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68回国会参議院1972/03/11

公害対策特別委員会 第3号

発言数
260
登壇者
28
会派数
5
開催日
1972/03/11

会議録

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) ただいまから公害対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る二月十日、杉原一雄君及び鈴木美枝子君が委員を辞任され、加瀬完君及び占部秀男君がそれぞれ補欠として選任されました。  また、本日、茜ヶ久保重光君及び占部秀男君が委員を辞任され、工藤良平君及び中村波男君がそれぞれ補欠として選任されました。     —————————————

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  本日の委員会に参考人として公害防止事業団理事長江口俊男君の出席を求め、同事業団の事業及び予算について説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。     —————————————

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 公害対策樹立に関する調査を議題とし、昭和四十七年度における環境庁関係予算及び公害対策関係予算について順次説明を聴取いたします。城戸官房長。

城戸謙次環境庁長官官房長

○政府委員(城戸謙次君) 昭和四十七年度の環境庁関係の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  昭和四十七年度の総理府所管一般会計歳出予算のうち、環境庁の予算の総額は八十億一千五百五十五万八千円であります。  このほかに、建設省の所管予算として計上されております国立公害研究所及び公害研修所の施設整備の経費がありますので、これを合わせますと、昭和四十七年度の環境庁関係予算は八十二億八千五百五十五万八千円となり、前年度の予算に比べ、四十三億九百九十六万九千円の増加となっております。  なお、建設省所管予算の国庫債務負担行為として官庁営繕に十億七千百万円を予定いたしおります。  次に、個々の施策の予算の重点について御説明いたします。  第一に、公害対策について申し上げます。  まず、大気汚染防止対策等及び水質汚濁防止対策につきましては、環境基準の設定につきまして、所要の経費を計上いたし計画的に推進するとともに、排出基準、排水基準をはじめ各種公害の規制基準の強化等をはかり、また、政策的対応がおくれている自動車公害、特殊騒音対策及び悪臭防止対策について自動車排出ガスの許容限度の設定等のための調査を行なう等、三億一千九百七十九万円を計上いたしております。  このほか、地盤沈下及び廃棄物対策費に一千九百九十七万円、土壌汚染防止及び農薬対策費に一億四十万円をそれぞれ計上するなど、公害規制基準の強化等の経買として総額四億四千十六万円を計上いたしております。  また、公害監視設備整備費につきましては、地方公共団体に対する監視測定及び分析体制の整備費の補助の充実をはかるなど、これが施策を一そう強化することとし、六億四千二百四十四万円を計上しており、前年度予算に比し大幅な増額となっております。  環境保全企画調整等の経費については、環境保全に関する長期ビジョンを策定するほか、公害行政担当者の研修を行なうなどのため三千八百三十二万円を計上いたしております。  公害防止計画策定については、新たに公害防止計画策定のための基礎調査を十地域において実施するなど、所要の経費を計上いたしております。  公害被害救済対策については、医療手当の額の引き上げ、支給要件の改善をはかるほか、地域指定拡大に要する経費を見込むなど、一億三千九百六十六万円を計上いたしております。  公害防止事業団については、事業計画規模を五百九十億円に拡大することとし、これに伴い事務費等の助成費も増額し、八億二千四百二十五万円を計上いたしております。  さらに、公害の防止等に関する研究について申し上げます。  研究費は、科学的な環境行政を推進するために欠くことのできない前提でありまして、総額二十七億三千四百六十七万円を計上しており、前年度予算に比し大幅に増額いたしております。  まず、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として十億円を計上いたし、各省庁試験研究機関等の公害の防止等に関する試験研究経費を一括計上することといたしております。  また、瀬戸内海大型水理模型の建設を行なうため、九億五千九百十万円を所要経費として計上し、その整備をはかることといたしております。  さらに、社会的に強い要請のあります光化学スモッグにかかる調査研究に一億百七十八万円、瀬戸内海水質汚濁総合調査に七千六百万円、その他健康被害、自然保護、大気汚染及び水質汚濁等に関する調査研究費として二億四千七百七十八万円を計上し、重点的な調査研究を進めることといたしております。  以上のほか、環境保全総合調査研究促進調整費として三億五千万円を計上いたし、関係省庁の所管する各種の環境保全に関連する調査研究の総合的な調整をはかることといたしております。  以上、これらもろもろの施策に必要な経費として、総額四十八億四千八百八十六万円を計上いたしております。  第二に、自然環境の保護整備対策について申し上げます。  まず、国立公園内の特別保護地区等に所在し、私権との調整上、当面特に緊急を要する区域を対象として都道府県の交付公債により買い上げることとし、事業費総額を約六十億円と予定いたし、所要の経費を計上いたしております。  鳥獣保護行政につきましては、新たに「野鳥の森」の施設の整備、渡り鳥保護対策のための鳥類観測ステーションの整備を行なうなどのため、一億一千七百三万円を計上いたしております。  さらに、自然公園等の施設の整備につきましては、十四億六千六百十六万円を計上し、国立公園等の整備をはかる等、これまでの施策に合わせ東海自然歩道について早期に全線開通をはかるため所要の整備を行なうほか、国民休暇村の増設に着手することといたしております。  以上、これらもろもろの施策に必要な自然環境の保護整備対策費として総額十九億三千百七十三万円を計上いたしております。  なお、このほか、建設省所管の予算として、公害研修所の四十七年度建設費として二億円及び国立公害研究所の四十七年度建設費として七千万円がそれぞれ計上されております。  以上をもちまして昭和四十七年度の環境庁関係予算の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願いいたします。

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 次に、船後企画調整局長にお願いいたします。

船後正道環境庁企画調整局長

○政府委員(船後正道君) 各省各庁の昭和四十七年度環境保全関係予算につきまして、その概要を御説明いたします。  まず、歳出予算について御説明いたします。昭和四十七年度における環境保全関係予算の総額は千六百八十億円となり、前年度の予算に比べ五百六十六億円の増加となっております。  このうち、一般会計分は千五百六十六億円と、前年度の予算に比べ五百三十億円の増加となっており、各特別会計分は百十四億円と、前年度の予算に比べ三十六億円の増加となっております。  これを公害防止関係と自然環境保全関係とに分けますと、公害防止関係予算は千五百六億円、自然環境保全関係予算は百七十四億円となっており、それぞれ前年度の予算に比べ、四百九十二億円、七十四億円の増加となっております。  次に、各省庁別にその予算の主要項目について御説明申し上げます。  第一に、総理府におきましては、まず、総理府本府においては、中央公害審査委員会等を発展的に解消せしめ、新たに総理府の外局として公害等調整委員会を設置することとし、所要の経費一億六千六百万円を計上しております。  警察庁におきましては、公害事犯の取り締まりに万全を期すべく、これに必要な資器材、指導等に要する経費一億一千二百万円を計上しております。  首都圏整備委員会におきましては、首都圏における広域的な排水計画等に関する調査を行なうこととし、調査費三百万円を計上しております。  北海道開発庁におきましては、下水道事業費補助、公園事業費補助等の北海道分として、総額五十億三百万円を計上しております。  防衛施設庁におきましては、防衛施設周辺の整備等に関する法律に基づき、学校等の防音工事の助成、家屋移転補償等を行なうこととし、これに必要な経費百五十七億六千万円を計上しております。  経済企画庁におきましては、離島における下水道事業及び公園事業を実施することとし、所要の経費四千万円を計上しております。  科学技術庁におきましては、公害を起こさない新農薬の創製開発をはじめとする各種調査研究を実施することとし、所要の経費六千三百万円を計上しております。  沖繩開発庁におきましては、沖繩における下水道事業、公園事業等の各種公共事業の実施を推進するほか、公害防止のため各種調査、指導を実施することとし、新たに総額十五億二千三百万円を計上しております。  環境庁関係予算につきましては、その概要を御説明申し上げましたので、説明を省略させていただきます。  以上、総理府関係の本府及び各庁の予算を合計して総額二百九十六億六千三百万円となります。  第二に、文部省におきましては、公立学校の公害防止工事等の補助につき大幅拡充をはかることとして七億二千四百万円、さらに、少年の健康を守るとともに、自然についての体験的学習を行なわしめることを目的とする「少年自然の家」の設置費用の補助についても大幅拡充をはかることとして六億八千万円、大気汚染地域の公立小中学校児童生徒の特別健康診断を実施するとともに、自然環境に移動させて健康の強化増進に資するための経費として一億三千二百万円を計上するほか、史跡等の買い上げを行なうための史跡等保存整備史跡等買い上げ費二十三億四千百万円を含め、総額四十九億二千七百万円を計上しております。  第三に、厚生省におきましては、近時における廃棄物発生量の飛躍的増加と処理の困難化の実情にかんがみ、廃棄物処理施設整備事業の飛躍的拡充をはかるため、新たな施設整備長期五ヵ年計画を策定することとし、これに必要な補助のうち昭和四十七年度において八十二億三千百万円を計上しております。このほか、浄水場の排水処理施設整備費、保健所の公害関係諸経費等を含め、総額八十四億七千三百万円を計上しております。  第四に、農林省におきましては、まず農業関係公害防止対策として、都市用水等による農業用水の水質汚濁に対処するため水質障害対策費四億七千百万円、土壌に蓄積された重金属の排除等をはかるため公害防除特別土地改良事業費一億五千九百万円を計上する等の措置を講ずることとしております。また、畜産農家の集団移転を促進し、畜産経営の規模拡大をはかるとともに公害問題の解決に資するため畜産団地造成事業費十三億七千三百万円、さらに、地盤沈下対策として新潟地域特殊排水事業十六億五千五百万円を計上しており、このほか公害による漁業被害防止対策として、防油さく設置費、漁場環境維持保全対策費等の諸経費を含め、総額として五十億四千五百万円を計上しております。  第五に、通商産業省におきましては、まず、公害防止技術の開発を強力に推進するため、重要技術研究開発費補助金中、公害対策特別ワクの大幅拡充をはかることとし、三億円、生産工程そのものの完全無公害化を実現すべく、新たにクローズドプロセス技術開発の特別ワクを設け、三億七千万円を計上することとするほか、大型工業技術研究開発費の大幅拡充、資源再生利用技術システム研究開発調査費の新規計上等、公害防止技術関係予算の飛躍的充実をはかることとしております。このほか、企業の公害防止体制等の整備をはかるための諸措置につき強化拡充をはかり、さらに、公害計測機器及び防止機器の性能の確保をはかるため検定制度を実施するための経費を新たに計上する等の措置を講じ、また、地盤沈下防止対策工業用水道事業費補助の飛躍的拡充をはかることとしており、これらを合わせて総額四十二億五千二百万円を計上しております。  第六に、運輸省におきましては、まず、海洋汚染防止対策として、廃油処理施設の整備及び港湾における汚泥しゅんせつ等の公害防止事業に対する補助のために要する経費十億五千九百万円、海上公害事犯の取り締まりを効果的に行なうため、海上保安部署に所要の機器の整備等をはかるため、八千七百万円を計上する等の諸措置を講ずることとしております。また、空港周辺の騒音問題に対処するため、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律に基づき、学校等の防音工事の助成、家屋移転補償等の事業の飛躍的拡充をはかることとし、五十八億七百万円を計上することとしております。このほか、自動車公害防止対策、地盤沈下地域の海岸保全施設整備、青少年旅行村整備等の諸施策につき一そうの充実をはかることとしており、これらを合わせて総額七十一億四千九百万円を計上しております。  第七に、労働省におきましては、労働環境整備の見地から各種専門技術指導を行なうため、有害環境改善推進費として三千二百万円を計上しております。  第八に、建設省におきましては、まず、下水道整備対策について、昨年八月に定められました下水道整備五カ年計画に基づき、下水道事業の大幅拡充をはかることとし、九百二十八億二百万円を計上することとしたほか、下水道事業の円滑な実施をはかるため、下水道事業センターを新たに設置することとし、これに対する出資金等一億五千万円を計上しております。  次に、都市における産業公害を緩和防止するための措置として実施している緩衝緑地整備事業の拡充をはかることとし、八億円、地盤沈下に対処するため、高潮対策事業費につきましても所要の予算を確保することとし、二十九億五千万円をそれぞれ計上する等各種の公害防止事業の拡充をはかることとしております。  自状環境保全関係の施策としては、都市の生活環境の改善をはかるため、公園事業費の飛躍的拡充をはかることとし、百三億五千七百万円を計上するとともに、大都市近郊の自状環境の保全をはかるため広域緑地保全事業費の一億円、古都における歴史的風土の保存をはかるため古都保存事業費四億円を計上しております。  以下の経費を中心といたしまして、建設省においては総額千八十五億三百万円を計上しております。  第九に、自治省におきましては、公害防止のため必要な地方公供団体職員の研修等に必要な経費百万円を計上しております。  次に、公害防止関係財政投融資について御説明いたします。  昭和四十七年度における公害防止関係財政投融資は、全体として、契約規模または貸し付け規模において総額二千六百三十二億円を予定し、前年度に比べて九百三十億円の増加となっております。  公害規制諸法の強化に伴い、民間企業等においては公害防除装置の設置等公害防止事業の飛躍的増大が必要になってきており、これを円滑に実施せしめるため政府系各種金融機関の果たすべき役割りはきわめて重要であります。  まず、公害防止事業団におきましては、契約規模において五百九十億円と、前年度に比べて百九十億円の増加をはかるとともに、対象施設に悪臭防止施設、産業廃棄物処理施設を追加することとしております。  次に、日本開発銀行におきましては、貸し付け規模において三百五十億円と、前年度に比べて二百五十億円の増加をはかるとともに、対象施設に悪臭防止施設、無公害工程転換等を追加することとしております。  さらに、中小企業金融公庫におきましては、貸し付け規模において八十億円と、前年度に比べて四十億円の増加をはかるとともに、融資限度の引き上げを行なうこととしております。  国民金融公庫におきましては、貸し付け規模において二十億円、農林漁業金融公庫におきましては、畜産環境保全施設に関し、貸し付け規模において二十九億円、日本私学振興財団におきましては、私立学校の防音工事等に関し、貸し付け規模において四億円をそれぞれ予定しております。  このほか、地方公共団体の下水道整備、棄廃物処理施設整備等の事業を推進することとし、地方債計画において千五百五十九億円を予定しております。  最後に、公害防止関係の税制上の措置について、その主なものにつき御説明いたします。  まず、公害防止施設の特別償却制度につき所要の拡充を行なうこととし、対象施設について新たに悪臭防止施設等を追加するとともに、適用期限の到来する対象施設についてその延長を行なうこととしております。  次に、公害防止費用の支出に企業が対応できるよう、新たに公害防止準備金制度を創設することとし、公害防止費用の支出が相当多額にのぼると見込まれ、かつ、所得変動が大きいと認められる業種に属する企業について売り上げ金額の一定割合を公害防止準備金として積み立てることとしております。  さらに、発電及び製鉄に供される燃焼用揮発油に対する揮発油税及び地方道路税を三年間免除することとしております。  以上をもちまして、各省各庁の昭和四十七年度環境保全関係予算の御説明を終わります。よろしくお審議のほどお願いいたします。     —————————————

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 次に、公害防止事業団理事長江口俊男君。

江口俊男運輸省鉄道監督局長

○参考人(江口俊男君) 公害防止事業団理事長江口俊男でございます。  公害防止事業団の昭和四十七年度の予算について御説明申し上げる前に、事業団事業の実施状況について、簡単に述べさせていただきたいと思います。  公害防止事業団は、昭和四十年十月一日に業務を開始して以来、昨昭和四十六年十二月三十一日までの六年三カ月の間に、お配りした資料の一枚目にありますように、造成建設事業については、契約件数六十三件、契約金額約四百七十四億円、貸し付け事業につきましては、契約件数五百二十六件、契約金額約四百七十一億円、合計九百四十五億円の事業を実施いたしてまいりました。  この事業実施状況の内訳は、資料の三枚目に掲げておきましたので、後刻ごらんを願います。  このように、いままでは造成と融資という当事業団業務の車の両輪ともいうべきものがほぼ均衡を保ってまいりましたが、一昨年あたりから規制の強化と公害防止意識の高揚を反映しまして、融資が急速に伸び始めまして、昭和四十五年度には百七十五件、百九十億円、四十六年度には、四月から十二月までに、すでに契約済みのもの二百十六件、百八十億円、さらに役員会決定済みのも一のを含めると二百六十四件、二百三十億円となり、この三月末には三百八十億円に達すると見込まれます。  そこで、昭和四十七年度の政府予算案編成の段階では、この事業団事業の進展、特に貸し付け事業の伸張に伴って、資料の一枚目及び二枚目に掲げておきましたような措置が認められることになっております。  すなわち、財政投融資資金計画におきましては、当事業団の事業費として、契約ベースで五百九十億円、資金ベースで五百七十八億円となっております。年間に、新たに契約金額五百九十億円の契約を行ない、また事業費として五百七十八億円を支出してよろしいということであります。これは前年度当初予算契約ベース四百億円に比べますと四八%の伸びを示していることになりますが、造成建設事業分については前年と同額の百四十億円になっているのに対し、貸し付け事業が四百五十億円となり、前年度当初予算契約ベース二百六十億円と比べますと、実に七三%の激増になっていることに原因しております。この事業を行なうために必要な財投資金借り入れ額は四百七十一億円となっております。  貸し付け対象施設については、本年度までは、ばい煙処理施設、汚水処理施設、粉じん防止施設、特定物質処理施設、緊急時用低硫黄燃料貯留施設及び騒音防止施設となっておりましたが、これに昭和四十七年度からはさらに悪臭防止施設及び産業廃棄物処理施設が追加されることに相なるわけでございます。  事務所費、貸し付け業務委託費等をまかなうための政府交代金については約七億八千万円、事業団事業の金利と財投借り入れ金の金利との逆ザヤ補てんのための政府補給金は約四千四百万円となっております。  なお、事業団事業の金利は、御参考までに資料の二枚目に掲げておきましたとおり、共同公害防止施設については、建設事業の対象となる場合も貸し付けの対象とする場合も、中小企業及び地方公共団体につきましては、当初三年間五%、四年目から五・五%、大企業におきましては、当初三年間六・七五%、四年目以降七%、工場、アパート、工場移転用地、共同福利施設建設事業及び個別公害防止施設に対する融資の場合は、中小企業及び地方公共団体については六%、大企業については七%となっております。  事業団の実施する事業のうち、共同福利施設の建設につきましては、その高度の公共性にかんがみまして、毎年補助金が交付されておりますが、昭和四十七年度は八億円の国庫補助が行なわれることに相なりました。  最後に、昭和四十四年十二月十五日に公布されました公害に係る健康被害救済に関する特別措置法による納付業務費予算案につきましては、四億三千万円となっております。これは公害病認定患者の救済に充てるため、事業団から県に納付する医療費等と事務費の総額でございまして、国からの交付金と公害対策協力財団の拠出金の合計額でございます。  以上が簡単ではございますが、当事業団の事業及び四十七年度の予算案の概況でございます。よろしく御審議をお願いいたします。

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 大石環境庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。大石環境庁長官。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 私は、去る二月の二十七日に、熊本県水俣市に参りまして、水俣病に悩む患者の家庭を訪問し、並びに患者の代表の方々からその実情をいろいろと聞いてまいりました。今回のこの出張は、そのような患者の実態を見たい、患者の実際の話を聞きたいという目的で参りましたので、調査する、あるいは訪問する先も、その範囲にとどめまして、二十六日の夕方、福岡へ参りまして、次の朝、汽車で水俣へ参ったわけでありますが、水俣では、水俣の市立病院並びに湯之児の分院と申しますか、この二つの病院を訪れまして、いろいろ患者にもお目にかかり、またその実態も見、またいろいろな患者に対する医療方針なり治療の方針あるいは将来のいろいろな考え方、そういうものについていろいろと聞いてまいりました。  次に、患者は、御承知のように、大体大きく分けまして二つの方向に分かれ、訴訟派と、いわゆる一任派と二つに分かれておりますので、双方の意見を聞きたいと思いまして、その双方の患者さんのお宅に御集合願いまして、そこでいろいろとお話をお聞きいたしました。その前後、数軒のお宅も訪問いたしまして、患者さんにもお目にかかり、いろいろその実態も見てまいったわけでございます。  このたびの出張によりまして、私は、水俣病の悲惨な実態を実際に目で見、じかに耳で聞いてまいりまして、この問題の解決には、なお一そうあたたかい気持を持って努力しなければならないという決意を新たにしたわけでございます。  以上が調査の報告でございます。     —————————————

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 公害対策樹立に関する件について質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。

中村波男日本社会党

○中村波男君 私は、本日は、新幹線公害にしぼって、環境庁長官、その他関係の国鉄、運輸省等にお尋ねしたいと思うのであります。  その前に、第五十五国会におきまして、一応公害対策の関係法案が整いまして、しかしながら、公害による被害者を救済するためには何としても無過失責任制度をつくらなければならぬ、これが国会でも強く要求をされたところであります。国民がその法を強く期待しておるのでありまして、佐藤総理が約束をされましてからすでに三年近いんであります。今回ようやく環境庁におきまして、法案要綱をおまとめになって、今国会に提案をすべく準備中だというようにお聞きしておるのであります。今回は間違いなく提案をされるのか、また、その法案の内容について、概略この機会にまず承っておきたい、こう思うわけです。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 無過失損害賠償責任制度につきましては、お説のとおり、これはわが内閣といたしましても三年越しの懸案でございます。そのような公約をいたしておりますので、いままでも何とかしてこれを提案いたすべく努力してまいりまして、御承知のように、昨年は成案も得ましたのでございますが、いろいろな事情によりまして国会に提案するに至らなかったことは、まことに残念でございますし、申しわけなかったと考えております。そのあとを受けまして、私は、昨年の七月から環境庁長官として仕事をしているわけでございますか、やはり何としてもこの無過失責任制度をつくることが日本の公害対策あるいは日本の公害行政に大きな一期を画するものと信じまして、それに努力をいたしてまいりました。それでようやくその要綱もまとまりましたので、現在、内閣の法制局におきまして、その案文の作成中でございます。近くできますので、これをその後いろいろな手続を経まして、国会に提案をいたすべく努力いたしたいと思います。今回は何としても提案をいたしまして、十分御審議を賜わった上、これを法律にいたしたいものと決意を固めておるわけでございます。  内容につきましては、いずれその成案ができ次第皆さんに御報告したいと思いますので、とりあえず簡単な骨子だけを申し上げたいと思いますが、最初に、これは御承知のように、一つの大きな民法の例外規定でございます。したがいまして、そのような例外規定をつくるには、やはり十分法的に納得のできる根拠のあるものでなければならないと信じますので、最初に内容が法律としてりっぱな欠点のないものであるというものにしたいと心がけて努力してまいりました。幸いに日本の我妻榮先生ほか有数の方々の御協力を得まして、そういう方々に十分御検討をいただきまして、法的には十分心配のないという方向になったわけでございます。  この内容につきましては、いろいろな考え方がございますが、私どもは、大気汚染防止法と水質汚濁防止法の二つの法律を改正いたしまして、その中に無過失の考え方を、内容を盛り込みたいというように考えております。御承知のように、この場合には、いわゆる二つの法律で規制しております物質が問題になりますけれども、その対象は、人間の健康被害についてのみ今回は対象といたす考えでございます。そうしてそのような場合、この有機物質の二、三の有害物質といたしましては、人の健康にかかる被害を生ずるおそれのある物質として、大気汚染防止法に規制してある物質も入っております。その中には、いろいろな御希望のあります有害物質、ばい煙、硫黄酸化物、ばいじんその他の有害物質あるいは特定物質、アンモニアその他の特定物質、こういうものが入っておりますし、水質汚濁法関係の有害物質も、人の健康にかかる被害を生ずるおそれのある物質として、水質汚濁法による規制の対象とされている有害物質、こういうものを対象にいたしております。こういうことでこの内容ができ上がっておりますが、もう一つは、その共同不法行為者の責任の範囲につきまして、その損害が二以上の事業者の事業活動によって生じまして、かつ当該損害について民法第七百十九条第一項の共同不法行為の適用があるときは、裁判所は、当該損害についてその原因となる程度が著しく小さいと認められる事業者——中小企業でごさいますが、これに対しましては、損害賠償の額を減ずることができるようにいたしたいと考えております。それから、その次には因果関係の推定でございますが、工場または事業場における事業活動に伴い、二の有害な物質を出した者がある場合において、その排出により人の生命または身体に被害が生じ得る地域内に同種の物質により人の生命または身体に被害が生じているときは、その被害は、その者の排出した有害な物質によって生じたものと推定できることにいたしたわけでございます。そのような因果関係の推定の規定も入れておるわけでございます。これが大体法案の骨子でございますが、このようなことで案文を得まして御提出いたしたいと考えておる次第でございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 私たちは、無過失責任制の立法化については、民法の特例法として広く公害一般を対象にすべきである、こういうふうに考えておるのでありますが、いま長官のお話を承りましても、水質汚濁防止法と大気汚染防止法の二法案の中に無過失規定を導入するということにされるようでありますが、そうしますと、無過失責任を負わされる公害というのは、有害物質によって被害が生じた場合に限られる。したがって、騒音、振動、地盤沈下などが除外されるじゃないか。これは全く私たちの納得のいかないところであります。したがって、騒音、振動などの公害を除外された理由ですね。また、これに対して環境庁として今後どう対処されようとしておるのかということを含めてこの機会に承っておきたい、こう思うわけです。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) それについて理由を申し上げますが、なぜこれはこのような二つの法律の一部改正だけで済ますようにしたか、なぜ一本の法律にしなかったか、いろいろな御意見がございます。それにつきましては、申し上げますけれども、最初に、今回のこの法律案は人の健康被害というものを中心にいたしておりますので、いままでの段階では、騒音なり悪臭というものにつきましては、これは必ずしも人の健康に大きな影響を与えておらない段階でございます。そういうことで健康被害ということを中心にしておりますので、一応騒音ないし悪臭というものにつきましては、まだこれを取り入れる段階ではないと考えまして除いております。  ただ、その他、たとえば財産の問題、農業とか漁業のいろいろな財産の被害がございます。こういうものにつきましても、なぜこれを入れないのかといういろいろな御意見がございます。私は、この御意見はごもっともだと思います。しかし、この法律案が法律になりましたならば、いずれ近い将来には、そのような少なくともわれわれの生活に関係する生業を中心とした財産の損害についても、ぜひこれは取り入れなければならぬと考えております。近い将来にはそれは取り入れなければならぬと考えております。ただし、現段階におきましては、なかなかその入れる調査その他がまだ十分ではございませんし、そのような財産その他を一切取り入れた大きな法律案になりますと、とうてい一年二年ではこの法案をつくることができません。それで取り急ぎいろいろな事情を考えまして、とりあえずまず橋頭堡をつくって、早く無過失責任制度の考え方を行政の中に取り入れたい、これを土台として引き続きいろいろな大きな方向に進んでまいりたいという方針のもとに、あえてこのような必要にして最小限度の内容にとどめたのが私どもの考えでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 私、いまの長官の答弁を聞きまして、全く心外でならないのであります。近い将来検討しましょうという、いわゆる騒音、振動、地盤沈下等に対する対策については全く熱意がないと言わなければならぬ、こういうふうに受け取るわけです。  時間がありませんから、第五十五国会における審議の経過等について詳しく申し上げませんけれども、その後騒音規制法等の審議の中で、当時の園田厚生大臣はこういうようなことを答弁していらっしゃるわけですね。「公害に対する政府の基本的な精神というものがなかなか関係各省で違います。私のほうは生命と健康が主であって、それに他のものが従うという意見だし、他の所管の方々はやはり自分の所管のものの育成というものを大事に考えている。それで手間どりました。しかし、いま御指摘の自動車高速道路、新幹線、これはこれから省いたというわけではございませずに、たとえば新幹線にいたしますると周辺用地をどの辺までにきめるか、あるいはそこに住居する者からこれを買い取れという要求を受け入れるとか、いろいろ問題がありまして、それをまとめようとすると、まだまだ技術的に困難な点もあります。技術的とは音をなくする技術的ではなくて、自動車高速道路、新幹線の公害の基準をきめ、これを防ぐための法律案をお願いすることの技術的な面に非常な困難がございまして、それをまとめ出そうとすると、非常に御審議願うのがおくれますので、とりあえずこの二つは検討を続けることにして、それを除いてできたものだけお願いしたというかっこうで、いまの高速道路、新幹線鉄道というものに早急に、これはいまの検討をそのまま続けてやらなければならないことであって、いま事務当局から言いました技術的な検討というのは、その中のごく一部でございます。」、こういうように、当時の質疑の中では、引き続いて新幹線等の公害について検討をする、こういう趣旨の答弁をしておられるわけです。それから数年経過しておるのでありますが、全く環境庁としては手をつける意思がないようにいまの答弁から受けとれるわけですが、これらの点については、いわゆる公約違反だとも言えないことはないと思いますが、どうなっているのですか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) いまの答弁の速記録でございますが、私、いま初めてお聞きしたものでございますから、どういうことかよくわかりませんが、いまの内容を聞いておりますと、これは騒音なり、そういうものに対する基準の設定の場合の考え方でなかろうかと思います。残念ながら、いままで新幹線騒音等に対する環境基準なり、そういうものはまだ設定いたしておりません。これは非常にむずかしい問題でございまして、何とかして少なくとも昭和四十七年度内にはそのような環境基準をつくりたいと、いま努力している最中でございますが、それすら必ずしもいつできるかというお約束ができないほどの状態でございます。御承知のように、航空機の騒音があまりひどいので、伊丹と羽田につきましては、とりあえず何か規制しなければならないという方針のもとに、昨年の暮に暫定措置として、いわゆる指針ですね。環境基準の指針という形でわずかに規制の方向を打ち出しまして、これを運輸省に勧告しておりますけれども、その答弁は、おそらく基準の設定の場合の議論ではなかったかと思います。このようにまだ環境基準さえ設定し得ませんので、これを直ちにいま無過失賠償責任制度の中に騒音を取り入れるということはとうていむずかしいことでございます。そういう意味で、それがもう少し形が整いましたあとでこれを取り入れたいという方針でございまして、そうなまけているわけでもございませんが、むずかしい問題でございますので、その点はひとつ十分に御了承をいただきたいと思う次第でございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 騒音の中でも、最近は、いわゆる航空機騒音、これについて相当住民運動等の影響を受けて政府も前向きで検討されている。それから自動車騒音、高速道路等の問題については、いわゆる交通取り締まりの面からの規制ということも、形だけではありまするけれども、いわゆる基準が一応設けられておる。  そこで、新幹線公害の騒音、振動というものに対する認識が環境庁——あるいは政府と言うべきかもしれませんが、欠けておるのではないか、こういうふうに私は考えるわけです。実態を長官はごらんになったといいますか、現地を御視察になったことがあるかないかしりませんが、これはたいへんなことなんです。したがって、騒音、振動というものは健康に無関係ではないと、こういう私は認識をまずすべきだというふうに思うわけです。いわゆる公害白書等から見ましても、それは明らかに指摘がなされておるところであります。  そこで、時間がありませんから、私の質問しようとする新幹線公害に質問を移してまいりたいと思うのでありますが、最近、新幹線の公害に対する住民からの苦情、陳情等が続出しておるというふうに聞いておりますが、それらの件数あるいは被害戸数等々が把握されておれば、この機会にひとつお示しをいただきたい、明らかにされたい。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 汽車の、ことに新幹線の騒音、振動につきましては、いろいろな陳情が参っております。たとえば東京都の品川地区の方面であるとか、岐阜県からとか、いろいろ参っております。実際そのように、みなにいろいろな日常生活に非常な御迷惑を与えておるということは十分にわれわれも推測できるところでございます。どのくらいの件数のあれがあるかということにつきましては、いま存じませんが、事務当局でわかっておりましたらこれを説明さしたいと思います。

