商工委員会石炭対策に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/04/13
会議録
○委員長(大矢正君) ただいまから石炭対策に関する小委員会を開会いたします。 産業貿易及び経済計画等に関する調査のうち、石炭対策の基本施策に関する件を議題とし、田中通産大臣及び塚原労働大臣からそれぞれ説明を聴取いたします。田中通産大臣。
○国務大臣(田中角榮君) 最初に、本年二月十九日に、北海道岩見沢朝日炭礦におきまして、罹災者十六名を伴う災害の発生を見ましたことは、所管大臣としてまことに遺憾でございまして、保安行政面において今後一そうの努力を払う決意を、ここにあらためて表明する次第でございます。同炭鉱につきましては、その後、政府におきまして事故原因の究明を行ない、所要の対策を実施させた上で、緊急に経営改善のための借り入れの保証等も行ないまして、労使その他関係者の努力と相まって、三月十一日に全面的に操業を再開いたしましたことを御報告いたします。 御高承のとおり、わが国の石炭鉱業を取り巻く情勢は、いわゆるエネルギー革命の進行の中で逐年きびしさを増しており、国の助成、需要業界の協力及び労使一体となった企業努力にもかかわらず、石炭鉱業は、漸次縮小のやむなきに至りました。 政府といたしましては、かかる石炭鉱業の苦境に対処して、昭和三十八年度以来四次にわたり、国会をはじめ関係各方面の御協力のもとに、石炭対策の拡充につとめ、炭鉱における保安の確保をはかるとともに、石炭鉱業の合理化と再建を可能な限り支援する措置を講じてまいりました。また、やむを得ず発生する閉山が、従業員及びその家族並びに地域の経済社会に与える影響を極力緩和する見地から、閉山、離職者対策、鉱害復旧、産炭地域振興等の諸施策につきましても、その充実をはかってきた次第でございます。特に、昭和四十四年度から発足したいわゆる第四次石炭対策におきましては、それまでの諸施策に加えて、総額八百五十億円にのぼる第二次債務肩がわりの実施、石炭鉱業合理化事業団による無利子貸し付け制度の拡充、石炭鉱業安定補給金の引き上げ等、助成の大幅拡充を行なうとともに、その後におきましても、逐年対策の改善につとめてまいったところでございます。 しかしながら、わが国の石炭鉱業は、かかる国の助成の拡大強化にもかかわらず、今日なお全体として困難な状況を脱するに至っておりません。特に最近は、採炭条件の悪化、コストの増大、労務者確保及び資金経理上の困難等、石炭鉱業内部の諸条件が一段と悪化しております上に、公害規制の進行、経済活動の国際化、平価調整等、従来にない新しい事態が出現し、国内石炭の需要動向に、以前にない重大な困難をもたらしており、将来のわが国エネルギー需給構造のうちにおいて国内石炭が占める地位に関し、新たな問題点を提起せしめるに至ったのでございます。 このような石炭鉱業の内外の諸条件の著しい変化にかんがみ、政府におきましては、現行の第四次石炭対策の期限とされている昭和四十八年度末の到来を待たず、新しい情勢の進展に対応した長期的石炭対策を策定することが必要と考え、このため、昨年九月以降石炭鉱業審議会体制委員会を再開して、将来の石炭及び石炭対策のあり方について根本的な検討を行なっております。 これまでの検討における最大の問題点は、公害問題、鉄鋼生産の伸びの低下等により石炭の先行きの需要が、従来の需要業界の見解等によれば、昭和五十年度において約千五百万トン程度にとどまらざるを得ないことにありましたが、これにつきましては、去る三月三十一日の同審議会の総会において、この千五百万トンを、せめて二千万トンを下らない線にまで引き上げるよう政府において最大限の努力を尽くすべき旨の決議が行なわれております。私といたしましても、この問題の重要性にかんがみ、決議の趣旨を尊重し、ぜひ二千万トンの確実な実現をはかるべく、目下事務当局を督励いたしまして、需要業界に対し強力な働きかけを行なっているところでございます。 石炭鉱業審議会におきましてこの五十年度二千万トンが一応設定せられましたので、今後はこれを基礎として、対策本論の検討が行なわれることとなりますが、私といたしましても、このような情勢を背景に、引き続き各界の忌憚なき意見が審議会の慎重な審議に反映され、適切な対策の結論が得られることを期待している次第でございます。 次に、当面の諸対策について申し上げます。 まず、石炭鉱業につきましては、石炭各企業の経理状況がきわめて悪化している現状にかんがみ、昨年十二月に石炭鉱業審議会体制委員会から提出された当面緊急の対策に関する決議に基づき、昭和四十六年度におきましては石炭鉱業合理化事業団に対する近代化資金の返済の猶予を行ない、また本年度におきましては、坑内骨格構造の整備拡充及び保安の確保をはかるための助成の拡充強化並びに石炭鉱業安定補給金のうち一般炭単価の引き上げ等を行なうほか、不測の閉山の増加に対処するための借り入れ金制度を設ける等、対策の拡充を行なうことといたしております。 次に、鉱害復旧対策につきましては、昭和四十四年度末で総額約千三百八億円にのぼる残存鉱害の計画的復旧をはかるため、本年度におきましても引き続き復旧事業予算の拡充を行なうほか、特に本年七月末をもって期限の到来する臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法につきまして、最近における諸情勢の変化に即した改善を加えつつ、その十年延長を行なうため、今国会に臨時石炭鉱害復旧法等の一部を改正する法律案を提出いたしておるのでございます。 また、産炭地域振興対策につきましても、石炭鉱業の長期不況により疲弊した産炭地域の振興をはかるため、諸般の施策を引き続き拡充いたしますとともに、右臨時石炭鉱害復旧法等の一部を改正する法律案の内容の一つとして、産炭地域振興臨時措置法の一部を改正し、産炭地域進出企業に対する地方税の減免を国が補てんする措置の拡大をはかることといたしております。また、政府といたしましては、全国土にわたり均衡ある工業の発展を促進するため、新たに本年度から、工業の全国的再配置を推進する総合的政策を展開することとし、今国会に関係の法案を提出いたしておりますが、その際、現在の産炭地域振興事業団を新たに工業再配置・産炭地域振興公団に拡大改組し、従来の産炭地域振興業務のほか、工業再配置促進のための業務を行なわせることといたしまして、このための産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案を提出いたしております。私といたしましては、従来の産炭地域振興施策に加え、この工業再配置促進のための施策の実施によりまして、産炭地域に対する企業の進出がより一そう促進され、産炭地域の経済発展に貢献することとなるものと期待しております。 最後に、石炭対策特別会計法の改正について申し上げます。政府におきましては、今国会に石炭対策特別会計法の一部を改正する法律案を提出いたしておりますが、これは、本年度において不測の閉山の増加により閉山交付金等の財源に不足が生じました場合は、借り入れ金をもって、その不足財源に充てることができるものといたしますとともに、本年度から、現行の石炭対策と並びまして、新たに石油対策につきましても、原重油関税収入の一部を特定財源として対策を講ずるため、現行の石炭対策特別会計を、新たに石油対策に関する予算措置を付加して石炭及び石油対策特別会計とし、あわせて同会計の期限を、昭和五十一年度まで延長することとするものでございます。もとより今般の改正によって、石炭対策の推進に関する政府の基本方針に変更が行なわれるものではなく、石炭対策につきましても、今後とも同特別会計の中で引き続き所要対策財源の確保をはかってまいる所存でございます。 以上、石炭対策に関し所信の一端を申し述べました。本小委員会におかれましては、かねてから石炭対策の推進につきまして、深い御理解と御協力を賜わっておりますが、終りに臨み、今後とも変わらぬ御支援、御鞭韃をお願い申し上げる次第でございます。
○委員長(大矢正君) 次に、塚原労働大臣。
○国務大臣(塚原俊郎君) 石炭鉱業に関する当面の労働諸問題について一言所信を申し述べ、各位の御理解と御協力を得たいと存じます。 最近の石炭鉱業の動向は、昨年十二月石炭鉱業審議会体制委員会の「新長期石炭対策実施までの間における緊急対策について」の決議にも見られるように、その前途はきびしいものがあります。このような情勢に対処し、労働省といたしましては、石炭鉱業審議会の答申の趣旨に沿って、まず、炭鉱労働者の労働条件と福祉の向上を促進し、雇用の安定をはかってまいる所存であります。 他方、石炭政策の進行に伴い、今後やむを得ず閉山する炭鉱の離職者につきましては、従来の経験を十分生かして援護対策を推進し、その再就職に万全を期する所存であります。 また、石炭鉱山における労働災害の防止につきましては、労働省として労働者の保護及び福祉向上をはかる見地から重大な関心を持ち、通商産業省に対し、災害防止に関する勧告を数回にわたり行なってきたところであります。特に労働省では、近年の産業社会の変貌に即した的確な労働災害防止対策を講ずるため、労働安全衛生に関する総合的な法律案を作成し、今国会に提出いたしております。 石炭鉱山における安全衛生の確保につきましても、通商産業省と十分な連携を保ちつつ、これらの対策を総合的に実施することにより、炭鉱労働者の保護に万全を期してまいります。 さらに一酸化炭素中毒症に関する特別措置法による健康診断の実施、救急医療措置の確保などについて、今後一そうその徹底につとめてまいりたいと存じます。 以上、石炭鉱業に関する労働問題について所信の一端を申し上げました。今後とも各位の御意見を十分拝聴して、行政の推進に力を尽くしてまいる所存であります。
○委員長(大矢正君) これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○阿具根登君 まず、通産省に質問いたしますが、いま大臣の所信表明がありましたように、日本では石炭が斜陽で次々に閉山をされておりますが、過般来英国では、炭鉱のストライキで数十万人の人が失業しなければならぬ、内閣もこれでゆすぶられた、こういうことがあって、内閣の総理みずからがこの解決に当たられたと、こういう状態が出ております。まことに大きな開きがあると思うのです。 そこで、英国の石炭政策は一体どうなっておるのか、また、発電所に対する石炭の使用量は一体どうなっておるのか、また、アメリカは一体どうなっておるのか、西ドイツ、フランスはどうなっておるのか、一応お知らせを願いたいと思います。
