大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/02/28
会議録
○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 この際、沖繩議員派遣について御報告いたします。 去る二月十八日の理事会におきまして、沖繩現地の実情を調査し、付託される予定の沖繩振興開発金融公庫法案の審査に資するため、沖繩へ派遣を行なうことを決定し、同日議院運営委員長にその旨を申し入れ、一昨二十五日の議院運営委員会理事会で議員派遣とすることが許可されました。その派遣議員は、内閣委員と大蔵委員で編成し、その数は十二名ときまりました。 両委員会の割り当て人数、日程につきまして内閣委員長と協議いたしましたところ、両委員会とも六名ずつ、日程は三月六日から三月八日までの三日間とすることになりました。 当委員会の派遣議員は、理事会において、自由民主党二名、社会党一名、公明党一名、共産党一名、第二院クラブ一名の計六名ときまりましたことを御報告いたします。 —————————————
○委員長(前田佳都男君) 次に、準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案及び昭和四十六年度の米生産調整奨励補助金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。 まず、政府及び衆議院大蔵委員長代理理事山下元利君から趣旨説明を聴取いたします。船田大蔵政務次官。
○政府委員(船田譲君) 準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の御説明を申し上げます。 ただいま議題となりました準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 金融制度調査会は、昨年十二月に、準備預金制度の活用に関する答申を行ないました。この答申におきましては、国際化の進展、国内構造の変化等に伴う今後の新たな金融環境に対処して、有効、適切な金融政策を実施していくためには、その手段の整備をはかることが緊要であるとの観点から、今後、準備預金制度の機能を強化し、その活用をはかることが適当であると述べられております。 今回の制度改正は、この答申に基づくものでありますが、まず改正の目的について申し上げます。 今後の経済政策におきましては、政策目標の多様化に伴い、財政、金融、為替等の諸政策を総合いたしましたポリシーミックスの確立がますます必要となりますが、金融政策も、その一環といたしまして、その手段の多様化と整備をはかることが必要であります。 この観点から、金融政策の手段を検討いたしますと、公定歩合操作等の金利政策は、市場メカニズムに基づく金利機能を活用するという見地から考え、今後とも一そう強化をはかるべきであります。 しかしながら、内外資金の流出入が増大する国際化のもとにおきましては、金利操作にあたって国際金利水準をも勘案しなければならないという制約が出てまいりますので、今後におきましては、直接の金利操作手段でない準備預金制度の機能を充実することが必要であります。 また、同じく、今後は、内外資金の流出入が活発になるであろうことを考えますと、この際、海外からの短資の流入によって国内の金融市場が撹乱されることを防ぐ手段を講じておくことが必要であります。 他方、国内における景気調整政策としての金融政策の有効性確保という観点からも、過去におきまして、引き締め期に引き締め政策の対象外の金融機関の貸し出しが急増するという現象が見られたことに加えまして、最近では日銀の一般貸し出しがほとんどなくなるという事態になっておりますこと、また、今後はわが国における外国銀行の活動が次第に増大するであろうことが予想されますこと等を考えますと、今後は、市中全体の流動性を調整して、金融政策の有効性を確保するため、準備預金制度を整備する必要があります。 以上の理由から、この際、長期的観点に立って準備預金制度を整備し、その機能の充実をはかることが必要であると考え、ここに、この法律案を提出することとした次第であります。 次に、この法律案の内容につきまして、その大要を御説明申し上げます。 第一に、法律上、準備預金制度の適用対象となる金融機関に、生命保険会社を加え、また、適用対象となる勘定として、現行の預金のほか、金融債、貸付信託の信託元本等を加えることにより、金融政策の有効性を確保しようとすることであります。 第二に、準備率の最高限度を現行の百分の十から百分の二十に引き上げ、この制度の弾力的な活用をはかることであります。 第三に、準備預金を計算する方法として、現行の残高を基準とする方式に加えて、増加額を基準とする方式をも可能であるようにすることであります。 最後に、海外短資の流入のルートとなると考えられる非居住者自由円勘定等に対し、他の一般の勘定と区別して、最高一〇〇%までの準備率を適用し得るようにすることであります。これにより、短資流入を効果的に規制するとともに、流入した短資の国内金融市場に与える影響が遮断されることとなります。 以上、準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し述べました。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(前田佳都男君) 衆議院大蔵委員長代理理事山下元利君。
○衆議院議員(山下元利君) ただいま議題となりました昭和四十六年度の米生産調整奨励補助金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。 この法律案は、去る二月三日衆議院大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出いたしたものであります。 御承知のとおり、政府は、昭和四十六年度におきまして米の生産調整奨励のために、稲作の転換または休耕を行なう者に対して、補助金または特別交付金を交付することといたしておりますが、本案は、これらの補助金等にかかる所得税及び法人税について、その負担の軽減をはかるため、おおむね次のような特例措置を講じようとするものであります。 すなわち、同補助金等のうち、個人が交付を受けるものについては、これを一時所得として取り扱うとともに、農業生産法人が交付を受けるものについては、交付を受けた後二年以内に固定資産の取得または改良に充てた場合には、圧縮記帳の特例を認めることといたしております。 したがいまして、個人の場合は、その所得の計算にあたり、四十万円までの特別控除が認められ、これをこえる部分の金額につきましても、その半額が課税対象から除かれることになります。また、法人の場合には、取得した固定資産の帳簿価額から、その取得に充てた補助金等の額を減額することにより、その減額分が損金と認められ、補助金等を受けたことに伴い直ちに課税関係が発生しないことになるのであります。 なお、本案による国税の減収額は、昭和四十六年度において約五億円と見積もられるのでありまして、衆議院大蔵委員会におきましては、本案の提案を決定するに際しまして、政府の意見を求めましたところ、水田大蔵大臣より米の生産調整対策の必要性に顧み、あえて反対しない旨の意見が開陳されました。 以上が、この法律案の提案の趣旨とその概要であります。何とぞすみやかに御賛成あらんことを御願い申し上げます。
○委員長(前田佳都男君) 次に、準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案の補足説明を聴取いたします。近藤銀行局長。
○政府委員(近藤道生君) ただいま議題となりました準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。 準備預金制度に関する法律は、昭和三十二年に制定されたものでありまして、同法に規定する準備預金制度は、対象金融機関の預金の一定割合を日本銀行の預け金とし、その割合を上下させることによりまして、市中の通貨量の調節をはかることを目的とする金融政策手段であります。 準備預金制度は、公定歩合操作、公開市場操作と並んで三大金融政策手段と呼ばれ、わが国においては、昭和三十四年に初めて準備率が設定されまして以来、数次にわたって準備率の変更が行なわれてきておりますが、従来わが国の金融市場が過小流動性の状態にありましたため、金融政策の手段として、十分に活用されていたとは言いがたい状況で推移してまいりました。 今回の改正は、今後の新たな金融環境に対処して、有効、適切な金融政策を実施してまいりますためには、準備預金制度の機能を強化し、その活用をはかることが必要であるとの観点から行なおうとするものでございます。 最近、欧米諸国におきましては、準備預金制度が景気調整政策の手段といたしましても、また短資対策の手段といたしましても強化、活用されておりまして、このような傾向は世界的な趨勢となっております。 改正法案の内容のうち、第一の法律上、準備預金制度の適用対象となる金融機関に生命保険会社を加え、適用対象となる勘定として、現行の預金のほかに、金融債、貸付信託の信託元本等を加えることとしておりますのは、過去の引き締め期におきまして引き締め政策の対象外の金融機関の貸し出しが急増したという現象が見られたことにかんがみまして、現段階において景気調整上無視し得ないウエートを持つに至りましたこれらのものを準備預金制度の対象に加えることによりまして、今後の金融政策の有効性を高めていこうというものでございます。 第二の準備率の最高限度を現行の百分の十から百分の二十に引き上げることとしておりますのは、今後この制度を積極的に活用していくにあたりまして、欧米諸国の準備率の最高限度が二〇%から三〇%程度でありますことや、かりに昨年のわが国の外為会計の払い超約四兆四千億円を準備預金で吸収するといたしました場合に必要となります準備率の試算の結果等を勘案いたしまして、この程度の引き上げが必要であると考えたものであります。 第三の準備預金を計算する方法として、現行の残高を基準とする方式に加えまして、増加額を基準とする方式をも可能であるように改めることとしておりますのは、たとえば、海外短資の流入が急増してきたような場合には一定時点以降の流入を重点的に規制する必要が考えられますが、このような場合には増加額を基準とする方式を適用するほうが適当であると考えられるからでございます。 最後の非居住者自由円勘定等に対する特別措置は、海外短資流入のルートとなると考えられる勘定に対し、最高一〇〇%までの準備率を適用することによって、流入する短資を無利息の預け金として、日本銀行に凍結し得るようにすることであります。 このように措置することによりまして、主として内外の金利差を誘因とする短資の流入を効果的に規制するとともに、流入した短資の国内金融市場に与える影響を遮断することができると考えるものであります。 以上をもちまして、補足説明といたします。
