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68回国会参議院1972/06/12

建設委員会 第21号

発言数
203
登壇者
16
会派数
3
開催日
1972/06/12

会議録

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  首都圏整備法等の一部を改正する法律案(衆議院送付)を議題といたします。  まず、政府側から趣旨説明を聴取します。西村首都圏整備委員会委員長。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) ただいま議題となりました首都圏整備法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。  首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律は、首都圏整備法を母法といたしまして、既成市街地への産業及び人口過度集中を防止するため、既成市街地のうち、東京都区部、武蔵野市及び三鷹市を工業等制限区域とし、この区域内においては、一定規模以上の工場、学校は制限施設として、許可を受けなければ新設できないこととして昭和三十四年四月施行されたものであります。  その後、同法の一部を改正して昭和三十七年十月には、制限施設の規模を引き下げるとともに、新設のみならず増設をも制限することとし、さらに、昭和四十年一月には、工業等制限区域を横浜市、川崎市及び川口市の既成市街地の一部にまで拡大することとして、制限の強化をはかり、今日に至っております。  政府は、この法律の施行とともに、その他の産業、人口の過度集中防止対策をもあわせて実施してまいったのでありますが、既成市街地及びその周辺の現状をみますと、なお過密の弊害は著しいものがあります。  さらにこれを首都圏の既成市街地内の工業等制限区域で見ますと、大規模な工場の新増設は規制されているので、これらの工場は年々減少の一途をたどっていますが、反面制限基準面積に満たない中小規模の工場の新増設は、なお顕著であります。これらの増加は、工業等制限法による産業人口の集中抑制効果を弱めるだけでなく住工混在等土地利用の混乱を助長し、生活環境の悪化をもたらすなど放置できない状態になっております。  このような既成市街地における都市環境の悪化に対処するためには、現行法の目的を改正して、既成市街地への産業及び人口の過度の集中を防止することにあわせて、都市環境の整備及び改善をはかることを加え、制限施設の基準面積を引き下げる等の措置を講ずる必要があると考えるものであります。  以上がこの法律案を提案する理由でありますが、次にその要旨について御説明申し上げます。  まず第一に、首都圏整備法の改正についてでありますが、工業等制限法の母法である首都圏整備法の第二十七条に規定する工業制限区域の指定の目的につきまして、従来は、単に既成市街地への産業及び人口の過度の集中を防止するためとなっておりましたが、近年における環境問題の重大性にかんがみ「都市環境の整備及び改善を図るため」を加えるとともに、制限施設の範囲を拡大しようとするものであります。  また首都圏整備審議会の委員は、現在、首都圏整備委員会が任命する委員四十六人以内で組織することとなっていますが、四月一日より川崎市が政令指定都市となることに伴い、関係指定都市の市長及び議会の議長としての二名の委員定数を追加するため所要の改正を行なおうとするものであります。  第二に、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律の改正でありますが、まず第一条の本法の目的についても、首都圏整備法の場合と同様、「既成市街地への産業及び人口の過度の集中を防止し、都市環境の整備及び改善を図ること」というように改めるとともに、制限施設の範囲を拡大しようとするものであります。  次に、工場の制限基準面積すなわち制限の対象となる作業場の規模につきましては、従来工場の種類に従って千平方メートル以上で政令で定める面積となっておりましたのを、五百平方メートル以上で政令で定める面積に改めようとするものであります。  また、本法第四条ただし書の規定により知事等が例外的に制限施設の新増設を許可することができることとなっておりますが、その許可の基準について、強化をはかることといたしております。  すなわち従来は、法第八条第一項第一号では、工業等制限区域における人口の増大をもたらさないと認められる場合は、制限施設の新設または増設が許可できることとなっておりますが、今回は単に人口の増大をもたらさないと認められるだけでなく、当該制限施設の移転によって、都市環境の整備及び改善に寄与すると認められる場合でなければ、許可できないこととするものであります。  また、従来住民や他の事業者の著しい不便が排除されると認められる場合、あるいは申請者が工業等制限区域外において事業を経営することが著しく困難と認められれば、新増設が許可できることとなっておりましたのを廃止し、新たに公害の防止や産業廃棄物の処理のために必要な新増設を許可することができるようにするものであります。  次に知事等が、許可または不許可の処分をしようとする場合は、現在はすべてあらかじめ首都圏整備委員会その他の関係行政機関の長の承認を受けなければならないこととなっておりますが、今回新設または増設後の作業場の床面積の合計が、三千平方メートル未満の工場については、承認を要しないこととしようとするものであります。  第三に首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律の一部を改正する法律の改正でありますが、昭和三十七年以来東京都の工業等制限区域内に所在する大学の理工系学部または高等専門学校の教室の増設については、当分の間、工業等制限法の適用を除外する経過措置が講ぜられておりましたが、今回これを廃止しようとするものであります。  以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ、慎重御審議の上すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 引き続き、本案の補足説明を聴取いたします。川島首都圏整備委員会事務局長。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○政府委員(川島博君) 首都圏整備法等の一部を改正する法律案につきまして逐条的に御説明申し上げます。  第一条におきましては、首都圏整備法の一部改正をいたしております。  初めの第十九条第一項の改正は、川崎市が本年四月一日より指定都市になることに伴いまして、首都圏整備審議会の委員を新たに二名加えたものでございます。  第二十七条第一項の改正は、工業等制限区域の指定の目的の改正でございまして、従前は「既成市街地への産業及び人口の過度の集中を防止するため」となっておりましたが、近年における環境問題の重大性にかんがみ、「都市環境の整備及び改善を図るため」を加えるとともに、制限施設の範囲を拡大することに改めたものでございます。  第二条におきましては、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律の一部改正をいたしております。  初めの第一条の改正は、首都圏整備法第二十七条第一項の工業等制限区域の指定の目的の改正に伴い、本法の目的を同趣旨の表現に改めたものでございます。  第二条第五項の改正は、制限施設の基準面積の改正でございまして、作業場については、従前は「工場の種類に従って千平方メートル以上で政令で定める面積」とされていましたが、制限施設の範囲を拡大するため、「工場の種類に従って五百平方メートル以上で政令で定める面積」に改めたものでございます。  第八条第一項関係の改正は、許可の基準の改正でございまして、知事等が許可をする場合の基準に関する従前の規定を改廃整理いたしました。すなわち、従前は工業等制限区域内における人口の増大をもたらすこととならないと認められる場合は、制限施設の新設または増設が許可されることとなっておりましたが、今回は単に人口の増大をもたらさないと認められるだけでなく、当該制限施設の移転によって都市環境の整備及び改善に寄与すると認められる場合でなければ許可できないことと改めました。また、従前は住民または事業者の著しい不便が排除されると認められる場合、あるいは申請者が工業等制限区域外で事業を経営することが著しく困難と認められる場合は、新増設が許可できることとなっておりましたのを廃止し、新たに公害の防止や産業廃棄物の処理のために必要な新増設を許可することができるように改めたものでございます。  第八条第二項の改正は、制限施設の基準面積の引き下げに伴いまして、事務処理の合理化をはかるため、知事等が許可または不許可の処分をする場合に、新設または増設後の床面積の合計が三千平方メートル未満の作業場については、首都圏整備委員会その他の関係行政機関の長の承認を受けることを要しない旨の規定を設けたものでございます。  第三条におきましては、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律の一部を改正する法律の一部改正をいたしております。  附則第三項は、東京都にのみ認められた本法の適用除外に関する経過措置についての規定でございまして、従前は、既存の学校の設置者で所定の事項を知事に届け出たものが、当該教室の床面積を増加させる場合には、大学の理工系の学部または高等専門学校の教室については当分の間、その他の教室については施行の日から三年間は本法の適用を除外する旨の規定を設けたものでございますが、このたび、この規定を削除し、理工系の学部または高等専門学校の教室についても本法の規定を適用して、必要なものについてのみ許可の基準に基づいて許可するという趣旨でございます。  附則第四項の削除は、附則第三項の削除に伴う技術的なものでございます。  次に、附則について御説明申し上げます。  第一項は、この改正法の施行期日についての規定でございまして、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。ただし、第一条中首都圏整備法第十九条第一項の改正規定は、川崎市が本年四月一日に指定都市になりますので、公布の日から施行することといたしております。  第二項は、この法律の施行の際現に施行されている工事については、従前の例によるという経過措置を規定したものでございます。  以上、簡単ではございますが、首都圏整備法等の一部を改正する法律案につきまして、逐条的に御説明いたした次第でございます。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 本案につきましては以上の説明にとどめ、質疑は後刻に譲ることといたします。     —————————————

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 新都市基盤整備法案(衆議院送付)を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次御発言を願います。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 今度提案されました新都市基盤整備法が、第三の手法と銘打って提案されておるわけでありますが、手法のよしあしは別としても、こういう法案を新たに提案しなくちゃならぬという背景は一体何なのか。まず、これを明らかにしてほしいと思います。と言いますのは、そこに山があるから登るという登山家のことばがあるように、非常に結果を追っておる現象があるのじゃないかと思います。たとえば大都市に人口が集中する、産業が集中する、そこで収容し切れない、したがって、新しい都市をつくっていかなくちゃならぬ、住宅をつくらなくちゃならぬというように、ただ単に現象を追う結果を法律として制定する、こういう形ではたしていいのかどうか、こういうように疑問を感ぜざるを得ないわけであります。もちろん、私はこの手法に若干の疑義があるわけでありますが、全面的に反対だという気持ちは持っておりません。ただ、無制限に人口、産業がそこに集中するから、そこでは間に合わぬから新たなところを開発していくと、こういうことだけでいいのかどうかという原点に返った矛盾というものを私は感ぜざるを得ないわけであります。そういうことから、まず疑問を持っておるわけであります。したがって、この法案も、このまま、その前提をわれわれが論議せずに、ただこの手法のよしあしを論議しただけでは、もちろん、大都市圏に対する人口、産業集中の拡大、促進をやっていく効果というものは一面に出てくるんじゃないかと思うが、そういう弊害が出てくるんじゃないかと、こういう懸念を持っておるわけであります。でありますから、地方に対する適正な工場分散とか、人口抑制とか、そういうような次元の高い、この法案のよしあしは別として、その前提になる、何と言うか、政策というものを大臣としてどうお考えになっておられるのか御所見をお伺いしたいと思うわけです。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 仰せのごとく、今回の新都市基盤整備法案が土地問題の根本に触れておるとは私も思っておらないのでございます。その点はあなたと全く同感でございまするが、大体やはり土地の偏在によって大都市圏はたいへん土地の値段が上がる。しかし、それはやっぱり土地の需要供給の関係だと、なるべく住宅地を大量に供給してやれば、土地問題についても効果があるということで、いままでいろいろ大規模宅地の開発をやってまいったのでございます。その一つの方法としてこの法案を提案したのでございまして、土地問題の抜本的な対策には触れていないのでございます。で、これとともに、政府としてもいままでいろいろな施策をやってまいりましたが、この土地問題については閣僚協議会もございます。私のほうは、土地問題で抜本的ななかなかこれという施策が講ぜられないから、閣僚協議会できまった決定事項を一々忠実にいまやっていっておる次第でございます。これもその一つでございますが、抜本的には、工場の分散とか、あるいは国土をもっと広く使うというようなことは、政府全体の施策として今後もやっていかなければならぬと、また今後ではなしに、非常に重要な段階に来ておるわけでございます。閣僚協議会で決定しました問題としても、二、三重要な問題が残っております。しかし、その重要な問題が残っておるというのは、それ自身についてむずかしいから残っておるのでございまするが、今後はやはりこれとともに、土地問題については、真剣にひとつ新しい観点から取り組んでいきたいと、かように思っておる次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 まあ、土地問題の内容はいろいろあると思いますが、せんじ詰めて言うと、地価対策だと思うんですよ。これが一番中心だと思うんですね。どんなに広大な土地があるいはあったとしても、そこにはもう非常に人々の経済能力の限界を越えた地価であったならば、土地があったとしてもこれは利用できないわけですね。まさに今日の現象はそういう現象だと思うんです。だから、地価問題のやはり抜本的な対策というものが土地問題の私は急務だと思うんです。そうなると、地価問題というのはどうすべきかと、これはいろいろな方法論があると思います。ただ、絶対に土地が不足だということもありますが、それだけじゃないんです。そこに投機、そこに利潤を生み出す、不労所得を生み出すという一つのあり方、これが問題になると思うんです。だから、土地というものは投機の対象にならぬ、むしろ、投機の対象になったとしても、税金で全部回収されると、こういう歯どめがあったならば、いまのように無制限な投機というものが横行しないと思うんです。まだいろいろ方法があるとしても、やはり土地の投機によってもうけると、もうけることが可能だと、この抜け道をふさぐということが、私は一番何というか、はっきりした歯どめだと思うんです。だから、これに対して政府が真剣に取り組まなければいけないと思うんです。これは新聞等も、世論ではもう政府には土地政策がない、なかんずく地価政策はない、こういうように批判されておるわけでありますが、勇気を持って、全然ものを生産せずに、一つの土地をあっちに動かしたりこっちに動かしたり、投機によって膨大な利潤を得るということはこれを制限すると、こういう気魄があるかどうかですね。大臣はおやめになられると思いますが、おやめになったとしても、これはかまわぬと思うんです。やめる人に何を聞くかという疑問もあると思いますが、いまの内閣は政党内閣ですね。したがって、やはり自民党内閣が続く限りは、大臣がここで決意を披瀝したことは次の内閣にはこれを引き継がなければならないと思うんですね、政党内閣制ですから。したがって、そういう決意があるかどうか、この際明らかにしていただきたいということが一つと、もう一つ、私は地価問題を冒頭に取り上げたわけじゃないんです。たとえば人口がここに集中するから、産業が集中するから、そこでは既成市街地じゃ収容できないから、五十キロとか六十キロとかの近傍に新たなニュータウンをつくるということを繰り返していっただけでは、むしろ大都市圏に対する人口集中の促進の協力をすることになりはしないかと。だから、新全総に言われておるように、大都市に人口が集中してくると、産業が集中してくると、こういうものを適正に制限するとか、新全総を洗い直す必要があるんじゃないかと、私はこういう意味を含めて質問をしたわけでありますから、その面についても御答弁を願いたいと思うのであります。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 沢田さん十分にわかっての御質問でございますが、私もこれは大臣もあまり長くないということでしょう、ですから、なおさら在任中にはなかなかそういうことができなかったから事務当局に対しては、建設省に対しては強くいろいろな面をいまいろいろ指示しておるんです。結局あなたの言われるように、土地問題はやはりその長期的な観点とやはり短期的に考えなきゃならぬ。私は自分の考えとしては、工場の分散をやるとか、人口の集中を防ぐとかいっても、それはなかなか短時日にできるもんじゃございません。これはやはりこの土地問題は地価問題です。やはりもうそれに集中されるもんです。したがって、これを端的に防ぐのにはやはり税をもってするよりほかないというのが私前からの主張なんです。この辺につきまして私は少し大蔵省と意見が違うんです。それは違っても大蔵省は大蔵省の立場ではございましょうが、したがって、前半は個人の土地譲渡取得については多少のあれはやりましたが、やはり法人に対してはやらないから抜け穴ができてかえって志と違ったような結果が出ているから御批判を受けているようでございます。しかし、いまや政府全体としてのこの法人のこの投機的なもんにつきまして何とか措置しなきゃならぬというその考えに大かたまとまっていると思いまするから、大蔵省もおそらく今度の税制調査会等におきましてもそういうことを強く要望すると思う次第でございます。私のほうでやりました地価の公示制度です。これもだいぶん難儀をしてやっておるんです、まだ最終的じゃございませんが。しかし、あれはやっぱり生かさなきゃならぬ、活用させなきゃならぬ。あれを活用するのにはやはり一応の標準のめどがついた土地でございまするから、それ以上に売った人には何とかひとつこれは譲渡税をかけるというのは当然の帰結であろう。それでなければせっかく国費を使って難儀をして建設省がああいう地価公示制度なんかやる必要ないんですから、これを生かすということ、その二つはこれは閣僚会議でもきまっておることでございます。非常に方法がむずかしいとは思いまするが、絶対にやらなきゃならぬ、かように考えておるような次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 やはり、地価問題に対する抜本的な対策というのは、最後は税だと、不労取得を得させないと、投機の対象にしてももうからぬぞと、これしかないわけです。その理解認識は全く同じです。こういうことはわれわれが急に発見した発想じゃなく、前々から人々にいわれてきた衆目の一致した最終的な歯どめ政策だと思うんです。要はこれはやるかやらぬかだと思うんです。そういう意味で、理解認識はこれは非常に一致しておりますので、これはぜひとも建設省サイドでも、これは閣議等へ何回もこれを持ち出して、これを実現させるために努力をしていただきたいと思うんです。  そこで、一体日本のように地価が諸外国においても高いものかどうかこういう疑問を感ぜざるを得ないんです。日本ばかりじゃなく土地の狭少だというところはこれはたくさんある、イギリス等でもやはり島国でありますから、そう土地がアメリカとか大陸国家のようにあるわけじゃないと思うんであります。したがって、こういう土地の高騰というのは日本的な現象であるのか、こういう点をやはり諸外国と比較してみてわれわれは考えることがいろんな政策を展開させる意味でもこれは参考になると思うんです。そういうことで、大体諸外国においてロンドンでもあるいはまたローマ、パリ、ブラッセル、こういうところでもどうなっておるのか、私も不勉強であまり何といいますか、そういう面の知識がないわけでありますが、去年ですね、ジュネーブ、ジュネーブといいますとこれは観光都市ですね、非常に世界的なレマン湖のそばの。ここへ行ってこの大体付近の土地というのはどれだけの値段がするだろうかと、そう年々二〇%、三〇%という何というか勢いで急騰しておるのかどうか、こういう点を大使館の方々に聞いてみたわけであります。  ところがその大使館の方々が、参事官だったと思いますが、私いまここを借りているのだ、ここの土地を買うということになっても二万円以下じゃないか、邦貨換算ね、そう高いものじゃありませんよ、どだい土地でもうけようというような気持ちはもちろんない。土地は利用するところに価値がある。居住するところに価値があるという観念はないと、こう言われておりました。はたして額面どおりかどうか私は中身に入って勉強してきたわけじゃありませんから、素通りのまあ観光客のようなものでありますからそう中身まで分析したわけじゃありませんが、そう言っておられたわけであります。  そういうことで、諸外国の大都市における先ほど言いましたローマ、ロンドン、パリ、ブラッセル、こういうところの地価の実勢は一体どうなっているのか、急騰しておるのかどうか、安いのか高いのか、安ければどういう政策のもとにそう地価が高騰しないのか、そういう点を建設省で把握できる限りにおいてここで御説明を願いたいと思います。  これから私質問することについては何局と指定しません、これは全般にまたがっておりますから、都市局、計画局、住宅局またがっておりますから私の質問に一番答えるのに都合がいいという部局が御答弁願いたいと思うのです。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 御承知の土地の価格は、いろいろな価格形成要因というのがございまして、社会的、経済的ないろいろな根本的な要因もございます。また、位置がどうであるかとか、そこの都市施設がどんなに整備されているかとか、そういうようないろいろな個別的な要因というのがございまして、そういうものが相互に作用し合って地価ができておりますので、なかなか比較しにくい点が現にございます。特に日本の地価と外国の地価というのはこれまた非常に把握しにくい点もございます。また、外国は日本みたいな地価公示というものは欧州では特にございませんので、非常に把握しにくい点がございますけれども、まあ不十分な資料でございますけれども、いろいろな資料でちょっと簡単に結論から申し上げますと、欧州でもフランス、イタリアというのは比較的地価は割り高であるというふうにいわれているわけでございます。ロンドンではこれは数年前の価格でございますけれども、ロンドンの周辺の住宅地におきましてヒリングトン区というところの既成市街地の地価は一平方メートル当たり約四千五百円から八千七百五十円程度ということにロンドンではなっておりますパリにつきましては、これまた資料が古いわけでございますが、一九六二年当時の資料によりますとパリの都心の高級住宅地はこれは一平方メートル当たり十六万八千円から二十一万九千円ということになっております。それから都心から二十分程度の普通住宅地につきましてはやはり平方メートル当たり二万二千円から七万三千円程度ということになっております。それからイタリアにおきましては、これは一九六三年にローマにおきましてはこれは近郊の住宅地の平方メートル当たりは四千三百五十円程度ということになっております。ただローマよりも御承知の相当北方になりますミラノの住宅地、これは一九六六年の資料でございますが、純中心地区におきましては二十四万一千円から四十四万六千円、それから郊外地におきましては七万九千円から三十五万三千円ということで比較的割り高ということになっております。それから西独におきましては、一九六六年の標準の宅地価格はこれは坪での数字でございますが、大体四万円程度というような数字がございます。  以上、年度その他非常にまちまちでございますけれども、私どもの手元にございます資料によりますと、こういうようなことでございまして、ローマ——イタリアとか、それからパリ——フランスというのが比較的割り高であるということになっておるわけでございますが、日本との比較は非常にこれはまたむずかしゅうございますけれども、日本ほどは高くないような気がするわけでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 この前も同僚議員の田中議員のほうから何といいますか、第三の手法といわれておるような手法、アイディアのこれは乱造じゃないかという意味の御答弁も若干あったわけでございますが、こういう場合、ある程度の試行錯誤は、これはやむを得ないと思います。私も、それはまた絶対いかぬと、いままできめたものは、絶対に不備であってもやれということは言いませんが、まあ考えてみますと、田中議員の言われたように、手法の乱造のような気がしてなりません。といいますのは、たとえば都市再開発法ですね、あれが一体どういう功罪をもたらしておるか、実績があるのか、こういう点をお聞きしたいわけです。  私どもも、あの都市再開発法を審議する際に、既成市街地の再開発が相当量可能になるんじゃないか、こういうような一まつの期待、幻想を持っておったわけですね。ところが、今日において、あの都市再開発法が施行以来、既成市街地がどんどん開発される、高層化していく、こういうこともあまり寡聞にして聞いておらないわけですね。ですから、そういうことが、所期の目的のように開発されない隘路が一体どこにあったのか。やはり、これがだめだったらこれだと、これでだめだったらこれだと、田中議員の言われたように、建設省は手法の乱造に終わってしまう可能性もあると思う。おそらくこの法案でも、本腰を入れてきめこまかくやらなければ、単なる手法の開発に終わると、こういう可能性さえも考えられると思うんで、いままでの第三の手法、たとえば新住法、区画整理ですね、あるいは都市再開発、こういうものの功罪がどうであったのか、実績はどうであったのかということをこの際明らかにしてほしいと思うんです。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 従来の手法について、いろいろこれについても功績がございますし、また、これからももちろん予定されておるわけでございますけれども、これの問題点及び隘路というものを解決すべく、第三の手法が提案されまして、御審議をいただいているわけでございます。この従来の手法についての隘路と申しますか、問題点といいますか、そういうものでございますけれども、御承知のように、従来の、たとえば先買いの区画整理事業とか、また新住事業というものは、既成の市街地の周辺で、端的に言いますと、五十キロ以内の、都心に近い。そういうようなところで行なわれておったこととか、規模もまた中規模のものであった。また根幹の道路その他の公共施設、社会資本というものもある程度あるところでそういう事業が行なわれたということからいたしまして、今回はそれを相当の距離のところで、五十キロ以遠のところ、さらにまたそういう場所でありますので、その場所におきましては社会資本が比較的乏しいというような、そういうようないろんな違いがございます。相当規模のものであるというふうな、こういう前提の違いがございます。そういうようなところでなければ、そういう開発をしていくところが今後見つからない。そういうところにおきましての用地取得とか、また生活再建の対策というのが非常にむずかしくなってくることが言えるわけでございます。  御承知のように、全面買収方式というものは、土地の所有者がすべてその地区から外に出ざるを得ない。また先買いの区画整理事業におきましても、先買いに応じた、その先買いの対象となる土地の所有者はその場所でなしに違う場所に移らなければならない。そういう意味においての生活再建についてのいろいろな対策が講じられなければいけないわけでございますが、これは非常にむずかしくなって、よそに代替地を求めることもむずかしくなってきたことと、それからもう一つは、そういうような土地の所有者が全面的に土地を提供するという場合におきましての開発利益の帰属の問題不公平の問題、こういうようなことがあったわけでございます。  さらにまた、新住事業におきましては、これは相当規模のものでございまして、全面買収で行ないますから、ある程度公的に、計画的に開発はできますけれども、比較的民間と協力という体制じゃございませんので、まあ画一的なそういう規模のものができることになって、比較的柔軟性を欠いた点もあろうかと思います。また、先買いの区画整理事業等におきましては、先買いの部分というのは、これは土地収用の対象になりませんので、できるだけ先買いしようということで、そのめどがなかなかつかない。以前は相当多かったのでございますが、最近は先買いの部分が非常に少なくなってきている。その先買いの部分というのがある程度なければ、そこの市街だとか、団地となるところの中核となるそういう地区が建設されないわけでございまして、これがどのくらい取得できるかめどがつかないので、計画的にこれを開発誘導地区——今回の法律でいう開発誘導地区というものが整備できないような、そういうような問題点があったわけでございます。  今回の新都市基盤整備事業というのは、いま申し上げましたようなことを、これを解決して、そうして事業を進めていこうということでございまして、土地取得の面及び生活再建の道におきましても、今回、御承知の、土地の所有者にすべて均等に土地を提供していただくということで、あと手元に民有地が残る意味の生活再建の道が残されております。同時に、開発利益も公平にできるという点、また、先に開発誘導地区とか根幹公共施設を整備できますので、計画的にこの問題を解決していく、新しい新都市を、これを形成していくというときの中核となる地点をまず計画的に整備することができるわけでございます。同時に、民間の土地所有者、民有地も残っておりますので、民間の協力を得ながら、一緒に町づくりを自然発展的につくっていくという利点もあろうかと存じます。そういうような趣旨からいいまして、新しい手法を提案いたしまして御審議をいただいておる次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 いままでの手法の長所、短所を述べただけの答弁に終わっておるわけですが、まあ、それはいいとして、都市再開発法はどういう、いい悪いじゃなく、実績を現にもたらしたか。あまり実績があがっておらぬように思うんですね。鳴りもの入りで宣伝を——宣伝したわけじゃありませんけれども、私どもに提案理由を説明したときのような、結果は所期の成果をあげておらぬように私には考えられるわけですね。だから、この隘路がどうなっておるのか、実績はどうなっておるのか。将来、都市再開発法に基づいてどういうところを再開発する可能性があるのかどうか。その点を、この際、明らかにしてほしいと思うんです。

