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68回国会参議院1972/04/25

予算委員会第四分科会 第3号

発言数
257
登壇者
22
会派数
5
開催日
1972/04/25

会議録

楠正俊自由民主党

○副主査(楠正俊君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。  昭和四十七年度予算中、科学技術庁所管を議題といたします。  慣例では、政府側から説明を求める順序でありますが、説明はこれを省略し、お手元に配付してある資料をごらん願うこととし、その説明資料は、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

楠正俊自由民主党

○副主査(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう取りはからいます。  それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言願います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでは、時間も限られておりますので、簡単に質問したいと思います。  まず最初に原子力発電の問題につきまして、まず通産省にお聞きしたいと思うんですが、日本原子力産業会議が、二〇〇〇年に至る原子力構想、そういうのを発表しておりますが、まずそういう点に関連いたしまして、電力の需要が十年後には三倍になる、二十年後には六倍になる、二〇〇〇年ごろには九倍になる、そういうようなことを言っておるわけでございますが、通産省といたしまして、大体電力というのは今後どういうぐあいに伸びるものか、そしてその中において原子力発電というのは大体どの程度に予想しているのか、その点を御説明願いたいと思います。

武田康通商産業省公益事業局原子力発電課長

○説明員(武田康君) お答えいたします。  ただいま御指摘のございました原子力産業会議の、二〇〇〇年に至る需要予測というのは、いま先生御指摘のとおり、電力の需要が十年後三倍になり、それから二十年後さらにもつと伸びて、二〇〇〇年ごろには非常に大きなものになる、こういうようなことでございます。で、政府ベースで現在までいろいろ検討しておりますのはもう少し短い期間でございますけれども、原子力産業会議の想定と大体似たり寄ったりのような伸びを今後示すであろうというようなことでございます。なお、まあごく最近、昨年以来電力需要の停滞がここ一年ほど見られているわけでございますけれども、非常に長期に見ますと、やはり原子力産業会議等の推定とそう大差ない伸びを示すのではなかろうかと考えらるわけでございます。  なお、原子力発電につきましては、エネルギー調査会に原子力部会というのがございまして、これが昨年末に答申をいたしたわけでございますが、そこでは昭和六十年までを扱っております。昭和六十年には原子力発電の規模は大体六千万キロワット程度になるんじゃないか、こういうような想定でございます。で、そのときの原子力発電の設備のウエートは、電力設備全体に比べまして、二五%近い程度の数字であったかと思われます。  それから一方、原子力委員会のほうでは、原子力長期計画を目下検討なさっておるところでございますが、これはもう少し先のめどまでをおつけになるという御予定と聞いております。ただ、数字的には大差ないような見当のものが出てくるんじゃないかと私ども想像しておるわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 まあ、十年後に大体三倍になるということ。いま非常に高度成長からやはりもっと安定成長、福祉優先ということがいわれておるわけですけれども、この十年後に三倍というのはどういうような根拠で積算されておるのか。われわれは、そういう福祉優先という大きな時代の変化に伴ってやはり電力の需要等もこれはだいぶ変わってこなければならないんじゃないかなと、そういうように私たちはしろうとなりに感じておるわけなんですが、これはどういう基礎のもとに十年後三倍というのは言えるわけですか。

武田康通商産業省公益事業局原子力発電課長

○説明員(武田康君) お答え申し上げます。  電力需要の将来予測というのはいろんなやり方があるわけでございますが、たとえば過去のトレンドを追っかけてそれを将来に伸ばしていく。あるいは将来における経済社会の状態のビジョンを描きまして、そうだとすればこの程度の電力が必要になるんじゃないか。あるいはもっとマクロ的に——いまのは積み上げ的でございますが——もう少しマクロ的に、GNPがこんな調子で伸びるであろう、そうだとすれば、相関関係その他で工業生産がこういうふうに伸びるであろう。あるいは、国民生活の程度がこうなるであろう、そうすると、マクロ的な相関で、たとえば工業用の電気はこんなぐあいになる、それから家庭用はこんなぐあいになる。そんなようないろんな手法があるわけでございます。  で、現在、将来十年、十五年先の電力需要がどうなるかにつきましては、一つはトレンドをベースにし、もう一つは経済企画庁その他でいろいろおまとめになっている将来の経済社会発展計画というような総合指標、これに基礎を置いて、そういったものを組み合わせたかっこうで将来を想定していくわけでございます。  なお、先生から御指摘ございましたように、成長優先から福祉優先、これはそういうことばがあるのかどうか私ちょっとはっきりいたしませんけれども、いまの御指摘のような考え方、これは社会全体の大勢がそうだといたしますと、それは現在の電力需要あるいは過去のトレンドの一部に反映しているわけでございます。したがいまして、そういうものが、十分かどうかわかりませんが、ある程度組み入れられて、将来の電力計画といいますか、電力の伸びの見通しができ上がっていくというようなことになろうかと存ずるわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 新経済社会発展計画を経済企画庁によっていま改訂されているわけですから、そういうものができれば、当然将来の予測も変わってくる。これはいままでのそういう路線での予測であって、将来も変わることは考えられる。そう判断していいわけですね。

武田康通商産業省公益事業局原子力発電課長

○説明員(武田康君) ただいまの点につきましては、経済社会発展計画の見直し等は経済企画庁中心でございますので、私から的確な御説明を申し上げるわけにはまいりませんけれども、それが一つのベースになっておりますので、かりにそれが変われば、それに伴ってある程度の修正というのはあり得る性質のものではございます。  ただ、一言だけつけ加えさせていただきますと、電気の需要の伸びというのは、非常に長い目で見まして、かなりいつでも安定的な伸びをいたしております。したがいまして、大幅にがらっと変わってしまうかどうかといいますと、むしろ比較的小幅ではないかなあというのが、これはむしろ電力技術屋としての常識ではございます。しかし、先生御指摘のとおり、根っこになります経済社会発展計画等が指標が変わりますと、当然変わる性質のものでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そこで、科学技術庁にお聞きしたいのでございますが、確かに電力は非常にだんだん需要がふえてくるし、また、現在の水力にもこれは限界もありますし、また、火力発電も原油をやっぱり九九%輸入している。しかも公害問題。そういう点で、やはり原子力発電というものの重要性ということになってくると思うのですね。ところが、最近非常に原子力発電というものに対して各地で——私も岡山に住んでいるわけですけれども、岡山もやはり瀬戸内海の地元が反対をしておる。私の生まれたのは愛媛県で、愛媛県でもやはり反対をしておる。そういうような、各地でそういう反対運動が起こっておるわけですね。それで、先ほどのお話を聞きますと、昭和六十年には六千万キロワットだと。そうすると、いま福井県のは百万キロワットですか、問題になっておりますが、あれだとすると、六十基つくるということになるわけですけれどもね。そういう点を考えると、われわれも非常に将来を危惧しているわけなんですけれども、科学技術庁としては、こういう各地の反対運動というものに対して、やはり国民的なコンセンサスを得られるようにやっぱり努力をしていかなければならないと思うんですけれどもね。そういう点ではどのように取り組んでいるのか、そのあたりをひとつ。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) いま塩出委員からの御意見、まことにごもっともでありまして、私どもは、この原子力発電が非常な勢いでふえてきているというこの事態に対処しまして、原子力発電というのは、いまもお話がありましたように、何としてもこれから非常にふやしていかなければならない情勢になっておるし、また、非常に役に立つ大事なエネルギー源だと思うんです。それとともに、やはり安全性というのは、いまの御意見のように、一番大事な問題だと思います。そこで、この安全性につきましては、何としても第一に科学的にまず安全性を確保するようにしなければならない。そういう考えから、原子炉を設置する場合におきましては、科学的にその安全性を第一に考えていくわけですけれども、単に科学的に安全だというだけでなく、ことばは熟さないかもしれませんけれども、社会的にやはり安全性を確保していかなければならない。というのは、簡単に御説明申し上げれば、国民があるいはその地域の人たちがこれを理解し、そうして、かつ、協力してくれるという態勢にならなければ、原子力発電また原子力の平和利用というものは、推進していっても十分な効果をあげることはできないと思っている。そこで、われわれとしては、まず第一に科学的の安全性を確保する、これを第一にする。もう飛び離れた第一にしまして、次いで、これを国民あるいは地域の人たちに理解してもらう。そのためにわれわれは最善の努力をしていく。こういうつもりでおるのであります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 通産省はすでに全国各地にわたってそういう立地調査をやっておるように拝見しているわけですが、どうなんですか、たとえば昭和六十年をめどにした場合、そういう場所なんかはあるのかどうかですね。いま、そういう立地調査をする場合にいろいろ私は基準があると思うのですね。たとえば人口はこの程度とか、あるいは冷却水は、川なんかではこれはまずい、やっぱり海でなければならないとかですね。そういういま通産省の行なっておる立地調査の結果最終的な結論は出るわけですが、その立地調査に当たっておるその判断の基準、そしていま何カ所ぐらい調査をしているのか。その点、どうでしょうか。

武田康通商産業省公益事業局原子力発電課長

○説明員(武田康君) お答え申し上げます。  当通産省で実施いたしております立地調査は、大体年に三、四カ所ぐらいずつ、過去十年近く続けております。したがいまして、現在まで三十カ所前後ぐらいの数字になっております。ただ、一つだけお断わりさしていただきたいのは、これは、予算の制約といいますか、あるいは官庁の仕事の制約と申しますか、私どもの立地調査が、その当該地点で現実に原子力発電所をつくるというための前段階として行なっているものでは必ずしもないわけでございます。むしろ、もう少し広い意味で、どんな程度に原子力発電所をつくるような場所があるんだろうか、これが全国的にどの程度にばらまかれるであろうかというようなことの一環というふうな趣旨でやっているわけでございます。したがいまして、現在までに実施いたしました立地調査地点そのものに着目して、そこがこれからすぐ原子力発電所をつくれるとか、あるいはなかなかむずかしいとかいう判断を個別にすることは、調査の規模等にもよりますが、なかなかむずかしいというのが実態でございますが、そういうことではございますけれども、先ほど先生から御指摘がございました、昭和六十年でかりに六千万キロワットとすれば百万キロワットでも六十台にもなる、こういうお話でございますが、そういった立地そのものは、まっ先には電気事業者がいろいろこまかく調べてやることでございます。その見通しそのものにつきましては、私どもとしてもはっきり、必ずできますとか非常にむずかしいとかいうことを申し上げかねるわけでございますが、先ほど長官の御答弁にもございましたように、地元の理解と協力を得るということを通じまして、確保のための最善の努力をしていくというのが私どもの考え方でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 これは科学技術庁に聞きたいのですが、原子力発電の安全性というのはどうかということになりますと、非常にこれは放射能というのは目に見えませんし、また、われわれしろうとにはわからないわけですね、ほんとうのことをいいますと。ほんとうに安全なのか。学者の話を聞くと、安全なようでもあるし、危険なようでもある。そういうことになりますと、やっぱり外国の例とか、そういうものを参考にせざるを得ないわけですが、いろいろ私調べてみますと、たとえばアメリカあたりでは、原子力発電のその能力に応じて、敷地面積とか、民家からの距離とか、人口密度、そういうような規定があるように聞いているのですが、たとえば三十三万キロワットの場合は、非常に人口の少ない、低人口地帯でも、大体十六キロは離さなければいかぬと。日本の場合は八百メーターだということですね。もちろん、アメリカと日本は国土が違いますから、そういうようなことができないかもしれませんけれども、火薬類取締法でもそういう保安距離というのがあるわけですよね。やっぱり原子力発電所にも保安距離というものがあるんじゃないかと思いますけれども、それはどうなっておりますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 原子力発電に伴いますところの放射能は、目に見えないもので、しかも、非常に、重大に影響を考えないといかぬ問題でありますので、厳重に安全審査をやっておりまして、大体日本の発電所の場合は、発電所の敷地境界線におきまして、国際的に問題がないといわれておりますところの、国際放射能防護委員会——ICRPの国際的な基準がありますが、これは年間五百ミリレムという基準がありますが、大体、現在のところは五十分の一ぐらいの五ミリレムないし十ミリレムぐらいの、境界線におきましてそれしか出さないような、厳重な管理をやっておりますので、距離の問題としても、原子力発電につきましては、放射能については問題ないようなやり方をとっております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 これは距離はやっぱり八百メーターですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 発電所によっていろいろ違いますが、炉心から八百とかあるいは六百とかいろいろありますが、ただ、その境界線におきまして、大体国際的な基準の十分の一ないし五十分の一という、非常に安全をとった基準をとっておりますので、そういう問題は、非常に、ないというふうに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そうすると、結局、距離の問題は、そういうものは、規定はないということですね、結局。境界線において、いわゆる五ミリレムないし十ミリレムの、放射能がそれ以下であればいいと、そうなっているのですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 原子力委員会の安全審査におきましては、立地指針というのがありまして、その立地指針におきまして、先ほど言いました許容線量、放射能レベルから逆算して距離を出しておりますので、距離的な基準があるとは言えますが、それは、さっき言いましたように、線量から逆算して炉心から境界線まで何メーターという距離をとらせているわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 こういう点が、やっぱり国民はしろうとですからね、しろうとというのは何ミリレムなんというのはややこしくて、距離が何メーターという、そのほうかはっきり目につくわけですね。平常の運転をしている場合、それはいいと言えますが、もし事故があったということを考えた場合には、そういう今後の立地調査においても、最低線の保安距離というものをきめて——それはもう原子力発電が、もう平常運転をして危険であればこれは大問題ですが、平常であれば問題がないが、何か事故があったときに、地震とか何かあったときに心配するわけですから、そういう点で、やっぱりそういう距離の問題等ももう少しはっきり私は基準なりをきめて、それも一つは、さっき言ったように、社会的安全性を確保する方法じゃないかなと思うんですけれども、そういう点はどうですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 先ほど言いましたのは、平常時運転の問題でありますが、想定事故、いろんな事故を仮定しまして、考えられないような事故まで厳重に想定しまして、その場合の放射能の濃度も計算しまして、これも十分国際的な基準以下になるような計算をやっておりまして、そういう意味では、線量と距離との関係から、非常に安全なやり方をやっておりますが、ただこれは、御指摘のように非常に一般大衆にはわかりにくい点がありますので、われわれも十分こういう説明——PRをして、心配のない、あるいは安全性の研究を、さらにさらに追求していくという点を十分PRをしたいと思っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 やっぱり長官、新しい発電所の場所の選定においては、そういう、できるだけ距離を十分とるように、それはまあ近くでも問題ないのかもしれませんけれども、アメリカは十六キロなんというと、これはアメリカの学者が十六キロときめてるんだから、日本はだいじょうぶかなという、そういう気がするんですけれども、そういう点はひとつ検討していただいて、国民大衆にわかりやすいような措置をとって、距離等においても——何ぼがいいかということはわかりませんけれども——やっぱりそういうものをはっきりわかりやすく説明をして、国民の納得するように私は検討してもらいたいと思うんですけれども。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) いまの御意見ごもっともな点があるんですが、これはアメリカなどのような広大な国と日本とはいろいろまた違う事情もありまするけれども、いま原子力局長からもるる御説明申し上げましたように、これにつきましては、国際的に一定の基準があるものですから、その基準よりもさらに十分の一とか、あるいはそれ以上の低いところに非常にきびしくこれを取り締まっておりまするので、原子力法におきますところの安全審査専門委員会によりまして慎重に検討してもらい、ことにアメリカその他の事情もよく安全審査専門委員会において見ていただいてそうしてきめておるのですから、私は科学的には安全だと思うんですが、いま、これを一般の人が理解しやすくするようにというお話がありました。これは、距離の問題も含めまして、あらゆる方法を講じて、安全であるということを地元の人たちに十分に理解してもらえるように最善の努力をいたしたいと、かように思っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いまいわゆる温排水の問題がいろいろ衆参の科技特委員会でも問題になっているように思うんですが、いわゆるこのあったかい水が出るという場合ですね、現在の原子力発電所の密度よりも昭和五十年、六十年になれば非常に密度が高くなってくるわけですね。しかも、現在でも福井県あたりはどんどんやっぱり立地的にああいうところに集中してくるわけですけれども、そういうわけで、ある面から考えれば、あったかい水が出ればそこで魚を養殖すればいいじゃないかと、そういう意見も言っている人もいるし、ある面では、ノリなんかは一度の温度差が非常に影響すると、そういうこともいわれておりますし、そういう温排水の問題にいたしましても、今後ほかに方法がなければこれは原子力発電所も増設されるようになってくるわけですけれども、そういう場合の温排水の影響、これはやはり潮の流れ、日本海と瀬戸内海でまた違ってくると思うんですね。そういうようなものについての研究とか、それはどういうぐあいに進んでいるのか。どうも委員会の答弁等を見てますと、水産庁と科学技術庁と見解が違っているとか、こういうこっちゃ、ますます国民の不信も増してくるんですけれども、やはり政府全体としての信用のおけるようなそういう一つの結論を出すべきじゃないかと思うんです。その点はどうなんですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) いまお話しの温排水の問題、これはひとり原子力発電だけの問題ではありませんけれども、発電所から出る温排水の問題、この影響の問題は、マイナスの面もあると同時にプラスの面もある。そこで、私どものほうとしましても、その問題につきましては詳細にいま研究を進めておるわけです。これは地形によりましても違いますし、波の状態によっても違いまするし、あるいはまた風向きによっても違う。まあ、いろいろ各地各様の事情があるわけなんですから、その弊害の面はできるだけこれを縮小して、そしてプラスの面をひとつ進めていこう。今度東海村などでは温排水を利用して魚を養殖をする、いままで来なかった魚をそこへ来るようなことにするというようなことの研究も進めておるようなわけなんでありますが、これは大体害の問題よりもむしろ公害の問題、まあ影響はありますけれども、これは放射能の被曝の問題とかなんとかいうよりも、漁業関係の問題でありますので、この地元の事情を最もよくわかっている漁業組合などともよく話をして、そして企業者において適当な処置を講ずる、こういうふうにいたしておるわけであります。  なお、詳細のことは局長のほうから、

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 もう詳細はいいです。  それで、やっぱりメリットがあるんだったら、こういうメリットがあるんだと、どこかで試験的にやってみたらどうなんですかね。やっぱりそういう話を聞いても、この前、坂出の火力発電所について、たしか香川大学の先生、これは火力発電の温排水について調査した結果、非常に有害であるという結論を出している人もいるわけなんです、それはたしかノリだったと思うんですが。だから、そういうのはやっぱり一つの理論であって、これでは大衆は納得しないと思うんです。やはり証拠が必要だと思うんですね。特に熱衝撃というんですか、冷却水が復水器を通るときに数秒間急激な温度上昇がありまして、そのときに冷却水中のプランクトンや小さな魚が衝撃を受けて死ぬんじゃないかと、そういうような影響を心配している人もいるわけですけれどもね、私はこの原子力発電所の中を水が通るときに何度になるか知りませんけれども、たとえば高温になるとすれば、ちょうどお湯でも白湯みたいなもんですからね。それがどんどん循環されて海の中に白湯になって酸素がのうなったんじゃ魚も死んでじまうんじゃないか、そういうような心配もしているわけですが、そういうような研究をやっているのかどうか。また、そういうものも含めて実際にここに発電所をつくって温排水が出た結果、そこが試験的にいろいろノリの調査、魚の調査をやった結果、こういうように魚の味が前よりはうまくなったとか、うまくなくなったとか、そういうふうな具体的なものがあれば、それは私は大衆を納得させるものがあると思うんですよ。そういう非常に系統的な試験研究をやってなければ私はやるべきだと思うのですが、どうですか、その点は。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) そういう研究としましては、原子力予算で昭和四十六年度から東海地区で二億円ぐらいの金を投じまして施設をつくりまして、そうして東海発電所の排水とか温排水を魚の養殖に利用する研究をそろそろ来年度あたりから着手することになっております。ただ、温排水の魚に対する影響というのは、たとえばハマチとかクロダイとか、そういう温水によって非常に育つ魚と、それから非常に温水をきらいまして逃げていく魚がありまして、その地形の、その土地のどういう魚がいるかによって非常に影響が違うのであります。したがいまして、若狭湾においては福井県の水産試験場がいろいろ温排水の影響を、ことしから相当な金を投じまして実地の影響調査をやる。そういうことで、その土地によって魚あるいは海藻等の生息状況等によって違いますので、そのサイト個有の問題としていろいろ県の試験場等に十分調査をさせて対策をとるということも並行して考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 さっき言った熱衝撃の影響なんかは研究をやっているんですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 最近北海道の研究で、温水が沿岸の魚の卵等に相当影響があるんじゃないかという報告書も出ておりますので、これも十分調査して、われわれの研究においてもそれを取り上げて十分検討していきたいと思っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それから使用済みの燃料の問題、これは時間がございませんので省略しますが、原子炉にいわゆるライフ・サイクルがあると。大体三十年ぐらいじゃないか。そうすると、三十年たつと原子炉を新しくつくりかえなければいかぬ。そうすると、その原子炉のスクラップをどうするか。そういうスクラップが日本全国にだんだんたまってくるとこれを一体どうするか、そういうことも心配している人もいるわけなんですけれども、そういう点はどうですか。そういう点は心配ないんですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 原子力発電所が寿命が来てあとどうするかという問題、これは外国の例も実験的な研究炉については若干ありますが、商業炉についてはまだ前例がないので、世界各国ともどうしたらいいかという問題ははっきりしておりませんが、われわれのほうでも原研でも研究炉で閉鎖しました炉もありますので、そういうのを使いまして、放射能がどういう状況になるか等の調査もいまやっております。ただ、一般的に考えられますのは、一つの炉が寿命が来て使えなくなりましても、まあ取りこわせるものは取りこわして、炉心等の放射能を帯びているところは地中に埋没するとか、非常に構内が広い敷地をとっておりますので、その隣にまた新しい炉をつくるとか、いろいろ敷地内において十分、ただゴーストタウンにならないような方法もいろいろあるんではないか。そして、その具体的な詰めを現在いろいろ原研のそういうケース等を利用していま検討中でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 まあ、実は使用済みの燃料の処理工場、まだいま建設中と聞いているわけですけれども、トイレがなしに家をつくったんじゃないか、そういう気もするわけですね。そういう点で、当然ライフ・サイクルが終わってそうして処理する炉の問題、あるいはその冷却水の熱処理の問題、そういう点も、当然これはやはり本来からいえばそういうものはちゃんとやった上で炉をつくらなきゃならない。それをいまごろになってやるというのははなはだ私はおくれておる——これは世界的におくれておるのかもしれませんけれども、そういう点、科学技術庁長官としても早急にひとつ力を入れて取り組んでもらいたい。  それともう一つ最後にお聞きしたいことは、いわゆる地方自治体がやはり原子力発電所といろいろ協定を結んでいるわけですね。先般も島根県の中国電力の原子力発電所と鹿島町がこういう協定を結んでいるわけなんですけれどね。ところが、町議会においてもさっぱり原子力発電の内容がよくわからないために、ちょうど選挙前でもあって、町議会はすぐ解散したらしいんですよね。「ようわからぬが、とにかく承認、賛成あっというまに」と、こういうふうに新聞に載っているのです。確かに、今後市町村が原子力発電所と協定を結ぶ場合に、これは各県においていろいろさまざまな違いがあるようです。そういうわけで、私は、やっぱりそういう協定を結ぶ国の一つの最低限度の基準というものを定めて、そしてその上に上載せするのは、これはちょうど水質基準と同じように、ちゃんと日本全体の水質基準があって、そして上載せするのは地方自治体の自由ですけれども、これだけはやっぱり守らなければいけない。これをきめるべきじゃないかと思うのですね。地方自治体がよくわからないために、町会なんかになるとなかなかわからない点もあると思うんですね。それで結局発電所にごまかされていいかげんな協定を結んだならば、これはその町だけの問題ではない、国民全体の問題ですからね。そういう点で、地方自治体との協定においては最低守らなければならないそういう一つの基準というものをつくるべきではないか、その二点について。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) まあ、原子力発電所建設に際しましては、関係市町村と地方公共団体との間で地域協定を結んでおります。それで、まあ国がそういう共通の基準をつくるべきではないかという御指摘でありますが、いろいろ地域協定をながめますと、共通の問題とそれからその地域固有の問題との二つがあるようでございまして、われわれは共通の問題につきましては、これは保安規定、規制法の運用等の関連もありますので、統一的な指導をやっておりますが、地域固有の問題もありまして、たとえばそのサイトが内湾型であるか外洋型であるか等によって、漁業との関連とか、それからどれだけの出力であるか、集中度がどれぐらいであるか等によっていろいろ違いますので、われわれは、まあ基準という形になるかどうかわかりませんが、そういう共通の問題につきましては、県、市等と十分連絡をとって統一的な指導を現在やっておる状況でございます。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) ただいまの御質問まことにごもっともでありまして、私は、先ほど申しましたように、科学的にはわれわれのほうとしては原子炉規制法その他の規制法によりまして、もう非常に厳重に審査をして安全を確保することを第一にしておる。それを地方において原子力発電というものも知らないのだと、その内容もどうだ、危険性の問題についてももちろん知らないんだと、こういうようなことでは困るので、そういう点については十分に地方においてPRをして理解をしてもらう、これがまず第一に必要だろうと思うのです。そこで、本年度の予算におきましても、そういう方面の経費も取っておりまして、まずPRに最大限の努力をして地方において理解をしてもらう。それがまず第一。理解してもらってそうして協力してもらう。これをたてまえにして今後進めてまいりたい。いま御心配のような点のないようにひとつ努力してまいりたいと、かように思っております。   〔副主査退席、主査着席〕

向井長年民社党

○向井長年君 長官、大体、二階堂原子力長官から次々と大臣や長官がかわられております。あの当時に設立されました動燃事業団、これはもう大体五年近くなりますね。この間、この動燃事業団の高速増殖炉等の国産炉に対する取り組みの状態は現在どうなっているのか。それからなお、これは十年間で政府は二千億の金を出すと、こういう形をきめておりますね。これが現状どれくらい出されて、見通しはどうなっておるのか、まずこれをお聞きしたい。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) ただいまの問題、たいへん大事な問題で、二階堂長官以来私まで数代にわたってこの問題に心を砕いておるのですが、動燃事業団におきましては、御案内のように、炉の開発という問題につきまして非常に力を入れております。御案内のように、わが国は今日まで在来の軽水炉によってやってまいりましたけれども、何しろわが国におきましてはウラン資源に乏しい。一方においてウラン資源の安定的な供給を確保しなくちゃならぬという問題と、しかし、確保するが、自分の国になくて、よそから入れてくるものですから、それを最も有効に使う炉を開発しなければならぬ。そこで、今日までは在来の、よそから輸入した型の軽水炉でやっておりますけれども、これだけにとらわれておるというのでは、わが国の原子力産業、原子力平和利用の基盤を確立するわけにはいかない。燃料の問題などを考えて、そこで、核燃料事業団におきましては、燃料を有効に使い得る新型転換炉、それと高速増殖炉、この開発にいま力を入れておるわけであります。詳細のことは原子力局長から御説明させますけれども。それでそのほうの問題は着々として進んでおると私は見ておるのです。昭和四十九年度には、大体高速増殖炉につきましても、小型ではあるけれども、五万キロワットぐらいな実験炉を、まず実験の段階ですから、それを一つつくっていこうということになっておりまするし、それから昭和五十年には、これは動かし得るような十六万キロワットぐらいな新型転換炉、これを一つつくっていこうと、こういうことで着々と進んでおる。時間的の計画を詳細に立てまして、そして研究を進めながらその開発に当たっている、こんなようなわけでございます。私は、いままでのところ計画どおりに大体行っていると、こう思っております。  それから一方燃料の問題ですね、ウラン資源の問題。ウランが大体わが国にはない。そこで、ウランそのものを、ウラン鉱をまず確保しなくちゃならぬ。そこで、全世界の有望なところを調査しまして、探鉱をいま進めておるわけです。このほうのことも、いまこまかに、時間があれば原子力局長からひとつ御説明申し上げます。それと同時に、原鉱だけではいかぬ。やっぱり濃縮のウランが必要だと、こういうことで、濃縮ウランにつきましては、いままでのところは、今日まで建設の計画をしておるものはアメリカのほうから供給してもらうということになっておりますが、アメリカのほうでも、そろそろ、これは八〇年になりますというと、供給力が足りなくなるということで、ひとつ国際的に、アメリカは、これだけの資金だけじゃあれだから、国際的にひとつこれをやろうという計画を出しております。一方、フランスのほうもそういう計画を、国際的にといいますか、フランスは日本と一緒にやったらどうかという計画を出しております。そこでわが国としては、この動燃事業団と並んで、国におきましてもこのウラン資源の確保、これがまあ大事な問題でありまするので、アメリカ、カナダ、イギリスと原子力協定を結んでいるだけでなく、今回豪州それからまたフランスとも原子力協定を結んで、このウラン鉱の確保に努力をしておる。そんなようなわけでございます。まあ、動燃事業団の進行状況その他につきまして、時間がありまするならば、原子力局長から詳細に申し上げたいと思うのですが、大体において……。

