公害対策及び環境保全特別委員会 第8号
- 発言数
- 203 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/06/07
会議録
○委員長(加藤シヅエ君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る五月二十九日、松永忠二君が委員を辞任され、加瀬完君がその補欠として、選任されました。 —————————————
○委員長(加藤シヅエ君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
○茜ケ久保重光君 私は、最近東京都内を中心にひんぱんに起こっております、新聞等の記事によりますと原因不明ということになっておりますが、光化学スモッグであろうと思われる被害がひんぴんと起こっておりますが、これについて、私はこれはかなり重大な事柄と思うのであります。公害問題が非常にやかましいおりから、特にいま、環境庁長官は世界の人間環境関係の会議に出席をしていられますので、これは日本だけじゃなくて世界的な問題でございますが、最初に起こったのが五月二十五日でございますから、かなり今日まで時間をとっておるわけであります。どうも、きょうは担当の局長なり課長が大臣に随行して外国に行っておられるようで、残念でありますけれども、それはそれとして、環境庁では、かなりこれに対しては調査研究その他のことをされたと思うのでありますが、いまだにこの頻発している光化学スモッグと思われる被害に対する、実態なりその原因について究明できないのか。おそらくかなり真剣な究明の対策がなされておると思いますが、その間の実情をここで御説明願いたいと思います。
○説明員(山村和男君) お答えいたします。 政府といたしましては、光化学スモッグ防止のために、まず第一点としまして、四十五年度から国の試験研究機関等におきまして、まず光化学スモッグの、すなわちオキシダントの測定研究の開発的な基礎研究とか、あるいはそうしたオキシダントが発生する、発生の機構につきましての解明とか、そうした研究をずっと行なってきているわけでございまして、四十六年度におきましても、そうした研究が関係各省におきまして行なわれていたわけでございます。 四十六年に環境庁が発足いたしまして、そして、こうした光化学スモッグという問題につきましての緊要性にかんがみまして、四十六年の予備費で、約一億二千万円の予備費を要求いたしまして、とりあえず四十七年に重点的な調査を行なうということで、その調査に間に合うように、移動式のスモッグチャンバーというものを、これは従来、固定式のスモッグチャンバーと申しまして、要するに室内に固定しまして、そしていろんなガソリンの組成とか、あるいは窒素酸化物の濃度の変化とか、そうしたような、要するにテーブル上におけるデザインに基づきました発生機構の解明を行なったこともございますが、日本におきますところのそうした被害の実態というものが、そうしたテーブルマターではなかなか解明できないような問題が非常にたくさんございますので、実際の大気を具体的にとって、そして太陽光線で照射した場合に具体的にどんなような要因物質ができるのであろうかというふうなことを、もっときめこまかくつかむ必要があるのじゃないかというふうなことで、そうした具体的な実測を行ないますために、移動式のスモッグチャンバー車をつくらなければならないということ、あるいは東京湾沿岸等におきますところの窒素酸化物とか硫黄酸化物とか、そうしたものの冬期における汚染パターンと、それから夏期におきますところの汚染パターンと、そうしたものの相違等から関連しまして、具体的にそうしたオキシダント濃度が上がるような地点がどういうふうな地点であり、そうしたものがどういうふうな機構によって発生するのだろうかということを、そうした汚染パターンの上から何か解明できないだろうかというふうな調査を一応行なうために、とりあえず四十六年は、そうした意味で予備費を要求したわけでございます。 引き続きまして四十七年度におきましては、先ほど申し上げました移動式スモッグチャンバー車の具体的な試験の段階に入りますとともに、低層大気の調査、すなわち地上の濃度と、それから高層の濃度の各要因物質の具体的な分布のパターンとか、そうしたいろいろな調査、あるいは人に対する健康上の影響の問題とか、さらには、各光化学反応を起こす要因と思われます各種因子の具体的な発生量の地域ごとの実態とか、そういったものをつかみまして、そうして一つ一つのきめこまかいデータを積み上げることによりまして、日本におきますところのそうした光化学というものの実態というものを把握し、そうしたデータの解析によりまして、具体的に逐次行政に反映さして、そうして対策を練っていこうということでございます。 ただいま具体的に光化学反応による汚染問題、すなわちオキシダント濃度が上がりましたときには、具体的な対策としては、大気汚染防止法の二十三条に規定してございますような、注意報の発令とか、あるいは緊急時の措置の問題等が具体的に規定されてございまして、それらの対策によりまして、とりあえずはこうしたオキシダント対策というものを具体的に実施しているような状況でございます。
○茜ケ久保重光君 私がお聞きしたのは、あなたの説明はそれでいいですよ、お聞きしたのはそうでなくて、先月二十五日以来起こっておる、たとえば石神井南中学校の被害問題とか、きょうの新聞でもたいへんなようです。東京、埼玉で、きのうは二千七百人の被害というのが出ております。東京を中心に千葉、神奈川等にも起こっている。何か、いままでの原因とは違ったかのような印象を与えるものが頻発している。しかも被害がたくさん起こっている。これに対して環境庁では、先月二十五日から頻発しているこの特殊な被害に対して、どういう検討をされたか。その結果、何か結論が出たのか、また対策を立てたのか。こういうことをお聞きしているのです。
○説明員(山村和男君) お答えいたします。 二十五日以降、石神井南中学校を中心といたしました各種の光化学によると称される被害状況、あるいはその他地域におきます具体的な各種の被害状況というものが発生しておるのでございますが、これらにつきましては、私どものほうに、光化学によりますところの大気汚染の防止対策連絡協議会というものをつくりまして、そうして各地方公共団体との連絡を緊密にいたしまして、お互いの情報の交換を行ないますとともに、先ほど具体的にお話のございました個別のケースにつきましては、地方公共団体において御調査をいただきましたことを私のほうで御報告をいただきましたことにつきまして、私のほうで逐次こういったデータを積み上げてまいりまして、そうして、これらに対する解析を現在行なっているような状況でございます。
○茜ケ久保重光君 政務次官にお伺いしますが、いまお聞きのように、どうも私の質問に対して的確なお答えが出ない。環境庁として、これはほうっておいてはいないと思うのです。地方公共団体の調査ももちろん必要でありますが、何と言っても、これは地方公共団体にとってはやはり限界があります、国でやることが一番大事だと思うのでありますが、ひとつ次官、環境庁としてどういうことをされたのか、その点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(小澤太郎君) 御質問に対する答弁が、少しちぐはぐであったように私も聞いておりました。 そこで、実は御指摘のとおり石神井の中学校のあの件は、従来の例とは違ってオキシダントの低いときに起こっております。それからその後も、継続してその中学校で起こっておりますし、また各地でも起こっております。これも御案内のとおり、日本のいわゆる光化学スモッグというのが、ロサンゼルス型とは違って、曇天のときにも起こっているというような事情がございます。それに、今度はオキシダントの数値の低いときに起こっておる。こういう、まことに奇異な現象であります。したがって、従来のようなオキシダント説一本ではいけないのじゃないか、あるいは別に何らかの要素が加わっているのじゃないか、こういうことで、いろいろ学者の提案などもございました。東京都も非常に精力的に検討をして、研究をしておるような状態でございます。環境庁といたしましても、やはり地方自治体だけにまかせる問題でございませんので、私のほうも全力をあげてこれと取り組んでおるという姿でございますが、遺憾ながら現在、何が原因であるか、あるいはこの光化学スモッグ等の要因があって、それと関連して心理的な一つの影響もあるのじゃないかというような考え方も、東京都の調査においては出ております。いずれにしましても、原因が何であるかということを探究しなければならない。ところが、いま的確にそれがつかめておらない。 そこで私どもといたしましては、実は暫定措置でございますけれども、つい先日、地方自治体に対しまして、予報体制の整備とか、あるいは発生源の排出量を低減するような協力を求める、ことに自動車については、不要不急の使用を自粛してもらうとか、あるいは定期の点検を強化するとか、あるいはまたアフターバーナー、これを東京都もいろいろ試みておりますが、そういうものの装置を奨励するとか、こういうことを暫定的にとにかくやってくれということを、都道府県知事にごく最近通達を出したような次第でございまして、この特殊の現象に対しましては、これからもっとほんとうに突っ込んでいかなければならない。 私、事務屋でございますが、化学をやっておらないのでございますけれども、環境庁に参りまして、何と日本の、また世界の化学のおくれていること、そしてそれが、開発は進んでおるが、それの人体その他に環境的に影響するものに対する防止なり排除するというような研究がおくれておることを、実に驚いておるような次第でございまして、幸いに四十七年度にこのような研究費も増額をしてもらいましたので、さらにこの点については全力をあげて究明に当たりたいと、こう考えておるような次第でございます。
○茜ケ久保重光君 まことに残念なことでありまして、幸い人命にまだ危険もないようでありますから、せめて救いでありますけれども、こうひんぱんに大量に出ますことは、何か先般、東京の樹木があと五十年でみな枯れてしまうということがいわれましたけれども、これは樹木だけでなくて、人間の生命が、こうなりますと非常に危険だということでございます。したがって、いろいろありますが、これは環境庁、ひとつ全力をあげて、もちろん自然保護も大事ですが、何よりもまず人命が大事でございますから、自然の枯れる前に人間の命が断たれたのではどうにもなりませんので、早急に、何をおいてもこの解明に心がけてほしいと思うのであります。原因がわからないことには、これを除去する対策が立たないわけでありますから、したがって、ひとつ一日も早い原因の究明をお願いしたいと思います。 きょうの新聞報道によりますと、この元凶は何か、横浜国大の加藤助教授の研究によりますと、「石神井南中学でのアクロレイン検出結果を報告するとともに、ナゾの光化学公害の〃元凶〃がアクロレインなど自動車排ガスに含まれる芳香族化合物である」ということを発表されておる。結局、いろいろな原因が複合しているかもしれませんけれども、いま一番新しい発表によりますと、自動車の排気ガスが元凶のように思われる。私どもは、やはりしろうと考えでもそういったものを感ずるのですが、ただ問題は、それがなぜ東京都内のもっとほかのところに起こらないで、石神井付近だけ起こったのかということに対する疑問が依然として残りますが、それはそれとして、自動車の排気ガスということもおそらく原因であろうと思うのであります。 そこで警察庁にお尋ねするのですが、この事件が起こってから、東京都では石神井に職員を派遣して、真剣な調査、人体調査をしております。その成果はまだ不明のようでありますが、やはりそういったことに対して、東京都が自動車の規制に対して処置をしたいという発表をした時点で、警視総監が直ちに言下に反対する意思表示をしている。きょう、実は警視総監を参考人として呼びたいと思ったのですが、政府委員ならその場で呼べるのですけれども、参考人は理事会の議を経てまいりませんと呼べないものですから、きょうの午前の委員会には間に合わないので警視総監を呼ぶことができないのは残念でありますが、これは何らかの機会に警視総監を呼んで、その真意を聞きたいと思うのでありますが、警視庁を一応監督する立場にある警察庁の方に、いろいろお伺いしたいと思うのであります。 いま申しましたように、きのうまでは自動車の排気ガスということが断定できなかったのでありますが、きょうの段階では、加藤助教授の研究で大体自動車の排気ガスだということがわかってきたわけであります。そうなりますと、やはり東京都が考えているように、ある程度の自動車の規制ということは必要になってくるわけです。そこで東京都としては、ああいう原因不明といわれているあの状態は、自動車に負うところが多いという判断のもとに、自動車を規制したいと思っている。ところが、自動車の規制については警察が実権を握っている。 そこで私は端的に申し上げますが、どうも本多警視総監の、いわゆる東京都と検討するとか相談をするということなら、また、その結果どうしても規制ができないということならば、まだ納得がいかぬでもありませんけれども、言下に、自動車の規制は相ならぬ、混乱を起こすとか危険であるとかいうことを言っている。それなら、規制をするとどういうことで混乱が起きるのか、どういうことから危険が起きるのか、そういった具体的な事例を示して、こういうことになるから自動車の規制は危険だ、あるいは混乱を起こすという説明をして、東京都の自動車規制に対する意見を述べるなら、また一般は納得するでしょう。ところが、東京都で規制をしたいということを言うと、いやそれはできない、こう言って、一方的に反対意思を表示することは私は納得できない。おそらく一般の都民も納得できないと思う。何かそこに感情的なものを、これはやっぱり感ぜざるを得ない。 本多警視総監が、東京都知事に対して感情的なものがあるとは思われぬけれども、ここには元警視総監の原先生も見えていますけれども、これは東京都の、いわゆる税金で運営している警視庁ですから、都民に奉仕すべき警視庁ですから、都民の生命財産を守るのが第一でありますから、そうであるならば、私が指摘したように、こういうことが起こる、こういうことだからいかぬとおっしゃるなら、納得しないわけにはまいらないが、いま申しますように、そうでない。 これは先ほど言ったように、警視総監本人がいないのですからまことに残念ですけれども、あなたは何か交通規制課長であるようですが、その専門家の立場、そのほうの責任者でありますあなたがお考えになって、あなたは何も本多警視総監の言ったことをどうこう言う必要はありません、言える立場でもありませんが、それはそれとして、しかし一般的にはそう受け取ったと思います。非常に奇異な感を受けている、本多氏の発言に対して。あなたは交通規制課長として、東京都の、具体的にどういう規制をするのか別として、少なくとも都心への乗り入れを一部制限するとか、あるいはその地区を通る車の一部をどこかへ迂回させるとか、そういうことをすることは不可能なのかどうなのか、また、やっていかぬことなのかどうか、あなたの御意見をここでお聞きしたいと思います。
○説明員(竹岡勝美君) 警視総監に比べますと少し役者が小さいので申しわけございませんが、交通規制課長として全国の交通規制を担当しておりますので、警察庁の交通規制の考え方を御報告申し上げたいと思います。 これには二つ私は問題があると思います。この大気汚染、特に自動車公害によります大気汚染、これに対しまして、特に最近の東京を中心にいたします大都市におきます公害の実態、非常に警察としては重大な関心を持っておるわけでございます。御承知のとおり、一昨年の公害国会で大気汚染防止法等の改正がありましたときに、警察といたしましても、いち早く道路交通法の中に、交通公害防止というものを一つの目的に新たに入れまして、警察としてできる限り交通公害防止のために、交通規制その他の規制あるいは取り締まりを、道路交通法でやるんだという姿勢をいち早く示したわけでございます。 今回の東京都の問題でございますけれども、これは先ほども申し上げましたように、二つ問題がある。 一つは、たまたまあの問題で東京都が発表されました一つのきっかけは、石神井南中学校の五月十二日から二十九日までの五回にわたりますあの事例でございます。これは先ほど小澤次官からお話がございましたとおり、われわれも、環境庁なりあるいは東京都公害当局等からいろいろ事情を聞きまして、いずれにしましてもあの問題だけにしぼりますならば、われわれが道路交通法に取り入れ、当時大気汚染防止法でこれに対します措置基準の示されましたいわゆる光化学スモッグの、有害物質であるとされておりました酸化性物質のオキシダントそのものの数値が、いわゆる自主規制を求めるべき〇・一五の基準にも達していない。ましてや大気汚染防止法で、警察のほうに、緊急事態として何らかの規制を知事のほうから要請されるという基準にされております〇・五PPMには、とうてい達していない。そういう、われわれが聞いておりますオキシダントの被害というものと、直接結びついていない。そうしますと、これでもって直ちに自動車の、非常に広範にわたります規制というものがいいのか、また、やってはたして効果があるのかどうかということに、明快なる解答が得られなかったわけでございます。 あるいは巷間言われておりますとおり、石神井南中学校は、単に従来自動車公害の大気汚染、その元凶とされておりますオキシダントという酸化性物質ではなくて、いま先生から御指摘がございました、最近鉛公害を減らしますために無鉛化が進んでおります、そのために、オクタン価を上げるために芳香族の添加剤をガソリンに相当入れております。これから発しますアルデヒド系のいわゆる還元性物質というものが、どの程度人体に有害であるかということは、当時の大気汚染防止沖を検討されます場合にも、まだ科学的に究明さわておりませんでしたので、これは現在われわれの規制する基準の中には、こういった数値はあがっておりません。現在オキシダントだけでございます。そういう意味から、石神井南中学校が直接自動車公害、いわゆるオキシダント公害である、また、これに基づく規制をやったらどれだけの効果があるかということがはっきりしなかったので、直ちに規制に踏み切れなかったわけでございます。 しかし一方、いま先生御指摘のとおり、きのうあたりの新聞を見ますと、いわゆるオキシダント公害によります被害は、東京都だけではなくて、埼玉県を含めあるいは神奈川県も含め二千名という被害が出ておるわけでございます。この場合の規制をいたします場合に、たとえば自動車公害でもCOでございますと、これは非常にやりいいわけでございます。すなわち地域的に非常に限られますので、たとえば大原交差点とか一部の交差点に限られますと、迂回措置なりそういう措置は非常にやりいいのですが、やりにくいのは、広域にわたる光化学スモッグでございます。これを一般的に押えるために、あるいはそれを防ぐために自動車の交通量を減らすということになりますと、非常に広域な交通規制を行なうことになります。この交通規制によりますデメリットと、それから一方、光化学スモッグによります被害というデメリット、この両方のやはり比例原則ではかるのが交通規制の基本的な考え方であろうかと、このように考えておるわけでございます。 それで、現在、大気汚染防止法の二十三条できまっておりまして、これに基づきまして、政令病当時基準が出ております。先ほど申し上げたとおりに、都道府県知事が公安委員会に対しまして、非常措置をとって車に対する何らかの規制をやってくれという要請をします基準が、一時間に〇・五PPMという数値が出されておるわけでございます。それに至りません〇・一五PPMでありますならば、やはり二十三条一項によりまして、都道府県知事は、運転者の自主規制あるいはばい煙発生者に対する自主抑制を要請するということになっております。 現在、きのうあたりの光化学の状態を見ましても、〇・一五を若干こえるような状況でございます。このような程度のときに、身体に与えます被害等は一過性の、目がチカチカするとか、のどがイライラする現象、しかも一過性であるというふうに言われておりますので、このような場合におきまして、はたして東京都の車を減らしますために直接、たとえば東京都の提案されたように、荒川あるいは環状七号線のところで車をとめてしまう、朝の七時から九時まで車をとめてしまう、約七万台の車を入らせないようにしなければならないということになりますと、それがために、埼玉あるいは神奈川の交通に若干の混乱を起こすのじゃないか。そういうことを考えますと、現在警察がやっておりますのは、やはり東京都と同じように、大都市におきます自動車交通量は少しでも減らさなければならぬ。これは交通公害、交通事故、交通渋滞というような面からも減らさなければならぬ。それは直接規制というよりも間接的に、駐車禁止規制を拡大し、これの取り締まりを強化し、あるいはバス専用レーン等を強化する、そういったことで不要不急の車が非常に入りにくくなることでこれをいじめまして、これを一時的に抑制するという間接規制が、現在とり得る最大の措置ではないかということで力を入れているわけでございます。 現在の光化学の状況で、広域にわたりまして車を一ぺんにとめるということは、まだ踏み切っていない。ただし、これが、先ほど言いましたように〇・五PPMをこえるというような緊急事態が出ますならば、これは当然われわれは、何らかの措置で車をとめるという直接規制に踏み切らざるを得ない、踏み切るべきであるということで、現在、警視庁と東京都の両者の協議会を設けまし−て、協議をいたしておるところでございます。
