建設委員会 第5号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/10/11
会議録
○天野委員長 これより会議を開きます。 建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柳田秀一君
○柳田委員 木村建設大臣は就任以来、まあざっくばらんにものを言われておる関係上、方々でかなり物議をかもしておるようですけれども、それはそれとしてわが党の井上普方君があとで御質問いたします。私も長年議会人として、特に議会の立場からものを考えてきた人間として、よく政府にしてもだれにしても、しゃべった、けしからぬ、陳謝せい、取り消せ、いやそうではありません、私の真意を新聞が伝えておりません、というようなことを絶えず繰り返しておるわけですけれども、弁解する側では自分の真意を伝えておらぬという。なるほど一つの報道機関だけがそういう報道をしたのならばそういうこともあり得ますが、複数の報道機関がおおむね同様なことを報道した以上は、真意を伝えておらぬとはちょっと言いにくいのじゃないか。真意を伝えておらぬ、伝えておるはひとつ話をおいて、よく、けしからぬ、取り消せ、こう言うわけですが、はたして言論の府でこれもよいのかどうか、私自身は正直に言うと少し前々から疑問なんです。言論の府だから、相手がどう言おうとそれに対してけしからぬと言っておこるのもどうか。それぞれ、人、おのおのの考え方があるのだから、言論の府ならば相手の言論も黙って聞く雅量があってしかるべきだ。しかし、それならば何を言ってもいいのか、これはやはり問題だと思う。陳謝したらそれで済むのか、どうもここにも問題がありそうだ。取り消したから済むのか、ここにも私は問題があると思う。まあ、あまり学がありませんが、イギリスの議会の話を聞きますと、こういう場合に取り消しは決して迫らぬそうです。——これは伝え聞きですから違っておるかもしれません。——そのかわり、責任ある地位の者は一たんしゃべったらつべこべ弁解するな、責任をとれ。これが言論の府の一つのあり方かとも思うわけなんです。昔は綸言汗のごとしといって、われわれ明治の人間はそういう古いことを知っております。木村大臣も御存じだと思うのです。これは昔中国で、天子の発言は汗のようなもので、一たん出たらあとに引かぬのだということをいって、そのことばの持つ重要性をある意味においては戒めたと思うのですけれども、いまの世の中では、閣僚の地位にあるような、国民の権利義務と直接に影響を持つような人の発言は非常に重大なもので、一ぺん出てしまったら、いや真意を伝えておらぬの、いや陳謝しますの、遺憾でありましたの、取り消しますの、というようなものではないのじゃないかということも考えるわけなんです。そういうことで、こういう民主政治になってまいりますと綸言汗のごとしということばの持つ意味が変わってまいりますけれども、どうか大臣も十分にそういう点は気をつけたほうがいいのじゃないか。私は率直に言うと、木村さんのように歯にものを着せず、ずけずけ言うほうが私の議会人としての好みに合っております。何か言えば弁解したり、何か言えば大過なからぬがことをこれ期して、小過が少々あってもかまわず、ただことばでごまかす。いや前向きに検討しますの、考えておきましょうの、というのは私はその場限りのごまかしだと思う。ずばりとイエスはイエス、ノーはノーとはっきり言ってしまったほうが、多少物議をかもしても私の性に合うのですけれども、この話はこの程度にしておきます。 この前、木村大臣が京都府庁にお越しになって、問題になっております国道一号線のいわゆる大津−京都の交通難解消に伴うところの京滋バイパスの件で記者会見しておられますから、一言その問題をお尋ねいたしますが、この京滋バイパスの問題は政治的にも行政的にも非常に複雑な経過をたどりまして、中には多少の感情問題も入りましてやっかいなことになっておる。特に一つは、大津市と京都市の交通難の緩和を第三者の宇治市がなぜかぶらなければならぬかということもあります。またその通るコースが最初の原案から大きく変わった。またその変わった地区の者、あとからコースに設定された側が釈然としないものもあるわけです。またその通るコースに非常に文化財が多い。特に緑の多い、しかも最も文化財の豊富な、日本列島の中で最も文化財の密度の濃いところを通るということもあるわけです。しかも最近は宇治市というのが、ことしも光化学スモッグの警報が二、三回発令されておる。これも宇治市が出しておるのではなしに、大阪のスモッグが西風にあおられて宇治市にやってくるわけです。余談になりますが、光化学スモッグ警報が発令されると宇治市では交通規制をする。これはおかしな話で、交通規制をする源は宇治市が出しておるのじゃなくて大阪が出しておる。その大阪の交通規制をするのじゃなしに、結果的に光化学スモッグを受けたところだけの交通規制をやっても、それこそ何にもならぬですよ。これくらいばかの骨頂はないと思うのですが、それは余談として、そういうところをなおかつ通るということは非常に公害を拡散するというので非常に地元の反対意見が強い。京都府会の本会議でも去る十月七日に満場一致で「京滋バイパスに関する意見書」というものを議決した。それは京滋バイパスに関する意見書として、「一 住宅地およびその周辺、公共施設、史跡を通過しないこと。二 住民および文化財に公害をもたらさないこと。三 住民の納得をうること。以上、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。昭和四十七年十月七日」田中総理大臣と木村建設大臣と小山環境庁長官に京都府会議長名で出ておるわけなんです。 時間の関係で、もう大臣との一問一答をやっておるひまがありませんので、あとでまとめてお答え願う関係で私のほうで先にお伺いいたしますが、九月二十八日に建設大臣は京都府庁で記者会見されて、国が建設を予定しておる京滋バイパス、及び日古ダム——これは淀川の治水の関係及び水の利用問題に関して上桂川の日吉にあるダムの問題、この日吉ダムなどの建設で京都が直面しておる問題で、反対住民とあくまで話し合いで解決をしていきたい、こういう態度、私はこれは民主政治家の大臣の姿勢としてきわめてあるべき姿だと思う。京滋バイパス及び日吉ダム、これに対して今日でもいまなお地方住民は納得していないのですが、これに対しては十分に話し合いの過程で円満に解決する。一方的に、地建なら地建がプランを立てた、したがってこれを時間的の制約で予算化していく、そういう強権的な態度はおとりにならないでいただきたい。その点を確認しておきたい、こういうふうに考えます。
○木村国務大臣 お話しのように、史跡なんというものは一朝一夕につくれるものではない。それから大自然なんかもそうなんであります。そういうようなものをこわしてしまったらもとに戻せなくなってしまう。それですから、ただ単に道路政策上ここを通したいという気持ちがあったとしても、そういうような歴史的なものや文化的なものをこわすような道路政策というものは私はとりたくない、こういう気持ちが一つある。それから道路政策というものは喜んでもらわなければならないものである。その喜びの中に地元住民の希望というものを殺してしまったのでは、他地方の人だけが喜ぶような道路行政をとっておったのじゃ、これも無理なんじゃないだろうか。それから権力でこういうことはやるべきじゃない、こういう考えを持っておるものですから、あくまでも話し合いで、納得ずくでそういうものはやらなければならない。その話し合い、納得ずくの問題なんですけれども、一ぺん二へんの話し合いで解決がつかなかったらこうということはしないで、話し合いというものは非常に精力的にやって、そして納得ずくでこういうものはやるべきであるという考えを捨てておりません。すべてそういう方針でいきたい、こう考えております。
