大蔵委員会 第9号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/03/21
会議録
○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、関税定率法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に趣旨説明及び補足説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○横川正市君 これは大臣に聞かなきゃいかぬと思うのですけれども、関税政策が機能しているかどうかという問題が、もちろんこれは行政当局の責任でもありますけれども、実際にはこの関税率の審議会の審議、それが具体的に当面の問題をとらえて、そうしてこれに機能しているかどうかということを率直に判断をすることが正しいことだと思うんです。ところが、その関税率審議会というのは、財政制度審議会とか、産業構造審議会とか、農政審議会あるいは物価安定政策会議等の関連の中で、どれだけ密接な論議がされているのか、そしてその関連性というものがどれだけはっきりしてきているのかという点で、どうしても私ども、やや危倶を持っておるわけなんですけれども、ことに谷川さんの論文の中にも、関税政策の機能というものは、本来きわめて多面的なもので、これが活用されれば国内問題とか、国際問題の解決に役立つ可能性というのが非常に強い、しかもそれは、関税率そのものの取り扱いによって物価問題へ寄与するという非常に重要な役割りを果たしている。さらに開発途上国の開発への寄与とか、こういった点で関税機能というのがどう活用されるかということで、非常に大切な政策であるということが言われておるわけなんでありますけれども、実際に、いま申し上げましたような、他の審議会あるいは政策会議等と比べて、関税率審議会というのはどれほどの運営としての功績をあげておられるか、まずその点からお聞きをいたしたいと思います。
○政府委員(赤羽桂君) 関税政策とそのほかの、たとえば、財政政策でございますとか、農業政策あるいは物価政策といかに関連づけられて関税率審議会等において議論をされているかというお尋ねでございます。 関税政策は、御指摘のとおり、ただいま申し上げましたような財政、産業、農業、物価、あるいは特恵に見られますように、南北問題の解決というように、非常に幅広く関連を持っているわけでございます。したがいまして、関税政策の立案にあたりましては、関係省庁と十分協議をいたし、関係省庁はそれぞれの所管の政策と、われわれの関税政策との整合性を保つということから、関税政策の立案に参画いたしておるわけでございます。そういった関税政策を総合的に他の政策との関連をつけながら、まとめるところは関税率審議会でございますが、関税率審議会の運営にあたりましては、まず総会の前に幹事会というのがございます。この幹事会は、各省の担当官から構成されておりまして、関税率審議会にかける前に必ずここで議論を行なってからかけるということに相なっておるわけでございます。この関税率審議会にいよいよそれがかかるわけでございます。 その開催、その審議の状況について申し上げますと、ほかの財政制度審議会あるいは物価政策会議等々とはふだんに緊密な連絡をとっているわけでございまして、今回四十七年度関税定率法等の改正を御審議いただくに際しまして、関税率審議会は前後約十一回にわたり会議を開いております。この改正にあたりまして、通産あるいは経済企画庁等から種々相互に連絡をし、意見を統一をする。それからまた財政審との関連におきましても、具体的な例を申し上げますと、まあ財政審と関税率審議会との間に委員を両方兼ねていらっしゃる方がおられるわけでございまして、そういう方を中心にいたしまして、特に具体的な例をあげますと、今回は原重油関税収入の石炭及び石油対策特別会計への繰り入れに関して財政審と関税率審議会の意思疎通をはかったというようなことがございます。そういうようなふだんの接触を通じまして、関税率審議会において関税政策の総合性、統一性をはかっている次第でございます。
○横川正市君 ちょっと企画庁にお伺いをいたしますが、物価安定政策会議の運営あるいは審議の内容、当面重点の置き方等をどういうふうに審議をされておられますか。
○政府委員(宮崎仁君) 物価安定政策会議は、御承知のように、昭和四十四年に成立したわけでありまして、四十六年の七月に自動延長という二年間ほど延長したということで、現在存在をいたしております。物価政策全般に対して政策的提言を行なっていただこうという総理の諮問機関でございます。そういうものでございますから、非常に活動の範囲も広範でございますが、現在あります機構等の関係で申し上げますと、まず総合部会というのがございまして、これは各部会については後に申すとおりでございますが、そういったところで提言等が行なわれました場合に、この総合部会において検討いたしまして、全体として採択するかどうかということを議論する場でございます。それ以外に、総合的な物価政策の問題等について随時そこで検討し、提言をしたり、意見を言うというような働きをいたしております。 それから第一調査部会、これは主として農業、中小企業関係の調査をやっていただいておりますが、昨年すでに野菜の問題について提言をいただきました。二回ほどいただいております。現在は生鮮魚介について検討を行なっております。 それから第二調査部会というのがございます。これは工業製品関係でございまして、四十五年の四月に行政介入と物価という問題で、これは相当広範な提言をいただきましたが、現在は約半年ぐらい前から、いわゆる管理価格問題、寡占企業の価格問題ということで、いま一生懸命勉強していただいております。現在取り上げている品目はビール、自動車、医薬品等でございますが、その後品目を追加いたしまして、現在取り組んでいるというところでございます。 それから第三調査部会、これは財政金融その他でございますが、昨年は物価統計の問題あるいは財政金融と物価の問題というようなことで、四十五年にこれは提言をいただいておりますが、現在は公共料金政策のあり方ということで検討をいただいておりまして、近く御提言がいただける運びになっております。 それから第四調査部会というのがございまして、これは昨年八月に新設をいたしたものでございますが、本日問題になりますこの関税の問題等を含めました輸入の問題あるいは国際的な経済と物価との関係というような非常に広い分野で検討をいただいておりまして、とりあえず昨年末に輸入の活用に関する提言をいただいております。現在さらに検討を続けているという段階でございます。 このほか、特別部会というのがございまして、これはそのときそのときにおける価格の引き上げ等がありました場合に、特別に検討するということでございまして、最近では新聞、牛乳あるいは石油の値上げの問題等と取り組んでいただきましたが、このところちょっとこれは停止をいたしております。 大体以上のような形でございまして、それぞれの部会の活動を中心にいま運営をいたしておるというようなことでございます。また、新年度にもなりましたならば、総合部会等を開きまして、今後におけるやや長期的な展望も含めて検討していったらどうか、こういうふうに考えておるところでございます。
○横川正市君 その第四の関税関係のその部会では、まあ今回一部改正がされるわけですが、関税政策としてそれがこの目的あるいは問題点に向かって機能していると判断をされているわけですか、それとも何か関税政策に対して何らかの提言というようなものを検討の結果として持っておられるんでしょうか。
○政府委員(宮崎仁君) これはただいま申し上げましたように、昨年十二月に緊急的ないわば中間報告的なものをいただきましたが、そのねらいの一つは、この関税の、今回御提案をいただいております関税定率法の審議にもひとつ反映をしていただきたいということで出したわけでございまして、もちろん輸入政策としてはいろいろの問題ございますが、やはり輸入の増大ということをはかっていく場合において、関税の政策的な効果というものは非常に重要であるということでございまして、そういう観点から特に物価に大きな影響のあるような生活関連物資に対する関税の引き下げ等について積極的に考えていただこう、こういう趣旨で提言がなされておるわけでございます。そういう意味では非常に大きく関税の政策に期待しておるということでございます。
○横川正市君 もう一つ、この農政審議会の運営について最近どういう運営をやっておられるかお聞きをいたしたいと思います。
○説明員(吉岡裕君) ただいま農政審議会はいろんな部会を設けまして、たとえば農林金融に関する問題でございますとか、検討を続けておりますが、さらに今年度に農林省におきましては総合的に今後の物価問題、国際問題、さらに農業の近代化の問題等を含めまして、総合的な検討をしなければならないということで、まだ農政審議会自体の具体的な審議の日程等はきまっておりませんが、農林省の事務当局としては四十七年度間にそういうことを総合的に検討してまいりたいということで内々準備をいたしておるところでございます。
○横川正市君 ちょっと企画庁に、きょうは産業構造審議会の関係の方には来ていだだいておらないので、関連してちょっと企画庁の第三部会ですか、中小企業関係ですね、農業関係は第一ですね、農業関係とあわせて中小企業関係、関連してお聞きをいたしますが、自由化対象の非常に困難な部面としてのこういう低生産性部門に対してはいまどんな対策を立てようとされておるか、あるいはどういう論議をされておられますか。
○政府委員(宮崎仁君) まあこれは構造対策と一口に言っておりますが、物価対策の最も基本的な部面というふうに考えておるわけでございます。農業についてはもちろんいまお話があったような意味で大いに取り組んでもらうわけでございますが、中小企業、特に流通段階の問題等につきまして非常にいま問題がいろいろあるということで、これは通産省あるいは運輸省その他関係省においても検討をいただいておりますが、われわれのほうとしても、この点についてできるだけ合理的な方向にもっていけるようにということで、予算の機会その他を通じまして、ずいぶんいろいろとこれは議論をしておるわけでございます。特に中小企業につきましては、最近におきますところの労働力の逼迫の問題、一方非常に経済規模が大きくなって物の流通、いわゆる物流問題というのが非常に大きな問題になってきておりますが、こういう関係から見た合理化の問題そういう点から見まして、従来の形式の流通機構というものがそのままではなかなか通用しなくなってきておる、そういうことに加えまして、スーパーでありますとか、ボランタリーチェーンでありますとか、いろいろな新しい流通機構が出てきておりますが、こういう新しい機構と、旧来のものとの競合関係、いろいろ摩擦の問題、そういった問題もございます。こういうことにつきまして流通全体を、物流も含めましてこういう姿にもっていくんだというような形での明確なイメージといいますか、政策目標というのがなかなか出にくいわけでございますが、われわれとしてもできるだけそういった長期的な目標も一方にはつかまえつつ、しかもできるだけ近代化を進めていきたい、こういうことで取り組んでおるわけでございます。何ぶんにも少しずつ変えようということでも、いろいろと抵抗もある分野でございますので、早急に効果をあげるということはむずかしいわけでございますが、そういう基本姿勢でいろいろ取り組んでおるというのが実態でございます。
○横川正市君 そこで、全体の審議会の審議の内容とか運営とか重点の置き方というのは、おおよそいま報告されたとおりなんですが、そこで第一問に戻りますが、その関税政策で機能できる分野といいますか、これはどの程度にとらえているわけでしょうか。非常に未知数な一つの解決の問題はあるけれども、関税政策として当面行なわなければならないと思われる点については大体押えておる、こういうふうに見られているのか、それともなおかつ具体的には関税政策として相当の分野に未解決の分野が残されていると、こうお考えになっているか。 具体的な例を申し上げますと、私のほうでは、たとえば生糸の問題が一つ出てきますね、関税政策として。そうすると生糸を国内でどういうような需要供給で、しかも生産をされ、国内消費あるいは輸出をされているかというやつを系統的に見てみますと、具体的には国内価格とそれから国際価格、いわゆる輸入価格と比べてみてそれほど、何といいますかコスト高と思われるような状態にはないんじゃないか、それよりかもっと的確に解決すべきことは、流通機構が解決されれば、この問題の答えが出るのではないだろうか、こういうふうに思われる点が一つの問題としてありますね。 それからかんきつ類を見ましても、グレープフルーツが自由化されて、かつて一個四百円していたものが百五十円とか、あるいは二百五十円くらいのものが、最近では八十二、三円で購入できる、そうすると、それと同時に国内の甘ナツとかそれから八朔であるとかというような、いまの季節のものは確かに値下がりしていることは事実なんです。ところが値下がりしているということは生産段階で、いわゆる農業政策としての段階でこれはどうなのかと。実はそのわずかな問題をとらえてみましても、関税政策というこの政策が全般にわたって機能しているというふうには受け取れない、非常にでこぼこ道の一分野だけは何とか手を打っているけれども、各審議会が出そうとしている結論に向かって完全な手を打っているというふうにはどうも考えられないわけですが、実際の行政担当者としては関税政策が機能している度合いについてどう考えているかですね、いままで何々やりました、何々やりましたという報告がありましたけれども、具体的にはそうやったことが効果的にあらわれておらないように思われるわけですけれども、どうお考えでしょうか。
○政府委員(赤羽桂君) ただいま関税政策がいかに実際上機能しているかと、かようなお尋ねでございますが、その関税政策が機能しているかというお尋ねは、最近関税に対していろいろな面から要請があるわけでございます。まず物価対策あるいは公害対策あるいは特恵といったような面からいろいろな要請が関税に期待をされている。これらのものがいかに実際にきいておるかと、かようなお話かと存じます。特恵、公害の関係は、まだ発足後日が浅うございます。はっきりとこれこれこういうことで効果が上がっているという資料も完全にはまだでき上がっていませんが、問題の物価対策の面から関税がいかに機能しているか、いかに認識しているかという点から申し上げますと、この関税を下げましても、少しも物価に影響がないではないかと、こういう声が非常に大きいわけでございまして、事実関税を引き下げましても、あるいはまた自由化いたしましても、かえって逆に価格が上がるという例も確かにございます。しかしながら、関税引き下げ並びに自由化を通じまして、物価に確かに機能していると、確かに下がったと、かような例をあげますと、これはまあ幾らでもあるわけでございまして、またその下がらなかったという例も同様にあるわけでございますが、その意味におきましても、私らといたしましては、この関税政策が一〇〇%はやれないまでも、十分の効果をあげていると、かような認識に立っているわけでございます。しかしながら、物価はいろいろな複雑な要素からでき上がっておりまして、関税はその一環でございます。関税にすべて、一〇〇%期待をいたされますと、若干これはほかの要素がございますので、関税下げたからといって直結して下がるというようなことは必ずしも一がいには言えないわけでございますが、少なくともそれが一つの引き金になる。と申しますのは、関税下げるぞと、こういうことを発表いたしますと、まだ実施の段階に至らない前に、それに敏感に反応いたしまして下がるというような例が、たとえばフィルムでございますとか、乗用車の例についてあるわけでございます。しかしながら、すべてがそういった例ばかりではございません。全然感じないという物資もあるわけでございます。その点は関税政策だけからこれを結論を下すというわけにはまいらぬと思います。しかるがゆえに、先ほど先生第一問で御指摘になりましたように、ほかの審議会、ほかの政策との整合性を可及的にはかってまいると、考え方としてただ単に意見が一致したということではございませんで、実際どういうぐあいに行政上それを生かしていくかということが物価政策のめどであろうかと思います。