○茜ケ久保重光君 時間が制約されているので、答弁も簡潔にお願いしたい。 いろいろと御質問をいたしたいのでありますが、時間の関係でできそうもありません。そこで端的にお伺いするのですが、いま規制課長がおっしゃったように、自動車の規制は、やはり私は公害対策としてはこれはほんとうの、何といいましょうか、末梢的なことだと思うのですよ。規制も容易ではありませんし、また規制してもなかなかあれですね。問題は、その自動車の出す排気ガスだと思うのですよ。このもとを断たなければ意味がないと思う。そこで、これはおそらくこの委員会でもたびたび問題になったと思うのですが、だから問題は、私は日本の自動車産業におけるエンジン構造の、これはやっぱり根本の問題から除去しなければならぬだろうと思うのですよ。幾らでもふえっぱなし。どんどんどんどん生産は上がってくる。そうして排気ガス。 これは運輸省、車両課長ですか、見えておりますが、おそらく運輸省には運輸省の考えはあるでしょうけれども、私は、何といっても東京都を中心にした都市における大気汚染の根源は、いろいろ工場の排煙もありますけれども、やはり一番大きいのは自動車の排気ガスだろうと思うのです。しかも、これは直接人間の歩く、また住まっているところ、一番身近かに散らばすものです。煙は高いところに、遠方にいくのでありますが、自動車は歩行者の鼻っつらにまいていく。また、寝ている家のそばに散らしていく。人間が直接吸い込んだりするところに出すわけですね。そこで、いま申しましたように、私はこれは何としても自動車産業におけるエンジン構造に徹底的なメスを入れていく、端的に言えば、絶対に人体に危害のある、また植物等に危害のあるものは自動車の外に出さない、このぐらいの強い規制をすることが一番必要なことであるし、また、そうしなければ幾ら自動車の交通を規制しようと何をしようと、これはほんとうに末梢的なことであって、しないよりもそれはしたほうがいいにきまっておりますけれども、私はそうだと思うのだが、運輸省のこれに対するいまの措置と、今後のどうするかという方針、いまやっていらっしゃることと、将来こうしたいということがあったら、あわせて簡潔に御答弁願いたいと思います。
○説明員(飯塚良政君) 自動車の場合には、エンジンを使いましてそれで走行させますので、エンジンには燃料を使うわけであります。したがって、排出物というものは当然これは出るわけでございます。 一体その内容がどういうものかということをちょっと申し上げますと、一酸化炭素と炭化水素と窒素酸化物の、大きく分けますと三つでございますけれども、一酸化炭素につきましては、これはすでに運輸省といたしましては五年半ほど前に、昭和四十一年の九月から、新車規制として最高濃度三%というふうな規制をして、逐次強化をして現在に立ち至っております。そうして、現在ではどういうことになっているかということをちょっと申し上げますと、新車の場合には濃度規制で二・五%ということでやっております。しかし、これは新車でございますから、一般に町を走っている中古車には、一体どういう規制をしているかということをちょっと申し上げますと、この場合には車検制度でチェックをしております。そうして現在では、アイドリング時ど申しまして、交差点等でエンジンをからぶかしをしてとまっているような状況で、濃度規制として五・五%で規制をしておりますが、これを強化いたしまして、本年の十月からは四・五%で規制をしていこうというふうにしております。 それで、あとは炭化水素、窒素酸化物というのが、一般の説では光化学スモッグに非常に関係があるということを言われておりますが、炭化水素につきましては、これはブローバイガスといいまして、エンジンを吹き抜けるようなガス、この中に相当炭化水素が含まれておりますが、この吹き抜けガスをもう一ぺんエンジンに戻しまして、もう一ぺん燃やすというような装置を、一昨年、昭和四十五年の九月から、そういうふうなものをつけなさいということで、そういう措置を講じております。また実際、燃料タンクの中から蒸発する炭化水素もございまして、これにつきましては本年の七月から、新型式の車につきましては蒸発ガスの防止装置というものをつけさせるというふうなことを一つの基準にしております。それで、この二つの措置で、自動車から生じます炭化水素の約半分ほどは撲滅できるというかっこうになりますけれども、あと残ったものは排気ガスから出る炭化水素でございますけれども、これは来年の春から規制をしていくというふうなことをしております。 あと残るところは窒素酸化物でございますが、この窒素酸化物は、一酸化炭素、炭化水素と違いまして、一酸化炭素と炭化水素というのは、エンジンの燃料が不完全燃焼したときに発生するわけであります。ところが、この窒素酸化物というのは、よく燃えれば燃えるほど必ず出るというものでございまして、これは現在のデータでは、空気中の窒素酸化物の三〇数%が自動車に起因するということが言われておりまして、あとは工場から出る窒素酸化物等がウェートとしては大きいということが言われておりますが、ともかく窒素酸化物につきましては、これはなかなか規制がむずかしいというふうなこともございますが、一応来年の四月から規制をするという方針を現在とっております。 これが現在までの状況でございますけれども、それでは一体今後どういう規制をするのかということにつきましては、現在、環境庁で中央公害対策審議会の自動車専門委員会というのがございまして、この中で、昭和五十年度以降の自動車の排気ガスの許容限度というふうなものについての、大方針をお立てになるということを聞いておりまして、その答申が出た時点におきまして、私どものほうでも、こういうふうな自動車排出ガスの有害物質の規制を逐次強化する方向で、両方面からの規制を進めていきたいというふうに思っている次第でございます。
○茜ケ久保重光君 自動車のエンジンの構造で、そういったいわゆる現在のガソリンを使って、ガソリンにもいろいろ種類があるようでありますが、あまり有害物質を含まないガソリンを使って、自動車のエンジンで燃焼した排気ガスの中から、いまいろいろ何点もおっしゃったけれども、そういったあらゆる大気を汚染するような物質を出さなくするということは、できないのですか。それはどんなものでしょう。
○説明員(飯塚良政君) 現在の、ガソリンを使って燃焼させる構造のエンジンを使う限りにおいては、やはり有害物質は必ず出る。ただ、現在ではその排気ガスを清浄化する装置、排気ガス清浄装置というふうなものがいろいろ話題にはなっておりますけれども、これは外国のいろいろ実態を調べてみましても、性能が長持ちをいたしまして、そうして非常に有効であるというふうなものが、現在技術的に開発されていないという状況でございますけれども、現在は、そういうふうなものを早く技術開発するように、たとえば国の研究所でもそうでございますし、また一般の産業界でも、そういうふうなものを大いに研究を進めていくということでございます。 そうしてなおガソリン等を使わないものということになりますと、同じエンジンでもディーゼルエンジンというやつがございますが、軽油を使うエンジンの場合には、わりあいにこういうふうな成分の出方が少ないというふうな二とがございますが、この場合にはまた一方、ディーゼル黒煙というふうな別の面の公害が出てまいります。そのほうの規制が必要であることが一つ。 それからなお電気自動車というふうなものがございますけれども、まだこれについては、実際に使うというふうな面では、郵便自動車とかあるいは牛乳配達の車とか、そういうものに一部使われておりますけれども、この電気自動車というふうなものにつきましては、スピードがおそいとか、あるいは電池をすぐかえなければ十分性能がもてないというふうなことがございますし、この方面の技術開発につきましては、通産省のほうで長期構想を持ってやっていらっしゃるということでございますけれども、電気自動車の場合には、一方では、個々の自動車から排出される有害物質の発生源というふうなものは確かに少なくなりますが、一方では大きな発電所が必要になる。そうしますと、発電所のほうの公害というふうなものがまた大きな問題となるということで、解決は、いろいろ総合的に対処していく必要があるということであろうと思います。世界各国とも、いまそういうふうな点では国際協力をしながら、そういう方面へ逐次技術開発を進めておるという状態でございます。
○茜ケ久保重光君 課長ね、いま話を聞いていると、なかなかどう改善しても、現段階では完全にそういったものを出さないということはできないように聞こえたのですが、できるけれども自動車産業の、これは必ずコストも高くなってくるでしょう、そうなるとやっぱり売れ行きも落ちてきます。だから、ほんとうはできるんだけれども、それをやったら、結局おそらくは自動車産業界にもえらいこれは打撃ですから、そういうことをおそれて、そんなことを言っているということじゃありませんか。ほんとうにそれはできないのか。もっと研究すればできぬことはないと思うんだ。これだけ発達している産業技術、科学の発達で、あなた、排気ガスが完全に消化されて、それが出ないようにできるのじゃないですか。どうですか。
○説明員(飯塚良政君) 現在の自動車産業界の技術では、排気ガス規制対策というふうなものを完全にするには、まだ相当時間が必要であるというふうに聞いておりますし、それから現在米国等では、マスキー法というふうなものの施行について、いろいろ問題がございますけれども、アメリカの自動車メーカー等でも、現在の技術では、まだちょっと無理であるというふうな状態であると思います。
○茜ケ久保重光君 政務次官、いまこちらから話がありましたが、環境庁でこの問題に対して、何か将来徹底的な、これは御承知のようにやっぱり自動車が一番大きいと思うんですよね。私はエンジンの構造に問題があると思うんですが、こういう問題に対して、環境庁として独自の対策を何かお考えですか。簡潔にひとつ。
○政府委員(小澤太郎君) ただいま運輸省からお答え申し上げましたように、自動車の排気ガスの問題は非常に技術的にむずかしい問題であると承知いたしております。現在は、これまた先生御案内のとおり、運輸省における運輸審議会の自動車部会において、ただいま答弁がございましたような規制の方針を立てておりまして、それに基づいて、私ども環境庁といたしましてはその規制を強化してまいりたい。 一酸化炭素とか炭化水素、これはいまの説明のとおり、これを押えていく道はかなり進んでおります。環境庁におきましても、いわゆる自動車のエンジンから蒸発するもの、あるいはブローバイガス、そういうものについての規制はやっております。しかし窒素酸化物につきましては、実際上非常にむずかしい問題だということでございます。しかし、人体に影響のあるものをこのまま置いていいということは、とうてい許しがたいことでありますので、私どものほうといたしましても、中央公害対策審議会、中公審に、アメリカのマスキー法を十分参考にしてそのような規制をやりたいということで、いま専門的に専門委員会で研究してもらっております。これも、マスキー法に合わせますと昭和五十年、五十一年、窒素酸化物が五十一年であります、ほかの二つは五十年、時間的にももうタイムリミットがだんだん近づいております。そういうことでございますので、この研究答申を急いでもらうということにいたしております。 それから、私も二、三企業界の努力しているところを見てまいりましたのですが、いまお話しのように自動車産業を甘やかしているという気持ちは、毛頭ございません。アメリカも日本もヨーロッパの各国も、無公害の、しかもいまの燃料を用いることによる無公害の車、ことに窒素酸化物を九〇%押えるのですから、そのような車をつくる技術が開発できれば、これは世界の自動車界を支配できるのですね。企業者のそういう意欲もありまして、真剣にやっている。しかしそれだけではいけないから、われわれ政府といたしましては、そこへ追い込むために、タイムリミットをつけて非常にきつい規制をそれに与えていく、そういうような努力をするつもりでございます。現にそれをやっているような次第でございます。
○茜ケ久保重光君 もう時間がありませんから途中でやめますが、交通規制課長、あなた方は全国的な車のそうしたことを考えておるようですが、いまのままでどんどん車がふえたら日本はどうなるのか。どうにもならないということなんです、いまのままで車がふえていったならば。道路はだいぶつくっていますけれども、どうにも追っつかない。私は十年ほど前に、日本では自転車の古いのが方々へ捨ててあるというのと、アメリカでは、自動車のなきがらが山と積まれて処置に困っているという記事を見て、たまげたのですが、日本でもうすでにそうなっていますね。何か私の見たところによると、一戸当たりの自動車の保有数ではアメリカが二・五台、日本は四・五戸に一台。しかし面積にすると、日本が一平方キロに四台、アメリカは一台。絶対数はアメリカが多いけれども、道路なり国土に直すと、日本のほうがもうアメリカより多いということなんです。これはおそらく世界一じゃないかと思うのですよ。これがだんだんふえていったらどうしようもないと思うんだが、この辺で自動車の生産に対する——これは輸出は別です、輸出は別だが、国内で使用する自動車の生産に対して、何か特殊な規制でもしなければどうにもならぬような気がするのだが、警察庁でそういうことに対して何か考えておることがあったら、端的にひとつ説明願いたい。
○説明員(竹岡勝美君) 現在、運輸省あるいは建設省等の長期計画を見ますと、大体昭和六十年ころに、日本の自動車が三千五百万台ということを一応予想いたしまして、道路計画等をつくっております。道路のほうも、御承知の現在の第六次道路整備計画で、約十兆三千五百億円かけまして約七十万キロの道路を整備して、三千五百万台の車に対します道路整備につきまして、ある程度でき得ると道路当局では考えておられるようでございますけれども、しかし、いかに高速道路が整備されましても、三千五百万台の車の起終点はほとんどが都市でございますから、限られた都市にそれだけの車が入るということは、とうてい、車が渋滞してしまって結局それだけの交通量が確保できるとは考えられません。 現に東京都でも、東京都は現在二千三百万台の自動車がございますが、だんだん運休率が高まっております。現在五〇%ぐらいが運休をしておるというような状況で、私は、やはり車はふえますけれども、都市におきましては、われわれの規制のほうでは、最小限度歩行者のための歩行者用道路だけ十分確保しておきまして、あと自動車道路、自動車が通れる道路は自動車にまかす。そうしますと、自動車がふえてまいりますと非常に詰まってきまして、ちょっと楽観的かもしれませんけれども、自動車そのものを運転者が実質的に歩行をあきらめざるを得ない、そういうことによって運休率がだんだ高まっていくのじゃないか。われわれ現在考えておりますのは、歩行者用道路なりそういった生活道路は、車が入れないように十分確保しておこうということを考えておる状況でございますけれども、生産そのものというようなことは、われわれ警察のほうの規制権ではございませんので、考えておりません。
○茜ケ久保重光君 通産省、見えておりますね。いまのお答えに対する、通産省として何か、生産に対する規制は全然考えていないのか、野放しにする気か、ひとつ……。
○説明員(森口八郎君) 自動車は非常に快適なものでございます。現在の国民生活では、普及率から見まして、やはり国民一人一人のだんだん必須物になろうと思います。しかし、いまお話のように、他面自動車の増高によりましていろいろな有害排出物が出るというようなことで、車に対する対策を考えなければいけないというように私どもは考えております。 私どもといたしましては、先ほどお話がございましたように、自動車がいま全部ガソリンを使用して走っておるというような状態でございますが、都市内走行については、ガソリン車よりもむしろ電気自動車のほうがいいのではないかというようなことで、現在通産省の試験所が中心になりまして、五年間で約四十八億円の研究費を投入いたしまして、電気自動車の開発を四十六年度から開始いたしております。この電気自動車の開発ができ、先ほどいろいろ電気自動車の難点を申されましたが、速度がおそいとか、あるいは一回の充電によって走る距離が少ないとか、そういうような欠点が現在の電気自動車にあるわけでございます、そういうような欠点がなくなりますれば、都市内走行は、できれば電気自動車でというのが私どもの考え方でございます。 一方、現在走っておりますガソリン車については、確かに現在の水準で排気ガスを完全になくすというような技術には、いままだ到達はいたしておりません。ただ、いろいろな清浄装置の開発も進んでおりますので、時間をかしていただければ、人間の生命に危害を与えるというような状況にしないような自動車の運行ができるというように、私のほうでは考えておる次第でございます。ただ、これがためには、先ほど環境庁の次官がおっしゃいましたように、一方では国の、こういうメーカーの努力を促すような強い規制措置のバックと、他方、メーカー自体のこれに対する真摯な努力と、私どものそれに対する助成というような、三つの条件がそこにはなければいけない。しかし、いずれにいたしましても、自動車の排気ガスの問題というのは非常に大きな問題となっております。通産省といたしましては、管下の試験研究機関を動員して、いろいろな技術面の難点を克服していきたいというように考えております。
○委員長(加藤シヅエ君) 午前の会議はこの程度にとどめ、午後は一時三十分に再開いたします。 午前十一時二十四分休憩 —————・————— 午後一時四十一分開会
○委員長(加藤シヅエ君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を再開いたします。 午前に引き続いて質疑に入ります。
○小平芳平君 田子の浦のヘドロ処理について、私が当委員会で、県が富士川の河川敷で処理しようというのに対して、それは環境庁として慎重に取り組んでいただかなくては困るということを、大石長官に対してもまた政務次官に対しても再三ここで質問したわけですが、その後の経過について、まず御報告をいただきたい。
○政府委員(岡安誠君) 田子の浦のヘドロの処理につきましては、昨年度、まず第一次の事業といたしまして十万立方メートル余りの処理をいたしたわけでございますが、引き続きまして、四十六年度末から四十七年度にかけまして第二次の処理をするということで、この間に約三十万立方メートルのヘドロを、総額五億円の事業費をもって事業に着手いたしたわけでございます。当初、これは三月の二十日から五月の十五日の五十五日間に、三十万立方メートルのヘドロを田子の浦からしゅんせつをしまして、パイプで富士川の河川敷に送泥をいたしました。そこで乾燥いたして処理をするというようなことになっていたわけでございます。 現在までの経過を申し上げますと、事業着手が若干おくれまして、実際の工事は四月の五日から五月の六日にかけまして、三十万立方メートルを若干オーバーする三十二万五千立方メートル余りをしゅんせつをいたしまして、富士川の河川敷に送泥をいたしたわけでございますが、まず天候が悪かったというようなこともございまして、乾燥がおくれております。そこで多少ごたごたがございまして、乾燥が十分円滑にいかなかったというような事態もございますけれども、大体その乾燥もほとんど終了したという状態になっております。 もう一つの問題は、乾燥しましたスラッジといいますか、それの処理でございますが、当初この乾燥後のヘドロにつきましては、その一部約二万四千立方メートルにつきましては、河川敷の中にテスト用に緑地をつくるということで、河川敷の中にこれは置くということでございます。それ以外の約十二万六千立方メートルにつきましては、これを河川敷の外に搬出をいたしまして、田子の浦港と富士川との間にございます護岸の内側に置き土をいたしまして、そこに道路を建設するというような計画であったわけでございます。ところが、河川敷の中にテスト用の緑地をつくる分につきましては、ほぼこれは完了をいたしたのでございますけれども、堤外へ搬出いたしまして、堤防の背後地に埋め立てて道路をつくるという分につきましては、地元のほうから異議が出まして、地元民の完全な了解が得られないということもありまして、現在まで搬出がいたされず、河川敷の一部に仮り置きをしておるという状態でございます。そのため、工期といいますか、河川敷の使用がおくれております。 現在、静岡県のほうから建設省のほうに河川敷の使用期間の延長という願いが出ております。一部その期間を延長していただきまして、その間に当初予定どおり乾燥後のヘドロを河川敷外に搬出をいたしまして、堤防外に埋めて道路を建設するということで、現在静岡県当局におきましては、関係住民と折衝中というのが現状でございます。
