P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
68回国会参議院1972/04/26

予算委員会 第18号

発言数
25
登壇者
8
会派数
3
開催日
1972/04/26

会議録

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) それでは、ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十七年度一般会計予算  昭和四十七年度特別会計予算  昭和四十七年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。  本日は、各分科会における審査の経過につきまして、主査の方から御報告を承ることになっております。  それでは、これより順次報告をお願いいたします。  まず、第一分科会主査平島敏夫君、お願いいたします。

平島敏夫自由民主党

○平島敏夫君 第一分科会における審査の経過を御報告申し上げます。  当分科会の担当は、昭和四十七年度予算三案中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(防衛庁、経済企画庁、科学技術庁を除く。)及び法務省所管並びに他分科会所管外事項であります。四月二十二日、二十四日、二十五日及び本日の四日間にわたり関係各大臣より説明を聴取し、各委員より熱心な質疑が行なわれました。  以下、それらの質疑のうち、おもなるものについてその要旨を御報告申し上げます。  皇室費につきましては、天皇がお使いになっている皇居内の生物学研究所は簡素な木造で手狭とも聞くが、これを完備する必要があるのではないかとの質疑がありました。  これに対し、瓜生宮内庁次長より、生物学研究所は、天皇が研究になった生物学の標本を保存しておって不便をおかけしていたので、数年前標本貯蔵のため別棟の鉄筋の建物を新築し改善をはかり、現在は不便をおかけしていないとの答弁がありました。  国会につきましては、参議院改革の一環として、委員会会議録を地方公共団体、学校等に国が予算措置をして配付する考えはないか。また、国会職員の給与改善の具体策等について質疑がありました。  これに対し、国会事務当局より、現在本会議録は官報に載せて公開しているが、委員会会議録は、国会法、衆・参両院の規則で「議員に配付する」となっており、本会議録とその取り扱いは違っている。また委員会会議録の印刷配付を国の予算でやるのがいいか、必要とする自治体などの費用で購入してもらうのがいいか、今後の検討課題としたい。さらに国会職員の給与や待遇については、国会職務の特殊性を十分配慮しつつ、さらに一般公務員とのバランスをも勘案して、改善に努力したい旨の答弁がありました。  裁判所につきましては、裁判官、書記官、事務官などの人員不足と下級審裁判所の狭隘なことが裁判遅延の大きな原因ではないか、また家庭裁判所の調停員は六十歳、七十歳の人が多く年齢構成が高過ぎるのではないかなどの質疑がありました。  これに対し、吉田最高裁判所事務総長等から、裁判所職員の増員は定員との関係もあって困難ではあるが努力したい。また全国にある下級審裁判所の庁舎の中には、終戦直後に建てた木造建てのものが相当残っており、執務環境も事件審理の条件もよくないので、ここ数年その改築に努力しており、四十七年度も二十七庁舎を増改築することにしている。さらに家庭裁判所の調停員の年齢が高いのは御指摘のとおりで、最高裁判所としても、新しい家庭の倫理などの見地からも、年齢が高過ぎる点は問題もあろうかと思うので、検討したい旨の答弁がありました。  総理府につきましては、四十一年に社会保障制度審議会から申し入れのあった、公的年金の調整とその抜本改正案の検討状況、台風常襲地帯審議会のように三十九年以来開かれたことのない審議会や調査会等については統廃合を検討すべきではないか。四十七年度の沖繩開発庁関係の予算は、琉球政府の公共事業関係費予算に比べてどのようになっているか、また琉球政府の予算執行は例年多額の使い残しが生じていると聞くが、四十七年度予算の消化見通しはどうか。さらに、総理府予算に新生活運動助成費三億二千万円余を計上して、政府がほとんどまるがかえでこの種の道徳運動をやることの是非、さらにまた、青少年対策と名のつく施策が、十一省にもまたがって行なわれているのは問題で、総合調整の役割りを持つ総理府が一本化の方向で努力すべきではないかなどの質疑がありました。  これに対し、山中総理府総務長官並びに中村行政官理庁長官などより、公的年金の調整については、昨年から四つのグループに分け、それぞれのグループの中で調整の方式、財源等の問題を検討しているが、まだ結論をだせる段階には至っていない。台風常襲地帯審議会が長期にわたって開かれないのは、近年大きな台風災害が発生していないということにもよるが、それにしてもその活動状況は遺憾である。ただ復帰後の沖繩を「台風常襲地帯における災害の防除に関する特別措置法」の中でどのように取り扱うかの問題もあるので、この審議会に審議してもらう必要がある。  四十七年度の沖繩開発庁の予算は、七百六十二億円で、これは四十六年度の琉球政府の開発庁関係相当の予算額が四百二十五億円であったから大幅に増額している。また、そのうち公共事業関係費は二百九十億円で、これは四十六年度の琉球政府予算に比べ九十億円増額されている。予算の消化については、琉球政府の行政能力をこえる米国の施政権下に置かれていること、日本政府の援助費使用には、日米両国政府の協議決定が必要なこと、さらに最近のドル問題の影響も軽視できないこと等のために使い残りが生じていたが、復帰後はそうした問題がなくなるので、十分消化できる見通しである。  新生活運動については、従来から地方の新生活運動協会が、国費計上の半分程度を出しており、昨年からは中央協会でも浄財を集めることにしている。さらに全国津々浦々の小さな善行が社会並びに国との連帯感を持たせる意味でもこの種の運動は続けたい。