○横川正市君 私は実は、関税率審議会の審議の構成面からもいろいろお聞きをいたしたいと思っておりました。それは時間がないので、概略にいたしておきますが、この審議会の構成の場合ですね、消費者側に立った人たちが、この関税率審議会の中でどれほどの発言をされておるのか。たとえば、人員が非常に少ないから、あまり意見を聞いておりませんという程度なのか、それとも人員は少ないが、相当な面にわたって消費者側といわれるような人たちの意見を吸い上げておるのか、具体的な運営の面ではどういう取り上げ方をされておりますか。
○政府委員(赤羽桂君) 関税審議会の委員をなすっておる方、特に消費者代表とされていらっしゃる方がどういうような発言をされておるかというお尋ねでございます。 関税率審議会は、これは全体で委員が四十五名ばかりおるわけでございますが、これは法律の面を申し上げますと、消費者を代表する者何名というような表現にはなっておりません。まあ「財政、産業、貿易等に関し学識経験がある者」というような表現になっておるわけでございますが、実際の構成から申し上げますと、消費者代表並びに中立と申しますか、学者、それから報道関係の方を入れますと、まあ大体——かような色分けをかってにしては、はなはだ失礼に当たる面もあるかと存じますが、まあ十五、六人いらっしゃるということでございます。その中で、今回の四十七年度の法律案の審議に際しまして、非常に物価対策の面から御発言が多かったわけでございますが、どなたがどういうことをおっしゃったかという、さようなことはちょっと申し上げられないわけでございますけれども、関税率審議会の審議の過程を通じまして、非常に物価対策から、物価面からする関税の機能の活用という面につきまして御発言が多かったということを申し上げておきたいと存じます。
○横川正市君 それで、まあ大体どの程度この発言が今度の改正案に反映されておるわけですか、そういう審議会の中で発言をされた内容が。
○政府委員(赤羽桂君) この御発言がございまして、そのうちこれはだめである、これはどうしてもこういうわけで取り上げるわけにいきませんから、これはだめだというぐあいにまあ御要請がございまして、そのうち何%こう落として何%入れたというぐあいな審議の方法ではございません。先ほど申し上げましたとおり、まず各省との相談から始まりまして、それを順次中間報告をいたしながら、十一回にわたる関税率審議会を運営してまいるわけでございまして、しかしながら、結論として申し上げられますことは、大体この審議会の席上で御質疑がございましたことは、ほとんど一〇〇%近く中に入っておると、かように御了解いただいてけっこうだと存じます。
○横川正市君 いまあげられた各審議会とか、あるいは会議などというのは、一年間にどの程度の頻度で会議が開催されているわけですか。経済企画庁とか農林省とか、審議会あるいは物価会議がどのくらいな頻度で持たれているわけですか。
○政府委員(宮崎仁君) 物価安定政策会議の場合につきますと、主として部会の活動が中心ということはいま申し上げましたが、これにまた専門委員会等がいろいろ設けられておりますので、実際の動きとしては、月に一、二度ぐらいの割合で大体開かれておる。各部会関係でそういったぐらいの頻度で行なわれておるというのが実態でございます。
○横川正市君 農政審議会はどうですか。
○説明員(吉岡裕君) 農林省の関係につきましては、関税率審議会のほうの審議の予定がいろいろございまして、これに対しまして関税局として来年度こういうふうなものの関税を引き下げたいと考えるがどうかというふうなお話がございますとか、あるいは農林省として自主的にこういうものの関税の引き下げをはかりたい、あるいは改正をはかりたいというふうな案が、それぞれ相互に幹事会というものを持ちまして、各省幹事会が関税率審議会の前に持たれたりして、そこを通じまして調整が行なわれていくということでございます。まあ農政審議会のほうは、そのようないわば短期の問題というよりも、より長期の農産物価格のあり方でございますとか、農業構造改善の持っていき方、そういうふうな長期問題を主としてやるという観点から審議が行なわれておるわけでございます。
○横川正市君 私はまだこの入り口で論議をしているので、なぜこういう話を聞くかといいますと、この関税率審議会の委員の名簿ですね、これが出ているわけですが、これは相当、何といいますかな、重要な役職についた人がほとんど任命されているわけですね。おそらくこれは企画庁も農政審議会のほうも同じような、いわゆる、何と申しますかな、肩書き主義で集められていて、実務主義で集められておらないのじゃないかと、そうして実務主義で集まっておらないんだから、それならばこの関税審議会の中にも各省の次官が全部、外務、大蔵、厚生、農林、通産、運輸、経済企画庁次官が並べられているんですが、次官がこういうふうに顔を並べていることによって、各省の細部にわたってまでの政策を関税率審議会の中に反映しているんですかね、どうですかね。これは実際上運営してみてどうですか。次官なんというのは並べているだけで、実は代理か何か出ているわけですか。
○政府委員(赤羽桂君) ただいまの御指摘でございますが、この関税率審議会を開きまして、各省次官がいきなりパッと出てくると、こういうわけじゃございませんので、先ほど申し上げましたとおり、幹事会というのがこの前の段階としてございまして、これは大体行政機関だけでございます。これに各省の担当官が全部集まりまして、ある前の事前の審議を行なうわけでございまして、それを踏まえまして各省次官においでを願っているわけでございます。それで、この各省次官がおいでになりまして、ほかの民間からの委員の方と御一緒に審議をしてくださるわけでございますけれども、この最終の総会あたりの段階におきまして、各省次官から当該所管の政策に立脚をいたしまして、統一的な御意見なり御要望なりがしばしば発言をされていくと、かような状況でございまして、非常にこの審議会の運営に関しまして有益であると存じております。
○横川正市君 まあ肩書き羅列主義でもって、この審議会とか会議がやられている限り、私は具体的な即応的な対策、即効的対策も、恒久的対策もなかなか生まれてこないんじゃないかというふうに危惧しますね。どうですか、実際上やってみて、この審議会の運営はあなたのほうの部下がちょこちょこ言ったやつを大体まとめて、そしてまあこういうことだということでまとめるんじゃないですか。実は前の関税局長の論文を見て私感じたわけなんですけれども、行政担当者としては、関税政策というのは現在すべての面に一つの機能をする、そういう性格を持っておりますよと、そういう機能する性格というものをわれわれはこう、かくかく具体的に生かしてやっていきましたと、こう言いながら、いまぼくのほうがあげました各審議会の委員の意見を聞いてみましても、たとえば農政審議会でいま何をやっていますかと、そうすると農林金融その他やっておりますと言いながら、実際いま国民生活と関係のある農産物その他による物価問題とか流通問題とかいうことになりますと、あまり明確な返事がない。明確な返事がないのに、関税関係は機能しなきゃいけないんだから相当無理をしなきゃいけないと思うんですよ。 そこで、私はまあ第一にそういうような機能しなければならないものがふん詰まりして、機能しないまま行政が動くというようないき方でなしに、何かの改善策というものがあっていいんじゃないかと思うんですけれども、そういう点ではお考えになったことはないでしょうか。 その第一は、やはり実務的メンバーで審議会をつくるべきだと、実務者の審議会でいいじゃないか。たとえば大学なら助教授クラスで最も専門的な者を網羅するとか、あるいは企画庁なら企画庁の専門部を担当している人たちの名前が出てきて、事務次官が顔を連ねるだけじゃないとか、そういう全体的に機能しなければならない、濶達に動かなければならない。審議会というのはそういう動ける者で構成すべきなんじゃないかというふうに思いますけれども、この関税率関係の審議会というものを運営してみていてそういうお考えをお持ちになりませんか。
○政府委員(赤羽桂君) いま仰せになられました実務者と申しますか、実際に動く、こういうメンバーをまず集めろと、かような御指摘でございますが、実はまさにそういったことのために幹事会を一応持っているわけでございます。で、ここで十分に議論を尽くしまして、上の段階の審議会に上げるわけでございますけれども、先ほど来から私がこの関税率審議会の運営方法等につきまして御説明申し上げている過程におきまして、みんなまことにけっこうで、何もいま問題のないような答弁を申し上げているかと存じますけれども、まあ問題がないという点につきましては、私といたしましても問題がないとは考えておらないわけでございまして、ただいままさに御指摘になりましたように、もう少し動ける——動けるという意味がどういうことかわかりませんですが、もう少し実質的と申しますか、もっとひんぴんに、もう常時機動的にと、かような意味でございますならば、今回は年間を通じて十一回ぐらい開いておりますが、毎日毎日の議題に応じましてひんぴんに開けると、かような意味でございますならば、いまのこの審議会の運営と申しますか、開催回数というものは少ないかと、かような感じも持っているわけでございます。ただ全体の運営といたしまして、関税率審議会の特色を申し上げますと、ここも実はいろいろな部会に分かれております。昨年初めて設置をいたしました企画部会、これはいろんなこまかな何百品目というやつを個々具体的に取り上げる部会ではございませんで、関税政策の今後の中・長期の見通しを議論していただくいわゆる企画部会というものを昨年初めて設置いたしたわけでございますが、これのほかに、今回具体的に三百何品目か御審議いただいております、そういった品目を一つ一つ具体的に審議していただく調査部会、これが関税率審議会の中身と申しますか一番の部会でございますが、こういった部会がございます。 それからそのほかに、臨時的なものといたしまして、割り当て部会でございますとか、緊急関税部会でございますとか、これは臨時的なものでございますが、そういったものがあるわけでございますが、四十五人の委員の方が、企画部会はそのうち十五人ぐらいでございますが、あと、調査部会と総会が委員の方が御一緒でございますとか、臨時的な割り当て部会でもまた総会のメンバと御一緒でございますとか、そういった運営の方法でございますとか、それから中身でございますが、中身の審議の方法につきまして、まあ各審議会各違った政策との吻合につきまして、いろいろやっているという話を申し上げましたわけでございますが、そういった問題も含めまして、関税率審議会の中におきまして、今後特に関税政策に期待される向きが多いと、その重要性にかんがみまして関税率審議会の運営を少し来年、つまりことしからでございますが、来年度から審議会自体といたしましても検討したい、かような会長原安三郎さんの御意向も昨年暮れに出されておりまして、私らといたしましては、新しい関税体系、新しい関税政策の樹立、そのために関税率審議会をどういうぐあいに運営していくかということを新しい観点から、ことしから委員会の委員の方とも十分御相談して検討をいたしてみたいと思っております。
○横川正市君 私は、実はあまり、何といいますかね、会議会議でもって会議の重なったそういう形態を望んでいるわけではないんですよ。会議の回数が多いからいいというふうには思わない。問題は、具体的にやられた結果が即応的に効果があらわれてくるかどうかという点を期待をしているわけなんですが、そういう面からすれば、なるほどたくさんの会議はあるけれども、一体いま言っているように関税政策そのものが今日的に機能して動いているかどうかという点については、いささかそう動いておらないように見受けられるものですから、その動かし方について考えてみられたらどうでしょうか。それは単に関税率審議会だけでなしに、全体の行政をささえている調査会とか審議会とかそういったもの全体がやはりある程度今日的な動きに機能する、そういう体質改善をする必要があるんじゃないか。そうしませんと、物価対策を幾らやっても、物価が下がらないという、そのことを毎年毎年追っかけていまして、こういう委員会で私どもは何回物価の問題で論議をしましても同じことを繰り返す結果になりますよ。流通機構がどうでございます、そうすると、流通機構に関して抜本策がありますか、いやそれはたいへんでして、ということで年を過ごしてしまうものですから、そういうことにならないようにするために、もっともっと機能した運営のしかたをする。人の登用とか構成とか、そういったものがあっていいんじゃないか、こういうふうに思いますので、きょうは論議の入口で論議をしたわけなんです。もちろんこれは大臣にも聞いてもらいたいと思いますから、報告をしておいていただきたいと思います。 私は、きょうの質疑の時間は三十分ですから、入口だけできょうはやめておきます。後日あらためて内容について質問いたしたい。
○政府委員(船田譲君) ただいま横川委員の指摘せられましたこと、たいへんに私どもには頂門の一針の問題でございます。ことに各国とも関税政策というのは、従来はややもすると国内産業をいかに保護するかということが各国の関税政策の基本になっていたきらいがございます。しかしそれを突き詰めてまいりますと、貿易のブロック化であるとか、いわゆる自由貿易の伸長によって生きておりますわが日本の場合におきましては、非常に逆行していくわけでございますから、したがって、今後の重点を、一面においてもちろん国内の産業の保護にも当てなきゃなりませんけれども、いま横川委員が特に御指摘になりました国内の物価政策に十分機能が反映いたしますような関税率審議会の運営と、当面及び今後の人的構成を考えということにつきましては、十分大臣に申し上げるつもりでございます。
○竹田四郎君 全般的な問題もありますけれども、時間がありませんので個別問題に入っていきたいと思いますが、今度の関税の改正品目を見てみますと、まず第一に生活関連物資の関税引き下げ七十三品目というふうにありまして、引き下げの具体的なものは、コーヒーとか紅茶とか大豆とかなたね及びからし菜の種、ウイスキーとか写真機だとか、いろいろあるわけです。これらがそれぞれ何%かの——大きいものでは一五%からあるいは無税というようなものもあるわけでありますが、これらの関税の引き下げが消費者物価にどう関連を具体的にしてくるのか。おそらくこれはある一定の関税率の引き下げということが生活関連物資に、あるいは輸入量を多くするとか、あるいは末端の価格を低くするとか、何かそういう行政目的というものがあってこういうことを指定するわけなんだろうと思うのです。この七十三品目の引き下げということは、具体的にどういう効果を期待しているわけですか。それでそれは具体的にどのくらいの効果が実際出るのですか。
○政府委員(赤羽桂君) 今回生活関連物資の関税引き下げということでございまして、七十三品目の関税の引き下げをお願いをいたしているわけでございます。これが現実にどういう効果があるかと、かようなお尋ねでございます。で、現段階におきましては、もちろん過去の経験なり、今後の予測を入れまして、一応これくらいになるだろうという見通しの数字を申し上げるしかないわけでございますが、この七十三品目が現実に、たとえば企画庁でおつくりになっております消費者物価指数にどのくらい影響があるか、かような計算を一応機械的ではございますがやってみたわけでございます。で、この七十三品目のうち、消費者物価指数のウエート、これを全部合計いたしますと一万分の六百四十三というような数字に相なるわけでございまして、これにつきまして、今回具体的にやっております関税引き下げを一つ一つ計算をしてまいりますと、全体として約〇・三%だけ引き下げ効果があるべきである。これは前提がございまして、関税は輸入品だけの関税を下げるわけでございますが、それと同時に、それと同種の国内品もまたそれだけ下がる——これはまあそういう機械的の前提を置かざるを得ないわけですが——そういった前提を置きまして〇・三という数字が出てまいるわけであります。ところが、実際問題といたしましては、これが機械的な計算どおり下がるか下がらないか、これは過去の経験からいきましてもわからないわけでございまして、そこら辺のところは過去の経験から三分の一ぐらいは下がるであろう、期待できるであろうということで〇・一ぐらいの影響はあるのではないか、かようにわれわれは考えておる次第でございます。
