文教委員会 第3号
- 発言数
- 82 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/04/27
会議録
○委員長(大松博文君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から本法律案の趣旨説明を聴取いたします。高見文部大臣。
○国務大臣(高見三郎君) このたび政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律は、昭和四十七年度における国立大学の学部及び国立短期大学、大学附置研究所並びに国文学研究資料館の新設等について規定しているものであります。 まず、第一は、国立大学の学部の設置についてでありまして、東北大学に医学部の薬学関係の学科を基礎にして薬学部を設置し、また、かねてから新しい構想による学部の設置について調査研究を重ねてまいりました大阪大学にその検討の結果を踏まえ、既設文学部の一部の転換を含め、人間に関する諸科学について総合的に教育研究する学部として人間科学部を設置するとともに、地域産業の振興等の観点から大分大学に工学部を設置し工学系の教育研究体制を整備するとともに技術者の養成をはかろうとするものであります。 また、昨年来、国立移管に関し調査検討を行なってまいりました三重県立大学の医学部及び水産学部について、これを国に移管し、三重大学の学部としてそれぞれ設置するものであります。 第二は、金沢大学医療技術短期大学部の新設についてであります。 従来、看護婦、衛生検査技師、診療放射線技師等の養成は、その大部分が各種学校において行なわれてきておりますが、近年における医学の進歩と医療技術の高度の専門化に伴い、これら技術者の資質の向上が関係各方面から強く要望されており、すでに大阪大学並びに九州大学に医療技術短期大学部を併設いたしておりますが、今回、金沢大学にもこれを併設するものであります。 第三は、大阪大学に附置する溶接工学研究所の新設についてであります。 溶接技術は、近代工業の基幹工作技術の一つとして科学技術の振興にきわめて重要な役割をになっておりますが、今日のわが国においては、それらの基礎的技術に関する研究開発はいまだ十分でなく、他方、溶接技術は関連産業の発達に即応してますます重要性を増していく状況にあります。そこで、その応用技術の基盤となる学理的研究を総合的に推進するため、既設の工学部附属の溶接工学研究施設を転換して、新たに大学附置の溶接工学研究所を設置するものであります。 第四は、国文学研究資料館の設置についてであります。 国文学の古典は、わが日本民族の精神文化の世界に誇るべき一大所産であり、国文学の研究は日本文化の継承と発展のために必要不可欠のものであります。このたび、このような観点から、国文学に関する文献その他の資料の調査研究、収集、整理及び保存を行なうため国立大学の共同利用の施設として、国文学研究資料館を設置するものであります。 なお、この研究資料館は、広く国立大学以外の大学等の研究者の利用にも供することといたしております。 このほか、昭和四十七年度予算との関連からこの法律案の附則に所要の経過規定を追加しましたことを申し添えます。 以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
○委員長(大松博文君) これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言願います。
○安永英雄君 二、三点お聞きいたします。 第一番目に、大学の授業料値上げの問題について質問をいたします。 いま授業料値上げで学校の紛争が起こっておる国立、私立別の数をお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(木田宏君) 四月二十六日現在におきまして学費値上げ反対闘争の起こっております学校は、国立学校で五校、公立大学で二校、私立大学で一校、計八校でございます。
○安永英雄君 大臣にお聞きしますが、この状態について大臣はどう思いますか。
○国務大臣(高見三郎君) 授業料の値上げに伴いまする学生の反対運動は、これは私はやむを得ないことだと思っております。ただ、ことしから入ります学生に対して取るのでありまして、進行中の学生から授業料を増額して取るわけではないのでありますが、この学生たちは自分たちの後輩のために反対の闘争に立っているものだと思います。が、まことに残念なことだと思いますけれども、私は、国立大学の授業料は九年間据え置かれたものでありますので、社会的な情勢、諸般の情勢を考えまして、この際引き上げることが適当だと考えまして値上げに踏み切ったわけであります。紛争が起こっておりますことはまことに遺憾に思いますけれども、やむを得ないことだと存じております。
○安永英雄君 そういう事態はやむを得ないと言い、残念と言い、この点はもう少し聞きたいところですけれども、時間もありませんから、この次あたり大臣においてお考え方をまとめておいていただきたいと思います。これはいまの大学紛争に対する大臣の姿勢がはっきりしないと、この問題は非常に内容的に問題を持っていますから、残念であると言い、あるいはやむを得ないと言い、ここらあたりははっきりしてもらわなきゃならないことだと私は思いますが、時間がありませんから。そこで、授業料値上げの法案はないわけでありまして、予算の中にはっきり出ているわけでありますけれども、文部省の発想で、あるときは受益者負担ということを大きく出してアピールをしてみたり、あるときは私立、公立の差というものを理由にして上げたのだと言い、あるときは奨学金等も十分今度取り入れたからこの問題については上げてもよろしいと言い、学生費を上げたとかいりいろなことを言っておりますけれども、授業料但上げの文部省の法案がないからこの問題については文句ではっきりわからないわけでありますが、ほんとうのところ値上げの理由といったものをはっきりお示しを願いたい。
○国務大臣(高見三郎君) これは授業料の本質論になるわけでありますが、私は、国公立の授業料というものは、公の営造物の利用料であり、教育という役務に対する対価だという考え方を持っておるのであります。今回値上げいたしましたのは、九年間据え置かれており、その間における物価の上昇その他の事情から考えまして、私は私立とのバランスの問題で高い安いを言っているのではございません。問題は、高い月謝を払っておる父兄も、安い月謝を払っておる国立大学の学生の経費のために税金を払っておるのでありまするから、したがって、二重の負担をしている父兄のほうが多いということを考えなければならぬと思います。さような意味合いから申しましても、私は、この際、私立のほうに対する助成が大幅に取れるという見通しがあり、奨学資金が大幅に獲得できるという確信を得ましたので、授業料値上げに踏み切ったわけであります。
○安永英雄君 そのような理由では、学生運動はますますひどくなりますよ。この点あたりも私は時間がありませんから追及をしませんけれども、いまのようなことで文部省が考えて授業料を上げたとするならば、それはもうますますとにかく学生紛争は一斉に起こりますよ。これもひとつはっきりした態度を御検討願っておかないといけないと思います。 そこで、これ以上はお聞きしませんけれども、予算審議の過程で、文部大臣は、授業料の問題について、前半の分については現行どおりという形をとられておると表明された。したがいまして、予算の上からいくならば、この問題は入っている。私は、聞くところによりますと、あすは予算が通過するという前日でありますからあれですけれども、まだ間に合うと思う。これは出しかえる考え方はありませんか。
○国務大臣(高見三郎君) 私は、この機会に授業料を値上げしておくことが最も適当だと信じております。いまさらこれを出しかえるという気持ちはございません。
○安永英雄君 私の言っているのは、前半の分については現行どおりと、しかし予算の上では四月一日から取るという形で収入の部にあがっておる、これはおかしいではないか、出しかえなければいかぬのじゃないか、こういうことを言っておるわけです。
○国務大臣(高見三郎君) これは国立学校特別会計の中の予算であります。したがいまして、国立学校特別会計は、年々、赤字を出す年もありますし、黒字を出す年もございます。本来の筋から言えば、安永先生のおっしゃるとおりだと私も思いますけれども、大蔵省とも協議をいたしました結果、この問題については、このままでいっても、例年黒字が出ているんだから歳入欠陥は生じないという判断のもとに修正はいたさなかったわけであります。
