地方行政委員会 第12号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/04/25
会議録
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二十四日、神沢浄君及び中沢伊登子君が委員を辞任され、その補欠として上田哲君及び田渕哲也君が選任されました。 —————————————
○委員長(玉置猛夫君) 昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○藤原房雄君 昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案の審議でございますが、最近といいますか、昨年から著しい不況のために、地方政財におきましてもたいへんな財政面におきましていろんな問題が起きております。こういう四十年、四十一年の当時と比較いたしまして、いろんな点で不況感というものは違うだろうと思うのでありますが、特に昨年八月のドルショック以来、ただ日本の産業構造の上の問題だけではなくして、国際的な問題においてもそれがさらにまた拍車をかけるような現況になっておるわけでありますが、こういう点では四十年、四十一年の不況のときとは、いろんな点で景気の落ち込みの要因というものがあるわけであります。こういう問題につきまして十分な分析といいますか、掌握というものがなければ、地方財政に対する対策というものにつきましても一時的な応急処置だけでいいのか、また恒久的な対策として対策を講じなければならないのか、こういう点で、どうしても今後の財政見通しといいますか、こういうものを十分に把握することが大事だろうと思うのでありますが、こういう観点からいたしまして、まず最初に、自治大臣の今後の財政見通しといいますか、それらの問題につきましてどうお考えになっていらっしゃるか、まずお伺いしたいと思うのであります。
○国務大臣(渡海元三郎君) 国の予算並びにこれに基づくところの地方財政計画を立てるにあたりまして一番基礎になるものは、何と申しましても四十七年度の経済の見通しでございますが、これは国会の冒頭におきまして、政府といたしましては経済企画庁長官の方針演説の中にも述べられてあるとおりでございまして、ドルショックによりまして、相当昨年に引き続き本年も経済界不振の状態でございますが、これに対する景気浮揚対策等の浸透によりまして、また本年当初にございました国際間の通貨調整の措置、その後これに対してとりました諸措置によりまして、年度後半に至りましては景気が徐々ながら回復し、年度全般を通じましては七・七%の拡大が予想されるという見通しのもとに立ちまして国の予算がつくられ、また、これに基づいて地方財政計画が立てられたような状態でございまして、四十年、四十一年のときの不況と今回の不況が国際通貨に基づくところの不況というふうな点に相違があることはいま御指摘のとおりでございますが、これらの点につきまして、政府といたしましても、国の予算並びにこれに応ずる地方財政計画におきましてもこの景気浮揚のための対策を種々講じておるような次第でございまして、これらの政策の浸透によりまして年度後半には景気も回復に向かうであろうというふうな見通しのもとに財政計画を作成さしていただいているような次第でございます。
○藤原房雄君 まあ経済企画庁の新社会発展計画、経済企画庁の経済見通しという、これも十分な資料のもとに計画をなさったと思うんでありますが、確かに予算編成の段階と、また今日ではだいぶん様相も変わっているようでありますけれども、いま大臣もおっしゃいましたように、国際経済の環境の著しい変化という、これはまあ日本一国の問題でないだけに、非常に不況感というものは日本の国の経済の立て直しということで早急に復帰するかどうかという、まあこういう点も十分に考え合わせなければならないことだろうと思います。また、最近国際通貨の問題も大きくクローズアップされておる昨今であります。こういうことを考えますと、どうもこの不況感というものは長期化するような気がしてならないわけでありますが、今年度とられました交付税の処置につきましては、いずれもただいま大臣のお話がありましたように、景気が後半には上向くんだという、そういうような考えの上から処置されているようでありますが、まあそうなりゃこれは問題はないわけですけれども、先ほどから繰り返して言っておりますように、日本一国の問題ではなくて、国際経済の著しい変化の中にあるというこの点を考え合わせますと、十分な対応策というものを考え合わせなければならないんじゃないかと、このように私は考えているわけでありますけれども、まあ本年度の問題につきましては、個々の問題につきましては一つ一つこれからまたただしてまいりたいと思いますが、こういう点をひとつ十分に勘案いたしまして対処しなきゃならない、こういう私どもの考え方であります。 さて、このたび昭和四十七年度の国の財政規模、またそれに伴う地方交付税制度の交付税のあり方、こういうものをずうっと見ますと、四十年、四十一年の不況時と今日ともまた大きな違いでありますし、また、地方交付税の制度ができた当初と現在とは非常に財政面につきましても大きな相違があろうかと思います。こういう点を十分に考え合わせながら、さらにまた先ほどから申し上げていますように、国際経済の環境が非常に変わってきておるという、こういうことを考え合わせますと、現在のこの地方交付税の制度そのものも抜本的に考え直さなければならないときにきているんじゃないかと、このような気がしてならないわけでありますけれども、その具体的な例といたしまして、景気浮揚策のために国では多額な国債発行という、こういうことで処置するわけでありますけれども、交付税制度というのは、こういう国債発行ということを考え合わせない健全財政のもとで考え出されたことだろうと思うのでありますが、今日のように、ずうっと景気浮揚策として国債発行のもとにまあ国の財政規模が大きくなっていく、それに伴って地方自治団体の仕事もまた多角化し、財政規模も大きくふくれ上がっていく、こういうことになりますと、現在のこの地方交付税のやり方では適応しなくなっているといいますか、大型な国債発行の現下では、地方交付税制度をつくった当時とは非常に状況が違うということから、こういう問題につきましては検討し直さなければならないといいますか、十分な配慮がなければ地方団体はたいへんな行き詰まりになってくるのではないかと思います。まあ地方団体等もそれに見合って処置しているとは思いますけれども、そういうやり方が続き、さらにまた国の経済見通しのとおり後半から景気が上昇してくればよろしいわけでありますけれども、国際環境の中のこういう問題でございますので、どうもこういう点をよくひとつ正確に把握していかなければ、現在の制度で補い得ないいろいろな問題点が各所に出てくるようなおそれなしとしないと、こう思うわけであります。こういうことを私はまあ痛切に感じているわけでありますけれども、現在のこの国の財政規模と、それから国の財政のあり方とそれに伴う地方交付税の問題、これらにつきまして現在自治大臣といたしましてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、基本的な問題だけでも最初にお伺いしたいと思うのであります。
○国務大臣(渡海元三郎君) 国が大幅な国債発行をやっていくのが続くようであれば考えなければならぬと、また長期的にながめましたなれば、交付税ができた当時、あるいは四十年、四十一年の当時と今日とでは交付税そのものが変わっておるんじゃないかと、こういうふうなお話でございましたが、従来四十、四十一年に至りますまでの間は、地方財政が不足いたしましたときには、毎年交付税率の引き上げという処置によりましてこれをカバーしてきた、これは御承知のとおりでございます。当時におきましては、地方の財源が交付税において不足いたしておったということも事実でございますし、また、国においても税率の引き上げに応じ得るところの、何と申しますか、財政力を持っておった。そういった関係で交付税率を引き上げてくることによりまして、地方の財源不足を補ってきたという姿でございました。四十一年のときには二・五%の大幅な税率アップを行ないましてカバーをし、そのときに初めて現在の税率の三二%という姿になった次第でございます。その後景気の長い間の好況の持続という姿によりまして、地方財政のあり方も逐次改善されていったことは、藤原委員も御了承のとおりであろうと思います。その際、いままでのように、財源不足のときはこれを補っていったんだから、財源が余裕ができたときには税率を引き下げるべきでなかろうかというふうな議論が戦わされてきたのも御承知のとおりであろうと思いますが、国との財源の相対的な意味合いにおきましても、交付税率というものはそう軽々にいらうべきものでないと。年度間の調整はあってもいらうべきものでないという姿で、従来になかったような国との間の年度間の調整というものも行なってきたのが四十一年以来の交付税のあり方でございまして、また、国の予算の立て方も、従来の三十年度代の予算と違いまして、景気の好不況によるところの財政の運営によるところの操作というものも考えられるようになり、好況のときにはむしろ景気を押えるために抑制をしていく、不況のときには国債を発行しても景気の浮揚をはかるというふうな政策がとられてまいったのでございまして、その間三二%に引き上がりました交付税との間の調整というものも行なわれてきたような次第でございます。本年度は一兆九千五百億の国債を発行いたしておりますが、これは現在のような異常な経済の落ち込みに対する国の処置でございまして、このような大幅な、歳入の一七%を国債で占めるというふうなことは将来ともに続くべきような処置でないと、私はこのように考えておるものでございますが、ことしは景気浮揚のためもありまして大幅な国債発行という姿になったと、それが今日の状態でなかろうかと思います。交付税そのものの措置につきまして、税率を引き上げろという考え方もあったのでございますが、私たちは一時の、これは立ち直さなければならず、また立ち直るものであるということで、年度限りの特例交付金というもので、税率を引き上げることなしにやっていたというのがことしの措置のあり方でございまして、しかし、いま御指摘のように、交付税そのものも考えなければいけないんじゃないかと言われますことは、たとえ景気が上昇いたしますにしましても、私は、四十一年から四十二年にかかって景気が上昇したような、高度経済成長に伴うところの爆発的なような景気の好況というものは期待すべきでないし、また期待されないと思います。したがいまして、後半期におきまして景気の上昇がありましても、過去におけるような率に及ぶような景気の好調というものではなくして、安定した景気の持続という姿に持っていかなければならない、こう考えるものでございます。 一方、このごろやかましく言われます社会資本の充実あるいは福祉政策への転換ということによりまして地方の財政需要がおびただしく増加していることは事実でございまして、私は、本年度のような異常な景気の落ち込み、これに対処するために交付税そのものを考えるのでなくして、安定した経済成長のもとにおいても、政策転換としての地方財源の充実というもののために交付税制度がいかにあるべきかということを考えるべきでないかと、かように考えております。その際に、国のそういった財政運営に応じられますところの地方財政の弾力性というものは、国との財源調整のやりとりでなくして、交付税そのものの中に、地方財源として、そのもの自身において、財源調整の道をも含めて考えなければならないのではないかと思っております。 また、交付税率その他のあり方等につきましても、私は、現在の財政需要の増加ということについてこれでよいかどうかということを考えるべき時期に来ておると。そういう見方では、藤原委員の言われます交付税制度そのものを検討すべき時期に来ておるということに対しましては同感でございます。しかし、この問題は、単に交付税だけの問題でなくして、国と地方との税財源のあり方、あるいは地方債のあり方、あわせて国と地方との事務配分のあり方等地方自治の根本にわたるすべてのものを総合的に勘案せなければならない問題ではなかろうかと思っております。そういった意味での交付税に対する根本的な検討ということを早急に考えなければならぬ時期に来ておると、かように考えておる次第でございます。一方、税制調査会等ではそれらの長期答申をお願いいたしますとともに、本年は、特に法律によりまして地方制度調査会の委員の任期を二年にしていただきまして、長期的視野に立ったところの地方行財政のあり方を検討することにいたしておるような次第でございます。いま言われたように、問題は、景気の安定した持続というものを根本に置き、しかも、ふえてまいりますところの地方財政の需要の増加あるいは社会資本の充実という政策転換に立ったところの財政のあり方ということを勘案しながら税並びに地方債、そして事務配分、これらを総合的に考えなければならないと、このように考えておるような次第でございます。
○藤原房雄君 この交付税制度の問題につきましていまいろいろお話がございました。確かにいろいろな客観情勢も変わっておりますので、十分な御検討をいただきたいと思いますが、先ほど大臣からお話のありました地方制度調査会の答申の中にもこういう問題が取り上げられております。いずれにしましても、交付税、地方債、地方税という三つのからませ合いがどうバランスをとっていくかという問題になってくるだろうと思うのでありますけれども、いずれにしましても、交付税が地方財政法からいきましても固有の財源であるという観点からいたしますと、地方自治体が健全な財政運営ができるような方向が最も望ましいことは当然なことだと思います。そういうことからいたしまして、確かに国債の発行というのは長期的ではなく、景気のいい悪いということや、またいろいろな諸条件を勘案してなさることでありますけれども、国の規模が大きくなればそれに伴って地方財政も、地方の仕事もふえると、こういうことにもなるわけでありますし、また、国債発行にいたしましても、一年ぽっきりで、次の年は全然ないということでも決してありませんし、こういうことを考え合わせますと、当然、そこには、答申の中にもありますように、国債発行という額に見合う一定の交付税の財源というものは考えていかなければならぬのじゃないか、こういう気がしてならぬのでありますけれども、答申にありますことも含めまして、現在、どのようにお考えになっていらっしゃるかお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(渡海元三郎君) 交付税は、御承知のとおり、いまの国税三税の三二%という額でございます。その国税三税によって当然出されるべき財源を国債発行というふうな財源によって行なったなれば、それに伴うところの地方において措置すべき地方負担というものが三二%の交付税という形で地方へやってこないから、そういう意味で公共事業を国債発行できめられるときには、国債発行に見合うところの額も当然入れるべきじゃないかという議論はいままでからたびたび議論として存在することは私も承知しておるところでございますが、しかし、従前も国債発行の四十一年度以来毎年これを繰り返してやったおりますが、その間は交付税率を引き上げろというふうな姿でなく、景気の持続で三税の伸びによりましてまかなうことができたものですから、そういうふうな姿でございませんでした。たまたまことしは景気の異常なる沈滞というところから、国債額の発行も歳入総額に占める額一七%というような、異常な一兆九千五百億というような数字に達しました関係上、そういったような議論も起こり得るとこう考えますけれども、いまも申しましたように、私たちは今回は異常な措置であって、これが将来ともにこのような姿で続くものでない、また、景気は年度後半にはことしの予算その他の諸措置によりまして回復し得るという姿で一年限りの特例金あるいは交付税に対する借り入れ金その他の分に対しましては地方債の発行ということで処置さしていただいたような次第でございます。 なお、国税三税のあり方等から国税三税の三二%でなくて、国税収入全額のものにしたらどうかとか、いろいろな議論も検討されておるところでございますが、これらはいま申しました国、地方との財源配分の形、あわせて事務配分の形にあわせて総合的に考えるべきものであって、直ちに一部だけをもって処置するというふうなことはむしろ避けるほうがよいのではないか、総合的な考えに立っての抜本的な対策として慎重に検討すべき問題でないかという姿で私たち臨んでおるような次第でございます。
○藤原房雄君 まあ国債発行につきましても、ことしは一兆九千五百億、まあ四十六年度も一兆二千二百億ですね。来年だってそう減るだろうということも考えられませんし、またこの国際経済の中での問題でもあります。決して一年二年という短期的なものではないという、やはり長引けば長引くほどその影響というものは大きいわけでございますが、こういうことを十分に御配慮いただきまして、今後検討事項としてひとつお考えいただきたいと思うのでありますが、さらに四十年、四十一年の不況のときと今回とはどういう面で違い、また対策上どういうふうに処置したかということになるわけですが’これもいろんなこまごましいことを申し上げますといろんなことがございますけれども、四十年、四十一年のときには交付税率を引き上げたという先ほど大臣のお話がありましたけれども、それから臨時地方特例交付金の創設とか特別事業債の発行とか、こういうことで処置したわけでありますが、このたびはいずれも地方債の発行という、またこの交付税特別会計における借り入れ金、借金でまかなおうとする、そしてまた来年にすぐこれが景気が回復するという見通しも立つような立たないような、こういうことで、必ずあとあとに財政負担の問題が残るのではないかという、こういう危惧を非常に深くするわけであります。冒頭にお聞きいたしましたように、経済見通しが、政府の考えているように後半から上向けばよろしいわけですけれども、そう甘いものじゃないじゃないかと思います。こういうことを考えますと、地方財政が四十年、四十一年当時よりも非常に今後に問題が残るような気がしてならないわけでありますが、こういう点についても大臣はいろいろお考えになっていらっしゃると思いますけれども、これらのことをひっくるめまして今後の対策といいますか、本年度の地方財政の落ち込みをどうささえていくか、借り入れ金に依存するという従来の考え方でいいのかどうか、この点どうお考えになっているか、この点ちょっとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(渡海元三郎君) 四十一年度のときには交付税率の引き上げを二・五%、なおそれで不足する財源を特例交付金、そうして景気の浮揚のための公共事業の伸びというものの地方負担に対しまして、特別事業債というものを発行さしてもらうような処置を講じた次第でございます。それに対してことしは、いま御指摘のように、年度限りの特例交付金というものをやったけれども、その他においては地方債、あるいは交付税、政府資金の借り入れと、特別会計の借り入れということで処置しておるのじゃないか、これが後年度に対して地方財政の負担にならぬかというお尋ねでございますが、確かにそうでございますが、四十一年度で二・五%の税率にしたために、その後の経済の好況に相まちまして、相当地方財政を潤してきたということは事実でございまして、三二%に引き上げられた交付税率を、さらにことしも足らないからといって、交付税率の引き上げをすべきであるかどうであるか、この点は将来の地方財政のあり方、平年度に戻りましたときのあり方等を考えましたなれば、国と地方の財源配分ということで三分の一近い税率というものは、三二%は固定したものであるという考えではございませんけれども、ある程度限度にきたのではないかというふうな考え方が、四十一年度に根本的に存在することは御了解願えるであろうと、かように考えるのでございます。そのために、本年は軽々に税率の引き上げというふうな恒久措置によらず、一時的な景気の沈滞による措置は年度限りの特例交付金と、なお足らざる分を特別会計の借り入れというふうな姿で処置さしていただいた交付税率の違いというものが、四十一年度と本年度との違いをつくった根本であろうと、かように考えます。三分の一近い三二%にきておるということは、単に景気の不調によって、そのたびごとに税率を引き上げて処置してきたというふうな措置でなくして、先ほど藤原委員も述べられましたように、交付税そのもののあり方を国と地方財源の配分の中で根本的に他の措置とも総合的に考えて検討しなければならぬ税率にすでに到達しておるのではないかという姿の違いがあったというところに御勘案賜わりたいと思います。また、交付税率の借り入れないし地方債による措置等によりまして、後年度において負担をかけること、これは事実でございます。しかしながら、私たちは、国の一兆九千五百億が歳入総額の一七%というふうな数字に比べまして、地方財政の起債の発行額は大体八%にとどまり、後年度にぬぐい切れないほどの負担はかからないであろうというところから、地方債によるところの処置をとらしていただいた次第でございます。しかし、後年度の負担になることは事実でございますし、一番おそろしいのは、地方財政のこういった苦しさの中から、財政的に中央集権になって地方自治を阻害されるというふうな姿が起こってはならないというところから、ことしの財政運営等につきましては、十分配慮しなければならないと考えております。そのためには、三千二百余りの地方団体のそれぞれの実態をながめながらきめこまかい財政運営をやることによりまして、後年度に対してそういった意味の財政的に地方財源が中央集権の形に持っていかれるようなことのない、地方自治が阻害されることのないような財政運営をはかっていかなければならないと考えております。そのために交付税率のほうで、少なくとも、たとえ借り入れを行なっても市町村に対します分は交付税でもって措置し、また、市町村の税率は大体安定した税収でございますので、まあ例年と比べましては落ちておりますが、府県税が大体二・五%ぐらいの伸びしか期待できないのに対しまして、市町村税の税収はなお一四・一%ぐらいの伸びが予想もされますので、交付税の総額を昨年並みに持ってくることによりまして、市町村におきましては、いわゆる起債によるところの借金財政というものがあまり起こらないように、府県並びに大都市といったような財政力も大きく、また財政運営に弾力性を持ち得るところにおきまして、主として地方債によってまかなっていただくというふうな措置によりまして、後年に対する財政負担についても、これによって地方自治の阻害を来たすことのないように運営をしていきたいと、このような注意のもとに財政運営をやることによって、本年度の借り入れをできるだけ最小限に、地方自治体の財政に対する過重というものを押しとどめていきたいと、このような配慮のもとに財政運営を今後やらしていただきたい、かように存じておる次第でございます。
○藤原房雄君 まあこの三二%というのはそろそろ限度ではないかというお話でございますが、この三二%という比率の持つ意味というものは、これはいろんな角度から検討しなきゃならないことだろうと思います。しかし、まあこのたびの財政の落ち込みというものは、経済の変動に伴うものであるとともに、まあいろんな要素があるわけでありますが、その中で恒久的といいますか、一時的な景気のいい悪いだけではなくして、所得税減税に伴う地方財政の減少ということもあるわけであります。また、公務員の給与のベースアップによりまして借り入れた、それはまあ当初の予想よりもはるかにベースアップしたその分に対しての財源措置、こういうことも、一時のやりくりで、借り入れ金でやっているわけでありますけれども、本年度の地方財政を見ますと、所得税減税とか、また公務員のベースアップとか、こういうことを考えあわせますと、決して一時的なものだけではなくて、やはり恒久的に対策を講じなきゃならない要素もあるわけであります。そういうものに対しまして、まあ借金といいますか、借り入れだけで、一時的に処置しただけで、はたして地方財政の財政上それがどういう影響を及ぼすかという、こういうことを考えますと、これはやはりそれ相応に見合った恒久的な財源というものをバックアップしなければならないと、まあ私は考えるわけであります。このように、現在の地方財政の置かれる立場を考えますと、どうしてもやっぱり交付税率の引き上げという恒久的な財源の措置というものがやはり一つの条件だろうと、こう思うわけでありますが、その件につきまして、三二%の持つ意味、これは限度なんだ、そういう観点からいろいろお話がありましたけれども、現在地方財政の置かれておる立場というものは、三二%というパーセンテージだけではなくて、こういう借金財政の中にあるということをお考えあわせ、地方財政の立場に立ってお考えいただくならば、やはりこの交付税率の何がしかの引き上げというものがどうしても必要じゃないかというふうに考えるわけですけれども、その点についてはいかがお考えですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 私、限度だということを申しましたけれども、もうそれ以上上げたらいけないんだというのでなくて、いまの国と地方との財源のあり方としての交付税制度のあり方と、三分の一近い交付税率三二%という姿になっておりますところから、軽々に動かすべきものでないと、まあそれは四十一年度に二・五%上げました。あるいはその前にも不足したときには交付税率を上げるんだという姿で上げてまいりました。そういったような、足らなんだら交付税率を上げればいいだろうというふうな姿で考えられないような数字、すなわち三分の一の程度に達したのが三二%だと、こういう意味でまあ申さしていただきましたので、限度という姿でしたらあまりにきつく響くことばじゃないかと思いますが、そういう意味で使わせていただきましたことばでございます。ひとつ御了承賜わりたいと思います。 なお、いま、所得税の減税あるいは給与の改定その他は恒久的な措置だから恒久的な財源を与えるべきじゃないか、それを交付税率の引き上げでやりますか、税というものでやりますか、とにかく恒久的なものでやらなければならないという、できればけっこうであるというような——いままでは給与のベースアップその他がございましても、それだけの見合うところの税収の自然増というものがありましたから、これもおさまってきた。今年はたまたま景気が非常に沈滞しておるものでございますから、べースアップの分がむしろいま言われたように、恒久的なもので与えられておらぬというふうな姿であらわれておるのではないかと思います。それを一時的なものとながめまして、借り入れ金あるいは特例交付金等で措置させていただくというような措置をやらしていただいたのでございます。また、所得税の減税でございますが、ある時期におきましては、国が行ないました所得税の減税はそのまま交付税の額に響いてくるもんでございますから、その分だけは交付税率の引き上げを行なえというふうな議論が繰り返し行なわれ、また実施に移されてきたことは当然でございますが、四十一年度に三二%になりましてからも、たびたび所得税の減税が行なわれたのでございますが、そのつどには交付税率の引き上げ、税率の引き上げという姿で措置もいたしておりません。その意味におきまして、三二%という数字が非常に好景気のために相当余裕があるような姿になったときも、まあ国庫財政その他におきましては、むしろ地方財政に比べて国庫財政が苦しいのだから国の財源配分の意味で税率の引き下げを行なってはどうかというような強い要請もたびたび出たのでございますが、軽々に動かすべきでないというところから、三二%を堅持してきたというようないきさつもある次第でございまして、所得税減税をやったから直ちに交付税率を引き上げるのだというふうな議論、過去に行なわれたような姿での交付税率の引き上げは今回はとらずに、これらもあわせて特例交付金というふうな措置、あるいは借り入れ金というふうな一連の地方財政措置でやらしていただくというのが本年度の財政対策の状況でございます。