吉兼三郎建設省都市局長

○政府委員(吉兼三郎君) 都市再開発法は、御案内のとおり、昭和四十四年の六月に施行になりました法律でございまして、この制度は、従前からございました市街地改造法と防災建築街区造成法、この二つの手法の制度を一本にいたしました新しい制度でございます。四十四年から発足いたしまして、どういう実績かというお尋ねでございますが、これは施行主体によりまして、公共団体が実施いたしますものと組合がやるものと二つございまして、公共団体で申し上げますと、四十四年から毎年新しい地区の再開発を実施してまいっておりまして、四十七年度で申し上げますと、京都市の駅の南口ほか十一地区におきまして新しく着手するということになりまして、四十七年現在で三十四都市、三十七地区について事業を継続して実施しているという状況になっております。  それから組合関係でございますが、組合関係は四十五年度から一部の地区について事業の実施に入っておりますが、四十七年度で新しく堺市ほか十三地区というものに手をつける予定でございまして、合計、四十七年度現在におきまして十五都市、十六地区に組合施行の市街地再開発事業が実施されておる、こういう実情でございます。  そこで、お尋ねの、こういう実績がこの法律を制定いたしましたときの意気込みからいってはたして十分なのかどうかという点でございますが、制度制定のときの具体的な将来の法律に基づきますところの長期ビジョンといいますか、そういうものがセットされたというふうに私どもは承知いたしておりませんが、いずれにいたしましても、非常にこの再開発法はわが国の制度の特色としまして、現にある地区の権利者を保護をしていく、そういう前提に立った手法でございます、いわゆる権利変換計算というのが基本になっております。したがいまして、そういう地区を選びましても、その地区内のそういう現存いたしますところの権利者間の権利調整というものについて地区全体のコンセンサスが得られませんと、たとえ公共団体の再開発事業であるからといって一方的にこれを押しつけてやれるものではございません。組合のほうは三分の二の同意ということでございますが、そういうことからなかなか住民全体の立ち上がりについてのコンセンサスを得るのに非常にこれは手間がかかるというのが実情でございまして、必ずしも私どもが当初予期したほどには事業の実績はあがっていないということは申し上げられると思います。当初は単に駅前でございますとか、そういうところだけじゃなくて、やはり都市環境、都市機能の更新という点から、既成市街地の中にもかなり大きなスーパーブロックというところまで取り上げていこうという意欲があったと思いますが、なかなかそういったところが理想どおりに計画を確定して事業着手に至り得ない、そういう点に非常に関係者が苦労しているというのが実情じゃなかろうかと思います。比較的進んでまいっておりますのが駅前中心の駅広の整備にあわせまして再開発事業というのがわりあいに着実に軌道に乗って今日までまいっておる、こういう実情でございます。  そこで私どもは、この制度を過去の数カ年の事業実績を振り返りましてどこに欠点があるのか、そういう制度上の欠点、手法上の欠点、それから、制度は悪いにいたしましても、別途これについての財政上そういう面のてこ入れに欠けるところがあるのじゃなかろうかという点をそろそろ反省いたしまして、これから勉強していこう、そうして、そういう新しいてこ入れ策についての何らかの考え方をまとめまして打ち出してまいりたいというふうな状況が、この制度についての私どものいま取り組んでいる姿勢でございます。  簡単でございますが、以上でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 そういうことで、単なる法案を提出して国会を通過してそれで終わりということだけで時日を費していくのじゃいかぬと思うのですね。やはりいまの制度でどこに欠陥があるか、どこを手直ししたらもっと実績が伸びるか、こういうことをやはり常に心がけて点検して反省してほしいと思うのですね。そういう意味でその内容はあまり立ち入りません。  そこで、この表にあるように根幹施設地区、それと開発誘導地区ですか、この中にこれは、この資料というのは単なる参考に示しただけだと思いますが、工業団地があるわけですね、だからこの工業が一がいにこういう想定図に入れていいとか悪いとかということは私は即断はいたしません。問題は工業の内容だと思いますね、職住近接という一つの前提からこういうものを取り入れたのだと、こういうように言われておりますが、大なり小なり工場というのは騒音が、臭気が、何かのやっぱり公害というか、自然環境とはこれはなじめないものですよ、生産工場という場合には、職住近接という面からこれを取り入れたと思いますが、私はやはり職住近接というのは評価を新たに問い直されておると思いますね。ちょうど公害問題があまり今日ほどクローズアップしないときは、公害よりも職住近接ということを当委員会でわれわれも取り上げた時期がありました。ところが最近日本列島総公害と、こういうことになってから環境保全、こういうものが非常にやかましく世論として取り上げられてきているわけです。だから職住近接という、従来われわれが主張してきた、皆さんも主張した、こういうものをもう一回考えてみる必要があるのじゃないか。当面われわれは大きく価値を何というか、評価すべきはやはり何といっても環境の保全だ、命だ、生活だ、こういう面に価値の再転換という時期がきているのじゃないかと思います。そういう意味で、これが生産工場であるならば、人口五万の都市であるか二十万の都市であるかわかりませんが、私としては大きな問題があるのじゃないか、こういう疑問を感ぜざるを得ません。といいますのは、ここ数年来新産都市になったところはそう、百万、二百万の都市ばかりじゃありません。人口二十万、十五万ぐらいの都市があるわけですね。そこに誘致された工場というのは軒並みに公害というものを起こして騒がれておるわけです。したがって、新しくニュータウンをつくる場合、必ずしも職住近接という前提に立ってそれのみを評価して生産工場をつくるということは、大きくやはり第二の公害発生都市になる可能性というものはいまから十分に予見されると思うのです。しかし、この工場団地というものが都市の機能を維持するための最小限度の私は工場ならこれはやむを得ないと思います。ちょっとした印刷をするために五十キロも遠い町まで行かなくちゃならぬ、こういう不便なことはありませんね。最小限度都市の生活機能を維持するためのそういう付随した工場であるならば別としても、生産工場を、大きなものをつくるとか組み立てるとか、そういう工場というものは第二、第三の公害都市をみずからこれはつくっていくという誤りを何回も繰り返すことになると思いますので、その点についてどうお考えになっておられるか、お聞きしたいと思います。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) この新しい新都市は、先生のおっしゃるとおりベッドタウンということでなしに半独立型と申しておりますけれども、そういう、従来とは違ったような新都市をつくる、そういう意味において職住近接という立場から首都圏及び近県につきましては工業団地も育成しようということでございまして、しかしながら、これはどういうようにして工業団地を植えつけるか、またそこで操業いたします、誘致いたします企業というのがどういうものであるかということはその新都市を環境のいいものにしようという私どもの趣旨からいって相当これは配慮する余地があるわけでございます。この新しい新都市に工業団地を造成いたしまして、その団地の企業というのはいわゆる無公害の企業じゃなければもちろんいけません。よく言われるところの都市型の企業、家庭電器の企業であるとか、また印刷業だとか、そういうような都市型の企業だというものを、無公害のものであることをまず第一に私ども考える必要があろうと思います。したがいまして、こういう企業に譲渡する際に十分に吟味をして公害のないのを選びたいというふうに考えますし、同時にまた、この新都市内の区域の取り方におきましても工業団地の周辺には周辺の緑地というものを十分に配慮して、そして住民に公害を与えることのないようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。御承知のように、従前からこの工業団地の造成事業を行なっております、大体いまそこに誘致される企業というものはそういう無公害のものでございます。茨城県などにおきます実例を見ましても金属製品製造業、機械製造業、家庭機械器具製造業、そういうようなものでございまして、公害のないという前提でおりますし、また同時に、売買契約などをかわす際におきましては、そういう公害源を保留するということのないように、十分措置を講ずるということを契約書にもうたっておる次第でございまして、今後一そう先生の御趣旨に沿いまして、そういう点に配慮いたしますように指導いたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 将来誘致されるべき工場を若干例にあげましたが、絶対無公害ということはあり得ないんですね。たとえば金属製造業でもメッキ等をやったならば、例の水の汚染ということにつながりますから、都市機能を維持するために、最小限必要な工場以外は無理してこちらのほうから誘致しないほうがいいんじゃないか。誘致する場合でも、ほんとうに額面どおり無公害と、環境を乱さぬ、こわさぬということを厳重にやっぱり精査して誘致すべきじゃないかと思います。まあいろいろなものを例示をあげて、これがいいとか悪いとかいう時間がありませんから、そういう心がまえだけはしてほしいものだと思います。それと同時に、この手法は全面買収じゃありませんから、民有地もあることは田中議員が指摘したとおりです。そこで、民有地があるのがいい悪いの問題じゃなく、そういう問題ではなく、一体都市というのはどうあるべきか、これは私の私見でありますが、私なりに考えておるわけです。たとえば多摩ニュータウンを先般見学をさしていただきましたが、非常に外観から見る限りにおいては整然として、ここが日本かというような錯覚をわれわれが持つほどに整然としておりますね。ダニ問題もありますが、ダニ問題を除いては、かつてわれわれが想像した都市以上にきちんとしておると、これは日本じゃない、非常にエキゾチックな感じを受けるわけでありますが、最初にそこに入られた方々は、非常にすばらしいところに入ったと、こういう印象を、感じを持つし、外来の参観者も、旧来日本にない都市づくり、住宅づくりなので、なかなかきれいじゃないか、りっぱじゃないか、こういう感想をしみじみ持って帰るわけでありますが、しかし、あそこに一年なり二年入りますと、何か欲求不満というか、無味乾燥というか、非常にいろいろな不満が出てきておるようだと思います。私はあれのいい悪いは別としてもやはり参考にすべきだと思います。私は一つの都市というものは、住宅が密集したところは都市でありますから、一つの性格があってもいいと思います。顔があってもいいし、性格があってもいいと思うんです。それでなければ私は都市じゃないと思います。やはり川崎市には川崎の顔があるし、札幌には札幌の顔があるし、仙台には仙台の顔と性格を持っている、こういう味わいを持った都市づくりというものを考えられないかどうかということであります。たとえば、多摩ニュータウンでも、ちょっとうさ晴らしに付近の碁会所に行こうと思っても碁会所もありませんし、パチンコまではわかりませんが、ちょっとした焼き鳥屋くらいあってもいいんじゃないかと思うんです。それぐらいのやっぱり都市心理学というか、そういうものを考えた都市をつくるべきじゃないかと私は思います。そのためには私有地を、田中議員が指摘したようにやっぱり野放しにしてはいかぬが——袋小路をつくるとかいうことには私は賛成しませんが、やはり町の中にはいろいろな階層もあるので、まあ落語によく出てくる八公、熊公もあるというくらいのバランスのとれた、やはりほんとうに人間が住んでもほっとする、あったかい感じがするというような都市づくりというものをやはり考えるべきじゃないかと思います。こういう何というか、遊技場とか歓楽境を私は求めるんじゃなくて、ほんとうの都市というものはそういう潤いも必要があるんじゃないか、こういうように考るわけであります。まあ多摩ニュータウンは料理でたとえるならば、これは何というか、かん詰め料理のような感じがします。もう少し手料理のようなやっぱり都市づくりというものもそろそろ考えていいんじゃないかと思います。私は、そういう都市づくりの専門家でもないし、心理学を勉強したものでもありませんが、率直なそういう感想を持つわけであります。そういうことに対してどうお考えになっておられるのか。従来のああいう端正な、しかも内容的には非常に緑地も少ない、無味乾燥な都市づくり、収容能力を多くしていく、こういう方向にのみ力点を置くのかどうか。いままでいろいろな手法でああいう新団地とかタウンを形成された経験からどういう感じを持っておられるのか、どなたでもいいから率直にお述べをいただきたいと思います。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) この新しい事業につきまして、相当の面積の広い地域でございます。したがいまして、これを選ぶ際には、都道府県あたりでは総合開発計画というものをたいてい持っておりますから、そういう計画に基づいてこの位置決定、区域の決定がなされると思います。その際におきましては、先生のおっしゃるとおりに、まずその地域の特性に応じたような、そういう特色のある町、新都市ができ上がるべきであると私ども考えておりますが、それでこそ初めてこういう事業の効果があるものと考えております。それから同時にまた先生のおっしゃいました、でき上がりますところの新都市というものが画一的なものでなくて、潤いのある町づくりになる必要があるという点についてももちろんでございまして、今回の手法はあらためて申し上げるまでもなく、開発誘導地区というような、そういう新しい町の中核となる地区をまず整備して、あとは民有地がそういう中核となる地区を中心といたしまして、自然的に誘導されて町ができ上がるという方式を、段階的に町ができ上がるというそういう方式をとっていく次第でございます。そういう意味におきまして、先ほど申し上げましたように従来の全面買収方式、全部を開発するという方式、これは規模の点その他で、もちろん、そういう規模でありましたらそういう実績、功績もあるわけでありますが、こういうような相当規模の大きなものを考えますときには、そういう画一的なものじゃなしに、先生のおっしゃるようなバランスのとれた自然の民有地、民間の協力を得ながら、そういう市街化されていくという方式がもちろん必要であろうかと存じます。もちろん、その中のマスタープラン、また用途の規制というものは十分考えまして、スプロールされることのないように考える必要がございますけれども、新しい都市の形成のしかたとしては、私はやはりそういう段階的に自然的に考えていくということがよかろうと存じまして、私どもそういう一つのよさというものをこの手法に持っているということを考えている次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 全面買収でニュータウンをつくる場合、全面精査をしておりますね。全部ブルドーザーでならしてしまって平らにするという意味じゃありません。うちをつくるように全面開発をするわけですね。ああいう手法を今度もとるのかどうかということですね。またたとえば民有地があったとしても、民有地には粗造成——林とか、沼があったら埋めるとか、それを整地する、こういうことになるようですが、私は全面開発というのは先ほど言いました都市の感じというか、環境保全というか、こういう面からいって非常にかん詰め料理に——私の表現でおそれ入りますが、うちを建てるための都市と、こういうことになって、非常に無味乾燥になってくる、こう思うわけです。やっぱり必要限度の緑地ぐらいは残して、五十年、六十年ぐらいの樹木もどこかにあるというようなことでなければ、多摩ニュータウンの再現になると思うんで、そういう全面開発という方向でいくのか、ある程度の自然を残すという方法でいくのか、まあここに書いてある図表では、何か全面開発して人家とか商店とか工場以外はそこには散見できないというような想像を持つわけです、この表だけでいくと。これはどういうことになるわけですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 先生のおっしゃるように、一口に言いますと、景観の保存というようなことは十分考えながら開発していく必要があろうかと存じます。相当規模の区域でございます。したがいまして、そういう自然というものも相当取り入れた区域でございますので、せっかくのそういうものにつきましては、なるべくこれを保存しながら宅地開発を進めていくということが必要であろうかと存じます。したがって、従来のような土地土地利用現況図だとか、また文化財の現況の調査、そういうふうなものをもちろん利用するすることは当然でございますけれども、新たに植生図というようなものをつくりまして植生保存計画というふうなそういう計画も立てまして、そして何とか自然環境を保存しながら、町づくりをしていくということが必要であろうかと存じます。住宅公団におきましても、四十七年度の予算の中で、自然環境問題と一体となって高密度住居地区の設計方法及び管理システムの研究というようなことも予算をつけて、そういうことについてのいろいろな研究をすることになっておりますけれども、新しい新都市基盤整備事業につきましては相当規模のものでございますので、先生がおっしゃるようなそういう趣旨のことを十分生かしながらやっていけるように指導してまいりたいというふうに考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 そういう緑地ですね、そういうものを配慮して残すといっておられますが、それはそれでいいでしょう。まあ文化財等は残すということを言っておられますが、これは内容が明らかですからそれもけっこうでしょう。しかし緑地ですね、文化財を除く緑地、そういうものは一体どこからとるのですか、根幹施設地域からそういうものをとるのか、あるいはまは誘導開発地区、こういうものから残すのか。特に私は、相当広範な民間所有地がありますから、こういうものを全面開発されたのでは緑地がそうたいして残らないと思います。だから民間の所有地からそういうものを残す場合に、これはただで供出させて残すのか、それをまた別に何というか、公的に買い上げるのか、その付近が明らかでなければ、ことばと答弁だけでそういう環境保全のために、生活環境をよくするために緑地を残すという答弁はいただいておっても、実際いざ開発した場合にはもう民間所有地には一木一草なかった、家以外何もない、道路以外何もない、こういう可能性が非常に多いわけですよ。だからどのような手段でどのようにしてそれを全市街に残していくのか、その点を具体的にお知らせ願いたいと思うのです。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 都市で必要な公園だとか、緑地というものは根幹公共施設として残したい。つまり買収いたしまして公的な空間として残すように設計をし、計画をするというように私ども考えておる次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 しかし根幹施設地区が、このように点在する場合はいいでしょうね。ある程度、まあ全市までいかぬけれども、そういうものが残されるということは考えられるが、このままいくとは限らぬですね、たとえば民有地なら民有地がある一カ所にやはり集約されることも考えられるわけですね。そうなると、民有地には全然そういう緑地の配分とか、何とか手がつけられぬということになると、そういう市街地の三分の一ぐらいは全然無緑地地帯だということも考えられると思うのですね。だから民有地に対してもやはり緑地を残すとか、買収するとか、何というか四分六になるとか、五分五分になるとか、そういう率にはこだわらず、町全体のバランスにおいて緑地というものが残っておる、こういうきめこまかい配慮というものはどうしても必要じゃないかと思うのですね、どうですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) もちろん、先ほどからときどき申し上げておりますとおりに、この地域で必要なところにおきましては周辺の緑地という形でそういう自然環境も残しておきたいし、また町の中におきましても、その図面でございますように、適当な場所を考えまして開発誘導地というのを考えて、そこにもちろん公園も考えますし、根幹公共施設として、一カ所だけでなしに、もちろんその地域の規模にもよりますけれども、規模に応じてそういう緑地を計画したいというふうに考えておるわけでございます。先生の御質問によりと、民有地のままで、緑地とか自然環境というものを民有地のままで残すというようなこともおっしゃっておるかと存じますけれども、やはり私どもとしてこの新都市で必要な意味の公園だとか、緑地というものを残すためには、公的にこれを買収して公的に管理できるということでないと、あとまで規制したりまた保存したりするということがこれはできなくなるわけでございますので、必要なものにつきましては私どもはそういうふうに考えておる次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 民有地の場合はこれは無理だと思うのですね、前提が開発して利益を還元するということですからね。ですから、緑地を出せと言ったって、これは言うこと聞かぬと思うのです。よしあしは別として。だから公有地の場合、そういうふうに、全市街に緑地等が保全できるように公有地をうまく配分しなければならぬと思うのです。その技術的な問題だと思うのですね。だからその点はぜひともこれは生かしていただきたいものだと思うのです。  それからもう一つは、大体将来どれだけの規模のものを開発していくのか、どこにやるのか、これは衆議院等でも質問されておるようですが、ニュータウン方式でいくのか、ベッドタウン方式でいくのか、この法案を見ただけではいずれとも明確じゃないわけです。厳格に二ュータウン方式だけでいくということをがんじがらめにみずからが制限する必要もないし、ベッドタウン方式でいく必要もない、その場所によると思うのです。規模によるでしょうし、場所によるでしょうし、立地によると思うのですね。だからこれはニュータウン方式でいくのか、ベッドタウン方式でいくのか、一つの固定した考えを持っているのか、両面、ケース・バイ・ケースでやるというような考えを持っているのか、そのいずれの場合でも、どこら付近に大体どれくらいの人口規模のものを当面どれだけつくっていくのか、どう考えられておるのか、これをお聞きしたいわけです。法律をつくってからさてどこにしようか考えようやというようなことではこれはずさんだと思うのです。こういう手法が必要だというのですから、現にそれを想定してこういう法案を提出されたと思うのです。これ当然だと思うのです。したがって、そういうものに対する構想ですね、こういうものがあったならばお示し願いたいと思うのです。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) まず、でき上がります新都市の性格でございますけれども、簡単に申し上げますと、私どもは従前のベッドタウンというような方式じゃなしに、ある程度その都市におきまして日常生活ができるというような意味におきましての半独立的な性格を持った都市をつくりたいというふうに考えております。先生の御質問のとおり、この都市の規模だとか、また既存の大都市からの距離だとか、そういうものによりまして相当違ってきます。しかしながら、方向といたしましてはそういう方向で私ども考えておる次第でございます。  また、この新都市の規模でございますけれども、これは御承知のように法律上は、ここに、第三条にございますように「一ヘクタール当たり百人から三百人を基準として五万人以上が居住できる規模の区域である。」ということになっておる次第でございまして、人口五万人以上、ヘクタール当たり百人でございましたら、大体五百ヘクタールというのが最低の規模になっておる次第でございます。この新しい事業は、私ども、三大都市圏だけじゃなしに、地方中核都市となるものの育成も考えておりますので、こういうような規模のものもこの五万人というようなことで考えておる次第でございます。それから五万人は、御承知のように地方自治法の市としての要件の最低のものでございます。そういうことで五万人また五百ヘクタールということを大体の最低のものといたしておりますけれども、まあ三大都市圏におきましては、私ども標準的には千ヘクタールから二千ヘクタールというような大体規模のものを考えておるわけでございまして、具体的にさてどこへやるのかということにつきましては、一応の候補地として首都圏及び近畿圏におきまして大体八カ所ばかりございます。しかし、地方団体との話し合いだとか、その他この事業につきましてもいろいろな手続がございますので、当面御審議いただいて御可決いただきまして直ちに調査をし事業をやっていくと考えられますのは、首都圏で一カ所、近畿圏で一カ所というふうに私ども考えておる次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 その経費、事業費、こういうのはどうかというのはあまり明確じゃないんですが、法五十九条では、国は、施行者に対し、必要な資金の融通またはあっせんその他の援助に関するようなことをすると、こういうことですが、膨大な数になると思います。五万でも二十万でも新しい都市を地上に建設するというのだから、これはもうちょっと考えられない大きな額になると思うのです。まあ、そういうことでありますから、具体的にどういう財政援助をしていくのか、こういう抽象的じゃなく、法律の条文だから抽象的でもけっこうですが、具体的にどういうような財政的な投資なり援助というものを考えておるのか。たとえば人口五万ぐらいの都市をつくる場合にはどれだけの金額が必要で、その金額はどういう方面に使うのか、一度想定モデルでもいいから、想定したモデル的な計算でもいいから、どう考えていますか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げましたように、一応私どもモデル的なものを計算いたしております。モデルは開発面積千ヘクタール、人口十万の事業という場合におきまして、総事業費が七百八十一億かかるというふうに私どもは考えております。用地取得から、それから関連公益施設の整備というところまでの経費、住宅建設は、これはもちろん含まれていないわけでございます。それでその場合におきまして、実際にこの事業主体、施行者というものは、御承知のように、日本住宅公団または地方公共団体ということになっております。日本住宅公団は、これは御承知のように、現在でも宅地造成なら中規模の宅地造成についての財投資金がございます。この財投資金をもっと拡大して、この事業実施に当てるというふうに考えておるわけでございます。それから地方公共団体につきましても、現在では住宅金融公庫からの宅地造成の融資及び宅地造成についての地方債というものを認められております。こういう資金が相当認められておりますので、こういう資金を活用するということになろうかと思います。同時に、この経費で相当の額にのぼりますものは関連の公共及び公益施設の整備費でございます。これにつきましては、関係の特に市町村が負担する場合が多うございますので、この地方公共団体負担につきまして相当いろいろの援助をし、また、従来やっておりますような公共施設整備の立てかえ制度というものをもっと拡充強化する必要がございます。そういう特別措置もなお私どもいろいろ検討し、早急にこの結論を出して来年度からでもこれを実施をいたしたいというふうに考えておるわけでございますが、七百八十一億の中で地元の公共団体の負担が二百十五億というふうに私ども考えております。そのうち、市町村の負担が百五十七億というふうに大体見当をつけておる次第でございまして、この地元の公共団体の負担をどうするか、もう一度申し上げますけれども、相当これは問題でございます。しかしながらこれにつきましては、従前の方式を相当改善されております立てかえ制度、国庫援助方式、そういうものをさらに拡大して、地元公共団体がこの経費が負担できるようにいたしてまいりたいというふうに考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 時間も参ったようでありますので、まとめて質問いたします。  それは、こういう都市が新しく開発され、一応設備も近傍よりもいいと思うのです。新しいものはいいものにきまっている。新しいものが古いものよりも悪いはずはない。そうなりますと、その地区において新たなる生活環境の格差とか、そういうものが出てくる可能性もあると思うのです。せっかく協力したのだけれども、新しくつくられたほうがいま自分が住んでいるところよりも非常によくなる、それはその限りにおいてはいいですけれども、格差が出てくると、やはり地域の協力とか、心理的なみぞというものもこれは出てくると思うのです。そういう意味で新しいそういうニュータウンをつくる場合でも、そう遠くまでではなくて、少なくとも近傍のやはり既成市街地に対するその恩恵を浴さしていく、格差を詰めていく、こういうような開発と同時に、波及効果も周囲に及ぼすということ、こういう配慮が必要じゃないか、こういうように考えますので、その配慮に対する見解を聞きたいというふうに考えます。  もう一つは、これは大臣に最後にお聞きするわけですが、日本の経済が民間設備投資の誘導によって高度成長をなされてきた。これが壁にぶつかった。そうして発想の転換と称して、今度は公共投資の主導型にしなければならぬ。そうなると、何といっても不足なのは社会資本の不足、社会保障の不足、なかんずく住宅なわけですね。それは大臣も知ってのとおりであります。これは国民の一致した見解だと思うのです。何が政策が不足かというと、そこにくると思うのです。それで各官庁はじめ、たとえば農業白書とか科学白書とか、白書が盛んに出ておるわけです。特に国民にとって最も必要な住宅政策、社会資本の政策、これに対しては現象は追っていますね。足りないからニュータウンとか何とかと、こういっていますが、これは住宅を持っている国民にはまだぴんとこないのです。問題の深刻な点をわからぬ面もあると思うのですね。だからこれだけ周囲から、また世間からこの政策は不足だと、こういうものがなくちゃならぬということを要望されておる最大の政策に対して、ただ何となく足りないから何カ年計画でやるということだけでは、私は姿勢に欠けるものがあると思うのですよ。だから、わが国の住宅は量的にはどれだけ不足なのか、質的にはどういう状況にあるのか、将来この質をどういうふうに、何といいますか改良していくのか、そのためにはどういう計画を持って、隘路は何か、今日までどういうことをやり上げてきたのか、将来どうやるのかという、やはり住宅白書くらい出して国民の理解を求め、そうしてやはり前向きで私は政策をとっていく必要があるのじゃないかと思うのですね。法律をつくられるのもけっこう、この手法が悪かったらあの手法ということを試行錯誤してもけっこうですが、ある程度の将来に向かっての基本がなくちゃならないと思うのですね。そういう面に向かっては、大臣も努力しないというのじゃありませんが、ちょっと欠ける面があるのじゃないかと思っています。わが党は、道路とか川もけっこうだけれども、建設省が片手間というのは語弊があるのでありますが、片手間に住宅政策をやるのじゃなく、むしろ前向きに住宅問題を解決するためには住宅省ということで——あまり機構を拡大することは私どもも賛成できませんが、少なくとも国民の関心事である住宅を計画的に大量につくって、質的にも向上させるためには、専門のやはり行成所管を置いてやったほうがいいじゃないか。行政所管までこれは別としても、そういう住宅白書をやはり年々国民に発表し、みずからのやっておることを評価されながら、国民の支援を受けて住宅問題を解決していくという、そういう姿勢があるのかどうかをお聞きして、私の質問を終わります。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 端的に、住宅白書を出したらどうだ。いま建設白書を出しております。一年に一回ずつ白書を出しております。それに大部分は入っておるのですけれども、どう思いますか。  住宅が必要なことは、片手間なんと言って、片手間どころじゃございません。もう建設大臣の最も力を入れなければならぬことです。結局、住宅は住宅だけじゃおさまりませんから——土地問題がある、少なくとも建設省の仕事は全部ひっかかりがある。せっかくの御提案でありまするから、それは住宅白書につきましても考えてもいいと思います。けれども、私はそれよりももっと建設省としてはやらなければならぬ、そのPR問題としてやらなければならぬ問題がもっとほかにあると思うのです。きょうは申し上げませんけれども、そういうことを私は考えております。非常に住宅問題につきましてもたいへん曲がりかどに来ておる問題でございまして、たいへんむずかしいのでございまするが、今後もやはり国民に対するPRの問題とわれわれの認識の問題と、さらにいま五カ年計画で九百五十万戸やるというのも、これもただめくらでやっているのじゃございません。統計に基づいてちゃんとやっているのですが、ややその辺のPRも足らないというようなことならば、あなたの御提案のようなことも必要かと思っております。いずれにしても、建設省の問題としては住宅問題を第一に取り上げなきゃならぬ、かように考えておる次第でございます。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 大規模な宅地開発に伴いまして、新しいそういう市街地におきましては、関連の根幹公共施設が非常に整備される、ところが既存のところはあまり整備されてないという格差の問題がございます。先生のおっしゃるとおりの問題があろうかと存じます。これにつきましては、大規模な宅地開発の規模だとか、その位置にもよりますけれども、たとえばそういう公益施設のような、たとえて申しますと、集会場のようなものもその団地内だけじゃなしに、やはり周辺の者についてもこれは利用できるというような配置のことも考えられますし、また同時に根本的には、既存のそういう市街地につきましても、これは環境の悪いままであるということは、これは放置できないものでございますので、そういう既存の市街地についても環境改善のいろいろな事業を積極的に行なっていくということがまず必要であろうかと存じます。そうしますと、非常に地方公共団体、財政負担が多くなるわけでございますので、人口のそういう急増地域というようなところにおきましてのそういう地方財政の特別措置というようなことはやはり考える必要があるのじゃないかということで、私ども自治省とも十分連絡をとり、協議中でございます。そういうようなことによりまして、その問題を解決していく必要があろうかと存じておる次第でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 新都市基盤整備法というこの法律で、これを適用して大規模な団地造成が行なわれるというためには、どういう条件の整っている場合ですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 法律的に申し上げますと、第三条にいろいろな要件があるわけでございます。この要件について具体的に述べることは省略させていただきますけれども、人口の集中に伴って宅地の著しく不足する大都市の周辺におきまして、自然的、社会的条件から一体的に開発すべき地域、そういうようなところでございまして、主要な根幹公共施設の都市計画は大体きまっておる、また、従来の手法では人口の集中する既成の大市街地から相当の距離があるその他でその施行が、非常に開発をすることがむずかしい、したがって、公共施設だとか、公益施設というものを先行的に整備をする必要があるという場所でございます。さらにまた、事業の施行に伴っての摩擦を避けるという意味から言いまして、比較的土地の利用度が低いという場所、建築物の敷地として利用されている土地がきわめて少ないというようなところ、その他の条件に適応するところを考えておる次第でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そうすると、まあそういうところ、この法律第三条にいろいろ書いてありますけれども、私も読みませんけれども、そういうところを首都圏なり近畿圏、中部圏で具体的にさがすと、どういうところが想像されますか。大体何カ所ぐらいのところですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 首都圏及び近畿圏で一応候補に上がっているのは、先ほど申し上げましたように、大体八カ所というふうに考えておるわけでございますが、地方公共団体とのいろいろな要望との調整その他もございまして、そういう趣旨から言いまして、当面考えられるのは、首都圏で一カ所、近畿圏で一カ所というふうに考えておる次第でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そうすると、それは限界地の外側になるのですか。