○安永英雄君 大蔵省だけと相談してもらっちゃ困る。これが決算で通ると思いますか。いかに特別会計とはいえ、予算審議の一番初めから予算当初から欠陥というものがはっきりわかっておるものを、ほおかぶりして一年間通して、そうして赤字が出なかったからそれでよろしいという、そういった特別会計の運用をやっていくならば、悪例を残すと思いますがね。この点について、大臣、ほんとうにそれで決算のときにこれが認められると思いますか。いかに特別会計で収入というものは未確定な場合もあり得るわけだからそれでといっても、ほかのことならともかくとして、たとえば授業料の問題で生徒数の増減とかいう自然の変化というものは認められるかもしれぬけれども、当初から四月から一年分組んでおいて、半期ということを言明しておいて、その収入がいまの時点でもはっきり入ってこない収入欠陥だと金額的にもはっきりはじけるようなこの問題を、特別会計だからといって私は許されないと思う。この点について再度お尋ねします。
○国務大臣(高見三郎君) これは、筋から言えば、安永先生のおっしゃるとおりであります。私もそう思っておるのでありますが、大蔵省と打ち合わせいたしました結果、これでよろしい、これでいこうということになりまして、そういうことにいたしました。これは理屈は確かにあなたのおっしゃるとおりだと思いますけれども、現実に大きな赤字は出ないという見通しに立っておりますので、さよういたしたわけであります。
○安永英雄君 これは局長にお聞きしますが、直接の管轄ではないかと思いますけれども、そういった値上げ案というものが文部省できまったとたんに、自治省のほうから、高等学校の授業料についても非常に干渉し、そうして増額値上げというものを指導した、これはもう間違いない事実であります。その結果、前期のほうを急に予算審議の都合から従前どおりという形で文部省がいくわけですから、結果としてはおかしな現象ができまして、大学の授業料よりも高等学校の授業料のほうが高いような状態が出てきている。私はこれはおかしいと思う。これあたり、私は高等学校でも非常に紛争が起こっておるということを聞いておる。管轄はあるいはこれは県立だから自治省の関係じゃないかといっても、事教育の問題であります。この問題について、文部省としては、文部省という立場からの指導というものがあったかどうかをお聞かせ願いたい。
○政府委員(木田宏君) 公立高校の授業料につきましては、地方財政の運用一般、またその中における収入という形で、いま御指摘がございましたように自治省がいろいろと措置を講じているところでございます。私どもといたしましても、国立大学の授業料をきめます際に、公立のことにつきましても考慮を払わなかったわけではございません。しかし、自治体の財政措置につきましては、一般的な需要額等についての意見の調整等を自治省といたしますけれども、個々の団体の授業料値上げそのものにつきまして文部省として地方団体の財政状態等を十分に掌握する立場にございませんから、具体的に個々の地方団体に対しまして、値上げを可とか、あるいはすべきでない、こういうことまで指導いたしてはおりません。
○安永英雄君 それは理屈であって、とにかく高等学校と大学の授業料が逆転するようなことは、各都道府県の地方自治体の財政というものを見きわめなければいいか悪いかわかりませんというふうな数字じゃないですよ。大学よりも高等学校のほうが高い、しかも、それは政府のほうから指導したとなれば、文部省としては一言指導すべきである。財政のほうがわかりませんからとやかく言えませんというふうに言われるならば、考え直していただきたい。時間がありませんから、授業料全般については、どうしてもこの値上げについては容認することはできないということだけを表明して、次にまいりたいと思います。 今度、三重大学に県立の医学部と水産学部を移管するということが本法律案の中にあるわけであります。この点は、どういう理由で県立、公立というものを移管するのか、理由を簡単に説明してほしい。
○政府委員(木田宏君) 現在、三重県には、国立の三重大学と三重県立大学の二つがございます。国立の三重大学は教育、工、農の三学部を持っておりますし、三重県立大学におきましては医学、水産の二学部が設けられております。いずれも大学の規模としては必ずしも十分なものというものでもございません。このため、三重県立大学を国立の三重大学と一体的な運営のもとに置くことによりまして学術研究の向上並びに地域社会の福祉の向上を期して総合大学としての体制を整えようという趣意でございます。
○安永英雄君 理由はよくわかりました。私は、大臣に、お聞きというよりも要望かもしれません、時間がありませんから。三重県立大学の移管という問題については、いまの理由であれば、私の言わんとするところは当たっていないかもしれませんが、県立、公立の大学というものを設置するときには、その県の財政その他について非常に豊かな状態のときに概してできているわけであります。国立とか私立にたよらないで県の段階でひとつ大学を運営していこうという、動機からいきましても財政からいっても絶好の時期にあった。ところが、財政が非常に苦しくなってきたときに、えてして持ち切れないから国立に移管というふうになったところもあります。そこで、大臣にも私は学生諸君を連れて行ったことがありますけれども、たとえば福岡の北九州歯科大学、これは非常に紛争があって問題のところの学校でありますが、あそこの学生がじきじき大臣に会いたいというふうな内容を聞いてみますというと、福岡の財政というものは確かに苦しくなっておるから、とても施設、設備その他一般の学生費に至るまで国立あるいは私立のレベルよりも低下をしておる、これを何とかしてくださいというのがあの陳情だったと私は思うわけです。そこで、大臣は、自治大臣とも話しをして何とかこの問題についても善処をしたいという約束もされておったようでございますけれども、私はあの実態をながめたときに、ことに明治時代から大正にかけて使ったような顕微鏡を依然としてひねくりまわして研究していますけれども、成果はあがらない。顕微鏡一つとりましてもそうなんです。財政が苦しいものだから、それについての施設あるいは教材、こういったものはとてもできないという。設置基準というのは、文部省がきびしい設置基準をつくって全国のレベルをとろうとされる。しかし、実態はそうだというところに国立、私立の谷間に公立がはまり込んでしまっているというふうな気もするわけです。そういうことで、これもまた管轄が違うといえば違うかもしれませんけれども、公立の大学というものについて大臣のこの現況を見ての施策というものはないかどうか、こういうものについてお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(高見三郎君) 安永先生のおっしゃる北九州歯科大学は、何せ歴史は古いのであります。およそ五十年ぐらいたっているのじゃないかと、こう思うのでありますが、設立当時はあれでも全国に名だたる歯科大学であったのであります。ところが、世の中が大きく変遷いたしまして、ことに福岡県では石炭産業というものが斜陽産業になりました関係で、福岡県の財政は必ずしも豊かでないという状態になりました。これが御指摘の一番大きな要因だと思うのであります。しかし、実はいままでのところは、おととしまでは、自治省は、地方自治団体が大学なんか持っているのはぜいたくだというような妙な判断をいたしておりました。が、昨年からは、地方財政需要の中に公立大学の費用を大幅に見るごとになりました。私は、大学の、ことに医科歯科系の大学の理想的なものは何であるかというと、国立というよりはむしろ公立の大学のほうが理想的じゃないかと思うくらいであります。ただ、そのためには、自治省が思い切って特別交付税を出すよりほかに方法がございませんけれども、医師の分布状態というものを見ますというと、大体国立の大学にはその県出身者というものが二割入っておればいいほうであります。たとえば、先年国立に移管いたしました秋田大学のごときは、定員八十人のところで秋田県人は八人しか入っておりません。ところが、公立大学の場合でありますると、大体その県の出身者が六割入ります。という意味から申しますというと、実は医学歯学の大学は公立でいくことがいいという感じを持っておりますけれども、いまの地方財政需要額で見られる限りにおいては、貧乏な県では地方で医科大学をつくるとか歯科医科大学をつくるということは容易ではありません。ありませんから、やむを得ず国立でやろうという決心をいたしておるわけであります。安永先生がおいでになりました直後、私は自治大臣とも十分話し合いをいたしました。これについては、それぞれの手当てをいたしておるつもりであります。