向井長年民社党

○向井長年君 じゃ時間がないから簡単に答弁してください。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 動燃事業団の行なっておりますところの動力炉開発、総理大臣のきめております基本方針、基本計画に従って大体順調に推移してまいっております。その結果、高速炉につきましては、実験炉を四十九年、原型炉を、これはまあこれからの問題ですが、計画としては五十三年ごろに臨界にするという計画のもとにいろんな研究開発を進めておるところでございます。それから新型転換炉につきましては、五十年に原型炉を臨界に達せしめるという目標で、まあ建設等に着手しております。それから先ほど、十年間、五十一年までの新型転換炉と高速増殖炉の研究開発並びに原型炉までの建設費が二千億の資金計画でございますが、これ、昭和四十二年から四十六年度までの、まあ概算ですが、支出額としては七百三十億ぐらい投じておると思います。それで、四十七年度におきましても予算として三百五十七億、非常に大きな動力炉関係のこれは事業ベースでございまして、民間出資を入れた事業ベースでございますが、三百五十七億の規模になっておりまして、われわれは大体基本方針並びに基本計画に従って、まあ順調に参っておるというふうに考えております。ただ、二千億のうちで、新型転換炉の原型炉につきましては、物価の上昇等がありまして、当初見込んだより百億ぐらいの建設費の高騰がありますが、その点の修正が若干必要な事態になっておりますが、その他につきましては従来の計画で進んでおるところでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 大体動燃事業団の使命は、もちろん国産炉の開発という問題が中心であろうと思いますが、これに加えて濃縮技術、それから先ほども質問ありました再処理、こういう問題を中心にして今後も開発することになると思います。そういうことで、いまの答弁でいきますと、現状国家予算が九——十年間で二千億と、こういう形になっておりますが、また、民間出資もあるわけですけれども、大体こういう方向でやれ得ると、こういう自信ありますか、長官。この三つの目的を達成するために。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) いまのところ、大体それでやり得ると、かように考えております。

向井長年民社党

○向井長年君 大蔵省はチェックしませんか。三年ごとにチェックするというようなことを言っておりましたけれども、そういうチェックは全然しておりませんか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) すべての問題、科学技術庁でやっているのは三年ごとじゃない、もう年年刻々見直しをして、わりとこれは直すようなふうにしつつ進めておりまするので、私どもは特に三年ごとにやってどうというところまでは考えません、もう絶えず日進月歩ですから。一方におきましては、御案内のように、ソ連はすでに七一年に高速増殖炉などは三十五万キロワットのものをもうつくっている。イギリスもフランスも七二年、三年にこれをつくるというようなことになっています。こちらのほうでも一刻も油断もできないというので新しいところを絶えず取り入れて、そしてわれわれの予定のときまでには必ずこれを実現させたいと、かように思っております。   〔主査退席、副主査着席〕

向井長年民社党

○向井長年君 どうせこれ、国産炉、国産炉と大きいことを言うけれども、結局は導入改良開発でしょう、まあね。これは国産といっても導入改良開発だと私は思うのですよ。したがって、まあ、これはそれでいいですけれども、しからば、そういうものが五十年なりにでき上がったときには経済性の問題はどうなりますか、皆さんの見通しとして。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 動燃のやっておりますところは商業炉の前の前提となりますところの研究開発、さらには原型炉——研究開発の最後の段階でありますところの原型炉まででございまして、ただし、これはまあ将来は当然在来炉と十分経済的に対抗できるというような、そういう可能性、これは世界各国とも高速増殖炉、特に高速増殖炉等につきましてはそういう前提でやっておりまして、将来、相当開発期間が長いのでありますから、これから日本が自主開発をやっても十分追いつけるという前提でやっておりまして、まあ、まだ研究開発の段階でありますので、じゃ実際どのぐらいのコストで商業炉ができるかという検討は、ことに新型転換炉につきまして最初に実現されますところの原型炉の建設、いま着手した段階でありまして、そういう建設をやって運転等によって初めてそのデータが出ると思いますが、   〔副主査退席、主査着席〕 ただ、考え方としては、当然在来炉に経済的に匹敵し得るようなものにつくるという前提でやっておりまして、そのために貴重な予算なり、民間の投資等も十分投入してやっておりますから、これがまあ三年ごと、四年ごと等のチェック・アンド・レビューの問題にも関連してまいりますが、当然経済性に十分使えるというものを目途としてやっておりますが、原型炉ができて運転をやった段階で、そういう目的に十分達し得るかどうかというのは、さらにもう一回チェック・アンド・レビューするたてまえになっております。

向井長年民社党

○向井長年君 せっかく多額な資金を投じて研究開発しておるんですから、これが完成の暁、経済性が伴わぬと、したがって、外国から導入したほうが経済性が合うと、こういう状態にならないように、いまから総力をあげてひとつ指導なり、あるいはまた建設の方向にやっていただきたい、こういうことを希望しておきます。  次に、安全性の追求の問題でございますが、これは先ほどもいろいろと質問がございましたが、研究体制の整備がなっていないと思うのですよ、私は。安全性の研究体制が。ということは、これは基礎研究なり、工学なり、あるいはまた技術研究、まあこういう形になると思いますけれども、こういう問題がいずれもこれは欧米にはおくれておると思いますよ。まあ、そういう中で、質の問題もあるけれども、体制の整備という問題をどう考えておられるか。特に現在原研もありますし、あるいは動燃もある。あるいはまた理研もある。それから大学があり、そして技術院がある。こういうようにいろいろあって、それぞれこれは取り組んでいると思いますよ。これに対してやはりセクト的な状態があらわれてきて能率を非常に低下せしめる状態があるんじゃないか、こういう感じを持つんですが、この安全性追求に対する研究体制は一貫性に欠けていると思いますが、この点、長官どうお思いになりますか。また、今後どうされようとするか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) いまどうも安全性研究の体制がなっておらぬじゃないかというお話、これはまあおしかりを受けておるようでありますが、私はそうは思っておらない。大体、原子力の開発というものは、御案内のように、日本は非常におくれておりましたね。おくれてスタートしたと。それで着々いま追いつきつつあるわけでございますが、安全性の確保の問題につきましては、私どものほうは原子力委員会におけるところの安全専門委員会を中心にしまして、厳重に規制しております。私は十分に確保できると思うんですが、それは日本における研究だけでなく国際的の研究、この基準をまず第一に守らなければならぬ。それよりもよほど厳重なものを日本においては守らなければならぬ。ことに地域の狭い日本の国内において原子力発電をやるんですから、この地形その他も考えて、各国で国際的にきめたものよりもはるかに厳重な体制を敷いていかなければならぬ。これが基本でありますが、しからば、研究機関はどうしているかといいますと、これは、私どものほうでは原子力研究所がありまして、そこを中心にして、もちろん他の研究機関とも十分に連絡をとって安全性の研究を進めておるわけなんですから、体制がどうもなっておらぬというおことばはちょっと私は当たらないのじゃないかと。おくれてはおるけれども、われわれは最善の努力をして——もちろんこの原子力研究所などを、わが国と西独あるいはフランスその他の国に比べますというと、経費の面においても人の数においても、非常に少ないですよ。その点は十分研究機関の体制というものは私はまだ日本でもっと金を入れてやっていってもらわなければならぬ、人も入れてやっていってもらわなければならぬ、かように思っておるのですが、まあ体制の基礎は私はできておる、かように思っております。

向井長年民社党

○向井長年君 基礎はできておると言うけれども、放医研等もあり、それぞれ研究体制というものは別個の形でやられておったと思いますよ。したがって、やはりこういう問題については、科学技術庁としてはいま一番問題は安全性の問題であると。開発はしなければならぬ、しかし、安全性に対して不安があると。こういう状態で一般の国民は見ておるわけでしょう。したがって、これに対する安全性の問題についての研究機関というものが、少なくとも分野を持って、あるいはまた統合されて、総力をあげてこれを国民にこたえていく、こういう体制をつくり上げなきゃいかぬのじゃないかという感じが私はするわけなんですよ。そういう意味において、必ずしもこれで十分だということは言えないと思う。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) もちろん、十分というところはどこに目安を置くかという問題。いま申しましたように、日本は非常におくれてスタートをしたし、研究機関にしても、ドイツとかフランスとかイギリスとかあるいはアメリカに比べれば、非常に人数からいっても、使っている金額からいっても少ないんですよ。しかし、私どものほうは原子力研究所を中心にしてやっております。放医研もあります。しかし、放医研は放医研としてまた別な使命を持っています。安全性も一翼はかついでおりまするけれども。そういうわけで、これを統合して一つにしたらいいという、形の上で、放医研と原子力研究所を一緒にしたらどうかとか、そのほかのものを一緒にしたらどうかということは必ずしも私は当たらないのじゃないか。おのおのその使命を持っておって研究している。こういうことで、私は体制の基礎はできておる。これをさらに拡大して多くの人を入れて多くの金をつぎ込んでやるということは、これから大いに考えなければならぬ問題だと思っております。

向井長年民社党

○向井長年君 まあ、その議論はやめますが、以前、五年前に二階堂長官の時代にどう言われたか。原研の問題に対しても、場合によれば、許すならば、動燃事業団を新しくつくる、こういう中で研究もやっていってもいいんだというようなことを言われておったのですよ、当時は。そういう形で、必ずしもそういうことは、私はいい悪いは別としましてこの状態では不十分である、こういう感じがいたします。それが証拠に、いま原子力委員会あるいは科学技術庁においても、この安全審査の問題一つ考えてみてもそうですよ。十分ですか、いま。安全審査、できないでしょう、ほとんど。学者に依存しとるんでしょう。少なくとも安全審査の場合においてもやはり専門的にそういう技術者を科学技術庁なら科学技術庁でつくらなければできないんじゃないですか。ただパートタイムみたいな形で安全審査を学者に委嘱して、そして片手間みたいな形で、これで技術が進みますか。こういう点どうなんですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) いまの御意見、どういう場合にそういう意見が出たか知りませんが、動燃の中に一部入れたらどうかとか、原子力委員会の中に置いたらどうかとか、これはいろいろありますけれども、私は、安全審査という問題は原子力委員会と離れたほんとうの専門家にやってもらうほうがいいんじゃないか、いまのやり方でいいんじゃないかと思うのです。もちろん、学者の動員をもっと広く動員して、そうしてその人たちにももっと時間をさいてやってもらったらいいじゃないかということはこれはあり得ることだと思いますよ。これはあり得ることだと思いますけれども、わが国において最も権威のある学者の方々、その他の方々に詳細に見ていただいている。私は体制としてはそれでいいんじゃないか、かように思っております。アメリカの原子力委員会はこれは行政の委員会でありまして、この原子力委員会のようなふうに諮問の委員会ではありません。だから、原子力委員会においてはいろいろなものは持っておるでしょう。その根本の仕組みもまたちょっと違っておるのでありますから、私は、いまのやり方で大体間違いはない、かように思っております。ただ、いま申し上げたように、人もあれももっと動員して、時間もさいていだだいてやるということは、これは考えても差しつかえない問題だと思うのです。

向井長年民社党

○向井長年君 私は一貫性がないと思うことは、政府として科学技術庁は科学技術庁の任務がある。通産には通産の任務がある。それぞれの任務があるわけですが、いま日本のエネルギー政策として最も公害の少ない原子力というものをこれから開発をしなければならぬというのがいまの大きな任務でしょう。使命でしょう。そうでしょう。そういう中から考えていくならば、今日までのあらゆる産業開発からあるいは国民生活から来るエネルギーという問題、これに対して通産のほうでは通産のほうで一日も早く開発をしなければならぬと、こうなるんですね。そうでしょう。したがって、何年度には何万キロ開発する、こういう形で一つの計画をきめて、それに各事業者が懸命の努力をして、それに対して、一つには原子力に対するやはりアレルギーがあるわけです、国民には。したがって、それに対していろんな地元においては意見が出てくる。あるいは放射能の問題、あるいは安全性の問題という形で一方においては出てくる。一方においては早く進めなければエネルギー政策としてはこれは追っつかぬ、こういう形が一方に生まれておる。そして、しからば原子力の開発をやるとすれば、安全性の問題から考えて、安全審査というものが迅速に行なわれ得ないという状態もあるんじゃないですか。ただ技術だけの問題じゃなくて、時間的にもそういう問題が生まれておるんじゃないですか。したがって私は、科学技術庁もあるいは通産省もあるいは自治省も——地域の問題ありますから——それに対応した一つの形をとらなければならぬ、こういう感じがあるわけですよ、その点、どうです。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 大臣の御答弁を補足いたしますと、現在安全審査の審査委員というのは二十九名になって、そのうち大学教授が十四名、残り十五名が原研等の研究機関の研究者なり行政機関の担当者で構成されております。それで、大臣言われましたように、日本の安全審査というのはやはり中立的なその最高の権威の人でやるほうがベターであるというたてまえをとっておりますが、ただ、御指摘のように、大学の先生等は非常に学校の仕事のお忙しい点もありまして、これに十分迅速にやるに非常に困る場合も確かにありますので、われわれはそのための方法としてこれは審査会からもそういう要請が出ておりますが、その補助的な、たとえば調査員とかあるいは安全審査会の先生方を補佐するところの事務局的な専門職員とか、そういう人を置いて、決定は最高権威の学者等にやっていただきますが、日常そういう人たちのお手伝いをする調査員とか専門員という形のものが必要なんじゃないか。そういう意味で、今後そういう方向でいろいろ迅速化、強化という点を検討していきたいと考えております。

向井長年民社党

○向井長年君 通産、どうですか、いま言ったぼくの意見に対して。

武田康通商産業省公益事業局原子力発電課長

○説明員(武田康君) 原子力発電課長でございます。  いま原子力局長から御答弁ありましたとおり、安全審査の充実をはかられているということでございまして、私どももそういうかっこうで科学技術庁に御協力申し上げて安全の確保というものをやっていく必要があると思っております。それからなお、先ほど先生、通産省としては一日も早くということで計画を立て、エネルギー政策上、そういうことで追っかけていかないと追いつかないというふうに御指摘がございましたけれども、私どもは、先生御指摘のように、電源開発をといいますか、あるいはその中の一つである原子力開発を推進していきませんと、エネルギー政策上非常に問題があるというふうに思っておるわけでごさいますが、それの基礎になっておりますのは、やはり安全の確保でございまして、安全といいますか、エネルギー政策あるいは原子力開発を追っかけるために、安全をおろそかにしていいと、一言でいって、決して思っていないわけでございます。その意味では、原子力委員会、科学技術庁中心でなさっております安全確保のためのいろんなチェックに私どもも積極的に御協力申し上げておりますし、また、ときには補完的役割りをさせていただいておるというのが現状でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 それで長官、広く学者の意見を取り入れて調査する、これはわかりますし、われわれも賛成ですけれども、しかし、その安全審査をやっていただくその人たちが、パートタイマーでなかなか時間が取れないという問題とか、あるいは場合によれば二年なりあるいは三年で交代してしまうとか、こういう状態で、実際それでほんとうに打ち込めるのかということですよ。少なくとも、やはりそれが専門的に——いま専門員がおられると言われるけれども——専門的に権威ある学者がそれに打ち込む体制ができないのかということですよ、時間がたてば交代してほかの人に委嘱すると、こういう状態も生まれておりますね、過去において。したがって、少なくともこの時代に安全性というものが非常に必要である。それに対する審査というものに対しては、精魂を打ち込んでその人がやれるという体制を十分政府としてはつくるべきじゃないかと、こういう立場から私はその問題をとらえておるわけですが、その点はいかがでしょうか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) 確かに貴重な御意見だと思うんですが、先ほど来申し上げておりますように、一方において、研究機関としては原子力研究所、ここにおいて技術的のことは研究はしておるんですけれども、安全審査の委員会といたしましては、確かに大学の先生方、お忙しい方にお願いしている点もありまするから、ですから、それをさらに補強していくことが、人的にこれを補強していくということはこれは大事なことだと思います。いま原子力局長の申しましたように、三十人ぐらいの人たちもおるわけですから、そういう方々、かわる人ばかりではありません。わが国における原子力の最高の権威者を集めて、しかも中立的な立場においてこれをやるということは私は非常にいいことだと思っておるんでありますが、この人的の補強の問題につきましては、今後大いに研究すべき問題だと思っております。その方面は、安全第一ということを私は申しましたけれども、何としてもわれわれは飛び離れた重要な事項として考えておりますので、そのためには今後あらゆる方策を講じたいと思いますし、いまおっしゃった御意見も貴重な御意見として十分に頭に置きまして進めてまいりたいと思います。

向井長年民社党

○向井長年君 それからこれは長官なり通産にも聞きたいんですが、大体原子力発電所をつくるとなれば、先ほどもお話がありますように、一応安全性は確認され、これに対しての理解を得るような努力はする、これはいいんです。そこで、やっぱりこれ、わずかな、人体に影響ない放射能であっても、受けることは事実だと思うんですよね。そういう中から、やはりその地域において何らか立地的な、地域の諸君に潤す何ものかがなければ、これは問題があると思うんですよ。そういう問題についてやはり通産なり科学技術庁でどうすればいいか、もちろん理解はしてもらうように努力はする、あるいはまた啓蒙もする。しかしながら、持ってこられることによって、やはり何らかの放射能というものは浴びるんだ。人体に影響はない、まあ、技術的にあるいは医学的に考えてそういうように考えられても、そこに何ものか得るところがなければ、やはりこれは地域では歓迎しないと思うんですよ。ただ、固定資産税なんかがこの地域につくだろうと思いますけれども、そういう問題について、何らかやはり地域住民に、そういう立地に対する還元というものを考えられますか、また、考える用意がありますか、これは通産もあわせまして。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) いまの御意見もまことにごもっともでありまして、私どもは、原子力の発電所をつくる地域などは、つくるについては二十一世紀を先取りすると言っていいぐらいなりっぱな地域にしたい。二十一世紀のエネルギーのもとになるような地域でありますからして、そういう地域に対しましては、二十一世紀を先取りするようなりっぱな地域にしたい。日本の地方の原子力発電所をつくる地域というものの設備、社会資本の投下というものは、私はすこぶる貧弱だと思う、今日までは。そこで、いま申しましたような、ことばは適当でないかもしれませんが、りっぱなものにしまして、地域の人も原子力発電所ができてよかったと、こういうふうに考えるようなふうな対策を講じたいと思っております。たとえば東海村にしましても、東海村などは私はりっぱな場所になってきておる、きつつある、まだ十分だとは申し得ないかもしれませんが。そこで、若狭湾地帯などは、私は日本で最もりっぱな、二十一世紀を先取りするような地域にしたいと思って、また必ず私はなるだろうというふうに考えております。

武田康通商産業省公益事業局原子力発電課長

○説明員(武田康君) いまの長官の御答弁ですべて尽きているかと思うわけでございますが、私ども考えておりますことを補足させていただきます。  先生御指摘のとおり、これは原子力も、ほかの火力その他の発電もあるいは共通であるかとも思いますが、発電所の立地というのは、たとえば雇用効果などは少ないというようなことで、そのほかにもいろいろな事情があろうかと思いますが、当該立地している地域経済に及ぼす経済的な効用とでも言うんでございましょうか、こういったものが、ほかの工場その他に比べましてどうも乏しいんではないかというようなことがいわれておりますし、あるいはそれが当たっているんじゃなかろうかと思われるわけでございます。そこでまあ、私ども電源立地を促進する立場にもあるわけでございますが、ただいま申し上げたような観点、あるいは先生御指摘のような観点から、電気事業にかかわります事業税の配分方式、これは都道府県に一定の方式で配分しているわけでございますが、その方式を今度自治省その他の御協力を得まして改めていただいて、で、まあ、それはある意味の電源立地地域にメリットを——と言うとちょっとおかしな表現でございますけれども、まあそういう角度で見ますと、そう見られる措置でございます。そういったようなこともいたしたわけでございますが、そのほかに社会資本の整備その他につきまして、たとえばこれは経済企画庁所管でございますけれども、国土総合開発事業の調整費等もございますので、たとえばそんなものの活用をはかるとか、そんなようなことで一歩ずつ進めている段階でございます。まあ、こういったことを今後もさらに、いろいろ地域の実情が違いますのでいろんなアイデアを出さなければいけないかと思うのでございますが、こういったものを続けてまいりまして、先ほど長官の御答弁にあったような、二十一世紀のりっぱな地域というようなことでございますか、そういったものに近づいていく努力を私どもしているわけでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 新規の開発の問題は、これは当然やらなければならぬと思うんですが、そうじゃなくて、デメリットの還元という形で、個々個々が人体に影響がなくても、やっぱり若干でも放射能を浴びると、そういう状態に対する還元という問題については、これは個人の問題なんですよ。さらに地域の開発というのは、これは全般の問題ですからね。そういう意味で、何ものかを考えられぬのかと。たとえば、そのできた地域に起きた電力が他所に送られるでしょう。だから、地域の諸君は持ってこられたからといって何も利益がないじゃないか。村ではあるいは町では固定資産税入るかしらぬが、そういう気持ちがやっぱりあると思うんですよ。したがって、そういう場合に、たとえば——これはできるできぬは別として——まあ、そこの地域の電気料金は二割引きするとか三割引きするとか、こういう問題も一つの方策だと思うんですよ。そうすれば、おれのところは発電所つくったんだからここは電気代ちょっと安くなるんだなと、こういう感じも、これはきくかきかぬか知らぬが、生まれてくると思うんですよ。何ものかこういうことを考えられぬのかということを私はいま聞いているわけだ、これは通産関係になると思いますけれども。そういうことで、安全性の理解を得るような啓蒙とあわせて、ここへ発電所を置くために皆さんにもこういう利益があるんだぞということも、やっぱり、えさではございませんけれども、こういう問題があって皆さんも早く理解もしてくれていくんじゃないか。あるいは、そういう問題に対して非常に還元することで喜ぶ状態も生まれるんじゃないか、こういう感じもするんですよ。この点についてはどうでしょうか。たとえばの話ですよ、そういう形で何ものかを考えたらどうだ、あるいは税金の軽減ということもありますよ。

武田康通商産業省公益事業局原子力発電課長

○説明員(武田康君) ただいま先生から、たとえば電気料金であるとか、たとえば税金であるとか、そういったような個人にも渡るようなメリットというものは考えられないかというお話でございますが、何ぶん電気料金の設定のしかた、その他先生御高承のとおり、非常にむずかしい理屈とそれからむずかしい組み立ての計算によって設定されるものでございます。また税金も、私よくわからないものでございますけれども、やはりむずかしい理論とそれからむずかしい計算方式できまるんじゃなかろうかと思われるわけでございます。御指摘の地域そのものの発展、あるいは地方自治体へのメリット、そのほかにその地域に住んでいる方々値人個人へのメリット——メリットという表現は私はあんまり適切な表現であるかどうかやや疑問な感じがいたしますけれども——その人たちに発電立地に伴って何らかのものが戻っていくということは確かに必要なことであろうかと思われます。これは今後いろんな角度から慎重に検討すべき問題かと思われます。

向井長年民社党

○向井長年君 時間がございませんから終わりますが、最後に、廃棄物処理について、これはなかなか問題があったと思うんです。もうとてもこれ一、二年で飽和状態になるんじゃないですか。これに対して海洋投棄というような問題はなかなか困難がある。しからばどうしようとするのか、この点、いまどう研究されておりますか。金さえあればできるんでしょう。いわゆる、何というんですか、われわれはあまり技術的にわかりませんけれども、中性子の分解か何かやってやれるという方法もあるようですが、この点は科学技術庁として何らか方策をいま考えておられますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 発電所の廃棄物をどうするかという問題は、これは世界各国ともいま非常に鋭意検討中でありまして、日本におきましても現在は発電所の構内にドラムかん等でためておる状態で、これは非常に広い構内でありますので、数年間はだいじょうぶな状態になっております。ただ、これを最終的にどう処分するかにつきましては、陸上処分と海洋投棄という形がありますが、今年度の予算としても陸上処分の調査費を組みまして、一億数千万円の、海洋投棄のためというか、その前提となる海洋調査を気象庁、水産庁、海上保安庁等にいろいろ調査をしてもらう予算も計上して、いろんな太平洋の深いところの地点を選びまして事前調査をやる予定になっております。ただ、これは事前の調査でありまして、陸上処分が適当か海上処分が適当か、これはさらに十分な検討をしてきめるべき問題だと思います。それで、たとえば原子力の国際機関におきましても、ヨーロッパ各国もこの問題に非常に頭を悩ましておりまして、各国共同でこの問題に取り組もうじゃないかという提案もあって、日本もその有力なメンバーとして入っておりますが、まあ当分は発電所の構内でストックして、十分のスペースがありますが、いま各国とも全力を傾倒してその方法を検討しておりますので、国際的に一つの解決方法が近いうちに見つかるであろうというふうにわれわれは考えておりますと同時に、日本においてもいろんな研究開発を、あるいは海洋事情の調査とか、いろいろな予算を投じまして研究開発をやっておる状態でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 まだまだ貯蔵の余地があると言うけれども、敦賀一つ見ましても、一年に千三百本ぐらいのドラムかん、本年度で三千か四千本になると言っているんですよ、それをつくねていくんでしょう。一年にそれくらいどんどんふえてくるというやつが、それがまだまだ五年というのじゃなくて、もう一、二年で相当これは困難になるんじゃないかという見通しもあると思うのですが、それは海洋投棄の問題もあるでしょうが、聞くところによると、これは何か放射能を消すという中性何やらの分離なんかあるでしょう。そういうようなこともやはり考えておられるんですか。そういう問題に対してはやはり相当の資金が必要だと思うんだが、どれくらい必要であるのか、また、そういうものをやるとするならば、政府としても可能であるのか、まずこの点お聞きいたしまして終わりたいと思います。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 発棄物の放射能をなくする方法あるいは核種を変える方法とか、そういう研究も現在民間原産が中心になって委員会をつくっていろいろ検討をやっております。それで、これがさらに見当がつきますと、国でもいろいろな形で助成して、積極的に取り上げていきたいと思っておりますが、いま原産の委員会で初歩——最初の基礎的ないろんなディスカッションをやっておる段階でございまして、この推移を十分見まして国としても積極的に研究として取り上げてまいりたいと思っております。     —————————————

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、大橋和孝君が委員を辞任され、その補欠として西村関一君が選任されました。     —————————————

西村関一日本社会党

○西村関一君 昭和四十七年度の科学技術庁予算の重点事項別表というのを拝見いたしますと、また、科学技術庁の分掌事項につきまして、あらためて科学技術庁の現況七十二年版というものを拝見しますと、そこで科学技術庁長官といたしましては、まず科学技術振興予算、どこに重点を置いてこの予算の編成をしておられるか。どこに重点を置いておられるか。所管に従ってそれぞれまんべんなく予算を組んでおられるのではないと思うが、重点的にどの分野を指向しておられるか、その点をまずお伺いしたい。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) いまの御質問ですけれども、科学技術、この問題に触れる前に科学技術庁は一体何をやっておるのかという問題がやっぱり大事な問題で、何を目標にしてやっておるのかということが大事なことになってくると思うのです、私のほうの所掌事項で。そこで科学技術庁といたしましては、科学技術の振興全般を振興して、そうして国民経済の発展と国民生活の、国民福祉の向上ということを目的に選びまして、科学技術に関する行政全般を総合的に進めていくというのが科学技術庁の主たる任務であります。したがいまして、私どもの所掌しております事項につきまして、この予算にもありまするように、科学技術の基盤の強化、これをはかっていかなければならない。これは基礎的の研究その他、あるいは人の問題などもあるでしょうし、あるいは人の待遇の問題など、いろいろあるでしょう。それからわれわれのほうとして特にナショナル・プロジェクトとしてわれわれにゆだねられているところの、原子力の平和利用の推進の問題、それから宇宙開発の問題、海洋開発の問題、これはナショナル・プロジェクトとしてわれわれのほうにゆだねられている。そういうような点がありまするのが今日までの姿であって、それ全般について、どこに重点を置くか。全体がわれわれとして重点なんです。六〇年代と違いまして七〇年代になりますというと、科学技術の非常な高度化あるいはまた社会、経済の非常な複雑化とか、あるいはまた国際情勢も大きく変わってきている。また、国際情勢の変化の中において、わが国の置かれている地位というものが大きく変わりつつある。こういう状態におきまして、そこに六〇年代と違った新しい要請というものが出てきているわけですよね。これは、人間尊重、国民福祉の実質的の内容の今度は向上と、こういうことをはからなきゃならぬということになってまいりまするので、いままでと違った、そういう方面に対する科学技術の——われわれにまかされた科学技術庁設置法におけるところの規定というものは変わりはありませんけれども、そういう時代の要請といいますか、そういう要請にこたえなけりゃならぬという状態になってきております。そこで、先ごろ——ごく最近ですが——発表しました科学技術の白書におきましても、いま申しましたようなことに基づくところの新たなる要請、たくさん出てきております。それにこたえることが必要だ。ところが、まだ十分にこたえるまでに至っておりませんけれども、そういうきざしが出ておる。そのきざしを最も有効にリードしていく必要があると。そういう意味で、そういう関係のことも頭に置いて予算を要求して編成してまいったような次第でございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 科学技術庁で所管をしておられます科学技術会議——総理が最高の責任者であります科学技術会議というものがございます。その答申が大きく行政の面に働いておるというふうに私は承知するんでありますが、その予算を見まして、原子力開発の問題が非常に大きく取り上げられております。原子力施設に対する予算が大きいように思います。これはけっこうでございます。原子力の平和利用ということが重点的な課題になっておりますときに、このこと自身を否定するものではございません。しかし、同時に、巨大科学といわれます原子力科学、しかも、原子力施設を整備拡充するということだけでなしに、科学の基礎的な研究、基礎的な開発、そういう方面に政府は力を入れていかなければならぬと思うんであります。文部省所管の分野と関係が深いんでございますけれども、私は、日本の科学者が優遇されてない。むしろ不遇な立場で、この大事な基礎的な科学の研究開発に努力している。そういう面に対する政府の配慮が十分であるとは言えないと思うんでございます。この点、まず文部省の大学学術局からお伺いをいたしたい。日本の科学者が優遇されてないという実態につきまして私は幾らかの事例を知っておりますが、文部省のほうはどういうふうにこれを考えておられますか、まずお伺いしたいと思います。