○委員長(前田佳都男君) ただいま議題となっております両案のうち、準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案の審査は、これを後日に譲ることとし、昭和四十六年度の米生産調整奨励補助金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案について、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○戸田菊雄君 内容については全く同感でありますから別に問題はないのでありますが、この機会に三点ほど一応確認をしておきたいと思います。 その第一点は、所得税の特例第一条で、一つは、この米生産調整補助金、それからもう一つは、米生産調整協力特別交付金、この二種類が実はあるわけでありますが、その第一点の米生産調整補助金、これは大体総額にしてどのくらい、一戸当たりどのくらい一体減税なさるのか。その辺の内容をひとつお聞かせ願いたいと思います。 それから同様に、生産調整協力特別交付金についても総額どのくらいで、二戸あたりどのくらい、単価は一体どのくらいに見積もっておられるのか。この辺の内容をまずお伺いしたい。
○説明員(松元威雄君) 米生産調整奨励補助金の総額でございますが、四十六年度の補正によりますと千七百二十四億でございます。したがいましてこれを一戸当たりにいたしますと、四十六年度の生産調整実施農家の数は三百万戸でございます。したがいまして二戸当たりにいたしますと奨励金の金額は約五万七千円という結果になるわけでございます。 それからもう一つ、米生産調整協力特別交付金でございますが、これは総額百億でございます。したがいまして、これは生産調整実施農家全部ではございませんで、いわば完遂農家を対象といたしておるものでございますから、三百万戸より若干減るわけでございますが、平均してみますと約三千三百円でございます。両者足しますと、約一戸当たり六万円程度というのが奨励補助金及び協力特別交付金の農家に支払われます平均額でございます。
○説明員(中橋敬次郎君) ただいまの補助金なり交付金につきましての減税見込み額は、先ほど提案理由の御説明にありましたように昭和四十六年度におきましては約五億円と見込んでおります。
○戸田菊雄君 農林省の方が来ておられると思うので参考までにお伺いしたいのですけれども、おそらく四十五年の統計が出ていると思うのですが、農外収入と農業収入の割合はどのくらいで、その平均はどのくらいにいっているか参考までにお伺いしたい。
○説明員(松元威雄君) 農業所得と農外所得の比率でございますが、これは四十五年度の農家所得で見ますと、詳細な数字はちょっと手元に持っておりませんが、荒く申し上げまして農業所得は約四割強、それから農外所得は五割強というものでございます。
○戸田菊雄君 大体現況の農業所得を考えますと、いまおっしゃられたように、農外所得がむしろ農業所得よりも上回っている状況ですね。地域的にもだいぶアンバランスが相当ありますけれども、ことに東北単作地帯に参りますと、これはある農協の統計ですけれども、一家平均の家族数が七名ですね。粗収入が七十万円、純利益五十万円、それが農外、農業所得と分けますと、農外が五五%、それじゃ農外の主たる収入は何かというと、大体出稼ぎですよ。いわゆる土木工事その他ですね。そういうところに行って、一日弁当持ちでもって一千六百円くらいです。これで二十五日計算でいったって三万円ちょっとです。こういう収入で農家経営の家計の全体をまかなっているという状況なんですよ。だからいかに低いかということですね。そういう中で、各種所得あるいは固定資産税の問題、いままで課税されてきたというような状態ですね。だからこの法案には、私は全く賛成だけれども、行政機関として、これはことに、農林省もそうですが、あるいは主税関係についてももっとやはりそういう部面での、家計育成の部面で減税対策というものは考えていくべきじゃないか。この趣旨、いま山下さんの提案内容を見ますると、大蔵大臣も本趣旨には反対ではないと言っている。きわめてわれわれの意図はくんでくれないような表現で、やむを得ず了承しているという言い方ですね。だから、こういうことではいけないと思うんで、制度上今後やはりこういった特別交付金なり補助金というものは、農林省の方向としては、今後も継続をしていくという状況、ことに減反調整その他をやっていくというのですから、これは継続をされると思うんですね。だとすれば、当然暫定立法措置として、私は、こういう精神をくんで、せっかく山下さんとかいろいろ苦労されたんです。全会一致でもってきたこういう立法、議員の立法関係というものをくみ取っていただくような制度上の判断があってもいいんじゃないか、こういうふうに考えるんですが、その辺の今後の取り扱いについて一体どう考えるか。その一点をひとつお聞かせください。
○説明員(松元威雄君) 御指摘のように米の生産調整は四十六年を初年度といたしまして、五カ年間ということで計画的に進めることにいたしております。本日の法律は、四十六年度のものでございますが、さらに四十七年度以降五十年度まで生産調整を続けるような予定にいたしております。したがいまして、もちろん先のことですから、金額までは確定いたしておりませんが、おおむね基本的には現在の線で生産調整の奨励をやってまいりたいという考えでおるわけでございますから、税につきましても、同様の扱いを期待いたしておるわけでございます。
○戸田菊雄君 ひとつ積極的に制度上考えてみてください。その点は要望しておきます。 もう一つは、大体申告期間は三月十五日ですね。残されたところ二週間前後ですが、事務当局で、その期間内に間に合うのかどうか。この辺の事務操作はどうですか。これは両省、ひとつ大蔵省と農林省から具体的にお聞かせください。
○説明員(中橋敬次郎君) ただいま御注意のございました確定申告にどの程度事務上の努力をしておるかということでございますが、国税庁から本来お答えすべきでございますけれども、私が聞いておる限りで申し上げますと、実は本法案が衆議院で御審議になりまして、今日に至りまして、その帰趨について国税庁ともどもいかが相なるかということを心配をいたしておりました。昨年こういう法案が成立いたしましたから、それに応じましての体制はかなり早くから準備ができたわけでございますけれども、今回は今日に至っておりまするので、私どももできるだけ、成立いたしましたならば、早い機会に、迅速に末端税務署までこれを連絡いたしまして、申告について支障のないように格段の努力をいたしたいと思っております。
○戸田菊雄君 以上の三点を御検討願って、全く賛成でございますから、私の質問はこれで終わります。
○竹田四郎君 この際、米の生産調整について若干お聞きをしておきたいと思うんですが、まず四十六年度産米の生産調整はどういうふうになっているのか、あるいは休耕、あるいは転作面積の状況は予定に比べてどうなっているのか、お示しをいただきたい。
○説明員(松元威雄君) 四十六年度の生産調整の実績でございますが、まず生産調整の数量につきましては、目標数量は二百三十万トンということで実施を進めたわけでございます。それに対しまして、実績の数量は約二百二十六万トンということで、目標に対しまして九八%ということに相なっております。これは地域別に見まするとかなりアンバランスがございますが、国全体で見ますると二百三十万トンに対しまして二百二十六万トンということで九八%でございますから、全体といたしますとまずまずというふうに評価いたしております。 第二は、そのうち、これは転作と休耕とあるわけでございますが、基本的には今後の生産調整は、極力転作に持っていきたいということで、転作を進めておるわけでございますが、何ぶん、約二百三十万トンに相当いたします面積は五十万ヘクタールをこえる面積でございますから、最初から全部転作とはいきかねるということで、漸次計画的に転作を広げてまいりまして、最終的には、大体転作にいくようにということで進めておるわけでございますが、四十六年度、その初年度につきましては、当初の計画では、二百三十万トンに見合いまする面積といたしまして、約五十一万ヘクタールというのが、いわば米の減産になるわけでございます。その五十一万ヘクタールにつきまして、そのうち、転作、休耕の比率といたしまして、転作が約三七%程度、それから残り六三%程度が休耕であろうというように想定をいたしまして、いわば全体の三分の一強程度は転作である、三分の二程度は休耕であるということで、初年度は進めていこうというふうに考えて施策を進めたわけでございますが、これに対しまして、実績は予想以上に転作が進みまして、全体の面積が、数量は二百二十六万トンに対しまして、反収等の関係もございまして、生産調整にかかります面積が約五十四万ヘクタールになったわけでございますが、そのうち四五%が転作である、当初の計画は三七%に見込んでおりましたが、実績では四五%が転作をいたしまして、残り五五%が休耕という実績になっております。
