P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
68回国会参議院1972/06/08

農林水産委員会 第19号

発言数
156
登壇者
13
会派数
4
開催日
1972/06/08

会議録

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告をいたします。昨七日、向井長年君が委員を辞任され、その補欠として中沢伊登子君が選任されました。     —————————————

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 連合審査会に関する件についておはかりいたします。  運輸委員会に付託されております国有鉄道運賃法及び日本団有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について同委員会に対し、連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会の開会日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 漁港法の一部を改正する法律案、漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律案、中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。  三案に対する質疑は、前回終局しておりますので、これより三案の討論を行ないます。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより三案の採決をいたします。  まず、漁港法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 総員挙手と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 総員挙手と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 挙手多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、ただいま可決されました三案に対し、先ほどの理事会において附帯決議案がまとまっておりますので、私から便宜提案することにいたし、案文を朗読いたします。速記をとめて。   〔速記中止〕

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 速記を起こして。   右決議する。  以上であります。  それでは本附帯決議案の採決を行ないます。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 総員挙手と認めます。よって、本附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、赤城農林大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。赤城農林大臣。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、慎重に対処してまいる所存でございます。

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の説明は前回聴取しておりますので、これより質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 毎年この法案が論議されるわけですが、昨年の五月十八日、この農林水産委員会で、これは第六十五回国会でありましたが、附帯決議をつけております。で、附帯決議の内容はもう御承知だと思いますが、今回の法改正にあたりまして、   〔委員長退席、理事亀井善彰君着席〕 第六十五国会の本委員会における附帯決議、それがどのように生かされ、これを生かすためにどういうふうに努力をされましたか、その点、まずお伺いいたします。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) お答え申し上げます。  附帯決議のまず最初でございますが、給付費に対する国の補助率を百分の二十に引き上げることということが決議されたわけでございます。これにつきましては、予算折衝の過程その他で努力いたしまして、今回の改正法によりまして、従来の一六%を一八%に引き上げることにいたしました。  それから、二番目に、組合員の掛け金負担の増高を来たさないよう財源調整費補助を定率化すること——財源調整費につきましては、四十七年度は一億六千万円を確保いたしました。定率化は実現を見るに至らなかったわけでございますか、われわれといたしましては、今般の料率改定と関連して実現した程度の財源調整費は今後も期待できるのではないかというふうな考えでおります。  それから、既裁定年金については、スライド制による改定方法を確立すること——スライド原則に基づく改定方法の確立につきましては、公的年金制度連絡協議会において検討が進められているところでございます。その結果をまって問題の解決をはかるべき問題でございますので、これにつきましては遺憾ながらいまだ実現しておりません。  旧法の平均標準給与の最高限度額を引き上げること——平均標準給与の最高限度額につきましては、今回の改正法によりまして旧法、新法双方の平均標準給与について従来の額より一〇・一%引き上げることといたしております。  旧法の年金に係る最低保障額を新法の水準に準じて改善することとし、とくに二十年未満の遺族年金の最低保障」を引き上げること——この点につきましては、今回の改正法によりまして、組合員期間が十年以上の者で、組合員である間に死亡した者にかかわる遺族年金につきましても、最低保障額を適用することといたしましたので、旧法遺族年金一万九千円といった低額年金は大幅に改善されたわけでございます。  なお、今回の改正法は通算退職年金の定額部分について旧法の通算退職金についても四十六年十一月分以後、新規裁定年金の水準に引き上げることとしております。  それから、遺族の範囲を拡大し、十八歳未満の子についても配偶者の場合と同様、生計維持要件を撤廃する——遺族の範囲の拡大については、他の共済制度との均衡もございますので、なお、今後慎重に検討したいというふうに考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それでは一つずつ問題に入っていきたいと思いますが、従来から国庫補助率、これは厚生年金並みの二〇%ということを強く団体も要求してまいりましたし、附帯決議でもたびたび言われてきたことです。それがいまのお話伺いますと、農林省としても大蔵省と折衝されたということでありますが、これほど強い要望がありながら、どうしても二〇%に達しない、一八%でとどまったということは一体どこにその原因といいますか、理由があったわけですか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 私どもといたしましては、補助率を二〇%にしたいということで予算要求はいたしました。しかしながら、この共済年金の場合の国庫補助率の問題は、やはり他の共済年金との均衡といったようなことも考えながらきめなければならない問題でございまして、したがいまして、現在の農林年金の制度、あるいは置かれている社会、経済的な事情等を考慮いたしまして、他の共済年金との均衡あるいは厚生年金との均衡等から、一八%が妥当であろうということで、一八%ということにしたわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 他の制度との均衡云々と言われましたけれども、そういうことはもうわかっていながら、附帯決議をこしらえて、努力しますという大臣の決意表明といいますか、所信表明をいつもするわけですね。ですから、もう他の制度との均衡というようなことではなくて、やはりもっと強く努力していただきたかった。まあ相手のあることですからむずかしいことはあるでしょうが、そういう不満が一つあります。  それからこの法律案によりますと、一六%が一八%になった。これは一歩前進ですね。しかし、一方では、任意継続制度の切り捨て。それから財産運用の利差益を一部充当するということになっております。この辺少し問題があると思うのですね。  この附帯決議の前文では、「本年金制度の給付内容の一層の充実、年金財政の健全化を配慮して、」という前文があります。そういう制度の充実を期するという意味での内容が前文に含まれているわけです。それから言うと、この任意継続制度を制限する、  切り捨てということばか当たるかもわかりませんが、そういうことが含まれているとなると、この附帯決議の趣旨から言って前進とは言えない。そういう面では後退であるというふうに思います。その点いかがですか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 任意継続組合員制度の適用制限という措置をとりましたことについて、これは制度的には一つの後退ではないかという御意見、これは私も一つの議論だと思います。もちろん、それ自体が後退であるか前進であるかということは問題があるにいたしましても、後退だという見方は一つの意見だと思います。  そこで、なぜそれではそのような制度に踏み切ったかと申しますと、御承知のとおり、今般の料率の改定によりまして、掛け金が千分の十五・三五上昇するという結果が出ております。ところが一方、現在の農林水産関係団体の置かれている経営上の問題、あるいは組合員の掛け金負担の能力というような点から考えまして、掛け金率を上げるということは非常に大きな問題ではないかというふうにまず考えたわけでございます。そこで、何とか事業主及び組合員の掛け金率を上げたくないということを問題解決の主眼としてこれに当たったわけでございます。これにつきましては、一つの考え方といたしまして、その上がった分を全額国で見たらいいじゃないかというのとも一つの議論だと思います。しかしながら、他の共済組合年金との均衡その他の問題から考えまして、全部国で見るということは、やはりなかなかとりにくいということがございまして、組合員あるいは事業主の方々にもしかるべき負担をお願いしながら、一方、国庫負担をふやしていくというようなことで処理するべきではないかというような観点から料率の上昇に対処したということがございます。もちろん任意継続組合員制度の適用制限につきましては、単に掛け金の増高を避けるということだけではなしに、制度ができましたときには、いわゆる年金の通算年金制度というものはなかったわけでございますけれども、その制度ができている。それから現在任意継続組合員制度を選択している人の年齢等を見ると、必ずしも高齢者だけではなくて、三十代、四十代の人がこの制度を選択している。それから今後高齢者で入ってくる人がどういう形でどれくらいの数の人が農林漁業の団体に入ってくるかは必ずしもはっきりした見通しはつかないわけでございますが、いずれにいたしましても、高齢者で入ってくる人が、過去において何ら年金と関係がないというような形で入ってくる人はあまりいないんじゃないかというような点を考えまして、任意継続組合員制度の適用制限に踏み切った次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 この問題は、大きな問題ですからあとでもうちょっと踏み込んだ質問をすることにして、この際お伺いしておきたいのは、財源率の不足分、これは千分の十五・三五ですか、千分の十六−約十六といわれているようですけれども、この不足分、これを埋めるのに国庫補助二%増、それから財源調整費それから任意継続制度−いまの問題、それから利差益の充当、この四つで埋めるということになると思うんですが、その四つが、それぞれがどういう割合で埋めることになりますか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 掛け金率の上昇分は、ただいま先生からもお話がございましたように千分の十五、三五でございます。すなわち現行の千分の九十五・九七が再計算の結果千分の百十一・三二、こうなるわけでございます。この結果に対してどう処理したかということの処理の基本方針は、ただいま申し上げましたとおりでございますが、それでは数字的にどうなるのかという点ではないかと思います。その点につきましては、任意継続組合員制度の適用制限、これは四十七年の十月一日以後に組合員となる者は、任意継続組合員になれないということで現在の組合員には何ら影響がないわけでございますが、そういったふうに適用制限をした結果千分の十五・三五を千分の六・〇三、これによって救済することができる。それから補助率は一六%を一八%に引き上げたわけでございますが、これによって千分の三・〇五を救うことができる。両者合わせまして九・〇八減ずることになりますが、なお六・二七の増加分が残るわけでございます。これにつきましては先生からお話しもございましたように、利差益の充当で千分の三・五五、財源調整費の確保によりまして千分の二・七二ということで、そういった措置をとって組合員の掛け金率がふえるということを回避したわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それでは一つ一つ伺いますが、利差益の充当、これは従来の利差益の実績というのはどういうふうになっていましたか。それから、具体的にはこの利差益のうちのどの部分をどういう割合でこれに充当するということになりますか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 従来の利差益につきましては、ちょっと数字でございますので資料を見ますと、運用利回りを申し上げますと、四十年度が七・四七%でございます。それから四十一年が七・一九%、四十二年が七・一一%、四十三年が七・一六%、四十四年が七・一五%、四十五年が七・三一%ということになっております。  そこで、今度の利差益充当の措置でございますが、四十五年度から四十九年までの平均の利差益は、これは見込みが入っているわけでございますが、財源率といたしまして千分の五・九一と見込まれるわけでございます。この六割相当の三・五五を財源率の補充財源と見込んでおります。ここで、それじゃ利差益とはどういうことかと申しますと、各年ごとに実現利息から予定利息−予定利息は料率計算上年五・五%で組んでございますが、それを引きまして、さらに事務費等の繰り入れ金その他団体貸し付けの手数料等を差し引きました残額でございまして、五・九一はこれを給与年額で除した数字でございます。したがいまして、期待される利差益の全部を見込んでいるわけではございませんで、約六割相当を、この際料率を上げないための補充措置として六割程度を見込んだわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 整理をして言いますと、予定利回りは五・五%で見る、こういうことですね。それから、いま実際の利回りは四十五年から四十九年まで最初報告がありましたが、年七%をこえるわけです。そうするとその差ですね、その差のうちから事務費を、まず必要量を引いてさらにその残りのうちの六割をこれに充てる、こういうふうに整理してよろしいのですか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 大体そのとおりでございますが、事務費以外に保健事業への繰り入れ金——これは義肢給付のための経費ですが——それから団体貸し付けの手数料、公租公課等がその中に入っているわけであります。そういったものを引いたその残りの六割を充当するということでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 そこで、まず問題になりますのはこの事務費、これが削られるという、あるいは窮屈になるというようなことがあっては困ると思うのです。ですから、これは毎年毎年事務費の伸びがあると思いますけれども、それを十分にとるということ、つまり、この事務費のほうに圧迫を絶対にしてもらいたくないということ、これをまず伺いたいのですが、どうですか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) その点は、私どもといたしましても深く配慮した点でございまして、事務費には今後支障がないように措置しております。そこで、それじゃ数字的にどうなるのかということでございますが、私どもの計画でまいりますと、四十五年を一〇〇%にした場合に四十六年は一一四%、四十七年は一二六%、四十八年は一三五%四十九年は一四七%というふうに事務費が上がる。これは物件費の上がり、人件費の上がりを加算しているわけでございますが、ということで事務費に不足することは、全くないように措置したつもりでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 実際には七%をこえて回っていますね。ところが、これから金融問題で低金利時代ということで、はたしてこの四十五年から四十九年までの次の再計算まで見通しが、これ自信持って言えるのかどうか、これたいへん私、不安感を感じますね。こういう金利の状態になってきますと、そういう点についての見通しと自信はいかがですか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 確かに御指摘がございましたように、最近の金融緩和から金利の低下というように、現に金利の引き下げが問題になっているわけでございます。そうした中にあって、四十七年まで一応これは料率の再計算になっておりますので、四十九年までどうかということでありますが、はっきり申しまして、この際四十八年、四十九年の金融状況がどうなるかということについて、的確、正確な見通しはなかなか立ち得ないわけでございますが、私どもの計算では、過去に比べて若干利回りが下がるということで、約七%ちょっとで回るということで見込みを立てております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 私は、これは将来のことはわからないといいながら、どうしてもやはり危険を感ずる。そこで、この資金の運転といいますか回転といいますか、その三分の一ですかね、政府保証債を買わなければいかんということになっていますね。これは法律でなくて省令できめられていると思う。これを少し変えてもう少し利回りの高い、しかも安全なやつをもっと活用できる、利用できるという方向を私は考えてもいい時期じゃないかと思うんですけれども、その点はいかがですか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 農林年金の積み立て金の運用につきましては、株式もある程度認める——もちろん、この株式を認めるにつきましては、優良な銘柄でなければならぬということで、制限は加えているわけでございますが、株式の運用を認める、あるいは貸付信託も認めるというようなことで、かなり運用でも広げているわけでございます。それから、政府保証債の問題でございますが、これは毎年増額した部分の三分の一は持たなきゃならぬということで、現在たしか金利が七分で回ってるかと思います。したがいまして、私どもといたしましては、いま直ちにこの省令改正をやることは考えておりません。むしろ、こういった金融情勢になってまいりますと、そういったもののほうがある面ではいいのではないかというふうにも考えられますので、今後慎重に検討はいたしますけれども、ただいまのところこれを改正することは考えておりません。

