地方行政委員会 第9号
- 発言数
- 118 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1972/04/13
会議録
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る一日、鬼丸勝之君、昨十二日、神沢浄君が委員を辞任され、その補欠として若林正武君及び上田哲君が選任されました。 —————————————
○委員長(玉置猛夫君) 消防法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡海自治大臣。
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいま議題となりました消防法等の一部を改正する法律案の提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 今回の法律案による改正点の第一は、防炎規制の徹底についてであります。 防炎規制につきましては、昭和四十三年の消防法の一部改正により、高層建築物、地下街、旅館、ホテル等において使用されるカーテンなどの特定の物品は、防炎性能を有するものでなければならないこととされました。しかしながら、その後の推移を見ますと、これらの物品の防炎性能の有無の判定がきわめて困難であり、これを明確に表示する仕組みが整備されていないため、必ずしも法改正の趣旨が徹底していないきらいがありますので、今回、防炎性能を有するカーテンなどを防炎物品として販売する際等には、その旨を表示することを義務づけることとし、これにより、防炎性能を有するカーテンなどを使用する者の便宜をはかり、もって防炎規制のより一そうの徹底を期そうとするものであります。 なお、前述いたしました昭和四十三年の消防法の一部改正におきましては、新たに防炎規制の制度が施行される際、現に使用されている物品には、当該規制を適用しない旨の規定が置かれていましたが、本制度が施行されてからすでに三年を経過し、さらに今後ともこのような特例措置を継続していく必要はないものと考えられますので、今回、この規定の適用は昭和四十八年六月三十日までの間に限ることとし、その後は全面的に本制度が適用されることとなるよう所要の改正を行なうこととしております。 改正点の第二は、消防団員等にかかる福祉施設制度の実施についてであります。 公務により災害を受けた非常勤の消防団員及び水防団員にかかる公務災害補償につきましては、昭和三十一年以来、消防団員等公務災害補償等共済基金法に基づき市町村の支払い責任の共済制度が実施されてまいりましたが、これらの者に対し、外科後処置、リハビリテーションを実施し、義肢、補聴器を支給する等のいわゆる福祉施設につきましては、現在なお実施されるに至っておりません。 今回、非常勤の消防団員及び水防団員について福祉施設の制度を創設し、消防団員等公務災害補償等共済基金が市町村または水害予防組合にかわって福祉施設を実施することとし、もってこれらのものに対する公務災害補償の充実をはかろうとするものであります。 以上が消防法等の一部を改正する法律案の提案理由及び要旨であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(玉置猛夫君) これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
○小谷守君 消防法の改正に関連して若干の質問をいたしたいと思います。 先般、消防白書が出されたわけでありますが、これを拝見しておりますと、消防の業務、消防の行政のむずかしさというものを痛感いたします。当局もたいへん御苦労のことと思います。これを拝見しまして、やはりいまの日本の消防の弱点は、第一には高層建築、地下街、空港の消防、第二には科学消防、第三には地方消防の問題だと思います。また、それらをひっくるめて消防財政の貧弱な点が特に目につくものがあります。 そこで、まず第一に伺いたいことは、私がいまあげましたそれらの弱点と目される点につきまして、消防庁ではどういう構想をお持ちになっておるのか、長期的にこれをどのように進めようとしておられるのか、そういう御構想について概要を承っておきたいと思います。
○政府委員(降矢敬義君) 消防の仕事は、消防組織法及び消防法に書いてありますように、防災、人命の安全、財産の保全ということを第一義といたしました防災活動でございまして、したがいまして、環境の変化に対応した消防体制というものをどうしても整備していくことが緊要なことでございます。いま御指摘がございました高層建築、地下街の増加あるいは空港の地方における設置、こういうことはまさに消防にとっては環境の変化でございます。私たちは、こういう消防環境の変化に対応するべく消防力の充実ということを四十七年から五カ年の計画をもってこれを整備していかなくてはならぬ、こういうことで、いま市町村からそういう資料の提供を求めまして新しい整備計画をつくってまいりたい、こう思っております。もとより、これを整備することにつきましては、一つの基準を必要とするわけでございまして、昨年の六月に消防力の基準というものを、約十年前のやつを改定いたしまして、たとえば高層建築につきましては、従来十八メートル以上の建物が十以上ある場合にははしご車一台というような基準でございましたが、これを十五メートル以上の建物が十以上あれば一台というふうに基準の強化をはかることにいたしました。こういうことにいたしましてこの整備をはかっていく考え方でございますが、これに対しまして、いま御指摘がありました地方消防の問題がございます。 私たちは、いまの消防組織法の基本的な考え方、自治体消防、市町村消防というものを中心にこの整備をはかってまいらなければならぬわけでございますが、大都市はともかくといたしまして、地方の都市につきましては、やはり共同して消防力の整備をはかっていく必要がございます。したがいまして、いわゆる広域消防という構想で常備化を推進するという考え方を進めてまいっております。こういうことにいたしますと、ある程度力を合わしてこの整備をはかってまいるわけでございまして、たとえば、今年は広域消防といたしまして約四百九十七市町村を指定いたしまして、人口で大体八八%常備化の実現を本年度見るようになるわけでございます。こういうことによって、一つはこの常備化を推進して、いまの消防力の弱体なものを補っていきたい、こういう考え方でございます。それにいたしましても、たとえば石油コンビナートに対する対策とかあるいは民家に対する火災対策ということになりますと、これまたかなり広域でありますので、したがって私たちは、都道府県の防災に対する責任というものを重視いたしまして、こういうような特殊な火災につきましては、都道府県におきましても、たとえば、山林火災についてはそれに必要な消火資機材の整備、あるいはコンビナート地帯につきましては、これにつきましても、やはり国の補助を昨年から設定いたしまして、都道府県としても必要な消火資機材、機材を準備をする。こういうことによって、万一の場合、その付近の市町村消防の方々がそれを用いて消火活動に当たれる、こういうようなことで府県のやはり地域防災の責任を果たす、つまり市町村消防をたてまえとしながら、その弱いところを補完する意味で都道府県に防災の責任をある程度になってもらう、こういうような構想を昨年から進めてまいっておるところでございます。 それから、もう一つ御質問がございました消防財政の問題でございます。これは御案内のとおり、市町村消防のたてまえでございますから、やはり何と申しましても市町村の消防に必要な一般財源の充実ということが、これが急務でございます。したがいまして、これは一つは、地方交付税の基準財政需要額を引き上げる、こういうことによって消防に対する財源の保証を考える。 それからもう一つは、昨年でありますか、温泉街を中心とした旅館の火災による死傷者が絶えません。したがいまして、この温泉街を中心にしたそういう市街地の消防力を急速に進める意味合いにおきまして、入湯税を二十円引き上げまして、その引き上げた分を温泉街の消防施設の充実に充てる、こういうことによって、こういう手当てもいたしているわけでございます。それから、もとより大きな消防庁舎をつくる場合、あるいははしご車を整備するということになりますと、かなりの財源を必要といたしますので、この点につきましては地方債を、手当てを準備いたしまして、大体七割を下らない充当率を確保するように努力をして、この地方債の充実についても財源措置をしていかなきゃならぬ、こういうふうな考え方でおります。 それからもう一つは、先ほど申し上げました府県の防災責任を果たす、いわゆる市町村の防災ということを補完する意味で、都道府県の防災責任を果たすという見地から、都道府県が市町村の消防の整備について、一つは補助金を出す、もう一つは、いわゆる府県でいいますと、市町村振興資金というものを充実するように指導してまいりまして、かなりの県でこういう財源措置を特別に講じて、これで市町村の消防体制の整備を進めておるということでございます。もとより、私たち、国庫補助増額を毎年はかってまいっておるわけでございます。今回も約三十一億に及ぶ国庫補助を準備をいたしまして、この消防財政の一助にするということでこの充実をはかるような方向で考えておるところでございます。
○小谷守君 今回の法改正の具体的な内容については、後段、詳細にお伺いすることにしまして、私は、消防法の改正ということをお考えになる場合には、幾つかのいますぐ手がけていただかなくてはならぬ問題があったと思うのであります。さような点について私は問題を出してみたいと思うのでありますが、その第一は、いまも長官のお答えの中にありましたように、今日の消防の体制というものは、昭和二十三年の改正によりまして自治体消防というものが確立をしたわけでありますけれども、今日では、市町村の消防、消防業務については市町村が第一の守備担当であるという考え方、これは尊重していかなくてはならぬと思いますが、同時に、補完的に、県段階においての働きというものも非常に重要だと思うのであります。 そこで私は、消防法四条ないしは十六条に関連をするわけでありますが、市町村の消防行政を指導する県の消防防災体制というものの中に、危険物については立ち入り調査権を認めておりますけれども、一般の防火対象物については立ち入り調査権を認めておらぬわけであります。私は、今日の実情としては、むしろ県段階にも立ち入り調査権を与えることのほうが適当なのではなかろうか、そういう気持ちがしてならぬわけであります。こういう点については、長官のお考えはどうですか。
○政府委員(降矢敬義君) いま御指摘がございました四条の立ち入り検査は、主として火災予防の見地から行なうものでございまして、常備消防が置かれているところは、消防庁あるいはその職員、常備消防の置かれていない消防団区域につきましては、これは市町村長がもちろんその職員を使って行なうということでございます。いま御指摘のように、確かに、そういうお考えも私は十分成り立ち得るものとは思っております。ただ、私たちは、やはり四条の予防行政は不断にやるものでございまして、したがいまして、やはり常備消防の置かれておるところにおきましては、当然常備消防の任務としてこれをやる、むしろここはダブられぬほうが、府県には、この権限は認めないほうがいい、それは私は市町村の消防のたてまえからいたしましても、当然その点は、市町村として責任を負って不断の火災予防の行政を推進する、こういうことと考えております。先ほど申し上げましたとおり、現在、常備化の推進を、広域化とあわせまして、広域圏の設定とあわせまして進めておるところでございまして、先ほど申し上げましたように、全市町村の数では、本年度で五八%まで常備市町村を持つことになります。全体の数は、今日、市町村合わせまして常備消防を持っておるところは千八百八十六という数字になっておりまして、全体の市町村の数が三千二百三十七に対しまして、したがって約五十八%になっておるものでございます。今後のこの常備化の傾向あるいは市町村の熱望の状況を申し上げますと、大体私たちが一、二年前から市町村の御意向を聞いておりますと、いわゆる広域市町村圏の構想とあわせまして常備化をしたいというところは、あとおおむね千市町村くらいございます。そうしますと、大体二千八百程度くらいは何らかの形で常備消防を持つというかっこうになるわけでございます。そういたしますと、そういう市町村につきましては、やはりその責任を遂行させるために、私は、やはり都道府県にも与えて、その立ち入りを認めるということは避けるべきものだと考えております。残りの、約三千二百といたしますと、四百市町村につきましては、これは消防団区域でございます。この点につきましては、おそらく先生のおっしゃるようなお考えも成り立つと思いますけれども、私は、いま消防団あるいは団常備というかっこうで置かれておりますこういう地域につきましてもかなり消防協会、あるいは私のほうでは本年からやっておりますが、さらにことし充実いたしまして消防団の教育というものをかなり推進しております。したがいまして、いま直ちに私は先生のおっしゃるような、都道府県に普通の意味の火災予防の立ち入り権限を認めて、あるいは、そこがダブリになるというようなことについては、もう少し検討をさしていただきたい、こう思っているところでございます。
○小谷守君 私、お尋ねしたのは、常備消防があるかないかというふうなことではないんです。常備消防があったとしても、ときとしては、県の立ち入り調査が必要だということを申し上げておるんです。 具体的なその理由を申し上げてみましょう。たとえば、ある温泉場に対して、もちろんその地域の市町村に常備消防があると思います。これは完全に立ち入り検査が行なわれておるのでありましょうか、かえって、近過ぎて調査がしにくいという実情があるのではないでしょうか。もちろん、立ち入り検査なんというふうなものは、これは乱用すべきものではありません。ありませんが、ときには、そういうところに対しては、少し遠い県の立場で指導的に立ち入り検査も必要である。そういう点については、法四条を改正して、そういう県に権限を付与すべきものだ。これは長官もよく実情は御承知じゃないかと思います。ある温泉場の火事で、その旅館組合の組合長が消防団長をしておったというふうなことで、かえって日常の立ち入り検査が怠られておった。これは立ち入り検査というのは業者はきらうにきまっておるんです。そういう場合には、むしろ少し距離のあるところに権限を与えることのほうがかえって実情としてはいいのではないか。こういうことを申し上げておるわけです。いかがですか。
○政府委員(降矢敬義君) 確かに、そういうお考えも十分理由のあることと思います。実情も、いま御指摘のような具体的な事例も私は承知しております。しかし、ここはまた考えようでございまして、こういう強制的な権限というものを持つということは、それ自体、自治体消防なら自治体消防として自分が成り立つ一つの基盤でありまして、ここを、私は、市町村の、いまのような御指摘の事例に徴しまして立ち入り検査をしたならば、あとの事後処理その他についてどうするかというところは、かなりルーズな点もございまして、したがいまして、いま御指摘のような話も出るわけでございますけれども、私は、ここは、自治体消防として成り立つという基本の一つの問題にかかわるところであろうと思っております。今日、この御指摘のような事案は、比較的規模の小さい市町村にあるわけでございまして、大きい都市になりますとかなりそういう点はございません。具体的の例を、都市の名前を申し上げませんけれども、いわゆる大然閣ホテルの火災の直後、査察を一斉にやりまして、適当でないホテルの名前を現実に公表をしておる自治体消防もあるわけでございます。そういうことでございまして、やはりそれは自治体消防として、単に形だけでなく、自主的にそういう組織の中で動くためには、みずからその権限を適正に行使するということにもう少し私たちも力を入れて教育し指導をしなければならない、こういう気持ちがむしろ先に立つわけでございます。そういう結果、どうしてもだめであるということであれば、もちろん、いま御指摘のあったような一つの御提案にも十分耳を傾けなければならないと思いますけれども、少なくとも、もう少し時間をかしていただきまして、やはり自分たちがそういう市町村消防というものを維持する、その姿勢を直すというところに教養、教育の重点を置いて指導をしてまいりたい、こういう気持ちが先に立っております。