○竹田四郎君 転作の方向に、かなり方向づけられたということですが、具体化には、転作の内容は、どういうようなものを、どのような形で転作に移っているのか、農林省としてどういう面を重点にして転作を奨励をして、その作付のものは一体どういうものなのかお聞きしたい。
○説明員(松元威雄君) ただいま御説明申し上げたように、全体の四五%が転作になったわけでございますが、これを面積にいたしますと、約二十四万五千ヘクタール、こうなるわけでございます。 で、御案内のように、転作を進める場合には、米に比べまして転作の作目は一般に申しますと収益性が低いわけでございます。そこで、これをいかにして転作を進めるかということがむずかしい問題でございまして、そこで転作を進めるにつきましても、先ほど申し上げましたように、今後五カ年間にわたって進めていくのだということ、さらに生産調整の奨励金につきましては、休耕と転作を区分いたしまして、休耕より転作を手厚くし、さらに転作の中でも、集団的な転作をより手厚くするということで、奨励金にランクをつけまして、いろいろ転作を進めることにいたしております。 さらに、転作促進のために、いま申しました奨励金の単価のほかに、単作関係のいろいろ特別のワクを設けまして、転作の奨励を進めてまいったわけでございますが、転作の二十四万五千ヘクタールの内訳を見てまいりますると、一番多いのは、作目で申し上げますと、野菜が一番多うございます。野菜が約六万八千ヘクタールという実績になっております。次いで多いのが飼料作物でございまして、これが約六万五千ヘクタールというふうになっております。その次は豆でございまして、四万一千ヘクタール、そのほか果樹、桑といった永年作物、これが一万八千ヘクタール、その他あるわけでございますが、大口を申し上げますと、いま申しましたように、野菜が一番多く、次いで飼料作物、それから豆類、果樹等の永年作物、こういうふうになっておるわけでございます。その中で一番私どもが心配いたしておりますのは——いま申しました果樹とか桑等でごさいますれば、永年作物でございますから、これはまずうまくいくということは間違いない、一般的に果樹等は、もちろん所得がありますが、時間がかかるわけでございますが、所得から申しまして、比較的に収益性の高いほうだということで、まずまず定着するであろうというふうに考えたわけでございます。 野菜につきましては、これは面積が非常に多うございますが、ただ野菜の場合でございますると、これは、ものによって違いまするが、収益性は一般的にかなり高うございますが、かなり価格の変動もございます。したがいまして、これがうまく定着するかどうか、これは年々野菜に変わったり、米に戻ったりということを繰り返しては困りますから、野菜をいかにして定着させるかということでございます。その場合、野菜の生産性を上げますために、生産対策事業も進めなければいけませんが、同時に一番問題は、価格安定でございますから、価格安定の対策を一そう充実させなければならぬということで、四十六年度では、価格安定の対策の予算をふやすということをいたしておるわけでございます。そういたしまして、野菜のいわゆる転作が、そのまま定着してまいりますようにというふうに考えているわけでございます。 それから飼料作物につきましては、これは当面の収益は必ずしも高くはございません。したがいまして、これを酪農等の経営に結びつけまして、いかにして飼料作物というものを伸ばしてまいるか、特に現在の場合でございますと、飼料作物の転換は、酪農農家そのものの、みずからのものの転換が多うございますが、そうでございますと限度がございますから、さらに酪農農家に限らずに、一般の耕種農農家が飼料をつくって、それをそれぞれ流通させるということを進めて転作の定着をはかってまいるということを考えているわけでございます。 さらに豆につきましては、これは特に大豆等のごとくなかなか収益性の面で恵まれないものがございます。そういうものを伸ばすためには集団的にやってまいらなければならないということで、そういうことをやってまいるということでございまして、そういたしまして四十六年度の実績を見ますと、かなり伸びておりますが、内容的にはかなり楽観できない面がございますから、それをさらに定着を進めるために生産対策、価格対策、流通対策ということを進めてまいりまして、特に集団的にまとめていくことを進めていこうということで、集団転作を推進しているという次第でございます。
○竹田四郎君 転作という方向が一つの方向であろうとは思うのですが、しかし転作を進めても、いまの御答弁の中にも若干あったのですけれども、野菜は今年はもう暴落をしているということで、おそらく転作をしたけれども、まああまり収益が得られない。それから飼料作物をつくっても最近の乳価はあまりさえていない。牛乳の消費量も伸び悩みだと、こういうような状況で、その転作を進めても一体補助金ということ、あるいは特別交付金というようなことだけで済まされる問題でも私はないと思うのですがね。まあこれはひとつ転作との関連だけではないけれども、野菜にしても、酪農製品にしても、どうにも安定価格というものが得られていないわけなのですが、こういうものをぴしっとして転作を進めるというならこれは理屈が合うと思うのですが、転作はさせたけれども、どうもそれによって収益が伸びないということであれば、まあ五年間でこれを進めるというのですが、五年過ぎたらまたどうなることやらまた非常に心配だ、将来への展望というのが開けてこないように思うのですけれども、まあこれからも野菜にしても、酪農関係にしても、私は決していまのままでは農家所得がそれによっていくらかでも安定していくというようなことではなかろうと思うのですが、その辺はしようがないというふうにお考えなのですかどうなのですか、これは転作問題だけではなしに、もっと大きい農家、農業の再編といいますか、再転換とか、そういうような問題にも関連すると思うのですが、こういう形ではどうも農民の信頼を得られる転作方向ではない、こういうふうに思いますしね。おそらくあまり積極的に進められていける問題でもないように思うのですけれども、この辺は一体どういうふうに考えているのですか。
○説明員(松元威雄君) ただいま御指摘のように、確かに転作作物は、一般的に申しますと、米に比べまして収益性の点で、安定性とかあるいは価格という点で、なかなかむずかしい点があることは御指摘のとおりでございます。そこでこれをいかにして克服するかということが課題でございまして、その場合、当面収益性の高いものは価格が不安定であるということで価格安定対策を講ずる。さらに収益性が低いものはさらに生産性の向上を基本としていかなければならない。その場合に、一番中心は、やはり集団的に進めていくということでなければならないであろう。御指摘のとおり価格の面でございますとか、あるいは生産性の面でございますとか、非常にむずかしい問題がございますけれども、基本的にはそういうものを、これは単に転作というものだけではございませんで、御指摘のとおり日本の農業全体の問題でございまして、その中で、むずかしい条件は重々承知いたしておりますが、いかにしてこれを克服するか、そのためには、期間も五年間といういわば過渡期間を置きまして、その間に転作を定着するように、生産対策、流通対策、価格対策全体を通じまして努力をしてまいろうというふうに考えておる次第でございます。
○竹田四郎君 それはことばだけ聞いておきますけれども、生産調整も四十六年が最初なわけではないわけですね。かなり経験としてはあるわけなんですよね。いつまでたってもこういう形で行きますと、今後はたして生産調整がうまくいって、それが同時に農家の所得の向上につながるかどうかということになりますと、どうもそうでなしに、農民を農地から引き離して、そうして労働力として供出さしていくという方向にしか私は考えられないのです。もういいかげんにしてくれというのが私は農民の気持ちだろうと思うのです。ただ単にいつまでも、五年間補助金をやったり特別交付金をやるからというような暫定的なやり方で、日本の農業を変えていこうと思っても、おそらく変えられないと思うのですが、これはまた別の機会に議論しようと思うのです。 そこで、本年度の政府の買い入れ数量というのは、当初五百八十万トンということでありましたけれども、具体的にこれ政府の買い上げ量は幾らくらいになる見通しですか。
○説明員(森整治君) 四十六年の見込みといたしまして四百九十五万トンを予定いたしております。
○竹田四郎君 そうしますと、当初の予定に比べましてかなり、百万トン近く不足するということになりますけれども、これは差しつかえないわけですな。
○説明員(森整治君) 当初、全体から申しますと千百六十五万トン、それが四十六年産米の収穫が千八十九万トンでございます。約七十六万トン計画量を下回っておるということで、結局七十六万トン予定より作が少なかったと、こういう結果になっております。
○竹田四郎君 最近私ども耳にしますのは、政府のほうが米作農家に対して、農家の自家消費米、これを古々米と交換するということでやっているそうですが、これは一体どういうことなのですか。
○説明員(森整治君) まあ先ほどのような事情もございますし、元来食管の、食糧管理法でも七条の二項で交換の規定がございます。結局政府が手持ちをしました在庫を新鮮化するということは、食糧の管理の一つの大きな円滑に運営をしていくという上から必要なことでございますので、それとまあすでに一般の消費者に対しまして四十四年産米の、いわゆる古々米を徳用上米として売り渡しを希望に応じてやっております。農家にもそういう機会を与える、まあそれが生産調整の協力者の希望があればということで年度内、四十六年度内に行ないたいと、こういうふうに考えております。
