地方行政委員会 第20号
- 発言数
- 183 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/06/01
会議録
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 公有地の拡大の推進に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(玉置猛夫君) 連合審査会に関する件についておはかりいたします。 公有地の拡大の推進に関する法律案について、建設委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、連合審査会の開会の日時につきましては、両委員長の協議により決定いたしますが、来たる五日、月曜日、午後二時から開会の予定でありますので、御了承願います。 —————————————
○委員長(玉置猛夫君) 当面の警察行政に関する件について、警察庁当局から発言を求められておりますので、この際、これを許します。丸山警備局参事官。
○説明員(丸山昂君) イスラエルのロッド国際空港におきますゲリラ事件につきまして、外務省から御連絡をいただいた分を含めまして、ただいま私どもの判明しております点について御報告を申し上げさせていただきたいと思います。 まず、イスラエルの外務省のアジア局長から、当方駐在の大使あてに連絡がございました三人の氏名とその旅券番号でございますが、氏名につきましては、ナンバ・ダイスケ、トリオ・ケン、スギサキ・ジロウ、この三人を使っておりますが、これについては外務省は、こういう名前での旅券を発行した記録がないということでございます。 それから旅券番号と氏名との関係でございますが、それもやはり相互に関連性がないということでございます。 旅券番号につきましては、それぞれ全然別の方々に発給されているわけでございまして、その氏名の方々につきまして私どものほうで調査いたしました結果、いずれも御本人が海外旅行を終えられて日本に帰っておられまして、それをそれぞれ記念として大事に保管されておられるという事実を確認いたしました。したがいまして、ここに出ております旅券番号は全部偽造のものであるという判断をいたしております。 それから外務省からの御連絡でございますが、現地の当方の大使館員がナンバ・ダイスケなる者について、直接本人に会って話を聞くチャンスを先方政府の特別なはからいで得られておりますが、それによります報告によりますと、本人の所持品及びことばの点から日本人であることは間違いない、ことばは関西弁と九州弁が一緒になったような印象を受けているということでございます。 それから本人の黙秘の行使で、あまりはかばかしい供述を得られておりませんが、これによりますと、本人自体は四月九日ごろでございますが、関西の地区からそれぞれ四月の九日、二十八日、それから五月十一日、いろいろ供述が出ておりますが、別々に日本を出ている。で、一たんベイルートに参りまして、ベイルートのアパートに入れられ、それからまた、別の村に移って訓練を受けた、そしてまた、再びもとのアパートに戻ってヨーロッパに参りまして、二十一日にローマに入ったと、新しいパスポート——問題のパスポートですが、これを渡された。そして、三十日にローマを立って、テルアビブへ来た、こういう経路でございます。それから、本人の所属についてははっきりした供述が出ておりません。ただ、このパスポートによりますと、京都府発行となっておりまして、職業は京都大学とだけ書いてあるそうでございます。その他所持品といたしましては、岩波文庫版のランボー詩集「地獄の季節」、それから、その行間に毛沢東、金日成という字が書き込んであるそうであります。それから、手記のようなものがございまして、これには「結論的に武装闘争を観念的に理解するのは誤りである」というような趣旨のことを書いてございます。現在のところは以上のとおりでございまして、私どもとしては、本人の人定をするに十分な資料を得ておりませんので、はっきりどこのだれであるかということを確定するに至っておりません。昨日の晩、ローマに駐在しております当方から外務省にごやっかいになっております森田書記官を現地に急行させるよう、外務省のお取り計らいで処置をとっておりますので、これら現地到着の後に詳しいことが判明するのではないかと思っております。 それから、指紋の照会でございますが、これはICPO——国際警察機構でございますが、これと、それから外務省とこの両方にお願いをいたしまして、三人の指紋を採取をして当方に送付をお願いできるように手配をしております。 以上でございます。
○占部秀男君 いまの報告で、これは国際的な問題ですから、大事な問題ですが、その程度しか報告ができない事情もわれわれもわかります。ただ、いまの報告の中でローマに行ってからの旅券の云々の問題がわかっておるんですから、日本からどういうふうに出ていったのか、それもわからないし、それから、その者の、したがって身元もわからないということですが、これは大事な問題ですので、至急に警察庁で調べて、当委員会のほうにその他の問題と一緒に報告できるように、ひとつしてもらいたいと思います。以上です。
○河田賢治君 私、きょう昼からだと思って、実は準備してこなかったんですが、御承知のとおり、この委員会でもかって連合赤軍の問題で言いました。あの、いろいろ彼ら自身が発表した中に、世界の同時革命だという主張のもとに、一つは北朝鮮とか、これはハイジャックで実行したわけですね。それから中東、あともう一カ所どっかありましたが、つまり、世界に三つの拠点をつくってここで赤軍を訓練する。いわゆる軍事組織を先につくり、その中で政治組織をつくって、そして世界の同時革命だということを彼らは主張していたわけです。当然あなた方のほうでも後藤田長官なんかも、中の、いろいろなこれらの団体の中には協力者をつくっておるとおっしゃっていたんですが、こういうところはあまりそのほうからの情報はなかったんですか。 それからもう一つは、婦人の方が向こうにいて、看護婦かでですね。それと日本とだいぶ手紙のやりとりはやっているということはちょっと新聞で読んだんですが、こういう問題は、日本のほうでキャッチできてないんですか、あるいはその人なんかの身元なりは全然あなたのほうではつかんでおられないんですか。
○説明員(丸山昂君) 今回の被疑者が赤軍であるかどうかという点については、まだはっきり確認をされておりません。したがいまして、第一点の、ただいまの先生の御質問の関係でございますが、私どもも赤軍の合法組織についてはいろいろ情報を取り得る立場にございますけれども、現在までのところ、そのような動きをキャッチしたということはございません。それから現地にいろいろすでに日本から行っているのではないかというお話でございますが、私どもの知り得る限りでは、元赤軍派の幹部、中央委員をやっておりました重信房子という人が奥平剛士という二人で、これはまあその後結婚したということになっておりますが、この二人が昨年の二月ベイルートに向けて出国をして、重信房子については現在ベイルートに居住中である。それから、奥平剛士についてはその後アルジェリアのほうに行ったといううわさが伝わっております。それから赤軍とか、その他のいわゆるセクトに属しておりません中野まり子、それから信原孝子という二人の女性がベイルートの市内の病院で看護活動に従事しているということはございます。以上です。
○上林繁次郎君 私は聞くだけだということでありますので、用意はしてないのですけれども、一応皆さんお聞きになっているようですから。この問題は外国で起きた問題である。したがって、その事情がまだわからぬ。この点はわかります。至急に調査をする、こういうことになると思いますが、しかし、これがいわゆる他国に起きた問題ということで、調査がまだ進んでおらないということだけで、私はとめておくわけにはいかぬだろう、こう思います。ということは、こういう事件がいつまた日本に起きないとも限らない、こういういろいろの心配が事件を契機に起きてきたと思います。そこで、この問題ずばりでなくてお尋ねをしてみたいのですけれども、「よど号」乗っ取り事件ですね。その後あの事件以来、赤軍派が世界的な拠点をつくるために、盛んにパスポートを集中的に入手をしておった、こういう情報が入っておったわけですね。これは当局も知っているだろうと思う。その点について「よど号」事件以来、そういう情報が入っている中で、いわゆる当局としてはどういう手を打たれてきたのか、その点ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(丸山昂君) 一部伝えられておりますように、赤軍がパスポートを収集して、これを非合法活動に使うという動きがあった、こういうことでございますけれども、私どもはいままでのところ、そのような事実、また、そういう情報も得ておりませんし、事実も確認をしておりません。ただ、赤軍がただいまお話がございましたように、国際的な、世界的な同時革命を目ざして活動をするということで、海外の根拠地を確保するという意味での国際的な連帯活動と申しますか、こういった意味で、海外との連携を深める活動をしている、こういうことは在来から出ております。一番最初に出ましたのは、昭和四十四年の十一月に、赤軍の元中央委員の小俣昌道、これがアメリカで国際根拠地を建設するのだ、こういう趣旨で渡米をいたしまして、アメリカでSDS、これは民主社会のための学生連合という組織でございますが、これとか、あるいはブラックパンサーの党幹部と会談をいたしましてそういった積極的な動きを示したわけでございますが、先方の反応がなくて、結局四十五年の三月に帰国している、こういう事実がございます。それから先ほど御質問のございました重信房子中央委員がベイルートに参ったということと、それからハイジャックの事件が起きた直後に、今回の事案の主体になっておりますアラブ解放戦線、これから、亡命をいたしました赤軍のメンバーがアラブに来ることを歓迎するという趣旨の声明が出ております。それから昨年の暮れに若松プロダクションで製作いたしました赤軍……、これは現地のアラブ解放戦線のルポルタージュでございますが、ちょっと題名を失念いたしましたが、これを全国の各地で上映をしたのでございますが、このときに、イエメンの国籍を持っておりますアラブ解放の幹部が来日をいたしまして、この上映の集会のときにあいさつをしておる、こういうような事実がいままでのところ判明しておるところでございます。
○上林繁次郎君 そうしますと、いまのお話ですと、いま私が申し上げたように、「よど号」のハイジャック事件以来、赤軍派がいわゆる海外の拠点づくりのためにパスポートを入手しているという、そういう情報は当局としては全然わからなかったと、こういうことですね。いまのお話ですと、その点どうなんですか、全然わからなかったということなのか。
○説明員(丸山昂君) ただいま御説明いたしましたような範囲でございます。
○上林繁次郎君 こういった問題をこれから起こしてはならないのですけれども、そのためのいわゆる責任ある立場といいますか、当局はそういう立場になろうと思います。そこで、これからの対策というものが一番大きな問題になってくると、こう思います。そこでこの問題は、これから調査をしていくのでしょうけれども、即これからどういうふうにこれからの問題について、今後発生する可能性のあるそういった問題についての対策、これはどのように立てていかなければならないか、この問題が非常に重要な問題だと思います。その点をどうお考えになっておるかお伺いしたい。
○説明員(丸山昂君) 結局私どものほうで、赤軍ないしはそのほかの最近の警視庁管内で検挙いたしましたいわゆる黒ヘル集団グループというようなもの、こういうものがたくさんあるわけでございまして、こういったものについての動きを十分に把握をして、できるだけ未然に防止をしていくということが理想的なやり方だと思うわけでございますが、しかし、現実にはなかなか多くの困難を伴いますので、私どもとしてはできるだけそういう措置をとってまいりたい、こう思っております。 それからこれは申し上げるまでもないことでございますが、旅券法によりますと、長期五年以上の刑を犯した罪によって逮捕状その他が出ておる者についてのみ拒否権があるということでございまして、軽易な犯罪については旅券を交付をせざるを得ない仕組みになっておるのでございます。私どもはそういった、はっきり国内において犯罪が行なわれておるということが察知されれば、これについて逮捕状を得て事件を進め得るわけでございます。また、それが海外に逃亡するという場合には、旅券の発給を差しとめていただけると、こういうことでございますが、現実に国内で犯罪を犯さず、外に行ってやるということになりますと、なかなかその点については事前に押えるという点についてかなりむずかしい点が実際問題としては起きるのではないかというふうに考えております。いずれにいたしましても、現行法をフルに活用いたしまして、また外務当局とも密接な連絡をいたしまして、できるだけこういった事態の再発を防止するように努力をいたしたいと思っております。 —————————————
○委員長(玉置猛夫君) 地方行政の改革に関する調査のうち、交通行政等の当面の諸問題に関する件を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○杉原一雄君 私は、いま相模原に兵器関係の補給廠があるわけですが、そこと横須賀の間を米軍の戦車ないし装申車等が縦横に往来をいたしておる問題について、道路の管理監督の立場から建設省、第二点は、交通秩序の確立の立場から警察庁、そしてそうした問題を越えた大きな外交的な問題、いわゆる安保、行政協定等の問題をめぐって外務省当局に質問を続けたいと思います。 場所が場所だけに私の質問の最初の発想は、四十七年度の交通安全施策に関する計画、先般交通白書とともにいただいたわけでありますが、その中で特に、交通秩序の確立の問題、これはお出しになったのはそちら側でありますから、私から申し上げるまでもないわけですけれども、「適正かつ効果的な交通指導取締りの実施」、「どのように道路環境その他の外的条件が整備されても、運転者等一人一人の交通ルールの遵守がなくては交通事故の減少は期せられない。無免許運転、飲酒運転、著しい速度違反、他車線へのはみ出し、追越違反、その他交通秩序をみだす故意犯的無謀運転および妨害性の高い駐車違反等交通事故に直結する違反の取締りならびに」云々ということで、その点は重点的に取り締まりをするということが高くうたわれておるわけです。その観点で、冒頭申し上げましたアメリカの戦車並びに装甲車の往来の問題についてでありますが、ゆうべの毎日新聞の夕刊であったかと思うのでありますが、「三十日夜から三十一日未明にかけて六回にわたり兵員輸送車、コンテナ車を積んだ大型トレーラー二十七両が搬出された。」しかも、その周辺をめぐって、日本社会党相模原総支部員、学生等が、「ベトナムに戦車を送るな」ということをスローガンにしながら、激しい抵抗運動を展開していることが伝えられているわけです。 そこで、まず建設省にお伺いいたしますが、伺うところによると、四月一日から車両制限政令がよりきびしくなったかのように伺っているわけですけれども、その際、その制限令によって、国道使用の車両の制限ですね、重量の問題、あるいは幅とか高さとか、奥行きの問題等が明確な数字をもって規定をされていると思いますが、まずそれを明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(高橋国一郎君) 車両制限令がこの四月一日から強化されることになりましたわけでございますけれども、車両制限令の従来基準として定めておりますのは、高さにおきます限度は三メートル五十でございました。それから重量につきましては二十トン、それから長さにつきましては十二メートルがその限度になっておりますが、実を申しますと、車両制限令そのものは従来からあったわけでございますけれども、実際なかなか、これをこういういまの基準を越える車両が、実は道路管理者の認定を受ける必要があったわけでございますけれども、これを守る率が非常に悪くて、二九%程度しか調査の結果によりますと、守っておりませんので、あと七割近くが基準を守らずに走行しておったような実情でございましたので、このために発生する大型車両による死傷事故、あるいは道路の大規模な損傷等が続出したためにこの四月一日からさらに強化することになりまして、ただいまの認定というものを今度は許可ということに改めまして、しかも従来は直罰方式じゃございませんでしたけれども、今度は直罰方式に改めるなどの強化をいたしまして、そういうことと、警察とも十分連絡をとりまして、こういう違反者を摘発するような諸施策をとることにいたしましたために、従来の制限を若干緩和いたしております。たとえば高さの三メートル五十の限度を三メートル八十、これは世界的に大体三メートル八十まで許可されておりますので、日本の実情から申しまして、トンネルあるいは橋などが危険なところがあるかどうかを全部チェックしたわけでございますが、やや中央部を走りますと、十分だいじょうぶでございますので、こういうことから三メートル八十にしております。それから重量につきましても、二十トンを限度といたしましたけれども、二十七トンまで、ただしこれは建設省令で定めますが、車軸間隔等によりまして変わるわけでございますけれども、二十七トンまでは許可できるようにしております。それから、高速自動車国道におきましては、三十四トンまで許可する。それから長さにつきましては、高速自動車国道におきましては、セミトレーラー、十六・五メートルの長さになっておりますが、これを許可するという方針を立てまして、四月一日から一斉にスタートしている現状でございます。
○杉原一雄君 これは建設省道路局からいただいているわけですが、これは昭和三十六年の七月十七日でありますから、きわめて古いわけですね。確認いたしますけれども、重量が三十七年度は総重量二十トン、いま二十七トンですね。それから高さが三・八メーターとこれに書いてあるんですが、しかし、いまの局長の説明だと三・八メートルに緩和したという表現だったが、それはどうなっておるのですか。
○政府委員(高橋国一郎君) 従来、高さの限度は三・五メートルでございましたが、この四月一日から三・八メートルに緩和いたしております。
○杉原一雄君 これ違っているんですか。おたくからきのうもらったばかりで、インクの臭いがするぐらいなんですが。
○政府委員(高橋国一郎君) それは間違っていないと思いますが……。
○杉原一雄君 こんなおかしいものをもらっても困るんですが……。
○政府委員(高橋国一郎君) 先生のところに提出いたしましたのは、改正後のものが書いてございます。
○杉原一雄君 これは役所の文書ですか。これはおたくからもらったんですよ、きのう。そんなことはどうでもいいんですけれども、しかし、正確にしてくださいよ。そうしないとぼくのきょうの立論の根拠が失われてしまいますから、きょうは一番大切なのは重量です。重量は二十七トンでございますから、そこで、いまさきに例をあげました戦車の場合ですね。これは高橋局長幾らだとお聞きですか。
○政府委員(高橋国一郎君) 詳しいことは存じませんが、聞いているところでは四十トンをこえるように聞いております。