○小谷守君 長官、だいぶ頭がかたいようですな。私は、前提として、市町村消防というものを尊重していかなければならない、こういうふうに申し上げておるわけです。いま立ち入り検査権を府県に与えたからといって、その土台がくずれるというようには思っていない。これはあとで大臣のお考えをひとつ承りたいと思います。 次の問題は、これは私の地元で起きた問題ですが、大阪空港、私は、空港内とそれから都市計画法にいうところの住居専用地域、この地域に対しまする危険物建設の許可は、許可権者であるところの市町村長にある程度の自由裁量の幅を与えるべきものである、このように考えます。 これは具体例を申し上げましょう。大阪空港のありますところの伊丹市で起きた問題でありますが、ここに、ある企業が飛行機燃料の五十キロタンクを建設をする。こういうことでありまして、ところが、これをやられますというと、まず、いま騒音で困っている空港周辺の住民は、また飛行機の発着の回数が多くなる心配、あるいはまた、これに伴って一日約百五十台のタンクローリーが往来をする、このことによる迷惑、こういうことから建設に対する反対運動を起こした。伊丹市長は困ってしまいまして、これに対する許可を渋っておったわけであります。消防法十一条によりますと、このような建築物については、形式的に一定の要件が具備いたしておりますと許可しなければならないというふうになっておる。私は、このような許可しなければならないというふうな幅のない拘束は、今日、このような空港の周辺でありますとか、都市計画法にいうところの住居専用地域の密集地域に対しては、これは非常にまずい結果をもたらすのではなかろうか。実情を見て、許可についての裁量権というものを、ある程度の幅を許可権者に与えてしかるべきものではなかろうか。幸い、この問題は、県が中に入りまして、業者のほうは行政不服の申請を県に対して出しておりましたが、県が仲立ちになりまして、この不服審査の請求は取り下げたようでありますけれども、これからしばしばこういう問題が起こってくるのではなかろうか。この点については長官、お考えいかがでありましょうか。
○政府委員(降矢敬義君) いま御指摘がございました空港におけるタンクの設置の問題に関連いたしまして、いきさつは、ただいまお話があったように私も承っております。この危険物施設の設置につきましては、保安という面からかなり技術的に許可の基準というものをこまかくきめておるわけでございまして、御案内のとおり、一定の施設からの距離、あるいはタンクの構造、それから消火設備万端につきまして保安の基準として詳細に規定しておるわけでございます。そういう基準に合格をする、適合をするという場合に許可をしなきゃならぬということでありまして、規定を非常にこまかく規定してありますので、さらに、いまお話がありましたように、裁量権を与えるということになりますと、どういう幅の裁量になるのか、非常に保安という見地から見ますとむずかしい問題になるわけでございます。むしろ、これは業者のほうでは、こういうこまかい基準に適合をした施設でなければ許可をされないということで、保安の見地からの設備をつくるということが明示されておることが望ましいし、また、許可をする側におきましても、それに従って検査をしてやるということがこの危険物行政、つまり保安という見地からはもちろん望ましいのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。いまお話がありましたように、裁量権を与えるということになりますと、それはその施設を設置する側につきましても、少なくとも明示されるか、あるいは、どういう場合にだめであるのかという理解がされるようなものであることが私は必要であろうと思っております。具体の問題といたしまして、基準が非常に詳細にきめてありますにもかかわらず、いまお話のありましたような住民の理解が得られない場合が起こってまいります。で、こういう点につきましては、私たちもその施設について、付近の住民の方々と十分話し合いをするという指導はこれまでもずいぶんやってまいりましたし、具体的には、そうしなければまたこれが設置しにくいという事情がございます。したがいまして、行政の運営としては、いま先生の御指摘のような精神で指導をし、また、具体にそういうことをやってもらっておりますけれども、法律の制度としては、やはりいまのほうが私は望ましいのではないかと、こういうふうに考えております。
○小谷守君 私が裁量の幅ということを申し上げたのは、許可することもできるし、許可しないこともできるという幅なんです。イエスかノーかの幅なんです。それは、その市、その町の政治をあずかる責任者である市長、町長が住民感情、地域の実情、災害発生の懸念、そういう点を顧慮して許可しないこともあり得るという、そういう権能を与えるべきだ、それも、どこもかしこもというのではありません。いま申したように、一番住民の危険が多い空港の周辺だとか、あるいは住居の密集しておる地区、そういうところについてはその権能を与えるべきだと、こういうことを申し上げているわけです。いまの消防法十一条は、何らそういうことは顧慮していないではありませんか。そういう法律の欠陥について指摘しておる。そんな無神経な答弁では困ります。
○政府委員(降矢敬義君) いまの、一つは住宅地区の問題でありますが、この都市計画法及び建築基準法に従いまして、都市計画区域内に住宅地区あるいは専用地域というものを設定されておる地域につきましては、建築基準法の規定によりまして、一定数量以上の危険物を取り扱う施設は認めないということになっておりまして、その範囲内での施設につきましては、いまの消防法の基準に従った施設であれば許可をするということになっておるわけでございます。それは保安の見地を考慮いたしました。いま御指摘がありましたようなことで、今後、建築基準法との関連においてできる、また、するというようになっておるわけでございます。 それから、いまの空港の問題につきまして、具体の問題でありますが、これにつきましても、いまの伊丹の場合は、現に五十キロのタンクが七つほどございまして、そうしてそれにもう一つ付設する。それは私たちの聞いたところでは、タンクローリーで毎日運んでまいりまして、そうしてそこにまず貯蔵をして、そこから大きな千キロリッターの屋外タンクに運ぶということでございまして、いきなり大きなタンクには入れられないわけでございますので、もう一つの貯蔵のためのタンクをつくるということで、同じ施設内にそれを設置するということでございまして、特に、いま御指摘がありましたように、この具体の問題については、実は現地としては、法律に従った基準であれば許可をしてもよろしいというようなことであったようでございます。ただ、いま先生の御指摘のように、特定の地域について、たとえば、空港あるいは住宅密集地域というようなものについて、さらに許可権者である市町村長に、いま御指摘のような要件を加味した裁量の幅というものを与えるかどうかということについては、もう少し私たち検討させていただきまして、あるいは保安の見地から、その点がいまの保安の見地から適当でなければ、たとえば空地をさらにとるとか、あるいは一定の建物からの距離をさらに大きくするとかいうような基準についても検討した上で、裁量権をそういうことで与えたほうがいいのかどうかということを検討さしていただきたい、こう思っております。
○小谷守君 どうも長官のお考えは少し硬直しているような気持ちがしてならぬ。頑迷固陋とは申し上げませんけれども、どうも硬直し過ぎておるのではないですか。しかし、検討するというお答えですから、これはひとつ伊丹の実情等をよく御調査になって、次の段階でこの問題は、ぜひ十一条の改正をひとつ検討していただきたい。 それから今度の改正、あとで触れますけれども、この消防団員の福祉の問題について改正がなされるようでありますが、私は、消防団員の福祉施設とかなんとかいうことの前に、消防団員が消火活動のために命を失った場合、いまどういう補償が行なわれておるのか、そういう実情をまずお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(降矢敬義君) 災害に出動いたしまして生命を失ったという場合の補償でございますが、一つは、基本的に、公務災害補償ということで遺族年金、葬祭料というものが当然支給されるわけでございます。それから、いわゆる賞じゅつ金というものが国において出されておりますし、それに準じまして市町村、県におきましても賞じゅつ金が出されているのが通例でございますし、私たちもそういう指導を今日までやってまいっております。
○小谷守君 そういう抽象的なことでなしに、長官、Aという人間がここで死んだんだと、いま、その場合に具体的にどういう内容の補償か行なわれておるかということを具体的にひとつ聞かしてください。また、これと関連して、公安職員、警察官の場合はどういう取り扱いがされておるか、自衛隊の場合にはどういう取り扱いがされておるか、そういう比較を出しながら説明をしてもらいたい。
○政府委員(降矢敬義君) 第一番に公務災害補償でございますが、これはいわゆる常勤の消防職員あるいは普通の公務員と同じレベルで災害補償をすることになっております。これは消防団の場合におきましては、御案内のとおり職業が千差万態でありますので、いわゆる非常勤消防団の階級に応じまして仮定号俸を用いまして、これによって公務災害補償をいたしておりまして、具体的には、その消防長とか消防団長とか、あるいはそういう階級に応じました仮定号俸をつくりまして、その計算の基礎及びその補償の額は普通の常勤の公務員の場合と同額となるようにいたしておるわけでございます。したがいまして、具体の設例で申し上げなければちょっと適当でないかと思いますけれども、そういうことでございます。 それからその次は、賞じゅつ金につきましては、消防の場合には百万から三百万の間でこれを支給することになっておりまして最高三百万でございます。もとより、警察の場合あるいは自衛隊の場合、ともにこの額につきましては同額でございます。ただ、最近、警察官の大きな災害に出動されまして公務災害を受けたという場合には、この三百万の賞じゅつ金を玉百万まで支給できるということになっておりまして、この点については、消防につきましても同じような扱いをするように大蔵省のほうと折衝をしておるところでございまして、私たちは、当然、あれに匹敵するような災害及びそれに伴う消防職員及び団員の生命を断った場合には同じような扱いをすべきものと、こう考えておるところでございます。それから県及び市町村におきましては、それぞれ賞じゅつ金をきめて、国に準じた条例を制定しておりまして、それに基づいて大体同額を、同じような金額を支給するということになっておるのが慣例でございます。
○小谷守君 どうも長官の御答弁は、くつの上からかゆいところをかくような御答弁です。ずばりお伺いしますがね、私の地元でこれまた最近起きた事例を申し上げます。 消防団員が現場にかけつけようとしたその途中、交通事故で——これは渡海自治大臣の地元であります加古川で起こった問題であります。消防車が横転しまして下敷きになって一人の消防団員が死んだ、これをどうするかという問題です。消防団員がなくなった場合に市町村はどうするか、最高三百万、府県はどうするか、最高三百万、国はどうするか、最高三百万だと承知しております。それが一つのたてまえになっておる。この消防団員の場合には勲七等が出ております、これは余談でありますが。そこで、具体的にはどういう取り扱いがされたかといいますと、加古川市は、二百五十万プラス五十万の葬祭料ということで計三百万を出したと、兵庫県が約五十万ばかり出したようであります。国もどの程度出されたか——まあ大体五十万以内だと思います。そうしますと合計四百万じゃありませんか。一つしかない大切な命を落とした消防団員に対する処遇というものはそういうことです。私は、警察官やまた自衛隊の例も引き合いに出して比較しながら御説明を願いたいということを申し上げたのは、たとえば先般の赤軍の「あさま山荘」のあの事件で警察官にもとうとい殉職者が出た、これに対しては非常に手厚い処遇がなされた、私は当然のことだろうと思います。当然のことだと思いますが、しかし、公のことに殉じたという意味においては消防団員が消防車の下敷きになって死んだということ、「あさま山荘」で御苦労をされた警察官、ちっとも私は変わりはないと思うのであります。人の命に変わりはない。その辺に非常に私は割り切れぬものを感ずるんです。長官、どうお考えになりますか。
○政府委員(降矢敬義君) 警察官あるいは消防職員及び団員の災害時の活動において殉職した場合、その災害の種類を問わず、要するに殉職した場合の取り扱いにつきまして、御案内のとおり、一つは、たとえば人命の保護と救助というものを伴ってそして殉職をされたという場合と、それからいわゆる災害の、たとえば火災の鎮圧中に殉職をされた場合、あるいはいま先生御指摘のように、災害に出動途上において交通事故で殉職をされたというような場合、いろんなケースがございます。それに対しまして、一つは、警察の場合も同様でございますが、いわゆる功績をたたえる意味で、功労章、あるいは顕功章、あるいは功績賞というふうなものをそれぞれの活動に応じて差し上げるということにしてあるわけでございまして、ある程度、災害現場における活動につきまして、多少活動の程度、功績の程度というものについての評価をいたしておるところでございます。反面、賞じゅつ金につきましても、賞じゅつ金は、言うまでもありませんけれども、活動を賞し、また、あわせてお見舞い申し上げるというふうに理解しておりますが、こういう賞じゅつ金制度につきましても、いわゆる活動の評価というものにある程度対応したようなかっこうで、警察、あるいは自衛隊、あるいは消防においても支給されているところでございます。もとより、いま先生おっしゃったように、災害活動における人命の損傷という一点を見ますと、それは、いずれにいたしましても、そこに甲乙をつけるということはもちろんできないはずでございますけれども、功績の評価という点とあわせた賞じゅつ金制度というものが、いま申し上げたようなかっこうで、段階を分けて支給をするというたてまえでありまして、その点は私は、やはり功績の評価というものがある以上、それとあわせてやるのが適当ではなかろうかという気持ちを持っております。
○小谷守君 まあ功績の評価で多少の差等があることはこれは私も理解できますが、それにしても五百万足らずと二千万、三千万ということとでは、これはおかしいじゃないですか。いま、こういうことをめぐって——私は先般の「あさま山荘」、成田空港で殉職された方は国民感情からいったらもっともっと丁重にして差し上げたいという気持ちですよ。決して、そっちが多いということを申し上げておるわけじゃない。ただ、それにしても、消防団員が死んだ場合にはさみし過ぎるのじゃないかということなんです。昔、人間の命は鳥の羽の毛よりも軽いといわれた戦時中に、一等兵が死んでもあるいは連隊長が死んでも、やはり同じように一個分隊のしかばね衛兵というものを立てて二十四時間手厚く取り扱っておりました。また、その際の慰じゅつ金にしてもこういう大きな差等はなかったと思う。戦時中でもそうです。 私は、いま、なぜこういう問題を出すかといいますと、枝葉末節とは申しませんが、福祉施設どうこうという前に、いま何が起こっておるかといいますと、消防団員が殉職した場合に、その取り扱いがけしからぬということで全国各地で訴訟が起こっているでしょう。こういう状態を放置しておきますというと、これは消防団員の非常に士気に影響してくることだと思う。あとで消防士、消防職員の問題にも触れますが、あまりにも消防団員に対する取り扱いというものが冷たい。時間がありませんから単刀直入に伺うのですが、これを世間並みなことにまで早急にやはり改善していく必要がある。火の中へ飛び込んでなくなった消防団員、それが一般の交通事故で死んだ自賠法の場合よりも低いなんというふうなことは、今日、国民感情としても納得のいかぬ点だと思うんです。どうですか。
○政府委員(降矢敬義君) いま御指摘の点は、全く私たちも同感でございまして、実は昨年三百万円に上げました。全体としてこの賞じゅつ金の金額が少ないということにつきましては、さらに努力をして、これは警察等と同じく歩調を合わせましてこの引き上げをぜひ実現するようにつとめたい、こう考えております。 それから、例の、先ほども申し上げました、特別な災害の場合に三百万円が五百万円まで支給できるという警察の制度につきましては、消防についてもこれを取り入れるよう大蔵省とも話をしてぜひ実現するようにいたしたい。基本的には、この金額の低さというものにつきましては御批判のとおりであります。私は、ぜひ御指摘のような方向で引き上げるように努力をいたします。
○小谷守君 これはぜひ早急に御努力を願いたいと思います。 それから、もう一つ気がかりな点は、消防法上定めておりますところの危険物——爆発性、引火性の高い危険物の運搬については市街地の通行を規制すべきである、こういうふうに思いますが、これは警察庁関係でございますか、これについてひとつ御見解を承りたい。
○説明員(竹岡勝美君) 危険物の運搬管理につきましては、その運搬の方法につきましては、御承知のとおり各種それぞれの法律で容器とかそれらの規定がございますが、御指摘の運搬通路の規制につきましては、たとえば火薬物なんかでございますと、火薬類取締法であらかじめその経路につきまして公安委員会に届け出る。あるいは高圧ガス、いわゆるプロパンのタンクローリー、こういうものはやはり高圧ガス取締法で一応経路につきましての若干の規制はございます。ただ、御指摘のように、消防法に出ておりますもろもろの危険物につきましての運搬経路につきましては、こういった運搬経路の規制は現在ございません。これを道路交通法でそういった交通規制ができるんじゃなかろうか、住宅街等ではそういう危険物を積んでおります車だけを道路交通法で規制してみてはどうかという問題が残っておるわけでございますけれども、現段階におきましては、道路交通法は交通事故の防止と、それから交通の円滑ということのために車を規制する。たとえば、住宅街等におきまして交通事故の防止のために大型車の通行禁止、これは相当大がかりにやっておるわけでございます。けれども、運んでおる内容が副次的に付近の住民その他に大きな被害を与えるという、その危険物の内容をもって道路交通法上の規制ができるかどうかというところに若干疑義があるのでございます。これはそういう必要性があろうか、何らかの形で道交法でやるか、あるいはそれぞれの関係の危険物の取り締まり法でやるかどうか、こういう点は私のほうでも十分関係機関と検討を進めてみたい、このように考えておるわけでございます。
