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68回国会参議院1972/04/24

予算委員会第四分科会 第2号

発言数
300
登壇者
26
会派数
5
開催日
1972/04/24

会議録

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。  分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、上田哲君が委員を辞任され、その補欠として竹田四郎君が選任されました。     ―――――――――――――

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) 昭和四十七年度総予算中自治省所管を議題といたします。  慣例では、政府側から説明を求める順序でありますが、説明はこれを省略し、お手元に配付してある資料をごらん願うこととし、その説明資料は、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まず最初に、自治大臣にお伺いしたいと思います。  最近の円の切り上げ以降の日本経済のあり方、あるいは日本の財政のあり方、ひっくるめて政治のあり方という中で、特に国民の福祉充実ということが非常に強く反省をされている点だと思います。国民の福祉充実という立場に立ちますと、私は、地方自治体の役割りというものはたいへん大きな役割りになってきていると思うのです。しかし、いままでの状況を見ますと、どうも地方自治体行政というものが十分な財源も得ていないし、また権限等も必ずしも十分あるというふうには私は言えないと思うのです。そういう意味で、自治省の役割り自体というものも私はたいへん大きい役割りを持ってきたのではないか。この辺で、いままでのあり方に加えて、さらに自治省の役割りというものを、もっと権限的にも予算的にも、その辺を考えるべき時期に来ている、こういうふうに思うわけですけれども、いままで総理なりあるいは大蔵、通産各大臣については、そうした意見の表明、あるいは経企のそうした意見の表明があったわけですが、まあ不幸にして自治大臣の所信表明というものを私は聞いておりませんから、おそらくそういう趣旨のことが述べられているのではないかと私は思うわけでありますけれども、特にこの際において、自治大臣として今後の自治体の財政運営について決意をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 地方自治に対しまして、たいへん御理解ある御意見を含めての御質問でございますが、まあ七〇年代は内政の年代といわれるわけで、福祉重点主義への転換という経済のあり方が、即、住民の福祉に直結する行政を行なう地方自治体が大きな責任と執行の分野とを有するということから、御指摘になりましたように、行財政面において地方自治体の能力というものを拡充していくことが私たちのつとめであろうと、このように考えております。こういうふうな意味からも、今後ともに地方自治体の行財政面における権限、能力の強化ということに全力をあげて進んでまいりたいと、このように考えておるところでございます。その面で特に財政面の強化の必要なことは当然でございますが、限られた財政の中で国と地方というものの案分というふうなことを考慮しながら、いま竹田委員御指摘のような方向で善処してまいりたいと、このように考えまして本年度の予算も組ましていただいた次第でございまして、この意味から申しまして、私は四十一年度の単独事業を落として公共事業を主とすることによってあの財政危機を切り抜けたというふうな過去の実績がございましたが、私は、本年度は福祉重点主義であるから、単独事業が重点とならなければならないというので、苦しい財政の中でございますが、単独事業をある程度実行し得るような予算を組ましていただきましたのも、その意味でございます。ただ、一番の問題は、総合行政をやっております自治体が、中央の官庁が縦割り行政的な官庁組織に分かれておる。たとえば、本日は厚生省からも来ていただいておりますが、厚生行政のあり方等につきましても、自治省が総合的に財政面それぞれ見なければならないのですが、直接の監督は厚生省にある。こういった点が非常に今日の地方自治体の運営を困難にしておるのではないかと思いますが、政府部内の連絡その他によりまして、総合的な福祉行政全般としてのものが財政的にも行政的にもあげられるためには、中央政府におけるところのこれらの総合的な意見の調整のために自治省の行なうべき役割りが非常に重要でなかろうかということを考えながら、今後ともに地方自治の行政を進めていくことが肝要であろうと思います。自治省の権限を、発言を強化せよという御意見が言われたのもこの意味でなかろうかと思いますが、単に自治大臣だけでなく、自治省の役所そのものが、あるいは次官会議あるいはその他の行政におきまして、そのような姿で発言の強化――自分の口数をふやすというよりも、むしろ総合調整を各省に御理解を願いながら行政を進めていくことが今後とも非常に必要じゃなかろうかと思います。各省でつくられる五カ年計画のごときも、むしろその五カ年計画の基本になるところの地方自治体における長期ビジョンに立ったところの計画の積み上げが各省のまた五カ年計画となっていくというような姿が、新総合計画等もこれに基づく地方のほうの長期ビジョンがその根本になっておるといったような行き方で、相寄り相提携することによって初めて私はその実をあげることができるのではなかろうか。このようなあり方で今後ともに行政指導を行なってまいりたい、このように考えておる次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 七〇年代の地方行財政というものを見ていきますと、地方自治体というのが私は非常に住民に直結しているというのが何よりもこれは大きな特色だと思うのです。国政というのは、何段階か段階を踏んで国政に通ずるわけでありますが、地方自治体というのは、日常茶飯事においてそこの長と住民というものが密着している。こういうところに、私は今日の地方自治体というのは多くの面で先取り行政をやっているわけであります。具体的に、ことしの予算で老齢者の医療の無料化というようなことがようやく国の段階で実現をしたわけでありまして、実際あとで資料でお示し願えれば幸いだと思いますけれども、すでに国でやる前に、実際は都道府県、市町村で私はかなりこれは広く行なわれてきたと思うのです。そうして、やいや、やいやということで四十七年度――まあ四十八年の一月からようやく腰を上げた、こういうのが実態だと思うのです。私は、これだけじゃないと思うのです。公害センターなりあるいは公害の係を置くということも、これはずいぶん前に地方自治体でやって、それが数年後初めて国のほうでも、自治省のほうでも、都道府県や市町村の中にそういう公害関係の専門の係を置けとか課を置けという指導をするということだと思うのです。児童手当にしてもそうです。あるいは歩行者天国などにしてもそうです。あるいはこれは公営交通を中心とするバス・レーンの問題でも地域から上がってきた問題である。こういうふうに思うわけです。こうしますと、地方自治体の先取り行政というものを自治省がまずまっ先に取り上げて、これをなるべく早く国の行政ベースへ乗せていく。これは地域的なものがありますから、全部が全部というわけではありませんけれども、私は、そういうようにしていかなければ、口でだけ国民福祉の充実と言っても――この地方自治体の先取りをしていくそういう行政を早く国の施策に組み込んでいく。これは私はまさに自治省が一番やるべき、一番力を入れなければならぬ事業だと思うのですが、そういうふうな形というものが取り上げられてこなければ、これからの財政主導型経済なりあるいは国民福祉の充実という形にはならないと思うのですけれども、その辺を一体自治省はどう評価し、そうした問題とこれからどう取り組んでいこうかというその基本姿勢を示していただかないと、市町村のやっていることはどうも少し余分なことをやっているというような評価になってしまうのじゃないか。その辺の基本的な態度というようなもの、こうしたものをひとつお示しいただくとともに、具体的に地方自治体がどういう先取り行政をやっているか、この辺もこの際明らかにしておいていただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 公害防止あるいは自然保護の条例にいたしましても、あるいは本年立法化を見つつありますモーテルの規制等におきましても、いま竹田委員御指摘のもののほかにもそういったたくさんのものを自治体が先取りにやっておりますこと、御指摘のとおりでございまして、国の立場でございましたら総合的に実施し得る、全国的に実施し得るという制度の整備と、全国的な規模におけるところの実行可能というところにむずかしさがあろうと思いますが、他方、各地方自治体におきましては、それぞれの特性を生かしながら、それらの必要を住民に直結して早めに先取りできるというまた立場にあろうと思います。いま、これらに対して自治省は前向きで理解を与えて早く国の制度にできるように進めていくと、こういう姿でございますが、従来もその姿で臨みましたし、今後もその姿でいきたいと思いますが、それぞれの行政の分野においての権限の各省におきましても、それらのことも十分心得ながら検討を加えていただいておるんではなかろうかと、かように存じます。  ただ、問題といたしましては、地方財政計画等で、それらの財源が個別的には地方財政計画の性格上賦与しがたいというところから、押えるというふうな形で受けとられがちでございますが、しかしながら、先取り政策の中には、一般財源として与えられる地方交付税でございますから、その意味も十分踏まえながら各自治体がそのような先取り行政をやっていただいたなれば、そのような、いま御指摘になったような問題もおのずから理解をし協力し合うことができるんじゃなかろうか、まあ、かように存ずる次第でございまして、今後とも御指摘のような方向で進む分野が相当やはり多いんじゃないかと思いますので、各省とも連絡の上、地方と国とが理解ある姿におきまして福祉行政が前進いたしますように措置してまいることが必要でなかろうかと、そのような姿で臨みたいと、かように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 時間がありませんから、あとでけっこうですから、そういう地方自治体のやっている先取り行政の一覧的なものをひとつ出していただければ幸いだと思うのですが、時間がありませんから、きょうこの席じゃなくてけっこうでございます。  自治大臣、そういうふうにおっしゃられて、私はその点では非常に意を強くするわけですが、しかし、実際、財政面から考えてみますと、なかなか、おっしゃるような先取り行政というものをどしどし進めていくことはなかなかできないというのが私は実態じゃないかと思います。あれをしたい、これをしたいと、住民の要求というのは非常に多面的になっておりますし、また、生活実態も非常に複雑になってきているということで、いままでやらなくてもいいようなこともやらなければ、やっぱり住民の要求に応じられない。一昨日も、私、第三分科会で、たとえば道路のつくり方一つ考えてみましても、いままでの道路のつくり方であってはもう住民の諸要求には応じられないというのが現実だと思うんです。車道をつくり歩道をつくればそれでいいんだ、あと、あちらこちらへぼつぼつと――この前もそうでありますが――街路樹を植えておけばそれで道路はできたんだと、こういうことでいけば、これは完全に住民の諸要求に応じていないわけですね。いま、都道府県、市町村が計画道路をつくるという場合でも、多くの住民の反撃にあっているというのは、私は、道路のつくり方自体、これを考え直さなければだめだと思うのです。最近のひどいものを見てみますと、公団住宅のどまん中に二十二メーター道路以上の大きな道路を通そうとしているわけでありますけれども、こういうようなことが、どちらが先に計画してどちらが仕事をあとにしているか、順序の問題はいろいろあると思うのですけれども、住民としてみれば、この問題については、やはり自分たちのせっかくの一日のいこいの場、その自分のささやかな住宅が騒音によって四六時中、二十四時間喧騒の中に置かれるということになったら、これは、私は、自治大臣にしたって、建設大臣にしたって、自分の前にそんな道路ができるとなったら、それはもろ手をあげて賛成するということにはならぬと思います。立場上反対が言えないというだけのようなことは、私、非常に多いと思うのです。しかし、そういうことをやるためには、いままでのような公共事業に対する補助ということでは、これは、私はそういう要求に応じ切れないと思う。少なくとも人口密集地域に道路が通るという場合には、それは地域の住民の静かな生活を侵さないような通し方をしなくちゃいかぬと思うのです。たとえば、ある二十二メーター以上の用地を確保して、そこを、樹木を植えて音をなるべくやわらげるとかなんとかというようなことをするには、二十二メーター幅の用地買収だけではこれはどうにもならぬと思う。少なくともその倍、三倍ぐらいの用地を買って、周辺にそうした緑のスクリーンというようなものをつくっていく。いまのところは、そういうものをあえて住民の要求の中でやろうとすれば、これはその市町村の独自の費用でやらざるを得ないわけです。なかなか国のほうもそこまでは認めてくれない。したがって、何でもかんでもそこへ二十二メーター幅だけで押し通していく、こういうことになれば、道路をつくるという要求、それから住民の生活を守ってやるという問題、まさに矛盾をしてしまうわけです。これは、これだけの問題じゃないと思うのです。ごみの焼却場にしたって、その他の施設の問題、すべてそうした問題が私はくっついて回っているというふうに思うわけです。そういう問題を解決してやらなくちゃいかぬ。これについて、おそらく自治大臣は、それは地方交付税で見るとかいうようなことを、あるいは起債で見てやる、こういうような話に、おそらく、いまのところはなっていくと思う。こういうような形だけでは、私、解決つかないと思うのです。地方交付税にしても、私は、標準規模の府県、町村というようなものが、はたして現在の生活に合ったそういうモデルであるかどうかといいますと、必ずしも私はそういうふうには言い切れないと思う。まだ何年か前のモデルというようなものしか想定されていない。これは行政的なものとして、ある意味では必然かもしれませんけれども。あるいは最近の地方交付税のあり方というのは、ひもつきじゃないのがある意味ではひもがつく。補助金化されている。これも幾ら何をどう言おうとしたって、私は、これは現実はひもつき的なものがだんだん多くなる。こういうふうに考えてみますと、特に市町村の財源、税源というものをもっと確保してやらにゃいかぬと思うのです。実際に税金の形でいけば、国民全体の負担の中では七割ぐらいはおそらく国税だと思います。しかし、仕事を第一線でどこがやっているかというと、地方自治体がおそらく全体の事業量の七割以上は地方が担当してやっているということだと思うのです。こういうような矛盾というものを避けていくというためには、私はどうしても特に市町村財源、これを多くしてやらなくちゃいかぬし、起債あたりで、ことしあたりはおそらく許可額はかなりの額には達すると思うのです。この額だって、やがて返さなくちゃならぬわけです、いわゆる税金の先取りでありますから。先へ行けば先へ行くほど市町村というのは窮屈になる。おそらく市町村段階では、赤字団体というのはかなりふえてきていると私は思うのです、詳しいことは知りませんけれども。楽になってきていないと思う。もし赤字が出ないというなら、それだけやりたい仕事も遠慮をしているというのが私は実態じゃないかと思う。そういう意味で、市町村の財源というものを私はふやすべきだと思う。特に今日の日本の財政ということから考えていきますと、私は地域にある法人からもっと市町村に私は財源を与えたらどうか。その辺はひとつ考え直して、税率等も超過税率、超過課税をするということじゃなしに、法人に対する税率なども私は引き上げるべきだと思う。公害の問題あるいは道路事情の問題、まあ、こうしたものは、企業が存在することによって、かなり市町村としてはそれに対するそうした問題で直していかなきゃならぬ事業というのはたくさんあるわけです。そうした意味で、私は、市町村税の法人税割りなどは、もう少し税率を上げたらどうだ、法律を直していったらどうだ、こういうように思うんですが、どうですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 地方財政計画と実際の問題が具体的には合いにくいと、それに対する財源が少ないという御指摘でございましたが、現在の乏しい地方財政の中でそのような現実面になってあらわれていることは当然でございます。地方財政計画そのものが標準的なものを組んでおります関係上、これらの問題は個々の事例として処置していかなければならないという姿にある関係で、やむない姿でないかと思います。そうした意味での地方財源、特に市町村の財源増加の点につきましては、税制調査会等の長期答申におきましても、すでに指摘されておるところでございますし、自治省といたしましても、昭和四十三年の自動車取得税の創設以来、常に市町村財源を充実していくという方向に、微々たるものではございますが、毎年何かの新しい税目で努力してきたことは竹田委員も御承知賜わっているところであろうと思います。特にいま御指摘になりました法人課税が七%にすぎない市町村の、何らかの形でこれを上げるべきじゃないかという指摘は、すでに税制調査会でもはっきりとそのことをあげまして、長期税制の中で考えていけということでございましたので、私たちとしてもぜひともこのことについては検討を加えてまいりたいというところから、すでに検討を始めておるという姿でございまして、機会を得まして、ぜひともこの面は充実していきたいと、かように考えておるような次第でございます。ただ私、おことばを返すわけでございませんが、新しい施策をするときに、このことは常に国が当然やるべきじゃないかという姿で自治体も臨まれずに、新しい施策をやる場合には、与えられた財源の中であるが、このことのほうがより必要であるから私たちはやるんだという姿で努力していただくと同時に、また国は国として、その施策が他にも及ぼしてよいものであったなれば、遅滞なくこれに対しても個別的な協力もすると同時に、国の施策として取り上げることを考えていくという姿でこそ、初めて福祉行政が伸びてくるのじゃないかと、かように考えますので、そういった方向で相ともにやっていきたいと思っております。  いま事例にあげられました、人口密集地帯に対する道路の建設の状態なんかも、そのような意味で努力をしていかなければならない問題の、大きな問題の一つでなかろうかと存じます。過密、過疎の問題、これは現在の日本が有しておりますほんとうに大きな社会問題でもあろうと思いますので、税制面からにおきましても、その他行政の面からにおきましても、思い切った施策を打たなければならない。そのためには税制面におきましても、相当大きな考慮を、いま申されたような方向で考えていかなければならないのじゃないかというふうに考えております。すでに諸外国におきましては、イタリアにおける例等もございまして、相当思い切ったようなこれらに対する税制措置も行なわれておるようでございまして、私たちもこれらの例も参考に入れながら今後とも努力してまいりたいと、このように目下研究努力をいたしておるところでございますので、せっかく御了承の上、ひとつ今後ともに御鞭撻を賜わりたいと存じます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ひとつこれはぜひやっていただかなければならないと思うのですがね。  もう一つ私はお聞きしたいと思うのですが、ことし自治省で事務所事業所税というものを創設したいという意向をお持ちのようだったんですが、これは実は実現しなかったわけです。私は、この自治省構想というものをもう一歩進めて、いま率直に言って、都市への人口の流入というものの大きいこともありますが、まあ一方では、ある一定限度以上の都市、あるいは人口規模からいってある一定以上の都市については、そんなにもう事務所、事業所を集中していかなくてもいいんではないか。そうした意味では、たとえば人口十万人とかというそれ以上の市町村については、ただ一回の新設のときの事務所事業所税だけでなくて、私は毎年ある一定限度の、これは何%がいいか税率にはかなり研究を要する面があると思うのです。あるいは大規模の都市と中規模の都市について一様な税率をかけるというようなことも、若干これは研究しなくちゃならぬ問題で、幾らかの段差をつける必要はあると思うのです。そういう形で毎年事務所事業所税というものを取っていくような構想をさらに進めたほうがいいと私は思うのですが、一体ことしはどういうかげんでこれが実現できなかったのか、私は悔やまれてならない。これは来年あたりはぜひ実現してもらわなくちゃ困ると思うんですが、ことしは一体どういう事情でこれが法案になって出てこなかったのか、その辺の経緯をひとつ知らしていただきたい。そして来年はぜひこれを実現しなくちゃいけない問題だと、こういうふうに私は思いますが、その辺の事情と今後の決意を。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) いま御指摘になりました事務所事業所税、これは税制調査会でも答申をいただいておるところで、私もぜひともこれだけは実現したいと思いまして取り組みました。実現せなんだことにつきまして、衆議院の予算委員会におきましても、積極的に私たちの努力の足らなかったところをおわびしたような次第でございますが、問題となりましたのは、いま竹田委員から一応御見解を一ついただいたんでございまするが、この税を都市の財源面でとらえることによって全都市に及ぼすべきものであるか、それとも、いま竹田委員の意見として述べられましたように、ある一定規模以上の都市の人口流入を抑止するというふうな意味の税に持っていくか、税の性格論で議論の分かれるところがございました。また一時的な税にするか、あるいは毎年取るというような税にするかというような点についても議論がございました。また所得に対して取るか、固定資産税的なものとして取るかというふうな対象の問題についても議論がございまして、それらの議論がまとまらないために、本年度の経済情勢等も勘案しながら、結論を得るに至らなかったのが、本年見送らざるを得なかった実績でございますが、その裏に、また私たちが税制調査会等でこの税を進めてまいりますときに、いま竹田委員、ある一定規模以上の都市にはもうそう法人が要らないじゃないかという見地に立たれての御意見でございましたが、ところが、これをやられると税収の根本になるところの事業所が自分の町から出ていくじゃないかというふうな、そのためにはできるだけ同じ税を取るんだったなれば各都市が平等に取れるような一般的な地方の財源充実という意味の性格にしろというふうな意見も、むしろ人口が集中しておるような都市からも出てくるというふうなこともありまして、地方団体そのものの意見の統一も未熟であったものでございますから、私もこの税をやっておりますときに、名前をあげていかがかと思いますが、五大都市の市長さんやあるいは議員さんが多数私のところへ集団で陳情にお越しになったときに率直に申し述べまして、あなた方は財源をよこせよこせと言われるが、一方ではそのことについて具体的なものを取り上げると、そのことに対して小さな面の利害にとらわれて反対をされるというふうなこともあるじゃないかということばを述べて協力方を求めたのでございますが、その面につきましてはわれわれとしても協力するというふうな御確約を、五大市かたまったところでいただきまして、意を強くしたわけでございますが、その意味におきまして、四十八年度はこれらの市町村の意見の一致も得ましてぜひとも推進してまいりたいと目下そのような努力を続けておるところでございますので、御了承賜わりたいと存じます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 もう一つ私、税金問題で特にお願いをしておかなくちゃならない点はガソリン税だと思うんです。建設省、お見えになっておりますか。――大体私は建設省の直轄の道路というのはもう舗装改良というのは大体八〇%から九〇%ぐらいは私はいってるんじゃないかと思うんです。そうして考えてみますと、もうガソリン税もいままでこれは主要な道路財源であったわけですが、どうですか、建設省もそろそろ道路の改良整備が悪いところというのは、おそらく市町村道というのが一番ひどいと思うんです。おそらく市町村道というのは一五%ぐらいのものじゃないですか、改良舗装の程度が。しかも、今日になって自動車の通過不能なんという道路というのはそれ以上に私は高い率を示していると思いますね。こういうふうに考えてみますと、どうもガソリン税も大部分を国が取って、そのお余りみたいなものを市町村に渡すようなそういう行政というのはむしろ私は逆な財源配分のやり方だと思うんですよ。だから、むしろいままでの――私はそういって国道のほうに揮発油税を全然やらないというところまではまだ踏み切っておりませんけれども、いままでと逆に、配分割合を逆にしていくそのくらいのことを考えていただかないと、これは一番住民にとっての日常的な道路の市町村道の改良舗装というものはできなくなるわけですが、建設省、この辺で少しその辺を割り切ってもらったらどうですか。これは自治省も、自治大臣遠慮しないで――私はその辺も道路財源としていま市町村道なんというのはほとんど財源的な手当てというものはいただいてないようなところに住民の要求というのがかなり集中的になっているわけですから、その辺ひとつ自治省ももっとばくは勇気を持って、揮発油税をもっと市町村道に道路財源としてよこせということを私は言ってもいいと思うんですが、これは建設省、自治省両方から御意見を聞いておきたい。

高木澄清厚生大臣官房長

○説明員(高木澄清君) 数次の過去におきます道路整備五カ年計画、御質問にございましたように、国道等の幹線道路はかなりよくなってまいりました。しかし、全体を見ますと、まだまだ道路財源は絶対量は非常に不足しておりまして、今後におきましても国道のバイパスあるいは県道の主要地方道、これらの整備には非常に膨大な予算が要るわけでございます。一方、国道に比べまして市町村道等の地方道は非常に立ちおくれいたしております。地方の生活圏を確立する上におきましても、これらの整備はもちろん急がなければならないわけでございます。ただ、道路財源全体量が非常に不足しておりますので、これを分け合っておるのではなかなか進みませんから、市町村道等の地方道路財源としては、すでに第六次の道路整備五カ年計画でも自動車重量譲与税等を創設しましてやっておるわけでございますが、さらにわれわれといたしましては地方道路財源の拡充、確保をあらゆる可能な分野に拡大していただきまして実現していきたい。   〔主査退席、副主査着席〕  なお、道路整備行政の中におきましても、今後そういった地方道のおくれを取り戻すために特に国土の偏在利用という面から過疎過密の解消につなぐ道路行政の面からもやはり早く生活圏の成立しますような地方道の整備というようなものに重点を置いて進めていくわけでございますが、全体の道路財源から申しまして非常に不足いたしております。これをさらに拡大する方向で国道も地方道も相ともに均衡ある整備ができるように努力してまいらなければならないという考え方を持っております。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 道路計画が進むにしたがいまして、地方道の、特に市町村道の計画の中に占める率というものが多くなっておることは御指摘のとおりでございます。ところが、反対に目的財源として得られる収入が非常に国に片寄り、市町村はほとんど皆無にひとしいという姿でございまして、従来のいきさつにかんがみましたなれば、むしろ率を変えるべきではないか。これは当然の御議論であろうと思います。私たちも毎年このことは言い続けてきております。しかしながら、理論は理論でございますが、一たん得てしまいました財源を現実面においてこれを返さすということになりましたら、地方と国との財源配分という根本にもつながる問題であり、なかなか実行に移しにくいというのが現実の姿として推移してきておるのじゃないかと思います。そのために私たちは機会あるごとに、これらの税の増税をはかられるとかあるいは変更があるとかいうたびごとに、そのことを考慮しながら、増収分は市町村道、地方のほうへ回していただく。特に市町村のほうに回していただく。そういった方向に続けてきたのが今日までの姿でございまして、今後ともその努力をしてまいりたい。しかし、それにはまた限度もございますので、昭和四十三年には自動車取得税、四十四年には自分らの財源に与えられた財源でございますが、道路譲与税の基準配分を市町村のほうに重点を向けるような改正もいたしました。四十六年度におきましてはまたトン税が新設されたのも府県よりも市町村に全部持っていくという姿で改正を加えさしていただいたというふうな姿でございまして、今後とも、いま御指摘のガソリン税そのものの税率の国と地方との配分等の変更等を努力するとともに、あらゆる機会をとらまえて地方道路、特に市町村の道路財源の充実につとめてまいりたいと、かように考える次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 時間がありませんから、その辺ももう少し詰めたいのですが、また別の機会にしていきたいと思うのですが、ただ自治省、どうも名ばかり与えられて中身は幾らももらわないというような道路財源で満足されては困るのです。確かに自動車取得税もそうですし、いま言われた重量税もそうですが、これなんかもどうも名ばかり与えられて中身はそうたいしたことないと思うのです。けれどもね、そういう意味ではもう少しがんばってもらわないと、実体を取ってもらわないと私は市町村道というのは決してよくなっていかないと思うのです。そういう点でひとつがんばっていただきたい。  それから、去年からことしにかけて例のごみ戦争というものがどこの市町村でもたいへん困っている問題です。東京などは代表的なものであるけれども、しかし、東京のごみ処理の費用を見てみますと、結局収集と輸送ですか、   〔副主査退席、主査着席〕 この辺がいま一番経費がたくさんかかっている面ではないかと思うのですが、どうもごみ問題というのは非常に資金的に考えていかなきゃならない問題だと思うのです。ところが、何かごみの問題というのは、人夫の人がごみを集めてどこまでか持っていって適当に処理すればいいんだというふうな非常に安易な考え方というものが今日のごみ戦争というものを私はもたらしているんじゃないか、こう思うのですが、もう少し近代化をごみの部門ではばかっていかないと、ごみも非常に多様化、複雑になってきておりますから、いままでみたいな形ではいけないと思うのです。こういう面で、これは厚生省担当だろうと思うのですけれども、ごみ処理のあり方というものについて、もう少し基本的な態度というものですか、そういうようなものを十分検討して早くこれを処置してもらわなきゃならぬ問題だろうと思うのですがね。いまにこみの中に人間が泳いでいるというような関係に私はなっちゃうと思うのですね。この辺、厚生省は一体ごみ処理問題を、いま地方自治体の中で一番私は大きい問題だろうと思いますが、どのようにお考えになっておるのか。

山中和厚生省環境衛生局環境整備課長

○説明員(山中和君) ごみ処理の問題につきましては従来厚生省におきましては、ごみ処理の整備計画というもので進めてきたわけでございます。わが国におきましては土地が狭いということも関連しまして、こみの処理という基本的な構想は、燃えるものはなるべく燃して量を少なくしましてそれで埋め立て地を確保していくという対策が根本にございます。したがいまして、わが国は国際的にも非常なごみの焼却率を示しておるわけでございます。最近ごみの、先生おっしゃるように、非常な質の変化がございまして、たとえば御承知のプラスチック関係のごみもふえました。それに対しまして高度化をはかるということで、やはり国といたしましても、これに対処するために従来の補助金の単価を三倍に引き上げるという予定をいたしております。  それから、ただいま御指摘のごみ全体に対しまして、これの体系化をはかっていくということでございますが、やはり現在までただ一律にごみの焼却あるいはごみのシステム化という問題を進めてまいりましたが、やはりこのごみの問題が那辺にあるかということで、人口の集密化等と呼応しまして、やはり段階を設けなければいけないということを現在検討いたしておりますが、特にいま御指摘の収集、輸送の問題ということに関連しまして、来年度は特にこれから問題になってきます――いや現在も問題になっております、三十万ないし五十万の都市を中心にいたしましたごみのシステム化の研究を現在、公理は環境庁でございますが、私どもが主体になってこれを二千百万の予算で進めたいと思っております。それからなお、現在までの厚生省にございます生活環境審議会の清掃部会を改めまして廃棄物部会といたしまして、その中にさらに委員会を設けまして、このシステム化という問題を進めていきたい、かように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 時間が制約されておりますので、私、もう少しごみ処理に対する研究体制というものをつくってもらわないと困ると思うのです。まあ、できたら私は清掃大学ぐらいつくったらどうか。そしてごみをもっと科学的に処理できるような、いままでのような、ただ集めて燃しゃいいんだ、集めて埋め立てりゃいいんだという体制ではもうやりきれないと思うのです。一方、清掃従業員なんかにいたしましても、何か清掃従業員というのは一人前の人間じゃないような、そういうような感じを抱かせること自体にも私は問題があると思うんですよ。ごみというものがやはり処理されなくちゃならないし、それであるならば、やっぱり清掃従業員というものの社会的な地位、そうしたものも私はもっと高めなくちゃいかぬと思う。これは自治省も考えてもらはなくちゃいかぬことだと思うのです。そうして、まあ服装なんかも、私はもう少しかっこういい服装にしてやらなければ、ごみでよごれているようなかっこうでは、実際従業員の家庭にしても私はたいへんだと思うんですよ。だから、おそらく清掃従業員の配置というものは、自分の地域では回らない、なるべく遠く離れた、子供や家族が見えないような、そういうところで仕事をしているという非常な、何というのか、地域からなるべく離れてしまって、ほんとうならば清掃従業員というのはその地域でむしろ責任を持って自分の住んでいる地域について監視の目を働かしながら、あるいは、ごみに対してはその地域のつながりを通じて、ごみはこういう形でひとつ出してくれということでむしろごみというものを処理していく地域住民への教育ということも私はたいへん重要なことだと思うのです。そういうことを考えてみますと、遠くのほうへ行って、自分の近所の人の目の届かないところで清掃事業をしているなんということは、どうも私はふに落ちないわけです。そういう意味で、ひとつ清掃従業員の待遇改善なりあるいはいろいろな服装等にいたしましても、もう少しやはり誇りを持てるような服装、待遇というようなものにしていかなければ、それは私はなかなか従業員も集まってこないし、仕事に対しての熱意というものも私はわいてこないと思うのですがね、その辺ひとつ厚生省――自治省もこれは関係あると思うのですが、その辺ひとつ考えていただきたいと思うんですが、どうですか。ひとつ国としても清掃研究所なり清掃大学ぐらいの大きなものをつくっていただいてそれに対処するということを考えるべきだと私は思うのです。これは厚生省のほうからお答えいただきたい。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 清掃事業に対するとらまえ方、御指摘のとおりであろうと思います。待遇改善とか服装とか、いろいろそういった面もございますが、要は、私は、それこそほんとうに地方自治体の吏員全部は住民に対する奉仕者でございますから、事業に対する重要度の差はないと思うのでございます。私のことを申しましてまことにおそれ入りますけれども、私、町長をやっておりますときに伝染病がはやりまして、厚生の係の者に、川で洗濯してはいかぬということを回覧板で回したら、法的に義務はのがれるかもわからぬが徹底しないんだから、メガホンを持ってやれやれということを言いましたら、そんなことはできぬということでございましたので、そんならついてこいと言いまして、私自身でメガホンで回りました。町民は喜んでこれを受け入れてくれました。その次からは、私が回らなくても、喜んでそれらの吏員が回ってくれるようになりました。私は必ず清掃の方々でも、ほんとうにこの町を美しくするんだと、生活に密接した行政なんだと、誇りと自信を持ってやっていただきましたら住民の感謝の念も起こるんでございます。私はむしろ給与や服装よりも、仕事に対する住民の奉仕者としての吏員に対する心がまえ、また、これを受けていただくところの住民の意識、その中からおのずから仕事に対する理解と協力が生まれてくるんでなかろうかと思います。いま御指摘のありました、そういったものが生まれて初めてこのごみ戦争が解決するんじゃないかと思いますが、私たちも、及ばずながら、そういった方向でこれらの問題に取り組んでいただきますよう、機会あるごとに地方自治体にお願いをいたしたいと、かように存じます。科学的研究、各自治体におきましても、先般も私大阪へ参りましたときに大阪の工場をつぶさに見学さしていただきましたが、相当研究をしておられると、かように存じますが、しかしながら、今日の科学の限界からいいましたら、たとえ大都市といえどもこれらの調査研究には限界がございますので、関係省である厚生省で技術的な問題は根本的に取り組んでいただくように私たちもかねて要望しておるようなところでございまして、厚生省のほうにおきましてもこの点十分研究を進められていっていただきつつあると、かように考えておりますので、御了承願いたいと思います。

