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68回国会参議院1972/04/06

交通安全対策特別委員会 第4号

発言数
76
登壇者
14
会派数
3
開催日
1972/04/06

会議録

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) それではただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。  参考人の出席要求についておはかりいたします。  中央高速道路における地すべり対策に関する件について、本日の委員会に日本道路公団の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) 次に、交通安全対策樹立に関する調査を議題とし質疑を行ないます。  御質疑のある方は、順次御発言をお願いいたします。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 いま中央高速道路の地すべりのため相模湖と大月間が閉鎖中です。これは言うまでもありませんけれども、その間における岩殿山の地すべりに起因するものであって、そのために、関係住民はもとより広く一般の人たちも非常に不安を感じておるところですし、同時に、閉鎖のためにすべて国道二十号線のほうに交通が集中をされておりますので、たいへんな混乱を起こしておるような実情ですし、利用者は非常な困難を来たしております。そのために経済的な影響なども非常に顕著になってきく大方の非常に危惧するような状況が幾つもあらわれておるわけですが、そういうふうな点から、この不安や、あるいはすみやかにこの対策を進めて正常に復してもらいたいというような要望が非常に強いわけです。そういう国民の声に答えていただくという意味でもって、若干の質問を行ないたいと思いますけれども、まず最初にあの地すべりの問題についての経過と現状を説明をしていただきたいと思うのですけれども、かなり長いことになるらしいですが、聞くと  ころによると、二月十七日ごろ発見されて、まあ今日に及んでおる、こういうふうに承知をしておりますけれども、経過、現状についての説明をお願いをいたしたいと思います。

山川尚典日本道路公団理事

○参考人(山川尚典君) 私、日本道路公団の理事の山川でございます。  このたびの中央道の地すべりにつきましては、皆さま方にたいへん御心配をかけ、また御迷惑をかけておりますことを心からおわびを申し上げたいと思います。  ただいま先生のお話しのございましたこの地すべりの経緯並びに現況について御説明申し上げたいと思います。  この地すべりの発生の場所は、相模湖インターチェンジから大月インターチェンジ間にございます岩殿トンネルの西側約三百メートル、山梨県大月市賑岡町強瀬でございますが、この地点でございます。この地すべりにつきましては、当初二月の十七日、私どもの公団のパトロールしております職員がのり面の上段にクラックが出ておるのを発見をいたしました。それから直ちに現地の調査に入りました。その後逐次そのクラックが大きくなっていくことがわかりまして、地すべりと判断いたしまして、こののり面に十数カ所の測定器を設置いたしまして観測を始めるとともに、また警報装置もこれにつけまして、そして夜間も合わせて二十四時間の監視体制をとってまいったわけでございます。さらにこの地すべりの状況を地質の点からも詳細に調査する必要がございますので、ボーリング調査も行なっておったわけでございます。ところが、三月二十一日になりまして地すべりの量が大きくなってまいりましたので、崩落の危険があるというので、三月の二十一日の午後八時から相模湖インターチェンジと大月インターチェンジ間を全面閉鎖をいたしました。同時に、高速道路下の、約百メートル離れておりますが、ここに民家四戸がありますので、これに避難をしていただく一方、のり面上のボーリング作業も危険のために一時中止をいたしたわけでございます。  その後の状況でございますが、現在の地すべりの範囲は約下幅が七十メートルぐらい、上幅が約四十メートル、斜めののり面ではかりました長さが百三十メートルぐらい、全体で約七千平方メートルぐらいの範囲でございまして、この頂上のほうでは現在ではすでに二メートル以上の段差がつくようになってまいりました。そのほか、のり面等にも幅十センチ以上数カ所の亀裂が出ておりますし、一方、のりワク・コンクリートが押し出されまして小さな崩落を生じておるところもあるわけでございます。一時はこの移動量が当初一日十ミリないし二十ミリくらいというものでありましたのがだんだん大きくなりまして、先ほど申し上げました大月——相模湖両インターチェンジ間を全面閉鎖をするに至りましたときには、三十ミリから四十ミリ程度に増大をしたわけでございますが、さらにそれが二百ミリ程度まで上がったこともございますし、で、現在はその量が多少小さくなってまいりまして、最近の移動量によりますと、昨日から本日にかけての移動量は、これを上のほうと下のほうではかっておりますが、約五十ミリないし六十ミリ程度の移動量になってまいっております。  以上、一応経過と現況を御説明申し上げました。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 そこで私の感じておるところでは、公団は当初案外重大に考えていなかったのではないかというような点があるわけなんですが、というのはたしか二月の二十日ちょっと前くらいだったと思いますが、NHKが取り上げてこの問題を朝の特別番組においてやっておりましたけれども、その際、名前は忘れましたけれども、公団の代表の方が出ておられて、NHKの記者が現地の状況を見てきて、かなり事態の重大であることを強調しておったのですが、それに対して公団の代表の人は、まあ、そういう心配はないからどうぞ安心してお通りくださいというようなことを強弁をされておったと私も聞いたのですが、その後、数日したらもう閉鎖をしなければならぬというような状態に立ち至っておるわけです。そうなりますと、私どもはじめ非常に心配になりますのは、公団のこの防災上の管理の対策、日常的な防災上の措置というようなものがどんなふうに行なわれておるのか、当初はどんな報告があったのか、それに対応して当初は公団はどの程度の考え方をしておったのかというような点をお聞きしたいと思うのです。

山川尚典日本道路公団理事

○参考人(山川尚典君) お答えいたします。  私どもは当初、いま申し上げました二月十七日にクラックを発見いたしましてから、常時人をつけまして監視体制をとってまいったことは先ほど御説明したとおりでございますが、このすべりの動きの状況を見ておりまして、これが地すべりであると判断いたしましたのは、もう数日後にはそういうふうに判断をいたしました。そうして学識経験者、たとえば東京大学の土木工学の福岡先生とか、あるいは建設省土木研究所の地質の専門家、あるいはその他地質関係のコンサルタント等の意見も聞きまして、それに対して対処してまいったわけでございますが、この地すべりの範囲がはたしてどの範囲に及ぶか、また、その地すべり面がどういう形でどのような深さで起こっておるかというような問題につきましては、すぐ即断はいたしかねるものでございますから、そのクラックの起こってくる範囲を、やはりこれは一応現状いまの地すべり面、先ほど申し上げました約七千平方メートル区域以外にも及ぶかもしれないという個所の表面の観察と同時に、やはり地質の内部につきましてはボーリングを数多く実施をして、これによってそのボーリングの結果から地質を見、またボーリングの穴を利用いたしましてすべりを計測する方法がございますので、この計測機器をボーリングの穴に入れてこの地質の中の観測をいたしました。そういうことによってこのすべりの全体の機構を把握いたしたいということで、ボーリングに対する機械の手配をし、ボーリング機械の到着次第これをあの山の斜面にボーリング機械を上げましてこの計測もしてきたわけでございます。最初から私どもとしてはこれはたいへんなことだというふうに判断をして、全力をあげて取り組んでまいったわけでございます。したがいまして、この道路が非常に重要な道路でございますので、できる限りやはり安全な間はこれを通っていただくことを考えなければいけないということを考えまして、その間、私どもとしてはいろいろ警戒標識をあの附近、特に、御存じのように、この個所はちょうどトンネルが三つ続いておりまして、東京側から岩殿トンネル、大月トンネル、浅利トンネルと続きまして大月インターに達するわけでございますが、この三つの一番東のほうが岩殿トンネル、一番西側に浅利トンネルがございます。この三つのトンネルの両端には、この問の事故に即応いたしまして、電光掲示板でいつでも「事故、進入禁止」という電光標示が出せるようになっているわけでございますが、これに対しまして万一地すべりの量がある一定の値以上になりました場合には、自動的に電光標示板に、いま申し上げました「事故、進入禁止」という電光標示がつくようにいたしたわけでございます。これは先ほど最初に御報告いたしました、のり面に十数カ所の測定用ピアノ線を張りましてその動きを測定したわけでございますが、この一番上の、ちょうど一番大きいクラックが上にありますので、これは約百三十メートル上でございますが、この個所、それから一番下の、少し土が盛り上がってきております、ちょうど地すべりの一番下になるわけでございますが、この上のほうは落ちますと引っぱられる方向になります。それから、これはすべってきて盛り上がって下のほうは圧縮されるほうになりますが、この上と下と二カ所に自動的にひずみを測定する装置をこれは別に取りつけまして、そしてその動きが一時間五ミリといいますが、五ミリを超過いたしますと自動的に警報が鳴り、いま申し上げました両側のトンネルのところの電光標示に作動することにしたわけでございますが、それにいたしましても三つのトンネルの両端でございますので、その間に入っておる——すでにもうその中に進入した車に対しての安全の標示としては不適当でございますので、このいまの地すべり個所のすぐ間近のいわゆる岩殿トンネルと大月トンネルの両方に——これは両トンネル間約四百五十メートルくらい間があります。ちょうどそのまん中に地すべり個所がございますので、両トンネルのちょうど出口のところでございますが、その個所にもさらに「地すべり、とまれ」という電光標示板を、これは電光ではありませんで内部照明式でございますが、こういうものを特別につくりまして、これはいまの警報が鳴ると同時にこれもつくようにいたしました。さらにまたそれを通り越してきた車に対しては、もう地すべり個所の直前に、これも発煙筒——常時監視者がおりまして、ベルが鳴りましたら、すぐボタンを押しますと自動で発煙筒が両側でたけるという装置もつくりました。三段階で、どの個所でも、車がその地すべりの個所の手前でとめられるようにということで、私ども最善の処置をいたしました。したがいまして、そういうことで、私どもが通っている間はどうか安心して通っていただきたいということを申し上げておったわけでございます。ところが、いま申し上げましたように、三月二十一日になりまして、非常に移動量が当初考えておりましたよりも急にふえてまいりました。ちょうどそのときにはボーリング機械を三台上げてボーリングをやっておった最中でございますが、また、すでに下にはもう三台ぐらい待機しておりまして、上げるばかりになっておったのでございますが、やはり生命に危険であるということを判断いたしましてボーリングを中止したような状況でございます。  以上でございます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 いまの御説明は、大体強瀬附近に現状のような事態が発生してからの措置、こういうことだと思うのですが、私どもが今回の事件にかんがみて非常に憂慮するのは、日常的な管理がどういうふうになっておるのか、こういう点なんです。というのは、今回の事故を通じて世間の批判というのは非常にきびしいものがあるようでありまして、私、一つの例として、これは朝日新聞なんですが、新聞の記事を持っておりますので読んでみますけれども、「自然の警鐘……ハイウエー閉鎖」「開通してまだ三年余りの、中央高速道路富士吉田線は早くも自然の力の前にひれ伏した。技術の粋を集めたというハイウエーが地すべりという〃伏兵〃のためにこんなことになるとは——。」「四十二年から三年がかりで山梨県内の地質図の作成に当った浜野一彦山梨大教授らの説明によると——。山梨県東八千代郡御坂町藤野木から現場付近を通って神奈川県愛甲郡愛川町にいたる付近は、藤野木——愛川地質構造線と呼ばれる大きな断層が東西に走っている。この断層は活断層と呼ばれ、北側が少しずつ盛上がっている。このため、のしかかる北側と、それを支えようとする南側といったふうに、地中の圧力がさまざまに働くため、付近は幅約二キロにわたって地中には小さな断層が出来、割れ目などが多いもろい地質帯になっている」。こういうふうなことからこの地質の脆弱性というものがここに詳しく述べられておりまして、さらに浜野教授は「道路がなかったら地すべりは起らなかったかも知れない」、こう指摘をしておる。したがってこの地質と工事の関係というふうなものが非常にわれわれの立場からすると心配な点になっておるわけなんです。その地質の調査に協力をした、大月市の賑岡町のこの事故の附近の人、賑岡町の田中収さんは「専門家であれば露出している地はだを見るだけで、同山のいたるところに断層があり、地すべりを起しやすいことぐらいわかったはず。それなりの防災工事も出来たのではないか」、こういう言い方をして、防災工事の不十分さというものに不満を述べているわけなんですが、  これに対して道路公団では、「いまの場所に地すべりが起こったのはあくまでも結果論。事前の対策は無理だった」、こう主張しているというふうに書  いてあります。こういうことになりますと、私ども利用者というよりか国民という立場からの問題ですけれども、まあ、結果論であって無理だったというふうに簡単に片づけられてしまったんでは、これはもうきわめて不安な問題なんでして、しかも、さらに、この富士吉田線は、現在私どもが承知をしている計画によると、これからは大月市から西宮線にこれはつながっていくわけです。西宮線のこの工事もまさに計画をされ、また施行の段階にある。こういう際に、どうも学者などの意見から判断をしてみると、建設省なりあるいは公団なりのこの地質構造というものに対する判断というものが非常に甘いものがあって、いわゆる食い違いがあって、今回の事故などの起因するところもそういうところにあるし、今後の、したがって、工事、土木技術的な面等の上においても、やはり今回のこの事件というものを一つの教訓にして、公団としても考え方というものをここでもって変えていかなければならないような点があろうと思われるし、そういうような点を明らかにしていただかないと、国民の側からすると非常に心配で、いまのままではわれわれはこれは開通ができない、こういうふうなことになってまいるわけです。それらの点について、ひとつ公団の考え方を、建設省の場合でも同様ですけれども、お聞きいたしたいと思います。