○竹田四郎君 それはどのくらいの数量を交換をする予定でございますか。
○説明員(森整治君) まあ初めて、実はこういう措置はいままで在庫があまりなかったし、またその必要もあまり感じなかったわけでございます。今回初めてやることでもございますし、農家が希望すればということでございまして、的確に数字的には把握しがたいのでございますけれども、まああまり現在のところたいした数字にはなるまいというふうに思っております。
○竹田四郎君 たいした数字にはならないというのですが、現実にはやっているのですから、一応その目標といいますか、ただいたずらに希望があればかえるということじゃなくて、大体どのぐらいをかえようという一応のもくろみというのは当然あるはずなんですがね。それも全然なしにやっているとは、私は思えないわけです。どうですか。
○説明員(森整治君) やることを決定いたしまして、これからいろいろ至急通達なり何なりでやるつもりでございますので、結局実質的には三月、一カ月ぐらいになってしまうのじゃないか、まあそういうことでございます。そういう準備その他もございますし、希望がどのくらいはたしてあるものか、これは全くやってみないとわからない問題でございますんで、ちょっと見通しは立てがたいのでございますが、これはほんとうにやってみないとわかりませんが、交換が多く出てくるかどうかということになりますと、事務的には多少疑問ではなかろうかというふうにも感じております。
○竹田四郎君 どうもわからないのですけれども、やってみなきやわからないと、こういうことでどうもよくわからぬですけれども、しかし、ある程度見通しというものは持っているのでしょう。各農協なり、各都道府県に通達をおそらく出しているから、こういう話になってきているのだろうと思うんですがね。大体ある程度の見当もつけずに、ただ無制限にかえるのか、かえないのか知りませんけれども、ある程度の見通しというものはあるわけでしょう。一方、政府の買い上げ数量というのも五百八十万トンという目標があるわけで、それに具体的に買い上げ数量の四百九十五万トンというのがあるわけですから、何か目標というものを、それを達成できるかどうか、結果を見なきゃわからぬですけれども、ある程度この差額を埋めようとしているのかどうなのか、その辺はある程度もくろみなり目標というものはあるはずでしょう。なしにものごとをやっていると私は思えないのですがね。
○説明員(森整治君) 四百九十五万トンと申し上げましたのは見込みでございまして、一番直近時でいま記憶しております買い上げ数量は、四百六十七万トンまでいっておると思っております。ですから、買い入れの数量にまだ達しないわけでございまして、なるたけわれわれの希望どおりに買いたい気持ちはございますが、まあ何といたしましても、農協よりも、農家がやはり作が悪かったわけでございます。結局、そういう影響の少ないところの保有米が交換の対象になって、希望として出てくるのではないかというふうに考えております。こちらの気持ちはたくさんあってほしいのですけれども、農家から申し出がどのくらいあるかということは、ごく最近通達を出したばかりでございまして、まだこっちで割りつけるということではないのです。ですから、これから希望を調査してみないと、集計をしてみないとちょっとわからない、こういう意味で私はあまりはっきりしたことは申し上げなかったのです。
○竹田四郎君 一体、わからない、わからないと言われてもこれは困るので、下のほうでは一体どのくらい出したらいいのかわかりませんから、大体希望としてはどのくらい考えているのですか。
○説明員(森整治君) どうもたいへん申しわけないのですが、私どもの気持ちとしてはたくさんほしい。
○竹田四郎君 幾らですか、その数量は。
○説明員(森整治君) やっぱり一万トンというか、そういう万単位の数字が私どもとしてはほしいのですが、その希望というのは、これからとってみないとわからないものですから、それではっきりしたことが申し上げられないというふうに申し上げておるわけでございます。
○竹田四郎君 どうもその辺がはっきりしないのですが、結局いままでの農林省の米の管理といいますか、全体としての生産から消費までの管理というところに、大きな見込み違いというようなものがおそらくあった証拠じゃないかというふうに思いますがね。大体その古々米を農家と交換をしようというのは、どうも昔の農村の恐慌ですか、そういうときのことを私は何か再現させるわけですね。おまえらいい米出してひとつまずい米を食えというような私は感じがするのですが、どうもそういう思想でやっているのじゃないのか、こういうふうに思うのですけれども、古々米というのは、おそらく普通の常識で言えば、これは家畜の飼料になるのか工業用の原料になるのか、そういう種類のものだと私は思うのですけれども、それをことしは米がとれるのが少なかったから、おまえらが政府への売る量が少なかったから、だから自分の食うものまでひとつここで悪いのにかえて、昔で言えば等外米とかあるいは何といいますか未熟米といいますか、そういうもの、不況のときに農民が食っている米を盛んに出させた、こういう当時の、昭和の農村不況の感じを非常に受けるわけでして、むしろおまえらどうせ金がほしいのだろうから、まずい米を食って売れる米はひとつ売らせよう、そういう思想じゃないですか。
○説明員(森整治君) 私ども先ほどから御説明しておりますように、在庫を新鮮化するという食管の目的はございますけれども、あくまでも農家の保有米でございまして、農家としましてはとられる、また供出というような、そういうような義務もなければわれわれの権利もございません。ただ要するに農家が、それではその差金で魅力を感じて、それじゃ交換しましょうという申し出があってはじめて成り立つことでございまして、そこまで強制をするつもりは毛頭持っておりませんということでございます。
○竹田四郎君 それじゃ一体幾らで売るのですか、古々米は、農家に。
○説明員(森整治君) 一般の消費者に売っております価格と同様の価格でございまして、徳用上米の政府の売り渡し価格一俵が五千八百三十七円、それから買い入れの価格は、四十六年産米の政府の買い入れ価格が、平均でございます、一−四等平均の包装費込みですが八千五百二十二円、その差約二千七百円を交換差金として農家にお支払いしたらどうかということでございます。
○竹田四郎君 五千八百三十七円というのは、あれですか、これは農協が集めるとして、農協へ渡す一俵の金ですか、それとも消費者に売る金なんですか、どうなんですか。
○説明員(森整治君) 倉庫のその前で、庫前の場所の交換の評価額。ですから普通は、農家が農協の倉庫の庫前まで持ってまいりまして、そこで引き取って帰ればという金で、評価額でございます。
○竹田四郎君 そうすると、一俵当たり二千七百円というのは、これは当然課税の対象にはならないでしょうね、交換ですから。それはどうなんでしょうか。
○説明員(中橋敬次郎君) 私どももまだ詳細に検討いたしておりませんが、交換でございますけれども、私どもの税法の取り扱いは、すべて一たん譲渡が行なわれたというふうに見ますものですから、普通、交換の場合にも、譲渡所得に対する課税は行なわれるわけでございます。ただ、いままでの手持ちの、古いいままで持っておったいわば在庫品をそのまま交換いたしたものですから、そこで評価益ということになりますれば、しいて課税をしなくてもいいということになりますので、詳細はそういうことが行なわれましたあと検討いたしてみたいと思っております。
○竹田四郎君 農林省のほうは三月一日あたりからこれは集めるということなんですが、それに対して課税のほうがいまのような検討では、それはとてもそういうものは出してこないと思うのですよ、二千七百円だって。私は率直に言うと少し、それだけの犠牲を強要して二千七百円しかやらないというのはいいか悪いかということになると、これは議論のあるところだと思うんですが、それに対する課税の点をはっきりしないということになりますと、これはへたして出して税金ぶっかけられたということになりますと、私はせっかくの、農民の中にはおそらく新米が足りないだろうからひとつ出してやろうというほんとうの意味で考えておられる方もいると思うんですよ、たくさん。それに対する税金の問題というものをもう少しはっきりしてもらわないと、これは片方で出せと言ってもこれ困るんじゃないかと思うんですが、これは早急に検討してほしいと思うんですが、どうですか。
○説明員(中橋敬次郎君) これはいずれ昭和四十七年分の所得の問題でございますが、実態をよく食糧庁からも聞きまして、国税庁ともども至急に検討いたしたいと思います。
○竹田四郎君 四十七年度分だというのだけれども、具体的に現物を出すのはもうすぐなんですね。ですから出したあとでこれはこういうふうに取り扱うだとか、ああいうふうに取り扱うだということでは、これはあまり農民に対して親切なやり方じゃないと思うんですよね。まあおそらく私は農民として、おまえら鳥のえさを食ってうまいやつは出せと、こういう形ですからね、率直に言って。もう少しまずい米を食わせるというなら、それに対するやっぱり対策というものは、これは親切に考えてやるべき問題だと思うんですよ。だからおそらく出すにしても、もう三月ないし四月からは具体的に交換に入るだろうと思うんですよね。だからもう少しこれ早く検討してくれないと困ると思うんですが、その期限切って悪いんですけれども、いついつまでには明確にするということぐらいは私は明らかにすべきだと思うんですが、どうですか。
