社会労働委員会 第11号
- 発言数
- 187 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/04/25
会議録
○委員長(中村英男君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 上田稔君が委員を辞任され、その補欠として岩本政一君が選任をされました。 —————————————
○委員長(中村英男君) 麻薬取締法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○須原昭二君 沖繩が五月の十五日、本土復帰になります。その前提に立ちまして麻薬取締法の一部を改正する法律案が提案をされております。したがいまして、この法案に関連をして麻薬行政の諸事項について御質問をいたしたいと思います。 もうすでに御案内のとおり、内地における状態を振り返ってまいりますと、昭和三十七年だったと思いますが、ヘロイン横行時代というか、きわめて本土における麻薬事犯の多かったことを思い起こすわけです。しかしそれ以上の麻薬犯罪の頂点をしのぐ状態にいま沖繩があるわけであります。特に昭和四十五年の沖繩における麻薬に関する事犯を、厚生省のデータによりますと八十二件、百十六名の検挙となっておりますが、これはまさに氷山の一角であると言わざるを得ないのです。特にこれに関連をして、最近厚生省は全国の麻薬事犯の調査をされておると思うわけですが、昭和四十六年中に検挙されました不正事犯、麻薬事犯、こうしたものについてデータがあると思いますが、それはどうなっていますか。
○政府委員(武藤き一郎君) ただいまお尋ねの四十六年の麻薬関係の犯罪でございますが、最近まとまりまして、送致件数は千二百九十四件でございます。送致人員は千百四十八人でございまして、いま四十五年の状況を先生お話になりましたけれども、四十五年度と比較しますと、件数にしまして百四十五件の増加、人員は六十名ほど減っております。
○須原昭二君 厚生省では毎年ですね、麻薬取り締まり行政の概要を発表されておりますね。
○政府委員(武藤き一郎君) 毎年関係各省と連携をとりまして、概要を発表しております。
○須原昭二君 昭和四十六年における麻薬取り締まり行政の概要について、もうすでに集約をされておると思いますが、製本できておると思いますが、その点はどうですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 現在、いま取りまとめ中でございまして、近く公表したいと思っております。
○須原昭二君 取りまとめ中ではなくて、すでにこういう製本ができているはずです積んで浸るんです。ただし聞くところによると、私たちが早くくれと言ったらそれは、まず新聞記者に公表してからお渡しするというようなことを聞いている。すでに製本ができていて、なぜ出さないんですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 私はまだ見ておりませんが、現在集計中でございまして、あるいは印刷に回っているかと思いますが、現在数字その他を点検中でございます。
○須原昭二君 もうすでにこのように、こういう冊子になって積んであるものをわれわれ国会議員が出してくれと言っても、なかなか出してもらえない。これは直ちに資料としてわれわれのほうへ提供していただきたい。委員長、いかがですか、資料提出。
○委員長(中村英男君) いいですか、資料。
○政府委員(武藤き一郎君) 数字の点検が終わりましたら提出いたします。
○須原昭二君 数字の点検じゃなくて、もうすでにできちゃっている。できたものを出せないのはおかしいじゃないですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 正誤を点検中でございまして、それが済みましたら提出いたします。
○須原昭二君 それはいつまでかかりますか。
○政府委員(武藤き一郎君) 来週には提出できます。
○須原昭二君 いま法案が出ているんですよ。関連としてやはりこれは参考資料として来週まで待つわけにいきませんから、今晩徹夜をやってもいいから出してもらいたい。これは要望しておきます。 そこでですね、四十六年一月から十一月の末日であったと私は記憶をいたしておりますが、沖繩本島における接収された麻薬、これはほとんど空港などで密輸のものを接収されたものだと思いますが、大麻が六十二キログラム、ヘロイン一キログラム、LSD、これはたくさんということになっておりますが、そのように沖繩本島でも統計がもう出てきておるわけです。少なくとも、すでに沖繩本島の中、沖繩県においては、多くの密輸もしくは米軍関係者によって沖繩に麻薬が入ってきているのですね。接収されたのはほんとうに私はごくわずかと思うわけですが、そういう関係で沖繩県の中で潜在をしておる。これは推定であってもけっこうですが、どのくらい麻薬が沖繩に潜在そしているのか、推定でいいですから概況を御報告を願いたいと思います。
○政府委員(武藤き一郎君) 沖繩で押収いたしました数字は、四十六年の数字はヘロインにつきましては一キロ三百二十二グラム、LSDは千四百十七錠、大麻は六十八キロ五百九十一グラムというふうになっております。 ただ、いま先生が推定でもいいからどのぐらいあるかというお話でございますが、その点は、ちょっと私どもとしてはどのぐらいあるか、推定はつきかねております。もちろん、これはつかまえた数字でございますので、これの数倍になるのか、あるいは二倍ぐらいになるのか、そこら辺のところはちょっと推定がいたしかねておるわけでございます。
○須原昭二君 じゃあ、沖繩の乱用者といいますか、麻薬を使ったと、そういう乱用者というのはどのぐらいありすか。米軍関係者並びに沖繩県人、この二つに大別して御報告を願いたい。
○政府委員(武藤き一郎君) 米軍の関係者がどのぐらいいるかわかりませんけれども、私どもが昨年の十一月に担当官を短時日でございますが派遣をしまして、その間にいろいろ調査を行ないまして推定をいたしましたところ、これも確実な数字ではございませんけれども、少なくとも一回は麻薬の経験があるという人を含めますと約五千人程度は一ぺんでも経験がある人がいるんじゃなかろうか。これは大体基地関係を含めまして、いろいろ接客業をしておられます人のほぼ半分近くの人になるのではなかろうかというふうに推定をしております。
○須原昭二君 米軍関係者について御報告はないんですが、私たちが聞いておる範囲では約一万人だというふうにいわれていますね。それで、沖繩県人は大体いま御報告のあったように五千人くらい。この数字を本土と比べますと、一億人口の本土の麻薬使用者、乱用者といいますか、これが大体六千人だといわれております。沖繩県における人口約百万と計算をして五千人、それに米軍の関係者一万人を加えると実に一万五千人ですか、その密度は日本に比べると二百五十倍、まさにあの地方と日本の広い本土、これと比較をいたしますと、面積を考慮すると、おそるべき状態だと私は指摘せざるを得ないわけです。したがって、沖繩における麻薬事犯及び乱用者の実態をまず掌握することが最も基礎的な問題として重要な問題ではないか。したがって、系統的な調査というものがなされているかどうか、その点について御答弁を願いたい。
○政府委員(武藤き一郎君) 系統的な調査につきまして現地にもいろいろ問い合わせたり、あるいは当地に参りました者に聞き合わせましたけれどもなかなかつかめないので、私どもが独自に判断をいたしまして警察や厚生当局、それから捜査機関の一部のもの、米軍の捜査機関の一部の方等に短時間聞きまして、その集計といいますか、その推定的な集計が五千名にのぼったということでございます。
○須原昭二君 私が言っているところは、人間をつかむということだけではなくて、そうした沖繩における麻薬事犯が多いので、どこから密輸されて、どういうふうなところに潜在をしておるのか、そういうところを系統的に調査する必要がある。この調査の必要性についてはすでに十二月の段階で、たしかあれは沖繩の特別委員会でしたか、ただいま系統的な調査をひとつ米軍あるいは現地の琉球政府等に依頼をしてやっておる、こういう報告を受けておるわけですが、その点はどうなっておるのか。その結果について御報告願いたいと言っているのです。
○政府委員(武藤き一郎君) そういうふうな意味の系統的な調査でございますが、それにつきましては沖繩における麻薬犯罪は従来沖繩に駐在しております米軍人あるいはいろいろ訪問をされる芸能人あるいは旅行者というものが中心であったわけでございます。ところが最近は、ここ四、五年はバー、あるいはそういうふうな接客的なグループを中心に一般の沖繩の青少年の中にも拡大されてきているという、こういう憂慮すべき状況にあるということでございます。それから内容としましても、従来はどちらかというと大麻が非常に中心でございましたが、最近はヘロイン、LSD等までがいろいろふえてきているということが内容的なものでございます。 それから、いわゆる密輸グループの問題は、従来は大体外国の民間人が中心でございましたけれども、これに沖繩人も参加をして密輸グルーブがあるということが特筆すべき状況でございます。それから先生がいまお話しになりましたかと思いまするが、南方、特に香港、バンコク等との往来が非常に便利になってきておりますので、そういう方面との密輸関係が非常にふえてきているということでございます。それから麻薬使用によりまして、死亡者、あるいは入院者等も少数でございますけれども、出てまいりまして、いわば憂慮すべき状態も一部にはあらわれておるということが沖繩におきます麻薬関係の大体の実態になっておるようでございます。
○須原昭二君 いや、私がお伺いしたのはそういう内容でございますが、厚生省は現地の琉球政府あるいは米軍捜査機関、あるいはまた、その両機関の病院、診療所、保健所、こうしたものに調査を依頼をされたと聞いているのです。それは事実かどうかということをお尋ねしておる。
○政府委員(武藤き一郎君) 私どものほうの担当官を派遣する前に依頼をいたしまして、その結果、向こうに参りましたときにつかんできました状況がいま申しました人数、あるいはいま私がかいつまんで申しました概況の内容でございます。
○須原昭二君 いや、私のお尋ねいたしたのは沖繩における麻薬事犯あるいは乱用者の実態を掌握するために系統的な調査を実はいまやっているのだ、十二月の段階でしたか、こうおっしゃいました。そこで、それが一応、いま四月二十五日ですから、もうすでにぼくは統計的な調査の場合、一応不十分か、内容はともかくとして、データが出てきていると私は予測しておったのです。その点は出ているのかどうか。大体二カ月ぐらい調査期間が必要だとさえ言われておったわけですが、その点はどうなんですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 掌握件数につきましては先ほど私が申し上げました。
○須原昭二君 調査をやったかやらないかということですよ。内容じゃないです。
○政府委員(武藤き一郎君) 調査を依頼しまして、調査をいたしました。
○須原昭二君 その二カ月間かかると言われて、どのように調査をされましたか。その調査方法ですが……。
○政府委員(武藤き一郎君) 厚生局の薬務課に調査を依頼したわけでございます。あと薬務課が警察当局と向こうの米軍当局と折衝したと思います。
○須原昭二君 そこで、いま報告願った、ごく簡単な報告があったわけです。それが一応その結論ということで承ってもいいですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 概要はもう少し数字的には申し上げるものがございますけれども、特徴はそういう私が先ほど申し上げたとおりでございます。
○須原昭二君 一応その調査の結果についてひとつ資料出していただきたいと思います。これはまたお願いをいたします。
○委員長(中村英男君) よろしいですね。
○須原昭二君 ただ、問題は、まだわれわれ国政の掌握下にない沖繩のことですから、手にとるような調査はできないと私は思います。その点はよく、わかります。しかし、これが、これから沖繩の麻薬行政を担当する厚生省としては、基礎的にそういうものを掌握しておかなければ完全な麻薬行政を担当することはできない。ですから、これは十二分に留意をして今後対処していただきたいと、かように思います。 そこで、時間の関係がございますから前へ進んでまいりますが、そういう沖繩に麻薬事犯なり、麻薬乱用者なり、あるいはまたいまお話のような密輸といいますか、そういうものを通じて、沖繩に多くの麻薬が潜在をいたしておる。こういう状態が生み出された原因というものはどこにあるのか。これが大きなやはりこれからの対策上必要な要点だと思います。したがって、こうした麻薬事犯、あるいは乱用者が多発している理由はどこにあるのか。厚生省はどのようにお感じになっておられますか。
○政府委員(武藤き一郎君) 先ほど私は沖繩におきます乱用者の実態の特徴ということを四、五点申し上げましたが、その中に尽きていると私は思います。 第一は、米軍の関係者が非常に多いこと、それから第二はそれに関係します接客業等のいわゆる業態がかなり非常に多く、かつまたいろいろの弊害を生んでいること、それから地理的に香港あるいはバンコク等の南方との距離的、あるいは台湾等々含めまして南方との距離が近く、かつまたそういう方面との外国人の往来が激しいこと、そういうことが主たる原因ではなかろうかと、私は考えております。
○須原昭二君 まず、第一原因としては、やはりこれはベトナム戦争に大きな私は関係があると、こう私たちの立場からは指摘をせざるを得ないんです。特に戦場にかり出される米軍軍人、これがアメリカ本土から沖繩にやってきた。そういう関係の中に一つの原因がある。あるいはまたベトナム戦争から帰休した際に、御案内のとおり、ベトナムでも非常に麻薬が多いわけでありますから、これを持って帰る米兵、これに問題がある。それらを持っておるところの退役米人、米軍軍人ですね、退役米軍人、こうしたものにまず問題があろうかと思うんですが、その点はどうですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 先生がおっしゃることは大半、私は的を得ていると思います。
○須原昭二君 それを通じて、いわゆるいま薬務局長からおっしゃいました、これら米軍人が慰安のために歓楽をする地帯、いわゆる那覇だとかコザだとか、いわゆる米軍人の出入りするバー、あるいはまたそこに働くホステス、ボーイ、あるいはまたバンドマン、これらに関係がある、あるいは売笑婦を通じての暴力団、こういうものがまず第二原因として浮び上がってくると思うんですが、その点はどうお感じになりますか。
○政府委員(武藤き一郎君) 私も、先ほど、その点につきましては、いわゆる接客業者の非常に多いこと、そういうグループのいわば乱用等が特徴であるということを申し上げたが、申し上げましたとおりでございます。
○須原昭二君 そこで、そういうところから日本人の今度は家庭の中へ入ってくる。とりわけ一般青少年にまで、家庭の中に入っている現実があるわけです。したがって、こうした小さい青少年の皆さんに麻薬が手に渡っていくという経路というものはどのくらい掌握をされておるのか、この点は、どうですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 送致人員につきましては、員数を四十六年は九十三件と申し上げましたが、その中で年齢構成率を見ますと約三分の一は未成年者になっております。
○須原昭二君 この未成年者に対して、いま琉球政府等についてはどのような対策を講じておりますか。
○政府委員(武藤き一郎君) おそらく警察当局が取り締まりの中心になっておりますので、そういう防犯活動を通じての指導と、それからあとは内地と同様社会教育なり教育委員会等の指導等が行なわれていると思いますけれども、なかなか、接客業等の家族あるいはその周辺ということになりますと、私はなかなか指導が徹底しないし、また不十分ではなかろうかとかように推察をいたしております。
○須原昭二君 まあ、こういう事実を見て、いかに沖繩における麻薬問題が大きな問題であるかということは御認識をせられると思うわけですが、そこでですね、麻薬が沖繩に入ってくるまでの経路、この問題について、いま香港、バンコク、南方方面と、こう御指摘があったのですが、この点以外に私は米国本土から入ってくる分、あるいはまた南方の中に入りますけれども、ベトナム戦場から持ち帰ってくる分、これらのいろいろの方向があろうかと思うのですが、この密輸の押収の経過からいってどの地帯が一番多くてどういう状態になっておるのか、その点をつかんでおられますか。
○政府委員(武藤き一郎君) 東南アジアからの密輸あるいは搬入は当然先生がおっしゃいましたようにベトナムからの問題も私は含まれておると思いますし、それから米国からの逆輸入的なものもあるいはあろうかと思います。残念ながら私のほうではその数字等につきましては詳細なデータがございません。
