地方行政委員会、建設委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 160 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/06/05
会議録
○委員長(玉置猛夫君) これより地方行政委員会、建設委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。 公有地の拡大の推進に関する法律案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田中一君 最初に伺いたいのは、この手法はどこの国の手法をまねてつくられたものかどうか。あるいは西ドイツか、フランスか、イギリスか、あるいは日本的な土地の収奪の手法として考えておるのか。それを先に伺いたいと思うんです。——ちょっと待って、小林君。君、やたらに手をあげちゃ困るんです、ぼくが指名しますから。建設大臣。
○国務大臣(西村英一君) 私は、大体そういう諸外国のこういう制度をあまりよく知りませんが、諸外国の例にならって——ならったところもあるかもしれませんが、そうじゃなしに、われわれ独自の立場で考えたのでございます。と申しますのは、いま土地問題といえば、第一番に、土地をとにかく公共で持ってもらいたい。国とか地方公共団体とか、とにかく公共で持ってもらいたいということが一つのこれは世論、またわれわれの希望でもございます。それともう一つの問題は地価の問題、この二つの問題がしぼられたたいへん大きい土地問題であります。この点について、政府としてはいままでいろいろな施策をとってやったんですが、これはひとつやはり土地を公共団体になるべく持たしたい、こういうことでございます。したがって、どこの法律をまねたのではないと、そう考えております。
○田中一君 七十分しか時間がないので、私も短いことばで質問しますから、あなた方も短いことばで答弁していただきたいと思います。 四十五年の八月の閣議決定で、公有地の促進をはかろうという決定をしております。で、今日はもう四十七年でありますが、その間、四十五年以降公有地はどのくらい取得されたか。その総数それから都市と農村、調整区域あるいは都市化区域と分けて、大体どのくらいの率をとっておりますか。
○国務大臣(西村英一君) 数字ですから政府委員に説明させます。
○政府委員(小林忠雄君) 四十五年以来どれだけ取得をしたかというこまかい資料はただいま持っておりませんけれども、現在、建設省関係で、公共用地として都道府県に先買いをしていただいたもの、あるいは国が直接先買いをいたしましたもの、公団が先買いをしたもの、あるいは公社に先買いをさしたもので、ことしの四月、年度当初に手持ちしております用地が大体二万四千ヘクタールでございます。
○田中一君 いま小林君が答弁しているのは、用途の目的がはっきりしているものですか、それとも、その目的はないけれども、先にとにかく買っておこうじゃないかという考え方で出た結論か、それを伺いたいと思う。
○政府委員(小林忠雄君) 何らかの意味で将来公共施設用地の用に供するというために買ったものでございます。
○田中一君 今度の場合も、必ず一定期間内にその目的達成のために使うんだということはあり得るんでしょうね。それから、もう一つの問題は、その目的の変更はないでしょうね。あるいは申し出によって買い取ろうという意思表示をした場合には、その用途というものは明らかにするという点について答弁願いたい。
○政府委員(小林忠雄君) 法律案の第六条第一項に、「買取りの協議を行なう地方公共団体等」は「買取りの目的を示して、」「協議を行なう旨を」「通知する」と、こういうことになっておりますから、買います場合には、買い取りの目的は必ず示すわけでございます。買いました土地につきましては、第九条におきまして、届け出によって買いましたものについては、公共施設用地にそのまま使わなければならない。それから買い取りの申し出に基づいて買いましたものについては、公共施設用地の用に供するほか、その事業の施行のために立ちのかされる人の代替地の用に供さなければならないと、こういうことになっております。ただ、その中に、たとえば学校用地だと言って買いましたものが、後年度に至りまして各種の事情の変更によって公園の用地に転用するというような場合に土地所有者に売り戻すかというような規定はございませんので、公共施設用地になるという範囲内において、ある程度の融通はきくわけでございますが、それ以外の民間に払い下げるとか、あるいはそれ以外の用途に使うということは法律上許されておりません。
○田中一君 現在唯一の国民の財産権の収用という、土地収用法という手法をどうして用いなかったのか。それは君よりも大臣にしてほしいな。
○政府委員(小林忠雄君) 一応お答えいたします。 土地収用法は私人の財産権に対する最終的な憲法上許された強制手段でございますので、事業の熟度が非常に高くなって、その時期においてどうしても取得をしなければ公共の福利が保てないという場合に発動するというたてまえでございます。今回の公共施設用地は、これよりももう少し前の段階でございます。
○田中一君 もういいよ、君。土地収用法の適用というものが最後の段階でとるんだという考え方は一つの学説としてはあります。しかし、土地収用法によって取得が先行すると、そのためにスムーズにその事業が行なわれるということもあり得るんです。したがって、君たちは常に土地収用法の適用というものはこれは伝家の宝刀であると、最後に君は損するんだ、君が不幸になるんだと、こうおどしをかけてやっているのが現在の法の運営の実態なんです。したがって、いま小林審議官の言っていることばだと、最後のものだと言うけれども、最初のものなんです。国民の財産をちょうだいするのに、ひとつの目的を明らかにして、最初にそれを交渉すべきが一番国民に納得さすもとなんです。君のような考えを持っているから、常に公共事業に対するおくれをとる、公共事業に対するところの国民の協力が得られないんだ。この点については建設大臣並びに自治大臣から土地収用法の適用、土地収用法によって国民の財産をちょうだいするんだという場合に、小林審議官が言っているように、最後の最後のこれ手段だ、最後にこれとるんだ、その手法だと言っているけれども、私の場合そう思っていない。最初からこの事業の重要性、この事業の緊急性というものを理解さして、そしてできるだけの補償をする、損害も負担する、こういう形の、それで妥当なる価格でとるということが行なわれれば、そういう判例がたくさん、事例がたくさんできますと、国民全部安心するわけなんですよ。ああ、あそこに新幹線ができた、あのときはこういう金で政府に売り渡した。これはちょっと飛躍するかもわかんないけれども、税のほうにしてもしかり。税のほうにしても千二百万という控除が持たれるわけなんです。今回の場合には坪当たり大体六百円程度、三百万だけ控除いたしましょうと言っているんです。なぜ国民が利益になる千二百円万のほうの控除をとらないかと、おかしなもんです。したがって、土地収用法の適用というのは最初に行なうべき思想なんです。これはまあ今日の土地収用法は、これは二十六年にできたんでありますが、これは国民の持つところの財産、国民の持つところの利益のためにこの法律はつくられたということを理解しなければならぬのです。したがって最近の、しばしば言うんですけれども、佐藤内閣の力が足りないために、政治の力が足りないために、役人が全部法律を自分の都合のいいように運営しているという事実はこれは許されないんであります。したがって今回の場合も、届け出があった場合に、おやめなさい、これはこっちの目的がここにあるから一ぺん売り渡しはやめてくださいと、土地収用法でちょうだいしましょうと言えば千二百万の控除があるわけなんです。したがって、あなた方の考えというものは、国民に利益を与えないんだという前提でこの法律の運用をしようという考えに立っていることは間違いないわけなんです。これについて大蔵省のほうの税務係の方が見えているならちょっと答弁していただきたいんですが、少なくとも、その意思表示があった、こっちもほしいから買うんだという場合には、ことごとく土地収用法でおとんなさい、お買いなさい。そうすれば税の問題だけでも千二百万という控除になる、国民の利益であります。また一面、価格——これは公示価格というものを中心に考えておられるようでありますが、民間が、この土地をあなた方のほうで平米当たり幾ら、二万円なら二万円とする、いや、おれのほうでは二万五千円で買うよ、三百万の控除というものは一坪当たり六百円くらいにしかすぎないんです。その場合には売り渡そうとした契約まぎわの土地をその価格で買う、そうして収用法の適用を受けさす、そのために税のほうの免税点も伸びてまいりますから、そういう手法をなぜとらないか。常に国民の犠牲においてのみ公共事業を行なうというような態度というものは、終戦後ずうっと貫いていることなんです。これが政治に対する不信なんです。ここに国民の抵抗があるわけなんです。その点について両大臣から伺いたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) これは田中先生非常に漸進的なお話でございますが、私たちの考えは、結局土地収用法、これが最後のものだとかなんとかいうことじゃなしに、やっぱり私権は公共のために制限ができるということもそれは納得しますけれども、少なくとも収用権を発動する以上は、やはりこの目的をちゃんときめないとそれは所有者が納得するとは思いません、私はそういうふうに考えます。やはりこういうものはちゃんとやるんだと、したがって、そういう収用権を発動するということにはまた見返りがございまして、それは買ってくれと言えば無制限にやっぱり買わなければならぬという、財政的な制限もこっちは用意しなければいかぬと思います。ただ、自分がほしいときだけだというわけにいかぬと思うから、今回の制度は、とにもかくにも、そういう先買い権じゃなしに先買い制度ですね。とにかく公共団体にやはり知らしておけば、必要なものは公共団体が話をして、なるべく公共用地にしようというんですから、私はまあこの程度が現在の状況では一番適当じゃないかと、こう考えております。これは田中先生とだいぶ意見の違うところでありまして、もっと公共のためには勇ましくやったらどうだと、こういう意見でございまするが、私はこの程度がいいところであると。今度のあれは公共用地に使うといっても、その用途がばく然としておるわけです。とにかく将来使うであろうということでございまするから、いわゆる先買い権じゃなしに先買い制度と、こういうふうにして前進したいと、かように考えております。これが私の考え方でございます。
○国務大臣(渡海元三郎君) 自治行政の円滑なる運営というものは、何と申しましても住民の積極的な御協力を得ることが地方行財政を行なう上において根本になると思います。その意味からは、いま田中先生御指摘のように、積極的に住民の御協力を得られるような方向で、単に強権を発動することだけが公共団体の役目でないという方向で処置すべきものであると、このように考えております。したがいまして、いまおっしゃいました千二百万円の税制度にいたしましても、私は収用法にかけなければ千二百万円にならないというふうな税制度でなくして、目的をできるだけはっきりいたしまして、千二百万円の特別控除が協力願う住民の方に行なうことができるように、地方自治団体、それらもそのような気持ちで法の運営をやっていただくと、そういうふうに指導してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○田中一君 土地収用法は強権じゃないんだということです。土地収用法という法律の精神は国民の利益を守る法律なんです。わかりますか。公共事業あるいは政府、地方自治体、公共団体、すべて国民のものなんです。国民によって形成されているものなんです。あなた方のために形成されているものじゃないんです。したがって、土地収用という法律は国民の権利を守るものなんです。いいですか、強権ではないんです。土地収用法を読んでごらんなさい。強権ではないんです。国民の利益を守るためにこの法律があるのであります。それを予算という壁を持っている国家公務員、あるいはその壁を持っている事業主体、これにおっつける、そうしてなかなか値段が折り合わない。初めは全部土地収用法という宝刀を隠しながら、武器を隠しながら、これをあなた方の武器として利用している、悪用しているのです。土地収用法を悪用しているのです。これをいつか抜くぞ、抜くぞと言いながら、これで納得しろ、これで納得しろということを言っている。納得しろと言うときには、これはもう商行為なんです。国民の持っているものを売ってくれよというからには商行為なんです。ところが、うしろにはいつも、あるいはピストルならピストルを持って、いつでも出すぞ、出すぞと言っておどかしながらとっている。これが今日の官僚が行なっている行政の一番悪いところだと言うのですよ。ここにすべての公共事業の停滞がある、同時に、政治に対する不信感がある、これを言っているのです。建設大臣も、土地収用法という法律は、政府が、権力が持つところの大きな力であって、最後にこれは使うべきだと、納得しなきゃこれを使うのだという考え方で政治をやるから国民はあなた方を信用しないのです。この手先になっているのが官僚です。これらが法律の精神というものをほんとうにわきまえぬ。したがって、法の精神というものはすべて運用するのです。これは官僚が行政を行なうための手法じゃないのであります。したがって、この点については、いま申し上げたように、いよいよきたときにこれを一ぺん引っ込めろと、確かにこれは大切だから、おれのほうでそれを収用法でとるから。そうすると、おまえのほうは三百万のところを千二百万の控除になるから、そのほうがおまえ利益だぞと、こういう話をなぜしないか。そういう発想からこなければいけないと言っているのです。ことに、公示価格というものを中心にして、これが一方的に買い方が——買い万の観念ですよ。これは売買の中心の標準ではありますけれども、発動するときには、それは買い方の数字なんです。それと売り方とはおのずから違うのです。すべてそこが違うのです。あなた方がやっているのは自由経済の社会です。したがって、これに対していかに国民の利益を守り、いかに公共事業に対する国民の協力を得るかということは、現在の土地収用法の善用によって完成されるのだということをしっかり知らなきゃだめなんです。したがって、千二百万の控除、三百万の控除というこの相違というものは、国が損するから、国民の税金でございますよと、こういうことでもって籍口して、特定なる国民を圧迫すべきものではないということを申し上げているのです。時間があれば、二時間か三時間、この問題一つでもあなた方にお教えします。どういう政治がいいのかと、お教えします。したがって、税法、千二百万と三百万の違いというものは大きなものなんです。これは大蔵省のほうの人が来ているから、どういう形で三百万の妥協をしたか。もし、あなたがほんとうに国民の一人として、自分の住宅地がほしいという、あるいは家がほしいというならば、そういう手法をとれば、それだけ、しかも安くなります。同時にまた、そのために国民の負担する家賃も、おそらく公団等が公共建築つくるんでしょうから負担が軽くなるわけであります。国の利益のために、国がもうけるためになんという考え方はいけません。御答弁願います。
○説明員(高橋元君) お答えいたします。 税法上、権利が制限された状態で売却をいたしますと、そこに強制的な譲渡所得というものが発生してまいりまして、この譲渡所得に対する課税が起こる。これはもう税のバランス上当然のことかと思います。そこで、公有地、公用地というものを、国が、または地方公共団体が買い上げます場合に、そのような権利の制限が働いて譲渡所得が起こるという場合には、そこで売りにくいという事態が発生するというふうに思います。その状態を緩和いたしまして、公有地の取得を促進いたしますために税法上、ただいま先生からお話のございましたように、千二百万円控除、六百万円控除、三百万円控除というようなのが通常の長期譲渡の百万円にかわるものとして設けられておるわけでございまして、これは御承知のとおりでございます。ところで、千二百万円と申しますのは、収用事業またはこれと同様に、一方的に国に——まあ一方的にと言ってはたいへんおしかりを受けるかもしれませんが、国が強い権利に基づいて買い取ります場合にあります控除でございまして、それに次ぎますものとして六百万円、これは住宅公団の行ないますような土地区画整理事業の場合に、買い取られます譲渡所得からは六百万円の控除がある。それのさらに弱い権利の制限を受けております場合、たとえば先買い権に基づく買い取りの場合、この場合には三百万円の特別控除ということでございます。ただいま仰せがございましたように、その千二百万円の控除であれば、確かにこれを売り払います、譲渡いたします国民にとっては税制上の負担が軽くなるということは御指摘のとおりでございますけれども、一般の合意に基づきます長期譲渡の場合に百万円の控除があるということとの関連上、私どもはただいま御提案されておりますところの公有地拡大法四条の先買い権に基づきます売買につきましては、三百万の特別控除ということがバランス上相当かと思うわけでございます。 ちょっと話が長くなって恐縮でございますが、さらに一言つけ加えさしていただきますと、千二百万円の特別控除は、収用の事業認定がありまして、それに基づいて買い取られる場合には当然適用があるわけでございますが、現在、これの運用上と申しますか、それの法令の実施上、土地収用法に列記するような事業の中で、おもな事業に該当する資産として必要であるという証明がございます場合には、事業の施行者がそういうことを証明いたしました場合には、具体的な事業認定前でも千二百万円の控除の適用があるというたてまえになっておりますし、私ども本年の税制改正で土地税制を手直しをして、先般租税特別措置法の一部改正として御承認を願ったわけでございますが、それに関連いたしまして、地方公共団体またはその設立する団体が収用事業者にかわって取得する収用対象用地についても千二百万円の特別控除の拡充適用を認める。それから先ほど申し上げました事業認定前の千二百万円特別控除につきましても、幼稚園、それから廃棄物処理施設、これらを地方公共団体が取得いたします場合には拡充適用するということにして公有地の取得促進をはかっておるわけでございます。 それからもう一つ、つけ加えさしていただきますと——よろしゅうございますか。
○田中一君 だめだ、時間がないからもういい、時間がないから。委員長、困るね、どうも。あなた方かってに時間きめてよこして。これは面の場合、二千平米以上という場合、これ二千平米以上が最低の線ですね、これは。そうですね。そうすると、二千平米、これを二回に買う。こっちは向こうとの約束は、一回、半分で、千平米でいいんだと、千平米買います。向こうで、どうかあとの千平米も買ってくださいよと、あるいは千五百平米買ってくださいと向こうの要請がある、これ買う。二千五百平米になるわけです。こういうことは一向差しつかえないことですが、これはどうなりますか。たとえばもう一つの例、これは例示ですよ。もう一つ、点の百坪ですね、三百平米、百坪なんというものは町の中にたくさんあります。たくさんありますが、これは既成市街地の中で土地区画整理が行なわれた土地と行なわれぬ土地とは、施行済みの土地と施行以前の土地と、これは非常に価値が違うわけなんです。したがって、そういう地点の買い方の問題ですがね、どういう形をとるか、この二点だけ伺います。
○国務大臣(西村英一君) 根本は、これは土地売買はもう非常にたくさんあります。もう何十万件と全国にあると思います。一々これを届け出るということはたいへんでございまするから、ある程度の面積を押えてやはりこれを届け出制にしたということでございまして、その間について、あなたが言われるようにいろいろの場合があると思います。それはやっぱりケース・バイ・ケースに対処しなきゃならぬですが、いま区画整理の問題については政府委員に説明させます。
○政府委員(小林忠雄君) この法律案によりますと、二千平方メートル以上の市街化区域内の土地を譲渡する場合に届け出なければならぬ。かりにこれを千平米ずつ二度に分けて別個の契約として行ないました場合には、これは届け出が要らないということになるわけでございます。
