大蔵委員会 第23号
- 発言数
- 246 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/05/11
会議録
○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十日、喜屋武眞榮君及び中尾辰義君が委員を辞任され、その補欠として野末和彦君及び鈴木一弘君が選任されました。 —————————————
○委員長(前田佳都男君) 次に、沖繩振興開発金融公庫法案を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○竹田四郎君 おとといの委員会で、本土の銀行あるいは保険会社、こうしたものは当分の間沖繩に進出することを自粛する、あるいは大蔵省のほうの権限でつくらせないということでございますが、沖繩の銀行、それから金融機関の本土進出という面についてはどのようにお考えになっておりますか。
○説明員(松川道哉君) 沖繩のほうからの金融機関が本土へ出てまいりますことにつきましては、現に琉球銀行が東京に事務所を有しております。将来沖繩と本土との間の経済交流がもっと活発になってまいりますと、琉球銀行の事務所も、あるいは形を変えたいという要望が出てまいりますかもしれませんし、そのほかの銀行につきましても、何らかの形で東京に連絡の拠点を持ちたいというような要望が出てくることが考えられます。ただいまの段階でそのような要望が出ましたときに、どう措置するかということを明確にはお答えいたしかねますが、考え方といたしましては、国内におけるいわゆる地方銀行、相互銀行その他のものが隔地転換、配置転換と申しますか、土地を隔てたところに店を持つという要望と同じような考え方で十分検討してまいりたい、このように考えております。
○竹田四郎君 銀行はそうですが、その他の保険会社なんかはどういうふうになりますか。
○説明員(松川道哉君) 生命保険会社につきましては、琉球出身の方が、あるいは本土のほうにきていろいろな仕事につかれるというような事情がございます。そしてこういう方が、琉球におられたときに、すでに保険会社に入っておられた、その保険を引き続いて内地に来られても継続していきたいという要望がございまして、琉球生命がただいま大阪に支店を一つ持っております。今後同様なことが起これば、その段階で措置することになりますが、過日御説明申し上げましたとおり、保険会社につきましては、私のほうで店舗の認可というのをいたしておりませんので、特に大きな混乱を来たすような要望が出ない限り、その保険会社自体の判断で店舗網を拡充していくことを、私どもとしても、いわゆる認可ではございませんが認めていきたいと思っています。
○竹田四郎君 沖繩におけるいままでの金利、預金と貸し出し金利の状況というのは、これはどういう状況になっておりましたか。
○説明員(松川道哉君) 計数的には後ほど資料を見まして、明確に御説明いたしたいと思いますが、一般的に申しまして、金利水準は本土より高うございます。
○竹田四郎君 今度本土復帰で、さらにまた国内の預金金利の引き下げも近くあるだろうというふうに言われております。さらに貸し出し金利というようなものも逐次下がってきている。こういう状態の中で、沖繩の復帰後の沖繩の預金金利、あるいは貸し出し金利というようなものは、どういうふうに処置をされていくつもりですか。
○説明員(松川道哉君) 先ほどの御質問のデータを申し上げますと、ただいま沖繩の普通銀行の金利は、証書貸し付けの場合には七・二%ないし一〇・〇%、手形貸し付けの場合には五・五%ないし九・五%、手形割り引きの場合には六・七五%ないし一〇・二五%、当座貸し越しの場合には八・二五%ないし九・五%、これらを通算いたしまして、四十五年下期の貸し出し金利の利回りの平在が手元にございますが、八・四九%となっております。これに対しまして、本土におきます貸し出し金利、期日は同じように四十五年下期をとりまして、一応対応いたします地方銀行の平均をとりますと、七・九一%ということになっておりまして、この時点では〇・五%ほど沖繩のほうが高いことになっております。 一方の預金金利につきましても、本土の場合と若干の差がございます。これは貸し出し金利ほど大きくはございませんが、たとえば一年ものの定期預金について申し上げますと、本土の場合には五・七五%の金利を付しておりますが、沖繩では五・八〇%をつけております。本土の場合には一年半の定期というのがございますが、沖繩にはこれに対応するものがございませんで、二年ものの定期がございます。二年ものの定期預金は六・三〇%の金利を付しております。 このように預金、貸し出し両面におきまして、本土と金利水準に差があります。貸し出しの面におきましては、これから経済交流が進むにつれまして、だんだん本土並みの水準に近づいていくのではないかという期待を私ども持っております。他方、預貯金の金利につきましては、御案内のように臨時金利調整法で、国内におきましては金利の最高限度が定められております。この点につきましては、復帰の時点までにすでに受け入れられたものにつきましては、契約時における金利、すなわち、たとえば先ほどの二年ものの定期であれば六・三〇%というものはそのまままいりますが、復帰の時点以後において受け付ける預金におきましては、本土並みの預貯金の金利を付することになるよう指導いたしておる次第でございます。
○竹田四郎君 そうしますと、預貯金についてはこの十五日から本土並み、さらに本土の預金金利が下がっていくということになると、それに統一をさせるということで、貸し出しのほうでは逐次本土並みに指導をしていく、こういうことでございますか。
○説明員(松川道哉君) さようでございます。
○竹田四郎君 当分、当分というか、今年の本土から沖繩へいく資金量、これは大体どのくらいになるのですか。たとえば財政関係あるいは財政投融資を含めてのいわゆる財政資金もこれはかなりいくわけですね、予算も組まれているわけですから。当然沖繩にその金が入る。しかし、その一部のものは、本土のほうから、たとえば建設業者などの場合の支払いということになりますと、おそらく本土での支払いということにもなる。そういう企業が今度は沖繩で仕事をする場合には、その一部がおそらく沖繩へいく、こういうようなことが行なわれるだろうと思うのですが、全体として、四十七年度で沖繩に資金が、財政、民間含めて一体どのくらい散布していくか、そういう資金計画がおありになったらお示し願いたいと思います。
○政府委員(砂田重民君) たいへん大ざっぱな数字になるかもわかりませんが、一応お答えいたしますが、予算ベースで一般会計の金合わせて二千二百億、この二千二百億の中には、地方交付税が含まれております。それから地方債が百四十三億、それに公庫で貸し付けを予定をいたしております二百九十四億と八十億、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○竹田四郎君 民間ベースは。
○説明員(松川道哉君) 御質問のような形で、民間ベースでの金がどのくらい沖繩にいくかという試算は実はいたしておりません。と申しますのは、かりに沖繩のほうで、たとえば資金的に不足いたすようなことがございますと、沖繩の金融機関が、今度は本土のコール市場から自由にコール資金を取り入れることができるようになります。それからまた、必要に応じましてインターバンクの貸借もできる形になります。その結果、資金不足がかりに起こったといたしましても、それは通常の商業活動と申しますか、金融活動を通じまして、その不足分が埋められることになります。また他方、ただいま御説明がございましたような、財政的な活動を通じまして、沖繩に資金がかりにだぶつくことになりますと、これは、沖繩のほうの金融機関が、本土のコール市場に余った資金、余資を放出するという形になるか、または金融機関が、債券その他の有価証券に投資をするという形で、余資が本土のほうに還流してくることになろうと思います。したがいまして、年間を通じて、その余資があったり不足をしたりということになりますので、その結果、どの程度沖繩に滞留することになるのか、その辺は非常に計算もむずかしゅうございますし、また本土と一体となって、自由な資金の交流が行なわれるという前提に立ちますと、そういう計算をする必要性が、私ども、行政の上でどうしても必要だということではございませんので、計算をいたしておらないのでございます。
○竹田四郎君 私は、この計算は、実はしておいてもらわなければいけない。金が流れるということは、ただお金が流れていくということだけでは私はないと思う。必ず金が流れるところには、利害関係というものが生まれてくるわけです。 で、先ほどのお話しで、預金金利については、復帰とともに本土並みとする、こういうお話しですけれども、しかし、これは円・ドルの交換問題でたいへん沖繩の人たちは、新しく、十月九日以降ですか、手に入れたものについては三百八円という形、すでにここで一七%近く自分たちの汗とあぶらでためられたものは切り下げられておる。それに今回、新たに預金をするものについては、いままでの沖繩の本土よりも高い金利、これがさらに切り下げられる。こういうような状態の中で、はたして本土並み復帰とはいうものの、そこへさらにいろいろな金が入ってくる、あるいは出ていくということになりますと、私は、経験的に、沖繩の一般住民というものは、その上に物価の騰貴が加わってぐるわけですね。そういたしますと、こうした面でも、ほんとうに踏んだりけったり——あたたかく迎えるというような、そういうものはどうも考えられない。口の上では、たいへん、あたたかく迎えるということでありますけれども、実際問題は、こうしたほかの面では、たとえば税率の問題とかなんかでは、いままで低かった税率をそのまま温存するとか何かはしてきているのに、せっかくためた預金については、ばんとこういうようにやられる。はたしてこれでいいでしょうかね。私は、そういう点では、たいへん冷たい仕打ちになるんではないかと思うんですけれども、その点どうですか。しかも、貸し出しのほうでは、こう徐々に……。
○説明員(松川道哉君) ただいま御指摘のように、個々の預金者ないし経済活動全体を構成しております個々の構成員をつかまえて言いますと、いままで有利な預金ができた制度がなくなるということは、確かに、その限りでは不利益を生じます。それからまた、昨年の一定時点以降に入手したドル貨について、実勢レートによる換算ということになれば、かつての公定レートを期待しておったのと比較しますと、それだけ歩取りが減ることにはなります。ただしかし、預金のサイドも本土並みにいたしますと同時に、片一方の貸し付けのサイドの金利も、だんだん本土並みになっていく。これが沖繩経済全体が、本土が享受しておりますような繁栄を迎えるためにどうしても必要であり、それがまた本土と一体化していく上での、ぜひ必要な方策であろうと私どもは考えておりまして、全体として見ますれば、このようにして、本土と同じように扱っていくことが、沖繩の繁栄につながり、ひいてはその構成員である個々の人々の豊かな生活にも結びつくものである、このように考えておる次第でございます。
○竹田四郎君 私は、どうしてそれが豊かな生活に結びついていくかわからないのですよ。貸し出しのほうは順次下げていく。預金のほうはここで一ぺんに低くしてしまう。私は、これはかなり心理的な影響があると思う。そのほかにも心理的な影響がたくさんある。しかも一般的には、復帰とともに、まあゆうべのテレビでもやっておりましたけれども、失業者の問題、あるいは特殊婦人の問題、いろんな問題がたくさんある。こういう中で、私はこの金利の問題というのはわずかな問題だと思うのです。全体から比べればそう大きな額にはならぬ。しかし、これからの不安というものを考えれば、私はこれはたいへんな問題であろうと思う。そういう意味では、おそらく本土以上に沖繩では貯蓄率は高いと思います。そういう問題で副長官、この面でもこういうことをしていいんですかね。これは山中長官が言うところの、復帰においてはあたたかく県民を迎えるということと、たいへんずれている実際の行動だと思うのです。副長官どうですか。
○政府委員(砂田重民君) 二年ものの定期の点だけが、沖繩に新しい変化を及ぼすわけでございますが、先生おっしゃいます、沖繩の復帰を迎えての不安というものは、御指摘のとおりいろいろな各種各様深刻な不安があるのが現実の姿でございます。また沖繩県民の立場に立ってみれば、ドル経済圏から円経済圏に移行するその間で、事業にも、商売にも、また生活にも、それぞれ不安を持たれるのは当然なことでありますが、私どもといたしましては、ただいまの琉球政府、五月十五日からは沖繩県、また沖繩県下の各市町村、こういった地方公共団体とも密接に連絡をとりながら、そういった不安を一つ一つ解消していくための最大の努力をはらってまいっております。ただ復帰を迎えての不安の中には、私どもが考えましても、取り越し苦労と思われるような点もございます。ただ沖繩県民の立場に立ってみれば、これは感情的な不安というものは、やはり十五日以降、国や地方公共団体のとります施策というものが具体的に施行されて、その不安を解消していく以外に、どうも感情的な不安については、いまここで復帰までの間で、いろいろ御説明、広報には特段の配慮は払っておりますものの、こういった沖繩県民の不安というものを、完全に解消するところまではいっていない。政府なり地方公共団体の努力によって、この不安は一日も早く解消をしていかなければならない。そういうふうに私どもは考えているところでございますけれども、ただいまも長期の預金、この点だけは確かに先生おっしゃいますように、新生沖繩県としてスタートいたしますと同時に、この点だけの不利は免れ得ないところでございます。ただ預金につきましても、御承知のように、昨年の十月の九日にチェックをいたしました。あのチェックについては、おそらく近々のうちにきまるであろう円とドルとの交換比率と、三百六十円の差額というものはこれで埋めていく、こういう措置もまあ沖繩の人たちからはたいへん喜ばれている、歓迎されている施策の一つでもございます。こういった私どもの努力を引き続けてまいりまして、県民の不安というものを一日も早く解消したい、かように考えておるところでございます。
○竹田四郎君 副長官、これはあなたの直接の管轄じゃないと思うんですけれどもね、貸し出しのほうはとにかくだんだん本土並みになる、ところが預金金利のほうは、これは直ちに本土並みです。どうもその辺納得できないわけです。おそらくここいろいろ、復帰に伴って軍労働者の中には退職せざるを得ないというような者があると思うんです。せっかくもらった退職金を預けようと思ったら、いままでの金利でない。こういうことでは、私は復帰に対する喜びというのはたいへんそがれてしまう。この辺は私は、貸し出しと同じように、ある程度段階的にものを考えていかなければ、いままで隔絶されたところなんです。温室とはいえないと思うんですが、とにかく隔絶されたところです。それを一ぺんにやるのは——やっぱり順次ならしていかなければ、それは段階的に、われわれだって病院に入れば、一ぺんにマラソンをできるものじゃない。やっぱり順次自分のからだを訓練しながらもとへ戻していくわけですよ。そういう意味では、沖繩経済だって私は同じだと思うんです。特に沖繩の要望としても、自力といいますか、自分の力でやっていこうという意気込みというのも私はかなり感じられるわけです。そういうようなものを助けていくためにも、ただそういう形で一ぺんにやってしまうというあり方は、どうも納得できない。これは、こんなものは、たとえば三百八円で今後かえるものを、三百六十円でかえてやるということに比べれば、非常に小さなことだと思うんです。小さなことではあっても、数には数えられるわけです。経済的なお金の全体ではかってみれば、私はそう大きいことじゃないと思うんです。しかし、これは心理的な影響というのはかなりある。考え直してもらわなければいかぬと思うんです。
○政府委員(砂田重民君) 私の所管いたしておりますこの公庫の金利の点、ただいま預金金利のほうは、どうも私の所管ではないものですから、貸し出し金利のこともあわせて、先生の御意見の中にございましたのでお答えをしておきたいと思いますが、私どもの基本的な考え方としては、沖繩公庫の金利というものは、沖繩の現行の金利、それから本土の金利、こういった双方の金利の中の安いほうをとって、公庫の金利というものを決定をいたしました。いわば特殊の金利でございます。この金利をだんだん本土に合わせていくというお話でございますけれども、だんだん本土に合わせていくそのテンポというものは、そういう今回公庫がとります金利の体系よりも高く、本土並みに変えるときには、そういう金利に沖繩経済が耐えられるときでなければ、変える気持ちは毛頭ありません。財政当局にも、やはり本土金利体系の問題が、いろいろ御意見ありましょうけれども、私どもはそこのところは、ただいま申し上げましたように、沖繩経済が耐えられるまでは、この公庫金利をどうしても続けていく、そういう決意を私どもはいたしておりますことだけはお答えをしておきたいと思います。
○説明員(松川道哉君) 蛇足かもしれませんが、一言だけ先ほど申し上げました数字について補足説明させていただきたいと思います。 貸し出し金利の数字を申し上げましたのは、その時点におきまする貸し出しの平均金利でございます。預金金利のほうで申し上げました数字は、制度的に、ある時点におけるある種の預金に対する金利、こういう制度的なものでございます。したがいまして、もし同じレベルで議論をいたしますとすれば、実効預金金利と申しますか、平均預金金利と申しますか、こういったものと、平均貸し出し金利を比べなければいかぬ、こういうことになります。もしかりに平均預金金利というようなもので御議論いただくとすれば、これは復帰の時点でがくんと安くなるのではなくて、徐々に動いていく、こういうことになります。それは五月十四日以前に受け入れました預金につきましては、在来の金利がずっとその預金の期間だけ付せられることになります。五月十五日以降新たに受け付けるものだけ、この新しい制度で受け付けることになる、こういうことでございますので、平均預金金利というものをとれば、ちょうど平均貸し出し金利が徐々に下がるのと同じように、ゆるやかな下がり方を示すであろう。この点だけ若干、蛇足ではございますが、補足説明させていただきます。
○竹田四郎君 そういうことはわかっているわけですよ、私も。ですから、過去の預金金利が下がるということを言っているわけじゃない。これからやろうとするものがいままでに比べれば下がる。しかも復帰ということで下がる。これは私はたいへん大きな心理的な影響があると思う。特にお金のことである。これは私は何とかして直してもらわなければいかぬと思うんです。これはどうしてもそれを直すことできませんか。
○説明員(松川道哉君) そこで、ただいまと同じように四十五年の下期をとりまして、琉球の二つの銀行の平均預金の利回りをとりますと、一方が三・八三%、他方が三・八九%でございます。これに対しまして、本土における地方銀行の預金利回りの平均は四・一六%でございます。他方貸し出し金の利回りは、先ほど申し上げましたように、沖繩の銀行のほうが高いということでございます。制度的には高い預金の制度がありながら、平均の預金利回りをとりますと、先ほどのような長い期間の定期預金の比率が非常に少ないものでございますから、平均預金利回りというものは、かえって本土よりも低くなる。これが沖繩にだんだん経済力がついてまいりますれば、預金構造もだんだん本土と同じようになってまいりまして、より有利な金利のついておる種類の預金をすることができるようになるのではないか。これが先ほど私が申し上げました趣旨でございます。
○竹田四郎君 だから、おそらく私は、沖繩の場合にはたいへん復帰不安があるわけですよ。長期の金利というのは、そんなに多くないと思うんです、量的に言えば。しかし、利率においては長期のほうが高い、本土よりも。だからこんなものサービスしたってたいしたことないですよ。たいへん大きな間違いが起きるような、そういう問題じゃないんですよ。だから私は、先ほど副長官がおっしゃられたように、ある程度沖繩に力がついてくる、そういうものを見合いながら平均化していく、こういうことがどうしても必要だと思う。それは沖繩の預金全体が、いまのような大きな差があるというなら、これはいろいろ問題がある。ごくわずかなものしかないわけです、長期的な貯蓄はですね。だから、これを順次直していくといっても、私は金融情勢にはそう大きな影響を与えるようなものではないと思うんですが、どうなんですか。
○説明員(松川道哉君) その点、本土との交流がひんぱんになりまして、貸し出し面において徐々に金利が下がっていく、また経済活動が活発になるに従って、貸し出し金利が下がる、これは一般的な傾向として言えることではなかろうかと存じますが、そのようになりました場合に、片一方の資金源である預金の金利体系のみ.在来のものをそのまま置いておくということは、抽象的に考えますれば、経営の圧迫になってまいります。金融機関自身の経営の圧迫になってまいります。この点はやはり片一方で経営改善の努力をしながら、他方本土に復帰した時点においては、本土並みの経営をやっていくことが金融機関にも望まれておると、このように私ども考えております。
○竹田四郎君 預金が非常にたくさんあるというなら、これは本土の中小金融機関の現在当面しているような諸困難があると思うんです。向こうにはそういうものは少ないわけですよ。ですから私は、それはそう考える必要はないと思うんですよね。これは十分私は検討してもらわなきゃいかぬことだろうと思うんです。その議論ばかりやっているわけにいかぬですから、この辺はひとつ十分大蔵次官も考えてもらわなきゃいかぬと思うんですよ。いたずらにそういう刺激をやることだけでは困ると思うんです。 もう一つは、いまのお話ですと、貸し出しのほうは本土より向こうのほうが高い、しかも本土に沖繩の銀行の支店あるいは営業所、こういうものができる可能性があると。これはいまの国際的な金融でもおんなじでありますけれども、金利差を求めてやっていくということは確かにあるわけですね。日本に金が集まり過ぎるというのも、やはりアメリカと日本との金利差によるものも相当あるわけです。特に在庫金融などを見てみれば、アメリカのほうの金利が安いから、日本から借りないで、外銀から借りて、在庫金融やっているというようなことがかなりあるわけですね。この場合もそういうこと起き得ると思うんですよね。そういうことは起き得ないですかな。おそらく本土のほうが金利が安いということになれば、沖繩で事業する者は、本土の銀行から金を借りる、沖繩にある金は使わない、こういうようなことが起きないですか。
○説明員(松川道哉君) 抽象的に考えますと、このような可能性が全くないということを私ども申し上げられず、そういうこともあり得るとは思いますが、具体的にこれから沖繩開発にあたって、民間の方々がどうやって資金を調達し、どのようなチャネルでそれを現実に使っていくかということを考えますと、一方で沖繩に余った資金を置きながら、他方日本本土から金を借りて、これを沖繩へ持っていくということは起こらないのではなかろうか、少なくとも大幅に起こることはないであろうと、そのように考えております。と申しますのは、沖繩にある余裕資金と申しますのは、先ほども申し上げましたように、あるいは本土のコール市場へ放出される、あるいは債券の形をとる、あるいは何らかの形で収益を生みながら運用されていかなければ、沖繩自体の金融機関というのは成り立たないことになってまいります。もしそのような状態が起こって、余裕資金があり、これを本土で運用するということになりますと、どうしても本土での金利水準というものが問題になってくる。沖繩のほうから入ってくるものだけ、特別に高い利益を生むような運用方法があるわけではございません。したがいまして、本土での金利水準に沿ったレベルで運用されるということになりますと、他方本土から資金を沖繩に持ってまいりますときに、支払うべきいろいろな金利、これはもちろん本土の金利水準に合致しておるものでございますから、これを引いていくということになりますと、自分が運用して、上げる収益と別のチャネルで本土から金を持っていくのと、この間にはおのずと期待し得るような収益が生ずる余地はないのではなかろうか、かように考えます。もちろん先ほど来、対策庁のほうから御説明のございます公的な資金、これは特別な金利に乗せられておりますから別でございますが、純粋に民間だけをとって考えますと、そのようなケースは例外的には起こり得るかもしれませんが、一般的に起こることはないのではなかろうかと、このように考えおります。
○竹田四郎君 私は、逆に大いに起こり得ると思うのですよ。過去の、五年前の日本の企業であればおそらく自己金融なんかはなかなかつきかねたわけです。それから商社などにいたしましても、これは五年前であったらば、自己の資金というものは非常に乏しいということで、そんなに使うことはできなかった。いま国内の金融というのは緩和している、金利も安くなっている、コールレートも安くなっておる、法人がかなりの余裕資金を持って、株式投資をやったり、不動産投資をやったりしているような状態、こういう状態であれば、いままでは円・ドルという形で切られていた、だからいけなかった、今度は自由になった、こういうことになれば、銀行のほうは、大蔵省がかなりきびしくそういうことは検査をし、取り締まることができるかもしれない、しかし商社や企業については、そういう取り締まりをすることはおそらくできないだろうと思います。そうすれば、銀行のチャンネルよりも、その他の法人のチャンネルによって本土で金融をして、その金が沖繩に流れる、こういう可能性というのは、いまの金利差の問題から考えてみて、小さな金額ならそういうこともないでしょう。少しまとまった大きな仕事をするということになれば、私は当然、一つのホテルを建てるなんということは、海洋博を中心としてこれからどんどん進んでいくだろう、そうすれば、企業としてはむしろ本土で金融をして、それを現地へ持っていく、こういうような形になるチャンネルというものは、非常に大きなものになる。だからいまあなたがおっしゃったように、銀行を通じない他のチャンネルはあまり考えられないというようなことは、私はどうもあまりあなたのおっしゃるような状態にはなるまい、そしてかなり沖繩というものは、そういう意味で、貸し出しの金利差を通じて、かなりの金が沖繩にあふれていく、しかしそのあふれた金というものが、確かに本土の企業が行って工場をつくりホテルをつくり、そういうことの一次的な効果は私はあると思う。じゃ沖繩に行ったお金が、そのお金の二次的な需要といいますか、二次的な使用といいますか、そういう点を考えると、おそらく投資先はない、こういうような形であふれるでありましょう。そのあふれた金が、本土へ再び返ってくるようなことが、あなたはいま、短期のコール資金等で返ってくるというわけであります。はたしてそれが返ってくるように、コールレートが上がってくればいい、上がった場合はどうなるかというと、むしろ投資先がない、余った金は本土に吸い上げられてしまう、そして沖繩は資金の逼迫を受ける。こういうような事態になる可能性ば、私は非常に大きいと思います。その辺で、私が先ほど言ったように、民間ベースの資金計画というものも立てて、沖繩県における資金の需給というものがバランスがとれるような、そういうことをしなければ、金はただ通っていくだけではない、必ずそこに強いもの、弱いもの、多くの場合は強いものは利益を得、弱いものは損失をこうむるという形で必ず出てくる、どうしても当分の間、本土と沖繩との関係の資金の調節的な役割りというものは、どこかでしなければいけないのじゃないか、しかも本土の場合には、戦後の長い経済の中で、おのおの本土らしき経営のやり方、本土らしきいままでの方向というものがあるわけでありますが、沖繩の場合にはそういうものはない、案外もろい形で、本土の資本に屈服せざるを得ない。米軍の民政府ではなしに、日本の資本というそうしたものが出てくるだけであって、沖繩の経済は相変わらず自主的な経済ではなくて、他律的な経済という形におちいってしまうというふうに、私はどうも心配でならない。なるほど沖繩庁のほうで一生懸命やろうとしたって、やっぱり金の問題が裏についていることは、何としてもこれはのぞけないわけです。ですから物と金、この関係の結びつきが悪ければ、私はむしろ本土の植民地的な沖繩というようなものになると思う。そういう意味で、財政ベースだけでなしに、民間ベースにおいても資金の需給調節、資金の需給計画、これはたいへんむずかしいと思いますよ。いままでみたいに切れているときと違いますから。しかしそれは、何らかの形で私は誘導政策をとって、そういうことをしなければ、ほんとうに本土との平準化をはかり、沖繩をあたたかく迎えるということは私はできないと思う。この点についてひとつ、砂田さん及び松川さん、御両者からお聞きしなければならないと思うのです。
○政府委員(砂田重民君) 沖繩の経済が、また沖繩の企業が、本土資本の拘束を受けてしまうようなことになっては、沖繩は植民地化するではないか、こういう御趣旨の御意見だろうと思いますが、私もまさにそのとおりだと思います。そういう事態を来たしてはならない。それだけに、沖繩経済、沖繩企業に対します資金の調達力と申しますか、資金を提供する道を、やはり私どもは十分気をつけて配慮していかなければならない問題だと思います。ただ、私は、そのことを行政的にやりますのに、非常にむずかしいと思いますことは、また当然私どもが配慮をしてまいらなきゃなりませんことは、企業必ずしも資本だけで拘束されるものでない。現在沖繩にあります企業の中にも、本土との提携をいろいろ計画しておられる方々も現実にあるわけでございます。本土の資本を仰ぎながら、やはり経営権というものは沖繩方の人でこれを握っていこう、そういう提携もまた中にもあるわけでございますから、角をためて牛を殺すことのないような配慮また必要でございまして、私どもは、ただいま内閣委員会で御審議いただいております開発庁設置法を成立さしていただきましたならば、開発庁の沖繩現地事務局の中に、こういう通産関係の役所も入ってまいりますので、現地での事態、こちらの本省での事態、情報の入手におくれがあってはなりませんので、そういうことに十分配慮をしながら、沖繩の経済というものが、本土の資本だけに拘束をされてしまう——本土資本を利用するということは、私はさして反対するいわれはないと思いますけれども、本土資本に拘束されてしまうことのないような、特段の配慮は十分に私どもは気をつけてやっていくつもりにしております。
○説明員(松川道哉君) 先ほどの御質問に対する答弁で、私が、本土から金が沖繩のほうへ流れていくことは、一般的にはないであろうと御説明いたしましたのは、あくまでも、銀行が自分の能動的立場に立って、たとえば金利差を追求する、その他のモーチブでそういう行動を起こすことは、一般的に考えられないという趣旨で申し上げましたが、その次のただいまの御質問の中で、企業がイニシアチブをとってやるときにチャネルが銀行になる。そういう意味で、自動的な立場で、銀行が金を沖繩に運ぶ役割りをする、そういうことは私もあり得ると思います。それからまた別の意味で、銀行も通さないで、直接企業間の信用で行なわれるということ、これもあり得ると思います。したがって、その限りで、その民間の金が沖繩のほうに非常にたくさん流れまして、沖繩で、何と申しますか、金が実物経済よりも余分になるという状況が起こり得ることはございますが、しかしこれは、過日の当委員会の答弁でも申し上げましたが、日銀が那覇に支店をつくりまして、ここで沖繩における金融の需給関係を絶えずウオッチする体制をとっております。また別途本土と沖繩との間のあらゆる障壁が払われることになりますので、先ほど来申し上げておりますように、コール市場での受け払い、そのことを通じて、特に沖繩に金がだぶつくような事態というのは起こらないし、また起こるようなことがある場合には、私どもも積極的に指導していかなければならない、このように考えております。