○杉原一雄君 そういうことじゃ困るのですがね。聞くところによるとじゃなくて、電話かけて聞けばすぐわかるわけですから、東京で聞いてもわかるのですね。内閣調査室に行ってお聞きになったらすぐわかります。まあ別にあなたに恥かかせようとは思わぬけれども、少なくとも国道を管理している立場から見て、どういうしろものが横須賀から相模原まで走っているかということを的確につかんでくださいよ、しかも私はきょう問題を提起をしているのですから。 この内閣調査室の資料によりますと、このM戦車ですよ、48A2が重装備をした状態のときでは十万五千ポンド、つまり四十六・七トン、軽装備の場合は九万八千ポンド、四十四・五トン、これは内閣調査室の資料によって私は言っているわけですから、局長が先ほど申しました緩和されて二十七トンですか、緩和された二十七トン、つまり四月一日以後の制限令よりはるかに越えているという事実が明らかであると思うのです。そうしますと、そうしたことももうおわかりだと思いますが、四月一日からかりに二十七トンとしましてもそれ以前はもっときびしいわけですから、だからそういう点を配慮しながら国道の管理をなさっておいでになるそちら側のほうで、こうしたことについてまず四月一日から、いままででもようございますから、これをどういう立場で走らせておいでになるのか。端的にいえばなぜ許可をなさったのか。先ほどおっしゃったように、直罰方式だとかなんとか言っておられましたが、きびしい取り締まりをなさっていないのか。国道管理の立場からひとつその見解を、ないし今日までおとりになった措置を明確にしてほしいと思います。
○政府委員(高橋国一郎君) わが国の車につきましては、これは法律の定めるところによりましてただいまの限度を越えるものにつきましては、特殊の、これは通称特認と言っておりますが、特殊の許可をとりますというと、たとえば荷重が二十七トン以上の車でも通行できるようになります。これは夜間走行するとか、前後に見はりをつけるとか、あるいは橋を補強するとか、いろいろなことをそういう指示をした場合に特別に通行できるようになっております。ただしこれはわが国の車両についてでございまして、公務中の米軍の車両につきましては通常の意味での道路法の適用があるとは言えませんために、これまでの間、道路管理者の許可を申請するというようなことがなく通行しているのが実情でございます。
○杉原一雄君 それちょっと驚きなんですけれども、そういうことを今後ともずっとお認めになるわけですか。私は第一次大戦、第二次大戦の経験者ですから、戦争状況の場合はということはある程度私たちも理解できますが、いま日本は平時の状態です。そういう状態で一トンか二トンのオーバーしているという問題とは違うのじゃありませんか。届け出なくてもいいわけですね。そのことはいまくしくも高橋局長申したように国道十六号線でしょう、ここはたしか。こういうところにつきましても先ほど例外規定として届け出をするということなんだけれども、事実は後ほど警察庁にもお伺いしますが、届け出はしていない。いま局長はしなくてもよろしいとおっしゃった。そこで特に国道八王子事務所、あるいは国道横浜事務所、これは現地では確認しておりませんが、現地の先ほど申し上げた相模原社会党総支部、あるいは私の同僚であります参議院議員竹田四郎君から調査の結果を報告いただいたのでございますが、全然届け出はない、こういうことです。だから局長のおっしゃったとおりです。ただ問題は届けなくてもよろしいということが、これは国道を守るあなたの立場、あとで警察庁の見解を求めますが、あなたの立場として正しいのですか、妥当なのですか。また、何らかの努力を今後ともしようとしておられるのか、その辺のところをまず一応はっきり聞かしてください。あなたの答弁でいま私たち耳を疑ってるんです。
○政府委員(高橋国一郎君) 道路の構造を保全いたしましたり、それから道路の円滑なる交通を確保する道路管理者の義務がございます。そういうことから申しまして、たとえば制限をオーバーするような車両が通過することは、これは日本の車であろうと外国の車であろうと好ましいことではございません。おっしゃるとおり、われわれといたしましても憂慮しているところでございます。日本の自衛隊の車につきましては、道路法じゃ一応適用の除外にはなっておりますが、事前に連絡し、こちらからの指示をいたしまして、それに従って自衛隊の重車両は通っておるようでございまして、実質的にはこちらの許可を受けたと同様な措置をとっておるようでございますが、願わくは、米軍の車両についてもそういう措置をとるのが最も適当かというようにわれわれは考えております。
○杉原一雄君 今度の、いま例にあげてる場合は戦車そのものがあそこをキャタピラで走っていくのじゃないらしいのです。トレーラーの上に載っけていくわけです。キャタピラの場合でも制限令があるわけでしょう。それはどういう制限がありますか。それをちょっとお聞きしておきたいと思います。キャタピラで道路をひっかいて行く場合、舗装が破壊されますね。
○政府委員(高橋国一郎君) キャタピラで交通することをとめるような制限令は実はございませんが、実質的に道路管理者はキャタピラでそのまま舗装の上を走ることは許可しておりません。制限令には書いてございませんが、許可しておりません。
○杉原一雄君 制限令にないというのは、ほんとにないんですか。私いまずうっとめくっていくひまはありませんが、あるはずですよ。キャタピラ——舗装を傷をつけることのないような、何とかという除外例がありますけれども、キャタピラのやつが、そういう特に戦車のごとき大物は困るようなことになるんじゃないかと私判断します、法の解釈上。なかなか道路局長きわめて寛大でおいでになりますけれども、そういうことで道路の補修なり管理ができるかどうか、私はますますもって疑問を感ずるようになりましたが、幸か不幸かこの戦車はトレーラーに載せて運んでおります。ところが、トレーラーに載せるということになると、次の問題が起こります。トレーラーのみずからの重みと戦車の重みとプラスしますと、これはばく大な重量になります。そうなりますと、また今度は次の問題になっていく。でありますから、これは自衛隊は別だ、米軍だから別だ、こういうことについてもっとはっきりした見解と申しますかね、解釈だけの問題ではないと思いますが、何か自衛隊と建設省との取りかわした覚え書きみたいなもの、そういうものを明示されないと私ら納得できません。その辺のところははっきりしてるんですか。
○政府委員(高橋国一郎君) 先ほども御説明いたしましたように、日本の自衛隊につきましては、車両制限令の許可は免除されております。特認をされておりますので、免除されておりますので、届け出れば足るようになってます。ただし、実際は防衛庁の官房長と道路局長との覚え書きを交換いたしまして、それによってあらかじめ道路管理者に通知することになってます。それに従いまして道路管理者としては橋の補強を命じたり、あるいは通過するときの方法、つまり一両ずつ間隔を置いて通過せよとか、そういうようなこまかい指示をいたしまして、それに従って自衛隊は道路を通行しているのが実情でございます。
○杉原一雄君 いまの場合ですね、局長、最後のところ、届け出があれば……。かりに、国道にかかっている一番強い橋は何トンでもだいじょうぶだ、といいますか、それと一番弱い橋、具体的に言って、横須賀から向こうまでに行く間に幾つか橋梁があるんですが、その橋梁は、Aはこれだけ、Bはこれだけという資料はないでしょうけれども、だいじょうぶだという強さですね、弱さ、限度ですね。これひとつ、きょうは無理かな、わかったら聞かしてほしい。 それから、先ほど言ったように、四十六・七プラス・トレーラーの重さですから、これはたいへんな重さです。こういうものが十六号線上の橋梁の上を走っているわけですから、それこそ人命尊重の立場からいっても非常に危険な状態をかもし出していると私は判断します。それでもなおかつ建設省は大名行列のようにお通りあそばせと、そういう柔軟な姿勢を今後もとるのかどうか。これもう一度、腹を据えて局長答えてもらいたい。
○政府委員(高橋国一郎君) ただいまの御指摘のように、超重車両が通過しているようでございますが、私も詳しくはまだ調べておりませんが、たしか橋は六つあるように聞いております、国道十六号線に。その橋について、ただいま通過したとすれば、荷重に耐えたことになると思いますが、耐えたこと自身が必ずしも好ましいことではありません。それによって耐用年数が短くなる可能性が非常に強うございます。われわれとしましては、そういう車両の通過については、十分これは検討しなければならぬだろうというふうに考えております。ただ、先ほど申し上げましたように、現在の道路法におきましては、米軍の車両を規制する方法はございません。したがいまして、外務省当局とも十分相談いたしまして、今後車両の通行について協議したいというふうに考えております。
○杉原一雄君 それでは次に、交通取り締まりの側、先ほど冒頭に申し上げたように、交通秩序の確立に全力を尽くして、日夜を分かたず御苦労なさっておる交通取り締まり当局にお聞きします。 ここで、いまさら道交法の第一条を引っぱり出して聞く必要はないと思うんですが、ただいまの建設省とのやりとりの中で、きわめて明確であります。でありますから、警察当局——現場では相模原警察署であります。これは三十、三十一日、御苦労にも社会党員や学生を取り締まるのに一生懸命でありますが、それは別として、その警察署は、この戦車等の通行することについて当面取り締まりの任務に当たっているわけでありますが、しかし、いまほど局長が申し上げたような事情でございますが、こうした点を万々承知の上で、どうぞお通りあそばせと言って、これを見送り迎えておられるのかどうか。警察取り締まり当局のこの問題に対する今日までとってきた処置、経過を明らかにしてほしいと思います。
○説明員(池田速雄君) 御質問の車の運送の件でございますが、私どもも、交通秩序の確立という立場から、道交法の違反につきましては十分処置してまいるつもりでございますし、現実に、大体一例を申しますと、五月二十五日、二十六日、二十七日、いずれも夜間に通行しているようでございますが、その間に、信号無視その他の道交法違反の行為があったんじゃないか、こういうような通告等もございましたものですから、所轄の署におきましてもその点を現在調査いたしまして、その結果、やはり交通秩序を守るためには、夜間であっても当然交通法規を守ってもらわなければならないということでございますので、米軍関係につきましては、二十七日に関係の業者、それから三十日には、警察本部長名をもちまして、交通指導課長並びに所轄の署長から米軍のほうへ警告を申し入れてございますし、なお、外務省のほうにおきましても相当の措置をされたというふうに聞いております。したがいまして、道路の秩序維持につきましては、私どものほうも万全を期してまいりたいと思います。ただ、いま御質問の重量車両の件につきましては、これは道路法の関係がございまして、一般的な制限がございまして、それからそのほかに、先ほど道路局長のほうからの答弁がございましたように、特認の制度というものがございます。その制度全体に米軍関係のが乗るか乗らないかの問題は別といたしまして、第一次的には道路管理者のほうでの判断を待ちまして、警察としましてもしかるべく措置を講ずべきであろうと、こういうふうに考えております。
○杉原一雄君 普通はこれはアメリカの車とかそういうことになると、あなた方はやはり普通の民間の車だと重量チェックをやりますね。先ほどの制限令にありますとおり長さとか高さとか幅とかそういう制限もかなりきびしいはずです、ある程度お見のがしいただいているような点もあるようですが。しかし、いまのような場合は、そういう重量の問題ではきわめて大きな二十何トンが四月一日から緩和されて二十七トンですか、それまでは二十トンであったんですよ。いま通っているのは三倍です、トレーラーとともに。そういう重量をはるかに越えたものを相模原警察署、出先ですが、出先はこれをチェックしてないという事実は明らかであります。でありますから、その点はいま課長は警告書を外務当局なりそれぞれに出したとおっしゃったのですが、五月二十七日ですか、警告書出したのは。
○説明員(池田速雄君) 本部長名の文書をもちましての申し入れば五月の三十日というふうに聞いております。
○杉原一雄君 そうすると、きのうの夕刊、毎日の夕刊によると、三十日から三十一日にまた動いているわけです。で、警告をどう外務省がそれを受けてどう処理するかということ、これはあなた方の責任じゃございませんから、いま外務省の方お見えになっておられますので事情をまた聞くわけですが、とにかく警察当局としては交通秩序の確立の観点から、いま道路局長のような寛大な考え方でなしに、やはり交通事故をなくするという観点から重量、高さ、幅、長さの問題についても、これは私品物を、いわゆる物を、アメリカ軍、自衛隊というだけでなしにきびしくこれを取り締まっていくという態度は変わりないということを、少なくとも五月三十日の警告書を発した時点から受け取っていいのかどうか、その点を明確にお聞きして、それからあとの問題になるわけですが、その点はどうですか、警告書を出した時点からあなた方はいままでの取り締まりをより強化するというふうに受け取っていいのかどうか、その辺のところ、いま条約局長に話を移す場合に大きなポイントになりますから、明確に警察庁言明してください。
○説明員(池田速雄君) 先ほど来申し上げましたように、私どものほうは、道路交通の秩序という観点でございますので、道交法違反につきまして申し入れをしていたわけでございます。したがいまして、道路法違反のほうにつきましては、私どものほうももちろんこれは順守してもらわなければ困るわけでございますけれども、その前の手続きといたしまして、絶対禁止でございませんで、先ほど御説明ございましたように、相対禁止の形になっている点がございますので、まず道路管理者のほうの御判断をまちましてその上で措置を考えたい、こういうふうに考えております。
○杉原一雄君 条約局長おいでになって御苦労さまです、御多忙のところ。実は先ほどから道路局長にお伺いしたりいろいろ建設省の立場あるいは、これは現物です、写真であります、こうしたものをトレーラーに載せて国道十六号線を突っ走っているんですね、これが。私はきょう安保の問題とか平和、戦争の問題を論じようとは思いません。ただ交通秩序を確立するという観点から、道路保全の立場から道路局長にお伺いしたところが、それは重量の面では二十七トンだと、四月一日からだと。しかし、自衛隊と米軍に関する限りはということで、かなり寛大な答弁をいただいておるわけですけれども、私は国民の一人として、その辺のところはまず論理的にもそれから具体的な交通秩序を守る観点から許しがたいことだと思います。 そこで、日本とアメリカの関係でございますから、そうした面にタッチしておられる条約局長でございますから、それは双方の間に取りきめがあるだろう。おそらく秘密協定じゃないと思いますからね、その内容等を御説明いただくことは容易でないと思いますけれども簡単にその点だけにしぼって一体どういうことでそういう乱暴者が国道十六号線を大手を振って通っているかということを、少なくとも沿線の者、また問題を提起している私に納得のできるような角度で御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(高島益郎君) ただいまアメリカ局長が隣の委員会に出席しておりますので、私直接の所管ではございませんけれども、かわりに答弁さしていただきます。 先生御指摘の、米軍の車輌によりますわが国の交通法規の違反につきましては、非常に問題を外務省といたしましても重大視いたしまして、五月三十日、米大使館に対しまして、このような事態に対しわがほう法令の尊重方を強く申し入れました。米側も今後このようなことはしないということを約束したというふうに承っております。 米軍といたしましては、地位協定上当然わが国の法令を一般に尊重する義務を持っている。これは地位協定第十六条にございますので、そのような観点から、わが国の法令を逐一的におさめるというわけではございませんけれども、このような場合には当然尊重する義務という観点から、いろいろ随時こういう事態があった場合には米側に対し申し入れをし、矯正方を求めるということは可能であると考えます。
○杉原一雄君 そうしますと、三十日の警告を受けたその時点で米軍とも十分話をつけて、結果的には自後このような乱暴者が十六号線なりあるいは日本の国道の上をキャタピラを動かしながら、ときにはトレーラーに載せながら重い重い四七・六トンのものが通らないということがはっきりしたわけですね。その点もう一ぺん御迷惑ですけれども、確認していただきたいと思います。
○政府委員(高島益郎君) わがほうが米大使館に対しまして申し入れいたしましたのは、米軍によりまする道交法の無視と申しますか、道交法の違反につきまして注意を喚起し、自後そのようなことがないようにということを申し入れたということでございます。
○杉原一雄君 その答弁は私ちょっと、予算委員会からあなた方を信用せぬことにしているのですがね、何か非常に意味がありそうな答弁ですが、どういうことですか。道交法違反はやらない、道路法なり道路制限法はまかり通るとそういう意味ですか。 なぜそんなことをあらためて条約局長ともあろうものが法理論を、そういう片寄せた形でものを言うのですか。私はもうあんた方の顔を見るといつもうそつきみたいな気がしてしかたがない。失言になって申しわけないけれども、吉野局長もそうでしょう、あんな大きなペテンにかけたんですから。
○政府委員(高島益郎君) 私のことばが少し不十分でございましたけれども、わがほうが申し入れましたのは、一時停止の無視とか、それから信号無視とかそういったことにつきまして注意を喚気し、自後そのようなことがないようにということを申し入れたというふうに承っております。
○杉原一雄君 だからますますそういうことはだめなことですよ。私が言っているのは、道路法なり道路制限法等に触れるところの重さの問題とかそういうことをいま言っているわけですが、その点はやむを得ないという考え方か、いや、それは密約があるのだということなのか。密約でないと、もっとはっきりしたものがあるのだ、行政協定、次の次元の何かがあるのだというならその法規定を示してくださいよ。国民に明らかにしてください。そうぜんと今後無用の紛争が起こるじゃありませんか。
○政府委員(高島益郎君) 私の承知するところ、この重量制限——先生の御指摘の重量制限につきましては、日米間に特別の取りきめがないということだそうでございます。
○杉原一雄君 そうすると、高橋局長ね、先ほどあなたはこっちのほうに何かげたを預けたんですが、特別の取りきめがないんだと言っているんですから、局長ばりばりとやりなさいよ。罰則規定はあるんですから、規定では五万円以下の罰金ですから、痛くもかゆくもないでしょうから。どうなんですか。ひとつこれをはっきりしてくださいよ。ここで高橋さんのほうはだいじょうぶなんだ、こっちのほうは……。
○政府委員(高橋国一郎君) 先ほど御説明申し上げましたように、米軍につきましては、道路法の適用はされておりませんので、そういう面におきましては現行道路法では罰することはできないことになっております。ただし、米軍といえども日本の国内法規を守る義務があると思いますので、これにつきましては外務省を通しまして厳重に抗議を申し込みたいと思っております。
○杉原一雄君 あまりのとっさの私の質問であったので、申しわけないんですが、局長の答弁並びに条約局長の答弁等では若干の違いがあると私は判断しますし、どうも私自身も納得できません。でありますから、それぞれの省内で大臣を中心として御検討いただいて、午後引き続きこの委員会がございますから、それぞれの大臣から、出ていただいて、いま申し上げた問題点ははっきりしていますからね、それを確認、御答弁をいただきたい。こういうふうに委員長お願いをしたいのですが、いかがでしょうか。
○委員長(玉置猛夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(玉置猛夫君) 速記を起こしてください。 本件に対する調査はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(玉置猛夫君) 公有地の拡大の推進に関する法律案及び公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案を一括議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
