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68回国会参議院1972/06/12

大蔵委員会 第33号

発言数
308
登壇者
21
会派数
5
開催日
1972/06/12

会議録

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  六月十日、竹田四郎君が委員を辞任され、その補欠として小野明君が選任されました。     —————————————

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、相続税法の一部を改正する法律案、アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案、たばこ耕作組合法の一部を改正する法律案、通行税法の一部を改正する法律案及び貸金業者の自主規制の助長に関する法律案、以上七法案を便宜一括して議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 アジア開発銀行関係について質問してまいりたいと思いますが、まず最初に、これは昭和四十一年に初めて設立されたわけだと思うんですが、このアジア開発銀行を設立する協定、これがございます。この協定を見ますると、前文に「アジア及び極東の資源の最も効果的な利用を達成し、」云々と、こうありますが、それを受け継いで「資金その他の資源を地域の内外から動員することにより、」以下省略をいたしますが、結果的にこの「地域内の経済の調和のとれた成長及び加盟国の貿易の拡大を促進することが望ましい」、こういう意味合いに立ってアジア開発銀行というものを設立をされて、今日までおおむね七年実施されてきたわけでありますが、その後のこのアジア開発銀行の活動状況、こういう点について一応説明をしていただきたいんでありますが、具体的には、その後アメリカにおける開発途上国の援助政策、こういうものは具体的にどういう形で行なわれてきたのか、それから日本の場合はどうなのか、こういう点について、ひとつこれは国際金融局長から……。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 御質問の件は非常に広い問題でございますので、かいつまみましてざっと申し上げますと、アメリカの援助、それから日本の援助という件でございますが、非常に、ざっと申しますと、たとえば各国を並べまして数字のわかっておりますのは、DACの一九七〇年統計というのがございます。七一年、昨年の計数につきましては、ただいまDACにおきまして計数を集めておりますので、まだそろっておりませんのでございますが、したがいまして便宜七〇年までの計数について申し上げます。  全体といたしましてアメリカの援助、これは七〇年が、世界全体のDACベーシスの援助総額は約百五十億ドルでございますが、そのうちで約五十四億、正確に申しますと五十三億九千三百万ドルというのがアメリカの援助総額でございます。これがむろん世界第一位でございます、数字的に申しますと。それから日本は十八億二千四百万ドルでございまして、これは数字的に申しますと世界第二位に相なっております。この七一年につきましては、先ほど申し上げましたように、まだ計数が出そろっておりませんが、わが国の場合、大体ほぼ試算が完了いたしておりますが、それによりますと、約二十一億四千万ドルぐらい、七一年暦年での援助総額はそのくらいに相なっておるのではないかと、アメリカのほうはまだわかりませんが、おそらく七〇年の計数とそう違わない計数ではなかろうかと、やはりアメリカが一番大きくて、日本が第二位という点につきましては、傾向としては昨年も変わっていないのではないか。  その内容を見ますると、アメリカは世界第一位の援助額でございますけれども、数年前からのずっと傾向を見てまいりますと、これはおそらくアメリカの国際収支問題その他の関係があろうかと存じますが、この一九六三年、四年ぐらいをピークといたしまして、全体としてはまあ横ばいというような関係でございます。これに対しましてわが国のほうは、毎年毎年非常に大きな進捗率を示しております。全体といたしましてはそういうことでございまして、アメリカの援助というのは、国際収支の関係もございまして、量的にはいま自由世界で一番大きな援助供与国になっておるわけでございますが、大体計数的には頭を打ってきておる。これに対してわが国は、非常に毎年大きく伸びてきておるということでございまして、たとえばこれをGNP対比で申し上げますと、日本の場合でございますと、御承知のとおり一九七〇年におきましてはGNP対比〇・九三%ぐらいまでいっておりましたが、ただいま申し上げました昨年の計数、もしそれがそういうことで固まりますとすれば、GNP対比でも〇・九五、場合によっては〇・九六というようなやはり進歩を示しておるわけでございますが、アメリカのほうはその意味では、むしろそれほどの進歩は示しておらない。あるいは若干GNP対比では減っておるかもしれないのでございますが、これを援助の中の、いわゆる政府開発援助という点で申し上げますと、七〇年で、アメリカはGNP対比〇・三一でございます。これに対しまして、いわゆる政府開発援助、ODAというものにつきましては日本はまだ比率が低いわけで、これが一つの問題であるわけでございますが、七〇年で日本は〇・二三%ぐらい、アメリカのほうはODAのGNP対比で申しましても、だんだんと減少傾向を示しておりますが、わが国におきましては、まあ大体最近のところはGNPの拡大が早いものでございますから、対比でなかなか日本は伸びないわけでございますが、これはわれわれのほうとしては、極力いわゆるODAのGNP対比を、DAC平均にまではすみやかに持っていきたいということで、努力をいたしておる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いまの金融局長の説明ですと七〇年で十八億二千四百万ドル、七一年で二十一億四千万ドルだそうですね。この内訳はどういう状況になってましょうか。どこにどのくらい行っているのか。その各別の援助内容について、数字的なものでけっこうですからお願いします。  それからもう一つは、いままでの政府の開発途上国等に対する海外援助、これは大体GNPの一%を限度にしてやっていきたいという政府の発表が再々行なわれておったわけでありますけれども、今後もやはりそういう基本政策については変わりがないのかどうか。そうだとすれば、やはり社会発展計画というものによれば、少なくとも今後二十数年間の中で百二十兆円ないし百五十兆円までGNPを引き上げていこうという、こういう基本政策ですね。そうなると、一%といっても、もちろん経済全体の状態は変わってくるわけですけれども、相当大幅に拡大されていくような傾向になりやしないか。そういう場合であっても、一%という割合でやっていくのかどうか、その辺の三点についてお伺いをしたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) お尋ねの件でございますが、第一に、いわゆる援助目標といわれておりまするGNP一%の目標、これはやはりできるだけ早い機会に、まあ一九七五年までにはGNPの一%に達するというのを目標にして進んでおるわけでございます。これにつきましては、御指摘のように、日本のGNP自体非常にほかの国に比べますと拡大と申しますか、成長の率が高いものでございますから、したがって、実額にいたしますと非常に大きな額になるわけでございますが、しかし、われわれといたしましては、この一%目標というのは、今後とも、実額としては大きいわけでございますが、達成をしていきたいということで努力をいたしたいと思っております。このほうに関しましては、先ほども申し上げましたように、すでに七〇年で〇・九三%、昨年はおそらく〇・九五かあるいは〇・九六ぐらいになるのではないか、これはGNPの数字自体が動きますのでちょっとまだはっきりいたしませんが、このぐらいまではなりそうだということで、七五年には一%までには達するという目標につきましては、それほど大きな困難がなしにできるのではないかというふうに思っておりますが、問題はこの中のいわゆるODAと申しまする政府開発援助でございまして、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、七〇年で〇・二三%、これを〇・七までに達すべきだということが、一つの国際的な開発途上国側の要望になっているわけでございますが、これにつきましては非常にむずかしい問題があるんではないか。DACの平均が〇・三四%ぐらいであろうと存じますが、この平均に達するように、まず第一の当面の目標としては、それを目がけてODAについてはやってまいります。それにしましても、ODAのほうでございますと、直接財政資金と関連があるという点で、なかなか財政全体の関連の問題でいろいろとむずかしい問題があるということでございます。  それから七〇年の援助の内訳でございますが、これを最初に十八億二千四百万ドルというのを項目別に申しますと、いわゆる政府開発援助というのが四億五千八百万ドルでございまして、それからその他政府資金による援助と申しますのが六億九千三百万ドルばかりでございます。政府資金が関連いたしておりますもの。いまの政府開発援助とその他政府資金によるものとを合わせますと十一億五千百万ドルくらいに相なります。その他の残り約六億七千二百万ドルというものは民間ベースの援助でございます。これにつきまして、やはり七一年の計数はまだ、先ほど申しましたように、はっきりいたしておりませんが、大体、全体の割り振りとしては同じようなことに相なるのではないかということでございます。  それから地域別につきまして若干申し上げますと、いまの十八億二千四百万ドルの総額の中で、地域別に一番大きい区域というのは、アジア地域におきましてこれが十億九千二百万ドル、それから中近東地域が九千八十万ドルでございます。アフリカが二千九百二十万ドル、それから米州地域が一億六千九百二十万ドルぐらいでございます。それからヨーロッパ地域が九千六百五十万ドル、オセアニア地域、これが三千七百万ドル、地域別に分類のできまするものを申し上げますと、そういうことでございます。その他、多角的な機関その他ございまして、十八億二千四百万ドルの中には、したがいましてそういう地域別には分類不能のものが約三億九百三十万ドルぐらいでございます。

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 速記を起こして。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 まあいろいろの各地域の内訳等については、あとで貸し付け全般の活用状況等についてまた質問してまいりたいと思いますが、外務省に実はお伺いをするわけですけれども、第三条の「加盟国の地位」という協定の内容がございますけれども、四十一年の発足以後国際情勢にだいぶ変化があらわれた、ことに中華人民共和国が国連に加盟をして、そして本来発足当時は中華民国が中国代表という立場でアジア開発銀行の位置づけがなされておったわけですね。こういう変化が生じているわけですけれども、こういう点については、一体どう外務省としては今後の運営等を含めてどうあるべきか、あるいは南ベトナムなりあるいはカンボジア、ラオス、まだあの当時は内戦としてはラオス等もいろいろあったようですけれども、今日ほど深刻な状況にはなかったと思うんですね。カンボジアなんかは、当時はまだシアヌークのいわゆる政権下にあったわけです。国内も統一されておった。しかしその後急速にロン・ノルのいわばアメリカかいらい政権の誕生等に基づいて、たいへんな変化が生じておるわけですけれども、そういう一連の国際情勢の変化に伴って、こういう問題について協定なり条約の関係上、何らかの訂正をしなくてもいいのか。その辺の状況と、具体的な措置等について、ひとつ外務省の見解を聞きたい。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) いま先生が御指摘になりましたように、たとえば中国について申しますれば、昨年の秋の国連総会でいわゆる代表権問題が解決を見て、中華人民共和国が代表になっておる。こういう新しい事態があったわけでございますけれども、またインドシナ地域につきましても、政権の交代、その他いろいろ政治情勢の変化というものがあったことは事実でございます。ただ外務省といたしまして、具体的にしからば、アジア開発銀行の加盟国あるいはその署名国の地位という点につきましては、そういう政治の変化にかかわらず、いわゆる独立の国際機関であるアジア開発銀行の意思によってきまるべきものである。国連の下部機関でございますれば、当然国連総会できまった代表権問題ということは、そのまま適用になると思いますが、ただ一応それとは離れて、国際的に独立の機関であるアジア開発銀行の場合は、その独自の意思決定が行なわれるはずのものであるというふうに考えております。具体的におっしゃいます問題点として言及されました、たとえば中国の問題につきまして、まあ中国の場合は、国民政府がアジア開発銀行発足当時の原加盟国として入っている。これが現状まで続いてきております。一方中華人民共和国側からは、アジア開発銀行に対するメンバーということは何ら言及されていないというのが実情でございます。われわれといたしましては、第一次的には、独立の国際機関であるアジア開発銀行の意思決定というものを尊重するという立場をとりたいと思っております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 その最終的に国際連合の決定を尊重をする。こういうことになるとすれば、中華民国は、明らかに国際連合から、中華人民共和国加盟と同時に追放されたんですね。そういうことによって、各般の協定の内容はございまするけれども、一つは、資格停止、こういう問題が当然起こってきやしないか。あるいはこの第四十四条の業務の一時的停止、各般の制裁措置というものがありますけれども、そういう問題アジア開発銀行の理事会やあるいは総務会において何ら意見というものは出てないんでしょうか。出てないまでも、日本としては当然、いま局長が答弁されたように、国際連合の決定を尊重するというなら、これはもうアメリカと日本というものは投資の最大国であるわけなんですから、当然総務会や理事会等について話題にのぼってこないといけないと思うんですね。いま国際連合の下部機関においてほとんど中華民国は追放されているんじゃないですか。どうなんですか、この辺の見解。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) 私が先ほど申し上げましたのは、国際連合の決定それ自身はもちろん尊重すべきものである。ただアジア開発銀行はそれとは独立の国際機関なので、アジア開発銀行が自分の銀行のメンバーシップについて何らかの決定を下す場合、それは独立の機関として決定を下すということを予想しておりますが、それは尊重するという点を申し上げたわけでございます。  それから、第二十八条に、「加盟国の資格停止を行なう権限」というのは、総務会の権限として認められておりますが、これ、いかなる場合に加盟国の資格停止を行なうかという場合は、つまりその加盟国が、この銀行協定に規定していることに違反を行なう、あるいは義務履行を怠るというような事態を予想しております。現在までのところ、そういうつまり国民政府が義務履行を行なっていないというようなことで、資格停止を行なうとかいうようなことは、いままでのところ問題にされておりません。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 国際連合でいう独立国というのは、どういうのをいうんですか。その見解をひとつ聞きたい。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) 国際連合による独立国という御質問でございますが、きわめて一般的に申しますれば、国際連合の決定によって独立の国、つまり加盟資格ありというふうに認められた国、こう解釈されます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いま、この中国に対しては、明らかに北京政府だということになっているんじゃないですか。それが、したがって国際連合から国府は追放された、こういうことですから、その限りにおいては、この中華民国ですね、これは独立国とはいえないんじゃないでしょうか。その辺の見解どうでしょうか。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) 国際連合においては、お説のように、中国を代表するものは中華人民共和国政府であるということは、はっきり決定されたわけでございます。したがいまして、国民政府は、国際連合との関係におきましては代表権を持たない政府である。あるいは独立国でないといういい方も可能かと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そういう独立国でないものが、域内の主要な地位を占めるということは、条約上どういうふうに感じておりますか。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) 私は、最初に申し上げましたのは、いわゆる国民政府はアジア開発銀行においては、独立の国として、依然としてメンバーとして認められているという事実を申し上げたわけでございます。で、アジア開発銀行と国際連合とはおのおの別の独立の国際機関でございます。したがって、必ずしもアジア開発銀行としては国際連合の意思決定に従う必要はない。独自の意思決定を用い得る独立の機関であるということでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 アジア開発銀行でいう加盟の地位といいますか、その条件はどういうことになっているのですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) 第三条の第一項に規定がございますが、「国際連合アジア極東経済委員会の加盟国及び準加盟国並びにその他の域内国及び域外先進国で国際連合又はそのいずれかの専門機関の加盟国である」これが加盟国たるの地位の要件でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 明らかにこの開発銀行でいう「加盟国の地位」というものは第三条ですね。ですから、少なくともここでいう各加盟国あるいは準加盟国、域内、域外、こういうことがございまするけれども、国のていさいを持ってその代表ということをやっぱりいっているんじゃないですか。だから、少なくとも国際連合から中華民国は追放されて、この中国の代表というものは中華人民共和国だ、こういうことを明確に確認して、片や国府を追放したんですから、これはどこに持っていっても、国際的に国としてのていさいはなしていないんじゃないですか、独立国として。だから、そういうものがアジア開発銀行だけに通用するということはどういう論拠に基づくんですか。そこをひとつ、国際的な立場で、国際連合の加盟要件と照らし合わして明確に根拠を示してもらいたい。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) アジア開発銀行発足当時、いわゆる国民政府が中国を代表するものとして加盟したわけでございます。したがいまして、アジア開発銀行には中国はすでに加盟しているわけでございます。ただその代表をする政府が国民政府であるという点でございます。したがって、北京政府が、中華人民共和国を代表する政府として新たに入るという問題は生じないのではないかと思います。したがって、争うとしますれば、いわゆる代表権、全中国を代表されている、しかしその代表している政府が妥当なものなのかという形であるいは争われる可能性があるということでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 今後の、たとえば中華人民共和国が入ってくるというふうな場合に、いろいろな争いが起きるということを聞いているんじゃない。国際連合でという、いわゆる中国の代表権は中華人民共和国と認めているんですから、そういうものは、国際的にも各般のこういったアジア開発銀行の資格要件において当然抵触してくるのじゃないか。その根拠をアジア開発銀行が認めているというものは、一体何によるかということを示してもらいたいと言っているわけです。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) アジア開発銀行においては、中国を代表するものは国民政府である。中国は一つであるという前提に立ちまして、その中国を代表するものは国民政府であるということでございます。したがって、一方国際連合においては……。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 根拠は何ですか、根拠は。どういうところに根拠が……。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) 根拠といたしましては、すでにアジア開発銀行発足の当初、中国を代表するものとして、加盟国として受け入れられているという事実がございます。それが根拠になるかと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 局長の答弁非常に矛盾しておりませんか。独立国として認めるが、国際連合の趣旨を尊重いたします。中華人民共和国は、中国に対する唯一合法の政府であるということで国際連合で認めた。これが現状なんですね。アジア開発銀行を開設するときは、なるほど四十一年当時は、日本としては代表は中華民国だということで一応政府は認めておったのでしょう。しかし、国連の決定を尊重すると言うんですから、独立国として中国代表は何にあるのかということを認定する根拠は、あなたの言うとおり尊重するなら、アジア開発銀行についても当然そういう論理を適用しなきゃいけないんじゃないか、こう思うのですが、アジア開発銀行に来れば、設立当時の、いわば中国の代表は中華民国でなくても、それを踏襲していくという考え方、国連の決定は尊重するというあなたの考え、これは矛盾しているんじゃないですか。どこに一体根拠があるのか。アジア開発銀行の設立協定その他条約に基づいてやっているという、その後変化した、それはあなたも認める。だから、国際連合の決定を尊重してやっていきます。そういうときに、アジア開発銀行の加盟国である中華民国の地位というものは大変化があった。これは当然アジア開発銀行としても、国連の意思を尊重するというなら、その意思を尊重して、加盟その他の措置をとっていかなければいけないというのが妥当な取り扱いじゃないでしょうか。どうなんですか、それ。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) 国際連合において、先ほど申し上げましたように、昨年の秋決定があった。その意味において大きな変化が国際連合においてあったことは事実でございます。ただ、それとは、独立の機関としてアジア開発銀行が存在しているということを私申し上げたつもりなんでございます。その意思決定自身は、アジア開発銀行の意思決定自身を尊重する。国連に関しましては、国連の意思決定をわれわれとしてはもちろん尊重するという考え方でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 この関係はどういうことになるのです。第一条目的は、前段省略いたします。後段で「いつでも国際連合アジア極東経済委員会の付託条項に規定するアジア及び極東の地域をさすものとする。」そういう地域から域内の加盟国、域外の加盟国、こういうものが設定されておる。じゃ、この「国際連合アジア極東経済委員会の付託条項」これは一体いまどういうふうになっているのでしょうか。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) アジア経済開発委員会の付託条項の、そのいわゆる地域と申しますのは、アフガニスタン、ブータン、ブルネイ、ビルマ、セイロン、中国、オーストラリア大陸、フィジー、香港、インド、インドネシア、イラン、日本、クメール共和国、朝鮮、ラオス、マレーシア、モンゴリア、ナウル、ネパール、ニュージーランド、パキスタン、パプア・ニューギニア、フィリピン、シンガポール、タイ、トンガ、南ベトナム、西サモア、この地域でございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 いま戸田委員が言っている趣旨は、われわれ聞いてみて、そのほうが正しいと思うのですが、アジア開発銀行はエカフェの指導によってできたものである、それから加盟の資格も、いまお話しのように、エカフェの加盟国で、そのほかの域内及び域外先進国で、これもまた国連専門機関に加盟をしている国ということになっていることはお話しのとおり、しかし、別個の機関だということを強調されておるわけです。しかし、この問題はすぐ解決をしなければいけない問題だ、アジア開発銀行としてはそういう考え方はないのですか。別個の問題なんだという言い方じゃなくて、これなんかすぐ解決をしなければいけない問題だ、そういう認識はないのですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) 御指摘のように、この銀行は発足当初協定書を規定してございます。そのエカフェと非常に密接な関係があった。むしろその指導によっていろいろ協定も案も練られたというのは事実でございますし、また協定そのものもエカフェで、あるいはそのエカフェの加盟国及びその準加盟国ないし国連のメンバーあるいはその専門機のメンバーという規定があることも事実でございます。ただ、私が申し上げましたのは、発足当初の経緯といたしまして、確かにエカフェと密接な関係もありましたし、また発足したあとでも、新らしくアジア極東地域の経済開発を志すという意味において、構想において、かなり密接な関係があるということも事実でございます。ただ国際機関として独立しているということも協定上言えるのでございます。その点を申し上げたわけでございます。  それから、いわゆる国連で中国問題というのは、代表権が変わったことによって変わってくる、これも事実でございますが、その問題をアジア開発銀行でそのまま適合されるかどうかということは、アジア開発銀行の意思決定を待つよりいたし方がないのじゃないか、それから一方、当然そう変わったのだから、この問題自身がアジア開発銀行の中で提起されてもいいのじゃないかというお説のように承りましたけれども、その点は実は中華人民共和国は何ら意思表示はいままでしておりません。一方発足当初からメンバーになっています国民政府、これの地位というものについて、何らあの銀行の中でいままで論議されておらない、そういう次第でございますので、日本といたしまして、特に先頭を切ってこの問題を提起するという意向は現在のところ持っておりませんです。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 それは全くはなはだ不満の言い方ですね。  これは大蔵省のほうからも見解を聞きたいわけですが、アジア開発銀行自身がこの問題を取り上げてもう相談をすべき時期にきているんじゃないですか。  それからまた、国連において、唯一の代表政府だと認めている以上は、これはもう早晩この問題はアジア開発銀行そのものの中で解決をしなきゃいけない問題である。で、日本あたりも国連中心の外交をやっていくというのは、こういうところで実際の行動をとらなきゃだめでしょう。また、中国外交を推進するという意味から言ったって、こういうところでこういう問題を一つづつ片づける、片づけていく積極的な意欲がなければ、中国の外交の打開なんてできないじゃないですか。あなたの言ったような消極的なものの見方では——日本はそんなことを取り上げる意思は全然ありません、別個のものです、ただエカフェの指導のもとでやったんで、初め入っていた——初め入っていたのはあたりまえで、その当時は唯一の独立した国家だと認められて国連にいたから入ったんであって、そんな消極的なものの言い方では解決できない問題です。しかし、アジア開発銀行そのものの問題だということはこれは事実でしょう。しかし、広い意味から言って、これは検討するもう時期にきている、検討しなきゃいけない問題である。  で、むしろ一体この——私は大蔵省のほうにもお聞きしたいのだが、台湾の借りている通常資金というのはどうするんですか、どういうふうにこれから解決をしていかなきゃいけないのですかね。また、中国には政治協商会議で、台湾を相手にしたいろいろな協定とか、そういうものには一切拘束されないということをずっと前にきめているのじゃないですか。こういうふうな問題は、どういう解決のしかたをするのか。日本が単に総裁を出しているということだけじゃなしに、アジア開発の指導的な地位を持っていきたいと、ことに海外開発についての協力を強めていこうという段階なんですが、いま言った問題について、一体アジア開発銀行の関係のものとしての大蔵省、どういう考え方を持っているわけですか。  それからまた、この貸し付け金についてはこれからどういうふうに処理をされていくものなのか、本年度は一体台湾政府に対して貸し付けをするような計画があるのですか。この三つの点をちょっと大蔵省側から聞かしてください。  また、外務省に対しては、いまの答弁では私はだめだと思うんですが、そういう点についてはあなたはやっぱりいまなおそういう見解を持っているのですか。  まず、大蔵省側にお聞きしたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) ただいまの件でございますが、われわれといたしましても、ただいま外務省のほうから御答弁になりました点に特につけ加える点はないわけでございますが、やはりアジア開銀と申しますのは、国連とは独立の機関でございまして、国連の意思決定にそのまま拘束されるものではないということでございまして、これはやはりアジア開銀自身の決定をするところによるということでございます。先ほど外務省のほうから御答弁がございましたように、アジア開銀におきまする中国の代表権の問題につきまして、中華人民共和国のほうからも特に何ら問題の提起をされておらないわけでございます。そういう意味で、現在の発足当初以来の中華民国が、アジア開銀においては中国を代表しておるという問題につきましては、先ほども外務省のほうから御答弁がございましたように、現状においては特に問題がないのではないかというふうに存じております。  それから貸し付けの問題でございますが、特に現在早急に台湾の地域に対しまして、何か特別な新しいプロジェクトがあるかと申しますと、それは現在のところは特にないというふうに聞いております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 ちょっと政務次官に聞きますが、あわせて局長のほうからも。いつそれじゃアジア開発銀行で問題になるんですか、中国問題。要するに、台湾政府の問題は、いつ一体どういうときに初めて開発銀行で問題になるんですか。それまでは日本は黙ってただ見ているだけなんですか。それひとつ、どっち側からも。いつまでも同じような状況で見ているのか、見ていないのかということは、政務次官答えてください。それから初めのほうは、局長に答えてもらいたい。いつになればこれは問題になるのか。どういう形で問題になるんですか。

船田譲自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(船田譲君) 先ほど外務省側からの御答弁にありましたように、国際連合とアジア開発銀行とは直接の垂直関係にはないわけでございます。エカフェは垂直関係にあるわけでございますけれども。したがいまして、たてまえといたしましては、アジア開発銀行は独自の国際機関として、その総会の決定する意思によって、加盟政府をきめていくというべきものであろうと私も考えるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 あとのほう、ちょっと聞かしてください、どういうときに問題になるのか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) お尋ねの件でございますが、いつ問題になるかという点につきましては、先ほども申し上げましたように、現在中華人民共和国のほうが、このアジア開銀の代表権につきまして何らの意思表示をいたしておりません。したがいまして、どういうふうにこの代表権の問題を、中華人民共和国のほうで考えておるのかどうか、何ら現在においてはわからない事態でございます。したがいまして、当面、こういう状態でございますので、そういう代表権の問題が出てくるということは、現在の問題としては、現在はないということでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 ちょっともう一つ。  そんな——そうするとあれですか、中華人民共和国のほうから意思表示がなければ、アジア開発銀行はこの問題は問題にならないんですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) まあ事実といたしまして、まだ中華人民共和国から何らの意思表示をされていないということを申し上げたわけでございます。一方、御承知のようにわが国といたしましては、国民政府と外交関係を結んでいるということは事実でございます。ただ国連において、あるいは幾つかの専門機関において、代表権の問題として、中華人民共和国政府が代表されるという国際情勢の変化というものを考えております。ただ現時点において、まだ中華人民共和国が何らの意思表示をしていないという時点におきまして、一方においてわれわれとしては、国民政府と外交関係にある、それらの事実を考えますと、まだ政府としてこの問題をアジア開発銀行に提起すべき時期ではないというふうに考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 いや、私の言うのは、そういうことじゃないんですよ。政府としては、いま提起する意思はないと言うんだが、そうすると、アジア開発銀行では、この問題が問題になるのは、どういう形で問題になるのかと聞いているんですよ。だから、中華人民共和国のほうから、何か自分のほうでアジア開発銀行の総会なりあれなりに問題を提起して初めてできるのであって、それまではそういうことはないというのかどうなのか。また政府としては、そういう意思がないということについてはわかったけれども、それではだめだと私は思うんだけれども、これはまあ別問題として、それじゃこのアジア開発銀行で、国連において唯一の代表政府なりと認めた中国という国でない国が入っている現状は、一体どういう形で解決がするんですか。お話によれば、中華人民共和国が意思表示をしない限りは、いつまでたっても解決できないというのか。そんなものに何も日本が、極端なことを言えば金を出しておく必要がないじゃないかという気さえするぐらいですが、それでもなお日本は、今度はあれでしょう、いまお話しのように出資の問題とか、いろんな問題で指導的な地位を占めていく、何か衆議院の速記録を見ると、アメリカより以上に意欲的にわれわれはこのアジア開発銀行に関係していく意欲を持っているという、こういう話なんです。そういう日本の国がどういう考えを持っているかというと、いやまだ何にも話も、中華人民共和国から意思表示もないし、そんなものはわれわれの国は相手にしていないんだから、別に何にも自分から提起する必要はないというようなお話だけれども、それのよしあしということについては議論があって、私たちはとてもそんな考え方に賛成できませんけれども、しかし、客観的にアジア開発銀行が中国の問題を、中華人民共和国の問題を解決するにはどういうふうな形で解決するんですか、それを聞いているんですよ。