○藤原房雄君 昨年暮れから本年にかけまして、やはり交付税率の問題につきましては当委員会でいろいろ議論になりました。そのつど大臣も非常に柔軟な考え方がおありのようで、まあいろんなことをお考えになって、そのような御答弁があったと思うのでありますが、きょういろいろお伺いしますと、絶対——絶対とは言いませんけれども、三二%というのはたいへんな高い率なんで、ちょっとこれを動かすわけにはいかぬぞと、まあいろいろなことがあるかもしれないけれども、そう軽々に動かされない数字が三二%だという、どうもこれは動かされないという、絶対とはことばにはおっしゃいませんけれども、そういう感じがするわけですけれども、去年の暮れから今年の春にかけて非常に柔軟な御答弁があったわけでありますけれども、何がそういう固い姿勢にさせたのか、いろんなことを御検討なさった上かもしれませんけれども、この交付税率の引き上げにつきましては、それは恒久的な問題でございますので、十分な配慮がなければならぬし、検討がなければならぬということは、これはもう私もよくわかりますけれども、きょうのお話ですと非常に固い姿勢のようなんですけれども、まあそれにはそれ相応の十分な説得といいますか、私どもも現在のお話だけでそういう固い姿勢が必要なのかどうかという、そういう気もするわけですけれども、そういう思いがするわけですが、去年からことしにかけて、そういう非常に強い引き上げについて、非常に固い姿勢になられた何かがあるのじゃないかということを私は感ずるわけですけれども、その間におきまして、どういう御心境というか、お考えのもとに、現在そういうかたくなな御姿勢をとられるのか、いままでもいろいろなことが、答弁があったわけでありますけれども、特に感じますのでお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡海元三郎君) 非常にかたくななと、こう言われる。去年からことしにかけて変わったんじゃないかと。私自分自身の中に、去年からことしにかけて、自分の心の中に一片の、これらの交付税率に対する考え方に自分自身には変化したというものを持ち合わせていないつもりでございますので、ただ私率直にお答えさしていただきますと、四十一年に二・五%交付税率の引き上げを行なうとぎに、あの措置を、まあ当時は責任者でございませんでしたが、与党議員の一人として予算折衝に心魂を傾けた当時に感じたのが、いままでの財政危機に対しては、交付税率の引き上げということでいつでも措置してきた。三二%になる。次からは交付税率の引き上げということだけではもう措置できない段階にきたんじゃなかろうか、そのときにもうそのような感じがしたようなわけでございます。一%、現在六百億ぐらいです。ことしの三月、財政措置をしたのが八千億でございます。交付税率でこれを全部まかなうとしたら、十何%上げても足りないのでございます。そうなると、国の税金をほとんど全部こっちへもらってしまわなければならないという制度に切りかえなければならないということを考えましたなれば、今後財政の不足のときに、いままでは交付税率の引き上げということで一本で戦ってきた、その方法というものが、まあ三二%という額は三分の一近い額である。国と地方の財源調整において、私は今後は別の手立てを絶えず考えなければならないのだと、あるいは税源のほうは、それは国と地方との税源の配分もございましょう。あるいは地方債の問題もありましょう。また使用料、手数料等の収入のあれもありましょう。あるいは特別会計によるところの財政運営の方法等も考えなければいけない。あらゆるものを考えなければいけないと同時に、いま藤原議員が当初に申されましたように、交付税そのものをいまのような体系から切りかえなければならない時期にきておるのじゃないか、これは四十一年のときにそのことを感じたような次第でございまして、三二%というワクになりますと、よくいわれますように、法人税は、法人税課税に対しては、これは非常に伸びのあるものだけれども、国が六五%取っているんじゃないか、県が二八%取っているんじゃないか、市町村はわずか七%じゃないか、こうよくいわれますが、三二%は、その法人税は交付税としていただくのでございます。そうなりますと、地方に行きます分、国に行きます分の五〇%以上が地方にまいりまして、国のほうは法人で取っておりますけれども、五〇%地方の取り分のほうが多いという数字になってきておるのが現在の姿ではないかと思います。したがいまして、交付税の税率の引き上げということは、私はむしろ不況のための財源不足ということで考うべき問題ではなくて、むしろ現在におけるところの、地方財源に対するところの需要の増加、そういった観点に立って、平年度ベースで考えて、なお交付税率がこれでよいか、悪いか、それを交付税率の引き上げでまかなうべきであるか、あるいは税の配分によってまななうべきであるか、こういった観点に立って措置しなければならないというのが今日の地方財政に対する考え方でなかろうか。このような姿から、しかしながら当面するところのこの財政落ち込みに何らかの処置をしなければならないので、本年度限りの一時借り入れ金、あるいは特別会計の借り入れ、また地方債の増発というところで本年度の財政のつじつまを合わしていただいたような次第でございます。 なお、沖繩の特例交付金につきましても、そのような考えから当然沖繩に対しては国税も入ってくることであるから、その分の交付税も上がってくることであるから、沖繩が復帰した以上は、全地方団体に及ぼすところの法令をそのまま沖繩にも実施すべき問題であって、沖繩は、そのまま交付税の中に入れてやるべきではないか、こういう議論も財政当局、国庫当局にありましてはあったところでございますが、私たちは、沖繩に対しては特例交付金で処置することによって、ある程度の暫定期間をかけて、この交付税の中に持ってくるというような処置をすべきであるということを主張いたしまして、沖繩特例交付金という形で法案御審議を願っておるというのが実情でございます。
○藤原房雄君 まあ、いまの大臣のお話の中にもございましたけれども、しかし、この地方交付税制度というものにつきまして、抜本的にいろいろ検討しなければならないという問題もあるのでございますので、その点ひとつ十分御配慮いただきたい、かように思う次第であります。 時間もあれですので次に移りますが、地方交付税の配分というのは、どうしても景気の変動によって影響される、これは御存じのとおりでありますが、特に法人関係税の多い府県税におきましては、その影響が大きい、こういうことで、また、さらに二次、三次産業の構成比の高い先進的な都市に、不況がまいったときに税収の停滞が著しい、こういう場合があるのでありますが、地方交付税は基準財政需要額と基準財政収入額の差額に応じて交付することになっておりますので、やはり景気の落ち込んだときには、府県によりまして、市町村によりましてたいへんな——たいへんなといいますか、違いが出てくるわけであります。このこともよく言われていることでありますけれども、こういう法人関係税の多い、景気の悪いときに落ち込む地方団体、こういうところにはそれ相応の交付税が配分になる。どちらかというと、あまり落ち込みの関係のないといいますか、農林漁業を中心とする一次産業のような市町村については、あまり落ち込みはそうはなはだしくないという、こういうようなことになります。そうすると限られた交付税の配分でありますので、落ち込みの大きい都道府県のほうに配分がどうしても比重が多くなる。そしてまた、農林漁業を中心とするような市町村に対しましては、交付税の配分が従来と変わらないといいますか、どちらかというと、比率からいえば限られた交付税の配分でありますから、他にたくさん行けばこちらのほうが少なくなるというような、こういう関係にあるわけでありますから、どうしても過疎地といわれるような、農林漁業を中心とする一次産業の多いところにつきましては、配分が少なくなると、こういう結果になるわけであります。こういうことを考えますと、交付税の今日のあり方というものにつきましては、経済の変動によりまして、各市町村、府県にいろいろ影響が出てくるわけでありまして、年度間に安定をした配分、こういう面を考えますと、アンバランスがいろんなところに出てくるのじゃないか、こういう点の是正といいますか、これに対する対策といいますか、こういう点をよくお考えの上に地方交付税の制度というものをどのように運用していらっしゃるのか、その点についてちょっとお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(渡海元三郎君) いま申されましたように、交付税が基準財政需要額と基準財政収入額との差額である。しかも限られた額である。したがって、非常に税収が落ちたならば、額は同じであっても、いまのように税収が落ちたところにたくさん行くから、結局同じようなあまり変動のないところの額が少なくなってくる、御指摘のとおりでございます。 したがいまして、本年度は交付税の額も一般会計におきまして、不足財源の措置としてとりました地方債の増発の額とあわせて考慮するというふうな措置を考えなくちゃならないんじゃないか、かように考えております。その意味の配分の方法におきましては、いまそのような御心配もございますので、起債をあわせて考えさしていただくとともに、一般の考え方といたしましては、財政規模の少ない地域、しかも弾力性の乏しい市町村に対しましては、従来と同じような交付税を配分することによりまして、地方財政運営に激変を与えないように、財政力のあり、しかも弾力性のある運用することができる府県、あるいは大都市におきまして、起債等を合わせた措置を講じまして、今回のこの不況を切りしのぐところの財政運営をやらしていただきたいというふうなやり方で、交付税の配分をさしていただきたい、このように考えておるような次第でございます。 なお、細部の点につきましては、局長のほうから具体的に答弁させます。
○政府委員(鎌田要人君) 簡単に御説明申し上げます。御指摘のとおりの明年度の普通交付税の伸び、非常に伸びが小さいものでございますから、まず総額の確保といたしまして、第一に千五十億とそれから千六百億、いわゆる特会借り入れでございますが、これにつきましては、全額これを普通交付税に充てることにいたしました。 第二点といたしましては、御案内のとおり、基準財政需要が伸びますのは、結局普通交付税の額プラス基準財政収入の額の、この両方の伸びる分だけ基準財政需要額が伸びるわけでございます。ところが、ただいま御指摘になられましたけれども、特に府県のほうの税の伸びが小さい、低い。それだけに基準財政収入の伸びが小そうございますから、ほうっておきますというと、府県のほうに交付税が流れる、市町村のほうに行かなくなる、こういうことがございますから、ただいま大臣からも御説明申し上げましたこの三千五百億の地方債というものを、交付税と連動させまして、大体大ざっぱに申しまして、三千五百億の中から二千六百億程度のものを、基準財政需要額を振りかえて起債に移す、これを財政力を勘案いたしまして府県と大都市、こういったところを中心に交付税と振りかえる、こういう措置を講じております。他方御指摘になられました過疎地域等を中心といたしまする弱小市町村、弱小団体に対しましては、農林水産業に関しまする基準財政需要額を増額しますとか、あるいはほうっておきますというと農業センサスの結果、農業人口が減っておりますそういうものにつきましては、激変緩和のための復元措置を講ずる、こういうことによりまして、弱小団体に流れます交付税というものの増額をはかっておる。したがいまして、結局府県に対しましては、いまの投資的需要の起債振りかえ、それから先ほど申しました三千五百億の中の九百億余りのものは法人関係税の落ち込みにいわば比例いたしまして、この事業にはりつけて起債の配分をする、こういうことでまあおっしゃいましたように、限られたますの中で、どこにどういう配分をするかということになるわけでございますが、与えられた中で、できるだけみんながひとしく所要の財源というものが確保できるように、交付税と起債と連動さして措置をいたしたいということでございます。
○藤原房雄君 次は起債の限度額ということについてですね。これもいろいろ議論なさっておられるようでありますけれども、国が財源不足の場合には、国債を発行するわけでありますが、地方においてはこれは地方債、それぞれの財政規模に応じてこれを維持、増大させるためにこのような処置をとるわけでありますけれども、しかし、これはいずれも地方財政にあまり多くの起債を背負わせるということになりますと、これは後々大きな問題を起こすことは当然であります。私は何も現在地方債が多過ぎるとか、こういうことを言うつもりはございませんけれども、いまの、先ほどからのいろんなことを勘案いたしますと、どうしても一時的にせよ地方団体は借金を背負わなきゃならないことになります。そうすれば当然それに伴って限度というものもあるだろうと思います。いま冒頭に大臣は、今年の後半景気が上向くだろうということでありますけれども、最悪のことを考えますと、やはりそう甘く考えられないいろんな条件もあります。こういうことからいたしまして、地方団体の健全な財政運営の立場から歳入構成比における地方債の依存度といいますか、こういう点につきましてはやっぱり目安というものはなければならぬ。このことにつきましていろいろ議論があるようでありますけれども、大臣といたしましては、この問題についてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、その点お伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡海元三郎君) 地方債の限度につきましては一〇%以内にとどめろとか公債費一〇%以内にとどめろとかなんとかいうふうな議論、種々あることは事実でございます。私も今回の財政計画につきまして、安易に不足は地方債によればよいんだというふうなことでやったものでなく、将来にわたるところの財政負担等も勘案いたしまして、この程度であれば、一番最初抽象的に申しましたが、大きな過重を地方財政の後年度に及ぼすというふうなことはなかろうという見通しのもとに、今回財政の歳入面に占める公債費の依存度といいますか、八%というふうな数字をとらしていただいた次第でございます。地方債の内容そのもの、また償還期限の延長というふうなことも考慮に入れながら、将来各年度にわたるところのこれの支払い等も数字的にも勘案しながら地方債にやらしていただいたという姿でございます。まず限度額の目安というものもございましょうが、これは議論の存するところでございまして、いろいろございますが、今年度の具体的な八%は、いま申しましたような意味で私は踏み切ったような次第でございます。なお、地方債というものは後年度に負担を残すものでございますから、それに後年度に効果が及び、後年度の住民がこれを負担していただけるような事業にこれを充てるという運営をせなければならない、こう考えております。その意味におきまして、現在の地方が持っております財政事業というものの中には社会資本の立ちおくれということがございまして、しかも福祉行政に政策を転換したときには、何と申しましても地方が単独でやるところの住民に直結したきめこまかい施策が必要でなかろうかと、かように考えておるような次第でございまして、四十年から四十一年度にかけましては国の財政が不足であると、同時に地方財政も苦しい、そのためには国が補助を出すところの公共事業はやるけれども、国の補助を伴わないところの一般単独事業はこれからは始末するんだという姿で大幅に単独事業を減らす。そのことによりまして地方債の発行というものも少なく済んだんでございますが、私は今年度の財政対策におきましては、福祉政策を充実するためにはどうしても単独事業を落とすことはできない。しかもこれらは後年度の住民の方々にそのまま効果を及ぼすようなことであるから積極的に地方債を活用してもかまわないんじゃないかというところから四十一年度のような政策をとらしていただかず、むしろ積極的な地方債の活用をはかることによりまして福祉政策の充実を期し、また住民の要望にこたえていただくという意味で、単独事業も去年と変わらないような大幅な単独事業を組むように財政計画上処置さしていただきました。このような関係で地方債がふくれたのでございますが、八%というものはそういうような点を勘案いたしまして、将来の拡充等々勘案いたしまして忍び得るものでなかろうかという観点に立って今回の措置をさしていただいたような次第でございます。
○藤原房雄君 それはいま大臣のおっしゃったこともよくわかりますけれども、確かに大きな社会資本の充実というか、福祉政策の転換というか、こういうことで地方財政のしなきゃならない事業というのは非常に多いわけであります。それだけに安易な方向に流れてはならないし、またしなき々ならないことがたくさんあるということで、そういう点も節度というものが当然そこにあってしかるべきだろうと思います、ということを私申し上げたわけでありますけれども、次は、国といたしましても社会資本の充実ということからいたしまして、いろんな計画をなされております。特に今年は景気浮揚策ということでいろんな対策が講じられておりますが、いずれまた何カ年計画という国の計画のもとに、道路整備五カ年計画ですか、そのほかいろんな国の計画がございます。全部長期計画を立ててものごとを進めていくというのは当然なことだと思いますが、市町村道につきましても非常にこれはおくれておりましていつも問題になることでありますけれども、この整備というものが非常に叫ばれておるわけであります。この市町村道の整備事業に対しまして国としてはいろんな計画が立てられているようでありますけれども、しかし、それに対する裏づけの財源というものが十分でないところからなかなか計画が進まないと、こういうことを私どもはよく感ずるわけであります。ビジョンというものはそこに設定されますけれども、それに伴う十分な財源というものが伴わない、そのために市町村道の整備というものはなかなか遅々として進まない、最近の舗装率等を見ますと、国道等におきましては急速な舗装率がアップされておりますけれども、市町村道につきましては遅々として進まない現況にあるわけでありますが、こういうおくれた、これは道路だけじゃなくて、下水道にいたしましてもみんなそうでありますけれども、長期にわたる計画とともに、それに伴う財源というものに対して十分な措置をして大きな推進がなされるような措置が現在はあまりにも手落ちじゃないかと、こう感ずるわけでありますが、社会資本の充実が叫ばれる昨今でありますし、自治省といたしましても、この市町村道の整備事業ということにつきましては相当な意欲を燃やしていらっしゃると思うのでありますが、国の事業に伴う市町村の裏財源、また、市町村道の道路整備、市町村が行なうべき、なすべき事業に対しての国の力の入れ方といいますか、こういうことにつきまして、もっともっと強力な対策が講じられなければならないということをしみじみ感じますが、この点についてはどのようになっておりますか、現況についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(渡海元三郎君) 各種五カ年計画に対しまして国のほうは着々やっておるが、地方はその財源もないじゃないかという姿でございますが、私たちも、いわゆる百十兆円ビジョンというものをつくりまして、国の五カ年計画を織り込みまして、地方で社会資本の充実のために昭和四十五年から十一年で大体百十兆円の建設投資を行なうことができるであろう、その間の地方財政の伸び等、いろいろ前提条件というものもございますが、一応百十兆円に合わせまして、国の持っておるような各種計画に即応して地方財源を確保するとともに、地方単独事業を充実し得るような一応の目安というものを立てて指導をいたしておるような次第でございます。この地方財政計画そのもののビジョンがまた府県なり市町村なりにおきますところの長期的なビジョンのもとに実施に移される、その積み上げが私たちのビジョンになってくる、また、それに基づいてのものが国の五カ年計画になるという姿に一致されてきたら一番よいのでございますが、まだ具体的には各市町村はそこまで至っておらないと思いますが、逐次そういったような国の計画が立つことによりまして、地方のほうにおきましても将来の財政を見通しながら効率的な建設事業の促進をはかっていくというふうな指導をやってまいりたいと思っております。 具体的な市町村道のことでございますが、五カ年計画が随時進むに従いまして国から府県へ、府県から市町村へと、五カ年計画の道路計画も多分に事業内容が移ってくることはもう当然でございます。その意味におきまして、今回の地方道路五カ年計画におきましても、地方が受け持つべき部面も相当多額になってまいっております。これらに対する財源措置としまして、特定財源が少ないことは御指摘のとおりでございますが、昭和四十三年に自動車取得税を取りましたときも市町村道路財源としている。その後、昭和四十四年には地方道路譲与税の基準配分を府県から市町村重点に移すような基準の変更もいたさしていただきました。また、昨年から始まっておりますところの、いまの自動車重量税の譲与税分は全部市町村に配賦するという姿で逐次市町村道路財源の充実を期していく。特定財源のほうだけでは不十分でございますので、地方交付税の基準財政需要額におきましても逐年ふやさしていただきまして、これらの充実を期していきたいと考えておるような次第でございまして、四十七年度の具体的な姿につきましては局長のほうから御説明させたいと思います。
○政府委員(鎌田要人君) 四十七年度の道路関係市町村分でございますが、市町村の負担に帰しますものが補助、直轄関係で八百二十四億でございまして、もっぱら地方単独事業を大幅に増額いたしておるわけでございまして、地方単独事業を含めまして全体で四千四百七億でございます。それに対しまする財源内訳といたしましては、この特定財源、地方債等の八百億余りを除きまして残りの三千六百億余りのものは基準財政需要額にこれを算入するということにいたしておるわけでございます。ちなみに市町村道にかかります地方負担額というものは前年に比べまして約千億程度増加をいたしておるわけでございます。
○藤原房雄君 それから、これもよくいわれておりますが、公共事業債についてですけれども、今回のこの地方財政対策の一環として公共事業債が三千五百億増額されたわけでありますけれども、それに伴いまして、これに見合うものを基準財政需要額から削減して地方債に振りかえた、こういう措置をとったようでありますけれども、その結果、公共事業費の支払いの高い府県とか市町村においては交付税額は大幅に減るのではないかと考えられるわけであります。これに対しては起債の増額によって対処するということでありますけれども、しかし、財政力の乏しい、弾力性に乏しい府県や市町村におきましては、これの受ける重荷というものは非常に大きいのじゃないかと考えるのでありますけれども、この点につきましては、自治省としてはどうお考えになっていらっしゃるのか、この点をお伺いしたい思いますが。
○政府委員(鎌田要人君) ただいま御指摘がございましたように、交付税全体の伸び、あるいは税の伸びが少のうございますので、結局、投資的経費にかかりまするものの中から、先ほど申し上げましたように三千六百億程度のものを基準財政需要額から地方債に振りかえております。これは地方団体全体といたしまして比較的財政力の相対的に高うございまする府県、大都市というものを中心にいたしまして、したがいまして道路、それから港湾、あるいは河川、こういったものを中心にいたしまして振りかえを行なっておるわけでございます。で、その結果といたしまして、この地方債に対応する将来における元利償還の措置というものをどのように考えるのだということに帰着するのであろうと思います。先ほど大臣からも申し上げましたように、公債費全体の地方財政に及ぼしまする影響というものにつきまして、私ども、いろんな府県、大都市の実態に即しまして公債費の試算をいたしておるわけでございますが、現在、御案内のとおり、四十五年度決算におきまして公債費の一般財源に占めまする割合は五・一%でございますが、府県の場合でございますというと五%を切っております。したがいまして、現在の趨勢からもっていたしますというと、この程度の公債の振りかえによりまする増発というものをもっていたしましても、これはもちろん将来に対しまする税収あるいは交付税の増加の見通しの問題とも関連をいたしますけれども、かりに、ことしの伸び率一二・九%と申しますのがことしの名目経済成長率になっておるわけでございますが、これで将来とも推移をするという、まあいわば低目の計算をいたしてみました場合でも、公債費といたしましては大体九%台、府県の場合でございますと九%台にピークでもとどまるのではないだろうかというふうに考えておるわけでございまして、これはくどいようでございますが、あくまでも将来の見通しの問題とも関連をいたしますけれども、現在の段階におきましては何とか支障なく運営ができるのではないだろうかというふうに判断をいたしております。