○藤原房雄君 公有地の拡大の推進に関する法律は、同僚委員からいろいろな角度から質疑がなされてまいりましたので、なるべくは重複は避けながら御質問したいと思います。 時間もあまりないので、何点かにしぼりながらお聞きするわけでございますが、まず最初に、土地問題といたしまして、今日私がここで長々申し述べるまでもなく、土地の問題につきましては、今日非常に大きな問題としていろいろな角度から議論がなされております。また逐次この土地問題に対する制度というものにつきましても対策を講じられてきているわけでありますが、この法律案にありますように、公有地の拡大ということにつきましては、ますますこの地価の高騰とともに、公有地拡大の推進が困難になる状況の中にあるわけであります。しかし、また一方におきましては、公有地の拡大がどうしても進めなきゃならないという時代の必要性というものもあるわけでございまして、そのような観点から、今日この法律案が出されたと思うのでございますが、最初にお聞きしたいことは、この限られた日本の国土をいかに利用するかという土地利用計画、これがはっきりしなければならないと、こう思うわけでございますけれども、この土地利用計画のことについて、政府として基本的にこれをどのようにお考えになっていらっしゃるのかという基本的な問題をちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(小林忠雄君) 国土全体の土地利用を定める法律といたしましては、国土総合開発法に基づく各種の、全国総合開発計画、地方総合開発計画、都道府県総合開発計画、特定地域総合開発計画というようなものの中に土地利用を定めるということになっております。しかし、この国土総合開発法に基づきます土地利用といいますのはいわばマスタープランでございまして、現実の土地利用を拘束する法律的な拘束力を持っておりません。現在、法律的な拘束力を持ちます土地利用計画と申しますものは、都市計画法に基づきます市街化区域、市街化調整区域の制度でございます。で、このいわゆる線引きにつきましては、全国の対象市町村の約九三%程度が現在線引きが終わっております。で、線引きがなされますと、今度市街化区域の中についてこまかい用途地域の指定を四十八年十二月三十一日までに指定することになっておりまして、各公共団体においてその手続をいま進めているということでございます。
○藤原房雄君 この地価の高騰の原因というものはいろいろ考えられているわけでございますが、特に最近の著しい高騰につきましては、ほんとうに早く対策を講じなければならないということでいろいろ議論もされておりますし、検討もなされているわけでございますが、その問題につきましてはこれは当委員会の問題でございませんので、また後日いろいろな点についてお聞きしたいと思いますが、それにしましても土地利用計画というものがマスタープラン、それが早急に計画を立てられて、特に公共的なものにつきまして、後手後手にならない対策というものを早急に講じなければならない、これは私がここで云々するまでもないことだと思います。 次は、そういうことからいたしまして、現在あります公有地、また国有地、こういう問題について少しお聞きしたいと思うのでありますけれども、この法律案の第四章の附則のところに、第二十四条ですか、「国は、公有地の拡大を促進するため、地方公共団体による土地の取得が円滑に行なわれるように必要な資金の確保その他の援助に努めるものとする。」という、このような一応規定がございまして、国有地または国の関係機関、公社とか公団とか、そういうところの所有する土地等についても十分に配慮するような規定がここであるわけでありますけれども、公有地の拡大という上からいきまして今度の法律案が出された趣旨、これは十分私も了とするわけでありますけれども、国土の多角的な高度の利用という、こういう上からいきまして忘れてはならないのは国有地、それからまた、国の関係機関の土地利用ということも、これは高度に利用しなければならない、こう思うわけであります。そういう観点からお聞きするわけでありますが、国有地または公有地の管理とか処分、これについて政府としてはどのように考えていらっしゃるのか、基本的な問題だけでけっこうでありますから、大蔵、自治両省からこの基本的な考え方についてお伺いしたいと思います。
○説明員(柴田耕一君) 御説明申し上げます。国有財産の管理、処分の基本方針につきましては、御承知のように、戦後膨大な旧軍用財産でありますとか、財産税物納に伴います財産でございますとか、こういったものが戦後産業の、経済の復興、あるいは民生の安定といったことに寄与してまいったわけでございます。しかしながら、三十五、六年ごろになりまして、かなり国有地も減少してまいった。で、三十八、九年ごろに至りまして、民間への払い下げということは極力抑制する、そうして、公用、公共用に重点を置いていく、とりわけ社会福祉的な面に優先していくといったような運用上の努力もいたし、関連の法制事務も行なわれてまいったわけでありますが、ますます最近の、先生御指摘のような社会情勢の変化に伴いまして、大蔵省といたしましても、先般国有財産の中央審議会の先生方に諮問いたしまして、去る三月十日に、残り少なくなった国有財産の有効、適切な運用方針について御答申をいただいたわけでございます。その答申を踏まえまして、私どもは今後とも公共、公用優先、あるいは社会福祉優先といったことに重点を置いてまいりますとともに、その土地の規模でございますとか、環境、立地条件等から見まして、民間等へ処分せざるを得ない、それがその土地の最有効利用であるといった判断が下されます場合においても、極力交換で広い土地を受けていくといったような配慮をいたしまして、その場合は有利随契と称しまして三割増しで受けておるわけでございますが、そういった配慮をいたしまして、極力公共、公用優先ということで、今後ともまいりたいと思います。なお、この答申に盛られております一つの事柄といたしましては、たとえば市街地内にございます国有地を公園緑地に地方公共団体へ無償貸し付けする場合におきまして、その処理の効果が波及的にその都市の他の地域に及ぼしまするように、その地方公共団体に対する無償貸し付けの附帯条件といたしまして、その地方公共団体が有しておられる他の地域における公有地、あるいは買収地を、おおむね同程度の見合いの公有地を同じく公園にしていただくというような附帯条件を、極力当該都道府県と折衝していくというようなことでいたしまして、たとえば百の公園を無償貸し付けをいたします場合に、結果として二百の公園ができますよう、そういった配慮をいたしますとか、あるいは国有地を住宅施設に減額売り払いをいたします場合におきましても、できるだけ高層の住宅を建てるということにいたしまして、オープンスペース、グリーンベルトをつくっていただくというようなことを附帯条件にいたしますとか、あるいは既成市街地にある老朽、低層の公営住宅を立体化して、そこにオープンスペースを設けていただくことを附帯条件にいたしますとか、そういった仕組みといいますか、これもうたわれておるわけでございます。まあ、そうして、公用、公共優先ということと、その処分にあたりましては、都市の再開発に関連づけていくということでやってまいりたいと思うわけでございます。
○政府委員(皆川迪夫君) 自治省といたしましても、国有地の利用にあたりましては、なるべく地方公共の用、あるいは公用に利用さしていただきたい、こういう角度で努力してまいりました。今後もそういう方針で努力を続けてまいりたいと思います。
○藤原房雄君 いま大蔵省のほうから、国有財産中央審議会のお話がございましたが、この答申を受けて、この答申を尊重していくという、このようないまお話がございましたが、答申にはいまお話がありましたようなことが大体柱になって、今後のあり方といたしまして、これはほんとうに大事なことだろうと思いますので、この実現方を一日も早くお願いしておきたいわけでございます。 次に、自治省にお伺いしますが、現在、大ずかみな話で申しわけないのですけれども、地方公共団体が所有している公有地ですね。およそどれくらいあるのか。しかも、その中に市街化区域内にある土地はどれくらいになりますか、つかんでおりましたらこれをちょっとお伺いいたします。
○政府委員(立田清士君) 地方団体が現在所有しております土地でございますが、土地の範囲が非常に広いわけでございますが、いろいろの土地がございます。と申しますのは、一つは現に山林とか、公園とか、そういうようなかっこうで保有している土地のほかに道路とか、あるいは河川とか、港湾とかいろいろございますが、そのうち私どものほうでわかっておりますのは、いわゆる地方公共団体が直接行政目的に使っておりますもの、あるいはまた土地として現在持っておりますものが、多少大ずかみの数字で申し上げますと、資料といたしましては平方メートルでございますが、ちょっと単位が大きくなりますので、多少まとめてヘクタールで申し上げさしていただきますと、大体県が約三十一万ヘクタール、それから、市町村が約百六十一万ヘクタール、合わせまして合計で百九十二万ヘクタールという数字になるだろうかと思います。なお、この数字の中には御承知のとおり、毎年度いろいろ道路の事業もやっておりますし、河川事業もやっておりますので、正確に申し上げますと、この数字には道路とか、河川とか、あるいは、港湾関係のそういう土地自身は除かれている数字でございます。
○藤原房雄君 それから林野庁の方にちょっとお伺いしたいのでありますが、現在国有林で市街化区域内にある面積ですね、これはおよそどれくらいになっておるのか。それから大蔵省から先ほど国有財産中央審議会のお話がございましたけれども、林野庁においても同じように国有林の払い下げについては積極的だというお話を聞いておるのでありますが、市街化区域内の払い下げの状況ですね、これをお伺いしたいと思います。
○説明員(降旗正安君) 市街化区域内の国有林野につきましては、四十七年五月一日現在で三百四十五ヘクタールでございます。内訳といたしましては、林地が百七十九ヘクタール、貯木場が七十ヘクタール、苗畑が五十六ヘクタール、不要存置、これは企業用財産としての用途を廃止いたしまして、普通財産になったもの、これが四十ヘクタール、計三百四十五ヘクタールでございます。この市街化区域内、あるいはその他の区域内の国有林野を含めまして、多目的、あるいは林地でありましても、都市公園といったような権利の移転等につきましては、これは国有林野法の八条に、国が積極的に推進すべき活用の種類といたしまして、公用、公共用及び公益事業用の活用が規定されております。林野庁といたしましては、土地利用の変化の趨勢に応じまして、土地利用の高度化をはかるという見地から積極的に国有林の活用をはかってまいりたい、かように考えております。
○藤原房雄君 最近の報道するところによりますと、林野庁で、不要存置ですね、これは三月と四月ですか、各営林署でさがして、そうしていろいろ検討するというふうなことを聞いておるわけでありますけれども、この不要存置の売却ということにつきまして、現在どのようなお考えで検討なさっていらっしゃるのか、現状をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(降旗正安君) 先ほど御説明申し上げましたように、あくまでも公的な用途が優先であるという点が一つのポイントでございます。国有林を用途廃止して売り払う場合におきましても、長期的、総合的な地域の土地利用の動向、これを見定めまして、その上に立って、当該国有林の規模でございますとか、あるいは立地条件等十分勘案いたしまして、一方、地元の市町村、県等とは十分協議をいたしまして、都市計画あるいはその他の地元の計画に沿った上で、用途廃止、売り払いの手続をとっていきたい、そのように考えております。それから、ものによりましては、一般の民間への公売というような場合もございますけれども、その場合におきましても、原則といたしましては、直接の需要があれば用途指定、それに伴いまして違約金の徴収あるいは買い戻しの特約、そういったような条件を付しまして公売を行なっていきたいというふうに考えております。あくまでも処分の主体といたしましては、先ほども申し上げましたような公用、公共用及び公益事業用を主体にやっていきたい、そのように考えております。
○藤原房雄君 同じことを大蔵省にもお伺いするわけでありますが、現在国有地、しかもその中の未利用地がどのくらいあるか。しかも、その中で市街化区域内にある土地ですね、それは大蔵省、これはきちっとつかんでいらっしゃると思いますので、あらあらその数的なものをお聞きしたいと思いますが、さらにこの答申の中にありますが、行政財産の使用状況を調査し、非効率使用と認められる土地等の検討をせよというような答申が出ておりますけれども、これについて、大蔵省としましてどうお考えになって、何かまた素案等をお考えになっていらっしゃるか、答申に対しての大蔵省の考え方等についてお聞きしたいと思います。
○説明員(柴田耕一君) 御説明申し上げます。 大蔵省所管の普通財産につきましては、数字の上ではかなり膨大になるわけでございます。数字で申し上げますと、十億一千六百二十三万三千平米という累計でございますが、これは御承知のように、ほどんど池沼、原野等が多うございまして、宅地または宅地見込み地という形でわれわれが一件別に各財務局財務部で押えておりますものを集計いたしまする数字は、現在のところ三千十五万八千平米というのが主要未利用地の全体でございます。この中で、すでに転用計画が策定されておりますものがございますので、それを差し引いた今後転用可能なもの、つまり利用計画がいままで策定されていないものが千百七十八万三千平米という形でございます。これは、宅地または宅地見込み地以外の未利用地も含めました未利用地全体が一億六千九百六十万七千平米でございまするので、この未利用地全体、山林、原野等含みました未利用地全体に対する比率で見ますると、今後転用可能な未利用地の比率は約六%程度という形になっておるわけでございます。 それから行政財産、国が公用の目的のために使っております庁舎等の行政財産につきまして、先ほどちょっと申し落としましたわけでございますが、中央審議会の答申の中にも盛られておりまして、今後とも計画的に当面四十七年度の監査計画に重点的に取り上げておるわけでございますが、重点的に既成市街地を計画的に役所の行政財産につきまして監査あるいは実地検査等をいたしまして、立体化あるいは移転再配置といったことにつきまして関係省庁と十分協議を重ねて、そしてできるだけ話し合いにより、合理的にオープンスペースを生み出し、それを普通財産として大蔵省に引き継いでいただくというような努力をしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○藤原房雄君 いま、大蔵省にいたしましてもそれから林野庁にいたしましても、けっこうな答弁があったわけでありますけれども、いずれにしましても、時の流れといたしまして、公用地の拡大という、これはどうしても必要なことであります。それに伴いまして、国有地の払い下げとか国の関係機関の所有地を払い下げるとか、こういうことについては積極的な姿勢というものがいまお話があったわけでありますけれども、しかし、この事の重大なことにかんがみまして、自治大臣にお聞きするわけでありますが、これは各省にまたがっておることでございまして、自治省だけできることでもございませんし、各省のいろいろな言い分もあり、いろいろな立場もあってのことでございますので、そしてまた国土の高度利用というまことに大事な目的の上に立っているわけでございますので、これは閣議等におきまして十分に各関係大臣と話し合いがなされなければならない、このように思うわけでありますが、この間について、閣議等におきまして、こういう問題についての話し合いというものが十分になされておるのかどうか、また、今後そういうお考えがあるのかどうか、その点についてちょっと大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡海元三郎君) 土地利用の問題等を含めまして地価対策閣僚協議会等でも話し合いがされ、その一環として出てまいりましたのが今回の公有地の法案でございますので、そういった際には、十分閣議におきましても話をする機会もあり、話をさしていただいておるというのが現況でございます。閣議の席は大体、具体的にきまりました法律案とか、そのものを閣議決定するという際に初めてその問題に触れてくるのでございますが、関係閣僚会議という席でその問題を話し合います際には、その会議の席上で十分それらの点を話し合いまして、ただいま申されましたような趣旨で、土地を最も有効に利用するように閣議等でも各省協力してその目的達成のためにつとめるという姿で懇談さしていただき、自治大臣としても、自治大臣の立場においてお話をさせていただいておるということであります。
○藤原房雄君 ちょっと具体的な問題になりますが、事務的には払い下げの場合に、国または関係の団体が地方公共団体に買い取る希望があるかどうか、これは話し合いを持っていくわけであって、そこから話し合いが進むわけだと思うんでありますけれども、いずれにしましても、地方公共団体との話し合いで、一番やっぱり問題になるのは、その地方公共団体が予算的な一応制約があるわけでありまして、その土地が非常に有効に利用できると思いながらも、まあ買い取りに応じられない場合がしばしばあるということも私どもは現実に聞いておるわけでございます。特に最近のこの地価の高勝のために面積が広過ぎるということもあるでしょうし、また、現在の予算規模の中ではとてもいいと思いながらも買い取れない、こういうことからいたしまして十分な財源措置、十分といいますか、地方公共団体が、その目的が明らかであって、使用目的というものもはっきりしておる場合については十分な財源措置をしなければ、のどから手が出るほどほしくても、実際は手に入れることができないというようなことになるわけです。どうしても価格の決定というこういう問題が次に出てくるんだろうと思います。林野庁にいたしましても、国有林を林野庁の特別会計の赤字ということでやっぱり少しでも高く売らなければならない。これは大蔵省にしましてもどこにしても売る立場と買う立場は、当然そこにこの問題が出てくるわけでありますけれども、それだけにこの地方公共団体に対する財源措置というものについては、十分に考慮しなければならない。今回そういうことから措置がなされていることはある程度聞いておりますけれども、この間の事情について、事情といいますか、この財源措置、これに対する基本的な考え方、これをちょっとお伺いしたいと思うんですが。
○政府委員(皆川迪夫君) 御承知のように、国有地等を地方団体の公共の用に供するということで払い下げをするという場合には、もちろん国有地を主管する大蔵省として適正な評価をされた上でその目的に応じて、場合によれば減額の譲渡をするという扱いになっておるわけでございます。その土地取得の財源措置として、一括してそういった土地の取得のための財源措置ということは、自治省として特別にいたしておりませんけれども、それが個々の事業目的から見て必要であるということになれば、その事業の遂行のための措置として、いろんな角度から財源措置をする、こういうたてまえをとっておるわけでございまして、ほしい土地がそういった観点から買えないということがないように、できるだけ個々の場合に応じて相談に乗っていきたいと、かように考えております。