○柳田委員 大体了承しました。道路のほうはわかりました。ダムのほうも同様の考えで対処されるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○木村国務大臣 その考えであります。
○柳田委員 それではこれはこれでおしまいにします。 よくわれわれ、民主主義、デモクラシーということを申しますが、デモクラシーにも東欧型の民主主義、デモクラシーもあるでしょうし、西欧型のデモクラシーもあるでしょう。私は一言にして言うと、民主主義というものは非常に回りくどいものだというふうに思っております。また民主主義が必ずしも万全なものではない。人間のとり得る政治形態の中で比較的間違いの少ない、為政者として間違うことのプロバビリティーの少ないのが民主政治だと私は思って、民主主義が絶対とは思っていない。しかし考えてみたところ、われわれ凡人が集まって政治をやるのですから、何らかのところで約束しなければならないということならデモクラシーというものは比較的無難な道だ、回りくどいことだけれども間違いの少ない道だというふうに私は割り切っておるのです。したがって、いわゆる効率的な、効果的な点、エフィシェンシーあるいは能率的な点から見ると、ある程度民主主義は非能率であり非効率的だと言ってもいい面がある。あるいは合理主義の面から見ても、民主主義というものは非合理主義の面もあると私は思う。そういうもろもろの欠点はあるけれども、まだ民主主義のほうが、人間が考えついた他の政治形態よりベターだというにすぎぬと思うのです。そういう意味で、事務をやっておられるお役人さんの側から見るならば効率化、能率化、合理化ということが当然要請される。しかし政治の立場をとる者から見ると、合理化も能率化も効率化もわかるけれども、民主主義の持つ面もあるわけですから、その辺のところはひとつ大臣のほうで十分に御検討いただきたいと思います。
○木村国務大臣 私も柳田さんと考え方が同じでありまして、全体主義的なものは非常に能率的かもしれませんけれども、長い歴史で見てみますとその誤りが幾多指摘されるのでありまして、回りくどいようですけれども民主主義的な方向が一番無難である、長続きする、こう思っております。したがって、権力を持っている者がやや全体主義的になりやすいことを押えるのが政治だと考えておりますから、その道行きだけは誤らないつもりでおります。
○天野委員長 阿部昭吾君。
○阿部(昭)委員 大臣、私は大臣と同郷でありますし、同郷の大先輩の大臣が、舌禍事件かどうかわかりませんが、いろいろ出ますと実はたいへんつらいのであります。ぜひひとつ自重をこの上ともお願いしたい。 そこで、大臣は時間の制約があるようでありますから大まかなことだけ大臣の考えを伺いまして、具体的な点は道路局長のほうからお願いしたいと思っておるのでありますが、第七次道路整備五カ年計画、これは六次計画が本来四十九年までということになっておったわけでありますが、普通の場合ですと五カ年計画の最終年、五年目が次の段階の五カ年計画の初年度にスイッチをしていく、これが従来の慣例であったわけであります。今回はこの五カ年計画を二年間繰り上げて、四十八年度から七次計画にスイッチをしよう、これは私どもそれなりに、たいへん道路をめぐる情勢も激変をいたしておるわけでありまして、非常に期待をされる方向、こういうふうに認識をしているのであります。そこでひとつお伺いしたいのは、五カ年計画の中身、こうなりますと、従来の六次計画は十兆三千五百億、今度は七次計画は二十一兆五千億でいこう、まさに倍増であります。したがって、財源の見通しは一体どうなるのか、これがまず第一。それから高速道をどのくらい延ばすとか、国道の整備をどのくらいに目標を置いていくとか、あるいはまた今度は地方道も大いにひとつ重点的にやっていこう、こういう大まかな考え方は出ておるわけであります。しかし、これらの計画が円滑に計画のとおりに進むかどうかということは、かかって財源の見通しは一体どうか、どういう方法で財源を調達するのか、このことがなければなかなかそれは、五カ年計画を相当、選挙の前でもありますから大ぶろしきで打ち出しをいたしましても、結局はしりのほうは全部切れてしまう、そのとおりにならぬ、こういう問題がやはり起こってくる。そういう意味で、財源見通しと第七次五カ年計画というものの根本的な考え方、構想、これをぜひひとつ、大臣よその委員会に出られるようでありますから、おられる間に基本の点についてお伺いしておきたいと思います。
○木村国務大臣 年度を繰り上げて第七次五カ年計画を立てるようになった一つの大きな理由は、田中内閣が誕生いたしまして、そして日本列島改造という大きな問題と取り組むようになったのであります。それで道路その他の問題が非常に重要視されるようになったものですから、その角度において年度を繰り上げて、しかも予算を大幅にとりましてこれを実行する必要がある、こういうことになったのであります。それから財政見通しでありまするが、これも新たな大蔵大臣と相談いたしました結果、やや見通しがある、こういうふうに判断いたしましたので、強くこの点を要望しておるような次第なのでありまして、財政の基礎は一体どこをどうするかというようなことは、これは大蔵大臣の範囲内でありまするから、大蔵大臣の言をやや信用して、そういうような見通しを立てて要求しておるような次第でございます。内容につきましては道路局長から申し述べさしていただきます。
○高橋(国)説明員 財源についてのお答えを申し上げたいと思いますが、ただいま手元に五カ年計画の資料をちょっと持ってまいっておりませんのでやや正確な数字ではございませんが、今度の二十一兆五千億、第七次道路整備五カ年計画の国費の所要額が約八兆円になると思います。そのうち、現行の税率でもって計算いたしますと、ガソリン税等の特定財源が約半分の四兆円ということになりまして、残る四兆円程度が一般財源というかっこうになります。地方税につきましてもおおむねそれに近うございます。それからもう一つは財投資金であります。いわゆる有料道路等をつくる財投資金でございますが、これが年率にいたしますと約三〇%程度の伸びでございます。そういうことから考えますと、二十一兆五千億の、有料道路をつくる三〇%の伸びは必ずしも不可能じゃないと思いますが、一番つらいのは国費、地方費の一般財源が非常に多いということでございまして、これにつきましては今後政府部内でも検討を進めることになろうかと思います。これにつきましては、ただいまのわれわれの段階が予算要求の段階でございますので、最終の決定のあった直後から実際は財源の検討が開始されると思いますが、たとえば自動車重量税、これは特定財源になっておりませんけれども、これも有力な財源になるのじゃないかとわれわれは考えておる次第でございます。