しかし新生活運動が惰性に流れることのないよう、その存廃を含めて常時検討を怠らないようにしたい。青少年対策については、総理府に総理大臣を本部長とする青少年問題協議会が設けられているが、青少年対策の全部を総理府でやるわけにはいかないが、協議会設置の趣旨にのっとり青少年対策の統合と調整がはかられるよう一そう努力したい旨の答弁がありました。  環境庁につきましては、皇居周辺の環境整備とその保全対策、広大な国立公園の自然環境を守るためには管理人の数が少な過ぎるのではないか。またPCB公害が広範囲にわたって起きているが、その代替品の製造販売が十分な毒性検査も行なわれないまま行なわれていくのは危険ではないか。PCB汚染の魚介類が発見された場合は、直ちに採取禁止の水域や海域を指定し、早急に総点検の措置をとるべきではないか。原子力発電が大型化し、しかも立地が若狭湾等三カ所に集中していることは生活環境保全の上からも問題ではないか等の質疑がありました。  これに対し、大石環境庁長官並びに政府委員より、皇居周辺の環境整備については、建設大臣の私的な諮問機関として懇談会が昨年十二月に発足し、内堀通りの車道を地下道にする問題を含め、国民公園としての皇居前広場の環境整備と保全計画を検討中である。  四十七年度予算の国立公園管理人の定員は六十二名であまりにも少な過ぎる。せいぜい百五十人程度はほしいと思っている。それと同時に、国立公園の自然環境を守るためには、管理人に相当の権限を持たせる必要があると考え、自然環境保全法案には、こうした点を織り込んで立法したい。  PCB公害に伴う代替品の販売については、その安全性を確認してから製造、販売すべきであるが、ただノーカーボン紙が使用できなくなり、これにかわる適当なものがなかったためではないかと思う。PCB汚染が発見された場合、漁獲を直ちに禁止するのは確かに一つの方法ではあるが、その汚染が人体にどう影響があるのか、食用に全く向かないものであるかなどの科学的な判断の基準がないと、行政としてはやりにくいので、早急にそうした基準ないしは暫定指針をつくって対処したい。  原子力発電からの環境保全対策としては、発電所の建設が過度に集中することは決して好ましいことではない。また若狭湾のように大規模観光レクリエーション基地の候補地となっているところでは、建設に十分な配慮が払われなければならない。なお今日まで原子力の問題は科学技術庁に一任していたが、原子力発電に伴う温排水による公害の危険や使用済み燃料の処理等生活環境に大きな影響を及ぼすことが予想されるので、これまでの姿勢を改め環境庁としても前向きに積極的に取組みたいとの答弁がありました。  法務省につきましては、五月十五日の沖繩の本土復帰に伴う恩赦に公職選挙法違反者を含めると伝えられているが、民主主義の根幹である公正な選挙を育てる上からも、軽々に恩赦の対象にすべきではない。また受刑者の事業収入は年間七十億円もあるのに、賞与金として受刑者に与えられるのはわずか五億円にすぎない。受刑後の更生資金として増額すべきではないかとの質疑でありましたが、前尾法務大臣並びに政府委員より、恩赦は一般論としては、受刑者が再び犯罪を犯すことのないようにという刑事政策的配慮による個別恩赦を重視すべきであるが、沖繩の本土復帰という国家的慶事を国民全部で喜びたいという考えもあるので、各方面の意見も聞いて、その調整を慎重に検討したい。また受刑者の賞与金については、労働に対する報酬という性格のものでないことは明らかであるが、四十七年度は一〇%引き上げて年一万二千円にした。しかし出所後の自立更生に役立てるという賞与金の主旨から考えると、低過ぎるので、今後とも引き続きその改善をはかりたいとの答弁がありました。  最後に、去る四月二十四日の総理府所管の予算審議の際、憲法の啓発に関する質疑応答の中で、山中総理府総務長官が「現行憲法は押しつけられたもので、文章も日本人がつくったものでないと思う」との答弁が行なわれましたが、これはたとえ私見と断わっても、現職国務大臣の発言としては問題であり、取り消すべきではないかとの質疑が、四月二十六日あらためて山中総理府総務長官の出席を求めて行なわれました。これに対し、山中総理府総務長官より「現行憲法を押しつけ」と答弁したことは、憲法九十九条の憲法尊重擁護の義務にかんがみて不謹慎であり、はなはだ遺憾であったので、憲法に触れた部分はこれを取り消したいとの答弁がありました。  以上で第一分科会の報告を終わります。(拍手)

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) ありがとうございました。  次に、第二分科会主査内藤誉三郎君。

内藤誉三郎自由民主党

○内藤誉三郎君 第二分科会が担当いたしました大蔵省、経済企画庁、防衛庁、外務省及び通商産業省所管の審議経過につきまして、おもなるものを御報告申し上げます。  まず、大蔵省所管につきましては、「今後高度の経済成長が期待できない中で福祉重点型の財政を進めていくためには、税制改正や新税の導入などしてもなお巨額な国債発行が必要と思うが、どのような見通しを持っているか、財政投融資計画を国会の議決対象にする考えはないか、為替管理改策の今後の方向についてどう考えているか」などの質疑がありました。  これに対し水田大蔵大臣より、「実質成長を年七、八%で定着させることを目標に、福祉重点型の予算を組みたいが、そのためには国債政策を積極的に活用するとともに、物品税を洗い直して間接税を重くし、また受益者負担の原則をはっきりさせることが必要である。  財政投融資計画を国会議決の対象にすることには二重議決の問題があるが、しかし方法いかんによってはそうならない場合も考えられるので、財政制度審議会の答申を待って来年度予算編成に間に合うように結論を出したい。為替管理政策は自由化の方向へ持っていきたいが、短期資金の流入規制は今後も引き続き維持、強化していく考えである」との答弁がありました。  