○小平芳平君 そういうことを言っていてはだめですよ、局長。見ていないでしょう、かわいてなんかいませんよ、全然。およそ九〇%が水だというものを搬出したわけでしょう、河川敷に。その河川敷で、かわかないですよ。専門家の話だと、いま現在で水分が八〇%くらいだろうということを工事事務所の事務所長なんか言っております。確かに、見てみると上側はヘドロが固まったように見えますが、ちょっとした石を一つほうり込むと、どぼんと中に落ちていくんですから、全然かわいてないですよ。 ですから、第一そういうことは、PCBという新しい問題も提起されていることであるから、この四十七年の着工は、慎重にそういう計画がすべてできた上でなくては、結局迷惑を受けるのは住民なんですから、慎重にということを私が再三ここで言っているのに、局長は、県に指示をしたとか、第二次公害の起きないようにその実験を指示しているとか、そういうことばかり言っていて、全く取り組む姿勢ができていない。いまもう雨が降りまして、鹿児島県は大雨注意報ですか、すでにきょう出ているときに、この河川敷にはたくさんの、三十万トンですかのヘドロが、田子の浦から吸い上げて、ためたままになっているわけです。二十日間工事延長を建設省に申し入れたといいますけれども、二十日間でかわく可能性があるかどうか。しかも今度、天気がよくなると硫化水素ですね、工事をしている人は、ガスマスクをつけて工事をしている。新聞の写真とか、あるいはNHKのテレビでも出ていたじゃないですか。そういうふうな実情に現在あるわけです。そういう点についての責任は、どこにあるのですか、これは。
○政府委員(岡安誠君) 結論から申し上げますと、私ども並びに工事を実際やっております静岡県当局におきまして、多少といいますか、計画がそごを来たしましたにつきましては、当初の計画に多少甘いところがあったのであろうというふうに反省をいたしております。 その理由をいろいろ静岡県から事情を聴取したのでございますが、もちろん天候その他の理由に責めを帰するわけではございませんけれども、一つは非常に予定の期間内における天候が悪かったので、予定どおりの乾燥ができなかったということと、それからもう一つ、もっともこれはやはり手落ちだったと思いますけれども、搬出先の、堤内の道路をつくる場合の関係住民との了解でございますけれども、関係住民の代表の方々との話し合いがついたというふうに私どもも了解をし、静岡県も了解をしていたようでございますけれども、必ずしも関係住民すべてといいますか、というものとの完全な了解ではなかったことから、そこへ搬出することが不可能になってしまったというようなこともございます。 私ども、この事業に着手するにあたりましては、昨年一回やっておりますので、その経験の上に慎重にやったつもりではございますけれども、いま申し上げたようなおもな理由によりまして、事業は円滑にいっておらないということにつきましては、私どももちろん責任も感じておりますし、今後やはりこれらの解決にはできるだけ努力をいたさなければならないというふうに、現在考えておる次第でございます。
○小平芳平君 多少のそごじゃないんですよ。とにかく富士川の河口へ、河川敷へ持って行ったものがまるでかわいてないんですよ、まるで。 それで、長官がおいでになりませんから政務次官ですね、政務次官は、この前の私に対する三月二十二日の御答弁では、なお検討をやってというふうに言っておられます。言っておられますが、もう、どうしようもないですね。最初にそのことについて伺いたい。 そうして、これは建設省ですね、建設省は、こうした両方に富士川の堤防があるわけですが、この堤防の中へ緑地帯をつくるということは、これは洪水の場合にはんらんしちゃうじゃないですか。いま確かに堤防の内側へ、三十万トンのうちの一部を硫化水素が発生しないように石灰をまぜて、そしてまた土砂をまぜて、緑地帯をつくろうとしております。つくろうとしておりますが、そういうことが建設省の、私は技術的な面から伺いたいんですが、そういう堤防の中へ緑地帯をつくるというのは、木を植えるわけですか。何かいま盛んに土盛りしておりますが、土を盛り上げておりますが、そういうことをやって洪水のときに心配ないのかどうか。関係住民は、これで洪水が出たらたいへんだといって反対をするというか、非常に不安になっているということが一つ。 で、河川敷へ緑地帯をつくることの是非が一つと、それからもう一つは、いま説明の、道路といいましても、現在すでに海岸には堤防に道路があるわけですよ。その海岸に、すでに防潮堤か防波堤か、堤防があって、その堤防の上に道路があるのに、その内側へもう一本道路をつくる理由が何らないわけですよ。しかも、その道路をつくったとしても、それよりももっと低いところに民家があるわけですから、なぜ——まあそれは結局ヘドロの持って行き先がないから、そういう道路計画という思いつきのことを言ったのかもしれないですけれども、一体、そんなところに道路をつくる必然性というものは考えられないわけです。その点いかがですか。
○政府委員(小澤太郎君) まことに残念ながら、一言もって申しまするならば、どうしようもないということで、実は困っているわけです。 したがいまして静岡県からの計画、私どものほうも十分検討はいたしたつもりでございますが、先ほど局長からおわびいたしましたように、天候に対する認識の甘さ、それから着工がおくれまして、やはりいろいろ計画なり地元の人たちとの相談の問題などございまして、そういうようなことで、最初の相談が、われわれが考えておったようなぐあいにいけば、ある程度うまくいったというおほめをいただけるかと思っておった、そのことがまず大きな誤りであったということを痛切にいま考えているわけです。したがって、これをどうしようということになりますと、また考えを新たにしなければなりませんし、せっかくやったことですから、何とかこの方法を継続していくためには、私も先生御指摘のとおりテレビなども見まして、あのマスクをかけてこうやってブルドーザーをやっている姿を見まして、これは困ったなと思いましたが、さてどうするかという案も浮かばないままに、いまに至っているわけでございます。しかし、これをそのままほうっておいていいというわけではありませんので、まあ、ない知恵をしぼって何とかしたいというようなことで、いま一生懸命考えているような次第でございまして、計画どおりまいらなかったことにつきましては、まことに私どもも遺憾に思いますし、おわびを申し上げたいと思います。
○説明員(宮崎明君) 高水敷堤外地、堤防と堤防の間を堤外地と申しますが、堤外地に緑地帯をつくることの可否の問題でございますけれども、私ども河川環境整備ということで、特に都市河川につきましては、できるだけ高水敷を整地して公園あるいは運動広場、そういうものに利用していただくということで、全国各地でそういう高水敷整備事業というものを進めております。 富士川につきましても、富士地域につきまして約二十ヘクタールほどのそういう緑地をつくって、運動広場等に利用していただくという面で計画を持っておりまして、六ヘクタールほどの事業計画を決定しておるわけでございます。その一環として、たまたまそこにテスト緑地として、いまのスラッジと河川砂利とまぜたものを、埋め立てといいますか、盛り上げて今度つくったわけでございます。ただ、木を植えるということではなくて、芝を植えつけて、そういう広場として利用していただくというふうに考えております。それで、御承知のように富士川は、非常に河道が二千メートルほど広くて、洪水の疎通能力としては一切問題はございませんし、それから川が右岸寄りにずっと寄っておりまして、洪水時のときに流出するおそれも、当分まずちょっと考えられないということで、そういう点はまず安全じゃないかというふうに考えておるわけでございます。 それから海岸堤に道路をつくるという話は、ちょっと私直接——まあこれはやっぱり置き場として考えたということで、道路の必要性からということじゃないと思います。ただその辺、ちょっと詳しく存じませんので、はっきりお答えできません。
○政府委員(岡安誠君) 堤防背後地に埋め立てて道路をつくる点でございますけれども、ただいま先生おっしゃいましたとおり、やはり乾燥後のヘドロといいますか、スラッジといいますか、その処理の問題が最も難点でございまして、静岡県でいろいろなところに当たったわけでございますけれども、適当なところがないために、やむを得ずというのが第一の理由でございます。そこに捨てるならば、やはり道路をつくってそういう効用も与えたらどうかというようなことで、背後地に埋め立てて、そこに道路をつくるというような趣旨に私ども聞いております。
○小平芳平君 それでは建設省、いいですね、芝生を植えるだけだから洪水時にも心配ないということですね、結局。ところが、いまだいぶ盛り上げているというんですね、あれは、でき上がってみればそういう盛り上がったものにならないのかどうか。それから河川の、要するに河川敷使用は五月三十一日ということになっていたわけでしょう。それを延長することの可否について。それから、いまのままでは、もうすでに六月も七日ですから、あと十四日で八〇%ほどの水分を持っているものがたちまちからからとかわくということは、ちょっとしろうとには想像つきませんが、一体、どの程度河川敷を使用していいのかどうか。最終的に一体どうするかということです、かわかない場合の。その点についてお答えいただきたい。
○説明員(宮崎明君) 当初の予定がだいぶおくれてきまして、六月二十日まで延期するということで、五月の二十九日に占用許可の延期を許可しております。私ども、当然洪水等によって流出するおそれがあるといけませんので、十分出水記録等も過去の記録から検討しまして、大体過去二十数年間にわたって検討したところが、現在の脱水池の標高から見まして、かなり下回った出水しかございません。当然、これは六月中はまず心配ないということで許可したわけでございます。なお、富士川はかなり現在河床低下しておりまして、大体二メートル近く河床が低下しております。そういう状況を考えますと、過去の出水記録よりも、同じ量が出ても水位がかなり低いということで、まず水をかぶる心配はないというふうに判断いたしておるわけでございます。
○小平芳平君 地元の人に聞きますと、集中豪雨とか台風とか、そういう場合は河川敷いっぱいに水が流れるというわけですが、ですから建設省としましても、なるべく住民にそういう不安を与えないように、六月いっぱいならだいじょうぶと言っている、そういううちにも、集中豪雨でもあってどういうはんらんが起こらないとも限らないわけですから、そういう姿勢が必要でしょう。これはどうですか。
○説明員(宮崎明君) まことにおっしゃるとおりでございます。しかし私ども、異常な出水ということが考えられますけれども、大体過去二十数年間の記録から見まして、気象条件も考慮してございますが、まずだいじょうぶだということで、現在のところ特別の対策を考えるということは考えておりません。しかし、全般的に仕事がおくれておりますので、それに対するまた今後どうするかということも、あわせて至急検討してまいりたいと存じております。
○小平芳平君 それは結局、県の計画をチェックできるのは、建設省がチェックできるわけでしょう、河川敷の使用については。ですから、先ほどの硫化水素のくさいという問題、あるいはPCBそういう問題は直接建設省の問題じゃないでしょうけれども、もう少し建設省としては河川の安全というものを主体に考えていただきたい。きょうのところは、だいじょうぶだ、だいじょうぶだとおっしゃるから、それ以上私がだいじょうぶじゃないと言い張ってもしようがないから、これ以上言いませんけれども、まあ洪水がなければけっこう。あったらたいへんですからね。 それから次に、道路にし緑地帯にしようというこの計画は、先ほど局長がおっしゃったからそれでいいですけれども、もう結局ヘドロの持って行き先がないからそこへやろうということだけで、迷惑するのは地域住民だけということなんです。あの辺の富士地区の大きな工場ではだいぶあき地をかかえていますが、そういうところでは処理できないのですか。これはどうですか。
○政府委員(岡安誠君) 実はスラッジの問題、二つございまして、一つは、すでに過去において田子の浦港内に堆積いたしましたヘドロ、それを処理した結果出てまいりましたスラッジと、それから、現在富士地区に集まっております製紙関係企業に対しまして排水の規制を強化しておりますけれども、その結果また排水の処理のために出てくるスラッジがございます。 後者の、各企業が排水を処理する結果出てくるスラッジにつきまして、先般先生から、特に中小の製紙工場では、そのスラッジをいろいろのところにまき散らしているというお話がございまして、県当局に注意しまして、なるべく早く共同処理といいますか、その方向に進むように指示しておりますが、現状でもなおその場所が確定していないということで、現在、各企業が自分の敷地内に積み上げているというのが現状でございます。私どもは、大企業につきましてはある程度余裕はあるのではないかと思いますけれども、中小企業ではほとんどその余裕もなかろうというように考えておりますので、早くやっぱり共同の処理場といいますか、これを見つけまして、埋め立て処分なり、焼却処理をするということを推進していきたいというふうに実は考えております。 そういうことで、実は富士地区一帯におきまして、過去の田子の浦港内のヘドロの処理の結果出てくるスラッジの処理、それから各企業がこれからさらに生産といいますか、各企業からあらためて出てまいりますスラッジの処理、両面の処理をしなければならないということで、非常にその場所の獲得に苦慮しているのが実情でございます。
○小平芳平君 これだけやっておるわけにいかないので、ひとつ要領よくお願いしたいのですが、通産省、環境庁両方に伺いますが、第一点は、現在その富士川河川敷へ持って行ったヘドロですね、この持って行き先がないから、道路をつくるというような名目である地域内へ運ぼうとしている。すると、そのお隣にはすでに民家があって、民家が迷惑を受けるわけです。ですから、そういうような地域住民にわざわざ迷惑をかけることはない。あき地は大きな製紙工場にたくさんあるのだから、そういうところへ持って行くような方法がないものかということが一つです。 それからもう一つは、いま局長の言われた新しく出てくるスラッジは、これも再三当委員会で指摘しましたので詳しい説明は繰り返しませんが、新しく出てくるスラッジは、近ごろは、田子の浦のヘドロは海に行くのじゃなくて、富士山へのぼっているというのですね。ということは、持って行き先がないから、富士山ろくの土地を買ったりあるいは富士山ろくに持っている土地へこのスラッジを投棄しているのです。そうして、これじゃもう地下水が汚染されてたまらないと言って、地元の反対にあって投棄をやめたという、これは大企業ですよね、新聞にも大きく出たです。ですから、これも、中小企業に対しては共同処理をするように指導しますということを、再三この委員会では政府側は答弁しておられますが、現実に計画は何もないですね。全然、現段階で何の計画もないわけです。その辺のお見通しはいかがですか。
○政府委員(岡安誠君) 前段の、田子の浦港のヘドロを処理した結果出てくるスラッジを、大企業の構内に置いたらどうかというお話でございますが、将来これは百二十万トンに及ぶようなヘドロがあるわけでございますから、今回の処理は別にいたしましても、新しくやはりそういう乾燥ヘドロの処理を静岡県当局も考えなければならないわけでございますので、そういうこともあわせて検討するように静岡県に言いたいと思っております。 それから後段でございますけれども、現在これは企業関係者が集まりまして、共同処理のための組合といいますか、そういうものをつくりまして、処理をする場所の獲得といいますか、地元の折衝等を行なっているというふうに私ども聞いております。それにつきましては、富士市等も間に入りまして御推進を願っているというふうに考えておりますが、これは一日も早くそれが確保できるように、私どもは指示をし期待をいたしておるわけでございます。
○説明員(仲矢鍛君) スラッジの処理につきましては、先ほど環境庁から御答弁がありましたように、焼却炉をつくって焼くというのを原則的な処理方法と考えております。 それで、大企業につきましては自分の工場、先生がおっしゃいました敷地の中で焼却炉をつくるということで準備を進めております。それから中小企業につきましては、敷地がないということ、あるいは規模の点で、あるいは資金的な面で、単独でつくらせるのは無理でございます。先生おっしゃいますように、共同で焼却炉をつくるという方針で、これは実は敷地をどこに獲得できるかという問題もございまして、県のほうの御指導をいただきながら、あそこには約百四十足らずの中小企業がございますが、これがおおむね四ブロックくらいに地区的に分かれまして、それぞれが共同の焼却炉を持つということで、ただいま業界内部でもスラッジ対策委員会というようなプロジェクトチームをつくりまして、具体的な計画を検討いたしております。私どもといたしましても、そういう面での計画の推進をすると同時に資金的にも、振興事業団の資金のあっせん等を通じまして、一日も早くこれが完成するように推進してまいりたいと思っております。
○小平芳平君 政務次官、いまお聞きのような、環境庁、通産省ともに、計画を進めておりますとかプロジェクトチームをつくりますとか言われておりますが、現実、何も進んでないわけです。ですから、せっかく田子の浦の港のヘドロを河川敷へ持っていったところで何にもならないですね、結局あとからまた入ってきますから。その辺、ひとつ政府としての取り組む方針を伺いたい。
○政府委員(小澤太郎君) 方針は、たびたび申し上げておりますように、現在排出しております大企業はもとより、中小企業の排出の規制をしてヘドロを流さないようにするということが一点と、すでに堆積しておる、海の底にたまっておりまするヘドロを取ってのける、これが一つの方針なんでございますが、さて、その方法として、後段で申し上げたヘドロを取ってのけることがなかなか容易ならぬ事業でありまして、御指摘のとおりであります。いろいろやってみても、どれもうまくいってない。こういうことでございまして、実は思案投げ首というようなところでございますが、それで済まされるわけではございませんので、いろいろ手をかえ品をかえやってみたい、こういうような段階でございます。 それから九〇%が八〇%ぐらいまでに水分が減っておるという御指摘でございますが、現実にどの程度いっておりますか、まことに申しわけないですが、私自身つかんでおりませんが、先生がごらんになったのでそのとおりだと思います。せめてもう一〇%も減りまして、七〇%ぐらいになりますと扱いやすくなるのじゃないかと思うのです。これを道路敷に考えるか、あるいは、いま私がほぼ成功しておると思いますのは緑地ですが、こういう構想でもって適当な土地を求めてやるのがいいか、こういう問題もあろうかと思います。いろいろと考えて、こういうことばを使ってはいけませんけれども、これこそ試行錯誤を繰り返さなければならぬじゃないか、その覚悟で、やり遂げようという意思を捨てずにやっていきたいと、こうお答えする以外にないと思うので、まことに申しわけない次第でございます。
○小平芳平君 次に厚生省に伺いますが、医薬品によって健康被害を受けたということは、しばしば新聞にも報道されておりますし、また、わりあい私たちの身近な人にもおります。医薬品によってかえって健康被害を受けた——。きょう私がここで取り上げますのは、コラルジルについてです。このコラルジルの健康被害について、初めに順序としまして、このDH剤というものが日本で許可されて販売するようになった、そのときの経過を御説明いただきたい。
○説明員(豊田勤治君) コラルジルの件につきまして御説明いたします。 最初、鳥居薬品株式会社から輸入申請がございまして、そのときに提出された資料に基づきまして、中央薬事審議会新薬品調査会において審議されまして、昭和三十七年の十二月十七日、提出されました基礎実験データ並びに臨床試験データに基づきまして承認されたものでございます。
○小平芳平君 その薬事審議会は、何人で何日かかってやったのですか。
○説明員(豊田勤治君) 当時の調査会の人数並びに期間、ちょっと資料を持ち合わせてきておりませんので、いまお答えするわけにはまいらないのでございますが、いずれ調べましてからお答えいたしたいと思います。
○小平芳平君 要するに、外国で流通している医薬品は、ほとんどフリーパスで日本で使ったんじゃないですか。
○説明員(豊田勤治君) 当時の考え方といたしましては、外国ですでに使われておるものにつきましては、一応中央薬事審議会の調査会において審議して承認するという形をとっておりました。
○小平芳平君 したがって、急性中毒あるいは慢性中毒というような実験は何もなしに、ただ許可だけ与えたのですか。
○説明員(豊田勤治君) 当時、先ほど御説明いたしましたように、基礎実験資料と申しますのは、先生御指摘の急性毒性あるいは薬理試験等のデータを添えて、審議に付されたものでございます。
○小平芳平君 じゃ、そのときの審議した資料がありますか。その急性毒性並びに慢性毒性についての資料がありますか。
○説明員(豊田勤治君) 当時提出されました基礎実験の中には、先生御指摘の慢性毒性試験については組織されておらなかったわけでございまして、急性毒性の試験並びに臨床試験、これは国立大学病院等の七ヵ所で行なわれたものでございますが、そういう臨床試験から慢性毒性等を判断されて、一応医薬品として承認されていいものであるという判断に立たれまして、承認されたものでございます。
○小平芳平君 急性毒性の資料だけを見てやった。慢性毒性については実験報告だけを聞いた。ところが、これはコラルジルについているパンフレットを見ると書いてありますかといいますと、「忍容性にすぐれ長期連用にも適している」となっている。これはどうです。
○説明員(豊田勤治君) 当時のデータから判断されますには、いま先生がお読みになりました忍容に対する作用、あるいは長期連用等に対する作用等の否定的なデータがなかったわけでございまして、それで、一応コラルジルとしての効能を期待するようなものと考えられておったものと私も思います。
