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68回国会参議院1972/06/06

大蔵委員会 第30号

発言数
154
登壇者
16
会派数
6
開催日
1972/06/06

会議録

柴田栄自由民主党

○理事(柴田栄君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、成瀬幡治君が委員を辞任され、その補欠として野上元君が選任されました。     —————————————

柴田栄自由民主党

○理事(柴田栄君) 次に、連合審査に関する件についておはかりいたします。  ただいま運輸委員会に付託されております国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について、連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柴田栄自由民主党

○理事(柴田栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柴田栄自由民主党

○理事(柴田栄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————

柴田栄自由民主党

○理事(柴田栄君) 次に、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び相続税法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  参考人の方々には、御多忙のところ、三案の審査のため、本委員会に御出席をいただきましてまことにありがとうございました。  これからの会議の進め方につきましては、まず、金子参考人、恒松参考人、福良参考人の順で、お一人でおよそ十五分程度御意見をお述べいただきまして、その後委員の方々からの質問にお答えいただくという方法で進めてまいりたいと存じますので、各位の御協力をお願いいたします。  それでは、金子参考人にお願いいたします。

金子宏東京大学教授

○参考人(金子宏君) ただいま御紹介をいただきました金子でございます。お申しつけによりまして、十五分程度の時間で所得、法人、相続三法の改正案について意見を述べさせていただきます。なお、時間の関係もございますので、改正点に限定して意見を申し上げたいと思います、それから手続規定については省略させていただきたいと思います。まず順序といたしましては、所得、法人、相続の順序で申し上げていきたいと思います。  そこで、第一に所得税法関係でございますが、本年度の改正案の中心は、老人扶養控除の新設と、それから寡婦控除の適用範囲の拡大の二点に中心があるわけでございます。これはいずれも老人あるいは寡婦、こういう人々は、いずれも社会的に困難な立場に置かれた人、いわば社会的にある程度のハンディキャップを負っているというふうに見られますので、一般論としては、これらの人々の保護を目的とすることに今度の改正案のねらいがございますので、このような改正は、必要かつ適切な措置ではないかというふうに私は考えております。やや原理的なことにわたって恐縮でありますけれども、所得税を律する基本的な観念は、おそらく担税力に即した課税という考え方でありまして、そこからは次の二つの要請が出てくるものと考えられます。  第一は、原則としてすべての所得を総合して、それに累進税率を適用するということであります。  それから第二番目は、所得のうち一定の金額は担税力を欠くものとして、課税の対象から除外されなければならないという要請でございます。  こういう第二番目の要請に基づきまして、基礎控除、扶養控除等各種の人的控除が認められているわけでございます。たとえば基礎控除は、所得のうち本人の最低生活費の維持に必要な部分は課税対象から除かれるべきだということになりますし、それから扶養控除は、扶養親族の最低生活を維持するのに必要な部分は課税の対象から除かれるべきだという考え方でございます、ですから、こういう人的諸控除は、いわば税制における社会政策的な考慮のあらわれであるというふうに考えられます。そしてこのような税制における社会政策的な要請というものは、理論上はもちろん戦前から主張されてきたわけでありますが、わが国の戦後の税制におきましては、アメリカのそれにならいまして、種々のきめこまかな人的控除を取り入れているわけでございます。  この観点から見るときに、扶養親族のうち老年者については、その生活を保障するのに、より大きな金額が必要であるということが一般論としては考えられますので、そういう意味で、老人扶養控除はおそらく理論的に見て正しい適切な考え方ではないかというふうに私には思われます。通常の扶養親族の場合ですと十四万円、老人の扶養親族の場合には十六万円を控除するということになりますので、そういうふうな差異を設けるということ、これ自体は私は理論的に正当なのではないかというふうに考えております。  それから次に、寡婦控除は、従来は扶養親族のある場合に限って認められてきたわけでありますが、改正案では、扶養親族がなくとも、所得が百五十万円以下ならば寡婦控除を認めるということになっておりますけれども、これも寡婦の場合には、かりに扶養親族がないといたしましても、社会的、経済的な生活の面で、種々の困難を伴っていくということは確かにありますので、その所得は一般的に担税力が低いと見られるわけであります。そこで特別の控除を認めることは適切であろうと考えられます。  所得税の関係は、以上の程度にいたしまして、次に法人税法の問題でございます。そして法人税法の改正点は、同族会社の留保所得の特別課税の控除額を二百万円から三百五十万円に引き上げるという点でございます。この同族会社の留保所得の特別課税の制度は、もともと法人成りした企業と、それから個人企業との間の税負担の公平をはかることを目的としているわけでございます。つまり同族会社においては、少数株主の支配が可能でありますから、その結果として、個人企業の場合との比較における法人所得のいわゆる相対的軽課と呼ばれる現象が可能なわけでありますが、そういう法人所得の相対的軽課を目的として内部留保が行なわれるということが多いわけであります。そこで個人企業と法人企業との間の公平を保つために、この特別課税の制度があるわけでございます。ですから、この制度自体の合理性は十分に認められるわけですが、他方では同族会社は多くの場合中小法人であります。その結果として、第一には大法人との競争関係において不利な立場に立っているという事情であります。  それから第二番目には、中小法人が、あるいは同族会社が所得を配当に回さないで内部留保するという場合には、もちろんその高い個人所得税率の適用を免れ、税負担の軽減をはかるという目的があることも多いことは確かでありますが、他方では、留保された金額は事業の拡大発展の資金として使われるということも確かであります。したがって、留保された所得のうち、税負担の軽減目的なのか、それとも事業の拡大発展という、それ自体正当な目的のために留保されたのかということが問題になるわけでありまして、そこでその留保所得のうち、一定金額は控除して、それを超過する部分についてのみ留保所得の特別課税を行なうということになっているわけでございます。そこでどの程度の控除を行なうかということが問題になるわけでありますが、これは合理的な金額の控除を認める必要があるというのが一般論でございますが、まあ中小法人の基盤の強化、あるいは競争力の強化、そういうような点から見ますと、まあ二百万円の金額に加えて、最近のいろいろな経済の状況の変化などを考えますと、何らかの増額をはかるということはおそらく必要ではないかというふうに思われます。そういう意味で、この制度についても私はこういう増額をはかることは必要なのではないかというふうに考えております。で、問題は、個人企業との間のバランスがどうなるか、あるいはさらに所得税の分野での事業所得と、それから勤労所得との間のバランスがどうなるかというような問題があるわけでありまして、税制におきましては、絶えずそういう考慮も必要であるというふうに思われます。  それから次は、相続税法でございます。相続税法の一番大きな改正点は、夫婦間の財産相続による財産移転の場合に、三千万円までならば相続税がかからないという点と、それからもう一つは、心身障害者控除の新設等でございます。  まず第一の夫婦間の財産移転につきましては、おそらく考え方としては三つの類型があるように思われます。まず第一には、完全な非課税、夫婦間の相続による財産移転については課税をしないという考え方であります。それから第二番目は、二分の一だけ課税して二分の一は非課税にするという考え方であります。それから第三番目は、一定額の非課税であります。上限を設けまして、その範囲内で課税しないという制度でございます。で、この改正案は、一応、第三番目の考え方の類型に従っているというふうに理解できるのではないかと思います。この点、夫婦間の相続による財産移転に際しての相続税の取り扱いをどうするかという問題は、基本的には、巨大な富の集中排除という相続税のそもそもの目的と、それから未亡人の生活保障という要請、この二つの考慮をどのように調和するかということでございます。そして私自身は、この三つの考え方の類型の中では、おそらくは第三番目が適切なのではないかというふうに考えております。  他の二つの類型、たとえば二分の一だけ課税して二分の一は非課税とするという制度、これはアメリカの現行制度でございます。そしてこのアメリカの現行制度は、アメリカにおける特殊な状況を背景として成立したわけでありまして、要するにアメリカでは、フランス、スペイン系、ラテン系の州では、夫婦共有財産制をとっておりますし、アングロサクソン系の州では別産制をとっているものですから、そこで共有財産制の州の住民と、非共有財産制、つまり別産制の州の住民との間の不公平を除去するという特殊の沿革をもって成立したものであります。わが国のように、単一国家で、財産制度が単一の場合には、直ちにその制度は移植できないように思われます。  まず第一に、この考え方のもとでは、相続財産が大きくなればなるほど、非課税の金額も大きくなっていくということになるわけでありまして、おそらくは普通考えられている公平の観点からすると問題があるように思われます。  それから第二番目には、この制度が論拠としている夫の財産の形成に対する妻の貢献を評価する。これもこの制度の論拠としてしばしばいわれることでありますが、その財産の多少にかかわらず、つまりその妻が百万円の財産を夫から相続したか、それとも十億円の財産を相続したかという財産の多少にかかわらず、即座に二分の一が妻の貢献によるものとして非課税という考え方にすぐ結びつけるのは、おそらく問題が残るのではないかというふうに思われます。その意味では、もし二分の一非課税の制度をとりますと、相続税のそもそものねらいである巨大な富の集中排除あるいは再分配という目的にとっては、相当のマイナスに作用するというふうに考えられます。  それから次に、全額控除の考え方でありますが、つまり完全な非課税の考え方でありますが、これは一九六〇年代の中ごろからアメリカで強くなった考え方でございます。一九六九年の財務省の提案の中にもそれが盛り込まれておりますし、それからカナダのカーター・リポートの中にもそういう考え方があらわれているわけでございます。しかし、この考え方は、確かに相続財産の少ない場合には——全額非課税でありますから、相続財産が少ない場合には二分の一非課税に比較しますと、有利に働くことはたしかでございます。しかし、それと同時に、非常に多額の財産を夫から相続した未亡人をも同時に利するということになっているわけでありまして、そういう意味では、やはり公平の観点から問題があるように思われますし、それから巨大な富の集中排除という相続税のねらいからも問題が残っているように思われます。そういう意味では、私は一応上限を限って非課税を認めるという制度が、巨大な富の集中排除という相続税のねらいと、それから妻の生活を保障するというねらいとを調和するものとして適切なのではないかと思われます。ただ、最近における物価の上昇でありますとか、その他の事情からいたしますと、その非課税の限度というのは、かなり多目に設定する必要があるのではないかというふうに考えられます。まあさしあたり三千万円、本年度の改正案で、三千万円ということになっておりますが、この程度ならばおそらく夫に死なれた後に、未亡人が子供を養いながら、ささやかな生活を、ささやかと申しますか、相当程度の生活を維持し、子供を一人前にするということは、いまの経済状態のもとでも可能なのではないかというふうに考えられます。もちろんこの三千万円という金額は、ときどきの物価の水準でありますとか、その他の経済状況に照らして、絶えずそれを合理的な線に近づけるという考慮が必要であるというふうに考えられます。  それからもう一つの改正点である心身障害者のための特別控除でございますが、これも社会政策的な考慮に基づくものとして、おそらく適当なものなのではないかというふうに考えられます。  時間がまいりましたけれども、以上ごく簡単に、今度の改正点に限って、意見を申し上げさしていただいた次第でございます。  以上でございます。

柴田栄自由民主党

○理事(柴田栄君) ありがとうございました。  次に恒松参考人にお願いいたします。

恒松制治学習院大学教授

○参考人(恒松制治君) 学習院大学の恒松でございます。  いま金子先生のほうから今度の三つの税制、税法の改正についてだけ限ってお話がございました。私はむしろ今度の税制改正の背景にある問題として、若干意見を述べてみたいと思います。  いま金子先生からもお話がありましたように、今度の三つの改正は、いずれも社会政策的な意味を持っておるものでございまして、その点では、私は税制改正の方向として妥当なものだと思って、まず、結論として賛成いたしたいと思います。  最近の国家における租税というのは、性格といたしまして、ただ単に財源を調達するということだけではなくて、課税という手段によって、所得の分配を変えるとか、あるいは資源の配分を変えるというような、経済的な効果をねらった課税のほうが、税として非常に重要性を持ってきておるように私には思われます。そういう点から申しますと、税制改正にあたって、私は二つの観点からこれが評価されるべきだと思います。  その第一の観点と申しますのは、納税者の側から見まして、負担が所得に比べて重いか軽いかということでございます。  それから第二番目の問題は、税の負担が異なる種類の所得の間、たとえば農業所得であるとか、あるいは給与所得であるとか、あるいは事業所得といった異なる種類の所得の間、または異なる所得階層、たとえば年額百万円の人と、五百万円の人と一千万円の人、そういう所得階層の間で、公平な負担であるかどうかという点から、税制は評価されなければならないと思います。  第一番目の点でございます負担が重いか軽いかという問題は、これは必ずしも明確な基準を設定することが非常に困難でございます。すべての納税者にとりましては、税負担は軽ければ軽いほど望ましい。軽ければ軽いほどいいということは、現在でも納税者がことごとく望んでいることでございます。しかしながら、負担が軽いか重いかということに対する判断は、必ずしも客観的な合理性を持ち得ない場合が少なくございません。したがって、負担が軽いか重いかということの判断は、しばしば諸外国の負担の率との比較によってなされているのが通常でございます。たとえば、現在日本の租税負担が約一九%強でございますけれども、それがアメリカの国民所得における税負担の割合と比べて低い、それをもって日本の租税負担は軽いというふうに言う場合が、しばしばございますけれども、それはそれぞれの国の経済的なあるいは社会的な条件が異なりますために、それだけで税が軽いか重いかを判断することはできないと思います。きわめて抽象的な言い方をいたしますならば、税負担が重いか軽いかの判断というのは、税を負担することによるところの経済的な効果と、それから税の負担を増すことによって、公共施設の拡充等いろいろな施設が整うことによるところの経済的な効果と、一体いずれが国民経済の安定あるいは成長にとって望ましいかという価値判断によって判断されざるを得ないだろうと思います。しかし、それは納税者の側からの必ずしも判断では十分ではございませんで、政策者の判断に負うところはきわめて大きいと思います。その意味で、最近よくいわれておりますように、高福祉高負担という政策課題は、課税の負担が重いか軽いかということを判断いたします場合の一つの基準になり得ると思います。一般に高福祉高負担という政策課題に対して、かなり批判的な世論が多いわけでございますけれども、私はいろいろな条件を一定にいたしますならば、高い福祉を実現するためには、高い負担がなくてはならないということは、むしろ当然過ぎる論理であろうと思います。もし高福祉ということを、政府の手によって行なわれるところのいろいろな政策の方向の中で、高福祉を実現するといたしますならば、そのために国民が生産物のより多くの部分を政府部門に移す、言いかえれば、租税によって負担するということは、当然のことであろうと思います。そういう意味で、昭和四十六年における年内の減税が行なわれました。また四十七年における地方税の減税、八百億円にのぼります地方税の減税は、そういう意味において景気浮揚という政策目標を持っておりましたし、またさらに大幅な減税によって、消費刺激政策を実施すべきであるという主張もきわめて強いわけでございます。言いかえれば、高福祉高負担ということの一方の極には、できるだけ負担を軽くすることによって、当面の景気対策に貢献すべきである、こういう考え方がかなり強いわけでございます。確かに、減税によって消費需要に対する刺激も小さくはないと私は思いますけれども、必ずしも税の負担を軽くすることだけが、現在の困難な経済問題を解決することにはならないと私は考えております。むしろ現在の景気の沈滞は、需要不足という原因よりは、むしろ日本の経済の構造的な欠陥によるところが少なくないように思われます。たとえば民間資本に比べまして、社会資本あるいは公共資本の水準が、不均衡に低いということは、あるいは社会資本の地域間の配分が必ずしも十分につり合いのとれたものではないとか、あるいは流通市場が不備である、こういうことによって、たとえば物価上昇といった経済の不安定な要素が蓄積されているように私には思われるわけでございます。したがって、このような状態、条件のもとで、減税をすることによって、消費を刺激するということは、かえって消費財の価格の上昇を引き起こしてまいります。しかも、さらに物価が上がるからといって、物価調整減税といったような形で減税が行なわれます場合には、ますます消費者物価の上昇に拍車をかけることにもなりかねないわけであります。したがって、私はむしろ、景気浮揚策としても、減税効果よりは、むしろ公共投資拡大の効果のほうが大きい、こういうふうに考えております。事実、税制調査会で納税者が負担が重いというふうに感じているその理由をアンケート調査をいたしましたところ、その理由として、かなりの方々が行政サービスが不十分である、言いかえれば、これだけ税を負担しているのにもかかわらず、十分な社会資本の整備が行なわれていない、そのために非常に負担感が重いというふうに答えている人が少なくないということによっても、私は了解できるだろうと思っております。したがって、政策の重点は、私は減税よりは、むしろ公共事業の拡大による社会資本の充実に向けるほうが当面の政策課題にかなうのではないであろうか、こういうふうな感じがいたします。高福祉への努力が十分に行なわれるならば、むしろ高負担高福祉という道を私は選択すべきであろうと思います。したがって、減税という政策課題を実行するといたしますならば、それは国民所得に対する税負担率を低下せしめるという問題ではなくて、むしろ先ほど申しました第二番目の観点でありますところの、負担の公平を一体いかにして実現し得るか、そういう形で減税政策を実施すべきであろう、こういうふうに考えております。  先ほども申しましたように、税負担が公平であるか、公平でないかということは、一つは、いろいろ違った種類の所得の間での公平という問題であり、もう一つは、水準が異なる所得の間での負担の公平という問題でございます。この点につきましては、今度の税制改正にはあらわれておりません。先ほども金子先生から申されましたように、社会政策的な、言いかえれば低額所得者の負担の軽減ということが行なわれているだけであって、全般的な負担の不公平に対する改善はまだ十分であるとは言えないと思います。  たとえばよく批判されますように、給与所得と農業所得あるいは事業所得との間にはきわめて大きな負担の不公平があるではないか、こういった指摘もずいぶん多いわけでございますけれども、それについては十分に検討すべきであるという指摘はありましても、それが今度の税制改正の中にはそれほど十分にあらわれていないと思います。もちろん給与所得、農業所得、事業所得の間における負担の不公平という問題は、それがほんとうに負担の不公平であるのか、あるいは所得をつかまえることが十分であるかないかということによるところの負担の不公平もあるわけでございまして、必ずしも簡単に改善することはできない問題であろうとは思いますけれども、こういう点の改善が一そう必要ではなかろうかというふうに思います。  また、同じ給与所得でも水準が異なる所得における負担がはたして公平であるかどうかということもまた、今度の改正の中では十分に反映されていないと思います。  たとえば税制調査会の資料によりますと、所得水準に対する課税最低限の割合を調査会の資料によりますと、独身者の場合には、所得水準の約六二%の水準に課税最低限が設定されております。夫婦子二人の場合には三九%であり、夫婦子三人の場合には三七%である。もちろん独身者と家族持ちとの間で所得水準に対する課税最低限の比率が同じでなければならないということはもちろんございませんけれども、かなり独身者にとって有利ではなかろうかという感じも持っております。  こういうように、所得水準の間で負担がはたして公平であるかどうかということは、もう少し検討し、この税制改正の中に盛り込まれる必要が私はあるような気がいたします。私どもの実感からいたしまして、いささか四十から五十にかけての中堅的な所得階層の負担が相対的に重いのではないかというのは、どうも我田引水に過ぎるかもしれませんけれども、自分の経験から見て少し強調できるような気がするわけでございます。こういう形で、今度の改正が、低所得階層の負担軽減という形で向けられたことは、私はそういう意味でいろいろな問題点はあるといたしましても、高く評価されるべきであろうと考えております。特に先ほども御説明ありましたように、老人、寡婦等に対する配慮、あるいは地方税でありますところの住民税の課税最低限を引き上げることによって、低所得階層の負担を軽くするという措置は、私は非常に重要なあるいは大切な改正であり、また望ましい改正であったと考えております。  このように低所得層の負担の軽減をもっと推し進めることによって、私は税体系全体が、直接税の体系から、むしろ間接税重点の税体系へ移行したほうが、税負担の公平という面から見て望ましいような気がいたします。今回の税制改正は、そうした社会福祉的な基本的な問題を持っておりますと同時に、一方では現在の景気沈滞に対する浮揚策としての税制改正の意味を持っております。それを分けて評価は私はいたしませんでしたけれども、全体として税制改正の方向については私は望ましい改正であったと考えております。  以上でございます。