このほか、金融インフレの実態と原因及び対策、円切り上げが外為会計、日銀勘定並びに民間企業に及ぼした影響、企業の為替差損を救済する一方で差益を見のがしている問題、第二外国為替資金特別会計についての基本構想、付加価値税導入についての考え方、四十七年度内減税の可能性、厚生年金、国民年金の還元融資のあり方、たばこ専売事業の今後の方向などについて質疑が行なわれ、水田大蔵大臣及び政府委員よりそれぞれ答弁がありました。  次に、経済企画庁所管につきましては、「政府は今後の経済成長見通しについて各種のパターンを考えているようだが、来年度から発足を予定している新長期経済計画ではどのような成長率を想定しているか、また福祉重視型の長期計画では社会資本と社会保障とどちらの充実を優先する考えか、四十六年度の消費者物価見通しと公共料金引き上げが消費者物価に及ぼす影響はどれくらいか。」などの質疑がありました。  これに対し木村経済企画庁長官より、「現在あらゆる可能性をあげて各種パターンの試算作業を行なっている段階であるが、社会資本の充実、福祉型経済への移行を重視した場合、個人的見解であるが望ましい実質成長率は八、九%に落ち着くものと考えている。また、これからは個人消費よりも社会的消費の重要度が高まっていくので、原則としては生活に関連する社会資本の充実を社会保障に先立って行ないたい、四十六年度の消費者物価上昇率は政府が先に出した実績見通しの六・一%を下回って五・七%程度になるものと思う。また今年予想されている各種公共料金値上げが物価へ及ぼす影響は、国鉄運賃値上げを六月から実施した場合、消費者物価指数を〇・六六%押し上げる程度と試算され、間接的な影響をも含めると〇・八七%になる。」との答弁がありました。  このほか物統令廃止後の米価の動向及び上昇する米価の抑制策、円を切り上げても輸入品価格が下がらぬ理由、輸入総代理店制度と公正取引委員会の態度、商標権と輸入品価格との関係などについて質疑が行なわれ、木村経済企画庁長官及び政府委員よりそれぞれ答弁がありました。  次に、防衛庁所管につきましては、「在日米軍は関東平野の空軍施設を横田基地に集約移転する計画のようだが、防衛庁は基地全般の整理統合及び跡地利用についてどのような考えをもっているのか、退職自衛官が防衛庁の発注を多く受けている特定企業に集中して再就職しているのは産軍癒着の疑惑を招くおそれはないか」との質疑がありました。これに対し江崎防衛庁長官及び政府委員より、「基地の縮小整理については、米軍の政策変化を踏まえて今後の基地のあり方についてプロジェクト・チームをつくり全面的に再検討するつもりである、返還後の基地の跡地利用については自衛隊優先の考えはなく、土地の所有関係その他を考慮し各方面と話し合って合理的に解決したいが、費用も相当かかるし時間もかなり要するものと思う。装備の国産化が進む中で、退職自衛官が少数特定の防衛関係企業に集中的に再就職するのは確かに問題があるので、いやしくも産軍癒着の疑いを生じないよう最善の努力をする所存である、最近では退職自衛官の能力が民間企業でも高く評価されるようになったので、これからは防衛産業でない企業への再就職あっせんを積極的に進めていきたい」との答弁がありました。  このほか自衛隊のあり方について新しい防衛構想、四次防原案の結論が出る時期、弾薬庫移転問題とニュータウン建設計画の関係、自衛隊演習地周辺の地元住民対策、六一式戦車をめぐる問題点、海上自衛隊の日米合同演習、将来における核装備の可能性、日本の基地から米車のベトナム出撃などについて質疑があり、江崎防衛庁長官及び政府委員よりそれぞれ答弁がありました。  次に、外務省所管につきましては、「日中国交正常化について中国側は前提条件として日華条約の廃棄を主張しており、見ようによっては熱意を疑わせるものがあるが、中国の真意をどう受け取っているか。また日米安保条約による事前協議は、空洞化どころか実情はないにひとしい。日米間で再検討の話し合いをするというが、目的と内容、時期を明らかにせよ」との質疑がありました。  これに対し福田外務大臣より、「日中国交正常化は歴史の流れであり最大課題であるが、台湾に国府が健在する以上、三原則の中の日華条約廃棄をすぐ受け入れることは困難である。しかし政府は、中国は一つであり、中華人民共和国が中国を代表する政府だとの認識に立って、わが国の立場を十分踏まえて政府間交渉を呼びかける努力をするつもりである。また事前協議の再検討は安保条約を変更するということではなく、運用面について日米間の見解を調整し整理するのが目的であって、戦争に巻き込まれない歯どめをゆるめることではなく、疑義を生じないようきちんとした文書交換になるだろう。いずれにせよ日本の基地が米軍の戦闘作戦行動に使用されないよう、形式でなく実態的に詰めて日米間の合意を得たい。話し合いの時期は大体秋以降になる」との答弁がありました。  このほか国民外交展開の基本姿勢、ベトナム戦争激化と対米外交方針、ASPAC会議に臨む政府の態度、外務省の内外広報活動のあり方、在外公館員の拡充と待遇改善策、海外経済協力の行政一元化、南北ベトナムに対する援助の内容^沖繩VOA放送のチェックの方法、在日外国留学生対策などについて質疑があり、福田外務大臣及び政府委員よりそれぞれ答弁がありました。  最後に通商産業省所管につきましては、「最近、米国の日本に対するアンチ・ダンピング法の適用強化のやり方ははなはだ不法であり、放置すれば保護貿易主義が全世界にびまんし、日本の輸出前途に重大な影響があると思うが、急ぎ解決の方法を考えているか、またわが輸出を法的に規制する考えを持っているか」などの質疑がありました。  これに対し田中通商産業大臣より、「確かに米国の態度には、本来非難さるべきダンピングを調整するというよりも、保護貿易の手段と見られる節があるので、放置することはできない。そこでさきにきめた日米間通商交渉一年休戦などといわず、近く開かれる専門委員会などを通じ可及的すみやかに話し合いを進め、お互いに対抗手段をとるような最悪事態にならぬよう事前の調整に努力する考えである。  