○小平芳平君 国の薬事行政については、私は他の委員会でまた徹底的な審議をしたいと思いますが、きょうは健康被害を中心にしてやりたいと思いますが、第一に、まず最初の段階で、この鳥居薬品の出しているコラルジルの説明書、これは特徴としては「忍容性にすぐれ長期連続投与にも適している」、あるいは「忍容性にすぐれ長期連用にも適している」というふうに書いて配っている。これは間違いなんですね、結局。間違いだ。
○説明員(豊田勤治君) 先ほどお答えいたしましたのは、否定的なデータがなかったというようにお答えしたわけでございまして、そういう意味におきまして、一応その効能を期待し得るような表現を書いておったやに思います。
○小平芳平君 ですから、毒性試験もなしに、長期連用してけっこうです、長期連用に適しておりますという会社のやり方は、うそついたのだということじゃないですか。
○説明員(豊田勤治君) 当時の考え方といたしましては、先ほど来御説明いたしておりますとおり、一応、国立病院等におきます七ヵ所において臨床データを出しておりまして、その臨床データに基づいて毒性等の、副作用等の審議がなされておりまして、当時の副作用といたしましては、目まい、それから嘔吐、胃腸障害等のような、軽度の副作用しか見当たらなかったような報告のもとに審議されたものでございます。
○小平芳平君 そんな、目まいや胃腸障害や嘔吐をしたら、たまらないじゃないですか。そういう薬を飲ませるのですか。
○説明員(豊田勤治君) 目まいとか嘔吐とかいう副作用は、医薬品そのもの全般的にわたりまして、大体そういうふうな軽度の障害というものは医薬品は持っておるのでございまして、特にこういうような心臓関係の病気については非常に作用の強いものが多うございまして、先生も御存じのとおり、ジギタリス等におきましても、これは植物成分でございますけれども、非常にきびしい作用を持っておりまして、やはりそういうふうなきびしい作用を持っている医薬品につきましては、嘔吐とか目まいとか、そういうものは付随的に起こるものが、大体われわれ医薬品と考えておるわけでございます。
○小平芳平君 ですから、それも一回や二回なら、目まいや嘔吐もがまんのしようもあるでしょう。しかし長期連用に適すといわれて、お医者さんから二千錠三千錠というふうに、それこそ二年三年にわたって長期連用したわけです。その結果、たいへんな健康被害が発生したのです。ですから、医薬品なら嘔吐とかそのくらいはあたりまえだなんて言っていたら、たいへんなことになるのですよ。第一、国立病院等の試験によってと言いますが、昭和四十年に北海道の日赤病院の医師から、肝臓障害があるというそういう指摘を受けたという事実は、わかっておりますか。
○説明員(豊田勤治君) このコラルジルの副作用についての阪大の西川先生の報告がありましてから以後でございますけれども、先生の御指摘のような報告を会社から受けております。
○小平芳平君 昭和四十年には、日赤の医師からそういう注意が製薬会社に対してなされた。そしてまた、これは四十年五月十日の「新薬の臨牀」には、このコラルジルは、結果としては心臓薬としてよろしいとなっております、結果としてはですね。けれども、いろいろな副作用の中でも、特にコレステロールの上昇が認められるということですね。心臓の薬を飲んでコレステロールがずっと上昇するというのだったら、かえって逆じゃないですか、治療の。まあ、しろうとだからよくわかりませんけれどもね。
○説明員(豊田勤治君) コラルジルの本来の適応症といたしましては狭心症、それから心筋硬塞症、急性または慢性冠不全という効能を与えておりまして、このものの作用と申しますのは、従来心臓障害におきましていろいろと薬が開発されておったわけでございますが、特にもう昔から使われております、先生御存じのとおりニトログリセリン、それから亜硝酸アミルというような、これは非常に作用の強いものでございますが、やはりこういうような心臓の疾患と申しますものは、急激に来て、そうしてとめなくてはいけないものでございまして、狭心症等でおなくなりになっておる方は相当わが国では多うございますのですが、そういうような作用の薬でございまして、いま先生御指摘のコレステロール等の上昇等の作用につきましては、その点の副作用は私まだ不勉強で十分知っておらないわけでございますけれども、コレステロールの作用というのはいろいろなものにおきましても出てくるものでございまして、その点もう少し、こういうようなコラルジルそのものの副作用についての調査、御指摘の点についての調査というものを十分検討していかなければいけないのじゃないかと思います。
○小平芳平君 いや、いまさら調査しても間に合わないのです。 それから肝臓障害が起きたということは、いつからわかっておりましたか。
○説明員(豊田勤治君) 肝臓障害とコラルジルとの因果関係が、大体明確に御指摘になったのが一昨年の十一月の十日、阪大第二内科の西川教授の連絡によって、われわれ明確になったということを知らされたわけでございます。それまでには、泡沫細胞の変化とかリン質脂肪肝等の発表が、東大の内科の織田先生等によって報告がされておりましたが、それまでの考え方といたしましては、ずばりコラルジルがそういうような肝疾患に影響があるというようなことは、明確ではないような発表でございました。
○小平芳平君 その肝臓障害も、すでにここでは四十年に発表しているんですね。先ほど指摘した四十年五月十日発行の「新薬と臨牀」に出ておりますよ。 そこで、そういう肝臓障害が明らかに現在はなったというわけですが、現在わかっている被害者は、どのくらいおられると思いますか。
○説明員(豊田勤治君) 阪大の西川先生を班長といたします研究班での調査からは、百四十五名の患者が確認されておるようでございます。
○小平芳平君 全国ですか。
○説明員(豊田勤治君) 一応、われわれのほうへ報告していただいた、西川教授を主任研究者とする研究班での実際にキャッチされたもの、全国的なものではないのじゃないかと思いますが、それで、大多数は薬剤投与中止後好転しておる、そして、一、二年後には、その肝障害でございますが、多くの症状が消失しておる、そういうような報告をいただいております。
○小平芳平君 ですから、たいへんな薬を許可したもんですね。とにかく、それを飲んでいると、肝障害をはじめいろんな障害が発生する。それを飲むのやめたら、一、二年でだいぶ回復をするというのですから、とんでもない薬を許可したんじゃないですか。そういうことに対する国の政治責任というものは、どう考えられますか。
○説明員(豊田勤治君) もう先生もよく御存じのとおり、医薬品と申しますのはすべて危険性のあるものだというように、私一般国民にも御説明申し上げて言っているわけでございますが、やはり医薬品と申しますのは、有効性といわゆる危険性とのバランスのもとにおいて承認許可を与えなくちゃいけないと考えておるわけでございますが、このコラルジルにおきましても、たまたま昭和四十一年から副作用モニター制というものを厚生省は実施いたしまして、このコラルジルにおきましてもアドバース・リアクション、つまり予期しない作用ということで、副作用モニター制の報告として西川先生より報告していただいたわけでございまして、実際その許可にあたりまして、昭和四十二年承認許可に関する基本方針というものを出しまして、それ以後の新薬許可にあたりましては、非常に厳重なデータを要求いたしまして、そして現在におきましては、こういうような思わぬ副作用をできるだけ防止しなくちゃいけないというような体制も、一応昨年の八月十日でございますか、製薬課を製薬一課、二課に分けまして、製薬二課におきまして、そういうような新薬開発の場合における、試験段階におけるデータも十分に集め、そしてさらに市販されてから後にも、その副作用モニター制というものによってフォローしていくという体制を整えてまいったわけでございます。そして、できるだけこういうような予期しない副作用を極力防いでいこうという体制を、一応整えてまいっておるわけでございます。
○小平芳平君 しかしながら、現在の薬事行政については私は他の委員会でまたやりますが、こういう薬を許可したら、政治責任はあるのですかと聞いているんです。とにかく、患者は自分の意思で、この薬がいいから、この薬を飲ましてくださいなんていうんじゃないのですよ。医師からコラルジルを飲みなさいと言われて、病気がなおりたい一念で飲んでいるわけでしょう。それを飲んでいて肝臓はじめいろいろな障害が起きる。しかも会社の広告には、長期連用してけっこうだと書いであるけれども、飲んでいると健康障害が起きて、飲むのをやめたら幾らかなおっていく。そんなにすっぱりなおっておりませんですがね。その点についてはあとからまた申し上げますが、そんなものを許可されたら、たまらないじゃないですか。
○説明員(豊田勤治君) このコラルジルの許可に際しましては、当時の学問の水準に従って許可されたと私思うわけですが、先生御指摘の責任の所在につきましては、現在、先生御存じのとおり、この問題について患者さん等からの損害賠償の裁判等が行なわれておりますので、その責任がどうのこうのという点については、非常に私たち答弁に困るわけでございますので、一応裁判が行なわれておりますので、お答えを差し控えさしていただきたいと思います。
○小平芳平君 いや、裁判は裁判として、国が許可をしたその薬が、こうした実験データでも、これこれの障害が起きるということが発表されている。そういう場合に、患者は自分から薬を選ぶことできないのです、くれた薬を飲んでいるのですから。 それでは、少なくとも政治責任の上において、一体どれだけの輸入量があって、どれだけの生産量があって、どの方面に販売されたか。そうして疫学調査を実施して、被害者がどのくらいおられるか、そういうことを究明するのも国の責任でしょう。これはいかがですか。
○説明員(豊田勤治君) 先ほどお答え申しました中にもありましたとおり、昭和四十六年に阪大の西川先生を中心といたします研究班をつくりまして、調査を依頼しておるわけでございますが、それに対しまして、医療研究助成金といたしまして四十六年度は百五十万、研究費として出しておるわけでございまして、その研究調査項目につきましては、先生御指摘の疫学調査等も入っておるわけでございます。 生産高等につきましては、昭和三十八年二月より昭和四十五年十月までの間に輸入、消費されましたDH剤は八千七百二十六キログラムでございまして、これらは錠剤とかあるいは注射薬とかに製剤されまして、そして販売会社を通じ販売されておったわけでございます。
○小平芳平君 それを、県別に資料として出してください。販売された県別に。
○説明員(豊田勤治君) いま先生御指摘の、県別の販売数量というのはちょっと……。生産動態調査によって、全体的な生産高とかそういうものはわかりますけれども、その販売の先でどのくらい各県別に売られているのかという調査は、ちょっと困難かと存じますのですが。
○小平芳平君 それは困難でしょうけれども、それがわからなければ疫学調査にならないんじゃないですか。ただ病院で待っていて、申し出た患者さんを区分けしているだけじゃ、疫学調査にならないんじゃないですか。
○説明員(豊田勤治君) 一応、先ほど私御説明を漏らしたのですけれども、ことしも研究班に対しまして続けて医療研究助成金を出しまして、大体同額くらい出したいと思っておりますが、それによってDH剤の総合的な研究調査をやっていただくことになっております。
○小平芳平君 それが、関係ある大学の一内科となりますと、ほんの数万円になってしまうですね。その程度の調査しかできないですか。
○説明員(豊田勤治君) 現在、先生御指摘のように数万円というわけではございませんで、研究班にも参加していただいております病院は、もちろん阪大の西川先生を中心といたしております関係上、阪大、それから東京医科歯科大学、それから東京大学、新潟大学、金沢大学、奈良県立医科大学、千葉大学、信州大学の附属病院、これらが研究班として参画していただいております。
○小平芳平君 そうすると、二十万円くらいですか、すっぱり平等に分けても。
○説明員(豊田勤治君) はい。
○小平芳平君 ですから、私は、国が許可した薬品によって現にそうした被害者が発生しているのですから、もっと国が責任をもって取り組むべきだ。これは法律上の争いは裁判の上で争われるのが当然でしょうけれども、このまま置けば、やみからやみへ葬られるんです。ですから、もっと徹底した調査を私は要請しているわけです。 それから、こういう点は厚生省わかっておりますか、その肝硬変でなくなられた方の肝臓からDH剤が検出されたということは。
○説明員(豊田勤治君) 先生御指摘のように、DH剤を服用した患者からDH剤が検出されたという研究発表は、われわれも聞いております。
○小平芳平君 ですから、ますますおそろしい薬じゃないですか。政務次官も委員の皆さんも聞いていただきたいんですがね。心臓の薬だといってもらったわけです。先ほど来説明しているように、患者が自分で買ってきたのじゃないんです。それが何と、肝臓へたまった。この肝臓からどのくらい検出されましたか、DH剤が。
○説明員(豊田勤治君) 東京大学の薬学部分析化学並びに東京大学病理学の発表の中のものでございますが、投薬中止後一年以上経過した患者の肝臓中に、DH剤が分解されず蓄積し、また、肝重量一キログラムとすると二・一グラム、全投与量の五%が蓄積していることを示しているということが報告されております。
○小平芳平君 ですから、これはまるでPCBなんかと同じように、有機水銀なんかと同じように、からだの中へたまっているわけです。そういうわけでしょう。いまの、投薬中止後一年たってから、肝硬変でなくなった人から五%検出されたということはね。したがいまして、少なくともコラルジルを使った肝硬変でなくなった方、あるいは肝臓障害、ほかにどういう病気があってなくなられたか私よくわかりませんですけれども、そうした方の肝臓はなるべく保存して、分析をして原因を明らかにすべきだということが第一点。 第二点としては、少なくともカルテは当分保管すべきだ。法律上は五年とかいいますけれども、カルテは当分保管して原因究明をすべきだ。これこそ私は政治の責任であり、お医者さんの責任だと思うんですが、いかがですか。
○説明員(豊田勤治君) 先生御指摘の、DH剤によりまして肝硬変で死亡した患者の肝臓の検査でございますけれども、これにつきましては、研究班では実際自分たちのところでそういうようなことをやっているように聞いておるわけでございますが、この死体解剖等につきましては、私個人の考え方から申しますと、遺族等の了承をとらなくちゃいけませんので、そういう点で非常に困難な問題が起こってくるのじゃないかと思いますので、先生御指摘のようなことが日本全国全体的に、国民全体がそういうようなことの協力を得られれば実施可能かと存じますけれども、現在のような場合には、なかなか全面的な検査というものは、わが国においては私は不可能じゃないかと思うわけでございます。
○小平芳平君 カルテの問題……。
○説明員(新谷鉄郎君) カルテの保存につきましては、先生御指摘のように、医師法上五年間の保存義務があるわけでございますけれども、これはいわば法律上の最低限の期間を義務づけておるわけでございまして、今日、国立病院でもまたその他の大病院でも、カルテの永久保存ということはほとんど常識になっているわけでございます。したがいまして本件につきまして、あらかじめわかっているようなケースにつきまして、五年間を過ぎましたあとも、これを保存しておくような必要がある場合には保存されておるのが今日の常識でございますけれども、もし念のために指示をする必要があるとすれば、その点につきましては、本件を調査究明をすべき立場におられます部局から念のために指示をされるべき問題だと思います。
○小平芳平君 こちらの局から……。
○説明員(豊田勤治君) 医務局……。
○小平芳平君 医務局ですか……。 いまの第一の点は、とにかく因果関係が争われるわけでしょう。したがって、このコラルジルの健康被害というものを究明することが必要になってくるでしょう。したがって第一点としては、そうしたコラルジルを飲まれたような方の肝臓を分析したら、これこれのDH剤が検出されたという報告があるわけですから、今後とも続けてほしいと言っているわけでしょう。日本全国の、なくなった人全部を集めて分析しろ、解剖しろなんて言っているのじゃないんですよ。そういう因果関係を究明するのが国の責任でしょうと言っているのです。 それからもう一つは、カルテは当分保管すべきだということは、このコラルジルを問題にする局でそういうことを要請すべきだということですか。
○説明員(豊田勤治君) 先生御指摘の、実際DH剤によっての死亡例の、すべての肝障害死とDH剤との因果関係でございますけれども、この点につきましては、なお検討を要する問題じゃないか、私ども検討さしていただきたいと思います。
○小平芳平君 いまの二点、もっとはっきり言ってください。
○説明員(豊田勤治君) 今後なお検討を要するものでございますので、検討さしていただきたいと思います。
○小平芳平君 そこで、このこうしたDH剤を使っている国は、許可している国はどこどこがあるか。特に、日本で輸入したイタリアでは、日本のような長期投与をしているのかどうか。それからイタリアでは、健康障害、特に肝臓障害が発生した報告があるかどうか。この三点について。
○説明員(豊田勤治君) DH剤を許可しておる国は、日本のほかイタリア、西ドイツ、スペイン等がございまして、そしてイタリアで開発された薬でございますが、イタリアでの被害発生については、現在までのところ報告はいただいておりません。 服用期間につきましては、イタリアにおける状態については、われわれのほうではつまびらかではございません。ただイタリアにおきましては、わが国におきまして製造販売を中止した以後、いわゆる能書、能書きでございますが、能書に休薬期間を設けて投与するよう記載した旨、われわれは聞いておるわけでございます。 そのほかの国におきましては、スペインにおきましては、わが国で問題になりましてからは、発売を中止した模様でございます。西ドイツでございますが、わが国におきましてDH剤が問題になります以前から、販売を中止しておるやに聞いておりまして、その理由は副作用からではなくて、商売上の理由から販売していないというように聞いております。以上でございます。
○小平芳平君 もう少しその点詳しく調べて、ひとつ資料としていただきたいのです。 それで、これは小澤政務次官、別に直接関係あるお仕事じゃないのですけれども、きょうは政府の代表としまして、もう少し医薬品に対する扱い方を考えていただかないと、非常に国民は命の危険にさらされているという結果になりますから。感じられたことをひとつ……。
○政府委員(小澤太郎君) 薬の害、特に新薬につきまして、いま先生御指摘のようなことが過去においてもたくさんございます。まさにお説のとおり、国民の命に関する問題でございますから、新薬に対する研究と申しますか、薬害のないということの確認をもっと政府が責任を持ってやらなければならぬと、こう思います。つくづくそう感じます。
○小平芳平君 とともに、これは公害の無過失賠償とも関係があるかどうかですね、要するに、公害を論議しているときにこうした薬品の被害や食品の被害を言いましても、それは別問題だということにいつもわれわれは言われるわけですが、けれども、こうした明らかに薬品による被害だということが起こった場合、私は引き続いてお聞きしますが、結核の治療薬ストマイによっていろいろな被害を受けているわけです。被害といっても、ストマイの場合は難聴——難聴どころかつんぼになってしまう。そうした被害の救済というものは、政府としてはどう考えられますか。
○政府委員(小澤太郎君) どうも政府代表で総理大臣じゃないものですから、申し上げることがなかなかむずかしいのですが、いまこれは法制上の私は一つの欠陥だと思っているのは、公害というものを一応公害基本法によって限定いたしております。したがいまして政府の扱いとしましては、いま御指摘の薬害というものを公害に入れておらないために、それは環境庁の仕事でないという答弁をいたしておるわけでございますが、私はこの公害という考え方を、これは立法上、いろいろ将来の問題もあると思いますけれども、限定的に考えずに、いろいろな理由によって国民一般が健康上の被害を受け、あるいは財産上の被害を受けるような問題は、やはり限定せずに一応公害というような、公害ということばがいいかどうかわかりません、あるいはポリューションと言っていいですかな、そういうことでもって総括して政府が責任を持つというような体制、国民もそれに協力するというような体制、これが必要じゃないかと、つくづくいま考えておるわけです。環境庁に参りまして、公害対策基本法を読んで、はたしてこれでもって日本人の健康が侵されずに将来考えられるかということについて、私も疑念を持っております。 それから、ついででございますから、総理大臣じゃございませんけれども、公害という形でとらえずにもっと広く、いまストックホルムでやっておりますように、環境保全とか人間環境保全というような考え方で一切をとらえて、そこから脈絡を立てて行政なり政治なりが行なわれる、こういうことにもう転換しなければいけないのじゃないか。行政、政治、財政、経済、すべてそうだと思うのです。そういうような構想を私自身はいま持っておるわけでございますが、この程度で御了承いただきたいと思います。