限界地の内側ということになれば、土地所有者から見れば、すでに相当負担がかかっておって、開発しても必ずしも開発利益も期待できないということになりましょうし、施行者の側からいっても根幹公共施設用地とか、開発誘導地区の買収費が高くなる、だからむずかしくなるということになると、限界地の外側ということにならざるを得ないような気がするのですけれども、その点どうですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) まあ端的に言いますと、東京におきましては、東京の都心から五十キロよりもっと遠いところに考えておりますが、近畿圏におきましては、大阪の中心地から大体三十キロよりもっと遠いところというふうに考えておるわけでございます。そういう場所は、先ほどもちょっと申し上げましたように、既存の根幹公共施設が比較的乏しい。特に鉄道とか、それから水だとかいうようなものについてはこれは資源として乏しい関係で、ほうっておけばあまり開発されない、そういうところでございますので、従来の手法ではこれはなかなかむずかしゅうございますので、こういう手法によりましてまずそういうものを、根幹の公共施設を先行的に整備していく、そうして新都市を建設していこうということでございます。したがいまして、従前におきましては鉄道その他もございませんで、一応の通勤時間と言われますと、一時間ないし一時間半ということははるかに越える通勤時間を要しますので、開発ができないものにつきまして、この場合はそういう鉄道等の整備をはかりまして、そうして、開発適地といたして新都市を建設していくということでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そういうことだということになると、そこはまた民間デベロッパーにとってもなかなか妙味のある地域でもあって、これと新都市基盤整備法による開発とが競合するようなことになるおそれがあるのじゃないかという気がするのですけれども、その点どうですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) この事業は、御承知のように、知事がこの事業に関する都市計画決定、つまりマスタープランをきめまして、それから事業を行なっていくということになります。その決定する前の段階、もちろん、調査を実施いたすわけでございますが、そういう事前の調査の段階におきましてこの条件に当てはまるという個所で、たまたまそういうほかのデベロッパー等がみずから市街地を形成すると、そういう宅地造成をするという予定で土地を購入しておるということももちろんあろうかと存じますが、この三条の条件に該当すれば、そういう土地の所有者がだれだれだということはもちろん考えないわけでございますので、そういう場合もありますし、また全くそういうデベロッパーが入り込んでいないという場合もあろうかと存じます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それで、できるとして、まあ企業の土地買い占めというものが市街化区域とか、調整区域などの都市計画区域内よりはその外のレジャー用地、こういうようなものを対象としたものが非常に多くなっていると思うし、それから調整区域の場合もかなりあるのですけれども、その意味で、いま日本列島の買い占めとか、日本にもう土地はないとかと言われるほど大資本による土地投機が激しくなっている。これが地価をつり上げる原因になっておるわけです。けれども、建設省はこの実態を調査しているというように言っているのですけれども、それはどうなっていますか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 法人の土地買収の実態につきまして大臣よりも指示がございまして、五月二日付で東証の一部、二部上場の会社千三百社につきまして実態調査をいたしておる次第でございます。この結果、最近、大体まあ一カ月たったわけでございますが、現在、回収率は五三%程度になっておる次第でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そこまで集まってまだ結論が出てないということですけれども、また、いろいろほかに発表されてるものを見てみますと、たとえば、七二年二月の和光証券の調査部の調査によりますと、これは東証の一部、二部千三百三社を対象にしていますが、土地所有の合計が四千六百七十五平方キロメートル、一社平均にすると三百五十八ヘクタール、この四千六百七十五平方キロというのは、全国の土地面積の一・二六%ですね。それから、市街地面積にほぼ近いだけの面積に当たるそれだけのものが法人の所有になっておる。八王子の場合を見ますと、四十五年八月ですけれども、宅地開発予定の面積というものが小田急、西武、それから東神産業のそれぞれ百十ヘクタールを筆頭として十三社でもって六百九十八ヘクタール、これが八王子の山林その他の六千三百七ヘクタールの一一%、これは高尾山のてっぺんまで入っているわけですから、一一%の宅地開発予定地を持つでおるということは相当な比率になると思うんです。横須賀の場合でも、四十五年七月現在でおもな開発予定面積、これは西武の五百七十七ヘクタール、それから京浜急行の三百八十八ヘクタール、三井不動産の二百十ヘクタールというようなのを筆頭にして七社でもって合計千二百十八ヘクタール、横須賀市の全民有地が六千八十五ヘクタールですから、その五分の一に相当している。山林の面積ということになると、その四二%をこの七社で独占しているというような状態になっておりますし、それから、ほかの調査によると、三井不動産、三菱地所、東急不動産、西武鉄道、東武鉄道の五社でもって、一社で千ヘクタール以上、最近の新聞なんかの報道では三井不動産は二千ヘクタール以上と言われておりますけれども、それから京浜急行、小田急、京成、京王帝都、これが一社で五百から九百ヘクタール、大体この九社でもって首都圏の宅地造成と供給がほぼ独占されるような形になるまで大きく買い占められておる。しかも、こういう先行取得された土地というものは各社が造成、販売する能力というものをはるかに越えているんです。たとえば西武のごときは、ある調査によれば、いまの比率で出していけば三十三年分かかえ込んでいるというように言われておるんですね。私はいろいろの調査で、宅地がどれほど民間の大企業によって、いわゆるデベロッパーというものによって買い占められているかということを研究してみたのですけれども、こういう状況のもとでは、住宅難の解決とか、民間自力建設とかといっても、一向に庶民に住宅が保証されるということにはならないのではないか、まして金融緩和でだぶついた資金で土地騰貴の目当ての買占めがいま激しくなってきている、こういう状況のもとで、政府は一体土地の買占め、それから土地の値上がりというものに対して、どういう対策をとろうとしているのか、そこらがはっきりきまりませんと、いろいろ計画を立てても、地方自治体の事業、公団の事業として実際にやっていく上に障害が多いのではないか、その点をお願いしたいのですけれども。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 先生御指摘の法人の土地買収という問題は、先ほど申し上げましたように、現在調査を実施中でございますので、これはある程度回収されましたら、私どもも集計して、また御説明申し上げたいと思う次第でございますけれども、確かに相当規模の土地買収をいたしておるわけでございます。もちろん、私どもの手元にきたものを多少見ましても、事業用のものがもちろん多うございまして、たとえば先ほどの和光証券の例を申されましたけれども、私ども直ちにあれを和光証券から担当者に来て説明を聞いたわけですけれども、たとえば六三%はパルプとか、鉱山の山の中の土地でございます。したがいまして、事業用のものも相当多いと考えられますけれども、まだ数字についてはつかめませんけれども、先生のおっしゃるようにある程度将来のことを見通しての転売、投機的な土地買収、そういうものもあろうかと存じます。最近の地価の上昇につきましては根本的には確かに大都市地域におきますところの、宅地の需給のアンバランスにございますけれども、やはり土地が投機の対象になりやすいというようなことから、その地価の高騰に拍車をかけているわけでございますが、私どもそういう投機的な売買というものを仰制しなければ、地価対策はこれは全うすることはできないというふうに考えております。大臣も一番最初に答弁いたしましたけれども、そういう投機の抑制の措置としては、四十四年に個人の譲渡所得税についての重課の措置がとられたのみでございまして、その後はたとえば法人のそういう譲渡益についての課税というものは、いまだにまだ検討中でございまして、結論は出ておりません。また個人につきましても、土地を投機的に保有することはもうけにならないというふうな措置を講ずることが一番必要であろうかと存じます。したがいまして、私どもの地価公示制度をもっと拡充強化いたしまして、固定資産税の評価との差があまりにもありますので、これを一元的に評価していくという方法、また地価公示価格を越えるところの売買につきましては、これは高率の譲渡所得税をかけるというようなことをいたしまして、そういう土地の投機的売買というのは、これが得にならないというような措置を講ずる必要があろうと存じまして、そういうことにつきましても検討中でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 いろいろ検討されておられると思うのですけれども、現状ではなかなかそれが押えられない、押えるきめ手がないということであろうと思います。そこで、ひとつ考え方ですけれども、地価対策という一つの関連から見ても、それから実際この法律をやっていくにしましても、いま言ったように適地とみなされるところには相当デベロッパーが入り込んで買い込んでしまっているわけです。だから、そういう点で、この法案による開発の手法というものをもう少し小さな面積にまで適用できるようにして、五万人以上とか、千ヘクタール以上とかというふうに言われますけれども、これをもう少し小さな団地開発にも適用できるようにして、むしろ大資本の持っているそういう所有地に積極的にこの法律を適用するようにしたらどうかと思うんです。農民や山林地主から安く購入した値段に近い値段をいま言われたように、公示価格を適用するというのだから、それに近い値段を公示価格として根幹公共施設用地や、開発誘導地区の用地として公共が買い上げて、そうして大資本は残りの四〇%から公共減歩を差し引いた残りの土地を造成して分譲する。その場合でも、建設省は、この分譲地についても、この公共施設負担をまるまるそこの住民に転稼させないように、造成した土地の公示価格というようなものも低くして、土地の原価、造成費、それに適当な利潤という程度なことにして、地価の値上がりを抑制するというようにすれば、地価は押えられるし、計画的な町づくりもできるし、しかも、こういうことの法律を適用する対象も、もっともっといまより広くなるだろうというように思うのですけれども、この点はどうですか。積極的にそういう方向を活用してみたらどうですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) この新しい手法を、規模をこの法律で書いておりますよりもっと小さいものにも適用したいというお話、まず第一点でございますけれども、この点につきましては、先ほどから御答弁申し上げておりますように、でき上がりますところの新都市の性格その他からいたしまして、この規模というのは、最低の規模のものではなかろうかというふうに私ども考えておる次第でございます。しかしながら、先生のおっしゃる、また、私ども先ほど御答弁申し上げましたように、投機的な土地の売買に対する抑制というのは、こういう方法でなしに、やはりそれに対する効果のある土地税制を中心にした施策が早急にやはり確立されるべきであると私どもは考えておりますし、そういう方法によって投機的な土地の売買の抑制というのはなさるべきだと思います。  それから、それじゃ、この新しい手法によりましてデベロッパーは得するのじゃないかというようなお話、端的に申しますと、そういうお話でございます。この地域におきまして、デベロッパーが、土地を、この新都市の対象となるというために、あらかじめ買っておくということは、相当のリスクがこれは伴うものでございます。それからまた、この都市化計画が決定をいたしましたあとで大企業が入り込むということは、そのあとにおきましては公有地拡大の先買い権、先買いの制度だとか、あるいは都市計画法による先買い権がかかりますので、これは私どもそういう措置で抑制ができるというように考えておる次第でございますし、同時に、以前からデベロッパーが土地を所有しておりますと、その中で大体手元に残るのは四割でございます。その四割もまた、自分で開発する場合におきましては、開発許可を受け、またそれに伴っての公共公益施設というものを整備しながら宅地を造成し、そうしてこれを譲渡するということになるわけでございまして、そんなにデベロッパーがそのために非常に得をするということにはならぬだろうと思います。この新しいところは、先ほど申し上げましたように、根幹の公共施設が整備されてないところでございまして、従前のところはある程度そういう施設があるところでございます。そういう意味におきまして、そういう基盤の施設を整備しておいて、そうして開発誘導地区を整備して、そうしてあとは民間の自然的な市街地形成に待とうという手段でございます。そういうことでございまして、開発誘導地区におきましては、先生のおっしゃるように、私どもこれはいわゆる原価主義と申しますか、造成費を中心とした原価主義で宅地価格をきめる、そうして処分をいたすわけでございます。そういう開発誘導地区におきまして大量の宅地も供給されますので、その近所にございます民有地について、特にこれが値段が上がるというようなことは、先ほど申し上げましたようないろいろな制度からして、まずあるまいと。大体において開発誘導地区における原価というものを中心にやっていくわけでございます。そういうふうに私ども考えておるわけでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 私が心配するのは、さっき言ったように、この首都圏にしても、目ぼしいところはほとんど買い占められてしまっておるような状態になっておる。しかもそれが、だれでもかれでもということじゃなくて八王子の場合だったら、十三の会社とか、横須賀の場合だったら九つの会社がほとんど買い占めてしまっておる。しかも、それをすぐ使うんじゃなくて、ちびちび出しながらもうけているというようなやり方をしている。だから、便利のいいところとか、見込みのあるところを先買いしているわけですから、これをよけて通るということになれば、この新都市基盤をつくろうとしても、相当骨折って遠くのほうをさがさなければならぬようなことになる。しかも、その何にもないというか、鉄道は当然引ける予定になっているけれども、そこへ新都市基盤の法律でもって新都市をつくってやれば、その回りをまたデベロッパーが買い占めてつり上げていくというようなことになる。いままでの例がそういうことです。だから、そういうことを避けておったのでは、この法律で言っている目的も十分に達成できないんじゃないか。だからむしろ、それもけっこうだけれども、いま買い占めて持っている連中にぼかっとかけてやる。あなた方は、私権の制限とか、土地は国民のもので個人のものじゃないとか言うけれども、大きな法人、デベロッパーの持っているものを出せということを一言も言わない。建設省は農民から取り上げる、そういうことばかり言っておいでになる。農民からちっとばかり取ることを考えるよりも、八王子の土地の二割も持っておるそこへぼかっとかければ、これは一番公共に役に立つようなあれができるし、まさに私権はそこで制限しなければならぬものだ。そこをやらなければものごとは片づきませんよ。これほどいわゆる技術と資本が大きくなって、集中されて、瀬戸内海にも橋をかける、日本アルプスにトンネルを掘って黒部まで行けるような、これだけの大きな生産力ができたものを、私的な資本の営利の追求ということにまかせておいたら、決して国民のためになるような、あなた方が考えておいでになるような国土の開発とか建設なんというものはできるものじゃない。まさにいま必要なことはそれを制限することだ。そういう意味で私はこれを言っているわけですね。いまあなたのほうは、やるつもりはないということですから、これ以上議論しませんけれども、そういうことです。  ところで、デベロッパーの開発は、計画それ自体とすれば、中小企業の開発よりわりあいいいものができるかもしれないけれども、しかし今度、道路、公園、上下水道、ごみ処理施設とか学校というような、いわゆる公共施設のために市町村の負担を増大させて、これも規模が大きければ大きいほど深刻になっていく。開発者に一定の負担をさせる開発指導要綱というようなものを各都市がつくって、もうすでに百ぐらいの自治体がこういうものをつくって、これに対応する苦労をしておるのですけれども、建設省、自治省は、こういうものに対して一体どうされるつもりなのか。住居者、つまり新しい住民に負担を転嫁させないようにして、こういうものをやっていくくふうがあるのかどうか、そこのところをお聞きしたい。  それから、前の私の意見に対するあなたの見解があれば、それも言ってもらってけっこうです。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 第一点の最初のほうの話でございます。私が申し上げているのは、一番最初に御質問ありました、ああいう第三条の要件に当てはまれば、もちろんこれは私ども、その地域をこの事業の対象といたすわけでございまして、そのときに、そういう大企業が土地を買っているからこれを避けるということは決してないわけでございます。ただ、大企業が持っているから、要件に当てはまらなくても、これは取り込もうということはないというふうに申し上げているだけでございまして、要件に当てはまって、この事業をやるということが適当であれば、もちろん、これは避けるものじゃないわけでございます。  それから、宅地開発要綱についてでございます。この宅地開発要綱につきましては、現在すでに百五十三市町村におきましてこういうものが制定されておる次第でございます。御承知のように、宅地開発等をいたします際に必要になります道路だとか、河川だとか、学校とかそういう関連の公共公益施設というものの整備につきましては、原則としては、これは国だとか、地方団体が負担するのが当然でございます。しかしながら、この宅地開発の対象となる地域におきましては、短期間のうちに、また優先的に、こういう施設を整備する必要があるわけでございます。さらに人口の定着いたしましたあとは、またそれに伴う税収入もございますけれども、当初は人口の定着が段階的でございまして、そういう人口の定着のないまま先行的な整備を相当しなければならないところに問題があるわけでございます。したがいまして、市町村におきましては財政負担が相当過大になりますので、いわゆる都市計画法の公共施設の管理者等に対する同意を得る、また協議を必要とすると、そういう場合におきましてのこれは内規としてつくっておるわけでございます。しかしながら、この宅地開発要綱、百五十三を私どもいま手元に取り寄せて綿密にすべてについて分析をいたして調査をいたしておりますけれども、中には社会通念上から見て妥当な範囲を少し越えている過大な負担であるというようなものもあります。した、がいまして、ひとつ開発者がどの程度負担をすることが合理的であるかという、そういう具体的な基準というものを私ども早急に検討し、結論を出したいと思って考えております。御承知のように、日本住宅公団でも、ただいまそういうある程度のものにつきましては、受益者というような立場からいたしまして、開発者負担というような形で経費を負担しております。したがって、そういうようなものも参考にしながら、合理的な基準というものを関係の省庁とも十分打ち合わして詰めたいというふうに考えております。しかし、問題は一番最初に申し上げました、こういうものはやはり地方公共団体が整備すべき範囲のものでございます。しかしながら、いまの財政権ということから、そういうような開発者負担ということに経費をむしろ負担してもらっているというかっこうでございます。したがって、こういう大規模宅地開発というようなことに伴っての関連の公共公益施設の整備に関する地方公共団体の財政の軽減措置ということについては、何らか従来の方法と違う、従来も相当いろいろ改善をしてまいりましたけれども、さらに軽減の措置を特別に講ずる必要がございますので、この点につきましても、私ども現在案をまとめつつあるわけでございます。したがって、これの結論を早急に出しまして、是正方をはかりたいというふうに考えておる次第でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 前のほうの答弁聞いてもう一言言えば、つまり私の言っているのは、いま局長はこの法律があてはまるところでは、まあ大企業のデベロッパーの所有地でもよけて通らぬのだということを言われたけれども、私の言うのは、この法律をもっとそういうところに適用できるように改めたらどうか、そうすれば幾らでも土地はあるだろうということなんです。  それから、財政の問題はあとで触れますけれども、いまの自治体の財政負担だけでなくて、大企業のそういう土地の買い占め、それから宅造というようなものが自治体のいわゆる町づくりにも大きな影響を与えておるわけですね。たとえば、埼玉県の、これ滑川村というんですか、ここの場合には西武鉄道が買収計画立てて、滑川、江南、嵐山とこの三つの町村にまたがる五百五十ヘクタールを買うという計画を立てて、すでにもう三分の一は買っていると言われておりますけれども、そこで滑川村の助役さんに言わせれば、売るのは個人の自由だと言ってもむやみに買い占められたんでは、村の将来計画として自然の情緒を残した観光的な開発を構想しておったというのですけれども、それにもう差しつかえるので、村としてそういう計画の立てようがなくなったということを言っているのですね。そして村でできることはせいぜい自然を残した開発計画をやるようにというように西武へお願いするというのが限度だ、こういうことになっておるわけです。こういう状態に対して一体建設省としてはどういう措置をとっておるのですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 建設省がどういう措置をとっているといいましても、なかなか建設省計画局だけでできる話ではございません。それはもう土地を買うということは、ある会社が何か目的があって買うのだろうと思います。いま西武で滑川村買った、どういう目的でどういうところを買うか、それをとめる方法は私はないと思うのです、それをとめるということになればこれはたいへんですから。しかし、そういうふうにこれは全国的な問題になりまして、いま土地問題はあなたが言うように今後もだんだん全国的な問題になりつつあります。ことに工場分散をせよと政府は言っておるし、道路もつけなければならぬ、新幹線もできるということになれば、相当にこれは土地問題は全国的に問題になる。そこで、私はこれをやはり従来のように法人にむやみにまかしておいてはいかぬ。したがって、やはりそういうふうに法人あるいは個人が大規模に土地を一定規模以上に買う場合には、地方公共団体の、これは事実そうやっておりましょうが、なかなか約束を守らぬわけです。だから地方公共団体の許可を受ける。許可の条件として初めの用途は年限の制限をしてちゃんとやれるように——事業はそのつもりで買ったけれどもいまやる必要はない、買っておけば何とか土地だから上がるだろう、こういうことが非常に行なわれておると思いますし、それが投機的な問題になるのだから、やはり地方公共団体にある程度の権限を法的に与える。法的に与えておれば地方公共団体の長も国家にかわってやはり私権の制限もできるようになるのじゃないかということがきめ手じゃないかと私思っておるのでございます。したがいまして、地方公共団体に対するそういう措置をするのには、これは立法が要ると思います。そういうようにやらなければ、絶対にこれは防げないというように私は感じておるわけでありますから、立法措置が要る。それでもって防がなければしょうがない。私が会社の社長でも、いまのような状態になっておれば、まあとにかく買っておく。そうすると、それは事業はやらないようになればやはり土地は上がっているということになりますから。したがいまして、大きい全国的な視野でひとつこの土地問題は考えたい。これは、ひとつ建設省だけでなく、政府としてそういう措置をとらなければならぬだろう、かように考えておる次第でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そこらの辺が非常に大事なところだろうと思います。いまの新都市計画法でも三十三条で開発許可の基準をきめてありますけれども、やはりこの基準に合っておれば許可せざるを得ないということになって、まあ法人ですから当然いまの法律に基づいてやっていることなんで、やはり新しくその点はチェックするということを考えないとならないのじゃないか。地方自治体が開発指導要綱というようなものをつくらざるを得なくなっておるということも、結局法的にチェックできないから、そういう形で行政的に何とかチェックしていこうという努力をしておるのだろうというふうに思います。そして、こういう民間デベロッパーとか、大資本に対する一定のものは規制措置をとらなければ、もう現状では地価の問題も開発の問題もどうにもならぬところまで問題がきているのじゃないかというように私ども思います。  そこで、その次ですけれども、この法案では農業を続けてやりたい者の土地ですね、相当広い土地ですから。それも宅地に利用するものと同じような開発利益を受けるということを前提にしておるように考えるのですけれども、その点はどうなんですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 一般の土地の所有者でございましたら、土地の所有者がだれであるかということを問わず、同じような土地取得の方法を私ども考えておるわけでございます。と申しますのは、この事業の施行は市街化区域内ということになっておりまして、この施行区域全体を市街化するというのが一応のそういう目的になっておる次第でございます。したがいまして、同じように土地の所有者を、主体がだれであるかということによって差をつけていないのでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そこのところですけれども、農業を継続していくという意思を持っている者の土地は、相当程度残る部分を多くしてやったらどうかと思うんです。もちろん、それを多くしてやって、農業をやるやるといって土地を残しておいてもらって、すぐ売りに出されちゃやり切れませんから、当然農業を継続するという以上、五年以上とか十年以上とか、売買は、農地転換やらせないような条件をつけて農業をやらせるというようにしたらいいんじゃないかと。そうして、ある程度そういう土地をまとめて、新都市の中に農業地区とかいうようなものを何カ所か設けるようにしたらどうだろうか。そうすると、地域内でも水田以外はやれるということになってるわけですから、そういう意味では十万都市の中に公園もあり、緑地もありという、それもあるけれども、同時に幾つかの畑地くらいはあっても自然の形じゃないんだろうか、そう思うんですけれども、その辺はどうですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げましたように、この地域は市街化区域の中で行ないますので、これは従来どおりに農業をそのまま継続するということは困難であろうかと存じます。しかしながら、農地の所有者がこれを畑作に転換いたしまして、そして、そのままそれを継続したいというような意思がございましたら、またその条件が整っておりますれば、私どもそれは農業を継続しても差しつかえないというふうに考えておるのでございます。まあ、そういうようなことでございますけれども、先生御質問のように、これを多く換地してと、農地所有者には多く、ほかの人よりも収用率を少なくしていくというようなことにつきましては、これはやっぱり先ほども申し上げましたように、財産権の主体ということによって差をつけるということは、かえって公平の原理ということからいたしまして、問題もやはりあろうかと存じまして均一に考えておるのでございます。しかし、この農業の継続希望者というものが相当同じ地域でまとまっているというような場合におきましては、まず施行区域をきめる際に、これは先生御承知の十分地元の意見を聞くことになってます。公聴会もやりますし、案の縦覧に対する意見書も出してこられますし、関係市町村の意見も聞きますし、十分いろいろな手はずをきめておりますので、そういう段階におきまして、また土地の利用上もそれが妥当であるということでございますならば、まとまったそういう地域を区域から除外するということが考えられるだろうと私ども思っておる次第でございます。  先生のいまおっしゃいました中で、農住地区みたいなものを住宅地の中にある程度とって共存していくと、住宅地と農業経営を共存していくという、そういう農住構想みたいなものにつきましては、ひとつやっぱり問題としては前進をさせる必要があろうかと存じます。ただ、現在のところ、なお開発の主体をどうするかとか、そういう農地をどうして保存していくかとか、農業用のいろんな施設の整備、都市施設の整備と、だれがどういうかっこうで投資して行なうかという問題点がございます。根本的にはまた線引きの問題もございます。したがって、そういうような問題点を十分ひとつ慎重に検討いたしまして、私ども前進的な立場でこの問題を解決してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 地域外にはずすということになると、結局一般なところになるわけですから、交換分合ということもなかなかできなくなって、まん中の農家なんかというのはいやおうなしにその中に組み込まれてしまうということになるわけですから、やはり十分その趣旨が生かされないことになるし、私の言ったのは、これから町をつくっていく上で、町の中に農地もあれば林もある、自然も緑もあるというような形が、これからの都市づくりにとっては必要なんじゃないか。都市の中の農地、畑地ですけれども、いま昔みたいに畑があったからくさくて困るというようなことにならぬで済む状況であるわけですから、この問題は一つの問題として、私は問題を出しておきたいと思うんです。  それから最後に、地方公共団体の財政負担の問題ですね。これは、住宅公団とか地方公共団体が行なう大規模な団地開発に伴う関連公共施設について五省協定がきめられているけれども、受け入れを拒否するところが最近非常に多くなってきている。これでは幾ら法律をつくっても実施が困難になるわけですけれども、それを改善する策は何か考えておいでですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) この点につきましては、先ほども簡単に御説明申し上げたのでございますけれども、現在、いわゆる長期立てかえ施行制度というのがございます。この点につきましては、従来から関係各省と打ち合わせまして、相当改善を毎年はかってまいっております。小中学校の用地に対する助成制度だとか、また償還期間十年を二十年にするとか、そういうような方法である程度やってきておりますけれども、まだまだこの点については不足な面が多いことは御指摘のとおりでございますので、この長期立てかえ施行制度というものを、私ども充当範囲の大幅な拡大、償還期間の延長の問題、そういうようなことを含めまして、これを十分検討して改善をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  それから第二点は、国の財政措置でございます。やはり何と申しましても、関連公共、公益施設に対しまして国の助成を強化することが大事でございますので、補助対象の拡大、その辺に伴ってまた補助率をかさ上げする問題だとか、また一般的に財政措置の問題として、地方交付税の問題地方債の改善措置だとか、そういう国の財政措置の改善につきまして関係省と私ども十分打ち合わせまして、この点について遺憾のないようにいたしたい。  それから第三点は、先ほどこれは申し上げましたように、また、先生の御指摘がございましたように、この費用が相当多くなりますので、開発者に負担を求めるという例が多くなっております。この点につきまして、負担区分を明確にする妥当な基準をやはり示すということが大事であろうと思います。したがって、こういう点も各省と十分打ち合わせをいたしておりますけれども、結論を早急に出したいと思います。  そういう点をまとめまして、この大規模な宅地開発に伴っての地方財政の軽減措置という特別の措置を、私ども何らかの形で結論を出して、実現方に努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 日本都市センターの大規模住宅団地関連公共施設整備研究会、これには建設省の計画局長、住宅局長、都市局長、住宅公団副総裁、それから自治省財政局長というような人も委員の中に入っているようですけれども、この四十六年の報告によると、大規模な住宅団地開発は、公共施設整備のために地元市町村に過大な財政負担をもたらし、大規模開発の障害になっているというふうに言って、その実例として、多摩ニュータウンの場合、これを多摩町の新住宅市街地開発事業施行区域を一つの独立した市町村として試算して四十五年度の制度のままでいけば、最初の税収のある昭和四十六年度は歳入が二億五千三百万と歳出が七億一千六百万、差し引き四億六千二百万と。八年目の五十三年度には歳入が二十四億七千八百万、歳出が三十八億八千四百万、差し引き十四億の赤字というような形で、十五年目の昭和六十一年度にはこうした年々の累積赤字が百四億三千百万円になるという試算も出ております。それから一般的にも七百ヘクタール、住宅二万六千戸、人口十万人の規模の団地で関連公共施設費が約二百三十九億だと、赤字が。十八年度まで続けてそのピークの年度の赤字は六億九千四百万円。累積赤字は二十五年以上続いている。そのピーク年度には四十四億六千万円に達するというような例も出されております。そのほかいろいろ出されておりますけれども、要するに、大規模なそういう開発をやり住宅やそういうものをつくれば、都市をつくれば自治体の負担が耐えきれないほど大きな赤字が出るということはこれは耐えきれないということですから、ということをいまいったように、建設省の局長やあるいは住宅公団の副総裁というような人が入っている研究会でもはっきり認めて何とかしなければならぬという問題を出しておるわけです。そして結論として補助対象の拡大、補助率の引き上げ、補助基準の適正化、補助金の一括計上、補助単価の是正と、その他いろいろ解決の策を出しておるわけです。この点はやはり早急に解決をする方向を出しませんと、こういう法律を新しくつくっても、それがいろいろ障害になって地元が渋るというようなことになってくる。だからぜひこれやってほしいと思うんですけれども、それについてひとつ提案があるんです。私前にも提案したんですけれども、こういう財政措置に必要な財源、あるいは前に述べた公共に積極的な開発を要する財源として住宅負担金制度というものを創設したらどうかと。つまり大都市圏の住宅難の深刻な地域の中の大企業に対してその資本金、雇用労働者数あるいは建物の床面積、こういうようなものに比例して公共賃貸し住宅をつくるための資金を賦課金としてかけて、そういう金でもって住宅の建設をやるというようにする、そうしたらどうだろうかと。それで、都市開発の根本の問題ではやはり都市問題と同時に集中規制の問題があるんですけれども、こういうふうにすれば、結局そこから新しい財源を得て先ほど言ったような矛盾を解決していく原資にもなるし、同時にそういう賦課金がかけられるということになれば、そういう住宅難の深刻な土地に事務所その他を新しくつくるというようなことを避けられるわけですから、最近追い出し法案というようなこともいわれておりますけれども、これはやはり集中を避ける、そういう意味でも一石二鳥になると思うのですね。これは真剣に検討に値すると私は思っているんですけれども、この考え方、大臣どうですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) せっかくの提案ですけれども、直ちの賛成しがたいと思います。もちろんいまの公共、公益施設、これにつきましては五省協定がありますけれども、これはもう満足にいっておればいまのようなことは起こらぬのです。やはりもうなかなかあの程度じゃうまくいかないと思います。たとえば都市施設だけじゃございませんからね。一人の人間が住んでいくのには水の問題がありますし、いろいろな問題がありますから。公共施設は少々の人間ならこれは問題ないけれども、何万人という人間が一時に来るというようなことになれば、五省協定のような程度じゃそれはもう済むことはできない。したがって、この問題については特別に考えなければならぬと思います。  それから、もちろんこの住宅について、企業がそれぞれ金を出したらいいじゃないかということですが、現在企業が従業員のための住宅についてはいま多少の政府が援助はいたしておりますけれども、さらにそれを進めるという制度でしょうが、この問題はそう私は直ちに賛成はできないというような感じです。もう少し内容がわかりますればひとつまた私のほうも考えまするが、住宅負担金制度をつくったらどうか、それを企業に出させるべきだと、気持ちはわかりますが、そういうような制度は直ちに賛成するわけにはいかない。端的なお答えてございます。