○政府委員(木田宏君) 公立大学に対します助成は必ずしも十分とは申せませんが、昭和四十七年度には二億三千九百万ほど計上いたしまして、前年度よりは一割以上の増額をはかりました。しかし、当面の事態に対応する額としては十分ではないと考えております。一方、従来公立大学に対します財政上の措置は、特別交付税として必ずしもこれまた十分な額でございません。自治省とも折衝いたしまして、四十七年度からは、医歯につきましては、普通交付税でもって学生当たりの基準単価もかなりの金額を計上してもらうことになりまして、財政上の一般的な措置が一応とられ始めるような状態になったということを補足させていただきます。
○安永英雄君 いまも努力されておりますその点は私も了解しますよ。ここ数年のうちに学生運動といったものが公立から起こってくる。そして、公立で起こって、何とかそういった問題について解決してもらいたいといってはけ口を求めて各地方自治体に行っても、なかなか解決しない。私は、将来のことを考えれば、やはり文部省がこの種の谷間に置かれいる公立大学というものについての施策を自治省と一緒になってしないと取り返しがつかないような状態になってきますので、ぜひいまの方針というものを広めていただきたいし、進めていただきたいというふうに考えます。あの学生運動をやっておるひげのはえた連中が大臣のところに行って、うちの学校の施設を何とか考えてくださいなんというのは、これはもう全国でもないんじゃないですか。文部省にあの学生が行って、大臣にそういうことを陳情するなどということは、空前のことじゃなかったかと思う。あれは、どこへ行ったって、話をする相手が大学当局にもないし、県当局にもないものだから、やむを得ず大臣のところにすがりつきに来たというふうに私は思っているわけです。そういう点を十分理解して進めてもらいたいと思います。 最後に、この国立学校設置法の取り扱いについて私は要望をしたいと思います。これは、わが党としては、毎年いまのような時期になりますというと、この法律の取り扱いについては何か方法はないか。いつでも、予算の審議その他で、四月一日から発足すべきものが、国会のいろいろな進行の上から、最後になってくるともう四月をこして、予定の生徒募集あるいは学校の開始ということができない。これは毎年のことなんです。なぜそういうことが起こってくるかというと、やはりいろいろな政治的な動きあたりからやってくる。一番最終的な段階になってくると、何か野党あるいは私どもが学校をつくらせないような印象さえ私どもは受ける。直接そういうことを言われる人もある。私は不本意なんです。日本に大学がどんどん設置されるし学部が設置されるということは、私どもとして望むところなんです。何もこれに反対するところはないんです。いま大臣の提案理由の一番最後に、「十分御審議の上、」云々と、慎重審議を願うということばがありましたけれども、この問題は一度も慎重審議したことがないんです。しかし、それは大事なことなんです、この問題については。私はそういった点でいつも提唱しておりますが、一年ぐらい前から——何らか予算との関係があることは私はわかる。わかるけれども、一年ぐらい前からそういった準備をし、そうしてこちらのほうの審議をする。あるいは、年々視察に行きますけれども、あの視察あたりも、その学校ができておるような土地のところあたりにも視察に文教委員が行くときにはちょっと寄ってそういったところを見てくるとか、こういったことも私は提唱したことがある。ことしもまたそういう轍を踏むような状態になっておりますけれども、くどくは申しませんが、大臣としてこの点についてのお考えはないのかどうか、要望になりますけれども、あれば、その点について、こういうふうにすればいいんじゃないかということをお示し願えれば示していただきたいと思います。
○国務大臣(高見三郎君) まことにごもっともな御意見であります。できることなら、文教委員会などという公式の場でない、円卓をかこんで、お互いが、今度はこういう予算を出すつもりだということを事前に申し上げて、そうして事前にそれぞれに御認識をいただいておくというような方法が将来とれるならば、最も望ましいことだと私は考えております。それならば、皆さん方がちょっと出られましたついでに、ここにはそういう予定があるから見てこようというお気持ちにもなられましょうし、また、国政調査のために御視察なさるという機会もあるだろうと思います。いずれにいたしましても、文教委員会などというかどの立たぬところで、来年度予算はこういう予算の要求をしたいと思う、ついては皆さんの御協力をお願いしたいというようなことを申し上げて、それによって与野党を問わず皆さん御一緒に予算獲得に御尽力をいただけるような姿をとりたいものだと。これは私は衆議院ではもっぱらそれをやりました。やってみまして、やっぱり非常に有効適切であったと思っております。ぜひひとつ御協力をお願い申し上げます。
○安永英雄君 その方法も私は一つの方法だと思います。しかし、お茶飲み話ではこの話はできない問題でありまして、やはり何か方途を講じてもらいたい。たとえば、いつでも問題になります大学の設置、国立大学の設置というものについての長期展望をぜひ持ってもらいたい。あるいは表に出してもらいたい。文部省のほうでは、申請がくる、それをA、B、Cのランクくらいに分けて、いよいよAのところにきたならば調査費つけると、こういうふうな行き方じゃなくて、それを文教委員会に出してくる。そして、どのくらい全国に申請したいというものがあるのか、そしてまたどういう学部というものを全国に分散しておかなければならぬのか、こういった長期にわたる計画といったものを総合的に案として出しておけば、ある程度の明確なものが出れば、三年刻みなり五年刻みのものにしておいて一応基本的に計画を立てていくということもできる。長期展望がない、申請してそしてわれ勝ちにとにかく文部省の認可をとりたいということで、まあ浪速大学ではありませんけれども、金まで使って設置委員のところに贈り物をする。これは私学ではありますけれども、国立はそういう例はないと思いますが、そういったことが一番問題じゃないか。長期展望に立った計画を文教委員なら文教委員の目の前にこうするんだというものの納得の中でいけば、私はいまのお茶飲み話で十分だと思う。こういった点を、一つの試案でありますが、御研究になってお示し願いたいと思います。 私は以上で終わります。
○内田善利君 私も安永理事の一番最後の質問をしたいと思っていたわけですが、毎年、国立大学設置法の一部改正法案は十分審議をしないで、きょうのような状態でいつも通過しているわけですが、大学の学部の設置、大学の新設ということは、非常に重要な問題であると思うのです。こういった大事な法案は、毎年あることですが、ひとつ慎重に審議して早く間に合うようにしていただきたい、このように要望いたします。 私も一問質問しますが、人間科学部というのが大阪大学に新設されますが、この人間科学部というのは、どういう趣旨で、どういう内容のものか、お願いしたいと思います。 もう一点は、大分大学の工学部が地域産業の振興等の観点から新設されるということにちょっと私は教育の立場から少しひっかかるものがあるわけですが、地域新産都市ができた、そこでこういう大学が必要になったということなのか、大学の工学部の出身のエンジニアあるいはこういった研究の学者が少ないのでこういう学部を設置するということになったのか、どうもここに「地域産業の振興等の観点から」という文字が気にかかるわけですが、この二点をお伺いして、私の質問を終わります。
○政府委員(木田宏君) 大阪大学に人間科学部を新たに設置したいという新しい試みでございますが、現代におきます人間の生命、行動、社会生活、教育等のあり方が、急激な産業経済の発展とか社会の複雑化と相まっていろいろと著しい変化を遂げてまいります。これらの問題を解明していきますために、従来の学問区分にとらわれることなく、社会的側面から見た人間の行動、あるいは人間の生態、あるいは人間の成り立ち、生成育成という問題を科学的認識を持って、創造性に富む人間、人材を育成してみたいと、こういう観点から、人間科学部に人間科学科という一学科を設けまして、従来のような心理学でありますとかあるいは社会学、教育学というものをその中に包摂した幅広い学科形態、学問研究の体制をとりたい、また、学生の教育のコースをその中で弾力的に構成できるようにしたいと、こういう観点から新しい意味合いでの学部を設けて、総合的な人材の育成ということに資したいというのが基本的なねらいでございます。 大分大学は、現在、教育学部と経済学部の二学部でございまして、その地域のいろいろな発展の動向等を考えましたときに、やはり工学的な要素を加えた大学としての発展をはかること自体が大分大学としても適切であるという判断でございます。大臣の御説明にも申し上げましたように、地域産業の振興という観点も考えておりまするけれども、そのことはその観点だけではなくて、「等」ということばの中には、実は、大分大学の適正なあり方を、自然科学系も加えました大分大学のあり方ということも考え、また、国立大学全体を通じました自然科学系の比重ということも勘案いたしまして、工学部の設置をいたしておるわけでございます。