○説明員(中橋敬次郎君) おそらく食糧庁から国税庁にその問題具体的に研究を依頼されておると思いますけれども、申しわけございませんが、主税局のほうではいまそのことを聞いておりませんので、国税庁とその点を至急検討いたしたいと思います。
○竹田四郎君 じゃそれはひとつ早くその点は明確にしてほしいと思います。 最後に、その米をそういう形で農民からまた出させなければどうも国民に新しいうまい米を食わすことができないというような状態なんですが、消費者米価の物統令の適用廃止ですね、これは何か四月一日からやるというのですが、こういう米の需給状況ではこれは延ばすべきだと思うんですが、どうなんですか。
○説明員(森整治君) 作柄がひとつはっきりしてまいりましたその後で、いろいろ対策も関連措置、新規参入ですとかそういう問題につきましての措置もいろいろただいま取り進めております。まあそういうことが完了する四月一日を目途に準備を進めております。 需給の問題につきましても、先ほど生産調整を、若干数量を調整をしまして二十五万トン在庫をふやすという措置をとった次第でございます。そういうことからいたしまして、需給状況に別にさしさわりがないのではないか、こういう観点に立ちまして従来どおりの方針で準備を進めておる次第でございます。
○竹田四郎君 これで最後ですが、米の管理をやっている農林省の、まあ食糧庁がとにかく新米と古々米をかえろというような情勢ということになりますれば、私はこれはおそらくその配給米に新米が来るんじゃなくて、自主流通米等のところへその米が行ってしまうおそれというのは相当出てくると思うんです。そうすると、要するに大きな米屋が買い込んでいくということによって、消費者米価を上げていく可能性というものは大いにあると思うんですよね。だからもう私どもはこの点ではひとつ物統令の適用の廃止ということはやめるべきだと、物統令の適用を少なくとも来年度産米がはっきりするまでは適用をしていくべきだと、こういうふうに思うのですけれども、これはまああなただけでは政府の方針をそのまま述べる以外にはないだろうと思いますから、これ以上追及しませんけれども、これは私は消費者米価を上げないためにも物統令の適用というのは引き続いてやっていくべきだと、こういうふうに思っておりますから、この点を強く主張をしまして私の質問を終わります。
○多田省吾君 最初に、先ほどの御答弁で、四十六年度の生産調整奨励金総額約千七百二十四億円、これは生産調整分が二百二十六万トンですか、それに対して所得・法人税の減免額は約五億円だということはお伺いしましたけれども、四十五年度分はどうだったのか。それからさらに明四十七年度分の二百十五万トンの生産調整奨励金の総額はどのくらい考えているのか。それに見合う租税の減免額の試算はどのくらいなのか、その二点をお聞きしたいと思います。
○説明員(松元威雄君) まず四十七年度の生産調整の奨励金及び特別交付金でございますが、四十七年度は生産調整数量は二百十五万トンということでございまして、それに見合いまする生産調整の奨励補助金は千七百十九億円でございます。それから生産調整協力の特別交付金でございますが、これは前年度と同様百億円でございます。したがいまして、合計いたします金額は四十六年度とほぼ同額でございまして、約千八百二十億円程度でございます。これに対しまして生産調整実施農家の数、これはやってみなければわかりませんが、大体全体の総数量が約二百十五万トンで、前年度より十五万トン低い数字でございますから、全体の農家数もほぼ同じであろう。したがって約三百万戸度であろうと、そういうふうに考えますので、そうしますと二月当たりの奨励金及び協力特別交付金額は平均約六万円というふうに算定して、想定いたしております。 四十五年度の数字はただいま調べて至急お答え いたします。
○説明員(中橋敬次郎君) 四十六年度の本措置によります減税見込み額は五億円でございますが、それに対応いたしまして昭和四十五年度は推計約二億円と思っております。 四十七年度につきましてはただいまお話しのように、ほぼ四十六年度と同じくらいの金額が交付される見込みでございまするので、現状では大体減税見込み額は本年度と同じくらいの程度、すなわち約五億円程度と見込んでおります。
○多田省吾君 四十五年わかりませんか。
○説明員(松元威雄君) ちょっといま詳細の数字持っておりませんので恐縮でございますが、四十五年度は、生産調整の数量が百三十九万トンでございまして、奨励補助金の総額は千百二十四億円でございます。なおこの年は協力特別交付金はございませんから総額約千百二十四億円ということでございます。
○多田省吾君 先ほども竹田委員から質問がございましたけれども、との稲作転換の内容を見ますと、まだ依然として休耕率が高いわけです。転作の比率は非常に低い。四十五年度で転作の比率は二二%、昨年は四四%の転作率だそうでございますが、農家の間にはまだ転作に対する不安が非常に強く残っております。これは当然転作物の収益性が米と比較して非常に低い。経営上のリスクも高い。それから資金力が非常に農家の方が弱いというところから起こっている問題だと思いますが、この改善策を率直にどう考えていらっしゃるのか。 それからもう一つは、一部には、休耕よりも転作のほうにもつともっと奨励金の支給額を多くしたらいいじゃないかというような意見もありますけれども、それをどう考えていらっしゃるか。その二点をお聞きしたい。
○説明員(松元威雄君) 仰せのとおり、米に比べまして、転作した作物は一般的に申し上げまして、先ほども申し上げましたが、収益性が一般的には低い、しかも安定に乏しいというのがございます。もちろん作物によっていろいろ態様は違いますけれども、何と申しましても、長年、日本農業は米中心でまいったわけでございますから、米のほうが経営技術といたしましても、いわば楽でございますし、非常に生産が安定しているということで、従来、長年いわば米に依存をしてまいったわけでございます。これをほかの作物に転作を進めるということは、おっしゃるとおりそう簡単な問題とはわれわれも思っておりません。思っておりませんが、しかしながら、これもやりようによってはやはり転作が進んでいくというふうに考えているわけでございます。現に、これはもちろんいろいろな転作の奨励金をやったためでもございますけれども、当初四十五年度は転作率が二二%でございましたが、それに対しまして、四十六年度は当初計画は三七%に対しまして、実績は四五%というふうに上がってまいりますし、さらに四十七年度はそれ以上転作率が高まるということを計画しているわけでございます。しからば、それをいかにして実現するかということの手段、方法でございまして、確かに五年間の間は転作者に奨励金も出るわけでございますから、その間にいろいろ自力をつけなければならない。そういたしますと、何と申しましても、いかにして収益率を高めて、しかもそれを安定させるかということが眼目でございます。転作作物の中でもいろいろ態様がございまして、たとえば野菜でございますれば、これは一般的には収益性が高い、ただし問題は不安定だということで問題が生ずるであろう。それに対しまして、飼料作物は一般的に収益率が低い、しかもこれも規模を大きくすれば収益率をカバーするということがございます。それからまた果樹等の永年作物は、これは一般的に収益性は高い、しかし収益性が現実になるのはいわば時間がかかる。それから大豆等につきましては、収益率が一番低い、しかもよほど規模を高めなければならぬというように、作物の態様に応じまして、非常に収益性の高さなりあるいはその安定性の度合いなり、あるいはまた生産性の度合いなりが、態様が違うわけでございます。したがいまして、それに対しまして、生産対策を講じまして、生産性を高めていくということ。それからまた価格につきましては、特に野菜等につきまして、一番安定性が要望されておりますから、四十七年度でも野菜の価格安定のために、従来に比べまして、格段の安定策を講ずることにしておるわけでございます。 そういった価格の対策の問題、それからまたこれらの作物は流通が問題でございまして、野菜に例をとりましても、四十六年度の実績をいろいろ振り返ってみますと、既存の産地におきまして、いわば既存の主産地を基盤にしながら広げていく、そういうところは販売網もしっかりしておりますから、かなり成功いたしております。それに比べまして、従来経験の乏しいところでは、たとえば野菜をやったところでは販路で苦しんでいる、こういう事例がございます。したがいまして、いま申しましたとおり、既成産地を中心として進めていく。そういう販売体制もがっちりしているところはうまくいっているという事例もございますから、そういうかっこうで流通体制のほうも格段の努力をしなければいかぬということで、各般の施策を講ずることにいたしております。 そのために、第一は、先ほど申し上げました、転作の奨励金を一般の休耕よりも優遇している、なかんずく集団的なものを優遇しているということが第一点でございまして、同時にその奨励金に依存するだけではいかぬわけでございますから、奨励金がある間に自力をつけていく、そのために転作の推進のために転作促進対策あるいは転作関係の条件整備、あるいは転作関連の施策ということで、稲作転換特別対策事業をいろいろ仕組んでおりまして、いろいろ合わせまして、前年度は約四百二十二億でございましたが、それに対しまして五百四十八億円程度の予算をつけるということで、前年度より格段に予算もふやしまして、いまこういった生産、流通、価格等の対策を推進していく、こういうことをいたしておりますわけであります。そういたしまして、五年間の間に自力をつけて転作が定着するようにさらに一そう努力を進めていくというふうに考えている次第でございます。 それからまた御指摘の転作、休耕につきまして単価にもう少し差をつけたらどうかということでございますが、確かに一つの御指摘と存じます。現に四十五年度は転作と休耕が一本でございまして、あわせまして十アール当たり三万五千円というのが四十五年度でございます。四十六年度は転作を進めるという見地から、一般の休耕の場合は、平均いたしまして十アール当たり約三万円、それに対しまして転作の場合は、普通転作は三万五千円、さらに集団転作の場合は平均約四万円というふうに差をつけまして、これがまた四十六年度に転作が四十五年度よりもかなり進んだ一つの理由であろうと考えております。 そういたしますと、さらに差をつけたらどうかというのも一つの御提案かと思いますが、ただまあ四十六年度の実績を振り返ってみますと、いま言った一般の約三万円、それに対しまして普通転作が三万五千円、集団が四万円という単価でああいう結果におさまったということでございますから、そういったことを踏まえまして、まずまずあの程度の格差でしばらく続けたらいいのじゃないかというふうに考えまして、四十七年度は基本的には同様の奨励金をやったという次第でございます。