○政府委員(青木慎三君) ただいまお尋ねのことに対してお答えを申し上げます。 イギリスにつきましては、現在生産量が一九七〇年で一億四千万トンでございます。経営はナショナル・コール・ボードと申しまして、一九四六年以降国有化をいたしております。政策の基調といたしましては、非能率炭鉱の整理と優良炭鉱の育成ということでやっておりまして、地域問題にいろいろ悩みがあるというふうに伝えられております。目標生産量でございますが、七〇年の一億四千万トンに対しまして、七五年では一億一千八百万トンという目標を立てておるようでございます。これは、六七年度の第二次燃料白書にそう書いてあるわけでございます。政策の概要といたしましては、国営の赤字につきましては政府が最終的に補てんすることになっておりまして、そのほか燃料油消費税をトン当たり千六百円取っておるということが政策の概要でございます。 それから西ドイツでございますが、西ドイツは七〇年の生産が一億一千万トンでございまして、経営形態は民営でございます。政策の基調といたしましては、私企業体制のもとで非能率炭鉱を漸次整理していくという政策の基調になっております。目標の生産量は、七五年で八千万トン程度を予想しているということでございます。これは政府の予想といいますより、政府と民間との共同の作業による予想でございます。政策の概要といたしましては、昨年、ルール炭鉱の赤字に対しまして約一千億の債務補償をいたしております。それからコークス用炭につきましては、トン当たり四百円の補助を加えております。それから燃料油消費税といたしまして、重質油に対しましてトン二千円、軽質油に対しまして千円の消費税を課しております。 それからアメリカでございますが、アメリカは六九年の数字でございますが、約五億トン強の生産がございまして、これは完全な民営でございます。政策の基調も、私企業体制のもとで近時生産拡大の傾向がございますが、目標生産量なり政策としましては、特にきめておらないという実情でございます。 それからフランスでございますが、フランスは七一年の生産が約三千万トンでございます。これも一九四六年以降公社形態で経営いたしております。政策の基調としましては、非能率炭鉱の整理の方向で漸次生産を縮小していくという方向をたどっておりまして、目標生産量としては、七五年で二千五百万トンにするということになっております。これは第六次経済計画に定めてあるところでございます。政策の概要としましては、公社の赤字に対しましては、政府が実質的に補てんしているというのが現状でございます。
○阿具根登君 次に、火力発電に対する石炭の使用率は一体どうなっておりますか。
○政府委員(三宅幸夫君) 海外のデータでございますので、私どもあるいは分析が十分行き届いていないかと存じますが、米国で約六割、イギリスで約八割、フランスで六四%、イタリーが一二%、ドイツが八六%、こういうふうな数字になっておると理解しております。 〔委員長退席、川上為治君着席〕
○阿具根登君 これは通産大臣お聞きのとおりでございますが、国柄も違うし、水力発電その他の問題も違います。一様にはいきません。しかし、英国を見てみましても、現在一億四千万トンの石炭を使っておる。いまの数字、ちょっと間違っておると思うのですけれども、発電に対する石炭使用量の比率は大体七二%使っておると思うのです。そしてアメリカにおいても六〇%、西ドイツにおいて四二%使っている。日本は先ほど御説明のありましたように、五十年度に二千万トン、わずか二千万トン、そうして今日、石炭が電力に使われておる比率というものは大体一四%ぐらいだと思う。そうすると、油を九五%も輸入しておる日本が、どうして石炭をそんなに少なく使わなければならぬのか。よそはほとんど日本と同じような状態におきましても、日本の数倍の石炭を使っておるが、その点一体どういうふうにお考えになるでしょうか。
○国務大臣(田中角榮君) これは、日本の制度とは違いますから、いろいろな問題もあるのです。私もずっと前から検討しておるわけでございますが、西ドイツなどは、電力会社と石炭会社は同一資本の中に入っておるので、これはもう当然合理的な石炭使用ということをやっております。日本は、財閥系の三井とか、三菱とか、住友とかいうところは、西ドイツに見ならいなさいということで、その終閉山をしようというのを、私は去年から押えておったりしておったわけであります。少しぐらいめんどうを見なさいよ、同じ系列じゃないですか——これは昔の財閥とは形態が違うので、実際はそうではありません、というようなことでありましたが、そのぐらいのことはグループ内でめんどうを見ないでどうしますかということでやっておったわけです。まあしかし、そういう意味で、資本系列が全く違うというところに問題があります、一つは。ですから、もう石炭に対する取り組み方、それからエネルギーに対する取り組み方が違うという点が一つあります。 もう一つは、イギリスの問題でありますが、イギリスは御承知のとおり、まあ霧か石炭の煙かわからないという状態ですが、それを誇っておったわけです。誇っておった。これは確かにイギリスへ行ってみるとまさにそのとおりでありました。だから、イギリスはその意味で一つの誇りのようにしておったわけですが、日本ではそういう問題にならないうちに、過密状態から起こる公害問題というのが一つ一番大きな焦点になってきておるわけであります。 もう一つは、やっぱり海外から露天掘りでもって持ってくるような石炭と違いまして、京浜埠頭あたりでもってトン当たり千七百円ぐらいも価格に差があるということ、重油との間にも差がある、こういうことで、経済的にもいき詰まってきておるわけでございます。しかし、私は石油をたく公害、石炭をたく公害という面、国内資源であるという石炭という面から相当考えなければならないということで、電発の石炭専焼火力というようなものも考えておるわけでございます。ただ、九電力に押しつけるということになりますと、これはやっぱり相当強い行政指導をしないとなかなかむずかしい。 というのは、一つには電力料金の値上げ問題とからんでおるわけでございます。私は相当強く言っておるんです。ところがもう三十五年以後ずうっと十何年間も電気料金が上がっておらない。新しい投資はうんとしなければならない。そこへもってきてナフサをたかなければならない。こういういろんなコストアップの要因がありますので、そういう意味で非常にこれから長期的な見通しのスタートをするときにおいて、やっぱり政府も、やるならば腹をきめて石炭をどれだけたかせるかということを考えないと、脱硫装置に対する税制措置やいろんな金融上の措置もしてやるということでないと、なかなかうまくいかない。他の国がそうであるからということで、一律に日本もかくあるべしというわけにいかないのです。ですから、まあ北海道で石炭専焼火力をやろう、そしてピーク用の融通電力に使おうとするためには、電発の全国縦断の送電線をやらせなければいかぬ。私はもうこれは電発をつくったときから——電源開発促進法は議員立法でありますから、私も提案者であります。ですから、これをつくったときから本州縦断幹線ということを考えておったわけです。九電力を合併させない限り——まあ合併させる気はありません。九電力のそのまま存置を認める限りにおいては、広域電力行政をやらなければいかぬ。それは送電線だ。私はもうこれはやはり二十年近くこういう持論を持っているものでありまして、通産省へ行ってからも、いま審議会で検討されているようなちゃちな計画ではだめだ、全国の送電幹線ということで電力の融通を考えなきゃいけないということを指示しており、その中で石炭がどう位置できるのかということで、いま検討いたしておるわけでございます。
○阿具根登君 私の考え方と似たような似てないようなものなんですがね。大体電力の問題に対してこうすればコストが上がるんだ、電力料金を上げなきゃいかぬのだというのが最初の答弁でしたけれども、電力会社が赤字で倒れた会社はないんです。石炭会社は十年前に六百五十あった。これがいま六十五なんです。十分の一に倒れているんです。もうかっておるやつをしゃにむにもうけさせる必要はないんです。そうして今日、私は電気業界ということよりも、これは終戦このかた日本の基幹産業というものは、それは相当苦しんできましたが、電力会社等も相当な石炭の恩恵にあずかってきたものと思う。それだけれども、国の経済のために尽くしてきたのだからあたりまえですけれども、それが今日の状態を見てみると、もうほとんど石炭は要らない、こういうことを言っているわけなんです。本質的に二百二十万トンですか、北電が使うだけ。一体そういうことはどういう考え方から言われるかと見てみますと、いろいろ理由はここに十ばかり並べられてあります。公害だ、こう言われておる。公害、ばいじん、硫黄、それから周辺地域の情勢、大気汚染、コスト高、供給不安、重専化済み、老朽火力ですね。これはたかないための理屈なんです。使いたくないための理屈なんです、私に言わせるとですね。だから私は、使いたくない、たきたくない人にたいてくださいと言って頼むのが間違いだと思うのですね。で、石炭業者なるものは、石炭を掘ったら赤字になりました、赤字になったから政府に補給金出してください、何出してください、こうお願いに行く。そうして、今度は電力会社にどうぞたいてくださいとお願いに行く。電力会社というのはいま言われましたように公益事業であって、九分割はされているけれども、独占企業で、国がしっかり守ってやっているやつなんです。その国からしっかり何よりも守られている電力会社が同じ日本の国の基幹産業であって、他国では一億トンからたいておる石炭を、それを要らないというようなことでは困る。その国がしっかり抱いておった九電力の独占を切ったらどうかと思う。いかがですか。電力関係の事務所でも行って見てごらんなさい。これぐらい裕福なところはない。天井見ておっていばっていていいんです。一方は十分の一に減ってきている。そして石炭たかない。これは一体どういうことだろう。それは九分割されて、独占企業で、だれも入ることができないのに守られてしまって心配何もない。そしてこれは公益事業である。こういういかにも有利な一番いいところにおりながら、ここでこういう十の項目を上げられている。この十の項目を守って、あなたいま北海道の一部と言われましたけれども、これも北電の管轄下に入るか何かしなければできない、いまのところは。