○田中一君 これは委員長にもちょっと言っておきますがね。いろいろしかつめらしいむずかしい法律をつくって、いま言うように抜い穴はたくさんあるんです。ざる法なんです。だから国民全部に向かって、安心なさいと、幾らほしいと言ってもとられない方法はございますよと、声を大きくして言いたいんです。一面においては、もっと税の緩和される、あるいは国民の負担が軽減されるという手法がありながら、これを悪用して使わない。一面、いま申し上げたように、千平米買ってあと千八百平米買って三千平米だと、この場合には適用がないんです。どうもずいぶん国民から税金を取ったり物価を上げたりする大きな技術を持っている政府としては、なかなかけっこうな案でございます。したがって、これを今後とも改悪しちゃいけませんよ。ただ問題は、大体において点の面を既成市街地の三百坪程度のものを買うなんということになりますと、その地方公共団体がこれに対して相当な計画をしなきゃならぬ。したがって、そういうもの、ことに区画整理が済まないようなところではこれは買えないもんですよ。買ったってしょうがないんですよ。隣地も買わなきゃならぬ、また買わなきゃならぬ、また買わなきゃならなくなります。売らないやつまでもどうしてもこれ売ってくれよと、ここに庁舎をつくるんだから売ってくれよと、ここに保育所をつくるんだ、何をつくるんだと言って土地の取得に狂奔しなきゃならなくなる。したがって、これは一面公営住宅、あるいはせんだっても建設委員会にかかっておりました住宅金融公庫等の資金で家を建てようという、マンションとかなんとかを建てようとする人もたくさんいますよ。公営住宅の土地がないと、こういう人たちもおるでしょう。それを目当てにやるだけのことにすぎないということがひとついわれておるんです。したがって、私が申し上げたいのは、時間がないからたくさん言えないんですが、例示だけするわけですが、そういう公営住宅の敷地などをどのような形でもっていままで取得してきたのか、あるいはそれがどうにもならないという訴えは相当あると思うんです。したがって、その困難さから、これは当然市民に市民の住宅として還元するものであるという前提ならこれは認めるところもございます。しかし、だからといって、今日あなた方の考えている九百五十万戸五カ年計画の中の住宅を見ても、六〇%以上は民間の自力建設に依存しているという現状です。この依存している現状を見た場合には本人に、その土地、その適地へ、本人に融資をしてうちをつくらしたほうがずっといいということも言えるんです。私は今日、せんだっても建設大臣と大いにやり合ったんですが、住宅金融公庫の持ち家政策とかそうした住宅政策そのものの根本的ないま改定期、曲がりかど、思想的な曲がりかどへきている。ここで新しい立場から日本の住宅政策、ことに過密化しているところの大都市、この大都市周辺の住宅政策というものは相当考えにゃいかぬぞと、こう言っているわけなんです。これの対象となるものは、おそらく過密化しているところの土地などは大体できないと思うんです。大体そんなこと言ってきませんからね。今度線引きされた市街化区域の適地を求めようとしているのでございましょうが、こうして一面においては民間の自力建設、持ち家を推薦するんだと、いわゆる民間産業にも大いに依存するんだと言いながら、現在東京周辺にある、東京の二十三区内外にあるところの木造の、いつも火事があると何人か死ぬという新建材でつくっている木造、木賃アパート、これなどは八十万世帯あるというじゃございませんか、東京周辺に、八十万世帯がある。これはむろん非常に過密化したところの地域に密集しているんであります。こうして民間のだれかがここでこうしようああしようという試みでもって計画している土地を横取りするという場合ですよ、横取りしないかもしれない、横取りするような場合があったら、その場合にはもう先行して、いまの非常な悪い環境で生活している五部屋とか十部屋という小さなアパートのほうをどうするかの問題が先行しなきゃならぬと思うんです。これはむろん私有、民間経営のものでありますが、これに対する手を打たなきゃならぬと思うんです。これにはどうしても都市区画整理というものが並行して行なわれる、そうしてそこに政府の施策として大きな資金も流す、計画も立てると、そうした困難なことは一つもしないで、当然しなきゃならぬ行政上のひずみというもの、高度成長政策のひずみというものがそういう形で生まれている現在の都市の状態というものを考えないで、困難を一切避けて安易な気持ちでもってこういう手法を用いるということ、これはむろん前段に申し上げたように、国民の住宅として還元させるんだという前提で一応の賛意を表しますけれども、手法が悪いです、手法が。もっと真剣に国民の利益を考えるということでなくちゃならぬと思うんです。建設大臣、こうした手法、いま三つか四つの例示をしたにすぎませんけれども、住宅政策、土地政策なんというものじゃございません。これは土地政策なんというものじゃございません。ただ一つの目的をもって公営住宅その他の住宅を建てなきゃならないんで、敷地がないんだと、買えば高いんだというところの発想がなした安易な案なんです。住宅問題というものを、まああなた、佐藤さんがやめたってまだあなたは非常にいい人柄だから、渡海さんも、二人とも次の内閣にも大臣としてひとつ考えてほしいと思うのは、そうしただれもできない問題を解決しようとする意欲的なものがあなた方の役目なんであります。住宅問題をどうするか、土地の問題なんというのはこれは水田さんとはずいぶん長い間何回か議論しておりますからここであえて申し上げませんけれども、住宅の問題、いま八十万世帯と数えられているところの東京周辺の木造のアパート、いつも火事になれば何人か死んでいるアパート、この施設をどうするか、それらを含めてひとつ御答弁願いたいと思います。これは渡海さんにもお願いしたいんです、この同じ問題で。
○国務大臣(西村英一君) この法律よりはもっとやることはほかにあるんじゃないかと、急ぐことが。それは非常にわかります。しかし、今日までそういうことが非常にむずかしかったから残念ながらいろいろできなかったのでございます。しかし、その非常に密集な住宅がある、それを建てかえをするといっても、やはりその人たちの移転する土地が要るわけです。移住になる土地がなければならぬので、やはり相互に関係があると思っております。結局田中さんの立場にしては、なまぬるいじゃないかということはわかりまするが、私はやはりこの制度によって相当に公共団体が土地を持つということが先決的な問題じゃないかと思っております。政府がいままでやったことは根本的——土地問題についての根本的、根本的と言うけれども、そう根本的と言っても地価を凍結するわけにもこれはいかぬでしょう。それは地価を国家管理にするんだと、こういう制度ができればそれも一つのりっぱな制度ですけれども、それもできない、われわれの立場では。そうすれば、政府としてはいままで多くの問題を積み上げてきておるのでございまして、今回も土地問題に対して四つの法案を政府は出しております。これもなまぬるいといえばなまぬるいでしょう。この法律が一つです。根本的には地方分散をしようじゃないか、通産省が工業再配置の問題、また都市については首都圏でいろいろな法律を出していますが、そのように、あなた方から言わせれば、びほう的なちっとも核心に触れていないじゃないかというおしかりは受けなければならぬと思っております。しかし、これだけではございません。やはりようやくわれわれももう少し違った立場で抜本的なといいますか、もっと核心に触れた土地対策はやらなければならぬ、これは市街地のみならず全国的な問題として考慮しなければならぬというふうに思っておりますが、私はこの法律に期待をいたしております。まあそれだけです。
○国務大臣(渡海元三郎君) 今日の過密都市におきまして、都市開発事業、区画整理と、最もやらなければならない事業であることはいま田中先生御指摘のとおりであろうと思います。自治体がこれに取り組んでおります状況をながめますとき、いま御指摘になりましたいろいろな困難な点がございましておくれておりますことも事実でございます。今後とも私たちは強力にこれらを進めてまいらなければならないと思います。本法案がそれらのものの解決にならぬじゃないかという御指摘でございます。これらの根本的解決にならぬと思います。微温的なものであろうと思いますが、一歩前進であろうと思いますので提出したのでございますが、いま仰せございました過密都市の再開発の問題につきましては、一そう総合的な対策をもちまして、必要とされる面、欠くる点も今後とも充実してまいりたい、促進をはかってまいりたい、かように考えております。
○田中一君 最近、御承知のように公共事業が行なっている再開発、それから組合施行によって、組合をつくって地元がやっているものと二つございます。これもしばしば言うんですが、こういうものは公共事業と民間が自分でやっているものと建設省には二つ窓口がある。この間も水田さんに言いましたね、公共事業がやるやつは都市局がやる、それから民間でやるやつは住宅局が持っている。対象は同じなんです。でき上がるのも同じなんです。これを二つのものでなわ張り争いしている。全く今日の政府というものは役人のポストを延命するためのものにしかすぎないんですよ。 私は、次に申し上げたいのは、民間が組合施行をやろうという再開発の地点は相当多く、資金関係等で大きなデベロッパーが介入をしておるのが多いんです。おそらくきょう不動産協会とかそれらの団体の参考人がそういうことを言ったのじゃなかろうかと思うんですが、大体そういう方々が協力をしているわけです。大きなものもございます。広尾の赤十字病院の敷地とか、あるいは王子製紙がどこかに今度移るそうです、工場が疎開しますから、公害の問題なんかでたまらないからあそこは再開発しなければならない。ところが、東京都なら東京都は、これに対して大きな計画を持って、おれがとるんだということ、あれは区がとるというので以前にそうした計画をどんどんやっております。また宅地造成でも周辺でもって計画的にやっておる。金はいま言うとおり最近の御時世ですから、金利も下げようという時期ですから融資はわりあい十分できる。そうした計画というものは全国的に民間の組合施行の場合にはやっているんです。たとえば、あの大阪の阿倍野、あれはたいへんなものです。たいへんな大きなところですが、これなども民間のそういうデベロッパーが協力をして現在大阪市と一緒になってやっておるということになっております。そういう地点はたくさんございます。大体組合施行でやるのは、私の手元にあるだけでも二百地点くらいございます。みんな大型です、どんなものでももう百億、百五十億、もっと大きなもので一千億近い計画でやっております。こうして現在まで長年やってきて準備をしておるもの、これをかりに県のほうに持っていった、そうするとこれは、ちょっと待て、これはこっちがじかにするということになれば一体いままでの負担はどうするかということが一つ。したがって、そういうことは、衆議院では小林君はそれは開発許可をするんだ、必ず前もって言うのだというけれども、その土地がまとまらなければ言えないわけです、土地がまとまらなければ認可が出せないはずです。そういう地域が相当散在している、全国的に。そういう場合には、一応これはこういう形で、こういう計画で、こういう資金繰りで、こうして自分たちが協力しておりますから、まだすっかりまとまっておらないけれどもこれが発動されれば、いままで四年、五年と苦労してここまできたものをこっちによこせと言って、これは横取りになりますから、そういうことのないように事前に相談に行く、事実においてそれはやっておる、こういう場合には一体どうなるか。たとえば、その人たちが十万坪の区域に、そのうち千坪、二千坪前もって買っておった。この事務所を拠点としてこれを買ってやっているのだということもこれは許可を受けておりません。その場合に、それらに対して地方公共団体が一つの計画を持って、それはだめですよ、こっちにもらいますというようなことになれば国民に依存するところが相当大きい、大きい中でそこに競合がある、トラブルが起こるわけです。こういう点について、事前にその問題について話し合う、そうしてそれに対する内諾といいますか、そういった形式を二週間の間にそれを事前にやる、もしもそれがいけなかったらどこにも売りませんとその地主が言いますということになれば値段の問題です。自分のところを再開発してほしい、ほしいけれども、とてもこんな大きな数千億かかるところではできない、だれかの力をかりなければならないという場合に、それでは売りませんよということもあり得るんです。それならば地域開発ができない。そうしてまた地主なら地主が、自分は売ったけれども周辺があるというような形の、どうにもならぬような問題が起こるということを避けるためにどういう手法を持っておるかということ、事前に前もってこの計画はこうして、この計画でやるんだと、土地はまだ入っておりませんと、土地は当然、組合ができたら組合に一ぺん、こっちに移すわけですからね、組合がやるわけなんです。その場合に、冗談じゃない、そのうちの半分をこっちによこせ、その地点だけこっちによこせということになった場合にどうなるのかという点等もお考え願わなきゃならぬと思うんです。そうしたものを競合しないように、そうしてスムーズにこの事業が完成するように法律以前の問題としてどう対処するか。ただ、これじゃきまり切っていてとられるんです、ほしい人があったら、公共団体がほしいと言えばやらなきゃならなくなります。こういうものをどうして避けるかということの手法——これは小林君、君じゃないんだよ、君言っちゃだめだよ。大臣が、両大臣がそれを指導していただきたい。そうしたトラブルがないようにしなきゃならぬ、事実においてそれをやっているんですから。ただそれが土地の売買までいっておらぬという時限にどうするか。少なくともわれわれは、地域社会の開発、国民全部がしあわせな清潔ないい環境で生存するのは権利があるんでありますから、その点の手法はよくお考えください。この法律だけでいったんではいろいろなトラブルが起きるおそれがございます。ただこれが投資として、あそこをつばをつけておきゃ将来もうかるんだというようなことに対しては、絶対これは許しちゃいけない。その計画というものが完全に煮え切らぬ段階においても、都道府県または地方公共団体ともにやっておる仕事ですから、そういう場合にどうするか。地方においても同じです。この二千平米の部分でも同じです。同じことが言えるんであります。これに対するところの考え方、これは行政指導という形になるかどうかわかりませんが、両大臣からお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) 結局、この法律の目的は、市街地における秩序ある開発をしたいというのが目的でございまするから、これは、たとえば民間がやっておって、それで開発をしよう、これは開発許可をとっていりゃ問題はないわけですが、その民間がまとめておって、それが開発許可をとっておるというのが、少なくとも公共団体に届け出、これは十分許可していいという判断があってからですから、そういうものを横取りしようなんていう姿勢は全然とっちゃいけません、私はそう思います。したがって、競合すると、法律のこまかい点をつつけばいろいろありますけれども、姿勢としてはそんなものはやらしたらいいんであって、それを横取りしてやるといったって何のことかわからぬから、そういう態度はとりません。したがって、この法律の運用は非常にむずかしいと思うんです。しかし、それは注意をして、あくまでも市街地におけるこの秩序ある開発をしたいと、それを目的に沿うてやっておる事業については、絶対これは妨害をしないという態度をとりたいと、かように思っております。
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいま建設大臣がお答えになられたとおりでございますが、開発許可されております場合には、この法律にも届け出の義務が免除されております。しかしながら、土地の取得がまだ行なわれていない、一部分行なわれていないというふうな場合、一応現在の法律では届け出るということにはなっておりますが、たとえ届け出さすにいたしましても、直ちにそのような場合においては、買い取りの意思なく、民間にこれはゆだねるんだという意思を通知いたしますように行政指導してまいりたいと、かように考えております。
○田中一君 いまのよくわかりました。そうすると、民間と競合しない、民間が誠意をもってその地域開発をしているならばそれに対して協力する、逆に、という意思表示であると思いますから、ただ、しゃくし定木にこれをそのまま運用してまいりますとやっぱり問題が起きます。 そこで、今度は価格の問題なんですが、当然田中太郎兵衛にこの土地を売りますと、こう言って申告するんでしょう、届け出をするんでしょうから。そうすると、田中太郎兵衛がどんな者か、これはわからない。用途はわかってます、こういうものをするんだからと。といった場合に、その値段は、おれはこれで買うよと言っている場合に、おそらく地主は、この法律が発効しますと、これで売ることになっていますがと言って都道府県のほうに連絡をするわけでしょう、買い人が幾らでこれを買うんだということを。その場合に、地方公共団体が、もし、とんでもない、それよりも二万円安くしてくれれば買うよと、ほしいんだと——ほしいんだという場合には、ほしいんだが先行して、その売買をストップする。あと値段の問題になる。その場合の値段の決定、あるいはその地方公共団体と地主の間の、地主がそれじゃ売りませんと言ったらおしまいなんです。しかし、地主はどうしても金がほしいから売りたいんだと、こっちのほうが高く売れるんだという場合にはどういうあっせんというか、あなた方はどういう手を打って、円滑に田中太郎兵衛にいくか、あるいは吹田市にいくか、調整して決定するのか。その決定権はどこにあるのか。それが、言っておくけれども、公示価格と相当違うんだという場合ですね。
○国務大臣(西村英一君) いままで公共事業で非常に土地をつり上げた、高く買ったじゃないかと、こう言っておりますが、これはいま数字は持っておりませんが、昭和四十五年の統計を見ましても、やはり買われておる大部分は、公示制度の価格で公共投資をやっておるんです。これは、事実そういうことになっています。数字は後ほど示してもいい。わずかにやっていないのは、やはり前に約束したとかなんとかいう特別の場合があります。したがって、この場合も公共団体が買うんですから、やはり公示制度に準じて買わなければならぬと、またそれ以上に、公示価格じゃ絶対だめなんだと言えば、あるいはそれは売買は成立しない場合もあり得ますけれども、少しの増減のことにつきましては、それは公示価格は全部の土地をやっておるわけじゃありませんから、非常にまばらにやっていますから、それに準じてやるわけですから、そうあなたが心配したほどなことはないと私は思っております、いままでの過去の経験によってそういうことはないと。多少価格をつり上げると、じゃあ売らぬというような場合は、それはあり得るかもしれぬと、かように思っております。
○田中一君 地価の公示法にしても、これはまことに一方的なものなんです。これはいずれ時間があればこの実態というものを詳しく建設大臣から報告を願いたいと思うんです。また、いまここで申し上げておいてもいいんですが、三大都市でしたね、いままでやったのは。去年からほかの地帯もやっているはずだったかな、それらがどういうことになっているのか、実態が。それと、実際の取引されている価格というものがどうなっているのか、それらを一ぺん知りたいと思うんですよ。そういう機会が、なかなか質問する機会がないものですからこうなっておりますけれども……。
○国務大臣(西村英一君) それは統計を出します。
○田中一君 ええ、一ぺん出してください。 そこで、きょう午前中に参考人をお呼びになっていろいろ聞いたそうでありますが、それはちょっと私もあとで聞いたんですが、いま申し上げたことで建設大臣からちょっとぼくの質問と異なった答弁がきたもんですから、なお念を押しておきますが、価格の調整等は、たとえば吹田市と田中太郎兵衛が二人で相互で話し合うということだけにとどまるんですか。それとも、地主との間に、田中太郎兵衛は二万円だと、こっちのほうは一万五千円だという場合には、それは地主はやっぱり二万円で売りたいでしょう。その場合には、調整は都道府県知事かだれかが相談にあずかるんですか、あずからないんですか。その辺はどういう形で運用しようとするのか伺っておきたい。