前川旦日本社会党

○前川旦君 いまのところ考えていないというお返事ですけれども、やはり確実な利回りというものをとっていく上で、まあ確実性ということと高利回り、これはなかなか並行しないかもしれませんけれども、両立しないかもしれないけれども、やはりいまの政府保証債七分、これに三分の一くくられているということは、弾力性を欠くと思うんですね。ですから、そういう点でもっと弾力的にかつ慎重にこれは考えてもいいということで対処していただきたいと思いますが、いかがです、こだわらないで。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) ただいま先生からも御指摘がございましたように、この農林年金の積み立て金の運用というものは、利回りが高いことが望ましいと同時に、やはり確実な運用でなきゃならぬということは、先生の御指摘のとおりであると思います。で、私どもといたしましても、これから金融問題非常にむずかしい時期になってまいりますので、今後極力効率的な運用をしていくということがどうしても必要でございますので、ただいま先生から御指摘がございましたような点も十分考慮しながら、慎重に対処していきたいというふうに考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 次に、財源調整費の問題ですけれども、この定率化ということもずいぶん団体からも言われ、いろいろなところから強い要望があったわけですが、衆議院でもこの問題が議論されてますが、これが定率化されなかったという一番大きな原因は何だったんですか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 財源調整費につきましては、法律の第六十二条第二項で、「国は、」「財源調整のため必要があるときは、毎年度、予算の範囲内において、これに要する費用の一部を補助することができる。」ということになっております。そこで、財源調整費の定率化ということになりますと、やはりこれは国が負担するということになりますので、現在の給付に対する国庫補助との関係がきわめてあいまいになってきまして、補助の体系が一体どういうことかというような根本問題が起こるのではないか。それから、農林年金のような財源率の計算をやっております場合には、やはりその予算の範囲内において足りなくなった経費を充当するというやり方のほうが現実的じゃないか。定率化でやっておきますと、最初にも申し上げましたように、給付の国庫負担との関係があいまいになる、それから、農林年金の財源計算の現実から見ると、不足額を埋めるというほうが現実的ではないか、というような観点から定率化をいたさなかったわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 不足財源の一部をこの財源調整費で見るということは、これはまあ実質上定率化だという見方はできませんか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 不足財源の一部を財源調整費で見ておるわけでございますから、次の掛け金の再計算期まではそれだけのものがないと財源上穴があくわけでございます。したがいまして、これは予算の問題でございますが、私どもといたしましては、今後の料率再計算期までは、大体今般繰り入れられた程度の財源調整費というものは、これは期待できるのではないかというふうに考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 いまの、ちょっと大事なところですけれども、期待できるのではないかと見ておりますという返事だったのですけれども、これ、来年、再来年飛ばされたらたいへんなことになりますよ。ですから、これは今後絶対保証されるのだということは、やはりはっきりと言い切ってもらわないとおかしくなると思いますがね、その点いかがです。いまの答弁ちょっと私、不満なんです。もうちょっと強い何というか、確認というか、あってしかるべきだと思いますが。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 予算は単年度でなっておりますので、絶対にこれはどうこうというようなことを申し上げることはできませんけれども、農林省と財政当局との予算折衝の経過において私どもは、これは十分期待できるというふうに考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 予算が単年度だということはわかりきった話なんで、ですから、あなたの気持ちもわかりますけれども、しかし、この予算折衝の段階でやはりこれは来年も再来年もということの話がちゃんとついてないとおかしなことになるのであって、私はそういうふうに理解をしますね。あなた、しきりにうなずいていらっしゃるから、議事録には載らないので、私がちょっとことばで言っておきますけれども、そういうふうに理解しておきます。  こういうふうにいまの財源調整費を見てみると、この財源調整費というのはくだけたことばで言うと、つかみ金みたいなものです、くだけたことばで言って悪いけれども。いままでは年金財政の健全化ということを維持するための準備金というか、そんな性格であったと思いますが、これをはっきりこの繰り入れということに固定をするということは、むしろ財源調整費という、いままでとちょっと性格が変わって給付費の補助だと、こういうように性格変わったように思います。そういうふうに大体理解してよろしいでしょうかね。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 財源調整費は、あくまで各年度におきまして不足が生じた場合に、その不足を埋めるための調整額として入れているわけでございます。したがいまして、今度のように料率計算の基礎に入れた場合に、性質が変わったのではないかという御質問でございますが、私どもといたしましては、法律の第六十二条第二項にございますように、これはあくまでその年度の財源の調整のための繰り入れだというふうに考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 こういうように準備金的なものから給付費の補助金的なものに変わったと私は思いますが、そういうことであれば、こういう複雑なことをしないで、すっきりと二〇%あるいはそれ以上になってもかまいませんが、国庫補助率の中にぶち込んで、単純化して一体化するほうがずっと制度としてはすっきりすると思いますが、その点いかがですか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) ただいま先生御指摘の点は、もちろん私どもといたしましても、それは一つの有力な考え方だと思います。しかしながら、この問題は繰り返して申し上げるようでございますが、やはり共済組合年金に対する国庫負担をどうするかという問題の一環として考えるべき問題でございまして、やはり今後私どもといたしたしても、こういった社会保障と申しますか、社会保険と申しますか、こういった制度というものは将来ますます充実されていくのではないかと思いますが、そういった過程におきまして、国の共済組合年金制度全体の中で、やはり考えるべき問題ではないかというふうに考える次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 これはいろいろ論議になるところですから、議論したって一致したことは、なかなか出ないかもしれませんので次にまいりますが、先ほどちょっと出ました任意継続制度、この任意継続制度に現在の該当者といいますか、いまの組合員でどれぐらい該当者がおりますか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 三十八年度以降の任意継続組合員の数字を申しますと、三十八年度末が二千三百八十八人、三十九年が千九百三十二人、四十年が二千四百五十九人、四十一年が二千八百九十三人、四十二年が三千二百七十五人、四十三年が二千七百九人、四十四年が二千六百三十八人、四十五年が二千五百五十人、こういうふうになっております。すなわち四十二年をピークにいたしまして、それ以降若干下がっているというふうな数字になっております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 これはあなたのほうの見通しとしてやはり下がっているという傾向と判断されたのですか。これからだんだん該当者は少なくなる、こういうふうに判断なさったのですか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) この点は非常にむずかしい問題でございます。と申しますのは、ことしの十月まで組合員になれる者はまだ任意継続組合員制度を選択できるわけでございます。そこで、ことしの十月以降入る人が選択できなくなるわけでございまして、今後雇用の動向がどうなるかということとも関係がございますが、私どもとしては横ばいくらいでいくのではないかというふうに思っておりますが、的確なことを申し上げるのは非常にむずかしい問題でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 私は農村というものはだんだん老齢化してきておりますし、さらに老齢化は進む、若年層の流出といいますかね。そうしますと、中高年齢者が中途で農協なんかへ就職する場合がやはりずいぶんあると思うのですよ、これから先。ですから、いままでのせっかくの既得権ですね、その人たち、組合員にとっては、これは財政上の問題で、いまいる人はいいとしても、これからのことですね。切ってしまうというやり方、いかに金に苦しんだがゆえであっても、これは私はずいぶん酷なことをなさったなあという思いがいたします。で、たいへんこれは私は不満なんです。そういうことでどうしてもこれは納得できない。該当者がいるということは、やはり必要だということなんですね。必要だということは、これを利用する人はたくさんいるわけですから、そういう意味でこれは困ったことだと思いますけれども、しかし、法案を出しているのですから議論してもこれはしかたがない。  そこで、次へまいりますが、年金の改定ですけれども、今度のこの案によりますと、一〇・一%をかけて引き上げるということになっていますね。この一〇・一%かけるという、この数字の根拠、計算の根拠ですね、これをお示しいただきたいと思います。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 改定率の算出の基礎いかんという御質問かと思いますが、今回の既裁定年金の改定は、四十五年度における公務員給与及び物価の上昇をもとにいたしまして、四十四年度給付事由が生じた年金について、この改定を行なうわけでございます。そこで基準改定率一〇・一%の算出でございますが、これは例年どおり恩給の改定率に準じたものでございます。この点につきましては、各方面からいろいろ批判はございますが、現在のところ、国といたしましては、恩給の改定率をベースにしてやっているわけでございますが、そこで四十五年度における国家公務員の給与の上昇率一二・〇%でございます。及び物価の上昇率七・三%を勘案して定めたものでございまして、もう少し具体的に申しますと、物価の上昇率一・〇七三に一・一二〇の公務員給与の上昇率から一・〇七三を引いたものに六割をかけてこの一〇・一%、すなわち一・一〇一という改定率を算定しているわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 ややこしいことをおっしゃいましたけれども、これはわかりやすく言うと、こういうことになるわけですか。物価が四十五年度で七・三%上がった。公務員給与は同じ四十五年度で一二%伸びた。したがって、まず物価の上昇率の七・三%をベースに置く。それから公務員給与の伸びから物価の伸びを引く、結局実質給与の上昇ですね。実質上昇、この実質上昇は、いま引いてみると四・七%になると思いますが、これをまるまる見ないで、これは六割に見る。そうして物価上昇に足して、それで一〇・一%の数字を出した、そういうことですか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) そうです。

前川旦日本社会党

○前川旦君 これはこの制度だけではない。ほかに全部つながっているわけでありますから、あなただけ責めてもしかたがないけれども、六割というのは、どこから出したという科学的な根拠がある数字ですか。これはどうお考えですか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) この六割という数字の問題でございますが、これは恩給で用いている生活部分指数というものでございます。すなわち公務員の給料のうちには、生活部分に当たるものと、職能給として給付されている部分がある。そこで生活部分が六で、職能給の上昇分で〇・四、こういうような計算になっておりまして、これは恩給共済組合年金を通じてこの方式でやっているわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 今度初めてこういう一〇・一%をかけるというわかりやすいかっこうになりました。この六割という、これはいろいろ問題があるにしても、こういうやり方は私はいいと思うのです。そこでこれからの改定についても、将来の改定についてもこういうやり方をコンクリートして、こういうわかりやすいやり方でずっとこれで将来やっていくおつもりなのかどうか、今回だけに限らず。これをちょっとお伺いしたいと思います。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 御承知のとおり年金の給付につきましては、スライド制をとれということが非常にやかましくいわれているわけでございます。このスライド制につきましては、現在、政府部内におきましていろいろ検討中でございますけれども、いずれにいたしましても、そういった方向に将来はいくのではないかということを考えますと、今般とりましたようなきわめて簡便な方式というものは、やはり来年以降も続けられるのじゃないか、それで最後はいつのことになるかはっきりしたことは申し上げられませんが、いずれにいたしましても、そういった方向で年金制度というものは、充実されるのじゃないかというように考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 あなたのいまのことばじりをとって悪いのですが、何か客観的、傍観者みたいな、そういう感じがいたします。こうなるんだろうからということでなくして、やはりスライド制というのは大事なことになるんで、これは農林年金だけでなくて、全部足並みをそろえてやらなければならないことですけれども、やはりこの農林年金を担当しているのですから、この方向に向かってやはり努力していくと、その一歩なんだというようなやはり強い前向きの姿勢が私はほしいと思うのです、答弁の中で。いかがでしょう。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 私の答弁がやや客観的で、第三者のような言い方ではないかという御指摘でございまして、そのような御印象を与えたといたしますと、非常に申しわけなかったと思います。で、この問題は、御承知のとおり、農林年金は国の社会保障の中の、社会保険の中の一つの制度でございまして、やはり全体の問題として考えなければならない問題がたくさんあるわけでございます。そういった面でいろいろ苦労しているものでありますから、どうもやや客観的な言い回しになって申しわけなかったわけでございますが、私どもといたしましては、農林省も公的年金制度調整連絡会議のメンバーにもなっておりますし、大いにそういう方向で努力しなければならないというように思っております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 社会保障制度審議会の答申が出ています。ずいぶんこれはきつい内容になっておりますですね。これはいま読まないでも、そこにお持ちだろうと思います。昭和四十七年二月九日に総理府の社会保障制度審議会から農林大臣あてにこの法律についての答申が出ておりますけれども、その中でもはっきり「恩給は、その内容に問題があるにしてもスライド制が事実上確立している。これを基礎に検討を加えれば、共済年金としてのスライド制の早急な策定はむずかしくないはずである。」つまり、これはちょっとおしかりのような答申が出ています。その前にはもっときついことを言っていますね。「いやしくも共済組合制度が社会保障の一環である限りいつまでもこのようなやり方を踏襲すべきではない。」あるいはまた「自主的な改善の努力がなんら見られないのは、きわめて遺憾である。」、たいへんきついことばで、いわばおしかりですね。ここで言っているのは、共済年金としてのスライド制の早急な策定はむずかしくないはずだと、やれるんじゃないかと、努力が足りないぞということが、この答申の中に出ています。まあ、そういうことですから、一回、一回法改正を必要としないように、完全なスライド制を実施する。そのために共済が足並みそろえて、むしろあなたのところが旗を振って、先頭に立ってもいいじゃないですか。そういうふうに努力していくという姿勢がほしいんです。いかがでしょう。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) スライド制の確立の問題につきましては、先生も御承知のとおり、現在、審議会でいろいろ検討しておるわけでございます。そこで、まあ農林省といたしましては、四十六年の一月二十日の会議でこの問題を検討するために、制度が比較的似ているグループに分けて検討しようということで、四つのグループができたわけでございます。一つのグループは厚生年金、国民年金、船員保険。第二が国家公務員共済、地方公務員共済、公企業体共済、恩給というようなグループ。それから第三のグループといたしまして、料率計算等が似ております私学共済、農林年金が一つのグループになっておるわけでございます。  そこで、私どもといたしましては、文部省ともいろいろ話し合いをしているわけでございますが、いずれにいたしましても、こういった問題につきましては、一番国の年金制度としては、比重の重いやはり厚生年金、それから国民年金というようなところが片づいていかないと、なかなか私学とか農林年金とかいうグループで言ってみましても、話がスムーズに進まないというような面があるのではないかというようなことを感じているわけでございます。  そこで、スライド制につきましては、いろいろ議論があるわけでございまして、まず改定方法をどうするかという問題。政策的改定方式あるいは半自動的な調整方式、それから先生のおっしゃいますような自動的調整方式がある。さらにスライド制をとる場合に、一番問題になりますのは、やはり不足財源の処理の問題であろうと思います。これも国庫負担の限界があるのではないか。そうすると労使の負担能力の限界を考慮すると、一体どのような負担、国、労使の間での負担が合理的であるかというような問題が出てくるわけでございます。  それから、改定の基準として消費者物価指数あるいは生計指数、賃金指数等が考えられるわけでございますが、それのうちでどれが一番合理的かという技術的な問題等々、まあいろいろ問題があるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、スライド制の問題というのは、年金の将来にとって非常に重要な問題でございますので、私どもといたしましては、ただいま申し上げましたように事情がございますけれども、農林年金、私学共済というものを一つのグループとして検討しろという御指令を受けておりますので、文部省ともなお話し合いを続けながら、意見を出したいというふうに考えているわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 これはまあ、全体の問題ですから、次にまいりましよう。  最低保障、制度上の最低保障についてお伺いしたいんですが、今度旧法の二十年未満遺族年金、これはまあ、他の遺族年金並みに引き上げられたということ、これは前進だと思います。それにしても、引き上げた金額は少ないですね、やはりね。非常に金額は少ない。それから、これは遺族年金だけじゃなくて、制度上の最低保障額、これは十一万四百円になるわけですね、九万六千円から。遺族は半額として、これはがっかりするくらい少ないですね。これは月額かと思ったら、これは年額ですね。とてもじゃないけれども孫に小づかいをやるのが一ぱい一ぱいということで、食べるほうまで回りません。こういう非常に問題点があると思います。しかし、一部前進していることは、これは認めるわけですが、三十九年を境として新法の適用者と旧法の適用者とで、この最低保障額というのはまだ差がありますね。これは旧法の該当者も最低保障額というこのことばからいって、やはり同じところまでそろえる必要があると思いますけれども、その点どうですか、お考えは。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) ただいま先生から御指摘がございましたように、新法と旧法とでは最低保障額について差がございます。それはなぜかと申しますと、退職一時金等控除前の最低保障額は、新法において初めて設けられたものでございまして、旧法においてはいわゆる十年遺族年金についてのみ一万九千円という最低保障額というものがあったわけでございます。これは他の共済組合でも同様でございまして、このほかにも旧法と新法とでは給付内容において異なる面がございます。このことは、給付については原則として旧法下のものについては旧法で、新法下のものについては新法で措置するという方針の結果、そうなっておるわけでございますが、このこと自体はやはり将来においては改善をしなければならぬ問題だと思いますが、現在のところは、やはり他の制度等との関係もございまして、なかなかそこまでいけないという段階になっております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 この遺族年金ですね、この遺族年金をもらう資格を得る年限ですか、これは十年でしたか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 十年です。

