P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
68回国会参議院1972/04/19

予算委員会 第15号

発言数
354
登壇者
32
会派数
3
開催日
1972/04/19

会議録

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十七年度一般会計予算  昭和四十七年度特別会計予算  昭和四十七年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行ないます。小笠原貞子君。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 外務大臣、去る十六日のハノイ、ハイフォンに対するアメリカの爆撃によって、そこでは何の罪もない年寄りや婦人、子供たちがむざんに殺されています。この事実、特に年寄り、子供、婦人たち、非戦闘員がたくさん殺されているという事実、御承知でしょうか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私どもは、ベトナム半島の状態が再び激化したと、非常に心配しているのです。ただ、局外者なものですから、戦争の状態はこれはわからない。無差別爆撃、そういうようなことは聞いておりませんです。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 たとえば「赤旗」、「朝日」にも出ているわけなんですけれども、朝日新聞によりますと、ボール爆弾を使用し、そしてハノイの春を迎えた日曜日が一瞬にして火の海になった。そこでは、軍事施設を破壊するためには何ら役に立たないボール爆弾が使われています。これは、一個の爆弾から数千個の小さい鉄鋼の破片が飛んで、そしてたくさんの人を殺しているという。そして、殺されている婦人や年寄り、子供、その横には子供が、使っていた手さげかばんが引きちぎれて飛んでいたというように、突然の爆撃で逃げる間もなく非戦闘員が殺された。私は、この記事を大臣は御存じないとおっしゃったけれども、新聞から見ても、こういう年寄りや婦人や子供たち、非戦闘員がむざんに殺されているということは国際法上許されないことだし、人道上だれもこれを許すことができない。こんなことを私たち黙っていることができない。私は、これについて、外務大臣として、政府として、どういうふうに考えられ、どう対処されようとしているか、伺いたいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 無差別爆撃につきましては、アメリカは、そういうことはやっておらぬと言っておる。また、実相は一体どうなんだと、こういうことになりますと、私どもとすると、これをどうも知るよすがというものがないんです。ですから、そういうことについてわれわれが意見を差しはさむということは、今日の段階では非常にむずかしゅうございますが、ただ、ただいまも申し上げましたが、ああいう形勢が再び重大化したと、こういうふうなことは非常に残念なことである、これは、双方が良識をもって戦闘行為だけはやむべきである、そうして、早くパリ会談を開いて、そうして事態の収拾をはかるべきである、そういうふうに祈るのみであると、こういうお答えをするほかないのであります。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 事実がわからないとおっしゃるけれども、これはハノイから電送されてきた写真で、また、たくさんの人が殺されています。いま私が見た新聞にも書いてあります。知らないと言われても、それは詭弁にしかすぎない。こういう事実、この事実をいいと思うのか悪いと思うのか、黙っていてもいいのか、祈るだけでいいのか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、とにかく戦争というものはきらいです。もう戦争なんというものに私どもが再びかかわり合いを持つようなことがあっては相ならぬと、こういうふうに考えるくらいです。ですから、ベトナム南北の皆さんにも早く戦争を終わってもらいたい。それには、双方言い分がありましょうが、そういう言い分をよく話し合って、そうしてこの戦争は終結をするようにしてもらいたい。私ども日本としても、そういうために、局外者ではありまするけれども、何かお手伝いをすることがあればと思っておるわけでありまするが、どっちかの一方に対して、いまどうせい、こうせいという立場にはない、これは御理解を願えるのじゃあるまいか、そういうふうに存じます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 全然理解できません。こういう事実を知らない、アメリカからちゃんとした情報が来ないから知らない、認めないというのであれば、全くそれは詭弁だと思うのです。そういうような答弁をしなければならないということ、また、アメリカに対して遠慮なさるということこそ、あなたは、いままで日本の政府としてこのベトナム侵略戦争に加担してきていると、こういう事実があるから、遠慮しながら、ただ平和をこいねがうということばだけで逃げようとされているのではないですか。平和のために何かお手伝いしたいどころじゃなくて、戦争のために手伝っているんじゃないですか。アメリカのベトナム侵略に加担しているから、そういう答えが出るんじゃないですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) とにかく、これは南北両ベトナムの問題である。南という場合にはアメリカが関与しております。わが国はまあ局外者なんですね。それで、北のほうから——まあこれは私どもとすれば未承認国でありまするから、情報は直接には伝わってまいりません。しかし、アメリカ側の言うところによれば、北のほうから中立地帯を越えて南に侵入した、それに対して報復的な措置を講ずるのだと、それに対して対抗的の措置を講ずるのだと、こういうことを言う。まあ、それはそれといたしまして、どっちか一方をわれわれが理解を持つと、一方には理解を持たないのだと、そういうような態度はとれない。これは、どこまでもわが国は一方に片寄ってはならない、そういうふうに考えておるわけであります。

星野力日本共産党

○星野力君 関連。  外務大臣にお聞きしますが、外務大臣は局外者局外者ということをしきりに言われておりますが、現に日本の基地から米軍が出動して、ベトナムで戦闘に参加しておるではありませんか。申し上げるまでもなく、もう沖繩からの出撃のほかに、横須賀からは、バンコックであるとかコンステレーションであるとか、いろいろの空母が、また第七艦隊の旗艦の巡洋艦や何隻かの駆逐艦その他の艦艇、これも行っておりますし、岩国からも、航空部隊やら海兵隊がベトナムに出かけている。これらの軍隊が戦闘に参加している。この事実をお認めになるかどうか。それらの米軍部隊が、日本の基地からベトナムの戦場に直行し、急行して、戦闘に従事しておる。これはもう世界が認めておる。そうでないかのように言いつのっておられるのは、あなた方日本の政府だけであります。こういう明白な、日本政府がアメリカのベトナム侵略戦争に加担しておるという事実、これをお認めになるかどうか。まずお聞きしたいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) わが国の基地から米軍艦隊あるいは航空部隊がベトナムに直行しておると、そういうふうには考えておりませんです。私は、この間、岩国のF4飛行隊を中心に、岩国の航空部隊を南方に移すという通報を受けたんです。そのとき確かめたんですが、これは戦闘作戦行動命令を受けておるのかと言ったら、受けておりません、これは南方へ移駐をさせるのでありますと、こういう話なんです。で、南方へ移駐ということはどこかということは、あとでわかったんですが、これはフィリピンであります。そういう状態で、わが国の基地から戦闘作戦命令を受けて、その行動のためにベトナムへ直行すると、こういう事態は、これは全然ありませんから、その辺はひとつ誤解のないようにお願いしたい。

星野力日本共産党

○星野力君 そういうことを言われますけれども、あなた、航空部隊が南へ行った、軍艦は西へ行った、こんなことを言っておられる。それは、戦闘爆撃機がいきなりベトナムまで行けないでしょうから、沖繩へ寄ったらしい、フィリピンも寄った、そこで油を補給して、そうして飛んで行くのはあたりまえじゃないですか。  ここに新聞の報道がありますが、航空部隊は六日に外務省に通告があったと、この前おっしゃった。これは事前か事後か知りませんけれども、九日にダナンの基地から非武装地帯の南を爆撃して基地へ帰ってきたF4ファントム、これは岩国からダナンに来たんだと、こう説明がついています。APの提供の写真です。これを見ても、考えられる最短の時間でもってベトナムの戦場へ急いでおる。軍艦だって同じことですよ、航空母艦だって。そういうような、まあことばは悪いけれども、三百代言的な言いのがれでもって厳粛な事実を無視しては、これはいけませんよ。  ところで、お聞きしますが、日本の多くの新聞が、いま、北爆に反対して、すぐこれを停止することを要求する社説などを掲げております。この北爆についてどういうふうにお考えになっておるか。ニクソンは、昨日は二十度以北の、すなわちハノイ、ハイフォンへの爆撃をしばらく中止するようなことを言いましたけれども、これは、国内、国際の世論を打診するための一時的な、かけ引きにすぎないと思います。今後は、ハノイ、ハイフォンの中心部まで爆撃するんだというようなことを言っております。で、はっきり言えることは、日本国民の大多数は北爆に反対しておる。やめろということを要求いたしておりますが、いわば北爆の即時停止、それから南ベトナムからアメリカ軍が全面的に撤退する、こういう要求は、日本国民の大多数の要求、いわば日本の国民世論だと思うんでありますが、そうであるからには、日本政府は、この国民の要求にこたえるべく、アメリカ政府に、北爆の停止、ベトナムに対する干渉戦争の全面停止を要求すべきだと思いますが、そのお考えはあるかどうか。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 星野君に申し上げますが、ことばは悪いがと言ってお断わりになりましたけれども、三百代言というおことばをお使いになりましたが、お断わりになるくらいなら、どうかひとつ、質問にはことばを慎んでいただきたいと存じます。

星野力日本共産党

○星野力君 はい、今後慎みます。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 先ほども申し上げましたが、わが国は、南北ベトナムの争いに対して介入するとか、あるいは意見を差しはさむとか、そういう立場にないと、こういうことなんです。先ほども申し上げたとおり、アメリカはアメリカの説明をしておる。北のほうが中立地帯を越えて侵犯をする、それに対して対応の措置を講ずると、こういうことを言っておる。また、北のほうの主張もあるでしょう、私はこれは正確には聞いておりません。しかし、両方の主張がそれぞれあるんだろうと思います。だからこそ争いが起こったんだ、こういうふうに思いますが、わが国とすると、その一方に偏した立場はとり得ないんだ、こういうことを申し上げておるわけであります。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 簡単に願います。

星野力日本共産党

○星野力君 いまの質問に答えておられないと思うんですが、同時に、日本の外務大臣が、北のほうがどういう主張を持っておるかよく知らないなんて、そんなばかげた話がありますか。北は北でもって、パリ会談その他の機会に、はっきり態度は表明している。昨年発表した七項目というのもあります。これは南の臨時革命政府で、北もこれを支持しておる。含めて、あなたは北と言っておられるんだろうと思いますが、はっきりしているわけであります。  そこで、一つお聞きしたいのは、十七日にアメリカの上院外交委員会にロジャーズ国務長官が出まして、フルブライト委員長の質問に答えておる中に、われわれとしてちょっと見のがせないようなことばがございます。すなわち、われわれは朝鮮、フィリピン、日本などとも条約上の義務を負っておる、早急に南ベトナムから撤兵することは、この地域の安定を害することになり、大きな災難を起こすことになる、こう言っておる。これは新聞の報道ですがね。この地域というのは、日本を含む地域の安定を害する、大きな災難を起こすことになる、こう言っておるわけでありますが、まるで、安保条約の義務として、もう南ベトナムから即時全面撤兵などはできない、そんなことをすれば日本から抗議されると言わんばかりのことを言っておる。  そこで、質問でございますが、南ベトナムや南朝鮮から早急に撤兵してくれては困るというようなことを、日本政府はアメリカ政府に申し入れられたことがあるのかどうかですね。それから、全体としてこの発言をどう思うか。日本政府は、アメリカ軍の南ベトナムからの全面撤兵ということに反対なのかどうか。その点をひとつ、はっきりお答え願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ベトナム南北に和平が成立いたしまして、そうして戦闘状態がなくなる、これは私どもが非常に希望するところです。なおまた、アメリカの軍がベトナムから撤兵をするということが可能になるということも、私は非常に期待いたしておるところでございます。  それから、ベトナムから撤兵しちゃ困るんだということを要請をいたしたということはございませんから、これははっきり申し上げておきます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いまの討論を聞いていますと、口で平和であってほしいと、希望するということばだけであってね、私が先ほど言った、こういう非戦闘員までに集中爆撃をして殺していくという、この事実に対しても、人道的立場に立っても、それについて何ら意見を言うことができないと、そういうことなんですね。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いま激しい戦闘行動が行なわれている最中でありまして、その様相が一体どうなんだと、これは私ども、ほんとうに知るよしもないんです。これはもう、新聞報道等はあります。ありまするけれども、アメリカといたしますると、それをまた否定をしておる、無差別爆撃はいたしませんと、こういうことを言っておる。どういう状態なのか、これは私ども、ほんとうに、率直に申し上げまして、知るよしもない、こういうことであります。そういう状態でありますので、意見も軽々に差しはさむことはできない、こういうふうに思っておるのであります。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 アメリカが無差別爆撃をしていないということを信じていらっしゃるわけですね。それじゃ、北ベトナムのほうで、調査委員会で、こういう事実があると実物まで出しているのに対して、それは聞こうとなさらないんですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いま戦争の最中です、戦闘行動のまっ最中であると、そういうことで、どういう様相の戦争になっているか、おそらくまあ北爆ですからいろんな被害も起こっておりましょう。しかしまた同時に、北のほうの軍隊が中立地帯を越えて南へ進入している、そういうことからもいろんな事態が起こっているでしょう。そういうことを総合的に判断してものを申さぬと、これは不公平なことになりはしないか、そういうふうに思うのです。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 戦争中で犠牲が次々と出されていくという段階でこれに手を打たなければならない。総合的に判断して、済んでからものを言ったってしょうがないんですよ。そこのところをはっきりさせたいと思ったわけなんです。で、もうこれは繰り返しになりますけれども、結論として言えば、あなたはその事実を見ようとしない。両方からの立場に立っていない。まさにアメリカに加担した、そういう立場でしかものを言ってない。しかも、こういう人道的立場に立ってもものも言えないという。世界の、特に日本の国内からほうふつとあがっているような、そういう人道的立場に立っても、直ちに少なくとも忠告を——ほんとうは抗議すべきだという世論に対しても挑戦なさることなんだと私には考えられますが、よろしいですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 戦争でありますから、お互いに被害を与えておる、こういうふうに思うのです。ですから、戦争をやめられるのが一番いい。それですから、われわれといたしましては、南北両方が早く良識を取り戻して、もう戦闘というような暴力行為はやめられるように話し合いをしてもらいたい、それを念願をしておる。また、われわれで手の届くところがありますれば——そういうことでありますれば手も貸しましょう、こういう態度をとっておるのです。どうも小笠原さん、こう伺っていますと、アメリカに対して抗議をいたしなさいということを言っておられるんじゃないかと思うのですが、それは一方的なことである。アメリカばかりにこれは抗議するわけにいかぬ。戦争ですから、抗議するのは両方にしなければならぬ、そういうふうに考えます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 もう重ねて言う必要もないくらい、あなたの立場、そして政府の立場がはっきりしたと思います。良識を持っている国民、全世界が、いまあなたの答弁を聞いて、まさに日本は加担しているということから、そういう答弁が苦しいけれども出なければならなかったのだなと、きっとあなたに同情しているだろうと思います。これで次の質問に移ります。外務大臣、お帰りになってけっこうです。  じゃ、次に伺いますが、政府は高度福祉国家建設ということを力説されております。しかし、もしこれほがんとうなら、国民ももちろん望んでおることでもあるわけですけれども、いままで政府は大企業本位の高度経済成長政策を続け、また軍事費を大幅にふやし続けて、ことばとは別に、国民福祉は全く犠牲にされてきたといえると思うのです。私は、だから本題に入ります前に、その実態を明らかにしたいと思います。  経済企画庁にお伺いいたしますけれども、日本の福祉経済、福祉水準を試算していますが、日本のその水準は欧米諸外国、たとえばイギリスと比べてどれほど立ちおくれているか、イギリスの昭和四十年の水準に到達するには何年かかり、どれほどの財政支出が必要かということを聞きたいと思います。

小島英敏経済企画庁調査局長

○政府委員(小島英敏君) お答え申し上げます。なかなかこの福祉水準を計量的に計算いたしますことはむずかしいわけでございますけれども、各種の前提条件を設けまして、大ざっぱに概算いたしますと、現在の社会資本ストックと申しますか、これを海外と比較いたしますと、アメリカに対しては大体五分の一ぐらい、イギリスあたりに対しては半分程度の水準にしかなっていないという試算がございます。それから昨年の終わりに年間回顧で、私のほうでこれはまだ方法論的にもいろいろ問題がございまして、あまり厳密な数字ではないということで御了解いただきたいと思いますけれども、昭和四十三年に発表されました国民生活白書の数字を前提にいたしまして、イギリスの水準に到達するためには、今後約百十六兆円、まあこの辺のこまかい数字は、先ほど申しましたようにあまり信用がおけませんけれども、大ざっぱな数字として、大体まあ百兆円ぐらいの財政支出が必要であり、もしいままでのような、現在程度の形で伸ばして——まあもちろん現在、毎年相当なテンポで社会資本のために投資が行なわれておりますけれども、こういう形で伸ばしてまいりますと、大体それに到達いたしますのは昭和五十年ぐらいという試算になっております。以上でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 おたくで出されました「日本経済の現況」四十七年度版というのがございますね。そこで社会保障、社会福祉の問題についてはどういうふうな数字が出されていますか。

小島英敏経済企画庁調査局長

○政府委員(小島英敏君) 社会福祉につきましては、イギリス水準に到達いたしますために約三十兆円という数字が出ております。これは社会福祉の、いわゆる施設としての面についての計算でございますので、毎年の、あの年金等の社会福祉の意味ではございませんけれども、ストックとしての意味でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いま言われましたように、たいへんな立ちおくれ、またたいへんな財政支出というものが今後行なわれなければならないわけですが、いま言われましたような現状をごらんになって、厚生大臣としてどういうふうな政策をとられるおつもりでしょうか。私たち、総合的な社会保障制度確立の計画を立てて充実させてほしいというふうに考えていますが、その御見解を伺いたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) お説のように、まあ終戦後は経済成長なくして福祉なしということで進んできたわけであります。ところが最近、経済成長もここまできた以上は、福祉なくして経済成長なしというように変わってまいりました。しかしその間、そうは言いながら、まあいままでも国情に合ってできるだけのことはやってまいりまして、御承知のように年金制度も立ちおくれてはおりますが、政府としては整えました。まあ児童手当もやっとできました、まだ完全実施になっておりませんが。まあ、そういったような意味で、制度としては一応整うたような形になっておりますが、この充実をはからなければならないと思います。先ほどおあげになられましたイギリスや、あるいは西独等と比べて、社会保障費といいますか、福祉費といいますか、これが非常に劣っている、数字的な面では、やはり年金が充実していないというのが、一番大きな数字のもとになっております。児童手当もまだ初年度実施というだけでありますから、これも充実してくれば、金目としては相当なものになるであろう。したがって、金目は将来相当なものになっていくと、かように考えます。こまかい意味の老人対策費あるいは心身障害児、児童福祉というような面につきましては、施設の充実をはかるために施設整備の五カ年計画を立てたり、あるいは職員の処遇改善の方策を立てたりいたして、逐次これが実現に努力をしてまいっておりますので、私は、ここ数年のうちに相当の伸びを、日本の実情に応じて見るであろうと、かように思っておりまするし、また、さような努力をしなければならぬと、こう考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 逐次やられているということは認めることができるわけですけれども、まあこういうようにたいへん立ちおくれているということが指摘された中で、逐次だんだんよくなりますというのではなくて、大体どれくらいまでの年をめどに、どういうふうにしたいというような具体的な構想はお持ちになりませんか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 先ほど申しますように、年金が未成熟である。そのために金目が、振替所得として支払われるのが非常に少ない。しかし年金は、このままでいいというわけではなくて、これは相当改善をしなければならないというような事態になっていると、かように思います。そういたしますると、私はまあ、おそらく五年ぐらいには、大幅な福祉施設、福祉費の上昇をみるであろうと、かように考えます。社会保障関係の福祉施設は四十六年度を初年度といたしまして、五カ年計画を立てておりますので、ことしは二年目でありますが、あと三年たてばさしあたっての施設というものは一応完備とまではいかなくても、実情に合った施設の充実というものはあと三年でできる、かように考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 大蔵大臣、お聞きになって、たとえば国の施設の一般会計の中からも十五兆から必要だというふうに先ほど言われたわけですけれども、こういうような財政面から見てどういうふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) きのうもお答えいたしましたように、国民資源の再配分という部面におきましては一応年次計画もできましたし、したがって財政需要の相当長期的な見込みといいますか、めどというようなものを持つことができておりますが、国民所得の再配分部門というものについては、いまのところ全く計画がございませんので、これは今後できる経済計画等に沿った一つの長期財政需要のめどをつくるということがどうしても必要であり、それによってこれから逐次内容の強化をはかっていくということが必要になろうと思いますが、このめどがいま立っていないということでございます。なぜ立たないか、いろいろ、むずかしい問題がございますが、さっき厚生大臣が言われましたように、まだ年金が未成熟というような問題がございますので、この所得の再配分計画というようなものは非常にむずかしい問題を持っておりますので、これからこの問題に私どもは取り組みたいというふうに考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 その国が、ことばではなくて、ほんとうに福祉国家であるかどうかというバロメーターを見るのには、年寄りとか子供とか、病弱者、身体障害者、弱い者、苦しむ者、悩む者にどれだけ具体的な、あたたかい手が差し伸べられているかということを見れば明らかだと思うのです。  そこで私は、具体的にこれから最も日の当たらない心身障害児の問題を取り上げて進めていきたいと思います。  そこで、まず基本的な態度としてお伺いいたします。憲法はいま主権在民、基本的人権の保障をうたっています。したがって、心身障害者対策基本法、児童福祉法、学校教育法、それらも当然この憲法の理念に沿ったものであり、具体化したものであり、この精神に沿って運用されるべきものだと考えますが、そのとおりでしょうか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 御所見のとおりだと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 文部大臣も。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) 御意見のとおりだと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 確認します。で、つまりいまの御答弁のように、すべての身体障害児は日本の国民として当然人たるにふさわしい処遇を受ける権利がある、そのために国が責務を持つということだと確認いたします。よろしゅうございますか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 憲法二十五条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」——それにほかならない。身体障害者もその精神に従ってその権利を持っている。憲法二十五条の権利に沿っていろいろなことが保障されなければならない、かように考えます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 さように考えられてきたけれども、施策がたいへんおくれているということは事実だと思います。  そこで、特に身体障害児というのは普通人よりもハンディを持っているわけですから、だからこのハンディを補うより、普通の子供たちよりも大きな具体的な援助がなければ、実際にはそれが差別になっているというふうに私は考えるのですけれども、どうでしょうか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) やはりそれだけの国家的公的な援助というものが必要であるという点においては御意見のとおりだと私は思っております。そういう意味で先ほどあげられましたいろいろな法律がそのために設けられておるわけでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そこで具体的にお伺いしますけれども、厚生省が身体障害児、者実態調査結果というものを発表されています。その内容をちょっと御説明いただきたいと思います。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) お答えいたします。ただいま御質問のありました身体障害児それから身体障害者の実態調査は、昭和四十五年の十月に厚生省が実施いたしております。数といたしましては在宅の身体障害児が九万三千八百人、障害別に見ますと肢体不自由児が五万一千九百人、これが半数以上でございます。以下、複合障害が一万二千六百人、聴覚平衡機能障害一万一千九百人、音声言語機能障害六千三百人、視覚障害五千六百人、心臓呼吸器等の内部臓器の障害が五千六百人、そういう順序でございます。これは在宅児の調査でございますので、調査日現在、施設に入所しておりました者が一万七千三百人という数でございまして、これを合わせまして身体障害児の数は十一万一千百人というふうに推計いたしております。それから、おとなのほうの身体障害者でございますが、これは百三十一万四千人、障害別には肢体不自由七十一万二千人、視覚障害二十一万八千人、聴覚障害二十万一千人、複合障害十二万一千人、心臓呼吸器等の機能障害が六万二千人、そういう状況でございます。なお、このうちで重度の精神薄弱、それから重度の肢体不自由、これが重複しております。いわゆる在宅の重症心身障害児、者は全国で一万一千七百人と推計いたしております。で、施設に入っております重症心身障害児は五千三百人ございますので、合せますと一万七千人という推計でございます。それから精神薄弱のほうでございますが、これは児童それから成人を一括して四十一年の八月に調査をいたしております。福祉の措置を必要といたします在宅の精神薄弱者、児童、成人を通じて四十八万四千七百人、施設に入所しております者が二万四百人当時ございましたので、福祉の措置の対象になります精神薄弱児、者は五十万五千百人、そのうちで十八歳未満の児童に該当いたしますものが二十二万六千四百人、そういう状況でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そこでお伺いいたしますけれども、そういう障害を持って家庭では守り切れない、入所させてほしいというのがたくさんいたと思うのですけれども、それが入所できない原因は何でございますか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 入所施設がまだ十分でないからでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それらの子供たちは、五カ年計画とやらを先ほどお出しになりましたが、そういう計画でどの程度入れますのですか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 四十六年度から発足いたしております社会福祉施設全体の緊急整備計画を五十年度末に完成するという考え方で、厚生省といたしましては事業を進めておりまして、これが完成しました段階におきましては、緊急に施設に入ることを必要とする心身障害児、者は一応全員入れるようにいたしたい、そういう目標を持って進めておる次第でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 緊急に入れなければならないという基準ですね、それはどういうことを基準にしていらっしゃいますでしょうか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 両実態調査の際に、もちろんこれは御家族、あるいは身体障害者の場合には御本人の希望もあるわけでございますし、また専門家でチームを編成いたしまして、抽出ではございますが、個々に診察あるいは鑑別をいたしております。そういった本人あるいは家族の御希望、それから専門家の判断、そういうものを総合いたしまして、心身障害児の中でも御案内のように施設で処遇することが適当である人と、それから在宅において保護をすることが適当である人、と、両方あるわけでございます。そのうちで特に施設において処遇する、保護をするということが緊急に必要な人たちということを対象といたしまして推算いたしました数字を基礎にいたしております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 その基準が家庭において守りきれない。だから医学的に見たら重度ではない、それはだから厚生省としては入所を必要だとは認めないというふうにお考えになると思いますけれども、子供の立場からすれば、家庭の事情で経済的にも、それから共働きも多くなったりして、それで子供を入れてほしいということに対して、その希望に対しての充足はどういうふうに見通されていますか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 実態調査におきましてそういう人たちの数を調べました段階におきましても、先ほども申し上げましたように、もちろん家庭の事情も十分に勘案いたし、また御本人の希望というものも条件といたしまして、その上に専門家の判定を加えて算出いたしました数でございまして、医学的にどうしてもその施設でなければ療育ができないという要素だけで決して考えたわけではございません。先生ただいま御指摘のような要素も入れて計算いたしましたつもりでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そちらとしては、そういう要素も入れてお考えになったんだろうと思いますけれども、私が方々歩いたり、いろいろな要求を聞いてみますと、まだまだおたくのほうでおっしゃっている五カ年計画で収容見通しが立っているというものは非常に困難な状態に置かれているというようなわけで、要求に沿ったものでないということが私のほうでははっきりしているわけなんです。で、いままでこういう事実があったことは御存じだと思いますけれども、一月の二十日には、沼田市で、おかあさんが脳性小児麻痺の二歳の子供を背負って、そしてコートの袖に石を入れて投身自殺した。その遺書には、私と博の前途にはしあわせはありません。親としてこの子に最後にしてやれることは一緒に死ぬことだといって自殺していますし、また米沢では、身体障害児の十二歳の長男を施設に入れようと思ったけれども、満員だといって断わられた。これから先、見通しがなくなったといって今度は父親が自殺しています。また今度は、お母さん−妻と、それから二人の子供を殺して、自分も自殺したという農民も出てきています。こんなことは枚挙にいとまがないわけなんですけれども、こういう事実を見ますと、これは決して緊急に必要だというおたくの対象児ではないのですが、しかし入れるところがないから、こうやって死ななければならない。こういう事実というものは動かすことができないわけなんで、こういう事実を御存じでいらっしゃって対処されているのかどうか、大臣の御意見を伺いたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) そういうような事実に非常に心を痛めまして、そこでそういったような人は、一応五カ年計画が完成すれば全部お入りいただけるようにと、こう思って計画を進めているわけでございます。現在は、まだことしは二年目でございますので、非常に不足でございます。まことに遺憾なことだと、かように考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それは実態調査そのものに問題があるから、非常に調査の最低の数の上に立てられた土台だというように考えなければならないわけなんですが、悉皆調査ということをなさったことがおありですか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 先ほど申し上げました四十五年度及び四十一年度の身体障害児、者、それから精神薄弱児、者の調査は、それぞれ統計、推計の専門家の御意見をいただきまして、全国的な無作為抽出によります実態調査でございまして、悉皆調査という形はとっておりませんが、相当の精度をもちまして、数を推定できるというように専門家からも御意見をいただいておる次第でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それでは、その調査の数は大体正確である。そうして家庭の要求も加えてのこの五カ年計画で、大体入る見通しは立てていると。そうしたら、この五カ年計画によって大体だいじょうぶなんだと言われるわけだから、ここで確認したいと思いますけれども、そんな子供を持って死のうと思う。そういうときには厚生省に行きなさい。必ず入れるのだということを、ここで確認していいわけですね。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) そう言っていただいて差しつかえないようにいたしたいと、かように考えております。ただ、いまの調査は四十一年あるいは四十五年の調査で、だんだんとその調査より年数がたってまいると、ふえてくるんじゃないかという私は感じがいたします。したがって五カ年計画も、またさらに五カ年計画、あるいは三カ年計画が必要になるんじゃないかと思いますが、少なくともいままでよりは入っていただける人が多くなるということを考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 当然、児童もふえる。施設もふやさなければならないということになると、さっきおっしゃったことがくずれてくるわけですね。だからそういうことを勘案して、これからも責任を持ったと、だいじょうぶだという態度で、私のほうも、そういうお母さんたちに、もう心配しないで、死なないで生きなさい、だいじょうぶなんだと、これから宣伝したいと思いますから、それは責任をとって施策のほうであらわしていただきたいと思います。よろしゅうございますですね。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) ぜひ御協力をお願いいたします。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それでは現実には、非常に施設に入りにくいということが現実なんですが、やっと施設にはいれてほっとした。しかし、その施設が一体どうなっているんだろうかというのがまた大きな問題でございます。現在、児童一人に対する事業費の保護単価というようなものは、具体的にどういうものになっておりますでしょうか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 四十七年度の予算につきまして、児童一人当たりの国の措置費の基準として算定いたしております月額の経費について申し上げます。精薄だけについて申し上げます。いまのお尋ねの心身障害児について申し上げますると、精薄児施設が一人月額四万四千三百二十一円。それから盲児、目の見えない子供さんでございます。盲児施設が四万二千五百七十円。それから、ろうあ児、聴覚障害でございますが、ろうあ児施設が三万九千二百七十三円。それから肢体不自由児施設が四万四千二百円。それから重症心身障害児施設が十万四千五百八円でございます。以上が収容施設でございまして、通園施設といたしましては、精薄児の通園施設が二万七千三百七十七円。それから肢体不自由児の通園施設が一万三千六百八十一円。おとなの精薄者の施設が四万四千二百十九円。そういう数字に相なっております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 まとめるとずいぶんたくさんみたいですので、具体的に聞きますが、飲食物費は幾らですか、一日。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 肢体不自由児施設の——大体、収容施設は同じでございますので、精神薄弱児施設を例にして申し上げますと、一日の飲食物費は二百五十三円でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 大臣、その額を妥当だと思われますか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 十分とは思いませんが、ほかのいろいろなものと勘案いたしまして、現在、この程度になっております。本年も、四十七年度も幾らか上げたはずでございますが、私は十分とは思っておりません。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それじゃ、次に、保育材料費は幾らになってますか。具体的に、養護施設と、それから保育園と、それから重症障害児施設の場合と。時間がかかりますから。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) はい。養護施設の保育材料費は、月額で六十円でございます。それから保育所の保育費、これは、養護施設で申しますと、日常諸費とそれから保育材料費を合わせたような形の額でございますが、これが日額で、三歳児以上につきまして十六円でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 重症障害児の施設……。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 重症心身障害児施設につきましては、保育材料費というのは計上いたしてございません。これは、日用品費等の中に入っておるわけでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それじゃ、いまのお答えで、親のある子供たちには一日十六円、親のない子供、養護施設では一日二円、そうして重症心身障害児の施設には保育材料費としての費目支出はゼロと、こういうように親がある子、ない子、病気の重い子で、それぞれ金額が違っている。この差別は、何で起こっているのですか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 先ほどもちょっと申し上げましたんですが、養護施設におきます保育材料費と申しますのは、養護施設に入っております学齢未満の子供さんの、いわゆる折り紙であるとか、そういったような日常の保育の材料という性格のものでございまして、それから保育所におきます保育費と申しますのは、これは、そういった保育材料だけでなしに、光熱水費とか、そういったその児童を処遇いたしますための雑費的な費用を全部含んでおるわけでございます。したがいまして、養護施設におきましては、日常諸費日額百円のうちの相当部分が保育所におきましては保育費の中に含まれておるという形でございまして、必ずしも保育材料費と保育費を比較いたしましての不均衡と言うことはできないのではないかと考えております。  それから、重症心身障害児につきましては、これは、先生御案内のように、ほとんどが——動く重症児等もございますけれども——ベッドにほとんど寝ておるという状態でございまして、この処遇につきましては、もっぱら医療面の配慮が大きいわけでございまして、こういった重症心身障害児施設の計算方式は医療費の単価をもって計算するというシステムをとっておりますために、ほかの措置費のような保育材料費という分類した計算がなされていない、そういうことでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 一日二円で、折り紙が何枚買えますか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 養護施設におきます保育材料費につきましては、これは全体を合わせまして、養護施設の保母さん等のくふうによりまして集合的な使い方をいたしまして、保育材料に資するということで、これは四十七年度におきましては、前年度まで四十円であったものを六十円に引き上げたわけでございますが、御指摘のように、必ずしも十分な額ではないと考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 重症の場合、寝たきりだから保育材料は要らないという考え方、もうちょっと具体的に教えてください。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) ちょっと御説明が不十分であったかと思って、おわびしなきゃならぬかと思いますが、保育材料費が要らないという意味ではございませんので、重症心身障害児施設は、全部これは医療法に基づく病院になっております。で、その費用の算定方法も医療費の単価をもって計算いたしまして、それにさらに重症心身障害児のための加算をいたしまして、その加算の額も、これは引き上げられました医療費を基本といたしまして、従来五〇%であったものを、四十七年度から五五%に上げるというような操作をいたしまして、全体として額を設定するという形で、計算の中で、他の措置費のような何が幾ら、何が幾らという積み上げ計算をしていないという意味でございまして、保育材料費が要らないという意味で申し上げたんではないのでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 じゃ、日常諸費はどうなっていますか。何に使われて、幾らですか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) 日用品費は、一日に換算いたしますと百四十円となっておりまして、これはまあ洗面道具とか、そういった身の回りの物を弁じますために、通常の入院患者と同様な計算をもちまして計上いたしております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 一日百円ですよ。百四十円は正確ですか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) いま申し上げましたのは、重症心身障害児施設の日用品費でございますが、御質問のありましたのは……