○須原昭二君 米軍施政下にあるわけですから、したがって実態をつかみにくいことは私たちも了承いたします。したがって、五月十五日以降、問題はどこからこの麻薬が入ってくるのか、経路をまずつかむことが対策上私は非常に大きな要件ではないかと思います。したがって、とりわけいま南方、とりわけベトナム等から入ってくる、持ち込みされる量が非常に私は多いと判断をいたしております。したがって、何といっても、この麻薬の多いという理由はですね、問題はアメリカとベトナムの戦争、そうして、沖繩に極東第一のアメリカの軍事基地、これがあるということが最も大きな原因ではないかと私は思うのですが、その点はどうお考えになっておりますか。この点は厚生大臣にお尋ねしたい。
○国務大臣(斎藤昇君) まさしく須原委員のおっしゃるとおりだと私も観測をいたしております。
○須原昭二君 まあ、こういう点からも、やはり沖繩にアメリカの軍事基地、とりわけキーストーンといわれるような最大の基地があるというようなことが大きな原因であることを私たちは指摘をせざるを得ないし、平和的な島に返還をさせることを私たちは要求してきたのもここに問題があることを御認識をいただいておきたいと、かように存じます。 そこで、問題は、その米軍基地あるいは米軍帰休兵あるいはまたベトナムへかり出される米軍、こうした背景において沖繩に麻薬が多いと、こういうことでありますが、したがって、その軍事基地、いわゆるアメリカ軍がおります軍事基地から麻薬が出てくる。基地の中にも私は潜在をしておるし、その介在に米兵があるわけでありますから、この基地から出てくる、基地関係者から出てくる麻薬をどのようにチェックをしているのか、あるいは今後、復帰後どのようにこれをチェックするように対処していかれるのか、この点のお考えをまずお示しを願いたいと思います。
○政府委員(武藤き一郎君) 現在は基地内につきましては米軍の捜査の専門当局がやっているわけでございます。もちろん日本当局との間に捜査の連絡会等が開かれておりますし、法律的には、同意を得れば日本の捜査当局も捜査ができる仕組みになっております。現在、そういう関係でございますが、復帰後は、さらに私どもの取締官事務所も参りますし、それから海上保安庁の取り締まり当局も沖繩に事務所ができる予定でございますので、そういうふうな強化された取り締まり機関と米軍との間にさらに緊密なる捜査会議等を設置して万遺憾なきを期したいと、かように考えております。
○須原昭二君 米軍の捜査機関はどこですか。
○政府委員(武藤き一郎君) CID——通称CIDと呼んでおりまして、これは陸軍の憲兵司令部だと思います。
○須原昭二君 米軍のこの憲兵司令部ということなっておりますが、これは陸軍であって、海軍、空軍についてはどのように捜査をされているのか、捜査機関はどうなっているのか。
○政府委員(武藤き一郎君) 現在、向こうの捜査機関と連絡をとっておりますのはCIDでございますが、いま先生がお話しになりましたように、空軍あるいは海兵隊等にもそういう捜査当局がございますので、おそらく米軍としては、そちらのほうとの連絡をとっておるというふうに私どもは、そのように推定しております。
○須原昭二君 琉球政府の取り締まり機関はどこですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 警察とそれから税関、それから厚生局に薬務課というのがございまして、ここに三名の麻薬取締員が存在しております。
○須原昭二君 先ほど薬務局長がおっしゃいました麻薬の取り締まり合同会議、これが一九七一年一月から合同会議が持たれているわけですね。その合同会議の構成内容を調べてまいりますと、先ほどおっしゃいました琉球政府の厚生局の薬務課、警察、税関、そして米陸軍憲兵司令部、すなわちCID、この四つの機関が合同会議をいたしておるわけです。私は、後ほど指摘をいたしますが、昨年七月でしたか、岩国に海兵隊の空軍ですね、空軍の飛行機の羽の下に麻薬を隠して、そして沖繩から岩国へ飛来をしてきているわけです。したがって、陸軍だけがこの捜査をしたってだめなんです、完全ではないわけなんです。海軍も空軍もこの合同会議の中へ入れるべきだと私は思うんですが、その点はどうなっていますか。
○政府委員(武藤き一郎君) いまの先生の御設例の岩国の問題でありますが、これは岩国にあります米軍の税関が発見いたしまして、岩国の警察署に引き継いだ事件でございます。やはり、いま先生御指摘のように、それぞれの米軍関係でも部隊がございますので、やはり一応こちらが中心となっております。向こうの連絡機関によく関係部局との連絡をしてもらうということが重点でございますし、それから岩国の例にありますように、まず税関といいますか、そういう外からの搬入につきましての捜査当局が第一義的に厳重に捜査、監視をするということが必要ではなかろうかと、かように考えております。
○須原昭二君 その合同会議は先ほども申し上げましたように一九七一年一月から麻薬対策会議が開催されております。したがって、そのまず構成の段階で、米軍の陸軍だけが入っておって、海軍、空軍が入っていないところに一つの問題点が私はあると思う。いま一つは民政下にありますから、琉球政府が指導者になって、指導的な立場で会議を招集しておるのか、あるいはまた米軍が指導的な立場に立って会議を招集をしておるのか、運営をしておるのか、この点は民政下でありますから、もう予想がつきます。これが五月十五日、日本に復帰になってから、本土に復帰になってからどういう形で運営されていくのか、ここに問題点が一つあると思いますね。その点はどう対処されようとされますか。
○政府委員(武藤き一郎君) 内地におきましては、いま沖繩では陸軍だけの——形式的に陸軍だけとの連絡しかとれていないんじゃないかという御指摘でございますが、内地におきましては空軍、あるいは海兵隊とも連絡をとってやっております。したがいまして、復帰後は私どもの事務所もできますので、少なくとも内地と同様各連絡機関を網羅して合同会議をやりたい、そのように考えております。
○須原昭二君 その合同会議は昨年の一月から一年四カ月経過しておるわけですが、この合同会議がいつどこで、そして今日まで何回開かれたのか、この点つかんでおられますか、会議の実績ですね。
○政府委員(武藤き一郎君) 合同会議は四十六年一月、つまり年年の一月から菊かれておるようでございます。回数等は不明でございます。それから捜査班等も警察とCIDとの間で具体的に共同捜査班ができておりますが、これは七一年、つまり昨年の七月から合同捜査班が警察との間にできておるようでございます。回数等も不明でございます。そのほか実績は出ております。
○須原昭二君 現地の報告を聞きますと、この合同会議というのは形式的で、やはりアメリカ軍が指導的な立場に立っておるものですから、なかなかうまくいっておらない感じの報告がございます。したがって、今度わが日本の国政下になるわけですから、当然厚生省が中心になってこれは強力に私は進めなければならぬと思います。特に麻薬事犯が多い、麻薬の密輸が多い、乱用者が多いということで、形式的に合同会議が持たれておる。これは名前だけである、名前だけではないかというような声さえあるわけですから、その点は今後留意をしていただきたいと思います。 さらに軍民合同捜査班というのが昨年七月持たれております。そこで、軍民合同捜査班というのはたしか琉球警察官が五名、そしてアメリカの陸軍の憲兵司令部から捜査官が十五名、二十名で捜査が行なわれておるという報告を受けておるわけですけれども、今日までどれだけの効果、立件の事犯件数、そうして検挙人員であるのか、これをひとつ御説明を願いたいと思います。
○政府委員(武藤き一郎君) ただいまのお話の捜査班が昨年七月から暮れまでに検挙しました事犯は六十一件、六十八名でございます。 で、内訳は、沖繩人が十九人、それから軍人軍属三十一人、外国の民間人が十八名。押収量は、LSDが千二百錠、ヘロインは千グラム、大麻は六万七千グラムでございます。
○須原昭二君 それからもう一つ、基地の中にあるのはアメリカ軍が直接やっておると思うのですが、問題は、基地へいかにして入れないかということがまず先決だと思うのです、日本の政府としては。したがって、麻薬の基地内搬入防止が私は先決であると思うのですが、今後これをどのようにチェックをできるのか、きわめて方法はむずかしいと思うのですが、ゲートなんかで調べるといっても、これはアメリカ兵が、アメリカ軍がやるわけです。中へはわれわれの手が及びません。したがって、まず中へ入れないように考えなきゃならないのですが、その具体的な方法、こういうものについてどう検討されておりますか。
○政府委員(武藤き一郎君) 基地の問題は、先生お話のように、非常にむずかしい問題でございますが、やはり直接的な問題につきましては、米軍の税関、それから捜査機関が中心となってやってもらうほかなかろうと私は考えております。そのほか、一応民間経路のものにつきましては、現在でも沖繩に税関がございますが、このほか海上保安庁等も新しくできますし、私どもの事務所もできますので、まあ、そういうふうな、あるいは警察等、そういう麻薬の関係します捜査機関がよく連携をとって厳重にやっていく。 それから基地内との連携は、そういう機関と米軍内の捜査機関が、単に、先ほど先生から御指摘になりましたように陸軍だけではなくて、空軍、海軍等も含めた合同連絡機関というようなものをやはり有機的に、かつ強化の方向で運用していくということが必要ではなかろうかと思います。
○須原昭二君 そこで、現在、沖繩本島には麻薬取締官は一名——たった一名です。それから沖繩の琉球政府が持っております麻薬取締員が二名、計三名で取り締まりに当たっているわけですが、これでは医療機関の麻薬業務を取り調べるだけで精一ぱいだと思うのです。そんな外のことは全然タッチができないのではないかと思うのです。そこで今度は厚生省は、麻薬取締法の一部改正法律によって定員を増加させようということなんで、その意図はよく私たちはわかります。しかし、九州地区の麻薬取締官事務所沖繩支所というところの設置に伴って、麻薬取締官の定数を十名増加をする、これが今度の一部改正の法律案の要旨、骨子です。この十名増加をすることになっておりますが、実際沖繩に配置をされる取締官はどれだけますか。
○政府委員(武藤き一郎君) 現在、御審議中の法案は十名の増加になっておりますが、私どもとしては沖繩には十三名の配置計画をしたい、かように考えております。
○須原昭二君 沖繩に十三名行くんですね。そういたしますと、この三名はどこから持ってくるのですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 差額の三名は現在、内地から振りかえる、こういう予定でございます。
○須原昭二君 そうすると、後ほど沖繩と本土との関係についてその際にお尋ねをいたしますが、三名こちらから持っていけば、こちらのほうが定員三名減るわけですね。それと定員五%削減との関係はどうなるのですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 定員削減は例年何回かずつ行なわれておりますが、私どもはこの人数のほかに十二、三名の事務職員をかかえております。定員削減のほうはそちらでやって、いわゆる取締官のほうには及ぼさないように努力しております。
○須原昭二君 それは、努力をするということは、一人が二人分の仕事をやるというふうに解釈していいのですか。それは非常に事務の、本人一人に対する大きな過重になるということになるのですね。その点はそうなんですね。
○政府委員(武藤き一郎君) 事務職員が半分に減らされますと、一人で二人役でございますが、例年数名程度、本年は二名の予定でございますので、その分をほかのものが少しずつ肩がわりをするということになろうかと思います。
○須原昭二君 国内のほうでまたお尋ねをしますが、百六十名ですね。いま国内のほうは。そうすると、また三名減って、さらに定員の削減でやっていけば毎年何か二、三人ずつ減っていく、こういう報告を受けておりますが、その点そうですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 取締官には、先ほど申し上げましたように、定員削減のほうは、私どもはいたしておりません。事務職員でもっていわばかんべんしてもらっているわけでございます。結局、一般事務の合理化によってその点に対応しているわけでございます。できるだけ取締官は減らさないようにということで、現在までやってきております。
○須原昭二君 厚生大臣、これは麻薬の問題だけではなくして、いま日本の中でこの薬の問題について、きわめて大きな問題がたくさんあるわけです。どうも政府は施策の軽重、ものの順序というものは問わなくて、一律に五%削減をするというのですが、こういうことはおかしいと思うのです。特に厚生省における薬務行政の中における定員というのは、いまこそ私はふやさなければならない段階にあると思うのです。それを削減をするというのは逆方向だと思うのですが、その点はどう対処されますか。大臣から御答弁をいただきたい。
○国務大臣(斎藤昇君) おっしゃいますように、厚生省はどの局の仕事をとりましても、人を減らしていいという状況ではございません。しかしながら、一般に五%の削減という、これは各省を通じた総定員の中で減らすわけであります。そこで、減らす場合に、まず事務職員の能率を上げるという意味から、事務職員を減らす、そのかわりに新しくふやすところはふやすというようにいたします。全体といたしましても、厚生省の全体の定員と、今度削減をいたします数は、たしか計画として三%程度であって、五%に及んでいないということになっているわけであります。やはり仕事の緊要性というものを見ながらやっているわけでございます。ただ、そういう原則があるものですから、新しくふやす場合にも、非常にむずかしいという実情がございますが、一般に役人が多過ぎるという、これにこたえるためには、やはりそういうことをやって、それからできるだけいろいろな機械その他を入れることによって能率をあげていくということをやることがやはり何といいますか、一般の世論にこたえるゆえんであろうかと、こう思っているわけでございます。
○須原昭二君 まあ、事務職員だけをその対象にしていかれるということなんですが、結局は、たとえば麻薬というふうな事犯を告発する、その文書なんか事務職員が書くのですね。これが定員が少なくなれば取締官がこれを自分で文書に作成しなければいけないわけです。そのひまだけ取締まりがおざなりになるわけなんです。したがって、これは相互関係がありますから、事務職員なら五%削減の対象になっていいんだと、こういうものの考え方は私は至当ではないと思う。したがって、この際厚生大臣、この薬の問題で、これほど国内でもさまざまの問題点から指摘をされ、あるいはまた、調査することや、行政に当たることすら、各面にわたって人が足らないという現状を踏まえていただいて、大蔵省当局あるいはまた人事当局に強い姿勢でひとつ臨んでいただきたい、この点は要望申し上げておきたいと思います。 そこで、今度は入院措置の方法の問題です。いま沖繩で麻薬常習者に対する措置のあり方について、精神衛生法で措置入院をさせておるわけですね。この精神衛生法によるところの措置入院というのは非常に対策としては弱いと思うんです。本土では麻薬取締法で措置をいたしておる。したがって、復帰後、このような、本土と同じようにやられるかどうか、まず承っておきたいと思います。
○政府委員(武藤き一郎君) 現在はいまお話のように精神衛生法による措置入院によってやっておりますが、復帰と同時に麻薬取締法が適用になりますので、それによります収容制度に切りかえたいと、かように考えております。
○須原昭二君 そのようにひとつお願いしたいということと、もう一つは、この措置入院の施設が私は非常に不足をいたしておるんじゃないかと思うんです。ですから、措置入院施設について、不足をいたしておる現実をとらえてどうこれに対処されるか、この点が問題点の一つです。いかがですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 精神病院の実態につきましては、現在四百床あるようでございます。そのほか精神衛生法によります指定診療所としては七ヵ所があるようでございますが、問題は、麻薬の中毒患者につきましては、私どもとしましては現在、復帰と同時に——現在は四人ほど措置入院が行なわれてておりますが、私どもは約十人程度——少なくとも十人程度のあれを必要だと思いまして予算措置をやってるわけでございますが、あと、まあ精神病院のいわゆる精神障害者で措置入院をすべき者の実態が、私どもはちょっとここでつかんでおりませんけれども、それとの関係がございますが、麻薬自体に関します限り、私どもが受けております報告では現在の精神病院をそのまま活用すれば何とかいけるんではないか、まあ、こういうふうに感じております。
○須原昭二君 もう一つ、麻薬中毒者の相談員制度、これは本土のほうでは三十八年から実施をされております。その点について、沖繩において、どのような対策をされるかということなんですが、特に予算案を見ますると、麻薬中毒者の収容保護費、これは国庫負担がたしか二分の一だったと思うんですが、八十万円か八十五万円ですね、しか出ていないわけですが、この保護費で何人分ですか、これ。