山川尚典日本道路公団理事

○参考人(山川尚典君) 私からお答えいたします。  まず、地すべりを起こしておりますこの地区の、当初、路線選定からの事情について御説明を申し上げたいと思います。  もちろん私どもが、高速道路に限らず、道路の建設をいたします場合には、あらかじめ経済的あるいは地質的な判断をいたしまして路線を決定するわけでございますが、その場合には、当然それまでにあります既存の地質の資料はくまなくやはり見まして、そして、これも多くの場合道路公団自体にもそういった地質の専門家がおりますが、さらにその地区についてコンサルタントに発注をいたしまして、やはりそういった一つの地質資料の上に、考えておりますこの路線について、さらに詳しく地質調査をいたしております。で、この地区につきましても当然何本かの比較路線を検討したわけでございまして、ただこの地区でいいますと、北側には山があり、南には桂川があるということでございますので、この間においてどの線を選ぶかということで、当然この桂川から少し上に上がりまして、岩殿山のうしろを通すような案を線形としては考えられた。また、その桂川とどこまで川に乗せるのかという問題ももちろんございます。この間にいろいろな地質調査をいたしまして、そしてトンネルの延長あるいは橋梁の延長あるいは土質の状況等も判断いたしまして、現路線がやはり一番適切であるということを判断したわけでございます。当然この地区に、やはりいま先生の御指摘になりました、山梨大学の先先がおっしゃっておりますような、いわゆる構造線といいますか、そういう断層なり岩に亀裂があるであろうということは当初から推定はいたしたわけでございます。もちろん、この程度の地質でありますと、おそらく全国各地、特に日本のような山岳の多いところにおきましては、山岳道路をつくる場合には大なり小なりそうした地質にぶつかるものでございます。それに対しましては、やはりその地質を考えながら、なおいま申し上げましたトンネル、橋梁等いろいろ比較判断いたしまして路線を決定いたしておるわけでございます。そこで、この地区につきましても、当時の調査の結果といたしましては、やはりいまのそういう地質というのは、既存の地質図といいますのはかなり大まかなものでございます。したがって、やはりそれを現地におろして、その地点のどこがどうであるかということはやはり路線に沿って歩いてみまして、なおその場合に、物理的探査法といいまして、ちょっと簡単なハッパをかけまして波を起こさす。その波の伝播速度をはかりまして、大体ここはどの程度の岩であるかという岩の質を判断するということでございまして、これを各全線の路線、われわれの全線にかけてそういう調査をいたしております。さらに、たとえばトンネル、橋梁その他、ここは多少問題があるなというところは、その個所を選んでさらにボーリングを実施するというようなことで何段にも調査をいたしておるわけでございますが、そのときの調査としては、やはりこの路線に沿って地すべりが起こるであろうということを実は可能性を見出すことができなかったわけでございます。ただ、この個所につきましては、ちょうどいまの道路が通っている路線はかなりかたい安山岩がございまして、これは現在も道路は全く動いておりません。あれから少し山へ入ったところから地すべりを起こしておるわけでございますが、施工の場合にも、切ってみますとやはり亀裂が多い。そういう岩にやはりもろいところがあるという二とを判断いたしましたので、普通の場合でありますというと、ああいう岩の場合はかなり急な切り方をするわけでございます。それをあの場合は約三十六度くらい——ゆるやかな勾配にいたしました。しかも、八段も小段をつけまして、非常にゆるやかなカーブにいたしまして、それにコンクリートののりワクをさらに入れました。そういうことで、いわゆるのり面としては一応十分安全だというふうに判断したわけでございます。ちょうどいま地すべりを起こしております一つのカット面のすぐ大月寄りのところには、あれに近接した一つの切り立った岩がございますが、これはかなり急に切っておりますけれども、全く動いておりません。これはやはり岩の質が違うからでございまして、そういうことで、この個所につきまして、そういうふうに急に切りますと、当然表面からそういうふうに崩壊するということを心配しまして、ゆるやかなカーブに、ゆるやかな斜面に切っていまのような処置をいたしたわけでございます。それが今度のようにああいうふうに非常に深い岩の中で地すべりを起こしておるわけでございます。この辺はまだ、先ほど申し上げましたように、調査の段階でございます。せっかくボーリングしているのをおろしてしまったような現況でございますので、実はただいまもそれを上に、またもう一ぺんボーリングを再開することにきょうからかかっておるわけでございますが、そういう状況で、なお地質の状況の判断をここで決定的に申し上げるわけにはいきませんけれども、いままで三本の穴を掘ったところによりますと、かなり岩の深いところですべっているような感じがいたします。こういうことは当初考えられなかったということで、まことに私ども残念に思いますとともに、いま先生御指摘のように、われわれも今後やはり山岳道路を建設する場合に、これはいままでに初めてぶつかったケースでございますけれども、これを契機といたしまして、十分反省をし、より完全な道路を建設するようにつとめていかなきゃならぬと思っておる次第でございます。  なお、当初先生からこの管理体制について御指摘をいただきましたが、これにつきましては、私ども先ほどお答え申し上げましたように、当初発見いだしましたのは、私どものパトロール隊員が巡視をしていて発見をしたわけでございます。現在パトロール体制といたしましては、技術の関係の専門家がパトロールするパトロール隊員と、それからまたいわゆる交通管理という立場から、たとえば路側に違法駐車しているとか、あるいは積み荷が非常に悪くて荷くずれして危険があるというような、そういう交通管理の面からのパトロール、あるいは路上でのたとえば故障車を発見して随時それに対する修理をするパトロール、あるいはさらに警察のパトロールというふうに、まあ各種のパトロールをやっておりますけれども、私どもとしては、やはりこういったパトロールについては、なお今後とも十分——いままでも努力いたして、まことにじみな仕事ではございますけれども、今後やはり建設した後はパトロールによって早期に異状を発見して対処するということがわれわれの道路管理の使命であるというふうに判断いたしまして、日夜努力いたしておる次第でございます。  以上でございます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 時間の関係がありますから急ぎますが、そこでもう閉鎖されて数日になるわけですが、今後の見通しですね、大体御承知のように、富士吉田線というのは、富士を中心にした、特に山梨県の場合などにいたしますと、今日においてはいわゆる観光道路のこれは大動脈であって、したがって、今日のような事態が経済的にも非常に大きな影響力を持つことになると思うし、したがって、一日でもすみやかな復旧の完了ということをみんな要望しているということですけれども、どうなんでしょうかね。何か私どもの承知するところでは、大体半年間ぐらいは閉鎖するという予定のようですが、今後の復旧対策並びにその見通し、まあ同時に、できる限り交通のふくそう混雑を避けるように、これまた新聞の報道ですけれども、何か仮インターをつくるとかいうようなこともちょっと書かれておるように思いますが、そういうふうな点について説明をしてもらいたいと思うのですけれども。

山川尚典日本道路公団理事

○参考人(山川尚典君) 私からお答えいたします。  この対策工法につきましては、私どももまだ、先ほどからたびたび申し上げておりますように、調査が不十分の段階で、一般に申し上げることはいかがかと思ったのでございますが、やはりこういった非常に皆さんに御利用いただいている幹線道路を、いつまでもどうなるかという皆さんに非常な不安を与えたままにしておくことは非常な問題であろう、こう判断いたしまして、先月の二十四日に記者発表をさしていただいたわけでございますが、そのときには私どもといたしまして、少なくともいまのすべっております約七千平米と申し上げましたこの斜面は、とにかくいま少なくとも入れないだろうと判断いたしまして、したがいまして、その約五、六十メートルぐらい上に土どめぐいをまず打つことを検討いたしました。といいますのは、いずれこの斜面を安定させるためには、当然いますべっている上のほうの土砂をまず取るといいますか、重い部分を取るのがまず常識的な考え方でございますので、当然これはいずれにしてもそのことは考える。そうしますと、いまのすべっている上のほうを取るといたしますと、こののり面の角度が三十六度ぐらいでずっと岩殿山までそのまま続いておりますので、それと、いますべっておりますその上の地質も、われわれまだボーリングいたしておりませんので、表面の観察の程度でございますけれども、かなり上も崖錐と申しまして風化した岩が堆積しておりますが、その下のほうもやはりいますべっておる面の上のほうの地質と大差ないであろうというふうに実は判断されますので、そうしますと、へたに切りますとまたそれが上まで及んでくずれるということも心配されます。したがいまして、いま申し上げましたように、五、六十メートル離れた上のほうにまず土どめぐいを打っておいてからその下を取るということが、何をおいてもまずやらなければならない、それだけは避けられない問題であると、こう判断いたしております。  ところが、いま申し上げましたようなああいった悪い地質のところでくいを打つということになりますと、私ども深礎基礎法といっておりますけれども、ちょうど径二メートルぐらいのくいを、人力で穴を掘りながら、そしてそれにワクをはめて安全を保ちながら、ちょうど井戸を掘っているようなかっこうで掘っていくわけでございます。したがいまして、かなり能率のおそいといいますか、工期のかかる工法でございます。いまのところ、それ以外に機械力を使うことは、あの地点ではまず無理だと思いますので、そういたしますと、それにはやはり相当の工期がかかるだろう。その上でどういうふうな工法を、第二、第三の掘さくの工法につきましては、やはりこれも今後の地質調査が判明してからはっきりまた確定ができると思いますけれども、そういうことで、少なくとも災害復旧には半年はかかるということをまず申し上げたわけでございます。と同時に、それを発表します段階で、私どもとしては、このままじゃとても進まないので、やはり仮の取りつけ口をつくるということで、発表と同時に私どもとしては成案を持っておりました。いま、あとで御説明申し上げますけれども、やはり場所的にもあそこが一番いいだろう。ただ、これにつきましてはいろいろ地元の方の御協力も得なきゃなりませんので、その辺のやはり打ち合わせをしてからでないと仮インターについての発表はできませんので、私どもとしては、とりあえず、工法については、やはり長期にかかるということで、少なくとも数カ月ということで発表さしていただいた。その後新聞には、どうも半年ということがいわれておりますが、私どもとしてはそこまではっきり詰めているわけじゃございませんので、現点の時点で、先ほど申し上げましたように、かなり動きもとまってきております。そうしますと、これはほんとうの仮定でございますが、あるいはあのまますべらないでとまることもあり得るかと思っております。とまったとしても、これは将来三十ミリとかそういった大きな雨が降った場合には非常に危険でございます。そのままにはおけない問題でございますので、いずれそれに対する、いま申し上げた路面を掘さくして安定させるということは当然必要でございます。ただ、その場合に、もしもあのままで手をつけないでくずれた場合とくずれない場合とは、その後の処理が当然若干変わってまいりますので、工期自体も変わってくると思う。したがいまして、現在の段階で工期がどのくらいかかるかということをまだ明快に申し上げるだけの基礎のデータがございませんし、また私どもも、さきに申し上げた学識経験者の御意見も聞いておりますけれども、何ぶんにもいまの地質調査なりボーリング結果なり、その他調査結果が出ないことには、先生方に御意見を申し上げるわけにいかないわけでございまして、したがいまして、いま私どももボーリングをまた再開いたしております。なるべく早くこの調査結果をまとめまして、その上でやはりもう少し明快に工期その他を申し上げる機会を持ちたいと思っております。  そこで、いまの仮の取りつけ口の問題でございますが、ちょうど岩殿トンネルの東口のところに主要地方道の大月——奥多摩線が私どもの中央高速道路をオーバーして立体交差している個所がございます。その個所でいまの私どもの道路に取りつけをいたしますと、比較的短い区間——そこから大月インターまでは約三キロでございますので、その間をはずして大月市内に車で入っていただくということで、いまの国道二十号の渋滞はかなり緩和される、こう判断したわけでございますが、これを実施するには何ぶんにも大月市内の交通処理がやはり大きな問題になってまいります。したがいまして、これにつきましては、国道なり、あるいはいま申し上げた主要地方道の管理者との問題、あるいは公安委員会の御意見もあろうかというふうに思いまして、さらにその後打ち合わせをしてまいりまして、先般また一般に発表しましたように、いまの仮つけインターを四月下旬までにそこに開設をするということでいま鋭意すでに工事を始めている次第でございます。  以上でございます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 私は、この事件に関連をしていろいろお尋ねしておきたいような問題を考えておったわけなんですが、実はさっき時間の指示を受けましたので、なかなか時間内では消化できそうもありませんから、あとはちょっと個条書き的にお尋ねをいたしますので、お答えをいただきたいと思うんです。  いま、いろいろ御説明をいただきましたけれども、それらを聞きながらも考えさせられておりますのは、実は今度の事件が明らかになってまいりましてから地元の新聞がこういうことを書いております。——地すべりの中央高速道は半年間閉鎖、日本経済の高度成長に対して天地の戒めのお告げかもしれない。——これは新聞が書いております。社会党あたりが書くなら当然のことでありますが、土地の新聞がそう書いております。先ほども指摘をいたしましたように、地質学者なども指摘をしておりますし、また、附近の一般の住民の人たちなどの不安のあまりの意見というものがかなり出ているところでありますし、と同時に、私もさっきちょっと触れましたように、NHKの番組の中などでもっての公団の言明など、こういうふうなものを総合して考えますときに、どうも、何といいますか、施工を急ぐあまり、肝心のそれこそもう人命の危険などに及ぶような重大な対策というようなものがどうしても軽視されてきてしまっておる点があるのではないか。これは今後にわたっても非常に重大なことであって、したがって、これを機会に、そのような点でもって不安や憂慮の残らないような万全の態度と方針というものは、これはひとつもうぜひ考えていただかなければならぬと思うわけでございます。これに関連する一、二の例ですが、これは直接交通安全上の問題ではないかもしれませんが、いま中央高速道の工事にかかわりまして、やはりあの事件が起こっております個所の非常に近い場所ですけれども、鳥沢というところがございますね。その鳥沢の一部の部落が工事中に、排水の問題でもって、公団の計画ではとうていこれはもう排水がのみ切れないだろう、被害が生ずるのではないかというようなことをしばしば申し立てをいたしたようでありますけれども、その点は心配がないということを公団のほうでは答えて計画どおりの工事を終わっておるようでありますが、さてその後になりますと、やはり住民の人たちの心配したごとくに、少し降雨量でも多いと排水がのみ切れなくてかなりその地域に被害を起こしているというような点があります。これはその地元住民と公団の間で交渉があるようなんですが、その交渉の結果がどうなっておるかというようなこともあわせて聞かしていただきたくもありますけれども、いずれにいたしましても、それも一つの例ですが、やはりこの住民側の心配というようなものが軽く一蹴されておったというようなこともあるわけですし、それから、これもおそらくいま公団との間の交渉の問題になっておるのだろうと思いますけれども、この高架の走っておる沿線では、石は落ちてくる、降雪などの際には雪が落ちてきて、そしてその周辺地帯の民家では多大の迷惑を受けておる、騒音はもとよりのことでありますが。そういう点からして、公団に対してそれらの問題の除去を交渉をしておるようであります。何か聞くところによれば、金網をかけるというようなことを言っておるようでありますが、しかし、一部の民家においては、とうてい金網などではこれは問に合うものではないから、むしろ移転をさしてもらいたい、したいと。したがって、その移転については公団のほうでもって補償がしてもらえないだろうかというような交渉などもあると聞いております。これらの点につきましてもどういう結果になっておるのか。これも聞かしていただきたいと同時に、いま申し上げたような事例も、やはりどうも道路建設を急ぐのあまり、いわば人命の問題というか、人間に対する対策の問題といいますか、そういうような肝心なことがかなりおろそかにされてきておるような点がうかがえるような気がするわけです。こうなってまいりますと、そのような考え方が今後も続けられていくということになりますと、たいへん重大なことです。したがって、もし反省があるならば、反省をも含めてそういう問題についての所見をお聞きいたしたいと思います。  それからもう一点は、これは目前の問題ですけれども、いまの御説明では、何か若干動きが小さくなってきておるというから、これは私は非常に喜ぶべきことだと思うのです。しかし、そうはいいましても、自然を相手のことですから、あるいは崩落、崩壊が起こらぬとも限りませんし、また、何か聞いたところでは、事の進行いかんによっては人工崩落のような方法も考えなければならぬのじゃないかというようなことなどもありました。こうなってまいりますと、当然関係の住民には相当の被害が生ずるわけでありまして、もうすでに、さっき御説明もありましたが、きわめて近いところの民家の移転もされておるというようなことでありますので、今後そのような住民に対するところの被害等が生じた場合の補償の問題というのはどんなふうに考えておるのか、こういうような点についてもひとつ聞いておきたいと思うわけであります。  それから……ちょっとすみませんが、あと二、三分……。私は、時間がありさえすれば、実は中央高速道の開設以来の利用状況だとか事故の発生の状況だとか、私などしろうと目に見て判断をいたしますと、どうもこの利用状況などにつきましても、公団の当初の判断というものが少し甘過ぎたというか、相違をしておるような点があったのではないかと思います。それが事故多発に——理由はそればかりではないと思いますけれども——つながっておるような感じも持っておるわけなんです。そのような点から、早くこれはやっぱり四車線工事を完了してもらうことが望ましいわけですが、今回の事件などと関連をいたしまして、四車線の工事というのはどういうふうな影響を受けるのかというような点と、それから少し話が発展をしますけれども、大月からつながるあの西宮線の場合も、一宮以西については何か現状ではまだ二車線の工事計画だとこう言われておるわけですが、これは山梨の県民の人たちなどは非常に危惧をしているわけです。いままでの富士吉田線の現状が示しておるような実情からいたしまして、大体、分離帯を持たない二車線の高速道などというものが問題の点だと思うのですが、何か計画では一宮以西はまだ二車線の計画だと、こういうふうに聞かされておるのですけれども、これはもう今回の事件などもさることながら、地質の問題などもあわせて考えてみますと、二車線の工事計画などというものは、まことにどうも妥当性のないことであって、四車線の計画にこれはすみやかに改善をする必要があるではないか、こう思われます。  そういうような、ひとつ、いま申し上げました若干の点についてのお答えをいただいて終わりたいと思うのですが、時間がもうありませんので、個条書き的に申し上げましたけれども、答えていただきたいと思います。