そして電力会社のごきげんを伺って、御意見を聞かなければこれやれないわけです。それならば、石炭会社もいまの日本の経済の行き方、外交の行き方、そういうことから考えてみても、外国から原料を持ってきて日本で製品にして、売って、日本の経済伸びているのでしょう。日本の国内でも、石炭を掘った人がその石炭をそのまま買ってくれと言って売るのじゃなくて、その石炭をドイツみたいに商品にしたらいい、石炭会社にさしたらいい。そして、つぶれたらしょうがない。 〔委員長代理川上為治君退席、委員長着席〕 私はなぜこういうことを言うかと申し上げますと、今度関税が十二分の十石炭に回ってきます。そして五年後には二千万トンということが出てまいりました。それならば、それじゃ五年間それで見てやって、石炭が一本立ちできる会社が一つでもあるか。私はないと思う。ないということは、石炭がある限りにおいてはこういう政策をしゃにむにとらなきゃいかぬということなんです。それよりも前向きに、私が申し上げましたようなことができるようにその金を回していって、五年なり十年先に一本立ちできるようにしたらどうだろう、私はこう思うのですが、それに対してどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(田中角榮君) 石炭鉱山に対する専門的な御意見はよく理解できます。私も石炭に対しては長いこと何とはなく関係してまいりましたし、研究もしてまりました。そういうことで、いま石炭鉱業が長いこと国の経済再建に協力をしてきた、その功績というものは一私企業として論じられるべきものでないということで、関税の割り戻し等いろいろな措置をとっているわけで、これは当然のことだと思う。私は、日米繊維交渉をやったときにも、一年間二千億円という対米繊維貿易の一年分以上を出すべきであると言い、それを実現したのです。明治から百年間の輸出に対して繊維や生糸がとってきた功績ということを考えれば、当然の割り戻しだという思想で財務当局とも交渉してあのような結論を見たわけであります。あなたの言われることはわかるんですが、これはやっぱり先ほどから述べておりますように、日本の石炭鉱業というものの一つの特性ということ、これは立て掘りであって、非常に深いところから掘らなきゃいかぬので、どうしてもコストは露天掘りと違って高いということが一つあります。 もう一つは、公害問題でもって、粉じんその他の問題で大気汚染ということで、石炭の使用量がだんだんと減ってきた。減ってきたというよりも、それよりも安い石油というものが容易に手に入るということだと思うんです。安易な考えかもしれません。そういう問題で今日になっているわけでございますが、私は二千万トンというものを確保するにもたいへん努力が必要だと思うのです。必要ですからそれなりの私は努力をしておりますし、これは、どうしても石炭というものが全く使えなくなってしまうというようなことであるなら、公益事業であるだけに、何%というものは使うべしということを国策としてきめることも可能なことであります。またしかし、そこまでいくことであるなら、私は電発をもっと拡大をしながら、政府機関として石炭をたくということのほうが合理的であり、頭も下げないで簡単に済む。頭を下げることは一向差しつかえありません。しかし、電力料金値上げへすぐはねかえってくるようになればまた問題でありますから、そういう意味ではやっぱり電発に専焼火力をやらせる。そして、縦断送電線によって、送電線の中に電力を送り込んでおけば済むわけであります。これは広域行政になるわけです。ですから、そういう新しい問題で解決することが望ましいと私は思っているのです、実際には。ですから、そうすることによって、いま電力といっても景気が悪いから関西電力なんかもっておりますが、景気がよくなれば、もう政府が企図したように一〇・一%の成長ができておれば、関西電力は節電・減電をしなければならぬことは事実であるわけなんです。ですから、そういう意味で電力会社に石炭をたかせることについては私も精力的にたかせる努力をいたします。いたしますが、私のいままでずうっと長く考えた立場から言うと、電発というものをつぶさないでもっておったわけです。一ぺんは電発を廃止すべしという勧告が出たのですが、電発は必要であるということで存続しておるわけでございますので、これの活用はできる。しかも、いま電発が持っておるものをあのままにしておくことはない。電発の財産は全部九電力に年賦償還で売り払っても自己資金の調達はできるわけであります。ですから、そういう意味からいま検討を進めておるわけです。これは私自身が、通産事務当局にもこういう考え方で進めなさいという意思表示をしておるわけであります。まあいろんな面から、こういう討議の中から石炭というものの位置をどういうふうにするのか、どうして守るのかということについて結論を出していくということだと御了解願います。
○阿具根登君 大臣言われたように、電発は確かに石炭をたくということで、一応数字も出しておられる。同じ電力をつくっておるのに、電発は石炭を使います、九電力は石炭は要らない、それではこの十の理由が理屈にならないわけだ。たとえばですね、硫黄分が多いから、ばい煙があるから、それでたかないというならば、今度四月には三井アルミでばい煙脱硫装置ができるんですよ。それを見て、ほんとに効果があがっているならば、そういうやつをひとつ政府で考えてくれないかと、これは石炭会社がそういうことを考えてくれないか、こういう考え方でやっていけば、私はいま時分にこんなにたくさんの炭鉱をつぶすことは要らないと思うんです。 それから、コストが高い高いとおっしゃられるけれども、それは、いろいろな部面はありますけれども、私のもらっておる資料によりますと、北電では、一キロカロリーで、重油では八十円かかります。石炭では四十九円です。約半分でいいんです、いま。九州でさえも、重油で六十九円、石炭で六十七円。まあ油はパイプで片づけられるから、まだ石炭よりも使いいい。これは事実です。石炭よりも油を使うほうがいい。私は、だれが考えてもいいし、それは油を使うほうがいいんです。しかし、油はほとんど外国から買わなければならぬやつです。だんだん油が高くなってくることは、これは事実ですね。そうすると、一体どうなるのか。いままでは石炭が高いから高いからと言っておったけれども、現実はもう石炭のほうが安いんでしょう。今後日本の石炭がいよいよ少なくなってくるなら、油はますます高くなると私は思うんです。だから、ほんとうに日本の基幹産業であり、日本でたった一つ残されておる原料をどうしてそんなに忌みきらわなければならぬのか、ここにもう少し私は頭を使わなければならぬと思うんです。それが九電力——独占企業で守られておる人の義務ではなかろうかと思うんです。確かに使いたくないということはわかります。わかるんです。使いたくないことは、もう私だってそう言うでしょう。しかし、日本の置かれておる立場——油が来なくなったら一体どうなりますか、何か問題が起こったらどうするつもりですか。油はこれからどんどん入ってくるでしょう。いま二億キロですか、五年後に五億キロですか、そうしたら、これは原油で入ってくるなら、半分くらい重油になるでしょう。これ一体どうするつもりなのか、これもひとつお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(田中角榮君) 数字を見ると、私もそう思うんです。電発は四十六年で三百万トンの石炭を使っております。これは五十年においては、いまのままでも三百二万トン使うわけですから、減らないのです。同じものを二倍にすれば六百万トン使えるわけです。九電力は八百四十三万トン使っておる。それが四十七年度には、九電力側の提示数字を見ますと、五百六十万トンになり、三百七十万トンになり、二百五十万トン、二百二十万トンになる、五十年度。そうすると、これは五十五年度にはゼロになるということでしょう。これは、重油を使えばパイプラインでもってそのまま供給できるからきれいだ、小ぎれいなことを言えるということでありましょう。これはもう固型物を運び込むよりも非常に楽である。こういうことで言っているんでしょうが、そういう自由経済方式だけで、一体こういうものの調整ができるかというあなたの指摘、これは私も理解できるんです。そういう意味で、このままでいけば千五百万トンしか使わないんです。私は二千万トン以上使わせようということを言っているわけですから、何らかの処置をして二千万トンの需要を確保したいということで、いま事務当局を督励してやっておるわけであります。だから、こういう問題審議会もございますし、ただ経済ベースだけではなく、審議会にもそういうことを申し上げて、いろいろな角度から世論を起こす、そうしてうまいことは、九電力というものは公益事業であり独占企業である、これはまあ特殊会社であるということを考えてみれば、たかせようと思えば、先ほど申し上げたように、たかなければならないという基準を、一〇%なら一〇%、二〇%なら二〇%に押えるとすれば、少なくとも五十年にこの二百二十万トンとはならないわけであります。ですけれども、そういうことから考えましても、いまの電発の三百万トンを三倍にすれば九百万トン使えるわけです。ですから、そういうことがいいのか。九電力の八百四十三万トンと二百二十万トンの中間値、三百七十万トンなら三百七十万トンというものは、少なくとも当分の間たかせるようにするのか。そのためには、もう年限のきておる発電所は新しくしなければなりませんし、新しい発電所については原子力発電所とか地熱発電所とかつくらなければならない状態でありますから、そういう中で、電力行政の面から見て、一つの政策として打ち出すことは不可能ではないと思います。しかし、そこにもう電力オンリーで考えるとまた議論の百出する問題であるということは、そのとおりだと思うんです。ですから、そういうことを考えながら、二千万トン以上という、これは当初は二千万トン程度ということで、程度は上下一割というような議論があったのを、少なくとも二千万トン以上にしなさいということで、私が強く述べて、それで二千万トンを下らないという表現をしたわけでございますが、この二千万トンという意味も、私もこれだけ発言をする以上は、五百万トン以上たかなければいかぬという責任を感じておるんですから、だからそういう意味でいろいろな角度から検討を進めておると。まだしかし、結論が出ておる状態ではないということだけは御理解いただきたいと思います。