○政府委員(武藤き一郎君) 十人分の予定でございます。
○須原昭二君 まさにたった十人分と。こんな十人分ぐらいの予算組んでもこれはたいへんだと、実態を考えるとまさにこれは名前だけの保護費だと私は言わざるを得ない。機会を見て増額をされるなり、ひとつ御検討いただきたいと思います。 で、沖繩の場合に相談員は何名配置させる予定ですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 相談員の関係の予算は、百二十万程度予算を組んでおります。これは二分の一補助でございまして、内地の例によりますと大体少なくとも十五名は設置できるというふうに踏んでおります。 それから、なお先ほどの八十万で足りるかというお話でございますが、これは人数がふえれば当然義務支出になりますので、国庫負担を増加する必要があるということでございます。
○須原昭二君 本土は何人ですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 二百八人だというふうに記憶しております。
○須原昭二君 そういたしますと、本土はそれだけたくさんの人がいて、実績を見ますと、五千四百三十五名の人を九千二百三十九回、四十四年度は観察指導を行なっているわけです。それだけの人間があるからこれだけできるわけですが、沖繩は先ほど御指摘があったように五千名くらいおるのですから、これをやはり観察指導するのに十八名で対処するということは、まさにこれまた名前ばかりではないか、こう指摘せざるを得ないのですが、その点はどうお考えですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 内地の例もそうでございますが、相談員が主として担当いたします方は、入院をしたり、あるいは要入院に近いような方の、いわば重い方を主として相談しているわけでございまして、一ぺん吸ったとか、いろいろ不良行為の途中で吸ったというような者につきましては、やはり取り締まりの強化、あるいはその他の指導等によってやりますので、十五、六人の相談員で五千人を全部ケアする、あるいは管理するということではございませんので、そのようにお考えをいただきたいと思います。
○須原昭二君 本土では二百何十人おって、そうして六千人くらいの麻薬中毒者、こちらの沖繩のほうは十八人で多くの人を見なければならない、こういうところに大きな格差があるわけです。したがって、これは沖繩県が自己、県費支出でやらざるを得なくなると私は思います。したがって、これは沖繩県が積極的にやる場合には、二分の一の国庫負担でありますから、これをどんどん出すようにぼくは対処されなければいけないと思います。その点厚生大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(斎藤昇君) 沖繩の麻薬常習者が何人いるか、この五千人全部常習者であるかどうかという点もまだ十分把握をしていないようでございますが、復帰をいたし、施政権がこちらにまいりましたら、それらの点を的確につかみまして、そうして、実際、実情に応じて必要な予算も増していくということをやらなければなるまいと考えます。私は、考えますのに、沖繩では麻薬関係の事柄は、知事の職責のあれではありませんが、沖繩県政としては、私は麻薬と売春というものが内地の知事よりも特に意を用いてやらなければならぬことであるし、またそうであろうと思います、権限のあるなしにかわらず。したがって、知事を中心にいたしまして麻薬と売春というものが、少なくとも内地程度になるように努力をしてもらう。それに要する金、援助等は惜しみなくやるという態勢でなければなるまいと、そういうようにまたなるであろうと、またならしたいと、かように考えておるわけでございます。
○須原昭二君 やはり百二十万、十八人程度の中毒者相談員では私は焼け石に水と言ったほうがいいんじゃないか。したがって、いま厚生大臣が前向きの答弁がございましたが、ひとつ沖繩県とよく御相談願って、自後援助額をどんどん高めていただくように特に要望して、時間の関係上、次にまいりたいと思います。 そこで、沖繩対策はこれからですが、五月十五日日本に帰ってくれば、本土に帰ってくれば、この沖繩と本土との自由往来がきわめて活発になるわけです。そこで、一番私たちがおそれることは、幸いにして、厚生当局の努力によって本土の麻薬事犯は非常に少なくなっているわけですね。少なくなっているところで、自由往来になりますと、沖繩の麻薬が本土へ潜入してくる可能性はきわめて高いと言わなければならない。特に、われわれの表現で言うならば、本土の沖繩化ということばが核の問題や何かについて言われておりますが、麻薬についても、本土の沖繩化が私は始まるのではないかというおそれを持つわけです。したがって、ここで、やはり本土——沖繩ルートによる——日本、本土へ入ってくるのを、いかにして本土で水ぎわで押えるか、防ぐか、ここに一つの大きな問題点があると思うわけです。したがって、潜入あるいはまた密輸のルートを考えますと、まず一つは船だと思う。それからもう一つは航空機、これによる携帯搬入、いま一つは新たにLSDなんかはきわめて簡単でございますから、たとえば郵便の小包によってこちらへ入ってくる可能性があると、こういう方法が私たちは予測ができると思うわけです。したがって、本土内における取締官を私は総動員をしなければならないと思うのですが、その取締官をどのように考えられておりますか。
○政府委員(武藤き一郎君) 沖繩が復帰いたしまして沖繩からの交通の便で一番考えられますのは、空港では、いまおっしゃいましたように、私どもとしては羽田、大阪、福岡、鹿児島、それから港では、船で申しますと東京、大阪、神戸、鹿児島と、この四つの空港なり、港湾が一番接触が考えられるわけでございます。現在でも警察、税関、海上保安庁、その他と連絡をとっておりますが、特にこういう地域につきましては、従来あります合同協議会といいますか、捜査会議といいますか、そういうものを活発にすることが一つ。それから、それぞれの関係機関、これは厚生省も含めてでございますが、こういう地域につきましては重点的に取り締まりの人員なり、捜査の重点を移行するということが必要じゃなかろうかと、かように考えております。 ちょっと先生が申されました郵便物の問題は、これは郵政省のほうの所管でございますけれども、非常に捜査が、郵便の検閲につきましては厳重な法律規制がございますので、なかなかむずかしいわけでございますが、これも、やはり捜査の過程でいろいろ疑わしいものにつきましては、法律にのっとって措置をするほかはないと、かように考えております。
○須原昭二君 この警察、関税、海上保安庁、郵政、運輸、これらすべて一ぺん集めて、この対策をひとつぜひとも考えていただきたいと、かように思います。 さらに、昨年の十一月の初旬だったと思いますが、全国薬務課長会議ですか、これが開かれましたね。そのときに、初めて沖繩の、琉球政府の薬務課長が出席をいたしました。私たちも、特異な現象でありますから、初めてのことですから、関心を持ったのですが、そのときの会合の中で、沖繩の、琉球政府の薬務課長は、もし復帰になったら一番まず困るのは鹿児島県であろう、こう指摘しているわけですね。海路でいうならば、先ほどお話しがございましたように、まず近くの鹿児島県、空路でいうならば鹿児島、福岡、大阪、羽田、まあ、このあたりはこうしたものが直接入ってくる経路である。その他海路でも、船でも大阪だとか神戸だとか、あるいはまた東京にも直接フェリーが入っておりますから、そういう関係で、こういう上陸をしてくる可能性のある水ぎわでいかに押えてしまうかということが非常に重要な問題点だと私は思います。したがって、この問題については、いま、これからのことですから、ひとつ対策を厳密にしていただいて、関係機関を動員をして、早急に対策を立てられる。もうすでに五月十五日、あと一ヵ月もないわけですから、その点を特に要望しておきたいと思います。 いま一つは、われわれ日本の国内だけで、日本人の間でやっておるだけでは私はまかりならないと思います。先ほども御指摘いたしましたように、昨年の一月、沖繩本島から岩国へ飛ぶ米軍用機の翼の下に麻薬を隠して、そうして本土へ入ってくる、こういうことが新聞で伝えられているわけです。したがって沖繩の米軍だけではなくて、こちらの在日米軍、あるいはまた、アメリカ大使館、こうしたものに連絡をとって、日本の主導性のもとにこの対策を講ずべきだと私は思うのですが、その点はどうですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 現在でも米軍関係との連絡は相当緊密にやっておるわけでございますが、復帰後は、さらに現在以上の連絡をとって、厳重にやっていきたいと私どもとしては考えております。
○須原昭二君 そこで、これからの麻薬行政の中で、新しい傾向というのは、本土の中ではLSDをはじめとする幻覚剤あるいは覚せい剤、こういうものの事犯が多いと私たちは思っておるわけです。したがって幻覚剤に対する対策、覚せい剤に対する対策、こうしたものに対して厚生省はどういうふうな対策を講じられておりますか。
○政府委員(武藤き一郎君) 幻覚剤と覚せい剤の問題でございますが、幻覚剤の問題は新しい問題として各国も悩んでおるわけでございます。私どもとしては、現在LSDにつきましては、麻薬取締法の中で麻薬に準じて指定をしまして、麻薬と同様の取り締まりをやっているわけでございます。そのほかの、まだつまり、密輸品として発見はされておりませんけれども、密輸その他の心配があるものにつきましては、現在、標準品あるいは構造確認等のできないもの、あるいは鑑定法が不確かなものもございますので、その点の研究を進めますと同時に、広く申しますと、昨年の二月に国連で向精神剤に関する条約が採択されたわけでございますが、これに昨年の暮にわが国も署名をいたしまして、批准の準備を始めておるわけでございますが、この向精神剤の範囲は、麻薬、LSDをはじめとしまして、いま先生御指摘の覚せい剤を含む、あるいは睡眠剤を含むということで、広い非常に重要なものを含んでおります。現在、いろいろの法律でそれぞれの対策がなされておるものもございますし、不十分なものもございます。したがいまして、今後はこの向精神剤の条約の批准を目途としまして、こういういわば麻薬その他の薬剤についての新しい不正使用の傾向につきまして、総合的かつ強力な取り締まりをするために法律の改正等が必要ではないかということで、いま緊急に取り組んでおります。
○須原昭二君 向精神剤に関する条約、・これは十二月の十二日でしたか、政府は署名をされましたね。この問題について批准をする。それでこれを発効させるためには何か批准国が四十カ国にならぬと発効しないという話を聞いておりますが、その実態はどうなっておりますか。
○政府委員(武藤き一郎君) 四十カ国が批准書を寄託した後に発効いたすことになっております。
○須原昭二君 その批准をするにあたって政府はいつごろやられるつもりですか。厚生大臣。
○国務大臣(斎藤昇君) なるべく早くいたしたいと思いますが、まあ二年ぐらいは必要とするのではないだろうかと、かように考えます。まあ、諸外国の批准の状況も見ながらやってまいりますが、しかしこれは諸外国依存ということでなくて、わが国として準備のできる限りすみやかに準備をして批准をしたいと思います。
○須原昭二君 二年というと長過ぎますから、半分にしてもらってもいいんじゃないかと思うんですがね。これはひとつ前向きで、特に、この沖繩を控えている日本の立場から言うならば、諸外国に先んじて私は批准をしていただきたい、こういうふうに要望したいと思います。とりわけその条約の批准に伴ってかえってゆるくなる部面ときつくなる——きつくなるところはいいんですが、ゆるくなる条項が私はあると思うんです。そういう点はどうですか。
○政府委員(武藤き一郎君) もちろん条約でございますので、条約に現行法を対置しますと、強い部分、弱い部分がいろいろあるわけでございますが、条約では、別に強い部分は問題ないというふうになっておりますので、私どもとしては、強い部分は現状どおり、弱い部分は条約まで引き上げるというつもりで研究をいたしたいと、かように考えております。
○須原昭二君 まあ、ゆるいところも国内法でこれは処置はできますね。そういう考え方でしょう。
○政府委員(武藤き一郎君) これに関係します条約は、麻薬の関係を除いても大麻、覚せい剤、あへん法それから薬事法ということでございます。したがって強くする場合にはこれらの法律を当然改正する必要があるということでございます。
○須原昭二君 どうして批准を早くしてくれということを私たちは要望するかといいますと、国内だけあるいはまた沖繩だけで対策を講じておっても入ってくるのはよその国から入ってくるわけで、したがって、わが国は早くこの批准をして、諸外国に協力を求めて、日本へ、沖繩へ入ってこないように対策を講ずることが必要だと思います。そういうことから、この批准を厚生大臣、二年間とおっしゃいましたけれども、これは一刻も早く批准をして、そして、諸外国に認識を改めさして、諸外国に協力を求めるような方法をぜひともひとつ考えていただきたいと思いますが、あらためてもう一ぺん大臣の所見を承っておきたいと思います。
○国務大臣(斎藤昇君) 来年の国会に全部、いま局長が申しました関係法案の改正ができるというようにまあいたしたいものだと私も思うのでございますが、若干いまここで、来年は必ずやりますというところまで確信が持てないようないろんな関係方面との手続等がございますので、まあ、私は非常に慎重な態度で二年以内というように申し上げたわけであります。
○須原昭二君 特にLSDをはじめとする幻覚剤による傾向というものは非常に強くなってきているわけですね。戦後、三十九年の本土内におけるピーク、いわゆるヘロインの使用、これはもう厚生省のほうがおっしゃっているように貧困からの逃避、そういうことからヘロインがたくさん使われたわけです。しかし最近の高度に発達をした繁栄社会の不安と緊張、今度はこれから離脱しようとする、いわゆる繁栄からの逃避と政府も言っておられますが、このことばが至言かどうかは別といたしまして、いわゆる大麻やLSDの幻覚系の麻薬が多く使用されておる。したがって、今度政府は何か二千万円ぐらい予算を組まれて幻覚剤の対策に投ぜられると伝えられておりますが、これは内容は何ですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 本年度、幻覚剤につきまして、初めて二千万円の予算を組んだわけでございますが、この品目はメスカリン、サイロシン、DMTという三つの幻覚剤につきまして、標準品の作成、それから構造確認、それから鑑定法の確立ということの研究費を組みまして、国立衛生試験所でこれをやりたい、かように考えております。
○須原昭二君 二千万円の額が至当かどうかは別といたしまして、先ほどの定員の問題もあり、国立衛生試験所ではさまざまの検体がいま運び込まれているわけです。そこで、またDMTだとか、メスカリンだとかサイロシンだとか、そういうものをさらに持ち込んで、どれだけの期間でこれをやろうと考えられているんですか。
○政府委員(武藤き一郎君) これは四十七年度予算でございますので、四十七年度でこの予算の執行をはかりたいと、かように考えております。
○須原昭二君 本年度じゅうに行なうということになりますと、さまざまの検体がいま運び込まれて衛生試験所で検査をしているわけですよ。したがって、定員問題が、人員の問題が国立衛生試験所におけるところのたいへんな問題だと私は思います。ただ、金だけ積めばものが検査できる、そういうものでは私はないと思うので、この点は、時間もいま委員長から要求されておりますから簡単にいたさざるを得ないんですが、ひとつ国立衛生試験所の定員の問題についても、厚生大臣はとくとお考えをいただいて対処されぬと、金は積んでも一年以内にこの仕事ができるとは私は思いません。早急にやらなければならぬことなんです。どうぞ、その点を十分に考慮していただきたいと思います。 最後に、もう一つお尋ねをいたしておきたいと思うんですが、覚せい剤の取り締まりについて、現在、覚せい剤の取り締まりについては麻薬取締官の任務、権限の中にない、警察なんですね。警察というところはやはり薬学的に専門的にこれに対置することはできないわけで、検挙した、これが覚せい剤であるのか幻覚剤であるのか、何であるのかということを判断をするにはやはり専門的な知識がなくては、これは適切じゃないと思うわけです。したがって、覚せい剤の取り締まりについて、麻薬取締官にもやはり権限を与えるべき私は必要があると思うので、そのためには麻薬取締法、さらにまた覚せい剤取締法、これを私は改正をする必要があると思うんですが、その点は大臣どうお考えになりますか。
○政府委員(武藤き一郎君) これにつきましては先生から御指摘のとおりでありまして、私どもとしましても、警察でもいろいろ関係犯罪との関係で強力に取り締まっておられますけれども、私どもが所管しております麻薬、大麻等とも非常に捜査の場合には一緒に発見される場合が多いわけでございまして、したがいまして、私どもの麻薬取締官のほうでも司法警察官が持てるように現在関係各省と折衝をしているわけでございまして、ぜひそうしたいというように考えております。