笠木三郎文部省大学学術局学術課長

○説明員(笠木三郎君) ただいまお尋ねのございました学者の優遇という問題でございますが、これは優遇という意味につきまして、たとえば給与というところでどういうふうになっているかというようなお答えを申し上げたいと思いますが……

西村関一日本社会党

○西村関一君 簡単に、そして大きい声でやってください。

笠木三郎文部省大学学術局学術課長

○説明員(笠木三郎君) たとえば日本の学者の給与の問題でございますが、国立大学を例にとって申し上げますと、教官の給与につきましては、大体、たとえば一般行政職の上級乙の合格者と比べまして、一〇%ないし二〇%近くの上位の給与を受けているというふうな例がございます。その他、研究費等につきましては、これは現状が決して十分だとは存じておりませんけれども、毎年努力をいたしまして、逐年その研究費等の増額もはかってきておりますので、全般としてどうかということにつきましては、国際的な比較という問題もございましょうけれども、今後の努力は必要といたしましても、かなりのところまでは、その処遇等につきまして努力が積み重ねられてきておるというふうに理解しております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 国際的な比較の点に触れられましたが、私の調べたところによりますというと、日本の大学の教授の待遇はフランスの五分の一、アメリカの十分の一の給料であります。最近、大学の教授、特に自然科学の領域で研究をやっている学者たちが、その研究に甘んじて打ち込むことができる状態になっているか。——なぜこういうことを私が申し上げますかといいますと、ある学者の人たちが集まっております会議に出ました。その会が、わずか一カ月百円の会費を上げるということに対して、一時間も議論をした。上げられぬと、たとえ一カ月百円の会費でも上げてもらったならば困るという意見が学者の方々の中から出ました。その一事を見ましても、私は、幾つかの会に関係しておられるからそういう意見も出るんだろうとは思いますが、わずか百円の会費を上げるという原案に反対なさる、そういうことでありました。この点、学者を優遇しなければ、私は、大臣がいま言われたような、七〇年代のわが国の果たすべき役割り、科学技術の面において果たすべき役割りということは十分にできないと思うのです。その点、もう一度、文部省の見解を承っておきたいと思います。

笠木三郎文部省大学学術局学術課長

○説明員(笠木三郎君) ただいま先生の御指摘になりました学者の優遇という問題につきましては、全くお説のとおりだと思います。先ほど申し上げましたように、文部省といたしましても、特に基礎的学術については、大学を中心とした研究の振興が必要なことはこれはもう自明のことでございますので、その点につきましては、教官の給与の改善、研究費の増額等につきましては、逐年努力をしておるところでございます。なお、今後ともその方向に向かって努力を重ねていきたいというふうに考えております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 科学技術庁の所管であります東海村の原子力研究所でありますが、私は新聞で、この研究所の所員が論文を発表しようとした。これは海洋汚染と申しますか、そういう問題を取り扱った論文を発表しようとした。原子力開発に基づく海水の汚染、——海洋じゃなくて海水汚染の問題、それがストップをかけられたということを新聞で読んだのであります。これは一体どういう事情であったのですか。担当の方からお伺いしておきます。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 原子力研究所の職員の人が海洋汚染の講演を依頼されて、それを所側がストップしたというお話でありましたが、おそらくこれは去年の十月の十五日、仙台の北日本漁業経済学会大会という学会の大会で、「原子力と漁業公害」というテーマで講演を、原研の東海研究所の職員二人の名前をあげまして、研究所側に二人の講師を派遣してくれないかというケースがありまして、これにつきましては、原研のほうでは、名前を指定してきました人が、特に漁業公害、海洋公害についての専門家ではないという判断で、これは所に対しての依頼でありますので、所ではテーマの専門家ではないという理由で推薦できないという返事をしたケースがありますが、おそらくこのことではないかと思います。それで、原研はもちろん原子力基本法によって公開の原則等も当然守る機関でありまして、そういう依頼に、研究の成果は理事長の許可のもと就業規程で発表させておりまして問題ないんでありますが、このケースにつきましては、漁業公害という研究テーマが、向こうが指名してきた人のやっている仕事との関連で適任者ではないという考えで、所側がその依頼にこたえて派遣することができなかったということの理由と思っております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 別の方を派遣されたんですか。そしてその結果は発表せられたのですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 原研の話によりますと、依頼が非常に開催日に間近であって、ほかの人を選ぶことも十分時間的にもできなかったので、ほかの人は派遣しなかった、そして依頼の二人はお断わりして、ほかの方の推薦もできなかったというふうに聞いております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 せっかく漁業組合が依頼しているんでありますから、海洋汚染の専門家でないという理由で依頼の派遣に応ずることができなかったと言われるのでありますが、少なくとも、この原研に勤務しておられる方です。その立場から研究成果を発表する、そしてまた漁業家に対して啓蒙するということに対しましては、私はむしろ進んでこれに応ずるべきではないかと思うんであります。そういうところにやはり私は一つの偏見が働いたのじゃないか、何らかの偏見が働いたのじゃないかということを問題にせざるを得ないのであります。純粋な科学的な立場で研究を発表するということに対して他の理由が差しはさまれるということは、これは原研としても、科学技術庁といたしましても、慎まなければならぬことじゃないかと思うのでございます。そういう点について大臣はどういうふうにお考えですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) いまのお話だと、この問題について何か偏見を持っているんじゃないかというようなお話がありましたけれど、そういうことは私は全然ないと思うんですよ。原子力研究所、またそこの所長たる者は、たとえば原子力と海洋の公害という問題について話を聞きたいということであれば、これは適当な者を派遣するべきであると私は思っております、そういう依頼を受けたならば。しかし、いま原子力局長からお話し申し上げましたように、特定の人を、こういう問題、テーマについてこの人を派遣してくれと言われた場合に、原子力研究所の所長は、これはそのほうの担当の人じゃないからと言って断わったということ、これは私は理由のあることだと思いますね。私は、所長としたら、やっぱりそのくらいの責任を持ってものを処理してもらわなければいかぬ。そういう問題を依頼されたのに、それを担当でない者をだれでも派遣するという所長なら、私はそれをむしろ糾弾すべきだと思います。そこが私と西村先生とはお考えは違うかもしれませんが、私は偏見は少しも働いておらない。ただ、かわる人を出す余裕がなかったということでありまするので、これは私は、それは時間的の余裕さえあれば、そういう問題について依頼があれば、それは当然出すべきだ、かように思っております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 私は、誇り高き長官がおっしゃるんですからあなたが偏見を持っていらっしゃる、また、あなたの関係のこの研究所の所長が偏見を持っているというふうに断定しているんじゃありません。ただ、そういう疑問を一般の国民に与えるんじゃないかという心配をいたしますからあえて御質問申し上げたんであります。向こうが指定してきた特定の個人、研究所員が不適格であるということについては、向こうもおそらく、向こうが指定してきたんでありますから、はっきりした理由を述べられなければ釈然としないだろうと思います。また、新聞報道によって承知いたしております国民といたしましても何か割り切れないものを感ずるのじゃないかと思いますから、私は科学技術庁のためにも、研究所のためにもあえてこのことを伺ったんでありますから、私の質問の趣旨も御理解をいただきたい。御答弁はけっこうです。  それから次は、科学技術特別委員会においても問題になったかと思いますが、福井県の大飯原子力発電所の問題、関西電力の原子力発電所の問題、私は昭和三十四年の衆議院の科学技術特別委員会の当時私は委員をいたしておりました。そのときのことを記憶いたしておるんでございますが、この問題について附帯決議がついておりますことは長官も御存じのとおりでございます。これは、この附帯決議をつけましたときには、私もこの委員会におりましたのでよく承知をしております。これは資料の公開と公聴会等を開く。「等」というのは、これは公聴会及び何々と、公聴会を否定する文言ではございませんでした、あのときの附帯決議の精神は。で、公聴会を開こうという要求に対して、長官は、これを開いたらいいじゃないかというようには現在はお答えになっておらない。それはあの附帯決議の精神から申しましてもいかがかと思うのでございます。現地で問題が起こっておるのでありますから、資料を公開する、あるいは公聴会を開くということに進んで応ぜられたらどうかと思うんですが、いかがでございますか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) いまの附帯決議、私も承知しております。この問題はもうたびたび議論もされておるのでありますが、あの附帯決議当時、たしか高碕国務大臣だったと思うのですが、附帯決議の趣旨はひとつ尊重しますということを政府として答えておられます。それから私に対しましても——私は高碕国務大臣がそう言っているんだから、別に政府としてそれ以上つけ加えることはないんだから必要はないじゃないかということであったんですけれども、私の口からもそのことばを聞きたいということでございましたので、先般私も、その趣旨は十分に尊重すると、こういうことを申し上げました。  そこで、私は、この原子力の問題につきましては、基本的の態度として、これは大事なエネルギー源である。しかし、これは同時に危険を伴うものだから安全第一ということを考えなきゃならぬ。しかも、それは科学的に安全第一をまず確かめるだけでなく、社会的にも安全性をひとつ理解してもらわなければならない。そこで、そのためには私は最善の努力をするということを申し上げておるわけなんです。そういう前提に立って私はこれからお答えするんですけれども、実はこの大飯の発電所の問題は、原子力委員会におきましては、安全専門部会から、これは安全だという報告を受けておるわけなんです。しかし、私は、その問題について、直ちに大飯のほうを認可をするとかなんということはしておらないんですよ。というのは、私が先ほど申しました趣旨に従って、地元の理解と協力を得なければならない。それには、私より、私がここにおって何か言っているよりも、地元の県知事が、非常な利害関係もあるし、最もよく理解できる人であるというので、私は知事に対して、ひとつこの問題で地元の人たちの理解を得るようにしていただきたいということを直ちに向こうにも申しまして、それから私は何もしておらないんです、私自身としては。ところが、知事がいろいろ骨を折ってくれまして、そしていままでこの反対の一番の旗振りであったところの町長、それから業者——企業家ですな、すなわち関西電力などもみな知事のもとへ集まって相談して、その結果——まあ、いろいろありまするけれども、いまこれに関連することを申し上げれば、お互いにこれはひとつここは研究してみようじゃないかということで、その前提として、賛成と反対の運動はしない、という一カ条入っておるんです、はっきり。それを知事のほうから、こうこうこういう条件でひとつ話を進めていくからというふうに言ってきました。で、そういう状態になっておる際に、私は先ほどの附帯決議の趣旨は十分理解しておりまするけれども、この問題について公聴会を開いて反対と賛成の者をやらせるということを私の口からいまここでこの問題に触れることは時期が適当でないと。私はこの問題については、したがいまして、お答えを差し控えさしていただきたい、いまの段階においてはですね。それは西村先生は十分御了解願えると思います。

西村関一日本社会党

○西村関一君 いま、公聴会などを開くのは適当な時期だとは考えない、現地の情勢から見てそうだと、知事との話し合いもある、こういうことで、しかし、この附帯決議の精神は尊重していく、こういうふうにおっしゃったと思うのであります。その点を私は確認さしていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) いまこの問題に触れることは適当な時期でないからお答えを差し控えたい、私はかように申し上げたいと思います。

西村関一日本社会党

○西村関一君 わかりました。  最後に、先ほど来大臣がしばしば言われます七〇年代の科学技術の振興開発という点につきましては、学者を重んじなければならない、専門家を大事にしなければいけないということを文部省の担当政府委員にも私申し上げて意見を聞いたわけであります。また、私の質問の中でも触れたんですが、何といっても人の問題です。日本では学者が優遇されてないという点につきまして、これは大臣の担当の事項でないかもしれませんが、しかし、やはり国務大臣として、科学技術の振興に責任を持っておられます大臣といたしまして、この点、少しく日本の行政が前向きになるようにお考えをいただきたいと思うのです。最後にその一点だけ申し上げまして、御所見を承って私の質問を終わりたいと思います。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) いまお話しの点は科学技術庁といたしまして非常に大事な問題であります。その問題をお触れになっていただいたことは、むしろ、私どもとして感謝しなければならない問題だと思うんですが、私どもこの研究者の待遇の問題については心を砕いておるのでありまして、そうして熱心に人事院のほうに働きかけました結果、民間の研究者との格差がいままであったのが、だんだん、少しずつですけれども縮まってきている。それは統計にはっきりあらわれておりますが、私どもは、今日まで縮まってきた程度で満足しておるわけじゃありません。今後におきましてもその点に大いに力を入れてまいりたい、かように思っておりますので、この上とも御支援、御鞭撻を願いたいと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 私は、原子力行政に関連して二、三の問題についてお伺いしたいと思います。  第一は、原子力発電所の工事認可の問題についてでありますが、具体的な事例についてお聞きいたします。  東海村に設立を計画されております日本原子力発電株式会社の三号炉、いわゆる東海二号炉は、設立の手続としては現在どういう段階にいっておるのでございますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 日本原子力発電株式会社の東海二号炉——原電としては三番目ですが、東海二号炉につきましては、ことしの十二月に、電源開発調整審議会の議を経ましてその電源開発計画に組み入れられております。そして、ことしの二月に原子炉等規制法に基づく原子力発電の設置の申請が科学技術庁に対してなされて、現在、安全審査会において審査中でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 それは昨年十二月ですね。  工事に着手するのは、その安全審査にパスして、それを原子力委員会が承認してからでございますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 規制法によって許可の対象になりますのは、原子力施設——原子炉関係の施設でありまして、そういう工事の着工は規制法の許可がないとやれないのでありますが、ただ一般的にその原子力施設の着工前に行なわれますところの整地とかそれから若干の土木工事とか、そういうものは原子炉の規制法の安全審査を経た上の規制法による許可前に行なわれるのが通常でありますが、それはまあむしろ地元と事業者の間でいろいろ相談して行なわれている状態だと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 すでに工事に着手しておる——工事というのは、いま後段で申されたような工事だろうと思いますが、それがすでに始められているということで地元で問題になっておるわけであります。御承知だと思いますが、その問題で岩上茨城県知事が「見切り発車のような工事はやめるべきだ」と、こう原電に警告したことが新聞にも報道されております。知事が言うぐらいですから、地元として、いまおっしゃったそれに対する承認を与えておらないと思うわけであります。三月の村議会で村長が原電に聞いたことを報告しておるそうでありますが、それによりますと、会社側は、四月に事前着手すると、こう言っている。村長が通産省について調べたところ——これは発電課だろうと思いますが——通産省もやむを得ないとして認めておるということであります。会社側は、地質調査は安全審査の資料を提出するにはボーリングだけではだめなので、炉の部分を岩盤まで掘さくしなければならないのだが、それについては通産省の認可を受けておるという態度でありますが、そういうことでしょうか。

武田康通商産業省公益事業局原子力発電課長

○説明員(武田康君) お答え申し上げます。  東海発電所の現状は先ほど原子力局長からお話をしましたとおりでございまして、一部の準備的な工事をしているようでございます。私どもも新聞等を読みまして、そのあと調べましたところ、やはりいままでございました倉庫の建物内の撤去とか、あるいは芝をはぎ取ったり、またはその下の倉庫の基礎になるような部分のコンクリート等をはぎ取るとか、そんなたぐいの準備工事をしているのが現状のようでございます。  それで、先生御指摘ございました、村議会で通産省の認可を受けてこういうことをやっておるのだというようなことが話題になったということでございますけれども、私どもで行ないます許認可のまつ先の許可は、ちょうど先ほど原子力局長のお話にございました原子炉設置許可と同時に行なわれる電気事業法上の許可でございます。許可に先立ちまして私どもが認可というようなことをすることは決してございません。したがいまして、これは半ば私の想像が入りますけれども、許認可に先立ってやっていいような準備的な、先ほど申しましたような整地工事等につきまして、あるいは発電所の人が国の、何といいますか、法律上のことばは必ずしも十分知らずに、国の許しを受けているんだというような御説明をしたのかなというふうにも想像いたしますけれども、事実関係といたしましては、私ども認可というような行為はいままで全くいたしておりません。

星野力日本共産党

○星野力君 東海二号の場合は倉庫などの原子炉予定地の上にある倉庫などの建造物をこわしたり、そのコンクリートの基盤をはぎ取ったり、芝生をはぎ取るとか、あるいは穴掘りもやっておるのではないかと思いますが、そういうことは、先ほどの原子力局長の御発言ですと規制法許可前に行なわれるのは通常行なってよろしいのだとこういうことになるようでありますが、確実にそうですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 規制法の対象になる工事は大体岩盤の工事から対象になると思いますが、現在われわれ聞いております東海二号炉において発電所の構内、これは従来の一号炉の構内でやっておることでありまして、倉庫や建物の撤去とか、構内の芝の一部をはぎ取って若干の穴の形になっているのじゃないかと思いますが、その程度なら、これは岩盤工事とは言えないと思われますので、規制法の対象工事とは考えられない、まあ、これは規制法に反する工事とは考えられないと思っておりますが、ただ、実際どの程度までやっておるかは、われわれ実際をまだ見ておりませんのではっきりわからぬのでありますが、会社側から聞いている範囲では、それは事前の準備工事としての範囲内のものと考えられます。

星野力日本共産党

○星野力君 この規制法の二十三条、ことに二十七条には「原子炉施設の工事に着手する前に、原子炉施設に関する設計及び工事の方法について内閣総理大臣の認可」とこうなっておりますが、土地も炉や建造物と一体であるからには原子炉施設と見るのが正しいんじゃないか。私は、これはこういう工事着手は原子炉規制法にもまた電気事業法にも違反すると思うんですが、科学技術庁としては、あるいは通産省としては、そうでないという御見解ですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 土地の入手あるいは土地の整地等がわれわれは規制法にいう「工事」とは考えておらないのでありまして、ただ、実際の申請にあたって記載事項としては、土地跡の範囲、面積、どこにあってとか、記載事項としては規制法で申請の際に書いてもらいますが、規制法の規制の対象工事としては、事前の整地とか、土地の購入等は対象と考えておらないのであります。

星野力日本共産党

○星野力君 当局の法律解釈はそうだとしましても、こういうやり方が実際に地元に不安や反発を呼び起こしておるわけであります。で、会社側がこういう工事を進めるのは、法律解釈は別としましても、原子力委員会の許可を先取りしての行動であるということは、これは明らかだと思います。原子力委員会は許可するにきまっておる、そういう考えが前提になっておると思うのです。言いかえますと、原子力委員会が企業のほうから足元を見られておる、そういうかっこうではないかと思います。こういう例はまあ原子力局がいまのような解釈でもって指導しておられるとすれば当然のことかもしれませんですが、東海二号炉だけでなしに、もうたくさんのところでそういうことがやられております。私たちのところへもたくさんそういう問題について手紙などがやってきておりますが、福井県の美浜三号炉に対する原子力委員会の許可は三月十日でありますが、工事は昨年十二月十五日ごろからやられておる。これも、いま成田局長が御発言なさったような趣旨で差しつかえないと、こういうことでございましょうか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 私の申し上げましたのは、規制法の法律的な解釈を申し上げたのであります。そういう意味では、これは法律の解釈としては従来からそういう解釈であるし、そういう解釈で間違いないと思いますが、ただ、御指摘のように、原子力委員会に申請を出したら当然許可になるという、そういう先取り的な気持ちで見切り発車——知事がおっしゃったという——見切り発車的な工事をやるとしたら、それは非常に重大な問題で、これは厳重に改めてもらわぬといけないと考えます。ただ、われわれが会社から聞いているところでは、会社のやっておるところの工事は、事前の準備工事の範囲内にとどまるというふうに解釈しておりますので、その点は問題ないと思いますが、ただ安全審査のために必要だとか、そういうことを一部の人が、会社の人が言ったとしたら、それは非常に間違いであって、厳重な注意を促したいと思います。  それから、ただ、美浜、大飯等についても、事前の準備工事について地元といろいろな問題を起こしているケースもありまして、これは厳重に避けるべきことであって、地元と十分話し合って——法律以前の工事でありますが、話し合ってやるべく、そのために現に大飯につきましては、知事のあっせん等において、橋梁等の工事の準備工事が一時中止と、そのかわり反対運動もしないというようなあっせんによって、いま大飯についてはそういう状態にありますが、これは、まあ地元と円滑な関係を保って準備工事を円滑にやっておくということが一番必要なことであって、無用な混乱を起こすことは非常に避けるべきだと考えております。

星野力日本共産党

○星野力君 美浜三号炉のほうからお尋ねしますが、ここでの工事着手が一月末の町議会で問題になりましたが、町長と誘致賛成派の議員が、町議会の結論の出ないうちに電力会社——関西電力と交渉して、会社側に町の振興計画に協力するという名目で五億円出させることにした。その交渉の際に三号炉の工事着手を承認したらしいということが伝えられておりますが、その辺のいきさつについて御存じでしたら御説明願いたいと思います。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 美浜三号炉の工事について、私いまちょっとデータ持っておらないのでありますが、いろいろ町議会等に問題があったことも聞いておりますが、ただ、われわれ聞いておりますのは、町長なり町議会の誘致等によって立地をきめまして、そして準備工事も町議会、町長等と綿密な連絡、了解のもとにやっておったと聞いております。ただ、町民なり町議会の一部の反対もあって、いろいろなトラブルがあったと聞いておりますが、形としては、地元の代表者の了解を得て関西電力の準備工事がなされたのではないかというふうに考えております。

星野力日本共産党

○星野力君 まあ、美浜三号炉の問題で関電が五億円出す約束をしたというのは、これは事実であろうと思います。いかにも関西電力のやりそうなことであります。何でも金で解決しようという、そういう態度。私が言いたいのは、原子炉の安全までも金が買われるようなことになってはたいへんであるということであります。  大飯のほうは、いま成田局長からもお話がありましたが、ここはまだ原子力委員会の許可は出ておらないわけでありますが、やはり地元の反対を横目に見ながら伐採、地ならしなどの工事はすでにやってきたわけであります。こういうことでは、原子力委員会の安全審査がいかにも形式的なものだと、結論としてはパスするんだと、こういう印象、この原子力委員会の権威にかかわるような印象を一般に与えてしまうんじゃないか。許可もないうちに——これは厳密には法律に違反ないと、こうおっしゃいますが——工事を始める、既成事実をつくっていく、それを見のがしておるようなそういうやり方が、私は原子炉や原子力発電所の安全そのものにもかかわってくるというふうに重視せざるを得ないんであります。まあ、たびたび言われますように、いまあげたようなところでは、百万キロワット以上の大型原子力発電、日本としてはもとよりでありますが、世界でもほとんど経験のない事業に取り組んでおるんでありますから、なおさらこれは慎重でなければならぬ。厳密にいえばこれは法律違反ではないと、こうおっしゃいますが、その辺のところを、法規を特にこういう問題では厳格に守っていく。ただ形式的に法律違反じゃないと、こういう解釈で見のがすんじゃなしに、厳格にその辺のところはやっていただきたいと、こう思っておるわけであります。  十九日に原研の東海研究所で発生した事故の内容と原因について、ごく簡単でよろしゅうございますから、御説明願いたいと思います。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 今月の十九日に原研の東海研究所の中におきまして、廃棄物、ホットラボからパイプで廃棄物を流しておるところのバルブの締め方が問題があったという原因だと思いますが、そこから廃液がかなり出ておることが巡視の結果わかったわけでございます。それで、当初原研としては、それほど大きな——たいしたことはないという考えだったと思いますが、役所当局その他へ連絡が若干おくれて、役所等が知りましたのも次の日になっております。それで、その後いろいろ調査した結果、その廃液もかなりの高いものであるということがわかって、あとで報告等があったんですが、われわれは原因はまだ調査中で、どうしてバルブが締めてあるべきのが開かれてそこから出たのかという原因が不明でありまして、現在調査中でありますが、そういう施設の点検において手落ちが——十分でなかったということを厳重に注意して、今後二度とそういうことのないように厳重に注意するとともに、最初非常に簡単に考えて連絡がおくれるということは、安全性を担当している原研のたてまえからも非常にゆゆしき問題としてわれわれ厳重に管理者に対して注意をしておりまして、二度とこういうことのないように十分な注意を行なっております。

星野力日本共産党

○星野力君 今度の事故につきましては、まだ原因も十分はっきりしておらないということでございますから、その辺が明らかになった上でまたあらためてお尋ねしたいと思いますが、とにかく原子力事故というものは起きるわけであります。管理のネジがゆるめば事故が起きる。私、法規が守られれば事故が起きないと申すのではありませんが、少なくとも法規は厳格に守らなければならない。私は、原子炉規制法にしましても電気事業法にしましても、この点では、先ほど成田局長が申されるような融通のある解釈でなしに、一切の事前工事、これはいけないんだという強い態度で、そういうふうに解釈して、そういうふうに指導していっていただきたいと思うのです。そうして、それに違反するようなことは絶対に許さぬ、その間また行政管理の面でもいささかのずさんも許さないと、こういうふうにいかなければ、六十年には六千万キロワットの原子力発電という、こういう大事業をやっていく。不測のことも私は考えておかなければいけない。そのぐらい厳重にやっていただきたいと思うのですが、長官、その辺どうでございますか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) 私は、先ほど来たびたび申し上げてるんですが、原子力は非常に大事なエネルギーでありますが、同時に危険も伴うから、何としてもまず安全第一、これを基本の方針としてひとつやらなければならぬということをたびたび申し上げておるんですが、私はいつもそう考えておる。そのためには、われわれとしては最善の努力をしなくちゃならぬ。また、その地域の住民あるいは一般から疑惑を持たれるようなことがあっちゃいかぬと考えまするので、いまいろいろお話がありましたが 疑惑を持たれたり、あるいは安全審査に対しても疑惑を持たれるというようなことがあれば非常に困りまするので、そういうことのないように最善の努力をいたしたいということを、この機会に申し上げます。