○竹田四郎君 そうしますと、そうした資金の需給調整を責任をもってやる場所というのは、日銀の沖繩支店が必ずやるということですか。
○説明員(松川道哉君) 本土の一部分となりましたある地域につきまして、資金の需給関係がどうなったかというのは、非常ににむずかしい問題でございます。たとえば悪いかもしれませんが、たとえば北海道地域においてどうであるとか、四国地方においてどうであるとか、こういう問題と非常に類似した形で、今後は沖繩における資金の需給関係というのが問題になってくるであろうと思います。しかりとすれば、その問題はあくまでも国内の一部における通貨調節がうまくいっておるかどうかということで、日本銀行はその設立の目的の中に、通貨の調節、金融の調整、こういったことに任ずることを目的として設立された法人でございますから、第一義的に、日本銀行がその責任に当たるものと考えております。
○竹田四郎君 まあ私はそれもちょっと信用できないわけですね。おそらくそのように余った金というのは、とりあえず、いまでさえ沖繩で行なわれておりますけれども、土地の買い占めとか、あるいは優秀な観光資源の買い占めとか、こういう形で一部の資本というものがやっていく可能性もあるわけです。国内におけるところの、本土におけるところの、いままでの土地の買い占めすら日銀はどうすることもできなかった。沖繩の場合には、それに加えて基地という形で大きく制約されている。しかも観光資源も、いままで沖繩には本土と違ったいい観光資源がある。そうなってきますと、そこまで一体日銀が制約できるか。私はおそらく制約できないと思う。そうしてしまえば、沖繩におけるところの一方では開発庁が、沖繩県知事の原案に基づくところの開発利用、振興開発長期計画をつくっても、片方では虫食いのように、その開発計画はおかされていく。私はこういう心配が非常にあると思う。そうした資金面でも、私はそれを調整していかなければ——これは一つのほんの一例です、その他いろいろな金融関係では影響というものを広範に引き起こす問題である。こういう点については細心の注意を払ってもらわなくちゃいかぬと思いますが、これはむしろひとつ総理府のほうで、この点については私は考えてもらわなければいけない問題だと思うのです。副長官のほうからひとつ……。先ほどたいへん精神的な点ではお話をいただいたわけですが、具体的にこれをやってもらわなければ、精神的に言っていても、これはどうにもならない問題だ。金は動いているものですから。具体的にそうした問題について、総理府——まあ将来の開発庁になる部分だろうと思いますので、考えてもらわないと、あなたが先ほども、私と同じように一番心配していたことが、現実の問題となってしまうと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(砂田重民君) 確かにおっしゃいますように、率直に申し上げて心配を私どもも持っております。それだけに、的確に具体的なお答えをしたいのでありますけれども、まだ具体的なこととして、行政ベースに乗せてどうだというお答えをする段階に至っておりません。ただ、いまおっしゃったような、資金の流れ等、いままでかつてなかったような、せっかく沖繩県知事が、原案提出権というものを持たれて、そこからスタートをしてつくりあげて、これからまいりますところの振興開発計画でありますから、沖繩振興開発計画というものが、計画どおり流れていかなければとんでもないことになります。沖繩県民の皆さんを、復帰にあたって、日本国政府、日本国国民としてこういうふうにお迎えしますといっていることが、根本からくずれてしまうわけでありますから、そういった先生御心配の資金の流れ等について、現地には日銀も支店を出すわけでありますし、私どもの出先の役所もできるわけでありますから、双方相まってそういった資金の流れ等の情報を的確に迅速に把握をいたしまして、少なくとも行政指導としては、東京でこういうことについての手は一つ一つ打っていきたい、そういう不安を私どもは確かに持っておりますことを率直に認めまして、そういう具体的な措置をそのつどそのつどやっていく姿勢で、私どもはかかってまいりますということだけを一応申し上げておきたいと思います。
○竹田四郎君 時間がありませんから次へ移りたいと思いますが、とにかくいままでこういう資金問題というのは、沖繩の復帰に対してあまり表面に出た話が実はないわけであります。沖繩からの建議書でも、こうした面では、具体的に私どもの目に触れる面では触れられていないわけであります。かなりおくれていると思うのです。ほかの面では、学者等の提言もいろいろありました。しかし、金の流れの点については、どうも私はそういう面ではあまり見ておりません。まあそれだけに、この問題というものは重要であろうというふうに思うわけです。ですから、ただそれを、日銀の沖繩支店に不完全な資金調整をまかせるだけではなしに、これはひとつ開発庁、将来できるであろう開発庁、あるいは総理府として、これは十分に目を光らしておいてもらわなければ、片方で幾らいい計画、事業をやっても、それも一回で終わって、その次にはそれが悪い作用をする、その金が土地の買い占めをやるとかという、次の開発のための妨害になっていく可能性は私はたいへんあると思うのです、そういう意味で、それから同時に、日本の本土の景気動向によって、その被害というものを逆に受ける、こういう点もありますから、特にこの点は、いままでどうもあまり私ども政府の対策というものも、何かおくれているような感じを私ども受けているのですが、どれだけ進んでいるか、私どももこの点においては聞いたこともございません。この面では特に進めていただきたいと、こういうふうに思います。 時間がありませんので、次一、二問聞いて終わりにしたいと思いますが、開発金融公庫の転業貸し付けというのがございますが、これは一体どういう内容で、どのぐらいの貸し付け限度で、どのくらいの期間、どういうものを対象に貸すんですか。
○政府委員(砂田重民君) お手元に提出しております資料でごらんいただきますように、転業資金という名を打って、沖繩金融開発公庫でやろうといたしておりますのは、復帰に伴って沖繩のいろいろな制度が変わってまいることがあります。たとえば関税の変化をもたらす、あるいは制度的に、たとえばたばこ製造業という関係が、今度はもう専売公社一本でございますから、そういった制度、仕組みの変化によって経済活動に大きな変化をもたらすもの、こういう事業を対象にいたしまして貸し付けようとするものであります。中小企業等八十四億のワクを組んでおりますが、この中の十六億ないし十七億ぐらい。環境衛生金融公庫関係で九億のワクを私ども予定をいたしておりますが、その中の二億ぐらい。全部で二十億程度のものがこれを利用されようかと思いますが、金利は六分五厘を予定をいたしております。こまかい貸し付け条件等、事務当局のほうから御説明いたします。
○竹田四郎君 いままで大衆金融公庫というのは、更生貸し付けというのをおそらくやっていたと思うのです。更生貸し付けというのは、いま言った転業資金貸し付けの中には入るのですか入らないのですか。更生貸し付けはどうなるのですか。
○政府委員(砂田重民君) いま先生のおっしゃいました更生貸し付けは小口貸し付けの中には入りません。
○竹田四郎君 それはどうするのですか。
○政府委員(砂田重民君) 大衆金融公庫が以前にやっておりました更生資金貸し付けは、七分五厘の利息で昭和四十年までやっておりましたけれども、ただいま大衆金融公庫はこれを廃止をいたしております。廃止いたしました理由は、需要が全く減少してしまった。それから生業貸し付けで大体この資金需要はまかなえる、さらに本土にもこれはある制度でありまするが、地方公共団体、市町村の制度で母子貸し付けという制度がございますが、沖繩でも沖繩の市町村が母子貸し付けを始めまして、以前大衆金融公庫がやっておりました更生資金貸し付けというものの需要がなくなったというのも、やはりこういうことが一つの原因になっているのではないかと思うのです。沖繩金融公庫においても、同様な考え方で、復帰後の沖繩の市町村も引き続いて母子貸し付けという制度をやっていかれることでありますから、沖繩の金融公庫、沖繩公庫といたしましては、小口貸し付け、生業貸し付けのほうで、こういった地方公共団体の制度に乗り切らない方々は受けていける、そういうふうに考えております。
○竹田四郎君 その生業貸し付けでやっていくということなんですが、おそらく、たとえばいまマスコミでも特殊婦人についてたいへんニュースが出ておりますが、ああいう人たちも、おそらくそういう仕事をやっているわけにはいかぬだろう。そういうようなものは、さっき言った母子貸し付けなりそういうことでやってしまうのですか。それからたとえば失業の問題もたいへん起きていますね。そういう人たちが何とかしようと、失業保険の切れた日に再雇用されればいいですけれども、再雇用されないというときには、そういう人たちはどういう形で救済をしていくのか。この辺ちょっとこまかいところでございますけれども、やっていけるのだ、それなりの資金が用意されているのだ、低利で貸し付けられるのだということをひとつ明確にしておいていただきたいということが一点。 もう一点は、松川審議官に伺いますが、先ほどのような形で、たいへん沖繩の金融状況というものは、私はいろいろ問題が出てくるだろうと思うのですが、いままで大蔵省が指導をしてきたのは、大体地方銀行は一県一行主義ですか、こういうものが、大体柱になっておりましたね。ところが沖繩の場合におきますと、まあ琉球銀行のほうはわりあい力があると思うのです。沖繩銀行のほうは、かなり資金量その他から見て、私は本土の地方銀行の中でも非常に末端に属するくらいのものしかないと思います。しかも、将来は本土の都市銀行も何年か後には進出していくということになりますと、この地方銀行以下の金融機関というものを一体どうしていくのか、これは一つは、本土の経済との関連がありますから、この辺の問題というものも、私は遠からず出てくるのじゃないかと思うのですけれども、その二点、お聞きして終わります。
○政府委員(砂田重民君) 前段の問題でありますけれども、特殊婦人の問題、これはもちろん重大問題でございます。私どもといたしましては、逐次対策を検討もし、実施に移しておりますけれども、ただいまお答えできますことは、Aサイン業者の転業資金の、これは対象にいたします。これは業者のほうは対象にいたします。それからAサイン業につとめておられた婦人の方々が失業なさった場合。これの失業手帳、離職者手帳をお渡しすることにきめました。それから、いまの金融のことでありますけれども、その種の失業につきましても、生業資金をお貸しを無担保ですることにいたしました。そういう措置を至急とっていくことにしております。
○説明員(松川道哉君) 琉球銀行、沖繩銀行、それぞれ復帰後は、日本の地方銀行としての扱いを受けますが、琉球銀行は、かりに昨年三月末の試算で、日本の地方銀行のどの程度の地位にくるかというのを見ますと、地銀、本土に六十一行ございますが、第五十位の千葉興業銀行の次ぐらいになるであろうと、まあ非常に下ではございますが、まだ下に相当ある。片一方沖繩銀行のほうは、同じように昨年三月末で見ますと、第五十一位、その次の清水銀行——静岡県でごさいますが、その次ぐらいの地位にくるであろうということでございまして、地方銀行として、本土の地方銀行と比べましたときでも、まあ極端に小さいというものではなくて、ある程度のところに位置することになるんではなかろうかと、このように考えております。 そこで、質問の前段にございました、地方銀行は一県一行にするという基本的な原則、これはございますが、御案内のとおり、本土におきましても、ただいまの千葉県、静岡県、それぞれ地方銀行は単独ではございません。したがいまして、沖繩が返ってまいりましたあと、沖繩県の地方銀行、これはぜひ一つにしようと、そういった考えは私ども持っておりませんで、二行そのまま併存していけるんではないか、このように考えております。そこで、しかしながら、六十一行のうち、五十番目であるというような地位でございますと、これはやはり地銀の中でも弱い銀行ということになりますので、ぜひ大きく成長していってもらいたいと思うのですが、御案内のとおり、金融はある意味では実物経済の反映でもございます。したがいまして、沖繩の振興計画その他によりまして、沖繩経済が大いに振興してまいりますれば、それに歩調を合わせると申しますか、それと軌を一にしまして、この二つの銀行もりっぱな地方銀行として成長することが可能であろうと私ども考えております。
○竹田四郎君 その他の小さな銀行、相互銀行とかその他の金融機関……。
○説明員(松川道哉君) その他の金融機関につきましても、御案内のとおり、信託銀行が二つございましたが、ただいま一つになりましたし、そのほか信用金庫、労働金庫等本土の同種のものと比べますと、規模は若干小さ目ではございます。しかし、これも沖繩の経済の中においてそれなりの地位を占め、欠くべからざる活躍を営んでおるわけでございますので、今後とも健全な経営が続けられるよう、要すれば私どもも適切なアドバイスをしながら、その発展を期待したいと考えております。
○成瀬幡治君 昨日のちょっと続きでお聞きしておきたいと思いますが、まあ十五日に復帰すると、そうすると、公庫は十五日から発足するということだが、実際の業務、その金を借りにくる人がいつくるのか、なかなか予想しにくいことだと思いますけれども、どんなふうに……。まあドルを円に切りかえるのに、二十日まで何か日にちを切っておいでになるようですが、実際、金を借りにくる人はいつごろからというようなふうに予想をしておられるのか。それにあわせて私は、役員の任命その他のいろいろなことをおやりになるだろうと思うのです。あるいは業務方法書というようなものもおつくりにならなくちゃならぬと思いますが、業務方法書にウエートを置きつつ、ちょっとお聞きしたいと思う。
○政府委員(砂田重民君) 沖繩の皆さんの御要望は、十五日から貸せという要望でございます。私はごもっともなことだと思います。私どもといたしましても、十五日から貸し出しを直ちに始めたいところでございますけれども、やはりこういう公庫が貸し出しを実際いたしますのは、お申し込みをいただいて一応の審査はいたさなければなりません。そこで私たちが考えておりますのは、一番急ぎますのは、やはり予算の中でこの公庫でやることにいたしました例の八十億の中小企業の三分の低利長期の融資、それから旧債の借りかえ、こういうことが緊急の事態だと思います。そこで十五日から、少なくともその受付は現地沖繩におきまして開始をどうしてもいたさなければなりません。そこでもう先生御質問でございますので率直に申し上げますけれども、この土曜、日曜、もちろん返上いたしましてその準備をして、十五日には開業したいと思っております。また、いたさなきゃならないと考えております。それには理事長の任命等ございますけれども、何とかこれも率直に申し上げますが、今週中できるだけ早い時間に法案の成立をお願いができましたならば、たとえ土曜に臨時閣議を開いてでも、やはり理事長人事の手続等はいたしたい。それから法律に、御承知のように、書かれておりますように、設立委員を総理大臣が任命をしなければなりません。設立委員会でいろんな準備をいたしまして、その設立委員会は理事長たる者にこれを引き継ぐ。公庫開設の前日までにそれを終わってしまわなきゃなりません。前日というのは十四日の日曜日でございます。そういう一切の事務的な手続等を十四日にはほとんど終えて、十五日には業務方法書の認可申請、当日付の認可、八十億は受け付ける、こういうことに私どもはいたしたい。また、国会のほうにもそういうふうにさせていただきたい、このように考えているところでございます。
○成瀬幡治君 時間的なことから計算しまして、私もとの業務方法書は、理事長が最終的にはこうしますよということについて申請をし、そしてくるということになる。十五日にやるということになるなら、できておって、もっと言えば、理事長がきまっておって、内定をしておってということになるとおかしいことになるかもしれませんが、なっておって、ある程度理事長になる人が目を通しておってやらなければ全く間に合わぬと思っているんですよ。ですから、ここで業務方法書で、私が先ほど、前に質問をしましたことに関連をしてお答えを願うわけだが、しかし、それは業務方法書でございますと、それは理事長が一ぺん認めなければそういうことにならぬ。だから、ないんですよ、まだ理事長もきまっていませんと、設立ももちろんないことですから、これからだと、こう言ってしまえば、さて業務方法書に関連して私は質問しようとしているのだけれども、そういうことはできないというものなのか。いま言ったように、もうある程度は仕上がっちゃっておって、理事長も内々はもうやっているんだと、設立準備委員の人たちもきまっているんだというふうに理解していいのか悪いのか、いやまだそれは白紙ですよとおっしゃるのか。
○政府委員(砂田重民君) たいへん微妙な御質問でございますけれども、ただいま申し上げましたように、十五日には開店をして、少なくとも受け付けてあげなければ、沖繩の皆さんにはたいへんな、これは経済活動のことですから、刻々生きていく仕事でありますので、たいへんなことになりますので、十五日にはどうしても開店をしたい、かように考えておりますだけに、人事等、準備をしていないのかと言われれば、していないと申し上げるとうそになります。ただ、内定ということをしているのかとおっしゃれば、内定などはまだしておりませんとお答えせざるを得ないのであります。業務方法書につきましても、おっしゃるように、設立委員会で構想も練りまして、理事長がこれは決定をなさるべき筋合いのものでありますから、きまっているかという御質問をいただきますと、きようの段階ではもちろんきまっておりませんとお答えせざるを得ません。ただ、沖繩公庫を構成をいたしますのは、本土に現在ある各公庫等でございます。それから琉開金、大衆金融公庫、沖繩の特別会計、それぞれ業務方法書のようなものを持ってやっておるわけであります。金利等につきましても、金利の一覧表のようなものを国会にも提出をいたしましたけれども、財政当局とももう意見の一致を見ておりまして、本土と沖繩の現行金利の低いほうをとるということができることになったわけでございますから、本土の各公庫の業務方法書、琉球政府の特別会計のいろんな規定、琉開金、大衆金融公庫の業務方法書のようなもの、こういったものを取りまとめておりますことば、私どもは準備をいたしております。ですから、私どもが検討いたしております業務方法書の内容についてならば、私はもう今日はお答えをするべきだと思いますので、御質問がございましたならば、これは業務方法書として決定されたものではございませんけれども、業務方法書の内容がこういうものになりはしないかといって、われわれが検討いたしております中身はお答えをいたします。
○成瀬幡治君 私は土地制度が本土とは違いますよと。 それからもう一つは、農地の規模ですね。まあ軍事基地のために沖繩のいままでのいい農地がほとんど基地に取られてしまう。しかも、耕地面積はたいへんなことだと、まあ比率がいろいろと出ておりまして、たとえば基地の面積の広さと言えば、沖繩本島で例をとれば、内地は一%にも満たないようなところが、二二%になっているとか、あるいは沖繩の人たちが言っておるのは、基地の規模は——面積ですよ。面積は大体内地の四百八十倍ぐらいに相当するじゃないかとも言われているというようなことも聞いております。そういうふうに、まあ立地条件というものが非常に違っておると思うんですよ。農地法は適用されるけれども、特例で六カ月間なら六カ月間ずれてくる。いろんな問題があります。 そこで、そういうことについてこの前、副長官は、実情に即してやりますと、こうおっしゃる。全くその一語に尽きると思いますが、それではちょっとあまりにも抽象的ですから、もう少し掘り下げた、こんなことがありますよというようなものが二つ、三つ柱としてあるなら、この際お聞かせ願っておいたらいいと思います。
○政府委員(砂田重民君) 前回もちょっとお答えをいたしましたのですけれども、沖繩には農地法がございませんから、小作というものがございます。小作人の方は、自分の土地を持っておられませんから、引き続いてその場所で耕作に従事ができるといたしましても、開発金融公庫に対して融資の申し込みをしても、提供するべき土地という担保物件がない。そういう本土にはない事態に対して、公庫はどう対処するかということが、先般先生の御質問の一つでございました。私ども考えておりますのは、原則としては担保を出していただかなければ、農業資金の融資ができないわけでありますけれども、それは原則でございまして、業務方法書の中にも、特殊の事情によっては担保提供が困難と思われる、そういうふうに判断が公庫の責任者にできるものであれば、これはその農地という担保を提供いただかなくとも、何とか保証人も立てていただけるならば、本土と違って担保なしでもお貸しができる、そういう道をひとつ講じてあることも本土とは若干違う点でございます。 さらに沖繩には、くり舟という小さな舟で漁業をやっておられる方もたくさんおられるわけでありますけれども、非常に危険な舟でありますから、こういうくり舟を、ひとつ普通の、くり舟でない船につくり直していただくということも、やはり沿岸漁業振興のためにも役立つことでありますので、そういう、農業者に対しては、二分五厘という本土でもございません非常に安い金利も、制度として公庫の中で確立をすることにいたしております。さらに通常の自作農維持資金というものは、五%、二十年、これはもう法律できまっていることでありまして、沖繩公庫もそのままこの法律どおりに五%で二十年ということをきめておりますけれども、そのほかに、御承知のように沖繩は台風、干ばつで、特に先島の農家の皆さんがたいへんえらい自にあわれました。そういう方々の負債整理のための資金といたしましては、金利三%で期間七年、こういうものを、五%二十年という通常の自作農維持資金とあわせて置きまして、農家の皆さんの自由な選択によってどちらの融資でもお受けをいたします。こういう、これも本土にない沖繩の特色にこたえるための制度も業務方法書の中できめていただきたい。そんなふうなことも考えているところでございまして、沖繩の特殊の事情、農業についての特殊の事情についても、できるだけこたえていく、そういう姿勢を持ち続けて、当然公庫の責任者になられる方々も、沖繩県民の立場に立って、もっぱら沖繩県にだけその金融をいたします公庫のことでありますから、私どもと同じ考えを持ってくださることと思いますし、運営協議会も、先般もお答えをいたしましたように、沖繩の方々で過半数を占めていただく運営協議会を、公庫ができましたあとの協議会、そういうものをつくってまいりますので、当然沖繩の皆さん方の立場、御意見というもの、御要望というものが、運営協議会からも反映されてくる。こういった本土にない制度というものを、沖繩ではこういうところでもやっていきたい、このように考えております。
○成瀬幡治君 現地から要望が、農林省なら農林省に、農林漁業金融公庫関係なら出てくる。あるいはその他にも、現地から出てくる。そういうものが、各省で窓口になっているから、東京の本省へ集まってくる。その集約されたものが、総理府で一括されて、そしていままである公庫の業務書と比較して、それとずれたところもあるが、そういう特殊的なものはすべてスクリーンをして、業務書の中に入れた。それで沖繩の人たちには心配は要りませんよと、本土にはないけれども、沖繩にはそれがありますよと、こういう形で業務書ができるというふうに理解していいと思うんです。 そこで、私が心配しいしいいろいろ言いたい点は、内地から不動産業者が、農地法の関係もありますが、不動産業者が入ってくる。そしていままでは公有地を借りて小作でやっておった。これは農地法が適用されれば当然払い下げられる。しかし、それ半年以降ずれるわけですね、ずれるわけです。それがために、いまのうちに早う払い下げてくれ。買うほうも、農民のほうも、これは買って他に転売したいと言う、他へ転売したい。そういうことも、不動産業者のほうから知恵をつけられて、あなたも農地として買えば、自作農として買えば、それは当然農地法で他へ転売することはできなくなるよと、いろいろ、何といいますか、つけ込んでといいますか、そういうすきがあると思うんですよ。実際農民の方は、いままで農地法なんというものもないわけですから、ですから、そういうすきを与えないような、私はきめこまかい指導をしてもらうために、業務書というものも、それを受け入れたものでなければならぬと思っておるわけです。ですから、私の言うことが、私も実は現地へ行ってないんです。大蔵の方、現地へ行って調査した人もおられますが、私はやっぱり現地をよく知りませんから、全く自分の想像で、新聞等そういうものから報道されておることをもとにして想像しても、私の認識が、あるいは現地と若干ずれておるかもわかりませんけれども、私はこのままでいくと、弱い、全く気の毒な、土地を取り上げられて、しかも自分たちが一生懸命開拓した、その零細な小作というんですか、農民の人たちが、また復帰を前にして、いろんなことで被害者になっちゃお気の毒だという立場でいろいろとお聞きするわけでございますが、そういう点は、万遺漏のないように期してもらいたいと思いますが、それでそういうことが絶対ないと、あなたのほうは断言できるだけの指導をする体制にあるのかどうか、いかがなものでしょう。
○政府委員(砂田重民君) いま先生御指摘の、復帰したら農地法が適用されるので、農地転用の手続をとらなきゃならない、いまのうちに処分してしまいたいからという動きが、沖繩にあるということは新聞の報道でも私ども承知をいたしております。そういうことを、私ども不安に思いますので、琉球政府とも連絡とりまして、琉球政府の側でも、そういうことには万全の姿勢で復帰までの間臨んでくれております。復帰後のことにつきましても、先生がおっしゃるようなことになってはとんでもないことになりますので、私どもは、ひとつ万全の姿勢でそういうことのないように、できるだけの手段を講じてまいりたい、かように考えております。
○成瀬幡治君 理事長がだれだとか、副理事長がどうとか、理事がだれだということはなかなか言いにくいことだと思いますが、私の想像ですがね、理事長という人はいままで沖繩関係には関係なかった。しかし、副理事長なり理事には、いままでの沖繩の関係の三公庫なら三公庫の人たちがこの中に入ってきますか、それとも全然そういう人たちは選考外なんですか。それぐらいのことはいいじゃないかな。
○政府委員(砂田重民君) 役員の中には、沖繩の方が入られます。それから公庫の部長クラスには、沖繩の公庫等のいままでの経験者が、相当数公庫の部長には実務を扱う方々として入っていただくことにいたしております。
○成瀬幡治君 役員というと理事長一人、副理事長一人、理事二人——四人ということなんですか。
○政府委員(砂田重民君) 監事。
○成瀬幡治君 監事が何人なるわけですか。
○政府委員(砂田重民君) 一人。
○成瀬幡治君 一人。そうすると五人ですか。比率は大体どのくらいになりますですか。これちょっと言えぬですか。
○政府委員(砂田重民君) まだ、先ほども申し上げましたように、内定もいたしておらない、人事のことでございますのでちょっと申し上げにくうございますけれども、当然琉球政府とも御相談をいたしまして、先ほど申し上げましたように、内定はいたしておりませんけれども、準備は進めておりますという、その準備は琉球政府とも相談をすることも大事な準備でございますので、琉球政府の御意向も承りながら、沖繩の方に入っていただく準備をいたしております。
○成瀬幡治君 東京本部の役員の三人の中には、これは沖繩関係の人は無関係だと思う、いないと思うんです。そうすると、現地の公庫には役員が、いまお聞きしますと五人、計六人。これはちょっと私のもらっておる資料は、東京本部の役員が三名、それから沖繩公庫のほうの現地の関係が三人だから計六人と、こういう資料になっておるが——そうじゃなくて、役員と普通称するのは違っておって、そうすると東京の役員は三人、それから現地のほうは五人ということになっていることは、理事長、副理事長、理事が二名に監事が一名で五人。東京のほうは、役員は東京本部長、理事、監事、こういうことでいいんですか。
○政府委員(砂田重民君) 那覇には副理事長一名と理事が二名と——役員は那覇の本店には三名常勤をいたします。それから東京には、やはり役員は三名、それは理事長一名、理事一名、監事が一名、その三名が東京の支店のほうに常勤をすることになります。
○成瀬幡治君 部長クラスに、いままでの公庫をやってみえたお方々ですから、当然そういう現地の実情その他あるいは顔なじみというのですか、いままでのいろんないきさつ等これあって、そういう人が置かれるということは非常にいいことだと思う、当然なことだと思っておりますが、まあ結果を見なければ、批評するわけにはいきませんけれども、沖繩の実情のことをよく考えますと言いながら、理事長は、もう一番大将になられる人は、沖繩に関係がなかったと言っちゃいかぬですけれども、そういう人がなられるだろう、副理事長が、たとえば沖繩のいままでの関係の人がなられるとか、あるいは理事の二人のうちの一名はそれになられるとか、監事になられるとか、少なくとも半数以上の人が現地の人でないと、沖繩のことは考えますよと言いながら、東京のほうがいろんなことを、いわば支店だということになっておりますが、権力が一番強くなる、そうすると、どうも私は、業務書じゃいろんなこう出てくる、出てくるけれども、ちょっと待ってください。一ぺん検討してみますわという形になっちゃって、ちょっとこれはどうも内地並みのほうに押しつけられる公算のほうが強くないかということを心配しておるわけです。これはまあ私の意見で、五名のうち三名にしますということも、あなた方も言えぬだろうと思いますけれども、少なくとも結果的にそうなったときに、あなたのおっしゃったことが、沖繩の現地のことを尊重しておられるというふうに評価して、逆にそうじゃなかったら、ああこれはうそを言ったわいというふうに評価したいと思うんです。これはまあ意見です。
○政府委員(砂田重民君) 沖繩は、先ほど申しましたように、那覇の本店には副理事長一名と理事二名、この中で副理事長、理事の一名は当然現地の方になるわけでございます。さらに貸し付け業務はもっぱら那覇の本店で行ないます。本店の理事長というのは、むしろこの隣のほうから原資を引っぱり出すほうの仕事のほうが大事なことかと思いますが、現地での、那覇の本店の部長七名のうち六名までが沖繩の金融の経験者に入っていただこう、そんなふうなことを考えておりますこともつけ加えておきます。ですから、私がお答えをいたしましたようなことが、公庫運営の途中でそのとおりに那覇の貸し付け業務が動かなければ、あいつはうそついたと言われてもいたしかたがないことでありますけれども、私どもは先生の御心配のないようなことで、もっぱら沖繩のためにするこの公庫でありますから、御期待に沿えるような運営を必ずさせる、かような決意を持っております。
○成瀬幡治君 これは農林行政に入ることだから、私は総理府のほうでいろいろなことをおやりになると思いますけれども、米は、それはつくっておみえになりますけれども、米が主たるものではなくて、やっぱりサトウキビなり、カンショといったようなもの、こうしたものが農業共済の対象に入っていない、今後農民の人たちが農業を続けられて、こうずっといくということの中で、しかも農地法の適用を受けてやっていくというようなことになってくると、農業共済というような問題についても、沖繩独自の立場に立って私はある程度考えていかなくちゃならぬと思いますが、これは全く公庫法とは関係がないといえばそれまでですけれども、しかし、農林金融公庫のいろいろと貸し付けをするような場合に、片方では天災融資法その他農業共済の対象になっていくわけです。ところが、こういうものは対象になっていないわけです、農業に従事する一番主体のものが。片方じゃ救われないということになるなら、どうせすがるところは、農林漁業金融公庫にいかなくちゃならぬことになると思うのですよ。そういうようなことについては、どういうふうにお考えになっておるのか、その辺のところも伺っておきたいと思います。