柴田栄自由民主党

○理事(柴田栄君) ありがとうございました。  次に、福良参考人にお願いいたします。

福良俊之税制調査会会長代理

○参考人(福良俊之君) お二方からもうすでにいろいろと御意見の開陳がございました。私からは特に申し述べることはございませんけれども、税制調査会におきまして各種の論議が行なわれたことは御承知のとおりであります。その論議をとりまとめまして、四十七年度の税制改正に関する答申として内閣に提出しております。本日議題になっております三法律案の改正について考えてみますのに、所得税におきましても、あるいは相続税におきましても、さらに法人税におきましても、今度の改正点、主として税制調査会の答申の重要な部分がすべてそれに盛られておると、そういう意味におきまして、私は税制調査会の一委員としても、今回の改正案に対しまして賛意を表するものでございます。もちろん税制全般につきましては、いろいろの角度から検討しなければならない問題があります。たとえば法人税制等につきましても、期限の到来いたしました付加税だけを単純に延長するのが適当であるかどうか、これらは根本的に今後考えていかなければならない点だと思います。ことに所得税につきましては、先ほど来お話がありましたように、四十六年度におきましては、税制改正が行なわれる、さらに年内の減税も行なわれたと、そういう形におきまして、四十七年度におきましては、個人の所得税につきましては、大幅な改正が行なわれておりません。しかし経済諸情勢等を勘案いたしまして、今後においても所得税についてはなお減税の余地があるかどうか等々につきまして、検討を重ねていかなければならない問題だと思います。  相続税につきましても、どなたも御承知のように、四十一年度以来改正が行なわれていない、そういう形の中での今回の改正であります。したがって、そういう意味では他の税制等と同じように、四十七年度で当面改正すべき点という形で、基本的な部面についてはまだ検討不足の点があろうかと思いますので、これらの点については、今後さらに検討を続けていくということが必要かと思います。  先ほども申し上げましたように、議案になっております三案につきましては、私は賛意を表するものでございます。  簡単でございますけれども、私の公述はこれで終わります。

柴田栄自由民主党

○理事(柴田栄君) ありがとうございました。  それでは、参考人に対する質疑のある方は順次御発言を願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 金子先生にひとつお聞きをしたいんですが、この相続税の場合、特に寡婦の場合に、扶養親族がなくて死別したもの、しかし、現在はかなり生別の人があるわけですから、それはちょっと、公平の立場でいきますと、それは生別したときのいろんな事情はあろうと思いますが、それはそれである、今後の生活の面でいけば、扶養親族がないわけですから、ぼくは生別の場合もあまり変わらないと思うんです。  それからもう一つは、ハイミスの場合です、これもかなり、職業は持っている人がかなりあるとは思うんですけれども、しかし、これもかなりの年齢に達するまで職業は持てるかどうかという状況では必ずしも私はないと思います。これが抜けている点は若干ぼくは考慮をすべきじゃないかと思うんですが、これについての先生のお考えを伺いたいと思います。  それから、三先生にお聞きしたいんですが、法人税の問題です。いろいろお話がありまして、負担の問題がありましたけれども、中小法人を中心とする留保所得、それだけでいいのかどうか。いまの法人というのは、必ずしも所得を全部分けてしまう、大きな法人でも必ずしもそうでもないと思うんです。かなりこれを留保して、それが次への事業の発展ということを大法人もかなりやっているわけです。そういう意味では、ただこういうことだけでいくべきじゃなくて、先ほども福良先生のほうから法人税についても検討すべきものがあると、こういうふうに言われたし、また三先年の間でもそういう点についてはあまりお触れにならなかったわけですけれども、現在の法人税、これは税の種類間の公平の見地から見まして、今日の時期において所得税——高福祉高負担が所得税の場合だけでなくて、もっと法人税の場合もこれは考えなくちゃならぬものじゃないか、そういう意味では、法人税は全体として、いろいろな状況、経済的な環境あるいは経過というものがあるとは思うわけですけれども、法人税というものを、今日の事態の中でこれは引き上げていいんじゃないか、もう少しこれはそういう形で検討をすべきではないかという感じがするわけですが。  恒松先生にお聞きをしたいんですが、所得減税はむしろやるべきでなくて、公共投資にそれを向けるべきである、原則的には私もそういうことだろうと思うんです。しかし、物価は上がる、金利は下がる、しかも景気というものは、たとえば勤労者の生活から見ますと、いままではオーバーワーク、オーバータイムでかなりかせいでいた、しかし、いまはそういうものもそうかせげなくなってきたということになりますと、そういう理想といいますか、時間的なズレというようなものが私はこれはかなりあると思うんですが、それを待てるような政策が片っ方で何か行なわれていくということであれば、これ、先生の意見、私賛成なんですが、そういう方面は全然行なわれていないということですと、いますぐそういう高福祉高負担という形で、減税するより税金もらって公共、社会資本を特別に投資ということになりますと、たいへん一時的に私は混乱を起こしてくるんじゃないか。もう少しそれをきめこまかい、他の社会資本が具体的に上がってくる、行政サービスが具体的によくなっていくという問題とかみ合わされていかないと、なかなかいまの国民は理解できない、ただ税金が重くなるだけだという感じを得てしまうんじゃないだろうか。その辺は具体的に先生として、どういう手続といいますか、順序といいますか、考えるべきであるかというような点についてお伺いしたいと思いますが、とりあえずそういう点についてお伺いしたいと思います。

金子宏東京大学教授

○参考人(金子宏君) ただいまの御質問に簡単にお答え申し上げます。  最初の御質問は、寡婦控除が、寡婦になって、しかし、その扶養親族がない人にも拡大されたけれども、生別の婦人との間に不均衡が残るのではないかという趣旨の御質問かと思います。これは私も確かにその問題重要な問題だと思いまして——実はあまりその論点を従来考えたことがなかったものですから、重要な問題だと思いますけれども、この点、私、何ともいま断定的なお答えは、あまりこの点についてよく詰めて考えたことございませんので、断定的なお答えはできませんけれども、一つの考え方といいますか、政策論議をする場合の基礎資料のようなものといたしましては、生別の場合と、それから死別の場合とで、財産状況にどういうような違いがあるのかというような点でございます。生別の場合ですと、慰謝料とか、それから離婚手当とか、そういうようなものが一般的に現在の実情において支払われているのかどうか、そういうような点を少し実証的に調べてみまして、その上で考えてみる、こういうことになるのではないかと思いまして、その辺の実証的な資料をどうも私、従来この問題あまり考えたことがなかったせいもあって持ち合わせておりませんので、もう少しその辺、何か相違があるのか、それとも実体的に同じなのかという点でございます。こういうような点をもう少し検討してみなければ何とも言えないのではないかという感じがいたします。  それからハイミスの問題でございますが、確かにそういう問題はあると思いまして、これはおそらく勤労婦人の場合に、何か特別の控除を認めるかどうか、こういう一般的な問題になってくるのではないかと思います。つまり家庭のある主婦が働いているという場合ですと、外で働いているために、子供のめんどうのためにいろいろな費用がかかるとか、あるいは家にとどまっていれば、得たであろう余暇を得ることができないとか、そういうような問題がございます。それからハイミスで勤労しているという場合も、おそらく結婚して家庭にいる婦人と比べますと、いろいろな相違がございますので、そういうような勤労——普通いわれていることは、勤労婦人について、勤労所得控除のほかに何か特別の控除を認めるかどうかという問題として論じられておりますが、それにハイミスも含めて勤労婦人についての何らかの手当を考えるかどうかというようなおそらく問題になってくるのではないかというふうに考えております。  それから法人税の問題でございますが、これはお二人の先生のほうに、私ばかりお時間をとってしまうのもどうかと思いますので、お二人の先生に最初にお答えいただくということでよろしゅうございましょうか。

恒松制治学習院大学教授

○参考人(恒松制治君) いまの法人税については、私は留保だけに限るということは、減税の方向としては一番いいのではないかと思います。減税する場合には、税率を引き下げるということと、それから経費、コスト計算を大幅に認めるという二つの方法があると思いますけれども、私はどちらかといえば、留保に限ってやったほうが資本の蓄積の上では効果が大きいような気がいたします。  いまもう一つは、法人税はもう少し引き上げるべきではないかという御意見がございましたけれども、これについては私、何とも実証的なデータを持ち合わせませんのでわかりません。ただ、今度の企業課税の問題としては、税制調査会でもいままでの基本税率が三五%に加えて五%の付加税率がいままで適用されておったわけでございますけれども、これは期限がまいりましても、なおあと二年間だけ五%の付加税率を加えるということで、一応法人税のむしろ引き下げにはならずに、税率を引き上げるといいますか、基本税率よりは五%の付加税率をそれに加えているという点においては若干上がっているのではないか、こういう気がいたします。どこを基準にとって引き上げるか引き下げるかということはちょっと微妙な問題ではございますけれども、私は法人税の引き上げをすべきじゃないかという御意見には、それがどのような効果を持つかという点で若干の不安がございます。と申しますのは、物価上昇に逆にはね返ってくる、転化をしてくるという可能性が強いからでございます。  それからもう一つ、これは私だけに御質問いただいたわけでございますけれども、減税よりは公共投資のほうがいいと私申しましたのは、減税はしなくていいから公共投資を拡充すべきであるということではなくて、いまの経済状態のもとでは、どちらかといえば、減税よりは公共投資に重点を置くべきである。もちろん減税をいたしまして、公共投資の財源がなければ、それは公債を発行することによって公共投資の拡充の道もございますけれども、どちらかといえば、減税よりは公共投資に向けるべきであるというふうに申し上げたわけでございます。それでは減税を若干するという点になりますと、私は先ほども申しましたように、それはたとえば課税最低限を引き上げるというような形で、できるだけ低所得階層の負担部分を減らすという形での減税のほうが望ましいだろう、こういうふうに思っております。

福良俊之税制調査会会長代理

○参考人(福良俊之君) 私に対する御質問は、法人税の税率の問題と、それから大法人と中小法人との問題の二点かと思います。法人税一般につきましては、税制調査会の長期答申の中でも、現在の日本の法人税というのは、欧米の先進国の法人税に比較して、税率から言って決して高いものではないと、したがって、そういう意味から言えば、法人税率については、なお若干の引き上げの余裕があるというふうな感触での長期答申が行なわれております。そして現行の税率三五%に至ります過程を考えてみますと、朝鮮動乱の直後引き上げられましてから、それからは漸次下げられてきておるのが現状かと思います。なおその状況が先進諸国に比較して決して高いものではないという点から考えますと、法人税率については、今後なお検討すべき問題があろうかと思います。ただその場合に、同じく法人と申しましても、御承知のように零細法人それから中小法人、大法人とあるわけでございまして、法人につきましては、実在説、擬制説が今日に至るまで結論を得ていない。しかし、今日いろいろ議論されます資本金十億円以上の大法人、それからそれ以下の五千万円から十億未満の中堅法人と申しますか、さらにそれ以下の零細法人、こういうふうに分類分けいたしますと、東畑税調の会長がしばしば言われておりますように、中小法人に対する軽課税率、軽く課するというようなことでいいのかどうか、同じく法人というけれども、性格がおのずから違っておるのではないか、したがって、大法人あるいは中小法人等については、法人税についても別途に考究しなければならないのではないかと、こういうことをしばしば東畑会長は言っておられます。ことに中小法人の下のほうになりますと、先ほども御指摘のように、法人成りという問題がございまして、個人の所得税あるいは事業税を含めました場合と、一体税負担がどのようになっておるか、それらの点もさらに検討していかなければならないかと思います。そういう意味で法人税率については、現行の法人税率を下げるという考え方は、比較的税調の中では少ないのではなかろうか、それが、たとえば期限が到来したにもかかわらず、先ほどお話がありました五%の臨時的な付加税率、それをさらに期限を延長するという考え方の中にあらわれておるように考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 途中で退席をしましたので、金子先生と恒松先生の御意見は拝聴できなかったのですけれども、ただ後段で恒松先生がおっしゃられましたが、当面の景気の浮揚政策ですね、歳入面、ことに租税政策を適用するということは非常に物価上昇、そういうものを招来するのではないかと、こういう論点であります。かつて四十年の不況期において、政府は景気浮揚の一端として当時自然増収はわずか千百九十億円だったのですが、それをはるかに上回る二千九十億円の所得税減税をやったわけです。これによって当時の不況を景気浮揚対策に持って行こうという政府の方針だったわけです。これをその後、水田大蔵大臣も四十年の貴重な経験を生かして、現在そういうような状態がまた来ておるわけです。もちろん四十年のいわゆる景気状況その浮揚政策、こういうものと条件は今日違うだろうと思う。国債発行あるいは不況の深さといいますか、そういうものの条件というものは違うと思うのですが、われわれの主張としては、やはり年内減税、できれば四十七年度も年内の所得減税をやって、歳入面からのこの景気浮揚政策を少しはかってはどうか、消費購買力を持たしてはどうかと、こういうことを主張しておるのでありますが、いまの先生の御意見ですと、こういう論調にはまっこうから反対というふうな理解をするのでありますが、もう少しその辺詳しく御説明いただけばけっこうだと思います。  それからもう一つは、いつも問題になるのでありますが、基礎控除いわば人的控除ですね、扶養、配偶いろいろございますけれども、現行、四十六年改正をされました十九万円、扶養控除の場合に十三万でありますけれども、こういうことになってかりに四人家族の場合ですね。六十八万円見当の控除をなされているわけですが、いまの生活程度からいけば非常に低いんじゃないか。これはあとで税調のほうにもお伺いしたいと思うのですが、これはもっと引き上げるべきじゃないだろうかというふうに考えるんです。ことに給与所得の源泉徴収部面については非常に問題がある。まあ主税局長等の言をかりれば、現下の控除額というものは、あくまでも生存権といいますか、そういうものを中心に置いてやっておる。しかし、税法のたてまえからいけば、生活費には課税をしないというたてまえですから、あくまでも生活を土台にして、そういうものを基礎的に打ち出されるのが税法上のたてまえではないかと思うのです。まだ、いまの各種の制度はここまでいっておらないというのが実情と思うのです。この方向というものは一体どういう方向にいくのが一番いいのか、もちろん私は前段の、いま大蔵省がとっておる税制の各種控除制度、これを否定をするものではないんですが、段階的に当然現行の制度を拡大発展さして、でき得ればこの原則のほうに持っていく。こういうことが決して相矛盾するものではないですけれども、もっともっと引き上げるべきじゃないだろうか。こういうふうに考えるんですが、その辺の情勢をひとつ伺いたい。  それから、さらにこの物価上昇、各般の経済情勢、生活度合い、こういうものがいろいろ変わってくるんでありますから、それに見合う一つのスライド的なものを考慮してもいいんじゃないだろうか、こういうふうに考えますけれども、その辺の問題についてどういったような……。