山中和厚生省環境衛生局環境整備課長

○説明員(山中和君) ただいまの、ごみの処理につきまして誇りを持ってやれるようにという御指摘でございますが、実は数年前からの時代の変化によりまして、現実に、私どももそうでございますが、まあむしろごみという問題は表通りを堂々と歩けるようになったということを、実際に現場の者たちと私どもも、特に各都市の集まりでございます都市清掃会議でよくこの話をしておるわけでございます。これは、単にごみを集めて燃すということではなくて、やはりこの燃す技術とか、それから収集、運搬の技術、こういうものが非常に高度化をしてまいりまして、現在もそういう認定講習とか、いろいろな再教育、補修教育というのを厚生省で実施をいたしております。ただいまの、清掃大学といいますと少し、非常に大きな問題になりますのでお答えはちょっと避けますが、さらにこういう研究面におきましても、ただいまのシステム化の研究以外に、来年度は四千五百万をもちまして、これの特にこういう複雑化したごみの処理の技術の研究とかいうことで進めてまいりたいと、こう考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 あと一問、これで終わりますから。  まあ、ひとつこの点はさらに研究を進め、清掃がさらに円滑にいくように財政面でも考えていただかなきゃいかぬと思います。  最後に一つ自治大臣にお聞きしたいと思いますが、東京の特別区の区長さんですね、これはいま区議会で選任するという形になっている。三十万も四十万もある特別区で、これはほかのところなら全部、市長を選ぶという市民の投票でやるんですが、これはどうもいまの日本の社会で直接公選でやられないというようなことはちょっとおかしいと思うのですね。先ほどから私申し上げましたように、自治体の役割りというのはたいへん大きくなってきている時期です。その区長が区民によって選ばれない。あるいは逆に、いま区の議会で選ぶにしても、なかなか簡単にいかない。いつまでも区長の席が空白のところなんかもあるようです、何か東京の。こういうのは、やっぱり早くいまの自治体の住民参加ということも、私はこのことが非常に大きいことだと思うのです。ですから、東京二十三区については区長の公選制というのは早くずばっと出したらどうかと思うのです。そういう動きもかなりあるようです。この際、とにかく、先ほど大臣おっしゃられたように、非常に自治体の役割りは大きくなってきているわけです。どうですかこれ、すぱっと区長公選という線をお出しになるのが私は時宜に適した課題だと思うのですが、その点どうですか。それで終わります。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 区長公選制の問題、これはもう数年前からの問題でございまして、地方制度調査会等におきましても検討を願っており、その中間的な答申をいただきまして、とりあえずの事務委譲というものを行なったようなわけでございます。いま、言われましたように、直接の公選制の自治体の長を持たないというのは東京都の二十三区だけでございます。これが都政の姿なんです。ところが、その都政そのものがそれでよいのかどうかという問題に関係しておるところにこの問題のむずかしさがあるんじゃなかろうかと思っております。いま言われましたように、人口三十万、四十万あるところに直接公選制のものを置くのは当然じゃないか。人口のレベルでいかれましたら当然でございまして、ただ問題は、都とこの二十三区のあり方に対する都政そのものの財源配分の問題、あるいは直接の公務員の任命制の問題、おそらく現在区で七割までは都に籍を持つところの区の職員であるというのが実情でございます。したがいまして、これらの問題を総合的に検討して初めて区長公選という問題を解決することができるのじゃないかと。いま先生御指摘のように、区長公選をやったらどうかと、こういうことでございましたが、私、陳情者の方々に答えましても、この問題は前向きで検討をいたしますことは約束いたしておきますが、こういった問題があるために直ちにこれを政府提案として出しますことは、私は本国会においてはいたしかねる次第でありますと、こういうことを率直に述べておきましたので、前向きでこの問題を検討し、それらの諸制度ともあわして問題解決のための努力をはかることをこの機会にお約束さしていただきますが、先生御要望の、直ちにその問題を端的に出せという御要求に対しましては、なお検討をせなければならない重要な問題であると思いますので、御了承賜わりたいと存じます。   〔主査退席、副主査着席〕

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それではきょうは限られた時間の中でございますが、一つの具体的な例を通して、自治省の地方行政に対する監督、指導、そういうような点について質問したいと思います。  実は、これは広島県に下蒲刈町という島がございます。ここはまあ大体人口が五千名ぐらいで、船で三十分ぐらいの島ですから、非常に人口も過疎で、財政的にも非常に苦しい町村でございます。まあそこの町長は五明といいまして、すでに五期、町長をやっているわけですね。そこで、この町長さんは昭和四十三年二月十日に等身大のブロンズの胸像をつくったわけですね、現職の町長が自分のブロンズの銅像をつくった。しかも、それが町費から、町の費用でつくっているわけですね。しかも、これがそういうのをつくってもらいたいという、そういう住民の請願は採択されたわけですけれども、予算書の中にはそういう項目は何も入ってないんです、どこを見てもですね。けれども、実を言いますと、フェリー架橋事案調査の項の次の工事請負費という中に入っているということを言っているわけですけれども、それはともかくとしても、そういう現職の町長が町費で等身大のブロンズの胸像をつくった。しかも、その町長さんは、これからあと触れますように、非常にたくさんの裁判を起こされているわけですね、住民から。もうすでに昭和三十七年十二月には、町内の農道復旧工事などで起債を流用して、広島地裁で懲役一年、三年間執行猶予の判決も受けておる。あるいはまた、昭和四十年ですか、これは有印虚偽公文書作成及び同行使、補助金予算執行の適正化違反、懲役一年六カ月、三年間執行猶予、これは判決は四十四年ですね。そのほかここに、私調べましたらよけいありまして、水道工事を町が業者に工事させますね。全部の業者から一律に一五%の寄付金を取っているわけですね。それがしかも全然一般会計にも入っていない。そういう数々の――これはあと言いますけれども、そういう町長でありながら、しかも現職で、しかも町の金でそういうのをつくっているわけなんですけれどもね。おそらくそういう胸像というのは、ほかの人がやはり寄付金ででもやるなら話はわかると思うんですけれども、こういうように現職の町長が自分の在任中に町費でそういう銅像を立てるようなことが全国いままで例があるのかどうかですね。はたしてそういうようなことに対して自治省としては一体どう考えているのかですね。どうですかね、その点は、自治大臣。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 具体的な質問の概要を塩出委員からお示し賜わりましたが、事務当局のほうで県とも連絡いたし、概貌だけは調査いたしておりますので、具体的な問題でございますので、事務当局からお答えさせたいと思います。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 本日この御質問があるということで、県を通じて事情は調査をいたしましたが、何ぶん電話等でございますので必ずしも十分ではございません。ただいま御指摘のような事例があることはやはり事実のようでございます。  そこで、ただいまの胸像の問題でございますが、私どもが県を通じて調査をいたしましたところでは、胸像の初めの百五十万円でございますか、予算は組まれているようでございます。しかし、百五十万ではできませんで、なお二百万円余支出をいたしているようでございます。これがどういう手続で、つまり流用、その他合法的な手続で行なわれているかどうかまではちょっとまだ調べておりませんが、そういう胸像ができましたことは事実のようでございます。そこで、そういう事例というのがいままであっただろうかと、こういう御質問でございますけれども、私どもどうもあまりそういうことを聞いたことはございません。おっしゃいますように、普通の常識的な感覚から申しますと、まわりの人が、町長御苦労であったというようなことで、寄付金でも集めてつくるというようなことがまず普通のことではなかろうか、こういうふうに考えます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 自治大臣はどう思いますか、こういうことはですね。私は、実はこの問題については町民の有志が告訴したわけですよ。それで、一審では住民のほうが勝ったわけですね。それがまあ控訴して広島の高裁ではこれは町長のほうが勝ったんです。逆転になったんです。それでいま最高裁でこの問題が争われているわけなんですけれどもね。私はまあ結論から申しますと、こういうことをやっぱり住民の人が裁判をする、そういう裁判があること自体非常に残念だと思うんですね。しかも、裁判をした場合に、町長は裁判の費用は全部町費ですからね。これはあとまた法務省に聞きます。ところが、住民のほうは乏しい。みなそれぞれ、ああいう島ですから収入も少ない。しかし、こういうようなことが許されてはならないというわけで、あえて自分が損する覚悟でそれやっているわけなんですよ。そういう点で、私は、こういうような問題は裁判以前の問題である。自治省ははっきりとした通達を出して、幾ら地方自治だからといっても、よしんば議会で議決をされたにしても、それは、町長は、予算書の中には銅像というのは入っておらぬけれども、百五十万くらいですからね。その中の「その他」の中に入っておるというわけで、それは、そう言えば、そこまで聞かなかった町議会が悪いかもしれぬけれどもね。一応まあそういうわけで予算書は通っておるにしても、そのこと自体非常に問題だと思うのですけれどもね。通ったとしても、やっぱり予算の発議は町長が見るわけですからね。町長のほうからやっぱり立てるというか、立てたわけなんですから、こういうようなことはあってはならない。そういう点はひとつ、そういう地方財政の使用法についての基準というものはないんですかね。そういう通達はできないもんですかね。こんなことはやめろということをね。どうですか、自治大臣。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 一々の行政に対しまして、直接の任に当たっております県等を通じまして指導助言等はいたしておりますが、私名をもちまして自治省から直接通達をしてこういうようなことはやめろというふうなことはいたしておらぬというのが現在のあり方でございまして、あくまでも直接の、身近にあります府県等を通じまして適切なる助言、指導を与えていただいておるような状態でございます。御指摘の点、法的にどうなりますか、いま係争中でございますので、町議会においても百五十万円分は議決されたといま行政局長も述べておりましたので、そのことが当、不当であるかどうかということはとにかくとして、第二審における判決が、違法でないというところからそういうふうな判決もあり得たんじゃなかろうか、かように存じますが、いま局長が述べましたように、事柄全体が、違法ではないかもしれませんけれども、まあ私たちの常識として考えましてあり得べからざることであるという考えを私もこの報告を聞きまして受けたというふうな次第でございます。ただ、いま御指摘になりましたように、やめろという通達をしろと、そういうような点は検討さしていただきたいと思いますが、少なくとも県等を通じまして指導監督をしてこれらの行政が行なわれないように事前に勧告等をしていただくように連絡をいたしたいと、かように存じます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 では、まあこの問題は、先ほど行政局長から話がありましたように、予算のほかにだいぶ金が使われておるわけですが、これはどうなったか。これはまた次の問題として、いま告訴されて、まあ先般町長も家宅捜査等も受けているわけですけれども、ともかく、これは最高裁で争われている問題ですから、法律的にはそこで結論が出ると思いますけれども、しかし、自治大臣としてはやはり法律的な問題を離れてこういうことは好ましくないと、そうしてこういうことのないように、まああらゆる方法を通じて指導をしていくと、そういう自治大臣の御答弁、そう判断してよろしいわけですね。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 県を通じましてそのような指導助言がされますように措置をいたしたいと存じます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで実はこの胸像も、この校庭の片すみに百平方メートルの場所につくっちゃったわけですね。島の学校ですから非常に校庭も狭いわけですよ。しかも、これは私、校長に直接確認したわけじゃございませんが、やはり実際に校長なんかも知らぬ間に、断わりなしにそれをつくってしまったわけですね。そういうことで、はなはだ私はよろしくないと思うのですよ。  それから、先ほどいわゆる町がいろいろ国の補助金を受けて水道工事あるいは農道建設、そういうものの工事をするわけですが、ところが、そういう工事において一五%前後の寄付金を取っているわけですね。ところが、これは寄付金を取っていると言って実は天引きをして渡すわけなんですよ。領収書は全額の領収書を取っちゃうんです。それでその寄付金がどこに行ったかわからない。一般会計にも入ってない、収入にもですね。これはまあいろいろたくさんありますけれども、そういう一方的な話ではまずいので、これは、いろいろな事件が不起訴になったために、市民の代表が呉の検察審査会にこの問題について審査を依頼したわけですね。それで呉の検察審査会が四十三年の十月十九日にこういう結論を出しているわけなんですけれども、この結論は、やはり不起訴はやむを得ないとあるわけですね。一応不起訴になったことはやむを得ないと。その内容の中に――これはまあたくさんありますが、その中の一つを申し上げますと、こういうことなんですよ。これは浜田さんという、これは土木屋さんですけれども、その人が農道工事をやった。これは五百九十二万、ちゃんと契約をしてそれをもらわなければならないのに、ちゃんと町のほうではこの五百九十二万の金が出ているけれども、本人には百万差し引いた金しか渡ってないわけですね。それからまた、この人が水道工事をやった。これは昭和四十年八月十日に契約をいたしまして百七十一万の水道工事をやったけれども、この場合も、町のほうではちゃんと支払い命令は出ているけれども、本人には百四十二万七千円、二十八万三千円が本人に渡ってないわけですよ。これはまあいままでは通例になっておるわけなんです。けれども、そうこっちゃ浜田さんもやっていけないというので、しかも全然天引きをして取っちゃったわけですから、だから、そこでこの浜田という人は昭和四十二年一月三十一日に町長を告発したわけなんですよ。結局、工事代金は全部くれない。約一割五分差し引かれてしか渡されないもんですから、告発した。ところが、そのあとの、一月三十一日に告発されて、四十二年の二月十六日――約二週間後ですね、二週間後にそのお金が区長名義で町に寄付をされて、雑収入になっておるわけなんですね。これはどうなんですか。そういう国からの補助金をもらってそうして水道工事なり農道工事、そういう工事が行なわれるのに、業者に一割五分の寄付金を取るということは、これはやっぱりよろしくないわけでしょう、これは。どうなんですか。まずその寄付金を取るという問題について。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) ただいまの事実は実は初めて承ったわけでございますが、通常補助事業を行ないます場合には、補助事業の対象、それに対して補助率がございますので、補助金が幾らということになっておりますから、もしいまお話しのように補助金の適正化の法律にひっかかるようなものでございますれば、これは明白に補助金を返還しなければいけないという問題が一つあろうと思います。それはそれといたしまして、ただいまのお話でございますと、契約額どおりのお金が請負業者に行っていないというようなことは、これはまことに私は常識をはずれたことであろうと思います。まあ、地方団体三千数百ございますのでいろんな運営が行なわれておりまして、場合によりましては業界から寄付をもらうというようなことも私はこれはあろうと思うのでございますが、しかし、その場合は、やはり払うものはちゃんと支払い、それから寄付を受け入れるものは受け入れる。しかも、予算的に受け入れをするということがこれは当然でございまして、請負金額のうちから差っ引いて、しかも、そのお金がどこに行ったかわからないというようなことは、これはまことに通常の事態ではない、私もそういう感じがいたします。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 自治大臣、ここにいわゆる審査会ですね、これは一応第三者の立場で、ここにこう書いてあります。「当審査会でこの寄付金について確定した事実は(一)町役場には寄付台帳がないこと。(二)寄付した業者に領収証を発行していないこと。(三)寄付金は数件を一括して、あるいは個々に区長名義(真実の寄付者名義でなしに)」――この場合は浜田さんは寄付の意思もないわけですけれども、強制的に取られた。そしてそれが今度は町の雑収入に入るときには、区長さんの名義になっているわけですね――「で寄付されたように帳簿上記載されていること。(四)業者からの寄付の内訳は、収入役の記憶によらなければその実態が把握されないこと。(五)寄付金を全額寄付金収入として一般会計に入れず、一部を地元分担金その他に流用していること」、その金がどこに使われたかさっぱりわからないわけですね。この浜田さんの場合も、思い余って告訴して、あわてて一般会計にそのあとに入れたんですから。それは支払い命令が出ているのは昭和四十一年の二月二十三日です。告訴したのは昭和四十二年ですから、町の会計から金が出て一年後に、くれないものだから告訴した。そうしたらあわてて、浜田ではない、ほかの、区長の名義で一般会計に入っているわけですね。そして、「よって寄付金が全額町の財源として入っているかどうかが疑わしく、不正が行なわれる要素がここにある。また前記流用金の使途が不明確である。それがために寄付金横領の疑いがもたれる」、そのようになっておりながら、結論としては、「以上の如く当審査会は証拠調べにもとづいて審査したが、寄付関係帳簿の不備、証拠の散逸も考えられるので横領の確定的証拠を掴むことが困難であるとの結論に達し、疑いをもちながらやむを得ず検察官の不起訴処分は相当であるとの議決をする」、そういうようなことになっているわけですね。それで浜田さんは告発をして裁判をいま起こしているわけですけれども、まあ、その他いろいろあるわけですけれども、私は、こういうような事件が、土木業者といってもほんとうに非常に零細な業者なんですよね。裁判を起こすとなれば金もかかるし、しかも町が相手ですからたいへんなんですよ。こういうような、はっきりとした、明らかに間違っているようなことが、しかも、いまも、そういう寄付金というのは前は一五%でいまは五%ぐらいに減っているようですけども、そういうことが依然として行なわれて、裁判によらなければ解決をしないというのは私はあまりにも納得いかないのですけれども、こういうようなことは、それは地方自治体は県が担当かもしれませんけれども、それは県なり国なり、いずれにしても、はっきりこういういいかげんなことがわかっているんですから、そういうことが何らかの行政指導で、裁判なんかしなくても、ちゃんと解決できるようなそういう方法はないもんですかね。自治大臣、どうですか、この点は。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 私たちの一般に行なわれないような非常識な方法で行なわれますところの行政に対しましては、絶えずそのようなことの起きないように私たち指導助言等をいたすのは、これはただ単に県がその責任があるというだけでなくして、根本は自治大臣にあると思っております。しかしながら、自治でございますので、処分を変更さしたりあるいは処分をするということの最終権はやっぱりその自治体そのものにあるんじゃなかろうか。私たちの指導助言が至らざるために、そのような、何と申しますか、私たちの常識ではとうてい考えられないような行為が起こっておること、まことに遺憾に存じますが、今後ともにこういうふうな事例の起こらざるように、起こりましたものに対しましては適切なる処置によりまして問題の解決ができますよう指導助言は今後とも与えてまいりたいと、かように存じますが、私の権限といたしまして、裁判その他を行なわずに直ちにこれを処置しろとおっしゃいましても、向こうがやらない限りにおきましては、なかなか困難なる問題でなかろうかと思いますが、具体的な事実をお教え賜わりましたので、今後ともそのような姿が地方自治の本旨に基づいて処置されますように、県を通じ指導助言を進めてまいりたいと、かように考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 行政局長にお伺いしますが、よく町と業者とのなれ合いで、表面は工事費を払って、そしてその陰でリベートを取ると、こういうようなことはいままでもよくあり得る話だと思うんですけれどもね、こういうように半ば公然とやっていると、こういうのは私はあんまり全国でも例がないんじゃないかと、そのように思うんですけれども、その点どうなんですか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 先ほども申し上げましたけれども、業界から寄付をもらうということは必ずしも少なくはないと思いますけれども、いまおっしゃいますように、契約金額、きまっておりますものを払いませんで、それを上前をはねる――と言うとたいへんことばは悪うございますけれども、そういうような操作をしているというようなことは、実は私も初めて伺ったわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 では、自治大臣としては、やっぱりこれはもうはなはだよろしくないと、そういう考えだと判断していいわけですね。それは実際に自治大臣がこうせい、ああせいという命令はできないにしても、それは常識としてもうよろしくないということははっきり言えるわけですね。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) お聞きいたしました範囲内におきましては、私は不当な行政処分であろうと、かように考えますので、そのようなことが起こらないように、また、起こってしまったことにつきましては適切な処置がされますように指導監督を県を通じてやっていきたいと、このように考えます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでね、私は考えてみれば、そういう水道工事にいたしましても、国民のいわゆる税金、一般会計からそういう補助金が出されているわけですね。その補助金がやはり適正に使われていないということになると思うんですよね、実際には。そういう点で、一つは私は会計検査院はそういうような監督は十分やっておるのかどうか。しかも、そういうように全部上前をはねるために、この下蒲刈町一周道路及び農道建設工事では八業者がやったわけですけどね、まあ、一業者だけ合格をしまして、あとの業者は全部不合格だったわけですよね。ということは、やっぱり一割五分天引きされるものですから、どうしても手抜き工事をせざるを得ない。そういうことになっているわけですよね。そういうような点がやはり会計検査院としては十分チェックできないのかどうかですね。  それともう一つは、そういう国の税金が不当に使われたということは、住民がやっぱり町長を告訴するということもありますけれども、やっぱり国としても、そういう国の金が不正に使われておるのであるならば、これは国としてもそれをやっぱり告訴する、国が告訴するぐらいのこともできるんじゃないかと思うんですけれどもね、そういうことはどうなんでしょうか。それは自治相に聞きたいと思うんですけれどもね。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 国が告訴すると申しますか、私も法的な関係はあまり詳しいほうではございませんが、会計検査院が、もしそのような事実があったなれば、指摘することによりまして、適当に補助金等の回収を所管各省を通じて指示するようなことは行なわれるところであろうと思います。行政処分として、国のほうは、国の税金でございますから適正に使われるように会計検査院等の指示あるいは行政、それに基づくところの各所管省の処置が行なわれるんじゃなかろうか。したがいまして、国が告訴するというふうなことはいたさずに、行政措置そのものによって、それがもし事実であるとすれば、行なわれるのでなかろうかと存じます。ただ、補助金等の不正使用に対しましては、これは法律をもって刑事事件としても罰則が行なわれるようなことになりますので、この意味から申しましたなれば、司法当局が国という立場で、もし犯罪事実がございましたら、そのような、いま御指摘のような処置が行なわれるのでなかろうかと、まあ、かように存じております。

服部桂三会計検査院事務総局第一局長

○説明員(服部桂三君) お答え申し上げます。  会計検査院は、御承知のように憲法の第九十条の規定に基づきまして、国の収入支出の決算の検査を行なうということを基本的使命とする機関でございます。したがいまして、直接地方公共団体の予算の執行自体を監督検査する立場ではございませんので、この地方公共団体プロパーの財政運営の問題、それの当否につきましては、これは権限上意見を申し上げることは差し控えたいと存じます。しかしながら、国が補助金、助成金等の財政援助を与えております場合には、御承知のように、その財政援助との関連におきまして検査院としましても当該地方公共団体の検査を行なっております。そして、その結果、もし非効率な使用の事態がございました場合には、これは毎年検査報告に掲記しているところでございます。大体こういう状況でございますが、特に補助金の執行の問題につきましては、先ほどからお話しございましたように、補助金の適正化法がございます。したがって、検査院としましては、その適正化法の趣旨に従って補助事業が行なわれているかどうか、そういう観点に特に留意していままで検査を行なってきているわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、実はこういう数々の裁判の費用が全部町から出されているわけです。町費からですね。それは、きょうは時間がありませんから具体的な例はあげませんが、補助金等予算執行の適正化違反で四十四年に懲役一年六カ月、三カ年の執行猶予、そういうのを受けているわけですね。先ほどの水道工事のピンはねの問題にしても、これはやはり町としての裁判というよりも、町長個人の私は悪事だと思うんですね、一部助役が結託しておったにしても。そういうようなやはり裁判の費用というものを町の財政から出すということは、私はものごとのたてまえからいってもよくないんじゃないか。もちろん、町の行政に対しても裁判を受け、告訴せられて、そういう町長としての立場と、町長個人としてかってにやったものと、二つあると思うんですね。そういう問題について裁判の費用がすべて町費でまかなわれるということは、やはり地方財政の運営上私は好ましくないんじゃないか、そう考えるわけです。この点は法務省ですかね。これは自治省ですか。よろしくお願いします。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 訴訟費用につきましては、町が当事者でございます訴訟に要する費用は、これは町が支出するのは当然でございますけれども、個人が当事者あるいは被告というものになっておりますものについては、経費を町が支出すべきでないことはこれもまた当然でございます。したがいまして、これは個々の事件に応じて考えていかなければ私はならないものだと思うのでございますが、先ほどもお話がございましたように、刑事事件になっている、刑事事件として町長が告発をされているというような場合におきましては、これは町長個人が当事者であろうと私は思いますので、その経費を町が支出をすることは、これは不当な支出になりはしないか、こういうふうに考えるわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 じゃあ自治大臣、よろしいですねそれで。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) いま行政局長が答えたとおりでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、実は昭和四十二年にやはりこれは頒徳碑をつくっているわけです。胸像をつくるその前にできた頒徳碑ですけれども、五明金弥町長頒徳碑、そしてこれが自治大臣永山忠則書として、その当時現職の大臣である永山さんが表彰しているわけです。字を書いているわけですよ。また先ほどの写真をお見せしました胸像の字もこれは現職の文部大臣が書いた字だと、実は私、これは新聞にそう書いておるんであって、事実、これもそこに参りましたけれどもそこまで見なかったものですから、それはよく調べてみなければわからないと思うんですけれども、いずれにしてもこの写真を見てくださいよ、自治大臣。現職の文部大臣といえば灘尾さんです、広島出身の。灘尾さんは非常に高潔な人柄である、そのようにいわれておるわけで、まさかそういうことは知らずに、文部大臣がもし書いたとすれば書いたんじゃないかと思うんですけれども、しかし、ある面から考えれば、そういう自民党内においてもほんとうに人柄が高潔であるといわれている人ですらこういう不見識な――そういうことを町民が見ると、あの町長はやっぱり大臣から信頼があるんだなということになれば、ほんとうに一体いまの政府はだれの味方なんだと、そういうことで、私は現職の自治大臣ともあろう者が、そういう実刑ではないが、すでにその石碑のできる前に告訴され、いまさっきの水道工事の告発も受けておりますし、三十七年に、執行猶予ではありますけれども、懲役一年の判決を受けているわけですよ、そういう国の補助金を適正に使ってないということでね。そういうような町長に対して、現職の大臣ともあろう者がそのようなことをするということは私は全く不見識であり、それは知らなかったと言えば知らなかったで済むかもしれないけれども、これは自治大臣ですからね、そんなこと知らないじゃ済まされないと思うんですよ。私はそういう点は今後厳に慎しんでもらいたい。これは現自治大臣の前の、その前の自治大臣ですからね。私はそう思うのですけれども、大臣の御見解、どうでしょう。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) そのような事件のあることを精査されておったなれば、そのようなことがされなかったと存じますが、それ相当の方々のおことば等あって、その事実を信じておそらく書かれたことであろうと思います。現実にそのような問題も起こっておるような事態でございますから、私自身そのような機会はまだございませんが、そのようなときには、いま御指摘のようなことが起こらないよう、十分慎重に検討して処置さしていただきたいと、御注意として承っておきたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 最後に、いろいろ厚生省あるいは農林省、水道工事は厚生省、農林省は農道関係、そういうようにこまかい点もお聞きしようと思っておったのでございますが、時間もございませんので、これで終わりたいと思いますが、やはり地方自治というたてまえからいえば、国は、自治省としてもそれは命令を出す権限はないかもしれませんけれども、国としても、国民の税金がそういう農道の建設、離島の振興のために国から出されるわけなんですから、そのお金が業者に渡らないで、業者の承諾もなしに頭をピンはねをされ、そしてふところに入って、それが次の選挙資金に使われて、それで金で当選する。そういうようなことがあってはならないと思うのですね。各省ともそういう点をひとつ厳重に今後とも気をつけていただきたい。また、今回の件につきましては、いろいろ各省ともにそういう実態をひとつもう少し調査をして、今後改めるべき点はちゃんと改めるように指導していただきたい。このことを要望したいと思います。代表して自治大臣からひとつ答弁していただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) いまお聞きしましたような事件が現実に裁判というふうな形でも起きているということが事実でございますので、私たちの指導助言の足らざるところでございますので、今後とも厳重にそのようなことが起こらないように指導助言を適切に行なうように一そう努力をいたしたいと存じます。なお、各省の補助金等の使用につきましては、従来からも十分そういったような不当支出の行なわれないように注意をしていただいておると思いますが、今回の事例にかんがみ、一そう適正に使用されるよう留意願うよう私からも各省のほうに連絡をいたし、十分注意をしていただくように申し入れさしていただきたいと存じます。     ―――――――――――――

楠正俊自由民主党

○副主査(楠正俊君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日辻一彦君が委員を辞任され、その補欠として大橋和孝君が選任されました。     ―――――――――――――

楠正俊自由民主党

○副主査(楠正俊君) 別に御発言もなければ、自治省所管に関する本日の質疑はこの程度といたします。  午後一時まで休憩いたします。    午後零時十九分休憩      ―――――・―――――    午後一時四分開会

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) ただいまから第四分科会を再開いたします。  分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、竹田四郎君が委員を辞任され、その補欠として藤原道子君が選任されました。     ―――――――――――――