三野定日本道路公団理事

○参考人(三野定君) 建設を担当いたしております三野でございます。ただいまの先生の御質問に対しまして、まとめてお答えを申し上げたいと思います。  まず第一に、工事を急ぐあまり、安全あるいは環境等に対する配慮を欠くようなことはないかというような御趣旨の御質問があったかと思います。工事を急ぎましても、安全を欠いては道路工事になりませんので、その辺は十分に気をつけたいと思うわけでございます。  周辺の環境に対しまする配慮につきましては、従前の考え方と最近の考え方とは確かにだいぶ差がございます。私どもの従来の至らなかったところを反省をいたしまして、今後の工事にあたりましては十分に気をつけて、よく沿線の住民の方と協議をしながら進めるようにいたしておるわけでございます。今後とも十分に気をつけたいと思っております。  現地におきまして、鳥沢部落等におきまして、排水の処理がまずくて被害を起こしているというようなことを承知いたしております。これにつきましては、関係機関と協議をいたしまして、これは事態は、高速道路の排水が国道のところに参りまして、国道のほうの排水と一緒になりまして、国道を排水路でくぐっていくというようなところの排水断面の不足というようなことに起因するようでございます。私どもだけでは参りませんので、国道のほうと相談をいたしまして改善方をはかりたいと思っております。  それから四車線拡幅工事を現在大月まで進めておるわけでございます。鋭意工事を急いでおるわけでございますが、今回の事故の地すべりの区間におきましても、現在拡幅工事をすでに着工いたしております。地すべり対策もあり、緊急の仮のインターチェンジをつくるというようなことがございまして、多少工事に支障が起こることはやむを得ないかと思いますけれども、できるだけこの個所を少なくいたしまして、予定の工期に全線四車線拡幅できますように計画を進めておりますので、御心配をかけないようにいたしたいと思っております。  私から以上お答えを申し上げます。

高橋国一郎建設省道路局長

○政府委員(高橋国一郎君) 最後の御質問でございましたが、一宮から西のほうが二車線のままになっておるということでございますが、御承知のように、私が申し上げるまでもなく、高速自動車国道というのは、少なくも四車線以上あるということが原則でございまして、われわれもそのつもりでおったわけでございますが、ただ、中央道のごとく、日本の一番最初におきます高速道路建設でございます。日本で最初に高速道路にかかった地方でございまして、この時点におきましては、建設資金も少なくてなかなか四車線が非常に建設が困難でございましたので、これをできるだけ投資効果を最大にするために、交通量の少ないと思われる区間につきまして二車線の建設を許したのが現状でございます。その後やはり二車線では事故も多うございますし、いわゆる高速道路でございますので、いろいろ財政当局とも相談いたしまして、最近におきましてはできるだけ四車線の施行命令を出すようにしております。ただ一宮から西中津川までの間はいまだに二車線になっておるようでございますが、次の幹線審議会には必ずこれを四車線にするようにわれわれといたしましては財政当局とも折衝いたしまして、四車線の整備計画に直したいというふうに考えております。ただ恵那山というトンネルがございます。日本では最大のトンネルでございまして、この区間だけはあるいは二車線と、そのままになるかもしれませんが、少なくとも平地部ないしは丘陵部を通る区間につきましては四車線を建設するように今後つとめていきたいというふうに考えておる次第でございます。

山川尚典日本道路公団理事

○参考人(山川尚典君) 私から、先ほど残っております問題についてお答えを申し上げたいと思います。  先ほど先生から、いまの地すべりがとまってきたのは非常にけっこうなことであるけれども、人工的にすべらせるということも考えておるようだけれども、それに対して周辺に被害を及ぼした場合の補償をどうするかという御指摘がございました。ちょっとそのことにつきまして、私さっき申し上げましたことについてふえんさしていただきたいのでございますが、現在、すべりはなるほど前に比較して少なくなってまいりましたけれども、かりにこれがとまるようなことがあるといたしましても、それでもう放置していいというものではございません。やはりこれに対する処置はいたしませんと、先ほど申し上げましたように、かなりの雨量がありますとやはりすべるということが心配でございますので、当然相当の抜本的な処置はしなければいかぬ。そこで、では、いま、人工的に落とすのかという御質問でございますが、これにつきましては、先ほどからたびたび申し上げておりますように、いわゆるボーリングをやりまして地質構造を判断した上で処置をすべきことでございますので、その後に譲らしていただきたいと思います。現在私どもは、たとえあれをくずすようなこと——当然これの掘さくはやらなければならぬのでありますが、またあるいはくずす場合に、ちょうど私どもの高速道路からすぐ下には私道がございます。私道を閉塞することは当然考えて予測しておかなければならないことでございます。ただ、その奥にあります、先ほど四戸の関係の方があると申し上げましたが、この四戸のうち一戸はあそこの拡幅工事をやっております工事業者の飯場でございますので、これはすでに移転をしてもらいました。三戸の方でございますが、現在これは大月市内に避難をしていただいておりますが、いま大月市当局のおはからいで、いわゆる仮住居をごあっせんいたしたいということで打ち合わせをしていただいております。もちろん、この三戸の方も、落ちつけばやはりあそこに戻りたいという御希望でございますので、そのようにいたしたいと思っております。この費用につきましては、今後やはり関係者と協議してきめることでございますけれども、御当人の負担にはもちろんしないつもりでございます。  それから次に、先ほど、高架の場合に物が落ちるというお話がございました。私どもこれにつきましては従来やはり金網——そういうものを除去するための網をつくることによって解決しておりますし、それで沿線の方にも御理解いただいておるわけであります。今後ともこの方法で、いまの御要望に沿って、すみやかに現地を調査いたしましてそのように進めさせたいと思います。  以上でございます。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 それでは一問だけ。国鉄の人見えていますか。——時間の関係があるから私はほんとうに簡単に。  先ごろの総武本線の船橋駅構内に起こった事故の問題についてちょっとお尋ねしたいと思うのですが、一つは状況説明を受けたいと思いますし、それから、この事故についてこういうことが言われているのです。運転手がむしろ居眠りをしておったらあの事故は起こらなかったのではないかと言われているわけです。これはいわゆるATSという機械の装置との関係で言っておられますが、そのままにしておけばとまったものをと。ですから、運転手が居眠りでもしておって、そうして自分の手でいろいろ操作をしなきゃ、むしろ事故が回避できたのではないかというような奇妙なことが言われております。そういう点についてのひとつ説明をいただきたいと思います。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 先ごろ、三月二十八日、総武線の船橋駅で電車の衝突が起きまして多数の負傷者を出しました事故を起こしましてまことに申しわけございません。  その事故の概要につきましては、簡単に申しますと、朝の七時二十一分、ちょうどラッシュ・アワーの時間でございますが、先行の千葉から中野行きの十両の電車が船橋の駅にとまっておりましたところへ、あとから、津田沼から三鷹行きの同じ十両の電車が追突をいたしたのでございます。追突をなぜしたかというその直接の原因は、後続の、追突をいたしました電車の運転士が信号をよく見なくて、そのためにブレーキを扱う時期を失して、そのために追突をしたということが直接の原因でございます。  そこで、先生が御指摘になりましたように、ATSはどういうふうに動いていたかということでございますが、私どもいままで調べましたところで——と申しますのは、電車の運転士はすく警察に連れて行かれまして、先週の土曜日の夜に釈放になっております。その後直接当人に当たったのでございますが、まだ徹底的な解明ができておらない状況ではございますけれども、運転士の申し立て、それからそのほかの関係者の取り調べでも、ATS装置は完全に間違いなく動いていたというふうに想定されるわけでございまして、それで、ATSとはどういうものかという、これは詳しく申し上げる時間もございませんけれども、これは信号が赤であって——まあ信号は赤か黄色か緑かでございますが——信号が赤であるということを車の中の運転席に警報ベルで知らせるのが第一義の目的でございます。それによりまして、万一信号を見落としていたような時にベルが鳴って、信号が赤だということに気づいて、すぐ信号を確認する。それによってその後の応用動作をとるというのがATS取り扱いの根本的な指導でございます。それで、この場合にATSは鳴ったわけでございますが、たまたま停電がございまして、停電をいたしますと、信号が停電をいたしまして信号灯が消えたわけでございます。赤も消えたわけでございますが、そのときのATSは常にずっと鳴り続けているというのが正しい動作でございまして、まさにそのとおりの動作をATSがしたわけでございます。それを運転士が、停電で信号が消えていたかどうか実はこれは確認していないわけでございますから、消えておったのだろうと、聞いてもわからなかったわけでございますけれども、おそらく——その点は推定が入りますが——信号を見ないでATSがずっと鳴り続けているのが変だな変だなと思っている間に前の電車に、非常制動とるいとまなく、ぶつかったというのが原因かと思うわけでございまして、それで、この場合に、ついておりますATSは、ほかの場合と同じように、まず第一に信号を確認するその警報装置、これが第一義でございまして、それでも万一、先生がいま例でお示しになりましたように、万一失神をしたとか、何か正常な肉体的な動作がとれないというような場合に、最終的には自動的に電車をとめる装置も付加してございます。ですから、巷間伝えられるように、何もしないでぼんやりしててくれたらどうなったかといいますと、これはその点、電車の位置とかあるいはATSが鳴り出したその位置、それらのまだ詳細な検討はいたしておりませんけれども、あるいは非常制動がかかったかということも考えられるわけでございます。そういう点でATSそのものは正常な動き方をしておったんでございますが、それに対しましての取り扱いが適正を欠いたということが直接の原因でございまして、まことに申しわけない事故でございます。それで、これの負傷者は七百五十八人という多数の負傷者が出まして、これはもう私どもといたしましては、できるだけのこれからのお取り扱いもいたすつもりでおります。  それから事故そのものにつきましては、いま申しましたような原因がほぼ明確になりましたので、正しい取り扱いについては、一そう指導訓練を徹底さして、いかに機械装置を充実、完全にいたしましても結局使うものは人間でございまして、その人間の訓練については、ここでいいというものではないということを、今回もしみじみ痛感いたしている次第でございます。以後十分注意をいたしたいと思っております。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 さっき、むしろ居眠りでもしておれば事故は起こらなかったという、これは世間で言うもんですからそういう言い方をしたんですが、結局私どもの聞くところによると、せっかくATSが装置をされておりましても、その機械の操作だけにまかしておったんでは、これはもうダイヤが混乱をしてしまう。せっかく機械の装置はしておりましても、その機械をさらに人間の手で機械本来の機能を変えるようなやり方をしなければダイヤが維持できないというような、言うならば、過密ダイヤによるところの非常に変則の管理というものが、いま国鉄の場合には、それがしいられておるための事故だ、これが事故の遠因だと、こう言われているわけですが、それに加えてATSをATCにかえるということが非常に喫緊のことじゃないかというようなことが言われております。そういう点はどうなんでしょうか。そうなると、なぜ国鉄とすればATCにかえるような方針をとらないのかという点が、われわれ門外漢からは非常に疑問に思うところなんですが、説明をしていただいたらと思います。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) いまの国電——総武線と言わず——ダイヤが非常に過密で、そのために事故の原因が方々にあるんじゃないかという、そういう話が私どもの耳へも入っておりますが、これは確かに中央線が二分間隔で動いておりますし、今回の総武線も二分半間隔で動いておりますが、それのみをもって、過密で事故の原因がころがっているとは、私ども実は考えておりません。たとえば外国の例で申しましても、一分四十五秒間隔とかあるいは一分五十秒間隔と、五秒刻みでやっている。これはもちろん地下鉄なども含めてでございますが、そういうところもございます。それに対しましては、二分間隔あるいは二分半間隔あるいは一分三十秒間隔で動けるような装置をそれぞれいたしておるわけでございまして、したがいまして、中央線でも総武線でも、私ども、その二分間隔あるいは二分三十秒間隔で、もう危険の上を綱渡りをしているというような、そういう輸送方法は絶対これはいたしておりませんので、その点は、口幅ったいようでございますけれども、御安心いただきたいと思うんでございますが、なお、運転局長が参っておりますので、もうちょっと技術的にふえんさせていただきたいと思います。それから、今度のはATSがついていたわけでございますが、現在のATSの機構そのものも非常な変遷を重ねてまいりまして、まあ、私もしろうとでございますけれども、簡単に申し上げますと、最初は単に警報が鳴るだけの装置をつけたわけでございます。それからさらに、その装置をつけていて事故を起こした苦い経験にかんがみまして、その次に、こまかい改良を次から次へとやっておりますけれども、その警報がずっと持続して鳴るような装置を考えたわけです。それから現在はずっと鳴り続けていて、そうしてその間に、やはり万一の場合電車をとめなければならないというような状態があった場合には自動的にとまるという装置までつけております。それが現在のATSの性能でございまして、まあ、それで、非常のときに電車が最終的にとまるからこれは自動運転装置だというふうな考え方で見られる意見もございます。先生のお説はそうじゃなかったように私拝聴いたしましたが、したがいまして、現在のATSというのは自動運転装置ではございません。自動運転装置は英語でATOと申しまして、これは外国の地下鉄ですでに実用に入っておるところもございますが、私どもでは、新幹線でもまだそのATOまではやっておりません。やはり運転士が乗って最終的には発車させる。それ以前に、安全についてはもう各種の手段方法は講じておりますけれども、そういう意味で、ことに電車線に貨物列車なりあるいは急行列車なり特急列車が走っておるのがわが国の現状でございますので、それらの列車を全部安全に運転させるような方法でいまのATSが開発されているわけでございます。これ以上さらに何か機械的にもっと安全な方法がないかどうか、これは私どもは検討に値する問題として取り上げておりますが、まだここで御報告するまでの成果はあがっておりません。今後もその検討は続けてまいりたいと思っております。  なお、ダイヤにつきまして、若干時間をいただきまして、運転局長から説明させたいと思います。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○説明員(鈴木宏君) ただいまの副総裁の説明に補足させていただきます。  ダイヤに関しましては、先ほど副総裁から説明がございましたように、基本的に安全を確保しつつ、しかも二分ヘッドあるいは二分半ヘッドを保てるようにダイヤ計画をいたしております。で、閉塞区間をそのダイヤに合わせて計算をいたしまして、そうして信号機を立てていくわけでございますが、今度は列車計画のほうといたしましては、技術用語といたしましてツーセクション・クリア、最低限二つの閉塞区間を隔てて後続列車が入るという前提でダイヤを組んでおります。場合によりましては、もちろん三閉塞区間をとっておる場合もございますが、どんなに詰めても二閉塞区間はとるという前提で基礎の運転計画をいたし、さらに、はしたが出ました部分につきましては、まるめてそれを余裕時分として加えております。したがいまして、二分ヘッドの——たとえば中央線でも、いまの一分五十三秒とか、そういうふうな技術的な計算にさらに何秒かの余裕を加えて二分にいたしておるわけでございます。以上のようなことで、列車のダイヤに関しまして御心配をかけるようなことはないと確信いたしております。  一応、私が補足させていただきますのはこれだけかと思います。