○小谷守君 これはひとつぜひ御検討願いたいと思います。 次に、今回の改正点の具体内容について少し御質問をいたします。 今回の改正によりまして、どんちょう、カーテン等の防炎対象物品について、「防炎性能を有するものである旨の表示を附することができる。」と、表示を付したものでなくては防炎物品として販売できないと、こういった所要の改正をしようとされておるのでありますが、現行の消防法第八条の三の規定のあとに新たにつけ加えられた第二項以下の規定が、それらのことを規定しておるわけでありますけれども、これら改正の規定を拝見してまず気になりますことは、高層建築物、地下街、劇場等においてカーテン、どんちょう等を使用する場合、これらの対象物品に防炎性能の表示を必ず付しておかなくてはならないというようにはなっていないのではないかと思われるのであります。極端な話が、表示のついている新しいカーテン、どんちょうを買ってきて、わざわざ表示をはがして使用してもかまわないのではないかと、極端な例でありますけれども、こういう懸念があるわけでありますが、いかがでございますか。
○政府委員(降矢敬義君) 第八条の三の「防火対象物」——高層建築物、地下街等で用いるどんちょうにつきましては、要するに、表示されておるものを原反で買ってきてたとえばカーテンをつくるという場合が、ああいう施設については多いわけでございます。で、そういう場合におきましては、この法律の追加いたしました新五項によりまして、要するに、そういう縫製品をつくるところにおいていま言われました表示をつけさせるようにしなければならないというふうな規定を設けてございます。で、かりに、いま先生最後に御指摘のように、表示をつけたものをはがしてそれを使用している場合どうなるのかと、こういうことでございますが、この点は、実質そのものが防炎処理をされているものであれば、火災の予防の見地からは十分でございますので、あえてその点について罰則を設けてそれを強制をするということはしなかった次第でございます。
○小谷守君 八条の三の第二項に、「自治省令で定めるところにより、」「防炎性能を有するものである旨の表示を附することができる。」と書いてあるわけですが、そこで、自治省令の内容はどういうものを用意されておるか、そういう点についてあらましお伺いをしたい。
○政府委員(降矢敬義君) たとえばカーテンの場合を例にとって申し上げますと、一つは、表示の形式といたしまして、縫製されたカーテンの場合はラベルをつける。それからカーテンの原反の場合は、下げ札あるいはスタンプとしてその様式を定めることにしておるわけでございます。また、表示の貼付の方法でありますが、縫製されたカーテンの場合はカーテン一枚につき一枚貼付をする、それから原反の場合には、たとえば一巻きにつき一枚をつける、こういうような規定を定めたいと思っております。それから表示の手続としては、消防庁長官が認めるものに表示を付させるようにいたしたい。認めるものと申しますのは、現在でも、たとえば一定の防炎処理をするために必要な知識技能というものを授けるために講習を開いておりまして、そういう講習を経た者が、たとえばクリーニング屋におられるわけでございまして、そういう資格を持った人がおられるようなクリーニング屋というふうなものを、一つ表示を付させるものとして規定するというようなことを一例として考えておるわけでございます。
○小谷守君 この八条の三の問題でありますが、これは四十三年の法改正の際にずいぶん議論された問題のようでありまして、各委員から、当然これはやるべきであるというふうなことが論議されておる。それを退けて、取り上げずに、四年たってから気がついて改正をしようというお考えのようでありますが、そういうぬるい、にぶい対応の姿勢というものは御反省の必要があるのではないか、こう思いますが、いかがですか。
○政府委員(降矢敬義君) 確かに、四十四年の四月一日から、特定の施設に対して防炎処理をしたものをつけなければならないということにいたしました。そのときいろいろ御議論がありまして、当時、すでに使っておるカーテン、どん帳等につきましては別に防炎処理をする必要がない。つまり、今後新しく用いるものについてのみ防炎処理をしなければならないという規定を置いたわけでございます。その結果、この防炎製品の使用状況が必ずしも芳しくありませんでした。で、いま御指摘のような反省をいたしまして、今回、そういう今後使うものは防炎処理をしなくてもいいんだという規定を削除いたしまして、そして、一定の経過期間を置いて、高層建築物、ホテル等特定の施設におけるカーテン、どん帳等については、すべて防炎処理をしたものを用いなければならないというふうに改正いたしたわけでございまして、まさしく、御指摘のような反省のもとに今回の規定を提示したわけでございます。
○小谷守君 四十五年の改正の際にも問題になりました点は、八条の三の第一項、すなわち、現行規定の違反に対し罰則がないということであったのであります。これは消防法上の義務でありますから、人命等の危険防止のために、必要に応じてその法律の実効をおさめるためには罰則が必要であると私どもは思うのでありますが、長官のお考えはいかがですか。
○政府委員(降矢敬義君) 確かに、当時、御指摘のような御議論があったように私は聞きました。今回の改正に際しまして、やはり同じような議論を私たちやりました。ただ、残念なことには、四十四年四月一日からこの法律を施行いたしましたが、先ほど申し上げましたような、今後——そのとき以後新しく用いるものについては防炎処理をしたものでなければならないという規定でございましたので、その普及の状況が芳しくありません。で、その一つの原因としては、必ずしもその原反そのものが外部から見てそういうものであるかどうかというような、消費者側における選択につきましても明確でなかった点もございますし、また、先ほど申し上げたような経過規定があったということもございます。したがいまして、今回の改正を考えますのに、この防炎処理をしたカーテン、どん帳等を特定の対象施設においてすみやかに用いると、これを普及させるということをどうしても考えなければいけない。そこで、それを罰則で強制するにしては、現在の普及状況があまり芳しくありません。そこで今回、こういうような表示を中心にいたしまして、かつ、不正表示についてのみ罰則を設けまして、消費者の側においては選択をできるというかっこうにいたしまして、特定の施設については、行政指導をもって今後この防炎性能の義務づけの実施を確保していく。で、かたがた、この法律にも書いてありますとおり、家庭用品品質表示法、あるいはいわゆるJIS、あるいは農林規格のJASという方面におきましても、私たちと表裏一体となって防炎処理をしたものの普及に今後つとめることに相なりました。私たちの法律におきましても、JISとかJASとか、あるいは家庭用品品質表示法において防炎の表示をしたものは、消防法上も当然この法律による表示として取り扱うということにいたしまして、少なくとも、すみやかにこれを特定の施設については普及をする。でき得べくんば、一般消費者においてもこれを使用していただければありがたいわけでございますけれども、さしあたって、義務づけられておる高層建築物、地下街、ホテル、病院、こういうところについては、こういう制度を一回つくって、とにかく普及をするということをまずたてまえとして考えたわけでございます。したがいまして、いま御指摘がございました八条の三の第一項の特定施設における防炎表示の、防炎処理した物品の使用義務についての罰則につきましては、もう少し時間をかしていただきまして、その上、この問題を検討さしていただきたいと、こう考えております。
○小谷守君 空港におきまする消防施設の整備が非常におくれていると思うんでありますが、その整備状況はどうでありますか。また、特に第二種、第三種の空港の整備が非常に悪いと思うんであります。今回、航空機燃料譲与税が創設される際でもありますが、消防庁はどのように対処されるのか伺っておきたいと思います。
○政府委員(降矢敬義君) 空港における消防体制でありますが、これは二つございまして、一つは、航空法及びそれに基づく規則におきまして、設置者が自衛消防としてある程度消防体制を整備するという基準がございます。そこで、私たちは、第一種空港、第二種空港については国において、第三種空港については設置する地方団体において自衛消防としてこれを備整することを求めておりますし、また運輸省のほうでも、消防の見地から必要な基準というようなものにつきましても御相談申し上げて整備を促進するようにいたしておるわけでございます。何といたしましても、この第三種空港の地方空港におきましては、必ずしも整備はうまくいっておりません。したがいまして、一般財源の増強とともに、いま御指摘がありました航空機燃料譲与税の中で、こういう消防体制の整備、防災施設にもこの譲与税の一部を使用できるという規定を、おそらく政令だったと思いますが、規定をする予定にしておりまして、そういうことを財源にして、空港における自衛消防の——失礼しました、空港における市町村消防の整備及び反面、自衛消防のほうにつきましてもそういうことで、これを整備をするということで積極的に進めてまいる所存であります。御案内のとおり、空港によりましては日に一回ないし二回離着陸するだけという空港もまだございます。そういうところにおいては、たとえば私どもは、県が設置者であれば、空港の自衛消防は県が整備するわけでございますけれども、付近に自衛消防を持つ、常備消防を持つ市町村があります場合には、府県がいわゆる危険物火災に必要な薬剤その他を準備いたしまして、その当該市町村において、離着陸のたびにそこに出動していただく、その距離も、車で大体十五分くらいのところは、そういうものによってさしあたって整備をするというような具体の指導もしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、将来の方向としては、やはり第三種空港については設置者並びにその周辺の市町村におきましてこの整備を進めるように運輸省とも十分話し合っておるところでございまして、御指摘のような場合における対処のしかたというようなことにつきましても、空港を取り巻く市町村の協定というものもつくらせまして災害の場合に対処するように進めているところでございます。
○小谷守君 この際、消防職員の処遇の問題について伺っておきたいと思います。 消防職員は、御承知のように、団結権もなければ団体交渉権もない、いわば無権利な、労働者として無権利な状況に置かれておるわけでありますが、それだけに十分御配慮を願わなければならぬと思うんであります。いま、地方の実情としては、だんだん消防職員になり手がない、こういう状況が起きておるのではないかということを非常に憂慮いたしております。そこで、ある自治体においては、これの俸給表というものは公安職員——警察の給料表を借り、またあるところでは一般行政職員の給料表を借りと、非常に不統一な状況だと思うんであります。これは消防職員の独自の給料表を作成して、統一的な処遇をすべきものではないか、そういう指導を消防庁としてはされるべきものではないか。いずれにいたしましても、今日のような不統一な状況では、ますます消防職員になり手がない状況を歯どめをすることができないのではないか、こういう懸念を感じますが、御見解はいかがですか。
○政府委員(降矢敬義君) いま御指摘のように、給料表につきましては、公安職給料表をもとにしている団体が二三%ございます。行政職給料表を適用しているのが団体で七七%でございます。もちろん、号俸調整はやっているわけでございますが、基本的に、ただいま御指摘がありました問題は、私たちも意識をしておるところでございまして、全国消防長会議というところにおきまして、一つの部会を設けまして、全体の処遇改善の問題をここ一年ばかり検討してまいっております。で、これは二十三年以来、各地方団体それぞれ沿革がありまして、なかなかいま御指摘のような方向をその部会で見出すということも困難な状況でありますけれども、大体、全体としてはある程度一つの方向でまとめたいという気持ちもあるようでございます。私たちは、やはり自治体消防をたてまえとしながら、いま御指摘のありましたような方向で一つのものをつくれないだろうかということで、私たちの関係職員もそれに一緒に参加して研究しているところでございまして、そういうことで、ひとつ早く何らかの方向を見出すように努力してまいりたいと、こう思っております。
○小谷守君 以上、いろいろお尋ねをいたしましたが、最後に大臣に、私が壁頭申し上げました、まず、この自治体消防という基本は踏まえながらも、やはり府県に対して立ち入り検査権を与えるべきだと思うのです、今日の状況としては。そういう点についてのお考え。また、先ほど申し上げましたように、特定の地域については法十一条を緩和して、空港内であるとか、あるいはその周辺、あるいは都市計画法にいうところの住居専用地域、こういうところに危険物の設置の認可を与えることについては、所在の市町村長に自由裁量の幅を与えるべきものではないか、あるいはまた、先ほど申し上げました消防団員の殉職した場合の処遇について、あまりにもみじめである、こういう点について大臣はどうお考えになるか。さらに加えて、消防白書を拝見しましても、非常に消防財政が貧弱だと思います。これを強化し、充実していく手だてについて大臣はどうお考えになるか。以上の大綱について最後に大臣のお考えを承って質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(渡海元三郎君) 実情を、具体的な例をあげられながら問題ある個所についていま消防庁長官に御質問ございました。ほんとうに、消防行政の今日における問題点を具体的に例示されましての御質問で、まことに敬服いたしました。 まず、最初にあげられました、現在の消防白書に出しましたとおりの現在の消防の、何と申しますか問題点でございますが、生活様式が相当変わってまいりましたし、科学技術の進歩がございまして、いままでのような消防技術ではいかない、相当高度な消防技術を取り入れなくちゃならない、また、いままでのような消防体制で守り切れないような建築ができたというふうなことを考えましたなれば、過去の消防行政で行なってまいりましたものと異なった科学技術的な研究というものが消防行政の中に取り入れられなければならないという点、私も痛感しておるような状態でございまして、当委員会におきましても、常時、御激励を賜わり、また御支援を賜わりまして拡充をはかっていただいておるのでございますが、消防研究所等の充実もはかることによって、私たち、できるだけそういった科学的な技術を与えていかなければならない。私も就任早々消防研究所のほうへ参りまして、その点を感じ、拡充、また研究に従事する者の方々の心がまえをお願いしたような状態でございます。あそこにおきましても、各地方の幹部を集めまして教育を実施いたしております。これらの幹部はまた県に帰りまして、県の消防学校の専門的な職員となってその技術を普及していただき、現在の社会情勢に合うというふうな消防体制に持っていただかなければならないと、このように考えておりまして、そういった方向でできるだけ努力してまいりたいと思っております。そのような状態でございますから、したがいまして消防の体制は、いま小谷委員御指摘のとおり、市町村でなければなりませんが、市町村の段階ではどうしてもできない分野が多数ふえてきたんじゃないか。補完的な県の消防行政というものの重要さが非常に必要になってきたのが今日の状態でないかと思います。そういうふうな意味におきまして、今後とも、御指摘のような方向に進まなくてはならないと、かように考えているものでございます。 財政的な面、私も、終戦直後、町長をやらさしていただきましたが、御承知のとおりに、市町村、特に町村に参りましたなれば、消防というものは、消防団組織の、何といいますか、個人的な財力にたよる。町村財政でこれを出す分野は非常に少ない。たとえば補助金をもらいましたなれば、残りのものはその部落の寄付で集める、団が集まってやるときには、団長が個人的な私財をもって優遇することによって団をやっておる、それが日本の消防の実態でなかったかと思います。こんな姿ではならぬというので、だんだん改善され、今日におきましては、市町村消防であるという姿が、財政面からも運営面からも、十分とは申しませんが、ほぼ確立されたという段階にきたのじゃないかと思っております。ところが、その市町村消防に、今度は人口の移動等、あるいは勤務の状態等がございまして団員そのものがおらない。したがって、常備消防がどうしても必要であるという時代が生まれてきたのが今日の段階ではないか。ところが、市町村にはそれを置くことができない。