社会労働委員会 第23号
- 発言数
- 341 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/06/10
会議録
○委員長(中村英男君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 提出者衆議院社会労働委員長代理理事谷垣專一君から趣旨説明を聴取いたします。谷垣專一君。
○衆議院議員(谷垣專一君) ただいま議題となりましたあん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゆう及び柔道整復以外の医業類似行為は、わが国におけるいわゆる民間療法として、長い間国民に親しまれてきていることは周知のとおりであります。 この医業類似行為に関しましては、昭和二十二年にあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律が制定された際、引き続き三カ月以上医業類似行為を業としていた者であって、都道府県知事に所定の届け出をした者は、一定期間に限り当該医業類似行為を業とすることができることとされ、その後数回にわたってその期限の延長がなされたのでありますが、昭和三十九年に至り、届け出業者の義務継続を無期限とする法改正がなされました。 この法改正の際、将来にわたっての医業類似行為の取り扱いについて、あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゆう、柔道整復等中央審議会は医業類似行為に関し専門的な立場から調査審議することができることとするとともに、厚生大臣は、この審議結果を参酌して必要な措置を講じなければならないことといたしました。 自来、中央審議会においては、医業類似行為に関して関係者の意見を聴取するとともに、将来にわたっての資格制度の創設の可否等その取り扱いについて審議が続けられておりますが、遺憾ながらまだ結論を得るに至っていないのであります。 一方、法施行後二十余年の長い歳月が経過し、医業類似行為を業として行なっている人々の多くは高年齢に達したため、結論を急がなければ存否の結論の出ないままにその技術が絶えてしまうことにもなりかねないおそれも出てまいっております。 このような実情にかんがみ、本案は、厚生大臣のとるべき必要な措置について期限を設定し、中央審議会の審議を促進することにより、昭和四十九年末を目途として、医業類似行為の業務内容及び業として行なうことができる者の資格制度の創設等について必要な措置を講じなければならないものとすることであります。 以上がこの法律案を提出いたしました理由でありますが、何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(中村英男君) 以上で趣旨説明の聴取件終わりました。 本案に対する本日の審査はこの程度といたします。 ―――――――――――――
○委員長(中村英男君) 次に、毒物及び劇物取締法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 提出者衆議院社会労働委員長代理理事谷垣專一君から趣旨説明を聴取いたします。谷垣專一君。
○衆議院議員(谷垣專一君) ただいま議題となりました毒物及び劇物取締法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 本案は、最近、興奮、幻覚または麻酔の作用を有する毒物及び劇物等による事故が多発している現状にかんがみ、毒物及び劇物による危害の防止をはかるため、所要の改正を行なおうとするもので、そのおもな内容は、第一に、興奮、幻覚または麻酔の作用を有する毒物または劇物等についてみだりに摂取し、もしくは吸入すること等を禁止することとしたことであります。第二に、引火性、発火性または爆発性のある毒物または劇物について薬務その他正当な理由があり場合を除いては所持を禁止する等の規制を加えることとしたことであります。第三に、麻薬取締官及び麻薬取締員に覚せい剤取締法に違反する罪等について、刑事訴訟法の規定による司法警察員としての職務を行なわせるとともに、立ち入り検査等を行なう権限についても、麻薬取締官及び麻薬取締員にこれを付与できることとしたことであります。以上がこの法律案を提出いたしました理由でありますが、何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(中村英男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。本案に対する本日の審査はこの程度といたします。 ―――――――――――――
○委員長(中村英男君) 次に、廃棄物処理施設整備緊急措置法案を議題といたします。まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。斎藤厚生大臣。
○国務大臣(斎藤昇君) ただいま議題となりました廃棄物処理施設整備緊急措置法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 屎尿処理施設及びごみ処理施設の整備については、生活環境施設整備緊急措置法に基づく第一次五カ年計画に引き続き、清掃施設整備緊急措置法に基づいて昭和四十二年度を初年度とする第二次五カ年計画を策定し、その促進をはかってまいったのであります。 しかしながら、近年、わが国における産業活動の拡大、国民生活の向上等に伴い、排出される廃棄物は、量的にも質的にも大きく変化しており、一昨年には、廃棄物の処理及び清掃に関する法律が制定され、産業廃棄物も含めて、廃棄物の処理体系の整備がはかられたところであります。 このような事態に対処し、廃棄物の処理に遺憾のないようにするため、屎尿処理施設、ごみ処理施設のほか、産業廃棄物処理施設についても、新たな計画により整備を促進することが必要となり、ここに廃棄物処理施設整備緊急措置法案を提案した次第であります。 この法律案では、新たに昭和五十年度までの間の廃棄物処理施設整備計画を策定することとし、その手続として、厚生大臣が経済企画庁長官及び建設大臣と協議の上計画の案を作成し、閣議で決定するものとしております。また、政府は、その計画の実施に必要な措置を講ずるものとし、地方公共団体も計画に即して廃棄物処理施設の緊急かつ計画的な整備につとめなければならない旨を規定しております。 なお、本法案の制定に伴い、清掃施設整備緊急措置法は廃止することといたしております。 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(中村英男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後刻行ないます。 ―――――――――――――
○委員長(中村英男君) 次に、国民年金法等の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。斎藤厚生大臣。
○国務大臣(斎藤昇君) ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 国民年金制度並びに児童扶養手当及び特別児童扶養手当制度については、従来からその改善につとめてきたところでありますが、今日一国民福祉優先の考え方のもとに、老齢者をはじめ、心身障害者、母子家庭に対する福祉の充実が一段と強く求められております。 特に、人口の老齢化、扶養意識の変化等を背景に、年金制度に対する国民の関心はとみに高まっており、老後生活に占める年金の役割りは、ますます重要性を増しております。 今回の改正法案は、このような趣旨にかんがみ、受給者が多く改善の緊要性の高い福祉年金を中心に、かつてない大幅な年金額の引き上げを行なう等これらの制度の充実をはかろうとするものであります。 以下、改正法案のおもな内容について御説明申し上げます。 第一に、老齢福祉年金の額を昭和四十七年十月から千円増額し、月額三千三百円に引き上げるとともに、あわせて障害福祉年金、母子福祉年金並びに児童扶養手当及び特別児童扶養手当の額を大幅に改善することといたしております。 第二に、拠出制の障害年金、母子年金等の額を昨年の厚生年金の改正に準じ、昭和四十七年七月から一〇%増額することといたしております。 第三に、特別児童扶養手当の支給対象に、新たに内科的疾患に基づく障害、精神障害を有する児童等を加えることといたしております。 以上がこの法律案を提出する理由及び内容の概略でありますが、この法律案については、衆議院において、国民年金等の所得制限に関する改正規定を公布の日から実施し、昭和四十七年五月一日から適用することとする修正が行なわれております。 何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(中村英男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 なお、ただいま大臣から説明がありましたように、衆議院において施行日につき、一部修正がなされておりますので、御承知願います。本案に対する質疑は後刻行ないます。 ―――――――――――――
○委員長(中村英男君) 次に、身体障害者福祉法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○藤原道子君 私は、身体障害者福祉法の一部を改正する法律案について、基本的なものから御質問申し上げたいと思います。 まず第一に、心身障害者対策基本法が昭和四十五年の五月に制定されたが、中央心身障害者対策協議会はあまり開催されていないように聞いておりますが、会議の状況及び協議会の運営の方針をお伺いしたい。
○政府委員(加藤威二君) 中央心身障害者対策協議会でございますが、これは昭和四十五年五月にできました心身障害者対策基本法に基づきまして設置されたものでございます。このねらいは、現在のわが国の身障対策が関係各省にまたがっておりまして、その連絡が必ずしも十分ではない、こういうことで、できるだけ各省間の連絡を緊密にして、心身障害者に対する対策が一貫して行なわれるようにということが一番のねらいでございます。そのために関係各省、厚生省、労働省、文部省、大蔵省というような関係の各省の次官がそのメンバーになっているという、その他もちろん学識経験者は入っておられますけれども、関係各省がそれぞれ入りまして、そしてできるだけそこで連絡を緊密にとろう、こういうことでございます。で、昭和四十五年十二月にこれが設置されまして、そして現在までに大体四回開催されております。それで、関係各省の施策についてそれぞれ説明を行ない、現在では、問題ごとにプロジェクトチームをつくりまして、たとえば身体障害者の社会復帰対策と雇用対策、それから心身障害者に対する保護育成と教育対策、それから社会活動促進と公共施設との関連、こういうような三つのプロジェクトチームをつくりまして、それぞれのプロジェクトチームに分かれて検討を始めようと、こういう段階になっております。そういうことで、従来まで四回開かれておりまして、今後とも、この中央心身障害者対策協議会を中心にいたしまして、とかく各省でばらばらになり、連絡の不十分になりやすい身体障害者対策を一貫した対策にしようと、こういうことで努力をする予定になっております。
○藤原道子君 時間の制限がございますから、なるべく簡潔に御答弁をお願いしたい。 それからいまの協議会のメンバーと、それからその後の、何といいますか、開会されたときの実情が、もしいただけましたらメモでちょうだいいたしたい。 それから、いま御答弁がございましたが、心身障害者対策基本法に基づいて、心身障害者福祉法を改正する点をいまからお考えでしょうか。 それから経済社会発展計画においても、身体障害者の福祉対策は最もおくれているといわれておりますが、今後どのように拡充、強化していくお考えであるかをお伺いしたいと思います。
○政府委員(加藤威二君) 法の改正の問題でございますが、心身障害者対策基本法、これには心身障害者対策についてそれぞれ列挙的に述べてございますが、その中で、今度、現在御審議いただいております身体障害者福祉法の一部改正も、やはりこの基本法の趣旨を受けまして改正をしているということでございます。現在御審議いただいておりますが、そのほかにつきましては、一応それぞれの法律なりあるいは予算上の措置ということで対策を実施に移しております。ただ問題は、それが非常に十分に行なわれていないといううらみがございますので、今後さらに法改正が必要であるということになれば、これは身体障害者福祉法の改正に取り組んでまいりたいと思います。 それから経済社会発展計画でございますが、これは経済企画庁で現在検討いたしておりますけれども、御指摘のとおり、身体障害者対策を含めまして、やはり社会福祉関係の長期計画というものが確立されなければなりませんので、現在、企画庁、厚生省におきましては、企画室を中心にいたしまして、この経済社会発展計画の中にどういうものを盛り込んでもらうかということを検討いたしております。その中では、当然身体障害者福祉対策というものが大きく取り上げられる必要があるということは全く私どもも同感でございまして、その方面でそういう方向で努力をするつもりでございます。
○藤原道子君 四十五年の八月十三日の身体障害者福祉審議会から身体障害者福祉施策の推進に関する答申が出ておりますね。その答申の一部分が今度の改正案に取り入れられておりますが、この答申のその他の部分についてはどのように実施していくお考えであるか。
○政府委員(加藤威二君) 四十五年の八月のこの答申、身障審議会の答申でございますが、これは相当網羅的に各般の施策について触れておるわけでございますが、しかし大きく分けますと、一つは身障者に対するリハビリテーションの問題、それから第二は、身体障害者の更生援護施設の問題、特に重度身体障害者の更生援護施設の問題、それから第三には、重度身体障害者の、在宅の重度の身体障害者に対する対策の問題と大きく分けられると思います。その他いろいろの対策がうたってございますが、一応今度はそのうちで内部疾患の問題と、それから養護施設というものを取り上げたわけでございますが、その他の施策につきましては、これは一応大体のところは現在その具体化に入っております。で、これは法改正の必要のないもの、予算措置でできるもの、こういうものを積極的に推進しておるわけでございます。ただ問題は、この触れられている点について、大体対策は打ち出しておりますけれども、問題はそれが非常に不十分な点が多いということでございますので、今後はやはり一応打ち出されました対策の内容をさらに充実していく。もちろん落ちこぼれについては予算措置その他について努力をいたしたいと思いますが、さらにやはり打ち出された対策の非常に不十分なものも多いわけでございますから、それを充実してまいりたいというぐあいに考えております。
○藤原道子君 これは答申を尊重する意味で大いに急いで実施してほしいということを要望いたします。 そこで身体障害者のリハビリテーションについてお伺いいたしますが、身体障害者のリハビリテーションは最も立ちおくれている分野であります。現状及び養成計画をお伺いし、あわせましてリハビリテーション実施体系の確立についてはどのように考えておいでになるか、また、リハビリ研究調査会の進捗状況をお伺いいたします。
○政府委員(加藤威二君) 確かにわが国の身体障害者の福祉対策で一番おくれているのはリハビリテーションの対策だと思います。そういうことで私どももやはりこれを身体障害者の対策としては最重点的に推進していかなければならないということで、一つはOT、PT等のそういった専門家の養成、これは医務局のほうでいま極力努力をしてもらっているところでございます。さらにやはりりっぱな施設をつくって、そしてリハビリテーションを推進する必要があるということで国立の総合的なリハビリテーションセンターというものを設置しようということで二カ年にわたりまして、四十六と四十七と調査費がついております。実はこの問題につきましてやはり相当広い土地が必要でございますので、土地さがしをやっておったんでございますが、一昨日所沢の米軍基地が返還されたあと、これは四十万坪ぐらいございますが、そのうち八万坪をぜひ身体障害者のリハビリテーション、――国立のリハビリテーションの総合センターと申しますか、そのために割愛してもらいたいということを一昨日関東財務局長のところに行きまして要請してまいりました。で、これにつきましては関東財務局長もできるだけその趣旨に沿って応援したいと非常に好意的な返事をもらったわけでございますが、これは一つの例でございますけれども、やはり国が総合的なりっぱな各県のモデルになるようなリハビリテーションセンターをつくりたいということで来年度予算からその具体化に取り組んでまいりたいというぐあいに考えております。
○藤原道子君 必ずこれが実施できることを期待いたしております。 そこで次に言語治療士というのですか、これはどうなっておりますか、実態は。それから言語治療士の養成確保の状況、さらにあわせまして国立聴力障害センターの附属養成所に現在二十名が修得中であると伺っておりますが、身分法についてはどのように考えているか。
○政府委員(松尾正雄君) いわゆる言語治療士につきましては、まだわが国の制度がございません。厚生省でも知能訓練あるいは言語治療あるいは聴能、――耳のほうの訓練こういったものの検討会を四十年から専門家を集めましてやりましてようやく結論がだんだん出てまいりました。 その中で知能訓練は御承知のように制度化いたしたわけでございますが、ただいまその言語治療土というものについて最後の詰めをいたしております。大体その方向につきましては意見の固まりがあったわけでございますが、率直に申しまして、問題は純粋に医学的な面での、医療の面でのいわゆるパラメディカルという形でこれをつくるということであれば比較的われわれはすぐにでも着手できる段階にきておりますが、御承知のように、教育サイド、やはり盲ろうあ児といったようなことでいわゆる教育の関係者という形でいろいろな訓練にタッチしておられる方が現におるわけでございまして、そういう方々と医療関係との間をどう調整するか、なかなかこれは率直に言ってまだ完全な意見の一致がございません。したがいまして、私どもはその仲介に入りまして両者の意見をいま調整中でございますが、私どもはできれば次の通常国会を目ざしましてその制度化をいたしたい。特に、ただいま御指摘のように国立の障害センターの中に大学卒業者を対象といたしました訓練機関ができているわけでございまして、その方々がもうすでにことし第一回目の卒業者を見ているわけでございますので、早急にやはり身分法をつくりまして当然この方々は経過措置で拾わなければならぬと存じますが、急がなければならない状況にございます。したがいまして、ただいまのような状況の中で調整を最終的にはかっておる、こういうことでございます。
○藤原道子君 非常にじみな、しかも大事な仕事をする人でございますから身分法については真剣に考えて、喜んでこの道に邁進することができるようなことをお考えになっていただきたいことを要望いたしておきます。 そこで、ブロック別に国立のリハビリセンターを設置すべきだと考えますが、これはどうでしょうか。
○政府委員(加藤威二君) ブロック別につくるのがいいかどうかということにつきましては、これはまあ相当身体障害者対策に非常に熱心な県、たとえば神奈川県等はこれは百億くらいかけましていま身体障害者――精薄も含めましてその施設を建設しておる途中でございますが、そういうように県によりまして非常に熱心なところがございますので、できれば理想的にはブロック別くらいに総合的なリハビリテーションセンターがあればいいと思います。これはしかしそれぞれの地方、それが国立であればけっこうでございますが、なかなか国が、先ほど申し上げましたように東京に国立のりっぱなものをつくりたいということでいま計画中でございますが、ブロック別につくるということになりますとそのブロックの地方公共団体の合意が必要ということになるわけでございますが、できるだけそのブロックの中心となる県におきましてモデル的な身障の施設をつくってもらう、そういう方向で地方公共団体と十分に話し合ってまいりたいと思います。
○藤原道子君 こういう大事なことはもっと熱心に国がやらなきゃ……。それでブロック別でやる場合にも私は国がやって、そして地方に委託するというやり方があると思う。地方へまかせれば地方自治体も経済的には非常にたいへんでございますからね、その点はよく考えて、国の責任でこれが推進できるようなことを私は強く期待いたしておきます。大臣どうですか。
○国務大臣(斎藤昇君) リハビリテーションのセンターというようなものを今後拡充といいますか、新設拡充してまいらなければならないという御意見は藤原委員のおっしゃるとおりに考えます。したがいまして、今後これらの施設の職員の養成と相まって、そして逐次充実をさしてまいるように努力をいたしたいと、かように考えております。
○藤原道子君 私はこのリハビリテーションは非常に大事だと思うのです。 こんなことを、自分のことを言い出してはおかしいのですけれども、山崎銀二の子供がやはり心身障害者で残されていきましたのをめんどう見てまいりましたが、これはいま長谷川保先生のところにお願いして、いろいろ訓練してまいりました。もう結婚しようかというところまで回復してまいりました。だから愛情を持って指導していけば必ず解決できる子がたくさんいるんです。それが放置されていろんな悲劇を起こすわけでございますから、ぜひ大臣、施策を今後心からお願いしておきます。 そこで、相談所業務でございますけれども、福祉立法がいろいろございますけれども、これを一元化したらどうでしょうか。児童相談所とか、婦人相談所、身体障害者厚生相談所、精神薄弱者更-生相談所というように幾つもあるんですね。これを私は一元化したほろがいいように思うのですけれども、これどうでしょう。
○政府委員(加藤威二君) 確かに各種の相談所がございますが、それぞれ専門的にその所管の事務と取り組んでいるわけでございますが、これを一本化したほうがいいかどうか、これは利害得失いろいろあろうと思いますので、一つの問題として検討させていただきたいと思います。
○藤原道子君 これはぜひそういうふうにして、内容を充実して一元化していったほうがいいと私は思いますので、今後御検討願いたいと思います。それから、身体障害者相談員の処遇でございますが、先日も当委員会において相談員の処遇について質問いたしましたけれども、相談員の手当が活動費ということで月額三百円ですね。三百円で何が買えます。何ができるでしょう。私はあまりにも低額である、こう思います。そこで、実際にかかっておる費用は一件当たり千円ぐらいは必要だといわれている。そこで一人の相談員が取り扱う件数は一カ月平均して六人ないし七人だといわれております。最低六千円から七千円ぐらいは必要であるといわれておりますけれども、三百円ではひど過ぎる。そこで、地方公共団体においてはプラスアルファを要請しているというのが実情です。東京都ではそのほかに月額千円支給している、各地方でも六百円とか八百円とか、三百円を入れて千円になるようにというようなことでやっているようでございますが、この三百円ときめた理由を聞かしてほしい。それから相談員に対する費用は、婦人相談員や母子相談員並みに予算要求つきでやるべきではないかと私は考えますけれども、その点はどうでしょうか。
○政府委員(加藤威二君) この身体障害者相談員と申しますのは、何と申しますか、たとえば御本人も若干身体障害があるというような方で、進んでいろんな悩みを持っている身体障害者が来た場合に、いろいろ相談に乗ってやろう、自発的に乗ってやろうという、そういうボランティアと申しますか、そういった方々をできるだけその好意といいますか、それを身体障害者の福祉のために生かそう、そういうねらいで発足した制度でございます。したがって、三百円という非常に零細な手当みたいなかっこうになっているわけでございますけれども、そういうぐあいに何と申しますか、非常に片手間と申しますか、自分は自分で何か仕事をやっておられる、ごく片手間に身体障害者の相談に自発的に乗ってやろう、そういう方々を相談員ということでお願いしている、こういうかっこうでございます。しかし、三百円という手当はいまの物価その他から考えまして、非常にこれは問題にならないということは私どもも重々感じておりますので、今後この引き上げには努力してまいりたいと思います。
○藤原道子君 身体障害者が片手間にと言うけれども、からだが不自由なのに相談に乗っていこうと、そういう努力を買ってやらなきゃね。よけい出してやってもいいじゃないですか、身体障害者がやっているなら。三百円では、いまへたすりゃお昼一食分もならないぐらいでしょう。だれに聞かしても三百円では納得できないだろうと思うので、これは可及的すみやかに改正をしてもらいたい。 それから、精神薄弱児と精神薄弱者の法律の一元化を私は考えるんですけれども、これは一体どうなんでしょうか。
○政府委員(松下廉蔵君) 精神薄弱児と精神薄弱者、これは子供の身体障害児といわゆる身体障害者の場合と比べまして、先生御指摘のように、ある程度知能の発育がおくれているというようなことからいたしまして、共通の部面も確かにあるわけでございます。そういう意味で精神薄弱者福祉法は以前、社会局の所管になっておりましたものを改めまして、児童家庭局で一緒に所管するという形になっております。ただ、これを制度として全部一緒にいたしますことは、先ほど先生御指摘のように、精神薄弱者の中には訓練、指導によりまして十分に社会的にも活動し得る、社会復帰の可能な方が相当おられますし、反面、精神薄弱児の中には教育やあるいは身体の発育に即応するだけの健全育成というような要素もございまして、制度として全部をこれを統一いたしますことは、利害それぞれ問題があろうかと存じます。ただ、少なくとも施設に収容いたします面におきましては、処遇において相当共通の要素もございますし、また重度の人につきましては、子供の施設から通じておとなになりましても施設に収容してお世話をしなければならないというような要素もございますので、少なくとも施設の入所者の処遇の面につきましては、従来ともできるだけ一貫した取り扱いができるというように努力をいたしておりまして、昭和四十二年には両方の法律を改正いたしまして、精薄施設に入所している重度の子供は二十歳に達しましても引き続き子供の施設に入っていてよろしい、また原則として十八歳以上のいわゆる成人のための精神薄弱者施設におきましても、十五歳以上の者は入所していいと、いわゆる相互乗り入れ的な規定を設けまして、できるだけ一貫した処遇ができるように努力いたしております。 それから職員の定数におきましても、昭和四十七年度、――今年度におきまして、その精神薄弱者援護施設の職員の定数、これを薄弱児施設と定数を合わせましたし、また従来おとなの施設に設けられておりませんでした就職支度費というような制度も成人の施設に導入いたしまして、連続して一貫した処遇が行なえるようなくふうをいたしております。 〔委員長退席、理事高田浩運君着席〕 措置費の概計につきましても、多少沿革的に異なっている点もございますが、予算の構成あるいは運用の面におきましてできるだけこれを統一的な運用をいたしまして、父兄あるいは入っておられる精薄児者の方のために不便のないような努力をいたしております。今後もそういう方向でつとめてまいりたいと考えております。
○藤原道子君 いろいろ御説明がございましたけれども、教育の面とか仕事の面で相違があると言うけれども、私のところにずいぶん陳情が参りますのは、やはり年齢に達してから余裕はできましたと、しかし、さらにまだ、いま苦情がたえないでしょう。それから年齢を過ぎて入れてもらっていた人が、この間あなたのほうにも陳情しましたけれども、火事で焼けた、そこに帰ることができない、行くところがないというので、一時的に病院に入っている人がある。こういう点で、そうおっしゃるならば、それでもっと施設の拡充、もっと徹底した対策をやるべきだと私は思う。やはりこれはいろいろ問題があれば、そのやり方で解決ができる問題だと思うんですよ。だから私は、一元化して法の強化をしてほしいということを強く、――まだやりとりしたいんですが、きょうは時間の制限がやかましいので、ですからその点を強く要望して、また次の機会にもう少しやりとりしてみたいと思います。 で、厚生省の身体障害者の更正訓練費が非常に安いと思うんです。月額千五百円。ところが労働省の訓練手当の額は二万八千二百二十円、労働省はずっと前からあった。しかし内容が違いますからという答弁をするだろうと思うけれども、それにしても千五百円と二万八千二百二十円、あまりにも相違があると思うんですが、それは一体どういうわけですか。
○政府委員(加藤威二君) これは、先生があらかじめそういう答弁があるだろうという御指摘のとおり、私どもといたしましては、やはり、私どものほうの施設におきまする手当と、それから労働省関係の職業訓練関係におきます手当というものとはやはり施策の内容が若干違っておるわけでございます。向こうはより職業的でございます。したがって、いろんな道具その他も要るということで、厚生省のほうはどちらかというと、仕事をやるにいたしましても、からだの機能回復訓練に重点を置きながらある程度職業訓練をやっているというようなことで、仕事の内容が若干違うということで手当の内容が違っておるわけでございますが、しかし、それにいたしましても、御指摘のとおり、あまりにも違い過ぎるということで、これはぴたりと同じにするわけにはまいらぬかもしれませんけれども、現在の格差はできるだけ縮めるように今度の来年度予算では努力したいと思います。
○藤原道子君 これはぜひ考えてください。あまり違い過ぎる。それも今度、これをやろうというんだからあれだけれども、さっきの話の、子供をどこかへ入れようと思ったときに、厚生省関係は私はどうしてもわからないものだから、あるところへ入れようと思ったら、ほかから、先生、労働省の訓練所へお入れになったほうがいいですよ金がこうだかう、自己負担としておのずから一万円近く出さなければいけない、そんなことをなさらないで労働省へ行ってごらんなさい、試験がありますけれども試験に通らなかったら厚生省関係へ行きなさい、こう注意をしてくれた人がある。それで、私は、労働省のほうを受けさしたら試験に受かってそこへお世話になったんですけれども、これは、幾ら何でも千五百円と二万八千二百二十円では仕事の内容が違うと言われてもあまりに、貧弱過ぎる、厚生省は少し大蔵省に遠慮し過ぎるんじゃないですか。訓練をしていけば、その人が社会復帰に役立つんだからね。しあわせになるんだから。こういう点を私は強く要望いたしておきます。 母子保健対策でございますが、心身障害児の発生予防に資するためには母子保健対策の強化が必要だ、それから、母子保健法の内容は不備で不徹底で、充実強化のために法の改正が必要だろうと思いますが、その見解をお伺いしたい。
○政府委員(松下廉蔵君) ただいま先生御指摘のとおり心身障害児につきましては、一番大事なことは、そういう子供が出ないようにする、発生防止が一番基本的な対策であることは御指摘のとおりでございます。それで、私どもの考え方といたしましても、障害児・者対策につきましては、発生防止とそれから在宅対策、施設対策、その三つを大きな柱といたしまして進めておるところでございまして、発生防止対策といたしましては、一つは、いま御指摘の健康診査、これは母子両方にあるわけでございます。で、妊婦の検診、あるいは乳幼児の健康診査――乳児の段階とそれから三歳児の一斉検診、両方の段階で行なっております。この内容につきまして、一般的な検診からできるだけワクを広げまして、今後――まあ、いまでも、精神発育に問題があるような子供につきましては、すでに精密検診に回しまして専門家の検診を受けられるようにいたしておりますが、今後の方向といたしましては、もう少し検診の段階で深く掘り下げることができるような、たとえばネフローゼの発見のための尿の検査であるとか、あるいは聴力、視力の検査、そういったものもできるような方向で努力をいたしたいと考えております。 それから保健指導といたしましては、やはりおかあさんの衛生教育ということが何よりも大切でございますので、母親学級あるいは新婚学級、そういったことによる衛生教育、それから個々の訪問指導によりまして保健その他の専門家から具体的な指導をする、そういうような方法によって対策を進めております。 なお、小児医療の面におきましては、将来の障害の原因になりますような、たとえばフェニルケトン尿症というような人たちにつきましては、できるだけ早期に発見いたしまして公費をもってその治療をいたしまして精薄の発生を防ぐというようなことも、すでに対策として具体化いたしておりますし、小児医療につきましては、今年度の予算におきましてじん炎、ネフローゼあるいは小児ぜんそくというような子供たちの治療研究費も計上いたしまして具体的な対策を進めておる次第でございます。 それから研究開発につきましては、最近、胎内における診断その他障害発生防止のための研究体制も進んできておりますので、四十六年度は一億でございましたが、この身心障害の研究費を四十七年度は三億計上いただきまして、内容といたしましては、いま申し上げたような一般的な発生防止対策あるいは筋ジストロフィーの研究、心身障害児の療育対策、そういった種々の研究の問題につきまして、この研究費をできるだけ活用いたしまして対策を進めてまいりたいと、そのように考えておる次第でございます。 なお、今後、御指摘のような母子保健法あるいは予算の執行の面におきまして、できるだけそういった対策が強化できますような方向で検討を続け、適当な修正を加えてまいりたいと考えております。
○藤原道子君 これは非常に大事なことでございますから、不幸な子供ができないようにいろいろ対策を立てていただきたい。ところが、いろいろ、母子検診ですね、母の。保健所の医者の充足が四二%くらいですわね。保健所へ行ったけれども医者がいなかったというようなことをよく聞くんですけれども、この保健所を充実していく対策をお伺いしたいと思います。これはどこですか。――大臣から――。 保健所はまるで医者がいない。これは法律で幾ら保健体制を充実しましたと言っても医者がいなきゃ何にもならない。
○政府委員(松下廉蔵君) 現在の母子保健法によります検診体制、御指摘のように保健所が中心になっておるわけでございまして、医師の一般的な不足等の関係もございまして、確かにいまおっしゃいましたように保健所の医師はたいへん不足いたしております。この充足対策につきましては、いろいろな委員会の機会に所管の公衆衛生局長からも御説明申し上げておるところでございまして、厚生省といたしましても努力いたしておりますが、母子保健の分野におきましては、公衆衛生局とも話し合いをいたしまして、そういう足りないところは民間医師の協力を求めて、いわゆる雇いあげの形で協力をいただいておる面もございますし、それからもう一つは、現在、市町村の行財政能力――市町村でございます。市町村の合併等で行財政能力も高まってきておりますし、何よりもこれは地域に密着した行政が母子保健としては非常に必要でございますので、今後の方向といたしましては、保健所と管内市町村とが協力いたしまして、保健所運営協議会等にも市町村等の代表も入っておりますので、医師会等の協力も求めて、地域全体といたしましてできるだけ検診体制が強化しスムーズに運ぶように指導いたしたい、そのように考えております。
○藤原道子君 私は、法律ばかり幾らできても保健所がだめだ。あるいはこの間も特別養護老人ホームに行ってみましたけれども、やはりあれは医者と看護婦を常設するはずですよね。医者のいる特別養護老人ホームなんてほとんどありませんよね。嘱託にしてあるからいることになっている、こう言うんです。いまの妊産婦が保健所へ行ったって医者がいないところがずいぶんある。私、あなた方にお願いしておきたいことは、視察に行くときには予告なしに行かなければ実態がわからない。ところがお役所のおえら方が行くとなると、よそ行きの姿しか見られないのですよ。こういう点も心にとめて、今後実地の視察、実地の指導、そうして何としても保健所の内容の充実をはかっていただかなければ、保健所はあります、しかしお医者さんはおりません、――医者のいるところはたしか四二、三%です、半分以上は医者がいないのです。これでいろんな役を引き受けているのですね、保健所は。これでは私は絶対に納得がいきませんので、これが充実強化をはかって、法律があるからやっています、というような答弁では納得はできませんので、これは強く要望いたしておきます。もっとやりたいけれども時間がありません。 そこで、心身障害児のコロニーについてお伺いしたい。地方公共団体においては心身障害児のコロニーを設置しているが、現状はどうでしょうか。また、このコロニーについては法律上明記してもらいたいという要望がありますが、これに対してはどのように考えておいでになるか。