長浜正雄日本国有鉄道理事

○説明員(長浜正雄君) 国鉄の常務理事の長浜でございます。  ただいま大石長官が事務当局と申されましたが、いままでの現地からの騒音、振動に対します苦情、この点につきましては、一件数戸あるいは数十戸といった戸数はございますが、そういう件数で申しますと、騒音だけでは現在までに五十一件で、騒音と振動と合わせますと六十八件、両方合わせまして約百二十件ということでございます。この件は件数でございますので、この中には多数の方々が含まれておるわけでございます。騒音でございますので、何人とか、家屋が幾つというふうには整理しておりませんが、地区として百二十カ所ぐらいというふうに私たちのほうで把握しております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 長官、先般、岐阜県知事の平野さんが長官にもお会いして、新幹線公害の問題について陳情をいたしたはずでありますが、私は、大阪から東京まで——まだ岡山−大阪間というものは具体的に被害が出ていないと思いますから。東海道新幹線の公害については、大同小異、岐阜県のみの問題ではないと思う。したがって、岐阜県の問題は、私が岐阜県でありますだけに、実情を知っておりますから、岐阜県の実態の上に立って具体的にひとつ質問をいたしたいというふうに思うわけです。  最初に、県がまとめました東海道新幹線にかかる公害問題経緯書というのがありますが、これをごらんいただきますと、新幹線が開通をした直後に、三十九年の十一月十日に、安八郡安八町の馬渕貞義というのが、新幹線が開設されたために水田が、いわゆる新幹線によって遮断されて排水をするところがない、だからぜひ何とかしてもらいたい、こういう陳情を出したわけです。これはまあ直接振動とか騒音の公害ではありません。しかし、四十一年六月から安八町におきまして七、八回にわたって騒音、振動の被害をそれぞれ県なり国鉄なりに陳情をしてきたわけです。しかし、全くこれらの陳情、苦情について国鉄として適切な処置をされたということはほとんどなかったわけです。その後、大垣、羽島、関ケ原、垂井町等々において振動、騒音、さらにテレビの電波障害等々の苦情がどんどんと出てきたわけでありますが、私も実態調査を二日間にわたって行ないました。実際高いところは九十ホン、六十、七十、八十というのはざらにあるわけです。そういう高い騒音の中で生活するということについて、全く生活環境の破壊などという、そういうことばであらわせない苦痛があるというふうに私は思うわけです。たいへんなことであります。それらについてほとんど国鉄当局としても誠意を示されない、これが岐阜県の実情であります。  したがって、県もこういう陳情、苦情の中で国鉄当局と住民との板ばさみに会いまして、国鉄当局に強く善処方を要望いたしたわけでありますが、それによりますと、最後にその資料がついておりますが、東海道新幹線総局の阪田貞元さんから平野知事に対して、昨年末の十二月十五日に回答が寄せられたわけです。これを見ましても、ほとんど回答らしい内容にはなっておらないわけです。特に、この中で、テレビの電波障害についてぜひひとつ考えてもらいたいという要求に対しまして、回答は、「本件の新幹線テレビ障害対策としては、昭和四十年三月三十一日、日本国有鉄道と日本放送協会における覚書により、日本放送協会において障害除去のための必要な対策は、昭和四十年四月一日から昭和四十一年九月三十日までの間に、すでに措置ずみである」、こういう回答が行なわれたわけです。措置済みであるという実態はどうかといいますと、なるほど当時千円出せば特殊アンテナをつけましょう——特殊アンテナというのは、実際は五素子のアンテナを七素子にするということだったと思うのでありますが、その程度であったのですね。しかし、電波障害につきましても、開通当初は十二両編成、しかも、間隔がいまに比べれば大きかったわけです。万博を契機にして十二両編成が十六両になった。いま大体地元の人たちは、七分平均間隔だと言っておりますが、いわゆる新幹線の運行間隔がぐっと縮まった。それから、たとえその当時千円を出して一応アンテナ等をかえたといたしましても、アンテナなどというものは六年も七年も、一度かえたからといって、もつものではありません。したがって、そういうことをしたから措置済みだといってしゃあしゃあとしておるというような国鉄の態度に住民は感情的になっておるということをまず私はこの機会にお話をしておかなければなりません。  時間もありませんから、具体的な内容について詳しく言いませんけれども、そこのお手元にありますように、振動によって家が傾いた、そのために、いわゆる土台をやり直さなければならぬ。約百万円も使って修理をした、その他ふろ場、いろいろな家屋の修理等に要した費用というのは大きいし、そのうちには何とかしてもらえるだろうというので、いわゆる家が傾いた中でがまんをしておるというのが実態なんです。それから、六十、七十、八十、九十という、いわゆる騒音の中では、テレビの電波障害もありまするけれども、その間は全くテレビの声は聞こえない、電話がかかってきても、その間は中断をしなければならない、家族が話し合うにしても大きな声をしなければならない、こういう実態というのを考えますならば、もう少し前向きで実害に対して救済をするという対策を早急に国として法律的にも行政的にも払うべきでありますし、国鉄ももう少し誠意を示してやるべきではなかったかというふうに思うのでありますが、これは長官と、国鉄の常務理事さんのほうから、国鉄の今日までの経過、態度、これにどう対処されるかということを含めてお聞きをしておきたいと思うわけです。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) ただいまのいろいろなお話を承っておりますが、これはまことにもっともな住民の訴えだと思います。たとえば昭和四十六年の十二月十五日に出した日本国有鉄道東海道新幹線総局の総局長阪田貞元君から平野三郎知事にあてたこの答弁を見ましても、非常に形式的なものであって、私は誠意を疑いたくなります。たとえば、「振動による家屋の被害について、その補償を考慮されたい。本件につきましては、振動による家屋の被害等につきましては、新幹線列車の運行時における直接の原因で、被害が発生したことが明らかな場合には、調査のうえ善処いたします。」、調査しているかどうか、明らかにおまえが証明せいと、被害者に。こういうのは、いまの公害の問題を考えると同じなんです。おまえたち被害者が、公害病患者が被害の、直接加害者がこうしたんだということの証明を持って来いという、こういうことにひとしいんですね。こういうことは被害者ができるはずがない。はっきりこういうことがあったならば、当然それはどのような被害でありましても、初めから調査すべきだと思うんです、私は。それが正しい行政だと思うんですが、このようなことは形式であって、まことに私は不誠意きわまると思います。たとえばテレビの問題も同じだと思います。品川区のいろんな方から陳情を承って行ったんですが、とにかく国鉄ではNHKに話したと、NHKでは国鉄の責任だと言って取り合わないんだというんですから、そんなら、とにかくテレビ料金払いなさんなと、払っちゃいけませんと、まともにサービスしない限りは払う義務はないと、一切払っちゃいけませんと、そしてもう少しお互いに誠意を持ってやるように反省をさせなければだめだということを言っておりますが、まことにこういうことについては、私は、やはり何と申しますか、大企業とか、大きな政府機関とか、そういうものはやっぱり率直に国民の被害、住民の実態というものに十分に思いをいたしてやるべき義務があると思います。第一、住民が前からそこに住んでおった。そこにあとから新幹線が通ってきたんですから、これはいろいろな不都合が起これば、当然あとから来た者があと始末をしなければならぬと思うのです。新幹線が走っておってやかましい、そこのところへやかましいことを承知であとからかりに住民が来たなら、これは住民のほうの多少言い分にまずいところがあると思います。やはりそういうことをはっきり考えて、何でもかんでも公のものだと、公のためになるなら何をしてもいいというものの考え方は、いま許されないと思うのです、これは。そういう方針で、私は運輸大臣ではありませんけれども、いずれ、この新幹線の騒音なり振動についての一つの環境基準をいまつくる方針でおります。つくりましたら、できるだけ早くそれによりまして、その基準を守らせるように十分に監督官庁なり、行政面によってこれを実施してまいりたいと思います。あるいは運輸省に対しては、また、そのようなことに対して勧告をするかもしれません。たとえば航空機騒音につきましてもいろいろ勧告をいたしましたが、その結果は、やはり運輸省でもいろいろ考えまして、たとえば成田の空港では民間の住宅に対しても補償をすると、騒音防止のための援助をするということが今度できそうでございますが、当然、そうなればこれは羽田、伊丹の空港に及んでまいりますから、幸いに運輸省もそのように努力いたしておりますから、やはり私どもとしては騒音の環境基準を早く設定いたしまして、そしてこれに対する処置をさせるようにいたしたいと考えております。

長浜正雄日本国有鉄道理事

○説明員(長浜正雄君) ただいま大石長官が言われましたとおりでございます。私たちも大石長官の考えておられるような線で当然やらなきゃいかぬと思います。  ただ、いままで国鉄の態度、姿勢というものが、いま長官もあるいは先生も御指摘になりましたように、この答弁にありますように、血が通っていないという点については、私たち深く反省をしなきゃならぬ、こういうふうに思っております。ただ、新幹線によります騒音あるいは在来の列車によります騒音がどうしても発生いたしますので、私たち自身としても非常に困っております。これを何とか避けるくふうはないかということで、先だって来、東海道新幹線が開業いたしましてから技術研究所を中心にいたしましていろいろ騒音に対する対策の研究を進めておると同時に、国鉄部内ではございますけれども、新幹線の騒音に対する対策の委員会などをつくりまして、その対策なり、研究を進めてきておるところでございますけれども、まだいまのところ、これといったきめ手がございませんので、この点、非常に私たちとしても心苦しく思っておるわけでございますが、現在わかっております程度のというか、技術的に解決できる範囲のことはぜひやっていきたい。東海道新幹線ができますときは、こういうふうにものを考えておらなかったわけでございます。御承知のように、防音壁だとか、あるいは長大橋梁は鉄橋にしておりますけれども、こういうものがどの程度の騒音をまき散らすかということの研究は不十分であったわけでございます。この結果を見まして、山陽新幹線の場合には鉄橋を全部なくした、あるいはその他の防音壁を全部つくったとか、いろいろな処置をしております。われわれで研究しました結果を、あるいはその後、西に延びます新幹線あるいは東北、上越新幹線、成田新幹線には、それらをできるだけ、勉強したことをすべて実施に移していきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。また、国鉄のいままでの騒音に対するものの考え方、私たちは十分反省して、これらと積極的に取り組んでいく姿勢をしなきゃいけない、こういうふうには考えております。  ただいま御指摘のありました東海道新幹線総局長の阪田君からの岐阜県知事への書類でございますが、全くこれも長官あるいは先生の御指摘のとおりでございまして、私たちとしても、これは十分反省するつもりでございます。ただ、この書類を出しました直後、総局長が私のところへ参りまして、こういう書類を出さざるを得なかったけれども、これに対する対策をすぐ実施しなきゃならぬから、これに対する予算措置あるいはその実行計画、これをつくりたいということで、それで相談いたしまして、四十七年度予算の中でできるだけ逐次実行していこう、こういうように計画をしておる段階でございます。ただ、この時点では、そういう予算措置その他もなかったものですから、こういう答弁をしたんだと私感じておりますが、この書面を拝見しまして全く仰せのとおりでございますので、そういうふうに今後は処置していきたい、こう思います。  また、テレビ障害につきましては、仰せのとおり、東海道新幹線が完成しました時点でテレビ障害がございまして、国鉄、NHKが共同いたしまして、沿線にわたりまして各地区でその障害を除去するための処置をしたことは確かでございます。ただ、それで終わりというふうな返事を書いておりますけれども、そうでなくして、列車がやはり十六両編成になった、列車本数がふえたということに対しての処置はやはり考えなきゃならぬ問題だと思います。現に東海道新幹線完成のときに、約九千世帯に対してテレビ障害の処置をしておりますが、その後東京あるいは名古屋といったようなところにも近く処置をするような段取りをしております。また、その他の地区に対しても、そういうお話のところに対して、NHKと技術的あるいはその他の資金的の御協力を得まして、これが住民の方々の納得のいくように処置していきたい、こういうように考えておる次第でございます。われわれとしては、そういうふうに国鉄のものの考え方、そういうものも、いま長官おっしゃられるような、あるいは先生が御指摘のような点を十分われわれも認識しておるつもりでございますが、なお一そう認識いたしまして、そういうことの処置のとれるようにしていきたい。  また、振動につきましても、いまお話がございましたけれども、現実にわれわれのほうの技術者が参りまして、いろいろ被害を受けておられる方とお話をしまして、どの程度の被害でこれがどういう原因であるかということで御相談はしておる次第でございまして、それに対する手の打ち方がおそいというところに私は問題があろうと思います。そういうことも敏速に手の打てるような処置をしていかなきゃならぬ、こういうように考えております。  簡単でございますが、答弁にかえさしていただきます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 長浜常務理事から国鉄のいままでの態度等について反省を含めた御答弁がありましたから、さらに私はそのことに対して追及しようと思いませんけれども、たとえて言うなら、新幹線が開設されて以来、いわゆる公害について住民なり、町長が代表となって何度も何度も陳情をしてきた。そこで、四十五年の十月二十九日に、この表にありますが、安八町関係について、町と県と国鉄と話し合いをして実態調査をやる、こういう約束をしておきながら、現地調査はまあ二、三軒形式的にやったようでありますが、実際には、調査するにはなかなか困難があるから、被害家屋の図面を見してくれなどという、そういういわゆる要求をしておきながら、その後説明会を行なうという約束がそのときに取りかわしてありながら全くほうっておいた。そうして最近になって、岐阜県における各市町村が新幹線公害対策協議会をつくりまして、いわゆる住民の反対運動が盛り上がってきてから、ようやく何とかこれを押えるために動き出そうとする、こういう姿勢ですね、これは全く国鉄として官僚的と言わざるを得ない態度だと思うんです。こういうことをやっておられれば、これは好むと好まざるとによらず、岐阜県のみならず沿線各地域の住民がもう黙っておらなくなるということは覚悟をされるべきではないかというふうに思うわけです。  そこで、三月三日、深沢東海道新幹線総局の施設部長が三人を帯同されて松井県公害対策事務局長に会われまして、こういうことを、約束といいますか、言明をされておるようです。新年度から独自で振動調査を行なう——もう三年も四年もの問題を新年度から独自で調査を行なうというようなことがいまごろ出てくる。それはそれとして、独自で調査を行なうというのであれば、もう新年度といいましてもあと半月でありますが、必ず厳格に精密に調査をしてその結論を出されるということをまず要望しておきます。  それから、次の問題は、実害補償の予算はつきそうだなどということが深沢施設部長から県に伝えられた。したがって、こういう予算を次の四十七年度の予算に相当計上しておられるのかどうか。また実害補償について行なうという当局としてお考えがあるのかどうか。ただ一片のそういうことを言って住民運動を押えるというようなことがあってはなりませんし、私は、たいへんなことになると思いますから、責任ある常務理事さんから答弁を求めておきたい、こう思うわけです。

長浜正雄日本国有鉄道理事

○説明員(長浜正雄君) 第一項の調査につきましては、その予定にしておりますので、おっしゃるとおりに実行いたします。  それから実害補償につきましては、当然のことながら、実害がございますので、放置することなく補償をする予算措置はしてございますので、早急に実害を決定しまして補償の措置をしたいと、こういうふうに考えております。  それから先生がおっしゃいました、やはり地元の反対運動が出てからやるという体制でなくして、その前にわれわれのほうから積極的にするというような姿勢に今後とも私たちは心がけていきたい。これは将来全国に新幹線を敷きますときにやはりこういう姿勢でないといけないというふうに私考えておりますので、この点も、私たちの気持ちといいますか、私たちの考え方を御説明申し上げておきたい、こう思う次第であります。

中村波男日本社会党

○中村波男君 もう一つ、私、実態調査をした中で考えたんでありますが、テレビの問題ですね、これは個々のテレビのアンテナの位置をかえるとか七素子アンテナにかえるとかいうことでは根本的解決になりません。したがって、やはり集中アンテナといいますか、共用アンテナをやはり国鉄の予算で取りつけて、そうして夜の一家団らんの娯楽であるテレビくらいは電波障害を起こさずに見られるような状態というものがまずつくられるべきだ、そういうことが国鉄の誠意を示されるきっかけとならなければならぬというふうに考えておりますが、それについてのお考えもあわせてひとつお聞きしておきたい、こういうふうに思うわけです。  それから、問題は、長官さっきおっしゃったように、新幹線についてやはり騒音の規制をする基準を早急にひとつつくらなきゃならぬというふうに思うわけです。新聞によりますと、国鉄当局も住民の反対運動をおそれて、ようやく国鉄における内部規制と申しますか、八十ホン程度を基準にして対策を立てていくというようなことがいわれておりますが、私は、八十などというような規制では、これは全く論外だと思うんです。しかし、技術的に不可能だという、そういう国鉄においては苦しさがあるということはわかりまするけれども、やはり生活環境を守るという立場でいくならば、もっともっと低い基準値というものを出さなきゃならぬ。その点について、少なくとも無過失責任としての立法化ということが相当むずかしさがあるというならば、やはり基準値というものを早くつくって、それにやっぱり従わせると、その目標に向かって改善をさせると、こういう方向だけは環境庁としてぜひひとつ検討を願わなければならぬし、早急に成案をされたいと、こういうふうに私は思うわけです。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) ただいまの中村委員の御意見はごもっともでございます。われわれもそのような考えのもとに、いま環境基準の設定に努力いたしておりますが、三年前ですか、先ほどの速記録にもありますように、非常にむずかしい問題がございます。しかし、何としてもこれはつくらなければなりません。いつまでとはお約束できませんが、何とかして四十七年度じゅうには環境基準を設定いたしまして、この基準を中心とした規制をさせたいと、こう考えておりますので、その点御了承願いたいと思います。