前川旦日本社会党

○前川旦君 十年でしたかね。これは厚生年金の場合は六カ月じゃなかったかと思いますね。あまりこれは厚生年金と隔たりがあり過ぎます。この点いかがですか。十年ということについて直してもらいたいんです、はっきり言いますと。この点いかがですか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) この点につきましても、ただいま先生から御指摘がございましたように、行く行くはやはり私も直さなければいかぬというふうに思っております。しかし、現在のところでは、やはりその他の共済組合制度との均衡の問題、さらにそういった措置をとった場合の増加費用をどうするかという問題も出てまいりますので、やはり農林年金だけがそこまで一歩先にいくということはなかなかむずかしいという問題でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 他の共済制度とみな関連があるわけですね。しかし、それぞれの共済は——いや他との関連がありますから、みんなが足を引っぱり合うようなことになってしまってはおもしろくないわけです。ですから、だれかが旗を振って飛び出さなければだめなんですね。私は、やっぱりあなたのような前向きの考え方をいつもしておられる方が、やはり他に先がけて飛び出すという、そういう姿勢をとってもらいたいということを、さっきから一貫してそれを言っているわけなんです。他の制度とのかね合い上みんなが、それぞれ言って足を引っぱり合っていたのでは、なかなか前進しませんね。そういう点であなたの奮起を、農林省の奮起をひとつお願いをしておきたいと思います。  それじゃ次に、掛け金率についてお尋ねしますが、今回掛け金率はこれは据え置きということになりました。これはどうでしょうか。昭和四十九年が次の再計算ですけれども、次の再計算の四十九年までは、少なくともこれは変動はないというふうに考えてもよろしいんですか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) そのとおりでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 この掛け金率千分の九十六ですか、これをいま半分半分個人と団体が持ってますけれども、ある団体によっては四分六で、個人負担を四にして団体が六持つというようなところも出ているようですね。ですから、これはそれぞれの団体の自主性による本質的、実質的なことでしょうけれども、農林省として団体にゆとりがある限り、この負担割合もできるだけ個人の負担割合、これは高いですから、非常に高いですからね、減らすようにそういう指導をなさってしかるべきだと思いますが、その点いかがでしょう。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) ただいまのところ、掛け金の負担は事業主と組合員の折半負担になっております。わが国の共済組合年金につきましては、ほとんどのものが折半負担ということになっております。これは、理論的に必ずしも折半でなければならぬということは私はないと思います。したがいまして、六対四、すなわち事業主が六で組合員が四というような負担も考えられないことはないと思いますが、その場合に、それでは負担すべき事業主のほうが、現在の農林漁業関係の団体に負担すべき能力があるかどうかという問題ではないかと思います。したがいまして、これ非常に重要な問題でございますので、やはり将来の課題として検討すべき問題ではないかというふうに考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 ですからゆとりがある限りということを私は前提にして申しましたけれども、将来の課題として取り組んでいただきたいと思います。  それから、この年金は掛け金率は非常に高いけれども、実際にもらう額は少ない。その理由は、制度というよりも給与の水準が低いということが最大の理由だと思いますけれども、昨年のこの委員会でもこの問題を私、聞きましたが、末端のこの団体の給与というものが地方公務員に比べてずいぶんまだ格差があります。農林省がこれを直接干渉するわけにいきませんけれども、これからの農協のあり方というものを考えてみますと、やはり優秀な人材というものを集めなければやっていけないのはわかり切っているわけですね。そのためにはやはりいい待遇をしなければ来ないし、若い人もとどまらない。当然のことだと思います。昨年伺いましたところが、干渉にならない程度に、できるだけこれを給与水準を高めるように、あるいは労働条件等でも基準法違反がないように超勤なんかきちっと払えるように指導をすると、こういう答弁をいただきましたけれども、この一年間の間にたとえば労働条件等あるいは給与等で改善されたところがあれば、つかんでいらっしゃればこの際、お聞きしたいと思います。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 給与の問題は、これは組合の経営の問題とも非常に関係がございますので、ただいま先生からお話もございましたように、やはり組合経営自体を合理化して、高い給料を組合員の職員に払えるというふうに持っていかなければならぬ問題だと思います。そこで、職員のいろんな労務管理その他の面について改善があったかということでございまするが、これにつきましては、私どもといたしまして労務管理の適正化をはかれと、すなわち給与規程あるいは就業規則自体ができてないようなところは、それを整備しなさいというようなことを指導しておりますし、過去におきまして実は、労働省からもいろいろ指摘を受けた問題もございますので、そういった点について改善をはかるような指導はしております。それで、私どもの見ておるところでは、必ずしも単協全部わかっておるわけではございませんけれども、逐次改善されつつあるのではないかというふうに考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 これは直接給与を何ぼにしなさいというような干渉はできませんけれども、私、見てますと、この末端の単協の理事あたりに非常に前近代的な頭脳の持ち主がかなりいるんですよ。それで、職員の給与を上げるのはもってのほかだとか、あるいは職員の待遇というものは単協の組合員の平均収入よりか上に出たらいかぬとか、そういうことはよくあるのです。ですからその辺の頭の切りかえといいますか、それは何も干渉じゃないと思う、指導でやっぱり近代的な労使関係といいますか、雇用関係といいますか、それはやはり築き上げるように努力していただきたい。まだまだこれは末端では不十分です。そのことをひとつ肝に銘じていただいて努力していただきたい、このことを強く要望しておきます。  それから、今回衆議院で改正になりました新たに三つの団体が入りましたけれども、これはどうでしょうか、対象人員がどれくらいで、それからどんな人でもいいですけれども、この三つが入ることでも個々の職員がどれくらい有利になったか、例示的にちょっと聞かしていただきたいと思います。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 衆議院の修正の対象となるものは全国農業共済協会が四十七人、中央畜産会が三十三人、中央酪農会議が三人で合計八十三人でございます。どの程度よくなるのかということでございますが、これは引き継ぐ期間の長短あるいは退職時の給与の状態等によりまして違いますので、一概にどうこうということはなかなか申し上げにくいのでございますが、農林年金と厚生年金の給付を比較いたしたすと、これは制度が違いますので、直接比較がなかなかむずかしいのでございますけれども、一応引き直して計算してみますと、農林年金のほうが厚生年金よりも約五割くらいいいのじゃないかというふうになっております。したがいまして、今度の措置によりまして、もちろん、ただいま申し上げましたような各人の状況によって違いますけれども、一・五倍くらいよくなるのではないかというふうに考えております。  そこで、数字でございますが、ちょっと申し上げますと、厚生年金が十五年で農林年金が五年という人の場合は、退職年金が四十五万四千六百七十一円になりまして、これはその前に前提となる給与その他が、こまかいあれがあるわけでありますけれども、そういうところを捨象して結果だけ申し上げますと、通算退職年金が二十万八千三百二十円ということで約倍ぐらいよくなるという計算が出るわけであります。ケースとして平均して一・五倍くらいよくなるのではないかというふうに考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 私は理事会で約策しましたとおり時間をはしょりましたので、あと一問で終わりますが、この内容をつぶさに見ますと、昨年よりか前進した面と、それから任意継続性の点において後退した面といろいろまざっていると思います。ですから、まだまだ改善する点は無数にあります。スライド制の問題もそうですしいろいろありますけれども、先ほどからいろいろ申し上げましたが、そういう点をひっくるめて、さらによりよい充実したものにするように、これは附帯決議でいつも言っていることです。最善の努力をしていただきたい、このことを私は強く要望して御意見を伺って質問を終わりたいと思います。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) ただいま先生から御指摘がございましたようにやはり農林漁業団体の将来というものは、優秀な職員というものが大きい役割りを演ずることは当然でございます。したがいまして、そういった人々の待遇問題の一環である農林年金制度につきましては、今後におきましてもますます附帯決議等の御趣旨を体しまして、充実につとめなければならないというふうに常々考えているわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでは、前川委員からいろいろ質問がございまして、重複するところは省略させていただいて、まず最初に、ただいまも局長もやはり農林漁業の将来を考えるときには、団体職員の質の向上が非常に必要である、そのためにはやはり農林年金制度も充実さしていかなければいかぬ、そういう趣旨はそのとおりだと思うのでありますが、このいただきました資料を見ると、かなり人数は毎年数%ずつ増加して、ちょっと女性のほうがふえているような傾向にあるわけですが、大体どうですか、年齢的にやはり次代をになうそういう優季な団体職員が入っているかどうかですね。ということは年々年齢構成というものはどうなっているのか、大体の傾向はわかりますか。突然のあれでまことに申しわけないのですけれども、大体の傾向でいいと思うのです。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 団体の職員の平均年齢の推移を見ますと、男子の場合は、たとえば、昭和三十五年におきましては、平均年齢が三十六歳、女子が二十六歳でございます。それが四十年になりますと、男子が三八・〇八歳、それから女子が二七・一一歳になっておりますが、四十五年はまた若干若返りまして、男子が三七・〇三歳、女子のほうは老齢化が進みまして、二八・〇一歳ということで、男女平均では三十三歳ということになります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、非常にいま待遇がいわゆるほかの産業に比べて非常に低いんではないか。また、特に私たちがあちこちで聞く感じとしては、非常に末端の単協ほど仕事は多いのに、実際はぺ−パーマージンをとられてなかなか非常に苦しいと、そういうような声を聞くわけでございますが、大体農林漁業団体の賃金水準というのは、昭和四十六年では全国平均が五万一千三百二十八円だと、これは民間の国税庁の調査、一年前の四十五年ですね、四十五年でも年間の平均給与九十四万、そのうちボーナス等を計算しましても大体月に六万くらいで、民間の産業に比べて農林漁業団体の賃金水準がかなり低いと、そういう結果になっているわけですよね。そういう実態がそのとおりであるのかどうか。  それともう一つは、そういう全体の県段階それから単位農協そのあたりの差というものは、どういう傾向になっているのですかね。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 組合員と申しますか、農林漁業団体の職員の給与の実態は、ただいま先生から御指摘がございましたとおりだと思います。と申しますのは、数字について若干、私ども持っておる数字でございまして、これは四十五年末の数字でございますが、町村段階で見ますと、いわゆる農林漁業団体の職員の給与は四万一千二百四円、こういうことになっております。これに対しまして、公務員すなわち役場の人の給料は平均が四万八千五十四円、こういうことになっております。都道府県段階になりますと、いわゆる農業団体の県の連合会の平均の給与は五万四千五百三十九円、これは市町村段階の農林年金の職員に比べますと、三二%高いわけでございますが、一方県の、県庁の公務員の給与は七万五千八十二円というふうになっておりまして、ここにも開きがあるわけでございます。それから、全国段階になりますと、農林年金の組合員すなわち中央の団体の職員の給与は六万八千百四十一円ということで、町村段階あるいは都道府県段階の団体の職員に比べれば、もちろん給与はいいわけでございまして、町村段階に比べれば六五%高いということになっておりますが、同じ社会環境にある国家公務員の人たちは七万一千九百十五円ということになっておりますので、これよりは低いということになっております。ただいま先生より御指摘のあったとおりの現象になっておるわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 結局優秀な人を集めるには給与がよくならなければいい人は集まらないと思うのですけれども、実際先ほどもいわゆる個人と、それからいわゆる団体経営者負担、この比率等をよくしようと思っても、農協自体の経営が悪くなれば実際としてはうまくいかないわけですね。そうなると、結局いま農業というのも大体農家所得というのはある程度伸びても、これは農業所得でもない農業外所得で伸びておる状態で、農業所得では減ってきておるのですね。そういう点を考えると、農業経営がだんだんしり細りになってくると、そして給料においても非常にほかの産業より低いわけです。ところが掛け金等を見ますと、農林年金のほうは五割五割として千分の四十八、国家公務員共済の場合は四十四、私学共済は三十八と、そういうふうになかなかこれだけ見ますと、ほんとうに農業の団体職員の皆さんは、まことに犠性的精神をもってやらなければならない。ほんとうに希望が持てないと思うのですね。そういう点で、われわれとしては、やはり農業というのは時代の推移によってこれはやはりどうしても生産性はそんなに上がるものではないので、当然やはりその点については国の姿勢としてもっと力を入れなければいけないじゃないか。  国庫補助にしても二〇%が、これはなかなかそういうことはわかっていても、そのようには全体の予算の中でならないわけですけれどもね。そういうことを考えると、実際農業団体につとめる職員にはいい人が集まらない。そうなると結局農協の経営も非常に保守的になって、ますます苦しくなっていくと、そういうような悪循環をわれわれは繰り返しているんじゃないか、そういう気がするわけですけれどもね。そういう点で、今後の農業の発展の上に農協の果たす役割りというのは、私はますます重大になってくると思うのですけれどもね。そういう点で何か政府としても抜本的なやはり農協の体質改善といいますか、そういうのに手を打たなければならないじゃないか、そういう感じがするわけですけれども、そういう点についてはどういうふうに考えられておりますか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) これは正確に数字的に必ずしも証明されているわけではございませんけれども、私どもが農協関係者から話を聞いて、あるいは現実に出張したとき等に単協に行って様子を見ておりますと、農業協同組合は仕事の対象が農業あるいは林業等でございますので、季節性がやはり仕事に相当あるようでございます。特に秋の収穫期等となりますと非常に忙しい、その忙しいときに備え得るようなピークの人員を擁している組合が案外多いのじゃないか。そうしますと、二、三月になってまいりますと、あまり仕事がない。そこで、いままで畜産がなかったところへ畜産を入れていってある程度そういった仕事が出てくるということになると、職員の能率も上がってくるということで、やはり他の一般企業と違った農業なり林業に、あるいは水産業に結びついている特殊性というのがやはり農業というのにあるんじゃないか、そういう中で経営の合理化というものは、やはりそういった特殊性を前提に踏まえながら改善をはかっていかなきゃならない問題が多いのじゃないかというふうに、私どもは考えておるわけでございます。したがいまして、いずれにいたしましても職員の待遇をよくするためには、経営自体がよくなって高い給与も払えるというところまでもっていかなきゃならぬのでございまして、組合の運営全体の問題と関連しながら、そういった面やはり私どもといたしましても指導しなきゃならぬ面があるんじゃないかというふうに考えております。  それから、次に農林年金の掛け金が他の年金に比べて高いじゃないかという点は、御指摘のとおりでございます。これはやはり他の年金に比べまして農林年金の場合には、整理資源率が高いとかいろいろな経緯もあるわけでございますが、私どもといたしましては、今回の料率改定の際に、先ほども申し上げましたように千分の十五・三五も率が上がると、それをそのまま事業主と組合員に負担させるということは、とてももう忍び得ないということで掛け金を、絶対額を上げないようにということを前提にいろいろ努力したわけでございます。したがいまして、国庫負担も、給付に対する一六%であった負担を一八%まで上げたわけでございます。これについて私学共済は同じような制度でございますので、農林年金と同じような引き上げがあったわけでございますが、ほかの年金には、そのような引き上げがなかったということで、私どもといたしましては、できる限りの努力はいたしたつもりでございます。なお、今後におきましても非常にこれから農林関係の団体の運営というものは、むずかしい事態にますます直面することになると思いますので、こういう職員の待遇に非常に重要な関係のある年金制度等につきましては、私どもとしてもますます充実していかなきゃならぬのではないかというふうに思っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いま一つ、私の友人がこれはある県の経済連につとめているわけですね。本人は自分では養鶏をやっているわけです。ところがえさは経済連で買わないわけですね、商社から買うわけなんですよ。本人はやっぱり経済連の連中からだいぶにらまれているわけです。おまえは経済連におってなぜそれを買わないのかと、本人は自分ではやはり養鶏をやっているわけです。そういう点考えて、やっぱり非常に高いと言うんですね。やっぱり商社から直接買ったほうが非常に安いし、まあ農協を通すと高いマージンを取られるから、それで買っているんだと、そういうようにやはり経済連の中の人にまでそういう批判の声が—まあ造反ですよね。そういうのを私もほんとうに聞いて、農協というものもやっぱり官僚化していっちゃいけない、ほんとうにやっぱり時代の推移に立ってもっと近代化していかなければいけないんだ、そういう点をほんとうに感じたわけですけれどもね。これは先般この委員会で工藤委員が大学の問題ですか−そういうような問題等におきましても、これはやっぱり私は非常に次代をになう人たちをりっぱに教育していかなければいけない、そういう教育は何か農協の方針と反するのかどうかどうも押えつけられる、むしろそういういまの姿をどんどん批判をして、そうして批判と言っても単なる批判のための批判じゃなしに、ほんとうに意見がどんどん出て、そうして若い人がどんどん−組合長あたりも昭和生まれの組合長がどんどん出て、それで全般的にやっぱり若返ってこなければいけないんじゃないかと、そういうことを非常に感ずるわけですけれども、これは感ずるだけでは何もならぬわけで、実際それは一つの意見−そういうことは言っても、実際にはいろいろな問題点があると思うんですけれどもね。そういうやっぱり農協のほんとうに体質改善という問題について、これは政府が直接はタッチはできないかもしれませんけれどもね。今後やっぱりこれをある程度農業の将来ということを考えれば、そういう農協のあり方というものも大いに検討すべき点があると思うんですけれどもね。そういう点で今後ともそういう点にもひとつ力を入れて、やはり指導を十分にしていっていただきたい、そのことを要望しておきたいと思います。  もう一つ、この福祉事業の問題でござきますが、貸し付け事業としてたとえば住宅貸し付けと、これは現在大体二十億くらいを使っているそうでございますが、組合員の中からやはりこういう限度額をもっと引き上げてもらいたい、そういうような声があるわけでございますが、こういう点今後改善する気持ちがあるのかどうかですね。それから、そういう運用資金のうちそういう貸し付け事業等には、今後やっぱり大体どれくらい出すつもりなのか、これをお聞きしておきたいと思います。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) ただいま組合員に対する貸し付けのお話がございましたけれども、住宅貸し付けにつきましては、現在貸し付けの限度額が住宅及び敷地の購入の場合、これは二百万円ということになっております。貸し付け利率は四十五年に下げまして五・七六%でございますが、この住宅資金につきましては、近くこれを三百万円に引き上げたいというふうに考えております。それから、どの程度のものをこういったものに使うのかということでございますが、現在のところ貸し付けに充当しております資金は、新規の貸し付け資金として四十六年度は五十四億、四十七年度は五十六億を予定しております。したがいまして、今後こういった面の資金需要というものは相当あるわけでございますから、それにこたえるように充実をはかってまいりたいというふうに考えております。