○竹田四郎君 それは一つの目標というふうに理解せざるを得ないわけですけれども、実際は、関税引き下げを今度やるわけでありますが、その前に実際上は円の切り上げという形で一六・八八%ですか、ドルに対して。それだけ実際は下がっているわけですね。これは企画庁でも委託調査で十二月に調査をやられたわけでございますが、たとえば、紅茶というのがありますけれども、紅茶の場合にはティーバッグに入ったのとそうでないものとではかなり違うわけなんですが、小型容器入り、その他——小型容器入りの場合三五%が三〇%、その他のものは二〇%が五%というふうに下がるわけでございますが、具体的にいまの局長の御答弁を聞くと、〇・三%CPIにマイナスとして作用すべきだ、こういうお話なんですが、具体的にはその円の切り上げということは、もう関税率の引き下げと、価格の面でいえば全く同じことだといってよかろうと思います。これが具体的にこの場合で紅茶、これは先ほどの調査でもお調べになっている品目ですね、具体的に小売りに円の切り上げによってどれだけ影響したのか、その辺がはっきりしないと、関税率を円の切り上げと同じくらいな一五%切り下げても、これは具体的にあまり影響がないということになれば、これはたいへんなことだと思われるのですけれども、企画庁の局長さん具体的にどうでした。
○政府委員(宮崎仁君) いま御指摘のとおり、昨年十二月に調査いたしまして一月に発表した追跡調査の内容として、紅茶の問題がございますが、これにつきましては、いまもお話ございましたが、ティーバッグという形のものにつきましての実勢小売り価格は、これは若干過当競争もあるようでございますが、弱含みということで、価格の低下の影響があらわれておりますけれども、リーフティーにつきましてはあまりそういった形に出ておらないという結果が出ております。こういった形で現在私どもいろいろの物資についての追跡調査をいたしておりますが、いずれにいたしましてもここで出しておりますものは、いわゆる円切り上げが行なわれる以前の数字でございますから、その後の問題がむしろ大きいわけでございます。そういったこともひっくるめまして、できるだけひとつ円切り上げなり、あるいは関税引き下げの効果が実際に末端に及ぶようにしたい、こういうことで考えておるわけでございます。昨年四月に関税引き下げが行なわれました四品目について調査をしたことがございますが、その結果等から見ましてもかなり効果ははっきり出ております。そういうことからいいまして、私どもは現在円切り上げとの関係では六十品目程度各省の調査もあわせましていま追跡調査をやることにしておりますが、若干時間的なおくれはあるいはあるかもしれませんけれども、その効果は早晩大きく期待し得るようになる、こういうふうに考えておりまして、そういう方向で各省力を合わせてやることにいたしておるわけでございます。
○竹田四郎君 お話を聞いていますと、たいへんけっこうなお話になるんですが、まあおそらく、確かに一六%八八の円の切り上げではあったんですけれども、まあ変動相場で見ましてかなりの、一〇%近くの変動相場制のころでそのくらいの差はおそらくあったんだろうと思います。 で、先ほどもティーバッグについては若干弱含みだというんですが、弱含みだということは、いままで幾らくらいのものが、幾らくらいになったんですか、具体的にその数字をあげてもらわないと、ただ弱含みだということだけではやはり国民にはっきりしないと思うのですね。ですから、まあ去年やった関税四品目についても、それは効果があったという。具体的にどのくらいの効果があったのか、何を何%下げてどのくらいの効果が具体的にあったのか、これがわからないと、何か途中で、せっかく関税を引き下げても、あるいは円の切り上げをやっても、少しもその効果が国民にわからない。どこかに吸収されてしまっているということになるわけですからね。その辺を少し具体的にこの場でひとつお述べいただきたいと思うのです。
○政府委員(宮崎仁君) 昨年の関税引き下げのときの追跡調査の結局をちょっと申し上げてみますと、これは四品目やったわけでございますが、たとえばカラーフィルム、これは関税率が四〇%から二六%に引き下げられまして、その点から見ますと三十数円——三十三円ですか、小売り価格が下がるというようなことになっておりましたが、それは、ロールフィルムの二十枚どり、これで見ますと、実際の小売り価格が、引き下げ前五百四十円のものが四百八十円、値下げ額六十円、関税の引き下げ額が三十三円でございますから、まあそういうふうに下がってきたということになっております。これは、カラーフィルム、陰画紙その他についても大体似たような傾向でございます。 それから、乗用車。これは関税率が小型二〇%、大型一七・五%が、いずれも一〇%に下げられたわけでございますが、この場合で見ますと、たとえば大型車につきましては、キャデラック七百七十万が七百四十三万とか、ベンツが四百七十万が四百四十五万とかということで、四・六%、三・五%くらいの引き下げになっております。それから、小型車でも、まあ大体四%程度の引き下げになっておる。これは、関税率引き下げ以前の、その前の年に若干価格引き下げが行なわれているもの等もございまして、値下げ幅については関税率引き下げの金額そのままという形にはなっておりませんが、大体それに見合ったところが引き下げられておる、こういうふうに考えております。 それから、バナナ、羊肉等ございますが、これはいずれも相当下がっております。関税のほうは、バナナの場合は、御承知のようにこれは従来関税率六〇%のものが季節関税になりまして、四月から九月まで四〇%、十月−三月六〇%というふうに直ったわけでございますが、四月以降のものにつきましてもこれ以上に下がっておる。この場合には、需給関係が相当影響しておるようでございまして、そういったものがむしろ価格に主たる影響を及ぼしておるようである、こういう分析になっております。 それから、羊肉についても調査が行なわれております。関税率八%が無税になったわけでございます。この羊肉の場合には、CIF価格の値上がり等の問題もあったようでございますが、四月以降関税の引き下げが行なわれましたけれども、末端価格には十分にあらわれておらないというような、大体このときの調査結果でございます。 紅茶につきましても、調査はございますが、いまちょっとその詳しいデータを持ってきておりませんので、なにでしたら後ほどその点について申し上げたいと思います。
○竹田四郎君 今度も紅茶というのは関税引き下げの対象になっていますが、それがまあ具体的にこの前の調査ではどうもあまりはっきりした数字でない。今度の場合、羊肉の場合にも末端価格は去年関税引き下げでゼロにしたのだけれどもあらわれなかった、こういうお話でありますけれども、一体なぜあらわれないのか、どこにその欠陥があるのか、この辺の分析はなされたのですか、どうなんですか。その辺がはっきりしないと、関税率引き下げても、これは途中の流通段階で吸収されてしまうということでは、一向に目的を達成するということはできなくなってしまうと思うのですが、その辺は一体どこにあるのか。たとえばカラーフィルムの場合には、下がったということもあるのですけれども、コダックあたりが日本市場を荒らそうというかなり意欲的なものがあったと、当時は新聞に報道されているわけなんですけれども、必ずしもこれは関税を下げたから下がったというふうに、関税の効率だけを言うわけには私はちょっといかないんじゃないか、こういうふうに思います。 バナナについても、いま若干御指摘がありましたように、かなりの乱売といいますか、流通経路に問題があって安くなっておるということで、こうした点も必ずしも関税の効果というふうに認識するわけにはいかないだろうと思います。 乗用車など非常に個々にわかるもの、まあこうしたものはかなりそういう点があると思うのです。今度の場合でも、たとえばびん詰めのウイスキーだとかというようなものは、あるいは写真機だとか、こういうような具体的な一つ一つのものとして、大衆の前にあらわれてくるものについてはかなりわかってくるだろうと思うのですけれども、紅茶の、ティーバッグにしないものとかというものはかなり下げても、それがどこかへ吸収されてしまう、そういう心配が非常にあるわけなんですけれども、この辺は一体どう考えておられるか、その辺はっきりしてもらわないと、たくさんある関税引き下げ、しかも形の上では生活関連物資の関税引き下げで、物価に好影響を及ぼすのだというような形だけでは、とてもこれは納得できないものになるわけです。下げたものはどこかに吸収される、それが一部の商社なり、あるいは一部の何々なりというところにその金が入ってしまうんじゃあまり意味がないと思うのですが、その辺のことを明確にしていただきたいし、今度の場合、これだけ関税下げたから末端価格もこれだけ下がるべきだという形のものを出して、流通経路の悪いものはこの際成敗をして改革をしていくということにならなければ私はどうにもならぬと思うのです。その辺は一体具体的にどう考えておられるか、こういうふうに思うわけですが、特に私は生活関連物資の引き下げについて、具体的に、たとえば、コーヒーについては幾らぐらい下がることを期待しているのか、これはひとつ明確にしてもらわないと困ると思うのです。 大豆にしても同じです。たとえば、それが納豆になれば一体どのぐらいだと、油になればどのぐらいだとか、とうふになればどのぐらいだとか、そういうものの、具体的にどれだけ引き下がるのだということを明確にしてくれなければ、われわれがとうふを買う場合に、一体これは高いのか安いのか、関税引き下げの効果がどう出てきているのかさっぱりわからない。そういう一覧表をつくってひとつ次期の委員会まで出していただければ私どももその点が非常に明確になるし、そして同時に価格が下がっていかないという根源というものを追及していくということができると思うのです。ただ一般的に〇・三%ぐらいCPIが下がるということだけでは、一体下がらなかった場合どうするのか、一体だれがそれに対して責任をとるのか、言いっぱなし、聞きっぱなしで終わりということです。関税は下がったけれども物価は下がらない。先ほども横川さんからお話があったように、幾ら言ったって物価に関連ない、こういう結果が出たんじゃあどうにもならないんです。これはひとつ資料として出していただくように委員長からもひとつ御手配をいただきたいと思うんですけれども、その前にひとつこれは企画庁がお答えいただくのが正しいのか、あるいは農林省なのか、通産省なのか私わかりませんけれども、その辺、その原因というのは一体どこにあるのか、ひとつ明確にしていただきたいと思います。
○政府委員(宮崎仁君) 先ほどちょっと紅茶のことを申し上げましたが、紅茶の調査は、これは変動相場移行後の価格の動きがどうなったかという意味で調査をしたわけでございまして、関税とは直接関係はございません。関税の引き下げはこれから四月に行なわれるわけでございます。変動相場移行の状況での調査結果では先ほどのようなことである、これは十分とは思われません。そういうこともございまして、本年三月三日に、この通貨調整に伴う物価対策の強化についてということで、物価対策閣僚協議会が開かれまして、ここで輸入物資についての価格の引き下げの効果が十分に末端に出るように、それぞれ具体策を講じようということがきめられたわけでございます。まあこういう民間物資につきましての方法といたしましては、やはりただいま申しましたように、相当広範に追跡調査をやる、そしてその結果を発表いたしまして情報提供する。それから強力に行政指導をするというようなことが中心でございます。そういう形で、どうもなおかつこの業者の態度なり、あるいは流通の実態から見てなかなか下がらないというような場合には、輸入商社の数をふやしますとか、あるいはこのいわゆるソールエージェンシーといわれる問題がございますが、そういったことで下がらない場合もございますが、こういう場合には、公正取引委員会のほうの調査をひとつやっていただくというようなこととか、いろいろの手を考えまして、そしてひとつ効果ができるだけ早く出るようにやっていきたい、こう思っているわけでございます。各物資ごとにいろいろ流通の実態、業界のあり方等変わっておりますので、一がいにこうだとは言えませんが、それぞれごとに最も有効な方法は何かというようなことで、これは取り組んでいこう、こういうふうに考えているわけでございます。もちろん具体的には、それぞれ物資所管の各省が中心になってやっていくことになります。
○委員長(前田佳都男君) なお、ただいま竹田委員から御要求がありました資料、その点につきましては関税局長かだれか知りませんけれども、いかがですか、どこで……。
○政府委員(赤羽桂君) ただいま御要請のございました資料につきまして、竹田先生とお打ち合わせの上しかるべきものを提出いたします。
○戸田菊雄君 ちょっと関連で。 資料関係で、一つはいま竹田委員がおっしゃられたものは関税局長出すということですから、経企庁に、さっき横川委員の質問した物価審議会の経過なり、第一部から第四部までこの経過の審議内容についてひとつ資料を出していただきたい、お願いします。 それから、農林省から吉岡国際部長が来ておられまするけれども、この七十三品目の、ことにこの農産物関係の、これの輸入価格構成、まあ輸出国の原価が幾らで、輸送コストが幾らで、日本の輸入価格が幾らで、市場に行ってどうなるか、消費者に行ってどうなる、こういう価格構成について全部資料をひとつ出していただきたい。それは農産物関係の、農林省関係の資料を全部、これを二つお願いいたします。
○竹田四郎君 先ほどの資料の問題ですがね、これは私一人よこされてもしようがないと思うんです。これは委員会全員に、これによって具体的にどのぐらい下がるかということを、これは国民に発表するという意味でひとつ出していただかないと困ると思うんですがね、これはただ私にだけ言われてもしようがない問題ですが、そういう意味でこれは委員会全員にひとつそういう資料を配付していただきたいと思うんですがいかがですか。
○政府委員(赤羽桂君) あのただいまの資料は御提出をいたすつもりでおりますが、このただいまおっしゃいましたようにCIF価格から始まって、運賃が幾らで、関税が幾らで、流通コストが幾らと、かような表は、このCIF価格が幾らということは、これはちょっと公表をいたさないことに相なっておりまして、ただこれによりまして輸入価格が幾らになるか、この程度の数字はお出しできるかと思います。
○竹田四郎君 一般国民に発表されるとすれば、中身の一つ一つの価格の構成、要素ですね、これについては私委員会だけでいいと思うのですよ。それは、われわれが今後流通機構をひとつやっていくという意味で必要だと思うのです。国民全体に発表するのはもっとわかりやすく、幾らで輸入して、何%の関税引き下げで、それが末端の消費者価格にどう、幾らくらい安くなるはずだという形でいいと思うんです。中のこまかいことはいいですが、そういう形での七十三品目について検討されていると思うんです。関税局は検討されているわけでしょう、一つ一つの品目についてこれだけ下げれば、これだけ消費者物価に影響するという、下げる根拠があるはずです。だからそういう形でけっこうですから、ひとつそういう形で委員長資料をお願いしたいと思うんです、いかがですか。
○政府委員(赤羽桂君) われわれといたしましては事務的に、消費者物価がこのくらい下がりそうだという事務的試算は幾らでもやっておるわけでございますが、私どもの所管から申しまして、輸入価格——税関の窓口で押える輸入価格が幾らくらい下がるべきはずであるという資料は出し得ると思いますが、あとの末端の消費者価格がこれだけ下がるぞということは、関税局からはちょっとお出しできないと思いますが……。
○戸田菊雄君 関税局ではそこまでだといまの局長の話ですね。しかし政府全体としては、行政上それぞれ連絡をとって物価抑制のためにやっておるわけですから、関税の今回引き下げの中身もその一つの大きな柱になっておるわけですから、これは経済企画庁でそういう追跡調査をやられるわけじゃないですか、だから当然さっき審議経過の中において、第四部会等で検討されておることは大まかに説明されておるわけです。そういう効果は一体どういうふうに見るのか、それは円の切り上げその他の関係におきましても同様趣旨を、いままで大蔵大臣なり閣僚が言っておるわけですから、そういうものは当然検討されておるだろうと思うのです。だからその検討の結果を資料として出してもらいたい、こういうのが趣旨です。 それから農林省のほうは、農産物関係についてはこういう貿易関税課か何かあって、それぞれやられておるわけでありますから、そこからひとつ資料を明確に提示をしていただくというのがわれわれの考えです。明確に委員長のほうからひとつお願いしたい。