田中一日本社会党

○田中一君 二点だけ伺っておきたいのです、せんだって質問するのに残っておりましたから。  一つは換地処分計画、それは当然立てなければならぬと思いますが、換地処分に対してどういう手法でやるのかというのが一つと、それから実態の問題として幾ら幾らのものが幾らになるかということが一つ、たとえば土地区画整理法の手法でやるわけですからね、その場合に残った再配分された土地の価値の移動、どういう形、実態としてどういうことになるかそれを示してほしいと思うのですよ、図解で。  それともう一つは、いま春日君が言っておったけれども、公共施設というものは、その地域にある市民なり府民なりの負担によって行なわれるものである、特別に商売しているわけじゃないのです。こういう際は、たとえば、こういう今度新都市をつくる場合には、その施設というものを先行投資をする。そうして今度の手法は全部公用地は買うんだ、有償で買い上げるのだ、その部分は。そうすると、従来ここへ二十万の市民がおって、そうしてそこで学校を増設する、何をつくるというになると、そのつもりもない人たちも一緒になって全大阪府というなら大阪府という一つの企業なら企業が全部のワクの中でつくっていくということになる。そうすると、これだけの仕事をして新しい都市をつくる、これに対する費用というもの、これが都市計画税というようなものが、市民負担のものが、将来において持たれるのかどうか、それはまあ全然なしでもって、大阪府民全部がその部分だけを負担するということなのか、特別にその居住する地域住民が何らかの特別に負担をするということになるのか。というのは、ここに定着する、入居する、ここに定住する人たちが大阪府民だけでございますと、それはかまいません。あるいは和歌山県からどっと入ってくる場合も想定されます。そういう考えを持つと、一体、税法的な負担というもの、何か地方税をどっかで負担しなければならぬということになれば、それがどういう形になってくるか。そしてまた再配分された換地の——それ別ですよ。いま言っているのは、再配分された土地に対する価格というものが、価値ですね、どういう負担で——というのは、結局、これは減歩です。どういう面の減歩が想定されて、したがってその減歩というものが、従来ですと、公共用地として残れる場合もある、公園として残る場合もある。しかし、それらはみんな買うんだという前提に立っております。その辺もちょっと明らかじゃない。従来の手法と違うと思うんです。ことに、今度のこの手法というものは、全部地主にもうけさすんですよと、もうけさすからみんな協力してくれるんですよということが前提になっている、この法律は。いま春日君が言ったのとちょっと見方が違うんです。地主にもうけさせなければスムーズに事か進まないんだという前提に立っている。その点、ひとつ説明していただきたい。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) いろいろ御質問ございましたので、私のお聞きしました範囲で御答弁申し上げますので、もしも抜けておりましたら、また再質問していただきたいと思います。  最初の換地処分の手法でございますが、これは先生御承知のとおりの土地区画整理の手法に大体準じているわけでございまして、施行者が換地計画を決定します際、知事の認可を得てやるわけでございますけれども、換地の基準が、これは三十三条にございますけれども、施設につきましては、これは個別換地という原則になりますし、「位置、土質、水利、利用状況、環境等」ということにつきましては、これは根幹公共施設とか開発誘導地区ということに対して、これは先に一括換地をいたしますから、そういう関係で、どうしても個別換地ということでなしに、総合的に勘案して、衡平さが保たれるということで、これは換地がされるのでございまして、したがいまして、従来の場合よりも現地換地というものが少なくなり、飛び換地的なものが多くなるであろうというふうに考えるわけでございます。  それから、従来と違う特色は、一団地として一団となるように、申し出を二十六条一項でいたしますと、これも一団となるように配慮してきめる。そういうことで、民有地の共同開発ができるということも、十分考えておる点が違うのでございます。  その他、過小宅地の問題とか、仮換地の指定とかということにつきましては、大体、従来の方式と同じような方式でございます。それから、第二点につきましては、幾らのものがどのくらいに、宅地造成し、公共施設を整備したあとでなるかという点だろうと存じますけれども、この点につきましては、私ども、従来の大規模な宅地造成のときの関連から申しますと、土地の取得価格とそれから処分価格というものは、大体、差は四倍程度になるというふうに私ども考えておるのでございます。  それから、第三の点につきましては、いろいろ御質問ございましたが、学校等の公益施設を整備することについて、財源問題等、どこが負担するかというふうな、そういう点についてであったと存じますけれども、これは府県で負担するものもございますけれども、やはり地元の市町村が負担する部分が相当多うございます。市町村の財源としましては、都市計画税というものがございますし、また、住民が、これが次第に定着してまいりますと、もちろん、御承知のように、最初は住民税は入りませんけれども、次第に住民税という財源もこれは収入として入ってくるわけでございます。まあ、そういうものを市町村が財源としながら、こういう整備をしていくわけでございます。特別にこの地域、この法律による宅地造成がされたから、そこの民有地の住民が特別に負担するというようなことは考えていないわけでございます。そういうようなことで、市町村が都市計画税とか、また住民税とかいうもので次第に税収が増してくる。それを財源として整備してまいるわけでございますけれども、相当先行的な整備であるという意味からいいまして、その当該市町村が非常に財政的に困るわけでございますので、この点につきましては、立てかえ施行制度というようなものを考え、また地方債の特別ワク、また地方交付税の適正な配分ということについて、いろいろ今後配慮していく必要があるのでございます。  以上、要点だけでございますけれども、お答えいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 減歩はどのくらいを考えておられるんですか。減歩はどこに使うんですか、道路に使うんですか、何に使うんですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 新しい手法によります減歩は、御承知のように、土地の整備をするために必要最小限度のものについて減歩を考えております。したがいまして、この民有地のところの区画街路等の新設のため、必要最小限度のもので、大体一〇%以内というふうに私ども考えておるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 一〇%だけの減歩でいいわけなんですか。そうして、むろんその再配分された、換地を受けた地区の、その中の整備はおまえがやるんだよと、こういうことなんですね。幹線道路ということを考えていいんだな、幹線道路ということで。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) この法律でいわゆる減歩というのが一〇%以内でございますけれども、先生御承知のように、根幹公共施設と開発誘導地区というものにつきましては、名前は減歩といっておりませんけれども、有償で買い上げるという意味では、御承知の、一般の土地の所有者から土地を提供してもらうというかっこうになるわけでございまして、無償減歩というものは、土地整理の集約の際に必要最小限度の区画街路をとるということで、一〇%以内、場所によりますけれども、一〇%以内というふうに考えておるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 自治省、いま申し上げているように、人がだれもいないわけだ。いないところに順次入ってくる。五年から六年たてば順次入ってくる。それまでの先行投資した費用というのは、これはいまお話しのように、地方住民が負担するものが多いんですね。税金として負担しなければならぬ、地方税として負担しなければならぬものが多い。その場合に、空白なわけですね、その空白が、これから来るであろうという想定のもとに、学校をつくるなり、何をつくりかにをつくるということになるわけです。その場合の費用の負担というものは、いわゆるこれが岸和田と貝塚なら、貝塚市民、岸和田市民がそれを、入居するまでの間、負担するということになるわけですね。地方債借りたってこれは金利払うんですから、返すんですから、そういう点は、税の負担の公平という面から見た場合には、むしろ不公平になるのではないか。その点どう考えるか。