亀井善彰自由民主党

○理事(亀井善彰君) 暫時休憩をいたします。    午前十一時四十八分休憩      —————・—————    午後一時十一分開会

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 今回の改正法案について質問いたしますが、時間の関係もございますから、端的に質問したいと思います。  まず第一に、国庫補助の問題でありますけれども、まあ、これは今回の改正案によりまして、一六%から一八%に引き上げられたと、このことはそれはそれとして一つの意義を持っていると思うんですが、しかし、この老後の保障、つまり社会保障という観点から見ましたときに、国の責任というものは、決してこの程度に済まされるものではなくて、やはりそういう意味から言いますと、国の負担が少な過ぎはしないかとやはり私は考えるわけです。局長も御存じだと思うんですが、諸外国などの例をみますと、これは格段の差があるわけですね。社会保障というものはイギリスにおいては大体二五%国が補助する。西ドイツ、スペインにおいては約三分の一です。スウェーデンにおいては二分の一という、そういう国の負担というものが非常に高い。したがって、日本の場合には非常に一般的に低いと言われる原因ですが、しかし、このわが国の場合を考えてみましても、先ほどからももういろいろ問題が出ましたけれども、労働者年金の中心であります厚生年金が二〇%ではないか。船員保険の場合には二五%だというふうに国内の観点から見ましても、やっぱり今度の一八%というのは、必ずしも納得できる率ではないんじゃないかというふうに私は考えます。そこで、今度一六%から一八%に引き上げられたということについて衆議院の委員会においても、また、この委員会においても局長はいろいろ答弁されておりますが、要約すれば一つはこういうことになるんじゃないかと思うんですが、一つは組合員及び事業主の負担能力を考えたということ。それから、二つには農林年金の掛け金率がほかの年金に比べて高い。したがって、ほかの年金とのバランスを考えて国庫負担を引き上げたと、こういうふうに答弁されていると思うんです。  これはこれとして非常によくわかりますが、しかし、私はそういうその負担能力がほかより低いということを考えられたならばまず何よりも掛け金を下げるということがやはり一番この国庫補助としては中心に考えなければいけないんじゃないか。つまり考え方の柱として掛け金を、具体的には掛け金を引き下げるということを、まず考えるのが至当ではないかと思うんですけれども、その点については、どういうふうにお考えでしょうか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 年金制度の場合の国庫負担のあり方につきまして、掛け金を下げるべきじゃないかという御指摘があったわけでございますが、現在の農林年金の国庫負担は、給付の何%を補助するということになりまして、掛け金の直接補助の体系にはなっておりません。そこで、国庫補助の問題につきましては、先生からも御指摘がございましたように組合員の所得の実情、あるいは事業主の負担能力を考えなきゃならない。同時にまた、その社会保険全体の均衡ということも無視できない問題でございます。  そこで、数字の御指摘がございましたけれども、農林年金と私学共済につきましては、今般の改正で負担が百分の十八になったわけでございますが、他の共済組合につきましては、国家公務員はじめ百分の十五でございます。そこで厚生年金が百分の二十になっております。そこで、少なくとも厚生年金から出てきたんだから厚生年金まで上げたらどうかという御意見が従来非常にあるわけでございます。われわれといたしましても、できればそこまでしたいというふうに常に考えておりますけれども、現実の問題といたしまして、農林共済と厚生年金とには制度に若干の違いがございます。たとえば農林年金の場合には、給付の額の算定の基礎となる給付が退職前三年の平均標準給与というものによっていることに対し、厚生年金は全加入期間中の平均報酬額というものを基礎にしております。それから、支給の開始も農林年金は五十五歳でございますが、厚生年金は六十歳というふうないろいろな違いがございまして、一がいに厚生年金が百分の二十だから、こちらも百分の二十でなきゃならない、均衡がとれないという議論ができるかという点に若干問題があるのではないか。いずれにいたしましても、私どもといたしましては、今後において国庫負担の増額につきましては、他の年金との均衡を考えながら努力したいというふうに考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 確かにおっしゃるように農林年金と厚生年金いろいろ差があります。いいところもあるし、悪いところもお互いにある、こういうことだと思うんですが、しかし、この負担能力という点から考えますと、この厚生年金と農林年金とは給付水準が違うんだからということも一つの理由として局長は言っておられるのですけれども、しかし、この点も給付水準が違うという点を力説されますと、じゃその給付水準のバランスから国庫補助というものを考えているということならば、これはこれとしてまた問題が出ると思うんですね。たとえば船員保険と、じゃ厚生年金の給付水準比べてみれば、船員保険のほうは給付水準が二〇%と高い、給付水準が非常に高いのに、国庫補助が二五%で厚生年金と農林年金のバランスという点から考えれば非常に矛盾というものを感ずるのですけれども、これはどういうふうに説明されるのでしょうか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 船員保険の問題につきましては、やはり一番早くからありました社会保険で、それぞれ歴史的な背景というものがあるのではないかというふうに思います。その歴史的な背景の違いである程度のアンバランスができているということは事実だと思いますが、それが決定的なアンバランスであるかどうかということにつきましては、やはり全体としては均衡がとれているのではないかというふうに考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 船員保険の場合にはいろいろ歴史的な事由がある、背景があるというならば、農林年金の場合に給付水準がほかよりも非常に低いという問題あるいは、それにもかかわらず負担率が高いという問題、あるいはその整理資源の負担の問題あるいは厚生年金から引き継いだときの不足財源、こういうものまでその後に加入した組合員が負担をしているという、こういう問題そういうことを考えれば、私は、やはり農林年金の場合にもそれなりの歴史的な背景もあり、特別の事由というものもあるんじゃないかと。そういう意味ではやはり、船員保険は非常によろしい、しかし農林年金はこれでいいんだという理由にはならないと思うんですけれども、どうでしょうか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) そういった点もいろいろ考えまして、今度農林年金につきましては、従来百分の十六であった給付に対する国庫補助を百分の十八にしたわけでございます。その際、私学共済につきましては、農林年金と同じような国庫負担の改訂がございましたけれども、他の共済組合につきましては国家公務員、地方公務員等は依然として百分の十五の据え置きになっているわけでございます。そういった形で農林年金の特殊性を強調しながら、国庫負担の改善をはかっていくということをやっておるわけでございまして、われわれといたしましては、そういった点から、農林年金は百分の十八−十六を十八にしたので相当の改善が行なわれているのではないかというふうに考えておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 いま私学共済のお話が出ました。確かに私学共済も農林年金と同じように、一六%から一八%に引き上げられた、こうおっしゃるんですが、しかし同じ給付水準なのに、本人の掛金負担という点から見ますと、私学共済の場合は三・八%ですね。ところが農林年金の場合は四・八%ですね。こういうふうに一%も高いんです。ですから、給付水準と国庫補助とのバランスということを考えるならば、やはりこの本人の負担、掛金の負担のバランスというところから考えるのが当然じゃないかと思うんですけれども、この点はでうでしょうか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 現在の共済組合年金につきましては、やはり共済というようなことが法律の一条にもそういうことが書いてありまして、ある意味で職能組合みたいになっております。したがいまして、私学、農林年金、あるいは他の国家公務員その他の共済組合と比較いたしましか場合に、それぞれやはり事情の違いというものがそこにあるわけでございます。したがいまして、農林年金の場合には、掛金率が高いということが一つの原因として、ただいま先生の御指摘がございましたように、整理資源率がかなり高いということがあるわけでございます。その他、加入の組合員の年齢構成とか、いろいろ事情が違いますので、そういった掛金率の差が出てくる。それを相互に職能組合として助け合っていくという意味で、ある程度がまんしなければならない問題もあるのじゃないか。しかし、そこのところを国庫負担でいろいろ調整するというところから、農林年金はやはり他の共済組合よりも国庫負担が高い、こういうことになっているわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 そこで、いろいろ局長の説明もわかるんですけれども、ここでひとつお尋ねしたいのは、農林省が最初財政当局に対して予算要求をされましたときに、国庫補助率を二〇%にしたいというふうに出されたと思うんですが、そのときの二〇%という根拠は一体どういうことだったのですか。私はまあ、それはそれとして農林省が要求されたのは一つの正当な根拠があったと思うので、その根拠を伺いたいと思うのです。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 農林省が百分の二〇で予算を要求したというのは事実でございます。それの考え方の背景は、先ほどから申し上げておりますように、今度の料率改訂で、率が千分の一五・三五%上がると、その上がった部分の処置をなるべく国がやるというような形でやりたいということから要求したわけでございまして、必ずしも掛金率のバランスというような点からやったわけではございません。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 じゃあ私がここで論議を繰り返すようなことを言っておりますのは、結局われわれは考えますときに、つまり国庫補助というものを考えますときに、考え方としてはやっぱり農林省は組合員の負担をできるだけ軽くするために国庫補助を引き上げるという立場に立っているのか、それとも国庫補助はある程度に押えてしまって、そのかわり給付水準はしかたないからがまんしなさいという形で低いものにするのか、いわばこの二者択一という立場しかないと私は考えているのですがね。ですから、給付水準を引き上げるという場合は、掛金を引き上げるということになるわけで、どっちにしろとにかく立場というものは二つに一つしかないと思うのですけれども、今回私がこの補助率の問題を申し上げているのは、とにかく補助率は二%アップした。しかし、この給付制度の面では任継制度をやめてしまう、こういう形で私は後退していると思うのです、率直に言って。国庫補助をもし引き上げるならば、任継制度そのものを廃止する必要はないわけで、そういう点で一体どうなのか、その考え方の基礎というものを、やっぱりお聞きしたいのです。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 今般の料率の改訂に当りましては、料率が千分の一五・三五上がると、これをどう処理するかという問題が出てきたわけでございます。そこで、私どもといたいましては、ただいま申し上げましたように、できればこれはひとつ国でなるべくやりたいというところから、財政当局にはそういった要求をしたわけでございます。しかしながら、現実問題として、やはり社会保険につきましては、全体のバランスという問題もあるというところから、これをどう処理するかということで考えたわけでございますが、まず第一の基本原則として私どもが考えましたことは、現在の農林関係あるいは水産関係の団体の事業主負担、それから組合具負担、両方から考えてみて、これは実額の負担を絶対上げるべきではない、何とかいまの掛金率でまずやらなければならないということで問題の処理を考えたわけでございます。その結果、先ほどから申し上げておりますように、国庫負担も上げた、財源調整費もとった、一方任意継続組合員制度については、適用制限ということをやって、これによってある程度上昇を、緩和する、それから利差益を多少充てるというようなことで、とにかく組合員の掛金負担を上げたくないということを基本的な原則といたしまして、今度の料率の改訂後の処理ということをやったわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 まあ、農林省としては、いろいろ御苦労があったとは私も感じますけれども、しかし、せっかく掛金率は上げないようにすると。これはそれとしてわかりますが、しかし、じゃあそのかわりに任継制度を廃止したということはやっぱりプラス、マイナス、結局マイナスではないかというふうに考えるのですが、この任継制度の問題に入りますが、結局局長いろいろ説明をされるのだが、この任継制度の廃止というのは、やはり財源問題ということが私は中心だったと思うんです。で、まあ、局長は衆議院の委員会でもこんなふうに言っておられますね  財源問題を考慮しないと言えばうそになるというふうに、たいへん回りくどい表現をされておるんですが、その上で任継制度の廃止の理由がほかにもあるというふうに言っておられます。そして、三つあげておられますね、この任継制度の廃止の理由として。その第一には、昭和三十六年十一月に通算年金制度ができたので、そうした面からも存在意義がもうなくなったんだと、こういうふうに第一に説明されておりますが、しかし、この説明も私は理由にならないんじゃないかと思うんです。と申しますのは、通算制度ができて十年になります。依然として先ほども局長答弁されましたが、二千五百名ぐらいの任継組合員がいるということですね、四十五年で。で、まあ、大体将来の見通しとしても横ばいだろうというふうにさっき言われました。また、今回、四十七年十月以降新規採用者の場合でも、この適用廃止によって千分の六・〇三の財源引き下げが可能であるというふうにおっしゃっておるので、もしそうだとすれば、やっぱり将来においては任継制度の恩恵を受ける対象者というのは、かなりいるということになるわけです。大体まあ局長自身がこの存在意義が全然なくなったとは言っていらっしゃらない。存在意義は非常に低減したとは言っても、なくなったとは言っていらっしゃらないので、私は、やはり任継制度の存在意義というものは、今後もあるというふうに考えるんですけれども、その点はどういうふうにお考えでしょうか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) まあ任継制度廃止の理由につきましては、ただいま先生からもお話がございましたように、単に年金財政の問題だけでなしに、全体の点を考えまして制度の廃止ということに踏み切ったわけでございます。で、任意継続組合員制度の適用制限は、本年の十月以降組合員になる者から適用されるわけです。現在組合員である者、あるいはことしの十月までに新たに農林水産団体に入っておる者の人たちは任意継続組合員制度というものを選択できるわけです。そこで、実際にこれが問題になってまいりますのは、今後十五年先の話でございます。