長浜正雄日本国有鉄道理事

○説明員(長浜正雄君) テレビのことにつきましては、国鉄、必ずしも専門家ではないんでございますけれども、NHKと御相談して、NHKと一緒になっていままでもやっておりますが、今後もやりたいと思いますが、いまのところ、集中アンテナがいいんじゃないかというふうにいわれておりますので、そういう方向で処置をとっていく、こういうふうに考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 現在、高層建物とか、高速線が通れば、当然施設を行なった側で集中共同アンテナを立てて、そして住民の電波障害を除去していくという例は幾らでもあるわけですから、少なくとも国鉄がそれぐらいのことをおやりにならぬということは納得がいかないことでありますから、具体的にひとつ御検討いただいて、これはそんなに金もばく大に要することではないわけでありますから、御検討いただきたいと思うわけです。  それから、鉄道監督局長御出席いただいておりますが、監督官庁として、いま私がいろいろ指摘をいたしました事項について、どのように考えておられるかお聞きしておきたいと思うわけです。五十八国会における運輸省の内村参事官の答弁を読んでみますと、新幹線公害は、一般の工場などの騒音と異なり、不特定多数の発生源ではなく、国鉄という単一の明確な法人により発生せられるということで、特段の法律的措置をしなくても、運輸省ないし国鉄のほうの指導監督で騒音防止ができるのではないか。もう一つは、今後環境基準の設定等に関連して検討すべき問題があるということで、今回の規制法に盛っていないのが実情である。こういう運輸省の態度が第五十八国会では表明されているわけです。私は、この趣旨については全面的に賛成するわけにはまいりませんが、とりあえずこれほど振動、騒音の公害をまき散らしておる国鉄に対して、運輸省はどのような監督指導をされようとするのか、いままでされておるのか。それから、いま国鉄が計画しております騒音規制の対策について、運輸省としては、どのように考えて国鉄に対して指導されようとするのか、その点をあわせてお聞きしておきたい。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 新幹線による騒音によりまする被害につきまして、その処理について国鉄が誠意をもってこれに当たるべきことは当然でございまして、国の分身であるところの国鉄がやることだからいいんだとか、あるいは公共的な交通機関であるからこれはいいんだというような考え方でなくて、誠意をもって地元の御迷惑、様子、実態を十分把握し、そうしてこれに対処する必要があるという点はお説のとおりであると私ども考えております。  それで、その基準でございますが、これにつきましては、実は鉄道の特に新幹線騒音というのは非常にむずかしい問題が多々技術的にあると思います。それは単なる車両だけの問題ではなくて、車両と線路その他各般の相関関係あるいは運転方法というような問題と非常に関連があるわけでございます。ひとり線路の問題をとってみましても、線路の構造の問題、たとえば築堤があるとか、切り込みがあるとか、あるいは高架の場合、橋梁の場合、いろいろな問題がございます。  それから運転の方法といたしましても、スピードとの関係が非常に大きいわけでございまして、また、スピード自体をアップしようということも非常に国民的な要請も強いわけでありますし、公共的な非常に高い輸送をしておる、そういう意味で非常に技術的な問題がございまして、この問題を解決するためには技術的な各般の問題を総合的に考えていかなければいけない。それは一つには線路自体の問題をどうするかということになりまして、たとえば軌道の構造をどういうふうに持っていったらいいか、あるいは軌道とレールとの関係におけるところの弾性支持方式の採用、そういったものの防音効果はどうなのか、そういったようなものの解決によるところの防音の効果あるいは防音壁というようなものの構造なり、それの長さ、高さ、幅、その他によるところの遮音効果というようなものを研究し、さらにこれを高めて、あるいは——いま市街地て一番問題になっておりますのが特に東海道新幹線でございますが、無道床鉄、げたによるところの非常に大きな騒音がございます。これがいままでは一番大きな問題になっていたものでございますが、こういったような問題を山陽新幹線では解決をいたしました。無道床鉄、げたを使わなくいたしたわけでございます。現在、無道床鉄げた等の東海道新幹線の問題をどのような形で解決をしていくか、あるいは車両自体の問題について、車両の構造あるいはカースカートの延伸ということによるところの効果だとか、あるいはパンタグラフによる集電装置の音がございます。そういった音を吸収するためにはどういうふうなことにしていったらいいかというふうな線路、車両、その他運転方法万般にわたっての関係が実はございまして、そういう意味で簡単にこれを処理するというのは非常にむずかしいわけでございます。そういうふうなことがございます。しかしながら、これは新幹線を生み出した国鉄の技術陣でございます。新幹線は、おかげさまで開業以来すでに八年になるわけでございますが、四億人を越す輸送を行ないました。いまだかつて一人の死傷者も出していないというような、いわば人類始まって以来安全な交通機関というものを生み出した国鉄の技術陣があるわけでございます。こういった国鉄の技術陣をやはり動員いたしまして、そうして騒音問題にも大きな成果をあげなければならない、こういうふうに私ども考えております。  それからいま一つ新幹線の騒音問題に関連いたしましては、構造にしても運転にいたしましても、鉄道自体が安全問題と非常に関係がございます。そして、実はこれにつきまして運輸省では古くから鉄道の安全に対しましてこまかい基準を置いております。たとえば橋梁については、橋梁の支持力はどのくらいであるのか、あるいは線路の匂配はどうでなければいかぬとか、カントはどうでなければならぬとか、あるいは車両の構造はどうでなければならぬとか、車両とたとえば建築物との関係、建築限界、車両限界はどうでなければならぬとか、あるいは車両のスペースの見方、集電装置のしかた、すべてにつきましてこまかい基準をつくっておりまして、そうしてそれが鉄道構造規則あるいは運転規則というふうな形でこまかいことがきめてございます。新幹線につきましても同様でございまして、こまかい点がきめてございます。そういう車両の安全の面の基準というものとのからみで、やはりこの騒音に関する基準というものも考えなければいかぬわけでございまして、省令の中では、当然そういうことを考えて基準もつくっていかなきゃならぬという、ふうに私ども考えているわけでございます。  いずれにいたしましても、私ども、先ほど申しましたように、国鉄の技術陣を動員いたしまして、とにかく何といっても技術開発によって根本的に騒音が生じないような新幹線をつくっていくというのが今後新幹線鉄道整備法によるところの新幹線を全国につくっていく上にもどうしても必要なことであると、こういうふうに考えまして、これを大いに促進をさせたい。さらに、先ほどお話がございましたように、とにかく現実の事態についてはもっと誠意を持って国鉄に当たらせなきゃいかぬと、確かに先生おっしゃいましたように、騒音に対する考え方というものは、従来、国鉄はやや甘かったということは否定できないところでございまして、それが東海道新幹線の場合には防音壁もつくっていなかったということにもあらわれるわけでございまして、その点は確かに反省しなきゃならぬわけでございます。こういった点は誠意を持って問題を処理するというふうに私ども指導をしてまいりたい、そのように考えておるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 すでに割り当ての時間が超過したようでございますから、質問の予定がたいへん——まあできないわけでございますが、最後に、いま鉄道監督局長からもお話があったように、速くて安全で経済効果が最も高い世界一の新幹線、このことについてはわれわれも国民も高く評価しておりますが、だからといって、公共福祉のためにという名目で国家の産業に私権がそこなわれていいという論理は、もう今日では成り立たないと、したがって、時速が速いということだけを重点に今後新幹線網を拡充するということについて私は一考あってしかるべきではないかと、こういうふうに思うわけです。  それはそれとして、もう一つ、新聞によりますと、宮地国鉄技師長の話として出ておりますのは、いわゆる独自の環境基準をつくって、それに基づいて新大阪−岡山間のような、いわゆる改良工法によって大阪−東京間の改良を進めるというのには巨額の費用がかかる、私としては国鉄技術陣の名誉にかけてぜひ実現させたい、こういうことを言っておられる。一人の技師長が力んでみても、これはやはり国鉄としてそういう方針を打ち立てられなければ実現できないのじゃないか。したがって、こういう問題についてほんとうに真剣に検討をしてやろうとされておるのかどうか。やるとすれば、巨額の費用がかかることは私たちもわかりますが、どれくらいの金がかかるのか。少なくとも新幹線の単独の会計、経理からいえば千何百億利益が出ておるわけでありますから、したがって、公害に対する実害補償等についても、やはり私は金をけちるというような、そういう態度は早急に改められるべきだと思うし、また、その根本的な公害を除去する方策としては、できるだけひとつ改良工事を東海道新幹線について着工されることだというふうに思うわけですが、以上御答弁を伺って質問を終わりたいと思います。

長浜正雄日本国有鉄道理事

○説明員(長浜正雄君) 技師長は、ただいま技師長でございますが、騒音、振動関係の専門委員会の委員長をしておりまして、そういう点でその委員会でそういう方向を打ち出して言っておる。そうして国鉄の方向をきめていきたいと、こういう発言をしておるわけでございます。  国鉄としては、ただいま東海道のほうが山陽よりも条件が悪い。ことに悪いでき上がりになっておることは、ただいま御指摘、あるいはこちらからの御答弁のとおりでありますけれども、それを現在の技術で可能な範囲、少なくとも山陽新幹線並み程度にまで下げていきたい、そういうことをいま申し上げております。  なお、基準の設定につきましても、国でおきめいただく前に、あるいはそれとは別個にでも、その前に——別個というと、非常に問題がごさいますが、その前にでも、われわれとしては、独自でその基準をつくって下げるように努力していこう、こういうことでございまして、それが現在の技術でできない基準をつくりましても、われわれとして、これは不可能でございまして、現在技術開発をやっておりますその範囲の中で、それで可能なことはすべてやっていこう、こういうふうに考えております。したがいまして、そういうことで基準をつくっていこうと、現在岡山−大阪間ではわりあいいろいろな対策ができましたので、音も低いようでございます。その程度には何とか努力していきたい。  ただ、東海道には、それではどれくらいの金がかかるか、どういう計画であるかということにつきましては、これはただいまお願いを申し上げております来年度以降の十カ年計画もいろいろございますので、その中にこれを組み込んでいくつもりでございまして、この具体的計画はまだつくっておりませんけれども、いまつくりつつあるところでございます。その中に組み入れていきたい。これが何十億ぐらいになるか、いまいろいろやっております。ただ、やっておるから四十七年度早早やれないということでなくして、四十七年度から部分的に民家の密集しておるところ、あるいは音の特に大きいところから逐次実施をしていきたい。積極的にこの処置を進める覚悟でございますので、御了承をいただきたいと、こういうふうに考えております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 私は、先日来問題になっております宮崎県の土呂久鉱害に関連をいたしまして、それぞれお聞きをしてまいりたいと思うわけでございます。  すでに七日、昨日と衆議院のほうでこの問題についてはずいぶん内容が詰められていると思いますので、少し重復する面もあると思いますけれども、私ども実際に現地を見まして、これから改善をしなければならない幾つかの問題があると思いますので、それらの点に要約してお聞きをしてまいりたいと思います。  すでに環境庁にいたしましても、宮崎県の報告に基づきまして現地調査をなされたようでございますけれども、最初にその概要について御説明いただければ幸いだと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) いま所管の局長からお答えいたさせます。

船後正道環境庁企画調整局長

○政府委員(船後正道君) 宮崎県の高千穂町土呂久地区でございますが、ここで過去の無水亜砒酸採取等によりまして地域住民について健康被害があるという研究の発表が地元の斉藤教諭からございまして、それを契機といたしまして宮崎県で環境調査及び住民の健康調査等、一連の調査を実施いたしまして、その中間報告を去る一月二十八日に行なったわけでございますが、環境庁といたしましては、昨年の十一月ごろ、問題が取り上げられましたころから宮崎県と種々調査の方法等につきましては打ち合わせをしてまいったのでございますが、この中間報告の機会に係官を派遣いたしまして、中間報告の内容を県から聞き、同時に、一日だけでございましたけれども、係官が現地に行って視察してまいった、こういう次第でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 私どもも先日参りましたときに、四十七年一月二十八日のこの県の中間報告をいただいてきたのでありますが、これによりますと、あの地区の住民の健康診断が行なわれまして、その中から最終的に八名の容疑者が抽出をされまして、態本、延岡の病院にそれぞれ分かれて入院、通院の措置を講じているということが報告をされておるのでありますけれども、この問題について、新聞によりますと、この一連の被害は労働災害の疑いがきわめて濃厚である、あの鉱山で働いていた人たちの被害が主たる被害の実態であると、こういうようなことから問題を外に集中いたしまして調査をしているということが報告されているのでありますけれども、やはりこの種の問題については、ただ単に労働災害という見地からだけではなくて、この鉱山のもたらした被害というもの、地域の環境汚染をし、やはり広範にわたって被害が拡大をされているのではないかという見地から調査をすることが至当ではないか、このように考えるわけでありまして、調査の実態、これは中間報告を中心とした調査の実態の感じというものと、環境庁が現地に入って調査をした実態等からして、やはり将来にわたってこれはさらに広範な調査を必要とする、このようにお感じになっているのか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 去る一月二十八日の宮崎県における中間発表は、あくまでもこれは中間報告でございます。この中間報告の結果を——中間でございますから、全部はそろっておりませんが、そういうものを土台として、さらに今後どのように全面的に調査したらいいのかということを十分に打ち合わせをいたしまして、それからさらにその後いろいろ調査、検査を進めておる段階でございます。  おっしゃるとおり、これはどのような結末が出るかわかりません。ただ、私は、できるだけこれが公害病のようなものでなくてほしいと願っておりますけれども、そういうこととは別に、やはりこれは厳密な、一人でもかりにもし不幸な事態があるならば、それによって見のがされることがないような厳密なやはり広範な調査をする必要があると考えております。そういう意味で、幸いにその後検査漏れであった要注意の方々も入院して調査、検査をしておりますし、また当時検査を受けられなかった不在あるいはよそに出ている方々、そういう方の検査もいま行なっておりますし、それから検診も行なっておりますし、またその原因となったであろういろいろな水の問題あるいは鉱滓の問題、ズリの問題、そういうことにつきましても、どれほどの今後砒素の排出があるかどうか、そういうものを十分検討しなきゃならぬということで、そのような全面的な調査をいまいたしておる最中でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 特にこの八名の容疑者につきまして実際にそれを扱っております延岡病院の桑原皮膚科の医長は、この八名全員が臨床的にもあるいは組織的にも慢性砒素中毒の症状に酷似している、全く似ているんだ、こういうことを言っているようでありますけれども、私ども県の報告を聞いた範囲においては、どうも県の報告そのものについてきわめて信憑性が薄いような気がするわけでありまして、もちろん私ども専門ではありませんので、それらについては詳細にはわかりませんけれども、環境庁の実際に調査に行かれた方は、これらの実際に取り扱っていらっしゃる病院の担当医等にお会いをして、それらの実態というものを把握をしてこられたのかどうか、その点をお聞きをしたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 当時——一月二十八日に参りましたときば、これはまだそういう患者さん方は検査の段階に入っておりませんので、その内容については、おそらく検討はできなかったと思います。その後旧正月が終わりまして、その前後から通院されたり入院されたりという県知事の報告もありましたので、いまその検査の段階でございますので、その検査内容につきましてはしょっちゅう環境庁とも連絡をしておるのでありますが、そういうことで、いろいろ打ち合わせをしながら正確な綿密な検査をしておるものと考えます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 これは後ほど通産省にお聞きをいたしますけれども、私ども県のいろんな調査、報告書を見ますと、御承知のように、この五ケ瀬川の流域におきましては、きわめて鉱山の数が多いわけでありまして、しかも、種々雑多な金属の採鉱をしている。こういうような状況でありますので、当然、ただ単に亜砒酸だけではなくて、他の重金属による汚染ということも考えられるのではないか、このように懸念をするわけであります。かつて、ちょうど私のほうと背中合わせになるわけでありますけれども、大分県の奥岳川の上流にありますカドミウムの汚染も、私、当時取り上げたこともあるわけでありますけれども、その当時のことを回顧してみましても、宮崎県側の取り組み方はきわめておそかったような気がするわけであります。したがって、ただ単に亜砒酸だけの問題ではなくて、重金属全般についてのやはりいろいろな調査というものをする必要があるのではないか、このように考えるわけでありますが、そういたしますと、これは当然重金属の汚染地域としての指定をしながら、やはり国と県が一致して調査を進めていくということが非常に重要ではないか、このように思っているわけでありますけれども、その点に対する長官のお考えをお聞きしたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) お話しのとおり、われわれはいろんな水質その他の検査をいたしておりますが、それは水質汚濁防止法の中に入っておりますいわゆる健康項目に関するいろいろな金属、重金属については全面的に検査をいたしておるわけでございます。そのような汚染地域に指定するとかしないとかいうことは、これは検査には関係ないことでございまして、検査の結果そのような汚染地区であれば、それはそういう地域に対して、それに対する患者の対策なり、あるいは土地改良とか、いろんな対策を立てることになるわけでございますので、検査の結果、指定するかしないかきまることでございますので、その検査の間は指定してもしなくても、十分な検査をすることに間違いございませんので、そのように御了承を願います。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 それでは、現在ちょうど調査中ということでございますので、これは後ほどまた検査の報告につきましては本委員会で行なわれると思いますので、その成り行きを見てまいりたいと思いますけれども、そこで、やはりこの鉱毒問題に対する解決のしかたは、私は幾つかの問題が提起をされると思うわけでありまして、直接鉱山の影響を受けて人間の健康を害する、こういう場合、もありますし、あるいはそれが下流に堆積をされていって、それが食物を通して人体に影響を及ぼす、こういうような問題も出てきておるわけであります。特にこの重金属の問題につきましては、かつてカドミウムの問題が大きな問題として提起をされたときに、通産省といたしまして、これは現在全国にたくさんある休山あるいは廃鉱になった山の調査をしてその対策を立てる、こういうことが公害の委員会でも取り上げられ、通産省としても、そのことが進められておると思いますけれども、その実態について、進捗の状況がわかりますれば、大まかでもよろしゅうございますけれども、お聞かせをいただきたいと思います。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) 休廃止鉱山の調査の進捗状況でございますが、全国に休廃止鉱山というものが五千以上あるのではないかというふうに私ども一応推定をいたしておるわけでございます。この全部につきまして直接現地調査をするということはなかなかむずかしい問題でございますが、この中で問題があり得る、特にカドミその他の重金属による鉱害問題の可能性のあるという山を中心にいたしまして、四十五年度から四カ年計画で調査を完了しようということでいま進めておるわけでございます。私ども、対象といたしまして約千五十の鉱山を頭に置いておるわけでございます。その中で、四十五年度には七十五鉱山、それから四十六年度、今年度でございますが、三百二十五鉱山。大体今後もこのくらいの山を対象にいたしまして、毎年、四十八年まで続けましてこの千五十鉱山についての調査を完了していきたい、そういうふうに考えてやっておるわけでございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 これは宮崎県の調査でありますけれども、宮崎県におきましても、四十四年の十一月にこれらの調査をやっているようでありますが、相当数の鉱山があるようでございまして、その中で要監視鉱山といわれるのが六鉱山、これにもちろん土呂久も入っているわけでございますが、さらに要注意鉱山といわれる鉱山が四つ、そのほか現時点で安定または埋没、不明等で調査不能鉱山というのがずいぶんたくさんあるわけでございます。局長お話しのように、相当ばく大な鉱山があるわけでございますけれども、特に重要と見られる鉱山がそのうちの一部だと思うわけでございますが、このような調査をやはり早急に実施をして私は対策というものを講じなければ、これらの鉱山というものは、御承知のように、非常に人里離れたところにあるわけでありまして、被害がたとえ起こっておったといたしましても、それが問題として出てくるというのはきわめておそいわけであります。現在、調査されていない鉱山におきましても、そういう問題があるかもしれない。しかし、それはどこに持ち込むにも持ち込みようがないという実態がやはり現在ぼつぼつ氷山の一角として出てきている。その事例がかつて私どもの奥岳川のカドミウムの汚染の状況であり、あるいは今回の土呂久の汚染というような実態ではないか、こういうように実は思っているわけでありますが、先日、私ども参りましていろいろ調査をいたしますと、この土呂久の鉱山が要監視鉱山として県から四十四年の十一月に指定をされた。ところが、その後要監視鉱山である土呂久の炉あと、そういう整理が行なわれたのが——実はこの問題が斉藤という小学校の先生から取り上げられて、四十六年の十一月に鉱山処理が行なわれておるという実態であります。  もう一つ、私ども松尾鉱山という鉱山に参りましたけれども、これもずいぶん山の奥の鉱山でありますが、この鉱山に参りますと、私どもは二月の四日、五日に参りましたけれども、大体一月の三十日から、ちょうど私どもが参りましたときに、まだ焼きがまの中に残存しておりまして、そのまま放置されておりました、亜砒酸が。もちろん鉱山側の方が一名と、それから鉱山保安監督局の職員の手によって細々と整理が行なわれておるという実態を見てきたわけでございますけれども、そういたしますと、このようにして千五十の危険な鉱山がある。要注意の鉱山がある。それを五年間で、いまから調査をしてそれを処理をしていくということになりますと、一体何年かかりましょうか。どういう御計画をお持ちか。さらに詳細な説明をお願いしたいと思います。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) 千五十鉱山の調査は四年計画でやるということを申し上げたわけでございますが、そのほかにも、やはり先生御指摘ありましたように、休廃止鉱山の実態というものは早急に把握をする必要があるわけでございまして、特別の予算上の費目を立てております。ただいま申し上げました休廃止鉱山周辺重金属、金属調査のほかに、かなり一般鉱山の保安上の監督の目的で巡回検査をしておるわけでございます。その検査を一部利用いたしまして、さらに多数の休廃止鉱山について問題点があるかどうかということにつきましては、これは地方自治体のほうがよく把握をしておられる面もあるわけでございますので、自治体との連絡を緊密にいたしまして、重点的に問題点の洗い出しということをやってまいりたいと思っているわけでございます。  その処置をどうするかという問題でございますが、先ほど申し上げました千五十鉱山を調査いたしまして、これは一応のまあ推定になるわけでございますけれども、その中で約三百五十くらいの鉱山については何らかの鉱害防止のための工事を国ないしは県の手でやらなければならないのではあるまいかというふうに考えられるわけでございまして、こういう山の手当てにつきましては、これは本年度から始めたわけでございますが、本年度約九千七百万の予算、それから来年度につきましては、一応いま御審議をお願いしておるわけでございますが、約二億四千万の予算を投じまして、休廃止鉱山の鉱害防止工事費補助金として地方自治体にこれを出しまして、県が三分の一、国が三分の二の負担でやっていこうというふうに考えておるわけでございまして、これは本年度から始めるわけでございます。大体五カ年間の継続工事として処置に当たっていきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 いま予算的な措置につきましての御説明がございましたが、たとえば土呂久の現場に行ってみますと、いま焼きがまを整理をいたしまして、その上をブルドーザーでつぶして土砂を上から被覆しているわけなんです。そのことが、たとえば集中豪雨が起こったという場合に、これはもう直ちにたいへんな事態が発生するという現実があるわけであります。そういたしますと、これはもちろん建設省なり、それらの各省との関係も出てくるのでありますけれども、緊急に必要なことは、たとえば被覆をいたしましても、砂防工事をやらなければたいへんな事態が起こる。しかも、集中豪雨の発生する地帯でありますから、第三の被害が起こるということが懸念をされるわけでございます。  これは自然環境の問題とも関連をしてくると思いますけれども、早急な対策が必要になるわけでありますけれども、そういたしますと、いま現実にある千五十の山を調査をし、さしあたって三百五十の鉱山について工事をする、そういうことを進めてまいるということでありますけれども、私は、これだけの予算では全くの焼け石に水ではないか。やらないよりはいいでしょうけれども、しかし、これではやはり本格的な休廃鉱になった鉱山の対策とは言えないのではないか。特に休廃鉱になった鉱山というのは、御承知のように、何回も何回も経営者がかわって、景気のいいときには掘るけれども、悪くなればそのまま休山する。それがいつの間にか引き合わなくなって経営者がかわる、また次の者がやるけれどもだめだということが繰り返されていって今日の廃山という状態になっているのですけれども、被害が起こったといたしましても、一体だれがよくするのかということになりますと、鉱業権を持っていたとしても、現実にそれをやるだけの能力もないし、一体だれに持っていったらいいかということが全然見当がつかないという実情が休廃止鉱山の実態ではないかと、このように思うわけであります。そういたしますと、現在の鉱山法あるいは鉱山保安法に基づいた法律の範囲内でできるというものは、私は、いま局長がおっしゃったような範囲ではないかと思う。そういたしますと、これを根本的に早期に解決をしてやらなければたいへんな事態が起こる。こうなったときに、当然通産省としても、これは強力な指導体制と予算的な措置が必要ではないかと考えるわけでありますが、そのようなことについて何らか新しいやはり方策というものを考える必要があるのではないかと思いますが、その点について、むしろこれは通産大臣がいらっしゃると、大臣のほうにきちんとした考え方をお聞きをするといいと思いますけれども、本日見えていないようでありますから、局長にこの点について私はお伺いをしたいと思います。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) 私が先ほど申し上げました予算の程度では、現在の鉱害の事情からすると、間に合わないのではないかという先生の御意見でございます。そういう一面も確かにあるわけでございまして、私ども、ただいまそういうふうな形で休廃止鉱山の調査をし、緊急を要する工事については、たてまえといたしましては、これは当然鉱業権者にやらせるべきものでございますが、これを国なり県の負担で緊急にやっていくという仕事をしておるわけでございます。その場合に、たとえば健康被害に関係のある砒素の山につきましては、これは土呂久の問題もございましたので、優先的に一斉に——約六十鉱山に近いわけでございますが、一斉点検をいたしまして、優先的に問題のあるところについては片づけていこうというふうに考えておるわけでございます。  それから先ほど土呂久の焼きがまの問題についてお話があったわけでございますが、御承知のように、焼きがまには、製錬をいたしまして、亜砒酸の形でかまの壁についておるということでございます。砒素を焼きます原鉱といたしましては、これはいろいろな形があるわけでございますが、大部分のものは硫砒鉄鉱というふうな形であるわけでございます。毒性から見ましても、硫砒鉄鉱と亜砒酸というものは比較にならぬほど亜砒酸にしますと危険になるわけでございますので、炉壁についた亜砒酸については極力これを採集いたしまして処理をしたわけでございますが、なお一部のどうしてもしみ込んでおるようなものもあるわけでございますので、これがうっかり炉のあとに近づいたような人に何らかの危害が及ぶというふうなことをおそれまして、かま自体については、これは土中に埋めたわけでございまして、集中豪雨等のおそれもあるわけでございますが、なるべくそういうふうに亜砒酸というふうな毒性の強い形のものにつきましては処理をいたしまして、原鉱もしくは焼きかすというふうなものについては、これは鉱害防止の工事を施行いたしまして、今後の鉱害を極力防止していこうというふうな方向で処置をいたしておるわけでございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 いまお話しのように、六十鉱山については早急に対策を講ずるということでありますが、私、先ほど例に出しましたように、松尾鉱山に行ってみますと、ちょうど私どもが現地に調査に参りました日に、かなりの量の亜砒酸をかき集めまして袋に収納しておりました。しかし、これはもうウサギ道みたいなところを三十分もかなり登山をするような気持ちで上がらなければならぬようなところで実は作業をするわけでありまして、これを鉱山保安局の職員の二、三名の方と鉱山側の代表一名が行って作業しておりましたけれども、こういうことで一体六十鉱山の処理というものがそう簡単にできるものかどうかということを心配をするわけでありまして、非常に危険地であるこの砒素の山について早急に計画を立てて、大体いつごろまでにはそれらの処理を、まず危険な状態をなくするか、こういうことについて具体的に今年度の計画がわかるなら示していただきたい。  さらに、焼きがまの問題等の処理、全般的な鉱山の処理等については、これは今後の計画として出されると思いますけれども、さしあたってその危険な状態をなくするためにいつごろまでにそれを完了されるのか、その点について私ははっきりしていただきたいと思います。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) 亜砒酸鉱山に対する鉱害被害の防止対策の進捗状況についてお尋ねでございます。「日本鉱山史」によりますと、日本で出ます砒素の鉱石、これはほとんど全部硫砒鉄鉱という形で出るわけでございます。単独で砒素が産出されるということはほとんどないわけでございます。硫砒鉄鉱の形で、銅、スズ、金というふうな鉱石と一緒に随伴して産出するわけでございます。で、随伴して出ます硫砒鉄鉱によりまして、坑内水の中の砒素の濃度が高くなるというふうなおそれのある場合には、石灰を沈降材といたしまして処理をするということにするわけでございますが、そのほか、先生おっしゃいますように、捨て石の堆積場、あるいは選鉱したあとのスライムの堆積場の中に、やはりコークスの形で砒素が入り得る可能性があるわけであります。それから先ほど申しました焼きがまの中に亜砒酸として残留をするという可能性もあるわけでございますが、砒素鉱山につきましては、本年の一月二十日からこの五十九鉱山を対象といたしまして一斉検査を実施したわけでございます。その結果、かまが残存しておりましたのが二十二鉱山、それからかまのあとがあったのが六鉱山でございます。そういうところで亜砒酸の回収をし、それからまたこの亜砒酸の付着しておるかまのブロックと申しますか、れんが等につきましては被覆等の対策をとったわけでございます。  この亜砒酸鉱山から出ます廃水についての検査結果によりますと、砒素につきましては、排出基準が一応〇・五PPMということできめられておるわけでございますが、砒素の採鉱鉱山につきましては、排出基準をオーバーしておるものはなかったわけでございます。それから問題のなかった鉱山が十一、それからただいま分析をいたしておりますのが十六鉱山でございますので、その結果については不明ということになるわけでございます。それから現実に亜砒酸をつくっておる鉱山があるわけでございますが、これが約十六、これは三十四鉱山の中に含まれるわけでございますが、あるわけでございまして、これにつきましても、排出基準をオーバーしておる鉱山はないわけでございますが、ただその中に環境基準をオーバーしておる鉱山が三カ所発見をされておりますので、この点については県当局とも相談をいたしまして、現在その処置を、打ち合わせをしておるわけでございます。以上でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 さっきお話がありました、かまが残存しておる二十二鉱山、これは何県にまたがっておりますか。