神沢浄日本社会党

○神沢浄君 御説明の中でもって私がお尋ねしておりました一つの点は少し明らかでないけれども、これはわれわれが門外漢なもんですから、機械とか技術的な面はわからないままに質問するのですが、要するに、ATSよりかATCにかえるほうがいいではないかという意見があります。そういう点はどうなんでしょうかね。そうすると、それがわかっておるにもかかわらず、なぜ今度のようなこういう事故が発生しやすいようなATSのままで国鉄はやっておるのか、こういう点がわれわれには非常に疑問なんですが、この点の説明をいただきたいと思うんですが。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○説明員(鈴木宏君) いま先生の御指摘のように、いまのATS、特に国鉄が使っておりますATSよりも、もっと同じATSでもあるのじゃないかというような御意見もあるかと存じます。さらに、段階として進めましてATCがあるじゃないか。また、さらにはATOの段階。これを少し技術的に御説明させていただきますと、ATSと申しますのは、基本的には、先ほど副総裁が御説明いたしましたように、全部の運転を乗務員が信号を確認してやるということを人を主体で考えてございます。これはATSのいろいろな段階のATS方式でもそうでございます。それから、したがいまして、警報が鳴ると、それはあくまでも乗務員に対して、信号を見よという注意を再喚起する手段である。そうして、先ほど副総裁からお話しいたしましたように、万一正常に運転を継続できないような状態に乗務員がある場合、そのときには自動的にとまるという考え方で構成されております。  それから、次のATCの段階になりますと、速度制限に関しまして、これは信号が赤ければ、その手前はイエローでございます。黄色でございます。で、四十五キロの制限なり、いろいろ信号によりまして制限をきめておりますが、それに相当する速度よりも高いときには非常制動がかからないで、その速度に合わせるようにブレーキがかかりまして、そしてその所定の速度より以下になりますと、ブレーキが自動的にゆるみます。そうして、ただしATCの普通の段階では、力行は、結局ノッチを入れて、自分で上り勾配の途中などではノッチを入れませんと、どんどんそのままですと速度が下がるわけでございますが、そのノッチを入れて、また時刻表に合わせて運転する。それから最後の停車駅——とまる駅で所定の場所にとまるということは全部乗務員にまかせて、つまり人間にたよっております。したがいまして、人間とこの機械との関係は、ATSの段階とATCの段階と比べまして、受け持ち範囲と申しますか、もともとATSは機械には受け持たせない。人間が人間でなくなったとき、要するに、最悪の場合は心臓麻痺などで死んだとか、あるいは失心しているとか、あるいは仮眠したという、人間が人間でなくなったときの装置であります。しかし、ATCは、半分と申しますか、相当部分を機械にまかせる。ただし、それでも、実はたとえば新幹線の場合ATCでございます。しかし、機械をかってにほうっておきまして、それで速度制限にあたって自動的にブレーキがかかって、ゆるんでというふうにやりますと、ごつごつ運転になりまして、これはお金のかけ次第でそのごつごつ運転をどの程度なめらかにできるかは、技術と経費とのかね合いでございますが、一応ごつごつ運転になりましてまた定時運転、余裕時分をみんな与えておりますので、到着をかってにしてしまうというような問題等がございます。それから以後のATOの段階になりますと、正常な段階では、普通の場合、それでも車掌をなくして、車掌と運転手を兼用にいたしまして操作員というように——ロンドンのビクトリア・ラインでやっておりますけれども——一名にいたしますと、人を前に一人だけ乗っけまして、そうしてお客扱いをして戸を締める。そこは人がいたします。そうしてボタンを押しますと、あとはそれこそ自動的に加速し、またちゃんと所定のホームの位置に次の駅でとまる。そうしてあとは車掌の仕事を操作員がやるというようなことを繰り返しております。しかし、このATOの段階にまいりましても、最後の終着駅で戻るときには、また入れかえをするというふうな段階では、人間が——その操作員が手動に切りかえてやる。それから、万一、ATOシステムとして、私たちダウンと称しますが、要するに故障が起きたというときには、非常運転として、駅のまん中とかトンネルのまん中に入ったままで身動きできないのでは、これまた別の意味で非常に問題でございます。それはまた乗っている人間が所定の、少なくとも次の駅まで運転せにゃいかぬ。そういう非常運転というのは、人間にどうしても残ります。そうしました場合に、めったに起こらぬことのために人間が乗っておるという、そのめったに起こらぬことでございまするので、平常それの訓練をどうするかとか、また、あわてるだろうとか、そうしますと、そういうときに、かえって平生やっていないだけに問題があるのじゃないかというふうなことで、ATOになりましても、やはり人間と機械との関係というものをいかにするかというのが、今日よくいわれておりますが、マン・マシン系の問題として、われわれ、もしそういう方向に進むとしましても、十分研究して、それに対処した乗務員の指導訓練を含めまして、考え方も含めましてやってまいりたいと、そういうふうに考えております。  以上でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 国鉄御当局に二、三お尋ねしたいと思いますが、山陽新幹線の開通を機会に、国鉄では新幹線騒音基準をおきめになるように承っておりますが、どのような取り組み方をなさっておるか、伺いたいと思います。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 最近、公害の問題が非常にやかましく取り上げられるようになりまして、新幹線も騒音、振動の問題が起きているのは事実でございます。で、山陽新幹線、つまり新大阪から岡山までにつきましては、その点相当考慮致しました。ところが、正直に申しまして、東京——新大阪の東海道新幹線につきましては、それほどまだ防護策を講じていない状況でございますので、山陽新幹線の経験を取り入れまして、早急に東海道新幹線の騒音問題についても取り組んでいこうと、実はいま検討を始めているところでございまして、まだその基準をつくる、どんな基準をつくったというように申し上げるまでには至っておりませんので、環境庁その他監督官庁である運輸省とも御相談いたしましてできるだけの手当てをいたしてまいりたいと、このように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 私は、実は大体腹案をおつくりになったかのように承ったのですけれども、じゃ、これからでございますね。東海道新幹線はもう御承知のように七年も前にできておりまして、今度の岡山延長に伴っていよいよこのような公害問題騒音が取り上げられるわけですけれども、むしろ私どもに言わせればおそきに失したというような感じがしております。したがって、いままでの、遡及してこの沿線の住民に与えたいろいろな損害というようなものについても補償されるというようなお考えに基づいておやりになるんですか、その辺の構想を伺いたいと思います。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 過去の被害額の算定その他非常にむずかしゅうございますので、私ども、できるならば将来の被害の軽減を、線路の構造なりあるいは車両の構造を変えることによりまして、あるいはまた、うちの設備だけで間に合わないようなところ、まあ、具体的に騒音でひどいというようなところは二重窓にしたほうがいいというような、そういうお話もございます。そういう点につきましては、こちらも費用を負担させていただいてそういう工事をやっていただこうかと、そういう考えを持っております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 担当の局長がお見えになるそうですから、その点はまたあらためてお伺いします。  先ほども問題になりましたけれども、この四月から、要するに岡山へ延長してからローカル線について非常な苦情がふえていることは御承知のとおりでございます。現に、新聞などによりましても「鈍行百四十七本バッサリ」という見出しでもって、三月の十五日から、ローカル線にたよっていた通勤者というかあるいは働きに行った勤労者などは実に不便を感じている。中には、五時間ですか、汽車も全然動かないような、駅に寄らないようなダイヤになっている、このようなことを聞いておりますけれども、またこれについては国鉄の内部の国労からももうすでにこの国鉄ダイヤ改正の事前にいろいろの問題提起がされておりますが、これは新聞記事ですけれども、「〃住民〃より〃ゼニ〃」——非常にお耳の痛いような感じをお持ちになっていると思いますけれども、何といいましょうか、「国鉄労働組合が三月十五日からの国鉄ダイヤ大幅改正に「待った」をかけた。〃マル生〃で当局を追込んだ国労が、今度はダイヤ改正についても「赤字解消、つまりゼニもうけを優先させるあまり住民の便宜を図るという国鉄本来の使命をまったく無視している」、このような内部からの告発がなされていると新聞は報道しておりまするけれども、私どもは、国鉄はまあ民営の運輸会社とはおのずから違うと思いますし、まず、それこそ住民の優先、もっとことばをかえるならば、採算主義よりもむしろ人命尊重、あるいはまた人間尊重の立場に立ってやらなければならない、こう思うわけですけれども、その辺のお考えをお伺いしたいと思います。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) いま御指摘のございました三月十五日を期して大阪——岡山間の新幹線開業がございました。それに関連した時刻改正を幹線に行ないますと同時に、地方のローカル線の時刻改正も行なったわけでございます。従来の時刻改正のときには、年間常に、あるいは官公庁さんなりあるいは地域の市町村長さん方なりから、あるいは通勤者の、そういうような集まりから、今度の時刻改正のときにはこの列車はこういうふうに変えてくれというような御要望が常に出ております。それを私ども常時、まあこれは地方の管理局でございますけれども、伺っておりまして、時刻改正のときにそれを参考にして新しい時刻をつくっているわけでございますが、今回特に先生が御指摘になりましたように、また新聞論調でも手きびしく私どもおしかりを受けましたのは、相当ローカル線を減らしたじゃないか、それで足がなくなったというようなおしかりを今回特に受けたのも事実でございます。それで、これにつきましては、決して赤字を解消するために列車をやめるというような、そういう方針でやったわけではございません。端的に申しまして、朝晩の通勤通学時には一両で足りなくて三両も、極端には五両も車を足さなければ運び切れないくらいの通勤がございますが、データイムには、これも極端な例でございますけれども、三人かあるいは九人かより乗らない。その間はそれじゃどういうふうに住民の足が確保されているかと申しますと、これはほとんどバスに移ってしまう。そういうような地域交通の変化が最近非常に目立つようになりまして、そのために昼間はできるだけ間引いて、そのかわり朝晩の通勤通学の足を確保するようにというようなことで整理をしたのもございます。それから朝晩の通勤通学の列車につきましても、発駅とそれから着駅の時間で、自分はこの時間に乗るのが便利だ、しかし着くほうでは自分はこの時間に着けてもらうほうが便利だ、それから発駅でも学校と会社、会社の中でも執務時間によりまして十分早くしてくれ、おそくしてくれというような、いろいろな御要望が出ているのは事実でございます。その御要望に一々全部合うような列車を出すわけにはまいりませんので、結局最大公約数的な時刻をつくらざるを得ないわけでございますが、その間におきまして少し時間を集約し過ぎたというような点も、これは率直に私どももあったかと思いまして、一々本社でチェックするわけにはまいりませんので、地方の管理局に指示いたしまして、時刻改正後相当手直しをいたしておるわけでございます。問題は今後も起こらないとは私ども申し上げられませんが、しかし、決して独断でやるつもりはございませんが、ナショナル・ミニマムとしての足をどの程度確保しなければならぬかという点に問題があろうかと思います。従来、大体春と秋に時刻改正をいたしております。今回の問題をとうとい経験といたしまして、地域住民の御要望を市町村というような単位で集約して御希望として伺うような方法もひとつ組織的に考えてみようと、このように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 副総裁のお話もわからぬではありませんけれども、しかし、やはり国鉄としては国鉄の立場から考えての最大公約数なりに基づいてのダイヤを組んでおられるというわけでございます。ところが、住民側にすれば、利用者側にすればそのようには受け取らないで、やはり利用者本位にやってほしい、こういうような立場でそこに大きな隔たりがあるわけでございます。したがいまして、先ほども触れましたように、国鉄はやはり民営の企業じゃございませんので、そこらはむしろ人間主義と申しましょうか、公共精神に基づいての住民本位の私はダイヤを組むべきだ、このように思うわけでございます。それが軽視されますると、結局先ほどの、国鉄の内部からも盛り上がったような、何といいましょうか、当局の方針に反対する声が叫ばれるんじゃないかと思います。まあ、このようなことから、いまの国労におきましても、何か採算第一主義と申しましょうか、採算を重視し過ぎたような方針に反対して、それを一つの理由として順法闘争がなされているわけでございますね。これは、順法闘争は国鉄内部の問題でありましょうけれども、しかし、その迷惑を受けるのは一般の住民であるわけでございまして、このような利用者に非常な迷惑をかけるようなことはなるべく早く解決すべきだと私は思います。また同時に、このような順法闘争にからみまして、ラッシュ時に非常に危険、まあ事故の危険、人命損傷のような事件も起こるんじゃないかというような危険性さえも感ずるわけでございまして、この辺、どうか当局としても内部の要求というものに対して慎重な考慮を払っていただき、また同時に、このような国鉄内部の争いのために住民にかえって非常な迷惑をかけるというようなことを重視されてこの解決を急いでいただきたい、このように思うわけですが、副総裁のお考えを承りたいと思います。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 現在の国鉄の現状につきまして、たいへんきびしい御批判をいただきましてまことに恐縮でございますが、組合のいわゆる闘争につきまして、これは私ども常に現行法上組合というのは、国鉄はスト権がございませんにもかかわらず、ストライキを呼号するようなことも過去においてございました。それから、順法闘争と申しておりましても、これは明らかにサボタージュでございまして、これは国鉄に許されている正当な組合活動であると私ども考えていないわけでございます。しかしながら、現実にいろいろなごたごたが出てくることはたいへん申しわけなく存じているわけでございますが、ことに現在起きております事態が、あるいは運賃値上げの反対とか、あるいは処分の反対とかというようなことで騒ぎを起こしております。これは、私どもとして、国鉄職員としてあるべからざる行動であるということを常にやかましく、特に先ほども総裁から書面通達というようなかっこうで警告も発しているわけでございますが、私は、大多数の職員は、いまの国鉄の現状でどう行動すべきか、これについての良識を持ってくれていると思いますが、しかしながら、多数の職員をかかえている現状といたしまして、御指摘のような、国民に御迷惑をかけるような状態になっていることをまことに申しわけなく思います。私ども一刻も早くこれを正常な労使関係にいたしまして、そして国民の皆さんの足として十分お役に立つような国鉄にいたしたいと念願をし、さらにこれからも努力を続けてまいるつもりでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 先ほど来、例の船橋駅の事故の問題についていろいろと伺ったわけでございますけれども、これはすでに起きた事故、追突事故でございますけれども、これと同じような事故が起きやしないか。というのは、おそらくいろいろの地域で起きているんじゃないかと思います。私いま新聞を通じて、また土地の人——私も長野県出身なもんですから特に耳に入ったのですが、三月二十九日の信毎の記事にも載っておりますけれども、冠着の特急ですか、これが事実事故を起こしつつあるということ——事故につながる危険性があるということでございますけれども、これはこの間も、具体的には「しなの2号」というのが、これは長野発大阪行きの特急なんですけれども、これが急坂を登り切れず立ち往生した。このために、西条駅のすぐそばですが、「約一時間二十分後に発車したが、合計で二時間ほど遅れた。この影響で下り特急一本、急行三本、普通列車二本が四十分から一時間も遅れた」、このような記事が載っておりますけれども、これは冠着トンネル附近の急勾配のためにオーバーヒートするらしいですね。それで一週間に最低一回は立ち往生して、「おそい特急」と言われているそうですけれども、これなども、もっとダイヤが過密化しているところだったら、もっと早くその事故につながりはしないかと思います。まあ地方のことですから、それほど事故は、ほかの列車との追突とか衝突ということがなかったからいいですけれども、結局、こういうことをほっといて繰り返すということは大きな事故につながるのではないかと思いまして、このようなことは——私も専門じゃございませんけれども——車両が急坂を登れないでオーバーヒートするというか、結局それに不適当な機関車を動かしているせいじゃないかと思いますが、このようなことに対して、要するに、普通の鈍行を走らせたんじゃ採算がとれぬ、特急にすれば特急料金が取れるから、というような見方もしたくなるわけです。この辺の非常に無理されているというようなことについてどのようにお考えですか。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○説明員(鈴木宏君) ただいま先生から御指摘いただきました大阪あるいは名古屋——長野間のこれはディーゼルカーの特急でございます。御指摘いただきましたように、非常に故障が多くて、利用者の方に御迷惑をかけている。これは昨年来その点につきまして私たち部内といたしましてもいろいろな技術的な検討をいたして、至急に手直しするようただいま改造工事もやっております。それで、特にお話しございましたオーバーヒートの問題とかということについても、いろいろな観点から検討をいたしておるわけでございますが、その手当てがまだ十分済まない車両もあってこのようなことになったと思います。その点、今後ともできるだけ早急に改善、改良につとめたいと存じております。  それから、これがただ金もうけのために無理して走らしたのじゃなかろうかというような先生の御心配でございましたが、このキハ一八一系と申します車両を使っておりますが、これは他の一般の気動車よりも、他の線区で特急に使っております気動車よりも、非常に強力な五百馬力のエンジンを積んだものでございまして、当初一応十分使用に耐えるという試験もいたしまして、そして充てたものでございますが、その点、ただいまから反省いたしまして、技術的に初めてのものを使う場合の見直しが足りなかったという反省をいたしております次第でございます。いろいろこの点御迷惑をかけておりまして、申しわけなく存じております。  それから、このような事故でとまっておる場合に、追突が起こらぬかという御心配でございますが、先ほど来申し上げましたように、信号機でそのような列車がとまっております場合でも、すぐうしろの信号が赤でございまして、それからその前は黄色というようなことで、信号機で確保しており、また、それに人間がその信号機を確認できない異常な状態にあるときには、先ほど申し上げましたような仕組みでATSが働くというような設備もしてございますので、ほとんどもう事故は起こらないであろうというふうに申し上げられると思います。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 警察庁に一言だけお尋ねしたいことがあるのです。  実は私、この前の二月の委員会のときに、高速道路の雨の日のスピードですね、これを制限すべきじゃないかと、こういうふうに申しましたところが、その後まあ行管のほうからもそのような勧告が出ていたように思いますが、どのように検討されていらっしゃいますか、御返事いただきたいと思います。