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 養護施設も、それから盲ろう施設……。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) たいへん失礼いたしました。そういう、いま申し上げましたのは、医療費をもって計算しております重症心身障害児施設だけを申し上げましたので、通常の養護施設、あるいは精神薄弱児施設、そういった施設につきましては一日百円でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それは何に使われていますか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) まあ、いわゆる通常の身の回りの用を弁ずるというような、ちょっとした被服であるとか、そういったような身の回り品、あるいは食事のための光熱水費、そういったものが日用品費の中に含まれております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 じゃ、生活訓練指導費は幾らになっていますか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) これは養護施設等におきまして、小学校に入っておる子供以上につきまして、月額百円でございます。これは四十六年度までは四年生以上でございましたが、四十七年度から小学生以上全部に計算するということにいたしております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そのままいてください。——それで、それはいつからそういう費目ができて、そしてそのあと何年間でどれくらい値上げになりましたか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) ちょっと失礼いたします。——失礼いたしました。三十九年度に設定されまして、三十九年度に四年生以上が百円ということで、その後四十七年度に一年生まで広げますまで変更ございません。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 じゃ、散髪代はどこから出したらいいですか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○政府委員(松下廉蔵君) これはまあ措置費の中で、施設によりましていろいろとくふうしていただいておると思いますけれども、費目として一応申し上げますと、日常諸費の中から出す場合もあり、あるいは保健衛生費の中でまかなうというような場合もあろうかと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 その日常諸費が一日百円で、そして光熱、水道、それから医療、石けん、歯みがき、みんな出さなきゃなんないわけですね。たいへん低い額なんです。先ほどおっしゃいました生活指導訓練費、小づかいみたいなものですけれども、それも八年間一銭も上がらない、ちょっと年齢では改善されましたけれども。で、そういう中に置かれているわけなんです。で、そういたしますというと、実際見てみますと、その小づかい百円じゃどっこにも行けないというので、冬、スケートへ行こうと思ったら、汗かいているもう春先からそのお金ためなきゃなんないんですね。それから今度は歯みがき足りないというような場、合、日常諸費が足りないというので、朝、見ていましたらね、子供をずっと——大臣、聞いてくださいね。子供をずっと並べましてね。そして歯みがき、ちょっちょっちょっと、こう、色だけつけるんですね。これで子供の福祉なんて言えるかどうか。そしてその歯みがきをどれだけ長く使ったかというのが委員先生の評価されることにつながるというもうたいへんな実情なんです。だから先ほどおっしゃったような、保育費は一応ゼロになっていますけど、二円で、わずかでございますが、全体の措置費から回しますなどとおっしゃっても、全体の措置費がもうぎりぎり、全部はみ出しちゃっている中だから、まことにこれはお粗末な費用でしかないと、そう思うんです。で、子供たちにしてみれば、どうにか散髪代だけでも出してほしいと、こういうのが切な願いで、私はもう胸が一ぱいになってきたんですけれども、散髪代という新しく項目つけていただくということできないですか。大臣ひとつお答えをいただきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) どうも散髪代というふうになると、今度はちり紙代だとか何だとかいうことになりまして、やはりそういうものを総括して、男の子もあれば女の子もあれば、いろいろありますから、まあ大体のところでということでいくより実情はやむを得ないんじゃないだろうか。しかし、その大体のところという数字は十分とは言えない。したがいまして、来年度も少しは大蔵省で奮発してもらおうと、かように思っております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 大蔵大臣ね、いまお聞きになって、ちょっと数字のケタが違うので、びっくりなすったと思うのですよ。大きな数字をかかえている日本の経済の中で、一円、二円が問題になっているというのは、こういう子供たちの施設の場合に一円、二円が問題になっているわけなんです。そうしてまた出すほうも、概算要求で出すと、百二円要求したら、二円削って百円になったという、この一円、二円削ったり何かというのはまことにたいへんな状態だと思う。で、やりたいと思うけれどもやれないんだというのがお答えになるわけですけれども、大蔵大臣、ずっとお聞きになっていて、こういう予算をもっとほんとうに福祉国家といわれるならば、口ではなくて、この予算をどういうふうにやっていくという決意をお持ちなったかどうか、お伺いしたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) いまおっしゃられた各項目の、たとえば見学旅行費というものは本年度二割アップしましたが、そのほかは一割、それから日常諸費が、いま言われたものが八・七%というようなアップで、全体として本年度の予算は十億九千七百万円を増額したということで、全体としましては、保育所の措置費と重症心身障害児の措置費等で全体としては千三十四億で、二八%以上の増額ということにはなっておりますが、いまの特に入所者の子供の待遇改善の点は、見ますというと、やっぱりまだ改善する余地が十分あるように思われますので、これは他に、みんなどの部分を見ても、みんな歩調をそろえて少しずつ改善しているという措置をとっておるときでございますので、これは来年度の予算においては相当考えなければならぬ問題だと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 たいへん歯切れの悪い御答弁で、もう先の期待が持てないわけなんですけれども、もともとが全然低いんですね。人たるに値するどころか、もうやっと生きていくというような状態なんだから、前年度に比べて何%なんていうのがそもそも頭を切りかえてもらわなきゃならないのです。この児童福祉法や憲法でいわれているその子供たちをどう待遇していくかと、そこに基準を合わせてどうなんだというふうに考えてくださらないと、何%上がりました、全体では何ぼですなんといっても、具体的にそれじゃ幾ら上がったんだといったら、一円、二円というような数なんですね。だから、その辺、頭をちょっと切りかえてもらえるでしょうか。見込みないですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 率にはこだわらぬということを申しましたので、どうしてもこれが必要だと思うものについては、これはもう必要額に直すというようなこの改善を来年からしなければならぬと思っております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 じゃ、散髪代、どういうふうにやってもらえますか。こだわりますけれども、ものすごく切実な要求なんです。そこを二人でちょっと調整してください。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) まあ必要な散髪のできるぐらいなことにいたしたいと、かように思いますが、ただ、散髪代として入れるかどうかということは、これは私は疑問だと思います。大体いまおっしゃいますような諸施設は、昔のいわゆる慈善事業というようなことから出発して、そして新憲法になったにもかかわらず、そういったような考え方で発足したものが今日までまだやはり尾を引いている、かように私は考えておりますので、そこの考え方を大きく切りかえて、もう考え方は切りかえておりますけれども、実行はまだそこまで及んでいないというので、年々努力をいたしたいと考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 大蔵大臣、いま厚生大臣からそういうふうに考えたいとおっしゃいましたが、それ、財政的に裏づけていただけますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 項目で見ますと、さっきの日常諸費とかあるいは日用品費とか、いろいろな項目があって、それを全体として少しずつアップしているということでございますが、やはり内容が問題で、そういうどうしても特に見なければならぬという内容を含んでいるような場合には、個々の内容というのじゃなくて、全体としてこの費用をどのくらい上げるかというようなことでやはり解決するのが一番いいんじゃないかと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 具体的に散髪代として考えてもらえますか。それを聞いているのです。ほんとうにたいへんなんです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) あまりこちらは実務をよく知りませんので、どういうふうに実際にはやれるのかどうか。要するにそういうものの改善費というものを強化すれば、その範囲でいろいろそういうことを実際の現場において実情に沿ったやり方をしてもらうよりほかしかたがないんじゃないかと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 確認します。どの費目に入るかわからないけれども、散髪ができるような措置を来年度は財政的にも考える、というふうに受けていいですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 小笠原委員が散髪代を非常に主張をしておられたということを念頭に置きまして、そういうようなことのできるように努力をいたしたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 大蔵大臣、厚生大臣が言っても、おたくで出さなければできない。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 散髪代と特定しなくても、まだほかにたくさん実際に必要なものはあると思いますので、そういう問題をひっくるめて待遇改善するということについてはお約束いたします。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それでは労働大臣、お待たせいたしました。一言だけ、あと時間——この次に移します。  お伺いいたしますが、処置をする職員ですね、子供たちに接する。この職員の問題というのが非常に多いわけなんで、定数の問題、それから賃金の問題、特に民間格差の問題についてだけ一言お考えをお聞きしたいと思います。

塚原俊郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊郎君) 社会福祉施設に働いている方々についての御質問だと思いまするが、四十六年度にその実態を調査いたしまして、御必要とあれば政府委員をしてそのこまかいことは答弁させまするが、やはり一日九時間の労働というものもございまするけれども、これは労働基準法研究会でもそれぞれ御研究願っておりまするが、私たちはやはり八時間以内でこれを押えるという形の行政指導もいたしております。さらに賃金等の問題におきましても、やはり公立と私立との間には差はございまするけれども、ほかのものと比べまして、やはり見劣りのないような措置をするため、厚生省に対して調査結果の報告並びに勧告、要請、厚生大臣ともたびたびお話もいたしておりまするけれども、一日も早い改善を望んでおる次第でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 労働省から、その調査の結果でいま言われたような意見が出されているわけなんですけれども、それを受けられて、厚生省のほうでは定員の問題、民間格差の問題はどういうふうに具体的に考えられましたか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) そういうこともございまして、定員も増す、それから給与、待遇も、少なくとも国の公務員の待遇並みに引き上げるというので、待遇の問題は去年とことし——定員もそうであったと思いますが、しかし定員はまだ十分ではございません。四十八時間制を守るだけの定員にはなっておりません。これもさらに進めてまいりたいと、かように思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 じゃあ、定員を改善するということは来年度も引き続いて考えていらっしゃるというわけですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) さようでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それから、民間格差の問題はどうですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 民間格差……。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 賃金。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) まあ国家公務員との格差のないようにということをいたしておりまして、まだ民間格差にまで手が及んでおりません。これも努力をいたしたいと思っております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 一応それは今年度四・四%の予算で出されていると思いますが、来年度も引き続いてそれを計画的にやっていただけるということでしょうか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 来年度は何%になるかわかりませんけれども、引き続いて努力をいたしてまいります。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それでは、次に教育の問題に移らしていただきたいと思います。  障害児に対する教育、一体どういうふうな保障がされておりますでしょうか。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) 精神薄弱、肢体不自由児、または病弱の児童生徒が就学する養護学校が昭和四十六年度におきまして二百六十一校ございます。その対象とされる約五万二千人の四四%にあたる二万三千人がこれらの学校に就学をいたしておりますが、肢体不自由児に関しましては百二校、七四%が就学しております。精神薄弱、病弱につきましては、それぞれ、精神薄弱では十七校、病弱については四十二校、精神薄弱については三〇%、病弱については二九%が就学しておる、その他の者は小学校の特殊学級で勉強しておるという状態になっております。が、これはまことに残念なことでありますので、養護教育の振興というものにつきましては、特に今年度から力を入れることにいたしまして、中教審は十年という期限を切っておったのでありまするが、私どもはこれを七年間で完成をいたしたいという考え方で、これらの学校の設置を促進をいたしたいと存じております。率直に申し上げまして、施設、設備、教材及び給与について二分の一の補助を行なっておることは、これは過去のあれであります。その結果、肢体不自由児については、すでに全県に県立学校の設置を見ております。ところが精神薄弱及び病弱につきましては、精神薄弱については二十三県、それから病弱については二十七県がまだ未設置の状態でございますので、今後はこの解消をはかりますために、昭和四十七年度を初年度とする新たな年次計画によりまして、引き続きすべての対象児を就学させるに必要な学校の設置を強力に推進したいと考えております。特に、四十八年度を目途に精神薄弱及び病弱の未設置県の解消をはかりますために、今年度予算でお願いをいたしましておりますのは、新設養護学校の設置費の国庫補助率を三分の二に引き上げるなどして、奨励をはかっておるところでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いまおっしゃいましたような数から見ましても、まだまだ就学しているというには学校が足りなくてだめなわけですね。それで、四十九年度からの七カ年計画というのをやっていらっしゃいますけれども、それが達成されるというと、障害を持っている子供はみんな就学できるというふうにお見通しでいらっしゃいますか。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) 障害を持っております子供が全部入学ができるということは必ずしも保証できません。と申しますのは、先生御承知のように、病弱で養護施設に入っている子供等がございます。これらの者は、就学義務があるということで就学をさせることによって病気を進行させるおそれもございますし、これがかえって教育上弊害を来たすという場合も出てくるのでありますので、全部が全部というわけにはいきませんが、できるだけ教育の機会の均等を得さしめたいと、こういうことが私どもの念願でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 病気の子供を学校へやると、病気に影響するという考え方ね、文部大臣のお答えちょっとおかしいと思うのですね。つまり、教育というのは学校に子供を入れるというのが教育でないし、教科を教えるだけが教育ではない、だから、私が言った就学できますかというのは、そういう学校とか、教科とかのできないというのではなくて、教育全体、教育そのものを受ける権利というものから見た意味の就学という意味なんです。そうすると、いまのお答えではそういう就学をすることが不可能だといわれる者ですね、そういう者は就学させなくてもいいと、そういうふうにお考えになる。そうすると、それはどういう——猶予、免除という規定の者は就学するのは無理だと、こういうふうにお考えになるわけですか。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) これは考え方の問題でございますが、私は、本質的には学校教育の過程において子供の健康管理をやることは当然のことだと思います。ただ、しかしその程度は、教育という環境の中に置くことが適当であるか、治療という環境に置くことが適当であるかということは、おのずから判断の基準が私はあるだろうと思う。だから一〇〇%というわけにはまいりませんと、こう申し上げたわけであります。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 これはたいへん大事な問題なんです。教育をどう考えるか、治療か教育かと分けるんじゃなくて、子供の教育を受ける権利というのは、からだが悪ければ、医療そのものを保障しながら教育というものを入れていかなきゃならないわけですね。だから教育というものはこっちかこっちかでなくて、こっちとこっちと重ねていかなきゃならない。ことばでいえば厚生福祉行政と、それから教育行政というものがかみ合っていかなきゃならない。それがいまだと、こっちかこっちか、ちょっと教育担当の大臣にしてはお粗末な答弁だったようなんですが、どうです。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) おしかりを受けましたけれども、この問題については私も真剣に考えております。また、現在のところ、これを医学的にどうすればいいという結論が出ておるわけじゃございません。国立特殊教育総合研究所で今度は実験教室を持ちますゆえんのものも、そういう意味における教育というものをどうするかという問題を検討をしようという意図でおるのでありまして、基本的な考え方において小笠原先生と私とが食い違っておるとは私は思っておりません。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 文部省の出されたこれを見たわけなんですけれども、いまおっしゃったような、教育が困難だというような形で就学免除とか猶予とかいうことがあるわけなんですけれども、ちょっと数字言ってみてくださいませんか、どれくらい就学の免除、猶予になっているか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) 四十六年度の五月一日で申しますと、約二万人でございます。その内訳は、大体精薄が一万二千名程度、それから肢体不自由が四千五百名程度、それから病弱、虚弱が二千六百名程度、あと盲ろう関係もございますが、大体数字はそのとおりでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 この免除、猶予されている理由はどういう理由になっていますでしょうか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) 理由は障害別にただいま申し上げたとおりでございますけれども、実際には、これは市町村の教育委員会が専門家の意見を聞きまして判断をする、あるいは、これは元来保護者から願い出るものでございますから、保護者の希望等を勘案いたしまして、その障害の程度によりまして猶予、免除を行なうということでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 専門家とおっしゃいますけれども、おたくのほうの専門家が言っていますけれども、こういう猶予、免除の一番大きな原因は、学校施設が足りないということが一番大きな問題だというふうに言われていますが、どうですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) それは御指摘のとおりでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それでは養護学校、いろいろな施設と学校というものができればはいれる対象だというふうに考えられるものを、どれくらいと見積もられますでしょうか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) 先ほど大臣が申されましたように、まだその特殊教育の総合研究所等で研究をいたさなければならない部門がございます。しかし、私どもの理想としましては、全部のものを学校に収容したいと、そういうふうな気持ちでやっております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 この数字で見ますと、精神薄弱の就学猶予、免除というのが非常に大きくなっているわけなんです。で、盲ろうのほうは施設がだいぶ完備してきたからと、こういうことなんですね。そして、いまおっしゃったように、学校が足りないというのが猶予、免除の原因だとすれば、それは子供のほうの理由で免除されたのではなくて、行政のほうの立場から、お金がなくて学校ができないから、免除と猶予にしちゃっていると、こういう結果になるわけですね。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) 確かに、結果的に申しますとそういう結果になります。御承知のように、特殊教育というものについて政府が力を入れるという方針をとりましたのが昭和三十二年のことであります。それまでは、親もかたわの子供を持っておるということをなるべく世間に知らせたくないという気持ちがあったようであります。そこで、精神薄弱児などを持っております家庭ではひた隠しに隠しておったというのが、私はそれまでの実情であろうと思うのであります。そこで、それらのことを踏まえまして、今度は大いばりで学校に行ける施設をつくってあげなきゃならぬというのが私のただいまの念願であります。そういうように御理解をいただきたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そうすると、大臣は学校をつくってみんな入れたいと。で、子供たちもそれにはいれれば学校で教育を受けるというような、そういう対象者でもあるということになれば、その原因になっているのは、学校が足りない、施設が足りないというようなところが原因になっているわけですよね。だから、その原因をつくっているのはおたくのほう——おたくというか、政府、行政当局のほうの責任なんだから、子供が就学をする、教育を受ける権利というものから出ていないわけですわ、理由は。そうすると、子供の教育を受ける権利を守るという立場からの猶予とか免除とか——行政当局のほうの理由で猶予、免除という規定を設けるというのは、いままでの論だと不当だということになるんですけれども、いかがでございますか。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) これは小笠原先生せっかくのお話でございますけれども、私はこう考えます。民法の規定の親の介護権、教育権という立場から申しますと、親が子供を特殊学校へやることが子供の健康上好ましくないと考えまする場合に、私どものほうでこれを拒否しろとということを言っているわけじゃありません。したがって、親が医師の診断書を添えて猶予を願い出た場合には猶予してもよろしいということになっておるのでありまして、放置しておるわけでもなければ、子供の教育権を文部省が侵害しておるということでもございません。ただ、一つ言えますことは、今日までの特殊教育に対するものの考え方が非常に甘過ぎたということを私どもも反省をいたしております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 親のほうにそういう隠したがるとかいろいろな事情があったということもわかりますけれども、私は今日、親の立場に立って文部省の態度というのを伺っているわけなんですね。だから、おたくのほうの理由ですね。先ほど何回もおっしゃったように、本来、施設があればそこへ行って教育を受けられる対象の児童なんだと、しかしその施設がないために、だから、猶予と免除という規定の中にはめ込んで学校教育という教育権を押えているというのは不当だと私は思うんですけれども、それ不当じゃないですか。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) 特殊教育の施設が不十分であったということは、私はこれは率直に認めざるを得ないと思いますが、と同時に、今日までの、少なくとも昭和三十八、九年ごろまでの親の考え方の中にそういう考え方もあったという事実だけは小笠原先生もお認めをいただきたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 親のほうはいいです、親のほうは。いま私が言ったのは、親のほうの事情はいいです。だけれども、おたくのほうの事情で入れられる施設がないから、だからおまえは猶予だ、免除だと親に免除して、そして子供の教育の権利が放棄されてしまうということは、考え方はおかしいんじゃないですか。逆じゃないですか。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) いや、少なくとも文部省はそういうことを言ってはおりません。親から医師の証明書をつけて猶予を願い出た場合には猶予する。ただ、まあそうは申しましても、それじゃ一体施設はできておったのかとおっしゃられると一言もありません。施設はできておらなかったんでありまするから、この点は率直に私どもが昭和四十七年度を初年度として積極的に取り組むということを申し上げておるわけであります。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 だから、私が言いますのは、子供の立場に立ってみれば、そういう施設や何かが足りないというおたくの理由でこの教育権というものを奪われたくない。奪うべきではない。だからそういう子供については——教育というのは知的教育だけではありません、教育というのは。だから、そうしたら、それはお医者さんとか生活訓練士だとか、それから教育の立場からの心理学者、そういうようなものがチームワークを組んで、この子供に対してはどういう教育をすることがいま国の責任であるかという立場に立って、教育を保障していくということが基本的にあるのかないのかですね。だから、私がさっき言った学校教育法も、憲法の精神に沿ってそういうふうに運営されるとすれば、そういう子供だから、親が免除してくれと言ったから免除しましたということでは、責任放棄になると思うんです。だから、その子供たちに合った、障害に合った教育というものを保障するというのが、教育の国の義務、責務じゃないですか。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) もう基本的には小笠原先生のおっしゃるとおりであります。私どももその方向に向かって努力をいたしております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 で、そういたしますと、猶予、免除してほしいと、おたくのほうがおかあさんに頼まなきゃならない立場になるわけですよね。そうしますと、免除してやるというのではなくて、行政当局の立場で、そういうことができないのだからしばらく猶予してくださいということになるわけですよね。そうしますと、ここに免除と猶予と規定がありますけれども、免除という規定は、私はどうしてもはずすべきだと思うんです。猶予しなければならない事情がある、それは現実にしようがないとしても、その猶予というのは期限をまた重ねていけばいいんだから、おまえにはこの教育は免除するのだというのではなくて、少なくとも、免除規定ははずすべきだと思うんですが、どうですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) 考え方としましては、仰せのとおりだと思います。しかし、先ほども大臣が例を引かれましたように、どうしても教育に乗ってこないというものが、これは将来ともあり得るのではないかというふうな気もいたすわけでございまして、にわかにどうこうするということは申し上げられませんので、これは将来の検討課題ということにすべきだと考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 あの掛け字、ちょっと出してくださいませんか、そこに。大臣、ここへきて見てもらいましょうか——。いまのお答えで、つまり子供の障害に応じて、これは教育というものはちょっと困難だ、その子供のためを思って猶予、免除という規定を残したいと、こういうふうにおっしゃったわけです。で、その子供たちは、いまのことばで言えば教育に乗ってこないから免除をしなければならない、猶予しなければならない、教育になじまない、学校になじまないとかいうことばで言われているわけですね。そこで、私はこれを皆見ていただいたわけなんです。  これは御承知だと思いますけれども、香川県の宇川文子さんとおっしゃる方なんですが、この方は、盲ろうあ者であって、本人は学校へ行きたかったのです。本人は行きたいのですけれども——ここが大事です、本人は学校へ行きたかったんだけれども、そういう学校がない。そして重症だ、盲ろうでたいへんだというので免除されて、二十までほうっておかれたのです。それを四十三年に文部省の調査があって、京大の中谷助教授が行って、文部省の調査官と一緒になってこの人に接して、これは教育の対象にならないというはずはないというので、実は教育をされてきたわけなんですね。その免除になったときには盲ろうですね。それからIQでいったらゼロに近いような、ほんとうに頭も薄いというようなので免除されていたわけなんです。そこで四十二年から三年間、実験学校で、香川で専門の先生が教育、訓練、先ほど言ったような医療も教育も、そして訓練もという、ほんとうに教育という内容をぶつけて実験をして三年間やった。そして、それじゃ相当のところまできたからというので、現在ろう学校に在学していらっしゃるわけなんですね。  これを書かれたのは二十過ぎて実験学校三年、それからろう学校へ行って、つまり四年目なんですよね。四年目でこれだけの字が書けるようになったんですね。そして目が全然、光覚、光というのを感じる程度のこの目の視力も、〇・〇六まできて、そしてこうやって大きな拡大鏡で見れば少しわかるというところまで、教育することによって、医学的にもそこまで進んできているわけなんです。そしてIQは幾らになったかといったら、一〇〇以上になっているというのですね。そうすると、普通の子供なんですよ。  そこで私が強調したいことは、教育に乗ってこないというのは、一体どこを基準にして言われるのか、乗ってこないどころじゃない。りっぱでしょう。私なんかよりも、筆勢なんていうのはとってもよくできていますよね。ここまで書いた。IQも一〇〇ぐらいになった。とすれば、ここに教育というものが、障害が厚ければ厚いほど教育的な配慮、医療、福祉保護、そういういろいろな問題を通して、この子供にあたたかい光を当てて行かなければ、この子供がそのままほうっておかれたら、ほんとうに目も見えない、口もきけない、字も書けない、暗黒の暗やみの中で人生を送らなければならないのですよ。ここに教育というものがいかに大事か、これにこそ憲法、教育基本法にうたわれた子供の命を取り戻すという大きな役割りがここにあると思うんです。だから、なじまない、乗ってこない、だからだめなんだと免除するのではなくて、この子供の可能性を引き出すようにすべきだ。だから免除というのはどうしてもはずしてほしい。免除をはずして、そして、少なくとも現状でしかたがないというなら——猶予くらいなら、まだ私は妥協するけれども、こういう子供たちをそのまま廃人にするのか、しないのか、免除はやめてほしいと思います。どうですか。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) 制度上の問題でございますが、扱いの上において免除ということを別にやらなきゃならぬことはございません。私も三十年ばかり前にヘレン・ケラー女史に会ったことがあります。人間の能力開発というものにいかに教育が偉大なものであるかということを痛感いたしました。そういう点から、私は、特殊教育というものに特に力を注いでいるわけであります。いま先生が情熱をこめてお話しになる、私も、実は精薄の学校の顧問をやっておりますが、幾ら精薄の子供でありましても、みんなそれぞれ天の与えた何かを持っておることだけは間違いでございません。たとえばブタを飼わしてみれば、とてもくろうとのブタ飼いよりはよっぽどじょうずにブタを飼う子供がいます。鶏を飼わしてみるというと、だれもかなわない鶏飼いの名人がおります。それらの天賦の能力を引き出してやるということが、私は特殊教育の一番大事な問題であろう、こう考えておるのでありまして、いますぐ制度上の問題を云々するよりは、私は、扱いとして、猶予はいたしましても、免除という扱いは特別の申請がない限りは扱わない。こういうような姿勢で臨みたいと考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 私はこれを言って、ほんとうにそういう子供を持ったおかあさんたちがどんなに苦しみながら教育の問題考えているかという、ほんとうの気持ちをわかってほしいのですよ。そうして、それの責任を私は国が果たしてほしいと思うのです。いま制度上の問題と言われましたけれども、そういう制度があるから、義務化されていないから、放置されるのですよ。この制度をなくして、そうして義務化されれば、これは当然の責任として具体的にやらなければならなくなるわけでしょう。義務教育の子供がふえて団地ではたいへんだといったって、赤字をかかえても、教育で学校は保障していくでしょう。そういう制度があって、義務化ということの内容が出てくるわけなんですよ。だから、これは制度の問題じゃなくて、この子供の教育権を保障するという立場に立てば、この制度そのものが教育権を保障しない、そしてずるずると引き延ばされて、もう戦後四半世紀たっている現状、まだこういうところに置かれているということを私は指摘したいわけなんです。だから、何とかもう一度考えていただきたいと思います。  それからまた、時間がなくなりましたけれども、文部省のほうで出されました通達、厚生省のほうで出されました通達を見ましても、こういう施設に入る子供は、猶予、免除の規定がなければ入れないよというふうに、ここでもまた壁がつくられてきているわけなんです。だから、猶予、免除の規定をはずす、少なくとも免除規定というのは、ほとんど出したくないとおっしゃるなら、出さない。必要だったら、猶予を重ねていけばいいんだから、その点まではっきりさせていただきたいと思いますし、こういう、文部省からそういう免除、猶予の手続をしなさいという指導をしている通達だとか、こういう免除、猶予の規定のある子でなければ入れないのだという厚生省の通達、こういうのは直ちにやめてもらいたいと思います。いかがですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 厚生省のほうの通達につきましては、文部当局とも打ち合わせをいたしまして、私の考え、個人の考えといたしましては、撤回をいたしたい、かように考えております。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) 文部省の立場といたしましては、ぜひ厚生省の施設に、猶予であろうと、免除であろうと、入れていただきたいということを、これは両省の間で十分話し合いを遂げたいと思っています。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 通達は破棄するおつもりですか。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) 通達は別に破棄しなくとも、私は猶予でけっこうだ、こう考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それじゃ、最後になりましたけれども、私がいま言いましたのは、決して私個人でもないし、日本だけの問題ではなくて、いまの教育全般の国際的な水準から見て、こういうことがもういまの教育者のほんとうの考え方にもなっていると思うんです。  そこで、一九六〇年十二月十四日の国際連合の教育科学文化機関第十一回総会で、教育差別反対に関する条約というものが批准されているわけですけれども、その内容をちょっと、大事ないまの差別の問題についての項をお話しいただきたいと思います。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) 一九六〇年のユネスコの教育上の差別待遇反対に関する条約、これは教育における差別待遇の防止に関する条約という形で出ております。一九六〇年の十一回ユネスコ総会において採択せられたものであります。しかし、この条約の内容は、各国において人種、言語、宗教その他諸種の条件や事情により教育上の差別を起こさないようにすることを趣旨とするということが条約の趣意でございます。  わが国の場合、教育における差別の実態は実はないのであります。が、しかし、これは列国との関係もございます。すでに五十カ国ばかりは批准をいたしております。文部省がイニシアチブをとってどうこうという問題じゃありません。むしろ外務省の所管の問題でございますが、私ども別にこの問題に反対をする意思もございませんし、また、この条約そのものは、わが国にとって特別に大事な問題であるという、条約の趣意から申しますると、性質のものではないと、かように考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そういう評価をされているから全然だめなんです。この条約第一条の2というところをちょっと読んでみてください。