蓼沼美夫通商産業省公害保安局鉱山課長

○説明員(蓼沼美夫君) お答えいたします。  主としてかまが残存していたというところは、宮崎県を中心とする九州地帯、それから広島あるいは島根を中心とする地帯と、主としてこの二地帯でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 それから、いま坑内水だと思いますけれども、排水の環境基準をオーバーした三カ所というのは、どこですか。

蓼沼美夫通商産業省公害保安局鉱山課長

○説明員(蓼沼美夫君) 三カ所の鉱山でございますが、文字鉱山、それから笹ケ谷鉱山、金峠鉱山で、いずれも改善指示をいたしておりまして、工事中あるいは計画中でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 先ほどからお話を聞いておりますと非常に、鉱山のこれらの実態を見ますと相当強い指導、監督が必要な気がするわけでありますし、さらに休廃止の鉱山につきましては、これは抜本的な対策が必要ではないか、このように感ずるわけでありまして、これらにつきましては、現在の鉱業法あるいは鉱山保安法においては、非常に長期の時間を要するというような実情ではないかと思いますので、これらのような現在ほとんど補償能力もないような実態にある休廃鉱山については、何らかのやはり新しい方策でその対策を講ずる必要があるのではないか、このように思いますので、これらの問題については環境庁長官として、関係大臣とぜひ御連絡をいただきまして、その措置については万全を期する——かつての石炭鉱業に対する鉱害復旧法ができたような臨時的な措置でも講じていただいて、私は、対策を早急に立てる必要があるのではないか、このように思いますので、これは特に通産大臣にお聞きをしたいわけでありますけれども、大臣いませんので、ひとつ閣議等におきましてもぜひ問題を提起をしていただきまして、措置を講ずるようにお願いをいたしたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) いまの工藤委員のお話は、確かに承知いたしました。  こうやってしょっちゅういろいろな公害の委員会で答弁を聞いておりますと、通産省も非常に積極的にこの問題に取り組んでいることはよくわかります。もちろん御希望どおりの一なかなか大きな数でもございますので、すぐに御希望に沿うようにはなかなかいかない、それは残念でありますが、やむを得ないことかと思いますが、やはりこの意気込みを十分にさらに続けて、この公害の発生をなくするように働いてもらえるように、私からも通産大臣には十分了解を求めたいと思います。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 そこで、今度は、いま通産のほうに山のほうの対策については早急にやっていただくようにお願いいたしましたので、問題は土壌汚染の問題についてお聞きをいたしたいと思うわけであります。  これは農林省にお聞きをいたしますが、鉱山の坑内水あるいは鉱滓、それらのものが下流に流出をいたしまして、それが堆積をし農産物に被害を与える、それがさらに人体に影響を及ぼすという因果関係が生まれているわけでありますけれども、この五カ瀬川流域は、さっきお話をいたしましたように、非常に多数の鉱山が密集をいたしておりまして、放置されてまいりました。そのような状態から、この流域の土壌汚染というものが非常に進んでいるのではないか、このように考えているわけであります。したがって、農林省として、県から土壌汚染の問題についてどのような報告がなされ、また掌握をなさっていらっしゃるのか、お聞きをいたしたいと思います。

川田則雄農林省農政局参事官

○説明員(川田則雄君) 農林省といたしましては、昭和四十五年に障害性物質特別調査というようなことで調査をいたしております。それと同時に、各県でも県単で調査をいたしております。  それで、御指摘の延岡市の五カ瀬川流域についての宮崎県からは調査の報告を受けております。調査の報告の内容によりますと、上流に鉱滓が雨が多いときに河川に流入して、その河川に流入したものが耕地に堆積される。そういう関係から、洪水の時期に堆積する場所が洪水の雨の状態と非常にいろいろと関連が出てくるわけです。そういうことから、私たちのほうといたしましては、宮崎県の県単の調査の成績を見ましたけれども、そういう地形上の問題また降雨量の問題、そういうことがございますから、そういうことも含めて補足調査をして、より完全な土壌の汚染の実態がわかるようにいたしたい。  それからもう一つは、被害でございますが、砒素の場合には根がやられる、根が黒くなります。そういうことで減収をいたしますから、そういう土壌汚染の実態と減収の実態とを合わせて十分補足調査をするようにということで、宮崎県と打ち合わせをいたしております。なお、そのほかに、このような問題がございまして、特にやはり調査をいたすということになりますと、やはり調査方法というのはきちんといたさなければいけないというようなことがございまして、それで、ことしの二月、担当官を宮崎県庁のほうに派遣いたしまして、そのやり方その他についても打ち合わせをいたしております。  それからなお、やはりそういうような汚染の実態がある場合については、その汚染の程度と減収との関係がございます。また、汚染物質がどのように土壌中に分布しておるかというようなこともございます。そういうことと関連いたしまして、それを直す方法でございますけれども、直す方法についても、やはり実地の状況を考慮して、それぞれいろいろな方法がございますので、四十七年度に緊急に五カ瀬川流域について、現地改善対策試験圃というものを置きまして、そして、その実態の中からその改善の対策を早急に立てるという試験を緊急に今年度から開始するということで、宮崎県庁と打ち合わせをいたしております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 私、ちょうど延岡市になりますけれども、船戸、三輪という地区を現地調査いたしたわけでありますけれども、ここに参りますと、ちょうど現地の人たちは、二十八年の水害の際に相当あの河川がはんらんをして、その際に鉱滓が堆積をして、それ以来、水稲の作柄がきわめて不良な状態になったということを報告しておりましたけれども、私もその圃場を見てみまして、たしかいま稲を刈り取ってありますから、その刈り株を見ますと二十五、六本の分けつがなされておりますから、通常でありますと、四百四、五十キロとることも不可能ではないという感じを受けてきたのでありますけれども、しかし、実際の収穫量というのは大体三俵くらいと言っておりましたので、二百四、五キロ程度ということで、ほとんど半数近い収穫しかあげていないという状態でありますので、いまお話しのように、確かにその耕土を掘り下げてみますと、その表土十センチか十五センチから下は全部どす黒い鉱滓によって堆積しているという状態であり、まして水稲のように根が下のほうに入っていく作物についてはこれはできないということは当然であります。大体二ヵ月くらいの生育期間はいいそうでありますけれども、それ以後非常に作柄は落ちるということで、これはまあ当然のことだと私は見て帰ったのでありますが、したがって、これらについて農業経営が成り立つようにしていくためには、土地改良事業を行なってやるか、あるいは作目の転換をさせるか、いろいろな方法があると思うのでありますが、そういった意味で、この関係の農村にとりましては、結局、みずからの土地をどんなに積み上げてみても収穫は上がならいという、これは第三者によるそういう被害によりまして起こった事柄であります。土地改良事業をするにいたしましても、あるいは作目の転換をするにいたしましても、私は、きわめて困難な状態が起こるのではないか、このように思っているわけでありまして、特にこの重金属等でよごされてまいりました土地改良事業について農林省としては、今後やはり特別の措置というものを講じていく必要があるのではないか、このような気がするわけでありますけれども、それらに対するお考え方についてお伺いをいたしたいと思います。

住吉勇三農林省農地局参事官

○説明員(住吉勇三君) ただいまお話ございました土呂久鉱山地区の土壌汚染の問題でございますが、現在の土壌汚染防止法の適用を受ける場合は御承知のとおりでございますが、ただいまお話しの宮崎県の土壌汚染防止法の適用を受けない場合、こういう場合には、農地局といたしまして、鉱毒対策事業という一つの土地改良事業を仕組んでおります。これは一般の土地改良事業よりも高率の補助で実施するということになっておりますが、この鉱毒対策事業によりまして、ただいまお話のありましたような地区の土壌改善対策事業をやれるように窓口は開いておるわけでございます。しかしながら、先生御承知のとおりでございまして、土地改良法によります土地改良事業として仕組んでおりますので、地元からの申請、県からの指導という点でもございますので、この点県当局を指導いたしまして、そういう方向で、なるべく早く工事が実施できる方向で今後も指導を続けていきたいと、こう思っております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 特に鉱毒の汚染による地帯につきましては、いろいろな意見があるわけであります、正直申しまして。むしろ、鉱毒によって汚染をされたということがあまり宣伝をされると、うちの農産物が売れないという心配が一つ起こるわけであります。それだからといって、これを放置してそれをそのまま続けさしていいかというと、これはやはり健康上きわめて重要な問題であるということになるとたいへんな問題でありますから、それらの住民感情というもの、二つの意見がありますけれども、やはり人間の健康を第一に考えるというたてまえから、私たちは、その土壌改良事業にいたしましても、できるだけ早くそういう措置を講じてやるということが私はたてまえにならなきやならぬ、このように思っているわけでありまして、鉱毒対策事業につきましても、私は、なおなお問題があるような気が実情におきましてはするわけであります。できるだけ、これらにつきましては、農民の負担がないような形で、しかも、農業経営が成り立つような方策というものを早急に確立をさしていただきたい。私は、このように思うわけでありまして、ぜひ農林省におきましても、それらのものに対する御努力をお願いしたいと思います。  最後に、私は、この土呂久の鉱害の実態を見まして、特に、やはり地方自治体の取り組みというものの地域の人たちに対する影響というものはきわめて大きいような気がいたすわけでありまして、もちろん、これは地方自治体の問題だと言ってしまえばそれまででありますけれども、一日も早く問題の解決をはかるためには、やはり国の機関における積極的な指導と対策が必要ではないか、こういうように感ずるわけであります。特に関係各省庁の緊密な連絡の上に、特に環境庁を頂点といたしまして、早急に対策を立てていただくように特にお願いを申し上げまして、長官の最後の御意見もお伺いをいたしまして私の質問を終わりたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) ただいまの工藤委員の御発言は、私、全く同感でございます。ことに、環境庁の仕事は、各省庁あるいは各自治体との間の緊密な連絡がなくてはその目的を達成することはできません。また、同時に、この公害の防止なり自然保護、環境保護ということは、国民の一人一人の協力を得なければ達成することはできないのでございます。そういう意味から申しましても、また広く各関係機関と十分な緊密な連絡、協調をすることが何よりも大事だと考えますので、お説のとおり努力してまいる考えであります。

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 午前の会議はこの程度にとどめ、午後は一時三十分に再開いたします。    午後零時三十五分休憩      —————・—————    午後一時三十五分開会

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) ただいまから公害対策特別委員会を再開いたします。  午前に引き続き、質疑を行ないます。

内田善利公明党

○内田善利君 私は、いろいろ開発に伴って自然破壊が非常に多くなってきているわけですが、自然保護ということと開発ということについて、その調和の原点といいますか、そういったことを中心にして質問していきたいと思いますが、その実例として、いま問題になっております鹿児島県の志布志の開発問題を中心にして問題を取り上げてまいりたいと、このように思います。  その前に、先ほどの関連質問として久良知局長にお聞きしたいと思うんですが、亜砒酸鉱害があのようにして問題になりまして全国の総点検が行なわれるという先ほどの答弁があったわけですが、私は、これに金山を加えていただきたいと、こう提案するわけです。と申しますのは、先ほどのデータでは、排出基準も環境基準もオーバーしてない——環境基準は三カ所ほどオーバーしておったようですが、鹿児島県における通産局と県との合同調査によりますと、川内川の上流にあります鯛生鉱山の大口鉱業所ですか、その排出口で、排出基準、砒素の場合の〇・五PPMをオーバーしていると、それから環境も——川内川からあの川内市の周辺でも取水をしているわけですが、こういったところで環境基準のやはり〇・〇五PPMをオーバーしている。そういうデータが出ているわけですが、こういった金山に伴って出てくる砒素、これについても鉱害対策の一環として総点検に入れていただきたいと、このように思うわけですが、この点についてお伺いいたしたいと思います。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) 鹿児島県所在の大口鉱山につきましては、四十六年になりましてから六回監督検査を実施をいたしております。最近の水質検査の結果によりますと、先生おっしゃいますように、砒素について若干基準をオーバーしておる点があるようでございまして、改善の指示を行ないました。本年の四月末までには大型の沈澱池を完成させまして、この問題としては解消されるというふうに私ども考えておるわけでございますが、御指摘のように、鉱床の性格によりましては、金その他の鉱物を主目的といたします鉱山で、やはり中には砒素の多いところもあるわけでございますので、砒鉱を対象といたします鉱山につきまして、やはりそういう砒素の濃度の高い廃水の出る可能性のある鉱山につきましては重点的に調査をし、改善を要する点につきましては防止工事を施行させるというふうにいたすつもりでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 この県のデータによりますと、大口鉱業所の廃水のデータは四十六年の十月十五日、十一月十一日、十一月十二日、十二月二十三日というふうに調査しておるわけですが、サンプリングしているわけですが、〇・六七七PPMですね、四十六年の十月十五日です。それから四十六年の十一月十一日が〇・六〇一PPM、それから四十六年の十二月二十三日が〇・五二四PPMと、これはまあ排水口なんですけれども、環境基準としては、川内市のすぐ近くですけれども、この辺からは水を取っているわけですが、四十六年の十一月十一日の採水で〇・〇五四PPM、あるいは十一月十二日、翌日ですね、〇・〇五八PPMと、基準オーバーはわずかでも、その前にやった調査でもやはり出ておりますし、この大口鉱業所には、砒素を含んだ鉱石あるいはズリがあるということが歴然としておるわけですね。私は、水の中にこうして基準オーバーの砒素が出たということは大問題だと思うんですね。最近は排水口がよく問題になりますけれども、ずっと流れてきて、そして取水口のあたりでこのような環境基準オーバーが出てくるということは問題じゃないかと思うんです。この点についてどのように考えられるのか。  それと、もう一つ質問したいことは、金山においては昔は水銀を製錬に使っていた。最近はシアン化ソーダとか、あるいはシアン化石灰、カルシウム、そういったものを使っているわけです。これの管理は完全にいっているのかどうか。回収は完全にいっているのかどうか。この点、技術的な問題と思いますけれども、やはり一市民として心配になってきましたので、一言お伺いをしておきたいと思います。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) 大口鉱山周辺の排水の——排水といいますか、流水か環境基準を総量において若干オーバーしておるということでございまして、現在、排出水そのものが〇・六台にございますし、これを大型の沈でん池をつくることによりまして〇・五以下に下げる計画でおるわけでございますが、その下げましたのちにおきましても環境基準をオーバーするということであれば、やはりこの排出基準そのものをさらに上げざるを得ないというふうに考えております。  それからもう一つお尋ねの、最近の金鉱山の製錬に使いますシアン、水銀、これの回収方法がどういうようになっておるかというお尋ねでございます。現在、この金銀の青化製錬におきましてシアンが使われておるわけでございますが、製錬過程でこれを回収する方法といたしましては、青化の廃液中に酸を添加いたしまして、直接分解をいたしまして、青化物を青酸ガスとして回収する方法と、それから青化廃液中のシアンを一度シアン化亜鉛の形にいたしまして沈でんをさせまして、さらにこのシアン化亜鉛を酸化によって分解をして、青酸ガスとして回収する、この二つの方法があるわけでございます。現在の青化製錬をしております金鉱山におきましては、いずれもこのうちのどちらかの方法を採用しておるわけでございます。現在、稼行中の金鉱山の排水につきましては、シアシにつきまして測定をいたしておりますが、シアンの排出基準一PPMをかなり大幅に下回っておるわけでございます。  それから、現在、日本の金鉱山におきましては、水銀を加えまして金を回収する、いわゆる混こう法というふうに申しているわけでございますが、これによる製錬を、実施しておる鉱山は現在のところございません。

内田善利公明党

○内田善利君 もう一つ聞いておきますが、先ほど総点検を五千鉱山について、休廃止鉱山をやるということですが、人員はどういうふうになっておりますか。先ほどの工藤先生の質問では松尾鉱山等についてもわずかな人員でやっていたというんですけれども、総人員何名ぐらいで総点検を一体やられるのだろうか、また、その費用等はどうなっておるのだろうか。福岡鉱山保安監督局の監督官はわずか十三名で動いていらっしゃるというように聞いておりますが、あのような山の中に入って、それこそどこに廃鉱があるか、坑口があるかわからないような、そういうところに入っていって調査される調査官は、一体何人ぐらいで調査が行なわれているのか、されるつもりか、これをお聞きして久良知局長に対する質問を終わりたいと思います。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) 休廃止鉱山対策をはじめといたしまして、金属鉱山の鉱害防止対策というものは急速に強化をする必要があるわけでございます。人員から申し上げますと、最近かなり増強をいたしておるわけでございまして、鉱務監督官について申しますと、これは金属、非金属関係の鉱山の監督をやる監督官でございますが、四十五年には百二十名でございましたが、増員をいたしまして四十六年には百三十九名、それから四十七年度、来年度には百七十一名に増強をいたすつもりでございます。それから鉱害防止を専務といたします課を新設をするということで進めておるわけでございますが、全国八カ所に鉱山保安監督局、部があるわけでございます。四十五年度に二、四十六年度に三、四十七年度に二と、八監督局、部のうち七につきましては鉱害防止課を来年度までに設置が完了する予定でございます。  それから予算の点でございますが、ただいま金属、非金属鉱山関係の鉱害防止全体の予算についての資料が手元にないわけでございますが、その中の主要な部分を占めます休廃止鉱山周辺の重金属鉱害調査の予算は、四十五年に二百九十万、それから今年度、四十六年度に千二百六十五万というふうに増強をいたしておりまして、それから休廃止鉱山鉱害防止対策のほうも、四十六年度におきましては約九千百万、それから四十七年度、ただいま審議をお願いしております予算でございますが、二億三千五百万、約二・六倍に増強をされておるわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 私も松尾鉱山に行きましたときに、監督官の方がおられたわけですけれども、ずっと寝泊まりして危険物を監視しているということでした。非常に少ない人数でたいへんだなと、このように思ったんですが、十分な総点検をやっていただきたいと、このように要望するわけです。  本論に返りまして、閣議決定以来、新全総に基づいて開発計画が進められているわけですが、この総合計画がどの程度進行しているのか、まず経済企画庁にお聞きしたいと思います。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) いわゆる大隅総合開発と申しますか、志布志を中心といたしますあの地域の総合開発の問題でございますが、私ども、いわゆる新全国総合開発計画、新全総とよく呼んでおりますが、この計画の中で大規模工業基地というものを考えなければならない、しかも、その大規模工業基地というのは、むしろいままで非常に集中しておりました大都市、いわゆる過大都市の周辺というものをはずれまして、遠隔地に立地させるべきであるというような考え方に立っておるわけでございます。また、この新全総の計画の実施という観点から国土総合開発審議会におきましていろいろ御審議いただいておるところでございますが、その中でこの大規模工業基地と申しますものを北東地域と西南地域の二地域が候補地として掲げられております。北東地域と申しますのは、たとえば北海道の苫小牧周辺であるとか、あるいは青森県のむつ小川原周辺であるとか、そのような地域を包含した地域であると考えております。また、西南地域と申しますのには、いわゆる周防灘あるいは豊後水道で、志布志湾あたりまでを包含した地域であるというような考え方をいたしておる次第でございます。したがいまして、この志布志湾の地域は西南地域の一部でございまして、この地域の今後の開発という問題につきましては、国といたしましては、この地域の開発の可能性、あるいはこれから起こるであろういろいろな意味の問題点等を検討いたしますために、私ども所管いたしております国土総合開発事業調整費という予算がございますが、この調整費によりまして海域及び陸域における自然条件等の調査を現段階で実施をいたしておる次第でございます。  一方、鹿児島県におきましては、昨年十二月に、先生御承知と存じますが、県の地域開発調査室の一つの試案ということで新大隅総合開発計画、これは仮称であると言われておりますが、このような計画を発表いたしました。  これにつきましては、私どもも入手をいたしておるところでございます。ただ、この計画につきましてはいろいろと現段階で地元で御議論もされておるわけでございますが、もちろん、いろいろ地域住民の一部の御意見あるいは県当局としてのいろいろな考え方というようなものが現段階でいろいろ論議されておるところでございますが、経済企画庁といたしましては、現在進めておりますいろいろな調査、先ほども申しました国土総合開発事業調整費をもちまして各省庁において実施をしていただいております。調査の結果を待ちまして、また地元住民あるいは地方公共団体、また関係各省庁の意見を聞きまして、これの具体化を進めてまいりたいという考え方でございます。したがいまして、現段階で国としてこの地域の具体的な一つの計画を持っておるという段階までは立ち至っていないということでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 それでは、経済企画庁としては、この開発の可能性、問題性を目下検討中である、具体的な開発をするためのこれは検討だと、そういうことですか。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) さようでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 途中でもし問題点あるいは可能性がなければ取りやめるということも考えられるわけですか。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) 先生のおっしゃいましたとおりでございまして、たとえばこれはやはり環境問題、いわゆる公害の発生が今後どういうようになるかというような問題がありましたり、あるいはこの地域を全般的にどういうふうな開発の方向で持っていくかというような問題点、まだまだ議論があるところでございます。したがいまして、そのようないろいろな点を勘案いたしまして、その結果、これならば開発ができるという結論が出れば、われわれとしてはこの計画をまとめますし、また、それの実施に対してできるだけの協力をしていきたいという考え方でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 取りやめる場合もあるわけですね。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) これは取りやめる場合もあり得ると考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 経済企画庁では、先ほどお話しになりましたように、国土開発事業調整費を四十四年度、五年度というふうに各省庁に配分されて、その調整費を使って調査が行なわれているわけですが、この分布状況はどのようになっておりますか。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) ごく概括的に申しますと、いま先生のおっしゃいました昭和四十四年度から国土総合開発事業調整費の大規模プロジェクトの関連事業といたしまして、この構想の具体化のための調査という意味で、開発の可能性、実現し得るかどうかという点につきまして各省に対して予算を配賦いたしまして調査を進めておるところでございます。  そこで、これの調整費の配分の実績について申し上げますと、たとえば四十四年度におきましては、運輸省に約七百万円、建設省に一千七十万円の配賦をいたしております。この仕事の調査の内容は、いわゆる自然状況の調査が主体でございまして、たとえば運輸省のほうでは、地質の音波探査をいたしましたり、あるいは海底の深浅測量をいたしましたり、波浪の推算をいたしましたりしております。また、建設省におきましては、水資源開発のためのいわゆるダムの地形、地質の調査というようなことを調査をしてもらっております。また、四十五年度におきましては、運輸省に六百六十万、建設省に約二千七百万の調査費を配分いたしまして、運輸省におきましては、ボーリングあるいは音波探査あるいは海の漂砂の調査、このような調査を実施いたしております。また、建設省におきましては、周辺の地域の基本図と申しますか、いわゆる図面、地図の作成をしております。それから四十六年度、今年度の配分でございますが、運輸省に対しましては約一千八十万、建設省に対しましては二千八百万、農林省に対しましては二千六百九十万、通産省に対しましては一千百二十万の配賦をいたしております。この調査の内容は、運輸省では、いわゆる波高計を購入いたしまして、さらに波浪のいろいろなデータを考える、さらに運輸省自体として考えられる一つのマスタープランのさらにもう一つ手前のような、いわゆるデッサンと申しますか、そのようなものをどういうように考えたらいいかというような調査をいたしております。また、建設省におきましては、土地条件図の作成あるいは土地利用の調査、あるいは水資源の調査、それから自然保護の計画、あるいは運輸省と同じように、いわゆるマスタープランの一つの前提になります建設省としてどういうふうに考えたらいいかというようなデッサンを描いてもらうというような考え方で、いま実施をしておる最中でございます。また、農林省におきましては、地下水の調査あるいはダム築造の可能性の調査、これはいわゆるダム適地の選定あるいはダムの施工の条件図のようなものでございます。さらに、通産省におきましては、陸上のボーリング等を実施いたさせておる。  概括して申しますと、いわる四十四年、四十五年は基礎的な自然の条件の調査をしておりまして、四十六年度におきましてやはり引き続き自然条件の調査、さらにこれに加えることに自然保護の計画の考え方とか、あるいは何か少しばくとはいたしておりますが、この地域をそれぞれの立場でどういうふうに考えていったらいいかというような意味の調査をいたしておる次第でございます。したがいまして、四十七年度におきましても、まだこの自然条件の調査必ずしも十分とは存じませんので、これの引き続き継続が行なわれるというふうに御理解いただきたいと存じます。

内田善利公明党

○内田善利君 この調査では、県の大隅開発計画とは別個に調査が行なわれているわけですね。私の考えでは、県のほうではもうすでに具体的な計画が出ておると、しかし企画庁のほうではまだまだほど遠い、調査段階だなと、このように思うわけですが、別個に進められておるのか。この金丸知事の計画の十分な検討がなされながらこの調査が進められておるのか、その点をお聞きしたいと思います。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) ただいまの先生の御説でございますが、私ども、この調査をするにあたりまして、それぞれの省が調査を実施いたします際に、これはどうしても地元に立ち入っていろいろな調査をするというような点もございますので、調査を実施する意味では十分県とも御連絡をしていただくという考え方でございます。  ただ、先ほども申しましたように、県で一つの試案として御発表になりましたこの計画というものは、必ずしも私どもそのままで国の考える計画というものにぴっしゃり合うものであるというまだ認識には立っておりません。したがいまして、現段階で各省で調査をいたしておりますこの調査のデータがまとまってまいりますれば、当然適当なる段階でいろいろな面でこの県の試案、また、その段階では県の試案も少し形が変わっておるかと存じますが、そういうような県の考え方に対していろいろな御意見を申し上げるというようなかっこうになるかと存じます。

内田善利公明党

○内田善利君 通産省にお聞きしますが、いまのお話では、まだ企業の立地ということについては検討されていないように思いますが、試案によりますと、もう進出企業等の腹案も持ちながら進められておるようですけれども、この点、通産省としては、どの程度工業立地の状況、そして建設予定の企業、あるいはもうすでにきまった企業等はわかっておるのかどうか、お聞きしたいと思います。