○内田善利君 人間科学部についてはよく内容がわかりませんが、それと、大分大学の工学部の関係も、その募集の重要度、そういったものもよくわかりません、いまの答弁ではですね。また後日こまかいことはお聞きしていきたいと思います。
○萩原幽香子君 医療問題で少し基本的なことをお尋ねしたいと思ったのでございますけれども、時間がございませんので、きょうは、三重大学の医学部の国立移管をどういう形で行なわれましたのか、それからまた現在の学生や教職員はどうなりますのか、それから新一年生はどうしておりますのか、それからこの三重大学の医学部の出身県別と申しますか、何人くらいどの県から入っておりますか、そういうことについて御調査になったことがございますか、それをちょっと承りたいと存じます。
○政府委員(木田宏君) 県立三重大学の移管は、出年間の年次計画で国立に受けとめてまいりたいと思っております。ただし、医学部は六年間でごさいますので、初年度におきましては医学部は一字年とともに二学年、三学年の学生を国立に移管する予定でございます。水産学部は、一学年の新入生から国立の学生として受け取る予定でございます。また、教官、事務職員、あるいは病院の移管等も、年次計画によりまして受け入れてまいるつもりでございます。なお、最後にお尋ねのございました県立三重大学の医学部の学生の出身県別でございますが、これはいま手元にデータを持っておりませんので、後刻、別の機会に——失礼いたしました。県内と県外のパーセンテージだけ申し上げますと、三重県立大学は、県内出身者が入学者二百五十五名に対しまして百六十名おりまして、六二%が県内出身者ということに相なっております。 それからお尋ねの、ことしの新入生が現在どうなっているかということでございますが、これは三重県立大学におきまして一応受験その他の選考の手順は進めていただいておりますが、選考が終わった段階でこの国立の学生としての入学が予定されております関係上、自宅でしばらく待っていてもらっておるというのが三重大学の場合の新入生の状況でございます。
○萩原幽香子君 できるだけそういうようなことになりませんような御配慮を今後ぜひお願いをしたいと思います。それから沖繩の医療の事情は、本土の僻地にも増して非常に悪いということでございますけれども片現在、沖繩から本土の医学部に学んでいるのは何名ぐらいございますでしょうか。
○政府委員(木田宏君) 約六十名でございます。
○萩原幽香子君 これまで、本土の医学部で学んだ人が、何%ぐらい沖繩へ帰っておりますでしょうか。
○政府委員(木田宏君) 一応、現在まで沖繩へ帰りましたのは、比率の上では七割でございます。が、受け入れましてから一人前の者に成長いたしまして現地へ帰っておる人員は、年数がかかります関係上、まだ少のうございます。
○萩原幽香子君 沖繩の医療事情から考えまして、琉球大学に医学部を新設することは、もう喫緊のことだと考えます。そこで、いっそういう沖繩に医学部を設置してくださるおつもりでございますか、承りたいと思います。
○政府委員(木田宏君) 沖繩の琉球大学に医学部をつくりますことにつきましては、四十七年度の予算におきましても調査費を計上さしていただいておりますが、診療の体制をまず整えるという関係もございまして、今度国立大学として移管を予定されております琉球大学には保健学部を設置いたしまして、その保健学部に附属病院をつくるということで事前の準備が進んでまいりました。その附属病院は、本土に復帰いたしました直後に開院ができる運びにまで進んできております。その病院におきまして十分な診療要員が確保され、また、指導できるような人材をまず集めるという努力を先にいたしたいと考えております。一方、保健学部におきまして、パラメディカルの医療関係職員の養成も進めていきたい。そうして、逐次体制を整えまして医学部の問題を考えたいと思っております。まだ現在の段階で何年に発足というところまで確定をいたしておりませんので、十分調査をいたして今後の計画を立てたいと思っております。
○萩原幽香子君 いま、沖繩の人にとりましては、室町時代のことばで言えば、どうぞひとつ本土の政府の皆さん方は「頼うだ人」になれ、こういうことを言っているのじゃないかと思います。どうぞその点を十分御配慮いただきたいと思います。 終わります。
○加藤進君 きょうは、予算の総括が行なわれるという非常に大事な日であったわけです。残念ながら文教委員会は十数時間にわたって空転をしてまいりました。決して私たちは審議を拒否したわけでも何でもございません。早く審議してほしいと待っておったわけでございます。こういう異常な文教委員会の運営については、私は最も大きな責任は言うまでもなく文教委員長にあると思います。今後この点を十分に反省していただきまして、二度とこのような不正常な状態の審議を行なわない、こういうことをぜひ胸に秘めていただきたいということを私はまず最初に期待いたします。 そこで、若干の質問を申し上げるわけでございますけれども、いま医療に対する国民の要求がますます強くなっておりますし、そのことがいわばお医者さんの不足に対する非常な強い問題を出しておると思います。文部省はこれに対して方針を持って臨んでおられると思いますけれども、何をおいても国立の大学を、国立の医学部を早急に増設する、こういうことが一番大きな問題になってきておると思いますが、文部省は、いま全国でまだ国立医科大学を設置しておらない県はどれだけあるのか、どういう県がそうなのか、ちょっとお示しいただきたいと思います。
○政府委員(木田宏君) 昭和四十六年度の現在におきまして、医科大学のない県が十六県ほどございます。昭和四十七年度から埼玉、栃木等に医科大学が開校いたしましたので、その数が二つほど減ったかと考えております。具体的な県の名前で申し上げますと、山形、茨城、栃木、埼玉、富山、福井、山梨、静岡、滋賀、島根、香川、愛媛、高知、佐賀、大分、宮崎という十六県でございまして、そのうちの栃木と埼玉には私立でございますが四十七年度から医科大学ができることになりました。
○加藤進君 それだけの未設置県に一つ一つの医科大学をつくる場合にどれぐらいの予算があったらいいのか、お示しいただきたいと思います。
○政府委員(木田宏君) 医科大学は、その規模にもよるわけでございますけれども、学生の一学年の入学定員を百名といたしますと、設置費に百億という大まかな見当を立てております。また、一大学に要します人員は、附属病院の関係職員まで入れまして約一千名というふうに考えております。いま、医科大学のない県は、御答弁申し上げましたようにたくさんございまするけれども、今後の設置をどういうふうに進めていくかと申しますことは、地域の現在の医療事情、将来の動向等をも勘案いたしまして、十分に慎重を期したいと考えております。
○加藤進君 そうしますと、大体千二、三百億の資金さえあればどの県にも漏れなく医学部ができると、こういうふうに理解していいわけでしょうね。
○政府委員(木田宏君) 資金の計算から申しますと、いまお示しのようなことになろうかと思いますが、設置のための一応施設費等がそれだけの金額になるということでございます。ただ、これからの医科大学の配置を考えます場合には、厚生省当局からも人口十万人当たり一応百五十人のめどということを示されておりまして、そうした点から考えてまいりますと、地域別に見まして一番足りないと思われますのは、都市集中の激しい人口の稠密地域におきまして必ずしも医師の数が十分でないということも逆に出てまいる事情がございます。ですから、これは、地域の配分等のことも勘案いたさなければなりませず、また、医療需要という点から申しますと、そうした人口の多い地域という面も十分に考えて、全体的なシステムとしての医科大学の整備ということを考えていかなければならぬかと思います。