○小平芳平君 たいへん高邁な御意見を承りまして、ひとつ厚生省、よく聞いておいていただきたい。厚生省は食品については、そういう被害に対する新たな検討を始めるということを答弁しておられたのですが、ひとつこうした医薬品についても検討していただきたいと思うのです。いまの政務次官の御意見もよく聞いて、ひとつ省内で相談していただきたいと思うのです。 このストマイによる被害者の方も、結核をなおすという点については、結核がなおった、あるいは死亡率が減ったという点については、どうこう言っているわけじゃないのですが、いかにせん、いままで生まれて以来の耳が聞こえないとか、あるいは非常に神経障害も起きるんですね。そういう神経障害とかあるいはストマイつんぼとか、そういうことになったことに対する非常な悲しみがあるわけです。ですから順序としまして、厚生省では、いつから使い始め、そして、現在結核が減ったという効果はよくわかっておりますが、どのくらいの、そういう悲しみを訴えている被害者が全国にいらっしゃると思いますか。
○説明員(林弘君) 終戦後でございますが、いつから始めたかという的確な時期につきましては、ただいま資料を持ち合わせてございません。 それから、この薬による聴力障害の者の数でございますが、これはいろいろ断片的な報告があるわけでございますけれども、これは臨床家などから出されておりまして、そして全国で的確にどのくらいあるかというふうな数字は、目下のところ掌握されておらない状態でございます。
○小平芳平君 初めからこの薬にはそういう副作用があるということを、国はわかっていたわけでしょう。それはどうです。
○説明員(林弘君) ストマイにつきましては、そういうふうな副作用があるということはわかっておりました。
○小平芳平君 したがって、いつ、どのような注意が必要だということを出しましたか。
○説明員(豊田勤治君) ストレプトマイシンに関します使用上の注意といたしまして、先生御指摘の難聴に関する注意事項については、つけさせておったように思います。
○小平芳平君 きょう、いきなり私はここで言っているのじゃなくて、もうあらかじめ言ってあるでしょう。しかも何日も前に、わざわざ委員会もきまらないうちに私は言ってあるでしょう。もう少しはっきり調べておいてくれないと困るじゃないですか。 結局、現在の被害者がほとんど同じように訴えられることは、ストマイの注射を打ち始めたとたんに、耳鳴りがする、頭が変だ、おかしいというふうにお医者さんに訴えているのですが、かまわずそのままストマイを使ったために悪くなる一方で、結果こうなったと、こういうふうにおっしゃっていることは御存じですか。それに対する責任をどう思われます。
○説明員(豊田勤治君) ストレプトマイシン等についての難聴の問題につきましては、先生御指摘のとおり、臨床に用いた時点におきまして、第八脳神経障害ということで耳鳴りとか目まいとか、それから難聴の障害が起こってくるわけでございまして、そういうものの起こらないように特に使用上の注意といたしまして、常にそういう難聴等の検査を、発見し得るような治療を別にやりながら、ストマイに関する治療を行ないなさいというような注意事項を書かしてございまして、やはり、そういうような感覚障害というのはなかなかつかみにくい障害でございまして、事実私たちのほうでも、現在動物実験等におきまして、難聴あるいは目の障害とか耳の障害を検査するメソッドをどのような形でつくるべきかということを研究課題といたしまして、検討させていただいておるわけでございます。その感覚障害を治療上つかみ得るのは非常にむずかしいように伺っておりますので、特にストマイ等による治療を行なっておる最中には、十分注意しなくちゃいけないというように私たち聞いております。
○小平芳平君 そういうことを聞いているのではなくて、これだけのものが、全部これはストマイの方の資料ですよ。これをひとつ読んでみてください、あなた。一様に言えることは、途中で、むしろもうストマイを使われる前に、この子の兄さんがストマイでこういうことになったから、この子には使わないでくださいと言ったのに使っちゃったとか、それから、そういう御本人が、いきなりぽんと耳がつんぼになるのじゃなくて、いろいろな神経障害を訴えているのに、かまわず使ってこうなったとか、そういうふうに訴えているわけでしょう、現実に。それに対する責任はどうですかと言っているのです。
○説明員(豊田勤治君) 先ほども申しましたように、薬自体の本質から考えまして、有効性とやはり危険性のバランスによって判断しなくちゃいけないのでございまして、やはり結核薬としてストマイというものは非常に貴重なものでございますので、十分注意してその使用をしていただくほかはないと考えます。
○小平芳平君 ですから、十分注意をしているのか、してないのかと聞いているのですよ。十分注意しなかったら、だれの責任だと聞いているのです。
○説明員(豊田勤治君) もうすでに各お医者さん方は、このストマイによる障害というものを十分御存じでございまして、十分注意して使用していただいておるように聞いております。
○小平芳平君 では、十分注意しているから、そういうストマイつんぼはいま起きてないというのですか。あるいは、今後ともストマイによる被害は起きないというのですか。
○説明員(林弘君) この問題につきましては、特に三十八年から結核の治療指針、それから結核医療の基準などによりまして、十分その注意を徹底してまいっておるわけでございます。
○小平芳平君 三十八年から十分注意している、じゃあ、三十八年以後に起きた被害者は、だれの責任ですか。
○説明員(林弘君) 国といたしましては、先ほども申し上げましたように十分指導をいたしておりますので、個々の医療上の問題につきましては、いわゆる医原性と申しますか、そういうふうなことも考え得るのじゃなかろうか、こういうふうに存じます。
○小平芳平君 なに性、医原性——。何ですか、それは。
○説明員(林弘君) 医原性でございます。医療そのものが原因になって起こる、何といいますか……。
○小平芳平君 それはそうですよ、ストマイつんぼというのは。 それでは、また別の委員会であらためて問題提起をいたします。よく今度は局長にも大臣にも言っておいてください。もう少し調べてきてくれないとだめですよ、今度は。 それから最後に、先ほどはコラルジルについての責任を政務次官がお答えくださったのですが、今度は厚生省に私は最後に尋ねておきたいことは、こうした医原性ですか、医原性による被害をどう救済するかということです。全く治療の方法がないのかどうか。なければ、どう研究を進めていくか。あるいは現実に非常な苦しみを訴えていらっしゃる、もう時間の関係で一々申し上げられませんけれども、非常な苦しみを訴えていらっしゃるこうした被害者に対し、それは個々の医師の失敗かもしれないです。けれども、国は政治の上で何らかの救済を考えるべきじゃないか。医療による被害だということが、これこそもうはっきりしているんですから、原因が。そうした数多くの被害者の人数すらわからないというのが、現在の厚生省でしょう。そういうことじゃいけないです。食品に対してはずいぶん進んだ方針を別の委員で答弁しておりますから、私は、こうした医療に対する被害についても新しい観点から取り組んでほしいと、このように思います。いかがですか。
○説明員(豊田勤治君) 先生の御指摘の救済につきましては、たいへんむずかしい問題でございますので、十分今後検討さしていただきたいと思います。 特に医薬によります副作用による障害に対する治療方法とか、そういう問題に対しましては、われわれ自体いろんな方面で協力を得て十分研究を進めていくべきであり、現在研究を進めておる分野もございますが、非常に医薬品障害を受けた者に対する治療方法等がまだ確立されておらないものもございますので、そういう面での研究体制というものをつくってまいりたいと思います。
○小平芳平君 救済は。
○説明員(豊田勤治君) 救済のほうは、たいへんむずかしい問題でございますので、検討させていただきたいと思います。
○内田善利君 私は初めに、もう一度PCB汚染問題を取り上げたいと思うのです。 その中で母乳、それと牛乳、こういった私たちの健康に直接関係のある問題が一番いま国民が心配している点じゃないかと、このように思うわけですが、厚生省の見解では、母乳は〇・七PPMでもだいじょうぶだという見解のようでありますが、最初にお聞きしたいのは、人体に入ったPCBが一番蓄積され、そして排出されるところは、胎児——胎児はまあ出産してくるわけですが、胎児と母乳だと、このように聞いております。母乳と胎児にPCBは出てくると。そうしますと、カネミの油症患者の場合も胎児性油症患者が相当数おったわけですが、生まれたときは健康であった乳幼児が、たまたまおかあさんがカネミライスオイルを飲んで、そしてそのために、母乳から攝取した乳幼児が患者になっておる。経母乳油症児ということばを使うのだそうですが、経母乳油症児がいまどれくらいおるのか。元気な乳幼児が、汚染された母乳を飲んだがために経母乳油症患者になった、こういう悲しい事実があるわけですけれども、何人ぐらい掌握されておるか、まずお聞きしたいと思います。
○政府委員(松下廉蔵君) ただいま先生御指摘の、カネミ油症患者の婦人から胎内でPCBに汚染されたといいますか、その被害を受けたいわゆる胎児性の油症患者の出生につきましては、私ども承知しておりまする限りでは、約十例が報告されておるというふうに聞いております。 それから、カネミ油症患者のおかあさんから、その前に生まれておって、出生時期においては油症の症状のなかった赤ちゃんが、母乳の中のPCBによって発症したのではないかと思われる症例は二例。これは新聞で報道されまして、私どもも県を通じて調査をいたしまして、あるいはその疑いがあるのではないか、まだ確認するに至っておりませんけれども、そういう報告を受けておるものが現在二例ございます。
○内田善利君 なぜこういうことをお聞きするかといいますと、〇・七PPMの母乳がだいじょうぶだと。じゃ、そういう母乳を飲んだ子供には害はないかどうかということが心配なのでお聞きするわけです。 私の調査では、カネミライスオイルが販売になったのが四十三年の二月ですね。そして五島の玉之浦を例にあげますと、四十三年三月ごろから夏へかけて油がやってきた。私が調査した面では、HNという乳児は四十二年の七月三十日に生まれている。HHという乳児は四十二年の九月二十日、健康にして生まれたわけです。それからYYという乳児は四十二年の十一月十八日、YHという乳児が四十二年の九月十日に生まれているわけですが、みんな胎児性の油症患者と同じような症状が出ている。このうちのHNとHHという乳児は、認定を受けております。さらにHWという乳児が四十三年の九月十日に生まれておりますが、これは認定を受けております。それからそのあとになりますけれども、四十五年の六月に生まれたTSという乳児も認定を受けておる。こういったことから、非常に健康な子供として生まれたけれども、母親の母乳にPCBがあったばかりに、黒い斑点のできた、目やにが出る、そういう胎児性油症患者と同じような症状になったと、こういう例なんですね。 こういうことから、まず私は、認定基準に基づいて認定されると思いますけれども、早く同じような症状のあるこういった方々を認定していただきたいということと、このときに母乳の分析をなさったかどうか、そのときの母乳はPCBが幾PPMあったのか、この点お聞きしたいと思います。
○政府委員(松下廉蔵君) 御指摘のように、私どももそのときにその時点で母乳の調査をいたしておりましたならば、御心配いただきましたような現在及び今後の対策として非常にいい資料ではないかというふうに考えまして照会したのでございますが、残念ながらその時点におきましては、母乳の検査方法も十分でなかった点もあろうかと存じますけれども、母乳の検査は、いままで聞きました限りではいたしてないようでございまして、データを持ち合わせておりません。
○内田善利君 私は、黒い赤ちゃんが生まれたわけですから、母親の母乳の調査、分析、そういうことは当然厚生省としてもやるべきではなかったかと思うのですね。もしそのときにやっておれば、今日のような問題は起こっていなかったのじゃないかと、このように判断するわけです。したがいまして、アメリカでは母乳の安全基準が〇・二PPM、ところが大阪、京都あるいは福岡、東京都、富山、愛知というふうに次々に母乳のPCBが検出されておりますが、一番高かった〇・七PPM、あるいは京都の〇・四ですから、そういう〇・二PPMのアメリカの安全基準すらオーバーするような母乳が出ているにもかかわらず、安全だと言えないのじゃないか。もうそのときに調査してあって、胎児との関係、あるいはまた健康で生まれた乳児が、経母乳油症患者ですか、母乳とのどういう関係で発病したのか、その辺の検討、研究がなされておれば、今日のような状態は起こらなかったのじゃないかと、このように思うわけですがね。まことに残念に思うし、私は厚生省として大失敗であったと、そのように思うわけです。行政上の怠慢ではなかったかと、このように思うわけですが、この点はいかがでしょう。
○政府委員(松下廉蔵君) 御指摘のとおり、私どもといたしましても、PCBの発症例といたしましてはカネミ油症という前例のないケースがあったわけでございまして、現在こういうようなPCB汚染が非常に問題になってまいりました段階では、その時点におきますデータが一つの手がかりになるという意味を持っておるわけでございます。そういう意味で、特に乳児の問題でございますので、その時点においてもっと母乳等の調査をしておくべきであったいうことは、私どもいま考える次第でございまして、御指摘の点は私どもとしても反省しなければならないと思いますが、弁解するようでございますが、百万分の一という、しかも母乳の中の検査は非常に技術的に困難な点がございまして、現在行なっております食品、母乳、牛乳等の検査につきましても、暫定的な検査方法をきめまして至急に行なっておるというような状況でございまして、当時におきましては相当技術的な困難もあったのかとも存じます。いずれにいたしましても、今後はこういう問題が起こりました際には、先生御意見のとおり早急に手を打ちまして、自後の対策に資することができるような体制を整えてまいりたいと考えております。
○内田善利君 もう一回、念を押して聞きますけれども、〇・七PPMが安全であるという基準は何でしょう。
○政府委員(松下廉蔵君) ただいま御指摘のございました、大阪で十五例の検査をいたしましたうちの、一番高かった数値が〇・七PPM、一番低かったのが〇・一、平均値が〇・三という数値が出ております。先ほどおあげになりましたアメリカのFDAの牛乳の基準が、〇・二PPM、それに比べて〇・七というのはかなり高い数値でございまして、特にカネミの発症の例等から考えますと、子供の場合には体重が少ないわけでございますから、〇、七の母乳を毎日飲んでおると相当の量が蓄積されるのじゃないかという御意見も確かにあるわけでございます。 ただ、一つは〇・七あるいは〇・一という大阪における事例におきましては、その後一ヵ月半くらいたちまして、その同じ婦人につきまして追跡調査をいたしております。その結果、全体といたしましては約三分の一の数値に下がっておりまして、第一回のときの平均値が〇・三、それに対して二回目の平均値が〇・〇八と、大体一オーダー下がっておるという状況でございまして、一人だけ〇・二四という方がありましたけれども、大部分の婦人につきましては〇・〇幾らというオーダーに下がっておる。これは例数は少ないわけでございますが、学者の意見から申しましても、先ほど先生御指摘のように、母乳の汚染は、その婦人の体内で食品と一緒に摂取されましたPCBが、脂肪系に伝わって脂肪に蓄積されるという性質がございます関係で、脂肪を相当に含んでいる母乳に非常に影響してくるという要素があるわけでございます。そういう要素があるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、食生活等の実態から、非常に変動している数値である。 したがって、高い数値がたまたま調査の段階で出ましても、その高い数値がずっと継続するということは通常ないであろうという問題が一つと、それからカネミ油症の場合は、これは油の中のPCBの含有量が二〇〇〇PPMから三〇〇〇PPMという格段の大きな汚染でございまして、そういったものをストレートに摂取したということで、この中毒は大部分が急性中毒、あるいは少なくとも亜急性の相当激しい中毒という性格を持っておりますが、これに対しまして、母乳等によります微量のPCBが体内に蓄積されるという場合の中毒症状は、もちろん慢性中毒ということで、他の毒性物質の例にも見られますように、急性中毒と慢性中毒の場合とはかなり態様が異なっておる。人体の毒物に対する反応から申しまして、相当肝臓等の防衛機能が働く、あるいは微量ずつ便などにまじって排出されるというような要素もかなり考えられるわけでございます。 また大阪の検査におきましても、二回目の検査におきまして、同時に、前回の調査の対象になりましたおかあさん、それから赤ちゃん、両方の精密健康診断をいたしております。その結果によりましても、母子ともに何ら異常は見られていないという結果が出ておるわけでございます。また乳児に対します母乳の効果というような点を専門家の意見を徴しましても、非常に子供の健康には母乳は欠くことのできない大事なものであるというような要素もございまして、そういったいろいろな資料を勘案いたしました上で、中央児童福祉審議会の母子保健対策特別部会を中心といたしまして、それにさらにPCBの専門家等も加えました委員会を二回開きまして、慎重に御意見を伺いました結果、やはりこの程度の母乳の汚染に対して、乳児に対する母乳というものの性格からして、これによって授乳をやめるということは適当でないし、またこれを継続授乳しましても、いま申しましたような相等の数値の変動がある、あるいは体内の防衛機能等から考えまして、心配はないであろうという御判断をいただきまして、そのように指導している次第でございます。
○内田善利君 まあ、わからぬではありませんけれども、母乳はBHCによっても汚染されているわけですね。特に、農薬を禁止してから牛乳等はぐっと減った。しかし母乳のほうはむしろ増加しておるということは、やはり蓄積ということが考えられるわけですね。蓄積による母乳のBHCの増加。牛乳等は減っておるにもかかわらず、母乳はふえている。人体に蓄積している。そういうBHCの蓄積、またこういったPCBの蓄積、そういった相乗作用、こういうものも私は考えなきゃならないのじゃないかと、このように思うわけです。この点はいかがですか。
○政府委員(松下廉蔵君) 御指摘のように、PCB、BHC、いずれも塩素系の、人体で申しますと異物、毒性異物とでも申したほうがいいかもしれませんが、いままでBHC、あるいはDDT等の農薬によります飼料の汚染、それから牛乳、牛肉が汚染して、母体に入って母乳が汚染したというケースが、御指摘のように相当問題になったわけでございまして、私どもといたしましてもこれは非常に心配なケースでございますので、昨年来、母乳のBHC、DDT等の有機塩素系農薬による汚染につきましては、追跡調査をいたしております。 その結果では、確かに先生がいまおっしゃいましたように、これを飼料に使うことが禁止されましたために牛乳には急激に減ってきておりますが、それに比べまして減り方は少ないのでございますけれども、やはり昨年に行ないました調査と、それから昨年の十一月からことしの二月までに行ないました調査とを比較いたしますと、DDT、BHCとも、やはり全国的に減ってきております。平均値が減っておるだけでなくて、特に高い数値を示します母乳がずっと減ってきております。全体的に低いほうへかたまってきておる。それから、検出物はなおかなり残ってはおりますけれども、全部が汚染されておるという状態ではないということで、一応の改善の状況は見られるわけでございます。 ただ、確かに同じ塩素系の毒物でございますので、複合汚染によります相乗作用というようなことも心配しなければならない点はあるわけでございますので、今年度私どもといたしましても障害児対策の研究費の中で、この農薬汚染等によります乳児の健康診査、そういうおそれのある乳児につきまして精密な健康診査をいたしまして、少しでも異常があればその治療を、対策等を講じていくということも予算的に計上いたしておりますし、またPCBによります母乳の汚染につきましても、継続いたしまして、これは環境庁等とも十分御相談をいたしまして、統一された方法によりましてさらに母乳の調査を続けまして、両方の面からそういう複合的な問題につきましても、障害が生じないような追跡の対策を続けていくと、そういうふうに考えております。
○内田善利君 先ほどの答弁で、大阪は最高〇・七PPM、最低〇・一、平均〇・三であったのが、一ヵ月後には最高が〇・二四、最低が〇・三平均が〇・〇八ということになったということです。このような変動もありますし、どういう理由でこうなったのか、私よくわかりませんが、東京都でもおとといですか、母乳のPCB汚染が発表になっておりますし、先ほども申しましたように各県がばらばらでやっているわけですから、だから、この際一番心配しているのは母乳だと思う。それと牛乳あるいは魚ですね、こういったものについて全国一斉に、国の力で私は調査をすべきだ、こういうときこそ国の力で国費を使って一斉調査をすべきじゃないかと、このように思いますが、この点いかがです。