したがって、広域地帯による、共同によるところの常設地域を、いま長官答えましたとおり、だんだんふやしていくということを急がなければならないという姿になっております。本年度の予算編成におきましても、できるだけその数を増したいと思いまして努力をしたのでございますが、財政計画上の限度もございまして、あのような数字にとどまって、四十七年度に大体五百足らず、四百幾らくらいの指定ができるだろうと、こう思っておりますが、順次上げていかなければならないと思います。交付税等の算定におきまして、消防費もやっと二千億をこす姿で四十七年度の地方財政計画を組ましていただいた次第でございますが、今後ともにこれらをふやさしていただきたい。特定の、あるいは損保、あるいは共済といったような資金を流用しての起債も極力消防に充てておりますが、一般債も充実いたしまして、交付税並びに地方債による充実というものも今後とも組み入れていかなければならないと、かように考えておりますので、委員各位の今後とものひとつ御協力、御支援を賜わりたいと存じております。 具体的な例としてあげられました立ち入り検査の件、私も、いまお聞きしておりまして、実情をあげられた点、まさにそういうふうな姿が実情でなかろうかと思います。本来、市町村消防でございますから市町村が持たなければなりませんが、実情はなかなかそのとおりの検査が厳密に行なわれることが困難であるという場合も事実あろうと思います。県とともに、立ち入り検査権を与えることによってやるか、監督という立場において、いま小谷委員が御指摘されたような実をあげることができるかということを、今後、補完的な立場の県消防の段階が非常に重要な段階になっておりますので、あるいは立ち入り検査に対する、その他の技術と同じように、県の指導、監督というよりも、技術指導と申しますか能力指導と申しますか、その中に合わすことによって、法的規制はあくまでも地方に置いておきましても、それで十分小谷委員御指摘の分を補い得るかどうかというふうな点も検討さしていただきまして、今後ともに、小谷委員御指摘のような運営を行なうために、法規制でやらなければだめなのか、そういった面でのことを検討さしていただき、実現に向かって努力するよう行政運営指導を一ぺん検討さしていただきたいと存じております。 なお、許可権の十一条の2の件でございますが、私もあの当時の具体的な例、よく承知させていただきまして、ただ規定の保安基準というものがこれは技術的に出てまいりますから、それでいいかもわかりませんが、机の上できめ、法律できめたこと、必ずしも万能でないと、おのおのの実情に応じた問題が起こってくるということがこれ普通でございますから、限られた範囲内における付帯条件を付け加えるかどうか、すべての判断を与えるかどうかという点が問題になろうと思います。裁量権のないところに、また何と申しますか、市町村行政のやりやすさと申しますか、そういった点もあわせて、しかしながら、何といたしましても設置者そのものが、危険物でございますから、付近住民に規定に合っておっても安心感と理解と協力を得るというつとめをさすためには、どう持っていくのが一番よいかという観点に立ってこの問題よく検討さしていただきたいと思いますので、ひとつ御了承願います。 いまの賞じゅつ金の件でございますが、いま率直に長官も答えましたように、事実、消防団員、職員に対する給与の問題も出ておりましたが、あわせまして、劣っておったという点はいなめないと思います。私たち数年来この問題に皆さんのお力をかりまして努力してまいりまして、ようやく達したのが今日の道でございます。少なくとも賞じゅつ金におきましては、ほかの官庁のものと消防団は劣るところでないというところまで引き上げさしていただいたのが、いまの姿でございます。ただいまあげられました「あさま山荘」における警察の姿と例でございますが、賞じゅつ金といたしましては、向こう三百万円が最高でございまして、特別の姿で五百万円ですか、という姿で出たのがあの事件に対する内容。ただ、一時退職金とか公務災害等による年金等、ほかの分の退職金その他を含めましてあの金額になっておりまして、賞じゅつ金という点では、警察官の場合も何の場合も三百万円、特別な場合は五百万円。あの場合は、確かに特別な分として五百万円が出されたと、加古川市の場合、まあ最高に近い額を市が出したと、それが三百万円であったと。それで、もし消防の場合におきましても、「あさま山荘」に匹敵するような特別の場合には同じような額を出していただくということは、具体例はございませんけれども、大蔵当局とも折衝しておるような姿で、ただ公務災害補償の場合に、一般団員に対しましても、公務員に与えられておりますような公務災害補償に準ずる分をまあ出さしていただくように年金その他で指導をしておるのでございますが、この点が、職業その他によりまして非常に高低がございますものですから、いま起きたような問題が起こっておるというのが現実の姿ではないかと思いますので、今後とも、この点を引き続き努力さしていただきたい、かように思います。御鞭撻を賜わりましてまことにありがとうございますが、そういうふうな姿ではからしていただきたいと思います。 なお、聞いておりまして、もう一つ、このたび改正を願っております改正点の具体的な例で、前に改正された際にも議論が出たんじゃないかと、それをいま改正をやったということが結局ぬるいんじゃないかという御指摘がございました。消防庁長官も率直にその点お認めしておりましたが、私、自治大臣として就任いたしましてから、単に消防法の改正だけでなく、各省の問題におきまして、消防の問題、ほかの省といろいろからむところがございます。法案を出していきます場合、いよいよ法案を提出せなければならないようになっておるが、自治省との関係だけでこれが残っておるんだ、何とかしてくれというものを私のところへほかの大臣から持ち込まれた場合、たいていの問題が、消防という一点で各省の法律ができずに残るというふうな問題も私二、三ぶつかりました。なかなか、何と申しますか規制でございますから、各省もできるだけまあ規制というものはないほうがよいという姿でやっておる中で、ひとり消防庁のほうでがんばり、大衆の安全のために、これだけはがんばらねばいかぬといって、がんばっておる姿を見せられたのが、私が大臣に就任しましてからの実態でございました。それだけに、消防庁長官といたしましても、皆さま方に御指摘を受けながらも、がんばる部面ではがんばらしていただいておるのが実情じゃないかと思います。しかし、ここでそういったような、おまえはぬるいんじゃないかというような御指摘を出していただくことが、また、われわれは大衆のためにこうやらなければならないんだという、担当する行政官に対して励みにもなるという、このように感じながら御議論をお聞きしておりましたので、今後とも、ひとつ御鞭撻を私たちもありがたく承りますので、御援助を賜わりますようお願い申し上げまして、答弁にかえさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○委員長(玉置猛夫君) 本案に対する本日の審査はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(玉置猛夫君) 地方行政の改革に関する調査のうち、昭和四十七年度自治省の施策及び予算に関する件を議題といたします。 御質疑のある方は順次御発言願います。
○和田静夫君 まず、前々回、それから前回の委員会からの継続でありますが、求めておきましたそれぞれの採用年次別の飛び歩き状況、それから、いわゆる人事交流にあたっての自治省と地方との文書のやり取り、その文書を、さらに一言で言われる名簿の配付先、費用の出所、そして、これらを前提にしながら懸案の統一見解をまず承りたいと思います。
○国務大臣(渡海元三郎君) 昨年三月十九日の参議院決算委員会におきまして、地方公務員幹部候補者の採用手続に関し、自治省の岸前官房長から、自治省における採用手続が国家公務員法に基づく手続とは別のものであるという趣旨の答弁をいたしておりますが、これは、現在行なわれている手続の説明としては誤まりであり、たいへん御迷惑をおかけいたしました。従前におきましては、そのような考え方に基づき手続がなされていた時期もありますが、最近においては、自治省における採用内定者の手続は国家公務員法上の採用手続に従ったものでありまして、その後、自治省のあっせんに基づき、地方団体の意向と本人の意思によって直接地方団体の職員として採用することに切りかえたものであります。しかし、このような措置を繰り返すことは適当でないと考え、四十七年度は、国家公務員として採用することに改めました。御了承願います。
○政府委員(皆川迪夫君) 前回の委員会で、和田委員から、いわゆる名簿の問題につきまして御質問がございまして答弁を保留いたしておきました点につきましてお答えを申し上げます。 昭和四十六年度七百七十部印刷をいたしました。十四万九千円を要しております。予算の支出科目は、自治本省庁費、印刷製本費であります。この名簿は、当省及び当省関係の機関、それから道府県等において人事業務に使用をいたしておるものであります。ただ、部数が少し多過ぎるように思います。したがいまして、これは将来必要最小限度に改めるつもりでございます。
○和田静夫君 必要最小限度をどの辺に押えられるつもりですか。
○政府委員(皆川迪夫君) 各機関の要望等を精査しないとわかりませんので、直ちには申し上げられませんが、思い切って削減したいと思います。
○和田静夫君 昭和四十七年度を迎えて新しく辞令がおりた、いわゆる自治省幹部職員の府県市町村別のですね、いまおわかりになったら……。
○政府委員(皆川迪夫君) ちょっと手元に資料を用意しておりませんので、ちょっとお答えできかねます。
○和田静夫君 これは調べればすぐわかりますよ。
○国務大臣(渡海元三郎君) 私、聞いておったのは、四十七年度分の、答えたのでは、新しく入れた採用者は全員国家公務員で入れておるので何人であるか、市町村に入れた分、だから前におった分は幹部職員になるもので、市町村へ入れたものをおとりなされたかどうかということ、ここで話しておったのですが、そうでございますか。
○和田静夫君 そういうことです。
○国務大臣(渡海元三郎君) 四十七年度になってから、この四月一日から……。
○和田静夫君 いま自治大臣の言われた後段部分。
○政府委員(皆川迪夫君) 後刻調べまして答弁申し上げます。
○和田静夫君 そうしますと、その人たちが何年組であるかということ、それから、その人たちの退職金の取り扱いはどうなりますか。
○政府委員(皆川迪夫君) 退職金は、多くの場合、地方公共団体におきまして国と勤務期間を通算をするという条例をつくっております。したがいまして、地方に行く場合も退職金をたぶん支給していないと思います。それから、その方々が国に復帰する場合も同じでございます。
○和田静夫君 いわゆる六団体の事務局に行っているそういう人たちですね、この人たちの退職金、年金の扱いは。
○政府委員(皆川迪夫君) 地方の職員は通算の規定がございませんので対象になります。したがいまして、退職金も、国なり、やめました府県について支給いたしております。
○和田静夫君 年金の扱いは。
○政府委員(皆川迪夫君) 年金につきましても同様でございます。
○和田静夫君 そこで、大臣の御答弁でありますが、非常に前進を見ました。その限りにおいては一定の評価をいたすのでありますが、私は、先般来、ある意味では無味乾燥な法律論で自治省の皆さんとやりとりをいたしました。いわゆる自治省の天下り問題が実は何べんもこの地方行政委員会で御存じのとおり取り上げられたのであります。そして大臣が、そのたびそれなりには前向きの答弁をされました。しかし事態は一向に改まらなかったわけであります。そこでは、今度の場合はかなりはっきりしておりますから次第に改まると期待をいたしますが、自治省官僚の地方公務員に対する抜きがたい独善的なエリート意識、それと地方自治というものに対するメンタリティの欠除が私はある、そういうふうにどうしても思わざるを得ません。というよりも、そう思わざるを得なかった。日本の地方自治には、確かに未熟な点があまりにも多くあり過ぎるかもしれません。そうした中にあって、地方公務員の仕事ぶりにもまだまだ未成熟な点があるかもしれません。だからといって、そこに自治省官僚がのこのこ出かけていってよいのかというと、私はそれで済むことではない、こう思うのです。自治省の官僚は、自分たちが府県市におりていく、そのこと自体に日本の地方自治の未成熟の一定の現象を示すものであるというそういう意識がどれだけあるのかと疑問に思うのです。そこには自分の昇進の一ステップとしての程度の感覚しかない。地方行政を現場で学ぶと、こう言う、この現場での体験を将来に生かしたいなどと言われるが、それなら、なぜ府県に重点的に行かれるのですか。ほんとうに学ぼうとされるならば、府県にいじめられている町役場、村役場に行ってもらって、その体験を生かそうという人がいままで一人でもおりましたか。私は、この点がたいへん重要だと思うのです。大臣、いかがですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 確かに、末端の市町村にまで出て初めてほんとの意味の自治の体系がわかるものであるということは御指摘のとおりであろうと思います。その点、ほんとの意味で、知るためには、市町村との交流も行なわれるべきでないかという御議論、私は御指摘のとおりである。そうあってほしいと思いますが、現実にはなかなか限られた人員、組織でございますのでこれも行ないがたい。しかしながら、つとめてもし許されることであり、望ましいことであったなれば、私、いま御指摘になりましたような姿でそういったことも考えさしていただきたいと思いますが、そのまま機会もなくて府県にとどまっておるのではないかと思います。ただ、そのときに、府県を通じて、府県は市町村の補完行政をやっておる一番身近な姿でございますので、その部署、部署におきまして、府県を通じて、市町村のほんとの意味の地方行政のあり方、また要望するものを学びとってくるように期待いたしておるのでございますが、はたして、それだけで実があがるかどうかということは疑問でございますが、私まあ乏しい経験でございますが、地方に赴任する者に対しましては、その旨をよく申し伝えて府県に行かしております。まあ与えられた機会に十分なる成果をあげるための、地方自治の本質をつかむように本人自身で努力してくれという姿で指導をいたしておるのでございますが、御指摘の点、もし円満なそういう交流ができるようでございましたら、そういった部面にまではからしていただきたい、かように考えます。
○和田静夫君 そこで、人事交流の原則について二、三意見を述べて見解を承りたいのですが、まず第一に、いま前段、最初の御答弁によって、自治省における幹部職員の採用については公務員法の原則に基づいて採用するということですね、先ほどの……。
○政府委員(皆川迪夫君) 現在もそうであると思いますが、もちろん今後もそのとおりであります。
○和田静夫君 二つ目に、自治省及び関係省庁と地方自治体との人事の交流につきましては、公開の場で登用する、私はそういうことがもっとはかられていいと思います。無用な混乱が起こり過ぎるのであります。まあ具体的な事例をいまここで申し上げる必要もありませんが、この辺はどうですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 公開の場と言われます意味がどういう点をさしておりますか、私は、自分が行ないます限りにおきましては、できる限り地方の任命権者の御要望をそのまま受け入れる姿でやってくれということで自治省の幹部諸君にお願いしておるという姿で、実は、私も自治省をあずかっておりまして、自分の手足になって補佐してくれる職員に優秀な者をほしいという気持ちで一ぱいでございます。しかしながら、地方から自治省に幹部職員を要望される場合、またその自治体が、任命権者がよく本人を承知であったれば、私が望むような補佐の者がいただきたい、名ざしで御要望される場合が多々ある。これは当然のことでございますが、私は、地方自治が円満に現場において行ない得ることが、私の任務とする最も重要なことであるということを基本として、自治省、私の補佐機関の、少しぐらいの欠陥がございましても、りっぱな自治行政をやっていただくために向こうの要望される方を出すという方針で、いま事に当たっております。こちらからこの人間をとってくれという姿では、少なくとも、いわゆる天下り的といいますか押しつけと申しますか、そういった方針はしないということで今日までやらしていただいてきたというのが、あるいは実情がそれに合わない面が出ておるかもしれませんが、私が常に指導をし、行なっておる限りにおいては、そういうふうな方針でやらしていただいております。
○和田静夫君 いわゆる発令前に、人事の交流について全く密室なんですね、いまの状態というのは。それがある意味では憶測を呼んでたいへんな混乱を起こす。この四十一年に採用された人がたいへんなところに行っていた例もありますよ。職員組合と理事者側との間に、その職員組合が常日ごろ理事者側となあなあの状態にある職員組合かというと、そうではない。しかしそういう、そうではなくてもたいへんな動き方ができるやり方というものがあると思うのです。そういう意味のことを私は公開の場と、こう言うのであります。人事は、あくまで最後まで秘密なんだというような形で進んでいくとたいへん無用な混乱が起こる、そういう意味で大臣の見解を承りたい。