○加藤進君 医科大学設置審議会の答申というのが文部大臣に出されたと思います。これによりますと、昭和六十年末までに人口十万人に対して医者百五十人にしたい、こういう数字を大臣に出しております。この数字に到達していくために、いま申し上げておるような未設置県に医科大学を設置して努力していくなら、大体年間二百二、三十億程度の予算を投入するなら五カ年間でこの目標が達成できる、私はこう計算しておるわけでございますけれども、私はこの計算をしてみて、この程度のことを文部省、政府ができないことはなかろう、こういうことを強く感ずるわけでございますけれども、文部大臣は、こういう方向でぜひとも実現する、こういうような用意と決意があられるかどうか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(高見三郎君) 私は、医科大学はできるだけ国公立の大学をつくりたいというつもりでおります。ただ、いま金のお話が出ましたけれども、実は金だけで医科大学はできるわけでございませんので、一番問題になっておりまするのは基礎医学の教官というものが非常に不足をいたしております。東大なんかでも、ことしは、基礎医学を研究する学生は大学院でわずかに一名という状態でございます。というのは、開業医のほうがあまりにももうかり過ぎると申しますか、ちょっと語弊があるかもしれませんが、昔は親の意思に反しても基礎医学をやる情熱を持っておる医学研究者がおったのでありますが、いまはそれがなくなりました。それらの条件を考えなければなりませんし、同時に、総定員法の関係で一つの大学をつくれば看護婦を合わせますと千人の人を要するということになりまするというと、いまの総定員法のワク内で医科大学を急激にふやすということはなかなか容易な問題ではございません。ことし創設準備費をつけました未設置県は、先ほど大学局長が申しました中で、北海道とそれから山形、愛媛の三校は創立準備費をつけて着工しておるわけであります。来年二、三校つくるということにしましても、実は総定員法というものが非常な障害になるわけであります。この辺の問題を何とかいまのうちに解決しておかなければ、私は、看護婦などというものはこれは収益を伴う事業に従事しておるのでありますから、いわゆる総定員法のワクからはずしてしまうべきであるということを主張いたしておるのでありますが、これをはずしますというと、国立医科大学を十三校つくろうと、十四枚つくろうと、簡単にできます。しかし、ネックは、いま申し上げたような問題があるということを御了承おきをいただきたいと思います。
○加藤進君 いろいろ障害があり、問題があるということは、私も存じております。しかし、この審議会が答申した課題にこたえていくためには、少なくとも予算上はこのくらいの決意を持たなければできぬということを私は指摘申し上げたわけでございまして、その点は異存はないわけですね。
○国務大臣(高見三郎君) その点は異存ございません。
○加藤進君 では、最後の問題でございますけれども、新設の医大をつくる場合にいつも突き当たる問題として、つくられる県が心から喜んで迎えてくれるかというと、なかなかそういきにくい事情がある。それは、自治体に対する負担があまりにも大きい、こういう問題が一つあると思います。たとえば、秋田大学では二十二億の地方負担、自治大学をつくる場合にでも三十億、これを自治体の負担にまかせておるというのが、私はきょうはこまかい議論はできませんけれども、現状ではなかろうかと思っているわけです。文部省は、前から、国有地の交換などを含めて合法的に取得をいたします、地財法には違反するようなことはいたしません、まあこういう答弁を繰り返しておられるわけですけれども、この趣旨からいうと、このような大学をつくればつくるほど地方自治体が苦しみ、また、その結果さらに地方住民に負担がかかるというようなことを私は許しておいてはならぬと思うのですけれども、その点の所信をお伺いしたいと思います。
○政府委員(木田宏君) 医科大学をつくりますということは、地域の医療事情との関係ということが緊密にからんでまいります。実は、設置につきまして地元の関係者の方々から強い御要請が出てまいりますのも、そうした医科大学があることに伴います地域の医療体制の整備に対するプラス面というものをかなり強くお感じになっての上のことではなかろうかと思っております。そうした誘致されます、あるいは大学をそこへ持っていきたいと思われます県のいろいろな諸事情とそれから私どもの国立大学としての体制の整備ということとを勘案いたしまして、こうした大学を設置いたしますのは、国だけのために設置するということではなくて、むしろ地域のそうした体制との関係ということを十分に念頭に入れ、地域の方々の御協力なくしては、こういう大学も決してうまくまいりません。ことに、医科大学につきましては、地域の医療体制との緊密な関係、地域の病院との関係その他のことがございませんと、大学の運営というものは決してうまくいくものではございませんので、そうした点で緊密な連携をとっていい医科大学がそれぞれの御要請に沿ってつくられるように努力をしたいと考えております。
○加藤進君 私も三重大学に調査に参りました。すると、三重県は三重大学を国立に移管させるための条件整備の費用として年間十億から十二億使っておる、こういうことを報告として受けました。それで、それほど三重県は豊かなのかと思いますとさにあらず、お医者さんがほしいために身銭を切ってでもやむなくやらなくちゃならぬ、こういう苦衷も私は耳にしているわけでございます。こういう点から考えてみて、いろいろ事例をあげれば切りがないほどでございますけれども、少なくとも地財法第二条できめられたような基準をしっかり守って、自治体にはあまり負担はかけない、そうして国立の医科大学を建設していく、こういう基本的な心がまえをお持ちいただきたいと思いますけれども、その点、文部大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(高見三郎君) 基本的には、加藤先生のおっしゃるように、地財法を改正してもらうということが一つの要件になろうと思うのでありまするが、実は自治大臣といろいろ相談をしてみました。みましたが、地財法の改正でなしに、ケース・バイ・ケースで考えよう、つまり、特別交付税ですね、ケース・バイ・ケースで考えることで地方に負担をかけないようにしようじゃないかということになりまして、それならそれでいいということにいたしたわけであります。その点では、地方になるべく負担をかけないように処置してまいりたいと考えております。
○加藤進君 ただいま地財法の改正というふうに大臣は言われましたけれども、私は、地財法の第二条の規定を厳格に守ってほしい、とりあえず守ってほしい、こういうことを要望しておるわけでございます。読み上げる必要はないと思いますけれども、第二項には、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならない。」と、「ならない」と義務づけておるわけでございまして、こういう点から見ても、国立大学の医学部建設につきましては十分な国の責任を果たしていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。
○政府委員(木田宏君) いま御指摘のございました御要望の点は、私ども十分検討さしていただきますが、いま御指摘のございました中に、三重大学につきましてことさら地財法との関係で問題があるかのような——私が受け取ったのかもしれませんけれども、御意見の表明がございましたが、県立三重大学をいい大学にいたしますために三重県が年次計画を立てて整備をされた、そして国立の三重大学と一体としての総合的な運営ができるいい大学にしようという御協力があったということは、私は地財法の違反というような意味で御指摘のあることではないのではなかろうかというふうに考えております。国立大学が地域との関連を考え、また、県立三重大学につきまして三重県が整備をされるということ、それを国立と一体にして移管をしていい大学にされるということは、許された現在の規定の中でも十分考えていける措置ではなかったかと考えておりますので、一言釈明さしていただきます。
○加藤進君 一言だけつけ加えさしていただきますが、三重県は、それほどお金をつぎ込んで整備をしてそしてどうぞ差し上げますからなどというような気持ちでないことは、これは明らかです。なお、私が言いたいのは、三重県の事例は単に三重県の問題ではなしに、今後ともいろいろ建設されるであろう各県の医学部の建設、医大の建設、この建設についても、ただ三重県がそういうようなあたたかい気持ちで建設の協力をしてくれたということだけに頼らないで、ぜひとも国は自主的に積極的に施策を進めて自治体の負担をできるだけ軽くするようにお願いしておきます。