近藤隆之自治省財政局財政課長

○説明員(近藤隆之君) 地方団体の側から見ますと、こういうような新都市ができます場合には、人口が急にふえたという形になるんだろうと思います。したがいまして、その人たちのための生活関連施設、公共施設等の整備というものを先行投資しなければならないということでございまして、このニュータウンの場合のみならず、現在、大都市近郊の各市町村はこの問題に頭を悩ましておるわけでございますが、御承知のように、地方財政の場合には、それぞれの地方団体が徴収いたしますところの税収、それでできない場合には、全国的な標準的な行政を確保する意味での地方交付税というものが一応配られまして、それで措置しているわけでございますけれども、ただ、人口急増地区につきましては何ぶん先行投資も非常に大きいというようなことで、現在非常な財源難におちいっております。そのために、こういった地区につきましては先ほど建設省の高橋局長のほうからお話ございましたように、国の財源措置を、もっと手厚い財源措置を考える必要があるのじゃないか、こういう声が強くなってまいっておりまして、たとえば、義務教育施設の従来補助対象になっておらなかった用地を補助対象にする、ことしも小学校の建築費の補助三分の一を二分の一にすると、そういったような措置も講ぜられておりますけれども、まだまだわれわれはそれで十分だとは考えません。しかも、こうしたニュータウンということになりますと、それがもっと拡大されたような形で急激に起こってまいりますので、先ほどお話しました制度面からも見直しをいたしまして、別途の財源措置ということを各省で相談して、検討していなければならないかと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 これは、計画局長、地価が四倍になるという場合、その地主は四倍のこれは利益、それも何になるのですか。道路ができた、自分の土地が値上がりになった、何にもしないでいるのだからね。その場合には何か受益者的な負担を考えられなければならぬじゃないかと思うのですよ、私はそう思うのですよ。どうも地主にもうけさせなければなかなか協力が得られないという前提でこの手法を考えているように説明を聞いておりましたが、これは一体それがもう相当高くなるあるいは自由に自分が持っているところに、自分に入ってきた土地を地主は自分で使うわけにもいかぬでしょうから、貸すなり何なりするわけでしょう。そうすると、そういった意味の収入が相当ある、何かこれから事業をするのに、受益者的な負担が若干なくていいのかどうかということを聞いておきたいのです。それが計数どうなるのか、あとでもいいからそれを出してみてください、それによる負担、減歩が一割なら一割、それに想定された利益というものがどれくらいになるか。いまの答弁してください。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) どのくらいになるかは、これは場所によって違いますけれども、大体四倍とかりに仮定いたしますと、それがいわゆる開発利益、よくいわゆる開発利益といわれるものであろうと存じますが、この開発利益をいかに吸収するかということは、この事業に限らず公共施設の整備をされたその周辺においていつも問題になるわけでございます。これは先生御承知のとおり、これを受益者負担というか、受益というようなことで徴収する道が一つ考えられるわけでございますけれども、その受益の範囲をどうするか、また、その周辺の地域の受益の地域というものをどこまでに限定できるのかという問題、非常にむずかしい問題がございます。すでに、都市計画法等におきましては、受益者負担金制度というのがありますけれども、実際問題としてこれは、下水道では比較的進められておりますけれども、その他のものにつきましては困難であるというふうになっておる次第でございます。しかしながら、そういう範囲を限定しないで一般論として考えますと、その開発利益が何にあらわれるかといいますと、端的には地価という形になってあらわれてくると思います。したがいまして、そういういわゆる開発利益をいかに吸収するかという問題は先ほどから議論になっております土地税制というようなことでやはり何らかの形で吸収するようなことを今後も考える必要があろうかと思っておるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 それじゃ、なんですか、道路法にあるところの受益者負担とか、区画整理のそういう条項を取ったらいいじゃないですか。それが空文である、実効がないのだというならば。どうも勇気の問題です、勇気がないのじゃないかと思います。いま言う土地の問題、四倍といっても一万円のものが四倍になったならたいした問題じゃないですが、それは高いものが四倍になるというようなことになると、これはやっぱり不公平ですよ。千円のものが四千円だというならいざ知らず、二十万都市としての一つの姿をあらわしてくるという場合には、そんなものじゃないのですよ。そんな幅じゃありません。それは相当な地価の上昇というものが見込まれるわけですよ。なぜならば、それを利用しようとする側のほうから値段きめるわけでしょう、本人がきめるわけじゃありません。利用しようとする側のほうから利用に対する利益を換算して考えながら地価をきめていくのですから、だから、そこに相当私は最初からせんだっても言っているように、これは地価をつり上げる法案じゃないか、こう言うのもそこにあるわけです。ただ単に持っているからいいのじゃない、農民は持っている水田で米をつくるというなら、それは収入はきまりません。そうじゃなくして、二十万都市としての一つの姿をあらわしてくるとその利用の価値があらわれて地代がどんどん上がる、そういう点どうもふに落ちないものを感ずるのです。将来そういうことになりますと泉北ですか、泉北で起こっておるような全面買収のほうがほんとうに健康な都市づくりができるのではなかろうか、こう思うわけです。したがって、そこに大きな疑問を持って、ここら辺で質問をやめますが、まあやってみて、おそらく私は成功しないだろう、なるほど土地づくりはできた、ネオンがいっぱいあるりっぱな近代無法都市ができるのではないかと思うのです。そういう点で非常に心配しながら質問を終わります。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより本案の討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。  新都市基盤整備法案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 私は、ただいま可決されました新都市基盤整備法案に対し、自民、社会、公明、民社の各派共同提案にかかる附帯決議案を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。    新都市基盤整備法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、新都市基盤整備事業は、都市用水の確保について十分な見通しがある場合に限り認めること。  二、開発誘導地区以外の民有地部分について、無秩序な開発を防止するため、開発許可制度の厳格な運用を図るとともに、良好な居住環境を確保するため、きびしい用途規制を行ない、かつ、建築協定等の諸制度を活用するよう指導すること。  三、新都市の建設に伴う関連公共施設の整備については、開発者の負担すべき費用の範囲を明確にするとともに、地元公共団体の財政負担の軽減について抜本的な改善策を講ずること。  四、新しい都市形成の基本となる行政区域の単一化について積極的な指導を行なうこと。  右決議する。  以上でございます。  何とぞ御賛同くださるようお願いいたします。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) ただいま茜ケ久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 全会一致と認めます。よっが、茜ケ久保君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、西村建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。西村建設大臣。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 本法案の御審議をお願いして以来、本委員会において熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。審議中における委員各位の御高見につきまして、今後その趣旨を生かすようにつとめるとともに、全会一致をもってただいま議決されました附帯決議につきましても、その趣旨を十分尊重し、今後の運用に万全を期して各位の御期待に沿うようにする所存でございます。ここに本法案の審議を終わるに際しまして、委員長はじめ委員各位の御指導、御協力をいただき、深く感謝の意を表してあいさつといたします。ありがとうございました。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  午後二時まで休憩いたします。    午後一時一分休憩      —————・—————    午後二時八分開会

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) ただいまから建設委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として工藤良平君が選任されました。     —————————————

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 首都圏整備法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

田中一日本社会党

○田中一君 今回の法律案の提出の意味は過度の人口集中というものからくるのか、もう一つは環境が非常に悪くなっているから、これを整備するという二つの要素のうちのどちらにどのくらいのウェートがかかるのか、実態はどうなっているのか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) まず私から、この法案を提出いたしましたわけをちょっと御説明申し上げます。  実は、地価対策閣僚協議会におきまして、やはりもう少し、大都市の一定地域内における工場とか、あるいは学校とかいうものの新増設について、規制の措置を強化すべきだということが、閣僚協議会の一つの問題になったのでございます。それを受けまして、首都圏整備委員会でいろいろ相談もいたしました。そうして、さらに強化をしたほうがよかろう。かてて加えて、最近は環境保全ということも強く言われておるから、人口の都市集中だけの問題でなしに、その辺のこともひとつやっぱり本法案にうたったほうがいいんじゃないかというような御答申もございましたので、それを受けまして、この法律案を提出いたしたような次第でございます。詳しい説明は事務局長にさせます。提案の理由だけをちょっと御説明申し上げました。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○政府委員(川島博君) お答え申し上げます。  先ほど提案理由の説明でも御説明申し上げましたように、本法は、昭和三十四年に、当時経済成長の波に乗って首都圏に殺到する企業、その他のために人口が非常に急激に増加する、こういう事態に対処いたしまして、これ以上の人口増大を抑制するというたてまえから、この工場、学校の制限という措置を取り始めたわけでございます。その後、この法律自体の施行の結果は、この法律制定以来十七年になりますが、制限面積以上の工場で、この法律によって例外的に許可を受けた工場はわずか十九工場にすぎないわけでございます。ところが、この制限面積以下のいわゆる小規模あるいは零細工場は、全体としては工場数並びに従業員数ともに漸減の傾向があるにもかかわらず、制限規模以下の工場並びにその従業者は年々増大を続けてまいったわけでございます。これがこの東京の、あるいは京浜地帯の人口の集中激化に相当な貢献をしているばかりでなく、これらの工場が準工業地域、その他住宅が所在するところに進出をするということで、いわゆる用途の純化を妨げるためには、相当のやはり力を持っておるわけでございます。したがいまして、この際、こういった人口集中の抑制にあわせてこの都市環境の改善をはかるという立場から、この立地を規制する。もちろん主たる目的は、母法であります首都圏整備法並びに、ここに掲げておりますように人口、産業の集中防止による東京の過密化抑制ということがまず第一眼目でありますが、この際あわせてこの都市環境の整備、改善についても、副次的な法律目的といたしまして、できるだけ網をかぶせていきたい。もちろん、これは工場から申請があった場合にこれを許可するかどうかという、いわば受動的な立場の行政でございますから、積極的に都市環境の改善をはかる手段とはなり得ません。あくまでも都市計画法その他の立法による都市環境の純化、これを補完する政策としてこの法律にもいま一枚役目を負わせる、こういう関係になるかと存じます。

田中一日本社会党

○田中一君 どうも三十四年にこの法律ができた、三十七年に一部修正があった、四十一年に何か手直ししました。なぜそうなるかという検討がされないままにこうなってしまっているのだから、もう少し制限を拡大しろということなんですね。たとえば当然十三年たっているわけですから、相当な都市形成の変転があるわけです。これは現在のものでも、これは追加されたものは別としまして、かって三十四年ごろ武蔵野、三鷹という地域を見ても、相当大きく変貌しているわけです。過密なんていうものではないくらいに集中しているわけなんです。なぜそうなったかという要因と、それから、これでいいのかという疑問ですね。そうした別の面の手当てというものは何もなくて、結果だけ見て、こういう網のかけ方をするとなると、もしそういう方針が正しいというなら、もっと別な方法があるわけです。というのは、工場だ、学校だと言わないで、もう少し産業の分布というか、産業分布計画、これは国土計画、全国総合開発問題なんです。これは現象をとらえて、こうした立法化という、法律の改正を行なうという以前に、全国総合開発の問題が残っているはずです。それに何も手当てをしないで、現象だけやればいいのだというものではないのです。ある時期は三鷹でも武蔵野でも工場誘致を盛んにしたものです。そういう意味の地方財政を豊かにするためには、五カ年間は固定資産税を取らないとか、何とかという指導をいままでやっておったのです。したがって、これは首都圏であります。首都圏の今回追加されたものを加えて、それだけではないと思うのです。もっとあります。たとえば、鹿島工業地帯にしても、一体これをこのまま打っちゃっておくのか、あのまま放置しておくのかという、ただ今回の地域をだんだんふやしていって、いま東京、横浜、川崎、三鷹、武蔵野、川口、これに限定しておりますけれども、それよりももっと先にしなければならないものがあるのではないかということです。したがって、いまの示されたところの五つか六つの都市以外の過度な人口集中、並びに環境、これらを手をつけようとするならば、どこをつけるか、こういうものを出す以上。それらの規制都市の、ことにまたその都市の規制市街地の調査は十分にしているものと確信いたします。だから、それをひとつ説明してください。私があげてもいいですよ、十ぐらい首都圏の整備、守備範囲の中で、これはどうなっているか聞いているわけです。あなた方が実態を調べて、これもこうしなければならないのだというところがあれば、それを事例として説明をしてほしいのです。結果どうにもならないからということで、今度網をかぶせる、もうだめになる時期はわかっているのです。それも政府が一生懸命それを助成して、あるいは行政指導をやって、もうあすになれば、そういう結果になるという地点があるわけです。これは二、三の事例を、どこにしようかな、環境庁のほうからひとつ見て、現在このままでいけば数年足らずして同じような問題が起こるのじゃないかという地点があったら、その地点を説明していただきたいと思います。新たにあるはずです。

冨崎逸夫環境庁企画調整局防止計画課長

○説明員(冨崎逸夫君) 環境庁におきましては、いま御質問がございますように、首都圏を中心とする地域の中で、公害の今後これ以上著しくなるというおそれのある区域におきましては、御承知のように、公害対策基本法によります公害防止計画の策定の指示をいたしております。その指示の範囲におきまして、東京都のほとんど全域、並びに神奈川県、千葉の一部、埼玉県、こういうふうに逐次計画の策定指導をいたしております。それらの地域の相当部分につきましては、今後産業の集中等がさらに著しく、公害の環境汚染がこれに伴って、このままの現状であれば、著しくなる区域が相当範囲にわたってあると、こういうふうな判断でございます。したがいまして、これにつきましては、現在関係の都県の知事によりまして都市計画の計画を立案中でございます。その中で、いろいろ問題点等を検討し、内閣総理大臣によります計画の承認という手続に持ってまいるべく現在作業を進めておるような段階でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 通産省ひとつ説明してください。目に余るものがあると思うのです。また、このままではどうにもならぬというものが、もうこの都市以外にあると思うのです。具体的に説明してください、いまの環境庁のように抽象的でなくて、この町、この都市というように。

大永勇作通商産業省企業局立地政策課長

○説明員(大永勇作君) 御指摘のように、現在首都圏の既成市街地では全面積の大体九%くらいが工場用地になっております。全国平均では〇・三%でございますから、非常に工場用地の占める率が多い。われわれとしては、それをなるべく遠隔地に移転させる必要があるということで、工業再配置対策をこの間以来御審議いただきまして、法案が成立したわけでございますが、実は当初工場再配置対策を考えましたときには、既成市街地の周辺地域、つまり千葉とか、埼玉とかいったところの一部でございますが、そういう地域についても、これは既存工場の追い出しといいますか、移転促進まではいかなくても、やはり新増設については何らかの調整を加える必要があるのじゃないかというふうなことで、実は税を賦課する、若干税を高くするということも検討したわけでございますが、この工場に対する新しい税の制度が今度いろいろな事情で実現を見なかったために見送ったということに相なっておるわけでありまして、来年度以降につきましても、そういった税の賦課による調整というふうなことにつきましては、引き続いて検討してまいりたい、こういうふうに考えておりますので、よろしくお願いします。

田中一日本社会党

○田中一君 神奈川県は、三十五年から四十五年まで十年間に人口が五九%ふえているのです。東京の場合でも、区部では、二十三区では六%、その他の地区は八七%人口がふえているのです。その中には、いろいろあるでしょう、私が言うまでもなく、あなた方がよく知っているはずなんです。たとえば相模原市はどうなっておるか、立川の工場が今後どうなろうとするのか。その中でも、人口がふえれば学校がほしくなるのです。交通機関を利用して遠隔の学校に行くよりも、地元にあればいいわけなんです。ことに専門の高等学校あたりまでも今度問題にしようとしている。そうして、あなた方の政治の失敗から、あるいは行政指導の失敗から、結果においてその住民に対して不安を与えたということですね。計画そのものは政府が一応立つべきものなんです。全総計画でもそのとおりです。全総計画でもって立てなければならぬ。全総計画を出せといったのは、非常に遠い昔でありますけれども、もう二十年近い前からこれを出せ出せといって、とうとうでき上がったんですが、これは各地方計画をそのまま集めたもので、これは何ら国家として、産業計画を持ったわけではない。教育問題しかりです。駅弁大学、駅一つこしらえれば必ず大学があるといっているように、東海道線の全部そうなんです。そこになくちゃならぬというのじゃなくて、隣の市にあれば、おれの市にも持ってこようということであって、何ら——国が教育そのものは当然教師にまかせればいいのでありますが、企業としての学校をどんどん乱造するからこうなる。しかし通うのは国民です。したがって、国土計画というものを何らいままでしておらぬということなんです。ただ三十四年につくったこの工場等の制限、この法律によって学校と工場を締め出そう、これで事足れりという考え方で今日までいるというところに問題があるのです。通産省、一体いま示されたもの以外、東京周辺といってもいいが、どこにどういう現象が起きているかという、いわゆる既成市街地というか、各新都市の実態を調べているのかどうか、調べて、今日こうなったのか、あるいは現在まで網をかけたところに行ってみると、ひどい、もう少しこれを締めなければならぬということできている発想なのか、この土地だけを締め出せばいいということなのか。どうも本格的に取っ組んでいるという姿が見えないわけなんです。これに対して建設大臣ひとつ答弁してください。今後どうするのか、これでいいのかということです。これだけの制限をすれば事足れりというのか、これに並行して、もっと同じような形の土地に対しても手をつけなければならぬじゃないか、調べなければならぬじゃないか。おそらく調査もできてないんじゃないか。ただ単に、数字という面でだけ見て、それでこういう網をかける。今度これ以上になれば、工場を移転せよと、これは、行政指導で、東京都などは相当公害を生むような工場をどんどん移転さしています。それも、計算上経営にひびの入らぬような形でもって地方にやっている。その入ってきた地方がどうなっているか、同じような現象が生まれてきているのです。これでいいんですか。これは建設大臣としてじゃない、首都圏委員長としてのあなたに伺うのですが、これだけ網をかければいいのか、もっと全体の国土計画の面から見てかくあるべきだという指導理念がなくちゃならないのです。伺います。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 田中委員の質問は、結局私に対する首都圏委員長というようなこと、それ以上はみ出しての御質問でございます、これは国土全体の問題でございますから。私はこの法律は、首都圏整備委員長として提出した、理屈を言うようですが、そんなことでございますが、結局あなた方から非常な批判を受ける、何もしていなかったじゃないかという、結果をつかまえられて言うことで、この批判は受けなければならぬと思います。今日、土地問題にしても、公害問題にしても、そういうようなきらいはあります。これは私も否定をいたしません。しかし政府全般といたしましては、もう国土のあまねくを利用しなければいかぬ、国土の利用が片寄っておったからこういうことになった、その最も片寄っておったところは、首都圏委員長が所管しておる首都圏であり、近畿圏であり、中部圏であるわけでございます。そこではなるべくもう既成市街地には入口、産業は入れないようにしようじゃないかということで、この母法の首都圏整備法ができたのでございます。やってみますと、相変わらずふえるじゃないか、したがって、ふえないようにこれをひとつさらに強化していこうということ、私もこの首都圏の人口はふえないと思っておりましたが、ふえた。それはしりぬけになっています。大工場はこの法律のあるなしにかかわらず、大工場はいまや市街地にくる心配はありません。けれども、小工場はどんどんできておるから人口はふえるということになったから、今度はひとつ小工場も業種によっては、この面積を小さくしまして、そして規制を強化しようということてございます。したがいまして、この法律でほんとうに追っかけと言えば追っかけでございますが、全部を、国土全体に対するにらみがきくような法律じゃないのでございます。しかし、御存じのように、通産省からいま御説明ありましたように、通産省としては、工場再配置を考えようと言っておるし、また環境庁といたしましても、この近郊についても、既成市街地のみならず、この近郊の開発地区と考えておったところもすでに公害等でずいぶん行き詰まっておるじゃないかということで、いろいろ考えつつあるのでございます。端的に言って、私個人としては、何と申しますか、国土が狭い狭いと言ってわれわれきたんですよ。国土が狭いし、人口は多いと、しかし、日本は国土が狭いというけれども狭いんじゃない、広いですよ、相当に、それは使うところを限定しておったから、そういう勘定であったと、私は思うんです。したがいまして、今後はいままでは政府も、これはあなた方の御批判は認めざるを得ないんですが、政府としても、力を入れて国土を総合的な立場から、ひとつ今後の産業立地、人口の過度集中を極力防いでいこうと、今回の法律はその一部分である、これで絶対足りるものじゃないと、しかし、いままでわれわれのとった措置は、それじゃ何もならなかったというと、そうじゃないと私は思います。現に既成市街地における人口の社会的増加は私は減っておると思うんです。ただ、ふえておるのは、これは自然現象でやはり自然増加、やはり子供さんがたくさんできるということでふえておる、社会的流動は少なくなっておる、まあさように考えておりますけれども、これによって全般的な効果をあげておるということは認められぬが、まあこれからも小工場はどんどんきちゃ困るから、やはりある程度制限をしたい。制限のしりぬけば、私はこの事務所の設置になっておると思います。しかし、この事務所の設置を制限するということは、これは議論のあるところでございます。なかなか今回も踏み切れなかったのが現状でございます。したがいまして、話が長くなりますが、要するに、あなたがおっしゃいましたように、広い目で見た、政府全体として見た目では批判を受けなければならぬと思っておりますが、この法律は、その一部分であるということで、首都圏整備委員長としては、お願いしているわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 それは私が質問する前に、あなた説明したからわかりますが、この対策閣僚会議では事務所建築ですね、非常に大型化している事務所建築、これも対象にしなきゃならないんじゃないかという議論が出ましたね。これはもう見のがしているわけなんです。これは関係しないわけですね。事務所につきましては諸般の事情から考えて、どうも不適当だと思うから、これを今度は延ばしたということをいま説明しておりますけれども、真相はどうなんです。やはりそういう企業者からそれは困るということになってきたんですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) これは、やはりある程度法制化するのには首都圏整備審議会にかけてやりたいと思います。審議会でだいぶん意見の違うところがあって、なかなかまとまりがつかないんであります。したがいまして、これは、この法律には間に合わなかったけれども、早急に答申を得たいと、しこうして対処したいということでございます。詳しいことは事務局長から説明をいたします。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○政府委員(川島博君) ただいまお話がございましたが、首都及びその周辺への人口、産業の過度集中に伴います適密の弊害を解消するためには、すでに規制の対象となっている工場、大学等に加え、東京都区部における昼間就業者数の増加数の約六割を吸収し、人口の最大の吸収要因となっている事務所についても合理的な規制措置を講ずる必要があろうと思います。すでにただいま大臣からお話しのありましたように、首都圏整備委員会では昨年の五月に首都圏整備審議会に対して人口、産業の集中抑制策について諮問を行ない、その一環として事務所規制について審議検討を続けており、近く答申を得る運びとなっております。同審議会で検討された事務所規制に関する具体的構想といたしましては、既存の制度を活用する面といたしまして、都市計画的手法については容積規制の強化、用途地域の純化等についての措置を強化すべきである、税制措置については固定資産の時価評価など、固定資産課税の合理化や、都心部等特定の地域における新たな課税措置について検討しております。  また、新規の規制措置といたしましては、都心部等における事務所の新増設等に対する許可制度、さらには新増設される事務所、ビル及び既存の事務所ストックをも含めまして課徴金の賦課等について検討をいたしております。これらの許可制度及び課徴金方式の実施に当たりましては、都市構造の近代化や中枢管理機能の育成強化に必要な合理的な都市再開発事業については十分配慮する必要がありますし、また、零細ビルの乱立を防止するためには中小事業所を適地の共同ビルに集団化できるような誘導策を進めるよう配慮する必要があろうかと存ずる次第でございます。  さらに、規制措置と併行して移転分散しようとする事務所を計画的に受け入れるための新しいオフィス・センターを周辺の適地に建設することが必要であり、これに必要な税、財政上、また金融上の施策についても十分検討することが肝要であると存ずる次第でございます。これらの諸般の事務所対策につきましては首都圏整備委員会から近く答申がございますので、答申があり次第その具体化等につきましては慎重に考えてまいりたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 とにかく早く答申もらって具体的な具体策を発表することです。これは一連の作業としては再開発をすればそれだけ空地ができるわけですから、広場もできるわけですから、これは促進しなければならぬということです。私はいつも言っているのですが、公共団体の再開発と、民間の自分の力による再開発をはっきりとこれを担当者をきめてやるというふうなこともいいじゃないかというのです。いままあ金融機関は資金はだいぶ楽になっておりますから、それをどんどん投入さす。もちろん資金に関係なく、建設省は相当あっせんもし、その道を開いているように聞いておりますけれども、どうもびっこなんですね。  それで、もう一つ伺ひます。この周辺にある緑地保全地域等をもう工場、学校等がどんどん侵しているのじゃないかというような気がするのですが、どうですか、お調べになったことありますか。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○政府委員(川島博君) お答え申し上げます。  首都近郊における緑地保全対策がうまくいっているかどうかという御質問でございます。首都及びその周辺の地域におきましては御案内のように無秩序な市街化を防止し、地域住民の健全な生活環境を確保いたしますために、良好な自然環境を有する緑地を保全することを目的といたしまして首都圏近郊緑地保全法、これは昭和四十一年に制定された法律でございますが、この法律に基づき現在までに神奈川県武山近郊緑地保全区域をはじめとして十六カ所、面積一万二千五百七十四ヘクタールの保全地域を……。

田中一日本社会党

○田中一君 川島君、それはわかっているよ。そこまで言わなくてもいいから、それを侵してはいないかの質問しているのだよ。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○政府委員(川島博君) 特別保全地区と一般と二つあるわけでございますが、現在までのところ、この規制は一般の保全区域については単に建築物の新築、改築、土地の形質の変更等をする易行に知事に届けるということになっておりますが、特別保全地区になりますと、これは知事の許可制になっております。したがいまして、この特別保全地区に指定されたものは完全に地方公共団体のコントロールがきくと。もし、不許可に処分した場合には買い上げ請求によってその土地を買い上げ措置をする、そういう補償措置まで加味しておりますので、特別保全地区に関する限りはこの保全は万全でございます。ただ、一般保全区域は、単に届け出に基づいて必要な場合には知事が助言または勧告できるというふうにきわめてなまぬるいと言えばなまぬるい規制手段しか用意されておりませんので、法律的には確かにこれは手ぬるい面もございますけれども、現実問題といたしましては、現に近郊緑地保全区域に指定されたところでは、これは幸いに新都市計画法によりまして市街化区域、市街化調整区域という制度ができまして、政策目的によって市街化を押える手段が別に用意されることができましたので、この近郊緑地にはすべて市街化調整区域の網をかぶせまして、この法律の監視と都市計画法の監視と両方でやっておりますので、私は相当成果はあがっていると思います。