また輸出規制については、直接これを行なうと景気浮揚に悪影響を及ぼすばかりでなく、日本経済に不必要な混乱を起こすおそれがあるので、新たな法的規制は全く考えておらず、輸入とか備蓄、海外援助の増加、輸出価格の引き上げ、低金利政策、外貨の活用などあらゆる面からの調整を行ない、業界の納得を得て秩序ある輸出を期待したい」との答弁がありました。このほか円の再切り上げ問題、米国関税引き上げで打撃を受けた陶磁器業界への対策、対キューバ貿易をめぐる問題点、工業再配置計画、原子力発電の大型化、集中化傾向と公害対策、パレット事業における中小企業対策のあり方、ILO第一及び十四号条約を批准しない理由、PCB対策、新しい化学製品の毒性取り締りなどについて質疑があり、田中通商産業大臣及び政府委員よりそれぞれ答弁がありました。  第二分科会の審議は、四月二十二日から本日まで四日間にわたり広範多岐にわたる質疑応答が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  以上御報告申し上げます。(拍手)

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 次に、第三分科会主査松永忠二君。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 第三分科会における審査の経過を御報告申し上げます。  第三分科会の担当は、昭和四十七年度予算三案中、農林省、運輸省、郵政省及び建設省の四省所管に属するものでございます。  分科会におきましては、去る二十二日から本二十六日までの間、これら四省所管予算につきまして、関係大臣に質疑を行なってまいりました。  以下、質疑のおもなものにつきまして、その要旨を簡単に御報告申し上げます。  まず、建設省所管につきましては、景気浮揚の観点から、四十七年度予算においては大幅に公共事業費を増額しているが、その消化のためには大量の用地を必要とする。事業の施行促進ということで用地取得を急げば、土地価格の大幅上昇が起こるのではないか。特に、福祉向上のための公共事業費ということで、都市再開発や都市計画の事業の比率が増加すれば、用地費の占める割合は上昇するのではないか、との質疑がありました。  これに対して西村建設大臣より、公共事業の施行によって土地が値上がりすることもないとは言えないが、過去のデータを見ると、民間の投資意欲が盛んなときに地価上昇が著しいという傾向にあり、公共事業費の量に対応して地価が変動するということはないようである。昭和四十七年度の建設省関係の公共事業遂行のため必要とする用地は、約一万七千ヘクタールであるが、先行取得してある用地によるものが約三分の二あり、新たに買収して四十七年度の工事に充てる用地は六千ヘクタールである。用地費の比率は、先行取得との関係で四十六年度の二四・九%に対し、今年度は二三・六%を見込んでいる旨の答弁がありました。  また、琵琶湖総合開発特別措置法案に関連して、地域の開発は住民サイドの発想を重視すべきであるし、自然の大循環を破壊するようなことはすべきでないとの意見が述べられ、さらに、日本道路公団の高速自動車道及び一般有料道路のサービスエリア等の売店などを管理している道路施設協会について、利用者に対するサービスを忘れ、もうけ主義に走っている旨の指摘がなされました。  前者につきましては、従来の開発行政がいろいろな面でトラブルを起こしていることは深く反省し、建設行政の転換をはかっているところである。琵琶湖の総合開発については、環境保全を第一に、利水や観光開発は第二、第三と考える。自然環境の保存については、学者の見解を十分尊重していく旨、西村建設大臣より答弁されました。また、後者につきましては、西村建設大臣及び尾之内道路公団副総裁より、道路利用者に対するサービス向上のため、道路施設協会に対して今後十分指導及び監督を行なってまいりたい旨の答弁がありました。  次に、運輸省所管につきましては、首都圏及び近畿圏においては、人口増と、ドーナツ化現象による人口の郊外への移動によって通勤・通学輸送は激増している。それに対して輸送力の増強は後手後手になっており、需要に見合う計画がつくられても、実際に完成する時点では需要に追いつかない状況になっている。積極的に新線建設を行なって現在の混雑を緩和する一方、これ以上の人口集中を避けるため、国の政策を全面的に考え直す必要があるのではないか、との質疑がありました。  これに対し、丹羽運輸大臣及び磯崎国鉄総裁より、大都市の交通については、都市交通審議会から出されている答申の線に沿って、早急に輸送力の増強をはかっていきたい。そのため、従来の地下鉄建設補助方式に加えて、四十七年度から私鉄の線増等を鉄道建設公団がかわって建設する方式及びニュータウン新線建設に対する地下鉄建設に準ずる補助制度の創設を予定している。しかし、より根本的な対策としては、国家的な広い視点に立って、産業の分散をはかり人口の集中を阻止する政策を推進していく必要があると思う旨の答弁がありました。  このほか、大規模観光リレクリエーション基地の構想とそれを利用するための大量交通機関を確保する問題、日本海側の港湾を貿易港として整備する問題、過疎対策として、地方幹線を電化・複線化する問題、国鉄の合理化に伴うサービス低下の問題など、地域と密着した問題が取り上げられ、丹羽運輸大臣並びに関係当局より、地元の公共団体住民及び利用者のそれぞれの事情や意思を尊重して事業の実施や問題の解決をはかりたい旨の意向が表明されました。  次に、郵政省所管について申し上げます。  郵便貯金の預金者貸し付け、いわゆる庶民金融が提唱されて以来、国民大衆はその実現を期待していたが、最近政府部内の反対によって一とんざしているように見受けられる。その実現については国会で決議していることでもあり、場合によっては議員立法も辞さない覚悟である。郵政省としては今後どのようにして実現を期するつもりであるか、との質疑がありました。  これに対し廣瀬郵政大臣から、郵政省の庶民金融の構想は、個人の定額積み立て預金を担保として必要に応じて少額の融資を行なう制度を設けるというもので、国民福祉の一助になるものとして積極的に取り組んできたが、関係各省において理解が得られない問題もあり難航している。