建設委員会土地及び住宅問題に関する小委員会 第4号
- 発言数
- 20 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/08/31
会議録
○田村小委員長 これより土地住宅問題小委員会を開会いたします。 土地住宅問題に関する件について調査を進めます。 この際、地価公示制度について建設省から説明を求めます。まず、高橋計画局長。
○高橋説明員 お手元に「昭和四十八年度の土地対策について」という資料がございます。昨日、地価公示のみならず、全般の来年度の建設省の土地対策について説明しろというお話があったので、この資料を御説明申し上げるわけでございます。 簡単にここにしるしておるわけでございますが、地価の高騰、土地問題の根本は、何といいましても人口、産業の大都市への集中によりまして急激に宅地需要が増大したということにあろうと思いますので、恒久対策といたしましては、最初に書いてございます、土地利用計画を全国的に確立いたしまして、全国土を有効に利用するという方策を講ずることが必要でございます。したがいまして、そのために地方の開発整備をはかり、また大都市へ人口、産業が集中することを抑制するという方策をいろいろ考える必要があるわけでございます。そういう恒久対策とともに、その後段にしるしてございますように、土地の特殊な性格からいたしまして、つまり国土資源としての土地は非常に限度がある。土地の有限性ということ、輸入できないものである。同時に、土地は腐ったりするものではございません。つまり不変のものでございますので、管理費用も低廉でございます。そういう特性からいたしますと、投機の対象になりやすいという点があるわけでございます。したがいまして、売り控え、買いだめというようなことが行なわれるわけでございまして、それゆえに地価の高騰が現在問題になっているわけでございますので、それに対しまして何らかの即効的な対策を講ずる必要があるわけでございます。それから、何といいましても、土地問題は土地の需給のアンバランスというところに問題がございますので、宅地の大量かつ計画的な供給、良好な、環境のいい宅地を大量に供給することが必要になるわけでございます。 そういう基本的な土地対策はすでに従前から御説明申し上げ、御指導いただいている点でございますが、四十八年度におきましてはこういう見地からいたしまして、六行目から書いてございますように、全国土にわたりますところの土地利用計画の確立、特別のそういう立法をはかるということ。同時に、地方の開発整備の中核となりますところの地方中核都市の整備を推進するための制度的なものをいま検討いたしておりますけれども、これも推進いたしたい。またさらに、地方開発の主体、中心となりますところの都市開発公団というものの新設も検討いたしておるわけでございます。同時に、土地利用として、宅地化にするということですでに決定を見ております市街化区域内の有効利用をさらに促進するための整備をはかるという点。また、都市の再開発を推進いたしまして高度利用及び都市環境の整備をはかるという点。さらに、すでに法案の通過を見ております公有地拡大推進法の積極的運用。さらに、土地の先行取得という点についても、今後も計画的に積極的に推進をはかってまいる。土地対策は総合対策というものが必要でございますので、そういう総合対策を四十八年におきましてもさらに積極的にはかってまいりますとともに、次に書いてございますように、狭義の意味の土地対策といいますか、純粋の土地対策という点について、私ども来年度重点施策として要求し、また予算も要求いたしておる次第でございます。 その第一点は、これはすでに何度も御説明申し上げ、御審議を願っておる点でございますが、「公的土地評価体系の整備」についてでございます。つまり地価公示制度を拡充強化するという点についてでございます。あらためて詳しく御説明申し上げませんけれども、従前からの市街化区域内におきましての地価公示をさらに全国土にわたりまして拡充をする。しかも、地点数におきましても、国の基準点以外に、都道府県及び市町村におきまして系統的にその評価を行なう。最終的にはこれを二十四万地点で地価公示をいたしたい。そうしますと〇・一平方キロ当たり一地点という割合で地価が公示されます。そういう地価公示を行なう制度を新たに設けたいという点でございます。そういうことによりまして、「また」以下に書いてございますように、従来の地価公示制度は、公共用地の取得のときの規準ということと、不動産鑑定士が鑑定評価をする場合の規準、及び土地収用委員会が裁決をする場合にこれを規準とするというような点について法律に規定がなされておりましたけれども、さらに固定資産税その他の税の評価におきましてもこれを規準とするというようなことにいたしまして、つまり公的な土地評価の適正化と一本化をはかるということをいたしまして地価対策といたしたいという点が第一点でございます。 第二点は、先ほどから申し上げましたように、土地の特殊な性格からいたしまして投機の対象になりやすい点、それによりまして地価の高騰に拍車をかけられている点がございますので、「土地の投機的取引の抑制」をはかりたいという点でここに二点書いてございます。一点は、法人税制を改善する。つまり、個人の土地の譲渡所得につきましては分離課税がすでに四十四年に実施されておりますので、法人につきましても他の所得と分離いたしまして、土地の譲渡所得に対する課税を強化するという税制を目下私どもも検討いたしておるわけでございます。ぜひこれの実現をはかりたいと考えておる次第でございます。同時に、全国にわたりまして一定規模以上、たとえば一ヘクタール以上の土地の取引にあたりまして、これを知事に届け出ることを義務づける。同時に、その内容が、利用目的が明らかでない。一定期間にみずから開発する計画がない場合であるとか、全国的な土地利用計画法にいうところの土地利用計画に沿ってなくて、開発の許可の見込みがないというものにつきましては取引の中止を勧告する、その他のいろいろな措置を私ども目下検討中でございます。いろいろ御指導をさらにまたいただきまして、これの制度化の実現を期したいというふうに考えている次第でございます。 第三点は、冒頭に申し上げました、何といいましても需給のアンバランスを是正することが基本的に必要でございますので、宅地開発をさらに従前にも増して計画的に大量に推進してまいりたいという点でございます。第一点は「公的機関による宅地開発の推進」、そのために事業費を増大してまいりたいという点でございます。次のページにございますように、この点につきましてはすでに前国会におきまして可決していただいております新都市基盤整備法、この法を来年度から実施いたしたい。これは大阪の泉南地区についてでございますけれども、このための公庫融資も用意してまいるつもりでございます。それから「土地区画整理事業による宅地開発の推進」、御承知の地方公共団体、それから区画整理組合というものによる事業でございますが、さらにこれを積極的に推進するわけでございます。さらに、そういう公的及び区画整理方式以外の「民間宅地開発」に私ども期待する点が相当多いわけでございます。住宅金融公庫及び日本開発銀行の融資制度をさらに拡充するという点でございます。こういうふうに公的、民間等を通じまして、御承知の第二期住宅建設五カ年計画にのっとりまして、今後五カ年間で七万五千ヘクタールという宅地を供給するための措置を講じたいという措置でございます。 第四点は「宅地開発関連公共・公益施設の整備の推進」でございます。この点につきましてはすでに当小委員会におきまして適切なる内容の決議をいただいております。その決議どおり私ども立法化をいたし、また予算要求をいたすつもりでおるわけでございます。 最後の点は、これも新都市基盤整備法の御審議にあたりましていろいろ御指導をいただいた点でございますが、「農業との調和のとれた田園市街地の開発・整備」、いわゆる農住団地の整備についての制度化をはかりたいという点についてでございます。農地の所有者が農住組合というような組合をつくりまして、区画整理方式によりましてそういう農住団地の整備事業をはかり、調和のとれた田園市街地を開発する、その措置を考えておるわけでございます。予算におきましても、そういう組合がマスタープランをつくる際の国庫補助金、マスタープラン作成経費の大体三分の一程度の補助金を来年度予算に要求したわけであります。 以上、簡単でございますが、来年度の土地対策のポイントについて御説明申し上げた次第でございます。今後ともよろしく御指導願いたいと思います。
○田村小委員長 次に、吉田宅地開発課長。
○吉田説明員 建設省におきまして先般行ないました企業によります土地の取得状況等に関します調査結果をまとめましたので、御報告を申し上げます。 この調査は五月に行ないましたもので、第一ページにその概要を書いでございますが、東京証券取引所第一部及び第二部に上場されております全企業に対しまして、ことしの三月末現在において土地を保有しております状況及び昭和四十一年四月一日から昭和四十七年三月三十一日までの六年間におきます土地の取得状況などを、調査票を配付いたしましてアンケート方式によりまして行なったものでございます。 調査にあたりましてお願いいたしました事項は、会社の名前、所在地、それから業種区分、資本金、これを会社の内容として書いてございまして、取得した土地につきましては取得した土地の、保有しております土地につきましては保有しております土地の、全面積とそれからその事業用資産、たなおろし資産別の面積。それから事業用資産におきましては、主として工場、事務所、作業所等の直接事業を営むために必要な施設の用に供するものとそれ以外のものというふうに区別して保有面積を書いてもらっております。それから取得面積でございますが、四十一年四月一日から四十七年三月三十一日までにおきまして、市街化区域内にあっては一ヘクタール以上、それ以外につきましては十ヘクタール以上の一団の土地について取得したものについて記入してもらっております。その中身は、地区の所在地、面積、取得時期、土地の資産区分、それから事業用、たな卸用の区分でございます。それから土地取得の目的。それから取得いたしました土地について処分したもの、すでに譲渡したものがあります場合にはその時期と面積。それから現在保有しております土地につきましては、その着手、使用しております面積、それから未着手、未使用の面積、その保有の面積の合計。それから都市計画上の地域といたしまして市街化区域、市街化調整区域あるいは都市計画区域で未線引きのもの、あるいは都市計画区域外、こういった都市計画上の区域区分。以上を調査内容としてお願いしたわけでございます。 調査対象企業は千二百九十九社でございましたが、調査票を回収いたしましたのが七百四十社、回収率は五七%でございます。調査票によりますと、四十七年三月三十一日現在、土地を保有しております企業は六百九十六社でございまして、四十四社は保有していないという記入でございます。また、四十一年の四月一日から四十七年三月三十一日までに土地を取得した実績を持っております企業は二百九十四社でございます。 業種別にその内訳をあげてございますが、業種の区分といたしましては、この左側に書いてございますように「林業、漁業、鉱業」というグループと、それから「建設業」、それから製造業のうち特に「パルプ、紙、紙加工品製造業」「鉄鋼業、非鉄金属業」、これらは比較的土地の保有の状態が大きいものでございますので、これらを抜きまして「その他の製造業」、それから「卸売業、小売業」「金融・保険業」「不動産業」「運輸、倉庫、通信業」「電気・ガス業」「サービス業」「総合商社」「その他」というふうにいたしてございます。