○委員長(玉置猛夫君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(玉置猛夫君) 速記を起こして。
○藤原房雄君 時間もたいへんないようなんで、何点かにしぼって話したいと思いますけれども、一つは、地方公務員の給与改善措置ですね。これは毎年まあ行なわれていることであります。これは国家公務員の人事院勧告がありますと、それに伴いまして、国に準じて地方公務員の給与改定が行なわれ、その財源措置ということでいつもいろいろ措置してきているわけでございますけれども、本年は沖繩分を除きまして千九百五十五億ですか、所要の経費を交付税の需要額に算入されておるわけでありますけれども、本年も、現在民間におきましてベースアップの闘争が続けられておりますので、さだかではありませんけれども、当然国家公務員の人事院勧告がありますと、それに伴って地方公務員の問題も出てくると思います。そういたしますと、予定額より上回る人事院の勧告が当然予想されるだろうと思います。そのときには当然地方公務員の給与改定につきましては、国に準じて行なわれるだろうと思います。それに対する十分な措置も講じなければならないことも当然でありますけれども、これについてはいままでと同じように行なわれるということにつきまして大臣がどうお考えになっていらっしゃるか。この点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいまから年度内におけるところの、何といいますか、給与改定の人事院の勧告その他を予想するわけにはまいりませんけれども、本年度の給与に対しましても、例年のように八%の財源を余裕金といたしまして一応組ましていただいておるような状態でございます。もしこれを上回るような勧告がなされ、国家公務員のほうにおきまして勧告を実施されるという姿になりました場合、これに準じて地方も行なうのは当然のことでございますので、そのときには私たち、国に準じて地方公務員のベースアップができますように最大の努力をいたしたいと、かように考えておる次第でございます。ただ、本年度はきびしい財政の中で、こんなことを申しても無理でございますけれども、一応八%は入れさせていただきましたが、いま藤原委員御指摘のようなことも勘案いたしまして、従来やっておるような国の補正予算を組むというふうなことも安易に考えることはできませんので、各県におきまして八%の余分に、できればそういうふうな分に弾力性を持たしての財政運営をお願いしたいというふうな指導は、行政指導といたしましてあわせお考え願っておるような次第でございます。
○藤原房雄君 次は、項目的に何点かお伺いいたしますけれども、実は、この広域市町村圏に対する交付税の措置についてでありますが、改正要綱によれば「広域市町村圏内における基幹生活関連道路の整備を引き続き促進するための措置を講ずること」になっておりまして、事業費補正等によって三百七十億ぐらいの需要額を積まれたように聞いておりますけれども、広域市町村圏の整備の状況とか、また需要費総額の内容、この点について概略でけっこうでありますから、御説明願いたいと思います。
○政府委員(鎌田要人君) これは、財源措置といたしましては、財政計画上千百七十九億計上いたしまして、前年度に比べまして五百六十三億円増額をいたしておるわけでございます。また、ただいま御指摘になられましたような交付税上の措置をとっておるわけでございますが、この計画につきましては、行政局のほうで所管をいたしておりまして、現在ここに実は資料を持ってまいっておりませんので、後ほど調査の上御報告さしていただきたいと思います。
○藤原房雄君 それじゃまた後の機会にお伺いしたいと思います。 次は、具体的な問題になりますけれども、産炭地域問題につきまして、これもまあ昨年の当委員会におきましていろいろお聞きしたわけでございますが、北海道におきましては、深刻な問題として、石炭産業の相次ぐ閉山、そのために伴う産炭地の市町村全体の受ける影響というものは、これはもうはかり知れないものがございます。去年もいろいろな財政措置等対策を講ぜられたようでありますけれども、まあ去年から今年にかけましても相当な閉山を予想されております。また、同じ産炭地といいましても、九州や常磐とは違って、北海道におきましては炭鉱の閉山は即その町その部落が消えてなくなるといいますか、そういう特殊な事情の中にありますので、それに伴う地方財政のバックアップというものがたいへん重要な要因になるだろうと思います。北海道からも各産炭地から自治省のほうにもいろいろな陳情が来ておると思いますけれども、本年度産炭地に対しましての財政的な援助対策こういうことについてお考えになっておられるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(鎌田要人君) 御案内のとおり、産炭地域につきましては、地方財政の面におきましても非常に力をそそいでおるところでございまして、まあ本来は、御案内のとおり、産炭地域の振興整備、これはやはり一つは産炭地域のいわば地盤沈下というものに対するどのような緊急な措置を講ずるか。恒久的には産炭地域振興のために、たとえば企業を誘致をしてそこから住民の雇用の機会と所得の機会を与える、それによりましてこの産炭地域の市町村の財政面におきましても安定をはかってまいる、こういうことになるわけでございますが、御案内のとおり、通産省の所管に相なっておるわけでございますが、産炭地域振興臨時措置法によりまする公共事業等の国庫補助のかさ上げというものがございますが、そのほかに私どものサイドといたしましては、今年の改正におきまして、事業税の減免を新たに対象に取り上げまして、それに対しまする交付税による補てんの措置を講ずるということを、これはまあ今年の産炭地域振興臨時措置法のたった一つの改正点でございまして、実は私どもは国庫補助のかさ上げがそれに連動して、呼応して行なわれることを期待しておったわけでございますが、これはことしは行なわれない。伝え聞くところによりますというと、国会でもこれが問題になりまして、来年度におきまして大幅な国庫補助の引き上げをはかるということを通産大臣がお約束されたやに聞いておるわけでございます。で、私どものサイドといたしましては、普通交付税におきまして、この基準財政需要の算定上、市町村におきまして前年に比べまして五億増加いたしました三十億余りのものを措置をいたしておるわけでございますが、そのほかに地方債、それから特別交付税、こういったものによりまして万全の措置を講じてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。ちなみに、この四十六年度におきましては、普通交付税のほかに特別交付税におきまして、府県、市町村を通じまして六十二億を措置をいたしておる、こういうことでございまして、四十七年度におきましてもまた引き続きまして、乏しい特別交付税の内容ではございますけれども、実情ではございますけれども、その中で最大限の努力をしてまいりたいというように考えておる次第でございます。
○委員長(玉置猛夫君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(玉置猛夫君) 速記起こして。
○藤原房雄君 この産炭地の問題につきましては、非常に土地柄北海道におきましては特殊な事情の中にありますので、いろんな本年もまた措置がとられるようでありますけれども、ひとつ自治省の立場からよく御検討、御配慮いただきたいと思うわけでございます。 次は、地方で問題になっております地方閑散線のことでございますけれども、これもたいへんな問題でございまして、一つは、五年以内に撤去するけれども、地方で希望するならその五年については国鉄の赤字額の三分の一、五十億ですか、地方が負担せよということでありますけれども、国鉄が赤字になったということは何もこの赤字路線だけが問題なんでなくて、これはいまいろいろ運輸委員会で議論のあるところだと思いますけれども、これ全部とは言いませんけれども、地方自治団体に五十億という負担をかけてよこすというのは、これはちょっと筋が違うのではないかと、こう思うわけです。この点については地方制度調査会の答申もあるようでありますが、地方におきましては、駅があって町が発展するという、こういう形態がとられております。鉄道が通らなくなる、駅がなくなるということに対して、ただ人情論だけではなくして、町の発展上やはりそれは大きな位置を占めているということで、大臣もよく御存じのとおりであります。代替交通機関があればいいじゃないかというようなことのようでありますけれども、この点につきましても十分な補う措置がとられればよろしいわけでありますけれども、町村におきましてはやはり問題があるようでございます。こういうことで、国鉄の赤字ローカル線を廃止するということに対しての問題、さらにまた現実的には現在先ほども申し上げました赤字額の三分の一に当たる五十億を負担しなければならないという問題、こういうことだけでもたいへんいろいろな角度からいろいろお聞きしなければならない、また運輸省の見解等も十分にお聞きしなければならないかと思うのでありますけれども、本日は時間もないということでありますから、簡単にお伺いしますけれども、財政負担ですね、五十億の。地方自治団体が負担をしいられていくということに対してどうお考えになるか、自治省として。これは私どもはちょっと筋が違うんじゃないかと思います。 それからまた、国鉄の赤字線を廃止するということにつきましても、まあ地方制度調査会におきましては、明確な基準というものを設けなきゃならないということは言っていますけれども、ほんとうにそのとおりだと思います。廃止した後の代替交通機関というものもございますし、町の発展、また地元民の意見、こういうものが十分に反映されるものでなければならない。どこの地方に行きましても非常に強い反対の意を表明しておりますけれども、こういう、ただ一運輸省のサイドだけできめるべきことではないと私は思うんでありますが、この点について、自治大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。この二点をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(渡海元三郎君) いわゆる地方閑散線を廃止するかどうかという問題は、これは私のほうの権限ではございません。運輸審議会等にはかりまして運輸省当局が立てられたものであろうと思いますが、いま藤原委員御指摘のように、国鉄が地方の振興をはかる上に及ぼす効果というものは非常に多大なものがあると考えますので、特に過疎対策等を進展いたしておりますところの私たちとしましても、重大なる関心を持っておった次第でございます。しかし、流通機関の変化ということによってやられるものに対しましては、またこれに応ずるような措置を講じなければならないと、こう考えまして、このことがきまりますときに、私は特に予算編成の過程におきまして、通常このようなことは行なわれないのでございますが、運輸大臣も来ていただき、大蔵大臣と私と三人の間におきまして、私は申し入れを行なわさしていただき、協力を願ったような次第でございます。その第一点は、いわゆる地方閑散線の整理にあたっては、関係地域住民の日常生活に支障を生ずることのないよう積極的な措置を今後とも持つことという意味でございまして、いま御指摘にありました過疎地の足というものを、鉄道を単になくすということであります以上は、これにかわる足の確保というものをぜひともはかっていただきたいということの申し入れをやったような次第でございます。なお地方閑散線の廃止手続その他につきましては、大蔵省、運輸省、自治省との三省間において検討し、その結論を出せというふうな申し入れを行なったような次第でございまして、十分にいま申されたような国鉄の地方に及ぼすところの影響と、もし廃止するとしても、その後の足の確保ということに対しまして十分なる手だてが打てないようなことがあったなれば困るということを申したような次第でございます。 なお、廃止に決定いたしましたものに対する地方の負担でございます。国の行ないます事業に対して、これは国が直接持つべき負担、経費を持つべきであることは当然でございますが、一度に廃止されますと地方に及ぼす影響が大でございますので、廃止するということにきまりましても、地方の要望を入れて五年間に限っては赤字であっても存続していただきたいという措置を入れさしていただいたような次第でございます。そのためには、赤字を国のほうで全部持つということはいかがかと、地方も少し持っていただけぬかというふうな話もございまして、いま申されたように、国鉄の運営そのものは国が当然持つべきもので、地方が負担すべきものでございませんが、地方の要望もいれて、廃止に決定したものも直ちに廃止せず赤字であっても五年間に限って運営していただくというふうな点も考慮いたしまして、三分の一の負担を持つというふうなことに決定さしていただいたような次第でございます。 なお、この費用を府県あるいは町村いずれに分担するかということにつきましては、今後具体的な決定を待って検討をさしていただきたいと思っておりますが、地方閑散線はいわゆる過疎地帯に財政の貧弱な町村が多いのでありますから、これらに対しましての措置は検討しなければならないと、国のほうにおきましてもその財源等につきましては配慮せなければならないと、このように考えて、目下検討いたしておるようなところでございます。
○田渕哲也君 まず初めに、地方制度調査会の第十五次の「地方税財政に関する当面の措置についての答申」というものが出ております。この中に「昭和四十六年度において行なわれた所得税減税に伴う地方交付税の落込みについては、その影響が恒久的に継続するものであることにかんがみ、交付税率の引上げによって措置すべきである。」こういうことがまずあります。それからその次には「義務的経費、社会福祉費その他一般的な行政経費における財源不足については、全額地方交付税によって措置すべきである。」、さらに「国の景気浮揚対策としての公共事業の拡充に伴う財政需要の増嵩については、地方債による財源調達とあわせて地方交付税によって措置すべきである。」この三点が指摘されているわけでありますけれども、今回のこの地方財源対策、どのような趣旨が盛り込まれて対処されておるのか、この点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡海元三郎君) 御指摘になりました地方制度調査会の答申でございますが、まず、最初の所得税の減税の落ち込みでございますが、この分に対しましては四十六年度の補正予算のときにおきましては、これは当初に予測した計画内の落ち込みでございますので、その分の三二%、地方交付税の落ち込みに対しましては、当然国が措置すべきものであるという姿で、あの際、一般会計からの繰り入れで措置さしていただきましたことは、もう御承知のとおりであろうと思います。今後これは恒久的な制度として続くものでございますから、交付税率の引き上げをやるという御議論でございますが、先ほど藤原委員に答えさしていただきましたとおり、所得税の減税が恒久的なものであるから、税率でカバーせいという議論、いままでもたびたび行なわれたんでございますが、四十一年度からは毎年毎年、例年のように所得税減税が行なわれましたが、そのつどごとに恒久的な制度であるからというので毎年これを行なうというふうなこともいたしてこなかったというふうな事情もございまして、今回は総合的な措置の中で、これらも年度初めからの計画でございますから、やるべきじゃなかろうかということで、税率の引き上げというふうな点は、今回は見送ったような次第でございます。 次に、恒久的な経費の義務的経費その他につきましては、当然国のほうから見るべきでないかという御意見でございますが、これらも合わせまして、千五十億という特例交付金を総合的に計算さしていただきましたので、この点は私たちも予算要望の中で入れておきました。これらの点も考慮して千五十億という数字をきめさしていただいたような次第でございます。 公共事業に対する分、先ほども申しましたように、国が公共事業を特別にふやす分に対しては、当然公共事業に伴うところの地元負担というものは交付税の中で見るのが、従来でございましたら、それが交付税制度のあり方でございますが、国の財源も非常に枯渇いたしておりますので、今回はやむなくこれらの事業を起債によって措置するということにせざるを得なかったような状態で、三千五百億という公共事業の一般会計の不足分を起債で見、そのうち公共事業費を二千幾ら持たしていただいたような状態でございます。
○田渕哲也君 私はことし、四十七年度の地方財源の不足というのが一時的なものか、あるいは長期的に続くものか、その判断の食い違いがあるのではないかと思います。大臣のいままでの答弁を見てみますと、これはまあ一時的なものである、景気がよくなれば回復するんだと、財源の面でももとに回復するんだから、この一時的な、暫定的な措置で乗り切れる、このようなお考え方だと思いますね。ところが、私はこれは非常に基本的に考え方が違うのではないか。なぜかといいますと、この国会の予算委員会を通じても、政府のこれからの経済政策というものは、いままでの高度成長政策から福祉優先の経済政策に転換をしたということを言っておられます。そうすると、これからの景気回復、日本の経済成長の柱となるものは、いままでのような輸出、あるいは民間投資の回復によるのではなくて、個人消費支出、それから社会資本投資、さらには住宅投資、こういうものによって日本の経済というものがささえられなければならない。また、こういうものが今回の景気回復の支柱となるだろう。まあこういうことを経済企画庁長官も大蔵大臣も述べておられるわけですけれども、そうしますと、減税の問題にしましても、私はこれからやっぱり長期的に減税の方向というものはとらざるを得ないのではないか、所得減税ですね。そうすると、この減税による落ち込みというものもかなり長期的に続くと見なければならない。それから国債発行による社会資本投資、まあこれが当然裏負担分として地方財政にも負担増となるわけですけれども、こういうものもかなり長期的にわたって生ずると見なければならない。そういう情勢であるにかかわらず、交付税率の引き上げをやらずに、何とか借金と、それから臨時に地方特例交付金を出して当面を糊塗しようというのはちょっとおかしいのではないか。それから政府自体が経済成長の基本的な転換をやろうというならば、それに応じた地方財源の調達のしかたというものが考えられなければならないと思いますね。この点、いかがですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 藤原委員の御質問にも答えましたとおり、四十一年度で税率も引き上げましたが、これと同じように特例交付金等を出し、また、特別の地方債を出して措置した次第でございますが、四十一年暮れから四十二年にかけまして景気回復がありましたので、地方財政もだいぶ変わってきたというのがあのときの経過でございます。今回の私が申しました景気の回復というのもあのような姿で変わってくると、いま申されましたように変わってくるとは思っておりません。しかしながら、今回の国の措置、一七%国債で見るというふうな措置で、私は国のほうで毎年財政を組まれるような姿では国家財政もなかろうと考えております。同時に、今日のような姿の産業構造が、何と申しますか、変わりましても、私たちの税収そのものが今回のような姿の景気沈滞の姿での伸びということはない、ある一定程度の平年度化したところの安定成長の景気のもとにおけるところの税収というものも期待できるのでなかろうか、所得税の減税……。このような背景のもとに初めて行ない得るのでなかろうかということを考えましたならば、従来のような大きな伸びに変わっていくことを期待しておるのだという意味ではなくて、安定成長のもとにおけるところの経済成長というようなものについての考え方に立って、交付税率あるいは国と地方との税源配分というふうなものを考えるべきであって、落ち込んだ現在に恒久制度を立てるという姿では考えずに、その安定成長のもとにおいての措置というものを考えるのでなければならないのではなかろうか。この意味におきましては、交付税制度も検討の時期にきておるということで、私たちも検討さしていただき、すべてのものを総合して検討をいただいておるような次第でございますが、私はいま申されたような意味におけるところの、景気の落ち込みというものは、これは将来ともに長く今日の姿で続くものでない、国の予算の組み方もそうである、このように考えております。
○田渕哲也君 それから今回は交付税、特別会計によって資金運用部からの借り入れ一千六百億というのがあります。これは前年度の補正措置において借り入れられた千二百九十五億円、合計しますと約二千九百億、これの借金の返済が多いときで、年間五百億円をこえるような状態になっております。それから本年度のベースアップ、これはどのようになるかまだわかりませんけれども、この額いかんでは、さらに借り入れが必要になるのではないかと思いますけれども、この点どう判断されますか。
○国務大臣(渡海元三郎君) この借り入れは八年間で支払いますように組ましていただいておるのでございますが、いま御指摘のように、一番多いときには五百五十億ですか、なっておりますのですが、そのときの地方財政、予算規模相当額を今日と比べまして、額でふえておるだろうと、かように考えます。この措置がよかったと私は断じて考えておりませんのですが、いま申しましたように、三千二百の自治体に、これは自治体共通の借り入れでございますけれども、交付税として与えられる団体にとりましては、現状そのままでまいるものでございますから、少なくとも昨年度と同じ額を確保することによりまして、三千二百の自治体のうち財政力の弱い市町村に対しましては、交付税の額というものが落ち込んだ財政のもとでございますけれども、できるだけ平年度並みの財政運営が、交付税によって行なわれることができますよう、ぜひ昨年度並みの伸びを交付税によりまして維持したいというために、やむを得ざる措置として千六百億の借り入れを行なったような次第でございます。借り入れ額に対する負担、御指摘のとおりでございますが、将来の財政の伸び等を考えまして、八年間にしていただきましたならば、地方財源全体の中の借り入れとして措置し得るであろうということからやむなくとらしていただいた措置でございます。
○田渕哲也君 そうすると、地方公務員のベースアップ額がどうあろうと、さらに借り入れするということは考えておられないわけですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) ベースアップ分の措置、御指摘のように、あるいはそのような事態が生ずるかもわかりませんが、そのときの状況によって判断し、適切な措置を講じさしていただきたいと思っておりますが、御指摘のように、例年のベースアップ相当額になりましても、ベースアップの余裕といいますか、予備財源としまして八%を持っておりますし、足らざる分も千億をこすというふうな額にならないだろうと思います。また、不交付団体等の措置あるいは節約等をさしていただきましたら、例年五百億程度のものでございますので、もしやむなく借り入れをしなければならないというふうな措置になりましても、なおこれによって全然その可能性を失うというふうなことはなかろうかと存じますが、そういった場合も重んじまして、まことに苦しい財政でございますが、ことしは八%のほかにも、各自治体におきましてもそういった点を考慮していただきまして、できるだけ将来の財政運営に今年度はゆとり、余裕をもっての留意をして処置しておいていただきたいというふうな行政指導を行なっておるような次第でございます。
○田渕哲也君 それから四十一年度の場合の措置と本年度の措置と比べた場合に、私は非常に基本的な差があると思うんですね。四十一年度の場合には、一つは地方交付税率の引き上げをやっております。それから臨時地方特例交付金が四百十四億出ております。それから特別事業債千二百億円、しかも、特別事業債の中でいわゆる直轄事業に充てられた分の九百十四億円、これについては国が元利補給を行なうということを前提にして発行されたわけですね。したがって、そういうふうに見てみますと、四十一年の場合には大体不足財源の分の約八〇%、七七・五%は国が最終的に責任を負う、こういう体制で行なってきたわけです。ところが、今回の場合は沖繩の分を除けば、国がほんとうに負担するのは千五十億円だけである、あとは全部借り入れ金、地方債である、この地方債のうちの国の振りかえ分ですね、三千五百億円についても元利補給というような措置がとられておりません。したがいまして、実質的には今回は国がほんとうにめんどうを見るのは、不足分のうちのわずか一三・九%にしかすぎない。このように基本的な差があるわけですけれども、これはちょっとおかしいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 四十一年度で三二%の交付税率、二・五%引き上がったのでございます。四十一年度のときに国と地方の財源のあり方というものに対しては、毎年交付税率の引き上げはわずかでございますが、私が国会議員として出てまいりましてから、毎年そのことでやってきたのでございますが、国のほうが地方との財源配分におきましてゆとりがあったと申しては語弊がございますが、地方のほうがそれ以上に苦しかったというのが現実でございます。二・五%引き上げて三二%にすることによりまして、その点の国と地方との財源配分のあり方につきまして、見方が変わってきたというのが、その後の姿でなかったかと思います。そのためにむしろ四十二年以降というものは、毎年のように三二%の交付税率を今度は引き下げろという議論が絶えず行なわれましたのが、四十二年以後の状態でございました。しかしながら、交付税というものは、地方財源であるというところから、これをみだりに動かしてはならないというので今日まできたのが状態でございます。そういった意味から、いま藤原委員とも議論さしていただきましたが、交付税率の引き上げということは行なわなかったという姿でございまして、四十一年、四十二年に対しまして差があるという根本は、まあ交付税率の三二%になった制度と、そこまで至っていなかったところの地方財源のありさまに、根本的な差があったのでなかろうかと思っております。特別地方債の分でございますが、あのときは九百十四億のものが元利補給されたような特別事業債を出したことも事実でございます。しかしながら、あのときも特別事業債ということでございまして、元利補給が法律的な制度にならずに、初めは予算措置でございました。それをたしか四十三年でございましたか、四百五十億の国への交付税の、何といいますか持ち出しと申しますか、あの制度のときにこれを法律化し、そのかわりに国の財政が苦しかったものでございますから、一年間元利補給なしに書きかえで過ごしたようなことがございました。その後この制度も、交付税の中でこれを見るという姿で、交付税の中で見ておるのが現在の姿でございます。そういった変遷等からながめ、また、元利補給を見ることによりまして、むしろ地方財源で、自治財源で見るというのではなしに、元利補給をすることは補助金と一緒じゃないか、そうすると、直轄事業をしたところだけがもうかるじゃないかというふうな議論も出てまいっておりまして、その後こういった措置をとりましたときには元利補給というふうな点は行なわない。これと似たような措置をしていただくような要望が起きたときもございましたが、そういったこともございまして、やはり地方債は地方債としてそのまま見ていただいて、大きな財政計画の中で、将来ともにこれを国と地方との財政配分の中で消化していくというほうがよいのではないかという議論等もございまして、推移しておるのが今日までの姿でございます。今回の措置に関しましては、そのような議論の経過もございまして、あえて四十一年のような元利補給の制度をとらなかったような次第でございます。