先日、大蔵大臣との会談で、庶民金融を推進するということで事務当局間の協議を開始することにしたが、会期の残りも少なく焦慮している。しかし、国会において決議をいただいていることではあり、与野党議員の議員提案という話もあり、初期の熱意をくずさず実現に努力してまいりたい旨の答弁がありました。  また、電電公社の予算につきまして、四十七年度においては、従来発行してきた政府保証債や縁故債のほかに政府保証のない公募特別債の発行を予定しているが、特別債の発行に踏み切った理由は何か。その発行額は縁故債と合わせて千二百八十億円とされているが、その内訳の数字や発行条件がいまの段階でもきまっていないというのはどういうわけか。また、これらの金額と、財投計画の中の電電公社の公募債・借入金等の金額及び自己資金等の金額との関係はどうなっているのか、との質疑があり、それに対して、廣瀬郵政大臣及び米沢電電公社総裁より、電電公社の建設投資額は、公共投資拡大の要請と、電話の需要増とにこたえるため、工事能力の許す限りふやし、初めて一兆円をこえることになった。そのため資金源の多様化をはかることとし、今回公募特別債の発行に踏み切ったものである。ただし、初めて発行することでもあり、安全度を見て、縁故債と相互に補完し合えるよう、弾力性を持たせてある。発行金額は、積算の段階では二百八十億円を予定したが、現在の金融情勢下では確実に三、四百億円の消化ができるものと思う。なお、財政投融資との関係では、政府保証債のみが財投計画の公募債・借入金に含まれ、今回の公募特別債は縁故債と同じく自己資金等に含まれる旨の答弁がありました。  最後に、農林省所管につきましては、農業地域といっても、都市近郊、純農村、山村でそれぞれ事情が違っている。農業団地の形成が行なわれた場合、全体としては過剰になる労働力の吸収が他産業で十分行なわれるとしても、山村地域などでは農業従事者以外は結局農村を離れざるを得なくなり過疎を助長する心配がある。それゆえ、農業団地の形成とあわせて、農村工業の導入などと調和のとれた施策が必要である。農林省は、農業の基盤整備に取り組むだけでなく、関連するあらゆる施策を一体として導入し、新しい村づくりを進めていく先頭に立つべきであるという提言がなされました。  これに対して、赤城農林大臣より、農業従事者の兼業率は八〇%であり、すでに農外収入が大きいことを考えてみると、農業団地を育成し、農業地域の近くで兼業の機会を高めることは適正な労働力の分配になると思う。そのためには、工業、流通、交通等を考えた総合的なものとして農業団地を育成したい。これはまた国土開発という観点に立った自然都市、自然農村の建設にもなることである旨の答弁がありました。  また、米の生産調整の実施によって、農民の生産意欲は減退している。四十七年度の生産調整の実施はどうなっているか。生産者米価の引き上げを行なうべきだと思うが、米審はいつ開催するつもりか、との質疑がありました。  これに対して赤城農林大臣より、農民が米を育てられないというのはつらいことである。しかし、農業者全体の立場からすると豊作貧乏にならないために生産調整が必要となってくる。この意識が農民に浸透してきて、四十七年度の生産調整はスムーズに進捗し、現在農家別の割り当てを行なっている段階である。生産者米価については、何でも抑制するということでは農民の生産意欲を殺してしまい、よくないと考えている。具体的な決定時期についてはまだきめていない旨の答弁がありました。  このほか、都市における生産緑地の保存、成田新国際空港の開港時期、気象庁の予報提供義務とNHK及び民放が気象協会と契約を結び金を払っていることとの関係、競馬の馬手の長期スト、生糸価格の動向と海外生糸の事業団による買い入れ、記念切手の原価及びその切手としての使用比率、及び農地改革時点の買収農地についての事実誤認の訴訟など、本分科会担当の各予算につきまして、各委員からいろいろな面からきわめて熱心な質疑が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。  以上をもちまして第三分科会担当の予算全部の審査を終了した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手)

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 次に、第四分科会主査塩出啓典君。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 第四分科会の審査の経過を御報告申し上げます。  本分科会の審査の対象は、科学技術庁、文部省、自治省、厚生省及び労働省所管に属する昭和四十七年度予算でありまして、去る二十二日より本日までの四日間にわたり、連日慎重に審査を行ないました。以下、その概要について申し上げます。  まず、科学技術庁所管についてでありますが、新しい時代のエネルギー源の大宗として、原子力発電の開発が進むにつれ、各地における原子力発電所の設置をめぐる地元住民との間の紛争も増大の傾向にあるが、この際、政府としては、いうところの国民福祉優先の立場から、放射能に対する安全性を確保するため、たとえばアメリカで実施しているように、発電所の規模・能力や敷地面積及び人口密度に応じて、きびしい規制を設けるとともに、科学技術庁を中心に、各大学の研究所、動燃事業団等、関係機関を打って一丸とする安全性研究体制の強化をはかる必要はないか。また、使用済みの放射性物質の再処理や温排水の利用等について研究を進めることによって原子力の平和利用の推進をはかり、国民の原子力に対する不安を除き理解を深めるべきではないか、との質疑がありました。  これに対し、木内科学技術庁長官並びに政府委員から、原子力発電の必要性は今後ますます加重されると思うので、科学技術庁としても、その安全性については、科学的にも、また社会的にも、国民が十分納得し、協力してもらえるよう最善の努力を続けていきたい。