○須原昭二君 厚生大臣、どうですか。
○国務大臣(斎藤昇君) ただいま薬務局長が申し上げましたように、また、須原委員が指摘されましたように、やはり麻薬取締官にその司法権を持たせることが必要であると、そのように考えまして関係方面といま接触をいたしております。
○須原昭二君 どうぞひとつ、これからの覚せい剤の取り締まり、国内においては幻覚剤、——幻覚性の麻薬というものがどんどんびまんをするんじゃないかと私は思います。ぜひともひとつ、厚生大臣、幻覚剤の取り締まりを麻薬取締官にも与えるように早急に法改正をしていただきたい、提案をしていただきたい、かようにお願いをいたします。 まあ、時間を催促されておりますから、最後に申し上げておきますが、沖繩における現地の麻薬の取り締まりを適切にするということも大切ですが、いま一つは、本土の沖繩化ということばではございませんが、麻薬の面についてもその傾向というものが非常にわれわれは憂慮されるわけです。したがって、幸いにして三十九年以降、本土内においては厚生省が一生懸命やって麻薬事犯が激減をしているわけですが、これがまた沖繩と同じような状態になるようなことがあっては私はたいへんだと思うわけであります。どうぞ各般の事犯にわたって御要望申し上げました点については、ひとつ前向きに積極的に、国内はもちろん、当面アメリカの大使館あるいは米軍にも協力を求めて、わが国の指導性のもとに麻薬の取り締まりをやっていただくように心からお願いをして質問を終わりたいと思います。
○小平芳平君 簡単に質問いたしますが、今回の厚生省から出された麻薬取締法の一部を改正する法律案、この参考資料には、麻薬取締官事務所定員、それが百六十人、沖繩支所設置に伴う新増として十人、合計百七十人、こういう簡単なものが提出されているだけなんですが、いま須原委員からいろいろ指摘された点を私がそう繰り返すまでもなく、きわめて大きな問題をかかえているわけです、現実には。したがって、定員が十人ふえるんだというような厚生省の取り組みで、はたして十分な効果が期待できるかどうかということを、私は非常に危惧する一人であります。 初めに厚生省に伺いますが、本土と沖繩に分けまして麻薬の入ってくるところはどこから入ってくるんですか、おもなところは。
○政府委員(武藤き一郎君) 沖繩につきましては、先ほどお答えしましたように、香港、ベトナム、バンコク等が一番多いんではないか、つまり東南アジアが一番多いんではなかろうかというふうに考えております。それから、内地におきましては、やはり羽田を中心とします横浜、つまり関東一円、それから大阪を中心とします関西一円、これもやはり南方あるいは米国等からも入ってくるんじゃなかろうか、かように考えられます。
○小平芳平君 きわめてそういう事務的な答弁をしますけれども、要するに、麻薬は国内へ入ってくる前に情報をキャッチし、国内の流通を事前に阻止しようというわけでしょう、取り組む姿勢としては。したがって、どこからそういう情報は、——そういう外国からの情報というのはないんですか。
○政府委員(武藤き一郎君) 関係の大使館から情報をとることになっておりますけれども、そのほかやはり具体的に犯罪者をつかまえて、そういう取り調べの過程でいろいろな外国等の情報等がわかる場合が多いわけでございます。
○小平芳平君 その面の日本の国内に流れ込んでくる麻薬は、もう少し的確に、ベトナムとかアメリカ、韓国あるいはフランス、香港、タイ、そういうような具体的なものがあるわけでしょう。そういうところでわりあいに、比較的簡単に麻薬が入手できる地域があって、そこから情報をとる、そういう情報網が大事でしょう。
○政府委員(武藤き一郎君) 四十五年度に調べました点では、いま先生がおっしゃいましたように、ものによりまして、大体分けますと、アヘンはベトナムや南アフリカ、それからヘロインは沖繩、香港、タイ、それからLSDは沖繩、米国、韓国、フランス、それから大麻はベトナム、米国、韓国、南ア、そのほか二十八カ国にわたっております。これは、いずれも大半は取り締まりを行ないました、その結果による大体の傾向状況でございます。
○小平芳平君 したがいまして、取り締まりの結果、そういう積み出し地がわかるので、そういうおもな送り出し地の情報を事前に取り得る体制が望ましいでしょう。
○政府委員(武藤き一郎君) やはり具体的にはそういった国々が判明しますれば、そういう地域から来訪する外人等につきまして入国のときに厳重にチェックするということではなかろうかと思います。
○小平芳平君 厚生大臣、わが国の麻薬取り締まり行政は、先ほど須原委員も指摘しておられたように大成功をおさめておるんですね。それはどういうところに原因があったか。大臣として、どういう部門が、どういう面においてわが国の麻薬取り締まり行政が成功したかという点と、それからそれと比べて沖繩はあまりにも多いんですね、現実に。なぜ沖繩がそんなに多いと判断されますか。
○国務大臣(斎藤昇君) 私は、わが国における麻薬取り締まりは一応成功しておる、こう言えますのは、やはりこれは全般的に国民全体が麻薬に対して、これはいかぬものだという意識が非常に高揚しておる、その線に沿って麻薬の専属の取締官あるいは警察も一生懸命力を入れて、いまおっしゃいますように、いわゆる密輸組織の解明であるとか、あるいは密輸国から、怪しげなところから麻薬を買っているのではないかということで、いろいろ税関であれをするとかいうように相当力を尽くしてまいったこと、そういうことであろうと、かように考えます。沖繩はどちらかといいますと、アメリカの施政権下にありましたから、そういう点では比較的ルーズであったと、こう言っていいであろうと思います。ことに、あれだけの基地があって、取り締まりをする面におきましても軍関係の連中が持ち込むということも相当多い、こう考えなければなりません。そういうようなことから、アメリカと日本とでは非常な取り締まりについては、また麻薬の用いられておる状態において非常な格差ができておる、かように考えます。したがいまして、復帰いたしましたら、とにかく本土並みのやり方をやり、そうして、一日も早く本土並みにいたさなければならない、かように考えるわけであります。先ほども申しましたように、復帰いたしますれば、沖繩の施政権は県に移って、県の知事が今度は全部責任を政治的にも負うわけでありますから、したがって、沖繩といえば麻薬と売春、その不名誉をなくそうと努力を必ずするであろうと思いまするし、これに対してもわれわれは協力をして麻薬取り締まりは厚生省のことではあるけれども、その実際の行なわれ方について、十分知事の沖繩をきれいにしたいという意欲と即応しながらやってまいりたい、かように考えます。
○小平芳平君 大臣、沖繩の場合、アメリカ軍というあるいは軍事基地という特殊事情があったということ、この麻薬の問題に関しては、どうも先ほど局長は、本土においては米軍と緊密な連携をとってやっているというふうに答弁をしておられすけれども、沖繩が復帰した場合に、ほんとうに緊密な連携をとり、そうして本土並みに早くできるかどうか、それが逆に先ほど来言われているように、今日、現在でも沖繩経由で本土に入ってきている麻薬が指摘されているわけですから、それが簡単に沖繩へ往復できるとなると、非常にそのことがもう差し迫っているわけです。したがって、そういう点においては何ら米軍だからというて遠慮する必要もなければ、当然の人間としての主張ですから、大臣にもっと強い姿勢で、この問題は簡単に取り組める問題じゃないので、もっと強い姿勢でアメリカ軍なり、あるいは国内関係では海上保安庁、税関その他、そういうものとのもっともっと強い協力体制を組んでいかなくちゃならないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(斎藤昇君) 先ほど須原委員おっしゃいましたように、沖繩との交通が非常に便利になってくる。幸い陸続きでありませんので、その点はまだまだと思いますけれども、しかしながら、いまおっしゃいますように、本土に流れてくるということはいままでよりも、より多くなるおそれがある。これは麻薬に関心を持つ各機関すべてそう考えておりますから、したがって、そういった事柄に、これからの麻薬取り締まりは、一つは沖繩を一そう目当てにしなきゃならない。これは麻薬取り締まりに当たる者のすべての感じでございますから、そこで、われわれもそういうつもりで、各機関、協力をいたしまして取り締まりに完全を期したいと、かように考えます。 〔委員長退席、理事鹿島俊雄君着席〕
○小平芳平君 そういう基本的な取り組みで先ほど指摘されたような人員、予算ですね。係官の人数、予算等についても、必要があればもっと繰り出していくということになりますか。
○政府委員(武藤き一郎君) 先ほどからの御説明で、人員、予算等非常に少ないではないかということでございます。私どももこれで十二分だというふうには思っておりません。ただ、今度は復帰しまして十三名の定員を配置するわけでございますが、いまから状況によりましては、内地とのいわゆる一体化をはかって、状況に応じて係員の応援なり、増員なりをする必要があろうかということも考えます。予算につきましても、やはり現在、琉球政府等を通じまして、いろいろ状況を、資料をとって予算を組んでおるわけでございますが、こういう点も直轄といいますか、直接支所を設けまして、いろいろ実態を把握しますれば、それに応じた体制ができるのではないかということで、本年度の措置につきましては、復帰後のとりあえずの措置であるというふうに私どもは考えまして、今後実態に合わして強化をはかっていきたい、かように考えております。
○高山恒雄君 もう質問がありましたので、法の改正は非常に簡単ですが、内容は先ほどから各委員が言われるように重要な問題を含んでおる、こういうふうに考えるわけです。そこで、私は時間もございませんから、ダブった質問は控えたいと・思いますが、二、三、ひとつ質問をしておきたいと思います。 先ほどの報告、答弁にもございましたように、この内地の何倍という多い中毒患者が出ておる、こういう実態から見て、先ほど言われました三分の一が未成年者であるというのは、売春婦と見ていいのか、それとも勤労青少年もそういうものに該当しておるのかどうか、この点、ちょっとお聞きしたい。
○政府委員(武藤き一郎君) 九十五人の送致人員のうち、未成年が三分の一、三十人と申し上げました。 〔理事鹿島俊雄君退席、委員長着席〕 これの男女別、あるいはどういう具体的な人は、統計数字になっておりましてわかりませんけれども、私どもが推測しますには、やはり一般のいわゆる青少年、たとえば大麻等を吸ったり、そういうふうなものが大半ではなかろうかと、かように考えております。
○高山恒雄君 そうでありますと、未成年者がそういうふうにあるという状態であれば、やはり教育面に対する問題が非常に私は重要かと考えるわけです。当然これはまだ保護年齢でありますから、そういう面が、いままで米軍の進駐による事態から見て、非常に抜けておったのではないか、したがって、やはりそういう教育面に対する取り上げ方をこれは強力にやはりやるべきだ、こういうふうに考えていますが、そういう面の検討もされておるのかどうか、お聞かせ願いたい。
○政府委員(武藤き一郎君) 送致しましたものの三分の一が青少年、先ほどお答えしましたように、場合によっては、数千人のいわゆる麻薬に一度でも染まった人がいるわけでございます。そうしますと、その中でも相当の数が青少年の中にもいるのではないかということが容易に想像つくわけでございます。先ほど大臣から、内地につきましての麻薬の取り締まりの成功のお話がございましたけれども、私どもとしましてもやはり一番大切なことは、取り締まりも大切でありますけれども、麻薬に対します正しい認識、啓蒙ということが必要でございます。十年たった現在でも、私どもとしては内地につきましては、毎年ブロックごとに麻薬の撲滅、啓蒙大会をやっておりますが、やはり一ぺん大体おさまりかけた場合にも、こういうことがいつでも必要でございます。いま最盛期にあります沖繩につきましては、もっと強力にこういう点、啓蒙運動をする必要があるということでございますので、先生のいまおっしゃいました線に沿って、やはり啓蒙運動につきまして具体的対策を立てる必要がある、かように考えております。
○高山恒雄君 それから今度の法案で、これは十名の増員ということでやっておられますが、先ほどもこれは質問が出ておりますから、くどく私は申しませんけれども、大臣にお聞きしたいのですが、厚生省のいろいろな資料を見ますと、特に衛生関係における研究その他が行なわれております、そういう意見を聞いても、部員の方の意見を総合しますと、政府がいっておる五%減、こういう問題は全く算術計算のやり方で、現地を一つも掌握をしてない、こういう声が高いのですよ。これは私は近代化された今日の社会において、基準だけをあてがって、十人のところに三%減していくという、これは半端です。それがために、職責上やはり監督をされる局長あり、課長ありするわけですね。したがって、理想的にどれだけの人員が減せるか、事務的にどれだけ合理化ができるのか、あるいは簡素化ができるのか、こういう一つの基準なしに、五%減せというような行き方をしておるところに私は矛盾があると思うのですよ。今度の場合も先ほどからいろいろ質問が出ておりますが、国内では三名減す、そうして沖繩を十三名にする、これも、まあどういうお考えでやっておられるのかわかりませんけれども、先ほどの御質問をお聞きになっても御承知のとおり、一体往来が自由になった場合に、日本の国内がこれだけいままでのあらゆる捜査その他が徹底して非常に減ってきたと、しかし沖繩との往来が自由になった場合、どうなるのかという心配、これはだれでもしますよ。そういう場合ですね、一体国内は減してもいいのか悪いのかというような問題は、われわれしろうとが考えても非常に心配する一つであります。で、先ほど申しますように、あらゆる研究所の意見を聞いても、そういう算術計算で五%減せというと、いやがおうでもそれを滅さざるを得ない。これは、私はもう政府として、大臣として、一体百名のところを三%減す、あるいは五%減す、場合によっては一〇%減してもいいじゃないですか。そういう面を算術計算でなくて、もっと現実を見ていただいて、やってもらうということにしなければ、私は合理化にもならなければ削減にもならぬと、一方じゃふやしていく、こういう事態がこの長年の政府の施策だと私は思うんです。こういう点をやっぱり改めて、頭実をもっと見る。そうして、局長のその権限でできる範囲内、課長の権限でできる範囲内、それを大臣が掌握して、どこでは何%、どこでは一〇%、こういう方法でやるべきだと思いますが、大臣、そこを改めるべきだと私は思うんですが、その点ひとつお聞きしておきたい。
○国務大臣(斎藤昇君) おっしゃいますとおりに、これはもう一律にという、こういう考え方ではございません。やはり仕事の繁閑、それから能率のあげられるところ、そういうところは割合を多くするという方針でやっておりますので、まあ、それがまだ十分でないという点もなきにしもあらずと、かように考えますが、さらに、いまおっしゃいますような御意見を体しまして、これはもう私も、また厚生省の人事当局も念頭に入れながらやっているわけであります。厚生省だけでは足らぬ場合には、よその省で持ってもらうというところまでいかなければならない、かように考えております。
○委員長(中村英男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それではこれより採決に入ります。 麻薬取締法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中村英男君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村英男君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 —————————————
○委員長(中村英男君) 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。斎藤厚生大臣。