○国務大臣(西村英一君) それはやはりその土地を持っている人と買いたい人とのあれで、中に知事が必ず入るという義務づけはございません。しかし、やはり何とかして公共用地に使わしたいと思えば、知事が好意的に中に入ってまとめるということは、それは普通のことで、あり得るかと思いますが、強制はいたしません。やはりあくまでも当人同士の、土地を持っておる人と、それを買いたいという人のネゴシエーションと、こういうふうに考えております。
○田中一君 御承知のように、今日の地価というものは借地権のほうが強いということは御存じのとおりです。私は世田谷の太子堂ですが、あの辺でも大体底地権というのは三〇%、借地権というものは七〇%、こうなっております。貸している土地を売る場合に一体どういうことになるのかということ、それからもう一つ、権利はなかなかふくそうするものなんです。借家をつくっておいて住んでいる人がいる、住んでいる人の保障といいますか、そうしたものはどうなるのか。そうした権利関係ですね、権利関係はどうなるのか。地主はいまこの際売ったほうが得だから売っちゃいますよ、しかし、土地を借りているという、借地権というものは設定されているわけです。これは書類じゃありませんよ、いま永代借地権なんというものがいまないですから。契約なら契約、一ぺんでも地代を払えばそれで済むんですから、その場合にはどういう形でもってそれをとろうとするのか。片方は売ります売りますで持ってきます、地主のほうは。その辺のトラブルはどういうぐあいに解決しようとするのか伺っておきます。これは小林君。
○政府委員(小林忠雄君) この場合は、地主が第三者に土地を売ろうとする場合でございますから、借地権者が承諾しない場合には通常第三者に売れないわけでございます。ですから、届け出をしてくるような場合につきましては、大体上物の権利者と話がついた場合だけに届け出があると思いますので大体買えるのじゃないかと思います。
○田中一君 大体なんて不明確なことを言っちゃいけません。この場合にはだいじょぶです。大体とは何ですか、大体とは。そういう答弁をしちゃいけない、議事録に残そうと思って聞いているんですから。いいですか。じゃあもう一ぺん聞きますよ。それでは届け出をした、しかし、借地権者がおれが買うと言った場合には、公共団体よりも借地権者のほうが優先するのかどうか、これは法律にどこかにありますかどうか伺います。
○政府委員(小林忠雄君) この法律の先買いは、公共用地にするために先買いするわけでございますから、上に何らかの権利がついていて公共用地にできないものを買ってもしょうがないわけでございます。したがって、買います場合には、上にあります権利を消滅することが前提でございます。そこでAからBに売買契約が成立する話が進んでいる、こういう場合に上の権利が残ったまま下の底土だけが移転をする、こういうような場合も届け出の対象にはなりますけれども、上の権利が依然として残るような場合には、届け出がありましても上のものと話がつかない限り先買いはしない場合が多いであろうと思います。
○田中一君 その多いだろうじゃ困るんで、明確になさいと言うんですよ、そういうものは。そうしたきずがある物件、物件というんですか、それは買わせないようにいたしますなら買わせないようにいたします、指導ですよ、これは。買わないだろうじゃなくて買わせないようにいたします、あるいは拡張しようという学校の隣に持っている、しかしこれは地上権者をどかしてもどうしてもほしいんだという場合もあり得るんです。そうでしょう。そういう場合もあり得るんです。その場合に、それに対してはどうだという明確な答弁をなさいと言うんですよ。買わないであろうとか、買うであろうとかという抽象的なことを言って実際の問題のトラブルを起こしちゃいけない。そういう場合には買えないんだ、申告をする必要はないんだ、優先するのは借地者が優先されるんだ、どうしてもほしいなら今度は借地権者と一緒にまた話をしてもいいわけなんですね、ほしいなら。そういう学校のためなら売ってもいいという意思表示があって売りましょうといった場合、その点は明確になさい、明確に。そういうことを残すから、はっきりあなた方の法の運用の精神として議事録に残さないといけないと言うんです。こういう権利に関する問題は、国民の権利に関する問題は明確にすべきなんです。大体とかなんということばは使うべきものでないんですよ。だから、ぼくにしかられるんだ、君。何でも、どっちからでもとるようにする、それじゃいけないと言うんです。
○政府委員(小林忠雄君) この法律案によりますと、市街化区域内の一定の土地を第三者に有償で譲渡しようとするときには届け出なければならぬということになっておりますから、この場合に上に権利があってもなくても届け出なければならないわけでございます。したがって、これに対して今度は公共側が買い取りの協議をいたします場合は、上物があろうがなかろうが買い取りの協議はできるわけでございますし、買ってもいいわけでございますが、しかし、実際問題として上物がついておりまして、上の権利者が同意をしない場合には、これを買いましても、将来公共用地に使おうと思う場合に、もう一ぺん上の権利者と交渉しなければならない。こういう手間が残るわけでございますので、通常の場合は、上物の権利者の同意がないというような場合には買わないことになろうかと思います。
○田中一君 かと思うじゃなくて明記しなさいと言うのですよ。そういうものは買わないということにするか、つまりそういうものは買わないように指導いたしますと。これは買えるのですからね。下のやつを、借りてるやつを追い出してこっちが買うのだという意欲的なものもあるかもわからない、物の対象としては。そういう点は明らかにしなければいかぬというのですよ、事国民の私権に関する問題はそうした詰めをしなければいかぬ。あなた方がするのじゃないのですから。地方公共団体がやるのですから。むろんそれと地域住民との間の摩擦はないと思うけれども、そういうトラブルのもとを、種を残してはいけません、その雑草の種を残してはいけません、明確になさい、こういうことを要求しているのです。
○政府委員(小林忠雄君) 法律案におきましては、上に権利があろうとなかろうと届け出なければならない。したがって、これは法律的にいきますれば、いかなる場合でも買うことができるわけでございまして、この点ははっきりしているわけであります。ただその上物が残るようなものを、実際それでは公共団体が買うか買わないかという場合は、これは公共団体あるいは知事というような方の判断によるわけでありますけれども、通常の場合、あとに権利が残りますと、将来公共事業を実際施行いたします際にもう一つ手間がかかるわけでございますので、実際の場合は、公共団体におきましてはおそらくそういうものは買わない場合が多いであろうと思います。しかしながら、絶対にそういうことが絶無であるかということになりますと、上物の権利は残っても底の権利だけはとにかく買っておいたほうが間違いないということで買う場合も絶対ないわけではない、こういうように考えます。
○田中一君 あのね、渡海さん、そういう心配があるのですよ。学校の考えだと、この敷地をどうしても広げなければならぬという場合には、逆に地主と結託する場合があるのです。地主は自分の所有権を売ってしまって知らぬ顔をする、そういうトラブルを起こしてはいけないということを言っておるのですよ。その場合には権利者が合意をしなければ買うべきものではないということくらいのことは明記しなさいというのですよ。権利者がある、底地権が三割、七割の借地権があるのだ。地主はもうそんなもの、地代だって幾らもくれやしないし、何十年も借りているところは地代だって三十円や五十円くらいのものですよ。そういうところでも売ったほうが得なんだ、公示価格で売ったほうが得だから売ってしまえ、売ってしまう。そうして今度上物を除去しようという意図を公共団体は起こすかもしれない、起こすのですよ、事実。こういう点は非常に危険だということを言っておるのです。そういうものは明記しなさいと、はっきりと。権利者の諸権利、たくさんありますよ、権利は。諸権利者の同意がなければその土地は、底地は買わないのだということ。土地の利用にならないのですよ、土地の利用に。まただれかの犠牲者を出して土地をとるということになる。おやめなさい、そういうことは。どこかで明記しなさい、そういうことを申し上げているわけなんです。私たくさんそういう事例を知っているのですよ。長い間そういうものばかり勉強していますから、わかっているのです。そういうことはおやめなさい、どこかに明記しなさい、明記。新しいトラブルを起こす。市民と公共団体との摩擦が起きるという点でも心配なんだ。それ渡海さん、返事できませんか。明記する、どこかに明記する、そのようにするならすると。新しいトラブルを起こしちゃいかぬということを言っているんです。この法律を国民のものとして、国民の利益のために運用するんだという精神があるならばそうしたことは避くべきである。しかしながら、通常われわれの社会におきましては底地権よりも借地権のほうが高いと価値づけられているという実態から見て、そういう点をひとつ御答弁願いたいと思うんです。
○国務大臣(渡海元三郎君) 法によってどこかに明記せよということでございますが、明記はいたしておりませんが、いま先生の言われるようなのが実態であるという点は私もよく理解できますので、明記の点につきましては検討をさしていただきますが、運用の面におきましてそのような注意をもって指導してまいりたい、かように考えます。
○田中一君 もう時間がきたから委員長からどけと言われると困るから、最後に一つ聞いておきますが、いまの問題やりとりしたんじゃ時間がかかってしようがないから、いまのあなたの答弁でいいですわ。附帯決議つけるかもわからぬ。つけてもらうかもわからぬ、同僚に。 それから、この買っておいた土地が、先行取得をした土地が将来公共事業として何かに使う場合があるんだという答弁を当初に言いましたね。それは、小林君、君が言ったんだね、たしか。その場合に用途変更もあり得ると言ったですね。さあ、そこなんだ問題は。いいですか、東京都は御承知のように、美濃部知事がその区単位のじんかい焼却炉をつくろうじゃないかという提案をしてもなかなか抵抗がある。先行投資をしてとっとくと。まさかじんかい焼却炉ということまでいかぬでしょうが、何かのものをつくるということになりますと、これはもう居住関係が非常に悪化するのが一つと、もう一つは、目的変更によって受ける被害もあり得るということなんです。それは公園にするよと、児童公園にするんだと、ぼくの隣の敷地が児童公園になったと。三百平米の児童公園ができた。これはいい環境ですが、また病人でもいれば、それじゃ困ると、もうあすこでがやがややられたんじゃ病人がまいっちゃうんだというような老人夫婦もいるかもわかりません。近隣に対する——これは一種の相隣関係です、近隣に対するところの目的変更による被害に対しては補償し得るものになるのかどうか。いいですか、これは住宅はつくるんだと、これぐらいの住宅ができるんだと、あるいは保育所ができるんだという場合に認めても、先行取得したところの土地の目的が変更されるとそれは環境の改悪になるんだと、自分の住生活が非常に大きく脅威を受けるという場合にどういう形でそれを補っていくのか。これがまた小林君だと中途はんぱなごまかしの答弁をするかもわからないから、明確にこの場合にはこうだということを言っていただきたいんです。目的変更はいたしませんならいたしませんということを。
○政府委員(小林忠雄君) この届け出にかかります土地あるいは申し出にかかります土地は、強権によって買ってわけではなく、やはり協議によって買うわけでございます。そこで、土地収用法によりまして収用裁決までいたしまして収用した土地を他の公共事業の用に目的変更をした場合に、土地収用法による買い戻し権が発動するかしないかというふうなことについては判例上いろいろ問題があるところでございます。しかし、この法律ではそういう強制力を持っておりませんので、一ぺん買いました土地は県有地なら県有地として、ただの県有地になるわけでございます。ただ、この届け出なりあるいは申し出という特別な手続で買いましたので、一般の普通財産のような扱いをしてもらっては困るということで、公共目的以外に使うことを禁じているわけでございます。したがって、当初買い取りの際示しました用途から違った用途に使われるということは法律的には許されているということでございますが、行政的にそのようなことが好ましくないということは御指摘のとおりでございます。そこで、御指摘のようないわゆる周辺にいろいろ問題——公害その他の問題のできるような施設に転用したら困るのではないかという点でございますが、先生よく御承知のように、建築基準法によりますと、火葬場でありますとか汚物処理場とかごみ焼き場というようなものにつきましては、その位置の決定というものは都市計画できめなければならないことになっておりますので、公共団体が他の公園だといって買ったものを、かってに他の都市計画の手続を経ないでごみ焼き場にするというようなことは行政手続上はあり得ないと思います。
○田中一君 もう一つお願いしますが、開発公社がこれは不用になった場合には転売できますか。
○政府委員(小林忠雄君) 全く公共の用に供する見込みがないという場合でございますが、しかし、この法律案の第五条に基づきます申し出に基づいて買いましたものにつきましては、公共事業の代替地に使うということができますので、全く不用になるというようなことはあまりないのではないかと思います。しかし、かりに全く使い道がないという場合には、これは売却処分することはできるわけでございますが、行政運営といたしましては、土地収用法の買い戻し権の例等もございますので、なるべく随意契約等によりまして元の所有者に優先的に売るというような行政措置を行なうのが適当ではないかと思います。
○田中一君 ああいう答弁をすると、つい立たなければならなくなってくるんですからね。しかし、自分は金がほしくて、金がほしいから売ったんですよ。また買い戻せということを言ったって買える力はございませんといえば第三者に転売しなければならないことになるんですよ。転売することができるならできるとおっしゃいよ。できるでしょう、現在でも、そうでしょう。そうすると、それも加えてこれに対する地域におけるトラブルを起こすもとなんです。開発公社がおそらく買った価格に金利を乗せて売るのだという、かりに。これは原価だと、ところが公示価格はそれより上回っちゃっている、やっぱり時価で売ろうとする、公社は一銭の利益も受けちゃならないと思うのです。きめられている手数、扱い料的なものはおそらくきめるでしょう。しかしながら、公示価格がたとえば高くなったとしても、不用になったものはこれは原価で売るのかあるいは公示価格で売るのか、すべて買った場合には公示価格を標準として買うのだと言っています。そうすると、完全に要らなくなって売る場合にも公示価格で売るのですか、原価で売るのですか、その点も非常にあいまいなわけなんです。これは点の地域もあれば非常に大きなものもあります。これは土地の環境なんていうものは、価値なんていうものはすぐ変わるんです。どんな適地だ適地だと思っても、埼玉県の県下にもあります。まん中に高速道路がぶんといっちゃって、住宅地を半分にしちまった、これは西村さん知っていますね。この問題は公害でたいへんです。価値が半減される、公共事業のために、ということもあり得るんです。したがって、買い戻し権の云々というけれども、この買い戻し権は書いてないんです、この法律には。けれども、行政指導としてなるべくかつての地主に売りなさいと言っても、かりに売る場合でも、公示価格があったという場合には原価で売るのか。原価というのは、金利ですよ、買い求めた、かつて十年前の公示価格に金利を足して売るのか、あるいは公示価格で売るのかどっちなんですか、時価というのは一般社会的価値というもので売るのか。これらの点もたくさんな物件がある、たくさんの地域に対して手をつけるようになりますから、その場合どうするかということを明確に答弁しておいてください。これ一つです。これを最後に、これだけ伺っておきます。明確に答弁してください。開発公社等に汚職があっちゃ困るんです。地方公共団体にも汚職があっちゃ困るんです。そうしたことがない扱いの原則というものを確立しておいてください、はっきりと。これは自治大臣。
○国務大臣(渡海元三郎君) 法律的には売ることもできる、いま先生御指摘のとおりでございます。しかし私たちは、開発公社の買い取りました土地は、地方公共団体が利用する以外には原則として売るべきものでない、こういう指導でございます。しかしながら、全然不用の土地になっておるというふうな場合、法律的にも売ることは許されております。万が一というような例外でございますが、そのような場合におきましては、法律の精神にのっとりまして、もしこれを取り上げたと申しますか、もとの所有者に買い取っていただきます場合には、その間のいきさつ等もございまして、あるいは金利だけを加えた原価で売ることも考えられますが、それ以外の場合には、最も有効に利用せいということは、時価で売り渡さなければならない、こういうことになろうと思います。しかしながら、いま申しましたように、時価で売り渡すことによって、土地を売ることによって、地方自治体の財源を得るために売るのだというふうな考え方による売買は原則どおり断固として押え、抑止していく、こういう姿勢で行政運用をやってまいりたい、こう考えております。
○田中一君 開発公社が行なう、保有しておきますね、金は借りるのですから、保管するのは開発公社でしょう、きまるまでは。その場合、開発公社が売れるわけですから、売った場合に、いわゆるぼくの言った原価主義というのは、あなた時価と言ったら困るのですが、原価主義というのは、買い求めた、十年前に買った値段に十年分の金利を払うと、この場合その値段が原価主義なんですね。時価主義というやつは、公示された、十年後に公示価格というものが上がるわけでしょう、それが時価ですが、あなた時価で売ると言うが、原価で旧地主に売り戻すと、こういうこと言っているのでしょうね。
○国務大臣(渡海元三郎君) 旧地主へ売り戻す場合におきましては、原則として原価、その他において売り渡す場合は、私は時価によるべきだとこのように申し上げたのでございます。
○田中一君 困るな。そうすると、開発公社はいろんなものたくさん買って、農協でも金がうんとあるでしょうから、銀行でも貸すでしょうし、どんどん買っておいて、これもだめになった、あれもだめになったと売り払ったのでは、これには一体開発公社は国民が他に売れば相当な利益がとれるやつを、どんどん金は貸してくれるのだからといって転売してもうけようという新しい悪質な土地会社をつくるつもりですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) そのために最初と最後につけ加えたんでございまして、そのようなことが、利益的な金を地方財政のためにしろ得るような処置で売る場合は断固として禁止していく、抑止していく方針だということを最後に申しつけたわけであります。いま先生の御指摘の分をなくするために申したのでございます。
○田中一君 そうすると、原価で第三者に売るのですか。これもちょっと矛盾があるんじゃないですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 第三者に売る場合、その場合は時価で売らなければならない、これは最も有効に利用する、しかし、それはあくまでも不用になったと、もう使うことは全然考えられないのだと、万が一の場合でございまして、一番最初に申しましたように、土地開発公社が買い取ります土地というものは、全部地方公共団体が使うものである、不用になって売り渡すというようなことは考えておらない、万が一そういったものができた場合は、もとの地主に返す場合は原価で売り渡す、その他の場合は時価によって売り渡す。しかし、そのようなことが、いま先生が御指摘になりましたように、利益を得るために行なうというふうなことであれば厳として慎む、こういう意味で申し上げたんでございます。
○田中一君 どうもそこのところすっきりしないので、これはあと地方行政委員の同僚にひとつおまかせしますが、その点をひとつはっきりさしていただきたいと思います。かえって逆に開発公社等がどこかになあなあで高く売ったりする汚職の道が開かれることになるのですよ。これを非常におそれるわけです。そういう危険のないように措置をしていただきたいのです。何回言ってもそうです。時価で売るとなると、十年たったら相当先になります、いまの国が考えている物価高騰政策でいきますと。その場合に時価で売ると利益ができます。それがそういう汚職のもとになるから、そういうことは避けるように指導していただきたい。