○阿部(昭)委員 このこともぜひ大臣にお伺いしておきたいのでありますが、従来、道路の地方の整備状況とそれから人口密集地帯の整備状況、こういうものを見ますと、たとえば同じ延長をやるにしても、地方の場合は土地が安い、あるいは賃金の格差等がございまして、同じ予算を投じた場合には地方の整備の効果というのは非常に大きいわけです。しかし全体からいいますと、いま政府が進めようとされておられます過疎過密の解消、こういう問題からいいますと、地方の道路の整備というものに相当重点的な力を移していかなければ、いま政府が考えておるいろんな政策は全部そごを来たすようになるんじゃないかと思われるのであります。したがって、その中で特に希望いたしたいのは地方道の、たとえば従来市町村道であったものを県道に昇格させたい、当然させなければならぬように思われる道路、そういう希望がたくさん出てきておる。これは主要な地方道、その中でも特に主要なものは従来も政府は国道に昇格をする、こういう政策を進めておられるわけでありますが、七次計画をスタートさせる段階において、従来道路計画を相当大胆に、毎回改定いたしますたびごとに広げてきておるわけでありますけれども、六次計画から七次計画への移行というのは従来の改定とさらにまた違った非常に大胆な発想が求められておる段階に来ておると思うのであります。そういう意味では七次計画のスタートと同時に、そういう道路の、いわば市町村道から県道への格上げをすべき場所、あるいは主要地方道の特に重要なものは国道に格上げをしていく、こういう問題も、従来のように何とはなしにというのではなしに、六次計画から七次計画への改定というのは非常に大きな変革を意味する、そういう意味で、このあたりで道路のそういういわば格上げの問題も再検討すべき時期、特に地方の過疎過密を解消するという観点等からも早急にこういうものは長期的にどういう見通しになるのかという構想を明らかになさる意味においても、七次計画のスタートの段階において決断すべき時期ではないか、こう思うのでありますが、大臣のお考えをお聞きしたいのであります。
○木村国務大臣 ごもっともなことでありまして、今度の計画を立てるにあたりまして誘導地域というものが非常に重要視されてくる。特に誘導地域というものに重点を置いた施策をやりませんとすべてが行き詰まってきてしまう、こう思っております。その誘導地域の一番大きな問題は地方道でありますが、地方道の整備強化というものにはほんとうに力こぶを入れてみたい、今度の大きな一つの改定の内容になっております。それで私はそういう意味で全国を回って歩きまして、必要ないろいろな問題を聞きながらそれを生かしてみたい、こういう考えで臨んでおりますから、やはり第七次計画の大きな変革の内容は地方道に重きを置く、こういうことになるだろうと思っております。
○阿部(昭)委員 以上で終わります。
○天野委員長 井上普方君。
○井上委員 木村大臣、あなたは建設大臣をおやめになる意思はございませんか。
○木村国務大臣 いまは持っておりません。
○井上委員 あなたは、これは群馬県においてこういう御発言をなされておるのであります。「田中内閣ができたものですから、その論功行賞において、私は建設大臣と国家公安委員長をお受けしたものでありまして、人間そのものにおいて値打ちがあって大臣になったものではありません。」「私は田中総理大臣に向かって国家公安委員長を希望するとこういったのであります。いままでは国家公安委員長になるものは大臣の中でも二級品でありまして、一級品はならないのであります。それで、国家公安委員長を二級品扱いすると気の毒だとこういうことで、建設大臣を付録としてつけてよこしてくれたのであります。」こう公衆の面前においてお話しになっておる。しかもそのあとで、私は建設行政のことはからっきしわからぬ。ほんとうにわからぬ。それで次官を選んだんだ、こうおっしゃっておられるのであります。建設大臣を付録として扱われるとするならば——先般の当委員会におきましてあなたは、建設大臣が内政の中心である、建設行政が中心である、こう言われたのであります。しかるにもかかわらず、付録としてあなた御自身が建設大臣を扱っておられる。しかも、何も建設行政というのはわかっておらぬということでありましたならば、あなたは当然、あなたの昔の経歴からいっておやめになってこの際身を処するのが、古武士であるならばやるべき措置であろうと思うのでありますが、どうでありましょうか。
○木村国務大臣 私も政治家でありますし、それからあなたも政治家でおいでになりますので、そういう立場に立って、そして私は群馬県でその話をしたのでありまして、集まっておる人々はおじいさん、おばあさんが非常に多かったのですよ。それでなるべくわかりやすく、リラックスに話をしてみようと思いまして話をしたことなんであります。 それから、建設大臣を付録と言ったのではありません。私は建設大臣に任命されるなどとはつゆほども思っていなかったのであります。ただ国家公安委員長については心の準備はありましたけれども、建設大臣に任命されるなどとはつゆほども思っていなかった。したがって、建設大臣になったということは私にとっては非常に大きな問題であった。勉強もしていなかったし、準備もしておりませんでしたから、これから建設大臣になったがために思い切って勉強しなければならぬ。その勉強の方法なんですけれども、やはり百聞は一見にしかずで、書類や何かで勉強するよりも、地方を回りまして現場に立って百聞は一見にしかずの勉強をしたほうがいい、こう思いまして、いまでも一生懸命になって勉強しておるような次第なんであります。その内容につきましては、建設大臣を付録と言ったのじゃありません。それは私が考えていなかった建設大臣をちょうだいしたようなものである。したがって、思い切って勉強しなければなりませんけれども、建設行政にたんのうな人がおいでにならないだろうかと思ってさがして、そして小渕君に政務次官になっておもらいしたのである、こういうような話をしたのであります。 それから国家公安委員長の問題なのでありますけれども、私はこれに対しては一つの見方を持っておるのであります。それは、いままでの政治を見ておりますと、経済というものを非常に重要視してきた傾向が顕著なのじゃないだろうか。経済も大切でありますけれども、国家の権威に関するほうも大切なのじゃないか。それでありますから、こいねがわくば国家公安委員長には総理大臣コースを歩くような人には一ぺんなってもらいたいものであるという気持ちがあったのであります。そういうような気持ちをそういう形で表現した、こういうことなのであります。 新聞であとからそういうような批評が出ましたから、やはり表現のしかたがまずかったのかな、こう思いまして、その点は反省して、あとはやめております。
○井上委員 大臣、あなたは、われわれは政治家で、わかりやすくしゃべったと言われますが、あなたはもちろん政治家です。われわれも政治家の端くれです。しかし、あなたは政治家であると同時に建設省という役所の長でもあり、国務大臣なんです。言っていいことと言っていけないこととがあるはずです。それをぬけぬけと、建設大臣は付録である。私はこれは文字どおり、そのとおり承ります。あなたも大臣に就任したときに記者団に語っております。それもやはり、警察大臣をやってみたかったんだ、人を取り締まるのはおもしろいからなあ、こう言われておる。ここであなたはこういうように建設大臣を付録として扱われておる。私はこのことについては納得できません。また、事実あなたは勉強するために方々視察されると言いますが、先般も同僚の渡辺君が質問した際にもそのようなことを言われた。就任のあいさつすらしていただかない。先般私が質問いたしたところが、それについてのろくな御答弁もない。そしてそれは勉強しておりませんからということで、実はそのままになっておるわけです。あなたのように、方々至るところで放言はする、至るところで無責任な言動はする、あるいはまた選挙の利益誘導的な発言をなさる、これは建設大臣としては不適格であると私は断定せざるを得ない。先般も徳島へ来て、あなたに陳情した町村長に対し、ある事件を陳情すると、おまえのところは三木君の票は何ぼあるかと言って直ちに聞いたのであります。これは選挙違反に必ずかかる問題だと私は思う。それで刑事局長をここへ呼んでおるのですが、まだ来てないか。——国家公安委員長の責任において利益誘導をやっていいと思っているのですか。しかも最も仕事の多い建設大臣と兼務することそれ自体についても問題がある。 まず第一点といたしまして、あなたは付録と言ったこのことばに対して——国家公安委員長は二級品であるからそれでくっつけてくれたんだ。建設大臣はあなたにとっては付録としてお考えであるから、お考えのとおりおしゃべりになっているんだ、公衆の面前でしゃべられている。その責任をとっていただきたい。