しかし、それには放射能の危険も考えられるので、原子炉の設置場所は六百ないし八百メートルの距離間隔をとるようにし、その他、不安や危険が及ばないよう安全審査委員会や原子力委員会にもはかって、厳重に取り締まることにしている。また、廃棄物の処理問題は、世界各国とも頭を悩ましている問題で、わが国では目下のところ構内の一定個所にストックしているが、もちろんこのままでいいわけはなく、さしあたり四十七年度の予算に一億数千万円を計上して、海上投棄がいいのか陸上で処理するのが得策か、それにはいかなる方法があるかなどについて調査することにしており、なお、温排水については、プラスの面もあるので、現在東海村原子力発電所において、漁業組合の協力も得て、温排水を利用して魚をとる試験を行なうなど、鋭意研究を進めている旨の答弁がありました。  次に、文部省所管におきましては、現に全国五十大枝の水産高等学校で行なわれている実習のあり方には疑問が多いとして、鳥取県立境水産高校の実例を引き、かりにも水産高校の実習であるからには、教育を第一とし、漁獲高の収入などは二の次であるべきなのに、事実は生徒が実習船に乗せられて、マグロのいるインド洋あたりに出ると、そこでは、朝の三時から八時までが投げ縄作業、そのあと四時間ほどの睡眠時間があって、正午から深夜まで揚げ縄作業をやらせられる。指導教員は一人だけ乗り込んでいるが、授業らしきものはほとんど行なわれず、食事はといえば古くさい米に野菜は不足、歯をみがくにも海水しか使えず、文句でも言おうものなら船員が暴力をふるうといったぐあいで、まるで奴隷船さながらの日常だという。また県ではこの水産高校に、年一億二千万円の水揚げを義務づけているとも聞くが、文部省はこうした実態を調査したことがあるのか。高校指導要綱に適切な指示のないことも問題だし、地方に財源の乏しいこと、また、船員の確保がむずかしいことも理由になっているようだが、いずれにしても、教育実習の目的に反し、水揚げを上げることに重点の置かれている事実は許せない、早急に是正すべきだ、との質疑がありました。  これに対し、高見文部大臣並びに政府委員から、これが事実ならまことに遺憾なことで、教育をあずかる文部省として全く申しわけがない。しかし、県の教育委員会の報告によると、県として改善すべき点は改める考えを明らかにしており、また漁業実習の特殊性から見て、ある程度の深夜作業はやむを得ないところ、一億二千万円の水揚げは、全国的に見て妥当な線だと称しているが、もとより実習が主眼で、収入その他は従であるべきなので、なおよく調査もし、実習にあたっては十分教育的配慮を行なうよう指導していく旨の答弁がありました。  次に、自治省所管におきましては、地方自治体の財政運営に関連して、今後の内政の中心課題が、産業第一主義から国民福祉の充実に軌道修正されるとするなら、住民に直接密着する地方自治体の任務はいよいよ重大と言わねばならぬが、それにしては自治省の権限は十分でないし、自治体の財政は貧弱過ぎる。自治省はこの際、地方自治体がこれまで老人医療の無料化や公害専門の係官の配置や児童手当の実施などの問題で、国の行政を“先取り”してきた実績にかんがみ、こうした自治体の“先取り行政”を国の基本姿勢に取り込むことをはかるとともに、国と地方との財源再配分の問題や地方交付税のあり方にメスを入れ、また、公共事業の補助単価や法人税率の引き上げに取り組むなど、市町村財政のテコ入れ強化を目ざすべきではないか。この意味からも、今回せっかくの事務所税の創設を見送ったのは遺憾であり、また、ガソリン税の大部分が国に回り、市町村には残りのわずかしか渡らぬというのも、実情から見て不都合だと思うが、自治大臣の考えはどうか、との質疑がありました。  これに対し、渡海自治大臣から、住民福祉に合致する行政が自治省のつとめと心得、四十七年度単独事業を苦しい中にもやれるよう予算措置を講じたつもりだが、むろん十分とは言えない。御指摘の点については、縦割り行政のため、早急の実現は困難と思うが、今後とも各省と密接に連絡し、総合調整をはかりつつ、本来の使命を果たしていきたい。自治体のいわゆる“先取り行政”については、さらにこれを推進していく考えだが、一般財源として与えられる地方交付税の中で行なうことゆえ、全国的な規模で実施するには、困難な面のあることも争えない。法人税の引き上げについては、すでに実施すべく調査中であるが、事務所税を見送ったのは、人口流入阻止の税にするか、一時的な税とするか、所得で取るかで結論を得るに至らなかったためで、四十八年度には全市町村の一致を求め、ぜひとも実施したい考えである旨の答弁がありました。  さらに、厚生省所管でありますが、ここでは保育所の問題をめぐって活発な質疑応答が展開されました。すなわち、現実に働かなければならぬ女性が多くなり、また、幼児教育が重要視される今日の状況からしても、保育所の存在意義はもっと認識されていいはずなのに、相変らず託児所並みの扱いで済ましているのは納得できない。しかも保母の勤務状況は、午前八時から午後四時まで、その間、食事もろくろくとれぬほどの忙しさで、これを幼稚園の、四時間はつとめあとの四時間はゆっくりできるというのに比べると、格差もはなはだしい。これは、最も手のかかるゼロ歳児や乳児を受け入れるだけの設備もないのに、ほかに乳児専門の保育所もないところから、むりにも保育所が引き受けているからでもあるが、といって新たに施設を補強しようにも、経営に余裕があるわけではなし、それどころか、保母の給与にしても、子供一人当たりの措置費にしても、幼稚園のそれより劣っているというのが一般公立保育所の実態である。しかも、保育所の数は各方面の要望には追っつかず、そのため無慮二千といわれる無認可保育所がさらにふえる傾向にあることに加え、地域、職域によっては小規模保育所、企業内保育所の設置が進められているが、それとて経営はいずれも楽ではない。文部省はこの実情をどう把握しているか、またその対策はどうか、との質疑がありました。  これに対し、斎藤厚生大臣並びに政府委員から、保育所の果たしている役割りの大きさ、またその数が入所希望者の数をはるかに下回っている事実については十分認識している。