○竹内藤男君 今回の公有地拡大法が、いままでいわれておりました土地対策の重要な柱としても、公有地をなるべく持たしていきたいという趣旨を実現する漸進的な制度であるということは私はたいへん高く評価すべきであると思うわけでございます。いままでも北ヨーロッパの諸都市が相当公有地を持っていたということは、いろいろな住宅建設の面におきましても、地価対策の面においても、われわれはうらやましいと思っていたことでございます。数年前に東京で世界都市計画会議というのが開催されましたときに、ドイツの都市計画協会長が参りまして、第一次大戦後に総理大臣をやられたアデナウアーがケルンの市長時代に、あのときの経済情勢を利用して相当土地を買っていた。それが第二次大戦後のケルン市の復興について大きく役立っている。これは公共団体の財政収入の上からいきましても、あるいは住宅建設を着実にやっていきます上におきましても非常に役立ったという話を聞いて、これもまたうらやましいと思っていたわけでございますが、従来の政策に加えまして、今回新しく公有地の先買いという制度をつくり、都市計画法で認められておりました先買い権の範囲を越えた広い範囲にし、さらに都市計画法では届け出価格ということで先買いができるということになっておりますが、これは協議によって先買いができるというように変えまして、先買い制度の前進を見、同時に、土地開発公社という新しい事業主体を創立し、これに対して公営企業金融公庫の資金なりあるいは民間資金が入れられるような形にして、これから大いに公有地の先買いをやっていこうということは非常に前進であると思うわけでございます。土地問題のような制度的な前進が国民から非常に要請されている、緊急に要請されているというような問題の解決に一歩でも二歩でも前進をしていくということは非常に大事なことではないか、そういう意味で高く評価するわけでございます。ただ本日、私も地方行政委員会でいろいろな参考人の方の御意見を聞いたわけでございますが、その参考人の意見にもございましたように、日本の住宅政策が相当大きく民間の住宅宅地の供給に負うているという現状から民間側のほうから若干不安が出ているわけでございます。この不安の解消をはかっていくことがこの法律を活用していく上において大事なことだと思いますので、若干こまかくなるかもしれませんが、二、三この点についてまず質問をしたいと思うわけでございます。 この法律によりますと、公共施設の計画の区域内の土地、あるいは二千平方メートル以上の土地の民間売買にあたって届け出の義務を課し、地方公共団体等が、届けられた土地を将来の公共施設やあるいは公共住宅の用地として地主と協議の上に先買いすることができると、こういう制度でありますが、この先買いは、先ほど建設大臣の御答弁にもございましたように、任意協議でございまして、都市計計画法の先買い権のように、知事が通知をすれば届け出価格で強制的に売買が成立するというようないわゆる形成権ではない。地方公共団体等に買い取りの交渉権を与えるだけだ、こういうふうに考えられるわけでございます。したがいまして、地主さんにとりましては、先にまあ話のついた、たとえば民間の人に売るのか、あるいは公共団体側に売るかというのは地主さんの選択にゆだねられているというような制度でございますが、この先買いの制度がじゃあどこにねらいがあり、またどういう効果をねらって行なわれたのだろうか。公共団体が土地を買います場合には、先買いの場合にもこの制度で公示価格の制限というのがあるわけでございます。民間がうんと安く買おうとしているという場合でない限り、公共団体が値段を高くして買うということはないと思うわけでございます。また、これにつきましては、三百万円控除の減税措置というものが認められているわけでございますが、こういうような減税の恩典によってこの先買いがスムーズにいくような仕組みにしてあると私は思うわけでございますけれども、この先買い制度がどういう点で有効に働くのかという点についてまず第一に政府委員にお尋ねをしたいと、こう思うわけでございます。
○政府委員(小林忠雄君) 現在、公共団体は、自分の行政区域の中の土地の権利移動というものは、すでに売買が行なわれまして、登記が行なわれ、その後に初めて、まあ徴税の段階等で初めて知る、あるいは不動産取得税を取る、あるいは固定資産税を取るという段階になって初めて知るわけでございます。しかし、地域の中で相当まとまった土地が第三者、特に法人筋等の手に渡りました場合には、公共団体が意図しておりますような開発のとおり行なわれるかどうか非常に危惧の念が持たれる場合もあるわけでございます。そこで、このような法律制度がございませんでも、現在、大都市周辺の市町村等におきまして、宅地開発の指導要綱でございますとか、あるいは、場合によりましては条例等をもちまして土地の取得なり開発についてある程度の手を打っているわけでございますが、今回、このように土地の移動について届け出制をとるということは、公有地の取得に非常に資するということはもちろんでございますが、さらに地域内のまとまった土地の移動についての情報を公共団体が得てこれに対して適切な手を打てるという、都市形成上あるいは地域開発上の非常な利点があるんではないかと考えております。
○竹内藤男君 そうしますと、効果としては、情報を得るというだけで、実際届け出られたと、その土地に対しまして公共団体側がまあ譲渡しやすくするというような効果は、減税等の措置があるわけですけれども、ねらっていないわけですか。
○政府委員(小林忠雄君) 私はやや副次的な効果を強調しましたのでことばが足りなかったかと思いますが、この法律の直接ねらいといたしますところは、もちろん公共用地をなるべく早い時期において先行取得をするということでございます。その先行取得をいたします際に、権利移動の機会をとらえるというのが、やはり土地所有者が売ろうという気になったときに取得をするというのが一番買いやすいんではないか、こういうことでございます。これが副次的な効果といたしまして、第三者の手に土地が移る前に公共がこれを取得するチャンスを得ることができる、こういうことになろうかと思います。
○竹内藤男君 そうしますと、この先買い制度というのは相当有効な制度だというふうに言えると思うんですが、逆に裏返して申しますと、その地主がまず有償譲渡をしようとしていた相手方、前の民間の相手方にとりましては、先ほどお話がございましたように、苦労してようやく買えるようになったときに、契約しようとすると、公共団体のほうに譲渡されてしまう。こういうことでは土地がなかなか買えない、また民間の住宅供給というものが圧迫されはせぬかという問題があるわけでございます。 その点に少しこまかく触れてまいりたいと思いますが、そこで第一の質問といたしましては、本法の場合、「届出等のあった日から起算して二週間以内に、」協議の通知をすると、こういうふうになっておりますけれども、この届け出というのはどこにするのか。たとえば、県庁で申しますと出先機関かどっかで受け付けをして本庁にくる。まあいろんな届け出行為には受理ということを正式の行為としているところがございますが、地主が最初に届け出をしたところで受け付けたときが届け出た日ということになるのか。あるいは、さらに正式受理という行為があって、実際は届け出をしてもなかなか受理ということにならないというようなことになるかどうか。「届出等のあった日」の定義をひとつ明確にしていただきたい。
○政府委員(小林忠雄君) 都道府県知事に届け出るということでございますから、県の担当部局あるいはその出先の土木事務所、あるいは県の規則、条例等で委任をいたしました場合には市町村の窓口に差し出しまして、そこで受付印を押しました日が起算日でございます。
○竹内藤男君 そういたしますと、まあ二週間以内に協議の通知をするか、あるいは協議をしない通知をするということでございますが、きょうの参考人の話にもございましたように、建築基準法の確認と——特殊建築物についての確認は二十一日以内に確認をするということになっているんだけれども、実際はなかなか受理という行為をしないで、そのために実際問題としてはかなりおくれて確認が行なわれるということがいわれておるんでございますが、まずその点につきまして、建築基準法の確認行為というのが実際に二十一日以内に行なわれているのかどうか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(小林忠雄君) 法律的には二十一日以内に確認行為をしろということになっておりますが、実際はこれよりもかなりおくれている事例が多いようでございます。これは件数が非常に多いから事務処理が間に合わないというような事情も一部あるわけでございますが、むしろ建築行政上、親切な行政をするために逆に日が延びるという事例が多いようでございます。現在、申請が出てきましたものの半数以上が、何らかの意味において書類が不備であったり、その他欠陥があるようでございます。その場合に、すぐこれは不適格だから確認しないという通知を出せば二十一日以内にもちろんできるわけでございますが、それでは非常に不親切になりますので、呼び出して訂正をさしたり、あるいはもう少し軒を一メートル切れとかいうような指導をする。それが二度、三度呼び出しをするというようなことが重なりました結果、事実上二十一日を過ぎているという場合があるようでございます。しかしこの場合は大体申請者のほうの利益になりますのでやはり問題がないようでございます。問題になりますのは、最近いろいろ問題になっておりますように日照権の問題等で地域の住民から圧力がかかる、これが自治体の首長を通じて建築主事のほうに圧力になってくるというような場合があろうかと思います。これは確かに法律的には問題があるわけでございますが、やはり行政当局としましてやむを得ない点があるのではないかと思います。
○竹内藤男君 そうしますと、基準法の場合には、親切な行政ということでおくれる場合があるということですが、今度のこの二週間以内の協議の通知については、そういうようなことはないというふうに考えて差しつかえないわけですか。
○政府委員(小林忠雄君) 建築基準法の確認という行為は、確認がございませんと建築にかかれないわけでございまして、いわば出願者側の利益のためにおくれると困るということがあるわけでございますが、今回の場合は、むしろ公共団体の土地取得のために権利移転を押えているわけでございますから、届け出をいたしまして後、公共団体側から二週間以内に何らの意思表示がない場合には、契約を当然することができますので建築基準法のような問題はないと考えます。
○竹内藤男君 その二週間以内に協議をするかどうかの通知を出す際に、まあ都市計画施設その他すでに公示をされている地域の中の土地は、これはすぐわかると思うわけですけれども、この法律によりますと、収用法各号の事業に、たとえば二千平方メートル以上の土地を充当できることになっておる。その中には各種の事業ございまして、必ずしもこれは事前に計画が公示されていないというものもかなりあると思うわけです。また、これの事業主体はそれぞれ違ってくるということがあると思います。さらに、公共団体の行ないます、あるいはそれ以外の公共的な主体の行ないます住宅の分譲地であるとか宅地の分譲地であるとか、そういうようなものはこれもちろん事前に公示されていないわけでございます。そういうものがそれぞれの主体、まあ県もありましょうし市町村もありましょうし、いろいろな事業主体があるし、またそれぞれの機関の中で担当部局が違う、そういうところに一々問い合わせるということになりますとかなり繁雑でございますので、この二週間以内の早い処理というのはできないのじゃないかというふうな感じがするわけでございますけれども、そういう点についての実際に協議に応ずるこの法律の当局が、どういうような用意をして、そして協議にすみやかに応じていくのか。その辺のところを、運用上の問題になると思いますが、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(小林忠雄君) この法律によりまして買い取りました土地の用途につきましては、九条の各号に掲げておりますようにいろいろものがあるわけでございますが、この買い取りの主体としてこの法律で規定しておりますのは、法律案第二条の第二号の「地方公共団体等」に限られております。すなわち「地方公共団体、土地開発公社及び政令で定める法人」ということになっておりますが、政令の内容といたしましては、現在のところ地方住宅供給公社、地方道路公社、日本住宅公団の三者だけを考えております。この三者の間で土地の取り合いが行なわれますれば、二週間の間で知事がこれを調整するということが困難であるという場合も考えられるわけでございます。そこで、法の運用といたしましては、この届け出を受理するこの法律の所管部局の窓口を統一いたしまして、ここに前もって各買い取り主体から土地の取得計画をとっておいて、それに該当するものを知事のほうで判断をして割り振る、こういう一種の交通整理をすぐできるような体制にいたしたいと思います。
○竹内藤男君 きょうの参考人の意見にもございましたけれども、二千平方メートルというと六百坪か七百坪ぐらいの土地、これが売ろうと思いましたときに先買いをされるということになりますと、民間側といたしましても、大きな団地をつくろうというときにその一部が先に公共団体に買われてしまうということになると、一種の虫食いと申しますか、一部脱落するわけでございますので、大きなまとまった団地の構成ができなくなってその計画がおじゃんになる。また、買うほうの場合も、これが住宅用地等に使うということであれば、先ほど田中委員のほうからもお話ございましたように、二千平方メートルぐらいの小さな土地を買っても、それを将来追加買収しようとすればなかなかいろんな困難な問題が出てくる、適正な規模にまで引き上げるのはなかなか容易じゃないというような問題があろうかと思いますが、公示されているような公共施設の場合とかあるいは区画整理で先買いをしていくというようなやつは別でございますけれども、それ以外の場合にどの程度のまとまったものをこの法律の対象として買っていこうとしていくのか。それは、たとえば二千平方メートルでも都市公園とか児童公園とかあるいはいろんな施設の用地等には使えるかもしれませんけれども、住宅用地等の場合にはある程度適正な規模のものを買っていかなければならないのじゃないかと思いますが、考え方として、そういう二千平方メートル以上のものはどんどん買っていって将来買い増していこうとするのか、あるいは、それ自体がある程度適正規模のものであって、それを若干買い増すことはあるにしても、ある程度まとまったもの、そのまま使えるようなものを買っていこうとするのか、これは将来の土地開発公社の資金繰り等にも影響してくると思うわけでございます。相当長期で寝かしていくということになれば金利はばかになりませんでしょうし、そういう点の二千平方メートル以上の土地の買い方についてどういう考え方でこれを運用しようとされるのか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(小林忠雄君) 公共側が公共目的のために土地を取得する、ただいま御指摘のございましたような宅地開発とかあるいは一団地の住宅経営というようなものにつきましては、新住宅市街地開発法でございますとか、あるいは都市計画法でございますとか、あるいは土地収用法等で収用権が認められているわけでございます。したがって、公共側がまとまった土地をどうしても取得したいという場合におきましては、こういう制度によるよりは、むしろそれぞれの法律によりまして収用をしてでもまとめる、こういうことになろうかと思うわけでございます。 そこで、二千平方メートルといたしましたのは、この四条の一項の各号、一号から三号までに掲げてございますような都市計画決定をしてあるような街路、公園というような、場所が確定していない、いないけれども児童公園でございますとか保育所だとか、あるいは幼稚園というように、ある特定の地域の中にはどうしても必要な公共施設だけれども、必ずしも場所が確定しないというようなものがありました場合に、ずばりそのまま使えるという面積を考えてみますとまず二千平方メートルと、こういうことにしたわけでございます。住宅地の場合につきましては、もし必要があれば新住法あるいは都市計画法等の手続をとる、どうしても強制取得をしたいということでありますればそういうことになろうかと思うわけでございます。
○竹内藤男君 新住法とか都市計画事業でやらない、一般の公団あるいは公社等でやっております住宅団地、これを想定した場合に、その二千平方メートルずつぽつぽつ出てきたやつを買ってつないでいくような形なかなかむずかしいと思うのです。ある程度適正規模で出てきたやつを買っていくのじゃないかと思います。その辺のところはどういう方針でございますか。
○政府委員(小林忠雄君) 最終的には収用適格でございますので、ある地域にめどをつけてその地域の中で出てきたものを買っていく、それでどうしても買えないものについては収用するという手があろうかと思いますが、しかしこの法律は必ずしもそういう運用を期待しているわけじゃございませんで、まとまったものが出てきたものをずばり使えるということのほうにねらいがあるわけでございます。
○竹内藤男君 それに関連しまして、先ほど来、開発許可をいたしたものは届け出対象から除外しているということになっておりますが、実際土地を買う場合には事前に同意書を取って、開発許可の場合にも地主の同意書を相当程度とらなければならない。ところが同意書の段階では、実際の運用としましては、幾らで買うか、それからいつごろ正式の契約をするというようなことを記載したものが多いようでございます。こういうような対価等を定めた取引の同意というものは一種の売買予約じゃないかと思いますが、これもこの譲渡の対象になるのかどうか、つまり同意書の段階で、同意書を取りつける段階で届け出をし、さらにそれに先買い制度が働くというふうになるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(小林忠雄君) いろいろな形態が考えられると思いますけれども、売買の予約をいたしまして、その後において、一方的な意思表示によりまして契約の締結が可能なような契約内容を持っているもの、こういうものにつきましては有償で譲渡する場合に該当いたしますので届け出が必要であろうと思います。
○竹内藤男君 そうしますと、たとえば民間業者が大きな団地をまとめるというときには幾つかの下請みたいなのを使い、またさらにその同意書を取りつけるような形で実際の土地の取得が行なわれると思うわけでございます。その場合に大きなまとまった団地、これの中の一部を、時間的には前後して出てくる、それがそれぞれどういう判断で有償譲渡の対象にするかということになりますといろいろな問題が出てくると思うわけです。そこで、こういう点からも、先ほど御答弁がありましたけれども、公共団体側が、事前に住宅団地なりあるいは各種の事業主体の計画を、その土地に即した場所が明らかになった計画を持っていて、そうして、先ほど自治大臣から御答弁ございましたけれども、民間のほうが宅地開発をしようというときに、事前に話に行き、じゃ、これはこの計画に合わないからだいじょうぶだというような運用が必要だと思うわけでございます。そういう点につきまして、くどいようでございますけれども、当局に対しまして、民間業者が聞きに行った場合に明確な返事が出せるかどうか。そうして先買いの意思がないということであれば、民間業者はそれにかかっていけばいいわけでございますので、そういう府県当局に対しまして、先買いの意思があるかどうかということを相談に来ましたときに、当局がこれに対して、イエスかノーかという回答をすみやかに明確に出すというようなことができるかどうかという点につきまして、建設大臣ちょっとおられませんので、自治大臣からもう一ぺん明快な御答弁をお願いしたいと思うわけです。
○国務大臣(渡海元三郎君) 届け出先が都道府県知事ということになっておりますので、直ちに全部の関係されると思われるような団体の、先買い権を行使できる団体に問い合わすことができるかどうかということは困難性があると思いますが、おそらくそういったことは、ほぼ県におきましても、地方団体なりあるいはその他のものについては、あらかじめ計画も承知しておることであろうと思いますから、具体的には、私は、できるだけ親切に指導すべきものであり、また、そう行なわれるであろう、かように期待しております。