○政府委員(松下廉蔵君) 御指摘のとおりでございまして、その点私どももいままで、これは急に起こった問題と申し上げますと、カネミの例等がございましてたいへん手おくれであったというおしかりを受けるわけでございますけれども、実は母乳汚染がこのように進むということは最近承知いたしましたわけで、とりあえず各県にそれぞれ可能な限りの協力を得まして、いま十県あまりのところで検査をしてもらったわけでございますけれども、もちろんこれは追跡して、しかも各地区におきましてもどのようなばらつきがあるか、大阪が特に高かった、あるいはそれに次いで京都が高いというようなデータもあるわけでございまして、ほかの地区でも懸念がないことはないわけでございます。その意味で、五月の初めに全国の主管課長会議を開きまして、この母乳汚染対策につきまして十分に打ち合わせをいたし、同時に、その時点で各地方衛生研究の担当の医師も集まってもらいまして、専門家からこの分析方法についての指導をいたしております。で、大体調査の方式等をきめまして、できるだけ早く各県においてこの調査ができますように、経費面につきましても国でもできるだけの手当てをいたしたい。各県で非常にこの点心配をいたしておりますので、国と地方公共団体とが共同いたしまして、全国的な調査ができるように現在準備を進めておる段階でございます。
○内田善利君 環境庁、いかがですか、全国一斉に、国費を使って母乳の問題の一斉調査を、分析データはいまのような状態でございますし、私はこういうときこそやるべきじゃないかと、このように思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(小澤太郎君) PCBにつきましては、これまたたびたび申し上げたように、官房長官の指示、総理の指示がありまして、PCBに対する関係省庁の連絡協議会をつくりまして、環境庁がただいま中心になってやっておりますが、この中でまず私ども考えますのは、PCBの分析の方法なり測定の方法、こういうものを統一すると申しますか、これがばらばらになっておりますと、先ほどからお聞きのように、〇・七あったのがあとでは〇・三になってみたり、こういうことになりますので、まずそういう分析の方法なり測定の方法の統一といいますか、研究、これが必要だと思っておりますし、あるいは人体への影響、こういう問題、先ほどから御指摘の母乳に対する影響というようなこと、こういうことを総合的にいろいろ検討いたしておるわけでございまして、全国一斉に全部の母乳を調査するということも、これまた事実上非常にむずかしい問題だと思いますが、その辺のところは実は厚生省に担当していただきまして、できる限りの調査を進めていきたいと、こういうことをいたしておるような次第でございまして、赤ちゃんをかかえていらっしゃるおかあさんを全部調査するということもなかなかむずかしいかと思います。理想としてはそうかと思います。が、そのことはやはり専門家がいろいろ判定した上で、適当な検査をして、それが普遍的な結論を得られるというようなことで、これは地方自治体と共同してやるということになっておる、ただいま厚生省側からお答え申されたような方向でいくということを、環境庁も考えておる次第でございます。
○内田善利君 厚生省にお聞きしますけれども、大体どれぐらいの予算で、大体いつごろまでにそういう調査をされる予定ですか。いま政務次官から言われたように、分析技術のほうが統一されていないということですから、なおさらよけいに統一した分析機関で統一した方法で私は分析すべきじゃないかと、そのように思うわけですね。きょうは、母乳のPCBによる汚染と、特に乳幼児に与える影響ということが一番心配なので質問したわけですが、この点はいかがでしょう。
○政府委員(松下廉蔵君) 経費につきましては、これは現在各関係省庁とも御相談をいたしておりまして、また各地区でも非常に不安を持たれておる、また熱心に協力をしていただいておりますので、現在のところ、まだ幾らと額を申し上げる段階に至っておりませんが、できるだけ協力を得ながら、国といたしましても十分な措置ができるように手当をいたしたいと考えております。 それから調査の時点につきましては、可及的すみやかにということで、できれば六月中ぐらいにやりたかったのでございますけれども、少し各県の準備等の都合もございまして、なるべく早く結論を出すようにいたしたいと思っております。 それから検査の方法につきましては、いま政務次官から申し上げましたように、なお統一的なこれで確実という基準が確立しておるわけでは必ずしもございませんけれども、非常に技術的にむずかしい問題だと聞いておりますが、同時にやはりこういう事態でございますので、一応暫定的に、とにかく全国統一的な調査ができるような程度の考え方は整理いたしておりまして、その方向に基づいて、先ほど申し上げましたように、地方衛生研究所の担当の技師を指導いたしておりまして、そういった方法によって、とにかく統一的な数値が出るような調査をいたしたい、そういう考えでございます。
○内田善利君 それからもう一つ念を押しておきたいことは、一番最初に申し上げましたように、経母乳油症児として考えられている、認定された子供たちと全く同じような症状が出ている、こういう悲惨な患者がおるわけですが、こういう人たちの認定は、認定基準に合ってないのかどうか、この人たちが調査を受けてないのかどうかよくわかりませんが、こういったかわいそうな人たちも積極的に認定していただくようにお願いしたいと思いますが、この点はいかがですか。
○政府委員(松下廉蔵君) その点はカネミ油症問題全体といたしまして、一応環境衛生局の所管になっておりますので、私どもも、ただ御指摘のように子供の問題でございますので、ただいまお話しの点十分含みまして、担当の局ともよく相談させていただきたいと思います。
○内田善利君 最後に、牛乳の中にPCBが東京で出ておるわけですが、これについて、やはり母乳同様、牛乳は日本人常用の栄養的な補給源でありますが、日本人が愛好する私は栄養源だと思うんですが、これも相当量出ておりますし、これも乳幼児等が飲む機会が多いと思いますけれども、こういった牛乳の点検ですね、それと、先ほど申しましたようにBHCとの複合といいますか、相乗作用といいますか、そういったこともチェックすべきであると思いますが、この点どうでしょうか。
○説明員(神林三男君) 私、牛乳の、いま先生御指摘になりました調査の問題についてお答え申し上げますが、すでに昭和四十六年度の科学技術庁の特別研究調整費をもちまして、五機関すなわち九州大学、それから愛媛大学、国立衛生試験所、それから高知衛生研究所、それから京都市の衛生研究所に委託しまして、牛乳あるいは食肉類等の食品中に含まれますところのPCBの実態調査をいま行なっておりまして、近くその結果がとりあえず出てまいると私たちも予想しておりますが、なお本年も引き続きまして、これは各都道府県において牛乳等の食品中のPCBの検査を行なってもらう予定でおります。それから魚介類につきまして、四十六年はこれは水産庁のほうで現在実施中でございますが、これもおそらく近く結果が出るだろうというふうに考えております。
○内田善利君 母乳のPCBの汚染の状況は、アメリカの〇・二以上のものが出ておりますし、私はたいへんな段階にきているのじゃないかと、このように判断するわけですが、そのような認識の上に立って、全国の母親に、厚生省として、また環境庁として、どのように注意し指導を行なっていかれるか、この点ちょっとお聞きしたいと思うのですけれども。
○政府委員(松下廉蔵君) 確かに全国のおかあさん方が、母乳のPCB汚染が発表された段階で非常に動揺し心配しておられることは、私もたびたび訴えを受けて、また地方からもよく聞いておることでございますけれども、先ほどお答え申し上げましたように、一方で母乳の乳児に対する効果というのは、これは他の栄養食品の追随を許さない非常に大きなものがあるわけでございます。で、心理的な面でも、母乳を飲ませるということは非常に大きな子供の健全育成に効果を持っておるわけでございまして、そういう意味では、基本的には、各関係省庁とも御相談いたしまして、PCB環境汚染ができるだけ早くなくなって、母乳汚染という実態が起こらないようにすることが根本的な対策だとは存じますけれども、現在、これは非常に蓄積性といいますか、持続性の強いものでございますので、ここしばらく、ある程度の汚染が継続するということは覚悟しなければならないかと存じます。 そういう意味では、先ほどから申し上げておりますように、今後調査の体制、それから乳幼児、母親の検診の体制、これを両方とも進めてまいりまして、先ほどお答え申し上げました以外にも、乳児の検診につきましては、児童福祉施策の中での一般的な検診体制もあるわけでございます。妊産婦についてもそういう体制もございますので、そういうものも十分活用いたしまして、並行して進めてまいりまして、できるだけ基本的な汚染を少なくすると同時に、汚染の状況と見合いながら適時適切な対策を講じていく、そういうふうにしなければならないと考えておる次第でございます。
○内田善利君 それでは次に、私はプラスチック公害について、時間の許す限りお聞きしたいと思いますけれども、プラスチックといっても非常に数が多いわけだし、総生産量は日本で年間五百十万トンということですが、その中で塩化ビニールの生産量が約年間百万トン、約二割を生産しているわけですが、その塩化ビニールについてお聞きしたいと思うのです。 まず第一点は、この塩化ビニールが建材として使われている、そのために非常に火災のときに塩化水素あるいは塩素のような有毒ガスが出て、悲惨な状況を呈しているわけですが、この建材として使用する規制はどのようになっているのか、まずこの点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(山形栄治君) 塩ビにつきましては、おもなる使用先が建材用、それから包装用、それから電気機械の部品、輸送用と、いろいろ使われておりますけれども、いま御指摘のあった直接人体と関係の深いものは、建材として使われる場合でございまして、塩ビにつきましては、これは木材等が燃えた場合でも一酸化炭素が出るわけでございますけれども、塩ビにつきましては、一酸化炭素の面では、むしろ木材が燃えましたときよりも少ないというのが試験結果で出ておりますけれども、問題なのは、塩ビが燃えましたときに塩化水素が発生するという問題があるわけでございまして、通産省といたしましては、数年前から軽工業生産技術審議会という場で建材燃焼部会というものを設置いたしまして、検査を継続してまいったわけでございますけれども、その辺の調査結果も踏まえながら、四十六年度から新建材認証制度という制度を発足させまして、火災時における煙とかガスの発生状況、その数値等も考慮いたしまして、優良なるものを通産大臣認定としてこれを推奨するという制度を四十六年から発足し、現在継続中でございます。 さらに四十七年度からは、これでも不十分でございますので、新たに試買制度といいまして、市中に出回っております新建材を買い上げまして、これを公正なる機関で分析認定して、不良品を淘汰するような制度も発足いたしておるわけでございます。 なお、建材関係につきましてはJISをつくりまして、これを普及し、消費者の便をはかるというのが一つの非常に大きな政策だと思うわけでございますけれども、建材につきましては、現在のJISが、発煙量、煙の量につきましては明確に規定されておるわけでございますが、御指摘の有毒ガス等につきましては現在まだこれが入っておりませんので、本年じゅうにこれを中に入れました新しいJISを作定するように、目下JIS改定作業を検討中でございます。
○内田善利君 次に塩化ビニールの安定剤に、大気汚染防止法あるいは水質汚濁防止法、あるいは土壌汚染防止法等で有害物質として指定されておるカドミウム、鉛、すず、バリウムといったようなものが使われておるわけですけれども、特にカドミウムの場合は、化合物として年間八千トン、カドミウム化合物が安定剤として使われている。そのうち金属カドミウムとして計算しますと千二百トン、一年間に。そういうことになりますが、こういった有害物質のカドミウムが千二百トンも使われておるわけですが、これはイタイイタイ病の原因物質でもありますし、先ほどから申しますように大気汚染防止法、水質汚濁防止法あるいは土壌汚染防止法の有害物質として指定されておるものが使用されておるわけですが、これはコストが安くなるとか透明度が増すとか、いろいろあると思いますけれども、これの代替品を使う方法はないのか、あるいはこれを使用禁止する方法はないのか。この点はいかがでしょう。
○政府委員(山形栄治君) 塩ビの安定剤といたしましてカドミウムが使われておりますことは、御指摘のとおり事実でございます。われわれのほうの基本的な考え方といたしましては、これは好ましいことではない、できる限り早くこれを代替品で切りかえていくべきであるというのが基本的な態度でございます。 現在このカドミウムが使われておりますのは、いま先生も御指摘のとおり、非常に透明度を増す場合と、もう一つは気候との関係の、耐候性というのが非常に増大するという利点がございまして、農業用のいわゆるビニールには、こういう気候との関係、太陽の光との関係で、現在非常にカドミウムを安定剤として使っておりますビニールが使われておるわけでございますが、われわれのほうといたしましては、いま申し上げましたように、この配合率を減少し、かつ代替品をつくっていくというのが方向だと思いますので、今後その方向で進めていきたいと、こう思っておりますが、すでに生産業者のほうにおきましても、こういう意識が非常に濃厚になっておりまして、すでにレジンの改良研究なり、カドミウムとかバリウムをカルシウムまたは亜鉛のほうに切りかえていくというかっこうが、相当進んでおります。これもアメリカ等で全然やっておりません研究でございまして、日本だけがこういう研究では一番いま進んでおる。近くこういう点の成果も出ると思いますので、そういう方向での指導を強化していきたい、こう思っておる次第でございます。
○内田善利君 これは水道用パイプには使われておりませんか。
○政府委員(山形栄治君) 塩ビのパイプは水道に使われておりますけれども、これは硬質塩ビでございまして、軟質のものは水道管としては非常にもろくてあぶないものでございますので、安定剤としては鉛系統を使っております。カドミウムのほうは、むしろ軟質の塩化ビニールの安定剤として使われておるものでございます。
○内田善利君 この鉛を使った塩ビが、広島県で、これはカキの養殖に使ったわけですが、その鉛が溶出したせいだろうということで、カキに相当鉛が蓄積されておったというデータが出ているわけですね。塩ビのパイプでつくったいかだの養殖カキで、出てきた鉛が三・七PPMですね。それからポリエチレンパイプで出てきたものが一・五PPM。竹パイプの場合で一・二PPMということですが、これは明らかに鉛の塩ビパイプを使って三・七PPMですから、鉛が溶出した、それをカキが蓄積した、このように考えられるわけですね。この点は、いかが考えられるか。 米国のFDAでは、このなまガキの鉛は、カドミウムもそうですが、〇・二PPM、こうなっているわけですが、はるかにもう飛び越えて、三・七PPMという非常に大きい数値の鉛がカキに蓄積されていたということがわかったわけですけれども、こういった面に使うことは、通産省は関係ないかもしれませんが、やはりこの塩ビ自体にこういった重金属を使うことが問題じゃないかと、このように思うのですけれども、この点はいかがでしょう。
○政府委員(山形栄治君) 私は結論から申し上げまして、先生の御指摘のとおり、塩ビにそういう有毒の可能性のある物質はなるたけ使わない方向で、品質の改良をしていくべきではないかという点では全く同感でございます。 ただ、いまの広島県のカキに関しましては、私のほうも非常に重大な問題だと思いましたので、広島の通産局を通じて広島県の衛生研のほうと連絡をとったわけでございますけれども、衛生研のほうで昨年の十月から本年の一月まではいろいろと調査をいたしておりまして、その調査によりますと、塩ビのパイプを使ってカキを養殖した場合の鉛よりも、これはたまたま調査がそうだったのだと思うのですが、竹のさおを使いましてカキを養殖をした場合の鉛の量のほうが大きく出ております。したがって、これは広島県の衛生研といたしましても、このつるす材料の問題よりは、むしろ海中に溶けておる重金属類の影響のほうが大きいのではないかということを、広島県衛生研のほうでは言っておりますので、念のために申し添えておきます。
○内田善利君 私のほうは広島県衛生部の調査なんですがね。塩ビパイプを使った場合で二・六から五・一まで、平均三・七です。それから、ポリエチレンパイプの場合は、最低一・一から最高一・八まで、平均が一・五。竹パイプの場合は、最低〇・八から最高一一六、平均一・二と、このようになっているわけですね。そして、塩ビパイプを粉末にして鉛を検出したら、使用前には一一二〇PPMから二万二五〇〇PPMあったと。これは広島県衛生部の調査なんですがね。これと食い違っているようですけれども、いずれにしても鉛のパイプを使うことがよくないんですから、ひとつこの点、カドミウムにしろ鉛にしろ有害物質なんですから、代替品を考えるとかですね。大体プラスチック類の二割を塩ビが占めて、そして建材にもいみきらわれる塩ビが、こういったところにも使われている。 そして最近は、可塑剤としてフタル酸エステルが塩ビに使用されて問題になっているわけですが、このフタル酸エステルはたくさんあると思うのですけれども、いま問題になっているフタル酸エステルは、一体どれに入るのか、DOPなのか、DBPなのか。フタル酸エステルといっても種類が多いと思いますが、どれがその問題になっているのか。聞くところによりますと、チューインガムに使っている。可塑剤としてチューインガムに使っているのは、DBP、D・ブチル・フタレンですか、それからBPBG、ブチル・フタリル・ブチル・グリコレート、これは食品衛生法でチューインガムに入れていいようになっているということですが、いま問題になっているフタル酸エステルというのは、何が使用されているのか。その点はどうなっていますか。
○政府委員(山形栄治君) フタル酸エステルにつきましては、いまお話にもちょっと出ましたように、非常にいろんな種類がございまして、現在十数種あるわけでございます。そのうち、いまのお話のDBPとBPBGという種類のものが、食品衛生法によりましてガムに使用することを許可されておる種類でございます。その他のいろいろな種類がございますが、七割ないし八割が塩化ビニール樹脂用に使われておるわけでございまして、このフタル酸エステルの毒性につきましては、文献によりますと、急性、慢性ともにいずれも低いものであるということになっておりますが、この辺、毒性問題につきましては、厚生省のほうの御検討、御見解に待たざるを得ないと思いますが、通産省といたしましても、これと並行いたしまして、当省の付属研究機関におきまして、このフタル酸エステルの分解性等につきまして、確認の意味の試験をいま進めておる段階でございます。
○内田善利君 ベトナム戦線では注射器に使ったわけですが、その場合にプラスチックから溶出して、負傷者がショックを受けたとか、あるいはいろんな説として、血液の中の蛋白質を分解するとか、いろいろあるようですが、厚生省にお聞きしますけれども、チューインガムに使用することについては、これは別段差しつかえないわけですか。
○説明員(小島康平君) 現在私どもでチューインガムに使用を認めておりますのは、ただいま通産省のほうから御説明がありましたように、フタル酸ジブチルと、ブチル・フタリル・ブチル・グリコレートという二種類でございますが、フタル酸ジブチルのほうは、現在は全く使用しておりませんで、すべてがブチル・フタリル・ブチル・グリコレートのほうになっております。 現在チューインガムの中でも、普通の板ガムというのには使われておりませんで、風船ガムというのに使われておるわけでございますが、その量は風船ガムに対して二%程度でございます。私どもの調査では、この風船ガムを一個食べますときに、たとえば十五分ぐらいかむと、九百回くらいそしゃくしましたときに、どのくらいこれが溶出するかということを、唾液を使いまして調査いたしました結果では、一回一個の風船ガムで、大体〇・一ミリぐらいのエステルが出てまいるという結果を得ております。 それからまた、この物質の毒性試験につきましては、慢性毒性試験あるいは催奇形性試験等をやってございまして、慢性毒性試験も、これは経口投与でございますが、一日体重一キロ当たり一グラムというような大量を、二年間ネズミに投与いたしましても異常を認めないということでございまして、この物質につきましては、経口投与の場合には問題はないのではないか。チューインガムからくる量というものを考えますときには、非常に安全な化合物ではないかと考えておる次第であります。 しかしながら、先生御指摘のように、最近、輸血の際のショックであるとか、いろいろな問題が起きておるわけでございまして、私どももそういった問題につきまして、現在いろいろ資料を集めておりますが、からだの中へ直接注射等によって入れました際には、いろいろな問題があるというような報告がございますので、私どもとしては、これらの報告をさらに検討いたしまして、専門家の意見も聞きまして、今後必要なる措置がありますれば、そういうものを慎重にとってまいりたいというふうに考えている次第であります。