というのは、任意継続組合員制度というのは十五年組合につとめないと、これは採用できないように現在なっておりますので、いずれにいたしましても、かなりまあ先の問題でございます。で、まあ、私どもとして一番心配いたしましたのは、制度として後退じゃないかという問題がそこに出てくるのではないか。しかしながら、考えてみますと、一体今後この制度を、まあ採用といいますか、選択する人がどれぐらいいるかという問題でございます。と申しますのは、いずれにいたしましても、組合に十五年つとめなければこの制度は選択できないわけでございますから、たとえば四十歳で組合に入ってくる人、それから定年が五十五だといたしますと、十五年つとめる、そこで選択できるわけでございますが、退職年金自体は二十年つとめなければもらえませんので、そうした人が一番困るということでございます。そこで、現在までのところは約一割くらいは四十歳以上の人が新しく農林水産の団体に入ってまいっておりますけれども、いろいろ、たとえば農協の労働組合の方々と懇談した際に、そういった高齢の方が新しく入ってくるだろうかということを伺ったわけでございます。それに対しましてのお答えは、まあ中央段階ではよほど特殊なケース以外に、たとえば専門家の人を新しく雇うということ以外には、あまりそういう高齢者は入ってこない、県段階も同じだろう、ただ単協には問題があるだろうというお話でございました。  そこで、私どもいろいろ数字的に調べてみたわけでございますが、私たちの調べたものによりますと、四十歳以上で組合に入りまして、そうして任継を選択すると見込まれる者は七%ぐらいの数字になっております、過去の資料によって調べてみますと。この七%は今後どうなるかということでございますが、一方通算年金制度というものもできておりますし、全然何らの年金なしに初めてその組合に加入して、共済組合年金の適用を受けるというような人は、今後あまりないのではないだろうか。たとえば四十歳で農協に入る、しかし、その前にどこかにつとめていて厚生年金に入っていたというようなことで、実害はまああんまりないだろう。いままでと雇用条件もだいぶ変わってまいりますし、実害はないのではないかというふうに考えまして、この際、任意継続組合員制度の適用制限という措置をとったわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、単に料率改定の問題が非常にむずかしいから、そういう安易な形でやったということではなしに、そういった問題も十分吟味してこの制度の適用制限、これは農林年金にしかない制度でございます、任意継続組合員制度というのは。そこで、ほかの共済組合年金にもございませんし、諸般の情勢を考慮して適用制限の措置をとったということでございます。しかし、いずれにいたしましてもこの問題は、現実の問題となってまいりますのは十五年先でございますから、昭和六十二年あたりに問題になるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 年齢、年代の問題をいま説明されたんですけれども、いま四十歳以上になってから就職する人の任継を希望する方、七%ぐらいだとおっしゃったんですが、まあ四十歳以上になってから就職をされる、四十になってから就職をして定年の五十五まででやっと十五年ということですから、まあ四十歳にでもなられたら大体途中でおやめになるのが私は普通だと思うんですね、まるまるつとめたって十五年なんですから。ですから、この数字は私はあまり意味がないと思うんです。もし出していただくならば、三十六歳から四十歳までの間に就職された方がどのくらい途中でやめられるのか、十五年未満でおやめになるのか、その数字を——もし説明なさるならばその数字を出していただきたいと思うんですが、どうでしょう。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) ただいま御質問のございました数字は、ちょっと計算してみないと出ない数字でございますので、ここではちょっと提出いたしかねます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 じゃその数字はあとで出していただくようにいたしまして、とにかく昭和四十五年度末の任継組合員の実態でございますが、先ほど出ましたように、約二千五百人と、こういうことですが、私どもが調へましたところの——これは局長の答弁の中から出てきておる数字ですから、大体間違いないと思いますが、二千五百人のうち五十五歳以上、つまり定年後に継続組合員になっていらっしゃる方は五割以上ですね。六割近いんじゃないかと思うんですが、そういう数字になります。五十五歳以上たしか千四百三十七人という数字が出ておるんです。ですから、これはやはり非常に重大なことであって、定年後組合員になっておる方がこんなに多いという問題はどういうふうにお考えでしょうか。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 五十五歳以上で任継を選択している人は確かに二千五百五十人のうち千四百三十七でございますから、五六%でございます。これは五十五歳になってやめざるを得ない、ところがまだ二十年にならない、しかし十五年以上にはなるということで、任意継続組合員制度を選択するわけでございますから、数が一番多くなるのではないかと思います。そこで、問題はこれらの方々が前に何らかの年金に関係しておられれば、通算退職年金制度というものができておりますから、前に加入していた何らかの年金から給付を受けることができる。ところが、この農林年金ができましたときには、その制度がなかったわけでございます。したがって、この任意継続組合員制度というのが現在あるわけでございますが、今後これから先の問題として考えた場合に、そういった方々は何らかの形で他の年金制度に加入しておられるのではないかということを考えますと、現在の方々がこれだけ選択しておられるのは、前にそういう制度がなかったということがございますので、それから日本の国の年金自体があまり充実していなかったという時代の方々でございます。したがって、今後は、そういった点もだいぶ改善されておりますので、この辺の影響というのは、それほど大きくないのではないかと考えるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 では、いま四十歳代、五十歳代の方々のお話が出たんでありますが、局長とのお話によりますと、三十代から四十代の人がやはり任意継続組合員制度を選択していると、これはやっぱり任継制度というものがあるためにこういうふうなことになるんじゃないかということを、これは理由の第二として衆議院では説明されておるんですが、これはやっぱりたいへんな勘違いではないかと思うんです。ここに局長名で出されました通達がございます。「農業協同組合等における職員の労務管理の適正化について」という通達です。四十七年二月二十一日付のです。これを拝見いたしますと、非常にその労働基準法違反が多いということを指摘されて注意を促しておられるわけです。ざっと見ましたところ、労働基準法違反で指摘された農協数は千五百七十五です。それから件数で言うと七千百五十六、こういう数字にのぼっておる、たいへんこれは見てびっくりするような数字なんですが、しかも、これが年々ふえていると、この労働基準法違反、これは一体どういうふうに理解したらよろしいのか、御説明願いたいと思うんです。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 農業協同組合等におきまして、労働基準法違反がかなりあるということは、まことに遺憾なことだと思っております。そこで、これはどういうことでこういうふうに労働基準法違反が多いのかということでございますが、私どもの見ておりますところでは、農協の管理者が必ずしも労働関係法令について十分な知識がないというような面もあるんではないかと思います。したがいまして、この通達にもございますように、まず管理者が十分労働関係法令の研修等を行ないまして、適正な労務管理が行なわれるような認識を深めるようにということを期しておるわけでございますが、そういった面があるのではないか。それから、先ほど申し上げましたけれども、農協の業務の形態が必ずしも他産業と同じようではない。たとえば出来秋にどんどん収穫が行なわれて米が出てくるというときには、実際問題として相当超過勤務等もやってもらわなければ組合としての仕事は片づかない。ところが、それに対しまして労働協約というものができてなくて、それが労働基準法違反に問われる、そういった問題もあるのではないかというふうに考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 いま局長の答弁は、この通達にも出ているような問題ですが、その御答弁によれば第一には労務管理に対する認識が足りないというようなことを言っておられるのですが、私はやはりそうじゃなくて、もっと詰める必要があると思うのです。つまり簡単に言えば、いまの農業情勢の中で農協の役割というのは非常に大きくなっているのですが、しかし、一方では経営難が起きている。で、人間があまりふえない、したがって、労働強化というものが非常に出てくる、ここに私は、やはり非常な問題があるのではないか。管理者の認識などというそういう抽象的な問題でなくて、きわめてなまなましい問題が私はあるのではないかと思うのですが、私、資料といたしましてずいぶんここにたくさん用意をしてまいりました。たとえば全国農業共済組合連合会の場合ですが、昭和三十六年職員数が約三百人で、その年の長期共済の保有というものは一兆円であった、それが四十六年度には人員は五百名、確かに一・六倍にはふえたが、この長期共済の保有額が十三兆六千億円になった。十三倍になっている、仕事の量からいえば。こういうふうに仕事がふえた、しかし人間はあまりふえていない、こういうところからやはり問題があるのではないか。それでいろいろ調べてみますと、こまかい統計までいまここで申し上げる時間がございませんけれども、たとえば北海道の上川支庁内の二十の単協のアンケートがございますけれども、これを見ますと、全員で七百七十五名のうち一年間に入院したり通院したり、病院に通ったという人だけで四〇・九%あるんですね。人数にして三百十七名です。パーセントにすると四〇・九%、まあ四一%近い人が入院したり病院に通ったりしている。それからさらには北海道の北見地区の場合、これは三十六農協を対象にしたアンケートでございます。二百九十四名中やはり一年間に入院したり通院した人が三八%ある、やはり四〇%近くある。こういうふうに非常にその病気の率が高い。しかも同時に、このアンケートは転職の問題について聞いているんですが、この上川支庁の場合ですが、転職を希望望——いままで転職を考えたことがあるという人と、それからいま転職を考えているという人が、何と合計いたしまして七〇%に近いんですね、約七〇%。つまり七〇%の人が絶えず何かやめたいということを考えている、こういう数字がちゃんとアンケートとして出ているんですね。つまり、これだけ深刻な状態というのは、やはりいまの農協の労働条件というものが非常に悪い、だから何かいいところがあれば移りたいということを示しているんじゃないかと思うんです。ですから、この任継制度の問題で局長は三十歳代、四十歳代でやめていく人があるのはけしからぬ、とは言わないけれども、多いのは残念だというようなことを言われるんだけれども、実情がそうだったら、これは当然そういう結果が出てくるんじゃないかと思うのです。したがって、むしろ任継制度を廃止するというよりも、そういう劣悪な労働条件を改善するというところにもっと政府としては力をいたすべきではないだろうか。そのためには一体どのような援助が行なわれたのか。この点をひとつ最後にお聞きしたいと思います。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 農協の職員の方々の労働が強化されているのではないかという御指摘でございますが、確かにそういった面が全然ないわけではないと私も思います。それから、その具体例といたしまして全共連の問題が数字的に御指摘がございましたけれども、全共連の場合には、これはコンピューターの導入その他によって処理しておりますので、かなり事務面の合理化といいますか、契約高が一兆から十三兆になったのに人間は一・六倍しかふえてないという御指摘がございましたけれども、その辺は、私の承知しているところではかなり事務の機械化が行なわれて、それをこなしているという状況ではないかと思います。  そこで、こういった農協、特に単協が問題があるわけでございますが、について政府として待遇改善についてどういうような援助をするかという御質問だと思いますけれども、実はこの問題につきまして政府としては直接援助ができないという非常にむづかしい立場にあるわけでございます。と申しますのは、やはり農協の職員の人たちの待遇改善というものは、農協の経営状態に依存する面が非常に多いわけでございまして、われわれといたしましては、やはり待遇改善を実現するためには農協の経営の合理化というものを大いにやってもらって、経営自体が非常にいい状態になって、それから待遇改善というふうな問題に相なるわけでございますので、農協の経営をどうするかという問題については、私どもといたしましては、極力経営の改善が行なわれるように指導したいということで、たとえば一例を申し上げますと、今後合併を大いに進めまして、合併によって経営内容の改善をはかっていくというのも一つのやり方だと思います。それから、その他現実的には私どもいろいろ検査をやっておりますので、検査を通じましてこういった点についてはこういうふうに改善したほうがいいのではないかということで、検査の具体的な問題について指示しているというようなことで指導しております。  それから、職員の待遇改善の問題につきましては、給与規程その他を整備しなさいということで、検査のときにも必ずそういう点につきましても給与規程がどうなっているだろうか、退職金の規程がどうなっているだろうかということを調べまして、それに不備がある場合には、そこのところは改善しなさいというような指導はいたしておりますが、いずれにいたしましても、農協の経営自体の合理化、改善が行なわれなければならぬ問題が前提になりますので、そうした面を十分考えながら、今後も遺憾のないように指導したい。しかし、直接的に金を出して援助するということができるような問題ではないので、私どもとしてもそこは非常にむずかしい問題が存在しておるということでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 まあ合併を進めたりいろいろ合理化をやって経営を改善したいと、こうおっしゃるんですが、合併ということになれば以前から進めてきておるので、いまの現実の状態をこれによって解決できるというふうな問題では私は、ないと思うんですが、やっぱりもっと私は、農林省としましては、いまこの任継制度をなくすという問題でいろいろ質疑をしているんですけれども、だから任継制度をなくすればなくしてもいいんだということでなくて、そういうことも含めて私は待遇改善ということを考えるべきだったんじゃないかというふうに考えるわけですが、このことはひとつ要望としてとめておくことにいたしまして、もう時間がまいりましたので、最後に一つ御質問をしたいんですが、これは直接この法案に関係することではございませんが、農協短大の問題であります。きょうは文部省からも来ていただいていると思うので、文部省からもお聞きしたいと思うのですが、時間がございませんから、簡単に、要領よくお答え願いたいのです。  私立学校法の第三十条第三項の内容でありますが、ここにはこういうふうに書いてございますね。「残余財産の帰属すべき者に関する規定を設ける場合には、その者は、学校法人その他教育の事業を行う者のうちから選定されるようにしなければならない。」こういうふうに書いてございます。この規定の趣旨は一体どういうことでございましょうか。