西田亀久夫日本ユネスコ国内委員会事務総長

○説明員(西田亀久夫君) 先生の御指摘の第一条の2のところを読み上げますと、「この条約の適用上、「教育」とは、すべての種類及び段階の教育をいい、かつ、教育を受ける機会、教育の水準及び質、並びに教育が与えられる条件を含む。」、こういうようになっております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 じゃ、これはおたくのほうからもらってきた、ユネスコ協会国内委員会からなんですけれども、ここにはっきりと「就学の権利」ということも差別に入ると書いてあるんですが、どうなんでしょうか。

西田亀久夫日本ユネスコ国内委員会事務総長

○説明員(西田亀久夫君) この条約の中では、第一条に、ここでいう差別とは、ということを明確に定義をいたしております。そうしてそれは先ほど大臣が申し上げましたように、「人種、皮ふの色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、経済的条件又は門地」、そういうものによる教育上の待遇の不平等が起こってはならない、こういう趣旨でございまして、教育を受ける機会というものにつきましても、この教育の問題の中に含まれておるとございますが、この資料は、もとの条約は英語、フランス語その他が正文でございまして、この外国語のものを日本語に訳します場合に、そこにいろいろ解釈上の疑義が起こらないような配慮が必要になってまいります。  で、ただいまの第一条の御指摘の二項におきましては、その教育の機会と日本語に訳しておりますのは、もとの原文ではアクセス・ツー・エデュケーション、つまり学校へ行けるようになる就学の道という意味でありまして、就学のチャンスという意味ではない、そういうように解釈すべきだと思っております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 就学の道そのものが就学の権利につながる問題だと思うわけなんです。私は、この解釈ということばの問題で、やっぱりここでうたわれている大事な問題が非常に私は薄められてきて、いま御説明になったと思います。そのことに、先ほど言ったように、当然受けられるべきそういう子供たちの権利、そして当然成長していける可能性を持った子供たちを、制度上の問題として、それから続いて具体的には教育を保障しないという結果、そういう子供たちを廃人にしてしまうという立場から立てば、どうしても免除とか猶予とか、そしてまた、通達というようなことで差別することはやめなければならないと、こう考えるわけなんです。  時間がなくなりましたから終わりますけれども、初めに聞きましたところでは、すべてこれ憲法の精神、また教育でいえば教育基本法の精神に沿ってというふうに考えていらっしゃるし、やりたいと思うとおっしゃるけれども、それは美しいことばであって、事実で見ていくと、まだまだ不十分だということを私きょうまたあらためて考えさせられました。どうか、そういう機会が少ないかもしれませんけれども、ほんとうに切実な、親が自分の命にもかえがたい子供たちに対して、どう考えているかという点を、ほんとうにその心情をつかんで、ことばで理解するのでなくて、その心情をつかんで行政の面で反映させていただきたいということを申し上げて終わりにしたいと思います。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 以上で小笠原君の質疑は終了いたしました。  午後一時再開いたします。暫時休憩いたします。    午前十一時四十七分休憩      —————・—————    午後一時五分開会

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) それでは、ただいまから予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行ないます。杉原一雄君。(拍手)

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 四月七日の総括質疑の段階において、新全国総合開発計画、新全総の改定の問題について、総理並びに経済企画庁長官からそのことをお認めいただいて、特に公害のたれ流しの問題とか、あるいは住宅不足なり社会資本の不足、その他についての確認の上に立ってこれから総点検をするんだと、こういう話でございましたが、もう時日の経過も経ておりますので、企画庁のほうにおいて総点検の目標、それから日程、いわゆる一次的な目標と申しますか、そうした問題等が新聞等でちらほら出ておりますけれども、長官のほうから明確にそのことを答弁いただきたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 新全総計画の点検の作業は、もうすでに着手をしておりますが、御承知のとおり、これは国土総合開発審議会に諮問して、その答申をいただくことになっております。まあ、しかしながら、経済企画庁としましても、事務的にその準備作業に取りかかっておりますが、まあおおむねこの秋ぐらいにはその総取りまとめを終了いたしたいと、こういうスケジュールで進めております。したがいまして、まだ、いろいろ報道に出ておりますのは、それまでにおける事務的な作業の段階における試案というような程度のものでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 目標というのは時日の問題だけでなくって、点検の目標というのはいろいろな角度から行なわれるわけですが、伝えられるところによると、八項目というようなことなどもすでに言っているわけですから、その八項目とはどういうことなのか、こういうことなんです。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) まあ総点検の目標と言えば、一言に言って、とにかく経済成長が非常に想定を上回るような急速度であったこと、また、環境問題がこの現行計画以後において非常に大きな、また深刻な問題になってきたこと、それに対応するような取り組み方をやるということが、この目標でございますが、また作業の態度でございますが、しかしながら、いま御指摘の八項目については、まだ私ども経済企画庁として確たる方針をきめたわけではございません。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 これからの質問も新全国総合開発計画が四十四年に出発以来、今日時点で多くの問題を残している。だから改定の要あり。企画庁長官がいまその改定についての総点検の大まかな作業目標を明示したわけでありますので、これからそういう改定の要ありという観点から、あるいは経済協力の問題、農業、文教その他の問題等について質問をやっていきたいと思います。  一番初めに新全総改訂という大前提の上に立ちながら、いま絶好の自己批判の時期でございますので、貿易構造なり経済開発援助等について通産大臣を中心として質問を行ないたいと思います。  第一点として、先般通産大臣が各委員の質問にも答えながら、愛知首席代表にはある程度の手みやげを持たせてサンチアゴの会合に出席さしたと。すでにきょうは十九日でありますから、かなりの時日を経過いたしました。この時日の経過の中で、持って行かれたおみやげの中身もさることながら、かなりの大きな批判なり、われわれの考えた以上の問題が起こっているんじゃないか。おしなべてきびしい批判が日本を含めた先進国に加えられているという事実等が報道されておりますけれども、通産大臣のほうで今日までキャッチされた会議の進行の状況等について、あわせて、日本の立場から、そうしたことから日本の今後の貿易の質とか量とか経済援助の問題等について、総括的に何か考えをまとめておいでになることがございましたら御答弁をいただきたいと思います。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) まだ、UNCTADの会議において参加各国の代表が全部演説等行なっておりませんので、これが詳報は届いておりません。しかし、前段の御質問にも申し上げましたとおり、日本が一九八〇年を目途にして、努力目標ではございますが、国民総生産の〇・七%に政府援助を近づけるよう努力をするということを骨子とした愛知代表の演説は、非常に好感をもって迎えられております。これは新聞報道その他で御承知のとおりでございます。特に、開発途上国は、この実現性の非常に高い——特に、アメリカが一〇%後進国援助の削減等を発表しておる事態に徴しまして、勇気ある発言であり、実行性のある具体性を持つ提案であるということで、非常に好評を博しておるわけでございます。いま御指摘のございました、その他いろいろな批判があるということでございますが、まだ、その批判というような部面に対しては全然届いてはおらないわけでございます。批判は、現在のところ、愛知代表は早く発言をして基本的な姿勢を明らかにしましたので、好感をもって迎えられておるということであって、批判がましいものはいま出ておらないと、こう理解をしております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 大臣の手元に入る材料は、かなりいい材料だけしか入らないような気がいたしますね。たとえばEC委員会の委員長のマンスホルトあたりが、GNPの〇・七%では低過ぎるんだと、こういう基本的な考え方も明らかにしておりますし、量と条件の最低線をきめることが必要だというようなカナダのマーチン代表の発言なり、あるいは、多国間援助を先進国は現在より三分の一ふやせ、少なくとも二十億ドルにといったような提起等もございまして、やはりあなたも、信頼されるような新聞の面では、逆に、愛知代表は孤立する、日本の経済援助が孤立しているような表現等も伝えられておるわけですが、その辺のところが通産大臣のお耳にはどうも入らないようですが、そういったようなにおいはしませんか。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 低開発国の——低開発国といいますか、開発途上国の国々の言うのは、質も量もふやすということでございます。これは日本だけに言っているんじゃなくて、先進工業国全部に言っているわけでございます。これは国民総生産の一%というものを実施をするようにということでございます。日本はもう〇・九三%というところまできておるのでありますから、日本は、先進工業国の中で量においては第二番目にランクされておるわけでございますから、これは一%を実現することはそうむずかしいことではありません。しかし、アメリカの場合は対外援助を一〇%削減するというような状態にありますので、まず、一%に近づけなければならないということで、先進工業国に対しては一%を達成するようにという要求があるわけであります。それから第二の問題は、これは先進工業国同士の話でございますが、日本は、少なくともその中に占める質の問題、政府援助の量をふやすべきである。政府援助は、平均数字は〇・三二%でございますが、日本は逆に〇・二三%であるということで、DACの平均数字までどうしても達しなければならない。まあこれはいろいろな理由がございますが、いずれにしても、早くこの平均数字まで質の面で向上しなければならないということでございますが、それはいままでの問題でございまして、今度、愛知代表は、アメリカでさえも国民総生産の〇・七%に政府援助を上げることはしごくむずかしいと言っているときにもかかわらず、日本は七〇年代で〇・七%を達成すべく提案をしたわけでありますから、日本の勇気ある、現実性のある、しかも開発途上国が双手をあげて歓迎をしておるということを、こちらが自発的に述べたわけでありますから、この愛知発言というものは高く評価をされているというのが、これは現実でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 これは、たしか外務大臣だと思いますが、衆議院の予算の分科会の席上で、経済協力をこれからうんとやらなきゃならぬ。そういうことで経済協力省をつくろうというようなことを、わが党の岡田利春君の質問に答えているのですけれども、そういったようなことは、その後、時間的な経過がございますので、かなり各省との調査をとりながら具体的に作業に入っているのですか、どうですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 経済協力ということは、わが国の今後の政治課題として非常に重大な役割りを演ずるわけであります。とにかく、わが国は、経済大国だけれども武力は持たぬ。そうしますと、その余った余剰を国内のおくれの取り戻し、いま新全総ということをいわれますが、そういう方面に使う、同時に、一半はさいて世界のおくれた国々に使う。これは、私は、七〇年代のわが国の政治経済を通ずる最大の課題とも言っていいと思うのです。この最大の課題を推し進めていくというと、これはやっぱり財政負担もかなりかかる、そういうようなことになります。それから、世界の各国に対しまして目を開かなければならぬ、こういうような状態になってくる。そうしますと、いまの各省にばらばら分かれておる機構でいいのかどうか、こういう問題も起こってくると思うのです。そういうことを踏んまえまして、衆議院で、議員の二、三の方から機構上の問題はないのかという話がありました。それに対しまして、私は、そういう重大な問題でありますので、これは機構的にも何か考える必要があるかどうか。たとえば、言われるような経済協力省というようなことを考える、これも私は理論としては考えられる問題である。また、事の重大性からいいますると、この問題はまさに検討しなければならぬ段階にきておる。ただ、各省間の仕事を一つの省に集めた場合に、これは各省との間にやっぱり関連は出てくるんです。二重機構になるかならないか。二重機構にならないでいけるというような道がうまくできれば、経済協力省、またこれも私は非常にいいアイデアであるというふうに考えておるのでありますが、その辺、利害得失を考えながら、とつおいつというか、そういう状態であるというお答えをしておるのですが、なお、この問題は非常に重大な問題でありますので慎重に考えてみたい、かように考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そこで、開発途上国への援助ということにしぼります。同時にまた、東南アジアに地域をしぼります。そこで、これはどこかでまたやりとりがあったと思いますが、今月の二日に来日したゲレロ事務局長と通産大臣との話し合いの中で、これは外務大臣のところにも一緒においでになったと思うのですけれども、これに対する通産大臣の考え方が述べられているわけですが、これをここでもう一度御披露いただくと同時に、そのことが、日本政府のいま申し上げました開発途上国への援助の基本姿勢というふうに受け取っていいのかどうか、なかんずく、その中で投資重点に進めるということが強調されておるわけですが、その点をも含めて、通産大臣の今後の開発途上国への援助、基本姿勢ということでお伺いしたいと思います。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) この際申し上げておきたいと思いますのは、実際、愛知代表が述べた国民総生産に対する〇・七%の目標を達成しようというのは、たいへん日本は勇気のある発言でございます。それは、アメリカとの交渉の過程にもいろいろ問題が出ましたから私は述べたのですが、日本は、大体状態がアメリカや拡大EC諸国とは違うんだということが一つございます。それは、アメリカはいろいろ軍事援助をやっておりますから、軍事援助に付随する政府援助が当然大きくなるという状況にございます。それから、拡大ECの諸国は、第二次戦争が終わるまでは膨大な植民地を持っておったわけでございます。その植民地に対しては、債権もございますし、いろいろな関係が現に継続しております。そういう意味で、政府ベース間の援助が多いわけであります。日本は、その意味で、領土的野心もありませんし、軍事援助も行なわないということでありますので立場が違うんだということをよく説明をしましたら、その間の事情は理解を示しております。ですから、日本の政府ベースの援助というものを計算をするときには、対韓国、対台湾、それから日本がかつて賠償を支払ったときに、賠償に付随した政府援助というものを東南アジアに行ないましたが、そのときの状態と比較すべきものなんだと、こう言ったら、なるほど、そういう面から調べれば日本の開発途上国に対する援助は、かなり質がいいんだということを理解をしておるわけでございます。そういう特殊な状態にありながらも、率先して日本は〇・七%を目途として政府援助を広げようというのでありますから、これはもうほんとうに評価される問題である。この愛知提言が、これからの開発途上国援助の日本政府の基本姿勢になるというふうに理解をしていただきたいと思います。  また、東南アジアの問題に対して御発言がございましたが、二国間としては約十億ドルの供与を行なっております。これは一九七〇年ベースでございます。しかも、一九七〇年ベースのその十億ドルの中に占める政府ベースの援助は二億八千万ドル、これは政府開発援助の総額の七五%に及んでおります。ですから、東南アジアに対する援助というものは、量においては全部の六五%、それから質においては七五%と、こういうことでございますので、非常に集中的に東南アジアに投資が行なわれておると、こう理解をいただきたいと思います。まあこれからも政府援助を、ひもつきでない援助をだんだんふやしていこうという、量より質の時代に移っておりますので、二国間また多国間で十分協議をしながら、日本の投資が開発国の利益にもなり、また、ひいては日本との友好親善に資するように、また経済的に見ても、それが長期的な視野に立てば日本の利益にもなるということも十分考えながら、プロジェクト別に判断を示していくということになろうと思います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 その次に、経済緩助の対象の国家ですけれども、前の通産大臣の宮澤喜一さんが、新聞対談の中で、「われわれは米中共同コミュニケを踏まえて、日米中ソ四カ国を極とする“東南アジア中立化構想”実現に努力すべきだ。」というような談話を発表しているわけです。だからこの姿勢の中から、考えを対象国に発展さしていきますと、きのう、まあこの「経済協力の現状と問題点」、いわゆる白書をもらいましたが、発展途上国における経済開発と経済協力というのは、ここにあがっている名前、韓国、台湾、カンボジア、ラオス、南ベトナム、特に南ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシア、ビルマ、インド、セイロン、アフガニスタン、イランと、こういうことでございまして、あるいは北朝鮮、あるいは北ベトナム、こうした国国などはこの中から、経過報告ですね、白書から、はずされているわけですよ。そこで宮澤さんは、積極的なそういう意図があるかないかは別として、いわゆる他の国、なかんずく、北ベトナム等の貿易あるいは経済援助、そうした問題について、次の来たるべき経済外交として、通産大臣等の計画の中にちゃんと載っているのか載っていないのか、腹の中をひとつ聞かしてほしいと思うのですがね。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 基本的には、外務大臣がお答えすべきことだと思うのですが、御指名でございますので私から、私の立場で申し上げますが、北朝鮮、それから北ベトナム等は国交がございませんので、そういう意味では、政府間ベースの援助を行なうということは、これは災害でも起こったり、あるいは救恤的な意味があれば別でございますが、長期的な投資を行なう、援助を行なうということはできないわけでございます。それからもう一つは、これは民間ベースの問題をざっくばらんに申し上げますと、キューバと同じように、アメリカはいろいろな制度をつくっております。それで、そういうものと貿易をしたり何かすると、自分のところへ輸入しておるものをシャットアウトする、こういうような制度がございますので、民間の業者は、自分の権利を守るために、なかなかそういうものに飛びつけないという問題もございます。しかし、北朝鮮などは、民間ベースでは年々貿易を拡大しておりまして、去年度は五千九百万ドルでございましたが、ことしは一億ドルをこすだろうと、もっと大きくなるというような事態でございます。どうも北ベトナムの例をとると、これから拡大するかしないかという問題、これは外務省からの答弁のほうがいいと思いますが、私のほうでは、いま、さだかな計画を立てることはできない状態でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 北朝鮮はということなんですから、それに対しては、自然の流れだというふうな理解のしかたなのか、通産当局としてはもっと馬力をかけるという決意表明と受け取っていいのかどうか、簡単にひとつお願いします。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 政府間ベースというよりも民間ベースが主体で拡大されていく。時の流れ、水の流れというふうに御理解いただいてもけっこうです。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そうしますと、外務大臣のほうは承らなかったのですが、外務大臣の見解を伺います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) わが国は、米中会談の結果、アジアの情勢というものが、大局的にはこれは緊張緩和の方向に向かうだろうと。このかもし出された雰囲気というものを大事に育てたいと、そういうふうに考えておるわけなんです。また同時に、私どもが申し上げておりますのは、七〇年代の外交は脱イデオロギーというか、イデオロギーを越えまして、どの国とも仲よくしていくと、こういう政策にいたしたい、こういうふうに考えておるわけなんです。  ただ、御指摘の北朝鮮人民共和国また北ベトナム、これはわが国との国交が開かれてない、そこにまあ問題、支障があるんです。ですから、そういう制約を受けているその範囲内において仲よくしていかなければならぬと、そういうようなことで、北鮮に対しましては文化だとかスポーツだとか、そういう面からまあひとつ接触を開始しておる。北ベトナムにつきましても、同じような考えでありますが、通商におきましても、この間、通商使節団がわが国に来訪いたしました。そういう事実を積み上げながら関係の改善をはかっていこうと、こういうんですが、とにかくむずかしい点は、国交が開かれてない、そして、分裂国家のもう一方の当事国との間にはまあ友好関係が開かれておる。その辺を調整しながら、調和をとりながらまあ逐次接触を深めると、これが基本姿勢だと、こういう御理解を願いたいと存じます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ピアソンという人が、いまの場合は、国交が開かれているところにとにかく開発援助をやっていくと。そうでない北ベトナムなり、あるいは北朝鮮は民間——ないし、やらないということのようでありますが、ピアソンという人は、経済開発というものは政治的な安定の保障とはならないし、暴力に対する解毒剤ではない、変化は本質的に破壊的であると、こういうとらえ方をしております。だから、経済協力、企業進出も、原則として相手国の現政権、つまり南ベトナムの場合でも二つあるわけですから、こっち側の、いわゆる資本主義国家側の現政権に対する援助であるわけですから、そのことは、ずっと発展さしていけばどういうことになるか、これは私たちの長年の経験でわかるわけです。そういうふうなところ、いま外務大臣は、どうも国交が開かれていないので、障害だから、もうなかなか調和ある発展ができないという表現でございますけれども、それを乗り越えていく外交的努力、こういうものがいま大きく期待されるのではないかと思います。特に、私は、経済外交を進められる場合に、いままでの進め方に大きな修正、なかんずく新全総の改訂——内の新全総、外の対外経済路線の問題等についても大きく回転する時期がきているんじゃないか。それは第一点として、安保型の対外経済路線は、これは、結果的には何といっても孤立化の道である。重化学工業製品の輸出と大量の天然資源を輸入するという——繰り返しわが党の委員諸君が言っているように、垂直分業体制に固執する、結果的には防共主義的な産業貿易構造であるというところに、次の、われわれが危険を非常に感ずる。だから、結果的には、内需福祉型への転換をはかりながら、適正な南北一致体制の確立をはかっていく。原則は、あくまで互恵共存の国際分業体制をとっていくという一つの路線を出して、先ほど宮澤喜一さんの例をあげたわけですけれども、この表現が妥当であるかどうかは別として、こういう路線に沿うて大きく転回をすべきでないかと、このように思いますが、それはノーと外務大臣は答えると思いますが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それはノーとはお答え申し上げません。これは非常に大きく見ますると、私は杉原さんのいまのお考えと全く同感です。つまり、これだけの経済力が積み重ねられたと。これをどう使うかというと、やっぱりこれは、まず社会資本の投入の立ちおくれておるわが日本国土の整えだと、つまり福祉国家の建設であると、こういうふうに思います。しかし、同時に、一半はさいてこれを国際社会、特におくれた国々に投入する、こういう考え方、まさに私は杉原さんの考え方と一緒です。内は福祉社会の建設、外は平和外交の展開、そういうこと、これはもう考え方においては一緒です。ただ、気になるのは、こまかい考え方になりますと、安保条約の問題にお触れになったりしますが、これは私はまあ考え方は違うんです。やっぱりわが国としてはまたわが国の安全ということを考えておかなきゃならぬと、こういう発想の違う時点から出てくる問題なんで、それと、ただいま私が申し上げ、また杉原さんからも話のありましたこの雄大なる構想、これと混淆するということは私は妥当ではないと思いますが、とにかく考え方の基本は、内は福祉社会の建設である、外は平和外交への貢献である、これは全く同感でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ちょっと、若干いままでの質問の流れと違うかもわかりませんが、いま、外務大臣と意思統一をはかることは困難だと思いますが私は、これまでの年を重ねる中で非常に感激した歴史の一こまとして、一九五五年の四月に、バンドンでバンドン宣言をアジア、アフリカの各国が集まって——二十九カ国集まったと思いますが、そのときのバンドン宣言というものはぼくはすばらしいものだと思うのです。しかも、今日の日本の経済あるいは貿易、外交を考える場合に、この原点に常に立ち返り、原点を踏まえながら前進することが大切だと思います。なかんずく、バンドン宣言は、御承知のように、わが国からは高碕達之助さんが行かれ、あるいはスカルノは健在であり、かつまたネールも健在であり周恩来も健在である。こうしたアジア、アフリカの英知を集めたすばらしいバンドン宣言であったと思いますが、いま、経済外交を考える場合でも、これからもう一度お伺いしたいと思うところの北ベトナムの爆撃の問題を考える場合でも、この精神に返り、この精神から出発することの必要をぼくは痛感しておるわけですが、外務大臣、その点どうですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) バンドン精神は、これを中国で整理いたしましていわゆる平和五原則というように申されております。私は、この考え方自体はまことにりっぱな考え方であり、各国ともがこういう精神で外交を展開していくということになれば世界じゅうにもんちゃくは起こらないと、こういうふうに思うのです。わが国といたしましても、もうすでに何回も申し上げておりまするが、この平和五原則、これには賛成である、こういう立場をとっておるわけであります。対外経済協力を行なう、こういうのもまさにそういう考え方に沿っていかなけりゃならぬと、こういうふうに考えます。ただ、現実の問題とすると、ケース・バイ・ケースということにならざるを得ない、これは現実政治です。  北ベトナムの問題、いま、不幸にして戦火が再開されるような情勢になってきた。そういうさなかに、南に対しましても北に対しましても、プロジェクトの援助を与えるというようなことはとうてい考えられない。やっぱりこの戦火がおさまったあとにどういうふうにするか。わが国は、ベトナム南北に平和が到来する暁におきましては、南北を問わず、その戦後復興にはほんとうに積極的な協力をして差上ぐべき立場にある、そういうふうに考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 きのうの読売だったと思いますが、内容は申しません。見出しにこう書いてあるわけですね。「北爆再開、政府の誤算明らか」であると、「沖繩直接出撃、見のがすつもりか」、「終戦、米に要求の時」だ、こういう表現をしておりますが、私は全く同感なんです。いま、バンドン宣言ということを申し上げたのも、この路線に立って、こうして問題をより積極的に外務大臣が解決する努力に乗り出してもらいたいという期待を持って一つの私の方向を示したわけでありますが、いま、外務大臣の午前のやりとりの中で、そうした問題は手の届かぬところにあると、手を出しかねると、こういう話であったわけです。で、私、その答弁を聞きながら、とりあえず、北爆を一時縮小という米大統領の考え方が報道され、また一面、それを国防省が否定しておるという事実等がありますから、外務大臣のところに集まっておる情報を統一、集約した場合に、一体、現実はどうなっておるのか、そのことをまず明らかにして次の問題に移りたいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ベトナム南北におきましては戦闘がいま熾烈に継続中でありまして、その様相が一体どういうふうになったのか、これはさだかにわれわれとしては知るよすががないんです。これはアメリカの一方的な説明というばかりにもいかぬと思うし、また北越からこれを伺うというチャンスもない。ただ、一般的に申し上げられることは、これは、どうも二、三日来、多少この戦火が鎮静の方向に向かっておると、こういうことでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 きのうかの質問の中で、外務大臣が、いや、そうあわてなくても近いうちに北爆がとまりますというようなことをおっしゃったと思います。確かにそうだったと思いますが、それについては、外務大臣とニクソンなり、向こうのレアード国防長官なりと若干の何か通じていたところがあったのか。あなたのあの言明以来北爆が一時中止しているわけですからね。そういうことはあるんですか、ないのですか。あんな、手の届かぬとか、届かずとか何とかおっしゃるけれども、少なくとも外務省の役人が向こうへ行っているんだから、確かな情報判断ぐらいできなきゃだめだし、これは防衛庁長官だってそうだと思うんですよ。専守防衛だと言ったって、日本の国へ来てから戦争するんじゃないんだからね。やっぱり国際の動きを常にキャッチしておるはずですから、これは軍事機密に関することは無理かもしれませんが、この辺のところはほんとうにいま一時中止してやらないのかどうか、その辺の判断をはっきりしてもらいたいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) アメリカの作戦行動につきましては、友邦アメリカでありまするけれども、わが国に対しましては、これを説明はいたしませんです。したがって、私どもはアメリカの作戦計画、そういうものはあらかじめ知ることはできないと、こういう状況でございます。ただ、私が、いずれはまあベトナムのこの事態も鎮静化するであろうと、こういうふうに申し上げたんでありますが、これは私の願い、期待、祈りを込めての話なんです。こういう熾烈な状態が長続きはすまい。その背景といたしましては、この間北ベトナムの産業視察団がわが国に来訪しております。また、わが国の外務省の課長連中も北ベトナムを訪問しておる。その間にくみ取ってくることは、北ベトナムの方々が一日も早く平和の到来ということを願っておる、祈っておる、そういうような状態です。それから、南越の方々もまたそうなんです。これは私どもは国交関係がありまするからよくわかりまするけれども、早く平和を、ということをこいねがっておる。そういう大きな背景がありまするから、私は不幸にして今回南北で争いが激化しておりますけどれも、この背景から考えまして、戦闘状態というものがそう長続きをする傾向というものはないんじゃないかという私の感想を申し上げたわけでありまして、別にアメリカから軍事行動に関する具体的な解明を受けて申し上げておるわけではないと、かように御理解を願います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 少なくとも、いままでの野党側の質問は、外務大臣に、いま北爆を停止する一つの外交的な努力を要請したわけですね。大臣は、いやそれはちょっと私には荷が重い、やりにくい、こういう話であったわけですが、いずれにしろ、いま北爆一時縮小、あるいはそれはそうではないといういろいろな説がありますが、アメリカの国会内における動き、あるいはマスキー議員の動き等、あるいは戦費打ち切り案が、おとといかきのうかの国会で、上院の委員会で可決をしておると、それから平和運動が従来以上に激しい動きとなっているという動きなど、これはぼくらのように機密電報を持たないものでもわかりますね。だから大臣のほうにはもっと詳しく情報が入っていて、しかもいま立つときだという決断をもって、この北爆停止、あるいは南北の戦争終結への努力を日本だからやらねばならぬのじゃないかと思いますが、それは、いやそれは安保条約があるからだめだと、こうおっしゃるだろうと思いますがね。しかし、その辺のところを勇断をもってその壁を乗り越えることはできないのでしょうかね、どうでしょうか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 国会におきまして、衆参両院で私に対して、アメリカの北爆に対してこれを停止するように、あるいはこの北爆という事実に対して抗議をするようにというような意見を交えての御質問があるんです。それに対しまして、私は、それはできないと、つまりアメリカの説明によりますれば、北ベトナム軍が中立侵犯をいたしまして南進をしてきたと、それに対する対応の行動が今回の北爆であると、こういう説明、また、北ベトナムには北ベトナムの主張があると思うんです。これは当事者同士の問題であって、わが国がいずれが是で、いずれが非ということを判定すべき立場にはないんだと、こういうことを申し上げておるのです。したがいまして、わが国といたしましては、やはり両方に対しまして、早くこの不幸な事態の収拾をはかるように良識を発揮せられたいと、こういうことをこいねがうのみである、私は早くパリ会談が始められることがいいと思う。そうして、こういうにがい第二回目の経験があるわけですから、そんなことがもう三回目ないようにというようなことでパリ会談、ジュネーブ精神というものが発揮される、そういうことで災いを転じて幸いとなすというか、そういう方向へ事態が動く、これを期待をいたしておる、こういうことでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 まあ期待をしておるということで、アヒルの水かきさえも動かないという状態ですわね。その辺のところは、これは非常にもの足らないわけですね。もう少し積極的にひとつ動いていただきたいという期待をまたあなたに私はしたいと思います。  次に、防衛庁長官です。レアード国防長官が、先般——ちょっとぼくは席をはずしたことがございますので、だれかが質問したかと思いますが、自衛隊のインド洋進出を期待する、それは日本のあるいは石油タンカーを守るためにも——インド洋の波高しと、ソ連が出て。こうした治安を守るためにも必要だということをアメリカのUSニューズ.アンド・ワールド・リポートにこれが掲載されておるわけですが、この辺のことをどのように御理解しておいでになるのか。しかも、その際、そのことばを受けて、長官としてどういうき然たる姿勢を持っておるのか、姿勢を含めてお答えをいただきたいと思います。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) レアード国防長官のそういった談話は、USニューズの転載という形で日本の新聞に載りましたので私も見ました。まあずいぶんだいへんなことを言うもんだなという、いささか意外の感に打たれたわけです。それはマラッカ海峡防衛論とか、インド洋まさに波高しといったような、かねてのマラッカ海峡よりもう一つその先までを日本が深い関心を持って防衛に当たるのではないかというような一つの観測を示しておるわけでありまして、これはどうもレアードさんの観測としては遠い、およそ当たらない方向であるというふうに考えております。もとよりわれわれ資源のない国でありまするから、この資源がスムーズに輸入されることを確保していく、これは大切なことだと思います。しかし、それは武力によるのではなくて、やはり関係諸国との平和的な外交を通じて安全を確保していく、これが優先であることは言うまでもありません。したがって、現在われわれ防衛庁で考えておりまする、これから策定をしようとしておるいわゆる四次防にいたしましても、もちろん、もとよりそういうことを考えての構想ではなくて、むしろ国力、国情に応じたいわゆる最小限の武装、しかも、それは通常兵器以下の戦闘を想定しての武装と、これはもう繰り返し申し上げておるとおりであります。ややもすれば日本は何か軍国主義の傾向があるというようなことがしきりに中国筋をはじめ、ささやかれるわけでありまするが、これらの批評をまあ考えてみましても、自衛隊そのものが非常に過大に強化され、自衛隊が軍国主義の傾向を持っておる、こういうことを言っておるのではないと思うんです。  要するに日本の経済力が異常に伸びてきた、経済大国は即軍事大国であるというのが従来の歴史なんですね。そこで外務大臣は、従来の歴史に自分たちは善隣友好外交で挑戦するんだという表現で、先ごろの予算案のときの趣旨説明をしておられたのを私記憶いたしておりますが、まさにそのとおりだと思うんです。したがいまして、被害を受けた国が、また日本が軍国主義的な傾向を持つのではなかろうかという心配を含めての警告、これは謙虚に受け取るべきだと思いますが、現在の日本の自衛隊及びその装備について軍国主義的なものなどは、これはもう全然ない、はっきり断言することができます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 その点について、ちょっと関連してお伺いいたします。  このマラッカ海峡防衛論とか、それから石油などの船団護衛などということは考えられないということは、前に御答弁があるわけです。しかし、現在のレアドの発言なり、フェアリー司令官の発言をあわせて考えてみますと、この考え方は、主としてアメリカの全体戦力構想、ニクソン・ドクトリンの中核をなすトータル・フォース・コンセプトの構想そのものだという感じがするわけです。かたがた日本の四次防というものが、これから先、重点を置くのは海だということは、またまぎれもない御説明のとおりであります。そうしますと、防衛庁長官なり、日本自衛隊がどういうふうに考えるかということは、とりあえずおくとして、今後アメリカ側の全体戦力構想上の要請として、日本の海上艦隊というものに与えられる一定の任務というものは、どうしても戦力構想の中で出てくるだろうと思うのです。そうなってきますと、たとえば、今度のレアード報告——四十三会計年度のレアード報告ですね、この中でも、補足説明の中でバッジ・システムを沖繩に置きたいというようなことが出たりすることもありますし、そのつど、ひとつ、これは内閣委員会なんかでも防衛庁長官がそういうことはやらないのだという御説明がある。しからば、そのつど、日本防衛庁の考え方としてはこうなんだということは明確に打ち返しておく必要があると思うのです。  そこでお伺いしたいのは、今後、全体戦力想構として、アメリカ側、ペンタゴンがこういう日本の自衛艦隊への作戦任務というものを出してくることは今後とも考えられないか。そういうものが出てきたときに、一体防衛庁としてはどういう態度をとるのか。それから、今回こういうものが出てきたことに対して、日本政府に向けての発言ではないことは明らかですけれども、はっきり明確な意向を明らかにする必要があるだろう。もう一つは、三十万トン、これは三十二・五万トンということばがありますけれども、三十万トンレベルの艦隊を、これから四次防その他あるいは五次防に向けてつくっていくということになれば、必然的にそういう可能性がないとは言えないだろうと思うんです。そういう可能性も含めて、はっきり否定されるかどうか。否定されるならば、そのことを明確にひとつアメリカ側に対しても意見を表明されることが正しいのではないか。いかがでしょう。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) USニューズというような性格の雑誌に、そういう表明をした、これを一々政府としてまっ正面から取り上げるかどうか、これは私議論の余地があるように思います。したがって、レアード国防長官にそういうものの考え方がありましても、これはやはり日本の自衛隊というものに対する認識の差——足りないと言っていいと思いまするが、そういうことだと思います。したがいまして、今後また、もし接触をするような機会があれば、これは当然そういうことに理解を深めてもらうことを話をする、これは御指摘のように私はあっていいことだと思っております。ようやく一般質問になりまして、私も防衛庁で半日ぐらい実はそのつとめをつとめる場面ができてまいりましたが、統合幕僚会議の議長と、制服といろいろと話し合ってみましても、アメリカの制服のほうは、日本側の自衛隊の性格というものがよくわかっておる。特に指導者であればあるほど、そういったことについてはよくわかっておって、むしろアメリカ側はいろいろ、いわゆる軍隊という立場から心なき発言をすることが自衛隊に迷惑がかかることはいかにも同情にたえぬと、こういったような深い理解もあるということを、また実は私、昨日そんな話をし合ったところであります。したがいまして、マラッカ海峡はもとより、インド洋などということはちょっと考えられません。それはマラッカ海峡を考えてみましても、シンガポールとインドネシアの間では意見が違うようでありまするが、それはマレーシア、シンガポール、インドネシアというような国々にやはり日本として外交的に深い理解を求めて、話し合いの上で航行の安全をはかっていくということが、何といっても大切なことであるし、日本の国策としてこれは当然とらるべきものであるというふうに確信をもって考えております。この点は、外務大臣もしばしば答えておられるとおりでありまするから、意見はまさに一致しておると思います。  それから将来の海上自衛隊を三十万トンにするのか——いまそういうことは考えておりません。これから策定をしていくわけでありまするが、とうてい三十万トンなんというような数字は出てきそうにありませんので、この点においても御安心を願いたいと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ちょっと、もう一回しぼっておきますが、二点にしぼりますが、第一点、レアードのこうした発言は、ペンタゴンが基本的にトータル・フォース・コンセプト自身の要請だとは考えられないのかどうか、このことを一つ。  それから確認ですけれども、いま、四次防では三十万トンレベルということはとうてい考えられない、こういうことですね。その二つ、しっかりお願いします。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 第一点は、私はやはりレアード長官の私的な見解にすぎない、今後、そういった構想を日本に押しつけるということはあり得ないし、これはまた、押しつけられてもできませんと、日本の国策に合いませんということで、ノーと言うべき筋合いのものだと思います。  三十万トンの点は、先ほど申し上げたとおり、そういうことに構想を持っていくというようなことは、いま全然考えておりません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 三十万トンレベルまではいかない……。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) はあ、まいりません。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 次に、農業問題でございますが、新全国総合開発計画が強引に進められる過程の中で、産業構造の面では、一番どろをかぶっているのは農業でないだろうか、このように思いますので——ちょっと待ってください、一つ忘れましたが一防衛庁長官逃げていかぬ先にちょっと言っておかないと……。  実は、きのうの午前十時に、相馬原で村永二尉が戦車——いま戦車と言っていいんですね、昔こう言ったらしかられたんですが——戦車にひかれて死んだ事故がありました。この具体的な真相と、あるいは部内における批判、検討、内省的な問題がございましたら、それも含めて簡単な報告をお願いします。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) まことに遺憾なことが起こったわけであります。これは御指摘のように、普通の交通事故とは違いまするから、注意の上に注意を重ねて訓練をしておったようでありまするが、たまたま隊員が戦車に近づくのを見て、小隊長がそれは近づいちゃいかぬということを言って、時速十二キロで走ってくる戦車をよけさせようとしたところが、下の地盤がでこぼこがあって、そうして自分が転倒して頭を砕かれたという、まことに悲惨な事件であります。いかにも遺憾に思っております。  ここに資料も私持っておりまするが、時間の節約の意味を含めまして、正確に政府委員から答弁をいたさせます。