○田渕哲也君 あまり時間がありませんので次へ進みますけれども、今回のこの法律案要綱によりますと、「引き続き過密地域、過疎地域に対する基準財政需要額の算入の強化をはかるとともに、」こういうことがうたってあるわけです。ただ、特に過密地域対策として、人口急増地域の市町村あるいは府県から、これらの地域における指定事業に対しては財政的な特別措置を講じてほしい、こういう要望が強いわけです。したがって、私は、単に交付税の中でこの問題に若干色をつけるというようなこそくなやり方ではなくて、たとえば人口急増地域の公共事業投資についてはもっと抜本的な対策を立てなければ問題の解決にはならないのではないかと思うのです。この点いかがですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) これは田渕委員御指摘のとおりでございます。私たちもそのように考えまして、要綱をつくりまして、少なくとも人口急増地帯の対策に対してこれを行なわなければならない。公共施設がその地帯において順調にできますように、教育施設に対する補助金の増額、あるいは清掃施設、あるいは福祉施設、必要最小限度のそういった公共施設に対する補助率の特別なかさ上げ等を各省にお願いをいたしまして、それぞれの省より要求していただいたのでございます。この中で一部実行に移されたものは、文部省関係におきまして小学校のミルク三分の一が二分の一に、あるいは児童公園等も都市公園の中に対象に入れさしていただき、補助率も改善された。あるいは文部省の人口増に対する将来の見通しも、一年半から三年先まで対象事業にするといったような点、また清掃事業のゴミ処理等についても、補助単価を、基準単価を三倍にさしていただくというふうなことになりましたが、全般的に補助率を上げるという点につきましては、まだ十分でございませんでしたので、私たち立法まで予定いたしておったのでございますが、立法をするに至らなかったような次第でございまして、この点につきましては、御指摘になった点、立法をするまで努力をぜひともいたしたいと、かように考え、四十八年度を目ざしてなお努力中でございますので、今後ともに格別の御鞭撻を賜わりますようにお願い申し上げる次第でございます。
○田渕哲也君 立法を準備されたようですが、日の目を見なかったのは非常に残念に思いますけれども、私は、特に最近人口急増地域の市町村でどんどん住宅地ができる、宅地が開発される。中にはそれに伴う公共費用の負担増を、困るからそれを拒否するとか、いろんな条件をつけるところが出てきております。各市町村で宅地開発指導要綱というものをつくっておりますが、私はこの中に非常に問題の点があると思うんですね。いわゆる法律違反的なことがたくさん出てきているのではないかと思うのです。具体的な例をあげますと、一つはやっぱり教育施設等の寄付の問題がありますね。この寄付というのは、厳密に言うならば、やはり地方財政法の第四条の五に規定する「割当的寄付金等の禁止」、これに違反することになるのではないかと思うのです。なぜならば、そういうものをしなければ宅地開発を許可しない、宅地開発はできないという状態ですね。これは任意の寄付ではなくて、強制的な寄付ではないのか。そうすると、地方財政法の違反になるのではないか。このように考えるわけですけれども、この点についての見解はいかがですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 宅地開発要綱、これがいまのような観点から争われておることも事実でございますが、これはあくまでも人口がふえてまいりましたなれば、それに伴うところの公共施設が、一時的には一度に集中いたすものでございますから、これを実施することができなく、やむを得ずそれらの市町村に対しましてとっておる措置でございます。国の機関である公団その他に対しましては、これと協調し、連絡しながらそのような措置もいただいておるような次第でございます。民間に対しましては、そのような要綱をつくりまして、あくまでも協議し、御納得の上で実施に進めさしていただく。このような協議が整ったときに、県で行なっております宅地開発等の許可等も行なうというふうな措置が考えられます。で、それができないのなら、強制寄付で法律にひっかかるのじゃないかというふうな御議論でございますが、まあやむを得ない措置といたしまして、やむを得ざる措置でなかろうか。ただ、これが個々のものによりまして、差等のものがつけられたり、あるいは社会常識的観点から考えまして、これが不当にわたるような点がございましたなれば、私たちも注意をせなければならないと、このように考えます。しかしながら、いま申されましたように、これらはやむを得ないものとして直ちに違法であるということは、私は言い切ることもできないと思いますけれども、緊急やむを得ざるところの措置でございますので、これは一時的のものである。あくまでもいま申されましたような国のこれらの地方に対する財政措置をすることによりまして、一日も早くこのようなことのないように措置せなければならないと考えておりますので、今後とも努力してまいりたい、かように考えております。
○田渕哲也君 まあ大臣は法律違反だとは言えないという御答弁ですけれども、しかし私は、それは詭弁ではないかと思うのですね。結局この人口急増地域で公共事業費がたくさん要る。それに対する国の適切な措置がないから、こういうこそくな手段で何とかしなければならない。そうして結果的には、回り回れば、趣旨としては法律違反だと思いますね。そういうことをあえて黙認をして、目をつぶってやっておる。私は、その前にやるべきことは、国がやっぱり適切な助成措置を講ずるのが基本ではないかと思います。その辺を不十分なままにほおっておいて、片っ方では法律違反のような状態を黙認しておるというのは、根本から間違っておるのじゃないかと思いますね。特に教育施設については憲法二十六条との関係も出てくると思うのです。これは裁判所の判例から見れば、授業料とかそういうものはいかぬけれども、建物とかそういうものは法律にはひっかからない、憲法違反ではないのだ。これも私は詭弁だと思う。本来学校の建物は、国の税金で、あるいは地方の税金で設備すべきである。ところが、その財源措置がとられないから、宅地開発者に——宅地開発者というものは、回り回ってそこに住む住民に、強制的に、あるいはわからないようにして宅地に割り当てをして分散をしておるわけです。だから、これから見れば、私は明らかに憲法違反であり、法律違反だと思うのですね。だから、こういうことを放置しておいて肝心の対策がとられないというのは、何といっても政府の責任ではないかと思うんです。この点はいかがですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) これは、私、やむを得ず市町村がとっておられる措置であって、決して適切な措置であると、そんなことは考えておりませんが、しかしながら、直ちにそのことをやること自身が違法であると——私は、努力はいたしておりますが、現在、市町村といたしまして、しておられることもまたやむを得ざる措置ではなかろうかと。ただ、それらに対するところの行き過ぎその他については十分考えなければならないと、かように考えておるような次第で、建っておるものに対して強制的にやると言われるのならなんですけれども、宅地開発の許可を与える条件のもとに御協議さしていただくと。それはいまのように、趣旨からいうたら違法じゃないかと言われることは重々承知いたしておりますが、私は、やむを得ざるものとして、直ちに違法とは申し上げられないのじゃないかと、かように考えるような次第でございます。しかしながら、これはあくまでも、いま申されましたように、国が財政措置をすべきものでございますので、私たちも今後ともに努力いたしたいと、かように考えます。
○田渕哲也君 たとえばそこの宅地に住む人ですね。まあいやならそこに住まなくてもいいではないかと。だから住むのは任意だからそれに割りがけされても違法ではないと、こういう詭弁は成り立つと思うんですよ。ただ、いまの住宅事情からするならば、やっぱりほかに住むところがないわけです。そこに入らざるを得ないから、少々高くても、不便でも入る。その中に学校用地とか学校建設費とか、あるいは都市計画道路費が含まれておるというのは、実質的には私は憲法違反であり、法律違反だと思うんですよ。ただ形式的に何とか言いのがれのていさいをつくっておるにすぎないのであって、だからこういう状況は私は一刻も早くなくすべきである。そうすると、やっぱり国の財政助成措置というものを思い切って強化する以外にないと思うんです。その小学校の負担が三分の一から二分の一に国の負担が引き上げられたといいますけれども、私はこれでもなかなか解決できないと思うんですね。この面について大臣はどう考えられておるのか。少なくとも、ことしはこれで精一ぱいだと言われるんなら、来年からはこういう負担、こういう法律違反的なにおいのする宅地開発指導要綱というものはなくすことができるのかどうか、この点、大臣の抱負をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(渡海元三郎君) 来年からこれをなくすることができるかどうか、これは各省からの要求でもございますので、私に直ちにここで約束しろと、こうおっしゃいましても、最大の努力をいたしますと、これが理事者としての最大の答弁であろうと思いますので、ひとつ御了承を賜わりたいと存じます。いま、三分の一を二分の一にしただけでは足らないじゃないかと、仰せのとおりでございます。私たちといたしましては、三分の二の補助まで、文部省とも打ち合わさしていただきまして出さしていただいたのでございますが、二分の一にとどまらざるを得なかったという姿でございます。その他の施設等に対しましてもあわせて考えて、一日も早く法律の日の目を見るように、また、こういった要綱等につきましても、宅地開発等につきましてもそのような負担のかからないように実施できるように持っていきたいと。今後ともに努力を続けたいと、このように考えます。
○河田賢治君 非常に時間が限られていまして、いろいろ予定したものも詰めなくちゃならぬのですが……。 大筋といたしましては、御承知のとおり、今度の財源不足対策として臨時特例交付金千五十億と交付税特別会計における国からの借り入れ金千六百億、合わせて二千六百五十億の手当てを行なっておられますけれども、しかし、一方、道路、河川、港湾等の投資的な経費の基準財政需要額を据え置いておると。あるいはまた、事業費補正の増額を割り落としたりして大幅な削減を行なっておるんですね。したがいまして、こうなりますと、特例措置の二千六百五十億というものは、基準財政需要額の不当な削減でいわば帳消しになっておるということになるわけです。このようにつじつまを合わせていろいろ経費を出すんですけれども、御承知のとおり、毎年の経費、物価の値上がり、行政需要の増大の中で、当然引き上げられるべき基準財政需要額を逆に削減したり据え置いたりするということになるわけですから、こうなりますと、交付税制度の趣旨——基準財政需要額と財政収入額の差額を補てんするという、この交付税制度の運用に非常な悪弊を残すんじゃないかということが第一点。 それから第二は、衆議院の地方行政委員会で、参考人の静岡大学の高橋清教授も、基準財政需要額の削減や据え置き措置、地方債への振りかえは少なくともやめるべきで、それに見合う額の約二千六百五十億円は地方交付税率の引き上げで措置すべきだと。四%アップ、つまり三六%で足りると、こういうことを述べられておるわけですね。ですから、この交付税制度は、いろいろと伸び縮みはあるでしょうけれども、こういう運用をやっていきますと、ほんとうの意味での交付税制度というものの根本的な趣旨がゆがめられると、こう思うわけですが、これはどうでございますか。 それからもう一つ、続けてやります。 それから最近、自治省あたりでは、交付税の年度間調整ということで、非常な好況時には交付税の一定額をプールして不況時に備える、交付税の不足に充当すると言われておるそうですが、こういうようなことを一体どの程度自治省で進めておるのか。いまは交付税も余りませんからそういうことはないと思いますが、かつて、好況時には年度間調整ということが盛んに言われておったわけです。この年度間調整ということになりますと、現在、三二%の交付税率を固定しておるわけですが、しかし、交付税率というのは、御承知のように、交付税法の第六条の三でいろいろと制度の改正または交付率の変更をすることができると。つまり三二%をもっと上げることができるということが言われておるわけですね。 こういう一連の問題についてお答えを願っておきたいと思うのです。
○国務大臣(渡海元三郎君) 基準財政需要額を据え置き、当然上げるべきものを上げなかったじゃないかという御指摘でございます。実は、交付税というものは、御承知のとおり、基準財政需要額と基準財政収入額との差額で大体見合うものでございまして、そのものさしとして基準財政需要額をきめますところのいろいろな算定をいたしておるわけでございますが、本年度は、いま御指摘のように、二千六百五十億という措置をさしていただきまして、交付税そのものの額は昨年同様に二〇%並みの額を確保さしていただきましたが、残念ながら、収入額のほうが地方税の落ち込みが非常にひどくて、昨年度は七千億ほどの増収がございましたが、ことしは三千億あまりにすぎないというふうな姿でございましたので、その間の分を交付税の引き上げによりまして初めて基準財政需要額等も上げ得たのでございますが、二〇%を昨年度までにこすという程度の交付税の確保でございますと、その間の財源不足はどうしても地方債によらざるを得なかったと。そのために基準財政需要額を据え置かざるを得なかったというのが実情でございまして、いま、参考人のお話で、その分は、当然四%ほど引き上げるべきじゃなかろうかという御意見もございましたが、そのような姿であったならば、当然私たちは、好況のときにはその額をパーセントを減らしていくというふうな姿で措置するということもその裏にはあるのではなかろうかと思いますので、直ちにその言を用いるということはいかがかと、こういうふうな点もございまして、本年度限りの一時措置にさせていただいたような次第でございます。なお、この分は、いまも藤原委員等にもお答えさせていただきましたように、地方債の運営を交付税と合わせて措置することによって財政の本年度の円滑なる運営を期していきたいと、かように考えております。 なお、年度間調整の件でございますが、地方財政というものはある程度安定した財政で措置していかなければならないのが地方自治体の姿でございます。その意味から固定資産税といったような安定した財源が地方財源として与えられておるのでございますが、交付税そのものは主税の三二%というふうな姿でされます関係上、三税というものは景気の動向に非常に影響されるところでございますので、やはり地方財政の安定した運営ということを考えましたなれば、景気のよいときには不景気の場合も考えて調整していくというような年度間調整というふうな措置を何らかの形におきまして、国と地方との年度間調整でなくして、交付税そのものの中に年度間調整的な考え方を入れることによりまして安定した地方行財政運営というものを期していくべきではなかろうかということを考えておる次第でございます。そのようなことを自治省で考えておるのかということでございますが、当然このようなことが行なわれなければならないというようなことでやらせていただいて、考えの中には持っておりますけれども、いま申しましたように、交付税そのものが現在の財政需要をまかなうのにこれでよいかどうか、税の配分の問題あるいは国と地方の事務分担の割合の問題あわせて総合的に考えなければなりませんが、そのときに交付税の中におけるところの年度間調整は考えるべき問題であるということを頭に入れておるという状態で一ごいまして、具体的に自治省でこれを検討しておるというふうに申し上げるにはまだ至っていないという状態でございますので、御了承賜わりたいと思います。
○河田賢治君 あともう一、二点伺いますが、地方交付税の配分基準、これはずっと基準が出ておるわけですが、この中で大部分が量的に計算されておる。もちろん量も必要なんですが、資なんかが私は相当問題になるんじゃないかと思うんですが、たとえば農業ですね、これは都道府県は農家数と耕地の面積になっております。しかし、市町村のは農家数だけになっているわけですね。ところが、耕地にしましても、たとえばもういま農業のほうではずいぶんといろいろな土地基盤の整備とか土地改良とか、中心的にいま農林省がそちらへ投資しているわけですね。そうしますと、一応土地の基盤整備ができれば、そこでは面積にしましても維持管理だけのわずかな費用で済むと思うわけです。それからまた、平たん地といわゆる傾斜地、こういうところがずいぶん県によったり市町村によったりしますが、単なる耕地の面積を出すだけではやはりぐあいが悪いんじゃないか。したがいまして、なかなかこれは計算がむずかしいとは思いますけれども、またこれを下へおろしても必ずしもそれを農業に使うわけじゃありません、これは何に使ってもいいんですから。けれども、算定の基礎としてはそういうことは何といいますか、内容がある程度わかるような、まあ補正係数がありますけれども、これだけではちょっと納得のいかぬところがずいぶんあるわけです。 それからもう一つ例にしまして、たとえば下水なんかがここにありますけれども、まだ農村あたりで人口集中地域でありましてもなかなか下水の処理ができていない。ますます社会資本としてやらなければならぬ。特に上部地域についてはこういう下水設備を早くしなくちゃならぬ、こういうこともあります。 それから同時に、最近私は新聞を見ますと、ことしの三月三日の新聞でございますけれども、これには「どぶ川の悲劇許さぬ」として、つまり幼い子供さんがどぶ川にはまって死んだわけです、四十三年ですか。それに対して東京北区のどぶ川で幼児を失った両親の訴えで、全面的に東京地方裁判所は昨年五月、国に対して両親に五百八十万円の損害賠償金を支払うように命じたと、こうなっております。こうしますと、今日子供の遊ぶところは大体きまっておりますけれども、ずいぶん都会にしましても農村にしましても、子供があやまって親の目を盗んで遊びに出て落ちる、こういうふうに自治体は裁判の趣旨からいうとかなり責任を持たなければならないということになるわけですね。そうしますと、いまの市町村における土木課なりのほうでは、こういう問題についても裁判でこういうことがあったということをあまり知らないわけですね。そうしますと、自治省としてもできるならば裁判所でこういうことを命じたならば、地方自治体もこれに対して対応した施策をやらなければならないと思うわけです。そういうことを加味しますと、今後の地方自治体の指導の中にそういう問題も含めて、密集地域の河川であれば若干の手すりなんかつけたりして子供さんが落ちないように安全を守るというような施策もやっていかなければならないと思うわけです。ですからこういういろいろな今日の新しい社会情勢と、それからまたいろいろな民衆運動、損害賠償で直ちに訴えるというような時代になっておりますから、しかも裁判所がこれを肯定しておるとすれば、地方自治体のこれからのいろいろな仕事というものは相当責任を持ってやらなければならない。そういう点を自治省としても指導しなければならないと思っておるわけです。こういう点で現在の配分について地方交付税のいろいろな計算のしかたや基準額は大体において低いのですけれども、それといろいろな面の量的だけではなくて質も問題にするということ。 それからもう一つは、現在全然算入されないところがあるんですね。たとえばこれは一つの例ですけれども、綾部という市ですけれども、大きな郡を一つの市にしてしまったところです。そうして昔の村役場、これも入っているんですが、ここまで大体二十五キロあるんですよ。そうしてこの二十五キロのところに一つの小さな出張所なんかを置いておりますが、そうすると行政費がかなりかさむわけです、集中しておりませんから。さらにそこから各部落の自治会にいろいろな文書を配達したり何かするわけです。そうして、そこからさらに八キロあるわけですね。だから合計すると三十三キロも離れている。こういう町村合併をしたところはかなりそういう場面もあるわけです。ですからかなり基準財政においても、こういう地域の内容というものは相当やはり自治省あたりではこれらに対して考慮してもらわなければならないのではないかということと、それから京都の例でございますが、あまり京都のことばかり言うのは何ですけれども、ここに一般財源充当額全部で四百五十三億、これに対して基準財政需要額が三百四十九億、したがって、百四億近い必要額を下回る算定になっておる。ところが、この中で基準財政需要額の算定に組み込んでもらいたいという経費は、たとえば中学校の非常勤講師ですね。それから僻地にある高校生の寮の費用あるいは市立病院の赤字の補てん費とか外国人登録事務費とか古都保存の関係費、同和事業費等々たくさんあげておりますけれども、とにかくいろいろ今日やはり基準財政額の根本が低いのと、それから対象が非常にまだまだまばらである、特にそういう需要が満たされないために非常に財政的に困難をしておるという場面もあると思うんです。ですから自治省では相当基準の内容について計算のしかたや、それからまた今後配分するについていろいろ補正する係数はありますけれども、こういうものは相当私は洗っていただく必要があるのではないか、こういうふうに思うわけですが、一つ一つの例についてのお答えは要りませんけれども、全般についてのそういう点をお答えいただきたい、こう思っております。
○国務大臣(渡海元三郎君) 交付税の配分が実情に即しますように、できるだけ一般財源でございますけれども持っていかなければならないということはもう御指摘のとおりでございます。しかし、ものさしでございますので、あまりこまかいことにまでいってしまいますと、なかなか地方におきましてもそれの算定を見ることが非常に困難であるという点から補正係数等で一括してやらしていただいておるというようなことも事務的にやむを得ないのではないか、これは一つのものさしだ。それともう一つ考えなければならないのが、私常に考えるのでございますけれども、交付税は一般財源だ、何に使ってもかまわないのだ、それが交付税の本来の姿でなければならないのに、いま申されましたように、できるだけ実情にそぐわなければならないというので改定を加えていきますと、何かその費用に使わなければならないひもつき財源であるというふうに交付税が非常に変質しがちである、こういうような点はお互いに実情に合ったように変えなければならないが、しかしながら、それと同時に、これは一般財源のものさしであるのだから、これは一般財源であってそのものがひもつきでないのだという姿での運営がはかられるような方法も考えなくちゃならぬ、それを絶えず注意しなければならないと、こういうふうに考えている次第でございます。いまいろいろの点御指摘でございましたが、私は、要は、地方の財政需要というものが大きく福祉政策に形態の変換ということをも考えまして、私はいま地方財源の充実というものは、住民の財政要望というものが非常に大きく変わりつつあり、また伸びておる。この態勢に対して地方財源がこれで十分であるかどうかであるが、この点については現在の交付税制度、率まで含めて私はもう早急に考えなければならない、検討しなければならない問題である。これは単にことしの一時的な財政的な落ち込みという観点でなくして、地方財政そのものが交付税を考えなければならない点にきておると、しかしながら、この点は、単に交付税だけの問題でなくして、さきにも申しましたように、国と地方の税財源の配分と全般の問題についてあわせ考えなければならない問題であると、早急に検討を加えたいと。その面におきましていま申されましたような要望充実のためにできるだけの努力をしなければならないと、かように考えておるような次第でございます。たいへん抽象的な答えでございましたが、そういうようなことでひとつ御了承賜わりたいと存じます。
○委員長(玉置猛夫君) 本案に対する午前中の審査はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。 午後一時二十三分休憩 —————・————— 午後二時七分開会
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案を議題といたします。 本日は、本案につきまして、武蔵大学教授小沢辰男君、全国知事会地方制度調査会委員長西沢權一郎君、全国市長会財政分科会委員長竹内義治君、全国町村会副会長大束弥一君、以上四名の参考人の方々から御意見を伺います。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。 皆さまには御多忙中のところ、御出席をいただきまことにありがとうございました。皆さまから忌憚のない御意見を拝聴し、今後の本案審査の参考にしたいと存じております。 これより参考人の方々に順次御意見をお述べ願うのでありますが、議事の進行上、お一人十五分程度でお述べ願い、参考人の方々の御意見の陳述が全部終わりました後、委員の質疑を行なうことといたしますので、御了承願います。 それでは、まず小沢参考人にお願いいたします。