田中芳秋通商産業省企業局参事官

○説明員(田中芳秋君) 通産省といたしましては、ただいま経済企画庁からも説明がありましたように、西南地域、志布志地域につきましては、県の計画という形にまだなっていない、試案の段階でございます。私どもといたしましても、土地の状況その他現状につきましての基礎調査の段階にあるわけでございまして、したがいまして、具体的な業種あるいは企業その他につきましては、まだ構想を固めるには至っておりません。今後ともこうしたデータの積み重ねによりまして、経済企画庁とも十分連絡をとりつつ固めてまいりたい、このように考えておる段階でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 時間の関係で、農林省のほうにお聞きしますが、この地下水の調査あるいはかんがい用のダムの調査等が行なわれておるようですけれども、水産庁は水産関係が一番問題だと思っております。水産庁としては、どのような調査がなされたのか、お聞きしたいと思います。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) この志布志湾につきましては、御承知かとも存じますが、大体漁業の生産額六千トン、漁業者で千名をちょっとこえる程度の者が漁業に従事をしておるわけでございますが、この種の計画によりましては、たとえば海浜地におきます埋め立て、水質の汚毒あるいは油濁というふうな公害問題が間々発生をするわけでございますが、水産庁といたしましても、この種の計画については関心を持っているわけでございますけれども、先ほど企画庁のほうから御説明がございましたように、現在はまだ一つの構想があるという程度でございまして、どういうふうな開発が行なわれるのか、はっきりいたしておりません。したがいまして、そういう計画が固まっていくにまちまして、私どもといたしましても、十分な調査をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 そういう答弁を現地の漁民の方あるいは漁協の方が聞いたら憤慨いたしますよ。私は行ってきて、なるほど漁民の方々が言うのはもっともだ、そのように痛感したわけです。一番たよっているのは水産庁だと思うのですね。その調査がそのような程度で、あのように一番いま大隅開発で問題にし、反対しておられるのは漁民の方々なんですね。先ほど一部の方ということでしたけれども、一番反対しているのは漁民の六漁協の方あるいは宮崎県の漁協の方が最も反対して、その反対の理由は御承知と思いますけれども、少しでも海岸が削られたり埋め立てられたら魚の住みかはすぐ変わってしまう、一変してしまう、いまこの志布志湾には豊富に魚がおる、だけどもちょっとでも埋め立てしたならば住みかは変わってしまう、ぜひこういった方面の調査はしてほしいというふうに私は訴えを聞いたわけですけれども、いまだに水産庁としてはそういった調査もされていない。——されていないですね。そういう状況では、一体、大隅——新全総がそうですけれども、鹿児島県の出しているうたい文句のいわゆる人間尊重、また住民と十分話し合っていくという、そういううたい文句はありますけれども、実際そういった漁民との話し合い、またそういった魚の住みかがどうなるのか、そういった調査が全然なされていない。向こうの東串良の漁業組合は共同漁業権を持っていますね、共同漁業権を持っていますと、三分の二の同意がなければ漁業権を放棄できない。私の見るところでは、この漁業権の放棄というのは、いまの状況では、おそらくむずかしいのじゃないかと。もし開発を強行せんとするならば、そういった点の話し合い、そういったことを中心にして話し合っていくことが一番大事じゃないかと、そのようにいまの答弁をお聞きして思ったわけですが、この漁業権の放棄については、水産庁としてはどのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) 私どもといたしましては、大体現況は私どもなりに承知をいたしておるつもりでございますが、さらにこの計画がどのようにまとまっていくのか、それが進みませんことには、それに対応の問題もなかなか打ち出せないわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、今後十分に関心を払いまして、水産のサイドにおきます保護がおくれないようにやってまいりたいというふうに考えております。  なお、漁業権の問題につきましては、ただいまお話がございましたように、埋め立て等につきましては、三分の二以上の同意がなければ漁業権の放棄はできないという、漁業者の意思を尊重するたてまえになっております。まあ開発の目的とからめましてその辺の調整が十分できますように、私どもとしても、今後指導してまいりたいというふうに考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 それじゃ、まだそういった調整、話し合いはされてないわけですね。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) はい。

内田善利公明党

○内田善利君 そうすると、つく見込みはございますか。水産庁としては、その調整の見込みございますか。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) ただいままだそういう漁業権の問題が日程にのぼっているというふうに聞いておりません。だからどういうことになりますか、私どものほうもその点は十分承知をいたしておりません。

内田善利公明党

○内田善利君 現状ではどうしても私はついてないと、このように判断するわけですが、そういう問題が出てないというのではなくて、もうすでにそういう問題が一番問題になっているわけです。どうも私の県で見るところでは、行政的な消極性、そういうものを感ずるわけです。経企庁が各省庁に調整費を出してお願いをしている、それに基づいて調査をしているという段階で、経企庁の、あるいはいま出している鹿児島県の計画がはっきりするまではどうもまだ私たちもわかりませんと、そういうような姿勢が非常に強いわけです。私は、一番問題になっているところに飛び込んでいって話し合いをして調整をつけるべきじゃないか。これが固まっていっても問題はそこにいくわけですから、その点一番その衝に当たっている水産庁のほうで調整をつけるべきじゃないかと、かように思うわけですが、いかがですか、その点は。もう答弁お願いしても同じことだと思いますが、経企庁としては、そういった問題があるけれども、どんどんゴリ押ししてこの話を進めていくのかどうか、その点はいかがですか。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) ただいまのお話でございますが、私どもの立場でどういうふうにこれを考えておるかという点について申し上げますと、ちょうど——また例に出して申しわけないのですが、むつ小川原地域の開発という問題でも、やはり同じような問題がございまして、したがいまして、関係各省庁の横の連絡というものを十分からめていく必要があるということがあるわけでございます。  そこで、むつ小川原の場合の例を申し上げますと、十省庁の連絡会議と申しますか、会議を持っていろいろな問題点を連絡し合っております。これと同様に、いわゆる西南地域の開発という問題につきましても同じような機構を設けるべきだと考えまして、現在こういうものを設置する方向で検討中でございます。一応御参考までに申しますと、むつ小川原の場合の十省庁と申しますのは、経済企画庁以外に大蔵省、厚生省、農林省、通産省、運輸省、建設省、自治省、環境庁、労働省、この十省庁でございます。このような横の連絡を十分とりまして、たとえばいまのようなお話、水産庁としても非常に辛いお立場などこの会議でいろいろ御発言いただきまして、どういうふうに考えていったらいいのかということを十分連絡しながら進めていきたい。したがって、私どもの考え方は、先ほども申しましたように、どうもゴリ押しをするというような感覚ではこれからの開発はとうてい現実の問題としてむずかしく、したがいまして、十分住民の納得を得ながら進めていくということでなければ、ほんとうに望ましい開発ができないのではなかろうかというふうな考え方に立っておる次第でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 また詳しくはお聞きしますけれども、今度は文化庁——見えていますか。  この志布志の開発区域には、国の指定の史跡、古墳等あるいは県指定その他の大和朝と大隅遺跡と関係の深い遺跡がたくさんあるわけですが、こうした文化財については、その保護の面についてどのように考えて対策を講じておられるか、お聞きしたいと思います。

内山正文化庁文化財保護部長

○説明員(内山正君) この計画の中心になります志布志一帯につきましては、国の史跡になっております横瀬古墳あるいは唐仁古墳群、あるいは塚崎古墳群等の指定物件がございますし、また高山城址という史跡あるいは天然記念物になっております大クスノキ、あるいは枇榔島というようなものがあるわけでございますが、そのほか国の指定にはなっておりませんけれども、遺跡というものが約七十件ほどあると考えられます。この開発計画の試案によりますと、文化財保護の基本方針を定めまして、これに基づいて文化財を守る計画というのが考えられているようでございますが、この計画の規模の大きさ等から考えまして、確かにいろいろの問題を持っておると思うわけでございますが、文化庁といたしましては、この地域につきましてさらに十分な分布調査を実施することを県に指導したいというように考えております。  県におきましては、今年度からその遺跡の調査に着手すると聞いておりますが、来年度本格的に遺跡の調査を実施させまして、これらの地域のうち、どうしても守らなければならない遺跡あるいは記録保存にとどめてもかまわない遺跡というようなものの価値判断を十分にいたしまして、この計画がもし実施されます場合に、文化財の保存ということと開発とが調整ができるような調査を十分にいたしたいと考えているわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 調査官は鹿児島県に一人しかいないのですね、御存じですね。そうして全部一切文化財、遺跡の調査は民間の方にまかしている、そういう実情です。これは鹿児島のみならず、各県ともそういう実情にあります。微々たるもので、文化財の保護というものがまことに貧弱です。それはあなたも御承知のとおりと思いますが、いままでの文化財のそういった調査は、開発を前提とした調査ばかりなんですね。もう少し抜本的に埋蔵文化財の調査、発掘、こういうことがなされるべきではないかと思うのです。そこが開発される、さあ調査だと、こういうことでは、われわれの先祖が築いてきたとうとい歴史は全部こわれていってしまうのではないか、このように思われるわけです。いま七十件とおっしゃいましたが、私の調べでは四百五十件くらいがあの周辺の遺跡としてあるわけですね。国の指定の古墳が塚崎古墳群が四十四基、東串良町の唐仁古墳群が百三十九基、大崎の横瀬古墳が一基、そのほか二百二十五の古墳、非常に重要な文化財があるわけですが、たった一人でこれを守って、これを発掘し、調査している。民間の方々も、これが破壊されるということで、この開発に反対されているわけですけれども、こういった面からしても、私は、文化庁としてもっとはっきりした明確な態度を経企庁なりに示していただきたい。先ほどのお話では、その省庁の合同会議が持たれるということですけれども、文化財を守るという立場から明確な姿勢を打ち出していただきたい。開発するから調査すると、そういう消極的な姿勢でなくて、もっと文化財を保護していくという強い姿勢を打ち出していただきたいと思いますが、その点いかがですか。

内山正文化庁文化財保護部長

○説明員(内山正君) 文化庁におきましては、数年前に全国の遺跡の分布調査を実施いたしまして、遺跡地図を作成し開発に備えてきたわけでございますけれども、さらに、本年度からその分布地図の完ぺきを期しますために、全国的な遺跡分布の再調査を実施中でございます。そういうことによりまして、いまだ指定されておりません遺跡の保存に備えたいというように思っておりますが、ただいま御指摘のございました唐仁古墳群とか、あるいは横瀬古墳群等につきましては、すでに史跡に指定されております。そうした史跡に指定されているものにつきましては、私どもは、当然開発計画から除外をしていただきまして、これはどうしても守っていただくという考えでおるわけでございまして、未指定の分野につきまして、さらに守るべきものと、あるいは記録保存にとどめるべきものとの区分けを十分にいたしたい。発掘技術者の不足等につきましても、御指摘のとおりでございますが、今後さらにそれらの充実をいろいろな角度から考えてまいりたいと思っておるわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 時間がありませんので、次に建設省にお聞きしますが、こういう開発が行なわれますと、必ず土地のブローカーが暗躍して地価をつり上げておるわけですが、志布志の場合も、ある商事会社は、四千ヘクタールも山地、山林、農地を買い占めておる。ある商事会社は、ゴルフ場用地として、牧場を二百五十ヘクタール買い占めておる。そのほか、地元業者の話によりますと、大体、山林原野がもうすでに三年前に比べますと六、七倍もはね上がっていると。そのような実情ですが、これは鹿島でも水島でも同じことが言えると思いますけれども、こういった開発に伴う地価高騰抑制政策というようなものは考えられないのか、この点について、建設省にお聞きしたいと思います。

西原俊策建設省計画局総務課長

○説明員(西原俊策君) お答え申し上げます。  地域の開発計画の発表によりまして地価が高騰する場合が多い、こういうようなことで、その地価を抑制する対策が考えられないか、こういう御質問でございます。  現在の法制度でどうなっているかということを申し上げますと、御承知のとおり、地価を一定の時点で抑制あるいは固定するというような制度といたしましては、土地収用法がございます。これは公共の利益になる事業につきまして、事業認定を受けた時点で地価を固定する、こういうことになるわけでございます。しかし、本件のような大規模開発プロジェクトについて見ますれば、まだ事業計画が確定するという段階になっておりませんので、この土地収用法によりまして地価を固定するというような段階にも至っていないように考えられるわけでございます。また、たとえば事業計画が確定するというふうな段階になりましても、地価が固定されるというものは、土地収用法の規定によりまして、収用適格事業となっております公益的な事業あるいは公共的な事業、こういった用地について、事業認定を受けた部分に限られるわけでございまして、こういう大規模工業開発といった場合には、その開発の中核となりますような工場用地その他につきましては、原則として、収用適格事業にならない、こういう法制度になっているわけでございます。  それで、お尋ねのような地価をこういった段階におきまして抑制する、あるいは固定するというような制度を考えるといたしますれば、何らかの強制的な手法、あるいは収用等を含めまして、何らかの強制的な手法を用いてまでも開発を抑制していく、あるいは収用によらなくても、強制的な手法で制限を課していこう、こういったような新しい手法の確立を待たないと、現段階におきましては、こういった地価抑制につきましての有効な手法を見出すということは、なかなか困難な点が多いんではなかろうかと、こういうふうに考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 土地政策は抜本的に考えないと、非常にやみブローカーが暗躍して土地をつり上げておる。こういうことに対して、ひとつ建設省としても抜本的な方策を講じていただきたい、こういうように思いますね。  いままでの工業開発が、鹿島臨海工業地帯にしても公害のない工業地帯、あるいは水島の場合は産農共栄と、ともに栄えるというようなうたい文句で開発がなされたわけですが、現状は、皆さん御承知のとおり、公害のない工業地帯どころではない、公害がむしろ多くなっているような状況でございます。志布志の場合も、またまた同じようななしくずし方式で、どんどん開発の方向へ進んでいる。そういったことで、県民をごり押しに納得させていく、そういう形でいくんじゃないか。開発が先に行って、そして住民がやむを得ず立ち上がって反対をすると、そこで、なしくずし方式で、鹿島あるいは水島のような、あるいはいままで行なわれていた開発ということと同じようなことがまた行なわれていくんじゃないか。私は、もう今後はそういったことでは開発をしちゃいけない、あくまでも県民、地域住民の納得の上で開発はなされなければならないと、そのように思うわけですが、環境庁長官、この点いかがでしょうか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 大体、御意見に賛成でございます。  私は、この志布志につきましては、国定公園でもあり、国定公園を解除しない限りは開発はできませんので、国定公園の解除を鹿児島県知事から要望されております。その根拠は、新大隅開発計画という開発計画をいよいよ実行したいということで要請をされておりますが、私は、これに対して、いろいろ検討を加えております。でき得るならば、自然を破壊しない方向でまいりたいと思います。どうしても開発をしなければならないならば、それを開発することによって、地域住民の大多数の人々に、その自然のいまの環境を守ること以上に、はるかにすぐれた環境の保全なり、よりよい環境がつくられる、より大きい幸福をもたらし得るものだというものならば、私は、指定を解除してもけっこうだと考えておりますが、そのような見通しが立たない限りは、解除をいたさない方針でおります。