○国務大臣(斎藤昇君) ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 戦傷病者、戦没者遺族、未帰還者留守家族等の戦争犠牲者に対しましては、年金の支給をはじめ各般にわたる援護の措置が講ぜられてきたところでありますが、今回、これらの支給範囲の拡大、支給金額の引き上げなどを行なうことにより援護措置の一そうの改善をはかることとし、関係の法律を改正しようとするものであります。 以下この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正であります。 改正の第一点は、障害年金、配偶者にかかる扶養親族加給及び先順位遺族にかかる遺族年金等の額を恩給法に準じて増額することといたしております。 改正の第二点は、準軍属にかかる障害年金等の額の改善でありまして、被徴用者等については、現行の軍人軍属にかかる額の九〇%相当額を軍人軍属にかかる額と同額に、その他の準軍属については、現行の八〇%相当額を九〇%相当額にそれぞれ引き上げることといたしております。 改正の第三点は、準軍属に対する処遇の拡大でありまして、日華事変中に本邦等における勤務に従事中公務傷病にかかつたもとの陸海軍部内の有給の雇用人等を新たに準軍属の範囲に加え、障害年金、遺族給与金等を支給するとともに、満洲開拓青年義勇隊の隊員にかかる公務傷病の範囲を、現行の昭和十六年十二月八日以後の傷病から満洲開拓民に関する根本方策について閣議決定のあった昭和十四年十二月二十二日以後の傷病に拡大することといたしております。 改正の第四点は、日華事変中に本邦等における勤務に関連した傷病により障害者となった軍人等に、公務傷病による障害年金等の額の七五%相当額の障害年金等を新たに支給することといたしております。 第二は、未帰還者留守家族等援護法の一部改正でありまして、留守家族手当の月額を、遺族年金の増額に準じて引き上げることとするほか、未帰還者の死亡の事実が判明した場合に、その遺族に支給する葬祭料の額を増額することといたしております。 第三は、戦傷病者特別援護法の一部改正でありまして、昭和十四年十二月二十二日から昭和十六年十二月七日までの間に公務傷病にかかった満洲開拓青年義勇隊の隊員及び日華事変中に本邦等における勤務に関連して傷病にかかった軍人等の障害者に新たに療養の給付等を行なうこととするほか、長期入院患者に支給する療養手当の月額及び療養の給付の受給者が死亡した場合にその遺族に支給する葬祭費の額を増額することといたしております。 第四は、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部改正でありまして、昭和四十六年の関係法令の改正により、遺族年金、障害年金等を受けることとなった戦没者等の妻、戦傷病者等の妻及び戦没者の父母等に、新たに特別給付金を支給することといたしております。 第五は、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部改正でありまして、昭和四十年四月一日から昭和四十七年三月三十一日までの間に、公務扶助料、遺族年金等の受給権者がいなくなった戦没者等の遺族に、新たに特別弔慰金を支給することといたしております。 以上がこの法律案を提出する理由及びその内容の概略でありますが、この法律案については、衆議院において、葬祭料、療養手当及び葬祭費の額の改正規定並びに戦没者等の遺族に対する特別給付金支給法の改正規定は昭和四十七年四月一日から施行することとなっているものを、公布の日から施行し、昭和四十七年四月一日にさかのぼって適用するとともに、これに伴う経過措置を規定する修正がなされております。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらむことをお願い申し上げます。
○委員長(中村英男君) 以上で趣旨説明は終わりました。 なお、本案は、ただいま大臣から説明がありましたが、衆議院において、お手元にお配りいたしましたように修正がなされております。 本案に対する本日の審査は、この程度といたします。 —————————————
○委員長(中村英男君) 次に、食品衛生法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑希望者の発言は全部終了いたしておりますので、他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それではこれより採決に入ります。 食品衛生法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中村英男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
○大橋和孝君 私は、各派を代表いたしまして、ただいま可決されました食品衛生法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議案を提出いたします。案文は、 食品衛生法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、改正後の食品衛生法の運用にあたり、次の各項の実現に努力すべきである。 一、食品行政の一元化と統一的な食品法の制定とを指向して、当面、厚生省を中心に関係各省の緊密な協力体制を整備すること。 二、食品衛生に関する情報について、内外からの集収機構を拡充し、その行政面での活用をはかるとともに、国民への伝達ルートの整備をはかること。とくに在外公館に厚生省関係のアタッシェを配置するよう努めること。 三、食品衛生法の運用にあたつては、単に危害の防止のみならず、積極的に国民の健康の保護増進が図られるよう配慮すること。 なお、統一的な食品法を制定するときは、その旨を明確にするよう配慮すること。 四、食品事故にかかる被害者の救済が迅速になされる制度について、遅くとも一両年中に発足するよう検討すること。 五、食品添加物の安全性については、その時点における最高の科学的水準により常時点検を強化するとともに、食品添加物の使用は極力制限する方向で措置することとし、とりわけ諸外国で有害であることが実証された場合には、既に使用を認めたものについても、すみやかに、その使用を禁止する等必要な措置を講ずること。 六、カビ毒等の有害性物質および発がん性物質に関する研究を強化し、とくに発がん性物質についてはその疑いを生じた時点において適切な措置を講ずること。その他慢性毒性、相乗毒性の研究検査体制を強化すること。 七、新規に開発される化学的合成食品のみならず、放射線照射食品についてもその規制を強化すること。 八、乳幼児向け食品とくに離乳食品については、その安全性とともに栄養的要素も満足されるよう関連法規の運用をあわせ配慮すること。 九、国・地方公共団体の試験研究機関を拡充し、所要予算を増額するとともに、地方の経費に対し国庫補助など国の援助措置を行なうよう検討すること。また、検査に従事する専門職員および取締りにあたる食品衛生監視員の増員および処遇の改善に努めること。 十、民間の設置にかかる指定検査機関については、その中立的性格の確保にとくに留意すること。 十一、食品衛生調査会に一般消費者の意見も反映するよう配慮すること。 十二、当面のPCB汚染に対応するため、食品に関する安全基準を早急に設定するとともに、毒性その他人体に及ぼす影響についての調査研究を急ぎ国民の不安解消を図ること。なお、産業上使用される化学物質については、農薬の場合と同様に、事前に専門機関においてその毒性等を検査し、その結果、厚生省が安全と認めた場合に限りその使用を認めることとする制度について検討すること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(中村英男君) ただいま大橋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。 大橋君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中村英男君) 全会一致と認めます。よって、大橋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの附帯決議に対し、斎藤厚生大臣から発言を求められております。斎藤厚生大臣。
○国務大臣(斎藤昇君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、政府といたしまして十分に尊重をいたし、御期待に沿うようにいたしたいと存じます。
○委員長(中村英男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村英男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 午後三時まで休憩いたします。 午後零時二十六分休憩 —————・————— 午後三時十五分開会
○委員長(中村英男君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 社会保障制度等に関する調査を議題といたします。 御質疑のある方は順次御発言願います。
○大橋和孝君 それじゃ、ちょっと社会福祉問題について二、三お尋ねをしてみたいと思います。 最近は非常に急速に進行する日本の高齢者層の増加率に関しまして、また一面では核家族化、高齢者雇用問題の促進の問題、あるいはまた老人クラブなどと見てみますと、解決しなければならないような問題は非常に山ほどたくさんあるわけでありますが、この老人問題に関しまして、私は二、三の点をいましぼってお尋ねをしたいと思うわけであります。 まず、第一番目には、老人に対する所得保障に関する問題でありまして、これはいままでからも議論されていると思いますけれども、私は、特に、この老齢福祉年金が今回三千三百円に上げられた、また厚生年金なども一万円クラスであるわけでありまして、こういう実態ではとても高齢者の生活保障ということは言えないという状態だと思うのでありますが、ことに所得保障の目標と制度的な統一のための基本理念というものを確立することが最も急務であるというようにいわれておりますときだけに、お年寄りの老後の生活保障について、特に政府の考え方とそれからその基本的な姿勢、そういうものについてお尋ねをしたいと思うわけであります。 まず第一点では、いま申しましたような今回上げられました三千三百円という額で一体老人が生活できるとお考えになるでしょうか。そういう意味で、私はこの金額についてお尋ねをしてみたいと思います。
○国務大臣(斎藤昇君) まず第一に、この福祉年金はこれは出発のときからそうでございますが、生活の保障としてこれで十分だということで出発しておるものでないことは御承知のとおりであります。もちろん生活保障としましてはいわゆる生活保護がございます。今日の福祉年金は生活保護の基準よりも低いという、それだけお考えになってもわかると思います。そういう意味で福祉年金は出発をいたしております。したがいまして、また拠出年金にしましても、これが生活保障だということではないと思います、もちろんその助けにはなりますけれども。 そこで、ことしは一千円上げて三千三百円ということにいたしましたが、それにしましてもあまりに低すぎる、やはりたばこ銭にも当たらないというのでは困るじゃないか、これは一般の声であり、ニードであろう、かように考えますので、したがいまして、私どもといたしましては次には最低五千円までは上げたい、こういうように考えておるわけです。いずれ、後ほど年金についての御審議があるのだろうと思いますが、来年はそういうことも踏まえまして年金全体についてひとつ将来のあり方を十分検討いたしたい、かように考えております。
○大橋和孝君 そういうふうな、厚生省の中で来年くらいは年金という考え方を少し考えなければいかぬのじゃないかというところまで踏み切っていただいていることを聞いておるために、私はこの質問をしてみたいと考えるわけであります。きのうだったか、新聞にも出ておりましたが、厚生省のほうの発表では、この老人といいますか、比較的老人の期に入った、いわゆる五十歳から六十五、六歳までの間の自殺者が非常にふえておると、こういうようなことも発表されておるわけでありまして、やはり最近、特にそういうふうなものが多い現状というのも、私はこういうふうな老人が核家族化されているいまの老人に対するわりあいひややかな方向、こういうものにその原因があるのではないかと、こういうふうなことを考えますと、それはスタートはいま大臣のおっしゃるとおり、この年金というのは家族保障の年金でなかったことは事実であります。それだからこそそれを五千円でいい、あるいは一万円でももう少し上げなければいかぬというような程度の考えでなくて、私はもっとやはり——外国、先進国では年金受給者だということを非常に誇りにしておるわけですね。相当いままで学界に対しても、あるいはまた産業界に対しても相当の腕をふるってこられたような方が、最近私は年金受給者になって生活しているんですよということが、外国人に対しても誇りを持って言えるというような方に私は接して知っているわけですが、そういう観点から考えますと、私はいまのこの産業の基盤、あるいはまた経済力、あるいはまたいつも申し上げておるわけですが、このようにして外貨もたまり、貿易の発展も来たして、あるいはまた日本の経済そのものに対してのいろいろな批判を受けておるというぐらいの状態のときに、この年金を、特に福祉年金であろうが、あるいはまたこの厚生年金であろうが、やはり老後の生活が保障をされるというものがなければ、こうした年金制度のあり方、ありがたさというものが老人には振り返ってきていないんですから、こういう状態で特別いままでのスタートが、これだからこうというのではなくて、もういまの社会情勢から、経済状態からここでひとつ、厚生省のほうが真剣に乗り出して、旗を振ってもらって、こういう問題を考えてもらわなければならぬ時期ではないかと、こういうふうに考えます。そういう意味で、一体老人がほぼ文化的な生活をするためには年金をどれぐらいにする必要があるだろうか、あるいはまたそれをやるためにはいつごろそれが実施され、生活の保障という観点から、ある程度の年金を相当の大幅な値上げをすることに対して、国民にあるいは老人に対して安心感を与えるような額は、大体どれぐらいたったらこれぐらいにしてあげますよというものを、いまごろもう組んでもらう必要があるのではないかと思うんです。そうでなければ、私はいつまでたっても自殺者は減らないだろうし、やはり老後の不安定さというものは消えないと思うんですね。そういう意味で私は、いままでのあり方を一ぺんスタートし直すと申しますか、考え直すと申しますか、別な意味での老人の生活保障というものを考えてもらわなければいかぬのじゃないかと思うのですが、そういう意味で、そういうふうな考え方をもうぼつぼつきめてもらうために、お考えはどのくらいになっているかということを実は聞いておきたいと思います。
○国務大臣(斎藤昇君) ここではっきり、何と申しますか、回答を申し上げることができるなら、すぐ法案がつくれるというわけなんですが、なかなかむずかしい問題がたくさん錯綜しておりますので、したがって、結論だけを簡単に申し上げるということは非常にむずかしいと思いますが、抽象的に申しますと、少なくとも日本の年金制度は非常に未成熟であると、こういうけれども、成熟している国にそう劣らないものをやはり至急に整備する必要があるのではないかと、抽象的に申し上げますとそういうことですが、ひとつ、それにするのにはどこをどうしたらいいかというと、大体やはり拠出年金から割り出してきて、そして拠出年金の払えないものを付属的にどうしていくかということであります。いま拠出年金の、厚生年金のたとえば二万円年金というものを今度はどう考えるか、それに応じて国民年金をどう考えるか、無拠出をどう考えるかという問題になってくるだろうと思います。現在のままでは何としても低過ぎると、したがって、拠出年金についてもまだ未成熟であるといっても、その未成熟の間にこれを付加方式を加味するような形でいくのか、あるいはその継ぎ足しは国民の税金でやるのかということを、これこそやはり長期的な計画を立てまして、そうして将来の年金の掛け金をする人と、いま掛け金している人と、そう不公平のないようにやはり保険料ということも考えなければいけないと考えますると、相当これはいろんなむずかしい数理計算も必要になってくるだろうと思いますが、基本的には私が申し上げますような方向で至急に検討してまいりたい、年金制度の関係調査会におきましてもいろいろと検討してもらっております。十分、そういう御検討も踏まえて、そうして、今日の日本の人口老齢化の進みつつあるときに、これに適合するものというのをつくり上げてみたいというのがわれわれの今日の考えておることでございます。