○阿具根登君 体制委員会でも議論されるでしょうから、この議論はこれぐらいにいたしますけれども、私は、石炭業者も考えねばならぬと思うんです。ある業者においては、その競合する張本人である油を自分で手がけて、油ではもうかるようにやって、一方では石炭を切り捨てていって、そしてその金は政府にください、政府にください、もうかるやつはどんどんもうかる、こういう考え方を持っておる人がおると私は思うんです。そういうことを——一方では油でもうかるだけの油を入れなきゃならぬ。いわば石炭が減ることはわかっているんですね。石炭が減ってくれば、それは自分のところがつぶれるのがわかっている。つぶれるなら、政府の金が出るうちに早くつぶさなければならぬ、いつが一番出るだろうか、こういうことまで考えている人もおるのじゃなかろうか、邪推かもしれません。しかし、そういうふうに考えられないところもないと思う。そこで、これは部長さんでいいですけれども、いま問題になっております美唄ですね、美唄は政府から調査団まで出していただいて、そしてこれは残存石炭もない、これは閉山やむなしというような決断が出たと。これは、技術の調査団が行ってやられたならばこれはやむを得ませんですね。しかし、ちょっと調べがあったら教えてください。三菱が美唄を分離したのはいつですか。 それからもう一つ、分離して、そして今度は分離しておったものをわざわざまた三菱に入れている、これはいつですか。これを教えてください。
○政府委員(青木慎三君) 三菱が美唄を分離いたしましたのは、昭和四十年六月十六日でございます。それから再度大夕張炭鉱株式会社に合併いたしましたのは、四十六年七月一日でございます。
○阿具根登君 そうすると四十年六月に、おまえは分離して独立してやれよといって分離させておいて、四十六年の七月には、分離しておったんではまあなかなか困難であろうと、だからまたもとの古巣に帰ってこいというて帰ってきた、それが四十六年七月。それがことしの二月には、おまえは閉山だと。一体こういうのが全部通産省では、これよろしいよろしいとやるならば、これ業者の思うままじゃありませんか。業者の思うままになっていると私は思うんです。なぜかなら——答弁してください。
○政府委員(青木慎三君) 美唄炭鉱の分離並びに再合併につきましては、そのときどきのいろいろ事情がございまして、私どもはやむを得ないと判断したわけでございます。 分離のときの事情といたしましては、美唄の累積赤字が三十九年度末で約四十億近い赤字になりまして、このまま放置しますと三菱鉱業全体がこの赤字で非常に経営が危険になるという事態もございまして、むしろ分離して、その赤字をある程度解消しまして、新しい責任体制で小ぢんまりとした経営にしたほうが長続きするという判断で分離をしたわけでございますが、その後、分離後しばらくは非常に好調に推移したわけでございます。しかしながら、その後、常盤坑に災害が二回ございまして、ここで非常にまた美唄炭鉱の経営が困難に逢着いたしてまいったわけでございます。そこで、昨年合併いたしましたのを今度は再合併いたしまして、南大夕張鉱の増産をはかりましてこの累積赤字を解消していくことが、むしろ美唄を長く維持させる方策であるという計画になりまして、その後再建計画を認可しまして合併を認めたわけでございます。 最近に至りまして閉山を決意するに至りましたのは、その当時の再建計画では、大夕張社全体といたしまして対策後の損益が四十六年度四億七千百万円の黒になる予定であったわけでございますが、名山とも計画より経営状態が悪くなりまして、四十六年度末では十六億七千四百万円の赤字となってしまったわけでございます。その主たる理由が、美唄の予定が約十億ばかり狂いまして、この狂いました主たる原因は、やはり当時の自然状況の把握が若干ずさんであったと考えますが、予想よりはるかに自然条件が悪化しまして、このままいきますとやはり大夕張社全体の赤字が非常に多くなりまして、全体の経営が苦しくなるという事情もございまして、閉山やむなしと判断したわけでございます。
○阿具根登君 説明はそうでしょうけれども、四十六年の七月に合併して、そうしてやっていけるというのが、半年たった今日、炭量がない、堀れない、そのくらいの半年の見通しもなくて石炭山がやれますか。最初から閉山計画があったものと私は思うのです。あるいはそうじゃなかったという反論も持っております。それは何か。これは外に出せないやつなんですけれども、会社自身がいろいろはじいたデータを見てみますと、十九の炭鉱の名まえが出ております。ほとんど大手です。その中の十一番目にことしは入っているのが美唄です。四十八年に八番目に上がっている。大手筋の炭鉱全部十九ずっと並べてみて八番目にいい炭鉱ですよ。そしてそれは、赤字はトン当たり二百三十六円しかない。そこまでちゃんと、来年度分まではじいてあるのです、四十八年がですよ。それがいま閉山しなければならぬ。一体こういうことだったら、どの炭鉱がそれじゃ生き延びるだろうか。ほとんどの炭鉱はつぶれてしまうのじゃなかろうか、こう言わざるを得ぬと私は思うのです。いやしくも千何百人の人間を使っておって半年先の見えないような炭鉱というのは、私はないと思う。四十六年七月に入れられるときは、おそらく大夕張を抱いておったならばいけるだろうと思っておられただろうと思うのです。ところが、私の資料によって見ると、その大夕張が一番悪いのです。 これ以上炭鉱の内容は、問題が起こりますから言いませんけれども、そういうような何か人をペテンにかけたようなことをやり、働いておる千何百人の従業員はどう思っておるのか。これでいけると、それを取り巻いておるその自治体の皆さん、商店街から一般の皆さんは、いや、これでおれのところはだいじょうぶだと言って安心しておったのに、今度は閉山。一体この始末はだれがするんですか。だから私はどうしてもふに落ちないのです、これは。 もう一つ聞きますがね、住友炭鉱があれだけ閉山して赤平だけ残りましたが、そのときは系列会社から——三回、四回にわたって系列会社が全部話し合って、たしか四十億の金が出ておると私は思っております。この美唄炭鉱の閉山については、月に一億の赤字があるから切るんだと、こうおっしゃるわけですが、三菱系列で幾ら出したか。通産省も住友の場合は、住友の白水会といいますか、あれに対しましてもひとつ協力を頼む、協力を頼むとやられました。そうして系列会社が泣く泣くついてきて、四十億の金を出したと私は思っておる。今度は美唄はそういうかっこうになって閉山するんだと言っておるのに、三菱傍系全部で幾ら金を出したか教えてください。
○委員長(大矢正君) 石炭部長、大事なところなんだよ。これは私からもこういう立場で質問をするのはおかしいんだけれども、同じ疑義を持っているからお答えを願いたいのですけれども、私は口が悪いからごかんべん願いたいのだけれども、この四十六年、すなわち去年の七月に合併をしたことを通産省が認めたというのは、通産省が三菱鉱業にだまされて、そして認めたのか、それとも三菱鉱業と通産省が共同謀議で、半年後にはつぶすことがわかっていて、お互いにわかりつつそれをやったというのか、どっちなんだ、それをはっきりしてください。いまの阿具根さんの質問と一緒に答弁してもらいたい。
○政府委員(青木慎三君) 美唄炭鉱の閉山に対しまして、三菱グループから資金援助があったかどうかということでございますが、資金援助は直接、グループとしてはなかったと思います。ただ三菱鉱業株式会社というのは、系列の石炭生産会社に対して資金援助をしておりまして、現在、その残高で美唄炭鉱に援助をしております。残高は三十四億円でございます。これは三菱グループではございませんけれども、三菱鉱業本社から出ております資金援助額でございます。 それから、大矢先生の御質問でございますが、当時再建計画を認可いたしますときには、一応資金繰りをはじきまして、会社全体としては美唄の赤字を消せるような計画でございました。と申しますのは、四十六年度に全体として四億七千百万円、四十七年度では二十億一千八百万円、四十八年度で二十四億四千五百万円の黒が出るという計算になっておったわけでございます。もちろん四十七年度、四十八年度は若干の前提がございまして、原料炭価格が三百三十円ほど上がるということを見越した数字でございますが、当時の判定としましては、全体としてこういう推移をたどるであろうということでございまして、こういう推移をたどれば美唄はもっと長く生きられる、こういう判定を下したわけでございます。
○阿具根登君 三菱鉱業とおっしゃいましたが、三菱鉱業はその主体は、これはいままでの三菱炭鉱大夕張ですね。あるいは高島、端島という炭鉱の売炭を一手でやっているんです。同じところなんです。ただ名前が違うだけで、同じことです。その責任者が大槻文平さんでしょう。石炭協会の会長さんでしょうが。あたりまえです、そんなことは。だから私はいよいよここをつくわけなんです。石炭協会の会長です。そして三菱のいままでの責任者なんです。しかもその系列にあるんです。そのくらいあたりまえです、それは。そんなら住友のとき、あれだけやって、そして通産大臣もこれはずいぶんお骨折り願って、そしてあそこは円満に片づいたわけなんです。三菱の場合にはあまりにも通産省が、私はだまされ続けておるというか何というか、いま大矢さんの話のように、通産省までそういうことでいいだろうか。一ぺんほうり出してまた入れて、今度はおまえはもう永久に終わりだ。そして、聞くところによると、今度は油の社長になられる——なられたかなられる。三菱石油開発株式会社ですか、そうなられる。とすれば、これは転身じゃないですか。石炭やめて油に転身されるんですよ。自分は転身していいでしょう。残った労働者と市民は一体だれが救うんですか。私は、そういう点が非常に何かふまじめに見えてしょうがないんです。自分は油と石炭に両橋をかけて、そうして転身の準備としか思えない。このやり方を見てみると、いままでのやり方と違うと私は思う。そういうことが許されていいだろうか。それだったら、これからみな自分のよかるほうにいって、山は政府に買ってもらう。残った従業員は住友だってまだ千人残っておりますよ。そうして今度美唄で千人から出ます。北海道の寒空で何の仕事させますか。これは労働大臣がおられれば聞くところだが、こういうことが私どもは許されていいだろうか。犠牲になっているのは一体だれだろうか。そういうことをやった責任者は、だれか犠牲になっていますか。犠牲になっていないんです。ただ、いままで炭鉱で働いて命をなくして、そうしてかたわになった、あるいは未亡人が一番の犠牲者になっていく、こういう政策がいいだろうか。私はどうしてもどれは納得できないんです。もう少しひとつ説明してください。