内田善利公明党

○内田善利君 長官は、志布志のあの美しい自然をごらんになったことはございますか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 私は、まだ直接には見たことはございませんが、たびたび職員を派遣して、いろいろとその実態を調べてもらって、報告を聞いておるわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 私は、この計画は、閣議決定にしても、金丸知事の大隅計画が出されるにしても、国定公園が解除されるということが前提でこの計画ができておるように思うんですね。いま大石長官がおっしゃったそういうことは、私もよくわかります。わかりますが、あそこは、非常にもう日本にとってはたった一つしかない松林であり、砂丘であり、これはもう残すと、国定公園を解除しないというはっきりした明言があれば、このような計画は立たないのではないか。いまおっしゃったような、そういう姿勢であれば、何とか長官を説き伏せて、解除してもらう、そういう前提でなされた計画のように私には思うんですが、この点はいかがでしょうか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 私は、どんなことがあっても断じて解除しないということは申しません。ただ、はっきり申しますが、あのようなすばらしい、日本でただ一つの、あの松原のある、あのすばらしい自然を破壊するからには、はるかにそれに上回る利益がなければならない。つまり地域住民に、それを破壊しても、それに何倍かのすばらしいしあわせ——しあわせというのは、いろいろなものの考え方があります。幸福といったって、金をためることが幸福なのか、あるいは煙がどんなにふえても、公害がどんなに広がっても、幾らかでも自分の所得が多くなるのがしあわせなのか、あるいは所得が少なくても、穏やかな、健康な環境で生活するのがしあわせなのか考え方によりますが、大きなしあわせが与えられるという保証がない限りは、解除しない方針でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 私は、PCBによる食べものの汚染について、きょうは、ずっと質問する考えでおりましたが、けさ、PCB汚染の日本コンデンサ草津工場のヘドロから高い汚染が検出されたということが報道されておりますので、初めに、この点についての御報告をお願いしたい。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) いま御質問の滋賀県の草津市にございます日本コンデンサからPCB廃液が出まして、周辺を汚染しておるという実情につきまして御報告申し上げます。で、この点につきましては、一月の二十七日に、地元の草津市が日本コンデンサの排水、それから排水がたまっております、これは農業用のため池でございますが、そのため池の底のどろを採取しまして、東洋レーヨンの研究所に分析を委託いたしまして分析をいたしましたところ、排水中に〇・一七から〇・二三PPMのPCBが入っておる。ところが、ため池の底のどろの中からは三万二〇〇〇PPMから三万一六〇〇PPM程度のPCBが検出されたわけでございまして、そのことを三月の十日に正式に草津市から公表されたというのが経過でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そこで、問題なのは、PCBの汚染はこうしたコンデンサー工場等の排水の中あるいはその排水溝のヘドロからこうした高い濃度の汚染物質が検出されるのではないかということは、もうかねがね予想ついていたことなんです、お互いに。いまさら、三万二〇〇〇PPMがあまりにも高いのでしばらく伏せておいたとか、あるいは水を検査していたが水にはそれほどの汚染がなかったとか、そういうことでいいものかどうか。これは技術的にいかがですか。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) これは別に伏せておったというふうには私どもは聞いておらないわけでありますけれども、私どもは、やはり三万PPMをこすようなPCBがため池のどろから出ているのは、やはり蓄積ということではなかろうか。最近は特に注意を県当局から日本コンデンサに対して注意をいたしておりますから、排水中のPCBは相当減っていると思いますけれども、過去におきましては、ある程度の濃度のPCBが出まして、それがやはりだんだん蓄積をいたしまして、どろにたまったというような経緯ではなかろうか。それが実はうかつにいたしましてわからなかったところ、ほかの団体から指摘をされまして、草津市、また県当局、二月の十六日に周囲のたんぼのどろとか、それからため池の水、その他関係の河川のどろ等を採取いたしまして現在分析中でございますが、従来、必ずしもこんな高濃度のPCBが一カ所に固まっていたということを知らなかったということが実態であったというふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 どうも蓄積するという考え方が……。そうするとあれですか、初めにどろがある、そのどろが次第に流れてPCBだけが蓄積したというんですか。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) どうも必ずしもその辺のメカニズムといいますか、明らかではございませんが、私の想像でございますけれども、PCBはなかなか水等には不溶性といいますか、なかなか溶けにくいような性質がございますが、水の中にまじって出てまいりましたものが、いわば外の一この工場のものではございませんけれども、農業用のため池に入りまして、そこで流れの流速が衰えたものですから底に沈降したのではなかろうかと実は想像をいたしているわけでございますけれども、そういうような過程でもってだんだん蓄積したというふうに実は考えているのでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そうすると、その防止は、どうすれば防止できますか。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) これはかねがね琵琶湖周辺、それから琵琶湖から出ます河川等につきましてPCBが発見されておりますので、私どもは、滋賀県を通じましてこの日本コンデンサに対しまして今後さらにPCBが流出しないようにいろいろ指導するようにということを要請をいたしております。現状までに私どもが県を通じて指導し、その結果を聞いておりますのは、まず製造工程につきまして改善を加えるということを県とそれから日本コンデンサでは約束をしているようでありまして、その方法といたしましては、まず排出水につきまして、現在日量約千トンの排出水がありますけれども、これを大体十分の一程度にまず圧縮をしまして、その排水につきましては、活性炭吸着というような処理工程を経まして、できるだけ活性炭にPCBを吸着させる、その吸着させました活性炭は一時貯蔵をいたしますが、六月までに完成の予定である高温の焼却炉によってこれを焼却するというようなことを工場のほうに命じまして、現在その準備をしているというふうに聞いているわけでございます。  それから、いま問題になっておりますため池でございますけれども、これはやはりオーバーフローをしたりして、これまた汚染すると非常に問題があるわけでございます。まず、それに対しましては、これはコンデンサのものではございませんけれども、池のかさ上げをさせるということで、できるだけオーバーフローを防止するということが一つと、近い将来は、この日本コンデンサが農民の所有でございますため池を買収をしたいというような希望があるようでございます。その間あっせんをいたしまして、日本コンデンサに買収をさせまして、その買収後におきましては、そのため池のどろ——三万PPM以上のPCBを含んでおりますどろでございますが、それをしゅんせつさせるというようなことを現在滋賀県を通じまして指導いたしておるというのが現状でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 活性炭でPCBが取れますか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) 私からお答えするのは適当でないかもしれませんが、水道の浄化作用から考えますと、活性炭ではなかなか取りにくいということであろうと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それは局長、取りにくいのじゃなくて、取れないですね。ですから水源地がPCB汚染された場合には、水道用水としては完全にアウトですね。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) 非常に困った問題だと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そこで質問をやめるわけにはいきませんのでね。  そこで、大石長官、こういう問題は、それこそ生産第一か、それとも人間第一か、福祉優先か生産優先かで、ですから、こうした技術的に不明なことがあれば、当然一時操業を中止するなり、あるいは操業を短縮するなりして、そうして一刻も早く改善策を立てる、これならば琵琶湖も安心だと。周辺の農家では、稲が枯れた、魚が死んだというようなことがすでに報告されている。そういう場合には、そういう措置が必要じゃありませんか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 私も小平委員の御意見に賛成でございます。  やはりこれはできるだけ早い機会に、いますぐといえば一番いいと思いますが、その間のいろいろな企業内部その他の事情わかりませんので、いつとは言えませんが、できるだけ早い機会に操業をやめるなり、短縮をさせて、近い将来にはそんなものはつくらないということが望ましいと思います。しかし、また、いままでの予算委員会におきましても、通産大臣はこのようなPCBは今後つくらせない方針であるということを申しておりますから、そのほうに向いてまいると私は考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 さしあたって日本コンデンサ草津工場に県が操業中止を命ずるかどうかという問題が出てきているわけですが、そういう問題についても、いま私が指摘するような考えでというふうに理解してよろしゅうございますか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 基本的には、そのような考えに賛成でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それでは、次に食品のPCB汚染につきまして、これは委員の皆さんにお配りしていただきたかったのですけれども、厚生省から提出された——従来PCBに汚染されたということが各研究機関、各地で発表されておりますが、それらをまとめてきょうの委員会に提出していただきたいということをお願いしておいたわけです。これを委員の皆さんにお配りしてないのはたいへん残念ですが、ひとつ厚生省から概要を御説明していただきたい。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) PCBによる食品の汚染の問題でございますが、これはすでに新聞等で多く報道されておりますとおりに、試験研究機関といたしましては、愛媛大学あるいは京都市の衛生研究所、それから高知県の衛生研究所、それから東京都の衛生研究所、多くの研究機関、大学等で作業されております。  例で申しますと、たとえば東京湾の魚のPCBによる汚染状況でございますが、なまの組織中のPPMの単位で申しますと、これは愛媛大学の立川助教授が主になって分析されたものでございます。セイゴの背の肉でもって三・九PPM、腹の肉でもって一・七PPM、肝臓で四・八PPM、腹腔内の脂肪組織でもって二九PPMといったように、ほかのカレイ、ハゼ、ボラ、ハマチ、いろいろな多くのものを東京湾だけでなくて四国沖あるいは瀬戸内海等、数多くのところで測定しておりますが、そのいずれの結果もPCBによる汚染を示しております。たとえば高知の沖でとれましたボラでございますが、これは背中の肉でもって〇・三PPM、それから腹の肉で二PPM、肝臓で三・一PPM、それから瀬戸内海に関係ございますところといたしまして、ハマチでございますが、これが中予と書いてありますから中部伊予だと思いますが、背中で六・六、腹の肉で一六、肝臓で八・四、腹腔内脂肪組織で二六、いずれもPPMということで、以下数多くの魚について数多くの場所で調べておりますが、いずれも汚染されておるという状況が示されております。そのほか、これは高知の衛生研究所でやったものにつきましても、ほぼ同様の結果でございます。  また、内陸の淡水魚につきましては、京都市の衛生研究所が琵琶湖、宇治川につきまして調べた結果がございますが、これもフナ、コイ、モロコあるいはゴリ、こういったものについて調べてございますが、大体一PPMから二〇PPMをこえる、こういった範囲内の分布を見ております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 大体いいです。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) よろしゅうございますか。まあ、東京湾のもございますが、また必要がございましたら、私どものほうで取りまとめまして資料として提出させていただきます。以上でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 いま御報告のように、大体肉で一PPM、脂肪のところで二〇ないし三〇PPMというものが検出をされております。そこで、一体、食品として、一〇PPMないし二〇PPMというPCBが検出される魚を食べて安全なのかどうかということですね、これはいかがですか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) PCBの急性毒性につきましては、類似のDDTなどに比べますと相当に弱いようでございますが、慢性毒性についてどうなるかということについては、まだ確たる研究がなされておりません。日本におきましては、PCBの毒性につきましては不幸な例を持っておりまして、カネミ・ライスオイル事件でもって多くの病人、犠牲者の方を出しているわけでございますが、この知見から見ますというと、平均いたしまして、体内の摂取量が合計して平均約二グラム、場合によりましては〇・五グラムという量でもって何らかの発症を見ておるといったことが言われております。したがいまして、たとえば一〇PPMにいたしましても——PPMと申しますのは、一キログラムの中でいきますとそのままミリグラムということになりますが、そういったことから計算いたしましても、かりにまあ百グラム毎日食べ続けるといたしますと、やはり数年たつとそういった量に達するということも考えられるので、特別の場合にはやはり連続して大量に摂取することについては、これはやめなくちゃならぬということも考えられるかと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 特別の場合大量摂取をやめなくちゃいけないと言われましても、それが東京湾の魚はだめ、瀬戸内海の魚はだめ、いま私があとで指摘いたしますが、駿河湾の魚はだめ、じゃ、全部だめということじゃないですか、まことに困ったことじゃないですか。局長が先ほど申されたことをもう一度確認の意味で繰り返しますと、カネミ油症患者は〇・五ないし二グラムで発病したと、こういうわけですね。そうすると、まあその中間をとって一グラムとしますと——〇・五ないし二グラムといいますから。かりに一グラムで発病する人があるとしますと、一〇PPMの魚を毎日百グラム食べますと千日で発病ということになるわけです。千日ということは三年でもう発病しちゃうわけです。ですからあのカネミ油症の患者と同じ症状がわれわれ日本国民総体的に一年か二年か三年のうちに発病者が次々と出てきたということになってからじゃおそいじゃありませんか、いかがですか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) そのとおりでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それでは、アメリカではカネミ油症のような患者はおりませんが、アメリカでは、すでに牛乳、魚の肉、鳥の肉、卵等の規制基準をきめているようですね。日本では、いま局長御指摘のように、不幸にしてPCB被害者が発生している。にもかかわらず、いまだにそうした規制措置がない。アメリカでは、そういう実際の被害者は発生しているのじゃないけれども、すでに牛乳等の規制をきめて、それ以上の汚染のある食品は回収しているというようなことについては、厚生省はどう考えるのですか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) PCBによる食品の汚染、あるいは環境の汚染につきましては、立川助教授等の非常に御熱心な研究でもって、一昨年あたりから逐次その状況が明らかになってきたところでございます。厚生省は、この問題は非常に重大な問題であると考えまして、関係の各省庁にもお願いいたしまして、科学技術庁のほうに特に特別の調査研究費を要求いたしまして、科学技術庁が主体となって、昨年の五月からその研究に取り組んでおるところでございます。  まず、PCBは、これは非常にいろいろな種類の多いものの混合物でございますので、分析法が非常にむずかしいので、いろいろと研究していきます場合にも、分析法を確立し、標準化しなくちゃならないということで、この問題をまず第一に取り上げまして、立川助教授の方法を主体としながらその標準化をはかりまして、現在ではこの分析法の確立を見ております。次に、最大至急、現在までの汚染状況のデータも参考にしながら、全国的な環境汚染、ことに食品汚染の状況というものの実態の調査把握をいたしたい。  それから毒性につきましては、先ほどカネミ・ライスオイルの例を引きましたけれども、実はこういった長期の摂取の場合の慢性毒性あるいは催奇形性等につきましては判然としておりませんので、これにつきましては至急にやはり研究していかなくちゃならぬということで、これもスタートしております。  したがいまして、アメリカの例にならいまして、いまの段階でもって行政的に一つのガイドラインといいますか、こういったものを引くかどうかというお尋ねの件でございますけれども、いま数カ月のうちにかなりいろいろな点が明らかにされるのではないかということで、現段階といたしましては、これ以上PCBによる環境汚染ということが進まないように、あらゆる手を打っていく。そうしてこの数カ月のうちに出るその調査の結果、研究の成果も見ながら、確実有効な対応策をとっていくようにいたしたいというのがいまの考えでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 ずいぶん長く答弁されましたけれども、私がお尋ねした点は、アメリカでは、いつからどのような規制をしているか、その点厚生省はどうとらえていらっしゃるかという点をお尋ねしたわけです。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) たしかアメリカの考え方は、とりあえずガイドラインといいますか、努力目標というものを掲げて、そして逐次減らしていこう、その一つの目標値というふうに私は理解しております。と申しますのが、たとえばアメリカの——これは手元に入ったあれでごさいますけれども、アメリカのPCBの規制値は、牛乳中で〇・二PPM、それから魚の食用部分、これが五PPM、あるいは食用の鳥類のものを五PPMといったようなもので規制しているようでございますが、はたしてこの数値が学問的な根拠のあるものかどうかというふうに考えるよりも、一つの努力目標というふうに理解しております。わが国におきましては、やはりある程度食生活の事情も違いますし、その辺は、ここ数ヵ月内に出ます結果をもとといたしまして、食品衛生調査会等の御意見も聞きながら、有効適切な対応策を考えていくほうがよろしいんじゃないか。幸いと言いますと語弊がございますが、先ほどの量でいきましても、二、三年という時日の余裕がございますので、その前に何とかできるだけ早く有効な対応策を考えてまいりたいというふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 アメリカと日本は食生活が違うのですが、日本のほうが魚の肉はたくさん食べているわけでしょう。したがって、アメリカが五PPM、しかも、これは二年ないし三年前のことですよ。アメリカでは六九年、七〇年、七一年ごろから逐次牛乳、魚等の規制を始めているというのに、食生活が違うから、さっきの計算でも三年余裕があるからというように言っているのは、これは大石長官、またたいへんあれなんですが、私が大石長官に最初PCBについて質問をいたしたときにも、厚生省は、たしかこういう食品に対する規制は、四十六年の末といえば十二月ですが、四十六年度末といえばやがていま三月ですが、その辺で出るという答弁だったわけですが、いまの厚生省の説明だと、あと数カ月かかるというようなお話なんですが、それで、数カ月かかるかあるいは三月出るかということも一つの問題ではありますが、取り組む姿勢が問題じゃないでしょうか、いかがでしょう。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) これは私の環境庁の所管外のことでございますので、とやかく言いにくいことでありますが、国務大臣として考えますと、やはり取り組む姿勢が一番大事だと思います。実は、私もこの委員会でもって、特にあなたからいろいろとこのPCBのことを質問され、一体どうしたらいいものだろうと、ほんとうにとほうにくれたことがございます。実際もしお話のような、それほど広がった実態であり、それほど分解しにくいものであり、からだから排除しがたいものである、そしてまた分析のそれさえまだ確立していない現状では、どうしたらいいだろうと非常にとほうにくれた。いまでもどうしたらいいか私わかりませんが、これはたとえ多少時間がかかりましても、やはりその分析の方法は、いずれ近いうちできるそうでございますが、それを確立して、同時にもう一つは、やはりある程度の動物実験その他を行ないまして、最も最小限度の的確な数字が早く出ればけっこうでございますが、ある程度の見当のついた規制ができるような研究をして、それを土台に、とりあえず魚なり肉なり、もっとも魚と申しましても、これはいろんな魚の種類がありますし、地域も違いますから、これをどのような方法でその魚肉に含まれているPCBが規制できるかどうか、むずかしい問題でありますけれども、何らかのやはり規制する方向で取り組んでいくということが大事じゃなかろうかと考えておるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そこで、私が通産省からいただいた資料で、PCBの中でも特に五塩化、六塩化というPCBですが、そのPCBの県別の出荷量を見ますと、非常に高いのがやはり東京、神奈川、それから静岡、愛知、三重が多いですね、出荷量が。あるいは大阪が多いわけです。そうしますと、東京湾あるいは瀬戸内海の魚がPCBに汚染されているということとともに、こうした静岡、愛知、三重という太平洋沿岸地域において、過去において五塩化、六塩化、そういう分解しにくいPCBが大量に出荷され使われたということが一つ前提にありまして、これはおとといですか、沼津の養殖場で奇形のハマチから高濃度のPCBが検出された、愛媛大学立川助教授、この報道もあります。こうなりますと、養殖ハマチがPCBで汚染された、さあそこでもう出荷ががたっと減るわけです。これはどうすればいいですか。漁民としては一生懸命養殖してきたハマチ、それがPCB汚染だと、しかも、沼津で偶発的に起きたと考えられないことは、いま申し上げたような県別出荷量によりまして、決して沼津の養殖場だけで偶発的なPCB汚染が見つかったんではないということになると、太平洋沿岸ずっと同じようなPCB汚染が発生しやしないか、すでにしているんではないか、これに対してはどう処置されますか。水産庁はどう処置されますか。——おりませんか。じゃ、厚生省は禁止しますか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) 厚生省は、先ほども申しましたように、現在水産庁あるいは大学の研究機関、環境庁、通産省、そういったようなところとも連絡をとりながら、まずPCBの使用の規制ということを早急にやってもらって、これ以上の環境汚染の拡大を防止する方向で、まず何といってもそれの手を打っていかなくちゃならぬし、また打っていっていただきたいということを申し上げたところでございます。  また食べるのを禁止するのかどうかということでございますが、先ほど御答弁しましたように、現在確立されました標準的な分析方法で、実際の汚染の状況をいま洗い直しているわけでございます。非常にむずかしい分析方法であるということは、先生先刻御案内のとおりでございますけれども、たとえば信頼限界にいたしましても、まあ魚肉の場合ですと、一〇PPBでございますか、結局〇・〇一PPMといったようなことでございますし、やはり全部一応洗い直してみまして、そしてその上で、これも決して長い時間かかるわけじゃございませんので、その上で判断していくべきじゃなかろうか。またあまり汚染の高いといったような特別の例が出た場合は、これはやはり市場によって多量に摂取するということはやめさせるようにしてまいりたいと考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 いま最後に言われたことは、非常に高い数値が出たら市場で禁止すると言うんですが、非常に高い数値か低い数値かもまだきまってないわけでしょう。何となく、PCBが出た、では買うのはやめた、まるまる漁民が被害を受けちゃうわけですよ。  そこで、通産省はどうですか。とにかく先ほど来大石長官あるいは厚生省の御答弁は、もとでなくす以外に手はないと、ですから、おくればせながら、もとでいまから根を絶とうというんですね、この見通しはいかがですか。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) 所管から申しますと、必ずしも私適当でないわけでございますが、先ほど大石長官からもお話がありましたように、通産省の方針といたしましては、このPCBの使用というのは開放型と密閉型とあるわけでございますが、開放型についてはすでに使用を禁止しておるわけでございます。それから密閉型は電気製品が主要なものになるわけでございますが、これを家電製品等とそれからトランス、大型のコンデンサーというふうな重電機製品と分けました場合、家電製品に使いますものについては、これはできるだけ早い機会に使用、それからそれに使うPCBの製造というものをやめよう。で、この重電機関係の特に使用先、それから廃棄のはっきりと把握できるもの、たとえば電電公社、国鉄というふうな使用先だけに使用を認めよう、それから使いましたものを廃棄する場合には、これはつくりますメーカーに特殊の廃棄のための処理炉をつくらせまして、メーカーが責任を持って処理をする、そういうものだけを残しまして、他についてはできるだけ早い機会に使用並びに製造をやめるようにするという方針でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それは局長、この前の答弁と同じことをおっしゃっているけれども、これはどうですか、経済審議会——首相の諮問機関である経済審議会が次々のことをきめたと、環境保全ですね、報告要旨として、「水銀、カドミウムなど微量重金属、PCBなどプラスチック」等々ですね、「発生源で完全に除去し、外部へ排出してはならない。このための防除費用の支出はいとうべきでなく、もし高い防除費用の支出で生産が成り立たないときには生産を中止すべきであろう。」、このようにこの経済審議会で報告を出しております。通産省は、ずいぶん経済審議会よりものんびりしたことを言っているんじゃないですか、いかがですか。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) いまの経済審議会で、水銀、カドミウム、それからPCBというふうなものについての報告が出ておるわけでございますが、これらの品物につきましては防除の方法がないということからそういう結論が出るわけでございますが、私ども、PCBの重電機での使用というものについては、これはやはり完全にコントロールできるわけでございます。それからこの面の使用につきましては、ほかのもので代替のむずかしい、非常にいい保安上その他の利点があるわけでございますので、そういうものにつきまして、発生源から外にそれが広がるということを完全に防止をいたしまして使用をするというふうに考えておるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 ですから、最初に方法がないということになったわけでしょう、最初に。この日本コンデンサ草津工場、一体、この日本コンデンサ草津工場といえどもPCB汚染していいと思っていたんじゃなかろうと思うんですよ。けれども、じゃ、どうしたら完全に防除できるかということがわからないうちに生産が先んじたために今日のような汚染が発生してしまった。したがって、この審議会の報告のほうがきわめてはっきりしているんじゃないですか。そういう方法のないものは完全に外部へ排出してはならない、発生源で完全に除去し、外部へ排出してはならない、このための防除費用の支出はいとうべきではない、このほうがはっきりしているじゃないですか。それは局長がおっしゃるように、重電機関係はだいじょうぶだ、だいじょうぶだと思っていながら汚染が広がっちゃったわけでしょう。そこに問題がありませんか。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) PCB、特に重電機に使いますものについては、一定の温度以上で焼却と申しますか、完全に酸化をすれば分解が可能であるという結論が出ております。  それから、現在におきましても、すでにメーカーにおいて焼却炉の運転をいたしておるわけでございますので、そういう特殊な重電機器という発生源からPCBというものを取り出しまして、焼却によって除去できるというふうに考えておるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 ですから、その点も、この前指摘しましたように、じゃ、どこの機関で何度でどれだけの時間焼却して完全に除去されたという結論がありますか。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) 技術的な詳細な点につきましては、また担当の部局からあらためて御説明をするように連絡いたしたいと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 ですから、その点もこの前指摘しましたように、立川助教授——先ほど来名前の出ます立川助教授の書かれた論文には、局長の占うように、千度であっても分解しないとなっているんですよ。ですから、そういう点を何ら検討なしにだいじょうぶだというのは信じられませんと言っているわけです。まあ以上です。  次に、私は、カドミウムのことについてもっと質問する予定だったんですが、このカドミウムの汚染地が各地に発生をいたしております。ところがカドミウムの汚染地は、さしあたってカドミウム汚染が発見されたということが発表になりますと、すぐ農家の保有米を交換しよう、あるいは政府買い入れの買い入れ米は凍結しよう、こういうことになるわけです。  そこで、私がお願いした資料は、カドミウム汚染地域でどれだけ——さしあたって保有米の例をとりますが、どれだけの保有米を交換したか、その保有米を発生企業が代金払ったかどうか、そういう点の資料を私は要求してあったのですが、できましたか。

中村健次郎食糧庁次長

○政府委員(中村健次郎君) 農家の希望によりまして保有米の交換をいたしました数量、地域別の数量は準備をいたしております。それに対しての企業の補償という問題は、私のほうの所管でございませんので、所管のほうからお答えいたすと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 その所管は、どこですか。——それでは、私は、次の機会にもっと時間をとってカドミウムの汚染米について質問をいたしたいと思いますので、きょうは、環境庁長官から政府の取り組む姿勢を——通産省でしょう、これは。企業負担は通産省だって農林省は言うし、通産省に言わせると米は農林省だと言って、それで結局私が要求した資料も出てこないわけなんですよ。そういうことじゃ困るのです。特に私が問題だと思いますことは、農民がいつも被害者になっているわけですね。ということは、配給米を交換する、それでもうすでにお金をとられるわけです。あるいは市がたてかえで払う場合もあるわけです。それからまた来年度作付をするかどうか、作付はできない、そうすると、だれが補償してくれるのだ、それこそ、うやむやのうちに国の休耕田と同じに扱われたりしているわけです。そういう点、農林省から出た保有米を交換したという個所だけでも相当たくさんの個所があるわけです。どれだけ発生企業が明らかになっているか。あるいはおよそあすこだと思いながらもはっきりした企業をつきとめられないで、うやむやにされちゃう。そういうケースがきわめて多い。これはたいへん公害に対する企業の姿勢もよくないし、また、発生源がつきとめられないからといって、ずるずると農家にだけ損をさせるというのは許されないと思うのですね。こういう点いかがですか。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) カドミウム汚染米に対する補償の問題でございますが、鉱山が汚染をいたしました場合には、これは鉱業法の中に無過失賠償の規定がございますので、当然鉱業権者に補償の義務があるわけでございまして、米の中のカドミウムの濃度が一PPMをこえるものにつきましては、これは企業と被害者との間で話し合いを持ちまして、必要な場合には、通産省といたしまして、企業が前向きに対処するように指導をいたしておるわけでございます。補償の実績といたしましては、昭和四十五年度の産米については総額約二億円の補償を行なっております。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) この米のカドミウム汚染につきましては、やはり非常に問題が多いと思います。一応一PPM以上の米は、これは食糧にしない、禁ずるということでありますが、それは一つの考え方でけっこうだと思います。その場合には、食糧庁では、これは食品でないから買わないということでございますが、これも一つの考えであります。しかし、だれかが補償してくれなければならない。だれが補償するかという問題であります。そこがまだ解決されておりません。これはやはり話をつけてお互いに、農林省、通産省にわれわれも入って一つの方針をきめなければならぬ時期にきていると思います。それはまあ確証があるかないかも問題ですけれども、それまでに関係があると思われる企業がやはり一PPM以上の米を買う、しかし、これは長い時期ではありません。と申しますのは、そのような田んぼは土壌改良法によって、客土なんかすることによって改良されますから、いずれそれらの米は生産されなくなりますから、これはたいした問題じゃないと思います、その方法をきめればですね。政府がかりに補償する、あるいは買ってあげるということでいいと思うんです。問題は、〇・四から〇・九九九PPMまでの米だと思いますけれども、これは、私は、食糧庁がもう少しその基本的な方針を確立する必要があると思います。これは一応食糧だと言っている。農林省が買うことになっているんです。ただ、農林省は、よく解釈すればあたたかい、国民に不安を与えてはいけないから、そのような米はできる、だけいまのうち配給しないで、みんなの人心穏やかにしようという気持ちで、あれしないんだと思うんですが、それをもう少しはっきり定義を明確にして、その米をどうするかと。〇・四PPMは何も食品としては害がないけれども、一応これはこういう米が生産されるということは、その地域が汚染されているおそれがあるからだというようなことで、そういう問題になっている。それが一つの考え方の基準になっているわけですから、それをもう少し明確にして、やはりどっか責任の所在なり、判定のしかたをもっと明確にして、そしてあり方を変えることが必要じゃないかと思います。そのような土地を、客土して、全部土地改良をやって変えてしまうなり、あるいはそういう米を食糧に全部回すなり、はっきりですな、その他どうするか、いろいろな方法があると思いますけれども、そういうことを明確に話し合いをつけて、正確に明確な方針をきめることがこのような混乱を防ぐ一つの大きな方針ではないか、こう考えるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 たいへん時間を過ぎて申しわけないですが、いまの長官の発言で、早くそういう線で話をまとめていただきたいということを結論的に私も申し上げたいために提起した問題でございますので、それでけっこうですが、ただ、ここで、もう一つは汚染米と知りながら食べているところが相当あるわけです。これは何省の関係になりますか。汚染米と知りながら、かりに愛知県の刈谷で突然ことしになって、それこそ突発的に県が汚染されているという発表をした。ところが、公明党が調査してみたら、半分の人は汚染と知りながらそのまま食べているというのです。これはこのままほうっといていいですか。いま長官のおっしゃった土壌改良する、土地改良すると言うんですが、それは愛知県の刈谷の場合も大多数の人が土地改良を希望しておりますが、ここの場合ならば、土地が低いわけです、特に田んぼが。土を盛りさえすればいいわけです。こういうような点は早く県の計画が出て、政府との話し合いもつくように思いますが、いかがでしょうか。以上二点について。

中村健次郎食糧庁次長

○政府委員(中村健次郎君) 愛知県の刈谷の汚染地区につきましては、ここで、県が調査された結果、一PPM以上の検体も出ましたし、また〇・四以上の検体もかなり出ております。そういうことで、県のほうから連絡がございまして、食糧庁といたしましては、既定の方針によりまして、すぐそういう農家には一般の米を配給するということをしてよろしいということで配給をいたしておりまして、配給を受けておる農家が三十二軒、百六十四人ございます。それから、農家の保有米を交換して、やはり米でもらいたいという希望の農家があれば、それはいつでも希望に応じて交換をするから、その手続を早くするようにと愛知県に申しております。そういうことで、できるだけそういった配給を受けるなり、あるいは保有米を交換して食べるなり、そういったことを、私ども一のほうでは、希望があれば十分にできるような手続その他方針をきめておりますので、それを利用してやってもらいたい、このように思います。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) 土壌改良の点でございますが、先生おっしゃるとおり、刈谷地区につきましては、今年度の環境庁からの細密調査によりまして、玄米中に含むカドミウムの量並びに土壌中に含まれますカドミウムの量につきましての調査が終わっております。それに基づきまして、現在県は土壌汚染防止法によりまして地区の指定等の作業を急いでおるようでありますので、地区を指定いたしまして対策計画を立てまして、できるだけ早く対策事業ができるように促進をいたしたいと、かように考えております。

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) ちょっと速記をとめてください。    〔速記中止〕

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 速記を起こしてください。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 三点ばかりについてお尋ねをしたいと思います。  第一は、土呂久の鉱山の問題ですけれども、これは先ほどほかの先生より質疑がありましたし、現在はどうやって被害を救済するのか、今後また類似した問題についてどう取り組んでいくのかということが主たる内容だと思います。とは言うものの、前回の委員会の質疑で若干欠けている部分がありますので、続けてお伺いをいたしたいと思います。  厚生省に伺うのですが、土呂久鉱山で生産をしておりました亜砒酸は劇物及び毒物取締法の対象になりますか。——そこで、土呂久鉱山で、法に定める取り扱い責任者が決定され、届け出られ、厚生省の承認を受けておいでになったのかどうか。  まず、この事実関係をお伺いいたしたいと思います。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○説明員(山高章夫君) ただいま先生の土呂久が毒物及び劇物取締法によって登録を受け、かつ取り扱い責任者がいたかどうかというお話でございますが、御質問の土呂久鉱業所は、毒物及び劇物取締法によりまして、製造業者として登録を受けております。また、取り扱い責任者も届け出がございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 その登録された取り扱い責任者が閉山届け出まで引き続いて取り扱い責任者の座にあったかどうかを確認する資料は、厚生省としてお持ちですか。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○説明員(山高章夫君) 土呂久鉱業所が閉山いたしまして、登録の廃止届けを出しましたのが昭和三十七年の十二月でございます。この取り扱い責任者は、その廃止の当時まで引き続いております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 引き続いていたということになりますと、亜砒酸の取り扱いについて責任者となったわけですから、当時の状況について、厚生省として、当然、本人を呼び、事情を調査されたと思いますけれども、そういう事実がありますか。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○説明員(山高章夫君) 当時の状況につきましては、何ぶん十年前のことでございますので、当時の登録の申請書によって調査中でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 何ぶん十年前のことで登録の申請書にということじゃ、その人が引き続いて閉山までいたかどうかはわからないでしょう。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○説明員(山高章夫君) 取り扱い責任者は、変更がありますと届け出を出すように法律上はなっておりますので、届け出のない限り引き続いておるというぐあいに推定せざるを得ないというふうに思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 別なことで伺います。  取り扱い責任者の取り扱いということですけれども、毒物劇物取締法では、取り扱いの内容としてどういう内容が規定されておりますか。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○説明員(山高章夫君) 毒物及び劇物取締法の七条に毒物劇物取り扱い責任者に関する規定がございまして、法律の上から申しますと、「毒物又は劇物による保健衛生上の危害の防止に当たらせなければならない。」ということになってございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 私は取り扱いということでお伺いしたので、十一条のことを聞いたのです。お答えがないので申し上げますけれども、書いてあることは、「漏れ、流れ出、若しくはしみ出、又はこれらの施設の地下にしみ込むことを防ぐのに必要な措置を講じなければならない」、これが法で定めている取り扱いの内容です。現実はそうなっていなかったわけですから、当然のこととして、十年前とは言いながら、その登録された取り扱い責任者の見解をただす責任を厚生省は持っていると思います。そこで、そういう調査をなさったのですか。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○説明員(山高章夫君) 法律のただいまの御指摘の十一条の二項の中には、御指摘のとおり、亜砒酸流出についての規制がございます。これは毒物劇物の取り扱い責任者も、当然保健衛生上の見地からこういう措置をしなければならないわけでございますが、この規定によりますと、営業者あるいは特定毒物研究者もそういう措置をするように義務が課されているわけでございまして、本件の土呂久鉱業所は、登録廃止届け出を出すまでの間は、これは県庁を通じまして必要な監督をするようになっておりまして、それは十分やられていると思っております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 御指摘のように、取り扱い責任者の管理というのは、国もしくは都道府県知事、両方ができるような仕組みになっておりますけれども、この土呂久のことについて、なっていると思いますというお答えがありましたけれども、国と都道府県で——この場合は宮崎県ということになりますけれども、どういう分担で仕事をしようかということを協議した、そういう実績というのはあったでしょうか。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○説明員(山高章夫君) この土呂久鉱業所は、登録期間中のことは、何ぶん先ほども御答弁申し上げましたように、十年前のことでございますので、なかなか調査に手間取りまして、当時の実情は十分把握——たいへん遺憾でございますが、実態を十分把握できない次第でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 あの私は不幸にして起こったことについてけしからぬということを申し上げているのではなくて、この毒物の管理責任を主管官庁として持っている厚生省として、今度の問題が起こったらば、当然お調べになるはずのことでしょうということを申し上げているだけです。  法に戻ってお伺いしますと、立ち入り検査ということをきめているはずです。登録があったら、あとは営業者がそれぞれ管理をしてということではなくして、やはりそれでは心配だから状況によっては立ち入り検査をするという規定が十七条にあります。厚生大臣または都道府県知事は、保健衛生上必要があると認めるときは立ち入り検査をする、これは登録してあるのだから、あとはとにかく書類的にはそうなっているはずだとすましていたのではできないことです。当然どういう手続きが必要になるのですか。また、どういうときに立ち入り検査というものを発動されるのですか。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○説明員(山高章夫君) 立ち入り検査でございますが、これは保健衛生上必要があると認めるときは立ち入り検査ができるようになってございます。先ほど、何ぶん古いことで十分資料がございませんという御答弁を申し上げたのでありますが、そのとおりでございますけれども、当時、実地調査は一両回やってございまして、それによりますと、たとえば貯蔵庫の出入口のとびらを固定するちょうつがいの取りつけ方法を変更させるとか、製品袋とか製品箱に対する表示方法を訂正させるとか、随時必要に応じてはやってございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 随時必要に応じてもしやっていたとしますと、今回は、そういう立ち入り検査にもかかわらず、厚生省の期待に反した結果になってしまったわけですから、当然のこととして、登録されたその人が取り扱い責任者としての事務手続が終わっているからということだけではなくて、その人も呼びながら状況がどうだったのか、厚生省の行政として一体何が欠けていたのかということをほんとうは反省に立って検討をしなければならなかったと思います。ただ、先ほど来の御意見を伺って感ずるのは、一応毒物劇物取締法の対象になる、そこで登録が出てしまえばあとは都道府県なりその他が管理をするべきものなんだと、そういう印象をお持ちだということですか。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○説明員(山高章夫君) 製造業者あるいは輸入業者につきましては、登録後国、都道府県が共同で管理監督をしなければならないとなっております。何ぶん国の毒物劇物監視員が手薄でございますので、実態上は都道府県にお願いするというのが実情でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 それでは、通産省にお伺いしたいと思いますけれども、いま、たまたま毒物劇物の対象であるという立場からお伺いしたのですけれども、亜砒酸そのものが鉱山によるれっきとした産物であることは、これは間違いございません。そこで、鉱山保安法に言う保安上亜砒酸の取り扱いというのは当然必要とされる知識であり、技術なんでしょうか。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) 鉱山におきまして亜砒酸というものは、これは製錬所で産物として出てくるわけでございます。したがいまして、そういう場合には当然亜砒酸に対する知識というものが必要になってくるわけでございまして、鉱山保安法には、毒物劇物を取り扱う作業者について特別の保安教育を施しまして、これを有資格者として選任をするという問題、それから有資格者以外の者がそういう劇物毒物を扱ってはならない、扱わせない、以外には扱わせないという就業制限の点、それから劇物毒物の取り扱いについて、各鉱山ごとに保安規程というものを定めるわけですが、その中にはっきりと規定をするという問題、それから劇物毒物を取り扱う箇所にそれぞれ必要な安全施設を設ける、こういう四点をおもな規制事項といたしまして規則の中にきめているわけでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 そうしますと、先ほど厚生省にお伺いした御答弁の中に、なるほど毒物取締法の対象にはなるけれども、監視員も少ないことだし、法が予定した例外に入るようなことなんだ——そうはおっしゃいませんでしたけれども、そういう感じでお答えになりました。したがって、この亜砒酸の管理というものは、なるほど毒物というものは厚生省所管とはいうものの、いまのお答えのように、鉱山保安法上の保安ということに入ってくる。したがって、一義的な責任はやはりこれは通産行政の中で負わなければいけないと御認識でございますか。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) やはり鉱山保安法、それから毒劇法と両方二重にかかっておるわけでございますので、出先機関といたしましては、県になるわけですが、両者連絡をとって監督をしていくということが緊要かと存ずるわけでございますが、先ほどちょっとお話が出ました休山時の措置については、これは私どものほうでも、どういうふうにそのときに県と連絡をしたのかという点は、はっきりいたしていないわけでございます。土呂久について申し上げますと、亜砒酸を製造いたしましたときの炉が残っておる。その炉の内部に亜砒酸がかなり多量についておる。これは実際には二トン余りになったわけでございますが、そういう点が明らかになりまして、やはりこの亜砒酸を取り、それから炉についても何らかの処置をする必要があるのではないかということで措置をとったわけでございます。そのときには県と保健所に連絡をいたしまして、三者立ち会いの上で措置をいたしたようでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 一応念のために御確認しますと、鉱務監督官という制度があります。これも先ほど厚生省の立ち入り検査と同じように、必要があるときには立ち入り検査ができる、ここに通産省として行政の一環として指導、指示がされていると思います。その中に、当然毒物劇物の取り扱いについて鉱務監督官の重要な業務の一つなんだという指導がされてきたことは間違いないわけですか。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) 鉱山施設といたしまして、この毒物劇物を取り扱う個所がある場合には、当然これは鉱務監督官の立ち入り検査の対象になるわけでございます。仕事の、業務の一環としてあるわけでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 いままでお伺いしたことでも、当然のことながら、わかりますように、厚生・通産、通産・厚生、それぞれが重複的に管理されている。それはたいへん丁寧であるように見えていて、なかなか実務面ではやりにくい点があろうかと思います。そこでこの種の問題について厚生省と通産省、まあ先ほどのお答えですと、とどのつまりみんな都道府県にいってしまうような感じがするのですけれども、とりあえず、そこで、どういったかっこうで指導していこうかという話し合い、協議というものがされた実績はあったんでしょうか。これは通産省にまずお伺いします。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) この規則の改定その他、機会がありますときには、必要のありますときには電話その他で連絡をいたしておるわけでございますが、正式の、先生がおっしゃるようなあらたまった連絡といいますか、協議というふうなものは従来行なわれていないように聞いております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 公平に厚生省にお伺いしますけれども、電話連絡じゃなくて、正式のそういう協議がない場合に、省を越えた仕事の進め方というのは、私は、日本の場合、日本を問わず非常にやりにくいものだと思う。このことはお認めになりますか。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○説明員(山高章夫君) ただいまの先生のお話、やりにくいというお話でございますが、必要があればいつでも通産省と御相談申し上げて、この種のものの取り扱いに慎重を期してまいりたいということでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 じゃ、厚生省にお伺いしますけれども、だれが言い出すのか。どちらが先、両方とも御要望があればたいへんぐあいがよろしいのですけれども、どちらが言い出すのか。ものの性格からいって、やっぱり毒物を管理されている厚生省のほうがより広く見ていかなければいけないし、当然専門知識が背景に必要だし、したがって、厚生省から先に言い出すべきだという気もしますし、そうは言ったって、山から出てくるのじゃないかということから通産省のような気もしますし、どちらだとお考えになってきたのですか。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○説明員(山高章夫君) 本件の場合、毒物劇物であると同時に、鉱業法なり、鉱山保安法の適用を受ける企業でございますので、まあどちらが先にということでなく、必要に応じて相互に連絡をしたいというふうに考えます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 これ以上はやめます。ただ、その必要に応じてということがわからないのだと、最初厚生省はお答えになったわけですし、通産省にこまかくは伺っていませんけれども、お伺いすればおそらく同じことでしょう。鉱務監督官の数が少なくてというお話も、おそらく出てくるだろうと思います。  そこで、問題は、これからなんですから、休山、閉山を含めて、また現在稼働している山を含めてどうやって対策を進めていくか。そこでせっかく法律が二重に適用されているということは、二重に丁寧に管理をするということだろうと思います。そこで、今後、これは現在進める緊急課題の一つになっております閉山、休山の実地調査の場合も含めて、どういう取り組みをされるのか。厚生、通産からそれぞれ御見解を伺ってこの件はここで打ち切りますけれども、たいへん不満に思います。どちらからでもけっこうです。厚生省のほうからでもひとつ。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○説明員(山高章夫君) 休山、閉山をしておりますところの今後の管理についてのお話でございますが、私ども、ただいま毒物劇物の登録台帳を点検しまして、十分に通産省に御相談して今後の方針をきめて、遺漏のないようにやっていきたいと思います。