星野力日本共産党

○星野力君 私は一切の事前着手、事前工事というものをやめさせる。また、それがどこでも問題の種になっておるわけですからね、かえってこれは計画の進捗をおくらせる結果になると思うんであります。一切のそういうものをやめさせるようにひとつやっていただきたいと、こう思うわけであります。  次の問題でありますが、原子力委員会は四十年の八月に「東海地区原子力施設地帯における都市計画に反映さるべき土地利用の基本計画」というものを策定されておりますが、これを策定した目的は何であったのか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 原子力委員会が四十年の委員会決定によりまして東海地区における地帯整備の方針を決定しております。そうして、この目的は、御承知のように、東海地区におきましては原子力研究所、あるいは当時は燃料公社等の政府関係の研究施設が非常に集中しておりまして、そういう意味で事業所に隣接する地域の住民の安全に支障がないよう環境の整備をはかるとともに、万が一もしも事故でもあった場合には、周辺における一般住民の不安を取り除くという目的のために、道路の整備とか、それから公園等の緑地の確保とか、あるいは民間に有線放送を設置するとか、そういう広報施設の整備等の総事業費約十八億円ぐらいの規模のものを考えて東海地区の地帯への整備を行なう必要があるという趣旨でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 昨年七月その計画の補正事業がきめられておりますね。どういういきさつでこの補正がやられたか。また、その補正によって基本計画がかなり変更されております。そうして、その理由として、この土地利用の需給現象等の変化によって云々というようなことがあげられておりますが、その意味ですね、それを簡単に説明していただきたいと思います。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 四十六年——去年の七月に原子力委員会で、まあいわゆる第二次の地帯整備の計画の決定をやっておりますが、これは、先ほどいいました第一次の地帯整備の計画が、まあ物価の上昇等の原因で約十三億円ぐらいの事業がまだ整備されないで残っているという事情が一つあります。  それから第二番目の事情として、その後動燃事業団が東海地区において再処理工場の建設に着手したということ、それから大洗地区において原研の材料試験炉とか動燃の事業団の大洗工学センター等の新しい建設が行なわれたと、こういう二つの事情から、新しく昭和四十六年度を初年度として五カ年にわたり第二次の東海大洗地区の地帯整備計画を行なうという決定でございます。それで、従来と違いますのは、従来は東海地区だけでありましたが、今度は動燃、原研の施設もありますところの大洗も対象にしたということ、それから若干の対象工事も、下水道等も対象にしておりますが、大体そういう事情でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 この補正事業では、基本計画で緑地計画地になっておりました、そして現在も緑地の——これは何と読むのですか、平原(ひばら)台地でございますか、ここを工業地域にする計画になっておるようであります。基本計画では、原子力施設からおおむね二キロまでを原子力施設隣接地区として「つとめて人口の増加を生じないように」することになっておりますが、平原台地は核燃料再処理工場から一キロないし二キロの地域と見受けます。補正事業ではここを工業地域として古河電工の燃料工場をつくる。時間がないから私申し上げますが、地元では非常にこれに不安を感じております。そして地元の意見としましては、海岸地帯に国有地も県有地もあるのだから、どうしても工場をつくるなら海岸地帯につくれと、こう要求しております。また、再処理工場と平原台地の間には二百三十戸ほどの部落がある。これも問題なのでありますが、先ほど当初の目的の中に含まれておる、また、大きな目的項目だと思いますが、安全な環境という点からも解せないのでありますが、この点の計画の変更はどういうお考えからでありますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 先ほど述べました第二次地帯整備も県の計画を基礎にやっておりますが、その緑地計画等も県の計画として従来立てられておったものと考えられます。したがって、われわれは、その点の解決は県がやっていただけるものと考えておりまして、県ともいろいろお話し合いはしておりますが、ただ、そこにいろいろな燃料関係の工場等ができましても、従来の県の計画との関係も配慮しないといけませんが、その周辺に対する放射能汚染のないように安全性が十分確保されるかどうかというのは、安全審査会等において厳重な審査をやってはじめて安全であるという確認をされて認めるということになりますので、まあ、学問的な問題としては、安全的でない限りは認めない、認められた場合には心配ないのでありますが、緑地の問題等は従来からの経緯がありまして、これは県とよくわれわれも相談して善処したいと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 この平原台地だけではございません。基本計画で公園緑地計画になっておりますところの天神山緑地、ここを住宅地域にしようとしておるようであります。天神山は再処理工場からは約一キロの地点であります。基本計画ではここを風致地区にして霊園などもつくることが考えられていたようでありますが、ここに茨城交通、日立電鉄が千五百戸ぐらいの住宅を建てる計画だといわれております。そうでしょうか。御存じでしょうか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 私はその具体的な計画はまだ聞いておらないのであります。

星野力日本共産党

○星野力君 これは早くこういう情報をキャッチして、これはやはり大事なことだと思うのですよ。で、先ほど県の計画だということを言われましたが、県の計画あるいは新都市計画法という問題もあると思いますが、原子力委員会としてはそれらの計画をうのみにしてしまったんではいけないと思うのです。ここでも、安全よりも地域開発、産業開発が優先している、優先するというような結果になるとこれはたいへんであります。で、住民の安全、保健、風致を犠牲にして産業開発、地域開発が優先されておる。私はこの補正事業においてはその感を強くするのでありますが、言いかえますと、安全よりも大資本の利益優先、それが原子力問題に関連してやられようとしておるところに一そう重大な問題があります。こういう姿勢を根本的に改めていく必要があると思うんでありますが、長官どうですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) お話があるまでもなく、原子力の施設を設ける場合には、その環境に対する影響等も十分に考えて、そうして地域住民の理解と協力を得てこれを進めなければならない。万一非常な障害のあるようなことがあるということになれば、これはやはり問題だと思うのです。そういう点につきましても今後十分注意をしてまいりたいと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 原子力発電をめぐりまして住民の不安、地元の反対が至るところに生じておる。で、官庁、企業ぺースで計画が進められて、ともすれば住民が置き去りにされておるわけであります。そうなると、反対が起こるのはこれは当然であります。先ほども申しましたが、六十年までに六千万キロワットの原子力発電を実現するという計画でありますが、住民の反対の中でそれがスムースにやれるとお思いになるかどうか。膨大な原子力発電計画の将来を考えるならば、いま長官もおっしゃっておられるように、どうしても住民の理解と納得、協力が必要であります。だから、むしろ住民の監視のもとに、住民の協力を得て、原子力発電の安全を守っていく、そういう姿勢が必要ではないかと思います。まあ、その見地からも、私は、先ほど来問題になりました現地公聴会を開くなどというのは当然のこと、それをむしろルールとして確立していってこそ、こういう膨大な計画を順調に進めることができると思うんでありますが、それをお聞きしまして……。  私、まあ大飯町で四月十八日に説明会が開かれたそうでありますが、あの説明会についてもいろいろ報告が来ております。現地では、あれは決して公聴会にかわるものではない、公聴会の問題というのはそれとは別にどうしても開いてくれという要望が強いようでありますし、また、静岡県浜岡の二号炉につきましても、いろいろ地元の反対が出てきております。その辺の問題についてもお聞きしたいんですが、時間がございませんから、先ほど申しました住民の理解と協力、そのためにも住民の協力を得てこの事業を進めていく、そういう姿勢をつくっていくこと、そういう見地からも現地公聴会、こういうものをひとつルールとしてやっていくべきではないかという点について、もう一度長官の御見解を聞いて私の質問を終わりたいと思います。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) 先ほども西村委員にお答えしましたように、私は原子力の安全性、科学的な安全性を第一にして、そうして、それだけでなく、社会的の安全性というものを大事にしていかなければならない。そのためには、いまお話にありましたように、地域の住民の理解と協力、これがなければ今後原子力の平和利用を一そう推進していくことは困難だと思いますので、そういう面について最善の努力をいたしてまいりたいということを重ねて申し上げておきたいと思うんです。それにつきましては、いまこの件についての公聴会の問題ですが、これはさっきも申しましたように、知事のほうで両方の人々を集めて、ことに反対のほうの旗振りであった大飯の町長なども集まりまして、それでは今後とにかくこの問題をよく研究しようと、それについては、反対とか賛成とかいう意見の戦い、運動をひとつこの際差し控えようという申し合わせをしておる際でありますので、この際私は公聴会の問題について私から触れることは差し控えさしていただきたい、こう思っておるわけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 私は終わりますが、いま私が公聴会のことを申し上げましたのは、大飯の問題だけではなしに、全国的にこの要望が出てきておるわけですね。だから、そういう意味で申し上げたんです。これを全国的にひとつルールにしていくと、そういう心がまえでやっていただきたいということなんですが、時間がないから、これはまた引き続きお尋ねしていく、こういうことにいたしましょう。

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) 他に御発言もなければ、以上をもちまして科学技術庁に関する質疑は終了したものと認めます。  午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十四分休憩      —————・—————    午後一時三十七分開会

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) ただいまから第四分科会を再会いたします。  分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、向井長年君、星野力君、藤原道子君、田中寿美子君及び西村関一君が委員を辞任され、その補欠として萩原幽香子君、河田賢治君、杉原一雄君、加瀬完君及び宮之原貞光君が選任されました。     —————————————

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) 昭和四十七年度総予算中自治省所管を議題とし、質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次御発言願います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 私は、予算の総括、一般、そしていま分科会の段階ですけれども、おしなべて一貫したぼくの問題点は、新全総の改定ということであります。これは総理も企画担当の木村長官もそのことを認め、作業に入っているのでございますが、そうした中で、農政の問題は明日やりますが、きょうはこれから公害問題でそれぞれ担当の大臣なり長官に御質問するわけですけれども、いまは地方公共団体と公害行政という問題にしぼって質問をやりたいのですけれども、冒頭に、通告はしてなかったんだけれども、先般来地行でもと思っておりながら質問を差し控えておりましたから、簡単でいいのですけれども、最近、週休二日制の問題が地方公共団体にあるいは愛媛その他で導入される方向が出てまいりましたので、こうしたことに対してどのような基本的な指導方針を持っておられるかということを簡単にお願いしたいわけです。と申し上げますのも、愛媛方式もりっぱなものと私は思いません。ただ、ここで気がかりになるのは、かつて加納知事が千葉県方式を出したときに、中央の自治省の指導方針としてこれをとめてしまった。つまり、地方公務員と国家公務員とのバランスの問題が、立法上の法的な規制の関係からこれを差しとめにしたという経過があるわけです。でありますから、こうした問題等について現在時点における自治省の指導方針はどういう方針で臨むのか、これは簡単にお伺いしたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 前の千葉県方式のときのこととあわせましてのなにでございますが、今日、週休二日制の問題は強く各方面において叫ばれるところでございますので、私たちといたしましても、この点につきまして前向きで対処しますように検討をしていかなければならないと、このように考えております。  ただ、地方公務員の場合におきましては、住民へのサービスということも根本に置いておかなければいけませんし、また、他面、民間の動きあるいは国家公務員等の関連もございますので、軽々にすることはできないと、こういうように考えております。私、つぶさには存じ上げませんが、千葉県におけるときに措置に対しまして自治省が消極的な態度であったといいますのも、そういった点の配慮があったために消極的であったのではなかろうかと思います。今回の愛媛県の措置に対しましては、特に土曜日の勤務を午後にまで及ぼすというふうな姿で、勤務時間そのものにつきましての変更等がなく、しかも、住民サービスという点につきましても十分注意を払っての措置でございましたので、私たちは、これを承認すると申しますか、積極的な姿でこれに対して対応し、その成果を見守っておるというふうな姿でございます。  なお、週休二日制に対応するためには、各地方自治団体に対するところの勤務状態なり住民サービスに対する事務のあり方等につきまして毎年調査等を行なっておりますが、週休二日制実施を行なう場合の考慮もいたしまして、本年度は調査をいたしたいというふうなことも考えておるような次第でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ただ、千葉県の場合は、いま大臣が申したようなやわらかい問題じゃなくて、あくまでも地方公務員法の国や他の地方公共団体との均衡を失い云々と閣議で決定をしてこれを自治省から指示してとめたわけですね。きわめてきつい姿勢にあったんです。だから、労働環境とかいろいろ変わりますから、いま大臣のおっしゃったようなやわらかい方針で臨まれる現時点の考え方はぼくは認めるわけですけれども、そうしたかつてはきびしいものであったというものを、いまの大臣だと、それは一応たな上げにするというふうに理解できますので、それはそれなりにいいですか、そういうとらえ方をしても。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 愛媛の場合、私たちが積極的にこれをしましたのも、現在、私、いまの地方公務員が週休二日制をとらなければならないという点は、中に理由にありましたように、民間の動向等もあわせ考えなければなりませんが、同時に考えなければならないのは、国家公務員、他の地方公務員、これらとの均衡ということも考えなければならないことは当然でございますので、そういった意味で千葉県の場合にそのような措置がなされたと、このように考えます。愛媛県の場合におきましては、この点、勤務時間その他におきまして、他の地方公共団体あるいは国家公務員と異なるという点もございませんでしたし、しかも、土曜日が延びるということにおきまして住民サービスという点についても積極な点もございましたので、積極的にこの実施を認めたというふうな姿でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは、公害問題に入りますが、きのうちょうど経済審議会があって中間の答申案が実は出た中で、特に工場分散の問題に触れて地域開発の問題が提起されていたわけです。この中で、田中通産大臣と私のやりとりの中では、これはもうすばらしいアイデアだと言わんばかりの説明があったわけですから、どういう手段方法で会社工場を大都会から地方へ分散させるんだと言ったら、例によって例のごとき、固定資産税のたな上げとか、補助金の問題とか、そういうことなどをあげて一つの手段方法ということでございましたが、これは何ら新鮮なものじゃないわけです。きょう、実は、きのうの経済審議会の答申の内容が新聞にいろいろ報道されているわけですが、この考え方のやはり一番きつい点は、これは追い出しだと。大都市周辺にある工場が公害その他の問題があったりするから、これを追い出すんだと。だから、事と次第によっては、水もとめる、賦課金も取ると、非常にきつい答申が実は出てきておるわけです。これは、私は、こういう結果にならざるを得ないだろうとは思いますが、ただ、そのことを受けて企業が地方に進出をするという場合に、ある程度の彼らに対するえさと申しますか、何か特典がなければならない。そういうことが従来やはり公害を地方都市に起こした大きな原因にもなっておるわけですから、この際、地方公共団体は、そうした持参金持ちの企業等の地方分散についていままで以上にちゃんとしたいわゆる公害対策の方針を持っていないと、どえらいことになるのじゃないかということを先般来鹿島灘の問題等を提起しながら論戦を展開してきたわけですが、きょうは、地方公共団体と公害行政の問題で、冒頭、ことし四十七年度はどのような指導方針を特に進めようとしておられるか、それが予算の裏打ちがあるのかどうか、もしあるとすれば予算の面ではどういう努力をしているか、自治省の範囲の中でけっこうでございますから、最初にその基本的な問題について考え方を明らかにしていただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 公害の法令が完備します前から、地方におきましては、条例その他である程度の公害規制というものをやっております。しかしながら、これは法律に基づくものでございませんでしたから、限界があって、地方でも、初めての行政でもございますので、各地におきまして実施します上につきまして相当な難問にぶつかり、いろいろな研究等が必要であるというふうなことになっておりましたが、幸いにいたしまして、先般の公害国会で法律その他が策定されましたので、これに基づくところの条例その他が完備されるように一そう進めていきたいと、かように考えております。  一方、公害の防止対策と申しますか、これを地域的にいま現在公害の起こっておりますところを指定いたしまして、地区的に国に対する補助金のかさ上げ等も公害防止事業になされるようになっておりますが、この地区の整備計画ができたところから順次この法律に基づくものをやっておるような次第でございますが、この整備計画を各地方ごとにできるだけ早くやっていただいて、公害防止事業が一刻も早く実行に移されるよう指導してまいりたいと、こういう姿で進んでおります。  もう一つは、公害の監視の体制でございますが、この面も非常におくれておりますので、公害監視のための機材器具の整備と同時に、公害要員の人員の確保並びに技術の習得ということに万全の策を講じていただきますようにはかっております。  また、県の行政の中の新しい行政の、しかも重点を最も置かなければならない行政の一つでございますので、地方組織の中での公害対策の機構の整備ということもそれらとあわせて指導し考えておるような次第でございます。このための財政措置といたしまして、本年度は、昨年度と比べまして、あるいは国庫補助事業について、あるいは起債財源等についても考慮いたしておるような次第でございますが、この点につきましては、局長のほうから具体的数字をあげて答弁さしていただきたいと、かように存じます。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) ただいま大臣から御説明申し上げましたとおりでございますが、四十七年度の公害対策経費といたしまして、国庫補助事業の規模が三千五十五億でございます。この三千五十五億に対応いたしまする地方負担が千六百五十二億でございます。それから地方単独事業二千八十一億円、これは前年度に比べまして約一五%増に相なっておりまして、合計五千百三十六億円が建設事業に相なっております。これに対しまして、公害対策事業の地方債といたしまして千九百六十二億円、それから交付税の基準財政需要額におきまして投資的経費を算入いたしておるところでございます。さらに、いわゆる経常経費といたしまして、公害監視測定体制の整備をはかりますために公害センターの運営費を新たに四十七年度は算入することにいたしております。人口百七十万人の標準県におきまして、職員十人からなるセンターを一カ所設けると、こういうことを中心に五百三十三人の増員を財政計画上計上いたしておりまして、交付税におきましてこれに対応するものといたしまして人件費等二百三十三億を経常経費として計上いたしておる。さらにまた、四十六年度でございますが、四十六年度におきましては特別交付税で公害対策といたしまして五十五億円を見ておるわけでございますが、四十七年度におきましても、非常に乏しい交付税のワクの中でございますが、その中で最大限の努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そこで、先ほど地域開発の問題と関連しながら公害の問題に入っていったわけですけれども、住民と工業・工場地帯とが込み合っている、からみ合っているわけですね。混合地帯というのが現状ほとんど地方都市にあるわけですから、つまり、発生源と人間との関係を切り離すということが公害対策のまずとりあえずの仕事だろうと思います。そういう必要なものは、あるいは緑地帯をつくって発生源と人間生活との間を切り離すということが現在常識的にいつもとられているわけですが、これもまだ緑地帯にしたところで一年か二年前に植えた木ですから、なかなか効果があがりません。私の生まれ故郷のところに緑地帯というのがあるのですが、どこにあるのかとさがすのに一苦労しました。それほど木が一メートル程度から一メートル五十程度ですから問題にならないけれども、そこからでも出発しなければ、なかなか問題解決はしない。  もう一つは、中小企業といえども、一定の地域に誘導するということで、本県などのごときは工業地帯を団地を造成して、これはまあかなり成功していると実は思います。ただ、問題は、おしなべてそういう場合に新しい工場をそこにつくる場合は、えてして障害はあまりありませんけれども、既存の工業地帯、公害を出す発生源の工場、こういうものを移転させるということは、私は田中通産大臣とやりとりしたように、きわめて困難で、むずかしい問題であります。しかし、むずかしいけれども、どこかに動いてもらわないと困るわけなんですね。富山である化学工場がございますが、全く四面から総すかんを食っているわけだが、どこへも行き場がない。行く先々でまた予定されるところからまたボイコットが起こる。しかし、そうはいっても、人の命にかえられませんから、工場の移転という問題がおのずから政治的課題になってこざるを得ない。そこで、それを移転させるためには、通産大臣も言っていたのでありますが、この際、国家でなくて、自治体ですが、自治体の権限を、規制なりあるいは移転なりそうしたものに対する自治体の権限を強化するということなくしておそらく問題の解決はむずかしい。このことは憲法の問題とかいろいろ問題がからんでまいりますけれども、自治省はそこまで腹を据えて公害対策に取り組もうとするかどうか。つまり、地域開発ということと地方自治体のあり方との振り合いの問題になりますが、そうしたことについて自治省は都道府県なり市町村からいつもいろいろ問い合わせがあると思いますが、どのような御回答をされたのか、考え方をこの際明らかにしてほしいと思います。

立田清士自治大臣官房参事官

○政府委員(立田清士君) ただいま御質問がございましたとおり、地域開発と公害対策という問題は非常に大きな問題でございまして、うちの省だけでなくて全体的にいろいろ考えなければならない問題かと思います。  そこで、問題は、地域開発を行ないます場合にこれから重要だと考えますことは、公害対策、それと、さらに広げまして、そういう公害対策を含んだ環境保全対策ということがやはり前提として必要になってこようかと思います。その中には、ただいまお話しがございましたとおり、新しい地域でいろいろな整備をいたします場合に、たとえば大気汚染の防止の問題でございますれば、緩衝緑地の設定とか、そういったような問題もございますし、それから土地利用と関係いたしまして住居と工場地帯が混在する地域というものをなるたけ純化するように、これはいまお話しがございましたとおり非常にむずかしいことでございますが、相当の期間そのほかの関係の経費もかかるわけでございますが、そういうような一つの誘導の方式ということも考えていかなければならないのではないかというふうに考えられるのでございます。そこで、したがいまして、地方団体で現在いろいろ地域開発の関係の計画等をすでに持っておられ、あるいはまた現在改定をされたり、また新しくつくられますような場合におきましては、そういうような具体的なその地域の現状から見てどういうような土地利用を想定していくか、そういうことに向かいましていまお話しがございましたような点を十分配慮しながら計画もつくり実施をしていく必要があるというふうに私たちは考えておるわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 個々の問題に入りますが、これは委員には全部渡っていないと思いますが、私がけさ富山から帰りましたら机の上に置いてあったわけですが、これはおたくから出た書類ですね。おそらくそうでしょう。そうしますと、これは四十五年度のなんですが、もう一つ「地方公共団体の公害対策」、これは自治大臣官房でつくったわけですから、私たちいままでよく言っていることばで言うと、地方自治体の公害白書という形で受けとっていいのか、さもなければ、個人の著書と同様に扱っていいのか、その辺のところをまず聞きたいと思います。

立田清士自治大臣官房参事官

○政府委員(立田清士君) ただいまお話しの「地方公共団体の公害対策」という本でございますが、これは自治省のほうで昨年調査をいたしました結果を取りまとめたものでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そうすると、自治省のPRというふうに、いわゆる公的機関のPRだと、そういうことになりますね。

立田清士自治大臣官房参事官

○政府委員(立田清士君) 地方団体がどういうように公害対策を取り組んでおられるかということを取りまとめたものでございまして、これを一つの資料としていろいろな対策の御参考に供していこう、こういうようなねらいを持っております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そこで、この中で、いろいろな活字になっておるところは別としても、ここにいただいたこうした統計数字だけ見ただけでも直観的に感ずる点が二、三問題がございますので、お尋ねしたいと思います。  たとえば、第一点として、「地方公共団体の公害担当組織の状況」ということでございますが、公害専門課を有している都道府県、市町村が昭和四十三、四十四、四十五年とどんどんふえてきているという実情は非常に好ましいことなんですけれども、この表で出てこないのは、専門の課があるというけれども、部制になっているのかどうかということはこれには出てこないんですね。そうすると、いま部制になっているかどうか、あるいは知事直轄の室になっているかどうか、その辺のところがわかりませんが、一番新しい数字としては四十六年度のはもうまとまっていると思いますが、ぼくのいまお聞きしたいのは、その部は幾つあるかということですね、都道府県の場合に。

立田清士自治大臣官房参事官

○政府委員(立田清士君) 先ほどお話しの「地方公共団体の公害対策」の書籍の中にも部局の関係のことが記述がございますけれども、現在、地方団体におきましては、昨年から、特に都道府県の場合でございますが、担当しております部等につきましていろいろな組織がえが行なわれております。それで、類型的に申し上げますと、実は、公害対策あるいは環境保全対策を中心にいたしました部が新設されている、そういうような形態が幾つかございます。第二番目には、たとえば企画部とかあるいは衛生部とかそういう中におきまして特にこういう公害を中心にした課をまとめている、そういう形態がございます。第三番目は、それぞれ従来あります担当のところにおきましてさらにその組織の整備をしていくという通常の形態のもの、大体三つございます。  特に、昨年から、あるいはことしの三月にかけまして、部等で、たとえば環境部とかあるいは生活環境部とか、そういう形態のかっこうのものが出てきておる、こういう状況でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そこで、これはどこでもいいというわけにはいかぬのですよ。ぼくの主張としては、富山県に公害部を設置してもらったわけですけれども、その過程から申しますと、初めは厚生部の一課として存在していた。その次に、いよいよ問題が本格化したときに総合企画部に移っていった。これはぼくら猛烈な反対をした。そういうところでやれば、一方で企業を誘致し、そのために政策努力をやる。一方では公害の頭をたたくと、これが総合企画部という形の中では私はおかしいというので、厚生部に置くべきだと。それが今度は独立した公害部ができたわけで、これは本格的な姿勢ができたと思うのです。いまの参事官の答弁だと、いま申し上げたわが県の歩いてきた経過の幾つかの分類になるわけですね。だから、指導方針がそれでいいかどうかという問題になる。やはり財政力なり県の基本にも関係しますけれども、本来なら、公害対策部、公害部などのような形で、もっとがっちりとした行政機構が整備されなければいけないのではないかと実は思います。だから、立田さんね、いま申し上げた三つの分類ですが、数がわかりますか。都道府県の具体例がなくても、数がわかりますか。

立田清士自治大臣官房参事官

○政府委員(立田清士君) 都道府県の分、ちょっとお時間いただければ、後ほどお答えいたしたいと思います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 これは数の問題ですから、重大な問題としては取り上げているわけじゃありませんが………。  その次に、公害防止条例の制定のことなんですが、これは県はもちろん、市町村段階でも、独自に公害防止条例をつくってきた。おそらく自治省でもそのことについて指導をなさったものだと私は思います。なかなか容易につくらなかったわけですね。ここにある統計では、四十四都道府県、こうなっているわけです。下の説明書きを見ると、全部つくったと、こうなっているんですが、それはそれでそう確認していいですか。

立田清士自治大臣官房参事官

○政府委員(立田清士君) 現在におきましては、全都道府県が条例を制定しております。それで、ただいまこの表でおっしゃいました四十四県が制定されて、なお欄外で二県が制定されたというのは、その二つの府県におきましては制定する場合においてやはりその県の特別な特性を生かしていきたいという御趣旨がありましていろいろ慎重に検討しておられた結果、二府県が少しおそくなって制定されたということでございますが、それも昨年中に全部制定をされております。  なお、現在、都道府県の条例につきましては、やはり時代に対応いたしまして、従来すでに制定されております条例につきましても逐次その内容の改定が必要のつど行なわれているという状況に現在ございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 この改定の進みぐあいの問題ですけれども、おそらく第一条の原則論になりますが、第一条の原則論において私たちは署名運動をまずやって非常に激しい戦いを組んだのでありますが、なかなか第一条から経済発展との調和という字を取らなかったわけです。とうとう取らなかった。組局、一昨年の公害国会が終わって基本法の改正がこの国会で行なわれたことを受けていまでは取りましたね。これは現在の状況の中で四十六なら四十六都道府県の中でその第一条には問題点はございませんか。どの府県もみな基本法の線に沿って一律にそれ以上になってきたかどうか。京都、東京都のようにもっと前向きの条例をつくっているかどうかということなんですが、その辺の点検と、自治省としての指導ですね、今日までの指導、今後の指導について詰めた形で御努力なさる意思があるかどうか、その点をお聞きしたい。

立田清士自治大臣官房参事官

○政府委員(立田清士君) 御指摘のとおり、都道府県の条例等におきましては、特に第一条の目的におきまして、経済との調和条項について過去においては規定されたものがございました。それで、実は、いまお話しのとおり、一昨年の公害関係の法律の制定改正に伴いまして、それを受けまして、昨年そういう条項を持っておりました条例につきましても改正がなされたというふうに私たちは承知いたしております。そこで、正確なことはちょっと申しかねますけれども、大体現在においてはそういう点が改正されてきておると、こういうことになろうかと思います。  それから第二点の、条例自体の内容の充実につきましては、特に公害関係法の制定に関連いたしまして、大気汚染防止あるいは水質汚濁防止の関係で国の基準よりも条例によって上乗せ基準ができるようになりました関係もございまして、その後地域の実態に即しまして条例によって上乗せ基準を設けている県も逐次増加してきていると、こういう状況に現在ございます。そこで、私たちのほうといたしましては、やはり法令とともに条例自体でその地方団体の実態に合いあるいはその特性に合うような条例の内容を充実する必要があるということで、過去においてもまた現在においてもそういう態度で地方団体のほうにいろいろそういう点についての配慮を要請していると、こういうことでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 上乗せ基準もつくった県があり、市町村もある。これはまあ東京都などでは持っていますけれども、そうした県が逐次出てきていると思うけれども、もし出てきているのならば、いまここで答弁いただくと時間がなくなりますから、後ほど資料でもけっこうですから、第一条をどこがどのような形で何都道府県がこうだというような簡単なものでようございますから、あとでまとめて私の手元へ実はたいへんかってな申し分ですがいただきたいと思います。  そこで、こちらの資料の中で、審議会の問題ですが、審議会の構成メンバーですね、これを見ておりますと、これはパーセントで示されていないものですからなかなか私も簡単な表現ができませんけれども、こう見ますと、学識経験者の数が、都道府県、市町村もみなそうなんですけれども、大体二番目ぐらいになりますかね、数から言って。一番多いのは、地方公共団体の職員と、こうあるわけですね。この辺のところを皆さんが指導行政をなさる場合に、どういうお考えでどういう判断をなされますか、産業代表がかなり多いということ、この辺のところについてどうお考えになるか、実はお聞きしたいと思います。たとえば、都道府県の場合は、地方公共団体の職員が千百二十であります。それに対して、学識経験者は五百七十一、あとは推して知るべしと、こういう状況ですから、こうした数字がおのずから統計的に出てくるわけですが、これでいいのかどうかということですね。いわゆる審議会というのは、何かこう一つの——まあぼくもこの審議会におったこともありますが、ほとんどの人は発言しませんね。どうしてもお役所のほうでおぜん立てされた方向へみな異議なしということになるわけで、ぼくらみたいなのは造反、赤軍派みたいなものですから、ごく少数ですよ。そういう運営が問題なんですね。構成が問題であり、運営が問題であり、そういうことの中から前向きの公害対策ができるかということなんですね。こういう点を、みなさんは、ただ自然発生的にこうなったからこうなったというのではなくて、何かそこに一本筋の通った指導性が出てこなければならぬのじゃないかと、こういうふうに思いますが、どうでしょうか。