その調査票の回収した数、それから土地保有企業の数、それから土地取得企業の数はここにあがっているとおりでございます。 以上の調査の概要を数字でまとめましたが、このレポートの七ページ以降にあがってございますのがそれを数表にまとめたものでございますが、一応一ページの下段から六ページまでにその解析をいたしまして、概要を記入してございます。以下、概要に基づきまして御説明申し上げます。 最初に「土地の保有状況」でございますが、「土地保有の総数」は、表で申しますと1でございますが、昭和四十七年三月三十一日現在、六百九十六社の保有しております土地の総面積は三十三万四千百七十一ヘクタールでございます。このうち事業用資産が三十一万六千七百六十三ヘクタール、九四・八%でございまして、たな卸資産は一万七千四百八ヘクタール、五・二%でございます。ここで「事業用資産」と「たな卸資産」とございますが、事業用資産と申しますのは、企業が本来の事業の用に供する、たとえば事務所でございますとかあるいは工場でございますとか、それから社宅でございますとか福利厚生施設のたぐい、それからたとえば林業でございますとか。パルプ、紙などの企業の持っております、いわゆる原料としての森林資源、森林の用地、それからレジャー施設の用地等の、事業の用に供する土地が事業用資産でございまして、たな卸資産は、住宅地として分譲する、あるいは工場用地として造成分譲する、こういったいわば譲渡を目的とし、加工して譲渡をしていく、いわば商品としての資産という区分でございます。四十七年三月三十一日現在の数字で見ますと、比重は非常に事業用資産のウェートが高いわけでございます。 二番目に、これを「業種別」に見てみたわけでございますが、これも表の1に書いてございますが、保有面積の特に大きいのはパルプ、紙、紙加工品製造業で、全体の二分の一に近い十六万一千三十七ヘクタールがパルプ、紙、紙加工品製造業 で占めております。これに続きまして電気・ガス業、これは特に電気が大きいわけでございますが、これが七万二千七百七十一ヘクタールでございます。それからちょっと落ちまして鉄鋼業、非鉄金属製造業、これが一万六千六百五十五ヘクタール、運輸、倉庫、通信業、これが一万三千六百七十ヘクタール、これなどが大きい部類でございます。業種ごとに見ますと、一社あたりの平均保有面積についてはやはりパルプ、紙、紙加工品製造業、これが一万三千四百二十ヘクタールと、これも群を抜いて大きく、次に電気・ガス業が六千六百十六ヘクタールでございます。全企業を通算いたしますと、一社あたりの平均が四百八十ヘクタールでございますので、この二つの業種が非常に大きいわけでございます。それからは不動産業の八百六十六ヘクタールが次ぐ程度でございますから、だいぶけたが、一けた落ちてまいります。 これは全体を通じての面積でございますが、「たな卸資産」だけを一応抜きましてあげますと、たな卸資産としては運輸、倉庫、通信業が七千八百四十七ヘクタールで一番大きいわけでございます。続きまして不動産業、建設業、それからサービス業、総合商社、こういうものが続いております。これはいずれもそれぞれ、不動産業以外のものにつきましても、運輸、倉庫、通信業におきましては主として鉄道会社の兼営で行ないます不動産業、それから建設業、サービス業、総合商社などもやはり同様な目的でやられているものというふうに推定されるわけでございます。七ページの表−2には、各産業種別ごとに事業用資産、たな卸資産、それから事業用資産におきましても直接業務の用に供します事務所、工場等のものとそれ以外のものとその保有の割合があがってございます。 以上が「土地の保有状況」の調査でございますが、次に「土地の取得状況」でございます。これは八ページの表——3以下でございます。 「土地取得の総数」でございますが、昭和四十一年四月一日から昭和四十七年三月三十一日までの間に二百九十四社が土地を取得しております。この総面積は四万三千七百二十六ヘクタールでございます。このうち事業用資産は二万六千七百七十五ヘクタール、六一・五%でございまして、たな卸資産は一万六千九百五十一ヘクタール、三八・五%でございます。これを先ほどの土地の保有状況と比較いたしますと、パーセンテージといたしまして、保有面積全体では事業用資産のウエートが九四・八%でございますが、この間の六年間の取得という面だけに限りますと三八・五%でございますので、たな卸資産としての取得のウエートが非常にふえておる。いわばいわゆる生産の手段としてというよりも、土地そのものを加工する商品という範疇に入る部分が非常にふえているということが非常に顕著に出ております。 次に「業種別」に見ますと、全体といたしましては運輸、倉庫、通信業、これが七千三百七十七ヘクタールで一番大きく、続いて電気・ガス業、鉄鋼業、非鉄金属製造業、不動産業、パルプ、紙、紙加工品製造業、建設業などが一番大きな部類でございます。一社当たりの平均で見ますと、ここでは不動産業が九百三十一ヘクタールで一番大きく、続きましてパルプ、紙、紙加工品製造業、電気・ガス業、運輸、倉庫、通信業、総合商社、こういうものが全体の平均を上回っております。 さらにこれを「たな卸資産」という面で見ますと、運輸、倉庫、通信業の七千七十四ヘクタールが一番大きく、続きまして不動産業の四千六百四十七ヘクタール、建設業、サービス業、総合商社がおもでございます。これらにつきましても、いずれも兼営する不動産部門にかかるものの取得というふうに考えられるわけでございます。 次に、四十一年四月から四十七年三月までに取得しましたものが、四十七年三月三十一日現在におきます保有土地の中におきましてどれくらいの割合を占めておるかということが八ページの表—4にあげておるわけでございます。これで見ますと、全体におきます保有土地の割合は一三%でございます。ただ、表−4をごらんいただきますとおわかりになりますように、たな卸資産では九八%でございます。事業用資産では八%でございますので、この六年間に取得した面積でたな卸資産につきましては、三月三十一日現在の保有面積というものは六年間の取得面積とほぼ見合っている数字でございます。 それからもう一つ、この表−4の中で、全体として見た場合、不動産業の場合、取得した面積が全体に占める割合の一〇七となってございますが、これは処分面積がその期間中にあったわけで、取得面積のほうが現在面積を上回っているという数字でございます。でございますから、たな卸資産だけで見ますと、不動産業だけでございませんで、総合商社、その他というものも一〇〇%を上回っておりますし、建設業におきましてもたな卸資産の場合九八%という数字を占めております。そういったいわば回転を示しているわけでございます。 これが取得した総数の概要でございます。 その次に、各年度ごとにどのように取得してきたかという数字を次の表−5にあげてございます。この点につきましてはなおこの説明のほうにも一応数字と、次の四ページにこれをグラフで表にしたものを掲げております。 昭和四十一年度から四十六年度に至る各年度におきます土地の取得状況をあげますと、ここにあげてございます表のとおりでございます。ここでごらんになりますと、四十一年から四十六年のあとに「年度不明」というものがございますが、これがかなり大きな割合を占めております。全体で四万三千七百二十六ヘクタールのうち一万一千八百六十五ヘクタールが取得した年度が不明という記入でございます。特にグラフのほうでごらんいただきますとよくおわかりと思いますが、四十一年度と四十六年度の状況を単純に比較いたしますと、事業用資産におきましては単年度におきまして約二倍でございます。たな卸資産では約三倍、全体では二・四倍というふうに四十一年度に比べ四十六年度の取得面積が増大しております。それから各年度ごとに見ますと、事業用資産はほぼ直線的に増加しておりますが、たな卸資産につきましてはこの調査の結果ではかなり大きく変動しておりまして、四十四年度が非常に高い数字を示し、逆に四十五年度におきましてはひとつどしゃっと下がっておりますが、四十六年度にはまたこれが回復して上がっているというふうに、かなり大きな数字の変化を示しております。この辺は景気及び金融の状況等が考えられるわけでございます。 次に四ページの下の「都道府県別の土地取得状況」でございますが、これは九ページの表−6にあげてございます。表によりますと、府県別上位十五の県をあげているわけでございますが、一番大きいものが北海道でございます。これが五千二百十七ヘクタールでございます。それから千葉、愛知、兵庫、神奈川、岐阜、三重、静岡、広島、福岡、大分、埼玉、茨城、宮城、奈良、こういう順になっておりまして、いわゆる太平洋ベルト地帯に属する県が大部分でございます。裏日本がほとんど入っておりません。上位十の北海道及び県でございますが、この合計が二万五千四百七ヘクタールでございます。全体の五八・一%でございます。それから上位十五県まで入れますと三万一千四百三十四ヘクタールで、全体の七一・九%になっております。なお参考に首都圏、近畿圏及び中京圏といいますか東海圏といいますか、愛知、岐阜、静岡、この三県を足したもの、で合計いたしますと、取得面積全体としては五八・六%、たな卸資産のみについて見ますと七三・八%をこの三つの圏域で占めておるわけでございます。なお九ページの表−6におきましては、それぞれの県におきます上位三業種を右のほうにあげてございまして、一応、取得面積と対全国比、事業用資産とたな卸資産の区分、それから上位三業種ということで、そこにどういう業種のものが多く土地を取得したかということを一応あげてございます。 これらの中で、次に五ページのところで7の項目の中に「事業用資産及びたな卸資産」という別で見たものをあげてございますが、上位の十五の県の中で工場用地などの事業用資産の特に高いものをあげてみますと、茨城県、大分県、広島県、北海道、岐阜県。茨城の八九%から岐阜の七六%というような割合で比重の高いものが事業用資産でございます。特に北海道では森林としての資源確保を目的とするものが多いのが特徴でございます。逆にたな卸資産の比重の高いのは宮城、奈良、埼玉、三重、千葉などでございまして、これらでは住宅地分譲などが主たる目的となってございます。この辺が表−6の解析でございます。 次に、取得した土地のうちで、すでに譲渡しているものがどれくらいあるかというものを調べましたのが8でございます。これは表にいたしますと一〇ページの表−7でございます。表−7のちょうどまん中よりちょっと左側のところに入っているところでございますが、六年間に取得した土地のうちで、すでにその期間内に譲渡されたものが二千四百七十ヘクタール、五・六%でございます。このうち事業用資産、これは工場とか事務所とか、そういう業務用に使うというはずで取得したもののうちで九百六十二ヘクタールのものが譲渡されております。それからたな卸資産では千五百八ヘクタール譲渡されております。事業用資産を譲渡しているのはほとんど製造業でございます。それからたな卸資産を譲渡しておりますのは、これは当然でございますが、不動産業、運輸、倉庫、通信業、それから総合商社、サービス業などでございます。 しからば、譲渡する土地を保有していた期間がどれくらいかということがその次に出てくるわけでございます。これはちょっと表が前後いたしますが、一一ページの表−8のところに業種別に処分した土地の保有期間別の内訳があげてございます。