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) 昭和四十七年度総予算中、厚生省所管を議題とし、質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次御発言願います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 たいへん時間がないので、ちょっと大まかな点を二、三点お伺いしておきたいと思うのですが、昭和三十六年に国民皆保険制度がしかれてすでに十二年もたってきておるわけでありますけれども、医療を取り巻くいろんな状況はだんだん悪化の方向へ進んで、最近では問題がいろんな方面から取り上げられるような状態になってまいりました。   〔主査退席、副主査着席〕  特に、私は、そこの中で医療の供給体制というものに問題があって、これを何とかうまくしないと問題が解決しないのではないかというふうに考えるわけでありますが、むしろ最近では取り上げられておるのが赤字対策とか経済的な根拠にこれをのせられて、医療のほんとうのあり方というものが考えられていないというところにも大きな問題があると思うのです。こういう点から考えて、今日のわが国の医療なり医学なりというものを、国のほうでは、収入に見合うところの給付、あるいは採算に見合うところの医療とか医学とか、こういうふうなところで考えられているんじゃないかというふうなことがいつもわれわれのいろんな問題に対して考えさせられるところであります。こういう立場をとっておる限り、私は、患者や被保険者、そのほか医師をはじめまして、医療従事者が、ほんとうに気持ちよく医療が行なえるというものにはならない、こういうふうに思うわけでありますからして、こういういまの経済の情勢なんかを考えてみましたときに、いまこそ私どもは医療というものを当然不採算性のものであるという立場から、もう少し国のほうで医療のあり方を十分にあらわすような方向をここで取り入れなきゃならぬのじゃないかと思います。そういうふうなところから考えて、医療というものを処理される上においてどうも欠ける点があると思うのでありますが、そういうところで一つ共通した認識の場に立ちたいというために私は厚生大臣にこれからの医療というものをどう位置づけて考えていくか、もう一ぺん考え方をそこに戻して考えてもらえないかという共通認識の立場から大臣のお気持ちを聞きたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 最近の医療事情と申しますか、これは、私から申し上げるまでもなく、医療関係の技術の進歩、それを受け入れられるような体制というものがぜひ必要だと思います。それには、一つは、やはり医療の供給の体制を整えるということ、そのためには必要な国費も要るであろうと考えます。そうして、その点は私は全く同感でございます。  それと同時に、いま医療の不採算性とおっしゃいましたが、医療の不採算性というのは、医療をやる機関が採算を度外視して国民に医療を提供できるという意味ではないと思います。やはり、医療供給者は最高度の医療を供給するだけの採算が立たなければ、供給者に損をせいというわけにはまいらない。これはやはり十分な科学技術の進歩に見合う、あるいは物価、人件費に見合う医療費というものが保証されなければ、また、一面、医療の進歩ということも行なわれないと思います。そこで、こういった医療に要する費用をどうするか。日本では、申し上げるまでもなく、これは個人の負担ということがたてまえであるけれども、それを相互扶助で保険をし合おうじゃないかという精神でいま保険の制度ができているわけであります。これを国庫負担を増すか、保険料で大部分見ていくかというこれは一つの問題でありますが、いわゆる国民の税金でやるのか、あるいは保険料でやるのか、あるいは保険税でやるのかという違いであって、根本的には私は変わりがないと思います。ただ、相互扶助の保険制度でやろうという現在のたてまえをとっております関係上、これはやはり保険料でまかなうということを原則にして、特殊な事情のものは一般の国費から負担をするということを考える以外にないのじゃないだろうか。その割合をどうするかという問題がありますが、どちらを主にしていくかという問題であって、要するに、これは結局国民のふところから出る金であって、その出し方を保険料の出し方でやるか、税金の出し方でやるかという問題であろうと思いますが、まあ検討の余地があると思いますが、現在は保険料を中心とした保険制度でやっていく。保険制度でやる以上は、保険料というものを中心に考えていくということでなければならない。医療を国営にしてしまえば、あるいは全部国費で支給するということにしてしまえば、これはいわゆる保険制度ということがなくなってしまうわけです。保険制度を続けていくか、保険制度をやめる方向に行くかという問題であろうと思いますので、政府といたしましては、ただいまのところ、保険制度を逐次廃止の状況に持っていこうという考え方は持っておりません。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 不採算的なものであるというのが、いま言うている保険主義だけでやっていては解決のできないような問題がいまたくさん出てきておる。たとえば、いままでの経済のいろんな方向からもあるでありましょうと思いますが、公害にしたって、あるいは交通禍にしたって、これらの問題は、何と申しますか、病人が不摂生によってとか、あるいはまた、何かの条件によって自分である程度の責任をとらなければならないという問題ではなくて、もっと他動的なあるいはまた公的な原因のもとに病気にならされておるというのもたくさんあるわけですね。最近はそういうウエートが非常に高まってきている。また、一面から言えば、いまの保険の制度の中では、そういうものを予防的に、あるいはまた未然に発見する、こういうものがその制度に入っていないから、こういうものが一つ非常に原因をなしてくる。そういうものを採算のワクの中に入れておいたのではできないのじゃないか。  だから、そういう意味で私はもう一つ突っ込んでお尋ねしておきたいのは、たとえば、その財源をどうするかという問題でも、大きな企業がいまいろんな公害を流してやっていますけれども、こういうところで得た利益というものがそういうところに負担する分が非常に少ない。株主総会で株主にたくさんの利益を配当されるその中にはそういう害を流しておる問題があるわけですから、むしろそこの利益の中からそういうものを負担してもらうべきじゃないかと。いま企業の組合主義的なことが盛んにいわれております。それも一つの行き方で、企業努力がされていると、こう言っておりますけれども、企業の中で組合が保険料の負担をたくさん――七・三にするとかいろいろいわれておりますけれども、それぐらいのウエートを企業が受け持つだけでは、企業のほうの責任は十分に果たされていない。たとえば、負担の公平ということを考えるならば、そのことで生まれてきた大きな利益を得るために労働者なりあるいはまた国全体に対していろんなことをしているわけですから、そこらに対して保険あるいはまた福祉というものに対して責任を持つような税の負担でもあるならば、もっとこの原資は豊かになるんじゃないか。こういうことでもって、公の病気というものが個人の負担、保険料というものに課せられるのではなしに、やはり税金として国全体が責任を持っていくという方向に持っていけるんじゃないか。そういう観点からいって、私は、保険的な考え方、それでそういうことで起こる赤字というものに対してはもう少し検討を要するのじゃないかと思いますが、どうですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 私、ちょっと取り違えをいたしておりました。いまおっしゃるのは、取り違えでもないかもしれませんが、保険の中で給付をするのが不適当であって、むしろまるまる公費で負担すべきではないかという御意見に通じるのじゃないかと思います。いまの公害から発してきた疾病であるとか、あるいはもっと予防体制を整えるとか、そういうような問題は公費負担でいくべきだと。個人個人お互いに助け合いましょうというのは、公の社会的な原因からきた疾病までお互いに助け合うという仕組みは私もやっぱりおかしいと、こう思います。それはむしろ保険の中に財源として国費を導入するというのではなくて、そういうような費用は、これは保険からはずしてしまって、むしろ公費負担、そして公費負担の面を広めていく、また、現実に広めてまいらなければならない、かように考えますので、その点では御意見のとおりに思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 だから、そういう点から考えますと、いまいろいろ出されておりますような方針、考え方というものを一ぺん修正をしてもらって考えてもらうならば、赤字の問題だとか、保険で負担するいわゆる組合方式だとか、あるいはまた政管健保のあり方だとか、あるいは国保だとか、いろいろなところの問題が根本的に一つは解決のめどがつくのじゃないかと思います。そういう点で、医療そのものがもう少し医療担当者がやりやすいような道筋を立てるためにおいても、そういうふうなところを区分することが第一点。それからまた、医療機関、医療に従事しておる者たちが、もう少しいまのような間違いを起こさないように、間違いといっては言い過ぎかもわからないが、まあいろいろなことが指摘されておる。薬を使い過ぎるだとか、あるいはまた犠牲者が出てくるとか、いろんな問題がいま出てきております。そういう方面がきびしく追及されるのも私はいいことだと思いますが、また、逆に、そういうことの起こらないような組織をつくり上げていくということのほうがなお一そう必要ではないか。そういう意味で、私は、いまの医療供給体制というものに対してもう少しき然たるものをつくって、そしてその方向を行き、その中で採算的に考えて不採算的なものは、特にそういう公費負担なりあるいはまたいろんなものに組みかえて、そしていまのような考え方を前に進めていくことが必要ではないかというふうに思います。  私、そういうふうで、医者というものを見てみましたときに、これは医者そのものが養成過程から私は非常に問題があるというふうに思います。そういう意味で、ちょっと医師の養成あるいはまた配置ということについて一言伺っておきたいと思いますが、いま一人の医者を養成するのには、御存じのように、六年間で九百四十万からかかると、こういうふうにいわれております。一年に百六十万かかる計算になるわけでありますが、文部省の調査でも、私、ちょっと調べてみますと、私立大学の医学生一人に大学がかける年間の教育費の平均は約百四十万であると、こういうふうにいわれておりますからして、定員百名というならば、六年間修学すると、一医科大学で七億二千万円かかることになるわけですね。そうなりますと、これに対して収入は一体どういうふうになるかといえば、入学で納付される金額が新入生一人当たり平均五十万、それからまた、授業料が年間二十五万と、こういわれておりますから、一年間で約二億円、これにしかならないわけでありますから、そこでその差額の五億二千万円ですか、こんなものを寄付金でまかなっておるというふうな形になるわけであります。だからして、いろいろいま問題になっているような状態が私立大学にも起こってくるわけでありますし、いままでは私立大学の教育というものには非常に金がかかるからだれも手が出なかったといわれておったのだが、最近は私立医科大学が次々と出てまいっております。こういうことを考えてみますと、やはり医科大学のない府県もたくさんあるわけでありますから、むしろ医者も少ないことでありますからして、医学の教育というものは非常に大事なんでありますから、やはり根本的に考えて私は国がやるべきだと思います。そしてまた、私立のほうに比較してみましても、私立にそういう要る金は、もう少し先ほど申したように国のほうで出して、そしてその不採算のところはもっと国から援助をしてやらなければ、この教育というものはほんとうに前向きをしないじゃないか、こういうふうに考えるわけでありますが、そういう意味でこれは文部大臣には機会がありませんから大学局のほうから来てもらっているようですから、それでちょっとお伺いしたいと思いますが、厚生大臣のほうではこの医者の教育というものをもう少し根本的に文部省と話し合いをして考えるべきではないか。私はここのところで一つの私見でありますけれども、こういうふうにして私立大学をたくさんつくるよりは、むしろ官立大学の定員を二倍なり三倍にする。いま百名であれば、それを三百名にする。そうするためにはどういうものが欠けるか、こういうことを考えますと、実習病院もかかえているでしょうし、勉強する研究のところも足らない。こういうものを普及するほうが、むやみに大学を新設してそして非常な無理をするよりはもっと合理的にいくのではないか。あるいはまた、それでその教育の内容が低下しないような措置をするほうがよりベターではないかということまで考えられるくらいであります。そうなってくると、やはり一番問題は何かといえば、ベッドサイド・ティーチングの教育病院でありましょうが、この教育病院が付属病院と同じようなものが地域的にある程度配られたならば、そこで教育ができるということになりますから、講義をするところは大学で講義をして、いろいろなそういうベッドサイド・ティーチングはそういうところへ分散してできる、そしてまた、そこにはいろんな専門的な人がいるというような形にするほうが、より短期間によりいい教育というものができるのじゃないかというふうにも考えられるわけです。しかし、地域的にもある程度分担されなければいけませんから、やはりそういう講義をする大学を各府県に置く。少なくとも一カ所ぐらいにはできるというふうなことにするにしても、私は官立の大学でそういうものをきちっとしていくことでうまくいくんじゃないかというふうにも考えられます。もし私立でそれを肩がわりさせるのは、私はちっともかまわないと思います。けれども、そうするならば、官立の大学をつくるような形で私立に負うべき負担を国がしてやるというくらいなことに踏み切らないと、やはり医者をつくるという上においてたいへんなこれからの問題が出てくるんじゃないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) ただいまの大橋委員の御意見は、私は全面的に賛成でございます。その方向でまいりたい。むしろ、諸外国にあるように、少なくとも医師、医療従事員の養成教育というものは、厚生省も文部省と共同責任ぐらいな形に持っていってもらいたいとさえ考えておりますので、責任はこれは文部省のことだからというて捨てておけないという感じがいたします。ことに医師等の教育にはずいぶん金がかかりますが、これは大きくいえば国民全体に対する健康投資でありますから、したがって、公費を原則としてやる。私立で特にいいものについてはこれは国庫の負担もしてやるというような形で、やはり公費の医療機関、公費を主にした医療機関の充実ということでなければならないと思いますし、教育病院の点についても私は全面的に賛成でございます。ただいまの御意見のように将来推進してまいりたい、厚生省としてもさように考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 もう少しその点を推し進めて考えてみますと、私は、文部行政とそれから厚生行政の間で、ことに医学のほうの教育の問題にはもっと接近をした措置をしてもらわなければいけないし、むしろ教育機関である附属病院というものを確立しておくよりは、附属病院と同じような性格を持った教育研究病院というものを、同じく、いま大臣も賛成していただいたが、教育病院という形の中に入れてしまう。そして、別に大学附属病院であるから教育のあれではなくて、すっかり同じ同格にしてしまって附属病院というものをむしろ私はないようにしてしまうほうがいいのではないかというふうにまで思うところでありまして、そういう観点から教育病院というものをもう少し拡充してもらうという方法を、公立病院あるいはまたその他の病院を含めてけっこうだと思いますから、そういう位置づけをしてもらったらどうだろうと思うのです。ちょっとこれを調べてみますと、こういうふうな教育病院は全国でまだ百二十一カ所ぐらいになるような話を聞いております。これらは指定されていると思うのでありますが、これではとてもそういうふうな研究にはならない。  私は、また、この研究病院というものは、ことに医者というものが医学の進歩に対応していけるという医者の地位を保たせるために、また、逆に言うならば、国民が医者をそれだけ信頼できるためには、やはり医者となってからの教育というものが大事じゃないかと思います。少なくとも私はいつも言うわけでありますが、私のような者が医師の免許状を持っているのはちょっとおかしいわけでありまして、そういうものを持てないくらいにあとの勉強を相当やらなければいかぬと、こういう式にならないと国民に全般の信頼は受けられないんじゃないか。医者の免状を取っていて何年かの研修を受ければそれで永久にその医者はりっぱな医者だということではないわけでありまして、そういう点から考えると、私はいまの教育病院のあり方、研究病院のあり方というものがもっと積極的なカリキュラムのもとにこれが行なわれて、そして卒業までの医者の教育もさることながら、卒業した医者に対しても一定の勉強がいつもできるような形、私はまた、逆に言うならば、医者の働く時間というものもそれくらいの余裕を持って、たとえて言うなれば、週六日働くのを二日間はそういうふうな勉強の時間に充てられる、あとの四日間でもってその業務に精進すると、こういうふうなことができるくらいまでやはり医者というものが卒業後の研修を重大にし、それをこういう教育病院が地域的にはっきりと行きやすい状態をつくってそして勉強させるような教育研究あるいは研修の場をつくるべきではないか。私はこれは看護婦さんについても言えると思います。正看護婦を卒業して、では一生正看護婦でこれがいつもりっぱな看護婦の業務ができるかといえば、それには見習い看護婦の、いや、見習いでなくても、准看のほうで間に合うような場合も起こり得るわけであります。ですから、ポストグラデュエートの教育というものはいかに大事かということは、これは進歩発展する医学に対しては特に必要ではないか。これがやられぬ限り、国民というものは医者に対してほんとに信頼感がなくなってくる、これは私は当然じゃないかと思います。  そういう点で、私は、この中に、配置基準とか、設置するためにどういうふうなことでやっていくのが一番いいのか、こういうものについて具体的にこういうところで出してもらういま時期じゃないかと思うのです。特に私はここでこういうことを申し上げるのはどこにあるかと申しますと、経済的にこういうふうな非常に大きな発展をした日本ということを考えて、いまでは、外為なんかを見ましても、外貨がたまり過ぎて、この外貨ドルそのものを何か封鎖もしなければならぬじゃないか、あるいは後進国に少しばらまかなければいかぬじゃないか、あるいはまた、そういうことによって集まった金は不正なものだというようなことまでいわれておるような形になってまいりますからして、こういうことを考えますと、そういうことにしないで、もっと方向をこういうところにぶち込んでいって、ほんとに日本の医療のあり方、また、医療を担当する一番責任者の医者とか看護婦とかいろいろパラメディカルのすべての人がもっと教育の場においてほんとに教育が十分になされるような組織、こういうものをいまごろばんと出してもらうのが必要ではないか。これは文部省とも相談してもらわなければならぬ点はありましょうけれども、これは厚生省が国民のそういう健康とい立場から考えていまの日本の経済情勢から考えて打ち出すべき一つの方法ではないかと思うのですが、この点はいかがですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) ただいまおっしゃる御意見、私も全面的に賛成でございまして、そういうようにやっていくについて具体的にもっと事務的によく検討してもらいたいと。いま、文部省には、御承知のように、たとえば大学局にしても、医者の技官が一人もいない。また、医科大学の設置をする場合の何やら審議会というのにもやっと最近医務局長が一人入った、あるいは大学の視学委員にもやっと入ったという程度であって、われわれの保健衛生、そのための医者、医療要員というものの養成については文部省にまかせ切りというようなことではとてもいかないということで、諸外国の例を聞いてみると、まだ詳細に資料をとっておりませんけれども、むしろこれは医療保険を担当する局がその要員の教育まで責任省になっているというところのほうが多いようであります。急にそうすることはむずかしいかもしれませんが、どういうようにすればそういう実体があがるか、もっと具体的に詰めて討論しようじゃないかと。文部大臣もその方向には賛成をしておられるわけであります。しかしながら、いままでできた制度をぶち破っていくわけでありますから、あすこにもここにもと隘路があるわけであります。それをぶち破っていくのにどうしたらいいか、具体的な方策を立てるように指示をいたしておりますので、ひとつその点は御鞭撻とそれからまた御協力をお願いいたしたいと、かように思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 いまちょうど大臣も触れられましたが、医学医療というものが日進月歩でありますが、それに従事するすべての人がやはりいま申されたようにたいへん向上していかなきゃならぬわけです。私、ここで、もう一つ大臣のほうに考えてもらいたいと思うことは、こういう医者、薬剤師を除いてでありますけれども、あとの教育が、みな各種学校で行なわれておる。まあ各種学校が悪いといって非難するわけではありません。各種学校にも各種学校としていままでやられた経過もありましようから、それはそれとおきまして、やはりこういう進歩していく状況であれば、私は、こういうすべてのものを学校の制度に乗せて、そして教育のあり方をもっと高めていく必要があるのじゃないかというふうに思います。各種学校じゃなしに普通学校になったらその程度が上がるということを私は指摘する意味じゃありません。けれども、何とかもう少し学校制度に高めていきたい。たとえて言うならば、これは比較でありますけれども、看護婦さんといえども、やっぱり四年制の大学を出られて大学院へ入って研究をして看護学そのものを奥深く研究していくという課程があっていいのじゃないかと思います。そして、そういう方々がまた大学の教授になっていかれ、あるいいまた各学校の教師になられるとか、あるいはまた高い見地からいろんな医療部門に対して指導的な役割りをされる。医者に使われるのが看護婦だというのではなくて、看護というものは看護の問題でそうした学問としても成り立っていくと、こういうふうな形でパラメディカルの向上というものがあったならば非常にいいんじゃないか。ただ身分法をいままでのようにつくって、准看があって正看がある、准看はけしからぬから正看一本にしろ、これも一つの向上の道ではあろうと思いますけれども、もっとそういうような課程でずっと勉強がやれる、研究ができると、こういうような制度が私は必要じゃないかと思います。そういう点でパラメディカルに対する考え方もこの辺で一ぺん教育の問題をすかっと考えて、医者の教育も、看護婦あるいはまたそのほか放射線、いろんな問題でも、蘊奥をきわめていくような方法を打ち立てるべきではないか。そういうふうなことが私はこれから医療を供給する側で考えなければならぬ教育の一つの方法ではないかというふうに考えます。  同時に、また、もう一つ言うならば、ことしショッキングなニュースになっておりますが、東大で出られた百十五人ですか、そこの中で一人もグルンド――基礎のほうへ行った人がないということです。最近はそういう方向で各大学とも基礎のほうへ行くのが非常に少なくなってきた。   〔副主査退席、主査着席〕 この基礎のほうの研究というものが、先ほどからも言うように、医学というものでは非常に重大な研究部門ですね。だから、こういうのを十分に喜んで行けるような状況をつくらなきゃならぬじゃないか。そうするためには、先ほどちょっとお話に出ておりました研究教育病院というところには、すべて全部の基礎医学をというのは別といたしましても、将来はそうなるべきだと思いますが、どこの研究病院にもそういう研究室を置く、そうしてそこで研究もできるというふうな教育病院にしなければ、教育病院としても意味がないのじゃないか。教育病院イコール治療病院ではないんだ、ほんとうに研究する場もあるんだというふうなことにこれから進むべきじゃないかと思いますが、そういう観点を含めてパラメディカルの教育ということに対する考え方を確立してもらえないか、これについての御意見を伺いたい。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) その御意見につきましても、全く同意見でございます。その方向にぜひ進めてまいりたい。学校ということになると文部省になるというようなことで、どちらかというとその間の意思の疎通もうまくなかったようであります。これはやはり国民の健康に責任を持つ省がむしろ主になってそういう方向に推し進めてまいらなければならないと思います。先ほどおっしゃったあの中に入れた問題として取り組んでまいりたいと、かように考えます。それから先ほど申しますように、国民の健康を保持し、そして医療にこと欠かない、これはやはり一つの大きな健康投資であって、国がこれに投資を幾らしてもし過ぎることはないと、そういう観点からいくべきだと私は考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 次に、看護婦さんなんか、あるいはまたOT、PTなどを含めてでありますが、医療従事者の数が非常に足らないわけですね。これを考えてほかの国なんかと比べてみますと、一ベット当たりの医者を含めて医療従事者の数というものは、アメリカあたりでは一ベット六人だといわれています。西ヨーロッパの諸国あたりでは二~三人、日本ではわずかこれが〇・六人だと、こういわれているわけです。いま非常に進んできた医療の内容からいうならば、やはりこうした医療従事者というものが相当いなければ、いま要求される医療というものはできないことになると思うのです。これが、みな、何と申しますか、独立採算とか、あるいはまたベット規制だとか、いろいろなところに規制をされて、そうしてこれが十分にできないのが現況であるわけでありますし、いまの日本で行なわれておる安上がりの医療制度、ことに保険主義を取り入れた制度の中では、これがもうほとんど不可能な状態でありますね。こういうことを考えてみますと、私はどこにしわ寄せがいくかといえば、働く労働者、その従事者にも非常に大きな負担がいっておると思います。ですから、いまのような看護体制、あるいはまたそのほかOT、PTの状態からいっても、不足だらけでありますからして、これはまともなことはできないわけであります。ですから、ついいろいろな事故のもとにもなりましょうし、あるいはまた、それがはね返って医療過誤のもとにもなるでありましょうから、もう私はゆゆしい問題だと思うのですね。だから、そういう点で私はいまごろそういうあり方が根本から改正されるようにするためには、ここにも思い切った制度の改正が必要だろうと思うのですね。ですから、そういう点で、少なくとも西欧先進国並みにいける、まあ並みじゃなくてもほぼ近い程度にいけるぐらいのことをいま踏み切らないと、私はたいへんな時期じゃないかと思うのです。これもみなたいへんな日常の問題でありまして、このごろ新聞紙上でやっている医療過誤の問題なんかでも、これが非常に大きな原因をなすだろうと思います。ですから、そういうことに対して、そういう見地から、これをどうやったらいいか、どういうふうにしていくべきかというようなことをお考えになっておるか、ひとつ具体的に聞いておきたい。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 看護婦等の不足のことも、もう言われてからずいぶん長くたっております。いろいろ努力もいたしておりますが、いままでの行き方を考えますと、大体、いままでの考え方のもとに立って、そうして、足らぬところをどうしよう、ああしようというようなことに日を過ごしてきたようであります。いま先ほどからずっとおっしゃっていらっしゃったようなそういう基本的な考え方で一ぺん考え直してみて、そうして、そのもとに立って、いまおっしゃるような事柄をやっていく、いわゆる発想の転換といいますか、そういうことをやりませんと、従来どおりの考え方のもとに立って、そうしてびぼう的にここが足らぬ、ああだと言っておるのでは、どうも抜本的なあり方というものがむずかしいのじゃないだろうか。盛んに言っておりますいろいろ御意見も伺っておりますが、医療基本法というようなものでいまおっしゃいました発想なり政策の根底をはっきりさせて、そうして医療の供給体制、また、それに必要な医師そのほかの医療要員の養成のしかた、確保のしかた、そういうことも根本的に一ぺん考え直してみる。今日の日本の経済の発展からまいった医療の大きな変化というものとやはり見合う問題でありますから、そういう意味で医療基本法をなるべく早く提案して御審議をいただいて、そういう御意見のもとにあらゆる医療関係の制度を再検討したいと、こういうように考えておるわけであります。お考えの点は全く同感でございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 私は、ちょうどこの次というか、医療基本法について政府が考えていられるいわゆる厚生省の事務局試案と申しますか、こういうような問題なんかもずっと勉強さしていただいているのですが、これがいまのような発想の転換にはならなくて、つい財政の問題が主体になって、今度諮問に出されております案なんかを見ましても、財政の調整をどうするとかいろいろなそういう点が非常にクローズアップされているように思います。それからまた、私は社会保障制度審議会にも属させていただいておりまして、いろいろ議論をいつもしておるわけでありますが、そこの中で考えましても、何と申しますか、そういういままでのずっときたワクの中でどうするかという議論のほうが多くて、もっとほんとうにいまの日本の経済情勢になってきてどう転換をしていかないと医療というものがよくならないのではないかというところに議論が集中していないような感じがしております。ですから、私は、厚生大臣としてああいういろいろ諮問機関に出される場合、もう少しそういうところを審議会でも真剣に討議をしてもらって、そうしてほんとうのあり方というものが国民全体にも了解をしてもらえるような方向に持っていってほしいと、私はつくづくそう感じているわけです。そういうものがない限り、医療基本法そのものもまだまだ少し根本的に見てみたときに不備な点が非常に多く出てくる。また、発想においても大きな転換がないと、こういうことに帰着するのではないかというふうに思います。ですから、いまの医療のあり方というものを、先ほどからも申し上げておりますけれども、ほんとうに国民が期待をして、自分の生命というもの、あるいはまた、いまのいろいろな公害の多いような環境の悪い中でどうしてほしいというその気持ちをしっかりと受けとめられるものにしようという観点がない限り、私は、たいへんな問題がいつまでたっても制度のほうがうしろからついていくということになるだけだと思います。  そういうことに対して、一体、それはどういうふうなところに踏み切られたら一番いいのか。私は前に予算委員会のときにちょっと質問の中にも最後に入れさしていただいたが、まず省の中の仕組みあたりでももう少し一ぺん変えなければいかぬのじゃないか。健康省なら健康省というようなものをぱっと出して、公害から何からすべてのこと、とにかく人間の命に関係すること、あるいは健康に関係することを一切そこでやろうというような一つの省をつくって、そこで教育もやれば全部そこでやっていくというくらいな発想の転換をしないと、私はできぬじゃないかと思います。それは、文部省の中でも、厚生省の中でも、そういうことに関連したものだけはそこに集まるのだと、こういうようなものが一つあったらいいんじゃないかというふうに思いますが、その点はどうでしょうか。その点までひとつ含めて……。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 発想の転換は、ほんとうに私は必要だと思っております。そこで、審議会に対してもという御意見でございますが、要は、私は、国会で御審議をいただく、これ以上の場がないわけでありますから、そういう意味で医療基本法も提案をいたしたいと思っております。しかし、発想が不十分であれば、もっと十分なように御審議を賜わると。また、保険の抜本改正も、これは保険というそのサイドからの私は一つの発想の転換のあらわれとして提案をいたしたいと、こう思っておりますので、したがって、そういうことを踏まえまして、また審議会にあと戻りするのではなくて、もうここまで来たら国会で十分発想の転換のもとに立って御審議をいただきたい、かように思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 イギリスなんかのことわざでも予防というのがいかに治療にまさるかということが言われているいろいろなことが取り入れられて医療改正もされたと思うのですが、私はここでいま――もう時間が五分しかないそうだからちょっと急ぎますが、予防が非常に取り入れられていないという点が一つ大きな問題だと思うのであります。しかし、私は、医療というものは、もう一つ考え方として特にお伺いしておきたいと思うことは、私は医療というものと狭義の福祉と一貫性があるものだと思います。ですから、老人医療が無料化の方向にいきまして、それに年金だとかそういうようなものがついてきますが、その医療の部分と、あとのそういうふうな年金からあるいは生活が保障されるという面、こういうものとが連係がなかったら、なかなか医療というもののほんとうのあれが確立できないと思うわけです。たとえば、交通事故がたくさんある。それには、あとの後療法と申しますか、医療のあとを受け継いでいくものが確立していないと、医療そのもののあれが出てこないわけでありまして、私はこの制度をやはり社会福祉と関連をせしめて、そして公の責任のあるものは公費負担でして、あとの生活まである程度みる、あるいはリハビリテーションをやる、あるいはまたその予防を先に打ち込んでそして病気の発生を予防していくという、広い意味の福祉政策につながるものがないと、医療というものの真の価値が出てこないと思いますので、そういう意味におきまして、医療のほかに、福祉につながる連係をある程度医療制度の中に打ち込んでいただきたい。こういうのが私はいまの改正のときに必要な条項ではないかと思います。日本の福祉制度というものは、もう児童手当もできましたから、一とおり名前だけは全部そろっておりますけれども、内容はまだまだ微々たるものでありまして、これの話もまたあとからやりたいと思っておりましたが、三千三百円で老人福祉がそれで生活保障になっているのかと、こういうようなことを考えてみますと、そういうものが含まれていなかったら、そのときにかかる病気の治療体系もそれに密着につながりがないわけで、少なくとも福祉国家というならば、私はそういうことも含めて医療のあり方を位置づけていかなきゃいかぬというふうに思いますから、そういう点を伺っておきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 医療は、国民の健康管理から、予防から、疾病の治療から、リハビリまで、全部一貫したものでなければならぬと、かように考えておるわけです。そこで、医療保険で担当する部分はどの部分であるか、公費で負担するものはどの部分であるか、さらに福祉面でみるのはどの部分であるかという、この関連性は非常に必要だと、かように考えております。したがいまして、今度の老人医療の無料化の問題も、これはどの面でみるべきかというので、まあこれは老人福祉という面からみようという形になったわけでございまして、福祉と密接不可分な関係がございますので、十分検討してまいりたいと思っております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 もっとたくさん質問させていただいてそして集約的にしたいと思っておったのですが、時間がありませんから、私は、先ほどちょっと触れましたように、こういうふうな問題をいま発想の転換を含めて考えるならば、組織的にいろいろな根本的な改革をせなければいかぬだろう。そういう意味では、この間の予算委員会でも、生活環境を悪くするような環境を破壊するようなことはもうこれからないという終結宣言をしてくれと私は総理大臣にも迫っておきました。そのときも大臣に聞いておってもらったと思うのですが、その他こうした問題をやるためには、もう少し発想を変えて、いままでどおりの体系じゃなくして、先ほど申したように、健康に関係するものは健康省あたりでやるとか、あるいはまた、環境問題は非常にやかましいから、環境庁ぐらいでなしに、これも省に格上げしてやっていくとか、あるいはまた、その中でやる事柄としては、もう少しいろいろ新しい基準なんかもこしらえて整備計画をしていくとか、あるいはまた、事業団なんかの構想もそこに入れてその整備に当たっていくとか、抜本的にいろいろなそういうふうなことを一緒に入れなきゃいかぬというふうに思いますので、この際に、発想転換とともに、医療の供給体制、あるいはまた医療のすべての仕組みに対して何か発想転換をして、すばらしい将来の医療のビジョンというものを持って医療の従事者が真剣にライフワークとして命がけにこれができるようなふうな組織を確立しませんと、いま盛んにいわれておるように、医者攻撃、あるいはまた医療過誤、あるいはまた薬云々と、いろいろ問題はありますが、出していけばたくさんありますけれども、こういうことだけが医療の抜本の改正ではなくて、抜本改正としてはもう少し高い次元に立ってこれをやらなけりゃならぬと思いますので、そういう点についてひとついろんな機構の改正から真剣に取り組んでもらいたい。ことに、文部あるいはまた大蔵あたりにも相当考え方を変えてもらって、そしてこういう医療という国民のほんとうに大事な、また社会保障の中でも最も必要な部門をどう確立していくか、こういうような点については厚生大臣が一番の主役となって、少々どろをかぶってでもやってのけるという精神でやってもらう必要があろうと思います。こういうことをお願いをして、時間がないそうですから、これで……。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) どろをかぶることは私は覚悟の上なんですけれども、何ぶんにも微力でございますので、十分な御声援を賜わりまして……。私は思うのでありますが、公害問題も、ずいぶん前からいわれておって、とやかくいわれながらやっと公害基本法ができた。その基本法もとやかくいわれておりましたが、まあそういうのが今度の環境庁ができたり、公害に相当な前進をしたということでもありますので、そういうような意味から、いまの役所の関係やいろんな関係がございますが、そういうまず発想の転換という意味から医療基本法も考えていただき、あるいは保険の抜本改正も考えていただいて、そうしてそういう精神に立って今後進めていくという一つの何か転換がありませんと、いままでのその日暮らしのところへ若干継ぎ足していくというのではとうていやっていけないような感じを私は自分のはだ身にここに厚生を担当さしてもらって感じております。まあそのことだけを申し上げまして、この上ともひとつ御指導と御鞭撻をいただきたいと思います。     ―――――――――――――

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、安永英雄君が委員を辞任され、その補欠として田中寿美子君が選任されました。     ―――――――――――――