久良知章悟通商産業省公害保安局長

○政府委員(久良知章悟君) 劇毒物の取り締まり、特に今回の場合砒素でございますが、砒素と申しますか、亜砒酸でございますので、亜砒酸について申しますと、亜砒酸の製造施設というものが対象になるわけでございます。この対象施設につきましては、二種類あると申しますか、一つは土呂久等にございました簡単な焼き取り製錬の施設。それからもう一つは、大手の大規模な製錬所で副産物としてとっております施設と、二種類あるわけでございます。  この前者につきましては、将来これを稼働させまして亜砒酸を取るということは考えられないわけでございますので、この種の施設については、これはなるべく早い機会に厚生省ないしは県と連絡をいたしまして、調査の上、取りこわすというふうな形での処理をいたしたいと考えております。  毒劇物全体の取り締まりにつきましても、鉱山には製造だけではなくて、使用の面におきましてもかなりのものがあるわけでございますので、今後、厚生省、県と連絡を緊密にいたしまして、先生の御注意に沿うようにいたしたいと考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 ほんとうによろしくお願いしたいと思います。これがどういうかっこうの協議になるのか、あるいはそれぞれ毒物劇物監視員に対する指導要領なり、鉱務監督官に対する指導要領なり、あるいは都道府県に対する別途の通知、指示なり、どんな形かわかりませんけれども、今回不幸にして起きた事件が、一面で見ると、行政の欠陥だということはいなめない事実ですから、大きな反省材料としてぜひ生かしていただきたいと思います。  では、次の質問に移りますけれども、これはまず環境庁にお伺いいたします。御担当からでけっこうですけれども、お尋ねの内容は、大気汚染の観測調査ということについて、一、二の点でお伺いしたいと思います。  まず、伺いたいのは、大気汚染対策と取り組んでいくということになりますと、どういう地域で考えるかは別にして、気象特性というものをつかまなければいけないと思います。その気象特性をつかむ場合には、継続的な定点観測がやはり必要になるでしょうし、また、その観測網というのはなるべくこまかいほうがいい。横の広がりでこまかいという面と、縦の広がりでこまかいという面と、いろいろありましょうけれども、とにかくそういう観測ネットで継続的定点観測が望ましいと思いますけれども、この点、まず御意見を伺いたいと思います。

山形操六環境庁大気保全局長

○政府委員(山形操六君) 大気汚染に関する気象現象に関する御質問でございますが、私ども、いまやっております施策の方針といたしましては、気象の問題でも非常に大規模なもの、あるいは中規模のもの、小規模といいますか、局地のものがございます。  現在、私どもは、中規模以上は気象庁が観測体制を整備しておられますので、それらのデータをいただきますが、局地現象を対象とした気象観測は、これは地方自治体において大気汚染測定網において各種の汚染物質とあわせて観測しているところであります。国や地方自治体でも、ある特定な目的と申しますか、たとえば光化学スモッグの調査とか環境大気調査とかいうようなときには、それぞれ大気汚染に関する調査研究に臨時のネットワークを張って、局地現象をやっておりますが、現在は地上のネットワークにおいてやられており、その先生の御質問の気象の観測ということになりますと、たとえば東京都では東京タワーにおいて、あすこで気象関係、亜硫酸ガス、ダスト等あわせてやっておりますし、川口のタワーも東京都がやってくれております。神奈川県ではマリンタワーを利用してやっておりますが、これもいずれも高さは東京タワーにおいて二百五十メートルのところがせいぜいでございます。したがって、特定目的のために航空機等を利用しての調査はいたしますが、常時監視ということになりますと、現在の事情では技術的な問題もございますので、なかなかむずかしいというのが現状でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 二番目にお伺いしたいことまで御一緒にお答えでしたけれども、定点観測、継続的なこまかいネットワークでそれは当然だということだと思います。  そこで、二番目に伺いたかったのは、環境庁と気象庁と都道府県の分担がどうなっているのか。いまのお答えですと、気象庁は中規模以上だと。それからそれ以上こまかいものは都道府県なんだと。そこで、実は私が本日お伺いしたいのは、都道府県にも属さないところをどうしていくのか。これを東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内に広げてもけっこうです。どこの都道府県にも入っておりませんし、しかも、こまかいネットの観測網ということになれば、抜けては通れない。しかも、これから首都圏という広域的な公害対策行政をやっていこうということになりますと、いやでもここでやらなければいけない。  で、御見解を先取りして申し上げると、気象庁は中規模だから関係ありません。しかも、都道府県に属さないんだから、どこもできません。しかも、環境庁はそれを実施する機構でもなければ性格でも今日はありません。そこでどうするかをお伺いしたがったんです。

山形操六環境庁大気保全局長

○政府委員(山形操六君) 御質問の意味よくわかりますが、広域の監視問題に関しましては、地上におきましては、たとえば首都圏、阪神地域というようなことで、広域監視測定体制の援助をやり、情報交換等やっております。ただ、気象を含めての広域問題になりますと、これはなかなかわが国のように複雑な地形のところではこの現象が非常に複雑でございますので、御指摘のように、それを把握するために必要な常時監視というのがむずかしいのでございますが、いま、私ども何も手をつけておらないというのではございませんで、東京湾で言いますと一都三県で連絡会議をもち、そして情報交換をしながら、先ほど申しました特定目的の研究調査等に関しましては一緒にやって、それを調べていくという方針をとっております。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) いま大気保全局長から答弁申し上げましたが、これは手がたい答弁でございます。いままではそのとおりでございますが、私は、栗林委員のお話のように、何らかの広域的な機構をもってこのような大気の汚染の測定をする要があると考えております。  で、以上いま答弁申し上げましたように、東京都、千葉県、神奈川県並びに埼玉県、この一都三県ですが、集まりまして光化学スモッグの研究のために一つのチームをつくりまして、環境庁が中心になりましていろいろと努力をしております。このような形を今後推し進めまして、やはりおっしゃるように、常時あるいは継続的に調査をする必要があると私は考えます。そういう体制に努力してまいりたいと思います。ただ、それには必要ないろんな準備が要ります。たとえばヘリコプターのようなものとか、いろんなものが要ると思うんでありますが、いまのところ、残念ながら、そういうものはありませんので、できるだけ早くそういう体制を整えまして話し合いをすれば、そのような体制はつくれると思いますから、今後そのような方向に向かって努力してまいりたいと思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 お尋ね申し上げます。  確認の意味でお尋ねするのですが、話し合いの中で解決をしていくと。ところが、いまはかりに東京湾に例をとりますと、あの水の上は、それこそ何もないわけです、観測網は。それで気象庁はどうかといいますと、各県に一つの測候所を持っております。しかし、これは気象庁の使命からいって中規模以上、しかも、時間的にはある程度、二十四時間以降見通したような制度ということになりますと、やはりこまかいネットは都道府県が対象になる。そうすると、その都道府県というのは、東京都は東京都のことしか知らない。品川沖から先のことは知るすべもないわけです。知るすべもないものが集まって、東京湾の気象はどうかといったって、これは結論が出ません。したがって、話し合いということは、それぞれが沿岸から沖合に向かって自分の担当を広げて、極端にいうと、大気汚染の調査は、気象調査という面では、各自治体の範囲が東京湾にせり出していって間断ないようにするという御趣旨でしょうか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) おっしゃるとおりでございます。  そのほかにどこがというと、環境庁が中心になりましていろいろな目標なり、その総合的な調査ですか、そういう方針をこれしっかりきめまして、それを各自分担をしてやる、あるいはその後もさらに進めばいろいろな設備をするための費用の分担もあるかもしれない、そういうことまで進んでいきたい、そのような新しい広域的な機構にまで持っていきたいと考えるわけでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 それも一つの方法ですからけっこうだと思うのですが、ただ、問題は時間だと思います。  東京湾をめぐる首都圏がどうやってこれから伸びるのを抑制していくのか、あるいは開発を進めてもいいのか、そういう問題は空気と水と両面からやはり緊急に結論を出さないと、埋め立てていいのか、そこに石油のコンビナートを持ってきていいのかの結論が出ません。したがって、いろいろむずかしい問題があるので、よりより時間をかげながらでは間に合わない。その意味で、時間の面ではどうお考えになりますか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) なるほど非常に時間がかかります。ですから、現在ではどうするかといえばどうしようもございません。やはりそのような目的に向かってできるだけ時間を短縮する以外に努力する道はないのです。いま何にもお互いにいままで手持ちの道具で、手持ちの方法だけでやるならその分担はすぐきめられますけれども、それだけでは不十分だと思いますから、少し時間がかかっても何しても、できるだけ早く努力する以外にそれはやはり解決の方法はないと考えるわけでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 それでは、御努力を期待して打ち切りますけれども、ただ、よく広域行政ということが言われておりますが、これを地方自治の話としてしまいますと、いろいろ問題が出てくるのですけれども、環境保全ということについては広域行政の発想が私はあってもいいのじゃないか。どこが旗を振るかというと、これは気象庁が振るわけにいきませんし、といって、いわんや都道府県が振るわけにいきません。そこで環境庁が旗振りをする必要があるのじゃないか。  気象観測というのは、地方自治体にとってもたいへん金のかかる話ですから、国が補助金を持てば、そういうあまり感情的なことでもないと思いますし、将来広域行政ということがいずれ課題になるとすれば、そのはいり口としてどの県でも困っている公害問題からまずどうだという交渉をひとつしていただけたらと思います。これは私見ですから、別に御答弁は……。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) ただいまの栗林委員の御意見は、まことにけっこうな御意見でございます。十分にその趣旨を尊重して、その方向に進んでまいりたいと考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 時間がなくなりました。  それでは、あともう一つ、これはなるべく簡潔にお答えいただきたいと思います。問題点だけ申し上げますと、これはお聞き及びかもしれませんけれども、公害防止管理者という制度がある。これは国の法律としてもきまりましたし、現在第一回の試験が終わって動いております。同じものが東京都条例でもあります。しかも、名前は同じ公害防止管理者。これはどういうことかといいますと、東京都については二回試験を受けなければいけなくなった。何で二回試験を受けるのか。この点で、試験が二回だということは御存じだと思うのですけれども、時間がございませんから、はしょって環境庁長官にお伺いいたします。  その国がやる公害防止管理者、それから都条例できまっている公害防止管理者というのは、それぞれ任務、性格、範囲は違うようですけれども、ねらっているものはそんなに違いがあるわけではありません。そういったものが二つ必要なんだろうか。国の法律と都条例で二つ必要になるのだろうか。いま、たまたまこれは国の法律と都条例と二つありますけれども、これがいずれほかの近県で県条例として発展してくるということになりますと、それぞれ各県でまた公害防止管理者が必要になる。そこで一つお伺いしたいのは、公害防止のための技術者養成ということは、これはやっぱり喫緊の課題だと思います。ところが東京都の条例で免許を受けると、これは東京都限り。県境を越して神奈川に行ったらきかぬ。こういうことでは人の養成にはなりません。その意味で試験制度というのは、いろいろと議論はあるとしても、やはり国が管理すべきではないだろうか。そのときに国がかむ。と言って、どういうことになるかといいますと、いま国がきめている公害防止管理者というのは、実際だれが使っているかといいますと、都道府県が使っている。国は全然タッチしておりません。試験だけ国がやって、しかも、使うのはそれぞれ都道府県であるということになりますと、これはうまくものごとが回ってまいりません。じゃ、どうしたらいいかということになりますと、都道府県それぞれ試験をしていい、しかし、試験の基準は国がつくる。東京都で合格した者は全国オール・オーケーというかっこうのフリーパスにする。そんなことしか考えられない。そうなってまいりますと、これは環境庁がかまざるを得ないと思います。  時間がありませんので、結論だけの話で恐縮なんですけれども、申し上げる理由というのは、現在、国の法律で公害防止管理者をきめる法律がありますけれども、これは通産大臣を含めて六大臣が主務大臣になっております。それぞれ通産所管、厚生所管、何省所管というかっこうの産業管理の一環として公害防止管理者をきめろということですから、そういう産業に対して監督権限を持っている省が全部並んでおります。環境庁は入ってないのです。これは私の推測なんですけれども、入っていない理由というのは、たとえば大気汚染防止法を考えてみましても、基準を設定するのは、従来は厚生省及び通産大臣、先般の国会で環境庁ができたものですから、全部総理府もしくは環境庁という形に振りかわってきたわけです。その意味では、いまの公害防止管理者を通産大臣を筆頭にしたそれぞれの大臣の所管しているものはその時点で直さなければいけなかったのではないか。それだけが残ってしまったものですから、結局それは各省行政の一環としての個性を主張することになる。一方の都道府県では、大気汚染、公害問題というのは地域問題です。したがって、これは都条例としてかむのが最も筋道であるという話ばかりになってしまう。結果として困るのはだれかと言いますと、国民が困るわけです。二回も試験を受けることになる、しかも、都条例の試験を受けた者は仕事が変わって神奈川に行ったら役に立たぬ。その意味では、これは今後の課題でけっこうですけれども、環境庁も中に入って、どうやって交通整理をしていったらいいのか。いまは都条例だけですけれども、やがてこれは各県にも及んでいく可能性が強い問題だと思います。この点御意見を申し上げて、御見解をいただいて終わります。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) いま現在は私の所管でありませんから、何も批判はいたしませんが、いまの御意見はまことにけっこうな御意見だと思います。私もほんとうにそう思いますので、十分にこの点につきましては——まあ何しろ環境庁始まったばかりですから、何もかも指導的なことはできませんが、御意見の方向は十分検討いたしまして、できるだけ前進するように計らってまいりたいと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私は、熊本、鹿児島にいまなお起きている水俣病の問題についてお尋ねしたいと思います。  水俣病はもう終わった、あとは患者の救済だけだ、こういう受け取り方が一部にあると思います。私は、昨年の暮からことしにかけて、二回水俣の現地へ行った、あるいは天草から鹿児島を回りました。そこでひしひしと感じたのは、水俣病の問題は、いよいよこれからが重大なんだ、従来われわれの考えていたよりも、まことに広範囲にわたって有機水銀の汚染が行なわれた、そして続々患者と疑われるような方たちが発見されてきている、こういうことを感じたわけです。  そういう意味に立ちまして、きょうは御質問を申し上げたいと思いますが、その最初に、いま認定を受けておられる患者の方たちがどのように国の法に基づく救済を受けておられるか、こういうことであります。  実は、私が昨年の暮に水俣へおじゃましましたときに、患者の代表だった方たちが集まってくれました。そこでまつ最初に私に突きつけられた質問というのは、きょうは国会議員さんがこちらへ来られたそうだ、ひとつとうちゃん、こういうことを聞いてくださいと、いままであまり口数の多くない奥さんが出がけの患者の代表の方におっしゃったそうです。一体、日本には法律があるかどうか聞いてくれと、こういうことを言われた。私は、あえて説明をくだくだ申し上げませんけれども、おそらく認定を受けられた患者の皆さん、また認定を受けられないでいる患者である皆さんの気持ち、チッソは何十年にわたって私たちをこんなに苦しめてきた、国も県も、一体、法に基づいて何をやってくれたんだろうか、これは私は率直な患者の気持ちではないかと思います。  きょうは、水俣の現地から傍聴のためにわざわざ来ていただいている方もございます。私は、そういう水俣の今日まで長年苦しみ抜いてきておられる患者の皆さんのお気持ちを代表して、ひとつ環境庁の長官にお尋ね申し上げたいと思います。  初めに、今日まで熊本、鹿児島の認定された患者の数はどれだけであるかということと、もう一つは、いま申請が出されて、なお認定されていない方たちの数がどれだけになってきておるのか。この点を担当の方にお聞きしたいと思います。

船後正道環境庁企画調整局長

○政府委員(船後正道君) まず認定患者の数でございますが、本年の一月末現在におきまして、熊本県が百二十三名、鹿児島県が六名、計百二十九名でございます。なお、申請中の方は両県を合わせまして二百八十三名でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 申請をされてなお認定を受けられない方の数が二百八十三名もあるのですか。これはたいへんなことのように思いますが、どうでしょうか。  御承知のように、この夏、新しい裁定が行なわれました。この裁定は、いわば疑わしい者は救済せよという法の精神に基づく裁定の指示があったと思います。だとすると、私たち、普通に言えば、申請されておられる患者と思われる方たちが、なぜ審査会の門前でこんな列をつくって、いわば認定を待たなくてはならぬのか、私は非常にふしぎに思いますけれども、この点の理由はどこにあるのでしょうか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) ちょっと御質問の趣旨がよくわかりませんのですけれども、認定希望の患者が多いということは、やはりいままで狭い門戸である、つまり完全な症状がそろっておらなければ認定はされないと、したがって、自分らはだめであろうと思われた方もあるでしょうし、あるいはまあ水俣病かどうかはわからぬけれども、一応とにかく病気なんだから、見てもらったほうが安心だという方、いろいろな方があると思いますが、新しく門戸が開かれたということによって人が多く来られただろうと、こう思いますが、もう一つの御質問の趣旨はよくわかりませんから、御説明願いたいと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私は、申請を出されるという方は、まず申請者がみずから申請をする、そして申請するときには医者の診断書をくっつけて、いわば医者の証明のある申請だと思います。そういう方たちが審査を望まれておるのに、なぜ審査会ではこの方たちの認定がはかどらないだろうか、こういうことを聞いておるわけですから、その点をちょっと……。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) それは認定をするには審査会の審査が必要でございますが、残念ながら、その審査委員の任期がまいりまして、新しく審査委員会が構成されるわけでございますが、やはりいろいろと人の問題について、まだ必ずしも全部の審査委員が決定しておらないと、そういう事由によって審査がおくれているように聞いております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私は、おそらくその点も真実だろうと思います。しかし、環境庁長官も御存じだろうと思いますけれども、一人認定をするのにその検診に要する時間は、日にちは二日間だそうですね。そして一回の審査に大体三十人、これが限度だと、こういうのが現状だということでございました。そういう点から言うなら、もう少し審査方法について、これを簡素化して、そしてできる限り早く患者を認定する、こういうことがいわば裁定の私は趣旨でなかろうかと考えるわけであります。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 私は、簡素化ということがいいかどうかわかりませんが、能率的であることは望ましいと思います。ただ、先ほどの御質問でもちょっとそう思ったのでありますが、一言申し上げたいことがございます。それは疑わしき患者も救済せよということを私は申しました。そういう方針で進んでおるわけでございますが、疑わしいということは、いわゆる世間で一般の人が使う疑わしいというのと、医学的に使う疑わしいとは大きな差があります。そのことを御認識いただきたいと思います。医者のほうで疑わしいというものは、大体がその病気である、ただし、ある時期において症状が必ずしもそろっておらないから断定はできにくいけれども、大体は六分どおり、七分どおりは間違いないだろう、そうなるだろうというのが大体医学的な常識的な疑いであります。世間で一般に言う疑いというのは、九〇%それに近いものから一%から二%まで疑わしいと疑いますから、そのような認識で一般に議論されている面が多いのでございますけれども、それはそういうことで疑わしいというのは、そのような意味でございます。医学的な意味の疑いでございますから、そういう疑いを十分に医学的に根拠づけられるようなやはり妥当な審査は行なわなきゃならない、これが当然の審査会の私は責任であろうと考えます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私も、決して一般常識的な疑わしいというふうな理解を持っているわけじゃございません。そもそも認定を受ける方々は、医者の診断書が必要なわけでございますから、ただ主観的に自分を見てくれなどというような簡単なものではないということも私は存じております。したがって、私は、その審査の方法を少し能率化せよというふうな問題はないだろうかというふうにお話し申し上げるのは、たとえば審査会において出されてきておる患者の診断書について、だれしもこれは水俣病である、こういう審査と認定が診断書そのものによってさえもう明らかになるような、いわば疑いのある者についてはこれを通してあげたらどうか。そして少しでも疑いを持たれるような患者については、これを従来のような形で審査していく、こういうようないわば能率的な方法もとられてしかるべきではないか、こういうことをひとつ問題として申し上げておるわけであります。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 私は、いまの御意見には医者として賛成できかねます。ただ、患者の陳述だけ、いわゆる既応歴とか、あるいは患者の陳述だけですべて断定するというのは、医者として不見識だと思います。やはりそれはもちろん大きな診断の基礎にはなりますけれども、それだけで何の疑いもなく審査するということは、医者として私は不見識だと思いますので、そのお考えには私としては賛成できかねます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私は、一つの私案を申し上げたわけでございますが、問題は、とにかく審査会にたくさんの申請が出ている、これがさばき切れないということをほうっておいて環境庁としていいかという問題でございまして、この点をひとつ何らかの意味で抜本的な方向で改善できるようなひとつ御検討と措置をお願いしたい、このことが第一点でございます。  それから、もう一つ問題になるのは、この認定申請者の検診の実費でございますけれども、これは私の調べてまいりましたところでは、一人当たり四万円要するというのでございます。環境庁のほうでは、この検診の実費について、どのような基準を立てておられるんでしょうか、お尋ねいたします。