これによりますと、譲渡された土地の合計面積は二千四百七十ヘクタールでございますが、このうち半分以上になります千三百六十ヘクタールは譲渡するまでの保有期間が不明というふうになってございます。わずか六年間のことでございますが、回答の数字としては不明というものが過半を占めておりまして、保有期間を表示しているものは千百十ヘクタール、四五%でございます。そのうち保有期間三年未満で処分したというものが七〇%に当たる七百六十五ヘクタールを占めております。このうち事業用資産では保有期間の明らかなものは六〇%でございまして、そのうち保有期間が三年未満のものは四百五十七ヘクタールでございます。たな卸資産のほうでは保有期間の明らかなものがきわめて少なく、三五・四%でございまして、そのうちで五七・六%の三百八ヘクタールが三年未満で処分されておるというような状態でございます。 次に「取得土地の利用状況」でございます。これは表のほうでは、前後して申しわけございませんが、一〇ページの表−7の右側のほうにあげてございます。 四十一年四月から四十七年三月までに取得した土地のうち、その期間に譲渡したものを差し引きいたしましたものが四万一千二百五十六ヘクタールでございまして、その内訳は、事業用資産が二万五千八百十三ヘクタール、たな卸資産が一万五千四百四十三ヘクタールでございますが、そのうち四十七年三月三十一日現在すでに使用し、または開発に着手されているものは一万七千三百六十二ヘクタール、四二・一%でございます。ですから五七・九%に当たるものはまだ使われていない状態でございます。資産別に見ますと、事業用資産では六〇・五%がすでに使われているわけでございますが、たな卸資産につきましては一一・三%が着手されているという数字になってございます。 次に、都市計画上の地域性の上からどういうふうになっているのだろうかというのを見ましたのが六ページの10の項目でございます。表のほうでは二一ページに表−9ということで掲げてございます。 四十一年の四月一日から四十七年の三月三十一日までに取得された土地のうち、この期間に譲渡されたものを除きまして、昭和四十七年三月三十一日現在保有されている土地四万一千二百五十六ヘクタールの区域別の内訳はこの表のとおりでございまして、ここに市街化区域、市街化調整区域、その他の都市計画区域、都市計画区域外、不明ということを、ヘクタールとパーセンテージで表示してございます。表について見ますと、事業用資産では、都市計画区域の中に入っておりますもの、これを合計したものが三三・三%でございまして、都市計画区域外及び不明その他というものが合わせて六六・七%であるのに対しまして、たな卸資産におきましては、都市計画区域内と一応表示されておるものが七〇%、都市計画区域外及び不明というものが三〇%でございます。特にたな卸資産につきましては、この表でおわかりになりますように、市街化調整区域に保有されているものが三四・四%でございまして、これが最も大きな比重を占めております。一二ページの表—9は、これは全国の合計と、先ほどあげました主要な上位十都道府県でございますね、都道府県ごとに都市地域及び地方等との間に若干のでこぼこがございますので、十県を一応御参考に表のほうではあげてございます。 次に「取得土地の取得目的」でございますが、これは非常に申しわけないのでございますが、ちょっとこの書いてある中身にミスがございまして、第一行目のところの右のほうから六字目、「昭和四十一年四月一日から昭和四十七年三月三十一日までに取得された土地で」とあります「で」から、「同期間に譲渡されたものを除いた昭和四十七年三月三十一日現在保有されている土地」のところまでは、ちょっとこれは間違いでございまして、恐縮でございますがここをお消しいただきまして、「昭和四十一年四月一日から昭和四十七年三月三十一日までに取得された土地の取得した目的」というふうに訂正さしていただきます。保有している土地がございませんで、これが取得した土地の全体の取得目的でございます。 この取得目的が、事業用資産について見ますと、事務所、工場等の直接業務に必要な施設用地が六九・九%でございます。それから森林等資源確保を目的とするものが一五・五%でございます。それから福利厚生施設、これが四・五%、ゴルフ場、ホテルなどレクリエーション用の用地が三・九%などがおもでございまして、たな卸資産について見ますと、これは住宅地分譲用七八・二%、これが大部分でございます。レクリエーション施設用が七・三%、工業用地分譲用が〇・四%などがおもな目的でございます。 なお、土地取得の際にすでに転売を目的というものが事業用資産で〇・七%、それからたな卸資産では二・一%ございます。また、取得時点において用途不明という書き方をしておりますものが事業用資産で五・三%、たな卸資産では一一・四%の数字を示しております。この辺の資料が一三ページの表−10、これは業種ごとに取得目的別、それから最後の表−11におきましては、十県におきます同じような取得目的別の内訳をあげておるわけでございます。 以上が調査いたしました概要をとりまとめたものでございますが、この調査の前提といたしまして、東京証券取引所の一部、二部に上場しております企業全部にアンケートという形で調査票をお送りいたしまして、これが対象企業におきまして自発的に記入して送り返してもらったものを集計したわけでございます。若干回収率が上がりませんでした関係上、憶測等をいたしまして取りまとめるのにかなり時間がかかったわけでございます。なお、集計のしかたにつきましても、一応考えられるだけの方法をとったわけでございますが、事柄の性格上、記入されている数字につきましては、その記入された立場で書かれたそのままを表示いたしておるわけでございます。 先ほど来の御説明で一応申し上げましたように、幾つか感じられる点を申しますと、保有面積の合計は、けさの新聞にも書いてございましたが約一%、国土面積三千七百万ヘクタールから見ますと約〇・九%でございますが、保有面積といたしましては事業用資産が非常に高いわけでありまして、これに対しまして六年間の取得面積ということではかなりたな卸資産のウエートが増加しております。でございますから、かなり、これだけふえておるのを加算いたしましてなおかつ、四十七年の保有面積上、事業用資産が九〇数%あるわけでございますので、それ以前に比較いたしますとたな卸資産としての土地のウエートというものが非常にふえているということははっきり推定できるわけでございます。ただ、保有資産の中で、紙、パルプ関係の企業の持っております面積が非常に大きい、これは従来から言われていることでございますが、この点も明確に把握できたわけでございます。 それから取得面積でございますが、取得面積の年度ごとの推移といたしましては、事業用資産自体、これは事業用資産として表示された内容をそのとおり受け取りました場合に、ほぼ直線的な傾向で動いてまいるのに対しまして、たな卸資産として計上される部分につきましては、これは金融情勢その他の影響がかなりあるのではないかというような感じがこの表から読み取れるわけでございます。 それから取得土地のうちですでに譲渡されておるものが数字といたしましては五・六%でございますが、この間の六年くらいの間でございましてもその保有していた期間がよくわからないというような状態でございまして、特に保有期間がわかったものの中で見ましても、三年未満で処分するというようなケースがかなり多うございます。事業用資産にいたしましても、事業用資産として取得しながら三年未満で処分するというようなものが、数字といたしまして表面に出ておりますのが四百五十七ヘクタールでございますが、こういう数字がございます。特にたな卸資産ではその保有期間が明らかなものというのはわずか三五%でございまして、その保有期間もわからないというかっこうで運営されているわけでございます。 また、土地の利用状況でございますが、取得した目的に従って利用されておるというものが四二%でございます。このうち事業用資産におきましては六〇%余りが利用されておるわけでございますが、たな卸資産については一一・三%が着手をされているだけでございます。これを思惑投機というものに直ちに結びつけるのは、宅地造成等におきます計画の策定でございますとか、公共団体の調整等非常にむずかしい問題も多いわけでございますが、そういうものを加味いたしましても、取得した土地の一一%が利用されているというような状態というのはやはりかなり低いというふうに見ざるを得ないのではないかと思います。 それから都市計画上の区分でございますが、これにつきましても、表の上でごらんになりますと、かなりたな卸資産と事業用資産で、たとえて申しますと、広島県のたな卸資産なんかでは九一%が市街化区域内において取得されておりますが、逆に愛知県のたな卸資産で見ますと九〇%が調整区域であるとか、府県によりましてかなりのでこぼこがございます。いずれにいたしましても、たな卸資産としては都市計画区域の中に入るものが大部分で、都市計画区域外ということをはっきりうたっておりますのは一八・五%でございます。都市計画区域の中でございましても調整区域に占める比重が非常に高いということが非常に注目されるわけでございます。 また、土地の取得目的でございますが、この目的も、企業側において一応目的として設定されたとおりに受け入れたわけでございますが、その中におきましても、事業用資産で転売目的が〇・七、用途不明が五・三ということで、六%のものが本来の事業用の目的でないということで取得しております。それからたな卸資産のほうにおきましては、転売用二・一——これは造成をしない転売というふうに読めるわけでございますが、これが二・一、それから用途不明というものが一一・四、合わせて一三・五%というものが企業側において自発的に表示された数字として出ているというような点がかなり注目されるような次第でございます。 以上、概要を御報告申し上げます。
○田村小委員長 次に、川上宅地政策課長。
○川上説明員 お手元に配付いたしてございます一枚紙の資料によりまして、地価公示価格と固定資産評価額との関係を御説明させていただきます。 まず、「全体」の欄の、ここにとりました地点数の合計欄をごらんいただきますとおわかりいただけますとおり、八百五十地点になっておりますが、これは昭和四十五年に地価公示を行ないました九百七十地点のうちの一部を除外いたしております。これは、そのまま地価公示価格と固定資産評価額を比較するのに不適当なもの一部を除外いたしまして、八百五十地点につきまして地価公示価格と固定資産評価額との比較をまとめたということでございます。全体で見ますと、昭和四十五年の合計欄でごらんいただきますとおり三・五倍というふうになっております。これが四十六年、四十七年になりますと、おのおの四・一倍、四・六倍となっておりますが、これは固定資産の評価が四十五年に行なわれたものである。したがいまして、六年、七年の比較額がそのままの数字を使っておりますので、地価公示価格はその倍率を増しておるというわけでございます。 府県別に申しますと、東京都におきましては全体で、小計の欄でおわかりいただきますとおり二・八倍でございますが、二十三区におきましては二・六倍、それ以外の都下におきましては三・四倍、このような数字になっております。なお、近県にまいりますと、埼玉が六・一倍、千葉六・六倍、神奈川四・二倍、東京圏を平均いたしまして三・八倍となっております。近県の倍率は若干高いということでございます。なお、京都におきましては四・〇倍、大阪は二・四倍となっております。 次に、これを各住居地域、商業地域等の地域別に見ますと、四十五年の欄を追ってまいりますが、住居地域におきましては三・九倍と平均を若干上回っておる。それから商業地域におきましては二・五倍、準工業地域は二・九倍、工業地域におきましては二・六倍、このようになっております。 さらに、住居地域におきまして昭和四十五年の欄で見てまいりますと、各県別に申しますと全体とおおむね同様な傾向が見えております。小計欄でごらんいただきますとおり、東京都におきましては、住居地域は四十五年におきましては二・九倍というふうになっておりまして、二十三区におきましては二・六倍、それからそれ以外の区域につきましては三・六倍、このようになっております。近県につきましてはこれが上がりまして、埼玉が六・四倍、千葉が六・七倍、神奈川が四・六倍、東京圏全体を平均いたしますと四・二倍という数字になるわけでございます。京都につきましても同様に四・五倍、大阪が東京並みの二・六倍というふうに下がりまして、兵庫も二・八倍というふうになっております。 全体の傾向につきまして簡単に御説明させていただきました。