○政府委員(松下廉蔵君) 心身障害児・者を通じて収容いたしますコロニーでございますが、現在のところはやはり重度の精神薄弱者、それが中心になりまして、それで重度の方は非常に身体障害、視覚障害であるとか肢体不自由であるとか、ろうあであるとか、そういう重複障害が多いわけでございます。そういう重複障害あるいは非常に重度の精神薄弱児・者、そういった方々を収容いたします施設としてコロニーが設けられておりまして、これは高崎に特殊法人をもって運営をいたします国立のコロニー、「のぞみの園」がございますが、これは定員五百五十人で去年開園したばかりでございますが、すでにもう五百三十人の入所がございまして、ほとんど満ぱいになっております。それで相当重度の人も入っておられまして、かなり職員が苦労しながら運営をいたしておるわけでございます。 それから地方コロニーにつきましては、現在開所いたしておりますものが八件、建設中のものが二件、調査計画中のものが六件でございまして、こういったコロニーにつきましては、国としても現在の社会福祉施設整備費の中でできるだけ特別の基準を設けて手厚い助成をする、あるいは年金の融資につきまして便宜をはかるというような形で助成をはかっております。現在、まだいろいろな形のコロニーがございます。諸外国におきましても必ずしもきまった型ができておりませんので、様子を見て指導しながら形の固まっていきますのにつれて、制度化についても前向きに検討いたしたいと考えております。
○藤原道子君 いま高崎のことが出ましたが、この前も視察に行く予定が健康を害して行かれませんでしたので、近く行ってみようと思っております。若干の批判があるようですから行ってみたいと思います。 それから、いま全国に予定されているところを、あとでメモをいただきたい。 そこで、心身障害者の環境づくりの問題でございますが、身体障害者が車いす等を利用して自由に街頭に出かけることができるような配慮が欧米諸国ではできております。ところが日本の場合にはこのような身体障害者のための環境整備について何かお考えがあるでしょうか。
○政府委員(加藤威二君) これは先生御指摘のとおり、先進諸国では身体障害者が出歩けるような、そういう町づくりをやってるということを私ども聞いておりますが、わが国におきましては実は四十七年度予算で要求をしたわけでございますが、残念ながら具体化しなかったということでございますので、四十八年度予算におきましてもさらに強力に要求を続けてまいりたい、こういうように考えております。
○藤原道子君 次に、居宅福祉サービスにおける介護人の派遣制度でございますが、身体障害者福祉法は老人福祉法に比較して歴史が古いのです。にもかかわらず老人福祉対策にある在宅福祉サービスとしての介護人派遣制度が設けられていないのはどういうわけでしょう。
○政府委員(加藤威二君) 実は在宅の重度の身体障害者対策としましては、医師、看護婦による訪門検査制、これは予算上の措置でございますが、そういう制度もあり、さらに家庭奉仕員の派遣というようなことをやっておるわけでございまけが、御指摘の介護人制度につきましてはこれは老人にもやっておりますので、これも予算上の問題として四十七年度で要求して具体化しなかったわけでございますが、四十八年度でさらに要求を続けてまいりたいと思います。
○藤原道子君 これは絶対に必要だと思いますので、――大蔵省を説得する力が足りないのよ、もう少し強く出てください。厚生省は経済的にあれがないからというので低く見られているけれども、厚生省のやることが成果を上げれば社会のしあわせになるし、労働力も復帰できるわけなんです。この点は残念でございます。 そこで、結婚相談事業に対する助成でございますが、身体障害者の結婚は一般健康者に比してきわめて低く、身体障害者の大きな悩みとなっておる切実な要望でございます。また障害の遺伝等の問題も考えられる結婚問題についての相談に応じ、解決をはかる必要があると思いますが、この結婚相談事業に対しての助成というようなことについてはどうお考えですか。
○政府委員(加藤威二君) 同じようなお返事でまことに恐縮なんでございますが、これも四十七年度二千五百万ばかり要求いたしまして具体化されなかったわけでございます。確かに身障者は結婚の率が一般に比べて非常に低いというようなこともございますし、それからいろいろな遺伝的な問題についても相談に応ずる必要もあろうということで、四十八年度の予算として具体化するように努力してまいりたいと思います。
○藤原道子君 私もその要求された資料を持っておりますけれども、二千五百十四万円要求された。全部ぱーだったのですね。これは非常に大事な仕事だと思いますので、必ず来年度はこれが実現できるようにお願いしたいと思います。私もっと今度入れられましたじん臓病対策についても御質問する予定でございましたが、時間がございませんので、須原委員に譲りまして、この程度で終わろうと思いますが、大臣からひとつ御答弁を願いたいのは、身体障害者に対してのいろいろな問題点は山積しております。今度改正されたのも、ごく一部なんでございます。私が概略御質問申し上げましたように、厚生省でおやりいただく施策はどれだけ国民に希望を与えるか、大切なお仕事を担当していただいておるわけでございますので、この身体障害者福祉対策について大臣の御意見を最後にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(斎藤昇君) 身体障害者の福祉対策は、何と申しましても、しあわせな一生を送ってもらうということが、私は厚生省の一つのモットーだと思います。そう考えますると、身体障害者の方は最も不しあわせなお方たちだと思います。したがいまして、身体障害者の方々の福祉により以上力を注がなければならない、かように私は考えております。ただいま御質問あるいは御鞭撻の中に伺いました御意見、みな私はごもっともだと思っております。ことに身体障害者の発生の予防に関する母子保健対策というもの、これをもっと充実するようにということを常々念頭に置いております。まあ、そのほかの諸施策にいたしましても、そういうつもりでおりますので、さらに一そうの御鞭撻を賜わりたいと思います。
○小平芳平君 昨年秋ごろの当委員会で、私はじん臓障害の問題を取り上げて政府のいろいろ見解をただし、また私の意見も述べて要請をいたしました。したがって、今回の法律改正は、その人工透折の公費負担、あるいは身障に認定する、そういう点については私は賛成であります。もちろん賛成でありますが、問題はその中身にあるというふうに考えます。したがって、この厚生省から初めに伺いたいことは、じん臓障害者の総数、それからじん臓障害者のじん臓をやまいとしてなくなる一年間の総数、死亡者数。それからその中で透折を現に受けている人の数。それから透折機の台数、そういうような点について最初にお答えいただきたい。
○政府委員(松尾正雄君) 患者調査によりまして、医療機関にかかっておりますじん疾患の患者数を最初に申し上げますと、大体三万九千から四万というところでございます。四十四年は四万五百四十名、四十五年は四万五千四十五名と多少多くなっております。 それから死亡者でございますが、大体一万名前後でございまして、四十三年は一万八十名、四十四年一万五十四名、四十五年は下がりまして九千百八十八名、こういうことでございまして、大体まあ一万前後と横ばい、こういうことでございます。 それから対象でございますが、人工透折を必要とします対象は、私どもはこの死亡者を中心にいたしましたときの三〇%と考えております。これはアメリカでは、御承知のとおり専門の委員会におきましては同じ死亡者に対しまして二〇%という説を出しておるわけでございますが、私ども昨年の検討会におきまして、日本の学会といろいろ相談いたしました結果、わが国ではもう少し大きく見る必要があるということで、三〇%という専門の意見を得て対象といたしたわけでございます。 それから反面におきましては、大体三千五百名程度のものが必要である。こういうふうになろうかと存じます。 それから、現在の人工透折を受けております者は正確にはわかりにくい点もございますが、大体千名足らず、千名前後と考えております。 それから人工透折の人工じん臓、いわゆる人工じん臓の保有台数は千五十五台という調査でございます。多少その後自然増加でふえておる。こういうようにお考えいただいてよろしいかと存じます。
○小平芳平君 そうして、身障者として認定は何人くらい、何級に認定されるわけですか。
○政府委員(加藤威二君) このじん臓機能障害者の等級でございますけれども、これは厚生大臣の諮問機関でございます身体障害者福祉審議会、ここにございまする専門分科会、専門家の御意見を伺いまして何級にするかということがきまるわけでございますが、まだ、その点はこの法案が通過の後におきまして、早急に審議会の専門のお医者さん方に集まっていただきまして等級をきめていただくということになろうと思います。大体内部障害、現在入っております結核と心臓が一級。それから三級、四級その程度にまあランクされておりますので、おそらくじん臓の機能障害についてもその辺にランクされるのではないかと、まあ私どもは考えますけれども、これは具体的にはやはり専門家の御意見を伺ってきめるということになろうかと思います。 〔理事高田浩運君退席、委員長着席〕
○小平芳平君 それは専門家の御意見を伺うことでしょうけれどもね、このじん臓障害者の方で、もう人工透析を受けるというほど荒療治を受けている方々は、たいへんな障害者のわけです。したがって、この法案を提案し審議し、そして衆議院で可決されてきているわけですが、その辺の見通しが何もなくて、ただりっぱな法律改正ができますよというだけでは済まされないわけでしょう。したがって、現在の内部疾患の方は、一級から三級、四級といま言われますが、そうした現在の内部疾患の方に比べて、じん臓障害の方はどの辺に入るか。特に人工透析を受けている方は一級に入るのかどうか、その点をもう少しはっきりできませんか。
○政府委員(加藤威二君) このじん臓機能障害者を、今度、法律を改正いたしまして身障者の中に入れるということは、ねらいは、これは申すまでもなく人工じん臓によって透析医療をやるということでございます。それは身障者のランクが一級であろうと三級であろうと、とにかく、人工じん臓が必要だという場合には、これは更生医療ということで、無料で医療をやるということがねらいでございますので、一応、これを実施いたしますためには、特に何級でなければならぬということはないわけでございますが、しかし、透析医療というのをやるのは、じん臓がじん臓の機能を全部なくなってしまった。そういう非常に重度の障害でございますから、私どもしろうとのあれでございますけれども、おそらく、そういう人たちは、患者さん方は、一級にランクされるのではないかと思いますけれども、それは専門家の先生方の御意見を聞いて定めたいと思います。
○小平芳平君 局長、自分がしろうとだなんと言われたら困るじゃないですか、こっちはもっとしろうとなんですから。この人工透析を受ける人は、一級であろうと三級であろうと公費負担になる。それはもう当然でしょう、人工透析を公費負担にするというんですから。 私がいま、はっきりさせていただきたいと言っていることは、人工透析を実際局長ごらんになったことありますか、透析を受けているところを。あの荒療治を厚生省の資料では週二回くらいなんといっておりますが、三回受けている人もあるのです。三回というと、一日おきにそういうことを六時間か八時間にわたって血液を全部入れかえるということ、それほどの障害者はいまおそらく一級だろうと言われますが、私も当然一級だろうと思いますが、それでよろしいですか。
○政府委員(加藤威二君) これは全く医学的にきめることでございますが、人工透析の適用者というのは、じん臓障害の中でも非常に重度の方だと思いますので、まあ、専門家の御意見を聞いて正式にきめますけれども、その等級表としては非常に上のほうにいくんではないかというふうに考えます。
○小平芳平君 そうして、この透析を受けている方は、これからは公費負担にするというわけですが、この十月からですか。まるまる公費負担とは書いてないですね。収入に応じてとなっている。と、その辺はどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(加藤威二君) 厚生医療につきましては、そのある程度の、一定限度以上の収入のある方は一部負担していただく。さらに非常に所得のある方は、まあ全額負担していただくというようなたてまえになっております。そういうことで、人工じん臓の場合におきましても、相当高額の所得のある方は、その医療費の一部を負担していただくことになろうと思います。
○小平芳平君 それはそのとおり書いてありますがね、一部負担していただくということが、千円の三割負担なら、それは各人負担がそれほどきびしくないわけですよ。この人工透析は月にどのくらいかかりますか。その一部負担となりますと、どのくらいのクラスなら本人負担ができると思われますか。
○政府委員(加藤威二君) 大体月に三十万ないし四十万かかると思います。年間で四百万近くかかると思います。その場合に、まあ健保の家族の場合には五割でございますが、大体年間二百万ということでございますので、非常に負担が大きいわけでございます。そこで、現在更生医療におきましては、医療費の徴収の基準がございます。その基準を――これは現在は少なくともこういう高額の更生医療というのは例がないわけでございまして、従来の更生医療の平均は大体十六万円程度でございます。しかも、大体一回か二回で更生医療というのは終わっちゃうというのが普通でございます。ところが、この透析医療というのはほとんど終生これをずっと続けなければならぬということで、非常に膨大な医療費がかかろうと思います。そういうことで徴収基準というものをこの法案が通過の後におきましては早急に検討いたしまして、この透析医療に見合ったような形にこれは変更する必要があると思います。その場合のねらいといたしましては、その膨大な、最低まあ健保の家族の場合には年間二百万くらいでございますが、二百万の負担をして、しかもある程度生活ができるという程度の、ですから相当高額の所得の方になろうと思いますけれども、そういう方はまあ負担していただくというようなことで、とにかくこの透析医療の公費負担を自己負担でやったために生活が全然成り立たないというようなことにならないように、基準を考えてまいりたいと思います。
○小平芳平君 現に、これは新潟県の資料ですが、八十八人の方が、初めから申しますと健保本人が八十八人、そして五割負担が六人、国保で三割負担が五人、それから医療保護を受けておりますが、医療保護を受けている方も、負担なしが四十人、一部負担が十九人、こういうふうになっております。したがって、いま局長は月四十万くらいと言われますが、六十万となっておりますがね。ですから、こうした方々が十月を待てないわけです。十月を待てないで、もう今週、来週の透析を受けることがきわめて困難な状態にあるわけです。きわめて困難な状態にある方がいま述べますように十九人の十一人で三十人もあるわけです。ですから、そういう点でもう少し具体的に、こうした健保の本人の場合は別としまして、十月までとりあえずどういうふうな措置がとられるか、十月までは全く打つ手がないのか、そうして今度は公費負担が実施された場合に少なくともこのくらいの人は十分公費負担になりますというふうに、もう少し具体的に御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(加藤威二君) これはまあ、十月から実施ということでございますので、十月以前につきましては、この法改正が動かないわけでございますので、身障法としては手の打ちようがないと思います。ただ、現在受けておられる方で、一部負担にたえられないという方については、確かにわりあいに生活保護の医療を受けておられる方が、先生も御指摘になりましたけれども相当あるようでございますので、やはり十月までどうしても医療費の負担にたえられないという方は、一時そういう生活保護の医療費というような方法でとにかくしのいでいただくということになろうと思います。で、十月以降から、とにかく負担のある方々については、こういう更生医療の無料化ということで、非常なお金持ちは別といたしまして、大半の方はもう無料になる、こういうことでございます。
○小平芳平君 ですから、そのたいへんなお金持ちというのをもう少し――いま人工透析を受けておる方々が一番心配しておるわけです。手放しで喜んでいて、いざ実現してみたら、毎回あなたは何千円、何万円というふうに自已負担がかかるようでは、せっかくの法律改正が何の意味もなくなっちゃうわけです。もう少し具体的に何か想定してかからなければならないのじゃないですか、厚生省としては。
○政府委員(加藤威二君) ですから、まだ具体的な数字は、これからまだ私ども基準をつくるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、とにかく透析医療を受けて、そしてある程度所得のある方は一部負担が若干出るかもしれませんけれども、それは、その方の生活がその一部負担のために非常な困難な状態になるというような一部負担は課さない、こういう予定、方針で一部負担の金額をきめてまいりたいというぐあいに考えております。
○小平芳平君 じゃその辺を信用しましてこれ以上繰り返しませんが、十分期待にこたえていただけるような基準にしていただきたいと思います。 それから、次に、人工透折の機械ですが、この機械は十分整備できますか。現在千五十五台ですか、これをどのように整備される計画ですか。
○政府委員(松尾正雄君) 先ほどお答え申し上げましたような対象患者を中心にいたしまして、その方々に一つも漏れがあってはならない、こういう形で整備をしたいと考えております。したがいまして、私どもは、本年度ただいま、大体千五十五台というのが昨年の九月の実態でございますが、その後大体少しふえておるということで、約千百台等が日本の現有勢力として考えてよかろう。これは少なめに考えております。残った必要台数、人員が約千四百三十七台となりますので、それを国なり公的機関に、一部民間機関もやっておりますので、そういうところということで、全部今年中にすみやかに整備をしたい、かように考えております。 なお、今後とも毎年にわたりましてこの整備は続けなければなりませんわけでございまして、今年全部やりましても、今年やっておられる方は来年そのまま治療を継続してまいる。したがいまして、来年また新発生する方の台数の余裕が非常にないと、こういうことになりますと、来年発生する方につきましてはまたそれ相応の台数増をしなければならぬということで、年々繰り越す患者を見ながら整備をする、こういう方針でまいるつもりでありまして、ただいまのところ、私どもの予定では、まず十分に台数が整備できる、かように存じております。
○小平芳平君 いま局長は、四十六年度の九月で千五十五台ですか、そうすると、厚生省から出された資料だと、四十六年十月現在においてわが国の人工じん臓保有台数は八百五十六台になっていますね。そういう点は一体どちらを信用していいかわからないのですが、おもに局長、公的医療機関で、一部民間においてと言われますけれども、公的病院と私立の病院と分けて現在どのくらいの比率になりますか。
○政府委員(松尾正雄君) 私どもの整備計画で心三百三十六台、今度の予算で必要数を見ておるわけでございますが、そのうちの二百八十八台、約大部分のものは国並びに公的機関への補助金、あと四十八台というものが私的機関と考えております。この私的機関の中には実はこれはあらゆる小さいところもやるというものでもございませんので、要するに私立大学等の大学病院等もこれを含めて予定しているわけでございます。
○小平芳平君 新潟ではどういうところでやっているか御存じですか、あるいは愛知県ではどういうところでやっているか御存じですか。
○政府委員(松尾正雄君) ちょっと新潟のこまかい数字はいまここに出てまいりませんが、たとえば愛知県で、いわば中心的にやっておりますのは社会保険の中京病院というようなのが中心であると存じております。
○小平芳平君 私は局長がいま言われるほど公的機関が全国的に中心になって進めているかどうか疑問ですが、要は予定どおりの透析機械がそろい、同時にまたせっかく透析機械があるんですが、お医者さんが病院をやめたためにもう透析機はほこりをかぶっているというようなことも新潟県の直江津では報告されているんです。そういう点ですね、やはり機械の整備とともにそうした従業員がそろわなければ何にもならないと思います。そういう点間違いなくできますか。
○政府委員(松尾正雄君) 人の訓練はもう御指摘のとおりだと思います。したがいまして、私どもの計画でも本年度の予算でもって医師並びに看護婦というものは予算上は六十六名になっておりますけれども、実行上はもっと百名以上になるような計画で実施できると思いますが、それは予算を持っておりますので、そういう専門的な訓練を実施する、こういうことでございます。また国立のほうの病院、療養所等につきましては、もうすでに実施して、終わっております。
○小平芳平君 私は、ここでひとつスモンの例を比較して申し上げたいわけですが、スモンの医療費補助はスモン患者総数のどのくらいに当たりますか。
○政府委員(滝沢正君) 当初スモンの治療、研究費は六百人を予定いたしておりまして、その中で実際に該当しますものが四百でございまして、入院患者は大体スモンの疑いの患者もございますけれども、約五千の確実な患者、したがって入院の治療対象、そちらをとりますと実態調査の結果では約一五%が入院、それから外来が六〇%、あと在宅が二五という数字があるわけでございます。そうしますと、大体入院患者の生保とかあるいは健保本人を除きまして、四百人という数字は入院患者の自己負担のあるものの大部分はカバーできたんじゃないか。ただ一部県によっては実施の時期のずれ等がございまして、総体的に初めての年でございましたので、年度末の数字が四百ということで、スタートのころは二百というようなことで、全体ならしますと必ずしも通年して四百という数字ではございませんので、率としては最終的にはかなりカバーできる、こういうように考えております。
○小平芳平君 五千人のうちの四百人でしょう。NHKの和歌山県のをごらんになったんですか。現にこれこれしかじかのこういうスモン病患者でおりながら何らの対策が打たれていない。国では予算が余って返すそうだけれども、そういう予算を余らして返すのに、一方では現にこれこれしかじかのスモン病患者がこういうふうに困っているということの申請を出しておきながら何の返事もない、それが現在の実態じゃありませんか。
○政府委員(滝沢正君) 和歌山の例も私も拝見いたしましたが、今回の入院措置が、本年度は入院患者に限りましたために和歌山の例のような在宅の方に医療費を四十七年度はこれを実施したいということでただいま手続を進めておりますけれども、四十六年度中は残念ながら入院患者ということで限定して進めましたものですから、この点につきましては、できるだけあの実態の医療費の面では対応できるようにいたしてまいる、こういうふうに考えております。
○小平芳平君 人工透析の場合はいまのスモンとは違って入院、在宅という区別がないからとにかく透析自体を公費負担にしようというんだから、そういうようなことはないと思いますけれども、ひとつ大臣からこうした公費負担、それから身障に入れるということに対する大きな期待があるわけですが、スモンのようにあれだけはずされてしまった。予算は余って返した。そういうことでは何にも意味がなくなってしまうわけですから、ひとつ大臣からしっかりした御答弁をいただきたい。
○国務大臣(斎藤昇君) スモンはこれは研究費ということで出しておりますので、全患者に対して研究費の行き渡るようにという考えの出発点が若干違っておると思います。 そこで、このたびの人工じん臓の人工透析、これはおっしゃいますように、その必要がある者には全部行き渡るというようにいたしたい、そうすべきであるとかように考えております。 先ほどから局長が答えておりましたように、よほどの高額所得の方はこれは御遠慮いただかなければならないかもわかりませんが、普通の人たちに対しては全部行き渡るようにこれはどうしてもいたすべきであると、かように考えております。
○小平芳平君 それでは予定の時間がなくなりますので、最後に養護施設ですね、これから始めようという養護施設。それから福祉工場、こうした養護施設、福祉工場などは私の考えとしては身障者の福祉のためにそうした施設がつくられることはけっこうだと思うのです。この趣旨に反対ではないわけですが、いかにもこの養護施設、福祉工場というものが労働省とのかね合いで、労働省でも同じような訓練施設あるいは身体障害者の工場があるわけですが、その辺どのように割り切っておられるか伺いたい。 それともう一つ、全国でどのくらい整備することが予定されているか、また十分可能なのかどうか、その点について伺いたい。
○政府委員(加藤威二君) 養護施設につきましては、これは寝たきりの身体障害者を一生めんどう見るということでございますので、これは労働省との関係は競合関係は生じてこないと思います。これは四十七年度に八つの施設をつくって五百六十名でございますけれども、この対象の寝たきりで一生めんどう見なければならないという身体障害者の方が大体四千三百名くらいおられるということでございます。したがって、社会福祉施設整備五カ年計画の中に取り込みまして、早急にこの養護施設の増設をはかってまいりたいというぐあいに考えております。 それから福祉工場につきましては、これは先生御指摘のとおり労働省との問題が、何と申しますか競合関係という点があろうと思います。しかし、まあ私どもといたしましては、まあこの身体障害者につきまして、身体障害者福祉法によりましても、あるいは基本法によりましても、やはり機能回復訓練、それから職能訓練というようなもの、それから身体障害者の生活の確保、生計の確保というような点はまあ厚生省としても推進していかなければならないということで、こういう重度身障者の福祉工場というのをモデル的に設置しようということでございます。これは労働省との所管の関係ではボーダーラインということになろうかと思いますが、場合によっては競合ということが言えるかもしれませんけれども、しかし、私どもといたしましては、こういう施設が非常に不十分がございますので、労働省と厚生省というものがある程度似たような施設をやっていくということも必ずしも身障者にとってマイナスではないという感じがいたしますので、確かに労働省との競合関係ということは突き詰めてまいればそういう問題が生じるかもしれませんけれども、しかし私どもといたしましては、厚生省的な社会福祉という面から見ましても、こういった施設はぜひ必要であろうということで、今後とも拡充につとめてまいりたいというぐあいに考えております。
○小笠原貞子君 衆議院でのいろいろ審議の状態なども議事録を拝見いたしまして、今度の法案でじん臓病患者の方たちに一歩前進だという意味で喜ばしいことだと思います。しかし、はたしてそれでほんとうに安心できるのかどうかということには、まだまだ不安が残されております。そうしてまた、きょう私が特に質問をしたいことは、そういうようなじん臓がたいへん悪くなって人工透析をしなければならなくなったという問題だけの解決では済まないと思うのです。やはりこういうようなことが起こらないような予防対策というのが非常におくれていたのではないか。そうして私などの考えでは、昔からじん臓といえばあまり子供には見られなかったのに、このごろほんとうに小さい幼稚園に行くまでの子供たちに、どこが悪いのと聞いたら、じん臓が悪いというようなことで、たいへんそれが目につくようになりました。それで最初にお伺いしたいと思いますが、じん臓病関連患者数というのが年々ふえているというふうに私のほうでは見ておりますが、実態はどうなっているのかという点と、それからまたじん不全になる方が多いじん炎またネフローゼ患者というのが一番多いというのは、一体どの年齢層に多いのかということをお答えいただきたいと思います。
○政府委員(松尾正雄君) じん炎及びネフローゼを入れまして、私どもが医療機関にかかっております患者数ということで把握いたしておりますのは、御指摘のように多少ふえる傾向がございます。たとえば、昭和四十年の一日当たりの患者数が三万七千三百五十四人、四十一年三万八千九百三十一人、四十二年は多少減りまして三万五千五百九十五人、四十三年は三万九千三百九名、四十四年が四万五百四十、四十五年が四万五千四十五、こういうことでございますので、最近多少ふえているというような傾向になっております。 それからちょっとこまかい年齢別の区分はいま直ちにできませんので、後ほどお答え申し上げます。
○小笠原貞子君 多少ふえるというようなお答えでございましたけれども、厚生省のほうへ私のほうでお伺いいたしましたら、四十三年度で四十万二千百五十人、四十四年度四十二万七千百九十五人ということになりますと、一年で約二万五千人という患者数がふえているという数字が見られるわけなんで、まあ多いか少ないかというのはどういう基準にして言われるかということは一つの問題だろうと思いますけれども、やはりこういう、かかれば非常に慢性になりやすい、悪化すれば非常に高額の医療費を負担しなければならないという患者の側から立って考えますれば、決してわずかの増加だというようなことでは片づけられない。やはりこの増加につきましては大きな問題だというふうに私は見ていかなければならないのだと思うわけです。それから年齢別のこまかい数字は別に必要はないと思いますけれども、全体的に言えることは、たとえばじん炎、ネフローゼ患者というようなじん疾患に悩んでいる患者さんが非常に青年、壮年の方たちに多いというふうに私のほうでは見ているのですけれども、そういうふうな結果になっておりますでしょうか。
○政府委員(松尾正雄君) 非常に慢性化いたしまして、ここでいろいろ問題になりますような方々が、それは御指摘のような年齢層から上に多くなっております。
○小笠原貞子君 そういうふうな年齢層を考えてみますと、やはり働き盛りの青壮年層に多い、しかもそれは一家の生計をささえなければならないという方たちに非常に多いということなんでございます。そういうことから考えますと、どうしてもそういうことが起こらないような早期発見、早期治療ということが根本的に行なわれていなければ、年々ふえるという傾向を食いとめることができないと思うわけなんですけれども、早期発見、早期治療に対してどういうふうな御意見をお持ちでいらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(松尾正雄君) これはただいまの患者の数につきましては、お話のように、青壮年に多い傾向がございます。ただ、早期発見、早期治療という意味では、子供につきまして、特に学齢児につきましてかなりの患者の発生が見られますことと、早期に発見し早期に治療すれば、治療法も進んでおりますので、相当の効果が期待できる。そういうような意味におきまして、一つは、乳幼児の検診におきまして、先ほどもお答え申し上げましたように、今後できるだけ尿の検査等の項目も加えまして、早期に発見することができるような対策を講じたい。これは今年度におきましても、すでにいろいろと地方にも依頼をいたしまして、父兄の協力も得まして、できるだけ検診体制を強めてまいりたいということで、二、三の県においてはすでに取り上げられているわけでございますが、今後の方向といたしましては、全国的にこれを行ない得るようにいたしたいと考えております。それから治療体制につきましては、特に先ほど申し上げました学齢児につきまして、じん炎、ネフローゼはかなり長期の治療を要するということで、その期間教育が全く空白になりますると、健全育成の上におきまして、たとえ病気がなおっても非常に人格形成の上で欠陥があるというようなことになると困りますので、四十七年度におきましては、治療研究費といたしまして、ベッドスクールに入っておりますじん炎、ネフローゼの児童に対して、県にも協力を依頼いたしまして、国と都道府県とで治療研究費を支出いたしまして、公費をもって教育を受けながら治療を続けることができるような体制をとっておるところでございます。
○小笠原貞子君 御決定いただきましてたいへんありがたいと思いますが、私のほうでもちょっと調べてみましたら、京都市の場合には三歳児の健康診断の場合に、無料で四十七年五月から実施をしております。これはまだ結果は出ておりませんので、その結果の数はわかりませんけれども、対象者二万六千八百のうち、受診者が七〇%受けているというような結果が出ておりますので、この結果はまた一つ大きな参考になると思いますけれども、それから小・中・高の検尿実施の場合も、京都は四十年から実施をしております。そうして四十五年から公費負担ということでいたしまして、四十四年度の結果が出ておりましたので、それを問い合わせましたところ、小・中学校の検尿の結果、検査人員が十二万六千二百五十八人、小中合わせてです。その中で、じん炎、ネフローゼの罹患児というのが、小学生で八十人、それから中学校で九十五人という数字が出ております。 それから神奈川県でも検査をいたしております。神奈川県の場合には去年いたしまして、三十三万人の小・中・高校生に尿検査をいたしました。そのうち要受診者になっている者が五百五十九名、じん疾患者として発見された者が百九十一名というような数が報告されました。神奈川の場合には、公立の場合は無料で、そして私立の場合には五十円というような費用の負担というのが行なわれているわけなんです。 先ほども局長言われましたように、やはりこういうような幼児とか学齢児とかで尿検査をすれば、相当発見ということも早くなり、治療、回復という道にもつながると、そう思うわけなんです。 それで、松下局長のほうにお伺いしたいのですけれども、具体的に三歳児検診の場合、いままでは母子保健法の施行規則で、いわゆる問診とか外見の検査というものが行なわれておりますが、このじん臓病対策のほうから考えれば、やはりこの三歳児検診のときに尿検査というものもやっていくということが制度的に保障されていかないと、やっぱりちょっと不十分じゃないかというふうに考えるのですけれども、三歳児検診の場合にそういうことをお考えいただけるのかどうか、御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(松下廉蔵君) 先ほどお答えいたしましたのも、そういう御趣旨に沿って今後検討いたしたい、努力いたしたいという趣旨でございまして、御指摘のように高たん白の尿が出ますので、検査は比較的簡易にできるわけでございます。テステープを使いまして、できるだけ検査できる体制を次年度から整備いたしたいと考えております。
○小笠原貞子君 それでは御検討いただくということを、この三歳児検診の中にそういう尿検査という項目も一つ加えるというふうに具体的に御検討いただくというふうに解釈してよろしいのか、それから早急にと言われますけれども、もうまたそろそろ来年度の概算予算もおつくりにならなければならないと思いますけれども、そういう概算要求に組み込むということも含めて、来年度には何とか実施できるようにという御検討の目標でいらっしゃるかどうか、ちょっと詰めてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(松下廉蔵君) 御指摘のとおりに考えております。