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 速記を起こして。

青木一男自由民主党

○青木一男君 関連して。  国連において、昨年の秋の総会で、中国代表権が北京政府に移ったことは事実です。しかし、政府の承認という問題は、それと別問題だと思うんです。いま外務省の政府委員は、日本政府は、国民政府をいまでも承認して外交関係を持っているとおっしゃった。それはそのとおり、中華人民共和国が中国代表権を認められる前においても、北京政府は、自分は中国を代表するものだと、こういう主張をしておるわけです。そうして、その北京政府を承認しておった国の数が当時幾つあったか、当時中華民国を承認しておった国が幾つあったか。つまり去年の国連総会当時ですな、それまでに北京政府を承認しておった国は幾つあるか、台湾政府を承認しておった国は幾つあるか、これを聞きたい。  それから今日、国連の決議があった後においてどういうふうに変わったか、今日国民政府を承認しておる国は、外交関係を持っておる国は幾つか、北京政府を承認して外交関係を持っておる国は幾つか、この二つをひとつ数字で示していただきたい。これが私の関連質問であります。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 さっきの質問に答えてください。客観的なことを言っておるのだから。どっちが唯一かということです。

前田利一外務参事官

○説明員(前田利一君) まことに申しわけありませんが、ただいま手元に用意しておりませんから、至急調べまして御報告いたします。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 委員長、最初の部分答弁さしてください。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) アジア開銀が中国の問題をどのように解決するか、まああり得る形としては、まず中華人民共和国政府が代表権という形で問題を提起する可能性はあると思います。  それからそれ以外の第三国が、現在中国を代表して加盟しておる国民政府の代表権、これは正しいのであろうかどうかというような形で問題を提起するという可能性もあろうかと思います。ただ現在までそのいずれも出ていないということを先ほど申し上げたわけでございます。また日本といたしましても、国連における動きその他の動きは十分承知しておりますし、また一方われわれとしては、国民政府と外交関係を持っておる、そういう事態を踏まえて、国交正常化の努力をするというふうに私は了承しております。ただ具体的にアジア開発銀行において、現在中国の代表権の問題を日本が提起するという意向はないというふうに申し上げたと存じます。

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 午後一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時五分休憩      —————・—————    午後一時四十九分開会

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、相続税法の一部を改正する法律案、アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案、たばこ耕作組合法の一部を改正する法律案、通行税法の一部を改正する法律案及び貸金業者の自主規制の助長に関する法律案、以上七法案を便宜一括して議題といたします。  質疑に入る前に、休憩前の青木委員の答弁漏れについて、外務省から発言を求められておりますので、この際、これを許します。前田参事官。

前田利一外務参事官

○説明員(前田利一君) 午前中の青木先生のお尋ねの件につきまして、取り調べました結果を御報告さしていただきます。  昨年の十月二十五日、すなわち中共の代表権問題が決定いたします時点以前におきまする中共の承認国は全部で六十六カ国ございます。なお、同じその時点におきます国府の承認国は五十九カ国ございます。で、これがその後中共承認国がふえたわけでございますが、本日ただいま、六月十二日現在で、一番新しい状況は、中共の承認国が七十六カ国になっております。つまり十カ国ふえたことになるわけでございます。他方、国民政府の承認国は五十二カ国に滅っておるわけでございますが、これは昨年の十月二十五日と比較しまして、七ヵ国減っておるわけでございます。この数字は、中共を承認しました国の中に、昨年の十月二十五日現在でいずれも承認していなかった国———双方未承認の国が中共を承認したとか、その後に国民政府を、国府を承認した国が出てきたというようなことによりまして、この十カ国ふえ、七カ国減ったと、この数字の食い違いはその辺から出てまいるわけでございます。午前中のお尋ねに対して、以上御説明申し上げます。

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 質疑のある方は順次御発言を願います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そうしますと、午前中の質疑で明らかになったように、外務省のいまの考え方としては、開発銀行の設立趣旨からいって、今後も中国の代表は、いわゆる蒋政権、これを認めていくと、こういう態度ですか。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) 一般論は別といたしまして、アジア開発銀行のメンバーに関する限りにおきましては、日本は中華民国政府との外交関係はいまだ継続しておりますので、この外交関係の存在というものを重視していきたいというように考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 じゃ別な角度で質問するんですけれども、たとえば開発銀行から除名もしくは脱退をするという条件は、今後どういうことが想定されますか、どういう理由のときには脱退、除名……。その辺の見解はどうですか。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) まず、除名ないし脱退という御質問でございますけれども、除名の規定は協定上ございません。それで脱退のほうは、もちろん、その加盟国の意思が第一でございますけれども、そのほかに、アジア開発銀行の協定上の権利義務の不履行というような場合には、そういう問題が生ずるかと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 これは四月二日でありまするが、渡辺アジア開銀総裁が、講演の中で言っているんですが、その中で、アジア開銀の運営、渡辺総裁語る、ということなんですが、これをちょっと読みますと、要点を捨い上げますと、中国問題については、国連の決定というものは、その決定はワクをはめることはできないはずだと、こういうことを言っているんですね。さっき外務省の協力局長が言っているように、一般論としては、国連決定尊重ということでいくことは、これは当然だ、しかし、アジ銀についてはそういうことを言っているわけですね。したがって、蒋政権みずから脱退をするという意思表示があれば、これは別だが、たとえばそこで考えられることは、この中華人民共和国と蒋政権のほうが同席するということは、中華人民共和国、これは絶対容認しませんからね。だから、そういうことになれば、アジ銀に中華人民共和国が加入申し込みにやってくる、そういう場合には、一体アジ銀としてはどういう態度をとるわけですか。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) 加入の申し込みという御質問でございますけれども、午前中から外務省からお答え申し上げているとおり、おそらく中華人民共和国がもし何らかの意思表示をするという場合には、加入の申し込みという形はとらないのではないか、いわゆる先ほどから申し上げていますように、代表権の問題であって、加入の問題ではないという立場でくるのではないかと、まあこれは想像でございますけれども、大体そういう可能性のほうが強いと存ずる次第であります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 ただ、代表権の問題にしても、おれは加入するぞということは中国自身がきめることですから、私はわかりませんけれども、かりにそういうことがあった場合には、両者認めていくということですね。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) この問題、つまり中華人民共和国と中華民国政府の場合に限りましては、どうも加入の申し込みという、新規の加盟という、つまり協定六十四条でくるというのはちょっと想定されませんのでお答えしかねると思います。そういう可能性はないと申し上げていいのじゃないかと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 六十四条でくるような場合はちょっと想定できないというのは、どういう判断によるわけですか。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) むしろ先刻来申し上げていますように、中国、つまりどちらの中国も当然メンバーであるというのが両政府の主張でございまして、したがって、第三条によりましてすでに加盟国である、メンバーであるという立場は、おそらく放棄しないのではないかと、そういう立場はあくまでもとるのではないかというふうに考えるからであります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そういう国内同士の紛争自体、アジ銀でどうするかというようなことの一つの考え方はあるかもしらぬけれども、これは私は本質的な解決にはならぬと思うのですが、問題は、日本政府の態度ですね。先ほど青木委員の質問に答えて、国際連合決定以降は、中華人民共和国を正式に中国の代表だということで認める国が非常に多くなった、七十数カ国、こう言っているのですね。だから三分の二以上に達していることは間違いないんですね。こういう世界の大勢からいって、いま日本が外交問題じゃ、ことに日中問題が非常に焦点に上がってきているわけでしょう。自民党の内部ですら、中国のいう三原則は認めて、今後日中国交回復というものをやっていこうという、やっぱり前向きの姿勢もあるわけでしょう。そういうときに、当事者である外務省が、依然として国際連合加盟以前の考えをそのまま踏襲しているということじゃ、どうも私は理解できないんですね。そういう面での方向転換というものは考えられないんですか。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) 御指摘の国際情勢の変化、ことに中華人民共和国の承認国が七十六カ国にもなったということに関しましては、決して目を閉じておるわけではございません。しかしながら、このアジア開発銀行というのは、申すまでもなく、一つの国際機関でございまして、もちろん日本もその有力なメンバーでございますから、日本の意思というものが相当重要であるということは、疑いのないところでありますけれども、同時にメンバーといたしまして、そのメンバー同士の協調、国際協調という精神が、またもう一つの要請ではなかろうかと存じます。この意味合いにおきまして、午前中も申し上げたと思いますけれども、国民政府がいまだアジア開銀におきまして、現に中国を代表して参加しておりまして、融資も受けております。これがまあ第一。  第二といたしましては、日本以外のほかの国で、特に国民政府のメンバーとしての地位ないし代表権の問題を問題とする動きは実はまだ見られないわけでございまして、これは御案内のとおり、四月にアジ銀の総会がウイーンで行なわれましたけれども、この際もわれわれ事務当局は何か動きがあるかと注視したわけでございますけれども、これもございませんでした。それが第二点。  それから第三点といたしましては、やはり国民政府との間に外交関係が依然として続いているということ自体は事実でございまして、このような三つの観点に立ちまして、現在中国のアジア開銀におけるメンバーシップというものに対する基本的な立場を変えるというようなことは、いまの段階ではまだないのではないかというふうに感じております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 結局参事官の言っているのは、どうも私は、アメリカの意向を単にうかがっている程度にしか聞こえないわけですがね。単にアメリカが、いわゆるこれから日中問題が前進をして、そして経済交流その他貿易を若干拡大をしていく、こういう段取りになって、必ずこの問題にぶつかったときに、アメリカが表明すれば、日本もそのときにと、こういうアメリカべったりの自主性のない、こういう問題に対する判断、いまの参事官の答弁によって私はどうもそんな気がしてならないのですね。かりにアメリカがこれを認めたら、日本はどういう態度をとりますか。どうなんですか、それは。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) 日本がアメリカの言いなりかどうかということに関しましては、実はアジア開発銀行とか、世界銀行だとか、IMF——国際通貨基金だとか、そういう立場におきましては、必ずしも日本とアメリカの利害が完全に一致しているということはないわけでございまして、あらゆるケースにおいて利害が一致しているということはございませんので、その場合は、もちろん日本としては自主的に行動しておるわけであります。もちろん先ほど申しましたように、協調すべきところは協調するということはございますけれども、この中国のアジア開銀における地位という点に問題をしぼって考えますと、これは別にアメリカがどうこういうから、日本も態度をそれに右へならえしているというようなことはないと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 大体いままでの答弁を集約すると、結果的には蒋政権自体が、自主的に脱退しない限り、これは脱退の要請は日本では持ち込まない、中国代表権問題については触れない、こういうことですね。あとは定款とか貸借関係において違反行為がない限りは脱退はできないのですから、それがないんじゃないですか、いままでの答弁ですと。そうすると、このまま将来とも、日華条約を締結している今日においてはもちろんであるけれども、将来も、何年先になるかわからぬけれども、現状のままでいいと思っているのですか。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) 先ほど申し上げましたように、国際情勢の大勢ということは厳然として踏まえておるわけでございまして、この国際情勢には今後とも厳に注視してまいりたいと思います。ただ、具体的な、御質問になりました今後ずっとこのままでいくかということになりますと、おそらく客観的情勢は変わり得ると、絶対変わらないという保証はないわけでございまして、その最大のものは、おそらく中華人民共和国が、あれは、あそこに書いてある中国というのは、自分のところであるというので、はっきりした明白な意思表示を何らかの形で行なうという場合には、一つの客観的な要素の変更であると思われます。ですから、国際情勢の変化を注視しながら対処していきたいというのが私たちの考えでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いま参事官の言われたようなことは、すでに言っているじゃないですか。台湾は中国の領土の一部だと、こういうことはもう明言しているところじゃないですか。中華人民共和国、北京政府はこれははっきり言っていると思うのですね。すでに国際連合でも加入決定をした、あるいは諸外国で七十数カ国、先進諸国といわれるフランスにおいても、あるいはイギリスにおいても、あるいはカナダにおいても、その唯一合法正統政府は、それは中華人民共和国であるとはっきり認めているんですね。残念ながら認めていないのは日本とアメリカだけなんです、主要国では。そういうところから言えば、私は相当国際情勢から立ちおくれる状況を呈しているのがいまの日本じゃないか。もうすでにこの踏み出しの時期にきているのじゃないかと思うのです。ことに政府自体も、最近はでき得れば政府間折衝をやっていきたいということは外務大臣も再々言っているわけでしょう。そういう段階まで日本の政治状態としても進んできているわけですね。そのときに、一番大事な経済交流や、経済にからまるこういう資金面でのいろいろな協力体制というものは非常に重要だと思うのですね。だから、もう情勢は私はすでに熟しているんじゃないかと思うのですけれども、今後局長が考える転換をすべき情勢判断というのは、どういうところに置いているわけですか。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) 先ほど申し上げましたように、転換の時期といいますか、転換の時期というのは、非常にあるいは語弊があるかもしれませんけれども、現在の日本政府がとっている立場には、その前提があるわけでございまして、その前提の一つに、先ほど申し上げましたように、中華人民共和国がまだ意思表示をしておらないということ。それから日本が、国民政府と外交関係を持っているということ。それからほかの国がつまりアジア開発銀行の他のメンバー国が、まだこれを問題にしようと——つまり代表権の交代を迫るというような状態に至っておりませんので、この三つの条件が変われば、当然その上に立っているわが国の立場というものも当然変わってくると思います。それでその三つの中で一番具体的なのが、先ほど申し上げました中華人民共和国のはっきりした意思表示、つまりアジア開発銀行というものを目ざして、これの、つまりアジア開発銀行は独立の存在、独立の国際機関であることは、午前中御説明申し上げたとおりでありますが、この独立機関に対して、これを特定して、意思表示をするというようなことはいつでもできるわけでございますが、そういった明白な意思表示があった場合には、客観情勢の大きな変更というふうに見られる、したがって、一つの転機と見られるのではないかと考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 まあ、非常に日本のいまの外交というのは、ことに対社会主義国に対する外交ということになると、非常に、何といいますか、立ちおくれの部面が一ぱいあると思うのですね。そういう点では、イギリスとかフランスとかは、非常に私は先見の明があると思うわけですよ。それから勇気があると思うんですね。日本の場合は、何かアメリカに遠慮して、外交全般が全く世界的に孤立化しちゃって、こんな姿勢で行ったら、アジアはおろか、国際的にも日本は相手にされなくなっちゃう、そういう情勢にまで日本は発展していくんじゃないかと思うのですけれども、そういう考えはどういうふうに考えておりますか。たとえば域外国を見ても、フランスとかオランダとかイギリス、アメリカとか入っておりますが、もう半数近い国は、やはり中華人民共和国を正統な政府だということで認めているわけでしょう。主要国の中で域内国を見て、日本ぐらいじゃないですか、これは。あとは開発途上国その他比較的小さい国が顔をそろえているのであって、やはり日本か指導的役割りを今後果たしていくというなら、この辺でやっぱり勇気を持ってそういう打開策をとっていかなければいけないんじゃないかと思うんですがね。どうなんですか。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) 御説のとおりでございますけれども、まあ日本といたしましては、このアジア開発銀行というのは、あくまでもアジアの開始銀行でございまして、アジアの開発を目的としているという基本に立ち返りますと、何といってもアジアの国の意向、つまり域外国の意向もございますけれども、域内国の意向というものをより重視すべきではないかというふうに考えております。しかし、その域外国をとってみましても、たとえばイギリスあたりは、いまだアジア開発銀行におきまして、公式にも非公式にも中華人民共和国のメンバーシップをどうするかという問題を提起したことは、私の承知している限り現在までないわけでございまして、そういう意味におきましては、まだそういった域内、域外国ともに、中国のメンバーシップの問題を取り上げるという体制にないということは、先ほどウイーン総会の例を引いて申し上げたとおりでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 まあこの問題だけやっておったのでは時間がなくなっちまいますからこの辺で打ち切りますけれども、私は要望として、先ほど来ずっとこう私なりの情勢、見通しについてお話をしてまいりました。まあ大体日本のいまの自民党を含めた対中国問題については、一応今後前向きでもって検討しようじゃないか、早い機会にその一部ぐらいせめてやりたいというのが政府の意向でもあると思うんですね。そういうところまで差しかかっているんですから、当事者である外務省としては、十分前向きでその辺は検討していただきたいと思うんですね。このことを要望として申し上げておきたいと思うんです。  それから、大蔵省のほうに質問をいたしたいのでありますが、先ほども金融局長から一端の説明があったわけですけれども、この国連極東経済委員会ですね、エカフェ、この方針を見ますると、一つはアジア・ハイウエー、この計画が同整備委員会で種々検討されて、今後のこのエカフェ開発の基本構想に組み込まれておるわけですね。もう一つは、このメコン川のいわば下流開発計画、あるいは国連アジア経済開発計画研究所等をつくりまして、そういう基本問題について各地に検討される、こういう情勢だと思うんですが、これは現状どの辺まで調査ないし計画というものが進行しておるのか。これは外務省ですかね、その辺の現状についてひとつ御説明いただきたい。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) 詳細は後刻もう一度御答弁申し上げますけれども、まず概略を申し上げますと、アジア・ハイウエーというのは、御存じのように、アジア・ハイウエーというのを初めから終わりまでつくるというお話ではございませんで、現在あるアジア諸国、主として東南アジア諸国にある幹線道路をずっとつないでいこうということでございますが、これが必ずしも現状で、容易に進んでいるということは残念ながら申し上げられないわけでありまして、特に大きな川がございますと、橋をかける問題が直ちに起きてきまして、現在のところ、詳細はちょっと調査の上御答弁申し上げますけれども、数カ所において架橋ができないので、アジア・ハイウエーというのはまだ全通しておらない。それと同時に、エカフェといたしましてやっていることは、このハイウエーをつくるには、ハイウエーをつくる技術者が必要であるというので、その技術者の訓練をやっております。  第二の、メコン川下流開発委員会につきましては、これは非常に積極的に動いているわけでございまして、最近世銀それから国連特別基金というようなものが協同いたしまして、一つのパイロットプロジェクトといいますか、そういったものをやっていこうということでやっております。もちろん既存のいろいろなダム建設の工事は、各国分担してやっているわけでございますけれども、さらにこれに活を入れるという意味で、世銀とそれから先ほど申し上げましたUNDPというものが協力してパイロットプロジェクトをつくっていこうということになって動いております。  それからアジア開発研究所、先生おっしゃいましたとおり、一連のアジアの地域的な経済開発というものを研究していこう、それで、それについてはアジア開発銀行のいろいろ委託を受けたり、調査を委託したりというようなことで、協力しているというのが現状と承知しております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 メコン川の下流開発はこれはいま調査段階ですか。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) それは調査段階のものはごく最近の情勢を申し上げたものでございまして、ちょっとお時間をおかしいただければ後刻御答弁させていただきます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 政務次官が用件があるそうですから、一つだけ政務次官に……。  これは二月の十九日でございますが、田中通産相構想で、アジア経済協力機構を設立しようと、より今後のアジア全域に対する経済提携というものをやっていこうじゃないか、こういう構想なるものが発表されておるようでありますが、これは少なくとも田中通産相独自でこういう構想の発表ということは考えられない。少なべとも大蔵大臣、関係閣僚、言うならば、経済閣僚会議等でこういう構想があって初めて一国の閣僚ですから発表になっているのが至当だろうと思うのですが、そういう面での閣僚会議等で、そういう問題が検討されたときがあるのかどうかということが一つ。もしあるとすれば、このアジア経済協力機構、こういうものを今後進めていく、いまどういう構想で進めようとしているのか、これに対していままでにもたいへん日本はエコノミックアニマルというようなことで、東南アジアの開発途上国の間からたいへんな非難を浴びているわけですね。そういう現状からいっても、こういうものをさらに屋上屋を重ねてやっていくということは、日本のいまの貿易の、特に輸出対策等から見て非常に危険視される要素というものがあるのじゃないか、かつて大東亜共栄圏というものを戦時中構想を練りましたが、いわばこれの代案みたいなものですね。私自身もこういう点について危惧の念を持っているのですが、こういう点についてはたして閣僚会議で問題になったのか、そういう構想が打ち上げられたのか、あるいは打ち上げられたとするならば、そういう構想を前提にする考え方はどうなのか、アジア諸国から非難のあるエコノミックアニマルのこういう誹謗に対しても、どういう対策を持っているのか、そういう全般的な問題について一つだけ御質問しておきます。

船田譲自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(船田譲君) まず、前段に御質問がございましたアジア経済協力機構なる構想について、閣僚協議会等で具体案をつくったかというお話でございますが、私たいへん寡聞で勉強不足でございますけれども、私は聞いておりませんです。ただ、その内容、したがいまして、その内容についてどうかということも申し上げかねるわけでございますが、ただ、われわれが注意しなければならないのは、いま戸田委員がいみじくも言われましたように、ややもしますと、戦前の大東亜共栄圏というようなものの再来であるというような、何といいますか、警戒心を主として東南アジアの国民に与えるようなことがあってはならないということが、十分注意しなきゃならない点だと思っております。また、先ごろチリのサンチアゴで行なわれましたUNCTADの会議等におきまして、日本の経済協力についての、政府開発援助の部分をふやせということ、また、それについてはできるだけひもつきを排して、いわば一種の援助の名のもとにおける輸出振興というような形ではいかぬというような、いわば開発途上国の希望というものは十分くみ入れてやっていかなきゃならない、こう思っております。  お答えになりませんでたいへん恐縮でございますが、以上でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 それで、具体的な貸借関係について国際金融局長に質問したいんでありますが、その前に、時間がないから具体的な問題に入ります。  大蔵省からいただいた資料によりますると、このまずアジア開発銀行の融資実績、契約ベースですけれども、四十六年末現在速報値で、大蔵省の資料、これに出ておりますが、私は先ほどから国際情勢の中で非常に将来心配をされる国々ですが、一つは蒋政権の台湾の問題、これがございます。カンボジアについても同様であります。南ベトナム、あるいはラオス、この辺が前途の政情不安は、きわめて私から見るなら危険な状況にあるように感ずるんですね。そこで問題は、この台湾の蒋政権の場合ですけれども、この資料によりますると、政府借款が——いま六百万ですか、現行応募資本額が。あれで一千万ドル、これはまあ漁業の関係で、大蔵省からもらった資料ですけれども、一千万ドルの深海漁業開発として、ことにマグロ漁船建造、これでいってるわけですね。金利は六・八七五%になっているんですが、期間十三年です。ところが今回、二、三日前ですけれども、捕鯨関係の禁漁ですね、国際的に決定をされた。これは日本もたいへんな打撃をこうむった。ところが、同じように台湾の蒋政権においても。そのための融資を一千万ドル程度やっておるわけですね、これは直ちに日本のみならず蒋政権においても私はたいへんな打撃を受けるだろうと、こういうものについて前途見通しがなくなったと、ことに十三年ですから、あの禁漁については約十年間ですね、こういうことできめられておるわけですから、あれが着実に実行されるとすれば、これは返済不能というかっこうになるんじゃないか、そういう点についてどう一体判断をされておるのかですね。  それからもう一つは、台北−楊梅間の高速道路建設で約千八百万ドル、これがいっているわけです。まあ主要な貸し付け状況等について調べてもらっただけでもこういう状態になっているんですけれども、そしてなおかつ、さっき指摘をしましたように、中国代表権問題についても、もうすでに国際連合ではああいうことになってしまった。日本はいまだに日華条約で外交関係を持っておると、こう言いまするけれども、実質的にはもう蒋政権を相手にする国はあまりなくなった、経済的にもですね。日本の経済界においても、ややこの問題については非常に冷淡視する傾向が出てきているわけでしょう。こういうときに、日本から出ているアジ銀の総裁は渡辺さんであって、それで日本からもアメリカ同等の出資を出して、主要国として運営に参画をしている日本が、こういう危険な貸し付けについて一体これからどう検討をしていくのか、対策は一体あるのか、ないのか、その辺についての見解をひとつ聞かせていただきたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) ただいまお尋ねの件は、アジ銀から中華民国の政府に対しまして深海漁業の開発、これに約千万ドル、それから台北−楊梅間の高速道路建設について千八百万ドル、いずれも昭和四十四年、四十五年ごろに融資承諾が行なわれた件であろうと存じますが、これは申すまでもございませんけれども、アジア開銀としての融資——種々調査をいたしました結果、決定をいたしました融資でございます。むろんこれはそういうような、今後のこれの、何と申しますか、経済効果、その他について、むろん返済の確実性等についても十分に調査をし、判断をした上で貸し付けが行なわれておるわけでございます。したがいまして、確かに中華民国も、ただいま加盟国でございまして、すでに融資の承諾を得ておる分につきましては、これは特に今後返済がどうなる、あるいは問題になるというようなことはないというふうに存じております。  ただいま、ちょっと、最初の御質問でよくわかりかねたわけでございますが、最初の深海漁業のほうの件で、捕鯨との関係を御質問でございましたのでございますか、ちょっとその点お聞きいたします。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 ちょっと、きのうですか、その捕鯨漁獲ついては、今後十年間お互いにやめようじゃないか、こういう国際決定がなされたのですね。日本としてはそれはあくまでも主張したようですが、全く少数で敗れた、アメリカ案が通った、こういうことになったのです。そのことによって、今後捕鯨漁業というものは、日本の場合でも大打撃を受けるだろう。ましてや蒋介石政権が深海漁業開発——これはちょっと誤りました。私はマグロ漁業を鯨と思ったものですから。これは質問を取り消しますが、そういうことだと思ったから、捕鯨漁獲が十年間停止されたのに、もしそれに融資がいっているとしたらたいへんなことになると思いましたから。マグロと鯨と見間違って申しわけない。  それから問題になるのは、やはり私はカンボジアですね。少なくともカンボジアは、日本ではロン・ノル政権を認めておりますけれども、アメリカに追随してすぐ承認をしたのですが、私は現地に行ってつまびらかに経済事情を視察をした関係上、カンボジアについては若干自信があるのですが、かつて日本の損害賠償——戦時中の、そういうことで補償して、一つは畜産センター、あるいは医療センター、こういう各般の戦時損害賠償としての立てかえを、支払いを、それにかわってやっておったんですが、いまどういう状況になっていましょうか。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) 一番最近の現状だけを申し上げますと、実はカンボジアは、おっしゃるとおり経済的に、ことに国際収支の面におきまして少なからざる困難にあっているということは御指摘のとおりでございます。それで今回、日本及びその他域外の国が集まりまして、カンボジアの為替支持基金というものをつくることになりまして、そのカンボジアの為替、為替といいましても、実質上は輸入のファイナンスを見るというようなことになると思いますけれども、そういった為替基金というものをつくっていこうじゃないかというようなのが一番最近の発展でございます。それもカンボジアに対する難民の援助とか、そういうものは従来続いておりますし、それから先生御指摘の医療センター、その他のいわゆる技術協力というものは、カンボジアに対しても行なわれております。ただ実際戦火にあいまして、事実上そういった援助の執行の不可能なところにつきましては、若干支障が出てきているということはございますけれども、これは実は一つの不可抗力と見られるのではないかと思います。   〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そうすると、医療センターとか、あるいは畜産センターとか、まだそういうものは現在、現地に存在をしておるということですね。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) 医療センターは存在しておりますけれども、先生御案内のとおり、医師が必ずしも十分に手当てができないということはございますけれども、センターそのものはまだ存在しております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 結局、たしか私たちが四十一年行ったときもそうだったのですが、医療センターといっても、本来ならお医者さんが非常に少ないものですから、日本の進んだ医療の、いわば指導あるいは医師の養成とか、そういうことをぼくは期待して行ったんだけれども、実際は現住民の診療等に充当しているのですね。それも薬が思うようじゃないものですから、日本から行って、そしてお医者さんが少ないものですから、現住民から歓迎されていることは間違いなかったのですが、しかし所期の、日本が考えている計画ほどの成果をあげていないのですね。だからそういう面について、政府は具体的に、そういうものをつくってやっているのだから、もう少しこの効果のある方式をとったらどうかということを、四十一年に愛知外務大臣だったと思うんですが、いろいろ要請したことがあったんです。そういう状況についてはどうなっているのですか。やはり当時と何ら変わりない運営方式でやられているのですか。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) 御指摘の点はまさにそうでございまして、私たち技術協力を担当している者といたしましても、たとえば医療協力におきましては、その国の人々の診療のためにお医者さんを派遣するということは、必ずしも本来の目的ではございませんで、それはつまり、その国の医師に代替するというようなことはむしろ望ましくないというふうな思想でございまして、わが国の技術協力、医療協力は、あくまでもその国のお医者さんを指導する、なおす人を指導するというのが本来のねらいでございますけれども、御承知のようなカンボジアの事情で、カンボジアその他発展途上国におきましては、必ずしも自分は全然、医療の実際の診療のために来たのではないというふうに言って、突っぱねるというようなことにもまいらないことは御案内のとおりでございまして、しかし、技術協力のねらいというものは、あくまでも直接の診療ではないということはお説のとおりでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 今後これらに対して何か改善措置をとっていくという日本の政府の考え方はあるわけですか。  それからもう一つは、ラオスの場合ですね。現地へ行っていろいろベトナムやラオス、カンボジア等からも話を聞いたのですけれども、たとえばラオスの場合ですね、ビエンチャンの郊外に、アメリカさんの軍人軍属のハウスが一ぱい建っているわけです。そこに二万人ぐらい当時住んでおったのですけれども、結局この援助してやった金は、名目は確かに全額で何億ドルと、こういうのですけれど、その八割くらいは、全部自分が行って住む軍人軍属の、いわば下水道整備とか、そういう住宅の環境整備にほとんど回ってしまうのですね。だから、ラオスだけに使う金はわずか二割くらい、そういう援助方式をやられることはけしからぬじゃないかという話が出ておる。最近日本の場合も、いろいろアジ銀から融資対策はとっているけれども、実際高級な建設とか、そういうものに対しては、すべて日本の業者が直接向こうに行って、そうして貸した金の何割かは全部業者が持ち帰ってしまう。だから、ほんとうに当該開発途上国における開発の資金にはなり得ないといった、そういう非常に矛盾したかっこうが最近多いということを聞くのですけれども、そういう点はどういうように思量されておりますか、実態をひとつ説明していただけませんか。