問題は、保育所保母の勤務体制及び処遇の改善にあると思うが、前者については保母定数基準の改正を前向きに検討するとともに、労働省の関係当局とも連携をとり、休憩時間等、労働基準法に定める最低限度の線を守れるような措置を考えており、後者については保母の給与月額を四十七年度から四万六千円と、わずかながら改善につとめている。また、小規模保育所、企業内保育所及び無認可保育所が増加の傾向にあることは、それぞれ地域保育所の足らざるところを補完する意味において歓迎すべきものと考えており、これが設備費、措置費等については、今後とも実情に照らし、その改善に努力したい旨の答弁がありました。  最後は、労働省所管でありますが、ILO第一二一号条約にいう、通勤途上に起こった災害を労働者災害保険法に適用する問題は、いまや大方の世論になっているが、政府はILOのこの条約を批准して各方面の要望にこたえる気はないか。日本はGNP世界第二位の経済大国を誇っているが、百三十六あるILO条約のなかで、日本が批准しているのはわずかに二十九で、ILO加盟百二十一カ国中、五十七番目に位している。GNP世界第二の大国として、当然上位にランクされていいはずの日本が、五十七位に甘んじているのはお粗末過ぎると思うが、労働大臣の考えを聞きたい、との質疑がありました。  これに対し、塚原労働大臣並びに政府委員から、通勤途上の災害を現行労災保険法の適用事項とする点については、一昨年設置された「通勤途上調査会」で目下検討中であるが、昨年四月には中間報告も出されていることであり、遠からず結論が出るものと思う。政府としては、調査会の結論がどうあれ、この問題については質疑の御趣旨に沿いたいと考えているが、ILO条約の批准については、順位のいかんにかかわりなく、可能な限り批准する方針でいる、との答弁がありました。  以上のほか、科学技術庁所管におきましては、原子力の平和利用、原子力と漁業公害、原子力行政のあり方、科学・技術者の待遇改善などの問題が次に、文部省所管につきましては、国連大学の設置問題、夜間中学の現状、父兄負担増、教員出張費及び教科書検定問題、韓国人子女の高校入学差別事件並びに大牟田集団赤痢事件の真相究明などが、さらに自治省関係では、産業公害と地域開発の問題、ごみ処理整備計画、ごみ処理の技術研究、清掃従業員の処遇改善、地方公務員の週休二日制、特別区の区長公選制、奄美群島の振興開発の問題及び広島県下蒲刈町における町長の被疑事件などが、また、厚生省所管につきましては、広島原爆資料収集の問題、子供の精神病、母子保健医学、医療制度及び精神病院のあり方、にせ医師の実態、保健衛生法の改正問題、食品添加物の安全性及びX線療法の問題、看護婦養成施設、老人ホーム及び広島県大久野島毒ガス工場の問題などが、さらに、労働省所管としましては、三公社五現業の賃金調停問題、老人雇用、産業医学、労働安全衛生法及び職安のあり方の問題などについて、それぞれ熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  以上、御報告申し上げます。(拍手)

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 以上をもちまして各分科会主査の報告は全部終了いたしました。     —————————————

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) この際、締めくくり総括質疑の取り扱いにつきましておはかりいたします。  審査は二日間とし、その質疑総時間は三百六分、各会派への割り当ては、自由民主党及び日本社会党はそれぞれ百八分、公明党四十分、民社党及び日本共産党はそれぞれ二十分、第二院クラブ十分とすること、質疑順位は、お手元に配付いたしました質疑通告表の順とすること。以上御報告申し上げましたとおりであります。  よって、そのように取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) この際、江崎防衛庁長官から発言を求められております。これを許します。江崎防衛庁長官。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 米軍に施設及び区域を提供するための土地の賃貸借契約に関する政府側の統一見解について申し上げたいと思います。日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定を実施するために、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の用に供する目的をもって国が所有者から賃借している土地の賃貸借契約は、その期間を駐留軍が使用する期間とする趣旨の賃貸借と解されまするが、民法第六百四条によりますれば、期間の定めのある「賃貸借ノ存続期間ハ二十年ヲ超ユルコトヲ得ス」と定めておりまするので、本契約はその成立後二十年を経過したときに期間が満了するものと解する。本契約の始まる時期が昭和二十七年七月二十八日のものにつきましては、本年七月二十七日をもって期間が満了するものと考えます。そうして、期間満了後なお引続いて駐留軍の使用の必要がある土地につきましては、国が契約の更新を求める必要があり、契約が円滑に更新できまするよう最善の努力をいたしてまいる所存であります。以上であります。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 特別質問の機会を与えていただきましたことに、委員長並びに委員にまず感謝を申し上げる次第であります。  さて、私が米軍基地と民法六百四条の関係について質問いたしたことについての答弁が保留されておりまして、ただいまそれに関する政府見解が答弁されたわけでありますけれども、私も了解をいたします。つきましては、この際、数点について確認的な意味でもってお尋ねしておきたいと、こう思うわけであります。  