○小笠原貞子君 それじゃ、ぜひ来年度のところで予算もつけて、そういうような検査で子供のときに発見して治療していただくというような方法をぜひ実現していただくようにお願いしたいと思います。 それから文部省のほうへお伺いしたいと思いますけれども、三歳児検診ということだけでは済みませんで、やはりたん白が出るときと出ないというときとございますし、まあ毎月なんというのはとても無理だと思いますけれども、今度は学齢児の場合にどうしてもそこでやっていただかなければならないと思うわけで、先ほどあげましたように京都、神奈川というところではやっておりますけれども、全国的に文部省として、学齢児に対してその検査ということをどういうふうに具体的なお考えをお持ちになっていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○説明員(橋本真君) お答え申し上げます。いまおっしゃいましたように、確かに都道府県で独自にやっておるという都府県がございます。しかしながら、これは指導等で行ないます場合の限界もございますので、現在御存じのように児童生徒の健康診断といいますのは学校保健法に基づきましていたしておりますが、その中で検尿ということに関しましては、じん臓の疾患は「その他の疾病、異常」の中に入っておりまして、「その他の疾病、異常」の検診につきましては、臨床医学的検査とか、あるいはその他の検査で行なうということになっておりまして、検尿が学校保健法に基づきますところの定期の健康診断等の際の必須の項目にはなっておりません。これが現在の状況でございます。ところが現在この児童生徒の健康の保持増進ということにつきまして、私どものほうの保健体育審議会に諮問をいたしておりまして、そこで御審議いただいておる最中でございますが、その御審議の中におきましても、最近のこのじん臓疾患というふうなものは、非常に数は少のうございますけれども、なおざりにすることのできない疾病であると、早期発見ということが非常に大事であるという御意見から、検尿というものを必須の項目にすべきであるという御意見がございますので、近く審議会からの報告等もございますと思いますので、それを待ちまして前向きで検討してまいりたいと思います。
○小笠原貞子君 当然各地方の教育委員会の方からもそういうような御意見があがってきていると思うんですけれども、近く審議会からの御意見をとおっしゃいますけれども、その審議会が近くというのはいつごろ結果的には答申されますんでしょうか。
○説明員(橋本真君) 審議会のほうのスケジュールでございますので、はっきりしたことは申し上げかねますが、この六月ないしは七月早々あたりには中間報告というふうな形が出るものであろうと期待はいたしております。
○小笠原貞子君 そこで、私は当然出されると思うんですけれども、もしそこで十分な答申にならなくても、文部省の立場で、学校保健法ですか、それにないからというのではなくて、積極的に学齢児の検診をやるべきだというような、文部省独自として積極的な姿勢で検討するというお気持ちでいただけるでしょうか。
○説明員(橋本真君) 先ほども申し上げましたように、現在でも私どものほうで行政的な指導をいたしまして、各都府県にやらしております。それが、約四十数都府県あるかと思いますが、まだそれでは限界はございますというふうに申し上げましたので、私どものほうもそういうことにつきまして、特に検尿というふうなことにつきまして前向きに考えておる次第でございます。
○小笠原貞子君 前向きに当然考えていただかなければいけないんですけれども、前向きに考えても、なかなかそこまでいかなかったなんという結果になると困りますので、たいへんくどいようでございますけれども、そういう場合に、学童の検尿をやるといった場合には、予算的に一人どれくらいのお金がかかるのか、全国的にそういうふうに制度化した場合にはどの程度の予算を組み込めばできるのかというふうに、前向きならばその辺まで具体的に御検討いままでいただいてきたかどうか。その辺ちょっとお伺いいたします。
○説明員(橋本真君) いままで、特に先生おっしゃいますように、厳密な意味での具体的な検討というふうな、金額をはじくとか、そういうことはまだやっておりません。大体一人当たり五十円見当の負担といいますか、検査費用といいますか、そういうものでできる簡便な方法があるということは承知いたしております。
○小笠原貞子君 そういうようなことで、決してたいへんな高額というわけでもありませんし、やはり健康を守るという立場から考えますと、あとでもう、またたいへんな高額医療の負担を出すよりも、ここのところできちっと出しておいたほうが、経済的に考えても、たいへん私は効果的だと、そう思うわけなんで、そういうふうな審議会の答申もいただき、文部省としてもそういうふうにやりたいとおっしゃるならば、予算的にも一体どの程度かかるかというようなことも御検討いただいて、そしてもう早くしないと間に合いませんでね、そして概算要求に入らないと、なかなかあとで加えるなんというのも加えていただけませんので、ことしの概算要求には制度化することも、そして予算にも入れていただくというように、私はやっていただきたいと思うんですけれども、その辺の見通しとお考えはいかがでございますか。
○説明員(橋本真君) 先生御指摘のような方向で努力してまいりたいと思っております。
○小笠原貞子君 努力していただくのはさっきから伺っておりますんですけれども、ことしの概算要求から、そういうふうな制度的にも予算的にも出していただくというふうに私のほうで考えても、期待してもよろしいような御努力でございましょうか。おそれ入りますが、その辺もうちょっといい御返事をいただきたい。
○説明員(橋本真君) 私のことばが足りませんで……、そのような趣旨でございますので、よろしくお願いいたします。
○小笠原貞子君 どうもありがとうございます。それじゃもうぜひ期待を裏切らないで、私たちの願いを聞いていただきたいと思います。 それでは、次の問題に移らせていただきたいと思います。内部障害者の等級の問題でお伺いしたいんですけれども、いま内部障害者の等級が二級が抜けまして、一級、三級、四級ということになっているというわけなんですが、事実そのとおりでございますね。
○政府委員(加藤威二君) そのとおりでございます。
○小笠原貞子君 体幹障害者の場合には七級まであって、内部障害者が一級と、二級が抜けて三、四しかないというのは一体どういうことなんだろうかというのが私の、しろうとのちょっとお聞きしたいところなんでございます。それで第六十五国会で「結核対策強化に関する請願」というものが採択されましたですね。そのとき厚生省のほうの御答弁で「内部障害者について身体障害者の範囲を六級までに拡大することについては、今後とも努力してまいりたい」というふうに書かれておりましたのを拝見いたしました。その後一年たちましたのですが、その後の御努力はどのようになされておりますでしょうか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(加藤威二君) 手足の不自由、肢体不自由、あるいは聴覚とか、それから目の視覚というような感覚機能、こういうものについては、どの程度の障害は何級ということで、これは外見的にもある程度はっきりいたしますし、それからいろんなはかる機械、目とか聴力でしたらはかる機械もございますので、等級のランクを分けやすいと思うのでございます。それが内部障害だと、これはまあ私から御説明するまでもございませんけれども、非常にそういったはかる、メジャーといいますか、そういうはかる基準がなかなかないというようなことで、おそらくその等級の区分が非常に少なくなっているのだろうと思います。それで先生御指摘のとおり、一級と、それから二級が抜けていて、三級、四級というような形になっております。これは先ほども申し上げましたけれども、専門の先生方がその上の肢体不自由とのバランスをとりながら考えられてきめられた線でございます。で、確かに前に先生御指摘の結核については、厚生省でもそういう答弁をいたしておるようでございますが、それにつきましては、今度じんの人工透析、じんの障害者を内部障害に入れますが、その場合に当然その等級等について専門の先生方に御相談いたします。そのときに一から四までと、五級、六級というものにランクできないか、そういう点をよく御相談してみたいと思います。
○小笠原貞子君 いまの御答弁ちょっと抜けていたのですけれども、六十五国会で今後検討すると言われてからの一年の間にどういうふうに具体的に検討されたか。具体的にいつどういうふうな場所で、どういう内容で検討されたかというのをお聞きしたがったわけなんですね。といいますのは、たいへん人が悪いようでございますけれども、前向きに検討いたしますと言われて一年、二年ほっておかれることがいつも多かったわけですから、これはほんとうに患者さんたちも深刻な問題として毎回国会に請願に来ていらっしゃいますので、そういうように検討したいとおっしゃいましたのが六十五国会でございます。いま六十八国会になっております。その間に具体的に御検討になったかどうかということをお伺いしたがったわけなんです。
○政府委員(加藤威二君) 実は私はっきり記憶がございませんけれども、おそらくそういう専門の先生方が集まられたときには、こういう請願があるということは説明をしただろうと思います。しかしその後、どうして五級、六級、あるいは七級というものにランクできない、こういう理由で、こうだということは私ども聞いておりませんので、その点非常に満足な御答弁はできませんが、これは先ほども申し上げましたように、早急に今度この問題のために専門の先生方に集まっていただきますので、そのおりに、私から直接もっと下の等級までランクできないかどうかということを先生方に尋ねてお願いしてみたいと思います。
○小笠原貞子君 そういたしますと、おたくのほうは、そういう問題は担当になるわけなんですね。そうしたら、いま私が伺いましたのは、この六十五国会からあと具体的にどういうように検討されたかということについて、いまの御答弁だと、そういうようなはっきりした討議がされたかどうかということはわからない、報告を聞いていないというような御答弁の趣旨のようでございましたが、そうすると結果的には何も具体的な問題として提起されて、討議されていなかった、正式な報告はなかったというように理解されるのですが、そういうことになりますね。
○政府委員(加藤威二君) 討議されなかったということかどうか、はなはだ申しわけないのですけれども、私はその結論については聞いておりません。ですから、おそらく討議されたとしましても、具体的な結論が出なかったのじゃないかと思いますが、その点はさらに確めてみたいと思います。
○小笠原貞子君 おたくが聞いていないということになると、おたくが担当のところで、聞いていないということになると、それでそのままずっとほっておかれたというのは、ちょっと無責任じゃないかと思うのですけれども、やはり厚生省として、今後検討したいというように、そういう請願を受けてお答えになったら、やはり少なくとも組織的にそういう先生方に集まっていただくいろいろな機関があると思いますけれども、そこにかけて、一体どうなんだという検討がされなければ、請願がきました、検討しましょう。だから毎回毎回、同じ検討しましょう、お願いしますと、繰り返されてしまって、そうして患者さんたちは非常に苦労して、その苦労の中で、ほんとうに患者さんですから、からだもたいへんな中で、また経済的にも職場を休んだり、また交通費も使って出ていらっしゃるのに、これを聞いたら、きっと患者さんがっかりなさると思うのですね。いまの御答弁、それ以上出ないと思いますけれども、これからそういうことがないように、やはり厚生省として、こういうような答弁をしたということについては、やはり責任を持っていただかないと、そこにやはり私たちの不信というものも出てくるわけなんで、私もいやなことを重ねて申し上げなければならなくなるわけで、済んだことはしかたがないとしても、これから、この次、私が質問するまでには必ずその結果が具体的に、こういう場でこういうように検討された結果、こうだったというものを出していただくということをお約束していただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(加藤威二君) この場ではっきり御返答できなかったことについては深くおわびを申し上げたいと思います。さらに帰ってよく確かめまして、そうして御返事いたしたいと思います。
○小笠原貞子君 それでは障害年金の等級をきめる沖中委員会というのがございますですね。その沖中委員会で六級まで必要だという結論が出たということを私伺っておりますが、これは間違いございませんでしょうか。
○政府委員(加藤威二君) 沖中委員会は、これは年金のほうの障害等級について再検討しているということで、私のほうの等級の分け方はちょっと違いますものですから、詳細には存じておりません。
○小笠原貞子君 それで今度は身体の、体幹のほうの障害と内部障害の場合と、私非常に矛盾だと思うことがあるわけなんですね。たとえば体幹で指がないというような場合で障害手帳をもらっている六級以上だというような方、しかし内部で、低肺機能といえば指数六〇でも――その指がないというのはそれは不便かもしれませんけれども、日常行動したりする活動というのはたいして支障はないわけですね。ところが内部疾患は、この前から私何度も質問いたしました。低肺機能者でいえば、五体は全部そろっておりますけれども、指数が六〇というところでは、たいへん労働するということにも困難だし、やはり障害というほうでは、内部障害というのが非常に大きなウエートを占めてくるんじゃないか、そうすると、先ほどからきめにくいということをおっしゃいまして、それはそのとおりだと思いますけれども、体幹みたいに指が何本とか、腕がここからだとかいうような、そういう機械的なきめ方はできないとしても、やはりメジャーもたいへんむずかしいかもしれませんけれども、そういう内部障害者の心臓とか結核とか、今度じん臓が入りますが、そういうような場合の障害者というものの立場を十分お考えいただいて、そうして等級も拡大をしていただくということをぜひやっていただきたい。私も社労になりましてからいろんな方たちがいらっしゃいます。そうしますと、いらっしゃって、そうして指のない方のほうがすわってじっとしていらっしゃる。で、障害手帳に入らないような内部障害者の方のほろが、すわったとたんにもうふうっといってたいへん疲れていらっしゃるというような現実を見ましても、やはりこれは外形的なメジャーではかれないという困難さはあると思いますけれども、困難だからということではやはり避けられないと思うんですね。その困難なところを、どういうふうにして国民の命を守るかというのが厚生省のお役目でございますから、たいへん困難だと思いますけれども、じん不全も含めて、内部障害者の等級の拡大ということについては慎重に考えて、前向きな再検討ということをぜひお願いしたいと思うんですが、その点どうお考えになりますでしょうか。
○政府委員(加藤威二君) 先ほど申し上げましたように、このじん臓障害を身体障害者の中に加えるということに関連しまして、当然早急に専門の先生方に集まっていただいてこの等級をきめなければなりませんので、その際専門の先生方の御意見を十分承りまして、先生の御趣旨もよくお伝えして、そうして適切な処置をいたしたいと思います。
○小笠原貞子君 もちろん専門の先生の御意見をよく伺っていただきたいと思います。しろうとの考えではいけないと思いますけれども、やはり患者さんたちの実態とか、患者さんたちの実情も、きっと請願などで行かれると思いますけれども、そのときにはよくお聞きいただいて、ほんとうに血の通った行政的な立場でやっていただきたいということをお願いして、次の問題に移りたいと思います。 次に、人工じん臓の問題なんですけれども、これはもう衆議院段階でもずいぶん論議されておりますが、たいへん大型であること、それから使用が専門的でむずかしいということ、またお金がかかるというようないろいろな問題が出て、やはりそれがもっと小型化されて、そうして家庭でも、できたら人工透析できるというような方法というものも考えたい、また大体これでいけそうだというような御答弁、先ほどあったようですけれども、実情を聞いてみますと、非常にそういう設備があるところというのは都市部に片寄っております。で、ある御婦人の場合でも、子供さんがいらっしゃって、そうして東京まで人工透析に通う。そうすると、朝四時に起きて、子供を連れて、東京の実家へ子供を預けて、自分が病院へ行って、そして八時間かかりますね、人工透析するのに。その八時間、人工透析やってもらって、また今度子供を実家から連れてきて、汽車に乗って帰るというような実情を聞いてみますと、ほんとうに数があればできるからというような問題じゃなくて、もういろいろな付随したたいへんな問題が起きてくるわけなんです。そこで、やはり小型化されたもの、そして安くできるようなものというような研究というのが当然なされなければならないと思うんですけれども、そういうような小型化、それから安くできるというような人工じん臓の開発についての御検討というものがどの程度なされておりますでしょうか。
○政府委員(松尾正雄君) ただいまの例のように、非常に東京までわざわざおいでになるというようなことは今後のこの計画の中ではなくしたい。したがいまして、その整備計画につきましても、いろいろな機関の分布の問題等は十分ひとつ都道府県を含めまして、それぞれその分担を、病院がかってに私がやりたいということで手をあげるというのじゃなくて、この国立病院がやるんだから隣の病院はやらないでほかの県立病院がやると、こういうふうな分布も十分考慮して計画を詰めておるのでございまして、できるだけそういう網の目もこまかくいたしてまいりたいと思っております。 それから今日の小型の透析の研究でございますけれども、私どももやはり能率のいい透析の人工じん臓というものの開発、これも当然に必要なことだと思いまして、すでにもう私どもは四十四年におきましても新医療技術研究助成費で、金額でいいますとこれは百三十万から百五十万程度のものを研究費として出しておりますが、そのほかにまた新医療技術研究費という形の予算がございまして、これを四十四年四百七十万、四十五年は五百三十万、四十六年に九百万、こういうような形で主としてその小型化というものの研究をお願いいたしておるのでございます。 それからさらに、これはかなり進んでまいりましたので、いわゆる科学技術庁が小型研究として乗り出していただき、四十六年度には千二百万という予算で、科学技術庁の特別調整費でもってこれを援助してもらっております。また四十七年は、まだこれはさまっておるわけじゃございませんけれども、さらに千九百万程度出してくれるのではないかというような折衝になっておりまして、私どももこういう小型化という方向に向かって、また能率のいい方向ということで進んでまいっております。 それからそのほかに関連いたしましては、もっと基本的な研究も必要でございます。たとえば血液の血管そのものを外でつなぎますときの人工血管の問題あるいは新しい吸着というような問題をほかの物質でやってみるというようなことで、これらを新技術の開発の中で、これは人工透折だけだというわけにはまいりません。これに関連する基礎研究として進めさせております。
○小笠原貞子君 いろいろお金も出して研究をされておるということでけっこうだと思いますけれども、それはどういうところにその研究費用というものが出されているんでしょうか。
○政府委員(松尾正雄君) 大体この研究につきましては、共同研究という形をとらせておりまして、研究班をつくらせております。まあいまの小型じん臓の研究で言えば、たとえば東京医科歯科の大渕教授が主任研究者ということになりまして、それにいろいろな関係者、たとえば化学工業の関係の人たち、あるいはいわゆる機械の関係の方々、こういう方々もそのメンバーの中に入りまして、そしてやはり十名前後の少なくとも研究者が一つのグループをつくるということで、それぞれその研究を進めるという方向で打ち合わせながらやる、こういう共同研究の方式で進めております。
○小笠原貞子君 私、いつかNHKを見ていたら、ちょうど人工透折の大きな特集番組がございましてね、あのときに、どこでしたっけ、私ちょっと調べる時間がありませんでしたけれども、和歌山でしたかの中小企業の方が人工じん臓一生懸命研究して、そして、三重だったでしたかね。ちょっと記憶ございません。そちらで御承知かと思いますけれども、実際にそうやって機械をつくって、そして大学と連絡をとりながら研究している、非常に苦労をしながらやっていらっしゃるというのを見まして、ああ、こういうふうに具体的に機械を改良しながら小型化して、しかも大学でもそれを使用してというようなところまで進んでいるというところに、ここにも一つ予算的な措置を講じていただければ、もっとこれが効果的な開発になるのではないかというふうにそのときつくづく見ておったのですけれども、いまのお話ですと、まあ理論的にグループをつくってというような研究になっておりますけれども、具体的にそういう医療器械をつくる、中小企業であろうと、そういうメーカーが、どういうものを研究しているかというようなことの実態というものを御調査なすって、おわかりになっていらっしゃるのかどうか。そして、もしそういうことがおわかりになっていれば、そういうものに対しての助成というようなものは考えていらっしゃるのかどうか、その辺いかがお考えでいらっしゃいましょうか。
○政府委員(松尾正雄君) 個々の方々、あるいはいろいろなメーカー等がいろいろ研究しているというのを全部私どもが把握するということはちょっとできない問題でございますが、たとえばいまのような事例で、たとえばその所在の大学と十分臨床的にもその他の面からでも、開発しながらやっておられるということであれば、これは当然私どももこういう研究班をいろいろ公募したりしておるわけでございますので、むしろ一般の方はわかりにくくても、たとえば大学の先生方が、それじゃこのメンバーに入ろうじゃないかというお申し出がございますれば、われわれのほうからその研究班の中に迎えて広めてまいりたいというように考えます。
○小笠原貞子君 これも私がしろうとの立場でそのNHKの特集を見まして、そうして人工透析ずっと機械が小型化されていくという段階を見まして、一度お伺いしたいと思っておりましたので、ぜひNHKのほうにお問い合わせいただいて、それは必ず場所もわかりますし、どの程度の機械が小型化されて開発の道に進んでいるかというのもわかると思いますので、それも決して学術的な権威のある方がやっていらっしゃるわけじゃございませんけれども、実際にはそういうような立場で貢献していらっしゃるとすれば民間人であろうと、やはりその力、それから能力というものを引き上げていただきたいと思うので、その辺のところを具体的にお調べいただくということをお願いしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
○政府委員(松尾正雄君) さっそくNHKにも問い合わせてみまして、具体的にひとつ調べてみたいと思います。
○小笠原貞子君 それじゃ、たいへん私のほうでわからないことをお願いして、――当然やっていただけると思いますのでよろしくその点をお願いしたいと思います。 それでは時間もございません。最後に運賃割引の問題の具体的な問題でひとつお伺いしたいと思いますが、運賃割引も内部障害者には現在適用されておりません。それで厚生省としては、昭和四十二年の九月九日付で、社会局長、児童家庭局長名で国鉄に対して、内部障害者もその他の障害者と身体的ハンディキャップは同じであるので、運賃割引の適用を再検討してほしい旨の要望が出されたと伺うわけなんですけれども、これが四十二年九月九日でございます。そうしますと、もう五年たっておりますので、そういうようなお気持ちで要望なさったならば、その後具体的に正式な文書とかまた話し合いを申し入れるとかというようなことはされたと思うんですけれども、この五年間に具体的にはどのように内部障害者の国鉄運賃割引について正式に御検討いただきましたでしょうか、その辺の御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(加藤威二君) 四十二年に申し入れをいたしましたことは御指摘のとおりでございますが、その後、四十七年の三月に六十七国会の採択請願がありまして、それを私のほうから運輸省のほうに送りまして、そして、こういう要望があるけれども、これをひとつやってもらいたいということを申し送りましたところ、四十七年三月十三日に運輸省の鉄道監督局長から私あてに要望には沿いがたいという返事が参っております。
○小笠原貞子君 たいへんいやなことばっかり申し上げるんですけれども、四十二年にお出しになって四十七年三月といいますと約四年半そのままになっていたということになりますですね。その辺、さっきの問題と同じで、たいへん加藤局長にいやなことばっかり集中するようで申しわけないんですけれども、やはり患者さんの立場で毎回請願して要望していることから考えますと、四年半ほっておかれたというのはもうどうにも私はがまんがならないんですよね。だからその辺のところをほんとうに考えていただきたいと思うんですけれども、四年半ほっとかれたというのはあまりにもひどいと思うんですけれども、私の言うほうが無理でしょうか。
○政府委員(加藤威二君) これはまあ国鉄が、御承知のように非常に財政的に苦しいということもあろうと思いますが、四十二年に申し入れいたしましたときも非常にその点についてはなかなかうんと言ってもらえないということで、正式に文書でその後出しましたのは四十七年三月でございますけれども、国会でもいろいろこういう御議論はなされただろうと思いますし、そのつど正式な文書ではないかもしれませんけれども、接触はしていたと思います。しかしながら、必ずしもそれが実現されていないということは私どもにも先生御指摘のとおり、必ずしもその努力が万全でなかったという点はあろうと思いますが、しかし国鉄のほうもなかなか事情が苦しいようでございまして、どうしても必要なら厚生省のほうでその予算を組んだらどうかというようなことになって水かけ論になっちゃうわけでございます。私のほうといたしましては、この身障者の基本法に、やはり国鉄ではそういう配慮をすべきであるという、法律にそういう根拠がございますから、それでこれはやはり国鉄のほうでやってもらいたいということを主張するわけでございます。そこでまあ水かけ論になって推移しているというのが現状でございます。
○小笠原貞子君 大臣ね、お聞きいただいておりますように、こういうお願いをして、何とかという御答弁はいただいたまま四年半もほっておかれるというようなことでは、御答弁いただいたことがこれほんとうなんだろうかというふうにたいへん不信感を持つような結果になりまして残念なことだと思いますし、また第三者としては残念だということばで済みますけれども、患者さん御自身の立場から立てば、これはほんとうにいたたまれない問題だと思うので、大臣としてもその辺のところは十分お考えおきいただきたいと思うわけでございます。御答弁は最後でけっこうでございますから。 続いて次の問題に移らせていただきますけれども、今度、傷痍軍人の場合ですと傷痍軍人援護法ですか、戦傷病者援護法というのですか、あの二十三条でやはり無賃といいますか、国鉄運賃割引というのが出されているわけなんですね。 その前に済みませんが、きょう国鉄の方は来ていらっしゃいますか。それじゃ国鉄にお伺いしようと思ったのですけれども、私のほうの手違いでそういうことになりましたのですが、一応厚生省として交渉していただく場合の御参考になればと思って、お伺いしたいと思いますけれども、いま言ったような戦傷病者の場合には国鉄運賃割引が法として出ているわけなんですね。それでその中を調べてみますと、体幹障害者だけではなくて結核、心臓も入っているわけなんですよ。そうすると国鉄のほうでは傷痍軍人の場合には、いわゆる内部障害者も運賃割引をしているということになるわけなんですね。そうすると理論的に言えば差別するのはおかしいんじゃないかと、やはり戦傷病者という、直接戦争の犠牲者ということの違いはあるにしても、病気になられた方たちは好きこのんで病気になったんではなくて、いまの高度成長政策の中でもう非常に労働強化とかいろいろな社会的な要因で病気を持たれた方だとすれば、傷痍軍人の場合には内部障害者も運賃割引という適用を受けているんだという立場からも、国鉄としても考えてほしいというような立場で話し合いを進めていただきたいと思うんです。私のほうの立場から言いますれば、国鉄が赤字だということは私のほうでは承認していませんから、当然国鉄もみんと一緒に出してあげなさいということが言えるわけなんですけれども、それはおきまして、いままでのいきさつから見ますと、厚生省が頼みました、国鉄は予算がありませんというのではこれはキャッチボールみたいなものです。何年間かこう行ったり来たりしているということなんですね。その辺のところを何とか考えていただきたいというふうにお願いしたいわけなんで、具状的に話を詰めていただきたい。そういういま戦傷病者の場合には内部身障者の場合も入っているじゃないか。国鉄赤字だと言っておりますけれども、この身障者の場合には厚生省が予算を出していらっしゃいますでしょう、国鉄のほうに。戦傷病者の障害者の場合には出していらっしゃるのですよ。そうすると、そういうことを考えれば、国鉄がどうしてもいやだと言ったら、そうかと言ってまたキャッチボールするのじゃなくて、厚生省から出すということも考えていただけるんじゃないか。私のほうからは、こっちから出せというようなことは申し上げませんけれども、その辺のところを行政の立場に立って考えていただきたいと、こう思うわけなんです。それから国鉄のほうにそれを申し入れていただく場合にもう一つ具体的にお願いしたいのですが、それは国鉄には予算がないということで断わられないで済むんです。それはいま身体障害者の方たちが国鉄で割り引きされているのは四十五年度で約九億近くの額になっているということなんですね。しかし内部身障者の場合には体幹の場合と違ってそんなに旅行するなんというような体力もありませんから、予算的には非常にこれよりも少なくなると思います、試算してみると。それも一つ言っていただきたいことと、それからお金が全然かからないことで、お願いしたいことがあるのです。それは旅行しますときに、指定券とか寝台車を取りますですよね、そういうような場合に、込みますと、すごく並ばなければならないわけなんですね。そうすると、私たち元気な者でも、並んでそれを取るというのはたいへんからだ疲れます。だから、そういうのを、手帳を持っている障害者の場合には指定券とそれから寝台券というようなものを優先的に回していただくということは予算的にも変わりはないわけなんですから、ぜひそのことも国鉄のほうにお申し入れをいただいて検討していただくということを厚生省のほうにも私お願いしたいと思うんですけれども、そういうような内容をもって御検討いただくことをやっていただけるかどうか。また前向きでやりましょうというのではなくて、少なくとも、いつごろまでにはやっていただけるかどうかということをお伺いしたいと思います。
○政府委員(加藤威二君) 先生のお話のありました戦傷病者につきましては、予算は運輸省のほうで組んでいるという話を聞いております。それで、厚生省は事務費的なものは若干組んでいるようでございますが、運賃については運輸省で組んでいるということでございます。 もちろんそういう対策が身障者、一般内部障害者についてやってもらえば、これまあ国鉄としても異論はないところだと思いますが、この問題につきましては、まあ私どもも、しかし、身体障害者という範囲、範疇に内部障害者も入れたということであれば、これは取り扱いは一緒にしてもらいたいということでありますので、さらに運輸省に、あるいは国鉄に要求をしてまいりたいと思います。 それから、いま指定券についての優先的に取り扱うという点につきましても、私のほうでよく検討しました上で、これは事務的に持っていってだいじょうぶだということであれば、また国鉄と折衝していきたいと思います。
○小笠原貞子君 最後の質問なんですけれども、さっきちょっと抜かし申したので……。 さっき人工じん臓の予算、科学技術庁からも出ているというお話でございましたね。四十六年度は一千二百一万八千円というような予算が特別研究促進調整費というので出ているわけなんですが、その中で人工透析の研究というのにどれくらい使われているのかということと、それから四十七年度はどうなっているんだと聞いたら、まだ内示はあったが確定していないということなんですが、これはどの程度-科学技術庁直接でないとおわかりにならないかもしれませんけれども、まあ科学技術庁の調整費というものの内容としては、これは非常に人間の命を助ける研究になりますので、私はもうほんとうに大がかりな調整費をつけてもらいたいと思うんですけれども、四十六年度が実際には幾らだったか、それで十分何とかやれたのか、もっと必要だとお思いになっているのかどうか、その辺のところをお伺いして、時間ですから質問を終わりたいと思いますが、いまお聞きしましたように、最後に厚生大臣のほうから運賃の割引の問題だとか、いままで何年も、キャッチボールで遊んでいるなんということばは失礼だから取り消しますけれども、ほっておかれたというような問題について、いま局長からも早急に検討したいと言われました点について最後に大臣から御意見を伺わせていただいて終わりたいと思うんです。
○政府委員(松尾正雄君) 先ほど申しました科学技術庁からの千二百万、四十六年度分、これはいわゆる人工じん臓分全部でございます。それから四十七年度はたぶんこうでございましょうと申しました千九百万、これはまだ最終決定という段階ではございませんが、その程度向こうでも出したいという意思を私のほうに伝えてきておるわけでございまして、これもそのまま全部人工じん臓のものでございます。
○国務大臣(斎藤昇君) 請願書の取り扱いにつきましてはいかにも不熱心であるかのようなあれでございますが、あれはたしか毎年その年に請願書の取り扱いをどうしたかということを報告をいたしているはずでございます。局長はそのような事情を十分わきまえていなかったのかと思いますが、請願書の内容は各省でそれぞれ検討いたしまして、そうしてこういう措置をいたしましたということを、それぞれ報告を、あれは議長あてでしたか、内閣でまとめていたしておるはずでございますが、しかし、それはさておきまして、先ほどのお話の、いわゆるハンディキャップを負うた人たちの、そのハンディキャップを少しでもなくしてあげるという努力はいたさなければならないと思っております。今後十分検討してまいりたいと思います。
○委員長(中村英男君) 本案に対する午前中の審査はこの程度といたします。 午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時四十五分休憩 ―――――・――――― 午後一時四十二分開会
○委員長(中村英男君) 午前に引き続き身体障害者福祉法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○須原昭二君 午前中の質疑に続きましてお尋ねをいたしたいと思います。 今回の身体障害者福祉法の一部を改正する法律案、これを見て実は身体障害者なるものはどんな者であるかということをもう一ぺんあらためて検討し直す必要があるんではないかということを私はまず痛感をいたしました。というのは、この改正案によりますと、今度はじん臓機能の障害のある者を新たに含められておるわけでありますが、基本法でいういわゆる身体障害者という定義はきちんと書いてありますけれども、他面、考えてみますると、すでに御案内のとおり、交通災害、これはまあ外傷的な問題でありますが、これに加えていろいろ各般にわたる環境汚染、いわゆる労働災害あるいはまた一般公害、とりわけわれわれ関心を持っております薬の問題あるいは食目印の問題等々におけるいわゆる感染性といいますか、中毒性といいますか、そうした内部疾患の身体障害者が非常に多くなってきているわけですが、はたして基本的に言って、この法には明記をされておりますが、これでは私は不十分ではないかという感じがしてならないわけです。特に心身障害者対策基本法の中で、内部疾患の問題については心臓等の機能障害というような、いわゆる「固定的臓器機能障害」と、こう書いてあるわけですから、この「固定的」――固定とはっきりいえばいいんですが、「固定的」というこの「的」の中に一切含まれているという感じを持ちますと、いわゆる後天的心身障害者、あるいはその中で、とりわけ先ほど申しました感染的なあるいはまた中毒性的な、そうした心身障害者というようなのが該当してくるのではないか、こんな感じがしてならないのですが、この際明確にひとつ身体障害者たるものは何であるか、この点を法的にどうお考えになっておるのかまず最初に承りをしておきたいと思います。