○木村国務大臣 それは建設大臣を付録と言って表現したのじゃありませんよ。建設大臣は付録として私がちょうだいしたのだ、こういう意味でありまして、建設大臣というものを重要視しておりますよ。付録ということは、私が建設大臣になるということは考えていなかったんだ、その建設大臣になったがために自分としては全く意外であった、付録であった、こういう意味でありまして、建設大臣を二級品だとか付録だとか言ったのじゃありません。ですからその点は私の気持ちの表現——ただ表現のしかたがまずかったかもしれませんけれども。そういうような印象を与える表現をしたとすれば、やはりその表現というものはまずかっただろうから、それは自後使わないようにいたしております。
○井上委員 あたりまえじゃありませんか。建設大臣は付録というようなお気持ちでお受けしたのだからと、あなたはこうおっしゃるのでしょう。そこにあなたの責任感も、建設行政に対する責任感も何も生まれてこないじゃありませんか。事実この委員会においても所信表明、建設行政にあなたはどういうふうに取り組むのかという就任のあいさつすらない。付録としてあなたは取り扱っている。これは文字どおり——あなたも日本人でしょう。私も日本人だ。これもあなたの言ったことを文字にして書いておる。これを読んでみると、建設大臣、お気持ちの上で全く付録としてしか扱っていないじゃないですか。そんな無責任なことで建設大臣がつとまると思われたら困る。またあなたもこの間、内政問題の一番重要なのは建設大臣だ、こうおっしゃっておる。しかしお気持ちの上でやはり付録、いまのおことばをそのまますなおに受け取って、お気持ちの上ででも付録というようなお気持ちがあるならばこれこそたいへんです。あなたがおやめになって、もっと適当な、付録と考えない人をつける必要があると思うのです。ここではこう言っているのですよ。「国家公安委員長になるものは大臣の中でも二級品でありまして、一級品はならないのであります。それで、国家公安委員長を二級品扱いすると気の毒だとこういうことで、建設大臣を付録としてつけてよこしてくれたのであります。」それでは田中総理があなたに付録としてくれたのですか。どうなんです。
○木村国務大臣 私は自分の気持ちの表現を、非常にわかりやすく楽な気持ちで述べたのですよ。それですから建設大臣を付録としてあずかったのじゃない。私の気持ちからいうと、建設大臣になるなどということは夢にも思っていなかった、何ら準備もしていない、そういうときにたいへんな景品をちょうだいしたようなものだ、こういうようなことでそういう表現をしたのであります。しかしその表現というものは、なるほど新聞に書かれてみると、やはり時と場所というものは考えなければならないものである、こう思ったものですから、それ以後はやめておるのであります。ですから、それを何らかの機会にそういうようなことが述べられればいいな、こう思っておりましたものですから、いま井上委員からそういう話がありましたので、それは私の気持ちの表現であるのだ、こういうようなことをお話し申し上げて、自後は使っていない、こういうことをいまあらためて申し上げておきます。
○井上委員 自後使われては困りますよ。あたりまえの話じゃないですか。しかし公衆の前で一度口から出したことばは消えませんよ。しかも、あなたも日本人だ。私らも日本人だ。日本語をしゃべる人間だ。あなたのしゃべっていることはそのとおりストレートにわれわれは承っている。そうすると、あなたのお気持ちの上で、建設大臣というのは付属品として、付録としてともかく扱っておられる、その発言じゃないですか。そうしてまたあなたのお気持ちの上でも、再三ここでも、いまでも、受ける気持ちはなかったんだ、付録としてともかく受けたんだ、こういうことでしょう。こういう大臣のもとでは建設行政を推進することは私はできないと思うし、かつまた、何と申しますか、われわれといたしましても、付録、こういうようなお気持ちの大臣のもとでは自今御協力するわけにはまいらないし、また審議に参加することができないかもしれないことをひとつ申し伝えておきます。 それから、警察庁の刑事局長、見えていますか。
○天野委員長 見えております。
○井上委員 刑事局長にお伺いしますが、利益誘導によって人に威圧感を与える、たとえば大臣に対して道路の建設を陳情したところが、直ちに、お前のところは某代議士の票数は幾らなんだというがごとき発言は利益誘導になりませんか、あるいは脅迫にも相当しませんか。
○木村国務大臣 井上さん、何か私が三木君と一緒にそっちのほうに行ったときにいろいろな陳情があって、その陳情のさなかにそういうような、三木君に票が幾らあったかと聞いたという話なんですけれども、陳情のさなかにそんな話はいたしませんよ。私はそういうことはいたしておりませんよ。それですからそれは別の場所で、三木君、君のところは何ぼ票をとったんだ、こういう話はいたしましたけれども、そんな話をいたしておりませんよ。
○井上委員 君子は豹変するということばがあるが、あなた、現地で言ったことと違うじゃありませんか、いまおっしゃったことばは。村長は私の親友なんです。それに対してあなたは、陳情したとたんに、あなたのところの三木さんの票数は幾らなんだ、こう聞いておるじゃありませんか。あなたが国家公安委員長であって、警察の取り締まりが好きな人であって、そういう利益誘導あるいは人に脅威感を与えるような発言をしておるじゃありませんか。私はその男から直接聞いておるんだ。
○木村国務大臣 これはその人に話したことは事実ですが、私は自分がそういうことについて利益誘導をしたなどと言われることは全く心外でありますから、どうかその人を呼んでくださいまして——その人に話をしたことは事実なんですけれども、少し場所が違うんじゃないですかな。ですからそれを結びつけないで——私はできればその人を呼んで話をしてみたいですね。それからそこには人もおりましたから……。
○井上委員 あなたはそう言っておるが、場所は小松島の市役所です。そこで大ぜいの陳情者の中でその話をした。陳情をした、ところがとたんにあなたはそのことをおっしゃった。まさに警察権力をバックにして、建設行政をえさにして利益誘導をやっておるとしか考えられないじゃないですか。あなたはいつも新聞で古武士だとか言われて喜んでおるようですけれども、現地で言ったことといま言うことは違う。また一たん口に出したことば、建設大臣は付録などということばについてとやかく言いわけじみたことを言う。何ですか。それで一体——あなたは政治家としての出処進退をはっきりしなさいよ。ともかくこのような、先ほども申しましたが、国家公安委員長という警察権力をバックにして、片手においては道路であるとか建設行政をえさにして利益誘導的な発言をやられる、この一事をもってしてもあなたは建設大臣としての資格はゼロと申しても過言ではない。あなたがほんとうに昔からの政治家であり、真に国を思いやるならば、いさぎよく建設大臣をおやめになるのが至当であることを申し上げて、私は質問を終わります。