○政府委員(砂田重民君) 御承知のようにサトウキビ、パイン等の共済は本土にない制度でありますけれども、サトウキビ共済は、琉球政府が七つの市町村について一九六四年からサトウキビの被害率等の調査をただいま実施をいたしておりまして、私どもといたしましては、今後さらに資料の整備を復帰後できるだけ早く整えまして、サトウキビの共済の制度化について検討を進めることにいたしております。さらに、パイナップル共済につきましても、これは一九七一年から琉球政府が被害率等の調査に着手したばかりでございますけれども、今後もその調査を継続をいたしまして、サトウキビと同じようにこれの共済に取り込んでいく、その検討をすることにいたしております。できるだけ早い時期に何とかこれを実態的な調査を終えまして、被害率等を明確につかんだ上で、制度化をしていきたいというのが私ども総理府の考えでございます。総理府内部ではもう実は農林省とも御相談をしながら検討に入っているところでございます。いましばらく時間をいただきたいと思います。
○成瀬幡治君 私が言いたい点は、そういう検討されて将来農業共済にこれが入るか入らないかと、いろんな問題があってなかなか容易な問題じゃないと思うのですよ。そこで、私は検討しております、また入れたい気持ちだという、その総理府のお気持ちはよくわかりました。しかし、現実に被害が起きます。そのときに、片方でいえば、内地でいえば米とか麦、そういうものには農業共済、天災融資、いろんな対象になるわけです。ところが、今度ここでは災害が起きた場合、大干ばつで、この前なんかは二〇%ぐらいしか収穫がなかった、八〇%だめになったサトウキビが。というようなときに、救済措置というものがとられるとするなら、私はこの農林漁業金融公庫しかないのじゃないか。とすれば、内地での農民は米をつくっておりますから、それがために農業共済もありますよ、天災融資法の適用もあります、品目がそうなっておりますから。ところが、こっちはないわけなんです。そうすると、それだけのアンバランスがありますから、それをカバーするのは農林漁業金融公庫じゃございませんか。それでカバーしますか、いかがですかということをお聞きしたいわけです。
○政府委員(砂田重民君) キビ、パイナップルは、共済の制度はまだできておりませんけれども、天災融資法はキビもパインも復帰後直ちに適用されることになるわけであります。ただ沖繩が台風の被害がたびたびあるところでありますし、昨年のあの干害でも甚大な被害を受けたわけでありますので、先ほどお答えをいたしましたような、農業の旧債借りかえというふうなことを金融公庫で直ちに行なうことにしたわけでございます。三%というような非常に低い金利のものを、台風あるいは干害等で被害を受けた方々が相当な借り入れ金をかかえておられるものでありますから、そういう方々の金利をできるだけ安くして差し上げたいというそういうことで、旧債借りかえという融資を、この金融公庫で私どもは三%の金利で御融資をしていこう、そういうふうにしているわけでございます。
○成瀬幡治君 これはまあ確認というようなかっこうでお尋ねしているわけです。そうすると、天災融資法の中に、実はサトウキビ・パインは入っていないのです。入っていますか、現行法で入っていますか。
○政府委員(砂田重民君) 天災融資法には対象になります、なっております。天災融資法は農作物ということでありますから。
○成瀬幡治君 そうしますと、パイン、サトウキビは天災融資法の対象になります。だから、災害の場合は天災融資法は内地並みである。ところが共済はない。そこで共済に匹敵するような災害があったときには、共済関係に匹敵するような救済措置は、業務書の中で、農林漁業金融公庫でやられるのだというふうに判断していいわけですか。研究するということはよくわかりますが、研究する、その間これは結論が出るのが二年先になるか、あるいは半年先になるか、どれだけ先になるかわかりませんが、それはどうなりますか。共済とは全然私は違うと思うのですがね。ですから、そういうときは非常に低利な長期融資が出ればいいわけですから。
○政府委員(砂田重民君) 昨年の沖繩の先島におきますところの干害、それから台風、これの被害のときには、その共済にかわるべきものとして、いろいろな各種各様の援助をしたわけであります。結果的には天災融資法をも上回る、共済をも上回るお手伝いをいたしました。 いまそれでは五月十五日以降は共済がない、共済とそっくりのものを公庫でできるかという御質問でございますけれども、共済と同じものをいまから制度的に公庫に取り込んでいくということは、これはちょっとできないことでございます。ただ片一方では、これはもう三十七、八年にたいへんな干害を受けながら、その後の、あのときの干ばつ対策というものが何もできていない、かんがい排水の工事等が本土でありせばできたはずのものが、できていないところに悩みがあるわけでございますから、あのような、昨年のような干ばつを受けないような施設をつくるのは直ちに取りかかります、積極的に。それに間に合わない間に、今年の夏またああいう干ばつがあったらどうするかというお尋ねだろうと思いますが、そのときには、その時点で、共済がない沖繩のサトウキビ、これはもうたとえば先島なんかでそういう被害が多いわけでありますが、先島の開拓農民等々の実情もよくわかっておりますので、そのときに何らかの特段の方法をあわせてとっていきたい、共済にかわるべきものとして、直ちに共済と同じような制度を、公庫の中に取り込むことはちょっとこれは困難でございますが、沖繩の方々のそういう心配は、今回の、旧債を公庫の安い金利で借りかえていただく、これは業務方法書の中でも明確に取り込んでまいりますけれども、その姿勢を、今年もしもそういう被害が起こった場合にも、その姿勢からひとつ本土政府、沖繩県というものが、共済にかわる救済方法というものを別途とっていく、そういうふうにひとつ御信頼をいただきたい、かように考えます。
○成瀬幡治君 売春禁止法というのはないわけですね、こちらは。そうしますと、これは本土の売春禁止法が適用されると思うのですが、そうしますと、実情よく知りませんが、どうも新聞等で見ると、青線だとか——赤線ということばを使ってないのですけれども、この人たちに転廃業ということが起きてくると思う。こういうことについてはどういうふうになるわけですか。どういうふうに行政指導をおやりになりますか。
○政府委員(砂田重民君) 沖繩の売春の問題は、実はたいへんな問題でございます。きょう私資料を持っておりませんので正確な数字を申し上げるわけにまいりませんけれども、業としていると申しますか、いずれもやはり風俗営業でありますとか、飲食店とか、そういう看板で裏で行なわれている。大体その業者の数、明確な数字をきょう正確な数字を申し上げかねますけれども、五千軒程度、そこに従事する婦人の数が、新聞報道等では一万といい、一万をこえるといい、琉球警察が大体把握しております数字が七千五百人くらいでございます。この問題は、五月十五日から直ちに売春禁止法は沖繩にかぶさるわけでありまして、これは即刻その日からかぶさるわけです。特別措置はございません、もちろん。 そこで当面は、やはりそういう婦人の更生のための行政、これを厚生省の所管で沖繩県とともにやっていかなければなりません。警察はもちろん五月十五日から売春禁止法に基づいて取り締まりを始めるわけでございます。そこで財政当局ともいろいろ相談をいたしまして、ただいままでにきめましたことは、Aサイン業者もまた裏面ではそういうことが行なわれているわけでありますから、Aサイン業者の転業資金については公庫からお貸しをする。そういう場所で働いておられる人たち、いま先生が青線といわれましたが、青線といわれ赤線といわれる、そういう場所で働いている数はまた明確になっているわけでありますから、また前借金等も赤線、青線と呼ばれるようなところで働いている婦人の方々で、琉球警察の推定百七十万ドルくらいの前借金があるようです。こういうものを片づけてあげなければなりません。これは離職者手帳は、他の離職者が生じた場合と同じように、こういう場所で働いておられる婦人にも離職者手帳は交付をする。それから公庫では、生業資金ということでこういう方々の更生のための資金をお貸しをしていく。公庫はそういう窓口を開いていく。こういうふうなことで、ひとつただいまきめてまいりましたけれども、関係各省一度、それこそ来週早々でも集まりまして、これの対策を各省それぞれ分担をして受け持つように協議をすることにいたしております。
○成瀬幡治君 そうすると、業者のほうから先に言いますと、転業資金というものは若干貸し付けられる、公庫から。それからそこに従事しておる人たちは、これは前借金とか何かというようなものは、これはこの法律が適用されたときにこれで無効になる、存在させないんだ。そこには貸したとか、借りたとかいうものは存在させないというふうに私は理解するのですが、それでいいのかどうか。 もう一つは、そういう人たちにも生業資金を公庫から貸し出しますよ、それは年限はこのくらいで、およそ一人当たりに対して額はこのくらいだということが、業務方法書の中にはまだ書かれておらないかもしれないが、話し合われておるものがあれば、こんなことがあるというならお聞かせ願いたい。
○政府委員(砂田重民君) 前借金については、先生のおっしゃるとおりでございます。その日に無効になります。 それから生業資金は、制度としては一人五百万円までが限度ということで、しかしこういう方々は、全員に五百万円という、それだけの資金量の確保は困難でございます。いろいろ一人一人それぞれ事情があるのでございますから、そういう事情を勘案した上で、生業資金の貸し付けは窓は開いておりますのでやっていけることになろうかと思います。 それからもう一つは、御当人たちはそういうことも御存じないわけでありますから、やはり相談所というものをよほどうまく充実させていかなけれなりません。厚生省のほうでも、その準備をお願いをいたしまして、琉球政府とも相談の上で、そういう相談所というものを拡充をしていくことに、厚生省のほうで準備をしてくれているように私どもは聞いております。そういう相談所から、やはりこういう生業資金というものを借りる道がありますよということを教えてあげなければ、なかなかそういう制度があることが、意外に周知徹底いたしませんから、警察の協力も得ながら、積極的にそういう制度があることもひとつ広報活動をやっていこう。こういったことをいろいろな各省にまたがることが多いものでございますから、一度関係各省みんな集まりまして、それの対策を明確にしていこうということにいたしております。もちろん近々のうちにそれはやることにいたしております。
○成瀬幡治君 国会で婦人議員の方ですか、これは超党派にお集まりになって、こういうところの従業婦というのですか、そういう人たちの救済のことについて、婦人議員団から相当いろいろな御意見があって、集約されたものがあなたの手元にいっていると私は思うのです。それをスクリーンされて、いまやろうじゃないかというのが、一つは相談所を設けましょう、転廃業のための生業資金というものをひとつ貸しましょう、こういうことだと思うのですが、一人五百万円だといたしますと、利率なりあるいは年限というのはどのくらいのことを考えておられるのですか。
○政府委員(砂田重民君) 七・三の七年でございます。
○成瀬幡治君 ぼくが言ったのは、実は少し金利が安いかと期待しておったのですが、七・三というのは、今度預金金利等が一般に引き下げられる、私こういうように予定してまいりましたので、七・三というのは、こういう人たちがいい悪いの議論をしているのでなくて、これからどうなるかということの光明の一つになると思うのですが、どこからはじき出された数字なのか、少し七・三というのは高いような気がするのですが、業者のほうはそれでは転業資金は幾らになりますか。
○政府委員(砂田重民君) 生業資金は本土の場合が八・〇で、七・三も相当苦労して確保した金利でございます。やはり生業資金であります。たとえば中小企業、零細企業の金利並みということでスタートすることにいたしました。 それから沖繩の売春の実態というものが、新聞等ではいろいろ報道されるわけでありますけれども、琉球警察の調査によります実態というものも、やはり琉球警察も御承知のように、売春の問題にのみ集中してやってきているわけではございませんので、売春禁止法が五月十五日からかぶさりますから、ほんとうに実情をわれわれば把握いたさなければなりません。業者にいたしましても、従事している婦人にいたしましても、そういうことを十分に早急にひとつ把握をいたしまして、実はこの公庫の中には、主務大臣が特利を設けられるということになっております。その主務大臣が特利を設けられるということに、この問題を乗せるかどうかということも、ほんとうの実情を把握した段階での検討事項になるかと私どもは考えております。まだほんとうに実情が明確になっておりませんので、その主務大臣が設けられる特利をいますぐ乗せているわけではありませんけれども、七・三を一ぺんきめたら、事態がどうなろうとも、来年まではやれないではないかということではございません。事態が明確になりましたときに、七・三の使い道、あるいは七・三をどう生かされているかということもあわせて検討を当然するわけでございますから、こういう道が講じてございますので、そのときに調査の上、実態が明確になりましたときに、主務大臣が設けられる特利に乗せるかどうかということもそのときに判断をしたい、かように考えております。
○成瀬幡治君 そこらで一応対象にはするということをおっしゃるなら、それ以上のことはいいわけですが、なかなか金を借りまして生業だと、こういいましても、なかなか生業そのものが見つけにくいだろう。自信がないだろう。しかも七分三厘という金利がありますよ。なるほど片方では締め出した形にしておるけれども、片方では行き先をふさいだ形になっているわけです。行き先がなくなると、もう一ぺんもとに戻るということになると、やみになるということだと思うのですよ。ですから七千五百名がほんとうの数字なのか、一万名なのかどうか、よくわからないというのがほんとうだろうと思います。そういう人たちの私は何割かが救われるような実態にするには、もう少し、これはただ道をあけてありますよという、ていさいのような気がしてしようがない。おそらく転業資金のほうも七分三厘くらい、あるいはもっと安いのかもしれません。少しこういう人たちにはお気の毒のような感じがします。ですから検討すると、実態等にらみ合わせて、推移を見て、ひとつ一応はこうきめたとしても、それは三カ月後、あるいは半年先に実態に合わせて検討し直しますよという御答弁のように承りますから、私はこれ以上この問題についての——これは申し上げないというのでなくて、あとでまたいろいろと問題が今後に出てくれば、そのとき問題にしたいと思っています。
○政府委員(砂田重民君) これは琉球警察から聞いているところでありますけれども、琉球警察も、売春防止法はございませんけれども、どう申しますか、前借金の取り方とか、あるいは少女を対象にした悪質な犯罪であるとか、そういうものを取り締まりましたときに、取り締まりました相手の婦人からは、それでは私に何でめしを食えと言われるのか。また非常に子持ちの人が多いわけです。私の子供をどうやって養っていけばいいのかと、反発を琉球警察が受けているということで、そういう事態も私ども十分認識いたしておりますので、適当に検討するというお答えをしておるのでは私はないつもりであります。真剣にこの問題には取り組みたい、かように考えております。
○委員長(前田佳都男君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(前田佳都男君) 速記を起こしてください。 午後一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十五分休憩 —————・————— 午後一時四十六分開会
○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、沖繩振興開発金融公庫法案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○戸田菊雄君 まず、総括的な問題について総務長官に質問したいと思うのです。 今回の沖繩復帰対策として、沖繩振興開発特別措置法、この法律によって、各般のチェックはいろいろやっているわけですけれども、しかし当面の中小公庫法案の事業計画、予算その他を見ましても、単年度ですね。ことしの場合には一定の予算をつけてやっておりまするけれども、それだけで一体政府が考えておるような、あるいはいままで質問の過程にあったような、真の沖繩開発というものが円滑に進行するのかどうかということは非常に私は、いままでの質問聞いておって心配しているわけなんです。これは具体的にあとで各省からいろいろとお伺いをしてまいりまするけれども、そういう問題について、当面一体どこを水準に引き上げよう、消費生活についても、あるいは医療態様についても、あるいは地場産業の育成等を通じても、そういういわば県民生活に関係する各般の諸問題の水準というものをどの程度まで引き上げていくのか、いま本土と沖繩と比較すれば、沖繩はずっと下がっていることは間違いないですね。そういうものを目標として、一体今後何年くらいでこの所期の目的を達成するような開発というものを実行されていくのか、その辺、大まかな一つの総括的な問題として副長官の御意見を聞かせていただきたい。
○政府委員(砂田重民君) 先生も御承知のように、沖繩振興開発計画は、十カ年計画となるものでございますが、前半五年間の終了いたします時点では、公共施設については本土並みに持っていきたい、これが基本的な考えであります。したがいまして、もちろんこの公庫の関係の金融措置だけで、これが達成できるものではありません。財政、税制、金融、もうあらゆる行政的な手腕を総動員をいたしまして、五年目には、少なくとも公共水準は本土並みに持っていきたい。同時に、こういうことは、沖繩県民の所得の向上も考えてまいらなければ、達成し得るものではありませんので、沖繩の経済開発、所得水準の向上のためのいろいろな産業育成等も、この沖繩振興開発計画の中で考えていきます対策の金融部門をこの公庫で受け持っていこう、そう考えるのでございます。
○戸田菊雄君 それでこの具体的な内容についてお伺いしてまいりますが、まず最初に、金利問題についてですね。松川審議官にお尋ねしたいんでありますけれども、北方対策庁から出された資料ですが、「四十七年度沖繩振興開発金融公庫予算案の骨子」その一つのつづりですが、一番最後に、この「沖繩公庫の貸付金利」こういうことになっているわけですが、これを見ますると、非常に国民の直接生活に直結するようなものに対しては比較的割り高になっておりますね。それは確かに本土と比較すれば絶対的に下がっております。下がっておりますが、各項目ごとに見てみますと、非常にそういう面でのアンバランスがあるような気がするのです。たとえば生鮮食料品、こういったものに対しては六・五%から七・三%、あるいは近代化促進、こういうものに対しては七%、ことに住宅資金関係ですね、個人住宅、分譲住宅、賃貸住宅こういうふうにあるわけですけれども、この個人住宅については通常五%ですか、積み立てが五・五%。それから分譲住宅については五%ですね。賃貸住宅については四%。だから賃貸住宅になりますと、私の理解としては、一定の土地を買うことができて、なおかつ家を建設をして、そういう余力のある人なんですね。そういう人に対しては四%。もう一つは、これから十五日返還で返ってきますと、一斉に各種業者が、各般の業者が入ってくると思う。そうしますと、この利率で適用されて、この一条、目的にありますように、非常に抽象ばくとしていると思うのですけれども、こういうものの対象に対しては、全部貸し付けていくわけですから、申請があったなら、もちろん限度額は予算計画書にありますように、四十七年度単年度の場合二百九十四億、こういうことになっておりますから、この範囲内ということになりますが、いずれにしても日本本土でいままで借りる場合は、たとえばあれですね、賃貸住宅の場合は五・五%です。それが四%で借りられるわけです、沖繩公庫でいきますと。もっと日本の本土の業者が沖繩に行って、事業その他やる場合は、そういう人に対して低利の利子でもって優遇措置ができるわけですね。だからそういうかね合いを考えていきますと、非常に私は計画自体がもう少し再検討の余地がないのか。それから、たとえば農地等の取得の問題についてもそうです。これは三・五%ですね。前の質問で私は指摘をいたしましたように、宅地造成とか何かということは、本土においてもこれは多額の利益をあげているわけでしょう。いま高額所得者の中に、大量に不動産業者の、そういう人たちが入っているわけですね。だからそういうものに対して、きわめて優遇措置をとりているということは間違いないと思うのですね。各項目検討して見ると。これで一体だれのために振興開発公庫というものをつくって、沖繩の開発をやると言いながら、実際は別な方向にすべてが使われていく、あるいは貸し付けられるような、そういうきらいがなきにしもあらずという感があるんですが、金利面から一体そういう問題についてどういう考えを持っておるか、これが第一点。 それからもう一つは、これは何といっても開発ですから、だから相当改善措置をとっていることは私も内容としてわかりますわけでありますが、今後どれくらい一体、いま副長官の話では五年ぐらい、あらゆる生活水準というものを、沖繩県民の生活水準というものを本土並みに引き上げていきたい、こういうことである。一定の今後の融資体制、これがあってもいいんじゃないかと思うのです。たとえばこまかく言うなら、住宅資金については、いままで本土では住宅五カ年計画、こういうものがあります。もちろん沖繩県は一つの県としてこの中に入っていく、織り込まれることは間違いない。間違いないけれども、それだけではいままでの実績が示すように私は生ぬるいと思う。だから、そういう問題について、金融面から長期展望に立って、やはり一定の投資ケースというものがあっていいんじゃないか、そういう問題についてどうなのか。この二点についてまずお伺いしたいと思います。
○説明員(松川道哉君) まず第一の金利のきめ方の点でございますが、この表でも一覧しておわかりのとおり、沖繩開発金融公庫は、本土にございます開発銀行その他金融公庫等の諸般の事業を一括してやっております。したがいまして、この中でどういう金利を付し、どのような条件で貸すかというのは、原則といたしまして、本土にございます対応する金融機関の金利のきめ方、その他条件の定め方等を参考にし、また午前中の質疑にもございましたように、現在沖繩で行なわれております金融制度における条件の定め方もあわせ考えまして、沖繩の住民にとって一番有利になるような形での定め方をしたいのでございます。その結果、ただいま御指摘のように、この表で分譲住宅よりも賃貸住宅のほうが金利が安くなっている、こういう現象があらわれております。この背景の理由といたしましては、この公庫から分譲住宅を建設する資金を借りた業者が、それを分譲するのと、この公庫資金を使いまして、賃貸住宅をつくってそれを貸すのと、業者ないし地方公共団体がやるのと二通りございますが、どちらかと申しますと、分譲住宅を買えるような人は、賃貸住宅に住まざるを得ないような人と比べれば、比較的には恵まれているものだろう、どちらかと言えば、賃貸住宅に入らざるを得ない人のほうが、より救済を要するのではなかろうか、こういう考え方が頭にございます。その場合、しかりとすれば、家賃がなるべく安いようになるということは、その賃貸住宅を建設いたします地方公共団体ないし建設業者が、なるべく安いコストで住宅が建設できるように配慮してやる、これが比較的に住宅につきましてニーズの多い、しかも、所得の少ない階層に対する配慮である、このように考えられます。 そこで、そのコストを低めるために、四分という安い金利にしているのでございますが、御心配のように、もし四分という安い金利で借りて、でき上がったものを、普通の金を使った場合と同じように高い家賃で貸すということになりますと、その間に、ことばは適切かどうかわかりませんが、不当な利得というものが発生する余地があるのではないか。そこで四分の金を公庫から借りまして、そうしてこれをもって賃貸住宅をつくりました場合には、家賃について制限を設けたい。これだけ安いものであるから、そのコストをカバーする程度のもの、それにある意味で適正な利潤というものは若干つけ加わりますけれども、適正な価格で賃貸できるような制度にいたしたい、もしこの資金を使いまして、しかも、適正な家賃以上のものをとって賃貸するようなことがございますれば、これは別途公庫法の罰則の適用をして、そのようなことがないように配慮いたしたい。ただいま御指摘の具体的な事例につきましては、そのような考えが背後にございます。法律全体としてそのような定め方をした上で、賃貸住宅に対する金利は分譲住宅のものよりも安くしたい、こういうふうにしたいのでございます。 なお、本土のほうからあるいは業者が出るのではないか、また、そういった連中が、この制度を利用いたしますことによって、非常なもうけが出るのではないかという御心配ごもっともでございますが、この辺は、この公庫の実際の運営にあたりまして、現実にどこに賃貸住宅の需要がどの程度あり、どこをどの程度拡充していけばよいか、そういった点を全体の観点からながめながら、適切に運営してまいりたい、このように考えております。 そこで第二の点とも関連いたしますが、しからば、たとえば住宅計画、その他それぞれの部門におけるいろいろの計画、これがなければ、この公庫の運営がむずかしくなるのではないかという御心配、まことにごもっともでございます。私どもも、そのときそのときの便宜主義で運営してまいりますことは、これだけの財政資金を投入いたします公庫でございますから、好ましくないという考えは持っております。そこで、別途成立いたしました沖繩振興開発特別措置法によりまして、振興開発計画というものができることになっております。この公庫ができました暁には、その指興計画を十分念頭に置き、それに合うような運用がなさるべきである、このように考えております。
○戸田菊雄君 各項目ごとに一つ一つ点検しますと、それなりに問題があるようでございますね。私は代表的なものをお伺いしていきますが、たとえば転業貸し付けですね、これなんかば依然として六・五%。もうすでに現地の状況は、銀行においても合併、あるいは鉄鋼においても合併、アルミ工業においても合併、各般の各種産業が合併に追い込まれているんですね。で、どうしてもやっぱり大資本の系列下の中に全部組み込まれてしまうというかっこうになっているんですよ。ですから、そういうものに対して、ほんとうに地場産業というものに対しての転業貸し付けなんというものは、私はもう少し、住宅資金等と同じような割合の五%台あたりまで何とか引き下げることはできないのか、これは直ちに起きてきますからね。これは建設省から、いわゆる沖繩の土地建物売買業者数、これを一応もらっておりまするけれども、これを見ましても、たとえば一千ドル未満、日本円に換算して三十万八千円ですから、全く零細企業、こういったものが法人で二つある。個人で三つある。合計五つある。この資本金の区別がずっとあるわけですけれども、全部で百七、法人としては。それから個人で百十三、計二百二十あるわけですね。で、まあ土地建物の売買業者数一つとってみても、本土が今後絶対沖繩へ集中的に押しかけていくわけですから、そういったことになったときに、これはもう完全なる下請化されますね。だから、こういうものに対して、たとえば何か地場産業で何とかやっていきたいというときに、現地でもって転業をやる、こういうものこそ、あたたかい金融融資体制を融資面からとっていく必要があるんじゃないか、こういうふうにひとつ考えます。 それからもう一つは、同じ資料でございますけれども、「沖繩の産業別事業所数、従業者数及び一事業所当り従業者数」、こういうことになって、総数、その内訳は、鉱業、建設業、製造業、卸売・小売業、金融保険業、不動産業、運輸通信業、電気・ガス・水道業、サービス業、こういう各般の問題がありますが、たとえば建設業で見ますと、事業所数が千六十八あって、従業者数が一万六千四百五十九人、一事業所当たりの人数は十五・四ですから、非常にこれ零細な部面ですね、企業としては。それから製造業にしましても、総数二千三百六十一ありまして、従業員が三万四千六百十二名、一事業所当たり十四・七人ですね。だから、こういう中小零細企業、全く下積みのそういった地場産業が、総体で四万三千百四十四事業所あるんです。それを一事業所当たりで割ってみますと、平均四・四人ですよ。いかに零細企業が多いかということがわかるわけですけれども、だから、もう当然この十五日復帰以後は、大波にかぶせられるわけですから、そういう地場産業というものを、金融面から一体どう強化していくのか、育成強化していくのか、これはやはり具体的に計画上やられていかなければ、たいへんなことになるのじゃないかと思うんです。そういう面に対する具体的な内容について御答弁願いたいと思う。
○説明員(松川道哉君) 初めに転業貸し付けの六分五厘、これがもっと安くできないかというお尋ねでございます。 本土におきましても、政府関係の金融機関が各種ございますが、きわめて特殊な長期ないし安い金利を要する事業、具体的に申しますと、住宅関係と農林関係でございますが、この二つの公庫並びに公営企業金融公庫を除きまして、ほかのものにつきましては、あるいは産業経済またはその他の何らかの形での対価を通常の形で得るものであるという考えに基づきまして、基準金利を定め、その中で特に政策酌に優遇措置を要するものにつきましては、それより安い金利を定めております。ただ、そういった産業関係の公庫におきましては、安い金利と申しましても、最低が六分五厘ということで現在まで運用いたしてきております。これは政府関係金融機関の資金コストが六分五厘であるということも、片一方の事情にございますが、収益事業であれば六分五厘ということを最低の金利にしておいてもいいのではないかということで、六分五厘という一つの柱がございます。他方、本県につきまして、すなわち沖繩における転業貸し付けについて考えますと、普通の場合でございますれば、転業する先の業種の属する区分に従って金利の適用を受けるわけでございます。そこで、きわめて重要な政策金利に当てはまるものであれば、それぞれの区分に応じまして、そこに適用される金利が当てはまる。もし特に政策的な配慮を要するものでないということであれば、いわゆる基準金利が適用になります。したがいまして、沖繩の場合でも、零細企業が返還という事態に直面し、また何らかの形で近代化を要する——その他の場合に転業したいということになりますと、ほうっておけば、一般の基準金利の適用を受けることになります。 〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕 しかし、それでは現実の沖繩のことを考えますと、あまりにも酷なことを求めることになりはしないか、そのような考え方から、特に沖繩公庫の貸し付けにつきましては、この表でもごらんのように、本土ないし沖繩の現存金融機関にはない新たな転業貸し付けという区分を設けまして、そこにおいて政策金利の中で、産業に関係するものの最低の金利である六・五%というものを適用することといたした次第でございます。ただ、ごらんのように、沖繩公庫の場合には、特に高度の必要がございまして、六・五%よりさらに低い金利を適用することといたした例はございますが、一般的に申しまして、六・五%というのは、そういう経済活動に従事する場合の人に適用した最低の金利をこの場合にも適用したと、そのように御了承いただきたいと思います。 それから次に、これらのものが、しからば転業するに際してどういう指導をするかということになりますが、これは私ども端的に申しまして、金融を担当いたしておるものといたしましては、金融の立場から、お前はこっちのほうに進め、おまえはこういう仕事をしろということを指図する立場にはございません。またどういったものに転業すべきかということは、当面の責任者であられる対策庁をはじめ、それぞれ関係の各省で御検討いただいておると思いますので、私どものほうといたしましては、それぞれの分野において、転業の計画が成り立ったときに、金融面にネックがあるために、その転業がうまくいかなかったと、こういうことがあってはならないと存じますので、この公庫におきまして、特に転業に対する貸し付けという制度を設けて、それを金融面からバックアップする体制をとっておる次第でございます。