○田村小委員長 以上で説明は終わりました。 —————————————
○田村小委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。井上普方君。
○井上小委員 土地対策が重要なことはもう御承知のことと思います。それで、建設省の土地対策につきましてのお話を承ったのでありますが、ここ数年来、土地対策の基本は土地利用計画を策定する必要があるのだ、こう言われながらまだはっきりしない。しかしながら一応新都市計画法ができ、あるいはまた建築基準法ができ、いたしまして末端はできたのでありますけれども、根幹ともなるべき、あなた方がいつも言っておられる土地利用計画がとにかくできてないのだと言われるのであります。一体、根幹となる土地利用計画というものはどんなことなのか、それで、できない理由は一体どこにあるのか、この点、お伺いいたしたいと思うのであります。 それからもう一つの問題といたしましては——きょうはこの資料ばかりで質問をいたしますので、そのおつもりでお答え願いたいと思いますが、この第七行目に「地方中核都市の整備の推進」とありますけれども、一体これはどういうことを考えておられるのか。日本列島改造論なんといういかにもばく然としたような、何といいますか、雲をつかむような話の中に出てきた二十五万都市をさしておるのか、この点、伺いたい。この「地方中核都市の整備の推進」ということが、いままで正式にあらわれております新全国総合開発計画の中での位置づけはどうなっておるか、この点、伺いたいと思うのであります。 それからその次に「市街化区域の整備の推進」ということがございますが、一体投資額といたしましてはあと幾らあればいいのか、そしてまた現存の進捗率はどうなのか、この点、伺いたいと思います。 それから「公的土地評価体系の整備」ということでございますが、この最後の「公示価格を基準として土地の課税評価を行なう」、まことに私はけっこうだと思うのであります。そうでなければならないと思います。しかしながら、これは各省各庁におけるなわ張りが非常に災いをしておるように思われるのであります。これは公示価格がまだ少のうございますが、将来やるには強力なる政治力が必要じゃなかろうかと私は考える次第なんであります。これらについての大蔵省当局、特にあなた方の相続税の基礎になる評価額、これをやるお考えがあるのか、これに合わせるお考え方があるのか。きのう自治省のお考え方は私一応承りましたが、ひとつこの点を伺いたいと思います。 それからもう一つ問題といたしましては、特に、土地の課税評価を行なうということになりますと、個人個人に非常に利害が出てくると思うのであります。そこで鑑定委員会なるものが、外国における土地裁判所的な性格を持たなければこういうことはできないのじゃないかと思うのであります。その御用意ありやいなや。いままでの鑑定委員会なるものは、事務局がやはり行政機関に属しておる関係上、どういたしましても国民に公正さの点が欠けるうらみなしとしないのであります。したがいまして、これを外国の土地裁判所的な意味合い、あるいはランドコミッティー的な意味合いに持っていく必要があるのじゃないか。それが前提でなければこの評価体系の整備ということも不可能じゃないか、国民には納得させることができないのじゃないかと思うのですが、この点の御見解を承りたいと思うのであります。 それから第二項に書いてございます「土地の投機的取引の抑制」、まことにけっこうでございますが、しかし、ただいまも「企業の土地取得に関する調査結果の概要」を計画局から御報告になりましたが、ますますふえておるように思われてならないのであります。そこで、この分離課税等々をひとつ法人税制の中に入れるということは私も賛成ではあります。しかしこれができない原因が一体どこにあるのか、そしてまた分離課税を税制調査会に諮問しておるのかどうか、する御意向があるのかどうか、この点をお伺いいたしたいと思うのであります。 それからもう一つ、投機的取引の抑制につきましては、諸外国がやっておりますような開発利益の吸収という面を大いに取り上げる必要があると思います。この点につきましては、昭和四十二年の建設委員会におきましても、開発利益の吸収については特に委員会において決議が行なわれておるはずであります。これについての建設省の取り組み方が、現在のところこれに書かれておらないのをはなはだ残念に思うのであります。開発利益の吸収によって地価の安定をはかった一例といたしましてはイギリスがあると思います。千九百六十何年でございますか、ありますが、こういうようなことをやることによって投機的取引を抑制する意味合いがあると思うのでありますが、これについての御見解を承りたいと思うのであります。 さらに、ただいま建設省の宅地政策課長から——大体建設省が政策を持つというのはおかしいと私は思うのだ、ともかく行政当局が政策を持つというのはどうも不届きしごくだと思うのですが、このことば自体はいずれあらためて質問いたすといたしまして、私は実は和光証券から四十七年の三月に出されております東京証券市場に上場されておる会社の土地所有状況の調査を持っておるわけです。おそらくこれも一緒にお調べになったと思うのです。こういうような資料が証券会社から出たことはこれはいままでなかったことでありますが、出ましたので私も手に入れたわけです。この状況とあなたのお調べになった状況を見てみますると、私の資料では流動資産勘定、あるいは販売用土地などや投資不動産ははずしておるのです。ところがあなたのほうにおいてはたな卸資産というのが含まれておるので、この点においては画期的な資料が私は出てきたと思います。しかしこの資料が、七百社ぐらいしか回答がないということで、非常に完備されたものでないことは私もまことに残念に思うのであります。しかし、いま数字の御説明を承り、比較対照することが少なかったのでありますけれども、中を見てみますと、非常にアンバランスが実は見出されてならないのであります。特に私はいまあなたの御説明を聞き、十分調べる時間がなかったので、思いつくままに申し上げますと、陸運関係なんというのがおたくのほうでは非常に少なく出ておるように思われてなりません。これはあなたのおっしゃる事業用土地というものが、この運輸、倉庫、通信業という点においても少なく出ておるように思うのであります。それで、私はこの調査に対してクレームをつけるわけではございません。ございませんけれども、事業用資産それ自体においてもかなり私の資料と違った結果が出てきておるように思われてならないのです。あなたもお調べになっておると思いますけれども、証券会社が出された資料、これはことしの三月に出されまして一大センセーションを巻き起こしたのでありますが、特に私が感じますのは、全国土の一・二六%を千三百社が持っておるということになっておるわけです。これはあなたの言うたなおろし資産を含んでいないのです。これが一つ。それからもう一つは、このごろ大企業が土地を買う場合に非常に巧妙になってきておりまして、特に投機的な土地をやろうとする場合には子会社を実は利用しておるようです。あなたのほうでも、アンケートを出しておるぐらいしかできない以上は、そこまで踏み込んだ調査は私はできないと思う。したがいまして、一つ二つのサンプル的な調査として、あるいは十社、二十社ぐらいで調べられるケースとして、子会社に対し系列会社が一体どれだけ持っておるのか、こういうような調査もひとつしていただければ、いまの大企業が土地投機をいかに行なっておるかという実態がわかるのではないかと思うのであります。このような御調査もひとつお願いいたしたい、このように思うのです。私らが考えております面積を見ますと、金融緩和の今日、子会社を使って投機をやっておる実態からいたしますと、大企業千三百社が取得しておる土地というのは、大体全国土の二・五%ぐらいに相当する土地になっておるのではなかろうかという推定を下さざるを得ないのでありますが、特に大企業の投機的な土地取得に対していかにチェックするか。これらについて、政策課長さんなんだから、政策があればひとつあなたの御見解、個人的御見解でもよろしゅうございますからお伺いいたしたいと思います。
○高橋説明員 いろいろな面について御質問がございましたので、簡単に、簡潔に御説明申し上げますが、さらにまた足りないところがございましたら御質問いただきたいと思います。 最初の「土地利用計画」についてでございます。おっしゃるとおり、従来から全国にわたるところのこういう計画はございませんでした。特に規制を加えるという意味のものはないわけです。現状におきましては都市計画法が都市計画区域においてあるわけでございます。それから農振地域において農振法、しかしこれは農用地の保全という見地からのものでございます。自然公園法は自然環境保護というような見地で、そういう一部のものについては規制措置が加えられております。大体そういうような土地利用だけがあったわけでございますけれども、全国土についておおうものはなかったわけでございます。前々からこれは要望されたところを私ども検討いたしておったのでございますけれども、関係各省もそれぞれ計画を持ち寄って、案を持ち寄って、そして先生のおっしゃるようなものをつくりたいというふうに考えておるわけでございます。その内容としましては、なお検討中でございますけれども、都市的な利用区域、それから農業的利用区域、それから保護保全的利用区域、及びその他の開発調整区域、そういう四つの区域に全国土を分けたい、全国土をおおってその利用区分をいたしたいというふうに考えておるのでございます。そういう土地の利用区分を全国土にいたしまして、そして、それについてそれぞれ一定規模以上の開発行為につきましては都道府県知事の許可にかかわらしめるというふうに考えておるわけでございます。そういう全国土について土地の利用区分がどういう程度のものになるかということでございますけれども、なおいろいろ調査検討いたす必要がありますが、都市的な土地利用区分というのは大体都市計画区域を中心のものでございますので、大体これは全国土の二割くらい、二〇%くらいになります。それから保護保全的なものにつきましては、自然公園区域及び自然環境保護区域というもので、これは大体現在一五%くらいでございます。それから農用地につきましては、これは非常にむずかしいのでございますけれども、いろいろ推定をいたしますと大体二五%から三〇%。