○藤原房雄君 公示価格ですね。地価をどう評価するということでありますけれども、公示価格もあるわけでありますけれども、まあ売り手と買い手というこの関係からいたしまして、安定した価格で譲渡されるような、実際この場でのいろんな議論は理想的な話をされますけれども、現場に行きますと、それは国やまた林野庁にいたしましても話し合いで価格をきめる、またそこに価格決定について第三者的といいますか、それをどうするかということについてのそういうことは現実にはなくて、やはり売り手の言いなりといいますか、売り手のほうがどうしても強く、買い手のほうの地方自治体のほうがいま弱い立場といいますか、こういうことで現実は各地にいろいろな買いたくても買えないというようなことで問題が起きているわけなんです。特に最近の著しい地価の高騰、そして国有地が市街地のまん中にありまして坪十万も二十万もするというような、こういうようなところでありますと、地方自治体の高度の利用計画があったといたしましても、とてもそれに応じ切れない、こういうことで現場の問題としては実にそういうことが重要なことでありまして、十分な価格の面に対する具体的なあり方というものについては検討していただきたいと思うわけであります。 さて、そういうこととともに、ただいま林野庁や大蔵省の方からいろいろな積極的な発言があったわけでありますけれども、現実全国各地に何が障害になっておるのかわかりませんけれども、地方自治体がどうしてもその土地がほしいという希望がありながらそれが円滑に話が進んでいない、こういう問題があるわけであります。これは一つ一つあげているとたいへんなことになりますが、二、三そういう点お伺いして、今後この問題につきまして、先ほど答弁のありましたようにスムーズに話の持っていけるように解決をしていただきたいと、こう思うわけでありますが、一つは、私のところに過日お話があったのは、鹿児島県の指宿市の専売公社の指宿出張所の敷地が一万四千ヘクタールですか、これは専売公社の方はよく御存じかと思うのでありますが、これはほんとうに駅の前の町の中心にございまして、市としては都市計画上どうしても払い下げていただきたいということで、四十三年ごろから、前の市長の時代からこれが交渉されて今日まで来ております。四年、五年の間、まあ何が支障になったのかわかりませんけれども、公共団体は使うこともできずにその土地を遊ばしておいたという、これは地元から非常に強い要望があるわけでありますけれども、専売公社としましては、これに対してのはっきりした返事がないようなんですけれども、何が障害になっているのか。この点ちょっとお伺いしたい。
○説明員(福永公一君) ただいまの指宿の出張所の問題につきましては、四十五年ごろ市のほうから都市計画に関して譲っていただきたいという話があったわけですが、実はその土地につきましては、従来は葉たばこの在来種の産地で非常に倉庫が要ったわけですが、それがなくなりましたので、倉庫の部分がなくなりまして、いまお話がありましたが、詳しく申しますと、一万三千七百二ヘクタールでありますが、その半分くらいは遊休になっているわけでございます。そこで市からの申し入れに対しましては、私どもといたしましては、公共団体でもありますし、公共用ということで随意契約をやりたい、やってもいいということで御返事したのですが、その場合まあ無償というようなことを申し入れがありましたので、それはちょっと公社としても困りますということで、その間実は民間からも申し入れがあったのですが、市のほうから話があったので市のほうを優先するということで持っておって、最近もう少し待ってくれれば何とか市のほうも予算の目鼻がつくからというお話があったので、これは遠からずそういう方向で解決するのではないかと思っております。
○藤原房雄君 いま御答弁があったような姿ならば、私は何もここでこういうことを言わないのですけれども、現実二、三年前も地元からも連絡があったわけでございますが、これもやはり地方財政のいろんな事情によって話がなかなかつかなかったのかもしれません。しかし、きょう公の席ではっきりお話があったわけでありますから、間違いなく進むんだろうと思うんでございます。 それから国鉄関係にいたしましても、これはいま国鉄運賃の値上げの問題にからみまして、財産処分のことについてもいろいろ議論されております。これは私の生まれ故郷なんでよくわかるんでございますけれども、北海道の小樽、それからまた室蘭とか、こういうところは昔石炭の積み出しやなんかで相当な大きな土地が、施設があったわけでありますけれども、現在はもう石炭産業は御存じのとおりでございまして、使われてない。非常に大きな面積があそこにあって、現在何年も使用されていないという、こういうこと、そして市としましてもこの広大な土地の利用というものについては真剣に考えておりまして、いろいろ折衝してもなかなか話し合いがつかないという、こういう現実の問題があるわけですね。この小樽の場合は十一万平方メートルというんですから、この土地が市で有効に利用できるならば、これは市としては新しい発展の道も開けるだろうと思うんです。利用目的についてもいろいろ検討されておるわけですが、この小樽とか室蘭とか、こういうところの国鉄用地の問題については、これどうなっておりますか。
○説明員(篠原良男君) 先生の御質問にお答えいたします。 小樽につきましては、先生の御指摘のとおり、昨年の九月で石炭輸送を全面的に停止いたしました。したがいまして、小樽の港についての国鉄の用地四十六万平米のうち、先生の御指摘の十一万平米は現時点ではあいております。昭和四十六年の二月に小樽市長から小樽港の整備五カ年計画について協議がございました。これは主としていまの国鉄の岸壁の前に地続きで埠頭を造成しようというものでございまして、地続きに工事を進めていいかどうかの協議がございました。その後四十六年の四月にあわせまして後背地、国鉄の用地ですが、地続きの用地になる後背地の売却について、使用承認について申し入れがございました。私のほうは、したがって石炭輸送が四十六年の九月までございましたので、九月まで使いまして、その後、現在鋭意小樽市と協議を進めております。そのうち小樽市の設計協議の中で、若竹木材埠頭それから若竹公共埠頭、勝納公共埠頭、この三つ地続きの埠頭の計画がございますが、若竹木材埠頭につきましては、私どものほうの今後の事業計画がございませんので、話し合いがつきまして、現在小樽市と工事につきまして協議が成立いたしまして進めております。なお、若竹地区の後背地につきましての売却につきましては、使用承認をしておりました建物がございますので、その処置方について小樽市と協議が整いましたので、近くこれの使用承認についても小樽市に回答する予定でございます。なお、若竹公共埠頭及び勝納公共埠頭につきましては、現在引き続き協議をしておりますが、後背地の有効利用とおっしゃいましても、現在、石炭の積み出しはやめましたが、荷役設備に膨大な機械がございます。ガントリークレーンとかミュールカーとかカーダンパーというような非常に大きな設備がございますので、この設備を取っ払いませんとさら地になりませんので、この処分方を私どもの部内で検討いたしております。また、公共埠頭での臨海鉄道というような問題も小樽市のほうから協議が来ておりますので、その辺の協議を進めました上で処置していきたい、かように考えております。 それから室蘭につきましては、先生の御指摘のとおり、石炭輸送がなくなりましてから相当の用地があいてございますが、現在、室蘭市から特にその利用計画の申請がございません。しかし、そのような意向のある旨は聞いておりますので、今後室蘭市のほうと鋭意接触いたしまして、公共用の国鉄の不用地につきましては、処分方を地元の御利益になるように、前向きで検討していきたいと、かように考えております。
○藤原房雄君 国鉄当局の現状、長々私話をする気持ちはありませんけれども、いま積極的なお話がありましたんですけれども、どうかまた地元の要望等、十分勘案いたしまして善処していただきたいと思います。これは一、二の例でありまして、やはり国鉄というのは、駅またはかりに貨物にしましても、町のやはり中心というか、一番いいところが大体利用されておるわけでありますから、こういう時代の大きな変化とともに未利用地があるということ、それは、国鉄の現在使用していないというところは、即地方公共団体にとりましては非常に有効に利用したいという意向で結ばれると、こういうことでございますので、どうかひとつ、いま御発言ございましたけれども、十分御検討いただきたいと思います。 次に、若干条文についてお聞きしたいと思いますが、第四条の一項の一号の都市計画施設の用地予定地所有者は届け出るということになっております。「市街化区域内に所在する土地で次に掲げるもの」云々とありますが、現在一応線引きがなされまして、市街化区域という、また市街化調整区域、農業振興地域という、こういうふうになっておるわけでありますけれども、一方、都市計画法によりまして、一号の「都市計画施設による土地区画整理事業」云々とありますが、本法では「市街化区域内」云々と、こういうふうに限定されておるわけでありますけれども、将来の方向といいますか、地価の高騰やまたいろんなことを考えますと、公共施設の今後のあり方等考えますと、市街化区域内じゃなくて、やはり都市計画区域内という大きな範囲でものを考えたほうがよいのではないかと、こういう考えがするわけでありますが、そのほうが現状に合った考え方じゃないか。しかし、このたびは市街化区域内と、こうなっておるわけでありますけれども、この辺についてはどのような考えでこういうものをつくったのか。
○政府委員(小林忠雄君) 市街化区域は、法律によりまして、十年間以内に計画的、優先的に市街化をはかるべきところである。したがって、その市街化区域内については、道路、公園、下水道並びに義務教育施設の位置については必ず都市計画決定をしろということになっております。で、これらの市街化区域内に決定いたします都市施設を整備いたしますだけでも、現在推定しておりますところでも二、三十兆くらいの投資になるわけでございます。なかなかその財源のめどというものも達成がむずかしい点がございます。したがって、当面はこの市街化区域の中の道路、公園等の都市施設の整備に今後十年間は最重点を置いてまいりたいと思っておりますので、この法律におきましても、先買いは市街化区域内に限ったわけでございます。一方、市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域ということになっておりますので、積極的に都市施設をいたしますと、市街化の条件が整うわけでございますので、原則として都市施設は公共団体は計画的には整備をしないというたてまえになっておりますので、この法律が公共施設用地、公共用地の先行取得ということをおもな目的にしておりますので、現在のところは市街化調整区域について先買いをするということは考えておらないわけでございます。しかし、市街化区域がだんだん開発が進みまして、それで十分でないということで市街化調整区域の中で特別許可によりまして開発をするという状態が非常に進んでまいりました場合に、これを民間だけにまかしておくということが適当でない場合もあるいは出てくるかもしれない、そういう場合におきましては市街化調整区域にまで、先買いを進めるか、あるいはそういうところを市街化区域に積極的に編入をして施設計画を立てて先買いをしていく、こういういずれかの方法に将来はあるいはなるんじゃないか。しかし、ここ当分の間は、市街化区域の中だけで財源的に申しましても手一ぱいでございますし、また、法律の趣旨から申しましても公共団体が進んで調整区域の開発をするということは法の精神に反しますので、当分の間は市街化区域の中について先買いをやってまいりたいと考えております。
○藤原房雄君 それは法のたてまえからいえばそうなんですけれども、現実、現在のこの土地の高騰、そしてまた諸条件を勘案いたしますと必ず地方自治体ではどうしようもないときが来るような気もいたします。時代の推移とともにひとつよくこういう点を見定めていただいて、後手後手になって公共事業が進まないなんていうことのないようにその点については十分にひとつやっていただきたい。また、この法律自体も非常に規制力がないわけでありまして、いろいろ自治省といたしましても四十七年から五十一年のこの五年間の三十三万ヘクタールですか、いろいろ検討なさっているようでありますけれども、この法律ができて、これがほんとうに地方自治体の望むような公有地というものが確保できるかどうかと、そういうことについても一つの疑念があるわけでありますけれども、時間もありませんので、その点についてはまた次の機会にいたしたいと思います。 次は、五月十五日に沖繩もいよいよ本土復帰いたしまして沖繩県となったわけでありますけれども、この沖繩の問題につきましては、いままで日本の施政権の及ぶところでなかったということもございますが、公有地の問題につきましては現在どこまで掌握なさっていらっしゃるのか。それから非常に巨大資本が沖繩には入っておって、現在もう手のつけられないような状態になっておるということも報じられておりますけれども、沖繩の公有地の実態、それに関連する問題についてお聞きしたいと思うんですけれども。
○政府委員(小林忠雄君) まず、沖繩における法人の土地の買い占めの問題でございますが、復帰前におきましては、非琉球人による土地の恒久的権利の取得を規制する立法というのがございましたために、琉球人以外の者が土地の所有権等を取得する場合には政府の許可を受けなければならないということになっております。三月十三日までに日本国籍を有する者が許可を受けて取得をしております土地は百八十五件、総面積で三十五万坪、百十五ヘクタールになっております。 この日本の企業が関与しております業種としては、共用地の造成とかあるいは観光開発のためのものが多いようでございます。しかし、このほかに、復帰前に日本の法人が現地の法人あるいは個人をダミーにして取得しているものが相当あるといわれておりますが、その実態については現在十分把握をいたしておりません。 沖繩の公有地につきましては、道路関係については御承知のとおり、米軍がこれを買収しないで使用するという形で軍道、政府道というようなものがあったわけでございます。これらのものは、復帰後年次計画をもちまして正式に買収をしていくと、そのつなぎとしまして経過的に使用の更改契約をするという作業を現在しているわけでございます。その面積等につきましてはただいま手元に資料がございませんけれども、道路につきましての資料はわかっております。
○藤原房雄君 それからこの第六条の二項ですね、二週間以内に通知するという、「二週間」ということも前にいろいろ質問あったのかもしれませんが、まあ、現実の問題としましては「二週間」というこれは、いろいろな立場がありますからいろいろ検討なさっておきめになったことだと思うのでありますが、東京都のいろいろな例等も聞いておりますし、また、各地方自治体の問題も聞いておりますけれども、なかなかこの使用目的について意見の調整ができないで一年も二年もかかったという、こういう例もあるわけであります。あらかじめこれがきまっておればよろしいわけでありますけれども、二週間ということにしたいきさつといいますか、根拠といいますか、その間の事情をちょっと説明を願います。
○政府委員(小林忠雄君) 二週間といたしましたのは、この期間内には法律案の第八条によりまして、いまの通知があるまでの二週間、それからその後、公共団体側からの協議の通知がありましてから二週間、最大限四週間につきましては第八条によりまして譲渡の制限をいたしております。 この届け出は、有償で譲渡をしようとする際に届け出るわけでございますから、事実上当事者間で契約の寸前まで話が詰まっているわけでありまして、その詰まっている状態の契約を四週間、最大限四週間はストップをするということでございます。 公共側の立場から申しますれば、もう少し余裕があったほうがいいということが考えられるわけでございますが、当事者からいたしますと、話が一カ月近く押えられるということは非常に取引についての制限になるわけであります。 そこで、この四週間と出しました一つの理由は、都市計画法の五十七条及び六十七条におきまして土地の先買いの規定がございますが、この都市計画法によりますと、届け出がありましてから三十日間譲渡制限があるわけでございます。 そこでこの法律案におきましても、大体この都市計画法の範囲を越えない期間内に処理をするということをめどにいたしましたので、二週間二週間の四週間、最大二十八日間というように押えたわけであります。 そこで、都市計画法の場合には先買いをする主体をあらかじめ指定をして告示しておりますので、四週間一本でいいわけでありますが、この法律案の場合には、先買いの主体が複数ございますので、その先買いの主体をきめるのに二週間、協議に二週間、こういうように二つに割ったわけでございます。確かに府県と市町村あるいは公社間において土地の取り合いというようなことが、公共団体内部において問題があります場合には、二週間というのは非常に短か過ぎるということが言えるわけでございますが、法律案の四条の一項で、届け出をしなければならないいわゆる先買いの対象になります土地は、一号から四号まで列記してございますが、このうち一号から三号までの土地につきましては、計画の決定をすでに土地がはっきり告示されておる、こういうものにつきましては事業の主体というのが大体きまっているわけでございますから、届け出がありました際に、これを県が買うか市が買うか、公社が買うかというようなことについてあまり問題はなかろうと思います。まあ、財源等の都合によりまして、県が直接買うかわりに県の公社に買わすとか、あるいは市が直接買うかわりに市の土地開発公社に買わすというような内部の問題はございますけれども、県と市が争うというような余地はほとんどないと考えております。問題は、四号でございまして、四号の場合は、事前に計画が確定しておらないようなものでございますので、届け出があってから、それではこれを何に使おうかというようなことになろうかと思います。しかし、そういうことでは二週間できめるわけにいきませんので、届け出の窓口を知事一本にしぼっておりますので、知事のほうでこの買い取りの主体になります公共団体、公社等の用地取得計画なり事業計画等を地域別にあらかじめリストアップして用意をしておく、届け出がありましたら知事部局の判断でしかるべき買い取り主体に通知をするという措置を講じて、二週間の中で処理できるようにいたしたいと思っております。
○藤原房雄君 次は第九条ですね。九条の最後の、「これらの事業に係る代替地の用に供されなければならない。」と、こうあるわけですけれども、先買いによって取得した公有地の使用目的がきめられているわけでありますけれども、その中で「これらの事業に係る代替地の用に」と、こうあるわけですけれども、代替地なら何に使ってもいいのかどうかという、これに何らかの使用目的に制限があるのかどうか、この間についてはどうでしょうか。
○政府委員(小林忠雄君) 法律案の第六条の第一項におきまして、代替地の場合は、五条の届け出がありました場合に限っているわけでございますが、この際には六条一項によりまして、公共団体等は買い取りの目的を示して通知をするということになっております。したがって、代替地の場合も、どこそこで行なう街路事業のために立ちのく人を収容するための代替地であるというようなことをあらかじめ示すというたてまえになっております。しかし、その後計画が変更になった場合に、それじゃほかの用地に全く使えないかと申しますと、それは九条の一項の各号に掲げる範囲内におきましては、若干の異動は可能なことになっておりますが、行政運営といたしましては、六条の一項によりまして用途を示すということでございますから、わかる範囲でできるだけ具体的な買い取り目的を示すということは代替地についても行なうべきであるというふうに考えております。
○藤原房雄君 この先買い権によって公有地を取得した場合には、使用目的は明確にするということですけれども、実際問題としまして、使用目的どおり使われればいいわけですけれども、万やむを得ない事由によって変更しなきゃならない問題もあるわけですね。そういうときには変更というのはどの程度まで認められるかということは、これは現実問題としていろいろなことが出てくるんじゃないかと思いますが、たとえば公園ということであったんですけれども、それがほかのものに使用されることになったとか、また、公共施設ということでありますから、これはまた国が地方自治体にということから、今度は地方自治体から国にというような逆の考え方、公園施設等に利用される場合、こんな場合も考えられないわけではないわけですね。実際、盛岡に行ったときにいろいろなお話を聞きましたけれども、公園ということで、その使用目的で購入した。ところが、実は代替地として少年刑務所が行くようなことになったという、それはどうしてもいろいろな途中の経過によってこういう使用目的が変更されなければならないということが実際あるわけですね。この六条と九条の関係、目的の変更、代替地の問題この間について基本的にどう考えていらっしゃるのか、今後の問題として基本的なことをしっかり聞いておきたいと思います。