江藤淳雄防衛庁人事教育局長

○政府委員(江藤淳雄君) 私のほうに参っております事故速報は、現在、朝日新聞等に載っておりまする内容とほとんど同じでございまして、それ以上に特にまだ、私のほうで詳細調査いたした資料は参っておりません。  で、具体的に、このような事件はもちろん公務になりますので、私どものほうとしましては、公務災害補償の対象として、現在、その遺族に対し、あるいは遺族がない場合にはその扶養関係の者に対しましてできるだけ手厚い対策を講じたいと考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 先ほどの質問の途中になったわけですが、高度経済成長政策の大きな犠牲となっている農業、こういうふうにぼくは実は想定いたしまして、とりあえず、具体的な八郎潟の干拓事業ということでございますが、これは農林大臣のほうから、八郎潟の干拓事業、新しい農村の建設ということでありましたが、これに対して、一つの建設目標いとうものは何であったのか、それに対してどれくらいのお金を国、県等が投入したのか、しかも、現在どうなっているのか、そこで、それはなぜかということを、総括的にひとつ御答弁をいただきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) いままで八郎潟干拓につきまして投入した費用その他につきましては政府委員から答弁いたします。  八郎潟につきましては御承知のとおり、現在は七千ヘクタールだけ、全体の約六〇%でございますが、この農地を造成いたしまして、その造成地に四百六十戸の農家を入植させて現在稲作経営を行なっております。もともとここは干拓の上、農地を造成して稲作を試験して、そして稲作農業の、あるいは農業のモデル的な経営をやろうというようなことで始まったものでございます。最初は御承知のとおり、オランダの干拓の技術を取り入れまして始まったものでございます。そしていまのところ、申し上げたとおり七千ヘクタールが稲作経営を行なっております。なお未利用地が五千ヘクタールあるのでございますが、米の生産調整というようなことに際会いたしておりますので、もうやめろというような意見、あるいは農地としてもうやめたらいいじゃないか、飛行場に使ったらいいじゃないかというような意見等、いろいろな意見がありまして、ここ数年入植をやめております。しかし私は、日本の農業は非常に畑作農業といいますか、畑地農業がおくれております。そしてまた生産調整との関係もありまして、果樹とか園芸とかあるいは畜産とか、こういう方向へ一そう強く進めていかなければ日本農業は相ならぬというふうに考えておりますので、この未利用地五千ヘクタールにつきましては畑地としてこれをさらに乾田化する、畑地として造成して畑作農業のモデル的なものをここでやっていきたいと、こういう方針をきめておるのでございます。それで現在の四百六十戸の既入植者に対しましては、二戸当たりおおむね十ヘクタールの農地を配分して、そしてここは村をつくっておるわけでありますが、これら入植者は大型機械を導入いたしまして大規模な稲作経営を行なっております。現在におきましても相当の成績をあげておりますので、農業の将来につきまして十分希望を持っておると私は考えます。まだこれからの五千ヘクタールの未利用地につきましては、畑地としてこれがやっていけるように、いま試験農場等においても畑作農業の試験をして、この成績も相当あがっておりますので、これを畑作農業法で日本の農業のあり方としてやっていきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。これに投入した経費等につきましては政府委員から答弁いたさせます。