○委員長(前田佳都男君) 宮崎局長どうですか。
○政府委員(宮崎仁君) 経済企画庁といたしましては、もちろん昨年もやったわけでございますし、今回も関税の引き下げについて、生活物資についてこういうふうにしていただきたいという要望をいたしまして、非常にこれに期待をいたしておるわけでございますから、法律が施行せられましたならば、直ちにこれはもう関係各省を通じて調査をしたい、こういうふうに考えております。 それから七十三品目全部をやるというようなことは、実際問題としてはそれほど意味があるとも思われませんので、やはりウエート等から見まして重要なものというふうにしぼってやっていきたい、こういうふうに考えます。
○説明員(吉岡裕君) 七十三品日中の農林物資の資料でございますが、先ほどお話のございました、あらゆる価格要素について資料全部そろっておるかどうかということは、具体的にもうちょっと検討してみる必要があると思いますが、御趣旨の点はよくわかりましたので、その線に沿いましてできるだけ資料の整備をしてみたい、こういうふうに考えます。
○委員長(前田佳都男君) それでは、この資料の点につきましては、委員会の各委員の発言の趣旨を体してひとつ善処していただきたいと思います。
○竹田四郎君 いまの点、念を押すようですが、関税局長ね、どうも最終的なものは私のほうで出すべきじゃない、それは企画庁なりほかの行政の省で出すべきだと言うのですが、あなたのほうでは、たとえば紅茶を二〇%を五%にすると、こういうふうに今度提案してきているわけですね。それは一体何で低くするんですか。どうもあなたのお話を聞いていると、何で低くするのかわからないんです。いままで一般的に、実際円の変動相場あるいは円の切り上げ後、新聞でいろいろ具体的にどれだけ安くなった、どれだけ安くなった、あるいは安くならないじゃないかというような形で、次から、次へ新聞に出ているわけですね。そういう事情ですよ、一般的な情勢はね。だから、当然二〇%のを五%にすれば、関税局としては、生活関連物資であるから、消費者の手にはこのくらいの価格で渡るはずだという、関税を引き下げる効果というものをある程度期待してやっているんでしょう。ただ、それが一般的に下がるだろうから、一五%下げるんだと、こういうことじゃないんでしょう。ムードを期待しているんですか、それとも実際下げることを期待しているんですか。どうもその辺、先ほどから資料関係のお話でも私にはよくわからない。
○政府委員(赤羽桂君) この関税引き下げを行ないますにつきましては、これが最終の消費者物価としてどのくらい下がるであろうかということは、われわれといたしましては、この七十三品目全部は不可能でございますが、主要な品目については計算してございます。 ただいま紅茶の点を御指摘になりましたわけでございますが、結論から申し上げますと、この円の切り上げと、今回の関税率の引き下げとを両方込みにやりまして、小売り価格として日東ティーバッグ、二十五袋入っておりますが、百五十円で売っておりますが、これを百三十四円と、約一〇%の値下げになるべきであると、かような計算は主要品目についてやったものはございます。ございますが、私先ほど資料の提出の点について申し上げましたのは、そこまで関税局の責任、義務といたしまして、この国会にいやしくも正式に御提出申し上げるのはいささかちょっとオーバーではないかという意味におきまして申し上げたわけでございますので、主要品目につきましてさような数字があるならいま言ってみろと、かようなお話でございますならば幾らでも御答弁申し上げます。正式に政府の所管責任官庁として国会に、消費者物価までを入れまして、これだけ下がるべきであるというのを提出いたすのはいかがかと、かようなあれを申し上げたわけでございます。
○竹田四郎君 ぼくはそれはそれで言ってくれていいと思うんですよ。これはこれだけの政策をすれば、これだけ下がるはずだという目標がなければ下げたって意味がないんですよ。だから、それは関税局として当然このくらい下がるべきだというものを出していただく。経企庁のほうとしては、いろいろどうもこういう関係があって、経企庁の資料ではこのくらいしか下がらない、それは一体なぜだというところにわれわれの疑問も集中するし、国民の疑問も集中するわけでしょう。そこで、とやかく言われている中間流通機構をどう改善すべきであるかという問題が、私は具体的にそこに提起されてくると思う。だから、関税局は関税局でこれだけ下がるべきだ、経企庁は経企庁でこのくらいしか下がらないだろう、資料は違っていていいと思うんですよ。そういう意味で私は両方出してもらいたい。
○委員長(前田佳都男君) 関税局長よろしいですね。
○政府委員(赤羽桂君) 主要品目の若干につきまして試算いたしたものがございますのでそれを……。
○竹田四郎君 それは出していただけるんですね。——経企庁は経企庁の考えとして出してください、いいですね。これは関税局のをまる写しにして出されても困るんです。
○政府委員(宮崎仁君) 先ほどちょっと申し上げましたように、私どものほうとしては七十三品目について、もちろん消費者物価の影響等の計算は検討いたしておりますけれども、これは大体私も関税局のほうで試算したやつを見ておりますが、同じような形になるだろうと思います。結局、CPIにおけるウエートの問題を、現在における輸入価格の関係で見るわけでございますから、そういった形になるだろうと思います。先ほど申しましたのは、私どものほうとしては、これが施行された直後において一体そのとおりいくかどうかというところをしっかり調査をしてみたい、そういう結果についてまた公表もしてみたい、こういうふうに考えておるわけでございます。想定上の数字はまあ似たようなものになるのではないかと思います。
○竹田四郎君 生活局長、あなたのほうではもうすっかり調査をしているんですよ、関税ではないけれども、変動相場制によるところの実際上の国際協定ではないけれども、変動相場制によって円の切り上げが実際されたですね。それによって、先ほどの御報告では、紅茶のほうはティーバックは若干弱含みである、リーフのほうはこれはそうではなかった、こう言っているわけでしょう。それは一体どこに原因があったのか、あなたのほうは調査をされておるんですから、どういうところにまずい点があるから下がらなかったという点を、少なくともここで公表できるわけです、もう調査しているわけですから。そういうところを具体的に話していただかなければならないと思うんです。経企庁のほうは全然やっていないというなら、これは予測の数字で将来のあれで、実績の数字がないから何とも言えないので、同じようになると思うんですが、実際には調査しているんですよ、調査しているから、実際に具体的にどこが悪いから、それが末端の消費者物価にあらわれてこないんだということは、調査をやっているからわかるわけです。紅茶に例をとってひとつその点話してみてください。
○説明員(本宮義一君) 農林省の畑作振興課長でございますが、紅茶を担当いたしておりますので御説明申し上げたいと思います。 昨年の、四十六年の一月から十二月までのティーバッグ十袋入りは、総理府統計によりますと九十四円ということで、年間の価格は変動がないという統計の数字でございます。しかし、現在のところスーパー等を見ますと、二十五袋入り百九十八円というような、これは目玉商品かと思いますけれども、そういう意味で安く売っておるという意味もございましょうけれども、現在近く関税が値下がりになる、しかも、各紅茶業界の企業努力並びに販売合戦というようなことで、現在のところではすでにいま私申し上げましたようなことは一部の価格かもしれませんけれども、スーパーでは二十五袋入り百九十八円、ですから、先ほど関税局長の御説明にありました期待されるべき価格は、すでに現在のところ下回っておるというようなことでございます。また、現在十袋入り九十四円という総理府の報告はされてはおるけれども、現在のところ十袋入り九十四円というのは、現実的には七十五円程度で売れているだろうということでございますので、もちろん総理府統計はそれぞれのところでお調べになった数字でございますけれども、もう少し広範にお調べいただければ、もう少し具体的に数字が下がっておるということをわれわれの調査では得ておるところでございます。
○政府委員(宮崎仁君) いま価格のことで農林省のほうから話があったわけでございますが、御指摘の輸入品の価格動向の追跡調査、これは二回にわたって行なわれておりますが、この資料、それから昨年の四月に行なわれました関税引き下げの効果に関する資料、そういったものはひとつ資料として提出をいたします。
○竹田四郎君 局長ね、ですから紅茶は調べたわけでしょう、とれに載っているんですから。紅茶は調べたと書いてあるわけですから載っているんでしょう。どうして、ティーバッグだけは下がるんだけれども、ほかのほうは下がらないんですか。その原因を私はさっきから聞いている。
○政府委員(宮崎仁君) これは民間に委託して調査したわけでございますが、この分析によりますと、いわゆるリーフティーといわれておるティーバッグでないもの、これについては、高級品イメージを売りものとするというようなことでございまして、そういう点からむしろ価格を引き下げてもあまり需要が伸びないだろう、こういうようなメーカー筋の意図がありまして、そして値下げが行なわれてないんだ、こういうふうに一応分析の結果は出ております。こういった形のものにつきましては、なかなか打つ手としてはむずかしいわけでございますが、やはりそういったことを考慮し、そしてこの程度は下がってもしかるべきなんだということを、政府側としても出していくことによりまして、効果はだんだんあらわれていく、こういうふうに考えておるわけでございます。
○竹田四郎君 リーフティーのほうは高級品イメージがある、ティーバッグのほうは高級品イメージはないわけですか。たとえばこれは同じような商標のものがありますわな。最近、何といいますか、私も名前よく覚えておりませんけれども、英国皇室用なんというのがティーバッグにちゃんと書いてありますね。同じようなイメージだと思うんですがね。片方はティーバッグに入っておる、片方はかんに入っておる。それでティーバッグのほうは安くなって、手をかけてあるほうと言ったほうがいいかもしれないが、手をあまりかけてないのは下がらないというのは、どう考えても私どもは理解できない。ただそれが高級品イメージということだけで問題が解決——考えておられるということになると、高級品イメージだということになれば、消費者のほうの態度が悪いということに私は変わっていくと思うんです。ぼくはそうじゃないと思うんです、実際は。だからその辺を、これは委託調査だからその辺までは調査を委託しなかったからそういうことになるかもしれませんけれどもね。だからその辺のことは今後調査をするんですか、それとも委託調査だからまあそれだけを基礎にしてやっていくというんですかね。どうももう一歩調査が入ってないような気がする。ただこれでは、この前の委託調査ではただ、さっき農林省の方が言われたように、末端価格は幾らだ、入ったときの価格は幾らだ、ただそれだけの価格調査だけであって、具体的に下がらない原因はどこにあるんだという一歩入った調査が全然できてないと思うんです。 さっきの、それでは羊肉の問題はどうなんですか。これはかなり委託調査ではなくて、企画庁みずからが調査されたわけでしょう。去年の品目の中で下がらなかったというのは、それはどこに原因があるんですか、羊肉の場合には。
○政府委員(宮崎仁君) いまの紅茶の点でもう少しお話し申し上げたほうがいいかもしれませんが、ティーバッグは、やはり大衆向けということで実際業界でも扱われておりますし、そういうものであるようでございます。同じ商標のティーバックもあり、リーフティーもあるということでおかしいじゃないかということでございましたけれども、取引の実態はそういうものであり、商品の実態もそういうものであるというふうに私どもは理解しております。 それから羊肉の問題でございますが、これはやはり需給実勢がいろいろ反映をいたすものでございまして、ちょうどこの調査をいたしましたときにFOBが上がったというような要因もございまして、どうも関税引き下げの影響がはっきりと末端にあらわれているという結果になってなかったわけです。この辺についてはわれわれとしても、どういうふうにはっきりとした手を打てるかということについてはまだ問題がございます。というのは、大部分が加工に回りますので、そういった手を通じて消費者に渡っていくということもございまして、これからの課題としてまだ研究する点がいろいろあるだろう、こういうふうに思っております。
○竹田四郎君 ひとつこれは、企画庁だけじゃないと思いますが、政府全体としてそういうところに一歩踏み込んで調査をしてくれなければ、幾らここで一生懸命七十三品目下げたって、それは関税局長もたいへん心配しているように、〇・三%下がるはずなのに、〇・一%くらいにしかならないだろうということで、政策の効果というものはちっともあらわれてこないと思うのですよ。ですからこれはひとつ全体としてもう少し突っ込んで、なぜ下がらないのか、その辺を突っ込んでひとつやっていただかなければ、国民は承知しませんよ、はっきり言って。円切り、さらに関税引き下げ、買うものは同じだ、全くこれじゃ承知できないと思うのですよ。そういう意味でひとつその辺は経済企画庁だけでなくて、政府全体として、そういう隘路というものを具体的にひと?えぐり出して、それを改善していくというかまえがなければ、関税下げたって意味がないのですよ。特定なところに金が入るだけです。むしろ政治が腐敗していく原因になっていると私は思う。ですから、その点を特にお願いしてほかのところに入ろうと思ったのですが、もうやめろということですからして、来ていただいた方にはたいへん恐縮ですが、またこの次に譲らしていただきます。
○鈴木一弘君 最初に通産関係の問題から入りたいと思うのですけれども、今度関税の改正案で石油の、いわゆる重油の問題でありますけれども、そのほうの関税率がいじられるわけですけれども、石油の政策の基本ですけれども、それがはっきり申し上げて、消費地精製主義というのをとっている。つまりわが国でもって全部精製をしようというようなことに基づいているという、それが基本になった上での関税率ということです。いままでは確かに消費地精製主義ということでやってきた。だけれども、御承知のようにゼネラル石油が、堺に増設しようという計画も、また四国石油が徳島へ進出しようという計画も、はっきり申し上げて、もうこれ以上公害には耐えられないという、そういうことから、地元の了解が得られない、そういうことで実現を見ていない。こういうことは、はっきり申し上げれば、もはや国内でのいわゆる消費地精製主義というようなかっこうをとっている間はとてもいけないのではないか、つまりもう立地条件としても行き詰まっている。いまのままでいけば日本じゅうが、いままで野放しで、日本じゅうが石油基地になってしまうような感じでありますけれども、そういう点がもはや行き詰まってきている。 もう一つ考えられているのは、いわゆる産油国、そういう国々が経営に参加したい、事業に参加したいという、そういう要求が出ている。いわゆる付加価値をとどめて、二次製品にしてから出してもらいたい、こういうことで非常に言われてきておりますし、これから先、各産油国が精製の場合、輸送、販売、こういう方面の進出を、一つの目標として重点を打ち出されている。そういうふうになってくると、これから先私ども考えているのに、ただ関税でもっていろいろいじるというような、そういう段階ではなくて、万やむを得ないときは、そこで動くのですけれども、すでに通産省のいままでやっている消費地精製主義というのを改めて、 〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕 そうして根本的にやり直していかなければならないところにきているのではないか、そういうようにひとつ考えられるのですが、その点についてまず答弁をいただきたい。