○政府委員(小林忠雄君) 第六条で届け出がありまして、その六条の規定によって買い取りの協議に入ります際には、第一項の規定によりまして買い取り目的を示して協議に入る、これは代替地についても同様でございます。そのように先買いいたしました土地について、その後、使用目的が変わってきて、公園の予定で買ったが、実はその後の事情で学校をつくらなければならないということで、小学校の用地に転用するというようなこともある得るわけでございます。そこで、第九条の第一項におきまして。そこに掲げました各号の事業の間においてはある程度の彼此融通が認められるというように解しております。しかし、ここに掲げておりません以外のもの、いわゆる公共以外の目的に使うということは法律的に許されないということになっております。
○藤原房雄君 これは使用目的が公園だったのが学校になったというんですと、これはあまり問題ないかもしれませんが、極端な話が屎尿処理場とか、地域住民としまして非常に好ましからざるものに変更になったという場合にはやはり問題が起きてくると思います。こういうことからいたしまして、この条文の上からいって、いまお話しありましたけれども、地域住民との十分な話し合いというものがなければ、やはり将来に問題を残すんじゃないかと、こういうことを非常に懸念するわけでありまして、私は何も変更してはならぬということを言っておるわけではありませんけれども、現実に即したこういう地域住民との問題ですね、こういうようなことも十分に考慮に入れてこういう問題については検討しなければならぬのじゃないかと、そういうことを痛切に感ずるわけであります。その間についてちょっと御説明願いたい。
○政府委員(小林忠雄君) 建築基準法によりますただいま御指摘がございましたような屎尿処理場でございますとか、汚物処理場でございますとか、そういうような特殊な施設につきましては、原則としてその土地等を都市計画できめておく、きめなければいけないということになっておりますから、買っておいた土地を黙って転用するというようなことは実際問題としては、あまり法律的にはあり得ないのではないかと思います。
○藤原房雄君 極端な一つの例をあげたわけでありますけれども、非常に閑静なところであったところに学校が来たということ、そのほかいろいろなことが考えられると思いますけれども、これは現実にはそういうことがあるわけなんで、十分に地域の発展のために供されるような方向というものを十分に勘案しなければならないということを私は言っておるわけです。大体以上のことについてお伺いしました。 時間もありませんので、次に移りますが、公営企業金融公庫法の一部改正ということでありまして、いままで地方公共団体以外には貸し付けなかったそのワクを、今度は、一部改正によりまして、地方道路公社に貸し付けることになったという、この時代の変遷によりまして、事業の形態というものは非常に多角的になっておりまして、公営企業のあり方等につきましてもいろいろ議論されておりますが、今後こういう公営企業金融公庫というものが、いままでのワクから大きく対象を広げていく方向に進むのかどうかという、これを基本的な考え方をひとつお聞きいたしたいと思います。 それからもう一つは、金融公庫の現場の方にいろいろお聞きしますと、お金を借りるときの手続上の問題でありますけれども、非常に地方自治体としては自治大臣にたくさん書類を提出する。許可を受けて再びまた同じようなものを金融公庫のほうに出すということで、手続上たいへんな二重にも三重にも手数がかかるんだということをよく言うわけでありますけれども、この手続上の問題についても簡素化というものははかれないのかどうかということ、最後にこの二点だけお伺いしたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 御指摘のように、公営企業金融公庫は、地方公共団体が行ないます公営企業に対して融資をすることを基本的な目的として設立されているわけであります。今回加えました地方道路公社は、県営で有料道路を実施しております、それと全く同じ仕事を公社という形で実施をするわけでございますので、県営有料道路について、もちろん公営企業金融公庫から融資をいたしておりますので、それとのバランスから考えましても、これは当然公庫から融資をしてしかるべきものであるという考え方で、融資対象に加えたものでございます。土地開発公社につきましては、御質疑の中で出てまいっておりますように、地方公共団体も土地開発基金、あるいは公共用地先行取得債、あるいは、各事業債を活用いたしまして、先行取得ないしは必要な公共用地の取得をいたしておりますけれども、しかし、それだけでは、さらにもう広い広範な意味での公共用地の先行取得があり得ないということで、いわば地方公共団体の分身として公社を設立する。それによって先行取得を幅広く行なっていくということになったわけでございます。それに対する融資を公庫が行なう、これまた公営企業に対する融資とほぼ同じような観点から、融資対象の拡大をはかっていくということだろうと思います。今後一体どういうことになっていくかということでございますが、まあ、いろいろの形の公社がこのほかに出てくるのかどうかということにつきましては、それほど確たる見通しはできませんけれども、おおむね住宅については住宅供給公社、道路については道路公社、それから土地確保については土地開発公社というものがだんだんできてまいっておりますが、当分はこういうふうなことで別の公社がまた新たに出てくるということは予想することはないのじゃないかという感じはいたしております。そういう意味合いで、本法案でお願いをいたしておりますような融資対象の拡大をもって、当分進んでいくということではなかろうかと思います。 それから公営企業金融公庫の融資の手続の問題でございますが、いままで地方公共団体の融資をいたします場合には、御承知のような地方債の許可手続を経まして、地方公共団体に対して政府が許可をいたします、それについて融資をするということでございます。許可手続についてはできるだけ繁雑な手続を避けるということで、鋭意簡素化に努力いたしてまいっております。同時に地方債の許可がありましたものについては、公庫は審査はいたしません。ほんの簡素な融資手続だけで融資をするということで進んでまいっております。しかし、なお必要に応じて地方債の許可手続及び公庫の融資手続には、できるだけ簡素化の努力を続けてまいりたい、かように思います。 それから、新たに融資対象に加えまして、公社の融資につきましては、これは地方債の許可手続はございません。公社公庫自体の融資手続だけでございます。地方道路公社につきましては、御承知のように、有料道路の認可、あるいは道路特別会計の無利子貸し付けというような制度もございますので、それを踏まえまして、簡素な手続で措置をしてまいることが可能だと思います。土地開発公社につきましては、これから初めて出てくる問題でございます。その融資手続につきましては、繰り返して申し上げますように、できるだけ簡素な措置がとれるように努力してまいりたい、かように思います。
○委員長(玉置猛夫君) 両案に対する本日の審査はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。 午後零時四十七分休憩 —————・————— 午後二時五分開会
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから、地方行政委員会を再会いたします。 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○小谷守君 地方公務員災害補償法の改正案につきまして、二、三の御質問を申し上げたいと存じます。 先般この改正案の趣旨につきましては、大臣から懇切な御説明があったわけでございますが、第一に、この遺族補償年金というものを一つとらえて考えてみましても、今日のような物価の高騰の続く情勢におきましては、やはり物価にスライドさせるというシステムを取り入れる必要があったのではなかろうか。自動スライド制の例としましては、民間におきまして労働災害補償保険法等におきましてもこれを取り入れておるわけであります。なぜこれを取り上げにならなかったのであろうか、特に六十三国会、四十五年五月三十一日のようでありますけれども、前回この法律の改正の際に国会におきましても、附帯決議がついておるはずであります。その附帯決議の要旨は、労働災害補償保険法に準じて、これを実施することについて、配慮が願わしいという趣旨の附帯決議のようであります。こういうことがついておるのに、今回お取り上げにならなかったという点について、疑義を感じますが、いかがでございますか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 現在の物価またはこれに伴う給与の上昇等の状況と比べまして御趣旨まことにごもっともと存じます。政府におきましても附帯決議もございましたので、検討を重ねておるところでございますが、スライド制につきましては他の公的年金の関連もありまして、公的年金制度調整連絡会議で検討を重ねておりますが、公務員の場合、恩給法等の関連もございまして、まだ結論を出すに至っておりません。そのような関連から今回これを改正することができなかったのでございますが、引き続き検討し至急に結論を得たいと思っております。しかし、実際の運営上はただいま御指摘になりました民間の労災保険に準じましてスライド制で実施して支給をいたしておると、運営の面におきましては労災とほぼ似たような運営ができておると、かように私も聞いておりますのですが、法的な面におきましては、まだ完備しておりませんが、他の年金と合わせまして一日も早く法的措置も講ずるようにいたしたいと、かように考えておる次第でございます。
○小谷守君 今回の改正によりまして対象となる職員の範囲としましては「警察職員、消防職員その他の職務内容の特殊な職員で政令で定めるもの」と規定しておるのでありますが、この政令の内容についてはどういう御用意がございますか。
○政府委員(林忠雄君) 現在政令で予定しておりますのは警察と消防の職員のほかに麻薬取締員、それから常勤の消防団員というのがございます。この二つを合わせて政令で指定する予定でございます。
○小谷守君 たとえば教職員が生徒を引率しておる際に事故にあったとか、あるいはまた最近見かける姿でございますが、小学校の前なんかで朝の登校、午後の下校、こういう登下校の際に雑踏の中で教職員が幼い子供たちの安全のために整理に当たっておりますが、非常に危険が私は多いように思うのであります。こういう点については対象にならぬのかどうか。また、そういう際に起きた事故に対して補償額に大きな差がつくことは納得いたしがたいと思うのでありますが、こういう点についての御配慮はいかがでございますか。
○政府委員(林忠雄君) 御指摘のようなことは前の衆議院の審議でも御指摘を受けたわけでございますけれども、今回は人事院の意見に基づきまして、さしあたりと申しますか、当面最も職責上危険が多いものの代表的なものとして警察職員と消防職員が、本来職責上高度な危険が予測されるにかかわらず、職務としてそれに取り組まなければならないという立場のものに対してこういう措置をとることにいたしたわけでございます。したがって、いま御指摘の学校の先生の、自分の受け持ちの生徒への問題とか、あるいは学校の前の交通整理の問題とか、それぞれ危険は伴う、あるいはその場に即して飛び込むということが心情的にも十分あり得ることはよくわかるのでございますけれども、同じようにたとえば非常災害——台風とか洪水のような場合にこれらの職種を問わず町役場の職員は率先して出ていくということもございましょうし、それらのものも合わせて今後の問題として研究したい。それらはまた職種によっては民間の労災との調整も必要でございますし、さしあたり職種としての高度な危険があるものというものに今回は限定したわけでございますので、引き続きそういう範囲についてはなお研究を続けてまいりたいと存じます。
○小谷守君 たとえば府県の一般行政職員でありましても、爆発物、危険物の検査をする職員がございます。たとえば最近でございますと事故の多いプロパンガスの問題だとかいろいろありますが、私はこういうのは当然対象にお考えになる範疇の職種ではなかろうかと思いますが、この点についての御配慮はどうですか。
○政府委員(林忠雄君) いろいろの御判断、お考えあると存じますけれども、いま御設例に出されましたたとえば危険物の検査という場合でも、それは検査の手順として十分安全を確認して、検査そのものが安全であるべき手順その他がございますわけでございます。で、今回取り上げましたのは警察と消防という、現に凶器を持っております犯人を逮捕する、あるいは燃えさかっている火の中に職務として飛び込まなければならないという、仕事そのものが高度の危険にさらされておるということで、危険の度合いと申しますか、その他についても性質上やや差があるのではないかと存じます。いずれにせよ、危険な職務を安心してやれるようにという範囲は常々必要だと存じますが、あるいは公務災害補償全体のレベルアップの問題等も勘案し、あるいはいまの御指摘のような職種につきましては民間の労災との均衡も勘案して、公務災害補償全体のレベルアップということは今後も引き続き努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○小谷守君 四十六条に関連すると思いますが、「その生命又は身体に対する高度の危険が予測される状況の下において、」云々という規定に相なっておりますが、私はこの判断、この認定、この審査の方法を明確にいたしませんというと、たいへん公正を欠く事例が出てくるのではなかろうかと考えておりますが、そういう点についての御配慮はいかがでございますか。
○政府委員(林忠雄君) この法律の四十六条を受けまして政令で対象職種を限定すると同時に、それからこれに当たるべき、どういう職務であるかという職務の内容も一応統一的に書くわけでございます。そして具体的に犠牲が出ました場合にこの特殊公務災害に当たるかどうかということについては、手続として、それぞれ府県の支部で一応認定をする、公務災害についての認定は支部がするわけでございますけれども、この特殊公務に際してはそれを全部中央に上げまして、統一的に、全国的に不公平のないように統一的な認定をするという運用方法を現在考えております。
○小谷守君 政令で定める率を百分の五十とした根拠はどういうことでございましょうか。 また、補償の種類には療養補償、休業補償、葬祭補償等がありますが、これを除外したのはどういう理由でございましょうか。
○政府委員(林忠雄君) 百分の五十といたしましたのは、算定根拠と申しますと、これは遺族のたとえば典型的な例を申し上げますと、本人と妻と子供が二人という四人家族であった場合でございますね、もしその事故が起きます前と同じ生活を維持するためには、本人がたとえばなくなるとしますと、あと三人でもって四分の三の生活費がかかると、こう機械的に一応割り出しまして、現在の公務災害補償は遺族が三人の場合に百分の五十となっております。これを五割アップいたしますと百分の七十五となりまして、ちょうど前四人で生活していた分の四分の三の額が補償される。言ってみれば、その事故が起こる前と同じ生活程度を保障するというような算定の基礎に立っておると聞いております。 それから二つ目の、補償の種類でございますが、まず休業補償につきましては、今回対象になられる方がみんな常勤の職員でございまして、公務で休まれる場合、あるいは公務災害で休まれる場合、その給料はほとんど補償されておりますのでこれ以上これを積み上げる理由はないと考えたこと、それから療養補償と葬祭補償、これは実費弁償的なものでございまして、療養に金がかかったものだけは補償するけれども、特殊公務災害といってそれ以上に補償する理由がないし、葬祭補償もいわば実費弁償で、葬祭にかかる費用を実費で補償するという性質のものでございますから、これを増額する理由がない。そこで遺族補償とそれから障害の二つに限ったわけでございます。
○小谷守君 そこで、警察と消防の場合ですね、過去の公務災害の状況、とりわけ特殊災害の認定及び件数はどのくらいございましたか。過去二、三年の推移をひとつお示しを願いたいと思います。
○政府委員(浅沼清太郎君) 警察官の公務災害の状況でございますが、昭和四十六年度の件数は現在集計中でございますので若干推測が入りますが、これを含めまして申し上げますと、四十四年度の公務災害の総件数が、死亡が三十八人、負傷が一万四千八百八十人、四十五年度は死亡が四十六人で、負傷が一万一千九百九十六人、四十六年度は死亡が四十八人、負傷が一万三千二十八人ということでありまして、この負傷した者のうち障害を残す者は、四十四年度百七十四人、四十五年度は二百二十九人、四十六年度は、見込みでございますが、二百七十人ということになります。これらのうちに、今回特殊公務災害ということをお認めいただきました場合に、この特殊災害に該当すると思われまするのが、四十四年度は死亡者三十八人のうち十二人、傷害を受けて残す者百七十四人中の四十六人、四十五年度は死亡四十六人中の十三人、障害を残す者二百二十九人のうち十六人、また四十六年度は集計中でございますが、五月末現在で死亡四十八人のうち十七名、障害二百七十人のうち三十四人ぐらい。大体、死亡の場合、三分の一、障害を残す者の場合五分の一程度がこの特殊公務災害に該当するということになります。
○政府委員(山田滋君) 消防関係について申し上げますが、御存じのように、消防吏員の関係、消防団員の関係でございますが、消防吏員は直接今回の法律の適用を受けるわけでございますが、団員につきましては、この法が制定いたしました暁におきまして、政令で同様な基準を定めまして、各市町村の条例で行なわせるというふうな措置をとる予定でございますが、過去の実績を申し上げますと、職員の関係、消防吏員の関係でございますが、四十四年は総数におきまして、死亡十四、障害関係が四十、合計で五十四名。このうち特殊公務に当たると思われますのが、死亡が六名、障害が六名、合計十二名。四十五年は死亡が総数が九名、そのうち特殊公務と思われます者が五名、それから障害関係は総数が三十四人、そのうち特殊公務と思われます者が五名、合計いたしますと四十三名中十名。四十六年は、実は御存じのように呉の山火事がございまして、大量十八名の殉職がございました関係で大きくなっておりまして、死亡関係は総数は二十六名でございますが、特殊公務に当たります者が二十六名中二十二名、やや異常な数字でございます。それから障害関係は五十名中八名。死亡と障害合わせますと、合計総数は七十六名でございますが、特殊公務と思われますのが三十名というようなことでございまして、三カ年を合計いたしますと、大体平均いたしますと、この三カ年では、やや異常な年でございましたが、死亡関係をとりますと、総数のうち約三分の二、六七%程度が特殊公務になっております。それから障害関係では一五%程度。それから合計いたしますと大体三〇%程度が特殊公務と思われます。 団員の関係でございますが、団員は、四十四年におきましては、死亡総数二十七名中特殊公務七名、障害は四十二名中二十一名、合計六十九名中二十八名が特殊公務と思われます。四十五年におきましては、死亡が総数二十名中五名が特殊公務と思われます。それから障害が三十一名中十二名が特殊公務であります。合計いたしまして五十一名中十七名。四十六年は、死亡につきましては五名が総数でございますが、そのうち二名が特殊公務、障害におきましては二十名が総数、そのうち七名が特殊公務、合計二十五名中九名。 三カ年の大体率を申し上げますと、死亡は総数中二七%程度が特殊公務と思われます。それから障害は四三%、合計いたしまして、死亡プラス障害総数のうち三七%が特殊公務と思われます。以上でございます。