○政府委員(加藤威二君) 先生の御指摘の点はまことにごもっともだと思います。これは従来は身体障害者というものは手足の肢体不自由者、それから目と耳、そういう感覚機能と申しますか、そういう障害のある者を身体障害者という非常にすっきりしておったのでございますけれども、それが四十二年の改正で心臓、呼吸器の内部障害を取り入れたということで、やや身体障害者というものの定義が広がったわけでございます。そこで心臓とか呼吸器を取り入れましたのは、そういう状態が非常に永続する、ある程度病状が固定しましてそして永続する、それに対してある程度外科的な治療をやることによりましてその機能をある程度回復して、そして社会復帰に役立てる、そういう何と申しますか、外科的な処置ができる内部疾患、しかも永続するものということで心臓と呼吸器が取り入れられたわけでございます。今度新たにじん臓を入れましたのも、じん臓には透析療法というのがございまして、これはこれをやりますればその機能を喪失いたしましたじん臓のかわりに人工じん臓で血液をきれいにして、そうして場合によっては軽作業ぐらいできる人も出てくる。こういうことで身体障害者のカテゴリーの中にそうしたじん臓障害機能というものを入れたわけでございます。その他の内部的な疾患についてどうかというような御指摘もあったようでございますが、これはたとえば、今後肝臓なんかが、治療で永続した肝臓疾病について何か適確な外科的な処置によってそれが軽減するというような治療方法が開発されたという場合には、またこの中に取り入れてくるものがあろうと思います。ただ、それ以外の特にそういったまだ治療法が確立されていない、しかし長い疾病で次第に手足に障害を生ずる、たとえばスモン病のような場合、これは適確な外科的な治療はないわけでございます。しかし、手足が非常に不自由だというような場合には、この身体障害者福祉法の別表に該当すれば、それはそっちのほうの肢体不自由という形でこの身体障害者の中に取り入れてくるということになるわけでございます。したがって、ここに書いてございます心臓それから呼吸器に今度新たにじん臓が入りますけれども、それ以外の内科的な疾患であっても非常にそれが永続して、しかも肢体不自由的な症状を呈しているという場合には、これは別表に該当するものであれば身体障害者の中に入れてくる、こういう振り分けのしかたをしておるわけでございます。
○須原昭二君 いま別表というお話があったのですが、その別表そのものがきわめて不明瞭になってきていると私たち指摘せざるを得ないのです。たとえば、難病奇病の中で筋ジストロフィーなんか非常に平衡機能の障害があるわけです。そういたしますと、別表にあるように、心身障害者対策基本法の第二条でいう平衡機能の障害ですから、これは当然入ってくるのじゃないか、こういうふうにわれわれは思うのですが、そういう点はどうですか。
○政府委員(加藤威二君) 筋ジストロフィーでそういう、平衡感覚を喪失してそれが永続するということであればそういう別表に該当するということで当然入ってきておりますし、それから筋ジストロフイーは筋ジストロフィーという病名では押えておりませんけれども、それによって平衡機能に障害があり、それが永続するという形において、これは身体障害者の中に該当するものは取り入れておるというのが現状でございます。
○須原昭二君 いま基本法で言いますと、「固定的臓器機能の障害、」と、こうなっているんです。「固定的」というと、たとえば肝臓だとか、あるいは心臓だとか、じん臓だとか、こういう、いわゆる固定しておる臓器そのものをいっているような感じがしてならないわけです。そういう点に解釈をしているのかどうかということです。その点をお伺いをいたしたいと思うわけです。
○政府委員(加藤威二君) これは固定的といいますのが、これはそういった障害がある程度永続して、しかもその症状が固まっているといろ意味、毎日毎日病状が変化しているというのではなくして、障害が固定をしているという意味でございまして、そういう障害の場合にこれを身体障害者として取り扱うと、こういうことでございます。
○須原昭二君 もう一つですね、基本的に、最初にお尋ねしておかなければならないことは、この身体障害者福祉法を見ますると、たとえば社会復帰ができる、あるいはまた更生できると、この見通しのある者については福祉を与えるけれども、もう見通しのつかない、社会復帰がおぼつかない、更生もおぼつかないという、こういう、たとえば私たちに言わせれば重度の身体障害者、こういうものについての、ものの上に立って福祉法が立てられておらないような感じがしてならないんですが、その点はどうでしょう。
○政府委員(加藤威二君) その点は確かにそういったニュアンスが強いということは否定できないと思います。それで、従来の身体障害者福祉法の考え方が、やはりいろんな障害がある場合に、その障害を少しでも軽減して、それによって社会復帰をさせる、そういうことがねらいであったわけでございます。更生医療等もそのねらいが最たるものでございます。そういう考え方でずっときたわけでございますが、いま先生御指摘のように、やはり身体障害者の中には社会復帰をしたくても、あまりにも障害の程度が重いために復帰できない、また機能回復をしたいと思うけれども、それもできないという重度の身体障害者が相当あるわけでございます。それに対する対策がおくれていたということは確かにそのとおりでございますが、そこで、今度いま御審議いただいております「療護施設」というものを、今度この身体障害者福祉法の中の更生援護施設の中に加えましたが、この療護施設というのは、もう寝たきりの身体障害者で、機能回復をしたくても回復する余地がないと、そういった方々、――そういう人たちはいままでは家族のだれかの犠牲においてめんどうを見てもらっていたわけですが、そういう人たちを国とか地方公共団体で施設をつくりまして、一生めんどうを見ようというのがこの「療護施設」でございます。こういった面の施策というものが先生御指摘のように、いままではとかくあと回しになっておりましたものを、今後新たにそういうものを、機能回復の余地のないという重度の障害者もこういった身体障害者福祉法の中でどしどし取り入れて援護していこうということで、今回の改正もお願いしておるわけでございます。
○須原昭二君 厚生省のお調べになった四十五年の十月の調査によるとですね、身体障害者といわれる人が百四十万七千人あるということで指摘をされておりますが、この数字は身体障害者の手帳を給付されている人の数字なんですか、それともそうではなくて、総括的に身体障害者らしき人を入れたんですか。
○政府委員(加藤威二君) 身体障害者の手帳を交付しております者は百六十二万という、これは子供、おとなを合わせまして百六十二万、四十五年度でありますが。これはいま先生のあげられました身体障害者よりも数字が多いわけでございますが、これは身体障害者がなくなった場合とかいうような場合には、手帳を返していただくということになっておりますけれども、それが返されないというようなままになっておる、そういうことで手帳の数がふえておるわけでございますが、手帳の数はこの統計に出ております百四十一万でございましたか、十八歳以上は百三十一万でございますが、その数字よりも上回っておる、したがって手帳の交付数のほうが多いということでございます。
○須原昭二君 その百四十万七千という数字を一応正しいものとして見ても、重度のいわゆる一級、二級というような重度心身障害者が二六・五%、だんだんこれは増加をしておるわけですね。まあ身体障害者手帳をすでに受けた人だけだということになりますと、さらにわれわれは新しいいまの経済機構、社会機構、こういう場合におけるところの多くの災害等によって生まれてくる、いわゆる後天的な心身障害者の実態というのは非常に重要な問題になってくると思うのです。 したがって、この際お尋ねしたいんですが、難病奇病とよくいわれておりますけれども、先ほどの筋ジストロフィーだとか、あるいはスモン病だとか、ベ-チェットだとか、そうしたものを正確に厚生省はつかまれているかどうか、つかまれていたらひとつこの際御発表願いたいと思うのです。どのくらいかおつかみになっておりますか。
○政府委員(松尾正雄君) スモンのようなものは公衆衛生局のほうで調査をいたしまして、九千何百名とかいうような数がございますが、その他のいわゆる難病奇病といわれておるものの全体の数はまだつかまえておりません。ことしから難病対策室が発足いたしますので、そこで当初手がけるべき問題の一つは、そういったような一定の診断基準に基づいた患者数を把握する、こういうところにあるようでございます。
○須原昭二君 ことしから調査をされるということなんですが、厚生省から出ているスモンのいろいろの資料を見ましても明確な数字はないし、かつまたその数というものがきわめて過小といいますか、あまり調査が綿密にやっておられない状態があるのではないかと思うんです。たとえばスモンはスモン研究協議会疫学会の調査によると、これは今年の二月二十六日現在で大体確実といわれるのが五千七百七十名です。そして疑いのある患者というものは三千三百六十一人、大体一万人近く出てきておるわけですね。あるいはまたサルコイドージスというのですか、これの研究協議会の調査によると二千名くらいいるというのです。ベーチェットなんかはスモンの二倍といわれているとか、いろいろ民間の団体で調査をされている数字があるわけです。これらスモンにしても、ベーチェットにしても、サルコイドースジ、多発性硬化症、あるいは先ほどの重症筋無力症、こうしたものは私は身体障害者の中へ包括すべきである、こういうふうに思うんですが、その点は厚生省はどのようにお考えになっておられますか。
○政府委員(加藤威二君) 先ほども申し上げましたように難病、奇病につきましては、その症状がある程度固定して、しかもそれが平衡機能とか、あるいは手足の不自由というような形で固定するというような場合には、これはそういう形で身体障害者の中に取り入れてくる。ただ、疾病をあげまして、たとえば心臓とか、じん臓とか、結核とかという疾病をあげまして、この身障者の中に取り入れるという場合には、主としてねらいは、やはり更生医療になじむもの、またその対象になり得るものというものを、主として内部疾患の個々の病名と申しますか、その障害の部位を指定して取り上げているというのが従来の考え方でございます。そういうことで難病、奇病で症状がある程度固定したものについて、そういった更生医療になじむような医療があるというものについては、将来そういうものがあればこれは当然そういった形で、その疾病という形で取り入れていくということになろうと思いますけれども、そうでない限りはそういった平衡機能の喪失とか、あるいは肢体不自由というその状態をとらえて、そして身体障害者の中に入れるかどうかということを区別していくということになろうかと思います。
○須原昭二君 その難病、奇病についての身体障害者の認定の基準の問題ですが、いわゆる出てきた症状によって別表に合えば認定をしていく、こういう御回答でありますが、すでに厚生省から四十二年八月一日に「心臓又は呼吸器の機能障害にかかる身体障害者障害程度等級表等について」という局長通知が出ているわけです。この中では、非常に病状が固定しているんじゃなくて永続性の認定ということを強調されているわけです。そういう点を対照的に考えますと、こうした難病、奇病の症状についても固定的ではなくてもこれは非常に長くかかる、あるいはまた社会復帰が不可能だ、こういう認定に立てば当然身体障害者に入れるべきだと思んですが、まあ将来のことではございますが、これは早急にひとつ検討していただくように厚生大臣に要望し、厚生大臣の御所見を伺っておきたい、かように思います。
○国務大臣(斎藤昇君) 御質問、御意見の点を承っておったのでございますが、身体障害者と申しますのはその障害が固定している者で、その障害がさらに進行をしているというような者はこの中に入らないわけであります。したがって、障害が固定をしているという場合には、その障害の起こった原因が何であろうとこの身体障害福祉法によってその福祉が与えられるというのが概念だと、かように思うわけであります。したがいまして、ただいまおっしゃいましたようなこれからいろいろ発生していくであろう疾病によって機能障害が起こる、しかしもうその障害は固定をして治療によってなおしていく見込みがない、またその障害が進行するということがないというような場合にはこの中に入り得ると思います。しかし、その機能障害がこの別表の中に入らないものであって、これはぜひ入れなければなるまいというものがあれば今後も入れてまいりたい、かように思います。
○須原昭二君 この点は身体障害者の概念あるいは定義からいって非常にむずかしい問題だと思います。それだけにまたほっておいてもいけないことでありますから、早急にひとつ御善処を願いたい、かように思います。 それに引き続いて、先ほど御質問がありましたじん臓機能の障害の特に人工透析医療について若干お尋ねをしておきたいと思います。 われわれが厚生省からいただいた資料によりますとだいぶ数字が違っているわけで、人工透析医療を受ける者はおとなが六百二十四人で子供が十七人程度と、こういう話を聞いたわけです。しかし、先ほどのお話によりますと、じん臓疾患の患者が三万九千人ですか、四万人程度ある、死亡者が大体一万人ある、したがって死亡者の数に大体三〇%掛けた三千五百人程度が人工透析医療を受ける者であろうというふうに聞いたわけでありますが、その点はどうですか。
○政府委員(加藤威二君) 本年度の人工透析医療の対象者といたしましておとなの場合六百二十四人という数字で予算が組まれておりますけれども、それは本年度におきまして人工透析が必要な人員が約三千六百人、-三千五百九十四人ばかりということでございますが、それが六百二十四人になりましたのは、一つは、これが四十七年の十月から実施になるわけでございますけれども、十月までにすでに人工透析の医療を受けているという人がこの三千五百九十四人のうち約二千三百人ぐらいであります。そういう人たちは、大体においてこれは相当医療費がかかるものでございますから健康保険の本人の場合が圧倒的に多い。それから、あとは生活保護、これも相当あります。そういうことで要するに本人に医療費負担のかからないような人たちが大体受けておる。ごくわずかに国保とかそれから健保の家族というものがおるわけでございますが、そういった二千二、三百人の人たちは、これはやはりずっとことしの十月以降もその人工じん臓を使って治療しなければならない、したがってその人たちについては保険とかあるいは生活保護で大体医療費が出るわけでございまして、更正医療の対象にする必要はないということでございます。それ以外の三千六百人のうち十月以降で約一千三百人ばかりが新たに人工透析医療の対象になるわけでございますが、その中にもやはり健保のほうに回わるであろうということで、そのうちの国保とそれから健保の数がどのくらいかというようなことで、大体四一%という数字が出ておりますが、そういうことで、しかもそれが十月から実施ということでその分が二百四十六人、こういうことで先ほどの十月までに実施されておる人のうちの更生医療の対象になり得るべき人というものを合算いたしまして六百二十四人という数字が出たわけでございます。したがって、これは三千五百九十四人と比べて非常に少ないようでございますけれども、しかも更生医療の対象になり得る自己負担の非常に多い人、そういう人たちを対象にしてそうして更生医療を行なうということで非常に数が少ないようでございますけれども、一応四十七年の年度の十月から実施されるということと、すでに大半の、半分以上の人が費用のかからないという方法で透析医療を受けておられる、そういう方々がずっと続けて人工じん臓を占拠というと語弊がありますが、ずっと使っていかれる、こういうことで六百二十四人という数字が出たわけでございます。
○須原昭二君 現在人工透析医療を受けておられる方はいろいろ保険においてあるいは生活保護において補てんされている。新たなものについてということですが、現実にじん臓機能障害の患者がいま四万人いる、実際その四万人の方々にはたとえば身体障害者の手帳を発行すると思いますが、この認定の基準はどういうところに置かれるんですか。
○政府委員(加藤威二君) これはやはり一応少なくとも人工じん臓の対象になるような方は全部対象になります。それからじん臓の障害のために何と申しますか、別表に該当するようないろいろな平衡感覚の機能障害とか、そういうような症状の出ておられる方はもちろん対象になるということでございますが、単なる一般的なじん臓病とかそういうものは対象になりませんけれども、症状が非常に固定しておる、固定しておるという方は非常に何と申しましょうか、じん臓が非常に悪化しておる、そうしてじん臓の機能の大半が喪失しておる、そういう場合が多いと思うわけでございますが、そういう人たちはみな対象になるということでございます。
○須原昭二君 今度はその機械のほうですが、先ほども小平委員から質疑がありまして、その中で厚生省は四十六年十月に八百五十六台ですか、そうして局長のお話によりますと、現在は千五十五台といっておられるわけです。この数は何か食い違いが大きいんですけれども、これは一回六時間から八時間かかると聞いているわけです。したがって、その所要台数というものはきわめて私は不足をしているのではないか、こういう点を感じますが、その点はどうお感じになっておりますか。 それから予算請求をされたときの台数はどのくらいを指摘されておるのか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(松尾正雄君) 御指摘のとおりの一回の透折時間というものは大体六時間から八時間、したがって通常の場合は一台について一人、一日には一人、こういうふうに考えるべきだと思います。患者さんによりまして週一回で済む方もおりますが、大体通例は週二回というふうに考えるのが当然だと思います。したがって、一台の機械につきまして一週間は六日でございますけれども、土曜日は省きまして五日間、それに週に二回の方が加わってくる、そうしますと一台の機械で消化できますのは二人半でございます。したがって、先ほど社会局長からもお話しのように約三千五百九十四名というものが対象である、こう踏んでおりますが、その中で二・五人、一台については二人半しかやれないという計算をいたしまして、必要台数というものを根拠にいたしております。そうしますと、千四百三十七台が一応必要だということになりますが、先ほど昨年の九月等の数字で千五十台程度の保有台数があるということを申し上げました。これは逐次いろんな研究班等によってその後の動き、趨勢も一応わかっておりましたので、ことしの七月程度では低く見ても約千百台程度は自然にふえてくる、こう考えまして、残りはしたがいまして三百三十六台がいまの計算でいうと必要になる。その中で、予算に盛りましたのは、先ほども他の方にお答え申しましたように二百八十八台分は、これは国立なり公的な補助金でやる、こういうことでございまして、あと四十八台分は私立大学その他私の機関でもやっておりますので、それは一応補助対象からはずす、二百八十八台について国の場合も一台について約五百万、こういう単価でもって積算をいたしております。
○須原昭二君 局長のお話だと、千四百二十七台本年中に整備する、これだけあれば当分今日の段階では急場はしのげる、こういうお話ですね。将来の患者数の増大、そうしたものを見合って、将来どういう計画を立てられておるのか。それからもう一つ、費用の問題なんですね。厚生省の試算だと一回当たり四万三千二百五十一円ですか、平均として週に二回といういまのお話でございますから、年間少なくも百回くらい人工透析医療にかかるわけですね。そういたしますと、年間平均四百十二万三千五百三十八円、これは厚生省が言っておられるんですが、これほど膨大な数が出てくるわけです。それを実は更生医療の対象に入れられておるんですけれども、この更生医療というのは非常にたくさんの費用が要るわけで、所得のある方からたくさん取るという論理でありますけれども、なぜ公費の負担医療に切りかえられなかったのか、数はたいした数じゃないんですから、更生医療じゃなくて公費負担医療になぜ切りかえられなかったか、その点のひとつ理由をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(松尾正雄君) 前半のほうの人工じん臓の整備計画のほうを簡単に申し上げますと、ことしは先ほど申しましたような台数で現在のととろでは患者さんは大体すべてかかり得ると、こう見ております。ところがこの患者さんの中で一部の方は残念ながらおなくなりになる方があると思います。しかし、残った方は来年も引き続き同じ機械につきましてずっと継続してその治療を受けなきゃなりません。したがって、その方々のために来年に繰り越される方のための人工じん臓の台数というものをそのままずっと使われていくわけでありまして、しかし、来年になりますと、また再び新しい患者さんが発生をしてまいりますので、その方の分は来年度ちゃんと用意をしてあげなければならぬ、こういうふうなことになってまいりますので、私どもはそういう死亡の問題、新しい発生の問題、こういうことを踏まえまして、これからの五年ぐらいの間は大体こういうことであろうかというような計算をいたしております。これはだんだん自然的な増加の度合い等を見ながら修正をすべきものでございますが、たとえば昭和四十七年は先ほど申しましたように千四百三十七台というのが必要だと申しておりますが、来年になりますと、これはおそらく二千二百台程度にふえなきゃならない。四十九年はそれが約二千九百台、五十年になりますと三千五百三十台、五十一年は約四千百台程度必要になるだろう、こういうふうに考えておりますが、これはこの五十一年でもって打ちどめという性質のものでございませんで、さらにそのときの状況から、また新しい患者さんこういった方々のために延ばさなければなりませんし、また非常に成績が向上いたしまして、それによっても死亡する方がうんと少なくなるということであれば、それだけ翌年の繰り越しが多くなるわけでございますので、その必要台数がふえてくる、こういう考え方に立って今後ともずっと整備をしていかなければならない性質だろう、こういうふうに存じております。
○政府委員(加藤威二君) 透析医療の単価でございますが、これは予算上は大体一回につきまして二万九千、約四万円ということで積算をしておるわけでございますが、これでは安いんじゃないかという御指摘があるかもしれませんが、これは何か血液透析につきましては人工じん臓にはコルフ型というのとキール型というのと二つの型があるわけでございます。コルフ型というのはわりに値段が高く、キール型というのはそれよりも三割か四割安く済むというようなことで、大体それの台数が半々くらいあるということでございますので、積算としては一回平均でやりますから大体四万円、こういう計算になったわけでございます。 なお更生医療について公費負担でどうしてやらないかというような御指摘でございましたけれども、更生医療はこれは国が八割、地方公共団体が二割ということで、国と地方公共団体で更生医療の財源は負担する、こういうかっこうになっておるわけでございます。なお余裕のある、収入が一定限度ある方についてはある程度自己負担をしていただくということになりますけれども、大体国と地方公共団体で八割、二割で負担する、こういうかっこうになるわけでございます。
○須原昭二君 そういたしますと、更生医療の所得制限からいって、負担能力に応じて身体障害者またはその扶養義務者に対して費用の全部もしくは一部を負担させることになる。いま具体的な基準額についていいますと、A、B、Cが二つの段階でDが十段階の階層区分にはっきり分かれているわけですが、その費用をきちんと明記されております。徴収基準額表というのがあるわけですが、これはそのまま適用されるのですかどうですか。
○政府委員(加藤威二君) 現在の更生医療徴収基準はこれは先ほどもちょっとお答え申し上げましたが、人工じん臓のような非常に高額医療というのは、いままでの更生医療では考えても見なかったわけでございますので、そういう医療を前提にしないでつくってあるわけでございます。大体更生医療の平均が十六万二千円くらいでございます。しかも普通更生医療というのは一回か二回で終わる。ところが人工じん臓の医療はこれは極端な場合一生続けなければいかぬということで非常に費用負担が膨大になるわけでございます。したがって、これは当然更生医療の法改正がなされました暁には、直ちにこの基準表を改訂いたしまして、相当高額の所得がある方でも負担のできるだけ少ないように、この数字はまだ具体的に詰めておりませんけれども、少なくともいまは年収入が大体二百五十万くらいの方の場合には、現在更生医療は全額本人に負担していただく、こういう形になるわけでございますが、そのままでいけば二百五十万といいますとちょうど更生医療の自己負担、被用者負担の五割だとちょうどそのくらいになりますから、したがって現在の二百五十万以上の所得のある方は全部自己負担ということになれば、これは更正医療の五割の自己負担をやったら何もなくなっちゃう、こういうことになりますので、いまの基準表では全くこれは不合理でございますが、相当大幅にこれを引き上げてまいりたいということで、要するに、更生医療の半額の自己負担があっても、相当の生活費が残るという程度の所得と、それから何というか負担基準の割合を考えながら基準表を早急に改めたいと思っております。
○須原昭二君 現行の徴収基準表を用いないということ、いまわかったのですが、したがって、この表においても非常に時代からだいぶおくれておりますし、またふやすんじゃなくて減額の方向へ現基準表は引き下げるということとともに、特に人工透析の問題については別の徴収基準表をつくられるといま聞いたわけでありますが、できるだけそういう点は公費負担するのが私は至当だと思うわけですから、そういう点を考えて、できるだけ負担のないようにひとつ善処していただきたい、これは要望しておきます。 時間の関係ございますから先へ進みます。次は、身体障害者の雇用の状態なんですが、御案内のとおり、昭和三十五年に身体障害者雇用促進法というものが制定をされまして、したがって官公庁では一・七%身体障害者を採用しなくてはならない。あるいは民間においては定員の一・六%は必ず身体障害者を職場に迎え入れなければならない、こう実は規定をされておりますが、実際に、とりわけ官公庁におけるところの雇用率、これはどういう現状にあるのか、御報告を願いたい。
○政府委員(中原晃君) 身体障害者の就職状況でございますが、先ほど厚生省からもお話ございましたが、たとえば四十五年度の数字で申し上げますると、十八歳以上百三十一万人の方がおられますが、うち五十八万人が就業しておられます。特に官公庁等におきまする雇用率の達成状況でございますが、官公庁につきましては非現業機関と現業機関というふうに分かれておりまして、非現業機関につきましては一・七%という法定の雇用率に対しまして、一・七二%という達成状況に相なっております。これ四十六年の十月一日現在でございます。それから現業の関係につきましては、一・六%の法定雇用率に対しまして、達成状況は同じく一・六%、かようなぐあいに相なっておるわけでございまして、年々わずかではございますが、若干ずつ達成状況は上がっておる次第でございます。
○須原昭二君 実は国の機関を四十五年と四十六年とで比較しますと、四十五年が一万一千二百七十五名、一・七五%、それから四十六年一万一千百五十五名、一・七三%、この前の統計のほうも私、さきに見たことがあるのですが、実は年々減少しているわけです。厚生省はいわゆる身体障害者の主管官庁ですから、官庁の中でも二・八九%で、一番最高だと、これはまあ私はほめるわけじゃないのですが、当然と言ったほうがいいのですが、一番数字が高額にあります。したがって、実は雇用促進法というものができたのが三十五年です。そのときに一・七%、一・六%ができたので、もうすでに十年もたっているわけです。しかも百四十万の身体障害者がどんどんふえつつある、こういう現況から見れば、官庁主導型といいますけれども、官公庁が先んじてやはり雇用率を上げていくという前向きの、それこそ前向きの姿勢が私は当然必要だと思うのですが、その点は厚生大臣どうお考えになりますか。
○国務大臣(斎藤昇君) 労働省におかれても身体障害者の就業についてはたいへん御苦労を願っているわけでございますが、何といっても営業ベースで取り扱われるという事業にはなかなかむずかしい。そこである程度の責任を負わせてはいるわけでございますが、これには罰則もないというようなことでなかなか進んでおりません。少なくとも官公庁においてはその範を示すということで、その最大の努力を払ってやらなければならないということで、厚生省といたしましてもできるだけの努力をいたしておるわけであります。まず厚生省がその範を示していく必要があろうといつも申しておるわけでありまして、さらに今後、ことに目の見えない人たちが相当このごろ教育も進んでまいりましたから、そういう目の見えない人たちの職場というものが厚生省の中にないかどうか、もっとよくあれをするようにということを指示いたしたりいたしておるわけでありまして、関係各省連絡をとりまして今後一そうこれに努力いたしたいと思います。
○須原昭二君 いま厚生大臣は厚生省の中でもそういう心体障害者に適当な職場がないだろうか、こういう指示をされておるということを聞いたのですが、たとえばその婦人の肢体不自由児の皆さんでも話すことはりっぱに話すことができるのですから、たとえば電電公社なんか、電話番号の案内係を身体障害者の職場である、こういうふうに規定をする。あるいはまた、国会のエレベーターでも、私はあんなりっぱな女性は必要ないと思うのです。私は腰かけていて肢体不自由児の婦人の方が案内をする、そういう固定的にこの職場はもう身体障害者でなくちゃいかぬと、こういうように職場を保護することが私は必要ではないか、端的に言うならば、あんまさんなんかこのごろ目あきのあんまさんがどんどん出てきちゃったが、日本の歴史上、あんまさんはめくらにきまっておった。そういうところへ目あきのあんまさんが出てきたり、また好ましくないような女性も出てきたり、いろいろ巷間伝えられておりますけれども、そういうやはり盲人の皆さんの職場というものを固定をする、そうして確保してやる、そうして、雇用法というもので強制的にワクをはめる必要がきたのではないか、こんな感じがするんですが、その点は厚生大臣どうお考えになりますか。
○国務大臣(斎藤昇君) ただいまおっしゃいますように、もう少し真剣味を持ってやれば、まだ職場の開拓があるんじゃないかと思います。ただいまおっしゃいましたエレベーターのあれは厚生省では身体障害者の方を雇用をいたしております。一番ひどいのはデパートあたりであろうと思いますが、こういうところが率先して使うというように指導してまいれば、それが大きな一つの刺激になっていくだろうと思います。関係各省とも十分連絡をいたしまして、今後一そう努力をいたしたいと思っております。
○須原昭二君 特に十八歳から五十九歳までの働き得る年齢層というものが身体障害者の過半数以上を占めておるわけですね。したがって働き得る状況における職場というものはたくさん私はあると思うのです。ですからどうぞ、いま簡単な御答弁でございましたけれども、ぜひひとつ厚生大臣、その身体障害者の職域の保護、そうして、それは常人では就職できない、こういうワクをきめるような強制的な雇用法といいますか、そういう方向へぜひ移行していただきたいとかように存じます。時間がありませんから次へ参ります。 今度は言語障害者についての対策ですが、身体障害者の中で私は、まあ外傷的な身体障害者、外から見て身体障害者と見える人の中で言語障害者が非常に冷遇されていると思うのです。というのは、民主主義というものですから、ものを言って要求する立場にある者はどんどん言って、あるいは国会に走ってきて圧力をかける、これくらいの団体はたくさんあるのですけれども、ものが言えない団体というのは、これは一番要求の通らない階層だと私は思うのです。ですから身体障害者の中で、言語障害者は一番私は冷遇されている感じがしてなりません。とりわけ、この問題について留意していただきたいことを前提にしてひとつお願いしておきたいのですが、藤原委員からも御指摘ございましたけれども、言語療法士は二十名つくられた。もちろんこの身分法はまだ今後の問題として善処するという話、とりわけ医療と教育の両面を持っておるから非常にむずかしいのだというお話を先ほど聞きました。したがって、この言語療法士というものがやはり身分的に制度化されないとなかなかなり得る人がないんじゃないか。そういう点を痛感をいたします。その点についての御見解を承りたい。 さらにこれからの養成計画はどうなっているか、この点。 それから三番目は、私たち、下部における福祉事務所をたずねて、たまたま見受けられる現象なんですが、この身体障害者の中で言語障害者の取り扱いが非常に冷遇をされているわけです。というのは、話ができないんですから筆談をせざるを得ない。したがって、筆談をすると非常にこてむずかしい。ですから、わずらわしいということで非常に冷遇されている。したがって、手話通訳といいますか、手で通訳をする手話通訳、こうした実態が今日どうなっているのか。特に福祉事務所なんかにおいては手話通訳を配置すべきだと、私は思うんです。そういう対策はどうなっているか。この点についてお尋ねをいたしてみたいと思います。
○政府委員(松尾正雄君) 私も、その言語関係の障害が非常にコミュニケーションというような問題で一番欠陥のあるものだというふうに理解をいたしておりまして、したがって、その方面の専門の職種をつくる必要性は特にわれわれも痛感をいたしております。先ほど藤原委員にお答え申し上げましたように、専門家を集めましたときも、いろいろな検討結果もあらかた大体まとまっておるわけでございます。したがいまして、できるだけ私どもは早急にこの身分制度の確立をはかりたい、かように進めております。先ほど申し上げましたのは、実は普通のメディカルな形でだけなら、非常に簡単に私ども割り切れるんだと考えておりますけれども、実は医療機関の中でないところで、いろいろ現実に、たとえばろうあ学校でいろいろやっておられる、こういう方々自身を一本で扱うのか、それとも分離して扱ったほうがいいのか、なかなか御意見が一致しないのでありまして、したがって、それはいつまでもそういう議論を繰り返しているわけにはまいりませんで、いまいろんな方の御意見は承って調整をはかっておりますが、これはまたこれなりの解決の方法は私はあろうかと存じます。したがいまして、できるだけ早い機会に、できれば次の通常国会と私は望んでおりますけれども、それまでに作業を進めまして、新しい身分制度を確立させたいと、かように存じております。したがいまして、そういう段階でございますので、他の職種のように、いま何校幾らつくるかという具体的な養成計画というところまではまだいっておりません。これは要するに養成のしかた自身をどのグレードでやるかということにもいろいろ関連しますので、当然、これはそういう制度をつくる段階では、私ども養成計画も確立しておはかりをいたしたい、かように存じております。
○政府委員(加藤威二君) 手話通訳でございますが、手話通訳につきましては、昭和四十五年から予算化いたしまして、養成につとめております。現在手話通訳の方は約二千五百人ということでございます。毎年大体三百万ぐらいの予算を組みまして、手話通訳――これは主として奉仕していただく方でございます。その養成費を計上しております。福祉事務所等にも置いたらどうかというお話でございますが、確かに私どももそういう必要を感じておりますが、今後手話通訳の方を専門的に置くかどうかという点については十分検討してまいりたいと思います。
○須原昭二君 ひとつ手話通訳の問題について、これらの人たちが非常に冷遇をされておりますから、二千五百人ぐらいの方々がお見えになると言っても、これはわれわれ選挙のときに、立会演説をやったときに、初めて私たちは見たんですけれども、やっぱり現実に官庁の中にもきちんと設置をして、これらの人たちの便宜をはかるように、ひとつぜひとも留意をしていただきたい。それから、身分法の制定化の問題でありますが、その身体障害者の相談員の問題は、先ほど藤原委員から御指摘がありました。特に月額三百円の手当というのは、私は初めて聞いてびっくりしたわけなんです。一件あたり千円もかかる。一カ月六、七人は相談に乗る。そうすれば、六、七千円は当然最低私はかかると思うんです。まあ東京都なんか一千円ぐらいのプラスアルファーを出しているそうですが、それでも私は足らない。したがって、こういう問題については早急にひとつ値上げをしていただくと同時に、家庭奉仕員の身分もやはり言語治療士と同じように制度化をする必要が私はあるのではないか、こう思います。この点は時間の関係がございますから、要望だけにとどめて前に進んでいきたいと思います。 次は、年金の増額です。御案内のとおり物価が年々七%ないし一〇%上がっていくわけです。したがって、すべての身障者に対する福祉年金を支給せよという声が強いわけですが、そういう物価上昇の問題と、すべての身障者に対する福祉年金を支給せよという要望について、どう厚生省は対処されようとしているか、その点の基本的なことだけお尋ねしておきたい。