そうしますと残りが大体四〇%から三五%ということになるわけでございまして、大体そんな見当で——まだほんとうの概算を申し上げておるわけでございまして、大体の見当をつかんでいただくために申し上げておるわけでございまして、大体そんなものについての土地利用区分をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。そういう土地の利用区分をいたす際におきましては、私ども一番の問題は、地元の住民とのいろいろな関係でございますとか、そういう地元の住民の声を取り入れるというような、そういうような手続を十分考えた上での土地利用区分をいたしたいということで目下検討いたしております。 それから第二点は「地方中核都市の整備」についてでございます。これは新聞紙上でいろいろいわれておるわけでございますけれども、大都市への人口、産業というものの集中を抑制するという措置とともに、そういう抑制されたり、また大都市から地方へ分散してまいりますところの人口、産業というものが地方にまいるわけでございますけれども、そういうものが現在のままで行きましても、これは人も住みにくい、環境もよくないわけでございますので、地方に行けと言っても、地方に行ってそして住むというような意欲も起こらぬわけでございます。産業からいいましても、そういう地方に分散していきましても、用水もない、土地もないということになりますから、そういうものについても十分考える必要がありますので、そういう意味で、先行的にそういう都市施設及び都市機能を整備するという意味におきまして、地方におきまして、さっき申し上げた土地だとか水だとか交通、そういうようなものから考えて発展可能性のある、そういう地域を考える。そうしてそういう地域を先行的に整備していく。そしてその地域の発展の中心になりますところの、あるいは産業、工業であります、あるいは流通的な機能のものであります、あるいは研究機関だとか、また大学、そういう研究学園的なものもございます、あるいはまたレクリエーション基地都市というものになるものもございます、そういうようないろいろな地域開発の中心になるような、そういう機能的なものをあわせていくように配置したい。これは全国土の土地利用区分に従って計画的に配置してまいりたいということでございまして、そういう際の、先行的に都市施設なり機能を整備するためのいろいろな制度的な手段というものをあわせて考えたいということでございます。 同時に、この地方中核都市というものはその都市だけ整備をするということだけでなしに、その都市はその都市に住む人たちだけのものじゃなしに、全国土の、たとえば地域中核都市を中心とするところのその影響にある圏域の者、そういう圏域の農村地域のそういう人たちが、たとえば週に一回、それから月に二回というようなことでその中心都市に出かけてまいって、そうして都市の集積の利益をいろいろ享受する。たとえば就職、子弟が工場に通うこともございます。大学に通うこともございます。都市に行って映画を見たり、それからいろいろな文化的な施設を利用するということもありましょうし、また都市におきまして若い者が一ぱい飲むとか、またパチンコをするということもできるように、そういうような圏域的な、広域的な、都市と農村を一体的に整備するという見地から整備をしてまいるとともに、その中心となるところの都市を整備していくというふうに考えているわけでございます。 もう少し具体的に申し上げますと、この地方中核都市の私ども考えておりますのは、全国で百近くというように考えております。大体県庁の所在地——三大都市地域を除いた地域でございまして、その県庁の所在地及び一府県にあと一つか二つというような都市の数でございます。この地方中核都市がどういうような生々発展をたどるかということは、その百くらいのうちに八十くらいは、既成の市街地で現在のDID人口が五万人くらい、それから都市人口として二十万人以上ある、そういうような都市の周辺に計画的に都市地域を整備し、拡大していって、そうして人口が大体二十万以上になるということを考えておる点が第一点。これは八十くらい。あとの十か二十くらいは、たとえば研究学園の都市だとか、それから大工業都市、たとえばむつ小川原の都市、そういうふうな、現在既存の都市はないけれども、そういう戦略的なプロジェクト事業を行なうことによって都市ができるというもの、そういうようなものを考えておるわけでございます。百くらいのうちに八十くらいということで既成市街地を中心に考えるというものは、既成市街地といってもDID人口が五万人くらい、これはあまり大きなものじゃございませんが、これは従来の都市人口の増加傾向、都市の発展というものを分析いたしますと、傾向といたしまして、五万人以上あるところにつきましては比較的都市の人口がどんどんふえているわけでございます。ところが五万人以下につきましては人口があまりふえておりません。むしろ減少的な傾向になります。それだけが要素でございませんが、そういうような将来発展の可能性のあるような地域、それは同時に、さっき申し上げたような水だとか交通だとか、そういうものも十分かみ合わせて、そうして発展可能性のあるそういう地域を選んで先行的に整備をしていく。その整備のしかたは、さっき申しましたとおり、都市、農村を一体としたような広域的な整備計画の中で整備していこうという構想でございます。そういうことによりまして全国土を有効に利用する一つの考え方をとっておるわけでございます。目下いろいろな意味におきまして検討を続けてまいっておりますので、いろいろな点につきましては、私がいま申し上げたのも多少まだ私見にわたることもあるわけでございますので、十分ひとつ御指導をいただきたいというふうに考えておる次第でございます。 それから「市街化区域の整備」の問題でございます。これは実は都市局の所管にわたる部分についてでございますが、土地対策につきましても一つの基本的な問題でございます。御承知のように、市街化区域は市街化を予定しているところでございまして、大体十年以内に市街化するということで市街化区域が設定されていることは御承知のとおりでございまして、したがいまして、設定されましてから十年以内には整備をされることになります。目下、御承知の四十八年末までにその全域につきまして、いま新しい用途地域の設定の作業が進んでいるのでございまして、それに従いまして都市施設の計画が再編成されるわけでございます。そういう計画に基づきまして逐次いろいろな都市施設が整備されますけれども、幾らかかるかという点、実はいろいろな検討をいたしまして、これはここで数字を実はあまり申し上げるほどの正確なものはございませんが、全国からとった数字は三十数兆でございます。要望でございます。なお、これはしさいに検討いたしますと、もっと少なくなるかとも思いますが、全国の要望だけで三十数兆円ということになる次第でございます。現在の進捗状況につきましてはちょっと私、都市局の点については聞いておりませんので資料を持ち合わせてございません。 それから「公的土地評価体系の整備」についての問題でございますが、その一元化の問題につきましては、この前からいろいろ御説明申し上げ、御指導いただいておる点でございます。関係各省とも、自治省、大蔵省とも十分今後私ども協議してまいらなければならない点でございますが、地価対策を進める上におきましてぜひ私どもこれを実現させたいというふうに考えておる次第でございます。ただし、固定資産税につきましても、また相続税につきましても、私ども評価を一元化したいと考えておりますけれども、両方ともやはり、現在のいろいろな基礎控除の点だとか税率というようなものを今後の評価体系の一元化に伴いまして再検討いたしまして、そうして一般の善意の国民の負担が過重にならないように十分検討してまいる必要があろうかと思います。私どもも目下その点につきましてしさいな検討をいたしておりまして、大蔵省、自治省に私どもの案として提示して、そうしてこの実現をはかりたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、土地裁判所的ないろいろな機能を持たしたらという点についてでございます。都道府県及び市町村に地方の土地鑑定委員会も設置いたします。地価公示はその土地鑑定委員会で行なわれます。この性格は、御承知のように、中央の委員会の委員におきましても先生方の、国会の同意を得なければ任命できないことになっておる次第でございます。そういうことを、都道府県、市町村におきましても収用委員会だとか公安委員会、そういうような性格のものにしたいと考えておるわけでございます。同時にそれにつきまして、一般の国民からの争訟制度というような問題につきましても十分検討する必要があろうかと思います。この点につきまして先生御指摘のような点、なおいろいろ関係各省と十分打ち合わせてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 それから法人税についてのお尋ねがございました。法人税につきましては、先ほど資料で御説明いたしましたように、何とかして投機的な土地取引を抑制しないことには土地対策、地価の高騰を抑制することはできませんので、ぜひ実現したいわけでございます。これは毎年私ども大蔵省に要望いたしております。大蔵省も、四十四年の個人の譲渡所得税が実現した際、土地税制といたしまして税制調査会にいろいろはかって検討いたしておるわけでございますけれども、いろいろな問題点がございまして、なお実現できないのは残念でございます。一つは、やはり法人税というのが損益通算の原則に立ちまして、損益通算ということで、益があったものに税をかけるという体系になっておるわけでございます。そういう点で、分離課税ということがはたして体系上できるかどうかという点が一番根本的に問題になろうかと思います。たとえば必要経費を差し引くときに、管理的な経費、一般的な経費というものを差し引きますが、その土地だけについての管理経費はどういうふうに計算するか、そういう課税技術上のいろいろな問題もあろうかと思います。それからもう一つは、こういう法人税によりまして抑制をする措置をとりますと、供給に回るべき優秀なデベロッパー、優良な宅地を供給する、そういう企業についてまでも供給が阻害されるということが一番問題になるわけでございます。それをどういうふうにして除外措置をさせて、優良なものについてはどしどし計画的に積極的に供給できるようにするかという点がむずかしい問題でございます。そういう点につきまして、私ども、毎年のことでございますので、十分検討を加えながら大蔵省に要望いたしておる次第でございます。 それから、開発利益の吸収という点でございます。これはイギリス等におきまして土地増価税というような名前で御承知のように実施いたしましたけれども、直ちにこれをいろいろな事情で廃止いたしておるわけでございます。すでにイギリスでは廃止をいたして、ございません。というのは、この土地増価税によりまして土地の取引市場が衰微する、その他いろいろございまして、イギリスにおきましては廃止されております。しかし、先生のおっしゃるような不労所得的なもの、土地を持っておるだけで何ら加工しないのに土地の値段が上がる、そういう開発利益を吸収しようというような御意見が方々にございます。したがいまして、日本の現在の税制からいいますと、これは一つは譲渡所得税に対する重課、一つは保有課税についての重課というような形でやれば開発利益の吸収ということができるだろうと思うわけでございます。