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 社労委員会のほうで食品衛生法の改正法案についてもう二回にわたって議論しましたけれども、まだ十分でない点が残っておりますので、きょうさらにこの点を質疑さしていただきたいと思います。  第一に、最初に、社労委員会でこの問題のときに、食品の事故の場合の被害者救済の問題で私の意見を述べて、大臣にもお答えいただきました、あれをもう一ぺんちゃんと確認をしたいわけなんですが、人間最優先の立場から――この食品問題等懇談会の報告の中にもありますように、人間最優先の立場から「食品営業に起因した食品事故が起こった場合、まず被害者が救済されなければならない」ということがあって、大臣は、その問題について、公害の被害者救済法に準じてやっていきたい、特にカネミやスモンの場合なんかは、そういう制度を食品衛生法とは独立した形ででも救済の制度を持っていきたいというふうにおっしゃいましたけれども、そのお考えにお変わりはないか。それからそれについてはさっそく取りかかるというふうにおっしゃいましたけれども、いかがでございますか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) その考えには変わりはございません。さっそく取りかかるように事務当局にも命じておるわけでありますが、一つは、これは大蔵省と非常に関係をいたしますので、大蔵省のほうもいま国会中でなかなか相談に乗ってもらうという時間も非常に少ないというので、私のほうも実際毎日国会であれをしておりますので、私自身できたものと取り組んでいるというちょっといとまがまだないわけでありますが、いま急がせておりますので、法律として要するものであるならば、次の国会に間に合うように、また、法律にしないで暫定的にでもやれるものであれば、予備費その他の費用を流用してでもまず実現ということに努力をしてまいりたいと、考え方には変わりはございません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 カネミ油症患者はPCBの被害者だということは、一応認められていると思います。最近、PCBの被害が、家電器の絶縁体から、再生の紙――トイレットペーパーなどからも出てくるということが判明しておりますし、それからその廃棄物の入った水、ヘドロ、それを吸収した魚、野菜、肉、卵などから人体に入ってくる、母乳にもPCBが出てくる、こういう非常な脅威を与えているときですので、ことにPCBについては、きょうの新聞なんかで見ますと、PCBに伴うところの猛毒の酸化物ではないかというようなこともいわれておりますが、とにかくPCBに関連しているわけで、これの関係については非常に広範な影響があると思いますので、どうしてもその救済法というのをはっきりと原因の突きとめられないものも出てくると思いますからぜひ急いでいただかなければいけないので、これは、大臣、前に大臣でいらっしゃったときからの方針でいらっしゃいましたから、ぜひ実現する方向にやっていただきたいと思います。  それで同じ問題が、森永の砒素ミルクの場合も同じじゃないかと思うのですね。被害者と森永が二年間も交渉を始めているのだけれども、まだ解決に至っていない。一体、その原因はどこにあるのか。森永に誠意がないのか、それとも、国はどういうふうに見ていらっしゃるのか、それをお伺いします。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) カネミにしても、森永の問題にいたしましても、これは加害者が一人でわかりやすい。そこで、加害者がとにかく公害に準ずるようなことでも先にやってくれれば、国でやらなくてもいいことになるわけで、どうせその損害は加害者が負担するというわけでありますから、そこで、カネミのほうは、この前申し上げましたように、大体公害に準ずる手当てをいたしますということで、そちらに譲っているわけです。森永関係は、これは森永の粉ミルクの被害者の同盟の関係の方々とそれから森永でよく話をつけてやってくれというような考えでいままで進んでまいったわけでありますが、直接の関係ということになりますと、お互いにやはり不信感があってなかなかうまくない点もあるというので、今度はそれじゃ厚生省が中に立って主導権を持ってやりましょうということに大体なりつつあります。森永はそれでけっこうだからぜひそうしてもらいたい、患者名簿もそれじゃひとつ厚生省に保管をしてもらいたい。厚生省は、その患者名簿を保管すると同時に、要すれば公的な色彩を持った砒素、ミルク患者であるという証明か手帳かのことも考えてみようというようなことで、いま竿頭一歩を進めつつあるわけでございまして、しばらく見ていただきたいと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 カネミの場合も、森永の場合も、加害企業は非常にはっきりしているわけなんですが、森永の場合も私は国に責任があると思うのです。あのとき後遺症はないというふうな判定をした。ところが、実際には後遺症が出てきたんですね。ですから、検診をずっと大幅にやらなければいけないのに、そういうことについてはやっぱり国が責任があると思います。これは、大阪の衛生研のほうの発表なんかによりましても、また、あそこの何とかという博士でしたね、森永の加害責任と同時に、国が放置していた放置責任というようなことを言っている。私はやっぱりそうだと思うんですね。こんなに長くほうっておくということは、被害者にとってもたいへんに耐えられないことだと思うわけなんです。ようやく被害者名簿を厚生省が預かるという話を新聞では見たんですけれども、すでにこれは三月中に厚生省が引き取るということだったようですが、事実それができたかどうか。私は、当然、森永が企業として費用を出すべきだと思います。ですけれども、検診には、私はある程度国も責任を持ってやらなきゃいけない。そのくらいの責任を持たないと進まない。前回の社労のときに、信澤審議官が、被害者を守る会の人たちが厚生省を公正な第三者とみなしていないということが非常に困難にさせていることだというふうに言われましたけれども、その点に関して被害者同盟のほうからも国に介入してほしい、厚生省に介入してほしいという申し入れがあったように新聞で見ているわけなんです。積極的に介入して、早くこれの検診をし、そして後遺症があるならある治療をするというというところにしていくべきだと思いますが、いかがですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 名簿の引き取りがおくれておりますのは、森永のほうでも、やはりコピーは置いておかないと自分のところの事務に支障を来たすと、それはまあそうだろうと思います。それで、いまそういう事務的な事柄をやっておりますので、そのうちに実現を見るものだと思います。検診にいたしましても、厚生省が責任を持ってやれるやり方をやりたいというので、いまその実施案についていろいろやっているわけであります。患者同盟の方々も、厚生省が主導権を持ってやってほしいというあれがあり、森永のほうも、患者さんのほうがそう言われるなら、私のほうも同意いたしますというので、ちょうどうまく意見が、お互いに話し合って一致したんじゃなしに、こうこうしてそして意見が一致してきたというのが今日の現状でございまするから、この状況を踏まえまして、そして、被害者の方々の救済、また、リハビリその他の点も十分考えてもらいたい、かように思って事務当局もその気になっていまいろいろとやっているわけでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 カネミと森永は、たいへん長い間私どもみんなの気にかかっておる問題ですから、ぜひこれを解決していく方向に国も責任を持ってほしい。  それで、食品に関しては今後こういうことがたくさん起こると思いますが、中小企業の場合も起こるんですね。それで、さっきの食品の被害による被害者の救済措置というのは、やっぱり制度化しておいてもらわなければいけないと思うんですが、中小零細企業に対しては、この前の大臣の御返事でしたか、物価問題等懇談会の報告にあるような保険の制度というのは、掛け金さえ掛ければそれでもう責任のがれということになってはいけないから、そういうものはあんまり賛成ではないというふうに言われたけれども、それじゃ中小企業の食品から起こってくる被害に対して国がめんどうを見るのかどうか。まあそういうことはまだ固まっていないと思いますけれども、食品の場合には中小企業は相当あると思うんです。ですから、食品の被害から起こってくる事故に対する救済制度というのは、そういうものを含めて考えていただかなければいけないと思うんですが、その辺はどんなふうに大臣はお考えになっていらっしゃいますか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) むしろ私が考えなければならないと申しましたのは、先ほどのような大企業一カ所ときまっておるやつは、これはもうどうでもできるわけですけれども、そうでない中小の企業、あるいはどの企業か非常に数多い企業、まあPCBの被害ということになってくると、これは非常に数が多くて、だれが責任というわけにもいかないでございましょう。したがって、そういった制度ができ、適用する場合には、中小企業の数多いものから起こってきたというものが私は適用されるのが多いだろうと思います。したがって、被害を与えたものが中小企業であるか大企業であるかということは考えないで、むしろ国民側に立ってこれをどう救済していくかということを考えていったらいいんじゃなかろうか。それから中小企業あたりが責任を追及された場合に、たとえば国で一応やっても、どの企業に責任があるということになれば、それに求償するというのは当然でございます。そういった損害をどうカバーしていくかと、これは企業自身が考えることであって、いまいろいろな損害保険だとか民間でやっておりますから、そういうところに入られる方は入ってもけっこうでございますけれども、国が直接援助をしてそういうものをつくって、おまえたち損をしてもそう困らないぞということまでやるのはいかがなものであろうかというようなことを私がこの間申し述べたわけでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 まだそれは制度が固まっていないと思うんですけれども、いまPCBの例を出されましたが、PCBの場合は、もともとPCBを製造している会社というのは、鐘化と三菱モンサント、二つだけでしょう。ですから、そこのところに大きな責任を持たせれば、それを使った企業の中小企業から全部とってしまわなくてもいいというふうに思いますが、その辺はまた参考にぜひ一番大もとのところに責任を持ってもらうというような方法も考えたらいいのではないかと、これは私の意見でございます。  次に、食品添加物についてこの間社労委で相当質疑いたしましたが、まだ十分疑問の解けなかった部分についてお伺いしたいと思うんですが、第三回消費者保護会議の決定の中に、「無害無益な食品添加物の有無について検討する」とありますね、これは何をさしているかということなんですが。

信澤清厚生大臣官房審議官

○政府委員(信澤清君) 簡単に具体的に申し上げますと、たとえばノリに着色をするとか、あるいはコンブに着色するとか、こういうものは無害であっても必ずしも益のないことだ、こういうことですでに措置をとっております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 そういうものは一切削除すべきだと思うんですね。検討しているということは、無害無益なものは削除していくという方向でございますか。

信澤清厚生大臣官房審議官

○政府委員(信澤清君) ただいま申し上げたような例については、色素等を使わせないという規制をすでにやっております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 無害無益なら全然必要ないと思いますが。  それからWHO、FAOの合同専門官会議があったようですね。おたくの食品化学課長が出席されたようでございます。前回の社労委のときに御出席になっていましたけれども、四月十三日の新聞発表によりますと、水銀、カドミウム、鉛など、食品中の有毒食品の許可基準をきめたとありますね。そして、その国際水準はまだ当分公表されない、事務局長が承認してから公表される。厚生省から環境衛生局の食品化学課長が出席されたわけなんですが、お聞きしたいと思うんですが、水銀の許容量はあまり低くないということが新聞には出ておりました。その理由は、つまり、魚をおもなたん白源としている国民が多い、それから各国の水産業の現状を考慮に入れるというのが理由になっていて、保健の見地よりも社会経済的な理由のほうで許容基準をあまりきびしくしていない。こういうことでは、私は、これは一体好もしい方向なのかどうか、御出席していらっしゃった日本の代表がどんなに思っていらしったのか、伺いたいと思います。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) 本年四月四日から十二日までジュネーブで御指摘のFAO、WHOに、これは日本代表ということではございませんで、あくまで個人の資格ということで加わっているわけでございます。私、直接の上司としてある程度の内容は聞いておりますけれども、新聞にもありましたように、これは事務局が発表するまでは一切公表してはならぬ、秘密ということでございますので、これに関するコメントは遠慮さしていただきたいと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 許容基準の何PPMというところは発表できないということですけれども、全体としてそういう考慮が払われて、世界じゅうの人類の保健機構であるところが、産業のあり方とか、それからたん白資源として魚をたくさんとっている国民が多いからあまりきびしくしちゃいけないというのは、これは反対だと、本末転倒な感じがいたします。それで、今後PCBの許容基準もきめるようですけれども、これだってアメリカの許容基準はわりにゆるいですね。それに合わせるようなことでは困るし、公害対策基本法の一番最初の目的のところでも、私たちは、産業との調和というのを取ってしまって、それで公害は必要悪だという観念はなくすという方向に進んできたわけなんで、WHOやFAOの専門官として出られる方は日本だって担当して特定の有害物質の基準をきめていくわけでございますね。ですから、そういうときに、先日のPCBに関しての衆議院の連合審査のときも、魚をたくさん食べる日本国民であるから許容基準はきびしくしなくちゃいけない、毎日毎日魚から入ってくる、そのほか添加物からも入ってくるというふうなことを参考人はおっしゃっておったようなんですが、ですから、WHO、FAOで魚をたくさん食べるからゆるくしなければいけないというのはたいへんおかしいと思うんですが、その辺の事情を、もしそのことまでも説明することができないとおっしゃるんでしたら、後にお伺いしたいのですが、大臣はそのような方針がいいと、好もしいとお思いになりますか。私は、世界の人類の立場から言ったら、WHOの基準というのは相当きびしくあるべきだ、国内の基準がそれに達しない場合はそれに達するために努力するというのでなければいけないと思うのですが、いかがでしょう。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) 新聞紙上の発表はともかくといたしまして、私が聞きました印象といたしましては、決してそのようなことはないと思っております。それからWHO、FAOの合同委員会できめられたことは、少なくとも、事衛生に関する限りは、WHOのほう、つまり衛生側のほうの意見が全面的に尊重されるといった会議の仕組みだと聞いております。  なお、ここできめられましたことにつきましては、もちろん従来とても尊重しておりましたし、また、日本国内の事情によりましてはむしろ日本の特殊性ということでもっていろいろとさらに配慮していくというふうに従来とてやっておりましたし、これからもそのような考え方でやっていくべきものではなかろうかと考えております。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 私の聞いておりますのでは、いま局長が答えましたが、WHOそれからFAO、これは速記録を事務局長が正確に見て、そしてその上でないと発表しないということで、これはさもありなんと思うのです。何を隠すとかなんとかいうのでなくて、速記が間違っておったとか、そこからきたあれが間違っておった、聞違ってきたものを先に発表されては困るというので、それに責任を持ちたいからということのようでございます。食生活のいかんによって許容基準をやはりあるものはきびしくということは、これは当然なさるべきであると、かように考えます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 時間があれですから、日本はWHO、FAOにおいては重要なメンバーでなければなりませんし、科学も相当進んでいるはずでございますから、許容基準設定のときには正しい方向を出してもらわないと困ると思います。  次に、水銀のことなんですけれども、これは東大の薬学部の浮田忠之進教授の論文にあるんですが、たとえばマグロの肝臓の中で無機水銀が有機水銀に変わっていくというようなことがありますね。日本人の毛髪の中にメチル水銀、有機水銀がたいへん多いわけで、西ドイツの六十倍というふうなことが言われておりますが、農薬からも入ってくる、工場のたれ流しからも入ってくる、したがって魚から入ってくるわけなんですが、無機水銀がメチル水銀に変わっていくというようなことが報告されておりますが、その点については厚生省のほうではどんなふうにいま評価していらっしゃいますか、この説を。つまり、水俣病の原因は有機水銀なわけでね。そういうことになりますと、水俣病というのは一地域の問題じゃない。すべての人の口に入ってくるものから無機水銀であっても有機水銀に変わる可能性がある、こういうことになるのかと思うのですけれども、いかがでしょう。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) 無機水銀が有機水銀になるという研究も承知しております。それからまた、逆に、有機から無機になるという機構もあるようでございます。いずれにいたしましても、水銀による健康障害を考えます場合には、メチル水銀直接の問題と、それから水銀全体としての問題と、両々から攻めていく、両々から考えていくというふうにすべきだと、また、そのようにいたしておるつもりでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 日本人の毛髪からたくさん水銀が出てくるというようなことを考えましても、あるいは無機水銀が妊産婦の体内から胎児の脳を侵していくというような説もこれは白木博次教授の論文なんかにもあるんですけれども、水銀の問題はたいへん重大だと思うのですが、その許容基準ですね、これはいま日本ではどういう基準でやっていらっしゃいますか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) 無機水銀の取り扱いにつきましては、たしか労働衛生上の問題としてきまっておると思います。  それから食物中の水銀につきましては、いわゆる安全基準と申しますか、許容基準と申しますか、これはまだきまっておりません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 今度WHOできめるわけですね。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) はい、それでもって考えてまいりたいと思っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 私は要望としておくんですけれども、先ほどから言いますように、WHOの基準よりもっときびしくしてほしいということは、農薬やそのほかいろんなものから日本人のからだには水銀が入りやすいということだし、無機水銀が有機水銀に変わるということも考えられるということから、私たちトロなんて大好きなほうなんで、トロの中では無機水銀が有機水銀に変わるというようなことの説があるもんですから、その辺はきびしくしないと、いろんなものから入ってくる日本だということを考慮に入れてほしい。  それから次に、やっぱり食品衛生法の中で、新しく開発される食品の中の石油たん白のことなんですけれどもね。新しい食品の開発に関する規制、四条の二ですね、石油たん白を念頭に置いているという御説明を伺ったわけなんです。それで、これは、調べてみますと、食品として肉にして食べさすんじゃなくて、家畜のえさのために開発の試験中だということが私もわかったわけなんですけれども、この石油たん白の中には、ベンスピレンだとか、アルキルベンゼン、アルキルナフタリン、アルキルアントラセンなどというたくさんの有害物質が入っている。で、体内で分解しないで蓄積していく。だから、わずかであっても食物連鎖で、もしえさに使ったら、それが魚とか家畜に入り、それから人体に入って濃縮していくという、これは常識として私たち考えられるわけなんですけれども、今日まで有害なものとして禁止した農薬なんか、たとえばBHC、DDT、ドリン剤、二四五T、その他食品の中で有害なものは、ほとんど石油化学合成品なんですね。石油にはそういう有害な物質がたくさん含まれているわけなんで、これから開発するものというのは、たとえばBHCにしてもドリン剤にしても、すでに長い間使ったあとで大騒ぎして禁止になったわけなんですが、だから、そういうことを考えますと、石油たん白の使用というのは私は非常にあぶないと思うので、完全にだいじょうぶだという安全性が立証されるまではこれを許してはならないと思うのですけれども、いかがですか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) 全く先生と同様の考え方で、現在食品衛生調査会において慎重に安全性についての検討を続けておるわけでございます。それで、安全性が確認されたという段階でその製造を厚生省としては認める、また、農林省のほうは、そのことを考慮しまして私どものほうの意見を聞いてきておるわけでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 実は、私、農林省の方に聞いてみたんですが、石油たん白はすでに開発試験中で、やめるわけにはいかない状況にきているんですね。鐘淵化学――PCBを製造した鐘化、それから大日本インキ、この二つは、もうすでに本年度の終わりからえさ用として生産する段階にまできている。そのほか、協和醗酵、旭化成、三井東圧など、みなすでに開発計画中だと、こういうことなんですね。もうすでにそういうふうに開発をしてしまいますと、これを禁止することは非常に困難になってくるんですね。慢性毒性の試験というのは相当長くかかるはずだと思うのですけれども、厚生省ではこのことについて外国の研究なんか十分参考にしていらっしゃるか、外国では危険の疑いがあるというふうに報告された事例がないかどうか、お伺いしたいと思います。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) 食品衛生調査会では、非常に厳格ないろいろな検査、その結果を要求しておりまして、過去すでにほとんど二年近くいろいろと検討を重ねてきているところでございます。それで外国のお話でございますけれども、むしろ比較検討した場合には、食品衛生調査会のほうから注文をつけておる条件はそれ以上に非常にきびしいものであるというふうに御理解を願いたいと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 外国よりきびしいということですか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) はい。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 私、英国では年間四千トンも使っているとか、フランスでは二万トンとかというお話を聞きました。FAOが将来のたん白資源として開発を進めているということを聞きましたが、FAOでどれだけの調査があるか。まだ使い始めてから短い期間でございますから、食物連鎖で濃縮されていく有害な物質の状況というものがはっきりまだ証拠がないように思います。えさだから安心だという考え方は非常にあぶない。えさは魚や肉に入って、そして人間に移ってくるたびに濃縮されていくものでございますから、食べるものに関しては私はたいへん保守的であっていいと思っております。ことに石油は、あらゆる有害物質の原因をしているものなんで、その点は十分考えてほしい。で、私はこれは農林省のことになるかと思うんですけれども、休耕地だとか休耕畑だとかあるいは過疎地帯なんというところがあるんだから、日本のただたんぼや畑やなんかに植物たん白を飼料として植えるということを考えるほうがもっと人間にとって大事じゃないか。たとえば石油関係の石油合成化学製品で海をいろんな方面からよごしていくわけで、そうしますと、海の中にいる魚も微生物もみんな汚染されてくる。そして人間にまた入ってくる。それなのに、またそういう石油たん白を開発していくということで、二重に汚染していくような気がいたしますので、むしろそれよりは大豆だとかなんとかそういう植物資源たん白を土地の上につくることに向けるほうが妥当なんじゃないかという気がいたします。で、私は、こういう問題に関しては、人間の命という観点から、厚生省は強い指導力を持っていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 石油たん白につきましては、まあ私はいつまでやっておるかわかりませんが、私は一種の執念を持っているのです、そんなものは大体だめだという。よほどだめでないというものが出てきても、なおかつそれでもたんねんにいたしたい。ことしは石油たん白が開発され企業化しつつある、農林省は魚やあるいは家畜のえさにしようとしているということを聞いたときに、それを食べさした肉だとか魚、そんなものは全部禁止してしまうぞと、そういって、そうしてまあいま試験的にえさの中でそれを食べたらどう濃縮するか検討していると言いますから、試験的に食べさしている分はいいけれども、しかし、その魚、その肉を人間の食料に供することは絶対だめだといっていまやっておりますので、そこで食品衛生調査会でもきびしい基準を設けてやっているわけでありますが、その基準等も私も満足するだけの一つのいまどんな試験をやっているのか一ぺん説明を聞いて検討したいと、こう思って、具体的には私はまだひまがありませんが、そういう執念を持っておるわけでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 斎藤厚生大臣、その執念は次にもしおやめになるときには引き継いでいってください、たいへん失礼な言い分ですけれども。  それでは、その次に、照射食品の規制のことなんです。今度の改正案の中にはこれは載っておりません。私たち社会党が食品規制法案をつくったときには、照射食品の規制というのを一項目入れたわけです。これは見のがすことはできないのじゃないかと私は思います。たとえば、ジャガイモの発芽を防止するために、それからお米とか小麦につく虫を殺虫したり殺菌したり、ウインナソーセージのまわりにつく細菌を殺したりミカンのかびを押えたりするのに放射能をかけるという問題ですが、まあジャガイモの場合でしたら、発芽を防止するのには冷蔵する方法もあるし、薬をかける方法もあって、いままでそれでやってきたけれども、なかなか薬だと内部の内芽までは発芽防止ができないから、照射だったら内芽まで防止できると、こういうことで放射能をかけることが始まっているというのですがね。これは、一体、安全性を調べていらっしゃいますか、どうですか。

信澤清厚生大臣官房審議官

○政府委員(信澤清君) 最初に法律問題から申し上げますが、社会党の案にさような規定がございましたことは、十分に承知いたしております。私どもは、現在の法律の七条で成分規格をきめることができることになっております、この成文規格で照射食品の規制をいたしたい。ただいま、原則的にはこれを禁止するというたてまえにいたしております。ただいまのところ出ておりますのは、いま仰せにございましたようにバレイショに照射するということについて実用段階に入りましたので、具体的に食品衛生調査会に安全性について御意見を求めているところでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 原子力委員会のほうではやっぱりこれもやっているし、あそこは何しろ原子力を使うという方針ばかり出していくものですから、たいへん危険性がある。放射能を当てることによって放射性同位元素がそこに発生するというおそれがあるんじゃないかということ、それが残留しているということであれば、非常に重大な問題になるので、これも、大臣、石油たん白だけじゃなくて、放射性物質についても十分強い御意思を人間の生命を守るという立場から持っていただきたいと思います。  時間があれですので飛ばしますけれども、アメリカで放射能でジャガイモを照射することを一たん許したのを、六八年にまた許可を取り消しておりますね。あの理由はおわかりでございますか。

信澤清厚生大臣官房審議官

○政府委員(信澤清君) バレイショの話は存じませんが、たしかベーコンについて照射を一時認めておりましたものを取りやめたという情報は持っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 ジャガイモじゃなくて、ベーコンです。私が読みました書類によりますと、このベーコンの放射能の照射を許したのをまた取り消した理由というのは、十分な安全性の保証がないということなんですね。ですから、私は、もうすでにそういう実験がほかの国でやられている場合には、非常に慎重でなければならない。人間の体にPCBから、BHCから、それから石油たん白から、放射能まで入ってくるということでは、どういうことになるかわからないと思うんです。そこで、FDAでは、食品の健全性ということを言っている。安全性ではないんですね。つまり、特に照射食品については、有毒有害な物質が生じないこと、発ガン性物質が生じないこと、微生物による害がないこと、誘導放射能が生じないこと、栄養が不足しないことというようなことをあげて、単に安全性だけではなくて、健全性ということを言っておるわけで、一歩進んだ考え方だと思うのですが、私は、やっぱり食物に関しては有毒でないというようなことだけではなくて、それを与えることによってほかの栄養素が破壊されてしまったりしてはいけないというようなことからも、健全性ということをぜひ考えに入れていただきたいと思います。  最後に、自然毒のことについてお伺いしたいんですけれども、日本は、みそ、しょうゆ、まあ米も食べる国民なんですけれども、カビからの毒のことがここここ二、三年来たいへん騒がれてきているんですが、私も初めて六十九年、三年前ですね、五月九日号でしたか、「タイムマガジン」の中でドクター・シールという人が、南朝鮮でおみその中にあるアスペルギルスアフラトキシンというのを発見して、みそに慢性毒性があるのではないかということで調べてみて、そしたら発ガン性がある、そして南朝鮮においては胃ガンが多いというようなことの発表のある論文を読みましてから、おみそなんかもそういう自然毒があるんじゃないかというふうに思ったわけです。お米のカビに対しても黄変米の問題がありますが、ああいうカビなんか、これは食品衛生法の三条か四条にあったかと思いますが、こういうものに対する規制ですね、古米、古々米をかかえていたり、それからおみそを食べたりするわれわれですので、どの程度に安全性があるのか、安全基準というものがどういうものなのか、教えていただきたいと思います。

信澤清厚生大臣官房審議官

○政府委員(信澤清君) ただいまお話のございましたアフラトキシンにつきましては、私どもの基本的な考え方は、アフラトキシンを検出してはならない、こういう基準を定める予定で、これまた調査会で御審議をいただいております。  それからお話のございました米の問題につきましては、小麦その他を含めまして、衛生試験所を中心に現在調査中でございますが、ただいまのところ、御指摘のように危険性のある状態ではございません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 米なんかは、保管状態が問題になると思うんですね。一体そういうものの保管の状況なんかを十分検査したり監督できるのかどうか、その辺は厚生省はどのくらいにタッチしていらっしゃるのですか。

信澤清厚生大臣官房審議官

○政府委員(信澤清君) 問題がカビでございますので、水分が一番問題になると思います。したがって、保管にあたって、水分を少なくするといいますか、そういった点についての注意を保管にあたって十分配慮していただくように農林省と御相談をしております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 農林省、生産する立場にあります官庁に対して、厚生省は、いつも主導的な立場から食べるものに関しては強い力を発揮していただきたいといつも思っております、詳しいお話はできませんが。  最後に、営業者の責任の強化の中で今度運搬するときの規制が入っております、二条の八項ですか。私、先日、山形から仙台へ自動車で走っておりますときに、途中でヤンマーディゼルの会社の冷凍魚売り車といいますかに出っくわしたのです。その乗っていた人が、今度食品衛生法が改正になってたいへんきびしくなるので、魚屋さんが道で売るのにはこういう自動車を使わなければならないというのでいま売り込んでいる最中だと言っていたので、たいへん手回わしがいいと思って感心したんですけれども、ああいう場合も、それから大きな冷凍車の場合も、温度の調節はみなそれぞれそれを運搬している人の責任でやるのだろうと思うのですけれども、それを取り出して道ばたで売って、また入れていくわけなんですが、そういうところまで一体どうやって営業者の責任を強化していくのか、どういうふうになさいますか。

信澤清厚生大臣官房審議官

○政府委員(信澤清君) 具体的にはなかなかむずかしい問題があるかと思いますが、お話のように一定の保存温度を定めました場合には、それを守っていただかなければ食品による安全が保てないわけでございますから、いろいろくふうをいたしまして、業者にもよく御相談もし、御指導もして、さらにまた、運搬ということになりますと運輸省の問題になりますので、運輸省ともよく御相談をして遺憾なきを期してまいりたいと、このように考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 最後に、あとで藤原先生がそういう話をなさると思うのですけれども、全体を通じてたいへん問題だらけなのに、いかにしてもこれを監督する人々の数が少なかったり、試験機関が少なかったり、ほんとうにどうしてこれだけのことをなさるのかと心配でございます。それで、社労の委員のほとんど全部が人員や研究機関の不足、予算の不足を言っていると思うので、この際、これも、斎藤厚生大臣、うんと奮発して取るような方向に、現在の規模の倍はどうしたって必要だと思います、がん張っていただきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 社労の委員会でも申し上げましたように、これはうんとがん張りたいと思っております。食品関係その他、とにかく福祉に政治を転換するという際に、それに関係のある職員の数の増加をちびっておられたのでは、とても転換にならないと、こういう考え方から一生懸命やりたいと思います。

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) 速記をつけてください。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私は、まずお伺いしたいのは、厚生省の試験研究機関の目的、使命から見れば、各省関係研究機関の中でも命を守るという意味から最も重要な役割りを占めていると思うけれども、これに対してはいかがでございましょう、科学技術庁は。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○政府委員(千葉博君) 先生の御意見のとおりでございます。きわめて重要なるものだと、かように考えております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私はきょう質問いたしますのは、科学技術庁の資料によりましてそれでお伺いをしたいと、こう考えております。  そこで、厚生省試験研究機関の現状についてお伺いをしたいと思います。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○政府委員(千葉博君) 厚生省のほうから……。

萩島武夫厚生大臣官房審議官

○説明員(萩島武夫君) 厚生省関係の試験研究機関は、現在九つございます。特に予算面では国立がんセンターが調整外研究機関ということで特別会計になっておりますので、八つの試験研究機関が当面予算面では私どものところで調整をはかっておるということでございます。  その八つの試験研究機関は、名前を申し上げますと、人口問題研究所から国立衛生試験所まで、病院管理とか、あるいはらいの研究所とか、あるいは国立の予防研究所とか、栄養研究所、精神なんかがございますけれども、その八つにつきましては一括して調整をはかっておるということでございます。  この八つの試験研究機関の四十七年度の予算に計上しております金額は、四十六年度に比較いたしまして一六%ほど伸びております。この一六%は、従来の伸びからすると、大きな伸びと私どもは考えております。  また、定員の数でございますけれども、四十六年には千二百七十一人というのが定員でございまして、そのうち研究職というのがございますが、研究職が八百二でございます。四十七年度現在お願いをしております人数は千二百六十名で、研究職が八百八名ということで、六名増員になっております。全般的には定員削減の影響も受けておりますけれども、その中で今年度は六名増ということでお願いしておるということでございます。  それからそのほかに、経常研究という研究を進めます上の予算がございますけれども、その経常的な研究というのは、科学技術庁のほうで一応調整をはかっていただいておる費用でございます。それ以外に、経常研究では研究がまかなえないものにつきましては、機関の特別研究というような名目で予算化がはかられております。機関の特別研究につきましても、四十七年度は従来よりも課題数もふやして進めたいということになっている次第でございます。今後とも、重要な分野でございますので、その努力をいたしたいと思っております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 やっと四十七年度で若干伸びたと、こういうことでございますが、三十五年度から以降のずうっと伸び率を見ますと、厚生省の試験研究機関の予算は四倍、それから厚生省予算は八倍、国の予算は六倍。私は、人の命を守るこの研究機関、これがしっかりしておれば、いまのような公害問題も相当解決できたんじゃないか、こう思うのです。非常に残念だと思います。今度伸びたって、たった六人でしょう。

萩島武夫厚生大臣官房審議官

○説明員(萩島武夫君) 人につきましては……。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 特別研究費の省庁別の内訳、その基準等についてお伺いしたいと思いますが、私、この科学技術庁の予算を見ますと、ここへちょっと書いてきたのですが、これを見ますと、一番こっちのはじは経済研究所ですか。厚生省は、ずうっとびりなんですよ。これが衛生試験所でしょう。それからこれが予防衛生研究所ですか。これが公衆衛生。これが精神衛生。それから栄養研究所。これが多摩の研究所ですね。こういうふうに最下位に置かれておる。それでいいと思いますか、科学技術庁。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○政府委員(千葉博君) 実は、その点、ちょっと釈明させていただきたいと思いますが、研究所の一人頭の研究費でございますね、これは私どもの出した資料だと思いますが、それで見ますと、確かに非常に少ないということはもう事実だと思います。それで、実は、これは内容を私どものほうもいろいろ分析いたしております。それで、じゃなぜこう少ないかということでございますが、これは各省に比べて非常に特色がございますのは、厚生省の研究機関が、どっちかといいますと、特別研究をやっておりません。いわゆる一般の人頭研究費でやる研究をおもにするという、そういったような性格を持たせております、厚生省のほうで。そういったことでございますので、それで、どちらかといいますと、私のほうから見ますと、政策的に全体の科学技術の振興費というのが御承知のとおりあるわけです。このある中で、試験研究機関に行く部分と、それからその助成ということで委託費なり補助金で出す部分と、こうあるわけです。それで、厚生省のポリシーは、もちろん助成とか委託費で出す部分、これに焦点を合わせてある。それで、普通のほかの省ですと、特別研究ということで自分のところの試験研究機関に出すような分野を、この助成委託費のようなもので各大学とかそれからそのほかのいろいろな研究機関がございますので、そちらのほうへ出しておるというようなことが多いように私どもから見ると見受けられます。したがいまして、一人頭の試験所の研究費は少なくなっておりますけれども、全体の科学技術の振興費の中での伸びは厚生省の伸びはたいへん大きな伸び方でございまして、実は、四十七年度の内容を見ますと、前年度比三一・九%というような伸びに相なっております。これは助成費が非常に大きくなっておりまして、これはもう前年度比約九割ぐらい、八九%の伸び率でございます。したがいまして、私のほうも、全体の見積り方針の調整をいたしますときに、決して、厚生省を、何といいますか、重要じゃないというようなことは私どもは考えてもおりませんし、そういったような意見も出しておりません。きわめて重要であるということで出しております。厚生省のポリシーがそういったことでございますので、どっちかというと、試験研究機関は人頭研究的なものだけにここずっとなっている。特別研究費もほとんどない、三千万ぐらいしかございません。全体の厚生省の科学技術の振興のための費用が四十八億になっております。そのうち、数千万というのが特別研究費、こういったようなことでございますので、ああいったようなぐあいに研究機関の一人頭の研究費というものは小さくなっている。全体では、各省別で見ますと、伸び率では通産省に次いでの大きな伸び率でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 それでは、なぜ厚生省だけ特別研究費というのを除外するのですか、厚生省に機能がないと見通しでほかへ出すんですか。ほか並みになぜやらないのですか。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○政府委員(千葉博君) これは厚生省の政策だと私どもは見ております。ということは、要するに、自分の配下の試験研究機関と、それから厚生省自身が委託費なりそれから補助金などでいろいろな大学や何かに出す費用、これのどっちをどうするかということは、これは厚生省の試験研究のやり方でございますので、それのポリシーだと私は見ておるわけでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 ちょっと納得いかないのですが、厚生省はどうなんですか。