○戸田菊雄君 それで、この四十七年度事業計画及び貸し出し計画、この予算書の内容を見て逐一お伺いしてまいりたいと思います。 まず、住宅資金貸し付けですね、これは事業計画総体が百億、貸し付け計画で四十億になっておりますが、この内訳をちょっと説明していただきたい。
○政府委員(岡田純夫君) 住宅資金の内訳でございますが、大きく分けまして、住宅建設関係が八十一億でございます。それから宅地造成等で十八億六千万円。なお内訳申し上げますというと、住宅建設の中で、個人住宅が四十三億、分譲住宅が十四億八千万、それから賃貸が十三億、その他でございますが、宅地造成等の内訳については、二点に分かれておりまして、宅地造成そのものが十七億、関連公共施設等、これは幼稚園などでございますけれども、一億五千万ということになっております。
○戸田菊雄君 先ほど松川審議官が言ったような、住宅建設の一つの方法だと、私はそれも思います。しかし、いま政府が進めようとしている住宅の考えというものは、全体としては持ち家制度、そういうものにひとつ進めていこうじゃないか。確かに、家を借りなければいけないような人は貧困であり、その家を建てられないというような貧しい人が多いだろうと思うのですが、それにしても、政府としては、そういう持ち家制度を中心にひとつ進めていくということになっているわけですから、そういう意味からいけば、沖繩の開発構想についても、県民生活を引き上げるという住宅面から見れば、当然やはり持ち家制度にもう少しこの融資ないしこの促進がされるような、そういう状況があってもいいじゃないか。 いま聞きましたら、確かに個人住宅の関係は四十三億ですから、融資額のおおむね四割程度はいっていると思いますね。そういうことになっていますが、問題は、この宅地造成ですね。この前私も指摘しましたけれども、急速に土地取得が増大をして、一六五%くらいになっているのですね。この投資額も非常に多い。そういう中に、さらにこの融資関係で宅地造成を見てやるということになりますと、急速に増加の方向にいくことは間違いないですから、勢いそれがまた土地暴騰ということに追い打ちをかけていく。総務副長官のほうでは、できるだけそういうものを排除しつつ、ということを答弁されましたけれども、こういう金の使い方では、私は結果的にいま本土で遭遇しているような事態に必ずなってくると思うのですね。そういう面についての一体配慮はどういうふうになっていますか。
○政府委員(砂田重民君) お出しをいたしました資料が、あまり説明がよく行き渡っておりませんので、そういう御認識を持たれたと思いますが、ここに書かれております土地、宅地造成、これは実は沖繩県もまた県営の住宅を建設をいたしますが、そういうことも含めての沖繩県の住宅供給公社に融資をする宅地造成の資金、四十七年度に組まれておりますただいま総務部長が御報告いたしました十八億六千七百万というのは、ほとんどが県の公社への融資に使われるわけでございます。
○戸田菊雄君 それから、農林漁業資金貸し付けでありますけれども、農林省おいでになっていると思うのですが、基本的に今後沖繩の農業は、何を一体土台にして今後振興させていこうとしているのかですね。もちろん現地ではサトウキビとかあるいはパイナップルとか、そういった問題があるでありましょうけれども、政府の考えとしては、基本的にどういう一体農業政策でこれに立ち臨むのか、もしその具体的な内容があったら、佐藤政務次官のほうから説明をしていただきたい。
○政府委員(佐藤隆君) 沖繩の農林水産業ということにつきましては、実はわが国唯一の亜熱帯地域の農林水産業でありますので、かなり大きな発展の可能性がある、こういうふうに考えておるわけであります。もとより沖繩農林水産業振興ということにつきましては、沖繩振興開発特別措置法による開発計画の一環として考えていくということは当然でありますけれども、特に地域内の他産業との所得の格差とか、そういうことも早急に是正していかなければなりませんし、福祉水準に追いつくというか、そういうこともひとつ考えていかなければなりませんし、一番立ちおくれのはなはだしい生産基盤の整備あるいは構造の改善、こうした基礎的条件の整備に十分意を用いていかなければならない、こういう考え方で、実は百二十八億という予算を計上をいたしておるわけであります。 いまほど、特に沖繩農業についてという御質問でございましたが、いま申し上げたような考え方に基づいて、農業の一体柱、沖繩農業の柱は何であるか、こういうことになりますと、立地的に有利な作目としまして、いまおっしゃいますようにサトウキビ、それからパイン、さらには酪農、畜産というようなことで、主幹作目としては、サトウキビ、パインというようなものを実は考えておるわけであります。選択的にこうしたものを生産、振興していこう、かように考えておるわけであります。 それにしましても、実は水資源といったようなものにつきましては、非常にこれも基礎的条件の一つでありますが、立ちおくれておりますので、こうしたものの開発あるいはかんがい施設の設置、こうした基盤整備もやっていこう、こういうふうに考えているわけであります。また、先ほど申し上げましたように、日本農業としては南限である、南の極限である。こういう考え方で、特殊的なものがございますので、技術水準ということも、ひとつ相当積極的に取り組んでいかなければならない。こういうようなことで、農業試験研究あるいは改良普及体制の強化、そうしたこと等にも十分意を用いていきたい、かように考えておるわけであります。
○戸田菊雄君 作文としては、私は全く反発するものがないと思うのです。そのとおりだと思うのです。しかし、具体的にどういうところからやっていくか。沖繩へいって御存じでしょうけれども、主要ないい土地は、全部軍事基地に接収されておる。それはそのまま残されておる。御承知のように、ひめゆりの塔に行けば、あの途中にサトウキビの畑がずっとあるわけです。これは弾薬庫から行って、海岸の、ちょっと場所は忘れましたけれども、ガス漏れでたいへんな被害を受けたところがありまするけれども、そういったところに行っても、サトウキビはずっとあるわけです。だから、そういうものをいま既存している耕作面積なり、そういうものに対して、基盤整備をやるなら、何年計画で、どういうようにやるのか、こういった具体的な内容というものが私はほしいのですね。そうすれば、現地の農民の皆さんも、政府はなるほどここまで考えてくれるかという一定の展望を与えられれば、安心ができると思う。ところがいまのところは、御存じのように、作文では非常にりっぱなものをつくっておるけれども、どこに中心を置いて、具体的にどういうことで振興政策をやっていくかという、その内容のきめのこまかいものがないわけですね。具体的内容があったら教えていただきたい。
○政府委員(佐藤隆君) いま申し上げますように、基礎的条件の整備というものが、一番立ちおくれておるわけでありますから、これについて具体的なことは何であるかというと、やはり水資源の開発であるとか、かんがい施設、用排水施設、こうしたものの設置だとか、そういう土地改良事業ですね、具体的なものとしては土地改良事業、こういうものを積極的にひとつやっていかなければならぬ。いま、実は土地改良事業等につきましては、国内の、本土の土地改良についても、十カ年計画という長期なものを年度内にひとつ作成をして、相当はっきりしたものを具体的に打ち出していこう、こういうやさきであります。鋭意検討中でありますが、まあ当然それに先がけて沖繩の土地改良事業というものを考えていこうということで、いま実は作業中でございます。さらにまた農業の試験研究ということも先ほど申し上げましたけれども、これらにつきましては、具体的には、たとえば本土における農業試験研究の国の補助率等が五〇%である、それを沖繩には全額ひとつ補助ということでやっていこうと、まあそうしたことで、具体的にはそれぞれ詰めつつあるというのが現状であります。
○戸田菊雄君 たとえばこの基幹産業に次いで酪農ですね、こういうものも全島に対しては十分政府としては成算ありと、そういう見通しを持っておられますか。どうですか。
○政府委員(佐藤隆君) いま非常に農業をめぐる情勢というのは、きびしい情勢下にあることは戸田議員も御存じのとおりであります。十分確信を持ってやれるかどうかという予測はきわめて困難であります。しかし、現状考えられる範囲内でとにかくやっていこう。たとえばサトウキビにいたしましても、甘味資源特別措置法に基づく生産振興地域に指定をするとか、あるいはまたパインにいたしましても、午前中も御指摘があったやに伺っておりますが、果振法の政令指定をひとつ早急に進める準備も実はいたしております。じゃさらにそれに加えて、共済の仕組みもどうなるのかというようなことにつきましても、調査をさらに進めていく。まあこういうようなことで、いま考えられる措置としてはひとつ万全を期していきたい、こういうことでやっておるわけであります。
○戸田菊雄君 いま本土で行なっている酪農がほとんど、ことに最近は不況状況下で外国製品に押し込まれちゃってどうにもならない。もう、たとえば乳をしぼっても、わずか一合七円だ。もう生産者としては全く採算がとれないから、次々とやめているという現状が現に存在しているんですね。だから、そういうものをさらに沖繩で農政の基幹作物として据えていったとしても、よほど私はてこ入れをやらない限り、それはとても農民自体が手をつけないと思うんですね。だから、そういうものをどう一体打開していくかというと、非常にそれは政府もたいへんだろうと思いますが、もう少しやはり全般的な農政の基本事実、まあ十カ年計画つくるというから、それは将来を見ることにしますけれども、何とかこの抜本対策を立てていかないと、たとえば砂糖にしても、青森の富士精糖があのとおり倒産をして室蘭に合併をしちゃった。結局あすこの農民のビートづくりの皆さん方は、ようやく五年たってそしてやや採算がとれつつあるという時代になって、富士精糖がやめちまった。いまの現状からいけば、日本の砂糖というのは、大半が外国から輸入しているわけでしょう。そういう中で、サトウキビを基幹作物としてやっていくというけれども、これだって、私は全体の情勢から見れば、たいへん困難な事業だろうと思うんですね。そういう意味では、何としても、しかし、そういう困難はありまするけれども、これを打開をしていかなければいけないわけですから、政府の一たん打ち出したこの政策というものは、私はより拡大するという立場でやっぱりやっていかなければいけないんだと、こういうように考えるわけです。早急にひとつ十カ年計画を出して、いままで日本の農業に対したような、ああいういろいろな紆余曲折を経て、結果的には何もやらずにきちまったと、こういうようなことのないように、十分ひとつ希望して、農村問題については終わりたいと思います。 次に医療関係について、予算書にもあるわけですけれども、この医療環境衛生資金貸し付け事業計画では二十億貸しつける計画で、四十七年十六億となっておりますね。この内容についてどういうものを一体医療関係として考えられているのか、内容を説明していただきたい。 それからあわせて資料をいただきましたけれども、いまの沖繩の医療施設どのくらいあるのか、あるいはベッド数あるいは医療従事者数、無医町村数どのくらいあるのか、この内容について、あるいはまた沖繩独得の風土病がございますね。そういう重症患者といいますか、日本でいうなら重症身体障害者、こういうものが一体どのくらい存在しているか、こういう問題についてひとつ資料の説明をお願いしたい。
○説明員(木暮保成君) 沖繩の医療状況でございますが、現在医療施設といたしましては、病院が二十三、診療所が四百四十二、合わせまして四百六十五施設がございます。この四百六十五施設で七千二百七十八のベッドがあるわけでございますが、これを人口十万対比で見ますと、人口十万につきまして七百七十ベッドという数でございます。これは本土に比較いたしてみますと、本土の場合には人口十万につきまして千二百六十五ベッドでございますので、本土の水準の二分の一をやや上回るという程度でございます。 それから医療従事者につきまして見ますと、ただいま医師が四百八十二名でございます。これも人口十万対比で見ますと五十一人ということでございまして、内地の届け出医師が百十四人ということでございますので、これも二分の一程度という水準でございます。 歯科医師は百三十一人でございます。これも人口十万対比で見ますと十三・九人でございまして、本土の三十六・五人に比較いたしまして二分の一をかなり割っておるというような状況でございます。 それから看護婦につきまして申し上げますと、ただいま九百六人でございます。それを人口十万対比で見ますと九十五・九人になりまして、本土の二百九十二人に比較いたしますと三分の一程度というような実情でございます。 それから無医地区の状況でございますが、沖繩には現在四十六の市町村がございますが、そのうち医師のございません地区が十七ございます。ただし、十七のうち十三の町村につきましては医介輔がおりまして、この医介輔の診療所もございません町村は四でございます。それから歯科医師がおりません町村は四十六の市町村のうち三十七にも達しております。ただしこの三十七のうち歯科医介輔がおりまする町村が二十八ございまして、差し引き九の町村につきましては歯科医介輔もおらないという実情でございます。 それから沖繩の開発公庫で医療金融を行ないますにつきましては、原則としまして本土の医療公庫が行なっております業務に同じ病院、診療所の建築、改築等の貸し付けを予定しておる次第でございます。
○説明員(黒木延君) ただいま御質問の沖繩県特有といいますか、風土病的なものの状況でございますが、沖繩の置かれております風土あるいは気候状況からしまして、本土にもかつてはございましたけれども、現在ほとんどなくなっておるようなものがなお残っておるわけでございまして、この数も、公衆衛生の関係の向上に伴いまして相当な程度改善はされておりますが、なお残っておるのでございます。一つ例をあげまして申し上げますと、たとえばフィラリアでございますが、これは御存じのように、症状といたしましては、象皮病というかっこうで、足がはれたりする症状のものでございますが、これがこの数年におきまして漸減してまいりましても、なお患者の届け出数、把握数において七百名をこえる状況が出ておるわけでございまして、症状が出ていなくても、血液検査をいたしました陽性率につきましては、これよりなお上回る数字が出ておるわけでございます。これにつきましての状況でございますが、実は琉球政府も昭和四十二年度に対策を講じてまいっておりまして、これを今後引き続いて実施いたしたいと考えておるところでございます。 それからもう一つの、こういう病原問題がございますが、いわば鉤虫、通称十二指腸虫と言われるものでございますけれども、この患者といいますか、約これが七千人をこえ、八千人前後というのが、最近なお残っておる状況でございます。これにつきましても、特別対策としまして、ふん便検査、それから駆虫剤の投与ということをやっているように考えておるわけでございます。そのほか法定伝染病、いわゆる急性感染症でございますけれども、これにつきましては、最近のところはほとんどいわば防疫対策の行き届きによりまして、風疹とかポリオ、いわば小児麻痺といったものはほとんどございません。特に現在のところ残っておりますものは、赤痢が、水の関係その他もあると考えられますが、相当数なお赤痢というものが残っておるのが現状でございます。代表的なものはそういう点でございまして、マラリアに至りましては、終戦直後は相当発生いたしておりましたけれども、現在のところ、この一、二年のところは患者が出ていないというようになっております。以上おもな点はそういうところでございます。
○戸田菊雄君 いま資料の説明をいただいたとおりなんですが、全く問題にならないんですね。医療関係については。たとえば医療施設数が総数で四百六十五ありますけれども、本土は十万六千八百八十二ですね。ですからその各県と比較して、本土内でもうその最低のところまでまだまだそれがきてないわけですね。だからよほど力を入れていかないと、ことに人命の尊重、あるいは予防治療、こういうことになっていくわけですけれども、よほど私は抜本対策で立ち臨んでいかなければ、この医療水準というものは本土並みの水準に引き上げていくことができないと思うわけですね。特にいま総務副長官が言われましたように、五年後に本土水準に持っていきたいということですが、それは大体この五年後に本土水準並みまでいけるという自信ございますか。その辺の見解をひとつお知らせ願いたい。 それからもう一つは、この沖繩振興開発特別措置法四十九条で、いわゆるこの無医地区に対するこの医療の確保ということで、以下項目を並べているわけですけれども、こういうものに対して、ことに沖繩は御存じのように離島が相当含まれておるわけでございますから、この辺の対策を一つ一つやっていくとすれば、私は相当力を入れたものを、具体的な計画というものがなければ、これを消化していくことができないのではないかと思う。法律で幾らりっぱなことを言っても、実質が伴わなければ何にもなりませんから、そういう面について具体的にどういう措置をとられていくのかですね、無医村等の地区に対して、そういう具体的今後の構想等がございましたら説明をしていただきたい。
○説明員(黒木延君) 沖繩の医療状況、いま御指摘のようなかなり低い水準でございます。これに対しまして、できるだけ早く本土の医療水準に持っていくということが、私どもに課せられた任務だと思っておるわけでございますけれども、 〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕 非常にむずかしい問題だというふうに私ども思っておるわけでございます。それでこの対策の基本になりますのは、医師はじめ医療従事者の確保ということが一番基本になると思っておるわけです。それでこれは率直に申し上げまして、まごまごしておりますと、いまおりまする医療従事者も、本土のほうに逆流するというようなことも起こりかねないというふうに私ども思っておるわけでございます。そこでこの医師の確保を中心といたしまして、沖繩の医療水準を上げていかなければならないわけでございますが、私どもいま考えておりますのは、琉球政府が持っておりまする結核療養所、それから精神病院、これは復帰と同時に、国の施設に移管をいたしまして、国の責任でもって運営をしていく。そういう形で医師等の、従事者の確保もはかっていきたいというふうに考えておるわけでございます。その際にも、現在二つの病院、療養所を合わせまして、患者が六百五十名程度でございますが、これを新しく千床程度の病院につくりかえるということを考えておりまして、土地の買収費三億九千万円を四十七年度の予算に計上している次第でございます。 それから、らいの療養所を琉球政府が二つ持っておりますけれども、これも復帰と同時に、国が直営をするということに切りかえる予定をいたしております。その際も年次計画をもちまして、らい療養所の改築をしていくということを計画をしておるわけでございます。 いま申し上げましたように、第一番は、国が直接やる形でもって、医療水準を引き上げていくということでございますが、第二に、医師の確保につきまして、やはりかけ声だけではだめでございますので、医療機関を整備いたしまして、その整備された医療機関に意欲のある医師に進出してもらうという方策をとりたいというふうに考えておるわけでございます。 ただいま琉球政府は、五つの一般病院を持っておりますけれども、この五つの一般病院の整備を、四十七年度から手がけまして、そこに意欲のある医師に進出をしてもらうということを考えておるわけでございます。 さらに沖繩日赤の病院がございますが、こういうものを対象といたしましては、本土で五カ年計画でやってまいりました救急医療あるいはガンの診療施設につきましても、四十七年度に第一期の整備をするということを考えておる次第でございます。 それからもう一つ、御指摘の離島なり無医地区の医療でございますが、これも内地でも非常に困っておる問題でございまして、沖繩の場合には離島が多いために、なお困難な問題になっておるわけでございます。で、内地のいろいろな経験からいたしますと、僻地の医療の問題を、僻地のございまする局部の問題としてとらえるという対策をやってまいりましたのですが、限界があるということを感じまして、この僻地の地域の後背地を含めまして、医療の連携対策をとっていくという形で、昨年から本土でも進めておるわけでございます。 沖繩におきましても、ただいま申し上げました沖繩政府立の五つの病院を強化いたしまして、そこを親元病院としまして、僻地の診療所あるいは離島に対する医療の手を差し伸べていきたい。かように考えている次第でございます。
○戸田菊雄君 それで総務副長官、医療、環境衛生、こういった関係の貸し付けがことしは十六億円しかないわけですね。いま説明を受けましたように、医療体制というものは非常に立ちおくれておる。急速に上げていかないと、総務副長官が言われる五年後に本土並み水準までにはとってもいきっこないと思う。ですから、今後の展望としてお聞かせを願いたいと思うのですが、やはり融資部面でも、相当医療従事者、それに対しては思い切った融資をはかっていかないといけないじゃないか。ですから、その辺の考えをひとつお聞かせいただきたいことが一つ。 それから、どうしても無医村地帯の問題については、この沖繩の開発法四十九条で、この項目に従った適切な措置をやはり当面やっていかなければいけないと思うのです。いま説明がありましたように、厚生省としてはそれなりに努力はしておるようですけれども、やはり相対的には離島、そういった問題にまではまだ実際手がつけられていない、これからの問題ですね。いまの説明を聞いても、そういう問題については、これはもう待ったなしですからね、復帰と同時に、直ちに対応措置がとれるというようなものを急速に仕上げていく必要があるんじゃないか。そういう面は沖繩・北方対策庁としてはどう考えておるか。明確な御見解をひとつ聞かしていただきたい。
○政府委員(砂田重民君) 沖繩の医療の問題は、ただいま厚生省からお聞き及びのとおり、これはなかなか重大な問題でございます。特に先ほど厚生省からお話しのありました他の類似県あるいは全国平均等々と比べての数字は、沖繩全体の数字でございまして、あの数字が那覇を中心に実は集中しておりまして、離島を取り上げてみますと、なおああいった数字よりもひどい状態であります。私が先ほど五年間と申しましたのは、生活環境の公共施設のことを申し上げました。医療施設全体が五カ年間で本土並みにということは、なかなかむずかしい状態でございます。もちろん特段の努力はしてまいらなければなりませんけれども、いま戸田委員おっしゃいますように、待ったなしの問題でありますから、ただいま申し上げましたような環境にある離島等につきましては、沖繩県が持っておりますいろいろな公的医療機関等から、離島への医師の派遣等も考えなければなりません。ただいま海上保安庁からヘリコプターを二機琉球政府に貸与いたしておりますけれども、復帰後も、それを引き続いてフライングドクターの専用機にこの二機のヘリコプターを使っていこう、かように考えております。なお患者輸送車、患者輸送船等、あるいは巡回診療船等も、四十五年に日赤援助で船を完成いたしておりますので、離島の無医地区等に対する沖繩県の公共医療施設から差し伸べる手と申しますか、そういうことについてもひとつ万全の措置を講じていきたい。 なお公庫でお引き受けをいたさなければならない金融の点につきましては、特に離島につきましては本島よりも特段、もうひとつ低い金利で、四%の金利で融資ができるように措置をいたしてあることを付言をしておきたいと思います。
○戸田菊雄君 この前も総務副長官にお尋ねをして、そういう心配はあるけれども、できるだけ努力をしていきましょうという回答をいただいたのです。物価上昇の問題ですね。官崎国民生活局長が来られておりますから、専門的な立場でお答えを願いたいのですが、私の調査によりますと、一つは八月の円の変動相場以降、あるいは円の切り上げ十二月以降、非常に諸物価にドル・ショックですか、手痛いものを沖繩県は受けております。さらに本年度の予算全体を見てみますと、二千億こえているわけですね。ですから、いままでの琉球政府がとってきた昨年の予算よりも相当上回っていることは私は認めている。そういうものを大量に投資されていきますと、どうしてもインフレ的傾向になりはしないか、こういう心配があるわけです。で、琉球政府の統計調査による物価動向を見ますと、一九七〇年の九月以降、那覇市の例でありますが、消費物価の水準は一九六九年の同月比で約七%上昇しておる。同じようにことしの二月ですね、この上昇で見ますると、同様の七%、こういうようになっておるわけですが、そこで東京都といろいろ比較をしてみますると、まだ沖繩のほうが低いのでありまするが、今後、本土のいろいろな影響でこれが急速に高騰するような傾向にあるわけです。これは官報、きのうのですけれども、四十七年五月十日の官報にある内閣総理府の「消費者物価指数の動き=昭和四十六年度・東京都区部」前年度に比べて総体六%引き上がっているのですね。ですから、こっちが上がっていけば、勢い沖繩のほうもそれにつられて上昇せざるを得ないという状況になってくる。で、どの程度今後物価上昇というものは沖繩県民にはね返ってくるのか、具体的な数字でひとつ説明をしていただきたいと思うのです。
○政府委員(宮崎仁君) 大体いま御指摘のようなことでございまして、沖繩の物価につきましては、私ども直接まだこの担当というわけではございませんから、間接的に調べておるわけでございますけれども、大ざっぱなことを申し上げてみますと、大体昭和四十年代に入りましてからの動きを見ておりますと、物価指数という形で、琉球政府が発表しておるものがございますが、それはそれといたしまして、公共の物価指数のウエートで見ますと、大体上がる率は若干日本全国のレベルよりも高いというような状況であります。しかし、これを那覇のウエート、これは当然だと思いますが、那覇ウエートで見まして、いわゆるラスパイレスと申しますか、過去の基準による物価指数に照らしてみますと、これは東京に比べて九割くらいということでございますから、若干低いというような動きで推移しておりますが、大体日本全国の平均と同じくらいの上昇率を保ってきたと、大きく言っていいだろうと思います。昨年でございますが、昨年は、この変動相場制の移行というような問題で、いろいろ問題はございましたから、非常に心配したわけでございますが、一応数値といたしましては、対前年六・五%ということであったそうでございまして、本土の場合がこれが六・八%でありますから、若干高いという程度でございます。それが本年一月以降若干上昇率が大きくなってまいりまして、本年三月の水準で、対前年で見ると一〇・八%、これは御承知のように、全国の数では五%弱でありますから、相当この間に差がございます。これはいろいろな理由があるようでございますけれども、対前年で見てまいりますと、野菜が七・三%上がっているとか、肉類、加工食品、家賃、調味料というようなものがかなり高いというようなことでございまして、そういう意味では、やや季節商品的な値上がりもあるというふうにも考えられます。ただこれを食料品についてだけ見ますと、本土産品と外国産品、それから沖繩産品ということで見てまいりますと、本土産品が一〇%、沖繩産品が八%、外国産品が一〇・二%ということでございまして、その点ではあまり違いはない。これは御承知のとおり、本土産品については、総理府のほうの非常な御努力で、いわゆる物価安定資金という制度がとられまして、そうして一種の補給金が支給せられたわけでございますので、その効果があらわれておるものと思っております。問題は今後どうなるかということでございますが、御承知のように、復帰になれば円表示になってまいるわけでございますから、いま問題になっておりますような、安定資金によるような操作は必要なくなるわけでございますが、復帰と同時に、すでにいろいろ御説明があったのだろうと思いますが、この税、関税、あるいはその他の行政措置によりまして、沖繩の物価が上がらないようにといいますか、むしろ復帰によりまして、税その他の措置によって、沖繩の物価が上がってしまうようなものについては、特例措置を設けて上がらないようにする。また沖繩の安いものは、そのまま残れるようにするというような、大筋はそういうことでやって、特例措置をつくっていただいたわけでございます。もちろんこまかいものについては、例外もございますけれども、そういったいろいろの措置がきめこまかく行なわれてきますので、この効果がかなり期待できるのではないか、このように考えております。ただ、いま御指摘のように、開発計画等もございまして、相当大量の財政資金、あるいは民間資金が入っていくというようなことに伴うところのインフレ的効果というようなことも心配されるわけでございますが、こういった資金によりまして、購入される物資の供給という点で考えてみますと、これは大体本土には、御承知のように、いま不況でございまして、物資の供給能力は十分あるわけでございますから、そういった点でのインフレ的心配はないのではないか。ただ土地の問題等が心配されておりますけれども、この辺については、ひとつ行政的に効果のある手段を講じていただきたいと私たちも考えております。 それから労働力の点につきましても、本土復帰等の関係もありましてそう心配はないのではないか、こう思っております。ただ、何といいましても、その復帰に伴いまして、通貨の変更が行なわれるというような変動があるわけでございますから、そういうことに便乗して値上げが行なわれるというような場合もないわけでは、懸念がないわけではございませんので、そういう点についてはひとつ沖繩県、それから現地にありますところの沖繩開発庁の出先のほうで、事務所でございますか、そういったところでいろいろ行政的にひとつ措置をしていただきたい、こういうふうに希望いたす次第でございます。
○戸田菊雄君 結局、今後どの程度の上昇を見るかという具体的な説明はいまなかったようであります。琉球企画局で一九七〇年の三月、東京と那覇の地域格差を推定して、一定の数字を、推定公表をやった数字的なものがあるわけでありますけれども、それによりますと、復帰後に東京並みになるというと、それだけで八・一%ですね。で、さらにこの沖繩自身の最近の六カ年の平均を見てみますと、その平均上昇率といいますか、五・四%、これからのこの米の特別措置、あるいは五品目、こういうものを勘案した一定の推定を見ますと、六・八%、結局復帰によっておおむね上のせ率は一・四%、自動的に上がるのではないかということが推定公表ですけれども、琉球政府の見通しがですね。これは局長のほうでは、大体そういう推定公表に間違いはないという、こういう状況判断をされておるんですか、どうですか。その辺の見通しは。