○宮之原貞光君 法案の慎重審議ということは、これは特に文教関係の委員会においては私は重要な課題だと思います。また、これはわが党の党是とも言うべきぐらいにもうきわめて大事なことであります。さらにまた、高等教育のあり方という問題は私はきわめて大事なことだと、こう思いまして、実はここに三時間ほどしゃべる種を用意してきたんですが、ただ、これからしゃべるとなりますと時間が足りなくなりますし、また、先ほど加藤委員のほうから指摘がありましたように、きわめてノーマルでない形でこの委員会が開かれておりますし、そういう関係上で、もう言いたい気持ちを押えながら、私も協力するつもりで、基本的な問題を大きく分けて二つの点についてこの際ただして、また今後の検討の際にいろんな諸問題をさらにまた継続して審議をしてもらうというようなことで、若干質問いたしたいと思います。 その大きな課題の一つは、中教審答申の中におきますところの高等教育の充実拡充という項目といま提案をされておりますところのこの法案との関連性というのが、大きく分けてのその一つ。いま一つは、先ほど安永委員からも質問のありましたところの授業料のあり方の基本的な考え方ですね。こういう問題についてこれから若干質問をしておきたいと思います。 まず、一の課題でございますけれども、中教審答申にございますところのいわゆる高等教育の拡充策に対しますところの文部省の見解と申しますか、こういうのを一応お伺いしておきたいと思います。
○政府委員(木田宏君) 昨年答申を受けました中央教育審議会の「教育改革のための基本的施策」の中に、高等教育につきまして講ずべき諸点というのがかなり包括的に指摘されておりまして、その中で、その実施のためにはまた高等教育の将来計画を立ててその計画の見通しのもとに進めなければならぬという御示唆がございます。文部省といたしましては、中央教育審議会の答申の基本線を受けまして、四十七年度におきましても高等教育の計画を全般的に立案するということを進めてまいりたいと思っておりまして、また、具体的な個々の施策は、その中にありまして、先般来御指摘がございます医学教育についての拡充でありますとか、あるいは教員養成につきましての将来の体制をどうするか、事項別にやはり考えていかなければならぬ案件もございます。それらにつきましても、全体の計画との調整を考えながら、事項別にやはり個別の見通しを立てなければならぬ案件がございます。しかし、その見通し等を現実にどうして具体化するかという段になりますと、これは個々の大学の具体的な発意というものにかなりよるところが大きいわけでございます。大学を拡充し整備いたしますにつきましては、文部省だけで新しいものがつくれるというわけじゃございませんから、そうした一般的な方向、個別の要請を受けて個々の大学がその線に沿って個々の大学としての整備充実という具体案をつくっていただく、また、改革案もつくっていただく、そうしたものの中からとるべきものをとるというのが具体の措置として出てくるわけでございます。 今回の法案で提案いたしております新しい学部あるいは学科につきましても、非常に抽象的ではございますけれども、中央教育審議会の将来を見通した方向に沿いまして国立大学としての体制を整備できるところから取り進めていく、こういう発想で取り上げたものでございます。この中には、端的に申しまして、東北大学の薬学部のように前からの懸案になっておりましたものというものもございまするけれども、大阪大学の人間科学部のように新しい試みをこの際打ち出していこうという具体の課題も入っておりまして、これらを個々の大学の具体の提案として一つ一つ前進さしていくという意味合いでこの御提案申し上げております大学の学部の整備は関連が一応あるというふうに考えております。
○宮之原貞光君 今後の高等教育のあり方が、大学側の発意ということを十分尊重しながらやらなければならないということは当然でございますけれども、ただ、いまお話がありましたように、そればかりではないはずなんです。文部省の指導性というか文部省の考え方というものが特に国立関係の中に強く出ておりますし、ぼくに言わせれば度を越えているくらいに見ているわけです。しかも、大学教育ばかりでなく、初等教育にまで。そういうような点から見ますれば、いま局長のほうからは、その精神に基づいて実はこの法案は具体化をしたんだと、こういうばく然としたところの話があったのですが、もっと私は明らかにしていただきたい。言うならば、答申のどういう事項等が、たとえば学部増設にこの大学はこういう方向に今後行かなきゃならないと——あそこの中に一種からずっと書いてありますね、そういうような方向へやろうという形のものの考え方に立って、たとえば大阪大学はこうしたんだと、おそらくそういうものがあって言われておるのではないかと思いますが、もしあるならば、その点をこの際はっきりしていただきたい。もしそうじゃなくて、何とはなしに、いまもいろいろ質疑の中に出ておったように、三重大学からいろいろな準備をしてこういうふうにしてどうぞぜひという話があったのだからやりましたと、こういうことでは、この答申とはだいぶそごを来たすわけですね。そこらあたりの関連性をもう少し明確にお答え願いたいと思います。
○政府委員(木田宏君) 中央教育審議会の答申におきましては、高等教育の課題といたしまして、高等教育の大衆化という御指摘がございました。また、高等教育の内容につきまして、その専門化あるいは総合化というような要請を指摘されております。そういう点から考えまして、国立大学の拡充整備を行ないますということは、これは国立大学だけで達成できることではございませんけれども、やはり高等教育の大衆化という方向に一応沿っておるものと考えておりますし、また、それぞれの薬学につきまして学部をつくっていくといいますことは、専門化という趣旨にも合致をいたしますし、人間科学部をつくるということになりますと、先ほど御説明申し上げましたように、いままでのような細分化された学問分野をもとにした教育ということではなくて、総合化の教育ということをその中にくふうしてみようという動きもこの中に含まれておるというふうに思っております。今後の高等教育改善の基本的な考え方といたしまして、いま御指摘がございました多様化という問題がございまして、五種類の類型が示されておるわけでございます。これはこれから詰めていかなければならぬ部分がかなりございます。特に大学院のあり方等について示されましたものは今後の課題でございまして、中央教育審議会の五種類の高等教育機関を整備するという方向から考えますならば、今回御提案申し上げましたものがこの中のどれかという点でまいりますと、いわゆるこれというふうにいまの段階でお答えを申し上げる時期にはまだ至っておらないと思います。しかし、中央教育審議会が高等教育改革の中心的課題として指摘されておりますことにつきまして、やはりその趣旨に反していないという意味で今回の具体的な措置を一歩進めた、こういうふうに御理解を願いたいと思います。
○宮之原貞光君 さっきあげられた大衆化、専門化、総合化というところから見て、たとえば大阪大学の人間科学部のほうは総合化ということを言われたけれども、富山大学の薬学部ですか、そういうことだったら、あなたのおっしゃったおおよそどの程度の大学に当てはまるのか、ひとつお答えを願いたいと思います。 同時に、それは、これはこれ、もう一つの答申の具体化は別だというわけにはまいらないと思います。少なくとも、これは聞きたいと思っておったわけですけれども、今後の具体化に対するところの具体的な決定とか構想というものは文部省が持っていると思う。そういう大きな構想の中で学部の増設という問題も処さなければ、その場その場の場当たりであれとこれとは別なんだということでは私はだいぶ違うのではないかと思うので、そこらあたりほんとうにそういう文部省は文部省としての考え方に基づいてきちんとされているのかどうか、まあ無理にそうだとひっつけられたってこれは困るんで、端的に私はそれとはあまり深く考えないで、若干安易な形でされているのじゃないかという気がしてなりませんので、その点はあらためてお伺いしたいと思います。
○政府委員(木田宏君) 高等教育が若い青年層に対して普及され大衆化される、こういう方向にあることから、それを受けとめるためには、国立大学の学部におきましても、あるいは今回御提案申し上げております新しい学部のほかに、学科の新設等、かなり予算上の措置としても見ていただいているわけでございますけれども、国立大学におきましても拡充整備をはかっていくということは、基本的な大衆化の方向にやはり沿ったものだというふうに考えます。特定の学部が大衆化というふうに結びつくものではないことは言うまでもございません。 文部省といたしまして今後どういうふうな計画的なスケジュールを立てるかということでございますが、いままで一番欠けておりましたのが、中央教育審議会の答申にも指摘してありますように、長期の展望というものをもう少し明確に明示すべきではないかということでございまして、昭和四十七年度に高等教育計画の策定をいたしますための予算もつけていただいておりますので、これは短期のものではございませんが、少し長い目で中央教育審議会も十年、二十年の先を見通した一つの大きな予測を立てておられますから、それをもう少し分野別にも詰める、そうした見通しの中で個々の毎年毎年の施策を進めていく、このことを本年度実施してみたいというふうに考えております。