○大橋和孝君 私もこの年金のそのものに非常に、いままでの経過から考えるとむずかしいのは、おっしゃるとおりであろうと思う。私が、いまここで申し上げておるのは受けるほうの老人のほうに主体を置いて一体どうすれば、その老人がどんどんふえてきて、核家族化されている、そういう悪い条件の中でどういう安定を見せるかというところに焦点を合わせて、そうして、それをするためには、こういう矛盾はこう解決していく、こうやっていくというふうな形がないと私はできぬ、なかなかこれは進まないと思うのです。そういう発想の転換と申しますか、老後の保障を、生活保障としてとらえて、そして、それをどういうふうに組み立てていくかということを、そちらを先行さして考えていただくことによって、あとのいろいろな問題を組まなければ、私はこれのスタートがしにくい。そういう点からしますと、なかなかいままでの厚生省のとってきました方式ですね、こういうようなものもひとつ一ぺんかなぐり捨てて、私が申し上げているような状態で、一体どれだけ与えたら文化的な生活ができるか、それをするためにはどういう計画でもってそれを組み立てたらそれができるかというふうな考え方を、すっかりひとつ変えていただくという考え方ですね。そういうところをひとつ、いまの経済の成長率なんかをあわせて、あるいは、そこらのいろんなそのできばえをこちらに反映をさして、いまこそ、もうやってもらわないとこれはできないし、私は、いまここで特に、こういう問題を厚生省で考えていただきたいとお願いするわけは、もうすぐ来年度の予算がこの夏には出てくるでしょうし、いろいろなことをやっておっていただきますと、こういう基本的な考え方を組みかえてもらうのには、よほどこの辺のところで厚生省部内の皆さん方が姿勢をそろえてひとつスタートをされてもらわぬ限り、やはりこの千円出すか、五千円出すかというようなことでは、いつまでたっても、ゆるやかな山を登っていかなければ、それを築いていかなければ矛盾が解決できない。だから私は、一ぺん考え方をひっくり返してもらいたい。老人をどうするか、どうしなければならないという、それをするための矛盾はどうしていこうかという発想転換をしてもらって、この年金というものを一ぺん総ざらいして考えてもらう時期ではないかと思います。来年度は、先ほど大臣も、これに対してひとつ思い切り取り組む、来年は年金の年だと、こうおっしゃっておられるようなことも、ほかでも聞いておるわけでありまするから、非常に期待は申し上げておりますけれども、その期待が実現するためには、いまひとつ私は大臣にそういう取り組み方の転換と申しますか、考え方の転換をして、そうして、この諸矛盾を解決して、それをどう段階的にやっていこうか、こういう仕組みをひとつ考えてもらう時期ではないか、そういう点についてひとつどうですか。
○国務大臣(斎藤昇君) 考え方は全く大橋委員おっしゃるとおりだと思います。日本の年金はこういう方式でまた未成熟でございますから、したがって、いままでの行き方でいくしかありませんというのではこれはしようがない、今日の時代に生きた年金として取り組まなければならないということから出発をしていかなければならないものと考えます。
○大橋和孝君 特に、この年金の問題は、私も、これから少しおりあるたびごとにいろんなところから、いろんな問題を掘り下げてお話したいと思う。きょうは、もうあんまり時間がありませんようですから、その基本的なことにとどめさしていただきます。 それから、もう一つ次にお願いしたいことは、特別養護老人ホームに関してでございますけれども、政府のほうは特養ホームを進めておられますけれども、識者の間では、老人ホームだとかナーシング・ホーム、ハーフェイ・ハウスというような、医療と福祉の関連上できめこまかな各施設が必要だと、こういうふうにいわれておるわけであります。特養ホームでは、医療と福祉も完全に保障されているとはまだなかなか言えないと思いますが、ことにナーシング・ホームのほうがよいというのは、もう大方の意見の一致しているところでございます。こういう点につきましては、もう厚生省では十分お考えいただいているというふうに私は了解をいたしておりますが、ことに、こういう点について、今後のそういう方向に向かっての指導はいただけるものかどうか、この点について一つ伺っておきたいと思う。 それからもう一つ、このナーシングホームのよいところは、リハビリテーションの配慮を医師と有資格者の看護婦などの援助で受けることができるわけでありまして、患者の判断で、自活できるとなると外に出ていけるというところにあり、そこで死を待つような沈滞した施設ではなくして、非常にそこのところにいろいろなリハビリテーションなり、看病を受けるなりして、非常に行き届いたものになるのが特徴だろうと思うわけです。このためには、やっぱり患者が年金で生活できるということがまた前提になるわけだと、こういうふうに思うわけでありますから、その上で初めて専門的なサービスをしていけるナーシング・ホームを今後、老人施設の中心にしていく、また、そういうものになっていくんではないかというふうにも考えられるわけですが、こういう点も含めまして、やはり、こういう方向にいくためのいろんなお考え方をちょっと伺っておきたいと思います。
○国務大臣(斎藤昇君) お考えには私も全面的に賛成でございます。その方向にいかなきゃならないと考えておりますが、具体的にどういうように何しておりますか、局長から答えさせます。
○政府委員(加藤威二君) 先生の御指摘のようなナーシング・ホームというものにつきましては、私どもも、やはり今後の老人ホームの整備の方針といたしましては特別養護老人ホームに重点を置いていく。しかも、御承知のように、本年度から老人医療の無料化という問題が取り上げられるわけでございます。そういう問題との関連におきましても、さらに特養につきましては、いま先生御指摘のような方向で検討する必要があるということで、中央社会福祉審議会の中に老人福祉の専門分科会がございますので、そこでいま検討していただいております。私どもの考えといたしましては、やはりこの特別養護老人ホームについて、もう少し、病院とまではいかないまでも看護面を手厚くするという方向に持っていきたいと考えております。いま特別養護老人ホームにつきましては、百名収容の場合に看護婦が二人でございますので、こういう看護婦を相当大幅に増員いたしまして、そうしてナーシング・ホームみたいな形に持っていく。そういう方向で来年度予算の要求の場合には十分考えまして、できれば、そういう考え方を打ち出してまいりたいというぐあいに考えております。
○大橋和孝君 東京都あたりでは、だいぶ思い切ってそういう方向に進めていこうというようなお話もあるやに聞いておりますけれども、こういうふうなことを進めていこうとすると、ずいぶん金がかかるだろうというふうに思います。特に社会保障研究所の地主重美さんの試算なんかを、ちょっと私、見せてもらったわけでありますが、スウェーデン並みの病院をつくっていくというようなことを考えますと、昭和四十五年度の日本で一兆一千億かかるとかいうような試算をしていらっしゃるのを、ちょっと読ましてもらったことがございます。建設費はそのうちで二千億円くらい、維持費が九千億くらいかかるというようなことが書いてございましたが、しかも、その建設費の中には土地買収費なんかは入っていないというようなことも書かれておったように記憶をいたします。この社会福祉施設緊急整備五カ年計画、これは厚生省でお立てになっておりますが、この老人施設の整備に六百五十二億円、ずいぶんいろいろとくめんをしていただいておるのでありますけれども、こういうことを考えますと、だいぶ将来、ナーシング・ホームとまですぐいかなくても、これを改良的にやってもらうのにも、かなりお金がかかるのではないかということを考えますと、なかなかこれは、問題はたいへんむずかしいというようなふうに感じられるわけであります。そこで私は、やっぱり老人対策の立ちおくれをどういう方向で今後やっていくか。先ほどちょっと総括的にお願いをいたしましたが、それと同じようなぐあいで、こういう老人対策に対しましても強力な方向転換と申しますか、そういうふうなことをやっていただかないと、なかなかむずかしいと思うわけであります。こういう意味でも、この特別養護老人ホーム、あるいはまた、この整備計画、そういうものの中で、ほんとうに基本的な、そういう方向を変えるような御決意をひとつ伺っておきたいと、こういうふうに思います。今後もどんどんと特養をお進めいただくのだろうと思いますけれども、この老人病院からナーシング・ホーム、ハーフェイ・ハウスというような方向にするということになると、先ほどからも申しておるようにたいへんでございましょうけれども、やっぱり将来は、こういうふうにしてもらわなければいかぬというふうに思うわけでありますが、方向はやはりそういう方向でやっていただけるのか、そして、そういうことに対するいろんなお金の面なんかもひとつ逐次やっていただけるのか、そういうことも一つ伺っておきたいと思います。
○政府委員(加藤威二君) いま先生のお話のように、たとえば老人病院をうんと整備していくということになりますと、これは非常に膨大なお金がかかると思います。私ども、いま考えておりますのはそこまでは——これは社会局の所管の問題もございますけれども、私どもといたしましては、特別養護老人ホームにおいて、そこの中でもう少し看護婦さんを増員するというようなことでやるということにいたしますれば比較的経費もそうかからない。看護婦さんの増員ということに重点を置いて、もう少し看護体制を整備するということでとりあえずは進んでまいりたい。それが特別養護老人ホームからナーシング・ホームみたいな形・に移っていく、そういうことを今度取り上げてみたいと思います。老人専門の病院ということになりますと、これはなかなか経費もかかりますし、今後の問題でもあり、医務局でもいろいろ検討していると思いますけれども、社会局といたしましては、とりあえず、やはり特別養護老人ホームの少し考え方を変えていく、看護に重点を置いていく、そういう方向で進んでまいりたいと思います。
○大橋和孝君 方向を変えていただくということは、いまお聞きしたわけでありますが、ただ、看護婦を少しふやすだけで、それで、いわゆる外国でやられているようなところにいくにはまだ大きな問題が、格差が出てくると思うのですが、そういうことで、老人の入られた方が非常にしあわせになるような考え方をするならば、もう少し飛躍的にやはり考え方の発想を転換するくらいの気持ちでやっていただかないと、こういうような施設はよくならない。先ほど申したいろんなことにもつながっていくと思います。ですから、この問題に対しましては、先ほど申した生活保障的な、年金と同じようにある程度そういうふうな裏づけもありながら、しかもそこで看護なり、あるいはまた、リハビリテーションなり、いろんなそうしたことが行なわれなければならぬと思いますので、そういう体系で、少しいまのところをよくするだけでなくて、少し看護婦の要員をつけるというぐらいじゃなくて、もう少しほんとうにナース精神がみんなに行き届くような、病院とまではいかなくても、その中間で、かなり行き届いたような体制というものが必要ではないだろうかというふうに思いますから、そういうことについては、いまのような生活保障とあわせて、そうした施設の考え方を根本的にひとつ考えておいてもらいたい、こういうようなことを要望したいと思います。これもいまやっておかないと、非常に今後の問題に響こうと思いますから、特に、そういうことをお願いしたいわけであります。 それから次に、公害の問題にちょっと移りたいと思いますが、これは、非常にこれだけ日本列島が公害におかされているということでありますから、これは大問題としていろいろな問題をかかえることになる一わけでありますが、障害児とか障害者の問題についてもあわせて考えなければなりません。そこの中で有機水銀だとか、大気汚染、PCB汚染の悪影響なんかで、これらの相乗作用と申しますか、だれも予測のできないようなところにいろいろな障害も出てきたりするわけでありまして、政府は、無害な農薬の開発とか、あるいはまた新しい物質の開拓とかいうものが生物学的に新しい物質が毒でないかどうか、こういうようなことを判断をするためには、少なくともこの世代を三代ぐらい考えなきゃいけないという点も指摘されているわけでありますから、障害児者の発生予測と、それから発生予防ということに対しては非常に関心を持ってもらわなければならないと思うわけであります。 で、東京の大学の脳研の白木教授あたりはこの公害の日本で三代、すなわちこの百年の間に数百万、数千万の規模で重複するところの障害児を生み出すだろうというようなことも予測していらっしゃるわけでありまして、それだけ重大な問題であるこの重複障害児対策、こういうようなものも国はあまりに軽んじていらっしゃるのではないかというふうにさえ思われるぐらいでありまして、たとえば東京都で医療三割、福祉七割という、こういうふうな将来の考え方も聞いておるわけでありますが、この障害児者の生活の場としては、やはり先進的な試みの施策が二つ、三つと、こう続いていく必要があろうと思います。こういう養護の施設は一人の利用者に月二十五万円もかかる、こういうふうなところが指摘されているわけでありますけれども、日本の基準では大体これは四万円くらいというようなことにもなるわけでありまして、そういうようなことをいろいろ勘案してみますと、こうした重複障害児の施設は今後すべて国とかあるいはまた公のところでやってもらわなければ、こういう施設を十分に利用するためにお金もかかることでありますから、国でもってやってもらわなければいかぬと思うのです。そういう点はどのように思っていただくのか。あるいはもう一つは、国の基準が四万円そこそこではなかなか施設がうまくいかないわけでありまして、二十五万かかるという驚くべき差があるわけでありますから、養護の施設については、厚生省は今後どういうような姿勢で、こういうような施設に対して取り組んでいただけるのか。都のいっている状態から比較しましても大きな開きがあるわけでありますし、いろいろな意味から考えて、こうしたものに対する考え方を相当ひとつきびしくとらえていただきたいと思うのですが、その点はいかがでございましょうか。
○政府委員(松下廉蔵君) ただいまのお尋ねの、まず前段の障害児の発生防止対策でございますが、環境汚染の問題、特に、最近取り上げられておりますPCBの問題、それから御指摘のような大気汚染によります公害の発生というような問題があるわけでございます。で、PCBにつきましては、現在までにたとえば大阪府で母乳に相当の汚染が発見された、あるいは高知県で人体の脂肪からかなり高い濃度のPCBが発見されたという報告がございます。私ども憂慮しておるところでございますが、現在までのところ大阪のおかあさんの子供たちにつきまして精密検診を行ないました結果は、十五人とも異常が認められておりません。高知の漁業者につきましても現在のところは同様でございまして、不幸中の幸いだと存じております。ただ、もちろん御指摘のように慢性毒性は相当長期の観察を経なければならないものでございますので、今後そういった環境衛生局、あるいは環境庁等とも御連絡いたしまして、食料の検査、あるいま食品中の基準、そういったものを浸けると同時に、特に、子供につきましては精密な観察を要しますので、チェックリストを作成いたしまして、今後そういった健康診査を続けていくというような方法によりましてトレースをいたしまして、少しでも障害の発生の徴が見えましたならば十分な手当てを加える。それから並行いたしまして、現在でも未知の部分が相当多いわけでございますので、研究を十分に進めまして、人体における中毒の機序、あるいは人体からの排出の方法、そういったことを早急に開発しなければならないと考えております。 それからぜんそくにつきましては、これはいま御審議いただいております予算の中に新たに小児ぜんそくにつきましての治療研究費を計上いたしまして、そういったことによりまして、早期の発見、治療をはかりまして、できるだけ害を少なくする、早く元気な子供になれますように進めてまいりたいと、そのように考えておる次第でございます。 それから第二点の重度あるいは複合障害の障害児の施設の運営の問題でございますが、現在特に御指摘の障害児、私どもの分類で申しますと、重症心身障害児という分類をいたしまして、重度の精薄と重度の肢体不自由等が併合いたしました者を、特別な医療機関におきまして、いま御指摘のような医療と福祉との両面からのお世話をいたしておるところでございます。で、これにつきましては、健康保険の医療費にさらに重症児の指導費ということで、その五五%相当分を計上いたしまして、経費を出しておるところでございまして、いま、お話がありました四万円余りという額は、おそらく精神薄弱児施設等の一般の障害児の施設の額であろうと思いますが、重症心身障害児の施設につきましては、これはいま申し上げましたような特段の経費を計上いたしておりまして、四十七年度の一人当たりの経費は十万四千五百円という額でございますので、一般の心身障害児施設に比べまして二倍以上という額を計上いたしておるわけでございます。国といたしましても、こういった、特に、念を入れましてお世話をしなければならない重症心身障害児の対策につきましては、国立療養所におきまして、重症心身障害児病床の整備を進めてまいりまして、四十六年度末現在では四千六百四十床が国立療養所に整備されております。で、地方公共団体のもの等を含めまして八千四百床でございまして、半分以上が国立であるという形になっております。ただ、こういった重症心身障害児の対策、これは前に御制定いただきました心身障害者対策基本法の精神によりまして、国も地方公共団体も全国民がこの施策を進めなければならないという立場に立ちまして、国といたしましても四十七年度も国立療養所に整備を予定しておりますが、同時に地方公共団体等にも呼びかけまして、できるだけ早くこの目標であります全体の重症心身障害児が収容できるような施設を整備いたしたい、そういうことで進めておる次第でございます。