個人につきましてはすでにそういう意味におきまして、四十四年から短期保有につきましては四割という重課の措置がとられておることは御承知のとおりでございます。法人につきましてはまだこれはできておりませんので、私ども先ほどから御説明申し上げておるように、何とかしてこれを実現いたしたいというふうに考えておるようなわけでございます。特に建設大臣がきのう日本記者クラブでもいろいろ話をされた中で、その内容はけさの新聞に出ておりましたけれども、開発地区みたいなものを指定して、開発事業が行なわれるその地区におきまして土地を投機的に買い占めるということは、開発事業の推進の上からいいましても困るわけでございますので、そこにつきましては特に高率の譲渡所得税を課したいというふうに大臣から指示がございまして、目下検討いたしておる次第でございます。そういう開発利益の吸収は、譲渡益というようなものが実現された時期におきまして吸収するのが一番普通でございます。しかしながら開発利益の吸収という意味におきまして、土地増価税の思想からいいますと、もう一つ、保有したままでの土地の値段の値上がりのその差額に対して税をかけて吸収するという道も一つの案として考えられると思います。もしもわが国におきましてそれができるとしますと、先ほどからこれも御説明申し上げております地価公示価格によりまして適正評価をいたしまして、その場合、一般の国民についての税率は下げる、そういうことによって一般国民の負担は過重にならぬように配慮する必要がございますが、大規模な土地の保有につきましては、これは税率にそういう一般庶民と差をつけて、相当の税が吸収できるようにすることが一案であろうかと私ども考えておるわけでございまして、その基礎ともなりますところの地価公示制度というものについてぜひ実現をいたしたく、御説明申し上げ、御指導いただいておる次第でございます。 それから最後に、今回の法人の土地保有、取得の状況につきまして御質問がございましたが、和光証券につきましては新聞に発表されまして、私ども和光証券の幹部を直ちに呼びましていろいろな内容を聞いたわけでございます。手元に私ども資料を持ち合わせませんが、これは証券会社が千三百社につきまして、その財務諸表に基づきましてそういうものについていろいろ調査をいたしたのでございまして、内容の流動的なものについては、御指摘のとおりないわけでございます。たな卸資産は確かに含まれてないわけでございます。一方、私どもの調査は、先生のおっしゃるようにその五七%くらいの企業の土地保有が三十三万ヘクタールくらいでございます。和光証券の調査は財務諸表という書類によっての調査ですから、全部集まっているわけです。したがいましてもっと多く、全国土から申しますと確かにその一、二%近いものがあるかと思います。しかしながら、先ほどの私どもの資料にもございましたように、千三百社の企業の土地保有の中で大部分がパルプだとか鉱山だとか、こういうふうに、いわゆる、わが国におきましては三千七百万ヘクタールございますが、可住地面積というものは三分の一の千百万ヘクタールでございます。そういう可住地面積以外のところで保有しているものが非常に多いわけでございます。したがいまして、この資料がちょっと手元にございませんが、その可住地面積だけについて私どもが計算をしたのがございますけれども、それを見ますと大体〇・七%かの非常に少ないものになる見込みでございます。全国土のうちで一、二%ということは非常に大きゅうございますけれども、その内容を調べてみますと、可住地面積につきましてはそんなに多くないということでございます。全国土の面積のうち国公有地が、先生御承知のように大体三分の一ございます。あとはだから、国公有地、国及び地方団体の所有地でございませんから、これは民間の個人か企業であろうということになるわけでございます。そういうことからいいますと、もちろん個人の持っておるのも相当ございますけれども、法人も相当程度持っておるわけでございましょう。千三百社というのはこれは会社の中のごく一部でございますから、一、二%というのは全国土の中ではある程度当然かとも思います。ただ問題は、そういうことよりも土地の取得が投機的になされるかどうか、またその取得されたものが売り惜しみその他で直ちに利用されない、全国土の有効利用というものを阻害するということが一番問題でございますので、私どもそれに対して何らかの対策を講ずる必要があろうということで、いろいろ御指導いただくべく御審議をお願いしている次第でございます。 この調査につきましては、先ほど申し上げましたけれども、私ども決して十分だとは思っておりません。昨年も西村大臣が、国会でいろいろ質問があったときに、こういう調査の必要性を感じまして御指示いただいたときに、私にどうしようかということがございましたけれども、やれるところからやってみましょう。いい結果が出るだろうかという御質問に対して、私は、それはやってみなければわかりませんが、やってみて悪ければまたやればいいでしょうということを申し上げて調査を開始した次第でございます。先生の御指摘の点その他十分加味しながら、私どもことしから来年にかけてさらにまた調査をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。私ども、来年度の調査費の要求の中でも、さらにこういう土地保有の移動状況の調査費についても要求をすでに大蔵省に提出しておる次第でございます。 以上、簡単でございましたが、たくさんございましたのでいろいろ申し上げた次第でございまして、なお御質問がございましたらさらにお答え申し上げたいと思います。
○伊豫田説明員 お答え申し上げます。 ただいま計画局のほうから詳細な御説明がございました。おおむね大蔵省としてもただいまおっしゃいましたこと、そのとおりだと思っておりますが、一言ずつつけ加えさせていただきたいと思います。 まず第一番目の、相続税の評価額として公示価格を使うつもりがあるかというお尋ねにつきまして、少なくとも固定資産税と相続税における評価の方法が同じものを基準にして行なわれるということが、納税者の信頼を確保するためにいろいろな意味で好ましいことは当然だと考えております。したがってその方向でものを考えておることには間違いございません。ただ、公示価格につきましては、公示地点の数あるいは公示制度につきまして、現在山林あるいは農地等がはずれておりますので、これを相続税法上どういうふうに扱うかというようないろいろな問題がございますので、いま直ちにというわけにはもちろんまいりませんけれども、将来の方向といたしましては、課税標準に直ちに取り入れるという意味でなく、少なくともその基準にする意味においてその方向へ進むべきものと考えております。と申しますのは、調整の話を含めましてですけれども、いま計画局長がおっしゃいました負担の調整という問題がございましたが、その面も含めまして、基準としてはその方向で考えるべきものと考えております。 それから二番目の、法人の土地投機取引の抑制のために分離課税をする気があるか、あるいはこれについて税制調査会に諮問する気持ちがあるかどうかというお尋ねでございます。この点につきまして、土地の税制というのは本来、何べんも言われておりますように、土地政策をよそから助けるというふうな補完的な役割りを持つべきものと考えております。いまの段階において、ここまで法人の土地の投機取引の問題が出てまいりましたときに、これについても当然検討すべきものと考えております。したがって、税制調査会にどのような形で、たとえば土地税制についていかにあるべきかというふうな形になりますか、どのような形になりますかわかりませんけれども、いずれにしても土地税制の問題は、ことしの秋の税制調査会におはかりする問題になるだろうと考えております。
○井上小委員 小委員会でございますので、これは質問といいましても、いろいろ申し上げたいことがございますが、それは省略いたしまして、概略のこの資料によります質問をいたしたわけでございます。 この「土地対策について」ということがございますが、私どもからいたしますと、これは地価対策ということなんです、国民の側から見ますと。しかし、そういう点において、とかく全国的な土地利用計画がなければ何もできぬというようなお話で、いつもじれったい思いがいたしておるのであります。私どもといたしましては、せめて新都市計画法ができた中で、市街化区域の中においてこれの地価の安定をはかる。高騰を押えるということじゃなくして、安定をはかるということが中心でなければならない。したがいまして、この地価を安定させるにはどうすればいいかということで、都市計画法策定の際にもこの問題は論議したわけです。都市計画法策定の際には、これは一面において都市施設の充実もあるけれども、——建設省当局の話ですよ——一面においては地価対策の意味もありますということであの法律は通ったのであります。ところが、この都市計画法ができてから市街化区域内の土地というものはボンと上がる、こういうところにつきましても——いまあなた方を責めようとは思いませんが、しかし、あの都市計画法を策定した時点の考え方に戻って、都市計画区域内における地価をいかに安定させるかということは考えなければならない問題であります。ただ、この都市計画法は、計画区域内の施設の充実をはかるのだ、だから地価対策とはあまり関係ございませんというような考え方であるならば、これは建設省当局は二枚舌を使ったと言われてもしかたがない問題であろうと思います。ここらあたりについてももう少し考えていただきたいと思うのであります。もう私は申しません。 その次の問題といたしまして、地方中核都市の整備のためには先行的投資をやるのだ、こうおっしゃって、局長の、あたかも田中角榮さんの秘書的な御発言があったのであります。しかし、この中核都市の整備をやるというようなことは、いままでの都市計画法との関係は一体どうなるのか。都市計画法を策定し、都市計画区域として指定した場所との関係はどうなっておるか。百ぐらいつくるのだなんておっしゃいますけれども、いかにも改造論的な発想であって、その政策論議を私らはここでやっているのじゃない。いままでやってきた行政的な施策としてどうすればいいかということを考えられるのが建設省当局の考え方でなければならぬと私は思います。そういうような面からすると、この都市計画法の都市計画区域と地方中核都市との関係は一体どうなるのか。またこれが、都市計画法で策定した都市計画施設が要望の上において三十数兆円、これもほとんどできてないでしょう、実際問題として。その上に持ってきてこの百余りの都市といいますが、その百余りの都市が一体この都市計画区域内に幾ら含まれているのか、われわれにはあまり明確ではありません、あなたのおっしゃるのは。さらにそれが加わってきて、それに対する施設をやらなければいかぬというならば、あと十年間に一体幾ら金が要るのか。こういうことになれば、私どもはどうもこの点もひとつお聞かせ願いたいのです。十年間に三十六兆円、要望事項としてある、これもほとんど手がつけられない、実際問題としては。徐々にではあるけれどもやられておるけれども、やられない。そのほかにまたこういうような仕事が出てくるということになると、あっちに続きこっちに続きいたしまして、結局何もできないというのがいままでの都市対策ではなかったか。一例を言いますならば、昭和三十八年に新産業都市を指定した。