○政府委員(加藤威二君) 年金局が参っておりませんので、かわってお答え申し上げますが、現在身体障害者の、福祉法の等級で申しますと、障害年金をもらえるのは一級ないし二級の重度の身体障害者に大体、特殊の場合は違いますけれども、一応あてはめてみますと身障者福祉法の一、二級の障害者に福祉年金が出ているという実態でございます。確かに今後は、来年度以降年金問題といいますか、所得補償が、老人でも身障者でも非常に重要な問題になってまいりますので、これをどういうぐあいに拡大していくか、まず金額の引き上げということは当然であろうと思いますが、範囲の拡大ということにつきましては、先生の御趣旨もよく年金局のほうに伝えておきたいと思います。
○須原昭二君 次は税制の改正、あるいは減免の問題ですが、まあこれだけ経済社会の活動がめまぐるしくなってくると、何といっても身体に障害を持った人は、五体完全な人と比べてその自由競争に勝てない要件を持っているわけです。やはりそれを補てんするのは、先ほどの福祉年金といい、あるいは税制の面といい、先ほどの運賃の半額の問題といい、さまざまな問題でギャップを補ってやる社会的な責任が私はあると思うわけです。そういう点から考えまして、いま税制上においてどのような減免の措置をとられておるのか、ひとつ御報告をいただきたい。
○説明員(高橋元君) 身体障害によりまして、ハンディキャップを負っておられます方々に対しましては、かねてから税制上のいろいろの施策を掲げております。御案内の点も多いかと思うのでございますけれども、いささかその中でおもだったものを申し上げますと、まず最初に所得税でございますが、所得税法上御本人が身体障害者であるか、または扶養親族、配偶者が身体障害者であるか、そのいずれを問わず、身体障害者、心身障害者でございますが――につきましては、障害者控除という制度がございまして、所得の中から年十二万円、特別の障害につきましては十六万円を控除する、こういう制度がございます。現在基礎控除、配偶者控除、扶養控除合わせまして、大体給与所得者の場合でございますと、年所得百三万七千円までは所得税がかからないわけでございますが、御本人またはその御家族の中に、身体障害者がおありになれば、一人につき十二万円、重度の人であれば十六万円という控除ができるわけであります。それから、相続税につきましては、今回改正をお願いいたしておりまして、ただいま御審議をいただいておるわけでございますが、今回の改正によりまして、相続税に障害者控除を設けるということにいたしております。すなわち、被相続人が七十歳に達するまで、年数につきまして普通の身体障害者の場合には、一年につき一万円、特別の障害者につきましては三万円というものを相続財産から控除いたしまして、相続税を課するということにいたしておるわけでございます。これは心身障害者がその後社会の波風の中で生活をしていかれるために必要な保護として、相続財産を留保するという趣旨でございます。それから、第三に間税税と申しますか――の領域で申しますと、精神薄弱児、身体障害者という方々が入っておられますそういう社会福祉的な施設というものでお使いになりますところの、たとえば一、二の例を申し上げますれば、テレビでございますとか、テープレコーダーでございますとか、楽器でございますとか、そういうものにつきましては、購入なすった際に物品税を免除するということにいたしておりますし、下肢、体幹と申しますか、からだまたは足でございますが、不自由な方につきましては、みずから運転するために必要な小型乗用車につきましての消費税を免除するというような措置でございます。そのほか、こまかく申しますと、まだ多数の措置があるわけでございますけれども、おも立ったものだけ御説明申し上げました。
○須原昭二君 そこで、いま減免をされている各項目を聞いたわけですが、それで収入減になる総額、大体どれくらいですか。
○説明員(高橋元君) 現在の所得税の分野で、障害者控除、先ほど申し上げました、適用を受けておられます方が概略四十万弱ございます。それらの方々につきまして障害者控除を適用したことによる減収が幾らであるかということは、正確に見積もりがたいわけでございますけれども、概数で申し上げますならば、減収額約七十億円でございます。そのほかに本年から法案を御審議いただいて施行いたす予定にしております相続税の障害者控除というものによりまして約五億円というものが減収になるというふうに見積もっております。
○須原昭二君 それで大体計七十五億ということですね。実際、その百四十万人の身体障害者の実態からいって、減免しておるのだと、こうおっしゃいますけれども、七十五億というのは非常に私は少ないと思うのですよ。身体障害者の団体からは、身体障害者に対する減免の措置をとってくれ、免税にしてくれという、いろいろ多くの要求が出ているわけですが、この問題については、この国会だけではなくて、長い期間を通じて、実は団体からどんどん請願が出ておるわけです。この点を踏まえて厚生省は、大蔵省にどう要求をされてきたのか、それを踏まえて大蔵省はどう対処されようとしておられるのか、この点を両方にひとつお尋ねをしておきたいと思います。
○政府委員(加藤威二君) 税金の面につきましては、単に国税ばかりでなく、地方税についても同様でございますけれども、私どもといたしましては、むしろ控除する所得控除なり何なりの金額の引き上げということを毎年要求いたしております。その身体障害者に対する税制面の優遇措置でさらに何か適切なものがあれば、また大蔵省とも折衝して、身体障害者の所得の確保といいますか、優遇措置に努力をしたいと思っております。
○説明員(高橋元君) 税の減免の中で一番普遍的でかつ適用の広範でありますのは、先ほど申し上げました所得税につきましての障害者控除であります。その適用数が三十八万人というふうに申し上げたわけでございますが、これは全体の身体障害者の数に比べますと少なくなっております。すなわち、納税者の割合というものが、全体の心身障害者またはそれを扶養しておられる方の中で比較的少ないということでございまして、税制面の施策だけで万全を期するということはもとより非常に望んで得がたいことであろうかと思います。その意味で、歳出面の適当な施策と組み合わさりまして、税制の面でも、こういったハンディキャップを負っておられる方につきまして配意を加えてまいりますことは当然のことでございますが、私どもも厚生省と毎年税制改正について御相談いたしまして、適切なる施策につきまして具体的に検討をして措置をしてまいりましたが、今後も引き続きそのように努力をいたしたい、このように思います。
○須原昭二君 なるほど支出面と収入面との両面から考えていかなければならぬことはよくわかります。しかし今日、経済支出もだんだん高くなってきておるわけですから、この減免のワクを広げるとか、あるいは率を高めるとか、その善処方をひとつぜひともお願いしておきたいと思います。 時間もあと五、六分だそうですから、先へ進みます。御苦労さまです。 先ほど運賃の問題が出ておりましたですが、身体障害者手帳を受けている内部疾患の障害者、これに対しては割引がなされていない、これはどう見ても身体障害者そのものの中における差別をつくっておると言っても私は過言でないと思うわけです。しかし、先ほどの御質問を聞いておりまして、実は感じたのですが、社会福祉六法、これは新日本法規の発行ですが、これは厚生省が監修されていますね。
○政府委員(加藤威二君) そのとおりでございます。
○須原昭二君 これは監修されておるとなるとちょっと問題なんですよ。というのは、身体障害者福祉法の附則抄、ここになぜ国有鉄道運賃法の一部改正による五十条、これが抜けておるのですか。抜けているからこういう論議が起きるんです。五十条から五十三条がないのです。ここの中に堂々とこう書いてある。抜けているところですよ。「前三条の運賃は、政令で定める身体障害者で介護者を同行しなければ乗車又は乗船することの困難な者が介護者を同行する場合には、当該身体障害者及び介護者につきそれぞれ半額とする。」と、こうちゃんと明記してある。小笠原委員から御質問があって、それは運輸省がやっておるんだ、厚生省が金を持ってくるようだったら半額にしてもいい、そんな論拠は生れてこないですよ。法律できちんときまっておる。「政令の定める身体障害者」、これは身体障害者手帳を与えた者は半額とする、こう解釈していいでしょう。どうですか。
○政府委員(加藤威二君) 身体障害者の旅客運賃の割引につきましては、これは昭和二十七年の国鉄の公示、これは先生持っておられます社会福祉六法の六百五ページにございますが、「身体障害者旅客運賃割引規則」という国鉄の公示でございますが、ここで具体的にきめられておるわけでございます。そこで、第二条に、この対象になる身体障害者については、「視覚に障害がある者」「聴覚又は平衡機能に障害がある者」「音声機能又は言語機能に障害がある者」「肢体不自由者」ということで、制限列挙みたいな書き方をしておりまして、したがって内部障害は排除されておる、そういう形になっております。それからこの四条に、「(割引乗車券類の種類)」ということで、一例を申し上げますと、普通乗車券については、「第一種身体障害者が」、これは重度の身体障害者でございますが、「単独又は介護者とともに乗車船する場合及び第二種身体障害者が単独で乗車船する場合」、こういう場合に重度の者は介護者の分も割り引くということでございます。それから急行券等につきましては、第一種身体障害者に限るということ、それから比較的軽度の身体障害者については、百キロメートルの制限があるというようなことが一応この規制の中にうたわれておるのでございます。
○須原昭二君 非常に御丁寧に規則を読み上げていただいて恐縮なんですが、規則が法律よりも優先されるものですか。法律に明記されておって、規則にないからだめだといったって規則のほうが法律より優先しますか。
○政府委員(加藤威二君) これは一応私ども承知いたしておりますのは、心身障害者の基本法には二十三条の二項に「日本国有鉄道は、心身障害者及びこれを扶養する者の経済的負担の軽減を図り、云々ということで運賃の軽減について配慮するようにつとめなければならないという規定がございますが、身体障害者福祉法にはその規定は私はないというぐあいに考えておるわけでございます。
○須原昭二君 そうしたら福祉法の「附則抄」ですね、なぜ五十条から五十三条までないのですか。なぜ抜けているのですか。
○政府委員(加藤威二君) 附則等につきましてはそれぞれ削除されたり、十年間、二十年間の間に入れられたり削除されたりということで、これは附則ばかりじゃなくて本文にもございますけれども、少なくともこの身障福祉法については生きている条文はこの中に全部入っているはずでございますから、ないということはその間の条文はおそらく削除されているということだと思います。
○須原昭二君 おかしいです。削除されたらそのうしろの番号が上へ上がってくるのですよ。そんなことは当然、四十九条の二から五十四条までぽんと飛ぶはずがない、まん中にちゃんとあるはずですが、何で抜くんですか、そんなばかな答弁では了承できません。
○政府委員(加藤威二君) 本文の場合には全部条文を整理して上に上げるということでございますが、附則の場合には、削除した場合には条文は何条というのはそのままというのが従来の例だということでございます。
○須原昭二君 こちらのほうにはちゃんと載っているんだよ、抜けているのではないのですよ。ちゃんとある。五十条、五十一条、五十二条とちゃんと載っているのですよ。これに載っていないから聞いているのであって、こっちの本文にはちゃんとある。あなた抜けているというけれども、ちゃんと明記をされている。法律に明記をされておって規則によってやっているという、このつくられた規則というのは法律違反ですよ。ですからこの問題はここで論議をしておっても時間がきてしまいますからお預けをしておきますが、この空白になっているところがどうなっているのか。――空白になっているんだ、本人にちゃんとあるのだよ。それによると政令で定める身体障害者は半額ということ、ちゃんと明記されているのですよ。明記されておれば、運輸省であろうと厚生省であろうとどちらの責任ということでなくて、いやしくも国の法律ですから、半額を負担させることはあたりまえのことなんです。それを実施をしていない、あるいは運輸省に言ったら、厚生省が費用を持てばやれるというような論拠は成り立たないのですよ。直ちに内部疾患者に対しても半額の割引きをすべきだ、こう言わざるを得ないのですが、その点、厚生大臣、時間がたちますからひとつ明確に、前向きで一応答弁をお願いしたい。
○国務大臣(斎藤昇君) 厚生省監修の社会福祉六法が不完全であるらしいので、私よく原文を調べまして、いま伺いますと政令の定めるところによると、その政令がどうなっているか、そこで内部疾患のようなものは除いてあるというようなことであればまた政令の改正についてそういうことのないように改正の努力をいたしたいと、かように考えております。
○須原昭二君 政令への移管というお話でございますが、その点はきょう私もつまびらかにまだわかっておりません。しかし法律のたてまえから言うならば、身体障害者というのは、外部であろうと内部であろうと、これは区別するのではなく、差別するのではなく、すべての人にそういう恩典を与えられるべきである。この点を特にお願いして、この問題はひとつあとへ残したいと思うのです。 それから最後ですが、時間が来たようでありますから、いずれにしても、いまの法律の話ではございませんが、答申が出て、答申の一部だけ今度の一部改正法案に出てきておるわけで、したがって、そういう点を考えましていま考えますのは、先ほども藤原委員が言っておられましたように福祉法ができたのは二十四年の十二月、また基本法ができたのが四十五年の五月二十一日、基本の法律のほうがあとにできているわけです。したがって先ほどの、これは監修が足らなかったかもわかりませんけれども、この福祉法そのものの内容というものが私は不備なところがたくさんあるような気がしてなりません。したがって、これを改正すべきだと思いますが、その点をひとつ御意見を承っておきたい。 さらに、いま一つ重要な問題は、この五月十五日に沖繩が返ってきたわけです。沖繩の福祉の実態、身体障害者の福祉の実態というのは本土よりももっとおくれておる。日本の社会保障、福祉行政というのが三十年おくれておるとよく評論家が言っておりますが、そういう点から言うならば、沖繩の福祉の実態、身体障害者の福祉の実態というのはさらにおくれていると言わなければならないわけです。よほど馬力をかけないと本土並みにならない。こんな感じがしてなりません。したがって、その沖繩に対してどのようにお感じになって、どのように対策を講じられておるのか、この二点をお尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(加藤威二君) 身障法の改正につきましては、今度改正をお願いしておりますのも、心身障害者対策基本法の中に、たとえば保護については「国及び地方公共団体は、重度の心身障害があり、自立することの著しく困難な心身障害者について、終生にわたり必要な保護等を行なうよう努めなければならない。」、こういうような条文を受けて改正をやっておるところでございます。その他、心身障害者対策基本法には各種の必要な施策を列挙してございますが、大体におきまして関係の法律あるいは予算措置において一応の対策は、この基本法に掲げております対策は打ち出されておると私どもは考えておりますが、ただ先般も申し上げましたように非常に不十分な点が多いということはこれは否定できませんので、今後はその対策の内容をうんと高めていくということに努力いたしますと同時に、やはりどうしても改正が必要な場合にはこれは身体障害者福祉法の改正を行ないまして対策の充実につとめてまいりたいと思います。 それから沖繩におきます福祉、身障者対策でございますが、これは御指摘のとおり非常におくれておるわけでございます。施設の数とかそういうものは一応そろっておるようでございますけれども、内容は非常に不十分であるということでございまして、実態調査もよく行なわれていないというような感じがするわけでございます。たとえば、沖繩の身体障害者の数は一応調査によりますと九千人でございますが、たとえば高知県、佐賀県あたりがみんな二万人をこしておるというようなことで、おそらく身体障害者の数すら正確につかんでいないのではないかと思われるわけでございます。したがいまして、本土復帰に伴いまして積極的に実態調査を行ないまして、そして施設その他についても早急に本土に追いつくように整備をはかってまいりたいと思います。そのためには予算も相当重点的に沖繩のほうに回すというようにいたしたいと思います。
○須原昭二君 最後に大臣にひとつ御決意のほどをお伺いしたいのですが、四十五年の八月の十三日に出てきた「身体障害者福祉施策の推進に関する答申」の内容ですね、これは三十数項目にわたる問題点を指摘をして、具体的に特に身体障害者の福祉対策のビジョンを提言をしておるわけです。この点を考えますと今度の法改正はほんのごく一部分だけしか答申にこたえておらない、こういう点が顕著なんです。したがって、やはり先ほどの沖繩の話は特例といたしましても、何といっても日本の身体障害者の福祉行政というものは非常におくれておる、このおくれを挽回をするためには、答申を全面的に私は採用するといいますか、受け入れて、これを実現させることが必要ではないか。とりわけ、社会発展計画というものが出されておりますけれども、その中におけるととろの身体障害者の対策という点についても、非常におくれを私は感じます。したがって、そういう問題をどうこれから対処されていくのか、厚生大臣の基本的なものの考え方といいますか、積極的な意思表示というか、そういう点を御開陳いただきたい。 以上をもって、きょうの質疑を終わりたいと思います。
○国務大臣(斎藤昇君) わが国の福祉関係の施策は、相当まだおくれておるところでございます。これは皆さま方からも指摘されておるとおりでありまして、われわれもさように認識をいたしております。ことにそのうちでも、身体障害者の問題がほんとうに真剣に取り上げられてきたのは私はまだ日なお浅いと、かように思います。したがいまして、これらについては特に重点的にやってまいりたい。これからは福祉の年代だと、こういわれるのにふさわしいようにやっていく必要がある。日本の新全総計画におきましてもそういう点を重点的に出してまいりたいと、かように存じます。審議会の答申等につきましては、これは予算で事実上措置ができる点が多々あるわけでありますから、そういう先ほど申し上げましたような観点に従いまして充実をはかってまいりたいと、かように考えます。
○高山恒雄君 私は、いまも大臣も言われておりますから重ねて申すまでもないと思いますが、全く身体障害者のこの収容施設というものは非常に立ちおくれておると思うのです。したがって、そういう観点から、今度の法の改正で規定を整備してやろうと、こういうふうにお考えになっておるのだろうと思うのです。 ところが、私はもっと基本的な問題でお聞きしたいのですが、厚生省としては、やはり身体障害者の問題については、基本的な理念として一体国がやるべきか、地方自治体がやるべきか、こういう問題が、もう一つわれわれしろうとから見ますと、行く方向というものがはっきりしてないんではないかと、こういう感すら私は受けるわけです。たとえて申しますなら、この調査表を見ましても、身体障害者の施設というものは、国立としては全く施設数が九カ所しかございません。それから市町村が大体百二十四、法人が八十六。その法人がやろうとしておる問題は、身体障害者の授産施設並びに重度身体障害者の授産施設……、こういうものは四十からやはり二十というような状態で多くは法人資格がやっておる。こういう点は、結局、政府として、これは大臣に言っても無理な点かと思いますけれども、厚生省自体の基本的な考え方と申しますか、地方自治体にウエートを置いてどうしてもやらせなくちゃいかぬと、私はこういうことでいくのか、それともやはり法人を今後どんどん育成するのかということになると、先ほど小平委員が言われましたように、労働省もやりかけてきている。こういう問題は、もっと基本的な問題を私はお考え願う必要があるんではないか。あくまでも地方自治体にやらすのだ、それがためには国が助成するのだ、こういうことをやっていかないと、――むろん法人にしてもこれは国が助成しておられると思うのですよ。けれども三つの問題で三カ所がやらなくちゃいかぬというようなことで、一体、しからば微に入り細にわたるほんとうの指導理念というものが周知徹底できるかというと、今日のような看護婦もおらないというような状態から見ると、やはりこれは手おくれというかますます不統一な施設になっていくのじゃないかという感すら私はするわけです、われわれしろうとが判断してみて。そういう点をどうお考えになっておるか、お聞かせ願いたいと思うのです。
○国務大臣(斎藤昇君) 身体障害者の問題だけでなしに福祉施設全般の問題でございますが、特に、身体障害者の施策は、御承知のように非常に立ちおくれております。いままでは地方がやむにやまれずやるとか、あるいはいろいろ福祉法人が昔ならば慈善事業としてやっていくとかいうようなことから始まってきておるというのが歴史だと思います。しかし、今日のこの事態を踏まえましては、やはり国が率先してみずからやり、あるいはまた自治体法人でやってもらうものにつきましても、やりやすいように、あるいは財政的な援助あるいは法的な規制、その他必要なものを、国がどしどし講じてやっていかなければならない。これがこれからの社会福祉であり、身体障害者の福祉としては特にそうであると、かように考えます。
○高山恒雄君 私もそうだと思うのですが、したがって、先ほど小平委員の御質問に対して、労働省がいまやりかけておるこの養護施設というのは内容においてはほとんど変わりないと、こういうことを言っておられるわけです。したがって、これは労働省の管轄範囲内にやはり入っていかざるを得ない。これは厚生大臣にさらに私は一つの例をあげて申し上げるのですが、実は保育所もそうなんです。前回、私は労働省に御質問いたしました。雇用促進事業団が、保育所の設備に対して金を貸しております。したがって、これは労働省の管轄で、労働省がやっておるわけです。厚生省も、しからば工場内にある保育所というようなものの監督権というものが、十分手配ができておるかというと、これもできておりません。一体、どこがこれは責任を持つのですか。かりに三十人、三十人ぐらいの、あるいは養護資格もない人が保育所のその施設でやっておる、あるいは工場のあいた施設を利用して何ら施設がない所でやっておる、こういうものはどこが一体指導するのか。労働省がやるのか、厚生省がやるのか。私は、これはいま労働省の問題を申し上げますのは、一つの例を申し上げているわけです。ところが、いまここで規定を整備するとおっしゃるけれども、労働省がこれから施設を相当拡大していくのでしょう。その場合の一体監督、そういう問題はどこが一体やるのか、全くこれはあいまいだと私は思うのですね。こういう問題こそ、いわゆる厚生に関する問題としては、あくまでも予算についても厚生省が完全な責任を持って、そして中央においては国立としてモデルケースをつくっていく。少なくともモデルケースをつくる。そのモデルケースが完全にできたとするならば、これは地方自治体においてやらすべき問題だ。それには国が助成をする、こういう私は基本理念的なものがなければ、今後の厚生施設におけるところの身体障害者の養護施設の設置という問題は、非常にまた将来問題を起こす危険性がある、こう私は考えざるを得ないのであります。特に、私たちは見てきたのでありますが、実は大分県だったと思いますが、大分県の別府に「太陽の家」という施設があるわけです。これは社会福祉のいわゆる法人がやっておるわけです。それで、そこはこのすべての施設を持っておるわけですね、いわゆる相当の技術を身につけて……。そして、さらに身体の検診を受けながら職業を求めてやるというととろまで一貫した施設を持っておるわけです。そこで私はこれを見まして、あの労働自体というものが実際問題として身体に影響がないのか、あるいはまたこれがほんとうに適した仕事なのか、しかもこれに対して国がどの程度の経費を補助しておるのか、そういう点から見て、これはひょっとしたら身体障害者に労働強化的な問題が起こり得るのじゃないかというような感じすらするわけです。そういう意味から考えますと、少なくとも先ほどから申しますように、やっぱり国がそういう施設に対してはモデルをつくるべきだ。まずそういうモデルを国がつくって、初めて地方自治体に移す、それからいわゆる社会福祉法人に移すなら移す、こういうふうな何かの基準がなければいかぬのではないかという感じを私は見学をして感ずるわけです。一体これらの問題について予算の処置として何か助成があるのかないのかですね、この点お聞かせ願いたいと思います。設備については十分の八ですかをやっておられるようですが、市町村が十分の二ですか、補助をしてやっておる、このことはわかりますが、こういう「太陽の家」というような施設の法人のものに対してはどういう助成をしておられるのか、この点ひとつお聞きしたいと思います。
○政府委員(加藤威二君) こういった身体障害者の施設につきましては、設備をつくるという場合には国が五割の負担をいたしております。それで大体都道府県が残りの四分の一、それから大体法人の場合は残り四分の一を法人が負担をする、そういうかっこうになっております。運営につきましては、これは一般の身体障害者の更生援護施設につきましては、大体事務費については国が八割持つ、そしてあと二割を都道府県が持つ、こういう形でございます。この福祉工場を、今度新たに「太陽の家」も福祉工場になるわけでございますが、 〔委員長退席、理事大橋和孝君着席〕 五カ所のうちの一カ所になるわけでございますが、福祉工場になりました場合には、これは大体運営費につきましては、そこの職員の給与と申しますか、それだけをみるということ。大体五十人の定員でございましたら、大体六人ぐらいの職員を置く。看護婦さんとか指導員とか、そういうのを入れまして六人、その人の人件費についてこれは二分の一を国がみる、こういう仕組みになるわけでございます。したがって、中に働いている人の要するに措置費というものはなくなる。したがってあとの分、生活する生活費につきましては、その福祉工場で働きまして、そしてそれによって生活していく、こういうことになるわけでございます。
○高山恒雄君 したがって、ここにはボーダーライン層の方もおられると思いますが、この人はやっぱり自己負担になっておるわけですね。そういう点はどうなっておるのですか。全然もう補助はないのですか。それを含めての先ほどの予算ですか。
○政府委員(加藤威二君) 福祉工場の場合には、要するにボーダーラインの方でも、この福祉工場では工場の設備、それから住居ですね、そういうものについでは全部二分の一国が見るということで、中でまあいろいろな工場の下請けをやってもらってそうして相当の収入があがりますので、それで生活をしていただく。こういうことで生活についてはこの場合、福祉工場の場合はめんどうを見ない、こういうたてまえになっております。 たしかにこの問題については先生御心配の点もあろうと思いますので、私もこれは初めての試みでございます。これがほんとうに身体障害者の福祉にプラスになるかどうかということを慎重に検討したいと思います。そういうことで監督も厳重にいたしまして、いやしくも先生御心配のような、要するに身体障害者がこのためにからだがさらに悪くなるということは絶対にならぬように、これは厳重に私どもは、まあ五ヶ所でございますから、比較的最初のうちは監督も容易だろうと思いますので、十分気をつけてまいりたいと思います。
○高山恒雄君 そういう政府のお考えであれば、私は今後十分なる研究をしていただいて、この施設がほんとうにいいということになれば、私はやっぱり拡大すると思うのですよ。先ほど私が申しましたように、このいろいろな例をとってみましても、やりやすいことを法人がやるわけです、この授産施設というものですね。あるいは重度の授産施設でこれ二十七、八施設があるわけですから、法人がやろうとするのは。何かのそこの相当の将来の見通しとある程度の利益というものがあがらなければ法人はやらないのですよ。やりやすいやつに手をつけるわけですね。だから、先ほど私が例を申し上げましたけれども、事業団が、いろいろ今度労働省がそういうふうで手を出しますと、これも今後の問題としてますます私は拡大すると思うのですよ。そうしますと、厚生省がいう、厚生省が基本理念としてうたっておる身体障害者のほんとうの擁護にはならないおそれを私は心配するわけです。だからこの身体障害者には特別の厚生省はその権限をほかに与えていかぬ、厚生省自体が国直轄で監督のできることにしなければ私はいかぬと思うのですね。これは試験的にやってもらって、いけなければどうするかということをお考え願いたいと思います。非常に大事な問題だと思うのですね。日本の場合はそういう点はすべて、なんですね、自由なといいますか、政府の基本的な指導がないといいますかね。保育園の問題につきましても、至るところでそういうことをやるわけでございます。それはやっぱり厚生省が指導に対しては一つの理念を持つ、身体障害者においてもこれはどこにもやらしちゃいかぬのだ、監督その他についてはすべて厚生省の責任である、こういう一つの秩序あるやり方ですね。これを私は確立していただくことを特に要望したいと思いますが、どうですか、その点。
○国務大臣(斎藤昇君) ただいまの問題は法人の問題でございますから私からお答えいたしますが、おっしゃいますとおり、さきにあげられました保育園、これはどこが施設を設けて経営をしようとも、その責任は厚生省ということをはっきりいたさなければならないと思っております。さようにまたいたしておるわけであります。幼稚園は、これは教育ですから文部省ということになっておりますが、事、保育に関しては厚生省が責任者とはっきりいたしたい。いまおっしゃいました身体障害者の福祉工場というような問題、少なくとも身体障害者の福祉ということに関しましては、やはり厚生省がこれは唯一の責任者だという意味で、他の省でそういった身体障害者の職業の訓練その他をやるにいたしましても、福祉という面からは厚生省が責任を持って絶えずそれを見守り続けながら、厚生省が正していくという姿勢はくずすべきではない、かようにはっきり考えております。
○高山恒雄君 大臣はこの間見えなかったものですから、これは労働大臣に私の一つの私案を申し上げたのですが、いまの保育園の問題です。事実上、金を貸しておるところは労働省管轄の事業団なんです。労働省の管轄なんです。ただし、そうした管轄の指導は労働省がしても、その後の施設その他における問題は、やはり厚生省でやっていただくということを、これは労働大臣のほうで明らかにしておいていただくことを特に厚生大臣にもお願いしておきたいと思うのです。これは、ほんとうに間違いがあったら、全くどこの責任かという、いまその責任を負うことすら明らかになっていない、私はこう思っております。労働大臣もそのとおり答弁できなかったのです。どうか、その点をお話し合いして明らかにしておいていただくことを切にお願いしておきます。
○理事(大橋和孝君) それでは本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。 ―――――――――――――
○理事(大橋和孝君) 次に、廃棄物処理施設整備緊急措置法案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○高山恒雄君 今度政府が出しておられますこの廃棄物処理施設整備の緊急措置法ですが、非常に法律では簡単に、今後やっていこうという考え方、構想だけが法律的に出ておるわけですが、まあ都市といわず、あるいは過疎地帯といわず、非常に廃棄物の処理施設を設置しようということになりますと問題がたくさんあるわけです。いま東京でも、絶えずテレビ放送をいたしておりますように、こういう問題については全く市民も反対をしますし、これも立ちおくれから出ておるわけですが、一体基本的に用地の確保、これに対する政府の取り組み方、これは今後構想を練られるのでしょうが、いま厚生大臣としてこの法案を提出されるにあたりましては、一応の姿勢があってしかるべきだと私は思いますが、どういう方向で、たとえば東京を例にしますならばお考えになっておるのか、お聞きしたいのであります。 なお、もう一つお聞きいたしますが、この中にもございますように「し尿の処理と下水道の整備」、ほんとうを言いますと、これは青写真をかいて、あるいは建設大臣と企画庁長官との話し合いの中でお考えになるのでしょうけれども、主として「し尿処理と下水道」ということに限定されておるのかどうか、こういう点も含めて、まず大臣の考え方をお聞きしたいと思うのであります。
○国務大臣(斎藤昇君) この廃棄物の処理問題、最近は非常にやかましい問題になってまいりましたのは、私から申し上げるまでもなく家庭ごみの分量が非常にふえてまいった、しかもその中にいままでにない粗大ごみがまじっている。さらに有害物質、いわゆる化学合成の物質がふえてまいったという事柄が一点。いま一点は、産業廃棄物の問題が大きくクローズアップされている。しかも産業廃棄物についてはいままでほとんど手がつけられていなった。放置することのできないような状態を呈しつつあるというので昨年産業廃棄物処理法の大改正をやっていただいたわけであります。それを年次的に今後計画的に推進をいたしたいというのが今度の法案でございます。 そこで、大都市の問題についておあげいただきましたが、一般のこの産業廃棄物、家庭ごみの処理のための土地の取得はところによって問題を起こしているところが相当あります。大都市、特に東京都においては相当に問題になっておりますが、全国的に見ますればこの計画の中で土地取得に困っているというところがむしろ少ないわけであります。しかしながら地方によりましては、この問題でその地域の住民の方々と紛争があって、なかなか設置ができないというところもあります。確かにこれはあるわけでありますが、しかし数として全体から見ればそう多くないというのが大体の現状でございます。 それからし尿処理、これもだいぶ進んでまいりましたが、五十年までには衛生処理を全部完了いたしたい。そのための年次計画というものを閣議で決定をいたしたい。しかしこれには下水道の関係がありますから、下水の五カ年計画とあわせまして、そごのないように建設省と連絡をとりながら五十年までには完成をいたしたい。その結果年次計画を閣議で決定をいたして推進をしていきたい。これがこの法案の趣旨でございまするし、またわれわれのやりたいと思っているところでございます。 〔理事大橋和孝君退席、理事鹿島俊雄君着席〕
○高山恒雄君 通産省の工業技術院で、いま研究開発を、廃棄物の処理についてのいろんな研究をされていると思いますが、こことの関連性ですね。これは当然、いま大臣のお話を聞きますと下水道あるいはまた屎尿処理だけではない、いろんな廃棄物もやはり考えざるを得ない、こういうふうにおっしゃっているわけですが、ここらの通産省の工業技術院としての研究において、どの程度厚生省とこの法案に基づいて今後お互いに密接な連絡、これもやはりはき違いがあっちゃいかぬと思うのですね、大事なことですから。そういう面で通産省としてはどういうお考えなのか、いままた研究をしていただいておりますならば、どの程度進んでいるのかお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(市橋利明君) 通産省の工業技術院では傘下の試験研究機関等におきましても特別研究等でいろいろ廃棄物の処理関係の技術について研究を進めているのでございますけれども、特に今年度約九千六百万円の予算で固型廃棄物の処理処分に対しまして資源再生利用という観点から技術的なアプローチを試みております。この予算は調査委託費となっておりますが、これを財団法人の日本産業技術振興協会に委託いたしまして、ごみの実態把握と将来予測並びにこれを解決する要素、技術につきましての調査を本年度やることになっています。このためにこの産業技術振興協会に学識経験者や地方公共団体等による委員会を構成いたしております。その中に厚生省も参加していただきまして、一緒に連携をとりながら調査研究を進めていくという体制をとってやっておる次第でございます。それから来年度以降につきましても、この研究開発について何らかの形で継続していくということにつきまして、ただいま検討中でございます。