三善信二農林省農地局長

○政府委員(三善信二君) 八郎潟の干拓事業に要しましたこれまでの事業費等について御説明を申し上げます。  四十六年度まで事業費としまして六百四億、八郎潟の新農村建設事業に使っております。そこで、これまでできました造成面積その他を補足的に簡単に申し上げますと、当初予定いたしましたのは約一万二千ヘクタール、で、現在までに六千九百九十六ヘクタール、約七千ヘクタールを農地として造成しまして、これを先ほど大臣が申し上げましたように、四百六十戸の農家に配分をいたしております。残り五千ヘクタールございますが、これは現在畑地として利用したいということで、その畑地の造成を現在やっているところでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 私も百姓の子ですから、日本の農業の歴史と現状をよく承知しておりますが、少なくとも八郎潟のこの新農村建設事業には、ここへ二回ばかり行ってまいりました。最初に行ったころは非常に農民たちも希望を持って、大きな期待を追っかけながら働いておったことをいまも忘れることはできません。しかし、現状、ただいまの御報告によりましても、多額の経費を投入したけれども結果的には農政全体が大きな転換を見たものですから、ついに四百六十戸でストップ、約一千戸の家が入ってすばらしい農村を建設するという計画は一応挫折したんだと、これはあくまで農政の大きな問題だと、原因はそこにあるんだというふうに私は理解しておるわけですが、もし間違っておればあとで御指摘いただきたいと思います。  ここで、立ったついでに自治大臣のほうにお伺いしますけれども、これは予告は全然してありませんが、ここに四百六十戸の農家がとんがり屋根のきれいな農村をつくっているわけですが、村長さんというのはおらないわけですね。職務代行で県庁の直轄なんです。これがいつ公選制の村長を持ってこの村をみずから治めるという形の体制をとるのか、自治省のほうでその辺のところは関知しているか、指導しているのかどうかということを若干お聞きしたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) いま御指摘のとおりの姿で村政が行なわれておりますが、定着をいたしましたら、できるだけすみやかに従来の自治体の姿に持っていかなければならないことは当然でございます。しかし、現在どのような計画でありますか、これらが計画的に予測されておるかどうか、私ちょっと存じ上げませんので、後刻聞き合わせまして、詳細、それ以上に計画等がございましたらお答えさしていただきたいと思いますので、しばらく御猶予を願います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 自治大臣、それは計画に入ってからかなり月日がたっているわけですよ。最初に行ったころは、一千戸目標ですから、まだ二百や三百で村長をきめると、これがずっと公選制で居すわっていくと佐藤総理みたいに人気が悪くなるから、これは相当集まってからやろうじゃないかという話であった。いま職務代行が行っているわけです。そういうことなんですが、しかし、もうそろそろ農政上の問題等があったりして、四百六十に定着する可能性が強く出てきているわけですから、ここらあたりで自分のことは自分で治めるという、ひとつ自治精神をきちんと通していただきたいということです。御答弁は要りません。  そこで農林大臣、先ほど申したような事情でございますが、私はあの新農村建設事業団という、このすばらしい計画ですね。同時にまた、これは農政の転換でいまストップをしているんだ、足踏みをしているということと同時に、これは私が言ったことでもなければ——ただマスコミの報道に信頼をしてお話し申すのですが、かつて足尾銅山、明治四十四年、鉱毒でついに父祖伝来の田地、田畑を離れて遠く網走の佐呂間町というところで栃木の町をつくって農業を営んでいた人たちが、そうした寒冷地帯の農業の実態——収入あるいはそうしたあと継ぎの問題等も含むわけでしょう、ついに断念をいたしまして、この三月、北海道から集団離農したという事実があるわけです。こうしたことについて御承知であるかどうか。このことと八郎潟とは、私は事のあらわれた現象は違うけれども、本質にあるものは日本の農政が混迷しているという結論に到達するような気がしてならない。その辺は農林省はどういうふうに理解しているか、簡単にお願いします。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 北海道の網走の農民が、四十年かで二世ぐらいになっているでしょうけれども、あまり農業が思わしくないというようなこともあり、一面、足尾銅山のあの公害であちらに移住したのでございまするが、この公害の古い土地、栃木県から出まして、この年何戸でしたかな、戻りました。これは帰ってからは農業から工業のほうといいますか、栃木県へ帰りまして、ふるさとへ帰ったんですが、農業はやっておりませんで、就労しているようです。そういう事情は知っております。それと八郎潟との関係はどうかということでございますが、新しく農業をやっていこうというような気持ちの点においては、八郎潟に入植した人々とこれは同じだと思います。しかし、八郎潟におきましては、すでにその基盤整備といいますか、農業をやるに適するような土地基盤をつくって、そこで新しい生き方をしようと、やろうというようなことでございまして、既耕地のほうへ、網走のほうへ行ったのは、あそこは湿地帯でもありますし、寒冷地帯でもありますが、四十年も前からやっておったのでありますから急じゃないと思いますが、そういうふうなことで帰ったのでございまして、取り扱いは同じように見られないと思います。八郎潟におきましては、十分新しい農業建設のために農業をやっていけると、いまのお説のとおりの、こういう方向に希望も——一時は挫折的ではありましたが、いま盛り返していると思います、畑地農業としてやっていけると。でありまするから、一緒には考えられない。網走のほうは、やはりいろいろ寒地農業の問題やら、それからふるさとへ帰ってみたいという、ふるさとを恋しての問題もありまするから、国へ帰って農業でない方面にいっているようでございますが、これは一般的な、農業から他産業、いわゆる第二次産業的な方向へいく傾向の一部分と、こう見ております。そういう意味におきまして、八郎潟とはちょっと趣が違うというふうに認識しております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 というわけで、日本の農政は大きな曲がりかどにきている、壁にぶつかっていると見ていいと思いますが、ここで、二月十七日か、農林省の中で、だから農政検討をする研究会をつくろうということで、たしかおつくりになっているはずですね。これは伝えるところによると七月が中間報告ということでありますが、その研究の中心テーマと、大体、作業が予定どおり進んでいるのかどうかということをお聞きしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 農業も大きな転換期にきておると思うわけでございます。第一、農業は国際的な関連においての農業ということも考えなければならぬし、国内的における農業の役割りということも考えなければならぬと思います。国際的に見ますと、自由化というような傾向が非常に強いのでございます。ところが、日本の農業生産は先進国の農業その他と比較しまして生産費が非常に高いといいますか、ですから、これを商品的に見ますというと、価格が倍もするようにコストが高い、こういうようなことでございます。でございますので、自由化が非常に進むということになると、国際的に日本の農業というものはつぶされるといいますか、つぶれてしまう、こういう運命でございます。でございますので、日本の農業も国際競争力を強めていくというようなところに重点を置かなければならぬ、こういうふうに一面考えます。  しかし、それはそうしたらどういうふうにするかといえば、国内の価格政策もありましょうけれども、何としても一つは生産性を向上するというようなことでなくちゃならぬと思います。そういう意味におきまして、農業基本法によりましても、日本の農業経営の経営規模、面積が非常に小さいものですから、自立経営を育成して大きな経営をさせるようにというように指導いたしましたが、土地問題やその他いろいろな問題がありましてなかなか経営規模を拡大するということはできない。逆に兼業農家が八〇%以上になって専業農家が一五%そこそこになるということで、専業農家がだんだん減っていくという傾向でございます。でございますので、自立経営によって経営規模を拡大していく、そうして生産性をあげるということは非常に困難でありまするが、これは団地的な経営方針にして、経営規模を団体としての経営規模、協業的な姿での経営規模を大きくしていくこと、これが一つは生産性を高めていくということだろうと思います。国内的に見ますというと、農家戸数がだんだん減りまして、農業就業人口が減って、農業外の人、すなわち一言で言えば消費人口が非常にふえておるわけであります。でありまするので、農業者が消費人口に農産物を供給するという役割りがますます強くなるにかかわらず、なかなかこの調整がうまくできないということがありまするので、やはり農業生産物の国内的供給と需要、これをマッチさせるようにしませんと、物価の問題もあり、流通の面から言いましてもうまくいかぬ、これを調整していかなくちゃならぬ。余っている米なんかは、ある程度これは生産を押えるような形をせざるを得ない、調整をせざるを得ない、こういうようなことになってきてますのですが、しかし農業を絶対になくするということは国をなくすることと同じだと私は考えております。そういうような意味におきまして、ある程度農業人口は少なくなっても農業者が農業をやっていけるように、そうしてまた多くの人口に食糧を供給できるように、そうして国際的な波にもまれて吹っ飛んでしまわないようにするというようなことから考えますと、農業もほんとうに新しい考え方で、農林省としても、あるいは農業者としても方向づけをしていかなければならぬようなたいへんな危機にあると思うのでございます。そういう意味におきまして、いろいろな審議会もありまするし、何かがありますが、農林省自体としても研究会等を設けまして力強く進め、そうして農民が農業というものはつまらぬものだというので農業を捨てるような、何か、がっかりしたような気持ちにならないような農業をやっていけるんだという一つの自信を持ってもらわなくちゃならぬということで研究会なども開いて研究をしております。研究よりも実際は実行のときなんでございますけれども、そういうことでいろいろ検討をいたしておる次第でございます。  なお、その状況につきまして話をしろということであれば係の者に申し上げさせます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 農林大臣がいま最後に、がっかりさせてはならない、農民のお気持ちは非常によくお考えおきの御答弁ですけれども、実は経済企画庁で農林漁業の第三次産業化に関する調査研究報告——研究が行なわれていて、すでにレポートが出ているわけですね。その表題だけ考えた場合に、農林漁業の第三次産業化、こういうことですね、中身を読んだら釣り堀だとか、ブドウ狩りだとか、ナシ狩りだとか、そういうようなこと、農民が自己生活防衛上、農民の地位としてやってきたこと、それをまあ羅列をしながら若干の理論づけをしたというように実はぼくは理解しておるわけなんですが、農林大臣の側として、この提起についてどのように受けとめておいでになるのか。経済企画庁長官としては、この路線に沿って推進をしようという考え方なのか、それをお聞きしたいわけです。  同時に、田中通産大臣、長くおとどまりいただいたわけですから、農村の今後の一つの方向として、先ほど団地形成の問題もありましたが、昨年、私、農林水産委員会の理事をしておりましたが、昨年の時点では、農村地域の工業導入促進法、こういう法律を通したわけですが、これは通産、農林相協力しての作業だと思いますが、どういう形でいま進行しているかということとあわせて、田中大臣が、あちらこちらで盛んに主張をしておられるところの工業再配置法案と申しますか——略称。こうしたことについての構想、それは農村振興に若干の影響があると思うけれども、そうしたことを、その構想の中できちんと位置づけてあるのかどうか。しかも、これは非常に私むずかしいことだと思うんですよ、実際問題として。あなた方の提唱する世の中は資本主義ですし、私たちの言うのは社会主義ですから。私が天下をとればこういうようなことは簡単にやりますよ。けれども、あなた方のような経済構造の中でおやりになるということは、よほどの、何か引っぱってくる何かがなければ、これはとてもじゃないけれども、私の県でも二、三年前に失敗したのが幾つもありますから、そういうことをいま申し上げる時間はないんですけれども、相当、田中構想の中に、そうした裏打ちがなけりゃいけないということをお聞きしたいわけです。  ちなみに、これは一つの雑誌でございますけれども、この雑誌の中に、第三次産業化の研究報告がまだまとまらない段階で、経済企画庁のかなり偉い人ですね、宮崎勇君というのは。そういう人たちが論文を発表しておるわけです。この論文の中で、こういうことを言っているわけですよ。農村工業導入促進法、いま提唱されている工業再配置法案等はあるけれども、いまだかつて、この種の農工両全、農工一体の政策が成功したためしがないと、結論を言っているわけですね、はっきり。これをもって、直ちに企画庁長官は、帰ってから懲戒免職にしてもらうと困るんですが、そうじゃなくて、これは評論として出しているわけですから自由であると思います。こういう見方が専門家の目であるわけです。私のようなしろうとだけじゃない。こういうことを踏まえながら、冒頭先ほど質問したような内容等について、逐次各大臣から御答弁をいただいたらいいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 私は、農業と工業とを同じような舞台の上に乗せるといいますか、基礎の上に乗せたらば、これは、農業というものは工業と競争したって勝ちっこない。大体、農業はマスプロなんていうことはできません。気候がありますし、一年に一回しか大体農業生産はできない。毎日毎日生産する工業と農業と同じところで競争させる——ウサギとカメとを競争させるようなものであります。それから機械化——農業も機械化していますが、工業の機械は、これは毎日稼動していますから機械の償却ができますが、農業は農作業のときだけで、あとはその機械も休ませておく。これに資本を投入しても、これはなかなか償却ができないと、こう思うんです。だから、農業と工業を競争さしてやっていこうというような形を、同じ土台の上でさせたらば、農業というものはだんだんやっていけなくなる。だから、工業国になって、農業というものはだんだんつぶれてくるというかっこうになります。でございますから、農業に対しては、どうしても国の助成といいますか、保護していく。これは世界どこでもそうだと思うんです。そういう形でいかなくちゃなりません。しかし、工業も農業もどっちもやっていかなくちゃならぬということになって、農業から見れば、工業の導入というようなことによって、先ほど申し上げましたように、第一種兼業農家が、非常に、八〇%以上に多くなっているのであります。そうして東北地方あるいはまた北陸地方などは、出かせぎ人口というものが非常に多くなってきておる。こういう点から考えますならば、工業というものも地方に分散してもらって、農業者がわざわざ東京、大阪まで出かせぎしないで、地元で第一種兼業として農外収入を得られるような形、こういうことが必要だと思って、そういう意味においては、農工両立する意味の工業導入、あるいはまた疎開といいますか、工業の疎開ということを、私は必要とすると、こういうふうに考えるわけであります。そういう意味におきまして、農業というものは、これは自然環境といいますか、農業そのものが自然環境の保全者でございます。そういう意味におきまして、工業の導入におきましても、公害等のないような工業をなるたけ導入して、しかも、これが虫食い的にばらばらに、耕地のあちらこちらに工業が導入されるというよりも、農業団地ができるというような中へ、あるいは工場なども、ある一定の区域、団地に虫食い的でなく入って、そして秩序ある導入をしたいし、入ってきてもらいたい。こういう感じを持っておるのでございます。私のほうの考え方は、工業導入につきましてはそういう考え方でございます。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 農村工業導入促進法に基づくものは、現在、実施計画を策定しておりますが、これを、府県では二十六、市町村では百十二がようやく計画の策定が終わったということでございますので、四十七年度はこの実施計画に基づきまして企業立地を推進しようということでございます。  もう一つ、工業再配置でございますが、これは時間がございませんから、法律ができましたら、ひとつ十分御説明申し上げるつもりでございますが、これはできないなどと言っておってはだめなんです。どうしてもやらなければだめなんです。こういうところに問題がある。ちょっと申し上げますと、日本の、いま東京、大阪、名古屋の五十キロ圏を合わせますと、総国土の一%でございます。国土の一%に三千二百万人の人が住んでおるのであります。そこで、公害、地価の値上がり、物価の上昇、千百万戸の住宅をつくっても——九百五十万戸つくってもまだ足らないという問題が起こってくるわけであります。しかも、それだけではなく、端的に申し上げると、全国で一台車が増車をされると、道路の維持補修費は五十万円弱でございます。東京、大阪は千五百万円であります。こういう状態でもって進めようとすれば、どんなに高い成長が行なわれても名目成長になってしまうということは、もう統計上明らかでございます。しかも、農家人口が、三十五年から四十五年では、三千四百五十四万人から二千六百二十八万人に下がっております。総人口比の農家人口は二五・三%であります。また国民総生産に占める農業純生産は五・五%であります。五・五%の総生産をあげるために二五%の農家人口を擁しておるわけでございます。ですから、毎年一〇%、一五%ずつの月給が上がっておるにもかかわらず、米価は三年、四年据え置きというような状態でございます。  一体、これで農村が成長のメリットや国民所得の増大のメリットを受けられるはずはないのでございます。しかも、米価を上げようとすれば、米価は国際価格の倍であるということで、一つのかんぬきが入れられてございます。そうすると、いま一次産業比率が一七・四%でございますが、先進工業国並みになるとすれば、アメリカ並みになれば四%でございます。拡大EC並みになるとすれば六%でございます。そうすれば、これから膨大もない人口の移動ということが当然考えられるわけでございますが、そういう事態を看過できるような状態にはありません。過密と過疎の問題ではなく、過密の問題でも、効率投資ということが全然行なえない状態になっておるのでございます。で、しかも、四十五年度の農業所得の中に占める農外所得を計算をしますと、六三・五%であります。ですから、農村においても、長男が役場につとめるとか、森林組合につとめるとか、そういうような生活態度でございますので、六三・五%は農外所得で立っておるのでございます。ですから、このままに推移すれば、もう農村というものの人口は全部都市に流入することになります。都市に流入する計算をコンピューターではじくと、高い率で五分の四が社会保障対象人口になるのであります。これは、もう美唄の炭鉱がつぶれるために、八万人が四万人になり、四万人が二万人になる場合の追跡調査を行なってみれば、どの程度社会保障対象人口がふえるかということは、私が申し上げるまでもないことであります。水はない、土地がない、公害汚染だというような状態を考えておるときに、国土の総合開発という方向を確立をし、その中に農業というものを維持しなければ農業所得を二次産業、三次産業の拡大のように拡大をしていくことはできません。そうすれば、成功した例はない——そういうイージーなものの考え方が都市集中を招いたとも言えるのであります。世界の百四十の国の中で、主要工業十カ国は言うまでもなく、あたたかい水のある地域は全部一次産品地帯であります。雪が降り、寒い寒冷地帯で、農産品の生産には適さない地帯が主要工業地帯になっております。日本以外の九カ国は、日本よりもはるかに北にあり、北海道よりも北であります。にもかかわらず、降雪単作地帯というようなところを農業地域にしようという考え方自体は、私は必ずしも世界的な方向にも沿ったものではないと思います。いまでもおそくない。私はそういう意味で、この農村工業導入法に並行して、この産業の再配置ということが実行されない限り、水もない、地価は上がる、物価も上がるということになり、六十年展望で、総人口の七五%が都市集中を行なうという統計が出ております。こういう予測が出ておるときに、国土の総合開発を行なわずして、私は新しい農業地図をかくことはできない。こういう自信のもとに、法律案を国会に御審議いただいておるわけでございますので、どうか、そういう覚悟で、少なくとも、その雑誌に書いてあった論文ごときものと同一にしないで、ひとつよくお考えいただきたい。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 私に対するお尋ねが二点ございますが、第一点は、農林漁業の第三次産業化に関するお尋ねでございます。これは、私どものほうで調査研究をお願いした緑の空間計画の提唱という報告をさしておられると思いますが、御承知のとおり、農業が第一次産業として、当然これは農業生産としての役割り、これは申すまでもございません。また、先ほど通産大臣からいろいろお話がありましたとおり、また、第二次産業の国土基盤としての農村というものがまたございます。そこには、農工両全とか農工一体とか、いろんな施策も行なわれております。ところが、またある意味におきまして、全国に、農村地帯に対するいろいろ第三次産業的な進み方が非常に顕著にあらわれております。先ほど御指摘になりましたような、果実のもぎ取り園とか、あるいはつり堀とか、あるいは花の——花の栽培とか、そういうものがなかなかばかにならないので、全国で統計をとってみますと、経営体の数が六千、年来の来客数が千七百万人、これほどの数になっております。そうしますと、こういうものが、農村に非常に無秩序に入り組みまして経営が乱立する、そこへもってきて、そういう、いわゆる観光的な来客が、いろいろ、農村をある意味で荒らし回る。こういうことであってはならないので、そういう意味において、農業自体を、ある意味で第三次産業化の部門としてとらえて、これに一つの計画を与えるというのがこの調査研究の報告でございます。これは、まだ、東畑先生にお願いして、その報告が出たばかりでございまして、これを、政府としてどう取り上げるかということは今後の検討課題でございます。  第二の問題は、先ほど御指摘になりましたある雑誌の論文でございます。これは、もういま通産大臣がおっしゃったとおり、一つの論文でございますから、私ども、別に、これが何ら経済企画庁としての意見その他と関係はございません。ございませんが、よくごらんになっていただきますと、農業がややもすると弱体化しておるおりから、そこへもってきて、工業が非常に無計画に導入されてはいけないということを、強く警告しておるわけでございまして、今回の工業再配置法案のごときは、まさにこれは計画的に工場を導入しようという計画でございますから、その面におきまして、この論文は、その面においての一つの意見として、いままで、どうも産業政策的見地だけでそういうものを考えるよりは、むしろもっと国民生活的視野からそういうとらえ方をすべきだ、というところを強調しておるので、別に工業再配置法案とそう矛盾のある意見を述べたものであるとは考えておりません。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 通産大臣の構想はこれからの構想なんです。いまの、この宮崎勇氏あたりの論文は、これは経済企画庁という名前を打っているわけですからね、無名の人ではない。局長にもなるのでしょう、近く。だから問題は、これからの構想ですから、いま相当、私も納得できるような節もありますけれども、ただ私企業でしょう、わたくし企業でしょう、その工場をどこどこの田中村へ持っていく、あるいは田中町へ持っていくという場合に、これは、ただ並みたいていでは移って来ないのですよ。そこで、固定資産税を何年かまけるとかいうような話もあったけれども、自治省との関係等があったりしてそれが引っ込んだんじゃないですか。だから、問題はどういう形で工場を——まあ大きな計画はわかりましたが、どういう手だてでそこへ工場を持っていくかという問題。これは、私企業である限りはそう簡単じゃないですよ。私の言っているのは、去年の予算委員会のときに、ちょうど田園都市、模範的な田園都市、いま市町村関係の選挙をやっておりますが、そこの田園都市の工場が労働者をみな契約して、それからパーになったわけですね。いまようやく、また別な形で経営者がかわって再開しておりますが、今度は何が起こっているか、庄川にシアンとかPCBを流しているという問題も起こっているわけでしょう。だから、生活的な問題もありますが、とりあえず、産業政策としてどうそれを引っぱっていくか。田中さん、でっかい声を出したって、そんな簡単にいかないのですよ。ここで賛成賛成とみな言っていますが、その手だてが問題です。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 私は、この問題は一年、二年ということになりますと、相当政治の、内政の一番大きな問題になるという考え方を持っておるのです。それはなぜかといいますと、集中政策を是認しておる限りにおいて、地価も物価も公害も全然片づかないのです。あなたが、いま、それは公害の分散になるかもしれないじゃないかということでございますが、これは公害のない企業ということが前提でございます。これは農村に分散をされる工場が、いま指摘をされておるような状態が続くものと前提して考えたら、東京や大阪や名古屋を中心にした、過度集中の中でその公害が続くということになったら、これはえらいことでございまして、これは、もう公害というものは防除するという前提に立っておるわけでございます。それから、やはりひとつ考えていただかなければならぬのは、確かに東京や大阪というものは、生産地と消費地が直結しておりますから、どんな場合でも、企業単位においてはペイするのであります。しかし、その単一企業のバランスをペイさせるために、国民全体が負担をする公共投資というものは、先ほど端的に述べましたように、東京都内において、新車が一台増車をされることによって、国民は千五百万円の道路の維持補修費を負担しておるという事実は、これはおおうべくもない事実でございます。これは多くなっても絶対下がりません。東京都内における街路拡張事業というものの九四%は用地買収費であります。団地補償を行なえば事業費を上回るのであります。百億の予算をつけても六億円しか道路事業費がないというような実態がそのままに看過できるはずはないのであります。ですから、もう不可避の状態であるということでありますから、要は、いまあなたが御指摘になったように、なかなかむずかしい私企業のメリットを追求する私企業を納得させて、これを分散せしめるにはどうするのかということは、今度の中小企業白書に明らかであります。二六%の中小企業は分散をしたいということでございます。条件が整えば五〇%の中小企業は分散をしたいということを中小企業白書は数字で明らかにしております。ですから、条件が整えばという条件なんです。それは私はほうっておいてもそうなると思いますよ、実際は。それはこれだけ公害論争を行なっておるのですから、東京都が地下水をくみ上げることを禁止をする、公害除去施設を非常に強くするということになれば、当然出て行かざるを得ない。しかし、それはあまりにも無責任なやり方だと思うんです。そういうことではいけないので、政府は、長期的展望のもとに固定資産税の免税とか、税制、財政、金融上の措置をすることによって企業が地方に分散をすることのメリットを与えなければならない。それが私は誘導政策だと思うんです。そういう、もういままで自然発生をすることを是認して、それをただ調整をするということだけでやってきたところにこれだけの過密過疎の問題が起こってまいったわけでありますから、私はやはり持てる全国土の総合的な開発を行なうというための制度を確立をするということだと思います。  一番最後に一音だけ申し上げますが、六十年展望の国民が必要とする水は一体どのくらいかというと、全国に千カ所のダムが必要であるという一つの試算があります。これはもう水は必要なところへ引くものではなく、水辺に集落を営んで今日になっておるという人類の歴史を見ればあたりまえのことだと思うんです。私は、そういう意味で新幹線の建設とか、また港湾の建設とか、高速道路の建設等によって遠いところが遠くなくなる、降雪地帯は冬季交通確保に関する法律を制定したように、条件をそろえることによって私企業もペイをするということに踏み切ったわけでございますので、政府の政策的な方向に誤りはないと、こう考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 次に、教育の問題に入りたいと思います。  そこで、ぼくらは機密文書はなかなか手に入らぬものですから、さまざまなマスコミ、週刊誌等を手に入れて勉強しているわけですが、「週刊ポスト」の四月十四日号でございますが、「徴兵で連合赤軍を生まずにすむか」というテーマ、つまり教育上のテーマですが、このテーマの中で自民党の偉い方がお二人お話をしておられるわけですね。一人は賀屋興宣——これは省略します。いま一人は参議院の源田さん。「十八歳から二十歳までの青年を男女の別なく、厳しい規律のもとで、一年半から二年間、集団訓練させることは必要だね。そのうちのある者は自衛隊で、ある者は公共奉仕などで規律訓練させる。そして、それを終えたら選挙権を与えるんですな。  とにかくいまの青年たちの生活にはシメくくりがない。だから徴兵はそういった人生に一つのシメくくりをつける意味で必要なんだ。あの連合赤軍のごとく、自分で自分にシメくくりをつけるわけだな」、こういうことなんです。これはここに署名入りで書いてありますからうそとは言えないと思いますから、これを根拠にしてお話するのはまずいのですけれども……。  そこで、文部大臣、あなたは教育行政を担当しておられて、この源田さんの発言をひっくり返すと、いまの教育ではだめだということなんです。その辺のところを大臣として、いまの教育ははたしてだめかどうか、あなたは最高責任者とすればそんなことは納得できないと思いますが、何か言い分がありましたらまずお聞きします。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) たいへんな文書が出たものでありますが、私は実は読んでおりません。読んでおりませんが、少なくとも日本に徴兵制度をしくとかというようなことが適当でないことは申し上げるまでもないことであります。ただ源田さんのおっしゃった気持ちを私が推測いたしますると、一つのけじめをつける意味においての集団訓練というものは必要じゃないかという意味でならば、私もこれは同感だと申し上げたいのであります。ただ私は、それが軍事訓練でありまするんでなくて、社会共同体の奉仕者としての共同活動という意味でならばむしろ私は賛成であると、かように申し上げておきたいと思います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そこで、これから本論に入りますが、新全総の改訂ということについて一貫して私は質問をしているわけですが、教育計画——これからの教育計画、特に最近の教育計画の中心になっていると言ってもいいくらいに中教審の答申案がきわめて重視されておると思います。新全総はいまや改訂すべきだということが先般来確認されて、きょうも確認してきたわけですから、そうしますと、中教審の答申案そのものも手入れをしなければならぬのじゃないかというふうに思うわけですけれども、それを前提に立って、中教審の答申が去年出て、いま文教行政、なかんずくことしの予算、そういうところにどういう形でいま立案し、具体化しようとしているかということと、同時にまた、いま申し上げたことの中で、中教審が今後重ねて再検討して第二次答申という形でいまの教育の実態を再度分析してそういう作業に入る予定があるのか。そこで、その作業をする第三点として、中教審というのはいまあるのかないのか。あるならば、まだあの養老院に入るような方たちがうろうろしておるのかどうか。将来ともあの人たちに御迷惑をかけるのかどうか。そういったことなど、機構の改革の問題等を含めてお聞きしたいと思います。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) 中教審は文部省設置法の二十六条でありますかによって定められております。昭和二十七年に発足以来たしか二十二回の答申をいただいております。いずれも貴重な教育、学術、文化に関する文部大臣の諮問機関としての役割りを果たしていただいておるのであります。したがって、中教審をやめるかという御意見でありまするならば、私は中教審は存続する意思であります。ただ、教育改革に対する御答申はいただきました。そこで中教審のいまの委員さん方の御労苦は心から多といたしておりまするけれども、新しい課題に取り組む場合に、何を新しい課題として取り組むか、また、その課題によっては委員の人選をどうするかという問題は目下鋭意検討中でございます。中教審をやめる意思はございません。それから、中教審の答申を改訂する意思があるかどうかという御意見でありまするが、中教審の中には——これは誤解のないようにひとつお願いしておきたいと思いまするが——この問題についてはこういう検討をすべきであるという課題を数多く投げかけられておるのであります。結論を出しておられるのじゃあございません。したがいまして、私どもはこの答申を受けまして文部省としてどうあるべきかということを考えなければならないのであります。中教審の答申をうのみにしてそのまま実行するというわけにはまいらない問題が数多くあるということを御承知をいただきたいと思います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そこで、経済界の最近の動向、国際の激動した状況の中で文部省はそういう考え方であるわけですけれども、私かえって文部省よりも経済団体が非常に敏感だと思うのです。たとえば日本経済調査協議会が新しい産業社会における人間形成、これはあくまで教育改革の提言だと思うんです。それから経済同友会もそれを出しております。こういった問題等についていろいろ御検討いただいておると思いますが、それはどの程度の受けとめ方をしておいでになるか。そこであなたは、わが尊敬する郷土の松村謙三さんと同様に、日教組の皆さんとよくお会いになるようで非常に喜んでおるのですが、ただ、そこで日教組からも教育改革の提案を提起をしております。そうしたことについて文部省内でかなり検討されているかどうかということです。そんなものは問題にしておらぬという答えもあるでしょうから、その辺は御自由ですが、その辺のところ、いかがでございましょうか。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) 日本経済調査協議会の御提言は、私は中教審の答申を修正しろという性格のものではないように理解をいたしております。たいへん貴重な御意見だと思っております。と同時に、この種の提言はいろいろな教育団体から出されております。いま御指摘の日教組からも出されております。その全部が全部私ども全面的に共鳴するというわけにもまいらない面があるのでありますけれども、私は少なくとも皆さんの御意見を謙虚に承わるだけの雅量は持っておるつもりでおります。したがいまして、先ほども申し上げましたとおり、中教審はいろいろな問題を提起しておる。この問題についてはこれから考えなきゃならぬというような問題の提起のしかたもいたしております。それじゃ、これから考えるという場合には国民皆さん方も各方面の御意見を伺ってひとつ国民的なコンセンサスを得たいものだと、こういうような理念で中教審答申というものが私は少なくとも非常に熱心な御討議の結果出てきた案であり、この案を尊重しながらも私は国民各界各層の御意見を謙虚に承って、その上に立って教育改革を進めてまいりたいと、かように考えておるものであるということを御理解をいただきたいと思います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 大臣のおっしゃたとおり、そのとおり受けとめたいと思いますが、ほんとうに、ただこういうのもあるああいうのもあるということじゃなくて、特に経済関係の提案というのは、私最近の経済の動向というものを確かにつかんでおると思いますから、それなりにぼくは一つの大きな問題提起をしておると思います。また、そういう教育団体からいろいろ提起があることについてもこれは事務段階で十分御検討いただきたいと思うのです。私ここに「教育」という雑誌四月号持っているんですが、このある評論家は、そんなものは文部省の役人どもはちゃんとこしらえておって適当に諮問機関に出して、そして、オーケーだといったようなプロセスをとっておるんだということをここに書いておるんですよ。これを読んだある新聞記者はまた囲み記事でそのことを非常に嘆いているわけです。時間がありませんからそれ読みませんがね。そういう事務当局の姿勢では日本の第三教育改革などというものは第二の反動教育になる、当然そういう運命をたどると思います。  そこで次に、高等学校の授業料の問題でございますが、これは自治大臣からひとつ地方財政計画という中でやむにやまれず高等学校の授業料を値上げをすべきだという、四〇%値上げすべきだという提起をされたものだと思うが、実情はどうであって、結果的にそのことをどう判断するか。自治行政の最高責任者として、今日の時点ですから——三月末じゃないのですから、そのようなところを若干報告と反省をお願いします。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 御承知のとおり、現在の授業料は大体七年前の昭和四十年以来据え置きという姿で財政計画に組んでまいりました。その間、所得の上昇、物価の上昇等で相当低位になっておることは事実でございます。一方、高校教育の教育費も、人件費の上昇等を中心といたしまして相当増加しております関係上、現在の授業料では一割にも満たない。むしろ府県が行なっております高校教育費の六%ないし七%程度のものでございます。また、現在高校生徒の約三割が私立高校に籍を置いておりますが、これらの授業料と比べますと五分の一程度の額であると、かてて加えて、杉原委員御承知のとおりの本年度の地方財政の姿でもございますので、この際高校経費の一端を直接の受益者であるところの父兄に御負担願うこともやむを得ないと存じ、あのような地方財政計画を組ましていただいたような次第でございます。しかし、地方財政計画に単に授業料の値上げとして組ましていただくだけでなく、一方におきましては、それによってふえた収入は教育の内容の充実、また父兄負担の軽減等に充てさせていただく、こういう姿で組ましていただいたような状態でございます。大体、このことは交付税等におきまして、一般行政経費、高校教育の需用費、あるいは備品購入費の一般行政経費の増加ということで交付税の算定基準も上げさせていただいておるという姿でございます。しかし、地方財政計画はあくまでこれは府県あるいは市町村における財政運営の指針でございまして、これを決定するのはその府県の状態をよく考慮に入れられて県自身がきめられるべきものでございまして、条例によって決定されるものであると、こういうふうに私たち考えております。現在二十八の府県がこれを実施に移され、そのうち五県が全学年に実施され、あとの県は大体学年進行の姿に従いまして実施されるという方法によってやっておられます。暫定予算の関係等で国立大学の値上げが下半期に送られたのでございますが、地方はこういったような状態もございませんです。また実際の姿におきまして、あの問題が起きました当時にはすでに条例が決定され、また、それに従って新しい入試等が行なわれたという姿でございましたので、地方の高等学校におきましては当初の予定どおり実施さしていただいたという姿でございますので、御了承を賜りたいと、かように存じます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 自治大臣ね、結局、こういうことをよく聞くわけですが、おまえのところは上げないのかと、そうするとあそこでやるぞと、あそこというのはどこかいったら助成金とか補助金ですか、それから特別交付金のところでちょっとやるぞということをほのめかした経過がないですかね。あるようですよ。私も証人を出してもいいんですがね。そういうことなど、いわゆる自治省が上におって圧力をかけるようなことがあったのですか、ないのか。あってはならぬと思いますよ。だから、いま結果的に三十三、それから未定は一、十二の据え置きという結果が出ておりますから、新聞は据え置きのものを造反組と言っていますがね、「造反」ということばは妥当かどうか疑問ですが、そこでそれはそれとして、文部大臣どうですか、教育の機会均等の大原則に従っていまのようにほとんど義務制に近い高等学校の教育の実態の中で受益者負担だと、あるいは地方財政が苦しい、だから授業料を四〇%上げろという自治省の指導行政というものは文部大臣として、子供を預かる立場でこれは妥当かどうか、御相談があったかどうか、そういうことも含めて御答弁をいただいて私は終わりたいと思います。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) 私は国立学校の授業料値上げいたします場合にこれが波及する影響としてずいぶん悩んだ問題であります。が、公立高等学校の場合におきましては、たとえば貧困だ災害だとような場合の授業料の免除規定等が非常に広範に適用されますので、ただいまのところ、自治省がお考えになっております線が必ずしも不当なものであるときめつけるわけにはまいりません。私は、ほぼ当を得た指導の方法であろうと、かように考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ちょっと文部大臣、教育基本法なり、あんたの行政のよりどころというのはあるわけですから、憲法なりにね。そういうものはがちっと踏まえて、やっぱりき然とするところはしてもらわなければ、教育というのはきのう、きょうの問題じゃないんですから、五年、十年、二十年、百年の大計ですから、もっと自信と確信を持ってやっていただきたい。  最後に、経済企画庁長官ね、きょうはずっとだらだらとやりましたが、総括いたしまして、長官として、新全総の改訂の問題に、作業に入るわけですが、ここでもう一つ、最終的な、総括と申しますか、結論を聞かしていただきたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) まあ、いろいろ、御意見やら御議論拝聴いたしまして、私ども、新全総計画だけでは済みませんので、新経済社会発展計画、これが今後のわが国の経済運営の基本的立場をあらわす最も大きな計画でございます。そこで、御承知のように、いまや、日本の経済運営すべてが大きく軌道修正をすべき時期であるという観点からこの問題に取り組むべくいま作業中でございます。新経済社会発展計画は、これは改訂という形をとります。また、新全国総合開発計画——新全総計画はこれは総点検という形をとって、双方とも本年中には総まとめに入りたいと、こう考えております。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 以上で杉原君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 次に、片岡勝治君の質疑を行ないます。片岡勝治君。(拍手)