菊地清明外務省経済協力局外務参事官

○説明員(菊地清明君) 第一の御質問の、今後改善のことを考えているかという御質問でございますけれども、私たちのほうとしても、この技術協力、医療協力の改善ということは不断に心がけておるところでございまして、ただ御案内のように、非常にお医者さんが足りないわけでございまして、現に派遣されているお医者さんというものは、たとえば大学同士である程度連絡がついているというような方々にほとんど限られているというわけでございまして、その点今後お医者さんの、実際行ってくださる方の数などともにらみ合わせまして、医療協力の改善ということは今後とも心がけていきたいと思っております。  それから、第二の、ラオスのアメリカの援助の例を御引用なさいましておっしゃいましたことは、その二割、八割という割合は私寡聞にして存じませんけれども、傾向としてアメリカの援助が、いわゆる行政費といいますか、つまり援助するために行くアメリカ人のためにかなりさかれているということは御説のとおりでございます。他方、わが国の援助は、比較的そういった行政費といいますか、実際援助実施というものが、つまりそういう意味の行政費の割合はきわめて少ないというのが、むしろわれわれとしては自慢しているといいますか、そういう点はアメリカの援助のやり方とは違うというようなことは感じているわけでございます。  それから、それとはまた違った意味の実施経費、つまり援助しておいて、その半分くらいは日本の業者が請け負って持って帰るのじゃないかという御質問でございますけれども、たとえば具体例ということでございますが、カンボジアで実際やっております先ほどのメコン川下流委員会の一つのプロジェクトでございますけれども、プレクトノットのダム建設、これをやっておりますが、わが国は三十億円強を援助することにしておりまして、半額無償、半額借款ということになっておりまして、これにはもちろん日本の業者が工事に当たっておりますけれども、そういった意味では、日本の業者に金は落ちるわけでございますけれども、ダムならダムといった、その開発援助の成果そのものは、その国に残るわけでございまして、そういった開発事業が残る限り、その開発の目的は達したと言えるわけでございまして、御引用なさいましたアメリカの場合のような、自国民の行政費のために金がかかってしまうというのとは、ちょっと趣が異なるのではないかというように感じております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 ですから、今後融資したものに対する当該国の開発等を含めて、このあり方等については十分私は検討していかなければいけないのじゃないかというように考えるわけですけれども、できるだけやはり国内でもいろいろ問題になっていますように、地域開発というのは、地場産業を育成強化するというような方向でやっていけと、それと同様なことがやっぱりこのアジア全域の開発途上国については言えるんじゃないかと、こう思うんですね。ですから、そういう面での融資体制——実質的な建設、こういうものを十分判断をして私はやっていくべきじゃないだろうか、こういうふうに考えておるわけなんです。  そこで、さっき国際金融局長からの説明、ちょっと聞き漏らしたんですが、このアジア地域に対する十億九千二百万の融資に対して、南ベトナムにどのくらいいって、ラオスにどのくらいいって、カンボジアにどのくらいいって、蒋政権・台湾にどのくらいいっているのか、その内訳をちょっと教えていただきたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) お尋ねの件は、日本としてそういう国に出しておる援助ということで、ちょっといま手元に数字がございませんので、さっそく取り寄せましてお答え申し上げます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 産業分類別のアジ銀の融資実績を、契約ベースで、四十六年現在で、これは速報値で資料をいただいたんですが、大体、第一次産業、第二次産業、第三次産業というぐあいに分けていただいたわけですけれども、この融資状況を見ますると、アジア全域の各地域条件からいけば、どうしてもやはり、私はもっと第一次産業等、たとえばかんがい施設等の農業基盤の整備であるとか、あるいは農業改良普及事業、あるいは農産物加工施設、農場、あるいは漁港、漁港施設等々の割合というものはもっと多くていいんじゃないかというふうに考えますけれども、大体これは二次産業よりはるかに少ないんですね。だから、何かこの日本のパターンがそのままやっぱりアジア全域にいっちゃっているような傾向が、この融資状況で、まあちょっと見ただけですけれども、どうもそういうふうに判断がされる。たとえば、この一次産業全体で四千三百四十三万五千ドルということ、ところが第二次産業では一億八千二百六十七万ドルですよ。こうなると、おおむね四倍強ですね。で、その内容を見ますると、各種製造業設備等、あるいは転貸資金、鉱業が若干入っている。おそらく、この各種製造業の設備なんかについては、何か日本の大メーカーがそういうものを資本輸出して各国の下請会社にというような、あるいはアメリカにおいてもそうじゃないかと思うんですが、これはどういうケースのものが多いのか。いずれにしても、第二次産業の場合に、この内訳を見ますると、ことに転貸資金というのが一番多いんですけれども、しかし、一次産業、二次産業のバランスというものが、極端に二次産業が多くなっているんですね。で、私はいまこのアジア全域を見まして、あの一帯ずっと見まして、やっぱり一番大事なのは、この経済の基幹といわれる第一次産業ですね、食糧その他の生産か非常に不足を来たしている。もちろん、これは日本ぐらいの農業技術その他を導入すれば、もっともっと、三期とれるところが一ぱいあるんですから、大量な生産工場ができると思うんですが、そういう面も非常に立ちおくれている。だから、一番現地民が希望しているのは、日本の場合にはこんなに米が余ってどうのこうの言っているんですが、餓死状態にあるのはあの地域が一番多いんですから、だから、当該国からいけば、どうしたって一次産業に目をつけることはあたりまえだと思うんですよ。私がカンボジアに行ったときに、カンボジアは農業の生産を高めるために一番ここに、総予算の二五%ぐらい注入しておったですね。そういう状況なんですから、これはカンボジアばかりじゃなくして、なんでもあの近辺の開発途上国は一様にそういう傾向に置かれておるということ、これは間違いないんだと。そういうところからいくと非常に少ない。だから、こういう面を考えると、どうしても、アメリカと日本の主要国の意向がそのまま、強制的とはいえませんけれども、当該国への融資について、貸し付け申し込みや何かいろいろなことを検討されて一々やるわけでしょうけれども、しかし、それにしても、どうもやはりアメリカや日本の各般のいまの産業の成長パターンがそのままここに行っているような気がしてならない。こういう点について、一体、どう金融局のほうでは考えておるか、見解を示していただきたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 御指摘のアジ銀の業種別の融資先と申しますか、その重点の問題でございますが、これはアジ銀といたしましては、特に、いま御指摘のような、日本とかアメリカの意向といいますか、そういうものでやっているわけでは全くございませんで、やはり加盟国が、それぞれ自分の経済発展の重要性に応じてこういうプロジェクトをやりたいという、そういうことを基礎にいたしまして、アシ銀がそれを——その経済性その他、その国全体に対する貢献の度合い、あるいはさらに、できれば地域的な観点等も考えまして選定をいたしておるわけでございますが、ただいま御指摘の第一次産業が少なくて、第二次産業が多いという点は、あの御提出申し上げております資料でもおわかりになると存じますが、実は、産業分類がなかなかむずかしいわけでございまして、いわゆるアジア開銀として、やはり各国の経済基盤の育成と申しますか、そういう意味のインフラストラクチュアの部分ということを非常に重点の一つとして置いておるわけでございます。そういう関係で、この産業分類図からいたしますと、第二次産業に入るといえるようなものが、水資源の問題その他でもって農業開発その他にも直接につながるというようなものもございます。  それからもう一つ、ただいま御指摘の金額は、通常資金についてのものでございますけれども、元来、そういう非常に開発のおくれております加盟国の中でも開発のおくれております国につきましては、むしろ特別基金による融資というほうが金利も安く年限も長いわけですから、そういう意味で希望が多いわけでございます。そういう意味では特別基金のほうにおきましては、第一次産業、ことに農業部門に一番大きな実績がすでに出ておるわけでございまして、全体として一億七百万ドルの特別基金の融資の実績の中で、半分以上はこの一次産業、しかも、それが主として農業部門に行っておる。第二次産業部門へは千万ドルでわずかでございます。こういうようなことでございまして、この西方を合わせて考えますると、アジ銀としましても、そういう意味の農業開発、その他全体としての経済基盤の開発の面に非常に努力をしておるということは事実であると存じます。他方、第二次産業におきましても、これはなかなか、ことに転貸資金といっておりますのは、これは各国の持っております開発金融機関に融資をいたしまして、そういうものを通じて、その国の実情に応じた開発事業に充てるということでございます。こういうものが、御指摘のように通常資金で一億二千七百五十万ドルと相当額になっておるわけでございますが、しかし、全体といたしまして、申し上げましたように、やはりそれぞれ国の発展段階が異なります。それで、全体としては経済基盤の育成というようなことに重点を置いて、インフラ部門その他に置いておるわけでございますけれども、これはやはり発足まだ日が浅うございまして、理想的な形での実績というのはあるいはまだ出てきておらないということも言えるかと存じますが、方向としては、ただいま申し上げておりますようなことで、アジ銀当局といたしても努力をいたしておるというふうに承知をいたしております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 確かに局長が言われるように、通常資金の場合あるいは特別基金の場合と二通りありますから、確かに特別基金の場合、ただいま指摘されたとおり、第一次産業が圧倒的に多いことも私もこの資料でわかるのですけれども、しかし一定の資金ワクがあるわけですから、それぞれ。だから、どうしてもでき得れば両面ともに、これはおそらく当該国の希望はその辺にあると私は判断するものですから、そういう方向でいかれたほうがいいんではないだろうかという考え方なわけです。それで、この通常、特別貸し付けの中で、南ベトナム、ラオス、カンボジア等に対してはどのくらい一体融資されていらっしゃるか。その使用目的はどういうことになっているか。その辺も含めてひとつ説明していただきたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) ただいま表を見ましてお答え申し上げますが、私の了解しております限りでは、南ベトナム、ラオス、カンボジアにつきましては、ほとんど全部が特別基金からであると存じます。カンボジアがプノンペンの高圧送配電計画でございますが、これが百六十七万ドルでございますが、これは特別基金からでございます。それからラオス、これがタゴンの農業開発に九十七万三千ドル、それからビエンチャンの送配電施設計画に三百三十七万ドル、この二つでございます。いずれも特別基金からでございます。それから、南ベトナムは二件ございます。合計で五百万ドルでございますが、漁船機械化及び冷凍製氷設備建造、これが二百五十万。それからビンディン、これも地名であろうと存じます。ビンディンのかんがい計画、これに二百五十万、合わせまして五百万ドルが出ております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 私は、この南ベトナムの場合も、いまもう戦局がああいうことになっているんですね。何か聞くところによると、アメリカのニクソン大統領とチュー大統領との間で引退まで勧告したとかしないとか、おそらくニクソン大統領が選挙のさなか、もしくは選挙前に何らかのそういう解決策というものを出さなければいけない。非常に政情不安定なんですね。いま金融局長が言ったように、漁船の機器改善とか、名目はそうかもしれませんが、問題は、やっぱり戦災復興その他にいっているんじゃないですか。実態はどうなんですか。現在、実際現場に行ってそういうふうなチェックしているんですか。その辺が一つ。  それからもう一つは、カンボジアのプノンペンですが、御存じのように解放軍にさんざんロケットでやられているわけですよ。これは、私は現地に行ってきておるわけですがね。電力開発地点まで、プノンペンから自動車で約一時間ちょっとだろうと思ったんですが、その現地まで行ってきました。そういうところはいま戦場になっているんですね、戦場に。で、これはもう、おそらくいままで融資をしたんだろうと思うんですけれども、プノンペン自体がたいへんな危機状態におちいりつつあるんじゃないですか。こういう融資体制についてどう一体対処していくのか。私は全くむだ金だと思うんですけれども、もっと建設に向けた一つのやり方があるんじゃないか。ロン・ノル政権自体が、何といいますか、この間大統領選挙を一応やったというけれども、あんなほんとうに強権的な非民主的な選挙でやっているわけですから、まさしく独裁方式で。だから、そういう近辺までやられておって、そういうところに電力開発計画でもって百六十七万ドル、これをやっておるというのですが、どういうことになるでしょう。かりにそういうものが、つくってまた破壊をされた、どうしても償却能力がなくなっちまったということになれば、制裁としては現行のアジ銀の規約の点、そういうことからいけば業務の停止ですか、そういうこと以外ないわけでしょう。制裁法としてどういうことになっているんでしょうね。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 御指摘のとおり、その後、工事が戦火のためにできないとかというような場合につきましては、むろんアジア開銀といたしましても、現実問題としてそういうものに対する融資の引き出しには応じてないわけでございます。先ほど申しましたのは、それぞれ四十五年度、そういう融資承諾の契約をいたしました時点で、そのときの金額を申し上げたわけでございまして、御指摘のように、たとえばカンボジアなどにつきましては、その後、戦闘その他の問題がございまして、実際問題としては工事が進まないという場合には、アジ銀としてむろんこれを、お金をそのまま全額貸すわけではございませんから、その出来高等に応じまして融資をしておるわけでございます。そういう意味で、こういうところのものは実は引き出しはとまっておるというふうに承知をいたしておりますが、原則論として申し上げますと、やはりこれは、そういうような戦闘行為その他によって具体的に工事ができないというようなものを別といたしますと、やはりこれらは、その国の民生安定なり、その他政治的な目的というものではございませんで、もっぱら経済開発というのが元来アジ銀の目的でございますから、特定の政権を援助するとか、しないとかということではございませんで、やはり物理的に工事が可能であり、それがその土地の住民の福祉に役立つ、経済開発に役立つという限りにおきましては、御指摘のような、あとで破壊されてしまうというようなことは、十分検討いたしました上で、やはりできるものは貸し出しを続けていくというのが、むしろその土地の、その国の住民のためになるのではないかということで、アジ銀といたしましても、できる限りのことをやっていきたいという方針をとっておるというふうに聞いております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 この金利問題ですけれども、いま日本の金利状況としても、総体的には値下げ方向にいっているんですね。いま通常資金融資の場合には基準金利はどのくらいですか。それから特別基金融資の場合にはどのくらいですか。  それからもう一つは、協定の第二章資本、第四条の授権資本、十一億ドルですね、日本の出資は創設時に二億ドル、その後一億ドル増資ですから計三億ドルですかな。二億ドルに一億ドル追加したでしょう、この前、四十四年二億ドルですか。授権資本は二億ドル……。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 授権資本は二億ドルでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 その二億ドル換算が、この第二章第四条の授権資本の中では一応はっきりきめられておりますね。きめておる。しかし、日本の円が切り上がっていま三百八円、これは円換算でいった場合に幾らに換算されているのか、その辺の内容についてひとつ説明してください。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) まず金利に関するお尋ねでございますが、このアジ銀の通常資金の貸し出し金利は現在七・五%でございます。で、これは、金利の決定は、アジ銀といたしまして資金を各国、各国際市場からの外債発行その他によって調達をする必要がございますので、そういうところの金利を考えながら、その逆ざやにならないようにということできめておるわけでございます。かつてはそれが六・八分の七%であったかと存じますが、四十五年でございましたか、七・五%に引き上げまして、その後現在まで七・五%でやっておりまして、これは各国、各プロジェクト一律でございます。通常資金に関しましては一律でございます。特別基金のほうにつきましては、これは拠出各国がどの程度の金利で貸すかということについてアジ銀の相談を受けましてきめるわけでございますが、これは御案内のとおり、低利のものというのが趣旨でございまして、非常に低い場合には一・五%というようなところまでも可能でございます。まあ一・五%から三%ぐらいの間で、各プロジェクトによりまして、それから相手国の発展の段階に応じましてきめていくということでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 通常資金融資の場合ですが、いま基準金利が七・五%、たとえばセイロン等の中央銀行に貸し付けるような場合には七・五%でいっておりますね。年数十五年。こういうことでいっているのですが、たとえば台湾の将政権の深海漁業開発、マグロ漁船建造、こういう場合には六・八七五%、こういうことになっているのですが、各国によって若干違うのですが、この表、おもだったものを拾ってもらったのですが、これでいきますと台湾にばかり六・八七五とこうなっていますね。これは何か政策上そういう低利でやっておると、こういうことなんでしょうか。  それからもう一つは、特別基金の融資でもって最低一・五%ぐらいもあるというのですが、大体この表で見る限りは二%、これは運輸交通のネパールにいっているものが二%ですね。ですからこれは、総務会もしくは理事会等でそのつど各国の状況なりあるいは金利状況、あるいは経済動向を勘案して金利総体をそのつどきめていると、こういうことにやっているわけでしょうか、運用の方式としては。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 第一の点でございますが、御指摘のとおり、このセイロンに対しまする製茶工場の近代化の貸し付け、これはまあ七・五%でございまして、他方、台湾に対するものが六・八七五であるということは事実でございますが、これは先ほども申し上げましたように、通常資金の融資につきましては、国によりあるいはプロジェクトによって金利を変えているということはございません。ある時期におきましては全部一律でございます。たまたま私先ほどもちょっと申し上げましたが、台湾に対する融資、これは四十四年三月二十八日に理事会の承認を得ているわけでございますが、その当時は一般的な一律金利が六・八七五であったわけでございます。したがって、この時期に貸し出しの行なわれております通常資金の金利は全部一律に六・八七五でございます。これが四十五年の春でございましたか、一律に引き上げられまして、それ以後は国のいかんにかかわらず、プロジェクトのいかんにかかわらず、全部七・五%というふうになって現在に至っております。  それからこの特別基金のほうは、これは一律ではございませんで、その国、相手国の発展段階、あるいはそのプロジェクトの採算性と申しますか、そういうようなことを考えまして、一番極端に低い場合は一・五%というようなことも可能でございますが、通常は大体二%、あるいは三%ということでございます。これは総務会の決定ではございませんので、理事会が決定をすればよろしいわけでございますが、大体加盟国の拠出しております国と相談をいたしまして、方向としてはいまのような一・五%から三%というようなことで方針は伝えてございますが、具体的にその中である国の特定のプロジェクトに貸すというときには、個々に何%ぐらいで適当と思うがどうかという内々の相談は行なっております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 例のドルの円換算は。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 失礼いたしました。いまのドルの問題でございますが、これはこの出資につきましては、これは実はこのドルは、第四条の一項に書いてございますが、「千九百六十六年一月三十一日現在の量目及び純分を有する合衆国ドル」ということになっております。したがいまして、これは現在のドルとは違う、観念的には違うドルでございまして、このほうはこれで換算をいたしますと一ドル三百三十四円四十銭になるかと存じます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そうしますと、日本の円の切り上げその他についての影響がない、あくまでも三百三十四円四十銭のそのアジ銀のあれとドルの円換算の交換でいくと、こういうことですね。  それから今後の増資分はどうなんですか。今後は、これは一九六六年の一月三十一日現在の量目もしくは純分でもっていけということははっきりしていますが、今後の増資についてはどうなっているのか、その辺の見解を……。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) ただいまの点は、ドルの切り下げについては関係がないわけでございますが、円の切り上げについては関係があるわけでございます。と申しますのは、いわゆるここでいっております一九六六年一月三十一日現在のドルというものは、当時日本は一ドル三百六十円であったわけでございますが、これが今度は新しいドルと申しますか、ただいまのドルに対しては一ドルが三百八円、セントラルレートになっておりますが、しかし、アメリカのドルの切り下げがございまして、したがいまして、ちょうど日本は切り上がりまして、ドルは切り下がったわけでございます。したがって、現在の円、つまり切り上げの行なわれました円に対する一九六六年一月三十一日現在のドルというのは、これは三百六十円ではなくて、三百三十四円四十銭になるという意味で、円の切り上げの部分は影響があるというふうに申せると思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 今後の増資は。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) これはその今後と申します意味が二つあるかと存じますが、協定改正をいたしまして、いまの一九六六年一月三十一日現在のドルというのを、何か協定上改正するかいなかという問題が一つございます。これはただいまのところそういうような議論は出ておりません。でやはりこのままでいくということになろうと存じます。それから今後日本の円が切り上がるかどうかということでございます。これは切り上げをいたすあれはございませんから、現在のところは三百三十四円四十銭というところで、このアジ銀の資本の計算に関する限りはそういうことに相なるということでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 たばこ関係もありますから、一応あと二、三点で終わりたいと思うのですが、一つは、当初、この域外加盟国のソビエトの場合は、一応加盟せずに、技術開発、こういう面で協力していこうと、発足当時ですね、こういうことだったと思うのです。本開発銀行が当初発足したのはジョンソンのときにロストウの、反共理論家ですけれども、そういう意味合いから米州開発機構などをまねてこのアジア開発銀行というようなものが設立をされた、そういうふうにぼくは理解しておりますが、だから、あくまでもアメリカ衛星国家群、こういうものを中心にして加盟国の選定を行なったというふうに考えるのです。その限りにおいては私は全く反対なんであります。しかし、当面するソビエト等も域外国として入ったと、こういうことになるとするならば、当初出発した理念からは、やや弾力的な、対社会主義国に対しても窓口を広げたといいますか、そういう状況にうかがわれるのでありますが、今後中華人民共和国とか、各般の社会主義国とがございますが、そういう各国がこれに協力もしくは加盟ということになるとすれば、それらの取り扱いはどうなっていくか、この辺の見解をひとつお伺いしたいと思います。  それからもう一つは、いまドル換算の問題について聞いたんですけれども、第五条の「株式の応募」、この中で「総務会は、銀行の資本を五年以上の間隔を置いて検討する。」と、こうなっておりますね。いま非常に世界的にドルというものは信用の低い最大の通貨貨幣だと思うんですね。そういうところからいえば、これは前途どうなるかわかりませんが、いま日本の場合でも、局長は日本の円切り上げというものはないだろう、そういうところから新円対策を発表したりいろいろやっているけれども、今次国会にはそれも間に合わない。こういうところで非常に困難な情勢がございます。外貨準備というものは先々増加の傾向にいっていることは間違いないですね。だから、このままいけば年内の二百億ドルというのはおおよそ見当がつくだろう、そういうことになれば、再度また世界世論として日本の円の切り上げというものは再燃をせざるを得ないというような状況になりかねない。こういうことで、非常にいま世界全体の通貨情勢というものは激動の状況にあるかと思うんですね。ことにフランスや西ドイツ等においては、金の値段が最近暴騰しておりますね。そういうことになりますと、IMF——国際通貨基金と、それらの銀行資本のかね合いというものはどうなっていくかというようなことで、各般の国際通貨等については、今後も激動の状況にあるでしょうし、検討もしなければいけない。こういう情勢かと私は判断をするのでありますが、そういう場合に、総務会がこういう五年間隔で検討してと、こういうことになるのですけれども、いままで検討された内容があるのか、あるいはそういう国際的な通貨激動体制に対して検討しなければいけない諸情勢というものがあるのか、こういう問題についてはどう判断をされておるのか、ひとつお聞かせ願いたいと思うんです。  それから、この第八章ですが、「地位、免除、課税免除及び特権」というのがございます。こういうものは現実に適用されておるのかどうか、もしあるとすれば域内国でどういう国か、あるいは域外国でどういう国か、こういういわば特例措置な適用している事例というものがあるのかどうか、その辺の見解についてひとつ。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 第一の点でございますが、ソ連その他社会主義国家との関係でございます。   〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕 これは元来アジア開発銀行が、こういう政治形態でございますとか、あるいは社会体制というようなことによって区別をするというたてまえでないことは当初から変わっておりません。で、ソ連につきましては、当初から加盟をしたらどうかという点につきましては、アジ銀自身いろいろな場面におきまして、考え方、希望を出しておるわけでございますが、現在のところ加盟につきましては、やはりソ連は希望しない、さっき御指摘になりましたような技術援助というようなことで、側面的に援助をしようということでございます。これはわれわれのほうといたしましても、そういう社会主義国家がいろんな意味でアジ銀に加盟の希望を表明し、あるいは現地も、技術協力その他を通じての援助を表明してくることはむしろ歓迎すべきことであろうというふうに存じております。ただ、問題は分裂国家の問題というものもございますので、加盟につきましては、これはあるいは外務省のほうから御答弁いただいたほうがよいかと存じますが、そういう意味での具体的な関係につきましては、問題があるということは現状におきましてはやむを得ないことであろうと存じます。  それから五年目ごとに増資について検討するということは、これはやはりアジ銀といたしまして、これからの援助資金をふやしていくというのにあたりまして、やはり五年目ぐらいには見直しをしていくということでございまして、今回の増資もある意味におきましてその第一回目の見直しの結果であるというふうに言えるかと存じます。今回の増資につきまして、いろいろと検討いたしました中で、この通常資金に関しましては御提案申し上げておりますようなことで、大体一五〇%の増資ということで、アジ銀としての結論が出ておるわけでございますが、特別基金のほうにつきましては、一部の国にはこの通常資金の増資の議論の途中で、特別基金もやはり同じように各国から、これはむろん先進国でございますけれども、各国からある程度のフォーミュラーをもって出させるということにしてはどうだというふうな議論もございましたが、しかし、今回は、通常資金のほうの増資ということでやるということで、この特別基金のほうにつきましては、さらに今後検討を続けるということで、具体的に検討を始めておる段階でございます。したがいまして、さらに今回の増資が成立をいたしました暁には、さらにまたその後ある年限をおいて、さらにその次の増資をどうするかというようなことが、たとえば五年というようなあとで、再び問題になるということは当然あり得ることだと存じます。  三番目の、この協定上の「地位、免除、課税免除及び特権」、これは国際機関でございますと、通常認められておりまする特権でございまして、アジ銀に特別のものではございませんが、たとえばアジ銀が東京で発行いたします債券について、いろんな意味の手数料とか、いわゆる日本として通常の場合でございましたら、課するべきものが、この協定によって免除になるということは、現実に働いております。これはことに特別の問題でございませんで、たとえば世銀とかIMFとか、その他いわゆる国際機関につきまして認められておりまするこういう一種の外交特権といいますか、こういうものでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 先ほどの質問要旨の中でちょっと言い足りなかったのですが、ソビエトが加盟しないというのは、いわゆる一条、「目的」の「国際連合アジア極東経済委員会の付託条項に規定するアジア及び極東の地域をさす」、これのいわゆる国連アジア極東経済委員会の中にソビエトが入る、こういう意味ですから、これはちょっと訂正をしておきたいと思います。  たばこ関係について若干質問したいのですが、先ほどちょっと説明をいただいたのですけれども、今回のたばこ耕作組合法の改正の主要点はどういうことでしょうか、まずそこからお伺いしておきたいと思います。