○高山恒雄君 いろいろテレビその他個人の発明とか、あるいはまた、法人の発明もいろいろ廃棄物の再生利用ですか、こういう放送もされておりますが、それはそれとして、また別に研究機関があるのですか、そういう点はどうなっておるんですか。処理場だけじゃなくて、再生ということも含めて、それは別にまた研究しておるんだ、こういうことなんですか。それをお聞かせ願いたい。 〔理事鹿島俊雄君退席、理事大橋和孝君着席〕
○説明員(市橋利明君) ただいまのお話で処理だけということでなくて、私どものほうでは、どちらかといいますと、資源を再生利用するという形において処理、処分の合理的な解決方法を見出したいということを中心にして現在の仕事を進めております。
○高山恒雄君 大臣にお聞きしたいんですがね。結局、日本の場合はビルもたくさんできてきたんですが、実にきたないですね。不潔ですよ。私は、これはやっぱり国民に対してどっかが指導しなくちゃならぬと思いますな。たとえて申しますならば、監督体制というもののパトロール制度ですね。これは警察がやっておるのですから、それでいいようでありますけれども、ごみならごみを掘り出しますわね、なかなか処理しないというような問題が、これは地方自治体にも責任があるでしょうけれども、そういう違反が起こっても、それを探求しようというパトロール体制というものは私は日本にないと、こういうふうな気がしておるんですが、大臣はこの点どうお考えになりますか。やりっぱなしじゃないかという気がするのです。
○国務大臣(斎藤昇君) ただいまおっしゃるのは、清掃という意味のことであろうと思いますが、これは清掃の仕事は、市町村がやるということになっておるわけでありまして、私ども、ちょうど敗戦直後に横浜におったのですが、そのときに非常に進駐軍からやかましく毎日毎日言われたのは、この清掃の問題でございました。道がきたない、どこがきたないというて、ずいぶん言われたわけでございます。そういう意味から申しますと、あれは戦後でありましたから特にひどかったには違いありませんが、やはりこの清掃ということについては市町村に十分その責任を果たしてもらいたい、そう考えておるわけであります。これについて国かあるいは警察が関与しておるということは私はないと思いますが、一般の清掃につきましては。やはり国民の今日の環境をきれいにしたいという気持ちが非常に高まっておりますから、それに即応して市町村もさらに意を注いでくれることと思いますし、私たちもその方向で今後一そう指導を強めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○高山恒雄君 いや、私もいま大臣がおっしゃるように、ほっておるということは申し上げたくないのです。監督官庁はわかっておると思うのですが、これも環境庁ができましたから、ここがやることかもしれませんけれども、いまここに廃棄物に対する処理をやろうという法律の提案が出た限りにおいては、やはり厚生省あたりがほんとうに音頭をとって、たとえて申しますならば、私は監視体制が強化されなくちゃいかぬ。見ても見ぬふりをしていっておるというのが今日の現状じゃないかと思うのです。ほってあるとは思いませんけれども、やはり専門的なパトロールができてないのじゃないかという感じがするのです。これだけ環境をやかましくいうこの時代に、厚生省がこの法律を、廃棄物処理の整備をしたいという法律を出されたのですから、厚生省でもいい、音頭をとっていただいて地域環境のいわゆる清掃と申しますか、整備と申しますか、まず自分の前からやれというくらいの私はまず前提があって、環境というものはよくなるのじゃないかという気がするのですよ。どうもそういう点が――。したがって、そうすることによっていまの公害が私はなくなるとは思いませんが、まあしかし気分だけでもそこで一掃すべきだ。そうして悪い点は着々と国としては打つべき手を打っていくという姿勢が今日の時代こそ望ましいのではないかという感に打たれるわけです。大臣、その点、どうお考えになりますか、それをお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(斎藤昇君) 高山委員のおっしゃるとおりだと思います。先般行なわれました地方選挙におきまして、私は市長さんあるいは市会議員、それらの方々から話を聞いても、またそのときに実情を見ましても、何が一番の地域住民が要望しておることであったか、何を一番政策に掲げた者が成功したかというと、やはり環境整備であったと思います。屎尿処理、汚物の処理あるいは産業廃棄物の処理、環境がこうよごされておることは、これはまあ政府の責任という前に、自治体がやるべきことをやっていないんじゃないかという抗議を受けたのが一番痛かったし、またその声が強かった、私はもっともである。それが今日の現状であろうと思います。これをただ自治体に責任を負わせているのでなくて、やはり国も率先して、それに必要な財源を与え、また施策もやるべき施策は遂行していくということが、私は先般の地方選挙を通じて一番感じたことでございまして、これがやはり国民の要望であろうと思いますから、それにこたえるようにいたさなければならないと、かように考えております。
○高山恒雄君 終わります。
○田中寿美子君 この廃棄物処理施設整備緊急措置法案というのは、なるほどいま高山委員が言われましたように、そのものはたいへん簡単な法律ですけれども、しかしそれが原点になっておりますところの一昨年の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、これに関連して非常にこの問題は広く深い問題が一ぱいあります。それで私はきょうは時間が少ないので、こういう法律は非常に大事な法律の一つだと思っておりましたけれども、会期末になってたいへん時間短いですから、それで実は須原委員と相談しまして、一般廃棄物のほうは須原委員のほうが引き受けて、私は産業廃棄物のほうをというふうに分担をしておったわけです。 そこで私は主としてこの産業廃棄物に関してだけ、しぼってきょうは御質問いたしたいと思います。 一昨年の暮れの公害国会で、産業廃棄物、特に廃プラスチック類による環境の破壊ということがたいへん問題になりました。そこでもともと清掃法であったものに、廃棄物の処理及び清掃に関する法律というのに変えて広げられたわけでございますね。大改革をしたと思うんです。その後一般廃棄物の問題、家庭のごみ、ごみ戦争などという大きなことがございますし、ただいまの屎尿、その他家庭から出るごみの問題も非常にたいへんなんですけれども、さらに多くの有害物質が工業化の中で入ってまいります。そこでおととし、この法律ができましたときに、廃棄物処理施設整備の五カ年計画をさっそく昭和四十六年から実施するようにということを参議院の社会労働委員会で附帯決議につけておりましたと思います。四十六年中、その前の五カ年計画がかかったようでございますが、どういうわけで四十六年度からこの五カ年計画が実施できなかったのか、その間の事情を初めにお聞きしたいのです。今度のこの案は四カ年計画になっておりますね、昭和五十年までの。五カ年計画を四年でやらなければならないのだと思いますが、その間の事情をちょっと説明していただきたいと思います。
○政府委員(浦田純一君) 確かに一昨年、廃棄物処理法案の御審議を願いました際の附帯決議といたしまして昭和四十六年度を初年度とする整備計画をつくるようにということでございました。私どもはそれでさっそく作業にかかったのでございますが、肝心の新しく問題となりました産業廃棄に関しまする基礎的なデータ、これはまことにあとから申しますと見通しが甘かったということに相なるわけでございますが、法の制定後、やはり日も浅うございまして、都道府県におきまする産産廃棄物の実態についての十分な把握というものがなされておりませんで、これが一つ大きな原因となりまして、私どもの作業がおくれまして提出が一年おくれることに相なりましたので、この点まことに遺憾に在ずる次第でございます。
○田中寿美子君 いまストックホルムで国連人間環境会議が開かれておりますが、これは特に日本は工業化が激しかったし、そして急速な産業の高度化の中であと始末をしないたれ流しの産業発展をやってきた。そのためにありとあらゆる公害を発生させたわけなんですが、その中でも石油化学産業の発展なんかから出てきた廃棄物、これが産業廃棄物の非常に大きなものになっているんじゃないか。新しい産業廃棄物、――もちろん古い、自然の廃棄物が産業活動で出てきてはおりますけれども、新たな環境を汚染する廃棄物というのはそういう新しい化学工業などから出てきていると思うんです。だからいま空気も水も土も汚染をしていって、その汚染が産業廃棄物の汚染物質の中にどんどん入ってきて、地域の汚染から全国的な汚染になり、さらに海洋汚染という地球のレベルでの汚染にまで発展してきている。海洋投棄なんという問題も重大な問題になってきていると思うんですが、こういうような重大な状況になっているときに自然界の中にこれまでなかったものがほうり出されるわけですから、自然の力でこれを還元してしまうことができないというたいへんな状況になってしまっております。こういう中でいまお答えの中にありましたけれども、四十六年度からさっそく処理の計画を実施しようとしたけれども、地方の都道府県の実際の産業廃棄物の状況を把握が十分できなかったとおっしゃいましたが、私第二番目にそれを伺いたかったわけなんです。調査をいまどのようにして、つまり廃棄物に対する処理施設整備といいましてもその実態を把握しないと施設の整備計画も立たないと思うんですが、その実態調査をいまどのようにしていらっしゃって、現在各都道府県ではどんな状況を把握しているか、ちょっとお知らせをいただきたいと思います。
○政府委員(浦田純一君) 廃棄物処理法が施行されましてからこれに基づきまして地方公共団体におきましてもその円滑な実施につとめておるところでございますが、ことに新しく問題となりました産業廃棄物の処理計画につきましては、都道府県知事がその所轄をしております都道府県につきましての処理の計画をつくることで産業廃棄物の実態の調査を進めておるところでございまして、現在実態調査の完了いたしましたところは京浜、中京、京阪神等の十数府県にのぼっております。また、すでに実際に具体的計画を策定中であるというところにつきましては、大阪、愛知二府県でございます。その他約十府県におきまして産業廃棄物の処理の実態調査を進めておるという段階でございます。
○田中寿美子君 それは法の十一条で都道府県は処理計画を樹立しなくちゃならぬ、だからそのためには調査をしなければならないということですね。それでどういう方向でやっていらっしゃるのかをちょっと、そうして大体一日のいま日本全国の廃棄物の総量、その中で産業廃棄物がどのくらいあるか、廃プラスチックはどのくらいあるか、そうしてそういうものを算出する根拠というのは、つまり調査のしかたはどういう調査のしかたをし、量と質を把握していらっしゃるのかということを伺いたい。
○政府委員(浦田純一君) これはまず廃棄物処理法の十八条に基づきまして都道府県知事は産業廃棄物につきましてはそれぞれ当該の事業体に対して廃棄物の質あるいは量というものについての報告を徴することができるわけであります。ただ単にまんべんとそういったものを企業体から取り込むというだけでは計画になりませんので、一定の項目、書式等を一応指導いたしましてそれに必要な事項を全部調査させるということでもって、それらを場合によりましては電子計算機等を使いまして処理させておるということでございます。それからもちろん、ただそれだけでは信憑性に欠けるところもございますので、そのほかにいろいろな工業生産の統計等を使いましてつけ合わせをいたしまして確認をしているところでございます。御指摘の廃プラスチックのものにつきましてはこれも先ほど申しました結局、生産統計ということになりますが、これらにつきましては、おわかりのように、かなり全国的には詳細な数字もとれますし、また府県におきましてもかなり詳細な数字もとれますので、それらから総体的に、私どもとしては計画の数字においてはできるだけ信憑性の高いものがとれるように指導しているところでございます。なお数字で申しますと、現在私どもの手元に、すでに実態調査の完了いたしました十数府県の調査結果に基づきまして全国ベースで延ばしていきますと、量で申しますと、昭和四十六年におきましては日量で約百万トンの廃棄物が排出されているというふうに見込んでおります。 それからプラスチックでございますが、これは四十六年度におきましては、-年間で恐縮でございますが、二百五十万トン前後のプラスチックが廃棄物として出されておるというふうに推計いたしております。
○田中寿美子君 百万トンのうち二百五十万トンですか。
○政府委員(浦田純一君) 百万トンと申しますのは日量でございます。それからプラスチックのほうは年間でございます。
○田中寿美子君 そうすると、年間五、六億トンになるというふうに考えてよろしいですね。 それで、まだ続けてお尋ねしますが、百万トンというのは総量ですから、それは家庭廃棄物からそういう一般廃棄物、全部含めてでありますね。そして、その中で産業廃棄物はどのくらいになるか。産業廃棄物の中でもプラスチック廃棄物がどのくらいになるか。それからその推計の方法、ちょっといまたいへんあいまいな感じがしたのですけれども、つまり、いろいろありますね、農林畜産業から製造業からいろんな建設業だの、いろいろありますね。それぞれそこから出る廃棄物をどうやって計算をされるのかと私思っておったのですが。
○政府委員(曽根田郁夫君) 今回の緊急整備措置法案を作成するにあたりまして、推計等の過去の資料による推定値等も参考にいたしましたけれども、私どものほうで独自の立場でまた昭和五十年における産業廃棄物の排出量等も試算したのでございますけれども、それにつきましては、先生御指摘のように、製造業の場合であれば出荷額等で、あるいは建設業等であれば工事額で、そういうふうに、業種によってそれぞれ廃棄物の量を推定いたしております。当然業種、あるいはまた製品によりまして廃棄物として残る量がそれぞれ異なってまいりますので、こまかく一応試算をいたしてございます。具体的に、実はこの廃棄物整備緊急措置法で四カ年計画を策定するわけでございますけれども、その際産業廃棄物につきましては一応五百億を計上してございますけれども、この五百億そのものが、実はかなりコンクリートな数府県の計画がございまして、その数府県の、まあ七府県でございますが、その七府県におきましてもこのような推計で実は廃棄物量を算出いたしております。この七府県は、京浜あるいは阪神、愛知等も含まれておりますので、廃棄物総量としましては、数は七つでございますけれども、全国のシェアは約五一、二%というところでございますので、そういったことから全国排出量を推定いたしたわけでございます。 それからなお、先ほど先生から御指摘がございましたが、四十六年度における日量百万トンというのは産業廃棄物の量でございまして、一般廃棄物は約十二万トン程度でございます。
○田中寿美子君 やはりごみの量というか、廃棄物の量をはっきり把握しないと、そしてさっき申し上げましたけれども、その中身ですね、質がどういうものであるかということをはっきりしないと、これを処理する方法を割り出すのも私は困るだろうと思う。それから焼却する焼却炉だってどんなものをどこにつくらなければならないか、どこがその費用を分担するかとか、こまかい計算が必要なんで、各都道府県に出る廃棄物の量とそれからその質をはっきり把握しなければならないと思ったものですから、それについてお尋ねしたわけです。それについては一度緊急のものからきちんとした調査をされるということを用意していられるとは思いますけれども、それがないと、非常に基礎的な要件だと思いますので。それから廃プラスチックが占める、つまり家庭ごみなんかの中にたくさん出てくるわけですね、それと産業廃棄物の中に占める分量と、それはどのくらいありますのですか。東京なんかは普通家庭のごみの一〇%近いというふうにいわれていますね。
○政府委員(浦田純一君) プラスチックが廃棄される場合に、産業系から出る量としましては全体の約二〇%ぐらいであります。生活系としてはその残りの八〇%ということでございまして、これが一般廃棄物の中に占める割合から申しますと大体四十六年で、全国平均で申しまして一〇%弱、大きな都会では一〇数%といったような状況でございます。それから全体の産業廃棄物が日量百万トンと推定されますが、そのうちでプラスチックはどのくらいかということになりますと七千トン余りでございますので、〇・七%その前後だと思います。
○田中寿美子君 これはあまり詳しく議論していられませんけれども、あとでまたプラスチックのことは議論したいと思いますが、公害国会のときには新しい公害として非常にこれが――私も公害対策委の委員だったものですから、たいへん騒いだ一人でございました。そこで、産業廃棄物の処理のしかたなんですが、どのようにしているかということについてなんですが、その計画なんですけれども、第一に、廃棄物処理施設につきましてこの第二条にありますね、これによりますと「産業廃棄物」とは、――これは本法のほうの第二条にある定義でございますが、まず、一般廃棄物の定義がありまして、それから産業廃棄物のところに、この第二条の三項のところにありますね、「この法律において「産業廃棄物」とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃えがら、汚でい、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物をいう。」と、こうなっておりますね。そこでこれは「その他政令で定める廃棄物」というのをこれで見たのですが、で、私がお聞きしたいのは、産業廃棄物という場合に、ここではもっぱら工業的な大産業による産業廃棄物を処理対象としていらっしゃるのかということ。それから「その他」というのをここには産業廃棄物としてはいろんな普通のものが出ておりますよ。紙くずだとか、木くずだとか、繊維くずだとか、いろいろのものがあって、そしてその十三号のところに本法二条の第三項のものが載っているわけですね。しかし今回のこの法律の対象とするのはこの三項のところだけですか、産業廃棄物という場合。
○政府委員(曽根田郁夫君) 私どもは産業廃棄物ということばを使います場合に、この廃棄物処理法でいう「産業廃棄物」と、それよりもやや広い概念で使う場合と二通りございまして、先生御指摘のように、この廃棄物処理法によりますと、「産業廃棄物」は法律の二条、あるいは政令の一条で限定列挙されております。十八種類のものがあります。いわゆる「産業廃棄物」であります。しかしながら、事業活動に伴う廃棄物はそれ以外にも多数あるわけでございまして、それは広い意味ではいわゆる産業廃棄物ということばに該当するものでございまして、今回この整備緊急措置法案で産業廃棄物につきましても処理施設を整備いたしますけれども、それは必ずしも狭い意味の産業廃棄物に限られるものではなく、都市系の廃棄物等もございまして、それよりももっと広い概念で考えております。しかし、実際問題として具体的なプラント等の形ではおそらく産業廃棄物、いわゆる狭い意味の産業廃棄物が主題になるとは思いますけれども、しかし、たとえば最終処分地を確保するのも整備計画で考えておりますけれども、最終処分地等についてはもっと広い、いわゆる産業廃棄物が含まれることになろう、そういうふうに考えます。
○田中寿美子君 ちょっとどうも……。この緊急措置法案では第二条のところで、「「廃棄物処理施設」とは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第二条第一項に規定する廃棄物を処理するための施設」だと書いておりますね。それで、その法律のほうの第二条を見ると、三項に「この法律において「産業廃棄物」とは、」といって限定してますね、第十三号のところのものが。それで私は産業廃棄物というときには狭く、特に化学合成産業、あるいは石油とか、あるいは鉄とか、その廃油とか、そういう特別のもの、そういうものを主にした対策なんではないかと思ったわけなんです。そこに重点を置かれたという意味じゃないんですか。
○政府委員(曽根田郁夫君) この「廃棄物処理施設」としましては、廃棄物処理法の十五条にございます、それの処理施設を一応考えてございますけれども、整備事業はこのほかにいわゆる廃棄物の最終処分地あるいはまた海洋投棄のための埠頭等の建設、そういったものも一応事業量としては考えてございますので、そういうものにつきましては必ずしもこの母法のほうでいう産業廃棄物というものに狭く限ってはおらないという考えでございます。
○田中寿美子君 まあ、私は重点をつけなければなかなかそうできないと思うし、非常に緊急を要しているのはこの合成化学産業から出てくる物その他ですね。非常に最近の高度産業政策の中から出てくる廃棄物には力を入れなきゃならないと思いますが、特に廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令のほうの十三に、「汚でい、廃油、廃酸、廃アルカリ」何々と書いてありますところですね、それを含めて十八種類とおっしゃったんだと思いますが、この中に、たとえば最近非常に問題になってきているPCBだとかあるいはBHCだとか、そのほか有機水銀だとか、カドミウムだとか、そういうものも入りますか。
○政府委員(曽根田郁夫君) この廃棄物の定義に、実は政令の第一条十三号は、中間処理の結果、当初の性状より変形したもの、たとえば汚泥等を処理しまして形が変わる、そういうものでも初めの状態で汚泥として産業廃棄物の分類としてはとらえるという趣旨の規定でございまして、廃酸等は法律のほうの例示にございますので、そういう意味で十八種類でございます。 それから具体的にお尋ねのPCBにつきましては、私どもいまのところは一応は廃油ということで読めるのではないかというふうに考えております。 それから、カドミウム、その他重金属類を含んだものにつきましては、この政令で処理、処分の基準が書いてございますけれども、廃棄物の中にそういう有害物質を含みますものにつきましては特別のきびしい基準をつくっておりまして、有害物質を含む産業廃棄物の処理基準ということで別途整理をいたしてございます。
○田中寿美子君 どこに指定してありますか、カドミウムとか、有機水銀とか、鉛とか、そういったようなものは。BHC、ちょっと発見できなかったんですが。
○政府委員(曽根田郁夫君) 政令の六条の二項でございます。
○田中寿美子君 名前が出ていますか、物質の。
○政府委員(曽根田郁夫君) 政令の六条二項で、別表云々ということで、具体的な有害物質の種類は政令六条二項に基づく別表にございますが、この別表で有害物質といたしまして、水銀、カドミウム、鉛、有機燐、六価クロム、砒素と、これだけ掲上してございます。
○田中寿美子君 この中にBHCなんかも入っていますか。別表の中にカドミウムはありますね、水銀、有機燐、六価クロム……。ちょっと、PCBが全然ないですね。私は、こういうことはいま非常に問題になってきているものはきちんと政令の中に指定していただきたいということを要望しておきたいと思います。 それで、緊急措置法案の対象とするのはいまのことで一応わかったということにしまして、PCBとか、カドミウムとか、水銀とか、BHCとか、最近非常に問題になっているものを産業廃棄物としての処理の対象としてはっきりと出してもらいたいということをもう一度申し上げておきまして、廃棄物処理施設整備事業のところなんですが、地方公共団体とそれから国との関係なんですね、この廃棄物処理事業を行なう主体は地方公共団体ですね。
○政府委員(曽根田郁夫君) 廃棄物のうち一般廃棄物につきましては、従来の清掃法どおり、市町村のいわば固有事務として市町村長に義務づけてございます。 産業廃棄物につきましては、実はそのことが新法制定の大きな動機だったわけでございますけれども、地方公共団体で処理いたす際にもやはり広域的に処理しなければならない。ところが、従来清掃法では市町村のみが処理実施主体になっておりますので、それを改めるという意味で、市町村のほか都道府県にも産業廃棄物につきましてはその実施の権能を与えたということでございます。
○田中寿美子君 政府のほうが整備計画をつくる。それは中央的な全体的な整備計画をつくるわけですね。それから、各都道府県にもそれぞれ廃棄物処理の計画をつくらせることになっておりますね。それで、その第四条の一項で、政府は、実施のための必要な措置を講ずるとあります。必要な措置というのを具体的に説明していただきたいのです。
○政府委員(曽根田郁夫君) 整備緊急措置法案の第四条の第一項に「必要な措置」とございますけれども、一応この「必要な措置」の具体的内容として考えられますのは、母法の廃棄物処理法、これの第四条「(国及び地方公共団体の責務)」の第三項に国の責務を一般的に書いてございますけれども、さらに具体的な措置といたしましては、この本法の第二十二条「(国庫補助)」の規定がございますし、第二十三条には「(特別な助成)」といたしまして、融資等のあっせんがありますが、そういったことが必要な措置の具体的内容になろうかと存じます。
○田中寿美子君 それでお聞きしたいのですけれども、一般廃棄物ですね、家庭から出るごみだとか屎尿だとか、そういうものについて政府は国庫補助をしていると思いますが、今度産業廃棄物に関して国庫補助をするのか、-助成というのがありますね、二十三条に。この助成というのに、「資金の融通又はそのあっせんに努めるものとする。」というのがあるんです。産業廃棄物に関してはそれだけであって、あとは国庫補助というのは一般廃棄物に関するものだけだというふうに考えてよろしいですか。
○政府委員(曽根田郁夫君) 制度的な国庫補助は、一般廃棄物に限られるわけでございますが、実際には、やはり産業廃棄物の広域処理事業については国としても積極的に援助する必要があろうということで、予算上の措置といたしまして四十六年度におきましては一億円、四十七年度におきましては二億円の補助金が計上されてございます。ただ、一般的に申しますと、事業者の費用負担法等の関係もございますので、国庫補助というものがかりに考えられるにしても、それはやはりある程度対象をしぼるなり、そういった限られた形のものにならざるを得ないのではないか。重点は、やはり融資ということになろうかと存じます。 〔理事大橋和孝君退席、委員長着席〕
○田中寿美子君 それで産業廃棄物に対する五百億の予算を立てていらっしゃいますね、これの内容はどういうふうに使われるのか知りたいわけなんです。国庫補助として二億、四十七年度に使うという場合は、たとえば具体的な例で言っていただきたいのですけれども、たとえば田子の浦のヘドロの問題がありました。あそこに製紙工場の小さいのがたくさんある。そして大きな工場はどんどん流していたのですけれども、小さい工場も一緒に流していた。その場合に、小さい工場が流す共同溝をつくるときに、それは一部は国が補助して、そこの地方公共団体にそれをさせると、こういうふうに考えるんですか。本来企業が出す産業廃棄物の処理の費用というのは、本来企業が負担すべきものという原則があるべきだと思うのですね。ですから、国の費用をそうやたらに産業廃棄物の処理のために使うべきではない。だから、一体何にこの五百億は主として使うのかということなんです。で、この産業廃棄物に使うとしたら具体的にどんなものがあるのか、御説明してください。
○政府委員(曽根田郁夫君) 五百億円の内訳の問題でございますけれども、まず、この産業廃棄物の公共投資を考えるにあたりまして、私どもが前提として考えましたのは、やはり事業主の自己処理責任という考え方、原則がございますので、産業廃棄物の中でも大企業はもっぱら自己処理をお願いする。自己処理ということになりますれば、みずから処理するか、あるいは民間の業者に処理させるということになるわけでございますけれども、しかしながら、中小企業につきましては、いろいろ費用の点もございますし、また産業廃棄物によりましては、個々の企業ごとにやるよりは、やはり集中的に処理をしたほうが環境保全上も、あるいはまた経済効果の上でも望ましいということも考えられますので、したがいまして私どもは、主として中小企業を対象としてこの五百億を考えたわけでございます。ごく大ざっぱに申し上げますと、これによりますと産業廃棄物総量の約七割が大企業ということになりますので、三割相当を公共投資の形で引き受けようという考え方になります。もちろん、公共投資で整備いたしますけれども、費用負担の考え方は依然として生きているわけでございますから、当然利用料は徴収するということになるわけでございます。 次に、五百億の具体的内訳でございますけれども、実は本案提出を一年見送って具体的な検討を重ねたのでございますけれども、現段階におきましてまだすべての府県が産業廃棄物の実態を把握し、施設整備の具体的なプランを持つに至っておりませんので、今日の段階では、ほぼかたいプランを持っておりますのは、もうすでに始めております大阪、愛知を含め、先ほど申し上げましたように、東京、神奈川、兵庫等七府県でございます。これはそれぞれ具体的な年次計画を取り寄せまして、その昭和五十年までの事業量を合計いたしますとおおむね五百億になるということでございます。ただし、それでは五百億では七府県では非常に足りないではないかということも当然考えられますので、この種の年次計画では異例のことで、廃棄物としては初めてでございますが、将来のそういった浮動的な要素に備える意味から、特に予備費四百億を計上いたしましたが、この四百億はもっぱらそういう産業廃棄物のために考えた予備費でございます。
○田中寿美子君 主として中小企業から排出される汚泥とか廃プラスチック、廃油等の対象となるところの産業廃棄物処理施設に使うと、こういうことでほとんど五百億がそれに使われるわけですね。私、いただいた資料からは五百億の内訳は何にもわかりませんでしたものですから、――たいへんまあ大きな、四千二十億ですか、大きな予算ですよね。四千二十億、そのうちの五百億で、ちょっとつかみ金で出ているような感じがしたものですから、これだけの大きな予算を使う以上は、ちゃんとした具体的な計画があってしかるべきだと思ったわけです。もちろん、この日本じゅうの産業廃棄物に対する施設としては、まだまだ足りないものだと思いますけれども、地方自治体が、地方公共団体が産業廃棄物のための処理施設をつくって、そうして、それに関して料金を徴収してもいいという項目がありましたですね。これはどういうような種類のものですか。
○政府委員(曽根田郁夫君) 費用徴収の規定は、母法のほうの十三条の二項にございますけれども、この具体的なプラントの利用料といたしましては、結局施設の償却費、それから施設の運営費、そういったものになろうかと存じます。現在、名古屋、愛知の産業廃棄物処理センターで廃油のプラントが稼働いたして、費用徴収も定められておりますけれども、その例では一キロ千円というふうな料金が定められておりますけれども、これも大体そのような考えできめられているというふうに承知しております。
○田中寿美子君 それから産業廃棄物の処理の責任といいますか責務というのは、主として企業のほうにある、事業主のほうにあるという原則ははっきりしていると思うのですが、中小企業に関しては、国費も使うし、あるいは地方自治体もお金を出すだろう、一部は料金徴収でそれを償却していく、こういうことですね。事業主のほうで処理するしかたというのは、自分の手で焼却炉をつくるなりあるいはその他のいろいろな方法で処理する方法、それから事業者が共同で処理する方法があるということが出ておりますね。それから処理業者に委託をしてもいいというのがありますね。これは何か特定の公社みたいなものをつくろうとしていられるのでしょうか。それから、たしか十三条ですかね、もう一つの方法は、地方公共団体が引き受けて、条例で定める費用の徴収をする。こういう四通りぐらいの処理のしかたがあるのだと思うのですが、いまおっしゃった費用は、もちろん企業から取り立てる費用ですね。その委託業というのはどういうことを考えていますか。
○政府委員(曽根田郁夫君) 産業廃棄物の処理業につきましては、この第十四条にございますように許可業者の制度を新しくつくったのでございますけれども、これは具体的に公社そのものを考えているというよりは、むしろ一般的な、いわゆる産業廃棄物の処理業者の考えでございます。現在、公社が数府県に設けられておりますけれども、この公社の実態は地方公共団体の設置いたします廃棄物処理施設のいわば運営を委任されたという形の公社が大部分でございます。もっとも将来いわゆる公社という名前の文字どおり処理業者、処理機関ができることは当然考えられますけれども、いまのところ公社の実態はそういうことでございます。
○田中寿美子君 公社となりますと政府の計上する予算もそちらに入っていく可能性もあると思うんですが、その辺は十分きびしく監督していただかなければいけないと思います。 それから次に、産業廃棄物の処理施設整備のいま費用のことを伺ったわけなんですが、大企業の場合は、原則として大企業のほうがそれを持つと、そこで、たとえばPCBの場合ですね、この処理について、もう時間があれですから、ついでにお伺いしますけれども、いまたいへん騒ぎになって、そうして通産省はそれぞれこれの製造の中止を通達された、そして事実上中止になるというふうに報道されているわけなんですが、その処理についてその方法、それからその費用の負担などのことを説明していただきたいと思います。
○説明員(小幡八郎君) PCBの回収の問題でございますけれども、ことしの四月にトランス、コンデンサー及び熱媒体として、熱交換器として使用している各企業に対しまして、現在PCB入りの機器が設置されているかどうかということの点検をすること、及びその結果PCBが使用されているということがわかった場合には、その機器にPCBが入っている旨の表示をすることを指示したわけでございます。それで、トランス、コンデンサー及び熱交換器は、これはいわゆる閉鎖系と称せられる用途でございまして、PCBをその機器の中で使っている間はこれが外部に出るということがないわけでございますけれども、これがこの機器が廃棄されるときに中身ごと廃棄してしまうということになりますと、これが汚染源になるということでございますので、機器の廃棄の際は、その中のPCBを回収いたしまして、それを機器メーカーを通じPCBのメーカーに返却するということを指示したわけでございます。それで、現在すでに熱媒体につきましてぽかなりの量がPCBメーカーに返却されつつあるわけでございますが、現在この返却されましたPCBは、PCBメーカーの焼却炉において高温で焼却処理をするということにいたしております。ただ現在のPCBメーカーの既存の焼却炉の能力が非常に小さいわけでございますので、これの増設をするということになっておるわけでございます。それによりまして、今後かなりの長期間にわたって回収されるということになると思いますが、回収されたPCBを処理するという方法をとっていくわけでございます。その際の費用の負担でございますけれども、いままでのところは、PCBのメーカーのところまでは、ユーザーあるいは機器メーカーがドラムに詰めまして、これを運んでまいりまして、そこで焼却の手数料というものを徴収しましてPCBメーカーにおいて焼却しておるわけでございます。しかしながら、このPCBの使用製品には、いま申し上げましたトランス、コンデンサーあるいは熱交換器のようにPCB原体そのものを使用していて、原体として回収されるもの以外に、たとえば感圧紙ですとか、あるいは紙に含浸したコンデンサーですとか、そういうPCB原体としては回収されない用途もございます。これらにつきましては、まだそういうPCB入りの固体を高温で焼却する技術というものが現在までございませんので、それらの技術につきましては、目下それぞれ識者を集めまして技術の検討をいたしておるわけでございますが、費用負担等につきましてもそれらの検討の場を通じて今後決定されてくるというふうに考えております。