立田清士自治大臣官房参事官

○政府委員(立田清士君) まず、ただいまの御指摘の表でございますけれども、いわゆる地方団体の職員が一千百二十という数字が確かにございますが、この中には、そこにございますとおり、公害対策審議会とそれ以外の組織のものを合わせた数字になっておりまして、実は、御承知のとおり、審議会の関係では、都道府県に公害対策審議会が置かれておるわけでございますが、それ以外にやはりこの公害対策の問題につきましては地方団体内部の連絡協議ということが必要でございますので、その関係で八百八十八人という数字がその職員で構成されている内部組織の数字が実は入っておるわけでございます。したがいまして、その点を引いていただきますれば、地方団体の職員の数はそう多い数では実はないわけでございます。  それから第二点の、おっしゃいますとおり、こういう公害対策審議会においては、外部の学識経験者の方、あるいは住民の方々、各界の方のいろいろな御意見で重要事項を審議していただくわけでございますので、審議会自体の運営については、それぞれの都道府県の審議会においての御判断で運営はされるわけでございますけれども、やはりそういう目的からいいまして、十分にそれぞれ学識経験者の方々をはじめとしまして各界の方の御意見がそこで審議されるということを私たちは期待をしておる、こういうことでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 とかく、公害の問題というのは、並みたいていの問題でございませんし、それを担当する地方行政もろもろの機関も非常に苦労するところでございます。とりわけ、いまだから公害が問題になっているわけですが、そうでなくて、公害発生には、発生の歴史と条件があるわけでして、なかんずく都道府県首長の選挙になると、私が知事になれば、私が市長になればということで、その公約の第一項は、えてして今日までは工場誘致を軸として地域開発をはかるというのを施政方針なり候補者の立候補のあいさつの冒頭にあげたものです。そのことが今日の公害の地方分散という結果になり、今日のような問題を起こしているわけです。だから、いまは、逆に、今度は住民の命を大事にするんだ、これが優先されねばならないし、そのことを進めるためには公害行政のあり方が大きく浮かび上がってくるわけであります。企業の力というのは今日もなお私は巨大であると思います。巨大な企業を向こうに回して、これから脱公害、住民から公害をなくしていくという自治体行政というのは、非常な苦労を要すると思います。その点、自治体のかぼそい力で企業の巨大な力と立ち向かうことはきわめて困難でありますが、同時に、法体系も整いかかっておりますし、それに加えて自治省の指導、誘導行政の強力な発動を期待する時期にいま直面しているのではないかと思います。  そういう点で、現在、特に技術的な問題と申しますか、行政機構の問題等から見ましても、先ほど財政局長から公害防止技術の問題、それから技術者の数の問題、こうした問題で若干の行政努力があって、ことしも増員の方向につとめるということでございますが、それをますますその辺に向けて大きく助長していただいて公害から住民を救うということで一段の自治省の努力を期待したいと思います。とりわけ、工場再配置だとか工場を地方にまき散らすんだといって通産大臣がラッパを吹いておりますから、それは容易ならないことだと思う。被害妄想狂みたいな気持ちで一ぱいであります。そういうことで、公害行政というものは地方自治体としては非常に大きなウェートがかかってまいりますので、指導なさる皆さんの側も、あるいは技術の開発、技能者の増員、そうしてまたいまいろいろ検討していただきました審議会なり条例のあり方等の非常にきめのこまかい指導を私は心から期待したいと思います。その点で足らざるところは地方行政委員会でまた大臣にお伺いしますけれども、とりあえずこの場を通じて大臣のそうした公害対策について地方自治体の行政の進め方についての期待と大臣自身の所信をお述べいただければ幸いだと思います。  これで終わります。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) いま御指摘のございましたように、従来の地域振興は、ややもすれば産業中心のもとに行なわれてきましたことは、これは率直に認めなければならないところでございまして、地方自治体も、税収その他の面におきまして、産業を誘致すること、工場に来ていただくこと、それ自身が地方の繁栄であるという考えに立っておったことは、いなみがたいところであろうと思います。今日の段階におきましてそのような姿が地方自治体等の中でも反省が加えられ、政策の転換がはかられつつあるというのが実情でございます。国のほうの法令整備とともに地方のほうにおきましても今後ともにそれらが住みよい社会建設という姿に徹しますように強力に指導してまいりたいと、かように考えております。また、しかし、企業のほうにおきましても、公害のない企業と申しますか、あらゆる技術の開発をいたしまして、地方とともに栄える企業という姿に経営者自身が反省を加えられつつあるということも、これはいなむことのできない事実でございまして、それら両々相まちましてこれは国の大きな問題として取り組んでいくべき課題でないかと、かように考えております。  いま、通産大臣の御意見等に対しましていろいろ御指摘がございましたが、イタリアその他の国におきましても思い切った税制その他において措置をし、工場その他の地方分散、産業の各地方の均一のとれた分散化ということをはかっておることは、これは世界の今日通例でございまして、私たちも地域振興対策といたしましてこのことにつきましては過密の解消という点も思い切った措置をせなければならないのでなかろうか。また、過疎地域に対する振興等につきましても、産業の導入という点についてはやはり公害と両々相まつ配慮のもとに行なわれるという姿で進めていくべきではなかろうか。この意味で、私は、通産大臣の申しておられることにあながち反対ではない。私たちといたしましても、均衡ある地方の振興という中へ取り入れていかなければならない問題である、このように考えておる次第でございます。しかし、その際に、地方におけるいままでのような見さかいのない産業立地のあり方でなくして、少なくとも土地利用の計画的な振興という姿において秩序あるところの都市づくりができるように導くことにより住みよい社会を建設していくことが今日の地方自治体に課せられた任務ではなかろうかと思いますので、そういった方向で強力に指導してまいりたいと、かように考える次第でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私は、これから奄美群島の振興に関する諸問題を中心にいたしまして主として自治大臣にいろいろ御質問申し上げたいと思います。  去る一月の三十一日でございましたか、衆議院の本会議の席上で、佐藤総理は、中曽根氏の奄美群島の振興に関する質問に答えまして、今後、港湾、空港、道路等の基幹施設や、地域産業の基盤施設の拡充整備をさらに推進して、奄美群島経済の自立的発展をはかりたい。これを機会に、現行の振興計画の再検討をはかる旨御答弁があったわけなんでございますが、この答弁は、昭和四十八年で終了しますところの現行の奄美群島振興特別措置法をあえて打ち切るのではなく、四十九年以降も何らかの立法措置をするところの政府は考えあるというふうに理解をしてよろしいものかどうかということであります。もちろん、そうであれば、これは歓迎すべきことでありますし、所管の自治省でこの問題について検討されておるならば、そのおおよその内容についてこの際明らかにしていただきたいと思います。もちろん、私も、現行法のたてまえから申しますれば、形式的には知事の案の作成がなければ自治省としては答えられないと、こういうことになりましょうけれども、これはざっくばらんなところ自治省としてはあの総理の趣旨というものを十分生かしてその作業を進めておることだと思いますので、その点についておおよそ明らかにしていただきたい、こう思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) いま、宮之原委員から、私も率直に聞くから率直に答えろということでございます。私も率直に答えさしていただきたいと存じます。実は、奄美群島の復興計画から振興計画へと復帰以来やってまいりました。成果としてはそれなりにあがっておる、このように考えますが、まだ鹿児島県の本土と比べましても、一人当たりの所得にいたしましても、やや劣っておる、十分でないという点、これは地域的な特性もございましょうが、私たち、まだこれで十分であると言い切れないものがあると考えております。また、その後における計画を立てました当時からの社会経済情勢の変化、特に沖繩が復帰してまいりますことによりまして沖繩との関連と、計画そのものに改善を加えなければならない点が多々出てまいりましたので、本年度の予算におきましても、計画になかったような空港あるいは新港湾、それらの事業に着手さしていただいたような状態でございまして、四十八年度で終わります振興計画をもって事が終了するというふうなことはとても考えられないというのが実情でなかろうかと思います。したがいまして、今後におきましても、四十九年以降におきましても、この四十八年度までに行ないますところの振興計画で足らざる分をいかなる方法によってやるかということは十分考慮せなければならない点であると、かように考えます。総理の本会議における答弁も、単に総理として述べられたんじゃなくして、これらの考え方を私たちも及ばずながら補佐の役目として補佐さしていただいてあのような答弁になった次第でございまして、この点は御了承を賜わりたいと存じます。  なお、先般宮之原委員から率直に私に対しましても以後どうあるべきかということをよく考えてくれというような御要望もございましたので、その後知事ともこの問題にしぼって私は懇談さしていただいて、いま県におきましても四十九年以降いかなる方法によってやるのが最もよいかということを検討していただいているような状態でございまして、その結論が六月ないし七月ごろには県においても一応の方向づけをされるのでなかろうかと思います。従来あるような振興計画を現在の法のままでまた新たに延長したものに持っていくか、それとも、新しい沖繩の復興計画等も考えました特別な法令に考え直すか、それとも、従来ありますところの離島振興計画の中の一環としての事業に組み入れて県の各部門の力強い組織のもとに計画ある進展を期するほうがよいか、これらの点についていま考慮を願っておるという姿でございまして、県の研究等に相まちまして私たちもこの県との調整をとった上、四十九年度以降のあり方について十分措置をいたしたい。その四十九年度のあり方にも関しまして四十八年度の予算編成の要望をつくり上げてまいりたい。単に四十八年度だけで余った振興計画の残事業を行なうという予算編成のあり方でなくして、四十九年度以降も考慮したあり方に立っての上の四十八年度の概算要求というものをせなければならないのだと、このように考え、いま県の検討をお待ちしておるというのが今日の状態でございます。しかしながら、急ぎます分は、検討を加えましても、本年度行ないましたように、新たなものでも特に必要とする分はぜひとも四十八年度から実施に持っていくという姿で概算要求をいたしたいと、このようには知事さんとも意見の一致を見た次第でございます。ただ、四十九年以降のあり方の問題につきましては、県当局もいま十分検討願っておるというのが現在の状態でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私も四十九年度以降の方向を検討するとすれば、いま大臣がおっしゃったように、現行法の自動延長なのか、あるいは離島振興法への移行なのか、あるいはまた新たな角度からの特別措置法の制定か、この三つしか考えられないと思いますけれども、ただ、そのことについて正式に私のほうから質問をすれば、自治省としてはどうなんだと、なかなか県の意向が固まらないから答弁できかねないのだと、こういうことになると思いますけれども、この際、私が先ほど冒頭に申し上げましたように、ざっくばらんにお聞きいたしたいと、こう申し上げておるところは、これらの問題の問題点について以下私が申し上げてみますから、それらの問題についての御意見としてでもお聞かせを願いたいと思います。  これらの今後の方向を決定する場合には、私は、二十年に及ぶ今日までの奄美の復興振興の足取りを点検して、先ほど大臣からありましたところの沖繩のいろいろな問題等を今後の奄美の振興の方向性ということを考えることなくしては、これは打ち出すことはできないと思うのであります。ただいままでのこの方向を振り返ってみますれば、私はいままでの成果は成果として評価するものでありますけれども、しかし、この間大島支庁がまとめたところの四十五年度の郡民所得の推計を見ましても、これは振興計画の目標でありますところの本土県民の所得に近づけるということには依然遠いようでございます。八四・六%というのがあがっている。これは大臣が昨年の十一月十二日衆議院の沖特であの説明をされましたところの四十四年度よりもなおパーセンテージが落ちているということは、やっぱり事実なんですね。あるいは、奄美振興費の七五%を占めておりますところの農業関係を見ましても、生産がだいぶ落ちておるという現実、さらには、現行の振興特別措置法が、事業の内容、実績等から見まして、五年間セットをされておるために非常に弾力性がない。こういうような問題等から考えますれば、いわゆる考えますところの自動延長という方式というのは、私は今後の奄美の振興計画を立てるときにはたいして意味がないんじゃないだろうかと、こう考えておるところなんですが、そこらあたり大臣はどうお考えですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 私も、振興計画を立てることによって国の大きな力で進めていくという意味からしましたら、簡単に自動延長というものがよいのでないか、率直に言うて自動延長というものを望まれるのじゃないかと、こういうふうに考えておったのであります。しかし、知事さんと懇談いたしました結果では、いま申されたように、財政が硬直化しておるというだけでなくして、やはり土木は土木、水産は水産、農業は農業と、それぞれの分野が直接鹿児島の組織があるのでございますから、それぞれが振興計画を専門的にやっていく。その場合、この振興計画によって予算を確保しておる、あるいは補助率が上がっておるというふうな姿が維持できるのであれば、むしろそのほうがもうよい段階にきておるんじゃないかというふうな点も考慮せなければならない。形式的には国の力で計画を立ててそれだけ確保されたというふうに見える計画でございますが、その反面におきましては、各部門がそれに縛られて、あるべき専門的な力も発揮することができないというふうな点もございます。現在の離島振興法で、はたして十分それらの財政がまかなえるかどうか。しかも、離島振興法の補助といいましても、全国的なものでございますから、それらの割り当てが五カ年計画で組まれたように奄美大島そのものに割り当てられるかどうか、その点の見合わせ等も考えてこれは決定せなければならない問題でございますが、もし振興計画にあるような予算も確保され、補助率においてもある程度のまあ現在の離島振興法にある補助でまかない得るだけの鹿児島県に余裕があったなれば、専門的な知識によって専門的な部署において責任を持って進めていただくというのがここまで振興してまいりました奄美大島の行き方でないかという点も考慮されなければならない点である。もしそれじゃまだ不十分だということであったなれば、これらの利害得失を勘案しての新しい計画に持っていかなければならないんじゃなかろうかと、ここにおのずから三つの方法が分かれてくるんじゃなかろうかと思っております。この点につきまして、いま宮之原委員の御指摘のようなことも、ざっくばらんに知事さんと話し合いながら懇談をさしていただいたような状態でございまして、その私たちとの懇談に基づいて、いま知事さんの手元で今後のあり方等についての要望をまとめていただいておるというのが実態でございますので、きょうの機会にでも聞かしていただきました意見も考慮に入れながら今後のあり方を知事さんと出てきました案等とさらに検討をいたしまして、ぜひとも奄美大島が沖繩と本土との谷間にならないような奄美大島をつくり上げるために今後ともに努力せなければならないと、このよのな気持ちで四十八年度に当たってまいりたいと、こう考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 大臣のなかなか慎重な発言はよくわかるんですがね。もう少し腹の中を明らかにしてもらいたいと思うんですが、いままでのお話から大体推察をいたしますと、自動延長というのはあまりいままでの例から見てどうだろうかと思っておられるようです。もう一つ考えられますところの離島振興法への移行の問題にいたしましても、これはもう御承知のように、離振法が、同法の四条にも明示をされておりますように、いわゆる基盤整備のための公共的な事業というものが離振法の場合は主体なんですね。したがいまして、産業振興の事業面ではほとんど顧みられておらないというのがこの離振法の一つの問題点なんですよね。そういう問題点がある。あるいは現に奄美の産業振興に大きな役割りを果たしておりますところの奄美群島信用基金というものが、これは離振法にそのまま移行するということになると消滅ということにもなりかねない。こういうようなことを考えますと、私は、たぶん大臣も大体同じ方向だと思うんですが、これは安易な離振法への移行とかあるいは現行法の自動延長というのではなくて、いろいろな諸情勢を踏まえて、内容は別といたしましても、もう少し新しいと申しますか角度を変えた特別措置というものを考える段階に四十九年以降はきておるんだというふうに、大臣のいろんな言外のことを考え合わせますと、そういうふうにも理解できるんですがね。   〔主査退席、副主査着席〕 私はまたそのほうが好ましいと思っておりますだけに、どうお考えでしょう。そういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 私、こういうふうな席でございますから、慎重なる発言をしておると受け取られるかもわかりませんが、決してそのような意味で慎重なる発言でなくして、実際にありのままを率直に申し述べさしていただいたわけなんです。実は、私、初めて聞きましたとき、本年度の予算の概算要求をしますとき予算を組みますときに、大蔵省がどのような態度に出てこようが、四十八年度まではできないんだ、四十九年度からさらに再び振興計画を延長してやらなければならないん、だということでやらなければならない、しかも、それを四十九年度まで待つことはできないんだと、四十七年度から内容を改定してやらなくちゃならないんだという意気込みで取り組んできたのであります。そういう意味からでは、ここにおります担当官のほうはまだその気持ちを捨てておらぬのでないか、かように考えております。しかしながら、知事と私とざっくばらんに突っ込んで懇談さしていただきました過程におきまして、現在の振興法の持っておるところの欠陥と申しますか、いま宮之原委員も御指摘になりましたような点も私も聞きまして、初めてわかりましたような状態でございまして、それを四十九年度以後にどう生かすかということについてお互いに研究しようじゃないかと、そちらのほうも研究していただきたいということであり、また、こちらのほうも研究しようということで別れたような状態でございまして、おそらくその研究の結果がいま宮之原委員の言われたような特別措置というふうな姿で落ちつくかどうかわかりませんけれども、大体振興法というものがえてして産業振興そのものにはなじみにくい姿でございますし、どうしても基盤整備、それから道路、港湾等の整備事業が中心になり、しかしながら、振興の根本は産業そのものの整備でございますので、その点と私たちのやります振興事業とをいかにマッチさしていくかという点が両方生かされるような道を考えなくちゃならぬと、このように考えておる次第でございます。いま申されたような方向に研究の結果が落ちつくであろうということも私の懇談の中にありましたけれども、いまそこまで踏み切っているとかどうかというのじゃなくして、いましばらく研究の時期を与えていただきたいと、これがもう率直なお答えでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いま大臣から基盤整備も大事だと、同時に産業振興それ自体も非常に大事で、両方をやはり生かすような方向で努力をしたいと、こういうお話がありましたから、大体わかりました。ぜひ私もそのような方向で積極的な御努力を願いたい。そうなりますと、これはやはり当然新しい角度からの特別措置法というものを検討するところに出なければそれは達成できないと、こう思いますので、その点一そうの御努力をお願いいたしたいと思いますが、続いては、私はいままでの二十年の歩みを見ますと、復興事業にいたしましても、振興事業にいたしましても、実際の場合には、どっちかと申しますと、産業振興のほうが重点であった、基盤整備はやはり若干おくれておったということは否定できない。しかしながら、私は、今度の四十七年度の予算に示されたところの自治省が初めて産業基盤の整備費を六五%もふくらまされておるというところ等を考えますと、普通の開発のパターンでありますところの産業基盤、社会基盤の整備を行ない、かつ、その上に産業振興というような方向に自治省もやはりその後の状態を見て軌道修正をされて、いま大臣が言われたような方向に両方生かしたような形で今後の振興計画を立てておると、こういうふうにことしの予算案を見ましても理解をしてまいりたいと、このように思いまして、その点では非常な心強さを覚えておるわけですがね。  つきましては、産業基盤なりあるいは社会基盤の整備におきますところの予算の絶対額と申しますか、割り振りをこう実際見てみますと、実は、鹿児島県で、同じ離島でありながら種子島、屋久島と奄美の場合の現在の道路、港湾、空港等の整備のための財源の内訳を見てみますと、種子島は国庫負担が六七・五%で県費が二〇・一%、屋久島は六九・三%で県費が一八・五%であるにもかかわらず、奄美は国庫が四八・九%で県費はわずかに八・六%にすぎない。言うならば、奄美の場合は、いわゆる産業基盤の整備の場合も、市町村の支出とかその他の負担の比重というものが離島振興法でやられておるところよりも高いというのが現実なんですね。あるいは沖繩のこのたび成立いたしておりますところの振興開発特別措置法を見てみますと、いわゆる奄美の振興特別措置法との別表と比較してみますと、いろいろな国庫補助の比率とかあるいは負担、あるいはまた沖繩には特別に道路、河川、港湾についてはそれぞれの法律のいかんにかかわらずという優遇策がある、こういう状況等があるわけなんですね。それからこう対比いたしますと、実際今後の場合には、これらの国庫負担の率とか額とかあるいは補助の率とか、そういう面が今後の振興計画を立てられる場合の措置をとられる場合の中身で相当大幅に引き上げるところの必要があるということを実績から照らして考えておるのですが、それは大臣も私は御同感だろうと思いますが、いかがでしょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) いまの今後の進むべき方向については、建設的な御意見として冒頭に述べられました特別の措置法でいかざるを得ないだろうと思うという御意見、私も心にとめて生かしていきたいと存じます。いまの振興法でかえって谷間になったという姿の国庫あるいは県費補助率のあり方というものにつきましては、やはり振興法そのものをつくることによってあくまでも国に依存するという姿でかえって住民の方には重い負担をかけるというふうな谷間になっておることは事実でございます。特に沖繩等があのような高率な補助になりまして、振興法そのものが非常に見劣りがするという姿になっております。この点、鹿児島県自体が、いままでの振興法にありましても、離島振興法であります場合と均衡のとれたように、ただ単に国に依存することでなしにやっていただくというふうな措置がとれるようなことでありましたら、進んでとるのじゃなかろうかと思っております。奄美とそれから沖繩との均衡につきましては、沖繩は県全体が財政能力のないという観点もございますし、鹿児島の県が決して私は富裕県であると申すことは申しませんけれども、財政的には困難な県であることも承知いたしておりますが、それでも沖繩全体のような姿でないという点から、直ちにそのままが用いられるかどうかということは困難でございますが、少なくとも谷間になるというふうな姿でない姿におきまして特別措置法をつくるか、または現在本土に適用されております離島振興法等によってやれる部面につきましては、そういった方法で、ただ、予算を、限界があるものでございますから、それらを計画的な確保をしながらやる事業もあわせて講じていくか、その他の点につきましては、内容全部を特別措置へ持っていくか、あるいは一部特別必要のもののみに限定するかというふうな点もあわせて今後検討さしていただきたいと、かように考えておるような次第でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 県費支出の額が少ないという点は、私もそれを非常に遺憾に思っておるのですね。ただ、鹿児島と沖繩県、それぞれの県を考えてみますれば、鹿児島は決して富裕の県じゃないのですね。県民所得は沖繩よりも低いのですからね。そういうところでなお奄美は低いと、こうきておるわけなんですからね。ですから、私は、県費の支出ということもさることながら、国でやはりうんとふやしていくような積極的な方策を持たない限り、奄美の振興というものはおぼつかないと見ておるのですよ。二十年間で国庫がわずか三百一億ということでは、これはきわめて少ないものであるということははっきりしておるわけですから、それだから私は先ほどからこの際四十九年度を契機に新たな観点から考える段階だと、こうまあ申し上げておるわけなんです。だから、いま大臣がお答えになられたように、ある一部分は離島振興法、ある一部分は特別立法なんというそういう便宜的なことじゃなくて、私はこの際もう一回沖繩の振興措置法なども見られて抜本的なやつを積極的に打ち出していただきたいと、こういうことを強くお願いを申し上げておきたいと思います。  なお、これらの問題と関連をして、建設省の道路局長はお見えでございますか、お伺いをいたしたいんですが、道路審議会が二十二日の総会で沖繩の一般国道の路線決定について答申を出したと報じておるわけなんです。新聞によりますと、たとえば国道五十八号線として沖繩本島の北端の国頭村から那覇市までの百二十二・一キロを指定されるところの路線として答申をされたというふうに新聞が報道しておるのが事実なのかどうかということと、なお、その場合の根拠を、鹿児島市と国頭村との間の海上は道路があるものと一応みなすんだということですが、これは私はおそらく道路法第五条の国道の条件であるところの第一項、いわゆる国土縦断とかあるいは県庁所在地云々というものの幹線という条項、これに適用されて五十八号線として国頭村から那覇までの間を国道というふうに指定されるというふうに理解をしておるんですが、そうなんですか、どうですか。

高木澄清建設省道路局地方道課長

○説明員(高木澄清君) 私、地方道課長でございますが、お答え申し上げます。  沖繩の国道指定予定といたしまして審議会で答申を受けました国道五十八号につきましては、いま御質問がございましたように、鹿児島市と那覇市を結ぶものでございます。したがいまして、道路法の第五条一項によりまして認定するものでございますが、海上はやはり海上ルートを通りまして国頭村から那覇へ至るものでございます。中間の島に上陸するかせぬかというような問題につきまして御質問だと思いますが、そういった例は、ほかの内地の国道にあるわけでございますが、今回はとりあえず沖繩の復帰に伴います沖繩本島内の国道の指定につきまして答申を受けましたので、こういった形で海上ルートで沖繩に上がりまして沖繩本島内を国道に指定するという形になっているわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私は、このことは、ともすればしゃくし定木で法を解釈したがる官庁にしては珍しく政治的配慮をしたものだと思って、これはもう御同慶にたえないんで、高く評価をするんですがね。ただ、その場合にお聞きしておきたいことは、御承知のように、鹿児島市と沖繩との間に奄美群島がありますね。この奄美には、重要港湾もあるし、あるいは建設省が直接自治省から離れて所管をしておるところの地方主要道路もあるわけでしょう。そこのことは何ら考慮することなく、一足飛びに海上というようなことは、これはちょっと理解できないんで、いまのような御配慮があるとするならば、当然、奄美の場合も、少なくとも主要地方道あたりは、これは鹿児島からずっと一連としてつながっているんですから、一番身のあるところの五十八号線として指定されても当然だと思うんですがね。その点は検討の余地はありませんか。

高木澄清建設省道路局地方道課長

○説明員(高木澄清君) ただいまお答え申しましたように、今回はとりあえず沖繩の復帰に伴いまして沖繩本島内の国道の指定につきまして審議会の答申を受けましたので、いま御意見にございましたような点につきましては、十分今後の問題として局内でも検討を加えさしていただくように申し上げまして、御理解いただきたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 検討というのは、いろいろ検討にもありますわね。だめだと頭から初めからきめているところの検討もあれば、これは論理的に見ると五十一条から見れば一番合っていることなんですから、これこそやはり実現のための前向きの方向で検討するんだと、こういうふうに私は理解したいんですが、それでよろしゅうございますか。