○説明員(鈴木両平君) 御指摘の消費地精製主義の問題でございますが、現在世界の石油の精製能力は、一日当たり約三千万バーレルの精製能力を持っております。その中で七八%、約八割が消費地精製方式で行なっております。あと約一割が生産地精油所、それから中間地精油所というかっこうでやっております。先生御指摘のような石油の情勢の変化がございまして、国際的に消費をする国がみずからの責任において産油を行ない、みずからの責任において精製し、みずからの責任において公害防除の技術革新をやっていくという声が国際的に強くなってきております。一方いまの自己責任原則からいいまして、日本の一年間の消費量が四十七年で二億五千万キロリットル消費することになっております。精製能力の比率と消費の比率と比べますと、まだ消費の比率のほうが高いわけでございます。公害問題など例にとりますと、硫黄分の除去などについてはもっともっと国際的に技術革新を進めなきゃいかぬという問題がございますし、かりに日本国内で精製ができないということになって持ち出しますと、これは公害を輸出するという問題にもなります。それからもっと基本的な問題としましては、製品を輸送する輸送費と、それから原油を輸送します輸送費と比べますと、圧倒的に原油輸送の、いわゆるダーティータンカーといわれるもののほうが経済性が高いわけでございます。かたがた精油所を現地につくりますと、建設費それから資材費、労働の問題などについて、一面においては産油国に対していろいろなメリットがございますとともに、採算からいいますと概して経済性の点では著しく落ちるということでございます。したがいまして、国際的にも消費地精製主義のほうが経済性は概して高い。したがって、なるべく事情の許す範囲でそれを利用していったほうがいいという一般的な専門家の間の見解になっております。ただ御指摘のように、国内の公害立地の問題からして、なかなか新規立地に困難な事情が出ております。したがいまして、通産省としてベーシックな採算性というものは尊重していかなければならない。もしこれを無理に押さえますと、一番低廉安定供給しなければならぬ石油製品の値段が上がっていくということになりますので、これはキープしなければならぬ。しかしながらそういう立地上の問題などで制約があれば、当然生産地、それから中間地の精製も嘱目しなければならぬということで、昨年来の総合エネルギー調査会の検討の中間報告では、先生御指摘のような生産地の立地あるいは中間地の立地も前向きで取っ組まなければいかぬという御指摘が出ておりますけれども、通産省も現在の趨勢としてはベーシックなところはキープするけれども、部分的な問題としては、御指摘の生産地の精製問題も前向きでかまえるということになっております。かたがた御指摘のOPECの問題が最近出ておりまして、いろいろ消費国政府との直接の関係を結びたいという産油国の声が直接間接に私どものほうへ入ってきておりますので、その辺のこともにらみながら今後進んでいきたいというふうに考えております。
○鈴木一弘君 いまのいろいろ言うのはわかるのですけれども、たとえば製品の輸送費のほうがかかって、いわゆる原油のほうの輸送費が安い。トン当たり五百円くらいですか、いまそういうふうに言われておりますが、二十万トンなり五十万トンと大きいタンカーになったから、日本が原料費としての太刀打ちができると、こういうことだと思うのです。まあそうじゃなくて、大量に向こうでもって精製をするということになれば、製品であろうと私は輸送費を安くすることは可能じゃないか、それが一つ疑問なんですが、それは精製品を輸送した場合と、どういうふうにトン当たり価格が違ってきているのかその点を一つ。 もう一つは、公害を輸出するという考え方はどうも私はぴんとこないわけです。というのは、日本の場合には、自然が吸収できる限度を越えたから猛烈な勢いで公害になってきている。ところがいわゆるLDCといわれる低開発国、開発途上国ではまだまだ公害問題よりもむしろ企業をという声です。それはまだ吸収の可能性があるということで、先日の会議もそういうことが打ち出されているわけです。そういう点考えると、公害の輸出なんということを考えるよりも、これから先公害の出ない企業を現地につくればいいわけですから、その点も納得できないわけです。その点もう一ぺんお聞きしたいわけです。 それからもう一つは、わが国が落札をしたイランのロレスタンですか、その地区の石油開発、この場合は開発会社だけではなくて、イラン側は精製会社にまで合弁ということの設立を希望しているわけです。そういうことが条件になってきておる。そういう点を考えると、もう消費地精製でもって、いわゆるベーシックな採算制を一番重視していく時代じゃないんじゃないかということも考えられるので、その点いままでのような固定した行き方だったらまずいんじゃないかと思うのですが、その点もう一ぺんお伺いいたします。
○説明員(鈴木両平君) お答え申し上げます。 まず最初の輸送費の格差でございますが、こまかい数字を手元に持ちあわせませんが、ダーティータンカーの場合と、クリーンタンカーの場合を比較いたしますと、大体二〇%から三〇%くらいタンカーフレートが違います。かたがたタンカーフレートが違うだけでなく、隻数が非常にふえるわけです。隻数がふえますと、船員の数も単位当たりぐんとふえまして、御承知のように現在船員確保の点で日本の海運界全体が非常に困っておりまして、先生御指摘のような、大型化の方向へ動いておりますのも一つの動機でございます。このフレートのディファレンスというものはかなり無視できない状況でございます。 それから第二の御指摘の公害輸出の問題につきましては、御指摘のとおり、公害を出すということは大気の許容量との関係でございますので、一がいにそのまま公害現象が、現地あるいは中間地に出るというふうには考えませんが、現にシンガポールあたりで、近々百万バーレル近くの精油所がつくられつつあるわけでございますが、このところでもかなり立地の問題が指摘されておりまして、徐々に公害問題というのは、国際的にうるさくなってくる。 それで、御指摘のとおり私ども現在無公害精油所という構想を立てまして、すべての化学物質が、排出されるものが、完全に還流されるというシステムを開発しつつあるわけでありますが、こういうような方法で積極的に化学的な解決をはかっていく、そういうことによって、S分の多い石油を実際使える石油になるべくふやしていくということで、潜在量の寡少現象を緩和していくということに努力するのが本筋かと思っております。 それから最後に、OPECの問題。全く御指摘のとおり、OPECは十年前にスタートして以来、産業活動を国内経済の中に取り込もうということで主張してまいりまして、一昨年秋以来相当強い交渉の結果、数々の成果をあげてきておりますが、その主張の中に、先生御指摘のように、なるべく産油国で、石油活動に伴う収入を産油国の中へ落とそうという主張が出ております。それはそれなりにして十分わかる主張でございまして、われわれもそれを十分くんでそれに合わしていくべき面が多々あると思います。それが、この前のロレスタンの開発計画に対するわが国の協力姿勢であったわけでございますが、一面、産油国と消費国という立場で、売り手、買い手の利害の対立面もございます。したがいまして、その辺のところは、需要者の立場を代表して、国益のなるべく大きいような交渉を一方において進めなきゃいかぬ。ただ、従来メジャーを通してすべての油が大体購入されておったという構造から、直結型のものがおそらく目ばえてくる、そうすれば、先般のロレスタンの提携みたいなものがもう少しいろいろの面で進められてくるということはございましょうが、基本的には協力しながら主張するものは主張していくという姿勢が肝要かと考えております。したがいまして、消費地精製主義を石頭のように固守しておるという姿勢では最近なくなってきておりますので、その辺御了承いただきたいと思います。
○鈴木一弘君 いつまでも消費地精製主義をとらないという話ですから、一応これで質問はやめておきますけれども、そういう姿勢が貫かれてだんだん変えられるように心から望んでおります。 次に、銅の関税のことですが、今回の関税措置として産業政策上からということで、銅の地金の関税の引き上げが行なわれている。その理由についてひとつ……。
○政府委員(赤羽桂君) 今回銅、鉛、亜鉛いわゆる非鉄金属の関税につきまして、輸入価格において弾力的ないわゆるスライド関税をとることにいたしておるわけでございます。輸入価格が一定価格以上に越えるときは需要者の立場を考慮いたしまして無税といたしますと同時に、当該価格以下になったときに生産者を保護するために定量の従量税を課する、かようなことになっておるわけでございます。このいわゆるスライド関税の構造は、現在でもすでにそうでございますが、現在この非鉄業界の直面しておる情勢にかんがみまして、その無税点を上げる、それから、この税金がかかる部面をいままでよりも広くする、かような意味におきまして、無税点の現行キログラムで三百六十円以上のものが無税でございます。これを三百八十五円に上げます。それから、この下のほうでございますが、現在キログラム当たり三百三十八円以下のものにつきましてはキログラム当たり二十二円、約六・五%の関税がかかってあるわけでございますが、これを上げまして三百六十一円にいたすと同時に、関税を二十四円に上げることにいたしたわけでございます。 かようなことにいたしました背景でございますが、この背景は、もう先生すでにこれは御存じのとおり、現在非鉄業界というものは非常に大きな問題と申しますか、苦境におちいっているわけでございまして、この現在の改正いたさんとする前の関税があらわれましたのは昭和四十四年でございましたか、その四十四年から約一年くらいの間は順調に推移をいたしたわけでございますが、四十五年度ごろから世界的な不況をバックにいたしまして銅の値段というものが、海外相場というものが非常に下がってまいったわけでございます。特に昨年八月の変動相場制以後はさらにその傾向に拍車をかけまして、最近——去年の大体暮れが一番下、底値であったかと存じますけれども、ことしに入ってやや戻しておりますけれども、いずれにしても大体トン当たり三十六万五千円くらいの国際市況になっておるわけでございます。一方、国内の非鉄業界というのは、これはもう御存じのとおり、非常にこれは伝統ある業界ではございますけれども、何ぶんにも非常に古いわけでございまして、品位も落ちる、鉱脈もかれるというようなことで、それからさらに採掘労務費、これは非常に上がっておるわけでございます。それからさらに公害防止費用が非常に最近はかかるように相なっておるわけでございまして、そういった状況からどうしてもトン当たり四十二、三万円以上はないとこれは採算に合わないといったような状況になってきておるようでございます。したがいまして、この関税の面からは、ただいま申し上げましたような関税——まあ、この非鉄全体を通じます政策の一環といたしまして、ただいま申し上げましたような措置をとったわけでございますが、もちろんこれだけで非鉄全体に対する手当てになるわけではないわけでございます。非鉄金属産業全体のあり方につきましては、通産省のほうからも御答弁があるかと存じますけれども、本年鉱業審議会あたりの場でいろいろと議論をなされるかと思いますが、その結論を待ちまして、関税の面でもさらにまたやる必要があるということになれば、来年度において措置をいたすつもりでおるわけでございます。
○鈴木一弘君 これは銅のいわゆる産銅業界ということをいまの非鉄金属ということに含めておられましたけれども、そういう救済の点からはわかるわけですよ。ですけれども、それじゃ現在の国内のいわゆる鉱山における平均の生産費は一トンについて幾らくらいになっているのですか。
○説明員(佐藤淳一郎君) 国内鉱——国内の鉱山から鉱石を掘り出しまして、それを製錬所において地金にいたしますコストが、四十五年度の実績で四十一万一千円でございまして、来年度この関税の引き上げに伴いますときに算定いたしました数字は、労務費のアップ等入れまして四十三万六千円という想定をいたしております。
○鈴木一弘君 これは四十七年の大体のあれが四十三万六千円という、いま算定だという話ですが、ところが実際の銅のいわゆる価格ですね、実勢、そういうのはどのくらいになっておりますか。
○説明員(佐藤淳一郎君) 銅の価格は、これは国際商品でありますために、国内の値段というのは、ロンドンのいわゆるロンドン・メタル・エクスチェンジ、LMEと申しておりますが、LMEできまった値段を円に換算いたしまして、それをそのまま国内建て値にいたしておりますために、変動相場以来その切り上げ分だけ確実に値段を下げてきております。最近ではLMEが一月で四百十九ポンド、二月が四百二十七ポンドでございますが、これは改正前であればそれに八百六十円掛けたものに国内のいろんな保険料なり、それから手数料等入れまして国内の建て値がきまっていくわけでございますが、今度は八百二円に下がりましたので、そのロンドンのLMEのポンドに八百二円掛けたやつに国内の手数料を入れるということになっておりまして、一月が三十五万七千円、二月が三十六万二千円ということになっております。で、これをもうちょっとわかりやすく言いますと、かりにLMEで四百ポンドの建て値が立った場合に、国内では八百六十円掛けますと三十四万四千円になります。今度八百二円掛けますと、三十二万一千円になりますので、二万三千円だけ値段が下がるわけでございまして、今度の関税の引き上げによってエンド・ユーザーの価格が上がるように一見見えますけれども、実は円の切り上げによって、根っこから円の切り上げ分だけ下がりますので、むしろそれだけエンド・ユーザーとしては安い地金が買えるという仕組みになるわけでございますが、一方それだけ国内の地金を安くすれば、国内鉱山の買鉱条件も当然安く売らざるを得ない形になりますために、非常にいま苦況に立っておるわけでございまして、まあ今度の関税によりまして幾ぶんでも国内鉱山にその分の収入分をあげて、国内鉱山のほうに生きるために使わしてやりたいというのが今度のわれわれのねらいでございます。
○鈴木一弘君 ですから、結局今回の関税の引き上げがもし行なわれたとして、それでも現状からいえば、国内の実勢が四十万までとてもいかないですね。三十六万円程度になるということになるわけでしょう。そうすると、それがいま言われた関税云々の引き当てで十分に産銅業界というものは守れるのですか。
○説明員(佐藤淳一郎君) 国内の製錬所がつくっております地金の生産量のうち、海外鉱でつくる分と、国内鉱山の鉱石からつくる分と二通りございまして、最近は国内の鉱山のほうが約二割見当に下がってきておりますから、関税によりましてその分だけ販売価格をオンいたすことになりますが、その場合には、海外鉱石でつくった地金についても、関税の分を上のせして販売することになりますので、それだけその分の収入を、結局、国内鉱山のほうに回すということが可能になるわけでございまして、これは現実にお金が回るということじゃなくて、製錬所で国内鉱山から高い金で鉱石を高く買ってやる。それを海外鉱からいわゆる地金で高く売られる、関税相当分高く売られる分をひとつ、比率が高うございますから、相当の財源になりますので、それを上げて国内鉱山のほうに回せば相当の金額になりまして、現状の程度の四百ポンド前後の場合で想定いたしますと、まあ大体トン当たり八万円ぐらい上のせして国内鉱山から買ってあげられるのじゃないかということでございます。
○鈴木一弘君 三十六万に八万——四十四万ですね。 そこで今度は、いわゆる産銅よりも、銅を使うほうを見ますと、銅価格の推移表というものをもらったのですが、ロンドンのいわゆるLME価格と、国内建て値とが出ておりますけれども、特に四十六年の中ごろから下がってきて、アメリカの産銅ストで上がりましたけれども、また下がってきている。 〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕 しかし、いままでに何度も何度も叫ばれてきたのは、非常に高騰しているときがある、トン当たり六十五万円をこえているときもある、あるいは六十万円をこえているときもある、五十万円をこえているときもある。ですからここのところで計算しているのでは、表だけではわからないので、ひとつ伺いたいのですけれども、この五、六年間、七、八年間、この間で、いわゆる平均のLME価格と、国内の建て値とはどういうくらいになるのですか、平均しますと。