北島武雄日本専売公社総裁

○説明員(北島武雄君) たばこ耕作組合法は、昭和三十三年五月に制定されたものでございます。その当時の耕作の事情と現在の事情とはたいへん異なってまいりました。耕作組合を構成する耕作員のごときも、当初約三十五万人と称せられておりましたが、現在では大体その半分ということになってまいりまして、小規模な組合が非常にふえてまいったわけでございます。こういたしますと、組合運営の面において、少なからぬ組合員の負担の増ということになりまして、運営上、差しつかえる面が多々出てまいりますし、こういった農業事情の変化を基礎といたしまして、数年前よりたばこ耕作組合から、何とか現状に合うように改正してもらいたい、こういう要請がございました。私どもも内容を検討いたしまして、今回のような御提案をいたした次第でございます。  改正の第一点は、まず、地区の耕作組合、それから連合会、これの組合の地域を拡大させようということでございます。これによって、小規模組合の運営の困難という点を救おうじゃないかという点。  第二は、耕作組合連合会、それからたばこ耕作組合中央会、これの議決権と役員の選挙権につきまして、従来、一会員一票制でございましたのを、最近の事情の変化を頭に入れまして、農業協同組合法あるいは消費生活協同組合法等にならい、これの例外として、直接または間接に構成する地区の耕作組合員の住民の代表に応じて、一定の数を限度として議決権並びに選挙権に加算をしてあげるということでございます。  それから、第三の点は、地区の耕作組合の総会にかわりますものに、代議員会がございます。これは現在、五百人をこえる組合でなければ、代議員会を設けることができないということになっておりましたが、組合員数の減少等にかんがみまして、これを三百人にまで下げる。  そうして総会は、もちろん最も重要な事項でございますが、定款できめられた総会できめるべきものの範囲外の、経常的な事項についての代議員会の設置を認めることといたしまして、運営を合理化しようと、こういつたようなことが中心になっております。  それから、あるいはまた、耕作組合員が代理し得る数、これは従来五人以上——四人までしか代理できないということになっておりましたのですが、最近の事情にかんがみて、これを九人まで代理することができる、こういうふうに改正いたしておるわけでございます。  こんなふうな点が主要な点でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 大体、主要点四点にわたって改正をしておるわけですけれども、主として組合法の中心部門ですね。一つはこの機構、それから一つは組合員または会員の資格の要件について、もう一つは議決権及び選挙権、それからもう一つは、この代議員権ということになると思うんですが、こういう、いわば組合法の中枢をなす、最も民主的な、そういう要件を構成される部面を今回改正しようと、こういうのですが、何か行政指導上意図があってそういうことになっているのか。それとも耕作組合自体の、会員からそういう要望があってなされるのか。その辺は、どっちにウエートがあるのでしょうね。

北島武雄日本専売公社総裁

○説明員(北島武雄君) これは全く公社が意図をもって、こういうふうに暗にリードしたということではございませんで、数年前から耕作組合でこういった改正の要望を訴えておりましたが、実はいろいろ国会の御事情等で、そういった法案はただいま出すのはぐあいが悪いとかいうふうな御事情で、ただいままで延びておったわけであります。最近の事情にかんがみまして、どうしても今国会においてこういった法案の御成立をお願いしたい、こういうことで、私どもも真剣になって、組合の実情等考えまして、この案を提案いたした次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 私もまだ、この資料をもらって詳細な計数を当たっておらないのですけれども、ざっと見たところで、さっき総裁も答弁の中で言われたように、耕作人が減ったから、今回、そういう趣旨において四点にしぼって改正をやる、こういう話。耕作面積は減っていないんですね。耕作人は減っている。これはどういう原因でしょうか。

稲川徹日本専売公社理事

○説明員(稲川徹君) たばこ耕作は、御承知のようにたいへん労力多投型のものでございますので、従来私どもも耕作者とともに、内容の合理化をはかってまいったわけでございますが、いまおっしゃった面積の数字と、耕作者の数字からおわかりのように、一人当たりの、平均の耕作面積の規模が、次第に拡大してまいっておるわけでございます。お尋ねの意味は、はっきりわかりませんが、そういう結果、耕作面積自体は、多少の消長はございましたけれども、法制定当時とたいして変わってはおりません、途中で若干ふえてはおりますが。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いや、だから耕作人が減った理由はどういうところにあるのかという私の質問要旨です。たとえば機械導入によって人員が浮いたから耕作人が減っていったとか、そういう具体的な要因というものがあるだろうと思うのですね。その辺は、専売公社としてどういうふうに見ているのかということなんです。

稲川徹日本専売公社理事

○説明員(稲川徹君) 例をもって御説明いたしますと、昨年調査いたしました結果では、耕作者が廃作をいたしました理由を、理由別に調べてみますと、労働事情による廃作者と申しますか、離作者が約半分近くございます。さっき申し上げましたように、現在のところ、まだたいへん労働力を多投するような形態が残っておりますので、労働事情のために離農していくといいますか、たばこ耕作をやめていく人たちが四五%ぐらいを占めております。

北島武雄日本専売公社総裁

○説明員(北島武雄君) 結局、こういう事情になりましたのは、私はやはり日本の農業全体の傾向と全く軌を一にしているものだと考えております。昭和三十年代の経済成長に伴いまして、わが国の経済構造はがらっと変わったわけでありまして、一次産業から二次産業に、ことに重化学工業への転換、一次産業の就業人口の減少、労働力の都市への集中、あるいはまた、農村自体が工業化する、こういった面で、離農される方がぐっとふえているわけでございますので、最近の農業就業人口など、かつての四〇%台に比べまして、おそらくは四十七年度中には一五%を割るのではないかと、こういった観測さえ行なわれるわけでございまして、こういった全体の農業構造の、ことに経済構造の変造、これにやはりたばこ耕作といえども漏れなかったものだと、こういうふうに考えておるわけであります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 結局、自民党農政の中で、農村が退廃もしくは貧困化に追いやられた、こういう実情から、たんぼは手離さないけれども、米ぐらいつくっておけ、あとは採算の部面で出かせぎやったほうがよろしい。これはもうはっきり農業白書によって明らかですね。最近、農外所得がどんどんふえてきている、そういうところにあるだろうと思うのですね、原因は。いま説明されたように、労働事情によって離作四五%ということじゃなくて、もう根幹の農業経営が成り立っていない。だから勢い、たばこ耕作者においても放棄せざるを得ないという状況だと思うのです。だから、これはやっぱり政府の農業政策の欠陥からきているのだと私は思うのです。そういう、いろいろ言い回しは違っても、総裁の言ったとおりだと思うのですが、そういうことで、たばこ耕作に残った者も、今後そういう傾向に追いやられるのじゃないかと思うのです。だから、需要に対して供給が間に合わないで、勢い外国の葉たばこにたよらざるを得ないということになるのじゃないかと心配するのですが、大体聞きましたところ、平均反収十五万というのですね。この十五万の中で、その積算基礎は農村の雇用労働賃金、こういうものが土台になされている。米の場合は、生産費所得補償方式で、都市労働の対価、賃金を土台にしてやられている。これはやっぱり米のほうに合わせていくべきじゃないかと思うのです。同じ政府の施策において、たばこ耕作は農村の小作労働を土台にしていく。片や米のほうは、都市労働のほうを中心にしてやっていく。同じ政府の政策としてやる場合には、米のほうがいいんですから、これで合わせてやっていくべきだと思うのですが、その対策はどうお考えになるか、そういう改善の意思があるのかどうか、この辺が一つであります。  それからもう一つは、ことに減少傾向が多いのは都市周辺、たとえば関東、阪神、こういったところが非常に多いという説明でありました。これはもっと激減の傾向に私はいこうと思うのです。と同時に、いま逆に農村部面から見れば、単作地帯、寒冷地帯、たとえば北海道あるいは東北、こういうところの反収全体の収入というものは非常に低下している。これはもう七人家族ぐらいでいるわけですけれども、それで年間収入で、いずれにしても農家収入として入ってくるのは五十万円ぐらいですね。だから生活の道がないのですよ。そういうところだけが残っていくというかっこうになるのですから、急速に私は激減の傾向に今後追い込まれるのじゃないか。もちろん基本的には、政府全体が農家経営について抜本的な改善策をとることが先決ですけれども、たばこ耕作としても、そういうものに対応して一体どういう今後施策をそういう中で採用していくのか。その辺の展望なり構想があったらひとつお聞かせ願いたい。その二点について。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○説明員(佐々木幸雄君) いまの先生の御質問、大きく二点に分かれると思いますが、一つは、価格の関係の問題でございます。米の場合は生産費所得補償方式ということでございまして、生産費の基礎になります労賃の対価を都市労賃をとるというかっこうできております。たばこの場合には、やはり生産費を補償するというかっこうの一つの算式によりまして、葉たばこの収納価格をきめておりますけれども、この場合にとります労賃は、農村の臨時日雇い賃金をとるというかっこうでまいっております。したがいまして、算式そのものにはそう大きな差はございませんが、根拠になります労賃の見方によっての格差がある、こういうことが言えようかと思います。で、そういう問題につきましては、これまでいろいろと米とたばこが格差があるのはおかしいではないかという議論が過去ずいぶんございまして、たいへん問題になりました。それで昭和三十九年に、そういう問題を主にいたしまして、葉たばこの価格はいかにあるべきか、その根拠とする労賃をどう見るべきかということで、幅広な臨時葉たばこ調査会というものを設けまして、総裁の諮問機関でいろいろ検討していただきました。その結果は、端的に申し上げますと、米の場合のように、この農家が全体的に耕作されるものと違いまして、葉たばこの場合には、ある特定の方が栽培されるものであるというようなこと、それから主食と嗜好品の違いというようなものがございます。それから葉たばこが非常に国際的に流通性の高い作物であるわけです。そういう特別な葉たばこをつくられる耕作者の方に対しまして、別な政策的な価格をとるというのは、積極的にそういう根拠を見出しにくい。そういうような幾つかの理由によりまして、従来のような労賃の見方をするのが適当であるという、こういう結論を得ております。したがいまして、公社といたしましては、生産費所得補償方式の一つの算式の運用につきましては、そういうような調査会の御意見をいただきまして実態に合ったような修正はいたしましたけれども、価格そのものの根拠となります労賃の見方といたしましては、従来どおり農村の日雇い賃金をとる、こういうかっこうで現在もまいっております。したがいまして、そういうようなことでございますので、この問題につきましては、現段階ですぐそれをどうしようという考えは現在持っておりません。  それから葉たばこの全体の趨勢の中で、地域によっての格差がたいへんございます。先生のほうにも御説明申し上げましたように、大都市近郊の地域、それから遠隔地の農業地帯、まあ農林省のほうでそういうような区分けをしておられるやつを集計してみた資料がございますが、大都市近郊の農業地帯で南関東、東海、近畿、瀬戸内沿岸、こういうような地域を見ますと、四十二年から四十七年を比較しますと耕作面積が約半分になっております。それと反対に遠隔農業地帯ということで、東北、北九州、南九州というようなところを見ますと、四十二年に比べて四十七年は約八七%くらいの面積で非常に少ない。中間地帯はその間ぐらい。こういうようなことになっております。たいへん大都市並びに工業地帯の面積の減が大きいというのが実情でございます。ただこれは、全体といたしましては、国内の葉たばこ生産ということが非常に現在曲がりかどに来ておりまして、むずかしい状況でございますので、目下いろいろと公社といたしましては、これからの国内の葉たばこ生産という問題にどういうぐあいに取り組みながら、どういう施策をかみ合わせていくか、これは時間をかけて長々と検討していくわけにもまいりませんので、早急に結論を出したい。まあそういうことで具体化を急ぎたいということで、目下いろいろと全国的に検討しているという段階でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 時間がありませんからこまかく聞いておられませんが、ひとつ……。  この運営方式、いままでの耕作組合の運営というものは一部のボスでかってに運営されたきらいなしとしないのです。それでまた民主的な条項がいろいろ改悪された、私から言わせると改悪だ、そういうふうになっていると思うのですけれども、こういう心配の種については、今後除去政策か何か持っておりますか。その辺の見解をひとつ。  それからもう一つは、補助金問題についてですけれども、先ほどの説明でもちょっと伺ったのですけれども、四十六年度で六億二千八百万、四十七年度は九億三千九百万、こういった補助金をやっておる。主として乾燥室の建設費用がもっぱらだとこういうのですが、補助割合が一四%、償却期限はどのくらいかわかりませんけれども、そういうことになりますと、やはり耕作者にとっては品質を高める、あるいは品質によって買い入れ値が違うということになるので、収入の度合いも違ってくる、こういうことになって、農家家計に相当影響するわけでありますから、そういう面についてはもう少し固定化した補助金体制ではなくて、何らかの便法措置によってそういう運営をはかって、五年計画なら五年計画で、耕作人の六〇%は乾燥室ができていく、そういう考え方等があってもいいのじゃないかと思いますが、この辺の見解をひとつ。  もう一つは、農家の労働力というものは年々減少傾向になっておるわけですから、今後同じ反別で耕作を維持していくということになれば、どうしても近代化並びに機械化ということが必要ですね。いま中小企業その他に対しては、政府は一体として中小企業近代化法等に基づいて融資、税制部面等で保護政策をとっておる。農家に対しては全然ないのですね。それはいろいろの問題がありますね。ありますけれども、そういう一本筋を立てた、そういう法律なんかに依拠して、保護政策をとっていこうというものではない。ことにたばこ政策等についても皆無に近いとぼくは思うのですね、あるのはいま補助金政策くらいですから。こういう問題について、戦後の農業の葉たばこ耕作に対する機械化、近代化、こういうものに対する特段の配慮を必要としているのではないか、そういう面に対する考え方はないのかどうか、その辺の見解をひとつ聞かしていただきたい。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○説明員(佐々木幸雄君) お答えいたします。  今度のこの耕作組合法の法改正につきましては、先生のおっしゃいますように、こういう改正をしてほしいという耕作団体側の強い意向がございます。またそうすることによって、組合の合理的な運営をいたしたいという耕作団体側の意向が強いわけでございますが、その運用のしかたによりましては、この法改正の側面を一方的に見ますと、確かに問題のところが出ようかと思います。したがいまして、この運用につきましては、慎重に公社のほうといたしましても指導いたしたいと、こう思っております。またふえんして申しますと、この四項目の改正につきましては、これは地区の拡大の問題にいたしましても、議決権、選挙権の問題にいたしましても、代理権の問題にいたしましても、また代議員会の問題にいたしましても、それぞれ法律でそういうワクを広げていただくということでございまして、これあたりが現地のそれぞれの組合で運営されます場合には、いずれも総会によりまして定款を変更しなければならない、当然それが必要になってまいります。したがいまして、このワクの中で、この定款の変更で、その線に沿ってどの程度のそれぞれの組合で、定款変更のための運営をするかということは、耕作者の方々の総意によってきめられるべきものでございますので、この定款変更するかどうか、あるいはその場合の運営について十分民主的にいくように指導しなきゃならぬ、こういうぐあいに思っております。  それから二点目の、公社の補助政策の問題でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、公社自身でやっておりますのは乾燥室の補助金ということでございまして、これが昨年約六億、本年九億ということでございます。しかし、まあそのほかいろいろ生産対策といたしまして、補助金ではございませんけれども、これからの生産性向上のための合理化の一つの布石といたしましてそれなりの予算を組んで施行しております。近代的なたばこ耕作がどうあるべきかということで、四十五年、四十六年にわたりまして大型実験農場ということで約四億ぐらいのお金を出しまして、全国で十五カ所の近代的な耕作のあり方というものを指向しております。本年度の予算におきましても、若干タイプを変えました広域パイロットという試行をやっておりまして、約一億六千万円ぐらいでそういうことをやっていこう、こういうことでございます。そういう成果を見ながら、これから国内の産地にどういう施策をかみ合わせていくかということを検討しなければなりませんので、先ほど申し上げましたように、現在まで得られております成果を判断しながら、何らかのそういうような方途を講じていく必要があるということで、その辺の検討を進めておるところでございます。  また、この補助の問題につきましては、公社自身の特別のたばこそのものの、そういうような施策の問題とあわせまして、いろいろ国のほうの農業関係の施策の中にたばこを入れていただきましていろいろやっていただいております。第一次、第二次の構造改善事業とか、あるいは特産物生産団地の育成の事業とか、あるいは米作転換とか、そういう事業にたばこも重要な作物の一つとして組み入れていただきまして、相当の産地の生産性向上といいますか、団地化といいますか、そういうようなものをやっていくようにしております。したがいまして、将来の方法といたしましては、公社自身でたばこ単独のものを考えていくということも必要でございまして、そういうような全体の農業の中で、農林省の御意見などを聞きながら、そういう政策も十分かみ合わせていく、こういう政策を積極的にとっていきたい、こういうぐあいに考えております。  それから近代化の問題でございますが、いろいろと現在の国内の葉たばこ問題で問題が多いという認識をわれわれ持っておりますが、一つは、やはり国内の農業の中で、たばこ耕作もなかなか生産性が上がらないという問題をどう解決していくか、これは非常に大きな問題でございますので、それあたりの問題と、これからの施策とかみ合わせまして、ひとつ思い切って、早急にそういうような方向で進んでいかなければなるまいということで検討を進めております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 まあだいぶ時間もオーバーしておりますからこれで終わりますけれども、いまお答えのあったことについては一応私も了承します。と同時に、この補助金制度ということではなくして、将来はやはり制度の検討を私は非常に要望したいですね。それから先ほどの説明にもありましたけれども、いまの補助金割合というものは総体の一四%というのでしょう。そういうことになると、乾燥室をつくった農家だけが、自分の自己負担というものが非常に増大してくるのですね。そうしてさらに、経済動向によって建設資材その他の値上がりもあるわけですから、そういうやはり物価の動きその他で、こういうものも見きわめて補助率というものも考えていかなければいけないのじゃないか。とにかく建てて自分の自己負担が多くなって借金していけば、これはちょっとやる人がいなくなってしまう。だから、その辺の割合がどの程度がいいか、私も詰めておりませんから、いまここで言うわけにまいりませんけれども、いずれにしても、採算がとれるようなことを土台において、十分この補助率の割合というものもアップをする必要があるのじゃないか、こういうふうに考えますが、その辺の見解について第一点ひとつお伺いしたい。  それからもう一つは、総裁に、最近のたばこは、ほとんどアメリカの国で使われるようなことばばかりですね。ホープとかチェリーとかハイライトと、日本の特色を生かしたものはないですね。これは一体どういうことを意味するのか。戦後アメリカに長年占領政策を押しつけられて、当時はまあやむを得ないという状況もあったと思うのですが、もう約二十七年も過ぎているのですから、日本のやはり特色を生かしてもいいのじゃないか。−やはり日本の国に行ったら、富士山というたばこがあったとか  あるいは国鉄なんかそうでしょう。「こだま」とか「さくら」とかあるいは「ひばり」とか、全部日本のやはり特色を生かしてそれぞれ名称を付しております。たばこだけは全部これは向こうさんのことばを引用してつくってある。何かもう少しこの銘柄について、日本独得のイメージが持てるような、そういうものに切りかえていくべきじゃないか、頭の転換をはかるべきじゃないか、こういうふうに考えるのですけれども、その辺の見解はどうですか。

北島武雄日本専売公社総裁

○説明員(北島武雄君) これは衆議院の大蔵委員会でもそういうお話がございまして、大蔵大臣は、元来たばこということば自体が外国語じゃないかというようなこともおっしゃいました。それはさておきまして、やはり私どもは、まずたばこの名前を考えます場合に、どんなたばこを次につくろうかということを考えます。そうすると、その消費者層はどんなところであろうか、こういうことをまず頭に入れまして、そうして消費者のイメージに合ったもので、語感がよくて、言いやすくて、覚えやすい、こういったものを頭に入れて名をつけているわけでございます。お話のように、最近外国名がたいへん多いのは、私も必ずしもいい傾向とは思いません。ただ、潜みたいに、「ゴールデンバット」を「金鵄」に、「チェリー」を「櫻」に改める、こういう時代になってはいかぬと思いますけれども、そういったことは抜きにいたしまして、今後のたばこのネームにつきましては、できるだけ、和名でもいいのがあるわけでございますから、できるだけそういうものをひとつ採用していきたい、こう考えているわけでございます。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○説明員(佐々木幸雄君) 先ほどの問題の乾燥室と補助金の関係でございますが、私先生のほうに乾燥室の補助率一四%という説明を申し上げましたが、ただ一四%といいますのは、平均的に一四%ということでございまして、ある時期にある種類の乾燥室の建設が必要だという場合に、格差をつけましてその中でやってきております。四十七年におきまして現在在来種、バーレー種の乾燥室の建設が必要だ、こういうことでございますが、在来種、バーレー種の乾燥室につきましては個人建ての場合は二〇%補助をする、それが共同の場合には二五%の補助をする、こういうような格差をつけているわけでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 総裁、銘柄、名称については非常に当事者から考えるとむずかしいような考えになるのでしょうが、何がいいかということで、それはやはり国民に問いかけたらいいと思うのです。非常にいいアイデアが出てくると思うんですね。こういう名称にしたらいいじゃないかとか、そういうものも含めて、私は切りかえる時期じゃないかと思うのですが、これはいま総裁から答弁を得たわけなんだから、ひとつ前向きに十分検討してみてくれませんか。  それから、きょうは時間がありませんからこまかく触れませんが、いま補助金の問題で説明があったんですが、まあこれは一つは九億何がしが四十七年度、四十六年度六億三千何がし、この内訳はどういうふうに配分がなされているのか、専売公社は一体どういうチェックをしているのかと、いろんな話を聞くんですけれども、ひとつその辺のチェック体制についてあとで資料としてこれは御提示願いたいと思うのです。どこの連合会に幾らいって個人に幾ら幾ら、それでどういうふうに使われているか、やられているかというような実情について資料であとで御提示願いたい。  きょうはこれで終わります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 質疑に先立って、非常に会期も終わりに近づいております。まあ会期が終了の時期にもう来ているときでもありますし、きょうも七つの法案がかかっている状態なんでありますけれども、大蔵大臣が話によると、ほかの委員会のほうには出ておられても、この委員会には出てこれない。どういうことでそうなってしまったのか、委員長から御答弁をいただきたいと思います。

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) ただいまの鈴木委員の御質問に対してお答えいたします。  大蔵大臣は、共済組合法の所管の法案に関連しまして、ただいま内閣委員会に出ておりまするので、きょうは出席できないわけでございます。その点、御了承願いたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それは、内閣委員会のほうに出られておることはわかっております。こっちも所管のものがかかっているわけでありますから、一番の中心の委員会のほうをさぼって、のこのこほかの委員会に行かれるという、もう少しその辺のところを、大臣の出席を、きょう、本日というわけじゃありませんけれども、確実に確保できるようにしていただきたいと思うんでありますが、その点の答弁をいただきたい。

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) お答えいたします。  きょうはそういう関係で、残念ながらこの委員会には出られぬと思いまするが、次回の委員会には必ず出るように委員長において取り計らいたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 その点よろしくお願いをいたします。  アジア開発銀行の問題でありますけれども、中国加盟の問題が午前中からずっと論議をされております。これは確かに代表権の問題、非常に問題があると思います。先ほどの答弁では、はっきり申し上げて、アジア開発銀行に除名の規定もないことであるし、中華人民共和国が加盟をしたいとも言ってないとか、そういうようなこと、あるいは台湾を、いわゆる借金の返済がおくれたとかなんとかいうことで除名をするという以外には方法がないと、まあそういうことでもって、ぐるぐるぐるぐる回っているような論議でありますし、答弁であった。政府側としては、日本としては積極的にそういうことは言いたくないという考えでありますけれども、これははっきり申し上げて、今回もこういうように出資額を変えていこうという事態になってきたわけでありますけれども、中国招請ということを、これは積極的に理事会なり総務会でございましたか、そういうところではかるべきだし、総会等にもまたそういう議論が出てきてあたりまえだろうと思うわけでございますが、その点、わが国としては、そういう気が全然ないという点で、私は非常に残念でならない。それならば、定款の変更をして、何か国連のほうできまったからには、エカフェでもって、加盟国はアジア開発銀行に加盟する資格があるとか、いろんなことがあるわけでございますから、そういう点で入れるとか、定款を変えるとか、そういうことを何か積極的に考えるべきじゃないかと思うんでありますけれども、その点の考えはないんですか、先ほどと全く変わらないんですか、この点は。定款の問題について……。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 中華人民共和国の問題につきましては、けさほども種々御議論いただいたわけでございますが、政府といたしましては、現在の段階で御指摘のようなことを考えるということは、現在のところは考えておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 この加盟国の中から、中国招請の問題が持ち上がってきた場合はどうなさいますか。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) もし中国加盟の招請の案が出たらどうするかということでございますが、まあ具体的な案が出てからの問題とは思います。しかし、いわゆる中国を代表いたしまして、現在、国民政府が代表としておるわけでございますから、かりにそれを前提として、さらに中華人民共和国を招請するというと、われわれの基本的な考えである一つの中国という考え方に反するのではないかという感じを持っております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 だから、私は現実問題として、中国を招請するということが、アジア開発銀行の加盟国の中から出た場合、それが確かにそのとおりだというふうにまとまりつつある、こういうときに、わが国がそれでもいやでございますと突っぱねていくのか、定款を変更して何かの方法をとられるというようなことになっていくのか、いまの答弁で、中国の代表は一つであるというならば、その一つを中華人民共和国にできるような方法だって考えられるわけであります。いまの御答弁では、台湾しかないという答弁ですけれども、そうじゃない方法もあるわけですね。そういうような工作ということも可能になってくるわけですけれども、その点はお考えはいかがですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) 理論上、確かにそういう工作をするということは、日本政府と申しますより、むしろ加盟国としては可能であろうと思います。ただ、日本といたしましては、国民政府と外交関係を持っておるという事実もございますし、それから現在中国を代表して国民政府代表が出席しておるという事実がございますので、日本といたしましては、そういう、つまり協定を改正するというような工作をする意図は、現在持っておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 一つ、その中国の招請の問題から考えられることは、一体中国自身が、現在のアジア開発銀行に対してどういうふうに認識しているのかということを、こちらでどのように認識しているかということですね、その点。  あるいは加盟をするというならば、どういうふうになったら加盟ができるのか、その点について伺いたいんです、二つ。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) けさほど御答弁申し上げましたとおり、現在、中華人民共和国は何らの意思表示をいたしておりません。ただ実際に加盟というよりも、むしろ代表権の問題だと思いますが、その問題が起こります際には、たとえばアジア開発銀行での投票は、いわゆる加重投票という制度をとっておりますが、そういう問題について一体どういうふうに考えるだろうか、あるいは台湾にアジア開発銀行が融資をいたしておりますが、その債権債務の継承は一体どうなるであろうかというような、いろいろな問題がその際には生ずると思います。現状におきましては、中華人民共和国は何らの意思表示をいたしておりません。その点だけ申し上げておきます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 その点の何か知る努力、そういうものはどのように続けられていらっしゃいましょう。中国がどういうようなふうに出てきそうなのか、どういう形、たとえば援助国としてくるのか、被援助国としてくるのか、いろいろな問題が残っているわけです。そういう点についてのアンテナといいましょうか、こちらの知る努力というもの、そういうものはいかがになっておりましょうか。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) きわめて一般的な問題といたしまして、御承知のとおり、日本政府といたしましては、政府間の正式な話し合いをやりたいという意思表示をしておりますが、現在までのところ、先方からはその正式の返事は何もないという実情でございます。したがいまして、政府間レベルで実際に先方と接触して、その意思を確かめるというようなことが現状においてはできないわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それは、正式云々はそうかもしれませんけれども、何らかの形での認識を得るというやり方はあるでしょう。その辺の努力は全然なさっていないんですか。聞くところではパリでの接触があるとかないとかいうこともちょっと伺っていますけれども、その辺はいかがですか。