○政府委員(宮崎仁君) 最初におあげになりました東京並みになった場合に八・一%という数字でございますが、これは私のほうでも検討いたしましたけれども、先ほども御説明いたしましたように、東京のウエートと那覇のウエートと、これかなり違います。それから個々の物品の価格がかなり違います。そういったことでございますので、東京並みという前提があまり現実的でない。したがって、この点はあまり私どもとしては評価をいたしておりません。それからいまおあげになりましたこの五・四%から六・八%、一・四%ぐらいの差が出るということでございますが、この点は私あまりいままでそのようなことについて伺っておりませんので、ちょっと数字的に検討をいたしませんと何とも申し上げられないわけでございますが、私どもの見方といたしましては、すでに打つべき手はかなり打ってあるし、あとこの問題は、その復帰に伴って一種の、何といいますか、便乗的にこの際上げようというような風潮が出ては困る。その点が一番心配である。御承知のように、公共料金については、大体これは賃金との関係もございましょうが、三百六十円で切りかえるというような形でのすでに改定が行なわれております。大部分行なわれたようであります。この点は私どもとしてもやむを得ないと思っております。ですから、この辺については、若干上がるということになりましょうが、商品については、そういうことは別にないわけでございますから、結局この際に、そういった切りかえの措置と申しますか、表示の切りかえ等について、ひとつ商工会なり、あるいは各省庁なり、そういったいろいろの方々がまあうまく指導していただいて、適正に行なわれるということが必要であるし、そういうことになれば、心配のような事態はないのではないかというように私は考えております。
○戸田菊雄君 時間がなくなってきましたから先に急ぎますが、税制問題ですね。関税の特別措置で、軽減措置を五年間やっておるわけですけれども、この中で五品目、ランチョンミート、ハム、それからベーコン、ウーロン茶、それから包種茶、オレンジ、バナナ、この五品目に対しては確かにやられておる。しかし、消費生活につながるバター、チーズ、マヨネーズ、ソーセージ、それから練りミルクあるいは鳥肉ですね、こういったものははずされているのですね。この辺、私はせっかく五品目やってきて、それとあまり変わらない消費財に対してもっとワクを広げていく必要があるのではないかという気がするのです、税制上。特に関税。もう一つは、牛肉とかアズキですね。これは確かに業者に対しては一定の軽減措置をとっていますけれども、消費者に対しては何らの措置をやられていない。この問題については、私はもっと拡大をしていくべきじゃないかと考えるのですけれども、その辺の保護関税政策について、この間もう改正しちゃったばかりですから、いずれしかし、関税の見直しというものはやらなくちゃいけないのです。あれでいきますと、四十九年まであれでいっちゃうわけですから、それだったら、ことしあたり検討していく必要があるのではないかと考えるのですけれども、そういう点についてはどういうようにお考えでしょうか。
○説明員(植松守雄君) いま御指摘のとおり、昨年の沖繩国会におきまして関税についてもいろいろの特別措置を設けていただいたわけでございます。で、本土復帰いたしますと、もはや一つの経済圏になりまして、国境保護措置としての関税というのは本土と沖繩との間ではございません。したがいまして、またその関税行政の担当機関である税関機能というものも、原則としてはなくなるということでございます。したがいまして、まあ沖繩につきましては、特別措置を設けるということは、まあなかなか行政の面ではいろいろ問題が起こるということは、これは確かにおっしゃるとおりでございます。しかし、そうも言っておられませんので、特に沖繩の県民の生活に重要な関連のある生活物資につきましては、いま御指摘のような特例措置を講じたわけでございます。 で、しからば、いかなる観点からそういう物資を選んだかということでございますが、もとより琉球政府と十分な協議をいたしまして、われわれの立場からの感じを申し上げますと、沖繩の琉球政府のほうからの申し出がありましたものは、できる限りこれを取り上げたというようなつもりでございます。その際に、われわれ話し合いの基礎になりましたのは、当然のことながら、この消費支出の中に占めるそのウエートの問題でございます。つまり、従来の沖繩法令による関税率が、本土の関税率が適用されることによって中には上がるものがございます。もちろん下がるものもございますが、上がるものもございます。そこで、全体の消費生活の状況と、その関税が引き上げに結果的になりますこの両者の影響を勘案いたしまして、相当の影響がありそうなものを拾ったということでございます。 そこで、いま御指摘になりましたいろいろの品目がございます。それぞれ確かに重要な生活物資ではございますが、われわれの調査で見ますと、今回取り上げた五つの品目と比べますと、消費支出の上から申しますと、比較的ウエートが小さいものでございます。その中でおそらくまあ御疑問に思われますのは牛肉ではないかと思います。これは若干こまかな技術的な話になりますが、実は本土の関税率はいま二五%でございます。従来の沖繩の法令によりますところの関税率は五%でございまして、非常に大きな格差があるのではないかというようにお考えになられておるのではないかと思うのですが、実は沖繩で課徴金を一四、五%また別途取っております。それらを合計いたしますと、約二〇%くらいになるわけでございます。そうしますと、実はそれほどまあ大きな差はございません。実は、本土は、二五%の関税率のほかに、また行政措置で一種の課徴金みたいなものが取られておるんですが、これは今後沖繩に関しては取らないようにしたいというので、農林省にも申し入れをいたしまして、大体そういう方向で今後やっていきたいというように思っております。 それからアズキ等についても御指摘がございましたが、これは食生活の慣習等もございますようでございまして、直接消費に供されるウエートは小さいようでございます。まあ、あれやこれやで、われわれといたしましては、一応目ぼしいものは拾ったというつもりでおるわけでございます。そこで、今後どういうことになりますか、もとより推移を見なきゃならないわけでございますが、やはり基本的には、相当急速にいろんなパターンが本土に収斂されてくるのではないかと思うわけでございまして、それであまり特例を設けることは、基本的には事柄の性質上好ましくない。それから、まあ関税もそれほど決定的な力にはなりませんので、これはあまり特例を設けるのはどうかという気持ちがいたしますが、なお十分今後の物価の動向を見てまいりたいというように考えます。
○政府委員(宮崎仁君) たいへん恐縮でございますが、先ほど御答弁申し上げましたときに、公共料金の改定について、賃金が三百六十円に読みかえられるというような形で改定が行なわれると申し上げましたのは、私の間違いでございまして、これはそういう形ではないんだそうであります。まあ、公共料金としての改定が行なわれました結果、人件費についてもそういった相当額が拠出し得るということになるのだろうと思いますけれども、事の筋は、あくまで公共料金としての改定として取り扱われておると、こういうことだそうでありますので、訂正をいたします。
○戸田菊雄君 まあ、一応審議官の答弁で理解はするわけですが、私は、要望ですが、確かにこの各税目によって、物品税、消費税、こういう面からも一定の軽減措置をはかっておられます。同様に、関税からも同じようなことをやっておる。前途五年間ですから、大体、総務副長官が言われるように、一定の水準まで引き上げていくと、この見通しの上に立ってやられたことは間違いないですけれども、もう少し、私はやっぱりワクを拡大していくような対策があっていいのではないか。それから業者ばかりじゃなくて、やっぱり一般消費者に対してもそういう優遇措置——まあ制度上から言えば、審議官が言うように、確かに特例の特例というようなことはあまり芳しいことではないだろう。しかし、現にこの日本の国内においても、租税特別措置法があって、源泉分離課税その他やって、一番あれしているのはその辺にあるわけですから、これはもう特例の措置ですから、この今回の復帰ということは、もう戦後二十七年間の中で初めてやってきた措置ですから、だからそういう点からいけば、制度上特例があってもいいという考えをわれわれ持っていますので、そういう意味で、ひとつ今後も検討をさらにお願いしたい。要望しておきます。 それから通産省の方、来ておられると思うんですけれども、沖繩が、通産省の調べで、本土の大企業に入る企業はたった三社しかないと通産省の調査で発表されているわけですね。しかし、沖繩鉄鋼あるいは共栄製鋼、こういった地場産業があったんですけれども、これは最近、東京製鉄の資本導入を決定しましたですね。これはおそらく下請化していくんじゃないかと思うんです。そういう一つの例がございます。それからもう一つは、アルミ関係の金秀鉄鋼と名護鉄鋼、こういったものが合併をして沖繩軽金属というのを設立をしましたね。あるいは損保でもそうですが、共和火災と琉球火災とあるんですけれども、これも合併して大同火災海上保険ということになっていく。こういうぐあいに、地場産業の大多数が、いまも、合併、合併、そして本土の大資本の資本導入と、そういう形でやられていくわけですね。だから、このままでいったら、地場産業として純粋なものは何も残らないということになる。この前の総務副長官の説明じゃ、オリオンビールだけは権威にかけても絶対守ると言ったけれども、これ一つじゃどうにもならないんじゃないかと思うんですね。そういう点に対して、通産省としては、復帰後どう具体的に中小零細企業の育成強化というものをやっていくのか。あるいは現存している各種産業のそういう会社というものをどう一体守っていくのか。こういう問題についての具体的政策をお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(西田彰君) 先般も先生から御指摘をいただきまして一般的な御回答を申し上げたのでございますが、ただいま御質問ございましたので重ねてやや具体的にお答え申し上げたいと思います。 先生お話しの観点は、本土企業の圧迫のもとに、その地場産業が下請化されるというような観点から、危惧の念を抱かれての御質問のように伺ったわけでございますが、私どもが用意いたしました中小企業近代化促進法の新たな観点からの沖繩への適用というのが、そういった方面に対処するための施策でございますが、もう少し観点をさらに広げて考えまして、本土企業と沖繩の中小企業との結びつきというものが、いい意味の下請関係において成立することは好ましい部面ももちろんあると存ずるわけでございます。特に沖繩の産業全般の開発ということが、ただ、中小企業レベルだけの施策で行なわれるのではなくて、大きな公共投資と、それから産業別の大きな対策のもとで行なわれて、ある程度その基盤を占める中小企業というものが、それに付随して振興されるという方向も、私どもとしては否定できないのではないかというふうに考えておるわけでございます。ただ、中小企業政策の観点からは、先生がただいま御指摘になりましたように、沖繩の中小企業は、たとえば従業員四人以下の企業は、本土では全体の中小企業の約七〇%でございますが、沖繩におきましては、これが八〇%にもなっているという一事だけでも、その零細性というところにネックがあるわけでございます。私どもの考え方としましては、——概数的なことで恐縮でごさいますが、沖繩の中小企業の現状は、本土の二十年前の昭和三十年ぐらいの状況にある。本土の中小企業は、その後、大企業との格差を順次回復してまいってきたわけでございまして、その手段は、御承知のように共同化あるいは国際競争力の強化あるいは生産規模の拡大といった理念でやってまいったわけでございます。御承知のように、最近、通貨調整の問題あるいは後進国の追い上げの問題あるいは国内におきます公害問題等の新たな事態が本土においては生じているわけでございます。沖繩の企業は、これらの生産拡大という二十年の歴史を飛び越えて、一挙にたくさんの問題に一時にぶち当たるわけでございますので、これら中小企業に対しましては、金融公庫の関係その他につきまして特別の優遇措置を与えているわけでございます。 具体的に私どもの取りかかりの仕事といたしましては、近代化促進法体系あるいは沖繩振興開発特別措置法関係におきまして、沖繩の業種の業種指定を行ない、あるいは行なわれておるものは、そのものにつきまして業種別の中小企業の基本計画というのをつくり直す作業をただいまやっておりますので、これは現地の県庁となるべき機関と協議し、あるいは業界とも協議いたしまして、また本土の業界とも協議いたしまして、個別に各種業種の基本計画というものを作成中でございます。ただし、これには若干の時日を要しますけれども、その基本計画ができなくても、優遇措置は適用できるようにいたしますけれども、個別の業種の指導方針といたしましては、その個別にあげられます業種別の基本計画というものを指針といたしましてやってまいる、とりあえずの手段は、この前も申し上げましたように、沖繩の企業は共同化、組織化が行なわれておりません。本土の協同組合のような組織も非常に少のうございますので、その辺の手がかりに取り上げてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○戸田菊雄君 時間が来ましたからあと二点で終わりますが、一つは、この石油関係なんですけれども、現在アメリカ資本のものがガルフ、カルテックス、エッソ、こういった会社が沖繩に現存しておるわけですが、日本と共同出資して五〇%で押えて、これから合弁会社として本土に進出していくわけですけれども、これで一体どのくらい生産能力を持っておったかというと、従来二十五・五万バーレルぐらい。沖繩の需要は大体二、三万バーレル、どうしても余ったものは本土上陸か、もしくは沖繩を基地として東南アジア全域に広まっていく、そういうかっこうになっていくんだろうと思うのです。ですから、当然こういう精製会社が今後かってに行なわれるということになると、一方では公害の心配が一つ出てくる。こういう各般の施策が必要になってくるのですけれども、この石油関係についてはどういう一体見通しを持っておるのでしょうか。今後沖繩の需要関係がどのくらいである、あるいは各般の販路というものをどっちの方向に持っていかれるか、いずれにしても沖繩を基地としてやられることは間違いないと思う。こういう石油産業に対する見通しですね、この辺の問題についてひとつ見解を聞かしていただきたい。 それからもう一つは、公庫法設置によって現地資本ですね、たとえば成立の際に、琉球開発金融公社であるとか、大衆金融公庫であるとか、琉球政府の産業開発資金融通特別会計あるいは運搬船建造資金融通特別会計等々、全部合併されちまうのですね。だから、きのうでしたか、おととい、渡辺委員からも指摘されましたように、今回総体事業計画を予算書としては四百五十億、当年度貸しつけ総額が二百九十四億、公庫関係ですね。こういうふうになっているのですけれども、こういう資本を本来はここへ合併されておるわけですから、何といいますか、没収しているわけですね、早い話が。没収しているわけです。だから、その分貸しつけ金額を私は増大してやってもいいじゃないかと、実際。だから、そのくらいやっていかないと、幾ら総務副長官が五年後に本土水準並みに総体を引き上げると、こう言っても、私はその時点にいったら、むしろ過疎現象か何かによって、逆現象が生まれてきたというようなことになれば、そういう結果になってしまうんじゃないかと思うのですね。だから、よほどそういう点を本格的に、それはもちろん政府やっておるだろうと思うのですが、やっていかないと、真の開発というものは出てこない、こういうふうに理解をするので、その辺の資本金の操作等の問題について、もう一度総務副長官明快な御回答をお願いしたい。 以上で、私はきょうは終わります。
○政府委員(砂田重民君) お答えをいたします前に、ちょっと私の先ほどの答弁の訂正をお許しいただきたいと思うのですが、医療施設の融資の金利のことを、離島、過疎地域については四%と申し上げましたが、これは五%の誤りでございます。一般が六・五%過疎、離島が五%でございます。お許しをいただきたい思います。 ただいまの御質問の前段の問題につきましては、通産省からも来ておりますので、石油関係のことは通産からお答えをすることになりますが、総理府といたしましては、基本的な考え方は、公害をまき散らす石油産業は、これ以上沖繩には来てもらいたくない、この姿勢は貫いていこうと思っております。こまかいことは通産のほうからお答えいただきたいと思います。 それから後段の、公庫の資本金のことでございますけれども、昨日も渡辺委員から御質問ございましたが、本土政府が追加をいたしまして、予算の措置をいたしました資本金が三十億、その他に承継をいたしますものが二百十二億、この二百十二億の中を申し上げますと、琉開金の純資産が百七十三億、大衆金融公庫分が十九億、琉球政府特別会計分が二十億、こういうことになるわけでございます。ですから、この沖繩金融公庫の資本金の二百四十二億というものの中身は、沖繩県民が粒々辛苦積み上げてまいりました資産、米国が、米民政府が投資をいたしましたもの、出資をいたしましたもの等を日本政府が買い取りましたそういう性格の資産、琉球政府が出資をいたしました資産、さらに本土の国民の血税でありますところの一般会計から今回追加をいたします三十億、さらに国民の預金性資産でありますところの財投の金からの資金を回すための二百数十億の融資、こういうものがこん然一体となって資本金を形づくり、かつまた融資をする原資というものをつくっているわけでございます。こういう形で、沖繩本島にあります各公庫を統合して、一本の公庫で、沖繩でもっぱら沖繩の県民の資金需要にこたえるのが、一番こういった、それぞれの性格を持った資金を、最も有効に沖繩に利用できる道であるということについて、本土政府、琉球政府の意見の一致も見ましたし、これを分割をして、本来それの、何と申しますか、所有をしたと申しますか、そういうところへそれぞれ返して、それぞれの場所で、それぞれの金融の小さい規模でやるよりは、全部こん然一体、一本のものにして、政府が責任を持てる立場で、もっぱら沖繩県民にお役に立てる金融公庫、これが一番好ましいやり方ではないかというので、今回御審議をいただいておりますこの公庫の方式をとったわけでございます。取り上げたとか、取り上げなかったとか、本土政府と沖繩県、琉球政府、沖繩県民の関係はそんな水くさいものではございませんで、そういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○説明員(鈴木両平君) 石油の関係をお答えいたします。 先生御指摘のとおり、昭和四十二年以来三つの外資系企業が沖繩本島に進出しておりまして、事前の折衝によりまして、現状では、各企業ともみな国内の企業と同然のスタイルに置きかわってきております。先生の御質問にございます沖繩の需要と、これらの生産能力及びその将来という御質問かと思いますが、現在四十七年の沖繩の生産計画は八百七十八万キロリットル。現在国内の総需要が二億三千七百三十七万キロリットル。これは四十七年ベースでございますが、でありますので、四%足らずという比重でございます。その八百七十八万キロリットルを、地場と、それから内地持ち込みと、輸出の内訳でございますが、地場消費が百二万キロリットル。内地の持ち込みが三百八十万キロリットル。輸出が三百九十六万キロリットル。おのおのシェアで申しますと、地場消費が一一・六%、内地持ち込みが四三・三%、輸出が四五・一%でございます。今年度は操業初期でございますので、これを平年度化いたしますと、四十八年に沖繩の生産が一千十五万キロリットルというふうになりますが、その内訳は地場消費が一二・六%に当たりまして、それから内地持ち込みが五三・二%、輸出が四五%から落ちまして三四・二%、こういうような変化をたどる計画を現在持っております。それで三つの精油所を合わせまして、先生御指摘のとおり二十・八万バーレルという精製能力がございますが、現在わが国が持っております全体の精製能力が四百二万四千バーレルということでございまして、大体五%ちょっと越す比重でございます。この能力は逐年内地のほうはふえてまいりまして、五十年では五百十四万バーレルという数字に伸びていくわけでございますので、沖繩の比重はそれに比し逐年低下していくことと存じます。現在金武湾、西原、中城、三つの地点で操業を始めておりますが、この辺の地帯の整備につきましては、環境庁、運輸省などとも一体となりまして、復帰直後に詳細な公害防除調査、それから石油基地としての能力の調査などを、年度内一ぱい徹底して行ないまして、それに応じて公害のない精製活動をさせるように指導していきたいというふうに考えております。
○鈴木一弘君 私も、時間があれですから、できるだけ簡単に行なおうと思いますが、最初に円・ドルの交換の問題でありますが、このレートの問題で伺いたいと思います。 これは特別措置法で、実勢レートを考慮に入れて、内閣の承認を得て大蔵大臣が決定をする。と、こういうことになっているわけでございます。大体まあ十三日に閣議があるんではなかろうかと、こういうように伺っておりますけれども、このレートいかんによっては、沖繩県民において手取り分が非常に影響するわけであります。三百八円どころか、実勢でいけば三百二円くらいになるのではないかという声があるんですが、これは現在まあ大蔵省等で作業は進めているのじゃないかと思いますけれども、大体実勢レートというのはどのくらいをさしているのか、ちょっと伺っておきたいと思います。
○政府委員(前田多良夫君) 御指摘のように、法律の特別措置法第四十九条におきましては、この法律の施行日前における外国為替の売買相場の動向を勘案して、内閣の承認を得て大蔵大臣が定める比率によって交換する。と、こういうことになっておりまして、これについては、いまだその決定する段階には至っておらないわけでございます。ただ、きのうきょうの相場は、実績ではきのうが三百四円九十五銭、本日は三百三円五十銭という程度でございます。
○鈴木一弘君 これは前に大蔵大臣に伺ったときには、一週間ぐらいの間の平均というような、その間の情勢を見てと、十五日だから、十四日とか十三日のを見てということじゃなくて、一週間ぐらいの間のを見てという話が答弁にあったわけですが、大体そうすると、作業段階で事務的に考えてみても、いまの答弁から見て、これは八円を下回るなあということだけは、これははっきりしてきますね。
○政府委員(前田多良夫君) これはまだ内閣の承認を得て大蔵大臣が定める段階でございませんと、はっきりきめられないわけでございます。まあその際に、かってにきめるわけにはいかないので、さらにこの法律の施行日前における外国為替の売買相場の動向を勘案してきめなさいと、こういうふうに書いてあるわけでございまして、その意味におきまして、そのそういう復帰日前の相場の動向をどういうふうに勘案するか、これはその段階でないとわからないわけでございますが、この外国相場の実勢からは、まあ遊離するということは、これはこの趣旨ではないのではないか、こういうふうに思います。
○鈴木一弘君 これは一日前の日とか、そういうのではないということだけは、はっきりしておるのですよ。一週間ぐらいという話があったんですけれども、おそらくこの問題がまあ閣議に、内閣の承認を得て大蔵大臣が決定するということになれば、大蔵大臣のほうから、事務当局に対して一カ月とか、あるいは半月とか、あるいは一週間とか、そういう動向を見ろと、見ておいてほしいというものがあるわけです、作業的な段階で。その辺の作業についての何かないのかということです。
○政府委員(前田多良夫君) それは現在まだそういうことをいろいろ検討しておる段階でございまして、これでやるというようなものはまだ何もございませんもので、御了承をお願いしたいと思います。
○鈴木一弘君 じゃ、その検討している中身をちょっとお願いしたい。
○政府委員(前田多良夫君) これはまことにむずかしい問題でございまして、やはりこの施行日前のいろいろな売買相場の動向というものは、いろいろな見方があるというようなことで、そういう点をいろいろ検討しておる。この案とか、こういうもの、ああいうものという、きまったもので検討しておるということではございませんので、ひとつ御了承のほどをお願いしたい。
○鈴木一弘君 その売買相場のいろいろなものというのがありましたね。それはどういうものだということが一つですけれども、もう一つ聞きたいのは、これは沖繩へ現実に行ってドルを買いたい、つまり円をドルに変更したいというときには、一ドルが三百四十円見当になっているわけです、いまでも。そうすると、ドルを買う場合のレートと、ドルを売る場合のレートとは違ってくる。これは現実に違って、銀行の窓口とかそういうことでなしにやりますと、そういうことになってくるわけですね。ですから、現地の人の感覚では、それは確かに実勢のレートではっきりと出るものはあります。相場の出るものはありますけれども、それ以外に、現実の感覚というものはまた違うものがあるわけです。そういう点で、それがいわゆる市場のレートどおりになっていけば、これは下がったという印象を必ず受けるだろうと思うのです。だから、その検討しているという中の、いろいろの売買の相場というのは、そういうものまでことごとく含めたものを検討しているんですか。
○政府委員(前田多良夫君) いろいろと申しましたのは、たとえば一週間とか十日とか一カ月とか、そういう期間の取り方なども、そのいろいろの組み合わせがあろうと、こういう趣旨でございまして、相場、たとえば本日の相場そのものがいろいろあるという趣旨ではございません。それからまあその手数料などは、これは取りませんので、その点は、たとえば一日の相場につきましても、銀行間の取引相場、これはまあ中心相場という言い方をしておりますが、それから対顧相場、顧客のまあ手数料を含んだ概念でそう呼んでおるわけですが、こういうのが普通、相場と言われているものです。私たち考えておりますのは、手数料は取らない、こういう趣旨で考えておるわけでございます。
○鈴木一弘君 わかりました。大体見当はついてまいりましたので。 次は、これは運輸省の方、お見えになっておると思うのですが、琉球政府が、七日の日に、バス、タクシー、離島航路、こういう一連の公共料金の大幅値上げということの異例告示をしております。値上げ率が平均一六・八八%というような話なんで、結局旧レートの差額分を補うということの値上げのようであります。結局、そうするとこれは、追っかけ値上げということになるわけですね、ここのところで行なうということは。で、料金が旧レートで換算をされたと。企業の損失は防げますけれども、住民の損失はこれは大きいものがあるんではないか。こういうことで、この便乗値上げがあとからあとからあとを絶たないということで、これでは物価問題もとうてい片づかないと思うんですけれども、その点、これは一体どういう感覚でやったのか、これから先この料金問題をどうするのか、はっきり伺いたいと思います。
○説明員(棚橋泰君) ただいま御質問のございましたバスとタクシーのほうについてお答え申し上げます。 で、先生の御指摘のように、今月の初めに、琉球政府におきまして、平均一六・八八%という改定を行なったようでございます。この問題につきましては、実は三百六十円というレートが、三百八円になりました後、御存じのように、沖繩におきましては、復帰に際して賃金を三百六十円換算の賃金にしてほしいという非常に強い要求がございまして、労働問題として問題になったわけでございますが、運輸関係につきましても、大体そういう同様な強い要求がございまして、各バス、タクシー企業とも、最終的には、賃金は、三百六十円の換算で読みかえるということでほぼ妥結をしたようでございます。 で、御存じのように、バス、タクシーのような事業は、コストの中に占めます人件費の比率が非常に高うございまして、六〇%とか七〇%というような高い比率になっておるわけでございます。それらの賃金を三百六十円に換算いたしますと、現在バス、タクシー企業とも実は非常に経営が苦しいわけでございますが、その賃金が支払えないというような問題から、本土復帰に際しては、公共料金を三百六十円の換算にしてくれというような要求が出ておったようでございます。それに対しまして、琉球政府といたしましては、いろいろな事情を考慮いたしまして、本土に復帰いたしますときには、本土政府の公共料金の換算は、御存じのように、政省令によりまして、機械的な、先ほどの為替相場、大蔵大臣の定める相場できまるわけでございまして、そうなりますと、公共料金自体が三百六十円換算にはなり得ないというような点から考えて、これは、人件費の比率が高いことを勘案いたしまして、琉球政府の責任におきまして、復帰前に、三百六十円の換算に実質的になるような運賃改定を実施したいということで、実施をしたというふうに聞いております。事実は、先生おっしゃったように、一六・八八%の換算で、実施は今月の十四日からというふうに聞いております。
○説明員(深川弘君) 離島航路の場合につきましても、ただいま旅客課長から御説明申し上げましたようなことと同様な状況におきまして、同じく一六・八八%の値上げを認可いたしまして、十四日から実施していくという運びになっております。
○鈴木一弘君 これは、値上げをした企業、バス、タクシーあるいは離島航路、この会社の経営内容は御存じなんでしょうか。これは赤字になるんですか、見込みが。それとも黒字になってるんですか。
○説明員(棚橋泰君) バス、タクシーにつきましては、本島と離島とあるわけでございますけれども、まずバス企業につきましては、本島、離島を通じましてかなり数が多い。小さい企業が競合しておるような状態でございますが、いずれも経営は、一社を除きまして全部赤字でございます。これは、運賃の賃率が非常に本土に比較いたしまして安いわけでございまして、たとえば本島について申し上げますと、キロ当たり大体四、五円の賃率でございます。これは、本土の地方運賃の半分に近いぐらいの賃率でございます。それから、離島につきましては、さらにそれより低い賃率になっておりまして、そういう関係で、もちろん人件費も安いわけでございますけれども、企業は、一社を除きましてほぼ全部赤字であるというふうに報告を受けております。 それから、タクシー企業につきましては、非常に零細企業が多うございまして、いろいろ格差がございまして、本土の東京とか横浜というような関係よりも、極度に企業の規模が小そうございまして、また企業格差もございますが、ほぼ、収支につきましては、いろいろございますけれども、平均してまあとんとんというふうに聞いております。
○鈴木一弘君 離島航路の場合はどうですか。
○説明員(深川弘君) 現在、沖繩で島内の航路を運営いたしております事業者は五十一事業者ございますが、その大部分は赤字でございまして、現在琉球政府から航路補助金を受けておる状況でございます。この点につきましては、本土復帰後も、私どもの離島航路整備法に基づく補助を継続する考えでございますが、かように、沖繩の航路事業者はきわめて零細な事業者が多く、その大部分が赤字という状況でございますので、値上げによりましても、当然それによって利益が生まれるということではなくて、やはり従前の航路補助を継続しなければならないといったような状況にございます。
○鈴木一弘君 これはいまの答弁でわかったんですけれども、ひとつ、どういう内容なのか、経営内容、これを資料として御提出を願いたいと思います。——よろしゅうごさいますか。 次に、離島航路の問題なんですけれども、現在五十一社ある、これは、どういう航路で、どういうふうになっているのか。私どもようわからないわけでありますけれども、大体、船の規模とか、あるいはいわゆる主要な港における寄港日数というふうなものはどんなふうになっているのか、それをちょっと。