○竹内藤男君 いまお答えあったわけでございますけれども、実際問題とすると、住宅関係の建設をやっておられるところで、ほんとうにここ数年ぐらいの住宅建設計画というものを現在ほんとうに持っておられるかどうか、私若干疑問に思うわけでございますが、これからの運用としましては、数年先の計画というものを、実際に土地に落とした、地域をはっきりした計画を持っていて、そうして、いま申しました民間が相談に来ましたときの回答の判断にもするし、また届け出の際の二週間を守っていくためにも、それが必要だと思うわけでございます。そういう各種の事業主体の計画を実際にはっきりさせておくということができるかどうか。それができないと、二週間以内にやるとか、あるいは民間の業者が行きましたときに、イエスかノーかはっきりさせると申しましてもできないのじゃないかと思うわけでございますが、その点につきまして、建設大臣のひとつ明確な御返事をお伺いしたいと思うわけです。
○国務大臣(西村英一君) 事業をやる人が、公共団体、まあいろいろですが、その計画をやはりあらかじめ地方公共団体の知事さん等が十分知ってもらう。これからやはり土地問題等は地方公共団体の長が事実をやはり知ってもらうということと、それから公共団体の長にある程度の権限をまかしておくというようなことが必要であろうと思います。したがいまして、その準備行為として、やはりある程度、話が知事さんにきた、知事さんは何も知らぬで、それから関係者に打ち合わせるなんというようなことをしては、それはとても仕事にならないから、だんだんやはり地方公共団体の長に公共的事業は明らかにしておく。どうせ地方公共団体の長が公共施設、公益施設等もめんどう見なければならぬのですから、その点はやはりこの段階において、地方公共団体に対するひとつのわれわれのつとめとして十分留意しなければならぬと、こう考えておる次第でございます。
○竹内藤男君 ちょっと話が違うのでございますが、先ほど田中委員からも税金の御質問があったわけでございますが、主税局のほうの御答弁で、事業認定前でも実際にそれが公共施設になるということが確実であれば、どんな施設でも公共施設であれば、収用法にいっているような施設であれば、千二百万円の控除をすると、こういうふうに私受け取ったんでございますが、それはそれでいいのかどうか。さらに都市計画法の先買い権、事業決定の段階と、それから計画決定の段階の先買い権があるわけでございますが、この事業決定の段階の先買い権によって買収された土地の譲渡所得の減税の問題、それから計画決定の段階の先買い権によって買い取られた土地の譲渡所得の問題、それから今回のやつは三百万円控除だということで、その辺の実際のいまやっておられます措置と、それからその考え方というものをお聞かせ願いたいと思うわけです。
○説明員(高橋元君) 千二百万円特別控除の適用がございますのは、法律上は、収用によって買い取られる場合ということになっております。ただ、拒めば収用されるような事態にある場合というのが租税特別措置法に規定がございまして、それの具体的なケースとして、私が先ほど土地収用法三条の収用対象事業のうちでおもなものについて、事業認定前であってもその当該事業の用に供せられることが明らかであれば対象になるというふうに申し上げたわけでございます。二、三の例を申し上げますと、土地収用法の中で、簡易な証明と私どもは通常言っておるわけでございますけれども、簡易な証明によって千二百万円控除のできない事業といたしまして、たとえば土地収用法三条九号の一般の乗合旅客自動車運送事業、その次にあります九号の二の自動車ターミナル事業、こういった通常地方公共団体がやっておりません、または営利的な事業であって、必ずしもその部分に、その当該の土地を取得するための緊急性、特定性というものが考えられないものというようなものははずしておるわけでございます。
○竹内藤男君 そうしますと、その事業認定前というのはどういう段階なのか、たとえば都市計画決定の段階でもいまの千二百万円控除というのは行なわれるわけですか。
○説明員(高橋元君) 事業認定前の場合でありまして、どういう場合が具体的に当該千二百万円控除の対象になる資産であるかということにつきましては、具体的な認定の問題でございまして、個別の場合についてそれに適用するかどうか見ていくわけでございますが、これは省令でございます。省令の規定といたしましては、「当該資産の買取りをする者の当該資産が次に掲げる資産に該当する旨を証する書類」がついておればよろしい、たとえば、「土地収用法第三条第一号」、これは道路だと思いますが、それ「の規定に該当するものに関する事業に必要なものとして収用又は使用することができる資産」というものであれば、これは事業認定前であっても、当該土地が特定しており、かつ、その必要が緊急であるということについて、事業の施行者が証明をすればよろしいという制度でございます。
○竹内藤男君 先ほどの先買い権の……。
○説明員(高橋元君) お尋ねは、公有地拡大法四条の先買い権と都市計画法上の先買い権との関係であろうかというふうに思います。公有地拡大法四条の先買い権は、元来合意がととのいかかっておりまして、第三者に一定の価格で譲渡しようという約束ができておりましたものを、地方公共団体に届け出まして、その結果地方公共団体との間で協議相ととのって地方公共団体に売るという場合に該当するものだと思います。したがいまして、これは先ほど私が他の委員の御質問にお答えしまして申し上げましたように、権利の制限を受けた状態での売買ということであろうかと思います。都市計画法の五十七条の先買い権と申しますのは、私この法律に必ずしも詳しいわけではございませんが、勉強いたしましたところでは、都道府県知事が買い取りの通知をすれば、都道府県知事とその土地の所有者の間に、第三者との間での譲渡予定価額で自動的に売買が移っていく、いわば形成権であろうかと思います。したがいまして、先買い権ということでは形式的には同じというふうに思いますけれども、その内容となります価格というものが、自動的に民間との価格が形成権を行使されたことによって都道府県知事に対する売買の場合に移行いたしますのに対しまして、この公有地拡大法四条の先買い権によります価格というのは、この法律の七条で、「公示価格を規準」として定めるということに相なっておりまして、価格を含めて協議の対象になる。そういう点で四条のほうが権利の制限としては強い性格を持ってきておる。したがって、三百万円控除の対象ということが適当であると考えた次第でございます。
○竹内藤男君 まあ確かに片一方は、この法律によりますものは協議、しかも公示価格という制限のある協議ですからある移度制限が働くと、それから都市計画法の先買い権は届け出た価格でございますので、価格自体は言ってきた価格だということで、制限が働かないということはございましょうけれども、一方におきまして、地主はねらわれたら必ず買い取られなきゃならない、買い取られてしまうと、さらに建築制限等も働くわけでございますので、私はやはりある程度、先ほどおっしゃられましたように、制限のあるものとして減税対象にすべきじゃないかというふうに思っておるわけでございますが、将来の問題といたしまして、都市計画法の先買いの場合にも減税措置が働きますように御検討をお願いしたいと思いますが、その点はどうでしょうか。
○説明員(高橋元君) 公有地拡大法によります先買い権の行使の際の売買の態様と、都市計画法に基づきます先買い権の行使によります売買の態様とが異なるということは先ほどお答えしたとおりでございます。都市計画法の五十七条に基づきまず先買い権の場合には、第三者に売ろうという明確な意思があって、それで第三者もおりまして、それとの間で価格もきまっておるわけでございます。いわばすでにその土地の所有者は、その土地を一定の値段で人に売りたいと、売りますという約束ができた状態であろうかというふうに考えております。そういう点で公有地拡大法の四条の先買い権とは税法上の取り扱い、これは繰り返しになりますが、権利の制限されております態様によって特別控除額に差等をつけていくということでございますので、税法上の扱いを異にすることはやむを得ないところではないかと考えておるわけでございます。
○竹内藤男君 そうですけれども、地主はこの法律の場合も、協議の値段の場合、応じなくてもいいわけですね、自分が売りたくないと言えば売らなくてもいい制度ですから。したがってその価格がそれによって抑制されるということじゃないわけですね。それにも三百万円の控除がある。片一方は非常に強い建築制限を受け、一方的に売買が成立するというような先買い権の場合には減税措置がないというのは私は若干不公平だと思うわけでございますが、議論になりますので、この点は意見を言うだけで、これで質問を終わります。
○沢田実君 公有地の拡大の推進に関する法律案についてお伺いをするわけでありますが、その前に、土地問題についての若干基本的なことをお伺いいたしたいと思います。 かつて第一次佐藤内閣の建設大臣でありました瀬戸山さんが、土地は商品ではないと、名言を残されました。その後、佐藤総理をはじめ歴代の建設大臣もこのことばを引用して、土地は投機の対象にしてはならないとしばしば言明しているにもかかわらず、土地に対する投機の傾向は法人を中心にして逆に年々強まっております。地価上昇ははなはだしく、全国市街地の価格は、昭和三十年の三月を一〇〇にいたしますと、昭和四十六年の三月で一六〇〇、十六倍になっているというふうに日本不動産研究所では地価指数というものを発表いたしております。まあこのような事態を招いた根本原因は政府の土地対策が甘過ぎるということに帰すると思うのでございますが、建設大臣はこの現状をどうとらえ、今後どのように対処していこうとされているのか、まずその所信を伺いたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) さいぜんも申しましたように、政府といたしましても、土地の閣僚会議がございまして、いろいろ今日までやってまいりました。基本的な方針は一応きまっておって、それを誠実にやっていこうじゃないか、まあこういうことでございます。そこで、そのうち短期的にやるものと長期的にやるものと、長期的に考えなきゃならぬものと、それからまあ短期的にすぐ片づけてしまうものというように分けてやっておって、これは土地問題でございますから建設省だけの権限じゃなかなかできないので、各省にわたる問題で非常にむずかしい問題でございます。したがいまして、いろいろな協議をいままでやってまいりました。まあ大きい問題としては、とにかく人口、産業の地方分散をしていかなければならぬのじゃないかということ、それからまあ土地の有効利用の促進をやらなければならぬ。その中にもいろいろ問題がございます。それから地価形成の合理化をやらなければならぬ。地価公示制度とかそれからいろいろなことをやっております。それから宅地はとにかく需要供給がアンバランスだから宅地をなるべくふやそうじゃないかということ、その場合におきましても、その中でいろいろなことをやってきております。それから土地の取得制度、公共の土地をなるべくふやそうじゃないかというようなことをやってまいっております。それから、いろいろ問題がございまするが、一番やはり肝心な点でできなかった問題が、やはりこの法人の投機的な取引に対する抑制、これがまだ十分でないから、しかもいま現実にいろいろな問題を起こして皆さん方から批判をいただいておるようなわけでございます。それからもう一つ、時価による土地の保有課税の問題、こういうようなことがまだ十分できておらないのでございます。したがいまして、まあ一番根本問題は、私は今後はやはり土地の投機——土地は投機の対象にすべきからず、これが一番大きい柱じゃないかと、かように思っておる次第でございます。それが具体的問題として法制によって制限されればよほど違うと思います。また、建設省でやっておりまする地価の公示制度の問題、これは非常になまぬるいようでありますけれども、ある程度いまやはり標準になっております、地価の。したがいまして、これを活用する。まだこれが完全に地価制度ができておりませんので、中途はんぱですが、これが完成したときはこれを極力活用するという、この二点の問題について今後はひとついろいろ強力に進めていきたいと、そういうふうに考えておる次第でございます。
○沢田実君 建設大臣も投機の対象にしてはならないというふうにお考えのようでございますが、それに対する具体的な方法としてはお示しがございません。いままでいろんなことをおやりになったとおっしゃっておりますが、人口の地方分散にしても私は成功しているとは思っておりませんし、公示制度にいたしましても、大臣御自身がおっしゃっているように不十分なものでございます。宅地の造成にしても、宅地の不足は御承知のとおりでございまして、結局何がそんなら政策らしいものが残っているかということを突き詰めてみますと、税の上で特別な何とかやろうというような政策だけが私は少しく行なわれている面じゃないか。こういうふうに思うわけですが、それで大蔵省関係の方にお尋ねをしたいわけですが、具体的な例をあげて、その場合の課税額の概算でけっこうですが、課税額といいますか、課税の率の概算でけっこうでございますが、お示しをいただきたいわけですが、個人と法人との違いについて私はお尋ねをしたいわけです。たとえば土地の売買によって、短期の場合でけっこうでございますが、売買による収益をあげた場合に、個人の場合と法人の場合とどういう違いがあるのか、現在の税制の現状を大蔵省のほうからお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) 私に対する質問なかったんですが、これもざっくばらんに申しまして、私は工業の分散とか人口の分散ということも、これは非常に終局的な日本の進み方としては大事なんですけれども、なかなかそう端的にやれるものじゃございません。これはどなたがやってもそう端的にやれない。そこで私は土地の問題の、なかんずく地価の問題についての端的な問題は、これは大蔵省の方も来ておりますが、ざっくばらんに申しまして、税制で対処したほうが一番早いと私は思っているんですけれども、大蔵省は私たちと少し意見が違うんです。それは観点が違うんでしょうからあたりまえだと思っておりますが、私は端的には税制で対処すべきものだ。しかし大蔵省の考え方、まあこちらに来ておる方はどうか知りませんが、全体的な考え方は、土地問題は税制で、税金で対処すべきものではないと、こういう考え方があるんです。これは意見の違いでございますが、私は端的には税制で対処する、工場の分散何だかんだと、それから宅地造成にしたって、それは一年や二年でできません。それが私は原因しておると、こういう考えですから、私に質問なかったんですけれども、ちょっとそれだけは申し上げておきたい。
○説明員(高橋元君) 四十四年から適用されております現行の土地税制で申しますと、いまお尋ねの短期の場合は長期の場合と同様に分離比例課税になっておるわけですが、短期の譲渡につきましては、現在個人の場合には四〇%を最低といたしまして、本来合算した場合に受けたであろう税率の一割増しというのがそれについて適用される税率でございます。たとえば一千万円の短期譲渡が個人についてあったといたしますと、その一千万円から百万円まず引きますわけですが、これは特別控除額引きました残り九百万円につきまして、いまの税法で適用されます税率は五〇でございますから、上積み税率五〇の一割増し五五%というのが所得税として個人に課される税率でございます。これに対しまして、法人の場合には三六・七五%という税率でございます。
○沢田実君 いま御答弁のほうは当然国税だけのことを御答弁だと思いますが、実際に個人が不動産の売買によって利益を得た場合の課税というのは、いわゆる国税と地方税をプラスして考えてみますと、いまおっしゃった四〇%プラス一〇%というようなものではないものになっていると私は思います。いろいろ計算をしてみましたが、個人の場合には、たとえば一億もうけようが二億もうけようが、手元に残るのは一体一千三百万ぐらいどまりで、あとほとんど税金になります。しかし、法人の場合には、いまおっしゃった三六・七五%プラス地方税を考えましても約五〇%程度の課税で、私は個人の場合とは全く違う税率になっているのではないか、国税と地方税とプラスした場合にそういうふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
○説明員(高橋元君) 御答弁申し上げます前に、先ほど私がお答えしました中で百万円の特別控除が短期について働くと申し上げましたのは思い違いでございまして失礼いたしました。一千万全額につきまして短期の分離比例課税があるわけでございます。法人の場合は法人税というものの性質からいたしまして、これは比例課税ということで、すべての税所得を合算いたしました上に三六・七五というものがかかってまいりますわけでございますが、これに事業税なり、それから法人の住民税というものを加えまして実効税率で計算いたしますと、配当のいかんにもよると思いますが、大体四五%というのが法人の実効税率でございます。これに対しまして、個人の課税というのは元来が総合累進課税ということになっておりますが、土地につきましては、長期の土地保有というものの中で住宅地として供給されるものが、適当な土地というものを引き出して供給させるという政策から、四十四年以来長期について分離の軽課——軽いほうの軽課税率というものが設けられております。これに対して短期のいわゆる投機的な取得をまあいわば禁止すると申しますか抑制いたしますために、短期につきましては四〇%プラス一二%の五二%でございますが、それから始まりまして最高八八%まで税金がかかってくるということになっております。
○沢田実君 いまおっしゃる個人の場合には地方税を含んでないのじゃないかと思いますが、地方税を含めれば九〇%ぐらいの税率になるのじゃないか、それはいかがですか。
○説明員(高橋元君) いま私が申し上げました八八%と申しますのは、これは地方税法の規定によりまして、所得税と住民税を合算いたしました場合の最高税率の八〇%に制限されております。したがいまして、その一割増しで八八%というのが最高でございますが、これは税率の適用としますと、たしか……、間違っておったら後ほど訂正させていただきますが、五千万円よりも高いところではじめて起こってくるというような税率であると思います。
○沢田実君 そのように法人の場合は何億もうけようとたとえば四五%、個人の場合には九〇%近い課税がされるわけですが、その違いは、なぜそういうふうにおやりになっていらっしゃるのかお尋ねをいたします。
○説明員(高橋元君) 法人税と申しますのは、元来法人の所得を法人の段階で出しまして、それに課税をいたします。法人の所得というものは最終的には個人に帰属するということをたてまえにしておりますので、法人から賞与なり配当なりという形で個人に帰着いたしました際に、そこで個人として総合累進という課税を働かすというのが元来の法人税と所得税の関係でございます。法人税がいわば所得税の前取りであると私どもは通俗言っておるわけでございますが、そういう性格を持っていますために、法人税についてある種の所得を分離して、それについて別個の税率を設けるということは、法人と個人との調整をはかる上では非常に法理上困難がございます。それが第一でございます。 それから第二に、個人の投機的な土地保有というものについて税制上抑制的な政策を講ずると同時に、法人についてもそういう施策を講じたらどうだという御意見がしばしばございます。これにつきましては、たしか四十二年の六月から一年間税制調査会で土地税制のあり方について長期的な検討をいたしました。それから四十五年にも私どもの税制調査会でもう一度検討していただきました。その場合に、法人のそのような投機的な土地保有というものを抑制するために別途の税率を設けるということについては、これは非常に長くなりますので結論だけ申し上げますと、非常にむずかしい問題があるということで、実現を見ないまま今日に至っておるわけでございます。
○沢田実君 そうしますと、あなたも、先ほど建設大臣がお話になったように、要するに法人については地価対策を税金でやることは困難であると、こういう御意見ですか。