指定しておりますけれども、一体成功しているのはどこだ、失敗しているのはどこだといいましたならば、新都市計画法で指定したところでは、公害が発生して、当時のうたい文句とは大いに違った形で出てきておる都市もあれば、あるいは片方においては、都市計画法によって指定したものの何ら進展していないというような失敗の例もある。成功したと称しておったところも、公害によってこれまた失敗の巻。続いて出てきたのがこの新全国総合開発計画、拠点主義の新都市計画法を今度は面開発というような考え方に直していった。これも改めざるを得ないような状況になっておる。政府がいままでやってまいりました産業政策というものはまさに失敗の連続だ。そのために目先を変えた地方中核都市の整備、二十五万都市なんということを言っておるのではなかろうか。その裏づけになる金は一体幾ら要るのだ。これに対する対策は何だ。常に受益者負担的な考え方が日本列島改造論の中には出てきておるけれども、それによってはたしてできるのであるかどうか、私どもは疑問に思わざるを得ないのであります。それはそれといたしまして、この都市計画法によって指定した地域と中核都市の整備の推進との相関性についてどういうようなお考え方を持っておるか。そしてまたそれの経費はどれくらい要るのか、ひとつお伺いしたいと思うのです。特に、学園都市なんて言っていますが、筑波の学園都市一つでもあれほど困っておるときに、こんなことが一体できるんだろうか、絵にかいたもちじゃなかろうかという気がいたしますので、あえてお伺いいたしておきたいと思うのであります。 それから、いろいろございますが、いまの大蔵省のお話で、土地評価体系の整備の問題でございますが、基準として用いるのだ。これを直接用いることは将来の問題として私は残るべき問題だと思います。しかし、局長、これはやはり国民が納得するような価格にする、あるいは不平があれば申し出るというような、第三者的な公平性、公正性を持たせる機関でなければ、土地鑑定委員会なるものも意味はなくなってくると思うのです。現在の土地収用委員会も、裁判所的な意味の第三者的な公正な機関にするには、それ相応の機関にしなければならないと思います。土地鑑定委員も国会においてともかく議決するのだからぐらいのところで国民が納得いたしますか。土地収用委員会も、これも第三者機関にしなければいかぬと言って、私どもは土地収用委員会の改正の際には盛んに申したのでありますが、これも行政機関の一つぐらいにしか国民は考えておりません。また土地鑑定委員会なるものも、おそらく国民側から見た場合、これは公正性について疑いを持たざるを得ないです。これは第三者機関的な公正を旨とする委員会に、だれが見ても公正であるという裁判所的な意味合いを持たさなければ、あなたの言う土地評価体系の整備という問題も公平性を欠いてくるおそれなしとしない。こういうような点をひとつ——これは意見が分かれることでございますので、これからは議論になるからやめますけれども、そういうことを国民の側からの一つの見方として、一つの見方というよりも大多数の意見であることをお知りになっていただきたいと思うのであります。 それから、土地の投機的取引の抑制でありますが、これは税制調査会なんといったって、あんなのは大体大蔵省の出先機関のようなもので、第三者的な意味合いをどうも持っておるようには——このごろの審議会は行政機関の言うとおりになっておるような気が私はしてならないのであります。それは制度がある以上しようがないので、私は申すのはやめますが、土地税制を強化しなければ思惑投機的なやり方は絶対に直らないと思うのです。あなたもいま、開発利益の吸収についてはイギリスも途中でやめたと言いますが、十年間続いた。土地が安定したからやめているわけなのでありますが、それはそれといたしまして、先般も私はこういうことを経験いたしておる。中国山脈で——中国地方では土地をいま大企業がどんどん買い占めておる。特に、川上郡の備中町というところへ行った。そうすると、大企業の伊藤忠の下請が全部山林は買い占めておる。六年前に買い占めて、坪当たり百円です。ここにレクリエーション基地をつくる、その際にはそのところの人たちを雇いますということで購入してある。そこへ何ができるのかといいますと、やがてそこには中国縦貫道路が通った。とたんにそこは高級別荘地として、とにかく関西の軽井沢という名目で売り出されておる。坪当たり二万五千円です。こういうようなやり方が、これが社会正義に反しないか、こういうことです。道路をつくるのはだれの金だ。国民の税金でしょうが。国民の税金でつくった道路の周辺の土地が百倍、二百倍に上がる。これの吸収をなぜできないか。これは国民の素朴な感情であります。また社会正義からも許されない問題であります。しかもそれが一つの大きな要素となり、土地の高騰を招いておる現状であります。これに対する適正なる、社会正義を貫くための政策がなければならない。これにはやはり私は、開発利益の吸収という面を大いに取り入れる必要がある、このように考えるのであります。これは租税技術上、徴収技術上むずかしいとかなんとか、役人的な発想で申される時期はもはや過ぎておる。社会正義を守る上からもこれらに取り組まなければならない時期がきておると私は思うのであります。こういうように私は意見を申し上げて、御答弁があれば承りたいと思います。
○高橋説明員 いろいろな貴重な御意見でございまして、私どももその点については十分今後とも検討いたしまして、そしていいものをつくっていきたいというように考えておりますので、今後とも御指導いただきたいと思います。 地方中核都市の整備と都市計画法との関係でございますが、ごもっともな御質問でございまして、先ほど簡単にしか御説明申し上げなかったのでその点触れておりませんでしたけれども、地方中核都市の区域を設定いたします。これは都市計画区域内であることが相当多かろうと思いますけれども、そうでないような場合におきましては、これは直ちに都市計画区域に指定する。同時に、地方中核都市の整備の中核となるいろいろな事業につきましては、これは都市計画事業で行なうというふうに私どもは考えておる次第でございまして、そういう意味の調整は十分とれると思うわけでございます。先ほど申し上げましたこの地方中核都市の整備の中心となる開発主体というものは、これは地方公共団体、第三者機関その他もございますけれども、一番中核となるものは都市開発公団ということを私ども考えておりますけれども、これはそういう意味におきまして都市局で立案し、予算要求を現在いたしておる次第でございます。 それから、いまお話しございました新産都市との関係、これももっともな御意見でございます。新産都市との違いというものは、一つは発想、考え方の違いがあろうかと思います。新産都市は産業、工業というのを先に考え、そこに立地しよう、それに伴って都市がつくられるということでございますけれども、私どもはこれは発想の違い、転換でございまして、まず、さっき申し上げたように、都市施設なり都市機能を整備する。同時に工業なり流通基地なりあるいは大学、研究機関というものを持ってきて、そして地域開発推進の中心にしようということでございまして、そこの第一点は発想、考え方の違いという点。それから第二は、新産都市の構想におきましては、これはそういう計画論だけでございましたが、私どもは今回は、それを実際に実施して実現していくためのいろいろな手段的なものもあわせてこの際考えるという必要があろうかと思って、そのための制度的なものも目下検討いたしておる次第でございます。それからもう一つは、これも先ほど申し上げましたように、地方中核都市というのは都市だけの整備ということではなしに、ものの考え方というものを、全国土の地域住民、国民というものの生活環境の整備、福祉水準の向上というものを目標といたしまする関係において、広域的に圏域としての整備をはかる。そうしてその中におきまして地方中核都市の位置づけをして、それを整備していくという点についてでございます。そういうことによりまして、都市だけがよければその周辺の町村のことは配慮しないということではなしに、そういう周辺の農村地域におきましてもすみずみまでいろいろな計画を立て、たとえば地方中核都市との連絡の鉄道であるとかまた市町村道であるとか、そういうものも十分整備しながら地方中核都市の整備を考えていくという点についてでございます。大体そういう点が新産都市との違いであろうかと思います。新産都市、私がその点についてどうであるかということをここで申し上げるわけではございませんけれども、確かに反省すべき点は相当多かろうと思いますので、そういう点につきましても十分ひとつ考えたいというふうに思い、検討いたしているわけでございます。 それから、このためには相当お金が要るだろう、どのくらい経費がかかるだろうか、これはごもっともなことでございまして、これは私どもも一番心配な点でございます。この点につきましては、私どものほうの省内におきまして関係の各局各課から集まりまして現在プロジェクトチームを組みまして、すでに具体的なことについていろいろ検討いたしておる次第でございまして、その結論が早く出るように私ども督促いたしております。相当のお金がかかろうかと思います。それの財源措置、どういうような財源措置を講ずるかにつきましてもあわせて目下検討いたしております。通産省では追い出し税というような新税を考えておりまして、自治省におきましては都市整備税というものも現在検討されております。私どももやはりいま新しい、たとえば都市開発税というものにつきまして、これを徴収いたしてその財源とするという考え方が必要であろうということで、それについていろいろ検討いたしておる次第でございますが、先生の御指摘のとおり、経費は幾らかかるか、その財源措置をどうするか、これは非常に大きな問題でございます。私どもも十分検討してまいりたいと思いますけれども、ぜひまたこの点についても御教示、御指導いただきたいと思う次第でございます。 それから、土地の評価につきまして公平さが必要である、これもごもっともなことでございます。これもさっき御説明申し上げましたように、先生の御意見を取り入れたような制度化を十分はかりたい。特にそういう点、国民から行政訴訟なり争訟というようなことが起こりましたら、それの処理のしかたということについても十分検討いたさなければならないと考えております。従来の地価公示は公有地の所得のときの規準ということでございまして、今後これは固定資産税なりまた相続税の課税評価の基礎ということになりますので、そういう点私どもも深く考えなければならないというふうに考えております。 それから、法人税の点、法人の投機買いの抑制、これは先生の御意見のとおりでございます。社会正義の点からいいましても、ぜひ何とかこれは実現するように私ども努力してまいるつもりでございます。先ほどもちょっと申し上げましたように、例示して先生があげられましたそういう点につきまして、開発地区につきましての特にそういう開発利益の吸収ということは、九割はぜひ税で吸収するように私ども要望したいということで、目下詳細な検討をいたしておる次第でございます。
○井上小委員 とにかく、きょうは小委員会で質問だけということで意見をあまり言わなかったつもりなのでありますが、自然と中に入ってしまうのであります。それはそれといたしまして、ともかく地価の抑制ということを主体にしてものごとをお考え願いたいということだけを申し上げて、きょうは意見を差し控えてこれくらいにしておきます。
○田村小委員長 北側君。