高木澄清建設省道路局地方道課長

○説明員(高木澄清君) 御存じのとおり、非常に大きな離島で国道問題をかかえているところも他に二、三例がございます。このたび、実は、先ほども何回も申しておりますように、沖繩本島につきましてとりあえず国道の指定というものを復帰とともにいたしたいということで答申を受けたわけでございますので、いま先生の御質問にございましたような趣旨で今後奄美大島につきましても検討を加えさしていただきたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 前向きの検討をしていただくということで、ぜひともその実現のために私は努力をしてもらいたいと思いますね。政治的に考慮するというならば、やはり一連のものですからね、これは。それこそ先ほど自治大臣が言われたところの谷間に置かれたんじゃこれはたまった問題じゃないわけですからね。まさかA地は優遇するけれどもB地は優遇しないというのが行政の姿勢だとは思いませんから、その点は全く平等にしてもらいたいということを申し上げておきます。  次に、自治大臣に、時間もありませんからはしょってお尋ねをいたしたいのでございますが、現在の振興計画のあり方ですね、これを見ますと、私先ほども指摘しましたように、五年計画のセット方式なんですね。それは計画の総合性という点で私は利点があると思いますけれども、これは社会の経済情勢の変動に即応するという柔軟性というものがないということは考えられます。これは私はいままで自治省がいろんなところで指導をされておるようないわゆるローリング・システムということを今後は奄美振興計画にも採用すべきだと思っておるんですが、それはいかがでございましょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 確かに、いま申されましたように、今日のごとくどんどん予算も何といいますか毎年度相当額伸びていくような状態のときに、固定したような観念の計画が合わぬと、建設省その他でつくっておられますものも、そのために五年の年度の終わりを待たずに改定に改定を加えていて新五カ年計画というふうなすぐに改定していくのもそのためじゃなかろうかと、かように考えております。私たちできるだけ宮之原委員のような姿のあり方に要望いたしたいのでございますが、これは他の五カ年計画等にもこれはたいへん及ぶというふうな点もございまして、なかなか要望いたしましてそのとおり実現し得るかどうか、非常に困難な問題であろうと思いますが、私たちといたしましては、そういうふうな方向でぜひとも努力いたしたいと、かように考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 最後に、時間もありませんので、いま一点大事なことをお聞きいたしたいと思いますが、いま、私は、四十九年度以降の振興計画のあり方についてはやはり相当思い切った改革を加える必要があるという立場から質問も申し上げたし、また、大臣も、まあそうだとは明確には言われなかったですけれども、おおよそ意のあるところは大同小異だと私は理解したんです。私は、それだけに、単に従来の二十年にわたるところの復興とか振興というイメージをこの際打ち破って、言うならば開発的な要素も多分に織り込ませたところの奄美振興開発特別措置法とでも申しますか、そういう積極的な意欲を持ったところの立法措置というものを自治省もひとつ前向きで検討していただいて十分県のほうを指導をしていただきたいと、こう思うのですよ。もしそのためには現在の法体系であるいはいろんな状況の中ではたいへんだというならば、奄美の新しい位置づけということを明確にしておく必要がある。ことばをかえて言うならば、この際沖繩同様に新全総のブロックの中に明確に位置づけるべきじゃないだろうかどうだろうかと、こういうことを考えておるんです。これは私が昨年の沖繩国会で経済企画庁に質問をしたときに、沖繩の新全総を一ブロックとして加えたところの理由として、長官は、沖繩の自主的経済の確立、沖繩の特性、本土との格差是正ということが必要だから、われわれとしては新全総の新しいブロックに加えたんだと、こういう答弁をされておったのですが、私は、この奄美と沖繩という地理的な歴史的な経済的ないろんな条件から考えてみれば、今日は全く経済企画庁長官が新全総のブロックに加えたところの理由がそのまま奄美の場合にも当てはまるのじゃないだろうかと、こう思うのです。  実は、去る二十一日に、沖特で、沖繩問題と関連する中で山中長官は私の質問に対してこういう答弁をしておるのです。沖繩の特別措置法を閣議で検討した際、この際沖繩と奄美を一緒につくったらどうかという総理の示唆もあったけれども、私は当時の沖繩県民の感情等を考慮して、この際は切り離してこれは特別措置をしたほうがいいのではないかと、こう申し上げたところですという内幕を披露すると同時に、しかし、私は、基本的には一緒というものの考えは賛成ですと。そういう立場から現在経済企画庁長官や自治大臣とも話し合いをしておるところです。新全総の中に奄美を位置づけるべく現在検討しておるところですと。ただ、沖繩と一緒のブロックにするのか、九州の一ブロックにする方向はきまっておりませんけれども云々と、こういう総理府長官からは答弁があったんですがね。実は、私は、その前に、三月の下旬でございましたか、木村長官ともこの問題についていろいろ話してみたんですが、長官は、この問題については、やはり前向きに検討すると、こういう約束をされておるわけなんですけれどもね。  ここで私がお尋ねいたしたいのは、そういういろんな経緯からして、おそらく自治大臣も、総理府長官やあるいは経済企画庁長官あたりとこの問題についても若干の意見の交換をされておると、こう思いますので、この際、自治大臣のこの問題に対しますところの率直な御見解を承りたいと思いますし、私は何も大臣を前にして言うわけではございませんけれども、もう自治大臣としては名実ともに地方自治の権威者であるところの渡海自治大臣の時代にこそ、この問題については抜本的なものの考え方、方向を積極的に打ち出すところの段階にきておるのじゃないだろうかと、こう思いますだけに、いままでの交渉の経緯なりあるいは沖繩の特別立法の経緯なり等から考えまして、奄美の場合ももしそういう新しい位置づけがなければ、先ほど申し上げたところの抜本的な方策ができないとすれば、この問題はやはり検討さるべきじゃないだろうかとも思いますので、この件についての大臣の御答弁を最後にお聞きいたしたいと思います。期待をいたしておりますから、どうぞよろしくお願いします。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 御激励をいただきまして、恐縮に存じます。ただいま山中総務長官、経済企画庁木村長官の御答弁等も引き合いに出されましたが、私も、山中総務長官より、沖繩の特別措置法をつくりますときに総理からそういうようなお話があったということも聞き、これに対する山中長官の考え方等もよく聞かしていただいております。特に山中長官は鹿児島県の御出身でもございますので、奄美群島の今後のあり方につきましては、沖繩の場合に入れるということは辞退されましたけれども、それなりに奄美のことを考えていただいており、また、御要望もございましたことも私も聞かしていただいております。いま申されました新全総における位置づけその他も、いま宮之原委員のような御意見のあることも聞かしていただいておりますし、十分連絡をとって今後ともにいきたいと思っておりますが、もうすでに事務当局におきましてもそういったような方針のもとに事務のほうで新全総のあり方、奄美をいま要望のございましたような点で経済企画庁と折衝をさしていただき、いま御要望のような線で自治省の事務当局は経済企画庁に当たらしていただいておるというような姿でございますので、今後ともに御支援によりまして十分なる計画が生まれますよう、また、この計画に基づきますところの法的な措置が四十九年度以降においても実施されますよう、ひとつ格段の御鞭撻を賜わりたいと御要望を申し上げまして、答弁にかえさしていただきたいと存じます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 終わります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私は、地方財政計画について伺います。  四十五年ごろまでは地方財政計画は国の予算規模よりもいつも下回っておりましたが、四十六年、四十七年はそれが地方財政計画のほうが大きくなってまいりました。これは、公害であるとか過密・過疎の問題でありますとか、こういう住民福祉を優先させざるを得ないと、こういうことで国の財政規模よりも地方財政規模がふくらまったと、こう考えてよろしゅうございますか。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 御指摘のとおりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると、四十七年度は、住民福祉、あるいは物価対策、公害防止、こういった住民生活優先の予算が当然この四十七年度の財政計画には盛り込まれていると判断してよろしいですね。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) そのとおりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そういう財源配分がこの財政計画で見とれましょうか。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 四十七年度の国の財政規模は、御案内のとおり、伸び率は地方財政計画の伸び率のほうが低うございますけれども、財政規模といたしましては、四十七年度の地方財政計画の規模が十一兆七千四百九十八億、国の一般会計予算の規模が十一兆四千六百七十六億円、こういうことでございます。約二千八百億円程度上回っておるというところにこのようなことがあらわれておろうかと存じます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それは、財政支出の規模はおっしゃるとおりであります。しかし、その財源を探ってみますと、収入面では、結局、交付税というものが別にかさ上げされているわけでもない。一兆円不足するといわれているものを大体八千億ぐらいを公債でまかなう、こういう借金政策によって一応バランスを合わせていっている、こういうことにはなりませんか。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 四十七年度は、御指摘のようなことが国の財政と両方を通じて言えるかと思いますが、もう一つの見方といたしまして、これもすでに先生御案内のとおりでございますけれども、国の一般会計と地方団体の普通会計の決算規模の過去の推移をとってみましても、御案内のとおり、戦争中極度の中央集権体制がとられましたときを別にいたしますると、国の一般会計決算規模に比べまして、地方財政の決算規模と申しますのは、大体、ここ数年来、年によりまして若干違いますが、一億一千万から一億七千万程度を上回っておる、こういうことから、やはり地方財政のほうがいわゆる内政の大部分を担当しておる、こういう姿が出てきておるのじゃないかと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私の質問がちょっと舌たらずであったかもしれませんが、それはわかりますよ。しかし、四十五年、四十六年というのはわりあいに経済が好況、あるいは好況の影響の時代でありましたからつじつまが合った。ことしは、当然、地方税その他の地方収入というものは減ってくるという見込みですね。そうであれば、それはそれだけの財政の規模があるというならば、交付税の率を上げるとか、あるいは新税をつくるとか、こういう財源措置をしなければこれはまかなえない。ところが、財源措置はしないで、かりに概算一兆円足りないものを八千億程度で公債でまかなうと、公債でまかなえない少なくとも額面の二千億というものは、これはどういうことになるかといいまますと、住民負担なり地方負担ということにならざるを得ない。ですから、当然そういう必要があってこれだけの支出規模というものができたなら、それに見合うべき収入の基礎というものが配慮されなければならないけれども、それはさっぱりくふうされておらない、こういうことになるんじゃないですか。心配ないという保証はどこにもないじゃないですか。もっと具体的に言うならば——時間がありませんから端的に言いますけれども、交付税はどうして変えなかったのか。財政収入が少なくなるなら、交付税のかさ上げというものは当然考えられなければならないのに、交付税については一つも手をつけていない。これはおかしいじゃないですか。こういう理屈が成り立ちませんか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 一兆円の財政に対する不足を概算要求当時に申し述べておりまして、実際においてことしの財政計画で八千億の処置しかしておらぬ、こういうことでございましたが、この部面は、加瀬委員もすでに御承知のとおり、概算要求のときにはあらゆる点を条件の上に常に最悪の場合を予想しての財政要求をするのが常でございまして、あの当時におきまして、国税のあり方、したがって、交付税のあり方、または地方税の算定の基準等の見積もりを最悪の場合を予想しながら一兆円の財政計画の不足を概算要求の際に基礎にして概算要求をいたしたような状態でございますが、その後、予算編成時におきまして国の財政の収入の見通しが明らかになり、また、地方税収入が明らかになり、また、国庫負担事業が明らかになる等によりまして、一部いまの使用料、手数料等の引き上げを努力を計上さしていただきましたが、大体八千億程度の財源不足で地方財政計画十一兆七千四百九十八億ですか、それだけを組ましていただいたような状態でございますので、この点は御了承賜わりたいと思います。  ただ、その八千億の財源不足を、交付税の引き上げが全然ないじゃないかということでございましたが、税率引き上げで行なうか、一時的な景気の落ち入りとしてこれを特例交付金、単年度限りの交付金で行なうかと、いろいろ議論のあるところでございますが、今回におきましては、単年度の特例交付金千五十億、それから沖繩に対する沖繩特別交付金として三百六十五億、なお、交付税の総額というものを昨年度同様程度まではどうしても確保したいと、その足らざるところを特別会計の借り入れという姿で措置さしていただき、その足らざるところは一般会計で三百五十億という地方債の措置をもってやらしていただいたというのが本年度の財政措置でございますので、御了承賜わりたいと存じます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 全く財政的には合理的じゃないですよね。合理性を欠いているんです。なぜなら、支出の規模が非常にふえたというなら、それに見合う財源というものを当然考えなければならないわけでしょう。これは、大臣なんかも御努力くだすっておりましたように、いままでも、国の財源と地方財源の税源の配分ということが非常に問題になっておった。こういうときにこそ、税源配分というものを問題にして、地方でやることのほうが仕事が多いというならば、税源・財源が地方のほうによけい来るような主張というものをすべきであるし、そういう改革というものをすべきでありますのに、そういう方法は何らとられておらない。それから当然マイナス面が出てまいりますから、そのマイナス面を公債というような形でまかなっている。しかし、ことしはこれでやりくりがつくでしょう。来年、再来年とこの不況が続いて、公債だけでまかなっていった場合には、一体、地方財政はどういうことになりますか。ことしだって、借り入れる金と公債費で出ていく金とを比べてみると、問題にならないほどこれは危険を蔵しているわけでしょう。必要財源についての考慮というのが非常に欠けている。これは議論になりますけれども、そういう指摘をせざるを得ないのであります。たとえば、これから公共事業の負担というのがふえてまいりますね。それからインフレによって経費の増というものも考えられますね。あるいはインフレということになれば、これは給与費の上昇というものを考えなければならぬ。そういうものを今度の財政計画には十分に見込まれているということにはならないじゃないですか。十分に見込まれるというならば、財源がなければならないけれども、その財源が少しも配慮をされておらない、こういうことが私は言えると思うわけでございます。  そこで、さらに質問を続けますが、いま申し上げましたとおり、景気浮揚対策に馬力をかけるということから公共事業というものを拡大してまいりますと、これは給与の上昇に当然拍車がかかってくることになりますね。なぜならば、公共事業の拡大というものはインフレにつながるわけです。インフレ対策というものがここに盛られておりますか。財政計画にインフレ対策というものが盛られておりますか。インフレを押える、こういう対策が盛られておりますか。自治省は国の公共事業の拡大で地方が負担をかぶって、そのやりくりに非常に困ったというにがい経験を毎年重ねているでしょう。それにもかかわらず、景気浮揚対策という形の公共事業を丸のみに受けている。それで地方はやっていけますか。また赤字の原因をつくるようなものです。赤字の原因をつくらなかったら、交付税を公共事業費のほうに食い込ませるか、そうでなかったら、それぞれの負担をふやすか、こういう形にならざるを得ないでしょう。これが健全財政と言われますか。インフレ財政計画ですよ。そうでないとおっしゃるなら、ひとつ聞かせていただきたい。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 地方財政に特にお詳しい加瀬委員でございますから、ことしの財政計画の見方にそういった危機を存しておると。私も率直に認めます。しかし、本来、国の財政運営、インフレ対策、それらは地方財政そのものの分担よりも、国の財政運営の中で顧慮していただけるべきものじゃないかと思います。ただ、国の公共事業をそのまま地方が受け入れておるではないかという御批判もあろうと思いますが、地方にとりましても、社会資本のおくれということが非常に叫ばれておるときでございまして、国の景気浮揚のための公共事業を地方は地方なりに社会資本の充実ということで受け入れさしていただくように財政計画を組ましていただいた次第でございまして、私は、その意味におきましては、公共事業の充実ということは、国は景気浮揚を第一義とするところの公共事業の拡大でございましたが、地方はあくまでも地方が長期計画の中で立てますビジョンの中におけるところの社会資本の充実ということで、その結果が景気浮揚にも役立つと、こういう姿で財政運営を地方にもしていただくように、また、財政計画もそうでなければならぬと、こう考えておるような次第でございまして、その意味におきまして、四十一年度のときには、単独事業を公共事業だけにとどめて、単独事業を財政が苦しいものでございますから極端に圧縮したのが四十一年度のとりました地方財政計画でございましたが、いま申しましたような観点から、社会資本の充実、特に福祉政策への転換ということは、単独事業こそ行なわなければならないものであるというところから、苦しい財政の中でございましたが、ことしの地方財政計画、単独事業も相当額の伸びを見ながら立てさしていただいたのがことしの姿でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 その問題の単独事業がこれからだんだん制限をされてくることになりますよね。なぜならば、公共事業というのは国からひもつきみたいな形で来ますから、やらないわけにいかない。公共事業をやっていくと金が足りなくなる。足りなくなってくる分は、単独事業費をさかなければならない。こういう悪循環を繰り返さざるを得ないと思う。  具体的に伺いますが、地方財政計画で、公営企業を含めると、地方債の計画は一兆七千二百七十六億、前年度の当初予算から見ると五九・一%の増ですね。五九%も借金をふやして、どうしてこれが簡単に償還できるという——景気がよくなればいい。景気がこの状態であったり、下降したりした場合は、地方財政は破綻でしょう。いま公債費と地方債の出入りを見ますと、公債費で出るものは、大体借り入れの二分の一と、こういう形になってきているんです。百億借りて五十億は返すと、こういうことをやっておったら、これは二、三年はそれで何とかかっこうがつくとしても、どうにも動きがとれなくなってくる、こういうことにならざるを得ないと思うわけでございます。  そこで、さらに具体的に聞きますが、国の行政投資と地方のいわゆる公共事業の負担分というのを見ますと、民間設備投資といわゆる公共事業といわれる行政一般事業投資というものを三十七年と四十年で見ますと、景気の悪くなりました三十七年は民間の設備投資はゼロ、それから四十年には民間の設備投資を八・八%減らしている。そのときに、地方の公共事業は、民間投資の下降を地方の公共投資で補うという意味で、三十七年に二九%、四十年に一八%ふやしている。それで景気は回復した。しかし、そのために、地方では、公害であるとか、過密・過疎であるとか、いろいろのいままで出さなくてもいいような費用を出さざるを得なく追い込まれているわけであります。不況対策ということをいわれているんですが、これは不況をあおるような対策が地方財政計画には多分にあっても、不況を克服するといいますか、不況から住民を救済するという、そういう意味の財政計画は盛られておりませんよ。そう判断せざるを得ない。福祉優先の方策ということを言われるなら、福祉予算というのがあらゆる面で盛られておらなければならないけれども、そうではないでしょう。国の一つの規模の補完作用を地方の公共事業がやっている。単独事業なんかふえていますか。住民福祉を優先するというなら、単独事業が非常にふえなければならない。構成比から見れば、非常にふえているという形にはならないでしょう。あるいはまた、市町村長なんかに聞いても、これでは単独事業はやっていけないと、こういう非難が多いでしょう。いつまでもどうして国の政策に合わせて地方財政計画というものを立てると、こういうことをやっていくんですかね。国の政策を補完するというなら、国の政策からかぶっている住民の不利益なり被害なりというものを救済するような計画というものが盛られなければ、これは地方財政計画とは言われないと思うのです。私にはそういう趣旨が十分盛り込まれているとはうなずけないですけれども、いかがですか。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 的確なお答えになるかどうか存じませんが、一つの例としてこういう数字をお示しいたしまして御判断を仰ぎたいと思うわけでございますが、四十七年度と四十六年度と財政計画の歳出規模でございますが、   〔副主査退席、主査着席〕 一般財源ベースで一兆三千九百六十九億増加いたしております。その中で国庫補助負担金等を伴う経費の増加額でございますが、これが三千九百九十七億でございまして、まあ大体三割ということでございまして、残りの一兆円は国の補助負担というものを伴わない、いわばそういう意味におきましては地方団体の裁量判断の余地によって選択ができる、こういう経費に相なるわけでございます。  もう少しその中身をこまかく申し上げますと、一兆三千九百六十九億ふえた中で、直轄事業、公共事業、失業対策事業、こういったいわゆる国の広義におきます公共事業に伴います地方費の増が二千二百六十一億でございます。それから一般行政経費で、老人福祉でございますとか、児童手当でございますとか、生活保護でございますとか、そういうものに伴いまする増が七百二十六億、義務教育関係職員の経費が千十億でございまして、たとえばそれと単独事業の増加額三千六百九十億、あるいは国庫補助負担を伴いません職員の給与費の増が三千二百億、あるいは公害対策でございますとか、そのほかのいままさに先生御指摘になりましたような行政経費におきまする単独系統の増が千四百億と……

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ちょっと説明を簡単にしてください、時間がなくなっちゃうから。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) はい、こういう数字を見ますというと、必ずしも国の財政に追随した財政計画ということは当たらないのではないかという一つの判断材料でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 この義務的経費というものは自然的に膨張するものですから、たとえば国家公務員の給与改定が行なわれる、したがって地方公務員がそれに右へならえで行なわれると、その経費を盛ったって、これが福祉予算だとかあるいは地方の単独事業ができる予算だとかということにならないですよ。  具体的に伺います。これは違っておりますかね。公共下水道の建設費の財源構成がある新聞に出ておった。東京を見ると、地方団体費が二七・九%、国庫補助が一三・一%、地方債が五八・九%。これを埼玉県の川口で見ると、地方団体費が三・七%、国庫補助が二八・九%、それから地方債が四一%、それに受益者負担というのが三二・六%。私も自分で計算したわけではありませんから、これが正しいとは申しませんが、これは一つの例だと思う。こうなってまいりますと、地方都市では東京都のように東京都が負担をしてやるならまかなえますけれども、いま一番環境施設として必要な下水道をつくるにしても、三二・六%は受益者負担、それから地方債は四一%、こういうことでありますと、地方ではなかなかやろうとしてもやりにくくなりますね。できかねるわけでありますね。しかし、下水を必要とするものは、その地方が原因をつくったわけじゃない。日本の都市政策なりあるいは首都圏の社会的経済的状態というものが下水道を必要としている。しかし、それは少なくとも五〇%以上を地元の住民が負担しなければならない。こういうような計画では、実際に地方の仕事というものができてくるはずはないでしょう。  それからいろいろ学校の経費等を増額されたということをおっしゃっておりますけれども、住民負担の実情というのを見ると、これは全国知事会が出しましたのが必ずしも正確な数字かどうかはわかりませんが、まあいままでの御努力で一応超過負担というのはなくなっているということになっている。なくなっているということになっているにもかかわらず、全国知事会では、そうではなくて、膨大な数字というものを二千六十九億のまだ超過負担があるというものを出していますね。それで見ると、単価の差、数量の差、対象の差、こういうものは厳然としてあるでしょう。ありませんか。単価の差、数量の差、対象の差というものによって住民あるいは地方団体に負担がかかってくるという事実はお認めになりませんか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 地方団体が出します数字が必ずしもこのままが直ちにそうであるかどうであるかということは、御承知のとおり、二十二年、二十三年と調査をいたしまして、この調査結果に基づきまして毎年計画的に昭和四十六年度まで超過負担の解消をはかってきたことは事実でございますが、その後におけるコストの上昇あるいは数量の増加等によりましてまた新しい超過負担が起こっておることは、いま知事会の調査いたしました数字によりまして御指摘のとおりでございます。こんなことではいけないということで、ことしの予算編成の当時、大蔵大臣とも話し合いまして、本年度あらためて調査いたしまして計画的の解消をいまひとたびはかるということで、その調査経費等も、わずかではございますが、両省ともに予算に計上さしていただきまして、関係各省と協議の上あらためてこれの調査をし、調査の結果をもってこれの措置を講じてまいりたいという措置をとらしていただいた次第でございまして、いま加瀬委員御指摘のとおりの超過負担——知事会の数字どおりではないと思いますけれども、次の解消のときにはまた再びこのようなことが起こらないように、何らかの形の抜本的措置もあわせて考えなくちゃならぬと、目下検討努力をいたしておるところでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 一番問題は、過疎の問題もありますけれども、特に首都圏あるいは大阪周辺の人口急増地域の学校等の人口増に伴う当然の社会増があるわけですね。それに対する用地費なんてものは正確に計算ができないでしょう。かりに計算したところで、その正しい補助というのはほとんどない。それから校舎にいたしましても、結局きめられているものの何%という割合でしか補助が出されない。単価が違って、対象のとらえ方が違って、これでは具体的に数量も違ってくるということになりますから、これはもう法律できめられているものすら補助対象にならないという現状ですね。ましてや用地費についてはほとんど考えられておらない。こういうことでは、どうしたって地方は赤字をかかえ込まざるを得ないということになるわけです。これはその地方の、たとえば市川市なら市川市、埼玉の福岡町なら福岡町が原因で、その市町村が原因で財政規模をふくらましているわけじゃないですね。国の政策なりその他に影響されてそういう必要経費というのを生じている。町村財源の裏打ちというものは一つもない。これでは、もう東京近辺の人口急増地域の市町村というのは、どうにもやっていけませんよ。しかし、それすらも自治省はだいぶ御主張をなさっていらっしゃるようですけれども、今度の財政計画には一部認められておりますけれども、ほとんど根本的な問題は解決されておらない。これはどう将来するんですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 人口急増地帯の対策、これまた加瀬委員の御指摘のとおりでございます。自治省といたしましては、このために、人口急増地帯に対するどころの公共施設の整備促進をはかるための特別措置要綱なるものをつくりまして、関係各省にお願いをいたしまして、関係各省からそれぞれの必要最小限の公共施設に対するところの国庫補助の増額等を要望していただいたのでございますが、本年度の予算編成にあたりましてこれが全部満たされるというところまで至りませんでした。一部、小学校の三分の一が二分の一になる、あるいはいま御指摘になりましたような人口急増地帯の対象件数を一・五年先の見通ししかならぬ分を三年に延長しての補助対象にする、あるいは都市公園の中に児童公園も入れさしていただき、補助対象、補助率の改善等も行なわしていただくということ、また、清掃施設につきましても補助単価の基準を実情に合うように三倍に引き上げていただくというふうな措置はとられましたが、補助率の引き上げ等を含めまして十分な措置がことしは国庫財政の苦しさの中からこれを十全を期することができなんだというふうな姿でございます。私たちは、あくまでもこの要望の線に従いまして今後も引き続き努力し、少なくとも総合的なこれらに対する立法措置を講ずるまでに努力いたしたいと、引き続いて努力いたす覚悟でございますので、この点につきましてもまた格別の御鞭撻を賜わりたいと存じます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 四十五年には、特別事業債か何かで赤字の出た公債費の分をあとで国の責任で償還するような方法がとられた。今度はとれれておりませんね。公債の額は四十五年度よりもはるかに大きくなっている。しかし、四十五年度のように公債を償還する対策というのは何も考えられておらない。ことしは、まあいろいろ御説明なさって、つじつまが合っても合わなくてもことしは過ぎますよ。この不況状態が来年、再来年と続いておったら、どうなんです。なぜ一体特別事業債というふうな制度を引き続いて設けなかったのか、あるいは、これからかりに地方財源が枯渇をしてもう公債ではまかなえないという状態になったら、別に何か方法を考えるということなんですか、この点はどうでしょう。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) この不況が二年も三年も続いたなれば地方財政は破綻におちいると、御指摘のとおりだと私も思っております。しかしながら、ことしの経済見通しは、政府といたしましては、後半期諸施策の充実侵透によりまして、従来のような好景気に上がるということはございませんけれども、少なくとも安定経済のところにまでは向いてくるであろうと。したがって、年度間の景気の浮揚と申しますか、規模の上昇は大体七・七%程度であるという前提のもとに国家財政も組まれ、また、これに基づいての地方財政計画も組ましていただいたような次第でございます。国庫財政計画におきましても、この不景気がなお続くということになりましたら、それに応じたようなまた措置も組みかえられなければならないことになるのではなかろうかと、かように存じております。いま御指摘になりました特別事業債の件、四十五年度と言われましたが、私は四十一年度のときのことを御指摘になったんじゃないかと思いますが、あのときは、御承知のとおり、交付税率の引き上げ、それから足りない分を特例交付金、なお、公共事業の増加等に対しましては九百十何億ですか、千二百億の起債のうち九百何億の直轄事業を元利償還を行なうところの特別事業債で行なうというふうな措置を講じた次第でございますけれども、本年度はその中で一時的な年度限りの特例交付金だけの措置で交付税率の引き上げも行なわず、また、特別事業債というふうな元利償還づきのものも組まなかったという点、四十一年度と比べてことしは非常に足らないんじゃないかという御指摘、これは地方行政委員会においてもたびたび出ておるのでございますが、根本は三二%に四十一年に引き上げさしていただいた交付税率のその後における状態等からながめまして、ことしは交付税率も引き上げずに特別交付金のみに頼らしていただくことにいたしました。また、特別事業債につきましては、あのときに組ましていただきました特別事業債は、あの当時は、やりましたときは特別事業債という名前をつけましたが、予算措置によるところの元利償還で、法制化されておりませんでした。後年度におきまして、四十三年でしたか、確かにこれを元利償還づきに法制化さしていただいたのでございますが、四十五年にはこれを交付税の中において措置するというふうな姿に変わって今日に至っておるのが事実でございます。その間、元利償還づきの起債というふうな制度はむしろ補助金と同じような姿で見られるものであるから、起債は起債という措置に置いておいて、後年度の地方財政計画のあり方の中でこれを消化していくという方針でやっぱり純化するものがよいというふうな意見もございまして、また、直轄事業だけに限るときはたまたまその年度に公共事業をたくさん行なうところが補助金というふうな形でこれを措置するような形になるというふうな御批判もあったところから、本年度は特別事業債の制度によらず、地方債という制度で後年度の地方財政、国庫財政のあり方の中でこれを長期的に処理していくという方針で組ましていただいたような次第でございまして、三二%という交付税の率と二九・五%であった当時の率、それらのものがいまのような措置の違いを生んだのではなかろうか、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 交付税のパーセントだけを問題にしますが、交付税の性格というものは、当然、交付税の総額が少なくなればパーセントは上がるという性格のものでしょうね。だから、二九%が三二%に上がったからといって、三二%の交付税そのものの総額が少なければ、パーセントを上げて総額をふやして需要に応ずると、こういう制度でありますから、交付税というものは地方の固有の財源でありますから、自治省としてはもっと主張していただかなければならない問題だと思います。  最後に、一つ、自治省は、国の行政意思というものだけを先行させるのか、住民の意思を尊重するのかと聞けば、住民の意思を尊重するとおっしゃると思う。で、今度、きょうの新聞にも出ておったと思いますが、東京の江戸川区で成田新幹線というものに対する行政訴訟を起こした。成田新幹線というのは、成田空港のお客を運ぶということなんだけれども、自治省は、成田の空港ができた場合の乗降客は一日幾らで、新幹線を必要とするのかしないのか、こういう検討はなされたのでありますか。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) そういう検討はいたしておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは御担当ではないから当然でありますが、新幹線が必要かどうかということをまず検討していただかなければなりませんし、それによって利益する者と被害をこうむる者の人員の調査をすれば、これはもう問題にするまでもなく、これだけの住民被害というものを犠牲にして新幹線をつくることがいいか悪いかということは、当然出てくると思う。住民が反対するのは当然ですよ。住民の利用度というのはゼロですから。被害度だけしかないですから。で、ああいう公共団体が行政訴訟を起こすというふうな問題に対して、自治省はどういう住民の意思を国の機関あるいはこの計画なりに反映してくださいますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 国が施策を行なう場合に、関係地方公共団体の意見を十分尊重せなければならないということは当然のことでございますし、私たちも、そのような立場におきまして、たえず事の運ばれることを望んでおるのでございますが、このような今回の事例のように、あるいは新国際空港をつくるとか、または成田の新幹線を除きましてほかの長期的な新幹線のような場合のように、大きく国の観点につきまして国土利用ということを考えます場合に、一部地方団体と利害が相反するというふうなことが起こり得るといいうこともまたやむを得ないところでございまして、問題の解決のむずかしさはそのような点にあるのじゃなかろうかと常々考えておるようなことでございますが、その場合におきましても、十分住民の意思が存するように処置していただきたいと、かように考えておるところでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 区なり県なり市町村なりがこの新幹線は反対だという意思決定をした場合は、自治省はこれをどうお扱いになりますか。——それぞれの議会でですね。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 意思決定されるのには意思決定されるそれだけの理由があろうと思いますから、私たちは、当該意思決定に伴う事業を行ないます官庁がこれらの地方団体の意思と十分連絡をとっていただきまして事が順調に行なわれますように希望いたすものでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは事前に自治省に御相談がありましたか、国鉄なり運輸省なりから。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 私ども財政当局には御相談はございません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは法律で自治省と相談しなけりゃならないことになっていますね。なぜならば、地方負担を当然伴うわけですよね。どういう形で鉄道ができるか知りませんが、それを横切る道路があった場合は、建設省と国鉄の協定、それによりますと、国鉄側は関係省庁に協議をしなければならないということになっている。したがいまして、自治省に相談をするということが当然規定されているわけです。ほとんどそういうことをかまわずに計画だけ進められる。しかも、国鉄当局の二、三年前の答弁では、大体推定五千人くらいだろうと、一日に。そんな人数を運ぶのに新幹線なんというものは私どもはいまのところできませんという答弁をしている。国際空港としての乗降客をフルに使えるだけの設備ができておらない。できないかもしれない、将来。それで、新幹線だけ通す。こんな、国鉄そのものが赤字で、国の財政だって問題の不況のときに、そういう計画を強引に政府がきめる。しかも、それによって地元負担というのが当然かかる。自治省に相談しなければならないというきまりがあるのに、何も相談を受けていない。こういうことであれば、これは地方の反対する意思というものをそれぞれの団体から十分聞いて、ひとつ国に地方の意見が通るようなお取りはからいをいただきたいと思います。  これは希望だけ申し上げて、時間がきましたから私の質問は終わりますが、財政計画の御答弁はふに落ちません。適当な機会にもう一回詳しくお話をいただかなければ、このままでは話にも何にもなりませんので、いずれあらためてまたお願いします。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 最近、国会の内外では、知る権利ということが非常に論議されたわけでございます。ところで、私はきょうは、僻地の人々の生きる権利ということについて少し承ってまいりたいと思います。まあ保険あって医療なしといわれます僻地、過疎の人々は、死ぬときでも医者にかかれないという状態でございますね。そういう地域に対して医療供給体制というものは、一体どうなっておりますのか。また、その対策はどうなっておりますのか。これは厚生省のほうにまず承りたいと存じます。