○説明員(佐藤淳一郎君) 実は持ってまいったのが四十四年からでございますので、四十四年の平均で申しますと、LMEが六百二十一・ニポンドでございまして、国内建て値の平均が五十二万四百円でございます。四十五年が、LMEが五百八十八・六ポンドでございまして、国内建て値の平均が五十二万三千円ちょうどでございます。四十六年の推移は、大体LMEが四百二、三十ポンドないし四百五十ポンドくらいを推移しておりまして、建て値もしたがいまして一番低いところで三十五万五千円、高いところで四十九万九千円というのが四十六年に入ってからの実勢でございます。
○鈴木一弘君 その例から見ますと私はわからなくなるわけです。先ほどは国内産銅はトン当たり四十三万円と三十六万円が現状だという話だったわけですけれども、三年間だけのいまの御答弁から見ても、いわゆる国内の建て値がトン当たり五十二万三千円、あるいは三十五万から四十九万の間、そういうふうになると、ここのところで急に通貨調整であるとか、需要供給の関係から下がってきたということで、急にここで銅の関税を引き上げなければならないという理由が、ここのところの二、三年間をちょっと通してみると感じられないわけですが、その辺は関税局ではどういうふうに見ておりますか。
○政府委員(赤羽桂君) ただいま御指摘のとおり、実は非鉄金属の銅の関税率をただいま申し上げましたとおり変えるにつきましては、生産者側と需要者側の立場をいかに調整をいたすかということにつきまして、関係者の間で非常にいろいろと議論になったわけでございますが、結論といたしまして、ただいま申し上げたようなところに落ち着いておるわけでございますが、御質疑のほうの向きは、生産者側というよりも、もっぱら需要者のほうの立場がどうなるか、かようなお含みかと存じますが、需要者のほうの立場は、ただいま申し上げたような点のほか、いわゆる銅くず、そういう方面につきましても別に配意をいたしておりまして、これはこの措置と同時に無税といたしておるわけでございます。いずれにいたしましても全体といたしまして、今回の措置は一年間限りの暫定措置でございまして、非鉄全体を見通して、さらに関税面において措置すべきものがあればさよう取り計らいたいと存じております。
○鈴木一弘君 一年限りということはわかりますけれども、ここのところの先ほど答弁いただいたのは三年間だけです。その前を見たって大体五十万前後、以上ですね、ほとんど。四十一年なんというのは平均したらトン当たり六十万近くなるのじゃないか。そういうことから考えると、私は消費のほうだけを申し上げているんじゃなくて、やはりそれなのにという気がちょっとするわけです、そういう点で。
○説明員(佐藤淳一郎君) 実は値段の高いときは関税はかからないのでございまして、三十六万円以上のときはかからない。ただ今度は三十八万五千円以上のときにはかからないというふうに改正したわけでございまして、四十四年、四十五年の当時はもちろん関税はかかっておりませんし、また十分にペイする、国内鉱山をペイする状態にあったわけでございます。ただ海外鉱石の場合は、要するにLMEの値段が高いときは、鉱石の値段も一緒に上がるという仕組みになっておりまして、海外鉱石による収益というものはほとんどないのでございます、鉱山会社の場合は。したがって所得の源泉といいますのは、現在は国内鉱山だけにたよっておらなければいかぬ。これは行く行くは自主開発鉱が今後開発されて、自分の資本を入れた山から安い鉱石が入るという段取りがつくまではやむを得ぬ。そういうことで、製錬所の収益は所得にならないというととで、鉱山会社はやはり国内鉱山を守っていかなければ、企業として成り立たないという宿命にございますために、まあやむを得ず今度のような措置をお願いせざるを得なかったということでございます。
○鈴木一弘君 それでもう一つは、いま関税局長が言われたように、消費の立場から考えればそうなるわけですけれども、そのほうからいえば・電線にしても家庭電器製品にしても一くず鉄については先ほどお話がありましたけれども、どうしてもいわゆるロンドンの市場価格が引き上がってくれば、高い地金を使わなきゃならぬ、国内価格はそれにつれられて建て値が上がっておりますから。そうなると、どうしてもこれは製品に転嫁せざるを得なくなってくる。そうでなければやっていけない。いわゆる銅の電線をやめてアルミ線でもつくる以外にない、こうなると思うのですが、だからやはりこういう関税でもって産銅のほうを考えるならば、結局銅製品の家庭生活必需品を使うほうは消費者なんですから——銅価格が上がったときには高くなってそのまま下がらないというのがいままでの趨勢でもあるわけです。そうすると、いわゆる価格の下がっているときに政府なりからきちっと、はっきり——そのときだけは関税で見返りというわけにはいかないと思いますけれども、下がっているときにヘッジ買いをやらせて、それで政府のほうでそれを持っている。そうして銅価格が異常に高騰すると、トン当たり六十万なり七十万というような、いわゆる国際情勢が緊迫すればみなすぐ上がってくるわけですから、そういうようになったときに、安かったときの銅を使わせる、こういうことを考えないと、一方だけ見ていて——産銅業界を守るのはよくわかりますけれども、逆に今度は上がったときのことの措置を考えておいてもらわなければ、そうしなければ、今度は精製段階のほうと、それからもう一つは消費者に全部上がったときには見返ってくるわけですね。そういうときの政策が不在で、関税だけをいじくるというのは私は納得できないわけです。その点はどうなっておりますか。
○説明員(佐藤淳一郎君) 今度八月の末に円の切り上げが突如として行なわれたために、予算もいろいろ間に合わなかった面もございまして、一般会計にもいろいろやってはいただいたわけでございますが、緊急的にこういう措置をとっていかざるを得なかったわけですが、われわれとしましては、もともとこういうような形で、ほかの物資と違って、幾ら国際商品とはいえ、非常に上下の幅が大き過ぎるという価格自体の大きな問題がございまして、これはぜひとも何とかして安定させなければいかぬだろう、しかも、近代的な産業とも直結いたしておりますし、そういう意味で、これは産銅国の側でも若干のそういう国際的な動きも出てきております。で、日本の鉱石の輸入量も非常に大きくなってきておりますので、そういうマーケットの大きさに比例いたしまして、一つの発言権を得ておりますので、ひとつ国際的にいかにして銅の価格を安定させるか。逆に、安定させませんと、いま先生御指摘になったアルミのほうに移っていくという問題もございますし、そういう銅産業の国際的な安定の問題ともつなげまして、どうすべきかということをいま検討いたしておりますし、それから一方では確かにヘッジの問題もございまして、これは民間のほうでそういう機関を、ユーザー側と、山側と一緒にそういう機関をつくって、安い銅を買って備蓄する構想もいま行なわれておりますし、今度全般的にこういうような情勢に立って、銅のみならず、非鉄の産業をどう持っていくかということも広い意味で、鉱業審議会の場で先生のおっしゃるような問題意識を持ちつつ検討を始めたい、こう思っております。
○鈴木一弘君 私、そのヘッジの問題ですがね、いわゆる銅鉱石——原石ですね、についてだって、やはり地金でも、これはやはりロンドンのLMEの価格につれて動いているわけですから、そうなれば安いときに民間でもってヘッジ買いをさせるということだけではならないだろう。私はむしろ政府のほうで先買いか何かでもってかちっとやらせる。そして大量に置いておかなかったら、これは絶対にそのまま国民生活に響いてくる形になってくるわけですから、その点を今度はそういう方向で、いま審議会で審議しているという話でありますから、この程度でとめますけれども、ただ関税だけをいじるというだけでは、私はあまりにもこれは不完全きわまりないし、日本のいわゆる銅の安全保障、と言うとおかしいですけれども、銅価格についての安全保障というものは全くないということになってしまいますので、その点お願いしたいと思います。 それからその次に伺いたいのは、これは特恵関税に関してですが、今回の関税定率法の改正では、輸入自由化に対処するということで、いろいろ大幅な引き上げが行なわれている。そういう提案がされておりますけれども、昨年からわが国が特恵関税の実施に踏み切っているそれについて、中小企業に対する対策といいますか、これは法律も通ったわけでありますけれども、一体どういう影響がいままで中小企業にあったのかどうか、その点をちょっとお伺いします。
○政府委員(赤羽桂君) 特恵につきましては、昨年八月一日より実施をいたしておるわけでございます。その後大体五カ月ぐらいの実績はわかっておるわけでございますが、大体特恵の対象品目の輸入の伸びにいたしますと、一月までの伸びで対前年度比二〇%ぐらいの伸びになっております。全体の輸入の伸びに比較いたしまして、全体の伸び約一%でございますから、特恵の実施によりまして、その対象品目の輸入が増大したということは一応いえるかと思います。 そこで、特恵関税によりまして、中小企業に対してどういう影響があったかというお尋ねでございますが、御案内のとおり、昨年のこの特恵を実施いたしますにつきましては、中小企業特恵対策臨時措置法という法律の御審議をいただいているわけでございまして、これによって、特恵によって起こることあり得べき損害に対しまして十分の措置をいたすと、かようなたてまえになっておるわけでございます。で、この中小企業特恵対策臨時措置法によりますと、被害があったというこの事業につきましては、政令で指定をいたすことになっておるわけでございますが、現在までにおきまして特恵関税の実施によってこの指定が行なわれている中小企業はまだございません。わが国の特恵関税のスキームそれ自体が、昨年度いろいろ国会で御質疑が出まして、非常に内容がそういった中小企業に対しての影響を顧慮いたしまして、シーリング方式をとっておるとか、その管理方式を非常に厳重にやっているとか、また農産物におきましてはポジリストによって特恵を実施いたしておりますとかということによって、万全の措置を講じておるわけでございます。現在までのところにおきましては、まださしたる影響は出ていないと、かように私は判断いたしております。
○鈴木一弘君 これは指定じゃなくて認定だと思いますけれどもね。中小企業特恵対策臨時措置法、その三条によって、認定をされるというのがあるわけです。それがないということは、はっきり申し上げて事業が転換をしたためにないのか、それともそれほど差しつかえなかったのか、そういう実態はいかがなんでしょう。
○政府委員(赤羽桂君) 昨年特恵関税の実施後、実はいろいろ中小企業関係につきましては、たとえば繊維でございますとか、たとえば一時的なものでございますが対米輸出の商品で占めますところの陶磁器のたぐいでございますとか、いろいろ問題が出てきたわけでございますが、それがその特恵だと、特恵のためたというような面はございせまんと、かような意味で申し上げたわけでございます。
○鈴木一弘君 米国ですね、これはまだ特恵供与をやらないわけですが、それがその供与方式に、いわゆる逆特恵をやっている国が現在あったということで、それをなくさなければとか、あるいは供与しないと、そういうことでだいぶ延びているようなんですが、その点わが国の場合はどうなっているのでしょうか。この前は逆特恵のことを質問したときに、その解消のために一生懸命現在交渉中でございますという話だったのですが、経過はどうなったか、ちょっと伺いたいと思います。
○政府委員(赤羽桂君) 逆特恵と申しますのは、実は、特恵の一種と申しますか、まあことばから言いますと確かに特恵という名前がついておるわけでありますが、昨年度実施をいたしましたいわゆる一般特恵とはやや理念並びに性質を異にいたしておるわけでございます。昨年度、先進国で実施いたし、また実施せんとしつつあるところのいわゆる一般特恵というのは、いわゆる自由無差別と申しますか、そういう原則に立ちまして、後進国に対する先進国のそういった特恵関税の実施が、しかもこれは一方的に、何らの対価を得ずしてこれを行なう、こういうようなたてまえになっておるわけでございまして、後進国の工業化を促進し、あるいは経済成長を進める、かような政策が全世界の貿易を拡大をするという理念に立ちまして、一方的に行なわれている——代償を得ずして行なわれているものであります。これに反しまして、いわゆる逆特恵というのは、かような一般特恵が行なわれます前にすでにECでございますとか、あるいはイギリスと、いわゆる旧植民地との間に古くから行なわれている、きわめて閉鎖的な、先進国から後進国に特恵を与える、そのまたお返し、ギブ・アンド・テイク、こういう意味におきまして行なわれている特恵でございまして、いわゆる一般特恵に比較いたしますと、何と申しますか、非常に閉鎖的な、まあガットの掲げますところの理念とはほど遠いものと相なっておりまして、われわれといたしましては、かようなものの解消をすみやかにはかれ。漸次さようなものは一般特恵のワク内に解消をして持ち込んでいく、かような観点に立ちまして考えておるわけでございます。 で、私らのほうといたしましては、この逆特恵——御質問の意味が、逆特恵をやめるためにどういういままで経緯で努力をしたかと、かようなお尋ねかと存じますけれども、ガットの場合、あるいは日米の今度の通商問題等に関しまして、そういった問題が、おりに触れていろいろと出てまいりますが、そういった機会をつかまえまして、いろいろと当方よりも解消方を言っておるわけでございます。今後さらに、いわゆる第二次国際ラウンドというのが出てまいります。一九七二年度にとりあえずその準備を行なうということに相なっておりますが、そういった場におきまして解消方を強く要請したい、かように考えておるわけでございます。
○委員長(前田佳都男君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(前田佳都男君) 速記起こして。
○鈴木一弘君 いわゆるアメリカが特恵を供与するということになれば、いま答弁にあった英連邦諸国が、英連邦の特恵ということで、英国に特恵を与えた国があるわけです。それが逆特恵になるわけです。そういうところについては、五年以内にそれを解消しない限りは特恵を与えないという態度でアメリカは行きたいというわけです。わが国の場合は、その解消に一生懸命にいまつとめている最中でございます、と言ったわけです、この間の答弁で。だから、それならば現在逆特恵が残っているのはどのくらいあって、この前の答弁では、好ましくないことなのでそれについては申し入れをしているところであるという答弁がなされているわけです、昨年は。それについて一体、わが国の交渉の結果逆特恵のなくなったところはどのくらいございますかと私は聞いているわけです。
○政府委員(赤羽桂君) 昨年度の国会の御審議の席上におきまして、この解消をはかると、こう申し上げておりますのは、逆特恵のお話でございませんので、いわゆる対日差別の三十五条援用、こっちのほうが主体であったかと存じます。 それで、こっちの場合は非常に努力をいたしまして、昨年度来解消をいたしましたのはスペインとガンビア、二カ国でございます。 一方、別に、逆特恵はそれとはまた別に問題にいたしておるわけでございまして、それについては日本はこう言って、だからこの国がやめたのだという、まだ段階に至っておりません。 なお、この逆特恵の供与国といたしましては、ECもしくは英連邦関係の全部を入れまして約三十五カ国というぐあいに聞いております。
○鈴木一弘君 だから三十五カ国の中ではまだそれでは逆特恵を廃止したところはないということですね。三十五条の残っているのは幾つなんですか。あと十七カ国ですか。
○政府委員(赤羽桂君) 対日差別といたしまして、三十五条援用国は二十カ国でございます。
○鈴木一弘君 二十カ国の中で特恵供与しているところは何カ国ですか。
○政府委員(赤羽桂君) 二十カ国のうちで特恵供与いたしておりますのが十五カ国でございます。
○鈴木一弘君 それ、ちょっと去年の答弁と違うので……・。昨年は、現在三十五条援用国でもって日本が特恵を与えようとしているところは全部で十九でございますという答弁だった。二つ減って十五というのはどうなるのですか、この辺は。——またあらためて資料でいただきたいと思います。
○政府委員(赤羽桂君) 資料を提出いたします。
○鈴木一弘君 それから、英連邦の特恵あるいはECのいわゆる逆特恵、これを適用している国の名前も資料でひとついただきたいと思います。 それから、もう一つ資料の要求です。それはアメリカが特恵を行なった場合に、わが国の中小企業製品にはかなりの影響が出てまいりますけれども、それのおそれのあるところと、それに対する対策というものをどう考えておるのか、これは各省にわたることで関税局でまとめてもらわなければどうにもならないと思いますが、それをひとつ資料で出してください。 このくらいできょうは質問をとどめておきます。