○木村国務大臣 これははっきりしておきますよ。私はその人に言った。言わないとは言いませんよ。言いましたけれども、場所が違うということだけはっきりいたしておきますよ。冗談半分に、三木君、ここでは一体何ぼ君は票をとったんだくらいのことを、それは一緒に行ったんですから聞くこともあるでしょう。しかし利益誘導とそれは結びついておりませんよ。あなた、それを故意に結びつけて云々されないようにどうかしてくださいよ。そうですから、もしもそうだとおっしゃるんであったならば、どうかその市長を呼んでみてくださいよ。私も確かめます。もしかして、あなたに向かってその市長が、こうであったと言ってあなたのごきげんをとるためにそんな話をするかもしれませんよ。しかし私は国家公安委員長として……(発言する者あり)そうですから、どうかそのことは市長を呼んで確かめてみてくださいよ。
○井上委員 あなたはことばを左右しておる。このことは新聞にも載っておるんだ。町長が陳情したとたんにあなたは、三木さんに対して言ったんじゃない、その町長に対して、おまえのところは三木さんの票は幾らあるんだと言っておるじゃないですか。あなたはあたかも三木さんに言ったように言っている。男らしくしなさいよ。あなたも戦前からの政治家でしょう。三木さんに言ったんじゃない。その町長に、あなたのところは三木さんの票は幾らあるんだとあなたは言っておるじゃないですか。そして知事が助け舟を出して、ここは小笠さんの地盤だから三木さんのは少なかったという助け舟を出しておる。まさに利益誘導じゃないですか。国家権力をバックにして、警察権力をバックにして、そして片方においては利権を、あるいはこういうような建設行政をえさにして、ともかく利益誘導をやろうとするような姿、これは断じて私らは許すわけにはまいらない、そのことを申し上げて私は質問を終わります。
○木村国務大臣 これははっきりしておかなければいかぬ。それは、こういうことを陳情を受けまして、そしてこうであればこういうことをしてやるとか、私はそんな話は一つもやりませんよ。陳情は陳情としてみんな受けたのですよ。受けたあとで、その話は、ここはどうだったという話を聞いただけのことであって、そいつは利益誘導になりますか、そんなこと。(井上委員「なるよ」と呼ぶ)その点を利益誘導とあなたはおっしゃいまするけれども、そうであったならば、どこに行ってみても国会議員はおったりなんかするのでそんなことになりますよ。そうでありまするから、私はそんな気持ちなんというものはいささかもありませんよ。今度回って歩きますのは、ほんとうに地方の実情を聞きたいからそういうことをやっておるんでありまして、そいつを選挙運動であるとか利益誘導であるとか、そういうようなことと結びつけられたんでは何もできなくなってまいりますよ。そんな考えはいささかも持っておりません。
○井上委員 あなたは言うけれども、事実なんじゃないですか。道路建設をお願いすると陳情したら、直ちにそう言っておるじゃないですか。間髪を入れずその町長に言っておるじゃないですか。そして地方行政、地方の実情を見て回ると言われますが、それでは建設大臣として行くならば、なぜ選挙運動、選挙の演説をあなたはやるのです。明らかに、何カ所やっていますか。応援演説を何回やっています。それでしかもあなたは片方においては町長に対し威圧感を与えておるじゃありませんか。幾ら票数はあるんだということを、陳情したら直ちに言っておる。三木さんに言ったんじゃない。その陳情した本人にあなたは言っておるのです。ともかく私どもは、あなたが国家公安委員長として不適任であるし、また建設大臣であることも不適任であることを申し上げまして私の質問を終わります。
○天野委員長 寺前君。
○寺前委員 私、きょうは道路行政の問題と、この間の災害で部落の被害がだいぶ未解放部落の問題でありましたので、私の出身の京都の問題について若干具体例を出して基本的なお考えを聞きたいというふうに思います。 〔委員長退席、服部委員長代理着席〕 それでは未解放部落の問題について最初に聞きたいと思いますので、建設省の担当者はどなたかお見えになっていますか。——時間もなにですから、私は大上段に振りかぶって全体的にお聞きしようとは思いませんが、実は七月の私どもの方面での豪雨の被災地を見ますと未解放部落が非常に多いわけですね。農村の小部落ですが。大体考えてみたら、昔から差別された地域だけに特殊な地域に追い込められる、条件は悪いところに集まっているという結果になるから、特別な災害という問題が起こってきた場合にはそこへ集中するというようなことが結果的に実情として発生している。国においては特別措置法で十カ年計画を立ててやるということになってきておるわけですね。十カ年計画を立ててやってきて、もうことしは四年目です。ところが相も変わらずやはり集中的にそういうところが被害を受ける。そこで、非常に危険な場所で、その地域の住宅を全体として移転させなければだめじゃないかというような地域もかなりあるように見受けられるわけです。そういう状況のもとで、一つの制度であるのですが、「小集落地区改良事業制度要綱」というのがありまして、その事業に基づいて、不良住宅の戸数が十五戸以上という場合にそれを対象として移転事業をやっていこう、こういうのがあるわけですね。不良住宅十五戸以上ということになってくると、実際生活としては農村の場合は小集落が圧倒的ですから、小集落が圧倒的な中で不良住宅に限って十五戸以上ということになってくると、全体の部落との関係では、日常的にはやはり改良していますから必ずしも対象になってこないという部落がかなり出てくるわけです。たとえば私のほうの、先ほども柳田さんのお話がありましたが、舞鶴の志高というところでは十四戸床上浸水という事態が起こるわけです。農村の部落というのはそういう非常に小部落なんですね。ですから、ほんとうに未解放部落の環境条件を改善しようということだったら、ほんとうにもっと思い切ってそういう基準をはずさなければいけないのじゃないかということと、もう一つは、農村の場合にはやはり農業をやるのですから、従来の二種の改良住宅の公営住宅をつくったって、それでは実際上の日常生活に役立たないという問題に直面してくるわけですね。これは都市の場合でも、二種住宅そのものは規模が小さいという問題でみずからつけ足しをやったり、あるいは鉄筋のやつだったらそれもできないから、子供が非常に大きくなってくるとそれ自体がもうだめだという問題になってくるわけですが、特に農村の場合だったら、現実の日常生活を執行していく、事業をやっていく面から見ても、あの二種の改良住宅ということでは未解放部落解放の特別措置法のあの精神を十分受けて立つことにならぬじゃないか。この未解放部落の現に起こっている災害との関連の立場から、一体どういうふうに建設省はこれの改善をやっていこうとしておられるのか。その点に対する基本的なお考えと、具体的に来年度からどういう措置をとりたいのかということをお聞きしたいと思います。