○政府委員(莊清君) 部長から経緯については詳細御報告申し上げましたが、私、事務当局の責任者として率直に反省いたしておりますが、事務当局は事務当局といたしまして、その時点におきますあらゆる面で詳細な技術的な検討も行ない、また、経理面からの検討も実は行なったっもりでございます。そうして御案内のとおり、石炭鉱業審議会の経理審査会でのさらに専門の先生方の相当慎重な御審議もちょうだいした上で、合理化計画の変更という形で昨年の夏、再度の吸収合併が行なわれたわけでございます。それで、今回のように自然条件が全く予想外に急に悪化するということがその当時わかっておりますれば、こういう形の吸収合併というふうなことについては別の考え方、対策の立て方というものがあることは当然でございますが、認可して一年もたたないうちに、実はと、見当違いしておりました、というのは、これは先のことはわからないわけではございますけれども、事務当局といたしまして私は、率直に遺憾だと考えております。今後、各社の合理化計画等につきましては、私どもはさらに努力をいたしまして、もっと先まで見る努力をさらに一段とするという覚悟でございます。 それから、三菱石油開発のお話もいま先生からございましたですが、これは三菱のオール三菱と申しますか、二十数社で出資をいたしまして、三菱グループとしても、わが国の海外石油開発にひとつ貢献しようではないかというふうなことが従来から懸案になっておったようでございまして、ようやくことしに入りまして、共同の出資会社という形でできたわけでございます。三菱には石油の専門の会社というのは、掘るほうではまだございませんので、鉱山関係と申しますか、そちらのほうの関係があるということと、三菱グループの幹部の中の長老格でもあられる、たまたまそういうふうなことで初代の社長、世話役という形でそういう共同投資の子会社の社長に就任されたというふうに私どもは聞いております。当然本業のほうは、石炭の会社の首脳部でございますから、今後とも一石炭協会の会長として、一社だけでなくて、自分のところだけではなくて、日本の石炭産業全体のために、これは政府にも十分協力をしていただいて、御努力をいただかなければならないわけでございますし、会長就任後、私お目にかかりました際にも、その点ははっきりと御当人から実は伺っている次第でございます。通産省として今後会長にも大いに奮励していただいて、われわれもタイアップをして何とかいい石炭対策をまとめるという努力をいたしたいと思います。
○阿具根登君 私の時間がなくなりましたからやめますけれども、通産省がそう言われることはわからぬことはないのですが、実際は通産省が腹立つんじゃないですか、私ら以上に。私はそう思うんです。いまの局長の話でも、じゃ、油には三菱系が全部出資して油の会社をつくろうと、その親玉が大槻さんだというなら、なぜこのつぶれていく山に、この人たちにもっとあたたかい手を差しのべぬですか。いままでいいときだけ三菱、三菱と言っておいて、つぶれるときは政府だ、政府だ、こう言っておる。そうして今度は油がいいから油には全部出資して、そして石炭の親玉あんたがなってくれ。それだけの結束があるなら、月一億くらいの赤字の山をなぜみすみす殺していかなければならぬか。これはここで私が言うわけにはいかぬかもしれませんけれども、あの山がせめてことしの九月まででもあったなら、皆さんのおかげでできました年金でも細々としたのを、あの寒空の北海道の諸君がもらえるんです。幾らかかりますか、それだけ延ばして。まるでもう踏みつけるようなやり方じゃないかと私は思うんです。少なくとももうこれだけの結論が出て、私が何ぼわめいても、あの美唄が生き残るとは私は考えられません。しかし、それならば再就職、その他一切の責任を三菱に負ってもらう、だれからも不満が出ないように。そこまでやる義務があると思うんです。こういうことをやってきたんだから、残った人のめんどうは一切あげて見てもらう。企業を持ってくるなら持ってきてもいいでしょう。ばく然たる抽象論じゃなくて、どういう企業を持ってきて、どれだけの人を使い、町はどれだけ潤い、どれだけの労働者が助かる、それぐらいのことは責任を持って私はやってもらいたい。また、通産省やらしてもらいたい。またできなかったら、通産省もうんと応援もしてもらいたい。これだけお願いして私の質問をやめます。
○委員長(大矢正君) 通産大臣、いまのことで、大事なことなんですが、さっき私申し上げたように、これはしろうとが聞いたってわかる話なんですよ。分離をしたほうが、徹底して合理化やっていく、つらいけれども自分の山つぶしちゃいかぬから、ほかの山よりひどい労働条件で一生懸命働いて、山を持ちこたえていくためと、こういうんで分離した。だんだんやってはいったけれども、しかし、うまくなくなった。そのときに、今度おれのところに帰ってこい、本家に帰ってこい、帰ってきたら全体で見てやるから——だから、あぶないけれども、これで救われるかもしらぬから、帰ってこいと言われて帰った。帰ったら、半年しないうちに今度は、やっぱりおまえら抱いていたら、うちの会社、本家はあぶなくなるから、おまえつぶれろやということなんでしょう。こんなばかな話があるか。それが二年、三年たったあとに出てきたらというなら話はわかるけれども、半年でこういうことが出てくるということが、一体どこに原因があるのか。極論すれば、半年先もわからないような経営者が石炭の経営者としておるなら、そんなところに多額の国民の税金を何のためにつぎ込むかという議論だって出てきやしませんか。またこれは、私の言うのはほんとうのしろうとの議論ですが、しろうとでもわかる議論ですよ。私たちが一番不審に思うのはそこなんです。だから、いま阿具根委員がおっしゃるように、そういうむちゃなことまでやるんだから、それならば、政府にも迷惑かけないで、自分の力でもって働く人々やその産炭地の救済策や措置を行なうべきじゃないか、こういうことなんですよ。たとえば突発的に事故が起きて、この際十億、二十億金がなければできないとか、そういうことならまだ話がわかるんですよ。半年前は、抱けば美唄も生きていけるから、お前ら戻ってこいやと言っていたその炭鉱が、半年たったら、いや、よくやってみたところが、掘る石炭がないからやめようじゃないか——半年前に、掘る石炭があるかないかわからないような経営者に石炭の経営をやらしておいて、石炭産業が立ち直れると思いますか、きびしいことを言うようですけれども。これはひとり三菱だけではない。石炭の経営者全部がそういうことに対して真剣に考えなかったら、国民の税金を使って申しわけないと思うんですよ。含めて大臣の基本的なこの際、姿勢をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(田中角榮君) 私は、分離をし、また合併をしたという事実はつまびらかにしなかったわけでございます、私自身は、美唄という石炭の町というのは八万人が四万人になり、今度閉山になれば二万人になる、こういう実態でありましたから、これはもうできるだけのことをして、存続ができるようにしなければならないということで、私みずからが命じて調査団を出したわけであります。調査団が出て、専門家が検討した結果、見込みがないということになって閉山ということになったわけです。閉山ということになれば、美唄の町そのものが困るし、これだけの人がまた都会にこのまま出てくるということになれば、これはもうあそこに働らいておったときと比べると、社会保障費の面から考えてもたいへんなことになるわけです。ですから、前の石炭鉱山が合理化したころは、景気もよかったし、就職もできたと思いますが、今度はそういう事態にない。だから、その意味では非常に慎重を期さなければいかんということで、私自身がこの問題は指揮をして、いろいろの工作をしてみたのですが、結果としては今日になっているわけであります。 ですから、二つに分けて考えられるわけで、一つは、いま阿具根さん述べられたように、大三菱であるのだから、とにかく自分で再就職その他について万全を期してもらいたいということが一つあります。自分の子会社にでも何にでも持っていって救済したらいいじゃないかという、それくらいのことはなすべきじゃないか。これは通産省から三菱にも言える話でありますから、これは、私自身もそういうことを三菱関係者に要請することは一向さしっかえございませんし、これは事務当局とも力を合わせて、できるだけ現地にとどまることができるように、それは職場を変えなければならぬわけでありますから、そういう努力はいたしたいと、こう思います。なお、三菱だけではない。政府自身も、労働大臣先ほどまでおりましたが、これは万全の再就職、それから、中高年齢層でありますから、この職業訓練も新たな面から考えなければならない。ですから、そういう問題も労働省とも打ち合わせをしております。とにかく相当の高年齢層の人が出ると、家をあげて出なければいかぬということで、炭住は空き、東京に来れば東京では住宅不足に拍車をかけるということになるので、さらにたいへんなことであります。ですから、こういう会社に対してはできるだけのことをなすように、また、政府部内がなさなければならぬことに対しては、できるだけの措置をいたします。 ただ、私は先ほどからちょっと聞いておったのですが、半年前に分離をして、半年後にまた併合してつぶした。こういうものに対して、私もちょっと勉強不足でございますが、これは分離したときには、徹底的な合理化を行なうという目的で分離したのだと思います。分離したものがまた合併した。こういうもとに戻したというときに、もう見込みがないということで戻したのか、それから、まあ自分たちのところに戻れば、世帯が大きいから、その中で何とかできると思ったのか。もう一つは、どうせつぶれるのだが、分離したままではなかなか操作ができないから、合併してしまえば中で幾らかでも残っている部面で再就職等が吸収ができるということを考えたのか、その間の事情はつまびらかではありません。ただ問題は不見識であったという、もちろん出たり入ったりと、こういうことですから、不見識という面は、これは御議論ありますので、これは状況をよく調べてみたいと思いますが、たでひとつ指摘されることはこういう問題なんです。分離をしてそのうち合併をした。合併をしてからつぶしたことによって、三菱鉱業が不当に政府の助成を受けたり何かしておって、金銭的な面とかその他で何か合併のメリットがあったのか。あれば、これは問題です。分離したままならば三菱の収入にならないものが、合併をしてつぶすことによって三菱に何らかの国の恩恵がもたらされるとしたならば、これは合併の不当性ということは言えるわけであります。それがなければ、見識の問題だけである。私はさっきから聞いておりましても、分離してまた入れて、またつぶしたということが半年間に行なわれておることは、経営者としての見識の問題ということだけじゃないかなあと思っているのです。そこはよくわからない。