池田速雄警察庁交通局交通指導課長

○説明員(池田速雄君) 先般の御指摘がございましてから、高速道路の全般につきまして、あるいは建設省その他の関係の方とも検討をいたし、また部内でも検討をいたしておりますけれども、問題は雨の日のスピードでございますが、確かに問題ございますので、その方向で検討したいということでございますけれども、具体的に標示のしかたをどうするか、可変式の標識でございますと非常にやりやすいわけでございますが、そういう問題等がございますので、現在検討している段階でございます。で、とりあえずのところは、特に安全運転の教育という面でまず教育面を重視いたしまして、その後できるだけ早い機会に施設等の面も考えながら規制の面も考えてまいりたい、こういうふうに考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 施設局長お見えだそうですから一言お尋ねしたいと思いますが、先ほど来新幹線の騒音の問題について副総裁にもいろいろお尋ねしたわけでございますけれどもこの新幹線の騒音基準も私はもうすでにきまっていると承っておりますが、まだこれからきめるのだということで、これもやはり住民本位に騒音の基準をつくっていただきたいと、このように思うわけでございますが、先ほど申し上げたのですけれども、東海道新幹線ができてから七年になります。このような面はむしろ国鉄当局が等閑に付していたようなきらいがなきにしもあらず。これについてはひとつ早急に対策を講じていただいて、そして沿線の住民のいままでの被害についても特段の考慮を払っていただきたい、このようにお願いする次第でございます。なお、これからの問題としまして、新幹線は、先ほど申し上げました東北新幹線、今度成田の新幹線もこれから建設なさろうという御計画ですけれども、これらについても同様な、むしろもっと強い住民からの反対の声等々が出ております。これについてまあ特に成田の問題が非常に熾烈をきわめておるようなかっこうになっておりまするが、これについてのひとつお考えをもう一度伺いたい。それで私の質問を打ち切りたいと思います。

篠原良男日本国有鉄道施設局長

○説明員(篠原良男君) 篠原でございます。  いま先生の御質問の要点は二つあるかと思いますが、一つは新幹線のような高速鉄道に対する騒音の基準ということでございますが、これにつきましては、先般来環境庁といろいろ協議いたしておりまして、環境庁の御指示によって今後進めていきたいと思っております。東海道新幹線は先生の御指摘のとおり昭和三十九年につくりました。鉄げたをその高架橋に使ってまいりましたが、山陽新幹線の場合は、鉄げたを極力排しましてコンクリートげたにいたしました。したがいまして、現時点につきましては、地元から山陽新幹線に対する騒音の苦情は出ておりません。東海道新幹線につきましては、鉄げたの共鳴の騒音について各地から苦情が出ておりまして、逐次技術開発をいたしまして、防音壁あるいは鉄げたの場合には下のほうに板(ばん)を置きまして防音材を張りつけまして十ないし十五ホン下げるように処置しております。今後われわれ技術陣としましては、防音材の開発、そういう面について大いに意をつかいまして処置をしていきたい、かように思っております。  それから、これからつくる新幹線——成田新幹線あるいは上信越につきましては、今後新しく山陽新幹線にまさる防音対策の処置をとりながらやっていきたい、かように思っております。これにつきましては運輸省あるいは環境庁の御指示を得まして協議して進めていきたい、かように思っております。

原田立公明党

○原田立君 私は三つの点でお伺いしたいと思うのでありますが、まずそのうちの一つは、高速道路が名前のとおりの高速道路ではなくて、現在ではもう低速道路と、こういうふうなことがいわれて、関係者の皆さん方もたいへん頭を痛めているのであろうと思うのであります。東京の羽田飛行場に行くあの途中の浜松町におりるところ、あそこも非常にひどい渋滞である。あるいはまた大阪の高速道路においても、これまたひどい渋滞を来たしております。なぜそういう渋滞が起きるかというような原因については、もうすでに皆さん方は当事者でありますから十分に研究されているだろうと思うのでありますが、問題は、これをいかにして早期にそういう状態を解消するかという具体的な問題であろうと思うのであります。その具体的なこととして一つの問題にしぼりますと、首都高速道路の浜松町におりるところのあそこの渋滞、それを解消するための処置を現在どういうふうに計画なさっておられるか、その点をお伺いしたい。

高橋国一郎建設省道路局長

○政府委員(高橋国一郎君) 御指摘のとおり、首都高速道路公団の行なっております首都高速はたいへんただいま渋滞しておるわけでございますが、これの最大の原因は、ただいまできておりますものは第一期計画と申しまして、昭和三十四年に建設大臣から指示の出た区間でございます。これは簡単に申しますというと、環状六号線とか山手線がそれに大体近いかと思いますが、山手線の内側の主として交差点処理ということで計画いたしました。その後次々に計画が延ばされまして、たとえば羽田空港さらに横浜に延びております路線と、最近では渋谷の先、東名高速道路まで——三号の延伸工事と言っておりますが、次々に計画が延ばされたことに原因があるかと思います。実はただいまの第二期の計画が相当工事が進んでおるわけでございますけれども、第一期の工事は、先ほど申し上げましたように、山手線内部主として立体交差——平面交差をなくするための工事ということで始まったわけでございますが、ただいまの交通量を見てみますと、そのほとんど大部分の車が内環状線の中に行くものが多いわけでございまして、七十数%が内環状線を全部通っておりるなりあるいは内環状線に入って外に出るなりという経過になっております。したがいまして、一番渋滞の最大の原因は、内環状線でございまして、その次は羽田線かと思いますが、そういうようなことで、これの根本的な対策につきましては別途工事をいたしまして、たとえばすでに建設大臣から指示を受けております中央環状線ということでございます。これは環状六号線の上につくるような計画に大体なっております。これをつくることがまず最も重要なことかと思いますが、その次に考えられますのは湾岸道路の中につくる道路でございます。それからもう一つは東京の外側を回ります外郭環状線というのがございますが、この中の高速道路をつくる。これはおそらく抜本的な対策になろうかと思われます。ただこれをつくるにはたいへんな時間が要しますので、いますぐの当座には間に合わないという結果になっております。  ただいま御指摘の浜松町周辺の混雑でございますが、これにつきましては、ただいま車線をふやすことで、六車線にすることで鋭意拡幅工事をやっているわけでございますが、いずれにいたしましても、首都高速そのものは、全体にもうすでに飽和状態に達しているわけでございますので、いわゆるのろのろ運転が各所で続いているわけでございます。まあ、先ほど申しました抜本的な対策ができ上がるまでは、暫定的にも一応いろいろ対策を立てているわけでございまして、その一つはオフランプ、つまり混雑したところにできるだけおり口をたくさんつくったほうがいいだろうということで、オフランプの計画もいま相当進めているわけでございます。なお一方、交通規制によりまして、一たん高速道路にのった方は、ある程度までのスピードを保証するというようなかっこうで、乗り口でもって制限するほうがよろしいのではないかということで、いろいろ現在検討を進めているわけでございます。  以上申し上げましたように、いずれにいたしましても最終的に東京都内の高速道路の混雑を解消するのには、湾岸道路並びに東京外郭環状線の中にあります環状道路、それから都心に近いところでございますが、環状六号線につくります中央環状線、その三つをつくることが最終的な抜本対策というようにわれわれは考えておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 そのことは、私は重々承知しております。ただ、それがどのくらいの日数がかかるかということにもなると思うのですがね、全体の飽和状態の解消ということについては。ですけれども、部分的な解決策というのは一体どういうふうになさるのですか。過日の行管庁の勧告の中にもいろいろ出ておりましたけれども、国道あるいは幹線道路に引き継ぐその処理のしかたが、あるいは設備の設置のしかたが不手ぎわであるがゆえにどうしてもおりるところが詰まっちゃって、それで車の渋滞が非常に起きる、こんなこともいわれております。これなどはその場所場所の問題で処理できるはずであろうと思うのです。網をかぶせた全体のやり方ではなくして、部分部分の解消策としてはどういうふうになっておりますか。

高橋国一郎建設省道路局長

○政府委員(高橋国一郎君) 先ほども申し上げましたように、部分的に込んでいるという個所は確かにあるわけでございますけれども、基本的な問題はすでに交通容量をはるかに上回る交通量が出ているということになろうかと思いますが、たとえば一番込んでおります区間というのは、首都公団におきましては、先ほど申し上げましたように、内環状線の中がこれは常時込みやすいわけでございます。その次の段階では羽田、横浜に行きます道路、その次がおそらくは六号、七号分岐線と申しまして、千葉方面に行く道路と江東地区、向島方面に行く道路が途中から江戸橋の辺で分離しております。ただいま信号がついておりますところですが、その辺がネックといわれております。ただいま言われました羽田、横浜方面に行くものにつきましては、先ほどの区間につきましては、浜松町周辺につきましては、たまたま六車線に広げる余地がございますので、これはただいま拡幅工事を急がせているわけでございますが、その他の区間につきましては拡幅工事ということがほとんど不可能でございます。したがいまして、何とかオフランプをつくることをいま一生懸命検討させております。ただ、オフランプをつくる場合におきましても、下の街路におりた場合、その街路が込んでいますと、その渋滞が上に及ぶというかっこうになりますし、大部分の場合は街路を広げなければ下におろされないという事情がございまして、なかなかいま適当な場所がなくて実は困っております。したがいまして、暫定的な対策、応急的な対策といたしましては、交通規制をしまして流入を制限する以外にないのじゃないかというふうにわれわれは考えている次第でございます。

原田立公明党

○原田立君 ですから私、全体のことを取り上げて言えば話が大き過ぎてしまうから、羽横線と言われたけれども、羽田、横浜のその間の一本のことだけを具体例として申し上げるわけで、いまお話があったように、下のおりるところは交通が非常に飽和状態だから、結局、そこにおりるために車がものすごい渋滞を来たしておる。これはあなたは飛行機に何度も乗っているのだから、あそこら辺を通ってわかっているだろうと思うのです。いまも何か、おり口ですか、おり口をたくさんつくるというようなことで解消していくんだというようなことを言っておったけれども、浜松町のあそこですよ、だから、どう解消するのですか。ただ全体、ぱっと網をかぶせて、湾岸環状線ができれば解消するのだというのでなくして、やはり一つ一つの問題をやらないといけないのじゃないか、こうぼくは思うのです。

高橋国一郎建設省道路局長

○政府委員(高橋国一郎君) いま具体的に羽田、横浜に——羽田線に行きます道路のことについて先生から御指摘がありましたので、これについて申し上げますならば、羽田——横浜線——われわれ羽横線と言っておりますが、羽横線の車の三〇%が千葉方面に抜ける車だというように、交通測定の結果、わかっております。この車が非常に交通障害を大きくしている。ことにトラック類が非常に多いわけでございまして、これを何とか排除する——と言うと非常に語弊がありますけれども、できるだけ下の道路におろすべきだという考え方から、ただいま急がせておりますのは、湾岸道路の一部を急がせております。もうすでに首都高速で二年ほど前から湾岸道路の一部について沈埋トンネルを工事を行なっておるわけでございますが、それに達するために羽田の手前にランプをつくりまして、環状七号線におろします。環状七号線が湾岸道路につながるようにただいま橋を工事中でございますけれども、これができますというと、千葉方面に行く人が、横浜方面から千葉方面に行く車の場合は、羽田を過ぎまして間もなくの地点でもって環状七号線におりて、環状七号線から直ちに、湾岸道路がすぐ近くを通りますので、湾岸道路に乗って千葉方面に行くというような流れも想定いたしまして、この工事を。実は建設省の直轄の橋とそれから首都高速の沈埋トンネル、そういうようなものが中心になっておりますけれども、全力をあげていま工事を急がせているわけでございます。したがいまして、これができる時点におきましては、羽田と少なくとも汐留並びに銀座方面に行くルートにつきましては、かなりの緩和がわれわれ期待できるというように考えております。

原田立公明党

○原田立君 まあ私、この問題を取り上げたのは、やはり交通渋滞のいらいら運転で、これが交通事故の多発につながるだろうと心配しているわけです。道路公団の建設担当の三野さん、お見えになっているそうですが、そこら辺のところの解決策、建設省と打ち合わせ中だと思うが、計画はどうなんですか。

三野定日本道路公団理事

○参考人(三野定君) 私のほうは首都高速道路を担当いたしておりませんので、所管が違いますので、ちょっとお答えいたしかねます。

原田立公明党

○原田立君 局長、それでは湾岸道路、それいつごろでき上がるのか、また、計画がどのくらいで、それが実際にどれだけもう少し早くでき上がるのか、そこら辺の見通し、簡単でけっこうですから、