○参考人(小沢辰男君) 御指名いただきました武蔵大学の小沢でございます。 私は大体三点に分けて地方交付税の特例等に関する法律案について意見を申し上げたいと思います。 一つは、国債発行下の地方交付税のあり方というようなことでございます。二つ目は、地方交付税の算定方法の問題点というようなことであります。三つ目は、地方交付税の最近の補助金化の傾向をどう見るかというような三点について申し上げたいと思います。 まず第一点の国債発行下の地方交付税のあり方というようなことでございますけれども、昭和四十年の不況の翌年、四十一年度から国の一般会計で初めて国債が発行されるようになったわけでありますけれども、いままでのところではおおむねその国債発行の趣旨が景気回復あるいは景気を克服する、不況を克服するというようなねらいであったこともありまして、公共事業に国債の財源が充てられるということになっておるわけであります。そうしますと、現在の国と地方の行政や財政の関係を前提といたしますると、一般的に、たとえば国の公共事業費の大体半分は地方におりてきて、その半分の分に地方団体のほうが裏負担をする、こういう関係に置かれておりますので、不況の段階には国税、地方税の伸びがやはり思わしくないというようなことがありますため、地方財政のほうにおきましてはどうしても国税三税の最近では三二%というような割合で配分されます。地方交付税も少なくなる、それから地方税それ自体も少なくなるというようなことでございまして、国の施策に基づく地方の公共事業を消化できなくなるという問題が絶えず景気を回復する財政政策を国がとりますときには、地方としては当面せざるを得ない関係に置かれておるわけでございます。 で、四十六年度になりますと、四十五年秋ごろからの不況と、それから四十六年八月のニクソン大統領によるドル防衛声明の影響などもございまして、四十六年度にすでに国も地方も赤字になったわけでございますけれども、特に地方の財源の不足額五千三十億六千万円に対しまして国税で措置した分はちょうど早目に所得税減税を景気対策としてやりましたので、その所得税減税に伴う地方交付税の減収分五百二十八億円、大体これが財源不足の一〇・五%になるかと思いますが、これを臨時地方特例交付金で措置して、あとはいわば地方債二千六百八十二億円、これが五三・三%になるかと思いますが、それから地方交付税の特別会計の借り入れ千二百九十五億六千万円、これは今回の八年間で地方が返還するという四十七年度の地方交付税の特例等に関する法律案の中身の一つになっておるわけでございますけれども、これが二五・七%というような対策のほかに地方団体の調整金の取りくずし、あるいは節約というようなことで五百二十五億円、一〇・四%を調達するというようなことになりまして、国の財源措置が四十六年度の場合も少し少ないのではないかなというふうに私たちは思いました。 四十七年度になりますと、国債は、一般会計だけでも国は一兆九千五百億円、つまり国の歳入の十一兆四千七百四億円の一七%というようなたいへんな国債を発行し、これに対応する公共事業費が二兆千四百八十四億円、前年度比約三〇%の伸びというような景気回復を柱とする予算が組まれたわけでありますけれども、これに対応しまして、さっき申し上げましたように、地方財源の不足額が七千九百二十三億円と、これは実際は地方団体側や自治省側はもっと大きく見込んだようでありますが、折衝して七千九百二十三億円となったわけでありますけれども、これもむしろ臨時地方特例交付金千五十億円、それから臨時沖繩特例交付金三百六十五億円計千四百十五億円ということで、不足額の——さすかに四十六年度の場合に比べますれは多うございますが——一七・八%程度ということでございまして、あとは地方債のワクの拡大が四千九百八億円、このうちいわゆる財源の不足対策分として三千五百億円が含まれているということであります。そうしてあと地方交付税及び譲与税特別会計で借り入れた分が千六百億円、これも今後八年間で地方が返す、こういうことが今回の法律案の中身になっておるようでございます。 問題点といたしましては、四十七年度のこのまうな意味での地方財源の不足対策の措置を見ますと、国の財源による措置分がやはりまだ少ないということが特徴ではないだろうか、それから交付税率が引き上げられなかったということもかなり不況対策としては四十一年度の場合と比較してみますと特徴的ではないであろうか、そういうふうに感じる次第であります。四十一年度の場合は、国債発行が七千三百億円に対しまして地方財源の不足が二千四百六十九億円ということでございまして、国の措置は、地方交付税率二・五%アップで、現在の三二%、五百八十六億円、これが不足額の二三・七%、それから臨時地方特例交付金が四百十四億円、これが不足額の一六・七%、これだけでも国の措置分は不足額の四〇・四%になっております。そうして特別事業債が足りないところを今回と同じように千二百億円、四八・六%と認められましたけれども、いわゆる一般補助事業及び直轄事業に充てられる分、九百十四億円、約三七・一%は国が元利補給をするということになったという点で、以上三つの合計千九百十四億円、七七・五%がこの四十一年度の国が財源措置をした分であるという点から見ますと、今回は非常に国の財源措置が少なかったということが特徴的ではないだろうか。それからこの両年度を比較してみますと、言ってみれば国の政策に基づく地方の引き受ける公共事業の財源の問題でありますから、四十一年度のときのように国の政策に基づく公共事業の必要財源については地方債で認めるとしましても、元利補給というようなことを私は考えていただいてもよかったじゃないだろうかというふうな気がいたします。今回につきましてもまだ残りの地方団体の、この前は地方団体の固定資産税の増徴とか節約二百六十九億円、一一%というようなものもございましたけれども、全体として圧倒的な部分が国の財源でいわば措置された、これは非常に当時も現在も基本的には変わっていないと思いますが、国と地方の財政関係の秩序を重んずるという点からいえば、四十一年度の財政措置が正しかったのではないだろうかという感じがいたします。 それから第二点としまして、地方交付税の算定方法の問題でございますけれども、これにつきましては、まあ交付税の伸び、それから交付税の増額とこの確保という点については、四十七年度のこの地方交付税の特例措置法はかなり配慮しているという点でありますけれども、いろいろ基準財政需要額の中で、特に投資的経費につきまして、その一部をいわば地方債に振りかえるというようなことがありますが、これは言ってみれば利子のつく交付税を受け取るというようなことになりまして、どうもこれは地方団体の少し負担が重くなるということになるんじゃないだろうかというような感じがしないでもないわけであります。ただこの算定方法につきましては、私地方の市町村を特に歩いて調査をいたしますと、どうも最近、特に四十四年度以降、たとえば投資的経費についてはいままでの原価計算方式と言いましょうか、減価償却を見込むような方式から、国の補助事業量に見合う算定方式、まあ道路とか清掃事業というようなものがそうでございましょうが、そういう算定方式がとられ、あるいは広域市町村圏事業補正や土地開発基金のような特定事業に交付税が使われるように非常になってまいりましたので、非常に基準財政需要額の変動が激しい。それから実際にきまる交付税の変動も激しい。それから聞くところによりますと、基準財政収入額も各市町村によって、どうも自分のところはこんなに税金が伸びるはずがないんだけれども、かなり計算上伸びるような計算になっている、非常に困っているというようなことを聞いております。これはまあおそらく最近のように都市化に、あるいは一方から言えば過疎状態、過密状態が激しくなるということの中で、交付税のほうでも何らかこれに対応するような措置をとりたいということにあるとは思いますけれども、この点ははたしてどう考えたらいいかということが算定方法についての問題点でありまして、たとえばむしろ補助金や地方債で投資的事業はまかなって、交付税のほうはやはりいままでの原価計算方式と、それからまた経常事業費についてできるだけ十分な安定的な仕事ができるような財源を、若干単位費用は高くなりましても、交付税のほうで見込むというような形にここら辺でもう一ぺん考えてみたらどうであろうかというような感じが——調査をしてみまして、非常にこの変動が激しくて、地方では計画的な行政運営をやりにくいというような声を聞くものでありますから、その点をひとつ考えてみたらどうだろうかと、そんなふうな感じがいたします。 それから三つ目の地方交付税の補助金化の傾向であります。今度の地方交付税の特例等に関する法案の中でも、たとえば土地開発基金というようなものは、今度はおそらく財源がないというようなこともあったのかもしれませんけれども、基準財政需要額の中から落とされたというようなことがありますし、それから全体として、補正の中で事業費補正というのが投資的経費で行なわれますので、まあ特定の仕事でやればいわば交付税がふえるというようなことになりますし、また補正のしかたによっては、清掃費などは年がたつにつれて清掃費の伸びが落ちてくるというような計算が出てくる都市もあるようであります。それから全体として、この交付税がそういうように特定の仕事と結びつくようになりましたので、本来、地方交付税というのは一般財源として使われるべきものだという地方交付税法三条でございますかのたてまえからいうと、少し違ってきているのじゃないだろうか。そして特に最近の広域市町村圏の調査をやりますと、市町村道などについては交付税、いわゆる三年間で毎年度三億円ずつ地方交付税の道路についての割り増し分があるというわけでありますけれども、これをいわばきめられた一級市町村道、二級市町村道と、建設省の指示した道路に充てないとあとで返還を命ぜられることがあるというような指導が、これはまあ制度的にそうなっているかどうかはわかりませんけれども、指導が行なわれて非常になかなかむずかしい問題が出てきたというふうなことを調査の中で聞いております。これも地方交付税でやはり何とか投資的経費、あるいは投資的事業を地方団体がやれるようにしようという気持ちに出ているかと思うのですけれども、ここら辺でちょうど国と地方の財政関係も困難な時期になったわけでありますから、地方債問題とあわせてもう一ぺん考え直してみる段階にきたのではないだろうかというようなことをもちまして、とりあえず時間でございますから終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(玉置猛夫君) 次に西沢参考人にお願いいたします。
○参考人(西沢權一郎君) 御紹介いただきました西沢でございます。全国知事会の地方制度調査委員会のほうに関係いたしておりますし、長野県の知事をいたしております。 まず、お礼を申し上げなければならないと思いますが、地方自治体の伸長発展に対しまして、特に税制あるいは財政等を中心にいたしまして、私どもに御支援をいただいたり、また御高配をいただいておる点につきまして、この席から厚くお礼を申し上げる次第でございます。 なお、本日は地方交付税制度の今回の改正に対する参考人としてのお呼び出しでございますが、まず申し上げたいことは、この法律改正について賛成であるという立場をまず申し上げます。そしてこれにまつわる若干の意見を申し述べさせていただきたいと思います。しかし、私が賛成であるということを申し上げましたのは、この制度が完全であって、私どもの要望を全部聞き入れたといいますか、全部その中へ盛られておるというそういう意味ではないのでありまして、これは御承知のように、国も地方自治体もことしの予算編成はたいへん難航をいたしました。私どもは国に対しまして、ただいま小沢先生から御発言がありましたようなことにつきまして、知事会として、あるいは地方自治六団体として強い要請をいたしました。それから見ますというと、私どもの要望にはまだまだ及びませんけれども、しかしこの法律が一日も早く成立をされるということが地方財政を進める上において一歩も二歩も前進ということになる、そういう意味において賛成を申し上げると同時に、抜本的な措置を今後お願いをしたい、こういう意味における賛成でございますので御承知おき願いたいと思います。 そこで交付税等を中心にしての意見を申し述べたいのでありますが、その前にさらに当面といいますか、本年度いろいろ問題がやっぱりございますので、それについてお願いを申し上げ、御支援をいただきたいと思います。と申しますのは、年度の途中におきまして人事院の勧告による給与改定があると存じます。これはどの程度の改定かということはもちろんわかりませんけれども、もし前年同様ぐらいの率という勧告があったということになりますというと、私ども自治体としては地方財政計画の中で八%、これも保留をしてあるというか、予定をしてあるというか、それがございます。しかし昨年も一一・七四%でありますから、もしそれと同額ということになりますというと、概算いたしまして一千億ぐらいの給与改定財源というものが不足をいたします。各自治体とも非常に財政逼迫をいたしておりまして、これらの余裕はもちろんないでありますから、何らかの措置において、国において完全にこれを補てんしていただかないというと地方自治体の給与改定ができないという事態に立ち至りますので、これらについてはまた私ども知事会として六団体としてお願いを申し上げることになると思いますけれども、よろしくお願いをいたしたいと思います。 それから景気がこのような低迷状態というか、横ばいの状態でありますので、税などの伸びも非常に悪いのであります。もしこんな状態が続くということになると、来年度の予算編成というものはたいへんなことになるのじゃないかというふうにいまから心配をいたしておるところであります。いつも国の予算編成のときに、あわてて国に要望をするということではもうおそいんだ。これは非常事態であり、非常に深刻であるから、いまから取り組まなくてはいけない。いろいろなデータ等を持ち寄ったりあるいは分析をいたしまして、来年度の私どものいろいろな、もろもろの要望等を取りまとめて早目に国のほうに要望いたしたいという、そういう準備もいたしておるのでありますから、その節はよろしくお願いをいたしたいということを、まずもってお願いを申し上げる次第でございます。 さて交付税についてでございますけれども、ただいまも小沢先生から御発言ございましたように、大体伸び率においてはまあまあという伸びを確保されたのでありますけれども、しかしその内容から見ますというと、まことに欠陥があるといいますか、満足できない状態でございます。と申しますのは、千五十億の臨特——臨時特例交付金というのは、これは国のほうから交付税会計の中に導入をしてもらうのでありますけれども、この借り入れ金というのがありまして、これは返済をしなくてはならない。特会へ借り入れをしたというのでありまして、これは千六百億ありますけれども、四十六年の借り入れたのもありますから、約三千億近い借り入れをいたしておりまして、これは後年度の地方財政を非常に圧迫をするということでございます。なお、四十八年度がもし四十七年度と同じような借り入れ処置をするということになると、それはもう莫大な借り入れになるということでありまして、これは利子はつきませんけれども、とにかく返済をしていかなければならないということでありますから、これの措置をしていただきたいということがまず第一のお願いでございます。 それで、ただいま申しました千五十億という臨時特例交付金というのを国からいただいたのでありますけれども、これはちょうど御承知をいただいておる地方減税と全く同じでありまして、私どもことし地方税の減税を千五十億いたしました。平年度になるというと千百何十億ばかりになりますけれども、いたしました。もう減税する余地は全くございませんということを強く国に要請をしたのでありますけれども、国のほうで、まあこれは政策減税であるから地方もおつきあいをしろというか、国税も、減税はしないけれども、十五カ月減税というのでもって引き続いてやっておるんだから地方も協力をすべきであるということでもって減税をしいられたというか、減税をさせられたという、そういう次第でございます。これは臨特で措置をしたということになるかと思いますけれども、しかし御承知のように、交付税というのは三税が三二%交付税としてはね返るのでありまして、国が所得税減税を行なったことによって、いまも小沢先生からお話がございましたけれども、四十六年度では五百二十八億、それから四十七年度においては約八百億というようなものが交付税へはね返ってくるのでありまして、それに対しても措置をしてもらいたいということを強く要請をいたしましたけれど、まあ、何かいろいろ引っくるめてとにかく千五十億と、こういうことになったのであります。 ここで特にお願いをいたしたいことは、政策減税ということはあってもそれは私はけっこうだと思いますけれども、そのときにはやっぱり地方自治体に対する財源の補てんといいますか、それを完全にやっていただきたいということを自治体の立場から強く要請をする次第でございます。 私がいまさら申し上げるまでもなく、地方自治体というのは最近非常に財政需要が多くなってまいったのでありまして、高度経済成長のひずみといいますか、断層といいますか、そういったものが各所にあらわれまして、これがあるいは公害の問題となり、あるいは過疎の問題となり、あるいはいろいろな問題になってあらわれておりますし、それからまた最近は環境整備ということが非常に強調されるし、これは当然であろうと思います。それから住民サイドに立った行政というものを行なっていかなくちゃいけないということで、いろいろ身の回わりのことの住民サイドの要請がございます。それから福祉国家、福祉自治体というものが唱えられまして、社会福祉、社会保障の面等を強力に進めていかなければならない等々の問題があります。また過密化また過疎化の問題等が出てまいりまして、それぞれ手当てをしなくちゃならぬのでありまして、財政需要というのはかつての自治体とは全然比較にならない、財政需要が無限であるということはどうかと思いますけれども、非常に多くなってまいっております。これにこたえる意味におきましても、私どもとしては、地方自治体の金がないからといって手をあげておるというわけにはいかないという、そういう現状を御了察いただきたいと思うのであります。 ことしもそういった意味におきまして、金はないけれども、とにかく借金をして、そうして地方財政、地方住民の要望にこたえていこうということで、積極政策というものをとらざるを得ないというか、どこの自治体もとっておると思います。したがいまして、借金という問題、また非常に大きくなってまいりまして、私は交付税の率が、まあまあの伸びであるというふうに申しましたけれども、しかし二千六百億というのは、いままで交付税でまかなったけれども、公共事業等を起債でまかなうということで交付税の算定からこれをはずしてある、追い出してあると、そういうこともございます。 それからことしの予算はいま申しました住民サイドとか、あるいは社会福祉の予算のほかにも景気浮揚ということを重点にいたしまして、それを柱として地方自治体も積極的予算を組んである。そのことはこれは起債をもってやっぱり財源というものをまかなわなくてはならないということで、起債のウエートというものが非常に多くなっております。各自治体によりましていろいろ違いがあるのでありますけれども、しかし総じて申しまして、やはり起債のウエートというのは一〇%をこえるというようなことになると、これは地方自治体を非常に財政的に圧迫をするのではないかというふうに思います。特に財政の貧弱な自治体におきましては、一〇%はおろか数%でも相当な圧迫をこうむるのではないかというふうに思います。 そこで私、抜本策としてお願いいたしたいことは、まず一つには、交付税の率の引き上げということ、これをどうしてもやっていただきたいというふうに思います。それから国がとっておるところの臨特の制度という、臨時特例交付金でありますけれども、これも将来の地方財政を圧迫をしないという意味におきましてはたいへんけっこうでありますけれども、ただこれは制度としては臨特という制度がございませんので、率の引き上げを中心にしたところの一ぺんに率の引き上げばかりではいけないから、やはり臨特というようなものを加味したところの交付税のあり方、交付税はどういうふうにあるべきかということを、この際抜本的にやっぱり進めていただきたいというふうに思う次第でございます。 それから起債のことをただいま申しましたけれども、起債のウエートというものが非常に大きくなりまして、この返還ということがこれが地方財政を非常に圧迫をいたすということになりますので、したがいまして、起債につきましても将来返還の場合に元利償還を国で見てやるという特別事業債というような制度が、これは小沢先生からもお話ございましたけれども、四十一年度の場合にはとられておりますから、そういう措置をとっていただきまして、全部元利償還でなくもよろしいのでありますけれども、場合によっても利子のみをこれで見てやるとかいうそういう制度が必要ではなかろうかというふうに思います。四十一年度のお話がございましたが、四十一年度のときにはこの措置がとられませんので、それ以後において非常に地方財政を圧迫するということで、そういうことで将来圧迫するということで措置をとられたのでありますから、この非常に多くなった起債に対するところの償還の措置というものに対して、特別事業債的なものを考えていただきたいということを特にお願いを申し上げる次第でございます。 それから交付税のワクの拡大ということ、率の引き上げもそうでありますけれども、私は零細な補助金等はもう切り捨てて、そして一般財源として交付税の中へ入れていただくということも一つの方法になるというふうに思います。このことは、その交付税のワクをふやすばかりではなく、縦割り行政であるとかあるいは役所的セクショナリズムとか、まあそういうふうにいろいろ非難もされるのでありますから、地方自治体の自主性を尊重し、地方自治を確立する、そういう意味からもやっぱり補助金等につきましてもひとつ目をつけていただきたいというふうに思います。 それから、補助金について特に申し上げたいことは、いわゆる超過負担の解消という問題でございます。これは前にもたいへん問題になりまして、そしてまたこの解消に国においても本気で取り組んでもらいましたし、それからある程度といいますか、その時点における成果は私は相当あがったというふうに認めますけれども、その後また新しい超過負担が出てまいりまして、依然としてその超過負担の額というのはなかなか少なくならないということでありまして、ことしは自治、大蔵両省で調査費を計上してこれに取り組むという姿勢のようでありますが、たいへんけっこうですけれども、これをぜひとも解消してもらいたい。これが地方財政をよくする一つの方法になるというふうに思います。 それからもう一つの問題は、直轄事業の負担金というのがありますけれども、国が地方へいって直轄事業を行なう場合に、その所在自治体が国に負担金を納めるという制度でありますけれども、これはどうもわかったような、どうもなかなか納得がいかないという制度でありまして、少なくも国の事業というのは全国的な見地に立って、全総計画とかそういう計画に基づいてそして大きな仕事をやるのでありますから、たまたまそこの県に行って行なわれるからそこの県で負担せよというようなことは、これはいまの時代にちょっとそぐわないのではないかと思うのでありまして、これは私の個人の意見ではなくて、知事会等で真剣に検討しておるところでございまして、特に直轄の負担金のうちで、維持管理費というものを出しているのですね。だから国道なら国道の道路を維持するために、あるいは修繕するために費用がかかったから、さあ地方自治体、これを出せという割り当てがくるのですね。これはどうも納得ができませんね。少なくとも維持管理費くらいは国が全部出してもらうということでなくてはとても自治体は納得がいかないという、こういう問題もございます。 いずれにいたしましても、地方交付税というのは——税とそれから国庫支出金と地方交付税、この三本が地方自治体の大きな柱でございます。これにつきまして、ただいま内容的につきましてもいろいろ改善すべき点があるということで小沢先生から御発言がありましたけれども、私も大体先生の発言に対して賛成でございます。それから、そういう交付税の内容のこともそうでありますし、それから全体のワクをふやすというようなこと、率の引き上げというようなそういう問題、これは国、地方を通ずる全体の税財政の中から割り出してもらわなくちゃならないと思うのでありまして、たいへん大きな仕事であり、困難な仕事であると思いますけれども、私どももまたそれぞれの立場におきましてこういう問題に真剣に取り組ましてもらいたいと思いますけれども、どうぞ先生方におかれましても、何ぶん今後とも御指導、御支援をお願い申し上げる次第でございます。 以上をもちまして終わります。
○委員長(玉置猛夫君) 次に竹内参考人にお願いいたします。
