはり政治というもの、政治の光というものは農山村のその谷間にまでも及んでいかなければならぬと私は思うのですよ。そうするならば、ことにこのしいたげられた農山村に対するところのこういうあたたかい措置は、建設大臣以上にあなた方がいち早く取り上げなければならぬものなんですよ。その点はどうなんですか。係官の人がいろいろと具体的に説明されるということですからお聞きしたいと思いますが、それじゃ前向きの姿勢じゃありませんよ。田中内閣は、そういうことではびっこの内閣ですよ。日の当たるほうの建設のほうはりっぱだけれども、農山村はやはりいよいよ沈んでいくという、これは典型的な亜流内閣だ、こういうようにしからく印を押されませんね。その点は十分、あなたも若いのですから、そのぐらいのことはひとつ覇気をもって、自信をもって農民を救ってやるのだというような気がまえがほしいと思いますね。
○森下説明員 まことにおっしゃるとおりでございまして、たとえば川本町の河川流域にございます農地が根こそぎ災害を受けて、地域の人は、改良復旧というのは、原形復旧にいわゆるプラスアルファするのじゃなしに、その土地を建設省の用地として転換してもらうのだ、買い入れしてもらうのだ。これはもちろん建設省の問題でございますけれども、やはり農地の問題とからんでわれわれも陳情を受けたし、またそれに対しまして建設省とよく相談してやっていきたい。これはあの三次盆地、三次市に合流した河川の流量と、それから流れ出す水量とのいろいろな比較問題はありますけれども、あの河川の被害状況を見ても、いわゆる治水事業の貧弱な点はわれわれにもわかったような気がするわけです。その被害がああいうようなえぐられた姿になって出てきておるし、その土砂によって人家が埋没したり、また田畑が埋没しておる。だから、やはり建設行政と農林行政が、あそこではまさにこれは別々ではなしに一体となってやらなければいけない問題があるし、また今回の災害で私が特に感じたのは、この豪雨量が脅威的な豪雨量ではありましたが、とにかく木のあるなしにかかわらず、また樹齢のいかんにかかわらず、山が溶けて流れたような感じさえしております。だから山河治まりて国始まる、政治以前の問題であると私は思うのです。そういうところで、先ほどはまことにおざなりの返答しかできませんでしたけれども、そういう気持ちで、私が幾らここで自作農創設資金を三百万円にいたしますとか三百万円にいたしますとか、これはとうてい言えない問題でございまして、これはよく省内で農林大臣以下相談いたしまして、法の許される範囲でとりあえずやっていきたい。しかし、やはりこの災害に対する、特に農林災害についての基本的、根本的な考えは、総理の意思に沿って、将来法を改正することまでも含めて検討していきたい、こういう気持ちでございます。
○卜部委員 時間がありませんから、ひとつ端的にお答え願います。 そこで、この農民の方々には、いまの話の焦点をしぼりますが、休耕措置なんかを与えて反当たり三万円の補償をするとか、こういう具体的な案はございませんか。
○大河原説明員 お答え申し上げます。 被害を受けました農家の方々に対します措置といたしましては、従来の施策以上に強化してこれを行なうわけでございますが、たとえば、お話のございました、水をかぶったと申しますか、流失、埋没いたしました農家の方々に対しましては、全損と見まして農業災害補償制度による共済金の早期支払いを実施いたしたいというふうに考えております。この点につきましては、被害県から多々御要望がございますので、来月旧盆までには大体被害県、御要望があるのは十三県でございますが、この方々についてはその措置をとりたい。お話の休耕措置でございますが、これは作付ができる農家の方が休んでいた場合の休耕奨励金でございまして、先生御指摘のような被害農家の方に対しては、共済金でこれをまかないたいというわけでございます。その他いろいろ御指摘がございました天災融資法の発動なり、あるいは激甚法を適用してその限度を上げるなり、償還期限の延長なり、あるいは自作農維持資金の災害ワクの大幅の設定なり、また融資限度を借り入れ農家の被害の実態に応じて引き上げる措置等、今回の大きな被害にかんがみまして早急に措置をとりたいというふうに考えております。
○卜部委員 時間がありません。これもひとつ小委員会並びに農林水産のほうへ参りまして具体的にやりたいと思いますが、これの支払い期日は旧盆の八月十二日ごろまでにやれるということ、これが一つ、それから二つ目は、休耕よりも上回る金額である、このことを確認してもよろしいですね。
○大河原説明員 お答え申し上げます。 第一点は、そのように旧盆までには間に合うように共済金の仮渡しをいたしたいし、また末端が財源不足の場合においては、国の再保険特別会計等からの財源措置も十分用意しておるつもりでございます。 第二点は、流失、埋没等になりました場合の共済金の支払いは、われわれの承知している限りでは、島根県におきましては休耕奨励金を上回るというふうに承知しております。したがいまして、それらの方々については、共済金を全損支払いで御要望に沿えるのではないかというふうに判断しております。
○卜部委員 委員部のほうから時間がないからということでございますが、通産省のほうへちょっと移ってまいりたいと思います。 先ほどもるる申し述べておりますように、今度の災害というのは、百聞は一見にしかずということで、委員長あたりもおいでになりましたが、聞いておるというよりも見てみなければわからない状態です。二階の家屋なんかが埋没していくような状態ですから、当然農民のみならず中小企業者、この方々の工作機械、こういうものはもうどろの中に埋もれておるというのが現状ですね。まだそれを払いのけるとかいう段階ではないのです。こういうようなときに、やはり農民と同じくこの人たちも立ち上がらさなければならない、私はこういうふうに思いますが、これは先ほど来金融の問題等が出ておりますけれども、端的に結論を急ぎますが、たとえ借りるにしても、これはなかなかやれ担保がないだとか、さらには資力がないとかいうようなことでこれを拒否をするということでは私は困ると思うのです。そういうふうな意味におきまして、これは当然小委員会等で利子の問題等については検討される、こういうことでありますからその場で検討することにいたしましても、担保だとかそういう信用保証というような問題等については、町や県あたりが保証人になれば貸し出すというくらいな措置ができるかできないのか、この点をひとつお伺いしておきたいと思います。
○原山説明員 お答えいたします。 今回の災害に関しまして、当方としましては、各通産局におきまして、地元の所在地はもちろん、被害の大きなところにいち早く調査チームを派遣して実情を調査するようにいたしております。島根県につきましても七月十二日に中小企業課長外二名参りまして、川本町はじめ各地の状況を調査させております。また、十八日には通産局長が現地におもむいております。 金融機関の貸し付けにつきましては、私ども金融の貸し出し限度の引き上げ、据え置き期間の延長、既往貸し出し金の償還猶予、それから先生御指摘の手続面の問題等を迅速に処理するように災害貸し付けの実施を指示いたしまして、各支店に指示を行なっておりますので、各中小三機関の支店におきましては、金融相談所あるいは巡回相談室というものを設けまして貸し出しを受け付けておりまして、現在まで千五百件、四十億の受付を行なっております。なお、島根県につきましては百七十一件で、現在のところ四億五千三百万円受付をいたしております。これらについては最優先に貸し付けを行なうよう強く指示していきたいと思います。 なお、先生御指摘のように、担保、保証の問題が非常に問題であるというような御指摘でございますが、現在の貸し出しにつきましては、国民金融公庫については三百万円まで原則無担保ということであります。そのほかの機関につきましては、それぞれ弾力的に運用するように指示しております。保証促進をはかるため、保証協会の保証ということが非常に有効であると思いますので、そのための基金——融資基金の貸し付けとわれわれは呼んでおりますが、融資基金の貸し付けについて特段の配慮をしまして保証問題を側面から援助いたしたい、こういうふうに思っております。 最後に、金利の問題につきましてもいろいろ御指摘がございますので、小委員会で検討いただくというふうに聞いております。私どもとしても十分検討してまいりたい、こういうふうに思っております。
○卜部委員 いま申されたように受付が四億、こういうことでありますけれども、これは松江市がとりあえず松江市民に対して融資をする金額が約四億円、これは八十万以上ということでこういうことであります。こういうふうなことでありますから、おそらくこの四億円なんという受付は、これまさに先ほどの長官の話じゃありませんが、まだそういうPRの足らぬために申請が行なわれていないと思うのですね。その辺のPRを十分に行なってもらいたいことが一つ。それから保証協会云々と言いますけれども、保証協会が保証したら銀行はだれでも貸しますよ。あたりまえの話だ。それをやらぬから、それがなかなか保証されないからこそ、町でもいいのじゃないか、こういうことを言っておるのですから、この点を十分に勘案してもらいたい。返事はいいです、またいたしますから。 そういうことで、だいぶ内藤先生の時間を食っておるようですから、次へ進ませていただきます。 次に、郵政省にちょっとお伺いいたしますが、今回とった郵政の非常払いの措置だとか何とかいうような措置、これは郵便局が全部これも二階まで浸水しておるわけでありますが、この点に万遺憾はなかったのか、この点をひとつお伺いしたいと思います。
○仲松説明員 お答えいたします。 今回の集中豪雨によりまして、郵便局関係では、九州はじめ八郵政局管内に及んだわけでございます。郵便局では局舎全壊一局ありまして、その他床上浸水等もございました。 まず、業務運行の確保でございます。これにつきましては、九州、中国、近畿の各郵政局では対策本部をつくりまして、対策班を現地へ派遣する等しまして、また、崩壊あるいは半壊した郵便局については、仮局舎を設置して業務のストップをできるだけ行なわないよう復旧につとめてきたわけでございまして、現在では平常に回復しております。 それから非常払いでございますけれども、貯金の非常払い、それから簡易保険の非常払いでございます。この点につきましては、罹災地の郵便局約八百局に及びますけれども、ここに非常払いをするよう指示しまして現在行なわれておりまして、これは大体八月の十一日ないし十二日まで続くようにしております。
○卜部委員 今日に至って業務が再開したなんというのは、これはあたりまえの話です。いつからそういう水害に見舞われた郵便局が開設をできるようになったのか、同時にこういう非常払いをいつから始めたのか、こういう点をお伺いしております。簡単に……。
○仲松説明員 お答えいたします。 これは各局によりまして非常払いの期間が全部まちまちでございまして、たとえば中国の場合でございますけれども、広島県が大体七月の十二日から一月間を期限として非常払いをやっております。それから島根県関係が十二日ないし十三日から一月間でございます。そのようにいたしております。
○卜部委員 こういうことですよ。ともかく郵便局は水につかる、それで家のほうも水につかっておる。しかしながら、郵便局のほうが優先をしますからそこに出てまいりますが、こういう場合に、やはり率直に言いまして非常払いなどということはちょっと無理なんです。こういうときにこそ郵政省あたりは郵政局に命じて、そうした疲労こんぱいに達している職員によって業務を推進するんじゃなくて、ワゴンあたりを持ってきて、どうぞ非常払いをいつでも受け付けます、私はこういう措置は当然とられていいと思うのです。この点がなされていなかったということを指摘しておるわけであります。これからの対策としてひとつその点を十分に勘案をしていただきたい。 二つ目に、郵政給与編の郵給三百九号というのがありますが、御存じですか。——私のほうから言います。これによりますと、職員の家がいわゆる水没をして特別休暇を要請できるような状態にある場合に、局の業務運行のために出勤した場合に与える日当、甲百円であります。乙八十円、丙五十円、こんなばかなことが今日許されますか。総理府長官、これは私は郵政省だけじゃないと思うのです。各省とも、こういう前近代的な法規がまだ残っておると思うのです。自分の家がやられて、そしてそれを顧みず局に来た。ある局だけじゃないですね。どこの官庁でもそうでしょう。ところが、そのときに日当が百円なんというようなことは、これはまさにナンセンスですよ。こういうものが現実に残っているのです。総理府でひとつこの点については各省に通達を出して、そういうものに適切に対応できるような措置を考えていかなければならぬ。建設大臣もおいでですが、重要閣僚がおいでになりますが、こういう問題も残されている。まだ百円、八十円、五十円などという、こんなばかげたことが残されていることを十分勘案をしていただいて、ひとつ田中内閣のためにもそういうものは早急に改正をしていただきたい、このように思います。 えらい時間をとりましたけれども、これもごく簡単なことを述べただけでありまして、まだたくさんの問題があります。この問題は建設委員会、農林委員会、商工委員会等、さらには小委員会で消化することにいたしまして、たいへん時間が長引いたことをおわびして終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○高田委員長 内藤良平君。
○内藤委員 午前以来、各委員の皆さんからいろいろ御質問もありましたので、重複を避けまして、また私の時間も午後三時十分ころまでの割り当てでございますから、御答弁も要領よく願いたいと思っております。 私、聞きたいことは個人災害についてですが、これは総理府のほうに、それから例の市町村でいろいろお見舞いを出していますが、これに対しての特交の関係ですね、これをお聞きしたい。それから稲作はいいのですけれども、畑作に対する共済がないのです、これについてお聞きしたい。それから治山問題で、治水は建設省、大もとの山を守る、あるいは裸山をなくするといいますか、あるいは伐採の関係、これは林野庁にお聞きしたいと思います。それから、今度の調査で非常に感銘を得たのは、避難体制のいかんによりましては人身の犠牲者を未然に防止できる。これは総理府の関係になると思います。こんなようなことをお聞きしたいと思っております。 まず最初に、総理府の長官にお聞きしますけれども、いまの避難体制の問題、未然防止ですね。私たちも調査団を出しましていろいろ現地の実情を調査しましたが、こういう世の中で人権は尊重しなければならぬわけですけれども、あるいは民主主義の世の中ですけれども、その市町村の指示あるいはその部落の責任者の指示が、ある意味では非常に強硬なところは避難を完全に行なっている。その結果は犠牲者が出なかった。同一の市町村でも、そのように行なった部落、集落のところは助かって、何百年来、何十年来災害がないんだからおれは動かないんだ、その方々の御意見を尊重したところは、結果的には犠牲者が非常に多い、こういう例が今回は共通しておると思うのです。 そこで、私たちもいろいろ話し合ったのですけれども、やはり集中豪雨というのは、今後気象現象としては免れがたいものと思いますので、ある一定の時間にある一定の量が、これは危険な雨量であるというぐあいに基準ができた場合には、あるいはその場所の地形ですか、地質といいますか、そういうものを含めて、これは全国的な調査も必要でしょうけれども、一応そういうデータは基礎的なものができておって、この地域では、この土地柄では、この時間にこれだけ降るとあぶないんだ、そういうぐあいに一種の基準をつくった場合に、こういう場合は県なりあるいは市町村長が、強権ということばは使いたくないけれども、強制的に退避させるんだ、こういうことが私は法律のような強い力を持ったもので必要じゃないかしら、こういうことです。これは私だけではありません。調査に参りました各委員の大体異口同音の御意見でございますが、このことにつきましていかようにお考えになっておりますか。これは本名大臣から聞きたいと思っております。
○本名国務大臣 今次災害に教えられる一つの特色は、従来は災害が全然起きなかった、あるいは起きる憂いのないところ、したがって防災施設その他が整備されていないところに、はからずも異常な災害があったということが特色であろうと思います。したがいまして予報、予知、連絡等々について、無線設備その他に欠陥のあったことも指摘されるところであります。特に人命、それから家屋等重要な災害に対しまして、退避命令、指示について不徹底のうらみのあったことも御指摘のとおりでございます。したがって、これらのことについては、十分災害の発生と同時に関係各省に連絡し、特に市町村長さんあるいは出先の警察あるいは消防等々にお願いをいたしまして、適切な措置をとっていただくように指示をいたしました。特に市町村におきましては、その責任者である立場からも、ぜひ徹底するようにいたしたのであります。 ただ、前段申し上げ、また先生から御指摘もありましたとおり、いままで災害の体験のないところに起きた。これを考えますと、将来日本の各地を考えまして、やはり今後において貴重な一つの教訓として、さらに予報、予知あるいは伝達あるいはそれに必要な施設というものを整備すると同時に、避難命令については厳格に守るという制度をつくってもいいのではないかとさえ考えております。一方においては、防災の施設も十分に総点検の上施していかなければならぬことは当然でありますが、一たん不幸にして豪雨その他災害に見舞われたときには、それらの措置が迅速に、しかも的確に誤りなく実行できるような制度さえも考えてみたいというふうに痛感いたしております。
○内藤委員 これは意見がましくなりますけれども、やはり県、市町村長は、人権を侵害したくないけれども、しかし非常の場合はぜひひとつそういう権限といいますか、そういうものが現状から見ると必要であると思う、こういう御意見が強かったわけであります。きょうだけの委員会じゃありませんし、これからいろいろ議会としても政府としても十二分に意見交換をしまして、適切有効なるものを生み出していきたい、こういう考えですから、その点はひとつ長官もよろしくお願いしたいと思っております。 それから、またこまかい話ですが、避難命令が出て避難したけれども、深夜の場合どこに避難していいかわからない。そこで減水まで、比較的浅いところに部落六十人ぐらいが夜通し一団となって立って避難をした、胸まで水につかっておった。それは部落の中で比較的急流でないところなんでしょう。深夜の場合なんかどうもそういう点が出てくるのじゃないか。そこで、やはり市町村の意見でありますけれども、山間部あるいは急激に水の出るようなところは、堅牢な建物、公民館でも——ふだんは集会その他公共の用に供する、非常の際にはたいがいの水でも、ある意味では山くずれでもびくともしないくらいのがんじょうな建物一つぐらいは必要だという意見ですね。これなども私はやはりなるほどと思ったわけであります。いわゆる避難場所ですね。避難命令を強くする、と同時に避難の場所として心配ない場所をふだんから備えておく、こういう御意見が強かったわけです。この点などいかがでございましょう。御所見をひとつ、本名長官……。