齋藤寛治郎文部省大学学術局技術教育課長

○説明員(齋藤寛治郎君) ただいま御質問ございましたように、残余財産の帰属につきましては、私立学校法によりまして寄付行為の定めに従って処理されるというふうな規定になっておるわけでございますが、「残余財産の帰属」をどうしてすることになっているかということでございまするが、まあ、一応公の財産ということで学校法人の財産になっておるわけでございますので、残余の財産というものをかってに処分するというようなことはできないたてまえが、このような規定になっているのではなかろうかと思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 どうもいまの説明は、私の聞きたいこととはどうも合わなかったのですが、つまりこの規定の中に「その他教育の事業を行う者」ということがありますね。これは一体どういう内容を指すのかということなんです。わかりませんか、課長がわからないはずはないと思うんだがな。

齋藤寛治郎文部省大学学術局技術教育課長

○説明員(齋藤寛治郎君) 調べてお答えいたしたいと思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 調べてお答えするというのでは、まことに少し頼りないんですがね。要するに、私どもの解釈では国や地方公共団体その他学校の設立者、つまり特殊学校であるとか、学校法人を持っている者、幼稚園なんかはあれでしょうが、そういうのは別としまして、大体そういうものを「その他教育の事業を行う者」というふうに規定していると思うのです。このことは私立学校白書にも書いてございます。これは昭和四十二年発行の文部省編、「わが国の私立学校」という白書であります。ここにもそういう趣旨のことが書いてあるわけなんですが、その点はどうでしょう、まだわかりませんか。

齋藤寛治郎文部省大学学術局技術教育課長

○説明員(齋藤寛治郎君) 学校法人関係の内容につきまして直接所管でなかったものですから、詳しく調べてまいりませんでしたが、一応私のほうは御質問ございました農協短大のことにつきまして教育面の指導というのを直接私どものほうで担当してございますので、そういう関係でお答えいたすべく参った次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 せんないことです。どうも御答弁がございませんので、文部省の質問はそのぐらいにしまして、最後に農林省にお伺いしますが、このたび農協短大の理事長代理である副理事長並びに学長名でこういう通達が出ておりますが、それによりますと、この通達は「協同組合短期大学問題について」という通達でございます。四十七年三月三十一日付でございます。これを見ますと、この短大の財産ですね、これは「系統農協の教育財産として引き継がれて来た経過にかんがみ、教育事業を行う全国農協中央会に帰属することが当然であると考えている。」とこういうふうに書いてあるんですね。これは私はゆゆしい法律違反ではないかと思うんです。この文部省の解釈に、私立学校白書の解釈によりますと、農協は教育を行なうものというふうにはなっていないですね。つまり農協短大が解散されると、そうしてこの何ですか、いま中央学園とかなんとかというもんですか、これは学校法人でも何でもないもんなんですね。私学でも私学法に認められたものでなくて、まあ、いわば塾みたいなものでしかない。したがって塾ぐらいのものを持っているものはこの教育を行なうものに該当しないというのが、いままでこのわれわれが聞いた解釈です。だとすると、ここでは農協が短大の財産を継承すると、こういうふうにうたいあげておるんですが、これは私は法律に違反していることなんで、つまり私立学校法に触れることなんでしてね。そういう意味では農林省としてやはりこの点を、法律違反をするようなことを認められるのかどうかですね、その点の説明をお聞きしたいと思うんです。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) 農協短大の財産の扱いにつきましては、短大の寄付行為によりまして、「他の学校法人その他教育事業を行なう者のうちから、理事の三分の二以上の同意及び評議員の議決によって選定されたものに帰属する。」ということになるということで、これはまだ解散しておりませんので、その時問題になることでございます。  それから、法律解釈の問題でございますが、まあ、私どもといたしましてまだ正式に文部省の意見を聞いたわけではございませんので、あれでございますが、農協中央会は一応定款上教育を行なうことができるということになっておりますので、一応まあ能力と申しますか教育事業を行なうことにはなっているわけでございます。そういうものが、先ほど御指摘のございましたその他の教育事業を行なうものということになるのかならないのかという点につきましては、これは法律論の問題でございまして、私どもといたしまして、まだこれについての解釈について、文部省の意見を聴取したこともございません。そういった段階でございます。いずれにいたしましても、つまり農協の中央会自体は、教育事業を行なえるということになっております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 最後に、いまの御答弁では私たいへん不満足で、しかも文部省はこの自分の関係している私立学校法の説明もようしないというんじゃ、これはたいへんけしからない話だと思うんで、この問題はいずれあらためてはっきりさせたいと思うんです。きょうはこのぐらいに打ち切っておきたいと思います。

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます     —————————————

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) この際、委員の異動について報告いたします。  本日小林国司君、小枝一雄君、河口陽一君及び中沢伊登子君が委員を辞任され、その補欠として古賀雷四郎君、中村禎二君、濱田幸雄君及び中村利次君が選任されました。     —————————————

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 塚田君から委員長の手元に修正案が提出されております。  この際、本修正案を議題といたします。  まず塚田君から修正案の趣旨説明を願います。塚田君。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案に対する日本共産党の修正案の趣旨説明を行ないます。  修正の第一点は、任意継続組合員制度は、組合員のおかれている特殊事情を考慮してつくられた制度であり、将来ともその制度の持つ意義は大きく、したがってその存続をはかることとします。  第二は、本来、公的年金は国と事業主で負担すべきものでありますが、現在、組合員の掛け金がきわめて高いという実情を考慮し、その負担を軽減すべく、当面厚生年金並みに国庫補助を引き上げることとします。  文書でお手元にお配りしたように、以上の二点について、修正を提案するものであります。何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。終わり。

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) ただいまの塚田君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。赤城農林大臣。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) ただいまの塚田大願君提案の修正案につきましては、政府としては賛成しがたいところであります。

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論を行ないます。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案の採決を行ないます。  まず、塚田君提出の修正案を問題に供します。  塚田君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 挙手少数と認めます。よって塚田君提出の修正案は否決されました。  それでは、次に、衆議院より修正送付された原案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 総員挙手と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

前川旦日本社会党

○前川旦君 私は、ただいま可決されました農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の各派共同提案の附帯決議案を提出いたします。案文を朗読いたします。    農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、わが国の経済情勢の進展に対処し、農林漁業団体職員共済組合の給付内容の充実と健全な年金財政の確立に努め、農林漁業団体の機能の向上、職員の社会保障の整備を期するため、実情を検討し、早急に左記事項を達成すべきである。        記  一、本制度の年金財政を健全ならしめるため、給付に要する費用に対する国庫補助率をさらに引き上げるとともに今後も増高が予測される整理資源に対し、特段の財政援助を配慮すること。  二、本制度をとりまく経済的特殊性にかんがみ、国庫補助とは別に他の公的財政援助措置を講ずるよう検討すること。  三、共済制度の保障機能の充実を期するため、遺族年金の受給資格期間を短縮すること。  四、共済年金としての自主的なスライド制を早急に実現するとともに、既裁定年金の最低保障額の引上げを図ること。  五、本制度における財政上の仕組みを考慮して、長期的観点からの資金運用の安全かつ高率化を配慮し、金利低下傾向に十分対応できるよう措置すること。   右決議する。  以上であります。

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) それでは、ただいまの前川君提出の附帯決議の採決を行ないます。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 総員挙手と認めます。よって本附決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、赤域農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。赤域農林大臣。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、誠意を持って努力をいたします。