恒松制治学習院大学教授

○参考人(恒松制治君) ただいまたいへんむずかしい問題、御質問いただいたわけでございますけれども、いま同じ減税と申しましても、当面の景気浮揚策としての減税と、後段の基礎控除等の水準を引き上げるということによる減税とは、やはりちょっと別個の問題だと思います。私も後段の部分につきましては、お説のとおり、経済が発展し、生活水準が高まっていくに従って、基礎控除あるいは配偶者控除、扶養控除等の水準をやはり漸次引き上げていくのが望ましいと思っております。その点については、私は減税について否定をしているわけではございませんけれども、ただ景気浮揚策としては、私は、私の判断からして、減税か、それとも減税をしないで、その財源を公共投資に向けたほうがいいかという判断になりますと、どちらかといえば、公共投資拡充のほうが景気浮揚策としての効果は大きいんじゃないかと、特に先ほどもちょっと申しましたように、現在物価が非常に上がりつつありますし、そういう非常に不安定な経済の基本的な問題は、私は日本の経済の構造的な欠陥にあると思っております。その構造的な欠陥と申しますものの代表的なものは、やはり民間資本と社会資本とのアンバランスとか、あるいは同じ社会資本でも、それが地域間にきわめてアンバランスな配分のされ方をしているとか、あるいは流通市場が十分ではないとか、こうしたいろいろな公共的な施設の不備によってあらわれているような欠陥が非常に目立つわけでございます。そういう点から申しますならば、そういう構造を改善することによって、むしろ経済の安定をはかるほうが実は望ましいのではなかろうかと、こういうふうに思ったわけでございます。これは先ほど竹田先生からもお話になったわけでございますけれども、それじゃはたしてそういう公共投資を拡充することによって、そういう構造的な欠陥が直ちに除かれるのかと、こういうふうな御質問もあったわけでございますけれども、それはどうも私が行政をやっているわけではないんで、保証の限りではございませんけれども、方向としてはそういう方向をたどったほうが日本経済の安定のために望ましいというふうに思っているわけです。ただ、いまの経済成長率が五、六%ぐらいに落ちるということ自体は、私はそれほど日本経済にとって致命的なことだとは思いませんし、もう少し経済成長率をゆっくりさせて、そしてそういう国民経済が持っておりますところの構造的な欠陥を除いていく努力を、もう少し積み重ねていくべきではなかろうか、こういうふうに思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 福良先生に若干質問をするんですが、四十七年度法人税改正、その中での税調の答申内容があるわけですね。先ほどの竹田委員に対する御回答の中では、まだ諸外国等とも比較をして、法人税については、もっと法人に税を多くする余裕はあると、こういうお話の趣だったと思うんですが、この税調の答申を見ますると、こういうことをいわれているんです。税制調査会の長期答申ですが、企業の税負担は、少なくとも現状を維持すべきものとしている。こうした観点から、付加税率はさらに二年間延長されたものである。いわゆる基本三五%に五%の上積みですね、四〇%これを維持すべきだ。これを土台にして、さらにまだ引き上げの余裕はあると、こういうのでありますから、どうしてもやはり今後私は再検討して、もう少し法人税率全体を検討すると同時に、引き上げていくべきだというふうに考える。主税局長等も、過般の審議の中でも、現下のこの六段階制というものはやはり検討せざるを得ない。そういう意味で大蔵大臣等も、今後やはり引き上げるということで検討をする。こういう答弁なんですが、税調として、法人税率に対してどういうふうに一体お考えですか。まあ税調というよりも、福良先生個人としてどういうふうに考えるか、その辺が第一点。  それから問題になりますのは、いまだに税調でも、たとえば基礎控除は十八万から十九万、一万円引き上げる、あるいは扶養、配偶ともに一万円引き上げる。この一万円の積算基礎というものは何ら示されておらない。ですから、国会に来ましていろいろ審議をやって、この一万円というものはどういう一体積算基礎によってそういうふうに引き上げたのか。物価の上昇を見たのか、あるいは生活財控除を見たのか、各般のいろいろ考える要素というものがあるわけなんです。そういうものが不明快なままに審議が終わっている。ですから、この計数の審議について同じ土俵に入れないんですね。だから、私はこういうものに対する引き上げの積算基礎というものを明確にすべきじゃないだろうか、こういうふうに考えるんですけれども、その点が第二点。  それから第三点は、必要経費のいわば中身、考え方ですね。現行、一番問題になりますのは、医師の場合の七二%、国税庁でいろいろ調査をしましたら、詳細発表はされておりません。これは詳細どころじゃない、発表されていないんですけれども、やや承るところによると、五〇%程度ではないかと、こういう……。私は持論としては、お医者さん七二%いいじゃないか、そのかわり、給与所得、源泉徴収分をもっと上げなさい、こういう論理なんですけれども、まあいずれにしても、世論としては高いということがいわれる。あるいは保険外務員のような場合は、四四%程度のいわば控除率になっておる。その他職種によっていろいろ違うと思いますね。栄養の吸収度合いも、夜間で、一昼夜で働いているような人たちは多く食をとるというようなことになる。そういったことでいろいろ違うと思う。広範ですから非常にむずかしいけれども、やっぱり一定の原則をこの辺で私は確立すべきじゃないかという考えを持つんですけれども、そういう点に対する考え方と今後の見通しですね、こういう見解をひとつお聞かせ願いたい。  それからやはりいま世論上いろいろいわれているんですが、税負担の最大不公平を招来しているのは、何といっても租税特別措置だと、こういわれる。一、二の例をあげますと、広告宣伝課税、こういうものは大体四十七年度おおむね一兆円をこすといわれているんですね。こういうものに対する適正課税をもう少しやるべきじゃないか、ことに経済が大きくなって財政需要が拡大をしていく、こういう中における税収の占める割合というものは非常に大きいんでありますから、当然総合的にそういう点も検討されるべきだと思う。これは交際費等含めまして同様のことが言えると思う。また同じように源泉分離課税ですね、不労所得に対する配当あるいは利子、こういうものに対してもあわせてやはり抜本的な検討策をやるべきじゃないかという気がするのですけれども、この辺に対する問題をひとつ第三点としてお聞かせ願いたい。  それからもう一つは、最近の家計調査でも非常に上昇しているのですけれども、教育費、こういうものは控除の対象項目の拡大という意味合いにおいて検討されるべきじゃないだろうか、こう思うのですけれども、その辺はどういう考えか。  それからもう一つは、退職所得、退職して恩給年金で生活している人はそれが唯一の生活保障態様になっているのです、現行で。しかし、長年これらの問題については非常にいままで努力をして、若干の率アップがやられてまいっておることは事実であります。これは認めますけれども、やはりもう少し基本的に検討すべきじゃないだろうか。当面われわれの考えとしては、物価上昇ぐらいのスライド制をとってはどうかと、しかし大蔵省に言わせると、それはもっと所得の高揚だ、それでこの年金総体が上がっていくというようなことも言われるのですが、しかし、なかなか基本的にそういう抜本改正というとむずかしいような状況でございます。当面の暫定措置として物価スライド制という、この程度の採用はいかがなものか。  以上四点でありますが、福良先生の御見解をひとつお聞かせいただきたいと思います。

福良俊之税制調査会会長代理

○参考人(福良俊之君) お答えいたします。  法人税率の問題が第一点かと思います。先ほど五%の付加税率を加えて四〇%とおっしゃいましたけれども、これは三五%の五%ですから、そうでないということでございまして、先ほど私が申し上げましたように、法人税率については現行の法人税率が高いのか低いのか、よそと比べてどうなのか、実効税率がどうなのか、さらに法人税というけれども、一体その適用されるのが中小法人と大法人という形の二分類でいいのかどうか、こういう大きな問題が残されております。したがって、今後において法人税率を上げる方向にいくのか、あるいは下げる方向にいくのか等につきましては、なお検討を要する点が多々あると思います。ただ、いままでの考え方とすれば、五%の付加税率について、二年の期限が到来したからといって、それを廃止すべきではない、なお二ヵ年間延長すべきだということにきまりました点から考えますと、法人税率一般について、なお今後引き下げる方向で検討するというよりは、若干そこに余裕を持って、場合によれば法人税率の引き上げという余地も残されておるというふうに考えておるわけでございます。  第二の問題は、基礎控除あるいは扶養控除、配偶者控除等につきまして、たとえば一万円というような控除の引き上げが行なわれる、その積算の基礎が明らかにされていないではないか、まさにおっしゃるとおりであります。はたして積算の基礎をどこに求めるかというのはなかなかむずかしい問題だと思いますけれども、基礎控除、配偶者控除等につきましては、いままでの税制改正のときには大体控除額の引き上げの幅は同じに見ております。基礎控除につきましてはいろいろの議論がなされておりますが、先ほど来お話のように、基本的な所得に税が食い込むというようなことがないようにとか、あるいは必要経費というようなものの控除がなかなか認めにくい。そこである段階までは、基礎控除という形で見ていかなければならないであろうというふうなこと等がありまして、積算の基礎は必ずしも明らかにされていない。しかし、基礎控除を一万円引き上げるということは、減税総額としては幾らだという計算はすぐ成り立つわけであります。したがいまして、所得税減税をいたします場合には、減税総額というものがおよそどの程度のものが可能であろうか、その配分をどういうふうにするのがよろしかろうかというような、両面から決定されておるのが実情かと思います。むしろこの基礎控除の引き上げの積算の基礎等については、事務方から詳しくお聞きくだすったほうがあるいは適切であるかと思いますが、この程度以上には私からはお答えすることがむずかしいかと思います。  さらに、必要経費の問題についてお触れになったわけですが、社会保険医療報酬のこれから審査が始まるという段階でございまして、私は特別委員長を仰せつかっておるわけでありますが、今後どのように検討していくのが正しいのか。お医者さんといいましても、技術的にもいろいろ違っておりますし、外科と内科その他だんだんと医師の内容が分類されてきたら、当然そこで考えられる必要経費というものも違ってこようかと思うのであります。御指摘のように、一応の基準というものが設けられるのかどうか、そういうことが非常に重要な問題になろうかと思います。ただ一般的には、こういった基準というものが公表されていないのがいままでの状況でございます。どういう業種については、必要経費の基準をどこまで認めるとかというようなことは、部内ではきめられておるかもしれませんけれども、部外には発表されていないというのがいままでの状況かと思います。しかし、税の公平な負担という意味からいって、これから税務当局がそういうものを一般的に公表するのかどうか。業種別にそういう基準というものを設けるのかどうか。それらの点は私どもにはまだはっきりしておりません。しかし、今度の社会保険医療報酬の特別委員会等におきましては、やはりそういう論議が行なわれることを予想しております。  それからその次の問題として、租税特別措置法、これは税負担の公平の原則を破るものではないか。したがって、そういう意味では絶えず検討がなさるべきではないか。まさにおっしゃるとおりでありまして、税調といたしましては、できるだけ期限のきた場合には、当然その期限と同時に、もう一度特別措置の功罪について検討する。そしてもう必要のないものは、これは期限到来と同時に廃止する。さらに新しく産業、社会情勢等に応じて特別措置を設けなければならないときにも、著しく負担の公平を害するようなことのないように、しかも、その財源は、できる限り他の特別措置を廃止した面から捻出すべきであるという基本原則を立てております。そういう意味では、特別措置は漸次改廃される方向に向かっておるかと思います。ただその中で、御指摘の預貯金の利子あるいは株式の配当等についての源泉選択の制度、この点につきましては、御承知でございましょうけれども、すでに前年全体として総合課税の原則に持っていくということをきめまして、そして毎年の源泉選択の税率というものを引き上げる方向で、経過措置まで全部きめられておるのが実情でございます。したがって、今日の段階で、すでにきめられておる最終年度にきていない段階で、もう一段これを急速に検討しなければならないかどうか、まあその緊急性、緊要性等についてはあらためて検討しなければならないかと思います。実情はそういうふうになっておるということでございます。  それから、教育費を必要経費として認めるかどうかということでございます。この点につきましては、税調の中におきましても、教育費について必要経費として認めたらどうかという議論も何回か出たことがございます。しかし、教育費と申しましても、義務教育費は別といたしまして、それ以上の高等諸学校あるいは大学等につきまして、一体大学に子供を通わせるということが、義務なのであろうかどうなのであろうか。家計費の中からそれぞれ子弟に高等教育を授けたいという形で、かなりの無理をして教育費を捻出している向きと、家計に非常な余裕があって大学等に子弟を通わせておるところとある、その場合に、同じように必要経費だからといってそれを控除することが、はたして税負担の上から言って公平なのだろうか。さらに国立と私立の場合に、著しく教育費というものが違ってくる、それらの点についてどう考えるのかと、いろいろ甲論乙駁がございました。必要経費を全面的に認めるということについてはかなり問題があろう、その中で教育費等については、今後の検討課題ではあるかもしれないけれども、直ちにこれを必要経費として認めることについてはいかがであろうかということで、今日まで実現を見ていないのが実情でございます。  最後に、退職所得についての御議論がございました。退職所得につきましては前年大幅の改正をいたしました。しかし、その後の情勢等を勘案いたしまして、退職所得についてももう一度考えてみたらどうであろうかと、こういう議論が税調の中にあることも事実でございます。しかし、実態調査を伴いませんと、直ちに退職所得の額を拡大するということにも問題があろうかと思います。現行の五百万円というところまで一体中小企業等々の場合に、永年勤続であってもそこまでいっておるであろうかというと、実態はどうもそこまでいっていない部面もかなりあるのではないか。もちろん、賃金の上昇の割合、あるいは物価の上昇の割合等々を考慮いたしまして、退職所得につきましても、今後検討しなければならないということは否定できないと思います。現在の状況では、むしろ退職所得の問題よりも、目の前の一般的な個人所得税についてどうするかということに重点が置かれておるのが実情かと……。お答えになるかどうかわかりませんが、現段階では。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 もう若干で終わりますけれども、恒松先生に、さっきちょっと後段で、今後の税収のウエートは直間の比率でいった場合に、間接税でいくべきじゃないかということを述べられた。もしそうだとすれば、ウエートの中心を新しい税制導入でいくのか、あるいは現行存在する物品税その他の総点検でいくのか、そういう内容はいろいろあるかと思います。その辺のお考えはどういうお考えを持っておられますか、ひとつお伺いをしたい。  それから金子先生に、現行所得税が非常に重いという、重税負担感が、たいへん国民から非常に世論となっていま出てきておるんですが、私は基本的には、やっぱり先ほど触れた、一つは人的構造、こういうものの低さ、それからもう一つは、やはり税率に問題があるんじゃないかと思う。現行の、これは昨年の補正の際にも税率緩和で一応やったわけですけれども、これは非常に部課長以上の税率緩和で、いわば上厚下薄といいますか、そういうことで行なわれて、この税率自体に問題があるんではないかというふうに指摘をしたところなんですけれども、そういう税率について一体金子先生はどういうふうにお考えになられておるのか、この点が一つであります。  それから、四十七年度の税制改正要点全部ながめてみますと、大体貸倒引当金の改正で若干の増収、あるいは通貨調整、これに伴う措置等々、いまの法人税に対してだいぶ貸倒準備金とか減価償却、そういった各般の問題、計算上、税制上たいへんな優遇措置をとっているんですね、大企業に対しては。さらに税制面ばかりじゃなくて、金融面でもそうです。たいへんな大企業に対しては優遇措置をとっている。もう少し私は金融税制の総体、たとえば年間の、租税特別法で五千億近い各般の減税措置を税制面からも恩恵を与えているということであれば、中小企業以下のことに零細企業、そういったものが多く存在をするわけですが、そういうものに一定のワクづけをして、そうして税制の優遇措置を下のほうにいくような、制度上の確定が行なわれていいのではないだろうか、こういうように考えるんですが、いまの法人税は、そういう面からいくと、大企業に税面ばかりでなくて、各般の問題で至れり尽くせりの優遇措置をとられているんです。だからそういうものを、もう少し改善するとともに、中小零細企業、こういうものにもっと引き当てをやっていくべきじゃないかと思うんですが、その辺の法人関係に対する中小零細企業の対策等について先生のお考えあったらお聞かせを願いたい。

恒松制治学習院大学教授

○参考人(恒松制治君) 先ほど私、税の体系として直接税から間接税中心に移行したほうがいいんだというふうに申し上げました。それは私は、間接税という場合には、いまの物品税ではなくて、一般消費税という形の間接税のほうが望ましいと思っております。それは、これもいろいろ税制調査会で御議論になったところを勉強させていただきましたことによりますと、やはり現在、たとえばぜいたく品とかあるいは必需品とかというふうな区別がだんだん私どもの消費生活の中でつきにくくなってきておりますので、いまのような物品税の体系がはたしていいかどうかということは非常に問題だと思います。そういう意味で、一般消費税のほうが私はよりベターであるというふうに思っております。しかし、その一般消費税を適用いたします場合には、できるだけ低所得階層の負担がない、非常に軽くなるような措置をとっておいてからでないと、間接税というのはもともと逆進的な税でございますので、その逆進性が非常に強くなる可能性があります。したがって、低所得階層の税負担を非常に軽くするような形で、直接税の構造を変えておきまして、その上で一般消費税を導入しないと混乱は免れないだろうと思っております。したがって、私が申します間接税体系というのは、言いかえれば、そうした直接税の中身もいまよりは非常に変わった形になって初めて実行できるものだとは思いますけれども、税体系そのものとしては、私は一般消費税のような間接税に比重を置いた税体系のほうがどうも望ましいのではなかろうか、こういうふうに私自身は考えております。