○本名国務大臣 災害に対しまして、対応策として治山治水等の防災施設をすることはもちろんでございますけれども、やはり御指摘のような避難場所は日ごろから指定いたしまして、訓練とまでいかないにしても、住民にその避難場所を常に周知しておくという対策も、これまた防災の一つの大きな仕事であろうと考えております。したがって、そういうことも今後は、先ほど申し上げたことと関連いたしまして十分対処してまいりたいと考えております。
○内藤委員 次に、個人災害は、これはわれわれ委員の中でも前々から議論をして若干前進を見ておりますけれども、なかなか今日の時代にふさわしい個人災害に対する救済制度はできないでおります。ところが、今度の大災害を見ますと、住宅等は融資だけでいいものかどうか。ここでは、極力やろうということで各大臣なり局長が意欲的に積極的にお話しになりますけれども、いざ現地へ参りまして、金を出す条件はどうか、いろいろ今度はこまかくなってまいりますと、水害、災害で住宅を全壊された方、半壊された方、こういう方方は——今日、自動車でひかれても五百万ぐらい補償される。あるいは飛騨川の災害の場合には、通行どめになっておった、そこでバスに乗っておりました乗客の皆さんが、自動車の乗客ということで国から相当な補償を受けているわけです。そういう実例が隣にあるのですから、個人災害の場合、単なる融資で住宅を復旧することだけでは、なかなか国民の皆さんになるほどと思われるような状態にならぬじゃないか、こう思うわけであります。なくなった皆さんに対する問題も、これは当委員会でも政府と話し合いで十万限度云々、これは見舞金でありますけれども、だから現状は遅遅たるものでありますけれども、これはひとつ中央災害本部ですか、総理府長官、この個人災害につきましては、いままでと違った思い切った角度で考えなければならぬのじゃないか、しかもこのように全国的に災害が発生したこの時期に、いままでも議論はしていますけれども、思い切った措置が必要じゃないかと思うのですが、いかがですか、御所見を承りたいと思います。
○本名国務大臣 御指摘のように、個人災害に対して、たとえば見舞金にいたしましてもあるいは住宅に対する融資にいたしましても、これで決して十分だとは考えておりません。しかしながら、住宅あるいはまた生命財産の保全等につきましては、民間企業の立場で生命保険あるいは損保等があるわけでございますが、国民全体がいつ見舞われるかわからない災害に対して互助の精神に立って、それぞれ不幸な目にあったときには救済する道を講じたいということで、三十五年以来政府では、共済制度を根幹としていろいろ検討してまいりました。また本委員会におきましても、何回となくいろいろと御検討いただいておるわけでございますが、いままで検討いたしました結果では、加入方式をどうするかということ、あるいは料金の徴収方法はどうするか、あるいはまたその制度の収支をどうするかというようなことで非常にむずかしい問題にぶつかりまして、正直申し上げて、ちょっと行政的にはさじを投げざるを得ないじゃないかということになったわけでありますが、先ほど来いろいろ御発言がありましたとおり、この災害を契機として発想の転換をしろ、その発想の転換の一つとして、御指摘のようなことも考えることが一つの大きな仕事であるということから、今次災害を契機として、あらためて政府も真剣にこれに取り組もう、再検討しながら、ひとつ何とか目的を達するような制度をつくろうということで検討を始めたところでございます。
○内藤委員 これはなお時間のかかる問題と思いますので、長官の意気込みを了としまして、このあと具体的に他の場で詰めるようにしたいと思っております。 それに関連しまして、木村建設大臣にちょっと伺いますが、秋田の能代においでになった際に——一級河川の米代川の堤防決壊で六千三百四十三人の罹災者が出ました。私は当時おりませんでしたが、帰って地元新聞を見ましたら、大臣の、すみませんでしたという御発言が大きく新聞に出ていました。県民の皆さんも、大臣の、すみませんでしたと言いましたか、申しわけないでしたか、そういう率直なお気持ちで、相当胸の内はおさまったと思いますけれども、ただ、こういう声が出ているのです。あそこは国で管理しておる一級河川の堤防がくずれたんですね。しかも増水で冠水したのではなく、そこが自然にとけたようなかっこうなんですね、土盛りのあれですから。一説によりますと、決壊直前にネズミやヘビやモグラがどっと出てきた。あの数からいうと、モグラ穴、ヘビ穴、ネズミ穴がたいへんたくさんあって、それが浸水しまして、そこで土が締まって落ちてきて、それを水が越えたんじゃないか、こんなこともいわれております。 そこで地元では、やはり国家で補償すべきじゃないかという声が出ているのです。だから大臣の申しわけなかったということで、私も秋田ですが、一応秋田の罹災者の皆さんは、気持ちの上では大臣のおことばで、ある意味では慰められていると思うけれども、さあ今度うちを建てる、全壊の方もたくさんおる、半壊もおる、あるいは床上浸水もおる、たいへんな状態です。そこで、これは国のほうから弁償してもらわなければならぬという声もあるわけです。いまの個人災害と関連がありますけれども、また違うような面も考えられる。大臣として申しわけなかったというお気持ちから、具体的にやはりある一定額は国で弁償的な気持ちで出すのだと、そこら辺までお考えになっておるのかどうか、そこら辺聞きたいのです。
○木村国務大臣 政府が管理しておりまする一級河川、そいつが決壊して多分に住民の人々に御迷惑をかけたということはほんとうに申しわけないことでありまして、それは申しわけありませんでしたと言って、私は率直に謝罪したのであります。お役人の人々はそういうことは言い切れない。いままで言い切れなかったんじゃないかと思います。なぜ言い切れなかったのかといいますると、そんなことを言った場合には、いまおっしゃったような、責任があったならばその賠償を出せ、こういうようなことを言われると、そのあとが非常にこわい、こう思いまして言い切れなかったんじゃないだろうか。私はその際に申しわけなかったと大胆に言いましたのは、そんなことをおそれておったのではだめだ、こういう考えなんでありまして、これからは二度と災害の起きないような十二分な対策を講じてあげることが何よりも大切である、どのように金がかかってもよろしい、二度とこんな災害が起きないようにしてあげることが一番大切である。それから、つくった堤防、何でもそうでありまするけれども、その後の管理なんでありまするが、いまおっしゃったようにネズミが巣をつくったり、ヘビの住みかになったりしておって、それがもとで浸水いたしまして、堤防が弱くなって決壊したなどということのないような管理、監督もしなきゃならない。そういうような意味合いも含めまして、私は、すみませんでした、これからは住民のあなた方に絶対に御心配をかけないような、迷惑をかけないような対策を樹立いたしますと、こういう立場で私申し上げたのでありまして、その責任があるから政府が補償しなきゃならない、こういうような気持ちの前に、まず自今なくしたい、こういうことが先に立って申し上げたことばなんでありまして、ほんとうにそのとおりにやるつもりであります。 私が各地を回って歩きまして、原形復旧じゃないぞ、今度は根本的な対策を立てるぞ、こういうようなことをどこの災害地でも言ってきたのでありまするが、そのあとで、御承知のように総理は、原形復旧じゃない、りっぱな改良復旧をやれと言われましたし、それから、予算なんかにとらわれないで仕事と取り組めと、こういうこともはっきり言っておいでになりますから、私はこいねがわくは、申しわけなかったという謝罪のことばは、自今に対する私の責任としてお取り上げくださったならば非常に幸いだと思っております。
○内藤委員 大臣、あなたのおことばにからむわけじゃありませんが、自然災害で個人がいろいろ災害を受けまして、それを個人的な面とまた違ったいまの例を秋田の能代市にとりましたが、この種の例の場合は、いわゆる個人災害に対する救済とまた違った面で国でも一役買っているのだ、こういう立場で今後お考え願いたい。私、きょうはこれより申し上げません、そういうぐあいにしておきます。 それから、時間が過ぎちゃったので急ぎますけれども、畑作の共済について、これは現状ではいかんともしがたいような状態らしいのですが、これは農林当局何か考えておりますか。これは簡単でよろしゅうございますからお聞きしたいと思います。
○森下説明員 畑作の共済制度につきましては、ただいま調査検討中でございます。御承知のように、果樹共済がことしやっとできたようなかっこうでございまして、その数量的にも価額的にもなかなか簡単につかめない。しかしながら、こういう災害を見てみますとかなり畑作にも被害が出ており、前向きで検討したいと思います。 先ほど申し上げましたように、農林関係の個人災害では天災融資法に基づく経営資金ですね、これが激甚法の指定を受ければ五十万円ですか、それも被害の程度によって金利が三種類に分かれております。そういう点で御利用願っておる。もう一つの問題は、これは生活のためでございますけれども、自作農の維持資金五十万円、これも先般島根に参りましたときに陳情を受けましたのは、ある地方ではもう三年間災害が続いておる、五十万円なんかとっくに使ってしまってないのだというようなことで、これを八十万にするか、北海道の例なんかを見ますと百二十万までいった例があるようであります。そういうような姿勢もとっていきたいと思っております。 それから、先ほどちょっとお尋ねのございました治山関係につきましては、林野庁長官また水産庁長官から直ちに、そういう地すべり地帯の点検ということを出先のほうに命じまして、こういう災害が将来起こらないようにということで、保安林問題それから国有林の問題、かなり問題ございますけれども、いわゆる皆伐の問題とかそういう問題で、治山というのは治水につながる大きな問題でございますので、いわゆる山林行政、森林行政というものと災害の問題をよく関連して、日本列島総点検の中で、やはり八割を占めます山林の点検ということから始めないと、日本列島の点検はできないと私は思うのです。だから、そういう感覚で前向きに検討したいと思っております。 まことに抽象的なお答えで申しわけございません。
○内藤委員 もうこれで終わりますけれども、林野庁長官にちょっとお聞きしたいのですが、やはり伐採と植林の関係、それから里山、奥山の関係、こういう関係です。民有林の場合はなかなか手が伸びないのですが、今日の林業の実態から見ますと、伐採はするけれどもなかなか植林はできない。経済ベースに乗らぬような民有林といいますか民有地が里山、奥山でもあると思うのです。ですから、これからの国有林の事業としては、そういう面も含めて治山という面が非常に重大でありますので、やはり伐採と同時に植林する、あるいは民有地であっても国のほうで手を出して行なう、こういうことが今度の災害に徴しまして非常に大事なことだと思います。ただ、独立採算ということで、最近林野庁関係は赤字対策ということで、どうも経費のかかることよりも売るほうを急ぐような傾向がある、私はそういうぐあいに思います。しかし、今度の大災害を契機に、やはり治山ということから、切るほうもあれだけれども、植林、山を治める——こうなると独立採算になかなか合わない面が出てくるのじゃないか。そこで、やはり独立採算にこだわらないで、これからの林野事業というものを、治山という面を非常に重視して行なう気持ちがあるのかないのか、これをひとつ最後にお聞きして終わりたいと思うわけであります。
○福田説明員 ただいま御指摘ございましたように、国有林は現在、戦後から独立採算制度をとっております。御承知と思いますけれども、戦前は伐採収入というのは半分しか山に戻ってなかった。これでは治山もできないし、林道もつけられないし、植林もできないというので、御指摘のような独立採算制度になったわけでございます。御承知のように、木材価格はいま低迷しております。人件費は当然他産業並みに上がってまいります。バランスが破れて赤字だというふうな状態に現在なっておりまして、従来の積立金が四十七年度をもって全部なくなってしまうということになりました。しかしながら、最近御批判ありますように、職員の賃金を支払うために伐採をしておるのじゃないかというような御批判も実はいただくわけでございますけれども、伐採につきましては、資源の基本計画に基づきまして、五十年先を見ての一応の伐採と植林の計画をいたしております。したがいまして、ただ単に収入を上げるためによけい短期間に切るということは、実はいたしておりません。ただ、伐採のしかたに実は問題がある。大面積を皆伐するということはやはりいろいろな災害を誘発する原因になります。そういう点を考慮いたしまして、今年度内にこの資源の基本計画を改定する予定にしております。大面積皆伐は大幅に減らしまして、小面積の皆伐は実は里山のほうでやる、奥山は禁伐をやる、中間地帯は択伐の伐採方式をとるというような大体の方向はきめておるわけであります。 そこで、治山事業につきましては、第四次の治山治水五カ年計画の一環といたしまして、四十七年度から前計画の大体倍にいたしまして、従来は、これは特別会計の収入でまかなっておったのでありますけれども、それが非常にむずかしくなりましたので、四十七年度は、予算におきまして約半分は一般会計から導入をお願いしたわけでございます。今後は、この治山事業は特に公益的な性格の強いものでございますので、一般会計の負担をお願いするということにしたいわけでございますけれども、やはり経営の内容を十分に近代化し合理化しまして、そういうことは当然であるというような国民の皆さんの御賛同を得るようなことをやはり考えなければならぬとも思っております。そういう方向で治山の問題、先ほど次官から申し上げました保安林の問題等は今後十分に検討いたしまして、森林法の改正という形でこれを持ち込みたい、かように考えております。
○内藤委員 終わります。
○高田委員長 広沢直樹君。
○広沢委員 私は、大体防災的な面からいろいろお伺いしたいと思います。 去る七月の上旬、高知県の土佐山田町並びに熊本県天草地域をはじめとする全国にわたって大きな被害が出ておりますが、さらにまた台風七号、九号等の被害が相次いで出ているわけであります。こうした多くの被害者あるいは被害をこうむることになった結果について絶えず言われておりますことは、事前に打つ手は何かなかったのか。反省も含めまして、被災者の救済、補償あるいは災害復旧とともに、防災体制がいつも問題にされるわけであります。 そこで、これまでの災害を通じまして、その反省も含めて、災害の共通点といいますか、それを防災対策の上から基本的にどう考えているのか、まず伺ってみたいと思います。特に木村建設大臣は、今次災害に対して全国各地をみずから回って、はだ身にそういった実態も調査され、激励もされたと伺っております。それに対しては敬意を表するわけでありますが、さりとて、絶えず同じような災害が繰り返されてきているわけでありまして、その基本的な防災体制に対してどういうふうに考えておられるのか、両大臣にそれぞれお伺いしたいと思います。
○木村国務大臣 私は、御指摘のように、今度災害各地を回って歩きまして切実に感じましたことは、どのような災害でもこれは人災として受けとめなければならない、こういうことなのであります。その瞬間瞬間のできごとを見ますると天災と言いたいのです。しかし、長い歴史の上に立ちますると、決して天災じゃない、こいつは人災として受けとめるべきものじゃないだろうか。たとえば、前もって河川改修を思い切って金をかけてやっておったならば、少なくとも水害は防げたんじゃないだろうか。それから治山事業にいたしましても、ほんとうに山の地質をたんねんに調査いたしまして、そうしてこれにも思い切って金をかけておったならば、今度のような事件というものは防げたんじゃないだろうか。それから、先ほども申し上げましたけれども、やはり過密地帯にはあまりこういう場合において災害がない。過疎地帯に非常にある。それは何かといいますると、過密地帯にはいろいろな点で金をかけておりまするけれども、過疎地帯にはやはり金をかけなかった。そういうような問題をあらゆる角度から検討してまいりますると、結論として、災害というものは防げるものである。したがって、人災としてこれは受けとめなければならない。そういう立場に立ってこの問題を受けとめまして、そうしてそれと真剣に取り組んで解決するという政治姿勢が必要なんだ、天災、天災といって断片的なできごとだけを見て、それと真剣に取り組まないと、永久に根本的な対策はできないものである、こういう観点に立ちまして、私、これは私個人の考えでありまするけれども、どのような災害でも人災として受けとめて真剣にこれを解決してみようというのが、私の現在の政治と取り組んでおりまする基本的な態度であります。
○本名国務大臣 基本的な考え方につきましては、ただいま建設大臣のお話のとおり、私どももそういう覚悟をもって今後に対処してまいりたいと思いますが、お尋ねの、いままで対策本部としてどういうような方針で進んできたかということについて若干申し上げたいと思います。 いままでとってまいりました基本と申しますか、基礎的な仕事としては、第一に、何といっても早期に現場の実情をつとめて正確に掌握するということにまず全力を注ぎ、そうしてその被害の実情に対応した応急の措置を早急にとるということを指示してまいりました。さらには、それとあわせて、やはり災害を一日も早く復旧しなければならぬ。それには先ほどから御論議のありました改良復旧につながるいろいろな調査あるいは査定、そうしてそれに対応する復旧事業に早期に着手するというようなことをいたしてまいりました。それから、各地からの御要望の強い激甚災害法あるいは天災融資法の早期に発動できるように、査定その他の督励をいたしてまいりました。 それから、あわせて今次災害の特色からいたしまして、危険地域をもう一ぺん総ざらいしてみる、総点検をしてみる必要がある。これはもう早急に冒頭においてこの措置をとると同時に、これまた今次災害の特色の一つでもあります避難体制について一体これでいいかどうか。そうして次に、次々と災害が起き、また重なるというようなことに対処するようなことで進んでまいりました。 さらに、今後の方針としては、先ほど来いろいろ御指摘もございましたが、いままでわれわれが関係各省と打ち合わせましたことは、まず第一に、基本的に集団移転の問題であるとか、あるいは今後の災害に対処する避難体制を整備するとか、あるいは警報体制の強化であるとか、あるいは技術調査団を現地に派遣いたしまして、この機会に今回の災害の基本的な原因の究明をいたそう、さらに、今後予想される危険地に対しても総点検を行ないまして、その結果に基づいて必要な対策等を各関係省庁を中心として検討を進めていきたいということで対処いたしております。