萩島武夫厚生大臣官房審議官

○説明員(萩島武夫君) いまの御説明のとおりに近いと思います。と申しますのは、先ほど申しました八つの試験研究機関がございますけれども、事純粋の臨床面につきましては、国立の試験研究機関が現実にはございません。その関係で、各大学の内科あるいは外科その他臨床面の先生方に研究班の中に加わっていただきましてそれなりの研究を進めていく。その中にも当然国立の予防衛生研究所その他研究班としては加わっておりますけれども、その主体を国立の試験研究機関にだけ予算を流すという流し方ではなくて、厚生省本省が研究費を持っておりまして、その中に大学もメンバーになっていただくし、国立研究所の職員もメンバーになるというような予算の組み方で現在まで進行してきているというのが相当多いという話でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 じゃ、今度もそういう方針でおやりになるんですか、大臣。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 独自の厚生省の研究機関で研究をするよりも、既存の研究機関なりあるいは研究に励んでいる人たちの能力を動員したほうがいいという面が厚生省に多いわけでございます、ただいま申し上げましたようにですね。そういうわけで、外部に助成費を出して研究をしてもらうという金はこれからもまたもっとふえてまいるだろうと、かように考えております。こちらでたとえば医者を抱え、病院を持ち、そこで研究をさせるということよりも、既存の大学病院あるいは特別の研究をしている医者なり科学者に頼むと、金を出してさらにこの点をやってくれというほうが効率的ではないだろうか、また、そうでないとやれない研究が多い、かように私も考えております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 やれないことがあるというのは、自信がないからですよ。もともとそういう国の方針でやったほうがいいならば、全部国の方針でやったらいいじゃないですか。私は、そういう点で、もう少し大臣にお考え願いたいと思います。もうこのごろのあれを見ると、いまの大臣の答弁なんかを聞くと、なるほどなあと思うんだけれども、試験所の職員の待遇ですね、何か非常に少ない。それから薬品公害のほうだって非常に少ない。あるいは農薬の残留ですか、この試験を調査に行かれた行政管理庁が、そこにたった四人しかいない、これじゃひどいからもっと強化するようにという指示があったと思うのです。そういうふうにそれを受け持っているからわれわれも安心しているんです。ところが、そうでなくて、困ってくればいや、国のほうですというようになれば、何だか私はがっかりしてしまうんです。  じゃ、病院管理というのがありますね。これはまだやはりほかに特別の研究所があるんですか。

松尾正雄厚生省医務局長

○政府委員(松尾正雄君) 病院管理につきましては、研究所はこれだけでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 これだけですね。はい、わかりました。  とにかく、私は、科学技術庁がいろいろ言われますけれども、あなたのほうの資料を見ても、通産省の予算が五九・五%ですね、これは四十五年度。それから運輸省とか科学技術庁、農林省がそれぞれ出ておりますが、この中には厚生省は出ていない。ありますか。その他の中へ入っている。新しいのには出ているが、四十五年度にはたしか出ていない。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○政府委員(千葉博君) 四十五年度の一六ページに、三十億円厚生省がその他の前に出ております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 三十何ページですか。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○政府委員(千葉博君) 一六ページ、四十五年度です。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 そうかそうか、出た。だけど、これは違うのよ。これは私見たんだけれども、違います。これを調べてください。これが五九・五%、それから農林省が一二・七%、科学技術庁が一三・九%、ただしその他の中へ入っているんだろうと思う。そうでなきゃ入っていない。厚生省がないもの。幾ら何だって厚生省はうそを言っていませんから。白書に出ている。一体、人命尊重だとか、厚生省の研究機関は非常に重要だと最初におっしゃった。ところが、その研究機関に出ている金がたった一億ですよ。しかも、通産省、科学技術庁、農林省は出ているけれども、厚生省は出ていない。その他なんです。これくらい人命を軽視しているところはないじゃありませんか。これは「科学技術庁白書」となっております。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○政府委員(千葉博君) 先ほど私が御説明申し上げましたように、その数字は特別研究費でございます。全体のものについては、先ほど申し上げましたように、全体の二・六%三十億でございますけれども、それは何度も御説明申し上げました特別研究費でございまして、そこに出すほども出ていないということで非常にこの額は僅少に相なっております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 三十億だって少ないですよ。このごろいろんな問題が起きているでしょう。通産省がなるほどばく大な予算を持って、経済成長は世界一だとか二だとかといっていばっていますけれども、その経済成長によって被害を受けているのは国民ですよ。あらゆる面に被害を起こしているじゃありませんか。私はいつかも委員会で主張しましたけれども、ビニールの処理にいたしましても、ああいう便利なものを発明したことはけっこうです。しかし、発明した以上は、その処理までどういう方法でやるかというところまで研究するのが研究機関の使命じゃないですか。ところが、経済さえ成長すればいい、どんどんどんどんやっていって、そうして公害のたれ流しでしょう。被害を受けるのは国民で、その究明をするのは厚生省なんです。いかに厚生省が苦しい立場にあるかということをひとつ科学技術庁も考えてもらいたい。私はこういう点でまことにいまのやり方について納得がいかないんですけれども、主査が時間の制限をしちゃっているので、科学技術庁は、こんなばあさんの言うことだけれども、十分検討願って、いまくらい国民が生活に不安を持っているときはないのですよ。そういう点から、科学技術庁に考えてほしいと思ってきょうはお願いをしたわけなんです。いまの答弁はふだんならもっとやるんですけれども、主査から時間の制限をやかましく言われているものですから……。  それから厚生省の試験研究機関における研究予算の実態なんですけれども、何といいますか、ほんとうに物価の上昇に追いつかぬ研究費じゃないでしょうか。結局、外部から研究費を借りておりますよ。外部から機械を借りていますよ。それでやっと研究機関が運営されている。こういう点もひとつ考えていただいて、勉強勉強、教育教育というけれども、だんだん減らされて、そうして研究者一人当たり書類の買い入れの費用は三十人いるのに三十万円ということなんです。そうすると、一人が一カ月に週刊誌を二冊しか買えない。それで外国の研究資料を買いたいといって申請をしても、受け付けてもくれない。これで一体ほんとうの研究ができるでしょうか。こういう点をお考えを願いたい。  第一に、大臣、ごらんをいただきたいんです、これを。これも科学技術庁の資料ですよ。人件費を除いた総予算というのがこれなんです。それからハツカネズミの値段がここまで上がっている、研究に欠くことのできないハツカネズミの値段が。それから普通の政府統計による消費者物価の指数はここまで上がっている。大事な研究費がここで押えられている。それで、研究に欠くことのできないハツカネズミはここまで上がっている。これは委託してやっているから差しつかえないとおっしゃいますが、こういうことでほんとうの研究ができるか、この点はぜひ考慮していただきたい。私、申し上げれば幾らでも、きょうは片道一時間の予定で来たんですが……。  それで、国民の健康はいろいろな原因でおかされておりますけれども、食品、薬品、毒性化学物質などの被害は一日も早く解決せなければならないし、大きな課題だと思う。それには、人の増員と研究費の増額は解決のかぎだと思う。ところが、これらの実現についての見解は、大蔵省、どのようにお考えになっておりますか。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○説明員(渡部周治君) 厚生省関係の試験研究についてのお尋ねでございますが、先ほど来御議論がございましたように、人間の健康と生命を守る上におきまして厚生省関係の研究が非常に重要であるということは、われわれ財政当局も十分認識しておるところでございます。それで、先ほど来、試験研究機関の研究予算の問題でございましたけれども、厚生省なりあるいは科学技術庁なりから御説明がございましたように、厚生省関係の研究費予算は、試験研究所の予算と、それから外部委託、これを通じて全体の厚生省関係の試験研究予算が構成されておるわけでございまして、一応総額といたしましては四十七年度予算では五十四億二千百万円ということで、対前年は四二・四%というように相当大きな伸びを計上しておるわけでございます。その中における試験研究機関の経費の問題につきましては、先ほど厚生省のほうからお答えがございましたように、本年度予算におきましては、人員の面でも若干の増員をいたしましたし、そのほか一般の経費につきましても従来以上の伸びというようなものを計上したわけでございますが、今後とも先生がこの点について御指摘されたとおり非常に大事な問題でございますので、厚生省ともよく協議をいたしまして改善をしてまいりたいと思います。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 相当伸び率とおっしゃるけれども、もともとが少ないからです。もともとが少ないから、少々伸びたって問題じゃない。第一、三十九年度に毒性センターというのができたわけなんです。そのときに、これをつくるには百三十人の要員が必要である、こういう要求をしたところが、厚生省もだらしがない、これを二十人に減らした。それで、大蔵省へ要求したら、たった十一人。わかりますか、毒性センター関係。それからそれを四十年にも七十人要求したら、厚生省が二十人、大蔵省はゼロ。四十一年も二十六人要求して、厚生省二十人、ゼロ。四十二年も二十六人で、厚生省二十一人、大蔵省はゼロ。四十四年まで全部ゼロなんです。おわかりでしょうか、全部ゼロ回答。それで、やっと四十六年になって二人増員になっている。それで、この毒性センターというのはどれだけ重要な役割りを果たさなきゃならないかということはおわかりだろうと思うんです。薬理、毒性、医化学、病理、これらの研究をするので三十九年にこれが増設された。そのほかに、環境衛生から食品関係から――今度食品関係は四十六年度に一人ふえておる。あとは全部ゼロ回答。厚生省の仕事は、もうかる仕事は一つもしておりません。病人の問題、身障者の問題、こういう問題だけを扱っておりますが、これがいかに大事であるかということは、国民の健康の保持ができなければ増産にも役立たないであろうし、人の命を大切に福祉国家だなんて言いながら、厚生省予算が少ない上に、まあ予算は多いとおっしゃるが、扱っているものが多いんですよ。この研究機関の資料を見て、科学技術庁がこれだけ承知しておりながら知らぬ顔していらっしゃるというのは、私は許せない。きょうは長官に来てほしかった。そういうことなんです。ですから、厚生省ももっと鋭く要求なさいますと同時に、人命が大事ならば、大事なように国全体が取っ組んでもらわなきゃ困る。きょうの新聞をごらんになったか知らぬけれども、「毎日新聞」にも、「一体何を食べたらいいのでしょう。教えてください!」と、こういう投書がある。主人が胆のうが悪いから、肉はいけない、魚を食べろと言われて、魚ばっかり食べていた。ところが、最近になって魚が片っ端からだめだ。私は一体どうしたらいいでしょうと、これがいまの国民の声なんです。国民は、母乳もいけない、牛乳も入っている、野菜にも肉にもお魚にもといったら、一体何を食べて生きていったらいいんですか。こういうことの試験研究をしていく機関がこんなにひどい扱いを受けている。しかも、人員が足りない。行政監理委員会、あそこから人をふやせというあれをしておりながら、また五%減員でしょう。ですから――試験機関をごらんになりましたか。大臣、一度見て下さい。正式な職員はごくわずか。みんな臨時職員とかなんかを使ってまかなっている。精神衛生研究所ですか、そこなどは、十五名定員の職員の中で、ほんとうの資格のある人はたった五人なんです。あとは全部ほかの方面から使っている。こういうことで真剣な研究ができるでしょうか。私はこういう点をぜひ大臣にお考え願い、あるいは行政管理庁でも五%の減員とおっしゃるけれども、これは場所によりますね。どんどん官僚がふえるからと、こういうことを言うけれども、いま厚生省では、看護婦をはじめとして、あらゆるところで人が足りないんです。この大事な研究機関でもこういう状態にある。十五名の研究機関でたった五名しか資格のある者がいない。あとはみんな普通の雑用をしているような人、あるいは特別に雇い入れる人たちで間に合わしている。こんな貧弱な研究機関では、私は他国に対しても恥ずかしいと思うし、また、国民の側から言えば、私は許せない状態じゃないかと思うんです。今度も四十七年度からまた五%の減員を要求されると思うけれども、場所によってやるべきじゃないでしょうか。保健所あたりもそれがいくようでございます。いまの保健所なんて、有名無実で人が足りない。それをまた削減していくということは許されないが、どういうことで科学技術庁や行管は考えているんでしょうか、それを両方から聞かしてください。

中庄二行政管理庁行政管理局管理官

○説明員(中庄二君) ただいま御指摘のございました定員の削減計画につきましては、いまもお話がございましたように、政府全体として行政需要の消長に応じまして定員の弾力的管理を行なおうと、こういう趣旨のものでございますが、特に試験研究機関につきましては厚生省のほうともよく協議をいたしまして、仕事の繁閑、業務の難易度といった点で削減の範囲を十分勘案して行なっていくつもりでございます。したがいまして、全体では五・〇一%という率になりますが、厚生省自体は三%という低い率になっておるかと思います。一方、政府といたしましても、減ばかりではございませんで、ただいま御指摘のございましたような行政需要の増に対処しますために、本年度は特に所要の措置を講じたつもりでございますが、いま御指摘もございましたので、今後とも行政需要の増高をいたしますものにつきましては、行政管理庁としても所要の措置を講じてまいりたい、こういうふうに存じております。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○政府委員(千葉博君) 科学技術庁といたしましては、いま先生御指摘のとおり、厚生省のこの研究の内容が、科学技術庁の見積り方針の調整ということで、全体の産業技術から社会関係の技術、つまり国民生活に密着したところの技術に重点を置くということで私のほうは打ち出しておりますので、その線に沿って厚生省のこういった研究機関の運営につきましても十分に重点を置いてさらに充足しなくちゃいかぬという線は出しておるわけでございます。これの所管は、行政管理庁それから大蔵省とございますが、そちらのほうへはきわめて重要であるということは申し上げております。ただ、全般を言いますと、研究職はふえておるのでございます。全体の一般の行政職系統はもう減っておるというような感じでございますか……

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 何ですか、ちょっと……。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○政府委員(千葉博君) 研究職です。研究所の中には二つありまして、研究職はまあ長い目で見ますと若干ふえておるわけです。それから一般のは減っておるということで、先ほど行管のほうから御説明がありましたように、行管のほうも重要視して、研究のほうは長い目で見るとずっとふえているというかっこうになっているかと私は思うのであります。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 主査が許せば、これを全部あげれば、あなたたちは答弁できないと思うのだけれども、時間がないから……。研究職がふえていないんですよ。だから、減らすわけにいかないから、そこで臨時職員とか研究生でまかなっているというのが実情なんです。だから、何といいますか、研究生などでも教育がろくにできていない。だんだんその内容が低下しているというのが現状なんです。ですから、必要なところまで五%の減員をするというような打ち出し方はおかしい。打ち出してきたら厚生省が内部調整をやるのですときよう言ったけれども、どこだって厚生省の機関は人が足らないですよ、弱いものばっかり扱っていますから。こういうことをひとつ考えてほしい。  そこで、いわゆる食品公害といわれるPCBだとか、あるいはカネミライスオイル、あるいは森永、あるいはサリドマイド、これらのことでも、もし研究機関ががっちりできておれば、ここまで大騒ぎしなくても済んだんじゃないかと思う。ところが、金にならないところは金をかけない。まあ大蔵省におこられるかもしれないけれども、われわれが見ればそういうふうに理解せざるを得ない。だから、今日のようなことが起きている。いまさらあわてて人員を増加する。いままで研究というのは長くかかるのですから、それを頭に入れていただきたい。なまいきなようですけれども、私はいつもそう思います。  そこで、今度は厚生省にお伺いしますが、カネミの問題はいまお話しになりましたので抜きますけれども、森永の砒素ミルク事件についても、どういうふうに経過がなっているか。私は、これは国と業者の責任だと思う。特に国が、日本軽金属から、六%の砒素が入っているこの残廃物ですか、これの払い下げを要求されているが、これを払い下げてもいいかどうかと聞かれたときに、厚生省は十カ月か十一カ月放置しておいた。その結果は、これは払い下げてもよろしいという通達が行っている。砒素がいかに劇薬であるかということは、わかっておったはずなんです。ほかのものにまざっている砒素だから差しつかえないというようなことで、私は払い下げを許可したんだろうと思うのですが、ここに大きな問題があると思うんです。そこでいろいろ問題があるけれども、詳しく言っていると時間をとりますので、そういう経過もございますし、それから後遺症の問題その他もございますが、いよいよ解決を急がなきゃならないと思うんです。砒素ミルクの子供も結婚適齢期になって、十八歳に大きい子はなっていますね。こういうことですが、いまの森永問題に対して厚生省としては、どういう解決をするか、早く解決を急がなきゃならぬと思いますが、それは大臣、どういうふうにお考えですか、これだって研究機関がもっとしっかりしておればこんな事件起きていない。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 砒素ミルクにつきましては、先ほど田中委員にもお答えをいたしましたように、いま基礎的には、守る会の方も森永も一応共通の土俵にのぼっていただいておるのでございます。厚生省が主導権をとりまして、できるだけ早く解決のめどをつけて砒素の被害の方にもできるだけの安心をしてもらえるような体制を一日も早くつくりたいと思いまして、いま事務当局でいろいろと事務的に進行の案をつくらしておりますので、御了承いただきたいと思います。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 それでいま子供を守る会のほうから要請されておる健康手帳ですか、それはどう思いますか。これは森永では出すという。ところが子供を守る会では、もし厚生省が責任を持ってもらわないと不安だと、こう言っておりますが、これに対してはどう思いますか、それから未確認児の問題……。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 手帳の問題は、まあ御本人のやはり健康管理にも大事なことだと思いますし、ほかの病院へ行ったときでもそれを見せれば、そういう意味で特に医者も注意してくれるということにもなりましょう。まあ、健康手帳を持っていれば何でも公費でやれるというところまではちょっとまいらぬと思いますけれども、そういう意味で私は、砒素ミルクのかつての被害者でございますというものを、これは出してもいいと、こう思って、その方向で厚生省で出すか、各府県で出すかは別にいたしましても、公の証明になるものを出したいと、かように考えております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 この問題は、後日また社労でやりますけれども、私は早く解決をしてやってほしい。  それから、いま一つサリドマイドの問題でございますが、私は諸外国に比して、日本のとった態度は、非常におくれているんですね。この間大臣に会ったときに、責任を持って解決を急ぐと、いま和解の話し中だと、こういうふうに伺ったのですが、それは間違いありませんね。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 間違いございません。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 ところが、最近の新聞を見ますと、外国から学者を呼ぶ、裁判の参考人に、ということが出ております。この前に私がこの問題を取り上げたときに、これは外国の裁判は何回やったけれども、日本はまだやってないから、だから参考人として呼ぶんだ、こういうことを言われましたが、諸外国はみんな解決をしている。本元のドイツでも、これは国と製薬会社の責任を認めて、この間和解が成立している。ここまできておって、いまさら外国から多額の金をかけて証人を呼ぶというのはどういうわけなんですか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○政府委員(武藤琦一郎君) サリドマイドの裁判は、現在進行中でございますが、先生のいまのお話は、会社側が外国から証人を呼ぶという話は、私どもも聞いております。これはおそらく因果関係等につきましてより一そう真実を明らかにしたいという会社側の意向で、証人の申請が行なわれたものと考えております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 これは全世界が解決できているんですよ。厚生省が踏ん切りが悪いというのは、サリドマイド事件が三十六年ですか、三十六年の暮れにドイツで危険性を発表しており、その他の国は全部回収しておる。そのとき私は委員会で、日本でもこれの解決を急ぎなさいと言ったら、目下衛生研究所ですか、で検討しております、日本ではあまり不具者は出ておりませんということだった。それで私は研究はやってほしい。白と出るか黒と出るか、もし白と出たら、またその薬を売ってもいい。けれども奇形児が生れてからではおそいから、直ちにこれはストップするようにと言ったけれども、厚生省は十一カ月ぐらい放置したんですね。だからごらんなさい、外国では二十七年度はほとんど奇形児は出ていない。日本は二十七年度がピークで三百何十人の奇形児が生まれておる。研究機関がはっきりしておれば、たとえていえば、アメリカでは、諸外国が全部サリドマイドを使ったけれども、アメリカでは確かにきくことはわかったけれども、副作用がはっきりしないからというのでこのサリドマイドを許可しなかった。だからアメリカでは、サリドマイド奇形児はほとんど生まれていない、こういうことなんです。したがって、ここまできて、政府にも責任があるのですよ、この問題は。きょうは時間がないから省略しますけれども、それでその最後の追い込みで、大臣もこれは和解を早く実現していきたいと言っていらしゃるのに、業者はそれをきかないのですか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○政府委員(武藤琦一郎君) 昨年の二月に、国とそれから会社側が和解の意思表示をしたわけでございます。残念ながらその後の進展が具体的に表面に出ておりませんけれども、先ほど大臣から御答弁がありましたように、私どもの態度は会社を含めまして現在でも積極的でございます。と申しますのは、先生おっしゃいましたように、外国でにすべて和解で解決しております。私どもは早急に解決すべきであるというつもりでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私は、どうも厚生省は製薬業者に弱いと思うのです。だからその点いろいろな疑いをもって見られておりますから、大臣がいっかおっしゃったように、大臣がこうしようということになったら、それをぜひ実行してほしい。世界じゅうで済んだことなのに日本だけがいまさら外国から証人を呼ぶというようなことは、私はおかしいと思いますから、この点大臣よくお考えいただいて、大臣がいつかおっしゃったような方針で解決してもらいたいと思いますが、いかがですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 基本方針には変わりがございませんし、私の考えも変わりがございませんので、いまここでここまでこういうようにきておりますと、それをちょっと言えないのがまことにあれでございますけれども、できるだけ近いうちに、それが答弁できるようにしたいと思っております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私は大臣を信用しているんですよ。非常に良心的だけれども弱いですよ、少し。ひとつがんばってください。ひとつ一日も早い解決を心から期待しております。  次に、委員長。あと五分ときたんだけれども、あと五分頼みます。  次に、お伺いしたいのは松尾さん、病院管理とはどのような仕事をするのか、ということをちょっとお伺いしたい。

松尾正雄厚生省医務局長

○政府委員(松尾正雄君) 病院管理といえば、非常に幅が広いものでございますが、まあかいつまんで申し上げますと、病院全体のまず基本的な運営方針、それからさらに人事管理と称される問題、それからいわば財務管理あるいは物品管理あるいは各種のいろいろな事務的な統計なり会計的な問題、それから非常に大事な問題としては、やはり診療関係、診療管理です。診療自体が薬まで含めまして各検査施設その他も含めました組織の上でそれがうまくきちんといけるかどうか、これ非常に大事な問題だと思います。そのほか物品管理の一つに入りますが、薬品の管理でございますとか、その他設備の全般の管理、そういったものが全部含まれまして、一口に病院の管理といわれているものでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 あのね、ここに出した表は「研究者一人あたり試験研究調査旅費一覧」なんです。これを見ると、一番病院の管理というのはびりから何番目か、こうなっているんですが、この旅費で十分な管理ができているかどうかが私は心配なんです。それで時間がないけれども伺うんですが、ずっと管理が行き届いておれば、病院の現状がどうなっておるかということはわかるわけですね。それから医療従事者の充実状態と労働状態、それから特に長年にわたって看護婦の不足が大きな問題になっているが、この対策は一体どのような、看護婦が不足のために、病床の半分くらいがほとんど使われていない。閉鎖されているというような病院がたくさんございます、半分あるいは三分の一。それで入院したくても入院のできない患者さんがたくさんいる。入院ができなければ病気が進むのですよね。そういうことを病院管理のほうでは、どのように報告があり、厚生省としては、どういう対策をとっておるか。それから、ニッパチ制の現状は、どうなっておるか。労働基準法違反が九七%ぐらいだと、この間労働部のときに答弁がございました。これを一体このままにしておいていいのか。それで養成の見通しはどうか。私どもがかねがね主張しておる学校教育法に基づく看護学校は、どういうふうに考えておいでになるか。あるいは看護学校はできても、教える教師が不足しているんですね、教員が。この教員の養成は、どのように考えておいでになるか。法を守ることにきびしい政府当局が一〇〇%近い労働基準法違反をそのままにしておくということは、私としては許せない問題だと思います。  それから、人命尊重の立場を守るべき厚生省で、人員不足から研究試験機関の機能が十分生かされない。あるいは薬害、食品公害を起こし、さらに、その上健康を害してやむなく入院した患者が十分な治療も受けられずに、また看護にあたる看護婦さんは人手不足のために、過労で健康を害する人がふえている現状を、一体、どういうふうに解決していくのか。私は病院へ、あるいは身障者の施設へ視察に行くたびに申しわけないという気持ちで頭が一ぱいになる。こうした点について時間がございませんので厚生省、科学技術庁、行管、特に大蔵省当局はどう思っておいでになるのか。責任ある答弁を求めまして、若干質問を残しまして私の質問を終わりたいと思います。

松尾正雄厚生省医務局長

○政府委員(松尾正雄君) ただいま御指摘いただきました国の雇用条件の問題、各種の労働条件の問題あるいは特に具体的にあげられました看護婦不足による病床閉鎖の問題、労働基準法違反といったような御指摘の問題は、やはりすべて先ほど申しました病院管理運営というものの基本につながってきている条件でもあり、また、その結果でもあろうというふうに考えております。特に御指摘のございました看護婦の不足問題については、私たちもかなり努力をいたして続けてまいりました。この問題が特にいろいろと御指摘いただきました四十四年度におきましての看護婦対策は、わずか十八億でございました。四十七年におきましては、約七十七億というところまでふやしてまいっておるわけでございます。また、その中にもいろいろ御指摘をいただきましたこまかい点も、配慮してきたつもりでございます。そういうようなことが、いま一つはニッパチ制度と言われているものの、完成のための一つの大事な条件でございます。これは私どもとしましても制度論がどうであろうと、とにかく現在の手を安めるわけにいかない、こういうことでいま申し上げましたような方向で努力をしてまいりましたが、特にニッパチ問題につきましても人事院勧告が国立病院等になされておるわけでございまして、増員二千三百六十七名というような看護婦の増員の計画をだんだんしり上がりにいたしまして、四十七年に最後の約千二百五十名程度の増員をするというようなことをやってまいりました。かなり改善は、私はできるものと存じております。しかし、一方御指摘のように労働基準法違反があるのではないか、まことに私どもも労働省の報告をいただいておりまして残念でございます。それについては、一つは病院自身が一般にこういう労働基準というようなものについての理解を欠いておるという面もございます。したがいまして、私どもが出しております病院管理の運営要領といったようなものの中に、これは後ほど差し上げてごらんいただきたいと存じますが、ただいま申しましたような労働法違反にならないような観点からの項目が非常にこまかく示してございます。そういうことによって都道府県を通じまして、同時に労働省と一緒になってできるだけ改善をはかるというふうな基本線を出しておるつもりでございます。  なお、看護に関連をいたしまして学校教育の問題がございます。これは私どもの基本的にこういう方向でいくことは望ましいと考えておるわけでございます。しかしながら、一挙にはいかない事情があるということも、御賢察いただいているわけでございます。ただ、こういう養成施設をふやしますために、そのもとになる看護婦の教員養成、これは一部は文部省のほうで高等学校の看護学校、これの養成をするための特別のコースは持っておりますが、それ以外の部分につきましては、私どもがただいま一年間約四百人という数の教員養成ということを六カ月コースをもって実施をするということで、まだこれも六カ月で、十分でないという御意見もございますが、少なくともそういう養成施設の拡充に見合う教員の養成をはかりたい、かように努力してまいっておる次第でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 大蔵省一体どうするの。時間だからやめますから、大蔵省に答弁求めたっていいでしょう。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○説明員(渡部周治君) ただいまの点につきまして病院管理の構成ということは、非常に大事な問題だと思いますので、よく厚生省と話をいたしまして、できるだけの配慮をいたしたいと思います。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○政府委員(千葉博君) 私のほうからこのカテゴリー的に申し上げますと、これは非実験系統というカテゴリーに入っております。これでございますと、三つカテゴリーがあるのでございまして、非常に実験の多いカテゴリーが一つ、まん中辺がその次のカテゴリー、最後が非実験、大体いま先生のおっしゃったところは、いま病院管理研究所が非実験系で実験がほとんどないということで、私のほうはいろいろ一人頭の研究費を調整いたしますときに、これは四十二万円になっておりまして、ほかのよりも少なくは相なっております。これはやはり性格上いたし方ないと思います。今後はこの重要性にかんがみまして、非実験系のこういった研究所、特に病院管理研究所でございますか、こういったところの増額に一そう努力していきたいというように思います。   〔主査退席、副主査着席〕

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それではまず最初に、私は広島県大久野島にありました毒ガス工場の問題についてお聞きいたしたいと思います。  広島県大久野島には、昭和二年より第二次大戦の終了まで、旧日本陸軍東京第二造兵廠忠海製造所があり、ここは旧陸軍唯一の化学兵器工場であり、今日、一般に毒ガス工場と呼ばれていることは、すでに御存じのとおりであります。そこで厚生省に、ここではどういう毒ガスがどの程度いつごろまで作られておったのか、また、終戦時においてはどれだけの量が保管され、それはどういう処理をされたのか、簡単でようございますので、御答弁願いたいと思います。  大体厚生大臣にお伺いしますがね、大久野島の毒ガス問題、私はこれはやはり公害は、原因は民間の企業であります。また、戦争による被害あるいは原爆による被害、そういうものは国に責任はあるといっても、直接原因はまあ、アメリカ軍、そうなると思うのですね。それに引きかえて毒ガス工場の被害というものは、これはやはり私はそういうもの以上に、やはり国がつくり、そしてそこの従業員が被害を受けたとするならば、これは非常に大事である。これはもうあくまでも国が責任を持ってやるべきものであると、私はそう判断しているのですが、厚生大臣の考えを聞きたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) これは前から問題になっておりまして、終戦前に毒ガスの製造はやめたと、その当時従事していた人たちがある被害にあったというようなこともあったようでありますが、それが今日になりまして、当時毒ガスによった被毒であるかどうかということは、きわめて判定がむずかしいというように私は聞いておるわけです。当時の毒ガス製造に従事しておって、そのために起きた健康被害がいまあるということが明瞭であれば何とかしなければなりませんが、どうもその判定が非常にむずかしいというように私は聞いておるわけです。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 私は、もし日本の政府がつくっておった毒ガスによるそういう被害については、国が責任を持って救済すべきだという一般論を言っているわけであります。それに対する御答弁をいただきたい。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 当時の、たとえば女子挺身隊員その他の人たちで、国が援護の対象にしているのもあるわけであります。その実情は、局長からお答えいたします。