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 皆さんの御了解を得まして一般質問の機会を与えられましたことを感謝いたしまして、しばらくの間、質問を続けたいと思います。  まず、第一番目に、いま非常に世界の注目の的になっておりますベトナム戦争の拡大について若干触れてみたいと思うわけであります。私は横須賀の基地を持つ神奈川に住んでおりますので、ひときわ県民の感情もこの問題に関心が深いわけであります。素朴な県民感情という中からいろいろな疑惑の点がありますので、そういうところから質問をしていきたいと思います。  まず、第一番目に、横須賀にはたくさんの航空母艦をはじめとした艦艇が集結をいたしております。ベトナム戦争の拡大によってコンステレーション、八万トン・クラスの航空母艦をはじめとして次々に出港していったわけであります。これらの第七艦隊がベトナム海域において作戦行動をとっておるわけでありますけれども、外務大臣としてはそのことを確認されておるかどうか、御存じなのかどうか伺いたいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 横須賀に停泊しておりまする第七艦隊が先般これを出港いたしました、そういう情報がありましたので、聞きましたので、米政府のほうに確かめてみた。そうしたら、まさにそのとおりなんです。ただし、これは西のほうの水域に移すんだ、戦闘作戦行動の命令はまだ出しておりませんと、直接ベトナムに行くんじゃありませんと、こういうようなことで事前協議の対象というふうには考えないと、こういう話なんです。  現実に、いま、それらの船がどこへ寄って、それからどこへ移って、そうしてどういう行動をとっているか、はたしてベトナム戦に参加しておるのかどうか、そういう点につきましては、私ども、まだ、確認はいたしておりませんです。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 これはすでに新聞その他の記事によりましても、横須賀に寄港した空母その他の艦艇がベトナム海域にいるということは報道されているわけです。私は、そのことを、いま事前協議の対象、不対象ということじゃなくて、現に、横須賀に寄港した軍艦、空母等がベトナム海域に行っているということは、これは外務省でも御存じだと思うんです。そのことをお聞きしている。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ある程度のことはわかっておりますから、政府委員からお答え申し上げます。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 横須賀に寄港中でありました巡洋艦オクラホマシティ、それから空母のコンステレーション、それから駆逐艦四隻、合計六隻が四月三日に横須賀を出港したことは確認しております。  で、これらの艦隊はベトナム海域に向かったとされておりますが、いずれにせよ、これらは、報道によれば、ベトナム海域に集結されているんじゃないか、こういうことでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 少なくとも、外務省は日本のそうした問題について、私は、すべて全部が全部確認することは困難であっても、非常にこうした大きな基本的な問題について何ら確認をしていないということは、信じられないんです。  そこで、いまの答弁によると、そういう方向に行っているということは外務省でもおそらく御存じだろうという印象を受けたわけでありますが、大体、作戦行動をとる場合に、いきなり横須賀にいる艦艇に向かって、ベトナムに行きなさい、こういう指令、指示が出るはずはないんです。これは昔の軍隊の経験がある方ならば、この第七艦隊という大部隊がいきなり基地を出るときに、その目的地をはっきりさして出港することはあり得ないわけです。そういうことになりますれば、いままで問題になっておりました事前協議という問題が非常に重大な要素になってくるわけです。極端なことをいえば、第七艦隊が横須賀の基地を出港いたしまして領海を出たときに命令が来るかもしれません。おそらく、そういうことになったかもしれませんね。そういたしますと、事実上、この事前協議ということはあってなきにひとしいわけであります。事前協議によってチェックするということは、これはもはやナンセンスであるというふうに考えざるを得ないんですが、この点についてどのようにお考えになりますか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) アメリカの太平洋艦隊は太平洋各地を遊よくをしておるわけです。また、アメリカの航空部隊はこれまた同様にアジア各地を遍歴をしておる。そういうんでありまするから、一々横須賀におる部隊がどういう目的でどういうふうに動くんだということをチェックする、これは非常にむずかしいことじゃないかと思うんです。問題は、いまお話しのように、横須賀に停泊しておるその艦隊が横須賀を出港しておるその時点では、作戦命令は受けておらぬ、しかし、領海を出たら、作戦命令が出たというようなことがある。そういう際は、事前協議の実効がなくなるんじゃないか。こういうことでございますが、まあ、そういう場合には、ちょっと事前協議が非常に弱体化してくる、そういうふうに思います。ところが、それは私は日米間の信義の問題じゃないかと思う。領海を出ましたから、すぐにそこで作戦行動に移れ、そういうようなことじゃない。事前協議制度というものは、そもそも、これは日本の基地が作戦の基地として使われたと、そこで、日本の基地が報復爆撃でありますとか、報復攻撃を受ける、そういうようなことで日本が戦争に巻き込まれる、そういうようなことがないようにという配慮から歯どめとして存在するわけなんです。ですから、わが国の基地に停泊しておった艦艇がかりに台湾のどこかの港に移駐をした、そういう台湾の港から今度ほんとうに戦闘に出たというと、そこが今度は戦闘基地になるわけなんです。わが国の横須賀基地が戦闘の基地になるというわけじゃないんです。その辺は非常にデリケートな問題です。それはわかる。わかるけれども、歯どめといたしましては日本の基地が戦争に使われない、そういうことだろうと思う。そこがちゃんとしておれば、事前協議としての意味はちゃんと果たし得ると、こういうふうに考えております。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 いま外務省のほうの答弁にもありましたとおり、オクラホマシティーとかコンステレーションその他の艦艇が横須賀を出港して、報道によればベトナム海域に行っているということは、そういうことを知っているというんですよ。そうすると、いま申し上げましたように、海域に出てベトナムに行くという命令を受ければこれは事前協議の対象にならぬということでは、事前協議というものは今後永久に事海軍については——あるいは、空軍について、空を飛び立ったときに命令を受ければこれは事前協議の対象にならぬということになれば、今後永久に事前協議の対象になり得るそういう状況というものは生まれてこないではないか。そうすれば、事前協議によってチェックするというそのことは全く無意味になるではないか、こういうことなんです。それは、あなた、お認めになりますか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 問題は、これはわが国の基地が作戦基地として使われるかと、こういう問題だろうと思うんです。そうすると、日本の基地が作戦基地になっておる、そこで日本が報復を受けるかもしらぬ、そういうようなことで日本が戦争に巻き込まれるという可能性が出てくる、それがあってはならぬというので事前協議という制度があるんです。ですから、どこまでも日本の基地が作戦の基地に使われないんだと、使われたときには事前協議という歯どめがあるんだと、こういうことで事前協議の作用というものは十分機能してくると、そういう見解です。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 二つちょっと関連してお伺いしたいと思います。  横須賀を出た第七艦隊は、どこかへ寄ってベトナムの海域に行ったんですか、それとも、直接に途中で命令を受けてベトナムの海域に行ったのか、その点を一つお聞かせいただきたい。  それからもう一つは、第七艦隊の遊よくをしているということは、これは事実でしょう。いいですか、大臣。遊よくをしていることは事実だけれども、こういうような平常のときとは違って、ベトナムの地域で非常に大きな戦火が発展しつつあるという状況の中で第七艦隊が日本から出港しようというときには、こちらのほうで積極的にやはりそれを確かめるという、こういうことは必要だと思う。ふだんのときとはこれはまた違うのであって、こういうような戦局が発展をしているときに第七艦隊が日本を出て行くということについて連絡があれば、いろいろな点について日本が確かめておくという、そういう用意がなければならない。そういうことも平常と同じような状態の中でこういうことが行なわれているのかどうなのか。その実態を二つあなたからお聞きをしたい。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) あとのやつがよくわからなかりたんですが。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) あとのをもう一ぺん……。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 あとのは、あなたは、日本の港をアメリカの艦隊が出港するからといって、平常あちらこちらを遊よくしているのだから、一々聞くということはできないと、こういうお話のようなんです。しかし、今度のようにベトナムで戦局がああいうふうに発展をしている、こういう中で第七艦隊が日本の港を出て行こうということがあり、そういう点が連絡があったというこの前のお話もあった。そういうようなことであるならば、その際にそういう内容について確かめをするということは当然必要なことであって、こういうことも、なに、あちこちと遊よくしているんだから確かめるほどの必要はないという、こういう考え方では、全く理解ができないと私たちは思うのですが、この点について二つお答え願いたい。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 岩国を出ました飛行隊につきましては、これは先方が言うところでは、まずフィリピンに移駐したようです。その先はよくわかりません。それから艦艇につきましては、直接ベトナム戦に参加するのではないと、まだ戦闘作戦命令も受けておりませんと、こういう説明であります。その後、はたしてこれがどこへ寄ったか、沖繩か台湾に寄っていると思うのでありまするが、どこへ寄ったかということは、確認をいたしておりません。これは率直にそう申し上げます。  それから岩国につきましては、今回は事前に通報があったわけです。一両日後に岩国にあるF4を南方へ移したいと、こういうふうに思います、そういう計画でありますと、こういうことです。そこで、私は、その際確かめたんです。これは戦闘作戦行動命令を受けているのかと、こう言うと、そうじゃありません、南方水域に移駐でありますと、こういうことであります。したがって、いま通報はいたしまするけれども、事前協議の対象という意味ではございません、こういう答えであります。  それから横須賀出港の場合には、実は同様の事前通報というのはなかったんです。そこで、私どものほうでは、新聞によるとこういうことになっておるが実情はどうかと言うと、確かにそうだと、横須賀におる艦艇は西の水域に向かって出港いたしましたと。しかしながら、これは、直接ベトナム戦に参加するわけじゃない、また、戦闘作戦命令も受けておるわけじゃありませんと、こういうことの解説でございまして、これまた、いままでの事前協議の対象というものには該当はいたしませんという説明もあり、また、私どものほうといたしましても、同じようなことで理解しておりますから、そのままにしてあるというのが率直なる現状でございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 いままで事前協議の問題についてのあなたの御答弁からいうと、直接日本の国を出た際に戦闘の命令を受けなければ、これは事前協議の対象にはならないのだというようなことで、この前のエンタープライズの出港についてもそういうふうな説明をしてこられたわけです。しかし、今度の場合でもそうでありますけれども、出港するときにそういう命令は受けなくても、航行の途中でそういう命令を受けて戦場に参加をしたというふうなことになり、あるいはまた、いまのように岩国からフィリピンに一度行ったにしても、それが直ちにまたベトナムに出撃をしているとか、ちょっとした空輸の石油を積んでそれから出撃をしているとか、あるいは、ちょっとした休養をとって出撃をしているとか、また、何か新聞報道などでは、日本から出た第七艦隊は日本を出ると同時にベトナムの海域に行ってそうしてベトナムの戦争に参加をしたというような報道もされているわけなんです。われわれのほうはそういうふうな理解をしたとしても、この攻撃を受けられるベトナムのほうはそういう理解をするでしょうかね。われわれの国がそういうふうな形で攻撃をされれば、当然、その攻撃をしてきたその補給の基地であり出発の基地であったその土地が、その国に対する敵対の行動をとった場所として攻撃をし得るということは戦争の常道であると私たちは思うわけです。したがって、こういうような事前協議というものでは、とうていわれわれは今後沖繩の問題——特に、今度、ベトナムを引き揚げて沖繩に行った海兵第三部隊の者が第七艦隊に乗ってベトナムの戦争に参加をしているということをビン代表がパリの平和会議の会談の中で指摘をしているわけなんです。こういうことを明確に言っておるような状態から考えてみるならば、第七艦隊が途中で出撃の命令を受けてベトナム海域に出かけて攻撃をやったという場合には、明らかに北ベトナムは、日本からその第七艦隊が出、そこが余力あるならばこれを攻撃し得る、しなければならないという判断をするということは、自然の経緯ではないかというふうにわれわれは考える。これは別にそういう専門家ではないけれども、そういうことは常識的にも当然考えられる問題であるので、こういう事前協議ではほんとうの意味で日本の安全を守ることにならないということをわれわれは痛感をしているのですが、こういう点についても、いささかも不安動揺はなく、アメリカに信頼を置いていることによって何らの危険もないというような、そういう考え方を外務大臣は持っているのですか、それとも、こういうことについてもやはり検討を要するというように考えて今後この問題を具体的に検討をされていこうということを今度の問題を通じても強く意識をされているのかどうなのか。今度の問題を通じてもそんなことは考えておられないのか、今回のことを考えてみても、第七艦隊が出港した際にあらためてこちらからその問題についてアメリカに確かめたという外務大臣の考え方からすれば、当然こういう問題は今後検討して改めていくべき性質のものだと意識をされているようにもわれわれは理解をするのでありますけれども、この点については何ら検討をする必要はないと考えておられるのかどうなのか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま片岡さんにもお答え申し上げたのですが、事前協議というものはそもそもどういう必要からあるのかといいますると、わが国が戦争に巻き込まれるという危険に対する一つの歯どめであります。つまり、日本を基地といたしまして戦闘作戦が行なわれるということになりますると、これはそういうおそれなしとしない。そこで、日本政府の判断を求めると、こういうことです。その際、日本は、ここは日本の国益を総合的に考えまして、イエスとも言い、あるいはノーとも言う、そういう仕組みが事前協議なんです。  ところが、いま該当の場合は、これは日本がいわゆる戦闘上の基地になっておるという状態じゃないんです、まだ。その以前の段階である。先ほども申し上げておるわけでありまするが、太平洋艦隊は太平洋各地を遊よくしておるわけであります。その一々の場合に、あんたどこへ行くんだ、どこへ行くんだといって一々問いただすと、そういうようなわけにはなかなかいかぬということも御了解願えるのじゃないか、そういうふうに思うのです。  まあ、しかし、それはそれといたしまして、事前協議制度というものは、これは非常に大事な制度である。そういうような制度が、もうこの制度ができてから十二年を経過しておる。それから沖繩返還という世紀の一大できごとがあるわけです。そういう際に、この制度につきましておさらいをしておくということは、私は有意義なことであろうと、こういうふうに考えまして、ひとつそれをさらってみたいと、こういうふうに考えておるのです。皆さんからお尋ねがある——きょうはお尋ねじゃなくて議論ですからこれは別でありますが、お尋ねがありました場合に、私がすらすら答えられないところがほんとにあるんですよ。そういう際に、私としても明快な答えが即座にできるような状態に置きたい、こういうふうに考えておりますので、この制度自体、その運用、そういうものにつきましてこれは日米安保協議委員会におきまして協議をしてみたい。もとより、わが国がどういう提案をいたしましても、先方のあることでありまするから、こっちの考えどおりにはまいりませんけれども、ただいま申し上げましたようなことを頭に置きながらさらってみたいと、こういうのが私の心境でございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 関連。  いま、外務大臣の御答弁を聞いておりますと、これは外務省の官僚の御答弁であるならば私は一応聞くことができると思います。しかし、一国の外務大臣としていま間近なところでアジアの一角において戦争がエスカレートしているという時点に立って、外務大臣もしょっちゅう言っておられますように平和を求めるという姿勢でありますならば、どのようにして平和を来たらせるかという観点に立つならば、アメリカのやり方に対して何らかの平和への方向を示していく、そういう姿勢が必要ではないかと私は思うのであります。いずれ事前協議の問題につきましては時間をかけて外務大臣と一問一答の形で外務委員会等において論議をする機会があると思いますから、私は外務大臣としてのベトナム戦争拡大の現状に対する姿勢について伺いたいのであります。  と申しますことは、外務大臣は、それは他国の問題であって、わが国とは直接関係がないというような意味の御答弁もありました。しかし、そうではないと思うのでございます。これはアジアのベトナムにおいて戦争が拡大しておるということは現実であります。しかも、それが日本の基地からアメリカの艦隊及び軍が出ておる、こういうことも現実にあるのでありまするから、こういう点に対して、日本の外務大臣として、ベトナム戦争に対して、アメリカについてはイエスはイエスと言うが、ノーはノーと言う。北爆はまさしく間違いであるということを言い得る姿勢が必要じゃないかと思うのでございます。北から南に入ったから約束を破っておるのだからアメリカが北爆を再開したということでは、これはまた北側の言い分ももちろんありますし、私どもとしてもそれは納得がいかないのであります。もともと、ベトナム戦争は、五四年のジュネーブ協定によって軍事境界線ができ、お互いに平和になろうということでフランスとベトミンとが和平の協定をやったのであります。これを踏みにじったのが、それをボイコットしたのが、アメリカであり、南ベトナムのサイゴン政権であるということは、これは申すまでもございません。そういう経緯から見ましても、アメリカがベトナムに介入している。アメリカが頼まれたから南ベトナムを助けるんだと言っておりますけれども、それ自体出発の当初からアメリカが間違ったことをやっているのであります。同時に、今日まできておるこの中におきましても、アメリカの信義に信頼すると言われますけれども、幾たびとなくアメリカは信義を裏切っておるのであります。それらの事例は、数限りなく、数え切れないほどたくさんあるのでございます。そういう点に対して、アメリカのやり方は間違いであるということを言わなければ、日本政府もアメリカのベトナム侵略に対して加担しておるというふうにベトナムの人たちから北越からもGRPの人たちからも言われてもしかたがないと思うのでございます。数知れずアメリカは信義にもとるようなことをやっているのであります。そういう点につきまして、外務大臣は、戦争をやめてパリに帰ってパリにおいて和平会談をやるべきであるということをこの委員会においてもおっしゃいましたが、そのことをやる前提として、そのためにも北爆をやめるべきである。ああいう非人道的な北爆をやめるべきである。さっきの午前中のこの委員会におきましても事例が示されておりました。私自身もハノイに参りまして、アメリカがベトナムにおいて何をやったかということについての証拠を見せられました。また、いろんな事例につきまして話を聞かされました。ベトナムがなぜ十七年間も強大国アメリカを向こうに回して戦っておるか。それは、自国の独立と自由のために戦っておるのであります。その立場を認めるということなくして、北越の正義の立場を認めるということなくして——ベトナムの問題の解決はベトナム人同士にまかせる。アメリカは即時完全撤退をやるべきである。空軍も海軍力も含めて撤退をする。もはやアメリカが介入いたしましたダレス氏のドミノ理論というものはもうなくなってしまっておる。そういうものはアメリカにおいても言われなくなっておる。何ゆえアメリカはベトナムに力を入れなければならないか、不当な介入をしなければならないかということであります。これをさえ日本政府が是認するということでは、日本がベトナム及びインドシナ諸国に対して今後発言する力は弱められる。すでにそういうことに対して日本政府がアメリカの侵略に対して加担しておるというふうに思われてもしかたがないし、そういう現実があるのでございます。そういう点に対して、私は、外務大臣として、一国の外交の責任をになっておられる外務大臣として、もう少しく政治家としての御発言を願いたいのであります。単なる外交技術論ではなく、そういう根本的な平和の立場に立って外務大臣としての御見解を求めたいと思うのであります。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ベトナム南北問題につきまして考えるところは、私は西村さんとそう考えは違わないと思います。早く戦火がおさまってパリ会談が開かれ、パリ会談がジュネーブ協定の精神で妥結をすると、これこそが私どもアジアの友邦といたしまして願ってやまないところである、そういうふうに考えておるのです。ところが幸か不幸か、このベトナム半島というものの背景には、ソビエトロシアあり、あるいは中国あり、あるいはアメリカがある。そうして、米中会談が行なわれる。そうして、近くはまた米ソ会談が行なわれる。その米中、米ソの谷間において突風のように起こってきたのがこのベトナムにおける不幸な事態であると、こういうふうに理解をするわけです。これは、やはり、モスコーにおける米ソ会談、そういうものを前にし、あるいはパリで開かれるかもしれない和平会談、そういうものを踏まえまして、この南北両勢力というものが力をここで誇示しておこうというような形が本質的にこの戦闘の中にあるのじゃないか、そんなような感じがしてならないのです。そういうことでありまするから、北ベトナムにも北ベトナムの言い分がありましょう。しかし、また、アメリカ側、つまり南側といたしましても言い分があるわけなんです。そのいずれの一方かにわが国が手を上げるということは、私は非常に出過ぎた行動になるのじゃないか。これは両方ともが良識をここで発揮して、戦闘行動はやめる、そうしてパリ会談のテーブルにつくと、こういう方向ですね。一方に片寄ったということでありますると、私どもは、なかなかこれは戦火の収拾、そういうものについての乏しいながらのお手伝いをしたいと思う、そういうような気持ちの実現、そういうこれは困難になってくるのじゃないか。まあ南北ベトナム人におきましてわが国に対する期待がだんだんだんだん高まっておる、これはもう西村さんが一番よく承知しておるはずです。そういう問において何がしかの奉仕をしようという気持ちでございまするけれども、戦火の問題につきまして、一方が是である、一方が非であると、こういう判断を下すと、なかなか事態はさらに複雑になっていくんじゃないか、そういうふうに心得ております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 委員長、もう一問だけ。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 西村委員に申し上げますが、御本人の質問時間は四分しかまだ経過しておりませんけれども、関連質問だけでも十分経過しているわけでございます。ごく簡潔に質問だけ、御意見を除いてお願いいたします。西村君。

西村関一日本社会党

○西村関一君 外務大臣、委員長の御注意もありますから、私は簡潔にお尋ねをいたします。  外交交渉のありますアメリカに対して、ハノイの見解を正しく伝えるということは、外交交渉のない外務大臣としてはわが国としてはむずかしいでありましょう。しかし、少なくともパリ会談が三年以上続けられておる中で、パリに帰ってベトナム和平をまじめに論議しなさいということは、私は外務大臣もここで言われましたから言えると思います。そしてまた、少なくとも非人道的な戦争はやめるべきである——非人道的であるかどうかということにつきましては、これはまたいろいろ外務大臣としては、どれが人道的、非人道的だということについてはありましょうけれども、少なくとも非人道的な戦闘行為はやめるべきであるということは言えるんじゃないかと思うのです。そのことだけ、外務大臣、アメリカに対してパートナーシップを持っている日本政府の外務大臣として、そういうことはおっしゃっていただいていいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私が申し上げているのは、和平が一刻も早く来るようにそれを念願しておりますので、戦闘をやめる、これにつきましては、ほんとうにそういうふうにすべきだと考えております。しかし、これを一方的にアメリカのほうだけがやめろと、こう言うことは私はできないと、こういうことを言っているのです。これは双方に対して戦闘はおやめくださいと、こういうふうに言える、そういう立場でございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 今度のアメリカのいわゆる北爆を中心とする戦争の拡大については、突発的に出てきたのではないと、私はそういうふうに考えます。いわば計画的な拡大ではないのか。基地横須賀にかかわる問題だけを取り上げてみましても、そのことが非常に明確になってくるわけです。  第一番目には、横須賀のいわゆる艦船修理部が六月返還を予定されておったわけでありますが、急遽これがとりやめになった。外務大臣、御承知のとおりだろうと思う。第二番目として、横須賀の駐留軍の労務者を急遽二百人募集をいたしました。これは戦争が拡大をしてからじゃなく、拡大の前に。多くの首切り騒ぎのある横須賀の駐留軍が、逆に募集をされておるのです。第三番目に、アメリカの艦船修理部の機関紙が出ておるそうでありますけれども、これはアメリカのニュースなんです、六月に至るまでに艦船修理部の仕事がたくさんふえるであろうということが書かれておる。さらに、いま申し上げましたように、横須賀には大きな空母、艦艇が続々と入港してきた。こうした一連の動きのあとにベトナムの戦争拡大ということが行なわれてきたわけでありまして、こういう状況からすれば、横須賀に寄港した第七艦隊の大部隊が移動するということは、明らかに今度のエスカレートに関連をしてきたということは明確に言えると思うのであります。  そこで、今回いわゆるアメリカの拡大は、私は、こうした事態を見詰めますと、突発的なことではなくして、計画的な拡大であるというふうに認めざるを得ないのですが、外務大臣はどのように受けとめておられるか。  それからもう一つ、いま出撃をする場合についていろいろ論議をしてきたわけでありますけれども、逆に、それではベトナム海域から横須賀に帰ってきた、これも私は間接的には軍事基地の非常に大きな役割りの側面をになっておると思うんです。こういう問題については一体どうなのか。つまり、事前協議にかかる問題はどうなのか。以上二点をお願いいたします。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 片岡さんのいまの第一のお尋ねは、今回のベトナムの事態はアメリカが前々から予定した行動じゃあるまいかと、こういうようなことでございます。その事例として横須賀の艦船修理部のこととかあるいは雇用を増大したとか、それらのことをあげられております。しかし、私がずっとアメリカに接触しておると、そういう限りにおいては、私は逆の感じを持つんです。つまり、米中会談が終わったその段階で、マーシャル・グリーン特使がわが国に参りまして、北京会談の様子を伝えておりますそのときに私は、この会談がベトナムにどういう影響を持つだろうかということを話してみたんです。そうしますと、アメリカ側の反応は、これはたいした影響はないと、こういうことです。私があえてベトナム問題をとらえましたのは、私は私なりにまたいろいろの角度から総合的な情報を持っておる。かなりこの米中会談というものがベトナム半島には緊張要因として働くであろうと、こういう見方です。それに対してアメリカは、非常にこれを楽観しておる、こういうような状態でありました。そういうようなずっとした推移から見まして、アメリカが深く計画をいたしまして、そうしてこの事態に備えつつあったというふうにはとうてい私は受け取ることができない。横須賀の艦船修理部のお話でございますが、これは去年の三月の時点から話が始まっておることなんです。これは今回のベトナムについて何らのかかわりがあるというような私は感触は全然持ちませんです。  それから、帰る場合に事前協議の適用がどうなのかと、こういうお話でございますが、これは条約局長のほうからお答え申し上げます。

高島益郎外務省条約局長

○政府委員(高島益郎君) お答えいたします。  安保条約の第六条の実施に関する交換公文に三つの事前協議の対象がございまして、そのいずれにもそういう事態は該当しないと思いますので、たとえベトナム水域から艦艇等が帰ってまいりましても、このこと自体をもって事前協議の対象にするということはないと思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 ベトナム戦争に関する見方については、外務大臣と大いに見解を異にするわけでありますけれども、私がいま申し上げました事例からすれば、もし外務大臣の言うようなことが事実とすれば、全く、何といいますか、理解できない措置が計画的に今日まで続けられておるわけであります。   〔委員長退席、理事西田信一君着席〕 少なくとも私は、外務省はこうした米軍の動きに対してつぶさに精査しというか、情勢を見きわめて対処していただきたいと思うわけであります。  そこでもう一つ、非常に初歩的な質問をいたしますけれども、事前協議がかりに——かりの話であります——かりに行なわれて、アメリカの艦艇が横須賀から出て行ったと、つまり日本がイエスと言ってベトナム海域に出て行ったと、こういう仮定に立ったときに、このベトナム戦争と日本との関係はどういうことになるんでしょうか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) かりにそういう事態があると、私は、かりにと言いますが、なかなかそういう事態はあり得ませんと、こういうふうにと思いますが、万々一、かりにそういう事態があるというと、安保条約と横須賀港からの出港の問題、これはベトナムがいわゆる安保条約——極東の範囲の、周辺の地域というふうな立場に立つと、こういうことかと思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 つまり、戦争と日本の国との関係ですね、端的に申し上げますと参戦国になるのかどうか、国際的に見て。これは法律的とかなんとかじゃなくて、常識的に日本の基地が正式に軍事基地と、戦闘行為の基地として利用される場合にどういう関係になるのか、この点をお伺いしたい。

高島益郎外務省条約局長

○政府委員(高島益郎君) お答えいたします。ただいま常識的というお話でございましたけれども、この第二次大戦後の「戦争」に関しまする一般的な観念がだいぶ変わってまいりまして、現状では、国際連合憲章を中心とします国際法体系というものが支配的でございます。したがいまして、個々の戦闘は確かに行なわれておりますけれども、朝鮮動乱あるいはベトナム戦争、こういったものを従来の意味での「戦争」というふうに私ども解釈いたしませんで、国連憲章第五十一条に基づきます個別的あるいは集団的自衛権に基づく一つの自衛権の行使というふうに法律的には観念いたしております。したがいまして、米軍の日本からの行動、これは仮定の問題でございますので、いま大臣から申しましたとおり、そういうことは想定できませんというお話でございます。私もそういう、全く仮定の問題としてお話し申しますけれども、米軍の日本からの行動というのは、これは米軍にとりましては集団的自衛権の行使ということでございます。日本のほうといたしましては、これはこういう「戦争」ということではございませんで、集団的自衛権の行使に日本の施設・区域を使用せしめたということになろうかと思います。これは全く法律的に申しますと、そういうことであろうかと思います。ただ、繰り返し申しますけれども、このような事態はベトナムとの関係では、ただいま大臣が申しましたとおりと想定し得ない事態であるというふうに思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 北ベトナムはどういうふうに見る——北ベトナム側からは日本をどう見るんですか、その間。