○広沢委員 いま両大臣からいろいろお話伺いましたが、確かに人災としてとらえて対処するという基本的な姿勢、非常にけっこうだと思うわけであります。災害が起こるたびによく言われておりますことは、やはり天災か人災かという議論がしばしば行なわれております。私も災害対策委の一員として先日災害地の視察に参りまして、そのおりにもやはり、たとえば土佐山田地域におきましては、いままで想像もしない七百ミリ以上の豪雨が降った、こういうようなことをしばしば関係者は口にいたしております。そういった中に、どうも自然災害はある程度やむを得ないのじゃないか、こういうような意識的な観念があるのではないかという印象を受けたわけでありますが、大臣が現地に行かれて、そのような姿勢で取り組んでいかれるということは、非常にけっこうなことだと思うわけであります。 そこで、防災の問題でありますが、せんだって私も当委員会におきまして、一応中央防災会議、そのあり方について二、三提言も申し上げたわけであります。今次こういう非常な全国的な災害を受けたわけでありますが、中央防災会議というのは開いたかどうかという問題、さらに地方との関係はどうなっているかという問題について、若干説明をしていただきたいと思うのであります。
○小宮山説明員 防災会議につきましては、従来から、防災基本計画を策定いたしまして、災害予防、災害応急対策等について基本方針を示すことになっております。防災については、先生のおっしゃいますように、前向きに取り組んできたつもりでございますけれども、今回のような災害を見ますと、やはり防災という問題をほんとうに前向きでもう一回考え直す必要があるような感じがいたしますし、今後ともそういう意気込みで努力する覚悟でございます。 地方防災会議についても、防災については前向きに取り組むよう、消防庁を中心に指導しております。東京都の防災会議等についても、地震対策等について相当の効果をあげているように聞いております。 なお、非常災害対策本部においても、今回の災害の実情にかんがみて、危険地の総点検、これに対する対策、避難、警戒体制の強化等については、鋭意取り組んでおるのでございますけれども、一昨日、これは責任官庁をしっかりしろということで、避難体制はどこ、それから予報はどこ、避難、これは消防庁というようなことで、責任官庁の明確化をきめておるところでございます。
○広沢委員 そこで、中央防災会議につきましては、前委員会におきまして私が申し上げましたことは、しばしば防災会議は開かれておりますけれども、その取り組み方が、災害が起こった際の復旧の体制だとか、それに対応した法律の一部改正だとか、政令だとかの改正を論議されているわけです。それは当然のことでありますけれども、より前向きに、やはり総括的に中央防災会議を開いて、いま申されましたように前向きに、反省も含めて事こまかな体制まで検討し、各都道府県の防災会議あるいは市町村の防災会議との連携を十二分にとって、今次災害に見られるような多大の被害を出さないように、もう少しこまかな運営のしかたをしていけばどうだろうか、こういうふうに考えているわけです。地方防災会議につきましては、それは首長、いわゆる中央においては総理大臣がその議長になるわけでありますし、各都道府県においてもそれぞれの首長がそういう任につくわけでありますが、しばしば開かれた防災会議において、そういった関係各省は、局長あるいは事務レベルではよく打ち合わせをやっておるようでありますけれども、そういう総合的な会議が定期的に開かれていないといったところに問題点があるのじゃないかということを前回提言したわけです。その点について十分考えてみるというお答えをいただいておったわけでありますが、今回のようなこういう災害が起こった際に、やはり総括的なそういう会議を開いて、事こまかに分析をし、計画を立て直し、あるいは十分なる今後の対策を講ずるべきじゃないだろうか、こういうふうに考えましたものですから、いまお伺いしたわけでありますが、中央防災会議は今次災害に対しては開いてないわけでありますか。
○小宮山説明員 今次災害については中央防災会議は開いておりません。いま広沢先生のおっしゃいますように、われわれといたしましても、今度の災害についてたいへん反省すべき点が多々ございます。私自身の感じでは、防災会議で責任の所在とそれから通信の明確化、あるいは情報の収集、そういうもののルーティーンをはっきりさせるということが今度の防災会議の中では一番重要な事項であろう、そういうようなことで、この非常災害対策本部の一応の段取りが終えたところで、今後ともそういう方針で防災会議を開きたいと思っております。
○広沢委員 やはりそれぞれの防災体制、りっぱな組織ができたとしても、そのもとでこういう多大の被害を受ける、あるいはそれに対して災害のたびに同じことを繰り返しておるようでは、これはどうにもならないと思いますので、具体的に実行できる体制でひとつ取り組んでいただきたいと思うわけです。 さらに、災害対策本部の設置のあり方でありますけれども、ずっと検討してみますと、大体、災害が起こった段階において災害対策本部がそれぞれに設置されて、そしてそのほとんどが、これは当然のことでありましょうけれども、救済、補償あるいは復旧という問題に対して力が注がれているわけです。これは言うまでもなく当然のことでありますが、やはりそういう危険を予知していく、あるいは予報体制のもとにおいてそういうことが懸念される場合においては、いち早く災害対策本部を設置して万全の体制をとることが必要ではないだろうか、こう思うわけでありますけれども、その点についてはいかがでありますか。
○小宮山説明員 先生のおっしゃるとおりだろうと思います。今回は総理の命令で非常災害対策本部をつくりました。この前つくりましたのは十勝沖地震だと思いました。そういったことで、今回はいろいろな個人弔慰金とかあるいは立ちのきの問題、ダムの問題、総点検の問題ということをいろいろ協議いたしております。この中からいろいろな反省点が相当出てまいりましたので、今後とも、これを上から下に、それから下から上にということで、情報が十分徹底するような、またその施策が十分徹底するような方向に向けていきたいということで考えております。
○広沢委員 また土佐山田の例を引くわけではありませんが、大体、災害対策本部を設けた場合、これはやはり首長ですね、町であれば町長、県であれば知事がなるわけでありますが、土佐山田町においては、たまたまこの災害があったときは上京中で留守をしていた。そのあと現地においては山くずれ等があり、消防団をはじめその対策に一生懸命になっておった。そしてまた二重災害を受けたわけですね。ですから、やはり当然こういう自然災害に対しては、まず最初に予報体制というもので通報されるわけでありますから、そういうものがなければけっこうですけれども、災害が起こる以前に、どうも台風が来そうである、あるいは集中豪雨の懸念があるといわれる段階において災害対策本部というものは設置し、あるいは指示系統の一本化だとか、あるいは危険個所に対する万全の体制とか、そういうことをしいておくべき必要があるの町ではないか。私がたまたま視察に参りました町においては、どうも指揮系統がしっかりしてなくてああいう二重災害になったのではないかという問題もあったわけです。ですから、確かに災害基本法には災害対策本部の設置のしかたはちゃんと書いてありますけれども、やはりそういう災害が起こりつつある中でいわゆる災害対策本部がつくられて、それに対する指示をしている、あるいはその後においてその復旧対策並びに救済対策に万全を期しているという体制でありますから、より以前に、防災という見地に立てば、いま私が申し上げたような取り組み方をするべき必要があるのじゃないか。その点は、中央における防災会議の中においてもあるいは災害対策本部の設置においても、各地方との連携を保って災害を防ぐという前向きの体制でこういうことを考えてみるべきじゃないだろうか。これはつぶさに私も実感として味わったものですから、いま申し上げているわけですが、いかがですか。
○小宮山説明員 確かに基本法の中で、おそれのあるとき、また災害があった場合に、そういう対策本部をつくるということになっております。土佐山田の場合についても、確かに国鉄、建設省、農林省の間の連絡が悪いという一部の連絡がございました。この点については、対策本部としても、そういうことのないように地元の対策本部と一致協力してやっていただきたいという命令も出しておきました。 私たち今度の災害で一番感じますのは、情報の敏速化、たとえばいま情報が入りますのは警察電話だけでございます。災害にもなりますとほとんど切れますので、今後ともやはり消防無線というようなものの普及、これはいま地方公共団体にたいへん負担をかけているようでございますので、対策本部の中で、今後ともこれを改正してもらえないだろうかという話をやっております。
○広沢委員 時間がありませんので次へ参りますが、まず気象庁にお伺いいたしたいと思います。 やはり自然災害に対する第一線というか最前線は、気象関係を的確に掌握することである、そしてまた、その予報体制を確立することにある、これは言うまでもないことであります。したがって、こういった時期における気象関係に従事していらっしゃる皆さんは、日夜非常な努力をなさっていらっしゃることはよくわかるわけでありますけれども、やはり災害が起きてしまったあとには、その予報体制はどうであったかということがいつも問題になるわけであります。 そこで、私がいま申し上げたいことは、今次集中豪雨におきまして、直撃地域をもう少しこまかに予報することは不可能なんだろうかという問題であります。この土佐における通報におきましても、大体マクロ的に予報は、集中豪雨があるあるいは大雨警報が出ている、こういうことは的確に出ているわけでありますけれども、あの繁藤地域の山くずれにつきましては、各省においても危険指定区域ではなかったという問題もありますし、あるいは住民においても多少そういう安心感があったのじゃないか、そういうような見地から考えてみましても、やはりもう少し精度の高いあるいはもう少し地域重点的な予報ができないものだろうか、こういうふうに考えるわけでありますけれども、その点いかがでありましょう。
○高橋説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。 確かに非常にこまかいエリアの集中豪雨の予報ができれば望ましいことでございまして、この面につきましていろいろ研究は進めているのでございますけれども、残念ながら現在の段階では、この区域で何時ごろこのくらいの雨量が降るということにつきまして、たとえば前の日あたりから予報するということは、現実的にはちょっとできないと申しましょうか、非常に困難な状態でございます。したがって、災害と関連いたしましては、やはりもうちょっと短い、数時間の予報と申しましょうか、そういったようなところでやっていくよりしようがないのじゃないか。そのためには、一つはレーダーを活用いたしまして、この辺で雨が降っている、そしてこの強い雨がこういうふうに動いているから、この辺で豪雨が起こる可能性があるだろう、そういうようないき方が一つあると思います。それにつきまして、レーダーはたしか昭和二十八年のあとでありましたか、だんだん整備いたしまして、現在ではほぼ全国に大体配備されましたので、当分はそれを活用していく必要があろうかと思うわけでございます。もう一つの点は、レーダーでございますと大体よろしいのでございますが、レーダーで観測できない山の陰のようなところがございますし、また数量的に、大体のけたはわかりますけれども、こまかい点がわからない点がございます。こういう点につきましては、やはりこまかい観測網をしきまして、そこでデータを集めて、それによって監視をいたしましていち早く流す、こういうようなことが次に考えられることではないかと思うわけでございます。 従来もこの線でやってまいりましたが、従来でございますと、測候所なり気象台なりの観測と、そのほかに無線のロボットを使いまして、何カ所かございます。そのほかには、委託をいたしまして、そこで観測してデータを集めているわけでございますけれども、委託いたしましたのは、電話などを使って集めることと、もう一つの点は、人が観測するわけでございますので、たとえば夜間なんか通報が来ないというような場合がございますので、こういった方面を抜本的に改良する必要があるだろう、こういうことを考えまして、昨年あたりから、そういった方面の新しい計画を立てまして遂行しているわけでございます。 その考え方と申しますのは、従来ですと、人が観測してそれを電話で知らせるということだったのですけれども、むしろ、テレメーターと申しましょうか、電話線を使いまして、雨量計のデータをすぐ気象台あるいは気象庁に集める、こういう検討が行なわれているわけでございます。本年度は福島にそういった方面の試験的な機械を置きまして、どれくらいうまくいくものだろうか、機械はどういうふうにしたらいいだろうか、そういうような検討をやっているわけでございます。これがうまくいくようでございますならば、できれば来年度からそういった機械をつくりまして、再来年度から全国的に展開いたしまして、それを集めて気象台あるいは気象庁でその雨の降っている状況を監視いたしまして、それに基づいていち早くお知らせする、こんなようなことを実は考えている状態でございます。
○広沢委員 今回の土佐山田の繁藤地域におきましても、これはいまお話しのように、乙種観測所として委託でやっておったわけですね。現実にはそれがあったわけであります。しかしながらああいう災害が起こっているわけでございますね。そこで非常に感じますことは、気象庁は予報通報をすればいい——もちろん、科学的データによりまして、その地域にどれくらいの雨が降るだろう、あるいは相当な危険も伴うであろうという予報は確かにここに、気象庁がとった処置というところに明確に書いてありますけれども、しかしながら、実際の防災体制の会議をしたり、あるいはそういうような対策を講ずる場合に、気象庁の中に入って具体的な検討をなさっているかどうか。ただ科学的データによってその地域に連絡予報ルートを使って流せばいい、それであれば、一応大雨注意報あるいは雷雨注意報を出してあるからいいのだということにはならないと思うわけですね。やはり今回の場合においても、確かにその通報は出ているわけでありますけれども、ああいう災害が起こっているわけです。そうすると、やはりそれはどれくらいの被害になってくるかどうか、今後どういうふうな情勢に刻々変わっていくのかというきめこまかな通報をやっていかなければいかぬのではないか。 たとえてあげてみますと、土佐山田の場合は、五日の午前三時には一応この注意報を解除しているわけですね。それから約三時間後ですかに再び注意報を発令した。その直後に山くずれが起こっている。それからあと、七時十五分、一時間後に再度通報を出していらっしゃるわけですね。それから十一時直前ですか、第二回のああいう山くずれがあって大きな被害者を出した。七時十五分に出たきりになっているわけであります。その後も雨が降ったりいろいろな状況、気象の変化というものがあったはずであります。ですから、そういう危険地域は、建設省あるいは農林省というそれぞれの所管で、もしもこうなった場合こうなるという危険に対する対策は考えているだろうと思うのですけれども、一番たよりにしていくのはやはりその予報通報であるわけでありますから、そことの緊密な連絡がなければ、当時適切に出したとしても、それを防ぐいとまがないということが考えられるわけですね。その間、事前にどういう具体的な防災に対する打ち合わせを気象庁と各関係省庁とやっておられるか、あるいは当局者とやっておられるか、そういった点について若干伺ってみたいわけです。 たとえばその地域に対して、ここが危険区域である、あるいはこれが道路あるいは河川の決壊区域であるということを十分予報官としても知っておれば、その辺にどうも集中豪雨がありそうだということになれば、全体の予報体制とそれに対する防災体制とが緊密な連絡をとって、刻々予想されるであろう被害に対する対応あるいは指揮ができると思うのです。それがなければ、やはり具体的には今回の繁藤みたいに、第一次の山くずれがあって、そしてそれを救済し、復旧することに全力をあげている中にこういう問題が起きてくるわけでありますから、その具体的な各関係当局の連携がまず十分でなければならぬと思うわけですね。その点、この地域に一つ例をとったわけでありますが、中央気象台と地方との、災害対策本部並びに防災会議等の関連はどうなっておるかといった点について伺いたい。
○高橋説明員 ただいまの点にお答えいたしたいと思います。 一般的なやり方、連絡したりなんかするやり方につきましては、防災会議なりなんなりで連絡をいたしまして、よく協議をしておきまして、こういった方法でデータを流すとか、そういうようなことをまずやるわけでございます。それから、さらに、災害の起こりそうな気象状況になりますというと、もちろん注意報なり警報なりを電話でその災害の防災対策に携っているところにお知らせすることもいたしますし、それと同時に、必要に応じましてはそういった関係の方に集まっていただきまして、そこでいろいろ御相談をしながらいろいろなお知らせをするというようなことも実際的にはやっております。ただ、いま先生がおっしゃいましたように、確かに予報官が非常にこまかいところまで知りまして、いろいろ予報なり警報に対しまして正確なアドバイスとでも申しますか、するのが望ましいと思いますけれども、御承知のように、災害地の現象が非常に複雑でございますし、また起こる場所も非常に数が多く、またローカリティがあるものでございますから、そういう点で全部予報官がこなすということは非常にむずかしいわけでございます。 そこで、その問題につきましては、ふだんは防災気象官という者がおりまして、大体こういったところでこの程度の雨が降れば災害が起こるだろうというのを調査しておきまして、それに基づいて予報官が判断をしまして、あまりミクロではない、いささかマクロの予報になりますけれども、そういうような状態でやっておるわけでございます。やはり実際的な問題を考えていきますと、防災体制、防災の実際の作業をやられるのは都道府県あるいは市町村でございまするから、そういうところである程度そういった問題に注意しておいていただきまして、この辺でこれくらいの雨が降ればここでがけくずれが起こるというようなことを見当をつけておいていただきまして、それに対して気象庁が、少しマクロでございますけれども、雨の区域につきまして、小さいことは小さいのでございますけれども、十キロとか二十キロくらいの間でございますと、大体のオーダーの雨量予報はある程度は見当がつくと思いますので、それをお知らせいたしまして、それで防災体制をしいていくというのが一番実際的な問題でないだろうか、こう考えておるところでございます。
○広沢委員 時間がありませんので、要望として申し上げておきますけれども、気象庁、やはり私がいま申し上げておりますように、予報するにしても、この地域が危険であるとか、よく事情を知っておられる方がそれぞれ各機関に予報、通報を流されるのと、ただ一般的な一つの危険性から流されるのとは、やはりそれの取り組み方といいますか、危険度の感じ方というのも違ってくるのじゃないか。ですから、事前にやはりそういう防災会議あるいは災害対策本部等との連携を密にとられて、そしてその地域地域を所管している気象台においては、もしもここでこういう雨が降ったらこの地域はまことに危険なんだなという感じを持って、それは土木関係、建設省とかそれぞれの所管がそう思っているだけではなくて、十分熟知した上での予報を流されることが必要なんじゃないだろうか、これを要望として申し上げておきたいと思うのです。 それで、時間がありませんので次に建設省にお伺いいたしますけれども、いわゆる自然災害に対する危険個所の掌握と、それに対してどの程度その工事に着手されているか。たとえば急傾斜地の問題、あるいは河川関係の問題、あるいは港湾関係の問題、あるいは道路関係の問題、いろいろたくさんあると思うのですけれども、まあ事前に私申し上げてありましたので、少し数字的になりますが、簡単にひとつ説明してください。