○委員長(前田佳都男君) 関税局長、いいですか、この資料。
○政府委員(赤羽桂君) ただいま御要望の資料は至急に調整いたしまして提出いたします。
○栗林卓司君 関税局長にお伺いいたします。 関税というものを考えてみますと、それぞれの国の産業を保護しながら、あわせて世界貿易の拡大を進めていくということだろうと思いますし、そういう観点から関税率一%の増減にも厳格に目をそそぎながらということが当然の態度だと思います。そういう点で考えて、昨年の国際通貨調整というものを見ますと、国別にそれぞれ開きがある数字になったわけですから、それまでの関税率の姿からして、当然上がることも含めた関税率の面での補正ということが必要になると思います。その辺で、今回の御提案の中でそういう配慮が入っているのか、入っていないのか。入っているとすればどれとどれなのか、まずお答えください。
○政府委員(赤羽桂君) 昨年末、平価調整が行なわれまして、輸入価格がそれに伴いまして低下をいたすと、こういうことに相なったのでございます。で、それに伴いまして関税率がどういうぐあいにこれにからむかと、そういった点をどういう議論をし、どういうぐあいに結論をつけるか、かようなお尋ねかと存じます。 一口に言いますと、輸入価格の低下に対処して関税率はほっときましても、いままでと比較いたしまして保護水準は低下すると、かような一応機械的な結論にはなると存じます。 それで、さらに具体的に申しますと、ほっといても保護水準が下がるから、国内産業を保護するという観点から言いますと、むしろ関税水準を引き上げろと、こういう議論がひとつ出てくるわけです。これが一つ。 それからもう一つ、従量と従価の関係でございますが、従価税は平価調整によりましてほっといても自然に下がる。それからさらに今回のような引き下げをはかると、さらによけいまた下がる。従量はそうはまいりませんので、従価と従量にアンバランスが生じないか。この二点が今回の関税率審議会において問題になりました点でございます。 で、それに対しまして、どういう結論がついたか、かような点になるわけでございますけれども、まあ平価調整というのは、これは申すまでもなく対外取引に基礎的なアンバランスが生じたというときに、これは是正される措置でございますが、その是正するときに、どういう要素をいろいろ勘案するかと申しますと、これは言うまでもなく産業の国際競争力でございますが、それから関税はじめいろいろな保護制度、こういったものを十分勘案をする、経済成長を勘案をする、産業構造を勘案する、こういうふうなことを勘考いたしまして、初めてとられる措置が平価調整で、その結論にはさような要素が全部盛り込まれていると、かような論点に立っているわけでございます。したがいまして、平価調整をやって、またそれに応じてこっちもやるということでは、これは、何と申しますか、きりがないわけでございまして、平価調整そのものの意味がないわけでございます。 ヨーロッパあたりにおきまして、平価調整は、われわれ日本よりも先にいろいろ何回もあるわけでございますが、そういった場合におきましても、平価調整をやったからといって、関税率を調整するというようなことは行なわれておりません。これが第一点でございます。 その次に、従量、従価の点でございますが、従量、従価の点につきましては、確かに一口話といたしましては、ほっといては従量のほうが、相対的に従量と従価と比較いたしまして、その間にアンバランスが生ずるということがうかがわれるわけでございますが、現在の日本の関税率で従量制をとっております品目は非常に数がわずかでございます。で、それにつきまして、実は関税率審議会におきまして、個別に一つ一つ当たりまして、これを一つ一つ申し上げるとまた時間もかかるわけでございますが、たとえば砂糖でございますとか、石油でございますとか、これは従量の代表的なものでございます。これはいろいろな保護関税と申しますよりも、どっちかと申しますと、いわゆる財政関税でございます。これを別といたしましても、ほかはいろいろもうすでに無税になったものも多いとか、あるいは輸入量が非常に少ない。これは一つ一つ従量品目を取り上げましてつぶしていったわけでございます。それでまあ最後に残りましたのが、先ほどお話が出ておった銅みたいなものがあるわけでございます。銅といったようなものにつきましては、平価調整によって国際価格がどういうぐあいに動くかというような点も十分実は勘案をいたしまして、ああいう調整的な関税の改正に相なったわけでございます。 平価調整と関税率の考え方につきまして、いま申し上げました主として二つの側面から問題になりまして、関税率審議会でいろいろ御論議になったその結論として、ただいま申し上げたようなことになっておるわけでございます。
○栗林卓司君 財政関税は別にして、関税率を論議するときに、国内産業に与える影響ということは従来から大きな問題点の一つにあげられてきたと思うのです。そこでかりに、一六・八八プラスニ・二五というものを切り上げられて、その分だけ貿易面で競争力が違ってくるということと、国内産業保護ということを考えますと、なるほど本来理屈からいって、そういったものを全部盛り込んで平価調整がされたということならば別ですけれども、御案内のように、そういう基盤に立ったわけでもない。そこでこれが小幅なら別として、足してみれば大ざっぱに約二割だということになると、そのまま裸で受けていいか。逆に言うと、関税率を引き上げることによってバランスをとるべきであるという議論も今回みたいな大幅な場合は当然あってしかるべきだと思うのですが、それが銅は別として特になかったということは、その二割の引き上げに対して、関税率で数%増減するということは、政策効果としてそんなにはきかないのだということなんでしょうか。
○政府委員(赤羽桂君) そういう問題意識は十分にあったわけでございますが、一応そういう理論的な結論にはなりますけれども、こういう審議のしかたでございまして、ぜひ平価調整で輸入が下がるから上げるべきだ、必ず下がるから上げるべきだと、かような議論にはならなかったと、かように申し上げておるわけでございます。それをやらなかったから、平価調整を信用しておらぬのか、こういうような御指摘でございますが、さような意味ではございませんで、何ぶんにも平価調整がきまりましたのは十二月の終わりでございまして、関税率審議会のほうもそろそろ終盤に近づいておるわけでございます。最終段階におきましていろいろ議論をしたのは事実でございますが、平価調整の影響それ自体が全くわからないという時点の議論でございますので、ただいま私申し上げましたような結論にならざるを得なかったわけでございますけれども、平価調整に応じて今後、世界にいろいろの商品があるが、輸入価格がどういう形で変わってまいるかというようなことを、今後は十分見定めながら、来年度の関税率の改正にはそういった要素を十分に盛り込んでまいりたいと思います。
○栗林卓司君 平価調整があったからそのままそれが価格に直接影響するかどうかわからない、実はそこのところを一つお伺いしたい気持ちがあったのです。銅の場合にはロンドンの国際市場がストレートに響いてくる。したがって、何らかの対応策を講じないと平価調整の影響をもろに国内産業に受ける。ところがほかにとっても、平価調整が行なわれて、それが即価格にどうはね返ってくるかはわからないし、それだけの因子で価格がきまるわけではない、そういうことが前提にあったから、したがって、もともとは一ドル三百六十円の関係でスタートした関税率の改定なんですけれども、一応切り離して前に進めてもいいだろうという、そういう御認識があったのではないか。 そこでお伺いしたいのは、あれだけの大幅な平価調整でさえそういったことがあるとすれば、今回の関税率をかりに下げたとしても、物価に対する影響というものはそれ自体から多くを期待できないというのがほんとうの姿ではないか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(赤羽桂君) 平価調整にあまり期待しないから、関税率のほうもあまり期待ができないじゃないか、かような御指摘でございますが、この平価調整がどういう影響をこれから、学問とは別といたしまして、実際に影響を及ぼしていくかという点につきまして、いろいろな御意見があるわけでございますが、たとえば二月の初めでございましたか、OECDがやりました会議でも、平価調整後のいろいろな貿易に対する影響等が、いろいろ国際的に議論をされたようでございます。そのときに言われましたことは、過去のポンド引き下げ、あるいはマルクの引き上げの際の影響をも勘案しながら、すぐは影響はとても出ない、一年や二年はどうしてもかかるというような議論がなされたようでございますし、それからただいまの話で、全体の貿易の方向の話でございますが、個々にどういうぐあいに影響があるということは、平価調整後三カ月になるわけですけれども、われわれ関税率の関係から、物の、商品の一つ一つを見てまいりますと、変動について、これは平価調整の影響であろうと、推測の域を出ないわけですけれども、さような商品も二、三あるわけでございます。したがいまして、平価調整の影響並びにその関税率の関連につきましては、非常に率直に申し上げますと、今回四十六年度の関税改正につきましては、いろいろな実際の資料が整わないということもございまして、議論はされましたのですが、事実こう変わったから関税率がこうなるべきだという議論とは別に、やや理論的な議論がなされたわけでございます。したがいまして、平価調整の影響並びにそれの関税率の関連につきましては、もうしばらく時間をかしていただきたい、かように申し上げておるわけでございまして、平価調整もだめであるから、いわんや関税率もだめだという御認識はいましばらく待っていただきたいと思います。
○栗林卓司君 一つ、これまでの御質問と少し関連があるのですけれども、タマネギについて、スライド関税という制度を今度おとりになりました。これは基準価格——基準価格という表現が正しいかどうかは別にして、五十一円をベースにして、下回った場合には、一〇%の税率を従来同様かける、しかし上回れば無税にする。これで、五十一円という数字ですけれども、これは、ここでドル建て、円建てと言うのは変な言い方ですけれども、円で考えているわけですから、平価調整の影響は、五十一円には及んでまいりません。そうなりますと、今度税金を下げたということで考えると、平価調整の影響、要するに下がるであろうと期待する影響は、ある部分は今度のスライド関税でむしろカットして保護をしてやる、そう働く部分もあるのではないのか。そういうことも含めた国内産品保護として、一〇%がスライド関税という姿になったのか、これもちょっと補足してお答えいただきたいと思います。
○政府委員(赤羽桂君) タマネギの現行一〇%を、今度高いときだけに無税にしまして、低価時の一〇%はそのまま据え置いているのではないか。かようなことで、それがいわゆる国内農家の保護じゃないかとおっしゃられれば、御指摘のとおりでございます。タマネギは、これはもう大体国内は一〇〇%自給をいたしているわけでございますが、たまたま、タマネギという農産品が、非常に豊凶が激しいということとか、あるいは時期的なズレがございまして、年間を通じてやりますと、一〇〇%の自給率があるけれども、冬季、そういったズレがあって、一時的に多量を入れなければならない、こういうことがあり得るという意味におきまして、今回、この高価時の関税を、五十六円十銭という数字でございますが、それを無税にいたした。ふだんは一〇%をそのまま据え置いているわけでございます。これが保護ではないかとおっしゃられれば、まことにそのとおりだと存じます。しかしながら、いままでと違いまして、真に需給関係からタマネギの緊急輸入を必要とするというような場合には、無税にいたしておるわけでございます。その点について一歩を進めておる、かようにわれわれは考えておるわけでございます。
○栗林卓司君 いまの季節要因に対する対策のことも含めて、ちょっと関連して伺いたいのですけれども、タマネギについては、輸出入取引法第三十条で、御案内のように、その価格並びに量については、通商産業大臣の承認を受けることという、これは台湾からのタマネギに限りますけれども、そういうものがございます。そういう政策的な価格、量について配慮が加えられているということと、今回一〇%を無税にしないでおいて、スライド関税にしたということは、発想としてはどうつながっておりますか。
○政府委員(赤羽桂君) 台湾のやつにつきまして、輸入組合を通じて輸入させる。そのような問題、それは、輸入の、いわゆる実際業者としてどこにやらせるかという輸入秩序化の問題かと存じますが、それとこれは、一応結びつけてわれわれは考えておりませんので、こっちは一応、いま申し上げるような、物価対策にも資するという意味において、関税率を調整しているわけでございます。あっちのほうは、それとはまた別に、物をどこから入れて、国内業者としてそれをどこで受けて、どういうぐあいに流通機構段階に乗せるかという、輸入並びに流通秩序の問題としてつかまえている、かように了解をしているわけでございまして、直接あまり関連づけては考えておりません。
○栗林卓司君 これは御意見として伺ってもけっこうなんですけれども、物価への影響ということを考えますと、関税率ということもありますけれども、同時に、量、市況そのものを変えていく、量の影響もずいぶんあると思うのです。その意味で、量と関税率、この二つが結果として物価の面できいてくるのであって、そこで実は輸出入組合——この場合は輸入組合ということになりますけれども、そこでは数量と価格ということになりますし、これまで自由化を進めてきたこととのかね合いで、ここには名前はあげませんけれども、たくさんの輸入組合がそれぞれの業種についてつくられてまいりました。一方では、今回の改正案もそうなんですが、関税割り当て制度という、事実上の量規制につながるようなものも、暫定的な姿として織り込んでまいります。 そこで伺いたいのは、物価対策ということで考える場合には、関税率数%というよりも——よりもというよりも、それは当然重要ですけれども、あわせて量をふやす、量に対する抑制を極力排除していくということが、結果として有効に働いてくるのではないかと思います。その意味で、たとえば国内産業の保護のことも含めて物価対策を進めるとして、かりに高関税を課して数量規制を一切とってしまったほうがいいのか、あるいは、関税はうんと引き下げて数量規制を併置したほうがいいのか。どちらのほうがきくのか。それとも、なかなかきめがたいのか。御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(赤羽桂君) ただいまの御質問でございますが、関税輸入割り当て等、その輸入割り当てをなくす、いわゆる輸入自由化をやる、輸入自由化をやるについて、関税割り当てと称して、一定割合以下のものはなるほど無税にしたり、低い関税にしているかもしれぬけれども、それ以上のものは非常に高い関税をやっておるが、それは一体どこが違うのだと、かようなお話かと存じます。 で、これは非常に理念的な問題としてたいへん違うわけでございまして、いわゆる輸入割り当てと申しますのは、非関税障壁の代表的なものとしてあげられておるわけでございますが、ガットでも、かようなものは全廃をするとはっきりいっておるわけでございます。全面禁止ということに相なっておるわけでございます。しかしながら、関税のほうは、これは漸滅をする、関税水準を下げるということはいっておりますが、関税をやめるということは、ガットの規約上も入っておりません。ガットの立場としましては、いわゆる輸入割り当てというものは直接的な貿易の制限になる、直接的、物理的に貿易の制限になるという意味において、特にこれを禁止をしたのであろうと思います。したがいまして、そういった全面禁止をされているところの輸入割り当てというものをまずやめて、いわゆる関税の土俵の場に持ち込むというところは、まず一歩前進でございます。 その次に、日本が、いままで自由化に際しましては必ずやって、しかも諸外国からいろいろと悪評をこうむっているとされているところの、自由化をしていきなりストレートに関税を上げる、あるいは今度の、関税割り当てということで、一次まではいいけれども二次以上は非常に高い、あるいはスライド関税というようないろいろな手段をとっているわけでございますけれども、そのようないろいろな手段は、自由化に伴いまして、いろいろ国内産業の保護の調整から、自由化の一時的のショックと申しますか、さようなものを解消をする、やわらげるという意味におきまして、とらざるを得ない手段でございまして、これは、国内産業のほうの体質の合理化でございますとか、競争力の充実に伴いまして、漸次これは下げてきておるわけでございます。そういった措置は、自由化に伴いまして、国内、国際を両方含めまして、自由化というものを円滑に進めていく上においては必要かつ不可欠な手段でございます。かように考えておるわけでございますけれども、そのために、逆に言えば自由化が進んできた、かようにわれわれは考えておるわけでございます。そのときに、ストレートな関税引き上げと、それからいまの関税割り当てというのと、どっちがどっちかということになりますと、はっきりと申し上げられるのは、ストレートな関税率の引き上げよりも、関税割り当て制度のほうが評判がよろしいと、かようにわれわれは考えておるわけでございます。で、なるほど関税割り当ての場合は一定ワク内だけしか関税を下げないと、こういうことでございますけれども、貿易それ自体、輸入それ自体は自由でございます。日本が国内需要から必要としているところのものは非常に安くする、あるいは無税にするということでありますが、それ以上のものにつきましては、いろいろ国内の需給を乱すということもありまして高くしているわけでございます。貿易自由の理念からいたしますと、これは自由ということで輸入の割り当てに比較をいたしますと、これははるかに二歩あるいは三歩前進だ、かように考えておるわけでございます。まあ日本が自由化をするに際しまして、いろいろな手段をとる、ところがそれに対しましていろいろな非難もございます。かような説明を行ないまして、しかもこれがずっとそのままでいくわけではございません、順次直していくわけでございますので、この輸入割り当てと、関税率割り当てというものはたいへん違ったものだと、かように御了解いただきたいと思います。