○内田善利君 このフタル酸ジブチルを使用しなくなった理由は、何ですか。
○説明員(小島康平君) フタル酸ジブチルとブチル・フタリル・ブチル・グリコレートのこの二つでございますが、後者のほうが、風船ガムをつくりますときに非常に可塑性においてまさるというところで、現在ジブチル・フタレンといいますか、フタル酸ジブチルのほうは使用しなくなったという実情でございます。
○内田善利君 学者の話によりますと、多摩川の水の中には三五〇PPM、大牟田川の水に二〇PPMのフタル酸エステルを検出したといいますが、PCB同様に、こういったものが環境を汚染しておる、こういう状況になっておりますが、この点はどのように環境庁はお考えになっておりますか。厚生省のほうは。
○説明員(小島康平君) これは環境問題でございますから、環境庁のほうから御答弁していただきたいと存じますが、実はこの問題につきましては、この問題を御報告なさいました片瀬先生と連絡をとりましたので、この点をちょっとお話しいたしますと、先生のいまおっしゃられましたように、新聞紙上には、多摩川の水の中には三五〇PPMというふうに報道されておりますが、これは〇・三五PPMの間違いでございます。もっと正確に申し上げますと、多摩川の水を検査した結果は〇・〇二から〇・三五PPMであったと。ただ〇・三五というのは最高値でございます。それから、大牟田川の場合には〇・〇二PPMでございます。
○内田善利君 私は、〇・三五PPMでもたいへんだと思うんですよ、水ですから、多摩川の水ですから、環境ですからね。排出じゃなくて、さらさら流れているあの浄化作用を持った水の中に〇・三五あったということは、たいへんなことだと思うんです。三五〇PPMならいよいよたいへんだと、こういうように思うのですが、環境庁はどのようにお考えになっていますか。
○政府委員(岡安誠君) お話のとおり多摩川等から発見をされておるわけでございますが、実はこのフタル酸エステル等が、どういう経路を経まして多摩川の汚染にまでつながったかという点につきましても、必ずしも明らかでございませんし、この辺、明らかにする必要があると思っております。さらに毒性につきましても、もっと厚生省のほうでいろいろ御研究を深めるというふうに伺っておりますが、そういう点等を十分勘案いたしまして、私ども必要な措置はとりたいというふうに考えておるわけでございます。
○内田善利君 最後に、長くなりましたけれども、この塩化ビニールは、プラスチックの中で二割も使われておる。しかも、一番最初に申しましたように、建材として有毒ガスが出る。安定剤として重金属有害物質が使われている。さらに、いまのフタル酸エステルのような、可塑剤として有毒物質が使われているということでございますが、これらは何らか検討すべきじゃないかと、このように思うのですが、この点、通産省と環境庁にお聞きして、私の質問を終わります。
○政府委員(小澤太郎君) このプラスチックの中で塩化ビニールを一番多く使っているのは、西ドイツと日本だそうでございます。それだけに用途の広い、まことに重宝なものであったと思われるわけでございます。しかし、先ほどからるるお話しのとおり、いろんな害悪をもたらしますので、先ほど通産省からお話がありましたように、まず第一に、使っております建築用材、こういうものについて十分な監視監督をやりまして、品質の、そういう悪質のものを使わないようなことでの製材の制限をやるとか、あるいはまた、塩化ビニールの材の中に入っている安定剤等の使い方についても、これをきつく規制をしていくというようなことから、用途のほうからきつく規制してまいりまして、そして、いいものをどんどん製造するとか、あるいは悪質なものを製造しても、それが使えないというような方向に持っていくのが一番いいのではないかと、こう思っております。 もとより、先ほど私のほうの局長が申し上げましたように、この排出基準なんというようなものも、たとえばフタル酸エステルについてもう少し研究が進みますならば、ぜひとも何かの基準でこれを押えていくということをしなければなりません。塩化ビニールそのものにつきましては、私はそういう方向から逐次規制していって、製造も、十分に生産の量も質も変えていく、また、私どもはやはり国民の協力を得まして、たとえば包装用に使う場合につきましても塩ビを避けるとか、いろいろなことをひとつやっていただかなければならぬのじゃないかと、こういうふうに実は考えておるような次第でございます。
○政府委員(山形栄治君) ただいま政務次官からお答えいただきましたことと全く同じでございますけれども、塩ビといいますのは、このプラスチックの中でも、非常に日本で独特に発達した、非常にその意味で生産比率が高いプラスチックでございまして、カーバイド法でいち早く日本で始まったプラスチックでございます。現在は石油化学法に切りかえられておりますけれども、そういう歴史的な事情もございまして、いまお話にも出ましたように、包装用とか農業用とか非常に使われておりますが、すでに包装用につきましては、デパートの包装等はこのプラスチックを使わないというようなことも進んでおりまして、全般的に、プラスチックの使用というのはだんだん規制されるような動きが出ております。現に塩ビは、このところ生産・出荷は鈍化いたしております。 内容的に申し上げますと、建材等につきましては、いま政務次官からお話のあったように、監視監督を今後進めていくというのが一つの方向だと思いますし、安定剤、可塑剤等につきましては、先ほど答弁いたしましたように、代替品の開発等を今後進めていく。できる限り塩ビの生産・出荷というものを徐々に適正なる形に下げるといいますか、押えまして、なお、その使用段階における監視監督を強化するということが、これからの方向だと私は考える次第でございます。
○加藤進君 私は五月の二十四日の本委員会におきまして、光化学スモッグの問題について環境庁の所信をただしたわけであります。これは、すでに石神井南中学においてあのような重大な被害をもたらした光化学スモッグ、このスモッグについて、いよいよこれから本格的なシーズンがやってくる、よほどの決断をもって抜本的な対策をとらなければたいへんなことになる、このことを私は心に感じながら質問をしたわけであります。 光化学スモッグがどのような機構のもとで発生するか、そうしてスモッグの正体は一体何か、まだわからない点が多々あることは、先ほどの茜ヶ久保委員の質疑において明らかだと思います。根本的な対策はどうしても立てなくてはなりませんし、また原因の究明、これもやらなくてはならぬことだと思います。同時に、いまやもうわれわれの身辺に襲いつつある光化学スモッグに対して、なすべきことは何をおいても緊急で適切な措置をとらなくてはならない。そのためには、すでに被害を広範に受けておられる東京都の皆さんが真剣に取り組んでおられるような措置に対して、これはいろいろ意見もあろうけれども、とりあえず政府はこれに対して積極的な協力、積極的な援助を与えるということが何をおいても必要ではないか、こういうことを私は基本に置いて質問をしたわけであります。ところが、そのときの答弁は、残念ながら私の期待にこたえるものでもありませんし、事態の重大性に対して、政府がとるべき態度においてさえ、これはきわめて不十分なものであるということを私は認めざるを得なかったわけであります。 その後わずか二週間たった今日、どのような事態が起こっておるかということは、これは環境庁自体もよく御存じのとおりだと思います。もはや猶予がならぬ事態がきておると思います。しかも、こういう光化学スモッグによっていまや被害が続出しつつあるし、とりわけ、学校で学んでおる小中学校の生徒が大多数の被害者になってきておる。こういう事態から見るなら、私は、いまや従来にもまして、決意をこめて具体的な対策に取り組む必要がある、こんなふうに感ずるわけでありますが、そういう立場から御質問を申し上げたいと思います。 最初に、全国各地で光化学スモッグが頻発しておりますけれども、今日までの被害の状況は一体どんなものであるのか、これをひとつ簡潔に御説明願いたいと思います。
○説明員(山村和男君) お答えいたします。 オキシダントにかかわる注意報の発令及び被害届けの状況につきましてお答えいたしますと、四十五年におきましては埼玉県ではゼロでございました。それから千葉県でもゼロでございました。東京都で七回でございます。神奈川県で一回でございます。それから愛知県、大阪府、兵庫県ともゼロでございます。それに対しまして被害者の届け出数が、四十五年でございますけれども、埼玉県では千二百六十二名、千葉県で五千九百二十三名、東京都が一万六十四名、神奈川県で六百三十八名でございます。 それから四十六年でございますけれども、注意発令日数が、埼玉県が二十三日、それから千葉県で十九日、東京都が三十八、神奈川県が十一、それから愛知県が一、大阪府が四、兵庫県が七でございます。届け出者数は、埼玉県が三千六百六十三名、それから千葉県が千百六十九名、それから東京都が二万八千二百二十三名、神奈川県が一万三千百八十三名、愛知県が二百七十七名、大阪府千六百名、兵庫県が三名でございます。それから四十七年でございますけれども、これは一月から五月までの集計でございますけれども、埼玉県での発令日数は三回、千葉県が二回、東京都が八回、神奈川県が四回、愛知県がゼロ、大阪府が二回、それから、兵庫県が一回。届け者数でございますけれども、これも同じく一月から五月までの届け者数でございますけれども、埼玉県が百三十、千葉県の百七、東京都の千二百六十七、それから神奈川県が百七十一名、それから愛知県がゼロ、大阪府が二百四十九名、兵庫県がゼロというふうに、現在のところ私のほうは報告を受けております。 以上でございます。
○加藤進君 報告されただけでも、膨大な数の被害者があらわれている。しかも、これは被害届け出があった、その数の集計ですね。こういう点から見ますと、まだ被害届けを出しておらない方の中に、はたしてほんとうに被害が起こっておらないのかどうか。これもまだまだ調べなくては、はっきりできないことだと思います。とりあえず、これらの届け出られた被害者の方に対して、政府はどのような措置をとっておられるのでしょうか。
○説明員(山村和男君) お答えいたします。 地方公共団体等を通しまして、各被害の実態等につきまして御報告をいただきますとともに、こうした被害発生県の方々の主管担当部局を中心といたしまして、こうしたオキシダント発生にかかわる被害の実態、あるいは情報の交換、あるいは発生時の状況、そうしたものの情報交換というふうなことで、けさほど申し上げましたように、光化学によるいわゆるオキシダント対策の連絡会議を持ちまして、そうした実態の把握につとめておるわけでございます。
○加藤進君 こういう被害地域の住民の方たちに対して、農診断あるいは治療等々ついては万全の策が講ぜられておるのでしょうか。その点をお聞きいたします。
○説明員(山村和男君) お答えいたします。 各地方公共団体におきまして、かかる被害届けが出た場合の、重症事態等に対しましては、各地方公共団体におかれまして対策要領というものを定めまして、その対策要領によられまして、被害者の救済あるいは診療、そうしたことを具体的に実施なさっていらっしゃるようでございます。
○加藤進君 私の聞いているのは、政府がどういう処置と対策をとっておられるのかということでございまして、すべて自治体まかせであって、自治体がこうしておられますという報告だけで私は満足できないのですから、その点をひとつお答えをいただきます。
○説明員(山村和男君) 御承知のように、医療の問題につきましては、国が画一的な方式を指示いたしますことは、一応実態上困難でございますので、各地の自治体の実態に応じまして、組織なり、あるいはそうした態様に応じまして、最も適切な対応方法というものがございますので、そういった方法に応じて、そういった被害救済の方法等を講じていただくようお願いをいたしているわけでございます。
○加藤進君 診断あるいは治療について、無料でこれを行なう、治療について責任をとる、これは私は当然の国の態度だと思いますが、もちろん、そのために国からすべて費用を出せというふうに画一的にはきめられないとは私も存じていますけれども、しかし、何をおいてもこの被害者たちに対して、国あるいは自治体がこれを被害者として無料で、そして十分な配慮をもってこの処置に当たる、これは私は当然の政治姿勢ではないかと思いますが、その点、次官はどうお考えになるでしょうか。
○政府委員(小澤太郎君) ただいま、私のほうの課長からお答えいたしましたのが不十分だと思うのでございますが、国といたしましては、先ほどお答えしたような各自治体における措置要領というものに基づいて、それを実行していただくというようなことをいたしておるようなわけでございます。ただ、この被害者の検診なりあるいはその治療等につきましては、現在のところ、それぞれの自治体によってやっていただいておるわけでございます。まあ幸か、不幸か、一過性のものがかなり多いし、非常に重体というものもそうないわけでございますので、したがいまして、その費用負担等のことが大きな問題にはならない。それよりも、むしろこういう人たちに対して、いち早く親切な措置をやっていただくということが大事でございます。そうなりますと、東京から指図するよりも、自治体が自分の住民に対して、先ほど課長が申しましたように適宜適切な措置を、親切にすみやかに講ずる、こういうことにしていただくことがむしろ実際的ではないかと、こういうことに考えておるような次第でございます。
○加藤進君 その点はもうちょっと、あとでもう一度質問をいたしますが、たとえば石神井南中学のあの地域の一帯、あるいはこれに類する、地域的な非常な大きな被害と、また住民に対する不安を引き起こしておるようなところがあると思います。届け出によって、これらの人たちが被害を受けている、また、その中で入院を要する人たちがある。これはもう当然の措置だと思いますけれども、同時に今度の光化学スモッグは、いわゆるロサンゼルス型のスモッグと違うということは、次官もたびたび御説明になっています。私はそのとおりだと思う。すると、今後この被害によってどのような症状が起こるかということについても、なお不明な点が多いと思う。はたして後遺症はないのかどうか、これが、いま地域の方たちの非常な大きな問題になっていると思う。私はその点で特に環境庁にお願いしたいのは、特定の重大な被害を発生しておる地域について、全住民の健康診断を行なって、医学的にも、そのような実態をはっきり掌握されるということ。そして医学上の研究、今後の治療についての十分な資料をとりあえずつくっていただくという措置が、何をおいても必要だと思いますけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(小澤太郎君) 御指摘の、石神井南中学ですか、今回のこの被害は、いままでと型の違ったものじゃないかと。そこで、まず私ども考えますのは、どこに原因があるのか、どういうメカニズムでそうなっているかということの究明は、まずどうしてもやらなきゃならぬ、幸いにして東京都が非常に熱心に、全力をあげて取っ組んでおられる。このことに対しましては私ども深く敬意を表し、そして、その結論が早く出ますようにと、私どももできる限りの協力をいたしたい、こう考えておるわけでございます。 さて、その被害者の症状等をずっと追跡しまして、今後後遺症があるかどうか、こういうような問題についての医学的な、あるいは何と申しますか、生物学的ないろんな研究というものはもちろんしなきゃなりません。しなきゃなりませんから、御指摘のような方向で私どもが努力をするのは当然でございますが、何よりもまず、一体どういうことでそういうことになったのかというこの究明をやらない限り、これに対する対策もなかなか定かにはきまらないのじゃないだろうか。あるいはまた東京都で、これは中間的な発表ということであろうと思いますけれども、かなり心理的な、心因的な問題もあると。これは決してただ精神的なという意味でなしに、発生原因は何かがあって、それにさらに心因的なものが加わっている、こういうようなこともありますので、そういう点についてもさらに究明をしなきゃならぬじゃないか。心因的なものであればこれは心理的に解決できるのではないか、こういうことがございますので、これは目下、ほんとうに研究の対象になって研究中のところでございます。 いかにも手ぬるいような感じが私もいたしまして、先生と同じように、私もほんとうに日夜いらだちを感ずるわけでございますけれども、ただそう思っておったのでもどうにもなりませんから、私どもの環境庁の職員を督励いたしますとともに、東京都のように非常に熱心に精力的にこの問題と取っ組んでいただいておるところに敬意を表するとともに、これに対する協力をいたしまして、地方と中央とが力を合わせて、原因の究明とこれに対する対策を早く発見したいと、こういうふうな考えでおるわけでございます。
○加藤進君 私があえてこの問題を持ち出すのは、決して皆さんの努力が足らないということからではありません。それはある婦人団体が、石神井南中学の学区の住民の方たちを一軒一軒回って調査された。そういう調査の報告があります。それによりますと、東京都に届け出はしておらないけれども、よく聞いてみると、私もこういう症状になっていると言う方たちが相当多いという事実があるわけでございまして、このような被害者はほうっておいて、届け出て来いと、言わなければその人たちを見てやらぬということでは、私は不十分ではないのか。したがって、特に新しい現象として今日いろいろ研究を要する問題でございますから、それは原因の究明も当然やってもらわなければなりません、抜本策も立ててもらわなくてはなりませんけれども、とりあえず被害を受けた方たちが一体どのような状態にあるのか、どの程度の被害が今日具体的に起こってきておるのかということを、もう少し国としても科学的にしっかりととらえていただいて、今後の治療やその他の資料に十分に役立ててほしい、これが私の念願でございますが、重ねてその点について、異存があるならばちょっとお尋ねしたいと思います。
○政府委員(小澤太郎君) 石神井南中学校の問題は、私が報告受けたところによりますと、東京都は単にあそこの生徒だけではなしに、いち早く付近住民の方々についても調査をしたようでございます。ところが、そのときの調査では被害を受けておるというようなことがなかった。その後、婦人団体等がやりますと、なるほどそういえば私も目がチカチカしましたというのがだんだん出てきたような次第でございまして、東京都が決して届け出したものだけを扱うというのではなしに、むしろ積極的に付近住民の調査に出たということは事実でございます。これは、この態度が正しいと思いますし、私どもも将来ともそういう態度で臨みたいと、こういうように気持ちでおるわけでございます。先生と同じ考えでございます。
○加藤進君 考えが一致しましたから、ぜひ実行に移していただきたい。この点を要望しておきます。 そこで、この光化学スモッグによる被害というのは、これは公害病と見るのか、公害病ではないのか、その点の御判断は、環境庁としていかがでございましょうか。
○政府委員(小澤太郎君) ただいまのところ、まだ公害病と認定できるかできぬか、もう少し研究を要すると思います。御承知のとおり、公害病として認定する場合には、まず地域を指定する、それから患者の多数出ておるという状況ですね、まあ、まことに窮屈な基準のようでございますけれども、そういうふうに現在いたしております。光化学スモッグの問題、オキシダントによるところの被害の問題が、これからどういうふうになるでしょうかというようなこともいろいろございますので、いま直ちに公害病としてこれを考えるかどうかということは、もう少し研究させていただきたい、こう思っております。