今回の政府見解によりますと、北富士演習場については、県有地、民有地は本年七月二十七日をもって賃貸借契約の期間は、民法六百四条によって完全に満了するものと、こう解釈をいたしてよろしいですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) このたびの統一見解によりまして、そういうことになります。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 そこで、ただいまの政府見解の中で言っておられますところの次の点、すなわち契約の更新を求める必要があり、契約が円滑に更新できるよう最善の努力をいたす所存と言われておるわけですけれども、その点について具体的にお尋ねをしておきたいと思うのですが、その意味は、国は所有者に対してあくまでも民主的な立場で、新たに話し合いをされていくということであるかどうか、その点をお尋ねをしておきたいと思います。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 日米安全保障条約を遂行していく上にどうしても必要な土地につきましては、従来も御協力、御理解をいただいて契約をしてまいったわけでありまするから、まあその線に沿ってぜひ御理解願えるように、十全の努力をいたしてまいりたいと思います。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 その際、所有者が応じなかったという場合、この場合に沖繩の公用地法に見られるように、特別に立法を行なっていく、これは沖繩国会においての審議の際にも、政府は本土には決して援用しないという点を言明されておりますし、かつは、この国会におきましても、すでに衆議院の予算委員会におきまして、特別に立法の意思のないということをすでに明らかにされておるわけでありますが、その点をさらにこの際、確認をしておきたいと思います。いかがでしょうか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 非常にむずかしい御質問でありまして、私どもはそういう場面を極力なくするよう最大の努力を払うわけでありまするが、どうしても不幸にして契約の拒否というような形になった場合どうするのか、この点でございますね。非常に困ります、それは。そこで重ねて御理解を得るように十分ひとつ懇請をし、理解を得るように努力をしていくつもりです。ただその場合一つの方法として考えられまするのは、これもあくまで日米安全保障条約の義務履行に支障をきたす、いかにも困ったという場合に、御承知の地位協定の実施に伴う土地等の使用等の特別措置法、これがあるわけです。これを適用するということが考えられるわけでありまするが、なるべくこういうものは適用したくありませんし、またこの段階でそれを適用するかどうかということについては一切きめておりません。あくまで話し合いによって努力してまいりたいと考えております。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 ただいまの御答弁の中に出てまいりました、たいへん長い名前の法律ですけれども、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第六条に基づく行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法、これは今日まで北富士演習場の場合は全然それが適用されてきておるわけではありませんで、あくまで賃貸借の民法に基づく契約でもって今日まで継続されてきて、きょうの事態があるわけですから、私はその観点から言っても、これが適用されるということは法理的な考えの上からいたしましても妥当ではない、こういうふうに判断をいたしておりますが、その点の見解をあわせて伺っておきたいと思います。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これは厳密に言って適用はし得ると思います。適用はし得ますが、極力そういうことによらないで話し合いを進めていく、これが防衛庁としての方針でございます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 もう一点だけ。  この政府統一見解によりますと、北富士演習場におけるところの山梨県の県有地は昭和三十九年以降、県の行政財産に編入をされているわけであります。これについて国は自治法の附則第十条によって賃貸借契約が従前どおり継続してきたものとみなすという見解に立って今日まできたようでありますが、今回の政府見解に基づけば、当然本年七月二十七日以降はこのような政府の見解、いわゆるみなし解釈は完全に消滅をするものと考えられますが、その点の見解はいかがですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 山梨県の県有地に関しますところの賃貸借契約は、今日まで私どもは賃貸借であるという解釈のもとに契約を結んでまいっております。そこで、これは二十年経過いたしておりますれば当然この七月二十七日をもってこの契約は終了すると、このように解釈をいたしております。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 了解。以上で終わります。     —————————————

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 次に、喜屋武君より要求のありました、戦時中における久米島事件の参考人招致につきましては、諸般の事情を勘案し、本委員会においてはこれを行なわないことに理事会において決定いたしました。  なお、沖繩及び北方問題に関する特別委員会等の関係委員会に対し、委員長より善処方をお願いすることにいたしたいと存じます。  右御報告申し上げます。  明日は午前十時開会し、締めくくり総括質疑を行ないます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