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 次に、当面の農林水産行政に関する件を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 お疲れのところ恐縮でございますが、少しの時間をちょうだいいたしまして、当面緊急の問題について二、三お尋ねいたします。  イシコフソ連の漁業大臣が来訪されまして、赤城農林大臣はイシコフと北洋の安全操業あるいはいろいろ漁業の問題について交渉されておりますことが新聞に報道されまして、御苦労を心から多とするものであります。  そこで、新聞報道についてお尋ねするわけでございますが、昨日赤城・イシコフ会談がございまして、北洋の安全操業については、ついに合意を得られなかった、話し合いはさらに九日あるいは十日に延期しても何とか話をつけたいというような努力を積み重ねられておる模様でございます。そこで、私、本日お聞きいたしたいことは、もちろん外交折衝のことでございますから、あるいはお答えできないかとも思いますが、できればひとつお答えをいただきたいと思うわけであります。  と申しますのは、この合意ができなかったということは、那辺にその原因があるかということであります。日本側の主張は、具体的にどういうことを主張されたのか。この問題につきましては、かつて赤城試案があり、それからまた福田さんが外務大臣になられてから、愛知さんの外務大臣の時代と、いろいろ日本の考え方も変わってまいっておるわけでございますが、赤城農林大臣が提案されておる内容というのは、かつて赤城試案として出されたものとは私は違っておると思うのでありますが、しかし今回赤城さんが主張されておる内容をつまびらかにはしておらないわけであります。ソ連側の主張というものも、私はちっとも承知をしておらないのであります。そこで、双方の主張がどういうところで食い違っておるのか、こういうところをお聞きをいたしたいわけであります。ソ連側の態度というものは、基本的には従来と何ら変わっておらないのかどうか。そのことはやはり安全操業を許す範囲としては歯舞、色丹周辺の海域をさしておる、国後、択捉まではなかなか困難であったと、この辺が政府当局はもちろんのこと、日本の全国民の非常に注目しておるところでございますので、できましたならばこの機会に、それらのことについてお答えいただければと、こう思って質問したわけでございますが、どうぞひとつよろしくお願いいたします。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) ただいま御質問がありました安全操業問題は、長い間の懸案では、まだ解決ができない問題でございます。どういういきさつかといいますと、いまのお話のように四、五年前でしたか、コスイギンソ連の首相と私が会いまして、安全操業問題というものを、もう十年ぐらい問題になっているが、これを取り上げてもらいたい、そうして検討するということを一言言いました。それで検討することになって、ソ連のグロムイコ外務大臣が日本へ来たときに安全操業問題を話し合おうと、こういうことになって、その前に、いま御指摘の赤城試案というものが出て、その最初の赤城試案というものは歯舞、色丹周辺で安全操業する。それで、これは日ソ共同宣言でも日本に平和条約ができたときは返すということがきまっておるので、少なくともそこだけでも安全操業というようなことを、向こうでもその近くについての安全操業問題を討議しよう、こういうことで、グロムイコソ連の外務大臣が日本に来たときに、私が話の相手方になって話し始めたわけであります。で、そのときには歯舞、色丹の周辺全部でなくて、その中のある一部分で、しかも、こういう話は相互的なんだから、おれのほうで安全操業を日本に認めようというためには、日本からもおれのほうにも何か出してくれないか。それは日本の漁港にソ連船が寄港するのを許してくれ、こういうことでございましたが、これはソ連の漁船が日本へ寄港をするというようなことになって、そこを基地として漁業をやられたんでは、日本の漁業が壊滅するような相当痛手をこうむりますから、そういう条件はだめだといって断わったわけであります。そのままなかなかその安全操業問題が進まなかったわけであります。  そこで、いまお話のあったように、北方の領土というものは歯舞、色丹国後、択促が日本の固有の領土だから、その返還を迫るというような日本の情勢が非常に強くなってきた。そこで、愛知外務大臣の時代に、愛知外務大臣が歯舞、色丹の周辺だけの安全操業では不満足だ、歯舞、色丹国後、択促四島の周辺十二海里か三海里まで、この領海の違いがございますが、そこまで全部日本が入れるようにという提案をしたわけでございます。  そこで、去年の十月に私どもがソ連へ行きましたおりに、いろいろ私も考えて、領土問題にかかわりつけると、なかなかむこうもうんと言わぬような情勢ですから、私は歯舞、色丹、国後択促という島を特に明示はしないが、この四つの島の周辺で最も漁場として価値がある、魚がとれるところ、したがって、日本の漁船の拿捕される率の多い場所、こういうところをひとつ安全操業地帯として場所的に話し合いをしようじゃないか、こういうことを去年の十月に行ったときにイシコフ大臣と話し合ったわけであります。で、結果的には、歯舞、色丹、国後、択促の周辺でございます、当然漁場として価値のあるところは拿捕の多いところというところですから、しかし、その表現の方法をそういうふうなことで、領土問題を少し脇へ置いて安全操業という問題を話をしようということを話しました。そして日本の新関大使にもそういう話でひとつ進めたらば話は進むような感じもするから、ぜび、日本の代表みたいになっていますから、この問題を新関大使に話しましたところ、まあ何もかにも打ち明けて話しますが、前からの日本政府外務省からの指令は、愛知外務大臣のときに歯舞、色丹、国後、択促のまわり三海里まで全部安全操業地域としろと交渉をしろという訓令があった。だから、私の言ったようにその訓令の内容がそれとは違って漁場としての価値のあるところ、拿捕が非常に多いところ、こういうところを安全操業の場所として交渉しろということになると、その訓令をもう一つ受けないと私のほうでは交渉しにくいと、こういう新関大使の意見なんでございます。でございますので、私は帰ってから外務省と相談して、新関大使に私の言ったような訓令に書きかえて、そうして出してくれと。そうすれば交渉に入れる、こういうことでそういう訓令を書き直してもらって、そうして去年の十二月ことしの一月とモスクワにおいて交渉に入っていったわけであります。  ところが、その後二回でぴたっとやめていたものですから、今度イシコフ大臣が来ましたときに、この安全操業の問題はこの際前向きに進めてきめてもらうようなことにならぬかと。それで私の考えというのは、前に言ったように漁場の価値のあるところ、拿捕率が多いところ、これを日ソ友好関係から、あるいは人道上の問題から解決していこうじゃないか、こういう話をまあきのうも進めたわけであります。ところが、話はわかると、こういうわけであります。話はわかるが、しかし、その代表団としてイシコフ漁業大臣ばかりじゃなくて、ほかの外務関係の人も、あるいは防衛関係の人も一つの代表団としてソ連ではいろいろな人が集まって交渉に当たっているわけです。そのまとめ役がイシコフ大臣だと。ところが私の言った口頭の去年の提案、それから新関大使が訓令を受けたといって話していることは、口頭ではある程度聞いた。しかし、新関大使からは図面だけでこの辺、こういうふうなところと言うだけで、正式の提案というか、追加提案といいますか、修正提案といいますか、そういう提案にまあ形式的になっていないと言うんです。で、そういう提案というものが形式的にはっきりしたもので日本から出されておりませんと、自分の代表団の間でこれをこういう提案、前のと違うような提案がきているんだが、これをどうするかということの議題といいますか、材料がないんだ。口頭では聞いているが、しかし、向こうのほうではそういう話を聞いたときに、前の赤城私案といいますか、歯舞、色丹周辺だけ、それなら特に話を進めようということを返事してあるだけだ、日本に対して。その後の日本のいろいろな提案については、話の中でこういうものはどうだ、ああいうものはどうだという話は聞いておるが、正式に提案としては出ていない。だから、最初の赤城提案というようなことならば、それはもうそれで私のほうは進めていいと思うんですけれども、その後口頭で言われたものが書類の面で正式に出ていないからそれについて返すといいますか、その方向で協議するか協議しないかというようなことを内部的にまだ相談してないと、こういうことなんですが、それじゃもうそういう形式的な問題じゃいたしかたない。じゃあらためて私のほうでは書類をもってあなたのほうへ出すから、それを議題といいますか、交渉の題目とするかしないか、またする場合にそれに賛成するかしないかというようなことを十分研究してもらいたい、こういうようなことで一応きのうは実質の問題に入らないで、感じはいろいろ実質の問題にも入っていますが、形式上は実質問題に入らないで、私のほうからあらためてなお私の最後に言ったようなことを書類によってもう少し書いて出すから、それを中心として検討してもらうようなことをしたい、こういうことでこの問題は、きのう一応の話をしたわけでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 よくわかりました。ありがとうございます。  そこで、いまさら言うまでもなくこの問題は、領土問題を離れても、人道上の問題としてぜひ一日も早く解決してくれという国民の熱望があるわけですから、歴代の外務大臣あるいは農林大臣の努力されてきておったことは認めますけれども、しかしながら、特に赤城農林大臣はイシコフさんとは個人的にも親交の厚い方でございますけれども、赤城農林大臣の時代にこれをきめなければ、また先にだいぶ延びるのではないかということを心配しておるわけてあります。ぜひ——イシコフさんは、きょうは新聞によれば鹿児島のほうに行っておられるとか、十一日には北海道、十二日には小樽からまた帰って行くといったようなことも出ておるわけでございまして、在日中にぜひ基本線だけでも合意していただくように、さらに赤城農林大臣に努力をしていただくことを国民にかわって心から要望申し上げておきますので、よろしくお願いいたします。  これに関連してもつ一点お尋ねしたいのですが、それはつぶ漁業の問題でございます。これは新聞報道によりますと、両者合意に達したということで、御苦労に対し敬意を表するわけでございますが、しかし、新聞報道によれば、合意には達したものの、つぶ資源が大陸だな資源であるか公海資源であるかという両方の主張は、そのままたな上げになった、いわゆる論争を解決しないで、今年度の取りきめとして五千トンの漁獲量をきめたといったような報道でございます。これはことしとしては私、けっこうでございますが、これをさらに考えていきますと、勘ぐる意味ではございませんけれども、この大陸だな資源論争というものをたな上げしたということは、この議論をやっておっては、なかなか解決しないというこれは一面はございますけれども、逆にこの問題はもうしょうがないんだといったようなことで、日本政府のほうではこれを黙認したのか黙認したような形でこれをたな上げしてしまって、そうしてとにかくとらしてくれということで五千トンきめたのではないかというような疑念も一つあるわけでございますが、そういうことはなかろうと存じますが、いずれにしてもこの問題は今年度だけの取りきめでございますから、明年度以降また問題が残っておるわけであります。そこで、この五千トンの漁獲をきめた、合意したという、それを歓迎しながら来年度以後のことも心配がございますので、一体この大陸だな資源、公海資源のこの論争というものは、一体どういうことになったのか。まさか日本政府は、それを黙認したんではないでしょうというのが私の聞きたいところなんですが、この点いかがでございますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) これは、つぶ漁業について議題になったときにいろいろ話し合いました。その過程におきまして、つぶ漁業が大陸だな資源であるか公海資源であるかということにつきましては、お互いにその専門家というか漁業の専門家に研究させよう、日本でもそれは研究しますよ、あなたのほうでも研究しなさいということで、研究することということにしてあるのであります。しかし、最後に、とにかく六月十日にもう操業を始めなくちゃならないからイニシアルだけしてしまおうと、こういうことでイニシアルをすることにしたんです。そこまできまって、それでいまの操業場所とか漁獲量とか、こういうものをきめた。最後に一口言ったのです。向こうですよ——イシコフ漁業相は一つだけまだ残っているんだと、それだけ念を押しておくと、どういうことだと、大陸だな資源だということを放棄したということではないんだということだけはつけ加えておきますから、それだけは記録にとどめておいてもらいたい、こういうことです。しかし、その前にずっと話しているときに、お互いに漁業専門家や技術者に研究させようじゃないか、私どものほうにも海洋研究所もあるし、ソ連のほうにもあるし、お互いに研究して、あるいは都合によっては共同して研究する、それで学門的に研究を進めようという話をずっとして、それでもうイニシアルの話をしたときにちょっと、それだけは向こうでも気にかかるとみえまして、放棄したわけじゃございませんからということだけは、ちょっと言っておきます、こう言ってました。まあ打ち明けたざっくばらんの話でございます。そういう経過でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 それもわかりました。  そこで、漁政部長お見えになっているので、これはいまでなくてもいいのかもしれませんけれども、緊急の問題ですからちょっと時間をおかりしてお尋ねいたしたい。  結論だけ申し上げます。オホーツク海のサンマ漁業について、これの経緯など詳細申し上げなくても十分御案内のことでございますが、一体水産庁はオホーツク海のサンマ漁業を許可する方針なのか。それとも従来の方針どおりオホーツク海はこれは許可しない、こういう方針なのか。もう間近でございますから、ひとつこの際、基本的な方針だけ端的にお答えいただきたい。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) ただいまお話のございましたオホーツク海への内地のサンマ漁船を入漁させろという問題についてでございますが、これにつきましては、私どもといたしましては内地側、あるいはまた地元北海道側の御意見を十分に聞いたり、あるいはまた私どものほうも北海道沿岸の漁民の漁業事情等をあらためて調査をいたしましたりしておるわけでございますが、そのほか資源の動向等についても検討をいたしておりまして、ひとつ円満に調整をはかっていきたいということで考えておるわけでございます。まあ、そういうような解決をはかるにいたしましても、オホーツク海沿岸漁業者の立場を十分に尊重いたしましてその操業に支障を与えないように、漁業経営に脅威を与えないように配慮をして、調整をしていきたいということで、現在せっかく検討をし、いろいろと話し合いをしているところでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 ちっとも具体的なお話じゃなくてぴんとしないわけです。漁業調整上いろいろ検討している、両者とも事情をよく聞いて対処したいというお話でございますが、この問題新聞で承知しているわけですが、相当政治問題化しまして自民党の政調水産部会では、内地のほうの議員さんと北海道のほうの議員さんとだいぶ論争をやっているけれども、結論が出ないというようなことを承知しておるわけでありますが、そういうようなことで水産庁当局として困惑しておるのじゃないか。まあ、その点において同情申し上げるわけですが、私は決して北海道モンロー主義の上に立って質問しているわけではないのです。私どもは党のやはり水産の基本政策の上に立って、ものを考えることにしているわけでございまして、私どもはやはり何といっても沿岸漁民の生活を守る、生産を守る、こういう立場に立って、すべてのものごとを一義的に考えておるわけであります。  そこで、オホーツク海はもともとこれは水産庁としては大臣許可の船しか入漁させないという方針を堅持してやってきておるわけです。と申しますのは、すでに御承知のように、北海道のオホーツク海沿岸というのは、これは特殊地帯でございまして、一年のうち四カ月ぐらいは氷が張ってしまいまして、船は全部陸に上がってしまう、その期間は漁業が絶対にできないというような地域でございます。それに北海道の漁業におきまして一番王座を占めておるサケ・マス漁業というのは、定置は別としまして母船漁業のほうは、網漁業のほうは、かつて河野農林大臣の時代、西カムチャツカを放棄したということで、このオホーツク海においては流し網漁業はできない、こういうような状態のところでございます。したがって、沿岸漁業というものは、非常に零細である。小規模である。また、水産庁のほうには統計があろうと思いますが、オホーツク海において、サンマ漁業は約七百隻の船が出漁中である。その七百隻のうち約五百隻というのは十トン未満の船なんですね。こういうような地帯なんです。そこで、どうしたものか昨年オホーツク沿岸には、非常にサンマの漁があった。約三万七千トンほどとれたんですね。そして太平洋のほうが非常に不況だった。そこで、太平洋のほうでずっとやっておった内地の大型の船が、結局太平洋でとれないものだから禁漁になっておる、とれないオホーツク海に入っていって漁獲して、いわゆる漁業調整規則違反をやったわけですね。そして全部検挙された、こういう事件が起きたんです。そこで、ことしは内地の漁業のほうは合法的にとらせろ、あそこに入っていったら違法になる、合法的にとらせろという運動となって盛り上がってきて、そこへ内地のほうの自民党の代議士さんが先頭に立って、水産庁にいろいろ運動をしておる。あなた方も非常に困っているのじゃないかと思うわけでございますが、こういう事態なんです。  そこで、私どもは何も北海道生まれだからモンロー主義に立ってそういうことを言っているのでなくて、少なくともオホーツク海というのは特殊地帯であって、沿岸漁民は非常に貧乏なんです。そこへ大型船が入ってくる。しかも内地船というのはサケ・マスを北洋でやっていますね、このサケ・マスが終われば、これは裏作として太平洋のサンマをやるわけです。しかも船が大臣許可になると百トン以上になりますね。ほかの船が十トン未満の船で操業している海に、百トン以上の船が入ってきてやるんですよ。そしてイカとかサンマの漁業というのはあかりをつける、集魚灯を。そこへ魚が集まってくる。あかりが大きいほど魚が集まってくる。十トン未満の小型のサンマ船のあかりと、百トン以上のサンマ船のあかりでは全然違うわけです。こういうところでやられてしまったら、魚をみなそっちにとられてしまうことは間違いないわけですね。こういうようなことになれば、漁業生産の面においても、それからそれをもし陸に揚げたりすれば、今度は魚の価格の面においてもずいぶん沿岸漁民がしわ寄せを受けるわけです。こういう点で、そういう政治的に圧力がかかったからどうといった唯々諾々としてやられてはたいへんなことになるわけです、沿岸漁民としては。私どもは沿岸漁民を守るという基本的な政策の上にたって要望申し上げておきます。ここではっきり言われない気持ちもわかります。検討されて具体的に何か持っていらっしゃると思うのですが、あえてここでそれを言えと、聞きただそうとはいたしませんが、私がいま申し上げていることを十分配慮されまして、少なくとも北海道の水産部長なり、あるいはオホーツク海の沿岸漁民の代表の方々とか漁業協同組合だとか、こういう方々の納得のいく姿において漁業調整をしていただきたいということを申し上げておきたいわけです。  それから、もう一点、イカ釣り漁業についてお聞きしますが、これも新聞で承知したんですが、何かイカの大臣承認の船ですが、これは全国一本の大海区制をやる、何か日本海と太平洋に分けて、日本海なら日本海一本でもって全国の海区制でやられるというようなことをちょっと見たんですが、これは事実なのか、どういうような方針を持ってイカ漁業の承認をなされようとしているのか、この点をこの際ひとつお聞きしておきたいと思います。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) 先生御承知のように、イカ釣り漁業につきましては、百トン以上の船につきましては、すでに大臣承認漁業といたしましてある程度の規制を行なっております。また、その操業区域についても一定の海域に限っておるわけでございますが、最近イカ漁業につきましては、漁船が増加をいたします。また、従来の小型の船から大型化、または省力化というぐあいに漁獲努力が年々増加をいたしておるわけでございます。これは一つには、ほかの漁業がいろいろな面で規制を受けて、最後に残っている自由漁業であるイカ漁業にかなりそういう漁業の発展方向が集中をされておるというふうな実情にあるわけでございます。そういうようなことでございまして、どうも一漁労体当たりの漁獲量も年々減少するというような傾向を示しておりますし、資源的にもこのまま自由漁業を認めた場合には、必ずしも楽観ができるものでもないということでございますので、私どもといたしましては、やはりある程度の規制を加える時期にきたんではないかというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、最近一応私どもといたしましては、関係府県の担当の係の方をお呼びいたしまして、いろいろと意見の調整を行なったわけでございますが、いままで自由漁業でございまして、各県ともそれぞれこの漁業に対する見方がかなり幅が違っておりまして、私どもとしては、そういう意見の調整、集約をしておるわけでございます。ただ、私どもとして大まかに申し上げておりますことは、大体三十トンから百トンの間の漁船を新しく大臣漁業に追加をしたらどうだろうか、あるいはまたこの海域でございますが、大体やはり日本海側と太平洋側と二つに分けてそれぞれで承認をする海域と申しますか、そういうのを二海域くらいに分けてやったほうが適当ではないだろうかというふうなことを考えておるわけでございます。もちろん三十トン以下の沿岸のイカ釣り漁船との関係におきましては、やはり一定の制限区域と申しますか、禁止区域を設けまして沿岸の漁民の保護につとめるというふうなことはやっていくつもりでございますが、そういう規制ラインをどの程度にやったらいいんだろうかというようなことで、関係府県の係官とここ二回ほど会議を開きまして、まだ最終的に意見の食い違いがございますが、せっかくいまそういう方面の意見調整を行なっております。そしてまた、関係のイカ団体のほうの方々とも意見の調整を行ないまして、できればそういう資源状況から見まして、最近イカの漁獲努力が急速に高まっておりますので、そういうような意見調整が終わり次第、そういう制度を取り入れていきたいというように考えておるところでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 これも私の意見だけ申し上げまして、その取りきめにあたりましては、十分参考にしていただきたいと思って申し上げるわけですが、これもサンマと同じように、イカ資源も沿岸漁民の一番依存しておる私は資源だろうと思うわけであります。したがって、わが北海道に例をとって恐縮でございますけれども、かつてはイカといえば渡島半島からシシャモナイのほうにかけて、日本海のほうに多かったのですね。あの辺の漁民の方々がとっておった。これがだんだん分布状況の変化によって、いまや太平洋のほう、根室のほうにもずっといっておるというようなことで、そこで、現在ではこれは石川県あるいは富山県あの辺から多数の船団が北海道のほうに入漁してまいりまして、これはとっているわけです。ところが、最近ほかの種類が資源が少なくなってきたことと、イカの価格が非常に高くなってきた。そこでイカ漁業によって十分採算がとれるということでだんだん大型化する、生産性を高くするために大型化するほうがいいからそこで大臣承認のイカ釣り漁船は百トンですね、こういうようなものがやってきておる。そこで北海道の船あたりが大和堆あたりへ行って漁業やっている、こういうようなことがあるわけです。あるいは九州の船がずっと日本海を北上して、そうしていままで北海道でほんとうに小さな、十トン未満の船だけが操業しておりましたシシャモナイであるとか留萌であるとか、ああいう沿岸にまで来るようなことになれば、これはまたそういう大型船と沿岸の小さな船との競合が行なわれるわけです。この点を私は十分考えていただきたいということですよ。そこで、その日本海と太平洋に分けて二つの海区制をとる、そうするとこれは自由になります。いまのお話で聞くと、三十トン以上の船は、北海道の船は九州まで行く、大和堆まで行く、九州の船は北海道まで来る。そうしてこの大きな船がその辺を荒らし回ったら、沿岸にいる十トン未満の小さな漁業者は一体どうやって生活をするのだ、こういうようなふうに論理は発展していくわけですよ。そういうことで、私どもは心配しているわけであって、ですからその点は、十分考えてやっていただきたいのです。  そこで、話が横道にそれていささか恐縮ですが、中小漁業振興措置法ですね、この間いろいろ議論しましたが、私はあれに反対ではない。しかし、中小漁業という範囲をある程度広げていく、そして沿岸漁業振興法できめられておる中小漁業の範囲をさらにとてつもなく拡大していく、こういう考え方で、そうして中小漁業といえば沿岸から言えば小漁業なんです。国全体からいえば中小漁業です。沿岸の小さな船から見れば小漁業になる。それには国は税制上あるいは財政上、金融上の手厚い優遇措置をとる。しからば沿岸の十トン未満の船に対しては、どういう保護政策をとっているのだというようなことと比較してみれば、問題がある。こういう意味において私はあれに対していろいろ意見を申し上げておるわけでございまして、したがって、サンマの問題もしかり、イカの問題もしかり大きな船の漁業発展によって、小さな船は、沿岸漁民はしわ寄せを受けて困るようなことにならないように、水産庁としては十分そういう立場で漁業調整をやっていただきたいということを申し上げたい。具体的な答弁がありませんので、もう少し進んでいったら具体的な政策について私はいろいろ批判をして御意見を申し上げたいと、かように考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 たいへん時間がございませんので要点だけ申し上げてお願いをしたいと思いますが、御承知のように五月三日に凍霜害で全国各県に相当な被害が出ている。これに対する天災融資法が六月一日に群馬県、長野県、静岡県——静岡は茶、そして群馬、長野については園芸作物の全体にわたって融資法が適用されております。この適用外の各県の被害というものも、数字の上からどの線を引いて適用である、適用外であるかというようなことから論議をかわしていきますと相当長い時間になりますので、結論だけ申し上げてみますと、適用外の決定についてどんなふうな考え方をしておられるか。また、特に私は今回の凍霜害で被害を受けました日本の蚕糸業で、最も大きな事業を行なっている群馬県に私は、ちょっときのうも行ってまいりました。実態を調査してまいりました。群馬県の一例をあげてみれば、日本全県のことがおよそ想像ができるというふうにも思えるわけです。そこで、大臣にお伺いしたいのは、今回の天災融資法で六億五千万が出されているということを聞いておりますが、実際は群馬県一つの例をとってみましても、群馬県自体が二十八億というが、それ以上の被害額になっているということなんです。各県−長野県とか静岡県一々申し上げればより具体的になるわけですが、政府はこれでよしとされておるのかどうなのか。また、もう一つは、自作農維持資金というものをこの災害に対して増額をしていく考えはないのか。蚕繭共済にかかわる再保険の早期概算払いというものをどんなふうに考えているか。今回の全体の凍霜害に対する大臣の救済方法というもののお考えを述べていただきたいと思うのです。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○政府委員(大河原太一郎君) 今回の被害につきまして、措置いたしました内容をまず御報告申し上げたいと思います。  先生の御質問のございました……