○大橋和孝君 こういうようなお金のかかるものは、いまおっしゃるように相当国なり公共団体にやってもらわなければなりません。また、しかも、半分弱ではありますが、民間でも行なわれている、こういうことでございますが、いま、私ちょっと例に申し上げたように、東京都で始めた重複している障害児に対して、結局は福祉のほうを七割にして医療のほうは三割にするというふうな形でやっていきますと、非常にお金がかかるといって発表しているわけですよ。ですから、そういうふうなことをずっと計算をしてみますと、何か国の基準で、——いま国のほうでやっておられても、基準からいえば四万ぐらい、一方は二十五万というわけですから、大きな差がある。こういうようなことが如実に現に指摘されているわけでありますから、そういう点から言いますと、この国の基準というものをもう少し、こういう重症心身障害児に対しましても相当の、また、いまの発想転換といっては大げさかしれませんけれども、よほどの考え方を持っていただかないとこういうふうなものが根本的にほんとにしあわせになるという観点からは非常にまだ、ほど遠いままで置かれるという形が心配されますので、私といたしましては、こういう時期にひとつ、こういうふうな非常に困っておられるような人たちに対しての国の基準なり、あるいはまたそういう施設に対する取り組みなり、こういうふうなものをやはり抜本的といいますか、あるいはまた、いままでの考え以外に根本的な考え方を、そういう困っているかわいそうな人たちに焦点を合わせて、それをするために、少々金がかかってもこれは基準を考え直して、ほんとうにそういう人たちがしあわせになるような考え方をそこへ持っていかなきゃならぬのじゃないかと、これもいま申した年寄りの非常に重度の人といいますか、寝たきりのような特殊の養護を受けなきゃならぬような人、また子供さん方も障害者でもありますけれども、その障害を受けている重度の人たちに、もう少しそういう人に対してやれるような方式というものを施設のほうに対しましても、あるいはまた、その後の運営に対しましても一ぺん根本的に考えてもらわなきゃならぬ時代じゃないか、これもいま続けて並べてひとつお願いをしているところであります。そういうことに対する将来のこういう展望というものも、この際ひとつやってもらわなきゃいかぬ時期だというので、私はこの問題を提起さしていただいているわけでありますから、ひとつ、特に、そういう点を考えていただきたいと思います。以上、私が申しませんが、表面的に触れますような形でありますけれども、これもいまの話と同じように、非常に重大転換をしてもらう時期だという意味で、特に考えていただきたい。それから、それに対しまして、もう少し、やはり私は、ここで具体的にどう考えていただけるか、もし、考えていただける範囲のものは、こういうふうなものは具体的にどういうふうにこれをやっていこうかという転換をして、そして矛盾を解決しながら、最もいい方向で、それを受ける側に焦点を合わしてやる方法はどうしたらいいか、こういうふうなことをひとつ、私は具体的に一ぺん話が聞きたいんです。いまの老人の問題もそうでしょうし、年金の問題もそうでしょうし、こういう問題もそうだろうと思います。 またあとから少しこういうところに働いていただいている方々の状態も申し上げたいと思いますが、そういう点でひとつ何とか発想転換をしてもらいたい、こういうことをお願いをしておく次第であります。これは、一ぺんあとからまた大臣にちょっと、こういうことに対して、のいろいろな取り組みの方法をある時期までに示していただくようにお願いしたいと思います。いままでのこれを、そういう転換をしていったらこうなって、こういうふうにやっていったら、こういうふうになるということをひとつ考えていただいて、それはこうですよということを、次の機会に何か示していただきたいということをお願いしておきたいと思います。 それから、こういう福祉施設の労働者の問題に移らしていただきますけれども、昨年の九月に出されました「社会福祉施設における労働条件調査結果の概要」を見せてもらってのお話でありますが、就業規則に関して五二・一%の施設が法に違反している。あるいはまた運用実情に関しましては週五十四時間制が私立では二六%もある、しかも一日平均時間外労働時間が四時間をこえる、こういうものも非常に多い。養護施設、精神薄弱児施設、こういうのが非常に目立って見える、あるいはまた定期昇給制度につきましても私立の施設の四施設に一施設がこの制度を持っていない。また労災保険にも五施設に一施設は入っていない。こういうような点を指摘されておったように思いますが、こうした現状は、私は労働の面からもたいへんな問題があろうと思うんです。これは労働省の方、おいで願ってないかもしれませんが、労働問題についてはちょっとあれだろうと思いますが、どうかひとつ、厚生省のほうでもこういうような現状をまざまざと見ておっていただきたいと思うんですが、こういうような最低基準だとか職員の配置が現状に合わないためだと、こういうふうに思いますが、厚生大臣のほうではやっぱり具体的に何年がかりかで、こうした労働法違反だとか、こういうものを是正していくような指導もしていただかなければならぬだろうと思います。こういう方法をどうしたらいいか、非常に大きな問題として残るでしょうから。実際は、何とかしてこういうことを解決するための具体的な各施設の指導というようなものもひとつ十分考えていただきたい、こういうように思うところであります。 それから次に、施設に働く人たちがいま一番問題にしているのは、腰痛症とか非常に何か問題がありますが、これは日本医労協あたりが医療福祉労働者の調査をいたしまして、いわゆる国立病院では六人に一人が腰痛症というようなことも発表いたしておりますし、民間の施設なんかでは、重症児を預かっているびわこ学園などで聞いてみますと三人に一人が腰痛症になっているというようなことも言っているわけであります。月の過半数を休まなければならないような非常に重症な腰痛なんかが起こっているというのも報告されております。患者であるこの看護婦さんが患者を看護しておるというようにいわれておるようなわけでありますが、まあ、この福祉施設は患者である労働者が利用者を放置せざるを得ないというふうなところまで追い込まれているわけでありますから、非常に私はたいへんな問題だと思います。ことに五十キロの保母さんが三十キロ、四十キロの利用者を持ち上げる毎日の業務というものを考えてみるときに、私は非常に不健全といいますか、こういう病気を起こさすような仕事のさまがありありと見えるわけでありまして、そういう点を考えますと、やはり、こういう働いている人たちに対するほんとうの問題をここらでひとつ考えてもらわないといけない時期じゃないかというふうに思うわけであります。特に、こういう人たちの労務災害の認定とか、あるいはまた、こういう人たちを救う道というものがまだまだ確立をされておりませんから、厚生省ではやっぱりこの実態とか、そういうものをひとつ十分に把握をしていただいて、時宜に合ったような形で、こういうもののなくなるような根本施策をしてもらう、やはりこれも必要な時期じゃないかというふうに思います。腰痛症は二、三カ月も休めばある程度痛みは薄れますけれども、同じような状態でいけば、すぐまたなってまいりますから、こういうことが繰り返されればやはり健康保険の赤字問題にも響いてくるわけでありまするので、いろんなことを考えてみますと、これはもう根本的なところにやっぱり発想転換をして、こういうようなものが少し根本的に直るような、起こらないような仕組みと申しますか、要員の配置といいますか、あるいはまた、そういうところの根本的な療法、やり方を考えていただかない限りうまくいかないと思うんですが、そういう点お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(加藤威二君) 社会福祉施設に働く職員の方々が相当労働過重になっているということは先生御指摘のとおりでございまして、昨年の九月に労働省のほうからの指摘があったわけでございます。私どもといたしましても、労働省の指摘を待つまでもなく、この社会福祉施設の職員が不十分であるということで、四十六年と四十七年の二カ年計画で社会局関係及び児童局関係の福祉施設の職員の増員というのを二年間である程度行なったわけでございます。四十六年度におきましては、特に、この職員ではおとなの施設よりもやっぱり子供の施設のほうで働く職員のほうに労働が非常に過重である、御指摘のように腰痛症も相当多いということは事実でございますので、四十六年度に社会、児童合わせまして千二百九十二人の増員を行ないました。そのうち、社会局関係は四百三十五名、児童局関係は八百五十七名というぐあいに千二百九十二人の増員を行なったわけでございます。 それから、四十七年度におきましても同様、両方合わせまして千八百九十二人ということで、約二年間にわたって三千人以上の職員の増員を行なったわけでございます。これでもまだ十分とは申せませんけれども、問題は労働基準法にいろいろ違反している面もある、あるいは職員の間で、腰痛症やその他の故障が出るということは、要は職員が不足しておって、そのために労働が過重になる、こういうことでございますので、職員の増員ということが問題を解決する一番のキーポイントになろうと思います。そういうことで、四十六年度、四十七年度にわたりまして一応三千人以上の職員の増員を行なったわけでございますが、しかし、やっぱり労働時間その他につきまして、まだ四十八時間労働になっていないところもあるのと、五十四時間のところもあるわけでございますので、今後ともそういった面を勘案しながら、さらに職員の人員増という点に努力をしてまいりたいと思います。
○大橋和孝君 こういう職員の人をほんとうにしあわせ——ある程度やりやすいように仕組むためには、私はやっぱり、しばらく養生したらなおって、また同じことを続けるのじゃなしに、人によったらやはりそういうことの少ないような職場転換をはかるとか、もっと抜本的ないろいろな働く場所、そういうところを変えていく、あるいはまたそうするために補償をする、何かそういうやり方を根本的に変えないと、いままでのやり方で少し人員をふやすとか、あるいはまた労働条件を少しよくするとかいうくらいのことでは、もうこれも解決できないようなところへきているのじゃないかというふうに思います。ですから、これもまた新しい発想のもとに、こういうところに働いている人たちをもっと職場転換をさして、ほんとうにそのような症状を繰り返さないような根本的な職場の改善をはかっていくとか、あるいはまた、そういうことにするために、しばらくの間は身分保障をしながら、あるいはまた、そういう保障の中で、こういうことを繰り返さないような別な職場環境に転換をせしめるとか、もっといろいろあるだろうと思います、私、いま思いついたことしか申し上げておりませんが。そういう意味で、ひとつ、こういう問題を徹底的に考えていただびないと、こういう働いている人たちの問題も、しまいにはどうにもならない状態になってくると思いますので、この問題につきましてもひとつ考えていただきたい、このことをお願いをしておきたいと思います。 で、いままでこうやって話してまいりましたように、この社会福祉施設の現状は、働いている人たちの忍耐によって、しかもからだを少々こわしても、あるいはまた労働基準法に少々違反しても労働条件——相当きびしい労働条件下で、何とか形だけ維持していけるというふうなことが続けられていると言っても私は過言ではないと申すわけでありますが、しかも、この民間施設ほどその状況がひどいことは厚生省の方々もお認めだろうと思います。そういう中で、私はこの公立民営方式の社会福祉事業団構想についてひとつ伺っておきたいというふうに思います。 「厚生行政の長期構想」におきまして、施設の整備にあたっては民間社会福祉事業のバイタリティーとかあるいはまた創意にかんがみて、極力その助成を行なうこととして、そして従来、試験的に試みられてきた公立民営方式についても、私は本格的に検討してもらわなければいかぬ時期じゃないかというふうに思います。すなわち、公立民営式、いわゆる社会福祉事業団の方式は、昨年七月十六日の厚生省の指導通達によりますと、法的に認知され、また積極的に進める姿勢のように見られるわけでありますが、この事業団方式は、従来から福祉政策として批判もあるところであると、こういうふうに思いますが、しかも、この結果といたしまして、自治体労働者の身分保障や、労働条件の低下をもたらすということでは、かなり指摘もされておるようでございます。そういう中で、私は地方自治体がみずから経営する施設と、それから社会福祉事業団に委託するところの施設との区別はどういうふうになっておるのか伺いたいというのが一点。 それからまた、ここで公立化がはかられない施設とは具体的にをさしておられるのか。民営が安上がりとして見られるのは、国の職員配置基準が低過ぎるということもあるし、また、職員の身分保障にも関係があるように思うわけでありますが、民主的な運営といたしまして、理事に地方議会の代表を加える方向を考えてもいいんじゃないかというふうに思いますが、そういうことは考えていらっしゃるのかどうか。あるいはまた、職員につきまして、この地方自治体の職員に準ずるとなっておりますけれども、年金等はどういうふうになっているのか。あるいはまた、公務員ならば、地方共済、市町村の共済との差額があるように思いますが、それはどういうふうにされるのか。まあ、短期給付、医療保険につきましては、こういう点もどうなっておるのか、いろいろこういう問題をひっさげておるようでありますが、そういうことに対して少しちょっと、おわかりの点をお示し願いたいと思います。
○政府委員(加藤威二君) 社会福祉施設を公立公営にするか、あるいは民営でやったらいいかという問題は、私は一長一短であろうと思います。まあ民間のいいところは、やはりこういう施設で一生その問題に、そういう社会福祉の問題にささげよう。そういう人たちがやはり施設の中に入って、そして、そういう施設に入ってこられた人たちのめんどうを見るということは、これはそういった施設の中に入ってくる人たちにとっては、非常にしあわせだろうと思います。もちろん公務員がやっても、公務員の中にもそういう人たちはたくさんおりますけれども、しかし、まあ、県でも市町村でも、公務員の人事というものは、先生、御承知のとおり、たとえば社会福祉施設の職員に回していくという場合に、本人が非常に希望して行く場合もありましょうけれども、人事の都合でそっちのほうに回されるという場合も、必ずしも少なくない。そういたしました場合に、やはりそういう問題に一生をささげよう、そういう問題に生きがいを求めて、そこで働く場合と、人事の都合でそういうところに回されたというものでは、やはり入っている人たちに対する処遇の問題その他にもいろいろこまかな違いが出てくるだろうと思うのです。したがって、必ずしも民営というものについて、これはいかぬと、むしろ全部、公立、公営にすべきだという議論も成り立たないと思います。しかし、一方また、公立におきましては先生御指摘のように、処遇問題その他について、やはり、いまのところは、民営よりも相当恵まれておると。年金なんかの問題については相当な格差があるし、給与問題については本年度相当格差を縮めましたけれども、それでも公営の施設の職員のほうが給与面でもまだ恵まれている、そういう点もございます。まあ、一長一短であろうと思います。ただ、民営にするという場合にも、国が何もそういう問題についての財政的な負担をのがれるということではなくて、財政面ではできるだけ国が見ていく。しかし、それに直接携わる人は、民間のそういった問題に熱意を持った人が当たってもらうというのが一番いい方法じゃないかということでございます。先生、御指摘の都道府県にできております公立民営といいますか、施設整備は県なり市町村のほうでやって、そして、運営を民間に委託するという事業団方式でございますが、これが一つの折衷案として、いま行なわれておるわけでございます。これもいろいろ批判はあるわけでございまして、ことに地方公共団体の職員団体の方からは、いろいろ批判があるということは、私どもも聞いております。しかし、やはり、そういった全部公立公営にいたしますと、たとえば、定員の問題その他について、増員したいと思ってもなかなか簡単にできないという点もございます。そういう点は、民営でやれば比較的増員というのは簡単にできるわけでございます。そういうような一長一短があるわけでございますので、まあ、この事業団方式とか、方式がたくさんあるわけでございますけれども、私どもは相当の関心を持ってこの問題を注視しているわけでございます。これはどっちに割り切るということはなかなかむずかしいわけでございまして、私どもといたしましては、公立のいいところとそれから民営のいいところをできるだけミックスした施設で今後もできるだけやってまいりたい、こういうぐあいに考えておるわけでございます。