○委員長(大矢正君) 大臣、勘違いしているのだ。私は、なぜ通産省がだまされたのか、それとも通産省と三菱鉱業がぐるになってわれわれをごまかして、それでやったのか、どっちかと聞いたのです。なぜかということは、通産省が認めたからもとへ戻ったんですよ。通産省が認めなかったらもとへ戻れないのですよ。そんなことははっきりしておるわけです。だから、それをあなたは他人事のようなことを言うから……。あなたの責任なんだ、はっきり言えば。だけれども、私はそこまで言ってないだけの話で……。
○国務大臣(田中角榮君) いいですよ、責任あれば、幾ら追及されてもけっこうです。そんなことを責任回避する気持ちはごうもありませんから、一向差しつかえありません。ありませんが、通産省と三菱鉱業がぐるであったという後者ではないということははっきり……。通産省石炭部というものがこれぐらい努力してきているわけですから、そんなことをするはずはない。過去の実績に徴しても明らかである、こういうことでひとつ御理解いただきたいと思います。 第二の問題、そういう意味でね、私この問題だけはっきりさしておきたいと思いますのは、ただ私のほうで、通産省がそんなに見通しの悪いことをまるのみにして分離を認めた、合併も認めた、不見識だと、こういうことはございます。ただ、そこでひとつ述べておきたいのは、さっき言ったように、分離をすることによって危険をのがれたということは言えると思うのです。ただ、再合併をしたことによって三菱鉱業はどのくらいのメリットがあったのか。いわゆる政府から合併をしたために金をもらったとかということで、三菱鉱業が合併、再合併により不当な利得を得ておるということであれば別でありますが、そういう事情はないということになれば、通産省はもっとこのような問題に対しては御指摘を受けるようなことのないように、先ほど石炭部長が言ったように、慎重に、場合によれば調査団を事前に出しても慎重にやりますと、こういうことでやはり御理解いただきたいと思うのであります。
○柴田利右エ門君 石炭の問題で、いま北海道の三菱炭鉱のことがいろいろ論議の対象になっておるのですが、実は私は、こういうことを聞いたので確かめたいと思います。 北海道の開発庁で第三期総合開発計画というのが策定をされまして、そこでいろいろな計画の中に、石炭の位置づけというようなものも一応おおむね二千万トンだと、こういうことで閣議でもそれが開発計画として、石炭の位置づけを含めて了承をされたというふうに聞いておるのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田中角榮君) 三月三十一日に体制委員会の決議が行なわれた中に、二千万トンを下らないということが決議され、通産大臣にはその旨通報がありました。これを私、閣議にはまだ正式な案件としては提出をしてございませんので、閣議で二千万トン云々ということをきめた事実はありません。
○柴田利右エ門君 私の言い方が悪かったかもしれません。私の申しましたのは、石炭鉱業審議会の二千万トンでなくて、それ以前に、北海道の開発庁で北海道の第三期総合開発計画という計画が確定をされて、その中に北海道として二千万トンということが位置づけられて、それが開発計画として閣議でも了承をされたというふうに聞いておるんですが、確かめたいと思います。
○国務大臣(田中角榮君) いま事務当局でただしたわけでございますが、北海道開発計画の中で二、三年前、日はさだかでないようでございます、必要であれば調べますが、北海道開発計画を閣議了承を行なったという事実はございます。その中に、北海道の中で石炭の位置は二千万トンというような数字があったということをいま知ったわけでございます。
○柴田利右エ門君 これは通産省に聞くより北海道のほうに聞かなければいかぬのでしょうけれども、第三期総合開発計画という中で、石炭の位置づけを、そういう数字を出して、いまのお話ですと、二、三年前というお話ですが、その後いまも話がありましたように、三菱炭鉱の場合、かなりの大きな山が閉山をしなければならぬというような事態に追い込まれておるのですが、こういう問題について、北海道自身としての開発計画との関係、さらにはこれが閣議で承認をされたといいますか、了承をされたといいますか、そういう関係というものは、それは一応二、三年前のことだから、情勢の変化は日々非常に激しい変化をしておるんだから、それはやむを得ぬということなんですか。
○国務大臣(田中角榮君) それはあなたが結論をお出しになりましたから……。やむを得ないということじゃないのです。はなはだ遺憾でありますということを申し上げるわけではございますが、しかし、それには三つも四つも理由があります。 一つは、情勢が変わったということがあります。情勢か変わったということを具体的に言えば、炭鉱災害が起こったということで、住友鉱山などは閉山のやむなきに至っておるという面もあります。今度の美唄は、学術調査を行なったら、炭量がない。炭量がないということでございますから、経済原則としてはこれは終閉山やむなしという結論でございます。 もう一つは、平価の調整等がございまして、京浜埠頭でも一って千七百円ぐらいのものが二千円以上の差がつく。二千円高いものについて、一体長期的に二千七百五十万トンという現在の採炭量が維持できるかというような面から考えてみますと、総合判断をすると、そのうち三菱、住友という大手の炭鉱、これは日本の炭鉱の歴史でも一番輝かしい歴史を持っておったものであるが、これさえも閉山のやむなきに至った、こういう事情があるわけでございますので、これは法律でもって書いてあれば、これは修正案を出さなければなりませんけれども、しかし、これは一つの開発計画でございます。石炭がどうしても目標を達成しないということになれば、石炭にかわる別なことを考えているはずでございます。そういう意味で、計画に対して閣議決定したものが、二、三年間で大きなそこで有名炭鉱をつぶさなければならぬ、それは不見識じゃないかと言われれば、それはそのとおりでございますと、ごう申し上げるわけであります。
○柴田利右エ門君 この中にもあります。炭炭鉱業審議会で、二千万トンを下らない線、こういうことで、これには二千万トンを下らない線ということだけあるのですが、前後した文章がございまして、決議文の中には、二千万トンを下らない線を維持するために、石炭体制委員会のほうでもできるだけ万全の対策を検討をしていくので、それに対して政府としても最大限の努力をしてほしい、同時にまたこれを実現をするためには、需要業界に対して非常に大きな協力を求めなければいかぬ、そのことについても、政府としても努力をしてほしいと、こういう趣旨の文章が一項、二項にあったと思いますが、先ほどの、私が一番初めに質問をしたときにお答えになったように、そういうような考え方で、これが一応新しい石炭の長期計画に対して骨子になるというか、柱になるものだというように思うのですが、いま事務局を督励をして、需要側に対してせっかく協力をしてもらうように努力しておるのだと、こういうことなんですが、まずその点がはっきりしないと、これの案自身も体制委員会のほうは、検討に入れないんじゃないかという気もするんですが、その辺はどうなんでしょう。
○国務大臣(田中角榮君) 事実はこうであります。体制委員会では、需要者側の事情も調査をいたしました。石炭鉱山側の事情も調査をいたしました。石炭鉱山側では二千八百万トンを確保してもらいたいということでございました。ところが、需要者側は千五百万トンしか使えません、こういうことでありまして、まあ彼此いろいろ調査をいたしました結果、三月三十一日になりまして体制委員会といたしましては、石炭鉱業審議会の決議としてこれを決定する必要があるということで、審議会の決議として二項目を決議をしまして、通産大臣に送付をしてまいったわけでございます。それから、通産大臣もその間の事情を知っておりますので、千五百万トンでもってバランスをとるということでは、これはもうどうにもならぬと思いますと、困難なことではございますが、二千万トン以上ということにしてください、こう私の意思は述べたわけであります。そうして、それはそれだけに通産省の責任はたいへんになりますよと、もちろんたいへんでありますが、これはたいへんであり、困難の中でもこの数字が実現するように万全の対策を講じてまいりたいと、こう思いますということなんです。ですから、まず千五百万トンと二千八百万トンの数字の中に二千万トンという目標数字を決議をしてもらったわけですから、政府はこれに対しては二千万トン確保するように努力をしなきゃならないんです。そうすれば、先ほど述べたように二百二十万トンしか使えません、こうがんばっておる九電力に対して、少なくとも三百七十万トン以上これを使えと、いろんなことをしなければなりません。そういうことをいまもう事務当局としてはやっておるわけでございます。 それから、同時にこの石炭鉱業審議会は政府に対して要請だけではなく、こういう制度上の必要があるかもしれませんというようなことは、これから二千万トンという数字に合うような、実現できるような具体策は体制委員会としては当然検討されるわけです。しかし、体制委員会だけの決定を待って、それだけ待っておれば通産省の責任は果たせるとは考えません。ですから、もう通産省としてもこれを二千万トン以上確保するために、具体的ないろいろな政策を考え一まず政策を考える。この政策や制度上の問題に着手する前にまず頭を下げて、ある意味においてはどうしても三百七十万トンから四百万トン使いなさいということも、いまやっているわけです。ですから、やっぱりこういうことで、できるだけ早く二千万トン以上使うための具体的な使い方、使い方だけでなく、使うとすれば、そこで政府がいろんな政策を要求されると思いますので、そういうものを早く具体的に詰めなきゃならないというのがいまの通産省の実態でございます。