中村一成厚生省援護局長

○政府委員(中村一成君) 大久野島におきまして作業いたしておりました方々の中で厚生省の関係の方々と――厚生省の関係と申しては不正確でございますが、援護法上の対象の方々といたしましては、動員学徒及び女子挺身隊員がございます。これらの方々は、援護法上はいわゆる準軍属という身分を保有しておられる方々でございます。したがいまして、この方々に関しまして当時のお仕事上、つまり大久野島におきますところのお仕事の上におきまして何らかの影響があったということになりました場合におきましては、死亡あるいは傷害につきまして、それぞれ援護法上の処置をいたすべき筋合いのものでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 非常に私は、質問の趣旨がよく大臣も援護局長もわかっていないわけですよ。私は、そういう具体的なことを言っているんじゃないんです。やはりそういう毒ガスというのは、国がつくっておったわけでしょう。だから、それに基づくそういう被害というものがあるならば、私は大蔵省とか、厚生省ということを言っているんじゃないんです。国としてやはり責任を持って見るのが当然じゃないかということを言っておるんですからね。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) それは全く御意見のとおり、それから来た被害は、国が責任を持って処理すべきだと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そこで、戦時中毒ガスがつくられておったと、そうして戦後も毒ガスが工場に残っておったわけですね。そして戦後にそういう毒ガスを海に捨てたり、あるいは昭和四十四年にも発見された。あすこに国民休暇村もできまして、その建設途上においてもそういう毒ガス事故が起きているわけですけれども、そういうものに対する国民の健康を守る立場において、一体政府のこの問題の窓口はどこなんですか。その共済のほうは大蔵省だ、援護法は厚生省だ、そうやっていままでいつも陳情に来ても、たらい回しにされているのが現状なんですよ。私は国という立場において国民の生命を守るならば、やっぱり厚生省が窓口になるべきだ。であるならば、どういう毒ガスが製造され、そして戦後には、終戦にはどれだけ残っておって、そしてそれがどのように処分をされたか。また、さらに終戦後においてもいろいろ事故が起きている、そういうような状態を掌握をして対策を打つのはどこなんですか、窓口は。厚生省じゃないですか、そういうのは。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) これは、以前は厚生省という関係から、その戦後の処理、この間、また出てきたとかいって、それは厚生省が中心になってやっておりました、私、前のときには。ただいまでは、あるいは環境庁へいっているのじゃないかしらんと、かように考えますが、いずれにいたしましても、当時といたしましてまだ残っていたものの処理その他につきましては、防衛庁の技術者の力を借りて、そしてこれを処理をするということを、私、前のときにはやっておった覚えがございまして、あれは環境衛生局だったか……、あすこは国立公園部の所管になっておりましたから、休暇村の……。それでやっておったと、いま、援護局長が言っておりますが、これはいま環境庁へいっているようでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 まあ、ともかく私のほうからいろいろ説明をいたします。ここは大体非常に生産が盛んであったときにはドイツ式イペリットが二百トン、フランス式イペリットが月産二百トン、ドイツ式不凍イペリット五十トン、ルイサイト五十トン、その他大体月に六百二十五トンの毒ガスを生産をしておりました。そうしてまあ、終戦のときには、大体、ドイツ式イペリット五百三十六トン、フランス式のイペリットが三百五十五トン、ドイツ式不凍イペリットが五百六十トン、ルイサイト八百二十四トンその他三千から五千トン、そのように毒ガスが残っておりまして、これを昭和二十一年五月から二十二年六月の間に、米軍の指揮のもとに帝人三原の従業員の人が太平洋に捨てたわけですね。また、一部は大久野島とそれから大三島の間の島に捨てているわけですよ。そうして今日まできているわけでございますが、そこで国立公園は厚生省から環境庁にいったと、それはわかります。しかし、その当時のいわゆる従業員ですね。その工場に働いておった人たちの現在の健康状態というものについて、これは広島大学医学部、あるいは忠海保健所、そういうのが中心になってずっと調べてき、また先般も四月十四日の広島におけるこれは第十二回日本胸部疾患学会総会でも発表になっているわけですね。こういう問題は、これは厚生省の管轄でしょう。そういう点についての毒ガス工場に従事しておった従業員の人たちの現在の健康状態がどういう状態になっているのか、それを御説明願いたいと思います。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○説明員(渡部周治君) お尋ねがその製造所の従業員であった者の健康状況はどうかと、こういうお尋ねでございますので、現在こういう方でガス障害を受けておられる方につきましては、国家公務員共済組合連合会のほうで御存じのように救済措置を講じてございますので、……。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 救済措置を聞いているんじゃないよ。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○説明員(渡部周治君) はい。その計数の御説明を申し上げますと、四十七年の三月三十一日現在で、認定患者としての申し立てが七百七十八人申し立てをされまして、そのうち認定いたしました方が二百六十六人、非該当が三百二十六人、保留が九十二、それから現在審査中が十五と、こういう計数になっております。それから認定患者以外の方で医療手帳というのを交付いたしているわけでございますが、それにつきましては、申請なさった方が千五百四十人、そのうち認定をいたしました者が千四百十一人で、保留四十五、却下二十、未処理六、死亡失格五十八、こういう数字になっております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いま私は、そういう救済措置の内容を聞いているんじゃないんですよ。そういう当時の従業員の人たちが、現在やはりその被害を受けて、そういうことがちゃんと広大の医学部、また先般のこういう学会においてちゃんと発表になっているわけですよ。厚生省は国民の健康を預かる役所でしょう。こういう学者の言うことは、全く信用しないんですか。厚生省は、つかんでないんですか、実態を。厚生大臣、どうなんですか、あなたは。いま言ったように毒ガス工場というものは、言うなれば、たとえば森永ミルクの場合のような企業に責任があるんじゃないんです。もちろん森永ミルクにしても、それはPCB、カネミにしても、それは国も責任ありますけれども、直接はやはり企業なんです。この問題は、国がつくっておった毒ガスでしょうが。それで戦後二十何年間たって、そういうような人の健康の実態がどうなのか。そういうことも調べないで、学徒動員が毒ガスには関係ないなんということは、どういう科学的論拠で判断できるんですか。厚生省は、そういう健康のやっぱり実態というのはつかむ必要ないんですかね、厚生大臣。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 確かにそれは抽象的に、やはり国民の健康状態というものを知っておらなければなりませんし、また、そういった特殊の毒ガスからきた健康被害はどうであるかということは、これはやっぱり知っておらなきゃならぬわけでございますが、まあ、先ほどからお話を申し上げておりますように、当時の従業員についての被害は国家公務員共済組合でみる、それから学徒動員等のものについては援護局で援護としてみるということになっておるものでございますから、したがって、そういう方たちはその方面で救済をされるであろうということで、厚生省としてその毒ガスの当時の受けた被害が、今日どういうように及んでいるかということを特にいま厚生省の部局でつかんでいないというのが現状でございます。それがいいというわけではございませんが、記録があればやはり見ておらなければならぬ問題だと、かように思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 まあ、厚生大臣、それが実態なんですよ、いまね。まあ、それは私はここであなたを責めてもしかたないことであって、やはり毒ガスの被害がどういう実態であるかということを、これは広島大学の人たちあるいはそういう各保健所の病院の人が中心になって一生懸命やってきているのですから、やっぱりそういう研究の結果も知ってもらいたいと思うのですよ。まあ先般ですね、私、言いますけれども、第十二回日本胸部疾患学会総会におきましては、この調査は昭和二十七年の夏からやっているんです。それは大学独自でやっているのですよ、国が何もやらないものですからね。それでまあ、今日まで二千三百八十一人を対象に――これはもっと多いのですけれどもね、県外にも行っているから。つかめるのは二千三百八十一人。それで、そのうち四百五十七人が死んだわけでございますが、死亡原因で一番多いのは呼吸器系疾患です。百六十四名。その内訳は、ガンが五十八名、結核が四十六名、特にガンは、いわゆる鼻孔ですね、それから咽喉頭、気管、気管支などのその発生率は、日本の平均に比べて三十倍。まあ日本平均のガンの発生率よりも四十倍です。四十倍のガンの発生率なんですよ。これは明らかにやっぱりそこに因果関係があるわけですね。特にそういうイペリットとか毒ガス工場の人が非常に多いわけなんです。それでまた、さらにこれはもう私いろいろこれは新聞で見ただけで、まだ詳しい調査は、その前に発表した調査があるわけでございますが、まあそれによりますと、たとえば従業員について健康診断をした。これはもうここに資料がありますからあとで……。これは厚生省にもいっていると思うのですけれどもね。大体七九%が何らかの異常があるというのです。で、いわゆる事務をやっている、毒ガスを実際につくらない、事務をやっている人でも七七・三%、男の場合ですね、やっぱり健康に異常がある。そうして、同じような方法で竹原市の老人大学の百七十三名、まあ、老人大学ですから、お年寄りが多いと思うのですね。そういうお年寄りについていろいろ調査したところが、男の場合は、異常が四二・二%ですからね。だから、お年寄りというのは非常に、比較的からだが弱っている。それでも異常が四二・二%であるのに、毒ガス工場は七九・〇%。事務員でも七七・三%、毒ガスつくっているところは、もっと高いわけですね。その中で特に慢性気管支炎が著しく高率である。これは男性の場合は、六一・九%が慢性気管支炎です。で、まあ老人大学の人たちのパーセントを調べますと、一七・二%なんですね。それからまた、この事務に従事しておったその人でもやはり四〇%。だから、まあ老人大学の人たち、同じ竹原に住んでいる一七・二%に比べて、事務をやっている人でも四〇%以上がやっぱり気管支炎。イペリットとかルイサイト、こういうびらん性のガス、そういうようなのをつくっているところは八〇%が慢性気管支炎なんです。平均してまあ、大体六一・九%がそうなっているわけですね。  それから、まあ死因につきましては、いまも話しましたように、この私の持っている昭和四十一年から二年にかけた最初の調査、この結果によりますと、毒ガス工場の従業員の死因というのは、一般の広島県民及び日本人とは著しく死因が違っているのです。それは毒ガス工場従業員においては、呼吸器の疾患による死亡が約五〇%に達し、特に肺ガン、喉頭ガンなど呼吸器のガンによる死亡が著しく高率である。死因の場合は、毒ガス工場の職種別に検討すると、イペリットに直接関係のなかった人々の死因は、一般の日本人の死因に近いものがある。だから、気管支炎という点では、実際に現場じゃない事務員の人でも非常に影響を受けているわけですね。けれども、死因について見ると、事務員の人は大体一般の日本人と同じだけれども、イペリットとかルイサイトをつくっているところの人は、五割がガンで死んでおる。そういう結果がすでに四十一年から出されているわけなんですけれどもね。そういうような実態なんですよ。  私は、これはもちろん広島大学の西本先生、あるいは山田先生、その他忠海の病院の先生方、そういう各病院の先生方が中心になってやった、広島県が中心になってやったことですから、厚生省としては、そういう内容をよく検討して対処してもらいたい。私はそれを厚生大臣に要望したいと思うんですけれども、その点どうですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) ただいま塩出委員のおっしゃいましたことを踏まえまして、厚生省で一ぺんそういう資料を集めて検討をさせるようにいたします。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いまのは、私は従業員について言ったわけでございますが、ところが、いろいろ調査してみますと、毒ガスの障害を受けているのは従業員だけではない。一つは、戦後米軍の指揮のもとに毒ガスの海洋投棄をやったわけですね。そういう作業に従事した人あるいは――これはまあそういうような実態は厚生省も全然つかんでないわけですから、私のほうから言わざるを得ないわけですけれども、大久野島に国民休暇村の建設工事をするときに、そういう工事に従事をした人、そういう人の中から多くの被害者が出ているわけですよ。多くといっても、つかんでいるのは数は少ないんですけれども、たとえば広島県の大柿町大君、農業をやっている田尾梅太郎さんという人は、これは昭和三十五、六年ごろ防空壕の破壊をやるために島へ入ったわけです。御存じのように、大久野島には、毒ガスを全部海に捨ててないことになっていたわけです。ところが、それがいろいろ工事をすると、あっちこっちから毒ガスのにおいがする。それで結局、昭和四十四年にそこにあることが発見されて、厚生省からそのときも行って処理をしていただいた、自衛隊等も。そういう破壊をやったために、現在でもこの人はやはり頭が重く、のど、胸が痛い。それで、広島県は、現在そういう毒ガスに関係ある人に健康指導手帳というのを発行して、そして健康診断をやっているんです。政府は大蔵省の旧令共済関係ですから従業員だけが対象ですけれども、県はそういうわけにはいかぬ。一年に一回全部の人に健康診断をやっているわけですけれども、四十五年一月二十三日の健康診断では慢性気管支炎、胸部炎症性疾患、白血球増加。それで、県ではABCDEのランクをつけているんですが、この人はCなんですよ。やはりこれは県としても毒ガスによる影響であるということで、これはCと。ABCDEですから、Cというのはかなり重いわけですね。  それからまた、昭和三十一年の六月から三十一年の十二月まで、当時米軍の労務者として処理に入った人があるんです。五人いるんです。その人たちはどういうことをしたかといいますと、毒ガス工場の中の池の中に、イペリットとかルイサイトをつくるときに着ておった防毒衣、これを池の中に埋めておったのを出して、そうして捨てるような作業をしたわけです。ところが、三十一年の十二月までやって、そうしてそのときは非常に――そういう毒ガスのにおいのする中で、そういう作業に約半年間従事したわけです。その中の大年勇さんという人は、三十一年十二月三十日に家に帰ってから、翌年の一月十四日、約二週間後に死亡しております。これははっきり毒ガスだというと、どうも心臓病、心臓が悪かったというか、心臓弁膜症ということでなくなっているわけですから、これはまあ、はっきり私はそういうことは言えないと思うのですがね。しかし、いずれにしても、この人は毒ガスでなくなったと証言する人もいるわけなんです。診断書は心臓弁膜症になっているのですね。  ところが、一緒に行った沖美町というところにおる石河内勘一さんというのは、現在七十二歳でございますが、やはり帰ってから農業をずっと始めたわけで、非常に胸が苦しい、重苦しい。それで、四十一年ごろからだんだん悪くなって、日赤は結核と診断、六カ月で市民病院に移って、今度は気管支炎と診断されて、そうして四十三年の三月二十七日からこの広島大学医学部第二内科、先ほどの西本教授のところへ入院をして、ずっと今日まで通院をしているわけなんです。で、西本教授は、やはりこれは慢性気管支炎、胸部炎症性疾患、肝臓障害。そうして広島県のいわゆる毒ガス被害者の健康管理では、これはCの段階。四十五年一月二十三日にはCですけれども、四十五年十一月十九日ではDになっているわけです。Dということは、Cよりもさらに重いわけですからね。それで、この人ははっきり慢性気管支炎であり、毒ガス障害である。先般もわが党が調査に行きましたけれども、ずっと寝たきりで、県に行っても、結局こんなのは全国であんた一人だからどうしようもないのだ、そう言われてその人はほんとうに憤慨しているわけですよ。聞いてみますと、先ほどの田尾梅太郎さんというのは、健康診断に行くときに、県が旅費五百円くれただけなんですよ。こっちの石河内勘一さんのほうも、これは実は治療費というのは、全部研究費でみてもらっていたわけですね。県からも、国からも出ないわけです、そういうのは。最近この人は――娘さんが戦争終了時に広島におりまして、その人は原爆でなくなってしまったわけです。それで、原爆が終わったあとで夫婦が娘さんをさがしに行って、そういう関係で原爆手帳をもらって、それで実は、いまは原爆手帳で無料の診療を受けているそうです、いまはですね。そういうような――そのほかに何名かの人、一緒に五人いたそのほかにもおりますけれども、毒ガスを大久野島と大三島の間の海に捨てたものですから、魚を取るときに網に引っかかってしまって、これは昭和四十五年十二月二十二日ですけれども、それが引っかかって、それを自衛隊がコンクリート詰めにして、また太平洋に捨てたわけですけれども、そのときは、いまのところは被害はなかったようですけれども、かなりそういうのでのどが痛いとか、その程度のことはあったわけですね。  そういうようなことが、調べれば調べるほど、いろいろ建設工事のときにもそういうことがあったというようなことが、よくわかって出てくるわけです。そういうことに対して、私は、やっぱりもっと国が責任をもってそういう調査もして、たとえ一人であっても、やはり毒ガスに起因するならば、私は救済措置をとらなければいけないのじゃないかと思うのですがね。ところが、いま言ったように厚生省は厚生省じゃない、大蔵省は大蔵省で、もう旧令共済関係だけだ。みんな陳情に来ても、やれ大蔵省、厚生省とたらい回しにしていって、一体どこへいったらいいのか。もう少し責任の所在を明らかにして、私はそういう実態も調べてもらいたいと思うのですが、厚生大臣、どうでしょう。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 実は、伺いますと、とにかくどこかでやっぱりそういうことを処理し、検討する部局がなければならないように思います。私もよく事情伺って、厚生省とすれば、どこがいいのか、あるいは他の省とすればどこがいいのか、検討いたしまして、そういった方々に不便のないように、迷惑のかからぬように検討いたしたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 結局、被害者の対策をどうするかということは、現在の法律で適用するとか、適用しないとか、そういうことよりも、まず、実態はどうなんだと、ほんとうにどれほどたいへんなんだと、そういうことを知って、そして現行の法律でそれは救済できれば、それでもいいと思うのですけれども、できなければやっぱり新しい立法をするなりして、それが私は政治じゃないかと思うのですね。そういう点で、過去のことはいざ知らず、厚生省といたしましてもいろいろやることも多いでしょうけれども、やはりこれもひとつの、企業に対して企業責任を追及する以上は、やっぱり国がその範を示していかなければ、国が原因を出したそういう一つの事件に対して、いいかげんな態度であって、それで企業に対してきびしく言うことはできないと思うのですね。そういう点で、この点に対するひとつ調査また検討をお願いしたいと思うのです。それで、結局、これはそういう状態もわかってない現段階において、ここで論議しても、私はあまり厚生大臣からはっきりした結論は得られないと思いますが、現在は、いわゆる大蔵省の旧令共済によりまして、そこにつとめておった従業員であり、そしてまた共済組合に入っておった人たちは、これは昭和四十四年にまた一段と前進いたしまして、これはもちろん不十分ではございますが、そういう処置がなされております。それで、特別手当、健康管理手当、介護手当、そういうものが出ているわけですね。けれども、実際はいま話したように二百数十名ですか、非常にきびしいわけなんです。考えてみれば、もう男子の六割が気管支炎でやられておるにもかかわらず、その認定患者になっておるのは、わずか一割なんです。しかも、なお、学徒動員、それから女子挺身隊員、あるいは戦後、毒ガスを海に捨てるのに手伝ったそういう三原の帝人の従業員、あるいは国民休暇村を建設するために、そういう工事に入った人たち、そういう人たちは全くそういう対象からはずされているわけですね。だから、考えてみれば、そこの従業員であれば、共済組合に入っておれば、すぐこの医療手帳ですか、これはすぐもらえるわけなんですよ。これはもう毒ガスをつくるよう、終戦前に入った人でも、それはもらえるようになっている。だが、学徒動員の人は、それよりも長くつとめておっても、全然それはもらえないわけなんです。その理由は何かといえば、旧令共済に入っていないからだと。けれども、学徒の人たちに言わせたら、ぼくたちは国家総動員法によって強制的に連れて行かれて、給料もほんとになく、ただ働きに働いたんだと。それは共済組合に入っていないからという理由で、一方のほうはそういう手当があるのに、こっちはないというのは、私は法律の上からいえばそうなるかもしれませんけれども、やっぱり人間の心情として、常識から考えても、これははなはだ問題じゃないかと思うのですね。そういう点で、これは私は厚生大臣に御意見として申し上げますが、旧令共済という、そういう処理のしかたではなくして、やはり戦時中、日本が製造した毒ガスのやっぱり問題として、もっと大きな立場でそれに対する処置をしていかないと、旧令共済組合に入っていて、それだけやるんだと、そういうようなことでは、私はものごとの本質というものが、非常に、ほんとうに片手間にやっているようなことであって、やっぱりそういうもと従業員、共済組合に入っていない人を含めて、そういう抜本的な対策を立てるべきだ。別にたいしたお金も、そんなに何十億かかるわけじゃないですからね。私は当然厚生省としてそれはできると思うんですよ。そういう点もひとつあわせて御検討いただきたい。そのことをお願いしたいと思いますが。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 私も前に、これは旧令の共済組合で処理していると、なんだかちょっとおかしいなという感じがしたのですけれども、まあこれからそうふえていく問題じゃないから、それで落ち着いているならそれでもいいかなという感じがいたしておりましたが、いま、いろいろと問題提起の御意見がございましたから、ひとつ検討をいたしてみるようにいたします。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それじゃあ、ひとつそういう点、厚生省といたしましても、よく実態を調査して、そうして、だれびとが見ても納得のいくような、そういうひとつ処置をとっていただきたい。ほんとうはもうすでに戦後二十七年たっているのですから、いまごろこんなことをやりますというのは、ほんとうに皆さんに申しわけないです、ほんとを言えば。これはわれわれにも責任がありますけれども、そういう点で、一生懸命やっぱり研究やっている人も、黙々とやってきているんですから、そういう研究費をもっと出すなり、前向きにやっていただきたい。このことを一つ要望しておきます。  それであと、じゃあわずかでございますが、一つは厚生大臣に、いわゆる生活保護の問題でございますが、先般、私、島根県に参りまして、島根県の民生委員会の副会長やっている藤原さんという人に会ったわけなんですけれども、いろいろ聞いたんです。ところが、民生委員の――まことに、ただ働きですね。そうして県の社会福祉協議会が、松江でやっている。その人は木次に住んでおりますから、そこまで行くのに日当が六百二十円出るんだそうです、いまは。また、汽車賃が四百円で、ずっと山の上にあるために、どうしても歩いて行けない。タクシーに乗って行くと、三百二十円、往復で。そうすると、社会福祉協議会に行くその日当もやはり足が出るわけですね。弁当でも食べたらもう大足が出るわけですよ。もちろん、民生委員というのは、これはまあ名誉職として、そういうような方針でやっておるようでございますけれども、やっぱりほんとうにそういうことを真剣にやろうとするならば、やはりもう少し、そういう実費ぐらいは出すように――その人が言うのは、年間活動費二万円出してくれと言うのですね。私は一月二万円ですかと言ったら、一年で二万円だと言うのですよ。二万円で十分か、あるいは足りないかどうかわかりませんけれども、私はまじめな民生委員さんのささやかな願いであって、やっぱり国としても、何とかその程度のことはどうにかならないかな、そういうことを思ったわけですけれども、そういう点で、民生委員のそういう待遇をもっと改善をしてもらいたいということ、私は大事じゃないかと思いますが、その点どうでしょうか。

加藤威二厚生省社会局長

○政府委員(加藤威二君) 民生委員につきましては、先生御指摘のとおり、名誉職ということで、もちろん給与的なものは差し上げてないわけでございますが、先生の御指摘のような、その実費といいますか、そういう点についても、確かに十分というぐあいには考えておらないわけでございますが、四十七年度の予算におきましては、従来、一人当たりの民生委員の、何といいますか、そういう実費弁償的な、これは地方税の交付金で予算を組んでおりますけれども、それが六千円だったのを、四十七年度は五割り増しにしまして、年間九千円にしたわけでございます。しかし、いま先生の御指摘のように、年間二万円ぐらいほしいという、そういう要望から比べれば、まだ非常に少ないわけでございますけれども、一応、四十七年度におきましては、五割り増しにしたということございます。そのほか、民生委員は世帯更生資金の貸し付け等をやっていただいておりますので、そのほかに年額一千円のそういった手当を差し上げております。したがって、一万円ということになっておりますが、今後、さらにその引き上げについては努力をしてまいりたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 その点ひとつよろしくお願いしたいと思うんです。それで、まあ問題は、いわゆる現在の生活保護のあり方につきまして、働くと、収入があると結局差し引かれるわけですね。島根県の場合をいろいろ聞いてみますと、大体お年寄りが働いても、月に一万とかそこそこしか入らないというんですよ。ところが、大体七割はもうたいてい引かれるというわけですね。一万円働いても結局三千円ぐらいしか自分のふところに入らないものですから、こんなことならやっぱりえらい目をしないでもというわけで、結局働かないわけですね。結局それは惰民政策だと、私はそのとおりだと思うんですね。だから、もう少しせめて一万円働いたら三割、三千円ぐらい減らすのはいいけれども、あとの七千円ぐらいはやっぱりある程度のランクを設けて、もっとこう働いた分だけはやっぱりよけい残るように、私はそういう方向で検討できないものかなと思うんですが、その点はどうでしょうかね。

加藤威二厚生省社会局長

○政府委員(加藤威二君) 生活保護におきまする収入認定の問題でございまするけれども、生活保護の一つの原則といたしまして保護の補足性という原則がございまして、保護を受ける人はその資産、能力、その他あらゆるものを使った後に、さらに足りないものを生活保護でみると、こういう原則がございます。その点が一つと、それからもう一つは、先生も御指摘がありましたように、これは法律の第一条で目的に書いてございますけれども、この生活保護をすることによって自立を助長する、こういう二つの目的、二つの考え方があるわけでございますが、これのかね合いの問題だろうと思います。まあ、補足性の原則からいいますと、収入があったという場合には、生活保護は最低基準の保障費でございますから、そこから働いたものがあれば、それだけ差し引くというのが原則でございますけれども、同時に、やはり勤労意欲を起こさせてできれば生活保護から抜け出していくという自立の精神もまた大いにこれを植えつけるということで、そのかね合いの問題でございます。  そこで、生活保護制度におきましてはそういう収入がありました場合には、基礎控除というのをやっております。この基礎控除につきましては、職種によって違いますけれども、大体七千円程度の基礎控除というものがある。そのほかに、さらに収入金額別基礎控除というものがございます。うんと働けば働くほどその基礎控除を引き上げていくという制度になっております。これもやはりある程度そういった勤労意欲を助長するという意味で、収入金額別の基礎控除という――たくさん働けばそれだけ基礎控除もふえる、こういう仕組みになっております。そのほか、たとえばボーナスなんかにつきましては、特別控除というそういう制度もございますし、それから初めて職につくという場合には、新規就労の控除というようなこともやっております。問題は、そういった控除とそれからボーダーラインとのかね合いもございますので、結局生活保護を受けながら若干働いている人のほうがボーダーラインより収入が多いということになると、これまた公平の原則にも反するということでございますので、そのかね合いでございます。なお、やはり勤労意欲の助長ということも非常に大事でございますので、この基礎控除制度活用を今後もできるだけはかってまいりたいというぐあいに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 じゃああと二問まとめて質問します。  一つは、これはいわゆるエックス線技士法の問題でございますが、第二十六条二には、「多数の者の健康診断を一時に行なう場合において、医師又は歯科医師の立会いの下に百万電子ボルト未満のエネルギーを有するエックス線を照射するとき。」と。現場のまじめなレントゲン技師は、医師の立ち会いのもとにということで非常に悩んでいるわけですね。立ち会いが一番いいわけですが、現実はなかなか医者がいないわけです。けど法律はそうなっているわけですね。実際厚生省の考え方は、「立会いの下に」というのは、医者の指導のもとにというぐらいでいいのだという指導をしているのですが、現場の人たちはその点をはっきりしてくれないと、いつも精神的に悩みながら……、そういう状態なんですよ。私はやはりはっきりとした「立会いの下に」が一番望ましいけれども、現状においては医者が足りないんですから、医者の指導のもとにとか、あるいはいつでも事故があったときにはかけつける体制のもとにということを厚生省は講習会なんかのときには言っているというのですが、末端には伝わっていないのです。だからはっきりした態度を私は文書で通達するなりすべきではないか、そのように思うのでございますが、その点の見解をお聞きしまして質問を終わります。

松尾正雄厚生省医務局長

○政府委員(松尾正雄君) ただいま御指摘のような放射線医師法の中に「立会い」ということが明確にしてございます。それは万が一にも事故があってはならないということから、専門家の意見も聞いてきまったことと存じます。私も率直に、ただいま先生御指摘のような事態に現実に現場はあろうと私も存じます。しかもいろいろな機械その他がかなり新しく進歩しております現状でございますから、これはひとつ私もそういうものに携わっております専門家の方々の御意見も聞きました上で検討さしていただきたいと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 私は四月十八日の予算委員会で、老人の福祉について問題を展開してまいりました。そうしてその答弁を通して国民と政府、特に老人と政治の間には全くスキンシップが欠けているということを感じたわけでございます。スキンシップの大切なことは、赤ちゃんと母親だけの問題ではないと考えます。何かそこにワンクッション置いて対しているということではどうしようもないということを感じました。たとえば、私は老人の願い三条件、つまり医療と年金と生きがいについての現状をお尋ねしたわけでございましたが、どの省からもほのぼのとしたあたたかい太陽を肌で感じるようなお答えはいただけませんでした。金がないからむずかしいという感じのする答弁でございます。税金をもっとかければやってやろう式では、全く本末転倒ではございませんか。老人の生活の実態はこうだ、だからこれをするためにはこのようにしたい、そのためには国民も負担をかけるが、ともに苦労をしてほしい、こういう形の具体的な答弁が私はほしかったわけでございます。大蔵大臣はイギリスのおばあさんが高い税金も苦にならないという、こういう話をなさいました。私もそうなりたいと思うのです。真に高福祉が約束されるのなら、それに見合う負担は納得できますが、現状はどうもそうはなっておりません。その証拠に新聞の報ずるところでは、老人の自殺が年間五千人をこえ、特に六十五歳から六十九歳までがその高位を占め、しかも六十五歳をこえた婦人の自殺は、世界第一と言われるではございませんか。  そこでお伺いをいたしますが、このように老人を自殺に追いやる理由は、一体何でございましょう。厚生大臣の御見解を承りたいと存じます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) ただいま前提におっしゃいましたことは、厚生省もよほど考えなければならない問題だと思います。社会局に老人課というようなものを設けまして老人の全体を把握をするということが必要であろう、かように考えて、老人課というものを設けてまいりたい、こう考えております。そうでありませんと、それぞれの部分部分だけを担当しておりましては、いまおっしゃいましたようなほのぼのとしたスキンシップというものは感じがたいと思います。  老人の自殺の多い原因は、いろいろあろうと思いますが、まず老境に近づいてきて、そしていわゆる死というものに近づいてきたという精神的なさびしさ、それから特に日本では核家族化が非常に進行をしている、いままであたたかい家庭にいた者が急に孤独になってきたと、これはもう外国のようにずっとそういう習慣に育ってきたのでなくて、いままであたたかい家族生活をしていたのに、最近の経済情勢、社会情勢から、子供がみんなよそへ行ってしまうということが一つの大きなショックになってくるだろうと、かように思います。   〔副主査退席、主査着席〕 それから生活にこと欠いてくる、年金も不十分だ、あるいは病気にかかりやすくなってきたというさびしさ、そういうものが大きく原因しているのではないだろうかという感じがいたすわけでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 私は、先日ある中老婦人会に行ったときに聞いた話でございます。  四人のむすこたちを全部大学にやった老母が、三人目のむすこのところで自殺したというわけでございます。  主人は、四番目のむすこが大学三年のときに病気でなくなり、それからこのおかあさんは、女手一つで身を粉にしながら働いて、やっと末っ子も無事大学を出しました。しかし、そのときには夫の病気中の費用もかさんでかなりの借金ができていたわけでございます。ところが、子供たちは、自分たちはもういま生活に追われているので借金を払うところまではいかない。だから家と屋敷を手放したらどうか、こういったようなことで、このあわれなおかあさんは、子供たちのそのすすめのままに家と屋敷を手放して、借金を払いました。ところが、そうなりますと、このおかあさんの住むところがございませんでした。子供たちの家を一カ月ずつ世話になることになりましたが、狭い二DKにしゅうとめを引き取った嫁たちは、決してよい顔をしませんでした。つらい思いで一カ月ずつ回っているうちに、このおかあさんは、とうとうノイローゼになって、三番目のむすこのところに送られて一週間日に首をくくって果てたわけでございます。  この話は、その場にい合わせた人たちをほとんど人ごとではないという感じに追いやり、みんなを涙ぐませてしまったのでございます。  五千人をこえる老人の自殺の原因は、大同小異ではございませんでしょうか。この老人の自殺の要因も先ほど大臣がおっしゃいますように、いろいろあろうかと思いますけれども、この中で厚生省が努力してくだされば何とかなるといったようなものはどういうものでございましょうか、承りたいと存じます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 一つは、あたたかい老人ホーム、そこへ行ってもさびしさを感じないで過ごせるというような老人ホームのあり方と、そういうものの増設ということが必要であろうと、かように考えます。よく言われております年金制度の問題も、厚生省の問題でございますが、いま一番の問題は、そういう点ではなかろうかという私は感じがいたします。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 それでは大臣、どれぐらいの老人ホームをこれからおつくりになる御計画でございますか。

加藤威二厚生省社会局長

○政府委員(加藤威二君) 老人ホームにつきましては、老人ホーム以外にいろいろなたとえば身体障害者の施設とか保育所みんな含めまして社会福祉整備の五カ年計画を一応厚生省としては持っておるわけでございますが、四十六年度を初年度として持っているわけでございますが、その中で老人ホーム関係の一応計画といたしましては、四十六年度末で現在老人ホームの収容能力が約九万人でございます。それで個所数といたしましては約千二百五十カ所ばかりございます。それを五十年までに約十八万人にふやすということで、個所数といたしましても約倍の二千五百カ所にするということで、四十七年度以降五十年までの間に個所数にいたしまして千二百九十四カ所、約九万二千六百人、この収容能力をふやすという計画を一応持っておるわけでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 あたたかい老人ホームをつくる、これも確かに一つの方法だと思いますけれども、老人ホームに入りました老人は、平均何年ぐらい生きているとお考えでございますか。

加藤威二厚生省社会局長

○政府委員(加藤威二君) 老人ホーム自体でそういう調査を現実にはやっておりませんけれども、日本の老人の平均余命というのが、大体七十歳の方で約十年近くあると思います。女性のほうがちょっと多くて十一年くらい、男性が九年くらいでございますが、大体十年前後ということでございます。したがって、何歳で老人ホームに入られるかによって違いますけれども、いま大体老人ホームでは一応六十五歳ということで、六十五歳以上の老人を入れるという大体の基準になっておりますが、そういたしますと、平均的なあれで言えば十数年は、男女によって若干違いますけれども生きておられるのじゃないかということでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 私が聞いたところでは、老人ホームに入ると大体平均五年ぐらいだということを聞いておりますが、それはなぜそういうふうになるのかということについて老人ホームに入るとなぜそんなに早く死ぬのか、こういうことについて何か御研究になったことはございませんか。

加藤威二厚生省社会局長

○政府委員(加藤威二君) ただ、老人ホームでも一般のいわゆる養護の老人ホームと、それから特養――特別養護老人ホームとございますが、特別養護老人ホームは、これは寝たきりの御老人でございまして、こういう方々は非常にからだの状態も悪いということでございますので、これは入られたあとの生きておられる期間は、非常に短いかもしれません。それから養護老人ホームにつきましては、これも何と申しますか生活上非常に困っておられる方で、しかもある程度の身体的な欠陥がある方が多いわけでございます。先ほど私が申し上げましたのは、一般の日本の老人の平均余命を申し上げたわけでございますが、老人ホームに入られる方というのは、いまの状況では相当経済的にもあるいは身体的にも恵まれていない方がわりあい集まるということでございますので、一般よりは相当短くなるかというぐあいに思われます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 現在の老人ホーム、私ももう一年に二回ずつ同じ老人ホームをたずねるわけでございますが、行くたびに人が減っております、死んでいる人が多いわけなんです。ところが、そういう中でなぜこんな状態になるのだろうかと思って、いろいろお年寄りと話してみますというと、ほんとうに朝起きて御飯を食べて、そしてひなたぼっこをしてまた御飯を食べて、そしてテレビでも見て、寝て食べて寝てと、こういう状態のようなぐあいなんですね。こういうことがはたして年寄りを長く生きさせるもとになるでございましょうか。老人ホームのあり方について何か特別に御研究になっていらっしゃるようなところがあれば伺いたいと思います。