高橋国一郎建設省道路局長

○政府委員(高橋国一郎君) 湾岸道路は、御承知と存じますが、東京湾を埋め立てまして、そこにつくる道路でございまして、東京都内につきましては幅百メートルの非常に広い道路敷地が取ってございます。この中に高速道路をつくるわけです。そのうち高速道路部分は六車線から八車線ぐらい考えておりまして、そのほかに十車線以上の一般街路が入るわけでございまして、非常に大きな道路が東京の湾岸にできるわけでございますが、ただいま問題になっております東京都内の通過する横浜から主として千葉方面に通過する道路につきましては、この湾岸道路を至急つくることが一番望まれているわけでございますが、ただいまの時点におきまして、東京都内につきましてはちょっと本日は資料を持ってこなかったんですけれども、荒川が東京都内に注ぐ地点の附近がまだ埋め立てが完了しておりません。その点と、それから一部汐留のゴルフ場を通過するルートになっておりまして、これがただいま係争中でございまして、これの解決を見ておりませんが、まあ、これがもし近いうちに解消できるといたしますというと、全面的にほとんどいま工事にかからせておりますので、まあ、いつごろまでに完了かと言われますとちょっとはっきりしたお答えはしにくうございますが、もうすでに工事にかかっておりますので、三、四年後には少なくももうこれは通れるようになる、横浜から千葉のほうに行く人が湾岸を通れるようになるというふうにわれわれは考えております。  それから外郭環状線につきましては、これはなかなか難工事でございまして、外郭環状線のうち主として東京都のすぐ北の埼玉県内を通る部分、これは国道十七号線の新大宮バイパスという道路が東京都内に入る直前に、埼玉県内は場所、地名ちょっとはっきり覚えておりませんが、笹目橋のちょっと北になりますけれども、その附近からスタートしまして鳩ケ谷を通り、それから三郷の町を通りまして東京都の東側、千葉県の松戸をかすめ、市川を通るようなルートになっております。この区間につきましては昭和四十五年にすでに建設省の直轄工事で工事に着手させておりますが、まだ用地買収が進んでおりません。一部反対がございましてなかなか進んでおりませんが、この道路は幅四十メートルの都市計画決定されておりまして、その中に四車線の高速道路を含み、一般の街路四車線を含む全体で八車線の道路計画になっております。これはいま申しましたように、大体三分の二程度が国の直轄でスタートしたわけですが、西側の半分はこれはいまだに着工するに至っておりません。特に東京都内の部分は西荻窪附近の住宅街を通るために、たしか昭和四十三年に都市計画決定されたわけでございますが、その時点におきまして国会でも相当何度か論議を呼びまして、現在通称凍結と称しておりますが、地元の住民の了解が得られるまでは着手しないということで現在凍結になっております。なお、さらに西の方面は、多摩川の堤防を利用いたしまして、東京側と川崎側に三車線ずつ、合計六車線の高速道路が入ることになりますが、この区間につきましてはまだ都市計画決定するに至っておりません。したがいまして、外郭環状線につきまして私の言えますことは、ちょっといまのところは全体の完了時点は見通しがつきませんが、少なくも東から北の部分、つまり埼玉県側と千葉県側につきましてはすでに着工しておりますので、これは数年後に供用開始になろうというふうに考えられます。

原田立公明党

○原田立君 これは、局長のいまのお話を聞くと、もう永久に解消しないような感じがする。もう三年も四年も先だとかまだ凍結状態であるとかということになっておる。だけれども、具体的にここの個所、ここの個所、ここの個所というふうに渋滞個所というのは大体きまっているんですよね。だから、そこに対するもう一歩何か突っ込んだ計画はつくれないのですか。たとえば、先ほども指摘した一つの問題として、国道及び幹線につなげる下の道路のほうの接続のしかたが不手ぎわなので結局上から下におりられない。おりられないので渋滞が続行する。これは羽田——横浜線の先ほどの指摘したところなんかはもう年がら年じゅうですね。そこのところの一カ所についてでも何か具体的な方策はないんですか。ほかの湾岸道路とか、いまの外郭線とか、そちらができなければできないんだというのではなくて、その部分部分で何かできないのですか。これ、もしほんとうにほったらかしにしておけば、もう先ほど指摘したようにいらいら運転、交通事故多発、こんなになったら話にならぬと思うんですよ。それはもうあなたも十分御承知だろうと思う。だから、全体の網をかぶせての問題ではなくて、その部分部分の解消策はないのかどうか。そこのところを、そういうふうなことにもう少し目を向けて考えるべきじゃないだろうか、そんなふうな考えをするのだけれども、その点、いかがですか。

高橋国一郎建設省道路局長

○政府委員(高橋国一郎君) 御指摘のとおりでございまして、実はわれわれも部内に委員会をつくり、また首都公団におきましても学識経験者あるいはいろんなエキスパートを集めまして、委員会をつくって何度か検討は続けておるわけでございますけれども、特に部分的にでも現在ネックを解消する方法を実は主として検討さしておりますけれども、なかなか名案がございません。先ほども申し上げましたように、ある区間を直すためにはどうしても下の道路を広げるという工事を伴います。これは不可能ではございませんが、おり口をつくりましても下の道路そのものが込んでおりまして、それが必ずランプまで及ぶという計算が出てきます。もうまことにこれは残念なんですが、一千万の大都市、世界にこんな都市はございませんか、要するに、言うならば、もう過密の——これはもう単に道路だけではございません。あらゆる面においていろんな障害が出ておりますけれども、その端的なあらわれだというふうにわれわれは考えております。したがいまして、道路面積を全体的に広げる以外にないということになりますが、ただいまの段階におきましては、東京都内におきましては、都市計画決定された道路ですら建設するには非常に難渋しております。住民参加のこれは典型的な例かと思いますが、地元の住民の反対がございまして、もうすでに都市計画決定されておって、これは言うならば法的にはすべてのもう手続が済んでおり、都市計画決定されたという時点において、審議会の議決を経てすでにはっきりしておるにもかかわらず、現在では広げることができないという状況で、まあ端的に申し上げますと、お手あげに近いという状態になっております。これは何度もわれわれは議論を重ねてやったのですけれども、結論的にいいますとそういうような状況で、いま急がれるのは、非常に先の話になりますけれども、外郭環状線と湾岸道路に全力をあげることと、それから当面の処置としては交通規制しかないのじゃないか。端的に申しますると、一たんのった方に対してはある程度のスピードは保証しようじゃないか、そのかわり乗り入れを制限しようじゃないかということで警察庁とも相談しているわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 たいへん失礼ですけれどもね、お聞きしていて全然これは解消のめどが立たないというような感じが強い。省内でいろいろ研究なさっておられるそうですけれども、ひとつ鋭意研究して早急に解消するように努力してもらいたいと思うんです。  そのほかに私、モノレールの問題をお聞きしようと思ったのですけれども、時間がございませんので、済みません、割愛さしてもらいたいと思います。また部屋のほうででも聞かしてもらえばけっこうだと思います。  警察関係でちょっと一つお伺いしたいのですけれども、今度のきょうから始まる春の交通安全運動、いわゆる目玉行政としては、三・五メーター未満の住宅地の道路には車両の乗り入れを禁止する。あるいはまたスクール・ゾーンをつくる。この二つが目玉であるというふうに新聞報道されておりますが、このスクール・ゾーンの点については、今後も継続する、一万一千五十四カ所今後も継続するということでありますが、これは大いに継続すべきであろうと、私はそう思います。  それから、三・五メーター未満の住宅地の道路の車両の通行禁止の処置でありますけれども、これは交通安全運動期間中だけで終わりにするのか、あるいは地方の都市も、そういう人口の多少ですね、そういうようなことによってある程度の幅があるのか、今後どういうふうな取り扱いをしていこうとなさるのか、その点、お伺いします。

池田速雄警察庁交通局交通指導課長

○説明員(池田速雄君) 道路の利用の方法でございますけれども、最も合理的に、しかも最も安全に使いたいという趣旨でございますので、原則といたしましては、三・五メートル未満の道路につきましては、歩行者用道路として取って、終日通行の禁止をしたいというのが理想でございます。したがいまして、今回歩行者用道路に指定いたしますと、この期間だけではなくて、続けてまいるようにしたいということでございます。ただ、一般に全部の三・五メートル未満の道路につきましては一斉にやるという趣旨ではございませんで、いろんな条件等もございますので、できる限り準備してまいりまして、終局的には全部の道路につきましてそういう方向に持っていくようにしたいということで努力しております。

原田立公明党

○原田立君 終局的には、全国的にこれを定着さしていきたい、こういうことですね。こんなに車が多くなれば、ある程度強力な規制もせざるを得ないであろうと私思うのでありますけれども、きょうから始まる春の交通安全、何か去年やったときには、交通安全期間中により死者が多かったという、そういう悪口が新聞に出ておりましたけれども、ひとつそんなことがないようにしてもらいたい、こう熱望するんです。  そこで、スクール・ゾーンのことについてはまだお触れにならなかったけれども、その辺についてお伺いしておきたいと思いますが。

池田速雄警察庁交通局交通指導課長

○説明員(池田速雄君) スクール・ゾーンにつきましても、こういうふうに大々的に取り上げましたのは今回が初めてございます。先ほど御指摘ございましたように、全国で大体一万一千カ所を選定いたしまして、ちょうど入学期でございますので、この機会をとらえまして、子供を交通事故から守るための施策を講じておるわけでございますけれども、このスクール・ゾーンにつきましても、やはり今回の安全運動だけでなくて、これを機会といたしまして、このスクール・ゾーンにつきましての諸対策を生かしてまいりまして恒久的なものにしていく。同時に、関係住民の方の関心も非常に高めてまいりまして定着するようにいたしたい、こういうふうに考えております。したがいまして、とかく批判がございましたように、安全運動期間中だけのいろんな措置じゃないかという点を、これからはこういう機会を通じましてこういった施策を定着させる、その糸口にするんだということに重点を置きまして今回の施策を講じさしていただいているわけでございます。

柴田利右エ門民社党

○柴田利右エ門君 まず最初に、例の中央高速道路の地すべりの問題について三点にわたって御質問を申し上げたいと思います。  第一点は、先ほどの説明の中でもありました電光掲示板のことですが、これはトンネルの附近——入り口とか出口とか、そういうところにあるということなんですが、何か一度機具の故障で電流が流れたということで掲示板が点灯した。その場合に、車はそれを見たのか見ぬのか、また見えなかったのか知りませんけれども、かなりの数の車が突っ走ったという、こういうことがあったということですが、事実あったんですか。

山川尚典日本道路公団理事

○参考人(山川尚典君) お答えいたします。  いま先生の御指摘のことは、三月一日だったと思いますが、ちょうどあの地すべり地区の作業をしておりました請負業者の職員の不注意で、のり面の芝を焼きまして、そのときに、先ほど申し上げました地すべりのための対策といたしまして警報装置をいまの電光掲示板に連動しておりました。それが作動いたしましてついたことがございます。それがいま先生の御指摘になったことでございます。そのときに若干の車が、やはり気がつかなかったのだと思いますが、通行したということをいま承知いたしました。  以上でございます。

柴田利右エ門民社党

○柴田利右エ門君 この電光掲示板というのは中央高速道路の、かなり八十何キロということなんだそうですが、ほかにもあるんですか。ほかにもあって、いま言われた、気づかなかったということは、見にくい——先ほどの説明でいきますと、焼いておって煙が出たということもあるかもしれませんけれども、見にくいとすれば、やっぱりもっと見やすいところに、先ほどの御説明でいくと、ああいう地すべりが起きたという特殊な状況のあれですから、さらに大きなもの、電光ではなくて、もっと大きなもので見やすいもの、それからさらに、常時人が立って注意を喚起するというような三段がまえで万全を期しておられたと、こういうことなんですが、そういうせっかくの電光掲示板も見にくいので、私も実際見ておらぬのですが、見にくいのか、あるいは見過ごしていったのか、見ても突っ走ったのか。見ても突っ走るということは言語道断だということになるんですけれども、その辺のところをひとつ御説明いただきたいんです。

山川尚典日本道路公団理事

○参考人(山川尚典君) 通常私どもの電光掲示板は、そうしたトンネルの、特に長いトンネルの場合におきましては、やはりその前後につけております。これは主としてトンネルの防災というのが主目的でございます。中でたとえば火災が起こる、あるいは衝突事故が起こったという場合に、後続車をトンネルの中に入れないために、トンネルの入口、その入口から約三、四百メートル手前でございますが、そこに電光掲示板を、東名高速、名神とも、みなそうでございますが、取りつけてございます。今度の場合は、あれは一番長いトンネルが大月トンネルで、これが約五百メートル、それから一番東側のトンネルが二百五、六十メートルであります。それから浅利トンネルが百から二百メートル、わりあいに小さいんですが、トンネルがこう連続しております場合には、三つのトンネルをはさんで両端に設置をしておるわけでございます。これは普通昼間でありますと多少は見にくい、夜間ははっきりいたします。その点はあろうかと思いますけれども、まあ電光掲示板にはたいていその際は赤がつきます、ただ、字だけじゃございませんで、赤がついてその掲示が出ますので、普通ドライバーは当然私はわかるはずと思いますので、これを無視して通ったということは、私は非常に遺憾だと思っております。  それから、いまの地すべりの個所につきましては、先ほども御説明申し上げましたように、三段がまえで電光掲示板、それから内部照明式の標示板、これもやはり赤がつきます。赤信号と同時に文字が出るわけでございます。それから一番近いところに発煙筒、そのほかにいわゆる掲示板といいますか標識板といいますか、臨時のものも、これを両側上り下りともそれぞれ十本近く立てておりまして、かなり前から注意を与えております。そういうことで、今度の処置については、私どもとしては万全の処置をいまいたしておったわけでございます。  以上でございます。

柴田利右エ門民社党

○柴田利右エ門君 次に先ほどの御説明の中で、半年というふうに新聞は中央道を閉鎖をすると言っておるけれども、実際には半年と言ったことはないんだと……。

山川尚典日本道路公団理事

○参考人(山川尚典君) はい。

柴田利右エ門民社党

○柴田利右エ門君 これはともかくとして、ともかく閉鎖をすると、この地すべりの道路についてどのような対策を立てるかということについてはかなり深部のほうで地すべりがあるんで、もっとそれに対する調査をはっきりしなければ対策が立ちにくいというような御説明があったんですが、その前に、あの新聞にも出ておりますとおりに、先ほども御説明ありましたが、二つ山を削ったところがありまして、いま地すべりの起きているほうは比較的勾配というか傾斜がゆるやかで、片方のほうは写真で見てもかなり急になっておりますね。したがって、そういう傾斜で、現在の地すべりが起こっておるほうは、何かコンクリも階段式というんですか、そういうようなことで配慮をされておるというんですが、私ここで疑問に思うのは、それほどの配慮をされたと、先ほどの新聞記事等を見ましても、しろうとが見ても、この地面は非常に危険だと、そうだからそういうことをされたと思いますが、橋梁をかけるとかトンネルを掘るとかという場合には地質調査をかなり高度にやられておるんだけれども、こういう場合にそういうように、今回の場合はそういう傾斜をゆるやかにして階段式のコンクリートの土どめというんですか、そういうことをされるについては何を根拠にされたのか。ほかはそういうことはしなくともよくて、そこだけ異常に危険だというふうに判断をされたのは何が根拠になっておるか。あわせて、今回地質調査をしなければ対策が十分に立ちにくいという関連がちょっとわかりにくい。