金子宏東京大学教授

○参考人(金子宏君) ただいまの二つの御質問に簡単に答えさせていただきます。  まず、所得税の税率でございますが、これは累進税率、これは近代所得税の公理のようなものでございますけれども、その税率構造がどうあるべきか、あるいはブラッケットの刻み方でございます、そういうものは絶えずおそらくそのときどきの生活状況なり、経済の状況なりあるいは物価の上昇なりに合わせて絶えず実態に合うように見直していくという努力が必要であるということ、これはおそらくおっしゃるとおりであろうと思われます。そして最近の、昨年度の税率の改正、これが上厚下薄と申しますか、そうなっているのではないかという御指摘でございますが、これはおそらく部課長クラスと申しますと、職業上でも、それから家族の関係でもいろいろ負担が非常にふえてきているちょうど社会層でございますので、その人々の税負担を軽減しようという趣旨で、おそらく昨年の税率表の見直しが行なわれたのではないかと思いまして、それはそれ自体として私は適切な措置だったのではないかと思います。同時にやはり、低所得層の税負担の軽減をどうしていくかということも重大な問題でございまして、これはやはり絶えず物価の上昇なり、その他の、それから生活水準が上がりますと、何が生活必需であるかということの社会通念も徐々に変わっていくと思いますので、そういうような点を考慮に入れて定期的に見直しをする。そして引き上げを行なう、こういうようなことが必要であるということ、これもおそらく皆さんおっしゃるとおりなのではないかというふうに考えております。  それから第二番目の貸倒引当金等々の問題でございますが、これはたしか銀行の場合の貸倒引当金の引き当て率を低くするということが税調の答申に出ていたわけでございますが、そういう問題をも含めて、いろいろな特別措置が法人の場合にあると、そして中小企業はあまりその恩恵に実際問題としては浴し得ないという実情についての御指摘があったわけでございます。そしてこれは、租税の中立性というような観点からいたしますと、やはり特別措置には一般論としてはいろいろな問題があるかと思われます。そしてこれは公平負担と、それから経済発展という二つの要請をどういうふうに調和させるかという問題であろうかと思われるわけでありまして、おそらく租税政策の一番基本的な問題にかかわってくるかと思われます。この点は先ほど福良先生がおっしゃいましたように、特別措置についてはその目的がはたして合理的なものであるかどうか、それからそういう目的を達成するために、当該の特別措置が、実効性と申しますか、ほんとうに効果があるものであるかどうかというようなことを、絶えず顕彰をするということが必要であろうと思われます。それから中小企業の、大法人に対する関係での中小法人の基盤の強化、あるいは保護、育成、そういうものが必要だということもおそらくおっしゃるとおりでございまして、これは今度の改正案の留保所得の特別課税の限度を引き上げるというようなことも、その一つのねらいとしてはそこにあったというふうに思われるわけでございますけれども、その場合に、今度は個人所得税との関係がどうなるのかという問題があるわけでございまして、中小企業の法人につきましては、法人成りした企業、実体は個人企業と変わらないような企業があるわけでございますけれども、そういう中小法人と個人企業との税負担のバランスの問題、それからそういう個人企業と、今度は勤労所得者との間の税負担のバランスというような問題もありまして、そういう点に絶えず考慮を払う必要があるかと思われます。  それから法人税そのものにつきましては、実は法人税の性格についていろいろな議論がございまして、たいへんむずかしいところでございまして、要するに二つの点についてむずかしい点があると思われます。一つは、法人税が転嫁するのかどうか、つまり物価に含められて物価上昇を誘うのかどうか、そういう転嫁の点についてはっきりしたことがわかっていないという問題が一つございます。最近の調査ですと転嫁するんだという議論がかなり強いように思われますけれども、その辺について転嫁するのかしないのか。するとしてどの程度するのかという点についてのはっきりしたことがわからないということ。それから法人の中には、先ほどからの御議論の中にもございましたが、所有と経営がはっきりと分離したような大法人から、実体は個人企業と変わらない、したがって、ごく少数の株主が支配している企業に至るまで、いろいろな段階がございます。そういう二つの問題がございますものですから、法人税をどういうふうに考えていくのかということは、理論的にも非常にむずかしいと思いますし、したがって、その政策論議も非常にむずかしくなる、意見も分かれるということではないかと思いますが、この辺のところは、おそらく将来税制調査会でいろいろと議論をされていくところなのではないかというふうに考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 金子参考人に一つだけお伺いしたいのですが、それと福良参考人にお願いしたいのですが、例の妻の座の問題であります。今回の相続税の問題で、三千万円というふうになってまいりました。しかし、奥さんの、はっきり言えば貢献度というのが、その御主人と一緒の場合、前からの相続した財産でない場合は、その貢献度というものが、少なくも半分、フィフティー・フィフティーにあるんじゃないか、こういうことが言えるわけです。そうすると、現在の民法の上からいえば、結婚届けをすれば、どうしても共有財産になってまいりますので、そうしますと、相続三千万といっても、実際の千五百万まではもともと無税のものではないか。あとの千五百万のほうが、これが広がっていくということはわかると。そういうような、いわゆる貢献度というものも考えるべきだと、こういう意見というのがかなり強くなってきているわけであります。私どももそういう点はそのとおり守らなくてはならないというふうに思うのですがこういう点についての御意見をひとつ伺いたいと思っておりますので、またこれは税調ではどういうふうな審議の状態でございましたか、その点も伺いたいと思います。  それから恒松参考人に、預貯金の問題でなくて、郵便貯金の問題が、税法でもちゃんと、第九条でございましたか、これは所得とみなさない、課税対象にならない所得ということになっているわけです。この辺が、今度のいろいろな問題で、私どもどうも納得のいかない点が出てきております。利子そのほかの面でもかなりの優遇をされて、しかも課税対象所得にならない。この辺はこれは何か考えるべきときがきているんじゃないかと思うのですが、その辺の御意見を伺えればと思います。

金子宏東京大学教授

○参考人(金子宏君) 妻の貢献度の問題でございますが、これは実は、先ほど簡単に申し上げようかと思っておりましたのですが、時間が超過いたしましたために省略させていただいたのでございますが、妻の貢献度の問題というのは、これはおそらく無視できない問題であろうと思われます。今度の相続税法の分野での改正案でも、十年の婚姻期間を一年こえるごとに百万円ずつふえていく、ということがございますが、これはやはり一つには、貢献度を考慮しているのではないかというふうに私には思われます。そうしてその場合に、貢献度をどういうふうに考えるかという問題でございますが、二分の一はもともと妻のものなのではないか。したがって、二分の一は非課税にするという制度、現在のアメリカの制度がそうでございますけれども、これはアメリカではいろいろな議論がございまして、たとえば妻が十万ドル夫から相続した場合には五万ドル非課税になる。百万ドル相続した場合には五十万ドル非課税になる。それは、共有財産的な考え方をとればそういうふうになるわけでございますけれども、はたしてそれが、相続財産がばく大になればなるほど、同時に非課税の部分もばく大になっていくということが、公平の観念に照らして適当であるかどうかというところは、大いに議論のあるところでございまして、先ほど申しました、一九六〇年代の中ごろからの、それならばいっそ妻と夫との間では全額非課税にしたらどうかというのは、どうやら、相続財産の少ない階層を考慮に置いて、そしてその人々には全額非課税という恩典を与えてもいいのではないかというところにあったようでございまして、妻の貢献度を評価するとしても、相続財産の多寡にかかわらず、二分の一は妻の貢献によるものであるというふうに考えることには、公平の観点から租税政策というものを見た場合にはやや問題があるのではないかというのが、どうもアメリカなどにおける議論のようでございます。

恒松制治学習院大学教授

○参考人(恒松制治君) ただいま郵便貯金の利子については課税対象にならないということについての御質問でございましたけれども、私、その点はよくわかりません。よくわかりませんけれども、考えられるところの理由は、一つは、郵便貯金というのは比較的零細な貯金であると、したがって、その利子についても零細であるから、そこまで何も課税する必要はないじゃないかということが一つ。  それからもう一つは、御承知のように、郵便貯金は財政投融資の資金源として活用されますもので、一般的な公共的な利用に活用されるという点で、そこまで利子をかける必要はないんじゃないかという、いわば郵便貯金の利用方向に基づいたところの理由があるのではないかと思います。  理論的には、もちろん利子所得でございますから、当然課税対象になっていいとは思いますけれども、おそらくそこには、理論的というよりは、むしろ政策的な配慮のほうがより多く働いているんだと思います。その点では、まあ何とも判断のしようがないんですけれども、そういう零細な預貯金の利子まで課税対象にする必要はないじゃないかというふうに思います。

福良俊之税制調査会会長代理

○参考人(福良俊之君) お答えいたします。  妻の座の問題については、二つの問題があろうかと思います。  いま御指摘になっておるのは、主として相続税についての問題かと思いますが、相続税の変遷を見てまいりますと、ある段階までは、妻が二分の一相続するということでございます。それが三分の一に改められ、今度は、その三分の一の中で、たとえば婚姻年数等に応じて非課税の限度を引き上げると。そういう変遷をたどっておるかと思います。しかし、最近の情勢といたしましては、死別した妻が、夫と別れた後においても、ある程度の生活が維持できるように、相続財産について課税をしないと。もちろんその財産形成の上に妻が内助の功があったということを十分認めての措置かと思います。  もう一つの問題は、妻の座の優遇ということで、二分二乗方式というようなものが提起されております。これらにつきましては、税調の中におきましても、一応の論議はいたしました。しかし、二分二乗というのが、はたして、一般に理解されているように、妻の座の優遇ということになるのかどうか。場合によれば、高額所得を受けておる夫と、それから少額所得を受ける妻とを合わせることによって、所得税は御承知のように累進構造になっております、その場合の累進税率の適用を排除するためにそういう措置を講ずるということであるならば、決して負担の公平ということにはならないし、妻の座の優遇ということにもならないのではないか。各国の例を見ましても、御承知のように、二分二乗の方式をとるところにおきまして、税率につきまして別個の税率を考えておるところ等もあるというのが実態かと思います。  さらに今度は、妻の座の優遇という形で、現行の税率をそのままにいたしまして二分二乗方式をとったときに、はたして独身者との均衡関係はどうなるのかというような問題等がございます。  そういう意味で、妻の座の優遇の問題につきまして、税調の中におきまして今日まで若干の論議が行なわれておる。しかし最終的な結論は得られないのが現状である。そして、相続税について今回改正をお願いするような答申をしたと。この点につきましては、先ほども申し上げましたように、四十一年度以降改正が行なわれていない。諸般の情勢を見るのに、土地価格等々物価の上昇等も勘案して、三千万円程度まで妻の相続について非課税とすることが適当であろうと、そういうことで答申をいたした次第でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 一、二点お伺いしたいと思いますが、金子参考人にまずお伺いをいたします。  所得税のところで、考え方は担税力に即した課税なんだというところから、総合累進という考え方と、一定金額の除外という二つをお示しになりました。この一定金額の除外のところで、考え方は最低生活を維持していくこと、これはそのとおりでわかるんですけれども、しかし、そこで問題にしたいのは、租税政策の限界ということについてどんなお考えをお持ちかということなんです。  控除ということをきめましても、所得がなければ何の役にも立たない。しかも、所得が低い層に対して物価調整減税をしてみても、効果は及ばないし、また恒松参考人の御意見のように、将来間接税の比率が高まっていくということになりますと、いわゆる逆進性がそこにもろに当たってしまう。そうなりますと、いろんな社会政策的な面を租税政策に織り込む必要性は私は否定はいたしませんけれども、おのずから限界があるんだということも、やはり承知はしておかなければいけない。  ところが一方では、産業政策的に税が使われる場合には、これは租税特別措置法の場合でもそうですけれども、比較的効果と直結して使われる可能性がある。ですから、いまの税というのは、本来社会政策的な面では限界がある。産業政策的な面ではあまりにも活用されてきたという点がいなめないと思うんです。  その意味で、租税政策の限界ということを考えると、いろんな社会政策的な面あるいは産業政策的な要請というものがあったとしても、税そのものは基本的には中立的であるべきだ、それを理解しながら臨んでいくべきだと私には思えるんですけれども、その点いかがかということ。  それからもう一点、いま話題に出ておりました相続税の問題なんですけれども、金子先生のほうから、三つの考え方があるということでございました。一つは、全部非課税。二つは、二分の一。三つは、一定額を限度とした控除。これは、三つ実は性格が違うように思う。一と二というのは、相続というものの性格に照らした、いわば考え方の問題だと思う。三というのは、そこに富の集中を排除するという社会政策的な要請が入る、その限度が三千万なんだ。金子先生は、三千万あればささやかにというふうに一ぺんおっしゃって、いや相当のと言われました。これはことばじりとらえて言う意味ではなくて、きめようがない金額だと、本来は。きめようがない金額を無理にしてきめたほうがよいのか、相続という事柄の性格に照らして、全部非課税か、二分の一かという考え方で割り切ってしまって、あとの富の再分配ということは累進的な税率で考える、あるいは次の世代に相続財産が渡ったときで考える。実は、本来そういう基本法的な取り扱いがここでは必要なんではないかという気が実はいたします。その意味で、二分の一も当然それなりの歴史的な根拠があり、全額もまた主張性がある。そこにある限度を設けてということは、相続という中にあんまり入れてはいけないんじゃないか、きめようがないわけですから、むしろそれは累進的な課税なり、次の世代に財産が渡ったときに考えればいいんじゃないかという気がいたします。  関連してお伺いしたいのは、とはいうものの、相続というのは財産権の継承がすべてではなくて、その他もろもろのからまったものが承継されてくる。そのときに事業用財産に対する相続の取り扱いの特例というのは、やはり考えていくべきではないんだろうかと思いますので、以上の点金子参考人にお伺いしたいと思います。  あと恒松参考人にお伺いしたいのは、高負担である、それは公共投資に向けたらどうかというお話がございました。発想として反対はいたしません。ただし、現状に照らして考えますと、実は昨今の深刻な土地問題を想定しますと、高負担して公共投資ということは、事実上はきわめて困難な問題になる。そのときに、土地問題の解決に税制が活用できるかというと、私見ですが、不可能だとしか思えない。そこで高負担高福祉という考え方に立って、しかも、徴収した税を効果的に使うということであれば、むしろ公共投資という面ではなくて、社会保障の充実ということに直結させたほうが、本来税の性格になじむのではないか、何もここで公共投資と公債論ということを申し上げるつもりはありません。その意味で御見解を伺いたいと思います。  最後に、福良参考人にお伺いしたいのは、今回の改正点は、税制調査会の意見が盛られているので御満足であるというお話がございました。たいへんこれは失礼に聞こえるかもしれませんけれども、それは、よほどいまの政府が進歩的なのか、よほどいまの税調が立ちおくれているのか、どちらかとしか聞こえないような気がいたします。  そこで、実はお伺いしたいのは、将来付加価値税を含めて間接税の比重増大がいくかどうか、これはいまなお検討課題だと思います。ただ、そういう問題に取り組むために、いやでも解決をしなければいけないのは税負担の公平ということだと思います。その意味で、現在税調が御答申になっているテンポというものが、将来の要請を踏まえて適切なテンポであるのか、あるいは実はもっと早く進みたいのだけれども、いろいろな問題があって、当面はここまでだと御判断になっているのか、その点をお伺いいたしたいと思います。

金子宏東京大学教授

○参考人(金子宏君) まず第一の社会政策的控除をするのには、税制としては、やはり限界があるのではないかという御指摘でございますが、これはおっしゃるとおりであると私も思っております。もともと所得のない人については、こういう控除の恩恵は及んでこないわけでございますので、そういう場合には、支出面でいろいろな給付をしていく以外にはないわけでございますので、その点はおっしゃるとおりだと思います。この点では負の所得税というような議論が、最近かなり諸外国でも盛んになっておりますし、わが国でも最近だんだん紹介されてきておりますけれども、考え方としては負の所得税を制度化するためには、前提として解決しなければならないいろいろな問題もございますし、それからそれを実行する場合には、各人の所得を正確に把握するというようなことも必要になってまいります。つまり、基礎控除以下の人の所得についても正確に把握するというような必要が出てまいりますので、いろいろむずかしい問題がありますけれども、いずれにしても、社会政策的控除というのは、税制において考える場合においては、当然税制からくる限界がある、これはおそらくおっしゃるとおりだと思います。  それから相続税の問題でございまして、私最初ささやかなと言い、それから相当なと申しましたけれども、これはおそらく都会で住む場合といなかで住む場合、あるいは地方で住む場合とで、いろいろ違いがあるのではないかという感じがしたものですから、両方のことばをあわせて使ったわけでございます。それでこの三つの考え方があって、二つは相続そのものの性質に関連したものであって、一番目と二番目。第三番目というのは性格が違うのではないかという御議論がございましたけれども、議論の過程では確かにお考え方の上では違った基礎に基づいて出てきているということは確かでございます。ただ、そういう面もございますけれども、やはり相続税の政策を考える場合には、私はこの三つを考え方の類型としてとらえて、どれが適当であるかというふうな発想をしてもよろしいのではないかというふうに考えているわけでございます。それから相続の本質に照らして、二分の一は非課税というふうにむしろしてしまうのがよろしいのではないかという御指摘だと思いますが、そしてあとは税率の問題で解決するという御指摘だったと思います。この点につきましては、半分を非課税にしてしまうということにいたしますと、相続税の累進構造が、これがずっとカーブがゆるやかになってしまいまして、したがって、カーブを維持するためには、逆に今度は非常に税率自体を上げなければいけないというような事情になってまいります。私は、現在の平均的、常識的な線といたしましては、そういう税率を思い切って上げるというのよりは、現在の税率の中でどうやったら累進構造を維持できるかというふうな考え方のほうが、政策につながりがあると申しますか、コンティニュイティという点から見て、おそらく妥当なのではないかというふうに考えたわけでございます。  それから三千万円というのはきめ手がないのじゃないかというお話ですが、これはほんとうに数字というのは、これでなければならないという数字は、政策問題の場合には、決定的これでなければいけないという数字はないんじゃないかというふうに私も思っておりまして、たとえば二千五百万円ではいけなくて、三千万円でなければいけない、あるいは三千五百万円でなければいけなくて、三千万円ではいけないというきめ手はどうもないように思いまして、この点は平均的、常識的な線で一応合理的な線を考えていくという以外にはどうもきめ手がないのではないかというふうに考えております。  以上でよろしゅうございましょうか。

恒松制治学習院大学教授

○参考人(恒松制治君) 高福祉高負担論でございますけれども、私高福祉の中には、おっしゃいますように、社会保障という面と、それからやはり経済政策的な政策によって高福祉を実現する場合と両方あると思います。私は特に経済をやっておりますものですから、経済政策の面から見て、むしろ公共投資による社会資本の充実が高福祉の一端を実現し得るのだということで申し上げたわけでございます。  それからそのときに、先ほどおっしゃいました公共投資ということをあまり重点を置き過ぎると、かえって土地の問題を複雑にする、あるいは地価を引き上げるということになるのではないかという御指摘もございました。私も全くそのとおりだと思います。しかも、現在の土地に関する税制で、土地の供給を増すという、税制をそうした土地問題解決の手段にするというのは、非常にむずかしいのじゃないかというお話でございますけれども、その点については、全く同感でございます。ただ、最近市街化地域の農地の宅地並み課税という問題がかなり問題になりまして、若干当初の政策の方針よりも後退したように私は聞いておりますけれども、この問題なんかは、むしろ土地の供給量を増すということよりは、私は、税負担の公平という面で進めるべきであって、いわゆる土地政策としての効果はそれほど期待できないんじゃないか、こういう感じがしております。御質問のとおり、まことにそのとおりだと思います。決して私、社会保障の面を忘れているわけではございませんけれども、経済政策の過程を通ずる高福祉のほうに重点を置いてお話し申し上げたわけでございます。