新谷鉄郎厚生省医務局医事課長

○説明員(新谷鉄郎君) お答え申し上げます。  僻地医療対策につきましては、昭和三十一年から年次計画を立てまして、僻地診療所の整備だとか、巡回診療の充実だとか、患者輸送車の整備等のいろいろな施策を実施いたしてきておるわけでございます。この僻地医療対策の第三次計画というのが現在進行中でございますが、昭和四十七年度、つまり本年度をもって一応その三次計画が終了するということになっております。私どもといたしましては、今後この計画が終了次第、これまで続けてまいりました施策をさらに充実させるとともに、特にまあ、これからの考え方といたしましては、大きなわが国全体の社会経済の変動の中で、僻地につきましても、全体としてみれば道路網の整備だとか、あるいはモータリゼーションの普及であるとか、生活圏の広域化であるとか、そういった新しい現象が進行いたしておりますので、そういう新しい現象に即応した僻地医療対策を確立していかなければならないというふうに考えております。具体的に申し上げますと、やはり僻地のそれぞれの地区に医師を常駐させるというようなことは、今後非常にいろいろな観点から考えて困難でございまして、むしろやはり交通網の整備、モータリゼーションの進化ということを前提にいたしまして、やはり機動力をさらに強化していく。病気になったときにお医者さんのいるところまで直ちに運べるような体制を強化していくとか、あるいはもう一つ地域連携対策というふうに呼んでおりますけれども、あらかじめその地域につきまして健康診断を実施いたしておきまして、その地域の住民につきまして健康管理票のようなものを親元病院のようなところへ備えておきまして、万一急病があったような場合には、電話の連絡によりましてそこに医師がいなくてもその健康管理票を見ながら応急の措置の手当てをするとか、そういうような対策を今後充実さしていきたいというふうに考えております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 そういうふうにいまからしでいくということでございますね。現在の供給体制はなかなかそこまでいっていない。したがいまして、私はやっぱりその僻地、過疎の方たちの生きる権利というものについて、もう少し考えていただかなければならないと、こういうことを申し上げたいわけでございます。  きょうは、自治医科大学の問題について、おもにお尋ねをしてまいりたいと思います。時間があれば、あとまた、どういうようにお医者さんたちの配置状況がなされているか、こういう問題についても承りたいと存じます。  で、四月十六日の毎日新聞、また四月十九日のNHKテレビのニュースの中に、自治医科大学の授業計画についての甘さの指摘があったわけでございます。つまり、百六十億の事業費であったのが、第二期工事の終わる四十八年には、四十七億の増加が見込まれ、それに対して国が十七億支出、栃木県に三十億負担してほしいとの要請があり、栃木県としてはその多額の申し出に難色を示しているという、そういったような報道であったわけでございます。  で、次々尋ねてまいりますけれども、まず、それでは最初に、この自治医科大学の創設までの経緯について承りたいわけでございますが、時間がございませんので、ごく簡潔に要点だけ伺ってまいります。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) いまの、僻地に対する医者が非常に少ないというところから、僻地に勤務していただくような医者を地方自治体相寄りましてつくろうじゃないかという意見が起こりまして、四十六年度の予算で、わずかではございますが国の補助金をもちまして、関係全国の知事会が共同して自治医科大学をつくるということにきまり、その後、その所在地を、設置地点を栃木県にしたという姿でございます。この点につきましては、いまの新聞によってそのような姿で報ぜられたことでございますけれども、さきに地方行政委員会で小谷委員からの御質問がございまして、詳細に答えさせていただきたいんでございますが、ちょっとこれからの質問に、あるいは先に触れるかもわかりませんが、経過といたしまして、一番最初、昭和四十五年度において秋田自治大臣が述べられましたのは、従来、昔ございました、戦前にございましたような、緊急に医者の確保をする、しかも僻地の医者を確保をするということで、高専の形のような医科大学を計画され、そのような姿におきましてはもっと少ない規模の、小さな規模の学校計画を立てられるような構想で立てられたんでございますが、医師会等の反対、厚生省等の反対もございまして、現在の医学の進歩からどうしても大学課程でなければならぬということで、四十六年度の予算要求に対しましては、医科大学といたしまして予算要求をした次第でございます。自治省ではそういうふうな経験もございませんので、一応文部省の国立大学一校分の額を基準といたしまして百六十億、いま言われました百六十億という基準の額を上げたんでございます。この百六十億といいますのは、文部省が今日までやっておられる国立大学の規模といたしまして大体最大限の規模でございまして、その当時立てさしていただいたのでございますが、しかしながら、その後、実際に行なう段階になりまして、いま御指摘のように、この医者は、特に僻地へ勤務していただく医者でございますので、高い倫理もまた、優秀な技術も必要とし、また一人で設備の少ないところで勤務していただく関係上、高度な医術を学んでいただかなければならぬというふうな特殊な要請に基づきまして、全寮制にしての一貫教育ということがぜひとも必要であるというところから、普通の規模の学校だけでは足らない、なおその上に設備の少ないところで勤務いたします者について、設備の完備したようなところでの診断と同じようなものが、電算システムにおきまして自治医科大学を中心として各地区に中間基地を設けて、これを電算計器によって僻地におきましても、高度の機械を擁しておる診断と同じような診断がくだせるようなシステムもあわせ研究するというふうな大学体制にいたしましたものですから、規模がふくれまして、いま御指摘になりましたような数字になった次第でございます。四十七億不足して二百七億という新聞発表でございましたが、まだそこまでは至っておりません。幾分かの余裕を見た数字が、その数字でございます。しかしながら、四十七億昨年の計画から足りなくなったから栃木県に持っていって、あと国庫が出すという姿ではございませんので、栃木県に幾分かの金を持っていただきますいうことは、昭和四十六年のたしか一月であったと思いましたですが、この計画を実施に移すにつきましての知事会の世話人会の申し合わせで、経費は各地方自治体が平等に分担する。ただし付属病院、あるいは看護婦の養成等で、地元としてもそれだけの恩恵に浴しますので、額はきめておきませんけれども、幾分かの地元負担を地元所在県が、まだそのときはたしか栃木県にきまってなかったと思いますが、所在県が持つということにきめさしていただいたのでございます。その申し合わせに従いまして、知事会のほうで栃木県に持っていただくことをお願いしておるというのが現況でございまして、足りなくなったものがそのまま栃木県に出たというようなのと、これ分離して事が起きておりますので、そのような姿で御理解を賜りたいと思っております。  現実に私、先般、たしか十七日ですか、入学式がございまして、そのときに現地に参りまして、宇都宮から学校まで約四十分かかりますが、私と知事さんと二人だけ自動車に乗りまして往復したんでございますが、その中でこの問題の話をいたしましたんでございますが、知事さんといたしましても、金額は持たなければならないと言うて、ただ貧乏県のためになかなか持ちにくいので、額がきまりましたら、ひとつ自治省のほうで何とかその財源の措置をお助け願いたいという依頼はございました。金額の決定につきましては、知事会のほうで円満におきめ願いたいということを要望しておいたような次第でございまして、その間新聞に出ておりますというふうな姿の私に対する応答は、全然なかったのでございます。いま申しました知事さんとのやりとりの中から、従来までありました知事会のなにを、ただ議会のほうがどう受けとめておられるかという点、また金額のふえました点と重なり合いましたもんでございますから、議会の側の受けとめ方等から、そういうふうな姿で記事になったのでなかろうか、かように考えておるような次第でございますが、知事会のほうで円満に解決していただきますようにお願い申し上げたいと思います。  そのときの話ですけれども、あの基準は十万坪、だから私たちも十万坪ときめておったのです。知事さん自身が言われましたが、渡海さん、十万坪であるということであったけれども、十四万坪にしてもろうたんだ、幸いこの地は十四万坪あったんだ、十四万坪にしておいたために、このような緑の中にこのようなりっぱな学校ができる、やっぱり十四万坪にしておいてもらったことがよかったと思いますというふうなことも申されましたんでありまして、そのような観点で、金額は基準額を出しました。なお、学校の性格上、額がふえてまいったというのが実情でございます。その額を持っていただくということとは、別の問題であるという点で御理解賜りたいと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 しかし、七十五億のときにいたしましても、各都道府県が均等割りということでございましたね。均等割りになっておるわけでございましょう。七十五億であったときの一都道府県の負担金というのは、これみな均等割りになっておるわけでございましょう。それが百六十億になってどうなりましたのか、先ほど栃木県につくるのだからある程度受益者負担というかっこうは話し合いがしてあるということでございましたね、それでは、自治大臣にお尋ねするのですけれども、三十億という額については、自治省としては、栃木県に対して要請をしたという覚えはないと、こういうことでございますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 自治省としては、要請はいたしておりません。ただ、これは団体で、法人として行なっていただいておりますその事務を知事会だけで行なうことができないものでございますから、自治省の役人がそれのお世話をさしていただいておることは事実でございまして、そのお世話をしておる者が、その額を栃木県のほうにお話しさしていただいたという姿でございますので、私と知事さんとの間にも、知事会のほうでこれは円満にお話し合いしていただきたいということを要望申し上げた次第でございまして、したがいまして、三十億という額は、私も新聞に出まして初めて知ったという姿でございまして、もし自治省が要請しますのであれば、このような大計画でございますから、私の決裁も得、私にも相談があってなされた、こう思いますが、あくまでもそれは、知事会が行なっておられます分を、一人は出向の形でおりますけれども、一人だけでは向こうでそのことを全部行なうことができないものでございますから、幾ぶんか事務的なお世話をさせていただいておる。その事務的なお世話をさせていただいております立場において、知事会の世話人会等でございました決定に基づいてのよりよりのお話を、その者がさしていただいたというのが実情でございまして、知事さんもそのように受けとめておられます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 それでございますと、大臣、これはやはりはっきりした態度をマスコミを通じてお話しになる必要があるのではなかろうかと思います。と申しますのは、四月十六日の新聞にいたしましても、「自治省はうち三十億円を地元栃木県に特別出資してほしいと要請していることが十五日の同県議会で明らかになった。」と、こういうふうに報道しているわけでございますね。そうしますと、これは明らかに自治省のほうから県のほうへお申しつけになった。それが県の十二日にあった委員会でございますか、県議会でございますか、そういう何か要請があったことについて、十五日に県の議会のほうでそういう要請があったということがすでに発表されているわけでございますね。いまの自治大臣のお話でございますと、私がそんなことを直接お願いするはずはないと、これは明らかに知事会のほうでおやりになったことを、私のほうが事務をしているからそういうことになったんだと、こういうお話でございますが、これは私は非常に違うと思いますから、事が重大でございますから、この点はっきりしておいていただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) そのようなこともございますので、私の所属いたしております内政クラブの記者の方には、内容はこうであるということは、申し述べさしていただいた次第でございます。しかし、それを報道にしていただけますかどうかということは、また報道機関の自主性でございますので、なんでございますが、マスコミ関係者の私のところに所属しておられます方には、この点は私、記者会見でつけ加えて申させていただいたような次第でございます。  なおまた、この点に関しまして、新聞に出たことにつきまして、私もこれもほのかに聞いておるのでございますが、県当局からお見えになりまして、あのような報道が出たことについての了解と申しますか、そのことのお話が、総務部長が来られまして事務当局にお話があったそうでございます。私自身知事さんと直接会いまして、私も、ああいう記事が出ておったものでございますから、御迷惑かけてすみませんと、率直にこちらは知事さんに答えたわけですが、向こうからもそれに対しまして、いやいや、当然何かしなければいけないんでございますから、というお話でございました。私がいままで承知しております分と、知事さんの受けとめ方は変わってないんだと思います。ただ、知事さんと議会に対するものが初めから——これは四十六年一月二十一日でございます、きめられたのが。それによりますと、先生資料を持っておられると思いますが、「負担の方法」としまして、「医科大学建設費(法人設立のための出資を含む)の負担額は、各都道府県が均等に負担するも一のとする。」(2)といたしまして、「医科大学の設置される都道府県は、(1)の負担額のほか、当該地域の医療確保との関連において、受益者としての負担を行なうものとする。」ということに、これは世話人会できめまして、これに基づいて言わしていただいた、そういう事実でございますが、議会との関係等がいかになっておりますか、それらの関係から、ああいうふうな受けとめ方を議会方面でされておるのじゃないかと思います。その点長い目で見ていただいて、私も措置したいと思いますので、という知事さんのおことばでございましたので、私たちもその知事さんのおことばを信じまして、解決の方法を待っておるというのが現在の状態でございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 それにいたしましても、この三十億という数字がどこから出てまいりましたのか、自治大臣はどういうふうにお考えでございましょう。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 事務的な問題でございますので、私から説明をさしていただきます。  経過は、大要ただいま大臣から御説明申し上げたとおりでございますが、そこで、先ほどの受益者としての負担を、私どもの目から見まして適当であるということで、一応整理をさしていただいておりますのは、一つは看護婦養成施設等各種学校でございます。それは特に看護婦養成につきましては、県が自治医大に委託をする。こういう関係もございまして、その各種学校の校舎建設費といたしまして六億円、それから看護婦宿舎の建設費といたしまして六億円、それから水処理プラント及びエネルギー プラントの建設費の一部——これは御案内のとおり、この医科大学を設置いたしました場所が県の畜産試験場のあと地でございまして、いわゆる市街化の進んでいないところでございますので、どうしてもこういうのものが新たに必要になってまいります。これが四億円、それからこの大学に八百床の病院を設置することになっているわけでございますが、主として地元の方々の利用される向きが多かろうということで、この付属病院の建設費の一部といたしまして十四億円、こういうものを合算いたしまして三十億円、こういう整理をいたしておるわけでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 しかし、この自治医大の設立の趣旨から申しますというと、この三十億というのは、いかがでございますか、これで適当な額、妥当な額だというふうにお考えでございますか。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 医科大学の設立の趣旨ということからさかのぼってまいるわけでございますけれども、その出だしは、先ほど先生も御指摘になりましたように、僻地の住民なるがゆえに医療の機会を持たないままに一生終わってしまう、こういうお気の毒な現状をほおっておくわけにはいかぬではないかということで、実は、医学教育の所管省でもない、病院行政の所管省でもない自治省が、御案内のとおり、過疎地域振興特別措置法の規定の趣旨もございまして、医師の養成機関の設置ということを呼びかけまして、全国知事会がこの主体になられまして、そこで各県でいわば県民の税金をもって医師を確保しようという、まあある意味におきましては、まさに私は非常な美談であり、ある意味においては非常にやむにやまれぬ措置だと思うわけでございますが、それだけに各県かその負担を平等にされる——百六十億の中で十億国庫負担がございますが、各県の負担を平等にいたしまして、三億二千六百万でございます。これは東京都も三億二千六百万持ちます、鹿児島県も三億二千六百万持つ、こういう仕組みになっておるわけでございます。ところが、先ほど大臣からお話がございましたような高度医療の教育、あるいは全寮制をとっております、六年間全寮ということでマン・ツー・マンの教育を行なう。こういったようなことから、ほかの医科大学に例を見ないようなやはり教育形態というものから、非常に多額の金を要するものでございますので、やはりこの地元の利益という面も加味して、私ども三十億というものをいまそこで整理をさしていただいておるわけでございますが、この程度の負担というものは、やはりこの設立発起人会の御意見等からいたしましても、全体の二割弱の額に相なるわけでございますが、その程度の負担というものは、私どもといたしましては、やはり一般的に容認せられるところではないだろうかというふうに考える次第でございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 栃木県の東京事務所の所長さんの話では、三十億もの負担をしなければならないのだったら誘致するのではなかったというようなお話も出ているやに承っております。そこで、自治大臣は知事さんとの話し合いは非常にスムーズにいったようにお話をなさっておられますけれども、これはまあ、やはりなかなか不況下の中でこういった大きな負担ということは、栃木県としてもそんなに裕福な県ではございませんし、これは失礼な申し上げ方かもしれませんが、なかなか大きな負担ではなかろうかというふうに私は考えます。そういうことになりますと、自治省はこれからこの事業費の拡大分についてどういうふうに栃木県に対してやってお上げになるおつもりなのか、承りたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) もし栃木県で持っていただけないというふうなことになりましたら、各知事さんのほうで、あるいは額が下がりましたら持っていただくようにお話し合いができる、これが知事会の中の申し合わせになっておるのではなかろうか、私はそう考えます。それで、知事さんに、知事会のほうで円満に解決できるような話し合いを進めてくださいということをお願いしたような次第でございます。しかしながら、額がきまりましたなれば、起債その他の措置におきまして、当面の栃木県の財政を圧迫するようなことのないように計らい、これらの償還期につきましては、後年度に通じてケース・バイ・ケースで処置させていかなきゃいけない。この点につきましては、貧乏県であるから、額がきまりましたらいずれお世話になりますが、よろしくお願い申し上げますという知事さんのおことばでございましたので、私たちといたしましても、できるだけの処置はさしていただきたいと思いますと、このようなお答えをしておいたような次第でございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 それでは、栃木県があんまりお困りにならないように、自治省としては何とか配慮すると、そして知事会においてもやはり自治大臣としてのあっせんの労もとると、こういうことでございましょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 私があっせんの労をとるということは申しませんでした。知事さんのほうに、円満に話し合いが進むようにということをこちらからお願いしたら、知事さん、自治大臣ひとつあっせんの労をとってくれと言われることも申しておられませんでしたし、いやそれは御心配かけないようにとまでは言われませんでしたが、その意味で受けとめていただいて、ただそのきまった額について自治省が措置願うということを言われたんでございますから、私が自分から乗り出していくということはなく、知事さん自身十分考えておられるんじゃなかろうか、こういうふうに考えます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 自治大臣はなかなかじょうずにお答えくださいますけれども、実際問題としましては、東京事務所長さんがおっしゃっておられますように、栃木県としてはこれはなかなかの難問でございますから、おそらくまたその話し合いがうまくいかなかったときには、自治大臣にあっせんの労をとってくださいといったようなお願いもあろうかと思います。そういうときには、自治大臣、じょうずにひとつ知事会にうまく話をしていただいて、栃木県が受益者負担以上の負担を負わないように、うまくひとつやっていただきたいと思います。しかし、先ほどお話がございましたように、このたびの計画はずさんであったということは、これは大臣いまいろいろと私に説明をしていただきましたけれども、私はちょっと納得いたしかねる点もあるわけでございます。たとえば、このたびの計画の中で、いろいろずさんだという指摘があるわけでございますが、たとえば建設事業計画の新旧対照表というものと、「大学のしおり」というものを見ますと、本館につきましても、いわゆる十一万七千平方メートルというのが「大学のしおり」、そして実際の新旧対照表には九万五千五百三十四平方メートル。あるいは付属病院にいたしましても、看護婦の宿舎にいたしましても、それぞれ違いがあるわけでございます。そういったようなことも含めて、私はずさんな計画だということを指摘いたしたいと思うんです。  それで、お医者さんにしましても、りっぱな方を次々にお招きしたからといったようなこともございましょうが、これは初めから、そのお医者さんについては、いい人をちゃんともう選んで、一流の、超一流の医科大学として出発しようという計画もあったやに承ります。ですから、このように膨大な事業費がふえるということについては、私はどうも納得いたしかねるというふうに考えるわけなんでございますが、その点はいかがでございますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) いまのしおりの点につきましては、事務的なことでございますから……。ただ、私、申し上げたいんでございますが、栃木県の事務所長が県民感情その他のことからそういうふうに申されたんじゃないかと思いますけれども、私が知事さんと話し合いましたときには、知事さんのお答えはうそも偽りもせずに、いま萩原委員に答えさせていただいたとおりでございますので、私、こちらからそのような差し出がましいようなことを申し上げるのはいかがかと、このように存じておる次第でございます。知事さんもそのことを、まあ、知事さんが最高責任者でございますので、私は知事さんの言を信じたいと思います。また、あの新聞につきまして、総務部長が出て参られましての話にもそのようなことばもなく、ただ、これで自治省のほうで何かいろいろなことがあったということに対しての了解的なお話しであったというふうに承っております。ただ、これをあまり反発を加えることによりまして、議会方面との関係もございますものでございますから、あるいはいま申されたように、それほど要るものだったればもらうんじゃなかったと、まあ各地の学校でしたら、もし誘致運動が起こっておったなれば、おそらくそれ以上の条件を出して、おれのところに来いと言われるようなこともあるいはあったかもわからぬと思いますけれども、負担するということは前からきまっておりましたけれども、具体的にきまりましてからの金額のきめでございますから、そういうふうな姿になったんじゃなかろうかと思います。その点は十分知事さん、県民感情にこたえながら処置していきたいというおことばでございましたので、私は最高責任者である知事さんのおことばを信じて善処をお待ちしているというのが私の姿でございます。  なお、お医者の件でございますが、これは私自身お会いさせていただき、また入学式における式辞等も聞かせていただき、その後、集まっておられます教授陣の、また助教授、助手等の方々の、一日ではございますが、態度等も聞かしていただきまして、敬服しておるような次第でございますけれども、まあ現在の医学会の会長をしておられます沖中先生の御推挙によりましていまの学長を選んでいただき、この学長の徳を慕って各教授陣に集まっていただいたような次第でございまして、この教授の、またいま申しましたように、単に医師を養成するというだけでなぐ、その勤務する者の地点が施設のないものでございますから、その施設のないところに勤務する者の診療が、施設の完備した病院で勤務するのと同様な診断ができるような措置をシステム的に、これは初めての、おそらく世界でもないシステムであろうと思いますが、研究開発して、六年後に勤務地についたときに安心して治療ができるように持っていきたいというふうな研究もあわせ行なうというふうな希望が学長以下の教授陣の中から出てまいりましたので、このようなものにこたえるだけの施設をつくらなければならないというふうに知事会のほうでも考えられ、そのための計画の増大もあったやに聞いております。その点は、事務的に、局長のほうから答えさせていただきたいと存じます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 わかりました。  それでは文部省に伺いますが、今度の百七名の入学者の各府県の府県別の人数について伺いたいと思います。

大崎仁文部省大学学術局大学課長

○説明員(大崎仁君) 大学課長でございますが、各都道府県二ないし三名ずつの合格者が出ている次第でございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 各府県別の入学者の人数割りというものは、あとでお示しいただきたいと思います。時間がございませんから、いまはけっこうです。  そこで、この入学決定につきまして、合格決定につきましてもいろいろの声があるようでございますけれども、この入試たてまえ論と、それから創設目的による配慮の調整というものがなされたのではなかろうかと、こういうふうに思いますが、その点いかがでございますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) むしろ私学法人でございますし、その世話もこちらがさしていただいておりますので、文部省よりも私のほうが答えさしていただいたほうが、いまの質問ではいいのじゃないかと思いますのでこちらのほうから答えさしていただきます。

神崎治一郎自治省財政局公営企業第二課長

○説明員(神崎治一郎君) 御指摘の入学試験の問題でございますが、先ほど大臣から申し上げられましたとおりの設立の趣旨を持っておる大学でもございますので、この設立の趣旨をいかにして生かしていくかという点が一つあるのと、教育の機会均等の精神というのをいかに確保していくか、こういう観点からいたしまして、大学の入学試験につきましては、都道府県段階におきます第一次試験と、それから大学本部段階におきます第二次試験を実施いたしたわけでございます。第一次、第二次試験ともに学科試験及び人物考査を実施いたしました。その学科試験及び人物考査、それに加えまして各出身高等学校長から提出をされております、まあ内申書といいますか、調査書、これらを総合的に判断をいたしまして、合格者が決定をされたというような形になっておるわけでございます。したがいまして、医学教育の実施にあたりまして十分これに耐え得る優秀な学力を持っており、かつまた人格の面においても十分すぐれておる学生が入学しておる、こういうような形で選考いたされた結果でございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 時間がございませんので、いろいろお尋ねしたいことが残るわけですけれども、そうしますと入試、いわゆる入試たてまえ論と申しますね。いわゆるほんとうはオープンで考査をして、それに一、二、三とこう入れていく、いわゆる入試たてまえ論と、それから設立目的との調和をうまく保ちながらいまのような人をきめたたと、こういうことでございますね。そこで最初に四十二倍もの競争でうれしい悲鳴をあげたわけでございますけれども、三月二十七日までの合格者のうち、約三割の三十三人が入学を辞退されたということでございますけれども、こういう辞退について文部省はどうお考えになり、自治省はどうお考えになっておりますか。こういったようなことから考えますと非常に、まあ最低千二百万ぐらいを一人の学生に分けたとしましても、こういった好条件をあっさり捨てるといったような背景もあるような今日でございますから、卒業した人が必ず個々の、いわゆる地域の、辺地のところへ就職をするといったような確約がはたしてとれるかどうか。また、こういったような脱落者に対してはどういう歯どめをお考えになっていらっしゃるか、この点を承っておきたいと思います。