○沢田説明員 基本的なお話につきましては大臣から御答弁申し上げます。 まず同和部落問題につきましては、私どもは一般にスラムクリアランスの手法として使われておりますいわゆる住宅地区改良法に基づきます改良事業、これをやっております。ただ、先生がおっしゃいますように、都会の大きな部落の場合にはこれがダイレクトに適用できます。それで着々やっておるわけでございますが、郡部におきます小集落につきましてはこれがなかなか適用できないということで、実はその制度ではございませんで、先生がいまおっしゃいました小集落のそういうものをどう改良するかということで、小集落地区改良事業制度というものをつくっております。これによりますと、ただいままでは十五戸以上というふうな基準がございます。ただしこれは私どものほうは、いままでは確かに十五戸くらいまとまらないとうまく環境改善ができないのじゃないかという考え方で私どもがきめた基準でございます。したがいまして、私どもはこういうものに関して、今後の事業におきましては弾力的に運用するという考え方でおります。それからまた、同和部落に関しましてはおっしゃいましたように公営住宅をもって新規の世帯分に充てるという話もございます。かような施策で対応しておりますが、先生おっしゃいますような災害に対してはどうかということでございます。いま私が申し上げましたのは環境改善という手法を申し上げました。当然災害の受けやすいところは環境も悪いということでダブるわけでございますが、災害に対する配慮というのは特別にはなかったわけでございます。しかし災害常襲ということは環境の中で一番悪い条件だと思いますので、私どもはこれらの事業をやるにあたりまして、特に小集落等の環境の悪いものは最優先に採択をしてやるという方向でいままでもやってきて、今後もやっていこう、かような方針でございます。したがいまして、ただいまの十五戸の問題は今後の問題でございますが、弾力的に、もう少し少なくともやれる。もちろん多くなればけっこうでございます。さような態度で処したいと思っております。 それからもう一つ、規模の問題でございます。大体同和部落の方々の世帯は一般に世帯の人員数が多うございます。したがって、私どもも一般的には公営住宅より大きくなければいけないというふうに考えております。そこで多少はいままでも配慮はしておりますが、これは公共住宅全体の問題とからみまして、今後とも全体的にレベルアップをするとともに、同和につきましてはその配慮を十分やっていきたい、かような予算要求をいたしておる次第でございます。
○寺前委員 弾力的にとか配慮するとかいうことばがありましたが、弾力的というのは具体的にはどういうふうに弾力的にやるのか、その中身がないと現実的には仕事にならぬわけです。それから配慮するというのもどう配慮するのか。公営住宅というのは規模がぴちっときまっておるのだから、配慮するというのはどういうふうにすることを配慮するというのか。そこをぴちっとひとつ聞かせてもらわないと、現実的には、そうか、建設省は気ばって未解放部落の解放のために一役買うてくれるのだなということにならないと思う。そこをちょっと聞かせてください。
○沢田説明員 いままで私ども、規模の問題は十五戸以下は一応あと回しということの基準でやっております。したがいまして、これは場合場合によって違いますが、今後十五戸以下でも採択をしたいと考えております。ただその場合に二月でも二戸でもいいのかという話になりますと、これは問題がございます。と申しますのは、部落の問題でございまして、一戸一戸の問題ではないので、これは、一体十五戸以下が何戸なのかという話は、それぞれの部落の実態に応じまして判断をしたいと思っております。
○寺前委員 公営住宅の規模は……。
○沢田説明員 規模は、実は今年度の予算要求で相当大幅な規模増を要求しております。したがいまして、これが実現した暁にはその平均規模を上下に広げまして、事業主体でかなり大きく、一割、二割は予算より大きくできるという事態ができようかというふうに考えております。
○寺前委員 私のさっき聞いた規模というのは、いまの二種公営住宅というのは農村の実態に合わない。都市の場合だって二種の公営住宅という規模は——これは一戸の規模ですよ。一戸の配置の状況というものは実態にはもう合わなくなってきている。だからそういう点から見るならば一戸一戸の規模のあり方を改良する必要があるのじゃないか。この問題について一体どういうふうに考えておられるのか。農民向きには役に立たぬじゃないか。その問題です。
○沢田説明員 私がいま申しましたのは、新たに別のところに移って建てる場合についてまず話をいたしました。これはたとえば公営住宅の二種の簡易耐火構造では一戸が三十九平米ということになっています。それが改良住宅では四十一平米、二平米くらい多くなってございます。いままで実はかような配慮をしておるわけでございますが、これを四十八年度には五十五平米までの要求をしておるということを申し上げておる次第でございます。それからもう一つ、実は既存の部落の住宅が悪くなってきておる。これをよくするために改良資金という、二分の金利で地方公共団体が融資をする。それに対して建設省、国が補助をするという制度がございます。これによります建て増し等は非常に数多くやられております。あわせて申し上げておきます。
○寺前委員 大臣の都合があるようですからちょっとストップしておきまして、大臣のほうにお話を持っていきたいと思いますが、先ほどの柳田先生のお話ですね、京滋バイパス、それから大阪の中津というコーポ、市の住宅公社ですが、コーポがあります。それから尼崎の国道のところに新しく高速自動車道路を走らすという、これはもう建設をやっています。その三カ所をこの間私見てきたわけです。日本列島改造論じゃございませんが、今度全国的に都市公害がこのままではどうにもならないという問題が指摘されておりますし、過疎地の均衡のとれた発展をということを提起して、そしてそこから新しい交通網の問題も提起しておられるようです。だからおそらくいろいろお考えになっておられると思うのですが、従来の施策にあったのが京滋バイパスであり、中津のところの路線であり、阪神の高速道路の問題だと思うのです。ところがこれらのところで全部住民が抵抗しているわけですね。抵抗するというのは問題があるから抵抗すると思うのです。先ほどのお話を聞いておったら、京滋バイパスについて、十分住民が納得しないものを強行されないというお話を京都でも記者会見でおやりになったようだし、また住民の側もそのことを強く要望しておるわけです。 そこで、共通している問題は何かというと、その地域の人たちが、日本列島改造論で公害をなくさなければいけないという方向に政府がやるのかいなという期待を持っているわけです。ところが従来の路線、たとえば尼崎の場合だったら、大体があそこは非常に公害の多い地域です。それは工場の煙が出るという問題と、自動車がいまでも八万台ほど走るということです。そこで高速の路線を引いて、何年か先には現在の自動車の通過量よりも倍の通過量になってくるという事態が起こってくる。それは道路をつくったら自動車が走るから、自動車の排気ガス問題というのが出るのは当然だと思うのです。いまでも認定の公害患者をたくさん出している地域、そこへ自動車を集中させたらどういう事態になるかということはきわめて明らかなわけです。だからこういう具体的な事態にあたって、その地域の住民は、これ以上自動車を通過させてもらったら、公害地域としていま以上になって住めなくなってしまうじゃないか、ひどい話じゃないか。さすがに今度の建設大臣のもとではそれは問題だと言うて路線を考えはるというんだったら、日本列島改造も何か新しい方向が出てくるかいなという期待を持っている。だから問題は、旧来の計画が地域の環境、公害の立場から見てほんとうに再検討を要するじゃないかということを、たとえば尼崎のその地域の問題では私は感じました。 それから、大阪の中津のコーポへ行って感じたのは、みんな五百万とか六百万のお金で去年募集して、何階建てかの高いコーポが新淀川のふちにできています。前を見たら百万ドルの夜景です。確かに宣伝で、水と緑ですか、何やらのコーポというて市が計画して募集したわけですね。