○川崎説明員 危険個所の点検につきましては、私どものほうで昭和四十四年に実施を一度いたしました。この時点で調査対象になりましたのは約一万三千カ所余りでございます。それについて各府県に、いわゆる危険区域としての指定をやるようにといういろいろ指導をいたしておるわけでございますが、それぞれ市町村等にいろいろ事情があって、現在では約二千余りが区域に指定されております。したがって、そういったものを対象にいたしまして、私どもとすれば、五カ年以内にはそういったものを全部防災の工事を実施いたしたいということで、これはもちろん県等の地方単独事業もございますが、現在実施の事業を進めておるわけでございます。ただ、まあ非常に区域指定が少ないものですから、そういったところの安全性を確保いたしますために、できるだけ地域の防災計画の中に織り込んでもらいたいということで、現在約一万カ所程度が地域防災計画に織り込まれておると思います。 で、今後、今回の災害の例にかんがみまして、やはり政府として総合的な総点検をするということで、がけ地の危険なところ、それから土石流といったようなものが予想されるところ、こういったものを全国的に悉皆的な調査をしたい、こう考えておるわけでございまして、すでに今月の十日過ぎに、全国にその調査の要望を各府県にいたしております。この結果を、早ければ八月中くらいには一度暫定的な資料を集めました上で、私どものほうでそれぞれ個々について、これはまあやはり地元の市町村なりあるいは警察なり消防団、こういったところの手もかりて、そして一方では診断基準、こういったものもつくりまして、それぞれ個々に判定をしたいと考えております。どのくらいな数字になるか、ちょっといまから予想できませんが、おそらく二倍とか三倍とかといったような数字になるのではないかと思います。あるいは単に防災工事をするという施策ではなくて、むしろ移転を進めるほうがいいんじゃないか、こういうようなところも出てこようかと思いますので、診断の結果に基づきまして、それぞれ対応するような方針を講じていきたいと考えておる次第でございます。
○広沢委員 去る四月に私がお伺いしたおりには、一応がけくずれ地域を取り上げてみましても、いま申された四十四年のデータしかない。そこでその当時には、あと二、三カ月したら、いま集計中であるから新しい集計が出るんだ、こういうお答えをいただいておいたのですが、もう一ぺんいまやり直しているというわけでありますね。 そこでもう一つは、いま法的にいいますと、危険区域の指定につきましても、各市町村から上がってきたものを知事において指定する、こういうたてまえになっているのですけれども、それは予算等いろいろな関係があると思うのですけれども、現実的には、市町村においてそういう危険区域の指定ができないものだろうか。その点もう一歩深めて考えていけばいいんじゃないだろうか。私も、ミクロ的に取り上げて一つずつ調べてみました場合には、国が掌握している分と——あるいは基準があるだろうと思うのですけれども、それから県の掌握している分、あるいは市町村段階において掌握されている分、あるいはそれを掌握されないで、そこに住んでおられる住民がここは危険だ——おそらくそれは、先ほど申し上げた土佐の繁藤地区も指定には入ってないけれども、なくなられた方の日記の中にはそれをとうに予知していらっしゃったし、明記してあるわけですね。ですから、そういう違いが非常にあるわけです。ですから、予算が十分それをまかなえるだけないことば、これはもう明らかにわかっているわけですから、年次計画を立ててそれを改善していかなければならぬのですけれども、一応危険地域の指定を十分にしていくだけでも、その地域における防災の体制というか、あるいは住民の心がまえも変わってくるんじゃないか、こういうふうに考えますので、その点はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。 時間がありませんのでさらに続けてお伺いしますが、今次災害に災害救助法が適用された地域もありますが、そうでない地域においてもやはり相当な被害が出ている。これは先ほど各委員の皆さんから指摘があったとおりです。しかしながら、指定されてない地域においても、その地域をとってみますと非常な被害で、今度また雨が降れば大きな被害が起きるであろうと予測されておるところもあるわけです。ところが、それを指摘して市なり町村なりあるいは県段階に行きましても、とにかく予算がない。あぶないということはわかっておっても、いますぐに手が打てない。今次の集中豪雨で、私のほうの徳島県におきましても、阿南市の桑野地区というところは集中豪雨を受けて、橋梁の決壊だとか河川の決壊、道路あるいはがけくずれ、そこで一軒でありますけれども全壊してしまった、そういう地域もあったわけであります。そこを視察しましたおりにも、やはりきょうの福岡県のあの写真に出ておりますような個所が随所にあるわけですね。しかし何ら手が打てない。そのころ、次には台風が来るという予報もされておりましたので、そこの住民の方は非常に心配しておった。そういうことを考えますと、もう少し予算というか、財政処置を考えてみるべきじゃないだろうかと思うのです。大体、災害が起こってからあとの復旧対策にいわゆる防災予算というものがほとんど使われている。ですから、防災的に前向きに取り組むという問題についてはおくれがちになっているんじゃないか。たとえば急傾斜地の指定区域に対する本年度の予算にしても、一万何千カ所ありながら本年度は三百七十カ所ですか、予算は三十億くらいしかついてないわけです。財政には限度がありますけれども、市町村段階においてはもう少し起債のワクをふやしてもらえないか、こういう意見もあるわけです。当然それぞれの自治体における財政事情もありますでしょうけれども、もう少し防災に力を入れるということであれば、市町村においても、少しでも早く直したい、あるいは今度の補正におきまして起債のワクでも認めていただければ、そこにすぐ手が打てるんだ、こういう意見もあるわけでして、そういうわけで防災に対する前向きの起債ワクを広げるとか、そういう処置はとれないものだろうか、この点お伺いしたいと思います。自治省関係にもお願いいたします。
○木村国務大臣 全くごもっともでありまして、災害が起きてからの災害対策をやっておりますけれども、災害が起きないような防災対策というものにはあまり力こぶを入れていなかったのじゃないだろうか。しかし、そういう点では、今度の集中豪雨の災害なんかは非常な参考になったと私は思っております。私、建設大臣をしておりますが、建設省で危険区域なんか調査いたしておりますけれども、りっぱな地質研究室ですか、そういうものがあって調べた中には、あなたの御指摘になったような土佐山田なんかも入ってなかったし、それから天草なんかも入ってなかった。あまり当てにならないようであります。それでありますから、建設省だけにこんなことをたよっておってはだめだと私は考えております。危険区域の調査というものは、現地の人が一番よく知っておる。したがって、市町村だとか消防団だとか警察の駐在所だとか、あらゆる方面の人々に、危険区域はどこにあるのだということを十分聞きまして、はたしてそれが危険区域であるかどうかということを確かめる役目は建設省がやる、こういうような調子に出まして、そしてほんとうに日本全国の国土の健康診断をやる必要があると私は切に感じております。そうでありまするから、おことばにありまするようなことは十分考慮して、これからその問題と取り組んでみたいと考えております。 ほんとうに防災対策というものに対してはいままでの行政はあまり熱心じゃなかった、事後処理には非常に熱心だったけれども、事前対策にはあまり熱心じゃなかったということを率直に認めていいのじゃないかと思っております。これからは思い切って防災対策にも力を注ぎまして、国民に安心してもらえるような政治をやってみたい、こう考えております。
○福島説明員 災害につきまして防災的に前向きに取り組むという先生のお考えにつきましては、私も全く賛成でございます。ただ、御指摘の起債の問題につきましては、国庫補助あるいはまた地方交付税等のいろいろな財源手当てを総合的に考えなければならない問題だと思いますので、なお今後検討させていただきたい、かように考えます。
○広沢委員 それでは最後に、時間が来ましたので意見として申し上げておきますが、いわゆる総点検をなさるということを今回も言っております。何か事があるたびに、もう一ぺんあらためて点検して考え直してみるということを再々言われるのでありますけれども、総点検をしても、それに対する処置が前向きにとられなければ何にもならないわけです。したがいまして、財政の効率的な考え方から見ましても、やはり防災的な予算を投入していくこと、災害が起こってからあと、反省も含めて、そこの復旧対策に膨大な予算を使っていくことを考えてみれば、いま大臣がお話しなさったように、前向きに財源を投資していくということが一番重要なことではないだろうか。ですから、この際総点検をなさるというわけでありますので、総点検をした暁には、財政の効率的な運用から考えましても、それに対してもう少し積極的に取り組んでいただきたい。それは単に財源の少ない地方公共団体に対して多少財源をプラスしていくということではなく、それだけ補助率を上げていくことも当然でありますけれども、さらに地方自治体でも積極的に防災に対して取り組んでいきたい、そのためには財源が少ないから、地方債のワクも災害復旧の起債ではなくて、もう少し防災的な起債というものも考えてもらいたい、こういう意見もあるわけでありますから、十分前向きにこれを検討していただきたいと思います。 以上で終わります。
○高田委員長 古川雅司君。
○古川(雅)委員 私は、質問に入ります前に、今回日本列島を総なめに襲いました集中豪雨で家屋を流失し、あるいは全壊や半壊して、いまだに住むに家なく避難所に退避をしていらっしゃる皆さん、あるいは農林水産、商工業に携わって、生活の基盤に私たちが想像を絶するような被害をお受けになった皆さんに、心からお見舞いを申し上げたいと思いますし、また、すでに死者、行くえ不明も全国で四百人を突破しておりますが、そういう方々に対しまして、心から御冥福をお祈りしたいと思います。 先ほど来各委員から御発言がありまして、問題点はもうすでに十分指摘し尽くされていると思いますが、私も、災害発生と同時に、広島県を中心といたしまして救援活動に参加もし、また被害の状況もつぶさに見てまいりました。また先般、本委員会の高田委員長を団長とする派遣委員の一員にも加えていただきまして、島根県、広島県を中心に状況を視察してまいったところであります。そういった観点から、これまで数々の議論はございましたけれども、まだ若干疑義を持っておりますので、お伺いを進めてまいりたいと思います。 今回の集中豪雨禍につきましては、大自然の猛威になすすべがなかったということも実情だと思いますけれども、しかし、治山治水あるいは地すべり対策、そういった点についてまだまだわが国の災害対策のおくれがはなはだしいという、そうした行政責任も重大であると思います。先ほど建設大臣もそれは十分にお認めになっておりましたが、これはこれまでのような、今度こそ心配のないように、国民が安心できるような対策をという、そうした繰り返しでは済まされないものがあると思います。 特に最初にお伺いいたしたいのは、広島県また島根県におきましては、今回の被災地がいわゆる山間部に集中をいたしておりまして、たとえば広島県北部の三次とかあるいは作木村、口和町、また江の川流域の一帯にいたしましても、ほとんどがいわゆる過疎地帯といわれているところでございます。今回の災害で一番心配されていることは、その過疎化にさらに拍車をかけるのではないかということでございまして、すでに人口の流出が始まっておりますし、また一面から申し上げますと、被害を受けてまだぼう然として放心状態にある中で、これからどうすればいいんだという叫びが非常に強いわけでありまして、きょうは二十七日でありますが、私が現地の方にお目にかかってきた二十四日現在、政府として、国として、あるいは県として、市町村として、こうしてやるんだからということを早く知らせてほしい、それまではこの土地を去るにも去れないし、またどこへ行くすべもないということを非常に嘆いておりました。集団移転等の対策も打ち出されているようでございますが、この過疎化対策の問題について、このまま放置すれば過疎が進むわけでございますけれども、根本的にこの過疎地帯の再建についてはどのような見解を持っていらっしゃいますか、関係の総務副長官のほうから御答弁いただきたいと思います。
○小宮山説明員 いま先生がおっしゃいました事実、過疎地帯に今度の災害がたいへん多かった、またそういう過疎地帯から移動するような事実がある、こういうことがあれば非常に残念なことでございますけれども、非常災害対策本部といたしましては、いま速急に危険地域については集団移動する、それから流された田地田畑については速急に補償しよう、そういうようなことをとりあえずやらしていただいて、今後とも改良復旧等々の仕事もやらしていただかなければいけないということで、いまその事務を急いでいるところでございますけれども、先ほど大臣もお答えしただろうと思いますが、激甚災の指定は、いま資料を集めておりますので、おそくとも来月の中旬までには指定をしたいという考えで措置をとっております。
○古川(雅)委員 きわめて抽象的な御答弁でございましたけれども、ここでやはり大きな問題として浮かび上がってくるのは、けさほど来御議論のありました、いわゆる個人被害に対する救済の制度だと思います。それぞれ被害を受けました市町村におきましては、非常に乏しい財政の中から、流失した家屋あるいは床上に浸水した家屋に対して、ほんとうにわずかなお金でありますが、五千円とかあるいは三千円とか、それこそ財政ぎりぎりの範囲内でお見舞いを差し上げている、そういったことが実態であります。 〔委員長退席、大西委員長代理着席〕 しかし、がけ地をかかえた個人住宅の崩壊土砂の取り除きとか、あるいは全壊、半壊——半壊といいましても、柱と屋根だけが残っていても、これでも半壊だといって嘆いている方もいらっしゃいましたが、そういったほとんど住むに耐えなくなったような住宅の復旧作業にいたしましても、これに対しましては何らの救助の方法もない。特に先ほど私が申し上げました山間部のこうした過疎地帯にありましては、ほとんどの農家が老齢化をいたしております。いわゆる労働力としては非常に弱小化しておりまして、こうした被害を受けて、これからどう再建していこうか。むすこさんや娘さんが町に出ている。そんな危険なところにいないで早く出てこいと前々から言われていたけれども、この際、長年住みなれた先祖伝来の土地を捨てて村を離れるしかないだろう。この町を離れるしかないだろうということが大多数の声でございます。そういった点からて見てまいりますと、今回被災をした市町村の中には、あるいは廃町、あるいは廃村に追い込まれるような地帯も当然に出てくるのではないかと思いますが、その点も含めて、真剣に過疎対策について、今回のこの被災をきっかけにどのような姿勢で取り組んでいかれるのか、重ねて御答弁をいただきたいと思います。
○小宮山説明員 そういう事実のあるのも存じ上げております。そういうことで地元の過疎化の問題、またそういう罹災された方々に対して、対策本部といたしましては、地元の意向を十分聞いて、それに対してできるだけの援助をいたしたいということで、都道府県にそのようにお願いをいたしております。
○古川(雅)委員 時間の関係で先へ進ませていただきますが、特に建設省を中心といたしまして、今回の災害復旧工事につきましては、原形復旧にとどまらないで改良復旧を思い切って促進するのだという御答弁がございました。非常に積極的な姿勢を伺いまして、私ども非常に意を強くするわけでございますが、現実の問題として、これはほんとうにそうした政府の姿勢が貫き通せるのであろうか、ほんとうに今度は心配ないのであろうかという考えもございますし、実際問題として、広島県に一例をとりましても、現地のほうは原形復旧にとどまっている、それが精一ぱいであるというのが実情でございます。先ほど大臣はどなたかの委員の御質問に対して、原形復旧というような声が出ていればそれはけしからぬという非常に強い姿勢でおっしゃいましたけれども、実際手のつけられている復旧工事は原形復旧でございます。 これはこの際、自治省にもあわせて御答弁をいただきたいと思いますけれれも、今回七月二十四日に広島県は臨時県議会を招集いたしました。災害の応急対策について八十六億円の補正予算を組んでおります。この財源調達の姿一つを見ましても、原形復旧にとどまらざるを得ないという一つの姿が出ているのじゃないかと思いますが、この内容は、五十三億円を国庫支出金に求めておりまして、その不足分は準備基金の取りくずしとそれから県債、地方債の大幅な増発でございます。このことによりまして、広島県といたしましては災害準備基金はゼロになります。したがいまして、ここから私たち憂慮されることは、いわゆる九月県会の補正で組みます災害後の恒久対策については非常に希望が持てない、見込みが立たないという現状でございますし、また、先日来台風も、非常にたくさん日本本土をうかがっておりまして、これから台風シーズンに向かってまたどういう災害を受けるかわからない。それに対しては完全に守るすべがない。少なくとも今回のこの災害に対して、災害の補正を組んだその財源調達の内容から見ても、こういう実情が明らかになってまいります。また特に今回、従来災害復旧が非常に長年月を要していた、完全に復旧工事が完成しない間に次の災害に襲われて、その工事が全部水泡に帰してしまう、そういう意味から、三年復旧から二年復旧にというような姿勢を県としてもとりましたが、一般公共事業だけを考えても、これは非常な人手不足でありまして、こうした事業を消化する能力はもう手一ぱいであります。そういった状況の中で進められている災害復旧工事が、原則としてはもうすでに原形復旧ということでとどまっているわけでございまして、これを建設大臣がこれまで強く主張されてきた、また被災地の皆さんに希望を与えてきた、非常に力強いことでありますけれども、改良復旧にまで踏み切っていくには非常に厚い壁があるのではないかということを、私はいま広島県の一例をあげて御指摘申し上げたわけでございますが、特に地方自治体においては、先般来大臣が直接被災地を御視察くださいましたし、その現地において非常に積極的な国庫補助の言質を与えておられます。そういうことを考え合わせ、ひとつこの際はっきりと改良復旧への具体的な方途を示していただきたいと思います。