○説明員(深川弘君) 現在、沖繩で旅客定期航路を営んでおります事業者は五十一事業者ございまして、そのうち、村とか町といった自治体によって営まれておりますのが七、残りが会社もしくは個人という形で営業されておりまして、航路数にいたしまして三十五航路ございます。なお、就航しております船舶は七十七隻でございまして、その大部分がきわめて小さな、かつまた老朽の船というぐあいに、琉球政府の資料によって私ども伺っております。そのうち最も大きな船舶といたしましては、沖繩本島から石垣へ参ります千五百五十八トンという船舶が一隻ございますが、これは航海距離も五百キロ近くといった長い距離でございますが、これもきわめて船齢が古いように伺っております。 なお、各トン数階層別の船舶数につきましては、ただいま、琉球政府から入手いたしました資料による集計はちょっと手元にございませんので、はっきりした数字は申し上げられませんが、ミトンとか、あるいは四、五トンといったような船舶がその大部分を占めておる状況でございます。
○鈴木一弘君 ミトンとか、四、五トンなんというのでは、とてもたいへんだと思うのですね。これは、例の、先ほど助成金を出すということが言われたわけでありますけれども、いわゆる奄美航路におけるような、高速船ですか、そういうようなものも整備させる、それを補助をしていく、助成をしていくと、こういう計画はどうなっていますか。
○説明員(深川弘君) 沖繩の地理的、自然的条件から見まして、あるいはまた港湾の整備状況等、さらにはまた需要の状況等から見まして、直ちにすべての航路に近代化された大型船を導入することが物理的に可能か、あるいは経済的に可能か、あるいは必要かという問題については、個々に復帰をまちまして検討いたしたいと思いますが、全般的に申しまして、先ほど申しましたような、非常に老朽な船かつ零細な企業によってそれが営まれておるという状況でございますので、私どもといたしましては、復帰後におきまして、こういった小規模の事業者の集約統合を進める一方、港湾の整備等と相まちまして、さらにはまた需要の動向等も見ながら、そういった船舶の近代化、大型化、高速化等について、まあ本日いろいろ御審議いただいております沖繩振興開発金融公庫ができますれば、その資金を活用いたしまして、老朽船舶の代替建造に努力いたしたい、さように考えておる次第でございます。
○鈴木一弘君 これは副長官、結局開発といいましても、船の便がよくなるということになれば、どこまでいってもこれはだめなんです。たとえお客が少なくても、連日のように寄港する場合と、お客が少ないからといって、五日おきとか、六日おきに寄港する場合、これで嵐になったら十日も二十日も来ないという、そういう場合とでは、すごく差が出てくる。そういう点についての基本的な考えというものですね、その辺は——いま、今後調査をしてというふうな答弁があったわけですが、むずかしいところはよくわかりますけれども、さらにより基本的な点についてお伺いしたい。
○政府委員(砂田重民君) 先生おっしゃいますように、やはり沖繩経済開発の当面一番急ぎますことが、やはり電力あるいは水、さらに先生御指摘の交通機関の整備でございます。これがもうまつ先に必要なことでございますから、運輸省のほうからは調査をしてというお話でございますが、確かにいますぐ調査をしなければ的確な配船計画、あるいはどの島にはどういう船をということも明確にはきまってこないと思いますけれども、これは急いでやりたいと思います。さらに船だけではありませんで、航空輸送につきましても同じようなことが言えるわけでございまして、必ずしもどこの島にもYSが行けるわけではありません。南西航空が運航いたしますのも、STOLのような飛行機を新たに南西航空が持って、YSなどが着陸できないような島については、こういう飛行機で輸送を確保する、こういうこともすでにもう金融公庫で、南西航空あてのSTOLを買うための資金等も用意をいたしております。御指摘のように、交通の確保ということがもう一番先に急がれることでございますので、調査をしてということは申しておりますものの、それはもう当然私どももできるだけ努力をいたしまして、早い時期に決着を見て、それだけの助成なり融資なりを確保していきたい、こういうふうに考えております。
○鈴木一弘君 これは資料として、こまかい航路だとか経費、寄港されておる船の名前だとか、トン数だとか、利用状況だとか、寄港日数だとか、これをお出し願いたいと思います。 再び大蔵省に戻ってあれなんですけれども、十五日の復帰の日から、六日間交換が行なわれるわけですね。その具体的な計画はどうなっておるかということが一つ。 特ににせのドルの問題がございます。そういう点で偽造ドルという点、これが非常に重要視されております。かなり選抜された、熟練した人を派遣してあるという話でありますけれども、こういう点は万全なのですか。 それからいままでの偽造ドルの実態はどうなのか、この点を伺いたいと思います。
○説明員(宮崎尚君) 最初に、通貨交換の具体的な手続の問題でございますが、十五日から六日間、すなわち五月の二十日まで沖繩全島に百九十カ所の交換所を選定いたしまして、この選定は五月一日に交付されました政令に基づいて、いずれ十三日ごろ正式に告示をもって決定する予定でございますが、百九十カ所の通貨交換所を通じて六日間、毎日午前九時から午後一時まで、それから午後一時から二時までの間、交換に従事する職員が一時間の休憩時間をとりまして、午後二時から四時まで、通貨交換を行なってまいります。 それから偽造ドルの問題につきましては、もちろん第一線の偽造ドルを判別するのは、百九十の通貨交換所の交換に当たる職員でございますが、この職員は、御承知のように、いままで沖繩の通貨はドルでございましたから、ドルは扱いなれておりますので、まず第一線で偽造ドルの判別が行なわれる。それから第二線といたしましては、日本銀行の職員を昨年サンフランシスコに派遣いたしまして、連邦準備銀行及び財務省等の職員から、偽造ドルの判別についての研修を受けまして、その研修を受けた職員が、さらに日本に帰ってまいりまして、通貨交換の実務を担当する日銀職員に研修を施し、それからさらにその研修を受けた職員は、沖繩にすでに参っておりますが、沖繩のその交換従事職員に対して十分の指導を施して、第二線の監査に当たるという仕組みになっております。 それから最近の偽造ドルの実態は、実は私も詳しいことは存じませんが、私が昨年沖繩に参りまして、琉球警察で保管している偽造ドルの中身をちょっと見せてもらったのですが、二十ドルの偽造紙幣が圧倒的に多いわけでございます。私が承知しておりますのはその程度でございます。
○鈴木一弘君 非常に基本的になりますけれども、先ほどからずっと審議を通じて、今回の公庫法による貸し付けの金利とか、期間、こういう条件について本土よりは若干いいという感じがいたしておるのでありますけれども、まだまだこの程度の格差ではむずかしい。いろいろな沖繩の企業にとっての自立経済というものは不可能じゃないかというふうに思うわけですけれども、その点をさらに大幅に練り直していくというような気持ちはございませんか。その程度のことはぜひとも実現したほうがいいと思います。はっきり申し上げれば、三%というよりもむしろ思い切って無利子ぐらいにするくらいでなければ、私は容易じゃないんじゃないかという感じがしておるわけでありますし、七年といわず十年なり十五年なりという長期のものに変えていく必要があるんじゃないかということを、沖繩と本土の格差の立場から考えてもそういうふうに真剣に思うわけであります。副長官は、五年後と言われたのでありますけれども、五年の間にはたしてすでに返済期限が来ておるということになりますと、かなり苦しくなってくるとかいうことを考えるのですが、その点、練り直す必要性はお考えになりませんか。
○政府委員(砂田重民君) 沖繩金融公庫の金利、貸し付け期間、据え置き期間等の貸し付け条件につきましては、沖繩にいまあります融資の制度——貸し付け条件、本土の公庫か従来から持っておりました貸し付け条件、この両方の有利なほうを選んで沖繩公庫の貸し付け条件を大体きめてまいったわけでございます。金利が安ければ安いにもちろんこれはこしたことは、借りる側からすればもう当然のことでありますけれども、沖繩県のこの融資の対象になろうとされる企業経営者と申しますか、こういう方々も、やはり復帰を迎えて、沖繩の産業発展のためにひとつ非常な勇気をもって立ち向かおうとしておられるわけでありまして、あまりにも安い、いまおっしゃいました無利息のというふうなことがもしありますならば、むしろそれは経営努力が喪失されるおそれもまた新たに出てくるわけでございます。そこで、本土と沖繩の現行の金利の安いほう、そういう融資の条件でともかくスタートをしていきたい。ただ、先ほどもちょっと話がありましたが、特にその公庫がこの一年経営をしていきます段階で、特別の事情のあるものにつきましては、主務大臣が特例を設けられるという道も講じてありますので、こういう事態がもしもありましたときには、そのつどそのつどの判断でまた考えていきたい。この金利並びに貸し付け条件等で、これで沖繩の方々はりっぱにやってくださる。かように私どもは理解をしているわけでございます。
○鈴木一弘君 はっきり申し上げて、海外援助の場合よりも悪くなっておるような感じがするのですよ。私は、リマ憲章で低開発国が要求をしている金利、それと大体同じくらいである。据え置き期間、あるいは償還期間については三分の一になってくるわけですね。それから四分の一くらいですね。これじゃ、海外援助より悪いというのは、同じ国内にありながらどうも納得がいかない、その辺が。いままで日本は海外援助もあまりいい条件じゃありませんからね、世界の非難を受けていますけれども、その要求しているのより悪いということじゃ、ちょっとあまり感心できないと思うんです。そういう点では、いまの働く意欲云々ということはわかりますけれども、やはり二十七年間の空白があったわけでありますし、そういう点では、一億の国民がはっきり沖繩に対しての償いをしなきゃならないわけです。そういう点を考えると、むしろ両方合わせた条件のいいほうというより、思い切って償還期間も長くする、三十年くらいに長くしてしまう。据え置きも十五年くらいにするとか、こういうようなことは当然な措置じゃないかという感じを受けるわけですよ。これじゃ、はっきり申し上げると、これではいわゆる金融公庫の採算をとらせるためのものが底流にあるような感じを受けてしかたがない、私は。そういうようなものであってはならないんじゃないかという気がするわけですがね。その点で練り直したほうがいいと思うんですけれども、もう一度重ねてお願いします。
○政府委員(砂田重民君) 御承知のように、沖繩振興開発法に基づきますところの振興開発計画もこれからでございます。振興開発計画がきまってない段階で、沖繩金融公庫の貸し付け計画をつくりますのに、相当推測を入れてこの公庫の計画はできているわけでありますけれども、やはり沖繩県知事が原案をおつくりになりますこの沖繩振興開発計画が制定をされまして、公庫のほんとうの運用というものはそれからといことに相なろうと思いますけれども、公庫の発足の時点におきましては、先般来御説明をいたしておりますような融資条件でスタートをさせたい。ただ公庫の採算に重点を置いてというふうなおことばがございましたけれども、それは私どもが沖繩県民に対して持っております気持ちからすれば、ちょっとあまりにも酷な御批判であるように私には受け取れるわけでございまして、むしろ公庫の初年度というものは、八十億の三分の融資等から考えますと、もちろん公庫の運用は健全に行なわなければなりませんことは当然でありますけれども、利益を出すような公庫には相ならない。かように私どもは実は四十七年度のことについては見通しを立てているところでございます。
○鈴木一弘君 これは御憤慨をなされたんで安心したんですけれどもね。しかし、はっきり申し上げて、私はやはりそれでもきついような感じがするんです、はっきり申し上げて。せめて中国がやっておりますようなタンザニア鉄道等のああいう例を見ても、ほんとうに、さらにさらにそれ以上のものを、わが国内でもあることでありますからするべきであると、そういう条件でいくべきだと、こういうふうに私は思うわけですよ。その点は考えていただきたい。 それからもう一つ、いま言われた答弁の中で、公庫としての計画が先行しているわけでありますから、これは計画倒れにならないかということの心配、資金運用の問題やなんかですね、資金需要のバランスの問題で、そういう問題についてどういうふうにお考えになっておられるか。
○政府委員(砂田重民君) 公庫の四十七年度の貸し出し計画、資金交付計画等を見ましても、御承知のようにもう相当大きな実は資金量でございます。今年度と申しますか、沖繩にあります現行のこういった公的金融機関がやってまいりました資金の貸し出しが大体百七億、それを四十七年度でこの公庫は八十億の中小企業金融を加えますと、三百数十億、三倍以上の実は貸し出しをやることになるわけでありまして、消化できるかという心配は正直に申し上げて私どもも持っているわけでございます。これは金融のことでございますから、まあ一応の推定をして、これくらいの資金需要もあるはずだとそろばんははじいておりますけれども、沖繩の、借りる側の人たちが、それだけこたえてきてくれるだろうかという心配はまだございます。ただ、公庫の経営のやり方がずさんであるからといって、これだけ予定したものが貸し出せないようなことのないように、手続その他できるだけ簡素化をいたしまして、ひとつ大きな努力をして、これだけのものを消化したい、かように考えております。
○鈴木一弘君 納得できないのですけれども、まあはっきり申し上げて、沖繩でいま急がなければいけないのは経済開発、そういうことで、ところがその最大な困難な問題は、陸続きじゃないという問題じゃないかと思うのですね、地理的な問題ですね。陸続きじゃないという、いわゆる離島——本島自体から離島振興法にひっかかるようなものでありますから、そういう点で地理的条件がよくない。二番目に、一体何をもって開発の目玉にしていくのかというような、その開発に対する政策、手段というものが、容易にきめられないということだろうと思うのです。そういう状態の中で、地理的な条件あるいはいまのような問題、それを乗り越えて何とかこれは達成しなきゃならない。具体的に目標を達成しなきゃならないわけですから、そういう点で、具体的ないまも非常に心配されたような答弁があったものですから、それじゃそれを乗り越えていく具体的な処方せんが必要なわけですからね。そういうのはどうなっているのでしょうか。
○政府委員(砂田重民君) 非常にこう大局的な観点での御質問でございますけれども、沖繩の経済開発計画というものは、先ほどもお答えいたしましたように、これからつくってまいるのでございます。したがいまして、明確に計画上の重点がここにあると言い切れる用意はいまの段階でまだないわけでございますけれども、やはり特にその中で重点、これは計画ができる前からだれしもが考えましたことは、沖繩経済開発の基幹になりますところの水あるいは電力等のエネルギー、こういうところに一番重点があろうかと思います。さらに先ほどから先生のお話等がございました交通の確保、これは交通の基盤等につきましては、本土にはない補助率で、ほとんど十分の十の補助率でいろいろな公共事業はやって、交通基盤の充実をはかっていくことにいたしておりますけれども、こういうところと相まって、沖繩金融公庫の、振興開発計画の中の金融が受け持つべき役割りをこの公庫で果たしていきたい。さらに、いま一つは、もうたびたび先生方から御議論が出ております地場産業を育成していく、これも重要な重点項目の一つでございます。さらに、こまかいことを言うようでありますけれども、けさほども御意見の出ておりました農業者に対します融資の問題、干ばつや台風があった場合に、たいへんな借金をもうすでにかかえておられる人たちの旧債の借りかえをこの公庫でやってまいります。ただ、それも、たとえば石垣とか八重山とかという離島になりますと、農業者に対する融資だけで事は済むのではないのでございまして、その年のサトウキビが干ばつでやられたならば、その島の中小企業者も、また、お客さんは農業者に期待をしているわけでありますから、その島の中小企業、商店街等もまた非常に苦しい思いをする。沖繩の干ばつについての金融公庫の果たすべき金融の役割りは、何も農業融資だけで事は済むのではないのです。その島の中小企業者に対しますところの融資等もあわせて考えていかなければならない。こういうことも沖繩の特殊な事情から考えますと、やはりこの公庫の金額はたとえ大きなものではありませんけれども、公庫の仕事としては、重点の仕事と申し上げて差しつかえないかと考えております。
○鈴木一弘君 いま一つ、いわゆる電力とか水という問題を言われたわけですが、あるいは輸送手段という点での、そこに超重点的な指向がされておるような感じがしたんですけれども、それがたとえ十分であっても、はたしてうまくいくかという問題もあるわけです。 それから農業の問題がちょっと出ましたが、嘉手納基地を全部農地に戻してしまって、パインであるとか、あるいはサトウキビでは、結局成り立っていかない、こういう声も現地の声にはあるわけです。 そういうことから、すべてにわたって、はっきり申し上げて、個々の問題、あるいは基地経済からの離脱による転職とか、そういうようなことだけではなくて、個人個人のそういう転職とか救済ということではなくて、事業転換ということではなくて、基地経済から、島全部といいますか、ぐるみといいますか、沖繩全部くるんでの転換、転職といいますか、それを考えないわけにはいかないという声が非常に現地に多いわけです。その点で今度の金融公庫の構想についても、やはりはたして十分かという大きな現地の危惧が私はあると思うんです。そういう点について政府の見解はどうなんですか。
○政府委員(砂田重民君) 基地の問題については、政府の見解をどうも副長官の私から答えるにはあまり問題が大き過ぎると思うのですが、ただ、金融公庫を所管をいたします私どもといたしましては、現実に立脚して、当面返ってまいります基地、基地が返ることによって生ずるいろいろな経済的な問題等を、やはりこの金融公庫でことしから受け持っていかなければならない、そういうことは当然公庫の中の事業計画の中にも含めたつもりでございます。 さらに一言だけ申し上げますが、ただいま嘉手納空港を全部キビ畑にしてしまうというお話しがございましたけれども、私どもはこれを将来の構想として、あるいはおぼろげながらかもしれませんが、考えておりますことは、嘉手納基地をキビ畑にすることには私はこれは賛成をいたしません。嘉手納空港はできるだけ早く返してもらって、これはやはり沖繩の国際空港に使用すべきではないか。屋良主席のお考えもそこにあるように私どもは承っております。
○鈴木一弘君 いまのは、私は基地の問題云々じゃないんですよ。基地経済、基地に依存している経済、これからの離脱ということが非常に大事なわけですから、その場合に、今度の金融公庫だけではほんとうにだめなんだ、個人個人の個々の救済ではだめなんだ、島ぐるみの援助を考えなければならぬ、そういう沖繩の声があるわけです。これは、だから、よほどの運用の妙を得ないとたいへんなことになるだろうということです。その点は念を押しておくだけでやめておきます。 先ほどから中小企業の問題はだいぶ出ておりましたので、私もこれは取りやめたいと思います。厚生省関係と両方は。 そこで、別の問題で伺いたいのでありますけれども、金融機関については琉球銀行、沖繩銀行がありますし、あるいは信託銀行、沖繩相互、沖繩信用金庫、コザ信用金庫、沖繩労金とありますが、これから内地の銀行は、そちらへ出させないという話があったわけでありますが、問題は、この二十条の中に、「金融機関又は地方公共団体に対し、その業務のうち政令で」というふうに「委託することができる。」ようになっております。この「金融機関」というものは、現地の銀行をさしでいるのか、あるいは内地の銀行をさしているのか、全部を含めたものか。これはどういうことでしょうか。
○政府委員(砂田重民君) 業務委託の問題は、これは当然現地の銀行を考えるわけであります。貸し出しの業務は、那覇にありますこの公庫の本店のみが行なうわけでありますから、この沖繩公庫を構成いたします各金庫、公庫等が、もちろん本土におきましても、各銀行、金融機関に業務の委託をいたしておりまして、ちょうど同じことを沖繩現地で沖繩の金融機関に対して委託を行なおうとするものであります。
○鈴木一弘君 ひとつここで自治省お見えになっておりますので伺いたいのですが、沖繩の県なり、いま政府になっておりますけれども、あるいは市町村で開発公社、こういうものを持っているかどうか、いればその実態、名前、そういう点をひとつ伺っておきたいと思います。
○説明員(緒方喜祐君) いわゆる地方開発公社なるものの実態を私どものほうで把握をいたしておりませんけれども、沖繩琉球政府法に基づく住宅供給公社、下水道公社、沖繩観光開発事業団等、本土各県における公社類似のもののあることを承知いたしております。
○鈴木一弘君 沖繩観光開発公社というのはどういうものですか。
○説明員(緒方喜祐君) 観光開発事業団と私承知をいたしておりまして、これは史蹟の保存、あるいは一部レストハウス等の建設、維持、経営をされておると聞いております。
○鈴木一弘君 いわゆる内地の地方開発公社に似たようなものがあるのですけれども、どういう銀行から金を借りて、どういう利子で支払って、どんな条件になっているか言っていただきたいのです。
○政府委員(岡田純夫君) 観光開発事業団のことでございましたら、従来琉球政府の資金運用部から出資をし、あるいは融資をいたしております。したがいまして、今後は開発事業団に対しては、県の転貸債というかっこうで、従来の政府資金からの融資は切りかえていくものであろうというふうに考えております。
○鈴木一弘君 そのほかに先ほど言われたのにいろいろなのがございましたね、下水道とかなんとか。こういうのはどのくらい、どういう利子で借りているのですか。
○政府委員(岡田純夫君) 下水道公社その他、要するに琉球政府資金運用部から出しておりますものは、日本本土政府と同じ六分五厘でございます。そのようなことにつきましては手元において承知いたしております。
○鈴木一弘君 市町村にはございませんか。
○説明員(緒方喜祐君) この法律等に基づくいわゆる公社以外のものについては、私どもちょっと手元に調査もいたしておりませんし、資料もございませんので……。
○鈴木一弘君 これは将来必ず出てくる問題だと思うのですね。内地の場合を見ても、御存じのように、次々と開発公社をつくるなり、学校施設を建設するための公社をつくっていく。大体銀行から借りる利子が六分五厘というのが一番安い。高いところは七分五厘。しかも、利子の先払いというのが多いわけでありますけれども、そういう点なども、これはよほどのガイドラインというものがもうなくちゃいけないのじゃないかという感じがするのですけれども、これは総理府のほうではこういうものについてのガイドラインに対してはどういう感覚をお持ちですか。
○政府委員(砂田重民君) いま学校の校舎、敷地のお話しが出たのでありますけれども、市町村の学校が、従来ありました学校の敷地を基地に取られていた、しかたなく他から借りているというふうな、そういう学校が沖繩にはあるわけでございます。これはもう復帰後一日も早く全部そういう事態を解消いたしますために、その土地を買い取れるように補助と地方債とで、全部、どこにどういう小学校があってということがわかっておりますので、一般会計からの補助とさらに起債をもって全部こういう事態は解消をすることにきめております。
○鈴木一弘君 答弁がすれ違っちゃっているんで、はっきり申し上げて、内地の場合はいろいろ開発公社を市町村なり県でつくっているわけです。学校の施設等をつくるなんというのは異常な状態ですが、結局市町村に財政力がないからそうなるわけです。銀行から金を借りて先行取得しなければならぬということになっているわけです。もちろん宅造であるとか、道路であるとか、そういうことで公社がどんどんできてきているわけです。沖繩が復帰するとなれば、当然そのまんま適用できるわけでありますから、市町村等においても行なわれるだろうし、県においても宅造をしなきゃならぬとか、いろいろなことが起きれば必ず私は公社というのは出てくると。そのときに、ガイドラインというものを政府で考えておかないと間に合わないんじゃないかという話なんですから、この点はちょっとあれですから、答弁のほうはきょうはいただかなくてけっこうでありますから、十分検討しておいていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 それからもう一つは、これはやはり自治省だと思いますが、県のいわゆる県金庫ということになりますが、これは現在のがそのままなっていくのか、あるいはどういうところになるのか、これは県できめることだと思いますけれども、どんなふうになっておられますか。
○説明員(緒方喜祐君) 十五日の復帰に伴いまして、沖繩県という新しい団体ができまして、都道府県と全く同じような財務会計をやるわけでございますが、御指摘のとおり、指定機関があるわけでございます。これについては具体的にどこの銀行ということを私ども承知をいたしておりませんが、十五日即日指定できるように琉球政府のほうでいろいろ準備を進めていただいていると、かように承知いたしております。
○栗林卓司君 時間も経過しておりますので幾つかの問題について簡潔にお尋ねしたいと存じます。 話を蒸し返すようで恐縮ですけれども、金利のことについてお伺いしたいんですがね、沖繩公庫の金利が、本土に比べて沖繩の現状を調べながら安い方向で、その考え方できめてある。これはわかりました。もう一つ民間の一般金融の金利ということになりますけれども、表面金利を見ると、先ほど竹田委員のお尋ねでお答えのように、沖繩のほうが貸し出し金利が高いということでございます。ただ、沖繩というのは、どちらかというと、アメリカ型の貸し出しをしておりまして、歩積み両建てという悪い習慣には染まっておりません。その意味で、実効金利という見方をすると、実は一般の貸し出しも、沖繩のほうが安いんだということを聞きますけれども、これは事実でしょうか。
○説明員(松川道哉君) 本土の銀行におきまして歩積み両建てという慣行があることは事実でございまして、私どもも長い間にわたってその減少に極力努力しておるところでございます。これに対しまして、沖繩の銀行において実態がどうなっておるのか、ただいま御指摘のように、歩積み両建てが全くないのか、それとも隠れて行なわれているのか、その辺のことは現在までのところ私ども情報を全く持っておりません。これは返還という事態になり、さらにその後私どもの直接ないしは間接に実施いたします金融検査、こういったものを通じまして実態が明らかになってくるだろうと思います。
○栗林卓司君 この沖繩公庫というのは、一般の市中金融で調達し得ない部分について、役割りを果たしていくということでこの御提案の金利もきまっているわけであります、これは歩積み両建てでありませんからこのまま生きていく。一方沖繩の企業というのは、全部これにたよるわけではありませんが、一部沖繩の金融機関にたよる、その実態がどうかということについて全然情報をお持ちでないというのは、返還が目の前に迫っておる今日において、いささか怠慢だと思いますけれども、ほんとうにそういう情報はとったことがないんですか。
○説明員(松川道哉君) たとえば銀行の融資の残高が幾らであるとか、どういった業種にどういうふうに融資が行なわれておるとか、そういったいわゆる外形に出てまいりますもの、こういったものにつきましての情報は、沖繩政府の金融検査庁を通じまして情報を得ております。ただ、ただいま話題となりました歩積み両建てにつきましては、情報をいまのところ持っておらないということでございます。
○栗林卓司君 そうしますと、本土と比べると実効金利では高いか安いかわからない、これが今日の正確な判断だということになりますか。
○説明員(松川道哉君) 現在のところないということもはっきりした情報を持っておりませんし、あるという確証も持っておりません。したがいまして、外に出てまいりました数字を単純に比較してみるしかないと、これが現在比較しておる数字でございます。
○栗林卓司君 その場合には、判断のしようが——くどいようで、申し上げておるのは、先ほど竹田委員の御質問で、表面貸し出し金利が沖繩のほうが高い、本土が低い、これが前提になって、たいへん長時間の議論をされておりました。それほどできるんなら、実はいまの実効金利という問題については確たるものがなければいけないだろうと思って伺っておりましたので、本来私がお伺いすることとは違うのですけれども、あらためて確認で伺っておるんです。
○説明員(松川道哉君) ただいま、栗林委員の御指摘のような条件のもとでの比較で、沖繩のほうが高いと、すなわち外へ出ておりますものを単純に比較した意味でございまして、債務者が実質的に負担する金利がどうかということになりますと、沖繩サイドのほうはよくわからないと、そういう条件つきでの比較でございます。
○栗林卓司君 それでは立ち入りませんけれども、ただ本土の金融機関の沖繩進出については、当面見合わせたいというお答えがあったように記憶しておりますが、その中には、いま沖繩の現状がわからないということなんですが、もしかりに歩積み再建ての悪習が沖繩にはないとすれば、まあある意味ではアメリカ型の契約社会であるわけですから、おそらくないような推測も立つわけであります。したがって、本土の金融機関の進出するときには、そういった悪習は絶対に、もしかりに沖繩にはないとすれば、持ち込まないということもひとつ含めて、今後の進出というのはぜひ慎重に検討していただきたいと思います。 そこで金利のことに戻ってお伺いするのですけれども、この開発資金のところで、基準金利七・五%ということが書いてございまして、そのほか電気五%、アルミ五%等々とございます。ここでその他として七・〇から七・五%、これは基準金利が適用されるということだろうと思いますけれども、この「その他」に該当するものとして、現在具体的に考えているものがあるのかないのか。なぜこうお伺いするかといいますと、開発資金と、中小資金と分けて金利では整理してございます。開発資金の中で非常に興味があるのは、電気にしても、産業公害にしても、アルミにしても、海運・バスにしても、それぞれ政策目的を持ったものについてのみ優遇金利をつけるということになっておりますから、この「その他」というのは、同じような政策目的を持ったものが対象になるということだと思うのです。ところが、それと中小資金とのかね合いで、先ほど来の、ほかの委員の御質問にもありましたように、地場産業をどうやって育成していくかということになれば、その主体は、中小資金にならざるを得ません。したがって、あえて分けて書いてあるけれども、この「その他」というのは、そのときの計画状況では中小資金も含む。含む場合には一応基準金利七・五%であるけれども、状況によってはこの実際に照らして、五%を含めた幅の広い金利が適用になる、そう考えてよろしいかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(砂田重民君) 「その他」でございますけれども、私どもの予定をいたしております「その他」の内容は、ホテル、旅館、海運、港湾運送、荷役、倉庫、バス、航空——これは本土の航空会社ではなくて、南西航空のことを考えております。駐車場整備、こういったふうなことを、産業開発資金の「その他」の中で考えているわけでございます。その他に多くのものが、私いま申し上げたほかにいろいろのものがあるわけではございません。産業開発資金ということと、中小企業資金ということで、そういうことでくくったわけでありまして、たとえば港湾運送などは、まさに、沖繩におきます港湾運送事業者はほとんどみんな中小企業者でございますから、中小企業金融と同じような性格のものとお考えいただいていいと思います。ただ、こういうふうに、中小企業その他の中小企業一般的な金融のワクというものと、産業開発資金というもののくくり方、こういうくくり方だというふうに御理解をいただきたいと思います。