前田利一外務参事官

○説明員(前田利一君) お答え申し上げます。  ただいま大和田局長が答弁いたしましたとおり、わが政府といたしましては、中華人民共和国政府に対して、国交正常化のために前向きに積極的に努力するということで、政府間折衝の呼びかけを行なっておるわけでございますけれども、これについては何らの答えがないという状況でございまして、これは先ほど局長の答弁のとおりでございますが、さらにただいま先生御質問の、先方の意向といいますか、考え方というようなものについても公式、非公式、私どものところにおきましては、そういったことを承知いたしておらない事情にございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 公式、非公式を問わずですけれども、パリでの接触があるということはほんとうなんですか。

前田利一外務参事官

○説明員(前田利一君) パリにおいてそのような接触があるということは私承知いたしておりません。わが在外公館におきまして、同じ在勤地に中華人民共和国政府の外交代表が参っておる、駐在しておる個所もたくさんあるわけでございますが、そういったときにいろいろ接触が行なわれることはございますが、この点につきまして、その接触を通しまして先方の考え方、態度というものが伝わってまいったということは聞いておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 まあ接触があるということはよくわかりました。  先ほどの答弁から、台湾の国民政府を承認しているからというお答えがあった。そうすると、中華人民共和国を日本が承認した暁には、このアジア開発銀行のいわゆる代表権の問題はどのように変わるのですか。そのときはどういうふうになっていくのですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) 先生のおっしゃる点は、繰り返しますと、いわゆる日中国交回復、それが両方の合意によって解決したという時点の問題だと了承いたしますが、その際には、日本との外交関係はおそらく中華人民共和国と結ばれるということになるのではないかと思います。ただ、その交渉の過程において、結局最終的には双方が満足するはずのものでございますが、国民政府との関係をどうするかというようなことは当然論議されるものとわれわれは考えております。その論議の結果、まあ非常に単純に考えまして、国民政府との間の外交関係を取りやめる、中国を代表する一つの政府として、中華人民共和国と外交関係を設定するという時点でございますが、ただそのことだけでは、たまたま日本がそういう関係になっておるということでございまして、アジア開発銀行それ自身は、独立の国際機関として独自の意思決定をできるわけでございますので、日本がそういう結果になったからといって、そのこと自身がすぐアジア開発銀行における代表権の問題の解決にすぐなるということではないと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 私は、解決にすぐなるというわけじゃなくて、そういうときには一体どういうようにいくんでしょうかと聞いたわけです。いわゆる定款の変更を求めるのか、除名というものができるような定款に変えていくのか、あるいは招請する議決が総会等でなされればどうするとか、そういうようなことが当然プログラムの中にはなければならないと思うのですね。先ほどの答弁からわかるように、中国の代表は一つだということですから、一つならばどちらかにならなければならぬ。どちらかになったときにはどうするのかというのが出てこなければうそになる。その辺のところが、大体のガイドラインがなくて、いまのところはという、先の見通しがゼロみたいな形でいいものかどうかということが非常に私は疑問ですね。その場合、中国を日本が承認した。国交が回復された。ただ一つの合法政権であるとみなした。こうならざるを得ない。その場合には、アジア開発銀行の代表の問題はどうなってくるのか。わが国としては、積極的に、そういうふうに踏み切ったときには、わが国は先頭を切って招請を要請するようになるのかということですね。その辺伺いたい。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) きわめて率直に申し上げまして、仮定がいろいろある問題でございまして、正直のところ答弁しにくい問題なんでございますけれども、その事態になりました場合にはということでございますが、結局その事態になりましたときのアジア開発銀行のほかの国の動向ということを、やはりわれわれとしては考慮に入れなければならない、こう考えております。その事態になりました暁に、かつそのときのアジア開発銀行のほかの加盟諸国というものの動向あるいは考え方というものを踏まえまして、その時点で行動をきめたい、こう考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それはまあ官僚答弁としては私はそういうふうに言わざるを得ないと思いますけれども、しかし、踏み切ったときは踏み切ったようにしなければ、他の国の動向云々までは言ってはいられないというふうに思うのです。  政務次官が見えたので、私はひとつこのアジア開発銀行あるいは国連技術援助機構そのほかの問題で一つだけ伺っておきたいのですけれども、欧州開発基金というのがございますね。これははっきり申し上げて、ヨーロッパの各国が、EC六カ国ですね、それが中心になっておりますけれども、それが自分たちの植民地であったアフリカの諸国について、あるいは属領といいましょうかそういうものについて、いわゆるつながりの深かった昔の国々に対しての関係を維持強化するということのための援助機構です、これはね。われわれははたしてこういうものが必要かどうかということ、経済がブロック化すれば、戦争が起きるという一つの大きな流れがございます。第二次大戦もそのようにして起きたわけです。こういうようなものをつくらせて、EC諸国がアフリカへの自分たちのいままでの植民地主義を、今度あらためて経済植民地のような形でつくらせてブロック化していく、おそろしいことだと思うのです。ちょっと違うのは、アジアのアジア開発銀行の場合とはちょっとその辺の性格が違う。いまの、植民地というものもございませんから。日本とアメリカがうんと大きく入っているということは、はっきり申し上げて植民地がなかったところが多かったわけでありますからね。そういうところから見ると、欧州の開発基金なんというあり方は感心できないと思うのです。国連全体の中でもこういうものはあまり私は好ましいものではないと思う。だから、いつまでたっても南の中の南の問題と言われるように、南北問題の中でさらに南の問題ということにアフリカがなってしまうでしょう。こういうものは、前の例の税の問題、特恵関税の問題等のときにも同じような問題が出てきているわけですよ。逆特恵みたいなものを与えておいて、いつまでも勢力を温存しておいて、悪く言えばアフリカ諸国からヨーロッパの国々が搾取しているんじゃないかというような感じがするわけです。やはり日本としては、そういう意味では、こういう基金のあり方を考え直させる、そういう方向づけが大事じゃないかというような感じがするわけでありますけれども、その点いかがでしょうか。

船田譲自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(船田譲君) ただいま鈴木委員が特に言われましたヨーロッパの旧宗主国が、かつての植民地なり属領なりというものに対して、いま言われたような意図があるかのごときに思われるような経済援助をやるとするならば、それはたいへんうまくないことだとは思いますけれども、そうではなくて、これが全く南北問題を解決するための手段として欧州開発基金が正常に活用をされるならば、それはそれなりに私は全世界の開発途上国の開発発展のために資するものと解釈をしたいのでございます。で、一方私ども日本の立場といたしましては、先ほど来外務省当局並びに国金局長が申し上げてきたと思いますけれども、たとえばさっき戸田委員の御質問の中にもちょっとございましたが、アジア経済協力機構のような考え方が政府部内で固まってきておるのではないかというようなお話がございましたけれども、それは私の答弁で、そういうことは私ども関知しておらないところだとは申し上げましたが、しかし、日本がアジア諸国に対して開発援助を行ないますときに、厳に注意をしなければならないのは、ちょうどいま鈴木委員が御指摘なされましたような心配が、日本対アジアの開発途上国の間に生じてはならぬということ、もっと端的に言えば、戦争中のあの大東亜共栄圏構想みたいなものを日本が持っておるのだということを、アジア諸国の間に誤解を与えてはならないように十分注意をすべきだということだろうと思います。そういう意味から申しますと、アジア開発銀行そのものも、日本がかつてのアジアのいわゆる盟主というような思い上がった立場でやるのではなくて、あくまで域内の、それは出資の額から言いますれば、一番最大の出資国ではございまするけれども、仲間の、平等の仲間の一員といたしまして、今後南北問題の解決について、アジアの部門において応分の努力をして、貢献をしていくということに専心するべきである、こう考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 次官の御答弁の中に、旧宗主国が旧植民地国に対しての、はっきり申し上げて開発援助ということにしぼられてつくられたものです。ですから、私はアジア開発銀行の場合には、いわゆる域外の加盟国というのがかなりございます。ECもその中にまとめて出資もするという形になっていますけれども、この場合にはベルギー、西ドイツ、フランス、イタリア、ルクセンブルグ、オランダという国々だけですね。わが国からもアメリカからも一銭も出てない、こういう形はいまの答弁から私非常に心強く思ったんですけれども、これは賛成できないという意向ですから、わが国としてもそれならば一体こういうほうへも出資をしていく、アジア開発銀行の中におけるわが国の投票権、その権利を大きく伸ばさないというのであれば、同じように欧州開発基金についても欧州の六カ国なり七カ国でもって自由かってにできないというふうにさせなければならない、全世界の管理の形にすべきじゃないか、当然そういう意味合いがなければ非常におかしいと思うわけです。その辺についての、これはいわゆる域外加盟国のような形での参加というものをするべきじゃないかと思うわけですけれども、いかがですか。

船田譲自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(船田譲君) 私はアジア開発銀行の加盟に関する法律の御審議をいただく大蔵省の立場としては、事外交に触れる問題もございましょうから、ただいま委員の言われましたように、何と申しますか、私なりの解釈を一方的に申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。ただ希望といたしますところは、いま委員が言われました御意見と同様でございます。と申しますのは、戦後の自由貿易の伸展というものは、ブロック化から自由貿易化に進むべきだ、しかも、その決済手段としては、今日はいろいろいわれておりますけれども、やはりIMF体制というものが、非常にこれに対して貢献をしておったのだという解釈のもとにおきまして、私は今後日本が、このアジア地域内で、経済援助を行なってまいります場合におきましては、やはり自由貿易の原則、そしてしかも、かつての大東亜共栄圏といったような誤解を受けないような、そういったような注意をして進んでいくという原則は守っていきたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 次官の答弁でわかりますけれども、これはもちろん外交問題にからむことであるからと、こういうお話でありますから、これについての政府としての考え方、それはひとつ大蔵大臣が来たときなり、あるいは大蔵大臣の答弁が不能であるならば一外務大臣の出席をお願いしたいと、こう思いますので、それまでとどめておきたいと思います。  その次に、このアジ銀の問題で、アジアの発展途上国が受け取っておる多国間援助資金、こういうものがあるわけですが、援助資金のうち、三分の一がアジ銀の窓口を通しておる、こういうふうになっておるんでありますけれども、この融資の条件、これが先ほどの答弁でもありましたように、昔は、六・八七五でしたか、そのくらいのものであったものが、現在は七・五%、一九七〇年五月から七・五%に引き上がっておる。一方世銀の金利のほうも、その間に六・五%から七%へと引き上がっておる。さらに七%から七・二五、こういうふうに七・二五%と上がっておるわけですけれども、こういうことから見て、どうして年々、年々ではありませんが上げなければならないのか。その点、これはいわゆる通常業務のほうの関係でありますけれども、七・五というのは、非常にはっきり申し上げて、開発援助としてはあまり低いほうじゃありませんですね。なぜそんなふうに上がっていったのか、その辺のところを伺いたい。   〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 通常資金におきまする貸し出しの金利でございますか、これは先ほども御説明申し上げましたように、アジ銀といたしまして、今年度の増資の払い込みによって得ます通常資金と、それからあとは授権資本の額を、授権資本をバックと申しますか、それをバックにいたしました国際資本市場での資金の調達が、アジア開銀債というようなかっこうで行なわれまする資金の調達、この両方を合わせて貸し出しをするわけでございまして、それの資金コストというものは、そういう両方の資金を合わせて、この採算がとれるようなベースの資金、貸し出し金利をきめるということになっておるわけでございますが、この世銀のほうといたしましても、考え方は同じでございますが、ただ世銀のほうは、かつてまだ長期資本市場の金利が国際的に低かったころ、ことにアメリカの長期資金の金利が非常に低かったころに借りました分も相当ございまして、そういうものがもとになって、最近では国際金融市場の長期金利が上がってきておりますので、そういうものを勘案して、世銀のほうがもっと安いのがあるということで、その貸し出し金利の上がり方も若干少なくて済んでおる。ただアジ銀の場合は、資金の、アジ銀債の発行を始めましたのが四十四年の九月、ドイツで行なわれましたのが最初でございまして、それ以後、オーストリア、さらには日本というところで債券が発行されておりますが、いずれもなかなかこの国際金利、長期金利が高いままにその後推移しておりますので、調達資金コストを考えますと、アジ銀としては七分五厘くらいの金利でないと採算が合わなくなるということでございます。むろん七・五%というのは相当高い金利であるということは事実でございますが、これはアジ銀のプロジェクトの採算性、その他によりましてインフラ部門、その他、あるいは相手国が発展途上国の中でも開発段階が低いという国につきましては、むしろ特別基金のほうから融資をしてまいりまして、そういう意味で金利の安いものはむしろ特別基金のほうからやっていくということでやっておるわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 その特別基金の融資、これが特に発展途上国の中でもおくれていると申し上げないですけれども、そういうところに対して対象としている。しかし第二世銀に比べると非常に性格的にはかち合っているのに対して、第二世銀の融資条件が年利〇・七五、返済が五十年になっている、据え置き十年。非常にはっきり申し上げて長期低利で五%、三%といってもまだまだ高いという感じになっているわけです。そうするとそれは当然第二世銀の場合よりも、このアジ銀のほうが健全銀行というふうな感じで業務ということを中心に考えればそういうことになる。最低の採算は確保しようということでおやりになれば、これは当然そうなっていくんでしょうけれども、しかし、そういうことになると、これははっきり申し上げましてよいプロジェクトのほうが第二世銀や何かに拾われてしまって、そのおこぼれといいますか、余りといいますか、そういうところをアジア開発銀行がやる。第二世銀自身が世銀に対する補助的なものといわれれば、アジア開発銀行は補助的なものの補助的なもの、そういう認識でやっていらっしゃれば別でありますけれども、あまりにもお余りだけを拾うようなことはあれでしょうと思いますが、ちょっとおかしいし、その点の金利の関係はどうなるのでしょうか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 御指摘のとおりいわゆる第二世銀——IDAの貸し出しの条件、これは無利子でございまして、手数料年四分の三%という非常に低い金利、低いコストになっておるわけでございますが、これに対しましてアジ銀の特別基金のほうは、先ほども答弁申し上げましたように、最低で一・五%から三%ぐらいということでございます。この特別基金のほうの取り扱いにつきましては、実はアジ銀の中におきましてもいろいろと検討がなされておるわけでございます。実はまず量的に特別基金のほうの拠出を各加盟の先進国にお願いをするという点につきまして、従来の実績では、いままでのところ一億五千万ぐらいの特別基金になっておりますけれども、そのうちの一億日本が出しておる、アメリカは一億を出すという約束をしておるわけでございますが、それがまだ、オーソリーゼーションビルのほうは通りましたけれども、支出法案のほうは議会を通っていないというようなことで実現されてないわけでございますが、これはむしろアジ銀としては、量的に今後先進加盟国から特別基金の財源をいかにして多く調達をするかということに、実はいま一番重点を置いて検討を進めておるわけでございます。金利につきましては、御指摘のように、アジ銀のほうがやはり少なくもいままでのところは高いということは事実でございますが、これはいろいろ考え方がございまして、場合によっては非常に金利の低いほうがいいということは事実でございますけれども、同時にやはりIDAのような条件ではやはり低過ぎると申しますか、これは意見になりますのであれでございますけれども、そういう議論もあるわけでございます。IDAのほうでも条件を若干、いろいろな段階をつけたらどうかということも、実はわれわれも主張をしておるわけでございます。これは両方合わせまして、だからIDAの条件が甘過ぎるから上げろという意味じゃありません。そのものにより、その国によっては無利子五十年ということで、一律ということがほんとうにいいのかどうか、これは発展途上国のことを考えた場合に、やはり何らかの意味の、といってはあれなんですが、インセンティブというようなことからいたしますと、一%、一・五とか、二とかいうようなことでも、金利がついていたほうがいいんじゃないかという議論もあることは事実でございます。こういうようなことも関連いたしまして、これは確かに、アジア開銀というのは、世銀とか、IDAに比べますと、地域的にはアジアの機関でございますから、ある意味で、補完というのは、あるいは語弊があるかもしれませんが、世銀、IDAと協力をして、開発途上国の経済発展をしているということでございまして、むしろいまの金利の問題は、そういういろいろな議論もございますし、その点もあわせておそらくアジ銀が今後、通常、特別基金の問題、量及び条件について検討をしていくということであると存じます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 わが国も加盟国としては投票権の行使があるわけでございます。わが国としての考え方は、いまの答弁のような感覚でいいのですね。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) これは政府部内におきまして議論を尽くして方針をきめておるというわけではございませんが、率直に申しまして、われわれの感じというのは、私が先ほど申しましたような感じでございまして、まず、当面はいかにして量的に特別基金を、いまほとんど日本だけが出しておるという状況でございますので、これはやはりどうしても適当ではない。やはりアメリカとかその他ヨーロッパ諸国に、先進加盟国からもっと特別基金の拠出を得るような措置をとってほしいということでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 その特別基金に対する各国の拠出状況というのは、確かに日本が半分くらいになっております。これは日本が多過ぎるというのか、それとも先ほどのように、通常資金のほうへ出す場合には、どうしてもこれは投票権がふえてくる。それをあまりふやせば、これはまた日本がコントロールして日本のアジ銀になってしまう。それを避けるためには、こちらへ出さないで、特別基金のほうへわが国としては多く出さざるを得ない、こういうことになるだろうと思うんですけれども、そういう点で、日本もさらに今後ふやしていくけれども、諸外国のも得たい、こういうことですか。それともわが国のほうはこの程度にしておくということですか。二つに一つです。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) ただいまの点は、日本として一億出したらそれでいいということではないわけでございますが、いかにもいままでのところはアンバランスになっておるという点が問題であるということでございまして、これはわが国としましても、今後さらに全体の特別基金の拠出のやり方をアジ銀において再検討をし、もっとすっきりした形に持っていきまして、同時に日本としても応分の貢献は今後も続けていくということでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは特別基金の状況を見ますと、「経済協力の現状と問題点」この中から見ると、一九七〇年十二月現在技術援助特別基金の場合は、わが国が約三分の一。そうして農業の場合にはわが国がほとんどですね。これは二千三百十万ドルの中でわが国が二千万ドル。多目的特別基金の場合は、一億一千四百八十三万ドルの中で五千万ドルというこの農業と、多目的特別基金というほうのわが国の特別基金に対する拠出が大きいわけでしょう。これはどうしてそうなっちゃったんでしょう。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 御指摘の技術援助のほうを別といたしますと、農業と多目的の関係でございますが、実はわが国が最初に特別基金を拠出いたしましたのは、農業特別基金ということで拠出をいたしたわけでございますが、次年度以降は、農業ということでなしに、多目的に何でもいいということで拠出をしておるわけでございます。これは本来は農業に限らず、アジ銀として適当なプロジェクトがあれば、農業を含めまして、どのプロジェクトにも使ってもらうというのがいいわけでございます。当然これは第二年度分からは、いわゆるアンタイドになっておるわけでございますが、こういうようなことで、その初年度だけが実は農業ということで限定をいたしましたが、その後は多目的ということで毎年拠出しておるということでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 まあアジア開発銀行の授権資本、それに対して現在交換可能な通貨として持っておりますのはどのくらいなんでしょう。両方言っていただきたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 現在は、まあ概数で申しますと、約十億ドルが資本であるわけでございますが、そのうちで約七億五千万ドルぐらいが実際の融資ということでございます。それ以外の部分は交換——使えないと申しますか、すくには使えない資金でございます。これは拠出をしております国が、交換性を与えないという条件で拠出をしておる国もあるわけでございます。そういうものはしたがって一般的には使えないということでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 そうすると、毎年七億五千万ドル、その中でことしは全部使えるのですか、そうではないでしょう。毎年毎年受け取って、毎年使えるといいますか、それはどのくらいになるのですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 実は当初の資金拠出の払い込みは大体終わったわけでございます。したがいまして、いまのところはこの増資の発行がございませんと通常資金の払い込みはないわけでございます。それから先ほどちょっと申しましたように、まあ請求払いを含めまして授権資本の額が十億ドルぐらいになるわけでございますが、そのうちで使えるものが七億五千万ドル、それに対しまして大体昨年末現在で融資承諾をいたしておりますものがほぼ五億三千万ドルぐらいになっております。したがいまして、この最近の一、二年の実績を見ますと、毎年の融資承諾のベースというのは約二億から二億四、五千万ドルということでございますので、大体この昨年末の五億三千万ドルに対しまして、あと余裕は二億ぐらいしかないわけでございます。本年一ぱいでほぼ従来の増資によりまする通常資金分のほうは融資承諾が済むのではないか。これは普通のいままでのベースで進んでおります。したがいまして、来年度以降の融資承諾をするための金が不足をしてくるということが、今回の増資をお願い申し上げております理由でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 増資をしてやるわけですね。そのときの毎年受け取るいわゆる交換可能な通貨というのはどのくらいになりますか、概算で。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 今回増資が成立をいたしますと、今回の場合は、当初の出資のときと違いまして、請求払いと現金払いの比率が、請求払い資本を多くいたしております。当初はフィフティー・フィフティーと申しますか、五十対五十でございました。しかも、払い込み資本の中で半分が現金払い、それから半分が国債等による出資ということでございます。これに対しまして今度の増資では、請求払いの部分、いわゆるコーラブルといっておりますのが八割でございまして、払い込み部分が二割でございます。その二割の中で、現金払いがその四割、それから六割が現金でない払い込みをやっているということでございます。なぜそういうことになったかと申しますと、これは加盟国の中で発展途上国につきましての出資のための財政負担を軽くするということが趣旨でございまして、まあこの点からもおわかりになりますように、全体としては一五〇%の増資でございますけれども、新規の資金調達のためには、資金の源泉といたしましては、請求払いというのを非常に重視をいたしております。これは実は各国の資本市場に多くを期待をするということになるわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 結局そうすると、現金でくるものはかなりの——パーセンテージとしては一〇%切るわけでしょう、二〇%の四〇%ですから。そうなると、どうしてもいまお話の各資本市場に期待をしなければならない。これはそうすると、アジ銀債の発行ということになってくるわけですが、これの大体予定等は伺っておりますか、これから先の。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) これは具体的にはすでにこの増資の成立を待つまでもなく、各国資本市場の状況に応じまして、アジ銀としてはできるだけ有利な条件で起債をしていきたいということで努力をいたしているわけでございまして、わが国に対して申しますと、一番最近のところでは、ことしの四月にその第三回目のアジ銀債が発行になったわけでございますが、これはわが国に限らず、その他のヨーロッパ市場あるいはアメリカ市場でも、その出せるところから出していきたいということでございますが、わが国について申し上げますと、これはやはり具体的に、それではこの次はいつアジ銀債を出せるかという点につきましては、日本の資本市場、債券市場の状況によって左右されるわけでございます。同時に、アジ銀以外にも世銀とかあるいはその他オーストラリア等の政府の起債の希望も強いわけでございまして、こういうものを勘案いたしまして、あまりやはり一つの銘柄の債券が次々と出るということは、やはり消化上よろしくないという点もございまして、そういうものを考えながら、しかし、われわれとしては、アジ銀の資金調達については極力前向きに協力をしていきたいという考えでおります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 その金利はどのくらいになっているのでしょうか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) ことしの四月に発行になりました、金額で百億円でございますが、表面金利が七・三%でございまして、発行価額一〇〇%でございますから、応募者利回り七・三%、期限は十年でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 そういうところから見ると、どうしてもこれは先ほどのように、いわゆる融資条件のほうが七・五%、ここで七・三%出せばそうならざるを得ないわけですね。そういう点が考えられる。さっきも質問がありました低金利時代に入っているときにということと、開発ということから考えて、ちょっとどうかというふうにぼくらも思うわけですけれども、その点でやはり、そうするといわゆる無利子の拠出ですね、こういうものもかなり特別基金等でふやさなければならないだろう。それについては各国は一体どういうふうに取り組んでいるのですか、それを伺いたいのです。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 二点お答え申し上げます。  最初のアジ銀債の金利につきましては、これはもし日本の一般的な金利水準が下がっていくということが実現をいたしますと、当然この長期のほうにつきましても、金利水準が低くなっていくということが実現できるわけでございます。その意味で、アジ銀にとりまして有利と申しますか、好ましい方向に行けると存じます。  それから特別基金に対する各国の態度といいます点につきましては、実はまだそれぞれアジ銀の理事会において検討が進められておるという段階でございまして、具体的にまだなかなかなっておりませんが、やはり各国それぞれ、主として先進国が拠出をするわけでございますので、それぞれこれは日本につきましても、市場からではなくて、財政支出ということに相なるわけでございますので、予算上の問題、財政負担の問題もございますので、なかなか金額をどんどんふやしていくということにはいろいろ問題もございますが、やはり負担の公平と申しますか、もう一つは当面ある程度のフォーミュラと申しますか、というものをつくって、日本としても全体の、各国とのある程度のフォーミュラができれば、それに基づいて要するに支出をしていくというのが国内的にも容易になるということもございまして、   〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕 まあそういうようなフォーミュラができないかどうかということをいま検討している段階でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 通常資金のほうですね。通常資金における国別の融資の承諾状況、これを見ますと、まあ非常に、通常資金の場合は中華民国と韓国で約三分の一を突破しているわけですよ。これは一九七〇年末というのを見てもこれははっきりしています。三億二千九百二十三万ドルの中で、両国合わせて一億三千二百十万ドルですか、というようになっております。そういう点を見て、これは非常に、はっきり申し上げると、低開発国というよりは、まあ低開発国の中でも産業基盤がある程度そろった中進国というふうに開発途上国の中ではなると思うんですけれども、そういうところに集中してしまっている。まあこれは一つはプロジェクトのできる問題、できない問題とがあるとは思いますけれども、それにしても、それではちょっとこれは通常業務という通常資金の運用としては感心しないんじゃないかというふうな気がするんですが、その点はどういうふうにお考えになりますか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 確かに御指摘のように、通常資金の融資、契約ベースでの額五億三千二百万ドルの中で、韓国が一億三千二百、中華民国が約一億ということで、非常に残高としてぬきんでているということも事実でございますが、これは実は先生も御指摘のように、プロジェクトの開発その他の点で、こういう国がまあ発展途上国の中ではいろんな点で進んでおるという点で、アジ銀としての融資をいたします適格なものが非常に多かったということでございまして、これは決して特定の国に片寄らせるというのがアジ銀の方針でないわけでございます。むしろアジ銀としての方針は逆でございまして、まんべんなく各国にこの融資を均てんさせたいということが方針であるわけでございますが、ただ現実問題として、発足日なお浅い現在、昨年末までにおきましては、結果としてはこういうふうなことになっておりますけれども、これはアジ銀としても今後はこういうことでなしに、このプロジェクトの開発その他を各加盟国につきまして努力をいたしまして、そしてアンバランスをなくしていきたいという方針で進んでおります。そのためにいろいろと技術援助その他によりまして、プロジェクトの適当なものがなかった国につきましては、いろいろとプロジェクトの開発についての援助を与えておるというふうに承知いたしております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 ですから、まあこの通常資金によるものは、そのほかタイ国、フィリピンというふうに、大体が非常に開発途上国の中では中進国以上の産業基盤のしっかりしておるところ。ところが、特別基金によるところを見ると、今度はネパールとかインドネシアというものが多くなっておるわけですよね。そういう点で私思うのですけれども、いま金融局長の答弁をされたような運用をこれから本気になってやっていくのは、これはけっこうだと思いますけれども、そうでないと、やはり発展途上国の中でも進んでいるところへは人口当たりでも巨額なものがいってしまう、そうでないところは人口当たりでも少なくいってしまう、こういうことになりかねない、それは感心できないという点であります。こういう点は十分注視をしてもらいたいと思うし、またその点の発言は日本としてはっきりしてもらいたい、その辺の答弁を一つ。  それからもう一つは、アジア開発銀行が当初最も取り組んだいわゆる農業の飛躍という問題、こういうことは一体どういうふうになったんですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) いわゆる七〇年代の東南アジアの経済分析というテーマにつきまして、東南アジア開発閣僚会議のプロジェクトの一つとして、これをアジ銀にその分析を依頼したわけでございます。その結果、アジア開発銀行として取りまとめました報告が出ております。その中に、いま先生御指摘の緑の革命ということもうたわれておるわけでございます。現状といたしまして、東南アジアの各国自身もこの分析の内容を非常に高く評価しております。結局この分析によってもたらされた提言、これを何とか各国の国内施策あるいは地域間の協力において具体化していくという方向に進んでおりまして、そのための具体化のために関係各国間の会議を開催しようという現在の段階でございます。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) ただいまの融資が偏在しないようにという点につきましては、われわれといたしましても全く同感でございまして、今後ともアジ銀に対しまして、いろいろな機会を通じまして、日本の希望を申し述べたいというふうに存じております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 私は特に言いたいのは、いまの問題で、結局富めるところへの融資が非常に進んでいって、富めない、いわゆる貧しいところにはさらにいかないということになると、アジア開発銀行のおかげでもってアジアの格差が広がるということ、格差の拡大再生産ということになる、こういうことだけは絶対にないようにしていかなければならない。それを埋めるために第二アジ銀が必要であるとか、第三アジ銀が必要だとかいうことになってくるのですからね。どうせやることならば、はっきりとそういうことのないように、これは運用だけははっきりとしていただきたい。  それから特別基金の運用の問題でも、はっきりとサービスについてさらに制約をいろいろ緩和してほしいということがかなり出ているようでありますけれども、これに対してわが国としてはどういうふうな感覚を持っていますか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 御指摘のサービスとおっしゃる意味が必ずしもあれでございますが、ただいま申しましたように、この特別基金の運用が、これが実は加盟国の中の、ことに後進性の強いほうの加盟国にとりまして非常に一番有利な有効な融資でございますから、この点につきましては、いろいろな特別基金の供与の運営全体につきまして遺憾のないように、これもそのアジ銀の理事会における議論その他を通じて、わがほうの代表を通じて貢献してまいりたいというふうに思っております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いま一つここで伺いたいのは、決済機構の問題が出ているということでありますけれども、この点については、何かいわゆる自由化をささえるため決済同盟ということが、ヨーロッパ決済同盟、中米清算同盟という、こういうものがございますけれども、そういうような感覚のもの、いまそういう話題があるわけですけれども、その点については何かこちらとしての考え方はございますか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 御指摘の決済同盟、アジア決済同盟という件でございますが、これにつきましては、二、三年来、あるいはもっと前からでございますが、エカフェ等が中心になりましていろいろと検討をいたしておるわけでございますが、まあわれわれのほうといたしましては、やはり決済同盟というのは、ある意味でヨーロッパ決済同盟のような、経済的に同質の国がそれぞれの決済、しかも、当時各国通貨が交換可能でなかったという時代に一つの、平たく申し上げますといわゆるオープンアカウントを多角化したようなものというかっこうで、ヨーロッパ決済同盟がその意味があったわけでございますが、各国通貨の交換性が回復いたしました際に、ヨーロッパ決済同盟もその使命を終わりましてなくなったわけでございます。その後はヨーロッパ通貨協約と申しますか、というのにかわったわけでございますが、普通の市場を通ずる決済ということで、特別な意味のいわゆる決済同盟ではないものになったわけでございますが、まあこのアジア地域にそういうものを持つことの意味いかんということは、実は世界全体の国際通貨問題との関係もございまして、現状においてはやはり多角的な通貨機構というのが、むしろそちらのほうに全体として向いているわけでございまして、中南米に小さな少数の国の間での決済同盟があるというふうに聞いてはおりますけれども、これはやはりアジア決済同盟というようなかっこうのものは、いろいろな各国の、ことにそれに日本が入ったときの決済同盟というものは、必ずしも現在の情勢には即さない考え方ではないかというふうにわれわれは存じております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それから、時間がだいぶあれですから、アジア開発銀行が発表をした東南アジア交通調査、その報告書の中に七カ国の国々を見て、そのうち五カ国が加盟国となっているいわゆる東南アジア諸国連合、ASEANですか、それに加盟していない南ベトナム、ラオスに加盟をするように勧告をしている。この二国は、その中でどうして例外になっておったのですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) 加盟を勧告したという点は承知しておりませんですが、経緯から申し上げますと、ASEAN、これはまず一九六一年に発足したASAN——タイ、フィリピン、当時のマレーシア連邦というものと、一九六三年に結成されましたマフィリンド——−これはマレーシア、インドネシア、フィリピン、この両方の機関が一つになりまして、地域協力機構ASEANというものができたわけなんでございます。したがいまして、このASEANにはインドネシア諸国は参加してないという歴史的な経緯がございます。  それから、いまの運輸通信調査でございますが、アジア運輸通信調整委員会に参加しているのは、インドネシア、シンガポール、マラヤ、タイ、ベトナム、ラオス及びフィリピンの七カ国でございます。このASEANに加盟する、あるいはこの委員会に加盟するという問題でなくて、この調整あるいは調査の対象として、これらの国が考えられるという意味でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 新聞の記事によるわけですけれども、報告では、七カ国のうち五カ国が加盟国となっているASEANこそこの任務を果たすのにふさわしいということで、域内協力のいわゆる交通問題、そういうことを取り上げているわけですね。そういう点でこの二カ国云々ということが出たんだろうと思うんですけれども、わが国としての感覚はいかがなんですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) 運輸調査そのもので申しますと、この調査がフォローアップについて、ASEANが行なうことを期待するという趣旨のことが述べられておりまして、ラオスなどがASEANに入ることを勧告そのものはしていないわけでございます。わが国自身もオブザーバーとしてこれに出席しているわけでございますが、もしラオスその他の国が希望し、またそれが受け入れられるということであれば、もちろんわれわれとしても反対する筋合いのものではない、こう考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 アジ銀のことであと聞きたいことが一つあるんですが、それは、例のウイーンで開かれた総会の席上で、日銀総裁が特恵供与の問題をまた言っているわけですね。そこで、そのときに、できるだけ早期にわが国の特恵供与の実質的改善を行なう、ということを言っているわけです。その点についてはどうなんですか。改善というのは、この日銀総裁のことばから、これは話し合いができた上で私は言っているんだと思うんですが、どういうふうに進めるおつもりですか。