○木村国務大臣 広島県の三次にも参りました。治水の最高の責任者を建設省から連れてまいりましたし、それから地建の局長その他にも行ってもらいまして、現場で河川の改修、こことこことここは原形復旧じゃない、こういうようにしなさいということは、全部現場で指令を出して帰ってきております。したがって、どんなことがありましても、原形復旧ではありません。二度と災害が起きないような根本的な対策を立てることだけは間違いありません。それがいままで三年計画とか四年計画とかいわれておりましたけれども、そのようなゆうちょうな態度では、またその間に災害があった場合には元も子もなくなってしまう危険があるから、思い切って急げ、急げるだけ急げという方針をとっております。 それから、広島県では、こういう災害と取り組むためには技術屋が足りない、こういう話もありましたので、災害地でない県からそういう人々の援助を受けまして、技術陣を強化して、早くその対策を立ててもらいたいということも、現場で知事さんとも会って相談をしてきめてまいったような次第なんであります。 そうでありますから、事建設省に関する限りは、原形復旧などをやりません。ほんとうに改良復旧をやりまして、抜本対策で事を処理するつもりなんであります。時間的にも思い切ってそれを早くしてみよう、こういう考えで一生懸命になって取り組んでおります。しかし、やはり人間のやっておることでありますし、数多くの人が担当しておりますから、どこかに間違いがありましたならば、御期待に沿うことのできないようなやり方をしておるところがありましたならば、どうか遠慮なくおっしゃってくださいますように、それはもうほんとうに叱咤勉励いたしまして、災害地に対しましては万全を期したいと思っております。 私も、生まれは山形県でありまして、過疎県なんです。だんだんと人口が減っていくのであります。広島県なんかと違いまして、一年に一万人ずつ減っていくのです。現在人口は百二十五万なものですから、百二十五年たってしまうと、山形県にもう一人の人間もいなくなってしまうなんというような状態が出るほどさびしい場所におるものですから、その過疎対策、人が減らないように、人口が流出しないように、ほんとうに災害がなくとも考えていきたい問題なんであります。そういう際に災害がまたプラスして、過疎により以上拍車をかけるなどということは大問題だ、そんなことは政治に取り組んでおる者にとっては許されないことだ、こういう考えで取り組んでおります。 今度もその対策は、自治省が中心になって、いま一生懸命になって案をつくっております。建設省と農林省にその案を示しまして、足りない点はまた両省で補って、ほんとうの対策を立ててみよう。それから、地方自治団体も非常に金が少ないようでありますが、この前の閣議で自治大臣が、二千億円地方債の増額を認めてもらいたい、これは全く異例なことだそうであります。普通は増額は一月ごろやるやつが、もう七月にその二千億円の増額を要求されて大蔵省はすなおにそれを認めまして、地方自治体でもどうか万全の対策で災害と取り組んでもらいたいということを考えておる状態なんでありますが、長鞭馬腹に及ばないところがありましたら、どうかおしかりくださいまして、御期待に沿うようにやらしてくださることをお願い申し上げます。
○福島説明員 災害復旧に要します地方負担につきましては、政府資金によります起債を充当しておるわけでございます。 公共土木等について申し上げますと、起債の充当率は地方負担額のおおむね百分の九十でございます。なお、その元利償還につきましては、地方交付税の甚準財政需要額に算入することによって財政措置を講じております。公共土木についていいますと、その算入率は百分の九十五でございます。 なお、災害を受けました地方団体の臨時の財政負担につきましては、従来から被害の状況あるいはまたその団体の財政事情等を十分勘案いたしまして、特別交付税を重点的に配分をしておる次第でございます。
○古川(雅)委員 非常に時間が切迫いたしましたので、以下個条書き的に項目だけ伺いますので、端的にひとつ御指摘をいただきたいと思います。 建設省関係、それから農林省にわたると思いますが、農耕地の被害が甚大でございまして、石ころだけになってしまったり、完全に砂をかぶって川がつけ変わったような、そういう観を呈しているところすらございますし、先ほどの過疎地帯の人口流出とも関係ございますが、いわゆる改良復旧とあわせて、被災をした河川敷地内の耕地の買い上げについて、この際積極的に方策をお示しいただきたいと思いますのが一点。 それから、災害常襲地における住宅問題でございますが、年々の災害で流失あるいは浸水を繰り返しているわけでございますが、こういった地点に対する高層住宅建築に対する補助制度はないのじゃないかというふうに私は記憶しておりますが、この辺についての考え方。 もう一つ、また非常にこまかいことでありますが、家屋を失った被災者に対して、災害の応急住宅をプレハブ建築でつくっておりますが、この間、これはハプニングだと思いますが、便所をつけないで建設したというような例がございまして、それを指摘を受けて、あわてて二軒に一個割りの便所をつくったというようなことでございました。これは検討いたしましたところ、便所の設置に対しては国庫補助の対象になっていないというような隘路があるようでございますけれども、これに対するお考え。 非常にこまかい点でございますが、建設省関係は以上三点お答えをいただきたいと思います。 それから、厚生省関係で非常に気になりますのは、いわゆる廃棄物と屎尿の処理の問題でございますが、島根県の松江市あるいは広島県の三次市等、全市のほとんどが浸水をいたしました地域においては、その後片づけのごみもたいへんでございまして、この処理に市町村が非常に頭を悩ましております。これは市町村にまかしておけばいいということではないんで、国からも何らかの援助策が必要ではないかと思います。一例をあげますと、この三次市あたりで現在推定されておりますごみの量が、大体三万から五万トンくらいといわれておりまして、全く始末のしようがございません。厚生省当局としてこれに対して適切な処置、知恵をお持ちでございましたら、この際お示しをいただきたいと思います。なおまた屎尿処理につきましては、広島県の比婆郡東城町でございましたか、処理場が完全に土砂に埋没をしてしまいまして機能を失っております。そういう機能を失い、あるいは半減しているところがかなり出ていると思いますが、こういった地点における屎尿処理施設の今後の対策、これもあわせてお示しをいただきたいと思います。 最後に中小企業関係でございますが、先ほどの御質問にもございましたが、繰り返しお尋ねをすることになりますけれども、中小商店街等含めたいわゆる中小企業はもう破綻の危機に瀕しておりまして、この際、中小企業の金融公庫資金の融資条件の改正については、具体的にお示しをいただかなくてはならない。六・五%という利率にも問題がありますし、期限の五年間も、これは相当延期をしていただかなくてはならない。この点具体的に、先ほど来の御質問に重複するかもしれませんが、あらためてお示しをいただきたいと思います。 なお、個人災害の救済につきましては、先般、わが党を代表いたしまして私が総理大臣に申し入れをいたしましたとき、官房長官が、これは政府としても非常にむずかしいことなので、できれば議員立法で処置されてはどうかというような御発言がございましたが、これは政府当局としての全般の空気なのかどうか。政府としては逃げ腰であって、議員立法にゆだねてしまうというようなそういう姿勢で臨んでいらっしゃることなのかどうか、これを重ねてお伺いをしておきたいと思います。 いずれにいたしましても、先ほど社会党の大原委員から御指摘がございましたが、今回の派遣委員の報告のこの広島県、島根県版の中で指摘をいたしておりますけれども、「率直に感じましたことは、」というふうにして始まっておりますが、「激甚法の適用とか、天災融資法の発動ということ等で対処できる性質の被害ではありません。この災害は現在の災害対策のあり方に疑問を投げつけ、為政者に反省を求めた災害であります。われわれは、この機会に政治の原点にかえって考え直すべきであります。」というように報告しておりまするとおり、これはただ単に委員会の議論に終わることなく、大原委員の指摘いたしましたように、すみやかに臨時国会を開いて国家的な問題として討議をすべきではないか。建設大臣は非常に消極的でまた否定的な御答弁をしておられましたが、私は重ねてこの点についての見解もお伺いするものであります。 以上、時間の関係で非常に取り急ぎまして恐縮でございましたが、それぞれの点につきまして関係の方々から御答弁をいただきたいと思います。
○木村国務大臣 臨時国会を開いたらどうかという問題に対して私が非常に消極的だとおっしゃいましたが、消極的でも積極的でもないのです。自分がどうしたらいいかという判断がまだつかないのであります。もっと勉強して判断をつけてみたい、こういうことなのでありまして、その点は御了承くださるように……。
○小宮山説明員 個人救済制度につきましては、共済制度とともに総理府でも考えております。鋭意研究中でございますけれども、本委員会にも小委員会がございます。そういうところでぜひともに研究していただいて、いろいろな参考にさしていただければと思っております。
○川崎説明員 被災地の河川敷になるところの買収の件でございます。いろいろケースケースによって事情があろうかと思いますけれども、前向きに検討いたしたいと思います。
○沢田説明員 災害の危険のある区域におきます立体住宅の話でございますが、公営住宅その他の政府施策住宅におきましては、大体そういうところにつきましては堅牢立体化のものを心がけてやっております。また今回の災害につきましても、そういう態度で災害公営住宅の建設をやっていこうと思っております。 それから、一般論でございますけれども、一般の民間の方が自分のお宅を復旧する際には、そういう災害危険区域におきます立体化の助成は現在ございません。しかし、これは重ねてそういう災害を防ぐという必要がございますので、私どもは、こういう災害危険区域を建築基準法で指定した場合にはこれを助成する、こういう措置をしたいと思っております。幸い、昨年のがけくずれの経験から、実はがけ地近接危険住宅の移転事業等という補助制度ができております。これはがけ地、急傾斜地に限っております。災害危険区域ということであれば同じような危険な区域でございますので、出水、高潮その他の危険区域にもこれを拡大していきたいというふうに私どもは考えております。
○山中説明員 災害につきましては、廃棄物が非常に膨大に出るわけでございまして、これは放置しておきますと伝染病の危険もございますし、そういうことで、廃棄物の迅速な除去は非常に必要でございます。道路やその他にいろいろ家具その他が放置されます。これの清掃はもちろん市町村め責任でございますけれども、厚生省といたしましては、特にじんかい、ごみあるいは屎尿、こういう清掃が一刻も猶予を許されないというものでございますので、特に県や自衛隊、それから近隣市町村の応援を得てすみやかに除去するというような指導はずっとしております。 今回の六、七月の豪雨におきましても、現地と連絡を密にしております。先ほど先生御指摘の三次町の件もございます。大体申し上げますと、現在、毎日連絡をとっておるわけでございますが、二十六日現在で、施設を除きまして、じんかい、屎尿、そういうものの除去ということで、われわれ清掃事業と申しておりますが、現在全国で百十九市町村ございまして、被害額が一億二千万ばかりになっております。広島県におきましても、ただいまの三次町はじめ二十五市町村にこの事態がございまして、現在千六百万ばかりの被害額として出ておりますが、これにつきましてはさらに調査をしまして、調査中のところもございますので、この額もふえていく、こう考えております。 それから、施設につきましては、屎尿処理施設が、現在全国で二十四件冠水その他の被害を受けておりまして、ごみが二十三件でございます。合わせまして約四億三千万ばかりの被害額。これにつきましては、当然国といたしましては廃棄物処理法の災害の分を適用いたしまして、ふだんの三分の一とか四分の一にかかわらず、二分の一の補助をもってこの手当をしていきたい、こう考えております。
○原山説明員 中小企業関係の災害特別融資の条件についてお答えいたします。 まず、貸し付け限度でございますが、中小企業金融公庫については、一千万の別ワクの上のせの融資をいたすことにいたしております。国民公庫につきましては五百万、もう五百万上のせでございますが、全体の貸し付けを通じて六百五十万円の頭打ち、こういうふうに相なっております。なお、商工中金については限度を設けておりません。必要に応じてどんどん貸し出すように、こういうふうにいたしております。 次に、貸し付け期間でございますが、中小公庫、国民公庫につきましては、設備については五年が通常でございますが、この災害については十年の貸し付け期間にしよう、その限度の中で実情に応じてできるだけ限度一ぱい長く貸すようにというふうに指導いたしてまいりたいと思っております。なお、据え置き期間は、設備については通常一年でございますが、三公庫を通じましてこれを二年に延長いたしております。 次に、既往貸し付けでございますが、既往の貸し付けは、必要に応じて中小公庫では二年を限度として延ばす。それから国民公庫につきましては、いままでの貸し付け期間を含めまして十年にこれを延ばそう、商工中金につきましては実情に応じて弾力的に行なわすというふうにいたしております。 なお、担保の問題でございますが、国民公庫につきましては三百万円まで原則無担保で貸し付けるように指示いたしております。 なお、最後に利率の問題でございますが、現在六・五%の、激じん災害の場合には、最優遇金利を適用いたすことにいたしておりますが、なお、これは実情に沿わないというふうな御意見もございますし、この委員会でもたびたび御指摘を受けておりますので、研究してまいりたいというふうに思っております。
○新津説明員 応急仮設住宅の便所の問題でございますが、これはタイプが二つございまして、六畳一間に台所と便所を組み込んだものと、それから臭気等の関係で外に設けてくれという御議論もあるので、何戸か連檐した場合に、各戸に設けませんで二戸に一つの割合で共同便所をつくるケースとございます。 〔大西委員長代理退席、委員長着席〕 いずれの場合もその便所は国庫負担の対象になっております。
○古川(雅)委員 以上でございます。
○高田委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 昭和四十七年六、七月梅雨前線豪雨による災害について、建設大臣並びに関係当局に質問いたします。 七月十二日、個人災害等の緊急な問題等についてはすでに当委員会で質疑をして現地へ参ったわけですが、きょうは時間の関係がかなり制約されておりますので、はしょって質問いたします。 当委員会においては、熊本県に去る七月十三日から三日間にわたって、被害状況の調査のため委員を派遣していただき、本員も現地参加をいたしまして調査をしてまいったのでございますが、今次災害で最大の被害を受けました熊本県について、いろいろと具体的な問題を質疑をしてまいりたい、かように思います。 御承知のように被害総額が三百四十億、死者・行くえ不明が百二十二名、中でも特に天草上島の被害は想像を越えて、ある委員は地球最後の日を見た、こういうふうに表現をしておられましたが、短時間に二百八十ミリという雨が降りまして、新聞、テレビ等で御承知のように、姫戸町が四十二億円、死者二十九人、しかも町の財政の十四倍という被害を一夜にして受けたわけであります。また倉岳町は六十三億円の被害で、一年間の予算規模の十八倍という被害額であり、竜ケ岳町においても三十三億円、十三倍の被害額で、死者も三十六名。この三町でとうとい人命をなくされた方が百十名というふうになっておるわけであります。これらの方に対して心から冥福を祈るとともに、住家半壊、全壊五百四十六戸に及んでおります。また大臣も、農林大臣等もいち早く現地を見ていただいて、地元は心から感激をいたしておるところでございます。 そこで、逐次質問いたしてまいりますが、建設大臣もいち早く災害地に飛んでいただいて、いろいろと空港または現地でお話をいただいたわけでありますが、法や規定にはこだわりなく財政投資をして大いに復旧させるということで、現地は力強い感激を覚えたわけであります。午前中にもいろいろ質疑があったと思うのでありますが、そこでまず最初に確認をしておきたいことは、予算にとらわれない改良復旧を主にして、原形復旧は従というような考えでいかれるのか。こういったことについて、すでに田中内閣も発足いたしまして、総理からも命令がされている、閣議でもきまったというふうに聞いておるのですが、大臣は先日、鹿児島、宮崎を回って精力的に見ておられますが、こういったことについて熊本県のみならず、鹿児島、宮崎、また広島と全国的にたいへんな被害を今回受けたわけですけれども、今後たび重なる災害に対して一貫してこういう方針で臨まれるのか。いわゆる発想の転換をされていかれるのか。この点、私、最大の被害を受けた熊本県の議員として、特に大臣に冒頭、簡潔に決意を承りたい、かように思うわけであります。
○木村国務大臣 おっしゃるとおり原形復旧ではありません。改良復旧であります。そして、金は幾らかかっても二度と災害の起きないような対策を樹立する、こういう方針で取り組んでおります。しかし、先ほど申し上げますが、何せ数の多い人に働いてもらっておりますから、もしも間違いがありましたならば、どうか遠慮なく指摘してくださいまして、御期待に沿うような対策を立てさせてくださることを私からもお願いを申し上げておきます。
○瀬野委員 大臣、たいへん力強いことばをいただいてありがとうございました。 そこで次は、今回の委員派遣でも明らかなように、天草上島地区に見られます全町壊滅的な被害を受けました自治体に対しては、従来の災害復旧制度では対処し得ないことは明らかになってまいりました。大臣も現地をつまびらかに見ていただいたわけすが、大幅な改良復旧とともに地域の実情に応じた集団移転、生活環境の整備、生活手段の確保等をセットにしたところの総合的な町づくりを強力に実施しなければならない、かように思うわけです。また、住民も生活を続けることは不可能である、かように思うわけです。従来は法律に災害を合わせておりましたが、そうでなくて、新しい町づくりの青写真をつくってそれに合わせるというようにしてくれというのが、現地からの強い要請であります。これがために大臣に特にお願いしまた所見を承りたいのですが、国は特別の財政援助を行なうべきでありまして、制度的限界があるならば、特別被災地域の救済に関する特別措置として立法化を検討すべきである、かように強く訴えたいのでありますが、建設大臣の見解を簡潔に承りたいのであります。
○木村国務大臣 私も現地に立ちまして、そして罹災者と同じような気持ちになって考えたのです。そして、建設省としてできることはどんなことでもやってみよう。しかし、事、建設省だけの問題でありません。政治全体の問題でありますから、東京に帰ってまいりまして、各省にもその話をいたしております。目下は自治省が中心になりましてその対策を立案中なんです。その対策ができますと、建設省と農林省のほうに示されることになっております。それを見まして不満の点がありましたならば、建設省としては強く主張いたしまして、方法なんかにとらわれないでまず対策を立ててみたい。しかし、どうしても法律を必要とするような場合には、おっしゃるとおり法律に基づいてもこういう問題はやらなければならない問題だ、こう思っておりますから、そういう覚悟でいまこの問題と取り組んでおります。