福良俊之税制調査会会長代理

○参考人(福良俊之君) お答えいたします。  税調がおくれておるのか、政府のほうが進んでおるのか、この辺の御判断は皆さん方におまかせいたします。  ただ、そこで、御指摘になられた点で重要なのが、税調の運営のあり方だと思います。税調の委員は、御承知のようにかつては任期が一年でございました。それが二年となり、三年に延長された。そのことはどういうことかといえば、やはり税調とすれば、基本的な税制のあり方について答申を受けたいというのが、政府の意向ではなかろうかと思います。ただ、問題になりますのは、最近の経済情勢の変化というものが急激である。そこで、税調といたしますと、毎年度の税制改正とも取り組まなければならない。他方においては、長期に税制はどうあるべきかという問題と取り組まなければならない。  そこで、今後の運営のあり方でございます。東畑会長は、むしろもう年々の税制改正等については、政府に一任するのが一つの行き方だと。税調としては、その任期を通じて長期的な観点から税制がどうあるべきかという根本的な問題に取り組むべきだと、こういう考え方を持っておられます。しかし、現実の運営になりますと、なかなかそのようにはまいっておりません。  先ほど来御議論がありましたように、これから直接税に対する負担感が非常に大きいということでありますと、消費税を中心とした間接税、その消費税の中には、当然のことでありますけれども、サービスまで含めてということになりますと、日本の税制の史上では大変革でございます。そういった大きな問題を控えておりますから、私の個人的な考え方から申しましても、むしろ税調としてはそういった基本的な税制のあり方とまっ正面から取り組むべきじゃないか、それにしても、時間が足りないというのが現実ではないかと、このように考えております。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 恒松先生と金子先生にお伺いしますけれども、先ほど恒松先生のお話の中で、いわゆる税負担の不公平ということを申されました。異なる職業の間での不公平がありまして、給与所得者と農業、あるいは給与所得者と事業所得者の間の不公平、その不公平感なんですけれども、感じとしてはわかるのですね。たとえば給与所得者から見れば非常に不公平だと思うことが多いんですが、しかし、これを客観的に実証するとなると、非常にまたこれがむずかしいということで、私が知りたいのは、異なる職業間に不公平があるのかないのか。それを測定する共通のものさしといいますか、その基準というものがあるのだろうか。あるいはそれをどういう基準を置いて不公平感をはかるのが妥当かという、先生方の御意見をお伺いしたいということなんです。それがないと、あくまでもこれは主観的にいえば、どんな職業も不公平感を持っている、そういうふうに思うわけです。  それから二番目は、給与所得者の定額控除が十三万ということになっていますが、これを引き上げろという、定額分だけでも引き上げろという説もあるわけです。しかも、これの十三万円の妥当性について、先生方はどうお考えになっていらっしゃるのか。  それからもしこれを、給与所得者の控除を改正すべきだとするならば、定額の部分と定率の部分と、どちらを優先するのが現状に合っているか。あるいは同時に改正するのがほんとうか、その辺のところの御意見をお伺いしたい。

恒松制治学習院大学教授

○参考人(恒松制治君) いまの、先ほど私申し上げましたように、その異なる種類の所得の間で、不公平があるかないかというのは、これは明確にはかる基準がないと先ほど申し上げたわけでございまして、その点では、いわば税率に問題があるのか、あるいは所得を捕捉する率に、あるいは捕捉する度合いに問題があるのか。言いかえれば、給与所得は一〇〇%捕捉されるけれども、事業所得は五〇%しか捕捉されないとか、農業所得は三〇%しか捕捉されないとかという、そういう私は捕捉率にやはり問題があるのじゃないかというふうに思っております。しかし、その捕捉率が一体どちらがどうで、どの所得がどの程度の捕捉しかされないという点の正確な資料というのは、なかなか得がたいように思います。しかし、そういう捕捉率をそれぞれの所得について、できるだけ一〇〇%捕捉できるような税務行政のあり方をやっぱり検討することは、これからの不公平な負担を緩和するという意味で、非常に重要なことではないかというふうに思っております。  それから第二番目の控除の問題で、定額控除か、定率控除かという問題と同時に、一体控除額が適正であるかどうかということは、先ほどもちょっと金子先生からもお話がありましたけれども、そういう控除をしたあとで、どの所得階層から税金がかかるかという、いわゆる課税最低限の水準が実は問題になるだろうと思っております。そういう課税最低限の現在の水準が適正であるかどうかということは、これも諸外国との比較以外にはちょっと比較すべき数字はないのですけれども、方法はないのですけれども、それとても、それぞれ国によって経済的なあるいは社会的な事情が違いますので、それも正確には判断できない。したがって、日本の国民所得が年に一〇%もし上昇するといたしまして、その割りで、それと同じ率で私どもの生活水準が引き上げられるほうが望ましいということであるならば、そういう前提を置きますならば、年々一〇%ずつ課税最低限を引き上げるということも一つの方法ではなかろうかというふうに私は考えております。この点はむしろ金子先生のほうがお詳しいかと思いますので……。

金子宏東京大学教授

○参考人(金子宏君) ただいまの御質問非常に実はむずかしい問題でございます。それで捕捉率の点は別といたしまして、もしそれぞれが一〇〇%捕捉されていた場合に、所得相互間でどういうふうにするのが公平の要請に合致しているのかという問題、これはそれぞれの所得の種類なり性質なりによって、担税力に相違があるのかという点に関連してくるのであろうと思われます。そして、所得の種類としては、普通三分法というようなことが行なわれておりまして、勤労所得、日本でいえば給与所得と呼ばれるものがありますが、それと他方では資産所得、あるいは財産所得と呼ばれるものがあります。それから事業所得のように勤労資産共同所得と呼ばれるようなものがあるわけでございますけれども、それぞれの担税力の相違に応じて、課税も異なっていくというのが、おそらく普通とられている考え方ではないかと思われます。そしてまあ一般的に言われているところでは、勤労所得は資産所得に比較すると担税力は低い。また資産勤労共同所得は、その中間であるというふうな、抽象論としてはそういうことが言われているのではないかというふうに思われます。そして、わが国の税制が、給与所得控除の考え方をとっておりますのも、一つには、概算経費控除というところに理由があるわけですが、それとあわせて、勤労所得は担税力が低いという考慮によるのではないかと思われます。シャウプ勧告のことばをかりれば、勤労をすることによって、われわれのフィジカルなといいますか、肉体的な減価償却が行なわれていくと、こういうふうな表現をたしか、シャウプ勧告ではしていたかと思いますが、それも一つには、勤労所得というのは、資産所得に比較すると担税力が低いという考え方によるのではないかというふうに思われます。そこで、給与所得控除というのは、一つにはそういう論拠によって存在しているというふうに考えますと、次には、それならば給与所得控除の適正な額というのは、どの程度であるかということになってくるわけでありましょうけれども、これも先ほどの相続税の場合の三千万円が適当であるかどうかという問題と同じ問題でありまして、きめ手というのはどうもないというふうに思われます。しかし、おそらくこの点についても、随時見直しをする必要があるかと思われますし、それから給与所得控除——勤労所得が担税力が低いということを配慮するための制度としては、おそらくこの給与所得控除の制度しかないと申しますか、ほかにもあるいは考え方としてはあり得るかもしれませんが、現在存在している制度としては、これが最も適切な制度であるというふうに思われますので、そういう点では絶えず検討することが必要である。ただ、どの金額が適当であるのかということになりますると、これはやはりどうもきめ手を欠くのではないかという感じがいたしまして、これもはっきりしたお返事はなかなかしにくいということになるのではないかというふうに考えます。

嶋崎均自由民主党

○嶋崎均君 時間もありませんので、ごく簡単に一点だけお聞きいたしたいと思います。  最近の租税の負担状況というものを見ますと、まず日本の場合は、ここ数年一九%程度で推移している。諸外国のそれと比べてみますと、高いところでは英国の四二・数%とか、あるいは低いところのイタリーの場合でも二三・八%というような数字、さらに社会保険料の負担というようなことをいろいろ考えてみますと、日本の場合には非常に租税負担率が低いというようなことになってくる。またそういう負担をした租税でもって中心的にまかなわれている財政の状態というものを見ましても、GNPに対する政府支出の割合というのは、日本の場合には四十五年で二二・一%、諸外国でこれが三〇%、先進諸国でそれが三〇%を下回っておるところはほとんどない。しかも、その中身を見ますと、日本の場合には財政消費、財政投資、移転支出というような区分けをしてみますと、非常に財政消費の割合というのが小さい、GNPに対して八・三%ぐらいだと思いますが、諸外国で一番低いイタリー、フランスでも一二、三%程度だったと思います。それからその反面、わりあい財政投資のほうは日本はGNPに対して八・四というような数字になっておりまして、これほど高い数字のところはない。諸外国の場合には、一番高いイギリスの場合でも四・八%というようなこと、反面移転支出になりますと、日本の場合には五・五%程度で、よそのところを調べてみますと、一番低いアメリカで七・八%で、あとは一五%から上というような数字になっております。そういう状態をいろいろ考えてみますと、今後の租税政策を考えてみると、財政の姿というんですか、歳出面を離れて租税政策の問題は議論ができないような状態になってきておるんではないか。御承知のように、四十七年度の場合でも、もう公債は目一ぱい、建設公債というワクで考えるならば目一ぱい発行している。今後、たとえば間々議論のありますところの年度内減税をやるということになれば、租税の収入においてよほどの自然増収がない限りにおいては、赤字公債を発行して減税をするということになる。先ほど恒松先生からのお話にもありましたように、どうもいま国民の選択がどこにあるかということの問題でございますが、戦後二十五年間個人の消費というものは非常に豊かになってきて、それをまかなう生産は、御存じのような国際収支の状況でわかるような、非常に供給過剰な状態になってきておる。そういう中で、今後の大きな経済の流れというものを考えて、租税政策というものを議論していかなきゃならない非常に重大な場所に来ておる。結論的に言いますと、私はどちらかというと、恒松先生のおっしゃられた御意見、どちらかというと現在の段階で減税よりは、財政支出によって社会資本の充実なり、あるいは社会資本の充実がかりに公債において行なわれるということになれば、思い切って社会福祉の充実ということを租税でもってやらなければどうも国民のいらいらした気分がおさまらないというか、中途はんぱな税制改正あるいは財政の転換では、すっきりした、何というか財政についての国民のコンセンサスというものが得られないような状態になってきておるんじゃないか。そういう観点から、私これは御要望になるかと思いますが、それぞれ皆さん税制調査会の有力なメンバーの方でございますので、いま私がごく抽象的に申し上げたような数字から見ましても、今後の税制改正をやっていく基本的な方向というのは、どうもいままでは税制調査会というのは、減税ばかりやっておれば、大体日本の高い成長というんですか、高度成長政策に奉仕をするという意味で非常に間違いがなかったのかもしれませんが、どうもそういう時期ではないという意味で、やっぱり大きな転換期にある税制のあり方というかについて、ごく端的なお考えでけっこうでございますが、御意見を承りたい。ほんの一言ずつでけっこうでございますから。

金子宏東京大学教授

○参考人(金子宏君) 私、経済学ないしは財政経済学の専門家ではございませんので、そういう点については非常に心もとないわけでございますけれども、まあ確かに私どもはふだんは気がつきませんけれども、いろいろ公共サービスの恩恵をたいへんに受けているわけでございます。それですから、それに対して税を負担する、これはまあ当然のことと言えば当然のことでございます。そういう意味では、おそらく公共サービスへ向けるべき資金というものを国家が十分に持たなければならない。そうしてそれは主としては租税によってまかなわれるということはおっしゃるとおりであろうと思われます。その場合に、ただやはり税負担が公平に配分されるというような考慮が必要でございますので、所得税についてみれば減税というものもそのおりに触れて必要であるというふうに、まあ減税を一方では必要に応じてする、他方では公共サービスに向けるべき資金を十分確保していくためには財政政策としてどのようなものがいいのかというような観点から見るのが適当なのではないかというふうに考えております。

恒松制治学習院大学教授

○参考人(恒松制治君) 先ほどGNP、国民総生産額の中で、政府の投資支出がかなり日本の場合には大きいという御指摘がございました。私、そのとおりだと思います。ただ私は、GNPの中で、政府の投資支出が大きいということは、一体日本人として誇っていいのかどうか、そこら辺はちょっと疑問に思っております。と申しますのは、最近そうした政府の投資支出がかなり大きな幅で伸びており、また財政支出の中でもそのウエートが高まっておりますということ、そのことは、いままでいかに日本における社会資本の蓄積が少なかったかということを裏返して言えば物語っているわけでございます。そういうことから申しますと、われわれの国民総生産物の中のかなりの部分をやはりこれからも公共投資といいますか、社会資本の充実の上に注ぎ込んでいかなければならない。それをすることによって経済の安定化が得られるというふうに私は考えております。先ほどおっしゃいましたように、そうした歳出面を当然考えて租税政策を実施しなければならないと思います。それと同時に、私どもが、納税者が租税の負担感が重いということの一つには、一体そういう行政なり、あるいは社会資本の充実というのが効果的に、あるいは効率的に行なわれているかどうかということに対する非常に不信感が国民の中にあるんではなかろうかと思います。これだけ税金とってやっとこれだけの道路しかできないじゃないかというような、そういう不信感が私どもの負担感をいやが上にも重くしているのではないかと思います。そういう点を効果的あるいは能率的な行政運営の中で社会資本の充実をされないと、私どもの負担感は、たとえある程度の減税が行なわれましても、重い負担感という感じは除くことができないんじゃなかろうか、こういうふうに思っております。

福良俊之税制調査会会長代理

○参考人(福良俊之君) お答えいたします。  財政構造を考えてみまして、歳入の構造と歳出の構造と二つの面から考えていかなければならないと思います。歳入の構造は、御指摘のとおり、今後社会資本の充実という面から考えてまいりますと、国債の発行というのが今後続いていく、それならば、歳出構造の面でどう考えるかといえば、社会福祉の充実というものを考えていかなければならない。その場合には、経済社会発展計画の中にも指摘されておりますように、高福祉高負担という原則が立てられなければならない。当然それは福祉政策に振り向けられる財源というものは、恒久的な普通歳入でなければならない、こういうことを意味するんだと思います。したがって、振りかえ所得の部分が多くなれば、表面的には高負担という形になりますけれども、実質負担がはたしてどの程度ふえるのかという問題であろうかと思います。そういう意味で、今後の財政政策の運営については、歳入構造と歳出構造をあわせて考えていかなければならない。その中で比較的弾力性の少ないのは歳入構造のほうであろう、そういう意味では歳入についてはできるだけ普遍的な歳入であって、恒常的なものが今後ふえていかなければ、福祉社会の建設というのはむずかしいのではなかろうか、かように考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 関連で簡単に、時間がありませんから。三先生に質問するわけですが、福良先生もおっしゃられたんですが、今後の税調のあり方としては基本税制、こういうものについての検討が第一というふうに考える。いままでの運営で考えますと、非常に国民が見ますると、税制調査会というのはどうもあまり政府と癒着しているんじゃないだろうかという節が端的に言って多過ぎるんじゃないか、こういう考えを持つんです。そういう運営の問題についてもう少し主体性を持ってはどうかという考えを持つんです。そういう考えについてひとつ。  もう一つは、基本税制のあり方についてですが、従来の審議を通じて、私は大体政府の考えというのは出たと思うのですね。いまおっしゃられたように高負担高福祉、しかしこの高福祉は全く低福祉なんで、四十七年度予算全体考えてみても、これは明らかなんです。幾ら社会資本の充実、発想の転換と言っていますけれども、四十七年度の予算は依然として、これは従来のパターンで産業優先、高度経済成長政策、これを踏襲していくという考え、税制についても私は同じだと思う。そして負担部面ではより増大をしていく。たとえばさっきちょっと、具体的には恒松先生もおっしゃられておりませんけれども、物品税等の洗い直しじゃなくて、いわば新税の導入というか、大体付加価値税を考えているのだろうと思うのですが、そういう面で、すでに自動車重量税、これは設定をされた。今回はこの航空燃料税が設定をされた。今後どうもこの付加価値税がフランス方式かどうだかわかりませんけれども、そういうものが導入されていく。あるいはギャンブル税の創設等も考えられておるというようなことになると、国民に対してはもういろいろな目的税を創設をして、税法違反でやっていって、そうして高負担だけは合意をするけれども、どうも福祉のほうになると一貫して予算にはあらわれぬという状況です。だからほんとうに歳入構造の面から発想の転換というものは、いままで出てきたような、そういう私たちが危惧をするような、こういうものではたしていいのだろうか。この面を私は時間もありませんから、端的にひとつお三人の先生から見解を述べていただきたいと思います。

金子宏東京大学教授

○参考人(金子宏君) 簡単に申し上げます。  税調のあり方についての御質問が第一でございましたけれども、先ほど福良先生からお話がございましたような線というのは、私も非常に妥当な線なのではないかというふうに考えております。つまり基本税制を時間をかけて検討するということ、これは非常に長期的に見ると、非常に必要なことなのではないかというふうに思いまして、非常に興味深く福良先生の御発言を伺っていたわけでございます。  それからその二番目は、高福祉高負担という考え方に関連してでございますけれども、これはまあ今後公共サービスをどんどん拡充していくということになりますと、高負担というのがおそらくどうしても、ある程度避けられないのではないかというふうに思いますけれども、これはどうも先ほど申しましたように、私、財政学者ないし経済学者じゃないものですから、御満足のいくような御返事はできないかと思いますが、なるべく有効に支出が使われるということと、それからもう一つは、歳入面では税負担の公平というものがなるべく維持される。こういう基本的な要請というのは存在している、こういうふうに考えます。  非常に簡単でございますけれども、その程度で……。