田中一日本社会党

○田中一君 川島君ね、私は自分の質問する時間をもらってやってるんだよ。君がおしゃべりするのは、一問一答でけっこうですから、そうしてないかと言ったら、そうしてなかったらそうしておりませんとか、まだ調べておりません、調べてくれ、調べましょう、これでいいんだよ。君にしゃべられると、自分の質問する時間がなくなっちゃうんだよ。  そこで、この指定をしてない地区、この実態を調べてみましたか。というのは、たとえば相模原いまどうなっているとか、八王子は奥のほうどうなっているんだ、どこがどうなっているかというものがあるんですよ、既成市街地でね。そういうものの調査を全部してみての結果、この六つの都市でいいんだと、この地域だけでいいんだというきめ方をしたのか。非常に変わってるんです。これは地方公共団体から、自治体からそういうものを吸い上げて実態を調べることをしなきゃならぬと思うんです。ただ、いままでこの地区だけ指定してあるから、これはどうも人間ふえてきている、工場もふえてきている。これをつぶせ、それだけでは効果はありませんよと。それはむろんこれをしないでいいというんじゃないですよ。これを網をかけてつぶしてもいいでしょう、現実にふえているんだから。しかし、だんだん制限を強化すると、そのはみ出したものがどっかへ出て行くんです。行ってる先を調べてみたかと聞いてるんです。住宅公団は一生懸命工場団地の造成などをやっております。ところが行ってごらんなさい、どういう実情になっているか。そういう便利なものができますと、その団地はいいけれども、団地の周辺はまた過密どころの騒ぎじゃありませんよ。いろんなのができてくる。だから、実態というものを完全に把握して、そうして今度のこの六つの地域の制限を強化しようという考えに立ってやられたのかですよ。あるいはどうしてここにばかり人間が集まる——ここだけに人間が集まっているんじゃないですよ。工場があるから、学校があるから行くんですよ。抜本的な問題としては、たとえば研究団体を持ってこようという、筑波に研究都市をつくったところが、それもずいぶん修正されている。なかなかおいそれとはいかない。したがって、弱いところだけをたたきつぶして制限するんだということじゃなくて、もう少し国全体として国土計画の面から産業計画というものを立てなきゃならぬと思うんですよ。  そこで、私は大臣に伺いますよ。こうして増築面積も狭くなる、一貫作業しなければならぬから、ここでもって百坪ばかり隣の土地を買ってつくりたい、これは制限でだめだからと、引っ越さなければならない、引っ越す先はあるんですか。それはもうかってにさがせばいいということなんですか。それともそういう地域は、その土地は相当の値段で地方公共団体が、東京都なら東京都が買うと、その半分くらいの土地がどこそこにあると、そこに引っ越しなさいということを指導してやっているのか。ただ制限して、かってにしろということは、ちょうどあなた方の一番悪い資本主義経済の一つのあらわれなんですよ。不適格になったらおまえはつぶれろと同じなんです。そこには従業員もいる。そこを生活のよりどころにしている人もいるんです。とうてい工場の経営ができなくなったという場合には、どこかにそれを受け入れるところの計画をお持ちですかと聞いてるんです。法律でこれは規制したんですから、その住民の、企業なり生計が立たなくなった場合、中小企業をどんどんつぶしていくんだと、その場合にやはり受け入れるのは、これは政治の姿なんです。そういう方途をお持ちですかと聞いてるんです。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) それは、また当然うらはらで考えなきゃならぬことで、いわゆる法律で開発地区というものをきめておるんです。しかし、その開発地区は、おまえが言うがごとく、それじゃ土地は十分あって満足に移れるのかということになると、これはあなたが言ったように、そういう地区もなかなか土地がないということになっておるわけです。一応、うらはらとしてはそれに対処する措置はとっておるんですが、現状はなかなかうまくいかない。ことに、これはたとえば増設の工場といっても、工場によりますけれども、絶対にそこに置かなきゃならぬような工場は、これは増築してもがまんできるけれども、なるべくんば、ひとつほかのとこらに行ってもらいたいというのは、一応の措置はとっておりますが、その措置がそれじゃ十分いっているかと言えば、これは十分いっていると私ら断言できるほどにはなっておらないと、こういうような感じでございます。詳しいことは事務局からお話しいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 それじゃ片手落ちなんですよ。法律でもってぴしっと制限しようとしている。むろんこうして東京都全部でもって一千万からこえているところの人口、それぞれの地域で、それぞれの人たちが生存に必要なもの、また生活にどうしてもそばになければならないものというのがあります。そういうものはむろん制限をしているわけじゃございません。しかし、そこに定着して、そこでいままで長い間仕事をしてきて、どうしてももう引っ越しせざるを得ない。増築も、なにか倉庫もつくれないのだということになれば、どこかに出ていかなければならない。やっぱり出ていかざるを得ない人たちのための対策は立てなければならない。それは先行しなければならない。たとえばメッキ工場にしても、メッキ工場は、日本じゅうどこへ行ったって存在する、迎えられるところはどこにもないんです。おそらく富士山の近所へ行ったって困るでしょう。反対するでしょう、かりに近ごろつくったところでね。そうして公害公害と叫ばれているところの産業というものは行くところがないんです。せんだってもちょっと聞いてみたんですが、どこか栃木県だか群馬県だか、住宅公団のつくった団地がある。これは二千坪くらいありますからというので、その条件を聞いてみると、公害を生むような工場は絶対に県として承知しませんと言っておる。東京に、たくさんあるんですよ、小規模のメッキ工場が。家内工業みたいなメッキ工場があるんですよ。そういう、それで生業を営んでおるという人たちにはやはり国自身として集団としてどこかに行くなら行くように措置をとるとかなんとかするのが、やはりわれわれと同じ市民なんですよ、当然の義務なんです。国が先行してそういう方法をとってやることが愛情ある政治なんです。この既成市街地といわれているこの六つの都市のこの対象になる地区、現在ある工場の数、それから工場の規模、それから工場で働いている労働者、その労働者の通勤する自宅等の資料をお持ちでしたらそれを出していただきたいと思います。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○政府委員(川島博君) お答え申し上げます。  現在の制限区域、これは既成市街地が九百十四ヘクタールをございますが、その約八割の七百十ヘクタールを工業等制限区域といたしております。この七百十ヘクタールの制限区域における昭和四十四年の工場数は約九万四千工場、従業者数は約百四十六万五千人でありまして、前年に比べて工場数で約九千、工場、従業者数で約一万二千人の増加となっています。この工場並びに従業者数の増加は、従業者規模で六十人未満、これは大体千平米程度の平均して工場でございますが、六十未満と六十人以上に分けてみますると、いずれも六十人未満の、つまり千平方メートル未満の工場によるものであり、六十人以上、おおむね千平方以上の工場数及び従業者数は絶対数が減少しております。

田中一日本社会党

○田中一君 その減少しているということは転出しているということですか、その地域から転出しているということですか。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○政府委員(川島博君) 御案内のように、最近の臨海装置性の工業は公害の親玉でございますので、だんだんとこの周辺から追い出されるといいますか、自分から逃げ出すというような形で大企業が分散疎開を始めましたので、全体としては減っておる、こういうことでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 一番最初に申し上げたように、このいまの六つの都市、六つのその地域ごとに指定していますが、相当これ広げる必要があるんじゃないか。私は、あたな方が実際に調べてないんではないかと思います。この範囲を広げるという方向はとらないんですか、どうですか。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○政府委員(川島博君) 制限区域の拡大につきましては、審議会の答申におきましても首都圏の既成市街地及びその周辺地域の過密の弊害を防止して健全な大都市圏域として発展せしめるためには、工業等制限法の適用区域をすでに過密化した地域に限定することなく、今後における過密の弊害の予防を必要とする範囲に拡大すべきである。したがって、制限区域を既成市街地全域に及ぼすことはもちろん、近郊整備地帯であっても、すでに工業の集積の著しい地域または近い将来において人口、産業の過度の集中が予想される地域については工業等制限法の対象区域とする必要があると述べられています。この答申を受けまして事務局は……

田中一日本社会党

○田中一君 あまりしゃべっちゃだめだよ君。質問する時間がなくなっちゃうじゃないか。読み上げないで答弁すればいいよ。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 速記始めて。

田中一日本社会党

○田中一君 この近郊整備地域ですね、これにどういう手を打っているのか、そういうところももうこの制限区域に入れなければならぬということにならないもんかどうかと聞くわけなんです。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○政府委員(川島博君) 私どもは、工業制限区域は大幅に拡大すべきだと思います。  具体的には、今回の立法を契機にいたしまして私どもはこの際、既成市街地並びに工業等制限区域として追加すべき地区といたしましては具体的な統計資料に基づきまして、東京都の北多摩の各市、千葉県の市川市から千葉市に至る臨海部、これは後背市街地を含みます。埼玉県の川口市に連る市街地、神奈川県では横浜市に連る市街地等を既成市街地に指定し、工業等制限区域とすることが妥当であると考え具体案を示して関係地方公共団体と協議してまいりました。しかしながら、現在これらの地域は、首都圏整備法上の近郊整備地帯の指定を受けており、これに伴って首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律による都府県に対する地方債の利子補給及び市町村に対する国庫補助負担率の引き上げという特例措置が講ぜられており、提案を受けた関係自治体は既成市街地に入ることにより、これらの恩典を失うことに強い反対の意向を示しております。したがって、この際はとりあえず工業等制限区域を現在の七百十ヘクタールから九百十四ヘクタールに拡大するにとどめ、上記の区域を制限区域に編入することについてはなお慎重に検討し、関係自治体とも十分協議の上できるだけ早い機会に答申の趣旨に沿った政令改正を行ないたいと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 いまのは了承しました。  五百平米という工場というものは何を製造する工場か、ちょっと事例をあげていただきたい。これは通産省のほうであげてください。この都市における、過密都市とはあえて言わない、既成市街地において五百平米の工場というと、どういう業種を想定されるか、説明してください。

大永勇作通商産業省企業局立地政策課長

○説明員(大永勇作君) 手元に資料も用意しておりませんが、大体従業員数が五百平米といいますと三、四十人くらいかと思いますので、機械金属加工業等が多いのではないかと私は思います。

田中一日本社会党

○田中一君 一体、五百平米というと何坪かわかるでしょう、三十人いられますかな。機械も入るのですよ、そういうところだと。だから、それではもう一ぺんひとつ重ねて聞きますが、五百平米くらいのもっと身近なもの、なくてはならぬ工場としてはどんなものを想定しておりますか。

大永勇作通商産業省企業局立地政策課長

○説明員(大永勇作君) 一番身近なものといえば、自動車修理業等が、その範囲ではないかと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 整備工場ね、いわゆる一台か二台持っているという整備工場ね。それから——。

大永勇作通商産業省企業局立地政策課長

○説明員(大永勇作君) あとは下請の機械金属工場かと考えます。

田中一日本社会党

○田中一君 もっと身近なものがたくさんある、事例をあげてくださいよ、われわれが生活するに必要なもの。印刷工場なんかも、名刺ぐらいなものはいい、また輪転機一台ぐらい持ってやるのも、これはまあなくちゃならぬかもわからぬし、そういうものがあるでしょう、われわれの身辺には。これは施行令に出ている業種ですね。これは川島君、施行令に出ている業種ですね。別表一、ここに指定しているものは今度手直しも何もしていないけれども、相当いまはいろんな意味の機械等が開発されて、これに指定するものだけでは足りないんではないか、またこの種のものはもうないんではないかというようなものもありますが、これは何かこの法律ができると、この辺の手直しをしようというつもりでいるんですか。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○政府委員(川島博君) 現行法は御案内のように千平方メートル以上とは言っていますが、業種によって千八百でよろしいもの、千五百でよろしいもの、千二百でよろしいもの、千でよろしいものと、こう四つの区分をしているわけでございます。このほかに、政令では頭から適用を規定しております業種に、たとえばアイスクリーム製造業とか、なまパン製造業、製氷業、新聞業というようなものがございますが、合計八種の業種は初めから全く都市型企業で、追い出すわけにいかぬというものは初めから適用除外しておる。それから、その次に位するものは、大きさによって制限の手かげんをしているわけでございます。今回は、しかしこういうことではいかぬということで、原則として一律五百平方メートルでぴしゃっとやる、ただ新聞業とか、製パン業のようなものは、この適正規模が千から五百の間にあるといわれておりますので、これらについてはやむを得ず現行の千平方メートルに据え置く、それ以外はこの一律五百平方メートルに切り下げてきびしくやる、こういうことにいたしたわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、もう少し業種をわかりやすく明示しないと、これは非常に混乱があります。わかりやすく、いまとうふ屋なんていうのは、大体百軒くらいお得意さん持っていりゃ、五人や六人の生活はできるんです。それでとうふ屋さんでも近ごろ妙な動力を入れて、ただ、いままでのように朝四時に起きてやるというんじゃなくて、機械工業になってきていますね、とうふ屋なんていうのは。こういうものはやはり新鮮なものと、それから、よそから持ってきて途中で交通事故でもあって来れなくなると困るから、われわれのほうの生活の中にあるわけでしょう。そういう形のもの、パン屋にしてもいまおっしゃるとおり、洗たく屋にしても。で、そういう業種を明らかにしてほしいと思うのです。これは除外します。これはいけませんと。やはり五百平米になったら、それこそへたをすると、何にもできなくなっちゃうんですよ。家庭工業という程度のものにすぎないんです。それならそれではっきりとこの業種、この業種と、規模できめるのもけっこうですが、当然五百平米をこえなきゃならぬというものもあるわけなんです。これは除外します、これは適用しますという形の明示が必要だと思うのです。そういう点は考慮されておらぬのですか。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○政府委員(川島博君) 確かにきめのこまかい制限のしかたはこれはできないことはないわけでございますが、従来はそういう形で四段階に分けまして、きめのこまかいものをやって、なるたけこの中にいたいという企業——いたいといいますか、都市型のものについては幅広く拾ってやろうこういうことでございましたが、そういうなまぬるいことをやっておっては、東京の過密はいつまでたっても解消いたしません。そこで、この際、思い切って一刀両断に五百平米一律で制限するということにいたしました。

田中一日本社会党

○田中一君 そんなばかなことはないですよ。われわれは憲法二十二条によって職業を持つ権利がある。いいですか、こんなものを通すのは、もう国民の生活権を脅かすようなことをやっちゃ困るんですよ。しからばその業態、その商売、その仕事というものを育成しようという別に手だてを持っているなら、これも考えましょう。その業種はそれは日本の他の法律でもって制限されているんじゃない。われわれの生活にどうしてもなくちゃならないものなんです。反面、断固としてそれをつぶしますよということを言うならば、一面、その業態、業種というものを育成する方針を持たなければならぬのです。一カ所に集めてあなた方はそこにいちゃぐあいが悪いからこっちへ来ておやりなさい、金も貸してあげましょうという施策がなくちゃならぬですよ。西村整備委員長は、断固として五百平米に制限しますと言うておる。その産業に対する育成の方途が考えられなきゃだめなんですよ。通産省、どう考えているんですか、その点は。こんなものはつぶしちゃえばいいということなのか。

西田彰中小企業庁計画部長

○説明員(西田彰君) 先生御指摘のように、五百平米という制限におきまして、やはり中小企業に起こる影響というものが多いというように私どもは判断いたしまして、この制限のあまり急激な施行ということにつきましていろいろ御配慮をお願いしたわけでございますが、ただ私どもといたしまして、こうした過密化を防ぐ対策の実施について、ただ消極的にそういうことだけ申し上げておってもいけませんので、やはり中小企業のこうした過密からの移転ということにつきましての対策を強化いたす必要があるということを痛感いたしております。ただいま私どもで用意いたしておりますのは、やはり中小企業振興事業団から、前から持っております制度でございますが、中小企業の工場等を集団化いたしまして、別な土地に移して団地化するという施策を行なっておりますが、こうした過密化に対処いたしましてもこれをやる必要がありますので、特にこの場合必要なのは、土地の確保という点でございますが、これまでは集団化して土地を見つけてやって、来ればお金を安い金利で貸しますというような施策でございましたけれども、今後は都道府県等におきまして土地を見つけて、土地を購入して、そこに来ていただくというような施策にいま切りかえつつございまして、なお、個別的にも移転をされる方々というような面に対して施策がおくれがちになっていることは認めざるを得ませんので、これらにつきましても低利融資等の道を開くように検討いたしたいと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 近郊に土地を求めるというのはたいへんなことですよ。せんだって千日デパートが火事になりましたね。あれは特別なああいうケースであって、劇場をそういうものにするから抜け道がたくさんあってああいう悲惨な例が起きるんです。計画的に立体的な工場をつくったっていいじゃないかと思うんですよ。土地土地と言わないで、立体的なものを、二十階か三十階でもいいじゃないですか。そういう考え方その工場なり、製造工場なり、われわれの生活に密着している、どうしても遠くに行っちゃ困るんだというものは、そういう集中的な、集団的なへ平面的なものじゃなくて立体的なものを考えてもいいじゃないか、そういう点はどう考えますか。それが立体的にやれば、容易に持たれる場所もあるわけですね。

西田彰中小企業庁計画部長

○説明員(西田彰君) ただいま御指摘をいただきまして、私どものいままでやっております制度が多少ともそうした移転というようなことにとらわれておったように気がいたしますが、御指摘のような都市型工業につきましては、特に都市の機能の中に密着してやる必要があるというものにつきましては、その周辺で多少の土地を必要といたしますけれども、まとまって共同工場という制度がございますので、その辺をいま先生のおっしゃいました立体的な考え方というような考え方で運用する、あるいはもう少し制度の改善を加えるというような方向で検討いたしたいと存じます。

田中一日本社会党

○田中一君 これは、都市計画指定の場合とどういう関係を持つのか、今度の制限というやつは。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○政府委員(川島博君) お答え申し上げます。  御案内のように、都市計画法の特に用途地域指定は土地利用の純化をはかるということがねらいでございます。しかしながら、用途地域の場合は、かりに工業地域——新しい基準法では工業専用地域になりますか、あるいは工業地域に指定をされますと、これは工場の立地は自由だということでございますが、私どものほうは、東京は全体としてこれ以上産業集積、工業集積を増大せしめない、絶対量を増大せしめないという判断に立っております。したがいまして、都市計画法にいわゆる用途地域上、工業地域でありましても、リプレースは認めますけれども、新増設は厳に抑制をする。それを認めておりますと、全体としての工業集積がやはりふえるわけでございまして、これがまた東京の過密をさらに助長する。それは許されない事態じゃないかということで、移転、リプレースに限って認めるということで、絶対量の増大は絶対に阻止したいというふうに考えておるわけでございます

田中一日本社会党

○田中一君 文部省、来ていますね。前に理工系の学校、並びに高専を認めておった。今度はいよいよこれはいけないんだと。こうなっちゃ、以前の発想と、現在これを網をかけるという発想がどこから来ているか、どういう理由でそうなったか。

菅野誠文部省管理局教育施設部長

○説明員(菅野誠君) お答え申し上げます。  前回のときは、御案内のように、附則等において若干の緩和をお願いいたしまして、いまおっしゃるような方向で取り扱っておったのでございます。この考え方といたしまして、やはり教育施設におきましては、工場等と若干やはり性質が違うのであろうという意味におきまして、その当時としては、やはり若干の猶予的なことをお願いすべきであろうと考えておったわけでありますが、現時点におきましては、いろいろ政府部内でも相談したのでございますが、現時点におきましては、おっしゃるような方向で、やはり都市の過大規模になることを抑制する時期であろうというふうに考えまして、これをはずしたのでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 これは文部省の所管ではないですかね。各種学校はやはりあなたのほうの所管ですか。

菅野誠文部省管理局教育施設部長

○説明員(菅野誠君) 教育施設部の管轄ではございませんが、文部省の管轄にはなります。

田中一日本社会党

○田中一君 各種学校も全部これは同じような形で、五百平米以上の土地はシャットアウトしているわけですね。

菅野誠文部省管理局教育施設部長

○説明員(菅野誠君) 同様であると思います。

田中一日本社会党

○田中一君 どういう種類のものがありますか、大型のものは、大型のものということになりますと、現在あるものはどういう種類か、学校の名前を言ってもかまいませんが。

菅野誠文部省管理局教育施設部長

○説明員(菅野誠君) 直接の所管の者が参っておりませんので恐縮でございますが。まあ、大体におきまして各種学校と申しますのは洋裁学校でありますとか、あるいは自動車免許その他のものでありますとか、になると思います。

田中一日本社会党

○田中一君 自動車の教習所は同じですか。

菅野誠文部省管理局教育施設部長

○説明員(菅野誠君) 失礼いたしました。自動車の教習所は各種学校に入っていないそうであります。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、自動車教習所というのは何なんですか。川島君、自動車の教習所は各種学校ではないかと聞いているんだ。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○政府委員(川島博君) どうも不勉強で私ちょっと答えられません。

田中一日本社会党

○田中一君 今度は推進調査費という対策費が二億円計上されておりますが、これは何をするのですか。何に使うのですか。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○政府委員(川島博君) 昭和四十七年度予算に新しく私どものほうに二億円の特定開発事業推進調査費が認められました。これは本委員会が発足した昭和三十一年以来計画官庁といたしまして各省との政策調整のために、ぜひ調整費的な予算がほしいという要求をし続けてまいりました。御案内のように、企画庁には本年度で八十億の調整額が計上されておりますが、それと同じ形で、世帯が小さいわけでございますから、そんなにたくさんもらえるとは思いませんけれども、ほしいと十七年来叫び続けてきたわけでございます。ところがここにおられます西村大臣が、首都圏など何をやっているんだ、絵ばかりかいてさっぱり金と力がないじゃないかとおしかりを受けました。じゃ大臣予算取ってくだいと申し上げましたら、よし取ってやろうと言って、昨年は初めて西村大臣のお力で、これは大蔵大臣と一時間以上にわたって粘りまして、大臣は金をよこさぬ以上は立たぬということを言われまして、やっと二億円いただいたわけであります。

田中一日本社会党

○田中一君 西村さん、これは何に使わすつもりでつくったのですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 初めやはりいま川島君が言ったように、ただ絵をかいただけでは、勧告はできますけれども、それ以上のことはできませんので、こうだと思ったところに多少調整費をもらいたいという気持ちがあったのであります。しかし、政府全体としては経済企画庁との関係もあるし、そこで経済企画庁のひもつきにしたらどうかというお話もございましたが、いやひもつきということではなしに、特別の調査をこれからしなければならぬ問題があるからということで、初めて計上されたわけでございます。いわゆる調査費というものは、これはほんとうの係員が調査をする人件費でございまして、ほんとうに実の入った調査ができないわけでございます。したがいまして、公共団体等を動かしてやるとか、いろいろの問題につきまして、広い範囲でこの調査費を使いたい、それで特別調査費というような名前をつけたわけでございます。調整費といっていないところに、大蔵省としては経済企画庁の調整費としてでなく、われわれにいただきましたこの調査費を、特別何とかという名称をつけたのですが、私は将来に向ってはやはり経済企画庁と同じような実行の予算、これがやはり多少首都圏、近畿圏は持たないと実力を発揮しないといいますか、お約束したことがなかなかできにくいというような感じをいたすのでございますが、とにかく少額でございますが、初めて予算をいただいた、これをいかに使うかということは、どういう事業に入れようかということは、まだ配賦をいたしておりませんが、この法律が通りましたら、ひとつ十分考えまして実効をあげたい、かように考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 非常に意欲的な仕事をしようというかまえ方ですから、これは賛成です。ただ、何に使うかということだけはひとつ明示をしていただきたい。きょうここに資料として出ていればいいですが、出ていないならば、採決は委員長が時限をきめるでしょうけれども、間に合わないでもいいから、とにかく出していただきい。大体こういう首都圏整備法、これにのっとるところの事業対象というのは非常に広範にあって、そうして地域も広い、またこれを調査をするにしても二億円や二十億や二百億じゃとてもじゃない、できるもんじゃない。しかし、これは西村さん、もう一ぺん委員長おやりになっていろいろなことを命じるでしょうが、とにかく何に使ってどういう方向に何をしなければならぬということだけは明らかにしておいていただきたいと思います。何といってもこの制限法は、むろん住んでいるところのわれわれのためにも、また首府としての日本の顔でもあるこの首都圏、これに対していろいろな意味の施策の方向はあろうと思いますけれども、ただ、これだけで過密状態、環境等が所期の目的を達するものではないことだけは明らかなわけですから、この地域だけをこうすればいいんだという考えを捨てて、その二億円の調査費で、推進調査費とかいっていましたね、推進さしていただいて、全首都圏の中で、もうそれこそ秩父にしてもどこにしても、どんどんどんどん蚕食されるのです。そうしてここでいまの六つの都市を制限するとしますと、そっちにはみ出していくわけです。事前にその地域の都市計画というものを策定して、それぞれ自主的な、桐生一つにしても、桐生市はかくかくの産業を中心にしてこうするのだという一つの計画決定をしながら、ほかに来るものは、こっちは困りますよと。それから先ほど申し上げたように、公害を生むような薬品等を吸っているメッキ工場とかその他のものも、それは先ほども中小企業庁が言ったように、集団的な工場にすれば、処理施設も一つで済むわけなんです。メッキなんというものは、これはほんとうに下請の下請工場であって、これはわれわれが日常使っているものに対してなくちゃならないものなんです。その仕事をするが、それに大きな公害がある、だからといってそういうものを抹殺したらいいというもんじゃない。したがって、そういう点、非常にこまかい配慮をしながら、どうしてもその工場がなくちゃならぬものは守りながら、育成しながら、健全な育成を志して、それをしながら、人口の過密状態を排除するようにしていただきたいと思うのです。だいぶ私の時間外になったようですから、これでやめますが、どうか、こういう制限をすることだけが成果をあげるのじゃなくして、先行して一つの方向というものをきめることが、首都圏なら首都圏の範囲内におけるところの産業の分布、工場の分布、あらゆる各種業種のあり方というものは、首都圏整備委員会でもってはっきりと握って、そうして指導しなければ、ただ単に地方から報告されたものを中心にものを考えるというのでは、これじゃ後手にわたるわけです。その点を十分考慮されて、政変も近いでしょうから、後任者にはそのことをお伝えするようにお願いして私の質問を終わります。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 本案に対する質疑はこの程度にとどめます。     —————————————