○柴田利右エ門君 この二千万トンというのはまだ正確に、そうして政府としても、正式にこれをいろんな施策までを含めてきまったわけではないということでありますが、これは五十年度を目標にしてやるということなんですけれども、巷間伝えられておりますように、第五次石炭対策というのは最後の石炭対策だと、こういうふうに言われておるとすれば、少なくとも相当な間は、この今回出された決議といいますか、二千万トンを下らないというよりも、むしろいまの大臣のおことばでいけば、二千万トン以上のところに目標を置いて最大限の努力をしてみたいと、こういうことでありますが、この五十年度という一つの目標と第五次の長期対策ということの関連はどのように考えておりますか。
○政府委員(青木慎三君) 五十年度という一応の目標を置きましたのは、需要業界の実際の需要を正確に知るために、あまり遠い目標を置きますと、数字が非常に不正確になりますので、一応、正確に判断できる五十年度を一応の目標にしたわけでございます。ただ五次政策が五十年度限りということにはさまっておるわけじゃございませんので、今後対策を議論していくにあたりまして、じゃ五十年度以降どうするか、どういうふうに見ていくかということも含めて政策論を展開してまいりたいというふうに思っております。
○柴田利右エ門君 石炭対策というのは第一次から第四次までありまして、第一次から第三次までと現在行なわれている第四次というのは多少性格が違うのではないかというふうに承知をしておるのですが、第四次の場合は、それぞれの山をある程度調査をするというか、審査をして、この山は将来とも有望だということであればできるだけかなり金をつぎ込む、まあある金のワクの中から。そして、比較的希望の持てないようなところについてはそれなりに考えてもらおう、というような考え方だというふうに理解をしておるのですが、そういうところから考えてまいりまして、巷間言われているように、今度の問題が最後だというようなことであるとすれば、先ほどからも話のありました石炭の企業の場合、そして、そこに働く従業員の人たちの長い間の歴史の変遷の中から石炭の位置づけをぜひしてほしいと、こういう強い希望があるわけですし、また、事実そういうことを含んで大臣のほうは先ほどからの御見解が漏らされているというふうに理解をするのですが、もちろん、いまの段階でそのことが正確に所定の手続を踏んで確定をしているというふうには思いませんけれども、少なくともいまの考え方としては、この一定ワクというものを対策等も十分に見ながら、そして、むしろ見ながらというよりも、国内で出る石炭としてはこれが最後のといいますか、この線でとにかくいこうと、こういうことで対策ができてくると思いますが、そういうことに対してそのような理解でいいのかどうか。
○国務大臣(田中角榮君) 二千万トンを下回らない五十年度目標でございます。いまは二千七百五十万トン掘っているわけであります。九百万トン近く電力が石炭を使っておりますから、何とかこなせるということでありますが、先ほど申し上げたとおり電力は、五十年度には石炭は二百二十万トンしか使えません、こういうことであります。二百二十万トンなら、全体としては千五百万トンしか消費できないわけですから、それでは困るので、その中間値の三百七十万トン以上四百万トン近く使えないのかということで、こちらが電力会社と詰めなければならないのです。ところが、それなら電力料金全部上がりますよというようなことがもし起こるとすれば、政府は別なことを考えざるを得ません。しかし、二千万トンを下らないということの、答申ではありませんが決議が出た以上、それに合わせた政府としての施策を考えなきゃだめだと思うのです。その意味では、いろいろ努力しても、結果として一千万トンしか使わないようになりましたと、こういう事態が起きたのでは、政府が責任を果たしたとは言えないと思うのです。ですから、どうしても三十年、五十年先ということは言えないにしても、少なくとも五十年度二千万トンを下回らないという——そうすると数字から言うと、いまの需要者の想定しているベースよりも五百万トン多く通産省は引き受けなければならないのです、五百万トン。通産省が五百万トン引き受けるということになると、これはなかなかたいへんなんです。私はまだ五年や七年は代議士やっていかなければならないと思いますから、そういう意味では非常に重大な責任のある発言をしているのです。ですから私は、五百万トンならどうするか、こう言えば、いま三百万トン使っておる電発、電発は現に三百万トン使っているのですから、この発電能力を倍にすれば六百万トン使えるわけです。そういう問題も全部積み重ねてみないと、これはなかなかはっきりしたことは申し上げられないのです。ですから、少なくとも二百二十万トンに五十年度下がるという電力を、三百万トンはたかせられるのか、三百五十万トンはたかせられるのか。少なくとも五年か十年は各電力会社別に一札をとるというところまでやらないと、二千万トンを五十年度時点で私は確保できないのです。そして二千万トンマイナス幾らかあれば、とにかく融通電力やそういうものでもって何か別の石炭専焼火力をつくるというようなことまでしないと、なかなか……。ただ民間にまかしておって二千万トン以上やらせるような状態ではないということは、ひとつ御理解いただきたいと思うんです。
○須藤五郎君 先ほどから話が出ていますように、鉱業審議会が二千万トンを確保せよというような決議をなされた。ところが、石炭業界は現状の二千八百万トンを確保してほしいということを言っておりますね。ところが、需要者側は千五百万トン程度にしてほしいと、こう言っておるが、この問題をどういうふうに通産大臣としては処置していかれるのか。先ほど私は、労働大臣と廊下で立ち話をしたわけですが、労働大臣に対する質問は後日に譲るということで話したんですが、労働大臣はこの問題については、須藤君、君とアベックでひとつ通産大臣に要求しようじゃないかという話なんですよ。労働大臣は、あれは少なくも二千五百万トンは確保してもらいたい、こういうことを労働大臣の立場でおっしゃっていたように思います。 そこで、それに対する通産大臣の決意と、それからなお、今後二千万トンなどということになるならば、おそらくいまより以上に閉山がどんどんと起こってくるということも事実だろうし、したがって、失業者があふれてくるということも事実だと思うんですが、二千万トンにするという通産省の決意ならば、そのときにどれだけのヤマを閉山しなくちゃならぬのか、どれだけの失業者を見込んでいらっしゃるのかお答えいただきたい。
○国務大臣(田中角榮君) いままで年間五百万トンないし六百万トンも終閉山を行なってきたわけでございますが、これは最後に、四十七年度二千七百五十万トンのものが五百万トンずつ減っていくということになればたいへんなことです。そんなことはありません。いまも急速に減ってまいった炭鉱でありますから、とにかく減るということは、これからもっと鉱山石炭局は、鉱山別の資料があれば申し上げますが、しかし、現在稼動している鉱山のうちでどれがつぶれそうです、どれが終閉山ですというのは秘密なことでございます。こんなことを申し上げたらたいへんなことであります。その時点時点でやりますが、いま考えられるのは五百万トン、六百万トンベースで終閉山するという状態にはない。幾ら終閉山しても三百万トンぐらいのベースだろうという感じであります。ですから、いまの二千七百五十万トン全部守ろうというのが炭鉱側の考え方でございます。しかし、九百万トン使っておる電力が五百万トン、三百七十万トン、こういって、五十年には二百二十万トンしかたかないと言うんです。五分の一になるんです。だから、そうなれば千五百万トンしか使えないわけですから、それを二千万トンまで引き上げるように、五百万トンは通産省かひとつやりましょうと、こういうことを言っているわけです。ですから、いまどこの鉱山が——六十五しかない鉱山の中で、どの鉱山があぶないんです、ことしじゅうにやめそうです、そこからは何人離職者が出ます、それはごかんべん願います。それはごかんべん願いますが、だから、二千万トン使う、二千万トン以上五十年においても使いたいという、そしていま、どうして二千万トンをどこで消費させるかということを通産省で考えておりますし、通産省だけではなく、体制委員会でも、通産省だけに押しつけないで、あなた方二千万トンということに決議をしてくださったんですから、そのためにはこういう制度をつくりなさいと、これはいまの関税の振りかえ等をちゃんと研究してくれたんですから、そういうものは、政府が石炭鉱業だけを守るということで言うよりも、審議会が、体制委員会が、第三者としての立場から通産省に決議なり勧告なりしてくれることのほうが、国民がより理解をすることもありますから、そういうことは体制委員会、審議会、通産省が一体となりまして、二千万トン確保ということに対して具体的に積み重ねてまいります、こういう決意を披瀝しているわけです。
○須藤五郎君 大臣ね、私が何ぼやぼな男でも、どこどこの山を閉山するというようなことをここでおっしゃいということは言っていない。いま六十三ある山のうちで、二千万トンにするためには、少なくともいまよりも八百万トンくらいは減らさなきゃならぬのですね。そうしたら一体どれだけの山がつぶれると、六十三のうち、どれくらいの数がつぶれるのかと、そうしたら、したがって、そこからは失業者が一体どのくらい一出るかと、こういうことくらいは、やはり政府の責任者として考えていなければ対策が立たないじゃありませんか。
○国務大臣(田中角榮君) 終閉山になるおそれのある炭鉱名は申し上げません。それから、そういうことでございますから、何人ということは述べられません。—————————————。