恒松制治学習院大学教授

○参考人(恒松制治君) 税調のあり方につきましては、私、先ほど福良先生も、いま金子先生もおっしゃったように、基本的な税制に取り組むべきだというふうに思っております。いま戸田先生は、主体性を持てと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、私、実はこの前の長期税制の答申に参画をいたしまして、専門委員として参加したのでございますけれども、そのときの経験から申しますと、少なくとも長期税制のあり方についての答申におきましては、私は、税調はかなり主体性を持っていたと私は思っております。よくいろいろな審議会が政府の隠れみのになるのだというふうな御批判もございますけれども、少なくとも長期税制のあり方についての答申の場合には、税調は、私ども基本問題小委員会は少なくとも主体性を持って取り組んだというふうに思っております。  それからあとの高負担高福祉でございますけれども、高負担になっておるけれども、低福祉ではないかという御指摘、あるいは私もそうかと思います。しかし、それは現在の水準が確かに福祉水準が低いということであって、ただこれを高めていきます場合には、やはり高負担が必要である。それはたとえば公債を発行して、その財源を捻出するにいたしましても、それは将来の国民の負担になるという点ではやはり高負担になりますから、現在低福祉であるからといって、高福祉高負担にはならないじゃないかというお説は、ちょっとこれからそれを高めていくわけですから、そのためにやはり負担はふえるのはやむを得ない、こういうふうに、私どもは考えております。

福良俊之税制調査会会長代理

○参考人(福良俊之君) 税調の運営のしかたについては、外部からいろいろ御批判があろうかと思います。そういう意味で政府に癒着し過ぎているじゃないかという御批判は、御批判として承ってまいりたいと思います。しかし自主性がどうかという点になりますと、税調の今日までの姿とすれば、かなり自主性を持って行動しておると思います。たとえば今度新しく社会保険医療につきまして、診療報酬の特別委員会を設ける。これなどはまさにそのことだと思います。いままで何回となく税調として答申をしておりますけれども、この法律に関する限り、期限の定めのないという特別措置でございます。今日まで八回にわたって答申をしておりますけれども、その答申が政府によって採択されていない。そこで、それならば、税調は独自の立場からこの問題について建議をいたしましょうということを考えて、幸いにして国会におきましても衆参両院の大蔵委員会でそれぞれ附帯決議を特別措置法の改廃につきましてこの場合につけてくださいまして、大いに税調を激励してくださっておりますが、今後とも税調としては、私の力の及ぶところでないかもしれませんけれども、まあ主体性をもって運営をしていくと、そして先ほど申し上げましたように、当面の税制改正というよりも、力点はやはり長期の税制のあり方という面に真剣に取り組んでいきたい、かように考えております。

柴田栄自由民主党

○理事(柴田栄君) 参考人の方々に申し上げます。  本日はたいへん長時間にわたりまして貴重な参考意見を拝聴いたしまして、まことにありがとうございました。ただいまお述べをいただきました御意見は、三案の審議を通しまして、十分に役立ててまいりたいと存じます。ほんとうにありがとうございました。  午後は、一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時四十二分休憩      —————・—————    午後一時五十五分開会   〔理事柴田栄君委員長席に着く〕

柴田栄自由民主党

○理事(柴田栄君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  租税及び金融に関する調査を議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まず最初に、関税局長にお伺いしたいと思いますが、東京税関の寮が、品川、越中島、世田谷に独身寮があるということですが、この寮の寮生の数。それから管理人はどういう資格の人を管理人にして置いているのか、この点ちょっと御説明いただきたい。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) ただいまいわゆる独身寮、あるいは世帯寮もございますと思いますが、そういったところの管理人の資格のお尋ねかと存じますが、これは全国もちろんこれ一律でやっておるところでございまして、大体各税関の、東京でございますれば、総務部厚生課において所管をしておりまして、そこで社会のいわゆる常識で言っている寮管理人の資格は、厚生課所属の公務員でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあ、公務員であることは当然でありましょう。どのくらいの資格の、どのくらいの役職というんですか、たとえば課長の人とか、何等級とか、そういうことは。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) それぞれ必ずしも全部一律ではございませんが、大体係長クラスと、かようにお考えいただけばけっこうかと存じます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 係長クラスというのは、その等級号俸はどのくらいになるわけですか。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) 大体五等級ないし六等級ぐらいに相なるかと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 たとえば越中島の寮ですね、これは八十名ぐらいの独身者がおるんですが、これは四等級の総括管理官というのですか、この人が専従でいるようですね。これは最近配置がえしたのですか。やはりその人が同じように、四等級の人が専従でいるわけですか。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) 越中島の寮にいかなる寮管理人がおるかというのは、私いまちょっと承知しておりませんので、至急東京税関のほうに問い合わせて御答弁申し上げます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ、それは御返事がきてからひとつ質問をしたいと思うのですが、五等級の係長クラスというものを置いているんだという話ですが、この前、実は税関の研修所を見せていただきまして、あそこからの類推がいいか悪いか、これはまたいろいろ議論があるところだろうと思うんですけれども、そうした独身寮に入ったときには、どういうふうな形でその寮生を指導をなさっておるのか。たとえばこの前の研修所の場合でも、二、三ヵ月は指導官がついて集団外出をするとかいうような形でおやりになっているようですけれども、ここへ入る人は一応研修所なんかも出てきておられる人でありましょうけれども、そういう点ではどういうふうな指導をなさっておりますか。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) 先生まさに御指摘のとおり、研修所との連想で誤解をいただくと困ると思うのですが、これは、たてまえとしてはもちろん全然別でございまして、研修所であれこれはれっきとした公務員でございますし、しかも、これは入っておる——独身寮とこう言っておりますけれども、これは国家公務員の宿舎法に基づくところの宿舎でございます。そこに入っておりますのは、所帯持ちであろうが、独身者であろうが、これはそれがためにいろいろと差別をするというようなことは考えておらないわけでございますけれども、現実の問題といたしまして、やはり若干研修所と同じような独身寮であるということのために、研修所と若干同じような事実が具体的に起きてくると存じますけれども、たとえば一番端的な例は、病人でございますが、こういったもののケアーは、まさにいまの寮管理人というのは、寮監ともいうべきものかと存じますけれども、そういったものでございますとか、ときに小づかいの不足を貸してやることもあるというようなことをやっているようでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ、それはあとでまたお尋ねをすることにいたしまして、ちょっと人事院のほうにお聞きしたいと思うのですが、公務員の任用の昇任ですね、採用でなくて昇任のほう。これは法律によるといろいろたくさん書いてあるのですが、私あまりよくわからないのですけれども、読んでも。なかなか法律が実施されている部面もあれば、法律の実施を予定して書いてある条文もあるし、具体的には昇任制度というのはどういうふうにいまやっておりますか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) ただいま御指摘のありましたように、公務員法がそのまま動いておらない面がございますし、それから任命に関します八−一二という規則がなまに動いてない面がございまして、非常にわかりにくいことは御指摘のとおりでございます。現実に昇任は、いわゆる本省庁課長クラス以上につきましては、人事院の選考を経て各任命権者が発令する。それから下の官職につきましては、それぞれの任命権者が自分の手元で選考して昇任をさせる、こういう仕組みになっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 税関の場合には任命権者というのは具体的にだれになっているわけですか。まあ一番上はおそらく大蔵大臣になるでしょうけれども、大蔵大臣の委任を受けてやっているということになるでしょうが、税関の場合は、具体的にはだれが任命権者の委任を受けてそれをやるのですか。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) 各税関長、各部長は大蔵大臣です。それ以下の者は税関長でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、税関長が各税関でそれぞれ昇任試験ということをやって、そしてその中で選ぶのですか。それともその辺は人事院としてはどういうふうに——法文を読みますと、昇任試験をやるということになっているのですが、これは実際昇任試験というのはやっているんですか。採用試験というのは聞いておるのですが、昇任試験というのは私はあんまり聞いておりませんけれども、その辺は具体的に人事院としてはどういうふうにやらせているんですか。法文上は昇任試験をやって、競争試験で、それに受かった者の中から順次定数に基づいてやっているというふうに承知しているのですけれども、具体的にはどうなっていますか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) 一応公務員法のたてまえからいきますと、昇任試験をやり、昇任試験をやるにふさわしくないポストにつきましては選考でということが、一応公務員法上書いてございますが、現在それに基づきまして、先ほど申しました規則がございますが、それも全面的に動くに至っていない。現段階では正規の昇任試験というものはどこでも行なわれておりません。で、若干の省庁におきまして、俗に昇任試験といってやっておるところがございますが、これは法律規則に照らして申しますれば、選考の一種でございます。選考の手段としてそういう試験的なやり方をやるということは十分認められているところでございますので、一応外見上昇任試験らしく見えますが、厳密に法律的に申せば、これもいわば高度の選考とでも申しますか、選考の一種であるわけでございます。そういうことでございますので、正規の昇任試験というものは、現在国家公務員部内では行なわれておりません。すべて選考によっておるというのが実情でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、もうほとんど任命権者の、あるいはその委託を受けた、委任を受けた人たちが選考をやるということになるのですが、まあ国家公務員のそういう機関というものは非常にたくさんあることだろうと思うのです。人事院としては、そういう選考の場合に昇任試験はないということになりますと、具体的にそれ何か一つの基準というものですか、こういうものがないと、任命権者——人事院に届け出られている委任を受けた者ですね、こういう者は何名いるか知りませんけれども、相当な数に及ぶのじゃないだろうか。その人たちは顔、形が違うと同じように、ものの考え方、あるいは判断の基準というようなものも必ずしも同一だとは思えないわけですし、またそういう選考の対象になる方々、職員ですね、こういう人たちもたいへん多くの職種、ほとんど全職種にわたるといっていいほどの多い職種であろうと思います。そういたしますと、何かひとつ基準というようなものがないと、なかなか公平にいきにくいのじゃないかという感じがしますが、選考の基準というようなもの、具体的に人事院ではどのようにおきめになっていらっしゃいますか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) 先ほど申しました本省庁課長級以上の者につきましては、人事院でもって基準を持ってそれに照らして処理いたしておるわけでございますが、その他の官職は、いまお話しの数多くの任命権者が選考をやるわけです。その場合の基準につきましては、その任命権者でもって、その機関でもって基準をつくってやるようにといういま仕組みになっておるわけでございます。人事院で画一的な基準ということになりますと、非常に数多くの省庁、しかも、その中は職種は非常に数多くございますので、なかなかその辺の画一的な基準というものは実際上むずかしいという面がありますし、一応従前のそういった昇任についてやってこられた実績もあったわけでございますから、任命権者のほうに基準についてはおまかせをしておる、こういう状況になっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そういう各機関が基準をつくった場合には、人事院のほうにこういう基準でやりましたという形で届け出るとか、あるいは人事院としてそういう基準について通報を受ける、そういうことも一切ないわけですか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) 基準をつくりました場合に、その基準を人事院に届け出ろというふうな定めはいたしておりません。ただ私ども、毎年全省庁の各機関抽出いたしまして、任用の監査ということをいたしておりますので、その機会にこういった基準の有無、あればその内容いかんというようなことは調べて手元に持っておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、そうして出てきたものに対して、人事院としては別にその報告を受けるだけで、極端におかしいというもの以外については、別にその基準についてとやかく評価して、これはまずいぞとか、ここを直せというようなことはいままでありましたか、ありませんでしたか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) 各省庁の機関に参りまして見せていただきまして、いまお話しのようなたいへん不ぐあいなものでもありますれば、そのときに行きました者が指摘するなり、あるいは持ち帰って私ども本院の内部で検討するなりいたしますが、私の記憶しておる限りでは、その基準につきまして特におかしいものがあったというふうな報告を受けたことはございません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 人事院の規則というのですか、あるいは給与関係、国家公務員法関係、こういういろんなものを読みますと、公務員の給与というのは、大体職階制を前提にして当初きめられたように思うんです。そういう職階制というのは現実にはできていないようなんですけれども、職務に合った給与というようなことは、これはどう判断をされているんですか。その辺ちょっとお聞きしたいと思います。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 給与の問題でございますから私のほうからお答えをいたします。  現在国家公務員法に書いてございますいわゆる職階制、官職を分類するという意味での別に職階法というのがございますけれども、その職階法に基づいた官職の分類というのは現在行なわれておりません。しかしながら、国家公務員法にもございますように、そういう趣旨はなるべく早く達成されなければならぬということでございまして、現在別途一般職給与法というのを定められておりまして、これにはやはりそういう趣旨で、職員の職務の等級という観念がございますけれども、その職員の職務の等級につきましては、各グレードが、等級がございまして、その等級につきましては、その標準的な官職というものはどういう等級に入るか、どういう等級にはどういう標準的な職務があるという一覧表を規則で定めております。そうして、各省庁のそれぞれの官職につきましては、すべてそういう職名ごとに、何等級が幾つという等級別定数というものを予算上定めておるわけでございます。そうしまして、したがいまして、そういう各省庁における職務を全部一応格づけをするという作業が行なわれておるわけです。そうして一方におきまして、職員をこれに当てはめた場合に、その職員については、その職員の資格というのが別途ございますので、その職員がどの等級につきますためには、職員はどういう資格を持っていなければならない、その資格は学歴別、経験年数、それからあるいは下の等級に何年おったか、下の等級の在級年数といったものを、つまり経験年数と下の等級の在級年数、この両方によりまして職員の資格というものを定めておりまして、一方において職務、一方において職員の資格というもので当てはまったところに、職員の職務を格づけするという方法で、現在給与法の等級格づけというのをやっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうも私は役人の給料をもらったことはないものですから非常にわかりにくいので、どうもいろいろなものを読んだだけではわからぬですな。昇任というのと給与の関係ですね。これは一体どういう関係にあるのでしょうか、それがよくわからないのです。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) 昇任と昇格の関係でございますが、昇格と申しますのは、いま給与局長が申しましたように、六等級から五等級、五等級から四等級というふうにグレードが上がる、これが昇格でございます。  昇任と申しますのは、いま申しました昇格も昇任の一種として扱っております。ですから、五から四へ上がるのも昇任として扱っております。そのほか係長から課長補佐に上がる、課長補佐から課長に上がる、これも昇任でございます。  それから非常に少ない例でございますが、検察官なんかは、二級検察官から一級の検察官になるというのも昇任として扱っておるというふうな状況でございます。  でございますから、もう一度申しますれば、昇格は昇任の一形態であるわけで、昇格だけが昇任であるわけではございません。そういうことになっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いまの御説明でも、私はどうもダブっているようなところがありましてよくわからないのですが、昇格も昇任の一つであるけれども、何かお話では、全部カバーしているような関係ではないようなお話でしたが、昇任のほうは、その昇格のほうをカバーしているのですか、これもしていないというわけですか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) 昇格は昇任の一種類であるわけでございますから、昇任は昇格をカバーしているわけでございます。  それといま給与局長が申し上げましたように、大体係長は——先ほど委員からもお話がありましたように、何等級から何等級あるいは補佐は何等級から何等級というふうなことがございますので、ポスト上の昇任をいたしますと、昇格を伴う場合も比較的多いわけでございます。まれにはいわゆるポストのほうの昇任をしなくても、給与のほうの四等級から三等級へという昇格が行なわれることもございます。そういうものも含めて広く昇任という扱いをしておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 関税局長にお伺いするのですが、先ほど人事院のほうで、選考の基準というのは各機関でつくっている、こういう話なんですが、税関の場合は、さっき言った任命権者は税関長だ、こういう話まで私わかりました。その選考の基準というのは、やはり各税関長にその基準というのは一任しているのですか。それとも関税局でそういうものをつくって、そしてそれを各税関長に、実際の具体的な、だれだれは上げるとか、だれだれは上げないとか、こういう個人別なものはおそらくそれは税関長になろうと思うのです。基準というのは関税局でおつくりになっていますか。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) 税関にございまして職員の昇任あるいは昇格、特別昇給等の問題につきまして基準があるかというお話でございますが、ただいま人事院のほうからも御答弁申し上げましたように、国公法の三十三条一項あるいはそれを引いておりますところの三十七条の一項、二項、あるいはまた人事院規則八−一二の四十五条でございますか、これはまだ職階制を前提としてございません。まだ発効はしていないようでございますが、そういった規定の精神をくんでやっておるということでございます。また、あるいは九十条といったような規定がございますが、そういったものに基づいて昇任、昇格が行なわれているわけでございますが、具体的にそういう基準があるかと、そういったもののほかに別に何かつくっておるのかと、こういうことでございますならば、別にほかにこれよりさらにブレークダウンしてこまかいものをつくっておるということはございません。これにのっとってやっております。  しこうして、ただいま申し上げましたような国公法あるいは人事院規則は、大体何が書いてあるかと申しますと、要するに職員の「受験成績、勤務成績」「その他の能力の実証」あるいはまた三十七条におきますと「従前の勤務実績に基く選考」というような表現を使っております。それから人事院規則の八−一二の四十五条を見てまいりますと、勤務実績、経歴、学歴、資格、知識、技能といったようなものに基づいて行なうのだということがございます。そういったものに基づいて行なっておりまして、具体的に申し上げますと、いわゆる勤務評定書というのがございますが、これに基づいて、ただいま申し上げましたような昇任、昇格等が行なわれているというのが実情でございます。したがいまして、ただいま国公法、人事院規則、それから勤務評定書という以外に、全国税関を通じてさらにこまかなものが何かあるかというお尋ねでございますれば、それはございません、こういうのがお答えでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、この勤務評定書にしても、つける人によっておそらく幾らかの差異というものが出てくるだろうと思うのですね。まあどういうつけ方をするのか知りませんけれども、学校の成績だって、昔のあれですと甲、乙、丙、丁なんて、それは学校によって同じ甲でも違うわけですよ。だから、勤務評定書もそのつける人によって私は幾らか差異が当然あると思うのですよ。したがいまして、どうもその辺が勤務評定書だけというようなもので、あとはさっき言ったようなきわめて大ざっぱなものでやっているということになりますと、税関ごと、あるいは税関長でもそう長く一つところにいるわけじゃありませんから、まあ二、三年で実際かわっていく方が多いわけですからね。そうすると、その選考の基準といいますか、具体的なものがない。そうすると、各税関長の要するに頭の中だけにしかないという中で選考がされていくということになると、どうなんですか、公平なものというのは私はなかなかできないと思うのですよ。   〔理事柴田栄君退席、理事嶋崎均君着席〕 税関長も人間ですし、場合によれば感情もあるときにはあるでしょう。あるいはものの考え方で、そういう基準ということもだいぶ違うと思うのですよ。昔風の人なら、何かおれにことばづかいが悪いということで、その人に対する評価というのは違うわけでしょうが、新しい考えの人が、まあそれは別として、意見はどんどん言ってくれよという立場の人になれば、意見を言う人というのは、むしろその人こそ貴重な人である。意見を言わないで黙っているという人は、まあ人によってはいい点をつける人もあるかもしれません。それから人によっては、いくじのない、自分の意見を持たないようなやつなんて、そんなの使いものにならないというように評価をする人もあるかもしれません。ですから、そういう点で、具体的なその何かというものがないと、各税関ごとに各個ばらばらになる。人によって各個ばらばらになるということになりますと、公平な人事、あるいは管理運営というものが非常に欠けてくる心配が私はあると思うのですが、どうなんですか。それは普通どこでも大体民間なんかの場合、あれは何回遅刻したから今度は少しおろしておくとか、あれはいつも言動がどうだからこうだとか、あるいは仕事のミスがどれだけあったからどうするとか、まあこういうようなことが一つの基準になり得るわけですよ。そうした基準に基づいてやっていくというのが私は普通だろうと思うのですがね。そういうものがないというと、非常に私は客観性というもの、あるいは民主性というのですか、そういうものに欠けていくうらみというものがだいぶあるんじゃないかと思うのですが、そういうものは一切ないのですか。私はある程度つくっていると思うのですがね。そういうものをつくらずに昇任、昇格というものをどんどんやっていくというのは、やる人も私は判断の基準というものがないわけですから、たいへんだろうと思うのですがね。どっかでおたくのほうでおきめになっているんではないですか。ただ外に出さない。最近流行の、マル秘というものでないということにしているのではないですか。