○瀬野委員 これまた建設大臣、力強い答弁でありますが、そのような方向でぜひひとつ立案をし検討もしていただき、どうしても必要であれば、やらなければならないなら、ぜひやりたいという意向でございますので、その方向でひとつ前向きの御検討をしていただくように、特にお願いを申し上げておきます。 これに関連して、農林省及び農林省の中の林野庁にも関連してお尋ねしたい。 時間の関係ではしょってお伺いしますが、今回の天草の例を見てみますと、山から海へ直結している災害であります。昨年の三重県の尾鷲、熊野の災害地をつまびらかに視察をしてまいりましたが、昨年の熊野の災害と同じように、ああいった災害地が、今回は天草に至るところにあったわけです。すなわち頁岩という特殊な土壌の地層、地形をなしておりまして、山からいきなり小河川かあるいは中河川が海へ土石を持ってきて、田畑を埋没するというようなかっこうになっております。川の位置も変わっております。現地調査でつまびらかに係官も見ていただいたとおりでございます。河川改修が終わってから圃場整備、そして住宅建設、こうなりますと相当たいへんであります。それを一貫して新しい町づくりで、河川改修、圃場整備また住宅建設、営農指導というような一切のものを含めて、その源である予防治山、あるいは治山工事についても山腹工事等から一貫してこれを検討していかなければ、セットでやらなければどうにもならぬというふうなことが、今回の災害で明らかになったわけであります。そういったことについて、従来のいわゆる役所のセクト主義を排して、従来もやっておられるということでありますけれども、今後は特にこういった問題が必要になってまいりますので、これに対する農林省関係の、林野庁を含めての御見解を承りたい。 また、特に林野庁はそれに付随して、今回、天草の地形がああいった頁岩で特殊な土壌、地形をなしておりまして、これに対する答弁は去る十二日いただいたのでありますが、さらに現地を見た上での対策について、治山工事等をどういうふうにすればいいか、結論が出ておれば簡潔にお漏らしいただきたい、かように思うわけです。
○森下説明員 今回の災害の特徴は、いわゆる土壌の脆弱、集中的な豪雨、たとえば鹿児島ではシラス土壌、また天草では同じ火山灰系統の頁岩、こういうのが、海岸地帯では特に漁場に土砂を流出して漁場を非常によごしてしまった、こういう例もございますし、先生御指摘の、いわゆる改良復旧だけではとうていどうもしょうがない、いわゆる壊滅的打撃を受けた地区の復旧はどうするのだ、農林サイドから返答しろ、こういうことでございます。 先ほど建設大臣からもお話ございましたし、過去においても、たとえば伊那谷の集中豪雨、これは昭和三十六年だったと思いますが、このときもそういう例がございまして、たとえば二百三十四戸のうち農家が百七十四戸でございますけれども、この集団移転の問題、これは自治省が中心になって、たとえば総合計二億三千八百万円のうちで、農林災害復旧費のうちの一億四千九百万円を国費として出して、その上に集団移住促進事業費、これは県費でございますが五千七百万円、また市町村のほうから事業費として三千二百万円、こういう例もございます。また昭和四十二年の羽越水害、このときにも移住戸数が六百八十三戸、それから福井県の西谷村の移住、そのほかダム建設に付随しての集団移転の問題、それから最近は特に集落再編成、これも指導しております。一番いい、心配のない個所に集落を移転して、そこで安んじて山村生活にいそしんでいただける、こういうこともございますので、今回の災害は、いわゆる禍を福となすような方向で農林行政を通じてやっていきたい。 細部につきましては関係係員から説明をさせていただきます。
○福田説明員 天草の上島の地質は、御指摘のような頁岩と砂岩の互層でございますが、今後どういう工法をやっていくかという御質問でございます。 この山腹の崩壊地に対しましては、基礎にコンクリートの土どめ工を数段施行しまして、表面水、湧水処理のための排水工を行いますとともに、崩壊面に植生を導入するということは、山腹工事により安定をはかるということでございます。 それから荒廃渓流に対しましては、山腹工事の基礎といたしまして、渓流侵食の防止のための治山ダムの工事をいたしまして、渓床の安定をしてまいりたい、こう計画しております。 それから、今後の対策としましては、とりあえず本年度は緊要な個所に緊急治山事業を実施をいたしまして、次期降雨などによりまして再度災害の発生しないようにいたしたいと思いますので、第一回分としまして、工事費一億一千万円をもって事業をすぐ実施する計画でございます。それから次年度以降の予算措置につきましては、十分考慮しました上に計画を立ててまいりたい、こういうふうに考えております。 また、今度の災害の実態にかんがみまして、危険地帯の総検点を実施しておるのでございますが、その結果に基づきまして、緊要な個所から予防治山対策を行ない、災害の未然防止につとめてまいりたい、かように考えております。
○瀬野委員 ぜひそのような方向で進めていただきたいと思います。 次に、自治省にお伺いしておきますが、先ほども申しましたように、天草の上島の姫戸で四十二億、倉岳町で六十三億、竜ケ岳で三十三億という、地方団体一年分の十三倍ないし十八倍の被害を一夜にして受けたわけでございますが、こういった町村に対する今後の財政建て直し、また援助等たいへんなことでありますが、いろいろ御検討いただいておると思いますけれども、これに対する具体的な対処方針はどうするか、簡潔に承りたい。 もう一点は、今回の災害で、先ほど建設大臣もおっしゃておられましたが、過疎はいずれも同じでありまして、今回は男が、また一家の戸主が出かせぎに行っていて、あるいは消防団で働いていて、あるいは災害のために応援をしていてとうとい犠牲になられまして、残っているのは老人や女性、子供というようなことになりまして、路頭に迷っております。ますます、こういった過疎地帯の消防団に若い人たちが少なくなっていく。しかし、災害のときには消防団、自衛隊にしてもほんとうに心強い、もうしばらくおってくれという声が強いというようなことから見ましても、こういった過疎地帯の今後の消防団といったものに対する対策等はどういうふうにお考えになっておるのか。 こういったことについて、簡潔に自治省に二点だけお伺いしておきたい、かように思います。
○福島説明員 お答えいたします。 今回の災害によりまして財政的に非常に大きな打撃を受けた町村があることは、私どもも十分承知しておるわけでございます。災害復旧に要します地方債につきましては、先ほども申し上げましたように、政府資金による地方債を充当いたしまして、その地方債の元利償還につきましては、一定率を地方交付税の基準財政需要額だ算入することによって財政措置を講じておる次第でございます。 なおまた、災害によります臨時の財政負担につきましては、従来から地方団体の財政事情を十分に勘案いたしまして重点的な配分をしておる、こういうことでございます。
○山田説明員 ただいま御指摘がございました過疎地域の消防体制につきましては、私どもも現在いろいろ問題点を検討いたしておりますが、今後大いに力を入れていかなければならない、かように存じております。 御存じのように、過疎地域におきましては、最近の非常な人口の流出現象、あるいは市町村の財政の窮乏、そういう関係もございまして、根本的に問題があるわけでございますが、消防につきましては、現在広域市町村圏を中心とした消防の常備化を推進いたしておりまして、県の中に、この過疎地域も含めまして消防の常備化をはかってまいる。つまり消防団だけではなくて消防本部署を設置させる、そういう方針を強く進めておりまして、現在大体全国で過疎の市町村が全市町村の三分の一あるかと思いますが、そのうち約四〇%程度はすでに常備化の中に入っております。したがって、この趨勢を進めるというのが根本であろうと思いますが、御存じのように、現在消防団自体が非常に資質の向上をはからなければならないということで、教養の水準の向上あるいは処遇の改善、各般の措置を講じておりまして、また消防団自体の装備の充実ということによりまして、団員の減少を質の向上でカバーするという方針をとっておる次第でございます。 また、過疎地域につきましては、先ほど申し上げた財政の窮乏の問題もございますので、特に消防施設につきましては、他の地域と違いまして、三分の二の補助率をもってこの消防施設の整備の充実をはかっております。そのような各般の措置を講じまして、何とか消防の量の、団員の減少というものを質の向上でカバーすべく現在鋭意つとめておる次第でございます。
○瀬野委員 次に、時間もたちますので、今回のこの調査によって、中小河川のはんらんが、もうこれは全国どこでも同じですが、特に熊本県の場合も多かったわけです。委員長はじめ調査をしていただいてありがたく思っているのですが、人吉市の胸川、八代市の水無川、八代郡氷川、下益城郡の浜戸川、また小川町の砂川、こういうふうにございまして、その中で、今回現地を調査をしていただいて、いろいろありますが、昨年のいまごろやはり災害が起きまして、五十数億の被害を受けました下益城郡の小川町の砂川でありますけれども、今回行きましたところ、改良復旧したところは完全に残って、しないところがほとんどやられているということで、地元としては昨年に続いて、ことし再び災害を受けたのであります。われわれも、調査に毎年行くのがほんとうに申しわけない気持ちであったわけですが、こういった中小河川の復旧、特に砂川の問題、それにもう一つはもう二十数年来問題になっております浜戸川という川、これもつまびらかに見ていただいたわけですが、毎回七、八町村を水害のたびに浸水、流失をさせて、たいへんな被害を受けております。こういった問題について、三億ないし四億もかければ完全に改修できるということもいわれているのですが、ぜひやっていただきたいと思うのです。これに対する建設省の決意も承りたい。 もう一つは、球磨川の中で下流の八代市の八の字堰及び円通庵堰というのがございまして、これも現地で見ていただいたわけですが、これがこわれてしまったために、農地六百三十ヘクタールが、いよいよ稲の出穂期を前に水に困っているという状況で、たいへんな問題になっております。これと金剛橋の復旧ということでございますが、これも含めて、これまた時間の関係もございますので、簡潔にひとつお答えをいただきたい、かように思います。
○木村国務大臣 一級河川は国家が管理しておりまするし、中小河川は県でありまするが、その一級河川だとか中小河川を問わないで、この際は思い切って国が県にも補助金を出しまして、全部について根本的な対策を立てて、そして水害日本などという不名誉なことばは一日も早く解消したい、こう思って努力する決心であります。
○瀬野委員 次に、厚生省に二点お伺いします。 今回の天草の災害で竜ケ岳町立の上天草病院、それから県立小川再生院がたいへんな被害を受けました。特にこの中でも竜ケ岳の上天草病院は、天草上島のいわば国立病院に匹敵するような唯一の病院であります。被害の額は十数億に及んでおりまして、壊滅的な打撃を受けております。これを早く復旧しないとたいへんなことになるわけでございます。これに対しては国の特別な財政措置がなければとてもたいへんなんですが、これについての対処方針を承りたいと思うのです。
○黒川説明員 お尋ねのうちの上天草病院についてでございますが、これは国民健康保険のいわゆる直営診療施設ということになっておりまして、今回の被害額は約一億五千六百万円ほど、これは復旧所要見込み額でございますが、そういうふうに聞いております。これに対します財政上の措置でございますが、国民健康保険直営診療所施設整備費補助金、こういう費目の予算がございますわけですけれども、この予算において優先的に配慮してまいりたいというふうに考えております。
○瀬野委員 時間の制約がありますので、次に一、二点お伺いして終わりにしますが、国鉄肥薩線の早期復旧のことについて、国鉄の伊江旅客局長にお尋ねします。 御承知のように、今回の災害で七月五日から不通になっております人吉−吉松間、これの復旧がいつごろになるか。また、これに伴う通学、通勤あるいは経済上の問題等で、いろいろたいへんな迷惑を現地は受けております。熊本から鹿児島、宮崎に行く線が中断されているわけでございます。鋭意復旧に当たってもらっておることも事実でありますが、地元では、ダイヤの増設また変更、迂回線のそういった配慮をぜひしてもらいたい、こう言っているわけです。詳しいことは省きますが、これに対する国鉄当局の対処方針をお伺いしたい、かように思います。
○伊江説明員 お答え申し上げます。 非常にいためられた線でございまして、復旧がおくれておりまして、御迷惑をかけておりますが、いまのところ、結論から先に申し上げますと、先生御承知のとおり、真幸の構内が非常に土砂崩壊がございまして、これに時間がかかっておりますが、肥薩線が全面開通いたしますのが、大体八月の三十日ということを目途にいたしております。ただし、逐次片づき次第開通いたしてまいっておりますので、いま一番ネックになっております真幸と吉松との間、これが非常に問題でございます。したがいまして、輸送も、ここが通れませんので迂回輸送というかっこうでございまして、旅客の迂回輸送は当然でございますが、貨物につきましても迂回輸送をいたしております。人吉から大畑までが大体二十三日に開通いたしまして、ここには列車を通してございます。区間列車でございますが、先生御指摘の通勤、通学輸送の一部は、この二十三日から大畑との間に通っております。それからこの三十日、日曜日になりますが、日曜日から、人吉から矢岳まで開通いたす予定になっております。これにつきましても、通勤、通学輸送、ごく小範囲でございますけれども、列車を運行する予定でございます。したがいまして、最終的に残りますネックが吉松と真幸との間でございまして、ここは非常に動員をいたして、私ども、職員をフルに復旧につとめさしておるわけでございますけれども、道路事情も非常に悪うございまして、どうしてもやはり八月の二十日ごろまではかかるという目下のところの予定になっておりますが、極力これを繰り上げて復旧するように努力しているところでございます。いましばらくの間ごしんぼういただくように、地元の管理局のほうからは地元の皆さまの御了解をいただいておるやに聞いておりますけれども、なお一そう努力をいたしたい、かように存じます。
○瀬野委員 この肥薩線はたいへん困っておりますので、早急に復旧して地元に安心を与えるようにしていただきたい、かように思います。 最後に、総理府並びに科学技術庁に一点お尋ねして終わりにしますが、水害研究機関の設置をしてもらいたいということが、今回の調査の際に県庁でもいろいろ話が出たわけです。すなわち地震、台風については国家機関がありますけれども、水害、特にそれに伴って発生する地すべりについてはいまだ国家機関がないということで、水害庁を設けてくれとかいろいろな意見もありますが、水害研究機関を設置してもらいたい。 同時にもう一つは、知事からも特に要望がありましたが、天草のようなああいった災害に対して、今後この復旧に対する、関係各省を含む学識経験者の学術調査団を派遣していただきたいという強い要望がございました。 この二点、関係当局に答弁をいただいて私の質問を終わりたい、かように存じます。
○小宮山説明員 今回の七月豪雨に際しましては、災害の発生を未然に防止するための研究を鋭意やらなければならないのでございますけれども、山くずれについては農林省と建設省で総点検をやるということを指示しております。今後の災害予防については、科学技術庁が防災科学技術センターというのを持っておりますので、そこを中心といたしまして、通産省、農林省、建設省、消防庁と連絡をしてやっていきたいということでございます。 それで、調査団の派遣ということは、科学技術庁が中心となりまして、科学技術庁の研究調整費を使いまして調査団を派遣する予定でございます。なお、各省関係の研究機関がございまして、たとえば農林省では林業試験場、農業土木試験場、それから科学技術庁は先ほど言いました国立防災科学技術センター、建設省の土木研究所、この各機関の横の連絡を十分にするように指示もいたしております。
○瀬野委員 以上で終わります。
○高田委員長 小宮武喜君。
○小宮委員 まず、総理府のほうに質問をいたします。 御存じのように長崎県でも、先月の十一日から今月の十三日にかけての集中豪雨によって、人的にもまた物的にも非常な被害を受けておるわけでございまして、被害の状況を念のために申し上げますと、人的被害が、死者五名、重軽傷者三十九名で計四十四名、一方、物的被害のほうも総額百四億三千万に達しておりまして、そのうち農林被害が最も多く約六十三億、次が土木被害の約三十億の順となっておるわけでございますが、長崎県の場合、当然激甚災害の指定が受けられるものと考えておるわけでございますが、ひとつ総理府の見解をお尋ねしたい。
○小宮山説明員 ただいま資料を鋭意集計中でございますけれども、できれば早く、八月の上旬に六、七月の豪雨に対して激甚を指定したいという考え方でございますけれども、おそくとも八月の中旬までに決定いたしたいと存じております。
○小宮委員 いまのような被害額で、やはり調査をしなければ激甚災害かどうかという判断は困難でございますか。従来からわれわれが当委員会でいろいろな質問をする中で明らかになっておるのは、平均五十億以上は激甚災害に該当するのだというような答弁を、前回も総理府から受けておるわけですが、いまのこの金額だけでは——それはもちろん、総理府ばかりじゃなくて、各省で現地の被害の調査をしなければ実態はわからないということはわかりますけれども、被害総額からいって大体激甚災害に該当すると私は理解しておるわけですが、それでもなおかつ、本省のほうでやはり現地を査定しなければその認定はされない——しかし、常識的に見てどうなんですか。
○小宮山説明員 激甚災害の指定は、風水害ならば、今回の六、七月の風水害について、豪雨について指定する、そういうことでございます。被害額についてはA基準とB基準がございます。私は間違いなく激甚災に指定されると信じております。
○小宮委員 それでは、今度は農林省のほうに質問しますが、長崎県の場合、天災融資法の適用が受けられると思うのですが、どうでしょうか。
○森下説明員 当然受けられます。そして大体八月中旬、ということは旧盆までにきめたいということです。ただ、いま小宮山副長官からお話がございましたように、今回の場合は一つの梅雨前線による豪雨でございまして、あとからいろいろな台風が参りました。それもひっくるめてやるほうが、一災害一適用ですから、そういう意味で十分調査をして、同じ災害として扱うかどうかということで延ばしておるわけでございまして、決して故意に、悪意に延ばしておるのではございません。
○小宮委員 八月中旬というのは、それまで災害の査定がかかるから八月中旬ごろ指定をしたいということなんですか。であれば、建設省、農林省は、長崎県にはいつ査定官を派遣するのか、その点ひとつ御答弁を願いたいと思います。
○森下説明員 農林省関係で申し上げますと、農地関係では第一回目を七月二十四日にやっております。次は八月の上旬。それから林野関係では、六月災害につきましては終わっております。七月災害につきましては八月中旬、こういう予定でございまして、もう済んでいるものと、まだこれからという二段階になっております。