植松守雄大蔵大臣官房審議官

○説明員(植松守雄君) 私は実は、日銀総裁が演説されたということ自体はよく知らなかったのでございますけれども、実はあとで調べてみますと、その発言の内容は、ちょうどUNCTAD、チリのサンチャゴで行なわれました国連貿易開発会議で、愛知代表が発言したのと同じ表現になっております。したがいまして、こういう内容そのものにつきましては、実はUNCTADの会議に参る前に、政府部内でいろいろ協議をいたしまして、そういう方向で検討を進めたいということは政府部内で意見が一致しておったわけでございます。  そこで、いま具体的にどういう内容であるかということでございますが、これは実はUNCTADの第二委員会というところで、この特恵問題を論議しました。そこで発展途上国からは、ありとあらゆる要求が出されたわけであります。その中で、わが国といたしましては、おおむねこれは——もちろん国際的には一つのスキームというのがございますので、特恵供与国との協議をしながら、今後実質的な改善をはかっていこうということを言っておるわけでございますが、その中で、わが国として考えておることは、たとえば次のようなものであるということの発言をいたしております。その一つは、例のワクの問題でございまして、御承知のように、日本とECと、それからオーストリーが、いわゆるシーリング方式をとっておりまして、そこでワクが窮屈のために、特恵供与がしばしば停止されるという事態になっております。そこでワクの運用についての改善をはかりたいということが一つでございます。  もう一つ、現在わが国の特恵のスキームの中では、これは無税が原則でございますが、五十七品目につきましては無税にいたしておりません。それにつきましてさらに無税の拡大ができないか検討したい。  第三番目には、ある特定の国からの輸入額が、シーリングの二分の一をこえるといった場合には、その国については特恵供与が打ち切りになるわけでございます。ところが、産品によりましては、その国だけしかないという産品もございます。そこでいまのようなことで、それを画一的にやるのがいいかどうか、その辺をひとつ検討してみたい、こういうような発言をいたしております。  そこで結論的には、UNCTADに今度特恵特別委員会という常設の機関を置くことになりまして、それがことしあるいは来年にはそれを開いていろいろ特恵の諸問題、そのスキームの改善の問題を各国集まって論議しようということになっておりまして、そこでさらに具体的な話を煮詰めていきたい、こういうふうに考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 そうするとさしあたりは、前回ここで答弁があった日別に見ていたものを月別に直すとか、そういうことでやるということですか。あとはいわゆるUNCTADにおける特恵に関する委員会の進展状況に合わせてわが国の態度をきめていきたいと、こういうことですか。

植松守雄大蔵大臣官房審議官

○説明員(植松守雄君) 日別、月別の話はもうすでにわが国独自のものとして、今回の、四十七年度のスキームの改善ということである程度実施をいたしております。それからワクそのものが、四十七年度にはすでに二七%余り拡大になっておりますから、それなりの改善は、わが国でやれるものはやっておるわけであります。あとの問題は、全体の各国との話し合いの上でやっていくかどうかということにつきましては、これは国際的なスキームでございますから、そういう話し合いの場を持ってお互いに統一的な方向で進んでいくということは、これ必要でございます。しかし、完全に各国のスキームは同じものではございません。たとえばアメリカのようにまだ実施してないところもあるというような状況でございますから、すべてその話し合いがつかなければ日本がやらないということでもございませんし、その辺はなお今後各省と集まって詰めていきたいというふうに考えておりまして、世界的な協調が必要であるけれども、しかし、その結論が出てからということになるかならないかということにつきましては、まだこれからの問題として考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これ一つ、この問題の最後ですけれども、例のリマ憲章がございまして、リマ憲章から例のサンチアゴにおける第三回のUNCTAD会議、このときにはっきりとわが国の代表がアンタイドということを出しました、ひもつき廃止を。これはどうしてもやはり、国会の答弁でもそれについては法案を出したいということを予算委員会で言っていたわけであります。輸銀とそれから協力基金と両方があるわけでありますが、それが今度の国会ではどうも間に合わないだろうという話。どうして大蔵省としては単独で輸銀法だけでも先に出すということはできなかったのかということなんですね、その点はどうなんでしょうか。あれ大蔵省の管轄なんですか、そうでしょう輸銀のほうは。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 御指摘の点は、経済調整に関しまするいわゆる緊急立法の内容のことであると存じますが、アンタイド、いわゆるひもつき援助の廃止につきましては、輸銀とそれから協力基金と双方に関係がございます。われわれといたしましては、援助のやり方としてひもつきの廃止をしてまいりたいという方針に変わりはございません。それに対しましては、輸銀法とそれから経済協力基金法の双方の手直しが必要でございます。協力基金法につきましては、プロジェクト援助については、現行法におきましてもひもつきでない資金協力ができるわけでございますが、商品援助につきましては、ひもつきでないといけないということになっておりますので、その点の改正が要るわけでございます。で、全体を一緒にしないで別々にしたらどうだという御指摘でございますが、これは政府といたしましていろいろ検討いたしました結果、いわゆる七項目の実施のために必要とする立法措置ということで、一括をして御提出をするということにきまったわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは私は、政務次官非常におかしいと思うんですよ。私は円対策の七項目の問題じゃないと思うんですよ。あれはUNCTADの第三回の総会に行く前から、どうしてもひもつきはやめなくちゃならないということははっきりしているわけです。非常におくれたじゃないですか。そうして円対策の七項目と一緒にやろうということになってくると、これはもう今度の国会では見込みがないということになるわけですよ、これは。だからそういう点では一体本気になってあのサンチアゴの会議でもって日本としてああいうような愛知代表の演説をしてすごい好評を得たような、開発途上国の国々に対しての日本の積極的な態度、そういうものが、これは戻ってきたとたんに、今度の国会の最後にきてまだもたつかなければならないという、別に輸銀法だけでも先にやれば、私は一つだけでも相手に対しての誠意はあると思うんですよ、各国に対しての。それがなくなってしまっている、これが。どこかそういうところ一本筋が抜けているような気がしてしかたがないんですけれども、そういう点は一体どうお考えですか。そんなもの政治責任の問題ですよ、これは。わざわざ日本の国の名誉を傷つけるようなことを政府みずからなさらぬでもよろしいです。

船田譲自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(船田譲君) 基金法あるいは海外経済協力基金の、例のアンタイドの問題につきましては、例の対外経済特別措置をいたしますときにあの七項目の第七項目目のところで、法改正が必要なものはやらなきゃならないということが方針として打ち出されておるわけでございますが、総合的にこれを実行してまいりたいということが意思として先に立っておりましたので、各個ばらばらにやるよりも、全部を総合してやっていかなければならないという考え方からああいうまとめ方をいたしたわけでございまして、決してリマ憲章あるいはチリにおけるUNCTADの総会における日本代表の発言をほほかむりをしようというようなものではないのでございます。なお、UNCTADでの日本代表の発言は、日本は単独でも行なうことを検討する用意があるという表現になっておるそうでございます。なおそのほかに、たとえば輸入に関しまして、いわば非関税障壁的な部分と思われるような国内の物品税の問題であるとか、あるいは一般に日本の金利が高いためにホットマネーをはじめといたしまして、それがさらにいろいろな面での海外への、特に開発途上国への融資の金利の下ささえになってしまっておるというような点を改めなきゃならないとか、いろいろ総合的にやっていかなきゃならない、その一環の中にこれを考えているわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これでアジ銀のほうは終わります。  ちょっと専売公社に一つだけ伺いたい。これは非常にまあはっきり申し上げまして、たばこの刻みの話なんですけれども、昔あった在来種もすでに種もなくなってしまうほどになってしまって、そうしていま一種類かそこらしか出てないと、それが東京都内でも、あるいはちょっと在へ行きましても、なかなか全部の店で売っていないということで非常な不満が出ているわけです。そういうようにわざわざ紙巻きたばこに比べてはガンの発生率も少なかろうと思うわけですけれども、そういうような刻み、サービスの上から見ても非常に行き届かないような状態になってしまう。この改善の意思はないんですか。またどうしてそうなったのか、これ一つだけ伺いたい。

高村健一郎日本専売公社総務理事

○説明員(高村健一郎君) 刻みは現在でも高齢の方を中心に消費が続いておりますが、年々減ってまいりまして……。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 減らさしているんだろう。

高村健一郎日本専売公社総務理事

○説明員(高村健一郎君) いや、そうでもございませんで減っております。たとえば四十三年に値段を改定したことがございますが、そのときにフル供給をいたしましたところ、たいへん余りまして困ったような経験もございます。その後需要の動向を見ながら、それに合わせるべく生産の面を調整してまいりましたが、ここ一両年多少調整が行き過ぎた感がございまして、たいへん御迷惑をおかけしておると思います。基本的には刻みたばこの原料になります国産の葉たばこの生産が、現在の農村の労働事情ではたいへんむずかしくなりまして、ああいうふうに手を入れまして薄くのす葉っぱが手に入らないために、たいへん原料的には困った事情にございます。しかし、生産調整の行き過ぎました面はいろいろくふうをいたしまして、少しでも取り返すべく現在配慮をいたしておりまして、多少時間はずれておりますけれども、御不満の解消はある程度可能かと、完全にはなかなかまいり切れないと思いますけれども、そういうつもりで努力をいたしております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは、水府たばことか、薩摩たばこといえば、日本の代表的なたばこですがね。それは、はっきり申し上げて、パイプたばことか、あるいは紙巻きたばこに比べれば、刻みというのは日本独特のものですよ。そういうものが何種類もあったものが一種類になって、しかも、それを生産制限して在来種のものを種もなくなってつくることもできない、どういうか、ただ何でもいいからもうければいいというふうな、そういう行き方ではうまくないと思うのですよ。その点の改善はしっかりとやっていただきたいと思います。  私は、これできようのところは終わっておきます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 私は初めに、アジ銀について若干質問をいたします。  先ほど、わが国のいわゆる発展途上国に対する援助の問題で、GNPに対して、一九七〇年度は〇・九三%、昨年は〇・九五%、一%の目標に向かって今後も進んでいくということでございますが、わが国のGNPが現在の倍の四千億ドルか、またはそれ以上になっても一%の目標を堅持していくおつもりかどうか。  それから、もう一点は、いわゆるわが国が最もいま少ないといわれている政府の開発援助、一九七〇年度は〇・二三%、発展途上国やあるいはその他からこの率をふやすようにいろいろ要望もあるわけでございますが、また政府もこれをふやしていきたいという希望でございますけれども、年次別に大体どういう目標でこれをふやしていこうとしておるのか。この二点をまずお伺いしたいと思うのです。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 第一点の、援助総量をGNPの一%を目標として増額してまいりたいという点につきましては、これは、当初からわが国のGNPの伸び率がほかの国に比べまして非常に高いわけでございますが、そういうことは十分考慮した上で、やはり一%の目標は堅持してまいりたいというふうに存じております。  それから、ODAの、いわゆる政府開発援助のほうでございますが、これは、御指摘のように、〇・二三%程度でございまして、DAC平均が〇・三四%くらいであろうかと存じます。それに対してもだいぶまだ目標達成がむずかしい面がある、国際的にいろいろいわれておりまする〇・七%という目標についても、はるかに及ばないということでございますが、これは直接に財政資金に関係をいたしてまいりますので、なかなか実際問題としてこれを早急に引き上げていくということはむずかしい事情にございますが、われわれのほうといたしましては、少なくとも当面DAC平均ぐらいまでにはなるべく早く到達したいということで毎年努力を続けてまいりたいと存じます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 われわれもやはり発展途上国援助は実質的に低利、長期、しかも政治つきではない、ひもつきではない、そして発展途上国の国民福祉に関与するような、喜ばれるような開発援助をすべきだということはいつも言っているわけでございますけれども、政府はその線に沿っていくべきであると思いますが、その点どうか。  それからもう一つは、〇・二三%を〇・七%に近づけていくということでございますけれども、当面、去年はどうだったのか、またことしの目標、来年の目標というような年次別のおよその目標はございませんでしょうか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 政府開発援助の対GNPを毎年上げるように努力をしてまいりたいということは、先ほど申し上げましたとおりでございます。具体的に七〇年が〇・二三%であった、それが昨年どのくらいになっているかと申しますと、大体、最近までの計算の結果では、どうもあまり〇・二三%をそう大きく改善を見るというところまでは至っておらないようでございまして、ほぼ横ばいぐらいの程度であろうかと存じますが、本年につきましては、まだ試算その他全然特別な数字的な計画はないわけでございますが、これは、昨年から非常に個々の借款の供与その他に関しまして、いろいろと政府といたしましても努力をいたしておりますので、そういうものが——いまのは約束額によらないで実際の使われた額によるわけでございますので、具体的にいわゆるディスバースと申しますか、支出額がどのくらいになっていくかということは、なかなか予測が困難でございますが、われわれのほうといたしましては、ひとつそういう意味でこのGNPに対する政府開発援助の比率を引き上げてまいりたいということでやっております。ただ、具体的にただいま申し上げましたように、ことしが幾ら、来年が幾らという計数的な計画を持っているわけでございません。

多田省吾公明党

○多田省吾君 それから次に、いま鈴木委員、また先ほどは戸田委員からアジ銀における中国の代表権問題、または中国のいわゆる参加問題について質疑がありまして、外務省当局からも御答弁がありましたけれども、どうもわれわれには納得できないわけです。この前の四月下旬のウィーンにおけるアジ銀総会で、この中華人民共和国の参加の問題、代表権問題は全然話にのぼらなかったのかどうか、それをまずおっしゃってください。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) この四月のアジ銀総会の際に、いわゆる中華人民共和国の代表権問題が何か話題に出たかと申しますと、これは全く出なかったようでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 それでは、アジ銀総会の前に渡辺アジ銀総裁が、それに対して、いわゆる資金協力と、それからオブザーバーとして参加するように要請したという記事がありますけれども、また終わったあとの記者会見で、同じく渡辺アジ銀総裁が、いわゆるバングラデシュにつきまして、国連またはその諸機関に加盟すればアジア開銀加盟の資格を得るので、意思表示すれば直ちに対処するんだというようなことをおっしゃったとマスコミに報道されておりますけれども、アジ銀総会ではソ連の問題、バングラデシュの問題は話にのぼらなかったのか、またそれに対するわが国の基本的態度はどうなのか、いかがですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) 先般のアジ銀のウイーンにおける総会においては、ソ連あるいはバングラデシュの加盟という問題はやはり話題にはのぼりませんでした。ただ御指摘のように、渡辺総裁がやはりソ連が加入したほうがいいだろうという御意向を持っている、資金の面あるいは技術の面でソ連が加盟するということは、アジ銀の活動の将来にとってプラスになるという考えを示しておられることも承知しております。日本といたしましても、その考え方には決して反対ではないわけでございます。ただ現在においては、ソ連側はまだ加盟するという意思表示をしておりません。ただ先般行なわれましたアジ銀総会の前に、 エカフェ総会がバンコクで行なわれましたが、その際にソ連側は、いわゆるアジ銀の特別基金について技術協力という面でこれに協力することを検討するというような趣旨の発言をしたということが言われております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 そのように渡辺アジ銀総裁は、ソ連とかバングラデシュに対してはいろいろな働きかけをしておるようでございますけれども、われわれが一番重大なことだと考えている中華人民共和国のアジ銀参加につきましては、先ほどからの御答弁のように、この問題を提示する意思は日本には全然ないと、こういう御答弁でございますし、また事実、昨年の十月、中国の代表権者として中華人民共和国が正式に復帰しまして、まあ台湾は追放されたわけです。また、それからのいろいろな国連機関においても、わが国のとった態度は、ほとんどの国が中国復帰または台湾追放に賛成しているのに、わが国は、反対こそしませんけれども、ほとんどまあ棄権という態度をとってきたわけでございます。しかも、このアジア開銀は、わが国が大きく発言できる唯一の国際会議であるともいわれておりますけれども、そういった機関において非常に消極的な態度を示している。しかも、半面、外務省等においても、日中国交回復は最重大な問題だと、こういう発言をしている。非常に私たちはこれは矛盾しているんじゃないかと思いますし、わが国が積極的にやはり中華人民共和国のアジア開銀に対する復帰というものをやっていくべきじゃないかと、このように思うわけです。で、先ほども、日中国交回復が実現した暁にわが国はアジア開銀の中国復帰に対してどういう態度をとるかと、鈴木委員が質問したわけですが、はっきりした御答弁がありません。で、私も角度を変えて、もし中華人民共和国がすぐにでも何らかの復帰の意思表示をする、あるいは第三国からの提示が行なわれるという事態になったときに、わが国はどういう態度をとるのか、この問題は、日中国交回復というものがすぐ数日で行なわれるという可能性はちょっと考えられませんけれども、こういった問題は可能性としてはすぐにでもあるということは考えられるわけでございますから、わが国でも対応策は立てておかなければならない、わが国における基本的考え方は確立していなければならないと思いますが、その場合はどういう態度をとられるおつもりなのですか。     —————————————

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 委員の異動について御報告いたします。  ただいま小野明君が委員を辞任され、その補欠として竹田四郎君が選任されました。     —————————————

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) まあ中華人民共和国政府が参加の意思を表明するとか、アジ銀の日本以外の第三国がそういう案を出すというような事態を予想しての御質問と了解いたしますが、日本といたしまして、まあこの時点で、かりに日中国交正常化というものが実現しているという事態を考えましても、日本だけでやはり行動するわけにもいかない。行動を起こす前には、その時点におけるアジ銀のほかの加盟諸国がどういう態度を示すか、あるいはどういう考え方を示すかということを踏まえた上で、その際日本の態度を最終的にきめたい、こう考えております。なお、御参考までにつけ加えますが、先般サンチアゴで行なわれましたUNCTADの第三回の会合で、中国の代表、中華人民共和国でございますが、は、いわゆる加重投票制、これは世銀あるいはアジ銀がとっておりますが、そういうような制度を持っている機関には参加する意向はないということを表明しております。御参考までにつけ加えておきます。   〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕

多田省吾公明党

○多田省吾君 次に私は、このアジ銀の今度の法楽で、増資を行なうが、各国の従来の出資率によって定められているけれども、もしその出資率による引き受けができない加盟国が出た場合にはどうなるのか、この点をまずお伺いしたいと思います。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 今回の増資割り当て案に対しまして、それを引き受けない、あるいは引き受けられないという国が出ます場合は、それだけ全体の増資が減るということでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 次に、アジア開銀が、各国の資本市場において開銀債を発行して起債活動を行なっておりますけれども、その内容と現況、今後起債活動の予想見通しとしてはどうなのか。これはいかがですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) ただいままでにアジ銀がアジ銀債を発行いたしました状況を申しますと、最初が西独でございまして、四十四年の九月に発行されましたが、その後オーストリアが四十五年の四月に、金額はわずかでございましたけれども、発行いたしまして、それから四十五年の十二月にわが国が第一回のアジ銀債を六十億円発行しております。その後わが国は、今年の四月の分を含めまして二本、したがいまして合計三本出ております。それから、あと、米国、スイス、ベルギー、さらにオーストリアというようなところで出ております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 ですから、今後の起債活動の予想としてはいかがですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 今後につきましては、アジ銀といたしまして、各国の資本市場で有利に出せる機会をいろいろと検討しておりまして、出せるところから出していくという方針でやっておると言っております。わが国につきましては、この次のアジ銀債をいつ出せるかという点につきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、日本の債券市場の状況が一つの大きな要素になると思いますが、その他アジ銀以外でも、たとえば世銀でございますとか、あるいは豪州政府、あるいはその他の発行希望のところが多いわけでございまして、そういうものとの関連で、次回のアジ銀債をいつにするかという点につきましては、現在のところ別にきまっておりませんけれども、われわれといたしましては、日本の債券市場が許す限りこのアジ銀債の発行を実現してまいりたいというふうに存じております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 次にお尋ねしたいのは、四月下旬ウイーンで開かれた第五回アジ銀総会において、日本を代表して佐々木日銀総裁が、そしてまた渡辺開銀総裁も演説して、通常資金の起債には今後とも一そう協力する、また、特別基金の拡充計画として三分の一は今後日本が負担すると演説しておりますけれども、その後、三分の一というのはどれくらいの額になるのか、また、その推移がどうなっておるのか、お伺いしたいと思います。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) この特別基金に関しましては、先ほども申し上げましたように、今後特別基金を、従来と異なってある程度のフォーミュラといいますか、そういうものをつくって、そしてある年ごとに先進国のそれぞれの考え方によって出すと、拠出というのではなしに、ある程度フォーミュラによって拠出していくという方向を出すべきではないか、これがわが国の方針でございます。そういうことの前提のもとに、わが国といたしましては、全体の三分の一くらいは負担する用意があるということを、前回のウイーンの総会のときに、わがほうの総務代理である佐々木日銀総裁から発言をされたわけでございますが、その後アジ銀におきましては、そういう空気を受けまして、理事会においてどういうふうにフォーミュラをつくっていくかという点についていろいろ議論をしておるわけでございますが、まだその点につきましては、なかなか結論的なところには至っておらない、まあ検討を鋭意始めておるという段階と承知しております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 次に、いわゆる長期低利の特別基金について、大蔵省当局の資料によりますと、インドネシアが非常にずば抜けた融資を受けております。件数にしても、総数二十八件中九件、金額にしても一億七百万ドル総額の中で、四千七百八十万ドルで、全体の四四・六%を占めている。このような融資のアンバランスというものは、加盟国にできるだけ均等に均てんして融資させるというこの協定の趣旨から見ますと、ちょっと逸脱しているようにも思いますけれども、このインドネシアへの抜群の融資理由は何であるか、御説明いただきたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 融資がまんべんなく加盟国に均てんするようにという点につきましては、先ほども申し上げましたように、アジ銀としてはそういう方針で進んでおるわけでございます。特にこの特別基金につきましては、当然発展段階の低いほうの国に重点が置かれていくということは当然でございますが、インドネシアについて四千七百八十万ドルの融資承諾が昨年末までで行なわれておりますが、そのうちのおもなものを申し上げますと、肥料工場の拡張というのに千万ドル、ゴム、油ヤシ栽培施設開発等に七百四十万ドルぐらい、それからダムとかんがいでございますが、センポールダムというダムの関係が九百二十万ドル、発電施設、送配電施設等が七百十万ドル、大きなところを申し上げますとこんなところでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 ですから、インドネシアにだけどうしてそのような四四・六%に達するような特別基金の融資が行なわれているか、その理由ですね。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) これは特にインドネシアを中心に考えたわけではないと了解いたしておりますが、やはりアジ銀としましては、適当なプロジェクトがあるところから、そのかたまったところからこの融資をしていくという方針をとっておるわけでございます。現在までのところ、インドネシアについてこういうような融資対象として適当なプロジェクトが多かったということでございますが、まあその他、たとえばセイロンなども千百万ドル、ネパールが千四百九十万ドルというように、人口で考えますと、必ずしも非常にインドネシアがアンバランスに多いということもあるいは言えないかと存じますが、それぞれこれは、その国について適当なプロジェクトが、この融資対象として考え得るに十分なものが早急にそろったかどうかということによると存じます。方針としては、特定の地域に、あるいは特定の国に集中しないようにということは、アジ銀協定にも明記されておるとおりでございまして、アジ銀当局としては、   〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕そういう方針でやっているということでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 次に、関連しまして、これは衆議院でも問題になっておりましたけれども、いわゆるインドネシアに対する佐藤・スハルト会談の借款問題ですね。政府で二億ドル、すなわち六百二十億円の借款供与を、民間ベースで一億ドルの原油代金の前払い融資、合わせて三億ドルの融資ということでございますけれども、まあスカルノ債務のたな上げという問題もございますし、なぜ政権末期といわれる佐藤内閣が前代未聞の借款供与をしなければならないか。もちろんこういった問題は大臣に直接お尋ねすればいいわけですけれども、一応聞いておきます。  それからもう一つは、この佐藤・スハルト借款というものが、年利三%ですか、七年据え置きの条件で、今後十年間で五千八百万キロリットルの低硫黄石油を日本に供給することが条件だと、これはインドネシアから日本に対する御恩返しだというようなことも外務大臣は答弁しておるようでありますけれども、ちょっとわれわれ納得がいきません。具体的な開発計画なんかあるのかどうか。で、この長期の債務でありますけれども、インドネシアの現状から推して、この債務を十分償還できる国内体制があるのかどうか、また石油油田の掘り当てでも、三十本に一本という確率で、非常に危険負担の大きい事業でありますけれども、二億ドルもの政府借款を与えて国民的利益につながるのかどうかですね、むしろこういう危険負担の大きい仕事をやるならば、わが国の大陸だな開発投資に向けたほうがはるかに国民的であるという声も非常に強いわけですね。こういったこととあわせて、ひとつ御答弁願いたいと思います。

大和田渉外務省経済協力局長

○政府委員(大和田渉君) このたび大筋がきまりまして、先般スハルト大統領が日本を訪問されましたときに、スハルト大統領・佐藤総理の共同発表ということで、その内容が発表されました、いわゆる石油借款というものの経緯をまず御説明申し上げます。  われわれ政府レベルの話し合いが始まりましたのは昨年の十二月でございます。その背景といたしまして、やはり日本として公害問題ということとの関連で、低硫黄の石油が、ぜひなるべくたくさんの量が安定的に長期にわたって供給されるということがきわめて望ましいという国内的な要請があったわけでございます。一方インドネシア側といたしまして、まあスカルノさんの時代とはかなり変わってきていると、われわれは認識しておりますが、経済体質をもっといいものにしたい、体質を改善したい、あるいは力を備えたい、そのことのためには、インドネシアの持っている資源の中で最も大きいものの一つであるこの石油、これを開発するということがぜひ必要である、しかも、そのためには多額の資金が要る、これはインドネシア側の国内的な必要性でございますが、その必要性、日本側とインドネシア側の必要性というものが合致して、このたび大筋において話がまとまったという次第でございます。で、この六百二十億円以内の政府の借款というものは、はたして日本の国益につながるんであろうかという点を御質問になったように記憶しておりますが、いま申し上げましたような経緯から申し上げましても、また世界的に低硫黄の石油の需要が非常に多いという点から申しましても、日本として五千八百万キロリットルの石油が、今後十年にわたって確実に供給されるという点、これは国益に直接つながる問題だと思います。また間接的な問題といたしまして、アジアの友邦としてのインドネシア、それが非常に資金に困っている、しかも、その資金は主として石油の開発に向けられるということでありますれば、先方の需要を日本の資金供与によって満たしてやるという意味で、やはり間接的でございますが、日本の国益につながる問題であるというふうにわれわれは考えております。  なお、先ほど油田の開発にはかなり危険性を伴うというお話がございました。大統領・総理大臣の共同声明にございますように、主としてこれは石油の開発に向けられるものでございまして、その点だけが大筋として話がきまったおけでございますけれども、しからば六百二十億円以内の金、この金でどういうプロジェクトが選ばれるかという点は、これからの話し合いできまるわけでございます。先方が出してまいります資料、プロジェクトの案というものにつきまして、われわれといたしましてもこれを検討する、また必要に応じて調査員を派遣して、その実現可能性というものを調査するという段階を経まして、両方が満足するプロジェクトを選ぶというような段取りを将来考えているわけでございます。したがいまして、それに投資することによって何らの効果を生まない、あるいは非常に危険であるというようなものには、われわれとしてはその借款は使わせたくないという基本的な希望を持っております。その点はまだ両国で、これからいわゆる問題を具体的に詰めていくというふうに考えております。  以上でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 アジ銀問題では最後になりますけれども、一九七一年末のアジ銀の融資残高を見ますと、五億三千二百万ドルの中で、台湾が一億ドル、韓国が一億三千二百七十万ドルとなっておりまして、融資ワクの四割以上がこの二つの国に集中しておりまして、その他の域内の発展途上国の加盟二十二カ国が残りを分け合っているという状況でありますが、こういった国に片寄るということは、アジ銀の基本的な運用において誤りがあるんではないかと、このように思いますけれども、これはいかがでございますか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 通常資金につきまして、御指摘のように七一年末現在の契約ベースの融資実績は御指摘のとおりでございまして、韓国、台湾というところに金額的に非常に多くなっておるということは事実でございます。これは先ほど特別基金について申しましたと同じように、やはりアジ銀として融資に、通常資金の融資に適するようなプロジェクトがほかの国にはなかなか金額的に多くなるようなほどなかったということでございまして、むろんこういうふうに特定の国に片寄るということが、アジ銀の基本的な方針でないことは、まさに協定にもございますとおりでございまして、まんべんなく融資が加盟国に均てんできるようにというのがアジ銀の方針でありますが、たまたま発足後、この融資活動が盛んになりましてから、まだ二、三年でございまして、そういったまだ段階で、プロジェクトが適当なものがあったのがたまたまこういう二カ国に集中をしておったということでございますが、同時に、アジ銀といたしましても、その他の加盟国につきまして、今後通常資金においても、どんどんプロジェクトを開発して、つくり出して融資を広げていきたいということで、いろいろと技術援助その他の面で努力をいたしておるわけでございます。   〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕

多田省吾公明党

○多田省吾君 最初に質問したように、GNPの一%の発展途上国に対する援助をしたいというわが国の方針がありますけれども、特にいまは民間ベースで進んでいるわけです。非常にエコノミックアニマルとして多額の援助にもかかわらず、いま非常に評判が悪い。援助じゃなくて、ひもつき援助であるために、ただ日本の財界を肥やすだけじゃないかという批判がかなりあるわけです。しかも、それらの国々に喜ばれていない、国民に喜ばれていない。ですから、私はこのアジア開銀の融資というものを、単に経済援助というだけではなくて、アジア諸国の、特に発展途上国の国民の福祉向上とか、あるいは教育投資とか、将来の国づくりの人材育成のために一そう有効に働かなければならないと考えておりますけれども、このようないろいろな現状から判断いたしまして、政府として将来どのようなあり方で進む方針なのか、最後にこれを伺いたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) お尋ねの件は、アジ銀の今後の融資方針として、単に経済的なものだけでなくて、もっと社会福祉と申しますか、あるいは教育というようなものにも広げていくべきではないかということだろうと存じますが、この点につきましては、確かに御指摘のように、アジ銀の目的が経済開発ということになっておりますために、協定上の問題としてもそれが主になっていくということも事実でありますが、同時に、経済開発という意味を狭く解しておるわけではないわけでございまして、たとえば教育につきましても、これは毎年の総会におきまして、アジ銀総裁も常に明らかにしているわけでございますが、やはり経済基盤の育成と申しますか、あるいは経済開発のための基盤の育成、あるいは社会福祉の向上というような面で、そういうものはやはり直接関接に意味があるわけでございますので、そういうものも極力ふやしていきたいという方針をとっているわけでございます。ただ、純粋な福祉だけ、あるいは民生安定だけという問題になりますと、これはやはりアジ銀の協定上の問題が出てくるかと存じますが、たとえば災害が起こったときの食糧援助でありますとか、まあそういうものは、やはりちょっと協定からいたしましても、アジ銀としてはやりにくいという面がございますので、そういう面はやはり各国ともバイラテラルな援助ということに、あるいは他の機関の援助ということにたよらざるを得ないと存じます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 次に、たばこ耕作組合法についてお尋ねします。  先ほどの質疑でも言われましたけれども、今回の法律改正の一番大きな要因というものは、たばこ耕作人員の著しい減少によるために組合の運営が困難になったと、かつ組合から強い法改正の要請があったと、こういうことでございましたけれども、そのように解釈してよろしいのかどうか。

北島武雄日本専売公社総裁

○説明員(北島武雄君) 大体の趣旨はそのとおりでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 組合法制定当時と比較して、耕作人員が非常に減少していると言われます。なるほど、資料によっても、昭和三十四年の三十五万余から四十六年には十七万余と、まあ半分になっているようでございますけれども、   〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕 途中、昭和三十九年、四十年、四十一年ごろまではまだ三十万台を維持しておりまして、しかも、耕作面積を見ますと、三十四年は六万約二千ヘクタールですか、だったのが、四十一年には最大八万七千ヘクタールと非常に増加しており、四十六年には六万六千ヘクタールに減少していると、こういう山型になっておりまして、当初と変わっていないどころか、少しふえている傾向もあります。こういう山型になっているというんですね。それからその後、またさらに先ほどからの御説明によっても、一般農業と同じように、産業構造の変化によって耕作人員の減少は避けられないだろうということでございますけれども、耕作面積の縮小とは考えられないのかどうか、この二点をまずお伺いいたします。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○説明員(佐々木幸雄君) 御指摘のように、ちょうど耕作組合ができましてから現在までの過程で耕作人員のほうは漸減しております。特に漸減といいましても、最近の減が多いということでございまして、そういう経過でございますが、面積のほうは途中四十一年、二年ごろまで相当な増加をしておりますこと自体、たいへん国内の原料の需要がふえるというような見通しのもとに積極的に生産を増強する、こういう計画で進みましたので、そういう結果でございます。最近になりまして、たいへん、先ほどからいろいろ申し上げておりますように、都市近郊あるいは工業地域の耕作維持がむずかしい、こういう状況になっております。最近の情勢では、たばこ耕作をやめられる方が非常に多うございますが、そのやめられる方の面積の約半分ぐらいは、残られた耕作者の方が規模拡大をしながら進んでいる、こういう状況でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 私は耕作人員が非常に減少する理由の一つに、やはり先ほども質問ありましたように、米等の政府買い上げの生産物よりも安くて魅力がだんだんなくなっていると、こういうことが当然考えられるのじゃないか、たばこ専売法では、たばこ耕作並びに耕作者に対していろいろな許認可とか、制限とか、収穫義務とか、いろいろな処置、査定、法的に非常にきびしく規定して義務づけしておりますけれども、そのわりあいに、耕作者の方々は、生産費とか、労働費から換算しても、非常に割りの合わない姿になっているわけでございますが、非常に人員が減少する大きな原因になっているのじゃないか、ですから、そういう面から考えると、収納価格をもう少し引き上げる必要があるのじゃないかと思われますけれども、この点はいかがですか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○説明員(佐々木幸雄君) 葉たばこの価格につきまして、もちろん、基本的には国内の葉たばこ生産の需給を見通すような、そういう価格である必要があるということと、それから生産費を補償する、こういう概念のもとに現在の一つの価格の算定方式がきまっております。ただ葉たばこの価格が適当かどうかという問題を他作物と比べてみますと、米の場合、先ほどからお答えしておりますように、都市労賃をとっているという違いがございまして、たとえば昭和四十五年度の農林省のほうでいろいろ調査されました生産費の状況、それから公社のほうでたばこについてやりました状況あたりを比べてみますと、一日当たりの労働報酬が、たばこの場合約千五百円ぐらいでございますが、米の場合は二千五百円ぐらいのようでございます。ただ、これは米の場合と比べてそうでございまして、これを麦類なんかと比べますと、たとえば大麦、小麦あたりにつきましては大体一日労働報酬が五百円から六百円前後、こういうことになっております。したがいまして、比較します作物によってたばこが必ずしも安い、こういうようには言えないかとも思います。大体たばこに比べまして特定のものは高いものもございますし、安いものもございます。大体平均してそうおかしくないところではないか、こういうように考えております。  また、たばこについての非常な特色と申しますのは、ほかの作物と比べまして、たとえばある特定の作物が非常にいいという産地あたりからの声がございますが、たばこはそういう投機的なうま味はございませんけれども、安定しておるということは、これは大きな特徴になっているだろう、こういうぐあいに考えております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 まあ、葉たばこの政府買い上げ価格というものは、品種とか等級によって格差があります。最終的には公社のたばこ審議会が決定しておるわけでございますけれども、結局、国内産のたばこの葉の国際比較を見ますと、非常に割り高になっているということが、やはり収納価格を引き上げられない原因になっているのではないかと思いますけれども、どの程度の割り高になっているのか。  それから、最近の葉たばこの輸入屋というものが、昭和三十五年ごろに比べますと四倍以上にふえておりますけれども、国内の需給関係から見て、今後もふやす見通しなのか、またその理由はどうなのか。  それから反対に今度は国産製品の輸出の状況はどうなっているのか。この三点をお伺いしたいと思います。

高村健一郎日本専売公社総務理事

○説明員(高村健一郎君) 輸入しております葉たばこは、国産葉たばこでは果たすことのできない性質を持っておる葉たばこということで主として買っておりますので、厳密な意味での価格比較はなかなかむずかしいわけでございますが、代表的なアメリカの黄色種と、日本の比較的品質のいい黄色種というものを比べてみますと、四十六年の農家の生産者価格で比較いたしました場合に、日本の黄色種がキロ当たり六百四十一円、これに対してアメリカのものは五百二十四円、この程度の開きでございます。もう一つのおもな輸入葉でございますオリエント種、これは独特の香喫味がございます。ギリシャ、トルコあたりから買う葉っぱでございますが、これも厳密に言いますと、国産葉にはこういう種類のものがないわけでございますが、これと在来種と比べますと、これは生産者価格ではございませんで、公社が日本に持ってまいりました価格で比較した場合に、八割程度トルコ葉のほうが安いと申しますか、トルコ葉に比べて日本の在来種は八割ぐらい高い。冒頭申し上げましたように、たいへん価格比較はむずかしいわけでございますけれども、いずれにいたしましても、国産葉が割り高であるという点は変わりないと思います。  いまも申し上げましたように、輸入の方針といたしまして、価格の面よりも、主としてシガレットをつくりますのに必要な、しかも、日本産葉ではまかなえない性質の葉っぱということに主眼を置いて購入をいたしておりますが、御案内のように最近はだんだんと緩和なシガレットが好まれる傾向にございます。と同時に、シガレット消費の水準も逐次上がってまいっております。それに必要な葉っぱを調達いたします観点から、徐々に輸入葉が増大いたしております。現在は総原料の二割程度は輸入に依存いたしておりますが、少しずつ将来輸入が増加していくという見通しを持っております。もちろん国産葉も、品質改善あるいはコスト引き下げ等によってできるだけ使用の範囲を拡大していくように私どもとしては検討を進めております。  輸出入の数量でございますが、そういうふうなことで、四十五年度の数量が三万八千トンに対しまして、四十六年度は四万九千トン、これは年によって多少在庫の増減がございますので、消費数量がこれだけふえたということではございませんけれども、大体現在のレベルといたしましては四万トンから五万トンぐらいの輸入になっております。それに対して輸出は割り高であるということで、たいへん努力はいたしておりますけれども、残念ながらそれほど大きな数ではございませんで、四十六年度が約五千トン、その前の年が七千トン、少しずつ減ってまいっております。  そういう状況でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 製品のほうですね、製造たばこのほうの輸入と輸出の割合はどうなっていますか。

高村健一郎日本専売公社総務理事

○説明員(高村健一郎君) 輸入をいたしております製品は、シガレットのほかパイプシガーがございますが、その大宗はシガレットでございます。四十六年度の輸入本数は大ざっぱにいいまして約十億本という数字になっております。それから輸出のほうは四十六年度の数字が七億本弱になっております。その前の四十五年度は六億本ちょっと。少しずつではありますがふえておりますが、その大半は、航空機の国際線あるいは外航船舶に対する供給といったような形でふえておりまして、普通の考えで言います輸出、第三国にシガレットの形あるいはシガーの形で輸出をする数量はいまのところたいへんまだ成績をあげておりません。徐々に拡大すべく努力中でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 通貨調整に伴いまして外国輸入たばこの値下げが行なわれたはずでありますけれども、小売り価格でどの程度安くなったんですか。

高村健一郎日本専売公社総務理事

○説明員(高村健一郎君) 先般五月一日に値下げをいたしまして、公社が仕入れます価格は、直接は一五%程度輸入価格としては安くなっておりますが、御承知のようにそれに諸チャージ及び専売益金を付加いたしまして小売り価格をきめております。そういう観点で、大蔵省あるいは企画庁等ともお打ち合わせをいたしました結果、総平均といたしましては四%から五%の間ぐらいの引き下げになっております。代表的な銘柄は、二十本包装一個当たり百八十円のものを百七十円に引き下げる。これ自体は五%強になっておりますが、総平均としては四%台の引き下げになっております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 これは通貨調整のあれもあるし、一六・八八%ですか。ちょっと四%、五%じゃ引き下げ率が少ないように思いますけれども、百八十円から百七十円ですか、もう少しこれは安くできないんですか。

高村健一郎日本専売公社総務理事

○説明員(高村健一郎君) いまも申し上げましたように、公社が購入いたしますコストは、一五%程度安くなったわけでございますけれども、コストに付加いたします専売益金、何といいましてもこのウエートが大きゅうございますので、それを仕入れ価格にスライドして減らしてまいるというわけにもまいらぬのでございますので、最終小売り価格としては引き下げ額がそういうふうになったわけでございます。引き下げの絶対額は、たとえば二十本当たり十円下げたといたしますと、公社の仕入れ価格では六円程度しか下がっておりませんので、専売益金が四円程度改定によって減ったというようなかっこうになります。したがって、引き下げの絶対金額はコストのダウンよりも大きく減っている、したがって割合は少ないと、こういうことになると思います。

多田省吾公明党

○多田省吾君 これは数字でありますけれども、念のために四つ、昭和四十六年度の国産葉たばこの収納金額。それから輸入葉たばこの金額。それから三番目に、四十七年度におけるたばこ専売益金収入の見込み。それから租税収入に占める専売益金の割合はどの程度か、この四点を、これは数字ですからすぐお答えください。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○説明員(斎藤欣一君) 最後の四十七年度の専売益金の見通しについて申し上げたいと思います。四十七年度予算におきまして、俗に専売益金と申しておりますのが、公社が一般会計に納めます専売納付金、それから、地方で納めます地方消費税、それを合わせまして、専売益金と俗に言っておりますが、公社が一般会計に納めます専売益金が三千百四十億円、これは政府に納めるものでございます。それから、地方に納めます地方消費税は二千八百六十七億、合計いたしまして六千七億円であります。これが一般会計歳入の額、これは十一兆四千六百七十六億円ということになっております。これに対する比率というのは五・二%と相なっております。

高村健一郎日本専売公社総務理事

○説明員(高村健一郎君) 国内葉の収納代金は九百四十九億に対しまして、輸入葉の支払い代金は三百四十五億という数字でございますが、輸入葉の場合は、国内葉の収納の状態に比べますともう一段加工したものを輸入いたしておりますので、ベースがちょっと違います。何割かダウンしてお考えいただければよいと思います。

多田省吾公明党

○多田省吾君 時間もありませんのでまとめてお伺いしたいと思いますけれども、国内産原料葉たばこの四十六年度末の在庫数量を、これを社有倉庫と営業倉庫に分けておっしゃっていただきたい。  それから二番目には、営業倉庫に対する保管料の支払いはどのくらいか。それから最近の保管料支払いの実績。  三番目には、原料葉たばこが製造工場に回るまでの熟成期間は大体どのくらいの期間か、この三つをお答え願いたい。

稲川徹日本専売公社理事

○説明員(稲川徹君) ちょっと第一番にお聞きいただいたことは……。

多田省吾公明党

○多田省吾君 原料葉たばこの四十六年度末の在庫量。それを社有倉庫と営業倉庫に分けて。

稲川徹日本専売公社理事

○説明員(稲川徹君) 総数量でまず申し上げますと、四十六万七千トン、四十六年度末で在庫しております。社有庫に入っておりますのが二十五万八千トン、それから営業倉庫に入っておりますのが二十万七千トンといったような内訳でございます。  それから第二点は……。

多田省吾公明党

○多田省吾君 営業倉庫に対する保管料の支払い額……。

稲川徹日本専売公社理事

○説明員(稲川徹君) 営業倉庫に対する保管料の支払い実績約二十七億でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 それから熟成期間ですね。

稲川徹日本専売公社理事

○説明員(稲川徹君) 熟成期間、これは品種によっても違いますが、一応二年間ぐらいが適当ということになっております。二十四カ月。

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 速記を起こしてください。

多田省吾公明党

○多田省吾君 ただいま倉庫業者に対する保険料の支払いの額を聞きました。昭和四十六年度で大体二十七億円に及ぶと聞いておりますけれども、この中で上位一位から五、六位くらいまでの会社名と、それから保険料を簡単におっしゃっていただけませんか。

稲川徹日本専売公社理事

○説明員(稲川徹君) 一番取引額の多いところは日本通運でございます、約三億七千万。それから渋谷倉庫二億六千万、それから京浜倉庫二億四千万、篠崎倉庫二億、三井埠頭一億三千六百万、ラウンドナンバーでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 この上位五社に元専売公社の幹部の方が就職しておりまして、公社の天下り人事と、業者との関係が、昨年の衆議院の決算委員会で、わが党の委員から追及があったわけでございますが、これは現況は少しは改まったんですか。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○説明員(斎藤欣一君) 昨年、衆議院の決算委員会で、倉庫業へ専売公社の元職員であった者が、勤務していた者が就職をしているということで御指摘がございましたが、実はそのときから現在まで変わってはおりません。ただそのときもいろいろ御指摘がございましたが、公社に勤務した者が就職をしているからということで、仕事の関係で誤解を受けるようなことがあってはいけないということで、それは十分に監視をしてやっている次第でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 次に沖繩復帰に伴いまして、従来の三社ですね、琉球煙草、オリエンタル煙草、それから沖繩煙草の問題がありますけれども、この処理または従業員に対する対策等について現況はどうなっているのか、簡単に御説明をお願いします。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○説明員(斎藤欣一君) 沖繩は、御案内のとおり、復帰前までは、たばこにつきましては三つの会社が民営でやっておった次第であります。五月十五日復帰と同時に、専売公社がたばこの仕事についてはすべて引き取ったと申しますか、専売制が施行されることに相なりました。その反面、従来やっておりましたたばこ業者は廃業するということになったわけでございます。それに対する手当てといたしましては、国会の御審議をいただきまして約二十一億円の交付金というものを交付することにして結末をつけることにいたしたわけでございます。で、その交付金は、経営者に対する資産補償ないし転業資金助成金といったものと、それから従業員のおやめになる方々に対する退職金の助成というふうなことから成り立っております。で、現在におきましては、やめる方、それから引き続き公社に新しく就職される方、これは振り分けがもちろんついておりまして、公社に来られる方全体六百人近くの方のうち、二百人くらいの方がすでに来ておられまして、復帰後順調に仕事は進んでおります。それから、やめました方に対する交付金の交付の事務も進んでおりまして、おそらく近い将来に交付金が支払われていくというふうな段取りになるというふうに理解をしております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 最後に、総裁、いわゆる有害表示の問題で御質問したいと思うのです。  今度、前からの懸案であった有害表示が、八月から「健康のため吸い過ぎに注意しましょう」というような簡単な表示が実施されるということでございますけれども、諸外国では、もっときびしいニコチン、タールの含有量をパーセンテージで表示するとか、その他いろいろ進んだものをやっているわけです。それで、昨年のたばこの宣伝費は約二億六千万円、それに対して、健康に対する研究対策は六千万円、約四分の一弱である。この前のストックホルムの環境会議でも、鯨の問題とかあるいは水俣病、イタイイタイ病等の悲惨な日本の現状等で、どうも実際にわが国は人の命と環境、また動物の命もそうですけれども、守る気概に乏しいのじゃないか。きびしい世界世論の糾弾にあっているわけですね。そのためにやはり益金が減るんじゃないかというようなお考えがあるかどうかはわかりませんけれども、最も大事な人間の健康に関する表示が、諸外国よりも非常になまぬるいということは、やはりこの問題からも私は、人命を守り環境を守るという政府の姿勢というものが非常に日本の場合はいいかげんであるというふうに思われますし、またそう感じますよ。だから、この際、世論の問題あるいは衆議院においてもたびたび問題になった問題でありますし、こういった有害表示はもっと今後積極的にやるべきじゃないか、またさらに、害の少ない新製品の開発についてももっと積極的にやるべきじゃないか、こういった問題で、総裁どのように考えておられるのか、最後にお尋ねして終わりたいと思います。