○宮之原貞光君 これは長期展望に立つのは当然なんですがね。ただ、その長期展望に立つような毎年毎年の施策をやると、こう言っても、実際に審議するところのわれわれの立場に立てば、一体どういう長期展望を踏まえた中での今年はこの大学なら大学の位置づけかということが明確でないんですよ。ただ、いまの質問にあるように、無理にひっつけて答弁すればそうだという見方の人もおるんだろうけれども、客観的に聞けば、どうしてもその点は理解できない。それだけに、私は、単に法案そのものはこれだけにしても、文部省として考えておるところの高等教育の拡充の長期展望がこういうものの一つの考え方を持っておる、その中におけるところの今年の大学の学部の増設なら増設、あるいは改革なら改革はこういう点なんだ、こういうものが出されていなければ、私は十分行き届いたところの審議はできないのじゃないかと思う。そういう点から考えると、そういうものは全然出さないで、こま切れで出すところに私は非常に問題がある。ここにやはり高等教育のあり方の問題がみんなのものにならないで、官僚の皆さんがつくったものをこま切れで審議するという形にしかならないというところに私は問題点があると思う。今回の場合はこれでしかたがないのですが、今後は、やはりそういう展望を踏まえた中でこういうものだというものを出してもらえば、私どもの議論もかみ合っていく。意見も意見として出しやすいのですね。その点を私は今度の問題と関連をして明確に一つ要望としてやっていただきたいとお願いをしておきたいと思います。 なお、続いて、いま一つ明らかにしておいてもらいたい点は、大学設置審議会との関係ですね、それと本法案との関係やら、あるいは、今日、私大の認可増設というのが非常に多い。先ほども指摘があったように、特に医大の問題、これが非常にイージーにやられるために、浪速大学の事件ではございませんけれども、ああいう事件があった。あるいは、保留にはなりましたけれども、九州歯科医大の問題がああいう問題になった。大学設置審議会の一つの方向性というものと、先ほどあなたがおっしゃったところの長期展望という問題との関連性から見て、一体、いまのような形でいいのかどうか、ここらあたりは私は大臣の直接の見解をこの際承っておきたいと思います。大臣、答えなさいよ、一番詳しいのだから。
○政府委員(木田宏君) 大学設置審議会に現在まで御審査をいただいておりますのは、個々の申請のありました大学に対しまして基準に合致しているかどうかの可否を審査をしていただいております。そういう点では、将来の計画として考えた場合にその適否をどう考えるかというふうな御判断を現在の法制の上ではお願いしておりません。そういう関係から、いま御指摘のありました点につきましては、大学設置審議会の個々の大学の申請に対します審査というものは必ずしもかみ合わないような状況になっております。それがこれからのわが国の高等教育の展望を考えました場合に適切であるかどうかという問題は、私どもも十分反省し検討もしていかなければならぬ課題だと思いますけれども、そのことはこれからの課題にさしていただきたいというふうに思っております。
○宮之原貞光君 だから、私は、さっきから尋ねているように、中教審の答申のいわゆる高等教育のあり方という問題は、あなた方は、あるところの法律とかそういうものでこま切れでやるからそういう問題が出てくるだけに、大学設置審議会のあり方というのも検討を加えるなら検討を加えるというふうにしなければ、片一方は全然それとは無関係にどんどんふえていく、あるいは、審議会のあり方の中に、せっかく審査をパスをしながらいろいろな刑事事件まで引き起こしている、あるいはその中でいろいろな問題が出てくるという問題にも発展をしていっていると思う。そこに私は今日の高等教育のあり方の問題にやっぱり大きな問題点があるのじゃないかと思いますから、この点を尋ねているんです。ただあるところのものをやって私どもはこうやりますと、そこを私は技術的に聞いているのじゃない。その関連をどう考えるか。先ほど大臣から直接答弁を願いたいと申し上げておるのは、そこなんです。
○国務大臣(高見三郎君) この点は、宮之原さんの御指摘のとおりであります。ただ、高等教育の改革の問題は、よほど長期の計画を立てなきゃなりません。しかも、これは私の考えではできるかけ大学当局の自主的な御判断というものを基調にしなければならぬと思っております。 それから新しくつくります大学につきましての、大学審議会の設置審のあり方というものも、いままでのような安易な認可基準であってはならないということを痛切に感じておるわけであります。今年度以降は少しきびしくいたしたいと思います。ことに医科大学なんかは、先に校舎をつくっておきまして、病院までつくっておいて、さあ許可してくれ、許可してくれなければ破産するんだというようなことを言うてこられましても、基準に合わなければ許可することはできないわけでありますから、審査をいたしますにいたしましても、これを私は二段がまえの審査にする。前面は書類審査、そうしてあとのほうは立地条件から見てやってもよかろうという予備審査をやりまして、あらためて審査をし直すというような慎重な態度をとるのでなければいい大学はできないという感じがいたしておりまするし、また、医科歯科大学等につきましては、できるだけ私は抑制の方向に持っていって、そうしてこれを国公立に依存するという形でいくことが最も望ましい姿じゃないかという考え方を持っております。いまあなたが御指摘になりました点については、私は深刻にこの問題を受けとめておるつもりであります。
○宮之原貞光君 時間的制約もありますので、多くは論じませんが、先ほど来、高等教育のあり方については、大学当局の自主性あるいは自主的ないろんなものの考え方ということを尊重してまいりたい、こういう御発言があったのですが、発言のとおりにひとつ今後高等教育のあり方については、これはおそらくいまの御発言は単に高等教育だけじゃなくて日本の教育全体のあり方もおそらく私は同じ趣旨だろうと思うので、したがって、おことばのとおりに今後学校教育あるいは中教審の答申の実施の問題等は十分踏まえてやっていただきたい。答弁と実際やるというのが違っておるのじゃ、これは教育の最高の責任あるところの文部省の指導のあり方としてはどうかと思いますので、今後はその発言のとおりにやっていただきたい、こういうことだけを申し上げて、次の問題に移ります。 授業料のあり方の問題について、大臣のさっきの御答弁をお聞きいたしますと、受益者負担が原則なんだという立場に立っておられるようですが、そのように理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(高見三郎君) 私は、受益者負担のきわめて一部であると考えております。と申しますのは、今回年額三万六千円に値上げをいたしまして、一体授業料というものが学校全体の経営の経費の何%に当たるかということを調べてみますというと、きわめて一部のことであります。これは、もちろん、教育を受けます人だけが受益者ではございません。大学というものを出ますことによって受けます国家社会の利益というものも考えなければなりません。その中で学生個人が受ける受益者負担というものはある程度は負担してもらうということは、日本の前々からの原則であったわけであります。そういう意味において、私はあえて受益者の負担ということを申し上げたわけであり、ます。
○宮之原貞光君 先ほどは、受益者負担ということと国公・私立の格差ということにだいぶアクセントを置いて大臣は答弁をされておったわけでありますが、いまの御答弁を聞きますと、受益者負担というのはきわめて一部なんだと、こういう考え方だということですが、私もこれは受益者負担というのはごくごく一部の中には若干はあるかもしれませんけれども、やはり本質的には公教育なんですね。これは少なくとも国民の教育を受ける権利、教育権、こういうものとのかかわりの中から見れば、当然国庫の支出というものがうんと増大をされていく、いわゆる国民全体、国の費用の中でこの問題を見ていく、そういう立場に立って公・私立の格差も埋まっていくというものの考え方が一番根本になければならないと、こう思うのですが、その点は大臣も御同意されますか。