ところが自動車の高速路線をつくるという計画が、これはまだ計画決定としてはされていないけれども、するということが発表されているわけです。すでにそれに対するところの予算もつき始める。この予算をつけてそれが流れていくという事態が起こっている。ああいうりっぱな期待を与えて、大阪にもこういうところがあるのかというふうに私も思いましたが、そういうところにわざわざそういう路線をつくって、新たにその環境を破壊するということは一体どうなんだ。まだ計画決定していないとすれば、これはむしろ再検討して、その計画については全面的に考えるとか、あるいは景観の問題とか公害の面で絶対だいじょうぶだという新しい内容があるのかどうかということを明確にしない限り、これも新しい事態に即応しないやり方だと私は思う。私はそれを大阪で見てきました。 それで、私の住んでいる京都の、さっきのお話じゃないけれども、京滋バイパスの場合、去年の暮れに路線が発表された。路線は山手の三室戸というお寺の通りです。三室戸というお寺は非常にりっぱなお寺で、たとえばあそこに宇治の平等院というお寺がありますが、宇治の平等院の大将は三室戸で修行しはったくらいのお寺なんです、実際に。京都では非常にりっぱなお寺なんですよ。その行場があるんです。ところがその行場の裏をトンネルでパッと出てビューと行く。宗教上からも地域環境からも全くおかしな路線決定になっているわけですね。それから今度は町筋のところへ出てくるわけですけれども、これは全体としてその地域の人たちが喜ぶような道だろうかと聞いたら、それは有料道路でビューと行くだけの通過道路だ。それだったら何で地域環境を破壊してまでやられるんだろうかということになってくると思うのですね。だから、道路というのは、道路すべてをやめろということでなくして、やはりその地域の環境を十分前提に置いて、公害をもたらさないということがあくまでも前提でなければ地域の住民は納得しないだろうし、同時に、その地域の人たちにとっても、よう引いてくれたというものでなければ話にならぬだろう。だからそこから出てくる結論は、強引にやってはならないということになってくると思うのです。先ほどお話がありましたように、府議会でもあるいは宇治の市議会でも、住民の納得のいかないやり方はしてくれるな、それから公害をもたらさないということを十分考えてくれなんだらだめなんだということを決議されるのは、私は当然だと思うんです。 そこで大臣に私はお聞きしたいのは、この尼崎の問題といい、大阪の問題といい、京都の問題といい、それぞれ次元は違います。ですから、尼崎の問題についてはすでに計画をされて実施されてきているけれども、あれ以上に自動車を集中させるということは尼崎の基本的なあり方にとって重大問題になると思うし、これはともかく工事をストップさしても再検討するということを明確にされる必要があるのじゃないか。大阪の中津の場合だったら、計画そのものがまだ決定されていない段階だから、これについても再検討さしてもらうということをいわなければならぬだろうと思うのです。京滋バイパスの場合、路線決定をされたけれども、路線決定そのものに対してすでに意見が出ている以上は、これはやっぱり再検討さしてもらうという態度をとられるべきだと思うのですが、大臣の御見解を聞きたいと思うのです。
○木村国務大臣 中津のコーポの前を通る道路の問題は、お話も出ていますけれども、まだ決定されていない、こういうことでありますから、これは十二分に地元の意見を聞きながら、やっぱり納得のいくような路線にするべきじゃなかろうか。それは勉強さしていただきます。 それからお話しの尼崎の問題については、目下ここは工事中であり建設中だ、こういうことなんですね。 〔服部委員長代理退席、委員長着席〕 そうなりますとやめさせるということも無理なんじゃないか。それで、それらの意見を住民に聞いて、条件で何か折り合いしながら仕事をさせることができないものかどうか、こういう点について勉強さしてみたいと思います。 それから京滋バイパスの問題は先ほどお答えしたとおりであります。これはやっぱり歴史的な場所でありますから、ほんとうに慎重に精力的に話し合いをしてまいりたい、こう考えております。
○寺前委員 十分話を聞いてやってもらいたいと思うのですが、十分話を聞くということは、やはり路線についても変更があり得るというふうに理解していいわけですね。これが一つ。 それから、私は何でも道路反対ということじゃないのですね。必要な道路はやはり積極的につくっていただきたいと思う。私のほうでいうと、建設省のお考えでもあるだろうと思いますけれども、たとえば過密と過疎の関係の改善をしなければならぬという客観的な事態だと思う。そういう意味から見ていうならば、京都から山陰方面に対する路線問題というのは真剣に考えてほしい。たとえば京都からずっと山陰のほうにいく九号線という国道がある。これはもう自動車で一ぱいで、土曜日から日曜日にかけてはどうにもならない。だから早くバイパスをつくれという問題が早くから出ているわけですね。あるいは舞鶴と阪神とを結ぶ近畿縦貫道路を早くやれ、こういう積極的な要求もあるわけです。片方は自動車を集中さしてもらっては困る側でしょう。片方はやれという側でしょう。だから、やれという要求には積極的にこたえてもらう。ちょっと検討を要するという問題については再検討するという基本的な立場でなければならないのですね。その点について大臣として、求められているやつには積極的にこたえ、検討を要するという声に対してはすなおに耳を傾けるという態度を基本的にとってもらいたい。この点に対する御意見と、事業担当者のほうから、九号線なり近畿縦貫道についてはどう進めているのかという問題についての御返事をいただきたい。
○木村国務大臣 交通が非常に錯綜しておりまして、それらを解消するためにはどうしてもバイパスをつくってもらいたいという話がありますれば、積極的な問題には積極的におこたえいたしたいと思っております。それからそうでないもの、いろいろな問題になっておる場所は、ほんとうに広く意見を聞いて納得するような状態を一日も早くつくっていきたい、こういう考えでおります。
○高橋(国)説明員 御指摘の九号線につきましては、京都から西のほう、たいへん込んでおりまして、もうすでに二年前から調査に着手しております。できるだけ早い機会に九号線のバイパスに着手したいと考えております。ただいま調査中でございます。なお近畿自動車道につきましても、御承知のようにすでに基本計画が出まして、ただいま整備計画策定のための調査を行なっております。整備計画の策定の調査が完了次第、できるだけ早い機会に着工したいと考えております。ただ、御指摘ありましたように、住民の御要望のあるところからわれわれ実は調査もやっておるわけでございまして、ただいまの京滋バイパスにつきましても、すでに十年以上前から大津、京都付近の交通は非常に混雑いたしまして、このためのバイパスの要望は非常に強うございまして、すでに数年前から調査を開始し、事業化に至ったわけでございますが、御承知のような環境問題につきまして地元との間にいまだに了解点に達することができずに、ただいま工事に着手せずに、そのままの凍結された状態になっておる次第であります。なお九号線につきましても、調査が終わっていざ着工という段階になりますとおそらく同様な事態が発生するのじゃないか。最近におきます東京周辺、大阪周辺、そういうような大都市周辺においては必ずそういうふうな問題が起きておる。われわれはこれに対処するため、新しい五カ年計画におきましては道路の環境の保全のためにいかにあるべきかという検討を十分に進めまして、この問題に対処しておる次第でございます。