○多田省吾君 最後に。 いまも質問がありましたけれども、お米の物統令適用廃止の問題でございますが、この前の米審でも、一部米審の委員から、ことしの産米の作柄がわかる十一月以降まで適用廃止を再延長すべきだという、こういう強力な中立意見も出されました。また赤城農林大臣は、消費者米価は絶対上がらないと確約できないけれども、政府のいまの処置で十分だというような、非常に消極的な意見を言っております。まあしかし一月二十日の米審懇談会でも、消費者団体代表委員からは、値上がりしないという保証はないのじゃないか、あるいは物統令をいまはずす理由がない。また生産者代表からも物統令の適用廃止は食管制度をくずす、あるいは物統令をはずすと消費者米価が値上がりすると、こういうふうに両委員が強く反発しまして、そうして価格安定しないということで、統一意見は結論として出なかったわけでございます。このような米審懇の統一意見がないのに、あえて政府が四月実施を強行するというのは非常によくないことだと思います。私は意見としましてもこれは再延長すべきだと強く思いますけれども、最後にその農林省側のお答えをお聞きしまして、これで終わりたいと思います。
○説明員(森整治君) お米の需給の問題から物統令の適用廃止を延ばしたらどうかという御意見でございますが、お米の需給が基本的には供給の過剰であるというわれわれ認識を持っております。したがいまして、生産調整を進めておるわけでございますが、四十六年産の作柄が悪くて、まあ七十六万トン不足いたしましたことは、これまた事実でございます。しかしその七十六万トンというのは、ことしの八月からまた新米がとれてまいります。それが十月の末に四十六年産米の在庫がその時点で七十六万トン少なくなる。百万トンと予定をするものが七十六万トン少なくなります。こういうことでございます。新米がそれからとれてまいりまして、新米を配給していけば需給に別に支障を来たすととはなかろうという判断をしておるわけでございます。それは平年作を前提としてのことでございますが、もちろん平年作は前提としておりますが、なおそのほかに生産調整の二十五万トンという、若干調整をしまして在庫をふやしたい、こういう措置もきめて、すでに生産調整の目標数量を下におろしておるということで、全体から申しまして需給に不安はなかろう、そういう判断の上で、物統令の問題について対処しておるつもりでございます。 それから価格が上がるのではないかという問題でございますけれども、これにつきましても販売業者を新しく新規参入させますとか、あるいは標準価格米というものを常に店頭におきまして、現在の統制の価格、物価統制令によります価格で守らしてそれを売らせますとか、そういうようなことをいろいろ考えて実際に指導していきたいというふうに思っております。したがいまして、価格がこのために上昇するということはまずないというのがわれわれの判断でございます。 それからもう一つ、一番最後に、米審のいろいろ御意見ということもございました。これにつきましては、確かにそういう御意見でございました。ただ生産者団体、消費者団体、別の御意見もございました。全体といたしましてむしろこの際政府の考えているとおりにやったらよかろうというのが、われわれ聞いておりました過半数の意見であったのではなかろうかというふうに存じております。ただ、そういうことでございましたけれども、結局米審という機会を通じまして、われわれ十分御意見を拝聴をいたしまして、いろいろ心配な向きにつきまして、それぞれ適切な処置を講じてまいるつもりでございます。そういうことで、従来どおりの既定方針どおりやっていってはいかがかというのがわれわれの考え方でございます。
○鈴木一弘君 この法案に関連してお伺いしたいのですけれども、休耕あるいは転作、それが決定をしてから、その耕作地を転売をしたというケースがあるわけです。特に市街地の耕作地にはそれがある。その場合、名義は他人のものになってしまうわけです。ところがはっきり申し上げて、この休耕奨励の補助金についても、もとの耕作者に支給されている、こういう場合が相当ある。大体不動産業者等から聞いてみると、売買をされている市街地の農地のうちの五分の一ぐらいがそうではないだろうかということが現在言われているわけであります。これは転作、休耕の決定というのは、四月から六月ごろ行なわれるわけです。そうですね。それから後に、それと同時に補助金の申請をする。ところがそのあとで転売をしてしまう。ところが支給は十二月ごろにやる、そうして一年分もらえるわけです。売ってしまつといて、さらにこれを取るということになるわけでございます。こういう点はどういうふうにつかんでいらっしゃるのか。昨年の休耕、転作以後売買されたという、いわゆる所有者が変更になったという耕作地は一体どのくらいあるのか、これをひとつ答弁をいただきたいと思います。 いま一つは、各市町村に、はっきりと生産調整の量の割り当てがある、それに対して政府から金が出るわけでありますから、そうすると休耕、転作が決定したあとで、その耕作地が売買をされてしまうと、はっきり申し上げて調整量を変更しなきゃならない、こういうことがあるので、各市町村は大目に、こういう点については、はっきり申し上げれば目をつぶっているんじゃないか、片目をつぶらざるを得ないというふうになってくるわけです。そういうためにこういうことがまかり通っておるんじゃないかと思います。この売買をしたとなれば、所得税等についても、これははっきりしたものが出てまいりますけれども、しかしそれでも、いわゆるこの特例法に従っていけば、もらった場合の「農地に係る損失又は費用として」云々が必要経費のように消されてくるわけでありますけれども、そういうものが一体どういうふうにみなしていくんですか、そこは。売買の時点からどうなるのか。じゃこの休耕なり転作の奨励金というものについては、補助金は一体売買をした時点までというのか、それ以後まで、いま支給されておることになっているわけですけれども、その点がはっきりしないと、この特例を適用するについても私は問題が出てくるのではないか、こう思うんですけれどもね。その点について、一つは休耕、転作決定後売買された耕作地、それはどのくらい一体あるのかということと、それからそういうことで中間で調整量を変更してきた市町村があるのかないのかということ、それから一体そういう四月なり六月に決定されたあとで売買された場合、いわゆる農家に渡すお金というのは、そこの時点までの日割り計算なり何なりでやるのかやらないのかということ、こういう点ひとつ御答弁をいただきたい。
○説明員(松元威雄君) ちょっと私、先生の御質問の意味を取り違えているといけないんでございますが、現在の奨励補助金の交付対象者は、これは年々八月一日現在における収益権者であるわけでございます。もちろん確認等の事務は十二月とかいたしますけれども、適格対象者は八月一日現在における収益権者でございますから、それに対しまして交付されるわけでございますから、いまおっしゃったケースはちょっと起こらないのじゃないですか。
○鈴木一弘君 それ以降に売買されたものはどうなるかということです。
○説明員(松元威雄君) ちょっと申しわけございませんが、八月一日というのは稲の作付の最盛期でございますから、その時点を押えましておっしゃるようなケースは起こらないのじゃないかと思っているわけでございますが、その後に売買されましても、われわれのほうでは米の休耕という事実に注目しているわけでございますから、その時期に植わっていなければ交付をする、こういうことでございます。
○鈴木一弘君 そうすると、その八月一日なら八月一日でけっこうですけれども、その決定されたあと売買されてしまった農地というものはどうなるんですか。売買された場合と、そのままずっと本人が休耕田のまま持っている場合と、それが売買されてしまった場合と、ここに差が出てこなければおかしいわけですが、それはどうなんですか。その辺の対策を聞きたいわけです。
○説明員(松元威雄君) 八月一日以降売買することがあり得るわけでございますが、その場合でも奨励金の交付対象者はあくまで八月一日の収益者でございますから、たとえば十月に売った場合に、そのもらう人間はあくまで八月一日現在収益する人間でございますから、その奨励金の金額が結果的にどうなるかは両者の話し合いでございまして、奨励金の交付対象者は、八月一日現在の交付対象者に交付するということでございます。あとは売買の場合には当事者間の問題になるわけでございます。
○鈴木一弘君 そうなると、この特例法の第一条なりにかかってくるところですね。この損失、費用というものについてはどういうふうになるということになりますかね。たとえば八月一日で認定されて、それから以降売り飛ばした、それでもこの特例法は適用になると、こういうことになるのですか。