○国務大臣(渡海元三郎君) 私も二、三そういった点で直接陳情も聞きました。まあ何と申しますか、発令が、同意を得るような人事案件でありましたりするような場合ですね、先に漏れることが無用の摩擦を、人事として同意を得るというふうな場合が顧慮されますし、その意味では、そのつどごとケース・バイ・ケースで任命権者と私たちとの間にそういった摩擦が起こらないようにすべきものであるという点からは、ある程度一定時期までは隠しておかなければならない、公開もできぬという場合もあり得ることは十分御了解していただけると思います。そうでない場合におきましては、私は、いまのような場合、一つの例のときに、職員団体からの陳情のときにも申し上げたわけであります。私どものほうからも皆さん方の要望を任命権者の方に伝えておくから、任命権者の方によく御理解願えるように、これは単に自治省だけの立場でなくして、任命権者との間の問題もあろうと思いますので、そういった意味のことを各任命権者のほうの方々にも要望して、そういった摩擦が起こらないように御配慮願いたい、持っていきたい、これは実際の運営面においてやらしていただくよりしかたがないのじゃないかと思いますので、そういった方向の御趣旨の例も陳情者に答えた次第でございます。具体的に任命権者の方々にそういったことを徹底していただき、摩擦が起こらないように今後機会をとらまえまして御理解を願い、そのことについて御検討願うように、私たちとしても、指導と申しましたら何でございますが、そのような努力をして御理解をいただくようつとめさしていただきたいと存じます。
○政府委員(皆川迪夫君) 先ほど答弁を保留いたしておりました点でございますが、四月一日以降本年度に入りまして、自治省を退職して地方団体に行かれました方が、いわゆる幹部職員というお話でございましたので、そういう点について見ますと、三十二年採用の職員が一名市に赴任をいたしております。市に採用になっております。
○和田静夫君 そこで、これはあたりまえのことなんですが、いわゆる人事交流によって地方自治体採用職員と人事の均衡を失して、そうして意欲を低下させるような事態は絶対に引き起こさない、これはもう確認できますね。
○国務大臣(渡海元三郎君) 意欲を喪失せしめないというのは、地方へ出すことによって、その幹部、出す本人自身の理解をというよりも、むしろ受け入れる側の意欲、これはもう私は当然なことだろうと思います。ここの小谷委員も私と同じ県会で席をともにしたものでございますが、私もそういった現場の空気といいますか、そういったものも幾分かははだに感じて知っております。各理事者の方も、そういった意味におきましては、十分その点も考えながらおやり願うようにしていただいておるであろうと、かように思いますし、先ほど申しました、公開の席でやれと言われるような意味も、そういった点も含めてのものではないかと思いますので、そういったつもりで、今後ともに円満なる人事の交流ができるように、指導という段ではございませんが、機会あるごとをつかまえまして、任命権者の方々とも話し合いをさせていただきたいと、かように私自身感じ、また行動をいたしております。
○和田静夫君 ここの部類の最後ですがね、いわゆる職員多数の反対があって、その職員というのは、必ずしも自治体職員団体、いわゆる労働組合に組織されているものだけをさしません。全体の職員ですよ。職員の多数が反対があって、どうしても人事がまとまらないという場合が今後起こり得ると思う。そういう場合には、これは当然自治省が引き取られる、こういうふうに認識をしておいてよろしいですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 具体的な例として、私はそういった姿のような動きをしておりますところの職員団体の方に直接お会いしたんでございます。そのときにも、私のいまのような考えを申し述べて、皆さま方はそう言っておられるが、私たちは任命権者と、皆さま方の気持ちも話すけれども、何と申しますか、また職員団体としても人事の交流のよい点も考えていただいてよく話し合いをしていただきたい、私たちは任命権者が要望されておられるものをむげにお断わりすることはできないんだということを申し述べたんでございますが、その点も十分御配慮賜わりながら、私は円滑に行なわれるように持っていきたいと、かように考えておる次第でございます。
○和田静夫君 大臣の答弁としてはそれ以上ちょっと無理だろうと思うのですが、まあそういう努力をしても結果的にはまとまらない場合があります。その場合に、その御本人が宙に浮いてしまいますからね。片方自治省はおやめになっております、片方は任命の辞令が出ません、こういう形になった場合、御本人の立場も考えなければなりませんから、それは当然自治省にお戻りになる、こういうことになるわけでしょう。
○政府委員(皆川迪夫君) 具体的な人事の扱いとしましては、退職の発令をする際に、双方の御理解を得られるようにすることをしなければならないと思っております。
○和田静夫君 まあ発令をしてから起こり得る状態だって皆無ではありませんからね。その場合のことをちょっとお聞きをしたい。
○政府委員(皆川迪夫君) 同じようなことになるかもしれませんが、人事の発令としては、退職をして本人の行き場がなくなるというような事態になることは避けなければならないと思っております。
○和田静夫君 そこで、大臣、ここまでは、ある意味じゃ三回も委員会をかけたことであるし、たいへん前向きに検討されていただいたのでよいのですが、次にお聞きをすることは、残念ながら聞かざるを得ないことでございます。 まず大臣に、自治省の役人が国家公務員であると同時に地方公務員の幹部であるという発想ですね。これはまあ法律的に成り立たないことは、この間からきょうの委員会まで三日間の委員会でいま明確になったわけです。それは間違いですよね、やっぱり。
○政府委員(皆川迪夫君) これは普通まあ俗的にそういう発想というようなことがいわれるかもしれませんが、一番最初に私がお答え申し上げましたように、自治省の職員は、単にいわゆる幹部職員のみならず一般職員の全部が地方団体で採用され、地方の職場を長らく経験された者によって構成をなされておるわけでございます。で、いわゆる上級職試験に合格された方々、これを採用する場合の一つの発想というのがいま御指摘になった点であろうかと思いますが、もちろん、同じ人が、同一時点において自治省の職員だと同時に地方団体の幹部要員であるというようなことは、これはあり得ないことです。ただ実際は、そういう方々でも、生涯を通じてみると圧倒的に地方に在職をする期間が長い方が多い。こういう状況でございまして、したがって、そういう人間一生を通じての一つの考え方として、自分は地方団体の立場でものを考えるものであると、こういうような認識からそのようなことがいわれるのじゃないだろうかと思います。
○和田静夫君 ともかく、厳格に考えて、国家公務員であると同時に地方公務員の幹部であるという、こういうことにならないということが先ほどのいわゆる大臣の統一見解として出た、それはそう理解していいんでしょう。
○政府委員(皆川迪夫君) そのとおりでございます。
○和田静夫君 ところがですね、実はその実態的にどうである、こうであるという論議じゃなくて、法律的には間違っているということが明らかである。しかも両二回にわたる委員会で、委員会が実質的にとまるような状態だった。統一見解が出ないわけですから、きょうまで。そういうとまるような事態までに置かれている間に、こういう間違った発想が自治省の幹部の中からなされたとしたら、自治大臣、どうされますか。
○国務大臣(渡海元三郎君) ちょっとこう具体的に御質問をもう一ぺん……。
○和田静夫君 いま言ったとおり、間違った発想が自治省のいわゆる官僚の中からなされたとした場合、仮定じゃない、私はあとから実例をあげますが、自治大臣、どうされますか。委員会は、一生懸命天下りの是非について、あるいは採用の是非について、しかも法律解釈は私が正しかったことはきょう明らかになった。正しい論点に基づく論議をやっている最中に、それを自治省の特定の幹部が、そんなことは知りませんと、われわれの考え方は、国家公務員であると同時に地方公務員の幹部だと、こういう発想を発表された。こんな議会の軽視というものは、自治大臣お許しになりますか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 意見を述べたということでございますか、具体的な問題でなくて。
○和田静夫君 統一見解が出ていないのに、かってに解釈があなた以外から出てしまう、委員会がとまっているのに。
○国務大臣(渡海元三郎君) こういうことであると——どういうふうな述べ方をしたのか知りませんけれども、お聞きせぬとわかりませんけれども、まあいままで議論を積み重ねられたごとく、いろいろな見解がある。まあ私もこのこと初めて委員会でいろいろいままでのことを教えていただいて、まだ十分ではございません、法律に私弱いほうでございますけれども、まあ研究さしてもらっていまの統一見解を述べさしていただいた。その中には従来の、何年かまでは採用の手続といいますか、自治省の中におきまして、いわゆる上級試験を受けた者の採用のしかたを人事院とは別に採用しておったと、自治省自身が。これは地方公務員が、いまいいましたように地方につとめる場合、また自治省におる場合、これはもう非常にどちらが多いかわからぬというような姿でございますので、国家公務員の採用手続とは別に独自の採用をしていただいておったと、それじゃ困る、国家公務員と地方公務員といつも取り合いになって困るということから出てき、それが自然いま申しましたように、今日までいろいろ変遷をしてきまして、和田議員から御指摘を受けるような姿になってきた。しかし、そんなことではいかぬということで、今度法律にも合っているという姿に改めさせていただくというのが統一見解でなかったかと思います。それらの過程を踏んまえて、こういったほうがよかったのじゃないかという意味を含んで意見を述べたのじゃないかと思います。具体的なものの言い方をどう言ったか私わかりませんけれども、少なくとも私たちは、そういった意味から一つの議論はあろと思いますが、いま答弁さしていただくように、この道を、たとえどんな経過がございましても、合理的に持っていくために、現在の法制のもとでは、こういう手続であるのが当然だというのでいま統一見解を述べさしていただいた次第でございますので、そのように指導をしてまいりたい。もし、それじゃ困るんだということがあったら、私は法律そのものを変えなければいけない。こういうような見地でいまの統一見解を出させていただきましたので、意見はあろうと思いますが、もし誤った考えで述べておりましたら、よく訂正さし、私が指導監督の任にあるんでございますから、そのような方針を本人にもよく申したいと思います。
○和田静夫君 これは渡海自治大臣が衆議院の地方行政委員会に所属していたときのことだと思いますが、私が国会に出てから食言問題がありました。自治省の官僚が、再三、同一人が食言問題を起こすというのは、私はこれはたいへんなことだと実は思う。国会で自治大臣が、本人の処遇のことを含めてその取り扱いは検討すると、かつて答弁された野田自治大臣。そして、当時「公務員月報」に書かれたことや、あるいは長野県に行ってしゃべったことが問題になった。東京都新宿区役所の職員などというものはたいへんなっていないというような発言も問題になった。その食言問題で、行政課長という行政の枢要な任からはずされて別のところにその人は行かれた。言ってみれば、処分をされた。そして衆議院の地方行政委員会も参議院の地方行政委員会も、御承知のとおり、その措置をもって一応了としておった。ところが、まあ大臣がおかわりになった。そしてほとぼりがさめたと考えられたのでしょう。いつの間にか官房総務課長といった自治省の人事のかなめをその人は握ることになった。私は、そこまではよかったんだろうと思うんです、ある意味では。ところが、その同一人が先ほど来言っているように、採用問題についての法律的な見解の相違について論議をしているこの国会、しかも結論的には、統一見解が出された今日、私の主張が正しかった。そんなものはどこ吹く風というような形で、当時の幹部が、「当省の幹部が地方団体に行っているのは、天下りでもなんでもない。本来、自治省の役人は、国家国務員であると同時に、地方公務員の幹部でもあるからだ」と森総務課長は反論する。何べんも食言問題これは三べん目ですよ。この状態、私は森さんという人は顔も知りません、正直なところ。しかし、こういうような形というのは一体、少なくとも私という個人に対する侮べつだけではないと思う、国会の審議それ自体に対してたいへんな私は侮べつ的な行為だと思う。自治大臣に、私は、これに対する前の経過を踏まえて処断を望みたい。
○国務大臣(渡海元三郎君) 私、前の経過、十分存じておりませんので、直ちに私の前の経過を含めての処断ということは、お答えすることはちょっと控えさせていただきたいと思いますが、前の経過等も聞き、また私が、新聞に出ておりますが、本人がどういう気持ちで言いましたのか、実は総務課長でありましたなれば、この統一見解を私とともに研究し私にこれを、述べますこの文章を説明したひとりでございますので、私はおそらくことば不足が新聞記事であのような姿になったのじゃないか、こう思います。しかし、ことば不足にいたしましても、注意すべきことは当然でございますので、本人によく真意等も尋ねます。指導監督の任にある私でございますから、十分注意をいたしたいと思いますので御了承を願いたいと思います。
○和田静夫君 私、何も個人を責めようと思いません。しかし、実際は前のことをお知りにならなければしかたがないのですが、参議院の地方行政委員会も衆議院の地方行政委員会も実は前の発言をめぐっては何回かとまったのです。そうして野田自治大臣は、ついに先ほど申し上げましたような措置をされました。そうして秋田自治大臣になってからかえられたのでありますけれども、今度またああいう食言問題が起こるというのは、本質的に、統一見解をお書きになっておりながら、統一見解を検討される中心でありながら、その統一見解は国会で問題になったからしかたがない、政治的な妥協としてこれくらいの統一見解を出しておけばいいのじゃないかというような、官僚独善的な考え方が総務課長の思想性の中にあるのではないだろうか。したがって、こういうようなことが論議をやっている最中に出るのですから——これはサンケイ新聞三月二十八日です。そうして私、ここに出ている記事だけではない、何を言われたかという材料を持っております。したがって、大臣、いまのような抽象的な答弁でこれをおさめるわけにはいきませんので、次回に、きょうここで答弁をということにはならぬでしょう、次回の委員会までに一定の大臣の見解を出していただきたいと思いますがよろしいですか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 実は私も、実情で、そういったいままでのようなこともあり得る、それからまた、その実情が現実により適しておるというふうな意見も聞きました。しかし、現実に適しておったのだったら、はっきりとそれを、法を変えるべきじゃないか。確かに、御指摘になられたように、いまの法体系のもとにおいては人事院とこちらとの食い違いがあることは当然だ、実情はよくわかっておっても、それならそれで人事院に対する取り扱いの中で法を変えるか、その法に合わしても実情に合えるような、しかも、法にも合っているという手続に変えるべきじゃないかというところまで突っ込んだのでございます。法制局長官とも、私は高辻君とも、それはその問題でございませんが、予算委員会で席をともにすることございますので、私はこう言うておるのだ、高辻さん自身も、その実情必ずしもつぶさに知っておられるのでないので、ただ単に、自治省だけでなく、ほかの省においてもあるだろうと思う、それは渡海さん、当然そんな場合は法を変えるべきやというふうなことも踏んまえながら、この統一見解をつくらしたのでございます。その過程におきまして、私は、少なくとも本人、総務課長自身に話しますときに、いわゆるいま御指摘になりましたような、官僚独善的な実情が、そのほうがいいからそうなければいけないのだというふうなお話だったら、法律直せということもよく伝えたつもりでおるのでございます。私の何といいますか、そのときの説得のしかたがまだ本人に十分に感じてなかったかどうか知りませんけれども、私はそういう意味でその言を、私に対しましては、少なくとも、いや、そんなことはならぬというふうな反駁もなしに、ここの案をつくってくれたものでございますから、いま申されたような官僚独善的なものもあるんだろうというようなこともなしに、私、彼自身を評価し、解釈してきておったんでございますが、私は、そういう意味におきましては、よく注意もし、内容を調べて、次回、いま申しましたように私の気持ちをお答えさしていただこうと思いますので、私のいままで接しました姿では、そういうことであり、彼自身、私が就任しましたときに、現在の職におりました者でございまして、従来のいきさつも知りませんし、私に接する限りにおきましては十分意見も聞いてくれましたし、私自身がそういうふうなこと、この問題につきましても申しましたら、すなおに受け入れて統一見解をつくってくれましたが、よく真意を聞きまして、次の機会に御答弁さしていただきたい。よろしくお願い申し上げます。