高島益郎外務省条約局長

○政府委員(高島益郎君) これは再々大臣からお話し申してございまするけれども、このベトナム戦争と申しますのは、つい最近始まった事態でございませんで、一九六四年のトンキン湾事件に端を発します非常に長い闘争の歴史でございますので、国際連合との関係から申しますると、私どもが聞いておりますところでは、北からの浸透に基づきまして、これに対する南側の支援行動として米軍が援助しているというふうに解釈しております。ただ、北側としまして、そういう事態をどう判断するかということはわれわれのほうとしてはわかり得ない次第でございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 非常に素朴な質問なんですよ。つまり、事前協議がかりにあってイエスと返事をした、そして第七艦隊が横須賀から出港してベトナム海域に行って航空母艦から爆撃をした、あるいは日本の基地を直接発進した飛行機がベトナムに行って爆撃をした、こういう事態がかりに発生をした場合に、このベトナム戦争と日本との関係はどうなのか。つまり、北ベトナムからすれば敵国になるのか、俗にいう参戦国の仲間に入るのか、あるいは準参戦国になるのか、そういうことをお尋ねしておるのです、法律的な解釈ということじゃなくて。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは想像もできないことでありまするので、ほんとうはお答えするとまぎらわしい感情を皆さんに抱いていただくと、こういうことになろうかと思いますが、まあ、重ねての御質問だからお答えいたさなければなりませんけれども、いま条約局長がお答え申し上げましたように、わが国といたしましてはこの戦争に参加する意図はございません。これは、条約によりまして基地を提供するというだけの話である。まあ、それについて北ベトナムが不快の感を抱くというようなことはあるかもしれない。しかしながら、わがほうといたしまして、これは戦闘行動をとったんだと、わが国自体がとったんだという認識はありませんし、おそらく北ベトナムといえどもそういう理解であろうと、こういうふうに思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 これは総理も外務大臣も、事前協議の場合にはケース・バイ・ケースで、イエスもあればノーもあるということを繰り返しお答えになっているわけでしょう。だから、イエスの場合だってあるわけでしょう。私は、すべてノーだということを終始一貫答弁しておられるならこういう質問をしないんですけれども、あなたの口から、イエスということもあるということですから、一体その場合にはどういう関係になるのかなと、こういうことなんです。敵国関係になるんです。参戦国になったどいうふうに私ども国民が認識してよろしゅうございますかどうか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) あり得ないことに対しての御質問だから、お答えしないほうが私はいいと思うんです。しかし、三度目の御質問ですから、お答えを申し上げますが、私どもは参戦はいたしません。これは基地は提供されたと、そういうと、そういうことであります。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 日本が、直接自衛隊が出動するという、そういうことを私は申し上げているんではなくて、日本の基地が直接ベトナム戦争に使われる、そういうことを想定をしておるんであります。日本が参戦するとかなんとかいうことじゃなくてですよ。そういう場合に、国際的な関係、特に北ベトナムとの関係等について、一体どういうふうになるんだろうか。国民から、私はよく市民、県民から聞かれて答えをしなければなりませんので、それじゃひとつ外務大臣に聞いてみましょうと、こういうことですから、お答えいただきたいのです。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 重ねて申し上げますが、参戦とか、そういうような意図はない行動である。これは仮定の場合でありますから、ほんとうにそういうことだろうと思いますが、基地が提供されたというだけのことなんです。参戦とかなんとかと、これはもう参戦の意思がなければ、そういう結論にはなりませんけれども、われわれは参戦をするなんという意思、そんなことは全然ありませんから、その辺は御心配なく。  それから、繰り返し繰り返しのようでございまするけれども、そういう事態はあり得ませんから、その辺も誤解なきようにお願い申し上げます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 非常にお答えが不明確で不満でありますけれども、これは後日ひとつ、この点は解明をして、非常に国民が大きな不安を持っている問題でありますから、私は単刀直入にほんとうはお答え願いたいと思います。  最後に、先ほどから答弁を聞いておりますと、局外者というようなことばで、近ごろはやりの、何らかかわりのないことですということばに聞こえますけれども、これもいままで総理、外務大臣の答弁で、平和五原則については賛成だということをお答えになったことがありますね、最近。平和五原則の精神からすれば、私はアメリカの行動についてこれを是認するということは理論的に出てこないんじゃないですか。もしそうだとするならば、平和五原則というものをあなたが賛成をするならば、私は率直にアメリカに対して、わざわざアジアまで来て、骨を折って、金をつかってということはやめなさい、ということは言えるんじゃないですか。あなたの最も信頼するアメリカであり、平和五原則とこの関係について、どういうふうにお考えになっておりますか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これはアメリカに対しましても、戦闘行動の停止、私どもはそれを希望します。しかし、アメリカだけに対しましてそれを言うのは、これは一方的だ、これはいま南北において争いが始まっている、南の中に集団安全保障体制といたしましてアメリカが、参加しておる、そういうことなんです。ですから、これは両方に対しまして、戦闘行動の停止、これを言うなら、私はそれは正しい行動であると、そういうふうに思います。しかし、一方的にアメリカのほうだけが悪いので、それだからアメリカのほうには戦闘行動を停止しなさい、あるいはアメリカの爆撃に対しましてはこれは抗議しなさい、こういうことは聞こえませんと、こういうふうに申し上げているわけです。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 平和五原制については、まあいろいろ項目がありますけれども、私は、民族自決というベトナムの問題についてはベトナム人が考えたらいいじゃないか、そういう原則に立てば、私はアメリカの行動について一言あってしかるべきだと思うのですよ。これはアメリカがわざわざアメリカ大陸から来ているのですからね。その点、どうなんですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) アメリカも平和五原則は米中会談においてはっきり承知しておるわけです。それにもかかわらずああいう行動をとっておる。これは私は、アメリカが平和五原則と矛盾しない行動であると、こういう立場をとっているからだろうと思う。それを、アメリカの関係をわが日本の政府がどういうふうに考えるか、こういうふうに聞かれると、私も答弁に非常に困惑をするわけでありますが、いずれにいたしましても、集団安全保障体制の一部といたしまして米軍の行動というものが存在しておる、アメリカは一方において中国との間に平和五原則をまあ了解し合っておる、こういうことはそのとおり事実なんですから、アメリカのとらえ方は矛盾はないというアメリカ一流のとらえ方をしておるのであろうと、こういうふうに思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 たいへん平和五原則の理解のしかたもまあ私どもが考えておる点と大きくかけ離れておりますけれども、時間の関係がありますので、以上で打ち切りたいと思いますが、外務大臣、今度会うときにはもう少し国民の側についた立場でひとつお答えをいただきたいと思います。  すでに予算委員会で総括あるいは一般質問等が繰り返されまして、いろいろな問題が摘出をされ、すでに多くの論議を積み重ねてまいったわけであります。そういった問題を繰り返すことは時間の関係でできませんし、私はこういう立場でこれから質問をしていきたいと思います。  御承知のように、日本の高度経済成長政策が大きな壁にぶつかった一というよりも破綻を来たした。そして総理もまた閣僚の皆さんも口をそろえて発想の転換とか政策転換とか、そういうことばを繰り返し言ってきているわけであります。さて、しからば、現実の出てきた政策等については、はたして発想の転換を行動に移しているのかどうか、政策転換ができているのかどうか、こういう立場からお尋ねをしたいと思うのです。まず基本的に佐藤総理は、佐藤さんが総理大臣になったときには、池田さんの高度成長政策にはひずみが出た、今後は経済の安定成長だ、社会開発だ、人間尊重だ、こういうスローガンを掲げたわけでありますけれども、しかし、昨年の木村禧八郎さんの質問によって明らかになったごとく、池田内閣時代よりも佐藤内閣の時代のほうが経済の成長が激しかった。また、社会資本の投入の伸び率も、池田内閣よりも逆に佐藤内閣のほうが低かった。つまり、高度成長政策は池田さんよりももっと進めてきたのが佐藤内閣であり、社会開発は佐藤さんの公約ではあったけれども、実は池田さん時代よりも低くなった。こういうことが数字の上で明らかになってきたわけです。私はここで大蔵大臣、経済企画庁長官になぜこのようなあやまち、誤りをおかしてしまったのか、この点をまず最初にお伺いしたいと思うのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) それは、私は前にも申しましたように、過去の日本経済におきましては、もし、民間の投資と政府投資が競合したという場合にどういうことになったかと申しますというと、民間が仕事をし、政府が仕事をして、これはほんとうに競合する場合には経済が過熱化して、そして国際収支の問題にすぐぶつかってしまうということでございましたので、その場合には、常に民間の投資に政府が譲った、政府のほうが引っ込んだという財政政策をやってきたことがいままでの姿であったと思います。これがいわゆる設備投資中心とか、輸出中心の成長政策といわれたものであって、この国際収支の制約上どうしてもそういう財政運用をしてきたというのでございましたが、ようやく四十四年以後になって初めて国際収支の黒字というものが一応続いて定着するような形になってきた。そこで初めて、いままで公共投資そのほか、いろいろ民間の投資に譲っておっておくれをとった公共投資を、ここで取り返しをするときが来たんだ、民間よりも政府投資を優先させる、いままでの経済の成長と国際収支のゆとりを国民福祉の向上に結びつけて活用する考え方をいまとらなければいかぬ、また、過去から見まして、これがとり得る条件が初めていまできてきたというところから、この財政運営の方針を変えるということをこの予算編成においてやりだしたのがいわゆる「発想の転換」といわれておるもので、そうりっぱなものではなくて、考え方を変えたという程度のものであろうかもしれませんが、しかし、いずれにしろ、初めてそういう方向へ転換が可能になったということは事実でございますので、それが今度の予算編成にははっきりとあらわれておると思います。特に今度は、そういう意味で、国民福祉の向上という目的以外にもう一つ、御承知のように不況の回復という問題を持っておりますので、勢い公共投資を中心にした大型予算を組まざるを得ない。これは景気対策の予算と言うことはできますが、その場合に、景気対策の手段として、同じ公共投資でも、いわゆる生活環境に関係のある下水道そのほかの社会資本の充実ということに特に力を入れた財源配分をするというところに今度の予算の特徴があると思います。  それともう一つは、御承知のように社会保障政策、これもことしは一兆六千という、防衛費の二倍にもなるような、ようやくこの社会福祉の予算として大体かっこうのついた予算編成が今年度はできておると思いますが、この傾向をもう一歩進めていくというならば、投資の場面において、あるいは社会保障政策において、私は福祉政策への一歩、一歩じゃなくて、福祉政策への着実な実現がこれによって近い将来においてなされるだろうというふうに考えます。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) もう大蔵大臣のお答えに尽きておるようでございますが、やはり日本経済の、宿命的と言うと大げさになりますが、そういう体質も一つの原因でございましょうし、それから来る国際収支の壁というものは、もうかっての不況時代、これを回復するいろいろな財政金融措置の中で、どうしてもやはりその主導力を——牽引力と申しますか——民間設備の投資の回復とまた輸出にたよらざるを得なかった、こういうことがもう端的にあらわしておると思います。それが、今日に至って国際収支の壁がようやくゆとりを生じました——ゆとりと変わりましたので、ここにおいて、今回の景気浮揚あるいはその調整の作用にいたしましても、再び民間設備投資あるいは輸出にたよらずして、公共投資にこの牽引力を求めるということが可能になった。すなわち、今後そういう転換、修正すべき基盤がここにできた、こういう点であろうかと思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 最近また円の切り上げ問題が相当大きくクローズアップされて、すでにこの問題は各氏から質問があったわけでありますけれども、たいへん重要な、この円切り上げ問題に対する国会の質問、論議をする上でたいへん重要な問題がありますので、この際はっきりさしていただきたいと思うわけであります。  それは昭和四十六年、昨年十二月二十一日の衆議院の本会議におきまして、社会党の堀さんがこの問題について政府に対して質問をいたしました。そのときに福田さんが答弁に立ったわけでありますが、これはその昔福田さんが大蔵大臣のときに、円切り上げ問題についていろいろ質問をしたときの答弁をこの本会議で取り上げて質問をしたために福田さんが答弁をしたわけであります。その中にこういう発言があるわけであります。「私が大蔵大臣のとき、堀さんやその他の多くの人々から、円の切り上げはどう考えるか、こういう質問を受けたわけです。その際、私は、もうきまったように、さような問題は頭の片すみにもありません、そういうふうにお答えしたこともまた事実であります。ところが、ほんとうはそうじゃないんです。片すみどころじゃない。この問題は、私の頭のまん中にあった問題です。本席をおかりいたしまして、率直に告白をいたす次第であります。」、さらに後段へ行きまして、「この重大な通貨措置につきまして聞かれた場合におきまして、大蔵大臣が真実を語れない、これは、私は国際的に認められておる、こういうふうに考えている次第でございます。」、さらに後段へ行きまして、「ほんとうに真実を語っていないという苦しい大蔵大臣の胸のうち、これをよくお察し願いたい。」、こういうような答弁があったわけでありますが、この福田さんの答弁は、福田さん個人の答弁じゃなくて政府の基本的な考え方だろうと思うわけです。そういう姿勢は今日なおかつ続いておるのかどうなのか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 外務大臣の告白というのですが、私はそれはいまでもよくわかりません。と申しますのは、私は、福田さんのあとに次いで大蔵大臣になった者でございますが、その当時は、やはりいまのままで黒字基調が進んで、これがほんとうに定着するような方向にいくのなら円のそういう問題が考えられるけれども、いまきめてある対外政策八項目を、これをいまから実施すればそういうことになり得ない、で、何をおいてもこれを実施することだということで、円の切り上げには追い込まれないように、円の切り上げはまた日本政府としてもしないという方針のもとにあの対外政策をきめて実施を急いでおったのですが、あれが順調に進んでいくとしましたら、私はある程度やはり避けられる事態ではなかったかというような気もいたしますが、   〔理事西田信一君退席、委員長着席〕 しかし、日本の不況の回復というものが非常におくれたために、とにかく日本の輸出が伸び輸入が減ってああいう大きい黒字基調を出してしまったということでこういう事態になったのですが、私は、政府がこの問題についてそう国民に方針を隠していままで対処しておったものというふうには、私自身は考えておりません。そういう問題があるからこそ、あの対外政策を早く有効に実施するなら私はこの事態が避けられるだろうというようなことで、ほんとうに円の切り上げを頭のまん中に考えておるというのじゃなくて、それはしないという方針のもとに私どもは対策を急いでおったというのが実情でございますので、別に政府が国民にそう方針を隠して臨んでおったというふうにはいまでも私は考えておりません。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 私は、問題によっては、これは秘密問題いろいろありましたけれども、時と場合によってはあると思うんですよ、それは。私がいま聞いてるのは、福田さんがつまり円の切り上げ問題について隠していたということを責めているんじゃなくてね、つまり円の切り上げ問題をこういうふうに質問し、答弁をいたしますよね、しかし、このときには、そういう政府の答弁というのは、ほんとのことが言えなかったからうそを言いましたと、それはしかしかんべんしてくださいと、それは国際的にも認められているんだと、こういうお答えなんです。したがって、円の切り上げ問題についてわれわれに答弁するときに、もしそういうことであるなら、つまりそのことは国際的に認められておるというようなことで、ほんとのことが言えないんならば、私は率直に言ってもらわないと困ると思うんです。はっきりこの点ちょっとお答え願いたいんです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) それは、言えない問題はあるかもしれませんが、いままでの過程においては、そう国民に言えないという問題を持ちながら私どもは別に来ていないと。八月のああいうニクソンショックにぶつかってしまえば、そのあとは政府としてはこういう方針をとるんだということもはっきり言っておりますし、今日においても通貨調整の後においては政府はさらにいろいろのいま対策をとっておりますので、したがって円切り上げに追い込まれる事態は私はまだ避けられるだろうというふうに思っておりますし、別に特に国民の前に政府は方針を隠して臨んでいる必要というものは、少なくともこの問題に関して私はないだろうと思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 前回の円切り上げの問題については、それまで、このいま読み上げました答弁のように、総理も大蔵大臣も一貫して円の切り上げは考えておりませんという答弁をずうっと続けてきて、ある日突然に三百八円というものが発表されたんですよ。私は、そういう経過がありますから、また円の再切り上げがいまいろいろ論議をされておる、そのときに、この間総理も本会議で円の再切り上げはありませんということを答弁してはおりますけれども、前回のいきさつがありますから、しかし腹の底では、そう言ってるけれども、円の切り上げ問題については非常にむずかしいからほんとのことが言えないんだというふうに勘ぐることも、前回の経緯からわれわれとしては考えるわけなんです。そういたしますと、現時点ではそういうことはないと、つまり最近における政府の答弁は、円再切り上げはないということは、これは真実ですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) さっき申しましたように、昨年はほんとうに私どもは——私自身はそのつもりでしたが、しかし、ああいうニクソン声明、ドルを金とかえないという一連の声明があった以上は、これは通貨問題が起こったことはもう当然であって、やむを得なかったことでございますが、今回の場合、前回そういうことがあったからといって、政府の方針が国民から疑われておるとすると、これはなかなか問題でございますが、いまのところ私どもは、こういう問題については、国民に方向を隠したり、誤るような指導のしかたを毛頭考えておりません。で、いつも申しますことでございますが、これに関係した各国とも、いま通貨調整を守ると、そうして、たとえばドルがことしの二月非常に相場が下がって、ドルのまた不安が起こりましたが、こういうときには、お互いに為替管理を強化したり、あるいはドイツは金利を下げたりして、そうしてドルを安定させることに協力しておりますし、各国ともそういう協力をお互いにやって、あのときの通貨調整を守ろうということでいまやっておるところでございますので、少なくとも円の再切り上げというものを迫っているという国はいまどこにもございませんし、私どももそのつもりで、そういう事態が来ない間にいろいろ早く経済問題の解決をして、不況問題の解決をして、対外均衡の姿を直そうということを一生懸命にやっているときでございまして、私は、そこまで追い込まれることもないだろうし、また日本自身としても、これを単独にそういう為替レートをいま迫られたからといって直す意思というもの一切持っていないところでございますので、この点を、国民があるいはあるかもしれぬというようなことで、これに対する不安から経済回復に影響があるというようなことがあったとすれば、これは憂うべき問題であって、私どももいまそれを心配しておって、業界に対しても、絶対にこういうことはない、むしろそういう空気を出しているのは業界自身があるかもしれぬと言って、安く下請をどうこうしているということがそういう機運をつくっているところなんだから、こういうことはやめてもらいたいというので、むしろ財界を落ちつかせることに私どもは一生懸命になっておるというのが現状でございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 次に、発想の転換を行動に移す、そういう政府の大きな政策転換の中で、公共料金が一斉に値上げをするということでありまして、国民福祉の向上という、そういう政策転換をしようとするときに、この政府の仕打ちは、国民としてなかなか理解がではない——なかなかどころか、これは政策転換がしていないではないか、もとのもくあみではないか、こういう意見があるわけであります。国民福祉に政策転換をしたその政府が、一斉に公共料金を引き上げるという、それとの関係をこの際関係大臣からお聞かせいただきたいと思うわけであります。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 私どもも、公共料金の引き上げ、たいへん心苦しいことでございます。ただ、公共料金と申しましても、公共料金を対象とする事業、これは公共企業体であり、また私企業もタクシーのようにございます。こういう事業が、確かにその存在自身は国民福祉のためにある。その存在自身が国民福祉のためである以上、その事業の経営自体は健全でなければならぬ、これは当然のことでございます。しかるに、こういう事業が、いろんな経済情勢の変化によりまして、非常に財政上あるいは経営上、人件費その他の増高によりましてたいへん危機に瀕しておる。これをそのまま放置いたしますと、国民福祉を阻害する原因になる。すなわち、量的に公共サービスが不足いたしましたり、また質的に公共サービスが低下したり、いろんな面で国民経済そのものにゆがみが生じてまいります。そういうことはもう、すなわち公共サービスが国民の福祉につながる以上、これは国民福祉にとっても阻害要因になる、こういうことを考えざるを得ないのでございます。  そこで、私どもは、そういう面から申しまして、そういう公共事業というものが健全で発展してもらいたい。そのためには、やはりその財政的基礎をしっかりしなければならぬ。ところが、タクシー業のごとき私企業がやっております公共料金は、いかなこと政府の援助その他財政的援助でもってやることは国民感情が許しません。そのためにタクシーの料金を値上げせざるを得なくなったのでございますが、その他のいわゆる公益的な事業、これは国が相当な財政援助をしましてその事業の経営を救わなければならぬ。それによって、当然受益者負担にかかる分も、政府の負担においてこれをできるだけ少なくするということは、これはもう当然の政府の責任でございますから、そういう意味において、今回御審議を願っておる国鉄運賃、あるいは先ごろ認めました医療代、そういうものを認めざるを得なくなったわけでございますが、しかしその場合におきましても、その事業自体の企業合理化努力ということは、もう極度にこれはやってもらわなければなりません。したがいまして、国鉄運賃を取り上げましても、国鉄自身の企業努力というものは、これはもう最大限にやってもらう。これは第一の問題でございます。その次は、何と申しましても、やはりこれは国民的な企業でございますから、政府がまず財政負担を大幅にするということで、今回も、国鉄につきましては千百億円を上回るような思い切った財政援助もいたしておりますが、しかもなお、国鉄そのものがなかなか財政的に危殆に瀕しておる以上、やはり応分の受益者負担は、これはお願いしなければならぬということから、今回、国鉄運賃を引き上げるべく予算措置をいたしまして、ただいま法案の御審議を願っておるわけでございます。  そうして、そういう意味におきまして、私どもは確かに国民福祉のための政策転換、これはもう当然でございますが、その中において、この公共料金を対象とする公益的な事業、これの健全な運営もまた国民福祉のために必要である。また、その健全な事業のために何が必要かといえば、やはりその事業自体の企業努力と、第二は、政府がそういう公益事業に対する最大限の財政援助、これも、要するに国民の一般の納税者の負担になるのですから、これにも限界がございます。そこで第三には、直接そういう公共機関を、交通機関を利用なさる国民の方々、直接の利用者の応分の御負担をお願いする、こういうようなことで、今回公共料金の一部の引き上げを認めることにいたしたわけでございますが、これは大局的に申しまして、私は決して国民の福祉の向上というものについて、逆のことをやっておるということではないと思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 政策転換は国民福祉の方向にという政府の姿勢からすれば、私ども国民としては非常に理解しにくいことで、そういった理由は、今日まで行なわれた公共料金の値上げのときの理由と全く変わらないと思うわけであります。  さらに私は、ここで国鉄運賃に関係して、三月十五日を期して新しいダイヤができた。そのとき、常磐線平駅で、日本一の長距離列車、鈍行列車が、これは青森−上野行きでありますけれども、三月十五日午前零時を期して、とたんに平駅でストップして新しいダイヤに切りかえされたために、お客が全部おろされた。こういう冷たい仕打ちが国民福祉向上への政策転換なのかどうか。一方において交通料金、国鉄運賃を上げるのだ、しかしダイヤ改正のときに、最後の列車ならば上野まで運んでやれば、ああやっぱり政府の熱意、国鉄の熱意というものはと、あたたかく感ずるはずで、まあそれなら国鉄運賃も多少はやむを得ないじゃないかということに、感じの上でなると思うのです。それを平駅でばっさり打ち切って、あと何時間か待たせたというようなこの冷たい仕打ち、この神経は、私どもはわからぬわけであります。  さらに、ダイヤ改正によって、三百数十本の鈍行列車を切り捨てた。鈍行列車というのは、いわば生活列車ですよね。私どもは毎日、新幹線を使うわけではありませんから。特に地方の人は鈍行列車で通勤、通学、お買いものをやっている。これを切り捨てて、一方において、今度は運賃値上げですよ、これでは政策転換はうそじゃないかということになると思うのですよ。そういう点について、政府、特に運輸省の指導というものが非常にない、そういうふうに国民は受け取ると思うのですけれども、関係大臣の御答弁をお聞かせ願いたいと思うわけであります。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの鈍行列車並びに平駅の問題でございます。  平駅の問題、私は、申しわけない次第でございますが、ただいま初めて伺った次第でございまして、もしそういう事実がございましたら、まことに申しわけない次第と、こう思う次第でございます。もとより、国鉄は国民の足といたしまして、国鉄が国民に良質なサービスをするということが一番の根本でございます。それに欠くることがありましては……。直ちに十分調査をいたしまして、それらのことにつきましては十分、将来再びそういうことのないように、きつく私はその点につきましては申し述べるつもりでございます。  また、鈍行列車あるいはこの間の三月十五日の改正につきましては、いろいろ問題がございます。御承知のとおり、国鉄も企業体でございますので、増収努力をする、そのためには輸送需要の多い列車を選んでいくということは、もとより当然でございます。それに合わせますような列車編成も必要でございますが、それと同時に、国鉄の使命といたしましては、国民の足の確保のために、またローカル線におきましても、十分それらの通勤通学の点を考えましてやらなければならないと、こう思っておる次第でございます。  具体的に申し上げますと、今回の国鉄のダイヤ改正は、地元の皆さまに評判の悪い面が非常にございまして、申しわけない次第でございまして、私は異例でございますが、できるだけこれをひとつ改正しろということを命令をいたしまして、そうして改正を見た点ももうすでに相当ございます。いま引き続きまして検討をさしている次第でございまして、そういう点につきましては、もとより輸送需要の増強ということはもちろん必要でございますが、地方事情を勘案をいたしまして、地方の事情を十分聴取をいたしまして、地方民の通勤通学にも事欠かないように、ローカル列車の使命も達成させるように、十分指導してまいるつもりでございますので、その点につきまして、以後、遺憾のないように指導してまいるつもりでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 繰り返して申し上げますけれども、福祉政策に大きく転換をするのだということは、ことばだけの問題ではなくして私は態度で示さなければ国民は納得しないと思うのです。いまのような仕打ちをやっていて、そうして運賃は値上げするのだということでは、私はほんとうにいまの政府はことばだけであって、政策転換なんかはやってないじゃないか、こういうことになろうと思うのです。特に鈍行列車については再検討するということですから、そういうものをきちっとやった上でなければ、われわれは運賃の値上げなんか審議できませんよ、そういうことでは。この点ひとつ、しかと心して対処していただきたいと思うわけであります。  次に、日本生産性本部について若干お伺いをしたいと思いますが、時間も相当経過しておりますので詳しい説明は省略をいたしまして、日本生産性本部が高度成長政策の推進にあたって、あなた方の立場からすれば、すでに偉大な役割りを果たした。しかし結果的に、経済成長というものが大きな壁というか、破綻を来たしたわけであります。したがってこの際、日本生産性本部の任務はすでに終わったと、私どもはこう見るわけであります。この際これを改組すべき段階が来たと、このように考えるわけでありますけれども、これは所管は通産大臣だそうでありますから、大臣のお答えを願いたいと思うのです。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 御指摘のとおり、生産性本部が大きな功績を残しておることは事実でございます。生産性本部は、すでに高度成長の一つの目的を達したから改組してはどうか、場合によっては、というお話でございますが、しかし生産性本部のやっております仕事は多様にわたっておるわけでございます。国内的にも、生産性の向上一はもとよりでございますが、労働問題等また労働者の福祉向上問題等も十分検討いたしておるわけでございますし、また国際機関との関連性を持ちながら、世界各国との間に協調的な仕事をやっております。なお、アジアの生産性問題とも取り組んでおるわけでございまして、現時点においてこれを改組をする——まあ絶えず脱皮、進展をするために努力を払い、検討を続けることは必要でございますが、もう目的を達したので生産性本部を解散しなければならないというような考え方は、現に持っておらないわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 今度、生産性本部の会長になられました郷司さんの談話がここに載っておるわけでありまして、この生産性本部についてこういうふうに言っているんです。戦後、非常に生産が落ちたので、これを伸ばさなくてはいけない。そのためには、そこでまず鶏を太らせ太らせとなった。太らすのをいかに合理的にやるかということを、社員から社長まで頭の改造に取り組んできた。こういうふうに言っているわけなんです。これは私は、非常に率直に生産性本部の仕事を言っていると思うんです。しかし、このように高度経済成長政策というものが、大きな壁にぶつかったというよりも、その失敗がさまざまな問題を出してきたわけであります。しかも、このような考え方に立って日本生産性本部というものが運営をされてきたということになれば、これは政府さえも政策転換をしようという時期ですから、この日本生産性本部の改組といいますか、そういうものは考えるべき段階じゃないですか。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 私は、高度成長という一つの目的は達成されて、また評価もさるべき段階に来たと思います。しかし、その結果としていろいろな問題が提起されておりますが、これらは、われわれの英知と努力によって解決ができる問題でありますし、また解決をしていかなければならない問題だと思います。また、郷司氏が述べられたように、生産性本部が過去、生産性の向上のためにウエートを置いて努力をしてきたこともまた事実でございます。その結果、一つの段階に来たということだと思います。しかし、生産性向上の過程においては、ただ生産をあげるための合理性の追求というだけではなく、各般にわたって努力をいたしてまいったわけでございますが、しかし一つの段階を迎えたときに、おのずから生産性本部のウエートの置き方ということは考えていかなければならない問題であります。  いままで生産性向上という問題にウエートを置いてきたものが、いま指摘をされるような事態が起こっておるのでありますから、そういう問題に対して、各国との意思の疎通をはかったり連絡を密にしたり、データの交換を行なったり、また、シンポジウム等を行なう場合の中核的な働きをやったり、また日本国内においても、産業界が生産性向上、いわゆる生産第一主義から新しい過程に入ったら、そういうものと取り組むためのウエートの置きかえということをなすべきだと思います。そのために必要な改組というか、改組というよりも組織の拡充ということが必要であれば、それは当然考えなければならない問題だというふうに理解をしております。いずれにしても、もういまの段階で生産性本部がその任務を終了し、別なものに衣がえをする必要があるというふうには理解をしておりません。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 日本生産性本部の設立の趣旨等については、いまさら私がここで申し上げる必要もなかろうかと思うんですが、ここで掲げておる三原則を見ましても、生産性向上こそわが命といわんばかりに、そこに集中しているわけですよ。それさえできれば国民は幸福になるんだ、労働者の雇用の安定もできるんだ、賃金もよくなるんだ、そういうところから出発しておった。これは高度経済成長政策と全く軌を一にしておるわけですから、そういう目的からすれば、私はこの段階で、そういう点は再検討していくべき段階だろう。しかも生産性本部が、技術を研究するとかなんとかということじゃなくて、やっていることは、昔やった国民精神総動員なんですよ。そういういわば精神教育なんですね。ですから、ここで金を貸すわけじゃなし、いわばそういう精神教育の場であった。それだけに、政府も政策転換をするんですから、この生産性本部も大きく転換をしていく段階だろう。そこで私は二、三、転換の方向を申し上げたいと思うのです。  第一番目には、通産省所管をはずしなさい。生産性本部が福祉方面にかりに転換をして——私は、労働省か、企画庁か、総理府だと思って一生懸命にさがしたんです。そうしたら、こともあろうに通産省に置いてあった。ああなるほど、これは生産性本部の性格というものを端的に証明しているな、つまり高度経済成長政策の精神的動員体制の役割りをになってきたんだ。したがって、今後はこれははずして、別のところに置くべきだろうと思うのです。これは田中さんが悪いということじゃなくて、機構的に、政策転換をするならば、労働省なり、適当なところが私はわかりませんけれども、企画庁なりあるいは総理府に持っていってやるべきじゃないか、もし持続して政策転換をこの中でやるとするならば。そのように考えるわけですけれども、いかがですか。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 私は、生産性本部を労働省所管や他の所管にしなければならないという考え方は、全く持っておりません。そういうものが必要であるならば、別に機構をつくればいいのだという感じでございまして、生産性本部が一つの段階を迎えたということはわかりますが、これはちょうど大学を出よう、その程度の勉強をしたいという、いわゆる一つの経済的な目標というものは確かに達成しつつあると思います。あるが、これで私はいいと思うわけではありません。  今度は新しい角度から、日本の産業はどうあるべきかという問題、また、その産業の中に占める労働条件はどうあるべきかということで、これは生産性本部が考えなければならない、また、しなければならない問題というものはたくさんあるわけであります。労働省がやるような問題だけをやっておるのではないわけであります。ことしの二十一億円の内訳をごらんになればおわかりになるとおり。まあ、生産性本部という名前が多少ひっかかっておられるかもわかりませんが、しかし私は、平たく考えれば、日本はまだ生産は続けなければならないんです。いまの状態でもって、生産がこのままでもって頭打ちでいいんだなどという考えは持っていません。同時に、労働賃金も上がらなければいかぬ。社会資本の拡充もしなければいかぬ。社会環境の整備も必要である。そういうための根源をなすものは全部日本の生産性ということでありますから、私は生産性というものの定義というものを、狭い視野で考えることはないと思うのです。  生産性といえば、いままでは生産性を上げること、効率的な面にだけウエートが置かれておりますが、今度は、いま国会で議論されているような、望ましい理想的な産業像をつくるための生産性、生産性を上げながら、外国からも喜ばれ日本は確かにいいというような新しいイメージをつくるための生産性というものが、私は絶対必要であるという考えで、労働省にこれを移さなければいかぬ、労働省専管の専門的なものだけをやるとすれば、それは別な機関で足るものであって、現時点において——私はセクショナリズムで申し上げておるのじゃありません、日本の産業というのは、これからほんとうに衆知を集めて、国会の議論等もほんとうに真剣に検討して、理想的な日本の産業という姿をつくるべきであって、生産性本部が必要でないという考え方、通産省にあるのがおかしいという考え方は、どうも理解できません。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 単なる経済関係の段階だけならいいんです。労働組合まで動員しているでしょう。ですから私は、通産省ということよりもほかのほうが適当だろう、そうして名称の問題、いみじくも大臣おっしゃったけれども、この際変えたほうがいいだろう、それやこれやひっくるめて再検討すべき段階ではないか、こういうことなんです。これは、私はもう少し論議をしたいのですけれども、時間がありませんから次へ進み、いまの問題はまた他日、いろいろ意見を申し上げたいと思うわけであります。  そこで同じく生産性本部の問題で、アジア生産性機構があるわけでありますが、役員、予算、−性格、そして、第十二回各国生産性代表者会議が東京プリンスホテルで開かれましたけれども、出席の国、日本政府の出席者、これらをひとつ御発表願いたいと思います。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) APOの問題でございますが、これは日本を含めて十四カ国でございます。セイロン、中華民国、香港、インド、インドネシア、イラン、日本、韓国、ネパール、パキスタン、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの各国でございます。この議長はイランのレザー・ニヤズマンという人でございます。それから、理事は各国から選出をせられております。日本側から出ております者は、日本側から副会長が出ていると思いますが、ちょっと調べてみます。——というようなものでございます。  それから、東京で開かれましたものは、四月五日ということでございましたが、これは五月に開かれる理事会のための事務打ち合わせ会議であるということでございます。日本側の代表は、郷司浩平及び古郡節夫氏の二名でございます。アドバイザーとして関係各省の課長補佐等が出席をいたしております。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 出席の国。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 出席の国は十三カ国だと思いますが……。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 名前を言ってください、名前を、特徴的な。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) それから出席の国の中では……。すみませんが、事務当局からお答えしますから。

山口衛一通商産業省貿易振興局経済協力部長

○説明員(山口衛一君) お答えいたします。  大臣ただいま申し上げましたAPOの日本側の理事は、中山伊知郎氏でございます。  それから、四月五日に行なわれました代表者会議でございますが、これは実は、五月に開かれます理事会のための準備的な打ち合わせの内容を持った会合でございまして、これは参加国が、パキスタンが入りませんで、十三カ国が集まりまして、合計三十三人が全体で集まりました。  それから日本側の出席者は、ただいま大臣が申し上げましたように、日本生産性本部の郷司さんと、それから古郡さん、それからまた関係の各省からも、三省から課長ベースがオブザーバーとして参加をしております。  そのような内容で開かれましたが、中身といたしましては、準備のための打ち合わせ会ということでございますとおり、七一年に行ないましたAPOの事業の検討と、それから七二年及び七三年に行ないますAPOの事業の計画、それから七三年から始まります五カ年プランというものに対します案を検討したことに内容はなっております。特に、七三年以降のAPO事業につきましては、APOの各国は、従来の予算を五割アップぐらいにして拡大してほしいというような要求も当時出されましたが、日本側といたしましては、今後予算規模等の問題もございまして、それよりももっと内容的に、十分各国の生産性向上に効率のあるような仕事をさせるべきであるというような提言を、日本側から行なっております。  以上のような内容でございます。  それから、御質問の予算の点でございますが、七一年におきます予算は、国際機関でございますのでドルに直しまして約百六万ドルでございます。その内訳は、中身が国際分担金とそれから拠出金の内容に分かれております。たとえば七一年の場合には、加盟十四カ国の分担金は全部で四十一万九千ドル集まっております。この中で日本は、分担としまして二十一万六千ドルを分担しております。これは外務省予算としてついております。それから、日本政府の特別拠出金といたしましては、外務省から十五万七千ドル、それから通産省分としましては、円予算としまして一億二千三百万円が、これは委託事業のための委託費としてついております。合計いたしまして百六万ドルというような外貨予算が七一年には予算として計上されております。以上です。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 参加国、出席の国。

山口衛一通商産業省貿易振興局経済協力部長

○説明員(山口衛一君) 代表者会議は十三カ国でございます。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 国の名前だ。その中に台湾が入っているかどうかを答えなさい。

山口衛一通商産業省貿易振興局経済協力部長

○説明員(山口衛一君) はい、APOの参加国十四カ国は……。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) いや、その会議に出席した……。

山口衛一通商産業省貿易振興局経済協力部長

○説明員(山口衛一君) その会議ですか。その会議は、ただいま申し上げましたパキスタンを除きます十三カ国が、日本を含めて全部集まりました。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 名前を言ってください。かくさなくったっていいでしょう。