加藤威二厚生省社会局長

○政府委員(加藤威二君) 確かに老人ホームのあり方につきましては、まだ何といいますか、昔の養老院的な色彩が相当まだ残っているという感じが私どももいたします。相当暗い感じでございます。ことに建物何かにつきましても、特別養護老人ホームは最近数年間に非常に整備されまして、これはもう全部鉄筋で外国の施設と、北欧諸国と比べてもそう劣らない、しかし、いわゆる一般の養護老人ホームにつきましては、まだ木造で暗い建物が相当ある。今後早急にそういうものを整備する必要があると思いますが、同様に中に入っておられる老人の暮し方といいますか、そういう問題についても、先生御指摘のような点があろうと思います。そこで、私どもといたしましては老人問題に取り組みますために、中央社会福祉審議会の中に老人福祉の専門分科会がありますが、そこに老人ホームについてそういった老人ホームの中に入っておられる方の問題あるいは今後の老人ホームというのはどういう形であるべきかというような、老人ホームのいまの形態も、特別養護老人ホームあるいは養護老人ホーム、軽費老人ホームというような形でいいのかどうかというような問題も、全部ひっくるめまして早急に検討していただくことになっております。確かに老人にとって一番大事なのは、生きがいを感ずるということであろうかと思いますが、そういった面で、いまの老人ホームは必ずしもそういう面では十分ではないということを私ども痛感いたしておりますので、もう少し明るく、しかも老人ホームに入っておられる方が生きがいを感ずるような、そういうものにしていきたいというぐあいに考えております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 生きがいを感じるような老人ホームのあり方ということで、たとえばどういうことをお考えでございますか。

加藤威二厚生省社会局長

○政府委員(加藤威二君) 一つの例でございますが、たとえばその付近で何かいい土でも出れば、たとえば焼き物をやるとか、それからいろいろな草花を植えるとか、そういう、一つの例でございまするけれども、そういうようなひとつの老人が何か楽しむといいますか、ただ寝て食べる、それでテレビを見ているということじゃなくて、何かより若干生産的と申しますか、そういう自分の趣味に合い、生きがいを感じるような、そういったことを老人ホームでもやってもらうということが、一つの例になろうかと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 そういうホームの中だけのことでは、私はやはりだめだと思うのですね。いわゆる一般の家庭にいる老人たちとの交流、そういったようなことも考えてあげないと、やはり老人ホームの中だけの仕事ということになると、私はこれはやはり隔絶されたという形が非常に多くなるのじゃないかと思うのです。そういうことで、何か一般の年寄りとの交流を考えるとか、あるいはまたからだが丈夫であれば何か外へ出て働けるようなことも考えるとか、そういったようなことについての配慮はいまのところいただけておりませんね、いかがですか。

加藤威二厚生省社会局長

○政府委員(加藤威二君) 確かにいまの老人ホームは、老人ホームの中に閉じこもってしまうという、一般のその付近の人たちとの交流が欠けているという点は、まあ例外はございますけれども、一般論としては、確かにそういう傾向があろうと思います。そういったその地域の人たち、老人もけっこうでございますが、若い人たちとのひとつの交流といいますか、そういうものも、これはぜひ今後の老人ホームのあり方とも関連してやってまいりたいと思います。  それから、一般の老人については老人クラブ、これは今度一万クラブばかりふやしまして、七万クラブから八万クラブでしたか、一万クラブばかり補助金をふやしましたので、そういった老人クラブの活動、これを大いに盛んにいたしまして、そして老人ホームとの交流というようなものもその仕事の中でやっていただく、あるいは老人の社会奉仕団というようなものについても、昨年から予算がついておりますので、そういった活動を通じてできるだけ老人ホームと一般との交流、こういうものに進めてまいりたいと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 ぜひその老人ホームといったようなものについていろいろ実態調査もしていただいて、老人のそうした声も聞いていただいて、その上に立っての施策が望ましいのではないか、このように考えます。ぜひそのような方向でのひとつ御検討をわずらわしたいと思います。  そこで、大蔵省にお伺いをいたしますけれども、いま厚生省としてはこういったいろいろ老人ホームについての増設の計画が出されたわけでございますね。そのことについて大蔵省は財政的にどのようにお考えになっていらっしゃいますか、承りたい。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○説明員(渡部周治君) 老人ホームと社会福祉施設の拡充につきましては、先ほど社会局長が厚生省の五カ年計画とおっしゃいましたが、これは四十六年度を初年度とする五カ年計画です、これをお持ちになっておられます。われわれ財政当局もその五カ年計画の趣旨を尊重いたしまして、その計画どおりの施設の拡充、これをはかるべく財政的にも配慮しておるところでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 重ねて大蔵省にお伺いをいたしますが、この年寄りが、いま厚生大臣がお話しになりましたように、核家族化されて非常にさみしい、こういう話がございましたね。そこで私は老人ホームの増設もけっこうでございますけれども、たとえば老人を住まわせるような家をつくる、そういったようなときに、この老人と一緒に住まうような家をつくりますといったような申請があった場合、そういう一部屋の分に対して幾ぶんかの助成をする、そういったような考え方はございませんか。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○説明員(渡部周治君) 実は、ちょっと担当でございませんので、詳しいことはよく存じておりませんが、住宅公団における公営住宅等の建設にあたりましてそういう老人を持つ家庭の状況を見ながら、部屋の増設とかそういうようなものを配慮しておるやに聞いております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 これはぜひ考えていただきたい問題だと思うのです。さっき私が例をとりました自殺をした年寄りの話にしましても、これは二DKでなければあるいは自殺をしないで済んだかもしれないと思うのですね。ところが、そういったようなことがなかなかそうした配慮がないために、やはり二DKの中で、若い者夫婦、子供があって、そうして年寄りを迎えるということは、ほんとうにこれは窮屈な話だと思うのですね。そういうことの配慮がなければ、これからほんとうに私は老人に対するあたたかい施策とは言えないと思うのですね。そういうことがいままで大蔵省へは一度でもどこからでも要請がございませんでしたか。

加藤威二厚生省社会局長

○政府委員(加藤威二君) 老人の住宅問題につきましては、建設省のほうで老人住宅というものについて公営住宅のワクを設けているというのが一つでございますが、もう一つ、これは四十七年度から新しく、これは年金局のほうでございますが、年金の還元融資で老人の居室整備の資金の貸し付けという制度を四十七年度から始めることにになっております。資金ワクは三億ということで、六十歳以上の高齢者と同居の世帯について優先的に住宅というか部屋の整備の貸し付けをする、こういうことを四十七年度から始めるということになっております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 そうしますと、それ一世帯についてどのくらいの額になりますか。

加藤威二厚生省社会局長

○政府委員(加藤威二君) 一応五十万ということでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 こうしたことが進むにつれて老人の自殺もあるいは少なくなっていくかもしれませんね。これは私にとりましては、非常に明るい施策ということになるわけでございます。  そこで伺いますが、老人福祉法の第二条にはどのようなことがうたわれておりますか。

加藤威二厚生省社会局長

○政府委員(加藤威二君) 第二条でございますが、「(基本的理念)」という見出しで「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として敬愛され、かつ、健全で安らかな生活を保障されるものとする。」ということでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 そういう老人福祉法第二条にうたってあるようなことが、ほんとうにいまの現実の社会の中で守られているとお考えでございましょうか、大臣いかがでございましょう。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) まあ、その方向にありたいというのでいろいろ努力をしているというのが、今日の現状と私は考えております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 四月十八日の予算委員会で私がお願いをいたしました山田参考人は、日本の社会保障は先進国に比べて三十年のおくれがあると指摘をされましたですね。そのことについてなぜそんなにおくれたのか、そのおくれた理由についてどのように分析をされておりますか承りたいと存じます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) やはり日本の経済の成長は、最近でございまして、御承知のように特に昭和三十年以降であると、かように考えます。それまではやはり日本は非常に貧乏であったということで、そこまで手が及ばなかった。そこで年金制度も発足がおくれた。三十年のおくれというのも、これは年金制度の発足のおくれであると、かように考えます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 大臣、御指摘のように経済成長第一主義で、人間の大切さが忘れられていたのではなかっただろうかという感じがするわけでございます。先ほどからもたびたび出ておりますように、子供や老人というものは、直接経済成長につながる仕事をいたしておりません。それがいまのような状態を招いたのではなかっただろうかというふうに考えるわけでございます。しかし、いま厚生大臣は老人課を置いてということでございましたね。それはいつからの話でございますか。

加藤威二厚生省社会局長

○政府委員(加藤威二君) 老人保健課は――老人福祉課というのはございますけれども、老人保健課というのは、ことしの七月から発足させる予定でございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 先ほど厚生大臣は老人課と、私、聞き間違ったのでございましょうか。そこで、私は老人課というもので老人全般の福祉を考えるところと、こういうように私は承知をしたのでございますが、私の聞き間違いだったのでございますか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 老人保健課とちょっと私は思い違いをいたしておりました。老人福祉課というのはもうすでに設けておりますけれども、今度は老人保健課を設けまして、そしてあるいはこれを一つに統合したほうがいいかどうか、さらに進んでくればあるいは老人局というようなものを設けたらいいかというようなことにもなってくるだろうと思いますが、いま老人保健の問題も、いままでばらばらになっておるというようなこともありまして、老人福祉とそれから老人保健と、こういうように差しあたってはいたしてまいりたいと考えております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 ぜひその老人局でも設けていただきまして、老人の問題は一切そこで取り扱うと。そして老人の悲しさも苦しさも喜びもみんなそこで処理ができるようなものをつくっていただきたいと、私はあらためて提案をいたしたいと存じます。大臣それは検討してくださいますでしょうかどうでしょう。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) そういう方向で厚生省も今後検討するようにいたしたいと思います。まあ、私の在任中にはちょっと検討はできないかもしれませんが、将来私がどこにおろうと、そういう方向で厚生省はあってもらいたい、これを引き継いでもらいたいと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 大臣が次々おかわりになることはほんとうにつらいことなんでございますよね。せっかく大臣がいいことを考えてくださいましても、その申し送りを受けられた大臣がその気がなければ、せっかくのいいことも流れてしまう。だから大臣、ひとつこれは、大臣がどこの場にいらっしゃいましょうとも、これだけはぜひ推進をしていただきたいと、これはまあ私のほうからお願いをしておきたいと存じます。  そこで、きょうは医療の問題は、よほどいろんな方から出ましたので、私は年金の問題について承ってまいりたいと思います。  厚生年金いわゆる老人の暮らせる年金は、現状はどうなっておりますでしょうか。暮らせる年金になっておりますでしょうかどうでしょうか、その点まず承りたいと存じます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 年金だけで暮らせるということにはとうていなっておりません。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 やはり私は年を取ったら年金だけで食べられるような社会がいわゆる高福祉の社会だと、こういうことになるのではなかろうかと思いますが、なかなかいまはそういうことになっていないという御答弁でございますが、それでは厚生年金の平均受給額は、幾らでございますか。

北川力夫厚生省年金局長

○政府委員(北川力夫君) 最近の実例で申し上げますと、昨年の十二月現在で平均は一万五千九百十二円でございまして、ただ二十年以上の新規裁定のものにつきましては、大体二万一千円をこえております。二万一千百五十九円。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 国民年金、老齢福祉年金それぞれどうなっておりますか。

北川力夫厚生省年金局長

○政府委員(北川力夫君) 国民年金は、現在十年年金だけが現実の受給者がございますだけで、これは御承知のように五千円でございます。それから老齢福祉年金は、現在は二千三百円でございますけれども、ことしの十月から千円増額をいたしまして三千三百円となるわけでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 三千三百円になりますのに大体何年かかったんでしょうか。

北川力夫厚生省年金局長

○政府委員(北川力夫君) この制度が始まりましたのは、三十四年の秋でございますから、十二年以上かかっております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 物価の値上がりと比べて、この上がり方はいかがでございましょうか。

北川力夫厚生省年金局長

○政府委員(北川力夫君) 老齢福祉年金のほうは千円から始まりまして、ことしの十月で三千三百円になるわけでございますが、この間における物価の上昇の指数につきましては約二倍でございます。老齢福祉年金のほうは三・三倍でございまして、その間に物価は約二倍。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 私、そんな妙な話はないと思うんでございますよ。千円だったのが三千三百円にこの十月からなります。十一年目に二千三百円上がります。しかしそれは初めの基礎というものが非常に低いということも考えていただきますと、いまの物価上昇とにらみ合わせてこの額はどういうふうになっておりますでございましょうね。

北川力夫厚生省年金局長

○政府委員(北川力夫君) ただいま先生からお話がございましたように千円という出発時点における額の低さがあるわけでございますから、したがいまして、その千円とそれからこの四十七年の秋のベースを比べますと、約二倍ということでございます。  問題は、その最近の物価の上昇のぐあいもございますけれども、やはり千円から始まっておるというところに物価指数との比較をいたしますと、物価指数のほうよりも福祉年金の伸びのほうが大きいと、こういうことになろうと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 あのね局長さん、そんなことをおっしゃいますからね、私は政治というものはスキンシップが欠けている。一体、年寄りがどういうふうにこれを受け取っているかということがおわかりにならないから物価指数よりもこの上がりのほうが大きいんですというようなことをまあ、たんたんとおっしゃるんですけれどもね。こういうことは老人にとっては、まことにつらい話ということになるのではございませんか。だからこそ年寄りは暮らせなくなったり、いろいろのつらさがあって自殺をしていく人がふえてくるんだと、こういうことを十分頭に入れていただきませんと、あたたかい政治ということには私はなりにくいと思います。  そこで、あわせて伺いますけれども、老人の最低生活費というのはどれくらいだとお考えでございますか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 大体二万五千円から三万円程度と私は了解いたしております。詳しい正確な数字は持っておりませんが、大ずかみなところ。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 そうしますとですね、年金は毎勤統計の何割くらいが妥当だというふうにお考えでございましょうか。

北川力夫厚生省年金局長

○政府委員(北川力夫君) 毎勤統計というお話もございますけれども、一般的に申しますと、国際的なレベルで申しますと、一つの例といたしましてILOの比較的新しい条約で申しますと、三十年加入で四五%というふうなそういう一つの国際的なレベルがございます。ただ、これも加入年数の短かさによってこの率はかなり減額されております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 いまのように経済成長も著しくて、物価上昇もまたこれと伴って大きいといったような場合に、やはり自動スライド制に改善されるというおつもりはございませんか。

北川力夫厚生省年金局長

○政府委員(北川力夫君) スライド制の問題につきましては、いろいろむずかしい問題がございまして、現在でもたとえば現行の制度を厚生年金で申しますと、昨年の十一月に年金の額を一〇%アップをいたしまして、この一〇%アップは通常の改正時点の中間で行なったわけでございますから、そういう意味では政策的なスライドによる年金額の改定と思います。こういった政策的なスライドと、それからいわば物価、賃金あるいは生活水準というようなものにリンクをいたしまして自動的にスライドをする方式もございます。あるいはまた全くの自動ではなくて、若干の政策考慮を入れた半自動的なスライド方式もございます。  いずれにいたしましても、こういった制度をとるにつきましては、給付額のアップと同時に負担面について、そのスライドアップの財源面についてどういうふうな考慮をしていくかというふうな問題もございまして、確かに現在のような社会経済状況が動く段階におきましては、そういった仕組みが必要でございますけれども、いま申し上げましたようなどういうふうなファクターでやるか、あるいはどういう種類のスライド制をとるか、あるいはその財源をどうするか、こういった慎重に検討すべき問題が多々あろうかと思います。その点を十分に検討してみたいと思っております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 厚生省としましては、やはり老人の暮らせるだけの年金をやりたいとそういうことを考えますならば、自動スライド制に踏み切ることが一番望ましいのではないか、本心はそうじゃございませんか。しかし、それを妨げているのは大蔵省ではないかと思います。  そこで、――いやいやなさってもそのとおりですね。だから大蔵省は、こういうことにするためのいわゆる財源、そういうものをどこに求めようとしていらっしゃいますか、承りたいと思います。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○説明員(渡部周治君) 年金の自動スライド制の問題につきましては、別に大蔵省が反対して実現していないという事情ではございません。これは厚生年金に限らず、恩給とか共済年金とか、全般に非常に影響する問題でございますので、現在そういう公的年金の自動スライド制の問題につきましては、総理府の年金問題調査会というのが検討をしておりまして、ここで結論が出次第実行できれば実行に移すと、こういう段取りになっておるわけでございます。  それから、年金の財源をどうするかという問題は、これは非常に、いわゆる年金の財源方式の問題でございまして、非常にむずかしい問題がございます。もちろん、基本的にはこれは保険料でカバーしていくと、こういうことになるわけでございますが、年金の財源に対しまして給付の水準を高めなくちゃならない。一方、それに対しては、必要な財源としましては、基本的には保険料でカバーしていく。こういう場合に、これは年金でございまするから将来の長期的な見通しを立てなくちゃいけません。現在の年金受給者がどうだから、たとえばそれに見合って単純にこれだけの保険料で済むという問題ではございませんで、将来における年金受給者の見通し、それから将来における給付の水準のあり方、こういうようなものを総合的に勘案して、それに対して一体国民的な保険料負担としてはどういう水準がたえ得るであろうか、その場合にそれを全額保険料でやれるか、あるいは保険料でやれない場合に国庫負担としてはどういうものが考えられるか。さらに、国庫負担の方式としましては、たとえば社会保障税というような特定財源的なものをやるという問題もございましょう。非常にこれは多方面な検討を要する問題でございまして、厚生省におかれましても、現在年金の関係につきまして各種審議会で御検討中でございますし、おそらく今度の年金財政の改定期にあたりましては、そういう問題につきまして根本的な検討がなされるとわれわれは承知しております。財政当局といたしましても、そういう問題につきましては、長期的な視野に立っての検討を進めたいというふうに考えます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 大蔵省は、私はいつでもそう思うんですけれども、先ほどから厚生省は弱い弱いと、こういうお話が盛んに出ておりましたですね。そこで、厚生省が弱いんだったら、厚生省からいろいろ予算が出ましたときに、少なくとも大蔵省でこれはもう少しふやしたっていいんじゃないかと、そういうことを一ぺんでもおっしゃったことございますか。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○説明員(渡部周治君) 厚生省と大蔵省との関係は、別に要求側と査定側という一般的な問題ではございませんで、予算は政府がつくるわけでございまするから、最終的には大蔵省と厚生省とがよく話し合いましてきまった数字でございます。そういう意味で、その予算編成の過程におきましては、いろいろこちらの御意見も申し上げますし、まあ、最終的な姿としましては、厚生省と大蔵省とが話し合いまして、最終的に合意に達した数字が、提出しておる予算の姿でございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 そんなことをおっしゃいますけれども、私は、厚生省がお出しになってもなかなか大蔵省がそのように査定をしてくださらないから厚生省はずいぶん苦しい問題もございます。あとでこちらから保育所の問題が出されるようでございますから、これは大蔵省、よく聞いておいてくださいませよ。おたくのほうがその厚生省からお出しになったものを、ほんとうに子供は大事だ、年寄りは大事だとおっしゃるんだったら、できるだけそれを削らぬように査定してくださればやれることだって一ぱいありますよ。それをおやりにならないから厚生省はおとなしく、まあまあ子供はあんまり大きな声を出さないし、年寄りもあんまり大きな声を出さないからといって、まあ、何というのでしょうか、一歩退いた形でいらっしゃるのじゃないですか。そういうことを私はいつも考えます。ですから、文部省の予算にしましても、私は文句が言いたい。ですから、大蔵省は、厚生省や文部省に対しては、もっともっと私は大幅に予算を出すというぐらいの気持ちでなければいけないのじゃないかと思うんですよ。話し合いのときに、厚生省、あんた遠慮して取っておるんじゃないですか、もう少しこれぐらいのところはもっとこう出したほうがいいんじゃないですかぐらいのお話ができたら、どんなにいいかと思うんですよ。そんな話一ぺんだったってございましたか。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○説明員(渡部周治君) 非常に手きびしい御質問でございまするが、予算につきましては、これはかねがね、予算の時期だけではなく厚生省とよく話し合いはしております。厚生省の御要求につきましては、御要求があってからわれわれの意見を申し上げて査定をする。そして、その場合にも意見を聞かないで査定をするというわけではございません。予算をつくられる前から、またいろいろと問題点につきましては、お互いに協議をし合っておりますし、また予算の御要求があったあとにつきましてもよく事情を承りまして、お互いに相談し合って決定しておるわけでございます。決してわれわれのほうが厚生省の意見も聞かないで一方的にあれしておるということではございません。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 私は、何も一方的になさったとは申し上げておりません。お話し合いをなさる段階で、そういったあたたかい配慮がこれまでにもあったでしょうかということをお尋ねしたわけなんですね。もちろん一方的に大蔵省がなさったりすると、これは、あなた、国民全体が許さないことでございましょう。そんなこと当然でございますよ。ですけれども、やはり話し合いの中で、ほんとに聞いてやろうという姿勢があるかないかが私は問題だと、こう申し上げているところなんです。  そこで、お尋ねをしますけれども、いま保険料で大体まかなうんだから、まあ、保険料というものが幾らいまあっても、それをいまの、現在の老人が困っているから、それで、それに見合ったようなものを出すというわけにはいかない、いろいろな角度から考えて長期の展望に立つんだ、そういうお話でございましたね。そこで承りますけれども、いま保険料の累積というのは本年度でどれほどの額になっておりますか、承りたいと存じます。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○説明員(渡部周治君) 厚生年金の積み立て金と国民年金の積み立て金を合わせまして、四十六年度末で約五兆六千億ぐらいになるのじゃないかと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 五兆六千億、それ、大体どういうことに使われておりますか。その使途です。

北川力夫厚生省年金局長

○政府委員(北川力夫君) 年金の積み立て金につきましては、御承知のように国民生活に直接寄与する部面に使われております。すなわち、これは預金部資金に預託をされまして財投原資として運用されておりますが、いわゆる厚生福祉施設、あるいは療養施設、あるいは国民の生活に直結するそういった施設に最も重点的に配分をされておりまして、その部門に、大体八割見当はその部門に配分されておる。それから、当該年度の預託金の増加額の二五%相当分は、還元融資として直接国民生活に直結した部門に配分をされております。ちなみに申し上げておきますと、四十七年度の還元融資の予定額は、二五%相当分にプラス百二十億いたしまして、三千六百七十八億は還元融資として運用されることになっております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 私、もう時間がございませんから、ひとつお願いをしておきます。このいわゆる五兆六千億でございますか、これがどういうものに使われているか、はっきり数字を示して、お願いをしたいと思うんです。それで、私の聞いたところでは、必ずしも一般財源から出していいようなものも、ここでまかなわれているといったようなことを聞いたことがございます。もし、かりにそういうことであるとすれば、私は、これはちょっと考え直していただかなければいけないんではないか。現に生活ができなくて困っている老人があるにもかかわらず、大蔵省のほうは、これは長期展望に立って、なかなかいま困っている人にすぐに何とかするわけにはまいりませんなんて冷たいことをおっしゃるけれども、いまほんとに困って自殺をしている人がどんどんふえているような現状の中で、一般財源でまかなえるようなものまでこういうところでやられると言うんだったら、私は国民の一人として許せないと思うんです。ですから、どういうことに使われておりますか、はっきりした資料をぜひ、いまでなくてけっこうでございますから、お示しをいただきたいと思います。あと、私は医療問題をお聞きしようと思ったんですが、時間がまいりましたので、ここで切ります。武士は相見互いだそうでございますから、あんまり延ばしません。失礼しました。終わります。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 四十七年度予算審議もいよいよ大詰めとなりまして、私はきょうも一日、この討議を聞いておりまして、政府が言われるように国民の福祉を考えた予算であるだろうかと、見てみたらまことに冷たい予算でしかないと、つくづくきょうも考えさせられていたわけでございます。また、もうすぐ子供の日がやってまいります。児童憲章が制定されてもう二十年からたっております。あの児童憲章の前文を見ますと、児童は個人としてとうとばれ、社会人としてとうとばれ、そしてよい環境のもとに置かれる、そういう前文も私はいま思い出しながら、この前も質問いたしましたように、身体障害児、そして乳幼児、この子たちは自分で自分の権利を主張することができません。やっぱりこの子供たちの立場に立って私はこれから保育所の問題、続いて質問させていただきたいと思います。保育所の問題については、昨年の十月、社会労働委員会のほうで私も質問いたしましたが、それから半年たちました。そして半年の間にやはり子供の置かれている状態は決してよくなっておりません。もう方々で指摘されているように、また御承知のように、経済的な理由から、また働く権利を自覚した婦人たちが職場に出ていく、また家族は核家族化していくということや、また農村の問題を考えても、出かせぎに行くおとうさん、おかあさんも出かせぎに行く。また出かせぎに行かないまでも、近くの工場へ出て働かなければならないというような状態の中で、保育所に入れたいという、入らせたいという要求というのが非常にたくさんになっているわけなんです。この数はもうとてもたいへんな数だと思うんですけれども、こういう子供たちに対してどういう具体的な計画を立てていらっしゃるか。先般の御答弁の中で緊急整備五カ年計画というのをつくって、そして大体こういうふうだとおっしゃったわけですけれども、それで大体どの程度の措置ができるのか。その中で特に必要とされている乳幼児の問題は、その計画の中ではどういうふうになっているのか、まずそこを伺わせていただきたいと思います。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) いま御指摘の保育所の整備五カ年計画、これはこの前も御説明申し上げましたように、四十六年度を初年度といたしまして、昭和五十年度までに大体百六十二万五千人を対象といたしまして、認可保育所で保育ができるようにという考え方で作業を進めております。四十六年度、まだ実績全部はまとまっておりませんが、大体当初の計画どおり、あるいは多少それを上回る程度の整備を見たというふうに考えております。いま考えておりますのは、多少学童の問題もございますけれども、原則といたしましてただいま御指摘のとおり、全部乳幼児が対象でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 ゼロ歳の場合は。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 乳児及び幼児でございます。六歳未満、学齢未満ということでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それじゃ局長のお話だと、大体これが計画どおりに進みつつある。そしてこの計画が進めば、大体そういう保育所入所の要求というものは、大体においてそこで収容できるというふうにごらんになった数字でございますか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) この点は、前回行ないました要保育児童の実態調査の資料に基づきましてその後の婦人労働の増加等の資料を加えまして、推計いたしました要保育児童の数に基づいての計画でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 関連。ゼロ歳児も入るのですか。ゼロ歳児は何カ月か。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 計画といたしましては、要保育児童の調査でございまして、学齢未満である限りは、特に年齢を問うておりませんで、含まれておる計画でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 ゼロ歳児の場合は何カ月ですか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 計画といたしましては、これは必要な限りは、特に月齢で制限は設けておりません。ただ具体的な実施の段階におきましては、やはり乳児というものの非常に医学的な、何と申しますか、生理的に脆弱であるという特性もございまして、この点は別途乳児の保育につきましての計画を実施いたします際に、具体的に児童福祉審議会等の専門家の御意見も伺いまして、実行に当たりましては、なるべく三カ月未満の乳児は家庭で育ててほしいという方針を持って実施をいたしております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そこのところ私も伺いたかったわけなんです。それで大体推計してこのくらいの数字だとそちらでお出しになったわけですけれども、たいへん統計の専門で推計をお出しになったと思うんですけれども、それがどうしても実際とは私は合わないのです。合わないというのは非常に要求が強いけれども、はいれないというのがたくさん出てきているわけなんです。それで、どっか最近ないかなと思って、東京都のほうを調べてもらったわけなんですけれども、東京都が四十四年度の「民生行政基礎調査結果報告書」というのをずっと数字をとってみますと、保育所対象児童百九万九千二十人を対象にして保育所に入りたい、入れたいという希望がどれだけあるかというと、二十七万八千八百五十人という調査の結果が出てくるわけなんです。そうすると、東京都でも二十七万八千八百五十人入りたい。その中で特に私が問題にしたいのはゼロ歳ですね。産休明けから預かってもらうという子供の要求というのは、非常に多うございます。そういうのではいれないというのがそのうちどれくらいいるかという数を出して見ますと、二十七万八千八百五十人のうち、子供が小さくて預かってもらえないというのが七万三千三百二十名という数が調査の結果出てきているわけなんですよ。そうすると、全体のあと三十五万人くらい五十年までにつくれば大体はいれそうだという、その基礎の数字においても、私たちの願いとはだいぶ差があるということが一つあるんです。それから全部を含めての入所対象児としての調査だから、こっちが必要としているゼロ歳保育というものがきちっと出ていない、局長さんのおことばで言えば出ていない。しかし、そういう希望があったときには、はいれるようにするというふうなお答えで、だからそう心配しなくてもいいというふうなことに受けとめられたわけですけれども、それじゃ実際に保育所のゼロ歳の子供たちが預かってもらえるというようなのは一体どれくらいだろうかと、これは全国的に社会福祉協議会、保育協議会でおつくりになった、これはお宅の資料でございますね。厚生省社会福祉統計の中でちょっと見ましても、一番上の北海道を見ますと、総数二万八千三百十五人で、そうして在籍している措置児のゼロ歳の子が九十七名という数字でございます。それから長野県なんかいきましても、四万四千百十名のうち、ゼロ歳児は百十七名。それから今度は南に飛んで高知を見ますと、二万五百十一人のうち、ゼロ歳で入っているというのは、三十一人と、こういうような数字になっております。そうするとやはり非常に要求されている産休明けから預かってくれるという子供、入れたいという要求に対して、入れれば入れられるのだとおっしゃっても、実際にはなかなか入れてもらえないというようなわけなんですね。そこでそういうのが結局みんな無認可保育の方たちのところが役割りをもって預かっていらっしゃるというような結果になってくると思うのです。そこで厚生省としても乳児の、ゼロ歳の保育というような問題をどう考えて、どういうふうに解決をする道への計画を立てていらっしゃるか、それを伺わせていただきたいと思います。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) ただいま先生から御指摘がございましたように、私どもで調査いたしました、これは先ほど申し上げました要保育児童実態調査の昭和四十二年八月の全国調査でございますが、先ほどお答えいたしましたように、対象といたしましては、全乳幼児を対象といたしておりますが、必要数につきましては、一応年齢別に調査をいたしております。で、その際の要保育乳児の数は九万六千五百人、これは概数でございますが、そういう数字が出ております。それに対しまして現在措置されております乳児の数は、昭和四十六年の九月一日現在で九千八百四十八人でございます。したがいまして一確かに御指摘のように、保育所の整備は非常に進んでまいっておりますけれども、低年齢児、特に乳児につきましては、要望に比べて実際に措置されておる児童が少ないということは、これはいなめないところでございますが、ただ、先ほども申し上げましたように、同じく保育に欠ける児童を保育所で措置するという場合、これも基本的には乳幼児通じまして、できるだけ家庭で育てられるほうが望ましい、母親の手元で育てられるほうが望ましいということは申すまでもないところでございますが、特に乳児の場合には、一つは、先ほど申し上げました乳児というものの特性から申しまして、非常にひよわい、集団生活に耐えにくい点があるということ。それから生理的な面におきましても、特に母乳が乳児の心身の健康に不可欠のものである。それから精神的な面におきましても、これも御案内のように、やはり乳児から二歳半ぐらいの年齢を通じまして、母親の模倣によりまして、脳細胞、人格の基礎が形成されるというようないろいろな点から、各専門家の御意見といたしましても、できるだけ家庭で育てるほうが望ましいという前提があるわけでございます。一方、保育所の側におきましても、技術的にも乳児の保育は非常に慎重な配慮を要し、困難な面があるというようなことで、確かに他の年齢児に比べておくれておるという実態がございます。それで私どもといたしましては、こういった点を少しでも解消いたしたいということで、そういった、家庭で育てられることが望ましいという前提に立ちまして、しかしながら、低所得者等の方で、どうしても乳児をかかえながら働かなければならないというおかあさんのために、少しでも前進いたしたい、そういう考え方を持ちまして、昭和四十四年度から、低所得者のための乳児保育の特別ワクを設定いたしております。これは数はまだ残念ながら少のうございます。四十六年度におきまして四百人、四十七年度の予算におきまして倍にいたしまして八百人というワクでございますが、こういったことで、まずどうしても必要な方のための乳児保育を進めてまいりたい。  それから全体の保育のワクにおきましては、三歳未満児につきまして、通じての保育単価を設定いたしております。保育単価と申しますか、保母の定数を設定いたしております。そういった運用の中で、できるだけ、やむを得ず預けなければならないおかあさんに対しては、乳児もお預かりできるようにということで進めてまいっております。こういったこと、それからいまだんだんと進められております勤労婦人福祉法案なんかにも盛られておりますが、育児休業制度等によりまして、育児の間は身分を失なわないで休めるというような点も加味いたしまして、全体的に乳児の保育が誤りなく進められるようにしてまいりたい、そういう考え方で措置をしておる次第でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 小さい子供だからおかあさんが見なければならない。非常に健康的にも医学的にも保育所よりも家庭がいいというような考え方をいま局長さんお述べになりましたけれども、厚生大臣もそれと同じ考えでいらっしゃいますか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 私も大体そういう考えでおります。ことにゼロ歳児、少なくとも六カ月まではおかあさんの手で育てていただきたいと、これは私は心からそう念願いたしております。そういうようになれるような、やはり経済のあり方、あるいは所得のあり方というものが一番子供にとっては望ましいのじゃないか。もう生んだらすぐどっかへ預けて働きにいかなければならないという、そういう社会の状態でないような経済社会を実現をいたしたいと、かように考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いまの、いわゆる保育理論みたいなものは、どういう方がどういうところで発表されてという、その裏づけとなるものは一体どういうものでしょうか。それで、現在私は、たいへん古い考え方だと思うのです。そしていまの実情に合っていない理論だと思うのですよね。そういう理論に対して私は全く別な立場に立つわけなんですけれども、それは具体的にはどういうような学会で、どういうふうな観点から、またおたくのほうでそういう問題について話し合って、そして厚生省としてはこういう考え方だというようなものがありますか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) この点は先ほども申し上げましたように、中央児童福祉審議会におきましても御審議をいただいております。また栄養研究所等におきまして、先ほどの母乳の問題等については研究が進められておりますが、私どもも大体そういうものを集約いたしましての御意見を伺っておりますけれども、申しわけございませんが、ただいま手元にだれがどういう意見という資料は持ち合わせておりませんので、もし御入り用でございましたら後ほど提示して御説明させていただきたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それは何らかの裏づけがあって御発言になったと思うのですけれどもね、私は、やっぱり実情をもっと見ていただきたいと思うわけなんですよ。たとえば子供はおかあさんに見てもらうのがいいんだとおっしゃるけれども、おかあさんばっかりが見なければならないというのは、理論としては成り立たないと思うのですね。やっぱり母親とのスキンシップ確かに大事です。しかし子供を預けて、そして帰ってきて寝るまで、朝預けに行くわずかの時間のスキンシップでも交流というものははかれると思うのですね。やはり短時間であろうとも、ほんとうに母と子が交流できる、そういうものが大事だと思うのですよ。そうすると、いま乳児の保育、ゼロ歳から預かってほしいという母親たちの現状、要求のもとを考えますと、働かなければならない。働かなくてもいいというならこれまた一つの問題だけれども、現実に働かなければならない、経済的に。また私たち婦人の立場からすれば、社会的に貢献する、働くというのは、婦人にとっての一つの権利でもあるし、私たち当然のことだと思うのですよ、だから私たちも働きたいと。そうすると、働く交通事情から、その賃金の安さから、子供のめんどうから見ますと――おかあさん一日いるなんていったって、もし内職でうちにいたとしたって、おかあさんいらいらしているのですよね。母と子が一緒に家庭にいたって、ほんとうに局長さんも大臣も、そういう子供と母親、どんな交流になっているか見てほしいと思うのですよ。子供がもしものを言えたら、おかあちゃんから離れていたほうが楽だと言うだろうと思うのです、もう母親いらいらしているのですから。だからもう子供なりにヒステリー起こして、おっぱいかんじゃって、母親悲鳴あげるというような状態もあるわけですからね。だから私は、母親が見るべきだなんと言うのは、抽象的な理論であって、実際には母親と子供が交流できるような、そういう母親の見方というのが必要だと思うのですよ。しかし、それは保育所で集団的な教育を受けて、そして子供なりに自分を見詰め、そして連帯を子供なりにつちかっていくと、そういう集団の中で成長する子供のよさと、そして帰ってきたら、おかあさんもゆっくりして子供を保育所から連れてきて、そしてそこで、一日ほんとうによくお留守番したというような交流ができるということが、いまの保育、子供たちにとっても大事なことだと、そう思うわけなんですよ。だから子供は母親が見るべきなんだから、だからそのほうがいいということで押しつけるのではなくて、やっぱり現状の母親が、どういう状態の中から、どういう要求で乳児保育、ゼロ歳保育を特に望んでいるかという立場から、私は保育に対する政治の手を差し伸べていただきたいと、そう思うわけなんですよね。それからまた、子供のしつけの上からとか、医学的にとおっしゃるけれども、ゼロ歳から預けて子供が保育所に行って、そこで病気になりました、医学的に問題がありましたという例私は聞かないのですけれども、そういう例ございましたでしょうか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 個々の具体例につきましては、私もいま手元に資料はございませんので、先ほど申し上げました学者の意見等の中にあるいは含まれておるかと存じますが、もし例がございましたら、そういった資料を一緒に提示させていただきたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 もう無認可保育十年からやりましてね、そして非常に困難な環境の中で、もう保母さんたちが実にがんばってやってくださる。その中で医学的に子供がほんとうに――保育学校の、保母学校の教科書なんかには、子供が隣の子と手をつないだり、隣の子供の顔を見てにっこり笑ったりというような連帯ができてくる、そういう感情になってくるのはどれくらいだなんて書いてあるのよりも、実際もっと早くそういう集団保育の中で隣の子とにっこり笑ったり、手をつないだりという、とても発達というのが進んでますのね。そして医学的にむしろ私はそんな危険というものはなくて、そして子供の発達というのがどんどん進んできてると、そうするといま局長さんおっしゃった考え方、大臣も大体それに似てるっておっしゃる考え方は、実情と違って、非常におくれて――失礼だけれどもおくれていらっしゃるんじゃないかと、もう少し実態というものを見ていただきたいと、そういうふうに考えるわけなんですよね。で、まあそういうふうに見ていただきたいということと、現実にはその子供を保育所に入れなければならないというような問題になってまいりますよね。で、そのものに対して今後どういうふうに考えていただけるかということなんですがね。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) ただいま先生が御指摘になりました、集団保育が子供の人格形成に対して非常に必要なものであるという学説、これは零歳児につきましてもそういう学説が唱えられておるということは、私も一応専門の方からも伺っております。ただ、日本におきますまあどちらが多数説かということは、私も専門の学者ではございませんので申し上げかねるんでございますが、少なくとも私どもの承知いたしております限りでは、やはり少なくとも低年齢、特に乳児につきましては、できるだけ家庭で育てられるほうが望ましいということは、児童福祉の立場からは一応動かせないものであろうというふうに考えております。もちろん先生が御指摘のように、いまの生活環境あるいは核家族化による育児の経験の不足と、いろいろな社会の態様が変わってきておりまして、ただ母親がいればいいという性格のものでないことは私どももよく承知いたしております。また、乳児の保育あるいは幼児の保育につきまして、これが社会が責任を持たない、親だけの責任で、という考え方はもちろん持っておりません。児童手当制度も、そういったような育児に対する社会の責任ということを明らかにするという要素も含めて制定していただいたものというふうに私ども理解いたしておりまして、そういった面における協力というものは、これは国としても、社会としてもしなければならないということは十分考えております。ただやはり基本的な考え方といたしましては、家庭における保育ということは非常に大事なものであり、どうしてもそういうことが望めない状態にあるおかあさんにつきまして、これも社会的な婦人の立場ということも漸次評価されておりますし、また、この前も御指摘がございました五〇%をこえる既婚婦人の就労があるというようなデータから申しまして、やはり育児休業等が普及いたしましても、ある程度の乳児保育の施設ということは必要であることはいなめないと存じます。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、対策としてはややおくれておるかとも存じますけれども、乳児保育の特別ワクをふやし、また一般の保育の体制の中で、できるだけそういった必要最小限度の乳児保育が行ない得るような努力は今後とも続けていかなければならないと覚悟いたしております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 関連。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 ちょっと関連の時間はあとで延ばしてくださいますか、私の持ち時間の中で関連があるとだめだから。予算のときみたいに別ワクにしてね。