○須藤五郎君 労働大臣がおったら、失業者に対してどういうふうな対処をするのか具体的に私は説明を求めたいところですが、労働大臣がきょういない。非常に残念だと思うのですが、労働大臣も頭を痛めておるために、要するに二千五百万トンは確保したいと、その点で須藤君、君とひとつアベックで通産大臣を攻めようじゃないかと、笑ってさっき別れたのですが、こういうことだと思うんですよ。それで審議会は、失業者がどれだけ出るとか、閉山がどれだけ出るかということについては責任をとらないのですよ。責任をとるのは私は政府当局だと思うんです。だから、政府がこれに対してどういう責任を感じ、どういう対処を実際とろうとしておるのかという点を私は具体的に知りたかったわけなんですが、もしも、通産大臣が具体的な腹案を持っていらっしゃるならば、それを伺ってもけっこうだと思います。 時間がありませんので、質問を続けますが、昨年九月に発足しました体制委員会は、長期対策を検討すると、しなきゃならないということを言っておりますが、その内容ですね、長期対策というものの内容、どういうことを考えておるのか私は伺っておきたいと思うんです。というのは、第四次石炭対策のときに、植村甲午郎さんがこの委員会で大みえを切りまして、この第四次石炭対策でもう石炭対策は終わりだと、これで十分やっていけるものと確信しますと、こうみえを切ったわけですね。私は、あなたそんなことを言っているけれども、おそらく、もう数年たたぬうちにまたやりなおさなければならぬときがきますよと私は申し上げたわけですが、やはり私の言ったほうが正しかったように思うんですが、この第五次石炭対策ですね、先ほども問題になりましたが、この内容は一体どういうことを考えていらっしゃるのかという点を伺っておきたいんです。
○阿具根登君 ちょっと関連して。—————————————。
○須藤五郎君 さっき大臣は今後の出炭の技術やいろんなものが上がってくる点からいえばというようなことを言っていらっしゃいましたが、————————今後二千万トンにするために失業者の数はおびただしいものだと思いますので、まあこれはあらためて労働大臣にその対策は私は質問したいと思っております。 そこで、第五次というものの内容を私はいま伺ったんですが、それに対するお答えがまだないわけですが、どういうことを考えていらっしゃるんですか、この体制委員会というものは。口先だけじゃもう困るんです、実際。四次が失敗、一次、二次、三次、四次みな失敗です。だから……。
○国務大臣(田中角榮君) 現に、いまこれから具体的な問題を検討していただくわけでございます。検討していただきまして、まあこれは三月の末日までに出していただくということでございましたが、中間的な決議だけをいただいたということでございまして、四月から引き続き検討いただいております。ですから、審議会からいずれ答申が出るわけでございまして、これ答申がもう出ないうちから、尊重いたします、こういうことを申し上げております。まあ事務当局、通産省としましてもあわせて検討しておることでございますので、審議会の答申を待って通産省はしかるべく措置をいたします、こういうことで御了解をいただきたいと思います。
○委員長(大矢正君) 先刻の田中通産大臣の発言中、数字に関する点について委員長において調査の上適当に措置をいたしたいと思いますので、御了承を願います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)御異議ございませんね。
○須藤五郎君 そうすると、まだ何も案はできていないと、第五次体制委員会にも長期的な展望はまだ立っていないと、こういうことですか。
○国務大臣(田中角榮君) いやしくも通産省でございますから、何もないなどということはありません。ありますが、答申をいまお願いをしておる段階において、通産省が通産省の立場を述べることは、これは審議会に対していけないことでございますので、その程度の配慮は御理解いただきたい。これは、通産省が審議会待ちで結論というものを全部審議会にまかせておる、通産省は何もしていない——そんなことはありません。通産省はただいまここにも書いてありますが、書いてあるとおりを私が申し上げないのは、その程度の配慮は必要である、こういうことでございます。
○須藤五郎君 不十分なお答えですが、その程度で私もとめておきましょう。 そこで、私は、電力が九分割されるときに実は初めて参議院に出てまいりまして、電力委員会に席を置きまして審議しました。そのときに私は、どう考えても九分割することは将来問題を起こす、だから九分割しないほうがいい、そういう私は意見を述べたわけです。私は、そのときに九分割に反対しました。そのときの政府がアメリカのマッカーサー司令部の圧力に屈して九分割をしてしまったわけですが、その結果がいま私は、いろいろな形であらわれてきておると思うのですね。 先ほどもあなたは、西独は石炭と電力が同資本というような状態だと、日本と違っておると、こういうふうにおっしゃった。それでうまくいっているんだと言わぬばかりのことをおっしゃったが、それならば、もっとも資本を一つにするという点ならば、いわゆる国家資本によるという形が一番よいことだと思うのですね。だから、石炭も電力もすべてのエネルギー産業はすべて国営にすると、国有化して国営にしていくという、ここへいかないと今日の日本のエネルギー産業というものは解決ができないのじゃないかと私は思うのですね。重油も原子力もですね、すべてのエネルギー——総合的なエネルギー対策というものを考えていく時期に到達しておるように思うのですが、通産大臣はこの国営化に対してどういうような御意見を持っておるか。それとも、それがだめならば、どうしたらこの石炭産業というものを今後も守っていくことができるのかという点をひとつ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(田中角榮君) 電力等を国有にするという考え方には、賛成できません。
○須藤五郎君 なぜ。
○国務大臣(田中角榮君) これは、国有にする前に九電力を一つにすることも考えられるし、私は九電力はいまのままにしておいても一調整はできる。電力の広域行政というものはできるのでございまして、全国送電幹線を引けばできる話であります。そういうことで電源開発促進法を議員立法をなし、電源開発会社までつくってこれを温存しておりたわけであります。温存しておったから石炭をたくさんたくということもやらせられるということでありますから、私は九電力はこのままでいい。九電力が合併するということになれば、合併すると言ったときにはちゃんと行なうということでなければ……。過去においても、九電力を合併するとかしないとか言いながら二十五年何もしないできたのですから、私は、九電力はそのままでよろしいという結論を持っておるのです。これは、何でも国営にするという話は、電力料金が非常にアンバランスになって困っておるとか、何年ごとにじゃんじゃん上げなければいかぬというときには、これは国営論も出てまいります。出てまいりますが、八幡製鉄所がちゃんとすべてのものが民営になり、逓信省から電気通信省に移った。電話が電電公社になり、やがて民営論というものが待望されておるというような事実、これはやはり官営の場合は必ずしも企業努力が行なわれないというものがある。これはまあ私は指摘はしませんが、あなたのほうでよく知っておられるでしょう。でかいところでもって米がなくて、別のところから米を入れなければならぬというような状態があるのですから、ものには限界がある。少なくとも戦後の状態を見まして、自由経済理論を推進してきたことが誤りではない。それはいろいろな現象としての弊害は起こってまいりますが、大勢として誤りではないという考えでございまして、九電力というものに対しては、何も合併しなくても石炭を使わせるということはできない話ではない。が、全部石炭をたけということになれば、電力料金を上げろということにすぐつながることでありますから。しかし、いま九百万トン使っておりますものを、四年間で二百二十万トンに下げなければならぬということは、それはあまりにも芸がないのじゃないかということを、私は申し上げておるわけでございます。ですから、石炭というものに対しても、ここまでくる前に石炭の国有化、いろいろな議論があります、国会でも議論されておるのです。しかし、戦後の復興に果たしてきた功績というものは十分ありますし、乏しい国内資源の中の一つであるということで、いまの制度ができておるわけでありますので、こういう議論の中から石炭というものをどう位置づけるかということに努力をすべきであるし、急速に千五百万トンまで引き下げるという能のない話ではだめなので、私自身があえて重荷を負うということで、二千万トン以上確保するという決議にしてくださいと、こう求めたやはり基本的な姿勢は理解していただきたい、こう思います。
○須藤五郎君 最後に……。いまのままでも必ず石炭産業は守っていくことができるというまあ御決意らしいのですがね。私たち共産党も、要するに、日本の唯一の地下資源である石炭というものは、あくまでも私は守っていかなければならぬ、そういう意見なんです。 それじゃどうしたらこれを守っていけるかということについて、私はいま一つの国有化案というものを出しているのですが、あなたも一非常に強く、要するに、九百万トンを割らないように、とにかく電力にこれを使わすようにと言ったように聞きましたが、何ですか、あくまでもそういうふうな方針を貫いて、電力会社にあなたの意見を実現さすように努力をしていくんですか。そのとき、電力会社がそっぽを向いたとき、どういうふうな処置をしていくつもりなんですか。そこをはっきりいたしていかないなら、なかなかむずかしいことですよ、これ。
○国務大臣(田中角榮君) 基本姿勢は御理解をいただいたようでございますが、数字は、須藤さんちょっと御自分のほうでおとりになっているようですが、そうじゃないのです。さっきからもうずうっと二時間も御答弁している中に、九百万トン近く使っておる電力会社は、五十年度には二百二十万トンしか使えませんと、こう言っておりますから、そうすると、全石炭の消費量は千五百万トンにしかなりません。それでは困りますから、電力会社には、九百万トンから急速に四年間で二百二十万トンに下げるということないじゃないか、二百二十万トンというのは九電力会社の言うことですから、そこは、通産省の言うことを聞きなさいというくらいの行政指導ができないことはないじゃありませんか。そういう意味で、それは二百二十万トンが三百万トンになるか、四百万トンになるかということだと思います。そういうふうにいま事務当局を督励して努力しています、私もやります、こう言っているのですから、あなたの言うように、九百万トン全部使える自信がありますかと、こういうふうにすりかえられちゃ、それはちょっといかぬと思います。そういうことで、それでどうしても使わなければならないならば、電源開発会社に石炭専焼の火力をつくらせる。そうすれば、送電線をつくればこなせない数字じゃないじゃありませんか。私もほんとうに誠意をもって答えているのです。そういうことをひとつ正確に御理解いただきたい。
○委員長(大矢正君) 他に御発言もなければ、本日の質疑はこの程度にいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四分散会