○田中寿美子君 たいへんたくさん問題があるので、きょうの時間では議論し切れませんのですけれども、まずPCBの原体をつくってきた三菱モンサントと鐘淵化学、二つですね。そこが中止をしてしまえば、今後原材料が回っていくことはないはずだ。しかし現在までに出回っているのは五万三千トンくらいある。で、そのうち、回収ができるかできないかの問題なんですが、たとえば、これはけさの朝日新聞で、事実かどうかを確認したいんですけれども、これには鐘化がいよいよやめるけれども、いままで出回っている分が五万四千四百トンとしてありますが、十八年間に生産したPCBですね。そのうちわずか九千トンしか回収はできないというふうに……。トランスやコンデンサーなどの電機工業界向けと、ノーカーボンなんか、その他に使ったのが四万何千トン、これは大部分回収の見込みはないというふうに書いておりますけれども、いままだ研究調査中で回収は非常に困難だということも、もうすでに認めてはいらっしゃるわけなんですけれども、特に最近、たとえばパンの包み紙のインクにPCBが入っている、あるいは再生紙のトイレットペーパーにはPCBを使っているとか、そういったようなことが言われているので、一体これの回収をどうするかというようなこと、非常に重大なことなんですが、一番原体のメーカーと、それからそれを使用していろいろなものをつくったり生産をしているメーカーの中には、大メーカーから中小メーカーまであるわけですね。で、その費用の負担と、それから回収のしかたと、回収した後の処理をどうするかという重大な問題を含んでいるわけなんです。それで、さっきこの産業廃棄物の処理について施行令の中でPCBが明らかではないんですね。廃油の中に入れたと言われますけれども、非常にはっきりとこれは新しく入れて、政令の中できちんと、どういう方向でこれを処理するか、あるいはしなければならないかということを入れてもらわなければならない物質だと思うんですが、そこで、費用の負担ですが、たとえばPCHに限らないかもしれませんけれども、PCBがごみの中に出てくる。家庭ごみの中にも入ってくるでしょう。で、そういうものを焼却する場合、これはプラスチック、廃プラスチックとも一緒になりますけれども、地方公共団体の本来の義務である清掃法で焼却をする。で、その焼却炉が非常にいたむ。特別の焼却炉をつくらなければならない。こういうときの費用はだれが負担するようにされるおつもりなのか。それからそのPCBの回収をしてきたときに、いま手数料を取って焼却しているとおっしゃいましたね。その手数料は原体メーカーが使用者、ユーザーから取っているということですね。その辺私は本来のメーカーのところが負担すべきだと思うんですが、その辺はどうお考えですか。
○説明員(小幡八郎君) ただいま御質問のありましたあとのことについてお答えいたしたいと思いますが、現在、PCBの処理の場合に、PCBメーカーがユーザーから焼却処理の手数料を取っているという点に関してでございますけれども、この場合はPCBのユーザーもやはりそのPCBを使いまして電気製品をつくるとかあるいは熱交換器をつくるとかいう、いわゆる企業でございます。その企業が自己の製品をつくる場合に使ったPCBの廃油を処理するというのは、これは本来はその企業がやらなければならないことではなかろうかと思います。ただ、それぞれの企業が自分で処理いたしますのにはあまりにも技術的にもむずかしい問題でもございますし、また能率の面からいっても問題がございます。そこでPCBのメーカーのところにまとめまして、そこで一ぺんに集めまして処理すると、そういう意味で費用の負担をユーザーである企業にしていただいていると、こういう事情でございます。
○政府委員(浦田純一君) PCBの処理、処分につきましては、これはいま通産省のほうからも申しましたように、原則としてやはり企業負担で、企業の責任でやっていただくべきものだと思います。特に閉鎖系のPCBで交換可能なものというものについては、その廃PCBについてはこれは厳密にやってもらいたいと思います。また、開放系のPCB、たとえば感圧紙などでございますが、これにつきましても一般廃棄物のほうに、つまり市町村の清掃事業のほうに来ないように責任をもって保管していただく、またできれば回収してしかるべく処分をしていただくということが原則と思います。ところが、実際上の問題といたしまして、一般家庭内に配置されております電気製品、これでPCBが使われているものもございます。こういったものは非常に種類が多い。それからまた実はすべての製品にPCBが含まれていないといったようなこともございまして、個々の製品についてPCBの存在を確認するということが、いま通産省のほうにもその辺のところをいろいろとお願いしているわけでございますけれども、実際問題としてなかなか家庭内に入りますと確認が困難でございます。それで実際問題としてこれらの回収はあまり望めないということが実情かと思います。したがいまして、これらはどうしてもやむを得ず市町村の清掃事業の中にまかせざるを得ないということでございます。 私ども、これらの点につきましていろいろと調査を進めておりますが、-私どもが現在までに調べたところではすでに使用されておりますPCBの総量のうち、大体三%から五%くらいがそういった経路で一般市町村の清掃事業のほうに流れてくるおそれがあるというふうに推定しております。これらがこれから先、毎年少しずつ市町村の清掃事業のほうに回って処理されるわけでございます。 それで、現在清掃施設としてPCBを扱っておるわけでございますが、これらを燃やした場合に大気汚染等に及ぼす影響というものを数カ所の処理場で調査してみました。その結果は現段階ではほとんど検出が不能でございます。つまり検出されていないというぐらい微量でございます。したがいまして、現在のところ環境汚染因子としてはウエートが小さいということが言えるかと思います。私どもはPCBというものの環境に及ぼす重要性にかんがみまして、いまの現状というものは十分に把握し、将来やはり監視の目を怠らずに注意してまいりたいと考えております。 それからプラスチックでございますが、プラスチックにつきましては、残念ながらやはり家庭系のものがかなり多いということはいなめませんし、いま全般的に非常に関心が高まりまして、家庭系のごみに占めまするプラスチックの比率は多少横ばいといったような傾向も見られてまいりました。私どもは本計画の中で基本的には少々プラスチックの含有量がふえましても――まあ、大約二〇%前後ぐらいふえましても支障のないように、設備の高度化、またプラスチックが燃焼する場合に生じまする有毒性のガスについての除去装置、これらのものも含めまして、つまり設備の高度化を考え、対応してまいりたい。もちろん、いろいろとプラスチック全体、あるいは化学合成品全般について、環境汚染を防ぐという根本的な施策というものは別途に講じていく。またそれに対する企業の責任、こういうものを明確にしていくということが背景になくてはならない問題だと考えます。
○田中寿美子君 家庭ごみの中のPCBが環境汚染要素となる比率は非常に低いというお話でございましたけれども、環境汚染という――家庭ごみからはそうかもしれません。ですけれども、産業廃棄物としてのPCBがちゃんと処理されなかったために、水の中に入って海に入って魚を汚して人間を汚染するというこの経路はもうずいぶんいまやかましくいわれている最中でございますから、ですから非常にきびしい政策をとらなければいけないと思うんですね。それで、いまさっきちょっと私が申し上げました、きょうのこの新聞も、九千トンしか回収は不可能だ、ほとんどあとは回収できない、五万何千トンのうち。そういう状況であるとしたら、これは一体どういうふうに処理をするつもりなのかということなのです。 で、いま通産省の方は、一体どこでどういう形で研究をしていらっしゃって、そして、その対策としてどういうことを考えているか。何カ月間ぐらいでその対策が出てくるのか、そういうことをお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(小幡八郎君) けさの新聞で、九千トンしか処理できないというような記事が出ていたように私も見ましたけれども、これはおそらく、当面九千トン程度を回収するということではなかろうかと思います。私どもの試算によりますと、御指摘のように従来国内で使用されましたPCBは約五万三千トンでございます。そのうち、概数で申し上げますと、トランス、コンデンサー用に約三万六千トン、それから熱媒体用に九千トン、感圧紙用に五千トン、その他の開放系に三千トンという数量が出荷されたわけでございます。それで、このうち、ほとんど回収がむずかしかろうと思われますのが、まず、その他の開放系の三千トンでございます。それから感圧紙の五千トンにつきましては、これは現在官公庁等にある感圧紙の使用済みのもの、あるいは未使用のものはそのまま保管をしていただておりまして、これは技術のめどがついて処理できるようになった場合に回収して処理するということにしておりますけれども、しかし、その数量がどのくらいになるかということは、現在、調査中でございますけれども、しかし、五千トンというものの大半はすでに外へ出てしまったんではなかろうかというように推定しております。それから熱媒体の九千トンでございますけれども、これもかつて相当前から使っておりますので、これがそのまま全部回収できるとは考えておりませんけれども、大体六千トン程度、三分の二程度は回収ができるのではなかろうかというように推定しております。それからトランス、コンデンサー用の三万六千トンにつきましては、これは大体三万トン程度は回収できるんではなかろうかと考えております。ただ、このトランス、コンデンサーと申しますのは、非常に耐用年数が長い機材でございまして、その機能が落ちましてこれを廃棄するときに回収するということになりますから、かなりの時間はかかるだろうと思います。それで、感圧紙の回収をかりにゼロといたしましても、熱媒体とトランス、 コンデンサー用のPCBで合わせて三万六千トン程度は回収が可能ではなかろうかといよううに考えております。それから感圧紙等の処理技術についてのめどの問題でございますが、所管課長が参っておりますので説明さしていただきたいと思います。
○説明員(村田文男君) 感圧紙の処理、回収の問題でございますが、先ほどから説明がございましたように、私どものほうでは学識経験者、それから関係メーカー、それに関係各省との担当官からなりますPCB感圧紙処理技術研究会というのを五月に発足させまして、いままで二回ばかりすでに検討を始めておるところでございます。近く具体的な研究といいますか、実験にも取りかかるということにもいたしております。それで、研究会に対しましては、私どものほろでは二カ月程度で方向のめどだけはつけていただきたい、こういうお願いでそういう方向で進めております。
○田中寿美子君 たくさんまだ質問がありますから、私は質問を残しますけれども、実はそのPCBがたいへん問題になっているときに、研究と調査、それから対策がおくれているわけですね。これは、全部こういう有害物質の研究は、あとからあとから追っかけているような状況で、やむを得ない面は、いままでそういう問題意識がなかったり、それからそれだけの人員がいなかったり、研究体制がなかったりしているという点はわかりますけれども、たいへんこれはいま騒がれている重大な問題でございますし、母乳からも出るというような状況にありますので、非常に急がなければいけない。しかし、私は、この際、BHCに関連して一言申し上げますけれども、BHCのことを一昨年から昨年にかけてずいぶん長い間、一年半くらい、牛乳汚染をはじめ追及していて、そうしてBHCは昨年製造も中止になってしまった。じゃあ、そのあと七千トンから在庫していたBHCの回収、処理はどうなったかということになると、どうもまだそれができていませんですね。やっぱりその方法についても研究中だと思います。まあお答えいただければちょっとお答えいただきますけれども……。ですから、そのPCBについても非常に研究をして、その処理方法をきめても、回収を一体どのように見届けなさるのか、その体制ができるのか、私、非常に不安に感じます。それはきちんとした対策を立てることを要望したいし、それをさせるということをまず大臣から伺いたいと思います。 それからついでに申し上げておきますが、これはまた後の機会に議論したいと思いますけれども、感圧紙に関して、これは非常に回収しにくいものだと思いますけれども、いまかわりにアルキルナフタリン、アルキルベンゼンを使ってノーカーボン感圧紙を売っている。そのメーカーが新しいノーカーボン紙に安全証明をつけて売っているのですね。ところがこの安全証明の根拠になっているのは、東京歯科大学と日大の試験なんです。それをなさった東京歯科大学の河合正計講師は、私のデータはあくまでも予備テストにすぎない、安全性について云々できない、それなのに安全性を宣伝して、安全証明書をつけて売っているというので、呉羽化学に注意をしているわけですね。通産省のほうはアルキルナフタリン、アルキルベンゼンはだいじょうぶですというふうにおっしゃったけれども、これはしかし慢性毒性まで十分に調査もしなければならないので、こういうことを次々に重ねておりますと、また次の有害物質が出てくるわけでございますね。ですから、こういうことについて非常にきびしくやらなければいけないということを私は要望いたしておきます。 それでBHCの処理や回収がどうなっておるのかということを一言おっしゃっていただき、産業廃棄物というものに対して非常にきびしい姿勢が国も必要ですし、都道府県にやらせるなら、その気でやらせるだけの手だてを講じなければいけないし、それから企業の責任というものをきびしく求めるという態度をとっていただきたい。その点を斎藤厚生大臣から最後にお伺いして、私はきょうはこれで問題を残しておきまして、次の機会にまた質問をしたいと思います。
○国務大臣(斎藤昇君) 農林省のほうから最初に……。
○説明員(福田秀夫君) BHCの回収、処理だけについてお答え申し上げます。 御承知のとおり、BHCは昨年五月一日以後一般には使えなくなったのでございますが、その時点以来使えなくなって残った、いま先生の御指摘のありました七千トンのBHCをどのように処理するかということでございますが、これを科学的にうまく処理する方法があるかないか、学者、専門家の間で議論していただきましたけれども、その処理の方法がない。諸外国の例を調べましても、どこの国にも適当な処理方法はない。諸外国は全部使ってしまってやめていくという方向でやっておるようでございますので、そこで使ってしまうのが一番安全だということを言っておる諸外国もありましたので、わが国としましてはそれを使うことは許さないということで、全部やめまして、これを小規模単位に安全な場所に埋没するような方法で処理していく以外にし方がないということで、一年でやめる、そういう方向で指導してまいりました。その結果、かなりの量がそのような安全の方法で処理されましたけれども、なおその回収しましたものがメーカーなり、農業団体の倉庫に集まってまいりまして、現在先ほど申しました七千トンばかりが集まっております。そのように集めましたものを安全に小規模処理するということは非常に困難でございます。しかしながら、これをそのまま置いておきますと、これが完全に処理されるまでには相当年月を要することになります。そうしますと、その間、これは他に使われたり、あるいは不慮の災害等で地下水に汚染したりして環境を悪くするということも考えられますので、農林省といたしましては、四十七年度に予算を組みまして、本年度中にこれを処分してしまおうということにいたしました。すなわち、一カ所三トン程度の規模で、これを私どもは大規模処理と申しておりますが、一カ所三トン程度の規模でコンクリートのカプセルの中に封じ込んでしまいまして、地下水等を汚染するおそれのないような場所、なおかつそのカプセルがこわれるような危険がないような場所をさがしてこれを埋設しようということにいたしまして、そのような予算を計上したわけでございます。
○田中寿美子君 だれがやるんです、それを。
○説明員(福田秀夫君) それぞれの都道府県、関係市町村、それから農業団体、それからBHCを製造しました会社等々で処理組合というふうなものをつくらせまして、その処理組合に補助金を出しまして、その処理組合で具体的な方法を検討していただくということになっております。そのようなことで今年度じゅうに処理をしてまいりたいと考えております。現在、都道府県を通じまして掌握いたしましたところ、本年度そのような処理をする予定のものが六千五百トン余り、なおかつ小規模処理が可能であるといって、小規模処理を計画しているものが三百トンばかりございます。合わして七千トンばかりを処理すれば、農薬としてのBHCの処理は一応終わるかと思っております。
○国務大臣(斎藤昇君) PCBの完全処理の問題は非常にむずかしいのでございますが、しかし、これはむずかしいといってほっておくわけにはまいりません。したがって環境庁が中心になりまして、そして関係省の者と一緒になって、ただいま通産省から御説明を申し上げましたような方法で回収をし、それを最終処理をするのにどうしたらいいか。現に最終処理をする施設がありますが、これは能力が非常にまだ過小であると、したがって全部処理をするのにはどうしたらいいかというんで、専心いま急いで検討してもらっております。厚生省といたしましては、完全に回収をし、そして完全に処理をしてもらいたいという立場からこれに参画をいたして、一日も早くその実現を期したいというように努力中でございます。 なお、農林省からBHCの処理の現在のし方を御説明を申し上げましたが、これはまあ現状においてはやむを得なかろうかと思いますが、しかし、三トン程度に分けてと申しましても、これは完全にコンクリートのカプセルの中に入れてといいますが、これは永久に安全であるかどうかというと、私はそうは言い切れない。したがって、少なくともその三トン程度でも埋めたところは明確にしておく、そして一日も早く、やはり現在は化学処理の方法がないといいますが、将来研究を重ねればないこともないであろうと、したがって、研究を重ねて、そしてほんとうに危険な状態にならないように、まるで爆弾をしょっちゅうかかえておるようでは、特に三トンが一時にどうこうなるということであれば、思わざるやはり健康被害を起こすであろう、かように考えますので、その点を要望をいたしておるところでございます。
○小平芳平君 限られた時間でありますので、要点だけ質問いたしますので、簡単にお答え願いたいと思います。 初めに厚生省に伺いますが、厚生省では、先ほどの局長の御説明では、こうした廃棄物処理施設から公害が発生することはPCBの場合はまずないというような答弁をしておられますが、このごみ焼却場から出る粉じんからどのようなものが出ると思いますか。
○政府委員(浦田純一君) 一般廃棄物を焼却する焼却場から、煙突からどういったような有害物質が出るかということで、PCBだけでございますか。PCBについては先ほど申し上げましたとおりで、今後も十分に注意してまいりたいと思います。一般廃棄物と申しましても、実はいわゆるごみでございまして、いろいろな、それこそいろいろな物質が含まれてくるわけでございます。それでその時点の産業の構造とか、あるいは生活様式とか、そういったものに左右されてそのしわ寄せを受けるのは当然でございます。したがいまして、問題は、たとえばPCBの環境汚染が起こったときには、当然、一般廃棄物の中にもPCBが含まれてくる。それからBHC、DDTについてもしかりだと思います。それからこの前から問題になっておりましたカドミウム、あるいは水銀その他の微量重金属につきましても、現在の分析方法でもってしますというと、やはりちゃんとひっかかってくるのでございます。それから有毒なガスといたしましては、いま先生みな御案内でございますけれども、たとえば塩化ビニールなどを燃やしますと塩化水素が出ると、あるいは温度の調節を誤まりますというと、窒素酸化物等が出るといったようなことで、可能性としては、現在、使用されておりますあらゆるものが一般廃棄物の中にまじり、そして煙突から出てくるという可能性は否定できないのでございます。
○小平芳平君 それは単なる可能性だけではなくて、実際に分析をしてみればわかるわけでしょう。それはカドミウム等の現在わかっている有害重金属、そのほかにもどのような重金属が出るか、そういうことをやったことありませんか。
○政府委員(浦田純一君) 私どもは市町村のほうにお願いしまして、廃棄物処理場から出ます排気ガスの中に含まれているいろいろな物質についての分析をしていただきましたが、いまその詳しいデータは持っておりませんけれども、先ほども申しましたもののほかに、鉛あるいはすず、亜鉛といったようなものが含まれておるというふうに記憶しております。
○小平芳平君 ですから分析をしてみればいいじゃないですか、どうせやってもおたくは発表しないでしょうけれどもね。ニッケル、バリウム、アルミニウム、鉄、すず、珪素、マンガン、銅、鉛、チタン、銀、亜鉛、クロームそのほかにもまだ元素があるかもしれませんが、およそのものはみんな出ているという、したがって、今回のこの緊急措置法案も、田中委員が最初に指摘されたとおり、条文はきわめて簡単ですけれども、内容としてはきわめて重要な内容であるという点、私も全く同感であります。で、こう限られた時間ではとても質問がし切れないわけですが、最初にこれだけの計画を達成する見通しについて、そしていろんな困難があります。最初の困難は用地の問題だと思います。そのような点についての見通しけどのように立てておられますか。
○政府委員(浦田純一君) 今回の計画の達成の見通しいかんということでございますが、私どもは、従来第一次、第二次と、いずれも整備計画を進めてきたのでございますが、これは結論的に申しますと、最終的には行政需要を満たすと、十分に満たすというところまでいかなかったことは非常に残念であり、反省いたしておりますが、事業計画の達成そのものの率から申しますと、ほぼ当初の目標の事業量はこなしてきたところでございます。今回の計画は、いま私どものほうでこの計画を立てるにあたりまして、都道府県を通じまして全国の各市町村からできるだけ具体的な計画をいただいて、そしてそれに基づきまして立てた計画でございますので、いずれも各市町村においては、その達成についての見通しがあって行なっているのだと思いますけれども、まあ、私どもは先生のおっしゃったような、最大のネックはおそらくはやはり土地問題だろうということは十分に認識しておるつもりでございます。今年の達成の見通しを申し上げますと、現在のところいずれも私どもの初年度に予定しております事業量、いずれもと申しますのは、し尿処理計画につきましても、あるいはごみの処理計画につきましてもということでございますが、いずれにつきましても、また産業の廃棄物の処理計画も含めてでございますが、それにつきましても、四十七年度につきましては、これは消化可能である。むしろどちらかといえば、多少ラッシュといったようなことでございます。この調子がずっと続くということを私どもは期待しております。 なお、都道府県、市町村のほうの、ことに先ほど申しましたネックになる土地獲得の分につきましては、十分に前もって支障のないような計画を立てるように強力に指導してまいりたいというふうに考えております。
○小平芳平君 これは、要するに公共の利益といってごみ焼却場、屎尿処理場をつくることは公共の利益だと、ところが地域住民はたいへんなことになる。いま申し述べますような重金属が絶えず吹き出してくる。それからそのほか運搬車がひっきりなしに通る。そういう公共の利益と地域住民の利益と相反する場合、これはどのように厚生大臣は受け取られますか。そういう点について、それはすでに裁判になって、広島県の例などは、――広島県吉田町、ここでは広島地裁で住民が勝訴しているという報道がありますが、その理由としましては、地方自治体は地域住民の生活と健康を維持増進するための当然の責任があるというような点、あるいは話し合いが十分でないというような点で地元のほうが勝訴し、そして控訴されているというような点も起きているわけです。したがって、ただ公共の利益優先ということで済まされない、国民たるもの、環境権ということばこそ使っていないけれども、この判決ではまさしくそういう生活環境を守るということを根本原則にした判決だというように述べておられますが、そういう点についていかがですか。
○国務大臣(斎藤昇君) この種の施設を建設いたします場合に、この付近の住民との間に相当話し合いをする上でもんちゃくもあることを聞いておりますが、しかしながら、そのめたに事業を中止をしなければならない、できなくなったということは、数字としてはわずかな数字でございます。事例としては大きく取り上げられますけれども、さほどに心配する事例ではないと思っておりますが、しかし今後これをさらに推進してまいります場合には、大都市の中に設けるとか、そういった場合にはやはり相当あるであろうと、かように考えます。まず住民の方々に十分理解をしてもらう、理解をしてもらうについては、そこから起こる住民の心配するような事態のないようにして、そしてその施設をやっていくということが必要だと思います。それには焼却施設のつくり方、あり方、また燃焼の方法等においても地方住民に被害のないような方法をさらに一そう開発してまいらなければなるまい、かように思っております。自動車運搬等について住民の方々に与える苦悩というようなものもできるだけない方法でやる必要があろうと思いまするし、いろいろ施設に改善を要する点が相当あるであろう、かように考えます。広島の例をあげられましたが、これはただいま控訴中でございまして、この裁判につきましては、たしか証言をされた学者の方の証言の内容は実施の計画と相当違ったものを根拠にして証言をされたようであります。そういうようなことも踏まえて、これはいま控訴をいたしているということでございます。しかし、裁判に持っていくまでもなく、住民の理解を得られるような改善された施設でやっていくということはわれわれも努力すべきだ、かように考えております。先ほど局長が申し上げましたように、今日、屎尿処理場につきましてもあるいはじんあい焼却場にいたしましても地方でつくりたい、その自信があるといって補助の申請をしておりますのが非常に多いわけであります。私は、この四カ年計画の事業の実施目標、それから事業の量というもの、これが達成できないというよりは四年の間にはむしろこの事業の目標や実施の事業の量あるいは金目においても、場合によったらむしろ途中で変更してもっと大きくしなければならぬのじゃないだろうか、そのほうがむしろ将来への、われわれいま立てた事業計画が実施されないというよりは、もっとやらないと実態に合わなくなるのじゃないかということをむしろ心配をしているわけでございます。
○小平芳平君 その設備の改善が第一だと思うのですね。従来も大部分は事業ができたということは、やむを得ないであろう、要するに、地域の人たちは押しつけられて、どうしようもなくなってということが私は非常に多いと思うのです。したがって、先ほど申しますように、指摘しますように、地方公共団体は、地方自治体は地域住民の生活と健康を維持増進する当然の責任がある、これが基本になくちゃならないと思うわけです。 もう一つ局長に、あるいは厚生省に伺いますが、長野県の御代田町というところでいま盛んに、その問題が起きておりますが、そのことについてはどのように報告を受けておられますか。
○政府委員(浦田純一君) これは長野県の佐久地域広域行政組合のごみ焼却施設をつくる用地選定をめぐっての争いでございまして、この佐久地域広域行政組合と申しますのは、これはもちろん先生御案内のとおりでございますが、小諸市とか佐久市あたりが中心になりまして全体で十六市町村が一部事務組合をつくってその地域内のごみ処理をしていこうという目的で設置されたものでございます。ごみ焼却施設は大きさ、計画といたしまては、日量百五十トンの規模でございます。問題になりました設置場所の予定でございますが、佐久市大字横根西海老九百二十七番地でございます。反対の住民の方の代表、あるいは所在地でございますが、御代田町、これはその焼却場の建設予定地の北側に隣接しております御代田という町でございますが、その住民であります中から代表として、個人で、御代田の町長、それから町議会長外四名の方が名を連ねておられまして、反対理由としては当該施設の設置による公害、大気汚染の発生、それから交通量の増大のおそれがあるといったようなことのように伺っております。現状といたしまして、五月二十三日現在、工事中止の仮処分の申請を長野地方裁判所のほうに対して行なっております。六月のいまの段階では、何とか県があっせんをしようということでいろいろと検討をしているように承知いたしております。
○小平芳平君 そういうような問題が起きるということは今後も予想されるわけですから、この計画を進められる上においては、こうした住民に対する環境保全ということが第一。そして公共の利益だからといって頭ごなしに押しつけようとすると、かえっていまのような訴訟に発展するということだと思うんです。 で、それで次の問題といたしまして養豚場、養鶏場ですね。養豚場、養鶏場から出るふん尿、あるいは死体、これがどのように処理されておりますか。
○政府委員(浦田純一君) 養豚場あるいは養鶏場から出てまいります廃棄物、あるいはふん尿、死体等ということになるかと思いますが、これはいずれもやはりそのことを業として行なっておるということでありますと、産業廃棄物ということで、そちらの、その事業者の責任でもって処理していただくということが、廃棄物処理法のたてまえでございます。実態を申しますと、豚につきましては、これは死体はへい獣等の処理法によりましてその適用を受けている。そうして業者がそちらのほうの施設に出して始末をしておるということに相なっているわけでございます。それから鶏でございますが、鶏は、これはへい獣処理法の適用ははずれておりますが、実際問題といたしましては、鶏は一羽、二羽という場合には、これは普通埋めたりして処分しておると思いますが、数の多いものはいわゆる化製場というところに行きましていろいろとまた肥料、その他の原料として使っておる。このようにして処理されておるということであろうと聞いております。
○小平芳平君 そういうふうにあろうと聞いているでしょうけれども、実際は死んだ豚や死んだ鶏は困っているわけですよ、なかなかそういう施設もなくて。 それから今度は、これも局長あまりよくおわかりにならないでしょうかね、ハエとか寄生虫を殺すわけですね。そのときの殺虫剤には何を使っているか。その殺虫剤によって水が汚染され、食べ物が汚染され、人間に蓄積するという危険がいま今日においてあるかないか、これはいかがですか。
○政府委員(浦田純一君) 家畜等の多頭飼育等に対しまする汚物の処理ということは、厚生省のほうも環境衛生という保全の立場から非常に関心を持っておりまして、農林省のほうと相携えましてそれの基準的な処理方法の技術の開発ということにつとめてきたところでございます。そのときの結論から申しまして、根本的には排せつ物の処理にはやはり活性汚泥法とかあるいは数の少ない場合にはやはり堆肥化とかいった方法で大地に還元する。その他まあ広い意味での海洋還元等のいろいろな方式が検討されたのでございますが、これらの諸方式によりまして通常の場合使用している程度の、まあ農薬と申しますか、殺虫剤と申しますか、こういったものはそこでかなり除毒されるということは言えると思います。しかしながら、現在まことに恐縮でございますけれども、私どもはまあBHCその他の使用についてはかなりきつい規制を農林省のほうにお願いしてそれが実行に移されておるのでございますけれども、現在その辺がどの程度弱まってきたか。また実際にその施設においてこれらと化学物質がどのように除毒されておるかという見届けと申しますものは残念ながらいま私手元に資料を用意しておりません。
○小平芳平君 いや、局長、有機塩素剤によるそういう殺虫剤はこれは禁止されたと、そうしていま有機燐ですね。この燐系統の殺虫剤が大量に使われているのではありませんか。それが人体に蓄積するとかあるいは食べ物を汚染するとか、そういう危険が起きておりませんか。
○政府委員(浦田純一君) まあ有機塩素系の農薬につきましては、私も実際に確かめたわけではありませんけれども、農林省からの報告あるいは実際からのいろいろな調査の結果で、まあ用途はかなり減っておる、事実上ゼロに近いという状態であろうと思います。確かにそれと引きかえに、今度は有機燐その他の代替農薬が使われておるということであろうと思います。幸いなことには、有機燐製剤につきましてはかなりこれは分解性が高いということで、実際問題としては環境汚染への影響はまあ少ないであろうというふうに考えられるのでございます。その他どのような農薬、殺虫剤が使われておりますか、詳しくは私もいまのところそこの実情は承知しておりません。
○小平芳平君 有機燐剤は分解しやすく、その汚染が少ないということですか。 で、私はそれについてはまた別の機会に詳しくこれを論議したいと思います。 それから次に、先ほど指摘されておられた田子の浦ですけれども、田子の浦についてもああしたヘドロの中に確かにPCBが四七〇OPPMというものが検出された。そういう現実があるにもかかわらず、依然として企業は流しっぱなし。そこで私は、公害委員会においてもまたこの委員会においても、再三、施設はいつつくるのだ。これはもちろん産業廃棄物ですから企業がつくるわけでしょう。そうすると、大企業は自分のところでつくっているでしょう。じゃ中小企業はいつできるのだ。いかがですか、通産省。
○説明員(村田文男君) 排水の処理施設でございますけれども、これは六月二十四日から一斉に基準が適用されますので、大企業、中小企業とも、排水の処理施設はすでに完成いたしております。ただ、処理施設をしました結果スラッジが発生するわけでございます。このスラッジの処理施設というものが、大手企業は敷地内をこれをつくるという方向で現在数基ばかり置いておりますが、中小企業については残念ながらスラッジの処理施設はございません。現在、中小の業界の中でもスラッジ対策委員会を設けまして、地区ごとに共同スラッジ処理場をつくるということで県とも連絡をとりながら対策を立てておるところでございますけれども、残念ながら現時点では、いつこれができ上がるかということは申し上げる段階にないわけでございます。
○小平芳平君 ですから、何も進んでないということですよ。これだけ港がつぶれ、そしてその港のヘドロを河川敷へ持っていってかわかそうとしたら、それが全然かわかない。もう五月三十一日で期限が切れた。洪水が出たらどうする、全部海に流れちゃう。海に流れるまでもなく、土手がはんらんしたらどうなる。これだけの大問題が起きていながら、いまだにどういうスラッジの処理をするかという計画すらないわけですよ。厚生大臣にも私はよく聞いていただきたい。そこで、それを今度河川敷へヘドロを持ってこられたほうでは、夏になると硫化水素が発生したり、たいへんな迷惑を受けている。近ごろでは、確かに施設はつくった、スラッジの持っていき場所がないから今度はヘドロが富士山へ上がっていくんです。だんだん山へ投棄する。富士山ろくの山林を買っては山へ投棄している、そういうようなのが現状です。 最後に、厚生大臣のほうから、こういうようないままでのような安易な産業対策ではもう全くどうしようもない、これはすべての人が感じておると思うんですね。ですから、特に海へ流せば何とかなるという、ところがあれほど田子の浦がもうたいへんな公害を引き起こしている。いま、海へ流せば何とかなる、これが一番よくないと思うんですね。あるいはこのぐらいならいいだろうというのが、初めから港をつぶすつもりで流したのじゃないでしょうけれども、現状のようになってしまった。このぐらいならいいだろうというのが、これが一番危険だと思うんです。大体、屎尿にしても海に捨てるなんて、それは海岸のところだから海に捨てるのでしょうけれども、内陸部の町村では海なんかありませんし、それからごみの埋め立てなんて、埋め立てるところがあるからそんなのんきな方法をとっているのであって、そういう埋め立てる海がなければそんな方法はとりょうがないわけです。ですから、ひとつ大臣に最後に伺って、そういう点に対するもう今日ほど転換を迫られているときがないというふうに私は感じておりますが、それについての大臣の御意見を伺って、本日はこれで終わりにいたします。