○小宮委員 建設省はどうですか。
○川崎説明員 今回の災害は、私どもの所管の範囲では非常に激甚な災害でございますので、当然該当すると思います。私どものほうでは、激甚災の場合には見込み額でやっておりますので、ほぼ間違いございません。
○小宮委員 建設省、いつ長崎県に査定に行くのか、査定官を派遣する時期はいつかということです。
○川崎説明員 私どものほうも待期をいたしておるわけでございますが、県等の準備もあるようでございますので、県の準備のでき次第早急に出すようにいたしたいと思います。
○小宮委員 災害のたびにいつも各地方自治団体から要請を受けておるのは、早期査定ということがいつも陳情書の中に入ってくるわけです。というのは、早期査定ができないというのは、各地方自治団体で見積もり査定、設計図ができない関係なのか、それとも建設省の査定官の手不足でできぬのか、その点いかがですか。
○川崎説明員 災害の場合に、程度によりまして、やはりできるだけ各県をまとめて行くというのが通常の災害の場合でございます。非常に激甚な場合には、直ちにまず査定官を派遣いたしまして、あらかじめ応急工事、それから本復旧のための大体の手順等を事前に打ち合わせをさせまして、さらに県の体制が整えばすぐに査定官を派遣する。なお、その間に職員不足といったものがございますれば、できるだけ他府県の手なれた者を応援させるというようなことで、今回は岡山、広島あるいは九州地方にかけても、かなり激甚なところについてはそういった県の間の応援等もやっております。 なお、県において設計等がなかなか進まないというような場合には、今回は民間の業者の活用というようなことも考えて、そういった経費の計上もいたしたいということで、財政当局ともほぼ了解に達しております。したがって、査定官等が不足する以前に、県の体制をできるだけ早く整備するということが第一かと思います。 なお、査定官につきましては、地方建設局等にはやはりそういったものに熟練をしました準備職員がたくさんおりますので、そういった者が極力応援いたしますれば、現在の状況では特に査定官の不足というようなことで困らないと考えておる次第でございます。
○小宮委員 各県なり各市町村で技術屋が不足しておるということは事実なんですが、先ほど建設大臣が言いましたように、災害のないところから加勢にやっても、また県外から行っても、実際問題としては、その地域の事情をよく知らぬとなかなかむずかしいのです。そしてまた、加勢にやっても、一週間なり十日ぐらいで帰っていくというような問題もあって、ほんとうにその人が責任をもって設計をするということは、現実的には不可能なんです。他町村から来た人、県外から来た人は、やはり手伝いというような仕事をせざるを得ないような実態なんです。したがって、各県においても、長崎県においても、技術センターを設けて、そこで各市町村から一年間研修をさせるとか、二年間させるとか、いろいろな手を打ってはおりますけれども、そういった問題について、これは長崎県だけの問題ではないし、また各県ともそれぞれが努力はされておられると思いますけれども、やはり有事の際に即応できる体制を建設省としても指導して、そのような技術者を養成するということをやっていただきたいと考えるのですが、そういうような意思があるかどうか、ひとつお聞きしておきます。
○川崎説明員 ごもっともな意見でございますので、建設省並びに府県全体でもかなりの技術陣がおるわけでございますから、そういった臨機の処置がどうやったらとれるか、十分検討いたしたいと思います。
○小宮委員 そういうようなことをやらなければ、これはいま言ったように、早期査定ということが十年一日のように、災害のたびに各市町村から出されておるわけですから、これを打破するために、そういったことを建設省としても積極的に指導していただきたいということを、意見として申し上げておきます。 次は災害復旧の問題ですが、先ほどからもたびたび議論されておりますように、原形復旧ではなくて改良復旧を含めろということが、いろいろ質問の中にありました。それに対して建設大臣は、改良復旧を重点としてやるんだと言っておりますけれども、いままで本委員会でもこのことは論議が尽くされた問題なんですが、現実はそれが一向に改善されぬ。災害対策委員会では、大臣も政務次官あたりもそういうような答弁をするわけですけれども、現実にはなかなかそうはいっていないのです。それが解決されておれば陳情書の中には出てこないはずですけれども、毎年毎年災害のたびに、改良復旧をやってくれということがいわれておるわけですから……。 それでは一つお聞きしますが、今度、建設大臣はだいぶ張り切って、改良復旧でいこうというようなおことばでございますが、それでは、いままで各地方自治体から改良復旧の申請があったものに対して、建設省としては何%ぐらい認めておるのですか。それと、建設大臣はこの場ではっきり言ったわけですから、今回の災害以降については、各地方自治体から出された改良復旧は一〇〇%認めるというお考えなのか、その点ひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○木村国務大臣 いままでのことはわかりませんけれども、これからのものは責任をもってそのとおりにやります。
○小宮委員 いままでのものは、河川局長わからぬですか。
○川崎説明員 災害の査定率というのですか、そういったものにつきましては、全国をならして大体九〇%ぐらいでございます。しかし、これは原形復旧とか何かいろいろなものが入っておりますし、市町村なり地元の府県なりの要望をどの程度査定して圧縮したかというような率は実はございません。しかし、私どものほうで在来改良復旧と申しますのは、災害関連事業と助成事業、この二つでございます。そういったものに対しまして、いわゆる原形復旧的な災害復旧そのものの金との比率が大体二〇%余りじゃなかったかと思います。こういった在来からの改良復旧事業に相当する事業費について、原形復旧しかやらないのじゃないかといったものを、この際イメージチェンジを大いにやりたいというようなことで、先般も、いよいよ査定が本式に始まりますので、全査定官、検査官を集めまして、私からも大臣の御指示を伝えました。したがって、かなり大幅にそういった改良復旧が促進されると期待をいたしておるわけでございます。 なお、財政当局等につきましても、そういった趣旨で十分折衝をいたしたいと考えておる次第でございます。
○小宮委員 それでは、建設大臣に確認の意味でお尋ねしますが、大臣は責任をもって行ないたいというそのことばは、それは建設省自体としても、各地方自治体から出された問題について、原形復旧でよろしいというような判断をされる場合もありましょうけれども、しかしながら、建設省がそういうような判断を下したことによって災害が再び発生しておるというような問題も起きておりますので、やはり一番問題は、財源の問題も関係はしますけれども、地方自治体でこういうようなところはぜひ改良復旧をしたいというところについては、建設大臣としてそれこそ責任をもって全面的に認めていくというように理解してよろしいかどうか。そういうようなことをわれわれもいつも言われておりますので、大臣もかわられたし、その点ひとつ確認の意味で質問しておきたいと思います。
○木村国務大臣 おっしゃるとおりです。原形復旧ではありません。改良復旧を今後やらせてもらいます。
○小宮委員 その点について今度は大蔵省のほうがさいふのひもを締めて、今回のように全国的に災害が発生した場合に、建設省としてはやりたかったけれども、大蔵省のほうの財源の関係でそれができなくなりましたというようなことは、万万ないでしょうね。——もう建設省の答弁だけでいいです。 それから、災害の早期復旧の問題ですが、これは西村前建設大臣も本委員会で、災害復旧については単年度復旧を原則としたいということを、はっきり申しておるわけです。ところが、これも現実にはなかなか実行されておらない。もちろんその中には地方自治体の負担等もございますけれども、災害が起きるたびにここで答弁される場合は、ほんとうにわれわれが期待できるような、また安心するような答弁がなされるわけでございますが、なかなか現実はそういっておらぬというようなことで、先ほどから質問が出ましたように、災害復旧をひとつ三年を二年に短縮してくれというような声が、この陳情書の中にも全国から出ておるわけです。したがって、建設大臣も水害の被災地を調査されて、力強い発言をされておるわけですから、ひとつここで、災害復旧については、従来三年でやっておったのを、私が大臣になった以上は今後は二年で全部復旧しますという前向きの決意をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○木村国務大臣 前の西村建設大臣は、建設行政には非常に有能な人であります。私は無能なんでありますが、いまも技術当局と相談してみたのです。三年のやつは二年にならないかと言って相談したところが、なかなかむずかしい問題だ。なぜならば、土地買収に非常に時間がかかるそうであります。しかし、かかるかかからないかは努力次第なんでありまするから、何とかして御期待に沿うてみたい。それで二年で何とかでき上がるように、これから思い切って取り組んでみたいと思いますが、私はしろうとなものですから、その点ではっきりしたことは言いかねるのでありますが、一生懸命になって一年短縮するように努力いたしますから、どうかその点で御了承してくださるようにお願いを申し上げておきます。
○小宮委員 案外こういう問題は、あんまり知り過ぎるとなかなか強いことは言えないのです。むしろ知らないほうが、がむしゃらにやるからかえって効果をあげるのです。その点ひとつ大臣に大きく期待をしております。 特に災害問題については、やはりできるだけ短縮する。基本の考え方としてはやはり単年度復旧ということを基本にして、いま言われたように土地の問題、むしろ地方自治体の財源の問題等で、単年度でやるのが二年になる、三年になるということはやむを得ないとしても、国が当初から三年でやるのだとか四年でやるのだとかいうようなことで、それを一年縮めて三年にするとか二年にするとかということは、災害復旧の基本からいって私ははずれると思うのです。したがって、ひとつ単年度復旧ということを原則として、それでもろもろのそういった状況等を考えてそれが二年になる、三年になるという場合はやむを得ないとして、考え方としては、基本は単年度復旧ということをひとつぜひ建設大臣に堅持してもらいたいということを、意見として申し上げておきたいと思います。 それから次は、先ほども出ました災害関連工事について、やはりこの工事についても災害復旧工事と同様に同率の補助率にしてもらいたいというのが非常に強いのです。したがって、いまの国の補助率が、直接の災害復旧工事と、もちろんさっきの改良工事も関連するんですが、その関連工事についても災害復旧工事と同等の取り扱いをしてもらいたいということなんですが、この点はいかがでしょうか。
○川崎説明員 御承知のように、現在災害の改良復旧事業については二分の一の補助をいたしております。これは災害に関連するいわゆる改良復旧と、それからいわゆる基本的な治水事業、これのバランスを考えたものでございます。二級河川等の改修工事でございますと、これはやはり補助率は二分の一になっております。そういう点では大体斉合がとれておるのじゃないかという気がいたします。ただし、やはり災害関連でございますので、現在一般の河川改修は起債の対象——標準財政需要額の対象になってないようでございますが、災害の関連事業についてはかなり大幅に自治省のほうでも認めてもらっておるという、そういう点から考えますと、いわゆる本来的な治水事業に比べましてかなり財政的には優遇されておるという感じもいたすわけでございますけれども、お話でございますので、なお私どもも、そういった地方財政等の関係等も十分検討いたしまして、今後ひとつ勉強していきたいと考える次第でございます。
○小宮委員 今回の災害を私も四国から九州、見て回りまして、特に天草あたりの災害というのは、もう現在の災害立法関係では、災害立法の範囲内では救済できないような実態なんです。したがって、まあ田中総理も日本列島改造論を言っておるわけですから、そういうような意味では、ひとつこの災害をなくする立場から日本列島の改造論をやってもらいたい。そういうような意味で、その際、金がどうだとか、いろいろないまの法律の範囲内でどうだとかというようなことを言っておる限り、日本の災害はもう今後も、やはりなくしていくということは不可能だと思うのです。この際やはり思い切って——いままでは、これも前の建設大臣の答弁ですが、災害の復旧に追われて、防災のほうにはどうしても手が回りかねておるというのが現状でございますということを答弁しておられましたけれども、そういうようなことを繰り返しておる限りは、やはり日本の災害はいつまでたっても私はなくならぬと思うのです。だから思い切って、この際やはり、田中内閣も新発足したわけでございますから、思い切った金を使ってこの防災のほうに比重を移しかえていけば、防災が完全にいけば災害は減るわけですから、だからいまのようなイタチごっこをやらぬで、防災のほうを最重点に置いて、その比重を徐々に置きかえていって日本の災害をなくするような方向でひとつぜひ建設大臣は取り組んでもらいたいということを、意見として申し上げておきたいと思います。 時間もございませんから、もうあとの問題はこの次の、来月の十一日の委員会でたっぷり時間をもらってやりたいと思いますけれども、一つだけお聞きしておきたいのは、急傾斜地崩壊に関連して、ことしの一月十一日付建設事務次官通達によって、がけ地近接危険住宅の移転事業が行なわれておるわけでございますが、この制度の円滑な運営をはかるために、通達じゃなくて、この制度を法制化したらどうか、ぜひひとつしてもらいたいという声が、各地方自治体で非常に強く出ておるのです。ただ通達でなくて、これを法律的な根拠のもとにやったほうが円滑にいくのではないかという声が地方自治体で出ておりますので、その点、立法化する、法制化する意思がありやなしや、その点だけひとつお伺いしておきたいと思います。
○木村国務大臣 十分考えさしてもらいます。
○小宮委員 どうもあまり簡単でちょっと……。しかし、もうけっこうです。時間が参りましたので、私の質問はこれで終わりたいと思います。
○高田委員長 津川武一君。
○津川委員 今度の七月災害でなくなられた人、貴重な財産を失われた人たちに、共産党を代表してお見舞い申し上げる次第でございます。 と同時に、人命救助などでたくさん模範的な行動をされた方、あちらこちらで聞かれるわけでございますが、これに国が何らかの形でお礼を申し上げる、表彰するなどということをたくさんやったほうが、後々のことによろしいんじゃないか。今度の天草の場合の上天草病院、あのぜんそくの患者さんをかかえながら病院を守っただけではなく、被災された人たちの医療活動を続けられたああいう例などというものは、表彰されたほうがよろしいんじゃないかと思いますが、ここいらのあたりを国務大臣としてどう考えるか、木村さんにまずお尋ねします。
○木村国務大臣 全くごもっともなことでありまして、そういう事績につきましては、各省庁の大臣が全部指令いたしまして、そういう今度の災害に対して非常に人命救助のためにお働きになった方々の人名は早く通達してよこせ、こう命令を出しておりますから、その点は御期待に沿うつもりであります。
○津川委員 そこで建設大臣にお尋ねしますが、私も高知、広島、秋田、青森と見て回ったり被災者と話をして回ったのでありますが、建設大臣は秋田で、今度の国直轄河川、米代川、弘前では岩木川が決壊されたことは国の責任であるし、責任をもって改良復旧をやる、それだけでなく、必要なダムまでつくる、こういう非常に力強い発言をされているわけでありますが、米代川はまだ二五%より改修されてないのです。岩木川は大正十年に仕事を始めて、いまやっと五〇%。米代川は下流がまだあぶない。岩木川の下流がまだ護岸工事されてない。当面こわれたところの改良復旧、これはよろしいが、こういう点のことをなさらないと、大臣が言った、今度こそ国民を被災者にさせないという意図は通じないと思うのでございますが、この国直轄河川の改修の促進に対して大臣の方針をまずお聞かせ願います。
○木村国務大臣 河川全体に対する限本対策ですから、技術の許す限り、金に糸目はつけないで思い切って早くやるつもりであります。
○津川委員 ダムに対しても同じような考え方を持っているかどうかということ。 そこで、田中総理の「日本列島改造論」を見てみたわけです。川から水を取る、工業のために土地を支度する、工業用水を支度する、労働力を支度するとは書いてありますが、国直轄河川で国民を殺したり財産を奪うようなことをさせまいとは書いてない。ダムはこれから千何ぼつくると書いてある。これは工業用水のため、生活用水のためであって、国民をこの水害から、災害から救って命を助ける、こういうことは書かれてないのが非常に心配になるわけです。 そこで大臣として、田中内閣を実現させた一つの立て役者として、この改造論に触れながら、こういう形のダムをつくるのかという、これを答えていただきます。
○木村国務大臣 人の生命を守ることは政治としては当然でありますから、むしろそんなことを書くよりも、書かないで、当然の姿を示していいのじゃないか、こう思ってことさらに書かなかったのじゃないかと私は思っております。そうでありますから、私は「日本列島改造論」を二度も三度も読み返してみましたけれども、足りない点もあるでしょうが、大体において当たっておると思います。そうでありますから、それを基本にして、これからやはり日本列島の改造を思い切って推進していきたい、こう考えております。
○津川委員 木村大臣がそう言うのだから、それは信用しなければなるまいと思いますが、総理の改造論の一五〇ページ、「農業用水を別として工業用水、生活用水を供給しているダムは現在二百五カ所だから、」これを五倍にする、こういうことなんです。ダムは今度たくさんの問題を生んだ。それは多目的ダムだから。そこで大臣として、書かないからそうじゃないと言わないで、ダムの建設を防災、国民の安全、国土保全を第一に考えて、第二番目には、ダムの運営にあたって、災害を防ぐというふうな形のダムの運営をしなければならぬと思うのですが、あなたがそう言っている現状で、あなたも見た岩木川、あれは入ってくる量よりも流した量のほうがはるかに多い。これで一ぺんにあの土手がくずれたのです。こういダムの運営が現実にあるわけです。発電用として、工業用水の水源としてダムを考える、こういうことになるのです。だから私は重ねて聞く。 そこで、大臣のこのたびの方針、これを全国の関係者に、地方自治体にもそういう点での指令を発するとか、告示するとか教育するとか、国政上で処置するとかいう方針が必要だと思うのです。くどいようだけれども、やはり心配になる。もう一回答えてください。
○木村国務大臣 用水でも何でもそうでありますが、やはり運営の要は人にありますから、その担当しております人に徹底させておきたい、こう考えております。