○占部秀男君 いま和田君からの質問なんですが、大臣が次の機会に答弁をさしてもらいたい、きょうはそれでいいんですけれども、ただぼくは、一つだけ、大臣に、その答弁のための希望を申し上げておきたいと思うんですが、御存じのように、私たちも野党ではありますけれども、自治省が都道府県、市町村の問題でいろいろ中央集権だとか何とかいわれておりますが、その中で、自治省が自治省の立場から都道府県、市町村の問題についての非常に苦しい、微妙な行政指導その他の問題がある点もよく知っておるわけです。したがって、人事面については従来あまり、ある程度は知っていても知らぬふりをする、こういう場合も率直に言えばあったわけですが、したがって、人事面についてはあまりに突っ込んではいなかった。ただ私、その人の名前言ってはまずいんですが、いま和田君の質問の中の森君の問題は、四、五年前にもこういう問題を起こして、この当委員会では相当突っ込んだ質疑応答があったわけです。これは衆議院でも、おそらく大臣が地方行政の委員のときに森君の問題、山口鶴男さんから問題があったはずですよ。いまも非常に問題をかかえておる人なんですね、率直に言って。ところが、きょうの和田君のいまの質問を見ると、あの新聞は三月二十八日の新聞ですね。先月の二十八日の新聞でしょう。ちょうどこの問題が一番問題となっておるさなかに、しかも大臣が、大臣の気持ちはよく知っておりながら——あまり突っ込んだ言い方はしたくないんですけれども、非常に円満にものごとを運ぼうとしておるのに、一方、自治省の総務課長という名前で大きく書いておるんですね。まるで大臣の気持ちに対して、その大臣が使っておる下僚の人が反逆を起こしているのと同じなんですよ。これは当委員会に対する侮辱であり、同時にこれは、国家公務員として不適当だと思うんです、こういうやり方は。それは自分の意見はありますよ、公務員としての意見はありますよ、総務課長としての意見はありますよ。しかし、大臣がまとめようとして一生懸命やっているのに、その大臣のやっていることはおかしいじゃないかという、あたかもそういうような方向で新聞に大きくそれを発表して、大臣のやっていることを何か遮断しようというような、防ごうというような、そういう大それた考え方を持つから官僚独善というように言われるんですよ。官僚全部が独善じゃないんですよ。国家公務員の中にも非常にいい人があるんですよ、民生的な。ところが、そういう人間がたまたま出るから国家公務員全体が官僚独善なんてことを言われるようになってくるんですよ。ぼくはそういう人には、これは処分だの何だのということをいま言うわけじゃありませんけれども、そういうことのないようにやはり厳重にしてもらわぬと、当委員会としても、今後そういう人に対してはこれは決心しなければならない、そういうようなふざけた公務員に対しては決心をしなければならない。かように私どもは考えているので、そういう点なんかもじっくり本人に反省させるように大臣の努力を願いたいと思います。以上です。
○国務大臣(渡海元三郎君) いまの御要望、よく承知いたしました。私も前のこと知りませんので、実は、いま御指摘がありました衆議院でもということでございましたが、残念ながら私記憶にないものでございますので、ひとつその点も何し、本人の将来のこともあろうと思いますので私は十分注意をし、皆さん方のひとつ御納得といいますか、いずれにいたしましても、そういうふうな新聞に出ますことによりまして、当委員会における審議に対して、何と申しますか冒讀するような姿の発言が新聞紙上で、本人の意思でございませんと私は思いますが、出ることに対しまして厳重注意をし、そういうふうなことが起こりました点、監督の任にある私の不行き届きでありますので、私の不行き届きの点はこの席で重々おわびさせていただきまして、今後こういうようなことが起こりませんようにぜひとも善処をし、次回において皆さま方にその点答えさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○政府委員(皆川迪夫君) ただいま大臣から次回によく事情を確かめた上でお答え申し上げるということになりましたので、特に私が申し上げるまでもないと思いますが、ただ、私は、よく総務課長と日ごろから接触をしておるわけであります。どういう考え方で事を処理をしておるか、ある程度承知をしておるつもりでおります。この件につきましては、私もまだ話し合ったことがないので、この新聞の記事についてどうこうであるかは十分承知しておりませんが、おそらくは私は、自治省に入ってこられるいわゆる上級職試験の合格者に対して、あなた方は単に自治省に入ってくるんじゃない、機会があれば将来地方に出て仕事をしてもらうんだぞ、もちろんこれは具体のケースになりますので地方に迎え入れられない人もありましょう。それは個々の場合違いましょうけれども、考え方としては、将来地方において働く場所を求めるんだ、こういう生きがいで行ってもらいたい、こういうことを常々申しておるわけでございます。それが、自治省の職員だと同時に地方の幹部になるというように、もし使ったとすれば、そういう表現になったのじゃないか、もちろんこの表現は間違いだと思います。ただ、そういう観点を強調するために、こういうような表現が新聞紙上にとられたんじゃないかというふうに考えるわけでございます。なおまた、天下りの問題につきましても、私たちもそういうことが、いわゆる天下り行為というものが当然いいものだと思っておりません。むしろそうでなくて、これは人間の意識の問題だと思います。天下りというようよ意識を持って府県に行くんじゃない、本来、地方固有の職員のつもりでおるんだ、こういうようなことを意味したものじゃないかと考えるわけでございます。もちろん、次回によく調査をして答弁を申し上げるわけでありますが、短時間にいたしましても、あまり大きな意思の食い違いがあってもいかぬだろうと思いますが、一言、日ごろ接触しております者として、こういうことでなかろうかということを申し上げさせていただいて御理解をいただきたいと思います。
○委員長(玉置猛夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(玉置猛夫君) 速記を起こして。
○和田静夫君 それじゃいまの問題、そういうことで、次回の答弁でさらにあれをしたいと思いますが、大臣、前の経過がありますから、そう簡単な処置ではおさまらないということです。この問題は反省がなかったことですから、この辺は十分に含んでおいていただかなければならないと思います。 そこで、行政局長見えておりますが、約束のロブソン報告で二つ、大臣がいらっしゃるときにお聞きをしておきたいと思いますが、時間がありませんから、見解を述べて、そして見解を承っておくことにしたいのですが、ロブソンの第二次報告の配列は、第一章に「ニュータウン」、第二章に「都市開発」、第三章が「都市再開発」、第四章が「都市交通」というような順序になっていますので、その個々の問題について一回突っ込んだ議論をしてみる機会を持ちたいと思うのですが、簡単な「まえがき」に続いて、報告書の冒頭に「東京に関する若干の一般的考察」という問題提起がございます。 そこで、まず二つの問題が指摘をされているわけですが、「一つは、中央政府と国会が、日本の確固たる都市政策をもっていないことである。日本の場合、放任主義が都市化に関する限り、まことによく行き渡っている。首都に立地しようとする工場や高等教育の場所を制限していることを除けば、東京をはじめ他の大都市のぼう張を制限しようとする試みが今までとられてきていない。小規模都市や町の発展を促進したり、東京−横浜−大阪−名古屋−神戸の合成物と開発の遅れた地域のあいだにうまれた生活水準の不均衡を除去ないし是正するための効果的な試みもなされていない。もう一点は、中央政府が東京都が直面する緊急な問題の処理に本気で努力していないということである。その規模の故に起こっている諸問題、国の首都であるための特別な条件、東京の開発を周辺地域との関連において考えなければならない必要性がほとんど無視されている。東京都は、時代遅れの機構、不満足な権限、不十分な財源、不当な起債制限、そして、混乱し細分された都市交通とによって、一九七〇年代の諸問題にたち向かおうとやっきになっている。東京は、ニュータウン、都市開発、都市再開発、交通、その他無数の問題を処理するために行政上の権限のうえで現在よりもっと装備されるべきである」。ここでロブソンが指摘している問題は、第一次報告書に展開されているロブソン診断と処方せんが、国からも東京都からも積極的に問題にされなかったという事実。この前の宮澤さんの答弁ではありませんが、宮澤さんでさえ読んだことがありますなどという程度の認識ですね。これを前提として受けとめる必要があると思いますが、同時に、前書きのこの指摘は、わが国における都市政策の欠落という実態を再確認しつつ、一九七〇年代に臨む東京都が、行財政上の責任と権限を持つことを要求したものとして私は率直に受けとめるべきだと、こう思うのであります。この基本線に沿ったロブソン・レポートの総括的な評価、自治省の評価ですね、それをまずお聞かせをいただきたいのです。
○政府委員(宮澤弘君) ロブソン報告についての考え方についての御質問でございますが、まず、お断わりを申し上げておきたいと思うのでございますが、私も仕事の関係上、こういうものに興味と関心を持っておりますことは事実でございます。しかし、報告自身が何分広範なものでございますし、それから中身も、全般的に申しますれば、まさに地方自治の問題でございますけれども、各省各庁のいろいろ所掌事務にわたる問題でございます。そういう意味合いから申しまして、私が申し上げますことは、あるいは不十分であるかもしれないということが第一点でございますし、それから、ただいまの和田委員の御質問で、自治省としての見解というお話でございましたが、こういうものについて自治省としての公の見解をまとめたこともございませんので、私自身の考えを申し上げることでお許しをいただきたいと思います。 そこで、ただいま和田委員は、このレポートの基本的な前提と申しますか考え方として二点を御指摘になりました。これについてどういうふうに考えるかと、こういうお話でございました。 第一点は、中央政府と国会が日本の確固たる都市政策を持っていないことであるということでございました。私が、いまここで政府なり国会を批判をする立場にはございませんけれども、率直に申しまして、私もこういう考え方にはきわめて同感でございます。ここにございますように、全般的な、一体都市の膨張をどうやって制限をするかという試みがいままでとられてきていないということは、私もそのとおりだと思うのでございます。従前、工業あるいは経済機能というものの再配置につきましては、新産であるとか工特でございますとかという施策がございましたけれども、これは私はやはり工業サイドからする発想にとどまっている、全般的な都市機能の充実という観点が見失われているという印象を持っております。かつ、最近の国会、今国会におきましても、工業再配置促進法案というようなものの御審議を願っているようでございますけれども、これにつきましても、私はややそういう感じを持つわけでございまして、やはり日本の国土全般を見ますならば、基本的には、どうやって大都市に集中をしております機能を、単に工業機能ばかりでなくて、すべての機能をどうやって地方分散をするか。地方の都市機能をどうやって充実をしていくかという総合的な政策が当然なければいけないと思うのでございます。そういう意味におきまして、ロブソンが指摘しております第一点は、全般的な印象といたしまして私は同感でございます。 それから、第二点でございます。東京につきまして、東京自身が仕事を行なうにあたって必ずしも十分な権限を持っていないという点でございます。これは、個別的にはいろいろ議論があるところであろうと思うのでありますけれども、私は、東京も含めましたやはり都市政策というものにつきまして、もう少しやはり自分で仕事ができるような体制を樹立をする必要があるということを考えているわけでございます。そういう意味合いにおきましては、第二点の指摘につきましても全般的に反対の意見を持つものではございません。
○和田静夫君 一つだけ具体的な問題でお聞きをしたいのですが、都市開発に関するロブソンの批判的な見解として、ニュータウン、新宿副都心構想について、私は最も興味深くここを読むのでありますが、都の住宅政策に関する指摘があります。ロブソンはこう言っているわけです。「抽選方式は最も公平な方法であり、差別や情実あるいは汚職を排除できると考えられている。しかし、この「公平さ」についての主張は見せかけの主張であると思う。宝くじで賞金を得ようとするのと同様、家やアパートを当てようとしてくじを引くことには何の、長所もなければ公平さも存在しない。決定は全く時の運にまかされ、申込者が住宅を必要とする程度とは何の関係もなく決定が下される。このくじ引きは金銭がからまないだけのことで、抽選にはずれた者がよりよい住宅に入る権利を手にし得ないという意味で、本質的にギャンブルの一形式であることに違いはない。東京都において行なわれている公営ギャンブル場を閉鎖するという、美濃部知事が下した決断の立場からみれば、抽選によって住宅を割り当てるということは正常なこととはいえない」。このロブソンの批判には、都の当局もおそらく返答のしようがないかもしれません。頂門の一針ということは、まさにこういうことをさして言っているのだろうと言っても過言ではありません。 私がここで大臣に申し上げたいことは、ロブソンのこの批判は、単に公営住宅政策の盲点を指摘をしただけではなくて、実はわが国の住宅政策一般の急所を押え、その矛盾を暴露したものではないか。すなわち、ロブソンの問題提起というのは、たまたま都営住宅の抽選方式の公平さの問題を取り上げた形になっていますけれども、そういった次元でとらえられるような事柄ではないと思うんです。ロブソンのこの問題提起は、わが国の住宅政策のあり方について根本的に考え直す契機を与えてくれているのではないだろうか、そういうふうに私は思うのです。中央政府あるいは地方自治体を通じて住宅政策のあり方がこのままで一体いいのだろうか、特に、だれのために住宅政策があるのだろうか、ロブソンはこのように大きく問題を提起しながら、ロブソンなりに代案を実は用意をしています。それはポイント方式というやり方です。すなわち、責任ある職員によって要因ごとに査定された、各申し込み者に与えされたポイントの総計が申し込み者の住宅入居順位表の中の順位を決定する方式、ロブソンの代案というものはこれである。しかも、この住宅リストはときどき公開して一般の供覧に供し、必要があれば、不満を聴取するため非公式の訴願法廷を開設するように勧告をしているわけなんです。言うまでもなく、住宅政策は都市政策の機軸であります。この根本的な都市政策の課題に対してある状況でどういう政治的指導をとるべきか。そして、それがどういう政治的効果を一体持つのか。この問題に関する読みと、そして政治的感覚の有無は、何といっても現代の政治家にとっては私は必須の要件だと思うんです。そこで大臣、このロブソンの提起についてどういう御見解をお持ちになりますか。
○政府委員(宮澤弘君) まず私から御答弁を申し上げたいと思います。 この住宅の問題は、申し上げるまでもなく、役所といたしましては私ども直接主管をしているわけではございません。ではございませんが、確かに、こういう問題の指摘は、私としては一つの見識、見解であろうと思います。過日、和田委員からもこの点というお話もございましたものですから、私も多少建設省の事務当局にこういうものについての考え方についてただしてみたわけでございます。建設省の事務当局のほうも、確かにそういうやり方というのが一番実態に合っているかもしれない、しかし、このポイント方式の一体どういうポイントを選んでいくか。まあこの報告でも幾つかの項目が出ておりますけれども、どういうポイントを選んでいくか、それから選ばれたポイントのウェートのつけ方でございますね、ウェートのつけ方というようなことでいろいろ問題があってなかなか踏み切れないでいる。しかし、こういう方向でやっているところもごくわずかはあるけれども、まだ全般的にこういうことにはなっていない、こういう話がございました。私は専門的な立場ではございませんので、そういう話を聞きまして、ここで間接的に御報告をするわけでございますけれども、確かに、いまの住宅の抽選方式ということ自身には一般的に問題があるだろうということは、私は事実であろうと思うのでございます。まず私からそれだけ御答弁申し上げたいと思います。 —————————————
○委員長(玉置猛夫君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、上田哲君が委員を辞任され、その補欠として神沢浄君が選任されました。