○説明員(中橋敬次郎君) この特例法によりますと、そういう農地であるということで補助金なり特別交付金が給付されますれば、その金額を一時所得の収入金額とみなしますから、特例法の対象になるわけでございます。 いま御指摘の、その農地に関係いたしますところの「損失又は費用として大蔵省令で定めるもの」と申しますのは、農地をその者が米以外の作物の生産等に供しました場合には、これこれの費用あるいはそれ以外のものに供しました場合には、その農地につきましていろいろ投じました公租公課でございますとか、農薬費でございますとか、その農地の維持または管理に要する費用を、交付を受けました金の費用としてチャージをいたすという趣旨でございますので、かりにその交付を受けました人が、その後その当該農地についてそういった費用を支出しないということがあれば、それはもちろんその経費にはならないわけでございます。
○鈴木一弘君 いずれにしても、これは名義上では変わらなくても、そういう場合もあり得るだろうということが想像されているわけです。で、実際には不動産業者の言い分では五分の一と言うんですから、かなりの額にのぼっている。特に市街化の、都市化の進んだところではそういうような傾向があるわけです。そうすると、売買ですから、売買が正式にできている場合であれば、それは不動産の売買の問題になってくるわけですから、これは税法でもきちんとしておりますけれども、その場合に、実際休耕いたしますと言っておいて、いただきましたと、しかし現実にはどうかということが出てくるわけです。そういう扱い方あたりはやはりはっきりしたものをひとつ置いていただきたいということをお願いしたいと思うのです。 それから生産調整協力費の問題でちょっと伺いたいんですけれども、この中で、いわゆる目標を達成した場合と、目標を達成しない場合と、こうあるわけです。目標を達成したところの市町村については、これは目標数量を達成した場合には支給される。ところが、農家別に目標達成のいかんによって支給する。そうなると目標を達成した市町村については、達成しない農家にも出ていくわけです。交付される。達成しない市町村については、達成してないところの農家に対しては支給されないという法の上の差別が扱いでは出てくるわけです。そういう不公平の面はどういうふうにお考えになっておりますか。
○説明員(松元威雄君) 御指摘のように、四十六年度の生産調整協力交付金はまず市町村単位に見まして、市町村が目標を達成しておれば、その中で生産調整実施計画はかりに個別で見ますと目標数量を全部達成しなくても交付するということにいたしまして、また、市町村が達成しない場合には、個人別ということでとったわけです。これに対しまして、一般に生産調整単位としまして、大体市町村で単位になりまして、市町村全体にいかにして目標数量を達成するかということが眼目でございますから、そういうほうが実態に合うだろうと思いまして、四十六年度はそういう措置をとったわけでございますが、末端にいろいろ議論がございまして、市町村が完遂しても、完遂しない農家が、それにはいかがかという議論があるわけでございますから、四十七年度の特別交付金のやり方を改めまして、すべて個人単位に改めようというふうに考えている次第でございます。
○栗林卓司君 賛成の立場でお伺いするんですけれども、賛成の気持ちというのは決して高い次元の賛成じゃなくて、つくる意思と能力がありながら休耕、減反、転作しなければいけない、その実態を考えると、税金が安くなるんだからいいじゃないかというところの賛成なんで、やはり不満な点が気持ちとしては残ります。そんなところから二、三お伺いしてみたいと思いますが、大蔵省に伺いたいのは、これが二回目だと思います。で、一ぺん例外措置としてとにかくやるという場合には、これはいろいろなやり方があると思うんですが、二回目ということになりますと、やはり制度としての色合いというものが出てまいりますし、当然農家の方々にも将来に対する期待感というものが生まれてくる。しかも奨励金というものは、先ほどの御説明のように、四十六年度を初年度にしていこう、五年間ということになると、今後ともこの処置が継続するであろうという期待感も出れば、二回続ければ制度としての仕組みに近くなる。その意味で今後どうされるのか、従来ともこういった異例措置で税の問題をお取り扱いになるのか、法律にきちんと政府提案で固めていくのか伺いたいと思います。
○説明員(中橋敬次郎君) ただいま御指摘のように、確かに昭和四十四年度にこの種のものが交付されました場合と、四十五年度以降こういった補助金が交付されました場合との取り扱いは変わっております。そこで非常に大きく違っております点は、やはり四十四年度におきましては、転作というものに主眼を置いて交付せられた補助金であるということと、それからその年度限りであるという制度として行なわれたものでございますので、これは現在の所得税法のもとにおきましても一時所得として解釈できるということで、執行面で措置したわけでございますが、昭和四十五年度以降におきまして休耕をしておる人たちにも交付せられるということと、それからいま御指摘のように、かなりの期間継続して支払われるという実態がございましたものですから、これを所得税法のもとにおいて一時所得として取り扱うのはいかがであろうかということで、むしろ私どもといたしますれば、現在の所得税法のもとにおきましては、休耕しますと、普通、たとえば災害等で収入が落ちたものに対して何らかの、たとえば共済金等が交付せられる場合と、それからこういった別の角度から休耕ということをして収入を上げ得なかった人に、それを補てんする意味で交付されましたものと、性質的にはあまり差がないものでございますから、それを一時所得として取り扱うということは、どうも現在の所得税法にはなじみがたいのではないかということから、法的措置を要するものと考えたわけでございます。私どもといたしますれば、やはり現在の所得税法のもとで考えれば、この種のものにつきましては通常の事業所得の範疇に入れて考えなければならないのではないかというふうに現在も考えております。しかし大きな、米の生産調整という政策目的のために国から交付せられるものでございますので、その課税方法につきまして控除額を設定いたしましたり、あるいは半額課税という道をとるという意味において、一時所得として措置されるということについても政策的には理解できるところでございますから、昨年も本年も政府としましてはあえてこれに対して反対の意見を申し上げるということはいたさなかったわけでございます。今後やはりこの種のものが毎年交付せられるということについてどうするべきかということは確かに問題なんでございますけれども、現在のような形で予算上の措置でもって毎年毎年の額あるいは支出の方法というものが決定せられるやり方を講ぜられます限りにおきましては、やはり毎年毎年の問題といたしましてこの補助金なり交付金なりというものについて課税上どうするかということをその際の判断にしていただきたいと思っておるわけでございます。で、そのもとにおきましても、なお政府提案で法案を出してはいかがというお話でございますけれども、先ほど来申しましたように、やはり私どもといたしますれば、その支出せられるお金の性質から申しまして、ちょっと現在の所得税法のもとにおきましては、これを一時所得として提案申し上げるのもいささかちゅうちょがございますので、やはり今後の問題といたしますれば、四十五年度なり四十六年度のやり方というのが続けられるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○栗林卓司君 深く議論するつもりはありませんけれども、所得税法になじまないこの所得をどう見るかということについて農林省のほうにお伺いしたいのですが、この奨励金の問題というのは、仕事をしなければ金が出るということだと思います。働けば金がもらえる、これが健康な道徳のもとに根ざした社会の仕組みだと思うのです。何もしなければ金が出ない。これは社会保障という面から見れば別です。そうじゃなくて、ほんとうにつくる意思、能力がありながら、仕事をしなくても金が出るということは、社会の制度としてきわめて不健康だと思います。にもかかわらず、なぜ奨励金が出るかというと、先ほど来るる御説明があったように、将来の農業政策との見合いで、これをどう生かしていくかという金のきまり方の裏は別として、そういう意味合いというものがこの奨励金にあったはずだし、この資金の使い方についてどうこうしろと指図がましいことは法律には書かないけれども、趣旨としては使ってくれという気持ちがある。あればこそこの二条も出てきておるはずだと思うのです。そう考えると、ここで議論するつもりはありませんけれども、一般の所得というものと、今回の奨励金というのは元来なじまないものなのだと思いますし、そういうものとして、四十六年度初年度で五年間とはいいながら、短ければ短いほどいいというお考えだろうと思いますが、農林省の御見解いかがですか。
○説明員(松元威雄君) 御指摘のとおり、この奨励金は米をつくらないことに対しまして交付するわけでございますから、その事実はつくらないものに対して交付する。その趣旨と申しますのは、一つは米の減産ということが緊急にやらなければならぬことであるというために、つくらぬということに対して交付する。米を本来はつくれるにもかかわらず、つくらぬということは、普通ならばほうっておけば米にも所得があるわけでございまして、それを米の過剰対策ということでつくらないように協力していただくということで、そういう趣旨と、それからもう一つは、本来ならばこの米は転作をしていただくということが一番よろしいことでございまして、休耕というのは、いわばこれも緊急避難と申しますか、やむを得ないやり方のことである。本来なら転作をしていただく。ただし転作も先ほど申しましたように、一挙に全部転作ということには、いま言った緊急に転作をしようということには、多少時間がかかる。両者を兼ね合わせまして、この奨励金を交付をされた、そういう趣旨のものと考えているわけでございます。