○参考人(竹内義治君) まず第一に先生方に、地方行政の各般の問題につきまして、ふだん御高配を賜わっておりますことを心から厚く御礼を申し上げます。 本日は、昭和四十七年度の地方交付税の特例等に関する法律案に関連をいたしまして、参考人として意見を述べよ、こういうことでございますが、現下のわが国の経済の現状、あるいは地方財政が当面をしておる問題の解決のためには、今回のこの法律案はいろいろ先ほどから御指摘がございましたように、問題点を非常に持っておりますけれども、これをやってもらわなければ地方財政の運営はどうにもこうにもならぬ、こういう事態になってきておりますので、市長会といたしましては、いろいろ問題はあっても、基本的にこの法律案につきましては賛成の立場をとっておるものでございます。一日もすみやかに法律案が可決成立されますように御高配を賜りますことをまずお願いを申し上げたいと思うわけでございます。 この法律案の問題点は、先ほどから御指摘がございましたように、私どもは昭和四十七年度につきましては、これはあくまでも昭和四十七年度限りの措置であって、むしろ問題を昭和四十八年度以降に持ち越しておる、こういう点にあると思います。したがって、これらのあと始末につきましては、先ほどから御指摘がございましたように、地方自治団体の財政を圧迫することのないように、元利補給あるいはその他抜本的な税財政制度の改正等を通じまして、もっと地方自治団体が現下の今日的な問題に対処していけるような財政的な措置をおとりいただきますようにお願いを申し上げたい、かように思うわけでございます。 そこで、おおむね五つの問題につきまして、現在当面をしておりまする都市の問題点につきまして御意見を申し上げ、これらの点が交付税制度あるいは地方債制度あるいはその他の制度によりまして改善をされるようお願いを申し上げたいと思うわけでございます。 その一番大きな問題は、何といたしましても今日の都市の問題といいますのは、あまりに都市に人口が集まり過ぎているということでございます。試みに、いわゆる大阪都市圏と東京都市圏と言われる地域の人口は、日本の全人口の四七%が集中しておるといわれております。言いかえれば、日本の人口の約半分が東京都市圏と大阪都市圏にかたまってしまっておる。いわんや都市部におきまする人口は、おそらく全人口の七割以上になってしまっておるほど、今日それほど都市の問題というのは非常に大きな問題でございます。私ども都市の人口のふえておる地域は、過疎地域も大きな悩みを持っておられるでございましょうが、人口急増地域はもっと大きなまた別な意味での悩みを持っておるわけでございます。それは、都市に集まってくる人口は若年労働者層でございます。したがって、いわゆる都市型の人口構成が発生してくるわけでございます。 お手元の資料に「ふえる幼児、足りない保育所」という資料がございますが、これから見ますと、いわゆる社会増がなくても自然増が非常に大きなウエートを占める。いわゆる零歳から五歳までの児童が爆発的にふえてくるということであります。これらの問題が都市におきましては一つは義務教育の施設の不足の状態を生んでおるわけであります。小学校が間に合わないのでプレハブで間に合わしておく。これがたいへん問題になってきております。本年度はそういう問題につきまして、小学校につきましては補助率アップをいただきましたけれども、なおかつこれらをもっていたしましても、小学校の校舎の急増は解決できないわけであります。 こういう数字を、皆さま方に差し上げてございます資料からごらんいただきますとわかりますが、一例を豊中市にとりますと、人口三十六万でございますが、四十七年対五十二年、五十二年というのは零歳児の小学校へ行く児童だけでふえるのが六千八百八十九人、百六十学級ふえるわけです。中学校では四十七年対五十二年度では三千四百人、七十八学級ふえる、こういうことであります。これを四年間にやっていこうといたしますと、毎年小学校が二校と中学校一校建てていかなければならぬ、こういうことであります。これをいまの制度でやりますとなかなかこれはできないわけであります。補助金をもらっても間に合わない。それですからプレハブばかりふえてくる。これが非常に大きな問題になってきておるわけであります。義務教育ではないか、なぜやらないのか、こういう問題であります。しかも、学校用地を買うのに膨大な借金が必要でございます。学校の用地費と建築費とが半々でございます。しかも用地費は若干の補助金を昨年度からお認めいただきましたが、ほとんどがこれは借金でございまして、しかも縁故債という金利の高い、償還期限の短い金でございます。言いかえれば大都市の周辺の都市は小、中学校を建てるのにもう精一ぱいであって、財政が赤字であるとか黒字であるとか、そんなことを議論をしていられない段階でございます。こう言ったら自治省からおしかりをこうむるかもわかりませんが、財政が赤字だから学校を建てるのをことしはやめておきますとは言えないわけです。そういう事態にまで追い込まれているわけです。 そこで問題点をひとつ申し上げたいのは、こういうような制度になっておりますのは、一つは財政計画が悪いというより国の補助政策が悪いということであります。これは文部省の所管でございますが、毎年五月一日の生徒の頭数を勘定してから補助金を渡すから学校が間に合わぬ。零歳までわかっておるわけです。おなかの中の子供まではわかりませんけれども、生まれた子供の数はわかっておるわけですから、五年後まではわかるわけですから、五年先の生徒数を計算して学校を建てさせてもらったらこんなことにはならぬわけです。ですから大都市の近くでは一年生に入って六年生が卒業するまでは工事現場の中で授業をやっておるというのがいまの実態であります。先生方に特にお願いしたいのは、せめて小、中学校だけでも地方自治団体が安心して授業がさせられるような財政措置を思い切ってやってもらいたい。こうなれば私たちは背に腹は返られぬ、借金をしてもやみ起債をやってもやらなきゃしようがない、こういうことであります。用地費のごときは正直に言ってやみ起債であります。もしこれができたいといったらどういうことになるんだ、各地ではやっておりますように、学校建設、校舎をつくりますのに別の会社に建てさして年賦で買わなくちゃしようがない、月賦で買わなくちゃしようがない、こういう脱法行為もやらざるを得ないようなのがいまの地方財政の実態であるということをひとつ御考慮を賜わりたいと思うわけです。私が特に義務教育の点を申し上げますのは、これは義務でございます。 その次にお願い申し上げたいのは、今度は超過負担の問題であります。超過負担の問題も私は観念論で申し上げるわけではございません。ここにもございますように保育所の問題、そうです。保育所は法律によってこれは負担金になっているわけです。補助金じゃないんです。負担金ですから当然負担してもらわなきゃならぬのに豊中市では保育所を過去に十五カ所つくりました。これをつくった総費用、ここに箇条書きに書いてございますが、十億かかっております。一体国が補助金を幾ら出しているか、これは航空局が騒音防止のために出してくれた補助金を入れて四千百万円でございますが、厚生省サイドだけを考えてみたら八百五十万円、十億かかるものに八百五十万円補助金出しておいて、今後保育所をもっとつくれといわれたってできるものじゃございません。起債が何ぼでございますか、残りを全部起債でつけてくれるかというたら起債はつけてくれません。これではやっぱり入ってきた人は月給が安い、それでいて国は住宅政策では五十万戸つくるとおっしゃっている、どこへつくるかというと大都市の近くにつくられるわけです。豊中市でもニュータウンができております。十五万、豊中、吹田にかけてそこへ建てられるのは府営住宅とか公団住宅でございます。所得がある程度制限してございます。共かせぎしなければどうしても食うていけぬ、保育所が要ります。全部市町村にかぶってくるわけです。 住宅政策もそうでございますが、私は住宅政策というのは家を一軒ずつ建てていったらそれは住宅です。しかし、何千戸、何百戸建てたらそれは町です。町をつくることを考えないで家を建てることだけを考えてもらいますから、あとのしわ寄せは全部市町村にしてもらわなければならぬわけです。ですからニュータウンをつくって総決算書をつくってみたらニュータウンはもうかりませんという計算が出ているわけです。ニュータウンから入ってくる税収入だけで負担し切れない、そうすればいままで住んでおった人間が負担しなければならぬのかと、こうなってくるわけです。 そうですから、何とかここらあたりでやはり大都市周辺のそういう財政需要に対して特別な目をあけていただかなければ、もうどうにもこうにもならぬ。言いかえれば住宅政策に関連して、地方財政との問題は一体そういうデベロッパー、民間であろうと公団であろうとあるいは府県営であろうと、そういう住宅を建てるところを公共団体側がそういう公共公営施設の負担について、どこでどう負担を分かち合うかというところの制度が何もないわけです。力づくです。そうですからこの前千葉県で出ておりますように、千葉県の知事さんのおっしゃるように、もう住宅建てるのお断わりだ、こういうことになる。どういうことになるかと申しますと、計算をしてみますと、子供が一人ふえますと、学校は小学校で百五万四千円、たちまち金が要るわけです。中学校では百四十七万六千円要るわけです。保育所は百九十五万二千円要るわけです。子供一人を収容するための施設として維持管理は別としましてこれだけが要るわけであります。泣いても笑ってもこれだけの金を用意しなければならぬ。それだけのものを私どもはやはりどうしてもつくらなければいかぬという問題点を持っておるわけです。それにもかかわらず住宅建てたってそれは市町村の仕事じゃないかということでだれもやらない、しわ寄せだけもらう。特に大都市の近くが今度地価が上がってきますとマンションを建てます。十数階建てというやつを建てる。小さな面積のところへ百五十戸も二百戸も建てられたらたまったものじゃない。とめる方法はない。それもやはり学校にかかってくる。 こういうことで、もうここまでまいりますと、私たちは抜本的な一つの都市に対する税財政制度の問題を考えてもらいたい。特に私は都市税源の強化といたしまして、法人税割りを——法人がくるから人が集まってくるわけです、ですから法人税割りを都市にもう少し配分してもらいたい。その次はそういう税源のほかに道路譲与税につきましてはもっと都市に配分を多くしてもらいたい。もう一つは家が建てばサービスは市町村がやって府県がやっていない。自治省いらっしゃって申しわけないけれども、だから不動産取得税というものが昔は置かれておった。いま府県で全部独占している。これはみな家が建てば下水も、水道も保育所も学校も市町村がやはりやるのですから、分け前は少しとってもらわなければいかん、こう思うわけです。これはもう府県と市町村の問題でございましょうが、それには都市財源をもう少し強化してもらわなければもう私たちはこの次に言わなければならぬことは、もう住宅を建てることも、工場を建てることも都市からは一切お断わりしよう、たとえそれが憲法違反であろうが、人権無視であろうが、もう断わらざるを得ない。そうでないといままで住んでいる人は今度はおさまらなくなってしまう。だからもう、ノーモア団地、もう日本住宅公団も来ていらぬ、そういうことを言わざるを得ない、こう思うわけです。現にもう私たちははっきり日本住宅公団はお断わり、締め出す、こういうことを言っておるわけです。そうでございますからそこらあたりひとつ御考慮を賜わりたい、こう思うわけです。 もう一つ、交付税の中で私はお願い申し上げたいのは、これは地方準公営企業ということになっておりますので、地方交付税の中には計算上入ってきておりませんが、公立病院の問題であります。今度政府は老人保険を、老人医療の無料化法案を出されました。大阪府ではもうすでに府知事が踏み切りました。こうなってきますと、公立病院はこれは別途、養護老人ホーム化していくことは目に見えているわけです。したがって私は、これからの都市の公立病院は、極端なことを言えば救急の問題、救急医療の問題とかそういう問題を含めて医療機関というよりも、私は消防署みたいな安全施設機関だ、こう思うわけです。したがって公立病院の需要費につきましては国税の中へ算入してもらいたいと思う。現に大阪府の府立病院でも一ベッドあたり百万円くらい一般財源から投入しているわけです。私は少なくともこれからの公立病院については一ベッド百万円くらい地方交付税で算入してもらいたい。そうでなければこれはたいへんな問題が生まれてくるだろう、こう思うわけです。 時間がまいりましたので、もっと申し上げたいことがございますが、かってなことだけ申し上げましたが、先生方にどうぞこの苦しい財政の事情をおくみ取りいただきまして、今後におきまして改善をお願い申し上げる次第でございます。
○委員長(玉置猛夫君) 次に大束参考人にお願いいたします。
○参考人(大束弥一君) 御紹介にあずかりました全国町村会の大束でございます。まずもってお礼を申し上げたいと思いますが、従来より地方行財政につきましては、格別の御高配、御指導をいただいておりまして、厚く感謝いたしております。なかんずく昨年暮れから正月にかけまして、四十七年度当初予算編成にあたりまして、地方財政のうち、われわれが特に熱望しておりました地方交付税について、いろいろの内容において問題はございましたけれども、その総額においてわれわれの要望がおおむねかなえられましたことは、ひとえに諸先生方のおかげでございまして、全国市町村長深く感謝いたしておるところでございます。 さて、本日は貴重なこうした場に、貴重な時間をさいて私どもの意見を徴していただくことは非常にありがたいことであり、また光栄に存じております。先ほどから王氏によってそれぞれ意見の御発表がございまして、おおむね同一なものでございますが、全国町村の立場において、若干重複する点をお許しいただきまして発表させていただきたいと思います。 まず第一に、交付税特例法案についてでございますが、町村財政は税源がきわめて乏しく、交付税に対する依存度は逐年高まる一方でございます。交付税に関する動向は町村の重大関心事でございまして、最も心配されていました本年度交付税所要額の確保については、一応その中身の中に借金というものはございますけれどもが、前年度の伸び率二〇・九%に匹敵する二一・九%の伸び率を確保し得ましたことは、先ほど申しましたように一安心しておるところでございます。 また、本年度特例法案の基準財政需要額算定の改正の方向としては、財政力の弱い町村に対して、関係経費の地方債振りかえ措置を一部にやめられたこと、また単位費用の増額、その他の算定方法の改善等により、市町村道、清掃施設等の生活関連施設の整備、広域市町村圏対策、過疎過密対策等社会資本の充実がはかられているところであります。この意味から、特例法案の改正内容につきましては基本的に賛意を表するものでございますので、すみやかに本案の可決成立をお願いいたしたい所存でございます。 二番目は交付税借り入れ措置と町村に対する傾斜配分についてでございますが、なおこの際町村の立場から二、三の意見を述べさせていただきたいと思います。 まず交付税特別会計借り入れの問題でございますが、四十六年度補正措置、四十七年度当初予算措置によりまして、総額三千億に近い借り入れ措置を行なっており、今後の景気動向いかんによりましては、これが償還財源が今後の地方財政を圧迫しはしないかということでございます。町村においては激動する社会経済の変貌に対応するため、山積する重要な諸懸案をかかえ、交付税所要額を確保し得るかいなかは、町村財政の死活にかかわると申し上げましても過言ではないと思います。かかる観点よりすれば、長期的展望のもとに、町村自主財源の増強措置と相まって、交付税所要額の確保と交付税率の引き上げをはかっていただくことが今後の課題でございます。 また町村は、先ほど申し上げましたとおり、税源がきわめて乏しく、交付税に対する依存度が非常に強いわけでございますので、今後さらに町村に対する傾斜配分の強化について御配慮をわずらわしたいと存じます。 その次は、先ほど小沢先生のほうから御意見がございました超過負担の解消でございますが、これは説明を省きますが、大きな町村にとりましては問題でございますので、どうぞこの上ともよろしくお願い申し上げたいと思います。 三番目は過疎対策についてでございます。ただいま竹内市長さんのほうから、過密地帯についてその実情の御説明があったわけでございますが、これは躍進躍動する一つの日本の姿であろうと思います、過渡期における一つの現象であろうと。過疎の問題もやはりそうした意味における一つの日本の大きな問題であろうと思います。同じ国土の中に同じ人種がこれほどまでに現実の問題において格差があり、貧困の是正を叫ばなければならないということは、国民的課題であろうと考えておるわけでございます。特に農山漁村の多くに深刻な過疎現象が進行しておりまして、諸先生方におかれましては十分これに対して御指導、御配慮いただいておるところでございます。 その対策につきましても、四十五年に過疎地域対策緊急措置法の立法化が実現し、過疎債の創設、高率補助の特例等の財政措置が講ぜられましたことは、現在の過疎地において事業を行なう一つの基準、その道になっておるわけでございますが、しかしなお、過疎化現象の進行はとどまるところを知らない実情でございます。非常に深刻の度を加えておりますことは、均衡ある国土開発の理想からいってもまことに残念に存ずる次第でございます。 まず初めにお願い申し上げますことは地域の財政対策であります。特に貧弱な過疎地域町村の財政を御賢察賜わりまして、交付税については過疎対策にかかわる基準財政需要額の拡充強化措置を講ずるものとし、また過疎債の増額と起債対象事業の拡大等過疎地域の財政措置の強化をはかっていただきたいと存じます。先ほど市長さんの御意見にございましたように、学校が非常に足らないわけでございますが、過疎地帯においては、終戦後、この六三制のときのこの施設整備に、全国の町村長の中には責任を問われて自殺した者さえおるわけであります。国は大きな財政投資をせられ、町村は財政負担をいたしましてつくった学校が、かんこ鳥が鳴いておるというふうなところに大きな矛盾をかかえておるわけでございます。 また国保問題にいたしましても、終戦後全国的に町村に国保の制度を進められ、診療施設を整備していただきましたが、後ほどに申し上げますが、肝心かなめのお医者さんが足らないというふうな実情もございまして、非常に過疎地域においては財政面において、精神面において逼迫したものがあるわけでございます。 もっとも緊急を要しますことのうちの一つといたしましては、民間バス会社の路線休廃止からくる地域の交通確保対策と医師の不足からくる医療確保対策でございます。このうち地域交通の確保問題につきましては、四十七年度政府予算案において、若干の新規施策等も盛られているやに拝承いたしておりますが、町村の実態を改善するためには、まさに焼け石に水の感が強いのでございます。住民に直結いたしております私ども第一線の町村長といたしましては、ハス路線が休廃止されますと、直ちにその日から沿線の住民の足の確保をはからなければならない立場にあるわけでありまして、今後ますます各地域において休廃止路線が続出せんとしているやに見受けられる現状ははなはだ寒心にたえないところであります。一刻も早く行財政の両面から抜本的な対策が実現される旨を切望しておる次第でございます。 最後に医療の確保につきましては、今日全国の町村はいずれも医師の不足に悩んでおるものでございますが、特に過疎地域町村の医師不足ははなはだしく、ただいま申し上げました地域の交通事情の不便も加わり、病人が発生いたしましても医師にかかることが不可能に近い地域も少なくないのでございます。特に最近におきましては老齢化の現象を非常に加えまして、今回の老人医療無料対策の施策の方向が打ち出されまして、——いろいろと調べてみますると、老人がこうした僻地に非常に集中してくるという傾向が非常に大きいわけでございまして、最近のわが国の社会経済情勢のしからしむるところとはいいながら、これまた財政面にも影響するところでございます。町村といたしましては直営診療所を設備いたしましても、また月給を幾ら積んでも肝心の医師を置くことができないため、休診せざるを得ないありさまでございます。医師の絶対数の増加をはかっていただくとともに、当面現在の医師の適正配置等についても緊急に措置を講じられるようにぜひお願い申し上げたいわけでございます。 たいへん簡単でございまするが、以上をもちまして意見にかえさせていただきます。
○委員長(玉置猛夫君) ありがとうございました。 以上で参考人各位の御意見陳述を終わりました。 それではこれより参考人に対する質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○占部秀男君 いま各先生方から非常に示唆に富んだ意見を聞かせていただいたわけでありますが、一、二質問をしたいと思います。 まず小沢先生にお願いをしたいんですが、いま先生が今度のこの交付税にからんで地方財政が、特にまあ本年度の財政がいわば借金政策のような形が非常に強くなってきておると、こういうことを言われたわけでありますが、西沢知事さんも同じようなことを言われたわけであります。いずれにしても私は、このままの状態で府県市町村の財政状態を置いておくと十二、三年前に赤字再建計画という問題が起きたあのころが再現をするんじゃないかということを心配するわけであります。当時まあ物価もまだまだ安かったわけでありますが、今日よりはるかに安かったわけでありますが、いずれにしても四百四、五十億の赤字を再建するために府県市町村では事務事業の取り下げをする、片一方では職員の首を切る、そして浮かせた金で三年なり五年なり、ひどいところは十数年計画で赤字の再建を行なったと、こういう苦い経験が府県も市町村もあるわけですが、その二の舞いをする心配があるんじゃないかと、こういうふうに考えるんです。小沢先生はどういうふうなお考えですか、私の考え方について御意見を伺いたい。同時にそれを押えるためにはどうしたらいいかということも、一口には言えないでしょうけれども、ある程度お考えがあったならば教えていただきたいことが一つであります。 それからもう一つは、これは小沢先生と西沢知事さんにお伺いしたいんですけれども、この交付税率の引き上げの問題であります。小沢先生は交付税率を引き上げるべきだというお考え、また西沢知事さんは、この借金が、借り入れ金だけでも昨年、本年度で三千億、来年度もしこのままの状態でいったらたいへんだと、こういうことを言われたあとで、臨特制度とあわせて交付税率の引き上げを考えるべきじゃないかと、こういうことをおっしゃったと思うんですが、いずれにしてもどの程度の率の引き上げをしたらいいのか、そういう点についての目安的なお考えがあったらお知らせを願いたいと思います。 それから第三番目に、これは小沢先生ですが、補助金化の傾向の問題ですね。これはわれわれも非常に心配をしておるわけですが、この交付税率を幾ら引き上げても補助金化の傾向が強くなったのではどうにもならないんでありまして、そういう点、いまのこの交付税の算定のあり方その他に結びつけて補正問題にしてもいろいろ改善をすべきことが相当あると思うんですが、そういう点もあわせてお伺いをしたいと思います。 それから西沢知事さんは、この給与改定の問題について、もし去年と同じように一一・七%となれば一千億の不足が出ると、こういうことをおっしゃいました、当委員会でも各党の方々からこの問題は追及をして、現在渡海大臣も何らかの形でこれは補てんをしたいという答弁をしておるんですが、いつも政府はこの補てんのときに地方団体に対して節約をこの程度しろということを言っておるわけであります、パーセンテージも明示して。一体今年度、われわれが聞いておる話では、財政需要は減るどころかうんとふえておる、しかも借金政策でこれに充てておるという形の中で節約分が一体あるのかないのか。これは府県、市町村によってそれぞれ違うと思いますが、少しぐらいの節約はできてもこの給与改定の不足財源をある程度カバーするようなほどの節約が一体あるのかどうか、そういう点もひとつあらかじめ聞いておきたいと思います。 それからなおこの新しい超過負担の問題も知事さんから出されたわけでありますが、この委員会でも、今度の国会でもこれは新しい超過負担の問題が相当問題になって政府側に質問をわれわれしておるわけですが、この新しい超過負担というのは、一般的にいって超過負担の対象がふえてきたのかどうか、あるいはまた物価等が上がったためにこういうことになるのかどうか、そういう内容的な面も簡単でけっこうですから教えていただきたいと思うわけであります。 それから竹内さんにお願いを申し上げたいのは、過密の都市の中で人口集中のために小学校問題がいろいろ出てくることはわれわれもずっと聞いておるところですが、確かにそういう悩みがあると思います。といってどうもノーモアということで住宅問題をやられたんではこれはどうもやはり困るんであって、どうしたらいいのかと。竹内さんは国の補助政策が悪いんだ、財源措置の問題だということなんですが、それではたとえば人口がふえる、団地がふえる、これに伴って小、中学校をつくる、こういうような場合に、具体的にどういうような財政措置、補助政策をしたらいいのか、その点をひとつお教えいただきたいと思うわけであります。 以上です。
○参考人(小沢辰男君) それじゃ私から、三つほど問題を出されましたので。 一つは、借金がふえて非常に地方財政赤字の二十九年、三十年段階の状態が出るようになってはたいへんだと思うがどうかと、こういうことだと思うんですが、今度の四十七年度の地方財政計画及び地方債計画を見てみますと、たとえば、財源不足対策分の地方債の三千五百億円のうちで二千百億円くらいまでが、どうも縁故債に依存するというようなことになっておるのでございますが、まあ公共事業の拡大などによる一般財源の不足を縁故資金でまかなうというのは、これはまあ現在相当円があふれているのでおそらくその消化は困難ではあるまいと、こういう考え方だろうと思うんですけれども、ただ、少なくともこれは地方財政の不健全性を強めることになるということと、やっぱり今度の公共事業の拡大はかなり国の政策としてやられているわけでございますね、ですから、それを、いまの国と地方の財政関係のもとでは地方も引き受けなきゃならないような仕組みになっているんですから、これはかなり制度改正に伴う問題でありますから、こういう財源不足というのは国の責任に属する問題だというやっぱり考え方を貫くほうがいいんではないだろうか。それが当然地方財政の健全化にもつながるんじゃないだろうか。現在、ちょうど四十六年三月末で、地方債の現在高が六兆三千億円をこえておりまして、一般会計で二兆九千八百億円くらいですか、それから公営企業債のほう、企業債のほうが三兆三千七百億円くらいということでございますから、まあ計算するとちょうど一割以上がぐんぐん伸びていくわけですから、かなりやっぱり注意はしたほうがいいんじゃないだろうか。そういう点で私も非常に同感でありまして、もしほんとうに地方にまたやるというなら、やはり税源配分なり行政事務配分というようなことが伴う中で、ほんとうに地方の引き受けるべきものはまたその地方のいわゆる税金その他の財源できちっとまかなうというようなことでありますならいいですけれども、現在のような税源配分、行政事務配分を前提といたしますと、国がどんどん施策をふやしていって地方が引き受けなきゃならぬと。まあ国も財源がないんだから借金でやれやということだけではどうもうまくないんじゃないだろうかという感じで、同感であります。 それから二番目の地方交付税率の引き上げでございますが、これはまあ四十一年度の場合がやはり参考になるかと思いますけれども、当時自治省は、やはり国の公共事業費をふやすについて地方の負担分を中心とする地方財源の不足を計算いたしまして、当時、率で言いますと五%分くらいは引き上げないとまずいだろうと。これが、いやそれではとてもたいへんだ、あと景気がよくなったときに少し交付税がふえ過ぎるんじゃないかというような議論がおそらくあったのだろうと思いますけれども、まあ間をとって二・五%というようなことになったと思うのですけれども、ただこの場合は筋道が通っていたと思うんですね。やっぱり国のそういう景気回復という施策に伴って、しかも、現在の財政関係で言えば地方に当然負担がくる、その場合には国がしかるべき責任をとると、こういうような点をぜひひとつはっきりさしていただくという意味で、これはもう自治省のほうは、はるかに、電子計算機で計算をしておるのでありますから、これはもう本気になればできると思うんですけれども、これはまあ大蔵省のほうにも十分理解してもらわないと困る点ではないだろうか。そういう感じで、やはり引き上げるということは、いまのような意味でおのずから率計算はできるんじゃないだろうか、そういうふうに思います。 それから三つ目の補助金化の傾向のことでございますけれども、これは非常に複雑でございまして、たとえば補助金が非常に現在の実態に合うような補助金であって、そしてたとえば、学校の建物の面積も十分に現在必要とされる、言ってみればシビルミニマムの水準でしょうか、それが保障されるような程度で補助金ががっちり確保される、それから地方債も、あんまり、いまのような一県ごとに締め上げるような、こういう起債方式でなくて、もう少し弾力性のある起債の方式を採用するという条件のもとで、交付税のほうは、そういう補助金や地方債でやった仕事について、これをある年次で割り返して減価償却ができるような地方交付税が保証されると。全体として一般財源が保証されると。それから、何といっても昔のように一般財源で全体として社会保障、人件費それから施設をつくりますと、必ず人件費としての維持費それからいわゆる物的な意味での維持費がやはり必要になるのでありますから、それを安定的に地方交付税でまかなえるように絶えず全体に目を配って、地方交付税の額というものが地方税とあわせて一般財源として保証されるように、それから最近のように特に過密対策、過疎対策をしなければならぬときは、自治省としては非常に気の毒でしかたがないから、それに景気のいいときは少し地方交付税がよけい入るから、まあ投資的経費もみてやろう、ということになりますと、やはり景気は一定でありませんから、こういうようなときが、割り落としたり割り戻したりすることがむしろ非常にマイナスに働くんですね。ですから、この辺はなかなかむずかしい問題だと思いますけれども、ひとつもう一ぺんみんなで考え合ってみる必要があるんじゃないだろうか。やはり本来の一般財源として経常的な経費を安定的に十分まかない得るような、そしてそれはかなり十分の、いまよりか高いものであっていいと思うのです。そういう形で運営されることが望ましいと。学者の意見みたいでたいへん申しわけないんですけれども、私は、もう少し原則的にここで考え直していただいたらいいんじゃないだろうか、そんなふうに思います。