森谷要大蔵大臣官房審議官

○説明員(森谷要君) 技術的な問題でございますので、私、かわってお答えいたしますが、先ほど局長がお答えいたしましたように、基準なるものはございません。その理由は、私どもの第一線の現場におきましては、いわゆる管理部内を扱う総務部門、それから通関業務を扱う通関部門、それから監視、取り締まりに当たっておりますところの監視部門、大きく分けて三つあるわけでございまして、それぞれの職場は非常に仕事の内容が違っております。したがいまして、それぞれの職場においての特性がはたして違った部門にいった場合に生かされておるかどうか、ほんとうにそれは適しているかどうか、いろいろニュアンスがございまして、一律の基準で職員の昇任、昇格を判定するというのは、かえってまずいという考え方に基づいているわけでございます。さらに大きく分けまして、税関の立地条件もいろいろ違っておりまして、それぞれの独自性がございます。さような意味におきましても一律的な基準をつくらないほうがよろしいというように観念しております。  そこでもう一つ問題になりますのは、はたして昇任、昇格の前提になりますところの勤務評定書が、客観的なものであるかどうか、こういうお尋ねでございますが、たとえばある係員を評定いたす場合には、その上におりますところの係長、それからその上に位するところの課長、さらに最終評定者は部長ということに相なっておりまして、それぞれ複数の違った角度からものを見る人間がそれを補正して、なるべく普遍的、客観的なものができ上がるように配慮いたしておるわけでございまして、それではたして十分であるかどうか、はなはだ問題ではございますが、現場の与えられた条件の中で、なるべく公平に、客観的に大ぜいな人から職員を判定できるような仕組みになっておるわけでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 関連。  人事院の給与局長にお尋ねしますが、国家公務員の俸給の決定は、公務員法の何条にございますか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 給与の決定につきましては、国家公務員法は、六十三条に、職員の給与は、法律により定められる給与準則に基づいてなす、という形で一応書いてございまして、そして一般職の給与法の七条に、内閣総理大臣、各省大臣云々は、人事院の定めるところに従い、それぞれその所属の職員が、その毎月の俸給の支給を受けるよう、この法律を適用しなければならない、という形で決定しております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 国家公務員法の第四条はどういう関係を持ちますか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 四条でございますか。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 はい。給与に関する法律、一般職の職員の。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 四条は、給与の中にいろいろ種類がございますが、その中でつまり、本俸と手当といったようないろいろ種類がございますけれども、その中の基本給でございますところの俸給というものが、どういうたてまえで決定されるべきかという趣旨で書かれたものでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 一般職の職員の給与に関する法律の第四条というものは、俸給決定の一原則じゃないですか。それを踏まえて、いま局長が指摘をされるように、一つは、この六十三条、一つは第七条、それから一つは、第六条の各公務員職員のそれぞれの、たとえば、国税庁とか税務署関係のものであれば、六条の二項ですね、それぞれ引き継がれている、こういうことになるんじゃないですか。だから一般職の法律の、給与の根源は、第四条、これを土台にしてそれぞれいくんじゃないですか。どうなんですか、その法律解釈は。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 私どもはそう解釈しておりませんで、第四条というのは、基本給でございます俸給の評価原則と申しますか、つまり、どれだけの金額水準を受けるかという場合の、金額の評価原則というふうに私どもは理解をいたしております。手当はそれぞれどういう性質のものであるか、本俸はどういう性質のものであるという意味合いで、四条はそういう評価原則をきめたというふうに理解しておりまして、各職員の決定というのは、また別の条項にきまっておるというふうに理解しております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 しかし、第四条は読んでみればわかるように、こういうことでしょう。各職員の受ける俸給は、その職務の複雑、困難及び責任の度に基づき、かつ勤労の強度、勤務時間、勤労環境その他勤務条件を考慮されなければならない。これが一定の評価みたいになっているんじゃないでしょうか。だから、そうだとすれば、いま竹田委員が森谷審議官に質問したように、これは当然この税関のいまの職階給与の中において、こういうものの評価を土台にして、それぞれの俸給というものは相対的にきめられている、こういう順序を踏むんじゃないでしょうか。ですから、各等級の職種なり、そういうものは、この土台の評価の上に立って、それぞれ基準というものをつくられていく、だから、基準がないということは、これは了解できないんです。単に勤続年数とか、学歴とか、先任順位とか、そういうことだけを考慮に入れるわけじゃないですから、やっぱり相対的な評価があって、この職務は何等級、この職務は何等級、最終的にきまっていくわけでしょう。そういうものが具体的に実行されるときに、六十三条なり、あるいは七条なり、六条ということを総合的に勘案されて最終的にきまっていく、こういう理解は誤りなんですか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 私どもは、この四条につきましては、たとえば、各俸給表がございますけれども、警察官に適用される公安職の第(一)表とか、海上保安庁の職員、海上保安官に適用される第(二)表とかあるいは船員、海事職員に適用される海事職の俸給表、いろいろ国家公務員に職務がございまして、したがいまして、そういういろいろな職務についての本俸を評価する場合に、それぞれの職務の複雑、困難性、責任の度合い、そうして、たとえば海事職員が勤務時間が五十六時間でございますし、警察官は四十八時間ないし五十一時間でございます。あるいは普通の一般職員は四十四時間であるというようなことで、勤務時間の度合いをここで見るといったようなことで、各国家公務員におきますいろいろな職種間、あるいは等級間におきます、特に職種間においての評価というものを、ここで原則を定めたというふうに理解をいたしておるわけでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 だから、そういうものから出発していると思うんですが、いま竹田委員の質問に対して森谷審議官言ったように、そういう基準はない。そういう科学的に正当なあるいは評価において誤りのないようなそういう一つの、採用を進めるとすれば、当然私は一定の基準があってけっこうだろうと思います、それが望ましいんじゃないか、その点はどう理解しますか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) この給与のほうの関係は、先ほど申し上げましたように、当面の税関の場合には、行政職俸給表の適用でございますので、行政職俸給表の(一)の各等級については、どういう税関の各ポストが、どういう等級に格づけされるかという点が一つきめてございます。一方において職員の資格という点で、どういう資格があれば何等級になれるという資格を別途定めているわけでございますけれども、そういうことで、等級をきめていくわけでございますが、いま問題になっているのを伺っておりますと、税関の審議官がおっしゃいますのは、個々の職員について、下の等級から上の等級に選抜する場合の、その基準という話ではないかというふうに思いますので、そういう場合には、その職員の勤務成績とか、あるいは上の等級に適格かどうか、そういったような非常に個々的な問題の基準ということになってくるのではなかろうかというふうに、いま伺っておったところでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 関連ですから、あまり長く質問いたしませんが、だから、そういうものが、たとえば昇職にせよ、昇任にせよ、昇格にせよ、昇給にせよ、一定のやっぱり科学的な基準を持って、妥当なものによって人事をやっていくのが妥当じゃないですか、それが一番納得がいくんじゃないでしょうか、それが単に、そういうものがなくて、何を一体土台にして昇任、昇格をしていくのか、その基準がないと言うから、いま竹田委員のあれで理解しましたから、それはやはり正当な科学的な資料を持って、やはり公平な人事運用というものをやる意味からいっても、当然そうあるべきじゃないか、この見解をどうだと聞いておるんです。関連ですから、これで終わりますが、端的に聞いておるんです、あったほうがいいのか、ないほうがいいのか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) そういう選抜の基準というものは、私のほうの実は担当じゃないんでございますけれども、給与の担当ではないわけでございます。そういう選抜の関係で、上の任用をするという意味合いで、任用局長のほうの担当でございますけれども、せっかく私へのお話でございますから、私の私見としましては、やはり下の等級から上の等級に選抜する場合には、勤務成績が良好でなければならないということは、一般論としてそういう規定がございます。それ以外につきましては、やはり個々の官職、上のそのつける官職の性質がどうかといったようなことが、非常に重要な要因になると思いますので、それを各すべてについて統一的な基準というのは、どうしても抽象的な基準にならざるを得ないじゃないかという感じが私はいたします。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 大体基準をつくるといっても、そんなに多いものじゃないんだと思うんですよ、基本ができている、その上に立って昇任、昇格、昇給をやっていくんですから、そういうことからすれば、三つか四つの基準例を持っていれば、私は済むことだと思うんですね。それを単に職制の裁量に一切ゆだねるということだと、公平な人事というのは私はできないと思うんです。昇任、昇給、昇格、数えてみたってこのくらいです。そのくらいのものに対して適切な行政というのはこうやりますよと、これいま一番人事運営として大事なところじゃないですか、不平不満というのはそこから出るんですから。だから、当然そういうものは確信を持って昇任、昇格をさせるときにはこの基準でいきます、ガラス張りで、それに該当する者は昇格させましょう、昇給させましょう、昇任させましょう、こういうことでいったら、人事運営というものはきわめて公平にできるじゃないですか。そういう指導をいままでやっているはずだと思うんですが、どうなんですか、端的に答えてください。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) 先ほど私ちょっと申し上げましたが、現在の昇任——昇格でないほうの昇任と申しますか、ポストが上がるほうの、係長からたとえば課長補佐、課長補佐から課長になるというふうな場合、多くの場合給与上の昇格を伴うわけでございます。で、給与上の問題になりますと、現在給与法に基づきまして、人事院規則九−八という中に、先ほど給与局長が申しましたが、標準職務表というものがありますし、また、昇格するにつきましては資格基準表というふうなものがありまして、かなりそういう意味での基準はあるわけでございます。で、ポストを上げる場合にも、多くの場合給与の額が上がるということが伴いますことからいたしまして、任命権者のほうでは、そういうことを実体的には頭に置きつつ、さて具体的にどの玉を選んで上げるかという、そこの作業がいわば残る、こういった感じでございます。そういたしませんと、給与のほうの昇格の基準にはまらぬようなのをかりにポストを上げてみましても、給与は据え置かざるを得ないということになるのも、これはたいへん職員の方々へ気の毒な面がございますので、そういうことを十分頭に置いて、具体的な玉の選抜にあたって甲君か乙君かという、いわば作業をされるわけですということになりますと、これはそれぞれの省庁、各機関の職員の学歴構成なり、年齢構成なり、そういったものが、よく言われますように、中ぶくれであるとか、ちょうちんであるとか言いますように、いろいろ形が変わっておりますので、なかなかその辺の基準を一律につくりにくいし、また中ぶくれなり、ちょうちんなりは年数が移るにつれまして、ちょうちんの形が変わってくるというふうなことで、なかなか固定的な基準もつくりにくいということで、具体的な玉の選抜ということになりますと、そのケースケースにおける判断でおやりになっているんだろうと、このように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうもそういう同じ税関の中で示せる基準がないということは、たいへん私問題であろうと思いますが、人事院にお聞きするんですが、この職員団体、要するに労働組合とか、従業員組合という職員団体がぼくはあると思うんですが、職員団体が違うということによって差別をする、昇任、昇格に差別をする、あるいは特別昇給ですか、こういうものに差別をするというのは、これは公務員法で認められているんですか、認められていないんですか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 職員団体の構成員であることを理由にいたしまして、不利益な取り扱いをしないということは、国公法の百八条の七で保障をしておるところでございまして、差別をしないことは当然であるというふうに考えます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 具体的な例をあげてみたいと思うんですが、これは横浜税関における昭和二十六年度の採用者、旧高専卒の資格であります。で、税関関係の組合というのは、昭和三十八年ですか、このころに組合が二つに分かれた。これで見ていきますと、昭和三十八年当時——二十六年採用者の今日在籍している者二十四名中見てまいりますと、その昭和三十八年当時は、六等級の六号俸が一番多い、ほとんどです。まあ中には七等級の九号という人もありますし、あるいは六等級の七号という人も一人ありますが、まあほとんど六等級の六号ということでございます。これはその中で二十名が、何というんですか、まあ第二組合といいますか、四名が第一組合であるわけです。その人たちが昭和四十六年のを見ますと、第二組合の人たちは、これは全部四等級あるいは五等級ということになっているわけです。それから他の四名というのはこれは相変わらず六等級ということの、一人が主任になっておりますが、あとは平の職員であります。それからこの中で一人は、昭和四十四年に第一組合から第二組合に移ったとたんに、五等級になって特別昇給を受けておるということであります。で、特別昇給を見ましても、これはほとんど第二組合といいますか、そういうところに集中をしているという実態であります。これはひとつ表を差し上げてもけっこうでございますから。これを見ますと、職員団体によって非常に差別をされているということがこれによってもわかります。  それから同じ横浜税関の三十二年度の採用の特別昇給の実態を見てみましても、昭和三十八年以降において、第一組合に所属している者は一人も特昇はございません。特昇の数が十六ありますが、三十七年の特昇については——第一組合に一人ありますが、三十八年以降はない、この人数は十七人中であります。  それから三十三年度、この人たちのは十四名でございますが、第一組合七名、これには三十七年度に一人特昇があってあとはない。特昇の数は九つあるわけでありますが、これもない。  三十四年度見ましても同じであります。人数がふえているだけです。  それから神戸税関を見てみますと、これも特別昇給の実態は、ほとんど第一組合のほうにはない、こういうふうにいえると思います。これも表がありますから、あとでごらんいただきたい。東京税関においてもこれは全く同じであります。第二組合員の、女性を除いて、二十六年前後に入った人たちが三十八年四月当時は六等級の六号俸が中心であります。一部に七等級の七号俸がありますが、これも現在は第二組合に入っている人は、女性の三名を除いて、あと全部四等級、五等級ということでありますが、第一組合に入っている人は全部六等級というわけで、ここにも相当な差別があるんじゃないか。一人くらいまじっていれば、私もそう言えないのですが、一人も入っていないからよけい言えるのですが、組合によってこれだけ差別がある。  それから大阪税関、ここにおいても二十三年に入った人を見ますと、第二組合の人は、女性二人と特別な人一人を除いて、あとは五等級、四等級に入っている人が二十六名。第一組合の人は相変わらず六等級の十四号俸という方が一人、二十四年を見ましても、これは同じであります。それから、ちょっと変わったところでは、二十六年を見ますと、第二組合のほうで六等級に入っている人は四名、五等級へ入った人が六十七名、それに対して一組のほうは相変わらず六等級が八名で五等級になった者なし。二十七年、二十八年、これ同じであります。  それから函館税関、ここにおいても、一人が五等級に入っておりますが、この人は在職年数二十六年で四十七歳という人が一人でありまして、あとはほかの人が四等級、五等級になっているわけでありますが、六等級、こういうことであります。  まあ、大きな税関というのは大体これだけ見れば見当がつくと思うのですが。そうしますと、私はどうしてもこれを見て、職員団体によって、三十八年以降大きな差別がここに出ているというふうに私は思います。もしこの資料が間違っていたら、これは間違っているからというふうにおっしゃっていただきたいと思いますが、ひとつ見てください。どうですか、それをごらんになっての感じは。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) ただいま、組合が二つになって、二つに分けていろいろ資料をいただいたわけでございますが、私、これのスタイルのあれは拝見するのは初めてでございますが、基本的なスタンスといたしまして、ただいま申し上げておりますとおり、税関の昇任、昇格の問題は国家公務員法、それから人事院規則、それから勤務評定書に基づいて現に公平にやっているつもりでございます。ただ、いろいろとどうも具体的な人事になりますと、あいつが上がって、おれが上がらないのはなぜかというような、いろいろな不平不満があることは当然でございます。この具体的な人事の実際にあたりまして、どうもいろいろ見ていても、何ら瑕疵がない、悪いところがないというような点につきましては、実際の運営につきまして私らといたしましては、よく念査をいたしましてこれを調整するにやぶさかではございません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 調整するにやぶさかでないというのですがね。現実にあなたその表を御覧になって、これで公正に人事が行なわれているという感じを持ちますか。それちょっと時間かけて見てくださいよ。いま私が大体初めのほうは説明したのですが、説明しましょうか、そばへ行って。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 関連。  なおそういう不公平だと思われる関係職員からの苦情申請はありますか、この中で。どうですか。苦情申請のあるものがあればひとつ教えてください。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) こういう紙を実は拝見したのは初めてでございますけれども、たとえば組合との団体交渉の席上でこういうような意味——この紙は初めてでございますが、意味合いのことは耳にいたしております。それからさらにこれはいま拝見をいたしますと、一々名前が入っているようでございますが、これ名前を全部書面にするというようなことも、これまた初めてでございますが、具体的に個々の、たとえばここのだれはどうだというような話は耳にいたしてございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 私の聞いているのは、一般職の職員の給与に関する法律の第二十一条、これに基づいて、さらに第二条七号に基づいて苦情申請の出ているものがあるかどうか。それは局長として知っているかどうかという、そういう該当者おりますか。おれば教えてください。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) ただいま先生お述べになりました苦情申請という形で提出されたのは私存じておりませんです。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そういう話がないというのですが、これは関税局長のところへは出ておりませんか。これ出ていますね。赤羽関税局長あて、日にちは昭和四十七年五月、こういう書類見ていませんか。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) ただいま戸田先生のおっしゃいました苦情申請に、これが当たるかどうかということ、これはちょっと別にいたしまして——これは私存じております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それに対してどう思いますか。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 それは何ですか。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) これは「通告書」という名前で、横浜税関長並びに私に対して行なわれましたいわゆる通告書の表現をそのまま使いますと、違法不当な差別をしている、こういうことで、あとのほうに横浜税関関係の不当差別をされたと言われる人の名前が出ている書類でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その辺について、税関長にあてて出ているわけですからね、それについてどういうふうに処置されましたか。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) これにつきましては、ただいま私の先ほどの答弁に申し上げましたとおり、こういうような形で具体的にここがこう、これがかわいそう、これは少しどうしても不当差別だ、こういうようなお話でございますれば、これ私どもで十分に調査をいたしまして調整をいたします、かように先ほどから申し上げているわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 調整をいたします、というのはこの席でそう言っているわけですね。具体的にその十五日付だと思いますが、出されたものについてはいまどういうふうに処置をしていらっしゃるんですかということを私お聞きしたいんです。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) この年度間を通じますところの昇任、昇格は、大体四回定例的にきまっておりまして、それが今年度に入りまして最初のやつが七月に参るわけでございます。その次が十月というぐあいに、まあ四回大体分かれておるわけでございますが、それらの過程を通じまして念査の上調整をいたすと、かように申し上げたわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そこで、第一組合の四名というのは、具体的に名前のぼっていると思うんですが、藤田、的場、和久野、松永と、こう名前書いてビラもまいているんですから、名前あげて私差しつかえないだろうと思うんですが、四名あがっているわけです。一番下のほうに書いてあるでしょう。——さっきの紙の、リコピーのほうの、一番上の紙の一番下に、四名の名前載っているでしょう。これはとにかく関税局長まで行っているわけです、具体的にそれを検討したのかしないのか。いまの話も、七月がその期だから、そのときにまた昇任、昇格が行なわれるということだけで、その四名について具体的に検討したのかしないのか、その点だけはっきりしてください。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) これはたまたま横浜税関の例をいまお尋ねになりましたが、この資料は全税関にわたっているわけでございまして、こういった問題も含めましてわれわれは検討いたしております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ、検討していると言うんですが、その具体的に藤田一衛という人はどうしていままでこういう事態に置かれていたんでしょうか、ちょっと理由を述べてください。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) 具体的に私のところまでまだこれは十分結論を得た形でのぼってきておりません、検討はいたしておりますけれども。具体的な昇任、昇格のときに、そういった点について結論が出される、こういうことでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 できたらその担当者をここに呼んでいただいて、あなたのところに検討内容が来てないというのですが、検討中だということですが、その担当者を呼んでひとつ答えていただきたいのです。本人も名前を出してここでやっていいという、私了承を得ているのですから、具体的にやってください、呼んでください。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) 具体的に個々の税関の人事につきまして、ここでいろいろと御議論願うのはいかがかと思うわけでございます。本省といたしましてのただいま申し上げました方針について、私の答えで御了解いただければと、かように思うわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 だからこそ私は、いろいろたくさんの税関の例を引いたわけです。そういう税関の例を引いて、こういうような点で、どうも私その表を見ても納得ができない。ですから、私のところは一番横浜に近いわけです。その一つの例として横浜の例を具体的に状況を聞いたわけです。ですから、藤田一衛さん一人をここで出すということは、藤田一衛個人の問題じゃない、全体の問題なんです。その一つの代表として、ここで私は具体的にこの問題を話すわけですから、これはぜひ呼んでください。委員長もそのようにお取り計らいを願いたいと思います。