山川尚典日本道路公団理事

○参考人(山川尚典君) お答えいたします。  私ども路線を選定いたしました場合に地質調査をいたします。概況については先ほど御説明申し上げたとおりで、そしてその場合に、普通の場合は先ほど申しましたように、トンネルとかあるいは構造物、それからなお、そうでなくとも、特に事前に、たとえば過去の地質なり、あるいは先ほど申しました物理探査法で大体どの程度の岩が、いま路線の両側においてどの程度の深さのところにどの程度の固さの岩があるかということは、大体そういう物理探査法で、ごく概略ではございますが、わかるわけでございますので、普通は、一々そういうものに対してボーリングまでやりますというと非常なまあ高価な調査費といいますか、事前の調査が要るわけでございます。現在でも大体そういう調査に事業費の約一%ぐらいはかけているわけでございます。現在まあ道路の建設費としては、高速道路としてはかなりな私は額であろうと思うんでございまして、そういうことでございますので、その程度の調査でまあ普通の場合はそれで処理できておるわけでございます。ただ、今度の場合、あの地区で、非常に限られた局部的なところの範囲内において実はああいう特殊な地すべりであったということは当初わからなかったわけでございまして、いま私どもはそれに対して、あの個所だけに、七千平米の個所に対して相当たくさんのボーリングをいまやろうとしておるわけです。で、しかも、あの地区は、いまちょっと申し落としましたけれども、幅が約七十メートルぐらいの幅で地すべりがあるわけでございますが、あの東京側のほうの約二、三十メートルになりましょうか、ちょうどそこは橋梁になっております。したがって、あそこは道路上に約三カ所ぐらいボーリングをいたしております。それからさらに、あのすべり面に対して向かって右側でございますが、ちょうどあすこにちょっとした沢があります。沢といっても水が流れるほどのくぼみじゃございませんが、ちょっとした沢がありまして、そこには崖錐といいましてかなりガラガラの風化した岩石があすこに堆積しております。あの個所も当初かなりあぶないということが推定されましたので、あすこには、現地でもごらんいただけると思いますが、三段に、深礎くいといいまして、かなり大きな土どめぐいを打っております。今度の一番上に打とうとしているのも、それとほぼ同じものを打とうとしているわけでございますが、径が二メートルで深さが十八メートル、あすこに入れております。三本ずつ三段にその沢についてはやりまして、現在のところも観測いたしておりますが、そこのその個所は動いてないようでございます。したがいまして、そういうように措置して、肝心の、いま御指摘のありました地すべり個所については、私どもも大体岩の固さ、それから深さというようなものは、概略でございますが、ボーリングを上のほうまではしておりませんけれども、下のほうはボーリングをかけるし、上のほうもその物理探査で大体の岩の深さなり傾斜もわかっておりますので、それに沿って切っていけばいいわけで、深いところですべるような地すべりではないと、こう当初の私どもの、またいま現在の私どもの地質に対する一つの基準といいますか、技術基準がその程度であるということを申し上げるほかないと思いますが、いまのわれわれの知り得る範囲では、それは予知できなかったわけでございまして、まことにその点は残念だと思っておりますけれども、それはやはり地質の専門家としてもやはりわかり得なかったんじゃないかという判断をされている方もございます。そういうことで、私どもとしては最善の措置はしたと思っておりますが、一たんもうそれはすべりである以上は、やはりそれに対してもう徹底的な調査をあの限られた個所にいたしまして、そして綿密な今後の対策を立てて、二度とあの個所で災害が起こらないような措置をいたしたいということでいままたボーリングを再開したいと思っております。あのわずかの個所にいま十数本のボーリングをやろうとしているわけです。普通の事前の調査ではとうていそんなわずかの個所にそれだけのボーリングをやるということはいたしておりません。その点にやはりいま先生の御指摘があったと思います。  以上でございます。

柴田利右エ門民社党

○柴田利右エ門君 この中央道路というのは、山岳ハイウエーというそういうキャッチフレーズで第一に着手をした道路であって、それが三年にしてこういうような事態が起きた。これからはやはりこういうような山岳ハイウエーといいますか、山をくりぬいたり切り取ったりしての道路というのは多くなってくるんじゃないかというような気がいたしますがね。もしそうだとすれば、今回の事故を契機に、何か今後の対策といいますか、こういうことはいままでと違って何か考えていかなければならぬのではないかというようなことがおありになりましたら、まだ最終的な結論が出ていない面もありましょうから、検討中だということもあるかもしれませんが、おありになりましたら一通りお聞かせいただきたいと思います。

三野定日本道路公団理事

○参考人(三野定君) ただいま御指摘のように、これからも、たとえばこの中央道の大月から勝沼に至りますちょうど笹子を越えるあたりでございますが、非常に急峻な地形のところを通るわけでございまして、おそらくこの岩殿山以上の急峻なところではなかろうかと、こういうふうに思っております。なおまた、中国道あるいは北陸道等にも急峻なところがございます。で、まあ何か具体的な方針があるかというお尋ねでございますが、まあ具体的にこういうふうにいたしますという全般的な方針としては申し上げるものがございませんのですが、今回の事故を十分に心にかみしめまして、実際の設計にあたりましてそういう危険個所に対する配慮を従来以上にするということ、それしかないと、こういうふうに思っております。  なおまた、ただいまの地すべりの調査結果によりまして、また専門家等のまあアドバイス、御忠告がございましたならば、それを参考にいたしまして今後の方法に万全を期したいと、こういうふうに思っております。

柴田利右エ門民社党

○柴田利右エ門君 これで中央道の問題は質問を終わろうと思いますが、今回の調査の結果がどういうことになりますか。いまもお話しのありましたように、これからもそういう山岳ハイウエーと  いうような問題に取り組んでいかれると思いますから、せっかくひとつ御尽力をいただきたいというふうに思います。  質問を国鉄の問題に移したいと思います。総武線の追突事故で、先ほどからこの問題についていろいろ御質問が出ておるわけでありますが、私はまず第一点、ATSというのが今回の場合正常に作動をしたと、そうであるとすると、このATSの性能なり、操作というものを十分知悉をしておれば、先ほどの御質問と別な意味で、防げたのではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょう。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○説明員(鈴木宏君) ただいま先生御指摘のとおりでございます。このATSは機構上これはB型と申しておりますが、東京、大阪の通勤線区に使っております。それで、信号高圧が停電の場合には警報を発しまして、そしてこの間の事故のような現象を呈するわけでございますが、その場合に正規の確認扱いをしてみましても、停電ではなくて正規に働いたときには音がチャイムに変わるわけでございますが、先日は停電でチャイムに変わらなかった。そこで信号機をよく見れば消灯をしておる。この二つのことを合わせれば、平生私どもの中の学園あるいは区で教育しております資料などによりましても、そういう場合には信号の電源が切れたのである、したがって、どういう措置をすればいいかということは、とっさの判断もできるように平素から訓練をしておったつもりでございますが、当人は平生の訓練のときには教えられておりましても、あわてていてそれを思い出せなかったということが今回の原因でございます。たまたまあの線、また常磐線も同じ電源の関係でみな同じ状態になったわけでございますが、ほかの全部の列車は、乗務員が平生の教育を思い出して適切な処置をいたしまして何ら問題を起こさずに済ましたということでございます。

柴田利右エ門民社党

○柴田利右エ門君 いまのお話で、実はちょっと言いにくいんですね、これにあなたのお名前も出ていましたから。新聞に出ていましたな。ATSの作動の問題、性能の問題について、国鉄の運転局の技術職員の方々にいろいろお聞きしてもどうもまちまちのお答えが来て、それでははっきりしないんじゃないかということで、統一答弁というようなことでしたね。何か大体停電の場合も、それから赤信号の場合も、同じような形でブザーが鳴って、ただチャイムが多少違うというようなことが出ておりましたんですが、実際運転をする人の心がまえ——運転局の技術職員の方とはいいながら、中には、中央鉄道学園とか何か学校がございましたね、そういうところの講師なり教師を経験された方もございましょうし、これからそういうところへ行かれる方もあると思いますが、その辺でもはっきりしたことがわからない。こういうことになりますと、やはり教育の問題が出てくる。いま、ほかの人たちはそういう同じような場合でも格別事故がなくて、十分に対応できるような知識を持っておるんだと、こういうことなんですけれども、たいへん残念なことに、こういう事故という問題は、かりに千人なら千人のうち九百九十九人が正常に運転をされておっても、一人の方がこういうようなことになると、国鉄はやはりたるんでいるじゃないかということになってしまうわけです。そうするとやはり、理想を言い過ぎるということになるかもしれませんけれども、やはり千人なら千人の人すべてが安全教育なり、自分の使う機械の性能なり、その限界なりというものを特に知っておられなければいけないんじゃないか。それからまた、マン・マシーン・システムというようなことで、必ずしも機械にたよってはいけない、機械と人間の対話で、最後はやっぱり人間が信号を確認することが大事だ。今度の場合、ATSの機能というものを十分知悉しておれば、ああいうふうに信号を見落すほどあんまりATSにこだわらなくてももう少し判断ができたんじゃないか。そういう面は——それは確かに運転士の見落しということもあるかもしれませんが——やっぱり一番もとになるのは安全教育という問題である。平素のそういう教育——まあいろいろやっておられると思います。やっておられると思いますけれども、こういう問題が生起しますと、やはりそういう面が取りざたをされるわけであります。先ほど言いましたように、こういう問題について特に平素どのような形で教育をやっておられるのか。まあ、一部いわれているのでは、実際に教育するのではなくて、何かこれについてのカタログか機械の説明書みたいなものがあって、それを渡して本人が勉強しなさいというようなことだというようなことも聞いておりますが、それは実際のことはよくわかりませんのでお尋ねをしたいと思います。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○説明員(鈴木宏君) ただいま先生から御指摘いただきました点、ほんとうにいろいろ御心配をおかけいたしまして申しわけなく存ずるわけであります。  一番初めの話、一部の新聞に出たように、いろいろな者に聞いてもみんな言うことが違うじゃないかということ。これは具体的には実は先ほどから御説明申し上げておりまして、警報が鳴ったときにベルが鳴る。それが、確認ブレーキを使って確認扱いをしますと、チャイムに変わると申し上げました。それがこの間のときにはベルが鳴ったままだった。そのときに実は回路をよく調べてみればよかったのでございますが、ある者は自分の経験で、ベルとチャイムと一緒に鳴り続けたと言う——それか正常なんでございますか、チャイムは音が小そうございます。警報持続の確認をしたあとで刺激を与えるために、あまり不愉快な音にしてはいけないという労働科学的な研究結果のことも含めて、わりあい快いと申しますか、あまり快いとまたあれするというので、そこら辺が労働科学としては非常にむずかしいのですが、音色をきめてあるわけであります。その音色の上へやかましいベルが重なっておりますと、ちょっと聞いただけではベルだけが鳴り続けているというふうに聞えるわけであります。実際には両方鳴っておるわけであります。その点が実は、プレスの前で、ベルの音だけが鳴るんだとか、ベルもチャイムも両方重なっていてチャイムが聞えないからベルだけのように聞えるのだとか、そういう話が出まして、担当者の意見が違い、ぶざまなところをプレスの前で見せたというようなのがあのような記事に書かれたという事例の一つにもなっておるわけであります。  それからもう一つは、教材をすぐ見せろという話がプレスのほうからございましたときに、本社に教材を置いておりませんでしたということは事実でございます。それで、関東学園から取り寄せてどのような教え方をしたかを——あの当該乗客員は、大宮にございます関東学園で運転士になる教育を受けた者であります。それで、その教材を取り寄せると言うと、本社に置いてないのは何だというようなことでしかられまして、いろいろああいうふうな記事になりまして、ほんとうにその点私ども至らなくて、皆さま方に、国鉄はたるんでおるんではないかと、また、何をしているんだというような印象を持たせまして、ほんとうに申しわけなく存じております。  それから、あのような教育を幾らやりましても実物教育が徹底しないんじゃないかという点につきましては、今後、できるだけいろいろの器材、シミュレーターというような器材を使いましての実物教育をできるだけ心がけたいと。いままでの点につきまして若干反省の余地があるというふうに私自身考えておりますし、関係者みなそういうふうに考えて、できるだけ実物教育を徹底できるように——まあ実際問題といたしましては、現場で正常なときはみんな実物教育ができるわけでございますが、こういうふうな、機能としては正常に働いておっても、本人たちに非常に思いがけない事態になるというようなものは、やはりときには経験させなければ、これはいざというときに適切な処置がとれないということは御指摘のとおりであると反省いたしております。それから幾ら教えても、またほんとうによく覚えておりましても、度忘れということは、世の中に必ず、また人間というものはございます。そういうときに、私たち一番の基本の、かねてから指示しそれをモットーにいたしてきておりますわけでございますが、万一思わざる、まあ自分が本来ならば覚えておるべきことであっても、その瞬間において、異常といいますか、緊急と申しますか、あるいは不測と申しますか、というようなときには、ともかくとめろと。まずとめろと。そしてとまった状態で考え直すなり適切な処置をすると。もちろん途中で自分がちゃんとした処置が自信を持ってわかっている者はそれでやるわけでございますが、教育を幾ら徹底いたしましても、最後のときには度忘れとかその他のこともある。そういうときには自分の判断で、ともかくどっちしたらいいか迷うというふうなときにはとめて、よく考えて適切な処置をしろという指導をさらにただいま徹底いたすように努力いたしております。  それから、そういうふうな場合にも、幾ら落ちついてやっても——適切な手順が今回とれなかったわけでございますが、そういうふうなことも含めまして、年度もかわりましたから、今年度の事故防止のいろいろな基本対策の中の一つに、飛行機のほうで非常に活用されておりますチェック・リスト方式と申しますものをわれわれのほうの分野にももっと広く活用できるんじゃなかろうか。これは新幹線などにはすでに活用いたしておるわけでございますが、飛行機のほうでは、シミュレーターその他で十分な訓練をされたあと、実際の作業に当たりますと、一つのフライトに数十枚の順番にチェックするリストがあって、それを上から順番に、もうその瞬間は自分が覚えていることを一応否定して、度忘れを防ぐためにシラミつぶしに上から順番に、全部の計器なり作業をチェックしていくという方式を、各社——これは戦後アメリカがやはりそういうふうなことが発達しておって、いまの飛行機のほうでは全部使っておられるそうでございます。われわれのほうといたしましては、少なくともこういうふうな異常時と申しますか、また、これは閉塞方式の変更、車両の故障、その他いろんな場合に適用できるかと思います。そういうあわてるときには、平素の訓練とともに、いま申し上げたような度忘れを防止する、それで度忘れしたときにはともかくとめて、そうしてそのチェック・リストによって確認してチェックをするという体制を本年度の一つの大きな課題として徹底いたしたいといま思っております。  いろいろ御心配をおかけいたしまして、ほんとうに申しわけございません。

柴田利右エ門民社党

○柴田利右エ門君 だいぶ時間が過ぎていますが、ひとつしぼってやりますからお許しをいただきたいと思います。  この三月の十五日にダイヤ改正をされましたが、何か、ダイヤ改正をされたのを目がけたようにして、いろいろ——路線だとか送電関係のパンタグラフの故障だとか架線がたるんだとかいうようなことが方々で出てきておるのですが、それも総点検を指令をされたあとにこういうのが出てきたというような話も聞いております。これは私はさだかではありませんけれども、それと関連して、今度の事故を契機にして輸送安全総点検推進本部というのができて、宮地さんですか、技師長さんを本部長に任命してこれから大いにやるんだということなんですが、こういう事故があって、いまもなお二分おきで中央線なり——総武線は二分半ですか、で走っておるわけです。大ぜいの人が乗っておるわけですわ。そういう意味では、非常に危険な、不安な状態の中で国鉄の車に身をゆだねておるわけなんで、こういう形で、そういう不安を解消するための意欲を大いに持って努力をされておられるわけなんですけれども、先ほど言いましたように、施設だとかそういうものに対して総点検をしておる途中で一日おきぐらいに事故が起きるというようなことが出てきますと、これも何か今回の事故に対する急場しのぎのあれじゃないか——そういう言い方はたいへん失礼ですけれども——そういうようなことを考える人もおるんじゃないかと思いますけれども、私は、これでひとつ大いに意欲を燃やして、これからこういう事故を減少するための努力をされると思いますが、これについて、いま局長さんからお話しのあったことも一つのことだと思いますが、全体的にどういうことを手がけて、最終的には推進本部というのはどういうことをされるのかというようなこと。さらに、安全対策というのは、これは言うまでもないことですけれども、管理者が号令かけるだけではなかなか十分な実をあげることはできないと思います。よく言われるわけでありますけれども、やはり従業員を含めた労使一体といいますか、国鉄——国鉄と言うより輸送機関は安全が第一ですから、その使命観に十分燃えてこれから努力をしていただかなければならぬというふうに思いますし、このことについては十分御理解をいただけるところだと思います。私は、今回技師長さんを本部長にして安全の推進本部をつくって大いに意欲を燃やして安全輸送のために努力をされると、こういうふうに聞いておりますので、その点について、先ほども申しましたけれども、まず第一に、どういう点を手がけて、これからどういう面に主力を置いて努力をされていこうとしておられるのかという点についてお聞かせをいただきたいと思います。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 総武線の事故の直後、運輸大臣からも非常に厳重な警告をいただきまして、いま先生が御指示になりましたように、将来の安全の問題を徹底的に考え直すようにというような御指示でございました。それと、いま、ダイヤ改正で特に事故が起きたということ、これは統計的にも私どもはそういうものではないという確信を持っておりますが、しかしながら、事実、レールの折損とかあるいは架線の事故がやはり起きております。これは時刻改正のために起きたということではございませんけれども、しかし、現実にそういう事故が起きておりますし、この総武線の事故も起こしまして、それで国鉄全般について見直そうと、特に安全の点で見直そうということで、部内に、ただいまお話がございましたように輸送安全総点検推進本部というものを全社的な組織として設けまして、その責任者に技師長を当てまして、単に運転のATSの取り扱いとかいう技術的な問題だけでなく、線路、車両それから電気関係の架線とか送電線全般について、念には念を入れて点検をしようということでスタートしたわけでございます。それにつきまして、副総裁名で各現場機関にも通達を出しまして、何と申しましても、やはり全職員が一丸となって安全に対処することは当然でございます。その気持ちの上で、重点的に、いま申しましたような運転の扱い、それから車両の点検、それから設備、特に電気設備、あるいは線路の点検、これを重点的に具体的に項目別に指示してございまして、四月——今月中くらいには各現場で点検を行ないまして、万一不良個所があり、あるいは本社的に見直さなければならない問題があれば、この推進本部でまとめるというような段取りでいま進行中でございます。