○参考人(西沢權一郎君) お答えいたします。 最初に、交付税を上げろと言ったけれどもどのくらい上げたらよろしいかということでありますが、これは具体的な数字はまだ知事会等でも結論は出しておりませんけれども、ただ一般に言われておるのは、先ほど私申しましたように、いままで交付税でもってまかなっておったところの事業費関係を二千六百億外へ出して起債に振りかえると、かりにそれだけを交付税の率に換算しましても約四%程度上げてもらわないというとまかない切れない。だから逆に申しますと、四%上げてもらったならば、二千六百億という事業費の分を起債に振りかえなくても大体形がついたと、こういうことになると思います。それは私はそうしていただけばけっこうでありますけれども、現実論を先ほど申し上げたのであります。一挙に四%ということは国としてもたいへん困難だと思いますけれども、その場合には、かりに二%は交付税でアップするけれども、あと二%分は臨特のような方法でもって補うと、そういうことで順次、交付税率のほうに変えるとかいう、まあ年度計画のようなものでやっていただけないだろうかと、こういう現実的なことを申し上げたのであります。 それから交付税の算定につきましては、いま小沢先生からお答えがございまして、私もそのとおりだと思いますけれども、一般財源、経常的経費に使うというのが交付税の姿でなければいけないと。だから、事業費等が増した減ったによって交付税の額が年度ごとに著しく上下するというのは適当でない、こういうふうに私も思います。ということは、やはり単位費用というものに相当ウエートを置いてもらって、いまの補正というものをもう少し軽くして——もう少しというか、あるいは事業費補正などはないでもよろしいではないかという意見がありますけれども、そういうことであろうと思います。 それから超過負担の問題でありますけれども、これはいろいろございまして、先ほど、豊中の市長さんから保育所について、補助金はほとんどゼロにひとしいような——十億もかけたのに八百万だというようなことでありまして、そういうこと等もいろいろございますけれども、私ども、超過負担の解消ということで、知事会で特別委員会をつくって検討いたしておりますものの、一番大きな要素は二つございます。 一つは、やっぱり人件費関係でありまして、国の補助をもらうところの人件費あるいは補助でなくて国の委託費によってやっておるのもあるのです。統計事務所などがそうでありますけれども、しかし実際は県の職員だけれども、国から委託費が来ないからそれだけこちらで出してやっているというところ、改良普及員とか保健所の職員とかいろいろあります。その給与の改定に伴ったところのやはり国の補助金が計上されないから超過負担になる、こういうことであろうと思います。改良普及員などは大体三分の二国の補助というのがたてまえでありますけれども、実績は二分の一、あるいはそれ以下ではなかろうかというふうに思っております。 もう一つは、土地の関係で、土地の値上がりというのがはなはだしいので、土地に対して国が認めておるところの予算単価というものはきわめて低い。あるいは一部これを公債に振りかえるというような措置もとっておりますけれども、いずれにしても土地取得というのが非常に違うのですね。国の認めている単価と、実際に出している取得価格というのとでは非常な隔たりがある。ものによっては何倍あるいは十倍くらいのところもあるんです。そういうことによって超過負担というのが依然として解消されない、こういうことでございます。
○参考人(竹内義治君) 義務教育の問題についてどうしたらよいのか、こういうことでございますが、先ほども申し上げましたように、毎年五月一日の児童数を計算して、保有坪数との差だけを補償して補助金をやろう、こういうことでございますから、その年になってみなければ、補助金がつくかつかないか、わからない。それから工事を始めますから、生徒が入ってきたときにはどうしたって入らないから、プレハブができてくる。のみならず、それがマンネリ化してしまっている。大都市の近くでプレハブがない学校はほとんどない。極端にいえば全部プレハブの学校です。プレハブと申しましてもいろいろございましょうけれども、これは全くの仮設なんです。夏は暑い、冬は寒い。まともに授業ができないというような状態が何千教室とできてきておるわけです。まだまだこれはふえてくる。 こういうので私どもが心配しておるのでございまして、これを解消する方法は私は一つは、文部省に補助基準というのがございますけれども、施設基準というものがないわけです。一体、二十四学級の学校をつくった場合には特別教室が幾つで普通教室が幾つ、給食室が幾つ分必要なんだという目安がないわけです。目安なしに補助金だけありますから、ほとんどが単独継ぎ足しになってしまうわけです。ですから各市町村みんな困ってしまうのです。補助金がついたけれども、中途半端より建たない、こういう問題が生まれてくる。これを解消する方法は私はきわめて簡単だと思うのです。それはどういうことかといいますと、補助金が毎年小刻みにくるのを、その地域の学校なら五年後にはたとえば二千人の学校になるということは初めからわかるわけですから、二千人の学校を一挙に建設してしまったらよろしい。補助金は困るじゃないかということであれば、補助金は五年後でもけっこうです、あと払いしてもらってもけっこうです。一ぺん起債ですぽっと建てておいて、補助金だけ五年のあと払いしてもらったら、分割して建設せぬでもいいわけです。分割建築をいたしますと、鉄筋のことですから、皆さん御承知のように、不同沈下を起こしますから、この間は全部ジョイントをつけなければ雨漏りがします。だからメカニカル・ジョイントをつけて渡り廊下でつなぐ。こういうことになりますと、よけいな建築費がかかる。 もう一つは、プレハブと申しましても、リースをいたしまして建てましても一坪七万五千くらいかかっている。建てる建築費の四分の一くらいがかかってしまっている。むだな金を使ってしまっている。仮設日は長い。運動場は使えない。これを一ぺんにやらせてしまったらどうです、借金で。国のほうだって財政の都合が悪ければ、五年に分割して、あとで補助金を出していただいたときにあとで起債を返していけばいい、こういうことです。 私は五年前にこういうことをやっています。おしかりをこうむるかもしれませんが、体育館がない学校が五つほどありました。不公平だというのでたいへんもめました。私はやむを得ないから、起債もこれはしようがない。業者と話し合いまして五つ一ぺんに建てました。補助金も起債も何も要らぬ。計算してみますと、銀行でローンを頼みまして、日歩二銭、七分三厘で借りまして、七年後に返しました。その間の六分五厘と七分三厘の利子の損失と、補助金をもらえなんだ損失と計算してみましたら、七年間の物価の値上がりのほうがずっと大きい。何ぼ得かわかりません。やはりそういう地方公共団体が、国の制度に振り回されないで、地方自治団体の創意とくふうによってやれる方法が幾らもある。それに国のほうがしやすいように法律なり制度を直してもらったらどうですか。これは私、ほかのことは言いません。義務教育施設じゃございませんか。せめて学校の子供だけは私は満足な施設をつくってやりたいということを、皆さん方にお願い申し上げるわけでございます。
○参考人(西沢權一郎君) 先ほどのお尋ねで一つ取り落としましてたいへん失礼しました。給与改定があるだろうけれども、一千億要るというけれども、いままでの、節約ということをその内容にしているけれども、ことしもできるのか、あるいはどのくらい言ってくるだろうかというお尋ねだと思います。 それで、先ほど申しましたように、ことしは節約の余地などなくて、物件費とかあるいは消費的経費などはどこの自治体もだいぶ節約していると思いますけれども、しかしいつも国の給与改定の財源捻出をするときの節約というのがありますから、それに伴いまして、いままでは大体御承知いただいていると思いますけれども、一五%前後くらい節約というものを内容にしておりますから、ことしもその時点になると、そういうことになるのではなかろうか——それは全然できませんというわけにいかないので、私どももそういうことになれば、できるだけそれに沿うようにやり繰りをしたい、しなければならないのではないかというふうに考えております。失礼しました。
○委員長(玉置猛夫君) 参考人の方々には、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。 これをもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。 午後五時まで暫時休憩いたします。 午後三時三十八分休憩 —————・————— 午後五時十五分開会
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、上田哲君が委員を辞任され、その補欠として神沢浄君が選任されました。 —————————————
○委員長(玉置猛夫君) 昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
○和田静夫君 非常に時間が制約されまして、協力するのにやぶさかではございませんが、たいへん残念ですが、一点だけ明らかにしておいていただきたいと思います。 そこで、まず交付税の総額に算入をされた臨時沖繩特別交付金の三百六十五億、この積算の基礎を示していただきたい。
○政府委員(鎌田要人君) お答えいたします。 経常経費分三百六十五億、それから振興開発その他の建設事業の財源といたしまして百億、それから土地確保等のための既設構造物にかかる公共用地等の買収費三億、それから公営企業等の特別会計への繰り出し等で九億、それから、その他の特殊財政需要といたしまして、一般会計借り入れ金の県引き継ぎ処理に要する経費等を合計いたしまして五百十億でございます。この五百十億に対しまして、五月十五日復帰に伴う調整分といたしまして、これは大まかに申しますと十二カ月分の一〇・五でございますが、期末手当等につきましてはこれを算入いたしますので、五十三億そこからマイナスが立ちまして四百五十七億、それの八割といたしまして三百六十五億という額に相なっております。
○和田静夫君 そこで、これは当初は六百三十億円でしたね、それが五百十億になった事情ですね、それを本土並みのいま言われたことで内訳を含んだ、これをちょっと具体的にあれをしてもらいたいんですが、当初六百三十億のときには、本土並みの地方行政事務の実施に要する経費三百億、振興開発その他の建設事業の実施百三十億、特殊職員、超過職員の給与等四十四億、税制上の特例措置に伴う収入減等三十六億、特別会計の繰り出し等十六億、土地確保、開発基金十六億、退職手当二十四億、繰り越し事業に伴う一般財源八億、既発行退職手当債等の償還費十一億、その他の特殊財政需要四十五億、これが五百十億になった推移ですね。
○政府委員(鎌田要人君) 通常経費の分につきましては三百八十億が三百六十七億に、十三億程度減が立っております。これは一つは、たとえば税収の減は、当時でございますというと三百六十円レートではじいておりましたが、これを三百八円レートではじき直すということがございましたけれども、全体的にこの予算要求の時期がこれが八月末でございまして、その後におきまして、たとえば職員等の給与費をはじきます場合、国に残る者、それから沖繩県に参ります者、こういったものの割り振り等が不明確な段階でございましたのでその差が出ておるわけでございますが、この三百八十億と三百六十七億、これはほぼ私はいいところではないかと思います。それから、この振興開発その他の建設事業につきましては、百三十億が百億になっておりますのは、これは振興開発事業の地方負担につきましては、当時どういう形になりますのか私ども明確でございませんでした。便宜この当時の最高の率でございました北海道をとりました。ところが、北海道よりも高い十分の十あるいは十分の九・五という率等がございまして、地方負担がそれだけ減が立ちました。その差でございます。それから、最初十億程度開発基金を本土並みに積むということで交付税上算定をするつもりでおりましたけれども、御案内のとおり、本土の交付税におきまして開発基金を積み上げるということを停止いたしましたので、それとの見合いで十億が落ちております。それから既発行退職手当債の償還費なり、あるいは退職手当に要しまする経費、こういったものにつきましては、その後、現地におきまする四十七年度の退職手当の発行見込み額等を考慮いたしまして、そこで十億減が立ち、あるいは退職手当につきましては、必要な場合には起債によって起債措置を講ずる、こういったことでマイナスを立てました。六百三十億が五百十億に減少いたした、こういうことでございます。
○和田静夫君 総務長官、もう二分くらい待ってください。 ここで言われている超過職員ですね、この超過職員というのは何ですか。
○政府委員(鎌田要人君) この超過職員と申しますのは、警察あるいは教育、あるいは一般の事務職員等につきまして、たとえば教育の職員でもかなりの過員がございます。内地の類似県に比べまして、一般職員におきましても総体的に多い職員であります。これは琉球政府という、ある意味におきまして一国を形づくっておったわけでございますので、その職員というものを、国に残る人は別にいたしまして、県がかかえ込む、その場合に類似県を越えるものにつきましては特別の財政需要を見込んだわけでございますが、これは、実は前後いたしますが、八月概算要求のときにおきましては平衡交付金方式で実は積み上げておったわけでございます。それを交付税方式に取り入れることにいたしましたので、その人員につきましては基準財政需要の計算に当然取り込んでまいるということになりましたのでこの問題は実は解消した、こういうことでございます。
○和田静夫君 前に、「琉球政府の一般会計等において見込まれている債務(公共事業に伴う借入金およびいわゆる赤字借入金)の処理については、一九七二年度発行予定の退職手当債等にかかる地方債の元利償還費(十一億円)を除き、別途措置されるものとみて、見込んでいない。」、これは自治省の説明であったわけですね。この部分は五百十億円ベースになったけれども、そのとおりですね。
○政府委員(鎌田要人君) この当時におきましては、いま御指摘になりましたようなことでございましたが、その後におきまして、琉球政府の一般会計借り入れ金につきましては、国が承継をいたしまするものと、それから県が承継をいたしますものとに振り分けまして、県の承継いたしますものにつきましては、これが四十七年度は約十五億でございますが、これは五百十億の中に含んでおります。
○和田静夫君 そこで、五月十五日の復帰時において琉球政府の一般会計等において見込まれている債務ですね、これはどれくらいですか。
○政府委員(鎌田要人君) ある程度これは推計が入ろうかと思いますが、この五月十五日現在において見込まれます琉球政府の一般会計借り入れ金の総額は二百二十二億五千百万円、これは三百八円レートで計算を、換算をいたしておりますが、二百二十二億五千百万円になるものと見込まれます。
○和田静夫君 二百二十二億五千百万円、ドルだと幾らになりますか。
○政府委員(鎌田要人君) ドルでございますと、七千二百二十四万六千ドルでございます。
○和田静夫君 そこで、国政相当分、県政相当分、これを分けますと……。
○政府委員(鎌田要人君) 現在の段階におきまする推定はそれでございますが、それを分けますと、円で申し上げますれば、二百二十二億五千百万円が、国相当が七十三億八千万、県相当分が百四十八億七千百万でございます。
○和田静夫君 そこで総務長官にお尋ねしますが、この債務というのは全額国が肩がわりすることになっていたわけですね。
○国務大臣(山中貞則君) いま鎌田局長の説明でちょっと誤解を招く点が一つあるのですが、それは県の分が五百十億の中に含まれておる。これはそのとおりなんですが、ということは県に肩がわりをさせるのではないのです。すなわち、国の責任において、琉球政府の公共事業その他の業務等に対して全額をたな上げして国が責任をもって償還をいたしますと、その振り分けをいたします場合に、国政相当分を公共事業については国三、県七の割合で分けたという意味の県の割合でありました。その他の赤字についてはフィフティー・フィフティーで分けたということであります。したがって、国の面については国庫で直接十億支出をいたしますから、これが先ほど申し上げました金額に達するまで大体十年かかると思いますが、これを償還してまいります一方、現在の臨特は国が一般財源から、御承知のような八、六、四、二の割合で五年目に全額交付税ということになりますので、そのときにいまの点をはっきりしませんと、沖繩の交付税の中で、沖繩県がもらう分の中でそれは償還されるように見られていくおそれがあります。したがって、予算編成のときに私のほうで大蔵省に話をいたしまして、これは五百十億の中の十五億というものは交付税の四百九十五億の上積みの十五億なんだ、したがってそれは五年経過した後には別途一般財源でもって、交付税でなく、これが五年目から大体十五億見当になると思いますが、完全償還されるまで十年間これを償還していくということでございますから、五年目からは交付税を別個に、これは赤字の処理に対する償還財源というものは国が責任を持つということに明確になっておりますので、この点をはっきり申し上げておきたいと思います。
○和田静夫君 今度の措置のしかたですね、四十七年度措置のしかたとして、先ほど分けました国政相当分そして県政相当分、これはそれぞれどういう措置になっていますか。
○国務大臣(山中貞則君) 先ほど申し上げましたとおり、国政相当分については十億、これは国家すなわち大蔵省が直接償還に当たります。そして振り分けました十五億は自治省のほうにおいて交付手段をとりますから、これも財源は国が持つということで、それぞれ完全に十年間で償還していくということであります。
○和田静夫君 そこでですよ、いわゆる県政相当分、いわゆる国政相当分ですよ——県政相当分の部分、概算四千八百ドルこれはいま説明がありましたが、しかしあれでしょう、沖繩県が肩がわりを当面することについて間違いはないわけでしょう、交付税法の措置……。
○国務大臣(山中貞則君) そうじゃありませんで、一応交付税の中に入った形になっておりますけれども、それは十五億は別ワクで国が十年間、まるめて約百五十億となりますが、県の相当分として見るものが、これは沖繩県が復帰するときに沖繩県の累積赤字は全部たな上げをしよう、その償還は国がやろうということで全額国でもって持つ、いわゆる大蔵が直接払ってもいいのですが、国と県政分をやはり比率を振り分けをいたしましたから、したがってその形で自治省を通過して交付されるものが十五億、そして総理府が折衝に当たったわけですが、国が直接支出する十億というものが、毎年同額の支払いがなされまして十年間で完済されますから、交付税といいましても五年目には国家財政の繰り入れがゼロになる、臨特でありますから、五年目からは交付税の別ワクに十五億が乗っかって支給をされていくということで、沖繩県の自主財源にこれをめり込ませるものではありません。
○和田静夫君 交付税で措置をしていくことは間違いないわけですか、これ。自治大臣そうでしょう。
○国務大臣(渡海元三郎君) 御了承のとおりでございます。交付税で措置いたします。ただ、その交付税の積算基礎の中に、いま山中長官おっしゃっておりますように、償還財源を積算基礎として入れておるということが事実でございます。まあ国の措置という場合におきまして、自治体に行ないます場合、あるいは災害等の元利償還、あるいは事業債も、いま昭和四十一年度の事業債も交付税の措置によって行なっておるというふうな姿になっておりますが、交付税の措置も国の措置であるという立場に立ちまして、交付税で措置さしていただきたいと、かように考えておるような次第でございます。
○和田静夫君 そうですからね、そこで自治大臣にお聞きしますが、いわゆる地方交付税というのは地方団体の固有財源でしょう。どういうことを言われたところで交付税で見る、言ってみれば、大ワクの中では地方団体の固有の財源で見るということであって、総務長官いろいろ言われましたけれども、結果的には、総務長官が約束をされている昨年十二月十七日の参議院の沖繩及び北方問題に関する特別委員会で、ここにすわっております占部さんの質問で、時間がありませんから読みませんけれども、さっき言われたと同じような形で国が全部見ていく、そのために予算措置を講じているのだということでは、交付税が先ほど来言っていますように地方団体の固有の財源であるという、そして自治省共通の理念の上に立ったならば、やっぱりどうも山中総務長官が述べられていることは国がめんどう見たということにはならぬじゃないか、こういうことです。言ってみれば、県政相当分の赤字の償還財源というものを交付税の中の措置として見ていくということです。そのことを可能ならしめる要件というのは、私たちが言っておったとおり、沖繩に必要分としてのやはり二%なら二%分、三%なら三%分、いわゆる交付税率を三四%なら三四%にする、そういう国の予算措置をせざる限りにおいては、山中総務長官が特別委員会で述べ続けられてきている、いわゆるこれは何も悪意じゃない、善意ですが、たいへんな努力というのは結果的には私は報われていない、こういうことです。それとも石川県なら石川県、あるいは東京都なら東京都、その他の県と相談をされて、いや、おれのところはそれでもいいのだというふうに自治省が個々に当たられて、沖繩に交付税上こういう措置として回される、こういう手続とられたわけですか。
○国務大臣(山中貞則君) これは私のほうで自治大臣と連絡をとりまして、予算編成のときも、その問題がありますから交付税でお茶を濁すというようなことでは困りますので、したがって、自治大臣の大蔵大臣折衝を一ぺん中断してもらいまして、そうして私が大臣折衝で最後でございましたから、その点の確約がとれるということがはっきりしなければ自治大臣と私と二人で大臣折衝をやろう、しかしそのことが、最終的に十五億乗せるということで臨特に国が金を入れるわけですから、一般会計から。そのことで五百十億、五百億を十億出るということでそれが乗るということになったわけです。したがって、これは国のほうの責任で、交付税のルートを通して交付するだけのことであって、交付税の正式の算定による沖繩県に対する全額のすなわち国の一般財源からの補てんがない。五年目からは別ワクで十五億と、ルートは交付税に乗るかもしれませんが、別ワクで一般財源から措置をしていくということの確認を得て、自治大臣も予算折衝を妥結してもらったということであります。
○和田静夫君 それは確認を得られたのはそうじゃないでしょうけれども、ともあれ、しかし交付税上のルートに乗っていくわけですから、地方交付税というのは地方の本来的な財源だから、したがって国がめんどう見るということには論理的になりません。言ってみれば、地方交付税率を引き上げるか、あるいは補助金で別途沖繩にめんどう見るか、これ、ない限りは、やっぱりそうはならないんでしょう、これは論理的にそうはならぬでしょう、政治的な折衝ではそうなっているでしょうけれども。
○国務大臣(渡海元三郎君) 交付税が地方の固有の財源であるという立場に立たれて、交付税で行なっておること自身が国の措置にならぬと、こういうふうな御議論もあろうと思います。また、やるんだったら、その分は交付税でやるにしても、別の分でやらなくちゃいけないんじゃないかという御議論もあろうかと思います。山中長官がいま申されましたように、税率を引き上げることによって、その中に含んでおるのだといって、初めて国が措置したのだということでございますが、税率を引き上げるまでに至りませんでしたが、臨時特例交付金の国が一般財源で見ます中にその十五億というものを基礎に入れまして、税率の引き上げがございませんけれども、臨時特例交付金を国の一般財源から出す、その出し方の基礎の中には、国が十五億を見るべきものを積算の基礎として入れていくということで国が措置するという方法をとったのでございます。ところが、臨時特例交付金で国から、一般会計から出します期間というものが五年間でございますので、五年以後では結局交付税の中、地方財源の固有の財源で出すことになるから国が措置することにならぬじゃないかというところから、いま山中長官があえてこの点を大蔵省に確約していただきましたように、臨時特例交付金がなくなったときには、別途十五億というものを交付税の算定基礎の中でやりますかどうか知りませんが、国に胴いて措置するということの確約を得て、臨時交付金の中にその分を入れて国が措置するのだということで予算解決をしたような状態でございます。