嶋崎均自由民主党

○理事(嶋崎均君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

嶋崎均自由民主党

○理事(嶋崎均君) 速記を起こして。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) ちょっとここに二つ書類がございますが、この竹田先生のお出しになりましたこれは私は初めてだと申し上げました。それから、こっちは私は承知しておると、こういうふうに申し上げたのです。こっちの内容と、ここの内容と全く同じものかどうかは、ちょっとまだいまこれチェックするひまもないわけです。こっちのほうのお話について、先ほど御答弁申し上げましたとおり、個々具体的な人事につきまして、これはそもそも税関長人事でございます、ここのところが、この次は必ずこうなるというようなことは差し控えさせていただきたいと、かように申し上げたわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 この次どうするかということは私は聞いてないですよ、そんなことは一言も聞いてませんよ。この次上げてくれとかということは私は一言も言ってない。なぜこうおくれたかということを説明してくれればいい。上げてくれなんということは一言も言ってない。そのくらいのことは調べているでしょう。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) ただいま先生の御指摘のとおり、これはどうも長い間にだんだん積み重なってきているようなお話でございます。それで、なぜかようなことがずっと起きてきたかということにつきましては、これはやはり現実の任命権者でございますところの、たとえば横浜税関につきまして若干事情をこれは聞いてみませんことには、ただいま私の口から、いや、それは十年前からこれこれこういういきさつがあって、こうなったのだということはちょっとお答えできないのでございますが……。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 検討していると言っているでしょう、あなたさっき。検討しているというなら、横浜税関と連絡とって、あなたこのビラだってこの前あれですか、知っているはずでしょう。これだって私の部屋に来たときにやっぱりこういうビラを一緒に見せていただきましたよね、あなたから先に。だから、検討していると言うんだから、その検討過程がいまどこまで検討しているのか、私は少なくとも、いままでの過去のことを言っているんですよ。これから七月に向けてのことを言っているんじゃないです、さっきから。だから、検討していると言うんだから、ひとつそれ具体的に話してくださいよ。あなたが、いまの答弁ではどうもおわかりにならないようだから、具体的に検討している人をここへ呼んで話してくれれば、それが一番簡単なんですからお願いしたい。委員長にもお願いしたい。

嶋崎均自由民主党

○理事(嶋崎均君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

嶋崎均自由民主党

○理事(嶋崎均君) 速記を起こして。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) 何ぶんにも具体的な人事にわたる話でございます。検討中と申し上げたんでございますけれども、この検討の結果をお答え申し上げるということは幾らでもいたしますが、ただいま検討中でございまして、それはこうであって、こういう考え方があってこうで、だれがこう言っているなんという話を、いやしくも当委員会に私から申し上げるというのはいかがかという感じでございますが……。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 だから、委員長、呼んでくださいと言うんですよ、その人を。呼べないことはないでしょう国会で、平の人だって呼べるんだから。ただ手続があるだけだろうと思うんですよ。

嶋崎均自由民主党

○理事(嶋崎均君) 速記をとめて。   〔速記中止〕   〔理事嶋崎均君退席、理事柴田栄君着席〕

柴田栄自由民主党

○理事(柴田栄君) 速記を起こして。

森谷要大蔵大臣官房審議官

○説明員(森谷要君) ただいま総務課長が海外出張中でございまして、私、先週UNCTADの会議から帰ってきたばかりで、現在私が総務課長事務代理でございます。ただいま課長補佐からいろいろ竹田先生から御質疑があった点につきましてのその後の経過を聞きましたところ、局長のほうから、先般この文書が局長のほうへまいりまして、この内容についてどういう事情であるか、それからもう少し詳しく横浜税関のほうへ聞きたまえという指示がございまして、その指示に基づいて現在横浜税関のほうへ早急にこの内容について調べて報告するようにと、こういう段階になっているようでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 この問い合わせ出したのはいつですか。

森谷要大蔵大臣官房審議官

○説明員(森谷要君) 横浜税関のほうへ連絡いたしましたのは、この文書がまいりましてから間もなく、たしかこれは五月の中旬だと思いますが、二十日前後かと思いますが、横浜税関のほうへ連絡いたしておるようでございます。現段階では、横浜税関では鋭意検討していると思いますが、まだその報告には接していないわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 質問に答えてないですよ。何月何日に問い合わせしたかという……。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 関連。  これは審議官ね、この通告書だけで見れば、四十七年の三月二十二日、こうなっているのですよ——横浜税関の場合だけですね、この資料でいきますと。だから、もうすでに六月ですから、相当期間がたっているということです。普通こういうものが、通告ないし不当差別の問題で出された場合には、どういう手続でいくのですか。現実にそんなに時間がかかるのですか。これはおそらく私の推定ですけれども、大方針がきまって、下に動かせばいいわけでしょう。それに基づいて実行するだけでしょう。だから、審議官のほうで、これがわからないということは私はないと思う。やはり十分精査検討して、公平にいっているかどうかということは、常にチェックしてあるはずなんです。それが二ヵ月もたっても、いまだにこの審議官の——本省に上がってこない。そのくらい時間のかかるものですか。

森谷要大蔵大臣官房審議官

○説明員(森谷要君) まことに申しわけないことでございますが、私、いま担当の補佐から聞いたところを先ほど申し上げたとおりでございますが、えらい行き違いで申しわけないんですが、私ごとで恐縮ですが、私、五月五日に参りまして、帰りましたのが二十七日でございまして、その間よく事情を存じておりませんが、いま御指摘のような点もごもっともでございまして、きょうの御意向を承りまして、明日にでも早急にこの検討の結果を本省のほうへ知らせるように指示いたしたいと、こう思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 さっき私聞いたのですが、いつ横浜税関へ調査を依頼したのですか、その日にちを言ってください。あなたは日にちを言わないでしょう。課長補佐もいるのですからね、いつその調査の依頼をやったのか、その点ははっきりしているのでしょう。

森谷要大蔵大臣官房審議官

○説明員(森谷要君) 五月の二十日過ぎだと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 二十日過ぎじゃ困るのですよ、何月何日に問い合わせをしたか、その点をはっきりしてくださいよ。

森谷要大蔵大臣官房審議官

○説明員(森谷要君) いま担当補佐が役所のほうにおりまして、至急問い合わせて御返事したいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは横浜のほうには同趣旨のものが三月出されているわけですよ。それで返事もらえないから、今度は関税局長へ出しているわけでしょう。だから、それはやっぱり向こうでいまここまで検討している、こういう状況だということはすぐ返ってくる日にちを与えているわけですよ。それがすぐ返ってこない。いまの話では、何月何日にそういう調査を出したかということは、日にちも言えない。真剣でそれに取りかかっているかということを疑わせるような状態だと思う。これじゃ審議できないと思うんだよ。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 それはいつできるのですか、適切な答弁できるのはいつですか、じゃ、きょうはだめですか。だめならこれ以上審議を続けたって私はしょうがないと思う。もう委員長から取り計らってもらって、適切な措置をとってもらう。いつ一体できるのか、その明快な回答をしてください。そんなふまじめじゃ、とてもあなた、審議続けられない。

船田譲自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(船田譲君) 先ほど来の竹田委員、戸田委員、また渡辺委員からも御発言がありました点につきまして、関税局の努力に足らざるところがあります点は、たいへん申しわけないと思いますが、いま審議官申しましたように、審議官自身総務課長臨時事務取扱をやっておりますが、二十七日まで海外に行っておりました関係もございまして、その間御指摘のように、非常に運営がのろかったという点につきましては、非常に申しわけなく思いますけれども、決してふまじめな態度でやったわけではないつもりでございますが、なお全般的に申せますことは、私ども大蔵省当局にありましては、職員がいかなる職員団体に所属いたしましょうとも、それによって、その待遇等について差別をする気持ちは全然ないわけでございます。ただ、個々のいろいろなことにつきまして——個々と申しますのは、実は私も大蔵政務次官に就任しましたときに、前政務次官及び前関税局長の答弁要旨のほうも勉強いたしております。そこで、今回のこの問題とは別でございますけれども、過去において、必ずしもわれわれとしても十分に誤解を与えないような努力をもっとすべきであったというふうな点は、確かに感じられるところがございますけれども、先ほど赤羽局長が申しました検討中と申しますのは、今後の七月なら七月、あるいは十月なら十月の昇任、昇格の時期における検討のことを申し上げたのでございますが、この通告書のほうの内容につきましても、鋭意、横浜税関を督促いたしまして、すみやかに報告がくるようにしたいと思っております。  なお、その日付につきましては、いま係の者を、本省の担当の課長補佐と連絡をとらせにやったところでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 次官の一般抽象論じゃないのです。いま論議されておるのは、もっと具体的なんです。私は一つの例として、この通告書の例を言っておるのですから、四十七年のすでに三月二十二日にきておるのです。そこでこういう問題は、その個々の労働者からいったら、人権問題で、生活上の基本的な問題です。そういうものが職員からいろいろ出されて、そのまま放任をして、今日まで回答もできないなんていうようなことは許されないと思うのです。だから、そのことがいま問題になっておるのですから、いま次官が言われるように、一般抽象論じゃだめなんです。事は具体的なんです。この個々的な問題について、どういう一体取り扱いをやったのかということを、納得のいくような説明をしなさいというのが、竹田委員の質問であり、われわれの質問なんです。そこをひとつ理解してもらわなければいかぬわけです。

森谷要大蔵大臣官房審議官

○説明員(森谷要君) いま御指摘がございましたこの文書を、十七日に関税局は受け取ったようでございます。そして翌日五月十八日に、この問題、いろいろ基本的な問題があると。したがって、横浜税関でこの点について検討をいたせということを、十八日に指示いたしておるようでございます。遺憾ながらきょう現在におきまして、横浜税関のほうから、その検討内容を受け取っていないということについては、まことに申しわけないと思っております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 ぼくの言っておるのは、審議促進ができるような体制をとってください、いつとれるのか、きょうとれるのか、あしたとれるのか、あさってか、どうですか、もう具体的に言ってください。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) ただいま森谷審議官がお答えいたしましたとおり、早急に横浜税関のほうにつきまして、報告書を督促いたしまして、直ちに御報告申し上げる、かようにいたしたいと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 これはもう会期中日程がないのですから、局長。それはこの問題が一般調査案件としてあれなら、よその法案入れませんよ。やっぱり決着をつけなくちゃいけないのですから。だから、もしきょうだめなら、きょうは打ち切ってもらって、委員長、それであさってやる。こういうことになるのですよ、はっきりしてください、近くなんということじゃだめだ。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) いたずらに故意に日を延ばしまして、会期が終わるのを待つというような態度は決してとっておりません。ただ、いま督促した結果も入ってないものでございますから、じゃあしたの昼からということは、ちょっといま申し上げられなかったわけです。至急督促してというのは、間に合うようにと、かような意味で申し上げております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 じゃ一体、いまのはいつになるのですか。あしたじゃない、あさってじゃないなんていうのじゃわけわからない。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) それでは明日は一日ちょっと余裕を置かしていただきまして、木曜日ということでいかがでございましょうか。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 関連。  いま問題になっているものだけがぼくは問題じゃないと思うんです。いま問題になっているのも、もちろんこれは、明後日までに報告というなら、それはそれでやってもらいたいと思うけれども、この問題については、すでに労働組合が団体交渉その他でもってあなた方には各税関でこういう不当労働行為が行なわれているということについては、もう前から言っておるはずなんです。私自身だって、きょうは昇任、昇格の問題が問題になっているけれども、定期昇給さえも、関税局は全税関労働組合に対して、ずうっと延伸していた。給料の差別、たいへんなものですよ。それを私が取り上げたのはおととしですよ。そのときに昇任、昇格についても明確な差別をやっているということは申し上げてある。あなたの前の関税局長の谷川さんが、定期昇給については若干考えなきゃならぬということを言っておりましたけれども、私自身が質問してからでも、もうこれは三年目ですよ。それをいまごろ横浜の税関へ行って、問い合わして調べなければわからぬという事態じゃないと思う。さっきも竹田委員がちゃんと資料をあげたように、東京でもそうですよ。横浜もとより、大阪、神戸、門司、それからまた舞鶴、あっちのほうでもそうだ、ほとんど。たいへんな差別をやっているんです。これらについて、やっぱり全面的に明らかにしていただきたい。これは個々の問題じゃないです。それについても明確な答弁をいただきたいと思う。

赤羽桂大蔵省関税局長

○政府委員(赤羽桂君) ただいま御指摘になりましたように、全般的な問題として、十分私らは問題意識を持っているわけでございまして、最初の答弁で申し上げましたとおり、具体的によく念査をいたしまして、調査をいたしますと、かように申し上げておる次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ、いま申し上げましたような資料を含めて、おたくのほうで調査した詳細な資料を一切ここへ出してください。それをお願いして、次の機会に私は譲りたいと思います。

柴田栄自由民主党

○理事(柴田栄君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

柴田栄自由民主党

○理事(柴田栄君) 速記をつけて。  本件に関する本日の調査はこの程度にとどめます。  次回の委員会は、六月八日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。午後三時四十四分散会      —————・—————

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