大崎仁文部省大学学術局大学課長

○説明員(大崎仁君) 国立大学等の場合を見ましても、多いところ、二期校等の例を見ますと、四割程度の辞退者が出てくる大学等がございます。平均いたしますと、二割ないし三割でございます。これはいわゆるかけ持ち受験という現象がございますためと存じております。おそらく自治医大の場合にも、複数の医学部を受験になられまして、その結果から辞退をされた方が若干お出になったんじゃないかというふうに考えております。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 私もびっくりいたしまして、実は率直に答えますが、さっそく調べたのですが、第一期校よりも先に実施し、それで相当優秀な者ばかりが入ってきております。そういった関係で多数の者が第一期校の国立の学部に入学したというふうなのが辞退した原因の一つでございます。その中には通うのに近い地域の学校に入学することができたというので辞退したような者が大部分を占めておると思います。しかしながら、あと補充いたしまして大体予定どおりの者が入りましたが、予定いたしました者も相当優秀な者ばかりの集まりでございましたから、決して補欠で入れたから質が落ちるとか、そういったものでない、十分耐え得るという者でございます。  ただ、歯どめの件でございますが、私も一番心配しておるのは今日の世相でございます。そのために至らぬ者でございますけれども、入学式にはぜひ行きたいと思いまして、委員会の御了解を得て入学式に行って私なりに学生に対する要望と申しますか、希望を述べさしていただいたのでございますが、六年間の全寮制の教育にいたしましたのも、そのためでございまして、この教育の過程の中におきまして、医事史とともに、医術に対する原点に立っての基本倫理というものも学びとっていただきまして、ぜひとも現在日本の置かれておりますこの僻地事情の解決に挺身したいというのを教育とともに学び取っていただきたい。また学長以下教授陣もそのつもりで述べておられましたし、この六年間のうちにぜひともそういった人間教育とあわせての教育の実をあげて、所期の目的に達するように、知事さんの方々の今後とものこの学校に対するところの熱意を失わないように、派遣されました知事さんとともにそのような方針で当たって、六年間の間にはぜひともそのような校風を確立していただきたい、このように思っているような次第でございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 医師が都市に集中する理由などから考えていただきましても、ほんとうに学校でいい教育を受けていただいたとしましても、赴任した先に対してどういうような受け入れ体制があるか、ここらも私はやはり問題があろうかと思います。そういう点につきましても、やはり受け入れ体制といったようなものもお考えいただきたいし、それから日進月歩の世の中で僻地へ行ったために何にも研究もできなかった、こういうことであってはならない。そういうことに対しての配慮というものもぜひ私は必要だと思います。とにもかくにもこういう私の申しますいわゆる過疎の人たちの生きる権利を何とか守ろうという形に持っていかれたこの大学でございますから、何としても自治体といたしましても、また大学当局といたしましても、今後の行き方については、真剣に取り組んでいただかなければならない幾多の問題があろうかと存じます。そういう点どうぞひとつしっかり御検討をお願いしたいと思います。終わります。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) いまの御要望ごもっともだと思います。その意味におきまして私も学長にお会いしましていまちょっと私はっきりした技術的なことはわからぬのでございますが、すでにこの六年間で第一期生が出るときには医療設備のないところへ出るということを頭においてそのシステムを考えておられる。そのシステムの中から、そういうふうなところにおっても医術のおくれのないように教育したいという熱意に燃えての学長以下の教授陣の意気込みでございますので、いま要望されましたようなことを痛切に身に感じながら取り組もうとしておられる姿でないかと思いますので、ぜひとも一回御視察願いましてひとつ激励でもしてやっていただきたい、かように考えます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 時間が非常に限られておりますので、公立高校の問題についてお伺いしたい。特に答弁はできるだけ簡潔にひとつ短くやっていただきたいと思います。  まず文部省の方に聞きますが、文部省来ていますか……。  時間が何ですから自治省関係で聞いておきます。非常に頭脳明晰な佐々木喜久治さん、いま税務局長ですか、なっておられます。これは課長の時代です。頭脳明晰な方ですから、きわめてここにははっきりとお述べになっておられるわけです。「都道府県は、当該都道府県立の高等学校の施設の建設事業費について、住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、その負担を転嫁してはならない。」という規定があるわけですね。二十七条の三項です。この場合、直接であると間接であるとを問わずというのは、大体どういう内容になりましょうか。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 直接は、もうそのとおり住民に直接ということでございます。間接ということは、学校の場合でございますから、PTAとか後援会とか、そういう後援組織を通じてということでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 それではもう一つ具体的に聞きますが、まあ寄付というのははっきりとこうわかるわけですが、たとえば学校が何らかの形で預金をさせる。そうすると、本来ならば銀行へ預ければ利子がつくわけですね。ところが、それを預かっても利子はつけずに三年間のうちにまあぼつぼつ返済する、こういう場合は、つまり利子分が犠牲になるわけですね。こういうようなやり方に対してはどうですか。これはやはり間接的な損害を受けるわけですが。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 利子の相当分については、負担を転嫁させるという場合もあり得ると思います。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 利子の負担を転嫁させる場合もあり得ると——どういう場合でしょうか、ちょっと教えてください。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) いや、私がいま申しましたのはそうではありませんで、利子をつけないという場合には、二十七条の三の負担を転嫁してはならないという規定に当たる場合があり得るということを申し上げたわけでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 静岡県で、まあこれは高見文部大臣の御出身地でございます。ここの大臣の選出されておる静岡県では、公立学校がばく大な費用をかけているのですね。これは教育委員会から入手しました材料によりましても、ここには昭和四十七年の学校徴収金というものを、教育委員会が出しております、調べてみましたら。これで入学の寄付金というのを、大体これは入学のときの寄付金ですよ、このときに最低まあ五千円ぐらい、高いのは二万五千円、これが二つあるんですね。それから、その次に二万円というのが七校あります。全部で八十二校ありますから、その他は大体一万五千円、一万円というところが普通なんです。これは入学金です。それからそのほかに施設設備費ということで月額、取ってないところもありますが、まあ五百円、六百円というのをこれは月に取っておる。それから、そのほかに、これが大事な大きな問題ですが、学校債という名前になっているのですが、それは御承知のとおり、ある一つの実例は、たとえば静岡県の韮山の高校では、これは入学のときにとにかく金を持っていかなければならぬ。そのときにここでは納入金を、入学金が五百円、財団法人学校建設後援会寄付金二万円、生徒会の入会金二百円、生徒手帳、ゴム印代三百円、合計二万一千円、こういうふうになっています。このほかにいろいろなものが出ているわけなんですね。しかも入学当日にこれを持ってこなければ、これはもう学校の生徒として認めないということになってくる。ですから、もうこれをその日に持ってこなければだめ。またあるところではこれをやりますけれども、非常にわずかな半月ぐらいの期間にいろいろなことを申し渡すわけです。これはまあ、ほかにも実例がございますが、こういうふうにして、たくさんな学校の、いわばこれは三年間、卒業するときに返す、無利子だということになっております。一体県がどのくらいの費用をこういうのをして集めたかと申しますと、これは三十九年からでございますけれども、その当時はわずかですが、一億一千九百万、それからだんだんだんだん上昇しまして、四十六年の予算では十二億九百万、それから四十七年度ですね、これも予算ですが、実に十五億八千百万となっています。これはもう学校建設のほうですね、合わせてこれが八十億といわれているんです。こういうようなやり方で静岡県ではやっている。これは全日制だけじゃないんですね、定時制からも、これは数は非常に少ないんですけれども、やはり相当これ寄付金を集めて、こういう建設資金と申しますか、やり方をやっているんです。これが三十九年ごろから大体計画立てたらしいんですが、とにかくこういうやり方で、ずっと一つの学校で二億とか三億というふうに集めて、増設なりあるいは改築なんかをやっているわけです。こういう報告は……、これみな私たちは地財法違反と心得ますが、さっき佐々木さんの逐条例解を見ましても、これは明らかにそれはいけないんだということがいわれているわけですね。この点は自治省から見たら、どういうことになりますか。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 実は、私、昭和三十六年から四十年まで、いま仰せになりました静岡県で総務部長と副知事をしておりまして、実は、この話を伺っておりまして、少しこの当時の事情がわかるものですから、若干この私の経験がまじるかもしれませんけれども、御案内のとおり、この静岡県、高校の入学率が非常に低うございました。生徒急増期の始まりますときが五五、六%だったと思いますが、それから急速にふえてまいりました。これは、一つは静岡県が非常に発展をしたもんですから、まあ高校の入学率も高くなったという事情もあるんだろうと思いますが、そのときにこの高校新設とあわせまして体育館等の施設をつくってほしいという要望がございました。県の財政がとてもそれに追いつかないものでありますから、この体育館等につきましては後援会、同窓会であったと思いますが、同窓会でしばらく建設をしていただきたい、県はそれに対して賃貸料を払おう、こういうことで処理をした記憶がございます。おそらく、いま先生御指摘の八十二校という、このばく大な数の高等学校を毎年整備をしていくということになりますというと、県の財政としても、とてもそれに対応ができないということから、それぞれの学校の、いわば同窓会なり後援会等で立てかえをされる、立てかえをされるそういうものについて県のほうがその採択をして学校をつくっていく、こういうことをやっておられるのではないかと思います。で、問題は、その場合に二十七条の三の負担の転嫁という問題に相なろうかと思います。それがこの形としては、私はいろいろ議論の余地があると思いますけれども、県のほうで、いわば債務負担行為等の形で、立てかえ払いのものに対しまして元利償還をしていかれるということになりますというと、その後援会等の立てかえが全く自発的であり、かつそれに対して元利償還をしていかれるということになりますというと、この二十七条の三の規定に直ちに触れるということは、これはもう少し私ども時間をかしていただきまして、県の当局を呼んでよく取り調べなけりゃいけないと思いますけれども、直ちには言えないのではないだろうかというふうに考えます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 まあそれはあとでまたあれします。  文部省に聞きますが、現在高校の入学率もふえ、またいろんなこれに伴なう教材やPTAの会費、寄付金等々、年々大きな金額になっていますが、大体高校生一人当たり、いま父兄の負担額は大体どのくらいになっておりますか、ひとつお聞かせ願います。

菅野誠文部省管理局教育施設部長

○説明員(菅野誠君) 学校教育費の昭和四十四年度の調査でちょっと古いのでございますが、四十四年度の全日制高等学校によりますと、一人当たり六万一千三百五十円になっておるようでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 それらが学校の建設とか、改築等の、あるいは備品とか、どういうことにおもに使われておりましょうか、それ、わかりますか。

菅野誠文部省管理局教育施設部長

○説明員(菅野誠君) お答え申し上げます。  これの内訳といたしまして、直接支出金と間接支出金、大きく分けまして直接支出金が二万七千七百四十円、間接支出金が三万三千六百十円となっております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 先ほど文部省が来られない間に、一応静岡県の例で話したんですが、入学の寄付金が、まあ低いので五千円、しかし一般的には一万円から一万五千円ぐらいが普通なんです。高いのになりますと二万五千円、これが二つあります、県立高校の中で。こういうふうに非常な入学金が取られる。さらに施設、設備費が月々三百円とか、あるいは五百円というようなものがだいぶ取られております、大部分のこれは高校で……。それから学校債、つまり入学時に金を持っていかなければ入学できない。もし入学式の日に金を持っていかなければ、もうその人は入学することができないと、こう書かれておるわけですね。それでオミットされてしまう。こういう事実があるわけです。しかもこの金額は、大体において普通二万円から三万円、高いところになりますと、韮山高校では六万円、沼津東商業ですか、これも六万円ということになっております。こういうふうな多額の金額がすべての入学者に課せられるわけです。先ほど自治省のほうでもいろいろ仰せられましたけれども、こういう入学金は文部省の側から見て、これが義務づけられるんですから、いわば……。これをその日に持っていかなければ入学できないということになっています。そうすると教育の機会均等、まあ、もちろん高等学校は義務教育ではありません。けれども、いまの趨勢としては小学、中学やがて高等学校を大体義務教育にしようという、中教審あたりもいっているわけでしょう。まあ、準義務教育にこれはなりつつあるわけですよ。こういう場合に、一体こういう多額の金額が、持っていかなければ勉強できないということになれば、十五の春は泣くんじゃないでしょうか。どうでしょうか。

菅野誠文部省管理局教育施設部長

○説明員(菅野誠君) お答え申し上げます。  ただいまお話しがありましたように、高等学校につきましては、ただいま義務制ではございませんので、むずかしい問題を含んでおると思いますが、いまお話のように、間接支出金の中で、学校納付金といたしましては二万五千三百八十円、それから寄付金関係が八千二百三十円というのが全国の平均になっておるわけでありますが、寄付金等をできるだけ少なくして、設置者である自治体、あるいはものによっては建設費関係のものにおきまして国の補助を行なうものもありますが、できるだけ前向きに努力してまいりたいと考えております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 全日制だけでなく定時制もあるんですね。これはまあ全体としてはわずかであるらしいんですけれども、また、金額も少ないようであります。昼間勤労しながら夜勉学する、こういうところも取られているわけですよ。高等学校がいま、さっき申しましたような事態の中で、こういう多額のものを各父兄、あるいは本人にかぶせることは、私は妥当ではないと思うのですよ。金のやりくりはあるでしょう、財政上。しかし、それは別個に県当局が考えるべきことであって、入学する者にどんどんそう酷な過大な負担をかけるものじゃないと思うのです。大学だってこんなにかけぬじゃないですか。いま国立大学どうですか、この程度かけるんですか。ちょっとそれを聞かしてください。

菅野誠文部省管理局教育施設部長

○説明員(菅野誠君) ただいま国立のほうの資料は用意しておりませんでございますが、御趣旨はごもっともでございまして、できるだけ設置者負担でやり、また、国といたしましても建築関係におきましては、公立高等学校危険建物改築促進臨時措置法によりまして危険建物の改築費に、それから予算補助でございますが、定時制及び通信科教育建物の新増築に、また、産業教育振興法によりまして産業教育施設関係の建物に、また、公立学校施設災害復旧費国庫負担法によりまして災害復旧費の場合に、国としても助成の策を講じておりまして、前向きに考えたいと考えております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 さっき申しましたように、高校生は今日では準義務教育的な状況になっておると、したがって、これらの父兄の負担、あるいは本人の負担はできるだけ軽減をする財政的な措置を講ずべきだと思います。  そこで自治省に伺いますが、後援会なら後援会で金を集めて、そして銀行預金するならするというなら話がわかりますよ。しかし、学校当局が後援会の費用まで全部受け付けているのですね、学校が。これじゃ全く公共団体と私設の、まあこれは社団法人になるか何か知りませんけれども、こんなものがごっちゃになっているじゃないですか。地方財政法から見ても明らかにこんなむちゃなことはないでしょう。当然、あなた、学校は学校の入学金なり何か月謝なり、それは払うのは当然でしょう。ところが後援会費というようなものまで学校へ納めているんですよ、現に。これは財政法上どうですか、手続、内示は、あれについて……。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) その関係、まだ私、直接調べておりませんが、後援会が県に納付をすると、こういう形をとっておるのではないかと思いますけれども……。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 違う、違う。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) その点は、いま、違うというおことばでございますので、よく調べませんと何とも言えないと思います。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 やはり自治省は、こういう問題について真剣に財政上の手続や、いろんなことはもっと勉強してもらわなければならぬ。これは後援会は韮山ですと、たとえば農協、あるところでは農協、あるいは銀行の支店、これこれの静岡銀行とか、あるいはどこかの銀行ですね、こういうところを指定しているのですよ、金を持っていくことは。いろいろまだほかにもあるでしょうけれども、とにかくそういう形になって、そしてそこから金を貸し付けるということになっているのですね、県のほうへ。だから、あなた方がほんとうにまじめに府県から上がってくる財政報告をきちょうめんに見たら、学校建設にどれだけの金が行っているんだと、どういう仕組みになっているんだということを、少なくとも私は全市町村とは申しませんよ。けれども、やはり都道府県ぐらいは、一つずつの県の財政状況を調べて違法なことがありゃしないか、非常なつまり財政上の紊乱を来たしやしないか、こういうことはやはり報告書を見て私は検討すべきことだと思うのです。現に三十九年から、これ、やっておるんですから、ずいぶんと長いことなんですよ。それは確かに学校のいろいろ建設計画なんか地財法の関係であなたのほうへは行かぬかもしれませんけれども、しかし、毎年各府県のすべての統計を集められるんだから、そういうところで点検すれば多少でもわかるんじゃないかと、こういうことを考えますが、これまでおそらく点検されたことはないようですがね、ないんですね。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) まあ問題になりましたときに関連して調べるという程度でございまして、遺憾ながら毎年調べるというところまで至っておりません。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 文部省のほうでは、こういう入学金を取っておるとかいうようなことについてお調べになったことありますか。つまり毎年の自分たちのやっている行政がいかに市町村なり、都道府県なり、あるいは国民が、自分たちのやる行政を受けとめているかということを、それはこまかく全国津々浦々、これはできません。けれども、重点的にやっぱり調べることはできると思うのですね。こういうことをお調べになりましたか。

菅野誠文部省管理局教育施設部長

○説明員(菅野誠君) 父兄が支出した教育費の調査は毎年やっておるわけでございますが、若干時期がおくれまして、先ほど四十四年の数字を申し上げましたが、ときどきこういう調査はやっておるわけでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 とにかく税務局長の佐々木さんのお書きになったものにはちゃんと明らかにこれは違反だと言われているんですよ。いまだいぶこれから考慮しなければならぬとおっしゃってますけれども、こういう明らかなことがなされてるんだ。知事は知っているんですよ、これが違法であることは。しかし、法律なんてものはそっちに置いておけ、いま自分の行政上、こんなことを守るわけにはいかぬといって、議会の中で公然と言っているんです。ですから、こういう点でやはり自治省でも、こういう問題についてきちんとやっていただかなきゃならぬと思うんです。違法のものは明らかに違法であるといって通知して、行政指導しなければ、財政は紊乱する一方なんですよ。  さらに、これと関連しますけれども、それでは学校を建設する場合に、こういうことが起こっておるのですね。やっぱりこれは地方自治体の市町村にある程度負担さす、用地費を。そして関連する二、三カ町村を関連さして用地を負担しろ、こういうことをやっている。しかも、そこには学校の校長の住宅までつくれといっておる。用地は全部整地してちゃんと建てられるようにしろ、こういう覚え書きなんかを出しているわけです。これは三十九年ですけれども、しかし、この方式は向こうの知事はいばってますから、三十九年以来私は十年間やってきているんだといって、十年間この計画を進めるんだといっておる。だから、同じようなことがおそらくやられておるに違いないんです。ここでは三十八年ですね。県立の中遠工業高等学校の新設の条件で、校地の規模は、工業課程を設置する高等学校にあっては、一万二千坪以上とし、地元掛川市において整地の土地を寄付する、県へ。そして校地の寄付にあたっては、あらかじめ地耐力調査結果等必要な資料を作製し、県教育委員会と協議する。あるいは整地工事はあらかじめ県教育委員会の同意を得て掛川市において実施する。建築及び設備費に対する寄付金及び立替金は既設高等学校拡充の例によって計算した額を、掛川市の責任において関係市町村と協議の上納付する。次に掛川市は、校長住宅敷地として約百坪を学校近接の地に求め、静岡県に提供(無償)するものとする。また教員住宅については、市営住宅を優先的に割り当てる等、教員の確保、人事の異動に支障のないよう配慮を講ずるものとする、こういうふうにして学校のとにかく校長の住宅を建てることを一つの義務として契約しているわけですね。これは地財法でも、御承知のとおり、市町村は県立の高等学校の建設についてこれは費用を負担しないということになっておるんです。かけることは誤りだといわれておる。これはいかがですか、自治省の方。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) この二十七条の三の改正規定は、たしか三十九年度から改正規定の効力を発効したはずでございます。したがいまして、その後におきまして、市町村に負担を負わせるということは、これは法律上違反であります。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 こういう違反が、つまり静岡県の教育委員会を中心に行なわれているわけです。私はこういう点はこれまで自治省もよくわからなかった、文部省もよくわからなかったとおっしゃいますけれども、とにかく地方自治、直接学校の教員諸君は、こういう問題について明らかにして、県の中ではある程度自分たちの見解を出しているわけなんです。それがこの国会まで反映しなかった、こういうところに弱点はありますけれども、しかし、自治省にしても、文部省にしましても、やはり相当な、今日こういう違法に、あるいは違法に近い疑いを持たれるような問題がかなり個々にあると思うんです。だからこういう問題は、やはり積極的に私は解決の方向を出すべきだ。何も県が足らなければ起債をして直接負担をして、用地を求め、あるいは学校建設する、大臣に申し出ればある程度は、今日こういう教育なんかについては、起債なんかもワクは広がると思っておるんですよ。こういうことをせずに、学校の入学する子供たちに多額の負担を負わせる、そうして違法までして、今日こういう制度、地方自治の責任のある知事を先頭にやっているんですから、これはなかなか頭は変わりませんよ、あすこは。田子浦のヘドロを見てもよくわかる。だから、ああいうところは特別に自治省、関係本省は、私は注意してやらなければ、なかなかあの魂は直らぬじゃないか、こういうふうに思いますよ。この点でもう時間がだいぶたちましたのでおきますが、とにかく現在、公立高校の問題に入りますが、だんだん高校の新増設というものがかなり困難になってきておる、困難というより非常に必要になってきていますね。年齢から申しましても、また一般の国民の教育水準等から見ましても、これまで小学校でベビーブームだった、今度中学になるとか、今度やがて高等学校も、近くなろうとしておるわけですね。そうすると、一つの県に五つや六つのこれから高校増設するということになれば、相当なこれは用地費なり建設資金も要るわけですね。一体こういう問題に対して、中教審も、御承知のとおり、この問題について一応あれを出しております。この場合に文部省のほうでは、高校の問題について、いわばこれが大体準義務的な状態になりつつある場合に、高校増設あるいは新設等々について、文部省はどのように考えて高校教育を満足にできるようにされようとしておるのか、その辺を聞いておきたいと思います。

菅野誠文部省管理局教育施設部長

○説明員(菅野誠君) ごもっともでございまして、文部省といたしましては、今後とも国庫補助金及び地方交付税などとのからみにおきまして、関係各省と折衝いたしまして、父兄負担の軽減さらには高等教育の増設という方向に努力してまいりたいと考えております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 努力だけじゃちょっとわかりませんが、自治省もこれからこれらの高校がだんだん増設を必要とする時期にまさにきょうとしておるわけですね。こういう場合に、これは文部省が確かにやることですけれども、特に急増市町村に対する一般的な学校や何かの費用も上げましたけれども、やがて高校の新築あるいは増設等々について、相当特別な財源措置を講じなければ、いまのままでずるずるいったのでは、とうていいまの入学志望者に応じられないという事態がくるんじゃないか。そうすればもうこれに対する準備を自治省あたりでも、いろいろなどういう財政措置を講ずるのが適当か、また文部省でもどうするかということを、ある程度考慮すべき時期にきているんじゃないか。現に東京あたり九五%まで入学率があるわけですね。そうしてもうここ三、四年の間には、ずいぶん学校を建てなければならぬ、六十何校ですかといっております。こうなりますと、なかなか用地を見つけるのも、あるいは学校建設するにしましても、相当のこれから費用が要るわけですね。だから、こういう点について、文部省は努力するといっておりますけれども、あまり金の、財政のほうは考えておられぬが、しかし、自治省としては地方自治体が大きな負担を負いますから、こういう点についてある程度の見通しなり、積極的な見解をひとつ示していただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) いわゆる戦後のベビーブームの高校急増のときには、これが特別の状態でございましたので国庫補助金を出しまして、高校急増等のための措置を講じましたことは、河田委員御指摘のとおりでございます。しかし、その後高校の建築その他は、府県の一般財源として補うものであるという立場に立っておる関係上、高校を新たに建てますためには、県の一般財源その他におきましては、起債という措置で処置しておるというのが今日の状態でございます。だんだんと高校進学者が多くなっております関係で、いま御指摘のように高校が不足してくるということは、もう御指摘のとおりでございまして、これに合うような財政計画を地方交付税あるいは起債措置等で自治省といたしましても極力カバーせなければならないと、このように考えております。たまたまいま静岡県の例をお話しになり、局長からお答えしておりましたが、静岡におきましては、その当時非常に他府県の平均と比べまして高校の数が不足しておったというふうなところから、いま申されたような措置に踏み切られたのじゃなかろうかと、こう存じますが、その原因も、私たちの予算の中でそういったものに対する配慮が少なかったという姿でございます。本年度は、いろいろの御批判もございましたが、高校の費用の一端として父兄負担の軽減ということも兼ねまして、授業料の値上げに踏み切らしていただいたような状態でございます。今後ともに、それで上げさせていただきました分も、学校のいま申されましたような費用の充実というものに私たちは財政計画を組ませていただき、その分以上の増額を組ませていただきましても、なおそれで足らないんじゃないかと思っております。ことしの建築費に対しましても、昨年と比べまして単価にいたしまして生徒一人当たり千円という単価をふやさせていただいて、基準財政需要額の中に入れさせていただいたような次第でございますが、起債並びに交付税で今後ともにこれらの充実をはからなければならないと、かように考える次第でございます。  なお、お尋ねございました地方財政法第二十七条の三でございますが、この規定をつくりますとき、私もたまたま委員の一人として、はたして地方財政の実情がこの規定を入れて、いまの市町村への土地の無償提供等も含みまして実施し得ることができるかどうか。法律はつくるけれどもなかなか実施が困難でないか。むしろ財政措置をしてはじめてこの法律を制定すべきではないかというふうな議論も制定の当時からありましたのでございます。しかしながら、将来あるべき方向を法制化することによって、苦しくてもこの方向に持っていくという姿で入れられたのがあの当時のこの法改正を行ないました理由でもございますので、いま御指摘のような点がなきにしもあらずと、このように考えますので、苦しい財政の中でございますが、私たちもできるだけ協力をいたしまして、そのようなことが行なわれず、理想的な姿に一日も早く教育が持っていかれますように今後ともの努力をいたしたいと、かように存ずる次第でございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 時間がありませんからもう一つ入って、あとまた大臣にお聞きしますが、これは、大学ですね、たとえば秋田の大学の医学部の新設、いま付属病院の新設用地、これは大学関係です。それから、三重県立の大学、これが今度国立に移管になるということで、協力費として七十五億、用地取得、整備、校舎、宿舎等々が提供を求められている。あるいは愛媛大学の医学部の設置、これも新設用地、最低六万坪以上の無償提供ということを県に言っているわけですね。これは明らかに、これも国が大学なりあるいは研究所を設けるときには、地方自治体に負担を負わしてはならぬという法律があるわけです、地財法ですね。地財法というのは、何も説教するわけじゃありませんけれども、地方自治体の問題じゃないですよ。国の責任として地方自治体の住民に負担をかけちゃならぬからという意味ですね、こういう規定をしておるわけでしょう。これは文部省あたりこういう大学に対して国に移管する、おまえたち土地出せと、建物をつくるからどうだというようなことは、これは明らかな違反なんですね。こういう点はどうなんです。国はもっと責任を持って、地財法を守っていくという御精神があるのかどうか、ひとつお伺いしておきたいと思います。

菅野誠文部省管理局教育施設部長

○説明員(菅野誠君) それぞれの大学についての事情もあるようでございますが、たとえば三重大学の場合には、県立の移管という形になりますので、県のほうである程度のこれ、寄付者といいましょうか、移管側の意向でありますが、そちらのほうとして、ある程度のものを整えてということもありますので、地財法の直接の違反になるがどうかは、私、直接よく存じませんが、違反にならない形において、やはり地元の熱望もありますので、まあ、国としてもできるだけまたその後の整備等については、相当国費をこれにかけなくちゃならないという事態もあるようでございますが、検討してみたいと考えております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 さっき自治医科大学についてお話もありましたから、もう質問はやめますが、とにかく静岡県の問題は、私たちとしましても、地方行政に入って間がないものですから、昨年初めて地方行政委員会に入って、いろいろ地方から材料を取り寄せて、いろんなことを調べておるわけですね。そうすると、もう実におびただしいこういう問題がかなり放置されておる、長きにわたって。そこで先ほど私は大臣にも申しましたけれども、とにかく多大な負担をかけているような静岡県、しかも、知事自身がてんとしてこれを恥じないじゃないですか。私のところは、この方式でずっとやっておるんだとかいって、さらに続けるようなことを言っておるんですよ。これは正しくないと思うのです。現に自治省の心血を注いでつくったこの逐条解釈、解説ですか、これなんかには明らかにこれは違法だといっているんです、そういうことをさせちゃならぬと、これができたときですね、ずっと説明しておるんですよ。だから議会でも、いろいろ議員がこういう問題を出して、これはよくないと言っているんですけれども、教育委員長なり知事は、これをがんとしてあれしておるんですね。だから、今後この静岡県に対して、適当にまああなた方が自治省のほうの側から、あそこの問題を討究して、そして、ひとつこの地財法違反であるものを、ひとつどんどんやめさせてもらいたい。そして、もっと肩がわりをして何らかのほかの方法で、公債を発行するなり、その他の正しい財政運用をやるような、そういうひとつ行政措置をとっていただきたい、このことをひとつ大臣が責任を持って御返答をお願いして質問を終わります。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) るる問題申し述べられましたが、先ほどお答えしましたように、この法律をつくりましたときから、そういうふうな懸念も含んでおりました。われわれの責任を果たすべきものを果たすことによりまして、これらの問題が解決いたしますように、今後とも努力いたしてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) 他に御発言もなければ、以上をもちまして自治省所管に関する質疑は終了したものと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時九分散会      —————・—————

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