○国務大臣(渡海元三郎君) 実は、私、衆議院の予算委員会で建設大臣とのやりとりのときは自治行政に関連する分が多いものですから、つとめて質疑応答も注意して聞かしていただいておるのでございますが、現在の抽選方式はそれだけでよいのかという質問に対しまして、建設大臣が、当然必要に応じて、できるだけ困っておられる方から優先的に持っていくという方式をとるべきであり、一部の市町村ではそういったことも実施しておられますが、なかなか全部の状態を調べるためには、大きな都市には非常に大きな人員もいるし困難であるというので何ですが、順次そういった方向に持っていたいということを答えておられるのを記憶いたしておるのでございますが、実は、いま読まれましたそれを聞きながら、ほんとうに、何と申しますか、言い得て妙という表現をロブソンさん自身がそのことをやっておられるということをいま初めて知ったんでございます。住宅問題、自治省の問題ではございませんが、ほんとうに現在のわが国がかかえる大きな問題であろうとも思います。こういった姿の住宅政策が行なわれるように、私たちも、その省でなくても、実際公営住宅その他で行なうのは市町村でございますから、関係省庁とも連絡の上、今後ともその充実をはかっていかなければならないと、かように感じながら質疑応答をお聞きいたしておったような次第でございます。
○和田静夫君 最後にいたしますが、さっき自治省としての見解はお持ちにならない、宮澤行政局長個人の御見解だということでございましたが、いま自治大臣、各省との関係というものを調整を十分にしながら、やっぱり検討を加えなければならぬと答弁されました。もちろん各省の検討も必要でありますが、各省を含んで、たとえば東京都あるいは神戸市などというような大都市とこのロブソン報告の提起を中心としながら検討を加える、そういう機会をお持ちになることがたいへん私は必要なんじゃないか、そういうふうに思うのですが、そういうおつもりはありませんか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 御承知のとおり、日本の行政は縦割りになっておりまして、住宅のことは、自治体に対しても直接建設省からやっていただいておりますが、私たちは、全般のことについて絶えず各自治体と接触する機会も多いと思いますので、何と申しますか、行政指導という立場では何でございますが、これは一つの指摘されました有意義なる問題であろうと思いますので、私たち触れる機会も多いのでございますが、全般的に一つの問題として一ぺんお話しかけるような機会も私自身持たしていただきたいと、かように考えます。
○神沢浄君 私は、大臣の所信表明の中でもって一点だけ、時間の関係もございますからお尋ねしておきたいと思うのですが、所信表明の中でもって大臣がこう言われておるわけです。「社会経済情勢の著しい変貌と住民の日常生活圏の拡大に即応し、真に住民の諸要請に応え得る適切な行政処理体制を確立することの必要性は、今日、ますます強くなりつつあると考えられます。このような観点から、従来に引き続き広域市町村圏の振興整備及び市町村内の近隣社会(コミュニティ)の形成に関する施策をさらに積極的に推進するとともに、大都市周辺市町村における広域行政処理体制のあり方にいても検討を加えてまいりたいと存じます。」と言われております。この表現から、私などがいろいろ感じさせられる点があるわけなんですが、どうも「近隣社会」とか「コミュニティ」ということばは、ちょっと何かぴんとこないようなことばに聞こえますけれども、しかし感じとしては、一方に広域市町村圏構想がある、こちらのほうにいわゆるコミュニティー構想がある。ちょうど車でいえば両方の輪みたいなものですね。それで今後の地方行政というものを、車を動かして推し進めていこうという何か車両における両輪的関係というようなものが感じられるわけでありまして、それをこう推し進めていく。さきに自治大臣がお考えになっておるところの地方自治の未来像というかあるいは期待像というか、こういうようなものが何か脳裏におありになるような感じがするわけであります。そんな観点からお尋ねをしてまいりたいと思うのでありますけれども、「(コミュニティ)の形成に関する施策」、こう書いてあるわけですけれども、これだけでは大体どのようなことだろうということがちょっとうまく判断ができませんので、その点ひとつ大臣の考え方をまずお聞きをいたしたいと思います。
○国務大臣(渡海元三郎君) 私もそういうふうな御指摘受けましたら、確かに、そういう御疑問をお感じになるのはごもっともであろうと思います。実は限られた字数——限られたわけじゃございませんのですが、私たちの行なおうとしておる施策を短い文章の中であらわしたもんでございますから、何かいま車の両輪的と、こういうふうに考えられたのですが、広域市町村圏をどういうふうな観点から推進しておるかという点は、かねがね当委員会でも述べさしていただいておりますので十分おわかりのことであろうと思います。最後のまた「大都市周辺市町村における広域行政処理体制」といいますのも、大体四十七年度でいままで推進してまいりました広域圏の設定というものを終了するという姿でおります。残された地域が大都市周辺の市町村、広域市町村圏からはずれるところでございますので、その行政のあり方をどう持っていくべきかということを本年度中によく実態を調査いたしまして、四十八年度から広域市町村圏にかわるべき大都市周辺の地域の行政のあり方を打ち立てたいと思いまして、最後に書いたような次第でございます。 コミュニティーは、昨年度からこういった試みをやらしていただいておりますが、兵庫県におきましても、神戸でもつくらしていただいておるというふうに、日常生活といったら語弊がございますが、近隣社会の連帯感と申しますか、失われがちな連帯感を盛り上げることによりまして、いろいろな面におきまして、ほんとうに身近な地域におけるところの住みよい場をつくりたいという意味からモデル構想として打ち出しておる次第でございまして、そのような三つの施策を一行にあらわしたものでございますから、いまのような御疑問もあろうと思いますが、なお考えております施策の内容等につきましては、具体的に行政局長から答弁させますので……。
○政府委員(宮澤弘君) コミュニティーの形成に関する施策につきまして補足して申し上げたいと思うのでございます。 申し上げるまでもなく、コミュニティーと申しますのは、住民の自主的、自発的な活動が主体になるわけでございます。それからコミュニティーの区域につきましても、なおいろいろ議論がございますが、大体現在の市町村の区域よりも狭い区域、大体平均的に申しますと小学校の学区ぐらいの単位の地域住民のまとまりということがいわれているようでございます。 〔委員長退席、理事寺本広作君着席〕 もちろん、地域によりましてもっと小さいものもありますれば、あるいは中学校の単位というようなものもございましょうけれども、平均的に申しますと、そういうことが一般にいわれているようでございます。 そこで、いま申しましたように、コミュニティーと申しますのは、あくまでもやはり地域住民の自主的、自発的な活動が中心になるわけでございますので、ここに「施策」と書いてございますが、一体、行政がどういうふうに入っていくかということは一つの問題であろうと思います。私どもは、その点につきまして、一つはコミュニティーの形成と申しましても、なおやはりコミュニティーという訳語自身がまだ日本語として定着をしていないような現代でございます。いろいろな考え方がいろいろあるわけでございますので、私どもは社会教育の学者でございますとか、あるいは都市工学の学者でございますとか、何人かの有識者に委員会をつくっていただきまして、そこで具体的な問題をいろいろ議論をしながら、各県で設定をしていただきましたいわゆるモデルコミュニティーの方々と御連絡をとって、いわば技術的、知識的な情報を提供し御協力をするということを一つ考えているわけでございます。それからもう一つの面は、コミュニティーはあくまでも住民の自主的、自発的な一つの地域組織でございますけれども、住民が結集をいたしますためには、やはりその物的な契機と申しますか、あるいは核と申しますか、コミュニティー施設というようなものが考えられるわけでございます。それが住民の集会所でありましたり、コミュニティーセンターというようなことを最近いっておりますが、集会所でございましたり、あるいは児童公園でございましたり、あるいはスポーツ施設でございましたり、地域によりましていろいろなものが考えられるわけでございますが、コミュニティー施設をつくりますことによって、その施設の利用なり使用を通じて、また住民の連帯感と申しますか、というものの醸成をされるわけでございます。私どもは、市町村がそういうコミュニティー施設をつくることにつきまして技術的な援助はもとよりでございますが、財政的にも考えられるだけの援助をいたしたいというふうな感覚で昨年からいたしているわけでございます。本質的には、コミュニティー自身は住民自身の自発的な活動の場であるわけでございますから、そういうふうにやはり市町村自身あるいは県、国といたしましても、そういう自発的な活動が醸成されるような雰囲気をつくり上げていく、そのために、ただいま申しましたような施策を考えており実施をいたしておるわけであります。
○神沢浄君 実は私の町もコミュニティーのモデルケースというように指定を受けておるようですけれども、町の人たちと話し合ってみて、把握のしかたが何か一定していないようなものがありまして、公民館でもつくったり、何か老人の施設でもつくりましたり、あるいはまあ公園でもつくりましたり、こういうようなことをするというふうに受け取っている向きもあるし、もっと何というのかちょうど旧村といいますか、学校単位というふうな一応想定する規模からいきますと、これが合併前の旧村みたいな形になるわけですよ。何か旧村的なものの復活のような受け取り方などをしている向きもあるし、どうも認識が一定しないのですね。したがって私は、まあどんなような考え方を自治省は思慮をされておるのか、こういう点を委員会などの論議の中でもって明らかにしたいと思う点も一つあるわけです。何か町長などの話によると、そういう施設への協力はする、町が。しかし、でき上がったその施設に対するところの運営というのは、言うならば、近隣社会の実現のためにそのコミュニティーが運営をしていくのだというようなことに解釈をしておるわけなんですが、その辺を、これは大臣でなくてけっこうですけれども、たとえば私が聞かれた場合に、相手にはっきり考え方の真随が伝えられるような説明が受けたいと、こう思うわけなんですよ。
○政府委員(宮澤弘君) たいへんむずかしい御質問でございます。と申しますのは、神沢委員の初めの御質問の中でも、コミュニティーというようなことば自身もはなはだあいまいであるというお話もございました。いまおそらく日本の世論の中で、コミュニティーというものはぜひつくっていかなければならない、そこで人間性の回復を地域で行なわなければならない、こういう議論はおそらくだれでもするだろうと思うのです。そこまではおそらく国民の一種のコンセンサスがあるだろうと思うのです。しかし、それ以外に、それでは一体どこにどういう手段でやるか、どういうものをつくるのかということになりますと、はなはだまだ議論が分かれているわけでございます。私は、コミュニティーという英語を使って日本語の定訳がないというのも、おそらくその具体的な内容につきましてのまだ国民的な合意ができていないということではなかろうかと思います。私どもは、各地元の方と御相談をいたしまして、モデルコミュニティーというものを昨年度設定をしたわけでございます。実は私は、いまから考えますと、モデルということば自身が少し不適当であったと思っております。いわば、これは言い方が悪いかもしれませんけれども、まあ一種の実験的、先駆的な試みというふうに申し上げていいかと思うのです。要は、要するに地域の方々が連帯をして、地域社会を住みよくするという運動が一言で申しますればコミュニティー活動であるわけでございまして、コミュニティーセンターなり公民館なりというような物的なものを考えませんでも、地域の人たちが何かお互いに協力をして地域を住みよくする運動は、私はすべてこれはコミュニティー運動だと思っております。したがいまして、従来の施策のような、これこれこういうものがコミュニティー活動である、コミュニティー運動であるというような定型的なものではなくて、地域の人たちのいろいろな組織があって、そういう人たちがとにかく共同連帯をして地域を住みよくしていこうという運動がコミュニティー活動である、私は実はそういうふうに思っているわけでございます。したがいまして、おそらく地域によりましては、ただいま神沢委員御指摘のように、何か施設でもつくればそれでいいんじゃないかというような感覚で受け取られているところもあるであろうことは私も否定はいたしません。しかし、まあ施設ができまして、施設を中心に住民の方々が出入りをし、つき合いをしていくうちで、そこで一つの共同的な意識、連帯的な意識が生じ、あるいは強くなるということを私は期待をしていいのではなかろうかと思うわけでございます。 そういう意味合いから申しますと、先ほども申しましたように、コミュニティーの単位と申しますのは、その土地土地によって違ってくるのでありましょうし、違ってきてもかまわないと思います特に都市地域と農村地域と、あるいは都市地域の中でも大都市圏とそれ以外の地方都市の区域というものは違ってまいるであろうと思います。区域の単位につきましてもいろいろなものがありましょうし、その中で行なわれる活動にもいろいろなもの、があるだろうと思うんでございますが、要は、先ほど申しましたように、地域の人たちが共同して地域を住みよくしていく運動というものがコミュニティー活動である。そういうものがそれじゃ具体的に定型的な形がいつどんな形で出てくるかということでございますが、私は、これはやはり数年、地方の方々あるいは私ども、国民全般が試行錯誤を繰り返しながらやってまいりますうちに一つの日本的なコミュニティーというものができ上がってくるのではないか、また、コミュニティー運動なりコミュニティー活動なりコミュニティーの施策というものはそういうものであっていいのではなかろうか、こういうふうな感じを持っているわけでございます。公務員がそういうことを申しますと、たいへん自信のないことを言うとあるいはおしかりを受けるかとも思うのでございますが、私は、このコミュニティーの考えなりコミュニティーの施策というものは、初めに国なり政府なりというものがあるタイプをつくりまして、これはこうである、こういうものをつくりなさいということを申し上げる性質のものでは性質上ないのではないか、こう思っているわけでございます。 それから施設の問題がございました。施設は市町村がつくるけれども、あとの運営は地元でやってもらうのだというような話があるぞというお話でございました。一方から申しますと、現在の市町村行政、先ほど広域行政のお話もございましたが、たいへん大きなりっぱな施設、広域的な施設というものはだいぶ充実をしてまいりましたけれども、住民の一番最小単位の施設でございますほんとうの身近な小公園でございますとか、スポーツ施設でございますとか、集会所でございますとか、そういうようなものがまだ充実をされていないというのが現状でございます。そういう点から申しましても、私はコミュニティーという問題を離れて、市町村行政のあり方といたしましても、少しそういう身近な施設の充実を市町村ともはかっていくべきだ、こういうふうに考えておるわけでございます。しかし、一方におきまして、市町村がそういう施設をつくりました際に、そういう施設を市町村が全部管理をするということになりますと、管理上のいろいろな問題が出てまいります。それから、コミュニティー本来の趣旨から申しまして、やはり自分たちの施設で自分たちが運営管理をしていくのだということがコミュニティーの本来の趣旨に合うのではなかろうかというふうに私どもも考えております。なるべく、そういうできました施設、ことに地域的な施設は、地域の方々の意向によって運営管理をしていくという態勢がとられますことも私ども一つのいき方ではないか、こういうふうに考えておる次第であります。