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) 五分間。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 黙って聞いていたのだけれども納得いかないのです。その点は、もしあなたのおっしゃるように、子供は家庭で、三歳児以下は家庭でとか、乳児は家庭でということになると、たださえ不足な看護婦さん、学校の先生、さらに保母さん、こういう人たちは一体どうするのですか。産後の、何といいますか、休暇は六週間ですね、長いところで八週間。それで、あなた三カ月以内は云々と、こういうことになると、そこに非常に問題があるし、乳児は母が育てるのが妥当だと言われるけれども、中国にしても、ソビエトにしても、あるいはチェコにしても、みんな産後休暇が終わると全部保育所で育てるじゃありませんか。そうすると、チェコにしても、ソビエトにしても、中国にしても、その子供はいけないということになりますか、りっぱに行き届いた保育をされた子供は実にしあわせそうに私は見ている。そういう点から、一部の人の主張に惑わされないで、ほんとうに、現実に必要だからこそ無認可保育所が次から次へ頼まれてふやさざるを得ない状態にある。しかも、無認可保育所がいかに困難しているか、苦労していらっしゃるか。必要なければそういう施設がふえるはずはない。それに対して厚生省は、古い考え方と言っちゃ失礼だけれども、子供は母が育てるのだということにこだわらないで、私は乳児保育をふやしてほしい。私、静岡県ですけれども、友だちが、始めてますが、始めたばかりでもう殺到するんです。そして今度――これは認可された保育所ですよ。それでまた今度施設をふやそうとしている。いかに働く婦人が苦労しているかということを考えて、子供のしあわせのためにも、私はそういう点ぜひふやして――たった八百人今度ふやす、乳児の。そういうことじゃとても困っちゃうのだけれども、少し考えてください、どうですか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 私もいま先生がおあげになりました諸外国の実情は必ずしもつまびらかにいたしませんのですけれども、おあげになりました諸国で、相当国民皆労働というような原則を踏まえた上での保育施設が整備されておるということは、仄聞いたしております。そういった点は、やはり私どもも率直に範としなければならない点であろうと存じます。ただたいへんことばを返すようで恐縮でございますが、やはり子供のためにとりましては、できれば母親が、これもやはり正しい育児知識を持って育てませんと、先ほど小笠原先生御指摘のような問題もあろうかと思いますけれども、そういった母親教育あるいは社会教育というようなことも並行いたしました上で、家庭で育てられれば、少なくとも乳児のためにはそれが一番しあわせであろうということは、私ども信念として持っておるわけでございます。もちろんその御指摘のように、それだからといって、現在の社会におきまして、どうしてもやむを得ない場合の乳児保育の必要性を否定するつもりは毛頭ございませんで、先ほど申し上げました八百という数は、これは特に低所得者のために補助の額を厚くいたしまして、特別な乳児保育、指定の保育所のためのワクが幾らであるかということを予算的に申し上げたわけでありまして、現在保育されております乳児の数は、先ほど申しましたように約一万弱という数になっております。もちろんこれは要保育乳児全体の中では相当少ない数でございますので、これを今後努力してふやしていかなければならないという点につきましては、私ども全く先生の御意見と同じ考え方を持っておる次第でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 小笠原さんがさつき言われたけれども……。

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) 藤原委員に申し上げますが、関連は、小笠原委員の質問が全部終わって、最後になおかつ関連があれば――それは特に藤原委員はお年寄りでございますから(笑声)そういう点でのちほど、小笠原委員の質問が全部終わるまで、そのあとでひとつお願いしたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それではこの前の十月のときの御答弁の中で、無認可保育は全国で約二千弱とつかんでおると、こうおっしゃったわけですけれども、それも私はたいへん数字的に問題になるんじゃないかと、そう思うわけなんです。東北六県ずっと入っております河北と書きます新聞ですけれども、河北新報というのですか、去年十一月四日に調査していますが、東北六県だけで無認可みたいなものが五百七十二カ所あると、こういうふうに調査しているわけなんですね。私どもも全国的なそういう調査もありませんけれども、非常にふえているということが実態なんです。それで農村なんかの場合にもほんとうに、四歳の保育園児がきょうは休んだから一体どうしたんだろうとさがしに行ったら、四歳の保育園児が赤ちゃんの保育をしているというような実態も出てきているわけなんですね。だから、特にこのごろ、農村で、非常に保育所の希望が多くなって、もうしかたない、自衛手段で保育所をつくっているというのが、いわゆる無認可保育というのでずいぶん数がふえております。  それから、ことしの三月の調べでわかったんですけれども、愛知県の安城市というところ、そこで――食品工場なんですけれども、そこの工場で、婦人の労働力確保のために保育所をつくるといって、その人数はゼロ歳から五歳までで、ゼロ歳十人含めて五十人預かっているんです。もちろん無認可なんです。全然資格のない保母さん三人です。そしてあんまり日当たりのよくない、がらっとした、あき家みたいなところに、すべり台とテレビ一台ずつ、日ももちろん当たりません。そして保母さんたち、ゼロ歳含めて五十人だからとっても手が回らないからというので、窓も入り口も全部締め切っちゃってるわけなんですね。そこで、ほんとうに、遊ばせるどころか、もう牢屋の中に入れているような状態なんです。で、おやつ代を十円取って、それでおやつを出していると言うんですけれども、一体何上げてんだということを聞いてみましたら、ミルクなんかやっていたら、手間がかかって、こぼしたりするから困ると。ですから甘いおかしをぽっぽっぽっと入れちゃうわけなんですね。そうすると、子供が、虫歯になったり、いろいろと健康的にも悪いと。そういうような状態を見ますと、全くもう――無認可という必然的にこういう要求からつくられてきた保育所の数が圧倒的に多い。二千やそこらの数じゃないということと、そこに置かれている状態というのが、ほんとうに子供の牢獄みたいな感じがいたしました。もう子供たちが歩くことさえも自由にできない。農村なんかへ行ったら、昔ながらに、くいに子供をしばりつけてというような、そういう状態に置かれているわけなんですね。そういうような状態も、厚生省として実情調査なすったことがあるんだろうか、それでなおかつ、無認可というのは二千弱というふうにおつかみになっていらっしゃるんだろうか。私はたいへんそこに差があるように思うんですが、いかがでございましょうか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 前回お答えいたしました二千弱という数字は、昭和四十四年の五月に私どもが調査いたしました無認可保育所の実情でございます。その際上がってまいりました数が二千四百七カ所、そのうち事業所内保育施設が四百十一カ所ございまして、それを差し引きまして、いわゆる無認可保育所約二千というお答えを申し上げたわけでございます。  それで、先生ただいま御指摘の河北新報の記事、私も不勉強でございましたが、先生から御指摘をいただきまして、私どもも東北の二、三の県につきまして再度実情調査いたしまして、確かに先生御指摘のように公的な――公的なと申しましても、まあ市町村関係のものもございますし、それから部落で設置しておるもの等もございますが、無認可保育所的な施設が幾つか現在ふえてきておるという実情は承知をいたしております。その点におきましては、現在、小規模保育所の制度、これは先生御案内のように、過疎地におきまして、普通の保育所が六十人の定員を最下限といたしておりますのに対して、三十人までの定員の減を認めるという制度をとっておりますが、過疎化の進行の段階におきまして、なお過疎地としての一般的な指定を受けないというようなところにおきまして、経過的にこういう制度が――制度と申しますか、実態が発生しておるという事態が多いようでございまして、こういった点につきましては、私どもも、自治省とも十分に話し合いをいたしまして、過疎地域の実態に合うような制度の手直しをはかってまいりたい、そのように考えておる次第でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そういうようなわけで、非常に実態が最近ふえておりますのですね。そうして、自衛的につくったけれども、子供の置かれている環境というのは、非常に悪いという中で子供が置いていかれているということを確認しておいていただけばそれでいいわけなんです、事実としてはね。  それで、いまおっしゃいました僻地保育所だとか、それから季節保育所というようなものが通知で出されまして、今年度も予算がついているわけなんですけれども、こういう過疎化されて僻地になったようなところというようなのは、やっぱりそこで保育するということが不十分だということで、当面こういうことをしなさいという趣旨で、この通知出されて予算もつけて実施されたと思うわけですね。そうすると、これを出されたというのは、やっぱり問題にいつでも出ます二十四条のただし書きの項に従って、そういう保育に必要なものということで出ているというふうに理解してよろしゅうございますね。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 御意見のとおりだと考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そこで私がふしぎに思いますのは、過疎化されて保育をしなければならない、そのときには僻地保育というようなので、特別保育対策として予算もおつけになっている。そうしたら、先ほどから出てます無認可保育というものも、今度は過密の中で、東京なんかの場合だと過密の中で、当然この前も確認していただいたように、子供を保育するというのは、市町村が主体で、国もそれに責任を持つという形で責任があるわけなんですね。しかし、それがさっき言ったように、施設がなくて入れないというために、そこに無認可保育がつくられて、そしてこれが責任を負って苦労の中で保育しているわけですね。そうすると、これもやっぱりあの二十四条ただし書きに適用する保育だと、保育される児童だと私は認めざるを得ないわけなんですがね。それどうなんですか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 二十四条ただし書きで御指摘になりましたのは、市町村長が保育に欠ける児童を原則として保育所、結局まあ法律で保育所と申せば認可の保育所になるわけでございますけれども、保育所に措置しなければならない。ただし、特別な事情がある場合には、その他の必要な保護を加える、そのただし書きのことを御指摘になったんだろうと、そういう前提でお答え申し上げたわけでございます。この前もお答えいたしましたように、僻地保育所あるいは農繁期等の季節保育所につきましては、これは全般的なその設置自体につきましての補助金を出しておりまして、措置費の形での補助は現在制度といたしましてはいたしておりません。ただ、法律解釈といたしましては、二十四条ただし書きで市町村長が措置をすると、措置をすると申しますか、必要な保護を加えるという中には解釈上入ってまいるということを御説明申し上げたわけでございまして、無認可保育所につきましては、結局僻地保育所あるいは季節保育所というようなものは、正規の認可保育所に比べまして、やや略式と申しますか、簡単な形での保育が行なわれております。認可保育所では、最低基準の規定、あるいは予算で規制しております法規準というようなものに基づいて、一定のレベルの保育の内容を保障するという形をとっておりまして、私どもといたしましては、やはり子供の立場に立って考えますと、福祉の面からは、そういった最低の基準はぜひとも守りたいという要請が最も先行するわけでございます。それと先生御指摘のように、実情に照らしてどこまでそれを簡略化することが許されるかということとのジレンマがあるわけでございまして、私どもといたしましても、そういう御指摘を受けますと、かなり頭の痛い問題ではございますが、やはりいまの考え方といたしましては、この前申し上げましたように、正規の保育所をできるだけ早く整備いたしまして、それでまかなえるようにいたしたいという考え方を持っております。ただ、簡略化するという、季節保育所あるいは僻地保育所というような形もすでに現実にあるわけでございまして、実情とにらみ合わせて、できるだけ総体的に福祉を向上するためにはどこまでそれが考えられるかというような点は、私どもも必ずしも現在の制度につきまして固執するということでなしに、弾力性を持って今後検討はいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そこで、大臣の御登場をいただきたいわけなんですけれども、いま私が言いましたのは、現実に子供を守るという母親がいろいろな事情で守れない。そのためには、国や自治体が責任を持って守らなければいけない。そういうものを保育所に入れるんだけれども、保育所がないときは、ただし書きでこういうふうないろんな措置をしなさいということで、たとえば僻地だとか、農村の忙しいときには、季節保育所というところで、一応厚生省の予算にもあげて、そして何らかの補助というものを、お金出してくださっているわけですよね。それと、たくさんの子供たちをかかえて無認可保育でやっているのだけれども、同じ条件でやっているわけですね。当然国や自治体が責任を持たなければならない、その子供が、国や自治体の責任で保育所がないからというので、それを肩がわりして無認可保育所がやっているのだと。しかも、それはここにいわれる二十四条ただし書きの児童と対照できるのだということになれば、そうしたら、これも、たとえば僻地を認めて補助金をお出しになるのだったら、この無認可にも少なくとも措置費なんかというので、たくさんの金は出せなくても、それくらいのことは、御苦労だという形で出していただくというような、そういう日の目を見た予算を組んで、厚生省では考えていただけないのかというのが、この前からの繰り返しなわけなんですよ。そして、局長さんおっしゃいましたように、福祉の立場から考えれば、最低三十人の小規模まで持ってきてほしいと。私たちもそこへいきたいんですわ。いきたいんだけれども、そこへいけないで、もうあがいている状態の中の苦しさから、何とかしてそこのところで、この子供たちのために政治の光を当ててほしいというところなんですね。考えていることは同じなんだけれども、おたくのほうは来いとおっしゃるんですわ。こっちは上がろうと思うんだけれども、その上がるはしご段ができないから、何とかそこをつくってください。そうしたらこの僻地や季節保育所なんていうんで認めて、何ぼか予算を取ってくださるなら、無認可保育所にもそういうような考え方で御処置をいただけないだろうか。まあ考えたいというふうにおっしゃっていましたので、具体的にそれじゃどういうふうに考えていただけるか伺わせていただきたいと思うのです。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 無認可保育所に対して、何らかやはり公費で補助をする道を開かないかという御趣旨だと思います。前にもお答えをいたしておきました無認可保育所を、認可保育所にできる、だけしてまいりたい。どうしてもできないものにつきましては、やはりいまおっしゃるように、何らかやはり援助をしたほうがいいのじゃないかと。で、いま児童福祉審議会の関係の部面でも、そういう点を検討してもらっておりますが、これはつぶしてしまうというのではなくて、いま現実にあるわけであり、また、そのためにそれをよけい助長していくということではどうかと思いますが、そこらの辺をかね合って考えてみたいと、かように思っております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そういうことで、この前十月のときも、この問題ずっとお話ししまして、たいへん積極的なお答えいただいたわけなんですが、そのときに、いろいろ定数の問題も、三十人というのが、小規模の限界なのか、あるいはもっと小規模ということを考えることができるのかどうか、そのことも検討しましょうということをおっしゃいましたね。それからいまの大臣おっしゃいましたように、無認可について、何らかの、どんな形になるにせよ、何らかの具体的な財政措置についても考えるという、検討しようと。あのときは、この次の委員会とおっしゃっていましたのですから、もう十月中には何か御返事いただけるというふうに考えていたわけなんですが、その後、半年たちましたので、どういうふうに具体的に――この前と同じお答えじゃちょっとぐあい悪いので、どういうふうに半年のあと経過しましたか、お答えいただきたいんですが。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) まず、基本的な考え方は、いま大臣から申し上げたとおりの方向で、大臣の御指示を得まして検討いたしております。前回の御質問の際のお話といたしましては、できるだけ早くという御要望、これは当然だろうと思います。私どもといたしましても、そういう方向で検討いたしますことは、できるだけ早く結論を出さなければならないという努力はいたしておりますが、これはやはり予算上の手当てを要するものでございます。御承知のように、特別保育対策といたしまして、僻地保育所あるいは季節保育所につきましても、これは予算上の経費が計上されておるわけでございまして、したがって、この対策につきましては、やはり新たな予算的措置をどうしても必要とするという点がございますので、具体的の方策はいまいろいろと考えてはおりますが、四十八年度の予算の要求の段階までに、ひとつ具体的にどういうことができるかというようなことも含めまして検討させていただきたい。  それからもう一点は、大臣が申し上げました基本的には認可保育所にできるだけするようにして、正規の措置費を出せるようにしたいと。これはもう関係者がひとしく一番御希望の点だろうと思います。で、現在認可保育所にいたしますためには、一つは定員の問題がございます。しかし、私どもで調査いたしました段階での分類を見ますと、定員といたしましてはむしろ三十人以上というのが、数として圧倒的に多いのでございます。したがって、定員だけの問題ではないので、一つは、社会福祉法人の認可の面につきまして、いろいろと――これはこういう法人でございますからかなりきびしい規制があるのは当然でございますけれども、保育所というような特異なお仕事をなさいます場合、特に、具体的に申しますと、都会地におきます土地の取得の関係がございます。こういったことがネックになりまして、相当りっぱな規模を持っておられる無認可保育所が、あるいは個人立の保育所が、そのために法人になれないというような実情もございますので、これは社会福祉事業法の運用でございますし、福祉法人全般に通じますので、なお結論を申し上げられる段階には至っておりませんけれども、やはり保育という事業の特殊性にかんがみまして、こういった面におきまして、まあ理屈のつきます限り特例を認めまして、できるだけ認可保育所に、社会福祉法人として認可できるような形に改正してまいりたい。そういったことも含めまして、こちらのほうは、できれば年度のかわりを待たないでも、結論を得ればやりたいというふうに考えておる次第でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それで、いま私が問題にしていますのは、ほんとうに小規模で、十五人未満というようなところが一番いま苦労していますんですよね。そういうところが、非常に要請もありまして、たとえば保育所へ入れてほしいといって福祉事務所へ行きますと、公立はここも満員だし、ここもゼロ歳は預かってくれない、だからあそこの何とか保育園へ行きなさい、あそこは無認可だけれども、乳児やってくれて、いい保育やってくれますよというように、福祉事務所がもうそっちをたよりにしているわけなんですよ。そういうような状態で、無認可保育をやっている者からすれば、国がやれなかったことを、ほんとうに肩がわりしてやっているんだという立場に立たれるわけなんですね。だから、そういうところに何とかの補助というものを、私は切にお願いしているわけなんですわ。それで、四十八年度要求の段階では、何とか考えていこうというようなお話だったんですが、それはほんとうにことしつけてほしいけれども、来年度は何とかそこまでやってもらえるということで期待しています。よろしいですか、期待していて。がっかりさせないで。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) これは予算のことでございますから、私だけがお約束はできないわけでございますけれども、いま申しましたように、私自身所管局長といたしましては、できる限りそういう方向で努力をいたしたい。また大臣からもそういう御指示をいただいておるということをお答え申し上げたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それで、ほんとうに来年度期待するわけで、大臣も、ぜひまた大臣になって責任を果たしていただきたいわけですが、いろいろそちらの御事情もおありと思いますが、どうか、そういう点忘れないで、来年度は必ず無認可にも日の当たるような予算を組んでいただきたいと思うんです。いままで聞いていますと、もうすべて予算措置ができないからと。たとえば局長さん、この前おっしゃいましたね、私が最低基準の五十八条を持ち出したときに、これはここに書かれているとおりだから、これで言われればそれはそのとおりだと。だけれども、これには財政的な措置――最低基準と同時に、予算の面の交付基準もこれは法律に基づく委任事項でございます、というような御答弁を私見たんですけれども、つまるところ六十人定員だと言っていたけれども、社会の要請で三十人ぐらいでもいいということで三十人まできましたよね。これがほんとうに今度具体的に調査されれば、必ず私は十五人でもいい保育ができると。しかも、そのほうが各地域にばらばらにできて、おかあさんも子供も、交通事情からもたいへんいいということになると、私は確信しておるわけなんですよ。だから、その五十八条というものをもう一度検討してもらいたいと言ったら、それじゃ検討しますと、三十人でなきゃなんないということは固執しませんとおっしゃいましたね。しかし、そのあとについてくるのがそれだけではございませんで、予算的な問題もございますというのが最大の根本的な問題になるわけなんですね。  そこで私は、はっきりさせたいんだけれども、私たちは子供の立場から考えて、児童福祉の立場から考えて、憲法の精神から考えて政治というのはしなければならない。財政的な、行政的な理由から、これだけかないから、これはだめなんだというのでは、政治の姿勢が全く逆だと思うんですね。この間私、特殊教育の障害児の教育のときも言いましたけれども、この学校になじまないから、おまえは学校に来なくていいというのじゃなくて、この子供に合うような、この子供のためになるような、そういう教育というものをしていかなければならない。だから、いすに合わせて足を切るんじゃなくて、足に合わせていすをつくるという考え方、そうすれば、保育所の問題も、この子供を守る立場から保育所を考えなければいけない。ところが、予算がないからというんで、保育所は入れません、それは無認可に行きましょう、それはおかあさん見なさいというように、全部もう逆になっているんですね。だから、そこんところははっきり考えて、これからも奮闘していただきたいと思うんです。  それで、時間の催促きましたから、最後に、大蔵省すみません、お願いしたいと思うんですけれども、先ほど萩原さんからもおっしゃったけれども、ほんとうに大蔵省というのは、何て血も涙もない、顔を見ればそうでもないんだけれども(笑声)考えてもらえないのかなあなんて私もちょっと考えちゃったんですけれどもね。で、この厚生省の予算を査定なさるときに、どういうふうに査定なさるんだろうというのが私の疑問なんです。そうすると、大体予算要求は二〇%くらい増しで要求しなさいということで、概算の予算要求を出しますよね。で、それをぱっぱっとお削りになるわけでしょう。私は、厚生省なんていうところの予算というのは、うんと、先ほどおっしゃったようにもとが低いんだから、だから、厚生省の予算というのは、もう出してきた予算を、これをかなえてやるためには、一体、全体の国家予算の中でどっかむだづかいがあるんじゃないかというふうに、どっかもう憲法の精神に従って人間としてとうとばれるような、私たちの生活を守るほんとうの政治の立場から、この予算はちょっとこっちは削って、これは厚生省に当然出すべきじゃないかというような立場で予算考えていただけていたんだろうかというのが、疑問なんですよね。でも、ほんとうに厚生省の予算だけですね、一円、二円というのが削ったり削られたりするっていうのね。この間も見て私ほんとうに考えちゃったんですよね。それできょうは具体的に、たとえばどういう立場でその予算考えていらっしゃるのかということをお聞きしたいことと、それからむだづかいなんかずいぶんなすっていらっしゃるのがあるわけなんですね。たとえば私調べてもらったの、こんなむだづかいあったら、予算、厚生省に回してもらいたいというようなもの、どっかむだづかいしてないのって聞いたら、一つきょうの調べてもらってわかったんですけれどもね、日本航空機株式会社ってあのYS11つくっている会社で、研究開発、まあ製造もしていますよね。そこで四十七年度で赤字が出たっていうので、国の予算から三十七億政府出資するということになってんですね、三十七億出るわけなんですよ。それでなぜこの日本航空機株式会社が赤字出したんだ、三十七億円も赤字出したんだって調べてもらったら、アメリカのシャーロット・エア・クラフト・コーポレーションという会社と契約してて、そしてその会社から手数料というの、これは全然理屈に合わない手数料向こうに取られちゃって、十億円損したっていうわけなんですよね。それから今度この十億円取られた不当な手数料だというのは、会計検査院も不当な支払いだというふうに指摘している。全くこれ十億円取られちゃってんですね、不当なお金を。それから今度、航空機の大メーカーがYS11を直接開発しているんじゃなくて、この日本航空機株式会社に委託して開発させていますのね。その委託して開発させていて、そして赤字になったんだ、そうしたら頼んで開発させた大メーカーが払えばいいのに、これ赤字になったからというんで、また国家予算から出すわけですよね。そんなの三十七億あるんですよ。そうしたら、こんなひどいの、大資本が当然払わなければならないお金、不当な、手数料だなんて取り上げられたお金を、会社で処理しないで、私たちの税金から三十七億も取っちゃっている。これ一つの例だけれども、こんなのたくさんあると思うのですわ、大蔵省のほうでしっかり見てくださればね。そういうようなのもにらみながら、厚生省の予算というのが、直接、みんなの希望でもあるし、ほんとうに命を守り、健康を保持するためのこういう予算なんだという立場で、予算というときに考えていただけないものだろうか。具体的にどういうふうになっているのか、そこを教えていただきたいと思います。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○説明員(渡部周治君) 予算につきましては、各年度、年度における社会のニードをにらみ合わせながら、適正な配慮をしていくという基本的なたてまえであります。現在の国民の輿望といいますか、要望が、国民福祉の拡充にあるということにあることは、われわれも十分承知しておりまして、四十七年度予算におきましては、不十分という御不満はあるかもしれませんけれども、たとえば老人医療費の無料化とか、老人福祉年金の拡充とかといったような措置で、われわれとしましては、福祉予算の第一歩を踏み出したと考えておるわけでございますが、今後ともこの点につきましては、十分財政上の配慮を加えていきたいというふうに考えております。  それから先ほど御指摘になりましたむだづかいの点につきましては、これは会計検査院の御指摘、あるいは国会における決算委員会等の御指摘、いろいろございます。これらにつきましては、もちろん血税のむだづかいということは戒めなくてはならないわけでございまするので、そういう点も切り詰めまして、効率的な、あるいは国民の要望される面について、財政支出を拡充していくということにつきましては、財政当局としても今後一そう努力をしてまいりたい、かように考えております。

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) 藤原さん、どうしますか。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 時間がないのでやめます。社労でやります。

塩出啓典公明党

○主査(塩出啓典君) 他に御発言もなければ、以上をもちまして、厚生省所管に関する質疑は終了したものと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時六分散会      ―――――・―――――

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