○加藤進君 そういう政府のお考えでございますから、私はなおお聞きしたいのでございますけれども、このような膨大な人たちに被害を与えた、その原因はいわゆる光化学スモッグである。その光化学スモッグのメカニズムだとか、その一番重要な有害物質は何かということは明確ではない。しかし、ともかく光化学スモッグの発生する原因は何かといえば、ほぼ私は推定でき得ると思っております。これは前の質問におきましても次官から御答弁をいただきました。環境庁としても、主としてこれは自動車による排気ガスから発生することであると、こういうふうにいわれておると思います。もちろん、これだけに限定はできませんけれども、私はそもそももう少し広げて言うなら、大気汚染がこのような深刻な事態をつくり出して、その結果が人体に被害を与えるような危険な状態になった、こう言えば私は決して間違いはないと思う。 それなら、今日東京都をはじめとする全国の大きな都市周辺、ここでこのような大気汚染による光化学スモッグ現象の起こるもとは何かといえば、私はその原因は自動車のはんらんであり、あるいは工場から排出する排気ガスであるということは明確じゃないでしょうか。として見るなら、これは決して私の害ではなく、公害であるという点については、私は一般的にこれを規定しても決して間違いはないと考えます。 しかも、こういう状態をつくり出したものはアメリカ式なモータリゼーション、自動車のはんらんをつくり出すような政府の政策がその根源にあることも、私は否定できないと思います。大企業による開発、都市政策、これにも原因があると思います。そうしてみるなら、私はこれは原因者はだれだろうか、その加害者はだれだろうかというようなばく然とした議論ではなく、その根源においては政府に行政責任がある、こういう御判断を私は当然持っていただいても間違いはないと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(小澤太郎君) 先ほどお答えしましたのは、公害病患者としての認定の問題です。公害であるということを否定していることばではございません。まさに公害の一つとして取り扱っておるわけでございます。 それから発生源につきましても、固定した発生源と、自動車のように走り回る発生源と、二つあるわけでございまして、場所によっては自動車の寄与率が高い、場所によっては固定した発生源の寄与率が高い、こういうことも当然な常識的に考えられることでございます。そこで、この発生源から出ますところの物質、これに対する規制を強くするということ、これがまずとるべき方向でございまして、これについては一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物と、まず自動車に例をとりますと、かようなものがございます。これは先ほどからもたびたび御答弁申し上げましたように、まずこの発生源を押えていくということが一番大事なことだ。自動車については、実はまだ不十分でございます。運輸技術審議会の自動車部会において、さきに決定いたしました自動車排出ガスの規制の方法、これを基準といたしまして、いま環境庁におきましてもこの基準を強くする。一番むずかしいのは窒素酸化物でございまして、ほかの二つのものにつきましては、ほぼその方法もとり得る可能性がかなり出てきているわけです。したがいまして、一つ一つを小刻みにやっていくのがいままでのやり方でございますが、私どもはアメリカのマスキー法のごとく、一つの大きな理想を掲げて、きちっとそこにタイムリミットをつけて、そして大きな壁をつくってしまって、ここまで持ってこなければだめだぞと、こういうふうな行き方をわが国にもやるべきだと思いまして、中公審にいま、そのやり方について至急に結論を出してもらいたいと意見を徴しておるわけでございます。そういうふうにいたしまして、片一方は行政の力でぐっと壁を押しつけてそこへ努力させる、それを越えたものはだめなんだと、もう使わせぬぞと、こういうところまで持っていきまして、いわゆる発生源を押えるということをしたい、こう思っております。もとより行政の責任と言われれば、私は否定するわけはございません。 私はいま思い出しますと、昭和三十年に、私は実は高速道路の研究に六週間アメリカに行っておったわけです。そのときにすでにロサンゼルスにおきましては、スモッグが、そのときは光化学スモッグなんて言わないで、スモッグ、スモッグと言っておりましたが、あったのです。だから、もう十四、五年前からです。ですから、そういうことがありますから、自動車交通がこのように盛んになり、面積当たりアメリカの七倍というような密度の高い日本の自動車の交通の状態から考えまして、当然にそういうことを早きに及んで政府は考えて、この規制をやるべきだったということはいえると思います。したがって、そういうことが不十分であったということ、産業発展のためにそのほうに目が奪われて、そして大事なことが忘れられておった、こういうことはこれは当然行政の責任であるということは私は否定はしません。しかし、いまその責任を言っておるよりも、むしろこの責任を十分に認識しながらこれを何とかして償っていく。償っていくだけでなしに、将来そのようなことのないように積極的な措置をとるということが、むしろ行政のとるべき責任ある態度である、このように考えて、環境庁といたしましては積極的に取っ組んでおる、こういうのが現状でございます。
○加藤進君 大気がどんどんとよごされていく。そして自動車の排気ガスの規制も後手後手に回りつつある。ますます状態は、もしこのままにしておくなら深刻化する一方だ。ところがイギリスのロンドンでございますが、テムズ川では魚釣り競争ができる、空は次第にスモッグがなくなっていく。私はこの点から見て、日本の政治のあり方について、行政のあり方について深刻な反省を加えなくてはならぬ問題が、今回の光化学スモッグの発生だと見ていいと思います。 私たち共産党も、決してこのことについて無関心ではございませんでした。これにもございますように、すでに二年前にあの柳町の鉛公害の起こった時点において、光化学スモッグについてのわが党の見解をもう公表しております。光化学スモッグ緊急対策を発表しているわけでございます。この内容を今日見ましても、すべて今日の時点において通用することばかりなんです。二年前にこれだけのものを出して、政府も知っておられるはずだと思うけれども、なぜこれが実施に移されなかったか、私はここに行政の責任、政治の責任がある、こう見ていいと思うのです。御存じなかったわけではない。これについては知っていたが、手が打たれなかった、こう言わざるを得ません。 そこで私は前に戻るわけでございますが、何も、現在の公害法によりましてすぐに被害者の救済の法的措置をとれということは、なかなか法改正等々について困難が伴うかもしれません。しかし、事柄は、一人や二人の企業者その他によってもたらされたものではない。結果においては、その責任は政府の政治においてはっきりとさせなくてはならぬ。国や地方自治体の責任にある。こういう観点から言うなれば、このような被害者に対しては、これは大きな広い意味において公害によって起こった病気だから、この救済、この治療、この予防措置についても、政府と自治体が共同して責任を負わなくてはならぬ、こういうことは当然私は出てくると思うわけでございます。その結果として、これらの患者、これらの被害者に対する治療や予防措置、あるいは後遺症に対するさまざまな手当てにつきましても、私はすべてこれを無料で行なうということは当然のことだと思いますけれども、その点、次官はいかがでありますか。
○政府委員(小澤太郎君) 先ほどお答えいたしましたとおり、公害病患者として認定することについては、いま少し勉強させていただきたい、こういうことを申し上げております。 もとより、このような公害の被害者に対しまして、国と地方が責任を持つことは当然でございます。したがって、この治療費その他についての被害者の負担を、国や地方自治体が肩がわりするということは、当然考えられることでございます。この考え方を否定するわけではございませんが、先ほど申しましたように、いましばらくひとつ研究をさせていただきたい、こういうことでございます。イタイイタイ病や、それから水俣病というふうにすぐにそこまで乗っかっていけないという、いろいろな問題もあるからということでございますが、考え方としては先生と同じでございます。 もう一つは、私も実はこういう席で申し上げていいかどうかわかりませんが、一つ私自慢する種があるんです。ということは、宇部方式というのは御承知のとおりだと思いますが、いまロンドンの例をお出しになりましたが、私が県知事をしておりましたときに、十数年前ですが、宇部市では、ばい煙を何とかしてなくそう、こういうことで、これは大学の教授に保健所長を兼務させまして、これの研究をさせて一つの方式をあみ出しまして、海も空もきれいになりました。街の中で育たない草や木が育つようになった。ロンドンの会議にその職員を派遣させまして、ロンドンのこういう大会で宇部方式を発表したんです。そうしてロンドンの学者や実業家が、なるほどと非常に日本のやり方に対して感心したという実例がございます。まあ、ロンドンではもっと昔からやっておりますけれども。 ですから、ただロンドンのようにばい煙だけの問題なら、これはわが国でもやっております。決してやっていないわけではないんです。ただ、それよりもっとむずかしい今度の光化学スモッグという問題が出てまいりました。したがって、なかなかむずかしい問題に取り組んでいるわけでございますから、そういう点をひとつどうぞ御理解いただきたいと思います。
○加藤進君 そこで、この前の質問の続きを申し上げたいと思いますけれども、先般私は、東京都ではすでにアフターバーナーというか、ガスの浄化装置を取り付ける、これを東京都の条例によって勧告するという権限を東京都は持つようになった。その勧告の結果どうなったかといえば、東京都内においては二百四十万台の自動車の中で、全部にこれをお願いするということは不可能だから、とりあえず千八百CCのガソリン車と千五百CCのLPG車の車二十五万台に取り付け得ないものだろうかと。これは、東京都の一番中心の問題に今日なっていると思います。ところが、残念ながら国のほうで立法措置その他の手当てがとられておらないために、東京都は勧告一本でやっている。 そこで現実には何が起こっているかというと、やっと東京都の使っている車三千台以上、それに加えて、合わせても九千台程度の車にしかそのような装置が取りつけられない。こういう点で東京都の公害担当の職員は歯を食いしばっておると思います。何とか国の措置をぜひともお願いしたい、立法化できないのか、道路交通法の改正程度のことができなくて公害対策だなどと言えるのか、これくらいの差し迫った気持ちになっておるわけでございますけれども、この点について、この前の私の質問に対して次官は、私の車にもつけているけれどもあんまり効果がないなどということを言われました。これは冗談の一つとして受け取っておきますけれども、現実には、もうすでに実験がますますやられて、その効果もあって、環境庁みずからもこの取りつけを勧告しなくてはならぬという事態に私は前進されたと思います。私はけっこうだと思います。 そこで、いま東京都が提案しておるようなこの立場に立って、何とか東京都を助けてやろう、東京都を助けることは全国民を助けることだ、こういう立場に立った国として積極的な施策をこの際やっていただけないかどうか。この点、ひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(小澤太郎君) この前にも申し上げたとおり、アフターバーナー、東京都のやっておりまするこれが効果があることは間違いありません。ただ遺憾ながら、まだその耐久力において不十分だ。これは東京都だけでなしに、もう世界の各自動車のメーカーもこれに取り組んでおるんです。そして、ああいう方式がよろしいということも、ある程度わかっておる。しかし、遺憾ながら耐久力が非常にないということで、非常な努力をしておる。私もいろいろ調べてみました、先生からお話がありましたので。現実に現物も見ました。そこで、まだそのような程度のところのものを立法化して義務づけることはいかがかと、こういう考えでございます。しかし、いいものはいいからやろうじゃないかと、こういう考えに立っておりまして、先ほどもちょっと申し上げたように、今回の光化学スモッグに対する措置といたしまして、各都道府県知事に環境庁長官から、アフターバーナーについてもひとつやれと、こういう指図を最近いたしたような次第でございます。それも、主として東京都におきましてこれを非常に熱心にやっておられますし、その結果をやはりいろいろ検討しておられる。七月には、その結果も出るそうでございます。それも十分に私どもは期待をいたしております。私自身の車もつけておりまして、これはすぐには申し上げられませんけれども、どうも私が、ようやれ、それは立法化しろ、というところまで行っていないんです、残念ながら。東京都でやっている一番いい方式を、私の車につけております。一番いいと言われているのを、これも私自身実験しながらやっておりますが、したがって立法化は、いま直ちには考えておりませんが、自治体の首長に対しましては、これをできるだけやるようにという通知を先般出しております。 それからやはりこれは、先ほど申しましたマスキー法のごときものを早くつくって、そこに追い込むという以外には手はないんじゃないかということは、根本的には、そう考えておる次第でございます。
○加藤進君 私が願わくば申し上げたいのは、実効のある措置であるということだと思います。来年、再来年に効果があるというような措置は、これはもちろん必要ですけれども、とりあえず、いまの光化学スモッグに対して具体的に効果のあるような措置を、私は政府としては責任を持ってやっていただかなくちゃならぬ。その観点から私は質問申し上げておるわけですけれども、とりあえず、どうでしょうか、新車に対してこのような装置をつけるということについて、これを義務づける点は、まだだめなんでしょうか。
○政府委員(小澤太郎君) そこまで行けるといいと思うんですけれども、いまは私は、地方の自治体に対してこれをつけることを勧奨する、すすめるというところ以上には、新車に義務づけるというところまでは自信がございません。やはり、もう少し技術の進歩改善ということを早急にやっていただかなければならないのじゃないかと、こう思うわけでございます。
○加藤進君 そこで私はお聞きしたいのですけれども、日本のメーカーも、アメリカ向けの自動車をどんどんつくって出していますね。アメリカ向けの自動車と国内で売る自動車との間には、何らその装置において差異がないんでしょうか。
○説明員(隅田豊君) 運輸省の整備部長からお答えいたします。 日本の国内でもって売られております車と、それからアメリカで発売されております車では、若干の装置の差があることは事実でございます。この中で問題になりますのは、いろいろ歴史的経緯があるのでございますが、いまお話しの触媒関係の装置は、これはまだどこもついているものはございません。現在最大の差がついておりますのは、最近特に輸出が盛んになってまいりましたロータリー・エンジンを積んだ車でございますが、これにつきましてアフターバーナー、これは触媒つきのものじゃございません、リアクターという、何と申しましようか、日本語で言いますと燃焼器とでも訳せばいいのかもしれませんが、リアクターという装置がついております。これにつきましては、現在まだ国内の販売のものにはついておりません。これは、いま通産省と運輸省で共同して行政指導している段階でございまして、できるだけ早い機会に国内販売にもつけさせていきたいと思っております。 それ以外のものにつきましては、過去の一つの歴史的な経緯もございますが、数年前、ロサンゼルスのスモッグの問題でカリフォルニアの規制が非常にシビアになってまいりましたときに、エアポンプ、要するに新しい空気を吹き込みまして、そこで未燃焼させるエアポンプという器械を取りつけたことがございます。これはカリフォルニアの規制が非常にきびしくなりましたときに、その対策としてとられたものでございます。ただこれは、非常に技術的に結果において失敗をしたものなんでございますが、確かに一酸化炭素と炭化水素に対しては非常に効果をあげたのでございますが、逆の現象を出しまして、窒素酸化物が非常に多くなるという結果が出てまいりました。これは正直申しまして、カリフォルニアの行政の失敗でございまして、現在では、ほとんどの車がこれは取りはずしております。そういう過去の事例はございますが、最近非常に効果のあるもので差がついておりますのは、先ほど申し上げましたロータリーエンジンについての問題でございます。
○加藤進君 私は時間がありませんから、こまかい点で質問したいと思いますが、これはやめます。 しかし、一言言いたいのは、アメリカはマスキー法がある。大気汚染防止法という厳格な法規がある。これに合わせなくてはならぬというので、自動車メーカーの諸君は必死になって、その規格に合うような車をつくって輸出している。ところが、日本の規制は非常にゆるい。ゆるいから、遠慮なく日本の車にはアメリカ式の装置をつけなくても走れる、こういう状態が今日放置されているのじゃないでしょうか。しかもマスキー法によりますと、いよいよアメリカも七五、六年を目ざして、非常なきびしい規制をとる。このきびしい規制を聞いて驚いたのが自動車大メーカー、そして日本の政府の方々だと、新聞では笑っています。大気汚染をほんとうに防止しょうという気なら、これは困ったなどと言わなくて、アメリカでそのようにきびしくする必要があるなら、日本でもやらなくてはならぬ。したがって、日本にはもっときびしいものをつくらなくてはならぬ。つくって、自動車についてもその規制を厳格にやらなくてはならぬというのが私は行政の当然の立場だ、態度だと思うんですが、そうじゃないでしようか。 しかもアメリカは、国は広く自動車の数は多いけれども、地域の密度からいったら、アメリカの自動車密度は、日本に比べてどうでしょう。私の知っている限りでは、日本の密度は四倍だと言う。四倍の自動車が同じ地域において排気ガスを出している。マスキー法では足らないですよ。マスキー法の四倍も、もっと厳格にしなくちゃならぬということが数字的に言えるわけですよ。この、ような法律を私は至急つくって、この厳格な規定に合わせて自動車の排気ガスの積極的な規制をやる、これなどは私は根本的な対策がなくてはならぬ、こう考えておるわけですけれども、マスキー法にならう国内法の問題については、環境庁の御所見はいかがでしょう。
○政府委員(小澤太郎君) 先ほども御答弁申し上げたのですから、同じことを繰り返すようでありますが、中公審に諮問いたしておりまして、しかもこちらでは昭和五十年、五十一年、ちょうど向こうの七五年七六年に当たります。そういうところを目途にいたしまして、マスキー法を参考とした規制をするしかたをいま諮問いたしております。もちろんこれは、法律によるか、非常に強い規制力を持たしたものにしたいと思っておりまして、先生のお考えと全然変わらないわけでございます。 しかも自動車密度が、面積比からいうとまさに四倍、こういうような密度の高い日本でございますから、そのような発生源を押えるということについては、どうしてもやらなきゃならぬ。アメリカに輸出するものと日本の国内で使うものとに差をつけるということは、あり得べからざることなんです。いや、現にやっていないんですよ。いま説明がありましたように、ロータリーエンジンについては多少あると思います。私もいろいろ調べました。レシプロのやつとかロータリーとか、決して日本が外国に劣らぬだけの努力もいたしておりますし、まさにそれをねらって、国内法でそういう規制があるということを予想しながらやっていることは事実でございます。私どもも、いま申し上げましたような方法できつい規制をやろう、こう思っておりますから、その点はどうぞひとつ御信頼いただきたいと思います。
○委員長(加藤シヅエ君) 加藤委員に申し上げます。お時間がだいぶ経過いたしましたから……。
○加藤進君 あと一言だけです。 私はそのことばをすなおに受け取りたいと思います。しかし、同時に、それを裏づけるような実効のある措置をぜひ実現してもらいたい。事柄は緊急を要する。これは、五十年たてば東京都に緑がなくなるなどというような警告が行なわれるような時期でございまして、しかも環境庁長官は、国際的な舞台においてもその点を明らかに反省をしておられるわけでございますから、その点をぜひお願いしたいということ。 そして最後に、私は、去る五月三十一日の衆議院の交通安全対策特別委員会で、わが党の青柳委員の質問に答えて山中総務長官が次のように答弁しておられることを、特に私は指摘したいと思います。環境庁はきわめて大きな権限を持っている。勧告権がある。場合によっては総理大臣の指揮権を要請することもできると。これはそうでしょう。石神井の光化学スモッグの問題についても、交通規制をすべきだという判断なら、まず勧告が行なわれるということになろうとまで山中長官は言っておられるのです。これだけの権限がある。事態はいよいよ重大化している。このときに、単なるいままでの措置の積み重ね程度では事柄は解決できない。これも明らかだと思います。その意味において私は、次官も来ておられます、勇断を持ってこのような権限を発動してもこういう事態に積極的に対処して、健康と命を守る、私はこのことを特に最後にお伝えして、これは政府部内における責任者の言っておられるところでございまして、あれはああ言うけれども、おれは知らぬなどというようなことがないように、せひとも、最後にこの点についての御決意を承って、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(小澤太郎君) 国務大臣の言ったことを一政務次官がとやかく言うのはどうかと思いますが、まさに、環境庁設置法によりますと、山中大臣の言ったとおりであります。勧告権もございます。勧告に従わない場合に、総理大臣を通じて行政措置ができる、こういうことになっていることはまさにそのとおりであります。権限を十分に持っておりますがゆえに、その勧告を行ないこれを実行させる上においては、十分なる調査と確信を持ってやらなければならぬわけでございまして、いたずらに、権限があるから何でもできるというような無責任な態度は、環境庁としてはとり得ない、これははっきり申し上げたいと思います。そして交通規制の問題等につきましても、すぐ自動車をとめてしまえと言うことは簡単です。しかし、それはそこまでにいけるかどうか、いくのがいいか悪いか、メリット、デメリットを十分に検討した上で、断固としてやる、これが私どもの態度でございますから、権限にあるから、何でもやれるから何でもやれ、こういう無責任な態度は環境庁としてはとらない。しかしながら、大事なことは敢然としてやる。この点だけははっきりと申し上げておきます。
○加藤進君 来年ではおそ過ぎる、ことしが勝負だ、それくらいの気持ちでぜひともお取り組み願いたいということを最後に要望して終わります。
○委員長(加藤シヅエ君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時五分散会