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 ちょっと失礼いたします。  時間が三時五分ぐらいまでしかございませんので、被害の内容につきましては、資料をもって報告をしていただければけっこうでございます。その資料も、委員長にお願いしますが、全委員の方々に渡して、全国各県の被害状態というものを示していただきたいというふうに思うのです。

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 宮崎委員のいま要求された資料、全委員に配ってください。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○政府委員(大河原太一郎君) 資料については、早急に用意いたしまして配付いたします。  対策につきましては、天災融資法が六月一日、お話のとおり六億五千万円の融資ワクでございまして、特別被害地域として、特にひどい県でございます群馬、長野、静岡に対してお話のような特別な指定がございましたが、その他の災害県につきましては、一般資金が今回の被害については出るわけでございます。それから、自創資金につきましては、早急に特別ワクを設定することにいたしまして、災害ワクといたしまして六億円を設定いたしました。また、お話の農業共済の仮渡し等につきましては、五月の末に経済局長通達を出しまして、ただいまのお話の群馬、長野等につきましては、今月中旬以降共済金の仮渡しが現地被害農家の御要望に即するように支払われるというような措置をとっておるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 このことを知っていただきたいんです。県では直ちに救済制度をとりまして、そして三千九百八十四万五千円県が助成をしているわけです。この金を被害額に充ててみますと、これは群馬県でございますが、とうていどうにもならないわけです。そうして、県の補助対策が講じられているというものの、末端農家に対しては速効肥料の配付が全然なされていない。さらに自分が費用を出して肥料を購入してその対策を講じなければならないというけれども、御存じのように、零細企業でありますし、零細養蚕農家の人たちは、それだけの費用というものもないわけです。県でこれだけの助成をしたといっても、そのほんとうの末端までにはとうてい及んでいないわけです。しかも、ああいう凍霜害がありましたあとは、必ず害虫が発生するわけです。いやひどいものです。きのうも行って見ましたけれども一ぱいいるわけです。米でいえばコクゾウ虫、桑でいえばヒメゾウ虫、こういうのが一ぱいいる。これに対する駆除も要る。それから、今度は被害を受けたから頭から伐採をしている。それから農家としては全部伐採するよりも鱗芽を求めて何とか助かるものは助けておきたいというふうな考え方で切らなければだめだという。もともとその木自体が凍っちゃってだめになっている。だめになっているのですがそれを何とか、まだその鱗芽の養成ができるのじゃないかというみたいな考え方をしているわけです。そういう農家の実情から考え合わせてみて、農家としてみれば、昨年あれでしたね、輸入規制の立法措置が昨年十二月にできてまいりました。逆に今度は、そういう立法措置ができましたけれども、毎月毎月生糸輸入というものが非常に多くなってきている。月大体七、八千俵だったものが一万台になってきた。四月には前年に比べて二倍強の一万五千二百十四俵も輸入されてきた。四十六年の六月から七月までの輸入合計量は十一万二千三十七俵になってきた。前年同期よりも五七%ふえてきたというこの生糸の輸入量に合わせて今度の被害というものは、養蚕家にとってみればこれは非常な、大量な輸入でダブルパンチを受けたような形になって追い込まれているともいえるわけです。こういう事柄も考え合わせてみて、政府はもっと救済方法というものを真剣に取り上げて考えていかなければならぬ。先ほどの仮り渡しが今月の中旬以降に蚕繭共済というものでやっていこうとしますけれども、これまた査定のことでは問題が一ぱいあるわけです。ですから、そういう点につきまして大臣の今度の災害に対する基本的な政府の救済法という考え方を、私は大臣から承っておきたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 災害につきましては、農林省としても対策を前からやっていますので、今度の災害に対しましても、災害に対して打つべき手、そういうものはあらゆるものを法規上、あるいは政策上やるべきものを全部活用するといいますか使って、そして万全を期すると、こういうのが私の方針でございます。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○政府委員(荒勝巖君) ただいま輸入数量のことに関連いたしましての御質問がございましたが、昨年非常に糸の値段が低迷いたしまして、一番安いときには、昨年の十月前後には六千八百円というふうな非常な、キログラム当たりでございますが、低迷しておったのでありますが、議員立法の結果、七千円台の回復に十二月前後からなってまいりまして、逐次その後価格は上昇に転じまして、この五月前後には七千六百円あるいは七百円というふうな非常な騰貴を見せまして、価格のほうは非常に輸入数量がふえておりますにもかかわらず、価格のほうは非常に昨年に比べますと、キログラム当たり安い、高いものとの比較では千円も違うような価格の推移を見せておりまして、養蚕農家としては、ことしの養蚕の経営といたしましては、さほど悪いものではないというふうに私たち見ておる次第でございます。ただし凍霜害を受けました非常に激甚な地帯につきましては、せっかくの価格がよくなったにもかかわらず、販売すべき繭が少ないことにつきましては、まことに御同情にたえない、こういうふうに考えておる次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 御存じのように、百年来の歴史を持っているわけですが、そこで先ほどちょっと触れましたけれども、共済制度の問題点なんかは、たとえば三十五アール農家で桑園の依存率が大体七〇%の農家が、今回の被害で六〇%の被害を受けているということなんです。一箱の掃立で普通三十キロの繭が生産されて約三万五千円の売り上げが大体可能だというふうにされているわけですが、前回の凍霜害のときには、共済基金がわずか一万二千円しかおりてない。ですから売り上げ代金のうちの五〇%は、必要経費は当然必要経費として生活費に充てていかなければならぬ。あとの五〇%は、生活費に充てていかなければならぬということになるわけですが、こんなような状態という一つの例をとってみても、生活ができないという形がいまの実情でございます。したがいまして、共済の対象にならない桑のあり方といいますか、桑に対する考え方というものを伺っておきたいんですがね。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○政府委員(荒勝巖君) 昨年までは、ただいま御指摘になりましたように、こういう養蚕の場合に凍霜害を受けましても、春蚕が終わりましてから年間の収獲量を対比して被害量を算定いたしまして共済金を支払う。したがいまして、春蚕が非常な凍霜害を受けた、しかし、あとで夏蚕が非常によかった。往々にしてそういう天候に恵まれますと、春蚕が悪くてもその分だけ夏蚕で取り戻すというような場合もあり得るわけでありますが、そういうことで農家の方々の間に非常にまあ御不満があったというふうに農林省としては理解いたしまして、今回から各蚕期別に災害を認めまして査定をいたしまして、蚕期別に保険料を支払うということで相当改善したつもりでございますが、そういうことで従来よりは保険金の支払いは、共済金の支払いは相当実情に即して支払われるのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 こういうときなんか、振り戻し制度なんかをやはり考えてあげるべきだと思います。いずれにしましても、先ほど資料お願いいたしたんですが、いつの時点の資料か。最近の資料で被害額というものを調べていただきたいんですが、いままで私の承知しているところですと、六月の八日ごろがせいぜいじゃないかと思うのですが、五月の二十四、二十五日にも晩霜があった。これで、おそ霜で相当やられているわけです。これらも勘案しなきゃいけないんじゃないかということを一言申し添えておきたいと思います。同時に、群馬県では全然考えていなかった麦まで、おそ霜で叩かれたわけです。その被害額等を合わせますと、相当な額になるわけです。したがいまして、資料を要求いたしましたけれども、その調査する段階、日付をいつの段階で調査をなさっておるのか、最近の実情で調査資料というものを御提出願えれば幸いだと思うのです。そういたしますと、金額も相当変わってくると思う。現場で見ましても、災害を受けたときは真黒けになっておりますが、いま若芽が少しづつ出ております。先ほどの夏収問題等もありましたけれども、いずれにしましても三割と見ていいのじゃないかというようなことが精一ぱいの現下の状態でありまして、申し上げるまでもなく日本のまことに優雅な美しい天然の繊維であるシルク、この需要が国内外とも非常に増大の一途をたどっておる。こうした中において蚕糸業法というこの法律がございますが、蚕糸業法は昭和二十年十二月二十二日の法律でございます。もう二十七年経っておる。その間四十一年の六月に一回審議会のことが改正されているだけであります。まだ御存じのかな法律でございます。ひらがなじゃございません。これに伴いまして施行令もそうでありますし、規制もそうであります。これが基本になるのであります。この当時おつくりになった考え方というものは、ほとんどが輸出専門でございまして、ですから輸出を基本にした法律ができておる。したがって、今日の時点でどうこれを考えていかなければならないのかということを最後に私は大臣から伺っておきまして、やはり時流に合った、また農家の今日の生活の実態に合った、そういう法律の設定というものを考えていかなければならない。私は、きょう時間があればこの条文のおもだったところをピックアップしまして、ひとつこれお話し合いをしてと思っておりましたけれども、これで質問をやめますけれども、こういう基本的な考え方、あとでできました蚕糸の価格安定法というものはひらがなでございます。ひらがなだから、かたかなだからどうのこうのじゃございませんけれども、やはり輸出しか考えていなかった時代と、輸入を今度は含めたやはり時流というものの法律のあり方、こういうものを考え合わせていかなければ生きた行政というものはできないのじゃないかということをお伺いしたいわけです。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 御趣旨のとおりだと思います。客観情勢、経済情勢の変化に応じて法律というものが適用されるようでなければなりませんから、いまの蚕糸業法等につきましても、私のほうでも実は研究会を設けて研究さしております。その趣旨は、御指摘のようなことに対応していかなくてはなりませんから、そういう趣旨で研究は進めておりますし、事務当局にもそういう研究をなお進めるように伝えておきます。

高橋雄之助自由民主党

○委員長(高橋雄之助君) 本件に対する質疑は、この程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