○国務大臣(高見三郎君) 全くそのとおりであります。国立学校の場合では、今回の値上げによりまして公立学校の要しまする経費の三%を学生が負担するということになっておるのであります。これが私立の学校でありまするというと、たしか五〇%をこす支出になっております。が、公教育の場でありまするし、できるだけこの格差をなくするためには、国が私学に対する思い切った助成をするのでなければならぬという考え方を持っております。
○宮之原貞光君 私は、三%がきわめて一部なんだということは、どうしても理解できないんです。もっともっとこのパーセンテージというものは少なくなってしかるべきだ、こう思うのですが、それは別にいたしまして、ただいまお話しになったように、国公立関係が三%、私立は五〇%というのは、やはりたいへんな差がありますね。それだけに、大臣は、今年の予算の中にこの問題について重視したなんておっしゃりたいのでしょうけれども、この格差はそれでは今度の予算措置の中でどれだけ狭まったのですか、それをまずお聞きしたい。
○政府委員(木田宏君) 私学の助成金が二百億から三百億になりました。これは私学全体に要します総経費の中で三百億の負担がある——正確には管理局長から答弁していただいたほうがいいかと思いますので、管理局長にお願いします。
○政府委員(安嶋彌君) 四年制の私立大学の全収支でございますが、四十五年度の決算におきましては二千八百八十億でございます。四十五年度における経常費の補助金の額は百二十三億であったかと思いますが、私学の経常、臨時合わせました全収入における比率は約五%でございます。
○宮之原貞光君 五%減ということですか。
○政府委員(安嶋彌君) 経常収入、臨時収入合わせました全収入が二千八百八十億円でありまして、それに対しまして百二十三億でございますから、五%弱の比率を占めておるということでございます。
○宮之原貞光君 その数字から見ても、いわゆる格差是正という形がまだまだ——これは、あれですか、私はちょっとそこを聞き落としたのですが、私が先ほど質問したのは、国立の場合は授業料が三%前後受益者負担になります、私立大学の場合は五〇%前後になりますというのが御答弁だったんですよ。それで、私が質問したのは、今度二百億が三百億に増大したことによって、いわゆる受益者負担といわれるところの授業料の五〇%というのがどれだけの。パーセントに減りましたかということを質問をしておるんですから、それはまだきちんと答えられなければ答えられぬでいいですよ。そこが、さっきの局長の御答弁は、これと何か別のことを言われておったんじゃないですか。
○政府委員(安嶋彌君) 四十七年度の収支見込みにおきまする三百一億のウエート、並びに、その経常費補助金が三百一億になったことによって授業料収入のウエートがどれだけ下がったかということでございますが、実は推計でございまして、まだそこまでの推計はいたしておりません。
○宮之原貞光君 わからなきゃしようがないですけれども、いずれにしても、国立大学の授業料値上げ問題というのは、これは私立の場合にもだいぶ便乗されてうんと上がっているということは、否定できない事実ですよね、これは入学のいろんなものを調べてみましてね。と同時に、受益者負担はごく一部云々というお話であるにもかかわらず、いわゆる国立大学の値上げの問題は、先ほども指摘がありましたように、高等学校にうんと波及をしておりますね。それで、高等学校の場合には、中には、現在の大学の場合は前期は前年どおりということになっておるせいもありましょうけれども、高等学校のほうが上がっておるというところさえも出ておる。こういうようなことを考えますれば、特に高等学校に対するところの進学率等を考えれば、これは言うならば義務教育化されておると見てもいいぐらいのところでしょう、高等学校の場合はね。そういう意味にもかかわらず、ここで負担がふえておるというようなことでは、大臣のさっきの私の質問に対するところの公教育だから国民全体で云々という問題にも私は相当矛盾するところが出てくると、こういう指摘せざるを得ないのです。したがって、先ほどの学術局長の答弁によると、あなたは高等学校のことは知らないという話なんですけれども、なるほどそれは法律的には別かもしれない、自治体のことですから。しかしながら、文部省としての指導は自治省の指導に一方的に押しまくられた形で現実に上がっているというこの形は否定できない。そういうことなど、授業料のあり方などの問題を見てみますと、そこに非常に矛盾するところが多過ぎる。少なくとも、今後の指導の中では、こういうそごのできないような方法での具体的な指導ということが特に私はなさるべきだと思っておりますが、いかがですか。
○国務大臣(高見三郎君) 確かに、公立高等学校の授業料が大学と逆転しておるところが出てまいりました。これは本来四月一日から徴収する予定であったのを十月一日から徴収することにいたしました関係からそうなったのですが、私も高等学校はもうまさに準義務教育と見ていい時代が来つつあると考えまするし、授業料の値上げはできるだけ抑制していただきたいということを希望いたしております。できることならば、少なくとも高等学校の授業料というものはゼロにするというようなところまでいかなければ、もう二、三年のうちにおそらく義務教育の問題が正式に起こってくるだろうと思っております。その意味においては、宮之原先生の御指摘のとおり、私もまことに残念に思っておりますけれども、何さまこれは私のほうの所管でなくて、自治大臣の所管で、だいぶいろいろな圧力もあったようであります。遺憾の次第ですけれども、しかし、いままで八百円という月謝は、基準財政需要額の一般交付税でまかなっておった金額であるわけであります。今度値上げされた分だけが上がったということになるわけでありまして、これは将来自治省が基準財政需要額で見てくれるものと、また、見てもらわなければならぬものと、私はそう考えております。
○政府委員(安嶋彌君) 先ほどは失礼いたしました。資料がございましたので、補足して御説明申し上げます。 昭和四十五年度の四年制私立大学の決算額でございますが、収入総額が二千八百八十億円でございます。そのうち、授業料だけの数字はございませんが、学生から正規に徴収いたしましする学生納付金、この額が千四百二十一億円でございまして、全体の収入中占める割合は四九・三%でございます。それに対しまして、先ほど申し上げました百二十三億円の経常費の補助金のほかに、私立の理工系の設備費の補助金その他がございますので、それを含めますと、国の補助金総額が百三十九億円、これは全体の収入において占める割合といたしましては四・九%でございます。四十五年度は決算額でございますが、四十七年度は見込み推計額ということになるわけでございますが、全体の収入が三千三百四億円でございます。このうち、学生納付金の占める割合は千五百五十億円でございます。絶対額といたしましては、千四百二十一億円に比べましてもちろん相当ふえておるわけでございますが、比率といたしましてはこれが四六・九%ということでございまして、約三%近く学生納付金のウエートが下がっております。これに対しまして国の補助金でございますが、これが四年制の大学だけでございますから、私どもが経常費の補助金三百一億と申しておるその金額よりは下回るわけでございますが、四年制大学に対するその経常費補助金分とそれから理工系の設備補助とを加えまして、国の補助金が二百七十九億円というふうに推計されます。これが全収入に占める割合は八・五%ということでございます。したがいまして、三年前の補助金のウエートが四・九%であったものが四十七年度におきましては八・五%になった、学生納付金の割合は四九・三%が四六・九%になった、こういうことで、国の補助金の増額ということによりますして結果的には学生納付金のウエートが約三%方下がったということでございます。
○委員長(大松博文君) 他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大松博文君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決を行ないます。 国立学校設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大松博文君) 全会一致と認めます。よって、本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大松博文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後十一時四分散会 —————・—————