○和田静夫君 いや、交付税上、世界的にたいへん精微といって誇っているんですからね。それで、ずっと考えていくと、政治的な折衝の妥結の問題、別ですよ。しかし、交付税法上の措置としてこういう措置をしていくということは、裏にどういうような約束があるかは別として、われわれがここで地方交付税法きょう何か上げるんだそうですけれども、その辺のことが明確にならないと、やっぱりこれは与党の皆さんだってそうだと思いますが、上げることにならぬと思います。上げることにならぬと言うとおこられるが、その辺、委員会としてどういう形で保証をとるかということは、ちょっと理事会の場で検討してもらう必要があると思いますが。
○国務大臣(山中貞則君) こういうふうにおとり願ってもいいです。十五億、今年度予算についていえば十五億という、いわゆる振り分け上、県政相当分、国政相当分に分けるというものがなかったら、交付税は四百九十五億であったろう、それに十五億乗せて五百十億になったのだということで、十五億の分は、国の出してまいります一般会計からの臨特への繰り入れというものに含んでおる。したがって、それがゼロになった場合には、別途十五億は国から交付税ルートその他の手段でどうするか知りませんが、国からそれは自治省のほうへ交付される、国から一般財源として出されるということでありますから、その点は、手段を交付税のルートに乗せて出すというだけでありますので問題はないと私は思っております。
○和田静夫君 たいへんこれはくどいようですけれども、現地でも問題になっている問題のようですからあれですが、何もぼくは沖繩担当大臣のいわゆる努力、善意を否定をする立場で言っているわけじゃないので、将来にわたってたいへんこれは心配ですから、きょう特に大蔵省を呼んでいないのは、大蔵省呼んでここでやったら、固有の財源ではないという論争になるものだから、そういうつまらぬ論争をしたくないし、言ってみれば、総務長官が将来にわたっての保証をここでするということは、固有の財源という論理の上に立ってされるわけでしょうからね。そういう意味じゃ自治大臣に閣内で非常に大きな力が加わったわけで、いままでのような大蔵大臣と自治大臣だけで固有の財源論争をやらなくても、今度は山中さんも加わって、大蔵大臣間違いだと、こういうことになっていくんだから、そういう意味では、自治省のためにもぼくははっきりさせておかなければならぬと思うし、私は、この委員会としてもたいへん心配なんだが、いま言われるように、五百十億と言うが、そこでぼくは、最初に六百三十億の数字を出してみたのですが、六百三十億の積算の基礎から五百十億に変わっていく過程というものを考えてみますと、いま山中長官が言われたような形で、実は六百三十億というものが結果的には四百九十五億だったんだ、そこで十五億は別に上積みしたのだ、こういうことにはこれは鎌田さんならぬでしょう。
○政府委員(鎌田要人君) 結果的にはそうなると思います。と申しますのは、先ほど申し上げましたような数字の積み重ねにおきまして、経常経費相当分三百六十七億、あるいは投資的経費百億、こういうふうに積み上げてまいりまして、その最後に十五億置きまして五百十億になっておるわけですから、これは総務長官のおっしゃるとおりのことに相なっておるわけでございます。
○和田静夫君 そうしますと、もう一ぺん聞きますが、財源措置所要額六百三十億円の内訳の中で、その十五億というのはどこの部分に該当しますか。
○政府委員(鎌田要人君) この六百三十億につきましては、先ほど申しましたように、昨年の八月末の概算要求のときの情勢に基づきまして積み上げた数字でございます。そのときには、先ほど申しましたように、琉球政府の借り入れ金につきましての県政相当分は入っておりません。入っておらないわけでございますが、それから予算査定の段階におきまして、先ほど申しましたような経過をたどりまして数字が詰まってまいりました。そのときに、いまの十五億の分が今度は入って五百十億、こういうことに相なっておるということでございます。 —————————————
○委員長(玉置猛夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、片山正英君、鍋島直紹君及び田淵哲也君が委員を辞任され、その補欠として高田浩運君、石本茂君及び村尾重雄君が選任されました。 —————————————
○和田静夫君 いわゆる総務長官の述べられたことが議事録にきれいに残っているから——釈然と正直なところしません。やりとりの約束ですからね、ほんとうにこれは交付税法上こういうことでいいのかということは私としては疑問です。しかし、自治大臣も総務長官も、きょうの答弁に関する限りにおいて食い違いがありませんから、そのことを明確にしておきたいのであります。で、主張としては、やっぱりどう考えてみても、交付税率を引き上げる、そして措置をする、あるいは別個に予算措置を講ずる、こういう形のことが違った形で行なわれるべきだったということを思います。 で、そのことを申し述べておきますが、税率の将来にわたっての引き上げの努力というのは、これはどうですか、どういう形でやられますか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 今回の財政措置に対しまして、定率を引き上げるべきであるか、あるいは、今回行ないましたように単年度限りの特例交付金でいくべきであるかどうか、いろいろ議論のあったところでございますが、三二%というものの、四十一年度から行ないましてから後の経過等も考えまして、今回の景気の落ち込みが一時的な非常事態に対する景気の落ち込みということであるから単年度の臨時特例交付金ということにさしていただいたような次第でございます。しかしながら、福祉行政への転換あるいは社会資本充実に対するところの住民の需要の要望、現在の地方財政の何といいますか増加しました需要というものを平年度ベースで考えましてもたいへん増加したものがあるのじゃなかろうかと思います。これらの問題につきまして、交付税の三二%というものにつきましてもいかにあるべきかということを即刻検討せねばならない時期に入っているのじゃなかろうかと思います。しかしながら、このことは単に交付税そのものの問題でなくして、あるいは税源配分の問題、または国と地方の事務配分の問題、総合的にあわせて検討すべき課題であろうと存じますので、この点につきまして今後とも考えていきたいと、検討を加えたいと、こういうつもりで当委員会におきましてもお答えさしていただいたような状態でございます。そのためにも、税制調査会からは長期答申を一応いただいておりますが、あわせまして地方制度調査会等におきましても長期的な展望に立つところの交付税のあり方等を根本的に検討していただく必要があると考えまして、法案を出して、委員の任期を特に一年延ばしていただいて二年というふうにしまして、当面の問題とあわせて長期的展望を検討していただくというふうな姿の地方制度調査会にいたしたいと、かように考えておるような次第でございまして、即刻検討に入りたいと、また検討に入らなければならない時期であると、このように考えておりますが、その意味におきまして、交付税率の引き上げ、あるいは、ときどき行ないました国との財源調整といいますか貸し借りの問題も、私は、地方交付税制度の中で何と申しますか財源調整の姿を取り入れるような、地方国有財源としての自己の中でそういう操作が行なえるような制度が発見できないものであろうか、それらの検討も含めまして検討さしていただきたいと、このように考えておる次第でございます。
○和田静夫君 総務長官、これで終わりにしますけれども、いわゆる五年後以降の問題ですね、この保証、これをもう一ぺんはっきりさせてくれませんか。
○国務大臣(山中貞則君) 琉球政府が復帰にあたって沖繩県として誕生するにあたり、既往の一切の赤字は国家の責任としてこれを承継して、分類上、国の分、県の分と分けましたけれども、それについては一切を国の責任において償還をいたしてまいります。したがって、現在、交付税の形をとられております中の十五億については、国の臨特に対する一般会計の繰り入れがなくなった暁においても、完済いたすまで、まるめて百五十億近くなりますから、十年間でこれを償還していくという国の責任を明確にしておきます。
○国務大臣(渡海元三郎君) 蛇足でございますが、先ほどございました六百三十億の中の積算基礎、これに対する、借り入れ金に対する措置にはその十五億は全額入っておりませんです。一部だけでございまして、そのような関係から、予算折衝におきまして、県に当然相当するものもこの中で見てくれと言われましたときに、山中長官の委員会における発言等もございましたので、私は、私一存でこのことは決定することはできませんので、予算折衝をこの点に関しまして一時中断いたし零して、その後、総務長官自身も加わっていただきまして、いまのような措置にいたした次第でございますので、いま山中長官が言明しておられましたような措置を今後とも間違いなく実施いたしたいと、かように思います。私、蛇足ながらつけ加えさしていただきます。
○和田静夫君 実は、非常に時間が正直のところありませんから、この交付税法の中で、特に大都市交通問題その他の問題を全部質問はしょりました。それからもう一つは、計画といわゆる決算との関係、これらの問題についてたいへん重要だと思われる部分についてもきょうは全部やめました。したがって、法律案が通ったあとでも、この問題については委員会として継続的に一ぺん時間をいただきたいと思います。そのことだけを委員長に強く申し入れまして質問を終わります。
○委員長(玉置猛夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○占部秀男君 日本社会党を代表して反対の意思を明らかにしたいと思います。 本年度の地方財政は、財政需要が非常に多くなっている反面、地方税収の伸びは落ちる、三税の伸びもとまっておる。その上、景気浮揚のための国の公共事業に伴う負担分等の問題が加重されておるわけであります。この法律案によりますと、それらをまかなうための一部に、現行の主税の法定額に臨時地方特例交付金千五十億円、臨時沖繩特別交付金三百六十五億円並びに特別会計借り入れ金千六百億、合計三千十五億を加算して交付税として配付する。こういうわけでありますが、いま言った地方財政、各都道府県の財政需要をまかなうためには、このほかに地方債に大きく依存しなければならない、こういう実態にあるわけであります。ところが、この地方債、今度ふえます三千五、六百億ですか、その中の少なくとも二千五、六百億は、国の今度の景気浮揚のための公共事業を、国が責任を持たなければならぬ部面がいわば地方債に肩がわりのようなことになっておる。こういうことでありまして、日本社会党としては、これは当然国が責任を負うべきものでございますから交付税率の引き上げでこれを行なうべきである。かりに二千六百億をパーセンテージにしますと四%以上になりますから、一挙に上げられなくてもその間の伸縮の弾力がありますが、ともかくも地方交付税の引き上げをすべきである。こういうことをわれわれは当初から主張しているのでありますが、今回はこれが全く無視されておる。しかも、国の責任における事務、事業に使う問題、これからのその借金の問題についても、これを処理する場合にはたして国がどれだけの財源措置をするか、こういう問題についても明確になっていない。こういうふうな点で、われわれは何としてもこの法律案に賛成するわけにはいかないのであります。 しかも、最近、この交付税の一般的な傾向を見ますと、交付税というのはこれは言うまでもなく一般財源であって、やはり都道府県、市町村の経常費に重点を置いて、そして都道府県、市町村の財政の安定をはかるのが一番大きな役割りであろうと思うのでありますが、最近の傾向は、特定の事務、事業に連結をされたような形でだんだんふえてきておる。しかも、今回のこの交付税のあり方を見ますと、基準財政需要に見合う基準財政収入の問題で、もう明らかに地方税収の水増しがつじつまを合わせるために行なわれているとわれわれは考えざるを得ない部面が相当あるわけでありまして、地方財政の将来のためにもこれは賛成するわけにはいかない。これが日本社会党の反対の理由であります。 以上であります。
○増田盛君 私は、自由民主党を代表して、本法律案に賛成の意を表するものであります。 昭和四十七年度の地方財政は、景気浮揚のための公共事業の拡大、福祉行政の充実、義務的経費の増高等により著しく歳出増加が見込まれているにもかかわらず、歳入面においては、不況を反映し、法人課税を中心に税収等の大きな伸びが期待できない状況にあります。したがいまして、その財源不足は非常に深刻なものが予想されているのであります。 本法律案は、このような地方財政の現況にかんがみ、地方交付税の総額に、苦しい国の財政の中から臨時地方特例交付金、沖繩特別交付金等三千十五億円を追加し、その他の措置と相まって、地方における行政経費の財源不足に対処するとともに、来月復帰が予定されている沖繩県及びその関係市町村に地方交付税制度を円滑に適用するため、所要の措置を講じようとするものであります。 国の財政と地方の財政とは車の両輪にたとえられます。国と地方とが互いに協力し、助け合っていかなくては、立ちおくれた地方の行政水準を高め、住民福祉の向上をはかることはできません。極端に苦しい国家財政の状況を考慮するとき、いろいろ意見はありましょうが、本法案において実施しようとしている財政措置は、地方財政対策としてきわめて適切な措置であると考えます。 以上の理由により、私は本案に賛成いたすものであります。
○藤原房雄君 私は、公明党を代表して、昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対し、反対討論を行なうものであります。 以下、そのおもな反対の理由を申し述べます。 第一に、地方財政の基本的なあり方であります。昭和四十七年度の地方財政計画は、国の景気刺激策としての公共事業の拡大と住民福祉向上のための施策の増大によって、その規模は、昨年の伸び率を上回り、また国の一般会計の規模をも上回る大型の歳出規模となっております。しかし、一方その歳入面を見ると、地方税、交付税の伸び悩みによる財源不足を補うために、交付税会計の借り入れ並びに地方債の大幅な増発というきわめて安易な償金対策に終始しております。しかも、一般会計からの財源補てん措置は、四十七年度限りの措置として、わずか一千五十億円の臨時特例交付金の交付のみで事を済まそうとしております。私は、このような政府の地方財政に対する基本的姿勢に強く反対するものであります。 第二は、一般財源振りかえの地方債についてであります。この地方債によってまかなわれる経費は、本来基準財政需要額に算入し、当然、地方交付税財源をもって十分対処すべきものであります。しかるに、政府は、地方団体の財源不足額に対し、地方交付税率の引き上げ等一般財源の強化をもって、十分対処しなかったため、やむを得ず、地方団体は地方債をもって対処せざるを得ないのであります。このように考えますと、地方財政の現況及び理論的に見て、この種の地方債の元利償還額については当然国において措置すべきものであります。しかるに、政府の答弁は、国の責任を回避し、この問題について積極的な姿勢を示そうとしておりません。私は、将来の地方財政にぬぐいがたい禍根を残す、このような政府の態度を心から遺憾に思うものであります。 第三は、社会経済情勢の変化に対応する質的転換に対し、これに取り組む政府の意欲が全く見られないことであります。昨年のドルショックに象徴された高度成長策に対する批判は、当然財政の体質的転換を必要とし、特に地方財政においては、住民福祉の向上のため、行政水準の飛躍的向上をはからなくては国際経済社会から孤立せざるを得ないのであります。しかるに、政府は、産業優先から福祉政策への財政の転換に対しきわめて意欲を欠いているのであります。このため、住民福祉のため必要とされる事務量と財源との格差は全く解消される見通しが立たないのであります。私は、地方財政の転換期を迎えて、新しい発想そして改善が必要であると痛感するものであります。さらに、住民優先、福祉型地方財政への転換について、政府の積極的姿勢のうかがわれないことをまことに遺憾とするものであります。 第四は、沖繩臨時特例交付金についてであります。沖繩県及び同県下市町村の一般財源としての交付税は、本土類似県並みでも六百三十億円必要であり、さらに沖繩の特殊事情を勘案すれば、これ以上の額が必要であるといわれております。政府はその点の経緯についていろいろ説明されておりますが、納得できないのであります。要するに、総額を五百十億円に押さえ、その上、本土県の地方団体の財政逼迫にもかかわらず、その二割を本土交付税会計で負担させようとしているのであります。本来、沖繩県に対しては、現地の特殊事情を十分に把握し、単独事業に要する経費等をも含めての一般財源の充実が必要であります。したがって、このたびの措置には賛成いたしがたいのであります。 第五に、人口急増対策についてであります。人口急増地域においては、義務教育施設費をはじめとした関連公共施設の整備のための財政需要の増高が当該市町村の財政を著しく圧迫しております。人口急増の起因、また当該市町村の財政能力を考慮したとき、こうした深刻な悩みを解決するには国の特別の財政措置がぜひとも必要であります。しかしながら、関係市町村の実情を無視し、政府は、小学校建設費の補助率の引き上げのみに終わり、その解決のために抜本的対策をとろうとしていないのであります。わが党が従来から主張しております人口急増市町村の財政援助特別措置法の早期立法化を検討すべきであろうと思うのであります。 以上、反対のおもな理由を述べ、討論を終わります。
○村尾重雄君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対し、反対の討論を行なうものであります。 反対の第一点は、第十五次地方制度調査会の答申も指摘している交付税率の引き上げが今回行なわれなかった点であります。 四十七年度は、沖繩の復帰という重大な制度の変更もあり、また地方団体の各種施策は税収の減少に反比例して過密、過疎をはじめ、社会資本の整備充実、公害、交通安全、農政、教育など大幅な支出増に迫られているのが現状であります。この際、交付税率の引き上げを含む抜本的な地方財政対策を講ずべきであるのに対し、主として借り入れと地方債による財源不足対策がとられたことは、今後の地方財源確保に大きな問題を残しており、きわめて遺憾なこととして賛成いたしかねるのであります。 反対の第二点は、四十一年度の地方財政対策と比較して、今回のそれは非常に後退していることであります。 昭和四十一年度の地方財政は、国債の発行に関連して二千四百六十九億円の財源不足が生じたのであります。これに対し、地方交付税の率の引き上げ、臨時地方特例交付金、元利補給つき特別事業債の発行により一千九百十四億円、七七・五%を国が最終的に責任を持って財源措置をしているのであります。 しかるに四十七年度の措置は、沖繩特別交付金を除く七千五百五十八億円のうち、一千五十億円、一三・九%のみが国の財政援助であって、残る八六・一%は地方団体の借金であります。特に、借入金は四十六年度の補正に続き今回の一千六百億円の計約二千九百億円という膨大な額となっており、さらに、例年行なわれている人事院の給与改定勧告の水準いかんによっては、再度借入措置が必要となる場合には、地方財政の前途はまことに深刻なものがあるのであります。この点に対する政府の納得のいく答弁が得られないのであります。 反対の第三点は、交付税制度が地方の固有財源であるにもかかわらず、その特質が失われていることであります。 国の均衡財政のもとにあっては、国と地方との間には、地方交付税制度を中心として一つのバランスが保たれてきたのでありますが、国の財政が国債財源によって、その財政規模を拡大する場合、それに関連して地方歳出の増加が生ずるにもかかわらず、これに対応する地方交付税の増加が望めないのが現状であります。国債発行に関連して生ずる地方財源の不足に対しては、不安定な臨時的な財源措置によることを改め、地方財政に安定性と計画性を失わしめないような交付税制度の抜本的改革をはかる必要があり、その時期にきているにもかかわらず、何らの改善措置も見られないのはまことに遺憾であります。 以上、おもなる理由を述べてこの法案に対し反対の意を表する次第です。
○河田賢治君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十七年度分地方交付税特例法案に反対する討論を行ないます。 反対の第一の理由は、地方財政が政府の少な目の計算によっても、七千九百億円と、戦後最大の財源不足に直面しているにもかかわらず、今回の特例法案は、去年の補正に引き続き地方自治体へのばく大な借金政策の押しつけ、地方交付税の先食いなど、大半を地方の負担による地方財源対策に終始し、政府が当然行なうべき地方交付税率の引き上げ措置を放棄している点であります。 言うまでもなく、今回の交付税総額、地方税収の落ち込みは、政府みずからの経済政策、とりわけ経済の極端な対米従属が招いたドルショック不況を直接の原因とするものであり、その責任と負担はとうてい地方自治体と住民に転嫁されるべきものではありません。しかるに、今回の対策のうち、国が直接負担は臨時特例交付金千五十億円、総額のわずか一三%にすぎないことは、昭和四十一年不況対策と比べても著しく後退したものであり、絶対に認めることのできないものであります。 さらに、改正案が、千六百億円の交付税先食い措置とあわせ、前年度比五九%増の起債措置を前提としていることは、今後の地方財政運営を著しく圧迫するものであり、再び赤字再建団体の続発をも引き起こす危険性を含むものであります。わが党は、この際、地方交付税法第六条三の趣旨にのっとり、交付税率の引き上げ措置を講ずべきことを強く主張するものであります。 第二の反対理由は、今回の改正案の単位費用の改定、急増補正等がきわめて不十分だという点であります。 最近における過密、急増地域の財政需要の増大は、各種公共施設整備、交通、公害対策等、増大の一途をたどる一方、これに見合う財政需要額の算定がきわめて不十分であり、関係自治体の強い不満となっているのであります。 しかるに、今回の改定では、交付税総額の落ち込みを理由に、都道府県、大都市の投資的経費にかかる基準財政需要額は逆に据え置き措置、削減措置がはかられ、その分を起債に振りかえるという不当な措置がとられているのであります。 これは、単に、大都市、過密都市の財政を一そう圧迫するだけでなく、交付税制度の運用を不当にゆがめるものであり、とうてい認めることはできません。 第三に、沖繩の臨時特例交付金についてであります。 長年にわたる米軍占領下で生じたばく大な赤字の国による肩がわりは、交付税とは別個に措置すべきであり、これを臨時特例交付金に含めた措置は賛成しがたいものであります。 さらに、臨時特例交付金の交付期間を五カ年に限定することは実情にそぐわず、本土並みの水準に到達するまで、少なくとも十年間は措置すべきであります。 最後に、わが党は、今日の地方財政の窮迫と、自主的な行財政運営を不可能にしている不適正な国と地方の財源配分を抜本的に改めるとともに、交付税率の引き上げ、超過負担の解消など、当面緊急に行なうべき措置を早急に講ずべきことを特に要求して、討論を終わります。
○委員長(玉置猛夫君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(玉置猛夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
○寺本広作君 私は、ただいま可決されました昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対して、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党各派共同による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、国債財源による公共事業の拡大、公共施設整備のための地方負担の急増、交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金の増大等により新たな事態をむかえた地方財政に対処するため、地方交付税率の引上げを含む一般財源の充実に一層努力するとともに左の諸点について善処すべきである。 一、地方行政の動向に適合するよう基準財政需 要額の算定基礎の改善・充実に努めるこ と。 二、超過負担の解消をはかり、再度問題を生じないよう抜本的対策を確立すること。 三、一般会計債の増額に関しては、地方行政の健全な発展に支障とならないよう慎重な措置を配慮するとともに、引き続き政府資金の確保、その貸付条件の緩和等をはかること。 四、公営の交通事業・病院事業については、国の財政援助措置の拡充その他事業の健全な発展のため総合的に所要の措置を講じ、住民利便の向上と経営基盤の安定を期すること。 五、沖縄と本土との行政水準の格差を早急に解消するため、所要の措置の実現に鋭意努めること。 右決議する。 以上でございます。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(玉置猛夫君) ただいま寺本広作委員から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(玉置猛夫君) 全会一致と認めます。よって、寺本広作君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、渡海自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、御趣旨を尊重し、善処いたします。
○委員長(玉置猛夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十四分散会 —————・—————