○大橋和孝君 いま仰せのように、私もこの事業団方式というのも一つのいき方だと思うんです。ここのところで、私はいまちょっと、こういう問題を少し一、二、三点あげてみました。こういうところで働いておられる方が、国の職員配置基準があるわけですが、そういうものと比べまして、こういうところの基準が低いのではないか、こういうふうな点もお伺いしたい点であったわけですし、あるいはまた、その施設の中でほんとうにうまく民主的な運営が行なわれておるのか、こういうような事柄も考えますと、先ほどおっしゃいましたが、そういう意欲に燃えた人が集まって一生のライフワークとして、こういう施設に奉仕をしようという気持ちで集まってもらっておる、ぼくは非常にこれは尊い精神だと思います。けれども、それだからといって、公の、国なんかのあるいはまた公共団体のやっている、そういうふうな制度のものと比べて差があっては私は一番いけないと思う。たとえば、そこの中で年金なんかはどうなっているのだとか、あるいはまた、地方共済の組合とか市町村共済の組合なんかとはその差があるんじゃないかというような問題を、こうずっとやってきまして、医療保険にいたしましても差のあるところがあるわけですね。だから、そういうことを考えると、非常に私はこういうふうなことが奉仕精神が先に立って、そういうことを先行さしていくと、これまた非常にたいへんなことになるわけでありますから、奉仕精神は十分受け入れて、そういう気持ちは精神的にやってもらわなければならないけれども、やはり、その裏のほうでは、もう少し、こういうものにイージーに流れるわけじゃなくて、ひとつ歯どめをして十分な対策を練っていただかないと、同時に考えていただかないと、こういうせっかくの方式がうまくいかないのじゃないかというようなふうなことを考えて、いま申し上げたわけであります。特に、この職員の配置基準につきまして、厚生省は施設最低基準の職員配置を守りながら、利用者、労働者の人権を守っている施設があると考えておられるか、また、ほんとうにそういう施設と考えておるのかどうか。こういう点をひとつ十分に調査をしてもらいながら、各種別ごとにモデル施設の名をあげて私は示してもらいたい。そういう意味で、こういうふうなところを考えますと、ほんとうにいいモデルだというところもあるでしょうと思いますが、中にはそれがうまくいっていないのもあろうと思いますから、私は、こういう問題についても、ひとつ十分な指導と申しますか、あるいはまた、その職員配置基準というものも高めてもらって、そして、歯どめをしてもらう必要があるんじゃないかと思います。 この精薄施設に鳥取の皆成学園というのがありまして、そこに従事しておられる人々が現在少なくともこの程度のサービスをしなければ保護も自立指導もできないという線をみずからきめて良心的な仕事をしようとした。そのときひっかかる労働条件も労基法に従って行なったところ、大体国の基準の二倍近くの職員が必要だということがわかったと、こういうやり方を、長崎県もやり、二十数県以上に広がっておるようであります。こうした方式については、反論する根拠は、財源がないとか、あるいはまた、そういうきわめて非科学的なことばでいわれておるようでありますけれども、やはりこれは現在の職員基準は利用者とか労働者を守るに妥当な基準でやってもらわなければならない、こういうふうに思うのであります。こういう例も実際から見てみますと、相当よくない例も出てくるわけであります。あるいはまた、六カ月以内に施設の種別に現在の職員基準で守れているかどうか、ずっと期間を見て通算してもらいますと、その場合に、やはり内容等の公開なんかも含めた調査をするならば、そうでないものが非常にたくさんあるのではないか、こういうようなこともいま取りざたされているわけでありまして、このことが今後の福祉を進めるためのやはりモデル施設としていいものを一つ出していただいて、そしてこれを検討材料にして、悪いところはそれを是正していく、こういうふうな指導方向、こういうものはむしろ精神的なものばかりに頼るのではなくて、科学的にこういう指導をして、きちっとしたルールをいまのうちに立てていただかないと非常に悪いのじゃないか。いろいろなこういう問題を私ども耳にいたしておりますので、そうしたことに対しての根本的な是正というものを考えていただきたいと思いますが、どうですか。
○政府委員(加藤威二君) 各施設ごとに私のほうでも一つの人員の基準、こういう施設にはこういう職種の人を何人置かなければいかぬという基準をつくっております。一つは先生御指摘の点は、その基準についてもう一度再検討したらどうかということと、基準が守られていない施設がある、この二点あると思います。確かに基準どおりよくやっているところもありますけれども、その基準に満たない施設もあると思います。また、基準につきましては相当古い基準もありますので、そういった点もわれわれとしてもさらに再検討いたしまして、その施設の運営にできるだけ万全を期したい。そういう点の基準の再検討、それから実際に基準が守られているかどうかということについての実態の調査、そういった面についてもさらに努力をしてまいりたいと思います。
○大橋和孝君 時間がございませんので、私こまかしいやつは別にいろいろありますけれども、きょうは非常に時間的からも大まかな点について話を五点ばかり申し上げたわけでございますが、こういうところを考えてもらって、私は、きょう特に、大臣にお願いしたいのは、やはりいままでの状態で改善をしていこうということではとてもなかなかたいへんだから、ひとつ発想転換をして、お金は少々かかりましょうけれども、いまの時期にひとつ大きくクローズアップして、福祉の方面にどう対処していくかという根本原則を出していただいて、これまでの方向を一ぺん引っくり返して、急速に何とかこれを来年度は特に、年金の方面も考えられておりましょうし、そうして福祉に、人間生活に直結するといういろいろな国の方針もありましょうから、私は、そういうことにほんとうに厚生行政の中で転換をしていくようなすべを出してもらいたいと思います。そういう意味で問題点だけを取り上げてみましたが、これについてのこまかしい問題を論議をすれば非常にたくさん問題があると思います。そういう面につきましても私は逐次考えておるわけでございますが、また後の機会に譲るといたしまして、どうかひとつ根本理念発想転換をしてもらって、生活保障の年金、それからまた、その他のいろいろな施設——老人の施設にしても子供の施設にしましても、そういう問題をいろいろセクション、セクションによって根本的に発想を変えて、少々のお金がかかってもここでひとつやる、そして、その発想のもとにやっていけば何年計画かである程度先進国のモデルに追いつけるかどうか、こういうものを出していただいて、先進国並みの福祉社会というか、福祉国家を目ざして大転換的な改正に取り組んでもらいたいという意見であります。 御所見を聞いてきょうの大かたの質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(斎藤昇君) 大橋委員のおっしゃいますように、これから国民福祉ということに政治の基本も発想転換しなければならぬというときに再会しておるわけでございますから、いまおっしゃいましたいろいろな社会福祉施設その他にいたしましても、いままでのあり方を一ぺん振り返ってみて、それでこれで社会福祉国家としての施設としていいかどうかということを一ぺん考え直して、そうして、その新しい考え方のもとに、これから発足をし、実施をしていくという考え方はきわめて適切な御指摘だと、かように考えます。お示しになられました数点につきましても、未来の福祉施設への基本的な考え方といたしまして、ひとつ関係部局においてもそれぞれ考え直してまいるように指導いたしてまいりたい、かように考えます。また、私自身も考えてまいりたいと、かように存じます。
○委員長(中村英男君) 他に御発言もなければ、件に対する本日の調査はこの程度といたします。 —————————————
○委員長(中村英男君) 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、これにより質疑に入ります。 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○大橋和孝君 軍人とか、軍属、準軍属、公務員については、国家補償の立場から援護措置がなされております。その根拠とされるところは、国との関係に特別の契約関係があったこと、あるいはその結果、本人の自由意思による行動をとることができなかったことにあるのだろうと思うのであります。で、原爆が落とされた当時の被爆者についてみますと、かってに市の地域を離れることが許されてなかった。また一発の原爆投下によって、一瞬にして全市域が壊滅したということは戦地と同じに見て差しつかえない事情にあったということが言えると思うのであります。こういうことをかみ合わせてみますと、国家の補償の立場をとる根拠が整っていると、こう考えるわけであります。政府は、原爆被爆者に対しまして国家の補償的な援護措置をとることについて、一般の戦争犠牲者との均衡をおそれているようでありますけれども、全地域が戦地と同一の状況となったという事情はほかにはないのであります。また、国民感情も、この原爆被爆者に対しましては特別の同情を持っているのもそのためだろうと思うのでありますが、この際、この国家補償の見地に立った援護法に踏み切ってよいではないかというふうに思いますけれども、厚生大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(斎藤昇君) ただいまの御意見の点はずいぶんと前からたびたび伺っている御意見でございます。ただ、今日まで、国家補償として援護するという場合には、やはり身分的に戦争業務に従事していたということを一つの基準にいたしておるわけでありまして、そこで、被害が大きかったか、あるいは悲惨であったかということを基準にいままでいたしておりませんし、これは非常に困難なことだと思うわけであります。原爆の被害は非常に多くて、そして、しかも個人個人にとっても長く影響がある被害であるというわけでございますが、それなら焼夷弾で受けた被害、あるいは爆弾で受けた被害、これには、まあ、それは後遺症を負う人もあるでありましょうし、いろいろありましょうが、比べますると、問題にならぬような被害を原爆のほうが受けているに違いないのでありますが、そこの区別をどうするかというので、いままで、原爆だけは国家補償というように、よう踏み切れなかったわけでございますが、原爆被爆者に対する援護措置法の法律を出しましたときにも、おそらく最初の問題として、これが一番の問題で論じられたのであろうと、かように考えます。私、厚生省担当いたしましてからもたびたび御質問は伺っておりまするし、私もいろいろとあれやこれや考えてみましたが、ここでひとつ、いままでの補償、援護のあり方を国家補償に切りかえるかというところに踏み切るのには、どうしてもちょっと踏み切れないものが残っておるわけであります。御意見の次第ももっともに思いますけれども、この点はいままでのように、まあ、身分的に戦時業務に従事したという者と、そうでない者との区別によって、国家補償かそうでないかという区別をつける以外にないのではないだろうかと、さようにいままで考えているわけであります。
○大橋和孝君 いまのお話をちょっとお聞きしますと、なるほど戦地へ行った人は、命令によってそっちへ行かれた、何かその点踏み切れないところがあると、こうおっしゃるわけでありますが、いま、私ちょっとここで指摘いたしましたように、特別な国との間にもあれがあり、軍人軍属なんかの立場と実際にそんなに変わっていないんじゃないか。私、いままでも議論されたけれども、なおもう一つそれに踏み切ってもらっていないのが、どうしてもよくわからないのです。もう一つ、こういう時期になってきて、いまその差別をつけるべきではないということを申したように、二、三点をあげたわけでありますが、そういう点から考えると、私はいまさら、こういう時期になってきてから、やはりこの差別を置かないで、ぜひとも同じようなぐあいに国家補償の見地に立って、やっぱり援護法に踏み切ってもらおうと、戦没の遺族だとか、あるいはまた、その同じような形に私は、ここらで考えてもらいたいというふうに思うわけです。一体、そう踏み切れない理由というのはないように思うけれども、どこが踏み切れないのですか。
○国務大臣(斎藤昇君) やはり一般国民の戦争被害というものと、それから戦争の業務に、と言うのはおかしいですけれども、戦争をやるための要員として業務に従事させられていたという者との区別であろうと、かように考えております。臨戦地帯になった場合にどうなるだろうかという問題がもう一つあるわけであります。いままで本土は臨戦地帯にはなってはおりませんでしたが、しかし原爆やあるいは焼夷弾でやられた、艦砲射撃でやられた、あるいは爆弾でやられたというふうな、臨戦地帯に近いわけでありますけれども、まあ、臨戦地帯ではない。沖繩は復帰いたしました。私は考えますのに、沖繩はだいぶ臨戦地帯になっている。そこで、その被害を受けられた人をどうするかという問題で、いままで聞くところによりますと、大部分は戦争従事者という形にして援護をいたしておるようでありますが、それがはたしてほんとうに十分であったのかどうか。場合によったら再検討しなければならぬのじゃないかという私は感じがいたしております。まあ、そこらと、日本の国内における戦争状態の際の国民の受けた被害というものをどう区別するかと、ここに問題があるんじゃないだろうかと、かように考えます。
○大橋和孝君 この原爆の被爆者なんかを考えてみますと、あの広島地区は、もう実際、その一人一人を考えてみると、私は、やっぱり、戦地に行っている人と同じようなぐあいにそれをのがれることもできなかったし、あるいはまた、それには防空壕なりあるいは何なりの地域をあれするための任務を持ってやっていた人がほとんどすべてですね。隣組にしろ何にしろやっているわけで、特に、ああいうような大きな原子爆弾が落とされて被害を受けたような場合には、私はほんとうに戦争の中へ行って戦地でやっているのとちっとも変わらぬような状態で、非常に大きな傷害を受けて死に、あるいはその遺族として残されたというような形で、その非常に障害をあとに残しているというわけでありますから、原爆死没者に対する埋葬料の支給だとか、あるいはまた遺族に対する補償措置なんかにつきましても、私は、戦没者に関する援護に準じた措置を当然行なわれるべきだ。そんなに、国民に対して臨戦があったとかなかったとかいっても、同じような状況がいまから考えてみればあるんじゃないか。もう少しいまの時代には考え方、解釈のしかたを拡大すれば、もうほんのちょっと一線を変えれば同じところになる。ただほんの紙一重のところに何かこだわって、よけいにこだわっているというようなふうな感じさえ私は持つんでありますが、そういう意味でもう少しこの原爆の死没者なんかに対する埋葬料だとかあるいは遺族に対する補償の措置とか、これは戦没者並みにしてはどうですか。ひとつ踏み切ってもらえませんか。
○国務大臣(斎藤昇君) 確かに法体系は違っても手当は厚くしたらどうだと、それには私は賛成でございます。私、ちょうどその当時防空総本部の総務局長をいたしておりまして、そして、直後広島も長崎もすぐ視察に参りまして、その状態は今日でもまざまざと存じております。また、江東方面の焼夷弾で一斉に焼かれて、そこでずいぶんなくなられた人、あるいはけがをした人、やけどをした人、その状況も私は、よく存じております。これらを見てみますと、何とかならぬものだろうかという感じを私自身も持つものです。その当時、私自身は被害は受けませんでしたけれども、直後の様子を十分承知をいたしておりますので、そういった方に対する手当だけは、法体系は違っても厚くすべきではないだろうかというので、原爆の被害にかかられた方の特別措置は、他の措置より万も手厚くなっておりますので、これで十分というわけにはまいらぬと思いますが、逐次手当を今日まで厚くしてきているというのが現状でございます。
○大橋和孝君 たとえば旧防空法によって対空の監視や救護医療の任務に従事中に被爆して死亡した人たちの遺族に対しましては、特別に優先的な考慮をすべきであるのに、防空監視員だけが遺族援護法の中に取り込まれたにすぎぬだけで終わってしまっている。また、警防団員や医療従事者については、七万円ぐらいの見舞い金を支給されたにとどまっている。こういうような被爆者に対する援護を、さらにやっぱり強化すべきじゃないかというふうにも思っているわけです。いま大臣がお話になりましたように、こういうような差があっちゃよくないのじゃないですかというのが、私の根本の考えでございます。ですから、ひとつ、こういう時期になってこの援護法も出されてくるわけでありますから、もう、ここらでひとつ何とか、そういうことのないようにしてもらいたいと思うのですが、どうでございましょうか。
○国務大臣(斎藤昇君) ほとんど毎年、原爆の特別措置法の改正をいたし、手当を厚くいたしております。そのたんびに、いまおっしゃる御意見も伺っておるわけです。防空の監視所員と、その他の警防団員との違い、その他の勤務の状況等が違うからということで今日までなっておるわけでございますが、おっしゃいますように、できるだけ手当は国家補償に近づくような手当に持っていきたいと、かように今後も努力いたしてまいりたいと存じます。
○委員長(中村英男君) 他に御発言もなければ、本案に対する本日の審査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十五分散会 —————・—————