○津川委員 その次は、今度の場合、激甚指定されても、地方自治体の負担が多いためにとうていできない問題が出てきているわけです。先ほどの上天草病院の復興にしてもそうです。広島県のあの三次市にしてもそうです。秋田県の二ツ井町にしてもそうです。私たち、それで、回っている間に、激甚の激甚を考えてみようじゃないか、そうしたらうちの高田委員長はうまいことに、これを特別被災地域としてそういう制度を設けよう、こういうことでまとめてくれているわけですが、激甚の激甚という形、特別被災地というものを考えないと今度の場合やれないのですが、これは建設大臣と同時に国務大臣として、こういったことの必要があると思いますが、いかがでございますか。
○木村国務大臣 一生懸命になって、全力を尽くしてやってみまして、なおかつ及ばなかったならば、それも考えてみます。
○津川委員 一つだけ河川局長にお尋ねしますけれども、今度の場合、米代川しかり、それから広島でもそうですし、青森県の西津軽郡でもそうでしたが、どっと川がはんらんして、大きなこんな石で田が埋まってしまった。激甚指定であると五十万円ある。それまでは激甚指定で出るのだが、それ以上の金は出ない。二百万ぐらいかかるのです、復旧するのに。そういうところがある。これは捨てられます。黙っておくと河川の川敷として国有財産がふえるようなかっこうになりますが、これは川敷として将来持っておったほうがよろしいのじゃないかと思うのです。これは買い上げる必要があると思うのですが、この点はいかがでございますか。これは大臣でも河川局長でもよろしいです。
○川崎説明員 今回の災害で、ただいま先生のおっしゃっておるようなケースがあちらこちらだいぶあるようでございます。在来は、河川の工事のために必要だとかそういった面から、いわゆる堤外民地を買収してきておるわけでございますが、今回のような非常にひどい災害の結果、改修をすることによって結局河川の中に入っちゃったというようなところについては、やはり通常とは考え方を変えて、おっしゃるような方向で進むべきじゃないかと思います。財源措置とかいろいろあろうと思いますが、そういった点では、ひとつ私どもも前向きに取り上げる方向で検討いたしたいと思います。
○津川委員 そこで大臣、今度は中小河川です。広島県に行きましたら、おたくの建設省の方たちが私に教えてくれたのです。広島県の中小河川を心配なく、災害で人命が保護されるような形で改修すれば一兆円かかるそうです。現在広島県で、どのくらいのお金で中小河川の改修をやっていると聞いたら、二十億だそうです。私のほうの青森県でも八千億円はかかる。県でやっているのは三十億円くらい。これだと三百年、五百年待てということになりそうなんです。こういうことに対する根本的な対策、この中小河川が、青森県の八十億ばかりの損害の中で、あそこの鯵ケ沢の営林署、深浦の営林署の管轄で、生長するよりも切るほうがよけいだったから水がどっと出た。全部が中小河川なんです。こういう点の点検が必ずしも行なわれていない。改修計画が必ずしも立っていない。それに対する予算的の計画、こういうことがあるので、この計画をお伺いします。
○木村国務大臣 いままでは予算のための行政だったものがたくさんあるんですよ。行政のための予算になっていなかった。したがって、仕事をこま切れにして中途はんぱにしておったがためにそこから被害が生じて、改修の費用よりも被害のほうが多くなった事例がたくさんありまするから、そういうようなことを全部考慮して、そうでない政治、行政のための予算と、こういうようなものの考え方でこれからの仕事を進めていきたい。そして、そういう点につきましては、田中総理大臣も非常に意欲的で、強い意思を持っておりまするから、金が幾らかかってもやむを得ないです。早く思い切って大胆に、災害の起きない河川にしてみたい。こういう点で一生懸命になって努力いたします。
○津川委員 もう一、二問、もう少しやってから大臣にお尋ねするとして、少し進めます。 農林省でございますが、今度の災害を見た場合に、非常に問題があるのが林野庁の国有林野の管理の問題であります。米代川流域のはんらんに対しまして、秋田営林局の米代川水系及び二ツ井営林署管内の国有林の運用状況を見ましたら、昭和三十七年から四十六年の間に減った森林の面積が三万六千三百十四立米、こういう形で木が少なくなっているのです。青森県の深浦の営林署で調べてみると、生長量が一年に三万九千九十立米。切っておるものがどのくらいかというと、四十三年で六万五千立米、四十四年が六万六千、四十五年が六万五千、四十六年が七万三千、四十七年が六万七千と切っているのです。これじゃ鉄砲水になるのがあたりまえなんです。しかもこういうのが皆伐なんです。こういう形になっておる。あの米代川のはんらん、それから青森県の西津軽郡の五つの中小河川のはんらん、それが改修されていないのでああいう災害が起きたわけです。この点で、林野庁が、農林省が直すといっているけれども、こういう状態、ほんとうに直していけるのかどうか。あなたたちに独算制をしいられた場合に、これはやれない、いまの材木の値段では。 そこで、根本的には日本の国有林野、日本の民有林を育てるとなれば、いまの木材に支持価格をあげて、外国から来るのに課徴金かけるなりして育てなければ育たない。どんなにやろうと思っても、植林する労働者がいないです。この間青森県から出かせぎしてきて、七人の人が東京の四ツ木橋の橋の工事で死んでいる。一日千八百円の山の料金が、今度はこういうもので営林署に千二百円に下げられた。そのことによって出かせぎに行って山が荒れた。そこで、こういう点で価格を支持すること、山林労働者を確保すること、そういうことを含めまして、この災害から山を守るということ、治山をやる、こういうことが必要だと思うのですが、こういうことに対する農林省と林野庁の方針を聞かしていただきます。
○森下説明員 津川先生の御意見に同感でございます。 それから、先ほど建設大臣に伺われた中で、総理の国土大改造と治水治山の問題、これにつきまして少し時間をいただきたいと思います。 あの中には、確かに治水、特に治山問題が入っておりません。それは大臣がおっしゃったように、もう当然わかっておることだから……。あの国土改造論はいわゆる経済問題、生活の問題を主として書いてございます。だから、民族生存に関する問題は私は省いておるのじゃなかろうか、国防問題にしても治山治水の問題は省いておるのじゃないかと思います。一番大事なことをですね。 そういうことで、一番大事なのが私は治水よりもむしろ治山。また、現在の治山の五カ年計画の予算は六千八百五十億です。それから治水の五カ年計画は四兆でございます。それに比べまして、いかに治山の予算が少ないかということでございます。 先般も江川のあの水系に参りまして私が感じましたのは、降る雨よりも、ともに流れた土砂が多いのだ。だから、何百ミリの雨量プラス土砂の量によってあれだけの災害を引き起こしておる。もちろん中国山系は御承知のように風化花こう岩、非常に溶けやすい、流れやすい土壌でございます。だから、あれだけの集中的な雨が降って、河川が泥土に埋められて堤防を決壊さす、田畑を埋没さす、これはそのとおりでございます。それと、いままでの治水計画は、河口からやるようにわれわれは聞いておりました。そのとおりだと思います。治水だけを考えましたら、河口から堤防を築いていく。しかし、治山を同時に始めないと、治水治山、特に治水の効果はないと思うのです。それが今回のあの江川を見ましても、建設省が計画した水位の六メートルも八メートルも上回っておる、鉄橋をこえておる、こういうことになったのだろうと思います。 私は、治水の問題についてどうと言いませんけれども、それに比べてあまりにも治山に対する予算が少ない。だから、そういうことで、治水とか治山の問題はいわゆる生存の問題であるということを実は申し上げたかったんです。 まあ国有林も乱伐問題とか、これも特別会計のいろいろな問題がございまして、いわゆる皆伐をしいられた点もあるかもわかりません。これは国有林だけの問題じゃなしに、日本の山すべてがそうなっておるのです。国土改造論は、まあ日本全国の問題について書いてございますけれども、その国土約三千七百万ヘクタールのうちの七割近く、二千五百万ヘクタールが山林なんです。そのことに触れておらないといまおっしゃいましたけれども、いわゆる治山に対する農林省の考え方、これは農林省だけではなしに、やはり内閣が治山問題に真剣に取り組まなければいけないし、私も、そういう負託を受けて農林政務次官も拝命したような使命感を持っております。そういう意味で、津川先生の意見と同感と言うと多少語弊もあると思いますけれども、いわゆる治山を大切にすべきだという点については同感でございます。 たとえば、いま外材が五割五分から六割以上入っている。しかもフリーパス、ノータックスで入っておるのです。しかも、日本の国内林業については木材引取税という税金がかかっております。大体この国産品と外国品の競争の接点は臨海工業でなくてはならない。それが大きな材木は奥山までさかのぼって製材されておる。これでは日本の林業は壊滅状況でございます。そういうふうな中でいわゆる治山問題、森林政策、空気をつくりまた水をつくっておる、と同時に治水のためにも治山は大切であるということの重要性をわれわれは考えつつ、今後は大臣とも相談し、また総理とも相談して、五カ年でわずか六千八百五十億円のような少ない予算でなしに、少なくとも治水と同じぐらいの予算をいただきたい、こう思っておるのです。 それともう一つは、現在乱伐されて、民有林、国有林を問わず、かなり山は弱体化しております。この二千五百万町歩のうちの約四割ぐらいを、かりに一町歩五十万円ぐらいの経費を入れた場合、こうなりますと、山林労務に払う日雇い賃は四千円から五千円ぐらい払えばいいのです。いま残念ながら千五百円から二千円。大工さん、左官の賃金に比べてまことに安いのです。あの急傾斜の三十五度、四十度の山を上がったり下がったりするそういう技術者というのは、山林労務者以外にはおらないのです。これは非常に貴重な存在でございます。先般津川先生におほめいただきました、今回の災害についていろいろな方が救助活動に協力された、その中で一番かり出されるのは自衛隊でございます。特にレンジャー部隊、彼らは生命を賭して、災害の救助のために挺身してやっておる。これが一番ほめられておるのです。同じようなそういう技術を持った方々が、山村にはたくさんおるわけなんです。だから、そういう人々を大事にしなくては都会に全部出ていってしまうということを申し上げまして、いかに森林政策が大切であるか、治水のためにも治山が大事であるか。だから、この四割の一千万町歩にそういう工賃を得て植林しても、五十年かかって五兆の金があったらいいのです。わずか五兆の金を五十年計画で——下水道の計画を見ても、道路計画にしても五カ年で十兆円でしょう。それを五十年かかって五兆の金があれば、七割の山林のうちの四割の植林をできる計算でございます。しかも山林労務者に、大工さんとか左官屋さんのような工賃が払えるのが実態でございます。そうすれば必ず人は集まります。外材には少なくとも三割は無税にして、それ以上は課徴金をいただく、大体一千億円取れるのです。そういうのを山村振興のために、植林のために回せば一石三鳥でございます。そういう考え方を持っておりますので、よろしくお願い申し上げたい。 細部につきましては林野庁長官からお答えします。
○津川委員 時間が参りましたから、林野庁長官の答弁は要りません。 そこで、一番知りたいところ、一番国民が心配なところをなぜ改造論に書かないか。したがってこれは総理に聞かなければならないし、あなたたち、これは総理に忠告しなければならない重大な問題だ。 そこで、大きなことばかり言ってもだめだから、小さなことをひとつ農林省に聞きます。 水稲の倒壊に対して共済が早期支払いをやるということを言う。そこで、あの深浦という、五つの中小河川がやられたところはリンゴ地帯なんです。これに対して、試験研究の果樹共済を早期に払うのか。払う必要があると思いますが、いかがでございます。
○大河原説明員 お答えいたします。 御指摘の地域におきましての果樹共済につきましては、早期に支払う必要があると思いまして、損害評価の済み次第支払いをいたします。
○津川委員 そこで木村大臣、国有林野の例がこのとおり、中小河川から国直轄河川がこのとおり、そうしてダムの管理があのとおりだ。そこで、災害で、新潟県の加治川の被害者が国を相手にして訴訟を起こしている、国が被告になっている。今度能代の人たちが国を相手に、二ツ井の人たちが国を被告にさせようとしている。こういうことは国として名誉なことじゃないので、先手を打って——大臣はすまないと言ったのだから、再び災害にあわさなければいいだろうというのじゃなくて、先手を打ってこの人たちに補償すべきだと私は思うのですが、いかがでございますか。
○木村国務大臣 まあ、補償してやりたい気持ちはやまやまなんですけれども、それはそう簡単にいかないから、これも考えさしてもらいます。
○津川委員 時間がなくなりましたから、最後に一つで終わりますが、災害救助法です。 先ほど古川さんも話されたように、広島県の三次市、ほんとうにたいへんなごみなんです。これを処理するだけで、市自身が公共施設や農地やそういうものの受けた被害を調べるひまもない。このごみの処理に当たっているこの費用が災害救助法でまかなわれないと、市がつぶれてしまいますよ。さっき話したけれども、自衛隊が来ても、ある程度までで引き揚げてしまう。これをやらなければならぬ。ここに災害救助法の根本的な改正の必要があると私は思うのです。こういう点がぜひやらなければならぬ重要な問題になっているわけです。こういう点ではどうしても災害救助法を改正しなければならない。 もう一つ、能代で見た、秋田で見た。うちを流されてしまった人で災害救助法の現行の内容では、一家四人で一万二千五百円が限度なんです。見ておれなくなって、秋田県の二ツ井町では、全壊に対しては十万円、半壊に六万円、床上浸水に三万円。秋田県が、全壊に十万円、そして床上浸水に一万円出している。そして立ち直っている。この点で、なくなられた三百何人ですか、今度のあれで。こういう人たちの生命に対して国が絶対に何らかの形で出さなければならない。と同時に、この秋田の例にならって、こういう点で災害救助法の内容を直さなければならない。自治省がおいでになっていれば、この費用を、秋田県によくやったとほめてあげて、これを日本の模範とするようにささえてやらなければならぬと思うのですが、これは長官の本名さんが来ておられますので、本名さんにひとつお尋ねいたします。
○本名国務大臣 ごもっともな御意見で、先ほど来いろいろ御指摘もございましたし、御趣旨に沿って善処して、検討いたしたいと考えております。
○津川委員 三次市のごみに対しては、具体的に何かしましたでしょうか。さあ、集めたはいいけれども、どこへ置くかわからない。どこへ埋めるか。埋めればまた何か押し流す。困っているのですよ。これをあとでこれから相談して処理すると言ったって、いま現実にそのことでてんやわんや、ほかの仕事ができない状態なんです。これは具体的に長官に答えていただきます。
○本名国務大臣 特に三次市のごみ始末につきましては、私も聞いております。と同時に、所管である厚生省に対しても、さらにあらためて十分その対応策、処理について実行するように指示いたしたいと思います。
○高田委員長 本日の質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○高田委員長 この際、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び日本共産党の五派共同をもって、梅雨前線豪雨等による災害対策に関する件について、本委員会において決議いたしたいとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。小沢一郎君。
○小沢(一)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び日本共産党を代表して、本動議の説明をいたします。 まず、案文を朗読いたします。 梅雨前線豪雨等による災害対策に関する件(案) 本年の梅雨前線豪雨等は、各地に壊滅的な被害をもたらし、多数の尊い人命を犠牲にし、貴重な財産を損失した。しかるにこれに対処する諸制度は、必ずしも充分ではなく、国民の要請に応えることができないのが実態である。 よって、政府は、既存の災害対策の諸制度を総点検し、福祉時代にふさわしい制度を確立させ、災害から国民の生命と財産をまもることに万全を期すとともに、当面、左記の事項について特別な措置を講ずべきである。 一、壊滅的な被害をうけた地域を特別被災地域とし、地域の実情に応じ、災害復旧にあわせ、集団移転、生活環境の整備、生活手段の確保等新しい集落づくりに対して、充分な財政的援助を行なうこと。 一、災害復旧は、可能な限り事業期間を短縮し、積極的に改良復旧及び災害関連事業を採択し、再災害の防止に努めること。 また、新治水五ケ年計画の実施に際しては、中小河川対策を優先させ、被災中小河川の改修には特別な配慮を行なうこと。 一、災害弔慰金制度をさらに拡充し、住家等の被害並びに傷病者等に対する救済措置を検討し、早急に個人災害救済制度を整備すること。 一、中小企業者及び農林漁業者に対する災害融資制度並びに災害復興住宅融資制度等を抜本的に改善し、被災者の救済に万全を期すこと。 一、災害救助法による救助の程度、方法及び期間の延長等の諸措置を改善するとともに、多様化した災害に対処できる災害救助制度の確立に努めること。 一、ダムの洪水調節については、関係自治体等の意見も聴取し、指導をさらに強化し、洪水時におけるダム放流による災害の防止に努め、住民の不安を解消すること。 一、山崩れ等危険ケ所初点検をさらに強化し、防災のための森林の保護並びに各種防災事業を積極的に推進すること。 また、特殊な地質地帯に対しては、早急に防災学術調査を実施すること。 一、防災行政無線は災害状況の把握、迅速な救済活動の発動、住民の不安除去等に不可欠であるので、その設置につき助成措置を講ずること。 以上のとおりであります。 決議の趣旨につきましては、皆さま十分御承知のことと存じますので、説明を省略させていただき、満場一致御賛同あらんことをお願いいたします。
○高田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○高田委員長 別に発言の申し出もございませんので、直ちに採決いたします。 お手元に配付いたしてあります案文のとおり本委員会の決議とするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高田委員長 起立総員。よって、動議のごとく決定いたしました。 この際、ただいまの決議につきまして、総理府総務長官本名武君から発言を求められておりますので、これを許します。本名武君。
○本名国務大臣 ただいま御決定になりました決議に対しましては、その御趣旨を十分に尊重いたしまして検討いたすことをここに申し上げておきます。
○高田委員長 おはかりいたします。 ただいまの決議を関係政府当局に送付いたしますが、その手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○高田委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時十三分散会