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。  質疑のある方は御発言を願います。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 私は、本日建設委員会にお伺いをいたしまして、これから、いま問題が提起をされております大分県と熊本県にまたがりますかつて有名なダム反対闘争がありました下筌、松原のダムの問題についてお伺いをいたしたいと思うのでございます。  実は、すでに両ダムとも完成をいたしまして、湛水試験も行なわれて、ダムの機能が活動しておるわけでありますけれども、近ごろこのダム地域におきまして道路の亀裂あるいはがけくずれあるいはまた移転をいたしました住宅等について異変が起こっているということが報道されているわけでありますが、この点について、建設省としてはどのように把握をされていらっしゃるか、その点をまずお伺いをいたしたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) ただいまお話しの問題は、これは下筌ダムの補償工事といたしまして、昭和四十一年の七月でございますか、建設いたしました下筌橋の問題と、それからさらに松原ダムの家屋移転地に関連いたしました宅地に建てられました家屋に対して亀裂が入った、こういう問題じゃないかと存じます。  最初の橋は、下筌ダムの補償工事といたしまして、四十一年の七月に竣工いたしまして、四十三年に道路管理者である大分県に引き続ぎをしたわけでございますが、この橋の一部が四十七年の四月十日に舗装その他が破砕されておるのが発見をされました。道路管理者でございます大分県において、交通禁止等の措置をとってその原因を調べたわけでございますが、いわゆるその周辺地域の地質の状況によって起こったものではございませんで、これは御承知のように、下筌橋はラシガー橋になっておりまして、その左右がシンプルビーム、単げたでかかっておるわけでございます。その両方の継ぎ目に当たるところにおきまして、これはおそらく車両の衝撃か何かの原因じゃないかと思いますが、そういったことで破砕を生じたというようなことで、直ちにこれは必要な補修を行ないまして、現在は支障のないように利用をされておると聞いております。  それからいま一つ松原ダムの家屋移転に関連する問題でございますが、私どものほうでも、その辺の事情について現在調査いたしておりますが、現在までのところは、おそらく宅地造成地内に設けられた排水施設がうまく働いてないんじゃないかということでございますので、さらに十分、村とも調査いたしまして、これは村の開発公社で造成をいたしておりますのて、その辺とも連絡をいたしまたし上で、十分なる対策を講ずるようにいたしたいと考えておる次第でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 まず、具体的な事実関係を明らかにしながら、本質的な問題について触れていきたいと思いますが、下筌橋の問題でございます。私も現場を十分に承知をいたしているわけでありますし、すでに地元からも写真その他が送付されておりますが、下筌橋の両橋脚のつけ根が相当、間隔ができている。これはただ単に交通量の問題で、アスファルトが、セメントがはげたということではなくして、もっと根本的な従来からダム建設の当初から問題にされた、やはり地盤の問題が影響するのではないか、こういうようなことが指摘をされているわけでありまして、交通量の問題になりますと、私も十分にこの当時の状態を承知をしておるわけでありまして、この橋は、下筌ダムの建設にも私は利用されたのではないかと、このように思っておるんでありますが、そうすると、車両の重量なりあるいは交通量からいたしまして、これが現在、四十七年になって完成後すでに三年を経過した今日、それが出てきたということは、一体何を意味するのか、その点について二カ月間にわたりまして、交通どめをして調査をしたその詳細な検討結果というものを私は明らかにすべきではないかと思うんですが、その点はどうでしょうか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 先ほど申し上げましたように、四十三年の六月に竣工いたしましてこれを県に引き継いだわけでございますが、四十七年、本年の四月に下筌ダムを満水いたしました。その後、四月の十日に先ほど申し上げましたような異常を発見したわけでございます。これにつきまして、私どももやはり地質とかあるいは満水との因果関係、そういったものがございますと、やはり問題でございますし、さらに、上流部につきましては、若干地質が悪いといいますか、地すべり等のやはり可能性のある地域等もあるように聞いておりますので、慎重にやはりこれは調査をしておく必要があるというようなことで、通行どめ等の措置をとったわけでございますが、四月十一日から観測、その他の調査を始めまして、二十六日には熊本大学の吉村教授に現地調査を依頼いたしまして、いろいろ御検討をいただいた結果、五月三十日に地盤等に基因するものとは考えられない、たまたま橋梁の通行車両による表面の破砕であるというような結論を得ましたので、通行を開始した次第であります。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 そういう簡単な発言をするということになると、私はきわめて問題があると思うわけであります。この橋が四十一年の七月に完成をし、相当な交通量があったわけであります。本来交通量によって表面がそのような事態が起こるとするなら、もっと早くそれが起こっているはずだと、大量の砂利を積んだダンプカーがここを相当な量通過したわけであります。それが四十七年の一月満水試験を行なったその後にこのような事態が発生をしたということ、これは後ほどのこの住宅の宅地の問題とも関連をするわけでありますけれども、いかに地盤に問題があるかということを私は証明できるのではないか、二十六日の日一日熊本大学の先生が来て調査をしたからといって、そのことが簡単に私は結論づけられるような問題ではないのではないかと思うんですが、その点もう少し説明していただきたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 私どものほうでは、先ほど申し上げましたように、四月の十一日から橋脚その他の異常がないかどうかといったようなことも十分観測をいたしました。その結果、設計時点と全然異常はないという判断で、さらに吉村先生、その他の御調査をいただいた結果、結論をしたわけでございます。まあ現在は道路管理者である大分県が管理をいたしておるわけでございますが、なお、今後とも十分そういった御心配のことのないように、さらに、観測は続けて監視していきたいと思っております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 これは、また後ほど私はいろいろなデータを示しながら建設省の意見を聞きたいと思いますけれども、この橋の問題はダムサイト地点にきわめて近いわけであります。しかも、この下筌ダムは御承知のようにアーチ式ダム、このアーチ式ダムをつくるということについては非常に問題が提起をされてきたところなんです。しかも、満水試験が行なわれたその直後にこのような事態が発生をしたということは、交通量というよりもむしろ私は本質的な問題をはらんでいるような気がするわけであります。したがって、二カ月間にわたって交通どめをやって調査をされたそのデータ、さらに、二十六日に行なった熊本大学のそのデータ等について本委員会に対して資料を提示できるかどうか。私どもはさらにその資料を求める過程の中でもう少し学問的に科学的な検討をしていきたいと思いますが、その点について、これは委員長にもお願いしたいと思いますけれども、建設省、ぜひそのことをお約束できるかどうか。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 河川局長、よろしいですかな。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 私どものほうと道路管理者である大分県と共同で調査をしておりますので、そちらの道路管理者のほうの了承も得まして、御趣旨のように提出いたしたいと思います。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 それでは、次のこの具体的な問題であります貫見地区の異変であります。これは新聞にも報導されておりますけれども、九戸ある部落の中で国道よりもダムに寄ったところの部落の六戸の移転家屋が亀裂を生じたり、家に相当大きな傾きが出ておりますし、あるいは消防分署がありますけれども、これはもちろんコンクリートでできておりますが、その庭が相当大きなひび割れができている、このようなことが言われております。これはいま局長がお話しのように排水溝の問題だということが指摘をされておりまして、確かにそこには排水溝としての施設が行なわれておりますが、これが満水試験によりまして水位のほうがはるかに高くなってきた、こういうことから水が逆流をして、そのことが影響をしたのではないか、こう言われておるのでありますが、私はもっと本質的に考えるならば、これは満水試験によってその地域周辺に相当の浸水が行なわれた、そのために地盤がゆるみ、このような宅地造成の地帯が異変を起こしたというふうに解釈をしているのでありますけれども、その点についていま少し詳しく御説明をいただきたいと思うのです。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 先ほど申し上げましたような事情で、地元のほうにおいて代替地としてこの周辺を宅地造成をいたしたわけでございます。もちろん、道路から貯水池側に地盛りをいたしまして、満水面以下のところに排水管渠が埋設されておったというようなことで、特にこの排水の管渠につきましては特別の装置をしてないようでございますので、おそらくこの辺が一つの原因じゃなかろうかというふうに私どもは思うわけでございます。これが全般的な地盤沈下につながるとか、そういった懸念はいまのところ全然聞いておりません。したがって、今度造成を行ないましたのは村の開発会社でございますので、そういったところと十分相談をいたしました上で善処をいたしたいと考えております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 これは大山村の開発公社がこの宅地造成をしたということになっておるようでありますけれども、その場所の選定等につきましては建設省としては移転交渉等の経違からして当然関知してきたところではないかと私は思うのでありますけれども、その点についてはどうですか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 当然、建設省としましては地元の意向も十分くみまして、この地域の宅地造成について賛成もし協力もしたわけでございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 これは一回の満水試験においてそういう事態が発生をした、これから大分県、熊本県が雨期に入るわけでありますけれども、大量の集中豪雨とダムのその満水というものが一致した場合に、このような地帯で何が起こるかということを私ども予測ができないのでありますけれども、ただ一回の満水試験でもこのような事態が発生をするといたしますれば、今後きめて重大な問題だと思うのでありますが、それについての対策をどのようにお考えか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 先ほど申し上げましたようにいろいろ現在原因を村と調べておりますが、やはり最たるものは排水の不良ではないか。それには先ほど申し上げました、埋設しております排水管渠について逆流防止の施設がどうもついてないようだというようなこと、それからあるいはこれを埋め殺しをいたしまして全部表面排水に切りかえて処置をしたらどうか、いろいろなことも考えられますので、調査の上でそういった処置の方法をきめたいと思っておる次第でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 これは現場を見ていただければわかりますように、満水試験をやった場合に、排水溝がはるかに水面よりも下になっているわけでありますが、当初から水が入るということは予測をされていたはずであります、技術家が見れば。私どもしろうとが見てもわかるわけでありますから。そうしますと、そこには大きな設計のミスがあっただろうし、その責任は開発公社にあるのか、建設省の現場のダム事務所にあるのか、その点はある程度明らかにしていただきたい。もしもそれが土地造成を行ないました開発公社に責任があるとすれば、それなりの私たちは責任を要求をしていきたいと思うのでありますけれども、その点についてはどうですか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) やはりこれにはただいま申し上げましたような排水施設の構造の問題、それから造成をいたしましたときの転圧のしかただとか、いろいろな要因が含まれておるんじゃないかと思います。したがって、これが全部村の開発公社の責任だとかということはここで少し断定はしかねておるわけでございますが、十分調査いたしました上で、そういった点も含めましてすっきりさせたいと思っておる次第でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 この点は私たちも四十二年のダム計画変更がなされましたときに、建設大臣ちょうど西村大臣でありましたので、私は衆議院の建設委員会でもいろいろと議論をしてきたところでありますし、その際にも私どもは補償の問題につきましても、土地収用法の改正案の際にもこの例を出しまして議論をしてまいりました。したがって下筌、松原ダムの補償の問題というものがきわめて問題を残してきた。これはもちろん長い室原さんの戦いの教訓の中からもそのことが言えるのでありますけれども、現実に完成をして満水試験を一回行なった段階でこのような事態がたくさん発生をしている、きわめて重要な問題だと思うのです。あとまだいろいろ私は具体的に触れていきたいと思いますけれども、建設大臣、この橋の問題、あるいは住宅の問題等につきましても当然建設省としての責任も十分おありだと思います。いまここでいずれが責任かということを私ははっきりさせようとは思っておりませんけれども、いずれにいたしましても、建設省の責任というものは免れないと思うのでありますが、その点について事実関係が明らかにされる過程の中で建設省としてどのような態度でお臨みなるのか、まず、その点について大臣の考えをお聞きをいたしたいと存じます。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 責任云々ということよりもやはり事実を調べまして、とにかく皆さんが困らぬようにすることがやはり第一です。どうせ建設省が悪かったのなら建設省おしかりを受けなきゃならぬし、いずれにいたしましても、私は全然現地を知りませんし、どういう計画でどういうふうになったのか現地も見ておりませんので、これはもう建設省としても重大な問題ですから、それだけ皆さんに御迷惑をかけたのでは相済まぬと思いますから、十分調べまして、それから後に対策を講ずるということで御了承賜わりたいと思います。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 さらにもう一点、これ具体的な事項でございますけれども、これももちろんこの満水試験前後を通じまして中津江村の野田、ここで大きながけくずれが起こっておるようであります。四十四年の六月に約三十万立米の土砂が、山がくずれ落ちた、さらに、室原地区も幅五十メートルにわたりまして山がくずれ落ちている、こういうことが具体的に出てきているわけです。しかも、その地域には一メートル幅にわたる亀裂が生じている、こういうことであります。具体的にこのダムの建設にかかりまして完成までの過程、そして満水試験を行なうその前後からがけくずれというものが、一体どういう形でこの地域の変化が起こってきておるか、その点についての建設省の詳細なデータというものが当然私はあると思いますけれども、その点について河川局としてどのような把握をしていらっしゃるか、お伺いをしたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) ただいまお話しの地点はいろいろ地質的にも前々からお話しのような心配があるというようなことで、私ども十分土木研究所の担当員等を派遣いたしまして調査をしたわけでございます。で、現在の調査の結果によりますれば当面大事態に至るようなことはまあまずなかろう、しかし、やはり今後とも十分注意をしていく必要があるというようなことで、さらに、ダムの管理所等はまだまだずっと永久にあるわけでございますから、十分その周辺の地質の状況、そういったものも今後とも観測をいたしまして、その上でさらにこれが大事態になるようでございますれば、適切な処置をとるようにいたしたいと考えております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 いまの河川局長が当時の河川局長ではございませんので、そういう御答弁でこの委員会は避けることができるかもわかりませんけれども、これは大臣ひとつ聞いておいていただきたいと思うのです。建設省が当初このダムを建設する際の申請書の中にどういうことが書かれているか。これは室原さんが当時このダムの問題についてたいへん問題があるということでその意見書の中に第十一項として、建設省が出した申請書には下筌のダムサイトは地質はきわめて良好である、全然問題がない、ダム建設には絶好の地点であるということが建設省から発表され、申請書が出され、その申請が受理されてこのダムの建設にかかっているわけでありますが、そのことは室原さんが意見書第十一項においてきわめてその申請書については問題があるということを指摘をし、土地収用法に基づいて収用する過程の段階で出された裁判所に出しておる鑑定書によりましてもそのことはきわめて科学的に立証されたデータというものが提案をされておるわけです。いまここでそのような局長の答弁で逃げられることは、あなたたちが申請書として出された、ダムサイト地点がきわめて地質として良好であり、最適であるということとは全く違った結論になっている。当初は間違いなかったとあなたたちはそのような判断をしてここにダムをつくりました、しかし現実にこれが湛水をやり満水試験を行なった過程の中で、いま問題が出てきたのだというようなことになるのか、そこら辺をひとつはっきりしていただきたい。あなたたちが問題があったとするならば、その当時の問題点を私はいまから指摘をしていきたいと思うのです。どうですか、その点。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) ダム並びに貯水池というのはかなりの範囲にわたるわけでございますから、基本的にダムの安全性、そういったものが確保できるかどうかという点がやはり一番の問題であろうかと存じます。で、ここにいろいろな地形、地質等の変化がございますので、あるいは局部的には手を加えて改善をしなくちゃいけないとか、処置を必要とするといったものもございますが、このダム建設にあたって致命的に欠陥となることはないというような判断で、この二つのダムの建設に踏み切ったわけでございますから、そういった意味で、多少いろいろ今後、あるいはこれまでいろいろな処置は必要といたしてまいりましたけれども、基本的にダムの安全性なり地域の住民の方々に対して御迷惑がかかるというようなことはまずないという私どもも判断をいまいたしておるわけでございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 それではお伺いしますけれども、この下筌、松原の二つのダムの有効貯水量というのは一体幾らですか。そして、この二つのダムの堆砂量、一体どういう推測がなされておられるわけでありますか。このままでいきますと、私は、たいへんな問題が起こるような気がするわけでありますが、その点お伺いをしたい。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 松原ダムの有効貯水量は四千七百万立方メートルでございます。下筌ダムにつきましては五千二百万立方メートルでございますが、堆砂量につきましては、ちょっといま調べておりますので、後ほどお答えいたします。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 このような満水試験の過程の中で、いままで建設省側としては予測をしていなかった山くずれがひんぱんに起こるということ、これは言いかえますれば、ダムの寿命を縮めるということになるわけであります。ダムの寿命が縮まったということになったときには、これは筑後川の総合開発として、当初、二十八年災の際のたいへん大きな筑後川下流の大被害四百五十億といわれておる、百四十数名の人命を失ったというこの水害をなくするということで出発したダムの機能というものが、私は根底からくずれるのではないかと思うのですが、その点に対しては、詳細な検討というものがなされていないわけでありますか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 私どものほうでも建設の時点におきまして、大体通常のダムで流域から流されてまいります土砂量、こういったものを約百年程度の容量をこのダムに仮定をいたしまして、設計なり計画をいたしておるわけでございます。したがって、まあこれも一つの推定でございますから、必ずしも、それよりも下回るような流域の状況もございますし、あるいは時に異常な崩壊、こういったものもこれはなきにしもあらずでございます。したがって、そういったことにつきましては、できるだけ毎年堆砂量の観測等をいたしております。これによってそういった水位を調べると同時に、流域のやはり治山なり砂防なり、こういったものの手当てもやはり並行して進めまして、これができる限り計画の線に沿って堆砂その他が進行するような処置だけは十分講じていきたいと考えておる次第でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 そのような答弁は四十二年のときも同じような答弁を、きょうは出席しておりませんけれども、古賀参議院議員ですね、当時河川局長でありましたけれども、同じような答弁をいただいておるわけです。速記録を持ってきておりますけれども、砂防工事につきましても、これは十分別途工事としていたします。ですから、堆砂量の問題については何ら問題はありませんということを言っているわけです。しかし、現実にはいまどんどん山くずれが起こっているわけです。おそらく私は、これは当初予想いたしましたダムの寿命というものはきわめて短縮されるであろうと考えます。これにつきましてもぜひ私は明確なデータを出していただきたいと思うのですが、そこで私はたいへん問題のありますのは、なぜこのことを主張するかといいますと、この筑後川の災害対策の問題が提起された当時は、御承知のようにあの長谷地点における計画高水流量は毎秒七千トンと推定をされておった。それが、二十八年六月の災害によりまして、それが大きくくずれました、計画が。九州大学の学術調査団の調査によると、その計画高水流量は長谷地点で九千ないし一万トンということが推計として出されました。これはもちろん建設省も一緒に入って調査をされたわけであります。ところがこの場合の、ダムの建設の場合の出された計画高水流量というのは、毎秒八千五百トンということに統一されたのであります。ここにすでに一千トン以上の開きがあるわけでありますけれども、この八千五百トンをそのままとったといたしましても、八千五百トンであるから、いわゆる長谷地点の上流で二千ないし二千五百トンの水を調整することによって、筑後川の下流の水害を防ぐことができる。したがってこの下筌、松原の二つのダムをつくるということに結論として落ちついたわけでありますけれども、計画高水量そのものについて、毎秒一千トンないし一千五百トンの開きがある。それに持ってきて、この二つのダムの有効貯水量が低下をするということになると、筑後川の一体防災対策はどうなるのか、根本的に私は洗い直していく必要があるのではないか、このように重大な関心を持つわけであります。このことは室原さんの意見書、さらに鑑定書によって、明確に当時指摘されている事項であります。この点については、用地補償実務例の日本ダム協会発行のこの雑誌の中にも、その後下筌、松原ダムの工事事務所長になりました副島さんも、若干そのような批判を書いているわけであります。このことはきわめて重要でありますので、ぜひひとつ建設省の見解を伺っておきたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) ただいまのお話しのように、二十八年の洪水を契機にいたしまして、筑後川水系の基本高水量の検討を行なった結果、長谷において毎秒八千五百立方メートル、このうち毎秒二千五百立方メートル、ダム群でカットをする、こういう形をとって改修計画を策定したわけでございます。したがって、これが、堆砂が促進をいたしますと、なるほどおっしゃるように機能的には減殺するわけでございます。これと同じような洪水が再び来るか来ないか、そういったことば別といたしまして、われわれが計画をいたしておりますダムの機能は確かに違ってまいります。ただ計画をいたしておりますのは、それぞれのダムで、松原ダムで約七百五十万立方メートル、下筌ダムで七百万立方メートルの堆砂容量を持っておるわけでございます。したがって、これがすぐに、計画よりも崩落あるいは流砂、こういったものが多いということで、いますぐそれの対策に取りかかるというまでの段階では私はないのじゃないか。多少まだ時間的には、期間的にも余裕がございます。したがって、やはりわれわれが決定時点に考えておりました流域の治山なり、あるいは砂防の状況、それから堆砂の状況等を観測いたしまして、なお今後単に大山川だけではなくて、玖珠川等にもわれわれダム群として計画いたしておるわけございますので、そういったものを総合的に判断をいたしまして、計画等と多少ズレがあるものは、そういったところであわせて是正措置を講じながら、治水対策を進めていきたいと考えている次第でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 さっき私、一つの例を申し上げましたけれども、四十四年の六月に三十万立米という非常に大きな山くずれがあって、そのほかにもひんぴんと起こっているわけでありますから、百年間の堆砂量が七百万トンと、七百五十万トンということでありますから、このようなスピードでまいりますと、これは寿命というものは大かたの予測が立つわけであります。たいへん問題だと思います。  こういうふうに、堆砂量から見たダムの寿命というものがきわめて短いということと、それからもう一つは、この二つのダムの建設の際、たいへん大きく問題になりましたのがいわゆるダムサイト地点における地質の問題ですが、この点は私もずいぶん論議をしてまいりました。それは地質は若干悪い部面があるけれども、これは現在の新しい二法によって十分に保証することができます。問題はありませんというようなことが実は当時言われたわけであります。ところが完成をいたしまして、満水試験の結果、非常に漏水が大きい。松原ダムの場合には毎分九・九トン、下筌の場合に三・三トンということで、非常に大きな漏水があったということから、これが一昨年の暮から今日までかなりの予算をつぎ込んで漏水対策が行なわれたようでありますけれども、その事実関係について御説明いただきたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 漏水の量とか時期的な詳細のお話をいたしましょうか。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 若干大まかに……。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) ただいまお話しの両ダムの漏水の経過でございますが、御承知のように、この二つのダムはいずれも阿蘇溶岩地帯に位置をいたしておりまして、当初からかなりそういった漏水の心配があるというようなことで、私どものほうでも基礎の、いわゆるダムを支持いたしております基礎岩盤の処理でございますが、こういったものについては相当十分に調査を行ない、また費用の上でも通常の岩盤の透水対策、こういったものに比べまして、約倍ぐらいのセメント注入、こういったものを行ないまして、基礎の地盤の改良と同時に漏水対策、こういったものを行なってきておったわけでございます。で、お話しのように、かなりダムから遠く辻回をいたしまして、地表から湛水に伴っていろいろ漏水等の浸透がございますけれども、私どものほうでダムをいろいろ直接観測をずっと続けておりますが、いわゆるダムに揚圧力といいますか、浮力が働くと危険になるわけでございますが、そういった点のいわゆるダム自身に危険を及ぼすような現象は現在の観測からは全然出ておりません。非常にダムから離れました地域からやはりかなりの浸透があるということでございますけれども、したがって、これはダムの基本的な安全性とはほとんど結びつくものじゃないというように私ども確信をしておるわけでございます。ただ、やはりせっかくの、ダムというのは貯水事業でもございますし、また、そうした漏水についての処置等も今後管理上いろいろ問題を起こしてはいけないというようなことで、その後、約八億程度の事業費を追加いたしまして、現在もなお引き続き処置を行なっておりますが、大体私どもの検討したところでは、これで両ダムとも安定の状態に入ったんだという判断をいたしておる次第でございます。したがって、いわゆるダムの周辺から水が出ておるからこのダムに対して危険性があるんじゃないかというようなお話はまず心配は私どもないということがございまして、なお今後とも十分観測は続けてまいりますし、さらにまあ入念な処置もとるべくいろいろ調査を続けておりますけれども、一応現在の安定した状況ではわれわれなりの処置は終わったというふうに思っておる次第でございます。  