○北側小委員 いま大体もう井上先生がほとんど全部質問をなさったわけですが、私思いますのに、たとえばここに載っておりますように、法人の土地譲渡所得に対しては他の所得と分離して課税する、こういう問題などは早くからいわれておったわけなのです。ただいまの建設省の報告などを見ましても、三年以内に譲渡したものは七〇%になる、こういうふうにおっしゃっておられますが、これなんか見まして、早くやらぬと何にもならないと思うのですよ。たとえば検討して、検討した段階で実際法案として措置ができなければ、その期間またこういう問題が出ますと、結局早く買った人は全部売ってしまうわけです。だから、これからの措置としては間に合うでしょうが、いままでの分としてはもう全部見のがしておるような状況になっておるわけですよ。ということは、いままでもこういう企業が購入した土地は、先ほどおっしゃいましたとおり非常に大きな土地です。だから、結局国の手の打ち方がおそいから、先を見通しておったものは全部荒いもうけをやっていく、このようになっていくのじゃないかと思うのですね。そこらの問題が、はたしてこのように書かれても——たとえば一番初めの一の「公的土地評価体系の整備」、これについても、これは地価公示価格でやって、そして保有課税までリンクしていくということになるとたいへんな問題になると思うのです。いまやれと言われましても正直なところできません。たとえば四十八年度として、二番の「土地の投機的取引の抑制」にしましても、具体的な法案として出てくる、そういう見通しについてはどうなっておるのか。これが出てこなければ幾らここでこのような問題をやっても——出そうと思って検討なさっておられるのでしょうが、見通しとしてどの程度までいくのかということは非常に大事な問題ではないか。 それから、先ほど井上さんもおっしゃっておられたとおり、開発利益というものがこの中には抜けておるのですね。これは私なんか考えますのに、たとえば日本列島改造論あたりも、新幹線網、また道路網を整備しよう、今度の道路整備五カ年計画、これも繰り上げてやっていこうというようなことをおっしゃっておりますが、そういうことになりますと、その周辺の地価というのは、開発された場合に非常に上がってくるんじゃないかと思うのです。そういうものに対しての考え方はどうなるのか。ここらも私はこれには出ていないように思うのです。大体こうなる、こういうぐあいに整備するとそういうことはあり得ない、こういう考え方なのかどうかということですね。 それと、はたしてこの地価公示価格というのは実際の問題として土地の売買に対して活用されておるかおらないか。というのは、なるほどそういう将来においては地価公示制度を拡充して、そうして土地の高価譲渡所得税を創設、こうなった場合には生きてくると思うのですが、それまでにはたしてこの地価公示価格で——たとえば一つの例をあげますと、先般ですが、ここ四日ほど前ですが、ある人が私のところに相談に来たわけです。京都の木津の方面ですが、坪一万三千五百円で持っておる土地を売ったというのです。仲介業者がそれを二万三千五百円で大手の企業に売っております。買うときは地価公示価格というものを一応踏み台にして買っても、仲介業者が利ざやを抜いて売るときには公示価格なんかどこかへすっ飛んでしまっておる。こういう実例がほとんどなんです。そういう点、たとえば公示価格以上に売った場合にはその高価譲渡所得税というものを早く取らなければ、実際の問題としてこれはなかなかできないのじゃないか、こういう考え方を持っておるわけです。また、これは大阪市で私聞いてみたのですが、大体地価公示でどのくらいの面積が買えるのだ、大体何%ぐらい買えるのだ、七〇%ぐらい買えないか、年間の事業の七〇%買えればいいほうだ、こう言っております。どうしてもそういう売買の激しい場合には地価公示価格以上の価格で買わなければなかなか売らないというのです。こういう問題も出てきておるわけなんです。だから問題は、このように出された問題が、もちろん一挙にはいかないでしょうが、昭和四十八年度に法文としてどのように整備されて出てくるのか、これが非常に問題じゃないかと思います。その点の見通しなんかどうなんですか。
○高橋説明員 先ほど一番最初に御説明申し上げました来年度の土地対策につきましては、私ども来年度から実現したいという点についてでございます。したがいまして、すべて新しい制度で法案の用意を要するものは、法案を次の通常国会に提出するということになる予定で目下作業を進めております。ただし、法人税というようなものにつきましては、これは大蔵省の問題でございます。私ども政府部内として、先ほどから申し上げておりますように、要望すべき点、また協力すべき点を大蔵省と十分打ち合わせてまいる所存でございます。 それから開発利益の点につきましては、先ほど申し上げましたように、名前は開発利益ということで、これは土地増価税ということで日本語に翻訳されておりますけれども、わが国におきまする土地税制では、実現された利益に対する課税としては譲渡所得税ということでございますから、個人についてはすでに四十四年に実現されておる。それから法人につきましては、さっきから御説明申し上げておりますように、課税の強化をはかりたいということで来年度からぜひ実現させたい。特に開発地区におきましては九割という高率の課税をいたしたいということで、譲渡した際におきましてその譲渡利益というものを高率に吸収するという制度を考えて要望いたしておる次第でございます。 もう一つ開発利益の吸収では、さっき申し上げたように、保有課税という点についても、これは譲渡しなくても、保有したままで開発利益がある場合にこれを吸収するという道がございます。これについては、さっきからこれも何度も御説明申し上げておるように、固定資産についての適正評価及び適正課税でございますから、この基礎となる地価公示制度を早く整備する必要があるということでございます。その点についての御指導をいただくためにいろいろ御審議をいただいておるわけでございます。 それから地価公示制度の活用についてでございます。公共用地の取得につきましてはこれを規準にすることになっておりますが、これは現在数が少のうございます。御承知のとおり、ことしは二千八百地点、昨年は千三百五十地点、一番当初四十五年は九百七十地点でございます。地点数は非常に少のうございますから、全公共事業の中では非常にまだ活用できないものでございますが、そこに該当するところはすべてこれは規準にいたしておるわけでございます。それから不動産鑑定士が鑑定する場合の規準も、調査いたしましたものはすべてこれは土地の評価については規準といたしておるわけでございます。問題は、先生のおっしゃる一般の取引についてでございます。現在の地価公示法によりますと、一般の取引についてこれを規準にしなければならないということはございません。単に一般の取引の目安ということに現在なっております。しかしながら、現在ある二千八百地点につきましても、すでに市町村役場なり区役所なりに全部台帳が置いてあるのでございまして、これは自由に閲覧できるように法律上なっておりまして、閲覧件数も相当の件数になっておる次第でございます。実際に閲覧に来られる方、電話で照会される方、いろいろその件数は相当なものになっておるのでございます。また一般のデベロッパーの大企業が土地の分譲をいたします際に、そこの地価公示価格はこうでございますということは、売却の際にあわせてこれを示すという事例がすでにある企業によっては実施されております。そういうようなことによりまして、現在の法律ではこれが取引の規制ということに使われてはいないわけでございます。一般の取引の目安にしかすぎませんけれども、実際上そういうふうに十分活用される部面が多いと私ども考えておりますが、さらに、なぜそういうふうに目安にしかできないかというのは、何といいましても全国土についてそういう地価公示がなされていないわけでございます。非常にわずかな地点でございます。したがいまして、先生のおっしゃるような土地高価譲渡所得税というようなものを、つまり地価公示価格をこえた譲渡価格について高率の課税をするという点につきましては、これは前々から指摘されておる一つの案でございます。非常に有効な案であろうかと思います。これにつきましては、いろいろ御指導いただいております公的土地評価体系の整備ということで、全国におきまして整備をされませんとこれは実際できないわけでございます。まず早急に全国にわたっての地価公示、土地の評価制度というものを整備いたしたいというふうに考えて、私ども努力をいたしておるわけでございます。それができ上がりましたときにおきましては、先生がおっしゃるようなそういう課税方式を併用いたしますと、地価の安定には非常に役立つ有効な手段であると私ども考えておるわけでございます。来年度からすぐできないかということになろうかと思いますけれども、やはり地価公示そのものも、いろいろ具体的に実際のその土地の評価をするわけでございますから、相当の地点につきましてするわけでございます。現在のように二千八百地点というようなそういうわずかな地点ではございません。全国の宅地の筆だけでも六千万筆あるわけでございます。したがって多数の土地につきまして評価をするわけでございますから、相当の準備が要るわけでございます。しかしながらなるべく早くこれはすることが、先生の御趣旨に沿うわけでございます。なるべく早くこれは整備したいということで、関係者に要望いたしたいというふうに考えておる次第でございますので、どうぞ今後とも御指導、御指示、御鞭撻をお願いしたいと思います。
○伊豫田説明員 法人の投機的利益の重課問題につきまして、いわゆる分離課税問題につきましては、土地税制をどうするか、たとえば取得課税あるいは保有課税、このようなあらゆる方法を含めまして、土地税制の一環としてすでに検討を進めております。また今後においても税制調査会にはかる等、検討を進めてまいる所存でございます。先生の御意見を十分参考にさせていただきながら、慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。 それからなお、地価公示制度に伴います高価譲渡所得、これに対する課税の問題につきまして、地価公示制度の確立を待って十分検討すべき問題であると考えております。
○北側小委員 いま御説明を聞いたわけですが、きのう大野先生もおっしゃっておられたとおり、不動産鑑定士というのは非常に少ないわけでしょう。地価公示制度の拡充というのは、これができたときから、この審議に入ったときから、早く全国的にやらなければならない、こう私らは主張しておったわけです。そういう点で、こういう側面からの整備等もあわせてやらなければならないのじゃないかと思うのです。大蔵省のほうもこれは税制調査会にはかるとおっしゃっておられるが、早くやらなければ何にもならないのですよ。今度も、一歩も二歩もおくれた対策が全部出てきておるような感じがするのです。これは早くやらなければ何にもならぬと思いますので、ひとつよろしくお願いします。地価公示制度による高価譲渡所得課税なんかは、いますぐにはできません。これは市街化区域だけしかできていませんし、山林、農地等みなありますから、できないと思いますが、少なくとも法人の分離課税については早急にやらなければいかぬわけです。それをやらなければ、結局、建設省がこういう調査をやったって何にもならないわけです。そういう点でひとつよろしくお願いいたします。次の国会でそういう法案が出るのを楽しみに待っておりますので、よろしくお願いいたします。
○田村小委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十二分散会