○小谷守君 いま御説明を願ったような傾向と申しますか、一つの数値から推計して、今回この法律改正によって年間発生件数をどの程度にお見込みになっておるのか。年間どのくらいな件数になるか、またその所要経費はどのくらいお見込みになっておるのか。今回の措置によって地方公務員災害補償基金の掛け金を変更する必要はあるのかないのか、その辺についてもお伺いをしたい。
○政府委員(林忠雄君) ただいまの警察、消防のほうからの御報告のような過去の発生件数がございましたので、これとほぼ同じ傾向をたどるとして将来のことを予測いたしますと、大体において年間死亡事故が二十件、それから障害の残る程度の事故が五十件くらいあるのではないか。死亡事故に関してはその三分の二が警察官で、三分の一が消防吏員というような数字が出ておりますので、大体この程度を発生すると見まして、必要な経費がざっと年間二千万円程度ではないか。ちなみに昭和四十六年度にこの法律があったといたしまして試算をしますと、二千五十六万という数字が出ております。ですから大体年間二千万程度ではないかというふうに推定しております。そういたしますと、公務災害の補償、いままで必要な補償費が四十六年度で十九億四千八百万、十九億に対する二千万でございますので、率としては非常に微々たるものでございます。したがって、このために掛け金の率を変更する必要は現在はないという考え方をとっております。
○小谷守君 この改正の実施時期を本年一月一日というふうにあえてさかのぼって御考慮になった根拠はどういうところにありますか。
○政府委員(林忠雄君) 今年の一月一日でなければどうしてもいけない、ならぬというはっきりした理由は別にないのでございますけれども、この人事院の御意見が一月一日ということを指定してございますし、その場合は、人事院の御意見はおそらく過去にあまりさかのぼる場合に、特殊公務であるかどうかの立証と申しますか、その辺の状況が不明になっておって、認定が困難になるということも予想されますし、それから過去は過去でそういう一般の同情をひくようなケースについては、それぞれ報償金なり見舞い金なりで相当の手当てをしてあるということでもあり、まあきりのいいところで、年度初めの四月一日とか一月一日とかということで、切りのいいところをとるということでございますが、まあたまたまことしは浅間山荘事件のようなちょっと大きな事件もございまして、ことしの一月一日でやることについてある程度国民的なコンセンサスも得られるのであろうというふうにも考えておる次第でございます。
○小谷守君 少し法案から脱線するかもわかりませんが、お許しを願いたいと思います。 実はいまから申し上げます点は、道交法の改正の際に私はただしたかった問題でありますが、まあ公務災害の問題に関連するのは少しぎごちないのでありますけれども、お許しを願いたいと思います。 実は交通事故が非常に頻発をして、そうして死者、負傷者の数が累増してきておる。とりわけこの交通事故による負傷者を、善意の市民がなかなか手を貸す事例が少ないのではなかろうか。木枯し紋次郎ではありませんが、何かかかわり合いがないということで見過ごしてしまうし、またへたにかかわり合うとあとがめんどうくさいというふうなためらいもございましょう。しかし、ちょっと手をかすことによって一命を取りとめる例も多いと思うんです。やはりそういうことについての善意というものを大切にしていかなきゃならぬと思うんであります。 私は、昭和四十二年だと思いますが、兵庫県におきまして、これは少し自慢話になって恐縮でありますが、私が実は提起をして実らせた条例がございます。それは交通事故負傷者搬送協力報償制度というものでございますが、交通事故による負傷者に手をかしてくれた皆さんに対しては、一件について——負傷の度合いにもよりますし、受けた被害の、たとえば血だらけのけが人を車に乗せて病院に運んだという場合にはシートもよごれたりいたしますが、それについては最高五千円で、軽微なものについては一件千円ということでございまして、そういうランクをつけて、いま実施を、四十二年十一月以来実施をしております。大体、調べてみますと、年間これに要する経費五百万。これは県単独のものでございます。そして一年間にこの報償金を支給します件数は大体二千件程度でございます。これを兵庫県で始めましてから、全国の各府県でかなりこれに類することをやっておられるようであります。 私は、これはもう今日、国が制度として取り上げるべき段階ではなかろうか、こういう気持ちがしてなりません。兵庫県なりあるいは各県で先がけてやりました例をひとつ十分御検討を願って、ぜひこれは取り上げていただきたい。一体どこが主管であろうか、私は役所のセクトがよくわかりませんけれども、まあ救急業務の一端であるとするならば消防庁等でお考え願うべきものではなかろうか。また、総理府の交通安全対策室等においてもこういう問題は御検討願いたいと思うし、警察当局においてもぜひひとつ御検討願いたい。いますぐにというわけではありませんけれども、なるべく早い機会に、大臣、国の制度としてひとつ実現に御努力願いたいと思うんでありますが、いかがでございますか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 私もそのような条例が県にありますこと、お聞きするのは初めてでございますが、ごもっともな御意見であろうと思います。 各県も実施しておられるところが相当ふえてきたということでございますが、いずれにいたしましても、交通取り締まりの任に当たる警察の主管するほうがよいかどうか、いろいろなこともあろうと思いますが、これらの制度が自治体が行なうほうのがよいという立場に立ちますときは、それらの条例が制度化されるような姿で各県に行き渡るように指導するとともに、それに伴う財源措置等も制度的に裏づけることによって、国の制度と同じような姿で全国的に実施されるのではないかと、かようと考えます。 また、国のほうで行なうほうがよいかどうか、十分検討さしていただきまして、いずれにいたしましても、そのような制度の運営を、実施しておられる実態をよくお聞きいたしまして、よき方向に全国的に統一されるように検討さしていただきたい、かように思っております。
○政府委員(須藤博忠君) お答え申し上げます。 先生が御出身の兵庫県では、四十二年にこういう制度を始めておられますが、現在では、大体全国的に見てみますと、約二十ばかりの県において、この制度を実施しておるというような状況でございます。まあ負傷された方を搬送するという非常に奉仕的な行為、これを報償金で奨励されるということについて、いろいろ負傷の状態による搬送の可否とか、いろいろ応急手当とか、いろいろ問題はあるかとは存じますが、しかしながら、率直に申し上げますと、好ましい制度であるということは言えると思います。そういったことから、われわれといたしましては、関係省庁とも十分相談いたしまして、法制化の問題については、今後検討することにいたしたいと考えております。
○説明員(池田速雄君) 御指摘の報償制度につきましては、先ほど室長のほうからの答弁がございましたように、二十県余りで実施されておりますが、その実態でございますと、大体県のほうの安全対策室で予算をお取りになっておるところもございますし、中には、一部、警察の予算として取られておるところもあるようでございます。しかし、現実の執行の段階になりますと、交通事故を扱っておりますのが警察でございますので、警察のほうで実際の執行をやってくれという依頼を受けて、執行しておるところが大部分のように聞いております。いずれにいたしましても、警察といたしましては、そういう御協力をいただきました方につきまして、何らかの形でそういった報償の制度があるということは望ましいことと考えておりますので、関係の省庁ともよく検討さしていただきたいと思っております。
○上林繁次郎君 すでに小谷委員からいろいろお尋ねがありましたので、余った部分だけをお尋ねしてみたいと思います。 まず最初に、対象となる職務は、「犯罪の捜査、火災の鎮圧その他の政令で定める職務」ということになっている。こういうことなんですが、その「政令」という政令の内容ですね、これについてひとつお答えを願いたいんです。
○政府委員(林忠雄君) いま政令で定めることを予定しておりますものを申し上げたいと思いますが、これは職務の種類ごとに定めるつもりでございますので、まず、警察官につきまして、イ、ロ、ハと三項目考えております。イは、犯罪の捜査、犯人もしくは被疑者の逮捕もしくは護送または犯罪の制止。それから、ロが地震、火災、風水害、爆発、その他異常な自然現象の際等における被害の発生の防御または被害の拡大の防止。それから、ハが天災時等における人命の救助。警察官については、こう考えております。 それから消防吏員と、政令できめることを予定しております常勤の消防団員、この職種につきましては、イ、ロと二つ予定しておりまして、イが地震、火災、風水害、爆発、その他異常な自然現象の際等における被害の発生の防御または被害の拡大の防止。それから、ロが天災時等における人命の救助。これを考えております。 それから、政令で指定を予定しております麻薬取締員、この麻薬取締員に関しては、犯罪の捜査または犯人もしくは被疑者の逮捕もしくは護送。これを考えております。
○上林繁次郎君 この法案によりますと、特に警察官とそれから消防吏員、こういう範囲が非常に狭められている。それともう一つは、同じ警察官であっても、あるいは同じ消防吏員であっても、いわゆる被害の状況といいますか、災害の状況といいますか、その状態によってこの適用を受けられない、こういう問題も出てくる、こういうことだと思いますが、そこで具体的な例をあげてお尋ねをしてみたいと思うのですけれども、たとえばいま交通問題はこれはたいへんな問題になっているわけですけれども、いわゆる交通巡査が無謀なドライバーの運転によって、そして交通整理中に生命を失った、こういうようなケースもあるわけです、また今後もあるということは当然予測ができるわけですが、こういう場合どのように考えておられるか、その点についてひとつ。
○政府委員(林忠雄君) 今回の措置は御承知のとおり、警察及び消防と、その職種でも職務の中に高度の危険があらかじめ予測される、しかも危険が予測されるにもかかわらず、職責としてその任務に飛び込んでいってやらなければならない、そういう場合に限定する。そこで、公務災害のうちの特別な部分だけを特殊公務災害として割り増しをしようという制度でございますので、ただいまおあげになりました例につきましては、一般に交通取り締まりというのは高度な危険がそれほど大きく予測されておるものではないという考えに立ちまして、一般的な交通取り締まりの途中の事故というのは大体入らないと考えておるわけでございます。ただ、その職務の態様いかんによって個々の具体的な事件が起こった場合に認定をいたすわけでございますから、態様いかんによっては政令で定める基準でよろしいと、これは入るというケースがあるわけです、もちろんあると存じますが、一般的な交通事故というのは現在入らないと考えております。
○上林繁次郎君 そうしますと、いまのお話ですと、交通整理中になくなった警官、そういった問題も政令によって場合によってはこの法律の適用を受ける、そういうケースも出てくるであろうと、こういうふうに受けとめてよろしいですか。
○政府委員(浅沼清太郎君) ただいま先生おっしゃったように、一般的に交通整理をしておりましてダンプカー等の無謀操縦にぶつけられたというような災害の場合には、一般論として今回の特殊公務の適用はまず無理ではないかというふうに考えます。ただ、最近そういうようなケースが多いのですが、白バイで違反者を追跡しているというようなときに、たまたま無謀なダンプ等にひっかけられてけがをする、あるいは不幸な場合には殉職するというようなケースが多いわけでございますので、そのような場合には当然適用がある。いま公務員部長の言われましたようにケース・バイ・ケースでございますけれども、一般的に非常な危険な状態があって、その危険な状態をおかしながらあえて職務を執行することによって災害を受けるという場合に適用があるというふうに私どもは考えております。
○上林繁次郎君 その辺のところ論議しますといろいろあると思うのですよ。たとえば交通整理という、いま交通問題というのはたいへんな問題ですよ、これはもう命がけですからね、ですからそのいわゆる事故をなくすためにそういう危険な状態の中で整理をやるということは、もうそれ自体非常に危険な立場に置かれている、こういう考え方が持てると思うのですね。ですからそういう意味からいえばあえて白バイが違反者を追っかけたという、そのときにけがをしたあるいは生命を失ったという、そういう場合は適用されて、実際にその事故防止のためあるいは混乱した交通事情というものを一般に整理するためあえて危険の中に飛び込んでその職務をする、それを別に考えなくちゃならないという考え方は私はおかしいじゃないか、こう思うのですよ。ですからそういう意味でもっともっとこれは検討されていく問題がまだ多分にある、ですからこれに限らずもっと範囲を十分に検討をし、そしてこれを拡大していくという考え方を持つべきじゃないか、こういうふうに思うわけですね。 それはまあそれとしまして、昨年の十二月の二十四日に新宿の追分交番で、クリスマスイブの夜ですね、クリスマスツリーに爆薬をしかけて、そしてたまたまそのツリーを持とうとした瞬間に爆発した、そのときに何人かの方たちが、一般の方もそうですけれども、警察官が何人かけがされたのです。そのとき一番重傷であった方、一応名前もわかっておりますけれども、その方のその後の状況というのはどういうふうになっておりますか。
○政府委員(浅沼清太郎君) いま手元に十分な資料がございませんので、すぐ調べましてお答えいたしますが、まだ、あの事件では巡査長の人だけが入院されておりまして、ほかのけがされた方はもう全部全快しておられますが、この警察官だけがまだ入院治療中でございます。
○上林繁次郎君 そこでその状況を、どういうふうな状況になっておるのかということを聞いたわけですけれども、それについては調査して答える、こういうことですからね、なぜこういったことを聞くかというと、いわゆるこれらの、なるほど犯人追跡だとか被疑者どうのこうのということには関係がないかもしれない、しかし、この当時は連合赤軍のいろいろな問題が生じていたそういう中で起きた事件ですね、ですからこういう方たちが再起不能になっておるというような場合も考えられるので一応お尋ねしたわけですけれども、そういう場合こういうケースですね、こういう場合にはどういうふうな考え方、この法律にのっとってどういう考え方をされるかということですね、その点ひとつ。
○政府委員(浅沼清太郎君) ただいまのケースでございますが、ただいまもお話しございましたように、当時は連合赤軍と思われる一部の過激分子が非常に爆弾等を警察の施設にしかけまして、方々でいろいろな爆発事故が起こっておるという状況でございまして、警視庁といたしましても全警察署に指令を出しましてこの爆弾について厳重な警戒をするように、また異常なものは早急に発見をして処理をするようにという指示が出されておる状況のもとにおいての事件でございまして、私は当然この特殊公務に該当するとこのように考えます。
○上林繁次郎君 で、一つ一つ具体的な例でわずらわしいかもしれませんけれども、先月の二十五日だと思うのですけれども、富山県で地下貯水槽の内部を塗装中その従業員三人がシンナー中毒にかかったわけですよ、それで、そこに警官がかけつけまして三人を救助したわけです、ところが力尽きましてその警察官がいわゆる中で中毒になりましてそしてなくなってしぼったわけです。こういう問題ですね、これはいわゆる人命救助です。こういうケースもこういう一つに限ったことではなくて、人命救助ということになりますと、いろいろなケースがあるだろうと思うけれども、これはごく卑近な例として取り上げてみたわけですけれども、こういったケースの問題があるわけですけれども、これらについてはどのような考え方をされるか。
○政府委員(浅沼清太郎君) ただいま御指摘のように、このケースは有機溶剤が充満をいたしまして、非常に危険な状況でございました。しかしながら、まだガスマスクとかそういうような器材が到着をしない。いち早く現場にかけつけたわけでございますけれども、しかし、器材の到着を待っていては中におる三人の人が非常にあぶないというので、この巡査長は非常な危険をおかして人命救助に当たったということでございまして、当然特殊公務災害であるというふうに私どもは考えております。
○上林繁次郎君 わかりました。そうしますと、地方公務員の公務災害の認定ですね、認定は現在都道府県における基金の支部でもってこれを認定しておる、こういうことなんですが、これから、まあいままでもあったことなんだけれども、各県にそういう組織がある。当然その県によって判定、認定のしかたが私は違うと思うんですね。ですから、認定が違ったんでは、これは同じようなケースで災害を受けた、しかし、Aの県とBの県ではその認定のしかたが違っていたというような問題が私は起きてくるんではないかという心配があるわけです。そういう心配のために、これは心配をなくすために統一した運用基準、そういったものを私は確立をする必要があるんじゃないか、県まかせでなくて。こういうふうに考えるんですけれども、この点どうですか。
○政府委員(林忠雄君) 現在一次的に県の支部が認定をいたしますけれども、これに対しては補償基金の本部のほうから基準を流しまして、各県の認定がばらばらにならないように一応統一をとる。それからきわどいケースでどちらに認定したらいいかどうかむずかしいという場合は、全部本部に問い合わせをするようにしておりまして、本部のほうで全国の状況を見て、その間の認定の統一をはかっておる、こういう運用をしております。そこで今度できます特殊公務災害につきましては、いまも御質疑その他でございましたように、いろいろボーダーラインというか、きわどいケースもあると存じますので、当分の間は、この特殊公務災害であるかどうかということについては、全部中央へ出させまして、中央で統一的な認定をしたい。先ほどのお話しのように、年間せいぜい二十件とか五十件とかそう数も多いものではございませんので、しばらくの間は中央のほうで全部統一して認定をいたしまして、大体統一基準をつくってまいりたい、そういうふうに配慮してまいりたいと考えております。
○上林繁次郎君 その点よくわかりました。で、いまのお話ですが、非常に私いまのお話は軽率だと思うんです。あげ足をとるわけじゃないけれども、小谷委員にもお答えになったわけですが、いまのお話の中でも、年間二十名かそこらであろうと、こういうお話である。しかし、あなたの二十名という、いわゆる考え方の基準、それはいま私がお尋ねしているような問題を含んでないと思う。いいですか、先ほどからのお答えを聞いていてそういう感じがするわけです。ですから、そうだとすると、これは現状としてはあなたが年間二十件か三十件までだと言うようなものの考え方、そういう考え方だとそのワクの中にはまってしまう。そのいわゆる考え方は、いま私が言ってきたようなそういった問題いわゆる交通関係によって生命を失うとかあるいは塗装中にどうだとかいう、こういう問題を私は含んでないと思う。ですからその点は簡単に二十名か三十名までだというようなものの考え方はひとつ捨てていただきたい、こう思います。これは答えてもらわなくてもいいです。