まあ、いわゆる日本の地形でございますし、こういった阿蘇溶岩といったような特殊の地形でございますので、ある程度の漏水というのは当然これは予想されることでございますが、ダム自身に安全性を云々させるような問題ではもちろんないというようなことで、この程度の漏水でございますれば、全国にもかなり同じ程度のダムがございます。したがって、まず安全性については御心配ないと御了承いただきたいと思います。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 そこで、私はちょっと具体的にお伺いいたしますけれども、このダムは当初の計画では、百十七億八千万円ということでたしか出発をしたと思うのですけれども、四十二年の計画変更の際に、それが二百二十億ということに大幅に変更がなされたわけでありますが、それ以降最終的に一体このダムはどれだけの金が使われたのか、その点ちょっとお伺いしたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) ただいまお話しのように、三十八年の十一月からこの事業計画がスタートいたしておりますが、その時点では百十七億八千万を予定をいたしておりました。もちろん、これは三十三年の事業の調査に入りました時点での価格で、いわゆる概算の積算をしたものでございましたが、その後現地の調査等重ねまして、第一回の変更を、四十二年の八月に二百二十億円を予定いたしておりましたが、変更いたしました。その後、第二回の変更を四十四年の五月に行なっております。このときの金額が二百五十三億六千万でございまして、なおこれに、先ほど申し上げましたような地質の処置等も含めまして純八億を追加いたしまして、現在予定をいたしておりますのは二百六十一億六千万円でございます。したがって、今後一応、まあ浸透水等の処置まで終わりましたが、あとは事業費の精算等もございますので、多少数字が動くかと思いますが、大体、この二百六十一億六千万円の中で事業は完成できると考えております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 一応、完成をしたという時点が四十四年ではなかったかと思うのですけれども、その四十四年までの予算というものが二百五十三億六千万円になるわけですか。それで、その後、完成以降いわゆる湛水試験を行なった過程の中で漏水が起こって、したがって、その漏水のための措置として八億円を使う、そういうことから全体が二百六十一億六千万円ということになるわけでありますか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 四十五年までに二百五十三億六千万円でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 これは高知県の西原用地部長の説によりますと、通常ダム群が計画されまして完成するまでの間には、一・五倍が大体予算としては普通だと、こう言われておるのでありますけれども、このダムの場合に、なぜこのように、当初計画からいたしますと相当の予算というものが使われてきておるわけでありますけれども、この点の最も計画変更に当たって増額をしなれればならなかった部分というのは一体どういうところでございますか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 先ほど申し上げましたように、三十三年から事業に着手をいたしたわけでございますが、その時点のいわゆる事業費の積算というのは、もちろん、まだ現地にも入れないといったような状況での概算でございます。したがって、一応われわれが現地に入り、折衝をいたしまして、最初にまあ積算をいたしました事業費は四十年価格で、四十二年の八月にきめられました二百二十億でございました。これから以後、やはりいろいろ諸般の情勢の変化で事業費が変更をされておるわけでございますが、大体おもなものは物価の増大、これがその大半を占めておるわけでございます。そのほかに、ダムその他の工事に伴います数量増、それから、用地補償費等の折衝の結果、増額したもの、こういったものがこれに次いでおるわけでございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 四十二年の二百二十億に計画変更する場合に、最も大きな問題になったのは何か。これは用地補償が当時五十億と見られておったのが、約百億実は補償しなければならないという状態になりました、ということが当時の局長の答弁であります。それにいま一つの問題は、九州電力の発電力の変更——当初四万五千キロワットが変更後、これは高取の発電所から柳又発電所に変更になったということが、六万一千九百キロワット、これが大きな原因だ、こういうふうに当時国会で答弁をなさっているわけであります。したがって、その後大きな補償というのはすでに片づいてしまっているわけでありますから、これは予想されない。そうすると、工事費の中で一体どこに一番金を使ったのか。私は、地質の置きかえということに最大の経費というものが使われてきたのではないか、このように当時の状態からすると予測されるわけであります。確かに物価の上昇もあったでしょうけれども、その物価の上昇というものは、ある程度計画変更の際にも見込まれておるわけでありますから、それになおかつ第二回目の計画変更いたしましても、三十三億という金がふえているわけでありますから、これはやはり私はそこに最も大きな問題があったのではないかと思うのですけれども、その点は率直にひとつ建設省のほうとしても見解を出していただきたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 第二回の変更で二百二十億から二百五十三億六千万に変更したわけでございますが、この三十三億六千万円の増額の内訳は、主として物価増が約十五億五千万円、それからダム工事の数量増、これはいろいろダムの本体の基礎掘さく、その他に伴いまして工事数量が増大したわけでございますが、こういったものが約五億円、それからあと用地補償費といたしまして、ようやく全町村の母体的な補償が進展してまいりまして、補償対象数量等がほぼ完全に把握されることになりました。こういったものが大体総額七億五千万円、これが先ほどのおもなる内容でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 計画変更の内容については、私どもの推測と若干の違いがありますけれども、私はここでそれ以上は追及をしませんが、ただ問題は、この漏水の対策に完成以降約八億円の金をつぎ込んでいるわけであります。これはさっき私が申し上げましたように、事業認定の申請書を出したときに、全く地質は最高のダムサイト地点であるということを、建設省は申請書の中にうたって出しているわけであります。その後、室原さんの意見書——さっき申し上げましたように、特にこの裁判所における鑑定書の中には、いかに地質がダムサイト地点として不適当であるかということを立証し、さらに、その広域的な湛水地域の土砂くずれも予測をしながら、ばく大な経費を必要としますよということを指摘をされているわけでありますが、このことはさっき私が申し上げましたように、建設省の当時の所長もこのことを率直に認めているわけでありますけれども、そういうような状態に立ってこのダムの問題を考えた場合に、それだけのばく大な金をつぎ込んだということは、やはり基礎調査の段階において、あるいはこの計画の段階において、地質の問題について表面的にはだいじょうぶだということを言いながら、実質はそれと相反する状態ではなかったのか。これは土地収用の過程の中における住民対策としてもきわめて重要な問題だと思うんですが、その点について、いま建設省は、これだけの予想外の金をつぎ込んでつくったこのダムに問題はなかったのか。室原さんに指摘されていた意見書なり鑑定書に——裁判では、もちろん、東京地裁では負けましたけれども、現実にいま完成した今日においては、これが明らかに私は立証されていると思う。今後玖珠川における、あるいは東有田におけるダム建設についても大きな影響が出てくると思う。その点を明らかにしなくて、次のダムの建設をやるということについては、私はたいへんな問題が起こるような気がしますから、これは問題があった、問題があったけれども、現在の工法の中においてそれはある程度克服された。したがって、これは安全性というものを保証できるんだということにきちんと理論づけができるのかどうか、その点を明らかにしていただきたい。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 筑後川水系の上流は、おっしゃるとおりいろいろ地質的にはやっかいな処理が必要な地点でございます。したがって、玖珠川筋等につきましては、私どももいまなお慎重な調査を続けているというのが実態でございます。しかし、そういったものを踏まえまして、まあダム建設の時点で、おそらくこの川筋につきましては、やはり少なくともこの両ダムは一番いい地点だったという判断がなされたものと思います。しかし、一番筑後川水系の上流ではいいということであっても、やはり日本全体のダムの地質等から見ますと、必ずしも優等生ではないということが言えると思います。しかし、先ほど来申し上げましたように、かなり私どもも当初から慎重にダムの基礎処理あるいはセメント注入、こういったものを行なってまいりました。さらに慎重を期するために湛水の上昇に従って、ダムの強度なり漏水等も観測をしてまいりました。一応そういったものも基礎処理と合わせまして、その後ずっと継続をいたしまして観測をいたしておりますが、大体いまのところは安定をいたしておりますので、まず、これで技術的なダムの安全性の問題は解決をしたと思っているわけでございます。なおさらに、今後とも十分ダムの管理に当たって、そういった強度等も調べまして、たいがい過去におきまする事故というのは、おそらく一番最初湛水時期等にそういった漏水現象が非常に拡大して起こったというような例もあるようでございますが、次第にそのダムでございますれば、そういった漏水量も安定をしてくるということで、当然ダムに対するいろいろの影響等も、観測値もそれに応じて大体われわれの推定した線に収斂するというのが通常かと思いまして、そういった点では問題はございませんが、しかし、なお今後のこの水系のダムにつきましては、やはり相当の慎重な地質、その他の問題が非常にございますので、いままあ阿蘇溶岩地帯、こういったような特殊地盤に対する調査委員会等をつくって、さらに慎重を期していきたいと考えておる次第でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 いまお話しのように、これは特に阿蘇溶岩地帯、いわゆる大分層と言われるこの地域については、きわめて問題があるということを指摘をし、今日まで推移をしてきたわけでありまして、この点はやはり建設省としても、この際率直に認めて、これからのやはり対策というものについては万全の措置を講ずる必要があると思うのであります。  そこで、私はさらにもう一つお伺いいたしたいわけでありますけれども、いまこの技術的な施工を行なうことによって、安全についてはだいじょうぶだと。もちろん、ダムが安全性があやふやであるということであれば、全くお話にならないわけでありますから、おそらくそういう答弁しか出てこないと思いますけれども、しかし、このように漏水が激しかったということは、これは地盤が悪かったということをはっきり立証できるわけであります。この点については、今後における監視の体制あるいはこの地帯における治山治水の事業等につきましては、いまのような慎重な配慮と十分な検討というものが必要だろうと思います。  そこで、もう一つお伺いいたしますが、このような下筌、松原ダムのダムサイト地点を中心にして、地質がやはり予想以上にある程度悪かった。これは全国的にもこういう地帯はもちろんままあるけれども、あまり優秀なダムではないということは、私は先ほどの答弁からもうかがえると思うのですね。そうすると、当初予定をいたしましたこの下筌、松原ダムの有効貯水量というものが、当初の計画どおりにいけるかどうか、水位を保ち得るかどうか。もし当初の計画の有効貯水量を確保しようとすれば、相当なやはり危険性、困難性というものを私は予測をせざるを得ないのではないかと思うのですが、そうすると、やはり常時このダムに湛水をしていくその貯水量というものは、おのずからセーブをしなければならないのではないかと思うのですが、その点についてはどうでしょうか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 先ほど申し上げましたように、われわれの想定いたしておりましたいわゆる流砂量あるいは地域の治山あるいは砂防上の問題、こういったものは、先ほど申し上げましたように、十分今後とも慎重に調査いたしました上で、あわせて対策を講じていくということになろうかと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、ダムの安全性については、これは問題はございませんので、ダム自身の操作あるいは水位の上下、こういったことについては、当初の計画どおり私どもはやって差しつかえないと判断をいたしております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 もちろん私は、ダムの安全性について、万分の一といえども、これが決壊をするということがいまから予想されたのでは、これは話にならないわけでありますから、おそらく建設省としては、一〇〇%安全でありますということを言うでありましょう。しかし、そこには万分の一といえども危険な状態が発生するということを私たちは予測をしなければならぬ。予測をするとするならば、これはやはりダムの調節については十分な配慮が必要でありまして、当初の計画をたとえ下回ろうとも、その操作についての配慮については十分な措置を私は要求をいたしたい。この点については、建設大臣のほうからも、ダムの安全性という意味からいって当然だと思いますので、ひとつお答えをいただきたい。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 先ほど来申し上げましたような地質の地帯にあるダムでございますので、いわゆる観測の設備といいますか、計器類等も私どものほうでは通常のダム以上に充実をいたしまして、単にダム周辺だけではなくて、いまの漏水対策を行ないましたような地山とか、そういったところも含めて、これは相当観測計器も充実をいたしております。こういった大問題というのは、まず起こる可能性はございませんが、起こるにしましても、何らかのやはりある程度の期間の予知的な現象というのが当然あらわれるわけでございます。これは万一でございますので、そういったことをわれわれ期待してもおりませんし、ないと信じておりますけれども、そういった点では、今後の観測を継続することによりまして、十分そういった万一の処置も、対策もとれると私どもは確信いたしておる次第でございます。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 十分注意いたします。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 特に、私がなぜこのことをしきりに指摘をするかと言いますと、さっき申し上げましたように、まず、ダムサイト地点、さらに湛水地域の地質があまりよくない、それと同時に、すでにがけくずれ等も起こって、この堆砂量等についても、予想を上回って堆砂するのではないか、このように私は判断するわけです。それは、全国的にいま貯水池の土砂の堆積状況というのはある程度把握されているようだけれども、これを見ますと、極端に言いますと、実は堆砂量がふえて、百年間どころじゃない、十年間に十分の一になったというダムも点々と見受けられるわけでありまして、これはまさにダム行政といたしましてはきわめて重要な問題だと思うのですが、建設省としては一体どのように把握していらっしゃるか、特に、火山群地帯におきましては、そのことが、端的にこの表を見ますと、ずいぶんだくさん指摘をされるものがあるわけですが、建設省としてはこの点についてどのような調査と対策を考えているかお聞きをしたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) ただいまお話しのようなダムは、私どもが直轄で建設をいたしました多目的ダムの中にも、やはり長野県の美和とか小渋とかあるいは岐阜県のこれは木曽川水系でございますが、横山、こういったところではかなり推定を上回ったところが確かにございます。幸いまだ計画堆砂量まではいっておりませんけれども、かなり速度が早いということでございますので、そういったところについては、重点的にやはり砂防事業を促進をするとかということももちろん必要でございますし、さらに一部のダムにつきましては、砂利採取業者等を入れまして、できるだけ堆砂の堀さく等を行なって、あわせて建設資材等の供給にも充てておるというようなことで、いろいろ苦心をいたしておるわけでございます。私どもが計画いたしました時点と、山林の状況等の変化もいろいろあろうかと思いますが、計画の確かに甘かったという御指摘については、私もやはり率直に反省はしていく必要があろうかと思います。今後ともそういった総合的な対策とあわせて十分慎重に堆砂量については検討した上で計画するようにいたしたいと思います。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 ダムの安全性と、しかも災害に対する防止対策としての役割りというものが私は大きいというように考えるわけでありますけれども、先日、六月九日の朝日新聞によりましても、大沢くずれでダムが決壊をした、こういうことが、もちろん小さな記事でありますけれども出ております。しかし、これはやはり火山灰地帯における非常に重要な問題だと、このように思っておりますし、今後のやはりダム行政における非常に重要な課題ではないかと思うわけでありまして、現在最終的に百年後の堆積量に立ち至っていないけれども、十年にしてすでにダムの機能を失っているというようなダムも点々と見受けられるわけでありますから、もちろん、いまお話しのように、多目的ダムとして建設されたものの中にもそういうものがあるし、それ以外のものを入れますと、やはり全国的にもばく大なものではないか、このように思っているわけでありますが、この点について当然私は、ダムの総点検とこれに対するやはり計画的な対策というものが、現時点におきましては必要になってくるのではないか。この前、私は、農業白書の際にも、水資源というものが日本は国際的にも恵まれていながら、その利用率というものはきわめて少ない、六・六%しか利用されていない、こういうことを指摘して、建設省の考え方を伺おうと思ったんですけれども、大臣御出席が都合でできなかったので、残念だったわけでありますけれども、これからの水資源の確保という意味において、あるいは水の需要に対する水の供給という意味において、ダム建設というものがさらに推進されるのではないか、本日の新聞によりますと、田中通産大臣が、日本列島開発計画なんということで、これからまだ千カ所以上のダムをつくってどうのこうのということを書いて打ち出しておりますけれども、たいへんこれは大きな発想なのでありますけれども、現実にいまできているダムがこのような状態の中で打ち上げてみたところで、それは日本の国土を荒らす以外の何ものでもないのではないかという気がするわけです。そういう意味から当然このダムの総点検、そして、いまあるダムのやはり整備計画というものを、これは早急に、しかも大量の資本を投下をしてやらなきゃならぬ時点にきているのではないかと、こういう気がするのでありますけれども、この点について建設大臣として一体どのような御見解をお持ちか、やはり具体的に検討に入る時期にきたのではないかと思うですけれども、その点もお聞きいたしたいと思います。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) たへん降雨量のあるところですから、原水が不足だということは言えないんです。原水はあるわけです。原水はあるんだから、それをよくためておかなきゃならぬ。ますます建設省としてもダムの必要なことはわかります。まあ田中大臣の言うように千個つくるかどうかわかりませんけれども、千個つくるというのは、そう簡単じゃありません。建設省は広域利水については、まあその半分ぐらいということになっている。それをつくるにしてもたいへんです。しかし、あなたが言われる一番大事なことはやっぱり地域住民に不安感を与えないということですね。それですから、一ぺん総点検をせよ、これはたいへんいい忠告でございます。私どものほうの河川局はおそらくやっておると思います。これはもう商売ですからやっておると思います。さらに堆砂の問題ですが、これはいまもいいましたように、容量、能力をそぐんですから、これはたいへんますから、私はいま問題になっておる下筌、松原ダムの地質上のことはよく知りません。一回、県下でもありますけれども、ぜひ見たいと思っております。しかし、悪いところは絶対調査をして直させる、こういうことでございます。したがいまして、あなたの言われるいろいろ御注意がありました点は十分注意いたしたいと、かように思っておる次第でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 いま大臣から御答弁をいただいたわけですけれども、大臣もぜひ見ていただきたいと思いますし、本委員会におきましても、これはたいへん日本のダム問題における貴重な私は教訓を残した、これは室原さんの遺産といえば遺産ですけれども、この下筌、松原ダムのこの補償の問題が全国的にやはりダムに対する関心を高めたと、このように思っているわけでありまして、これはやはり私たちは災いを転じて福としなければならぬということで、きわめて重要だと思いますから、ぜひ大臣も見ていただくし、建設委員会におきましても十分に見ていただいて、やはり今後に対して万全の措置を講じていただきたい、このように思うわけでありますし、さらに全国的なダムの調査につきましては、建設省、私は確かに専門でありますからやっていらっしゃると思います。ただ、問題はそれがてまえみそになってはいけないということなんですね。建設省の発表したものは事実を曲げて出されたんじゃこれは話になりませんから、これはだれが見ても科学的、やはり国民の立場に立つ、それを無視してはいないと思いますけれども、てまえみそになってはいけない、そういうやはり調査というものが、当然必要であるし、そのことのために必要な手だては十分にしなければならぬと思いますから、その点については、特に本委員会に対して私は要請をいたしたいと考えているわけでございます。  それから、いま一つの問題は、たいへん時間がかかりましたけれども、もうちょっとお願いしたいと思いますが、この副島さんがこの講演の中で最後に言っていることなんでありますけれども、やはり住民から土地を取り上げる、ダムをつくるということはその地域にとりましては、たいへん大きな変革なんで大きな動揺というものが超こってくるんだということを言っているわけですね。そのためにはやはりまず人間関係をつく上げ、しかも、そのダムの持つ性格なり、それが地域にどのような影響を及ぼしていくかということが、十分に納得される中でやはりこれらの工事というものは進められなければならないし、土地収用法を伝家の宝刀として放つということは本来やはり避けるべきものであるということを、所長でありました副島さん自身が述懐いたしておるわけであります。その中でひとつ問題が提起されておりますのは、これは室原さんが当初建設省は最初に踏み込んできた、調査の段階でだまって踏み込んできた。山の木を切ったという感情的な問題として若干とらえているようでありますが、そうではなくてやはり室原さんが主張したことは筑後川上流計画のマスタープランが全くないのではないかということが非常に論点でありましたし、その後この地質の問題なり堆砂量の問題などがだんだんと明らかにされていく経緯というものをたどったわけであります。私はやはりこの多目的ダム、特に多目的ダムを建設する場合に地域との関係におけるやはり十分な計画というものを、地域開発を含む計画というものが私は明らかにされなければならぬ、その基礎の上に立って十分なるやはり議論と納得というものが必要であります。このように思うわけでありまして、これからの特にこのダム建設に対する基本的な姿勢としてそういう点に対する考え方を私は明らかにしていただきたい。このように思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) ただいまお話しの副島所長の話でございますが、彼もおそらく現場の第一線で地元の方と直接折衝して得た偽らざる実感がその文章にあらわれているのだろうと私は思います。やはりダム建設というのは非常に地域に影響を与えることの大きい事業でございますので、まあいろいろ紆余曲折はございましたけれども、やはり基本的には地域の方々の生活なり、こういったものを無視して、あるいは地域の方々の協力というものを拒否してはできない事業でございます。したがって、私どもも日ごろ大臣からもいろいろ御指示を受けておりますけれども、そういった水源地の方々の状況、それから今後の生活再建といいますか、もっとその地域がどうあるかというようなことについて十分関心を持って計画を進めていく必要があるのじゃないか。ただ、それにつきましても私どもなりでこうすれば地域はよくなるのじゃないかというようなかってな判断をしても、これもまたひとりよがりになりますので、そういった点につきましてはやはり県なり地元の町村なり、そういったものと十分話をして今後ともダム建設を進めていくというような基本的な姿勢は貫きたいと思っております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 まあ最後に、これは大臣にもぜひお伺いをしたいと思いますけれども、私どもは先般来農林水産委員会でも林野行政の問題についていろいろと検討してきたわけでありますが、非常に近ごろ山が荒らされている。こういうことからやはりダムの寿命を縮めていく一つの要素になっているだろうと思いますし、やはりそういう意味からダムは建設省がつくるのだというようなことから農林省はそっちのほうを見ている、あるいは農林省が農業用のダムをつくるときには建設省はそっちのほうを向いているということでなくて、やはり総合的にいま言ったような対策というものが、私は当然ダム建設における中央の姿勢として整っていなければならない、このように思うわけであります。もちろん、そのことはやられているとは思いますけれども、よりやはり充実する時期に来ている、このように判断をするわけでありまして、その点については特に大臣のほうから今後のやはりダム行政に対する問題として私はお聞きをいたしたい。  それと、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、やはりこのダム建設においては住民の納得というのがあくまでも原則である、土地収用法であくまでも土地を持っていくということでなくて納得の上で、十分納得ができた過程の中でそのダムの能力なりあるいはダムの効力なりというものを判断していくべきではないか、このように思うわけでありまして、すでに指摘されておりますように、すでに日本の国内においてはもう優良なダム地点というものは皆無にひとしいのではないか、こういうことも言われておる部面もあるようでありますから、そういたしますと、なお私が先ほど申し上げましたこの堆砂が進んでいるダム、これは私の持っている資料の中にはこれは多目的ダムのものはありません。他の省からとったものでありますから、ぜひこれは建設省のほうで把握をしている現在のダムの当初の計画と堆積量の推移、それから、現在における貯水容量の推定等もぜひひとつ資料として本委員会に出していただきまして私どもの検討の資料にさせていただきたい。このように思っておるわけであります。まあ私どものの党もこの下筌、松原ダムの問題を契機にいたしまして全国的な調査をひとつやろうではないか、こういう機運も出てきておるようなわけでありますので、ぜひそれらにつきましては建設省としても御検討いただきたい。  なお、本委員会といたしましても委員長にお願いをいたしたいわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、休会中の調査等におきましては重大な下筌、松原ダムにつきまして、御調査をいただくように私はお願いをいたしまして質問を終わりたい、このように思います。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 農林省の木を切る話ですが、だいぶんやかましくなりまして、だいぶん農林省も気をつけるようになりました。私はやはり、なかなか木は簡単にできたものじゃございませんから、もう戦後からそう言っておるんです。そこで、これから、いままで使っておりましたようにでき合いですが、木柱なんかは使わせないように、コンクリートの二次製品を使えということでやっておるんです。だいぶ注意するようになりました。それで、やっぱり水源地を涵養しないと私どものダムもつくれませんし、また砂防にしましても、私のほうと農林省とがしょちゅう突き合わせてやっておるわけですからね。いずれにいたしましても、だいぶあなた方ずいぶんやかましく言ってくれるものだから、私のほうも、農林省もだいぶん注意をしております。あなたは堆砂の問題で調べておるでしょうが、どこが一番堆砂になっておるか知りませんけれども、十年でもって十分の一になっておるものは泰阜のことを言ってるんじゃないかしらぬと思うんですが、それはちょっと大げさですね。いずれにしても、泰阜が一番堆積が大きいんです。いずれにいたしましても、たいへんいいお話を承りましたから、十分注意をいたしたいと、かように考えております。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 本件につきましてはこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十一分散会      —————・—————

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