○戸田菊雄君 さっき私が質問して、中橋審議官と松元参事官の回答が、いまの栗林委員の御質問に対してどうも私、違うような印象を持ったのですね。端的にいえば、所得税法の三十四条三項で、片や一時所得としての減免措置だということが一つでしょう。もう一つは、固定資産税に対する損金算入で減税措置をとっていく、こういう二つでしょう、端的にいえば。それで、松元参事官のほうは、農林省としては五年の計画を持っているんだから、これはそのまま継続しますと、そう言っている。だから、それでいま栗林委員の質問したことはそういうことであるから、税法上、制度上、政府としては何らかの検討をすべきじゃないかということに対して、中橋審議官のほうは、つど検討いたしますという回答ですね。どうもやはりこの辺で若干——片方は五カ年計画だからそういう方向でいくべきだという前提を踏まえて回答しているだろうと思うのですが、中橋審議官のほうは、つど年度ごとに検討いたしましょう。検討する場合は四十六年度実施したような内容を土台にしてと、こういう前提ですね。その辺で完全に意思統一されていないような感じがするわけです。私たちとしては、減反、休耕そのものに対して反対です。けれども、現状やられているのだから、被害を最小限に食いとめて、現実の措置をとるべきであろうということで、法案に賛成なんです。だから、そういう意味で、五年も休耕奨励金を出してやろうという農林省の意向なんです。これを受けた大蔵省は、税金関係をどうするかということは、もっとやはり私は意思統一をした、統一見解というものを委員会に示すべきじゃないか、こういうふうに考えるのですが、その辺はどうですか。
○説明員(中橋敬次郎君) いま確かに戸田委員の御指摘のように、たとえば二条のような考え方でこういった補助金が設備の改良に向けられるということだけに限定せられますならば、またものの考えようはあると思います。現に今国会に御審議をお願いいたしております租税特別措置法の中にも、そういったものの考えで、いわゆる繊維の自主調整措置のようなものに対応いたしまして、奨励金的なものが交付せられた場合に、それを設備の改良に充てました場合、設備を改良する猶予期間というのを通常の期間より長く置きまして、それの特例を講ずるということの御審議をお願いする予定にいたしております。その考え方をこの種のものに適用いたしますれば、かなり政府といたしましても受け入れやすいわけでございますが、やはりこの種の交付金でございますと、何といいましても個人が圧倒的に多うございますので、どうしても毎年毎年の所得課税の問題、しかも課税をかなり、その年その年起こさないようにする措置というのが必要だというので、一時所得の問題が出てまいったのだろうと思います。したがって、先ほど来申し上げましたように、この種の補助金というのを一時所得として観念するのか。あるいは普通の場合のように、事業所得として観念するのかという、やはり質的な問題が横たわるわけでございます。 それから、数年聞こういった制度をとることであるから、一たん一時所得として割り切ったならば、それに対応して同じように考えればいいではないかという御指摘で、これは確かに先ほど栗林委員の御指摘のとおりでございますが、私どもといたしますれば、やはりそういった制度がある一定期間継続をされるということでありますれば、法的な措置としてそういう構成をとっていただきたいのでございます。予算措置として毎年毎年御審議がある。しかもその内容というのが、先ほど来御説明のように、だんだん改正をせられておるようでございますけれども、そういった事態に応じての交付の措置法というものがございますれば、私どももやはり毎年毎年、そういう措置が決定せられました内容として考えさしていただきたい。しかも、いままでの交付の内容を見ますれば、繰り返して恐縮でございますけれども、質的にはやはり一時所得としてはなかなかなじみがたいような交付のしかたでございますので、政府として積極的に提案をするのを差し控えさしていただいたというのが従来の経緯でございますし、おそらく今後もそういった形は続いていくんじゃないかということでお答えした次第でございます。
○嶋崎均君 関連。 ただいまの答弁を聞いておりますと、非常に問題があるように思うのです。というのは、四十六年度限りの措置でこれを打ち出されておりますけれども、先ほど来説明がありましたように、休耕奨励金は相当長く今後続けられるということが前提になっているわけです。将来の休耕あるいは転作ということの政策の安定性ということから考えて、ある程度継続されるということは私は非常に大事なことだというふうに思っております。そういう意味合いからしますと、ここで非常にまたやっかいな問題は、一時所得の定義を読んでみますと、一時所得は、所得税法の三十四条で、事業所得なり給与所得、退職所得等々以外の所得で、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一町の所得であるということになっている。そこで、大蔵省としましては、何というか、事業所得といいますか、少なくとも営業補償的な性格のものだから、だから事業所得になると読みたい。ところがこの法案は一時所得と見る、これはまあ事柄の性質から見て常識的には実は賛成なんですけれども、法律問題としては非常にやっかいなことである。そこで大臣の答弁も、あえて反対しない旨の意見が述べられたのではないかというふうに思うのです。そういう一連のことを背景として考えてみますと、一番問題は、この提案が一年こっきりの提案として出されているというところに非常に大きな問題があるのじゃないか。あえて営業所得的なものになりそうだ、そこで一時所得だと考える、そういうことならば、ちゃうど、せっかく衆議院の山下議員も出ておいでになりますからお聞きしたいのですが、この提案を一年こっきりの対策とされたというところが私よく理解できないのです。その点をひとつ御意見をお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(山下元利君) それぞれ御指摘の点につきましてはまことにごもっともでございまして、ただ衆議院の大蔵委員会におきまして起草いたしました経過にかんがみましてお答え申し上げますと、私どもこの所得が、現行の所得税法によりますところの一時所得として、政府側から提案されるということについては、ただいま大蔵省から説明も聴取いたしましたところ、いささか差し控えられるような空気である。しかしながら、いまの米の生産調整対策の必要性にかんがみまして、どうしても措置をしなければならぬということで、この提案をいたしたわけでございます。しかしながら、栗林先生からもお話がございましたし、また戸田先生からも御指摘ございましたが、少なくともわれわれの予想されるところにおきましては、今後五年間この生産調整奨励補助金を交付して・生産調整措置をとるということが考えられます場合に、ただ昭和四十六年度限りの提案でどうかという点は、私どもにおいても問題になったことは事実でございます。しかしながら、予算交付の実情にもかんがみまして、この際は昭和四十六年度にいたしまして、今後継続して支給される場合についてどうするかという点については、将来また各党の御協議によりまして進めていきたい。とりあえずは昭和四十六年度産米についてはこの措置で進めたい、こういうことでございますので、御了承賜わりたいと思います。
○栗林卓司君 お伺いしたいことが出てしまいましたので、最後に一つだけ御意見申し上げたいと思うのですが、予算を伴なった議員立法が国会の慣習としてあるような場合、これは税金の問題もある。また、これは議員立法で扱って私は何ら差しつかえないと思うのです。ところが、よしあしは抜きにして、これはほんとうによしあしは抜きにして、税制調査会というものがあり、それとの見合いで税の公平をどうやって担保していくかということは、それはそれで重要な政策課題である場合において、税の問題が全党一致とは言いながら、議員立法で通っていく。それも一回限りならまだわかります。二回目ということになりますと、申し上げているようにやはりこれからどうなるかということに当然こたえていかなければなりませんし、大蔵省のほうでも先ほどの質問に対して、四十七年の場合も、推定すれば五億円程度というお答えがすらすら出てくるわけですから、実体というものは事実今後続いていくわけです。その意味で、今回はこれで賛成するとしても、次回はとにかく、御提案の昭和四十六年度のというここのところが抜けた御審議を、これは政府並びに議員立法ですから、各党ということになるかもしれませんが、私は検討すべきだと思います。 以上申し上げて終わります。
○衆議院議員(山下元利君) 昭和四十七年産米についてこの措置が講じられました場合に同様の措置をいたすべきことは筋だと思います。御指摘の今後の問題について、各年ごとじゃなくて、継続的に措置するかどうかにつきましては、今後各党との協議によりまして進めてまいりたいと思っております。
○委員長(前田佳都男君) 別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認めま す。それでは、これより採決に入ります。 昭和四十六年度の米生産調整奨励補助金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(前田佳都男君) 全会一致と認めます。よって、本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次回の委員会は、三月二日午前十時から開会いたすこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三分散会 —————・—————