山本宜正環境庁企画調整局公害保健課長

○説明員(山本宜正君) 現在、この認定につきまして県に国のほうから事務費を流しておりますが、その事務費の中でこの検査費はまかなうということにしてございます。本人に対しましてのあれはないと私思います。その基準がどういうふうにきめられたかにつきましては、私、ちょっとさだかに実情を知らないのでございますけれども一応従来どのような検査を行なったかということから積算していると思います。いろいろな検査の内容につきまして、私もこまかく存じませんが、そういうことで実費を計算していると思っております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私の手元にあります熊本県の予算書の資料でございますけれども、これによりますと、国のほうの基準は一人当たり五千円、そして半分を県が持つ、こういう状態だということが出ています。そうしますと、国は五千円の半分持つ、二千五百円持つ。それで実費は一人当たり四万円かかるということになれば、県の受ける超過負担は膨大なものになる。したがって、一人検診するのにも三万数千円の金を超過負担しなければならぬ。こういうような状態で、今後予想されるように、千人をこえるであろうというような申請者に対して、これでは、県はどうしたらいいかと、非常に私は重大な事態に立ち至っていくのではないかと心配するわけでございます。その点、私は、先ほどの技術上の問題とあわせまして、環境庁のほうからしかるべき財政措置をとって、このような心配を県にもかけないというようなことが当然必要ではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) そのような、いまの国からいっておる事務費と、県で検診に要する費用との差があまり大きいということにつきましては、よく調べてみます。そうしてそのような差があれば、これはある程度調整しなければなりません。そう思います。ただ、県としては、かりに三万何ぼ、それから、かりに千人ふえても三千万円くらいのものでございますから、県としては、それが一年か二年かかりますから、それほどの負担でもないかと思いますけれども、しかし、やはり一応理屈からいえば、なるほど、それは国のほうである程度一部負担するのは当然かと思いますので、それはもう少し連絡いたしまして、調べてみたいと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私が特にこの問題を強くお願いするのは、申請者が認定されるまでの間にすでに三名なくなっておられるんです。こういう不幸な状態を起こしてはならぬ、こういうことを私どもは国民の立場から見まして強く考えなくてはならぬ、そういう点で環境庁の方々の御努力と御配慮をさらに積極的にお願いしたいと思います。  そこで、次に、それでは認定を受けられた患者が国のほうからどのような救済措置を受けておられるだろうか、こういう問題でございます。  私は、具体的に例をあげて申し上げます。これは水俣市の湯堂におられる松永善市さんの御家庭でございますけれども、奥さんも、二人の娘さんもともに水俣病です。特に末っ子の久美子さんは五歳のときに発病されて、今日まで十五年間、国立病院のベッドで寝たきりであります。体重は十四キロ、脳の中枢神経がおかされているために手足も動かず、耳も聞こえない。目もひとみはあいているけれども見えない、こういういわば悲惨な入院患者に対して、国はどれだけの手当を支給しておられるでしょうか。

船後正道環境庁企画調整局長

○政府委員(船後正道君) 公害に係る健康被害の救済法による給付でございますが、医療費のほか、手当といたしましては、まず医療手当が御質問の水質汚濁系の場合でございますと、入院の場合には四十七年度からは、それぞれ日数によって違いますが、四千円ないし六千円、それから通院の場合は四千円か三千円と、こういう医療手当と、そのほかに介護手当といたしまして五千円ないし一万円という支給をいたしておるわけでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 もし患者の方が第三者に介護をお願いしなくて、たとえばおかあさんの介護を受けられる場合、これは介護手当は出ないですね、そうでしょう。

船後正道環境庁企画調整局長

○政府委員(船後正道君) その場合は、介護手当は支給されません。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そうしますと、入院されておる患者も、あるいは通院されておられる重症の患者も国から親身になって受けられる救済というのは、月にせいぜい四千円から八千円、一日にしますと、これは二百円足らず、こういう現状じゃないでしょうか。私は、その点で国に政治があるのか、国に法律はあるのかと問いただされる気持ちはわかるような気がします。その点につきまして現地を訪れられました環境庁長官もいろいろな点で御心配をいただいておられると思いますが、その点の納得のいくような改善策をお持ちかどうか、この点をひとつ長官にお尋ねをしたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 私も、たった一日でありますけれども、現地を訪れまして、病院も見てまいり、患者も見てまいりましたし、いろんな話も聞いてまいりましたので、加藤先生ほどの知識、見識はございませんが、一応の目を通してまいりました。その結果、なるほどいろいろのことを感じてまいったわけでございます。おっしゃるとおり、いろんな手当は、私は非常に少ないと思います。できるならば、できるだけ増額させたいとは考えております。そういう願いを持ちまして四十七年度の予算編成にもいろいろ努力いたしましたが、わずか千円程度の増加しかできませんでした。しかも、介護手当に至ってはこれは一文の増額にもなりませんでした。介護手当なんというのは、わずかなものなんです。これは患者の数からいったら、介護手当を三千円、五千円上げたって国家の財政にとっても微々たるもので、ほんとうに数百万あれば済むことでございます。しかし、残念ながら、それが取れなかった。それが日本の政治の現状かもしれません。その努力が足りなかったといえばそうかもしれませんが、現状はそうでございます。しかし、おっしゃるとおり、手当はもっと多くすべきだと思います。そういう意味で、私は、さらに今後とも手当がもっともっと増額されるように、いろいろなめんどうが見られるように働いてまいりたいと考えておる次第でございます。  ただ、一言申し上げたいことは、水俣の市立病院とその分院の湯之児のほうの分院でお話の患者も私は見てまいりました。この病院は、どちらもよくつくられております。あのような財政規模の大きさの町の病院としては実にりっぱなものだと思います。そして、そこにおられる医師の方々の、何と申しますか、ものの考え方、あるいは情熱というものも非常に感心すべきものと私は感心してまいりました。別におかあさんが泊まっておられても、おられなくても——大体おられませんでしたけれども、完全看護になっておりますから、別におかあさんが毎晩泊まっておられなくても、全部家事を放棄して、全然意識もほとんどない患者のために一生をささげなくても、その手当ては受けられる組織になっております。そういう点で、病院は決してそうひどい手当てをしているんではないということを一言つけ加えて申し上げておきます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 決して無情な仕打ちをわざわざしておられるとは思いません。しかし、いまの救済法に基づく限りはこの程度のことしかできないということは、お互いにしっかり見ておいたほうがいいと思います。  その立場に立ちまして、私は、きょうは、特に具体的にどういう案があるのかということまで聞きたいわけですけれども、この点はまだ十分練られておるとはちょっと予想できませんので、この点ぜひ早急に具体的な案をもってひとつ患者の皆さんをほんとうに救ってあげていただきたい。まず第一にこれをお願いします。  それからもう一つ、これは患者の家庭をたずねますとわかりますけれども、特に胎児性の患者の方たちは、おかあさんが抱っこして朝から晩までめんどうを見て、目を放してはおれない、こんな状態のところは至るところにあります。物価はどんどん上がるけれども、思うように仕事もできない。安定した職業にもつけない。こういう収入の少ない水俣病の患者でございますから、この方たちは、ほんとうに去年の暮れを越すことがたいへんだったと思います。その意味から、環境庁長官も御存じのように、あの水俣市では、五万円の特別の生活資金を出しました。これは私はけっこうなことだと思います。こういう意味で、生活に苦しみ、困るような水俣病患者の家族に対して、医療の点については言うまでもなく、生活の面についての心配をぜひやっていただかなくてはならぬ、こういう感じを強く持ちました。そのために、いまの救済法からいったらどうなるかというような問題もありますけれども、私は、救済法にとらわれることなしに、もっと別の面における解決の方法をひとつ十分に御研究賜わることができないだろうか、たとえば災害のときには低利の生活資金の貸し出しというのがございますね、制度が。少なくとも災害のときに貸し出し得るような制度があるならば、これを公害の認定された患者に対する生活のために出す程度のことは御努力の上でできないものだろうかどうだろうか、その点をひとつお伺いしたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) この患者の救済法ですか、これはこれでいまの形でけっこうだと思います。ただ、いろいろな予算の面その他で不十分な点がありますけれども、一つはこれは法律だと思いますが、それと別個に、やはり患者が生活が立っていけるような、たとえば生活の保障のようなものはどうしてもこれは必要だということを感じます。その場合に、だれが保障するかと申しますと、いまの公害対策の原則からいうと、企業者負担でございます。したがいまして、当然、加害者がそのような十分保障をなすべきであろうということを感じております。早くそのような、それが確実にその保障が行なえるような、そのような行政に早く持っていきたいと考えておる次第でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 水俣病の研究という点でも、非常ないろいろの障害や困難があると思います。特に患者の方たちに会いますと、私は水俣病だけれども、水俣病でないと医療費がもらえない、歯が痛いというような問題についても、さっそく飛んでいって直したいのだけれども、その医療費の分までは心配してもらえぬとか、いろいろな病気が合併してくる——特にお年寄りの方はそうだと思います。その一つ一つについては決して医療費の救済は適用されない、こういう点をるるいろいろ訴えられたわけでございますけれども、どうでしょうか。たとえば歯をやられた方たちは、これは決して歯だけの問題じゃない。水俣病という病気に基づく歯の痛みでございますから、そういう点について歯の治療についてもこのような医療費による救済というような点を拡大して適用していただくことができないものかどうか、この点をお伺いしたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) それはごもっともなお考えだと思います。当然そのような方向であるべきだと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 ありがとうございました。  そこで、私は先ほどの湯之児のリハビリテーションを訪れました。そこで先生あるいは勤務員の方たちがほんとうに親身になって水俣病の方たちの力になっていただいておる姿を拝見しました。  そこで、私は、一言だけその点について訴えなくてはならないわけでございますけれども、この病院の担当のお医者さんに率直なことを聞きました。これで十分でしょうか、非常な努力を払っておられますけれども、要員はこれで足りましょうか、設備はいいでしょうかと、いろいろ聞きました。すると、こういうことばが出てきました。ほんとうなら、胎児性の水俣病の患者の方たちをごらんいただけばわかりますように、三年間でやっと片ひざついて十歩歩けるようになった、口がきけない患者がやっと自分の名前をたどたどしく発声できるようになった、こう言っておられます。したがって、この方たちをほんとうに立ち直らせていく道は非常に遠い、しかし、もしマン・ツー・マンの、一人に対する一人くらいのいわば要員が確保されていくなら、ほんとうにこれからの治療については大きな力になりますと。三年前にここを訪れられたある政府の方が、私が心配しましょうという約束をすでにされましたが、しかし、三年間何の音さたもありませんので、よろしく頼みますと、こういう訴えでございました。これはうそでございません。この点でひとつ、先ほどごらんいただきました環境庁長官にその所見をお伺いしたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 私も、そのような設備がもっともっと機能を発揮できるように、しかも、院長なり、その院の方々のこの病気に打ち込む情熱、そういうものを十分に生かすためには、やはりそれが十分能力を発揮し得るような設備なり、人員を確保することは非常に必要なことだと考えております。そういうことについて努力してまいりたいと考えます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 もう一つつけ加えさしていただきますと、あのリハビリテーションの上にコロニーが建設される、これは非常に期待をされておりますけれども、半面、水俣市の力だけではとうていりっぱなものはできかねる。子供を預けることにしたところが、家族もついていってあげなくてはならない、家族と一緒に、子供の社会復帰までとにかく一緒にやっていかなくちゃならぬ、教育もやっていかなくちゃならぬ、生活も関係する等々の問題が次から次へと出てきております。これは、全般的にいってそう言えると思います。したがって、私は、高崎にコロニーが一つできたということで厚生省もたいへん鼻高々だということでございますけれども、何とかこの水俣に、あるいは熊本にほんとうの国の責任をもってしっかりとしたコロニーをつくってもらえないだろうか、このくらいのことをひとつ環境庁も力を入れてやってもらえないだろうか、こういう訴えを私は率直に聞きました。また、市立病院につきましても、市立病院の建設について、暖房のほうには資金のワク組みは入るけれども冷房のほうにはワクが入りません。こんな片手落ちのことがありましょうか。これは私は院長から聞きました。こういう点の積極的な改善策をもう少し親身になってお立ていただくことをぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) あのコロニーの建設場所なり、計画を市長から聞いてまいりました。非常にけっこうなことだと喜んでおります。あれはあの市長としての一つの善政であると考えまして、それを激励してまいったわけでございます。まことにおっしゃるとおり、このコロニーができました以上は、やはりそこで患者たちが、どうせいつまでも親があるわけではありませんから、親を離れ何をはなれても生活ができるような方向においてそのコロニーが使われると思いますので、そのような形でりっぱにそれの機能が発揮されるように、ですから、コロニーに入る場合には家族が付き添っていくようなことではだめであって、家族の要らない——親がいなければ、母がいなければどうにもならないという考え、認識の古い考えは捨てて、これは社会全体としての責任である、社会全体として育てるんだという考えに徹しなければこれはやっていけませんから、そういうようなことで、コロニーがりっぱに有効に活用されることを願っておるわけでございます。それにつきましては、確かにあの市の財政の規模であのようなものをつくったり、あるいは運営をしたり、あるいはそのほかにもいろんな設備がございます。病院にしたって、あの町の財政の規模にしてはりっぱ過ぎる、まことにけっこうなことでございますが、そういうことでございます。しかも、年々赤字でございます。一般会計が赤字の状態でありますから、そういう状態を考えますと、やはりどこかでめんどうを見てあげなければならないと思います。国の責任でやるかどうか、いろんな行き方がありましょうけれども、やっぱり国全体としてあれをりっぱに盛り立てていくようなことは必要だろうと思いますし、さらに、国のほうでもそのようなコロニーをつくるような考え方はどうかと言えば、その考え方には私もまことに同感でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 ひとつ財政の裏づけもしっかりやっていただくようにお願いしてこの問題はこれで終わりたいと思いますが、最後に一つお願いしたいことがございます。  それは、水俣病そのものの研究ということがまだほんの端緒にあると思います。ましてや水俣病をどうして治療するかということは難事業だと思います。しかし、これをほんとうにやり抜いたら、人類に対してわれわれ日本人は誇り得ると思います。こういう点でひとつ熊本大学等々に対します従来の援助にさらに一そう力を入れていただきまして、熊本大学やあるいは医療機関の諸君がこの水俣病に真剣に取っ組む、そうして大きな成果をあげて、この水俣病の病気をとにかくわれわれの手でなおす、こういうひとつ気魂をもって取り組んでいただけるように、政府のほうのせっかくの配慮をいただきたいと思いますが、その点もいかがでしょうか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) それはまことにけっこうな御意見でございます。熊本大学といえば地元でございますから、やはりいろんな便宜もあり、研究もしやすいのでありまして、そのような能率のよいところで研究してもらうことが一番いいと思いますので、御趣旨に対しましては十分心いたしまして努力いたしたいと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 続きまして、水俣病の患者の中になお見出されておらない多数の隠れた患者のいらっしゃることは、すでにこの委員会でも他の委員が指摘されたところだと思います。  そこで、先般、熊本県及び鹿児島県で相当大きな規模の一斉検診がやられたはずでございますけれども、その一斉検診の範囲はどのような地域にまたがるのか、それから一斉検診を受けた検診者、検診対象者の数はどれだけなのか、その中で検診を必要とするという、いわば水俣病の若干の疑いが存在するような患者の数はどの程度であるか、この点を簡潔に数字として報告いただきたいと思います。

山本宜正環境庁企画調整局公害保健課長

○説明員(山本宜正君) お答えいたします。  昨年の秋から鹿児島県及び熊本県におきまして、県がそれぞれの地域住民につきまして潜在患者を見出すための大々的な調査を計画いたしまし  て実施しているわけですが、熊本県につきましては約五万五千人、それから鹿児島県につきまして  は約六万人につきましてその調査を進めております。現在のところ、第一次のアンケート調査が終わりまして、その集計中というぐあいに私は聞いておりますが、この結果が報告されまするとこの委員会にも御報告さしていただきたいと思いますが、これは一応第一次のアンケート調査の結果によりまして、さらにその中からいろいろな症状を目安にいたしまして第二次検診に進むと、熊本県のほうでは一応第二次検診者は一万二千人程度であるというところまでは聞いております。それにつきまして、さらにもっと詳細な臨床的な検査まで進めて最終的な判断をしていく、こういうようなぐあいの計画に聞いております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 熊本県の例が特に言われましたけれども、五万人の一斉検診をやって、そのうち一万二千人は水俣病の何らかの疑いがある、こういう非常に重大な数字が私は出てきておると思います。それから鹿児島県につきましても、これは環境庁のほうにないというのはふしぎだと思いますけれども、私は現地に参りまして、鹿児島県の数字をもらってまいりました。これによりますと、六万四百五十八名を対象者としてやった、検診によってうち一万六千四十七名、すなわち二七・四%は要検診者である、こういう結果が出ておるはずであります。私は、この点につきまして、従来の私の予想さえ上回るような非常な大きないわば検診者の数に驚きました。三〇%に近いという状況でございまして、もちろんこのすべての方たちが水俣病の患者であるという断定は、あるいはできないかもしれませんけれども、ともかくその方たちについては検診をさらに重ねる必要があるという結論まで出されておるという点で、私は、今日の水俣病の現状は非常に重大な段階にある、こう見ていいと考えております。しかも、その熊本県と鹿児島県のやられた地域は、これは私の資料によりますと、熊本県では一市五町、それから鹿児島県では二市三町です。まだまだ範囲から言うなら、それは全地域に比べるとごく一部だと思います。そもそも、御存じのように、あのチッソによって排出された有機水銀がどんどん水俣湾を汚染して、さらに不知火湾を汚染していることは、もうだれしも否定できない事実でありますから、その点から言うなら、一斉検診はさらに一そうその範囲を広げていただきまして、不知火海の全地域、そして水俣病患者との疑いを持たれるような人が出てきた地域まで含めての一斉検診ということを目ざして私はやるのが当然の態度だと思うわけでございますけれども、その点から言うなら、熊本、鹿児島の県だけにまかしておるような仕事では、とうてい不可能だと思う。この点では、私は、環境庁が率先してこの全地域にわたる二十万人になんなんとするような地域住民への一斉検診、このことをやる用意があられるかどうかをお聞きしたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) この一斉検診につきましては、やはり熊本県なり、鹿児島県の一番関係のある、一番努力しておる、一番そして勉強しておる各県が自主的にやるのが一番正しいと思います。環境庁が上級官庁ぶって、こっちでやろうとしたって人手もありませんし、何の見識もありません。それをおまえのところを調べるなんということは、私としては、不遜なやり方じゃないかと自分では考えるわけでございまして、一番そのために努力して、しかも、権威を持っておる鹿児島県、熊本県の知事を中心にそれを判断してもらったほうが私は一番正しいと信じます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 決して環境庁が権力をふるって各県を強引に指導するなどということを私はお願いしておるわけではございませんが、とにかく範囲が広いということ、その点につきましては、環境庁長官は、従来これまでの範囲でいいとお考えなのか、それとももっと範囲を広げなくてはならない、そういうような一斉検診をさらに一いまのお話でありますと、両県が中心になって、主体になって進めさせる、こういう意味の行政指導の責任をとるというお考えをお持ちと思いますけれども、その点いかがでしょうか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) どの範囲までがどうかということについては、私たちは何の方針も、見識もございません。ただ、御承知のように基本的なものの考え方、昨年の次官通達によりまして基本的な水俣病患者の見出し方、発見のしかた、これの基本的な方針を打ち出してございますから、それを中心にして鹿児島県、熊本県でも作業されておるのでございますから、それを全部向こうにおまかせしていいと私は考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私は、その点につきましては、若干特別にまた意見を持っております。それを指摘申し上げる時間がありませんから、その点はこの程度にしますけれども、一つお尋ねしたいのは、昨年八月から九月にかけて、熊本大学の水俣病第二次研究班が行なった一斉検診の報告があるはずでございます。これは現地に参りましたら、県の衛生部から環境庁にお渡ししてある、こういうことでございますけれども、その点、環境庁はいかがでしょうか。

山本宜正環境庁企画調整局公害保健課長

○説明員(山本宜正君) 昨年の八月−九月に、いま県が実施しております一斉検診の中の一部の地域について、熊本県が大学に委託費を出して研究をしてもらった、こういう話を私聞いております。結果につきましては、まだ私ども入手しておりません。

加藤進日本共産党

○加藤進君 熊本大学は研究班を特別に編成して、そして特に水俣病の多発地区における一斉検診をやったはずであります。その結果は、すでにもうはっきりとわかっておるはずでありまして、熊本大学から県のほうへ、県のほうから環境庁のほうへ、こういうふうに出されておるはずでございますけれども、実際に手にしたことがない、そういうことは全然関知しておらないというふうにおっしゃるのでしょうか。その点をもう一度お確かめいただきたい。

山本宜正環境庁企画調整局公害保健課長

○説明員(山本宜正君) 関知してないということではなしに、県が委託費を出してこういった調査をしておることは、県から聞いております。その結果についての報告はまだ私受けておりません。そういうことでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 これは、私の聞くところによりますと、去年の十一月段階でもう報告書はできているというふうに聞いております。そうしますと、こういう重大な水俣病の多発地域における一斉検診でございますから、その結果はきわめて重要だと思います。そして特に検診を受けられた方たちから言うと、私たちに一人二時間にもわたってしっかりよく見ていただいた、ああいうやり方ならほんとうに安心して信用ができる、こう期待しておるやさき、今日なおかつ熊本におきましても公表がされておらないということを私は耳にしておるわけでありますが、この事実につきまして、環境庁は、ぜひとも公害に秘密はない、こういう立場からぜひ県に向かってこの調査報告の公表をさせるような御努力を賜りたいと思いますが、その点はいかがでございましょうか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) それは当然そのとおりでございます。県のほうに連絡してみます。まだ報告がまとまっておらないというお話でございますが、こちらにまだ届いてないということは、まだ報告するだけのまとまりがないのじゃないかとも考えられます。しかし、わかりませんから、一ぺん照会してみます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 その点、特にひとつわが委員会に資料として提出していただくように委員長から御配慮をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 熊本県からですか。

加藤進日本共産党

○加藤進君 環境庁を通じて。

船後正道環境庁企画調整局長

○政府委員(船後正道君) 御指摘の問題は、熊本県が熊本大学に委託いたしました調査でございますが、いずれにいたしましても、熊本県のその委託調査のまとまり状況を取り調べました上で、当委員会に私からその結果を御報告申し上げます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 じゃ、その取り計らいでけっこうでございます。  そこで聞きますけれども、ことし、熊本県はこの調査についてどういう態度をとっておるのか、環境庁は御存じでしょうか。

山本宜正環境庁企画調整局公害保健課長

○説明員(山本宜正君) 四十七年度の計画、こういうぐあいに伺ってよろしゅうございますか。——一斉検診のあとの第三次検診以降を計画しているというぐあいに聞いております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 それに熊本はどれだけの予算を組んだとお聞きになっておりましょうか。

山本宜正環境庁企画調整局公害保健課長

○説明員(山本宜正君) 県が組みました予算につきまして、まだ私聞いておりません。しかし、昨年も、国のほうから、この事業につきまして、鹿児島県並びに熊本県にも補助金を支出いたしました。四十七年度につきましてもできるだけ補助をしてまいりたい、こういうことは考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 いままで具体的に政府から、環境庁から熊本大学の研究に対して出された調査委託費というのは、どの程度でございましょうか、数字として。

山本宜正環境庁企画調整局公害保健課長

○説明員(山本宜正君) 私の手元にございますのは、昭和四十五年度に熊本大学に百万、四十六年度に五十万を支出しております。なお、水俣病につきましての熊本県関連では、熊本県及び水俣市、熊本大学その他の機関の研究者につきまして、四十五年度につきましては合わせて五百五十万、四十六年度につきましては一千四百万を研究費として支出しております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 天下の水俣病、この水俣病の研究の一番先駆的な役目を果たしておる熊本大学の医学部です。この医学部に対して、県のほうもあまり十分な調査研究費を組んでいない、国のほうもこれについてはあまり御存じない現状というのは、私は許しがたいと思います。特に私がこの点を申し上げたいのは、ことしは熊本県は研究委託費を出さない、理由は何か、これは国のほうに頼んである。熊本大学は五百万円の委託費をほしいと願い出している、この額を国のほうにめんどう見てもらうつもりだというような県側の意向が去る三月六日の現地の朝日新聞に載っておるわけでございますけれども、こういう事情については、環境庁は何ら御存じないでしょうか。

山本宜正環境庁企画調整局公害保健課長

○説明員(山本宜正君) 公式に私ども県から支出をしてくれということは伺っておりません。

加藤進日本共産党

○加藤進君 公式、非公式は別といたしまして、去年のこの一斉検診は、聞くところによりますと、三百六十万円程度だったようでございます。決してたくさんの額ではございません。こういう額を熊本の県が今回は出し得ないなら、この分ぐらい、少なくとも熊本大学の希望しておるような五百万円程度の額は、ひとつ政府が出して研究を続けさせましょう、こういういわば御見解を環境庁はお持ちいただけないかどうか、その点をお尋ねします。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 私は、必要な研究費なら、どこであろうと、できるだけ出したいというのが希望でございます。しかし、どのような研究をいたしておるのか、どのような方針でするのかということについては、まだ熊本県から御相談もございません。したがいまして、はたしてその金がどうであるかということは判断できないのであります。したがいまして、もう少し熊本県にもいろいろな意向を聞いてみて御相談いたしたいと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 時間が参りましたので、これで終わりますけれども、とにかく水俣病の発見と研究、熊本では熊本大学、新潟では新潟大学が最も大きな功績があることは言うまでもないことと思います。そういうところでの研究活動が、いまや重大な状況にある。研究費さえ差しつかえるような状態がある。こういう点を私は指摘申し上げまして、この金額等々につきましては、ひとつ御検討を賜わって、まず、去年やられた一斉検診の成果をぜひ御公表をいただいて、これに基づいて御検討の上で、四十七年度の研究委託費についても、事実私の申し上げるようだったら、ひとつその気で五百万円を政府が出そう、こういう積極的な御配慮を賜わるようにお願いいたしたいと思います。

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時五十三分散会

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