○栗林卓司君 農林省の畜産局お見えになっていますか。 肥育用の小牛について現行税率一頭四万五千円が今回一次、二次にわたりまして、二次四万五千円というのは、これは事実上の輸入禁止に近い水準だと思いますが、御意見を伺いたい。 二番目は、今回一次については数千頭ということでお考えのようですけれども、それを一次、二次の区分なしに全く自由にしてしまう方向でお考えになるのか、またなれるのか。時間の関係もありますので簡潔にお願いしたいと思います。
○説明員(斎藤吉郎君) ただいまの最初の御質問でございますが、四万五千円、子牛につきまして関税率を定めました際には、内外格差を見まして、大体一キロ当たり百五十円の格差があるんじゃないかということで、三百キロというところをひとつのめどに置きまして、三百キロ以下が小牛、三百キロ以上おおむね五百キロのところに視点を置きまして、それぞれ小牛がただいま先生おっしゃられましたように四万五千円、それから成牛が七万五千円、こういう関税率を設けまして自由化をしたわけでございます。したがいまして、私どもそのときの考え方といたしましては、やはり一応、内外の格差を見た上では、この程度のものが必要であろうということで関税率審議会にもおはかりをいたしまして、さらにこの衆参両院の大蔵委員会にもおはかりをいたしまして、お認めをいただいて出発をしたわけでございます。それが、そういうことでございますので、私どもといたしましては現在でもやはりこの程度の関税率はございませんと……。まあ話が長くなって恐縮でございますけれども、日本におきますところの畜産——肉牛生産というものが諸外国と比べますと立ちおくれております。御案内のとおりやはり、これは役畜生産ということで進んでまいりましたのが、機械化ということでこれが食肉生産に変わってまだ幾ばくもたっておりません。したがいまして、また平均的な生産の規模といたしましても、二・二頭程度でございます。もちろん平均でございますから大きいものもございますけれども、平均的にはそういうことでございます。したがいまして、これではいわゆる経営の態勢ということではちょっと問題にならないというふうに考えるわけでございます。しかしながら、そうは申しましても、やはりこれは非常に牛肉に対しまするところの需要が日本でもどんどん伸びておりますし、さらに世界的に見ましても伸びております。したがいまして、世界的に見ましても非常に堅調でございます。価格的にも堅調でございます。さらに米欧とかあるいはOECD等の調査予測でございますから問題はございますけれども、それからいきましても、遠からずやはり、世界的に非常に不足するのじゃないか、こういう話でございます。したがいまして、やはりその事態におきましては輸出余力があるというのは、せいぜいオーストラリア、ニュージーランド程度ではないかというふうにいわれております。アメリカ自体が現在、すでに最大の輸入国でございます。そういう状況でございますので、やはり国内でもって相当程度の自給という形をとらざるを得ないというぐあいに考えておるわけでございまして、したがってやはり、国内の生産体制を整えるというためにはやむを得ないことではないかというぐあいにまず考えておるわけでございます。実際、今回の小牛の五千頭程度のものはやはり、日米会談等の経緯から、税率ということでは無税にすると、こうことでいまおはかりをしておるわけでございますが、やはりこれは一応そういうことで、五千頭程度のものをひとつ私どもの考えといたしましては、実験的にこういう子牛を入れまして、集団的に飼育をするという形が、日本としてはまだ必ずしも地についたものではございません。いわば実験段階でございます。そういう意味合いにおいてこれをやってみようということでございますので、この経緯を見まして、いろいろ考える必要があろうかと思います。ただいま、ともかく、これをステップの一歩といたしましても、直ちに全部はずしてしまうというような判断などは、いささか現在までのところ尚早でつきかねるというのが実情だろうと思います。
○栗林卓司君 時間がなくなりましたので、最後に関税局長に一つだけお伺いして終わりたいと思いますけれども、また、ほかの方々にいろいろお伺いしたかったのですが、時間の関係上申し上げません。 最後にお伺いしたいのは、ちょっと質問が長くなって恐縮でございますけれども、日本の輸入政策というものを考えますと、一つは物価の安定であり、もう一つは主として開発途上諸国になりますが、片貿易の是正ということなんだと思うのです。片貿易——総体として輸入量をどうやってふやしていくか、そういう輸入政策ということで考えますと、これまでの日本の輸出入の大体のパターンというのは原料輸入型である、あとは製品輸出、資本財輸出型であったということ、こういう形の中で、とにかく輸入をふやせということになりますと、従来の型を踏襲すれば、食料を含めた原料輸入をふやせ、こういうことになります。ところが、原料輸入の増大というのが、何も農業保護、畜産業保護という観点からだけいうのではなくても、やはり、おのずからの限界というものがありそうな気がすると思うのです。 そこで、これからの輸入の増大のためには、製品輸入をふやしていかなければならないし、その方向で優遇措置を講じていかなければいけないから、これは通産省のほうでも白書で知識産業に重点をということをいっております。ほかのいろいろな主張から見ても、大筋はこの方向を向いているのだと思います。 そこでお伺いしたいのは、通商白書に出ていたので御存じだと思いますが、ガットの事務局で作成したケネディラウンド最終税率の各国の平均関税率水準を比較をした数字が載っております。どういうことかと申しますと、日本の水準が高いもの、同じくらいのもの、あるいは低いものということで分類して出ております。実はこれを見ながら感じたわけですけれども、日本が外国に比べて水準が高いといわれておりますものは、主たる業種だけあげてまいりますと、事務用品、楽器及び蓄音機、家具、写真及び映画用材料、はきもの・バック・旅行用具、輸送機械、電気機器、一般機械、化学品というものが並んでおります。それに対して同じだとしているものが、金属原料及び同製品、パルプ・紙・板紙及び同製品、木材・コルク及び同製品、ゴム及び同製品、原皮・革皮及び毛皮。日本が水準が低いといわれておりますものは玩具とか精密機器、鉱物性生産品、繊維原料及び繊維製品。かりにこの数字がほんとうだとしますと、これから日本が製品輸入をふやしていかなければならない部分については、関税率が比較的国際的に割り高。従来、日本の輸入構造からいって多かったもの、そうしたものは、比較的関税率が低い。輸入促進に沿った政策が、関税政策をも含めて生まれてきたように感ずるのです。その意味で今回、いろいろと関税率の改正を御提案でございますが、そういう中で、完成品輸入促進という点で関税率を見ていく必要があるのではないか。また、今回の改正に直接結びつくかどうかわかりませんけれども、その分野について関税率を思い切って下げて、日本の国際的な発言をもあわせて高めていくべきではないだろうか、こういう感じがするものですから、最後に御意見をお伺いして終わりたいと思います。
○政府委員(赤羽桂君) 日本の関税体系というものは、ただいま御指摘のとおり、いわゆる加工貿易即応型と申しますか、加工貿易によって立国をする、かような理念に立ってつくられておるわけでございます。これはもうすでに明治の初めからさような考え方を確立をいたしておるわけであります。現在の関税率は、昭和三十六年に大改正をやりまして、その当時の考え方が基礎になっているわけでございますが、そのときもはっきりとこの考え方を打ち出されております。そのときには、そのほかいろいろと、たとえば奢侈品は高くするとか、まあそういうようないわゆる関税設定原則なるものがいろいろ出てきておるわけでございまして、現在の関税体系というものは依然としてそれに対する修正を、ここ十年ぐらいいろいろの形で行なってきておるわけでございますが、そういったようないわゆる設定原則が直ったということではございません。 そこでかようないろいろな三十六年当時の関税率の考え方、関税体系のあり方、あるいは設定原則に対しましては、最近の国内産業構造の変化あるいは貿易構造の変化、そういったものに即応して、また一方国際経済情勢の変化に即応いたしまして、これをいろいろな面から検討し修正し、あるいはまた原則それ自体をも要すれば直していくというような必要があろうかと存じます。 御指摘のとおり、原料品が非常に安い、半製品がその次ぐらいで、製品になると非常に高くなるというようなのは、現在の関税率の中では随所にあるわけでございます。しかしながら、ただいま申し上げましたように、いろいろな面から、たとえば、消費構造と申しますか、消費の多様化、多角化に適応いたしましていろんな——そんなものは日本にないといいましても、これは製品として外国から輸入をする、あるいはまた、たとえある程度国内産業とダブるものでございましても、そういうものを輸入することによって、新しい需要と申しますか、そういったものが生まれてくるという面もございますし、それから、そういったものを入れても国内のほうもしっかりしておってだいじょうぶだ、こういうようなものもございますし、そういった点につきまして、いわゆる関税体系の中期と申しますか、長期まではなかなかまいらぬかもしれませんが、中期の見通しに立ちまして、この体系を見直すという作業を実は昨年の六月から手をつけておるわけでございます。昨年は、関税率審議会企画部会でございますけれども、それを中心にしてやっておりますが、いまのところはいままでのいろいろな勉強でございまして、まだはっきりと方向を出すに至っておりませんけれども、概念的に申し上げますと、いま申し上げましたような、いろいろな設定原則については修正もしくは改変が必要ではないか、かように考えております。
○委員長(前田佳都男君) 本案に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。 —————————————
○委員長(前田佳都男君) 次に、航空機燃料税法案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。船田政務次官。
○政府委員(船田譲君) ただいま議題となりました航空機燃料税法案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、空港整備等の緊急性にかんがみ、航空機燃料用揮発油に対する免税措置の期限到来を機に、広く航空機燃料に航空機燃料税を課することとして、ここにこの法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。 まず、との税は、航空機に燃料として積み込まれる航空機燃料を課税物件とし、航空機の所有者を納税義務者としておりますが、所有者以外の者が航空法に規定する使用者であることが契約により明らかである場合には使用者を、これらの所有者または使用者が国内に住所及び居所を有しない場合には航空機の機長を、それぞれ納税義務者とすることとしております。 第二に、税率は、航空機燃料一キロリットルにつき一万三千円としておりますが、負担の激変緩和の観点から所要の暫定軽減措置を講ずることとしております。 第三に、本邦と外国との間を往来する航空機に積み込まれる航空機燃料については一定の要件のもとに非課税とし、また、航空機の整備のため消費される航空機燃料についてはこの整備を行なう者に対して課税するほか、申告、納付等について所要の規定を設けることとしております。 なお、航空機燃料税の収入額の十三分の十一に相当する額は、国の空港整備等の財源に充当し、十三分の二に相当する額は、空港整備、航空機騒音対策等の経費に充てるため、航空機燃料譲与税法によって空港関連市町村に譲与することとしております。 以上、航空機燃料税法案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(前田佳都男君) 次に、補足説明を聴取いたします。中橋審議官。
○政府委員(中橋敬次郎君) 航空機燃料税法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。 近年における航空輸送量の急激な増加と航空機の高速化、大型化の進展に伴い、空港の整備、保安施設及び管制施設の拡充による航空輸送の安全確保、騒音対策等を緊急に推進しなければならないのが現状であります。他方、昭和二十七年に航空輸送事業の助成の見地から設けられた航空機の燃料用揮発油に対する揮発油税及び地方道路税の免税措置の期限が、本年三月末日に到来することとなっておりますので、この機会に、航空機燃料税を新設し、これによる収入を空港整備等の所要財源に充てることとするものであります。 以下、法案の内容を申し上げます。 まず、納税義務者につきましては、航空機の所有者、使用者または機長を納税義務者とすることとしておりますほか、航空機または航空機用発動機の整備または試運転が行なわれる場合には、この整備または試運転を行なう者を納税義務者とすることとしております。なお、国及び地方公共団体につきましては、この税を納める義務がないこととしております。 次に、税率につきましては、暫定措置として、初年度である昭和四十七年度には一キロリットルにつき五千二百円、二年目の昭和四十八年度には一キロリットルにつき一万四百円の税率に軽減することとしておりますが、一定の小型航空機のみにより不定期航空運送事業または航空機使用事業を経営する小規模事業者につきましては、特に初年度である昭和四十七年度には非課税とし、昭和四十八年度及び四十九年度に一般の場合の暫定軽減措置を適用することといたしております。 また、申告及び納付の方法につきましては、航空機燃料が航空機に積み込まれた月の翌月末日までに納税地の所轄税務署長に申告し、納付することとしております。 以上、航空機燃料税法案の提案理由を補足して説明いたした次第であります。
○委員長(前田佳都男君) 本案に対する質疑は、これを後日に譲ります。 次回の委員会は、三月二十三日午前十時から開会いたすこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十分散会 —————・—————