山口衛一通商産業省貿易振興局経済協力部長

○説明員(山口衛一君) 国の名前は、セイロン、中華民国、香港、インド、インドネシア、イラン、日本、韓国、ネパール、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムと、十三カ国でございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 時間がありませんので集約して申し上げますけれども、このアジア生産性会議が東京で開かれ、台湾政府から、台湾の国から二人が参加をしているわけであります。私は、昨今、中国問題をめぐっていろいろ論議をしておる段階においても、政府はいままでの姿勢を改めて中国との友好関係を深めたい、そういうふうに政策転換をしているんだということを繰り返し答弁をしておる。しかし、生産性本部のこの会議は、台湾を招集して東京で開いておるわけです。これがどうして、中国との友好親善を深め、中国との国交回復をはかろうとする政府の姿勢と、どういう関係になるのですか、しかと返答を承りたいと思います。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 御承知のとおり、APO国連とは関係のない独立の機関でございます。十四カ国が任意につくっておるものでございます。でございますので、加盟国をどうするとかというような問題は、APO自体の問題としてこの中で議論をさるべき問題でございます。で、なおこの問題、いまAPOでは全然問題になっておらない、また加盟国は、台湾の問題に対しては、中華民国の問題に対しては議論をしておらないということでございます。  それから中華人民共和国は、これに対して参加するとかしないとかという意思表示は、全くしておらないわけでございます。そういう意味で、まあ在来の団体として、APOの打ち合わせ会には当然中華民国が出るということでございます。そういうものでございますので、その間の事情はすなおにひとつおとりいただきたいと、こう思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 しかもこれは、日本政府の三人の関係者が出席をし、稻村通産政務次官が行って演説をしているわけですよね、この会議に。御存じですか。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) いや、これは十四カ国の会議でございますから、日本は正メンバーでございますので、出れば、有力な出資国でもありますし、そこで演説をし、日本側の立場をそこで述べる、討議をするということであります。これは加盟国ですから、当然のことだと思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 中国は一つであるという政府のいままでの答弁が、実は裏を返せばこういうことで、二つの中国を現実に認めた行動をとっているということについて、私は非常に不満であります。時間がありませんので、この点についても後日もっと追及をしたいと思います。  文部大臣をずっと待たせておってたいへん恐縮でありますが、時間がありませんので一つだけお伺いしたいと思うのですが、いまも申し上げました、先ほど質問にもありましたとおり、日本の経済成長政策というものが大きく壁に突き当たって、さまざまないま転換期にあるわけでございます。しかし、中教審が審議した段階というのは高度成長の段階で、そういう客観情勢の中でああいうものをつくり上げたわけです。先ほどの質問を聞いても、私は、この段階にもう一度再検討すべきじゃないか、つまり将来の日本の教育のあり方について。これはさっき言った生産性というものの見方、あるいは国際的に見ても中国が国連加盟になった、そういうふうに大きく変動した段階に、私は、もう一度この将来の日本の教育のあり方について、この時期に検討するのがたいへん大事だろうと思う。この点だけひとつお願いしたいと思います。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) お答えいたします。  六〇年代が生産成長の時代、経済成長の時代でありまして、七〇年代は、今度は量の拡大から質の充実へと変わっていかなければならないということは、世界各国共通の認識なのであります。そこで、中教審の答申もこの趣旨を踏まえておりますことは、片岡先生御承知のとおりであります。その前文におきまして、まさにこのような見地から、急激に変動する今後の社会における教育の質的な変化に適切に対処し、家庭、学校、社会を通ずる教育体系の整備によって、新しい時代をになう青少年の育成にとっての本質的な教育の課題に取り組むため、広範な改革構想を出すのだということをうたっております。私どもも、中教審の答申がすべてがすべて是であるという立場に立つものじゃございません。しかし、非常に御熱心な御討議の結果、この答申が出ました。この答申については心から敬意を表し、できるだけこの御趣意を実現いたしたいと思うのであります。  まあ一口に申しますると、そうは申しましても、日本の中で、たとえば将来の十年間における日本の教育投資が幾ら要るんだ、一三・九%の経済成長ならば、十年後には七十二兆円要るであろうと言っておりました経済成長率は、現に下がってきておるというところから申しますると、いろいろな形において考え直さなきゃならぬ面がたくさんあると思うのであります。けれども、中教審の答申が示しておりまする量の拡大から質の充実へという基本的な構想というものは、私どもはこれを高く評価し、尊重しなければならないと、かように考えておるわけであります。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 質問は留保して、これで終わりたいと思います。     —————————————

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 片岡君は一分少々の時間を後日に残されまして、次に神沢浄君の質疑を行ないます。(拍手)  速記をとめて。   〔速記中止〕

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 速記を起こして。  神沢浄君。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 私は、米軍基地と国土計画、米軍基地と国内法、米軍基地と住民権利の関係等の諸点について、北富士の演習場に関しての質問を行ないたいと思います。  質問に入る前に、質問の前提としまして、大臣方に北富士を一応認識をしておいていただかないとぐあいが悪いと思いますから、概況を申し述べておくのでありますけれども、言うまでもありませんが、富士は国民の大多数が霊峰と呼んでおりますし、外国人も富士山は日本のシンボルだと、こう考えているわけであります。その日本のシンボルが、実は昭和十三年に、当時の日本はちょうど満州事変を契機として軍国主義に急傾斜をしていった時期でありまして、その当時、サーベルをがちゃつかせてあの地元住民から強制買収をして、当時の帝国陸軍演習地が設定をされたわけであります。その後、戦争に進み、敗戦になり、敗戦と同時にこれはアメリカ軍に占領をされまして、その後は、安保協定の発効とともに日本で提供するところの区域ということになりまして、帝国陸軍当時の広さどころではなしに、ずっと拡大をされて今日の北富士演習場というものが存在をするわけであります。  その意味におきましては、日本の象徴といわれるところの富士は、いまだに戦争から抜け出ていないということにもなろうかと思うのですが、面積は全体でもって六千五百町歩、そのうち、国有地は二千百町歩ある、県有地が三千八百町歩、それから民有地が六百町歩、こういう内訳になっておるわけであります。で、米軍が駐留をいたしておりましたのは昭和三十一年まででありました。その後、一昨年まではほとんど米軍の演習というものは実際には行なわれておりません。自衛隊がときどき使ったようでありますけれども。ところが一昨年あたりから、またまた演習の頻度を増しまして、今日においてはしばしば使われているというような現状になっているわけであります。位置は、言うまでもありませんけれども、いわゆる国民の霊峰と称しておる富士と、一方においては富士五湖の代表的な山中湖と河口湖と、この三地点を結んだまん中に、その地域の大部分を占めておる。これが北富士演習場の現況であるわけであります。  しかも最近は、中央道の河口湖インター、それから東名高速道の御殿場インター、その二つのインターが両足のようにもう出現をしておりまして、昭和四十四年の数字に見ましても、大体観光客が千三十七万くらいに、富士、河口、山中等では数えられておるわけであります。あれは、所在するのは山梨県ですが、山梨県の一年間の全観光客の大体半数に当たっておる、こういうところでありまして、いわば日本の顔みたいなところで、富士箱根伊豆国立公園の、これは中心部に当たっておる。こういう演習場の概況を一応頭に入れて、これからの御質問にひとつ答えていただきたいと、こう思うわけです。  そこで、まず第一に私は、国土計画との関係をお尋ねをしていきたいと思うのですが、国土計画の上において、富士北ろくというものをどういうふうに位置づけておられるのか。まず、経企庁長官にお尋ねをしたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 私どもが策定をいたしました新全国総合開発計画、その中の位置づけと申しますか、富士山ろく地域は非常に自然の景観また観光資源にも恵まれておるから、これは今後そういう大規模な観光施設、国際観光施設、また文化施設、また研究学園都市等のそういうような施設に利用したいというようなことが、基本的な構想でございます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 そこで率直にお尋ねをいたしますが、その新全総の中でもって、いま説明をされましたような構想を富士北ろくで位置づけをされております場合に、あの演習場が障害になっていないかどうかという点を、これは端的にひとつお答えをいただきたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) まあ、国の策定する計画でございますから、たとえば新全総計画では、国土利用ということにのみ主眼を置いた計画でございます。したがって、国土利用以外の国家要請に基づいた観点からの政策は、また別個に考えなければならぬ、こう考えております。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 先ほど、富士箱根伊豆国立公園の中心部だと、こういうふうに私説明をいたしましたが、したがって、静岡、神奈川、山梨の三県で、富士箱根伊豆総合開発協議会というのが構成をされまして、「富士箱根伊豆地域における開発整備の基本計画」というのが出されておるのですが、御存じでしょうか、長官。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) まだ私、具体的には存じておりません。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 ああそうですか。その計画の中で、「日本的価値を持つ富士山の景観を保持するとともに、富士山の景観に調和し、それをよりよく創造する方向での開発空間の演出が計画の基本的態度でなければならない。」として、その内容としましては、演習地はすみやかに返還の実現をはかって、風致、環境の破壊を排除して、国の責任において日本の象徴地域としての計画を策定すべきであると、こういう答申がまとめられておりますが、それに対してのひとつ意見を聞かしていただきたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 確かに、いま申し上げたような国土利用という観点からいえば、あるいはその御意見の中にあるようなことも確かかと思いますが、しかし国の政策、いろいろなほかの次元の国家要請がございますから、必ずしもその国家要請に応じた使い方が、いま申し上げたような国土利用の目的に背馳するものではないと、こう考えております。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 そうすると、国土計画というものはどういうものですか。私はその点をお伺いしたいと思いますが、とにかく国のシンボルゾーンというような地域、それを演習場などのままにしておいて、先ほど長官自体が言われておりましたように、これは風致上も、あるいは休養施設としても、その価値というものを認めておられるし、そういう方向を持っておられるのですが、いまのままでは、これは演習場があるがためにそのことは達成できませんね。こういうことになりますと、この国土計画なるものは、ただ単なる机上の空論にしかなっていないということになろうと思うのですが、その点はいかがですか。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 決して机上の空論ではございませんので、国土計画全体から申しますと、いまの御意見のようなことが望ましいことは、これは否定できないことでございます。しかしながら、その他の国の政策とのやはり斉合性というものを考えなければなりません。したがいまして、政策の中における優先性その他を考えますと、単にそこに演習場があるからといって、国土計画の全般を否定するということには相ならぬと思います。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 経企庁の長官とただ言い合いをしていたのでは、時間ばかりロスになってしょうがないものですから、環境庁長官にお伺いしたいと思うのですが、長官からはひとつ、めり張りのしっかりした御答弁をいただきたいと思います。  長官、評判がいいですからね。これは斜陽的だといわれている佐藤内閣の中で、ある新聞が書いておりましたけれども、夕ばえの残照のようなただ一点だと、こういつております。そういう意味でこちらも敬意を表しますけれども、いま、とにかく大東京を控えて、ここに一千万以上の人間が住み、京浜葉の住民に対するところの環境の整備の問題、あるいは休養の施設の問題、これはもう重大な国策でなければならないのですけれども、いますぐ目の前に、きわめて絶好の条件を有しているところのあの富士北ろくというものがあるわけです。現在演習場の存在のために、先ほどの経企庁長官のお話にも出ておりますように、それがすべて障害になっているわけですけれども、そういう点でもってひとつ環境庁の長官としては、あそこへ、もう公害列島化したといわれている日本の国民のために一大国民休養センターを実現をしようという、こういうような意見がありますけれども、長官のひとつ所見を聞かしていただきたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) おほめをいただきましたので、そのついでに考え方をひとつ申し述べさしていただきます。  お話のように、いま東京都には一千万の人口がございますが、東京湾沿岸にはおそらく二千万以上の人が住むようになるだろうと思います。そうしますと、少なくともそのうちの半分以上は大体勤労者とその家族になります。ところが、こういう人々は、これからまあ週二日の休みになりましょうけれども、その週二日の休みを利用して、自然の中に入って、からだや心の休養をすることがどうしても必要になってまいります。もちろん、われわれどのようなことがあっても、この東京都やこのような京浜葉ですか、この地区に住みましても、この中に一生住んでおりましても健康をそこねないで、そうしてそこで働き得るようなもちろん環境はつくらなければなりません。われわれが、どんなことがあってもそのような環境はつくることに努力いたしますが、やはりそれだけでは足りないと思います。やはりときおりは自然の中に入って、新しい空気ときれいな究気、太陽と水の中で心身を鍛えることが大事じゃなかろうかと思います。そういう意味で、私どもは日本の国土をいろいろ考えまして、こういう、たとえば東京都の付近には山梨であるとか、あるいは富士山であるとか、あるいは埼玉であるとか秩父であるとか、いわゆるわりあいに交通が便利で、週二日の休みに十分に行けるような、そのような地域に、十分そのような自然を楽しみながら、その余暇で十分に家族そろって健康に楽しむような、そのような自然をつくらなければならないと考えております。そういう意味では、山梨県であるとか富士山であるとか、あるいは埼玉その他のところが一番適当であろう。そういう地区には、一千万、二千万のそういう勤労者を中心に人々が家族連れで、車で行って、あるいは民泊したり、あるいは山を歩いたり、あるいはその中できれいなレジャー、いろんなスポーツを楽しんだりするような地域をつくりたい。自然を守りながら、そのような便利な地域をつくりたいと考えているわけでございます。その地域の中に当然富士山ろくも入ります。そういうことで、富士山をできるならわれわれは全面的に利用できるような、そのような——国際的な観光地もけっこうでございますが、そのような国民の大多数に利用できるような地域にしたいのが、いまわれわれ環境庁の一つの考え方でございます。そういう意味では、富士山ろくが全面的に利用できればこれにこしたことはございません。しかし、これは幾ら環境庁がそのように望みましても、やはり国全体としてはいろいろな方針もございます。あるいは防衛庁の仕事もございます。いろんな仕事がありますので、やはり防衛庁で必要なものはとらなければならぬと思いますけれども、でき得る限りは、できるだけ広い範囲は、そのような一般勤労者の全体のための保養と申しますか、休養の地にいたしたいと考える次第でございます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 大体、演習場よりか、それぞれ国民的な平和的な目的のほうが望ましいというような意見には受け取れますけれども、アメリカに遠慮をされるのかどうか、歯切れはあまりいいようには思えませんが、そこで、そういうような状況でありますだけに、所在をする山梨県におきましては、もうすでに、かつての原野だった富士北ろくと違って、先ほど説明をいたしましたような社会的にも経済的にも、それらを含めて、いわゆる国家的に非常に価値の変革をしてきたあの演習場を、これをひとつ返還をしていただいて平和的にその利用開発をしていこうという、こういう県の方針が策定をされて国のほうへ申し入れがされておるはずでありますけれども、その点は御承知かどうか。また、御承知であるとするならば、国としてはどういうふうに対応されておるか。これ、窓口が防衛庁だと思いますから、防衛庁の長官にお尋ねをいたしておきます。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) この演習場につきましては、かねてからいろいろ御迷惑をかけておりますが、まあ、何といいましても、本土におきましてこれだけの適地というものはないものでございますから、今日演習地としての適地ということで使用をしておるわけであります。したがって、この山梨県の県有地そのものは、従来、山梨県と賃貸借契約を締結してまいりました。で、三十九年の四月から山梨県は、県条例を改正されてこれを行政財産に編入して、四十六年三月、施設庁に、賃貸借契約によらず使用許可という形で米軍の使用に供したいと、こういう申し入れがあったわけであります。このあたりにつきましては、事務当局が参っておりまするので、詳しく説明を申し上げさせます。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 県のほうのこの北富士演習場に対します基本的な姿勢は全面返還、平和利用と、こういうことでございます。そういう県の御要望につきましては私どもも承知をいたしておるところでございますが、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、現在、米軍に演習場として提供しておるところでございます。したがいまして、これは他に求めるというかっこうの演習場もございませんので、これは米軍としても引き続き使用したいと、こういうことで、私どもは、この演習場が安定的に使用できるという、そういう諸条件をつくるということに、いろいろいま努力をいたしておるところでございます。そこで、県のほうの要求は、いま大臣のお話にもありましたように、従来は賃貸借契約でございましたけれども、これを使用許可という方針、使用ということにしたいと、こういうことで、これにつきましても、行政財産に編入されました後も、四十二年までは賃貸借契約でまいっておりましたという事情もございますし、やはり米軍に対する条約上の義務の履行という問題もございますので、これにつきましては、いま県ともいろいろ話し合いをいたしておるというところでございます。私どもは、いずれにいたしましても、とにかくこの演習場がトラブルなしに安定的な使用ができるという方向で、どういう条件であればそれが可能であるかということについて、県なりあるいは演習場対策協議会と協議をいたしておるというところでございます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 いま答弁の中でもりて使用許可の問題が出てきたけれども、いま国と県との間は無契約状態ですね、形式的に言うと。国では、従来のとおり賃貸借の契約のたてまえをとっておる。県のほうでは三十九年以降、これは自治法の改正でもって行政財産に編入がされておるものですから、使用許可を求めてきておる。ところが、国ではまだ県に対してその手続をとっていない。したがって、国のほうでは借料として計上がされておる。県のほうでは使用料として予算に計上がされておる。おかしなかっこうになっておるのですが、そういうことでもって、この支払いも受領もできるものですか。これを、どなたかひとつ専門のほうで答えてください。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 大臣の御答弁にもありましたように、従来はずっと賃貸借契約でまいっておりましたが、昭和三十九年の四月に山梨県は条例を改正いたしまして、これを行政財産に編入をしたわけでございます。そこで、実はこれにつきまして昨年の三月、賃貸借契約によらずして使用許可により米軍の使用に供したい、こういう申し入れがありました。そこで、これは行政財産編入が三十九年でございますが、先ほど申しましたように、四十二年度までは毎年度賃貸借契約の更改を県は応じておったわけでございます。そこで、また一面、安保条約に基づきますところの使用の問題もございますので、いま、この問題につきまして県ともいろいろ協議をいたしておる。そこで、私どもとしましては賃貸借契約という態度でございますので、四十三年度以降はこれを賃貸借料として実は予算化しておりますけれども、県のほうは使用許可という方針でございますので、これについて県の予算の中に歳入をはかる方法がないということで、この四十三年度以降は毎年これを供託をいたしておるという状況でございます。そこで、県のほうもできるだけ使用許可にしたいという強い御要望でございますので、この使用許可という制度にいたしました場合に、この米軍に対する提供というものが今後持続できるかどうかということについていろいろ問題もございますし、私ども、その辺も県と十分話し合って円満な解決をはかりたいと、かように考えておるところでございます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 おかしいことになっていると思うんですが、自治法の改正は別に県がかってにしたわけじゃなくて、国の法改正によって普通財産と行政財産にはっきり分けられて行政財産になった。したがって、あの、たしか附則の十条に、そういう場合には、従来、賃貸借の関係のあるものについてはいわばそのみなし規定とでも——最近、みなしということばが非常にはやるわけであります。みなし規定とでもいいますか、従来、賃貸借の関係にあったものには直ちにこの使用許可の手続をとらせる、とるべきであるというふうになっておると思うのです。ここ数年、国はとっていないわけだ、それを。いないから無契約の状態になってきておるわけなんですが、どうする気ですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 北富士問題はきわめて多面的な問題を含んでおるわけでございまして、この、いまの賃貸借契約か、あるいは使用許可かという問題も、そのうちの一つの大きな問題でございます。そこで私どもは、四十四年に設立されました山梨県のいわゆる演対協——演習場対策協議会との間にいろんな諸条件についての話し合いを数年来やってまいったわけでございまして、この使用許可問題もそのいろんな諸条件の一つでございます。そこで私どもは、本来、国としてはいわゆる使用転換ということを目標にいたしておりまして、これにつきましての諸条件がなかなか県との間に折り合いがつかないということで非常に延び延びになっておりまして、これはまことに私どもとしても遺憾に存じております。そこで、その問題の一つとして、この使用許可問題というものも私どもはできるだけ前向きの姿勢で検討していきたいと、かように考えておるわけでございます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 その前向きの姿勢で検討ということばは、国会用語で私どもはかなり幾度も聞いておりますが、県のほうでは土地を使われておって、国がその適法の手続をとらないものだから歳入としてそれを受け入れることもできずに、国のほうでもまたその手続上の相違から供託などしておるというような状況というわけですね。土地を使われておる県のほうじゃ迷惑千万ですね、これは。その点を今後どうするのか。前向きに検討などどいうようなことをただ言い続けておられたのじゃ、これは非常に迷惑千万のことでして、その辺をもう少しはっきりお聞きしておきたいと思いますが。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これは政治的な意味も多分に含まれますので、私から御答弁を申し上げます。  全く供託が七億円以上というようなことは、これは非常に異例のことですね。したがって、山梨県知事もこの問題の解決には県議会とも相談をしながら、また同時に、先生方ともお話し合いをしながら苦心をしておっていただくわけであります。したがって、私どもとしましても、何とかこれ話し合いをつけたいものだと、なかなかこれはむずかしい問題でありますが、十分誠意をもって先ごろ来お話し合いをお願いしておるわけでありまするが、なかなかまだ機熟さずといいまするか、県知事及びその関係者の側におきましても、いろいろ複雑な事情があって非常に困っておられるというのが実情であります。しかし、なおなお誠意を尽くして、私どもよくお願いをしたいと思っております。よろしくお願いたしたいと思います。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 いまの御答弁じゃ、何か県のほうに複雑な事情があるような印象に聞こえますが、県のほうでは行政財産に編入したから、法の定めるところによって従来の賃貸借の契約を使用許可の方式に直ちに切りかえて、国からそういう手続をとってもらいたいといってもう数年になるわけですね。それがとられないから供託をしなきゃならない。何か県のほうでは使用料、国のほうでは借料というようなおかしなことになっておるわけでしょう。迷惑受けておるのは、これは県のほうですね、土地を提供しておるほうであります。国のほうは供託であろうと何であろうと、それはそこへ出しておけばそれほどの痛痒ではないかもしれませんが、そこで、お伺いしたいんですが、何でわかり切った手続がとれないのか、どうして国では使用許可のその手続が、法律に基づいて適法に行なえばいいところのその手続が何で国ではこの数年間とれないのかという、その点をひとつお尋ねします。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) これは昨年でございましたか、鈴木先生の御質問にもお答え申し上げたことがございますが、従来とっておりますいわゆる賃貸借契約、これは私どもとしましては不確定期限の契約であると、こういうふうに解釈をいたしておるわけでございます。したがいまして、米軍がこれを使用している問は、これは契約は継続をしておる、こういう考え方でございます。そこで、これを使用許可ということにいたしますと、まず、使用につきましての許可の問題は、これは今後は県が判断をせられる。また使用料等につきましても、場合によりましては、使用料の条件が折り合わなければ使用許可がおりないというふうな懸念もございます。したがいまして、これらにつきまして、そういう条件を県との間に十分話し合って、これの安定的な、継続的な使用というものが可能になりますれば、私どもはこの問題は一応解決するのではないか。と同時に、先ほど申しましたように、北富士演習場問題というのは、これ以外にも民有地の問題もございますし、林野雑産物の補償の問題もございますし、入り会いの問題もございますし、国有地の払い下げの問題もございますし、いろいろな問題が相互にからみ合っておりますので、そういう諸条件を十分県なり演対協のほうと話し合いをして、そして円満な解決の方向へ向かって努力したい、かような考え方でおりますので、この問題も全体の一環として考えていきたい、こういうのが私どもの考え方でございます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 まあ法律を守らせなければならない、その国自体がみずから法律に基づかないようなことをして、県や末端に迷惑を及ぼすというようなこと自体が私は重大なことだと思うのですが、直ちにひとつ適法な措置に進めるように、もうさっそくの努力をやっていただきたいと思いますよ。  そこで、いまの答弁の中へ出てまいりましたいわゆる不確定期限の問題ですね。いまの御説明によりますと、米軍使用中の不確定期限の契約と、こういうことになっているわけでありますが、そこで民法の六百四条の問題が当然起こってくると思うわけであります。私が説明するまでもありませんけれども、民法の六百四条においては、契約期限というものは二十年を越えるわけにはいかない、こういうふうにはっきりと規定をされているところであります。そこで、私は昨年の十二月に主意書を通じて質問を行なっているわけでありますが、その質問の前提には、二十年たてば、これは不確定期限は消滅をする、民法がはっきりそうきめてありますから。そういたしますには、いまの演習場の貸借の関係というものはいつから生じたのか、こういう不確定期限の消滅を前提としていました質問をしたのに対して答弁が行なわれておりますね。それは契約の始期は二十七年の七月二十八日であると、こうなっておるわけであります。そうなりますと、ちょうど本年は二十年に当たるわけでありまして、本年の七月の二十七日に及べば不確定期限というものは、これは消滅をする、その後においては再契約をしようとも、あるいはしなかろうとも、これは所有者の選択の自由ということになってくると思うわけなんですが、私は基地と国内法との関係の一番これは重要な問題点になってくると思います。その点について国の見解をひとつ述べていただきたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) この不確定期限の考え方の問題と、いま御指摘のような民法六百四条との関係、これはなかなかむずかしい問題でございます。そこで、御承知のとおりに二十年ということになりますれば、今年の七月に二十年が到来いたすわけでございますが、米側に、現在日米安保条約に基づきまして基地として提供いたしておるこの演習場につきまして、不確定期限説で今後もいくか、あるいは民法六百四条の適用の問題が出てくるかということにつきましては、いま関係各省と慎重に検討いたしておるところでございまして、まだこれにつきましての明確なる結論を得ておりません。私どもは、いずれにしましても、とにかく米軍に今後も継続して使用させる、こういうことができることを望んでおるわけでございますが、何ぶんにもこれは民法の解釈の問題でもございますので、いま鋭意検討中と、こういうところでございます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 そんなことで済むでしょうかね。私が質問主意書を提出したのは昨年の十二月、その後、非公式には防衛庁に対して見解を聞いてもおります。また県からもその点について国の見解がただされておると思うのですが、国会の審議の場においても、まだ検討中でもって答えができないなんという、そんな不見識なことがありますか。そんなばかなことがはたして許されるでしょうか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) この問題につきましては、これまで引き続き関係機関とずっと協議をいたしてまいりまして、先ほど申しましたように、まだ結論は得ておりませんけれども、できるだけ近い将来におきまして政府としての見解を出したい、かように考えておるわけであります。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 ぼくはそんな答弁では納得はいたしませんよ。かりにもこれは国会の審議の場であります。しかも七月二十七日という日はもうすぐに到来をするわけであります。それ以前の国会というのはこの国会しかない。その国会の場で検討中でもって返事ができないなんて、そんなことが国会に向かって言えますか。私は、これは重大だと思いますよ。そういう点でひとつはっきりした答弁をお願いをいたしたいと思います。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘のように、これはやはり重要な問題だと思っております。で、目下、法制局その他関係省庁との問でも横の連絡をしながらやっておるわけでありまするが、なるべく早く、これはじんぜん日を延ばせる問題じゃありませんので、なるべく早く結論を出すように最大の努力をいたします。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 なるべく早くということでは、いまの答弁はいただけないわけですね。それをいただけないことについては、私はこれ以上質問の続行もできませんね。これは重大な権利問題ですよ。大体私どもの承知をしておるところでは、いままでの国会論議なんかを私もかなり調べてみましたが、条約というものはこれはその国家間の合意の規定であって、条約そのものが法律じゃないのだから、したがって、その条約を履行するには国内法によらなければならぬ、これは当然のことだと思うわけであります。国内法ではどうかというと、民法でもって不確定期限の消滅がきまっているのだから、これはこれに従うよりほかにはないでしょう、国としても。国民に対してはその他の法律を押しつけるけれども、国は法律に従わないなんていう、そんなべらぼうなことは私はあってはならないと思います。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点はきわめて重要です。まあ早くといういろんな声がかかっておりますが、これはひとつもうしばらく御猶予を願いたいと思うのです。しかし、この問題はうやむやのうちに過ごせる問題じゃありませんから必ず結論を出します。いましばらく時間をおかしいただきたいと思います。もちろん民有地については期限後におきましても円満な話し合いをして納得づきで継続をする、こういう姿勢であることは暮れの沖繩関連法案のときにもしばしば答えてきておるわけですから、どうぞひとつもうしばらく御信用を願って期間をいただきたいと思います。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 私の用意した質問はいまの答弁ではこれは進みません。したがって、しばらくと言うのですから、ひとつ私の質問もここでおきますが、明日までに政府の見解をひとつまとめて出していただきたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 いまの質疑を聞いておりますと、これは神沢委員の主張が当然だと思います。こんものは法律解釈の問題ですから、そんなにあなた、いつまでも時日をかすべきでもないし、これはあなた方、法治国法治国と口ぐせに言っているが、そういう立場からするならば、法律解釈上はっきり出てくるのですからね。あすまでに回答してください。それで質問をやっていくと……。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 防衛庁長官。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) どうぞ、あすまでという点は、もうしばらく御猶予を願いたいのです。それは、防衛庁だけの問題でしたら、今晩徹夜をしてでも結論を得るようにいたしますが、これは関係各省庁、たとえば法制局ばかりでなしに、関連の建設省その他とも話し合いをしたいと思っておりまするので、至急すみやかと、こういうことで御猶予を願いたいと思います。これは委員長にもお願いしたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 あしたというのは、一体返事をするのか、そのことをはっきりあした言えばいいのじゃないですか。だから、そういうことを言わなければ、このままではいけないので、あしたすぐ返事しろということについては幾ぶん無理があるということはわかるが、あしたひとつ最初に、これはいつまでに、どういうふうにして返事をするということをはっきりさせなければできない。それに余裕をおいてやろうと言うのだから、ここでひとつあした答弁を聞いて質問をすることにして、時間もきょうはおそいので、これで打ち切っていただいて、ひとつやっていただきたいと思います。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 委員長から申し上げます。  ただいまの松永君の御意見のように、あすまでにひとつ防衛庁の回答をおまとめいただきまして——回答というのは、いつまでにはやりますと、だらだらとしばらくじゃなくて、いつまでには回答を出しますということでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 ちょっと待ってください。いま松永理事と相談しましたが、あすまでにきちっとした回答を出すというのは無理でしょう。しかしながら、それかといって、権利に関連する重要な問題をいつまでも遷延することはできませんので、あしたの回答にいたしましても、少なくとも予算委員会中には決着をつけてもらいたい。予算委員会が済ん後にさらに引っぱるというようなことは、われわれは了承できませんよ。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) ただいまのお話、よくわかりました。理解をしていただいて、間をとっていただいたことを感謝いたします。明日御返事をいたします。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 神沢君の質疑の途中でございますが、ただいまお聞き及びのようなことでございますので、本日はこれにて散会いたしますが、明日は、午前十時委員会を開会いたします。  散会いたします。    午後五時三十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