○神沢浄君 そこで、お話をそのまま受け取ればたいへん高度の指導性に基づくものですけれども、なかなか高度の指導だけではものごとは進まぬのがことに地方行政の実態でもあるでしょうし、この大臣の所信表明の中にもその積極的な推進をする方策云々と、こう言われておるわけですが、私などの承知をするところでは、何かそういう施設のために起債等の優先の方法をとるということに尽きるようですね。そういたしますと、いま市町村の行財政の実態からいけば、社会経済の変貌に従って、それ、公害の問題というふうに行政の需要は非常に多角的にふえてきておるなど、指導性は非常に高度だけれども、実際問題として、そこまでなかなか対応できるものではないじゃないかと、そうすると、これは積極的な推進にはならないことになってしまうので、しょせんは、何か耳には非常に聞こえのよい小ばなしみたいに終わってしまうおそれが多分にある、こう思うわけですけれども、その積極的な推進をする方策という点について、財政措置なんかの問題も含めて、もうちょっとひとつ考え方を詳しくお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(宮澤弘君) 先ほども申し上げたわけでございますが、ただいま神沢委員御指摘のように、一体どういうものをつくっていくのか、単に施設をつくるだけでなくて、どういうものをつくっていくのかということにつきまして、率直に申しまして、お互いに暗中模索であろうと思います。そこで、私、先ほど申し上げたのでございますが、私どものほうで、このコミュニティーという問題につきまして学識経験を持っておられます社会学者なり教育学者なり都市工学の学者という方々、一種の顧問団みたいなものを組織しておるわけでございます。そういう方々にこれまでも現地に行っていただきまして、現地の住民の方々と、座談会や懇談会をし、また現地も見ながら、そこで適切ないろいろな指導助言をしていただくということをやっているわけでございますが、こういう何と申しますか、助言態勢というものを今年度さらに強化をしていきたいと思うのでございます。 それから、施設面につきましては、御指摘のように、起債の一つの別ワクというものをとっておりまして、これによって施設の充実をはかっていこう、こういう態勢でいるわけでございます。中には、このコミュニティー施設につきまして特別の補助金を出すべきではないかというような議論も地元ではございますけれども、私どもは、これは今後の問題ではそういうことが検討される時期があろうと思いますが、現段階におきましては、やはり地方全般のワクの中でこういう近隣社会の充実を考えていくことが適当ではないかと、そういう考え方を持っておりますので、いま、これにつきまして特別の補助金制度を設定をするというようなことを直ちに行なうという考えはございません。やはり施設でございます、いずれ償還もできる起債というものを重点にしながらコミュニティー施設をつくっていくということを当面考えていこうと思っているわけでございます。
○神沢浄君 何か考え方というものはおぼろげながらわかるような気がいたしますね。しかし、何かそれはまことにおぼろげな絵がかかれているようなものでありまして、行政の現実という面から考えますと、はたしてそのような考え方というものが実現されていくものかどうかというようなところに非常なまだ疑惑が残ります。そこで私、大臣が、自治省がこの発想をされる動機、そういう点をひとつ伺っておきたいと思うんですよ。これにはいろいろの意見がありまして、極端な意見からいたしますと、結局、一方においては、広域市町村圏構想によってある程度地方自治体の権限というものは縮小化される、こういう影響は当然いなめない。また今度は、さっき車の両輪と申し上げましたのはそういう意味も兼ねてですけれども、さらに一方においては、今度コミュニティー構想というようなことで、自主的、自発的と言われますけれども、しかし、いわば学校単位あるいは合併前の町村単位ぐらいの一つの自治的なものが予想されるわけです。そうすると、その面においても、やはり現状の自治体の権限はいわば縮小的な傾向というものはこれは避けられない、こういうことになってきますと、両方から何かもぎ取られて、そして現在の自治法の定めるところの市町村の立場というものがだんだん変えられていくのじゃないか。むしろ、それを変えていこうというようなところにその発想の動機がひそんでいるのではないかというような考え方というものもあるわけなんですよ。それらの問題も含めて、発想の動機をひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(宮澤弘君) 発想の動機は、一番根本的に申しますと、私、先ほども申し上げたのでございますが、これは自治行政のサイドからというような狭い要請では私はないと思います。コミュニティー委員会というような政府の、企画庁でございましたかどこかの国民生活に関する部門の委員会がございまして、そこでコミュニティー形成の必要性というような答申を出しましたのが数年前でございます。これは、この自治行政というものと直接関係なく、やはり今後の国民生活のあり方、人間生活のあり方ということを考えました場合に、そういう地域の連帯に基づいた地域社会をつくっていく必要がある、人間性の回復を地域において求めるというような言い方をいたしておりますけれども、そういう発想が出たわけでございまして、そういう考え方につきましては、先ほども申しましたように、これは国民の大多数の方々がそういう考え方は必要ではないかというふうな感じを持っておられるのではなかろうかと思うのでございます、その限りにおきましては、コミュニティーの構想と申しますのは、地方行政のサイドからの要請と申しますよりは、もっと広い現在及び将来の国民生活というものを考えた上での一つの提案であったろうと思うのでございます。しかしながら、そういう提案を地域において実現をするわけでございますから、地域ということになりますれば、やはり市町村の中の一つの単位ということになってまいるわけでありますし、そこで地方行政、自治行政とのからみ合いが当然出てまいります。また、先ほども申しましたように、コミュニティー活動というようなものがコミュニティー施設というものを一つの核として営まれるということになり、コミュニティー施設というものが大体市町村の設けるべき施設というものが多いものであります以上は、市町村行政とのからみ合いというものも出てまいりますわけでございます。 それから、ただいま権限と申しますか車の両輪というようなお話がございました。私どもは地方制度なり地方行政の中心はやはり現在の市町村であろうと思うのでございます。しかしながら現在の市町村の区域を越えて処理をするほうが、住民に対してより高いサービスを提供できるというような仕事の分野が逐次出てまいりましたことも事実でございます。屎尿処理、じんかい処理でございますとか、あるいは広域消防でございますとかいろいろ出てまいりました。で、そういうものは各市町村が共同して効率的に処理をするほうがよろしいというようなことから、広域市町村圏を中心とする広域行改の要請が出てきているわけでございます。そういうことになりますと、広域市町村圏で共同処理をするということになりますれば、その限りにおきましては、個々の市町村が事務を処理する部分がなくなってくるわけでございますから、個々の市町村を中心にして考えますと、権限が自分のところから離れていくということはこれは私は否定をいたしません。しかしそれは、それで市町村がもぬけのからになるかと申しますれば、現在の市町村の単位でやる仕事のほうがはるかに多いということは私は申し上げておくべきであろうと思うのでございます。それからコミュニティーのほうは、これは広域市町村圏とは少なくとも——ただいま権限の御議論でございますが、権限に関する限りは私は同じレベルで議論をするのは適当ではなかろうと思うのでございます。コミュニティーと申しますのは、これは別に、市町村が持っております権限が、より下の団体に移っていくということではございません。元来、いろいろコミュニティー施設を充実をすることは市町村のやはり仕事の一つであろうと思うのでありますが、いままでその面が比較的等閑視されていた。それをこの際、コミュニティーの形成ということが一種の国民的な世論にもなっておりますので、そういう世論を背景にして、市町村の区域よりもより狭い単位の住民の一番身近な施設を充実をしていこうということにつながっているわけでございまして、これは権限が市町村から離れていくという問題ではなかろうと思うのでございます。むしろ市町村が立っております基礎を充実をするという考えを私はとってしかるべきではないか、こういうふうに考えております。
○小谷守君 関連して。 コミュニティーの問題が出ておりますので、私も、この舌をかみそうなあなた方の思いつきのために被害を受けておる地域の一員でありますので、この際、関連して御意見を伺っておきたいわけでありますが、いま行改局長は、はしなくも試行錯誤ということばを使われた。これは試行錯誤の最たるものだと私は思う。やはり私は、自治体としては県は何をやるか、市町村は住民のために何をやるか、これをまじめに濃密にやはり進めていくということを第一義に考えるべきだと思う。コミュニティーの問題は、あなたがここで御説明になるとか、あるいは自治省の皆さんがたくさん論文を書いておいでになる。あれを読んだり聞いたりしておりますと、いかにもそれで非常にうまくいくような錯覚を持つ。しかしこれは、ちょうど左足を出してそれが沈まぬうちに右足を出すと海の上を歩けるという理屈と一緒なんです。いま全国で何カ所かテストケースとしてコミュニティーの問題をやっております。私の地元はもう一つおまけにコミュニティーボンド、わずか二万人の地域に三千万円のボンドを持てと。ボンドというのは一体何だろうかということです。 〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕 市役所に金を貸せることかということでまあ合点をして、金利も銀行より、定期預金より高いぞ、六分五厘の金利だそうだ、これは銀行に寝かしておくよりそのほうがいいじゃないかということで住民は飛びついていく、そうすると、どっこい、これにはやっぱり一五%の利子税がつくというようなことで、これは困ったということで引っ込んでいる。この問題をめぐってたいへんざわざわした混乱を地方に起こしておる。私は、このコミュニティーの構想が一から十まで間違っておるというふうなことは申し上げませんが、あなた方自身も不消化なんです。そしてまた、いま御意見がありました神沢委員にしても私にしても、あなた方と近い距離におって、一番よく理解して、住民にその趣旨を説明もし広めなくちゃならぬ立場におるわれわれでさえわからぬのです。どうして住民にわかることができますか。ですから、いま受け取っていることは、単純に何か施設をしてくれるんだ、しかも格安でやってくれるんだ、それならいいじゃないかという理解です。それはけしからぬ、ほんとうのねらいはここにあるんだというふうなことを千万べんあなた方がおっしゃっても、論文をお書きになっても住民にはわからぬです。ですから、やるなら、コンセンサスということばがありましたが、もっと十分な住民の理解の上でこれは実施に着手すべきものである、非常に不消化な中でこういうものをやるというふうなことは困る。特に、私のところは、全国でただ一つボンドを受け持てということになっております。これは一体、ボンドというのはどう出すのだということを市役所自身もわからぬ、具体的にはどういう事務を伴うものかというふうなことがわからぬ。ともかく、地元負担のようにして金を集めたらいいのかというふうな、その程度の甘い認識なんです。そういうことでやってもらったら、ちょうどモルモットか何かの動物実験を医者がやるようなことなんです。こんなことをやっていたら幾ら試行錯誤であってもたまったものじゃない。きょうは関連ですから、また機会をあらためてこのコミュニティーの問題は時間をかけて議論をしたいと思っておりますが、とにかく、コミュニティーの中で特に疑義の多いボンドの問題については、指導としては、これはことしは時期尚早であり、すぐ中止をさせるような措置をとるべきだと思うんです。お考えはどうですか。
○政府委員(宮澤弘君) 特に、いまコミュニティーボンドと申しますが、住民引き受けの地方債についてのお話がございました。過日来御指摘もございまして、私どもただいま神戸市のほうと接触をいたしております。神戸市の当局のほうが、ただいま御指摘のようにこの問題、特にこの地方債の発行方法なり、あるいはただいまの金利あるいは税金というような問題につきましての認識なり知識なりというものが不十分であったということが私どもも連絡をいたしました結果判明をいたしました。したがいまして、私は、ただいまこのコミュニティーボンドを今年度中止をしたらどうだろうかというお話でございますが、それにつきまして、そういう指導をするとはここで申し上げられませんけれども、よく地元の人たちが納得いける形でいくならばそういう形でいくようにということは市の当局と連絡いたしたいと思いますが、地元の人たちが納得がいかなければ、それはことし発行することはもちろん無理でございますし、そういうことをあえて行なう必要は私はなかろうと思います。
○小谷守君 こういうハイカラな発想をされる前に、さっきも申し上げたように、県は何をやるか、市は何をやるか、コミュニティーの事業としていまサンプルをあげられたが、たとえば集会所にしろ小公園にしろ、すべてこれは市町村の住民福祉のための仕事の範疇の中のものなんです。それを今度は、責任を転嫁したような形で地元に投げかけるというふうなことについては、これはすりかえだというふうな論も成り立つんではないか。いずれにしても、何から何まで不消化だ、第一ことばがわからない、ことばが。それで、あんまりハイカラな発想をする前に、じみにまずやんなさい、地方行政というものは本来じみなものなんだ、これを充実さしていくという努力に専念さすべきだ。まあ関連ですからこの程度でやめます。
○国務大臣(渡海元三郎君) いま、たまたまお二人の御議論を聞いておったんですが、神沢委員から、こういうことを出した根源は何じゃと、こう言われたんですが、私自身就任しましたときにもうこの構想は軌道に乗っております。私自身も、舌をかむと言われましたが、まだはっきりこうコミュニティーという、しゃべりにくいことばやなあと思いながら何しておる。私は、いまむしろ神沢委員が指摘されたような、町村合併の中で、その旧町村を一つのコミュニティーと——かえって、いままで一体だったのがばらばらになるんじゃないかというふうなことが起こり得る、これは当然じゃないか。ただ私は、現在の団地におりまして、隣は何をする人ぞ、何の交際もない、知る者もない、これがいまの日本の社会の姿である、一断面であるということはいなめないと思うのでございます。そういった意味から、いま小谷さんは、市町村行政は本来それがこまかく何でもやるべきものであると、そういうふうな姿で置いておきますと近隣社会ができないと、そういった施策も住民の方と考えていただくというふうな姿のものを考えたのじゃないかと——まあ、これ要らぬことを言うてしかられるかもわかりませんけれども、実は私、この間も浴場組合が何かを書いてくれと言うたものでございますから、本来私は浴場が好きである、銭湯が好きであると、ところが、だんだん、だんだん銭湯がなくなってきておる、団地にもう一切ふろをつくらぬことにして銭湯にやらしたらどうだ、それもりっぱな銭湯にやらすんだ、そこで、はだとはだとが触れ合うことが一つの何をつくるんじゃないかというような暴論を申したことがあったんですが、そういう機会が少ないんじゃないか、これをつくらなければいかぬというふうな御議論等ありましてこういった思想が出てきたんじゃないか。私、今度、ここにも書いてありますように、「大都市周辺市町村における広域行政処理体制のあり方」ということ、ことしから研究さしていただきますが、と言うて、昔のような、隣組的な上から押しつけたものでは今日はいけないというところの配慮から、いま、これは住民の方々によってつくり上げてもらうべきものだという行政局長のそこらに模索試行しておるところがあるというようなことばが生まれたんじゃないかと思いますが、必要性は御認識賜わると思いますので、いま申されました具体的な御指摘ごもっともであろうと思いますので、よく検討もさしていただき、実際の必要に応じたひとつコミュニティー、言いにくいことばでございますが、そういった社会が生まれますように持ってまいりたいと思います。 答弁という意味でございませんが、私お聞きしておりまして感じた姿でございます。答弁にかえて。
○神沢浄君 大臣の時間の御都合もあるようですから、ちょっとこれは五分じゃ論議は終わらぬわけですけれども、またほかの機会に譲るということにいたしまして、一つだけ意見を大臣に対して申し述べて質問を終わりたいと思うんですが、私は、コミュニティー構想のいい面といいますか、近隣社会というのか人間全体のあたたかい環境を復活させるというのか、そういうことは確かにいまの日本に住むわれわれにとって大切なことだと、こう思うわけです。しかし、これはやり方いかんによっては、やはり官製的な何か鋳型にはめ込むようなことになってしまうおそれがある。しかも、先ほどからお話があるような積極的な推進の方法と言っても、別に何も用意されておることではないということになればこれはおとぎ話のようなことに終わるおそれもある。私は、近隣社会というようなもの、これはむずかしい言い方をするんですけれども、そんなむずかしい言い方をしなくても、私どもが生まれ育った当時の世間というのは、これはあたたかい人情によって、たとえ貧しくとも形づくられていたものだったと思います。大体、この人間連帯の近隣社会などというものは、いま目の前でもって機械的に手の先でつくるようなものではなくて、長い歴史や伝統の上にはぐくまれて、それぞれの風土の上にやっぱり一つの個性を持って生まれてきておるものであって、それが現代の大都市などの場合破壊されてしまったのは、やはりこれはもう政治によるというか政策によるものですけれども、まだ地方などにおきましては、よさがかなり残っているんですよ。そういうよさをなお残していくというか、それを残すために手をかしていくというか、そういう考え方のほうがこの構想を進める上にはより適切であって、もっとやっぱり深く考えながら対応されることが必要じゃないかというように私は感じているわけでありまして、意見としてつけ加えて質問を終わりたいと思います。
○委員長(玉置猛夫君) 本件に対する本日の調査はこの程度にとどめます。 これにて散会いたします。 午後二時十二分散会 —————・—————