○説明員(高橋元君) 地価対策の中で税制が役割りを果たすべきことは私どもは当然だと思います。そういうたてまえで、現在租税特別措置として土地税制というものが、一つは長期保有土地の放出、もう一つは短期の土地取得の抑制、それからもう一つさらに申し上げれば公共用地の取得の容易化というために特別措置が設けられておるわけであります。土地問題はこれだけ大きな問題でございますので、土地に関するそういった税制というものについて、私どもとしてその効果をどのように発揮しておるかということを常々非常に関心を持って実態を把握しておるわけでございますが、ただここで私どもが税制の立場から申し上げさしていただきたいと思いますのは、土地税制が政策手段として有効であり有用であるといたしましても、それだけでは望ましい土地の供給なりそれから利用なりということにはならないのではないかということでございます。つまり土地の利用、計画というような実体的な一つの法規なり行政というものが確立しておりまして、それを補助し側面から推進していくという役割りを税制としては果たすべきではないか、さように考えておる次第でございます。
○沢田実君 そのような特別措置は、いま申し上げたように法人の場合にはおやりになっていらっしゃらないわけでしょう。いま御説明のように、個人と法人とこういう違いがあるのだ、だから個人と法人との税の均衡上、法人の場合には土地の売買によって収益をあげても特別高率の課税をするということはまずいのだ、こういう答弁のようにお聞きをしたのですが、それでよろしいのですか。
○説明員(高橋元君) 先ほど申し上げましたところでございますが、法人税が所得課税、法人の所得に対して課される税金として最終的な課税と申しますよりは、これは従来わが国の税制が二十年来とってまいりましたたてまえでは、法人の所得というものが一たん発生をしまして、それが配当なり賞与なりという形で個人の段階に帰着したときに初めてそこで税負担の調整を行なって、累進で、垂直的な公平というものを達成していくためのいわば前取り的な税金であるという性質を持っております。そこで法人につきましては、個人について考えられますような分離比例課税というものをそのままの形で入れるのは非常にむずかしいというふうに私どもは考えております。
○沢田実君 そうしますと、現在法人が土地の売買をしている、先ほど建設大臣も好ましくないとおっしゃっておりましたけれども、投機的な売買をしているという現状については大蔵省はどのように把握していらっしゃいますか。私は、法人といってもいろいろあろうと思います。不動産の売買を目的として設立された法人もございましょうし、あるいは最近では商社が不動産部をつくって不動産による収益をあげているところも非常に多いようです。また不振な企業が赤字を補てんするために私鉄等が、人々を輸送するという本来の業務ではなしに、不動産によってそちらのほうの赤字を埋めているというような実情もございます。あるいは最近非常に資金がだぶついてきましたので、それでたくさん土地を買い占めてそれで利益を上げるというような形のものもございます。どちらにいたしましても、法人がそのような形で多くの土地を買い占めているということは、あるいは売買をしているということは私は事実だと思います。それが土地の値段をつり上げている大きな要因の一つになっていると、こういうように私は思うのですが、大蔵省ではその辺はどのようにつかんでおられますか。
○説明員(高橋元君) 法人の土地取得の実績につきましては、建設省から私ども承っておりますところでは、ごく最近の状況について主要会社からアンケートの方法で実情を御聴取になられるという御予定だそうであります。私どもといたしましては、四十四年に東京都近郊の不動産売買の非常に大きい税務署というものをとりまして、そこで長期分離比例課税を受けたものについてその土地がどこへ行ってだれが買ったかということを調べたことがございます。それによりますと、四十五年の夏の調査でございますから、現時点におけるいろいろな問題が起こるときよりもやや古い時点かと思いますが、全体の売りました土地が二百五十万平米でございますが、買いました中で法人が百五十万平米、個人が百十万平米、このようなことになっておりまして、法人の割合は個人よりは高うございます。ただ法人が買いました土地をどう使っておるかということになりますと、ただいま先生おっしゃいますように、不動産業を営む法人とそれからその他の事業を営む法人に分かれるわけでございますが、不動産業を営む法人の取得した面積のほうがはるかに大きい。その不動産業を営む法人がどうやっておりますかといいますと、すでに土地を造成をして、または造成をする予定があって具体的に事業の用に供しておるということであるものが当時の調査によりますと非常に多かったわけであります。不動産業以外の事業を営む法人につきましては、これは店舗を建てておりますとか上物を建てておりますとか、建築予定が整っているというような状況であるものが非常に多かったというふうに承知いたしております。
○沢田実君 その内容はよろしいわけですが、地価を上げている要因になっていないかということです。
○説明員(高橋元君) その点につきましては、必要に応じましてこれから調査をいたさねばならぬところでございますが、ちょうど四十六年の譲渡所得の申告が、個人につきまして三月十五日にありましたので、そういった状況等も見ながらこれから検討を進めたいというふうに思っております。
○沢田実君 のんきなことをおっしゃっておるわけですが、大蔵省にお聞きをしたついでにもう一つお聞きしておきますが、都市銀行が貸し出しをしております。その貸し出しの中で、いわゆる土地投機に対する融資が非常に多いと、こういうふうにいわれております。で、そういうことに対する何か規制というようなことを考えていらっしゃるかどうかということをお尋ねしたいわけですが、また変な答弁をなさると困りますので先に申し上げておきますが、そういう貸し出しについては、実際掌握していないとおっしゃるかもしれませんけれども、現在だぶついた金というのは土地か株かといわれておりますが、そういうふうに不動産等にたくさん流れておりますので、日銀ではそういうことをしてはいけないという通達を出しておるように私は聞いております。したがって大蔵省でも御承知だと思いますが、ところが実際に、通達を出しておりますけれども、現実にはどうかといいますと、先ほど申し上げたような不動産の取得のために金が使われているということは現実のようでございますが、それに対する何かの規制の措置を講ずるかどうか伺いたいと思います。
○説明員(清水汪君) たまだいまの御質問でございますが、私ども現在、都市銀行に限りませんけれども、都市銀行そのほか地方銀行あるいは相互銀行等も含めまして、全体の金融情勢の大きく変わってきている状況のもとにおきまして、最近の銀行の融資がどういうふうに推移しておるかというふうなことにつきまして事情の聴取を行なっているわけでございますが、その中でも特に土地の問題につきましては、御指摘のようないろいろの問題がいわれておりますので、いわば重点的に事情聴取を進めておるところでございます。それで、現在はちょうどその事情聴取を進めておるまだ途中でございますので、全貌といいますか全体的なことまでまだよくわかっておりません。したがいまして、いまの段階で結論的なことを申し上げることはできにくいかと思いますが、たとえばいままでの聞き取りの段階におきまして、まあ御参考になる五と思いますので一、二申し上げさせていただきますと、確かに、ただいま御指摘のように、銀行の土地関係の融資というものの金額が昨年の後半あたりから最近にかけましてかなり急速に増加しておるということは言えるわけでございます。たとえば、これは全国銀行の数字ということでございますが、本年三月末という時点でその動向をとらえてみますと、この三月末時点で全国銀行の全体の貸し出しの伸び率は、去年の三月末に対しまして約二四%という増加率を示しておるわけでございます。その中で土地に関係が深いと思われますのは、やはり不動産業及び建設業向けの貸し出しであると思いますけれども、その二つの業種に対する貸し出しの伸び率というものは、この一年間に四九%強というようなことで約五〇%に近いわけでして、したがって、全体の貸し出しの伸び率の約倍ぐらいの伸び率を示しておるということでございます。ただ、この不動産業及び建設業に対する総貸し出しの中で土地取得にどれだけ向いておるかということになりますと、これはもう少し事情聴取をさらに掘り下げてやりませんとなかなか的確な数字はつかみにくいかと思うんですけれども、かなりのものが土地の取得の関係に向かっておるだろうということは言えるかと思います。そこで、私ども現在金融機関に対しまして、この問題だけには限りませんけれども、やはり金融機関の公共性というものの自覚というものを強調しておるわけでございまして、この土地に関して申しますれば、何といいましても国民の生活基盤であるところの宅地あるいはその周辺の土地、そういったものに対してかりにも投機的な取得を目的にするようなそういうものがある場合に、そういう企業なり個人に対して金融の面からこれに融資するというようなことがあってはそれはいかぬというようなことが言えるわけでございますので、そういうような実態を極力つかみたい、そういう実態がどうなっておるかということを中心にいたしまして事情聴取をしておるわけでございます。いままで事情聴取した段階では、特にこれは悪質だというふうに思われるものはまだないわけでございますけれども、今後さらに全体の事情聴取を掘り下げてみました段階で必要な措置というものを考えてみたいと思いますが、しかし、現在の段階でも、私どもが事情聴取をしておるということ自体も、まあある意味では予防効果と申しますか、そういう行政指導的な効果はあるのではなかろうかというふうにも考えております。それからまた、今回のヒヤリングだけということではなしに、従来からも金融機関検査その他の機会を通じまして、銀行のビヘービアというものに対しては公共性の面から指導をしておるわけでございますし、今後もそういった点につきましては、個々のケース等を見まして、不適当なものがあれば厳重に注意もし指導もしてまいりたいと、そういうふうに考えておるわけでございます。
○沢田実君 あまりのんびりしたことをおっしゃっておりますと、みんな後手後手になりますから、よろしくお願いしたいと思います。 で、地価対策について自治大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。要するに、地方自治体では公共事業をやるのに土地がどんどん騰貴して、上昇して、いわゆる公有地の取得に困っているということが非常に問題になっているわけです。だからこういう法律を出したんだとおっしゃるんでしょうけれども、この法律についてはあとからまた申し上げますが、要するに、土地がどんどん上昇している地価対策について、大臣としてはどういうふうに考えていらっしゃるか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 地方公共団体が公共事業を施行していきますのに、たいへん地価の上昇が隘路になっておるというだけでなく、現在の地価の高騰というものはすべての問題に関連しておる問題ではないかと思います。閣僚の一人といたしまして、強力に土地対策、地価対策を推進していかなければならない。そのために地方自治体として行なうべき問題はこれを強力に推し進めていかなければならない。このように考え、税制の問題等も出さしていただき、今回また公有地の法案を出していただいたような次第でございます。
○沢田実君 建設大臣、先ほどおっしゃったように、地価対策についての閣内の一致ができてないように思います。確かに大蔵省の意見はあなたのおっしゃるとおり。あなたの建設大臣としての税制による対策ですか、そういうこともひとつ閣内で統一して、早く地価対策を立ててもらいたいと思いますが、大臣の決意のほどを承りたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) これは大問題でございまして、意見の違いがあっても、それは意見の違いがあるのは当然でございます。しかし、根本的には私は投機の対象にはしてはいかぬ。そう簡単に言いましても、これは雨が降っても腐るものじゃありませんし、株と同じですから、金があったら、株を買ったり、地価がこれだけ上がれば、法人としては、株式会社としては、何とか買っておこうというようなことになる。しかし、法人といいましても、土地を持っておるといいましてもピンからキリまでありまして、もちろん全部法人が持っておる土地が悪いわけではございません。したがいまして、実情をまずつかむということが第一でございます。実情をつかんで、やはり決心をして対処しなければならぬと私は思っておりまするから、こういうふうな時代になりまして、もう都市区域内ではございません、全国的にそういう傾向があります。もちろん工業の分散をやるということで通産省も法律を出しております。いろいろやっておりまするが、それは一朝一夕でできるものではございません。したがいまして、やっぱり端的には税制でもってひとつ対処すべきだと、こういう私は考えを持っておりまするが、いずれまた本問題については、閣僚協議会もあるのでございますから、十分この問題は政府全体としてひとつ地価対策、土地問題には対処したいと、かように考えておる次第でございまするから御了承を賜わりたいと思います。
○沢田実君 土地か株かに金が回るのは当然であって、やむを得ないんだというようなことであれば、これは政策も何もないことになるわけですから、閣僚同士しっかり方針をきめて、地価対策に全力を尽くしていくというところで御努力を願いたいと思います。 次に、法案の内容に入っていくわけでございますが、いわゆる公用地の先買いということにつきまして、四十六年の五月十二日ですか、前の建設大臣である根本龍太郎氏が根本構想というものを発表されました。その根本構想と今回の先買い制度との相違、あらまし御説明をいただきたいわけですが、時間がございませんので、それは次の問題と一緒にひとつ御説明をいただきたいわけです。今度の法案がこの構想よりも非常に後退をした、その後退をした理由は一体どういう理由なのかということですね。それから、おそらく憲法二十九条との関係によってこういうふうになったんだという基本のお考えかもしれませんが、もしそうであれば、根本構想というものは憲法に抵触しておった考えであったのかどうか、そうでないとすれば、なぜそれだけの強力なことができなかったのか、その点のいきさつについてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) 詳しいことは小林審議官から説明させますが、私は根本大臣から引き継ぎしたのでございます。一つの構想でございます、根本さんの。私も、この構想は実現するものであろうか、実現しないものであろうかと相当に考えました。前の大臣がせっかく知恵をしぼって残してくれたことですから、でき得べくんば——私はやはり相当にいい案だと思いましたが、やはり根本さんも、これは政府が出すというよりも超党派で議員立法したらというようなこと。そのもう一つの一番大きな問題は、まあこれはいろいろな違いがありますが、一番大きな問題は、買ってくれと言ったら買わなきゃならぬように、この買い取り請求権を認めておるのです。そうすると、金はどれだけ要るかわからないのです。しかも農地を、市街化内の農地をみな買い取ろうというんですから、山林も買い取ろうという。で、公共団体が買うという買い取り権を認めれば買わなきゃならない。そうすると、金の問題になってくる、交付公債を発行する。現金じゃないのです。この問題で私は相当考えたのです。はたして実効ありやいなや、実現できるか。法律はできるのです、それは書きゃいいんですから。そこで、私は考えて、その代案じゃございませんが、一歩進めようというて、今度の公共用地の拡大の法律にまあ一歩前進と思っていったわけでございます。 あと、違いの点は政府委員から説明させます。
○政府委員(小林忠雄君) 制度の内容については、三、四点につきまして違うわけでございますが、根本のねらいとするところにやや広い狭いがあるわけでございます。公有地の先買いをいたします目的は、この法律案におきましては、公共団体その他が公共用地として、将来必要なところを先行的に取得をするというための先買いの制度になっております。これに対しまして、根本構想におきます先買いは、市街化区域の中におきます民間の土地売買に全面的に公共が介入をする。そのことによりまして、土地の価格なり供給をコントロールしようという目的があるわけでございまして、目的が非常に違っております。したがいまして、先買いの対象の土地が、この法律案におきましては公共施設の用地の予定地に限られておりますが、根本構想におきましては市街化区域の農地、山林等の土地一般とされております。それから、法律上の構成といたしまして、根本構想におきましては、先買い権が公示価格による強制取得というたてまえになっており、これのうらはらといたしまして、土地所有者からは権利としての買い取り請求権を認めております。すなわち、取得するほうも、あるいは土地所有者側からの請求権も、ともに権利として強いものでございます。これに対しまして、この法律案におきましては、買い取りも協議の上買い取るということでございまして弱いわけでございますが、反対に、土地所有者側にとりましての買い取りの申し出というのも、これも行政権と申しますか、権利として確立されているものでない、こういうように全体として弱くなっております。なお代金の支払いにおきまして、根本構想では交付公債を考えておりますが、この法律におきましては、原則としては現金で対価を払うということにしております。なお買い取りました土地の処分でございますが、この法律は公共用地の先行取得でございますから、公共用地以外に使うことを禁じております。これに対しまして、根本構想は、民間の土地売買に公共が全面的に介入することを目的としておりますから、公共団体が取得いたしました土地を民間のデベロッパーが行ないます住宅建設事業等に譲渡する、あるいは貸し付けするというようなことをも内容といたしております。
○沢田実君 後退の理由。
○政府委員(小林忠雄君) 後退かどうかということは、評価にはいろいろあろうかと思いますが、全体として違っております理由は、実体的な問題といたしましては、根本構想を全面的に実施いたしますと、非常に民間の現在市街化区域内において行なわれております土地取引の総量に匹敵するものを買わなければならない、これを財政上直ちにまかなうことは困難である。しからば、そういうような現金で買わないで交付公債でこれを交付するということになりますと、はたして正当な補償となり得るかどうかという問題があろうかと思います。 それから基本的には、法律の問題としての問題は、やはり憲法二十九条の範囲がどの辺までかということでございます。この法律案においては直接の公共施設の用地の先行取得でありますが、根本構想におきましては全面的に土地の取引に介入をする、いわば市街化区域内の土地についての公共管理の制度を目的としている、そういうような制度がはたして公共の利益のためということで強権の対象になり得るかどうかという点についてまだ多分に疑問がある。あるいは、合憲であるといたしましてもこの際踏み切ることは適当ではなかろうということでございます。
○沢田実君 前のほうのおっしゃったのは、大臣の繰り返しだからどちらでもいいのですが、要するに財政的な理由、その大事なことはよくわかりました。 それともう一つ、いまおっしゃいましたように、私は、私権の制限というものをどういう限度にするかということはやはり大きな問題になったのじゃなかろうかと思います。土地対策については、おそらく私権のある程度の、若干の制限ということがなければ有効な土地対策は私はできないと思います。それで今度の法律は、現在の憲法の解釈上ぎりぎりの線なのか、あるいは、そういうことはもう一切関係なしに自由に取引をするという法律をつくっただけであって、もうぎりぎりの線とかなんとかいうことを考えたわけじゃないのかどうか、その辺、大臣はいかがですか。
○国務大臣(西村英一君) ぎりぎりの線かどうかということですが、私はやはりいまの常識として、この収用権を発動するというのは、収用権の場合にはやはり少なくともこの所有者の理解を得るのにはある程度の、公共事業でも明瞭にならなければ、不明瞭なままでやるというようなことはこれはちょっと私はできそうにないと、こういうふうに思います。しかし、そういう意味においては、まあ現在においてはこれがぎりぎりだということですが、なお十分検討はしてみたいと、根本構想を全然——非常に何と申しますか、いい点がありますから十分検討はしてみますが、いまの段階ではこの程度ではないか、かように思っておる次第でございます。
○沢田実君 その私権の制限の範囲という問題について、法制局ではどういう見解を持っているか、知っていますか、法制局。