柴田利右エ門民社党

○柴田利右エ門君 終わります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 時間が非常にございませんので、簡単に申し上げますが、非常に大きな問題でございますので、その点、ひとつ十分お答え願いたいと思います。  二月二十九日から三月の十五日までくらいの間に、全日空の飛行機が故障を起こして、五回程度着陸したり、引き返したりしている。それで、その中で最たるものは、油圧装置の故障で、調査したところが、その部品が他の部品を使ってある、こういうことがいわれている。それから、続いて四回ほど事故があって、大惨事にはなっておらないけれども、この飛行機の事故が起こった場合、何十人、何百人という悲惨な事故になった場合には、国をあげて、そのつど飛行機に対して注意もいたしますが、その直前のこういう事故であってもあまり取り上げられない、こういうことが感じられるわけです。だから、こういう場所で特定な航空会社の名前をあげてそうしてこういう質問をするのは非常にまずいかとは思うのです。しかし、そういうことを考えておったんではとても質問もできないし、今後改めるということもできないと思うのです。その関連した事故の、特に部品の違ったものをつけておったというその事故について、一応わかっておるだけ説明してもらいたいと思うのです。

金井洋運輸省航空局技術部長

○政府委員(金井洋君) 御指摘の件でございますけれども、二月二十九日に全日空のボーイング727が油圧の油漏れがございまして、そして、これを油圧ポンプが悪いのだろうということで、油圧ポンプを点検しただけで飛ばせましたら、その同じ飛行機が三月一日にまた油漏れがありまして、それからそのときまたちょっと油漏れがないかどうか点検して、そしてまたそのまま飛ばせまして、二日にまた同じような故障がございました。  ここで、先ほど先生も指摘されましたように、たかが油漏れというようなものではなくて、同じような故障を三日連続やったということは非常に大事なことで、重大なことでございましたので、直ちにボーイング727、それから737、これは部品がお互いに互換性がありますので、同じ部品を同じところに使っておるわけでございますので、十九機の727と、十三機の737、全部を一応グラウンドしまして、そうして全部点検しました。その結果、ほかの飛行機には誤った部品がつけられていないということがわかったわけでございます。これを根本的に調べましたらば、もし、徹底的に故障を探究しておれば、誤った部品をつけておるというのがわかったはずでございます。  ここで問題なのは、まず、誤った部品をつけたということが第一。それから第二番目に、もっと徹底的に故障を探究すれば、少なくも二月二十九日に誤った部品をつけたということが発見できたはずである。そうすれば、一日、二日の連続故障は防げたはずだという、二つの大きな問題がございましたので、これの具体策、どういうふうに対策を立てるかということで、運輸省としまして指示したことは、まず、誤った部品、部品部の保管庫の中に正規の部品と、それ以外の部品とが混在することがないように、まず、もっと仕分けをしっかりとするということ。たまたま、この部品が、リストリクターとユニオンという別々の部品なんですが、形が似ておる、非常に形が似ておるために、ペンキで色をつけておいたのでございますけれども、その色が長年の間に取れてしまった。そして、したがって、色分けだけではだめだから、形を若干改修するなりして、判然と区別できるように改修したらどうかということを指示しました。それからもう一つは、修理作業あるいは整備作業をする場合には、作業カードというものがございまして、そのカードの中に、どこのふたをあけて何を見ろというふうに、こまかく各項目とそれから作業のやり方が書いてあるわけですけれども、その作業のところに、どういう部品をつけろということだけを書くんじゃなくて、どういう部品も部品番号というのが必ず飛行機にはありますので、部品の番号まで作業カードに書いてつけるように指示するようにということで、二度とこういうことを繰り返さないようにということで指示いたしました。  以上が大体の状況でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 おっしゃることはわかりますけど、私は、何百人という人を乗せて、そうして命を預っておる飛行機が、二月二十九日に油が漏れた。それを調査して、一体何を見つけたのか。事故はなかったということで翌日また飛ばした。また油が漏れた。その翌日また飛ばした。さらに、これは昨年の十月にエンジンをかえたんですね。その昨年の十月にこの部品はかわっておるはずなんです。そうすると、そういう違った部品をはめながら八百時間もこの飛行機は飛んでいるんです。だから、そういう事故が少しでもあったならば、それはどこの事故でこれは直ったということが確認されるまでは飛行機は飛ばしちゃならぬと思う。それも、最近非常に乗客が多いものだから、だからもう、ちょっと調べてみちゃ、これはだいじょうぶだろうというようなことで——ぼくらしろうとだからわかりませんけど、この書いてあるやつを見てみると、まあ一つぐらいの故障があってもだいじょうぶだというような考えが技術者の中にあるのだと。さらに、これはほんとうか、うそか知りませんけれども、こういう飛行機の部品が違っているなんということは、これは絶対言いわけにならない。727であろうが、737であろうが、これははっきりした格納のしかたもしてあるだろうし、画然と分かれておるはずなんです。ごっちゃまぜに置いてあるものじゃないんです。そういうものを、人間のすることだからたまにはミスもありますよというようなことを言ったということをいわれておるんですね。だから、そういう考え方だから、そういう部品がかわっておることもわからずに、そうして何のために油が漏れたかということも究明せずに三日も飛ばしておる。この間に八百時間も飛んでおる。一体、こういうことでいいかどうかというわけなんです。技術上の問題以前の問題です。その前の問題だと私は思うんです。  それからその次が、大阪空港でフレンドシップ機が「右翼エンジン防氷装置の漏電を示す警報ランプが点灯したため大阪へひきかえした」。次に、三月三日付になっておりますが、「ボーイング727型機は離陸直後、第三エンジンの逆噴射指示ランプに異状がわかり十数分後に引きかえした」。さらに「石川県小松空港で離陸寸前の名古屋行き全日空フレンドシップ機(定員四十名)が、エンジン系統の計器に故障があるのを発見し飛行を取りやめた」。さらに「石川県小松空港に着陸しようとした全日空羽田発751便、フレンドシップ機の警報ランプが高度五四〇メートルで左側エンジンの回転数低下を示したため、同エンジンを停止、片肺飛行で着陸した」。こういうのがたび重なっておるわけなんです。これは全部整備のミスなんです。ところが、ほかの会社にも私はあると思うんです。しかし、不幸にして私は知っておりませんけれども、一つの全日空だけが何で十五日間のうちに五つもこんな整備のミスがあるか。大体整備にほんとうに責任を持って、それだけのことを考えてやっておるかどうか。極端にいえば、監督省である運輸省は、これだけの事故寸前の問題を起こしておるなら、なぜ停止してしまって徹底的にやらせないか、私はこう思うんです。それが、これだけのものが大事故になっておらないから今日あまり叫ばれておらない。なったとしたら一体どうなるか。私は全日空の責任者の人が、もしも、人間のやることだからたまにはミスもありますよと言ったのがほんとうだとするならば、委員会に来てもらいたいと思う。私は確かめたわけじゃないからこれは言えませんけれども、しかし、そういう考えがあるからこそ十五日の間に五回もこういう事故が起きてきておる。一体どういうふうに監督行政をこれからやっていかれますか、お尋ねいたします。

金井洋運輸省航空局技術部長

○政府委員(金井洋君) 御承知のように、飛行機の整備は運輸大臣が認可するところの整備規程の中に、整備の方法とかやり方、そういうものがこまかく規定してありますので、航空会社はその整備規程にのっとって整備しておるわけです。従来から随時立ち入り検査をいたしまして、整備規程どおり作業が行なわれているかどうかということをチェックしております。先ほど御指摘がありましたような、人間のやることだから少しぐらいのミスはあたりまえだというようなことをもし考えているとすれば、それは重大なことでございますので、そういうことはもちろん厳重に注意したいというふうに考えております。  それから、先ほどお話しましたように随時立ち入り検査をしておるわけでございますが、その結果指示することがあれば、これは運輸大臣からの勧告といたしまして、時期を定めて、何月何日までに報告せよということで勧告しております。一番最近の立ち入り検査は昨年の年末から行なわれました点検でございまして、この結果二月二十日に勧告いたしまして、まだその勧告に対する全面的な返事は来ておりませんけれども、そういうふうに勧告しております。  そこで、今後どういうふうにするかということでございますけれども、一応整備上の一番大きなことは、もちろん故障を防止するために整備するわけですけれども、もし故障が起きたときにはそれを直すということが整備のすべてではございません。一番大事なことは、故障が起きたときに、その故障の原因は何か、どうすれば二度故障が起こらないかということを徹底的に究明して対策を立てる、とことんまで掘り下げて二度と起こさないように対策を立てるということが整備の中の一番大きな使命でございますので、従来どうも、先ほど御指摘がありましたように、そういう点が足らなかった節がございます。したがって、二月には故障が起きた場合のふぐあいの是正対策をもっと強化せよという勧告をしてございますので、その勧告をどういうふうに実施するか、いま見守っておる中でございます。  それから、これからもう一つ特に重点を置いて指導したいと考えておりますのは、需要が多いということで、事業計画はもちろん需要に見合って計画を立てるわけでございますけれども、いたずらに便数をふやしたり機数をふやしたりということはいままでも許可をしていないわけですが、今後はさらに整備能力に見合った事業計画であるかという点に重点を置いていきたいと思います。  それからさらにもう一つは、新入生の整備士としての養成はもちろんですが、すでに整備士として何年かつとめておる人でも再研修が必要でございますので、その可研修あるいは教育訓練、こういうものをもう一度見直す必要があるのではないかというふうに考えております。特に教え方、教える内容とか、教材は適切であるのかどうか、こういうことをもう一度検討しまして、ただ一週間、一カ月訓練したからいいんだ、そういう単なる期間だけでもって訓練が終わったというふうに考えておる傾向がありますので、そういうことがないように、実のある訓練が行なわれておるかどうかということに重点を置きたいと思います。  要約しますと、まず第一に二度と故障を起こさないように徹底的にその原因をつかんで対策を立てるという一種の技術管理的な強化。もう一つは養成とか再教育、再訓練、そういうものをもっと実のあるような、実質的なレベルアップというところに重点を置いております。  先ほど全日空は非常に引き返しが多いということでございますけれども、これは従来から過去六カ月の引き返しの率はどれぐらいかといいますと、大体全日空の場合千回出発して一回引き返す。日本航空の場合は千回出発して〇・七回引き返すということがございます。これはもちろん引き返しの中には機械的、いわゆる整備上のミスもございますけれども、全日空の場合はローカル空港が多いわけでございますので、ローカル空港の気象条件によって、幹線空港ならおりられるけれどもローカル空港だからおりられないということがございますので、これが千回に一回、日本航空の場合は千回に〇・七回、これがそのままの数字ではございませんが、確かに日本航空より若干多いと思います。したがって、日本航空は一日二百十四出発しておりまして、全日空は四百十回出発しておりますので、若干多いので、先ほど申し上げましたような二つの点に重点を置いてこれから監督を強化したいというふうに考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 まあ、部長の話ではあまり変わらないのではないかというお話ですけれども、事故が話題になるのはほとんど全日空です。これは自衛隊との接触の問題を申し上げてはおりません。これは何も全日空が悪いとか何とか言っているわけではございませんけれども、実際、あなた方はよく御存じだからそうかもしれませんけれども、われわれが飛行機に乗る場合は、まず日航をさがします。日航がなくてどうしても行かなければならぬというときにしか全日空には乗らない。ところが、皆さんもほとんど日航を先にやられておる。それで、なかった場合、あるいは日航が飛んでいないローカルの場合しかたなしに全日空に乗っておるというのが現実です。だから、そういうところをよく考えていただいて、ただ天候が悪かったから引き返したのだというのは千に一回というが、そういうのは引き返したほうがいい。決してそういうものは事故の中に入れておりません。そういう場合は引き返してもらわなければならない。引き返す回数が多ければ多いほど、それは慎重にやっておることだと思う。だから、その理論でいくならば、全日空のほうが慎重だ、こうも言えると思うんです。その慎重さはりっぱだと思う。私がいま読み上げたのはたった十五日間のうちに整備のミスで五つの飛行機の故障が起こっておるわけです。天候が悪いので引き返したのではなく、全部これは事故なんです。だから、そんなに悪ければ、たとえば部品がかわっているのもわからずに三日も飛ばした。しかも、その前に八百時間飛ばした。だから、そういうものがわかったら一ぺん断を下しませんか。そんなことをやっておったらたいへんなことになるので、全機ストップさせてひとつ総動員で調べてみたらどうですか。それくらいやらないと、利益にばかり追われて、多少油が漏れておっても、それが漏れておってもその次の装置があるから、エンジンがとまっても一基あれば、四つあるのが三つとまっても、一基で飛べますよ、こういうような考え方でやられれば大惨事が起きます。起きてから何と言ってもだめなんです。何ぼあなたがいいことをおっしゃっても、起きてから人の命はもう返ってこないのです。だから私はこういうことを言っているのです。私も危険な仕事を長い間してきておりましたが、ちょうどその危険な問題が、こういうのが起こった直後なんかみんな緊張してなかなか起こらないものです。そして非常にスムーズにいっているなというようなときに大きな事故が起こるのです。だから私はいま事故も何もないのにこんな大きな声をしてあなたに質問しておるのですけれども、起きた場合のことをいつも想定してもらいたい。あなたが乗っておったときのことを想定してもらいたい。こういうなまぬるい監督では私は事故は防げないと思う。だから、こういうことが続くとするなら一ぺん全部点検しますよと、書類で点検して報告せいというのではなくて、監督者が行って、そうして全部点検するくらいのやっぱりきつい——事故に対する保安に対しては、きつ過ぎるほどきつくていいのです。そうして私はやってもらいたい。こう最後に強く要望いたしまして私の質問を終わっておきます。

金井洋運輸省航空局技術部長

○政府委員(金井洋君) 全部ということでございますが、そのとおりよくわかりました。二月二十九日から三月一、二日と続いた事故以後、大阪と東京のメイン・ベース、全日空の整備のメイン・ベースがございますけれども、ここに整備関係の検査官が十数名おりますので、それにいま立ち入り検査を随時続行中でございますきょうも本省から二名大阪に派遣しまして、大阪におる十数名の検査官と一緒になって見ております。したがって、一度に全部とめるということもございませんけれども、一応先生の御趣旨に沿うように現在やりつつありますので、それで御了承いただきたいというふうに考えております。

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。本日はこれにて散会いたします。   午後一時二十二分散会

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