○政府委員(林忠雄君) ただいまの御指摘の点は十分心がけますけれども、実はいま二十件、五十件と言ったのは、過去この制度がない時代において起きた事故を、いま制度があったとして当てはめてそのくらいの数字が出ておるわけでございますので、実際にこの制度が出ますれば、今度は当事者としてはなるべく特殊公務災害に当ててやりたいという気持ちがもちろん先に立ちますために、多少疑問があるようなものは全部問い合わせてくれ、その結果不公平におちいる心配はまずないというふうに考えております。そこで、実際そこで判定できるものが二十件であるかあるいは五十件であるか、数は相当ふえることは予想されますが、それにしても私が二十件と申し上げたのは、これが数千件になり数万件になって中央で処理するのに困るという事務量ではないという意味のことだけ申し上げたわけでございまして、こうなったからといって二十件しか出てこないというふうに実は考えておるわけではございませんので、御了承いただきたいと思います。
○上林繁次郎君 いままで警察関係のお話をいろいろとお尋ねしたわけですけれども、先ほどお答えになった政令の内容ですね。その中に消防吏員及び常勤の消防団員については、火災その他異常な自然現象の際における被害の発生の防御または被害の拡大の防止、天災時等における人命救助など、消防関係でこういう内容を持っているということなんですが、いわゆる最後のほうにある天災時等における人命救助などと、こういうところがありますが、これはあえて消防職員に限らず、天災時の場合などは、これは県職員にしても市職員にしても、これは徹夜でもって作業をする。特に建設関係の職員は、もうやはり第一線、高潮がくればそれを防ぐために第一線に立って、それこそ命がけでやらなければならぬ、こういうケースがあるわけですね。まだこれからもあると思う。こういういわゆる警察官あるいは消防吏員以外の県職員、それから市職員、そういう職員についても私はこの地方公務員災害補償法の一部を改正するこの中に入れるべきである、こう私は思うんですね。いわゆる命がけでこの作業をやらなければならないというケースは、これは警官あるいは消防だけでなくて、当然発生してくるそういう状況の中で活動しなければならない県職員、市職員が出てくると、こう思いますが、その点についてはどうですか。
○政府委員(林忠雄君) この特殊公務災害の範囲をかりに将来の問題として広げるという場合に、一番先に出てくるのが、おそらく御指摘の災害時における公務、そういうことであろうと存じます。で、今回これを消防と警察だけにしぼった理由は、先ほど御答弁申し上げましたけれども、さしあたりと申しては何ですが、第一に職責として高度の危険が予測される状況のもとにもかかわらず、職務としてそこへ飛び込んでいかなければならないという職種を選んで一応こういう措置をとったわけでございます。したがって、その他のいろいろなケースにつきましては、民間の労災その他との均衡もあり、さらにこれを拡大していく方向ではありますけれども、将来いろいろ各省その他の調整が必要であるということであると存じます。で、その場合に、申しましたとおり災害などという場合は一番典型的なケースであろうとは思いますが、まあ今回しいてその警察官、消防吏員とたとえば土木職員と違うと申しますか一本の線がかりに引けるといたすとしますれば、たとえば目の前の学校に火災がある、あるいは洪水時に子供が川に落ちたというのを目撃した場合、人情としては公務員であろうと一般人であろうと水の中に飛び込んで子供を助けたい、その気持ちはだれも同じであろうと存じます。その際職責としてそこに飛び込んで助けなければならないという職務を持っているのが消防吏員であり警察吏員である。土木職員であれば、人情としては飛び込みたい気持ちは十分あり、また飛び込んで助けてくればたいへんな善行であることには間違いないと思いますけれども、職責としてそういうものを持っていないという一本の線が引けるとすればそういう線があると思います。しかし、それも災害時のような場合は職務が何であるかなどを考えずに飛び込むとすれば、一般人はともかくとしても、役場の職員なり府県の職員というものはあるいは同じような危険を予測しながら飛び込むものでございますから、扱ってやるのもしかるべきだという議論も当然あると思いますので、将来もし拡張される方向であるとすれば、災害時における町村吏員、府県吏員というものはまっ先に出てくるのではないかと考えております。
○上林繁次郎君 大臣にそのことについて一言。
○国務大臣(渡海元三郎君) 今回の改正につきましては、国家公務員に対する人事院の意見書等にもありまして、人事院の意見書の中に、今回職務についていま申しましたような職を有しておる者に限定する、しかも職務も縛って意見書が出ておるものでございますから、これ等の均衡もございまして、地方公務員の災害補償法の改正に際しましても国家公務員の基準に合わしまして一応きめさしていただいておりますが、当然ただいま事務当局がお答え申しましたようなことは当然であろうと思いますので、いま公務を広げて今後これを拡大していくときはという発言でございましたが、私といたしましては前向きに検討しなければならない事項であり、できるだけすみやかにそういった方向に持っていきたい、このように考えておるのであります。
○上林繁次郎君 これは常勤の消防団員ですね、それまでは入りますわね、そういうことですね。非常勤の消防団員ですね、これは基金に加入してないのですか。
○政府委員(山田滋君) 消防団員独自の基金を持っておりますので、そちらへ入っております。
○上林繁次郎君 この法案によれば、警察と消防の関係ということなんで、特に消防団員というのはもうこれは火災時において仕事の面からいけば、職務の内容からいけば、何ら私は変わりはないと思うのですね。当然この法案に出てくる目的、それに合致すると思うのです。ですからこの非常勤の消防団員に対する措置というものを当然私は考えるべきじゃないか、なぜそれを除いたのか、この点どういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(山田滋君) 消防団員につきましては従来やはりこういった災害補償の制度がございまして、それは政令で基金を定めまして、それに基づきまして各市町村の条例で行なっております。したがって、今回もその体系にのりまして、この法律が成立いたしましたならば直ちに政令の改正をいたしまして——もう準備いたしておりますが、そういう条例措置で行なう予定でございます。
○上林繁次郎君 いわゆる障害補償の額が等級別に出ておりますね、平均給与額に本表に掲げる日数を乗ずるということなんですね。こういうことなんですけれども、これによりますと、そういうことで結局給与の高い人はいわゆる必然にこれは高くなるわけですね。給与の低い人は、これは百分の五十にしても、アップしたとはいえども、これは非常に低くなる、こういうことになるのです。そこで先ほど小谷委員もこの法案の目的をお聞きになったかと思うのですけれども、いわゆるこの法律を改正する趣旨から言うならば、いわゆる高度の危険な状態、そういう中に飛び込んでやるわけですね。そういうように特別に目的があるわけですよ。特別な目的のもとにいわゆる消防吏員にしても警察職員にしても活動をする、こういう立場はいわゆる自分の生命をかけてそしてその一つの作業なら作業に飛び込んでいく、こういうことですね。この立場は私は何にも変わりはないと思うのですね。自分の命をかけて、命に危険があるという、あるいはまたその将来その人が再起できないかもしれないという、そういう危険を考えた上でこのいわゆる法の改正というものはなされたと思うのですね。そういう意味からいうならば、そういう立場からいうならば、私はそこに何らか差別があるということはかえっておかしいのじゃないか、こう思うのですね。ですから、あえて——この等級はいいのですよ、等級それ自体は私はいいと思うのですよ、ただ問題は、この等級によって、その給与によって受ける補償額というものが変わってくるということ、その考え方が私はおかしいと思うのですね。いわゆる特殊なケースなんです、命をはるという、そして危険な状態に飛び込んでいく、それは上も下もありませんよ。ですから、そういう意味から言うならば、そういう差別のないような方法をとるべきじゃないか、そういう差別のない補償をすべきじゃないか、このことに関してはですよ。一般的な補償というものはこれは別なんです。あえてこの法律を改正してこういうものをつくるというならば、そういう差別のない補償というものを考えるべきじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点についての考え方はどうですか。
○政府委員(林忠雄君) もちろんこういう命をかけて飛び込むのは、それはとうとい人間性のみであって、上下の差別はないというお考えもよく理解できるわけでございますが、これを補償としてとらまえます場合、その人がけがをしなかったら、あるいは死ななかったら将来得たであろう所得が失われた、それを償うという意味でございますので、これはこの特殊公務災害のみならず、一般の公務災害の補償全部がそういう体系に立っておりまして、その上に特殊公務災害で率を割り増すという形をとりました以上、その方が現在給与が幾らであるかというようなことが当然算定の基礎になっておるわけでございます。今回はそういう補償というものを積み上げるという形でそういう方々の優遇措置を考えたわけでございますが、まあそれ以外にその行為が非常に他に模範であったとかいうようなことで論功行賞的な賞じゅつ金とかあるいは報償金というようなものの制度ももちろんございます。そういう場合に十分にその人間の尊厳さというのを考えるのはもちろん筋だと思います。ただ補償ということでつかまえます場合には、どうしても補償理論がそういうことでございますので、いま言ったような体系に乗せる、そういう形で御提案をいたした次第でございます。
○上林繁次郎君 ですから、いままでのものの考え方からいえばそういうことになると思うのです。私はそう思います。だけれども、何回も言うようだけれども、特別にいわゆる危険をおかしてこういう職務につくということで、特別につくるわけですからね。で、いわゆる生命を奪われた場合には、残った遺族の方々に対する補償ということになるわけですね。で、それは現在の時点で考えるならば、その職責の高い人は当然給与の高いということになる。だけれども、実際に生命をかけて、そしてこういう問題にぶつからなくちゃならないという立場の人は、これからはやっぱり若い人たちが多くなるかと思います。ということは、将来有望な人たちだということです。この時点で考えるならば低いかもしれないけれども、将来を、長い将来を考えてみた場合、相当な立場に立つ人たちかもしれない。そのことを考えれば、遺族の人たちの立場からすれば、うちの、たとえば御主人なら御主人としましょう、主人が生きているならば、おそらく将来いよいよ有望であるというような——、しかし、現在、現時点でもってこういったことになったので、補償のほうもこれしかいただけないのだ、こういうことになるのですよ。ですから若い人というのは、その遺族にとっても将来は長いわけですよ。そういうことも私は加味する必要があるだろうと思う。と同時に、そういった立場からも、この危険なこの職務につくという立場は、それはもう平等である、すべて。そういう考え方で私は給与のほうから差別をつけるべきではないんではないかと、こういうふうにまあ申し上げたわけでして、また十分にこれもまた検討してもらいたい。それと同時に、いま申し上げましたように、若い方たちがこういう危険にさらされるという率が高いということ、そういう立場から一率に百分の五十と、こういう考え方ではなくて、いわゆる言うなれば下級職員、若い層の方たち、こういう方たちの補償率というものをあえて百分の五十ということではなくて、もっと引き上げを考えるという、そういう先々を考え、あたたかい考え方で対処すべきであると、私はこういうふうに思うのです。ですから、その辺について、もう一度ひとつそういったことが可能なのか、もう全然そんなことは考える余地はないのだ、こういうことなのか、その点ひとつ、はっきりお答えいただきたいと思います。
○政府委員(林忠雄君) 公務災害の補償として考えます場合、実は、この特殊公務に当たらなくても、一般の公務でも、なくなった方については全く同じに考えるべきであろうという気が、まず前提として一つするわけであります。その場合、確かにこういう公務災害を受けられる方が比較的元気のいい若い方が多い、元気のいい若い方が多いというのは、反面、給与が現在は低いという問題がありますので、公務災害補償のレベルを上げるということで考えます場合、厳密の補償の意味からすれば、現在受けている所得が云々ということがございますけれども、ある程度給与の低い方については、それは平均の給与までその単価を引き上げてやるという考え方も、引き上げて措置するというような考え方も当然入ってきてしかるべきかと思いますので、お説の趣旨を十分体しまして、公務災害補償一般の水準の引き上げのときに、そういう若い方の補償の増額については十分検討さしていただきたい、こう考えております。
○上林繁次郎君 最後でございますが、大臣、これはどうお考えですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 実はこの前の川崎地区の事故で消防研究所の職員がなくなった。大学卒業者でございまして、将来有望の者でございましたが、まだ年が若いものでございますから、いま上林委員御指摘のように、公務災害補償額が非常に少なかった。しかも結婚早々でございまして、ところがその奥さんはもうすでに妊娠をしているわけでございます。私、その事態にぶつかりまして、いま上林委員が御指摘になられました実態を痛感したような次第でございます。 いま部長からお答え申しましたように、これは単に今回の場合だけでなく、一般公務災害の場合に考慮しなければならないのではなかろうかということを痛感したような次第でございますので、一般公務災害の引き上げ等の問題とあわせてこの問題も検討すべきであろうと、かように考えますので、いま部長の答えておりましたような方向で検討さしていただきたいと存じます。
○政府委員(浅沼清太郎君) 先ほどお尋ねございました四谷警察の追分交番の大野巡査長でございますが、事件は御承知のように十二月二十四日にありまして、すぐに新宿の春山外科に入院いたしまして、その後五月二日に警察病院のほうにかわりまして、現在入院加療中でございます。 左足の大腿部を切断いたしまして、それから右は下腿部、すねの部分の複雑骨折でございますけれども、これは切らずに済むということでございまして、それから右目失明、それから左手の指が親指以外全部なくなってしまうというような状況でございまして、まだいつ退院できるかはっきり見込みが立たない、こういう状況でございます。
○上林繁次郎君 それじゃ最後に。 そうしますと、そういったほんとうに痛ましいたいへんな状況にあるというので、当然この法律が施行されるということになれば、当然そういう立場の方はこの法律に基づいてこの法律の適用がなされる、受けられる、こういうふうに考えてよろしいですね。
○政府委員(浅沼清太郎君) このケースは、特殊公務に内容としては文字どおり該当する場合でございますが、今回の法律改正が一月一日ということから適用がございますので、このケースについては本法の改正の適用がないということに相なるわけでございます。
○上林繁次郎君 そうしますと、これは十二月でしょう。わずかの差ですね。そういうような、これは現実の問題です。で、まるで法律は木で鼻をくくったようなものだ、ほかのものはどうか知りませんが、そういう感じがするわけですよ。もっと私は現実というものをとらえるべきだ、こう思うのです。大臣、どうですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 期限というものを切りましたが、どこで切るかという問題になってまいりますので、いま言われましたように、現実にそれでは十二月一日に持ってきたらまたそういった例もあるかもわからない、たまたまこれがわかっておったということもあろうと思います。法律の運営は木で鼻をくくったようなものであると申されますが、法である以上はやむを得ないと思いますが、その他の許されまする範囲によりまして、それらの償いを運営の面においてさしていただくというふうなことにでもならざるを得ないのじゃなかろうか、このように考えます。
○政府委員(浅沼清太郎君) 上林先生のおっしゃるとおりでございまして、またいま大臣の言われたとおりで、この法律で適用がございます以上やむを得ないかと思いますが、ただやはり、たとえば昨年でも渋谷で新潟の巡査が殉職をいたしましたし、その前は成田で神奈川の警察官が殉職をいたしております。そのような何といいますか、新聞等で報ぜられております以外にも、非常にじみでございますけれども、われわれとして何とかしてやりたいというようなケースもあるわけでございまして、ただいま大臣からもお話ございましたが、法律で足らざるところは運用の面といいますか、われわれは全力をあげて援護をしていく、このように考え、またそのような措置をとってまいりたい、こういうように考えております。
○上林繁次郎君 最後に一言要望します。 この期限が一月一日ということにさかのぼるわけです。ですから、逆に言えば、小谷委員からもお話があったのですけれども、一月一日にさかのぼるという根拠は何かと、こういうことになるので、それはもう先ほどお答えになったわけですけれども、まあそう言い出せばこれも切りがない。私の言いたいことは、こういう法律をつくって、そしてこの法律の適用によって、そういうなくなった方だとか、けがをした方たちに対してあたたかく報いていこう、こういう精神、これは法律の精神だろうと思うのです。ですから、そうだとするならば、これは期限の切り方も私はおかしいと思う。一月一日にさかのぼるということですね、そういういわゆる精神のもとにできた法律ならば、これはなるほど法律を施行するにあたって期限を全然きめないというわけにはいかぬだろうと思います。それはわかる。だけれども、そういうふうに現実に十二月に事件があって、そしてそういうほんとうに痛ましい状態にある。そういう現実の問題としてそういう方がいるということです。わずかの日数でこれが適用されないのだ。そういう意味から言えば、木で鼻をくくったようなものじゃないか、こう言いたいのです。ですから、言うならばそういう現実の問題が横たわっているわけですから、広くもっともっと、いままで自分の生命の危険をおかして住民の、国民の安全をいわゆるはかってきたというような立場において災害を受けた人たちについてはもう一度私は洗い直してあげて、そしてまたその状況によってあたたかく処置してあげるという、こういう精神が必要じゃないか、こういう意味で申し上げているわけなんですよ。この点についても最後にひとつ大臣からもう一度お答え願いたいと思います。
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいまもお答えいたしましたように、これは一つの例をあげられまして、それだったら、またそこまでさかのぼらしますと、またそれと同じようなケースが他にも生まれてくるというて、際限なくさかのぼるわけにもいかぬという点から、たまたま浅間事件等あって国民的コンセンサス等で一月一日というのが人事院の意見となって出てきたものであろうと存じます。これに基づいて出されたのが今回国家公務員の災害補償、これに歩調を合わせて出しましたのが地方公務員の今回の法の提案でございます。しかし、御趣旨はごもっともでございますので、法は法として、許される範囲内でのそれらのものといいますか、精神的苦痛にお報いするような道を考えることによって、これらの不公平も是正するように取り計らわせていただくように運用させていただきたい。私は警察庁は直接関係あるものではございませんが、関係されるそれぞれの所管におきまして、法律の主管大臣といたしまして、そのような運用でいま申されたようなことを解決していただきたいということをお願いしていきたいと思います。