○政府委員(茂串俊君) 根本構想をめぐりまして、今回の法案とこの根本構想との関係いかんということにからめての問題であろうかと思うのでございますが、率直に言って、私どもの審議の過程を簡単に申し上げますと、今回の法案の立案にあたりましては、まず根本構想に基づく原案からスタートしまして、それで、憲法上の問題があるということで現在の案まで後退したということではございませんで、当初の原案自体が現在の法案とほぼ同様の考え方に立っておった関係がございます。そこで、当方としましても、根本構想自体について細密な検討をする機会を得なかったのでございますが、その大体のアウトラインにつきましては、新聞の報道その他によりまして承知しておるのでございます。しかしながら、この構想が憲法の趣旨に合致しているかどうかという点につきましては、これはまだ文字どおり構想の段階でございまして、この構想を基礎として立法すべきであるというような判断がなされました上で、そうして私権制限の態様とか、あるいはその前提となる諸要件などが細密に検討される段階に立ち至って、初めてその時点における土地問題の動向等を考慮しながら、憲法上許されるかどうかという判断を加えるべき筋合いのものであると考えておる次第でございまして、現段階における構想そのものが憲法に触れるかどうかということにつきましてはちょっとお答えを差し控えたいと思いますので御了承願いたいと思います。
○沢田実君 その問題は時間を要しますので、この辺にしてやめておきます。 次は、市街化区域に限って先買い制度を適用する。こういうふうにおやりになったわけですが、その理由についてお尋ねをしたいと思います。というのは、先ほど大臣が、資金の関係もあるんだ、根本構想だとたいへんな金がかかるんだ、だからこの法律ではこういうふうにしたというお話もございましたので、そのとおりであればそれでけっこうでございますが、将来の問題として、市街化区域外においても公共用地の整備ということが非常に問題になってくることが必至だと、こういうふうに考えますので、その点について、将来の対策、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのかお尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(小林忠雄君) この法律は、市街化区域の整備を促進するためということで市街化区域の中に限っておるわけでございますので、この法律の先買いの対象は公共施設に限っております。そこで、都市計画法によりますと、市街化区域というのは十年以内に計画的かつ優先的に市街化をはかるべき地域であり、したがって、街路、下水道、公園等の公共施設を優先的、集中的に整備をすべき区域であるということになっております。これに反しまして、市街化調整区域はむしろ市街化を抑制すべき区域であるということになっておりますから、都市計画街路、都市計画公園等の都市施設あるいは下水道というような都市施設の計画をしないことになっております。いわめる都市施設の整備は市街化区域に集中し、市街化調整区域は市街化を抑制するために、むしろ意図的に制度的に都市施設を整備しない区域でございます。したがって、まず市街化をはかるべき区域について公共用地の取得を集中的に行なっていく、こういうふうにしたわけでございます。
○沢田実君 それから公示価格の問題等についてもお尋ねしたいと思ったわけですが、時間がありませんのでいろいろな点は省略をいたしまして、一点だけお尋ねしたいんですが、公示価格というものが地価の売買の一つの基準ということになってまいりますと、それ以外に、自治省では固定資産税の課税の対象になる算定のしかたとか、大蔵省では相続税の問題とか、いろいろ地価の評価の問題が各省によって違うと思うんですが、その点については各省とも一致させていく方向を考えていらっしゃるのか、あるいは、従来どおり各省の考え方でいいと考えていらっしゃるのか、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(小林忠雄君) 四十五年の地価対策閣僚協議会の検討事項といたしまして、公示価格を基準として固定資産税、相続税等の公的評価を統一をするということが検討事項に上がっておりますので、その方向に現在各省検討を進めている次第でございます。
○沢田実君 次は、二千平米を下らない規模ということになっておりますが、たとえば、もっと大きな土地であっても、二千平米以下に切り売りをして譲渡するという場合には問題はなくなってしまうじゃないかと思うんですが、そういう抜け道もあるわけですが、そういう点についてはどんなふうにお考えですか。
○政府委員(小林忠雄君) 御指摘のように、切り売りをいたしますと届け出の対象からはずれるわけでございます。しかし、もともとがこの法律は、強制的に土地を取得するわけでなくて、あくまで当事者との協議によりまして土地を取得するというたてまえでございますから、分筆をしたり、税金を払ったり、そういうようなことまでして届け出を免れるというようなことはあまり実益がないので、あまり行なわれる心配はないんじゃないかというように考えております。
○沢田実君 非常に先ほど来答弁をお聞きをしておりますと、要するに、土地所有者の意思を尊重して、それに従って売買をしていくんだという基本的なお考えのようでございますが、そういうことで、いわゆるこの法の目的である公有地の取得ということがはたしてどれだけ可能だというふうに考えていらっしゃるのか。これは、もうほとんど効果がないかもしれないけれども、ないよりもいい法律だと考えていらっしゃるのか、あるいはこれで相当効果があるというこういうお考えになっていらっしゃるのか、この辺はいかがですか。
○政府委員(小林忠雄君) この場合のこの法律の届け出は、土地所有者が何らか金が得たいということで売ろうという場合に届け出をさせるわけでございますので、同じ目的が達せられるのであれば、必ずしも民間のものにどうしても売らなきゃならないということはないわけでございまして、税の特典等もございますし、むしろ公共のために売ろうかという場合がかなり多いんではないかと。で、この法律の効果につきましては、大いに期待をしているわけでございます。
○沢田実君 非常に考え方が甘いようですので、その期待どおり私は法律の効果が出ないんじゃないかと、こういうふうに考える一人です。 その議論については、もう時間が経過をいたしましたのでやめておきますが、最後に、地方住宅供給公社あるいは四十五年には地方道路公社等が特別法によって地方公共団体に公社ができてまいりました。で、今回また土地開発公社というのができるわけですが、そういう公社が設立される場合には、地方自治体では設立されるときに、あるいは議会に定款とかあるいは業務方法書等を提出して議会の議決を経るというようなことはあろうとは思いますけれども、その後、こういう公社のいろんな経理等について議会がチェックするというようなことはできなくなっているんじゃないかと思うんですが、そういう点の歯どめを一体どう考えていらっしゃるのか。それから、次から次からこういう公社ができていくということについてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。それからまた、三十八年に地方開発事業団というのができたわけですが、それができたときの経過を考えてみますと、同じような公社を同じ地域につくるというようなことはなるべくせぬようにしよう、こういうような基本の考え方だったと思うんですが、また、こういう公社ができて、その点非常に複雑にならぬのかどうかというような点について承っておきたいと思います。
○政府委員(立田清士君) いま三点お話があったわけでございますが、第一点のこの土地開発公社でございますけれども、土地開発公社につきましては、現在八百四ほど現実に地方団体で私法人があるわけでございますけれども、今回の法律によりましておそらく公法人になってくるということが期待されるわけでございます。それで、なおそれ以外のいろいろ公社が現実にあるわけでございますが、今後におきましては、いままで住宅公社あるいは道路公社、今度土地公社ということになってきますので、さしあたり大きな全国的な公法人化するようなものにつきましては、大体現在のところ、今回をもって一つの区切りになるんではないかというように感じておるわけでございます。それからなお三十八年当時、地方の開発事業団という制度が設けられたわけでございますが、今回の土地公社の場合におきまして、地方開発事業団との若干性格的な差異がございまして、地方開発事業団につきましては、一定の地域におきまして、共同して一つの総合計画のもとに建設事業を行なう、こういう趣旨になっておりますので、今回の土地開発公社については、むしろ公有地拡大のために土地に関連する事業を行なっていく、こういうような性格の違いを持っている、こういうことでございます。 もう一点ございまして、議会との関係でございますが、一つは、この土地開発公社がこの法律によって設立されます場合に、議会の議決が必要になってまいりますし、その後定款を変更する場合にも必要になってまいります。それから、この公社自体がいろいろ毎年度事業計画あるいは決算に関する事項でございますが、これにつきましては、それぞれ設立されております地方団体に提出してくるわけでございますが、この法律が制定されました暁においては、毎年度の事業計画なり決算関係の書類につきまして議会に提出するというようなことを地方自治法の施行令を改正して行なう予定にいたしております。 それから第三番目には、この公社自身がいろいろ資金を借り入れるわけでございますが、この際に、この法律によって債務保証を行なうことができることになっております。その債務保証につきましては、予算の確保、予算をもちまして議会の御審議をいただく、こういうかっこうになっております。そういうわけで、公法人化されますと、そういうふうないろいろな方法を通じまして、いろいろ議会の御審議ということが、そういう道ができてくる、そういうふうに私たちは考えております。
○沢田実君 まだたくさんお尋ねすることを申し上げておいたわけですが、委員長からきめられました時間を過ぎましたので、質問を省略して、これでやめます。
○村尾重雄君 先ほどお聞きいただいておりますように、私の持ち時間非常に短いのです。したがって、ごく簡潔にお尋ね申し上げますので、ひとつ十分私の質問の意を御了承いただいて御答弁いただければけっこうと思います。まずお願い申し上げておきます。 この法案との関連で、都市計画との関係についてお尋ねいたしたいのですが、すべての都市対策といいますか、土地対策と変えてもいいのですが、土地利用計画、都市計画が先行しなければならないということ、申し上げるまでもございません。従来の土地利用はその場当たりで、公共事業の方向は残念ながらまだ確立されておりません。都市計画が確立されて初めて公共事業の方向が確立し、また、国民もそれを理解し、協力もしていただけるものでありまして、特に本案では未確定土地も先買いの対象にされております。本来なれば都市計画が先行しなければならない。都市市街化区域、調整区域の線引きは九〇%まで終了しておると私は聞いておりますが、その次の段階であります用途規制の決定、都市施設の決定はいまどのようになっているのか、また行政指導をされているのかお伺いしたいと思います。
○説明員(大塩洋一郎君) お答え申し上げます。 先ほど御指摘のありましたように、大体市街化区域、調整区域の線引きの作業は約九三%程度進行しております。それに伴いまして、線引きを行ないましたところにつきましては、直ちにその境界の変更にあわせまして、用途地域の変更及びそれに関連する都市計画諸施設の変更を直ちに行なったところでございますが、従前から都市計画区域内の用途地域あるいは都市の施設につきましてはきめているのでございますけれども、たまたま昭和四十六年から建築基準法の改正に伴います新用途地域の設定をすることになりましたので、現在その新用途地域の指定を全国的に急がせておる段階でございまして、昭和四十八年の十二月末で現在の用途地域が変更になりますので、それまでに作業すべく全国的にその事業、指定の準備を進めている段階でございます。ちなみに申し上げますと、四十七年の六月までに大体六十四、あるいは四十七年の、ことしの十二月までに百九十四、合わせて二百五十八の都市につきまして、約八〇%くらいでございますけれども、線引き作業を行なった新用途地域の決定につきましては、そういうスケジュールで進んでおります。なお、これとあわせまして、線引きを行ないました都市計画区域につきましては、新用途地域の指定とあわせまして、諸般の都市計画諸施設の再検討をすべくこれを指示しておりまして、大体この用途地域の指定とあわせまして作業を進めていると、こういう段階でございます。
○村尾重雄君 いま都市施設の決定も含まれておったものとは理解しますが、これは現在どうなっているのかということをなおひとつお答えいただきたいと、こう思うんです。 次いで、都市計画事業を施行するにあたっての起業者の態度にも私は今日問題が多々あるのでないかと思います。というのは、起業者というのは業を起こすと、こう御理解願っているのですが、計画が発表されても実際の事業は延び延びとなり、地域住民の生活は数年にわたって不安定な状況に今日放置されている個所が多々ございます。たとえば道路指定に当たっているとか、あるいは河川の指定に当たっているとかということが、また、立ちのきをいついつまで、まあ大体何日ころまでということを聞かされても、そのままで今日一年、二年、三年、五年、ところによっては十年放置されているところ等も多々あることを知っておりますし、また聞いております。私は、たとえばそういう不安定な状態で現在居住されておる人たちに対しても、やはり都市計画を実施するにあたっては、時間的な計画とかまた事業計画というものを、すなわち、都市計画を実施するタイムスケジュールというものの決定等について、私は法制定とは言いませんが、公示なり公表する必要が私はあるのでないかと思うのであります。こういう点についてひとつ御意見を伺いたいと思います。
○説明員(大塩洋一郎君) 都市施設の決定状況につきましては、全国的な数字で申し上げますと、たとえば道路につきましては、これは都市計画で街路と言っておりますけれども、約四万三千キロメーター決定済みでございまして、供用または完了しているものが、そのうちの一万一千四百キロメーターとなっております。公園について申し上げますと、公園につきましては三万八千五百二十一ヘクタールでございます。そのうち供用または完了しているものが一万五千二百九十五ヘクタール、こういうふうに非常に膨大な都市施設を定めているわけでございます。これは将来の都市のワク組みをきめ切ってしまわなければいけませんので、そういう意味で先行的に先を見通しまして、大体二十年くらいの先を見通してきめているような状況でございます。そしてこれをいざ事業に移します場合には、新都市計画法では、県の行ないます事業につきましては大臣が、それから市町村が行なうようなものにつきましては知事が、あるいは民間が特許を得てやりますようなものにつきましても知事が、それぞれ事業の認可という行為をするのでございまして、その認可につきましては、ただいま御指摘のありましたような公示をいたします。これを都市計画法の省令の定める手続に従いまして公示いたしておるような次第でございます。ものによりまして、事業がおくれたりいたしますものが相当出ておりますのは、主として最近における土地の取得難、あるいは補償等の問題のトラブル等がございましておくれるものがございますが、団地関連というような施設につきましては、その団地の造成とあわせて、街路だとかそのほかの施設をスケジュールをつくって、これを告示いたしまして、その公示どおりに進捗している例が多いのございますけれども、街路網というようなものにつきましては、これは相当長年月かかります。その中でも、相当大きな幹線になりますと、おくれる例が公園、大公園あるいは街路等について見られるわけでございまして、これはそのつど施行期間をきめておりますから、この期間の変更の認可を得なければなりませんし、変更の認可を得ましたならば、これを何年延期したということを公示する仕組みになっております。
○村尾重雄君 本法とは別に、新都市計画法等において先買い権、買い取り請求権の規定がございます。これは現在どのように運営されているか、お答えいただきたいと思います。
○説明員(大塩洋一郎君) 都市計画法の五十五条によりまして、知事が指定いたしました施設、重要な施設等につきましては、その中の全面的建築禁止が行なわれます。それに伴いまして、そういうところでは買い手もなかなかつきませんから、地主に対して買い取り請求権を認め、かつまた、その施行者に対しまして先買い権を与えております。現状を申し上げますと、まだ都市計画法施行後、五十五条の指定を行なった個所は少ないのでございますけれども、この先買い権を行使しまして、地方公共団体が先買いいたしました実例といたしましては、昭和四十六年の福島県の道路の用地といたしまして一件ございます。なお、都市計画法の六十七条という、先ほど申しました事業の認可後におきましての先買いの制度の行使の例といたしましては、最近、道路、公園等の用地につきまして合計六件、例がございます。なお、都市計画法五十六条の地主からの買い取り請求、これに応じまして買い取りました例は相当ございまして、件数で三百七十八件、面積にいたしまして約六十ヘクタール、金額にいたしまして四十四億円ということに相なっております。
○村尾重雄君 続いて建設省にお聞きするんですが、現状、公用地の買い上げは各事業主体が区々に行なわれておりまして、事業主体の多元化傾向といいますか、地価高騰の要因になっていることは御承知のことだと思います。私のお尋ねしたいのは、売り手といいますか、地主側は複数です、たいていの場合。これが売買される場合においての交渉は、大体組織化されるというのか、組織化されるということばは少し行き過ぎか知りませんが、統一して買い主に当たるという傾向で価格のつり上げを行なっているのが現状です。と、買い主のほうは大体いま申し上げましたように、非常に多元的な傾向があるんですが、これについてどう考えてこれから対処されるかということを聞きたいのと、いま一つは、私はこれは大臣にお聞きしなきゃならぬのですが、国段階の需要にあっても、統一的に公共用地を買い上げていく機関が必要でないかと思うのです。地方公共団体の土地買い入れ問題ではなくして、国段階においても私はその統一的な公用地を買い上げする機関というものが必要でないかと、こう思うのですが、これについてのお考えを伺いたいと思うのです。
○政府委員(小林忠雄君) 確かに一つの地域にいろんな公共事業の主体が入りまして、ばらばらの値段をつけますと、それが非常に値段のつり上げになるということがございます。そこでこの法律案におきましては、先買いの主体を地方公共団体等というぐあいに限りまして、公共団体と土地開発公社及び地方住宅供給公社、地方道路公社、日本道路公団、住宅公団、これだけに限ったわけでございます。なお、買い上げの価格につきましては、地価公示法によりまして、公共事業の土地買収については公示価格を基準とするということで調整をとっておるわけでございます。 なお、国の業務でございますが、府県段階におきましては、土地開発公社というのがかなり用地取得で窓口となって大量の土地を買うことが期待されているわけでございますが、国につきましては、この法律案十七条によりまして、土地開発公社が国その他の公共的団体の委託に基づきまして土地の取得のあっせん等の業務を行なうことができることになっております。事実、現在、私法人でございます土地開発公社等が国の国道の用地とか、あるいは日本道路公団の高速自動車国道用地というようなものを県のまた再委託を受けて統一的に取得するという例がかなり多いわけでございます。
○国務大臣(西村英一君) 審議官もちょっと答えましたが、先生のおっしゃるのは、国でその土地公社等を持って、たとえば住宅もそこが買うし、あるいは道路もそこが買うし、あるいは鉄道を敷く場合もその公社が買うというような制度はつくれないかというお考えであろうと思います。しかし、それは一つの方法ではございますが、やはり土地を買う以上は、事業の内容がわからぬとなかなかむずかしいと思います。したがいまして、現在では住宅公団は住宅公団、自分の公共事業をやるものを、鉄道は鉄道で自分の公共事業をやるものを、こういうふうに分かれているわけでございます。それをさらに進んで公社をつくってそれでやったらどうかということは、一つの提案ではございまするが、なかなか事業がわからずして土地を買うことができるかできぬかという問題が私はあろうと思います。したがいまして、これは一つの提案でございますから、十分検討はいたしますが、いま直ちにそれでは公社をつくって全部一元的にやったらという、直ちにそういうことを申し上げるわけにはいかない、検討はいたします、こういうことでございます。