○寺前委員 必ず住民の抵抗にあうという問題は、この地域の環境を破壊するような道路建設というものが起こって、騒音上の問題とかあるいは排気ガスの問題とか、そういうことで住めない地域になってしまうという問題が出てくるからだと思うのです。だからそれに対応するところの技術上の研究というのは一体どうなっているのだ。もっと大胆に、こういうふうにしたらこういうふうにして救われていくのだという方向を打ち出していけないものなのか。その辺はどうなっていますか。たとえば地下にせよとか、いろいろ出ますね、どこへ行ったって。そういう問題についての研究は一体どうなっていますか。
○高橋(国)説明員 従来とも、四車線以上の幹線道路をつくる場合には地域の環境を破壊しないような配慮をしてやってきたつもりでございますけれども、最近特にそういう声が国民の世論として高くなってきておりまして、われわれといたしましては路線の選定の段階からそういう環境破壊にならぬようなルートを選ぶように努力をいたしておりますし、そのルートが確定いたしました場合には、道路の構造上の問題から、たとえば半地下式にするとか、あるいは完全に地下にトンネルにするとか、あるいは場所によっては高架で高くいたします方法であるとか、各種の方法をいま検討中でございます。それにいたしましてもまだ完全に十分でない向きが非常に多うございまして、さらに改良を加えまして、たとえば道路の両側に数十メートルのバッファーゾーンと申しますか、緩衝緑地帯を設けまして地域の住宅地等を遮断するとか、その他のいろいろな方法をいま研究中でございます。これは新しい五カ年計画においては実はかなりの予算の増額になると思いますので、それらも踏まえまして現在検討いたしている次第でございます。
○寺前委員 時間も来ているようなのでそちらのほうは終わりまして、ちょっと自治省の人にさっきの話に戻りますが……。
○天野委員長 自治省、来ていますから……。結論を急いでください。
○寺前委員 それでさっきの住宅の話に戻りますが、建設省では規模を少し大きくしようという話にまでなりました。先ほど予算要求をされるということのお話でしたが、そこで、それでは具体的に執行していく場合に、たとえば私のほうでこの間災害を受けた地域の実情で、夜久野町というところで二十六戸が危険な、上のがけがくずれて家をがっと押しつぶすという事態まで来ているわけです。二十六戸あるわけですが、二十戸の人はともかくたまらないというので、とりあえず別のところに入っていますけれども、こういう場合に、それなら移転の事業をやろうということになってくると、実事業費が九千四百四十万円かかる。ところが実際には補助基準額は四千八百三十六万円だ。ということになってくるとこれはもう半分くらいなのですね。基本的な、いわゆるいつでも問題になる超過負担の問題ですね。ところが農村の場合に、小集落で、しかも財政能力というのは非常に低いところでしょう。がけくずれの対策はしなければならないわ、住宅の対策はしなければならないわ、実際、町の財政ではそんなことは持たぬという問題まで出てくるわけです。実際には町におけるところの集中的な災害を受ける地域というのが未解放部落という問題になってくるし、これは早いこと手を打たなければならないわ、片一方では超過負担という問題が出てくるわ、片一方ではできるところの住宅というのは規模が小さくて農民向きではないわ、これだけ出てくると、これは本格的にこの未解放部落の解放のために手を打つということにはならないわけですね。そこでもう一度建設省に聞きますけれども、ほんとうにその小部落の移転のために超過負担の問題を解決し、それから規模の問題においても、規模を大きくした場合にも補助率はいまの三分の二でいくのかどうかという問題ですね、ほんとうにそのことを責任を持って処置するのかどうか。これは建設省にもう一度お聞きしたいと思うのです。ほんとうに未解放部落の措置をする場合は、小さな町村の財政力では実際にはやれないという事態が来ている。これに対して責任ある措置をとるのかどうかということをお聞きしたい。 第二番目に自治省の人に、特別措置法に基づく十カ年計画でやってきたわけでしょう。もう四カ年たったわけでしょう。にもかかわらず、今日この措置が一体どういうふうにとられておるのか。あの特別措置法を実際以上にやり上げるためには自治省として何をやったのだ、あるいはこれからどうしようというのかということをはっきり聞かしてほしいと思うのです。特別措置法はできたけれども実際には従来とちょっとも変わらぬじゃないかということでは話にならぬと思う。だから、まず建設省から聞いて、自治省の答弁を聞いて私は終わりたいと思うのです。
○沢田説明員 同和関係に限らず、地区改良事業につきましては非常に持ち出しが多いということで、従来も努力はしてきておりますが、いまだに、特にクリアランスの費用につきまして、土地関係の費用につきましてまだまだこの超過負担が残っております。こういうものの解消につきましては、来年度予算要求ではこれを解消するという予算を組んでおります。しかし、この問題は長年かけて逐次直してきておりますが、まだまだ残っておりますので、私どもは全力をあげてこれを解消したいと思っております。ただその場合に、いま一般論でございますが、小集落につきまして特にそれがひどいというふうな問題は私どももそういうふうに感じておりますが、ただ全村移転の場合に、その宅地と建物の問題につきましては私どものほうではございますが、それにつきまして、たとえば下水だとか上水だとか、そういう公共施設の問題がございます。こういう問題はむしろ公共事業費のほうの持ち出しというふうな場合になってこようかと思いますので、私どもの範囲を越える部分も出てくる、そういう意味の超過負担で先生のいまおっしゃったような金額になるのではないか。私どもは私どもの分野で超過負担は解消したいと思っております。
○高品説明員 公営住宅、改良住宅、小集落地区の改良につきましては、一般的には起債の充当率が八五%になっておりますが、同和分につきましては一〇〇%にしております。それからこの住宅用地の関係でございますが、同和住宅の関係用地の取得、造成費にかかる起債の元利償還費については特別交付税で二分の一措置しております。しかし、御指摘のように超過負担の問題があることは事実でございまして、現在その超過負担の実態を調査しておるところでございます。四十八年度には調査結果を踏まえて、国庫負担金の適正化をはかるよう関係省庁と協議してまいりたい、こう考えております。これに対応いたしまして、起債措置についても所要の措置を講じてまいりたい考えでございます。
○寺前委員 自治省に聞きたいのは、十カ年計画を特別措置法に基づいてやったわけでしょう。実際に災害を集中的に受けておるのは未解放部落なんですよ。それじゃ、十カ年計画を立てて、そういう地域が集中的に被害を受けているという事実に立つならばこういう措置をする必要があるのだ——もう四年済んだでしょう。こういう措置をするのだということは一体どういうことを考えているのだということを聞いているわけですよ、わかりやすく言ったら。わかりますか。——わからない。私はそれだったらもう時間がないからやめますけれども、自治省として、未解放部落がどういう実態にあるのか、今度の災害においてどういうことになったのかということをひとつ直ちに調査して回答してもらいたいと思う。これで終わります。
○天野委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後零時一分散会