○上林繁次郎君 最後にもう一言。 人事院がどうだこうだという、それは尊重しなくちゃならないことだと思います。で、先ほど私が申し上げたその趣旨についてはもうおわかりいただいたと思うのですけれどもね。先ほどたとえば十二月に被害を受けた警察官、大野文次さんですか、この方の例をとっても、これは言うならば責任ある皆さんの立場で即座にその人の状況はこうでありますという、そういった回答は得られなかった、実際はそういうことでしょう。じゃあ大臣がいろいろとおっしゃったけれども、その期限の問題はどうのこうのでなくて、全国的に、一体自分の命をかけてそして生命を失い、あるいはまたけがをして、そのけががもう致命的であったというような人が、現在警察官関係、消防関係でどのくらいいるんだ、生活の実態はどうなっているんだ、それつかんでいますか、全部。
○政府委員(浅沼清太郎君) 私ども、そのような殉職者あるいは重傷者の援護の問題は非常に重要でございまして、したがいまして、各県ではカード・システムで全部登録をいたしまして、で、常時連絡をとりながらいろいろお世話をするというようなシステムをとっております。たとえば一例をあげますと、警察育英制度というのがございまして、殉職者の子弟はもちろん、たとえば今度の大野巡査長の子供さんもおりますけれども、その子供さんも、小学校でも大学でも、学校へ行っている間は全部育英金を育英会から、私どものところが出しております。その必要もございますし、全部家庭の状況とかそういうものを全部配付しておりまして、それがわれわれのところへ参っておりますから把握されております。ただすぐ、それを見ませんと直ちにはわかりませんけれども、そういうシステムは十分にとりまして、しかもこれは単に経済的問題だけでなく、精神的にも、たとえばいろいろこの方たちの悩みは、子供の進学でありますとか、結婚でありますとか、あるいは就職でありますとか、病気でありますとか、そういうようなときになかなか相談相手がないということを非常に悩んでおるわけでございます。したがいまして、そういう場合に、常時いろいろ激励をする、相談に乗るというようなシステムをつくっております。現在までのところ二、三、まあ全国的に何人か新しく商売を始めた人で、その商売がうまくいかないで、ちょっと生活上不安が残るという人がございますので、それは県のほうに言いまして、ひとつ十分に安心のできるようにしてもらいたいということでお願いをいたしております。
○河田賢治君 他の委員からいろいろ質問もあり、また当局から答弁もありましたので、あまりたくさんの質問はいたしません。ただ二、三の点について質問しますが、その法案の提出された中にも、大体浅間山荘事件などが中心になって提案したようにも書かれておる。またこの実施時期も、あれは二月の末でしたから、一月一日にさかのぼるというふうにして、人事院のいろいろな意見もあるだろうけれども、そういうものを特に含めなくちゃならぬというので、本来ならば大体法案というものは四月一日あるいはその他施行の期日は定めるということになっておりますが、非常に遡及しているわけですね。そういう点から見まして、この法案が持つ内容というものがきまるわけですが、一体こういう「特殊な」、「高度の危険」ということで出されておりますが、こういう特殊な災害補償の制度をつくらなければ、いまの警官諸君の士気があがらないあるいは消防団員、消防の諸君が消防に対してあがらない、こういうちょっと冷やかな質問ですけれども、そういう面をあなた方はお感じになっているかどうか、その辺をまず聞いておきたいと思います。
○政府委員(浅沼清太郎君) 実はこの今回の制度の改正につきましては、警察庁といたしましては、一昨年から研究会を設けまして、いろいろ専門の人の意見を聞きながら、警察としての要望事項をまとめまして、人事院のほうにお願いをした経過がございます。 もう先生御承知のとおり、一応、現在の公務災害制度が、非常に危険な職種で、命がけで職務を執行した場合に災害を受けましても、あるいはそうでなくて、普通の一般の災害でも全く同じである、もう一律平等でございます。それではやはり、特に危険な状態において、しかもそれをおかしてまで職務を執行しなければならない立場の者には、もう少し厚くやるべきではないか。しかも、かつての恩給法にもそういう制度がございますし、あるいは外国にもそういう制度がほとんどとられておるのでございまして、そういう意見合いにおいて、この制度の改正をぜひお願いしたい、このように考えるわけであります。
○政府委員(山田滋君) 消防の立場におきましても、いま先生御指摘のように、必ずしも士気があがらないからこの措置が必要であるということを考えたわけではございません。現在におきましても、十分士気があがっておると思っておりますけれども、このような特殊な、命がけでやるような場合、特に他の公務災害とは角度を異にいたしまして、さらに手厚くしてやりたいという気持ちをかねがね持っておりまして、たまたま警察のほうでこういうふうなお考えもございましたので、ぜひひとつ、この際、御一緒にということでお願いをいたした次第でございます。
○河田賢治君 もう一つ、この問題で考えますと、つまり集団的な行動をするわけですから、指揮者があるわけですね。まあ日本の軍隊でも、非常に神さんのように言われておった人でも、作戦や戦術となると、非常に指揮が悪い。昔からよく、一将功成って万骨枯るということが言われました。だから犯人の逮捕にしましても、あるいは火災を防止する場合でも、これは呉に起こったときでも、だいぶ、なぜ、これが風を避けて、もっとほかのところへ行かなかっただろうかという、われわれ視察に行ったときに、そういう意見も出ました。だから、必ずしも、高度な危険があるにしても、十分避けられる、そういう場合があるわけですね。しかし、その指揮者の指揮が悪いために犠牲になるという場合もあるわけですね。全然ないとは私は言えないと思うんですよ。一体、そういう場合に、なるほど死んだ方は気の毒なんで、それらの人に対するいろんな救じゅつやあるいはこういう制度のもとで何らかしなきゃならぬと思いますが、そういう場合は一体どういうふうにお考えなんですか。これは仮定のことですから、答えにくいとは思いますけれども、そういう場合がなきにしもあらず。この点をひとつ聞いておきたい。
○政府委員(浅沼清太郎君) 警察の仕事は、指揮官のもとで部隊活動をとる場合もございますし、あるいはまた、一人で凶悪犯人と戦うというような場合もございますし、また交通の場合におきましても、なるべく災害を受けないための器材等も十分準備しなければなりません。そういう意味におきまして、装備とか器材とかそういうもの、いわゆる災害を防御するためのいろいろな対策というものは、われわれといたしましては、これはもう極力予算措置を講じ、また新しい技術を導入いたしまして、研究をいたしております。しかしながら、警察の職責を果たしますためには、そのような対策がありましても、また相手が加害行為に出る、あるいは非常に予知できないような天災であるというようなことのために、どうしてもこのような設備、器材を越えて危険がある。しかも、その危険をあえておかさなければ職務の執行ができないということがございまするので、いわゆる災害防止対策というものは十分に講じなければならないことはおっしゃるとおりでありますけれども、その上に、あえてなおかつそのような危険をおかさなければならないという場合も警察の場合には相当あるのでありまして、そのような万が一の場合には、特殊公務災害というような制度で厚く補償を考えたい、このように考えておるわけであります。
○河田賢治君 それでは、次に聞きますが、大体、民間給与とそれから公務員給与の差は、やはり人事院でこれはよく毎年出すわけですけれども、あるわけですか。 で、また、災害の救助について、どの程度、民間企業が、死んだとかというような場合に補償をしておるとか、扶養家族なんかに対するそういうものについて、若干お調べになったものがあれば、ひとつ聞いておきたいと思います。
○政府委員(林忠雄君) 民間給与と公務員の給与の問題は、確かに御指摘のとおり、人事院で毎年調査しておりまして、その調査した結果によって毎年給与勧告をし、それによって給与改定がされておりますので、原則として民間給与との差はないというたてまえになっておるはずであります。地方公務員についても国家公務員と同様の給与改定措置を講じておりますので、原則として差はないと。まあ、そこにいろいろ御議論はおありかと思います。民間企業のうちでも、五十人でございましたか、一定規模しかとらないということで、いろいろ議論はおありと思いますが、たてまえとしては、人事院は民間給与を調べて、公務員給与にそれをおっかぶせるという措置をとっておるようでございます。ベースになる給与はたてまえとしては同じでございます。 災害につきましては、民間の労災と地方公務員の災害は基準を全く——全くといいますか、ほとんど一致しております。むしろ公務員のほうがいい部面が一部あるということは聞いておりますが、大体において補償の率は一致しておるということでございます。
○河田賢治君 提出されておる資料によりましても、二十三歳の二年勤続の巡査で遺族が二人と、こういうことになっています。いま若い人でもずいぶん早く結婚する人が、年子でもってどんどん子供を生んで、あとはとめるという人がありまして、そういうことで、この方がこれまでの平均給与額の年額百分の四十五、これは特別なやつは残して、そうすると、三十二万四千円ということでございますね。で、この方が古いしきたりによって三年ぐらいはとつがないとか再婚しないとか、あるいは一年ということになりましても、一年に三十二万四千円では子供さん一人かかえて、ちょっとこれは無理じゃないか。おそらく生活困窮者がもらっている費用だって、これくらいあるいはこれ以上じゃないかと思うんですがね。そうすると、ある程度こういう給与の低い人の——これはまあ公務災害一般になりますけれども、こういうところをもっとやはり改善していく必要があるんじゃないか。これは再婚すれば払わんでもよくなる場合があるんですから、そういうことで、もう少し、三十二万四千円ではおそらく生活困窮者のもらうような費用にもならぬと思うんですよ。だから、これは、私はいまここですぐというのはなんですけれども、やはり公務員災害補償制度、これは労働省の関係もありましょうし、いろいろな関係もありますけれども、民間との関係、これはやはりこういう点はちょっと考え直すべきではないか。この底上げをやりませんと、結局、死んだ場合どうするか、こうするかという問題でさっき上林委員からも出ましたように、四十七歳の警視の人ですと、年に百五十五万六千円、今度上がりまして二百十三万二千円、こういうことになりますから、この人は大体生活に困るわけはないんですね、大体において。そうすると、あまりにも命をかけて、そうして、そのために死んだということにおいては、若かろうと年寄りであろうと、階級が上であろうと下であろうと、死んだことにおいては結果は同じことなんですね。だから、こういうところの差をある程度、社会的ないろいろな階級関係もありましょうけれども、もうちょっと考え直すべき問題がたくさんあるんじゃないかと、こう私は思うわけです。この点ひとつ、いま先ほど来のお話がありましたけれども、大体こういう問題はもうちょっと基本的に考え直すという考え方があるのかないのか、これはちょっと大臣にひとつ聞いておきたいですね。
○国務大臣(渡海元三郎君) 一般の補償水準の引き上げにつきまして、先ほど上林委員にお答えいたしましたとおり、私自身自分の職員を公務災害でなくしまして、その補償額の少ないのに驚き、何とかせなければならないという気持ちをその当時痛感したような次第でございます。ただ、他の年金制度また特に民間の労災等の関係もございますので、それらとも関連して検討すべき課題である、前向きに取り組んでまいらなければならない、かように考えております。
○河田賢治君 それから、これ以外に浅間山荘のときでも総監賞とかなんとかいって救じゅつ金やいろいろなものが出たわけですけれども、救じゅつ金というのは内規や何かにあるのだと思いますけれども、このほうと新しくできます特別公務災害というものとこれができた場合には、そちらのほうは多少削るのか、あるいはそのままずっと出していくというお考えなのか、その辺ちょっと聞いておきたいと思います。
○政府委員(浅沼清太郎君) ただいまお話しのことは、内閣総理大臣が特別報償金というのを特に功労ある場合に出す、これは警察官のみでございませんけれども、そういう制度、それから警察庁におきましては警察庁長官の賞じゅつ金という制度がございます。これらはいずれも身を挺して職務を遂行して功労が顕著な場合に出すということでございます。 今回の特殊公務災害は、もう御承知のとおり、公務災害補償制度の体系の中で特別な場合に割り増しをするということでございまして、性格が全然別でございます。したがいまして、この制度ができましても報償あるいは賞じゅつに該当する功労の顕著な場合には賞じゅつ金は別途に出るということでございます。
○河田賢治君 それから、先ほど来も対象について国家公務員のほうは主として犯罪を捜査し逮捕すると、特別にピストルを持っているような場合ですね、そういう限定があるのですか、私そっちのほうは見ていないのですが、ちょっとそこを伺いたいのです。
○政府委員(林忠雄君) 国家公務員の場合にはいまのおっしゃるような限定をしたようでございまして、特に武器の携帯を許されている職員に限るということのようでございます。 地方公務員の場合には、それに匹敵するものとして火に立ち向かう消防というものを同じ扱いにするという考え方で出しております。
○河田賢治君 さっきも学校の先生なんか出ましたけれども、これもしょっちゅうあることではないけれども、高度な危険というものは実際に予想して海の中に飛び込んで子供を救うということがしばしばあるわけですね、これまでの過去のケースからしましても。特に突風なんかにおきましてよくたつまきが起こりますが、こんなものは突然起こるわけでしょう。そういう場合に、そこに飛び込んだりすることは高度な危険ということは言わんでもわかっているわけです。それをあえておかしてまでも子供を助ける、ときには自分も力尽きて死んでしまうということもあるわけですね。だから、この「高度の危険」という文字がもしも必要な要件となるならば他の公務員の場合も、これは非常に特殊なケースだと思いますけれども、そういう意味でやはり地方公務員に対する対象のあれを広げておくということが必要じゃないかと思うのですがね、あまりに職種を消防とそれから麻薬取締官、それからまた警官とかいうだけに限らず、やはりそこをまた認定するのは別な機関が認定するわけですから、一応そういうようなことをして多少範囲を広げておくということが必要じゃないかと思うのですがね。そうしませんと、やはり今度は職種別にこういう差があるというようなことになればこれは公務員自体の中にいろいろな差別感を植えつけられますと、やはり問題が出てくるのじゃないか、こういうように思うのですが。
○政府委員(林忠雄君) 先ほどの御質問にも御答弁したところでございますが、将来この特殊公務災害補償の制度を広げていくとすれば、いまおあげになりました学校の先生が自分の受け持ちの子供が海に落ちたのを助ける場合、あるいは風水害等の場合に町村の役場の職員がその職種にかかわらず出ていって堤防を補強する場合、いろいろ考えられると思います。将来これを拡張する場合に当然考えられるケースでございますけれども、現在この警察官と消防吏員、麻薬取締官に限りましたのは、高度な危険のほかに、高度な危険が予測されるけれども、自分の職責上あえてそこへ飛び込む義務があるといいますか、そういう職責のある者にさしあたり限ったという形になっておりますので、学校の先生の場合には、当然自分の受け持ちの子供が海に落ちたのを飛び込まない先生はおらないと思いますけれども、職責としては飛び込むということにはないわけでございまして、火事でなお燃えている家の中にまだ子供がおるという場合、そこに学校の先生と警察官と消防の職員がおりますと、警察官と消防職員は命令されれば飛び込む職責があって、学校の先生は中の子供が自分の受け持ちであってもその職責にないというところが引くといえば引けるという程度でございます。ところが、人情としては学校の先生あるいは警察官、消防吏員と全く差はないわけでございますので、将来この制度、公務災害補償制度の範囲を広げていくという場合には、当然御指摘のような事例はまっ先に考えられることであろうと考えます。
○河田賢治君 もう一問で最後です。もう小谷委員も言われましたけれども、これも適用する場合に各地方で一応審査する、それから中央のほうと相談してこれはきまるというお話なんですが、しかし、やはりこの基準というものは相当私はきめ方をあれをしませんと、むしろこのことによって、あの事件で死んだけれどもこれはもらえなかった、片っ方は、いやわしはもらったというような問題になりますと、それこそこういう法律をつくって少しでも士気を鼓舞しそして警察官なり消防の職員が危険を顧みず立ち向かっていこうという精神がだんだん、何といいますか、そういう公正な取り扱いをしないがために、むしろその中でいろいろな不団結あるいは感情的にもなったりして、かえって共同の作業なんかできないような場合も人間なんですから起こり得ると思うわけですね。だからこの審査基準の決定等々にあたってはこれは十分私は留意してもらいたいと思うのですよ。そうしませんと、せっかくこの法律がつくられてもかえって他に禍根を残すというような事態が起こらないとも限らない、こう思うわけです。この点はひとつ要望として私は申して、質問を終わります。
○委員長(玉置猛夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、討議は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(玉置猛夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
○寺本広作君 私は、ただいま可決されました地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党各派共同による附帯決議案を提出します。 案文を朗読いたします。 地方公務員災害補償法の一部を改正する 法律案に対する附帯決議(案) 政府は、左の事項について善処すべきである 一、特殊公務に従事する職員の補償の特例措置については、その適用範囲を拡大する等の措置を積極的に検討し、危険な業務の遂行にあたった地方公務員の補償について万全を期すること。 二、民間企業等において実施されている業務上災害給付等の実態をすみやかに調査し、地方公務員に対する補償内容の改善および死亡見舞金の支給等について検討すること。 三、若年者に対する障害補償額、遺族補償額等の引上げについては特段の配慮をすること。 右決議する。 以上でございます。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(玉置猛夫君) ただいま寺本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(玉置猛夫君) 全会一致と認めます。よって、寺本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対して、渡海自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡海自治大臣。
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいまの御決議の趣旨を尊重して努力をいたしたいと存じます。
○委員長(玉置猛夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次回の委員会は、来たる五日、月曜日午前十時三十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十一分散会