○村尾重雄君 次に、地価公示について尋ねますが、本案における公有地の先買いは、地価公示価格を基準として協議するとされております。現在の公共用地の売買は地価公示価格を大幅に実情は上回っている現状であります。私は、このことが最低線に位置づけられておるのでないかということなんです。それが現在の実情だと思うのです。いま実際の価格の問題です。そこで、地価公示制度も御承知のとおり四年目をことしは迎えているんですけれども、この制度の現在は、私は、当事者においてはどのように地価公示について現状評価をされているか、伺いたいんです。現在地価標準価格を越えてこれが現状取引されていることは、世間ではそれが最低線になっている現状になっているんです、上回っているやつは。この地価公示価格というものがすでに制定されてから四年目を迎えているんですから、このあたりで私は再検討さるべきだと、こう思うのですが、これについてのひとつ御意見を、評価を聞きたいと思うんです。
○政府委員(高橋弘篤君) 地価公示制度は、昭和四十五年に第一回九百七十地点、それから去年、ことしは御承知のとおり二千八百地点すでに公示をいたし、今後も着々とそれは公示をしてまいるわけでございまして、この価格は先生が一番の最低の価格みたいになっているとおっしゃいましたけれども、この価格は御承知のように、いわゆる正常価格ということで法律はなっております。俗に言うことばで、中値と称しておりますけれども、この土地の売買には、たとえば早く買わなきゃいけないとか、どうしてもそこを早く売りたいとか、そういうような特殊の売り主とか買い主の事情というものがあります。そういう特殊な動機というものを除きまして、そして普通の不動産市場で自由に取引したら、その価格はどうなるかということについての正常価格であるわけでございます。したがいまして、そういう意味で中値と申すものでございまして、そういう正常価格で取引されることが望ましいと私ども思っております。御承知のように、地方公共団体とか国だとか、そういう公的に土地を取得する場合におきましては、この価格を基準にいたしております。すでに、四十五年の実情を申し上げますと、大体この公示されました地点の対象の地域のあるものにつきまして、大体七割はすべてこれを基準にいたしております。残りの三割も、そのうちの一割はこれは前年度で価格をきめておるもの、したがって、前年度の価格で買うから必要ないもの、あとの二割というものは隣接地とか類似地域というものがなくて、これを事実上基準にできないというも、のでございますから、大体地点のあるところは、基準にできるところはすべてこれを基準にしているわけでございます。 問題は、一般の民間取引にこれをどういうふうに利用するかということでございます。これは最近におきまして大手のデベロッパーあたりは、この地価公示価格のあるところは、地価公示価格はこれでございますというようなことを買い主の民間人に教えている。そういうことで、地価公示価格を守らせようと、そういう場合も多うございます。それからまた、この公示価格というものは市町村役場、東京では区役所にこれは登録されておるものでございます。これを閲覧することができますので、閲覧の件数も相当の件数にのぼっております。電話の照会も相当ございます。そういうことによりまして、これが利用されているということを私ども考える次第でございます。また、不動産鑑定士にこの価格を鑑定させます場合が多うございますけれども、その場合の不動産鑑定士の鑑定評価には、公示価格のあるところはこの価格を基準にするということに法律上なっております。これも調査いたしますと、大体土地についてはすべてそういうものを基準にして評価されております。そういうようなことで、私ども地価公示価格につきましては、なお今後その制度を拡充する必要はあろうかと存じますけれども、現時点におきましても相当利用されている、効果のあるものと信じている次第でございます。
○村尾重雄君 次いで、税制措置についてちょっとお伺いしたいのですが、先ほどこの問題にも触れられましたので何ですが、あえてお尋ねします。 租税特別措置法の一部改正によりまして、本案に基づいて買い取られる場合の譲渡所得の特別控除が三百万円が法制されておりますが、通常の場合、長期保有土地の譲渡控除との関係はどうかということです。というのは、公有地の拡大の推進に関する法律に基づき、地方公共団体または土地開発公社によって、先買いによって買い取られた場合においては三百万円控除というようになっています。とともに、いま申し上げましたように、通常の長期保有土地を譲渡した場合においては、五年以上というのですが、百万円の控除になっております。これは、この場合、三百万円と百万円と同時に控除されるものだという解釈をもっていいのかということが一つと、それから先買いを推進する立場からみますと、三百万円の控除ではあまりに少ないと思われます。というのは、御承知のように、少し坪に積み重ねをやれば三百万円というようなものの扱い方はすぐ取り返せると思いますが、これがあまりにも少ないと思うのですが、どうおとりになっているかということ。また、地価公示価格を基準にするとの観点から、一定額を上回った場合、売買価格に対して課税の対象とするような処置を、少し重い税をかける、一定の線を上回った、法に基づく価格を上回った場合においては、少し課税についてはきつい対象としてお考えになるつもりはないかということをひとつお聞きしたいのです。
○説明員(高橋元君) 第一点でございますが、この租税特別措置によります三百万円の特別控除は、百万円の通常の特別控除にかえて適用になるわけでございます。したがって、公有地拡大法によりまして買い取られました土地については、四条の届け出に基づきます協議によって買い取られました土地については三百万円の特別控除のみが適用になります。 それから第二点でございますが、公共用地、まあ一般に収用の場合に千二百万円、それから権利制限、たとえば史跡とかそれから飛行場周辺の騒音地域とか、そういう強い制限を受けております場合に、申し出によって買います場合には六百万円、それからまあただいま問題になっております公有地の先買い権に基づきます買い取りの場合には三百万円、それから通常の売買の場合に百万円、こういうランキングがあるわけでございますけれども、公有地拡大法の三条によります都市計画区域内の土地、それから道路、都市公園、こういったものにつきましては、おおむね千二百万円控除の適用があるというふうに考えられますので、三百万円控除の適用になりますのは、いわゆる二千平米以上の土地というものがこれに該当いたすものと考えるわけでございます。収用の場合、史跡保護の場合と比べまして権利の制限ということが弱いわけでございますので、したがいまして、私どもといたしましては、他のこういった強制的な売買とのバランスからいいまして、三百万円の控除ということでやむを得ないかというふうに考えているわけでございます。 第三番目の御質問でございますが、公示価格を越えた売却について高率の譲渡所得課税をやってはどうかということでございます。これにつきましては、四十五年の八月に地価対策閣僚協議会で御論議がございまして、その結果、今後早急に検討すべき施策として、「土地の投機的取引を抑制し、土地の値上り利益の帰属の適正化を図るため、」「公的土地評価の適正化に応じ、適正評価額をこえる土地売却益についてとくに高率の課税を行なう税制として、土地高価譲渡所得税の創設を検討する。」と、いうことが掲げられております。その線に従いまして、今後公的な土地評価の適正化と一本化というものを推進してまいりまして、その前提の上でこのような土地高価譲渡所得税の創設の検討をしていかなければならないわけでございますが、大づかみに申しまして、問題は三つほどあろうかというふうに考えます。 第一番目は、先ほど御質問のございました土地価格控除制度等をはじめとする公的な土地評価の適正化ということがどういうテンポで進展をしてまいるか、つまり一定の価格を越えますと、非常に高い税率がかかるわけでございますから、そういう場合の公的な評価というものは、国民から見て、土地の所有者から見ても納得のできるようなものでなければならないだろうということでございます。 第二番目は、保有課税の基礎となるような土地評価とこういった土地価格公示というものがリンクしていないといけないのだろうというふうに考えます。平素から、まあ保有でございますから、持っている段階からかかってまいります税金というのは土地保有コストでございますが、そういうものを出します際の公的な評価と、それから売りました際に高率の課税が行なわれます。その限界をきめます公的な評価というものとの間には統一がないと課税上適正を期しがたいということであると思います。 第三番目の問題といたしましては、こういった土地にかかる高率な課税というものが、往々にして売買の際に買い手に転嫁されるということがあろうかと思います。これは基本的には土地の売買についての諸般の規制ということによって阻止されるべきだと思いますけれども、いまのような売り手市場でございますと、とかく税が転嫁されて、地価高騰に拍車をかけるということになりかねないという点も問題かと思うわけでございますが、私どもは、いま申し上げましたようないろんな問題を踏まえて、今後土地の公的評価の適正化と一本化ということとの関連においてこの問題の検討を進めてまいりたいと考えております。
○春日正一君 きわめて実際的な問題をお聞きしたいと思うんですけれども、最初のは、再開発用地の先買いについてですね。御承知のように、区画整理や都市再開発事業を行なう場合に、減歩とか権利変換というものがやはり住民の協力を渋らせる一つの要素になっておる。だから、この場合、こういう地域の中でも公共が用地を先行取得して道路や公園に充てて、減歩や権利変換からくる圧力というか、損害というか、そういうものをできるだけ緩和するというようにすれば、防災のための都市改造というようなものもやりやすくなるんではないかというように考えるんですけれども、その点はこの法律ではどうなっておりますか。
○政府委員(小林忠雄君) この法律案の第九条におきまして、第六条の手続によりまして買い取られた土地は、九条の一項各号に掲げる用以外の用に供しちゃいけないということになっております。そこで、九条の第三号におきまして、「前二号に掲げるもののほか、これらに準ずるものとして政令で定める事業」というのがございますが、その中に、再開発事業等を含めるか含めないかということについて現在関係省の間で検討をいたしておりますが、含める方向で検討をいたしたいと思います。
○春日正一君 それはぜひやってほしいと思うんですね。特に都市の人家の密集した地域で、いままでのたてまえでいけば、どこでも区画整理や再開発というものは住民の反対で行き詰まってしまっておる、なかなか実施できないような状態になっているわけですから、こういう経過から見ても、市街地の区画整理には、幹線道路については道路管理者の負担金を払う制度とか、保留地をとらないで工事費を公共が負担する都市改造方式というようなものをやられるようになってきたということは、やはりそういう抵抗に対する一つの緩和措置ということだったと思うんです。だから、この際、やはりそういう面での先行取得を可能にして、再開発なり都市改造事業なりを十分やりよくする、そういう方向で政令をおきめになるならきめてほしいと思います。 それから、次の問題ですけれども、公園緑地や代替地の確保の問題ですね、これは全国の——どこでもそうですけれども、特に東京、大阪などの大都市では子供の遊び場だとか、公園だとか、緑地というようなものを、小規模なものでもいいからできるだけ多数つくってほしいし、つくる必要があるということになっております。ところで、この法案ではそういう用地の先買いはどういうふうになっておりますか。
○政府委員(小林忠雄君) 都市計画で決定をしておりますような公園につきましては、当然第四条の第一号によりまして先買いができるわけでございますが、まだ、この御指摘のような子供の遊び場等については、あらかじめ都市計画で位置を確定しておくということがなかなか困難なことが多いわけでございます。そこで、第四条第一項第四号におきまして、二千平方メートル以上の土地についての届け出の制度をつくっておりますが、二千平方メートルと申しますと、ちょうど児童公園の規模に当てはまる。したがって、あらかじめここときまっておりませんでも、まとまった土地が売りに出されるという際に、公共がこちらのほうにひとつ売ってくれないかといってこれを取得をするということを考えておるわけでございます。
○春日正一君 その場合、都市計画できめる公園というのは大体相当大きな規模のものになるわけで、無数にというわけにはいかない。それから都市公園法に基づく都市公園というものでも、いままでの実績で見れば大体用地を確保する見通しがついたようなものがきまっているというような実情です。そうではなくて、もっと手軽にちょっとこのぐらいのものでもいいから都市の中に子供が遊んだり、おとなも息抜きができる、防災の役にも立つというような空間がもっともっとたくさん必要になっている。そういうものを手に入れることがなかなか困難になっておるわけです。だから、そういうところに役立つようにできるくふうですね、そういう土地を先買いできるということがないものかどうかという問題です。
○政府委員(小林忠雄君) 都市公園法の施行令によりますと、児童公園の規模といたしまして敷地面積が〇・二五ヘクタールが標準だということになっております。そこでこの法律案の第四条の第四号におきましては、「二千平方メートルを下らない規模で政令で定める規模以上の土地」というものを、あらかじめ都市計画できまっておりませんでも届け出対象にしております。二千平方メートル以上ございますれば、そのまま児童公園として適格な規模を持っておりますので、こういうようなものをなるべく広く活用してまいりたいと考えております。
○春日正一君 私の言っているのは、二千平方メートルなくても、もっと小さなところでもあいているところを買っておくということができるようにできぬものかということですわ。
○政府委員(小林忠雄君) 第四条におきまして届け出を義務づけて買いますものは二千平米以上ということになっておりますが、第五条におきまして、そのほかに、市街化区域内に存するもので面積が政令で定める規模以上のものについて買い取りの申し出ができるようにしているわけでございますが、この政令といたしましては、一応三百平方メートル以上ということを予定しております。
○春日正一君 そういうものを買う場合、一番問題になるのは、地方公共団体にそういう買おうという気があっても、金がなければどうにもならぬという問題だと思うんです。そうして子供の遊び場や公園、緑地にするにしても、国からの補助金の見通しがなければ、乏しい資金の中ではなかなか先買いしようと思ってもできないという事情が出てくる。だからそういう点ではやはり土地取得計画をつくってどうするというようなことではなくて、やはり地方自治体がそういうものを買うというものに対して財源を保証してやるということが十分されなければできないんじゃないか。そこの点どうですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 今度の公社の公法人化によりまして民間資金の導入ということも、債務保証等も行なうようになっておりますので拡大されるであろう、かように考えます。また、農業協同組合の資金の員外規制も公社に対してははずされるというようなことによりまして、公社の資金需要というものも十分活用できるのではなかろうか、かように考えております。なお公共団体自身が行ないます分につきましては、本年度地方債計画等におきまして児童公園等も補助率を上げますし、また、これらに対する起債または先行取得債等をふやしまして、拡充いたしまして、できるだけ地方公共団体が土地所有を行なうことができますように、財政的にも処置いたしたような次第でございます。
○春日正一君 私がそれを言うのは、たとえばこういう問題があるんですね。ついことしになってから、東京の大田区でマンションが建つというので、住民が日照権の問題で反対してもめておってどうにもならなんだけれども、結局大田区が別なところに移転した工場のあと地を買って持っておったものだから、マンション業者にはそっちをかえ地にやってマンションを建てさせて、前のマンションの反対を受けた敷地は児童公園にしたということでうまくおさまったという例があるんですね。だから自治体が何にするかんにするといってきちっときまったものを買うというだけでなくて、そういう形で買って持っておれば、これはかえ地とかあるいはそういうことに使えるし、また実際そういうかえ地があるないということでいろいろ日照権の問題だけじゃなくて、公共の事業をやってこの土地がほしい、そのかわりこっちのかえ地をやるというようなことで円滑にいくという面もある。だからそういうものが相当自由に買い取れるようなことになってないとぐあいが悪いと思うのですけれども、その点は、この法律では十分に保障されていますか。
○政府委員(小林忠雄君) この法律案の第九条によりますと、第五条の規定に基づきまして買い取りの申し出をして公共団体等が買いましたものにつきましては、公共施設の整備のための事業に必要な代替地の用に供することができるということになっております。ただいま御指摘の都市公園というのは、この第九条の一号ないし二号に該当する公共施設でございますので、この公共施設の取得に伴って立ちのかれる方の代替地ということに該当するかと思います。
○春日正一君 そうすると、いまの場合、たまさか買って持っておったからそれができたんだけれども、しかし、その買ったときには別にそれをマンションの敷地の代替地にするつもりで買っておったわけではないのだけれども、しかし、それがあったからかえられて、これが児童公園になったということで、あとから理屈をつければそういうことになるのですけれども、そういうことを初めからできるのですか、そういう前の関係で。
○政府委員(小林忠雄君) この法律の第六条によりますと、買い取りの際には使用目的を示して買えということになっておりますので、代替地につきましても、何だかわからないけれどもとにかく公共事業の代替地というのではやや適当ではないんではないか、むしろどこどこの街路事業のために立ちのく人のための代替地だと、こういうような示し方をして買うことになろうかと思います。しかし、田中委員の御質問にもお答えいたしましたように、九条の各号の間の転用ということは法律的に禁じておりませんので、結果として、たまたま予定していないものでありましても、必要に応じまして他の公共施設の代替地にするということは法律的に可能でございます。
○春日正一君 どうもはっきりしない。何かそこらが非常に狭く押えられているような気がするのですよ。 そこでもう一つ最後に、この法律の効力の問題ですけれども、買い取りは任意協議制だと、買い取り価格は地価公示価格を基準にしてやると、二週間以内に協議に入るかどうかを通知せよとか、届け出しなくてもまあ罰金を十万円払う気になれば売買行為は成立するというようなことになりますと、やはりきめ手に欠ける。だから、実際上大きな期待が持てないんじゃないかというふうな気がするんです。で、都市計画法の先買い制度、四十四年施行以来、これ聞いてみましたら、成り立ったのが全国で六件というのですね。四十四年ですから、約三年ぐらいの間にわずか六件というのですわ。そうすると、こういう法律ができても同じようなことにならぬだろうかという不安がある。だから、そういう点では、もっと確実に、そしていま土地の要るのは非常に多いわけでしょう、地方自治体にしろあるいは建設省の関係にしろ。だから、それをもっとたくさん十分に確保できるようなくふうをしていくべきじゃないかというふうに考えます。 その点では、私それに対して特に答弁は求めませんけれども、しかしこの法律では、こういう条項を見てみると、非常に弱くて、しり抜けになるおそれがあるような気がする。その感想を申し述べて質問を終わります。
○委員長(玉置猛夫君) 以上で予定された質疑は終わりましたので、本連合審査会は終了いたします。 これにて散会いたします。 午後五時四十七分散会