○栗林卓司君 そうしますと、広い意味の環境整備について、開発資金ということでいろいろな業種をお考えになったということだと思います。ただ、ではお伺いするのですけれども、中小資金の場合、これは環境整備ということではもちろんありません。港湾とか交通問題を含めた産業の経営環境整備ということではもちろんありませんけれども、たとえば沖繩が直面する問題は、中小企業をどうやって自立経営させていくかということだと思います。そうなると、政策意図を盛った、ある金利の立て方ということが、当然必要になるように思うのですが、基準金利を拝見しますと、本土の場合が八・二%で沖繩の現行が七・三。したがって現行七・三をとったということでございます。ただ、この沖繩の七・三というのは、本土復帰という異常な条件が起こる前に、一般的な基準金利として沖繩で行なわれていた金利だと思います。そうすると、沖繩返還に伴って、沖繩の中小企業をどうしたらいいかということを考えますと、七・三%というものをそっくりそのまま受け継いでほんとうによかったのだろうか。何も、五%にしろという主張をしているわけではありませんけれども、経営環境整備が五%という、いわば採算割れをつけた、採算割れの利率をつけた発想というのは、ほんとうは、そのことによって大きく育てなければいけない沖繩の中小企業開発に対しても、やはり従来の七・三とは違った経営環境なんだということを、この金利の面でも示すべきではなかったかと思うのですけれども、御意見はいかがですか。
○政府委員(砂田重民君) 先生もうすでに御承知のように、中小企業の資金基準金利は、本土においては八・二%でございます。沖繩はいままで七・三が現行でございました。私どもはこの低いほうの七・三をとったわけでありますけれども、さらにいままで沖繩にありませんでした中小企業の中の生鮮食料品、流通段階の企業と申しますか、こういうものは、従来は沖繩にはなかった制度でございますけれども、六分五厘ないし七分三厘、さらに近代化促進の、近促関係の中小企業融資は、基準金利は七・三%でありますけれども、近促関係は七%。事業転換等につきましては本土と同じ七%でございますけれども、流通近代化等についてもこういう資金が、やはり流通の合理化のための融資というふうな道がいままで沖繩にはありませんでした。それを新たに取り上げまして、七分から七分三厘というふうな金利で、こういうことに役立てていこうとしているわけでございまして、中小企業金利というものの、やはり沖繩における特別の例というものを、特別の融資金利というものを、私どもはこの金利によって明示をし得た。さらに、これだけで中小企業金融が済むわけじゃありませんで、八十億の三分の特別の問題を解決するための中小零細企業融資等も考えておりますので、そういうものをあわせお考えいただきますならば、沖繩の中小企業家の皆さんも、今回われわれがとります制度を十分御理解いただける、また私どもの姿勢も理解をしていただけるものと、かように考えているところでございます。
○栗林卓司君 そうすると、いまのお答えですと、基準金利七・三、一応従来の沖繩における現行金利どおりということだけれども、近代化促進、事業転換等々ということで概算すればこちらの該当になる。したがって、基準金利は七・三とするというものの、実は気持ちとして低い水準を当てはめてあるのだし、あと審議の過程で出てきた三分という問題もある、こういうお答えであったと思うのです。 それでは進んでお伺いしたいのですけれども、転業貸し付けについて、これは先ほども議論になりました六・五%、上を見てまいりますと、事業転換で七%、この事業転換と、転業貸し付けとたいへん似たような内容で、なおかつコンマ五%なぜ違うか、その注を見ますと、「転業貸付については、復帰による制度改正等に伴うものに限る。」とあります。制度が変わるのだから当然見てやるべきではないか、このような議論が裏にあったようにこの面からはうかがえます。ところが、制度が変わったということを言うなら、ドルの経済圏から円の経済圏に入るくらいたいへんな制度の変更はなかったのだし、制度の変更の影響を受けないものは絶無といってもいいように思います。たまたまただいま法律ができるその面の制度が変わり、その部分だけが六・五%の適用になる。その他一般は七%なんだということは、今日の沖繩の異常事態から見ると、どうもやはり沿わないような気がします。 そこでお伺いしたいのは、この転業貸し付けと事業転換の関係ですけれども、実際には沖繩の環境変化の著しさという点からいって、拡大解釈して、転業貸し付けの六・五%がほとんど適用になっていくのだ、そういう考え方でよろしいでしょうか。
○政府委員(砂田重民君) そこのところは、実はそういうわけにまいりません。ドル経済圏から円経済圏へ移行をする、そのショックというものは、やはり沖繩経済が全体的に一般的に受ける問題でございます。その中でも、特に制度が変わることによって、大きな打撃を受けるであろう企業に対して、六分五厘の特利を考えたわけでございますから、これはあまり拡大解釈をするわけにはまいらないかと思います。七分のほうのこの転業資金というものは、やはり企業が自主的に自分はこういうふうに転業を考えたい、たとえばこの例が当てはまるかどうかわかりませんけれども、港湾運送というふうなことが、事態が変わってまいりますので、荷役というものも荷物のあり方が変わってまいります。こういった場合に、関税というものが、今度は輸出ではなくなるわけですから、関税などというものを、主としてその業務の営業の種にしていたような、カストムブローカーのようなものはなくなります。こういった方々には、見舞金のようなものを出すわけではありますけれども、そういう方が転業される場合、それからまた荷役作業に、米軍の貨物を大量に扱っていたその貨物が減ってきている。これはもう自主的にその一部を自動車の検査工場に転業したい、こういうことを、企業意欲的に考えられる企業もまた現にあるわけでございます。こういうふうに企業の自主的な判断で転業を進んでやっていこうというものに対しては、やはり七分でこれは金融をつけてやっていただく。法律なり、あるいは制度なりが、明確に変わったために、一般的にドル経済圏から円経済圏へ移行するために受けるショックのおそれに、さらにそれに上のせして制度の変更によってショックの大きい企業に対してのみ六分五厘の特利を考える、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○栗林卓司君 そうしますと、制度の変更ということですけれども、従来は日本からの物資の沖繩への移動も、輸入という扱いになりましたし、諸外国からの沖繩への移動も輸入ということでございました。そんなところから、関税について時間を限った経過措置がとられております。年々関税率も変わってきております。そういうことも制度の変更の中に入っていくということになるんでしょうか。
○政府委員(砂田重民君) おっしゃるとおりでございます。 それから一つつけ加えますが、六分五厘の特利の制度は、沖繩だけの特利の制度でございます。七分の事業転換資金というのは、本土でドル・ショックを受けた企業に対して現にある制度でございます。したがって、六分五厘の転業資金は、復帰に伴い転業を余儀なくされる者に対して貸し付けるものでございます。
○栗林卓司君 これ以上は、開発計画が組み立てられていく中での議論だと思いますし、せっかくこういう気持ちを含めた、コンマ五%増があるわけですから、なるべく拡大的に考えながら、本土のドル・ショックとありましたけれども、ショックを受けている企業体の強さそのものは、もちろん本土にも零細企業はたくさんありますけれども、比較にならないと思います。ぜひ拡大的に考えていただきたいと思うんです。 そこでひとつ関連して問題として残る気がしますのは、この金融公庫の貸し出し対象として、「沖繩において産業の振興開発に寄与する事業を営む者」とあります。そのときに、これから申し上げるもの全部含むかどうかということなんですけれども、四つ申し上げますと、沖繩資本の産業の場合、本土との合弁企業の場合、本土からの進出企業の場合、外資との合弁企業の場合、これもことばの意味としては「沖繩において産業の振興開発に寄与する事業を営む者」に入るかに見えます。したがって、当然いま申し上げた四つも、この公庫の貸し出し対象に入るということなんですか。
○政府委員(砂田重民君) 沖繩公庫が今度実行しようといたします本土にはないような金利の制度融資、これはいま先生がおっしゃいましたような区別はいたしておりません。そういう、いまおっしゃいましたようなことでは区別はいたしておりません。しかしながら、何さま金融でございますから、当然選別はあるわけでございます。お申し込みがありまして、全部受けるわけではありません。その選定にあたりましては、沖繩の経済開発に対する貢献度、沖繩県民の就業機会の増加に役立つかどうか、さらに地場企業、それから先生がいま幾つかおっしゃいました中の進出企業、その進出企業が地場企業と競合関係にあるかどうか、こういうことが十分考慮されて、融資の優先度というものが判断されるわけでありますから、先生の御質問の御意図が、いま私が申し上げました条件に合わないものに貸すのはおもしろくないぞという意味でありますならば、これは御安心をいただいていいことだと思います。特別の金利の恩恵を与えるかどうか、そういう企業にというよりは、まず融資の対象に、いま私が申し上げましたような選別の条件の段階で、まず融資の対象にならなくなってくる。こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○栗林卓司君 この問題というのは、見ようによってはいろんな見方ができる問題だと思います。ただ一つ事実の予測としてお伺いしたいのは、先ほど言われた二千何百億という、これは財投も含めて金が出てまいりますから、資金的には沖繩はだいぶゆるんだ状況になると思います。そういう中で、選別といっても、何とか立て直ししたいということが先にくるわけです。そこで、私が申し上げた本土の合弁企業にしても、場合によっては進出企業にしても、あるいは外資との提携企業にしても、この低利の金が結局使われているという事実は発生してくると思うんです。ただこれをどう見るかということなんですけれども、私は今後の開発計画の運用の中だと思いますし、ただいまお話の雇用機会ということをどうからませて企業を管理していくのか。ですから、この公庫の運用の中で、実際に開発庁がやるのか、沖繩県庁がやるのかわかりませんけれども、単なる金の貸し借りの関保を越えた先方に立ち入った監督指導ということが当然必要になってくるような気がいたします。そういう機能というのは、いま御提案になっている機構の中で十分に考えておられるかどうか、一応念のためにお尋ねをしておきたいと思います。
○政府委員(砂田重民君) そういう指導というものをすべて公庫でこれをやっていくということは、私はちょっと不可能であろうと思います。ただ公庫といたしましては、けさほども御議論になりました業務方法書、まだきまっているわけではありませんけれども、やはり業務方法書の中に、当然書かれなければならない大事な問題として、沖繩振興開発計画を受けての金融であるということを当然書かれなければならないと思います。さらに、したがって、沖繩振興開発を実施するについての政府の施策に沿わないというものは、これはもう公庫の融資の対象からはずすべきである、こういうことも業務方法書の中では当然書かれなければならないはずのことであります。そういう意図をもって公庫は運用されていくでありましょうし、また政府の施策にそぐわないことはやらないという公庫である限りは、政府の施策について十分の連携を保っていって運営をしていかなければなりません。先ほど内閣委員会で、委員会採決をいただきました沖繩開発庁設置法、この現地の事務局と十分出先の機関におきまして、金融公庫の本店は那覇でございますから、横の連絡をとりながら、そういう指導行政と、金融の部門というものは、お互いに密接な連絡をとりながら、先生御指摘のようなことで進めて当然いかなければならない、かように私どもは考えております。
○栗林卓司君 そこでお伺いするわけですけれども、開発庁が、まだこれからですし、沖繩県庁もこれからだし、開発計画もこれからです。そうしたものがこれからであるときに、できてくる金融公庫、それまでの間の金融公庫というのは、どういう具体的に意味を持っていくんでしょうか。というのは、貸し出しをすると言っても、むげに貸し出しをするわけにいきません。ほうっておけば、一番いやな予想ですけれども、本土よりもはるかに安い金利ということでそちらに、結果として金が本土企業に流れていくというようなことも予想できないわけではありません。しかも、現地の雇用事情を見ても、たとえば軍雇用者の解雇と産業開発の速度がリンクされているかといえば、全く無関係に出てくる。そう考えてまいりますと、理屈ではいろいろ言えても、実際問題はむずかしい。そうなると、大きな金を動かすのは、開発計画ができてから、ちょっと待てということになってくると、その間の金融公庫というのは一体何ができるのかという疑問にもなってくると思います。そこのところはいかにお考えですか。
○政府委員(砂田重民君) 沖繩開発金融公庫は、ただいままだ、今日この時点で御審議をいただいている状態であります。十五日には開店をいたさなければなりません。そこで沖繩公庫がスタートいたしまして、直ちにいま先生御指摘のような問題が出てこようと思います。確かに中には、特に産業開発資金等についは、振興開発計画ができるまでお待ちいただきたいというものもあるいは出てくるかもしれません。しかし、中小企業のための例の八十億の融資でありますとか、生業資金でありますとか、こういったもの、あるいは農家の旧債借りかえのための融資でありますとか、こういうものはできるだけ早く貸し出しを実行いたさなければなりませんから、少なくとも十五日にはお申し込みを受け付けるだけの店を開かなければならない。全く新しくスタートをする役所が一体何ができるかという御心配、当然お持ちになるだろうと思いますけれども、これももう御承知のとおり、金融公庫もやはり、いまの沖繩におきまして琉開金なり大衆金融公庫なりあるいは琉球政府なりで、そういう貸し付け業務をやっている人たちが、みんな公庫に入ってきて、今度は公庫の融資業務をやってくれるわけです。開発庁の現地の総合事務局も、琉球政府から受け継ぎます。新たに国家公務員になられるそういう方々が受け継いで現地事務局が発足するわけでございますから、現地の事情に暗いということは言えません。そういう言いわけは私どもは言えません。五月十五日から直ちに私はそういう業務に取りかかれる、かように考えております。
○栗林卓司君 事務的な面で困るだろうということを申し上げたんではなくて、ある方向を持って資金を動かしていくわけですから、その方向を実際にどういう融資選別に具体的な条件として煮詰めていくのかということになると、これははたと、それはそれで時間がかかることではなかろうかと思いますし、またそれはそれで準備が進んでいるのかもしれませんけれども、いずれにしても、単に貸し借りを越えた作業に取り組むんだというもちろん御決意だと思いますし、十二分の御努力をお願いしたいと思います。 時間がたっておりますから、あと一つだけお伺いしたいと思うのですけれども、じゃ、これだけの資金をほんとうに使えるのかという、こういう不安が一面あります。ただ、もし使ったらどうなるのかということでお伺いしたいんですけれども、とにかくそれだけの金が沖繩に落ちていくわけですから、局地的なインフレ現象を起こさないか、この点についてはどういう御判断になりますか。
○政府委員(砂田重民君) この公庫から融資をいたします金は、それぞれ、当然、有効に使われることが明確になった上でお貸しをするわけでございますから、公庫の融資そのものが、沖繩の地域的なインフレをあおるというような事情にはなってこないだろうと思います。 さらに、インフレということで、物価のことを先生御心配いただいているわけでございますが、私どもも物価の問題は非常に心配をいたしております。大事な問題でありますけれども、これはもうむしろ、公庫の金が流れるよりは、金の量だけで言えば、やはり公共事業に流れる金がうんと大きいわけでありまして、ただ、物の流れというものが完全に円経済圏の中に入ってまいりますから、需給関係から起こるインフレというものはそれほど激しいものは起こってこないだろう。あるいは、人手が足りないからといって、人件費の増高に起因するようなそういうコスト・プッシュのインフレも、またいまの状態ではちょっと考えられない状態でございます。 さらに、先ほどから、物価問題として戸田委員から御指摘がありまして、経済企画庁からも答えておりましたけれども、関税でありますとか、いろんな手段で、実は物価を抑制する方法を考えておりまして、先ほど経済企画庁の答えに足りませんでしたところの一つは、日本の本土から沖繩へ行っております商品はさほど値上がりを実はしていない。沖繩本島でできる品物のほうが、より大きな値上がり率を示しているわけであります。これはやはり、沖繩県民の方々の、復帰不安の反映だろうと思います。必ずしもそれを、便乗値上げと一方的に責めるわけにはいかない。復帰不安から、やはり生産者なり流通段階の商人なりが、そういう値段をつけているんじゃないかと思う。これはやはり、復帰後私は落ちついてくるだろうと思います。 物価の問題については、実は相当きめのこまかいことをやっておりまして、生活必需品の関税が変わることによって、税金が変わって物が上がるということが絶対にないように手だてはとっておりますし、さらに一例を申し上げますと、赤ちゃんのミルクというものが、本土よりも沖繩のほうが三割余り安いわけです。これはどうしてかと言.いますと、日本のミルクメーカーが、沖繩へはいま輸出でございますから、沖繩向けに輸出した量に該当するだけの安い脱脂粉乳その他の輸入ワクを通産省からもらえる。そういうことによって、沖繩の赤ちゃんのミルクは本土のミルクよりも三割以上安い。本土へ復帰したらそういうことがなくなるわけでありますから、一ぺんに赤ちゃんのミルクが三割も値上がりするというような事態は、何としても避けなければなりません。農林省にもお願いいたしまして、これらメーカーと相談いたしました結果、引き続いて沖繩に向けて、こういうメーカーが、今度は輸出でなくて移出ですけれども、沖繩向けの赤ちゃんのミルクについては、いまと同じような値段で売ってもらうことにいたしました。ただ、それがむやみやたらと出てまいりますと、今度は本土へ逆流してくるおそれがありますから、市町村で気をつけていただいて、妊産婦、乳幼児のミルクの量というものを何らかの手段でもって確保して、赤ちゃんの粉ミルクというものが復帰によって値上がりしないように、いまの現状価格が据え置かれるように、実はそういうところも気を配ってやっているわけでございます。 物価の問題につきましては、もう十分な注意を払いながらやってまいりたいと思っております。
○栗林卓司君 そこでお伺いしたいのですけれども、それほどたくさんの資金が沖繩に落ちているという中には、当然公共事業にも入るわけです。これが購買力を一面高めることは明らかですけれども、いまお答えのように、日本の経済圏に入る、日本の需給関係に入る、したがって、局地的なインフレが起こりようがない、私もそう思います。ただ、そのときの姿というのは、いまいみじくもお答えになりましたように、日本の本土から来る物は安い、要するに本土並みだ、沖繩の物は高い。しかも、結果として、大量のものが沖繩に入っていくということが需給関係をバランスさせるわけですから、今後の——本土、沖繩と分けるのはそういう点でおかしいのですけれども、本土に対する経済依存度が一そう高まるという姿なんです。 そのときに、沖繩に現在ある中小企業というのは、どうやって立っていったらいいのか。ほんとうは、沖繩だけでまた壁をつくりまして、しばらくの間は入ってもらっちゃ困る、結果としてまあこのくらいしないといけないのかもしれませんが、それでは、こちらの対策になりませんし、将来の役に立たないからということで、結局同じ経済圏に入れていく。しかも、沖繩には相当の購買力を持った資金が落ちていく、本土からこれはあらゆる製品が入っていく。結局、沖繩経済の本土経済に対する依存度が高まる。そういう中で、現在ある沖繩の中小企業というのは、どうやって生きる道をさがしていったらいいのか、これが実は直面している問題だと思うのです。 その意味で、繰り返して、これは先ほどお答えございましたから意見にとどめますけれども、中小企業の場合、基準金利が七・三%ということでほんとうにいいのか。アルミ、電力の場合には五%という、そういう金利をつけましたと同じように、中小企業の直面している状況を考えたら、現行は七・三だが七でよろしい、転業資金については本土のドル・ショック企業と同じに七でよろしい、制度変更による場合、六・五%というようなことで、ほんとうにこれから沖繩の中小企業というのは生きる道をさがしていけるのか。どう考えてもたいへん心もとない気がするのですけれども、そんなところから、これまでの審議で八十億円、三分ということもきまってきたと思いますし、この構想はこれにとどめないで、これは事態の推移を見ながらということになろうかと思いますけれども、ぜひ十分実態を踏まえて対策をお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○政府委員(砂田重民君) 沖繩の物が高くて、本土の物が安い、先生そうおっしゃったのですが、先ほど私が申し上げましたのは、必ずしも沖繩の中小企業製品のコストが高いということではなくて、やはり復帰を迎えることの不安から高い値段をつけている、そうとしか実は考えられないのでございます。物価の指数もそれを物語っているような気持ちがいたします。ただ、沖繩の中小企業がつくっておりますいろいろな日用品等の沖繩でのシェアは相当高いものがございます。これは本土の商品が必ずしも安いとは私は思わないのです。いま沖繩島産がちょっと異常な値上がりをしたというのは、復帰不安から——コストが高まったために高い値段をつけているのではなく、たとえば三百六十円賃金をすぐに払わなければならない、それにはどう対処していいのか、どういう、そのための融資というものがはたして調達がつくのかどうか、そういうことがわからない段階では、また本土政府もそういう政策を明確にまだいたしません段階で、そういう思惑、物価の高値ということを統計が物語っているとしか考えられません。したがいまして、沖繩の需要が高まれば、沖繩における供給ももっと高め得られるような、そういう角度からの今回の沖繩公庫の中小企業の融資、なお沖繩の現行融資の金利というものを、現在の沖繩金利というものをもっともっと思い切って下げるというふうなことは、これは私は少し考えものだという気がいたすのであります。それに、沖繩でなじんでおられる沖繩自体の金利体系を、一挙に、ここで乱すということは、必ずしも中小企業の近代化のためにプラスにばかり働かない、マイナスの面も出てくるのではないかという気もいたしますので、私どもが今回決定をいたしております金利で、中小企業者の方々にこたえていきたい、こういうふうに考えております。
○渡辺武君 私は前回、この沖繩振興開発金融公庫の出資金ですね。これの八八%までが現地の蓄積を、いわば一片の法律によって無償で国が略奪同然に取り上げておるという点を申しました。 〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕 そうしてこういう資金構成の上からしても、また沖繩県民の初めからの要望という点からしましても、この金融公庫は当然県営にすべきじゃないかということを申しました。これは、現地の民主勢力の統一の上で当選された革新首長のもとでこういう公庫が経営されて、初めて現地の人たちの要望に真に沿ったような融資ができるという点からも、特に強調しなければならぬ点だというふうに思っておるわけです。ただ、その際の御答弁として、今後融資を県民の利益になるようにするんで、その点で了解してほしいというような御答弁がありました。きょうもほかの委員からの御質問に対する答弁でも、その点を一貫して強調しておられると思うのですね。私はほんとうに県民のためにこの金融機関が役立つならば、何も国営にすることは少しもないんじゃないか、そう思います。国営にすることによって、かえって県民の利益からはずれるような方向に融資されるその危険性が十分にあるというふうに思います。その点に立って幾つかの点を質問したいと思うのです。 まず、政府の沖繩対策全体との関連で、この金融機関が国の機関にさせられるならば、県民の利益と合致しないものとなるだろうというふうに思っておるんです。米軍基地が依然として残されるという点はおくとしまして、経済問題の点についてもそうならざるを得ないのじゃないかというふうに思います。 そこで、沖繩振興開発特別措置法ですね、これとの関連で金融公庫はどういうふうになるのか、その点をまず最初に伺いたいと思います。
○政府委員(砂田重民君) 沖繩振興開発計画というものは、沖繩県知事が原案をつくられましてそれを提出なさる、いわば沖繩県知事が提出権を持っているわけです。その沖繩県知事が原案をつくられました計画を審議会——沖繩振興開発特別措置法できめております審議会、この審議会は国会で御意見がございまして、審議委員の数をふやしまして、沖繩県の方々が過半数就任をしていただくことになっておりますけれども、この審議会で御審議をいただいた上、事務的には沖繩開発庁がその取りまとめ、作成の事務をとりまして、総理大臣がこれを決定する、そういうふうにきめられております。その沖繩振興開発計画の中に掲げます沖繩振興のためのいろいろな事業の金融部門を受け持ちますのが、この沖繩開発金融公庫でございます。
○渡辺武君 いまおっしゃったこの特別措置法の第二十二条、これに資金の確保について規定がありまして、「国及び地方公共団体は、事業者が行なう工業開発地区内の製造の事業の用に供する施設の整備並びに中小企業及び農林漁業の振興のために必要な資金の確保その他の援助に努めるものとする。」、これが金融公庫とこの振興開発特別措置法との関連づけを規定しているものだというふうに見て差しつかえないのじゃないか、どうでしょう。
○政府委員(砂田重民君) ここに書かれております県にかかわりますものは、これは地方債のことを申しておるわけでございます。
○渡辺武君 「国及び地方公共団体」ですよ。県だけじゃなくて、国も入っているわけですね。
○政府委員(岡田純夫君) ここに申しております「地方公共団体」は、沖繩振興開発金融公庫、住宅問題については県等がやります場合に、これに対して融資します。そういう場合については、いま副長官言われましたように、地方債をもっていろいろ措置してまいる、こういうことになっております。
○渡辺武君 よく趣旨がわかりませんがね。つまりこの振興開発特別措置法で、「資金の確保等」ということで二十二条に特別うたってありますね。一言で言えば、まあ地方公共団体はちょっと別にしても、国は、「事業者が行なう工業開発地区内の製造の事業の用に供する施設の整備」それから「中小企業及び農林漁業の振興のために必要な資金の確保その他の援助に努めるものとする。」こういうことで、ですから、振興開発金融公庫ができて、これは国が管理して融資をするわけだから、その場合にこの二十二条に基づいてこの工業開発地区内の製造の事業の用に供する施設の整備や、それから中小企業及び農林漁業の振興のために必要な資金の確保その他の援助をこの金庫がやるんじゃないですか。金庫は全然これと関係ないのですか。
○政府委員(岡田純夫君) 先ほどの、あるいは私の説明がその御質問の角度と少し違っておったのかもしれませんけれども、ここで国はと申します場合に、当然その沖繩振興開発金融公庫は国の特殊法人でございます。したがって、この精神に基づいて、まさに振興開発計画を実効あらしめるために、この国はというのを受けまして、ある意味では沖繩振興開発金融公庫が融資してまいる、こういうことになります。そうして地方公共団体と申しますのは、新たに発足する、まあ主として沖繩県内の市町村というようなものが、こういうふうな観点に立って活動してもらうことを期待するということでございます。
○渡辺武君 だとしますと、私はやはり今後の金融公庫の融資ですね、これは相当問題が出てくるというふうに思わざるを得ない。なぜかといえば、つまりこの振興開発特別措置法そのものが、これはもう沖繩県にとってはこれはたいへんな法律なんですというふうに私ども思わざるを得ないからです。なぜかといえば、この法律の第十一条、「工業開発地区の指定」というのがありますね。私、申し上げるまでもなく、沖繩というのは、これは農林漁業、それからまた地場産業、これが中心で、いままでどうやらこうやら経済をやってきたということだと思うんですね。それから基地に依存した収入というのが主要なものだと見て差しつかえない。存在する工業といっても、ほとんどこれは中小企業、零細企業、そういう経済構造になっているわけでしょう。ところが、振興開発特別措置法では、農業開発地区、そういうことばは一つもない。漁業開発地区、そういうことばも一言もない。ただあるのは工業開発地区、これを指定する。そうしてその工業開発地区に進出する企業を、これを第十六条で特定事業というふうに指定することができる。そうしてこの特定事業に対して税制それから金融、それからまた用地の確保などについて十分な優遇措置をとるという仕組みになっているのが、これがこの振興開発特別措置法のおもな柱だと思います。これは一言で言いますと、すでにもう本土で実証済みです。拠点開発方式、これで大企業が進出していって、そしていま至るところで大きな公害を起こしている。そしてまた地方自治体を財政難に落とし込んでいる。その拠点開発方式と同じ方式を、この法律によって沖繩に持ち込もうということじゃないでしょうか。だとすれば、この振興開発金融公庫ですね、この融資が、この特別措置法に定められた方向で行なわれるとするならば、これはもう本土で経験済みですよ。 〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕 そこに住んでいる人たちがどれほど深刻な被害を受けるか、経験済みです。それと同じ状態になってくるんじゃないでしょうか。その点どうでしょうか。
○政府委員(砂田重民君) 農業開発地区というものは、これは農林省が定めていくことになります。そういう地域をつくらないのではなくて、つくっていくわけでございます。 それから、ただいま先生御指摘になりました工業地域、こういうものがあること自体が、沖繩にはたいへんなことだとおっしゃいますけれども、やはり沖繩の経済のあり方というものが、あまりにも三次産業に片寄り過ぎていると申しますか、あまりにも貧弱な現在の二次産業、これはやはり構造的な改革がなければ沖繩県の発展は考えられません。そこで、沖繩には二次産業を振興させるための、そういう地域というものを考えたわけでありますけれども、もう本土で実証済みではないかとおっしゃいました。工業の発展によって、工場の乱立によって、公害がまき散らされた例を私ども本土で経験しているわけでございますから、沖繩における工場の建設等については、本土の二の舞いを踏まないように、同じ沖繩振興開発の法律の中にも、公害防除ということが法律でこれは定められているところでございまして、工場の誘致等についても、当然こういうことを体しながら企画を立てていくわけでございます。先ほど御質問のございました石油企業についても、これ以上沖繩への石油企業は少なくとも開発庁としてはお断わりをしたい、かように申しておりますことも、そういう考えがあるからでございます。さらに、この振興開発計画の金融部門を受け持ちますところのこの公庫の、たとえば産業開発資金の内容等につきましても、先ほどから御説明をいたしておりますように、そういう公害をもたらすおそれのある、まあ沖繩に現在ある企業と競合して、沖繩の人たちをかえって不幸におとしいれるようなそういう企業には融資を原則としてはいたしません。産業開発資金の中身はこういうことでございますということを、先ほどからお答えをいたしておりますこの事業計画を御理解いただきますならば、先生のような御心配はこれはないんではないか、こういうふうに私は考えます。