北島武雄日本専売公社総裁

○説明員(北島武雄君) 実は、表示の問題につきましては、昨年大蔵大臣の諮問機関であります専売事業審議会から答申が出たわけでございます。その御答申に対しまして、この四月に大蔵大臣が御裁定になりまして、そして、「健康のため吸い過ぎに注意しましょう」、こうなったわけでございまして、これに対しまして、私どもから実はとやかく申し上げるのは筋が違うのじゃないか、こんな感じがいたします。ただし喫煙と健康問題につきまして非常に国民の多くがたいへん御心配になっておること、ことに愛煙家の方々が御心配になっておることは事実でございます。私どもは今後、まず第一に、喫味のやわらかい、ニコチン、タールの少ないたばこにしなければならぬ、これにいま全力をあげております。これはたいへんむずかしい仕事でございますが、まず何よりも育種のほうから変えていかなければならぬ、品種を変えていかなければならぬ、このために本年、第二黄色種のうち、約一万ヘクタールを、ニコチンが四割も低いMCという品種に転換をするわけでございます。これに加えまして、栽培の技術の上におきましても、できるだけニコチン、タールが少なくなるような指導も講じますし、また製造、加工の面につきましてもフィルターあるいはライスペーパーのくふう等ニコチンを少なくする、こういった方面に私どもは全力をあげるのが、私どもの義務だと思っております。ことに現在、すでに中央研究所におきまして、もうすでに数年になりますが人工たばこの研究開発をやっております。これはまだ現在一トンタンクの実験程度でございますが、これは将来、相当ものになるのではなかろうか。なおこれは、現在の計画では数年間はかかる——四、五年はかかるという見込みでございますが、何とかひとつ、早く世界にまれな人工たばこを開発しようと、こういったことでいま全力をあげてやっておるわけでございますので、そういった方面についてもできるだけ配慮いたしたいと考えております。

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 速記とめて。   〔速記中止〕

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 速記を起こしてください。  専売公社はどうぞ行ってください。  質疑を続けます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私はアジア開銀の問題について幾つか伺いたいと思います。  今回の増資でアジア開銀の資本金全体も二・五倍になる、日本の出資が二・五倍になるということで、大体、出資比率一九・八九%というのは動かないと思います。このアジア開銀の出資が二通りに分かれておって、払い込み資本、それから請求払い資本と、この両方に分かれているわけですが、この請求払いのほうは、アジ銀債などを出して各国からいわば融資を受けながらやっているというのが実情かと思いますね。従来わが国はこれに積極的に応募しているといういきさつもありますが、この請求払いのためにアジ銀があちらこちらから借りた金は総額どれくらいあるのか、そしてその中で大口の出資といいますか、融資をやっている国、その比率ですね、この辺をちょっとおっしゃってください。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 最近までにアジ銀が各国市場で発行いたしました債券、アジア開銀債の総額はほぼ一億六千万ドルでございます。その中で一番大きな額は日本でございます。一方国に集中しておりますのは日本でございます。  ちょっとパーセンテージにつきましては、いま計算をいたします。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 では、数字がはっきりするまで質問をなお先へ進めますけれども、この出資割合が一九・八九%、これはアメリカと日本が同じ割合で最高ということになっておりますね。ところが、いま言った請求払いのほうですね、これは相当の比率を占めるんではないかというふうに思いますが。つまり出資割合と食い違ってきているわけですな。それで、これは一体どういうことになりましょうか。例の表決権との関係ですけれども、ほぼまあ出資割合で表決権がきまるということになっていますが、請求払いのほうは日本の比重が非常に大きい、おそらく七、八割ぐらい占めるんじゃないでしょうか。そういうようなことになりますと、表決権との関係でどういうことになりますでしょうか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 表決権のほうは、各国それぞれ基礎票がございますために、この出資割合のほうは御指摘のとおりほぼ二割、日本とアメリカが最高で二割でございますが、投票権のほうは日本が二八・四七%でございます。これはむろんアメリカも同じ一六・四七%でございまして、これは基礎票の関係でございます。  それから請求払い資本と表決権の関係でございますが、これは請求払い資本というのは、御承知のとおりこの全体の出資の二割の中に入っておるわけでございまして、したがいまして、アジ銀に対する請求払い資本を含めた意味での出資の割り当て額の額がほぼ二割ということでございます。したがって、これはむしろ投票権とは関係がないわけでございます。ただこの日本が、日本市場を通じてのアジ銀債が多いと申しますことは、これはその投票権とは関係ございませんわけでございますけれども、アジ銀としてそういう外債を出すという場合の、いわば担保と申しますか、それがこの請求払いの資本、つまり資本金の中の請求払い部分が一応の担保になっておるということでございます。  おくれて申しわけございませんでしたが、先ほどのこのADB債の発行一億六千万ドルと申し上げましたのは、昨年の十二月末現在でございまして、昨年末の現在で申しますと、日本が百六十億円でございまして、比率で申しますと二七・一%でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 百六十億円ですか、ばかに少ないような感じですがどうですか。数字間違っていませんか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) ただいま申し上げましたのは昨年十二月末現在でございまして、日本の分としては二回が入っておりまして、六十億円が一回と百億円が一回、それでさらに本年に入りましてから四月に百億円が三回目いま出ております。ただいま前に申しました、失礼いたしました、二億六千万ドルという総額は昨年の十二月末現在の数字でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、日本の役割りがかなり大きいわけですけれども、いままでは払い込み資本が五〇%、請求払いが五〇%ということになっていましたね。今度は増資分のほうは、払い込み分が二〇%、請求払い八〇%ということになっておりますね。そうしますと、ますます日本の役割りが大きくなるという感じがしますけれども、それはそう理解していいですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 先ほど申し上げましたように、この直接的には請求払い部分というのは、御指摘のように全体の出資額のそれぞれの国におきまして八割ということでございます。したがいまして、その国で調達されるかどうかという点は別の問題でございます。それでただ御指摘のように、この今後の増資が発行いたしました暁におきましては、まあこの請求払いの資本を、第一回目の出資の時がフィフティー・フィフティーであったのと変わりまして今度は二対八になっておる。つまり、請求払い資本の部分が多くなっておるということは、やはりアジ銀といたしまして、外国市場で調達する資金の割合をふやしていきたいと、こういう一般的な方針がここに出ておるわけでございます。そういう意味では、請求払い資本が多いということは、アジ銀として各国の資本市場に期待する額が多い、こういうことでございますが、したがいまして、それに応じましてアジ銀として、日本の市場に期待するところも多いということは言えるかと存じます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、実際の表決権は一六・四七%なんだけれども、しかし言ってみると、請求払いでアジ銀債を出して金を集めなければならない。その場合に日本がかなり大量に応募して、したがって、実際その日本の発言権がアジ銀の中でかなり大きくなるというふうに理解できるような感じがしますけれども、なお、それとの関連で特別基金の額ですね、これはいまどのくらいなのか、そうしてまたその特別基金の中で日本など大口出資国の占める割合ですね、これ、どのくらいになっておるか、それもあわせて。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) その国の市場での外債の調達と発言権の関係でございますが、これは申すまでもございませんけれども、その国で調達される債券の額というのとは、投票権のほうは関係がございませんので、投票権はいずれにいたしましても日本は一六・四七%、ただ現実問題として、日本市場に対する資金調達の割合がふえていくということは、実質問題としていろいろな意味で発言権がふえるということはございますけれども、形式的には関係がございません。それから、特別基金のほうでございますが、これはざっと申しますと約一億五千万ドルぐらいがただいま拠出約束ができておるわけでございます。そのうちの一億ドルが日本でございます。約三分の二が日本が負担をする。ただ、アメリカにつきましては一億ドルを拠出するという、行政府としての方針は明らかにされております。まだ国会のほうで支出法案が通っておりませんので、その点でまだ拠出をしておらない。ただ、意図としては一億ドルは出すということで手続が進められております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それから、技術援助基金というのがございますね。あれの総額はどのぐらいで、そのうち日本の占める比重はどのぐらいになっておりますか、それも。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 技術援助基金に関しましては、やはり昨年末現在で申しますと、合計で六百五十五万九千ドルでございまして、そのうちで一番大きな拠出は日本でございまして、三百三十一億四千万ドル、ほぼ半分、五〇・五%が日本でございます。続きましてアメリカでございまして百二十五万ドル、約一九・一%ということでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、アジア銀行の通常資金、特別基金、技術援助基金の総額ですね、私ども調べてみますと、昭和四十六年末現在で、今回の増資分を含めてみて二十六億六千八百万ドルということになろうかと思うのですね。全部合計してみて。それで日本の占める割合が二二・六%、六億三百万ドルということになろうかと思うのです。それから、アメリカは約一八・七八%、合計五億百万ドルということで、まずアジア開銀の中で、日米両国が圧倒的な役割りを演ずるけれども、同時にその中でも、日本の役割りが非常に決定的に大きいということは言えると思いますが、その点、そう見ていいわけですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 御指摘のとおり、通常資金、特別基金、それから技術援助、さらにはその外国市場での債券発行全体を通じますと、日本が非常に大きな貢献と申しますか、しておるということは事実でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、この特別基金や技術援助基金ですね、これは表決権とはどういう関係になりましょうか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 特別基金とそれから技術援助基金につきましては、表決権とは関係ございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、額は小さいけれども、この特別基金、技術援助基金については日本の発言権が圧倒的だというふうに見て差しつかえないわけですね。それから通常資金においても、請求払いのほうではやはり事実上日本の発言権が強いというふうなことでもありまして、やはりアジア開銀における日本の役割りというのは、これは非常に大きいものだというふうにわれわれ印象を受けます。  ところで現在、世界銀行、それから第二世銀ですね、それからアメリカ政府、日本政府の政府援助、これらもアジアに集中しているというのが実態だと思いますけれども、こういう第二世銀や世界銀行などと、アジア銀行はお互いに連携をとりながら融資活動をやっているんでしょうか、全然別個にやっているんでしょうか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 世銀あるいは第二世銀——IDA、それからアジ銀と、これは、片方は地域開発銀行であり、世銀、IDA等は全体であるということでの差はございますけれども、その仕事の内容は非常に似ておるわけでございます。それで、お互いにいろんな意味で国ごとにプロジェクトの開発あるいは融資の協力その他につきましていろいろと密接な連絡をとりながらやっておるわけでございます。  ただ、ちょっと補足さしていただきますと、発言権という意味でございますが、それが表決権という意味でございますと、これはまさに一六・四七というのは変わりません。むしろ趣旨といたしましてそれをふやすべき資金協力が多いにもかかわらず、その表決権がふえていないというところが、実は加盟国としても全体として一つの方向であるわけでございまして、まあ表決権をふやすと、日本の分をふやすということになりますといろいろと問題がございます。逆に各国とも表決権はいまのようにしてほしいと、その意味で通常の資金の増資というのは従来と同じ割合でやってほしいという感じでございまして、あとはまあ表決権のない資金協力という面を日本などに対しては多く期待をしておるというのが実情であろうかと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 このアジア開銀の特徴の一つは、これはいま明らかになりましたように、日本の役割りが非常に大きい。世界銀行や第二世銀の場合ですと、アメリカが圧倒的な力を持っているわけですね、発言権、表決権からしましても。ところがアジア開銀の場合ですと、アメリカは相対的に後方に退いて、日本が前面に出ている、こういう関係になっていると思うんですね。しかし、同時にいまの御答弁によりますと、世界銀行や第二世銀と密接な連携をとりながら融資活動をやるということになりますと、結局のところはこの世界銀行、第二世銀などは、これはまあいろいろ議論のあれもあるでしょうけれども、私どもはアメリカの世界支配の道具として役割りを演じてきているというふうに見ておりますが、それと密接な連携をとってアジア開銀が活動するということになれば、結局のところ例のニクソン・ドクトリンですね、つまりアメリカのアジア侵略、これを軍事的、経済的にもアジア諸国、とりわけ日本に肩がわりをさしてやっていこうという、このニクソン・ドクトリンのいわば具体化した形として、アジア開銀がアジアにおいて活動するという形になってやしないかと思いますけれども、その点どうでしょう。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 先ほどアジア開銀が世銀、あるいは第二世銀と融資の面でいろいろと密接な連携をとりながらやっていっているということを申し上げましたのは、そういう問題ではございませんで、たとえば特定の国のプロジェクトなり何なり、そういうものがその国として重複をしたり、あるいは取り合いになったり、そういうことになってはいけないという意味でございまして、たとえば地域といたしましても、昨年のIDAの増資の法案のときにも御説明申し上げましたが、大体このIDA等は、先としてはインド、パキスタンというようなところが非常に多いのでございます。アジ銀はこの点でインドには出しておらないわけでございます。それよりもむしろ東南アジアのほうに現在のところ多いということでございます。そういう意味の融資の各国別に見まして、連携をとりながら片寄らないというような意味のあれをしているわけでございまして、その意味で、いわゆるニクソン・ドクトリンの一つのあらわれであるかいなかという点につきましては、これはお考え方の問題であろうかと存じますが、われわれといたしましては、やはりたてまえとしては、アメリカもアジ銀等から手を引きたいということではないわけでございます。少なくもいろいろな増資の決議、あるいは特別基金の拠出、その他に関しまして、やはり日本と同じ割合ぐらいは出していきたいということは考えておるようでございまして、特にアジ銀のほうは、日本にまかせたというような感じは、少なくも考え方としてはないのではないかと。ただ具体的には、先ほども申しましたように、政府の提出しておりますこの法案が、アメリカの議会でまだ最終的に議決になっていないという点で、現在のところはアンバランスになっておることは事実でございます。     —————————————

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 委員の異動について御報告いたします。  ただいま、伊藤五郎君、大竹平八郎君、野上元君、松井誠君が委員を辞任され、その補欠として石本茂君、川野辺静君、須原昭二君及び鶴園哲夫君が選任されました。     —————————————

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 御承知のように、日本のこのアジア援助というものは、これは日米貿易経済合同委員会などでしょっちゅう議題になり、強調されているところだと思います。そうして、日米貿易経済合同委員会というのは、私が申し上げるまでもなく、日米安保条約の第二条、つまり日米経済協力を促進するという条項に基づいて開かれている委員会であることも、これまた私が申し上げるまでもないと思います。で、そこでやはり日本が、アジア諸国に対する援助を拡大するのだということを、年々開かれるたびに強調されるという関係になっておって、これが日米間の安保条約を土台とした関係と固く結びついているということは私は明らかだと思う。特に一九六九年の佐藤・ニクソン共同声明の中では、これは沖繩の返還、それから日本のアジア政策ということとの連係、あるいは安保の実質改悪ということとの連係で、特にアジア援助の拡大ということが強調されているわけですね。ですから、日本がアメリカとの間で、日米安全保障条約を結んでいるというその基盤がある以上は、日本のアジア援助の拡大というのは、どれほど形は平和的な形をとろうとも、アメリカのアジア侵略のやはり一環として行なわれるという性格を持たざるを得ないと私は思うのですね。  そこで、その見地から聞きますけれども、アジ銀の通常資金、特別基金のおもな融資先別ですね、これのおもなものだけでいいのですが、どのくらいになっているか、それをちょっとおっしゃっていただきたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○政府委員(稲村光一君) 通常資金について申し上げますと、昨年末現在で融資約束額の総額は五億三千万ドルぐらいでございまして、そのうちで国別に大きいところから申し上げますと、韓国が一億三千二百万ドル、中華民国が一億、それから、シンガポールがほぼ七千万ドル、それからフィリピンが五千八百五十万ドル、マレーシアが五千五百九十万ドルでございます。  それから、特別基金に対しましては、同じく昨年末現在で一億七百万ドル程度でございまして、この大きいところはインドネシアが四千七百八十万ドルでございます。それからネパールが千四百九十万ドルばかり、セイロンが千百三十万ドルばかりということになっております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 もう私時間がないので、あなたのほうからいただいた資料で私計算した数字で申し上げてみますと、こういうことになっておりますね。通常資金、特別基金、これを両方合計しまして、それでどこにこの融資が重点が置かれているのか。韓国が二〇・七%ですね、それから台湾が一五・七%、この二つの国だけで三六・四%という圧倒的な比重を占めております。それから南ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、このインドシナ半島の四カ国、これを全部ひっくるめて計算してみますと九・八四%になっている。ですから、台湾、韓国、南ベトナム、ラオス、カンボジア、タイというような、いわば反共政権、アメリカのかいらい政権、ここのあるところだけで全部ひっくるめると四六・二四%に及ぶのです。ほぼ半分近い融資がアメリカの反共かいらい政権のおるところに集中しているというのが実態だと思うのですね。ちょうど適切なプロジェクトがあったらそこへ集中したという先ほど御答弁もありましたけれども、私は、形はそういう形をなるほどとるかもわかりませんけれども、実質上数字が物語るものは、やはりこれら反共かいらい政権に対する政治的、経済的なてこ入れとしてアジア開銀の融資が行なわれているということがはっきり証明されているのではないかと思うのですよ。やはりそういうところに日本政府が積極的に今後金を出していこうということは、私は非常に危険きわまりないものだと思うのですね。ですから、そういう意味で、今回の増資というものは、いままでの性格を一そう、この何といいますか、この中に日本を一そう強く引き込むという性格を持っているものじゃないかと思いますけれども、その点どうでしょうか。

船田譲自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(船田譲君) このアジア開発銀行の設立協定の第三十六条の二項に、「いずれかの決定を行なうにあたっては、関係加盟国の政治的性格によって影響されてはならない。」というのがございますし、また第二条の二号のところに、アジア開発銀行は、「小加盟国及び低開発加盟国が必要とするところに特別の考慮を払う」ことが義務づけられているわけでございます。したがって、通常資金によるところの融資につきましては、韓国、台湾が多過ぎるではないかというお話がございましたけれども、先ほど来局長が答えておりますように、これは受け入れるプロジェクトをどの程度つくっていくことができるかということにかなり影響されるものでございまして、その意味におきまして、現地の政府なり民間なりが、プロジェクトをみずからつくっていくことができるために、われわれは技術開発協力を大いに行なっていかなければならない。したがいまして、技術協力基金のほうの、技術開発援助のほうにいたしますと、これはセイロンであるとかアフガニスタンであるとかネパールというような国が圧倒的に多いのでございまして、今後はそういう技術援助の結果によりまして、プロジェクトがこういった国々に多く立てられ、したがって、通常資金におきますところの融資におきましても、その国々の割合が大きくなっていくことを期待するものでございます。

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) ただいま質疑中の七法案中、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、相続税法案の一部を改正する法律案、以上三案については、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより三法案の討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております所得税法の一部を改正する法律案、及び法人税法の一部を改正する法律案の二法案については反対、相続税法の一部を改正する法律案には賛成するものであります。  政府は、さきの年内減税における所得税の一般減税をもって、本年度の一般減税を見送っておりますが、国民の側からいえば、物価の値上がりなどからして減税が切望されることはきわめて多大であります。  政府の税制調査会においてさえも、本年度でき得れば年内減税を主張しているくらいであります。  国民の税制改正に対する要望は、法人税においても、個人企業、中小企業等、企業税制に関する基本的な問題があるにもかかわらず、これが改正がされておりません。また、中小法人に対する軽減についても、この留保課税をもって終わりとするのは非常に不満を感ずるものであります。  ただいま議題となっております反対の二法案は、所得税法案の老人扶養控除、寡婦控除の手直し、法人税の同族会社の留保課税の改正等々、その部分のみでは、その改正の影響は微々たるものであります。どう見ましても不十分なものでありまして、反対せざるを得ないのであります。  相続税法案については、妻の座優遇には賛成いたしますが、課税最低限の引き上げ、企業財産の相続等について政府はさらに検討されることを要望いたします。  最後に、本委員会の審議を通じまして政府に率直に年内減税の必要を認め、その提案のすみやかなることを期待いたしまして、私の反対討論といたします。

嶋崎均自由民主党

○嶋崎均君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び相続税法の一部を改正する法律案につきまして、賛成の意向を表明するものであります。  初めに、所得税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  所得税の負担軽減につきましては、さきに、四十六年度当初における一般減税に引き続き、昨年の臨時国会におきまして、早急な景気の回復をはかるため、千六百五十億円の減税を繰り上げて実施したところでありますが、これは昭和四十七年度においては二千五百三十億円の減税となるものであります。こうした相次ぐ減税の結果、所得税の課税最低限は、アメリカには及ばないとしても、イギリス、西ドイツ等西欧諸国よりもかなり高くなっており、これまでの政府の努力を大いに多とするものでありますが、なお、今後とも所得、物価水準の動向に配意しつつ、負担の一そうの適正化につとめるよう希望するものであります。  今回の政府案は、この一般減税に引き続き、国民福祉の向上をはかる諸施策の一環として、老人扶養控除制度の創設、寡婦控除制度の適用範囲の拡大等をはかることを内容とするものでありますが、これは、わが国の経済が目ざましい発展を続けている中にあって、ややもすれば取り残されがちな老人や寡婦に対するきめこまかい配慮に基づくものであり、まことに時宜を得たものと考えます。  次に、法人税法の一部を改正する法律案につきましては、同族会社の留保所得に対する課税を軽減することにより、中小法人の税負担の軽減と内部留保の充実に資するものであり、これまた、適切な措置であると考えます。  次に、相続税法の一部を改正する法律案についてであります。  本案は、配偶者に対する相続税額の軽減措置を拡充し、また、心身障害者である相続人について障害者控除を設けることを内容とするものであります。  この改正案によれば、婚姻期間二十年以上の配偶者については、その実際取得額のうち三千万円まではそれに対応する相続税相当額が控除されることとなっており、配偶者に対する軽減措置として、従来に比べきわめて大幅に拡充されることになっております。この改正はかねてわが党の主張する妻の座に対する税制上の大いなる優遇措置の実現と申すべきであります。  また、本案に創設される障害者控除は、親に先立たれた障害者の将来の生活を保障するための措置であり、障害者福祉対策として大きな役割りを果たすものであって、まことに時宜を得たものと考えます。  以上をもって賛成の討論といたします。

多田省吾公明党

○多田省吾君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております所得税法、法人税法の一部改正案に対しましては反対、また相続税法の一部改正案に対しましては賛成の討論を行なうものであります。  所得税につきましては、税制の不公平また物価騰貴に対する配慮が全然なされていないことでございます。特に政府は、四十七年度予算に対して、福祉大型予算を叫び、また不況対策を言いながら、それに対する税制上の措置はまことに不満足でございます。税制の不公平につきましては、すでに給与所得者は、四十七年度二千九百二十万に及んでいる。昨年よりか約五十万人の増加で、全体の八五%になっておりまして、これは他の所得者に比べますと非常に高率であります。また最近の物価上昇を見ましても、四十四年度の予算の見込みが五%であったのが六・四%、また四十五年度当初四・八%の見込みが七・一五%程度となり、いまは五・四%でありますが、六・一%程度になっておる。いずれも政府の見込みを上回っております。また総理府統計局がまとめた四十六年度の調査結果を見ましても、勤労者世帯の月平均支出、実質で三・四%にとどまっておりまして、昭和四十年度に次ぐ低い伸び率でございます。また最近は公共料金の値上げも大幅であり、私たちはこういう庶民の暮らしに対する所得税の減税が非常に不満足であることに、はなはだ憤りをおぼえるものであります。  次に、法人税の一部改正でありますけれども、法人税率が世界的に低い地位にありまして、国民総生産の第二位、日本にとってもはなはだ企業本位の優遇策ではないかと思います。今後も法人税率の負担水準の検討と、法人に適用されている特別措置の撤廃の方向を示すべきだと思うわけであります。  以上の原則から、二法案に反対の態度を示し、さらに相続税につきましては、いまだ不満足な点が多いのでありますけれども、妻の座優遇等について一部前進がありますので賛成することにし、以上をもって討論を終わります。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 私は、民社党を代表して、所得税法、法人税法の一部を改正する法案について反対、相続税法の一部を改正する法案について賛成の討論をいたします。  今回の改正案は、それぞれ税制調査会の答申を踏まえたものであります。しかし、本委員会の審議に、参考人として出席された福良税制調査会会長代理が述べられたごとく、税制調査会本来の使命は、わが国税制のあり方に対する基本的な研究、検討でなければなりません。そしてその検討の方向は、何よりも負担の公平の実現でなければならないと思います。減税は国の恩恵的発想で行なうべきものであってはなりません。納税は国民の義務であることを正しく認識しながら、その上に立ってあるべき負担の方向を求めるべきであると考えます。その観点に立って考えるとき、税負担は、所得税について過重であり、法人税に関して過少であると言わなければなりません。この意味で、所得税減税は緊急かつ大幅なものでなければなりません。  また相続税についても、事業用財産の取り扱いを含めて検討すべき多くの点を指摘しなければなりません。しかしながら、税制調査会は、基本的検討課題と取り組む前に、税の小手先の調整に追われ、本来の機能を十分に発揮しているとは言えません。今日政策と発想の転換が政府みずからの口から叫ばれております。加えて直税三法は、国民生活と直接、間接にかかわりの深い法律であります。にもかかわらず、まことに貧弱な改正案しか提示し得なかった政府の姿勢に、私は強い遺憾の意を表明しておきたいと思います。  なお、相続税については、政府は民法の水準をこえて、配偶者の地位を高める改正案を提示されました。この点は率直に評価したいと思います。しかし反面、その必要性を生み出したものが、土地価格の高騰であることを考えると、ここでも政府の無策を指摘しなければなりません。この問題に関する真剣な取り組みをあわせて、要望を含めて私の討論を終わります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、日本共産党を代表して、所得税法の一部改正法案に反対、法人税法の一部改正法案に賛成、相続税法の一部改正法案に棄権するものであります。  まず、所得税法の一部改正法案に反対する理由でありますが、政府は、今回国民の強い要求である所得税の一般減税を行なわず、このような欺瞞的な措置でことを済ませようとしています。これは物価上昇の現状のもとでは、明らかに国民に対する増税措置であり、特に低所得者に対しては、生計費に食い込む重税となるからであります。わが党は、このような措置ではなく、四人家族百五十万円まで免税点を引き上げを要求するものであります。  次に、法人税法の一部改正法案に賛成する理由であります。わが党は、税負担の公平の原則を踏みにじる同族会社の留保金課税の撤廃を主張しております。今回の改正は、まことに不十分なものではありますが、留保金の控除額を二百万円から三百五十万円に引き上げるものであり、不況と金融難にある中小企業にとっては、一定の改善であるので賛成するものであります。  最後に、相続税法の一部改正法案に棄権する理由でありますが、今度の改正は、婚姻年数二十年以上の配偶者で、実際に遺産が配偶者に分割された場合は、三千万円までは課税しないという措置であり、中小資産家の妻にとっては、一定の改善となるのに役立つものであります。しかしながら、他面では、高資産家にまで減税が及んでおり、相続税の高度累進制を弱め、富の再分配機能を弱める措置になっておりますので、わが党は、この法案に対して棄権の態度をとることを明らかにするとともに、相続税の免税点を適正に引き上げることを要求して、私の討論を終わります。

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより順次採決に入ります。  まず、所得税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において本案に対する可否を決します。  本案については、委員長はこれを可決すべきものと決定いたします。  法人税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 多数と認めます。よって本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、相続税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、ただいま可決されました三法案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  また、残りの四法案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。     —————————————

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  租税及び金融等に関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田佳都男自由民主党

○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時十分散会      —————・—————

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