○国務大臣(斎藤昇君) 先ほど来他の委員もお述べになりましたように、また小平委員もおっしゃいますように、最近の経済成長に伴う廃棄物の処理というものが、これはもう全く重大問題になってきております。厚生省はまあ国民の健康ということがございますから、これを推進をし、そして、関係各省はもちろんのことでありますが、環境庁を中心にして一生懸命やらなければならぬ。いままでのような考え方ではいけないというのであの清掃法の改正を願ったわけでもありまするし、清掃法は改正をした、そして産業廃棄物の処理のあらましの責任者、やり方というものがきまったけれども、さて、現実にそれをどういうように処理し、最終処理としてどこに捨てるか、あるいは、焼いても差しつかえないようにするか、あるいは科学的にどう処理するか、必ずしもまだ解決されていない問題が多々ございます。海洋投棄もそう簡単にはできないものがたくさんございまして、埋め立てする場所にもおのずから限度があります。埋め立てていい物と悪い物があります。これらは、十分今後取り組んでまいらなければならない大きな問題だと、かように考えております。
○委員長(中村英男君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。 ―――――――――――――
○委員長(中村英男君) 次に、国民年金法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○佐野芳雄君 だいぶ時間がおそいようですから、きょうは基本的な諸問題についてお尋ねをいたしまして、あらためてまたきめこまかいお尋ねをいたしたいと思います。 国年法の改正につきまして、公的年金改善の方向を考えるにあたっては、さしあたり明年度はどうするかという問題も大切でございますが、同時に、短期的な検討だけではなくて将来に続く方策が考えられなければならぬと思うんです。それが織り込まれなければならぬと思うんですが、そういう立場から公的年金に求められるものは何であるかということをよく考え、究明し、そのためにはどのような内容を持つ制度に発展さすべきかということを考えるべきだと思うんです。もちろん政府もその点については十分考慮しておられると思うんですが、この際、政府の考え方、厚生大臣の公的年金改善の長期構想はどのようなものを考えておられるのか、まずそれを示していただきたいと思うんです。
○国務大臣(斎藤昇君) 年金制度は、今日の日本の人口構造の急速な変化から考えましても、またこれに対応する現状の制度から考えましても、老後の保障という意味で大きく改善を加えていかなければならないと考えております。他の委員会等におきましても申しておりますように、まあ来年は年金の年だというぐあいに、年金問題と取り組んでまいりたいと、かように考えております。老後保障としてどの程度の一体年金で十分なのか、現状からそれに到達するのにはどうしていったらいいかという問題、これは福祉年金も拠出年金も含めまして来年はこれと取り組んで、年金問題では幾多の問題がございますが、それらの問題を一々検討しながら、まずこれならという基本的なものにつくり上げてまいりたい、かように考えております。国民年金、それから厚生年金、いずれにいたしましてもこれを改定するのは、財政再計算期ということに法律はなっておりますが、この四十八年あるいは四十九年、五十年の財政再計算期を繰り上げて来年は大改正をいたしたい、かように考えております。
○佐野芳雄君 老後の保障の問題につきましては、大臣のお考え一応わかるのですが、なお具体的に、もう少し突っ込んだお尋ねは次の機会に譲りたいと思います。 そこで、まず児童手当と児童扶養手当の関係についてお尋ねいたしたいと思うのですが、まず最初に所得制限についてお聞きをいたしておきたいと思うのです。 児童手当法は、御承知のように六人家族で昨年は二百万円であったのがことしは二百三十万円になりました。一方、児童扶養手当法では同じく六人家族で昨年は百八十万円であったのがことしは二百五十万円に引き上げられております。同じ児童家庭局所管の児童福祉立法で所得制限の緩和に差異があるのはどういうことでしょうか。
○政府委員(松下廉蔵君) 児童手当と児童扶養手当の制度の立て方につきましては、先生御指摘のようにそれぞれの制度の趣旨といたしまして給付の内容あるいは給付対象、それからいま御指摘の所得制限等について若干の差が設けてございます。これはそれぞれの立法趣旨から申しまして、児童扶養手当は御案内のように母子福祉年金に対応いたしまして、生別の母子福祉年金の対象になりません者について同じような内容の福祉の措置を講ずるということを目的といたしまして立法されておりますし、児童手当のほうは一般的な家庭の児童の養育について国、地方公共団体においても援助の手を差し伸べるという趣旨のものでございます。たてまえといたしましては、児童手当の所得制限は御指摘のように受給者本人につきましては、四十六年度においては五人扶養家族で二百万円、それが四十七年度におきましては二百三十三万円という形になっておるわけでございますが、児童扶養手当の二百五十万円という所得制限は、これは母子に対します扶養義務者の所得制限の上限でございまして、児童手当の場合には、扶養義務者の所得制限という制度は設けられておりませんので、本人の所得に対しまして二百三十三万という線で押えておるだけでございまして、扶養義務者の所得制限はない。すなわち、扶養義務者につきましては無制限に受給の対象になる、そういうたてまえになっておる次第でございます。
○佐野芳雄君 いまのお話ですが、昨年度は児童手当法のほうは所得制限が緩和されたですね。本年度は児童扶養手当法がより制限緩和がされているわけです。いまお話ございましたけれども、この辺の事情をもう少し詳しく御説明願いたいと思う。
○政府委員(松下廉蔵君) 児童扶養手当におきます所得制限の二百五十万円と申しますのはこの給付を受けます母親自身の所得の制限ではございませんで、その母親を扶養する義務を負っております者の所得制限でございます。で、児童手当の場合にはその母親自身の所得制限でございまして、児童扶養手当の場合に対比いたしますようなその母親――父親の場合もございますが、受給権者の扶養義務者に関します所得制限は制度として置かれておりません。したがって、扶養義務者がいかに高所得でありましても、その支給を受けます父あるいは母の所得が二百三十三万円以下であれば支給の対象になる、そういう意味におきまして、児童扶養手当よりは児童手当の所得制限は有利に規定されておるわけでございます。
○佐野芳雄君 それでは、次に手当の額についてお尋ねしたいと思うんですが、児童扶養手当の額が毎年引き上げられておるんですが、ことしは昨年の二千九百円から四千三百円に引き上げられておるわけです。物価が上昇しているのに、一方児童手当は法律にスライド制の導入が明記されておるんですが、手当額は三千円に据え置かれておるわけですが、これは全く矛盾しているんじゃないかと思うんですが、その点どうでしょうか。
○政府委員(松下廉蔵君) 御指摘のように児童手当法におきましても六条の二項で政策スライドと申しますか、社会の経済条件等に著しい変動がございました場合には、額について検討すべき旨の規定は置かれております。ただ、児童扶養手当あるいはそれに対応いたします国民年金の制度が、発足以来すでに相当の期間を経ているのに比べまして、児童手当は本年の一月から初めて施行を見た制度でございまして、しかも段階実施という形で、四十九年度をもって全体の姿が完成するということで、まだ緒についたばかりでございます。私どもといたしましては、もちろんこういう制度の趣旨に従いまして、今後この額の改定等については努力してまいりたいという所存でございますが、当面の目標といたしましては、何よりもこの制度を全面的な実施に持ってまいりますまで、段階実施をできるだけ早く成熟させていくという点に重点を置きまして仕事を進めていく。なお、御指摘の額につきましても、物価あるいは他の制度等の均衡等を見合いまして、できるだけ努力を続けてまいりたいと考えております。
○佐野芳雄君 どうもお話がございましたように、児童手当法はほかにもいろいろ問題があると思う。不備、不完全であることも周知のとおりなんです。そこで法改正を引き続いて行なうという御意向があるかどうか。
○政府委員(松下廉蔵君) 申しわけございませんが、ちょっと御質問の趣旨がよくのみ込めなかったわけでございますが、児童手当法についての法改正を引き続き行なう意思があるかという御質問でございますか。
○佐野芳雄君 そうです。
○政府委員(松下廉蔵君) そういう御趣旨……、児童手当法につきましては、いま申し上げましたように、法律自体で三カ年の段階実施という制度がとられておりまして、したがって、これに従いまして、まだ実施の緒についたばかりでございまして、制度の周知徹底、いやしくも漏給がないようにするということを最重点にいたしまして、いま仕事を進めております。おかげさまで非常に順調な発足をいたしておりますが、今後、今度復帰いたしました沖繩等を含めまして、まずこの制度を定着させるということが焦眉の急でございますので、現段階におきましては、できるだけこの作業を進めてまいりまして、なお、額の改定その他、制度の改善につきましては、その実施の段階におきましての各段階におきます受給権者あるいは都道府県、市町村等との意見も参酌いたしまして、並行して検討してまいりたいと考えております。
○佐野芳雄君 こういう問題は検討だけじゃなしに、できるだけやっぱり思われたことは、言われたことは実行する方向で考えていただきたいと思います。 そこで福祉年金についてお尋ねいたしますけれども、昭和四十六年の七月ですか、国民年金審議会の福祉年金小委員会で「福祉年金制度の改善について」という中間報告が出されております。その中で「具体的な水準」として「福祉年金の具体的水準を決めるについては、従来の考え方にとらわれることなく改善の将来の方向と目標を見定めつつ、計画的にその引上げを図るべきである。」こういう答申がなされておるのですが、政府はすでに審議会の意見を尊重すると言っておるのですが、その点について、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(斎藤昇君) 福祉年金の水準の考え方、これは審議会も指摘しておられますように、当初年金制度が出発しました当時の福祉年金の考え方と今後は相当変えていかねばなるまい、かように考えております。少なくとも、やはり老後保障というような考えを取り入れていくべきだ、かように考えております。したがいまして、われわれといたしましては、二千三百円の福祉年金、それだけでは老後保障と言えません。しかし、これを五千円にしたところで老後保障とは申せませんけれども、まあ段階的にという意味で二カ年の間に五千円にいたしたい、かように思って、本年は一千円の増額に結局なりましたが、大蔵省に対しましては、本年は千五百円、そして来年千円、あとやって、二年目に五千円という考え方でおったわけであります。本年は一応それが一千円の増額にしましたが、来年は五千円を目途にしてまいりたい、かように考えております。
○佐野芳雄君 この法律案の要綱でも、大幅な引き上げということでいっておられますけれども、わずか千円引き上げただけであります。そこで、いまこの答申の第二のところに、「老齢福祉年金の額についてみると、その対象が拠出系統の年金の適用を受けられない世代であるということから考えて、少なくとも厚生年金や拠出制国民年金――等拠出系統の本来の年金に与えられている国庫負担額と均衡のとれたものとすべきである。」、こう言っておるのです。また、「この際拠出系統の年金との支給開始年齢の差などの事情は、当然客観的な基準で換算して考えられるべきである。」――このように考えると、老齢福祉年金の額は現状では公平の見地から見て、あまりにも低過ぎ、現在の時点では現行の倍額程度だとしても高過ぎることはない、こう言っておるのですが、その点大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(斎藤昇君) これはこのとおりに考えておりまして、この当時の現行と申しますと、二千三百円、われわれの目途といたしておりますのは五千円でございますから、まさしく倍額程度であっても高過ぎることはない。そのとおりに考えておりまして、来年は五千円を目的といたして努力いたしたいと考えております。
○佐野芳雄君 先ほど大臣は、老後の保障については十分考えたいということであったのですが、それでは少しおそ過ぎるのじゃないのでしょうか。それをもう一ぺんお伺いしたい。
○国務大臣(斎藤昇君) 老後保障の問題は、どちらかというと拠出年金制度にあるわけでございます。福祉年金制度はこれを補うものでございます。したがって、先ほども申しましたように、これを補うといっても五千円であれば老後保障としていばれるとは思いませんが、とにかく千円から出発し、いままでは百円あるいは二百円、やっと昨年は三百円引き上げたわけでありますが、そこで考え方の転換をはかりまして、ことしは千円と大幅、というのは考え方を転換をした、そして来年は五千円を目的といたしたい。さしあたってはさように考えているわけでございます。これで私は福祉年金は老後の保障として十分だといばれるものとは思いませんが、しかしこの審議会の答申にもありますように「倍額程度であったとしても高過ぎることはない。」、こう言われておりますが、まさしく倍額以上であっても高過ぎるとは言えませんが、まずこの答申の趣旨に一応沿えるものだ、かように考えております。
○佐野芳雄君 まことに安易なお考えのように思うのですが、そこで、国民年金の拠出制の年金が発足した当時、老齢者で任意加入していなかった者が、十年経過した今日、なお六十五歳以上六十九歳未満の間からいずれの公的年金を受けていない者が約三百三十五万人もおるわけです。これらの人々に対しましてどのような救済措置を考えているのか、またなぜ十年間も放置していたのか、その点大臣からお聞きしたい。
○政府委員(北川力夫君) ただいまお話のございましたように、年金制度は、三十六年に国民年金制度制定による皆年金体制ができ上がったわけでございます。しかしながら、その時点でいわゆる高齢の方々につきましては、年金の本質から申しまして加入はしないという原則があったわけでございます。しかしながら、その中には、いまお話にもありましたように、高齢任意加入で制度発足当時いわゆる十年年金で加入した人々及び四十四年の改正で高齢年金で加入した方々等があるわけでございまして、現在の私どもの見込んでおります加入していない方々の数字を申しますと、ことし四月現在の推定でいわゆる高齢任意加入の機会があったにもかかわらず加入しなかった方々が約百七十七万人、それから全く制度の当然加入にはならなかった人たちが百十五万人で、両方で二百九十万人余りがただいまお話のありました国民皆年金体制下で年金に加入してない方々だと思います。で、こういった方々についての問題はかねがねから問題になっておりまして、昨年の十一月からの改正で、このような方々の中でいわゆる障害のある老人につきましては、六十五歳まで支給年齢を引き下げまして、その救済をはかっておるところでございます。しかしその他の方々について、どういう方法をとるかという問題があるわけでございますが、福祉年金の改善ということでこれを取り上げますと、ただいま先生からもお話のございました年金額の大幅引き上げでございますとか、あるいはまた、所得制限の相当大幅な緩和ないしは撤廃でございますとか、いろいろな改善すべき問題があるわけでございます。したがって、そういう中でさらに年齢引き下げということをやるかどうか、非常に財政負担という問題から考えますと、問題の困難さの多いところでございます。しかし、ただいまも御指摘がありましたとおり、非常に大切な問題でございますので、ただいま大臣から申し上げました明年度に予定いたしております大改正の際に、できるだけこういった方々についてどういうふうなくふうをして年金支給の対象に結びつけるか、早急に十分な検討をいたしたいと思っておりますのが率直な現状でございます。
○佐野芳雄君 どうもいつも検討々々ばかりなんですが、そこで老齢福祉年金の支給開始の年齢が対象によって六十五歳か七十歳か、障害者は六十五歳というふうに分かれておるのですが、その点についてのお考えもこの際整理をしていただきたいと思いますが、一ぺん、そういうことについてのお考えを示していただきたいと思います。同時にそれらすべて六十五歳から支給するというふうにするお考えがいまありますか。
○政府委員(北川力夫君) 福祉年金はただいま申し上げましたように、七十歳から支給するという原則でございます。ただ、いま申し上げましたような障害老人、寝たきり老人等につきましては、その特殊性に着目いたしまして、六十五歳まで年齢を引き下げたわけでございますけれども、それ以外につきまして一律に年齢引き下げをやるかどうか、こういう問題はいま申し上げましたように、非常に福祉年金全体の改善の中での優先度合いと申しますか、選択と申しますか、そういう問題もございますので、どういうかっこうでやるか、一律に改善することにつきましては相当問題が多いのではないか、このように考えております。
○佐野芳雄君 ちょっと納得のいかぬ点があるのですが、いずれ次の機会にお尋ねいたしたいと思うんです。 そこで現在障害福祉年金、これは一級障害者がその障害年金を受けられるようになっているんですが、二級障害者は現在日本では六十五歳以上の老人に限られているんですね、そうですね。そこで六十五歳以上の老人に限られておる実情とこれは均衡を失しておると思うんです。そこで二級障害者は障害年金を支給するように改善すべきではないかと思うんです。次の機会までにこれまた十分検討されますかどうか、どうですか。
○政府委員(北川力夫君) 障害年金の等級問題の拡大問題だと思います。これもかねがねからいろいろ問題点として指摘をされておりますので、ただいま先生のお話のように次の改正のときの問題点として十分に検討をさしてもらいたい、このように考えております。
○佐野芳雄君 次の改正のときというのは大体目安はどのくらいになるんですか。
○政府委員(北川力夫君) 四十八年度に予定する改正でございます。
○佐野芳雄君 そこで、それでは昭和四十六年の第六十五回国会におきまして衆参両院の社会労働委員会の附帯決議が所得制限の緩和を述べておられるのですが、このような附帯決議をどのように尊重し、どのように処理していくお考えか、この点をお伺いいたします。
○政府委員(北川力夫君) 所得制限の緩和につきましては老齢福祉年金等、いわゆる福祉年金の改善の中でも年金額の引き上げとともに最も重要な問題でございます。冒頭に先生から御指摘のありました国民年金審議会の福祉年金小委員会の報告におきましてこの所得制限の問題については、特に扶養義務者等による制限につきましてこれを撤廃するとしても制度の本旨にもとることはない、また社会的に問題とならない程度まで改善をするようにすべきであると、このような趣旨があるわけでございます。したがいまして、そのような国会の御意思も十分に尊重いたしまして、四十七年度におきましては前年度百八十万でございましたものを二百五十万まで緩和をいたしまして、相当大幅に緩和をはかりまして、この附帯決議の趣旨に沿った改善をいたしたつもりでございますが、なお今後引き続き大幅な緩和ないし撤廃に向かって努力いたしたいと思っております。
○佐野芳雄君 大幅な改善をしたいというのですが、四十八年度努力の目標と見てよろしいですか。
○政府委員(北川力夫君) 四十八年度もさらに大幅な緩和ないし撤廃に向かって努力いたしたい、このようなことでございます。
○佐野芳雄君 大臣どうですか。
○国務大臣(斎藤昇君) 来年度は福祉年金につきましては扶養義務者の所得制限は撤廃をいたすという方針で臨みたいと私は考えております。
○佐野芳雄君 いまのお話のように扶養義務者の所得制限について撤廃をしてもらいたいという要望が非常に強いわけです。そうして大臣もそういうようにお考えになっているようであります。そういうほんとうにやる気があるならやる気があるということをお伺いいたしておきたい。 なお、いろいろこまかい点につきましては私時間がございませんから、これでやめますけれども、もう一ぺん大臣から決意のほどを伺っておきます。
○国務大臣(斎藤昇君) この点は、私は政府として、というまでには至っておりませんが、私といたしましてはその方向で最善の努力をいたしたいと各委員会で申し上げております。
○佐野芳雄君 そこで、これで質問を終わりますが、大臣の任期がいつまであるか知りませんけれども、大臣がかわられたら、私は知らぬということを次の大臣は言うかもしれませんので、十分その点の引き継ぎだけはしっかりやるということだけを約束してください。
○国務大臣(斎藤昇君) これは私はおそらく国民全般の願いであり、与野党ともその方向におられると考えておりますので、一私人でなくて、まさしく私は政治としてやるべき事柄であり、次の政府もやるべきである、かように考えます。
○柏原ヤス君 まず、老齢福祉年金の額についてお尋ねいたします。 昨年、国民年金審議会福祉年金小委員会が中間報告を出しております。その中で、特に、「老齢福祉年金の額は、現状では、公平の見地からみて、あまりにも低過ぎ現在の時点で現行の倍額程度であったとしても高過ぎることはない。」と、こう述べております。このことを考えまして、この要求額をどれだけ厚生省がなさったかというと、当然五千円を要求すべきであったと思うのです。現在の時点で現行の倍額程度であったとしても高過ぎることはないと言っているんです。ところが、四十七年度の要求は三千六百円でございましたね。私は、この昨年の小委員会の中間報告というものをどのように受け取っていらっしゃるのか。先ほど同じような質問がございましたときの大臣のお答えのしかたは、そのように思っている、それで来年は五千円にと、こうおっしゃいました。私来年のことよりも、ことしの要求額三千六百円という、その点を問題にしてお聞きしているわけなんです。そして、事実その三千六百円の要求が通ったならいいんですけれども、それすら三千三百円に削られている。こういう事実からお聞きしているわけでございます。 〔委員長退席、理事大橋和孝君着席〕
○国務大臣(斎藤昇君) 先ほども申し上げましたように、この福祉年金は一体どういう意味で設けられたものか。年金法制定の福祉年金が始まった当時、おそらくこれは老後保障というような意味では私はなかったと思うのです。しかし、やはりこれは最近の国民のニードから考えて、老後保障というのに近いようなものに一日も早うやっていく必要がある。昨年の予算要求時におきましては、実は五千円にいたしたいという気持ちはこれはもうやまやまであったわけでございますが、いままでの毎年のアップ率は、初めの間はずっと百円、それから四年前でありましたか初めて二百円になり、昨年は三百円というアップであったわけであります。それを千三百円アップの要求をいたしましたので、いままでといたしましては、まあ発想の転換というほどの気持ちでいたしたわけでございます。それが千三百円が一千円に削られて、三千三百円に結論はなりましたが、しかしいままでの考え方から申しますると、まさしく発想の転換といっていいほどの行き方をいったわけです。大蔵省としてもその方針を認めてくれたわけでございます。まあ、その点はひとつ買っていただきまして、そして一年で五千円にしたいところを二カ年かかって五千円と。ここらは発想の転換といってもよかろうかと、かように判断をいたしたわけでございます。
○柏原ヤス君 大臣が大いにがんばっているのだと、そういうお心はよく私わかるのです。しかし、この老人福祉年金の額があまりにも低過ぎると、それに対してほんとうにがんばっていただきたい。まあことしは千三百円のところを削られて千円になったと。来年はこれは絶対削られないようにしていただきたいのですね。二年間で五千円にするとおっしゃったのです。来年になってまた削られたと、二年間でやろうと思ったけれどもやむを得ずもう一年かかりますなんていうことのないように、まあことしは来年があるという一つの望みというか、そうした弾力的なクッションがあるわけです。ぜひ五千円をしっかり獲得していただきたい。わが党でも考えておりますこの財政方式でいけば、これは二万円支給できるという考えも持っておりますので、この来年の五千円というものは必ず実現していただきたいということを、大臣の御奮闘に期待をかけてお願いするわけでございます。ぜひお願いいたします。 〔理事大橋和孝君退席、委員長着席〕
○国務大臣(斎藤昇君) 来年は五千円にという要望は与野党とも非常に強く御支援をしていただいていると考えております。この上ともひとつ御鞭撻をいただいて実現を期したいと思います。
○柏原ヤス君 所得制限のことでございますが、との年金に所得制限をつけるということは私は非常に不合理だと思うんです。まあ、そういう点でこの所得制限、特に扶養義務者の所得制限については即時撤廃すべきだと主張し続けてまいりました。で、そのことについても来年度はぜひ撤廃の方向で予算の実現をはかりたいと大臣は答弁なさったんですね。つまりことし、撤廃しますと、こうおっしゃったんですけれども、ことしはまあ多少限度が上昇しましたけれども、ぜひ撤廃の方向で予算の実現をはかりたいとおっしゃったその御決意に反して、私は満足ではない、まあ大臣も残念に思っていらっしゃると思うんですね。で、先ほどからもこの問題が出て、大臣の約束だけじゃなくて、政府としてこれはそうすべきだという力強いおことばもございまして、ぜひやっていただきたい。この扶養義務者の所得制限の陰に非常に問題があるわけなんですね。これは私も聞いてほんとうに胸が打たれたんですけれども、むすこさんが働いていた会社で月給が上がった。月給が上がったためにおかあさんのわずかな老人福祉年金の支給が打ち切られちゃった。月給が上がって喜んだんですけれども、反面そういうことが起きた。むすこさんはそれをおかあさんに言えないで、自分のふところからその老人福祉年金に当たる金額を渡していたのですね。おかあさんはそれを知らないで使っていた。ところが、年寄り仲間の話し合いで自分よりもよけいもらっているわけですね、友だちは。そこで、どうもおかしい、間違っているんじゃないかといって、区役所に行って聞いてみたら、あなたの支給は打ち切られていますよ、停止されておるのですよと、こう言われた。そこで、その母親はすごいショックを受けちゃった。むすこがそんなふうにしておかあさんを傷つけまいとしてそういうやさしい心を使っていたと、何となくさびしいような、情けない私は事実を聞いていますし、知っております。そういう点で、ぜひ、この所得制限というものは不合理なんだと、扶養義務者の所得制限は特に不合理であるという点をこういう事実から大臣が認識していただいて、御努力をお願いしたいと思うわけでございます。
○国務大臣(斎藤昇君) たびたび申しておりますように、最善の努力をいたしたいと思います。
○柏原ヤス君 それから、所得制限の中の一つに併給制限がございます。これにもいろいろな問題があるわけなんです。今日は一般の公的年金を受けている者に制限の緩和がなされました。戦争公務による扶助料との併給は中尉以下全額併給、またこれに肩を並べて普通の扶助料との併給は六万円までの併給、ただし、六万円以下の者に対しては差額なんですね。戦争という、こういう特別な事情を考慮したのでしょうけれども、いまのお年寄りにしてみますと、戦争に全然無関係な年寄りはおりません。ただ戦争公務だという事情だけでこういうふうに差別するということは非常にまずいのではないか。これは事実の例でございますけれども、一方は戦争公務による扶助料を受けて金額も自分より多いのですね。自分は普通扶助料で少ない。けれども自分は老齢福祉年金額の制限でもちろんもらってないわけなんですね。その上今度は自分よりも扶助料をたくさん受けている。戦争公務による扶助料を受けている人ですけれども、多いのに今度は全額支給なんですね。六万円というアップがありましたけれども、自分はそれでもやはり切られてしまうわけなんです。だから希望がないわけなんですね。それで、どうしても私は納得しないと言って、そのために三年間血圧が上がりっぱなしですよと言って、私も聞いてみると、おかしいわねと言って、自分でも何となく老人の言っていることが理解できるような気がするわけですね。特に老人ホームという同じ施設にいるお年寄りの間にはこういうことが非常にデリケートに響いておりますので、この点御検討願いたいと思います、今後どうするおつもりなのか。
○政府委員(北川力夫君) 福祉年金と、それから一般の公的年金との併給問題につきましては、従来から限度額を二万四千円あるいは福祉年金相当額ということで現在までやってまいったところでございます。先生も御承知のとおり、やはりこういった問題は、原理原則から申しますと、本来の扶助料、公的年金を十分に充実をいたしまして、その面で処理することは適切かと思います。しかしながら、現在までそういった仕組みをとってまいりましたのは、やはり本来の公的年金の額は必ずしも十分でないというものが少なくない現状からそういう措置をとってまいったわけでございまして、私どもは原則的にはやはり他の公的年金を十分に充足することが先決だとこのように考えております。 しかしながら、いまのような実情でございますので、ただいま戦争公務と扶助料との関係の比較が出ましたけれども、やはり戦争公務の場合にはそれなりの特殊事情があるというふうなこともございますので、普通扶助料につきましては一応いままでの福祉年金相当額というものを上げまして六万円という限度額にしたような次第でございます。今後、これをどういうようにするかという問題は依然として残るわけでございまして、特に福祉年金額の改善との関連においても残ると思いますけれども、何ぶんにも福祉年金の問題は、この額の引き上げあるいは御指摘の所得制限の撤廃、ただいまの併給問題というふうに非常に改善項目がたくさんございまして、それがすべて国庫負担というふうな点もございますので、全体の改善の中で事情の許す限り、こういう問題もできるだけ改善の方向に向かってさらに努力をしたいと、このように考えております。
○柏原ヤス君 先ほども出ましたが、六十六歳から六十九歳のお年寄りの方々が、国民皆年金制度が確立したにもかかわらず漏れていると、ぜひこの方々の老後の生活保障について考えていただきたい。これは何回も問題に出ております。で、このことについて衆議院の公明党代表の渡部通子さんがやはり大臣にお聞きしておりますが、大臣のお答えは、「これをどの程度の、福祉年金といいますか、ものにするか、これは現在の福祉年金の改善方法と考え合わせまして、これも一緒に考えて、そうして年金不受給者が一人もないというような状態に持っていく必要がある、かように考えまして、これも年金全体の問題といたしまして前向きに取り組んでまいりたい、」という御答弁でございますが、何だか私よくわからないのですね、これは。そこで、もう少しこの点明確なお答えをいただきたい、私お聞きしたいのは、先ほど、来年は年金の年だ、大いに年金問題を解決していくというおことばでございました。で、この来年の年金の年にやはりこの救われない老人たちの問題が取り扱われるというふうに受け取りますけれども、来年のその年金の年に検討して、そうして四十九年度の予算で救われるとしますね、そのときはこの老人たちは、四十九年度は六十八歳と六十九歳のお年寄りだけになっちゃうわけですね。いかにも私はおそ過ぎるのではないか。極端に言えば、これは時が解決する問題だとも言えるわけなんですね。五十一年までそのままにしておけばいなくなってしまうのですね。一年ずつ七十歳に、繰り越されていく。ですから私は、この問題の解決はそんな、のんびりしたことを言っていたのではあまりにも情けないじゃないか、手がなさ過ぎるじゃないかと、やはり皆年金制度というものを打ち出した以上は、私はそうしたものをあたたかい政治姿勢で救う、そういう手を打っていただきたいと、こう思うわけですね。いかがでしょうか。
○国務大臣(斎藤昇君) まさに六十六歳から六十九歳の方々に対しては何にもないということは、これは年金の年として考えますという場合に、これがないということは大きな一つの穴になってしまうと私は思います。おっしゃいますように、これはもう時が解決するので、しばらくほっておけばそういう状態がなくなるわけでありますが、しかし、時の解決を待たないで、何らかの方法で解決をするということは、年金の年だという以上はやらなければならないことであると、かように考えておりまして、年金の問題としてとにかくやらなければならないと考えております。問題点は、あとからもおっしゃいましょうが、福祉年金の額の問題、ただいまの六十六歳から六十九歳までの方々の問題、それから拠出年金の最低額、あるいは額の引き上げの問題、それからよく言われておりまする賦課方式かあるいは修正積み立て方式か、あるいは修正賦課方式か、そういった考え方、それからスライド制をどう考えるか。これらが、年金の年に考える問題点である。できたら、それを全部一挙には解決できなくても、こういう方向で将来いくということが明瞭になるような改正のしかたをいたしたい、かように考えております。
○柏原ヤス君 一つのこれは案でございますが、敬老の日に特別年金といったものを創設して、こうした救われない老人に与えてはどうかと、こう思いますが、御検討していただけますでしょうか。
○国務大臣(斎藤昇君) 御意見の点は、一つの御意見として、研究をする材料の一つにさしてはいただきたいと思いますが、そのとおりにするのがよろしゅうございましょうというまでには、私ただいま検討が進んでおりません。
○柏原ヤス君 最後に一問。 これは、先ほど大臣が来年は改善の年だと、こうおっしゃっておりますので、大いに期待をかけているわけでございますが、どういう構想を持っていらっしゃるか。特に、財政方式を賦課方式にすべきであるという声が非常に高まっているようでございますし、わが党でも修正賦課方式にすべきであるということを主張しております。この点についてもう少し具体的にお話していただき、ぜひこの点を御検討願いたいという希望を添えてお願いいたします。
○国務大臣(斎藤昇君) 確かに、財政方式を一大転換したらどうだという御意見もございまして、ごもっともにも思いますが、ただ、拠出年金は将来のいわゆる年金の保険料が非常に高くなるというようなことでは困りますので、したがって、いまの積み立て方式は、現在も将来も、いわゆる保険料をかける人、労働者にとっては、保険料というものが大体賃金所得に見合った一定の割合ということを念頭に置いておりますから、そこで積み立て方式というものが出てきているわけであります。それに賦課方式的なものを加味をいたしてまいりましても、将来の労働者に賦課方式で大きな負担がかかるということのない配慮はしてまいらなければなりません。そういたしますると、数字的にどういうようになるか、今後の年金受給者の増加の趨勢とか、それから現に稼働をする勤労者の将来の数と、そして賃金所得の上昇の見通しというようなものを、やはり数字的に相当検討をいたしませんと、来年、再来年はよくても数年後にはたいへんなことだということになっても相ならぬと思いますので、そういう点を十分慎重に検討いたしまして、また年金問題につきましての審議会等もございますので、そこでいろいろと検討してもらっておりますから、それらの御意見も伺ってやってまいりたい。そして、真に年金の年だというようなそういう法案をつくりたいと、こう意図しておったんであります。 私は、前にも申し上げましたが、ことしは医療の年、保険を踏まえた医療保険の年、これで多年問題の医療関係の問題は、一応まあ頭をそう使わなくていいようにして、それから次には年金と十分取り組みたいと、かように考えておりますので、ひとつ、来年もまた引き続いて医療と取り組まなければならないということになりますると、これがちょっとずれるのじゃないかと思います。ほんとうにそれは心配をいたしておりますので、そういう心配のないようにぜひお願いをいたしたい。これが私の偽らざる心境でございます。よろしくお願いいたします。
○柏原ヤス君 たいへん力強い大臣のおことばをいただきまして、老人対策、所得保障、医療保障が二つの柱といわれておりますので、がんばっていただきたい、こう心から念願いたします。終わりにいたします。
○委員長(中村英男君) 本案に対する本日の審査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十分散会 ―――――・―――――