○渡辺武君 私ね、もう数回にわたって沖繩に視察に行きました。それで、大体工業開発地区に指定されそうなところはどの辺だろうというような見地でいろいろ検討もしてきました。で、まあ一番可能性のあるのは、金武湾周辺ということもよく承知しております。そして、まさにその金武湾、これはまあ平安座にあるガルフを先頭として、日本の大企業があそこの海岸を埋め立てて、大きな工業基地にあそこを仕立て上げようという動きが非常に活発に行なわれております。いろいろ予想される進出企業も、アルミその他うわさされております。ですから、それは現在沖繩にある企業と競合することのないアルミだってそうですし、それから石油は、今後の進出をやめるといったって、もうすでに大企業はちゃんと進出しているわけですからね。そうしてそれぞれ大拡張計画を立てているわけです。そこが工業開発地区に指定されていく。そうしてこの企業の拡張のために資金から税制から土地の入手に至るまで、やはり至れり尽くせりの優遇措置をやろうとしている。その一環として、この金融公庫が融資をやるということになるんじゃないでしょうか。だとすれば、これは沖繩の皆さんがほんとうに望んでいる、平和で豊かな沖繩県の建設ということにはならぬのじゃないかと思うんですね。沖繩県の振興というのは、私どもは、やはり農林漁業、地場産業、これを中心にして振興をやるべきだ。もちろん、本土からの企業の誘致全然やっちゃいかぬということを私ども言っちゃおりませんよ。おりませんけれども、問題になっている進出企業は、ほとんどこれは労働力を使うのも非常に少ない。そうしてまた公害をまき散らす上ではもう本土でも経験済みというようなものばっかりです。そういうものにこの金融公庫が役立つということ、これが金融公庫を国営にした最大の目的になっているんじゃないでしょうか。どうでしょう。
○政府委員(砂田重民君) 進出をいたします特定事業というものをつくりますけれども、ここに進出をいたします企業につきましては、政令によって明確にもう歯どめがしてあるわけでございます。いま先生御指摘のような、企業に公庫が役立つということが間違いだとおっしゃいますけれども、そういう企業に公庫は一銭も役立とうといたしておりません。その点を先ほどからお答えをいたしておりますとおりに、公庫の事業計画の内容をお話しを申し上げたわけでございまして、沖繩に進出した石油企業の大企業に、この公庫は一銭も役立とうとしておるものでないことは十分御理解をいただきたいと思います。
○渡辺武君 それでは伺いますが、先ほどの御答弁では、県知事が原案をつくって、そうしてそれに基づいて振興開発計画をきめるんだとおっしゃいましたですね。その振興開発計画はまだできていないんでしょう。ところが、公庫の融資計画はすでにもう本年度この予算ではそれが出ている。これはどういうことになりますか。計画に基づかないで、すでに公庫は融資計画を立てているということになるんじゃないでしょうか。どうでしょう。
○政府委員(砂田重民君) おっしゃるとおりでございます。沖繩振興開発計画は、先ほどお話し申し上げたような手順を経て、計画が正式に決定するわけでございます。振興開発計画ができるまで、それでは沖繩の現在の企業の皆さんに何の融資もしなくていいかというと、そういうわけにまいりません。たとえば住宅にいたしましても、あるいは中小企業金融にしましても、当然振興開発計画の中に盛り込まれると想定のできるものについては、やはり早い時期から、復帰後できるだけ早い時期から、沖繩経済開発、沖繩の方々の生活に資するためのやはり融資というものは始めなければなりません。そういう意味で、沖繩経済振興開発計画というものができましたならば、公庫のまた長期的な計画も生まれてまいりますけれども、初年度はとりあえずこういう事業計画でまいりますということを、ひとつ先ほどからお答えをいたしておりますような事業計画の中身として御理解をいただきたいと思います。
○渡辺武君 ですから私は、そこに問題があると言うんですよ。いまに関する限りは、それはあなたの、かりにあなたのおっしゃることを信用して、本土から進出する大企業に対する融資はしないんだということをかりに了承したとしてもですよ、今後振興開発計画ができて、その計画の中に、もちろんのこと工業開発地区の指定、そうしてまたそこへの大企業の進出、これは当然出てきますよ。その場合、その振興開発計画に基づいて公庫の融資をせざるを得ないわけでしょう。どうですか。本土から進出する大企業に融資をしないなんということを、この公庫法案のどこに書いてありますか。
○政府委員(砂田重民君) 公庫の融資のことを議論いたします前に、振興開発計画自体が、沖繩県民の好まざる振興開発計画というものは決定されるわけがございません。私どもは、県民の意向を受けて、振興開発計画をつくるように、沖繩県知事が原案の提出権という、かつて日本の法律になかった新しい権限を県知事に持っていただきまして、これは県民の意向をもう明確に打ち出していただこうと、こういう意図からきめたことでございまして、審議会の委員の構成にいたしましても、沖繩県の方々に少なくとも過半数は入っていただこう、こういうことで私どもが意図いたしておりますものは、したがって、沖繩振興開発計画というものは、県民の意図に反するような計画ができるわけが絶対にない。その点については私どもは確信を持っておりますし、またそういう計画を作成することに責任を持ちたい、かようにお答え申し上げます。
○渡辺武君 とにかく基地を取りのけてほしいという県民の要望を全然無視して、そして基地は残されておる。これがいまの政府のやっていることですよ。本土でもそうです、公害はなくしたい、そうしてまた大企業本位ではなくて、ほんとうに地域の住民の生活の安定、改善のために役立つような開発をしてほしいという要望が国民の要望だと思うんです。それを無視して、そうして沖繩で言えば基地は残し、本土で言えば大企業、もうまるきり横暴の限りを尽くして開発地域ではやっているというのが実情だと思うんですね。ですから、あなた個人はどうか知りません。しかし、政府の機関の一人だとするならば、あなたの言うことは、これは私はそのまま受け取るわけにはいかぬ。沖繩県民もだれもまともには聞かないだろうと思うんですね。法の体系がそうなっている。そこに私は問題があると思う。しかし、この議論はまあ私も時間がないのでいろいろ材料を持ち出してやりたいんですが、省略しておきますけれどもね。 議論をさらに移しまして、この貸し出し計画の規模ですね、内容。その点にも私は非常に疑義がある、いま申し上げたような点から。たとえば四十七年度の貸し付け計画二百九十四億円というふうになっておりますね。で、これは今度公庫に吸収される予定になっている琉球開発金融公社、それから大衆金融公庫、それから五つの特別会計ですね。これの本土流に計算した四十六年度の貸し出し実績に比べて何%くらいの増加になりますか。
○政府委員(砂田重民君) 貸し出しのすべての規模からまいりますと、今度引き継ぎますいろんな琉開金、大衆金融公庫、特別会計等、こういうところはひっくるめて四十六会計年度で百七億の貸し出し規模でございます。今度の公庫の貸し出しが二百九十四億プラス八十億でございますから、三百七十四億ということに相なります。 さらにもう一点申し上げますと、引き継ぎますそういう機関から、もうすでに貸しております残がございます。これが返ってくるものがある。返ってくるものをまた貸します。その三百七十四億の中で、引き継ぎます機関がそれに貸しているもの、それから返済を受けるものの新たな貸し出しというものは四十四億でございます。
○渡辺武君 その、いま四十六年度は百七億というふうにおっしゃいましたが、もし計算してあれば、本土流の年度で、ですから、四十六年の四月から四十七年の三月までの間、現地の金融機関はどのくらいの貸し出しをやっているのか。それと比べてどのくらいの増加になるのか。
○政府委員(砂田重民君) それは琉開金、大衆金融公庫等がそういう決算をいたしておりませんから、私どもで資料をつくるにいたしましても、そういう現在の沖繩の機関から取り寄せなければなりませんので、早急にはちょっと間に合いかねると思いますが……。
○渡辺武君 そうしますと、いまおっしゃった資料でちょっと検討してみますと、一九七〇年度ですね、四十五年度。これの、いま言った現地の金融機関の貸し出し実績ですね。これは六十七億七千百万円だというふうに、これはあなた方のほうへ問い合わせて、そして回答を得たんですが、それでよろしゅうございますかな。
○政府委員(砂田重民君) 会計年度がこうダブってまいりますので……。
○渡辺武君 現地の会計。
○政府委員(砂田重民君) 現地の一九七〇年度六十七億、それから七一年度、私が先ほど申しました百七億、こういうことに相なります。
○渡辺武君 そうしますと、公庫に吸収される現地の金融機関の貸し出し実績、一九七〇年度と七一年度とを比べてみますと、七一年度のほうが六〇%増加という数字になります。これは七一年度、つまり別のことばで言えば、四十五年の七月から四十六年の六月までの一年間の実績ですね。ですから、この増加率で一九七二年度、これをかりに六〇%増というふうに計算してみれば、約百七十億円になりますね、百七十億円に。そしてさらに、これは七二年度だから、ことしの六月までと、こういうことですね。で、向こうさらに一年間考えてみますと、六〇%増という増加率をそのまま延長して、そうしますと約二百七十億円という数字が出ます。二百七十億円。そうでしょう。それで今度の政府の四十七年度の貸し出し計画二百九十四億円、このうち特殊貸し付けというのは、これは肩がわり資金ですから、それからその肩がわり分二十億円、これは融資の増加にはならぬですからね、ただ肩がわりしただけですからね。それを引きますと、二百七十四億という数字になるんですね。そうしますと、大体現地の金融機関の一年間の融資規模とほぼ同じということになろうかと思うのですね。これでは国の出資三十億円をつけ加える、いかにも融資規模が広がったように見える。あるいはまた財政投融資から融資もして規模を広げたように見えるけれども、ほとんど広がっていないというのが実情になるんじゃないでしょうか。
○政府委員(砂田重民君) 先ほどの六十七億と百七億、そのふえ方というのは、実はちょっと異常なふえ方でございまして、本土政府の米を沖繩で売却をいたしまして、それがその中に入っている。さらに私どもが申し上げております公庫の四十七年度というのは、十二カ月分ではございませんで、十・五カ月分でございます。そういうことを計算をしていただきましたならば相当な伸び、やはり百七億に対する二百九十四億、あるいはプラス八十億、こういう規模でお考えいただくほうが資金ワクとしての妥当な比較ではないか、こういうふうに私は考えますが……。
○渡辺武君 その異常な伸びだと言いますけれどもね、ここ数年沖繩の経済の伸び率というのは非常に大きいんですよ、非常に急速なんです。ですから、その資金需要をまかなうためにいろいろ努力をして、そして約六〇%の伸びになってきた。大体このくらいの伸びはその後も予定して計算しておいて私は差しつかえないと思う。ですから、この国の金融公庫にしてしまっても、融資ワク全体ということになれば、そう大きな利点、利益を現地の人たちに与えるというようなものではないんじゃないですか。その辺はどうでしょうか。
○政府委員(砂田重民君) 先ほど申し上げました本土政府の米資金が、先生が御指摘になりました沖繩の各機関の融資ワクの中に含まれております。で、四十五年で二十億、四十六年で三十三億というものが入っているわけでございまして、この米資金、沖繩で売却をいたしました米の代金というものを、沖繩の方々の融資に回してこれを使っていただこう、こういうふうに私どもが考えましたのも、やはり沖繩の資金需要が高くて、それに供給する力が残念ながら足りません。それを補っていこうということで、米資金をこれに移用していただくことにしたわけでございますから、その段階から本土政府もお手伝いをしてまいったわけであります。したがいまして、今回、この公庫が事業計画として持っております十・五カ月分の四十七年度の融資ワクというものは相当な伸びである、現地の御要望に十分こたえられると。先ほどから.それだけのものがむしろ消化できるかという御心配すらいただく程度の大きな伸びと言って差しつかえないのではないか、かように私どもは考えております。
○渡辺武君 その米の代金ですね。これなんかは当然もう本土の政府としてやらなきゃならぬことをおそまきながらやったというにすぎないものでして、それは全然ないよりもあったほうがいいことはこれはあたりまえのことなんだけれども、だから、その辺はそう強調するほどのことはないんですよ。問題は、この開発金融公庫の融資の額全体が、いままでの伸び率から考えてみても、そう大きな利益を現地の人たちに与えるようなものじゃない。その点を率直に見ながら、この融資ワクの今後の増加を考えていかなきゃならぬじゃないかというふうに思います。 それからもう一つ、私は、融資の絶対額もそうなんだけれども、その内容ですね、これが非常に問題だと思います。それは、たとえば一九七一年度のこの現地の七金融機関の貸付額、先ほどおっしゃった百七億ですね、このうちで、産業開発資金の融資額、これは十四億九百万円、比率にすれば一〇・三%になります。そしてこの中には大体中小企業関係の融資も全部含まれていると見てさしつかえない。そうすると、そのほかの、たとえば農林漁業金融公庫に対する融資だとか、あるいはまた住宅建設のための融資だとか、これが八九・七%も占めているんですよ。ところが、この四十七年度の金融公庫の貨し出し計画を見てみますと、全体が二百九十四億円、その中で産業開発資金貸し付けの占める比率はどのくらいかと言えば、総額七十二億円、二四・五%を占めています。そして中小企業関係が八十四億、パーセンテージで言えば二八・六%を占める。そうしますと、住宅建設だとか、それからまた農林漁業のための融資ですね、これも比重がぐうっと落ちてきている。そういう実情だと思う。わずか四七%になる。国の金融機関にならない前は、八九・七%が住宅建設や農林漁業に向けられていた。国の金融機関になったとたんに、それがずっと圧縮されて四七%になる。絶対額は確かにふえています。しかしながら、パーセンテージはぐうっと落ちた。特に住宅建設、これは国の金融機関にならない前は融資総額の二七%を占めていた。ところが国の金融機関になったとたんにそれは一二%に比率が落ちる、こういう状況ですよ。初年度からこういう状態なんです。だとすれば、今後、振興開発計画を大企業を中心にしてつくられるということになっていけば、公庫の融資の比重もますますそれに重点が置かれると、こういうことになるんじゃないでしょうか。そうして現地の圧倒的な人たちの生活している農林漁業、それからまた中小企業、こういうものの比率はずっと圧縮されるということにならざるを得ない。これは現地の人たちの要望と全く逆な方向だと思いますけれども、どうですか。
○政府委員(砂田重民君) そういうパーセンテージのとり方の御議論もあろうかと思いますが、私どもは、実はちょっと見解を異にいたします。先生がおっしゃいました住宅資金のパーセンテージは確かに減っております。農林漁業融資のパーセンテージもあるいは減っているかもしれません。しかし、金額においてはたいへんな伸びを見ているわけでございます。それはどうしてかと言いますと、先生が御指摘の琉政の産業開発資金は、大きい企業には貸していなかったのですが、その大きい企業というもので、今度私どもの公庫が貸そうとしておりますものの大宗は電力等でございます。いままでは、電力については、民政府の機関でありますところの琉球電力公社にまかせっぱなし。もう日本国の沖繩県になるわけでありますから、電力も、当然、県または国で考えていかなければなりません。やはり電力の確保ということが沖繩県民すべての方々の生活に資する大事な問題でありますから、そこに相当な融資というものを講じていかなければならない。施政権がアメリカにあった時代とは全く異なった事情がそこに出てまいります。したがって、電力株式会社という会社をつくりますけれども、この会社はいわゆる民間大資本の会社でなくて、国の機関としての、もちろん、配当などを期待しない、沖繩県民の方々の電力の確保を国が責任を持ちますという性格の会社でございます。さらに、沖繩県人によって経営されております五つの配電会社というものと取り組まして、沖繩県民の生活に必要な電力をまたここでまかなっていかなければなりません。電力料金も、アメリカの保護のもとに安い電力料金で沖繩庶民大衆は暮らしてこられました。それを、復帰したからといって、電力料金を異常に高くするわけには絶対まいりません。安い電力料金で電力量の確保をするためには、それだけの融資は、復帰をするからには、やはり新しく道をつけていかなければならない。沖繩県民の大事な生活に資する融資でございます。したがって、そういうものが新しくできてまいりましたから、産業開発のパーセンテージは上がっているかもしれません。しかし、それによって、いままで、電力のことは一切考えてもいなかった琉球政府の産業開発資金と住宅資金と比べて、住宅のパーセンテージが減っているからといって、これからやろうとしている沖繩の方々の住宅確保のための資金量というものが減っているわけではない。五年間で住宅を本土並みにしたいという構想から、住宅金融公庫が沖繩公庫の中に入ってまいりますから、初年度におきましても四千戸の住宅というものを、この公庫で融資をしてつくっていっていただこうと。いままで、昨年度琉球政府がいろいろと御苦労になりました住宅建設のための民間等への資金によりまして、たしか、二千戸程度が住宅が建てられた数でございます。これの倍の住宅が、今回は公庫のお手伝いよってできることでありますから、必ずしも、産業開発資金のパーセンテージと住宅資金のパーセンテージを機械的に比べてみただけでは私は正しい判断ではないんではないか、こういうふうに考えます。
○渡辺武君 じゃ、産業開発資金貸し付けの内容はどういう内容なのか、これを伺いたいと思います。おもな点だけでいいです。
○政府委員(砂田重民君) 総額が、先ほど先生おっしゃいましたように百十億。電力、ガス供給業が四十九億。それからアルミ精錬業が七億五千。その他製造業が三億。観光開発が十億——これは沖繩におきますホテル等。それから海運業が二十一億——離島航路を確保するための資金でございます。それから港湾荷役を含みます港湾運送業に三億二千万、同じく港湾等の倉庫業に三億八千万、沖繩のバス運送業に対しまして一億九千万、おもだったものはこういったところでございますが、なお産業公害防止に二億を予定をいたしております。
○渡辺武君 通産省が沖繩対策についてという昨年十月に出してますね、これで融資の要求額が出ておりますけれども、いまはどういうことになってますか。それから運輸省のほうの計画ですね、これもちょっとお聞かせいただきたい。
○説明員(左近友三郎君) 通産省関係の融資額の要求をお答えいたします。 昨年の予算要求の際の要求は、そこの、先生がいま御指摘になったとおりでございますが、その後予算が決定いたしまして、総額が出た上で、沖繩対策庁その他とも御相談いたしまして、いまおっしゃいましような数字で大体われわれのほうの事業計画はやれるという目安になっております。ですから、現在は当初の要求よりも多少減額をいたしておりますが、本年度の、四十七年度の計画はできるであろうというふうに考えております。
○説明員(吉村眞事君) 運輸省でございますが、運輸省の計画につきましても、ただいま通産省と同じでありまして、当初要求はややこれを上回る要求でございましたが、現在のところ、ただいま副長官からお話しございましたような数字で、ほぼ要求を満たし得をのではないかと考えております。
○渡辺武君 報告になった内容を伺っただけでも、ほんとうにこれ県民の利益になるだろうか、むしろ大企業のためにこの産業開発資金融資というのが行なわれるんじゃないかという印象をますます強くしますね。いまあなたいみじくもおっしゃいましたように、従来の現地の七金融機関、これは電力のほうには向けられていなかった。その七金融機関の資産、これが八八%を占めている金融機関が新たにできるわけですよ。そうしてその融資がいままでそっちに向かっていなかった電力のほうに向けられる、そういうことでしょう。これ国営になった一つの大きな理由なんですよ。そうして、その電力は、なるほど現地の人たちの電気つけるのにも使われます、しかし、主としてはこれは工業用の電力。そうでしょう。アルミ七億五千万、これ合計しただけで、もうこの融資計画の半分以上、こういう状態。そのほかに、観光開発といっても、もうすでに本土の大観光資本が沖繩へ乗り込んでいって、もう暗々裏のうちに土地を買いあさってたいへんなことになりそうだ。これもみんなしてきていることですよ。それらにも融資がつく、こういうような状況。ですから、これ大企業のものでないとはとうてい言い切れない。まさにそこに現地の金融機関として残さない、これを国営にしてそうしてやっていこうという最大のねらいがあるんじゃないでしょうか。これはもう本土の例でよくわかります。拠点開発方式でまさにそういうことでやってきた。たとえば北海道東北開発金融公庫、あれ見てごらんなさい。あれは地域産業の振興をはかるんだという大前提でああいうものをつくった。ところが大体、これは一九七〇年度の実績ですけれども、融資総額の七〇%以上は、資本金五億円以上の大企業にいっているんです。そうして一千万円以下の中小企業には、わずか融資総額の二・四%しかいっていない。これが本土政府のいままでやってきた実績ですよ。だとすれば、この金融公庫も結局のところ同じような傾向にならざるを得ないと思いますけれども、その点どう思いますか。
○政府委員(砂田重民君) 沖繩の振興開発の計画と北海道の開発とはおのずから基本的な姿勢が全く異っております。北海道東北開発金融公庫等ができましたけれども、また北海道開発庁というものが生まれましたけれども、北海道開発の基本的な考え方というものは、日本本土全体の人口問題もからんで考えられたものであります。そういう角度からの北海道開発でございまして、今回の沖繩の場合はそこのところが全く違います。沖繩県の振興開発のみを意図した考え方でございますから、新しくできます沖繩の電力会社が、沖繩県民すべての方々の使われる電力の料金にいたしましても、電力の量にいたしましても、それを確保していくために、そのために必要な低利の融資というものを沖繩電力株式会社に公庫が融資することは、私は、沖繩県民の皆さんの賛同を受けられるものと、こういう理解で沖繩電力会社への融資の事業計画を持ったわけであります。
○渡辺武君 時間がきたのでこまかく論ずるわけにいきませんので、あとおもな点一、二問だけ伺いたいと思います。 とにかくそういうことで、やっぱり北海道東北開発金融公庫と多少の違いがあることは明らかですよ。明らかなんだけれども、しかしそれをやっている政府そのものの基本姿勢というものは、これは同じなんですからね。だから御答弁でいろいろ弁解されても、これはもう結局のところはそうなる。大企業本位のものになってくる、これは避けられないと思うんですね。それで一つは、肩がわり融資の問題ですが、特殊金融として二十億、これを予定しているようですね。一体これで現地の要望にかなうだろうか、そういう疑いを抱いていますがどんなふうに見ておられますか。
○政府委員(砂田重民君) 当初琉球政府当局から数字をいただきまして、私どもはもっと多額のものを必要とするのではないかという予測を立てておりました。その後琉球政府から数字の訂正等もこれあり、また財政当局とも御相談をいたしました結果、たとえば六月とか七月とか、そういう時期に、もう旧債と言いながら償還期がきている、こういうものはもういいんではないだろうか、そういうことから整理をいたしました結果、現地の事情に基づいての積み上げ方式で計算をいたしましたところ、二十億という数字が出たわけでございまして、現地の御要望にはこれでまかなえられる、かように考えております。
○渡辺武君 現地の要望要望と言いますが、現地の政府も、それからまた県の人たちも、私ども最初に行ったときと、それから最近行った場合では、だいぶやっぱり本土政府に対する見方が変わってきている。初めは、長いこと異民族の支配のもとに置かれて、いよいよ復帰すると、本土政府が何とかしてくれそうだということでたいへんな期待を持っておった、ところが折衝してみると、なかなかそういうものじゃないということで、だんだん要求を削りに削って、そうしてしぼって出してきているというのが実情ですよ。私どもあそこの琉球の工業連盟へ行って伺ってみた。そうしますと、大体これはまあ運転資金も入っておりますが、設備資金、運転資金、合計しまして大体四千五百万ドルぐらい借金がある、できたらこれは全部肩がわりしてほしいんだ、こういうことを言っておりました。四千五百万ドルというのは、当時の三百六十円のレートで計算すれば百六十何億円になる。それからまた琉球銀行へ行って聞いてみた。そうしますと、琉球銀行では設備資金を貸せるところが少ないために、特に琉球開発金融公社、これにアメリカは金を出し渋り始めている、そうしてこの設備資金融資が非常に苦しくなってきている、この肩がわりが全部琉球銀行へきている、ですから、普通の市中銀行でありながら、設備資金の融資に占める比重が非常に大きい、これは言ってみれば、県民の設備資金不足、これの反映であるわけですね。だから、銀行も企業のほうもあわせて肩がわり融資というのを非常に強く要求している。特に銀行から借りることのできないような零細企業、これは御承知のように模合い制度その他で高い金利を払ってやっている。ここでも肩がわり融資の要求というのは非常に大きいんです。ですから、琉球工連の要求する百数十億円ということ一つと比べてみましても、二十億円というのはあまりに少ない。私はもっとその点は十分に金をつけてそうしてやるべきじゃないか、現地の要望に沿うようにやるべきじゃないかと思っていますが、その点今後どういうふうにお考えですか。
○政府委員(砂田重民君) 私どもも、また現地の御要望を伺っているわけでございまして、正確には琉球政府の公式な数字をいただいて検討を続けてまいったわけでございますが、琉球政府が現地の事情を当然詳細御承知のことでございまして、御相談をいたしました結果、ともに作業をいたしました結論として二十億で四十七年度はまかなえる、こういう見当をつけて定めました計画でございます。
○渡辺武君 最後に一問。
○委員長(前田佳都男君) 簡単に。
○渡辺武君 そういう姿勢じゃだめですよ。沖繩の人たちの要望にほんとうに沿ったような政治をやろうと思ったら、だめですよ。琉球政府の初めの本土政府に対する期待、これがずっとさめるにつれて、その要望もどんどん後退しているというのが実情です。だから、琉球政府がこう言ったからそれでだいじょうぶだというような議論はとうてい成り立ち得ないですよ。その点はっきり申し上げておきます。 それから金利の問題について一言伺いますが、この沖繩の現行の金利と、それから今度金融公庫ができて実行する金利と比べてみまして、現行金利よりも下がっているもの、これをちょっと拾ってみますと、電気、産業公害、アルミ、それからまた中小企業の場合でいえば中小企業近代化促進のための融資等々と、いわゆる国が重点的な施策として目ざしているようなところが比較的有利な金利になっている。あとは基本的には現行金利とほぼ同じというのが私は特徴だと思う。そうして国が制度的に、政策的に目ざしているというのは、これは先ほども申しましたように、現地の拠点開発方式、大企業本位の開発、これと密接に結びついた産業政策、そういうものだと思う。私はやはり戦後四分の一世紀以上異民族の支配下で苦労に苦労してきた沖繩の人たちの期待に報いるためには、こういう政策的なものだけじゃなくて、もっと全面的に金利を引き下げて、そうして現地の要望にこたえるべきだと思う。そのためには、一般会計からの国の出資をもっとふやせばいい。金利のつく財政投融資からの金を大幅に使おうとしている。だから金利下げようったって下げられないんでしょう。金利のつかない一般会計からの出資三十億円ばかりじゃだめですよ。もっと大幅に出して、初めて金利を大幅に全面的に下げることができる。沖繩の人たちの労苦に報いるためにそれくらいのことは私はしていいと思うんだ。どうでしょうか。
○政府委員(砂田重民君) 二つお答えをいたさなければなりませんが、現地の事情というものを、琉球政府と話をしただけでは、もちろん私どもそれだけで二十億というワクをきめたわけではございません。ただ経済界等から御要望の数字を拝見いたしましたときに、その内容も検討をいたしました。どう申しますか、通常の金融でおやりになっている設備資金等も、すべて公庫に借りかえたい。そういう非常に大きな数字が出てまいったわけでございます。沖繩の企業が御要望になります借りかえ資金をすべて公庫でつけることは当然できることではありません。沖繩での金融が金融公庫一本でいくわけではございません。沖繩の金融機関と、また公庫との競合の問題もまたございます。したがいまして、復帰に伴う制度上の変化、そういう大きな影響を受けられる企業、そういうことにしぼりまして、二十億というワクをきめたわけでございます。沖繩の方々の御要望というものをつぶさに検討いたしました結果、引き続いて沖繩の民間金融機関からの融資をやっていただきたいと思われる方は省いたわけでございます。また公庫の融資というものの総ワクというものが、やはり沖繩におきます振興開発計画を進行していくための、金融がしなければならない部門の、民間金融機関の融資の促進にも、私どもの公庫は資するというのが私どもの目的でございます。全部を公庫でお引き受けすることはちょっと困難なことでございまして、出てまいりました御要望になった数字をつぶさに検討いたしました結果、二十億という数字をきめたわけでございます。 さらにもう一点の問題につきましては、国が施策できめたことだけに重点を置いてという御批判でございましたが、必ずしもそうではございません。まあ沖繩の特殊な事情というものを十分私どもは取り入れたつもりでございます。例を一つ二つ申し上げますならば、沖繩のいまの制度には、医療施設融資をするという制度がございません。新たに沖繩の医療の環境というものが、先ほどから御議論になっているようなことでございますから、やはりこれは公庫が重点的に融資して、いままでなかった制度を公庫に盛り込むとか、さらに小さいことのようではありますけれども、くり舟によって非常に危険な漁業をやっておられるような漁民の方に、くり舟はあぶないですよ、もう少し安全な船をおつくりなさい、そのためには非常に、どう申しますか、力の弱い漁民の方々でございますから、二分五厘というような、かつてないような金利でくり舟にかわる船をという、沿岸漁民の方におつくりになられるようなこともまた取り入れてございます。ただ、先生がおっしゃいました、基本的な沖繩の県民にほんとうに役立ててという声につきましては、私どもも当然そういう姿勢できめこまかく配慮しながら公庫の運用をしてまいりたい、かように考えております。
○委員長(前田佳都男君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 次回の委員会は、五月十二日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十八分散会